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ゲンドウ「起きろ、私の可愛い勇者よ」シンジ「……」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 22:49:01.32 ID:tPV/w2AO

ゲンドウ「起きろ、シンジ」

シンジ「…うーん」

ゲンドウ「今日はお城からお呼びがかかっているんだぞ。早く起きろ」

シンジ「ふわあ……うわっ、父さん顔近い!」

ゲンドウ「お前が起きないからだ。早く着替えてお城に向かえ」

シンジ「わかったよ……」


シンジ「(はあ…この日が遂に来たか……)」
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
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旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 22:50:09.60 ID:tPV/w2AO
国王「おお、勇者ゲンドウの息子シンジよ。よくぞまいった」

シンジ「はい」

国王「ゲンドウから話は聞いていると思うが、数十年前勇者ゲンドウによって倒された筈の魔王が突如復活した」

国王「勇者ゲンドウの息子シンジよ。君に魔王の討伐を任命する」

シンジ「はい(拒否権は……ないよね)」

国王「先日、ラングレー王が治める城が魔物の手により滅ぼされた」

シンジ「!」

国王「奴らがここに攻め込んでくるのも時間の問題だろう。我々も防衛の準備を始める。ただちに出発してくれ」

シンジ「わかりました(はあ…なんで勇者の子供に生まれたんだろう)」
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 22:53:01.70 ID:tPV/w2AO
国王「待て、シンジよ」

シンジ「はい?」

国王「いくら勇者の息子とはいえ、一人では危険だ。……レイ」

レイ「はい」

シンジ「……女の子?」

国王「宮廷魔術師の綾波レイだ。君の世話係としても役に立つ」

シンジ「……はあ」

国王「レイよ。勇者シンジと共に魔王を倒してくるのだ」

レイ「わかりました」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 22:56:50.59 ID:tPV/w2AO
レイ「綾波レイ、よろしく」

シンジ「碇シンジ…よろしく……綾波さん」

レイ「さんはいらない。私はあなたの部下だから」

シンジ「部下って…」

レイ「さあ、先を急ぎましょう。碇君」

シンジ「わ、わかったよ」


………


ゲンドウ「…彼女が旅のお供を?」

シンジ「うん…、魔法使いみたいなんだ」

レイ「…」

ゲンドウ「……似ている」

シンジ「え?」

ゲンドウ「…いや、なんでもない」
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:02:25.00 ID:tPV/w2AO
シンジ「それで父さん、魔王を倒すにはどうしたらいいんだろう?」

ゲンドウ「西の森へ行け」

レイ「…西の森?」

シンジ「あそこに何かあるの?」

ゲンドウ「西の森に、かつて私と旅をした大魔導師冬月がいる」

レイ「あの伝説の……」

ゲンドウ「冬月ならば、魔王を完全に倒す方法も知っているだろう。冬月を尋ねるんだ」

シンジ「…わかったよ、父さん」
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:06:40.68 ID:tPV/w2AO
シンジ「じゃあ綾波、行こう」

レイ「ええ」

ゲンドウ「待て、シンジ」

シンジ「?」

ゲンドウ「武器も持たずに旅に出る気か」

シンジ「……あ」

レイ「…」

ゲンドウ「だと思ったよ。……これを持っていけ」


【ひのきぼうと50Gを手に入れた!】


シンジ「…」

レイ「…」


シンジ「父さん」

ゲンドウ「なんだ」

シンジ「ふざけてるの?」

ゲンドウ「大真面目だ」
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 23:08:09.82 ID:Po.ZgUA0
いいなww
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:13:03.55 ID:tPV/w2AO
シンジ「これからモンスターを倒しながら森に向かうっていうのにこんな棒…」

ゲンドウ「私が愛用していた剣の方が欲しいというのか」

シンジ「当たり前だよ。こんな棒なんかすぐ折れ…

ゲンドウ「甘ったれるな、シンジ」

シンジ「!」


ゲンドウ「そのひのき棒は、そこらの武器屋で購入したものではない」

シンジ「え?…………!」

ゲンドウ「それは数十年前、旅立ちの時に私が最初に使っていた武器だ」

シンジ「……」

レイ「よく見ると、細かい傷が沢山ついてるわね」

シンジ「…こんな棒を持って旅に……」
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 23:23:30.98 ID:QPQ9asAO
期待
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:25:21.93 ID:tPV/w2AO
ゲンドウ「それは戦闘の基本を学ぶにはもってこいの武器だ。未熟者のお前にはまだ私の剣はやれん」

シンジ「……」

レイ「碇君、お父様の言う通りよ」

シンジ「…うん、わかった父さん……」

ゲンドウ「…そうか」

シンジ「正直不安だけど……やってみるよ」

ゲンドウ「それでこそ私の息子だ。自信を持て…お前になら出来る」


シンジ「…よし、綾波。出発だ」

レイ「ええ」

シンジ「……じゃあ父さん、行ってくるよ」

ゲンドウ「…ああ、無理はするなよ」


タッタッタ…


ゲンドウ「ユイよ……息子の旅立ちだ。見守ってやってくれ……」
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:30:33.33 ID:tPV/w2AO
スタスタ…


シンジ「西の森までは結構距離あるね」

レイ「ええ、途中でキャンプにしましょう」

シンジ「綾波は魔法使いらしいけど、炎とか出せるの?」

レイ「いいえ」

シンジ「…え?」

レイ「私は回復呪文しか使えないわ」

シンジ「……」

レイ「安心して、あなたの命は私が守るから。存分に戦って」

シンジ「あ……ありがとう……」
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:39:11.27 ID:tPV/w2AO
シンジ「そういえば、ラングレー王の城が滅ぼされたって話……綾波は知ってた?」

レイ「ええ。王と王妃は魔物達に殺害されたそう。…王女が行方不明みたい」

シンジ「王女が?…生きてるといいね」

レイ「普通に考えたら生きてはいないわ……あの城は山に囲まれているから…。城から逃げ出せても女の子一人では生きてける場所じゃないわ」

シンジ「……綾波、冷たいね」

レイ「…そう?」
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 23:48:10.71 ID:dEEW.gQ0
なんだこれ
面白そうだぞ
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:54:55.06 ID:tPV/w2AO
狼「ガオオオ!!」

シンジ「で、出た!」

レイ「気をつけて、碇君」

シンジ「(落ち着け…父さんから習ったやり方でやれば……!)」

狼「グオオッ!」

シンジ「う……うおおおおおっ!!」


ボグッ

狼「ギャインッ!!………」ガクッ


シンジ「や……やった?」

レイ「やったわ、さすがね」



ゲンドウ「(見事だシンジ…!)」
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/31(土) 23:59:01.65 ID:tPV/w2AO
西の森


シンジ「ここが西の森か…」

レイ「ここに伝説の魔導師、冬月さんがいるのね」

シンジ「でも……何処にいるんだろう。父さん詳しく言ってなかったしな…」

レイ「とりあえず進みましょう。迷わないように目印をつけながら行きましょう」

シンジ「うん、そうだね」




ゲンドウ「(頼れる仲間が出来たな、シンジよ…)」
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 00:00:56.33 ID:EQTZChQ0
あれ?ゲンドウがストーカーに…
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 00:04:37.07 ID:OOJ6wMAO
キー キー

クワッ クワッ…


シンジ「聞いた事ない動物の鳴き声だ…」

レイ「西の森には多種多様のモンスターがいるみたいよ。……ドラゴンを見たって噂も聞いたわ」

シンジ「ド、ドラゴン!?……脅かさないでよ綾波…」

レイ「あくまで噂だから……大丈夫よ」


グオォォ…

シンジ「!」

レイ「…」

シンジ「は、早く進もう!」
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 00:11:53.52 ID:OOJ6wMAO
モワァァ…


シンジ「霧が出てきた…!」

レイ「まずいわね」

シンジ「こんな状態で進んだら危険だよ」

レイ「そうね…霧が止むまでキャンプにしましょう」

シンジ「モンスターが出なきゃいいけど……」

レイ「こんな霧じゃモンスターも動けないわ。多分大丈夫」




ゲンドウ「…むう、迷った……」
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 00:34:11.24 ID:OOJ6wMAO
パチパチ…

シンジ「綾波、僕と同い年なのに宮廷魔術師って凄いよね」

レイ「そう?」

シンジ「魔法使いなんて、なりたくてもなれない人の方が多いのにさ。やっぱ才能なんだね」

レイ「…私は、魔法の才能なんてなかったわ」

シンジ「え? …でも宮廷魔術師なんて簡単になれるものじゃないだろ?」

レイ「私は元々孤児だったの。…なんの取り柄もないただの子供だったわ」

シンジ「孤児……綾波が……」

レイ「ある日、ある人と出会って…国王様の元に連れてかれたの」
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 00:42:12.49 ID:vA0m7AAO
新しいな
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 00:54:12.00 ID:OOJ6wMAO
レイ「その人の頼みで国王様は私を引き取って、私は国王様の世話係をやらせて貰う事になったの」

シンジ「へえ……。でも、その人はなんで綾波を…?」

レイ「わからない……というより、覚えてないの。小さかったから」

シンジ「……そっか……そうだよね」


レイ「お城では魔物との戦いで怪我をした兵士が沢山運ばれてきてたから…何かの役に立てればと思って毎日呪文書を読んで勉強してたの」

シンジ「それで使えるようになったんだ。…努力だね」

22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 00:56:23.72 ID:HYUx26AO
ゲンドウ元勇者なのに森の中で迷うなよwww
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 00:56:51.62 ID:EQTZChQ0
努力と根性
コーチがいたのか
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 01:07:11.28 ID:OOJ6wMAO
レイ「そう…努力は決して無駄にはならないわ。だから…碇君も出来る……お父様のように」

シンジ「僕が……魔王を…か……」

レイ「…頑張りましょう」

シンジ「……うん」

レイ「あなたは私が必ず守るわ。魔王を倒すその日まで…」


シンジ「…僕も、綾波を守れるような力を早くつけないとね……」

パチパチ… パチ…
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 01:14:40.48 ID:OOJ6wMAO
…シンッ


シンジ「…………ん?」

レイ「…?」


ズシン ズシン


シンジ「……足音?」

レイ「この音……かなりの大型の動物ね」

シンジ「ま、まさか本当にドラゴン!?」

レイ「わからない……」


シンジ「と、とにかく明かりを消そう!」

ズシン ズシン ズシン ズシン


レイ「…! …駄目、既に見つかってるわ。まっすぐこっちに向かって来てる……!」

シンジ「……!」
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 01:19:43.93 ID:OOJ6wMAO
ズシン ズシン


ズシィンッ



ドラゴン「グォォ………ガオオオオオオ!!!」


シンジ「ほ、本当にドラゴンだ!!」

レイ「…! 碇君、私の後ろに……!」

シンジ「お、女の子を盾になんか出来ないよ!」


ドラゴン「グオワアアアアアッッッ!!」


ビリビリビリッ…


シンジ「…っ!」

レイ「耳が…痛い……っ」
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 01:30:54.28 ID:OOJ6wMAO
シンジ「こ、この…!あっちに行け!!」

タッタッタ…


レイ「碇君!」

ドラゴン「…!」



シンジ「うおおおおっ!」


ドラゴン「グオッ!」バサアッ


ビュヒョオオッッッ

シンジ「うわあっ!!」

ドサッ


【シンジの攻撃はドラゴンの風圧により阻止された!】



シンジ「痛てて……」

ドラゴン「ガオオオオッ!!!」

レイ「強い……」
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 01:39:15.28 ID:OOJ6wMAO
ドラゴン「去れ…」

レイ「!」

シンジ「喋った…」

ドラゴン「ここはお前達のような子供の来る所ではない……」

レイ「…私達はある人を尋ねてここへ来ました」


ドラゴン「竜は縄張りを荒らす者には容赦せん。これが最後の忠告だ…立ち去れ」


シンジ「僕達はどうしても会わなきゃいけないんです!この森に住む、大魔導師冬月さんを!」


ドラゴン「! …冬月だと……?」


レイ「ええ、魔王を倒す方法を教えてもらう為に…」
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 01:46:34.42 ID:OOJ6wMAO
ドラゴン「…魔王を倒す……まさか…」

シンジ「僕は数十年前に魔王を倒した勇者ゲンドウの息子、碇シンジです」

ドラゴン「…!」


シンジ「父、ゲンドウに言われ、僕達は冬月さんを尋ねにここまでやってきました」

ドラゴン「勇者ゲンドウの息子……君がか…」

シンジ「はい」


ドラゴン「そうか……通りでその棒に見覚えがあった訳だ」

レイ「…?」

シンジ「?」


ドラゴン「眩しくなるぞ、目を閉じていろ」


――――カッ
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 01:58:44.24 ID:EQTZChQ0
まさか
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 07:47:10.78 ID:OOJ6wMAO
レイ「っ!」

シンジ「うわっ眩し…」


シュウゥゥ…


「もう、目を開けてもいい」

シンジ「……」パチッ

レイ「あなたは…」

冬月「……私が魔導師、冬月だ」

シンジ「ドラゴンが人に…!?」

レイ「これは魔法の力…。古代魔法で竜に変身する術があったのを聞いた事があるわ」

シンジ「す、すごい」


冬月「碇の息子か。大きくなったものだな……立ち話もなんだ、私についてきなさい」
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 07:52:48.30 ID:OOJ6wMAO
小屋


冬月「適当にかけてくれ」

シンジ「…ここで暮らしているんですか?」

冬月「ああ、私は自然が好きでね。この森には様々な植物や生き物が自由に生きている」

冬月「老後を過ごすにはもってこいの場所だよ」

レイ「さっきは何故、ドラゴンに…?」

冬月「この森にある希少な植物や動物を狙う者が最近増えてな……脅かしてやっていたんだ」


シンジ「そうだったんですか………怖かった…」
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 08:01:30.95 ID:HRK2wkSO
うむ、期待
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 09:56:37.71 ID:INN1OuEo
ゲンちゃんかわいい
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 11:20:30.40 ID:xVQfSwk0
あげ
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 12:01:38.61 ID:OOJ6wMAO
冬月「君は碇とは全然似とらんな」

シンジ「そうですか?」

冬月「ああ、奴は初対面だというのに『冬月、俺と一緒に来い』と言ってきたからな。失礼な奴だった…」

シンジ「無茶苦茶だな父さん…」

冬月「君は母親の血を濃く継いだようだな。うむ、いい事だ」

冬月「…と、話が逸れてしまったな。魔王を倒す方法を知りたかったんだな」

レイ「はい、そうです」
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 12:23:54.76 ID:OOJ6wMAO
冬月「魔王を倒すには…ある3つの力が必要だ」

レイ「3つの力?」

シンジ「それは一体?」

冬月「この世界に散らばる聖の力の塊だ。その力が無ければ魔王を完全に倒す事は出来ん」

レイ「でも、冬月さん達は確かに魔王を…」

冬月「うむ……私と碇、そして後に碇の妻になるユイ君と共に魔王を倒した」

冬月「……だがあの時、私達はその力を2つしか所持していなかった。…故に魔王を完全に倒せなかったのだろう」

シンジ「…」


冬月「魔王は復活したが、我々が与えた傷は大きい。完全に癒える前に3つの力を揃え、魔王を滅ぼす…これが魔王を倒す唯一の手段だ」
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 12:33:25.34 ID:OOJ6wMAO
レイ「それで、その3つの力は何処に…?」

冬月「一つはこの森に封印されている」

シンジ「後の二つは?」

冬月「もう一つは北にある洞窟に。最後の一つは……ラングレー王が治める城に保管されてた事が最近になってわかった」

シンジ「!」

レイ「でもラングレー王のお城は…」

冬月「うむ、魔王復活と同時に滅ぼされたと聞いた。…破壊されたか、魔王の手に渡ったか……」

シンジ「……」
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 20:04:34.31 ID:OOJ6wMAO
冬月「……とにかく、まずは一つ目の力を手に入れに行くんだ」

レイ「場所は…?」

冬月「この小屋の先に大きな木がある。力はそこに封印してある」

シンジ「……あの木か………確かに、大きいですね」

レイ「封印を解く方法は…?」

冬月「……行けばわかる」
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 20:10:14.50 ID:OOJ6wMAO
……………


シンジ「……という訳で来たけど……その力って何処にあるんだろう」

レイ「…」キョロキョロ


シンジ「行けばわかるって……何も無いじゃないか」


レイ「…! 碇君、もしかしたらアレかもしれないわ」

シンジ「え?」



【巨大な木に何かが埋め込まれている…】


シンジ「なんだアレ…?赤い……珠?」
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 01:47:01.29 ID:7hclEYAO
レイ「もっと近くで見てみましょう」

シンジ「うん」


タッタッタ…


シンジ「結構高いな…届かないよ」

レイ「……碇君、木登り…できる?」

シンジ「無理だよ。こんなでかい木……」


……ズシン


レイ「…………?」

シンジ「……なに、今の足音は」
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 04:43:58.50 ID:tscBl.AO
支援
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 21:31:40.40 ID:7hclEYAO
ズシン ズシン


レイ「大きいわ……すぐ近くまで来てる」

シンジ「まさか…冬月さん?また僕達を驚かしに……」


ズシィンッ


トロール「…」


シンジ「!!」

レイ「トロール……!」
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 21:39:44.58 ID:7hclEYAO
トロール「うごおおおっ」ブンブンブンッッ

シンジ「お、怒ってる…?」

レイ「もしかしたら、このトロールはあの力の番人なのかも」

シンジ「封印を解く方法ってまさか……アレを倒せって事!?」

レイ「多分……来るわっ」

シンジ「!」


トロール「うおおおおぉぉ!!!」


ドガアアァン
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/02(月) 21:49:18.14 ID:7hclEYAO
小屋


ズシィィンッ…


冬月「……始まったか。さて…」


ギィ… バタン



ゲンドウ「…冬月」

冬月「…………碇?」

ゲンドウ「久しぶりだな」

冬月「何故、お前が此処に………」

ゲンドウ「息子が上手くやってるか心配になってな」

冬月「ふっ、相変わらずの親馬鹿ぶりだな。……彼等は最初の試練を受けている所だ…見に行くかね?」

ゲンドウ「ああ」
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 06:22:07.98 ID:szRMr.AO
シンジ「うわああぁっ!!」

コツッ

トロール「?」


シンジ「駄目だ、こんな棒じゃダメージを与えられないよ!」

レイ「…!(攻撃魔法が使えたら……!)」



冬月「…苦戦しているようだな」

ゲンドウ「……そうだな」

冬月「昔のお前はあの棒でも倒せていたが…」

ゲンドウ「シンジは私ほど好戦的な性格ではないからな…」

冬月「……このままでは殺されるかもしれんな。仕方ない……」スッ
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 06:34:57.37 ID:szRMr.AO
ゲンドウ「待て、冬月」

冬月「…?」

ゲンドウ「この程度の試練も乗り越えられないようでは、魔王など倒せん。もう少し様子を見るんだ」

冬月「……」

ゲンドウ「あれでも私の息子だ。心配はいらん」


トロール「うごおおっ!!」

シンジ「!」

レイ「碇君、危ない!!」


【レイはシンジをかばった!】


バギッ

レイ「あぁっ」

シンジ「綾波!!」


冬月「…本当に大丈夫か?」

ゲンドウ「大丈夫…………な筈だ」
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 06:50:16.39 ID:szRMr.AO
シンジ「綾波!しっかり!!」

レイ「だ、大丈夫……」

シンジ「(何をやってるんだ僕は…!何が勇者の息子だ……女の子一人守れないで……!)」

トロール「ごおおおおっ!!」


冬月「まずいぞ碇、トドメを刺されるぞ!!」

ゲンドウ「…」



レイ「碇君……私は平気…逃げて……」

シンジ「(人、一人守れないで何が魔王を倒すだ!?)」


トロール「うおっ!!」ブンッ



冬月「いかんっ!」

ゲンドウ「待て冬月っ」
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 06:58:54.16 ID:szRMr.AO
珠「…」コオォ…


ゲンドウ「あれを見ろ」

冬月「む……珠が光って……」



レイ「逃げて碇君っ」

シンジ「嫌だっ!」

グオオオオッ



バキィィンッ!!!!


トロール「!?」

シンジ「!!?」


【トロールの攻撃が不思議な力により弾かれた!】


レイ「……!?」

シンジ「な…なんだ?今の……」



『…力が欲しいか?』


シンジ「……え?」

『力が欲しいか…?』


シンジ「力…?」
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 07:11:22.41 ID:szRMr.AO
冬月「今のはまさか…」

ゲンドウ「…ああ」

トロール「ぐおおおおっ!」


【トロールは力を溜めている…!】


シンジ「……!」


『力が欲しくないのか?』


『全てを超越する力を…』


シンジ「…そんな大げさな力はいらない………だけど……」


レイ「…碇……君?」


シンジ「綾波を……綾波を守れる力が欲しい……!!」


『……いいだろう。そんなに欲しければくれてやる!』
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 07:27:37.84 ID:szRMr.AO
珠「…」ボコッ



コンッ コロコロ…


シンジ「……珠?」


『それを拾え!そしてこう叫べ!!』


シンジ「……!」パシッ

トロール「ぐおおおおぉぉっ!!!」ブンッ

レイ「!!」


『変身、と!!』



シンジ「変身!!」


―――カッ
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 07:34:29.84 ID:szRMr.AO
ドゴオオオッ


ゲンドウ「…!」

冬月「…!」


シュウゥゥ…


トロール「…!?」


初号機「……!」


レイ「碇…君?」


初号機「な……なんだこれぇ!?」


トロール「ぐあおおおっ!!!」ダッ

ゲンドウ「驚いてる場合ではない、来るぞ!」


初号機「え…!父さん!?」


ドゴオオンッ

初号機「うわあっ!」
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 14:26:19.70 ID:5ZMVRUAO
今日のマダオスレかと思ったら以外と普通のパパだった
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 16:16:05.28 ID:fnCtRfoo
普通ではないね
ちょっといきすぎてるパパだ
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 22:14:59.45 ID:N5/8lQDO
変身でクソフイタ
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 01:33:53.94 ID:wIHIb.AO
初号機「いてててて…!」ググ…


ゲンドウ「シンジ、守りたいという気持ちを強く持て。それがお前の力となる」

初号機「守りたい…?」

ゲンドウ「お前が何かを守りたいと願ったから、力はお前に味方したのだ」


トロール「うおおーー!!!」ズシンズシンズシンズシンズシン


レイ「また来るっ」

初号機「! (守りたい気持ち…………守る、綾波を守る!!)」ギラッ


トロール「うおおーーー

バキィィンッ

トロール「ぐおっ!?」
バチンッ ドザアンッ

レイ「…!」

初号機「弾いた……!」


ゲンドウ「それが鉄壁の守り、ATフィールドだ」
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 01:44:47.71 ID:wIHIb.AO
初号機「ATフィールド…」

ゲンドウ「守りたい気持ちが強ければ強い程、強固な防御壁を展開する能力だ」

初号機「なんで父さんがそれを知って……」


トロール「ぐうぅ…」グググ…


ゲンドウ「奴が起き上がるぞ。今度は奴を倒す事を考えろ」

初号機「!(……倒す…アイツを倒す…!)」

ジャギンッ


初号機「肩からナイフが…!」


ゲンドウ「それを使い、奴を倒せ。お前になら出来る」


トロール「ぐおおおおぉぉー!!」ズシンズシンズシン


初号機「…!う…うおおおおーー!!!」
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 01:55:21.98 ID:wIHIb.AO
冬月「トロールの弱点は頭だ。頭を狙え」

初号機「ああああーー!!!」


ドズッ
トロール「ごっ!?」


ギュイィィィィン…!!


初号機「倒れろ…!倒れろ……倒れろおぉぉぉ!!」

ギュイィィィィン…
トロール「………!!!!」


レイ「…!」

ゲンドウ「…」


ギィィィィン…!

トロール「……お……おおおぉ……ぉ…」


ズッシーンッッッ!!


初号機「……!」


【トロールを倒した!】


初号機「や…やった……」ガクッ


ゲンドウ「よくやった、シンジ」
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 04:56:50.68 ID:wIHIb.AO
初号機「……」


シュウゥゥ…


レイ「!」

冬月「大丈夫だ。変身が解けるだけだ」

シンジ「……はぁ、はぁ」

ゲンドウ「シンジ、大丈夫か」

シンジ「う…うん」

レイ「動かないで碇君、今回復させるから」

シンジ「う、うん。ありがとう…」


キュイキュイキュイー


ゲンドウ「…」

冬月「……ふっ」

ゲンドウ「何が可笑しい?」

冬月「昔を思い出したよ。あの時もここでお前はユイ君に手当てをしてもらっていたな」

ゲンドウ「…」
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 06:24:21.00 ID:wIHIb.AO
小屋


冬月「なにはともあれ、一つ目の封印が解けて良かった。さすがは碇の息子だな」

シンジ「…この珠って……一体なんなんですか?」

ゲンドウ「それはエヴァクリスタルと呼ばれる物だ」

レイ「エヴァクリスタル…?」

冬月「太古の時代の人間が使っていた戦闘兵器らしい」

シンジ「戦闘兵器…」

ゲンドウ「私達も旅の途中に偶然発見したもので、詳しくは知らんがな」

冬月「君の父親碇、そして母親のユイ君はこれを使い、魔王と戦ったのだ」
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 06:38:23.38 ID:wIHIb.AO
ゲンドウ「お前が持っているクリスタルは私が使っていたものだ」

シンジ「そうか…だから色々知ってたんだね」

レイ「碇君のお母様が使っていたクリスタルは…?」

ゲンドウ「北の洞窟の奥深くに私が隠し」

冬月「ラングレー王の城にあったクリスタルが行方不明な以上、二つ目も早急に回収しなければならんな」

シンジ「…はい。よし、綾波……行こうか」

レイ「ええ」

ゲンドウ「シンジ、その力はいつでも使える訳ではない。使い所を考えるんだ」

シンジ「うん、わかったよ。父さん」

冬月「気をつけてな」

レイ「はい。失礼します」
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 06:50:55.17 ID:wIHIb.AO
ガチャ バタン…


スタスタスタスタ…


冬月「…今度は後を追わんのか?」

ゲンドウ「ああ。シンジがあの力を使えた事がわかっただけで十分だ」

冬月「……クリスタルを隠した事が、奴等に時間を与える事にならなければいいのだがな」

ゲンドウ「魔王も復活したばかりだ。そう早くは動けんよ」

冬月「我々も、万が一の為に準備をせねばな」

ゲンドウ「ああ。私も大分腕が鈍ったようだ」
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 07:35:39.87 ID:vXXkREAO
素晴らしい王道だな
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 10:18:06.53 ID:wIHIb.AO
―――シンジとレイは西の森を越え、道中でキャンプをしていた



シンジ「不思議だな…こんなクリスタルであんなのに変身出来るなんて」

レイ「クリスタルに輝きがないわね…」

シンジ「父さんはいつでも使える物じゃないって言ってた。一度変身すると次まで時間がかかるんだ」

レイ「…次は私があれに変身するのかしら」

シンジ「かもね……綾波が母さんのクリスタルに…」


レイ「そういえば…碇君のお母様は?」

シンジ「!あぁ…母さんは僕を産んで間もなく亡くなったんだよ」
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 10:27:11.94 ID:wIHIb.AO
レイ「…ごめんなさい」

シンジ「いや、謝らないでよ」


シンジ「母さんの顔は写真で見た事があるんだ。父さんと冬月さんが魔王退治の旅してた時のね」

レイ「…碇君に似てるの?」

シンジ「どうだろうね。父さんは母さん寄りの顔をしてるとか言ってたけど」

レイ「そう…優しそうな人だったのね」

シンジ「………こんな事言うの変だけど、綾波も母さんに似てる感じがする」

レイ「…え?私が……?」

シンジ「うん、なんか母さんに近い感じがする。父さんも綾波を見た時、似てるって呟いてたしね」

レイ「…そう」
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 22:05:53.16 ID:wIHIb.AO
魔王城


コツコツコツ…

黒騎士「…」


『待て、黒騎士』

黒騎士「!」


ズズズ…


モノリス「何処へ往く気だ」

黒騎士「必要な物を探しに、ね」

モノリス「魔王様の傷はまだ癒えておらぬ。親衛隊のお前が魔王城を離れる事は許されん」

黒騎士「勿論、魔王様から許可は頂いたよ」

モノリス「…」

黒騎士「心配はいらない。人間がすぐここに攻めて来る筈がないさ……僕もすぐに戻るよ、じゃあ…」

コツコツコツ…


モノリス「タブリス……勝手な真似ばかりしおって…」
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 22:12:30.38 ID:IX7DhqE0
王道なRPGと変身ヒーローものを合体させるとは
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:19:40.52 ID:7HltPkQo
愛作を思い出した
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 12:31:30.00 ID:8XHsZwAO
翌日


ヒュオオォォ……


シンジ「……この山を越えて行かないと駄目なのか…」

レイ「地図によれば途中に小さな村があるみたい」

シンジ「…面倒だな。クリスタルの輝きも戻ったし、変身して一気に……」

レイ「駄目、それはいざという時に使う力だから」

シンジ「う…」

レイ「修業だと思って我慢するしかないわ」

シンジ「わかったよ…」
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 22:22:23.84 ID:8XHsZwAO
――30分後


レイ「!」

シンジ「これは……モンスターの死骸…?」

レイ「…。全て急所を正確に狙われてる……」

シンジ「熟練の冒険者かな…?」

レイ「わからないわ。足跡を見るに、私達と同じ場所を目指しているのかも」

シンジ「こんな強い人が仲間にいたら心強いだろうな…」

レイ「ええ…… ……!(…髪の毛……? ……長い)」
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 22:26:55.11 ID:8XHsZwAO
………


シンジ「あ。綾波、看板があるよ」

レイ「…村まで後少し」

シンジ「温泉もあるってさ。楽しみだね」

レイ「……温泉?」

シンジ「綾波、温泉知らないの?」

レイ「…お城のお風呂しか見たことないから……」

シンジ「お城のお風呂場より広くはないけど、きっとお城のより気持ちがいいと思うよ」

レイ「……楽しみ」
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 23:02:55.73 ID:8XHsZwAO



シンジ「やっと着いた…」

レイ「…?変な臭い……」

シンジ「天然の温泉はこういう臭いがするんだよ」

レイ「そう………ん?」

シンジ「……?」


ザワザザワ…

シンジ「なんだろう?村の奥が騒がしい…」

レイ「行ってみましょう」
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 23:18:34.57 ID:8XHsZwAO
ザワザザワ…

村人「この野郎!あっちに行け!!」

オーク「グオォ…」


タッタッタ…

シンジ「! モ、モンスター?」

レイ「なんでこんな所に…」


オーク「グアオウッ!!」ぶんっ


村人「うわあーっ!」ドサドサッ


シンジ「! だ、大丈夫ですか?」

レイ「今、治療します。動かないで」

村人「……あ、あいつはこの村の温泉を独り占めしに来たんだ…」

村人「モンスターに入られると温泉の価値が無くなっちまう…うぅ」
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 23:23:06.05 ID:8XHsZwAO
シンジ「乱暴なモンスターだ…!……よし」

レイ「碇君?」

シンジ「綾波、怪我した人達をお願い。アイツは僕が追っ払う」
ダッ


村人「こ、子供が太刀打ち出来る相手じゃねえ…」

村人「こ、殺されちまうぞ〜…」


レイ「大丈夫です。彼なら…」



シンジ「モンスター!僕が相手だ!!」

オーク「…?」

シンジ「…変し

???「どきなさいよ、馬鹿!」
ゲシッ

シンジ「!?」
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 23:33:10.02 ID:8XHsZwAO
レイ「!?」


ドサッ
シンジ「いでっ!」

赤い鎧の少女「子供がカッコつけて無茶すんじゃないわよ!」

シンジ「こ、子供?君だって子供じゃ…」


赤い鎧の少女「うるさいわね。それよりアンタ、もっと下がりなさいよ。踏み潰されても知らないわよ」

シンジ「踏み潰される……?」


オーク「グオオオォッ!!」


赤い鎧の少女「ウルサイ豚ね。今黙らせてあげるわ」

スッ…


シンジ「……!」


レイ「あれは……」

赤い鎧の少女「変身っ!!」


―――カッ
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 07:05:30.98 ID:uSADCcAO
シュウゥゥ…


弐号機「さあ、行くわよ!」

オーク「…!」


シンジ「あれって…エヴァクリスタル!?」

レイ「何故、あの子が…」


村人「す、すげえ!」

村人「ありゃなんだ!?」


オーク「オオオォッ!!」

ブンッ

弐号機「鈍い!!」ドギュッ

ゴオオオオオオッ


シンジ「と、飛んだ!」

レイ「空を飛べるの…?」
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 07:11:53.43 ID:uSADCcAO
オーク「……!」


ゴオオオオオオッ


弐号機「必殺!!」

グルグルグルッ


オーク「!?」

弐号機「流星キーーック!!!」
ギュオオオォォッ


シンジ「!」
レイ「!」


ズドゴーーーンッッ!!!


オーク「―――!



……パラパラ


弐号機「アンタには土風呂がお似合いよっ」

オーク「………ガクッ」
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 07:20:50.17 ID:uSADCcAO
シュウゥゥ…


赤い鎧の少女「ふう、楽勝ね」

村人「うおお!モンスターを倒したぞ!!」

村人「ありがとう、ありがとう!」


赤い鎧の少女「私がたまたま立ち寄った事に感謝するのね」


シンジ「綾波、あれって僕と同じのだよね…?」

レイ「ええ。二つ目が北の洞窟にあるという事は……あれは恐らく、三つ目のエヴァクリスタルね」


スタスタ…
赤い鎧の少女「なーにコソコソ話してんのよ?」

79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 07:32:56.89 ID:uSADCcAO
シンジ「君の持っているその珠なんだけど…」

赤い鎧の少女「…!」

シンジ「それ、何処で手に入れたの?」

赤い鎧の少女「…アンタ達には関係無いでしょ」

レイ「関係あるわ。…それは復活した魔王を倒す為にどうしても必要なものだから」

シンジ「実は、僕も持ってるんだ……ほら」スッ


赤い鎧の少女「……ふーん………で?」

シンジ「僕達は魔王を倒す為にそのエヴァクリスタルを探して旅をしてるんだ」

レイ「私達に力を貸して欲しい。…魔王を倒す間だけでも」
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 07:40:27.32 ID:uSADCcAO
赤い鎧の少女「……断るわ」

シンジ「えっ」

レイ「…」


赤い鎧の少女「魔王を倒すくらい、私一人の力で十分だからよ」

シンジ「駄目なんだよ、一人じゃ。三つの力が揃わないと魔王は完全に倒せないんだよ」

赤い鎧の少女「誰に吹き込まれたか知らないけど、やってみなきゃわからないでしょ!……魔王は私一人で倒すのよ…必ず……」

レイ「(これは……憎しみ?)」

シンジ「…」


赤い鎧の少女「……今日は疲れたから休むわ……じゃあね」

スタスタ…

シンジ「あ……」

レイ「…」
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 12:22:47.64 ID:uSADCcAO
シンジ「…行っちゃった」

レイ「私達も今日は休みましょう。洞窟までの道のりは長いから」

シンジ「そうだね……じゃあ温泉にでも入ろうか」
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 12:37:06.64 ID:uSADCcAO
男湯


カコーン


シンジ「はぁ……いい湯だなぁ…」

シンジ「(…綾波、お城の大浴場とは全然違うから驚いてるだろうな……)」


ガラガラッ


シンジ「!(誰か入ってきた……村人かな?)」


ペタペタペタ


レイ「…碇君」

シンジ「!!?」
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 12:56:52.79 ID:uSADCcAO
シンジ「わああっ!あ、綾波!?」

レイ「…何を驚いてるの?」

シンジ「いや、驚いてって……こ…ここ男湯だよ!?」


レイ「ええ、知ってるわ」


シンジ「じゃ、じゃあ何しに……」

レイ「背中…流しに来たの」

シンジ「背中…?い、いいよ!一人で出来るから!」

レイ「私は王様にあなたの護衛と世話係を任されたわ。だから、遠慮しないで」

シンジ「遠慮なんて誰も…」

レイ「大丈夫、私慣れてるから」

シンジ「慣れてるとか慣れてないって問題じゃ…」
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 13:00:14.04 ID:uSADCcAO
ガラガラッ

シンジ「!」


村人「いや〜、一時はどうなるかと思ったな」

村人「んだんだ。いやあ、あの女の子に感謝だ〜」


シンジ「や、やばい。人が入ってきた!」

レイ「別に悪い事してる訳じゃないのよ」

シンジ「いや、そりゃそうだけど…僕的に良くないんだ!綾波、こっち!露天風呂に逃げよう!」

グイッ

レイ「あ…」
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 06:07:27.46 ID:FBdeUwAO
露天風呂

レイ「(碇君に手を引かれてる……懐かしい感じ………どうして?)」

ペタペタペタ

シンジ「露天風呂は混浴だから大丈……

ツルッ


シンジ「! うわわっ!!」

レイ「!」


ドテーンッ



シンジ「う……いてて…綾波、大丈夫?」

レイ「大丈…夫………」

むにゅっ


シンジ「ん…?……柔らか…」

レイ「…」


シンジ「……うわああああ!!ご、ご、ごめん!!!」
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 06:18:45.92 ID:FBdeUwAO
レイ「ううん、平気。怪我が無くて良かった」

シンジ「……綾波、怒らないの?」

レイ「? ええ…」

「ふーん……アンタ達、そういう関係だったの」

シンジ「え?」

レイ「!」


少女「こんな所でイチャつく余裕があるなんて。よっぽど魔王退治に自信があるのかしらね〜」

シンジ「ち、違うよ!誤解だよ!これは!!」

少女「いいのよ、別に誤魔化さなくったって。私にはなーんの関係も無いんだから」

87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 06:27:15.14 ID:FBdeUwAO
シンジ「……」

少女「こんなふざけた奴が魔王退治なんて、笑っちゃうわね。そんなに甘い相手じゃないのよ?」

シンジ「別にふざけてなんかいないよ!魔王は本気で倒そうと思ってるし!」

少女「口ではなんとでも言えるわね〜」

レイ「…碇君は、先代勇者の息子なの。魔王討伐の任を国王様から直接受けたのよ」

少女「先代勇者?…まさか、碇ゲンドウの?」

シンジ「そう…、僕は息子の碇シンジ」

88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 12:08:34.93 ID:FBdeUwAO
少女「勇者ゲンドウの息子………」

シンジ「…そういえば、君の名前をまだ聞いてなかったね」

アスカ「…そ……っ …アスカよ」

レイ「?」

シンジ「アスカさんか…よろしく」

アスカ「さんはいらないわよ、気持ち悪いから」

シンジ「…お願いだよアスカ、魔王を倒す為に力を貸して欲しいんだ」

アスカ「……アンタが勇者の息子なら尚更、お断りするわ」

シンジ「え?」

レイ「どうして、頑なに拒否するの?目的は同じなのに…」

アスカ「さっきも言ったでしょ。私一人の力で十分って……お荷物は必要ないのよ」
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 12:13:24.00 ID:FBdeUwAO
シンジ「だから一人じゃ完全には倒せないんだよ。魔王と直接戦った父さんと仲間の人が言ってたんだから…!」


アスカ「あーもう!うるさいわね………わかったわよ」

レイ「!」

シンジ「え、それじゃあ……」

アスカ「…明日よ」

レイ「……明日?」

アスカ「明日、私と一緒に山頂まで付き合いなさい。そこでテストをしてあげるわ」

シンジ「テスト…?」

アスカ「これに合格したら、アンタ達の仲間になってあげるわ。どう?」

レイ「…テストの内容は?」

アスカ「それは明日になってからのお楽しみよ」
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 12:30:08.47 ID:lUr3caAo
>>69
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 22:05:51.09 ID:63IW6Hwo
アスカが至高
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 00:47:06.97 ID:TYfqYUY0
「仲間にしてあげる」じゃないだけマシか
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:20:50.88 ID:rlh3JYAO
>>90
無限ループやめろww
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 12:14:29.76 ID:.79O5AAO


――そして翌朝


チュンチュン…

シンジ「山の朝って気持ちがいいね」

レイ「…ええ、空気もお城とは違うわ」


アスカ「グーテンモーゲン、お二人さん」

シンジ「あ、アスカ……グーテンモーゲン?」

アスカ「私の育った所での挨拶みたいなものよ」

シンジ「へえ…始めて聞いたよ」


レイ「(グーテンモーゲン……この挨拶は確かあの地方の……)」
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 12:22:13.99 ID:.79O5AAO
アスカ「さあ、山頂目指すわよ」

シンジ「なんで山頂に?いい加減テスト内容教えてよ」

アスカ「広い場所の方がいいからよ。黙ってついて来なさい!」



ザッザッザッザッ……



シンジ「…昨日、村に寄る前にモンスターの死骸を沢山見たんだけど」

アスカ「ああ、あれは私が倒したのよ」

シンジ「嘘!?アスカ一人で?」

アスカ「そうよ。…戦いは常に無駄なく美しく!冷静に弱点を狙えばモンスターなんて一撃で倒せるのよ」

レイ「見事な剣の腕ね」

アスカ「小さい頃から剣術を叩き込まれてたからよ……って無駄口開いてないで黙って進みなさいよ!」
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 12:34:27.98 ID:.79O5AAO
シンジ「僕も昔父さんから剣術を習った事があったけど……アスカのお父さんも剣術を?」


アスカ「………まあね」

レイ「…」


アスカ「でも、そんな詳しくは教わらなかったわ。ここまで出来るようになったのは私一人の力……私が天才だったから出来た事よ」


シンジ「……凄いね」

アスカ「凄くなんかないわ。……必死だっただけよ…………生き残る為だけに」ボソッ


シンジ「…?ごめん、最後が聞き取れなかっ……


アスカ「あーーもーー!仲良くピクニックしてるんじゃないんだから!!その口閉じなさいよ!!」

ゲシッ

シンジ「いたいっ!」

97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 12:52:13.80 ID:.79O5AAO
山頂


ヒュオオォォォォォォォ


シンジ「はあ、はあ……着いた」

アスカ「…よし、思っていた通りの広さね」

レイ「ここで何をするの?」


アスカ「バカシンジ、クリスタルは持ってるわね?」

シンジ「バカって…………勿論、持ってきてあるよ。ほら」スッ


アスカ「…よし、じゃあテストを始めるわよ」スッ

レイ「…! まさか」


シンジ「綾波?」


アスカ「そう、そのまさかよ!!…変身!」


カッ


シンジ「!!」
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 13:15:44.04 ID:.79O5AAO
シュウゥゥ…

弐号機「さあシンジ!アンタも変身しなさい!!」


シンジ「まさか、テストって…!」


弐号機「テスト内容は簡単よ。私と戦い、『参った』と言わせれば合格」

シンジ「…」


弐号機「合格したら、アンタの言うことはなーんでも聞いてあげるわ。アンタの相方みたいに一緒にお風呂だって入ってあげる……アンタが望めばそれ以上の事だって…………」


シンジ「な!?そ、そんな事…」

レイ「…」


弐号機「……なーに照れてンのよ、スケベ。さっさと変身なさいって」


シンジ「うっ ……わ、わかったよ……変身!」
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 21:23:16.34 ID:.79O5AAO
シュウゥゥ…


初号機「…」

弐号機「ふーん、見かけは強そうね……立派に角まで生やしちゃって」


初号機「アスカ、本気でやっていいんだね」


弐号機「あら!随分と自信満々ねーシンジ様?」

初号機「…綾波、危ないから下がってて」


レイ「わかったわ」


弐号機「さあ、始めるわよ!シンジ!!」

初号機「…行くよ、アスカ!」ギラッ
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 21:30:36.30 ID:OSp33eEo
弐号機は汎用人型決戦兵器としてのエヴァを完全に使いこなせた唯一の例ってスイカ育ててる人が言ってた
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 21:53:39.17 ID:.79O5AAO
初号機「(出ろ、ナイフ!!)」

ジャギンッ パシッ


弐号機「!」


初号機「うおおおおーー!!!」
ズシンッ ズシンッ ズシンッッ


レイ「…! 駄目……!」


弐号機「よっと」

ドギャオッ

初号機「あれ?」
スカッ

ドダアァンッ!!


弐号機「なーにやってんのよドジ!」
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 22:22:03.45 ID:.79O5AAO
ゴオオオオ…

弐号機「ほらほら、どうしたのよ勇者様!!」

初号機「っ…」グググ…


弐号機「どうしたのよ?まさかそれで終わりじゃないでしょ?」

初号機「ず…ズルいよ!空に逃げるなんて!!降りて戦えよ!」


弐号機「! アンタ馬鹿ぁ!?」

初号機「!」

レイ「…」


弐号機「アンタ、空を飛んでる敵には卑怯だから降りて来いって言うの!?」


初号機「…っ」
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 22:43:50.95 ID:.79O5AAO
弐号機「魔王城には大型の鳥類や飛竜がウジャウジャいるのよ!?そいつらに襲われたらアンタどうするのよ?」

初号機「う…!でも、僕はナイフしか使えないんだよ!」

弐号機「使えないじゃない、知らないのよ!その力の使い方を!!」

初号機「……!」


弐号機「……何も知らない状態で魔王を倒しに行こうなんて……ホントに馬鹿ね。まさに自殺行為よ」


初号機「……」


弐号機「そんな立派な力を手に入れても使いこなせていないんじゃ話にならないわ……テストは終わりね」


初号機「え…」
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 08:04:42.01 ID:/LXEScAO
弐号機「シンジ、ハッキリ言うわ。アンタのような甘ちゃんには魔王を倒すのは無理よ」

初号機「…!」

弐号機「仮にアンタの言う三つの力が揃ったとしても、倒す事は不可能ね。今の状態じゃ」

レイ「…」


弐号機「魔王の事は私に任せなさい。結局、魔王に対抗出来る人間は天才の私しかいないんだから」

初号機「アスカ……でも…!」


弐号機「じゃあね、勇者御一行様。…もう二度と会う事も無いでしょ」

ドギャオッ

ゴオオオオオオッ…

初号機「アスカ!」

レイ「無理よ、碇君。追いつけないわ」
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 10:06:03.68 ID:/LXEScAO
シュウゥゥ…


シンジ「……」

レイ「…彼女の言う通り、今のままでは厳しいわね」

シンジ「…僕はこの力を手に入れた自分に酔っていたのかもしれない……」

レイ「…そうね」


シンジ「ハッキリ言うね」

レイ「事実だもの」

シンジ「力の使い方か……」


106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 10:14:12.24 ID:/LXEScAO
……………



ゴオオオオ…


弐号機「…」ピクッ


弐号機「そろそろ時間切れ…か」



ゴゴゴゴ… ズシンッ


シュウゥゥ…


アスカ「……」


アスカ「…はぁ」



アスカ「(何、ガッカリしてるのよ私…)」

アスカ「(あんな奴らに何を期待していたのよ……)」


アスカ「(旅をする仲間が欲しかったから……?………違う!)」


アスカ「(私に仲間はいらない!魔王は私の手で倒さなきゃいけないのよ!!パパとママ、それにみんなの無念を晴らす為に!!!)」
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 10:26:09.06 ID:/LXEScAO

シンジ「え!?アスカが行方不明の王女!!?」

レイ「ええ、恐らく」

シンジ「どうして、わかったの?」


レイ「ラングレー王の城に保管されていたエヴァクリスタルを持っていた事……それと今朝の挨拶」

シンジ「挨拶…?……グーテンモーゲンだっけ?」

レイ「あれはラングレー王のお城がある地方の挨拶なの。二年前、国王様の領地視察の際にお供で連れていかれた事があって、その時確かに聞いたわ」

シンジ「アスカが王女……信じられない」


レイ「二年前に見た彼女は髪を下ろしていたから…今まで気づかなかった」


シンジ「じゃあ戦い慣れしてるのって……」

レイ「あの日の襲撃から、ずっと独りで生きてきた……だからだと思うわ」
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 20:20:46.68 ID:/LXEScAO
シンジ「……」

レイ「彼女が一人で魔王を倒す事に拘っているのも、あの襲撃で犠牲になった人達の仇を討とうとしているんじゃないかと思うわ」


シンジ「…そんなアスカに僕は……」

レイ「…」


シンジ「………アスカを追おう、綾波!」

レイ「ええ、勿論」

シンジ「最終的な目的地は同じだから、必ず何処かで会える筈だ」

レイ「そうね。とりあえず、この山を越えて北の洞窟を目指しましょう」

シンジ「うん、もしかしたらアスカも立ち寄ってるかもしれない」
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 21:34:51.41 ID:/LXEScAO
――シンジとレイは無事に山を越え、北の洞窟を目指し、歩を進めていた



山越えから3日後、二人は「竜の谷」と呼ばれる場所についた…



シンジ「ここが竜の谷か…」


レイ「ここを越えれば、北の洞窟はもうすぐよ」

シンジ「竜の谷って、その名の通りドラゴンの住処なんだよね」

レイ「数十年前の話ね、それは」

シンジ「え?じゃあ今はいないって事?」

レイ「竜狩りって言うのが昔流行っていたみたいで、多くの狩人がここでドラゴンを狩っていたらしいの」

シンジ「へえ…」

レイ「ドラゴンは狩人の手から逃れる為に竜の谷を棄て、何処かへと消えてしまったそうよ」
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 07:17:25.17 ID:8LS/uEAO
シンジ「じゃあ、ドラゴンに襲われる心配はないか」

レイ「油断は出来ないわよ」


シンジ「…アスカもここに寄ったのかな……行こう」



………………



スタスタ…


シンジ「…凄い、壁に爪痕が……」

レイ「相当激しい戦いが起こっていたようね……鱗も落ちてるわ」


シンジ「……人間がドラゴンを追い出すなんて……一番怖い敵ってのはもしかして、人間なのかもね」

レイ「そうね…」
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 07:32:50.47 ID:8LS/uEAO
スタスタ…


シンジ「父さんが言ってた。昔、ドラゴンを守る竜騎士って人がいたって」

レイ「竜騎士…。本で読んだ事があるわ……昔は他国との戦争にも使われていたそうね」


シンジ「モンスターの凶暴化につれてドラゴンをならす事が出来なくなって今はもう誰もやってないらしいけどね……」

シンジ「ドラゴンに乗れた時代があったなんて…カッコいいよね」


レイ「………………ん?」
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 07:42:11.60 ID:8LS/uEAO
シンジ「ん?なに?」

レイ「静かに、…何か聞こえる……」

シンジ「……?」




………ォォ


シンジ「……ん?」

レイ「…」


……オォォォォ


シンジ「…なんだ、鳴き声……?」

レイ「多分……これは巨人族の鳴き声じゃないわ。巨人にしては高すぎる」


シンジ「……………まさか……だよね」

レイ「……」
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 10:58:01.17 ID:9IMjEhYo
◆<オォォォォ…
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 12:39:34.38 ID:8LS/uEAO
レイ「碇君、クリスタルは?」

シンジ「大丈夫、変身出来る。…行くよ」

レイ「待って、先に補助魔法をかけるわ。少しでも戦闘を有利にする為に」


キュイキュイー


シンジ「…緊張するな……」

レイ「頑張りましょう」

シンジ「……うん! よし、行こう!!」

レイ「ええ」


タッタッタ…
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 12:47:09.91 ID:8LS/uEAO
竜の谷中心部



タッタッタ…


シンジ「!」

レイ「!!」



黒竜「ギャオオオオオォォンッ!!!」

シンジ「や…、やっぱりドラゴン!!」

レイ「まさか……黒竜…!?」

シンジ「竜族の中でも一番凶暴なドラゴン……!」


レイ「何故、こんな棄てられた所に…」


黒竜「!」


シンジ「…!見つかった!!」
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 19:55:26.19 ID:8LS/uEAO
黒竜「ゥオオオオオッッッ!!!」


レイ「来るわっ」


シンジ「…変し


黒竜「…!」ギラリッ

【黒竜の邪眼!!】


ビシッ

シンジ「う!!?」

レイ「碇君!?」

【シンジは麻痺した!】


シンジ「う……動けない……!」
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/10(火) 20:05:37.27 ID:8LS/uEAO
レイ「今、治し……

黒竜「ギャオオオッッ!!」


【黒竜の真空波!!】

ドヒュウゥッ!!

レイ「っ!!」


シュパアァンッ!


シンジ「!…あやな……み…!」


レイ「う…」
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 07:40:35.27 ID:1qLwCQAO
シンジ「(綾波が危ない……!う……動け……!!!)」

レイ「…っ」ポタポタ

黒竜「ギオオオォォッッ!!!」


【黒竜は力を溜めている…!】


レイ「…!(碇君を回復させないと……!)」


【レイは状態異常回復を詠唱中…】


シンジ「(駄目だ綾波!僕の回復せるより逃げて……!!)」


黒竜「オオオォッ!!!!」


【黒竜の超突進!!】

レイ「!」
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 07:48:43.19 ID:1qLwCQAO
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ッッッ


シンジ「…あやな……!」


レイ「(…! 間に合わない……!)」


黒竜「ウオオオオ!!!」


シンジ「(綾波ぃっ!!!)」


レイ「(守れなかった……碇君を…)」



???「…」ザッ
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 07:52:53.60 ID:1qLwCQAO
???「……せっ!!!」

ブンッ


黒竜「!」


ズドスッ

レイ「!」

シンジ「!?」


黒竜「…オオォッ」


ズシィンッ


レイ「…槍……?何処から……」



ザッザッザッ…

???「大丈夫かい、君達」

シンジ「…?(だ、誰…?)」


黒い鎧の少年「黒竜に正面から挑むなんて凄い勇気だ……尊敬に値するよ」
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 09:26:45.03 ID:1qLwCQAO
黒い鎧の少年「だが、二人で挑むのは自殺行為だね…僕が間に合わって良かったよ」

レイ「あなたは……」


黒い鎧の少年「…まず、彼の麻痺を解いてあげたらいいよ」

シンジ「…」

レイ「はっ」



……………


シンジ「あ、ありがとう……ええと」


カヲル「僕は…………渚、渚カヲル。…カヲルでいいよ」

シンジ「ありがとう、カヲル君。本当に助かったよ」


カヲル「危険な目に遭わせてすまなかったね。あの黒竜は僕の乗り物なんだ」

レイ「え…」


シンジ「乗り物?じゃあ…」

レイ「あなた……竜騎士?」


カヲル「昔のヒトは、そう呼んでいたみたいだね」
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 09:47:29.33 ID:1qLwCQAO
カヲル「僕はここで捜し物をしていてね。黒竜をここで休ませていたんだよ」

レイ「…」


カヲル「まさかこんな所に人が来るとは思ってなかったから……本当にごめんよ」

シンジ「僕達はいいんだけど……カヲル君の黒竜は…」チラ


黒竜「…」

カヲル「ああ、大丈夫大丈夫。あれは気絶してるだけだから」

シンジ「き、気絶?」

カヲル「あの槍で大人しくさせるツボを突いただけさ」

シンジ「さすが竜騎士…」


レイ「(竜騎士でも手懐けるのは不可能と言われた黒竜を手懐けるなんて……この人は……)」


カヲル「ん?僕の顔に何か?」

レイ「! …いいえ」
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 09:58:16.57 ID:1qLwCQAO
シンジ「…! そうだ、カヲル君。ここに来た時、女の子を見なかった?」

カヲル「女の子…?……いや、僕は君達だけしか見てないよ」

シンジ「そうか…」

カヲル「君達の仲間?」

レイ「いいえ、正確にはまだ仲間じゃないわ」

シンジ「彼女は魔王を倒すのにどうしても必要なんだ。なんとか合流して力を貸してもらいたいと思ってるんだけど…」

カヲル「魔王を倒す?……もしかして、君は勇者ゲンドウの……?」

シンジ「うん……そういえば、まだ名乗ってなかったね。僕は碇シンジ、彼女は綾波レイ」


カヲル「そうか……君達が…」
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 12:12:34.96 ID:1qLwCQAO
レイ「私達の事を知っているの?」

カヲル「勇者ゲンドウの息子が魔王を倒しに旅に出たって噂は各地で広まっているよ。…まさか、こうやって逢えるとは思ってなかったけどね」

シンジ「そうなんだ…」

カヲル「…」


シンジ「…ところで、カヲル君の捜し物は見つかったの?」

カヲル「…いや、残念ながらここにはなかった」

レイ「…何を捜しているの?」


カヲル「……秘密」

シンジ「え?」

カヲル「ははは、秘密だよ。…誰だって1つや2つ、言いたくない秘密があるだろ?」

レイ「…」

シンジ「まあ……それはそうだけど…」
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 12:24:25.28 ID:1qLwCQAO
カヲル「もう『アレ』を捜して一週間も経つんだ……まあ、そう簡単に見つかる物ではないんだけどね」

レイ「大きい物なの…?」


カヲル「…秘密」

レイ「…」

シンジ「…」


カヲル「各地を飛び回ってありそうな場所は全て調べたんだけど見つからなかった……歩いて探した方がいいのかな……」


シンジ「何か教えてくれれば力になれるのに」

カヲル「うーん……」

レイ「…碇君、あまりのんびりしていられないわ。早く彼女を見つけないと」


シンジ「! それもそうだね…」
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 12:37:12.70 ID:1qLwCQAO
シンジ「…じゃあカヲル君。僕達はもう行くよ……探し物、見つかるといいね」

レイ「…それじゃあ」


スタスタ…


カヲル「……待って」

シンジ「……?」

レイ「?」



カヲル「…僕もついて行っていいかな」

レイ「…!」

シンジ「え?…僕達は魔王城の方に向かってるんだよ?」


カヲル「構わないさ。君達と一緒に旅をした方が探し物も見つかるような気がする」

シンジ「……綾波、どうしよう」ボソッ


レイ「…」
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 13:01:54.20 ID:1qLwCQAO
レイ「…強いけど……何か嫌な感じがする………」ボソッ


シンジ「(…嫌な感じ……?)」


カヲル「?」


シンジ「! あ…えーと……」

レイ「碇君が決めて」ボソッ


シンジ「…。………いいよ、カヲル君。一緒に行こう」

カヲル「ありがとう、探し物が見つかるまでの間はしっかりと仕事をさせてもらうよ」チラ


レイ「…!」

カヲル「よろしく」

レイ「……ええ」


【竜騎士カヲルが仲間になった!!】
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:02:11.81 ID:/4i.rAAO
―――その夜


とある町の宿屋の一室…


アスカ「…」


アスカ「………っ」


アスカ「〜〜〜〜ッ」


………………


『城下町は既に奴等の手に落ちました!!』


『援軍は来ないのか!?』

『伝令部隊は壊滅させられました!!』

『奴等が来るぞ!!』

『城への侵入を許すな!!』
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:04:09.36 ID:/4i.rAAO
ドドドドド…!

アスカ「…」


ラングレー王「アスカ、ここにいたのか」

アスカ「…パパ!」

ラングレー王「ここは危険だ。お前は母さんと一緒に逃げるんだ」

アスカ「い、嫌よ!パパも一緒に!」

王妃「アスカちゃん、お父さんは大丈夫。行きましょう」


アスカ「ママ…!」

ラングレー王「大丈夫だ。すぐ会える」

王妃「そうよ、だから……」


ドガラアアアァァンッッッ!!!


アスカ「!!!」
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:06:21.69 ID:/4i.rAAO
ガラガラガラ…


ヒドラ「グルルルル……!!」

ラングレー王「!!」

王妃「…!」


兵士「こっちだ!!」

兵士「王様をお守りしろ!!」


ラングレー王「早く行け!!」

アスカ「いやっ!パパ!!」


王妃「アスカちゃん!」

ラングレー王「キョウコ、後は頼んだぞ」

王妃「はい…!さぁ、行きましょう。アスカちゃん!」グイッ

アスカ「…!!」


タッタッタ…


ラングレー王「さぁ、時間を稼ぐぞ!!」

兵士「はっ!!!」
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:08:41.05 ID:/4i.rAAO
…………


タッタッタッタッタ…


王妃「はぁ…はぁ…!」

アスカ「はぁ、はぁ…」



王妃「この森に隠れてれば大丈夫…」


アスカ「…!ママ……お城が…!!」

王妃「……!」


ゴオォォ…


アスカ「燃えてる……パパ………」

王妃「……さぁ、アスカちゃん…!」


ガササ…!


王妃「!」

アスカ「!」



「こっちだ、人間の足跡がある!!」


「王妃と王女の足跡かもしれん!!探せ!!」
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:17:56.70 ID:/4i.rAAO
ガサガサ…


ガサガサ…


王妃「追手がもう……!」

アスカ「ママ…」


王妃「……。大丈夫よ、アスカちゃん………ここに隠れていて」

アスカ「え…?」

王妃「すぐ戻るから、目を閉じて待っていて」

アスカ「嫌!!置いてかないで、ママ!!!」

王妃「モンスターは嗅覚が鋭いから、隠れていてもすぐ見つかってしまうわ。……大丈夫、追手を倒したら必ず戻るから」

アスカ「私も一緒に戦う!!一人になるのは嫌!!!」

王妃「ママはアスカちゃんを守るとお父さんと約束したの。わかって……」


アスカ「…………」
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:19:01.08 ID:/4i.rAAO
アスカ「ママぁ……うぅ」


王妃「…」

ギュッ

アスカ「…!」

王妃「アスカちゃんを独りにはしないわ。約束する……だからお願い、ママの言うことをきいて」

アスカ「……」


王妃「……ね?」


アスカ「……わかっ……た……」」


王妃「ありがとう……いい子ね」


134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:20:30.36 ID:/4i.rAAO
敵兵「何処にいる?」

敵兵「臭いは近いんだが…!」クンクン


ガササッ


敵兵「!」


王妃「…」


敵兵「いたぞ!!囲め!逃がすな!!」

ザザザザッ


ワイバーン「グオォ…」

ゴーレム「…」


王妃「(雑兵が10人……大型のモンスターが2体……)」

王妃「(撒くのは不可能…ね))


敵兵「王女がいないな?何処に隠れてる?」

王妃「……あなた達に……私達の可愛い娘は触れさせない!」
スッ

敵兵「なんだ?」


王妃「変身!!」


――カッ


135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 07:21:03.18 ID:/4i.rAAO
ズズズ…ン


アスカ「(なんの音……今の…?)」


ドシャーンッ ズシィィィンッ

アスカ「(ママ………!早く戻ってきて……!)」


モンスターの悲鳴「ギャオオオッ!!!」


アスカ「ひっ……!(パパ……ママ………!!!!)」」



ゴゴゴゴゴ…



………………………



アスカ「………」



アスカ「…音が止んだ……」

136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 12:23:03.14 ID:/4i.rAAO
タッタッタ…


アスカ「!」

王妃「…」


アスカ「ママ!!!」


王妃「……ぅ…アスカ……ちゃん……」

アスカ「ママ!!ママ!死なないで!!」

王妃「ごめんね、アスカちゃん……ちょっと…数が多すぎて………」

アスカ「ママ、お願い行かないで!!私独りになっちゃうよ!!」

王妃「アスカちゃん……ごめんね…約束……守れなくて………」

アスカ「嫌!起きて!!ママ!!!」


王妃「逃げなさい……パパとママ…そして……お城の皆の犠牲を無駄にしないで……」

アスカ「ママ……やだ……嫌だよ…私もママと一緒に……」

王妃「駄目よ……ここでアスカちゃんが死んだら……ママはなんのためにモンスターと戦ったの…?」

アスカ「でも……でも…」
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 12:27:19.83 ID:/4i.rAAO
王妃「行くのよアスカ…ちゃん………行きなさい…!!」

アスカ「………」


王妃「…これをあなたに………ママのお守りよ…」

スッ


アスカ「お守り……」

珠「…」

王妃「いざという時、そのお守りが守ってくれるわ……さぁ………行って………アス…カちゃ……………」


パタ…

アスカ「……ママ?…ママ!!ママ!!!」


アスカ「ぅ…!うああああああぁぁぁぁぁぁーーー!!!」


…………………



アスカ「はっ!!」

ガバッ

アスカ「……」キョロキョロ

アスカ「夢……」
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 12:32:39.97 ID:/4i.rAAO
アスカ「……パパ、ママ…待ってて……」

アスカ「魔王城までもう少し……勇者の息子なんかに魔王はやらせない…」


アスカ「私一人の手で、皆の無念を晴らすから……!」


……………



シンジ「へっくし!!」

カヲル「? 風邪かい?」

シンジ「いや…急にむずっと……」


カヲル「旅の途中で体調を崩すと大変だよ。見張りは僕だけでやるから、君もテントで寝てなよ」

シンジ「大丈夫だとは思うけど…万が一もあるもんね。じゃあ、悪いけどお先に」

カヲル「ああ、おやすみ」
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 12:53:56.86 ID:/4i.rAAO
ゴソゴソ…

シンジ「…」


レイ「…」スゥ… スゥ…

シンジ「(…綾波の寝顔って初めて見るな……)」


シンジ「(母さんもこんな寝顔だったのかな…)


レイ「…」パチッ


シンジ「!」ドキッ

レイ「…何?」


シンジ「え……い、いや……」

レイ「見張り交代の時間…?」


シンジ「いや、違うよ。カヲルに先に寝ていいって言われてね」

レイ「そう……じゃあ私、起きるわ」

シンジ「え!いや、綾波はまだ休んでなよ。まだ一時間くらいしか寝てないじゃないか」

レイ「でも…」

シンジ「綾波、顔には出さないけど相当疲れてるだろ?休める時は休んだ方がいいって」
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:36:07.76 ID:iUo65RAo
書きためてから一気に投下した方がよくないか?
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 17:16:39.00 ID:j6AEPYAO
レイ「そう見えるの?」

シンジ「え?…うん、雰囲気でわかったかな?」

レイ「……そう」


レイ「…」


シンジ「じゃあ、おやすみ」ゴソゴソ


レイ「! …おやすみなさい」



…………


パチッ パチッ…


カヲル「…」


『タブリスよ、何を呑気にやっている?』

カヲル「! ……驚かせるなよ」


『探し物というのはまだ見つからぬのか?』

カヲル「…そう簡単に見つかる物じゃない。もう少しかかりそうだよ」

『……何故、今までこちらに連絡を送らなかった?』
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 17:18:32.97 ID:j6AEPYAO
カヲル「今、ある旅人と一緒に行動してる」

『なんだと?』


カヲル「彼等といた方が探し物も見つかりやすいと感じたんだ」

『貴様……魔王様の側近が人間と旅をするなど…』


カヲル「そんなに怒るなよ。…別に僕は魔王様を裏切ろうなんて考えてないし………第一、出来るわけないだろう?」


『………』

カヲル「わかったらもう寝なよ、年寄りは夜更かししないで早く寝た方がいい」


『勇者達もここに向かっているとの情報が入っている。時間はないぞ……』


カヲル「……わかってるよ」



カヲル「…ふぅ」




レイ「……一人で喋ってたの?」

カヲル「!! ビックリしたな…」

143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 17:19:44.59 ID:j6AEPYAO
レイ「誰かいたの?」

カヲル「いや…ただの独り言だよ」


レイ「………」


カヲル「…君、僕を疑ってる?」

レイ「…少し」


カヲル「大丈夫、僕は敵じゃないよ(……今の所はね)」

レイ「…」


カヲル「探し物が見つかったら、君達から離れるさ」


レイ「……あなた、何者なの?」

カヲル「………竜騎士だよ」

レイ「嘘。黒竜を従える竜騎士は存在しないって、本で学んだわ」

カヲル「……いるじゃないか、目の前に…」
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 17:21:09.54 ID:j6AEPYAO
レイ「あなたのような子供が黒竜を従えさせるなんて、おかしいわ。例え竜騎士であったとしても」

カヲル「そんな事言われても…現実に出来てるんだから……」


レイ「竜騎士だから従っているんじゃない。もしかしたら、あなたは魔王の…」

カヲル「ラリプル(睡眠魔法)」


レイ「…!………」パタッ


カヲル「…参ったな……黒竜なんかに乗ってくるんじゃなかったよ」


カヲル「まあ、安心してよ。僕は君達の敵じゃない……敵になるのは…探し物が見つかった後だから………ね」


レイ「…」
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 17:27:30.95 ID:j6AEPYAO
……なみ ……綾波!


レイ「………?」


シンジ「綾波!朝だよ、出発するよ!」

レイ「……碇君」

シンジ「すごいぐっすり眠ってたね…」

レイ「寝てた……?」

カヲル「旅の疲れが一気に出たんだろうね。…さ、出発の支度をしよう」


レイ「(私……昨夜確か…)」


カヲル「…」


レイ「(………駄目。思い出せない)」



カヲル「…ホッ」

シンジ「ん?カヲル君、どうかしたの?」

カヲル「いや、なんでもないよ。さあ、モンスターの動きが活発になる前に出発しよう」
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 17:28:37.32 ID:j6AEPYAO
シンジ「いよいよ、北の洞窟か…」

カヲル「? 魔王城を目指しているのに、わざわざ北の洞窟に入るのかい?」

レイ「私達もあなたと同じく、探し物をしているの」

カヲル「へえ……それは?」


シンジ「…秘密」

カヲル「!…はは、やられたな」


レイ「そこに、魔王を倒すのに必要な物があるらしいの」


カヲル「へえ…それは楽しみだね」


シンジ「洞窟前に町があるみたいだから、そこで必要な物を揃えてから行こう」

レイ「わかったわ」
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 22:27:22.15 ID:n0vlqMAO
C
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 13:00:29.45 ID:u61c2UAO


ガヤガヤ…


カヲル「へえ、賑やかな街だね」

レイ「私、必要な道具を買いに行ってくるわ」

シンジ「うん、頼むよ綾波」

カヲル「僕はちょっと探し物の手がかりがないか調べてくる。すぐに戻るよ」


シンジ「わかった」

タッタッタ…



シンジ「北の洞窟か……あそこに3つめのエヴァクリスタルが…」

149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 20:36:59.61 ID:u61c2UAO
レイ「薬草、二束に魔法薬3つ」

商人「あいよ」ゴソゴソ


レイ「…」


ガヤガヤ…


レイ「………ん?」



カヲル「…」

黒騎士「…」



レイ「あれは……渚君?」

商人「お嬢さん、お代は」

レイ「! ごめんなさい…はい」


商人「はいよ、まいどありー」



レイ「…」キョロキョロ


レイ(………見間違い?)
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 20:43:54.28 ID:u61c2UAO
レイ「…お待たせ」

シンジ「あ、来た来た」

カヲル「じゃあ、出発しようか」


レイ「………」


カヲル「…ん?」

シンジ「どうしたの綾波」


レイ「……いえ、なんでもないわ」


シンジ「?」
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/16(木) 23:55:35.99 ID:/toSmVQ0
さて、更新はまだかな
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 00:48:33.44 ID:iUYw2sAO
アスカ可愛い
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/05(火) 00:53:09.53 ID:2hpPHIUo
白騎士物語に近い何かを感じる
154 :lain. [sage]:2011/02/19(土) 22:44:53.31 ID:???
SS・やる夫系スレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
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