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男「俺にはできません」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 13:53:28.25 ID:h5BcbhQ0
副会長「うん、何でも会長が君を迎え入れたいらしくてね」

男「……俺は単なる新入生ですよ?」

副会長「百も承知さ。だが会長は我が儘な人でね」

男「……そんな人に振り回されるなんて嫌ですよ」

副会長「そう言わずにさ、やってくれないかな」

男「お断りします。俺には色々やることがあるんで」

副会長「そうか……、まあ僕ら、と言うより会長は諦めないだろうからそのつもりでよろしくね」

男「な、ちょっと」

副会長「今日は失礼するよ」

男「……何なんだ」
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 14:02:29.76 ID:h5BcbhQ0
【生徒会室】

副会長「と、いうわけで、勧誘には失敗しました」

会長「アホか」

副会長「そう言われましてもねえ、何の理由も見せずに近づいたのですからそれは怪しまれて当然ですよ」

会長「言えば良かったでしょう。彼の力が必要だと」

副会長「では、何故必要なのかも伝える必要がありますよね」

会長「伝えれば良かったわね」

副会長「……言えますか、世を騒がす侵略者共と我らが日夜戦っているなどと」

会長「言わなきゃ始まらないでしょう。我らが生徒会、最強の機甲乗りが行方知れずの今、
   この生徒会を纏め上げることが出来るのは彼しかいないもの」

副会長「あなたじゃ私では力不足ですか?」

会長「ええ、そうよ。彼には天性のセンスがある。機甲人形を手足のように操るセンスがね」
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 14:06:50.13 ID:h5BcbhQ0
会長「彼のプロフィールを見たでしょう」

副会長「ええ」

会長「競技用機甲人形……中学時代、彼はそれで二度の全国制覇を成し遂げているわ」

副会長「中学一年と、二年次にですね」

会長「三年次は出場すらしていないけれど……、それでも実力は十二分よ」

副会長「……」

会長「何としてでも引き入れるの。この都市を守るため。
   我ら機甲生徒会は、そのためだけに存在しているわ」

副会長「……で、結局私だけなんですか? 彼の勧誘は」

会長「書記も会計も人形の整備で忙しいもの。仕方ないわね」

副会長「会長は?」

会長「……」

副会長「おい」

会長「行きなさい。早く。今すぐに。Go Ahead」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 14:13:25.57 ID:ucKHuADO
なんて面白そうなスレだろうか
途中で飽きない事を願ってます
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 14:16:19.68 ID:h5BcbhQ0


ここ、学園都市は、学生達だけが生活する都市である。
かつて東京23区と呼ばれた地域に居を構えるそれは、学生が、学生のみの自治を行っていた。
あらゆる仕事を学生が負担するその都市は、だがしかしとある危機に陥っていた。

外界――それもおそらくは外宇宙からの侵略者による攻撃である。

昆虫や爬虫類などを模した機動兵器が、世界各地を襲うようになっていた。
かつて日本の中心であった東京跡地に聳えるこの学園都市も、外敵のターゲットとなってしまったのだ。

学生のみで成り立つ学園都市に、軍隊など存在しない。
学園都市のトップである学園都市生徒会は、この機動兵器らに対抗すべく、
機甲人形と呼ばれるヒトガタの人造機動兵器を投入した。
元は競技用として、人の数十倍以上もある巨大ロボットの格闘を楽しむために作られたそれは、
外敵を排除すべく様々な武装を搭載し、また、学園都市の平和を守るために登場した。
戦闘用機甲人形――通称ストラグル・ギアである。


6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 14:21:48.31 ID:h5BcbhQ0
【学園都市・大通り】

男「……ったく、何だったんだあの人」

女「おーい、男君ー」

男「ん、どこかで聞いた声……」

女「こっちこっちー!」

男「あ、女」

女「やほー。どしたの? もう三時過ぎてるし就業時間だよ?」

男「ああ……、そうだっけ? 俺には関係ないから忘れてたな」

女「え? 就業しないの? 働かないの? セレブっすか!」

男「違う違う、どこの採用試験も全滅」

女「あ、それは失礼しました……。でも、働かなくちゃ生活できないよ?」

男「それはわかってる。まだ貯金がいくらかあるから、それで食いつないで……なにか見つけるよ、仕事」

女「そっか、頑張ってね。……あ、そうそう、私が働いてるレストラン、贔屓にしてね。幼馴染みのよしみでサービスするよ」

男「それは助かるな。ありがとう」

女「いえいえー。じゃ、上司に怒られちゃうから!」

男「頑張れよ」

女「はーい」

男「……」
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 14:24:22.52 ID:h5BcbhQ0
男「採用試験……全滅なんてのは嘘っぱちだよな」

男「……そもそも受けてすらいないんだから」

男「…………」

男「…………」

男「……帰ろう」


【男自宅】

男「ただいま」

男「ま、返事があるわけ無いよな」

男「……」

男「……飯、食べようか」
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 14:31:54.90 ID:h5BcbhQ0
【生徒会室】

会長「……」

書記「難しい顔してんね、会長」

会長「あら、書記さん、帰ってたの」

書記「会計も帰ってるよ。新人くんのための新型機は、準備万端」

会計「……スポーツ・ギアの試合内容から判断するに、高機動型が一番合っていると判断した」

書記「極力装甲は取り除いて、機動力と一撃の大きさを追求してみたよ」

会計「……それで、当の本人はどこ……?」

会長「副会長の馬鹿が勧誘に失敗したわ」

副会長「酷い言い様ですね」

会長「書記さんも会計さんもとりあえず座ってくれる? 話し合いを始めるわ」

会計「……了解」

書記「いやあ、疲れた疲れたあ……」
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 14:36:31.57 ID:h5BcbhQ0
会長「というわけで、明日からは全員がかりで彼の勧誘に努めるわ。異論は」

書記「ないでーす」

会計「……めんどい」

副会長「まあまあそう言わずに」

会計「……そもそも副会長のミスなのに」

副会長「いやまあそう言われても仕方はないんですが、ですがいきなり生徒会に入れと言うだけで入ってくる方も問題かと」

書記「なんか狙ってるように考えちゃうね、確かに。ほら、例えばあたしを筆頭に美人揃いだから入ってくるーとか」

会計「……寝言は寝て言えば」

書記「何か酷くない?」

会計「……別に」

会長「はい、漫才は良いから……、明日からは本気で勧誘するわよ。……議長くんのためにもね」

書記「…………」

副会長「……ええ」

会計(議長、先輩……)
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/17(土) 20:35:08.24 ID:h5BcbhQ0
【翌日】

副会長「やあ」

男「……またあなたですか? 何度も言いますけど、俺は普通に生活したいんです」

副会長「まあ、そうだろうね。生徒会は学園都市の頂点に立つ機関だ……萎縮するのも無理はないかも知れない」

副会長「けれど、やりがいがあるという点ではどの仕事にも勝るよ」

男「……そうかもしれませんね。でも、俺は何の取り柄もないただの学生です。何故俺なんかを勧誘するんです?」

副会長「……君(の力)が欲しいんだ」

男「……お断りします」

副会長「あ、ちょ、君!」


男(何なんだよあの人……。ホモか……?)

書記「はーいちょっとストップ」
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 20:49:06.60 ID:iQjGPvEP
期待
もうちょっとペース上げてくれ
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 00:42:34.09 ID:rkW7sD20
男「……あなたは?」

書記「生徒会所属の書記。よろしくね」

男「あんたもか……」

書記「随分ご挨拶だね。まあいいや、早速本題に入ろうか」

男「お断りします」

書記「あたしらと一緒に……ってまだ何も言ってないよ!?」

男「生徒会に入れってんでしょう? お断りします」

書記「ちょ、なんでさ! こんな可愛らしい娘がお願いしてるのにさあ」

男「自分で言いますか」

書記「ぅぐ……、会計みたいだねえ君」

男「……付き合いきれません。遅刻するんで、それじゃ」

書記「あ、ちょっと! ……ったく……、はいはい無線連絡、エリアCにターゲット移動開始」

会計『……把握した。……獲物を逃すなんて、全く馬鹿ね』

書記「そうは言うけどねえ、中々手強いよ」
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 00:51:17.69 ID:rkW7sD20
会計「……」

男(……? 道の真ん中に突っ立って……あ、まさか生徒会か!)

会計「……ストップ」

男「そう言われて止まる輩がおりますか」

会計「……学園都市規約第十七条、《理由無き生徒会への反抗の禁止》に抵触したと見なし、実力行使に出ます」

男「えーと……え?」

会計「……止まりなさい」

男(……実力行使というわりに何も無いみたいだし、うん、逃げよう)

会計「……あ、こら」



会計「……無線連絡。逃げられました。……私のハッタリが効かないなんて……」

書記『なんも動き見せずに効くわけあるかぁ!』

会計「……黙りなさい」

会長『揃いも揃ってウチの生徒会は……。いいわ、私が行きます』

会計「……頼みました。それでは」
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 11:36:47.95 ID:rkW7sD20
会長「とまりなさい」

男(……またか)

会長「このエンブレムが目に入らないかしら」

男「……生徒会ですね」

会長「生徒会の長、要は学園都市のトップ……会長よ、よろしくね」

男「……」

会長「生徒会に入りなさい。我々はあなたを必要としているの」

男「断ると言ったら」

会長「会長権限を行使するわ」

男「理由無き拘束の禁止……なんて条項ありませんでしたかね」

会長「関係ないわ。そもそも都市が無くなってしまえばそんなものも意味はなくなるもの」

男「都市が無くなる……。インベーダーですか」

会長「ええ」
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 13:33:49.10 ID:rkW7sD20
会長「知っての通り、この学園都市は侵略者の標的となっているわ」

会長「奴らの侵略兵器に対抗しているのは、我らが学園都市の保有するストラグル・ギア」

男「それが……どうかしたんですか」

会長「誰がギアを動かしていると思う?」

男「誰、って……それ専門の人たちじゃないんですか」

会長「学園都市に、そんなプロフェッショナル達がいると思う? 学生しか在籍を許されないこの街に」

男「なら……」

会長「私たちなのよ」

男「!」

会長「ストラグル・ギアを駆り、インベーダー共と戦っているのはね」

男「あんたたちが……あれを……」

会長「そう、我ら機甲生徒会は都市の守護者。……あなたにも、戦って欲しいのよ」

男「あんたらが……ギアを……」

会長「……どうしたの?」

男「悪いけど、より一層あんたたちの仲間になる理由が無くなりましたよ」

会長「なんですって?」

男「俺はね、機甲乗りが嫌いなんです。……それじゃ、二度と俺には関わらないで下さい」

会長「あ、ちょっと待ちなさい! こら!」
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 13:42:35.93 ID:rkW7sD20
会長「……」ズーン

副会長「あれ、会長どうしたんです」

会計「……大見得きった割りに自分も失敗しなおかつ完璧な拒絶まで貰ったから落ち込んでる」

書記「まァしゃーないねえ……。あの強情さは中々だよ。なんたってあたしの美貌の前に堕ちないんだからさあ」

副会長「それはいいとして……」

書記「スルーされた!」

副会長「会長、どうするんですか? 今の状況でインベーダー共が来たら、我々四人では荷が重いですよ」

会計「……最近奴らの兵器も力を増しているから。ワームみたいな雑魚ならなんとかなるけど」

書記「あたしらの技術では今の兵装で手一杯だしねえ」

副会長「やはり彼が、我々の要になりそうですね……」
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/07/18(日) 13:49:09.24 ID:rkW7sD20
【学校】

男「……生徒会が、ギアを駆っていたなんて……くそっ」

女「あ、男君。おはよっー」

男「女……、ああ、おはよう」

女「どうしたの? テンション低くて顔も暗いけど」

男「そうかな……、ああ、まあ、そうだろうな」

女「何かあったの?」

男「いや。……ただちょっと、登校途中に色々あっただけだ」

女「そうなんだ。……そういえばさ、私たちが高校入学して一週間経つけど、部活に入るの?」

男「……いや、入らないよ、多分」

女「そうなの? 男君なら就労しなくても部活でお金稼げると思ったんだけど」

男「もう俺は、ギアには乗らないよ」

女「……やっぱり、あのことが……?」

男「……」

女「あ、ご、ごめんね……、嫌な事言っちゃったね。ほんと、ごめん……」

男「いや、良いんだ。……俺の心が弱いだけだから」

女「男君……」
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 19:31:20.17 ID:RfUFF6I0
すごい展開が気になる
それだけに遅々とした進行が残念過ぎる
19 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 00:29:31.70 ID:RUid1Sw0
>>1です
期待してくれている人がいてちょっとびっくりなわけですが、やっぱり進行遅いですか。
すみません
時間の空いた時にちょこちょこ更新する感じなんで、次からはある程度纏めた上で更新しようと思います。
といっても一回5〜10レスくらいになるとでしょうが……。
それでもいいや、という方はどうぞお付き合いください。宜しくお願いします。
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 02:06:57.55 ID:UFiPjfg0
らしゃ。待ちます。
21 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:24:08.29 ID:RUid1Sw0
【昼休み/屋上】

男「……」

副会長「やあ」

男「また、生徒会ですか」

副会長「いや、僕個人の意志で君に会いに来たんだ。今、勧誘するつもりは毛頭無い」

男「……またどうして」

副会長「君の人となりを知らなければならないだろうと思い当たってね」

男「別に……、俺は何の変哲もない高校生ですよ」

副会長「本当にそうだろうか」

男「……」
22 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:24:56.82 ID:RUid1Sw0
副会長「君のことは色々と噂に聞いているんだ。それ故に僕らは君を勧誘した」

男「……」

副会長「僕はスポーツ・ギア部の主将も務めていてね。是非とも君に、ギア乗りのコツを伝授して貰いたいんだ」

男「あんなもの……他人より上手く扱えたところで……意味ないですよ」

副会長「僕はそうは思わないけれど。何か得意なものがあるって事は、悪い事じゃないだろう」

男「昔は確かに得意かも知れませんでした。……ご存じの通り、俺も昔はスポーツ・ギアの選手でしたからね」

副会長「中学時代に輝かしい成績を残したと聞いているよ」
23 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:28:09.51 ID:RUid1Sw0
男「だけどね、もう俺はギアを乗ることに、楽しみも、目的も見いだせないんです」

副会長「……」

男「ただの娯楽であるはずのスポーツ・ギアですらそう思ってしまうんだ」

男「命のやりとりをしなきゃならないストラグル・ギアに、俺なんかが乗れるわけないんですよ」

副会長「……」

男「……すみません、勧誘するつもりはないと言ってくれたのに、勝手に」

副会長「いや、構わない。ただ一つ聞きたいのだけれど」


副会長「君はもう、ギアに乗る目的を見つけることは出来ないのかな」
24 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:32:16.72 ID:RUid1Sw0
男「……もう、出来ないでしょうね」

副会長「そうか……。同じギア乗りとして、残念だ」

男「……ありがとうございます」

副会長「もし気が向いたら、ギア部に顔を見せてやってくれ。勿論生徒会にもね」

男「……」

副会長「それじゃ」

男「……はい」



男「……味気ないな、今日のパン……」

女「あ、やっと見つけた!」
25 : ◆PBWWnLanIE [saga]:2010/07/19(月) 10:37:53.86 ID:RUid1Sw0
男「女……。どうした?」

女「特に何も無いけど、いっしょにご飯食べよっかなって」

男「……もう食べたけど」

女「がくっ……」

男「まだ食べてないのか?」

女「うん、いっしょに食べようと思ってたから」

男「そっか」

女「あ、男君にも少しわけてあげようか。働いてるレストランで盗んだシェフの味!」

男「もう厨房を任されてるのか?」

女「ううん、私はホールスタッフだよ。でも料理好きだからね」

男「そっか……、じゃあ少し貰おうかな」

女「はいはいどーぞ召し上がれー」
26 : ◆PBWWnLanIE [saga]:2010/07/19(月) 10:42:16.17 ID:RUid1Sw0
男「あ、美味しい……」

女「ほんと!? やった! もっと食べて良いからね!」

男「あ、ありがとう……」

女「……」

男「……うん、美味い」

女「……ねえ男君、さっきまで、ここで誰かと話してた?」

男「ん? ああ、話してた」

女「そっ、か……。あのね、男君。私馬鹿だから上手く伝えられないけど」

男「ん?」

女「無理して、自分から辛い道に入り込む必要なんて無いんだよ」

男「女……」

女「ずっと張り詰めてたら、いつか壊れちゃうよ。今の男君は、そんな感じで怖いんだ……」

男「そう、なのか」

女「うん。だからちょっと、心配だったの」

男「……辛い道に入り込むことはない、か。そうだな……、ありがとう、女」

女「あ、その、うん、どういたしまして……えへへ」
27 : ◆PBWWnLanIE [saga]:2010/07/19(月) 10:48:18.12 ID:RUid1Sw0


男「そろそろ昼休みも終わりだ。戻ろうか」

女「うん」

男「そういえば……、こうやってのんびり話したのも久しぶりな気がするな」

女「そうだね……、中学二年生以来かも」

男「そうか……、丸一年話してなかったか」

女「……ねえ男君、今度からは、もっといっぱいお話ししようよ」

男「?」

女「その……私たち幼馴染みだし……、だけど私、男君について知らないことも多いし! もっと知りたいんだ。男君のこと」

男「俺のこと? 別に何も無いだろうけど、女がそうしたいんなら構わないよ」

女(……鈍感なんだからさ)

男「どした?」

女「ううん、なんでもない」
28 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:53:13.30 ID:RUid1Sw0
ビーッ、ビーッ、ビーッ

男「サイレン……!」

女「い、インベーダーだよね……?」

『第一種警戒体制が発令されました。インベーダーの機動兵器と思わしき熱源を、東京湾沖に確認。
 住民のみなさんは、最寄りのシェルターに避難してください。
 繰り返します、第一種警戒体制が発令、インベーダーの……』

男「とりあえずシェルターに逃げるぞ」

女「う、うん!」

男(生徒会が、ギアを駆って奴らを斃す……それだけだ)

女「男君? ぼうっとしてどうしたの」

男「いや、少しな。さ、急ごう!」
29 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:55:26.05 ID:RUid1Sw0
【生徒会室】

会長「――観測班に熱源の特定を急がせなさい! 
   つっても、移動してる熱源の時点でインベーダーでしょうけどね」

副会長「でしょうね」

書記「やーれやれ……、結局新型機のお披露目は先延ばしだねえ」

会計「……やる気がない奴を引き込んでも無駄なだけ」

書記「ま、正論だ」

会長「アレがインベーダーならもうまもなく第三種警戒体制に移行するわ。
   そのまま同時に第一種戦闘体制に移行、ベイエリアで迎え撃ちます」

副会長「了解」

会長「彼がいないのは少し厳しいけれど、四機で包囲すればやってやれないことはありません。以上、諸君の健闘を祈ります」
30 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:57:38.91 ID:RUid1Sw0
【シェルター入り口】

男「やっとついた」

女「整理券はもらったよ、早く入ろう?」

男「ああ」

女「また、ギアが戦うんだよね」

男「……そうだな……」

女「誰が動かしてるんだろうね……。あんな危険な戦いなのに、凄いよね」

男「……都市を守るため、か」

女「男君?」

男「ごめん、また考え事してた」

男(……俺は、やはりそこまでの覚悟を持てない)
31 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 10:58:32.46 ID:RUid1Sw0
【格納庫】

書記「さああたしら生徒会のお出ましだ! 起動シークエンス実行!」

会計「……ハッチ閉鎖。ハンズオンスティック」

副会長「コクピットシェルを閉鎖。フロント、サイド、オンスクリーン」

会長「スターティング・キー、エンゲージ。自己診断プログラム、走査」

書記「ボディ・トリミング終了。全チェック完了、オールグリーン。
   じゃああたしから行かせてもらいますよ! SG-5 サツキ、レディ!」

会計「……続きます。機甲人形四号機・ウヅキ、発進」

副会長「では私も。SG-3 ヤヨイ……行きます」

会長「私たちが都市を守ります! SG-2 キサラギ!」
32 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 11:01:13.79 ID:RUid1Sw0
【シェルター】

『ベイサイドエリアに、インベーダーの機動兵器が出現。
 第三種警戒体制へ移行と同時に、第一種戦闘体制が発令されました。
 これよりストラグル・ギアによる対インベーダーミッションを開始します。
 危険ですので住民のみなさんは絶対にシェルターから出ないでください。繰り返します……』

女「……やっぱりインベーダーなんだ……」

男「最近あまり姿を見せないと思ってたらこれか」

女「……ねえ男君、ちょっとだけ、手を繋いでてくれる?」

男「……?」

女「怖いんだ……。いつもと同じ事なのに、今日はなんだか、すごく……。
  男君が、どこかに行っちゃうような……そんな、嫌な感覚が……」

男「女……わかった。だけど、俺はどこにも行かない」ギュッ

女「うん、ありがとう……」

男(生徒会の戦いぶり……よく見せてもらいます)
33 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 11:02:09.76 ID:RUid1Sw0
とりあえずここでストップです
戦闘描写は上手くやれるかわかりませんがまあ精一杯やりますのでよろしくです
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 11:23:05.61 ID:UBo69gDO
追いついた
こういうの好きだぜ

期待
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 11:58:56.03 ID:pTfDfwSO
王道だ……まさに王道だ……

だがそれがいい
たまらなくいい

このまま直球でお願いします



女かわいいよ女
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 14:31:21.41 ID:k2aRYuMo
期待
37 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 15:39:13.04 ID:RUid1Sw0
【ベイエリア】

書記「敵は?」

会計「……旧東京湾沖、このままのスピードだと後二分ほどで上陸」

会長「私は後方から火器による支援に入るわ」

副会長「了解」

書記「サツキ了解」

会計「……では私は索敵を。逐次無線による伝達を行います」

書記「じゃ、近距離型二人で頑張りますか、副会長」

副会長「そうですね」
38 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 15:39:44.05 ID:RUid1Sw0
会計『……対象、目視できました。画像データより、新型機と断定。注意して当たってください』

副会長「了解しました」

書記「へえ、あっちは新型かあ……。腕が鳴るじゃない!」

会長「無茶はダメよ」

書記「百も承知ですって! ところで今回は何を模してんの?」

会計『……蜘蛛』

書記「うえぇ」

副会長「相変わらず悪い趣味ですね、インベーダーも」
39 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 15:43:24.57 ID:RUid1Sw0
【シェルター】

男「……」カチッ、カチッ

女「男君、なにしてるの?」

男「周波を合わせて……、よし」

ザァッ……

女「あ、これ……ベイエリア」

男「一応報道局は撮影してるみたいだからね。戦いぶりを見ておきたいと思って」

女(男君、ギアのことだから気になるのかな?)

男(やっぱり俺は……ギアを捨て去りきれないのか……?)
40 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 15:44:58.07 ID:RUid1Sw0
高いビルの屋上に、全長数十メートルの機甲人形が寝そべっていた。
その腕に握られるのは巨大で無骨なライフル。カメラアイが、ライフルに備え付けられた照準器を覗いている。

会長「……」

眼前に降ろされた狙撃用ディスプレイは様々な数値らで彩られている。
ターゲットサイトから覗いた先に、八本の足を蠢かせつつ飛行する巨大な機械蜘蛛が見えた。
蜘蛛の胴体に照準を合わせると、赤いロックオンマーカーが点灯する。
射撃準備は出来た。移動予測補正もかかっている。

会長(行ける……!)

かちり、と右手に握ったコントロールバーのトリガーを深く押し込む。
ギアが両手で構えた、巨大なビーム・スナイパーライフルが一条の火線を吐き出した。
発射されたビームは、迷うことなく、蜘蛛の胴体を貫かんと伸びて行く。

蜘蛛『……』

熱源に反応したか、蜘蛛がその巨大な図体では考えられないようなスピードで腕を振るった。
だが、それよりも早く、彼奴の胴体を焼き切らんと火線は伸びて行き――、

蜘蛛『……』バシュン

――組み合わされた蜘蛛の足の前に、ビームは拡散した。
行き場を失ったエネルギーの塊が、海水を蒸発させ、近くのビル群を穿つ。

会長「な……」

初めての経験だった。ビームを弾かれる。
数秒固まり、ようやく動き始めた頭で苦々しげに言葉を吐きだした。

会長「――耐ビームバリア……ッ!」
41 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 15:46:12.37 ID:RUid1Sw0
書記「ちょ、ビーム弾いたんだけど!? なにこれ!」

会計「……耐ビームバリアを発生させるためのジェネレーターがあの足に着いているものと思われます」

副会長「厄介ですね。我々の兵装は基本ビーム兵器ですよ」

書記「会長、実弾狙撃兵装は!?」

会長「……慢心してたわね。実弾兵器は置いて来ているわ」

書記「ビームソードは効果無しって事は……」

会計「……蜘蛛に有効な兵装で、私たちが携帯しているものは超振動ナイフくらいです」


超振動ナイフは、名の如くストラグル・ギア用に設計されたナイフを振動させることで対象を斬り裂くための武器である。
固い外殻を持つ敵には有効であるが、取り付けられている振動発生器のバッテリー耐久やそのリーチから、軽々しく扱える兵装ではなかった。


書記「あー、もう……。新型機がありゃ拳で殴る格闘戦に持ち込めただろうに!」
42 : ◆PBWWnLanIE [sage saga]:2010/07/19(月) 15:47:37.36 ID:RUid1Sw0
【シェルター】

女「ビームを、弾いた……? そんなのってありなの……?」

男「……」

女「男君……ストラグル・ギア……勝てるよね」

男「……」

男(基本的に、ビーム兵器は高威力だ。それ故に生徒会の面子はほぼビーム兵装携帯だろう)

男(だから、ビームバリア持ちのあの蜘蛛相手だとかなりの苦戦を強いられるはず……)

男(……有効な手段を見つけなけりゃ、ジリ貧だぞ)

女(男君……真剣な顔してる……。やっぱり、ギアに魅入られてるんだね……)
43 : ◆PBWWnLanIE [saga]:2010/07/19(月) 15:51:45.37 ID:RUid1Sw0
またもストップです
今回は戦闘ってこんな感じで良いんだろうか、というテスト的なものも兼ねてます
個人的には文才の無さをさらけ出してる感じがして非常に残念な出来なのですが、
まあSSだし雰囲気だけでも感じて貰えれば幸いです。

>>34
個人的に一度やってみたかった題材でして。僕も好きです

>>35
王道って良いですよね。今はヒロインが女だけですが、生徒会の面子も出来れば絡ませてやりたいです。

>>36
期待に応えられるようのんびりやりたいと思います。


とりあえず今日はこれがラスト更新かも知れません。では
44 : ◆PBWWnLanIE [saga]:2010/07/19(月) 15:58:40.25 ID:RUid1Sw0
・簡単なまとめ

キサラギ
機甲人形二号機。会長が搭乗
狙撃用の機体。ビーム・スナイパーライフルを主に扱う

ヤヨイ
機甲人形三号機。副会長が搭乗
近接戦闘(ビームソード使用)メインの機体。

ウヅキ
機甲人形四号機。会計が搭乗。
索敵・後方支援担当の機体。戦闘能力はほぼ皆無に近いが、ジャミング能力を有する。

サツキ
機甲人形五号機。書記が搭乗。
近接戦闘(ビームウィップ使用)メインの機体。


ビーム兵器が多用されているのはストラグル・ギアのジェネレーターでも簡単に高威力を得られ、
扱いがある程度容易なためです。
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 18:37:43.88 ID:pTfDfwSO
キテターーーーーー(・∀・)ーーーーーー!!

GJだ
遅かろうが何だろうが俺は待つぞ>>1
まあ辞めるのだけは止めてくれ
継続は力なり、だ
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 21:07:08.64 ID:mEQ8daoo
まだかな
47 : ◆PBWWnLanIE [saga]:2010/07/19(月) 22:27:46.78 ID:RUid1Sw0
会長「とりあえず、書記さんと副会長は時間差をつけつつナイフで斬りかかって」

会長「効果は薄いでしょうが、私も、ライフルで相手の気を引くことくらいなら出来ます」

副会長「わかりました。足の一本や二本、切り取ってきますよ」

書記「だね」

会計「……まだ敵の手の内があまり見えていません。デコイバルーンを放ちますから、その後にお願いします」

書記「了解」

副会長「ええ」

会長「では……、各自行動開始!」
48 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:28:24.76 ID:RUid1Sw0
ギアの腰に提げられた幅広の巨大なナイフを抜き取る。
握ったそれに備え付けられているスイッチを押すと、空気が震えた。
超振動ナイフは、この超高速の振動で敵を切り刻む。

書記「……ま、やるしかないよねえ」

副会長「準備は如何です?」

書記「おっけー。会計のデコイに続いて出るよ」

副会長「ではその後に私が、あなたの反対側から斬りかかります」

書記「りょーかい。健闘を祈るよ」

副会長「あなたもね」

サイドディスプレイに浮かんでいた副会長の顔が消える。
顔から笑みを消し、書記は今一度コントロールスティックを握りしめた。

書記「都市のためにも、やってやるさ」
49 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:32:56.29 ID:RUid1Sw0
会長(実弾兵装の要請は、執行部に出した……。だからそう遠くない内に届くはず)

会長(それまでに奴の攻撃をある程度食い止め、動きを止めることが出来れば、損害は少なくて済む)

会長(皆が育てたこの都市を……壊されてたまるものですか!)

会計「……みなさん」

ディスプレイに、会計の顔を映したウィンドウが現われた。

会計「……デコイバルーンを放ちます。その後に書記と副会長が攻撃、会長は敵の注意を逸らしてください」

会長「ええ。……みんな、都市を守るのよ」
50 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:35:05.91 ID:RUid1Sw0
会計「……」

操縦席脇に備え付けられたコンソールの上を、指が軽快に踊り歩く。
様々な手順を終えた会計は顔色一つ変えず、一つだけ発光するキーを力強く押した。

同時に、伸ばされた両腕からデコイバルーンが発射される。
ある程度のスピードを持って飛び出したバルーンは、一直線に宙へ浮かぶ異様な鉄蜘蛛へと向かっていく。

蜘蛛『……』

デコイに気付いたか、蜘蛛がその腕を振るう。その際にも、敵の兵装の解析は怠らない。
デコイが敵の攻撃で弾け飛んだのと同時に、書記のサツキと副会長のヤヨイが物陰から飛び出した。

両側からの奇襲。しかし蜘蛛は慌てず、片側四本ずつのその足を巧みに操った。

書記「ちっ……!」

素早く振るわれる四本の足。連続攻撃に晒された書記の苛立つ声が耳へ飛び込む。
書記も、副会長も、蜘蛛の足のせいで懐に飛び込めない。
リーチの短さと敵の素早い攻撃の前に、足を切り取ることも叶わなかった。

副会長「ジリ貧ですね……まったく!」

柄にもなく、副会長が吐き捨てるように言った。
51 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:36:20.30 ID:RUid1Sw0
会長「……撃つわよ!」

後方に控える会長機――キサラギが、省エネルギーモードによる連射で敵の攻撃を少しでも鈍らせようと奮戦する。
しかし、低威力のビーム弾は蜘蛛の足部ジェネレーター一つで発生させられるビームバリアの前に消えていった。
振るわれる足が八つから六つに減るが、それでも三本の足が連続で機体を襲うことに変わりはない。
ヤヨイ、サツキ両機共に、押されている状況が続いていた。

会計(……こんな時、私の機体にも兵装が為されていれば……)

会計「……ん、……会長、二つ隣のエリアに、執行部のカゲツを確認! 兵器を輸送しているものと思われます!」

会長「来たわね! 書記さん、副会長、もう少し持ちこたえて!」

書記「やーっとですか! ったくもう……!」

副会長「やれやれ、いい加減ダンスも疲れましたよ」

会長「軽口を叩けるくらいなら大丈夫そうね。絶対に、怪我なんてしないでよ!」

書記「りょうか――っとぉ!? あ、あぶな!」

直後、蜘蛛の足が火を吹いた。
備え付けられたジェネレーターから出力されたものだろう。
紙一重で書記はそれを避けるが、火線はそのまま都市部へと向かっていく。
52 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:37:45.84 ID:RUid1Sw0
会長「くっ……、ビーム砲を八本持ってるって事よね、これは……」

会計「……会長!」

珍しく感情を露わにした会計の声に、会長は只ならぬものを感じつつも応じる。

会長「どうしたのよ会計さん」

会計「か、カゲツが……被弾、大破しました……!」

会長「なんですって……?」

蜘蛛に対抗しうる武器を運んでくるはずのギアが被弾した。
つまり、武器は届かない……。いや、それよりも、

会長「無事なの!? パイロットは!」

会計「は、はい、一応……、生体反応はあります! 今最寄りのシェルターへ運ばれていきました!」

会長「そう……」

ほっ、と胸を撫で下ろす。仲間を喪ってしまうのは、もうこりごりだったから。
安堵感と共に、胸の内に込み上げるのは怒りだった。
仲間を傷つけたこと、あの機械蜘蛛に後悔させてやらないことには始まらない。

会長「絶対に……、斃してやるわ……!」
53 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:38:18.72 ID:RUid1Sw0
【シェルター】

男「……」

女「押されてる……大丈夫かな……」

男「伊達にギア乗りじゃないさ。娯楽用じゃない、本当の戦闘用ギアなんだ」

男「乗ってる人たちだって、プロだからな。大丈夫」

女「……うん、そうだよね」


救急班「こ、このシェルターに、ギアを扱える人はいませんか!」


女「……なんだろ、何か言ってる……」

男「ギア……?」
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 22:38:43.67 ID:pTfDfwSO
キタ━━━(・∀・)━━━!!
55 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:39:19.39 ID:RUid1Sw0
救急班「実は、現在戦闘中の敵機動兵器に有効な兵装を輸送中の機体が被弾、パイロットが負傷して兵装を届けられないんです!」

救急班「このままじゃ、有効な手段がないままで……都市が……」

輸送「…………お、俺に……言わせてくれ…………」

救急班「だ、ダメですよ! 傷が深いんだ、只でさえ危ない状態なんだから」

輸送「いい、俺が言うのが……筋って、もんだ……」

輸送「……見ての通り……、俺は……重大な、任務……に、失敗した……」

輸送「情け、ない……とは思う……。一般、の、君らに……任せる……しかない、不甲斐、なさ、を……笑って、くれても……いい」

輸送「ただ……、もし、ギア、を、扱える人がいるなら……あの、武器を、運んでやってくれ…………」

輸送「みんな、の、都市の…………ためにも……ぅぐ……」

救急班「い、意識を飛ばしたぞ! 治療急げ! さあ退いて、場所を空けて!」
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 22:39:19.35 ID:mEQ8daoo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
57 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:39:48.57 ID:RUid1Sw0
ザワザワ……
ドースル、ムリダッテ、シヌヨウナモンジャン……

男「……」

男(誰も、手を挙げるわけ無い、か)

男(ギアを扱うことが出来る住民は少なくない。このシェルターに避難してる奴らでも三十人は下らないだろう)

男(けど……命を賭してまで、そんな事をする奴はいないだろうな)

男(失敗してしまったらどうなるか。……それを身を持って教えてくれた奴がいたんだから)

男(俺は……こんな時にどうすればいいんだ……?)

女(……男君)

男(こんな時、アイツならなんて言うんだろうな……)
58 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:40:36.89 ID:RUid1Sw0


『将来の夢ってあるか?』

『将来の夢かぁ……。私は都市を守りたいなぁ』

『都市を守る? なんで?』

『だって、私の大好きな人も、いろんな人が、たくさん住んでるから』

『でも、危ないだろ?』

『危ない目にあっても。死んじゃっても』


『……都市に住んでる人の笑顔を守れるんだったら、それで――』

59 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:42:34.67 ID:RUid1Sw0
男「……」

女「男君……」

男「誰だって、死ぬのは怖い。怪我だってしたくない」

男「俺だってそうだ。ギアに、乗れないことはないさ」

男「けど……、手を挙げられない」

男「……そして、手を挙げられない自分が、腹立たしいんだ」

男「臆病者だから……、逃げることしか出来ないんじゃないかって」

男「でも今は……きっと、逃げる時じゃない……。だから……」

女「……臆病だからって……悪い事なんて、無いよ。何かを怖いって思うのは、誰だって持ってる感情だから」

男「女……」

女「でもね、自分で、そうやって思うんだったら……、そうなのかも、しれないよね」

女「私は……、男君を喪ってしまいそうで……だから怖くて、引き留めたいって、思ってる」

女「けど……、男君がやるって言うなら……、私、笑顔で送り出すよ」

女「だって……男君だったら必ず帰ってきてくれるでしょ?」ニコッ
60 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:43:13.56 ID:RUid1Sw0
男「俺……やるよ」

女「……男君」

男「ギアは嫌いだ。
  けど、都市が壊れるのは……、都市に住む人が悲しい顔をするのは、もっと嫌だから」

男「女」

女「は、はいっ」

男「アイツなら、きっとこう言うと思うんだ。『私の分まで、都市を守って』ってな」

女「……うん、きっと」
61 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:44:18.17 ID:RUid1Sw0
男「……行ってくる」

女「あ、待って……」

男「ん?」

女「絶対成功するように……おまじない、かけたいの」

男「……おまじない?」

女「うん……目、瞑って……?」

男「こうか?」

女「必ず、帰ってくるんだよ。約束なんだから……ん」

男「……っ!? お、お前……っ!」

女「えへへ、ほっぺたにキスしちゃった」

男「……ありがとよ。じゃ、行ってくる!」
62 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/19(月) 22:44:45.09 ID:RUid1Sw0
きょ、今日の更新分はホントにこれで終了……
次回で第一話終了ってとこでしょうかね。
期待してくれてるみなさんどーもです。頑張ります
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 22:45:34.32 ID:mEQ8daoo

面白いぜ
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 22:48:06.08 ID:pTfDfwSO
>>1よ……





よくぞ書き上げた。おめでとう。
褒美として>>1くんにはオプーナを
買う権利を与えよう。

   / ̄\
   |  |
   \_/
   _⊥_
  /\ /\
 / ⌒ ⌒ \ + チン
.|  (_人_)  |_+
 \  `⌒′ /\/
  >▼●▼<  |
  /  |。||/ ヽ(フE)
 |  |。|| ry_/
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 22:53:38.83 ID:oJUNgmsP

次は明日かな?
66 : ◆PBWWnLanIE [sage]:2010/07/19(月) 22:59:01.38 ID:RUid1Sw0
ちょっと忙しくなるので更新頻度は落ちると思います
すみません
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 23:21:40.61 ID:pfWOTUAO
SSスレの書き手ってなんで書き始めると忙しくなるんだ?
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 23:24:28.28 ID:rQeqiT.0
>>67
さっしろ

大半の人が期待してるよ
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 02:25:28.37 ID:gwHlAUDO
ペースに文句は、言わない

毎日wktkしながら待ってる
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 07:43:56.70 ID:vP5j93o0
期待支援

王道でいい

批判するわけじゃないけど、色んなとこから微妙に設定というかイメージ持ってきてるよね?
俺のイメージとあってれば>>1とは気が合いそうだ
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/20(火) 12:25:13.76 ID:JYmbVrw0
追いついてしまった…
安心して読めるし面白いよー!た、タマランチ会長
72 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:11:11.62 ID:GZoIWdY0
>>67
更新できない言い訳のためさ!

>>68
ありがとうございます。期待に添えるよう頑張ります。

>>69
少しでもwktkを届けられれば幸いです。

>>70
結構色々持ってきてますねえ、確かに
ただSSでロボット物(に近い物)をやりたかったんで、こうなりました。

>>71
ありがとうございます。このまま続けば良いんですけどね。


それじゃ投下開始します。
73 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/20(火) 18:12:18.32 ID:GZoIWdY0


救急班「え……、行ってくれるのかい?」

男「はい。俺にもそれくらいなら出来ますから」

救急班「と、とんでもない! ありがたい話だよ!」

男「近くに、武器を運べるギアはあるんでしょうか」

輸送「…………君が」

救急班「あ、意識が戻ったんですね!? でも無理はしないで下さいよ!」

輸送「行って、くれるのか」

男「はい」

輸送「……このシェルターに、予備の、ギア……が、ある。キーは……これだ」

輸送「すまん……、こんな……危険な、ことを」

男「いえ、やると決めたことですから」

74 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/20(火) 18:13:48.30 ID:GZoIWdY0
【シェルター/ギア格納庫】

男「……オウゲツか。やれやれ、またお前に乗ることになるとはね」

男「俺の命が懸かってる。生きて帰るためにも、頼むぞ、オウゲツ」

男「……」

『パイロットの搭乗を確認。キーを挿入してください』

男「ストラグル・ギア……オウゲツ、エンゲージ!」

カチッ

『起動キーの挿入を確認。オウゲツ、起動します』

男「二年間の付き合いだ、やってやろうじゃないか――!」
75 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:15:07.97 ID:GZoIWdY0
会長「喰らええええええっ!」

かちり、かちり、かちり。
叫びながら、トリガーを引いて、引いて、引きまくる。
しかし、ライフルから発射されるビームは殆ど弾かれ、ただ悪戯にエネルギーが消費されていくだけだ。

副会長「会長! ビームバリアがある以上、いくら撃とうと無駄です!」

書記「会長、落ち着いてよ!」

二人の声が聞こえてくるが、それでも会長はトリガーを引き続けることを止めなかった。
何でも良い、必ずあの機械蜘蛛をぶち抜き、地へ引きずり下ろしてやるのだ。
そのためには、撃って、撃って、撃ちまくる他はない!

会計「……会長! ビーム来ます! 避けて!」

会長「何が……つぅっ!?」

がたん、と操縦席を衝撃が襲う。
ようやく我に返った会長は、メインディスプレイに表示された自機の損害状況を見て、遅ればせながら落ち着きを取り戻した。

会長「足と……、腕を持ってかれてる……」
76 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:16:19.85 ID:GZoIWdY0
会長「……く、私は、なんて浅はかな……!」

会計「……悔やむのは後です。会長は待避してください」

会長「いいえ、実弾兵装さえ届けばまだ……、それに、都市の長として私は」

会計「……都市の長として、あなたを喪うわけには行きません」

書記「それに、その損害状況じゃ仮に兵装が届いたとしても無理ですって」

会長「なら、私は……!」


『そこで指咥えて見ててください!』


会長「!」
77 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:17:12.45 ID:GZoIWdY0
男「久しぶりの感覚だな……!」

ギアは、嫌いになってしまった。そう、信じ込んでいたけれど。
ギアを動かす度に体に伝わる振動、自分よりも遥かに大きい機械の巨人を動かすことの快感。
体は、忘れていなかった。

男「でもやっぱり、これが最後だ。……だったら、せいぜい派手にやってやる!」

両腕に巨大な実弾兵装――50mm狙撃砲を抱えたオウゲツが、人のいなくなった市街地を駆け抜けていた。
カメラアイの先に、四体のストラグル・ギアと宙に浮かぶ機械蜘蛛が見える。
蜘蛛の攻撃の前に近づくことすら許されない機体が二体、物陰で様子を伺う機体が一体、闇雲にビーム弾を乱射する機体が一体。

男「なにしてるんだ……?」

訳のわからない行動を見せる狙撃機に首を傾げていると、直後蜘蛛のビーム砲によってそれは大きな損傷を受けた。
狙撃砲はあの機体が扱うとすれば、かなり厳しい状況だ。
78 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:18:04.47 ID:GZoIWdY0
男「いや、やれるか」

何も、狙撃砲を扱うのは狙撃機でなければならないという法はない。
自分が扱ったところで、何ら問題はないのだ。
どうせ、ギアを扱うのはこれで最後なのだから……、

男「最後に一発でかいのかましてやる!」

四機の通信圏内に突入する。
スピーカーから、生徒会役員の会話が漏れ出てきた。

会計『……悔やむのは後です。会長は待避してください』

会長『いいえ、実弾兵装さえ届けばまだ……、それに、都市の長として私は』

会計『……都市の長として、あなたを喪うわけには行きません』

書記『それに、その損害状況じゃ仮に兵装が届いたとしても無理ですって』

会長『なら、私は……!』


男「そこで指咥えて見ててください!」
79 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:19:00.67 ID:GZoIWdY0
会長「あ、あなた! どうして……!」

会計「……狙撃砲の輸送ですね?」

男「ええ、ただ狙撃機は不調な様なので、俺が代わりに行きます」

会長「な、い、一般の市民にそんなこと……!」

副会長「会長、ここは彼に任せましょう! 彼ならやってくれます!」

会長「でも……!」

副会長「忘れたんですか? 彼は、あなたが引き抜こうと仰った人物ですよ」

会長「あ――」

男「説得どうも。悪いですけど、蜘蛛の側の二体は奴の注意を引きつけといて貰えますか」

書記「はいはいおっまかせー」
80 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:20:01.97 ID:GZoIWdY0
男「じゃ、やるかオウゲツ」

ぽんぽん、と軽く操縦桿を叩き、男は正面を見据えた。
機械蜘蛛の四本の足が、書記と副会長の機体を狙い、蠢いている。
蜘蛛はベイエリアから動けていないが、同時に生徒会も足止めで限界といったところだ。
……だがそれも終わる。

男「飛ぶぞ!」

かつてスポーツ・ギアで全国の頂点に立った男。
彼の得意とする動きは、あたりの物を自在に扱い宙を飛び交う立体機動であった。
適当なビルに足を掛け、跳躍。物の数秒もしない内に、男のオウゲツはビルの屋上へと着地していた。

会計「……見事な物ですね」

男「どーも」

男がいるビルから、蜘蛛の地点までは間にビル三つほどの距離がある。

男(助走つけて、上に飛び乗る。……よし!)
81 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:20:58.05 ID:GZoIWdY0
オウゲツに、もう一度50mm狙撃砲を構え直させた。
準備は万端、エネルギー残量はもともと申し分ないし、予備のギアのわりに整備も行き届いているようだった。

男「……二年前を思い出すな……」

一歩ずつ、歩を進める。

男「決勝戦は……、アイツと当たったんだよな……」

一歩、また一歩。
踏み出す度、スピードは増して行く。

男「……あの時も、こんな展開じゃなかったっけかな……!」

機甲人形が、ビルの屋上を踏み抜いて行く!
目指すは蜘蛛の背。飛び乗り、零距離で狙撃砲を発射する。

男「アイツの悔しさ……、全部受け取りやがれえええええ!」

ビルを飛び越え、次のビルへ!
動きに気付いた蜘蛛が、両側の足、それぞれ一本ずつをこちらへ向ける。
飛んでくるのは、熱線。
だが、当たらない。必要最小限の動きで、避ける。スピードは、殺さない。
カメラアイ近くの薄い装甲と、腰部の装甲が少し持って行かれた。
82 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:21:51.34 ID:GZoIWdY0
男「だが、大事ない!」

最後の屋上。ギリギリまで引きつけ、飛んだ。
オウゲツが、空を舞う。機械の巨人が、宙を駆けた。

男「蜘蛛野郎、これで終いだ!」

狙撃砲を垂直に構え、蜘蛛の背に着地する!
ずがっ、と鈍い音が響き、砲身が背に埋まった。

男「陽動ありがとうございました! 今からぶっ放します!」

副会長「君はどうする!?」

男「引き金引いて、すぐにとんずらしますよ!」

笑いながら、男はトリガーを引いた。


刹那、火柱が吹き上がる。

そして、爆発、轟音。

熱い風が、ベイエリアを吹き抜けた。



男「やったぜ――、お前の守りたかった都市を、俺も……」



後に残るは、機械の破片と、地に膝をつく、鋼鉄の巨人。
83 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:24:23.62 ID:GZoIWdY0
数週間後……

【墓地】

男「……てなわけで、お前の守りたかった学園都市は、なんとか守れた」

男「死者もいなかったし、怪我人は何人かいたけど……まあ、それくらいなら許してくれるだろ?」

男「……」

男「お前、生きてたら……褒めてくれるかな、俺のこと」

男「……、やっぱさ、寂しいみたいだよ、俺」

男「……」

女「……男君、やっぱりここにいたんだね」

男「お、女……」ゴシゴシ

女「あ、もしかして……」

男「泣いてないぞ。うん、泣いてなんか無い」
84 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:25:13.27 ID:GZoIWdY0
女「そう? ……私の前でくらい、自分をさらけ出しても良いのに」

男「それは、もう少し俺が我慢できなくなった時にでも頼むよ」

女「我慢しなくて良いのに」

男「……俺にも男としてのプライドがだな……、ああ、まあいい……。
  アイツに花持ってきてくれたんなら、供えてやってくれ」

女「うん……。……妹ちゃんが亡くなって、もう一年経つんだね」

男「……ああ、そうだな」

女「妹ちゃんに恥じないように、生きていかなくちゃね」

男「……ああ」
85 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:26:11.41 ID:GZoIWdY0
女「そういえば……、生徒会に呼ばれてるそうだけど……」

男「ああ……それなら、俺はやらないよ」

女「え?」

男「……ギアを駆るだけが、都市を守る道じゃない」

女「でも……」

男「確かにギアに乗れば、昂ぶるさ。昔の自分を思い出す」

男「けど……、妹はそれで死んだんだ。そんなギアに、乗ってられると思うか?」

女「……」

男「俺は、ギアには乗らない」

女「男君……」

男「そろそろ、行こう。……腹が減ったし。な?」



女「……男君、無理してるよ……」

女「ホントは誰よりもギアに乗りたいはずなのに、本音を押さえ込んでまで、ギアに乗るまいとしてる……」

女「……そんなの、悲しいよ」



男「おい、置いてくぞー」

女「……あ、うん、待ってよ!」



第一話
 【始まりの歯車】 終
86 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:27:26.57 ID:GZoIWdY0
てなわけで戦闘描写もそこそこに第一話終了です
さんざやっといて生徒会に入らない男は優柔不断って感じもしますが
まあ子供なんで自分の気持ちに折り合いをつけれないって事です
そういうことにしといてください……まじすいません
自分の楽しみを優先して読者が疑問を抱くような展開だといかんよなあ


ちなみにオウゲツは男が中学時代に愛用していたギアです
高機動型の傑作機としてスポーツ・ギア、ストラグル・ギア双方でリリースされています。

あと会長がヘタレですねすいません
彼女の活躍は次回第二話にて! ……多分。
87 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/20(火) 18:32:28.58 ID:GZoIWdY0
【次回予告】

ある日。
男の前に現われたのは、学園都市を束ねる生徒会に所属する女生徒、会計であった。
挨拶もそこそこに、彼女は語る。

「……最近、風紀委員会との対立が深まってきてる」

「俺全然関係ないですよね」

「……風紀委員が妙に予算を使い込んでいるから」

「だから俺関係ないですよね?」

「……今回、会計の私がその使い道を調べる任を与えられた」

「俺に報告して何か得あるんですか?」

「……生徒会見習いの君には、着いてきてもらう」

「いや、ちょ、それ初耳なんですけどー!?」


何かを隠す風紀委員会。そして、職務を全うしようとする会計。
その板挟みとなった男はどう動くのか。

次回、第二話【見習いの逆襲】


※次回予告はフィクションです。予告無く内容が変わることがありますのでご了承ください
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 19:44:02.09 ID:j3aPEoDO
なんだこれ期待せざるを得ない
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 21:14:23.62 ID:RT4j.Mso
期待
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 21:29:37.71 ID:XbnjAsAO
追いついたなにこれ面白い
91 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/21(水) 10:04:10.99 ID:MkStjgU0
>>88
期待に添えるかどうかはわかりませんが、やるだけやります

>>89
ありがとうございます。いやあ、励みになります。

>>90
面白いと思って頂けるとやっぱり嬉しいです。ありがとうございます。


というわけで第二話冒頭投下です。まあアバンみたいなもんです
92 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:04:57.89 ID:MkStjgU0
【男の家】

男「あー……今何時……」

男「……六時か……、結構寝てたな」

男「飯……」

男「……」

男「あ、切らしてる。缶詰もラーメンもないのか」

男「どーすっかな」
93 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:05:39.29 ID:MkStjgU0


女「はいこれ、私のレストランのクーポンだよ」

男「くれるのか?」

女「うん。結構割り引いてくれるはずだから、有効活用してね」

男「ありがとう。恩に着るよ」

女「どういたしまして」



男「あの時もらったクーポンは……っと、あった!」

男「結局一度も女の働いてるレストラン行ったことないし」

男「行ってみるか」
94 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:06:28.68 ID:MkStjgU0
【レストラン】

男「ファミレスか……。結構人がいるな」

女「いらっしゃいませー! お客様、は……」

男「よ」

女「き、来てくれたんだ」

男「うん、腹減ったし、料理作る気力もなかったし」

女「そっか……、あ、ごめん、お客様お一人ご案内します!」

男(ちゃんと働いてるんだな……。俺と違って)
95 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:07:02.40 ID:MkStjgU0
女「注文が決まったら側のボタンを押してね。飛んでくるから」

男「うーん、なにかオススメってあるか?」

女「……そうだなあ、この学園都市パフェは?」

男「なんだこれ」

女「生徒会塔を模したパフェだよ。凄く大きいの」

男「いくら何でもアレを模すのは無謀じゃないか」

女「二人から四人用だね」

男「俺一人なんだが」

女「もうすぐ上がりだから手伝えるよ」

男「そうなのか……、じゃあそれと……、クーポンあるしシーザーサラダ」
96 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:07:41.54 ID:MkStjgU0
女「それだけで良いの?」

男「肉はあんまり好きじゃないし……、寝起きだからそんな食べられない」

女「パフェ大きいよ?」

男「女が頑張ってくれるかなーって。いや俺も食うけど」

女「わかった。学園都市パフェとシーザーサラダだね」

男「ああ、頼む」

女「じゃ、ちょっと待っててね」

男「……」

男(しかしまああの制服も中々際どいよな)
97 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:08:13.32 ID:MkStjgU0
男「……」

男「……」

男(やべ、眠くなってきた)

??「……ここ、良いですか」

男「……はあ、まあどうぞ?」

会計「……どうも」

男「……あんたは確か、会計さん?」

会計「……覚えて頂けているようで幸いです」

男「なんで、ここに?」

会計「……君に用がありました」
98 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:10:12.03 ID:MkStjgU0
男「生徒会への勧誘ですか?」

会計「……いえ」

男「じゃあ、何でまた」

会計「……少し手伝ってもらいたいことがあります」

男「はあ……。物によってはお断りさせてもらいますけど」

会計「……ですが、まだ話さずとも良いでしょう。食事は大事です」

男「は?」

会計「……どうですか、一緒にディナー。ディナーと言うほど洒落てませんけど」

男「は、はぁ……。まあ別に構いませんが」
99 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:11:54.90 ID:MkStjgU0
女「男君、料理を持って、来――」

男「おお」

会計「……」

女「――えーと、誰、かな? その綺麗な女の人」

男「え? ああ、生徒会の会計さんだけど」

会計「……こんばんは」

女「あ、はい、こんばんは」

会計「……一緒に食事を取らせて頂くことになりました」

女「そ、そうですか」

男「どうしたんだ? はやく置かないと手が疲れるだろ?」
100 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:12:29.40 ID:MkStjgU0
女「学園都市パフェと、シーザーサラダになります」

会計「……すごい取り合わせですね」

男「ええ、まあ」

女「じゃ、男君、パフェ食べようか」

男「ん? あ、そうだったな……」

女(な、なんかよくわからないけど私と男君の甘い夕食を邪魔させはしない! うん!)

男(妙に気合い入ってるな、女……)

会計「……」

会計「……君」

男「はい?」

会計「……あーん」

女「なーっ!?」

男「え、はい? え? なに、え?」
101 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:13:15.34 ID:MkStjgU0
会計「……しないんですか?」

男「いや、しませんけど」

女「しないの!?」

男「なんでお前が驚くんだよ」

会計「……残念ですね」

男「何がどう残念なんですか」

会計「……決定的瞬間の写真を撮って脅しにでも使えるかと」

男「使わんでください」

会計「……このシーザーサラダ、食べても良いですか」

男「別に良いですけど」

会計「……お礼に……あーん」

男「だからしませんって!」

女「しないの!? し、しないよね!」
102 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:14:42.36 ID:MkStjgU0
男「パフェ美味いな……」

会計「……私たち生徒会の居城を模しているのですから当然です」

男「理由になってませんけど」

会計「……美味しいです」

女「……」

女(こ、このままだと色々危険な気がする! どうにかして……えーと)

女「お、男君!」

男「ん?」

女「……あ、あ〜ん!」

男「ああ……ブルータス、お前もか」



第二話
 【見習いの逆襲】
103 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 10:18:51.60 ID:MkStjgU0
アバン終了です
今回はギャグパートというかラブコメパートになるのかな?
まあラブってコメれるかは微妙なとこですけどNE

女の働いているレストランは駅前にあります
制服が結構凝っていることでコアなファンも多いお店です

生徒会塔は都市の中心部に聳え立つ生徒会専用のビルです
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 10:48:54.90 ID:CZz7EUDO
なんかそのうち、体か機械の先輩とか第二、第三の生徒会とか出てきそうだな
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 10:53:59.08 ID:U6CzM460
それなんてアスラクライン?
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 12:43:28.36 ID:wtIh/ADO
来てたか

レギオスかと思ったけど別に都市は動いてなかったぜ
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/21(水) 13:27:20.56 ID:tmBFy32o
>>1のロボットのイメージが是非見たいものだ
108 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 13:58:11.41 ID:MkStjgU0
>>104-105
第二第三の生徒会はともかく、もしやすると機械の先輩は出てくるかも知れませんねえ
生身でロボットに対抗するような人物っていたらいたで魅力的じゃないですか

>>106
今更ながら大分立ち位置とかがレギオスっぽいですねこれ
ある程度は独自の色出さないとただの模倣ですね。まずいまずい

>>107
絵心が無い物で、残念ながらイメージに表すことが……
ただまあある程度の特徴を述べるとすれば

全長は大体4から6mまで
ヒトガタを取っており、体の幅もまちまち
カメラアイはモノアイとデュアルアイ仕様の物に別れ、
生徒会役員の搭乗するシリーズはデュアルアイ、
その他のギア(カゲツ・オウゲツら)はモノアイです。
世に存在するロボット物の中でどれに一番脳内デザインが近いかというと……ファフナーですかね

なんか答えになってない気がしてきた。すみません
109 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 14:03:28.54 ID:MkStjgU0
連続ですいません
>>108の続きですが、
生徒会役員搭乗機はエステバリス的な脳内イメージ
それ以外のギアはファフナー的な脳内イメージです。

それでは続きを書く作業に戻ります
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 14:06:23.08 ID:Uh4cooSO
ビルの屋上を駆け回れる大きさで、
かつビーム兵器を運用できる感じねぇ

俺はボンバーマンビーダマンの
ホワイトゲイルっぽく考えてたけど
あれじゃでかいか
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 14:17:53.96 ID:Uh4cooSO
とか言ってたらキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

よく分かったぜ>>1
さあ続きを書こう!
俺もプロット練る!

┌────┐
│ワクワクテカテカ│
└v───┘
.∧_∧
(o゚∀゚)
.∪∪o)
(_(_⊃
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 18:03:42.88 ID:wtIh/ADO
>>108
まぁ世界観が違うんだし無理矢理な修正はしなくていいのでは?

レイフォン並に優柔不断なのはいただけないが

自分はロボット系の作品を見たことも読んだことないのでまともな感想は出せなさそうですね

ロボット系で思い出すのがネット小説しかないだなんて…
ttp://www.hunterlogue.xii.jp/lib/o0040.php
これ書いた人が今何か書いてるか知ってる人いませんか?
113 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:23:25.04 ID:MkStjgU0
>>112
レイフォンって相変わらず優柔不断なんですか?
途中で止まってるからわかんねぇ……
まあ適当にやってきます。雰囲気さえ伝わればそれでいいやってスタンスです

それじゃ途中まで投下します。
114 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/21(水) 22:24:10.14 ID:MkStjgU0
女「ふぅ、ごちそうさま」

男「もう食べられねえ……」

会計「……ごちそうさまでした」

女「私、食器片付けてくるね」

男「おう、悪いな」

女「これが仕事だもん。それじゃ、すぐ戻るから」
115 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/21(水) 22:24:50.68 ID:MkStjgU0
男「それで、俺が手伝う事ってなんです?」

会計「……結局は生徒会の仕事なのですが」

男「……まあ、聞くだけ聞きますけど」

会計「……私は会計監査を担当しています」

会計「都市内で、各委員会らに分配される資金がどのように運用されているかを確かめるのが私の仕事」

会計「……そして、明らかに怪しい委員会が一つあるのです」

男「……」

会計「……風紀委員会です。最近、風紀委員との対立が深まってきています」

男「はあ」

会計「今回、私は会計監査としてその使い道を調査する任を与えられました」
116 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/21(水) 22:25:34.50 ID:MkStjgU0
男「で、俺はそれに協力しろと?」

会計「はい」

男「でも俺が行ったところで何の役にも立ちはしませんよ?」

男「そもそも俺関係ないですよね」

会計「……いえ、生徒会見習いの君には着いてきてもらいたいのです」

男「ああ、そうでしたね。生徒会見習い――ってなんですかそれっ!?」

会計「? 見習いですよ」

男「いやそうじゃなくて! いつの間に俺はそんな怪しげな役職に就いてるんですか!」

会計「……?」

男(ほ、本気で俺が何を言ってるかわからないって顔だ……)
117 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:26:18.96 ID:MkStjgU0
会計「……会長が言ってました。君は生徒会見習いとして生徒会の一員になったと」

男「そんな勝手な事……」

会計「……では、見習いではないと?」

男「当然です。俺は生徒会に入るつもりなんてこれっぽっちもありません」

会計「……そうですか。残念です」

男「……」

会計「……では、これで手を打って頂けませんか」

男「なんですか、これ。カメラ?」

会計「……はい。見てみてください」

男「……何が写って……って、これさっきの――!」

会計「……無理矢理ですが私が『あーん』をした時の写真です」

男「い、いつの間に……じゃなくてこれをどうしようってんです」
118 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:26:47.22 ID:MkStjgU0
会計「……君が私を弄んだ、とでも言って学園都市中にばらまきます」

男「いやこれで弄んだってのは……」

会計「……では側に写っている女さんと共に二人の女を弄んだ、とでも」

男「マジやめてください」

会計「……と、なると、君に残された道は一つだけになりますね」

男「最悪だ……」

会計「……生徒会に入れ、とは言いません。見習いとして着いてきてくれればそれで良いです」

男「……何で俺なんですか」

会計「……他の役員は出払っているので。
   副会長はギア部の試合で都市を出ていますし、書記もこの連休で実家へ戻っています」

男「会長は」

会計「……我慢弱いのでこの仕事には向いてません」
119 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/21(水) 22:27:14.83 ID:MkStjgU0
男「はぁ……やれやれ……。わかりました、協力すれば良いんでしょう?」

会計「……はい」

男「……ツイてないな……、生徒会との縁が全然切れない」

会計「……いっそ諦めて生徒会に入るという手もありますが」

男「嫌ですよ」

会計「……頑な。子供ですね」

男「なんとでもどうぞ」

会計「……明日、君の家に迎えに行きます。その足で風紀委員本部へ向かいましょう」

男「わかりました……。何か必要な物とかありますか」

会計「……いえ。ただ、もしかすると君にはもう一度ギアに乗ってもらうことになるかも知れません」

男「……」

会計「……そうならないよう、善処はします」
120 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/21(水) 22:27:48.81 ID:MkStjgU0
会計「……そろそろお暇します。支払いは、ツケでお願いします」

男「いや、いいですよ。注文は俺のオーダーだけだったんで」

会計「……そうですか、ありがたいことです。それでは」

男「ええ……、また明日」

会計「……はい」



男「やれやれ……」

女「男君、お待たせ……って、あれ、会計さんは?」

男「帰った」

女「そうなんだ。……それじゃ、帰ろうか」

男「ああ」

女「会計さんとの関係、洗いざらい吐いてもらうよ。後、『あーん』してもらった時の感想とかね……ふふ」

男「あの、笑顔が怖いっス」

女「うふふ?」
121 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/21(水) 22:28:46.03 ID:MkStjgU0
【翌日/男の家】

会計「……迎えに来ました」

男「……早いですね」

会計「……善は急げです」

男「まだ用意できてないんで、上がっててください。とっととすませますから」

会計「……お言葉に甘えます」

男「散らかってますけど、どうぞ」
122 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:29:23.37 ID:MkStjgU0
男「とりあえずお茶です」

会計「……どうも」

男「俺、シャワー浴びてきますから、適当に寛いでてください」

会計「……はい」


会計(……何も無い部屋ですね。私の部屋よりも物が少ない気がします)

会計(あるのは……必要最低限の家具と、電化製品、そして……仏壇……?)

会計「……」

会計「……彼女は……確か……」
123 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:30:04.24 ID:MkStjgU0
会計「……思い出しました」

会計「そうですか……、彼女が、ギアに乗らない理由……」

会計「……」


男「さっぱりした……。あれ、先輩、どうしたんです?」

会計「いえ。……何も無い部屋ですね」

男「そーですかね? まあとりたてて必要なものもないですし」

会計「……散らかっていないのは良いですけど、女性を呼ぶにはあまり適してませんね」

男「な、呼びませんよ……。呼ぶ相手もいないし」
124 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:30:42.18 ID:MkStjgU0
会計「……昨日の女さんは?」

男「女は、幼馴染みです。昔から仲良くしてもらってますよ」

会計「……なるほど、では、君のお相手……」

男「?」

会計「……私が立候補しても良いんですか?」

男「なっ――! な、何言ってんですか!」

会計「……冗談ですよ。冗談。馬鹿らしい」

男「……あのねえ先輩、あんまり人をからかわないでくださいよ」

会計「緊張しているかと思ったので、軽いジョークを。……では、行きましょうか」
125 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:33:20.69 ID:MkStjgU0
【学園都市/大通り】

男「風紀委員本部ってどこにあるんですか?」

会計「……君、学園都市には何年在住していますか」

男「小学生になる前くらいだから……、十年近くですかね」

会計「……それだけ住んでいて、何故そんなことも知らないんですか。馬鹿なんですか」

男「酷い言い様ですね」

会計「……学園都市の中心に生徒会の居城、生徒会塔があります。
   それを取り囲むよう放射状に各委員の本部が置かれている――、こんなこと、この都市の常識です」

男「……なんかすいません」

会計「……別に、構いませんが」
126 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:34:33.77 ID:MkStjgU0
会計「……都市中央へはバスで行きます」

男「りょーかいです」

会計「……まだバスが出るまでは多少の時間がありますから、何か話しましょうか」

男「じゃあ先輩のこと何か話して貰えませんか」

会計「……私?」

男「学園都市のトップの生徒会……、その一員なんですから、どんな人なのかなーとは思いますよ」

会計「……普通に、会長の推薦で選ばれただけです」

男「推薦で?」
127 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:37:24.71 ID:MkStjgU0
会計「……元は私も風紀委員でした」

男「そうなんですか」

会計「……ですが、ある日会長に生徒会へ入らないかと打診されて、そのまま」

男「じゃあ、古巣に行くことになるんですね」

会計「……ええ。かつての親友が、風紀委員の長をやっています」

男「……かつて?」

会計「……私が生徒会に入ってから、連絡も取れません。おそらくは、避けられているんです」

男「また、どうして……」

会計「……風紀委員を捨てて、私が、生徒会へ入ったからでしょうね」

男「……」

会計「……君のせいでしみったれた空気になりましたけど」

男「……すいません」

会計「……謝らないでください。余計沈みます」
128 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:39:30.61 ID:MkStjgU0
会計「……」

男「……先輩」

会計「……なんですか」

男「その、風紀委員長は……なにかやむにやまれぬ事情があるんですよ、きっと」

会計「……」

男「親友を、拒絶するわけないです」

会計「……それは」

男「はい?」

会計「……慰めですか」

男「えーと、まあ、そのつもり、です……」

会計「……いりませんよ、馬鹿らしい」

男「すいません……」

会計「……………………でも、ありがとうございます」
129 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 22:40:36.51 ID:MkStjgU0
と、いうわけで今回の投下は終了です
まだ風紀委員本部にすら辿り着いていないというこの体たらく
まあ会計はお気に入りのキャラなので必然的に台詞が増えるというかなんというか

次で風紀委員長を出せると思います。てなわけで失礼。


……しかし会長の出番ねえな
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 22:46:27.47 ID:53/0Q5w0
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 23:14:42.89 ID:wtIh/ADO
>>113
レイフォンが悪いというよりはメインヒロインが…
どうにも近頃の展開は面白くないからレギオスは読まなくてもいいかと



投下乙です
投下ペースよくていいですね
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/21(水) 23:18:22.50 ID:b8Vbli2o
乙だぜ
133 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/21(水) 23:23:27.70 ID:MkStjgU0
みなさんどうもです。
まあ投下ペースはこれから落ちてくと思いますが、よろしくお願いします

見てくれている人が多くて俺歓喜
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 03:33:53.78 ID:2T9ND2SO


C

wktk
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 08:06:02.15 ID:Rl/hZ5Q0
ナデシコなんで劇場版の続きやらないんだよちくしょう
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 10:15:35.37 ID:c.gZ/a.o
脅して引き入れるってゲスいwwwwwwww乙
137 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 16:51:45.07 ID:hNR4Gz20
>>135
残念な話ですよね……

>>136
結局引き入れに成功してはいませんけどねww
会計は結構酷い人だと思います。


投下します
あと今回は自分の趣味に走りすぎてる面もありますので先に謝っておきます
ごめんなさい
138 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 16:52:16.31 ID:hNR4Gz20
【都市中央/風紀委員本部前】

男「ここか……」

会計「……入りましょう。と、その前に」

男「?」

会計「……これを」

男「なんですか、これ」

会計「生徒会役員であることを示すエムブレムです。服の目立つ所につけて置いて下さい」

男「……一応、見習いですからね」

会計「……それは認めるんですね」

男「……」
139 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 16:53:59.64 ID:hNR4Gz20


風紀委員会は、学園都市における治安維持機関である。
ポイ捨てからギアによる犯罪まで、幅広い風紀の乱れに対応する彼ら風紀委員は、
学園都市の各委員会の中でも最も厳しい職種として知られている。



【風紀委員本部】

男「人が多い……そして顔怖い」

会計「……生徒会がずかずかと入り込んでいますからね」

男「やっぱり予算のこととかで?」

会計「……おそらくは。後、我々は風紀委員の権限をすり抜けて行動できる点なども気に入らないのでしょう」
140 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 16:54:54.67 ID:hNR4Gz20
男「……同じ学生なのに」

会計「……割り切れないこともあります。君のように」

男「……」

会計「……失言でした。すみません」

男「いえ……、それは正論ですから」

会計「……」

男「というか、とっとと仕事を済ませましょう」

会計「……ええ、そうですね。委員長の部屋に突入します」
141 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 16:55:45.56 ID:hNR4Gz20
男「出来るんですか?」

会計「……生徒会権限を行使します」

男「了解」


会計「風紀委員会のみなさん! 生徒会です!」

ザワザワ
セイトカイカヨ ナンノヨウダ チッ

会計「今回、風紀委員会の予算の使い道に妙な動きがあったため、立ち入り捜査を行ないます!」

男「……えーと、道を開けて、風紀委員長室まで通してくれると嬉しいんですけど」

会計「……案内して頂けますね?」
142 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 16:56:21.41 ID:hNR4Gz20
委員1「あ、あんた……もしかして……、会計!」

会計「……っ」

委員2「なんだと!? 俺たちを裏切って、今度は足を引っ張ろうってのか!」

会計「……」

委員1「生徒会の犬が、今更なんだ! 予算の使い道?」

委員3「アンタ達の方が、余程無駄してるじゃない! ギアは壊すし、建物だって!」

委員4「乱れた治安を正すのは、僕たち風紀委員会なんですよ!」

会計「……」

委員1「前回の戦いだって、余計な戦い方するせいで――」

男「――ちょ、ちょっと待った!」
143 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 16:57:05.62 ID:hNR4Gz20
委員1「なんだお前」

男「前回、蜘蛛の破片を撒き散らしたのは……その、俺なんです」

委員1「お前が?」

男「ええ、まあ。ちょっと昂ぶっちゃって……、で、その、悪いのは俺なんで」

男「あんまり会計さんを責めないで欲しいなーって……はい」

委員2「お前も生徒会か?」

男「いや、まあ……見習いです」

委員3「なによそれ! 生徒会はそんなあやふやな奴まで引き入れるわけ!?」

男「好きで見習いなわけじゃないんですけど……」

委員4「好きだろうと嫌いだろうと、君は正式な生徒会役員ではなくしてギアに搭乗し、インベーダーと交戦したことになるね」

委員1「じゃ、やるこたぁ決まりだな」

男「何をするんですか?」

委員2「逮捕だ」
144 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 16:57:48.70 ID:hNR4Gz20
男「いや、ちょ、なんで!?」

委員1「インベーダーとの接触、交戦が許されるのは生徒会のみだ」

委員2「君は一般人でありながらインベーダーと交戦した……。規律は規律、諦めてもらうぞ」

男「んな無茶苦茶な」

会計「……やめて下さい。彼は我々生徒会が無理矢理」

委員3「なら、あんたも同罪で逮捕ね」

男「……どうします、会計さん」ボソッ

会計「……どうしましょう」ボソッ

男「一応、暴れるくらいは出来ますけど」ボソッ

会計「……私も、閃光手榴弾くらいなら」ボソッ

男「いや何で持ってんですか」ボソッ

会計「……こういう時のためにです」ボソッ
145 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 16:58:51.48 ID:hNR4Gz20
委員4「さ、諦めてもらいますよ」

男「って、そう簡単に逮捕されてたまるかっての!」

委員4「なっ、抵抗するのか!」

男「当たり前だ! 俺はともかく、都市を守るために戦った人まで逮捕するってのはどういう了見だこのアホ!」

委員1「偉そうに語りやがるぜ……! おいお前ら、全員で確保だ!」

『おおおおおっ!』

会計「……火に油注いでどうするんですか、馬鹿なんですか……!」

男「いや、とりあえず逃げます」

会計「……ここまでして逃げるんですか……」

男「でも逃げるしか道無いですし」

会計「……私が悪いから、仕方ないですけどね」
146 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 16:59:50.59 ID:hNR4Gz20
【風紀委員本部前】

会計「これから、どうするんですか……?」

男「逃げます」

会計「どこに」

男「……」

会計「君……」

男「と、とりあえず逃げます」

会計「……はぁ、わかりました。君を連れてきたのは私の責任、甘んじて現実を受け入れます」

男「ありがたい話です」

会計「……ですが、逮捕されるつもりは毛頭ありませんよ」

男「俺だってそうです。仕事、やり遂げなくちゃね」
147 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:00:36.74 ID:hNR4Gz20
会計「……君」

男「一度請け負ったこと、投げ出したくはありませんから。先輩のためにもね」

会計「……君を選んで、後悔半分嬉しさ半分です」

男「嬉しいことなんてありますか? こんな状況で」

会計「……私には、友達がいませんから。そういう台詞は新鮮です」

男「あの。こんな状況でそんなヘビーなこと……」

会計「……冗談です。友達が少ないだけです」

男「だから結構ヘビーですよねそれ」

会計「……後ろ、風紀委員が追いかけてきましたね」

男「とりあえず逃げて、体勢を立て直しましょう」

委員1「そうはさせるか!」

男「ちっ……! 早い!」

委員2「伊達に体鍛えてはいないんでね」
148 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:02:12.57 ID:hNR4Gz20
男「……どうします」

会計「……ここは……強行突破です」

男「了解! 何か手はあるんですか?」

会計「……風紀委員長に会えば……、もし、彼女が今も変わっていないなら……」

男「……。変わってませんよ、きっと! 親友って、そんな軽いもんじゃないでしょう?」

会計「……です、ね」

男「というわけで俺たちは逃げる!」

委員3「そうはさせないわよ! ゴム弾、てぇー!」

パンパンパン

男「うわマジか!? いてぇっ!」

会計「……いくら何でも無茶苦茶な……! いたっ」

委員1「ふはは! さあ、確保するぞ!」

??「……貴様ら! そこに直れ!」
149 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:02:59.40 ID:hNR4Gz20
委員4「ハッ……! まさか……」

委員2「い、委員長……」

風紀「貴様ら、何を巫山戯ている」

委員3「い、いえ、学園都市規約に違反した輩を確保しようと……」

風紀「その前に周りを見ろ! 市民が怯えているではないか!」

市民1「う、こ、怖いよ……お姉ちゃん……」

市民2「だ、大丈夫だから……」

委員1「……ぐ」

風紀「もう少し考えて行動しろ、馬鹿者! この騒ぎに乗じた者は全員、罰として都市一周! 話は私が聞く、散れ!」

委員4「は、ハイィッ!」
150 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:03:38.07 ID:hNR4Gz20
風紀「全く。……すまなかったな、お前達。部下共が……」

会計「……」

風紀「お、お前……、会計……」

会計「……やっと、仕事が出来そうね」

男「会計さん……」

会計「……生徒会だ。不自然な予算の流れの実態を調査すべく、風紀委員会に立ち入り捜査を行う」

風紀「……ふ、ふふ、ふはは、何だ……お前だったのか……」

会計「……」

風紀「詳しい話は、私の部屋で聞こう。着いてこい」
151 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:04:30.53 ID:hNR4Gz20
【風紀委員長室】

風紀「適当に掛けてくれ」

男「失礼します」

会計「……早速本題に入る」

風紀「……」

会計「……風紀委員会に回された予算の八割以上が、用途不明となっている。これについて何かある?」

風紀「黙秘しよう」

会計「……ッ」

会計「……では、前回の予算会議で予算増額を求めたことに関係は?」

風紀「ある」

会計「……何を隠している?」

風紀「黙秘だ」
152 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:05:09.23 ID:hNR4Gz20
会計「……金の流れが不透明なのは、非常にまずいことだと自覚はある?」

風紀「……」

会計「……あなたを罷免する必要があるかも知れないのよ」

風紀「……」

会計「……ッ、答えなさい」

風紀「……」

会計「……風紀……!」

男「か、会計さんってば……! 少しクールダウンして……!」ガシッ

会計「離しなさい……!」

風紀「……会計、そっちの男は?」ピクッ
153 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:05:43.83 ID:hNR4Gz20
会計「……生徒会見習い、男君」

男「どうも……」

風紀「……会計とはどんな関係かな?」ニコッ

男「どんな、って……」

会計「……今は関係ないことでしょう。大事なのは、予算の――」

風紀「……私には非常に関係があるんだよ」

会計「何を言って……」

風紀「なあ、会計……、お前が生徒会に行ってしまってから……」

会計「……?」

風紀「私がどんな思いで過ごしてきたかわかるか……?」

会計「……わかるわけ無いでしょう」

風紀「寂しさ、悔しさ、悲しさ……、諸々の感情が私の胸を焦がしたが」

風紀「何にも増して、胸中に浮かんだ気持ちは――愛しさだった」
154 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:06:30.27 ID:hNR4Gz20
男(……この人は何を言っているんだ)

風紀「出来れば、もう少し……、もう少しだけ待って欲しかった」

会計「……」

風紀「あれが完成すれば……、胸を張って、私はお前を迎えに行けた」

会計「む、迎え……? 風紀、何を言って……」

風紀「だが……私は、時間を掛けすぎたようだな」

男「あの、風紀さん? 仰る意味が」

風紀「会計――、愛している」

会計「」

男「」

風紀「もう一度言おう。……愛している」

会計「」

男「」
155 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:07:25.37 ID:hNR4Gz20
風紀「離れてからようやく気付くものなんだな……。愛というものは」

風紀「お前がいなくなってしまった時から……、お前の顔が、脳裏を離れたことは片時もない!」

男「それまずいんじゃないですか」

風紀「お前が欲しい」

会計「……あの、風紀、今は大事な仕事の話で」

風紀「本当ならば、あれの完成を待って……、生徒会へ殴り込むつもりだった」

男(あれって……なんだ?)

風紀「だがもはや、それも叶わん。ロマンチックな姫君奪還はもはや為せない」

会計「だ、だからその……何を……」

風紀「貴様……、男と言ったな? その名には聞き覚えがある」

男「……」

風紀「ギアを扱うことに関して、学園都市で貴様の右に出る者はいないらしいな」
156 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:08:40.06 ID:hNR4Gz20
男「だったら、何です」

風紀「決闘を申し込む」

男「……決闘」

会計「……決闘……?」

風紀「そうだ、賭けるのは互いのプライド――、そして、会計だ!」

会計「……ああ、私……って私ーっ!?」

男(うわあ、あんな風に驚くんだ会計さん)

風紀「貴様が会計の恋人ならば……、断れようはずもなかろう」

男「いやそもそも会計さんとは恋人じゃないし」

風紀「ふん……、これだから男女交際は好かんのだ。不純異性交遊に繋がりかねん」

男(聞いてねぇ……)
157 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 17:09:11.19 ID:hNR4Gz20
風紀「だがその点、同性ならば間違いはあるまいよ。そうだろう、会計」

会計「……ふぇ、え、その」

風紀「ふふ、愛くるしい……、私の会計……私だけの」

男(この人ガチレズなのか……?)

風紀「そこの汚らわしい豚以下の畜生などに、私の愛しく可憐で抱きしめたいくらい素敵な会計は渡さん!」

会計「……風紀、落ち着いて、話を聞いて……!」

風紀「貴様、今夜五時に、中央競技場へ来い。会計を賭け、勝負だ」

男「いくら言っても話聞いてくれないんじゃ……やるしかないか……」

男(ギアに乗りたくないって言ってたくせに……ホント俺って優柔不断だな)

男(けど……、こんなアホな状況から先輩を助け出すためには仕方ない)

風紀「絶対に私は負けん。……二人の幸せな未来のためにもな!」

男「……ええ、良いですよ、俺も負けるつもりはありません」

男「他人の話もろくに聞けないような人に、先輩は渡しません」
158 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 17:10:24.33 ID:hNR4Gz20
風紀「良く言った。……会計は預かっておく」オヒメサマダッコ

会計「あ……」

風紀「……では、今夜五時に」

男「……」

会計「君……、風紀……、待って!」

風紀「さあ、行こう会計。もうすぐだ、もうすぐ私の本懐は遂げられる」

男「会計さん。俺、ギアに乗るのは嫌いですけど……何かを守るためなら、俺は乗ります」

会計「……っ、そんなこと、聞いたところで……嬉しくありません。それよりこの事態をどうにかして下さい」

男「勝ちますよ」

会計「……」

男「一緒に仕事、成し遂げるんですからね」

風紀「せいぜい吠えていろ。さ、会計……」

会計「……男、くん」
159 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 17:12:23.33 ID:hNR4Gz20
と、いうわけでようやく風紀委員長(と書いて百合と読む)の登場です
またも男はギアに乗る羽目になるわけですが、こいつ大変ですね結構

中央競技場はスポーツ・ギアの試合やサッカー、ラグビー、アメフトなど様々な競技に扱われるスタジアムです。


自分の楽しみをまた優先してしまった感がありありと出てますが、雰囲気とかその他諸々
楽しんで頂ければ幸いです。
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 17:17:24.42 ID:1N881YAO
えーのう凄くえーのう
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 17:31:03.80 ID:28s8.yU0
まだ書いてくれるよね///
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 19:05:08.89 ID:eqlpxcDO
いいね
163 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 19:46:00.76 ID:hNR4Gz20
>>160
百合は出さざるを得まいと思ってました

>>161
今日は運が良ければ投下できると思います

>>162
その一言だけでも嬉しいです。ありがとうございます


正直、各人のイメージはみなさんの脳内に任せようと思うのですが、
風紀委員長は長身でポニーテールそして凛々しい人だとだけ言わせて頂きたい
単に自分の趣味です
164 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:13:14.96 ID:hNR4Gz20
風紀委員長戦途中まで投下します。
おそらく今日ラスト投下
165 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:14:05.75 ID:hNR4Gz20
【生徒会室】

男「会長!」

会長「あ、あら……? あなた、見習いの」

男「会長、俺にギアを貸して貰えませんか」

会長「ギア……? あなた、ようやく生徒会に入る」

男「いえ、必要なんです、ギアが」

会長「……何かただならない事情があるみたいね。いいわ、格納庫へ来なさい」

男「ありがとうございます」
166 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:14:39.52 ID:hNR4Gz20
【格納庫】

会長「生徒会役員用のギア五機に、予備用八機……、どれでも好きなの選びなさい」

男「いいんですか?」

会長「ええ、まあ……。あなたには借りがありますからね」

男「オウゲツはありますか」

会長「オウゲツ……? 一応、あなた用に専用機ミナヅキを納入してあるのだけれど」

男「俺専用……? またどうして」

会長「生徒会役員は専用機を駆るのが通例だもの。あなたが生徒会に入ることを見越してね」

男「言っちゃなんですけど、それ無駄になると思いますよ」

会長「じゃあ言わないでよ」
167 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:15:05.23 ID:hNR4Gz20
会長「でも……、オウゲツで良いのかしら?」

男「なんでです?」

会長「オウゲツは確かに傑作機だけれど、新型に比べれば……」

男「俺は、オウゲツで全国を獲りました。……俺の相棒は、俺が死ぬまでこいつですよ」

会長「……そう。なら何も言わないわ」

男「ありがとうございます」

会長「ところで……、あれだけ頑なだったあなたがどうしていきなりギアに?」

男「それについて話すと長くなるんですけど……」
168 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:15:36.06 ID:hNR4Gz20
会長「――はぁっ!? 会計さんが拉致された?」

男「拉致って言うと多少語弊があるかも知れませんが……」

会長「それは十分拉致よ拉致。風紀委員長がねぇ……へぇ……」

男「で、午後の五時から、会計さんを賭けて中央競技場で決闘です」

会長「なるほど、事情はわかったけど……、あなた、会計さんとそんな親しかったの?」

男「いえ、別に」

会長「ならどうして、そこまでするの? ギアは嫌いなんでしょう?」

男「……俺だって、不思議に思ってますけど」


男「売られた喧嘩は買う主義なんですよ。きっと」
169 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:16:30.39 ID:hNR4Gz20
会長「なるほど……、ふむ……」

男「どうしたんです?」

会長「少しやることが出来たわ。決闘、頑張ってね」

男「ああ、はい……」

会長「たまには悪くないわよねえ……」

男「……?」

会長(資金調達資金調達っと……ふふ)

会長(風紀委員長vs学園都市第一位《ギア的な意味で》とか、盛り上がらないわけがないっての)

会長(入場料はどれくらいにしようかしらねえ……)

男(なに笑ってんだこの人)
170 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 22:17:19.72 ID:hNR4Gz20
【中央競技場/午後五時】

実況「さぁ、ついにこの時がやって参りました!」

実況「突如としてカードが組まれた注目のギア・バトル!」

実況「対戦者は学園都市の治安を守る、風紀委員長ぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

実況「そーして、対するは知る人ぞ知る、ギア界の超・有名人! 男ぉぉぉぉぉぉ!」

実況「なんとこの彼、かつてスポーツ・ギアで全国制覇を成し遂げた強者です! これはすごい!」

実況「ですが委員長も負けてはいません! 委員長就任以来、公式ギア・バトルでは負け無し! これもすごい!」

実況「さあ、この二人は果たしてどのような戦いを見せてくれるのでしょうッッ!」

実況「ワクワクが止まりませえええええええんっ!」
171 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/22(木) 22:17:58.28 ID:hNR4Gz20
男「なんですか、この盛り上がり」

会長「いやぁ、ちょっとね」

男「会長の用事ってこれですか?」

会長「資金調達よ資金調達。大事でしょ?」

男「あんまり目立ちたくはないんですが」

会長「……ま、しゃーないわね」

男「……」

会長「ともかく。……この試合、勝ちなさい?」

男「言われるまでもありませんよ。俺は勝ちしか見てません」

会長「良い返事ね。会計さんを取り戻し、風紀委員の予算の使い道、検めなくちゃね」
172 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:18:27.88 ID:hNR4Gz20
男「にしても、遅いですね……」

会長「どーしたのかしら」

男「……」


実況「対戦開始時刻は午後五時! しかぁし、未だ風紀委員長は現われていません!」

実況「競技場のピットに入っている様子も見受けられませんが、果たして……!」

実況「って、ああ、あれはーっ!?」


男「ん……、な、なんだあれ……」

会長「飛んでる……、のかしら」

宙を見上げた彼らが見たものは、天翔る機械の竜人であった。
競技場の上空をぐるりと旋回したそれは、ゆっくりとスタジアムの中央へと降り立ってくる。
173 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:19:00.23 ID:hNR4Gz20
地に降り立った竜人は、その翼を投げ捨て動きを止めた。
腰元のコクピットハッチが開き、二人の女生徒が姿を見せる。

風紀「……待たせたな」

実況「おおっと、ついに登場です! なんと、空からの登場! これはすごい!」

会長「ぎ、ギアが空を……?」

男「んな馬鹿な……」

風紀「会計、観客席で待っていてくれ。私たちの輝かしい未来はすぐそこだ」

会計「……風紀、あなた、どうして……」

風紀「ふ、愛の為せる技さ。……さあ、決着をつけよう、豚野郎」

男「望むところだ脳内メルヘン女が」

実況「おーっと、試合開始前から罵りあいスタート! これは燃える展開! たまんねぇぜ!」
174 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:19:28.36 ID:hNR4Gz20
実況「と、ここで今回の決闘の商品である、生徒会役員、会計さんの登場です」

会計「……な、何なんですかこの状況。後商品って」

実況「話すと色々めんどいので察して下さい! で、この会計さんには解説を務めて頂きます!」

会計「……何故」

実況「実況だけじゃ寂しいじゃないですか!」

会計「……まあいいですけど」

実況「さて、それではこの場にいる誰もが気になっているあのギアについて説明して頂きたいんですが!」

そう言って、実況は新型のギアを指さした。
ギア、といってもその姿形は従来のギアとはかけ離れており、
竜の頭部を模したようなヘッドパーツと西洋騎士が如き鎧、その二つが、地を二足で駆ける竜人の姿を思わせた。
人を模したギアとは、また違う代物である。
175 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:20:44.84 ID:hNR4Gz20
風紀「これはギアではない」

男「……ギアじゃない?」

風紀「そう、我らが提案する、機甲人形に変わる新たな戦闘兵器だ。鎧殻機竜――ドラグーンとでも呼んでもらおうか」

男「ドラグーン……」

会計「なぁるほど、予算の大半はそれの開発に使い込んでた訳ね」

風紀「ふ……、本来ならばこのドラグーンの力を持ってして、貴様ら生徒会から会計を奪還する心づもりだった」

風紀「少々予定が早まってしまったために、フライトパックは使い捨てとなったが……まあいい」

風紀「新しいこの力で……、貴様を斃す!」

男「上等だ……、面白い! 見せてみろ、その力!」

風紀「行くぞ、ドラグーン! 憎き彼奴をねじ伏せろ!」

男「オウゲツ、出るぞ!」
176 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:21:28.59 ID:hNR4Gz20
実況「さあ、ギア・バトルが始まるようです! ここで解説の会計さん」

会計「……はい」

実況「あの新型はどれだけのスペックを持っているのでしょうか」

会計「……間近で感じたからわかることですけど……、オウゲツで対処するのは少々厳しいかも知れません」

実況「では、この勝負風紀委員長に分があると」

会計「……機体スペックは風紀、経験は男君が有利です。……どう転ぶかは」

実況「なるほど、つまり良い試合になりそうって事ですね! 
   それでは、決闘開始の合図は我らが生徒会長に取って貰いましょう!」


会長「お互い、悔いの無いよう戦うこと。……いいわね? それでは、ギア・バトル……レディィィィ、ゴォォォォォォ!」
177 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:22:43.96 ID:hNR4Gz20
男(まさか予算で新型を作ってたなんてな……。ここは様子見で行くか……)

風紀(あの男……、伊達に全国制覇を成し遂げてはいまい。相手が新型なら、必ず様子見に入るはず……)

風紀(ならば、序盤から間断なく攻める――!)

実況「おーっと、風紀委員長のドラグーン、いきなりオウゲツへ向かっていったあああああ!」

風紀「会計を、渡しはしないッ! レヴァテイン、セット!」

叫び、風紀は手元のコンソールを操作する。
ドラグーンの背中に収められていた実体剣が、圧搾空気の力で跳ね上がった。
宙を舞う巨大なそれを片手で受け止め、ドラグーンは地を駆ける。

男「マジか……!」

風紀「一撃で決めてやる!」

男「ちっ――!」

フットペダルを限界まで踏み抜き屈むことで、横薙ぎに振られたそれを辛うじて避ける。
そのまま転がるように、男のオウゲツはドラグーンの背後を取った。

男(だが何が出来るわけでもない……! 一度引いて、こっちも武器を……)
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 22:24:23.37 ID:R1pJ.Bs0
男勝利もみたいし、百合ルートもみたいし...

C
179 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:24:25.69 ID:hNR4Gz20
風紀「させるか!」

距離を取り、得物を抜こうとしていたオウゲツを牽制すべく、
ドラグーンがその手に握っていた得物を振り向きざまに投げつけた。
巨大なレヴァテインは、周囲の空気を斬り裂きながらオウゲツへと向かっていく。

男「って、マジかよ……、らぁっ!!」

腕をクロスさせ、ギリギリで本体へのレヴァテインの直撃を避ける。
ただ、両腕に深刻なダメージが残ったのは確かだ。

実況「なんと腕でガード! しかし装甲は破損、結構厳しいんじゃないですかあああ!?」

風紀「会計と私の仲を裂こうとする者は……、許さん……!」

男「結構、色々厳しそうだな……」



男「だけど、それだから余計に昂ぶるんだよなァッ!」

風紀「さあ見せてみろ、全国制覇の実力を!」

男「は、ビビるなよ!」
180 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/22(木) 22:25:46.54 ID:hNR4Gz20
と、いうわけでここで投下終了です
なんかごめんなさい……続きはまた明日か明後日ですかね

しかしギアに乗ると性格変わるのかこの男……


>>178
やはり百合はいいものだ、と思います
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/22(木) 22:49:51.62 ID:eqlpxcDO
乙だぜ

強化された新オウゲツを夢見て寝よう
182 : ◆PBWWnLanIE :2010/07/22(木) 22:53:34.60 ID:hNR4Gz20
そういえば二話目の後小ネタでも挟むつもりなのですが
なんかリクエストとかありますか?
出来る限り応じたいと思います
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 00:11:05.31 ID:ss6D2kAO
風紀委員長の孤独な夜
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/23(金) 02:39:58.52 ID:45KrubAo
仕事で出払って誰も居ない生徒会室で暇を持て余す会長
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 08:32:41.60 ID:6CW.vb60
GEAR戦士電童
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 10:53:05.29 ID:Kh527tU0
仕事で出払って誰も居ない生徒会室で身体を持て余す会長
187 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/23(金) 11:24:46.47 ID:ik1haQ.0
>>183
把握です

>>184
このフレーズで思いついたネタが>>186で出ているだと……
まあ冗談ですけど、エロは書けないですごめんなさい
暇を持て余す会長把握です

>>185
そういえばギアでしたね
あんまり詳しくないんですが、ベガがヒロインでいいんですよね?


小ネタは『風紀委員長の孤独な夜』と『暇を持て余す会長』に決定です
が、何かどっちも同じような展開になりそうだ……。
それじゃあ本編と小ネタの書き溜めに入ります
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 11:38:36.35 ID:078CQjA0
楽しみにしてます
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/23(金) 23:43:35.75 ID:59kxBmo0
しえん

こういう話好きだぞ
190 : ◆PBWWnLanIE [saga ]:2010/07/24(土) 19:53:39.80 ID:QRUHv6A0
>>1です
ついに更新不定期になりそうなので一応報告をば

以降から出来れば日曜と木曜に顔を出す、というか投下することになると思います。はい
どんなに時間がかかっても、多分どうにかして完結までは持って行くので、
どうぞよろしくおねがいします。
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 23:51:16.53 ID:V9q0UGIo
待ってるぜ
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/25(日) 08:17:05.49 ID:1Ck8VC2o
ワクワクが止まらない
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 02:13:19.95 ID:bzi3pPw0
wktkがとまらない!
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 21:01:31.12 ID:b6PNK8go
おもしろいよ

フェードアウトするのは無しね
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 12:19:53.23 ID:MJKTKkDO
わたし待つわ
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 14:01:00.44 ID:.nY7uwko
いつまでも待つわ
197 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/29(木) 18:56:17.93 ID:tCA0.1Y0
風紀「さあ、まだこれだけではあるまいッ!」

ドラグーンが、脚部バーニアから火を吹かせつつオウゲツへと向かって行く。
そのスピードは、既存のストラグル・ギアに引けを取らないばかりかむしろ勝っているようにも思える。

男「ったく!」

言いながらも、オウゲツはドラグーンの突進を軽く避ける。

風紀「ふ、なかなかどうして甘いな!」

だが、ドラグーンを駆る風紀の狙いは別にあった。
オウゲツに弾かれ、地に落ちたレヴァテインの回収である。

風紀「頂くよ――!」

男「そうはさせるか!」

風紀「何ッ!?」
198 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/29(木) 18:57:03.66 ID:tCA0.1Y0
手を伸ばし、掴みかけたレヴァテインが遠ざかる。
狙い通りに事が進まなかったとはいえ、風紀とて伊達にギア乗りとして名を馳せているわけではない。
レヴァテインはそのままスルーし、冷静にターンを決めオウゲツへと向き直った。

風紀「……くッ!」

そして目にする、オウゲツの秘密兵器。

男「流石に、そう易々とくれてやるわけには行きませんからね」

レヴァテインは、宙を舞っていた。
強固なワイヤーを打ち込まれ、巨大な神剣が空を駆ける。
オウゲツの両肘に取り付けられた射出装置、それから伸びるワイヤアンカーがその正体であった。

風紀「やってくれる……」

男「ええ、まあね。俺の得意技はこれを使った立体機動ですから」
199 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/29(木) 18:58:01.46 ID:tCA0.1Y0
男「じゃ、やられっぱなしって訳にもいかないんで……」

風紀(来るッ!)

男「お返ししますよ――!」

オウゲツの上半身が半回転し、返す勢いと共にアンカーに繋がれたレヴァテインが空を薙いだ。
自身の質量とアンカーの機動による遠心力。二つの要因により大きな力を持ったそれは、
牙を剥いた猛犬のように、ドラグーンへと襲いかかる。

風紀「――ふっ」

だが、風紀は動じない。
すかさず、腰元に提げている二振りのナイフでレヴァテインを受け流す。
襲いかかる相手を失ったレヴァテインはそのまま地に落ちる。

風紀「まさかワイヤアンカーを使われるとは思いもよらなかった……が」

ドラグーンの高速機動。
流れるような動きで、レヴァテインを拘束していたアンカーを断ち切る。

風紀「――確かに、返してもらった!」
200 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/29(木) 18:58:28.92 ID:tCA0.1Y0
実況「いやはやなんつーかレヴェル高い争いですね解説の会計さん!」

会計「……そうですね、見ていてワクワクします」

実況「さあ、ドラグーンにレヴァテインを取り戻され、相変わらずオウゲツは厳しい展開!」

実況「このままどのように試合は流れていくのでしょおおおおか!」

会計(……風紀……、男君……)
201 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/29(木) 18:59:04.17 ID:tCA0.1Y0
男「アンカーが切られたか」

特に取り乱した様子もなく、男は淡々と呟いた。
ワイヤアンカーが断ち切られる事は日常茶飯事だったので、特に慌てるようなこともない。
まだ、一組目であるというのもある。
オウゲツの射出装置には二組のワイヤアンカーが収められているのだ。
まだ、チャンスが潰えているわけではない。

男「ただまあ、あのレヴァテインは厄介だ」

リーチの長さ、威力共にあの実体剣は脅威である。
装甲が薄いオウゲツとしては、あの剣を避けつつ戦っていくしかないだろう。

男「まあなに……、面白い相手だってのは確かだ」
202 : ◆PBWWnLanIE [saga sage]:2010/07/29(木) 19:00:33.79 ID:tCA0.1Y0
すいません……登場が遅くなったばかりか進行も遅いというgdgdっぷりです
纏まって書く時間が全然取れないのがその要因なのですが、それにしたってこれは……

次回からはもう少し努力します。ごめんなさい……
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 20:15:46.46 ID:/UE3U5Eo
がんばれよ
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 20:29:33.52 ID:WOPJbV20
きてたー‼
無理せずに。楽しみに待ってますぜ
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/29(木) 21:06:56.16 ID:DsV8VQDO
待ってるぜ
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 15:34:32.39 ID:vXBiqsAO
待つさ…
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 17:37:05.52 ID:ggwXd.DO
いつまでも待つさ・・・
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 21:45:54.29 ID:B2dCowA0
このまま日曜が
終わってしまうのか(´・ω・` )
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 07:18:24.11 ID:lSiTWaI0
こうして、予告は破られた。
fin.
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 19:19:47.13 ID:4OscQoSO
まだー?
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 18:34:10.97 ID:HbWReYDO
私待つわ
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:07:46.14 ID:KIlpkrQ0
いつまでも待つわ
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 18:31:08.23 ID:HzqU8IDO
辞めるんなら辞めるって言ってほしかったな
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 20:28:58.57 ID:mko250s0
予告する人って大抵こうだよね。予告して自分に枷でも付けてんのかね
まぁ製速だから気長に待つけど
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 23:08:14.52 ID:hoGGJEc0
本人的には、出来れば木/日に投下と書いてるから、出来なかったんだろうが
投下は無理でも、1レス顔出すぐらいも出来んとかワロエナイ
デスマ中かタコ部屋にでも行ってるのか?w
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 18:03:01.64 ID:bLVCc.6o
それでもボクは待つわ
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:04:48.95 ID:7kjCSaQo
まってるー
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:44:36.03 ID:unCBIRMo
来たかと思ったが違ったか
まってるぞー

219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 16:57:59.26 ID:/65cCrso
ヽ( `д´)ノ
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 19:03:46.18 ID:WvwJvlEo
書き手のレスがないまま”1ヶ月”以上が経過したのでHTML化のご案内です

続ける意思がなくなった場合は以下のスレでHTML化依頼をお願いします
■ HTML化依頼スレ Part1
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1190564438/

続ける意思がある場合は2週間に1度ぐらいでいいので生存報告をよろしくお願いします
住み良い製作速報を作るため放置スレの削減にご協力お願いします
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/04(土) 20:02:37.77 ID:MMFrG6DO
とっとと書け太郎
さらしあげ
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 00:13:03.65 ID:iKiPvqUo
んーもう来ないかな…
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 18:10:42.55 ID:c8SnjBYo
次回から努力ってことは、もうここに来ないんじゃね。
撤収
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 00:24:00.92 ID:3uCBuAEo
1週間の間に書き込みがほとんどなかったので、放置スレと判断してHTML依頼してきます
おつかれさまでした
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 06:15:27.23 ID:MvrC75ko
おつかれさまー!!
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/12(日) 09:35:35.89 ID:hNLSlAAo
ここも乙ったか…残念
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 10:47:13.34 ID:o/aoUWUo
ガーン…
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 17:31:31.86 ID:Yv4aB5g0
誰か書けよ
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/18(土) 22:27:10.91 ID:reTsV.Mo
>>1を待つさ
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/20(月) 13:52:28.79 ID:Q9n593Mo
 
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 10:05:54.87 ID:aP9VpGIo
ううーん
これはもう無理なのかな
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 19:37:01.87 ID:Td10xAY0
風紀「レヴァテインで両断してくれる!」

男「突っ込んでくるか! そういう性格、嫌いじゃない!」

レヴァテインを前面へと構えながら、風紀のドラグーンが移動を開始する。
オウゲツもそれに反応し、腰を落とすような体勢を取った。

風紀「ハッ! その薄い装甲でレヴァテインを受け止められるとは思っておるまいな!」

男「御託は良いから来るんだな!」

風紀「……良いだろう、神剣の錆と消えろ!」
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/25(土) 19:44:59.86 ID:Td10xAY0
既存のストラグル・ギアを越えた機動。
圧倒的な速度を持って、風紀のドラグーンはオウゲツへと接近する。

男(まだだ、まだ引きつけろ)

風紀「動かなければ、ただ斬られるのを待つだけだぞ!」

男「……」ジリ

風紀「それが貴様の答えか! ならば、そこで大人しくしているがいいさ!」


風紀「全てを斬り裂け! レヴァテインッッッ!」

目にも止まらぬ速度。だがそれを殺さず、ドラグーンはレヴァテインを横薙ぎに振るう!
ドラグーン自身のスピードと、巨大な神剣を軽々と扱うドラグーンの膂力が相乗効果を生み、
レヴァテインは風を斬り裂く以上、まるで空間を斬り裂くが如きスピードを持ってオウゲツへと迫る!

男(今しか、ない!)

男「飛べ、オウゲツ――ッッッッ!」

接近したレヴァテインに、ギリギリのタイミングで手を添えた。
間断入れず、レヴァテインへの接触部分を軸に、オウゲツが素早い挙動で空を舞う!

風紀「なんだとっ!?」

男「オウゲツの装甲が薄いのは……、このためなんだよ――ッ!」
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 19:50:59.98 ID:8LrnVsAO
酉無し?
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/25(土) 19:51:57.94 ID:Td10xAY0
空中から竜騎兵を睨む、一体の巨人。
突き出された巨人の腕から、二条の鋼線が発射された。

狙うのは、竜騎兵の頭と胴。

男「センサーを潰す! これで終いだ!」

風紀「な、にいぃぃっ!?」

男「あんたの限界はここまでだ!」

がちり、と装甲の内にアンカーが食い込んだ感触。
手元のコンソールを軽快に操作し、男のオウゲツがワイヤ巻き取りを開始する。

竜騎兵へと、鋼鉄の巨人が迫る!

男「人の気持ちも考えない奴に――、負けるわけがないだろおおっ!」

風紀「貴様に――何がわかるというのだァァァッ! ドラグーンは! 私の誇りは! まだ死なん!」
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/25(土) 19:57:00.22 ID:Td10xAY0
風紀「ドラグーン……最ッ大出力!」

男「唸れェェェッ、オウゲツッ!」

オウゲツとドラグーンの拳が激突する!
巨大な質量と、エネルギーを伴う両の拳が、大気を振るわせ、観客の視線を釘付けにした。
二体は、拳を打ち付けたままその挙動を止める。

お互いに、力が拮抗しているのだ。

風紀「馬鹿な! ドラグーンが……競り勝てぬだと!」

男「信念なき拳に、何が出来る!」

風紀「貴様ァ……!」

男「あんた……、会計先輩が大事だと言ったな! ならどうして、彼女を傷つけた!」
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 19:57:35.52 ID:k1F3c2DO
久々にktkr
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/25(土) 20:03:16.05 ID:Td10xAY0
風紀「私が会計を傷つけるだと!?」

男「そうだ……、会計先輩が生徒会に行った後、あんたは先輩を無視し続けたんだろう!?」

風紀「それは私が、会計に相応しい女になってから彼女を迎えに行くつもりだったからに他ならん!」

男「なら! どうして会計先輩の心情を! 推し量ろうとしなかった!」

風紀「何度も、何度も考えたさ!」

男「あんたは、会計先輩が、あんたに無視されていると思ってどれだけ傷ついていたか、それを考えたというのか!」

風紀「ぐっ……!」

男「相応しい女になって、迎えに行く? 聞こえは良いが、そんなものはただの貴様の自己満足だ!」



男「人を愛すると公言するなら! それだけの誠意を持って口にするんだな!」

風紀「ぐ……、貴様に、貴様に何がわかる! 風紀委員長の長として、「風紀」という一個人として、私は悩み抜いたのだ!」
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/25(土) 20:09:21.76 ID:Td10xAY0
男「それで結局相手を傷つけたなら、そんな悩みに意味などない!」

風紀「どうして言い切れる!」

男「愛した相手を傷つける方法しか選べないなら! その悩みに価値なんてないと言っている!」

風紀「それは貴様に、愛する者がいないから! 悩むことを放棄している人間だから言えることではないのか!」

男「なんだと……?」

風紀「自分には出来もしないことを偉そうに講釈垂れてくれるな! 貴様は、逃げてしかいないのではないのか!」

風紀「だからこそ、人が悩み、傷つくことをいとも簡単に否定できる!」

男「俺は……、俺は、逃げてなどいない……!」

風紀「何にせよ、どうせこれで終いになる! 全力で来い! 全てはそれからだ!」

男「良いだろう! 貴様の過ち、身を持って教えてやる!」

風紀「吠えるな! 逃げる他脳のない貴様に負けるほど落ちぶれてなどはおらん!」
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/25(土) 20:10:42.43 ID:Td10xAY0
男「オウゲツ――」

風紀「ドラグーン――」




『――フルバーストッッッッ!!』


241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/25(土) 20:13:14.26 ID:Td10xAY0
実況「ぐ、激しい口論の後、二機が全力で……きゃあああっ!」

会計「……」

実況「す、スタジアムが軋んでる!? ちょ、総員待避ー!」

会長「流石にやり過ぎよあの二人!」

会計「風紀……」

会長「会長命令! 総員スタジアムから待避ーっ!」

会計「会計っ! 男くんッ!」

会長「会計さん! 二人をぶん殴るのは後! 今は待避よ!」
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/27(月) 04:04:11.19 ID:XvH7wMDO
酉が無いと信じられない
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 23:41:39.20 ID:xQE0VlYo
いつの間にやら来てたのか
もうだめかと思ってた
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/28(火) 06:13:52.24 ID:bqasvNko
安っぽいな
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/28(火) 06:25:23.37 ID:BKx5mMAO
(´・ω・`)本人か別人かはっきりしてよ
246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 14:45:50.51 ID:Gftwt4Ao
どうなんの
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