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男「リア獣狩り」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:22:02.17 ID:Civ2Gm20

更新速度は速いとは言えません。

がんばります
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【安価】タイトルからあらすじを想像して架空の1クールアニメを作る 2024春 @ 2024/04/28(日) 16:37:54.07 ID:PHuiugtM0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714289873/

【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 @ 2024/04/27(土) 14:14:26.69 ID:Wh98iXQp0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714194866/

諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:22:24.88 ID:Civ2Gm20
ブロロロロロロ・・・・・・

男「目標を発見した。レベルは・・・2だ。」

男「大方行為の後だろう・・・・。分かった、・・・・そういう話は後でな・・・」

男「現在目標は住居区画を破壊しながら移動中だ。ちょうど広場に出るあたりで追いつくはずだ。」

男「そこで叩く・・・え?・・・ったく・・・極力早く来いよ!」

3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:23:24.11 ID:Civ2Gm20
30分前

リア獣出現を知らせるサイレンの音がけたたましく鳴り響いた。
俺は持っていたティーカップをテーブルの上に置き、
戦闘用のスーツを着用し始める。

男「何度着ても慣れねぇなぁ・・・」

スーツの着用を完了し、部屋の隅に置いてあるバイクに乗り込み壁のレバーを下に下げる。

ゴゥン、と鈍い機械の駆動音がし、バイクを乗せた床が下がり始めた。

床は一分としない間に目的地にまで到達する。
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:23:59.52 ID:Civ2Gm20
自分と同じようなスーツを着込んだ職員が数人やってきて、
俺をカタパルトまで誘導する。

職員が俺のバイクをカタパルトに固定している間に、
俺は今回の任務の説明に目を通す。

目標:リア獣の殲滅

住居区画D−124にてリア獣一体の出現が確認された。
出現場所は住居区画の中心であるため、早急な対処が望まれる。
至急、討伐に向かわれたし。

確認されたリア獣の呼称は【リザード】に決定した。
比較的人型に近い固体である。
鋭利な爪での攻撃に注意されたし。
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:24:48.32 ID:Civ2Gm20
職員A「行けます」

リーダー格とおぼしき通常とは違う色をしたバイザーとスリットの職員が右手を上げ、
俺にカタパルトの準備の完了を知らせた。

男「NO.7777777777、ロンリー、出ます」

グリップを握りしめ、やがて来る衝撃に備える。

瞬間、俺を乗せたバイクは勢いよく射出される。
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:34:38.85 ID:Civ2Gm20
バイク後部のサブウィングが展開し、ブースターが点火する。

約3分の飛行を終え、俺を乗せたバイクは勢いよく地面に着地する。

男「ふぅ・・・」

上手くなったものだ、と思う。

初めの頃は着地時の姿勢維持もろくに出来なかったが、今では一連の動作を無意識のうちになんなく行えるようにまでなった。

7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:38:11.72 ID:Civ2Gm20
ディスプレイに表示される地図を見ながら標的の元へと進む。

男「まぁ・・・当然ながら、誰もいない」

どこで覚えたかも知らぬ口笛を口ずさみながら只、建物をかいくぐり進んでいく。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

男「この辺のはずなんだがな・・・・」
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:40:46.26 ID:Civ2Gm20
俺は標的であるリア獣が「出現」したポイントに到達した。

相変わらず巨大な建築物以外に何もないところだ。

まぁ、ここだけがそうである訳ではないのだが。

いつからだろうか・・・人が外出を許されぬようになったのは・・・
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:45:24.79 ID:Civ2Gm20

突如、バイクに搭載されたディスプレイからアラーム音が鳴る。

ディスプレイには只一言

「標的のリア獣を補足しました」

という一文、そして標的の座標、直線距離が表示されていた。

各種武装のロックを解除すると俺は再びディスプレイを確認しながらアクセルを捻った。

10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 22:51:37.55 ID:wQ0xeAAO
なんぞこれ・・・
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 22:51:39.76 ID:wQ0xeAAO
なんぞこれ・・・
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 22:56:42.27 ID:Civ2Gm20

同じような建物が並ぶだけの街に、標的であるそいつが現れた跡はしっかりと残っていた。

強固な金属でできた壁になにか鋭いもので抉ったような・・・

形容するならば「爪痕」・・・がいくつも刻まれていた。

男「こりゃぁ・・・なかなか強敵かもしれんなぁ・・・・」

刻まれた数多の「爪痕」を見送り俺は標的に着々と近づいて行く。

13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 23:19:49.60 ID:Civ2Gm20
>>10 なんでしょうね

「標的」に近づくにつれ、
「爪痕」は金属を無理やり高温で溶かしたような跡に変わっていく。

ふと横を見ると、壁に巨大な穴が開いていた。

その奥には明らかに人が住んでいた形跡があった。

散乱する家具や電化製品

そして何か絵具の入ったバケツでも倒したような赤。

俺はそれを見ないようにする。

見ないように・・・見ないように・・・。

そんな穴がいくつも続いて行く。

そして、俺は見る。そんな穴の一つから、
全身を良く分からないなにか堅そうなものに覆われた巨大な獣が出てくるのを。

そいつは口からなにか赤いものを滴らせると、どこかへ走り出した。

14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 23:27:28.68 ID:Civ2Gm20
遂に見つけた標的を追いかけ俺は突如として広い空間・・・・広場に出る。

広場の中央には標的であるリア獣が居座っていた。

標的、【リザード】は優に4メートルを超えるであろう猫背の人間のような
細長い巨体を揺さぶり四つん這いの姿勢になる。

それだけで1メートルはありそうな舌を地面に打ち鳴らしながらこちらを威嚇する。

俺は無言でバイクから超振動ブレードを引き抜くと、その標的と対峙した。
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/12(日) 23:41:53.41 ID:Civ2Gm20
俺は円形の広場を一周するように走り出す。

標的が俺を殺そうと飛びかかり、壁に衝突する。

伸ばした爪がコンクリートの床に深く突き刺さる。

男「あれにやられたら一溜りもない・・・」

【リザード】は突き刺さった爪をコンクリートごと無造作に引き抜くと再び俺に向き直る。

その隙に俺は標的の下にもぐりこみ、左足に切りつける。

がりがりと超振動ブレードが標的の良く分からない何かでできた装甲を切り裂く。

すぐにブレードは装甲を越え、標的の左足に到達する。

標的がすさまじい悲鳴を上げ、のけぞる。

16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/12(日) 23:53:23.88 ID:ipSKJADO
なにこれ面白い
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 00:50:44.83 ID:rO5pSJ60
深追いは危険だ。

そう判断した俺は咄嗟に標的から離れる。

瞬間、先ほどまで俺がいた場所にレーザーのような何かが走るのを俺は見た。

標的がグルルルル、と悔しそうに唸る。

見ると、標的の口から何か筒のような物が出ているのが見えた。

男「なるほどね・・・」

標的が再びこちらに向き直る。

筒状の何かが煌き、一瞬の間を置いて光線を吐き出した。

咄嗟に転がり、それを交わす。

光線にはラグがあるし、スピードも恐れる程じゃない。

油断さえしなければ、いける。俺は確信した。

18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 00:59:54.88 ID:rO5pSJ60
>>16 ありがとうございます。励みにします。

再び射出される光線を斜めに前進して避ける。

腰ホルスターから投擲用ナイフを取り出し、標的の顔に投げつける。

思ったよりも深く突き刺さる。おそらく感覚器官か何かに刺さったのだろう。上出来だ。

基本的にこいつらはオツムが宜しくない。
顔や重要な部位に軽く攻撃すれば怒りに我を忘れることも珍しくない。

19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 01:01:57.13 ID:rO5pSJ60
こんな感じで進んでいきます。

自分はまだまだ練習中のみです。些細な事でも意見を聞かせてくれると嬉しいです。
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/13(月) 01:09:02.28 ID:xwJlnZI0
なんだろうリア獣の顔がやられた瞬間に、ざまぁと思った俺がいる
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 06:48:32.68 ID:CU9NKi2o
リア獣…
この発想はなかった
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/13(月) 16:57:12.21 ID:rO5pSJ60
標的が悶え、吠える。

メキメキと音が鳴り、俺が切りつけた部分の甲殻が剥がれおちる。

計画通り標的は我を忘れ、俺に突進してくる。

俺は一度右手の甲に左手で触れ、その右手をリア獣の斜め上、壁に向かって突き出す。

瞬間、右手からワイヤのような物が放たれる。

放たれたワイヤの先にある槍の穂先のような部分が壁に固定される。

ワイヤが勢いよく巻かれ、俺の体は3mほど宙に舞い上がった。

標的が突然俺が消えたことに戸惑う。

壁をけり、リア獣の背中に着地する。

男「終わりだ!!」

超振動ブレードを振り上げ、標的の首元に振り下ろす。

23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 17:09:15.06 ID:rO5pSJ60
俺は馬鹿だった。

勝てると確信することは、油断以外の何物でもないじゃないか。

俺は確かにこいつが口から光線を吐くのを見た。

だがしかし、こいつは口からしか光線を吐けないとは一言も言ってない。

俺がブレードを振り下ろす時、俺は見た。

標的の背中から黒光りする二つの「筒のような何か」が装甲を突き破り、出現するのを。

筒状の何かが煌き、光線を発射する。

咄嗟に体の向きを変え、光線の直撃を避ける。

俺はバランスを崩し、リア獣の体から転げ落ちる。

24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 17:36:36.50 ID:rO5pSJ60
その途中振り回された腕に吹き飛ばされ、地面を無様に転がっていく。

あたった場所が手の甲だというのが不幸中の幸いだった。

爪の部分にあたっていたら間違いなく死んでいただろう。

安堵しながらも、危機的状況であることは何も変わっていない。

標的が再びこちらに向き直る。

標的が口から涎のような物を垂らし、うねうねと舌を動かす。

先ほどの筒はさらに伸び、変形したようで標的の両肩に乗っかっている。

終わりだ。

そう思った。


標的の伸ばした舌が俺に僅かに触れた瞬間、

横からすさまじいスピードで走って来たバイクが俺をさらっていった。

25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 17:44:50.60 ID:rO5pSJ60
相棒「遅くなったね。いきなりピンチとは吃驚だよ」

男「遅すぎだ馬鹿野郎・・・」

相棒「何度も言ってるが、僕は準備に時間がかかる生き物なんだ」

男「意味わかんねぇ」

男「まぁいい。助かったのは事実だ」

相棒「君、獲物は?」

男「どこかに落ちてる。なんか貸せ」

相棒「はいはい・・・」

俺は機体後部から出現した槍のような物を装備し、再び標的に向き直った。

相棒「それじゃ、行くよ」

相棒も同じ槍を構え、標的に向き直る。

標的は苛立つように舌を巻き、低く唸っている。

肩の筒が、煌いた。

男「光線攻撃だ。ラグはあるが気を付けろ!!」

相棒「了解!」
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 17:58:29.05 ID:rO5pSJ60
光線を交わし、相棒が銃で標的を牽制している間に俺は再び標的の懐に飛び込む。

胸の部分に受け取った槍を勢いよく突き刺す。

標的が痛みにひるむ間に槍を刺しっぱなしにして足下を抜け、
少し離れたところに落ちている超振動ブレードを回収する。

標的の狙いが完全にこちらに移り変わる。

標的が振り下ろした腕を交わし、そこにブレードの一撃を叩きこむ。

そのまま股下まで走り、装甲のない左足を再び切りつける。

標的が痛みに片膝をつく。

その隙に相棒がワイヤを使い、標的の背中に上り手に持った槍を深く突き刺した。

再びワイヤを伸ばし、相棒が標的から遠ざかる。



27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 18:28:31.39 ID:rO5pSJ60
相棒「これで終わりだ・・・リア獣爆発しろ!!」

宙を舞いながら、相棒が叫ぶ。

叫んだ刹那、標的の胴体が内側から爆発する。

ズドン、と大きな音を立て標的が地に伏せる。

男「ふぅ・・・終わったな」

まだ微弱に体が震えているため、一応生きているようだ。

男「ふんっ!!」

ブレードを突き立て、首を切り落とす。

やがて震えは止まり、標的は物言わぬ死体と化した。

男「こちらNO.7777777777。標的を仕留めた」

男「今から帰還する」

相棒「NO.7777798432、同じく帰還する」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ブロロロロロロロ・・・・

男「・・・・・・」

相棒「・・・・・・・クスリ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/13(月) 18:43:43.88 ID:p9WQgkDO
フムフム
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/13(月) 18:45:10.12 ID:rO5pSJ60
人が幸せになると突然に化け物・・・・

リア獣になるようになってから何年の時が過ぎただろうか。

人々は名前ではなく番号によって管理され、

自分に割り当てられた部屋以外ではフルフェイスのスーツの着用を義務付けられ、

他人と関わることをほぼ遮断された。

しかしそれでも人と人は惹かれ会い、リア獣は生まれてしまう。

かつて幸せの絶頂にあった者・・・

リア獣を狩るスペシャリスト、ロンリーは何を見、どこへ行くのか・・・・

プロローグ 終わり






30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 21:55:59.31 ID:q1aeYgYo
リア獣爆発しろwww
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/14(火) 05:53:27.92 ID:1xWedgDO
これは期待せざるを得ない
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/15(水) 18:16:48.11 ID:hRojbg.0

「はぁ・・・はぁ・・・・」


「くっ・・・・うっ・・・・・・・」



「はぁ・・・・」



部屋に、くぐもった声が響いていた。

その部屋の中に、仮面を付けた男と女がいた。

彼らは体を重ねあい、生きていることと、幸せを噛み締めた。

男と女の出会いは些細なものであった。

しかし、たとえそれがどんなに些細なことであろうと、彼らの関係には変わりはない。

禁忌の仮面を外し、見つめ会う二人。

禁じられているのに、あれほど禁じられているのに、

それでも、なおそれでも・・・・

彼らは幸せを求めた。

そして・・・・手に入れた。

やがて二人は果て、愛の言葉を囁き合った。

その直後、二人の左胸から全身を蝕む様に刺青のような模様が現れた。

やがてその模様は二人の体を覆い尽くし・・・・・


愛し合う二人を、異形に変えた。

第一話 「幸せの獣」
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/15(水) 18:29:37.55 ID:hRojbg.0
俺の快眠を妨げ、いつもとは違うリア獣出現のサイレンが鳴り響いたのは夜中の事だった。

リア獣出現のサイレンには何種類かある。

その殆どが自室から出動せよ、との命令を告げる内容だったが
今回鳴ったサイレンはそれとは違った。

サイレンの内容は、「討伐に向かう前に、至急ミーティングルームに集合せよ」


俺は急いで戦闘用スーツへの着替えを済ませるとミーティングルームに直行した。
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/15(水) 18:55:14.66 ID:hRojbg.0
ミーティングルームに到着すると、相棒と副指令が俺を待ち構えていた。

相棒「遅刻かい?」

抑揚のないスーツにより合成された機械音声で相棒が俺に尋ねる。

男「お前より俺の方がここより個室が遠い。ただそれだけだ」

なので俺も似たような、だけれども相棒のより少し低い合成音声で答える。

司令「無駄話はやめたまえ。リア獣にでもなられたら迷惑だ」

指令が甲高い合成音声で言う。

スーツには、それぞれ全てに違う合成音声が組み込まれている。
これはスーツの中の相手が声によって男か女か分からないようにするためだ。
スーツを着たまま喋るとそのまま合成音声に自動的に変換されるのだ。

男「で、何故ミーティングルームに俺たちを呼んだ?」

男「まさかとは思うが・・・レベル3以上でも出現したか?」
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 19:19:40.86 ID:KO.rCsDO
支援
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/15(水) 20:04:43.74 ID:9/HK1QSO
これは期待
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/15(水) 20:22:58.22 ID:hRojbg.0
副司令「いや、そうではない・・・出現したのはレベル2だ。」
   「しかし上位固体にまで成長し、尚且つその能力の事でな・・・」

相棒「上位個体とはいえ、こうして集まるほどの能力を有しているとは僕は思わないけどね

リア獣のレベルは何人でリア獣になったかによって決まる。
リア獣には人間からリア獣になる時近くにいるリア獣になろうとしている人間と融合して
一つのリア獣になる性質がある。

そのため最弱のレベル1は珍しく、レベル3以上も出現自体が稀である。

では何故レベル2が多いのか。答えは簡単である。

男と女が恋に落ちれば、瞬く間にリア獣になるからである。
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/15(水) 22:47:54.36 ID:hRojbg.0
リア獣には、上位固体と呼ばれる存在がいる。

誕生したばかりのリア獣はまだそこまで巨大になる事はなく、
形もうねうねと動く不定形な塊に過ぎない。

しかしリア獣はここで特筆すべき能力を発揮する。

リア獣は家電製品や家具、鉄や資材、さらには人間などの有機物を喰らい、
自らの体の中で非常に堅い装甲や爪、ビーム兵器、ミサイル、その他様々な者を精製するのだ。
そしてその過程で、リア獣は自らの体を形作って行く。

リア獣の体の中では限界を迎えるまで常に兵器を作り続けている。
そのため戦闘途中に突然体から兵器が出現し不意打ちを食らい死亡、というケースも珍しくない。

そして、そのリア獣の武器精製能力にも限界がある。

そしてその限界まで武器を作り、己の体を武装した個体こそが、一般的に上位固体と呼ばれる存在である。
上位固体は通常よりも強固な装甲や強力な武器を持っているため、注意が必要である。

余談だが、リア獣の武器精製能力はレベルに比例し、高いほどより強力な兵器を作りだす。

39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/15(水) 23:49:52.58 ID:WvSbUsDO
リア獣は自分の体の中で兵器生産できるのか
リア獣駆除したり捕獲したりすればいい兵器たくさん収穫できそうだな
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/16(木) 00:34:50.06 ID:Hub5fio0
副司令「先ほど討伐に向かったロンリーから通信で手持ちの兵器では歯が立たないと連絡が
    あった。標的の一番の武器は防御力だ」

相棒「それで、そのロンリーは?」

副司令「近くで別の個体が出現したのでな。そちらの討伐に向かわせた。」

男「だが・・・それなら俺達の武器でも駄目なんじゃないか?」

副司令「司令からケイローンの使用許可が下りた」

相棒「わお」

副指令「君たちは非常に優秀だが、今までにケイローンと
    作戦を共にすることはなかったからな。
    それ故今回はミーティングが行われたのだ」

相棒「成程ね・・・・」

副司令「入りたまえ」

??「どうも・・・特殊戦闘車両操縦士の・・・No.7777764649・・・です。はい」

ドアを開け入って来た戦闘用とは少し違う、
スーツを着用した人物がくぐもった合成音声で自己紹介をこなす。


男「よろしく頼む」

ヨロシク「はい・・・・・」

副司令「それでは直ちに出動してくれ」

相棒「了解」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/16(木) 00:45:08.53 ID:Hub5fio0
男「今回はカタパルト出動ではないのか・・・・」

俺は馴染みのバイクに乗りこみ、職員による最終チェックを受ける。

俺はその間、今回の任務の詳しい内容を確認する。

目標:リア獣の殲滅

住居区画B−432にてリア獣一体の出現が確認された。
目標は現在追手を一度振り切り、逃走中。
至急、討伐に向かわれたし。

確認されたリア獣の呼称は【タートル】に決定した。
強固な甲殻と強力な中距離攻撃兵器に注意されたし。

尚、今回の任務は特殊戦闘車両「ケイローン」も投入される。
強力な砲撃を存分に発揮させるため、付きのロンリーには柔軟な立ち回りが要求される。

又、ロンリーの各種携帯兵器は通用しないものと思われる。

今回の標的は上位個体である。存分に注意されたし

職員の一人がゴーサインを出す。

正面のシャッターが大きな音を立て、開き始める。

俺はアクセルを捻り、車体を走らせた。


任務・・・開始。



42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/16(木) 07:14:19.30 ID:OO2T85co
これは期待
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/16(木) 07:21:02.24 ID:dq7blY2o
──────その日、世界は核の炎に包まれた
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/16(木) 19:35:30.26 ID:CcofAqso
5:5の合コンでカップル全成立とかならラスボスが生まれそうwwwww
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/17(金) 22:21:24.81 ID:Z.ZGxf20
シャッターを越え、直進する。

すぐに横にもう一台のバイクが並んだ。

そのバイクの主はこちらに軽く手を振ると俺より先を走っていく。

目標まではそう遠くない。20分もあれば追いつけるだろう。

少し進むと、突如として後ろから巨大な影が現れる。

胴体から伸びる車輪のついたリア獣に負けるとも劣らない位に太く無骨な四本の足。

そこから伸びる砲身は砕けぬ物はないと言わんばかりに天を貫く。

その正体は対リア獣用多脚戦車、通称「ケイローン」

全高3.7m、全長は13m。搭載された対リア獣用特化の投射電磁砲は命中すればレベル2なら大抵の個体を一撃で粉砕してしまう程の破壊力を持つ。





46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/17(金) 22:31:34.93 ID:Z.ZGxf20
しかし、それだけの破壊力を持つ主砲を持っているケイローンにも弱点があった。

機動力と防御力の低さである。

例外もいるが、一番数の多いレベル2のリア獣は機敏な動きをする個体が多い。

当初、ケイローンの完成直後はケイローン単体でリア獣討伐をしていた。

しかし砲撃に必要な電気と特殊砲弾を装填し、投射電磁砲を発射するまでにはラグがあり、又その間は砲身の向きを変えることが出来ずにその間に攻撃され、
主砲が使い物にならなくなり敗北、というケースが後を絶たなかった。

そのためケイローン単体ではなく、ロンリーと組むことによりリア獣をより効率的に討伐することが可能になったのだ。



47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/17(金) 22:44:55.70 ID:Z.ZGxf20

男「相棒・・・槍は何本積んである?」

目的地に着くまでの間に俺は尋ねる。

相棒「そうだね、12本ある。それと槍って呼ぶのはやめてくれないかな?」
  「僕の相棒にはミスティルテインって名前があるんだ」

男「だが俺の名前はミスティルテインではないぞ」

相棒「・・・・・・・」

相棒「でも僕たちの携帯兵器は効かないんだろ?」

男「レベル2程度がいくら上位個体とはいえそこまでの防御力を持つとは考えられん」
 「どこかに隙がある。必ずだ」

相棒「そうかい・・・」

標的まであと少し・・・・

俺は相棒を追い越すと巨大なハイウェイの入り口を昇っていった。

48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/17(金) 22:56:46.00 ID:Z.ZGxf20
男「あと30秒で接触するぞ!!」

通信機に叱咤を飛ばし、グリップに力を入れる。

体重を掛け、カーブを曲がる。

見えた。

標的・・・【タートル】は今までに見ない形をしていた。

全高は3mほどあり、体は7mほどの楕円の装甲から手足が生えているように見える。

ハンドルを捻ねり、標的に急接近しようとする。

そうした瞬間、標的が恐らくは頭と思われる所をゆっくりとこちらに向けた。

標的が叫び、ドスドスとこちらに向き直る

どうやら動きはそこまで速くない様だ。
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/19(日) 22:26:52.53 ID:vpWtv.SO
支援
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 00:02:36.35 ID:4LOBIog0
この反応スピードならいける。

そう俺が確信した瞬間だった。

標的の甲羅の下部がスライドし、何かが排出された。

楕円形のそれは地面から僅かに浮かび上がり、不規則な動きでこちらに迫る。

男「クラフトマインだ!!さがれ!!」

戦車に指示を飛ばし、バイクハンドル中央下のレバーを引く。

バイク後部の装甲が開き、銃口が覗く。

俺はグリップ下部のトリガーを押しこむ。

放たれた銃弾が迫りくる楕円の一つに命中する。

瞬間、楕円が爆発し、周囲の楕円も誘爆を始める。

爆風で一瞬視界が埋まり、リア獣を瞬間的に見失う。

不味い。今奇襲を受けたら・・・・

攻撃に身構え、バイクのグリップを強く握る。

しかし、恐れていた奇襲が来ることはなく、爆風は一瞬にして過ぎ去っていった。

俺は再びリア獣の姿を捉えた。

標的は先ほどの場所からまったく動かず、首を振り周囲を警戒していた。

男「向こうも爆風で見えなかったのか・・・」

安堵した瞬間、隙が生まれた。

ひゅん、と音を立て何かが俺の横をすり抜けていった。

それは、楕円の形をしていた。

51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/20(月) 00:08:54.10 ID:LLQxpsSO
うは来てるww
支援ヌ
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 00:22:30.85 ID:4LOBIog0
まずい、そう思った時にはもう遅かった。

安堵が生む隙。

対リア獣戦で一番やってはならない事を、俺はしてしまった。

後ろに振り返り、追撃すべきか・・・

そう思った時、標的が動き出した。

ドスドスと歩みながらこちらに近づいてくる。

甲羅の首の上の部分が開き、大筒が現れる。

筒が煌き、照準をこちらに合わせる。

男「頼む!クラフトマインを潰してくれ!!」

遅れて来た相棒に指示を出し、回避行動に移る。
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 00:36:48.13 ID:4LOBIog0
相棒「くっ!!」

僕は腰から銃を引き抜き、クラフトマインを狙う。

命中。クラフトマインが爆発し、破片が足元に転がる。

男「グッジョブだ!!」

通信機から相棒の声が聞こえて来る。

僕はハンドル中央下のレバーを引き絞り車体後部の装甲を展開させると
標的にに向かいアクセルを捻った。

相棒は光線を回避しながら標的の右に回り込んだようだ。

僕は進路を左に取り、標的の左側に移動する。
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 01:23:43.75 ID:4LOBIog0
最初は右側を走る俺を狙おうと方向転換をしようとした標的だが、

相棒が左側に回り込むのを見ると急に立ち止った。

かしゃん、かしゃんかしゃんかしゃん・・・

突然、上から連続して何かが開くような音がした。

咄嗟に上を向くと、甲羅の様々な部分が開きそこから沢山の先端が平らな突起物が出ているのが見えた。

相棒「ミサイルだ!!気を付けて!!」

通信機から相棒の声がする。

俺はアクセルを精一杯振り絞ると、標的から距離を取った。

直後、無数の発射音が鳴り響いた。

ハイウェイの壁が迫り、急転換する。

ミサイルのいくつかが壁にぶつかり爆散、誘爆する。

しかし一部は同じようにすれすれで壁を曲がり、俺に付いてくる。

男「ホーミングか・・・だったら・・・」

バイクの向きを調整し、直進すれば右前足と後ろ脚を抜られるようにバイクを走らせる。

男「相棒!!」

相棒「言われなくっても分かってるって!!」


相棒は俺の意図を理解してくれたようで、
同じ様に相棒がミサイルを引き連れてこちらに来るのが左前足と後ろ脚の間から見えた。

55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 01:25:21.10 ID:4LOBIog0
相棒「僕が頭の方から出る!」

通信機から相棒がそう言うのが聞こえた。

甲羅の下で、俺たちはすれ違う・・・

瞬間、俺たちは急旋回し、右折した。

曲がろうとした俺を追いかけて来たミサイルと相棒を追いかけて来たミサイルが轟音とともに爆発する。

相棒は頭の方から、俺は反対側から標的の真下を脱出する。

突如として自分の真下から轟音と爆風が起きた事に驚き、
標的が首を下げ自分の真下を覗きこもうとする。

男「今だ!!」

言うまでもなかった。

既にそう通信する前に装填を始めていたケイローンの巨大な砲身が青白く輝く。

命中する。


確実に。


今回も無事仕事が終わった。そう思った。

56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/20(月) 01:34:32.17 ID:4LOBIog0
きょうはここまでです。

しえんしてくれたひとありがとー

>>21 誤変換からこの話は始まりました。

>>39 リア獣の使用する兵器は完全に完成されたものであり、人間にとっては不完全な武器だったりします。生物と機械のハイブリットだからこそ稼働させられる兵器を積んでいる場合も多く、そのままの流用はできません。

しかしこれらの武器は研究所に持ち帰られ、
新しいロンリーの武器づくりのベースになります。


>>43 突然どうしたんですか?誤爆でしょうか・・・・

>>44 レベル10ですか・・・その内出てくるかもしれませんね


見てくれた皆さん、本当にありがとうございます
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/20(月) 01:37:53.27 ID:3eQddQwo
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/20(月) 01:53:24.07 ID:LLQxpsSO
誤変換からここまで話を膨らませられるのかww
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/21(火) 22:24:14.12 ID:fuJ2FFk0
そう思った瞬間、轟音と共にハイウェイ横のビルに大穴が開いた。

ビルを突き破り出現した3mほどの球体は、そのまま直進しケイローンに衝突する。

ケイローンが大きくバランスを崩し、砲身が大きくぶれる。

刹那、ケイローンの砲身から青白い稲妻が発射される。

対リア獣用特殊砲弾使用投射電磁砲の一撃は本来貫く筈のタートルの首元を大きく反れ
武器庫となっている甲羅の左部を大きく抉り、虚空へと消える。

男「な、何が起こったんだ!!」
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/21(火) 22:25:23.03 ID:fuJ2FFk0
体の一部を大きく削られたタートルが大きな悲鳴を上げ、その場で体を旋回する。

ドスドスと大きな音を立て、タートルが逃げてゆく。

相棒「こいつっ!!リア獣か!?」

ケイローンの右前足と後ろ足の間に装甲を拉げさせめり込んでいた球体が自らを回転させ、後退する。

右の両足を失い、支えを失ったケイローンが轟音を立て横倒しになる。
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/21(火) 23:03:26.35 ID:Ii/QOqoo
ktkr
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/22(水) 00:02:17.59 ID:YGuShLk0
男「砲撃主!!応答しろ!!」

しかし、通信に対する返事は一向に帰ってこなかった。

相棒「相棒ッ!!やるよ!!タートルは後回しだ!」

男「応!!」

どこが正面だかは分からないが、恐らくはこちらに向き直ったであろう動作を見せる球体。

突如、自らの体に輪を作るように球体から無数の刃のような物が出現する。

相棒「なるほど、それがお前の攻撃手段か・・・」

相棒「相棒!!僕が思うにこいつはバイクに乗ったままの方が戦いやすい!!」

男「奇遇だな!俺もそう思う!!」

自らの体に生えた無数の刃を電動鋸のように回転させながら球体がこちらに迫る。

俺たちはアクセルを捻り、球体とのチェイスを開始した。
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/22(水) 23:59:58.00 ID:YGuShLk0

男「このまま逃げてて倒せるのか?」

通信機越しに俺は相棒に尋ねた。

球体は相変わらず刃を回転させながらこちらを追いかけていた。

相棒「あの刃に巻き込まれたらひとたまりもない」

相棒「でも動きは結構単調だよ。確信はないけどあの形ならこれ以上目立った装備は
   作れない筈だ」

男「・・・・・・・・」

相棒「ここは直線だから球体のあいつと戦うには部が悪い。下まで誘導した方が有利だ」

男「そうかもしれないが・・・・降りれるのって結構先だぞ?」

相棒「そこまで集中力を切らさなければ死にはしないさ」

男「良く言うぜ・・・・」

64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 00:11:28.85 ID:C5n7Q960

中々終わらないチェイスにやっとゴールが見え始め、
俺達がT字路に差し掛かった時の事だった。

どちらへ曲がろうか相棒に聞こうとした瞬間、

??「そこのT字路、右に曲がってください!!」

突如俺たちに通信が入った。

男「どうする?」

相棒「誰だかわからないが曲がろう。元より右に曲がるつもりだったしね」

通信の指示通り、T字路を勢いよく右折する。

追いかけていた球体も体を斜めに傾け、勢いを殺しつつ右折する。

傾けた拍子に球体を囲む刃が僅かに下がり、道路と擦れ火花を散らす。

その瞬間、俺たちの背後で爆発音が響き渡った。
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 00:35:43.67 ID:C5n7Q960
??「今です!!貴方達も追撃を!!こいつは強力な再生能力を持っていますから!!」

先ほど俺たちに指示を飛ばしたのと同じ合成音声が通信機から耳に飛び込んでくる。

バイクを止め、振り向くと体の一部が消し飛び、
回転することが出来なくなった球体が悔しそうに刃を回していた。

そして球体のすぐ近くで機銃を連射する二つの人影。

66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 00:36:28.57 ID:C5n7Q960
男「加勢する!!」

バイクをターンさせ、アクセルを捻りハンドル下のレバーを限界まで引く。
がしゃん、と音を立て後部装甲が開き左右二本ずつ、計四本のミサイルが出現する。

ハンドルグリップのトリガーを両手同時に押しこみ、ミサイルを発射させる。

自動追尾のミサイルが球体に命中し、刃を何本か吹き飛ばしその体を大きく抉る。

体の大部分を抉られ、三日月のような形になった球体の
中心部分に赤く煌く、宝石のような物が露出する。

67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 00:37:13.83 ID:C5n7Q960
男「血結晶・・・・!!」

相棒「あとは僕に任せて!!」

背後から俺をバイクで追い抜いて行った相棒が
素早く宝石のような物のすぐ隣に槍を突き刺す。

相棒「爆発しろ!!」

掛け声とともに、槍が突き刺さった部分が爆発する

赤い宝石のような物が爆風で飛ばされ、足元に転がってくる。

俺はそれを拾い上げ、バイクの収納スペースに入っている
専用ケースに仕舞うと機銃を連射していた二人に向き直った。
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 00:54:06.03 ID:C5n7Q960
男「助かった。礼を言う」

??「いえ、助けられたのは僕たちの方です。」

俺たちと同じスーツに身を包んだ二人が頭を下げる。

??「こいつ・・・【サターン】は元々僕たちが追っていたんですが・・・」
  「途中で見失ってしまいまして・・・迷惑をかけましたね。すみませんでした」

相棒「もしや君たち、こいつの前に【タートル】というリア獣を追ってはいなかったか?」

相棒が動かなくなった元、球体・・・【サターン】を指差し尋ねる。

孤独A「確かにそうですが・・・何故それを?」

相棒「僕たちが代わりに【タートル】を討伐することになったんだよ。
    それでもしやと思いね」

孤独A「そうだったんですか・・・・」

孤独B「・・・・・?」

孤独A「そういえば、私は本部から後任のロンリーにはケイローンが同行する
    と聞いていましたが・・・・姿が見えませんね」

男「実はだな・・・・」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 01:08:12.72 ID:C5n7Q960
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

孤独A「なるほど・・・」

孤独A「それでしたら【タートル】の討伐、僕たちも参加しますよ」

男「いいのか?」

孤独A「戦果は多い方がいいですから・・・」

相棒「・・・それはありがたい。協力感謝するよ」

孤独A「しかし私共殆どの武装は撃ち尽くしました・・・」

孤独A「もしよければ何か分けてくれないでしょうか?」

相棒「なら、これを使ってくれ」

相棒がバイクの後部を開け、槍を四本取り出した。
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 01:09:29.93 ID:C5n7Q960
二人に半分ずつ渡し、尋ねる

相棒「ミスティルテインだ。使った事は?」

孤独A「何度も」

相棒「なら心配ないな」

孤独A「ありがとうございます」

孤独B「・・・・・・ありがとう」

今までずっと黙っていたもう一人のロンリーが初めて口を開く。

思わず無口なロンリ―を凝視する。

孤独A「少し無愛想ですが彼女はいい人ですよ。私の相棒ですし腕も立ちます」

相棒「そう・・・か・・それは心強い・・・」

男「よし、行くぞ!!」

孤独A「参りましょう」

お互いにバイクに乗りこみ、事後処理班に連絡を入れアクセルを捻る。

任務、再開。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



相棒(・・・・・・何だろう・・・あの二人、何か引っかかるぞ・・・?)


相棒(・・・・・・・・・気のせいか?)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/23(木) 01:10:42.34 ID:C5n7Q960
今日の分はこれでおしまいです

よんでくれたひとありがとうねー

72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 01:36:06.32 ID:n/.yDsDO
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/23(木) 01:51:10.21 ID:vc9y0gSO


さあさあフラグも立って面白くなってきた
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/26(日) 22:04:06.91 ID:wubni5.0

標的、【タートル】の元へ向かいながら俺は少し考え事をしていた。
あの時はさらっと聞き流してしまったが、俺の隣を並列して走っているロンリーはあの時確かに言った。

彼女・・・・・と

それは言うまでもなくもう一人のロンリーの性別を指す言葉だろう・・・
奴はただ間違えてそう言ってしまっただけなのだろうか・・・・
そうだと思いたいが・・・
正直そんなこと間違えるとは思えない。
もし奴がもう一人、あの無口なほうのロンリーの性別を知っていたとしたら・・・

・・・・・・・・

標的が近付いてきた。余計な事を考えるのは後にしよう。

今は戦うだけだ。いや、これからもだ。

俺はロンリー。孤独はロンリー。

他人の詮索は似合わない。
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/26(日) 22:54:20.20 ID:wubni5.0
孤独A「私たちが陽動をします!!あなたたちは隙を見て攻撃してください!!」

やたらと口調が丁寧なロンリーが俺達二人に通信を飛ばした。

丁寧と無口が俺たちの前に出てくる。

標的がこちらを認識し、咆哮する。

えぐられた面は補修程度に装甲が出来ているものの、武器を出現させられそうな様子ではない。

76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/26(日) 23:14:35.55 ID:wubni5.0

丁寧と無口が標的を廻り込むように右と左から嘗て俺達がそうしたように回り込む。

標的が煩わしそうに甲殻をスライドさせ、二人を狙う。

無数のミサイルが出現し、勢いよく射出された。

標的が二人に気を取られている内に俺はバイクから降り、ワイヤを伸ばす。

俺はワイヤを伸ばす瞬間、バイクのハンドル横のスイッチに手を触れた。

ワイヤが甲殻の一部に巻きつく。それがしっかりと巻きついてる事を確認すると、それを利用し甲殻の右側、
大きく抉れた部分に着地する。
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/27(月) 00:06:33.62 ID:ESA5KgM0
その瞬間俺のバイクの後部が開き、超振動ブレードが射出される。

発射されたそれをキャッチし、電源を入れた。

ヴヴヴ・・・と音がしてブレードが使用可能になる。

相棒が同じように甲殻の上に登ってくる。

丁寧と無口がミサイルを誘導し、標的の右足に着弾させた。

遅れて飛んできた何本かが爆風の煽りを受け進路を大きくずらし、行き先を失う。

行き場を失ったミサイルが甲殻の上にいる俺たちをロックオンする。

撃ち落とそうとして携帯銃を引き抜こうとした瞬間、
足の近くを銃で牽制しつつ走っていた二人を踏みつぶそうとして標的が大きく動く。

足場が大きく揺れ、俺はバランスを崩した。
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/27(月) 00:20:33.37 ID:ESA5KgM0
両手がフリーだった相棒が素早く体勢を立て直し、ミサイルを撃墜する。

男「助かった」

相棒「相棒だからね。持ちつ持たれつだよ」

俺は相棒に向かって握りこぶしを作り親指を上に突き上げると手に持ったブレードを抉られた面に突き刺した。

が、しかし刃は通らず弾かれてしまう。

男「補修面でもこの高度か・・・・」

相棒「こりゃ駄目だね」

男「方法がないわけじゃない」

通信機能を使い、二人に呼び掛ける。

男「少し距離をとってくれ!もう一度ミサイルを誘発させたいんだ!」

孤独B「・・・・・・・了解」

くぐもった合成音声の返答が返ってきたのを確認すると、俺は相棒に作戦の内容を伝えた。

79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/27(月) 16:25:11.07 ID:gbnELkSO
あ、きのうここで終わったのか乙
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/09/28(火) 22:36:12.51 ID:3d7Nheg0
>>1です。

諸事情で五日ほど更新できません。

消えるわけではないのであしからず。
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/09/28(火) 23:24:46.39 ID:CVcxDQSO
確認

無理すんな
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 09:48:16.20 ID:DIu3vISO
まさか>>1はリア獣になってしまったのか……
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 19:20:59.16 ID:hnEDf6s0
>>1です

なんてこと・・・

再開しようとは思ったもののスレが見つからなかったのでてっきり落ちたのかと・・・

長く間が空きましたが再開します。
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 19:39:41.64 ID:xJxPnkDO
発想が斬新だなwwww

すごい期待
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:00:08.88 ID:hnEDf6s0
孤独A「何をするのかは分かりませんが・・・やりますよ!」

孤独A「取りこぼしの撃墜は頼みます」

こくり、と相棒がが頷きバイクの後部座席に跨ってくる。

孤独A「行きます」

アクセルを捻り、標的の周囲を旋回する。

標的が咆哮し、ミサイルが発射される。

孤独A「本当に馬鹿ですね・・・」

相棒が小銃を撃ち、一本のミサイルを爆発させる。

誘爆が誘爆を呼び、次々とミサイルが撃墜されていく。
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:01:18.13 ID:hnEDf6s0
丁寧と無口にミサイルが発射された直後、まだ閉まりきっていない装甲にブレードをつい立てる。

男「今だ!!」

相棒がミスティルテインを両手で構え、ブレードをつい立てることにより出来た隙間に槍の一撃を叩きこむ。

ブレードを引き抜いた瞬間、装甲が閉まる。

相棒「いくよ!!」

装甲が内部から弾け飛び、柔らかい内部が明らかになる。
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 21:01:34.70 ID:DIu3vISO
>>83
製速で落ちるなんてそうあることじゃねぇよwwwwww

まあ再開されるなら何より
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:01:50.38 ID:hnEDf6s0
男「喰らえ!!」

俺はブレードを内部に向かって突き刺した。

ずぶずぶ、とブレードは奥深くまで入り込む。

標的が絶叫し、体をめちゃくちゃに動かし暴れ始める。

男「このままではまずい・・・降りるぞ!!」

相棒「言われなくても!」

ブレードを差しっ放にし、俺たちはワイヤを伸ばす。
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:03:17.18 ID:hnEDf6s0

孤独B「危ない!!」

撃墜し損ねたミサイルが飛来し、バイクのタイヤ付近で爆発する。

孤独A「!!」

バイクごと転倒し、孤独Bがバイクの下敷きになる。

孤独B「ぐっ・・・・」

孤独A「まずい!!」

その瞬間、標的が突然絶叫し体を不規則に動かし暴れ始めた。

ごすごすと轟音を立ててのた打ち回る標的。

振り下ろされた前足がハイウェイを砕き、大きな罅を作った。
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:19:28.00 ID:hnEDf6s0
孤独B「離れてっ!!」

もう一度足が振り下ろされた衝撃で、標的を中心とするように大穴が開く。

標的が自らが開けた大穴に呑みこまれ、逆さに落下していく。

そしてそれになすすべもなく飲みこまれていく、僕の・・・相棒。

孤独A「――――――!!」

気がつくと、僕は彼女の名前を叫んでいた。
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:21:17.97 ID:hnEDf6s0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

副司令「なるほど・・・ハイウェイから落下した標的は沈黙、そして君の相方は・・・」

孤独A「・・・・・・」

副司令「君には新しい相方を組めるように手配しておく」

孤独A「了解しました」

副司令「各自部屋に戻っていいぞ」

男・相棒「了解」

92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:22:15.43 ID:hnEDf6s0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

孤独A「末尾777さん・・・少しいいですか?」

男「?」

孤独A「貴方に話しておきたいことが」

男「俺もだ」

孤独A「聞かなくても分かります。私とその相方の関係でしょう」

男「・・・・・・・・」

孤独A「貴方が考えているように、私は禁忌を破りました」
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:22:56.70 ID:hnEDf6s0
孤独A「私は私の相棒と恋人同士でした。お互いの顔も・・・知っています」

孤独A「何度も、秘密裏に逢い引きをしていました」

男「・・・・」

孤独A「これで、よかったのかもしれませんね」

孤独A「このまま行っても、貴方達の仕事を増やすだけでしたから」

男「この後どうするんだ」

孤独A「そうですね・・・自殺センターにでも行きましょうか・・・」

孤独A「彼女のいない今、私が生きる意味はありませんから」
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:24:29.42 ID:hnEDf6s0
男「一ついいか?」

孤独A「なんです?」

男「何故俺たちの前で相棒の事を彼女、何て呼んだんだ?」

孤独A「・・・・・・そうですね」

孤独A「見せつけ、たかったんでしょうか・・・」

孤独A「よくわかりません。

孤独A「初めて体験しましたが・・・恋とは非常にいいものですよ・・・」

孤独A「まったく、旧世代人が羨ましくてしょうがありませんね」
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:24:56.52 ID:hnEDf6s0
男「もう行くのか?」

孤独A「ええ。私の体が少しでも研究の先駆けになれば・・・幸いです」

孤独A「もう会う事は二度とないでしょう・・・さようなら」

男「最後にもう一つ」

男「何故俺だけにその話をした?」

孤独A「さぁてね・・・貴方、中身男でしょう?」
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:25:22.88 ID:hnEDf6s0
男「!!」

孤独A「もしかしたら違うかもしれませんが・・・貴方にだけ何故か話したくなったんですよ」

男「・・・・・・」

男「じゃぁな」

孤独A「ええ・・・」

孤独A「ご武運を・・・・」

第一話「幸せの獣」 完

次回 第二話「喜びの巨人」


97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/25(月) 21:26:28.80 ID:hnEDf6s0
久しぶりに投下したから違和感があるかも・・・しれません

見てくれた人、ありがとうございます。
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 21:32:41.26 ID:A9BO3ADO
久しぶりだな
乙だぜ
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 22:26:14.74 ID:qz0MNSso
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 18:34:30.76 ID:CkGDWsSO
ふむ乙
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 20:17:36.84 ID:AkWQoQE0
面白い、期待
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 22:25:41.68 ID:bYPBuUDO
いいね
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 01:20:56.25 ID:RcxAimY0
ロンリーA「来るぞッ!!身構えろ!!!!」

ロンリーB「ケイローン!射撃はまだか!!」

そこは、戦場だった。

周囲の建物は建て替え工事の途中であるため全て取り壊されている。

故に、何もないただただ拾い更地。

リア獣出現の警報が入ったのは今から六時間前の事だった。
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 01:32:20.76 ID:RcxAimY0
現れたリア獣のレベルは4。

【ウロボロス】と名づけられたそのリア獣はただただ巨大だった。

蛇のような体の全長は40m程、はあるだろうか。手足は無く、長細い胴体のみを持っていた。

胴体の幅と高さは2から3mの間くらいで地面を這って移動する。

その主な攻撃方法は極めて原始的。獲物に喰らい付き飲み込むだけ。

積み重なるように生えた鱗は超振動ブレードなど一切のロンリーの基本兵装を通さない。

その【ウロボロス】は30人余りのロンリーと二台のケイローンと更地で激闘を繰り広げていた。
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 01:34:01.51 ID:RcxAimY0
ロンリーA「クソがッ!!これがレベル4の力かっ・・・」

滅多に出現しないレベル4にロンリーたちは苦戦を強いられていた。

自分たちの兵器は一切通用せず、頼みの綱のケイローンの主砲射撃も縦横無尽に動き回る
【ウロボロス】に狙いを定めることが出来ずにいた。

ロンリーR「う、うわああああ!!」

強烈な体当たりや噛みつきをもろに受けロンリーが一人、又一人とその命を散らしていく。
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 01:45:11.65 ID:RcxAimY0
ロンリーたちの決死の誘導により、【ウロボロス】がようやく隙を見せる。

ケイローンの砲身に電気が装填され・・・

その瞬間、突然【ウロボロス】が何かに気付いたように尻尾の方を勢いよく動かす。

ロンリーI「まさかこいつ・・・ケイローンに気付いた!?」

動かした先にあるのは、危惧した通りのもの。

巨大な棍棒で真横から撃ちつけられるような一撃が四足の戦車を襲った。

なすすべもなくその車体を拉げさせ爆発、炎上し始めるケイローン

ロンリーB「嘘だろ・・・・」
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 01:45:50.61 ID:RcxAimY0
その様子を少し離れた所から見ている者がいた。

ロンリーとは違う白を基調としたスーツを着たその人物は誰かと通信機で話しているようだった。

白スーツ「もういいでしょう!ロンリー達は苦戦しています、今こそ私に出撃許可を!!」

司令官「黙れっ!!そんな事など分かっておる!!あれはレベル4だ・・・貴様の手に負える存在ではない!」

白「このまま見ている訳には行きません!!今回こそは大丈夫ですから!!」

司令官「話の分からん奴め・・・貴様の玩具を動かすのも回収するのも只ではないのだぞ!!」
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 01:49:31.78 ID:RcxAimY0
司令官「只でさえこっちはレベル4の対応に追われとるんだ!!増援に救援部隊の手配・・・
    貴様の戯言に付き合っている暇はない!!」

白「ですから、今度は本当にやってみせます!!全ての問題もクリアしたんです!!」

白「モート光射出装置も万全です!とにかく許可を!!」

司令官「ええい!勝手にしろ!!」

通信が途切れた。

白「ククク・・・出たぞ出撃許可が!!」

白「今度こそ・・・今度こそだッ!!成功して見せる!!」
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 01:56:25.33 ID:RcxAimY0
白スーツの人物の真横には巨人がいた。

巨人は白スーツの人生であり、息子だった。

研究者である自らがその血肉を注ぎ、作り上げた対リア獣用最終兵器。

白スーツの息子にはまだ名前が無かった。

白「今度こそ名前を付けさせてくれよ・・・」

白スーツが手に持っている何かを覗き込み、呟く。

白スーツの右腕に握られているのは名前が刻まれたタグだった。

名前は巨人の物だった。
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:29:36.84 ID:RcxAimY0
白「今度こそ、今度こそ成功させて全員を見返して・・・」

白「それで・・・お前につけてやるんだ。この名前を」

白「行くぞ。我が息子よ」

まるで父親の言葉に応答するかのように巨人の背中がスライドし、梯子が下ろされた。

梯子を登り、白スーツは巨人の中に入った。

巨人の内部に並んでいるのは無数のレバーやハンドル、フットペダルにモニター。それと沢山の計器。

コクピット・・・そう、ここは巨人の操縦席。

操縦席のモニターに外の風景が映し出される。

白「・・・・・・・・・」

白スーツは無言でレバーを引いた。
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:30:05.05 ID:RcxAimY0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ロンリーA「まだケイローンは一台あるがどうする!!」

ロンリーB「撤退だ!!一端引くぞ!!」

撤退の旨を友軍たちに伝えようとした時、銃撃と轟音が【ウロボロス】を襲った。

ロンリーX「何だ!?」

現れたのは全長3m強ほどの鋼鉄の巨人。
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:30:56.29 ID:RcxAimY0
左腕部についた対リア獣の大口径バルカンが【ウロボロス】の鱗を弾き飛ばし、鮮血を飛び散らせる。

おぞましい声で【ウロボロス】が吠え巨人の方を向く。

噛みつきで一撃で仕留めようと、【ウロボロス】がその体を這いずらせ巨人に迫る。

巨人の脚部のホイールが火花を散らしながら猛回転し、【ウロボロス】の攻撃を交わす。

左腕部のバルカンが再び火を噴き、【ウロボロス】の頭部に着弾する。

再び【ウロボロス】の大口が開き、巨大な筒が出現する。

筒から放たれる極太のレーザー砲が更地を焼き、地面に焦がし色を付ける。

巨人は迫るレーザー砲を横移動でか交わし、【ウロボロス】へと迫る

巨人の右腕からブレードが伸び、それを【ウロボロス】の胴体へと振り下ろす。

がががががが!!!と大きな音を立て鱗が弾け飛び、やがて巨大な刃は鱗の内側へと到達する。
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:31:35.47 ID:RcxAimY0
悲鳴を上げるように【ウロボロス】が雄たけびを上げ暴れ始める。

それに巻き込まれないように巨人後ろに下がった。

巨人の胸部の装甲がスライドする。

白「いっけえええええ!!!!!」

一瞬の時間差を置いて巨人の胸部から放たれた光線が【ウロボロス】の胴体、大分尻尾よりの方に当たる。

その瞬間、光線が照射されている所の鱗がぼろぼろと崩れ始めた。

【ウロボロス】は再び大声をあげた。
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:32:15.33 ID:RcxAimY0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


リア獣が自らの敗北を認めるように、逃げていった。
だが・・・あれだけの巨体だ。すぐに発見される。

光線の射出口の調整がいまいちでリア獣を仕留める事は出来なかったものの、私は非常に満足していた。

走馬灯のように今までの出来事が蘇る。

今までに重ねてきたいくつもの失敗、それとごく僅かな成功。

その全てがおり合い、積み重なり合い、今この瞬間がある。

そんな物を作るのは馬鹿げている、と何度言われたか。

息子へ投げかけられた数々の罵倒の屈辱にどれだけ耐えて来たか。

その全てはこの時のため。今まで成功の喜びも失敗の悔しさも押し殺してきた甲斐があったのだ・・・

お前さえいれば、お前が量産されるようになればどんなリア獣にも負ける気がしない。
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:32:57.40 ID:RcxAimY0
私が弾まで設計した大口径バルカンはあの堅い鱗を貫いた。

私が設計した特注の超振動ブレードは鱗を吹き飛ばし、リア獣の体へ致命傷を与えた。

そして、私の息子の数々の武器の中で最高の自信作。

一撃必殺の胸部のモート光線。使った後こうして少し動かなくなるのが弱点だが・・・

ああ、素晴らしき我が息子よ。我が研究の成果、愛おしき正義の巨人よ。

お前の未来は、今この瞬間開けたのだ!!

白「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

歓喜に、喜びに身を任せる白スーツの人物。

スーツの中、己の左胸から刺青の様な模様が体中に伸びている事を彼は知らない。


第二話 「幸せの巨人」
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/10/27(水) 02:39:28.97 ID:RcxAimY0
第二話プロローグおしまいです。
読んでくれた人、どうもありがとうございます。

これからもがんばっていきたいと思います。

わーりとどうでもいい設定公開

モート光 喪男が元ネタ
     反リア獣物質という設定だけど喪男ってどちらかと言うとリア獣に何かされる側な気もする・・・
     まぁ幸せを打ち消す、という意味で(喪男)でもいいかな・・・喪男が不幸みたいな言い方だけど。
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 04:09:06.18 ID:/iZcznAo
アリだと思うぞww
大いに期待
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 20:43:40.43 ID:TW1H4YSO
期待期待
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/11(木) 01:32:13.17 ID:geEHoASO
まだかい
120 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/15(月) 14:18:11.63 ID:RS/Ul/.0
逃げるな
121 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/25(木) 09:30:25.20 ID:G.4mgQSO
まさか>>1はリア獣に…
122 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/10(金) 01:19:45.43 ID:Uwd7FBw0
おい がんばれよ
123 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 02:15:16.73 ID:bldWPO.0
あけおめええええええ!!!
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 09:57:17.78 ID:o4xIKLKJo
俺からしたら合コンした時点でリア獣だわ
125 :lain. [sage]:2011/02/19(土) 22:40:29.25 ID:???
SS・やる夫系スレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
スレッドを立て直す際はSS速報VIPへお願いします。
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