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心理掌握「うそ…上条先輩生きてたんですか!?」上条「?」★第2章★ - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [佐賀]:2010/08/26(木) 21:21:53.19 ID:1K49SEso




メジャーハート「あら、どうして開いたのかしら?」





















メジャーハート「あ、ちょ、ちょっと待って!違うの!釣りスレじゃないから!お願い、タブを閉じないで!html化しないで!これは恒例の挨拶的なものだから!」







メジャーハート「ま、まぁ、それは置いといて……今がっかりした人、いるでしょ。次で>>1を飾るなら垣根だって思ったでしょ?なんでお前だよwwwwwwとか思ったでしょ?わ、私だってね、もっと活躍したいのよ!悪い!?」


メジャーハート「とりあえず、このスレなんだよって思って開いた人のためのQ&Aを>>2に用意したから、読んでみてね」


メジャーハート「あ、それとこのスレのSSは台本形式じゃないからね(笑)」
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

2 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/26(木) 21:23:13.96 ID:1K49SEso
☆横須賀君のQ&Aコーナー☆



横須賀「おう、俺が内臓潰しの横須賀だ」


横須賀「とりあえずこのコーヒーはサービスだ、受け取ってくれ。ん?遠慮などいらんぞ、どうせ原谷の金で買ったもんだしな」


横須賀「おっと、そこのジョウチャン、警備員への通報はやめといてくれよ?」


横須賀「さっそくだがQ&Aコーナーを始めたいと思う。時間は取らせんから安心しろ」


Q1.このスレ何よ?適当に開いてみたんだけど


横須賀「このスレは前作、心理掌握「うそ…上条先輩生きてたんですか!?」上条「?」 の続きだ」


横須賀「これは、原作一巻から約三年前よりスタートする。そして、原作20巻までの裏側を描いた後、ラストエピソードを描いて終わる予定だ」


横須賀「原作参考は、『とある魔術の禁書目録1〜20及び、SS、SS2』と『漫画、とある科学の超電磁砲1〜5』だ。それ以降に出た原作とは、設定が食い違っちまうからな」


横須賀「あぁ、それと特典小説、電撃マガジン掲載分、などはもちろんこのSSには関係させない。アニメレールガンについては、使える部分だけ都合良く使わせてもらう」


横須賀「SSについてだが、多少オリキャラが出る。とは言っても原作キャラを喰うこたぁないし、このスレ以降ではめっきり減る。てことで許してくれ」


横須賀「それと、視点変更が多いぞ。群像劇ものだからな。人称については、普段は三人称、心理掌握の場合のみ、一人称が多くなる。名前が出せないってことでこれは許してほしい」

3 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/26(木) 21:24:08.20 ID:1K49SEso

横須賀「では、前作のURLとpixivのURLを貼る。pixivのIDを持ってるやつは、ピクシブで作者本人が修筆してまとめたものがあるから、そっちを読むことを勧める」


横須賀「ピクシブのほうには、どんどん反映させていくぞ。絵師の人は表紙大募集だ」


前スレ

心理掌握「うそ・・・上条先輩生きてたんですか!?」上条「?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1271630814/l50



pixivまとめ

http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24273



横須賀「さて、次の質問だ」


Q2特にないです


横須賀「よし、ならば誰も言及しない(←して欲しかった)>>1の名前の由来を説明して終わろう」

pasmo
suica
taspo



pa
su
ta


pasuta


横須賀「以上で、Q&Aコーナーを終了する」


横須賀「あ、そういえば実は>>1はエピソード2で横須賀主人公のスキルアウト物語を書こうとしてたらしいぜ、ネタ過ぎてやめたけど」
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 21:30:05.60 ID:dtzZ44Uo
新スレ乙
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 21:30:31.28 ID:ox0AlkIo
早くオリキャラを畳んで、原作キャラだけの展開に戻してくださいよ
最近フォローするのがキツくなってきたんだぜ
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 21:40:03.91 ID:9Ovxd.SO
そもそもココの心理掌握自体がオリキャラみたいなもんだけどな
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 22:14:25.42 ID:fd4uP56o
簡単でいいからオリキャラまとめが欲しいな
誰がどんな名前でどんな能力かとか把握しきれてないのだ…
8 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/26(木) 22:21:23.13 ID:1K49SEso
>>5
了解です
プロット練り直し&書き直してきます……
とりあえず垣根VS沙耶の戦闘シーンは大幅カットやな

>>7
途中からめんどk…ちょい待って
面倒になったてのもあるけど、オリキャラもうほとんど残ってないよ…?つか後残ってんのも大体はもうすぐ消えるし
なんなら、オリキャラは一々覚えなくてもいいよ(笑)その場その場でへーこんな能力ねーって感じでさ

まぁ一応簡単なまとめ作ってみる
けど、要望あったしオリキャラどんどん削ってく
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 22:23:42.04 ID:dtzZ44Uo
おい
人によって色々意見あるんだから一人の意見に左右されないでくれよ
俺は楽しめてるんだぜ
10 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/26(木) 22:44:57.59 ID:1K49SEso
できたけど、ホント誰得(笑)
読みたい人用のサービスってことでちょい文章足してるぜ
別に読まなくても支障はないよ


★オリジナルキャラ★(死んだキャラは除外)

・死吸部族(デッドドレイン)
学園都市の暗部組織。戦闘狂。武装している。殺人に快楽を求める。猟犬部隊(ハウンドドッグ)ができる前の組織。暗部に存在する。

・平助
対暗部組織、雨蛙のリーダー。レベル4の水蒸気操作≠フ能力者。ビジュアル系の見た目に反して静かな口調で話す。カエル顔の医者を先生≠ニ呼び、先生をバカにされると表情と口調が変わる。
現在、青髪ピアスと一緒にアヤの連れ去られた研究所に到着。

・アヤ
かつて心理掌握によって壊された少女の身体に心を入れた。心理掌握をママ≠ニ呼び慕う。
天使アバター≠ニ心理掌握を繋ぐ入れ物にされ、現在沙耶がその体を遠隔操作中。心理掌握の能力が効かない

・黒いヒールに長い髪の少女
元、窓のないビルの案内人。麦野と一緒にアレイスターに反逆しようとしたが、垣根に負けて失敗。後に沙耶に拾われるも、再び垣根にやられる。
とある病院で保護されたが、沙耶に連れ去られた。現在、杉谷を退避させた。

・沙耶
レベル5の第三位、未知源発(ダークエネルギー)。電撃、磁力、重力、黒い影による人の意識強制シャットダウン、その他色々と能力が使える。宇宙に関連するものだが、宇宙の全てを司れるわけでもない。
暗部でも、アレイスターと直々に会談できたり、まとめ役をしたり、アレイスターから直接依頼されたり、と原作の土御門元春のような立場である。

・直江
レベル4の磁力使い。レベル5になる可能性ありだが、単なる力の大きさによるもので、レベル6や計画に関われる能力ではない。
風紀委員の長、風紀長(ジャッジマン)で部下に厳しく保護対象に優しい性格。
長点上機学園中等部三年で、高校に入ったら、跡を継いでくれる後任を探そうと思っている。
服装は白学ラン、背中にはジャッジメントの盾の紋章が大きく刺繍されている。
風紀長の白学ランは、次の風紀長へと受け継がれるものである。
直江の後ろでは銀盤が転がっている。
それはタイヤのようにしっかりと転がる。
丸みを帯びているものの本来ならば、横に倒れてしまうだろう。
だが、その銀盤は狂いなく直江の後ろに着いて行く。
八枚の銀盤。見た目は銀板と言える。それはただの鉄の塊ではなく所々線が入っていて機械であることが窺える。
通称――八つ盾の風紀長。
直江の磁力を操る能力で八つの銀盤はコロコロと転がる。
パトロール時などもそれを離さない。


・天使アバター
キャラクターではない。
学園都市の意識を元に生み出されるが、自意識はない。
上条やフレンダ、他の人間たちとそっくりの姿を取る。
その現象の意味はこれからわかる。
出来損ないのレベル6、時元転覆を喰らい、その能力を得た。
そのレベル6の存在は、公にはされておらず、レベル6について研究する優秀な科学者ですらその存在を知らない。
能力者のファーストシーズン。
11 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/26(木) 22:49:49.85 ID:1K49SEso
>>9
うぉ、どーしよ
プロット作った時は誰が何と言おうとストーリーは変えねえ(キリッ!
ってつもりだったんだが、オリキャラについて言われるとどうも弱腰になっちゃうんだよなぁ…
んじゃあと何人か要望がない限りプロット変えません(笑)
すまんね>>5
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 22:50:03.91 ID:ucdznEAO
黒いヒールになんたらかんたらのヤツって
ずっと淡希さんかと
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/26(木) 23:14:21.08 ID:FNfDnwDO
てめェが人の意見でプロットに自信をなくすってンならァ
まずはァそのry)


もうお前は新たな禁書目録を作っちまてるんだから
オリキャラとか気にせず自信持って頑張れ
ここまで完成度高いSSははじめてだよ
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:16:12.93 ID:2zHLi5go
オリキャラだろうとなんだろうと面白ければいいじゃない(キリッ
というわけでがんばってくれ、楽しみにしてるから
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:16:52.23 ID:302C3MAO
正直沙耶はねぇよwwwと思ってるが、
無理に描写削って>>1が満足出来ないSSを読む方が余程キツイ。
やるからには「ねぇよwww」と言われる位徹底的にやるべし。
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:36:32.37 ID:aDy4dfUo
>>1が描いてて満足出来るのが読みたいのでプロット路線変更なしでお願いします
17 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:39:46.55 ID:egEjxcko
おまけ書いたし今日は寝るんだよ
みんな移動できたかー?
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:44:10.11 ID:TWNJ.Fko
乙なんだよ!
おまけ楽しませていただきましたありがとうございます!
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:44:54.63 ID:sq1g7H2o
全裸待機してますが何か
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 01:06:19.10 ID:shxYekDO
1乙

まぁオリキャラに関しては?と思うとこもあるけれど、三年前だし これからどう本編に繋げるかに逆に期待してる訳よ

21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 01:35:37.58 ID:RZKKU.SO
超期待です!
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 02:28:11.53 ID:m8.D0CQo
結局ぱすたのツッコミすらなし
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 05:01:40.82 ID:nnhffvU0
乙!スレタイまでが楽しみですな
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 11:42:50.06 ID:aX98gPA0
ところで>>1はなんでメジャーハートってカナにしてるの?
心理掌握みたいに四字熟語にしないの?
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 14:44:32.83 ID:WVl546AO
こまけェこたァいいンだよ
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 16:48:57.76 ID:rYp.DDQ0
心理掌握と心理定規で紛らわしいからじゃないかな
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 16:54:39.58 ID:Mf2kTiAo
何を思って鎌い…池はこんなややこしい名前を付けたんだろう
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 16:57:54.01 ID:egEjxcko
>>24
心理掌握

メジャーハート(心理定規)

警備員(アンチスキル)

スキルアウト


読み間違えられやすいから、こう表記してる

ーーーーー
次スレ移動して余裕あるから、じっくり続き書けるぜぇ
とりあえずもう一人の主人公として、みなさんお待ちかねのあの人を出す。
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 17:33:25.86 ID:EKudnLwo
まぁとりあえず>>1の心理定規が可愛すぎておれの嫁なんで期待して待ってる。
気持ちに余裕があるってのは大事なことよね
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 17:52:08.90 ID:AO1.qMDO
セロリがいねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!!!

まいっか


31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 21:46:14.74 ID:S1Zq58c0
もしかして、御坂?
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 23:26:57.55 ID:8iWghzg0
セロリだろォがよォオオオ!
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/28(土) 03:47:18.04 ID:vuGTdgDO
大丈夫
私はこういう時に名前の出ないはまづらを応援している
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 06:02:52.32 ID:tk/qN.c0
あそっか浜面もいたんだっけ
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 01:49:07.34 ID:qxEiP3Uo
今夜投下しようと思ったのに、ピクシブの投下に時間かかりすぎた…くそぅ…

でもまぁーこれから一週間ちょっと毎日家にいるから結構書けます(こう言っておけば書かなければならないと義務感を覚えられる!)
セロリと言えば向こうのスレのURL貼ってないや。いや、読んでる人や読もうと思う新規さんいないだろうしいっか(笑)

番宣の二期PV見たか?よりかっこいい上条さんのお声がコミケのやつよりクリアに聴けるぜ!もうずっとはぁはぁしてたwwwwwwwwww
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 01:56:37.91 ID:7VOxSAMo
ミタゾ…コンゴニ キタイシチャウゾ……
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 03:02:07.56 ID:O805/kM0
このスレの上条さんや二期の上条さんに期待。ウキウキ全開だぜ
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/30(月) 18:02:51.43 ID:JI.27oDO
直江のとこで思ったんだけど
風紀委員て中学生だけだっけ?
固法先輩は高校生のような気がするんだが
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 18:19:31.79 ID:2VAn.Sco
学園都市の生徒で結成されてるってことだし、そんなことはないんじゃないか?
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 19:19:27.58 ID:v2q4ZqYo
黒子は小学生のときから風紀委員をやっている
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 22:45:24.55 ID:aNkRXo.0
確か初春は、その時研修だっけ?
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 11:25:13.56 ID:xobBV2k0
>>41
本編の1年前の話だな
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/31(火) 19:10:21.67 ID:fa9rYKwo
さて、続き書きますか
なんか中途半端なとこからスタートだなぁこのスレ
44 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 19:26:04.86 ID:fa9rYKwo
――――――――――――――――――――――――――――――
杉谷サイド――

「私はこれから雨蛙の殲滅に向かうわ」

黒いヒールに長い髪の少女は、杉谷に事務的にそう言うとその場からテレポートした。
杉谷はオフィスの一角であるその部屋の椅子に座ると、タバコを取りだした。

「さて、街の様子はどうだか」

煙を一吹きし、しばらく考える。
そして、携帯電話ではなく取りつけられた固定電話に手を伸ばした。
久しい番号をプッシュする。
しばらく待つと、その人物が電話に出た。

「もしもし!!」

暑苦しいくて喧しい大声が響いた。
杉谷はこめかみを引きつらせると、「声のボリュームを下げろ」と注意する。

「おぉ!その声は師匠だな!!」

「だからうるさいと言っているだろ」

「すまない師匠!今忙しくてな!」

やはりそうか、と杉谷は呟く。

「それにしても師匠!久しぶりだな!何年ぶりだろう!」

「今何をしている?」

嬉しげな彼の言葉はスルーする杉谷。

「今か、今は何かよくわからん化物と戦っているぞ」

電話越しに衝撃音と何かが消し飛ぶ音が飛び交っている。
その中には複数の声もある。
天使アバター≠ノ脅え逃げる者たちだろう。

「戦っている、だと……?」

杉谷は驚いた。
アバターに、物理的に干渉していることに。

「はい!――おっとそこのジョウチャン危ないぜ!――――すごいパーンチ!!どうだ化物!」

そして、自身の攻撃の反動で彼の携帯電話は壊れたらしく――そこで通話は途切れた。

45 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 19:53:52.77 ID:fa9rYKwo
――――――――――――――――――――――――――――――
アレイスターサイド――

――ついに現れる。

――幻想殺しの本来の姿が。


――そうだろう?オシリス=B


――神の奇跡を創造させてもらおうか。


――――――――――――――――――――――――――――――
青髪サイド――

「ここやな」

青髪はとある研究所にやってきた。
建物は半壊し、ガラスは全て砕け、施設内のあらゆる機器が破壊されている。
ところどころ火花が立ち、そして、学園都市全体と同様に黒い霞が降っていた。

「なんやアレは」

黒い上空から一本の線が伸びている。
それは研究所内へとぴんと張っていて、その糸はまるで小説の『蜘蛛の糸』を連想させた。

――地獄ってか?

「どうする?青髪」

隣に佇む平助が尋ねる。
青髪はニタリと笑うと上空を指さした。

「あれ見てみぃ平助」

上空では、学園都市第二位と第三位が戦っている。

「とりあえずまァ、あの女の子が黒幕やな」

体晶を使っている今の青髪は、眼を光らせ、周囲のAIMをサーチ、干渉、解析、などなど行っている。
研究所の地下奥にアヤと心理掌握の反応有り。
そして、そのアヤを遠隔操作している反応は――上空にいる沙耶という少女から。
始まりの日曜日に、平助と歩いていた時に邂逅した少女だ。
青髪は先ほど借りたテレポートの計算式を立てる。

「60596-16582-59685-5296829536-96829-18691601359865-16851-986…………オーケー計算終了。行くでぇ?」

青髪は口元を歪め、テレポートした。
46 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 20:09:54.12 ID:fa9rYKwo


「久しぶりやなぁ?お嬢ちゃん」


上空。
不敵なその声に、沙耶はビクつく。
そして振り向いた。
そこには誰もいない。


訝しむ沙耶の横っ腹に、青髪ピアスの蹴りが叩きこまれた。


「がァァっ!?」

ただの蹴りではない。
彼の靴の爪先には鉄板が仕込まれている。
青髪は沙耶の骨が一本か二本イった音を耳にし、唇の端を持ち上げた。

「今のは効いたやろぉ、なぁ?」

沙耶の体は真横に飛び、そのまま自然落下を始める。
青髪はニタリと笑い、テレポート。
落下する沙耶の真下へと位置を指定。
勢いを伴って落ちてくる沙耶の腹に、膝蹴りを打ち込む。

「ごほぉッッ!?」

びちゃ、と鮮血が青髪に飛び散った。
それを見て青髪はニタニタ笑うだけ。
青髪の膝に沙耶は乗っかり、そのまま体を折り曲げたまましばらく動かない。
とは言っても、青髪は空を飛んでいるわけではない。
落下しているのだ。
その中で、沙耶のAIMに干渉。

「16-15615196851-158605-361-81569-13863689168-1356809137810978-170531681-5387-1387-78-1578103」

眼を光らせ、早口で計算する。

「5246-25605-42058-708-258845072802……256565752*4316……解析完了。随分とややこしかったなぁ」

「お前……まさか私の能力をッッ!?」

口元を血で濡らしながら、沙耶がワナワナと震える。
青髪は笑った。


「言ったやろ?レベル5の超能力者だろうが誰だろうが――別格の第一位と第二位以外なら、誰にも負けへんよ、ってなぁ」
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 20:17:10.33 ID:dBhf/fko
青ピかっけぇー
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 20:24:06.27 ID:.hbBrQAO
削板さんってどっかででてきたっけ?
49 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 20:29:45.29 ID:fa9rYKwo
――――――――――――――――――――――――――――――
垣根サイド――

「ほぉ、あいつ……死んだはずのAIMプロテクションじゃねえか」

垣根は上空で羽を羽ばたかせ、その様子を見ていた。

「だが、遅かったようだな」

上空。
空。
黒い霞の空が――近付いていた。
段々と、段々と、

まるで、地球を押し潰すように――。


――――――――――――――――――――――――――――――
上条サイド――
心理掌握の元に辿り着く前――
青髪ピアスがテレポートする前――


上条当麻は、地下の廊下にいた。
対峙するのは天使アバター=B
見た目は上条当麻そのもの。

「天使……だと?」

『そうさ、天使さ』

「テメェの目的は何なんだ?」

『目的?君の右手だな』

「幻想殺しか」

『わかってるくせに』

アバターが薄く笑った。


『どうして上条当麻の姿かたちをしているかって?天使アバター≠ヘ鏡だからだよ』


「鏡……?」


『そう。君が、もっとも苦しむであろう鏡。この喋り方も思考パターンも、君が最も恐れる形式さ』
50 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 20:42:01.68 ID:fa9rYKwo
――――――――――――――――――――――――――――――
フレンダサイド――

『わかってるくせにぃ』

天使は笑った。
フレンダに、フレンダの姿かたちをした天使が、笑いかけた。

『どうして上条と一緒にいるの?』

「っ…………」

『そんな資格ないくせに。人殺しのくせに』

「めて……」

『結局、上条の優しさに付け込んで、その場限りで甘えてるだけでしょ?』

「や、めろ……」

『ほら、考えてもみなよ。あなたが人を殺す場面を上条が見たらどうする?』

「やめろ……!私は……!」

『気にすんな、なんて言うと思う?言葉の上で、人を殺したと言っても許してくれた。でも実際、目の前で人を殺されたどう?』

「違う……!私はもう、そんなことはしない……!」

『そんなことはしないって!あっははははははははははははは!笑わせる!笑わせる!そんなことはしないだぁ?反省してるだぁ?だったら警察に出頭して牢屋にでも入れよ!』

「ちが……わた、しは……」

『結局そんなもんな訳よ。甘えてるだけ。勝手に自分のやるべき事があるだの言って、罪も忘れて、そんな訳』

その手が、フレンダの首を絞める。

「ぅ……あぁ……」

『ずっと思っていた。殺す瞬間、人の命を取る瞬間に、お前という人殺しは――』

フレンダは、目を瞑る。
もういい、と思った。
そして、アバターは言う。
一番、言われたくない事を。
自分が、人殺しだから。
そんな自分の顔で、言ってほしくない事を。
最後のフレンダの心を、へし折る言葉を――。


『結局――コイツは私に殺される為に生れてきたんだ。ってね』
51 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 20:57:37.56 ID:fa9rYKwo
――――――――――――――――――――――――――――――
麦野サイド――

『ほら、どうしたぁ?』

「……っ、ぁああああああああああああ!」

麦野が白い光線を放つ。
しかしそれは彼女をすり抜ける。
いくら打っても、麦野沈利の見た目をしたアバターは倒せない。

『なんとか言ってみなよ。人殺しが楽しくて愉しくて仕方ない虐殺者さん』

「うるさいッッ!黙れェェ!」

『うそつきうそつきうそつき。本当は楽しくって仕方ない癖にぃ。ねえ殺したいでしょ?人を殺したいでしょう?誰か殺したくて殺したくて堪らないんでしょう?』

「違う!私はもう、殺さない!」


『あっははははっははっはははあははははは!うそつきウソツキ嘘吐き!虚勢を張っても無駄だって、一般人の仮面を被ろうと必死になっても無駄だって!』


ケタケタと、笑う。


『どうせ殺す!快楽主義者が!お前の血が脳味噌が体が殺人を求めてる癖にぃ!あはははははははははははははははっははは!』


天使は麦野の決意を、砕く。
罰を与えるように。


――――――――――――――――――――――――――――――
上条サイド――

「今、この街で何が起こってやがる」

上条は拳を握る。

――だがどうする?こいつの存在は創られた幻想。なのに、右手で打消し切れなかった。

『さぁてね。ただ、教えてあげよう』

アバターが、上条の背後を指さす。
その先には長い通路。

『この先は二つの道に分岐している。さて選ぶんだ。一方には心理掌握がいる。もう一方には、フレンダと麦野。お友達を助けるか、好きな女を助けるか、君が選べるのは一つだ』

アバターは心底嬉しそうに笑い、上条に最悪の選択肢を与えた。
52 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 21:06:50.71 ID:fa9rYKwo
「くっそが」

上条はアバターに背中を向け、走り出した。

『おや?向かうのかい?まぁそれでも君が選ぶのは心理掌握の方だろ?』

「……はぁ……!はぁ……!」

『そりゃそうだよねー。人殺しのお友達なんかより、好きな女を助けたいと思うよねえ』

悪魔が耳元で囁くように、上条を追いかけてくる。
上条はそれに耳を貸さないように、ひたすら走る。

『おや?見えてきたようだね。さて、どちらを選ぶのかな?』

道が、二つに分かれていた。

分岐点。

上条は肩で息をしながら、その場に立ち止まる。

――どうすりゃ、いいんだ……。

焦る。

一方には、心理掌握。

もう一方には、麦野とフレンダ。

――俺は、どうすればいい……!?

――選べるわけねえだろうが……!!

「……くそっ」

手近な壁を殴る。
その様子に、アバターがビクリと反応した。

『やつあたりは止して欲しいな。見てて見苦しい』

――そうだ!

「まずは、心理掌握のほうに行って、お前という幻想を壊す。そして、その後麦野たちを……」

言葉が段々弱くなる。
アバターが笑っていたのだ。

『選べるのは一つだ。片方の道を人が通ると、もう片方の部屋の時限爆弾が爆発する仕掛けが作動する。さぁどうする――?もうさ、本音で言っちゃいなよ。あんなやつらより、心理掌握を助けたいんだってさ』

その言葉は、上条に突き刺さる。選べるのは――どちらか一つ。
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 21:07:23.30 ID:fa9rYKwo
ちょい飯食ってくる
後に再開
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 21:09:40.47 ID:dBhf/fko
厳しい展開だのう
行ってらっしゃい
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 21:13:24.24 ID:NDTFXDw0
頑張れ
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 21:14:51.83 ID:rgE8ka6o
wwktk
57 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 22:04:27.01 ID:fa9rYKwo
「俺が、選ぶのは……」

逡巡する。
どうすればいいのか、わからない。
こんな時に都合良く、誰か助けに来てくれるわけでもない。

『心理掌握だろ?そうだよね、君が自分から好きになったんだもの』

今も刻一刻と、何かが起こっているかもしれないのに。
心理掌握や、麦野やフレンダが、酷い目にあっているかもしれないのに。
取り返しのつかない事が起きているかもしれないのに。


上条の脚は震えるだけで、動き出せなかった。


その場で、心臓の鼓動を高鳴らせ、発汗し、脚を痙攣させるだけ。
上条当麻は、動けない。

『君は知っているかい?同じクラスの――』

四名ほど、クラスメイトの少女の名前を列挙するアバター。

『さらに他のクラスの――』

さらに七名の女生徒。
その上で他の学校の生徒。

『あぁ、それからこの前君の不幸が巻き込んだ少女。かつては教師のセクハラから救ってあげたんだっけ?名前は和野麻恵』

十数名の女生徒の名前を挙げる。

「そいつらが……何だってんだ」


『彼女ら全員が、君に恋心を抱いていることを知っているか?』


「なっ……!んなわけねえだろ!」


『さらにフレンダ、麦野、もね。友達と言ったか。でもね、君ははっきりと区別したんだ。麦野とフレンダは友人。いくらでもいる友人。でも心理掌握だけには、自ら恋愛感情を抱いて』


呆気なく、暴露する。

『君はそいつらの好意を差し置いて、心理掌握を好きになったんだ。ならば選ぶ道は一つだろ?君は恋愛感情において優劣を付けたんだ』

アバターが指さす。
そして言う、向かって右に――心理掌握がいると。
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 22:17:06.59 ID:JY5mQ6ko
上条さんモテモテだなちくしょう
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 22:26:05.47 ID:NDTFXDw0
上条さんさすがだな
ふつう教師のセクハラから助けられないよ
60 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 22:40:58.70 ID:fa9rYKwo
「うそにしても……現実味がねえよ。なんで俺を好きなやつがそんなにいんだ」

『全て事実。現在心理掌握の能力を元に、天使は学園都市全域の全ての人の心情が読み取れているんだからね』

「くっだらねえ」

そう、思った。


「本当に、くだらねえよ。友達を優劣だぁ?ふざけんじゃねえよ!あいつらはな、誰一人として失いたくねえ大切な友達なんだよ!その中の誰ひとりであろうと、俺は命を賭けられる!そんな友達なんだよ!」


友情と恋愛を同列に語るな、と思った。

別に自分が恋愛経験豊富というわけでもない。

そんなことを誇るつもりもない。

けれど、


「ふっざけんじゃねえよ!俺の大切な友達を、そんな見下してんじゃねえよ!」


『叫ぶのは自由だけど、実際どうするの?それじゃあ心理掌握を見捨てて左に向かうかい?麦野とフレンダを助けるかい?一人より二人の命を優先するかい?はたまた別の方法を探るとか言って問題から逃避するのかい?』


「俺は、そんな誰かが泣いて、誰かが助からない。そんな終わりを認めねぇ!」


――考えろ。


『御託はいいよ。どうせ君は心理掌握しか選べないんだからね』


――よく考えてみろ。


――心理掌握が連れ去られたのは何故だ……?


「計画に必要な心理掌握を、お前らが殺すはずがない」


『本当にそう思うのかい?もう用済みかもしれないじゃないか』


「それは…・・くそっ!なんでこんな真似をすんだよ!」
61 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 22:49:10.05 ID:fa9rYKwo

――よく考えてみろ。


――こいつの行動に、ヒントがあるんじゃないか?


――こいつは……っ!


「あぁ、何だ。そういうことか」


上条は、気付いた。

もう、足は震えていない。


――そうだよ、何をビビってやがったんだ俺は!


思い返す。

上条が手近な壁を殴った時、このアバターはビクついた。

何故だ?

それが、困るからだ。


「そうだよな。ははっ、まんまと騙されてたぜ。お前の幻想――ぶち殺させてもらうぞッ!」


そう言って上条は、右手で壁を、右の通路を、左の通路を、触って行く。

大きな音を立てて――左側の通路という 幻想(幻覚) が消し飛んだ。


『ほぉ。よく気付いたね。アバターの精神崩壊自滅誘導システムを破ったか。でもこれは例外か。実際には脳内に侵入してまるで首を絞められて殺されている≠ゥに思わせ、自身の手で首を絞めてる、なんて機能があるけど』


幻想殺しには使えないしね、とアバターが言う。

対し、上条はその場で拳を握り締める。

『あれ?心理掌握の元に行かないの?』

「ここでお前を放っておいたら、俺の大切な誰かに何をするかわからない。だから、お前という幻想は――この場でぶち壊すッッ!!」

上条はアバターに向かって、右拳を放った。
62 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 23:02:51.68 ID:fa9rYKwo

「ッッッ!?」


右手が、消し飛ぶかと思った。


「ぐッッ、がぁぁああああっ――!!」


右手が触れた瞬間、圧縮されたエネルギーが放出されたかのように。


「ぐ、ぅああああああああッッ!!」


右手から血が飛び散った。

それでも、幻想殺しは負けない。


「う、ぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


そして――天使アバター≠消し飛ばした。


ドックン!!


「がッッッ!?はァァっ!?」


心臓が、破裂するほど大きく振動した。

右手が、強く痙攣し、その真価が発揮された。


taihjtohajthpthjツナガatphjapohjtphkapjatphッタkhpajkhatojhktojhaゲンセjkotja@jトtaohjkat@haメイカイtahkaohjapthガthathaphjpato

ktrptpjthoキタカatijaohjaphaehoヒサシイナtajhoihjaotehaカミジョウnehjpajhpaeohjephjeトウマnhgaerihjhjephetajhahthphjotpehjkaothpeh

hjtihjaothjpakマタhjoahpahohaphjワレトethjtepohjeaophjaヒトツニejhaoijhthjepathjaehjephjeapothtaoethaethmoethmpethpeahothepohaphot


脳内に、骨に響くほどの低音が響いた。
上条はその声とともに――右手の先――右腕が、肩の部分まで――震動しているのを感じる。

63 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 23:13:00.64 ID:fa9rYKwo
trhjaoithjthjpoihjネンジテtohjkaphjahptjheミロgaeorignmaehe

thpjaothjaphミギウデニjohjtaphjahjチカラヲathntphntphnjtカイホウシタaophhtphothjopah

thajptohjthjtphothjkpathktohワレトkhopakhpaオマエハhktohktphopohjahヒトツニjtohjkthpoakhptoaph


tjhtoihjaotiヨリhjatihjtahpthjmオオクノapohjmahpothjmpゲンソウヲhjatpohjmphphotjhpoクラオウジャナイカathjtaphjaphethtphetohjeth


ネンジロ、ネンジロ、ネンジテミロ、と脳内に響く。


「がッッ!?なん……!だってんだよ!!」


ネンジロ、ネンジロ、ハヤク、ゲンセニ、ワレヲ、


「ッ――!!わかったよ!やりゃいいんだろ!」


上条が右腕を持ち上げると、腕の震えが止まっていた。


「くそっ、どうすりゃいいんだよ!」


ネンジロ、ネンジロ、ネンジロ、


「あぁもう!どうにでもなれや!」


上条は何か能力があると思いこみながら、腕を振るった。


緑色の鞭が、床から飛び出した。

それはどろりと現世を汚すように。

そして、高貴に。

五本ほど飛びだし、そのまま勢いを持って壁をぶち壊す。


tejatihapohapehワガナハoeathjpetoメイカイノオウhjeaohaephjteオシリスphjaetphtepohheatpohjeahjaソノチカラヲtpohjeatpoheaohjaeオマエニクレテヤルhjapeohjepjjaetphjetheahejtohpaejh


上条が消えろと念じると、その五本の緑の鞭が消えた。
64 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 23:21:04.41 ID:fa9rYKwo
「ってあれ?声も消えた。おーい、オシリスさーん」


返事がないただの冥界の王のようだ。


「つかこんなことしてる場合じゃねえ!あいつの元に行かねえと!」


上条は走った。

――これが、幻想殺しの正体なのか?

走る。

――オシリスって確か……。

走りながら、思い出す。

心理掌握の少女とのデートの日のことを。

『死者の書』を指さして、心理掌握が説明した。

その中にいた、神様。

冥界の王、オシリス。


「なんか……すげえオカルトっぽいな」


と上条は少し呆れる。

でもオカルトサイトだとかのナンチャラ黒魔術だので、オシリスなんて聞いたことがない。

そんなもの、操るといかいうレベルを超えてしまっている。


「まぁ……いいや。どうせ生まれたときからある、妙な力なんだ。超能力とは別次元にいてもおかしくはないか……」


上条はひた走り、

その扉を見つけた。

中から声がする。

上条は構わず、大声で叫ぶ。

そして――扉を蹴破った。
65 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 23:34:51.51 ID:fa9rYKwo

室内に入った瞬間、黒い地面が消し飛んだ。
そこにいたのは、地面に崩れ落ちる心理掌握。
心理掌握の片手の上には、大きなモニターが落とされ、手が潰れている。
そして、アヤ。
アヤの周りには、霞のような物が蠢いている。

「上条先輩!?」

『へぇ、来たんだ』

アヤから、アヤらしくない声がした。
その声を上条は知っている。

「お前、確かこの研究所にいた。沙耶とかいうやつか?」

『へぇ?よく気付いたね……く、ひゃははははどうやら今の右手を使わずに消し飛ばしたことから、幻想殺しが覚醒したようだねぇ』

「上条先輩、アヤは遠隔操作で操られて……!」


上条は黙って、腕を振るった。


地面から飛び出した五本の緑色の鞭。
それらは上条の思考に従い、心理掌握の手を潰すモニターを弾き飛ばす。

大きな音を立てて、グチャグチャにひしゃげたモニターが室内に転がった。

『うっはぁぁあ、凄い凄い!へぇー?それが幻想殺しの正体かぁ?くっくく、でもそれでアヤを殺す気ぃぃ?』

ニタニタと、アヤの顔で笑う沙耶。
上条は右手を握り、アヤに向かう。


「アヤは殺さねえ、救ってみせる。だから――お前という幻想を、壊すッッ!!」


その様子を、アヤの顔で笑う。

上条の手が迫る。

手は、届かなかった。

上条の手の先から飛び出したのは――黒い霞の光線。

喰らった幻想が――右手の先から吐き出された。


上条の意思とは無関係に――アレイスターの計画通りに。
66 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/31(火) 23:42:11.80 ID:fa9rYKwo
「え…………?」


黒い光線は、アヤを通って――。


――――――――――――――――――――――――――――――
沙耶サイド――

沙耶は、顔面が裂けるほどに嗤った。

黒い光線は、アヤを通って――遠隔操作する沙耶に届いた。


「あ?何が起こんだ……」


垣根の声が止まった。

沙耶の体から、黒い霞が放出する。

そして、それが、上空へと。

黒い霞の空が、呻いた。

そして――段々と地上に近づいてくる。


「くっくく!あっはははははははあは!」


高らかに笑う沙耶。



「久しぶりやなぁ?お嬢ちゃん」



突如、背後からそんな声が聞こえた。
振り返るもいない。
そして、沙耶は腹を蹴り飛ばされた――。


「がァァっ!?」


「今のは効いたやろぉ、なぁ?」

――――――――――――――――――――――――――――――
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 23:46:22.84 ID:fa9rYKwo
全然進まねえなぁ
今日中に三年前を終わらす気満々だったのに
ホント、すんません…風呂入ります

わかりづらいだろうが、青ピやって来るまでの経緯を書きました。はい
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 23:49:01.53 ID:dBhf/fko
お疲れ様です、ゆっくりでいいのよ
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 23:49:35.50 ID:7XVlM3Ao
>>64あたりいきなり雰囲気違っててワロタwwwwwwwwwwww

まあおつ
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 00:04:41.69 ID:tiB.QI60
乙!乙!!乙!!!
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 00:06:39.60 ID:Nt21zgMo
これは直書き?書き溜め?なんにせよ乙
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 17:48:18.44 ID:8.MM1Es0
和野麻恵ってなんて読むの?
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 18:43:16.89 ID:A6i3ye6o
わのまえ
74 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/09/01(水) 19:58:32.32 ID:L1NpY2co
>>71
リアルタイムで書いてますよ

>>72
俺もなんて読むか忘れた
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/02(木) 16:11:02.31 ID:CqV8yec0
>>73
そういうふうに読むんだ
ありがとうございました!
76 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 07:18:43.90 ID:MAtt/TAo
>>75
かずの あさえ

だったキガス
77 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 07:26:22.24 ID:MAtt/TAo
――――――――――――――――――――
垣根サイド――

「空が……凝縮し始めた?」

垣根は迫る空を見上げ、呟いた。
空が、霞の闇が、段々とその規模を縮めているのだ。

「学園都市を覆うのをやめるのか……?」

訝しむ。
遠くではこの空が消え始めているのだろうか。
段々と、空が縮小する。
だがそれは圧縮に近い。
より濃密に、データを圧縮しているようだ。

「狙いは、俺みたいだな」

垣根は気付いた。
霞の空が地面に近づいているのではない。

ジジジッジジジジジジジジッジッジジッジジジジジジジジジッジジッジ

霞の空は、垣根に近づいているのだ。

「はっ、やってみろってんだ」

垣根は羽を羽ばたかせ、下降した。


――――――――――――――――――――
上条サイド――

一瞬、何が起こったのか理解できなかった。
どうして、
どうして、

「なんで……?」

殺したはずの幻想が、
自分の手の平から放出されたのだろうか?

「おい!なんでだよ!?」

上条は狼狽した。
意味がわからなかった。
なんだこれは。
なんで、
なんで、と上条は壊れたラジオのようにぶつぶつ呟いた。
78 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 07:38:49.20 ID:MAtt/TAo
――――――――――――――――――――
窓のないビル――

通信が入る。

『終わったのか?』

杉谷からだ。

「現在、幻想殺しのデータを手に入れたところだ」

アレイスターは無表情に無感情に、そしてどこか嬉しそうに回答した。

『データ?』

「必要なのだよ、計画(プラン)には」

薄く、笑う。

「幻想殺しの正体はオシリス≠ナあり、その存在は現世に存在し得ないもの。ならばそれを扱えば、一つの界≠キら殺せる」

だが、

「幻想殺しを内に秘める上条当麻は人間だ。人間には限りがある。だからこそ、アバターによってデータを取った。これで幻想殺しの核を一度限りにおいて、再現できる」

『……』

「何をしているか理解できんか?」

『あぁ。……アバターは上条当麻の右手が打ち消したのではないのか?』

「あれは、核の一部だ」

『一部だと?核が複数存在するのか?』

「そういったものなのだよ、アバターとはな。訊くが君は星新一のショートショートを読んだことがあるか?」

『……あれなら、ほとんどの学生が読んだろうさ。誰だってSFには憧れる』

「だろうな。ならば想像するのも容易いだろう、創造は理解できなくともな」

『アバターについてか?』

「宇宙に存在する一つの意思、とでも言えばわかるか。星も銀河も、人間の意識も超越した存在だよ。それはただただ意識で、生物ではなく、情報の塊だ」

『それを創り出したのか?』

「あぁ、彼女を使ってな。――未知源発(ダークエネルギー)、宇宙の意思に干渉できる能力と、AIM拡散力場、人間の自意識、レベル6の頭脳、材料はこんなところだ」
79 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 07:58:44.60 ID:MAtt/TAo
『そのための、心理掌握か』

「あれほど利便性に優れたものはない。心理掌握がエゴで生み出したアヤという人形も、よく機能した」

『アヤは心理掌握とアバターを繋ぐ媒介的な役割を果たしているのだろう?何故それを未知源発が操れる?』

「未知源発に操れるのはエネルギー。宇宙に干渉する能力として、電気、重力、そして人間の意識だ」

『セカイ系のつまらん映画でも見ている気分だな』

「人間の意識が宇宙に干渉できるということが非科学的か?」

『どうだかな。私は科学者ではない。それに科学者はロマンチストだからな』

「意識とは神秘なものだよ。それこそ解明しきれないほどに」

だからこそ、心理掌握なのだ。

「未知源発は元々人間意識に関してはシャットダウンしか行えなかった。複雑な演算をしたところでな。だがアバターに干渉することで演算能力が飛躍し、一つの人形を遠隔操作することも可能とした」

『遠隔操作してどうする?』

「君は見ていないからわからないか。幻想殺しだよ。やつがアヤからその遠隔操作を弾こうと、幻想殺しを使う。だがな、幻想は殺せない。やつは吸収した幻想を、生み出したのだ」

『生み出す?なら名は幻想殺しではなく幻想吸収とでもすべきでは?』

「いいや、違う。幻想殺しの正体はなんだ?オシリスだ。やつは冥界の王。やつにとって殺す≠ニ喰らう≠ヘ同義なのだよ」

『……』

「オカルトは理解できないか。それでもいい。要するに、やつの右手は幻想を喰らっているのだ。そして、打ち消し切れないもの――それこそオシリスにとって噛み喰らい切れないものだ」

『……』

「オシリスはそういったものを、自らの糧にしようとする。喰らい切れなかったものを、喰らう。するとやつはその力を放出するのだ。――自動的にな」

『……それで、幻想殺しのデータが入ったアバターを、生み出したのか?』

「そうだ。生物が肉を噛んだ跡が発見されるとしよう。その歯型から、我々はどの生物が噛んだか調べられるだろう?それと同じだ。歯型から逆算し、幻想殺しのデータを取ったのだよ」

『そのデータは今、どこにある?』

「まだ、空にある。未知源発を媒介し、空に漂うアバターへと送った」

『あの空はいつまでああしているんだ?街で色々と起こっているようだが』

「街での騒ぎは気にするな。あれはアバターの内に生まれた人工頭脳が人間をより知ろうと行動を起こしているだけに過ぎない。空はな、もうすぐ消える。それに併せて街に落ちたアバターもな。全ては一つにまとまり――第二位に降り注ぐ」

さぁ、もうすぐだ。――アレイスターは笑った。
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 08:01:08.17 ID:MAtt/TAo
とりあえず、今日の朝の部終わり!
また来る
これでもうちょっとで三年前は終わらせられる
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 08:23:30.06 ID:W9uPakDO
>星バーーーローーのショートショート
☆さん何読んでんだよ
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 08:24:43.82 ID:W9uPakDO
sagaしなかったらひどいことにwwwwww
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 09:14:05.65 ID:MVwrGsDO
正直……ひどいな
84 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 22:53:27.43 ID:MAtt/TAo
――――――――――――――――――――
沙耶サイド――

まずい、と思った。

――なんでAIMプロテクションが生きているの!?

青い髪、ピアス、長身、そのどれもがかつてのAIMプロテクションとは異なる。

「ぐっ……くっそが!」

沙耶は青髪から離れようと青髪を蹴り飛ばす。

「お?」

青髪と離れた。
そのまま落下する。
痛む頭を押さえながら演算を開始。

「ふっ……あっはは」

口元の鮮血を拭い、乾いた笑みを浮かべる。
同時、霞の手≠ェ虚空に生み出される。
沙耶はその指先に乗っかり、重力を操作してその場に停止する。

「何がAIMプロテクションだ!お前の能力の範囲なんざわかってんだよ!こちとら書庫(バンク)の情報を持ってんだ!」

青髪は沙耶より遥か上空に佇む。
彼は現在、沙耶の能力を使い、沙耶と同じことをしている。
だが青髪は手を生み出したりはせず、ただ突っ立っている。

――チッ、これが演算処理能力の差か。

これが、AIMプロテクションと、一人の超能力者の差。
だが、

「けどさぁ、あんたって確か体晶使ってんだよねぇ?そろそろ切れるんじゃない?効果」

チッ、と青髪が舌打ちした。
彼は片足を突き出すと、とび蹴りをするかのように沙耶に突っ込んでくる。
沙耶は真横に飛ぶ。

「バァーカッ!誰が真正面から戦うかよ!そのまま落ちちまえ!」

嘲笑する。
沙耶の予想通り、青髪はそのまま地面に落ちた。
コンクリートの地面が砕け、衝撃が飛び散った。
木々は倒れ、電柱は根元から砕け飛び、塀も看板もひしゃげて弾ける。
その中心に、青髪はいた。
自身は無傷で、大きなクレーターを作って。
85 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 23:04:34.84 ID:MAtt/TAo
暗い中でも、遠くからでもわかる。
青髪の光る眼。
それが、段々と光力を失っていった。

「ハッ、とうとう体晶が切れやがった!アッハハ!そのまま転がってろや!」

言葉通り。
青髪ピアスの少年が、崩れた。
何十メートル上空から落ちても無傷だった彼が、倒れた。
体晶による反動。
強力故の代償。
しばらく彼は能力を行使できないだろう、沙耶はそう結論付ける。

「暗部を舐めてんじゃねーよクズがッ!!自警団でも気取ってんのかバァーカッ!」

アッハハ、と高らかに笑う。
沙耶は、





「ごはァッッ!?がぁぁぁあぁあああああ―――!!」


突然、正体不明の爆発に巻き込まれた。


「違えよ、テメェを中心に爆発させたんだ」


超能力者の、第二位がつまらなそうに言った。

爆発は沙耶の皮膚を焼き、溶かした。
背中は焙られ、どろりと肉が溶けた感触と、異臭が漂った。
もはやここまで痛みが強いと、脳が麻痺する。

「ごほっ…!がッッ、は……!な、何が……?」

理解できなかった。
何のモーションもなかった。
垣根帝督は、沙耶から数メートル離れた位置にいた。
そこからどうして、ピンポイントで沙耶の位置を爆発させたのか。
羽による攻撃ではない。
垣根はそこで羽ばたき、本当に退屈そうに言った。

「見えない物質の扱い方ってんだ。俺もまだまだだな。まだ未元物質を極められてなかった――それだけのことだよ、クソ野郎」

まだ、自分には上がある。
そういった人間のセリフだった。
86 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 23:19:13.57 ID:MAtt/TAo
「それで、どうやってわた、しまで……?」

どうやって、見えない物質を扱って沙耶を爆発させたのか。
理解が及ばなかった。
大体、沙耶は垣根の生み出す見えない物質は防御にしか当てられないと思っていた。
何故か。
簡単なことだ、この世界に存在しない物質を操れるなんて言っても、この世の物理現象が無くなるわけではない。
異物、異なる科学方式、それらを用いて展開するにも限界がある。
だから自分を中心にしか扱えない。
故に、防御にしか使えない。
例えば、接近戦ならば攻撃にも使えるだろう。
だが、

――なんで、ピンポイントで離れた位置の私を!?

「簡単な動作だ」

垣根は言った。

「この羽で、風≠起こした」

「風……?」

「知っているか?俺が生み出すのは存在しない物質だってんだ。だからよ、それに――ごく普通の現象である風を組み合わせただけだ」

「組み合わせる……?」

「ったく。こんなことに今まで気付かなかったのがバカみたいだ。ただ未元物質に頼ってたのがなぁ」

「それって……」


「非科学と科学を、何とでも組合せられんだよ。上手くやりゃ、本当にバカみたいな現象を起こせる。もしかしたら――第一位のやつが反射もできねえような現象も起こせるってんだ」


――なんだ、それは。

いくらなんでも、何でもありすぎる。

――そんなのって、無限の組み合わせがあるじゃない!?


「とりあえずまぁ、――喰らっとけ」


その羽を、羽ばたかせた。

沙耶は咄嗟に、重力を生み出してその場を離れる。

下降した沙耶の腕が――爆発した。
87 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 23:27:29.16 ID:MAtt/TAo
「が、ぁぁぁあああああああッッ!?」


「ただの拡散だ。お前が逃げそうな上下左右、それぞれに拡散するように調整した。それだけだ」


垣根が再び、羽を構える。

「くっそがァァ!!」

沙耶はブチ切れ、電撃を放つ。


パチン、と垣根が指を鳴らした。

それだけで――垣根に届く前に電撃が消し飛んだ。

――違う!今のは何かに阻まれた!?


「通電性皆無の物質だ。お前が青髪とやり合ってた間、色々と調整しといた」


沙耶は、確信した。


――こいつには勝てないッッ!


もうやることはやった。
逃げるだけでいい。
撤退だ。


「くっ……!」

沙耶は重力を操作し――飛び降りた。
ギィィンと低音が響く。
空間が歪んだ。
そして、地響き。
地面が割れ、土砂が飛び出す。

「はぁ……!はぁ……!」

このまま逃げよう。
沙耶は手≠消すと、走り出した。
上空を見上げるも垣根は追ってこない。
もはや、戦う気も失せたようだ。
それほどまでに、垣根にとって沙耶はもう――格下だった。
垣根はすでに、沙耶に目もくれていなかった。
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 23:29:02.04 ID:Q13LCH2o
垣根さんかっけー
89 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 23:34:03.14 ID:MAtt/TAo
――――――――――――――――――――
垣根サイド――

「チッ……!」

垣根は羽を使い、飛びまわった。
空が追ってくるのだ。
違う。
もはや空などではない。


学園都市は、光を取り戻している。


少し先を見ればわかるが、もはや空は昼間のそれになっている。
垣根の上空のみに、それはいた。


「クッソが!!」


本気で、逃げる。
規模はもう、自動車ほどの大きさしかない。
ぐちゃぐちゃと、その形を変えているが、雲より小さい。
太陽の日差しが眩しくて、垣根は目元を腕で覆う。


ジジッジジッジジッジジジジジジジッジジジッジジジジジジッジジッジジジ。


やがて、それが一つの形を取る。


「はっ、ようやく最終形態ってか?」


人の形。
だが、その背には二枚の翼。
天使のような――翼。

垣根は羽を操作し、爆発を浴びせる。
だがそれに変化はない。
のっぺらぼうのような、男とも女とも言えないシルエットの天使は、ただ垣根に迫る。

「クッソがぁぁぁあああああ!!」

垣根がどんな攻撃を仕掛けようと、効果がなかった。
もう、逃げしか選択できない。
垣根は全力で地上に向かう。
そして――地面に着陸した。
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 23:37:10.19 ID:MAtt/TAo
>>88
リアルタイムで読んでくれてサンクス
ちょい寂しかった
今日中に三年前終わらすね
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 23:40:44.30 ID:Q13LCH2o
見てる人はそれなりにいると思うぞ
皆黙ってるだけさ
引き続き頑張ってくれ
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/04(土) 23:41:09.10 ID:8sLtB6s0
途中だけど乙!ちゃんと読んでるカラ!
93 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 23:43:21.67 ID:MAtt/TAo
「はぁ……はぁ……!」

とにかく、走るしかない。
あれは洒落にならないのだ。
天使、アバターはたとえ垣根が人間の耐えうる速度を超えても、追ってきた。


「んなっ!?」


天使が、飛び降りた。
音もなく、
衝撃もなく、
何一つ壊さず、
何一つとして干渉せず、
まるで存在しないかのように、
立体映像かのように、


垣根の真横に飛び降りた。


「うぁぁああああああああっ!?」


本気で、恐怖した。

どうしてだか、わからなかった。

ただ、その不気味さに、常識の通用しなさ≠ノ、恐怖した。


――ふっざけんじゃねぇぞぉぉ!


とにかく、ここにいてはダメだ、と垣根は羽を展開した。

だが、飛びあがらない。

垣根は地面すれすれを、羽でダッシュした。

衝撃で地面を弾き飛ばす。

バタ足で水が飛び散るように、土砂が飛び散る。

「おぉぉぉぉぉおおおおお!!」

垣根はそのまま、件(くだん)の研究所に飛びこんだ。

壁をぶち破り、しばらく研究所の床を転がる。
94 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 23:50:47.57 ID:MAtt/TAo

ジジッジジジジジジジジジジッジッジッジジジジジッジッジジジジ


「うぁぁあああああああああああああッッッ!?」


バタバタと、垣根は喚き転がる。

誰が見た事があろうか、こんな垣根帝督の姿を。

小さな子供のように、ただ震え喚き、転がる第二位のこんな姿を。


「っぁあぁああああああああああああああああ!!」


もう、どうやって逃げるかなんて頭に浮かばなかった。


ジジジジジジジッジジジッジジジジジジッジジジジッジジジッジジジジッ


「ぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


羽も出したままで、手足をばたつかせるだけ。

手で這って逃げようとするだけ。

もう、垣根には――常識≠ェ浮かび上がらない。

どうやって逃げるべきか、どうやって避けるべきか、――そんな当たり前の常識も、立ち上がるという常識も浮かばない。


ジジジジジジジッジジジジジッジジジジジジジッジジジジジジジッジジジジジジジジジジジジジ


天使アバター≠ェ、垣根に向かって二対の翼≠飛ばした。

情報の塊みたいな、吐き気がするほど不気味で神秘的な翼が、光線の如く垣根にぶち当たる。

逃げられなかった。

「がッッッッあぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

頭が、弾けたかと思った。
激痛。
そして――飛びこんでくる無数の情報、学園都市の声=B
垣根は延々と、叫び続けた。
95 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/04(土) 23:57:56.06 ID:MAtt/TAo
――――――――――――――――――――
沙耶サイド――


「待ちぃや、オジョウチャン」


沙耶を、青髪ピアスが止めた。

――な、なんで起き上がって……!?

青髪ピアスの瞳が、光っている。
それだけではない。
彼の全身が、小刻みに震えている。


「ま、まさか連続して体晶を使用したの!?」

バカだ。
体晶は最低でも、半日は空けないといけない。
体が体晶という異物を処理するまでに、それだけかかるのだ。
言うならば体晶とは毒。
人間の体は毒に対抗する術があり、一度喰らえば対抗ができる。
だからこそ、処理できるのだが。

毒に毒を重ねたら、どうなる?

処理が追いつかない。

それは、


「アンタ、死ぬわよ」


死を意味する。
そのまま、死ぬのだ。
たとえ一時的に能力を震えても、確実に死ぬ。


「さよか」


青髪は、それでも笑っていた。

笑って――沙耶を殺しにかかった。

沙耶は、バカだと思った。

本当に、こんなバカと共死にしなければならないなんて――最悪だ。
96 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:03:45.49 ID:hU40ImAo
「がはッッ!!」

青髪が腕を振るった。
それだけで、低音が響き、

沙耶の体を横薙ぎに弾いた。

「がぁぁああああっ!!」

研究所にぶつかり、転がった。

「が、はぁ……!クッソがぁぁ!!」

そこで、沙耶は気付く。

――くっく。

「アーハッハ!バカがバカがバカが!!このまま地下に逃げてやる!!」

沙耶は腕をだらりと提げ、狂った笑い声を上げながら走った。


――――――――――――――――――――
上条サイド――


「か、上条先輩!!」

心理掌握の少女が抱きついて来た。
だが、少女は腕を怪我していて上条に腕を回せない。
そして、


「ぁ……」

茫然としていた上条は、心理掌握に押し倒される形で、床に転がった。

「がっ」

「きゃっ」

頭に痛みが走り、はっとする。

「あ、アヤは!?どうなったんだ!?」

――俺が、アヤを攻撃しちまった!?なんでだよ!!

「大丈夫ですよ、先輩」

心理掌握が、弱弱しく微笑んだ。
97 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:08:35.15 ID:hU40ImAo
そこで、上条はようやく視線を持ち上げた。
アヤは、倒れていた。
静かに、寝息を立てて。

「……はぁぁ……良かった……」

安堵の息が、漏れた。

「なんとか、なりましたね。私にも学園都市の声が、聞こえなくなりました」

全部、終わった。

「ホントに、良かったよ。お前が無事で」














「あっはははははっはっはぎゃはははあははっはっはははっはははははははっははははははははっはははははっははははははは!!!!」




背後から、そんな嗤い声がした。


咄嗟に振り向いた上条を、そいつは蹴飛ばした。


「がっ!?」

「上条先輩!?」


第三位、沙耶が、狂ったように嗤いながら、部屋に入って来た。
上条には一瞥もくれずに。


「もういいぶっ殺してやる!!あっはははははっはははあはははははははっは!!」
98 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:12:16.35 ID:hU40ImAo

「テメェ!!」







ザシュッ。









「え………………?」



一瞬、何が起こったのか上条にはわからなかった。

目の前で、何が起こったか。

だって、

あまりにも呆気なさすぎるのだ。

そんな簡単に、終わらせられたのだ。


上条の顔面に、鮮血が飛び散った。


ナイフを抜き取った反動によって。


「は…………?」


ナンデ?

ナンデ、アヤ、カラ、チガ、デテルノ?

ナンデ、アヤ、ノ、シンゾウガ、エグラレテルノ?

ナンデ、ナンデ、ナンデ、ナンデ――――こんなにもあっさりと、人は死ぬの?
99 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:19:05.63 ID:hU40ImAo

ただ、絶叫。


「あ、あぁぁ……あぁあぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」


沙耶が、腰に付けたホルダーからバカみたいにデカイナイフを抜き取り、それでアヤを刺したのだ。


「ぎゃっははっはははっははっははははははあはははははっはっは!!」


沙耶は、ナイフを抜き取ると、嗤った。

そして、アヤの頭に――突き刺した。

ぐちゅ、と音がした。

頭が割れ、脳髄が飛び出した。

ゴツ、と骨にぶち当たった音がした。


そして、上条当麻の頭は真っ白になった。






「うぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッ!!」



無我で、無心だった。


上条当麻は単身で、沙耶に飛びこんだ。


同時、床という床から、無数の緑色の鞭が飛び出した。


「ぁぁあぁあああああああああああああああッッッッ!!」


上条当麻の雄たけびに呼応し、それらが沙耶に飛びこんだ。
沙耶は笑って重力操作する。
だが、そんなものもまとめて――――緑色の鞭が沙耶を殴打した。
100 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:24:16.52 ID:hU40ImAo
――――――――――――――――――――
青髪サイド――

「うぅぉぉぉおおおおおおっ!!」


もう、歩けなかった。
だから、強引に重力を発生させて、床をぶち破って、


青髪ピアスは、地下のその部屋に飛び降りた。


その瞬間だった。

緑色の鞭が、沙耶を壁にめり込ませたのは。

だが、それでも彼女は死んでいない。

そして、床に崩れているのは、アヤ。


アヤは胸から血が溢れ、頭をかち割られ、死んでいた。


「あ…………?」


死んでいたのだ。


青髪ピアスにとって、何より大事だった、その娘は、死んでいるのだ。



だから、青髪ピアスはただ迫った。


――殺すッッッッ!!


「てめぇぇぇえええええええええ!!ぶっ殺すぞぉぉぉぉぉおおおおお!!」


能力も体晶も関係ない。

ただその身一つで、

沙耶を殴り飛ばした。
101 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:27:34.60 ID:hU40ImAo

「あぁぁあぁあああああああああああああああああああ!!」


もはや、沙耶の様子など頭に入らなかった。

悲鳴も、うめき声も、どんな状態かも、――どうでもいい。



「うぁぁあああああああああああああ!!」


殴る。


「あぁあだあああああああああああああああああ!!」


殴る。


「ぁああああああああああああッッ!!」



殴り続ける。

ガン!!ガン!!と床を振動させて。


「うぁああああああああああああッ!!」


ただひたすら、殴った。


崩れ落ちる上条当麻も。

あまりのショックに気を失う心理掌握も。

青髪ピアスの少年の眼には入らない。


延々と、青髪ピアスは殴り続ける。

「う、ぁぁあああああああああああああああああああ!!」

涙を、流しながら。
102 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:32:50.33 ID:hU40ImAo




「やめなさい!バカッッッ!!」



そんな青髪ピアスに、一人の少女が頭突きをかました。


青髪はそのまま転がる。

そこにいたのは、仲間。


雨蛙の仲間だった。

頭突きをした少女、吹寄制理は涙ながらに吠えた。


「これ以上やったら死ぬわ!!もう、取り返しがつかなくなっちゃう!!」


何を、言っているんだ。

そう思った。

青髪ピアスの少年は、ただそう思った。


「ざっけんなよぉぉ!!吹寄ぇぇぇ!!てめえ!!ここで退けってか!?ふっざけんじゃねええよクソがぁぁああ!!」


「殺しちゃダメよ!!殺したら!もう、こっちには戻って来れなくなる!!」


「あぁ!?知らねえよ!!もう、コイツさえ殺せばいいんだ!!もう!!俺は死にてええんだよ!!」


「ふざけてんのはアンタでしょ!?」


吹寄が、再び頭突きをする。

反撃も、防御もする気力がなかった。

ただ、青髪は吠える。
103 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:39:31.30 ID:hU40ImAo

「なんっでだよ!?俺はもう生きる気なんざねえんだよ!!もう、もうこいつを殺して死ぬんだ!!死んで!!!死んで俺は!!」


「『また、遊んでね』ってアヤは言ってたじゃない!?」


「ッッ!?」


「アンタが人助けを始めた時、あの子は『辛いの?』って記憶もないのに訊いたじゃない!?」


「ッッ!!だ、からなんだってんだよぉぉぉおおお!!アイツは!アイツは死んじまったんだよ!!もう、」


大粒の涙が、零れる。


「もう居ねえんだよぉぉぉおおおおおおお!!」


――また、遊んでね。

そう笑った無邪気なアヤも。

――辛いの?

人に優しく接しようとして、手が震えた青髪にそう声をかけたアヤも。

――今は辛くても、きっといつか笑えるよ。大丈夫。

そう言って励ましてくれたアヤも。


「もう、死んじゃったんだよぉぉぉおおおおお!!」


泣き叫んだ。

これからは、一緒に遊んで。

たまの休みには映画でも連れて行って。

遊園地や、動物園を回って、

ずっと、一緒に笑っていられると思っていたのに、

アヤはもう、死んでしまったのだ。
104 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:44:56.08 ID:hU40ImAo

――もう、泣き虫だね。

かつて、彼女はそう言った。

青髪のことを、泣き虫だと。

――そんなに意地張って。

小さくて、偉そうな彼女のことが、好きだった。

――いつかね、あなたと一緒の中学に進学するの。

なんて言って、
嬉しげに笑って、

――ずっと、あなたと一緒にいたいよ。

そう言った彼女も、


――辛いの?悲しいの?ううん、怖いんだね。

リセットされた、彼女も。


みんな、好きで。

笑っていたくて。

彼女と一緒なら、もう一度、日の光を浴びれると思って。

ずっと守って行きたくて。

自分が、変われると思った。

上条当麻のように、知りもしない他人のために、戦えるように、なれると思った。

なりたかった。

人を助けて、一人でも多く、哀しみから救ってあげたかった。

もう、それだけだった。

なのに、

青髪にとっての支えだったアヤは、殺された。

もう、青髪には何も残らない。
105 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:53:21.77 ID:hU40ImAo

「もうッッ!俺は生きる希望がねえんだよぉぉ!!」


「ふっざけんなこのバカァァ!!」

吹寄が、額を叩きつける。
そして、青髪の胸倉を掴み上げた。

「お前は何をしてきた!?人を助けようと、一人でも多く救おうと!そう思って行動してきたんだろ!?」

全てをかなぐり捨て、吹寄は吠える。


「それらは全て、ただの気まぐれだったのか!?どうなんだ!?」

「そ、んなわけ……ねえだろ」


「だったら何故!アンタは自分で敷いたルールを犯そうとしているの!?もう、誰も殺さないんじゃなかったの!?ねえ!!」


「ッッ!!」


「それは、アヤがいたからなの!?アヤがいなくなったら、もう終わりなの!?お前のやって来たことは、もう終わりなのか!?」


「お、れは……」


「答えろッッ!!アンタの罪は!!その程度で晴れたのか!?なぁ気まぐれ野郎ッッッ!!」



「晴れてなんか……」


奥歯を噛み締める。
ギチギチと、口内から血が溢れる。


「晴れてなんか……!ねえよぉぉぉぉおおおおお!!俺はまだ!全然救えてねえ!!」


「そうだ!!アンタはまだ全然救えてない!!それどころか!アヤも守れなかった!!だったらどうする!?このまま自己満足で死ぬか!?臆病野郎!!逃げるか!?楽になりたいか!?どうなんだよお前はぁぁあああああ!?」


「俺は……まだ死ぬわけにはいかねぇぇなぁああああああああ!!そしてッッ!!誰も殺せねえよぉぉ!!もう!!俺は誰も殺さねえんだよぉぉぉぉおぉぉ!!」
106 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 00:58:49.24 ID:hU40ImAo

「そうだよッッ!!」

青髪は、もう迷わない。

「そうだよな!!吹寄ちゃん!!」

立ち上がり、


「俺は、テメェを殺さねえええぞ!!沙耶ぁぁぁああああ!!」


宣言した。
泣きながら、
ボロボロと、
泣きながら、
悔しくて、
悔しくて、
仕方がないけど、
それは、
今後の糧にする。

「俺はッッ!!もう誰も殺さないと誓ったんだぁぁ!!他ならぬアヤに!!なぁアヤ!俺は踏みとどまったぞぉぉ!これからだ!!俺はこれから!!頑張るから!!だから!!」


泣き叫ぶ。


「まだ、そっちには行けないんだッッ!!ゴメン!!」


もう、終わった。


「……俺が、終わらせてやるよ」

平助が、そう呟いた。

平助が、失神する沙耶の顔面に、手を伸ばした。


「……平助?」


「お前の悔しさは、俺が受ける。だから――雨蛙はお前に任せていいか?」


そこで、青髪は眼を見開いた。
平助が何をしようとしているか、わかったのだ。
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 01:01:58.06 ID:lhMUL7Uo
初めてのリアルタイム遭遇

支援なんだよ
108 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 01:04:38.70 ID:hU40ImAo

「やめろッッ!!お前!?」


「俺、もう寿命が残り少ないんだ」


薄く、平助が笑った。


「ずっと、先生に延命してもらって、ギリギリだったんだ」


彼のわき腹が、じわっと赤く染まっている。


「だからさ、リーダー交代な?青髪」


そう言って平助は、片手を沙耶に。。

もう片手を、自分に、押しつけた。


「俺の手は、熱源だって言ったろ?――殺すのに、最適すぎる」


ボゴッ、と音がした。

二人の、顔面がふっとんだ。

熱で、血流が沸騰し、弾け飛んだ。

沙耶と平助が、死んだ。


それが――悪から正義になろうとした者の最後だった。


「平助ぇぇええええええええええええええええええええええ!!」


吹寄は、真っ青な顔で崩れ落ちた。

青髪は、叫び、その場に崩れた。

そして、上条当麻が――絶叫した。

こんな結末に対して――喉を枯らすほど、絶叫した。
109 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 01:10:26.56 ID:hU40ImAo

地響きがした。

上のほうで、何かが暴れているのだ。

上条当麻はただ、立ち上がった。


「うぁぁあああああああああああああああああ!!」


そして、青髪が作った穴を跳び上がる。

飛び上がった彼の足元から緑色の鞭が生え、上条当麻を弾き飛ばす。


そして、上条当麻は――垣根帝督の元に向かった。



――――――――――――――――――――
上条サイド――


そこにいたのは、垣根帝督。
羽はない。

あるのは、巨大な六枚の翼=B

そして、暴れる彼の横で、うっすらと――アバターが姿を消した。


「あぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!」


垣根は吠え、吠え、吠えた。

学園都市の声が、それが、全てが、AIMが、彼の頭に飛びこんできているのだ。


「垣根ぇぇええええ!!」

上条は、垣根に飛びこんだ。
こんな苦しんでいる垣根を見たくなかった。

「うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

とにかく、もう誰も失いたくない。
だから、上条は右手を握り、
垣根帝督に挑んだ。
110 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 01:14:34.87 ID:hU40ImAo
六枚の、翼がこちらを向いた。

ジジジッジジジッジジジッジジジジジジジッジジ

それらは、白い翼は黒い霞を漂わせて。

ジジジジジジジジジッジジジジジジジッジジジジジッジジ


「ああぁあぁああああああああああああああああああああ!!」


「テメェらなんかに!!俺の友達を奪わせてたまるかぁぁああああああああああ!!」


上条は、右拳を放った。


六枚の翼に、対して。


ドックン!!


心臓が跳ねた。

そして、

本来、

絶対に、上条当麻に届かないはずだった、

心理掌握の能力が、


上条当麻を撃ち抜いた。


そう、

暴走状態の垣根に纏わり付く、アバターによって、

そして、

アレイスターの計画に反して、


上条当麻は『死んだ』。
111 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 01:20:05.41 ID:hU40ImAo

垣根を苦しめていた、アバターを消し去った。

代償として。


――――――――――――――――――――
窓のないビル――


「は……?」

どうしてだ。

「な、なぜ……」


何故、この局面で、上条当麻が死ぬのだ!?


アレイスターは、組み上げていた計画(プラン)が、崩れて行く音を聞いた。


「どうして……」


理解できなかった。

そう、沙耶が暴走するなんて$Mじられなかった。


人工人間である、沙耶。

あれは、そうして生まれてきた。

生まれた時から、アレイスターのためだけに働く駒として、

そのために、強引な能力を植え付けたのに。

何故、沙耶が暴走したのか、

どうして、アヤを壊したのか、理解できなかった。


「何故、まさか……!人工人間であるやつに……!」


アレイスターは、気付かなかった。
沙耶には、新しい感情が芽生えていたことに。
憎しみと怒りという、人間らしい、感情が――たかがロボットに芽生えていたことに。
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 01:21:05.69 ID:X0dw2NMo
え?死ん…え?
113 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/05(日) 01:25:00.47 ID:hU40ImAo
そうして、


彼ら、


彼女らの、


優しい日常が、


終わった。


上条当麻が死に、


彼を中心に集まった者たちは、


バラバラに、


散って行った。



そんな――呆気ない結末だった。



そして、暗いどこかでは、


ぷかぷかと、


ぷかぷかと、


容器の中で、

上条当麻の身体が漂っていた。

目を覚ますことなく、ぷかぷかと。


【神の奇跡編――END――】
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 01:27:28.18 ID:hU40ImAo
以上でぇぇすすすすすすすすすすうっすすうっすうs

とりあえずまぁ、三年前の話、終わり!

エピローグ&ネクストプロローグは、次回!!


一応言っておくと、


死んだ  のではなく、   『死んだ』   てことでまぁ続きを待っててくれwwwwww
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 01:30:07.78 ID:X0dw2NMo
おっつおっつ
ようやくスレタイがぼんやり浮かんできたな
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/05(日) 01:30:09.21 ID:hU40ImAo
あと言っておくと俺は吹寄好きだからな?
俺の書いたもん読んで吹寄好きが怒ったらゴメン
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 01:42:23.78 ID:W9aQFUE0

『死んだ』を見ると原作の一巻を思い出すな
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 01:55:18.04 ID:Dx3xt960
乙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
激しく乙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さらに乙!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
またまt(ry
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 02:11:30.98 ID:iVImalAo
乙!
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/05(日) 18:14:17.94 ID:aMFsSADO
この場面は適当に書いちゃダメだろ
せっかく面白いのに
だんだんダメダメになってる
121 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/09/05(日) 19:33:38.08 ID:hU40ImAo
>>120
この場面てどの場面だ?参考までに教えてくれ
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 01:40:22.92 ID:WQ1/JEE0
適当に書いたんじゃなくて
続きを書くための演出としてわざとぼかしたんだろ
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 13:26:16.82 ID:P632KDIo
>>120 何様だよきめぇな
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/06(月) 23:24:45.71 ID:XC/XEADO
>pasmo
suica
taspo



pa
su
ta


pasuta



ワロタwww
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 09:30:53.09 ID:qTw8Gm20
>>120
うわぁ・・・










うわぁ・・・
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 21:27:01.98 ID:SzZqVn6o
>>121
アレイスターが絶望するさまをもっとねちっこく書いて欲しかったんじゃないか?
ちなみに俺はSじゃない
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/07(火) 21:52:25.55 ID:UgL20bc0
俺はみんなが散り散りになるところをもう少し書いてほしい
128 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/07(火) 22:11:45.78 ID:eKpi5eko
今夜中、投下にまた来るね
おいらはこれから飯なんだ

>>126
このぐらいじゃアレイスターは絶望しないんだぜ
打倒アレイスターまで待って欲しいんだぜ

>>127
あーそこはエピローグにて軽くやるつもりだった。一人のキャラにつき1レスくらいで(笑)
だから、ちょい希望には応えられないかな
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 22:41:00.36 ID:1VusvEAo
>>120はエロシーンをもっと書いて欲しいんだろ
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/07(火) 22:53:10.55 ID:R5PADT.0
エロシーンはいらないだろ
作風が壊れる気がする
131 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/07(火) 23:55:27.17 ID:eKpi5eko
さて、書くか

>>130
プロット上では、ちょいエロがありましてね…R15くらいかな?
132 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 00:08:09.23 ID:5ytIQi.o
【エピローグ】
心理掌握――

その日、何が起こったのか。
私はしばらく理解が及ばなかった。

「え……」

呆気なかった。
その人は。
私が初めて、自ら及ばない存在だと、お父様以外に尊敬した人物。
いつからか、恋心を抱いた人物。
そして、彼の優しい面を何度も見て、強くて、それでも時には脆くて、そんな……そんな彼を見て。
好きだと、思いを打ち明けた。

「うそ……」

そんな少年が、――上条当麻が、死んだ。
あっさりと。
垣根帝督の暴走を止めた瞬間、バタリと倒れて。

「上条先輩……?」

そんな、ヒーローの結末を。
私たちは茫然と見ていた。
動けなかった。
暗部らしき大人たち、様々な能力者がやって来た。
研究者らも見計らったようにやって来て、上条先輩の体を持ち上げた。

「分かりますか?心理掌握」

研究者の一人が、そう言った。
わかる。
わかってしまう。

「上条当麻は、死にました」

そう、体は生きている。
でも、心は死んでいる。
目は覚まさないし、何も思考しない。
心理掌握の能力を、その全てをぶつけられた彼の脳みそは、通常では有り得ない崩壊を起こした。
精神の消滅。
アバターという精神の塊に干渉し、それらを死なせてしまった。
幻想殺しという研究対象を扱うように、研究者達が上条先輩の身体を運んで行く。
私はただ、茫然とそれを見送った。
私は、空っぽだった。
アヤは死に、上条先輩は死に、こんな結末。
もう――全てがどうでも良くなった。
このまま、死んでしまいたいと、思った。
これが私の結末……。
133 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 00:20:29.39 ID:5ytIQi.o
麦野――

その報告は、突然かかって来た電話で知った。
麦野沈利は、知らない番号からかかって来た電話に出た。
あまりにもクリアで、携帯電話回線とは思えなかった。

――闇の底ってやつか、こいつ。

何を言っているのかなんて、あまり聞いていなかった。
一言目の、『上条当麻は死んだ』という言葉で、もう聞いていなかった。
適当に、相槌を打った。

『君に、『アイテム』のリーダーを任せたい』

そんな言葉にも、わかった。としか返さなかった。
わかったのだ。
こいつは、この人物は、あまりにも遠くにいる。
ちょっと命令を下せば、麦野なんて簡単に殺せる。
そんな存在なのだ。

『期待しているよ、新しい時代に』

そんな言葉で、通話が切れた。
麦野は黙って、歩みを進めた。
走りはしないし、急ぎもしない、かと言ってゆっくり歩くわけでもない。
ただ黙って、とある研究所に向かった。
カツカツと、ヒールが地面を叩く。
ざわざわと、活気の戻った群衆が音を鳴らす。
そして――辿り着いた。

「フレンダ」

麦野の呟きと同時、フレンダが姿を現す。
研究所で待っていたのだ。
この場所をメールで教えたのは、フレンダだった。

「麦野、上条が死んだわ」

冷めた声で、フレンダは言った。
悲しそうでも、涙を溜めても、怒っても、――いない。
ただ淡々と、その事実を口にした。

「うん。わかってるわ」

だから、麦野は研究者たちに運ばれる上条を尻目に、言った。

「フレンダ、私と――アイテムに入って」

フレンダはこくりと頷いた。
これが麦野沈利の、結末。
134 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 00:30:06.72 ID:5ytIQi.o
フレンダ――

「あっはは!幻想殺しが死んだ死んだ死んだ!ザマァミロ!」

フレンダの前で、そいつはそう言った。

「夢見てんじゃねえよ!結局、私たちはずっと暗部にいるしかねえんだっての!現実見ろ!」

体中、傷だらけのそのテレポーターは、そう言った。
フレンダは黙っていた。
黙って、

「あんだけ暗部を騒がせておいて!結局死にやがったバカが!あっははは!」

黙って――黒いヒールに長い髪のその少女に――拳銃を向けた。

「あ――?なにする気」

レディースの、バカみたいに小さな拳銃の標準を合わせる。
そして、撃った。

「――!」

悲鳴一つ上げられず、その少女は死んだ。
弾丸は確実に、その額を撃ち抜いていた。

「……」

フレンダは、しばらくその死体を見下していた。
見下して、見て、そうして、

「ふっ……」

笑った。
一人の人間が死ぬ様を見て、一つの死体を見て、それまでのその人物の姿を思い浮かべて、

「あっはははは……」

乾いた笑みを浮かべた。
気持ちが良い。
少女は、殺人から快楽を得た。

「もう、私たちに残った道はこれだけだよね?麦野」

冷めた目をしたフレンダは、携帯電話でその死体を撮影する。
写メールにて、現住所を付属して送る。
これで、麦野にフレンダのこの先が理解できたろう。
数十分で、麦野が到着し、フレンダの名前を呼んだ。
二人は、同じ道を歩んだ。
これが、フレンダの結末。
135 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 00:40:14.26 ID:5ytIQi.o
垣根――

目を覚ましたのは、病室だった。
清潔すぎて、気持ちが悪い、個室だった。
白一色で統一されていて、ガラス戸がなくて、精神病患者の檻みたいだった。

「……あぁ、そうか」

垣根は、覚えていた。
上条当麻との、一戦。
上条は垣根を救い、死んだ。

「……」

しばらく、白い天井を見上げていた。
何も考えず、時の歩みも気にせず。
何分か、何十分か、何時間か。
そうしていた。
そこで、少女はやって来た。

「……どう?」

「……」

「元気?」

「……さぁな。わっかんね」

メジャーハートだった。
彼女は今回の一部始終を、垣根に話した。
垣根は静かに、それを聞いた。
聞いて、頷いて、相槌を打って。

「……そうか」

過去と、結論付けた。

「悪かったな……これから、よろしくな」

そして、その先を見据えた。

「帝督?あなた……」

メジャーハートは気付いた。
垣根が、静かなことに。
それは一時の感情ではなく、これから、もうずっと、
垣根はクールなキャラクターとして、生きて行くのだと。
垣根は、誰よりも人間らしくい垣根は、期待に胸躍らせることを――止めたのだ。
後腐れない表情の、代償として。
これが、垣根帝督の結末。
136 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 00:49:40.93 ID:5ytIQi.o
地下深く――

一部の研究者しか知らない場所がある。
この学園都市には。
ここも、そんな施設の一つだった。

『…………』

ぷかぷかと、上条当麻が浮かんでいた。
アレイスターが用意させた、容器の中で。
精神を失った少年を、ただただ生きさせる装置。
それの中で、上条当麻はこの一カ月――ずっと目を覚まさない。

「アバターの得たデータは?」

「現在収集中だ」

「何をしている。もう一カ月だぞ」

「無茶言うな、解読にどれだけかかると思っている」

「スパコンを使ってもこれか。それで、幻想殺しに関するデータは?」

「13%ほど解析しました」

「資料をここに出力しろ」

「「「…………」」」

「オシリスか」

「原石にも似ているな」

「オカルトに近いとなると、吸血殺しや――関連だろうな」

「他にもこの原石など……」

「データをローマに送るんだったな」

「あぁ。幻想殺しに関するデータを80%。これがやつらが今回、攻め込まないことの条件だった」

「期限は?」

「やつらにデータ解析の云々など理解できないからな。待ってあと二カ月だ」

「せめて40%は解析を終えるべきだな。……そうすれば、誤魔化しが効く」

研究者たちは、そうして作業を続行する。
そして、一人が気付く。
上条当麻の指先が、ぴくりと動いたことに。
137 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 00:59:43.79 ID:5ytIQi.o
上条当麻――

白いセカイ。

「ここは……」

上条当麻は、そこにいた。

≪ようこそ、オシリスの契≫

誰かが、そう言った。
上条当麻の前で。
金色に輝く何かが。

「お前は、なんだ?ここは、なんだ?」

≪ここは、神のセカイ≫

その正体は、


≪――神の奇跡――≫


科学の、超常に存在するセカイ。
神様の奇跡だった。
上条は、それに右手を伸ばした。

≪オシリスの力は再び眠りについた。今回のダメージが無くならない限り、その力は再臨しない≫

そうか、と上条は呟いた。

「でもよ、俺、帰らなくちゃいけないんだ……どうしても、あいつらの元に、帰らなくちゃいけないんだよ」

右手が、金色の何かの前で震える。

「どうしたら、いいかな?」

それは、答えない。
ならば。
なら、


「神様の奇跡だろうが何だろうが、――そんな幻想、消してやるしかねえよな?」


上条は、その手で触れる以外に選択肢はなかった。
金色が弾けた。
そして――上条当麻が、現世に舞い戻った。
これが、上条当麻の結末。
138 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 01:14:30.89 ID:5ytIQi.o
土御門――

少年は、いつだってウソツキだった。
卑怯者だった。
だから、少年は知っていた。
今回、上条達が勝てないことを。
その先に、バッドエンドしかないことを。

――だからな、上条当麻。俺はお前と一緒に戦ってやれなかった。

少年は、土御門元春は、上条と垣根と心理掌握たちの戦いを――静観していた。
でも、
それは、

――せめて、カミやんが全て無くしても……俺だけはお前の日常でいてやる。

上条が、暗部に及ばなくても。
暗部から上条に関わった人間が、上条から離れても。

土御門元春だけは、ずっと、ただの友達でいてやれる為。

それが、ウソツキの決めたことだった。
暗部は自分だけで背負って。
光ある世界では、バカみたいに笑って。
大切な、妹を守って。
そうして、学校では上条とバカみたいなことで笑いあって。
また明日って。

「俺だけは、そうしてやる。……だから、いつまでもウジウジしてんなよ?カミやん」

小さく、土御門は決意を固めた。
そして、ある病室の一室を訪ねた。

「オッース!カミやんやっと目覚ましたんだってー?にゃははー、一カ月も寝てるとかバカの極みだにゃー!」

「テッメ土御門!!初めに言う言葉がそれか!?上条さんは悲しいですよ!」

「んー?カミやんは俺に心配して夜も寝れなかったなんて言って欲しいのか?」

「いや、せめて心配したぞバカ野郎……!ってくらいは言って欲しかったと言いますか、ハイ」

「そんなもの一夜でティッシュに丸めてポイだぜい!!」

「ざっけんなコラァアア!!俺への心配はテメェの汚い行為と一緒に丸められてゴミ箱行きだとぉぉ!?そこに直れやコラァ!!」

「ちょ、カミやんまだ安静にしなぎゃぼッッ!?」


これが、土御門の結末。
139 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/08(水) 01:32:16.72 ID:5ytIQi.o
青髪――

「さて、仕事やで?みんな」

気楽に、青髪ピアスは言った。
それに、雨蛙の面々が気楽に笑う。

「ボクらの戦いは、これからや。行くで――」

「「「おう!!」」」

彼らは、まだまだこれから。
これからが、本当の戦い。
そんな、始まりに向けての、――青髪の結末。



【エピローグ――END――】


           ト、  ト、 |\   ∧
         _|:.:.:\|:.::ヽ!:.:.:.\/:.:.|
        _>:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|/|
        \:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.へ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.¨フ
       弋´:.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.く
       <:.:.イ:.:.:.:/.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.!:.:!.:.:.:.ヽ:.:_,> 「エピソード1、終了だ」
      弋´.:.:.:.:.:.:/.:.:.:./ |:.:.!:.:.:.:!:.ハ.!.:.:.::.:\
       <:.:./.:.:/:/T ト、∨:.:.:/!レ小:.:!:.小、> 
       <:八 小| 代圷 |:.:Wイタヽ小|ヽ!
        厶込、N   ̄ レ !  ̄ ム、
         rイ!.ハ     , j   八 \
         / V  ヽ  ー : -'  イ    \_
      ,. -へ.  \  >、 _, ィ \ /¨「 ̄ ̄ `ー 、
     /     ヽ   \  /  ',  \ !       }、
     /     / !   \   |\ソ |       /  \
.    /     /  ,    /マニ/ / ,厶    ∠、    ヽ、
   /     /   ',  ∧ G〉/ / /  \/   \     \
  厶-―-、 /    |./  ∨|/ r' つ  ノ Yヽ    \     \
  |     \  !      |イ| {レ '´ ィク )     ` 、    \
  |       ヽ !      |d |    '   / )        \.    \
  ∨   \  |/        | ! 〉    ' , ィ }            \   \
  ∧     \/        ! /    ,. -―'            ヽ    ヽ、
  i ヽ     }       /   /                  |     !
  |    ,. --- ∨     /   ∠、                  ! ,__   ノ
  /ー‐ 彡'  ̄¨ 弌  /     / ヽ \___              ヽ_ト― ´
  `ー<_∧     }/    , '| ! /      |
     | ∧    /      / | ∨      |
     ヽ ∧        /   | /         |\
      |  \    /    |G 、        !::::::\
      |   >‐'        | |>`ー-、     !:::::::::::\
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 01:33:17.85 ID:5ytIQi.o
ふぅ、ネクストプロローグはまたにしよう
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 01:35:09.28 ID:Bfltitso
乙!俺もようやく寝れるぜ
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 01:35:53.99 ID:O..QK1g0
乙!頑張って!!
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 01:39:17.02 ID:5ytIQi.o
とりあえず、予告しとく
エピソード2、主人公は心理掌握、垣根、削板、青髪

上条さんが書けなくなるよぉぉぉっぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉっぉぉ(泣)

メモ帳に上嬢さんでも書きなぐってやる
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 02:04:29.61 ID:Tf43uVso
おちゅ
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 02:07:30.76 ID:Ud.1ozEo
もちろん上嬢さんも投下してくれるんだよね?
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 02:49:06.16 ID:KFOyUiM0
好かった。特につっちー。

だが、一ヶ所だけどうしても見過ごせないミスが。
>垣根は、誰よりも人間らしくい垣根は、期待に胸躍らせることを――止めたのだ。
人間らしいのか人間らしくないのかッ!
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 20:38:31.13 ID:9y9981so
おつおつ!
なんか一つのエピソードの終わりなんだからもうちょっと余韻が欲しいと思ったけど
これはこれでありだな。
エピ2の面子見る限りいきなり3年後ではないのかな?
148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/08(水) 22:36:50.70 ID:gI2T3oAO
暗部に関する記憶だけ無くなったの?
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 09:52:06.24 ID:TQ5vkkAO
それにしても、スレタイのシーンがだんだん近づいてきたなぁ。
再会のシーンがどうなるのかすごい楽しみ。
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 15:40:33.22 ID:b1JtzX6o
常盤台の中で上条さんを巡って美琴と心理掌握が戦うのか・・・胸が熱くなるな
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/11(土) 22:16:59.12 ID:kMiMZASO
どっちも胸ないけどなw
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/11(土) 22:31:45.21 ID:TQ9IZS6P
常盤台の中では湾内絹保が好きだって言ったら誰それって言われた
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/11(土) 22:36:06.54 ID:Va8WOzMo
常盤台ってかレールガンで一番可愛いのは湾内さん
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 21:38:35.86 ID:BCBVgcSO
続き楽しみだ
155 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/09/13(月) 20:32:30.22 ID:pZ9E2jUo
製作にあの日が来る前に書きますかァ

>>151
その幻想壊してもいいですか(・・?)
中学二年生の心理掌握は、Cくらいは胸ある感じで美琴をバカにしてるイメージなんだが
ハヤテのごとくのアーたんで想像してる
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 20:35:16.44 ID:zM5PHvco
ふぅ・・・
続きwwktk
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 21:52:40.61 ID:wP5QtnIo
フヒヒッ
158 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 21:58:30.84 ID:pZ9E2jUo
あー目が痛い…目薬付けてもだめだぁあっひゃっひゃ
今日は途中で中断するかもだけどカンベンな
あと、先にこれだけは言っときたい


俺はッッ!インなんとかさんネタが嫌いだぁぁーーーー!!!


とりあえず駆けるとこまで書きましゅ

>>146
人間らしい、です。すんません
159 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 22:07:55.72 ID:pZ9E2jUo
エピソード2

【プロローグ】

上条サイド――


「落ちたぁぁーーー!!」

少年、上条当麻の絶叫が響いた。
だがそれに振り向く者はあまりいない。
とある高校の合格発表日、ボードに貼りだされた受験番号を誰もが確認していた。
喜ぶ者、項垂れる者。
そんな中で、上条は後者だった。

「お、お、落ちた……」

ない。
いくら目を凝らしても、受験番号が載っていないのだ。

「は、はは……そ、そんな幻想……」

ペタペタと、右手でボードに触れてみる。
誰かの超能力で自分の番号が消されているのでは?と現実逃避しているのだ。
しかし、彼の右手は現実を変えてはくれない。

「くそぅ……私立行きかぁ……」

ガックリ。
落ち込み、崩れ落ちる上条。
その後ろで、


「にゃーー!!受かったぜい☆」


金髪アフロ野郎が、飛び跳ねていた。
ひくっ、と上条の頬が引きつった。

「あっはは!まぁこんな学校余裕だったんだけどなー!!なぁカミやーん!!」

ぴくぴく、とこめかみが痙攣。

――お、落ちつけ……誰だって受かったら喜んでハイになるもんだ……!

「こんな学校落ちるやつなんていないぜよーー!!あっははーー!!カミやん!祝いに飯食いに行こうぜ〜?奢ってやるにゃー!!」

ぶちっ、と血管が切れるような音がした。

――こ、こいつだけは……!!許せねえ!!
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 22:16:32.89 ID:ftPzrISO
沸点ひっくーw
161 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 22:20:44.48 ID:pZ9E2jUo
「あれー?どしたー?カミやーーんてばー?」

もう、限界だった。
なんなんだ、コイツは。
もうちょっとこう、一緒に受けたやつが落ちたら、その、同情してくれてもいいのではないか?

「まっさか名前がないのかにゃー?」

ゆらゆらと、上条が立ちあがった。

「つ、土御門ぉぉーー!!」

「なんだっていごばァァ!?」

ニタニタ笑う、土御門元春の横っ面を殴り飛ばした。
土御門はそのまま人の垣根を飛び越えてプランターに落下し停止した。

「…………」

わずか、二秒。

「ごらぁぁあああああ!!よくもやりやがったなカミやん!!」

土御門はプランターをひっくり返し、飛び上がった。

「うるせえ馬鹿野郎!」

叫ぶ上条、ちょい涙目。
さすがにこの騒ぎで人目が二人に集まる。
だが二人は気にしない。
ちょっと誰か警備員呼んで来いよ、と学生たちが注目するも、気にしない。
本気の本気で、殴り合っていた。


「まーまー、上条クンも、土御門クンもその辺にせな」


と、二人の交差する拳を同時に止めた男が言った。

「「あぁ!?」」

獰猛な目つきで二人から睨まれるも、その男は肩をすくめるだけだった。
長身、青い髪、へらついた顔、銀色のピアス。
男、というよりこれで十五の高校一年になる少年だった。
手に持つ書類から、この学校に受かったようだ。
少年が自己紹介したが、二人は適当に聞き流した。

「まぁ、みんなボクのこたぁ青ピって呼ぶんやけどな」

以来、二人は彼のことをそう呼ぶようになった。
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 22:26:17.55 ID:5gLTAd.o
青春の1ページだなあwwwwwwww
163 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 22:30:09.30 ID:pZ9E2jUo

その後、やって来た教師からすると、ミスで上条の番号が抜けていたそうだ。
ちなみに土御門、上条が受かっていることは知っていた。

「あー良かったー受かってて」

「相変わらず不幸だにゃーカミやんは」

へらへら笑う土御門。

「ていうか、お前って三年前に吹寄といたやつだよな?」

何気ない上条の言葉に、びくっと青髪ピアスは反応した。

「ど、どれくらい覚えてるん?」

「んー、実を言うとあんまし……あの時は茫然としてたからなぁ」

――吹寄と、一緒にいたやつということしか覚えてねーな。

「さ、さよか。……なら良かった」

「ま、気にすんなよ」

「カミやんはあんまし細かいこと気にしないもんな」

まぁな、と上条は土御門と笑う。
あれだけド派手な喧嘩をしても、すぐにこの通りである。

「さーて、青髪、飯何食いに行く?」

「上条クンらに合わせんで?」

「そうだなー、土御門は?」

「メイド喫茶!」

「あんなぼったくり喫茶行くかよ!」

思い出し、上条はぞっとする。

――コーヒーだけであんな高いなんて……。

ちなみに誰も、「行ったのかよお前」というツッコミはしない。
そういうやつらなのだ、こいつらは。

「ま、ブラブラして探そうぜ」

上条の言葉に二人は同意し、日常を謳歌していた。
それでも上条は、三年前の出来事を――忘れられずにいた。
164 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 22:43:31.62 ID:pZ9E2jUo

――――――――――――――――――――
心理掌握サイド――


「んっ……」

真夜中に、私は目を覚ました。

「……嫌な夢を見たものね……」

一人、呟く。
三年前の出来事が、久しぶりに夢に出てきたのだ。

「はぁ……」

わずかに上気した肌、鼓動を大きくする心臓。
まだ涼しい季節にも関わらず、身にまとうネグリジェが汗で肌に張り付いていた。
広いベッドから降りて、スリッパを履く。
ペタペタと音を鳴らして洗面所にやって来ると、私はコップ一杯の水を仰いだ。

「ふぅ……頭痛い」

ズキズキと、悪夢からのストレスで頭痛がした。

「…………」

しばらく私は、鏡を見つめていた。
暗闇に目が慣れ、鏡に映る自分がよく見える。
イギリス人の母から受け継いだらしい、金髪碧眼。
らしい、というのは私が母のことを何も知らないからだ。
私には父しかいなかった。
父は政界で活躍していて、私にとっての全てだった。
その父が、命じた――。

それは、三年前のこと。

あの日、上条先輩が死んで私は茫然としていた。
何を為すべきか、これからどう生きて行けばいいのか、それすら見失っていた。
だが、そんな非日常はすぐに終わりを告げた。

『お前にも、そろそろ動いて貰わねばならん』

父からの電話で、目が覚めた。
現実に引き戻された。
散々好きに生きていたそれまでは、上条先輩との楽しいそれまでは、終わった。
そうだ。
父一人で育ててくれて、私がここにあるのだ。
ならば、その父の命令には従わなければならない。
派閥を作る――それは三年前から始まった。
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 22:52:42.32 ID:QNobxg6o
土御門の金髪アフロ姿を想像して吹いた
166 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 22:54:35.97 ID:pZ9E2jUo

「それが、私の為すべきこと……」

私は、鏡に映る自分を見つめた。
中学二年になり、胸も膨らんだ。
背はあまり伸びなかったが、女性はヒールでごまかせるからあまり気にしない。
顔付きも、前より大人っぽくなったと思う。
身だしなみには、人一倍気を使っていた。
それでも、

「私はもう二度と、恋をしない……そう、決めましたよ?――上条先輩」

フフッ、と妖艶に笑う。
一抹の寂しさを含みながらも。
水をもう一杯飲み、私はベッドに戻った。

「あら、起しちゃったかしら?」

同居人がベッドの上で起き上がっていた。
この部屋にベッドは一つしかない。
キングサイズの大きなベッド。
私と彼女は二人で、一緒に寝ている。

「どうしました?女王様」

彼女が心配気にそう声をかけた。
私は派閥を作る上で、そう呼ばれていた。
どうやら私は、同性から見て魅力的なようだ。
ならばそれを利用しない手はない。
それに、私はもう二度と、男に興味を持たないのだから。

「ちょっと、夢にうなされてね……」

彼女の頭を撫で、優しく微笑む。
彼女は頬を染め、嬉しげにする。
私は彼女の耳元に唇を近づけ、フフッと吐息を漏らした。

「貴女も、眠れそうにないわね」

その一言で、少女が艶めかしい声をあげた。

「可愛い子ね……」

少女の肌に指先を伸ばす。
すすっと静かにそれを這わせる。

「……あっ……んっ……」

それだけで、少女が喘いだ。
私はそれを続ける。
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 22:55:38.38 ID:pZ9E2jUo
>>165
すまんwwwwwwwwwwwwww
アロハ、なwwwwww
俺もツボに入ったwwwwwwww
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 22:56:56.19 ID:h0lqkOco
言われて初めて気づいたwww
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 23:01:43.89 ID:WpJL89oo
俺も気になってたが
こう言う設定なのかと思ってスルーした
170 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 23:09:54.19 ID:pZ9E2jUo
「夜は長くなりそうね、フフ……」

私は彼女の首筋を舐め、笑った。
これが私の日々だ。
常盤台中学に通い、日々人間関係を大きくしていく。

「あ……はんっ……んっ、んぁっ……」

「……ここが良いのかしら?ねぇ?」

胸元に舌を這わせる。
痺れたように、少女がのけ反る。
私は乱れた格好の彼女を抱き寄せる。

「あん……じょ、女王様……」

そうだ。
私は女王。
もっと派閥を展開させなければならない。
全てを、私の下に。

「フフッ……」

私は夜闇に、笑んだ。



――――――――――――――――――――
ローマ――


「へぇ……?」

フィアンマは学園都市から送られてきた映像を見直していた。
三年前に送られたものを、再び取り出したのだ。
映像は、どこかの研究所の監視カメラが捉えたものらしい。
幻想殺しの少年が、腕を振るっていた。
同時、緑色の鞭が地面から飛び出す。
その様を、何度も繰り返し見ていた。

「何かわかったのですかー?」

緑色の装束の男性、テッラが声をかける。

「そうだな。強いて言えば、お前の術式の色である緑とは、関係ないと言ったところか」

「そうなのですか?オシリスと言えば農業も司り、肌は緑色のはずですが?」

「そうだな、この緑はその影響だろう。だがな、――これは魔術じゃねえよ、少なくとも俺様の見立てではな」
171 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/09/13(月) 23:21:30.82 ID:pZ9E2jUo
――――――――――――――――――――
美琴サイド――

「さーて、今日から二年生かー」

御坂美琴は腕を伸ばし、んっと声を上げた。

「気合い入れて行くかぁ」

鞄を手に、学校へ行く準備をする。

「……ていうか、あいつとはまた会いたくないなぁ」

思い浮かべるのは、高飛車の女。
派閥など作って女王様などと呼ばれている同級生だ。

――うぇぇ、ゾッとするわ。

そんなものを作って悦に入っているやつとはあまり関わりたくない美琴。
だが同じレベル5として、同級生として、その少女――心理掌握は度々美琴に話しかけてくるのだ。

――しかもあの人、アッチ系な人だし……。

心理掌握に蔓延る少女たちの恍惚の表情を思い浮かべ、美琴は身震いする。

「あーやだやだ、なんで同じクラスなんだろーなー」

準備を済ませ、美琴は立ち上がった。


――――――――――――――――――――
垣根サイド――

「妹達(シスターズ)?」

垣根が首を傾げた。

「それが何だってんだよ」

垣根はそれが、第一位の実験に使われていることを知っていた。
その上で、それが何だ?と返した。

「一つ、特別な個体の情報が入ってね」

メジャーハートの少女が、書類を垣根に手渡した。

「ねぇ、帝督はフルチューニングって興味無い?私達が手に入れれば、面白いことになると思うんだけど」

少女のその言葉に、垣根は小さく、子供っぽい純粋な笑みを浮かべ――賛成した。
二人は、フルチューニングを手に入れようと――動き始める。
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 23:22:30.04 ID:pZ9E2jUo
目ェ疲れたし今日はこの辺で
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 23:27:10.29 ID:CFHHodE0
フルチューニングって天井が作った奴だっけ?
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 23:29:34.82 ID:QNobxg6o
ここでフルチューニングか
原作にも情報があんまり出てないし、どうなるのか期待
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 23:37:07.90 ID:z1go0.co
00000号さんだっけ?
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 23:38:09.19 ID:5gLTAd.o
乙乙
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 00:46:01.81 ID:oPDPjtwP
邂逅が楽しみ過ぎて夜も眠れない
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 18:43:02.29 ID:32z4a9.o
20000号だよ
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/15(水) 14:28:35.11 ID:vP1yUcM0
変態?
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/19(日) 23:01:10.11 ID:g9Xcw.SO
まだかな
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/21(火) 00:39:58.79 ID:zTpOAts0
なんで…なんで書いてくれないんだー!!いいぜ、書かないってんなら…まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!っていうか書いてください。お願いしまーす。いやマジで
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/22(水) 07:34:07.91 ID:QQ.GUqI0
なんで続きがこないんだ・・?
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/22(水) 23:46:46.04 ID:ZI.C77A0
タバコ増税とか[ピーーー]る
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 00:06:04.27 ID:2EtrfCwo
止めるいい機会と考えるんだ
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 22:57:41.10 ID:1QCeZzQo
書き溜めしているんだと信じている
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 23:23:17.66 ID:WSs7q6AO
ウ゛ェントも[田島「チ○コ破裂するっ!」]するよ
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/24(金) 16:37:06.85 ID:e0a5XSo0
もう一週間以上経ってるのか・・・。早く来ないかなー。
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 08:29:10.19 ID:VqdFyIAO
もう、本当楽しみ過ぎる!
麦のんやフレンダ、垣根とかが暗部にいる状態で上条さん生きてること知ったらどうなるんだろな
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/25(土) 19:57:43.15 ID:8rv48VU0
いや……それより垣根が冷蔵庫になった状態とかフレンダが
フレ ンダになった状態を上条さんが知ったらどうなるのか……

とりあえずまだなのかな!
ま、ずっとまっててやるからよォ!
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 19:51:03.69 ID:NgFwAaw0
記憶喪失だがな
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/29(水) 23:04:21.91 ID:pVvVj6SO
まだかなー スレタイの場面になるのが楽しみだよ
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 09:27:38.64 ID:MZupxYAO
当然、上条さんなら記憶喪失でも自然に振る舞うんだろうな
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 10:18:30.18 ID:K1xScCoo
しかし心理掌握は誤魔化すのは無理だろうな。
友人やただの知り合いとは訳がちがう。
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 11:46:13.51 ID:wqAjucAO
つまり、上条さんが言う「常盤台のお嬢様」のイメージは、実は無意識下に残ってた心理掌握のイメージそのものとかだったりするわけですね、わかります
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/30(木) 12:56:58.84 ID:3S34JASO
小学生ってことか
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/02(土) 23:12:22.92 ID:3bRBsf60
都築が気になる(-公- )ウー
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/03(日) 16:20:51.29 ID:kcQLPBw0
naze来ない。生存報告してくだせえ
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/08(金) 18:44:03.38 ID:B5hA.Ns0
まだ来ないのか…
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 22:26:18.40 ID:DQlBj0o0
もう、来ないのか・・?
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 23:23:59.76 ID:z619xUDO
まだー?
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/08(金) 23:25:46.95 ID:qvRBfEwo
pasuta浪人生らしいからなー
この時期が鬼門なんだろ
春まで待てないです

あと23巻マダー
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/11(月) 12:47:41.16 ID:2LWnDqI0
そろそろ自治が来そう
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 13:32:09.37 ID:TpM4a5w0
まだなのかい?
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/12(火) 12:49:02.60 ID:5sBAbu6o
心理掌握をハートキャッチと読んでしまう俺のために早く続きを
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 15:14:18.93 ID:3Ru5vRYo
心理解錠
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 15:20:56.70 ID:frGHlJ.o
>>205見て心理開錠(サイコ・ロック)ってネタを思いついた
というか逆転裁判懐かしい
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 18:42:35.43 ID:S8kbtcSO
心理ー・ローパー
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 20:17:26.46 ID:tDfqnuYo
>>205
「わたしの心、アンロック!」
かとw
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 00:50:42.54 ID:H9wY96.o
心理解錠(オープンハート)とな
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 01:00:05.40 ID:CEj7HVkP
心理漏洩(サトラレ)というのを思いついた
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 03:58:26.19 ID:Gz0mT2DO
>>208
佐天さん?何してんすか?
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 04:36:12.87 ID:bxY2toco
>>211
今なら初春もセットです
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 03:39:54.24 ID:rUOKcE.0
復活ktkr
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 23:58:16.36 ID:7AIxk2M0
>>1まだなの?
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 14:23:25.74 ID:MqOuP3c0



216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 16:45:23.54 ID:BdipB52o
もう1ヶ月以上経過したのか、話忘れて投げたかな
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 20:56:12.05 ID:0Hb/94Mo
生存報告はしようぜ…
おれも受験だから大変なのはわかるが
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/05(金) 18:28:25.21 ID:RDEdto60
ねぇ、帝督まだなのかしら?
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/07(日) 13:14:53.45 ID:GMinRjo0
続ききになる
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 18:37:50.66 ID:KOWqw9.0
もう来ないのかな(涙)
221 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 02:49:20.28 ID:.KePnoA0
マダー?
222 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/19(金) 12:08:23.69 ID:/YE20hYo
PC使えなくなってんだろうな
223 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 01:07:13.39 ID:a7OZg4go
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 あわきん!あわきん!
  (  ⊂彡
   |   |
   し ⌒J
224 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 01:09:18.53 ID:a7OZg4go
誤爆した
225 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 16:42:38.38 ID:tcPOKZo0
ふぇええ・・・
226 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/28(日) 03:59:01.16 ID:9QZTguco
もう一個別に壮大な
禁書ifSSがあるな
どっちも面白い
こっちも進むのを待ってるぜ
227 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/01(水) 23:08:41.62 ID:yYFPHU60
>>226
なんてやつ?
読んでみたいな
228 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 12:00:34.09 ID:34CmU/Mo
「行くわよ」のやつのことかな
229 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/14(火) 11:20:46.25 ID:5j2fWsDO
行くわよの方はだいぶキツイ話書いてるな
すげえドロドロしてる
230 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/20(月) 10:14:29.21 ID:bK1bt/20
行くわよもう終わっちゃったな
231 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/23(木) 17:41:25.53 ID:jX9wAew0
まだこない・・・。やっぱりもうかきに来ないのかな?
232 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 19:36:45.27 ID:rALuI.AO
まぎらわしい、あげてんじゃねー
233 :Are you enjoying the time of eve? [sage]:2010/12/24(クリスマスイブ) 12:37:05.53 ID:xTYltRso
浪人生らしいし>>222だろ。読者としては辛いがいいことだ。
サクラサクまでのんびり待とうや
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/15(土) 18:13:46.69 ID:6lU8+00ao
ここはどうなる
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:12:33.02 ID:Lgv2AFqIO
>>1が全く見てないっぽいし代理で移転しても>>1が困りそうだしなぁ。
春には戻ってくるだろうしまだ放置してていいとおも
236 :lain. [sage]:2011/02/19(土) 23:14:43.44 ID:???
SS・やる夫系スレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
スレッドを立て直す際はSS速報VIPへお願いします。
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