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陸「探偵事務所って、ここ?」翔太郎(綺麗なお姉さんが三人も!) - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 21:03:04.24 ID:4Eaq3.DO
仮面ライダーW×某マイナードラマ、テ○朝つながりのクロスです。

・処女作です、できるだけ性格は変えないようにします。
・中の人達どちらもデビュー前から大好き大好き、わあああ。
・Wは夏映画、最終回後、ドラマはご都合主義で時間軸バラバラです。
・実家のパソコンが雷で壊れて携帯からスローですいません。
・それでもよろしければどうぞ。
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 21:04:37.89 ID:4Eaq3.DO
仮面ライダーW!
今回の依頼は!!

栄治「ひなっ!弁当がたこ焼きだけとは、どういうことだっ!!」

フィリップ「黒魔術!ゾクゾクするねぇ!」

ひな「何だかパパが二人になったみたい……」

陸「頼むよ!探偵さん!灯子を、灯子を助けてくれよっ!!」

凪「あっ!ここにも体育会系石頭の刑事が!あなたの血液型は何型?」

竜「俺に質問するな……」

泉「魔術をやろうって言ってみんなを誘ったのは私よ、だから責任は私が取る!」ジョーカー!

翔太郎「あっ!俺のロストドライバーがない!!」

Mの来襲!/甘い悪魔の罠!

これできまりだ!
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 21:17:19.43 ID:4Eaq3.DO
黒魔術の起源は不明である。ジプシーによるものとも貧しいものによるとも言われ、10世紀前後にはヨーロッパ全土に広まったものと思われる。
やり方を一つ間違えただけで時には邪悪な存在を呼び戻し大きな災いをもたらすという、禁断の魔術である。
4 :ネクシク :2010/10/12(火) 21:29:41.09 ID:08LQ6TQ0
まさか仮面ライダーWの二次創作を見ることはできるとは・・・・興味深い、ゾクゾクするねぇ
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 22:30:14.48 ID:4Eaq3.DO
ここは皇林学院大学。
日が傾いたといっても、まだ日差しがさしてくる。
正門の前には一人の少女が立ちはだかっていた。
彼女は、真っ黒なワンピースを着ている。
そして腰の辺りまである長い黒髪がゆらめいた。

少女の目の前にいる、
黒いバイク、黒いライダースーツを着て黒いヘルメットをかぶっている。
男が、ゆっくり少女に近づいた時にバイクのマフラーで長い髪がなびいたのだ。男はヘルメットを脱ぎ、
少女に薄ら笑いを浮かべる。
そんな男を少女は睨みつけた。

「ここから先は行かせない」
この男こそ警官を射殺した。人間離れしたような力で警官を射殺したあと行方をくらませていたのだ。

更に少女は睨みつけた。
何故ならこの大学には初めて出会った友達、泉、陸、凪との思い出が詰まった場所だ。こんな大切な場所を災い、八つ目の災い、アレスなんかに壊されてたまるか!

少女は更に男を睨みつけると、ゆっくりと瞳が赤くなった。
(お願い動いて)
少女が念じると男が腰にかけてあったホルスターと
ショットガンが落ちた!

「てめぇっ!!」

バイクから降りた男は少女の腹部にバンチを打ち込む。
少女は空いた左手でバンチを繰り出すが、あっさりと羽交い締めされ気絶させられた。
少女が、ぐったりしているのを確認した男は少女を担いでバイクに跨り皇林学院大学を去っていった。

「お前は俺の仲間だ。お前の中にはアポロンが住み着いているんだ。せいぜい仲間同士殺し合うんだな!」
「……誰が、あんたなんか、と……」
少女は抵抗しても無駄だと思ったのか、そのまま意識を失った。
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/12(火) 22:32:00.14 ID:4Eaq3.DO
とりあえず明日から仕事なので寝ます。
みていてくれて、ありがとう。
書きためたらまた投下しますね。
今日はプロローグまで。
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/12(火) 22:40:22.18 ID:08LQ6TQ0
明日も楽しませていただきます
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 23:48:27.07 ID:NsurSIDO
平和だ。

ミュージアムも崩壊し、相棒フィリップも戻ってきた。
これでやっと安心して休める。
そう思った翔太郎は事務所のソファーに横になって居眠りしている。
普段は頭の上にかぶっているハットも今は彼の顔の上で、ぐっすりである。
しかし、そんな彼の安眠も玄関の呼び鈴によって崩壊されるのだ。

ガタガタと落ち着かない音がドアの外から聞こえる。

「ん?」

翔太郎はムクリと体を起こしてドアに近づく。

「ホントに、ここが探偵事務所なのかよ?」
「高取刑事さんからの紹介なんだから間違いないって!」
「ハード、ハーフ?ボイルド?に解決します?」
看板をまじまじと見つめる女性は首から下げているポラロイドカメラで写真を取る。
「怪しすぎるよな」
「呪われている私達の方が怪しいよ」


「んだよ、人が気持ちよく眠ってたのに……」
と翔太郎は気だるい体のままドアを開けた。
すると、そこには三人の女性が整列していた。

翔太郎は一気に目が覚めた。
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 23:49:06.57 ID:NsurSIDO
しかも中々の美人さんである。
真ん中にいるのは遠目で見ると男の子かと間違えるくらいボーイッシュで服装もジャケット、ジーパン、スニーカー、髪も綺麗に短く揃えている。
右にいる女性は、少しオドオドしているが、またショートカットが似合う優しそうな人だ。
最後に、

パシャ!!
「うおっ!眩しっ!」

いきなりシャッターをきったフラッシュに驚いた翔太郎は、その女性を見た。
カメラを持つ女性は帽子がトレードマークで、いかにも今風な流行りの格好をしている。
するとカメラをおろした女性が翔太郎に、にっこりと笑いかけた。
「中々カッコイイじゃん!探偵って聞いたからおじさんかと思ってたから思わずシャッターきっちゃった!あなた超イケメン!ルックス合格!」

「ちょっと凪!失礼でしょ?」

三人のやりとりに収集がつかないて思った翔太郎は話を切り出した。

「これはこれは、ようこそお嬢さん達、この鳴海探偵事務所に何かご用でも?」
さっきの眠気はどこへやら。
いつものハードボイルドぶりで彼女達を出迎える、
しかし、

「って!何で照井までここにいるんだよ!」
「俺が彼女達を連れてきたんだが……」

「もしかして依頼人か?」

「俺に質問するな」

すると、感極まったようにさっき凪を呼んだ女性が翔太郎に詰め寄った。

「お願いです!灯子を、灯子を助けて下さい!もう私達じゃどうしようもないんです!」

「何やら訳ありのようだな、話を聞こう」

翔太郎は女性達と竜を事務所に招き入れた。
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/13(水) 23:50:59.35 ID:NsurSIDO
とりあえず導入部まで。翔太郎のキャラクターおかしいでしょうか?
明日は仕事のテストなのでもう寝ます。
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 19:59:03.87 ID:yocbQcDO
招かれた三人は座って出されたコーヒーを飲んでいる。
「で、依頼の内容だが」

翔太郎が要約本題に入ろうとするとボーイッシュな女の子がたずねた。
「あんたさあ、随分若いけどホントに、ここの責任者なのか?」
「もちろん、俺は今まで数々の難事件を解決してきたハードボイルド探偵、左……」
と、翔太郎が言いかけた時に後ろにいた、どう見ても中学生にしか見えない女の子が緑色のスリッパで翔太郎の頭をスパーン!と叩いた。
そのスリッパには明朝体で「なんでやねん」と書かれている。
「嘘を付くな!」
「女子中学生は黙ってろよ!」
「失礼ね!私はこれでも二十歳よ、二十歳!で、ここの事務所の大家兼所長の鳴海亜樹子です。そっちにいるのがお供三人……」
と、亜樹子が竜、翔太郎、座ってずっと本を読んでいるフィリップを見回す。
(二十歳ってマジなのか?タメじゃん)
(見えないよね?)
と、陸と凪が内緒話をしている。

するとコーヒーを飲んでいた大人しそうな女性がテーブルにカップを置いた。
「あ、あの、そろそろ話してもいいでしょうか?」
泉が翔太郎を見つめると翔太郎はわざとらしく咳をして切り出した。
「一体何があったんだ?」

「………」

三人は少し俯いて黙り込んだ後、三人の間で何やらコソコソ話している。


陸(おい!いいのかよ!)
凪(信じてくれるのかな?こんなこと)
泉(トイレの花子さんも信じなかった高取さんが信じてくれたんだもん大丈夫だよ)
凪(泉ったら高取さん高取さんって結局気があるんじゃない?)
泉(そんなんじゃ、って今はそれどころじゃないでしょ?)

「おい、話し合いはすんだか?」

痺れをきらした竜が泉達を睨む。

泉「ご、ごめんなさい、今から話すことは本当にあることなのです。だけど信じてもらえるかどうか不安だったんです」

「左、実は彼女達は東京にある警視捜査一課、高取刑事からの紹介で俺が連れてきた。俺がガイアメモリエキスパートという噂が風都以外にも警察を通して伝わっていた」

翔太郎「何だって!?ガイアメモリが風都以外にも?」
翔太郎は急に目の色を変えた。
泉「その、ガイアメモリというものが関係しているかどうかはまだハッキリとはわからないんですが」
翔太郎「で、ここにたどり着いた、と」
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 19:59:36.17 ID:yocbQcDO
竜「それで信じてもらえないということとは何だ」

泉「…………」

翔太郎「おい!ここまできてまだもったいぶるのかよ!!」
亜樹子「ちょっと翔太郎くん!?」
翔太郎「悪ぃ……」

泉「実は……」

翔太郎「実は?」

泉「私達三人と、さらわれた灯子も……」

沈黙が流れる。

泉「黒魔術をやったせいで呪われているんです」
と、真顔で泉は言った。

翔太郎「はあああ?!」

翔太郎は盛大にソファーからずっこけたのであった。
そしてフィリップが黒魔術という聞き慣れないキーワードに閃きを感じ興味を持ち始めているのも知らずに……。
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 20:01:00.86 ID:yocbQcDO
「おいおい!ここはいつからオカルト倶楽部になったんだ!?」

やっぱり信じてもらえなかった、と思った泉は、しゅんと肩を落とす。
すると亜樹子は身を乗り出して安心させるように泉の肩を抱いた。

「大丈夫だよ泉ちゃん、お客様は神様、一度受けた依頼は最後までこなすから、だから安心して、ね?ね?」
亜樹子の言葉にハッとした泉は抱かれている肩を見た。
すると。そのぬくもりと一緒に、

『まかせなさい!うちのお供三人は、風都の希望!仮面ライダーなんだから、ドーパントなんてすぐにやっつけちゃうよ!!』

今のは亜樹子の心の声?
亜樹子の手から泉の体に水のように流れこんできた。そして自分達が聞いたこともない単語も。

(かめんらいだー?、どーぱんと?……)
泉は動揺している。
「大丈夫?」
しばらく考え事をしていた泉は払いのけるように亜樹子から身を引いた。
「な、なんでもない……」
「???」
この一部始終を一同は特に気にせず見守っていた。
しかしフィリップだけは泉の挙動不審を見逃さなかった。

フィリップが読んでいた本をとじて泉に近づいた。
「改めてよろしく、ようこそ鳴海探偵事務所へ僕はフィリップ、あそこでずっこけているハーフボイルドの相棒さ、泉ちゃんでいいよね?」
「う、うん……」
いきなり初対面の相手、しかも、どう見ても高校生にしか見えない少年に、こう言われると思わずひいてしまう。
「ハーフじゃねえ!ハードだ、ハード!!」
「どちらでもいいじゃないか翔太郎、それよりキミは気にならないのかい?僕は気になって仕方がない。さっき泉ちゃんが言った黒魔術というものが」

フィリップは泉をじっと見つめる。
「見たところ普通の女の子だけど……」
フィリップがまじまじと泉を観察する。
「あ、あの私達は東京の皇林学院に通う大学生で……」
泉が引き気味に言う。
「普通の女子大生が黒魔術?ますます興味深い……、それは誰かに教えてもらったのかい?」

「おい、フィリップ勝手に話を進めるんじゃねえ!」

泉は観念したのか、
「同じ大学の民俗学の先生のゼミを私達は受けてるの……」
と、泉は陸、凪を見回す。
「後、さらわれた灯子も……」
泉は悲しそうに目をふせる。
フィリップは一旦、泉から離れる。
「黒魔術、僕の星の本棚の中にもデータがない、是非とも解析したい、新たなメモリの発見もありそうだ」
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 20:02:21.55 ID:yocbQcDO
「フィリップ、おい、まさか……」
もう遅かった。
何かにのめり込んだフィリップは自分の満足がいくまで、その知識を増やさないと気がすまないのである。

「僕をその大学に連れて行ってくれないかい?」
「えっ!?」
「その黒魔術を研究したキミ達の先生に会いたい!」
フィリップは思わず泉の手を握った。
瞬間、フィリップの心の声?のようなものが泉の中に流れこんできた。

(な、何?この子の頭の中、わからない、この子を中心に沢山の本棚がある!本棚に囲まれてる!何なの、何なの、あなた!?)

「フィリップ!捜査の検索はどうするんだ!お前がここにいないとドーパントが現れた時にどうするんだよ!」
翔太郎が叫ぶ。

「スタッグフォンで連絡を取り合えばいいじゃないか、それに僕一人だけで大学に行くのは怪しまれる、それに早く知りたいんだ、黒魔術という未知の世界を!だから一緒にきてくれるよね?泉ちゃん」

「あ、あたし、聞いてな〜〜い!!」

亜樹子の叫び声が事務所に響く中、周りに圧倒された泉は、もう頷くしかなかった。
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 20:04:15.49 ID:yocbQcDO
二人は大学までの並木道を歩いていた。
沈黙が続く。
泉は、さっき見えたものが気になって仕方がなかった。
この少年は何者なのか?
こんなこと、今すぐそばにいる彼に触れたらわかることなのに、泉はそれをしたくなかった。
こんなやりかたはずるい気がして。
泉の視線にフィリップは気づいたようだ。

「そんなに僕のことが気になるのならキミの能力を使ったらどうだい?」
「!!」
泉は怖くなった。
フィリップが泉を見つめる視線は全てを見透かしているようで怖かった。
こんな子供が、少年が、怖い??
「……いつ、気づいたの?」
泉は少し睨みながら言う。

「亜樹ちゃんがキミに触れた時からさ、だから僕はそれを確かめるためにキミの手を握ったんだ」
「どうしてわかったの?あなたも、あなたにも能力があるの?」

・オリジナルメモリ、設定フォームあります。
ご都合主義ですいません、やっと規制とけた!
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/20(水) 22:17:05.23 ID:yocbQcDO
思ったより長くなりそうです。
見ていてくれてありがとうございます。
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/21(木) 01:18:23.36 ID:UPJH2kDO
超支援
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 21:29:07.46 ID:gA16pkDO
「僕の頭の中には、この地球上全ての知識がつまってるんだ」
とフィリップは得意げに話す。
泉は、ぎょっとした。
そんなバカなことあるはずないと。

「泉ちゃん、今そんなことないって思ってるよね?でも僕は知識のキーワードさえ、あれば脳内で検索して答えを見つけることができるのさ」
泉はフィリップを見た。
呪いのせいで、この世には常識では考えられないこともあるということは身を持って分かっているはずだ。しかし、この年ばのいかない少年までも自分達のような特殊な能力を持っている。
もしかしたらこの少年も今降りかかっている八つ目の災いに関係あるのか?と泉は思いはじめた。
「でも、僕もこのとおりな成りだから、いくら地球の本棚の中にも知らないことや鍵がかかって閲覧できないデータもあるんだ」
泉は、じっとフィリップの話しを聞く。
「黒魔術というキーワードを聞いた時、僕はキミの手を握った。キミ、篠山泉ちゃんは、めぐみ保育園でバイトをしている、そして今まで数々の殺人事件を解決してきたことまでは検索できたんだけど肝心の九つ目の災いと黒魔術についてだけが閲覧できない」

「だから、あんなに知りたいって騒いでたんだ」
するとフィリップは目を輝かせながら、
「そう!この黒魔術という未知の世界!僕は見たことも経験したこともない!黒魔術について閲覧できるのはヨーロッパ全土の文化や第二次世界大戦ぐらいまでしか閲覧できない!だから本当に黒魔術があるかどうか、この目で確かめたいんだ!」
泉にはまるでフィリップが好奇心旺盛な子供のように見えてさっきまで警戒していたことも忘れて思わず微笑んだ。
「でもあなた、見るからに日本人だけどフィリップって本当に名前なの?」

「僕の今の家族は翔太郎達さ、フィリップっていう名前は、ある恩人から貰ったんだ。だからこの名前が気に入ってるから本名よりもこっちで呼んでほしい、翔太郎も、風都のみんなも僕に笑顔でフィリップって呼んでくれるんだ」
泉は、この少年にも色々な事情があることは薄々気づいていたが本人が話すまで待とうと思った。
自分が心が読める分、自分の力だけでやらなければいけない、能力に頼りすぎてもいけないと改めて思った。

「わかった、じゃあ、改めてよろしくフィリップくん」
泉はフィリップに手を差し出した。
フィリップは一瞬躊躇ったが、泉の笑顔を見て安心したのか、泉の手を取り、駆け出した。

「早く、大学に行こうよ!きっと僕が知らないことが沢山あるはずだ!」
「ちょっと待ってよ、慌てないで」

『早く知りたい!黒魔術ってなんだろう?ゾクゾクするねぇ!』

手を握った時、泉にフィリップの心の声が聞こえた。二人は並木道を駆けていった。
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 21:30:07.72 ID:gA16pkDO
皇林学院大学の校舎の外れにひっそりと位置するその部屋には、まるで物置のように、ジプシーの木彫り人形や、魔教がかった気味悪い置物などが雑然と置かれている。
壁には密教のものと思われる仮面が吊され、戸にガラスがはまった古めかしい本棚には、魔術書や占星術書、ジプシーの歴史書やギリシャ神話などが並んでいる。
外には真夏の熱気がどんよりと残っていたが、部屋の中は嘘のようにひんやりしている。
窓には黒いカーテンがかかり、深い闇がたれこめている中、燭台の赤い火だけ、ポッ、ポッ、と灯されている。
部屋の中央では、皇林学院民族学の教授、壇原英治が、床にチョークで描かれた六ぼう星形をじっとみつめている。
魔術の儀式が始まろうとしていた。
英治は大学教授というより、魔術の研究家として名を馳せている人物だった。

そんな英治を中学生の娘、ひなは、呆れたように眺めていた。
「鏡が割れてるんだったらやっても意味ないじゃない」
「諦めてたまるか!彼女達の呪いをとくためだ!」
英治はギュッと口を結び背を伸ばした。
手にも汗をかいている。
「ワッガヤーミ、ワッカミーカ、ワッカザーフ、ミヤーチ」
英治が呪文を唱え始めた。「その門を開き、眠る精霊を目覚めさせよ」
右手に掲げ持った蝋燭を傾け、六ぼう星形の中に蝋を垂らす。
一滴、また一滴。目は六ぼう星形の中心においた鏡をじっと睨んだままだ。
赤く火照った顔が、蝋燭の明かりで薄暗く浮かび上がる。
「我らは汝をここに召喚する。汝はその力を持って我らの願いを叶えたまえ」
声のトーンも次第に高くなっていく。
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 21:31:09.98 ID:gA16pkDO
何かが起こる気配はない。静まり返った部屋には英治の声が響いている。
「いつまでこんなことやってるつもりだろう」
さすがにひなも、ため息をついた。
その時「カタ、カタ」と音がした。
あたりを見回したが変わったところはない。
風のせいだろう。
気を取り直しても、また、更に大きな「ガタン、ガタン」今度ははっきり聞こえた。
入り口の戸だ。
ひなは顔をこわばらせたまま戸をじっとみている。
気合いが頂点に達しつつある英治だけが気づかずに、呪文を絶叫する。
「精霊よ、我らの願いを叶えたまえ!」
その声と同時に戸がつんのめるように倒れてきた。
「キャー」
ひなは声を限り叫んだ!

「相変わらず建て付け悪いですね、この戸」
そこには英治が二人のうちの探偵を、誰かが呼んでこいと伝えてあった人物、泉、探偵のフィリップが立っていた。
「おどかさないでよ」
ひなは床に倒れ込んだ。
「ひなちゃん大丈夫?相変わらず趣味悪い部屋なんだから」
と泉は、ひなに手を貸す。「呪いをとく方法を探してくれるのは、ありがたいんだけどのめり込みすぎるのが問題だよね」
ひなが、うん、うん、と頷く。
しかし、

「うわああ〜〜〜♪」

趣味悪いと非難する二人をよそにフィリップだけが目を輝かせ感嘆な声を上げた。
「この子、誰ですか?」
「私達が依頼した探偵さんの一人だよ。私も驚いちゃった、鋭いし、もしかしたら先生よりも切れ者かもしれないよ」
「嘘!どう見ても子供じゃない!」
泉はフィリップを二人に紹介しようとするが

「この木彫りは何だい?
もしかしてウガンダにあった19世紀半ば、ヴィクトリア女王がアフリカの植民地から献上されたものじゃないか!どうしてこんなところにあるんだい?」
フィリップが英治に詰め寄った。
英治は、ぎょっとした。
「なぜわかったんだ?それとも君はそれを知っているのか?そんなことより今日呼んだ探偵はどこだ」

「パパの目の前にいるよ。さっきの私達の話を聞いてなかったの?」
ひなも泉も、呆れはてていた。
どうやらフィリップは今、目の前にいる先生と同じタイプかもしれないと思った泉は、研究室に連れてくるだけで今日1日の体力を使ったように、どっと疲れが出て、ため息を付いた。
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 21:32:31.63 ID:gA16pkDO
キャラクターが多くて心理描写が難しいです。
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/21(木) 23:56:06.74 ID:gA16pkDO
どちらも大好きだけど
やっぱり仮面ライダーWは人気なんだな。
見ていてくれて、ありがとう。
長編、映画にしたら二時間くらいになりそうです。
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 19:29:03.67 ID:TbMCYgDO
「みんな座っているよね?」
フィリップは、英治、泉、ひなの三人を前にホワイトボードをかざした。
「始から座ってるよ」
と、ひな。
「私の研究成果は何だったんだ……」
年ばもいかない少年に、いとも簡単に論破された英治はうなだれている。
「先生元気出して、先生がキーワードを見つけたからフィリップくんが検証できるんですよ」

「そう、黒魔術のルーツまでは僕の地球の本棚で検索できた。しかし、あなたが発見した太陽系の星を占星術で表すと、このような印になるんだ」

太陽、アポロン。
水星、マーキュリー。
金星、ヴィーナス。
天王星、ウラヌス。
冥王星、プルトー。
火星、マーズ。
木星、ジュピター。
土星、サターン。
海王星、ネプチューン。

「そして、あなたの読み通り、数々の凶悪犯の呪いのマークは、占星術に値する。そして九つの呪いには、星の他にギリシャ神話も関係していたんだ。一番目は土星、つまりクロノスに関係していた。時の神クロノスは、石を飲み込んだ、という神話がある」

泉は殺された英治の助手の令子の口の中に石が入っていたのを思い出した。

「二番目の呪いは木星、つまりゼウスだ。ゼウスは怪物と戦った時、両手両足の腱を切られていた。他にも泉ちゃんが騙されて連れ去られたのと同じようにゼウスも若い娘を騙して連れ去っている。三番目の呪いは金星。恋する女神アフロディーテだ。男を次々と虜にし、利用していく魔性の女。またアフロディーテは自分が恋した美少年が殺された時、その死体を見て血の涙を流した。その地面から咲いたのが真っ赤な薔薇だ。四番目の呪いは冥王星のプルトー。ギリシャ神話でいうハーデスだ。地獄の番犬ケルベロスを連れている。そして五番目の呪いはポセイドンだ。ポセイドンは、狙った女を手に入れるためなら、どんな卑劣な手段でも使う男だ。相手の心をずたずたにする奴だ。そして六番目の呪いはヘルメスの神話だ。ヘルメスは子供の時から知能犯で、アポロンの牛を盗んだりしている。七番目の呪いは天王星。神界の初代支配者、ウラヌスだ」
フィリップはホワイトボードに乱雑にデータを書いていく。
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 19:31:41.32 ID:TbMCYgDO
「そして今回の八番目の呪いだ。そもそもキミ達が呪われたのは黒魔術でも一番のタブー、死者蘇生を行った。その代償として泉ちゃん、キミ達三人は特殊な能力が目覚めた。今まではキミ達の能力で解決してきたが今回は一筋縄ではいかない」
と、フィリップは机の上にポラロイドの灯子の写真を掲げ泉達に見せた。
その写真は、目は血走り、やけに鋭く、唇は真っ赤に染まり、その口元に薄笑いわ浮かべている顔は、とても灯子には見えない。ただの人間とは思えない。異様な霊気を漂わせていた。

「残った災いのひとつはアレスだ。そして最後に来るのが、太陽神アポロン、つまり泉ちゃんは親友の灯子ちゃんと戦わなければいけない、しかし」
フィリップはあるキーワードを思い出しポケットからUSBメモリのような形のアイテムを取り出した。
それは真ん中には「C」と書かれていて全体が緑色で象られている。
フィリップがボタンを押すと、
『サイクロン!』という
電子音が鳴った。
「これがガイアメモリさ。僕達は、このガイアメモリの力を使って様々な事件を解決してきた。警察が、さじを投げた事件をね」
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 19:32:42.52 ID:TbMCYgDO
ここまでの研究は英治が全て解析してきた、しかし今回の八番目の呪いに絡んでいるというガイアメモリというものがわからなかった。
「そのガイアメモリというのはなんだ?」

「これは、ある組織が開発したんだ。様々な過去の記憶をこのメモリに封じ込め、その力を使うことができるのさ。そしてこれはサイクロン、風の記憶を使うことができる」

「それを使ったらどうなるんだ?」

「人間の負の感情を増幅して人間離れしたパワーを得る。よほど使用者の意思が強くないと、このメモリの毒素に飲み込まれてしまう。今の八番目の呪い、そして最後の呪い、九神は九つの呪いにして転じ三度目の満月が災難と共に死を与えん。照井竜が言っていた。射殺された警官は人間離れしたような力で殺されている。おそらく犯人はガイアメモリを所持していると僕は読んだ。そんな化け物のような力には立ち向かえない、更に親友の灯子ちゃんを倒すことなんて、できない。そして、どうすることもできなくなった泉ちゃん達は僕達を頼ってきた、違うかい?」

そこまで読まれているなんて、もう泉はフィリップに隠し事はできないと悟った。

「でも安心したまえ、翔太郎の言葉を借りるなら、風都に来た人間はもう、この街の住人さ。それに女の子が泣いている。この街が泣いている」
フィリップは片手に持っているコーヒーカップをすすりながら、
「この街を泣かすやつは許さない、翔太郎はやる時はやる……」

フィリップは台詞を言い終える前に何かに躓いてしまった!
どうやら説明とコーヒーに夢中になっていて気づかなかったのか床に乱雑に置いてある殺人現場の資料に躓いて転んでしまった。
同時にフィリップの
「うわあっ」という叫び声とコーヒーカップが割れる音が研究室に響いた。
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 19:33:36.89 ID:TbMCYgDO
フィリップは床にへたり込んでしまった、上着はコーヒーまみれで転んだ時の衝撃でおきたのか半ズボンだったフィリップは膝小僧をすりむいていた。
そんなフィリップを見た泉は誰よりも早くフィリップに駆け寄った。

「大丈夫?フィリップくん!」
泉はゆっくりとフィリップの体を抱き起こした。
「大変!血が出てるじゃない!」
「これくらい平気さ」
フィリップは笑って言った。しかし泉は、
「だめよ!ちゃんと消毒しなきゃ、ちょっと待ってて」
と泉はポケットからハンカチと絆創膏を取り出した。

「どうしてそんなものを持ち歩いているんだい?」

「あなたも知ってるでしょ?私は保育園でバイトをしているの。子供は、いつ、どこで怪我するかわからないから」
泉はハンカチを研究室の水道で少し濡らしてフィリップの患部に当てる。
そして血が止まったのを確認した泉は傷に絆創膏をはってあげた。
「これで大丈夫。あんまり夢中になりすぎて周りをよく見るのを忘れちゃだめだよ」
泉は笑ってフィリップの頭をなでた。
そんな行為に慣れてないのかフィリップは少し顔を赤らめて
「僕は子供じゃない」
と言って立ち上がった。
きっと拗ねているんだろうと思った泉は、それでもフィリップに優しく微笑んだ。
フィリップは、ホワイトボードに向かおうとしたが泉の笑顔から目をそらすことはできなかった。

「服も汚れてる」
泉はフィリップに有無を言わさず椅子に座らせ、ハンカチでコーヒーを拭き取っていく。
泉にされるがままのフィリップ。
フィリップは今の自分の感情がよくわからなかった。翔太郎に対して感じるものとは少し違う、けれど、とても似ている優しくて暖かい気持ち。

この気持ちは何だろう?

泉はフィリップに触れた時、思わず心の声を聞いてしまった。

『姉さん?素直で優しかった若菜姉さん?』

泉の手は心の声を聞いた瞬間止まってしまった。

心を読まれている?

そう感じたフィリップは
泉から離れた。
しかし少し照れながらも

「ありが、とう、泉、さ、ん……」
と、たどたどしく言った。そんな二人の様子を英治とひなは優しく見守っていた。

・何だかグダグダになってすいません、早く戦闘描写が書きたい!
心理描写が難しいですね。
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 19:39:19.36 ID:TbMCYgDO
誤字発見吊ってくる。
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/23(土) 23:27:17.78 ID:TbMCYgDO
フィリップたん、
フィリップたん、
うわああああ!ってな
感じです。
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 20:47:31.12 ID:YCvMT.DO
「たいした収穫はなしか……」
翔太郎は、そう呟きながら事務所に戻る。
「分かったのは、ここ風都でも数年前、世間を騒がせた天才超能力少女が依頼人の親友だったってことか、泉さんは灯子さんの超能力を分かった上で俺に頼ってきたんだな。何だか皮肉だぜ」

「灯子さんの両親は超能力に期待して、ある日突然、私は嘘をついていました。超能力はありません、なんて告白をしたらしいが泉さんの様子を見ると、これは灯子さんの本心とは思えない。両親は罪をなすりあったあげく離婚。親戚をたらい回しにされた。何だかフィリップみてぇだな。フィリップの居場所が俺たちのように灯子さんの居場所も泉さんなのかもしれない。何としてでも探して、あいつらにあわせてやらなきゃな」

翔太郎はバイクを事務所へと走らせた。
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 21:17:58.43 ID:YCvMT.DO
需要あるのかないのかわかりませんがリアルが忙しすぎて更新遅くてすいません。
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 21:54:34.88 ID:Y.BMdNYo
みてるよ〜
ここは製速だからゆっくりやって大丈夫だぞ!

でも完結はしてくれ
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 22:35:05.56 ID:YCvMT.DO
ありがとう。
オチとクライマックスはもうきまっているから辻褄を合わせるのが大変。フィリップたんを可愛がりたい。
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 22:27:47.23 ID:Mant/2DO
泉とフィリップが事務所に戻る頃、やっと昼食がとれると思った英治は弁当箱を開けた。
出てきたのは、かっぱえびせん。
「ひな!これは昼飯とは言えないぞ!」
「仕方ないでしょ、料理教わる前にママがでていったんだから」
英治の妻は英治が余りにも黒魔術の研究に没頭する余り出て行ってしまったのだ。
「だが何故かっぱえびせんなんだ?」
「それはフィリップくんに言ってよ」
ひなの目線の先にはフィリップが大量に購入した、かっぱえびせんがテーブルに鎮座してある。
もう少しで荷物が届くはずだと言いフィリップと泉は慌てて帰ってしまったのだ。
どうやら、ひながおやつに食べていたのが、かっぱえびせんだったのでフィリップが興味を持ったらしい。
「フィリップくんか、彼は幼いながらもすばらしい!私の研究を理解してくれて更に研究中のことまで積極的に取り組んでくれる!是非とも助手に、いや、息子に欲しいくらいだ!」
「そーんなこと言っちゃうんだママに言いつけてやろうかな、可愛い娘がいるのに隠し子ができましたって」
ひなは英治をからかうように言った。
しかし英治は、ひなに詰め寄った。
「ママは、いつ帰ってきたんだ!?ママがそんなこと言ったのか!?」
「会えてる訳ないじゃん。それにパパが研究に夢中になっている間は帰ってこないよ」

「だが、フィリップくんのおかげでガイアメモリというアイテムの存在を知った!知ったからには追求しなければいけない!呪いを解く鍵かもしれない!まだまだ研究しなくては!」
英治は再び机に向かった。そんな英治を、ひなは呆れながらも見守っていた。
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 22:28:52.82 ID:Mant/2DO
「あーん、全然だめ!」
その頃、事務所で留守番している凪がボヤいた。
テーブルには凪が撮ったポラロイドカメラで撮った写真がばらまかれていた。
「今回の事件らしい写真が写ってない、あたしの腕が落ちたのかなあ?」

凪は一枚、一枚確認しているが、どれも変哲のない、ここで撮った写真ばかりだ。
事件らしい、という言葉を聞いた竜が凪に詰め寄った。
「事件らしいとは何だ?それに今回といったな?前にも、そんなことあったのか?」
「!!」
「質問に答えろ!」
凪は、すっかり竜に怯えきっている。
それを見かねた陸が竜の前に凪を庇うように立った。陸は竜を睨みつけた。
「あんた、若いながら警視かなんだか知らないけど、えらそうなんだよ!」
「質問しているのは俺だ。それに、この写真は何だ?」
竜が陸と凪に見えるように見せた写真は、さっき凪から隙を見て取ったものだ。そこには、事務所の地下室にあるプレハブのようなガレージでできたフィリップの部屋に泉とフィリップが写っていた。
何故か泉の周りには大量の段ボール箱が積み重ねられている。
「てめえ、いつの間に!!」

「それ!撮った覚えがない写真!返して!」
「撮った覚えがないとは、どういうことだ!お前たちは呪われていると言ったな?その呪いと、この写真、何か関係があるのか!?」

鬼気迫るように竜は凪に問い詰める。
凪は観念したのか、

「………それ、未来の、未来の写真……」
「!?」

凪は竜を睨みながら
「あたしは未来の写真が撮れるの!!」
と言い放った。
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 22:29:56.67 ID:Mant/2DO
「未来の写真だと!?そんな馬鹿なことあるか!」

凪は涙を流しながら
「どうしてあなたも人の話を聞かないの!?やっぱり刑事ってみんな石頭なんだ!あなたけっこうカッコイイのにもったいない!自分勝手!人の話を聞かない!あなた絶対B型ね!!」
凪は竜を睨みながら言った。
洞察力のある凪は何かと人の性格を血液型で判断したがる。
それがかんに障ったのか竜は写真をテーブルに叩き付けた。

「てめえ!!」
竜の態度に頭にきたのか陸は竜の胸ぐらを掴んだ。

瞬間、陸に頭痛が走った。竜に触れた途端、何かのビジョンが見えた。
しかし頭痛は治まらない。「ううっ、はあ、はあ……」

陸は頭痛に耐えきれずうずくまってしまった。
慌てて凪が駆け寄る。
「陸!!」
「凪……」
「何か、見えたの?」
陸は力なく頷いた。
「照井に触れた途端、見えた、こいつの、こいつの過去が……」

『父さん、母さん、春子……?』

陸はゆっくり立ち上がった。
「巡査の時、あんたの家族、殺されたのか?」
「!!」
「……見たこともないようなバケモノに、あんたの親父とお袋と妹が氷付けに……」
竜は驚いた。
この事は関係者しか知らない。
しかし始めて会った陸に知られてしまった、竜の中では、かたきである井坂を倒した時、復讐は終わったのだが見ず知らずの人間に見破られてしまい再び煮えくり返る思いかが湧き上がった。
「貴様に何がわる!?貴様一体、俺の何を見た!!」
竜は思わず相手が依頼人だということを忘れて陸に右ストレートを放った。
しかし陸は竜の視線をそらさずに何と竜の拳を受け止めたのだ。

「いつまでも過去に縛られてんじゃねぇ、なめてんじゃねーよ!!」
陸は竜の拳を振り解いた。

「あたしの趣味は喧嘩だ!!覚えとけっ!!」
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 22:31:37.92 ID:Mant/2DO
最終回後、竜くんは丸くなったはずなのに鬼気迫ってごめんね。
血液型は中の人を参考にしました。しかし全員会ってるのは驚きました。
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 22:34:16.41 ID:Mant/2DO
誤字発見。記憶おかしいまま文章書くのはヤバいですね、疲れたら飛ぶのかよう……。
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/26(火) 23:16:52.64 ID:Mant/2DO
誤字まくりでヤバいですね、かなりへこみます。すいません更新遅れます見てくれてる人ありがとう。
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/27(水) 10:51:14.16 ID:waKpl.DO
ラストは決まってるのに辻褄が合わない、うがー!!
しばらく書けないかも。ラスボスは普段めったに怒らない人物です。
本業は絵描きだけど国語と歴史は好きでよかった。
難しいなあ。
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/28(木) 23:15:17.99 ID:RcFZWYDO
箸休めに依頼人のプロフィールを。

全員、皇林学院大学の二年生。泉だけは21才で他の三人は二十歳。

篠山泉/11月1日生まれ
蠍座の水の宮。
能力はマインドリーディング

香沢凪/2月3日生まれ。
ふたご座の風の宮。
能力はプレグラフィー。

児嶋陸/5月5日生まれ。
牡牛座の地の宮。
能力はサイコメトリー。

今井灯子/8月15日生まれ。獅子座の火の宮。
能力はサイコキネキス。

高取裕一郎/27才。
警視捜査一課、泉達を守るために風都に臨時移動。
風都では照井竜の部下として行動する。

今井灯子だけは生まれつきサイコキネキスを持っている。
三人は黒魔術の代償として目覚めた。

オリジナルメモリ、フォームもありますが需要あるかガクブルです。

・T2メモリを犯人が持っています。
今井灯子の記憶を利用したダンサーメモリ、ヒートT2メモリがあります。

以上です。
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/29(金) 21:01:22.39 ID:kYGsJ2DO
帰り道、二人は再び並木道を歩いていた。
すると泉が左手をフィリップに見せた。
「さっきはありがとうフィリップくん」
泉の腕にはブレスレットが付けられている。
数日前、灯子の超能力が暴走して金具が壊れていたのだが、さっき研究室でフィリップが
『こんなの部品さえ、あれば簡単さ』
と、あっさり直してしまったのだ。
もう直らないと諦めていたのだが、フィリップが直してくれたのがうれしくて泉はブレスレットを撫でている。
「フィリップくんは優しいね」
泉は笑って言った。
「僕は優しくなんかないよ」

「どうして?」
「僕は翔太郎や泉さんのように優しくない、キミ達が灯子さんを魔女と呼ぶのなら僕は悪魔さ」
彼が何故自分を悪魔と呼ぶのかわからない泉は心を読もうとしたが、フィリップが話すのをじっと待った。

「僕はキーワードがなければ検索できない、それに僕の頭には地球上全ての知識が詰まってるなんて非科学的だ!こんな人間が他にいるかい!?いや、僕は本当は死んでいたんだ!だけどデータ人間として育てられて今の新しい体を得たんだ!前にも僕のメモリのせいで翔太郎を傷つけてしまったんだ!僕は、もう大切な人を傷つけたくない!でも傷つけてしまった!それでも翔太郎は僕を相棒と呼んでくれる。僕は、僕は……」
こんなにも取り乱したフィリップを見たのは泉は始めてだった。
泉は優しくフィリップの肩を抱き寄せた。
「灯子も、あなたと同じことを言っていたよ」
フィリップは顔をあげた。「私は泉のように素直で優しくない、その自分にない優しさを憎んでいるから超能力が暴走してるの、だから近づかないで、傷つけたくない!って。でも灯子はドーパントにさらわれてしまった。きっと寂しくて悲しい思いをしている、私たちはいつも4人で一つだった。あなた達が二人で一つのように、あなたと灯子、似てるわ、でも悪魔でも魔女でもない。私たちの仲間よ」
泉は笑って言った。
「灯子も優しい、フィリップくんも優しいわ」
「僕が優しい?」
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/29(金) 21:04:47.69 ID:kYGsJ2DO
「このブレスレットだってフィリップくんが直してくれたでしょ?それに、あなた灯子みたいに左さんを傷つけたくないって言ってるじゃない」
「僕は翔太郎に言ったんだ。悪魔と相乗りする勇気あるかな?って、それは翔太郎に対してじゃなくて僕自身に勇気がなかったから翔太郎を試すように言ったんだ……」

「私だって同じよ。人の心が読めるようになって怖くなったもの。陸や凪、灯子に、このことがバレたら友情が壊れちゃうんじゃないかって。だからしばらく黙ってたの。何も能力がないって。でもバレちゃった。それで壊れちゃった。でも、これは私のずるさにあるって気づいたから犯人に一人で立ち向かった。そうしたら分かってくれた。心を読んでも本当の気持ちが聞こえてきたの」
「泉さん……」
フィリップは自然に泉の肩に寄りかかった。
そんな自分が不思議だった。
翔太郎以外の他人に対してそばにいるだけで、こんなに安心できるなんて。

「フィリップくんはフィリップくん、灯子は灯子、それだけだよ」

「泉さんは強いですね」

「強くなんかないよ、私はみんながいないと強くなれないもの。優しくなれない、私にも妬みや怒り、負の感情があるもの。それは人間だから当たり前よ」
「当たり前?」
「感情がなくなったら、それこそ悪魔になっちゃうよ」

「僕は人間なのかな?」

「左さんに相棒って言われてるんでしょ?それはフィリップくんのことが好きってことだよ。左さんがフィリップくんに与えてくれてるようにフィリップくんも左さんに与えているんだよ」
フィリップは嬉しくなった。
フィリップは泉の手を握った。
いきなりの大胆な行動に泉は驚いたが、フィリップから聞こえてくる声はさっきよりは落ち着いているのが感じられた。

「ありがとう泉さん」
フィリップは始めて泉に満面の笑みを見せた。

・フィリップたんフィリップたん!って感じです。
ゆっくりでオリ設定で、今回少なくてごめんなさい。
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 23:15:26.83 ID:lyAhrsDO
やっとAパート終了です。
予告。
次の仮面ライダーWは!

「まさか依頼人全員が超能力者だったなんて驚きだぜ……」

「翔太郎、キミは、かっぱえびせんという食べ物を知っているかい?」
「フィ、フィリップくんが!またモチップくんに!」

「仮面ライダーと警察は呼ぶな。篠山泉だけ来い」

「僕はあなたを救いたい。メモリとベルトを渡すんだ……」

「あいつに洗脳されたのかよ!!」

「[ピーーー]!こんな呪われた世界全て、壊してやる!!」
M達の友情/一緒に……

これで決まりだ!
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 23:27:49.65 ID:lyAhrsDO
フィリップ、フィリップーーー!!
って感じです。
このまま、この展開で書いていいのか不安になってきた。
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/30(土) 23:53:20.70 ID:2EKPhNM0
おもしろい!元のドラマ見たことないのが残念だけど小説版だけでも読みたくなってきたよ
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/31(日) 21:23:51.19 ID:o9OsSADO
翔太郎は捜査から帰ってくるとフィリップは事務所にいなかった。
亜樹子に聞くとフィリップは泉を連れて地下ガレージにこもっているそうだ。
翔太郎は、カン、カン、と階段の音をたてながらフィリップの部屋を目指す。

「お〜い、フィリップいるかーって、何じゃあこりゃああああ!!!」
翔太郎が見たものはまたホワイトボードに乱雑に書かれているデータと大量の段ボール箱、大量のスナック菓子だった。
「何、何があったのって、あーーー!!」

翔太郎の叫びを聞いた亜樹子、竜、陸、凪までもが、この狭い部屋にぞろぞろとやってきた。
亜樹子はフィリップを指差しながら、
「フィ、フィリップくんが、またモチップくんになってる!」
翔太郎の声を聞いたフィリップがスナック菓子を食べながら、
「翔太郎キミは、かっぱえびせんという食べ物を知っているかい?」モグモグ
翔太郎は周りにある段ボール箱をしらみつぶしに開けて中身を取り出した。
出てきたのはフィリップが注文をしたのであろう、様々な味のかっぱえびせんが入っていた。
塩味、フレンチサラダ味、おつまみ海老味、さくさくチーズ味、お茶漬け海苔味など、という限定品まで。「素晴らしい、かっぱえびせん……。1955年、松尾孝はカルビー設立、キーワードは、第二次世界大戦、かっぱ、1964年にかっぱえびせん発売……」ブツブツ
「もうだめ完全に自分の世界……」
亜樹子は呆れている。
その時、段ボール箱の奥からうなり声が聞こえた。
「た、助けて左さん……」
「おい!大丈夫かよ!」

翔太郎は段ボール箱に埋もれていた泉を引っ張り出した。

「また検索にハマりやがって!!しかも、また少し太ってるし、どーすんだよ、これ!!油っこすぎて食い切れねーよ!!」


47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/31(日) 21:24:51.81 ID:o9OsSADO
凪は、その様子を見てポカーンとしている。
そんな中、陸は竜に、ある写真を見せた。
「これで分かったろ?石頭!!」
写真に写っているのは数分前に見たフィリップの部屋にいる泉とフィリップが写ってある写真だった。
竜は目を疑った。
今の、この光景と写真を照らし合わせるように見た。「同じだ……」
竜は食い入るように写真を見つめている。
泉はやっと段ボール箱から抜け出したのか、陸、凪のそばにやってきた。
泉がきたことによって凪は泉に駆け寄った。
「大丈夫?泉、随分疲れてるけど……、でも泉も大胆になったよね。高取さんの次は、あんな美少年に気に入られるなんて」
凪はニヤニヤしながら言う。
凪はイイ男には目がないのだ。
「そんなんじゃないって。フィリップくん、家族いないみたいなの」
「みたい、って心読んだの?」
「うん。お姉さんがいたらしくって、フィリップくんにとっての家族は今は左さん達だけだから、彼のそばにいて寂しさを癒やしてあげたいの。お願いフィリップくんのそばにいさせて」

泉は陸と凪に頼み込んだ。余りわがままを言わない泉が、自分のためではなくて、またいつものように人のために心配している。
すると陸が、
「いいけど、あまり入り込むなよ?この事件が終わるまでだ」
「わかってる。灯子も必ず助ける」
泉は強い眼差しを陸に向けて言った。
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/31(日) 21:25:35.09 ID:o9OsSADO
フィリップたんかわいいい!!って感じです。
ありがとう。
タイトルのMには沢山の意味が詰まってます。
この先、猿達時代の中の人のネタまで分かったら、おのれディケイド!!
年がバレますね。
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/31(日) 23:27:07.30 ID:o9OsSADO
箸休めに依頼人の性格を。
篠山泉/普段はおとなしくて優しいが、いざとなれば呪いに一人で立ち向かっていく勇気を持つ。

児島陸/男勝りで喧嘩っ早いが実は……?

香沢凪/カメラマン志望。イケメン好き。いわゆる今風な女の子。

今井灯子/超能力者ゆえに利用され、人間不信に。始めて自分を心配してくれた泉の優しさに彼女の頑なな心もほだされていく。
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/31(日) 23:33:45.77 ID:o9OsSADO
Mの意味全て分かったらおのれディケイド!って感じです。
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 05:31:36.22 ID:ySShrQDO
いつも見ていてくれてありがとう。
みんなの支援の感想が完結への力になります。ありがとう。
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/01(月) 22:56:00.74 ID:ySShrQDO
元のドラマも仮面ライダーも知らなくても分かるように書いているつもりですが、きちんと伝わっているか不安です。
皆様のレスのおかげで何とか完結したいと思います。気が早いのですが、おまけとラストはもう書きました。
53 :1です :2010/11/04(木) 20:04:06.32 ID:OWHQEkDO
忙しすぎて更新遅くてごめんなさい。年内に完結できるかどうかわかりません。こんなにスローで大丈夫でしょうか?
辻褄合わすのが大変で。
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 17:23:09.48 ID:BTInNkDO
>>47からの続きです。

その時、竜のビートルフォンが鳴った。
この携帯のような機械は対ドーパント用に作られている。

「照井だ」

『高取です。照井先輩、泉達は無事ですか?』

「俺な質問するな。俺はお前の先輩じゃない」

『いや、ここでの上司はあなたですから俺にとってもあなたは先輩ですよ』

裕一郎は東京では、口が悪く、はぐれものと扱われているが、これまで何度も危険な立ち向かい泉達を守ってきた。
いくら、はぐれものといわれても礼儀はわきまえており、変な所で調子にのる真倉刑事よりも高取刑事のほうを竜は一目置いており、犯人の追跡を頼んである。

「犯人が見つかったのか?」

『はっきりとはわかりませんが目撃者によるとホテルに向かっていたようです』

「ホテル?」

55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 17:24:01.93 ID:BTInNkDO
凪は、さっき撮ったポラロイド写真をめくっては捨て、めくっては捨てていく。凪の手が止まった。
「これ見て」
二枚の写真を見せた。
一枚には高層のホテルが写っており、もう一枚では犯人が駐車場でショットガンをぶっ放していた。

「ホテルUSAだな」

『分かりました、俺もそちらに……』
と裕一郎が言いかけた時に竜がさえぎった。
「相手はドーパントだ。俺が先にお前たちの所に護衛に行く。お前たちは、そこを動くな。わかったな」

と言って竜はビートルフォンを一方的に閉じて事務所を出て行った。
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 17:24:48.17 ID:BTInNkDO
翔太郎は凪の写真を見た。

「ホントに未来の写真なんだな……。しかし依頼人全員が超能力者だったなんて驚きだぜ……」

泉は何気なく翔太郎に触れた。

『依頼人を危険な目に合わす訳にはいかねぇ。ここは俺達だけで解決しねぇと……』

今のは翔太郎の心の声?
泉は顔を上げた。
翔太郎と目があった。
翔太郎は少しドキッとした。
「危険なのはいつものことです。灯子の居場所が分かったんですよね?私達も連れて行って下さい!」
突然の泉の強い言葉に翔太郎は、ぎょっとして固まってしまった。

何でなにも言ってないのにわかるんだ?

固まっている翔太郎を見たフィリップが言った。
「今のが泉さんの能力、マインドリーディングだよ」

フィリップは得意気に言った。

「うちらも行こう。あたし達、4人いつも一緒だぜ」

陸は泉を見る。

57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 17:25:40.18 ID:BTInNkDO
「嫌いじゃないぜ。アポロンだアレスだなんていわれても理解できないが、あんた達に強い友情と絆があるってことくらいは俺にもわかる。仲間のために危険をもかえりみない、か……」

「ただし条件がある。相手はドーパントだ。絶対に俺たちと照井から離れるんじゃないぞ?」

翔太郎は泉、陸、凪を見回して言った。

「それとフィリップは、ここに残れ」
「えっ?」
フィリップは思わず立ち上がった。
「取りあえず、お前痩せとけ!次のバトルに支障が出る。亜樹子と一緒に、この大量の、かっぱえびせんをなんとかしろ!」

「あ、あたし聞いてな〜〜い!!」

亜樹子とフィリップに留守番をさせ、四人は事務所を飛び出していった。
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 17:27:50.76 ID:BTInNkDO
需要あるのかないのかわかりませんが分かるネタがあったら、おのれディケイド!って感じです。フィリップたんを愛でまくりたい。
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 17:42:28.03 ID:BTInNkDO
>>47からの続きです。

その時、竜のビートルフォンが鳴った。
この携帯のような機械は対ドーパント用に作られている。

「照井だ」

『高取です。照井先輩、泉達は無事ですか?』

「俺に質問するな。俺はお前の先輩じゃない」

『いや、ここでの上司はあなたですから俺にとってもあなたは先輩ですよ』

裕一郎は東京では、口が悪く、はぐれものと扱われているが、これまで何度も危険な立ち向かい泉達を守ってきた。
いくら、はぐれものといわれても礼儀はわきまえており、変な所で調子にのる真倉刑事よりも高取刑事のほうを竜は一目置いており、犯人の追跡を頼んである。

「犯人が見つかったのか?」

『はっきりとはわかりませんが目撃者によるとホテルに向かっていたようです』

「ホテル?」

60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 17:44:53.41 ID:BTInNkDO
誤字発見な上に投下ミスしてしまいました。
これでも需要あるのか心配になってきた……。
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 22:16:13.79 ID:BTInNkDO
見てる人いるのだろうか……。
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/09(火) 22:27:16.62 ID:bmzErO.o
ノシ
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/09(火) 23:21:49.02 ID:BTInNkDO
ありがとう
やっとバトル入れそうです。誤字ごめんなさい。
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/13(土) 00:40:59.28 ID:L2bdb.DO
予告。

次の仮面ライダーWは!

「約束したんだ!こいつらと、あんた連れて帰るって!」

『冗談じゃねぇよ』

『あなたのせいよ』

『あなた達の呪いのせいで!』

「メモリの力が欲しいか?」

「……変身……」

「やめろ!やめてくれぇ!!」

「さあ!あなたも悪魔になりなさい!!」

これで決まりだ!
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/13(土) 00:43:56.80 ID:L2bdb.DO
こんな感じで進めて大丈夫だろうか?
長くなりそうですが反応が心配です……。
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/13(土) 22:40:54.92 ID:L2bdb.DO
見てる人いますか?
本編のドラマでは死んでしまうから、せめてここではみんな幸せにしたい。
67 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 19:07:22.93 ID:gPoCGEDO
>>40の設定変更してすいません。

泉だけが三年生で陸の高校時代からの先輩。

元ネタのドラマはソフト化されてなくて始めのタイトルの「甘い悪魔」を英訳して、つべで見れますよ。
需要なかったらすいません。
68 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/24(水) 22:14:20.91 ID:sw8yf.E0
乙乙!!面白い!!

あとWのメモリは最初に起動した人物以外使用できな(ry
69 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/24(水) 23:16:46.23 ID:gPoCGEDO
>>68
それはエスパーが使えるという、ご都合主義で
(笑)
そしたら某、黄色い地球署の方がガイアメモリを使ったら大変なことに!ありがとう、これからガイアメモリのせいでブラック(てつをじゃないよ)になっていきまつ。
70 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 19:52:46.17 ID:jBxw0cDO
>>57からの続き。
疾走する翔太郎のバイク。ホテルUSAが見えてくる。翔太郎は、慎重にバイクを地下駐車場へ滑り込ませる。
駐車スペースに止めると、周囲に注意を払いながら降りた。
続いて遅れて泉達も、やってくる。

「来ちゃだめ!」

灯子の声に振り向くと、ショットガンを構えた男が立っていた。かたわらには、手を後ろ手に縛られた灯子が立っている。
ショットガンの轟音がコンクリートの壁に響きわたった。

「フィリップ、相手は銃を持っている。サイクロン、トリガーでいくぞ」

翔太郎は男と対峙したまま対ドーパント用の携帯電話のような機械、スタッグフォンで事務所にいるフィリップに連絡した。

『了解』

フィリップの返事を確認し、翔太郎は電話を切ると
「W」を象ったような形のベルト、ダブルドライバーを装置し、さらにはガイアメモリと呼ばれるUSBメモリのようなアイテムのうち一つ、青い「T」と書かれたメモリを左スロットに挿入。

「トリガー!」

電子音が響くとともに右側のスロットに緑色で「C」と書かれたメモリが転送される。

「サイクロン!」

電子音が鳴り響いた後に翔太郎はスロットレバーを引いた。

『変身!』

地下駐車場に翔太郎の声、事務所にフィリップの声が同時に響いた時に翔太郎の体は風に包まれた。

その風がメモリ起動音が鳴り響いた後には風はおさまっていた。
すると、そこには翔太郎だったものが右半身は青、左半身は緑の装甲を纏い、赤い目、額にはW型のアンテナ、そして風になびく銀のマフラー、トリガーサイドの左胸には武骨な銃、トリガーマグナムが出現する。
71 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 19:53:58.08 ID:jBxw0cDO
「左が!左が変身した!なんだあれ!チョーカッケー!」
「えっ?」
凪は陸のセンスを疑った。

「あんなの!半分こ怪人じゃない!キモイ!」

翔太郎の変身を確認した男はニヤリと唇を上げて翔太郎が持っているよりも武骨なガイアメモリを二本も取り出して刺青のようなマークが二つ、顔に浮かび上がり挿入した。

「ダンサー!」

「ヒート!」

二つの電子音が鳴り終わると男は、みるみるうちに体が倍以上に膨れあがった化け物に変化した。
銃も強化している。

「似てるけど違う!照井んちで見たバケモンとそっくりだ!」

「左さんが半分こ怪人に!」
凪はフラッシュをWに向けてたきまくる。

「半分こ怪人じゃねぇ!どいつもこいつも!俺は!」
『僕たち、だよ、翔太郎』

フィリップの声が聞こえた。
「ああ、そうだったな、俺たちはW、仮面ライダーWだ!!」
Wはダンサードーパントに向かって言い放った。

『さあ、お前の罪を数えろ!』

「あれが、鳴海さんが言っていた、仮面ライダー、ドーパント……」
泉は亜樹子の心を読んだ時のことを思い出していた。
72 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 20:01:28.72 ID:jBxw0cDO
ぎんがにとどく、はいうぇいどらいぶ、ってな感じです。
古すぎますが需要ありますか?
73 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/26(金) 21:32:51.54 ID:fblYmoA0
ヒートは翔太郎達のメモリ以外はT2ガイアメモリにしかねえよwwwwww
いや、どういう設定かは知らないけども。
74 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/26(金) 21:45:20.50 ID:jBxw0cDO
ヒートもT2ということでW。
甘い悪魔の設定自体がご都合主義なのでWもなんでもありでいいかな?と。
見ていてくれて、ありがとう。
いよいよバトルに入れました。
75 :lain. [sage]:2011/02/19(土) 00:56:55.19 ID:???
SSスレッドは、SS速報VIP【http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/】へ移転することになりました。
それに伴いこちらのスレッドをHTML化させて頂きます。
スレッドを立て直す際はSS速報VIPへお願いします。
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