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唯「ハレルヤオーバードライブ!」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 15:13:42.58 ID:rYZ2z4c0
―――今まで誰にも『期待してる』なんて言われたことなかったんだ……

     いっつも『ダメダメ』って言われるばっかで―――


―――初めてなんだよ。

     しかも好きな人に言われたんだ、『期待してる』って―――


―――その言葉だけで……

     壁なんていくらでも越えてやるよ


※「けいおん」と「ハレルヤオーバードライブ!」と、あといろいろ混じったクロスSS
※ sage進行でちょっとづつ投下

※ もう勢いだけで書いてくので原作設定やキャラが崩壊してるからごめん
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 15:14:38.55 ID:PfQ9ycAO
期待
3 :sage :2010/08/12(木) 15:15:04.00 ID:rYZ2z4c0
第一章 キミのウタゴエが好き


男「あの、オレと付き合ってください!」

唯「はい! よろこんで!」

  こうして二人はリア充生活を送りました

  めでたしめでたし…

  ……………

  ………

  …

  ハッ?  

  唯「ゆ、夢!?」


  唯「今日も見ちゃったよ……あの人の夢を///」

  唯「まだ、名前すら知らないのにさ……」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:15:43.65 ID:PfQ9ycAO
規制解けてたのか
5 :sage :2010/08/12(木) 15:16:42.77 ID:rYZ2z4c0
※舞台はHTTが結成して、初めての文化祭ライブからしばらく後。


<部室・放課後>


澪「コワイヨー…ヒトマエニデルノガイヤダヨー」ガタガタ

紬(……澪ちゃん。まだ、あのトラウマが尾を引いてるみたいね)


ダッダッダッダッダッダ

バタン!


律「おーい!みんな来てるかー!!」

唯「そろってるよ〜。りっちゃ〜ん」ポケー

律「よっしゃ!このチラシを見てくれ。どう思う」

3人「「「???」」」



紬「『駅前商店街主催、THE・バンドコンテスト』?」

唯「へぇ〜」ポケー

澪「……」

律「そう。一ヵ月後に開催されるんだ」

澪「ま、まさか。これに出ようっていうんじゃぁ……」

律「ピンポーン!」

澪「ヒィィィィィィィィィィ!!!!」ガタガタガタ

律「ほら、『なんと、優勝賞金は100万』って書いてあるだろ!」

律「部活の機材・お茶・お菓子の充実めざしてがんばろうぜー!!!」

唯・紬「「お〜」」

澪「ええっ。ちょ、ちょっと!」
6 :名前欄にsageェ [sage]:2010/08/12(木) 15:18:42.84 ID:rYZ2z4c0
澪「無理!私絶対でないからァ!」


律「部長命令で却下ですっ」

澪「そ、そんなぁ……」

紬「『出場条件は、ギター・ベース・ドラム、各一名以上必須』ってありますね」

唯「じゃぁみおちゃんもでないとだめだね〜」ポケー

律「と、いう訳だ。HTTのベースはお前しかいない。頑張ろうぜ、澪」b グッ

澪「うぅっ」

……

澪「や、山中先生に代わって貰えないかナァ……」

3人「…………」

律「えー」ブーブー

紬「代理はともかく、助っ人として先生にも参加してもらうのはありかもー」

唯「じゃぁ、しょくいんしつにいってみようよ〜」ポケー
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:21:13.77 ID:rYZ2z4c0
<職員室>

山中「ごめんなさい。コンテスト当日は出張があるから、出場は無理だわ」

澪「……」ガックシ

律「やっぱ、このバンドのベースは澪しかいないよ」b グッ!

紬「それじゃぁ先生。ありがとうございました」

唯「またね〜。さわちゃ〜ん」ポケー

山中「ええ。それじゃぁコンテストに向けて頑張ってね!」b グッ!

4人「は〜い!」


澪「……」ドボトボ

唯「……」フラフラ〜

     ガンッ!

唯「……」ヨロヨロ


山中「ねぇ。田井中さん、琴吹さん」

律・紬「「??」」
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:25:16.16 ID:rYZ2z4c0
山中「秋山さん――の元気がない理由はなんとなく想像できるけど……」

山中「平沢さんの方はどうしてあんな状態なの?」

紬「それが、1週間前からあんな感じなんです」

律「なんだろ?文化祭ライブが終わって緊張が解けたせいなのかな?」

山中「ふーむ???」

律「何か悪いものでも食べたのかねェ?」

紬「病気とかじゃないといいんですけど……」


・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

キュピーーン!

山中「もしかしたら…」

律・紬「「??」」



山中「平沢さんはきっと”恋の病”ね」

律「えー。唯の奴がぁ?」

山中「たぶん。間違いないわ。私の、乙女のカンがそう言ってるもの!」

律「(乙女って年でもないだろうけど)うーん??」

紬「(乙女って年でもないでしょうけど)そう……なの、かな?」


スイマセーン、ヤマナカセンセイチョットー

山中「おっと、何かあったら教えて頂戴ね」b グッ!

山中「はーい。今行きまーす」

タッタッタッ……



律・紬(唯ちゃんが恋の病ねぇ……???)
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:27:56.85 ID:rYZ2z4c0
<通学路・下校時>


唯「じゃぁみんな〜。またあした〜」ノシ

澪「あぁ」

紬「ごきげんよう〜」ノシ

律「じゃーなー」ノシノシ


唯「……」テクテク


律「行ったか……」

律「なぁ澪、ちょっと……」

澪「?」


・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・


澪「えっ」


澪「恋の病?唯の奴が??」

紬「どうもそうみたいなの」

律「まぁとにかく」
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:31:47.92 ID:rYZ2z4c0
律「さっき唯の妹に聞いたんだけど、唯の奴、ここ最近ふらっと家を出ていくらしい」

律「8時ごろにいつの間にかいなくなり、10時すぎに家に帰ってくるそうだ」

紬「これ、怪しいですよね」

澪「あぁ、そうだな……」


律「と、 い う わ け で !!!」


律「第1回! 『7時半から唯の私生活を尾行してみる会』の結成を宣言します!」キリッ

紬「ワーッ!」パチパチ

澪「す、ストーカーじゃないか……」

律「何言ってるんだ澪!うら若き乙女が1人、夜中にうろつく方が問題だ!」キリッ

紬「えぇ、律ちゃんの言うとおりです。友達の問題行動は皆の責任です!」キリッ

澪「おいおい;」

澪(いや。じゃぁそのワクワクテカテカした感じはなんなんだ……)


律(唯が惚れたのはどんな奴だろ? にっしっし!)ワクワク

紬(尾行には餡パンと牛乳、あと虫眼鏡は必須アイテムよね)テカテカ
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:34:11.14 ID:rYZ2z4c0
律「じゃぁ7時半に唯の家の前に集合ってことで。ひとまず解散!」

紬「ラジャーです! 田井中隊長!」

澪「ほ、ほんとにやるのか」

律「あったり前田のクラッカーよ!」

紬「それじゃぁまた、夜に会いましょう」ノシ

律「あぁ、じゃーなー」ノシノシ


澪「……わ、」

澪「私は行かないからなーーーーーっ!」


……


澪(まったく、他人を尾行するなんて不埒なこと)

澪(……全然興味なんてないわよ)



澪(うん、そうよね。そうよね澪……)
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:38:40.39 ID:rYZ2z4c0
<平沢家の前・7時25分>

紬「もうすぐで7時30分になりますね」

律「澪のヤツ『私は行かない』なんて言ってたけど……」


澪「……」


律「来ちゃってますよ琴吹さん」ヒソヒソ

紬「来ちゃってますね田井中さん」ヒソヒソ

澪「だ、そんなこと言ったってしょうがないじゃないか!」


澪「他人のプライベートを覗くなんて悪いことだけどっ、」

澪「い、ひとりぼっちにされるのは、もっと寂しいもん……」


律(おおっ、見事なツンデレだ)

紬(ツンデレだー)
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:41:34.90 ID:rYZ2z4c0
<平沢家の前・7時50分>

律「おっ!? なんか聞こえてこないか?」

紬「はひっ?」アンパンモグモグ

澪「ん。どうした?」ギュウニュウズズーッ


 「ちょっとお姉ちゃん!そんな変装してどこ行くの!?」

 「へ、変装なんかじゃないよー。おしゃれだよー」

 「ねぇ、最近のお姉ちゃん変だよ!お父さん達も心配するよ!!」

 「うっ、うう〜」


  ゴスッ、キュッ!

 「はぅっ」ジタバタバタバタ……

  バタン!


 「ゴメンね憂。こんな駄目なおねぇちゃんで……」(T-T)

 「でも、この思いは止められない。いってきまーす!」

  ガチャッ タッタッタッタッ

律「ホントに出かけていきよった」

律「よーし、軽音部。追跡開始ぃ!」

澪・紬「おっー」
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:45:40.04 ID:rYZ2z4c0
<駅前ロータリー〜8時10分>

 タッタッタッタッ

唯「ハァ……ハァッ!」

唯「あ。今日もやっぱり、居た……」



 タッタッタッタッ

律「ん、おっとストップ!」キキィッ

澪「どうしたんだ?」

紬「あ、唯ちゃん。柱の影に隠れて誰かを見てますね」


律「よし、私たちは横の植え込みに隠れて偵察だー」

 タッタッタッ

澪「唯が見てるのは、あの人?」ジー

律「たぶん。あのギター弾いてる男の子だろうな」

紬(……見れない、虫眼鏡じゃ遠くを見れない)


男「……」ジャカジャカジャン♪

唯「……」ドキドキドキドキ

澪・律・紬(ワクワクテカテカ)


<駅前屋台・同時刻>

店主「お、今日も怪しい女の子が。しかも4人もいる」

大男「いったい何なんでしょうか?」
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:48:59.49 ID:rYZ2z4c0
<駅前ロータリー・8時20分>

男「……」ギュウィーン♪ジャン!!

男「う〜ん……」ムムム

唯「……///」ドキドキ


律「う〜ん……」

律「なぁ澪、ムギ。あの男の子どう思う?」

澪「……イケメンには程遠い切れ長の目、寝グセそのままのような整ってない髪形……」

紬「口を閉めるとき邪魔になりそうな八重歯に、たどたどしくて、みょうちくりんなギター……」


律・紬・澪(ないなぁ……)


唯「……///」ワクワク

紬「あぁっ。でも唯ちゃん、超うっとりしてる〜」

律「唯はああいうのがタイプなんだろうか?」

澪「どうだろう? いや、違うとと思うがなぁ」


男「よし。歌うか」
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:50:52.63 ID:rYZ2z4c0
唯「ふあぁ!きょうもうんたんうんんだぁ〜」ポケー


紬「うわわ。唯ちゃんが、唯ちゃんが融けてる〜!!!」

律「そうか。歌うとすごい……んだろうか???」

澪「と、とにかく聞いてみよう」


店主「おっ。今日も歌うみたいだねぇ。あの男の子」

大男「へぇ……楽しみだ」


男「ゴホン。あーあーあー♪」






―――こんな唄 歌いたいと思っていたのさ 素敵なメロディ♪


澪・紬・律「!!!!!」


―――あのコに聞いて欲しくて ただそれだけで歌う僕さ♪


澪・紬・律「……す、すごい」







澪・紬・律「下手だorz」ガクッ
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:53:30.48 ID:rYZ2z4c0
―――この唄のよさが いつかきっとキミにも わかってもらえるさ♪


紬(ん、下手なんだけど……)


―――いつかそんな日になる♪


律(何だ、コレ……)


―――ぼくら何もまちがってない もうすぐなんだ♪


澪(……この声まるで)





店主「まるで”霧”。いや、あたたかい”雨の中”に居るみたいだねぇ」

大男「うん、あいつ。いい声してますよ」



唯「ふにゅ〜……」バタン

澪「うわ、唯が倒れた!」

律「び、尾行は中止。唯を救出するぞぉ」

紬「らじゃー!」

タッタッタ
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 15:58:10.28 ID:rYZ2z4c0
唯「うへへへ。あったかい雲の中にいるみたいナリ〜」ポケー

澪「唯!しっかりするんだ、唯!」

唯「はれ?みんな、なんでここにいるの?」

律「そ、それはだな……」

紬「憂ちゃんが心配して、私たちに連絡を入れてくれたんです」

唯「そっか……」

唯「憂には、余計な心配かけちゃったなぁー」





男「あのー」

4人「!!!!」

男「だいじょうぶですか?」



唯「ふにゃ〜」メロメロ〜

バタン!

紬「ああっ!またっ」

澪「しっかりしろー!傷は浅いぞぉー」(T‐T)

律「衛生兵!えいせいへーい!」
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:00:58.07 ID:rYZ2z4c0
<駅前の屋台・8時40分>


大男「よっと!」

唯「……ありがとうございます」

大男「……」ムシ


大男「それじゃぁ大将。俺はこれで」

店主「へい!まいどあり〜」


律「……倒れた唯を運んでくれるなんて、親切な人もいたもんだ」

男(何者なんだろう。あの人)


店主「それじゃぁニイチャン、ジョーチャンたち。この烏龍茶は俺っちのおごりだ。一杯やっとくれ」

澪「それじゃぁお言葉に甘えて……」

店主「それから今日は学生割引で全品半額にするぜ。どれでも好きな奴を選んでくれよ」


紬「それじゃぁ私は大根で」

律「私はちくわぶっ!あとニンジン」

澪「昆布とコンニャクで、唯は何にする?」

唯「私は、はんぺんと雁もどきを!」

男「じゃぁ俺は卵と鳥皮をお願いします」

店主「あいよっ」
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:04:29.91 ID:rYZ2z4c0
店主「はい。おまたせ〜」

ゴトッ

律「よーし、それじゃぁ」


5人「「「「「 い た だ き ま ー す 」」」」」


店主「ところで、君らは知り合いなのかい?」

男「いや、俺はこの人達とは初対面です」

澪「私たちは同じ学校の同じ部活仲間ですけど」

男「へぇ、ちなみにどこ高の何クラブなんすか?」

紬「桜ヶ丘高校の軽音部です。ちなみにバンド名は……」

律「その名もぉ〜」


カチャッッチャッチャ

タタタタタタ キンッ♪


律「放課後ぉ(↓)ティー(↑)ターイム!」キリッ

店主「あっはっはっは!!」

澪「コラ律!お箸をスティックのように扱うな。迷惑だろうが!」

唯「あはははははは〜」


男「うおおお!皆さんバンドやってるんすか!」


男「! おっともうし遅れました」
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:06:52.81 ID:rYZ2z4c0
男「オレ、明狼学院高校1年。朝桜 小雨(アサクラ コサメ)っていいます」

(以下、男=小雨)

小雨「残念ながら、皆さんと同じく軽音部ではないですが、バンドを作ろうとしてマス!」


律「えー、ワタクシ。軽音部部長でドラムスの田中井 律ですっ!」キラッ☆

紬「キーボード担当の琴吹 紬ですっ!」キラッ☆

澪「あ、秋山 澪です。た、担当はベースです///」キラッ☆

唯「えーとえーと」アタフタ

唯「ギターをやってるギタリストの、平沢 唯です。よろしくお願いします!」キラッ☆

小雨「あ、俺もギターやってます。こちらこそよろしくお願いします!」キラッ☆


店主「ちなみに俺は馬井尾伝太郎です。今度ともご贔屓に」チース☆


店主「そーか。皆音楽関係者なんだなー」


紬「朝桜さんは駅前ロータリーで、やっぱり練習をしてたんですか?」

小雨「はい。どうしても上手くなりたくて。でも家じゃウルサイって言われてあんまり練習できないんで」


・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

キュピーーン!


律「軽音部!しゅーごー!!!」

小雨・店主「「??」」
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:12:10.89 ID:rYZ2z4c0

小雨「行っちゃいましたね。どうしたんでしょうね?」

店主「そりゃ、女の子同士の秘密の会話だよ。いろいろあるのさ」



律「単刀直入に聞く。唯、お前あの子に惚れてるだろ」ガッ

唯「えっ。えええええええええええええええええ///」ボッ

紬「どうなんですか、唯ちゃん??」ガッ

澪「どうなんだ。唯?」ガッ


唯「……わかんない」

唯「でも、小雨クンの近くにいると。すっごくドキドキするの」

唯「恋しちゃったんだ。たぶん。気づいてないうちに……」

3人「……」


律「よーし、それじゃァ唯!」

律「これから一緒に、皆で一緒に、小雨君を殴りに行こーうかー♪」

3人「ええっ!?」


律「おっと、間違えた」


律「告白しに行ってきなよ。この後すぐに」

3人「えええええええええええええええええええええええええ!!??」
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:15:01.50 ID:rYZ2z4c0

唯「そ、そんな//////」

澪「無茶振りが過ぎるぞ律!」

律「でもさぁ。『思い立ったが吉日』って、トリコも言ってるじャァン」

紬「まぁ、一理あるかもしれませんけど……」


唯「……わかった」

3人「おおっ!?」

唯「わたしのこの気持ち、小雨君にぶつけに行く!」

3人「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


唯「だから皆、私に勇気を頂戴!」

ギュ

律「頑張れ唯!」

ギュ

澪「ガンバレ!」

ギュ

紬「頑張って!」


唯「うん!私、がんばるよ!!!」
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:17:13.18 ID:rYZ2z4c0
店主「お、戻ってきたな」



スー、ハーッ…



唯「朝桜っ、小雨君っ!!!!///」


小雨「!?」

小雨「なんですか?えーと、平沢さん??」



律「頑張れ!そこだ!行けっ、唯!!」ボソッ

澪「ファイト!」ボソッ

紬「……バンドの神様……ギターの神様」ナムナム(‐人‐)








唯「私、貴方の歌声がダイスキですっ!//////」

唯「だから……」

唯「わ、わひゃしとっ、付き合ってくだひゃい/////////」
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:19:54.16 ID:rYZ2z4c0
唯「わ、わひゃしとっ、付き合ってくだひゃい/////////」

小雨「はい」




















小雨「よろこんで!」
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:21:19.26 ID:rYZ2z4c0
唯「おーけーってことですか?」

小雨「はい。モチロン」










律「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」グッ

澪「頑張った!よくがんばった唯!」グスッ

紬「よかった。本当によかった……」グスッ



カクンッ

唯「おっとっと」


唯「こ、腰が抜けて立てないや」




店主「いやー青春だねえ」
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:22:24.62 ID:rYZ2z4c0
小雨「それでは皆様改めまして……」


小雨「これから、”放課後ティータイム”でお世話になる、朝桜 小雨です。よろしくお願いします!」



















店主「えっ」

紬「えっ」

律「えっ」

澪「えっ」

唯「えっ」

小雨「えっ」
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:23:41.15 ID:rYZ2z4c0
小雨「あれ?バンドのメンバーになってくれって事じゃないんですか???」


  ここで解説しよう。

  小雨は今まで女の子にモテたことがない!!

  なので…


小雨(うーむ。俺の”声”が好きってったって、俺の”事”が好きなワケがないだろうし……)

小雨(んー。俺なんかが平沢さんみたいなカワイイ人に告白されるなんてことありえないし……)

小雨(うん。バンド加入のお誘いだよな。さっきのって)


  ↑のような発想をしてしまったのだ!!!


  残念ッ!ベベーン
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:25:05.38 ID:rYZ2z4c0
小雨「あれ?バンドのメンバーになってくれって事じゃないんですか???」


唯「あ」

唯「は、はい。その通りです」

3人(いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや)ブンブンブンブン




唯(あれっ?あれーーーーーーーーっ!?)

律(な、なんだか)

澪(妙なことになってきたぞ)

紬(でも、これはこれで楽しそう!)





店主「おい、続くのか?このバンド??」

※第一章終わり
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 16:30:24.18 ID:rYZ2z4c0
今月号のゲッサンが面白すぎて、もう無性になんか書きたくなった

けど勢いだけじゃダメだな。いろいろと


>>2
ネタに乗ってくれて感謝ですm(_ _ )m
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 16:32:26.00 ID:qiMi2AAO
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 17:00:44.51 ID:0JPXrQSO
ハレルヤのSSとか想像したこともなかった
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 18:25:39.95 ID:5zbcwISO
ハレルヤなんたらの原作は知らないけど、
この展開は俺得。

最後まで書いてみてくれ!
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/13(金) 01:08:25.32 ID:/6CSy6SO
わかりにくい所もあるけど
伏線とネタの散りばめ方はなんか凄いなw

ただ一つ、

さわちゃんは(まだ)乙女だああああああああああ!

支援age
35 : ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/13(金) 14:32:50.52 ID:J2a1CVE0
うぉ

とりあえず見てくれている人に感謝です。

これ以降なんですが、リアルが忙しい
+似たようなけいおんSSが別スレで進行中のため
一端製作の休止、様子見を行います。

この書き込み以降、1週間たっても進行できなかったら
削除依頼を出すor出していただくという形でお願いします。
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 15:43:30.70 ID:6VTRimso
似たようなけいおんSSkwwsk
37 : ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 19:36:00.16 ID:drWNA8g0
>>36
唯「れんあい!」
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280916852
ですね。

このスレもラブコメちっくにしようかと思ったんですが、
その路線はやめて、ちょっと変わった感じにしていこうと思います。


何かしら反応があると嬉しいです。投下していきます。
38 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I :2010/08/16(月) 19:37:53.06 ID:drWNA8g0

第2章 プロローグ

<私立明狼学院高校・旧部室棟103号室>

このSSの登場人物の1人、朝桜小雨。
彼は今、所属する部の部屋でギターとボーカルの猛練習をしている。

小雨「くそー。出だしはともかく、この部分が上手く弾けねーなぁ」

小雨(しょうがない。もう何回かテンポを遅くして練習してみるか)

小雨「うっし、集中集中!」



先輩1「うふふっ、小雨くん。最近気合入ってますねー」

部長「あぁ。妙にハリきってるな。なんかあったのか?」

先輩1「あら?部長はご存知なかったんですか」
39 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 19:43:09.71 ID:drWNA8g0

先輩1「小雨くん。この前、桜ヶ丘高校の軽音部バンドに入れてもらったそうなんです」

部長「へぇ。小雨のやつ、自分でバンド作るんじゃなくて、よそに入れてもらう事にしたのか」

部長「まぁ別の学校のバンドに入ってても、ウチの部活をちゃんとやるなら構わんが……」

部長「んん?」

部長「桜ヶ丘高校って女子校じゃなかったか?なんで小雨が女子校のバンドに?」

部長「アイツ…小雨がそこに入るまでの経緯が全然想像できん」

先輩1「ええ、ここにも面白いエピソードがありまして……」
40 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 19:48:18.96 ID:drWNA8g0
先輩1「小雨くんと冬夜くんが、校門付近で喧嘩してたの覚えてます?」

部長「ああ」

先輩1「じゃぁあの時に『壁を越えるウンヌン』って小雨くんが言ってたのも覚えてます?」

部長「あの青春ドラマみたいなやりとりか。あれはちょっと忘れられないなあ(笑)」ウンウン

先輩1「ですよねー(笑)」プフー


先輩1「でも小雨くん『その言葉を嘘にしたくない』って言って、」

先輩1「その日から、駅前でギター弾き語り練習を始めたらしいんです」

部長「!? 小雨の奴、まだギター初心者なのに、人前で演奏練習って」

部長「度胸があるというか、怖いもの知らずというか……」
41 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 19:53:29.25 ID:drWNA8g0

先輩1「で、小雨くんが駅前で弾き語りをしている姿に、桜ヶ丘高校軽音部の子がひとめぼれして」

部長「ほうほう」

先輩1「なんと、その子から告白されたそうなんです///」キャー

部長「な、なんだってーーーーーーーーーー!」

部長(女の子から告白されるだなんて、小雨のクセになまいきな)

部長(実にうらやまs…いやいや。実にけしから…いやいや)

部長「はー。まぁ物好きもいたもんだ」

――――――――――

唯「へっくちん!」
42 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I :2010/08/16(月) 19:58:22.20 ID:drWNA8g0

先輩1「でも小雨くん。なぜかその告白をバンド加入のお誘いと受け取ったらしくて」

部長「え〜〜。ありえねー」

部長「まぁ小雨のやつは、人の話を聞かねー所あるからなぁ」

先輩1「自分のバンド作りに必死でしたからね、彼。勘違いしちゃったんでしょうか?」

部長「それは大いにありうる」

先輩1「そしてものすごく微妙な空気の中で、桜ヶ丘のバンドに入ることになったんですって」

部長「うわー。それいろいろと問題が出てきそうな。大丈夫か?やってけんのか、小雨のヤツ?」


小雨「うっし反復練習10回終了。あと半分!」
43 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:02:13.79 ID:drWNA8g0

部長「そういえば、その話誰から聞いたんだ?」

先輩1「桜ヶ丘の友達からです。個人情報だから秘密にしといてって頼まれてたんですけど」

部長「……(俺に喋ってるじゃん。いいのか)」

先輩1「……」

部長「……」

先輩1「……あっ」

部長「…………」

先輩1「…………」


ガチャ


先輩2「ちーっす」
44 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:07:33.60 ID:drWNA8g0

部長「うーっす」

先輩1「おはようございます」


先輩2「オイ、出してきたぜ。駅前商店街主催『THE・バンドコンテスト』の出場用紙」

先輩1「ありがとう。ご苦労様」

部長「最終的に何組くらい出場しそうなんだ。手強そうなバンドはありそうか?」

先輩2「確定してるわけじゃないが、出場すんのは10組ぐらいだろ」

先輩2「実力的になら、ウチら"メタルりかちゃん"に勝てるバンドはない筈だ」

部長「いいな。悪くない」

部長「機材の維持費やら部の運営費のために、是が非でも賞金はいただこう」キュピーン!
45 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I :2010/08/16(月) 20:12:29.57 ID:drWNA8g0

先輩2「ただ1組やっかいそうなグループがあるんだが……」

先輩2「まぁ、それは後で話すぜ」


先輩1「あっ、そう言えば」

先輩1「小雨くんの入ったバンドも出場するそうですよ」

先輩2「アイツも出場すんのか!?よっしゃ、小雨を入れたバンドは自爆確定だなwwwwww」

先輩1「うふふっ、でも副部長は言ってましたよ」

先輩1「『ボクは小雨はやる時はやる男だと信じてる』『ヤツは台風の目になるぢゃろう』」

先輩1「って」
46 :第2章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:17:28.25 ID:drWNA8g0
部長・先輩2「いやー。ないない(笑)」

部長「っと、でも」


小雨「よし、反復練習終了!」

小雨(次は上手く弾けますように)ナムナム


部長「順風満帆な物語より面白くはなるかもな」







ペキョ♪


小雨「あっ」

小雨(出だしでミスった)orz


部長・先輩1・2「……」

※第2章 プロローグ終了
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/16(月) 20:19:24.04 ID:jYijFMSO
ほう期待
48 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:22:32.77 ID:drWNA8g0
第2章 スーパースターと痛みの塔


  私「ねぇ。放課後ティータイムでイス獲りゲームやろーよ〜」

  友1「おう。やろうやろう」

  友2「でも4人に対して椅子も4つあるぞ」

  友3「じゃあ全員座れることになりますねー」


  男「オレを忘れないでください!5人に対し椅子は4つです!」

  友2「ああ、じゃぁ1人座れなくなるな」

  私「えっ。誰か1人いなくなるの?そんなの嫌だよ……」

  男「何言ってるんですか。平沢さんが言い出したことでしょ」


  私「ち、違うよ。私が望んでたのは、こんなんじゃない」

  私「こんなはずじゃ、こんなはずじゃなかったのに……」

  ・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・
  ・・・・・・
  ・・・
49 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:27:31.75 ID:drWNA8g0
<※唯視点で進めます>


「ねぇ!お姉ちゃん大丈夫!?」

妹の、憂のこの一言で、私は悪夢から戻ってこれた。

「最近、夜ずっとうなされてるよ。だいじょうぶなの!??」

でも、現実も悪夢と変わらないかもしれない。

「だいじょうぶだよー憂。お姉ちゃんは元気一杯さ」


……そんなことはない。本当はスゴク苦しい。誰でもいいから助けて欲しい。

このイヤな気持ちを誰かに打ち明けたいけれど、そうしたら打ち明けた人との関係が壊れてしまう。

少なくとも、他人に話すことで、今まで変わらなかった”平沢 唯”が、どこかに消えていってしまう。

そんな恐さが、私の足を竦ませ、私は口と心に頑丈な錠前をとりつけた。
50 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:32:32.82 ID:drWNA8g0

口と心につけたこの錠前が開かなければ、この錠前を守りきれれば

私は私が期待する、みんなと仲良しのままの、平沢 唯でいられるから。

だから私はガマンして、私の役を演じきる。風が吹こうが、雨が降ろうが。

午前2時のベッドの中で、そう決意を新たにし、私はもう一度眠りに入る。

頭も心も空っぽにすれば、この痛みから逃れられる。そのはずなんだ。


でもそれでもまた、あの男の子と出会ってしまった。私の夢の中で。
51 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:37:27.63 ID:drWNA8g0

夢に出てきた男の子は朝桜小雨くん。

別の高校(私の学校は女子校だから当然だけど)に通う、私と同い年の子。

私は学校の軽音部でギターをやってるけど、彼も彼でギターをやってる。

私はギターを高校に入って始めたけど、彼も同じくらいからギターをしてる。

ボーカルは私もやってるけれど、ボーカルは彼もやっている。

私と彼の、共通項は多い。


だけど


彼は、私より、ずっと音楽のセンスがあった。
52 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:42:26.07 ID:drWNA8g0

私にはないけれど、彼には音楽のセンスがある。

それに気づいたのはみんなでセッションをしてからだ。

――――――――――

私の告白が空振りをして、そして何故か、彼は放課後ティータイムに入ることになった。


『この前の告白は上手くいかなかったけど、まだチャンスはある』

『私達のバンドに入れて、一緒に練習して、そこで唯と小雨くんとの距離を縮めよう』


みんながそう言い出しちゃったから、私はそれがイヤだなんて言えなかった。


大好きなバンドの中にいる、みんなが、私とくっつけようとするその人が、

今の私にとって、世界の誰よりもキライな人だなんて事を。
53 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:47:47.44 ID:drWNA8g0
この前、郊外の小さなスタジオを借りて、5人で練習をした。


初めのセッションでは、私はみんなと上手く演奏できたけど、小雨くんはもたついた。

それは当然だった。なんたって私はこの軽音部で、今まで何回も合わせてきたんだから。

だけど2回目3回目と繰り返すうちに、だんだんみんなと合うようになってきて

最終的にスタジオが閉まるその時には、私がギターをやるよりも、バンドの演奏力は高かった。


これでわかったことは2つ

・小雨くんは私よりも演奏が上手い

・私は放課後ティータイムのお荷物だ
54 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:52:38.19 ID:drWNA8g0
そのスタジオ練習の帰り、5人で音楽専門店に立ち寄った。

ちょうどその店では、割といいピックを大安売りしていて、

彼は、小雨くんは所持金全部使ってピックを買いあさってた。

(帰りの交通費分もうっかり使ってた。足りない分はムギちゃんに借りたらしい)

彼曰く『新品のピックでも、1週間くらいでボロボロに削れちゃうから助かった』って

その時気づいたけど、彼は指先もボロボロだった。ピックだけじゃなく。

ピックにしろ指先にしろ、私はそこまでなったことないのに……


これでわかったことは

・小雨くんは私よりも練習してる
55 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 20:57:33.95 ID:drWNA8g0

そうして昨日、2回目のスタジオ練習を行った。


この前の、初めてスタジオを使った後から、私は心機一転、練習をやっていた。

とにかく、たくさん。今までよりもずっと。憂も両親もビックリするくらい。

小雨くんのように、ピックも指先もぼろぼろにするくらい練習すれば、

彼と同じ高さへ、彼よりも更に高みへいけると信じたから。


諸君、私はギー太が……ギターが好きだ。大好きだ。

この思いは誰にも負けないと、そう思ってた。


でも、現実は私の想像の遥か先を進んでいたんだよ。
56 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I :2010/08/16(月) 21:02:32.53 ID:drWNA8g0
小雨くんと出会って、練習するようになって、私はギターが上達して、

カスタネットしか出来なかった頃の私とは、別人になった。これは間違いない。


でも、小雨くんは私よりもずっと、ギターの上達が早かった。


私が1歩進む間に、彼は10歩進んでいた。

私が10歩進もうとしたら、彼は1000歩進んでいた。


童話の世界なら頑張り屋の亀は、兎に追いつけるけど、

現実の世界では頑張り屋のスッポンは、月を見上げるしかできないように、

私と、彼そして澪ちゃんと律ちゃんと紬ちゃんの距離はどんどん離されていった。そう思えた。


ギターもボーカルも練習して、上達すればするほどに、私はこの遠さを痛いほど実感した。


これでわかったことは2つ

・小雨くんは私よりも上達が早い

・練習すればするほど、皆との距離が、そして痛みがはっきり解る
57 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I :2010/08/16(月) 21:07:06.66 ID:drWNA8g0

そして今、いままでわかったことを、ベットに横たわり紙に書き出す。


・小雨くんは私よりも演奏が上手い  ・小雨くんは私よりも練習してる

・小雨くんは私よりも上達が早い  ・私は放課後ティータイムのお荷物だ

・練習すればするほど、皆との距離が、そして痛みがはっきり解る


そうして書き出してみてわかった、結論をまとめてみる。


@私は小雨くんに追いつけない

A放課後ティータイムは、彼がギター担当の方がレベルが上がる

Bどれだけ練習しても、自分にとっては、楽しい結果に繋がらない

C私の居場所は小雨くんに取られてしまいそうだ。つらい

Dこんな思いをするくらいなら、私はここから逃げ出したい

Eこんな思いをするくらいなら、彼をここから追い出したい

……
58 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 21:12:29.58 ID:drWNA8g0

そんなことを書き出しながら、ウトウトと寝ボケ始める。

そうして、私なんとか眠りについた。

―――――――――

あぁ、いつの間にか朝になっている。

心の中は灰色の曇り空なのに、今朝は雲ひとつない快晴だった。

憂にも両親にも心配を掛けたくないので、学校にはちゃんと行く。

本当は部活からも、学校からも逃げ出したいけれど、そうはいかない。


忘れ物がないか確認し、机の上を見ると、昨日の@〜Eまでを書いた紙があった。

違った。

Fまで書いてあった。寝ボケながら追加したんだろうか。
59 :第2章 スーパースターと痛みの塔 ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 21:17:09.57 ID:drWNA8g0
Fの項目はこうだった。

―――それでも私は、彼の側にいたい






ふと化粧台の鏡に目を向ける。

その鏡の中には、顔を桜色に染めた私が、こっちを見ていた。


そうなんだよ。

小雨君は、私の居場所を脅かし、私の心を不安定にさせる、

世界の誰よりもキラいな人なのに、私は彼に惹かれてる。

なぜなんだろう。わかんない。



あぁ、もう時間だ。学校に行かなきゃ。


※第2章終了
60 : ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 21:19:38.86 ID:drWNA8g0


面白い話を書くのは難しい……
61 : ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 23:53:25.87 ID:drWNA8g0
もうちょっとだけ続けるんじゃ
62 : ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/16(月) 23:54:05.63 ID:drWNA8g0
第3章 プロローグ

<私立明狼学院高校・旧部室棟103号室>

このSSの登場人物の1人、朝桜小雨。
彼は今、所属する部の部屋でギターとボーカルの猛練習をしている。


小雨(もっともっと上手くならなきゃ。同じバンド仲間のために)

小雨(オレを迎えてくれた、平沢さんのために)

小雨(もっともっと、もっともっと上手くなって)

小雨(そしていつかは―――)








副部長「あーさーくーらーこーさーメェェェン!」

ズビシッ

小雨「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア」
63 :第3章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I :2010/08/16(月) 23:59:12.96 ID:drWNA8g0

小雨「痛いなーもう。何するんすか!ハルさん!」

副部長「いやー、ゴメンゴメン」

(以下、副部長=ハル)

ハル「しかしボクの16文時チョップすら避けれないとは、」

ハル「そうとう集中してたんだなー」

小雨「ええ、先輩達も出る”バンドコンテスト”まで、残り3週間を切りましたから」

小雨「本番でいい結果が残せるよう、どんどんポテンシャルを上げておかないと」

ハル「おー、頑張れよ〜」

小雨「はいっ!」
64 :第3章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/17(火) 00:03:17.79 ID:ftfwvWc0
ハル「そういえばバンドの子達とは仲良くやってけてんの?」

小雨「はい。2回セッションをしてますけど、やればやるほど調子は上がっていきますね」

小雨「明後日にも3回目のセッション練習をする予定です」

ハル「……」

小雨「……あれ?ハルさん??」





ハル「まぁ」

ハル「問題ないなら、それでいいんだけどさ」

小雨「はぁ……」
65 :第3章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/17(火) 00:06:51.86 ID:ftfwvWc0
ハル「それにしてもこの短期間でよくここまで上達したねぇ」

小雨「ええ。それもこれもハルさんの、マスター○ーダの教えが良かったからです!」

ハル「マスターヨー○っていうんぢゃねぇ!」







ハル「おっと、もうこんな時間か」

ハル「今日は用事があるから、ボクはこれで帰るぜー」

小雨「はい、お疲れ様でーす」
66 :第3章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/17(火) 00:09:17.37 ID:ftfwvWc0
ハル「あっ、そういえば小雨はもう聞いたかい?」

小雨「何をですか」

ハル「バンドコンテストの主催者や、賞金の出所について」

小雨「はい。確か少年○ャンプの人気漫画家が企画して、賞金も彼のポケットマネーから出すとか」

ハル「そう。それで審査員になって面白そうなバンドを取材して」

ハル「次の読みきりのネタに使いたいらしいぜ」

小雨「俺らの活躍が漫画になるかもなんて、胸が熱くなりますね」
67 :第3章 プロローグ ◆ZoaEhxgi7I :2010/08/17(火) 00:15:49.72 ID:ftfwvWc0
ハル「確か名前は……岸本ナントカだっけ」

小雨「違いますよ。それじゃ忍者漫画描いてる人です」

ハル「そーだった。あの超能力漫画を描いてた人で……名前は……」

小雨「岸尾?いや、岸火? あれ、オレも思い出せねぇ……」

――――――――――

岸辺 露伴「へっくしょん!」


第3章 プロローグ終わり

※これで今回の投下は終了です。
※なんかこう、突っ込みをお願いします。
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/17(火) 00:38:34.97 ID:Or/uGAAO
HTTが結成されてるってことは2年の秋だよな
梓はどうした
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:56:38.47 ID:DY8DbASO
露伴先生の出番はどれくらいですか
70 : ◆ZoaEhxgi7I [sage]:2010/08/17(火) 01:20:41.19 ID:ftfwvWc0
>>68
ああああああああああああああああああああああああ

そうだったー
普通にミスった。時間軸を勘違いしてまいsた。

>>69
どうしましょうか?


流石にこのまま続けるのもあれ出し、ちょっと書き直したいところもあるので
このスレはHTML以来だします。うちきり!
勢いではじめたけど、書いてみたいネタができたので時期を置いて出直します。

さらば
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