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屍呪のフェリオプス - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 00:53:59.03 ID:7ApMrCA0
2048年。

「おいおい、もうこの地域には人がいないはずだろ? なんで俺たちが……」
「まあ、気にするなよ。」
「やれやれ……ん?」
「どうした?」
「お、おい……あれ……」
「!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:05:11.59 ID:7ApMrCA0
2050年。

パシ・フォネ政策により、人間革命が起きてから、30年。
人は、何不自由なく暮らしていた。
「くそ……」
天翔 満(アマカケ ミチル)の腹は、既に空腹で餓死寸前だった。
「金は無いし、どうすりゃあいいんだ……」
空っぽの財布を裏返して、小さく溜息をつく。
「ああ、雲まで美味そうな飯に見えてきた」
幻覚が見えるほどの、凄まじい空腹感。彼は雲を捕まえようと必死で手を上にぶんぶんと振っている。
「……何やってんだ、俺は」
自分の今の状態に気づいたのか、パタリと動きを止める。
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:10:55.43 ID:7ApMrCA0
ふと、突然。
「……ん?」
一枚、空しく貼られているポスターが目に留まった。
最近貼られたような感じだ。とても綺麗である。
「アルバイト募集中……食事あり、寝床あり!?」
満は、つい最近、更に言えば昨日、アパートの管理人に家を追い出されてしまったため、今は家無し状態の、ホームレス学生である。
学生と言っても名ばかりで、どこの学校も様々な理由で休校中である。
「これは……行ける!」
両親が既に死んでおり、親族に頼ることもできない満にとっては好都合。
よく見ると、雇用条件は無し。満にもチャンスがあるということだ。
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 01:18:17.42 ID:q7xEIoSO

これは期待
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:22:24.77 ID:7ApMrCA0
「場所はここからすぐそこの深羽(ミハネ)研究所か」
聞いたことなど、満にはなかったが、この際どうでもよかった。
どんな仕事をさせられるのかわからないが、それでもとにかく今の彼には労働をして、ちゃんとした生活を送ることが目的だった。
「研究所ってくらいだから、研究の手伝いかな?」
人体実験かもしれない。人体実験によって、今の自分はいなくなってしまうかもしれない。
満はそれでもいいと思った。今の自分は、存在していたとしても誰かを救えるほどの強さではない。
ましてや、いまだに繰り広げられている弩人類(ドジンルイ)との戦いに、満の存在は無である。
「ここか」
見上げると、小さく、本当に小さく『深羽』と書いてある。
建物と建物の間にこれまた小さくドアらしきものがあった。
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:27:34.68 ID:7ApMrCA0
「ここから、入っていいんだよな?」
さっき書いてあった文字とは裏腹に、建物は相当な大きさだった。
一体何を研究しているのだろう。そんな気持ちが満の頭を駆け巡った。
考えても仕方ない。満はドアを音をさせないように、ゆっくりと開けた。
中は薄暗く、ほとんどよく見えない。
「……?」
満はそろりと、まるで泥棒のような足取りで中に入った。
「すいませーん……」
小さく声がこだまする。暗い上に、広く響きやすい部屋のようだ。
「誰かいませんか……?」
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:32:05.24 ID:7ApMrCA0
もちろん、声がこだまするだけで、満の言葉に返事など無い。
留守なのだろうか。
すると。
なにやら、奥から人の声が聞こえる。
微かに。わずかに。
「ん?」
満はその声の聞こえる方に歩み寄った。
「……この、部屋か?」
赤いドアの向こうから、小さく聞こえる声。
満はドアを開ける前に、ドアに耳を当てて、部屋の様子を伺うことにした。
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:38:05.40 ID:7ApMrCA0
「これはもう、動くのか?」
低い声。どうやら一人、男がいるようだ。
低いと言っても、ただ低いわけではなく、貫禄があり、恐れを持たぬような声である。
「はい、まだまだ開発段階ですが……」
もう一人いるようだ。それも低い声であるが、さっきの声とは違い、ただ純粋に低い。
「弩人相手に、こいつが通用するのか?」
と、貫禄のある低い声。
「わかりませんが、恐らく、対等に戦えるのでは?」
「対等では意味がないのだ」
バッサリと切り捨てる、貫禄のある低い声の男が叫んだ。
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:45:28.40 ID:7ApMrCA0
びくり、と満はその声に驚く。
耳以上に、何故だか心に響く声である。
「弩人相手に、対等に戦える……?」
そんなもの、あるわけがない。
今でさえ、政府は弩人の対処について、多くは語ろうとしない。それは、裏を返せば、対処法が無いからである。
なら何故、その弩人の対処することのできるものがここにあるのか。
満は決心して、ドアを小さく、中が少し見えるように開けた。
「!!!」
そこには、黒と赤でカラーリングされた、意味不明な物体があった。
「な、なんだあれ……!?」
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/09(木) 01:46:14.64 ID:7ApMrCA0
ここまでです。
これからすこしずつ書いていくつもりですので、よろしくお願いします。
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 02:01:04.96 ID:q7xEIoSO
ガンバレ!
支援していくゼ!
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 02:13:12.55 ID:ndyll.AO
 これは…なかなか期待できる!
今日から支援をしていくさ。

>>1 乙!乙ぅ!乙ゥァァァ!
超乙かれさまでした。
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/09(木) 15:58:22.50 ID:.Wh5rZMo
しえん!
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/10(金) 20:56:03.39 ID:Bm6CHF.0
よく見ると、黒光りしている。
天井スレスレまでの、その物体は、二本の軸で立っていた。
まるで。
人間のように。
満は、何かを求めるように、その物体に近づく。
「誰だ!」
「!」
一人の男に、バレてしまった。
まずい。満の心の中にその気持ちが充満した。
慌てて逃げようとするが、脚が動かない。
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/10(金) 21:07:34.72 ID:Bm6CHF.0
動かないんじゃない。
物体に引き寄せられるように、体が動くのだ。
そっちに行きたいんじゃない、入ってきたドアの方に行きたいのだ。
しかし、体が言うことを聞かない。
「ぐわっ!」
数人の男に体を固められる。
「誰だ?」
さっきの低い声だ。
30後半、もしくは40越えた容姿、顎鬚を蓄えた男。
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/10(金) 21:19:33.64 ID:Bm6CHF.0
「えっと……」
満はその男を直視できない。
威圧感に、勝てない。
「名乗れ」
「……天翔 満」
小さく、聞こえるか聞こえないかのような声で答える。
「関係者以外、立ち入り禁止のはずだが?」
「ば、バイト……募集中だったみたいなので」
ギラリと、満を睨みつける男。
「ぽ、ポスターが、あったので」
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/10(金) 22:29:13.57 ID:Bm6CHF.0
「ポスター? バイト募集?」
満を捕まえている一人の男が、首を傾げた。
「ポスターも、募集した覚えもないぞ?」
「いや、そんなはずは……」
確かに見たんです、と声を荒げる満。
「そんなことはどうでもいい」
低い声の男が、話を切る。
「悪いが、これを知られたからには、生きて返すことはできない」
「!」
「貴様に一つ選ばせてやる」
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/10(金) 22:37:34.60 ID:Bm6CHF.0
「な、なんですか……?」
低い声の男は、満の体を下から上へとゆっくりと舐めるように見た。
「ここで、死んでもらうか」
目を細めて、低い声の男は静かに目をつぶった。
「これに、乗ってもらう」
「え……?」
これに乗ってもらう。
これに、乗ってもらう。
これ。
これって……?
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/11(土) 00:12:12.84 ID:Wjrtf8k0
「対弩人戦闘用及び汎用人型兵器……フェリオプスだ」
これの正体は。
対弩人戦闘用及び汎用人型兵器。
フェリオプス。
「この機体のことを……我々はフェリオプスと呼んでいる。そして、これは兵器第一号、『シラヌイ』だ」
シラヌイ。
「これに……俺が?」
「二つに一つだ」
貫禄のある、低い声が満に問いかける。
満は、まじまじとフェリオプス、シラヌイを見た。
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/11(土) 01:30:08.26 ID:Wjrtf8k0
「[ピーーー]ば、乗らずに済む」
満は、息を飲んだ。
未だに、満の体は、フェリオプスに引き寄せられており、男たちに反抗している。
「なんで……その二つなんですか?」
「いいから答えろ」
答えを求められている。
戦う?
弩人と?
無理を言うな。
あんな――化物に。
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/11(土) 01:33:24.95 ID:Wjrtf8k0
とりあえずここまで。
sagaは敢えてしません。理由はありませんが。
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/11(土) 12:01:45.11 ID:CIxeWVIo
乙乙ー!
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/11(土) 23:12:27.15 ID:Wjrtf8k0
「……勝てるんですか?」
「む?」
「弩人に……本当に、勝てるんですか?」
満は、低い声の男にそう問いかけた。
男はすぐに言葉を返さない。ほら、やっぱり……。
「勝てる」
男は断言した。素直に、正直に。
「あとは、お前の気持ちだけだ」
満の気持ちだけ。
それで、勝つことができる。
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/11(土) 23:59:43.81 ID:Wjrtf8k0
「では、連れて行け」
「! ちょ、ちょっと」
男達によって満は、フェリオプス・シラヌイの方へと連れて行かれた。
シラヌイのコクピットの中に満を入れて、一人の男が起動ボタンらしきものを押して、コントロールをしはじめた。
「基本操縦は戦闘機と変わらん。操縦訓練は?」
「学校ですこし」
「なら大丈夫だ」
「!?」
大丈夫なわけが、ないだろう。
コクピットの中に散りばめられた無数のボタン。一つ一つが何を意味するかもわからないのに。
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 00:30:36.85 ID:PqipXRk0
「な、なんで……俺が……」
弩人と、戦うのか?
なんで、今、これに乗ってるんだ?
「弩人類、発見! トロールです!」
いきなり、女性の声が聞こえる。その直後、コクピット側面から、顔が映し出される。
「うわ!?」
「申し遅れました。オペレーターの白鳥 泉美(シラトリ イズミ)です。よろしくねっ」
「…………」
「ああ、えっとね、この画面は『VIGECS』といって、こうやって、顔と顔を見ながら通信ができるシステムよ」
呆然としている満に、泉美は慌てて説明した。
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 02:10:34.35 ID:PqipXRk0
「あなたの名前は?」
沈黙を解かない満をよそに、泉美が話しかける。
「満、天翔 満」
「可愛い顔、してるね」
ニッコリと微笑む泉美。
「これから、トロール殲滅を行います。フレームは基本、所持装備はアサルトダガー、簡易シールド、αナックルです」
事務的に言葉を連ねていた泉美が、もう一度ニッコリした。
「一応、試験的にDPLGフィールドも実装しました。大抵の物理的攻撃は受けないはずよ」
「あ、ありがとうございます」
泉美は軽くウィンクして、頑張ってね、と元気づけて、VIGECS画面を閉じた。
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 02:42:06.44 ID:PqipXRk0
「エネルギー出力最大! 全体ロック解除はまだか!?」
「おい、脚がまだロック状態!」
「ダメだ、もう出撃に入ってる!」
満は事情が何もわからぬまま、研究所の真上から外へ飛び出した。
「!」
飛び出した直後、急速落下。
「うわああああああああああああああああああああああああ!!!」
シラヌイは、着地失敗。そのままうつ伏せ状態に倒れた。
「なんで!? 脚が動かないぞ!」
どう動かしても、上半身のみしか動かない。
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 03:42:43.77 ID:PqipXRk0
「おい、脚ロック解除は!?」
「研究所内でないと解除できません!」
研究所内でも、ロック解除で慌しくなってきた。
「グオオオオオオ!」
弩人・トロールが大声をあげる。
「弩人・トロール、シラヌイに接近!!」
トロールは、鈍い足取りでシラヌイに近づく。
ジタバタとしている、シラヌイ。下半身の自由がきかないフェリオプスは、人間に似ている。
「満くん! 気をつけて!」
泉美の声が聞こえた瞬間に、トロールの足が、シラヌイを踏みつけた。
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 03:44:40.93 ID:PqipXRk0
ここまで。

やっぱりsaga進行で。
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 16:39:31.39 ID:PqipXRk0
「トロール、フェリオプスの頭を踏み潰しています!」
頭部に、コクピットがある。
「な、なんで……さっき言ってたなんちゃらフィールドは!?」
満は慌ててすこし前に、泉美が言っていたことを思い出す。
「DPLGフィールドは、人間に大きなダメージを与えるから、頭部には実装できないの!」
と、こちらも慌てて答える泉美。
「くっそお、やめろお!」
操縦もまだ十分に慣れていない満は、腕を動かすのもぎこちない。
トロールはさらに体重をかける。
ギギギギ、と頭部が音を立てる。
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 23:59:58.88 ID:PqipXRk0
「うわあああ!!」
頭が裂ける感触。コクピット内が圧縮されているからだ。
「落ち着いて、満くん!」
泉美の声は、満に届かなかった。
ずっともがき苦しみ続ける満。
「やむを得ん。シラヌイ全体にフィールドを展開」
貫禄のある男が、宣言した。
「ですが総指揮! そんなことをすれば、彼は……」
「今、ここで我々が死ねば、弩人は暴れ続ける。一人の犠牲で済むのなら安いものだ」
なんのためらいもなく、総指揮は言い切った。
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 00:07:09.18 ID:9.TMks60
「それに、やつを生かしておくことが、我々の利益にはならん」
総指揮の命令は絶対である。だから、従うしかない。
まだ、一度も会っていないのに。
泉美は、苦しそうにシラヌイにVIGECS画面を送る。
「DPLGフィールド、シラヌイ全体に展開します」
泉美は上ずった声で、満にそう告げた。
「ごめんなさい」
言って、フィールド展開指示のプログラムを入力した。
「な、なんだ……」
激しい嘔吐感。さっきよりももっと強い圧迫感。
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 00:26:32.53 ID:9.TMks60
「な、なんだよこれ……」
心臓がキリキリと痛む。
「き、気持ち悪い……」
「フィールド、展開しました!」
「グオオオオオオオオオオオ!!」
トロールが、苦しそうに叫び声を上げた。
「弩人の足が、フィールドに接触しています」
トロールの足が血に染まり、噴き出した。
「……うっ」
その血を見て、泉美は吐き気を催した。
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 00:40:47.03 ID:9.TMks60
「うぐあああああああ!」
繋がっていたVIGECS画面に、発狂する満の姿が映し出された。
「満くん!」
聞こえるわけがない。満は既に、自我を保つことすら、できていない。
「グォオオオオオオオオオオ!!」
トロールの体がグラリグラリと揺れはじめた。
「弩人、生命維持能力低下、もうすぐです!」
「フィールド強化、一気にケリをつける!」
総指揮の言葉に、泉美が立ち上がった。
「そんなことをしたら……!」
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 00:41:42.28 ID:9.TMks60
今日はここまで。
支援してくださった方、ありがとうございます。
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 01:13:12.49 ID:CRzgfEQo
オリジナルロボ物とは珍しい

wwktkwwktk
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/14(火) 01:16:02.82 ID:o0zwNRU0
>>36
ありがとうございます。
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/14(火) 01:24:54.99 ID:o0zwNRU0
「私の命令に逆らうのか? 白鳥」
総指揮の声に、白鳥は悔しがりながら、席に座った。
「……DPLGフィールド、最大出力展開開始します」
やるせない言葉の後、泉美はプログラムを入力した。
「あがあああぁぁああああぁあ!!!」
満の悲鳴はより恐ろしく、死んでしまう直前のような声だった。
普段の生活では、聞けない声。
トロールの体が、見る見る消えていく。
DPLGフィールドの最大出力の勝利だった。
トロールが消えてしまったのなら、満も……。
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/14(火) 01:36:02.04 ID:o0zwNRU0
「満くん……?」
泉美が、少しの希望を胸に、声を出す。
どうやら、VIGECS画面はフィールドにやられてしまい、音のみの通信しかできないようだ。
「満くん、いたら、返事をしてください」
「泉美ちゃん、ダメだ、もう……あいつは……」
「満くん! 応答してください! 応答を!」
ひたすら声をかけ続ける泉美。しかし、返事は返ってこない。
「うわあああああああ!!」
泣き崩れて、大きく叫び声を上げた。もう、彼は死んでしまった。
さっき、自己紹介をしたばかりの、彼は……。
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/14(火) 01:36:36.78 ID:o0zwNRU0
はじめた時間が遅かった……。

ここまでです。

わからないことがありましたら、質問してください。
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 09:15:26.34 ID:CGuBmUAO
sage進行してください
スペース空ければsagaとも併用できるので
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 22:16:06.73 ID:CRzgfEQo
>>41
そこはまぁ>>1のやりかた次第ってことで一つ
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/15(水) 03:43:45.36 ID:/SsqZBc0
「はぁ……はぁ……」
「!」
荒い息遣いが、聞こえる。
「満くん!?」
「はぁ……はぁ……」
だんだんと小さくなる呼吸。泉美のなみ
「シラヌイパイロット、生存を確認、救出するためフィールド、解除します!」
「救出班、急げ!」
研究所内は一気に忙しく動き始めた。
「生きてたの? よかった……」
泉美は一人、小さく呟いた。

第1話『はじまりは突然に』-Beginning of FELIOPS- 完
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/15(水) 03:44:43.43 ID:/SsqZBc0
>>43
修正。
6行目の『泉美のなみ』は無しで。
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/15(水) 03:55:03.12 ID:/SsqZBc0
対弩人戦闘用及び汎用人型兵器、フェリオプス。
兵器第一号、シラヌイ。
シラヌイに乗って、弩人と戦った少年、天翔 満。
今、彼は救護室のベッドで休んでいる。
「失礼します」
一人の女性の声。
「はい、どうぞ。……おや、白鳥くん」
救護室の医師が応対した。入ってきたのは、白鳥 泉美。
この研究所では、オペレーターを務めている。
「……満くんは大丈夫ですか?」
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/15(水) 03:55:49.03 ID:/SsqZBc0
ここまで。

第1話終了です。そして、早速第2話です。
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 05:29:18.15 ID:wGUhMISO
乙です!
続きが気になる。
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/15(水) 21:19:05.71 ID:hRojbg.0
乙。

オリジナルロボ物・・・

いいですね。頑張ってください!
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/15(水) 23:42:57.99 ID:/SsqZBc0
>>47
ありがとうございます。
やっぱり序盤ですので、探り探り状態で、遅筆ですが、なにとぞご声援お願いします。

>>48
ありがとうございます。
オリジナルロボ物に強く興味があったので、つい妄想を具現化させてしまいました。
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/16(木) 00:05:47.48 ID:dYoLgGwo
「ええ、大分いいですよ」
医師がそう答えると、泉美はそっと胸を撫で下ろした。
なぜなら、シラヌイの脚ロックを解除し忘れてしまったのは彼女のせいでもあったからである。
メカニック担当でない彼女だが、出撃前のメンテナンスはオペレーターの仕事。だから、彼女に責任がある。
「ただ、やはり相当体の負傷部分が多い、回復するには早くても一週間かかるでしょうな」
医師がすこし目線を泉美から逸らしながら、渋い顔をして言った。
「そうですか……」
その言葉に、責任を感じる泉美だった。
そんな泉美を見て、場の空気を変えるために、医師が口を開いた。
「聞きましたよ、今日、本当の、正規パイロットが来るそうじゃないですか」
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/16(木) 00:15:45.87 ID:dYoLgGwo
正規パイロット。
フェリオプスを操縦する、本当のパイロット。
「……はい」
小さく微笑みながら、泉美が頷く。
「彼にもう少し技術があれば、脚をロックされたままでも、十分に戦えたのに」
「私が悪いんです」
泉美がきっぱりと、制した。
「彼に非はありません」
泉美の瞳は笑っていなかった。
「次の戦闘では、頑張って……」
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/16(木) 00:17:15.86 ID:dYoLgGwo
もっと頑張りたい……ここまで。
文章が稚拙で恥ずかしいしわかりづらい。
なにかアドバイスがあれば、よろしくお願いします。
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 01:27:27.73 ID:W8atPZIo
>>52
くそぅ・・・俺よりずっと上手いくせに・・・
行間も上手く使うと見やすいかもね


いやまぁ正直おもしろいしどんなんでもいいや
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/18(土) 21:13:26.03 ID:Gs2/9Aoo
「いやあ、いいねえ。男女の友情、いや、愛情かな?」
と、泉美の後ろから男の声がする。
「誰ですか?」
すかさず後ろを振り向き、泉美が男に問いかけた。
「ああ、失敬失敬。いきなり話に入ってしまって、悪かったね」
ニッコリと笑う男。
身長は高く、整った顔立ちで、額の上にメガネをかけている。
「僕は、今日から深羽研究所の正規パイロットとして配属された、高橋 悠輔(タカハシ ユウスケ)」
悠輔は額の上のメガネを取って、深く頭を下げた。
「あ、あなたが正規パイロットさん?」
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/19(日) 09:34:57.27 ID:9NNFoQ.0
悠輔は頭を上げて、メガネを元に戻した。
「君は、白鳥 泉美ちゃん……だね?」
「な、なんで私の名前を……?」
「当たり前じゃないか」
クスリと笑って、悠輔は満に視線を移す。
「来る前に研究所のメンバー一覧を全員覚えているからね。彼は……ちょっとわからないけれど」
「満くんは……昨日からなので」
「おや、ということは、彼がもしかして……?」
悠輔の声が、テンションの上がりようを物語っていた。
寝ている満の近くに寄り、顔を近づける悠輔。
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/19(日) 09:49:58.54 ID:9NNFoQ.0
「ほお……彼が、ねえ。名前は?」
「天翔 満くんです」
泉美は悠輔の顔の近さに、すこし気味悪さを感じた。
満はゆっくりと寝息を立てている。
「ああ、触らないでください。まだ傷は残っているので」
触ろうとした悠輔を医師が止める。
それは残念、と悠輔。
触ってどうするつもりなのか、と泉美は訝しんだ。
「ふむ……見た感じ、特別な訓練はしていないみたいだね」
手で顎をさすりながら、微笑む悠輔。
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 00:02:33.03 ID:DsW1E8.0
「筋肉も並くらいだし……本当に彼が、シラヌイに乗ったのかい?」
ニヤリと口の端を吊り上げる悠輔。
どうやらシラヌイを知っているらしい。
「いやあ、僕も機体を持ってるんだけどね、シラヌイは一番操縦が難しいって聞いてたから」
「……」
泉美は下を向いたままだんまり。
「でもまあ、彼でも弩人倒したくらいなんだし、結構簡単なのかな?」
悠輔が泉美に微笑みかける。しかし、泉美は見ずに、
「私が脚のロックを外さなかったので、彼は思うように動けませんでした」
素直に、泉美は言った。
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 00:03:45.58 ID:4LOBIog0
支援
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/20(月) 00:08:05.62 ID:DsW1E8.0
「ありゃりゃ、脚ロックを? それはきついね」
肩を竦ませる悠輔。
「それじゃあ……DPLGフィールドのおかげかな?」
悠輔はまた、微笑んだ。
「はい、そうです。全体にフィールドを展開しました」
泉美がしれっと答えた。
「え? それって……」
悠輔の笑顔が消え、思案顔になる。
「へえ……満くん、凄いね」
また、満に顔を近づける悠輔だった。
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 00:47:05.10 ID:DsW1E8.0
・ ・ ・

「総指揮、ただいま参りました、高橋 悠輔です」
指揮官室では、さっきまでの悠輔とは打って変わって、律した顔をしていた。
もちろん、額の上に乗せていたメガネも外し、今は手の中にある。
「ふむ、ご苦労」
総指揮が蓄えている顎鬚をさすった。
「研究所内はどうだ?」
「いやあ、なかなかいい所ですね。研究所っぽいにおいもしないし。僕、あのにおい嫌いでして」
ニッコリと笑う悠輔。さっきと同じものだ。
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 10:48:41.12 ID:DsW1E8.0
「研究といっても、フェリオプスの研究以外はあまりしていないからな」
「なるほど、そういうことですか。それより、聞きたいことがあります」
「む、なんだ?」
「天翔 満君について、お伺いしたいのですが」
総指揮の顔は変わらず、ムスッとした顔のままだ。
「彼が、シラヌイに搭乗したのは本当ですか?」
「ああ、そうだ」
間髪を入れず、答える総指揮。
「それも、DPLGフィールドに包まれて」
どうだと言わんばかりに、笑みを浮かべた。
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 13:32:32.85 ID:DsW1E8.0
「そうだな」
簡潔な回答。しかし、それだけでも、悠輔には良かった。
「そうですかそうですか。ふふふ……」
DPLGフィールドは、フィールドに接触したもの、フィールド内にいるものの体を破壊する。
しかし、満の体は破壊されず、すこしの怪我だけで済んだ。
「彼には凄い力があるようですね、総指揮」
「……使えるものは使うまでだ」
悠輔は肩を竦ませた後、頭を下げる。
「それじゃあ、僕はこれで」
と、その瞬間。
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 19:07:28.67 ID:DsW1E8.0
大きな音がした。
「これは……!?」
悠輔が身構え、総指揮が重い腰を上げた。
「高橋、出撃だ。弩人が現れたようだ。戦闘配備につけ」
これはどうやら、警報のようだ。
「わっかりました。すぐに準備します!」
悠輔は笑って走り去っていった。

・ ・ ・
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 23:58:47.30 ID:DsW1E8.0
起きると、薬などの混ざったにおいがする。
どうやら、どこかのベッドで寝ているらしい。
「おや、起きたかい?」
誰かに声をかけられる。
「えっと……」
「ああ、動かんでくれ。まだ安静にしとかんと」
4、50代の男に止められた。
「俺は……?」
「む、まさか、記憶障害か?」
違う。そんなことを聞きたいんじゃない。
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/22(水) 23:42:52.05 ID:jEXhJ0o0
「俺……生きてるんですか?」
満は、小さくそう、医師に聞いた。
医師は、目を見開いて驚いた。いきなりの発言がコレだからだろう。
「もちろんさ、君は生きている」
正直に医師はそう答えた。
自分の手を満は不思議そうに見ている。
生きている。
俺は、生きている。
不思議でたまらない。
そうだ、弩人は?
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/22(水) 23:44:39.90 ID:jEXhJ0o0
あの弩人はどうなったんだ?
「あの……昨日って……」
「ん? 昨日?」
「昨日の、弩人は……?」
「ああ、それのことか」
医師はニッコリと微笑んだ。しわの多いの顔が、よりしわくちゃになる。
「君の活躍で、倒すことができたじゃないか」
君の活躍で。
俺の、活躍で。
「でも、俺」
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/22(水) 23:45:19.97 ID:jEXhJ0o0
そんな記憶が無い。弩人を倒した記憶なんて。
「そんなことより、今は外のことを考えたほうがいいんじゃないかい?」
医師は窓を指差す。つられて、満も窓を、外を見た。
そこには、昨日もみた――弩人。
「ま、また!?」
急いでベッドから出ようとする満。
「ダメだ、天翔君!」
止める医師、だが、止める必要はなかった。
満の体は、まったく動かなかったのである。
動かないのではなく、動けないのである。
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/25(土) 22:00:19.06 ID:bP/Xvw60
「あれ……?」
「だから、言っただろう。君の体は、相当ダメージが来ている。表面上はすこしの傷だけだが、筋肉は最悪の状態だ」
痛くない、でも、動かない。
「それに安心したまえ。今日、正規パイロットが到着した」
正規パイロット。
フェリオプスの、パイロット。
「あれに、乗るやつがいるんですか?」
体を小刻みに震わせて、満は言った。
「もちろんだ。そうでなければ、作った意味がないからね」
医師は笑う。
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/26(日) 00:20:05.24 ID:X5vIsSM0
ここまで。
遅筆で申し訳ない。
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/26(日) 16:01:28.12 ID:X5vIsSM0
申し訳ありません、諸事情で終了させていただきます。
続きは、↓
http://syosetu.com/
で続けることにします。
ありがとうございました。
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