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なのは「スタ(ry」 フェイト「プラズマ安価っー!!」 俺「攻略……したいんだ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 20:40:47.14 ID:ZCR36M60
ノリで立てた。
反省はしてない。後悔はしてる。公開もしてる。

兎に角だ。
「ギャルゲが作りたかった」
この一言がどれほど力強いか、と言うことをみんなには分かってもらいたい。
というかフェイトさんとアンアンしたい。ただそれだけなんだ。

そういえば、「空マリ」とか読んでる人は好きになるかもしれない。

じゃ、始めようか。





"Hello,World."

 あなたには二つの道がある。
 あなたは境界の上に止まっている。
 君は歩き出すはずだ。ようこそ、美しい世界へ。

1.光の指す方向へと進む
2.自ら闇へと歩む

>>8の選択
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秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
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【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749472989/

ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749227436/

【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
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貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
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阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748977273/

レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748866860/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 20:41:58.76 ID:jP3oQ.DO
kskst
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/01(日) 20:54:59.71 ID:yAdJ/p.o
過疎のこの場所で>>8とは…
4 :1 :2010/08/01(日) 22:43:52.04 ID:0XpuErY0

>>3
確かにそうですね

……てなわけで、安価は>>5の選択で御願いします
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 22:52:23.29 ID:3Qud6oAO
2
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 22:52:31.11 ID:uQxMjsso
7 :1 :2010/08/01(日) 23:35:03.58 ID:0XpuErY0

 闇の中に光を求める



 ……
 …………どこか。
 きっと、これは神の罰。生存の咎に違いない。全てが塗りつぶされた世界で目が覚める。
 視界に広がるのは限りない曇天。その光り輝く嘆きの音と大粒の涙をこぼす顔は醜悪の極みだ。

 鉛でも乗っているように重い身体を起こす。視界に広がっていた不愉快な空は消え、代わりにより一層酷い光景が広がった。

 見回した後、立ち上がる。
 その光景に息を呑む。

 ここは大地なんかじゃない。ただの死体だ。恵みだとか下らない物をまるごと省いて出来た生物の心理。
 そんな黒ずんだ焼死体が世界を埋め尽くして、地を腐らせる。神の呪詛に身体が自然と身震いした。

 そうだ。
 俺はきっと、コレを望んでいたはずだ。
 遠望の未来の果てに見る世界を求めていたんじゃないか。

 けど、もうそんな忌避すべき記憶は存在しない。既に俺との関係性など皆無だ。
 故に、泥流に呑み込んだ雨に語りかけてみる。
 そんな行動に意味はないと知りながら、見るだけで不愉快な空を捉える。

 さて、俺の名前は何だった?


 1.××××
2.……思い出せない
3.権兵衛

 選択は>>11
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 23:36:19.62 ID:Xopy3kgo
3
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/01(日) 23:58:54.09 ID:3Qud6oAO
1って何?
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 00:23:01.85 ID:mbfJeUgo
ksk
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 00:31:11.42 ID:gx.CLwAO
3
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 00:49:59.63 ID:6zCTwtc0
どこかの幻想入りを思い出したオレはニコ厨
13 :権兵衛 :2010/08/02(月) 10:02:55.53 ID:s8soi1c0

 ん……ダメだ。思い出せない。
 何かフッと頭に思い浮かんできたけど、横取りされたみたいに消えてしまった。

 まぁ、いいか。そのうち思い出すだろ。

 死の海の中、よく分からないコンクリの塊にもたれ掛かって座り込む。痛みはないのに全身の疲労が身体をさいなむ。
 名前……名前だ。思い出せるはずなのに…………


 腐臭に堪え忍ぶようにして蹲ってたのだが、急に灰色の曇天が僅かに光った。
 暗い世界での唯一の光。何だろう、何だか無駄に明るい色だ。


1.ピンク
2.金色


 選択は>>19



>>12
権兵衛のやつは面白いから仕方ない。
えーきっきが可愛くて罪すぎる

14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 14:43:38.51 ID:mpHDofw0
>>13
見てたのか
権兵衛さんにしかえーきっきはまかせられない

ってか、カラスさん製速きてくれないかなぁ・・・
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 21:43:47.02 ID:mbfJeUgo
とりあえずksk
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/02(月) 23:57:06.70 ID:2Vt7Wooo
せんせー  なんで安価そんなに遠いんですかー

自分の書き込みの3つ下くらいで良いと思いまーす
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 00:47:41.00 ID:8zSU6VY0
ksk
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 00:53:25.07 ID:8zSU6VY0
ごめん上げちゃった
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 01:00:09.65 ID:thopr.AO
1
20 :権兵衛 :2010/08/03(火) 12:58:40.70 ID:RFzwgC20

 光じゃない。美しい桃色の弾丸。
 遙か彼方にあるはずのそれは、優雅さに見とれていた俺を認知したらしい。凄まじいスピードで向かってきた。

 ていうかね。
 何だろう。隕石ってレベルじゃねーかこれ。衝突する?
 ……と思いきや、近づくにつれてその全貌が現れた。

 女性だ。長い髪を二つにまとめ、白いバリアジャケットに身を包んでいる。
 まだ若い。二十代前半、といったところだろうか。それにしても、足やデバイスに生える桃色の羽根と相まって、天使のようにも思える。
 だから、思わず訊いてしまった。

1.あなたは人間ですか?
2.終わってしまった世界に何のご用がお有りでしょう?

選択は>>24


>>16
先生は安価なんてしたことないからさっ!!
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 17:58:58.13 ID:1oTqwto0
ksk
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/03(火) 20:38:37.34 ID:GTEpEPQ0
かそく
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 21:38:02.98 ID:sG8OtAAo
2
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 21:42:57.01 ID:thopr.AO
25 :権兵衛 :2010/08/04(水) 00:07:27.44 ID:LYgWMXM0

女性「え……人間、ですけど」

 驚き。当たり前だね。初対面の、こんな汚れた男にそんな失礼極まりないことを言われたらショッキングだろうし。

 手前一メートルで地に降り立った彼女の顔がよく見える。世界から浮き出るその姿を視界に入れる。
 うん、それにしても綺麗な人だ。なんで人間なんだろう。不思議すぎる。ここで人間でいられるのは俺だけであるはず。
 だから、何でそんな血色まで悪くして此処に来るんですか?

俺「それなら、この場所をどう思いますか?」

女性「この場所? 今私がいる……この」

俺「破壊の末。神の呪詛。どうだって良いんですけどね。もうこの空間は世界という場所から切り離された、無限の虚無に過ぎません」

 そう。この場所に生存などという言葉はない。怨念の後に残る物など、残り滓ぐらいしか有り得ない。
 だからきっと、この人に掛ける言葉なんて俺にはないんだろうけれど、そうせずにはいられない。
 羨望か。嫉妬か。

俺「まぁ、どうでもいいや。兎に角、あなたがすべきは一つでしょう」

 名前も知らないあなたは、こんなおぞましい地獄にいてはいけない。
 桃色の輝きと天使の羽根を持つあなたは、醜悪な物に手を触れてはならない。
 沈黙が降り立つ。聞こえるのは、豪雨が腐乱した焼死体を崩壊させていく音のみ。

女性「……名前」

 えっ?

女性「名前です。私、高町なのはっていいます。管理局機動六課配属の高町なのは一等空尉です」

 名前。名前か。名前があれば良かったのかな。
 けれど、俺には名前がない。俺は俺である証拠がない。そして現に何も思い出せはしない。

 どうすればいい?
 どう答えればいい?
 どうしたらこの人に救われるんだろう?


1.『フォルス』
2.「名前は、ないです」
3.願望など既に失われ、救われることは有り得ない


>>30の選択 

26 :権兵衛 :2010/08/04(水) 00:09:14.99 ID:LYgWMXM0
何故なのはルートだしフェイトにしろよバカ

明日の午後三時から旅行。深夜バスで広島まで行ってきます。平和巡礼にGO!
何故か携帯から書き込めねーので、六日に帰ってからまた書き続けます。誰か携帯書き込み方法教えてちょ

まだまだ続きます。こんなところじゃオワレぬぜ
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 00:14:28.14 ID:EpszlMAO
>>26

>>5>>11>>19>>24は俺だが、それなら安価すんなよ
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 00:36:26.21 ID:7HltPkQo
安価が遠いです・・・ksk
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 00:42:03.26 ID:EpszlMAO
3
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 00:44:19.22 ID:dfVQQlc0
3
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 00:45:11.57 ID:8e4TIoAO
安価遠い
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 01:07:21.46 ID:f0DyUyw0
名前に権兵衛さんが・・・無い・・・だと・・・?




狼じゃないのか
33 :権兵衛 :2010/08/04(水) 10:33:15.78 ID:SU4aHlg0

 確かに願った。
 希望に縋った。
 けれど、それは正しいことなのか?

 正体不明のどす黒い感情が渦巻くのが分かる。右腕左腕右足左足完全硬直。
 なんて、笑える。
 ああ、そうか。

なのは「怖い、ですか?」

俺「はい」

 そうです。その通りです。助けを媚びずに朽ち果てる俺が恐ろしくて堪らない。
 このまま死の海に鎖で繋がれ生きるなどとは、俺が何をしたのだろう? 生きているのが罪だとか。そういうチンケな理由のせいで?
 まぁ、そんなんでも十分か。神様だって鬱憤ぐらい溜まってんだろうし

俺「俺に願望は消えました。俺はあらゆる事を思考し、感情を抱くことはない。どのような状況でも受け入れるのみ」

 だからきっと、俺がこの人に救助されるはずもなく。
 望まない世界にただあるのみ。
 彼女も笑う。俺も笑う。これが最後の会話。

なのは「それなら――――――――」

 ああ、彼女の名前。そうだ。高町なのは。
 高町。なのは。
 底なしの闇の空へと駆け上がる、桃色の羽根を持つ純白の天使。彼女の世界は此処じゃない。ただ、彼女の世界に戻るだけ。

 さようなら、なのはさん。
 君に、会えて良かった。


34 :権兵衛 :2010/08/04(水) 11:06:51.49 ID:SU4aHlg0

 ……え?

なのは「どうしたのかな。こんなに震えて」

 震える? 嘘を言わないでくれ。
 こんな環境ですら、もう何も思わない。死の世界に感情なんて入る余地もない。
 そうだよ。強いて言うならさ。

俺「拉致されたら怯えるものでしょう」

なのは「嘘言わないの。感動で打ち震えている癖に」

 バリアジャケットに汚れが付いているのが見える。
 必死に離れようと藻掻いてみるけど、何時の間にかピンクの紐(きっと拘束魔法だろう)で身体が縛られていた。
 これをカーボーイ投げされて引っ張られたんだろうか。

俺「どんだけ早業なんですか。慣れてるんですか?」

なのは「うん、結構……救助の時にパニック起こしてる人がいたらこうするようにって教えられたんだ」

 顔を見ていて分かったことがある。
 なんだ、楽しそうじゃん。こんな所で何笑ってんだ。

 なのはさんに抱えられて空を飛ぶ。どうにも情けないというか、少し悔しい。
 けれど、これでいいかな。完全な理由の後付け。それはあくまで言い訳。だけれど自信満々でこう言える。

 俺は拉致されたから仕方なかった。

 焼死体の山がもう小さく見える。おぞましい顔は見えなくなって――――――――

俺「……っ」

なのは「疲れてるみたいだから、少し休んでおくこと。いい?」

 まるで我が子を諭すような物言いに反論する気もなくて、彼女の腕の中でグッタリとするしかない。

 温かい腕の中。
 ああ、コレが人の温もりか。


1.これなら望むのも仕方ないかな
2.きっと分かっていたものだった
3.考えるのは止めよう……兎に角、眠るべきだ



 フェイトも好きだけどなのはも好きです。
 PSPだといつも使ってます。強すぎだね、うん。
35 :権兵衛 :2010/08/04(水) 11:07:54.01 ID:SU4aHlg0

 肝心な安価忘れてた
 選択は>>38
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 11:32:15.16 ID:.MyxCsQ0
ksk
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/04(水) 15:09:31.66 ID:f0DyUyw0
ksk
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 15:12:18.21 ID:EpszlMAO
3
39 :権兵衛 :2010/08/04(水) 15:42:01.25 ID:SU4aHlg0

 ……
 …………

 ああ、知ってる。

 有りとあらゆる世界の狭間。
 まるで泥沼に足を取られたような不快感に包まれる。香水の海に呑まれて沈む。

「――――――――」

 ああ、知ってる。

 この夢から外は禁忌の世界。
 本来いるべき場所から抜け出して、世界の光を浴びることは、汚れてしまった俺にとって、罪悪に等しい。

 けれど。

 そんなことは関係ない。
 俺はもう忘れている。

 沈む身体を賢明に動かして上へと昇る。泳ぎは得意じゃないけれど、必死に両腕を動かして。
 絡みつく泥をかき分け、僅かに見える光を目掛けて無我夢中で泳ぐ。

「―――だ――――じ――」
 
 安心しろよ。分かってるさ。
 俺は全てを捨てたんだ。身軽さだけは自身があんだよ。

 差し伸べられた手を掴む。香水の甘い匂いを振り切って、勢いよく夢から遠ざかっていった。

 
40 :権兵衛 :2010/08/04(水) 16:24:16.89 ID:SU4aHlg0


なのは「大丈夫?」

 一気に視界が明るくなる。あの歪な空とは打って変わった、光り輝く蛍光灯が視界のセンターに収まっていた。
 眩しい。赤ちゃんが泣く理由がよく分かる。

俺「うぅ……はい、大丈夫です」

 カラカラの喉で返事する。胸をなで下ろしているなのはさんを見る限り、どうやら眠っていたらしい。どのくらい眠っていたのか……
 外の景色を見ると、世界は暗く、室内だけがただ明るい。もう夜? 一日、ってほどには眠ってないみたいだ。

 回復していく視界でまず見えたのは、なのはさんのサファイアのような瞳。
 その次に見えたのは、自分の身体に被さっていたであろう白い毛布だ。大した医療器具はないものの、どうやらここは病院らしい。
 多分、俺を救出――――というか拉致して、直行で病院に運んだんだろう。彼女のバリアジャケットとデバイスは既に解除しているけど、その頬にはまだ黒い煤が少し付着している。

俺「すいません、ずっと付き合わせてしまって」

なのは「うぅん、別に問題ないよ。もう救助活動は終了したみたいだから」

 救助活動……やっぱり大規模だけあって、救助部隊が動いていたのか。
 気になることは、やっぱしある。

俺「俺以外の生存者は……」

 なのはさんは少し表情を曇らせて首を横に振る。やっぱしか。

なのは「だからかな。救助活動より、あなたの安否をまず最優先にって言われて」

 救助班からしてみれば一人助かっただけでも十分だったんだ。
 逆に言えば、一人も助からないはずの事故だったわけだ。[ピーーー]ばいいのに。

 話がアレな方向に進むのも嫌なので、無難に彼女の周りについて尋ねる。

 自己処理とかはどうやらご友人に任せているらしい。ただ、救助班のことが心配だそうだ。
 あの焼死体が積み重なった呪われた大地。あれを常人が見るのがどれほどの精神的苦痛かなんて、狂った俺には到底分かりそうもない。

なのは「私の大切な友達が調子を崩しちゃってて……あなたが起きたから、今からそっちのお見舞いにいこうと思ってるの」

俺「なるほど……うーん」

 どうしよう。もう動けるくらいには体力は回復してるみたいだしなぁ……


1.傷の舐めあい(をしたい)は重要です
2.お腹がすきました(キリッ
3.なのはさんに手厚くエッチく看病して貰いたい……


選択は>>45
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:15:26.99 ID:7HltPkQo
ksk
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/05(木) 00:08:19.39 ID:GGFAISw0
ksk
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 04:49:40.09 ID:2Yjs8WI0
過疎区
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 10:14:30.84 ID:Y.f2dIDO
3
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 15:33:59.77 ID:bRt9KEAO
1
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 21:31:46.59 ID:je2zMSEo
>>45
ちょ、そこは3でしょふつうううううううう
47 :権兵衛 :2010/08/07(土) 00:16:38.85 ID:Lx/HNng0

 なのに、その傷は深すぎる。

女性「なのは?」

なのは「フェイトちゃん!」

 ああ。そういりゃそうだった。やっぱし忘れてるってのもいいことばかりじゃないよなぁ。
 本当に迂闊だったよ。

フェイト「……なのは、その人って」

なのは「あ、うん……フェイトちゃんも連絡受けてたんだ。私が救出したの」

フェイト「そう、だったんだ」

 俺の部屋と変わらない個室。
 何の色もない、ただ白をベタ塗りした個室には、その中でさえ輝く黄金の髪。流れるような髪は、大きな枕の上に広がっていた。
 美しい女性。なのはさんの友人。

 フェイト.T.ハラオウン。

 俺とはまるで違う、美しい金色の閃光。

 なのにさ。
 どうしてかな。なんでこんな偶然があるのかな?
48 :権兵衛 :2010/08/07(土) 00:22:10.74 ID:Lx/HNng0

俺「コンニチハ」

 自分の顔のイメージを作り出して、それを構築していく。つり上がる頬。細める目。
 誰にも悟れぬ完璧な微笑。誰にも分かる完璧な意。
 この部屋まで歩いてきた足が鉛になったかのように重い。いや、違う。それはまるで死者の腕。俺を糸から引きずり下ろす、何本もの腕。

フェイト「えっと……管理局のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」

 うん、知ってる。名前のプレートに名前が書いてあったから。
 俺に名前はないけれど。

 不思議ですよね。だって。

俺「なのはさんと、同じですね。見れば分かります。良い、人だ」

フェイト「え……あ、はい。友達、ですから」

 少し顔を紅くしてそう答える彼女を見つめる。なんて幸せそうなのでしょう。
 なのはさんも笑ってる。彼女だって、恥ずかしそうでも心はきっと笑ってる。

 あまりにも、似すぎている。

 だから、きっと。


1.殺サナケレバナラナイ
2.殺サナケレバナラナイ
3.殺サナケレバナラナイ
4.殺サナケレバナラナイ
5.殺サナケレバナラナイ


選択は>>50
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 01:16:16.67 ID:/1xHbTQo
これホントに安価必要なのかkskst
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 01:37:55.84 ID:SLGx.JMo
6
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 04:09:56.12 ID:9q4wCxco
6 3P
52 :権兵衛 :2010/08/07(土) 13:56:48.60 ID:L2qB.L60
6はねーよ。村正でこんなのあったなーとか思ったわけですよえぇ。
にしても3Pとか素晴らしすぎる。ひゃっはー。



 ……
 …………今。あれ?

なのは「? どうしたの?」

俺「あ、いえ……何だか少し夢見気分というか。ちょっとボッとしていて」

 俺は一体何を考えていたんだ?
 少し前の記憶が削られている。けどまぁ、この状況なら大したことは考えてないか。それに、忘れることには慣れてるし。
 んー、目覚めてすぐだからかな。そんなに体調は悪くないんだけど。

フェイト「無理は良くないです。部屋に戻った方が……」

なのは「またフェイトちゃんの悪い癖が始まった。過保護はヴィヴィオだけの特権だったのにねー」

フェイト「な、なのはっ!」

 本当に仲がいいよなこの二人……嫉妬するぜ。
 印象としては、なのはさんが弄り役。何だか潜在的なサディスティックセンスがあるんだよな。

俺「すいません。まだ少し疲れてるのか……部屋に戻ります」

なのは「あ、送るよ」

 うーん。嬉しいけれど、何だか迷惑になりっぱなしで悪い気もするな。救助は終了しても、まだ仕事はあるんだろうし。
 まだ調子は良いみたいだから……

フェイト「なのは、私が送るよ」

 そんな時に現れるフェイトさんの船。どうやら同じ思考に至ったみたいだ。
 なのはさんはまだ寝ているように言っているみたいだけど、フェイトさんが難なく立ち上がるのをみると、不満そうな顔をして諦めた。

 そうだなぁ……


1.なのはさんに送ってもらおう
2.フェイトさんに送ってもらおう
3.いや、俺だけで十分か
4.黄薔薇と赤薔薇

53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 14:17:50.00 ID:bgBb72AO
>>49
確かに。
しかも、まともに反映されてねーし
54 :権兵衛 :2010/08/07(土) 14:18:52.32 ID:L2qB.L60
また選択忘れた死にたい
選択は>>56

黄薔薇と赤薔薇の意味ぐらい分かるよね
……ゼロランサーに影響されたんじゃないんだからね!
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 22:35:27.15 ID:/1xHbTQo
くそ、薔薇の意味が分からん!だがまぁストーリーは気になるのでkskst
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 22:40:01.27 ID:PCW1.lco
3
57 :権兵衛 :2010/08/08(日) 01:21:18.64 ID:JjsCQ4s0

 病院の廊下は沈黙に満たされていた。

 昼時だからだろうか。よく知らないけど、誰もいない静かな場所は嫌いじゃない。寧ろ好みだとも言える。
 どんな理由が、と問われれば言いよどみしてしまうような感性だけど、現に窓から流れる春風を身に受ければ十分だろう。

 しかし。
 しかしである。
 道を訊けない状況であることも然り。

 ――――ふむ。困った。

 そもそも、原因は俺にある。
 名前がない。つまり、プレートがない。どうやらこの病院では入居者がいない部屋もプレートがなく、かつこの病院での入院者は今かなり少ないみたいだ。
 そもそも、なのはさんの話に夢中になっていた俺が悪い。階段を上ったのだかさえ覚えてないんだから。

 何であれ、このままではマズい。
 特に、なのはさんに見つかったらタダじゃすまないかも……罵倒。嘲笑。おーこわいこわい。

 けど、よく考えれば俺の部屋って何もないよね。無人環境と同じじゃん。
 ……どうしましょ?

 焦っても何も出て来ない、という言葉もある。
 しかし、落ち着いた所で何が出来るわけでもない。取り敢えず、人を探さなくちゃならない。
 でも、ここまで歩いてきて人っ子一人見かけなかったんだよな。ここって看護婦一人もいないのか?

?「……そう…………それでな……」

 愛しのマイイヤーが電波をサッチしました!! 何ですとぉう!!

 少し走った先。
 その曲がり角の先にその人はいた。遠いからよく顔は見えないけど、どうやら女性のようだ。それになのはさんと同じ管理局の制服を着ている。
 もしかしたらなのはさんとフェイトさんに会いに来たのかも知れないな。


1.案内してもらうしか道はない
2.もっと観察してみようか
3.ご友人じゃなかったらどうすんだ

選択は>>60


>>55
黄薔薇がフェイト、赤薔薇がなのは。両手に花でエスコートしてもらうなんて素晴らしい。
センスの欠片もないけどね。語彙力なんてありませぬ。

58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 01:58:56.01 ID:ShU8pl6o
ksk
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 03:06:05.50 ID:Xm8Ydtko
なるほどそういうことか。そういやゲイジャルグとゲイボウなんてのもあったなkskst
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 03:14:27.59 ID:CgRTNOw0
2
61 :権兵衛 :2010/08/08(日) 19:05:26.81 ID:DxB2KAI0

 いや待て落ち着け。突進すること万策尽きた牛のせむことなり。
 もしかしたら大口を持つ蟷螂の類かも知れぬ……魑魅魍魎に捕まってバッドエンドなどするほど愚かではない。

 彼女が窓の外に目を向けて通信しているのを良いことにすぐさま移動。近くの病室へと素早く移動する。
 よし、ここならよく見えるぞ!!

女性「うん、シグナムにしか頼めないことや。お願いできるか?」

通信先の声「はい、それは勿論ですが……我が主、あなたの身より大切なものはありません。無理はなさらずに」

女性「分かってる。シャマルにも伝えといてなぁ」

 シグナム、シャマルってのは人の名前か。我が主って事は、どうやら自らの僕のようだ。
 人間同士で僕を作るような人間には見えない。何かと契約しているみたいだ……悪魔か天使か魔獣か。はたまた使い魔かもしれない。
 兎に角、管理局の魔導師であることには違いない。

 なのはさん、フェイトさんもそうだが、この人もまた若い。二十歳前半といったところか。同年齢なのかもしれない。
 綺麗な人だ。ショートの髪に、蝙蝠の髪飾り。変な言葉は気になるが、それで違和感ないような声色だ。

 ……っていけないいけない。何悦に浸ってんだ俺。

女性「あ、なのはちゃん」

なのは「はやてちゃん!? どうして此処にいるの?」

 え。
 どうして女性って歩いて世間話するの? あーれー。


1.見失うっ!!
2.ス○ークとは監視することに至り(意味不明)


選択は>>64
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 19:26:00.05 ID:ShU8pl6o
ksk
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 19:49:02.91 ID:0oHtWhYo
ksk
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 20:46:31.00 ID:X/CCLQc0
2
65 :権兵衛 :2010/08/08(日) 21:30:28.26 ID:DxB2KAI0

 というわけで綺麗に見失った。
 アホス俺。ていうかね、そんなス○ークみたいにうまくはいかないわけよ。ス○ークって誰だか知らんけど。

 どうしようもなくなったので、一階にあるらしい広場に向かうことにする。あそこなら鉢合わせする確率も高いはずだ……

俺・フェイト「「あ」」

 そんな一階に下りる階段途中。
 偶然にも青い入院者用の服を着ているフェイトさんと再開。既に足取りもしっかりしている所をみると、ベッドにいるのが飽きたようだ。
 その証拠に手にはコーヒーの入った紙コップが握られている。

俺「寝られなくなりますよ?」

 茶化すとフェイトさんはクスリと笑った。
 何て××××な表情だ。

フェイト「退屈は人を呑み込むんです」

俺「ほぅ。暇に呑まれ、そうして?」

フェイト「ふふ……私には分かりません。退屈である日々なんてありませんでしたから」

 立ち話も何なので、ロビーにある広場のソファに二人で向かい合って座る。
 ついでに自分はコーヒーじゃなくて紅茶を貰った。砂糖にミルクも完備。フェイトさんは何とブラックだという。

フェイト「記憶喪失ですか。厄介ですね」

 どうせ話せるネタなんてのはないので、身の上話を聞かせることにする。記憶喪失。なのはさんとの出会い。拉致。
 迷子? 知らんなぁ。

俺「まぁ、忘れたなら忘れたで何の感慨もないから別に良いんですけど。ただ、名前がないってのは不便で」

フェイト「そう、ですね。確かに。特に呼ばれるような時には誤解を招く可能性もありますし」

 うーん。名前か。一応、仮にも作っておいた方が良いな……


1.ケツアナード・レイ
2.近くの本の名前をパクる……!!
3.ジッパー

選択は>>70

66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 21:44:28.67 ID:eBI1UC60
2
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 22:15:30.09 ID:ShU8pl6o
ksk
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 22:21:51.40 ID:0oHtWhYo
ksk
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 23:52:54.50 ID:0HoI9Cso
ksk2
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 00:27:56.52 ID:581v9cAO
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 13:33:55.25 ID:Uiuql1Mo
これは間違いなく某名探偵フラグ・・・!!
72 :権兵衛 :2010/08/09(月) 18:10:02.96 ID:WCCms2k0

 く、思いつかない!
 こうなったら名前を盗ませて貰うしかないっ。

 受付のカウンターの側には待ち時間用にある沢山の本が積まれてある……


1.医学の本の作者を見る
2.聖書の本の作者を見る
3.数学の本の作者を見る

選択は>>74
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/09(月) 19:51:50.22 ID:Uiuql1Mo
聖書だろー 厨2ネーム希望 ksk
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 20:00:31.82 ID:RTsWVaU0
2
75 :権兵衛 :2010/08/09(月) 21:00:23.08 ID:WCCms2k0

フェイト「……それがあなたの名前ですか?」

 そう。それが俺の名前。今つけた、ボロボロの仮の名。
 本棚を目にした瞬間にすぐに目に入った、そのボロボロの本。何故ここにあるのかさえ理解できない。
 まるで俺のためにあるかのような。そんな古ぼけた物。

 不思議と知識はあった。

 グーテンベルク聖書。何百年も前に作られた、ラテン語聖書"ヴルカータ"の印刷聖書の名前だ。
 その初の印刷社の名前こそヨハネス・グーテンベルク。彼はその功績を認められ、何時しかその聖書は作者の名が取られることになった。
 未だ世界各地に散らばっているというそれは、こんな異様な場所に潜んでいた。

俺「はい。そのままだと何らかの支障が出るので、ヨハネスの代わりに、ヴルカータを付けました」

 それはまるで、神になったかのような大迎な名前。
 なのに、何となく思ってしまうのだ。これで、良い。ヴルカータという名前こそ、俺の呼称に相応しい。
 そんな作られた形がいつ恋しくなった? 思い出せない。

フェイト「それじゃあ……ヴルカータさん」

 彼女が俺と向き合う。
 紅の瞳に、燃える炎に射られて、それなのに美しい豪炎から目が離せない。
 ああ、なんて――――――――

フェイト「初めまして、ヴルカータ・グーテンブルク」

俺「こちらこそ。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンさん」

 あなたも。私も。
 その名を持つ私達は


 ――――――――――――――――――――ただ偽物に、違いない――――――――――――


 太陽の光で目が眩む。その先に見えた世界は、かつて見たのであろう美しい大地。

 俺、ヴルカータは今、美しい世界で生きている。



第一部終了のお知らせ。

セーブをしますか?

1.する
2.断れない

選択は>>俺
76 :権兵衛 :2010/08/09(月) 21:06:18.93 ID:WCCms2k0

第一部終了しました。今まで安価してくださった皆様に感謝。
明日からまた書き続けます。

今のところ、なのは:フェイトで1:1という好感度比です。
あくまでギャルゲー。村正みたいに好感度最高でバッサリなんていきませんから安心を。

はやてって攻略対象なの? って感じで進行します。もし進行したならなのフェイだっ!!


>>73
これで満足か恥ずかしい
中二病全力全開だろjk
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/09(月) 21:56:06.22 ID:lX6fZ2Qo
3pはありますか?
78 :権兵衛 :2010/08/10(火) 17:01:21.73 ID:Oa8BRcU0
>>77 ねぇですな。ていうか俺にエロ書ける才能があればの話。




 あなたは光を見つけた。
 あなたは今光の中で温もりを感じている。ヴルカータという名に守られて。
 これはあなたの選択で。
 誤っているわけではなく。
 だから、きっとこの選択は正しい。

 さぁ、あなたは何をするべき?


1.何もせず、再び手に入れる
2.自らを探し、再び捨てる
3.ヴルカータ・グーテンブルクを理解する

選択は>>81
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 01:21:30.48 ID:MCkQbNAo
なんだろう・・・何を言ってるかよくわかんないのに背筋がゾクゾクするこの感じ・・・

もはや期待するしかない支援ksk
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 09:18:27.40 ID:u3zg1gEo
ksk
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 12:21:05.06 ID:v7Z7Mmko
3
82 :権兵衛 :2010/08/11(水) 15:20:41.75 ID:qEe2A0Y0

 ああ、そうだ。それが俺の選択だった。名前を手に入れたんだっけ。
 何があろうとも、『俺』は此処にいる。虚言と呪いの果てにある戯れ言のような名前が存在証明となり、それに依存するのだと決めた。

 だから、きっと全てを取り戻すこともなく、手に入れることもない。

 美しい世界で生きていくことに決めたんだ。
 その邪魔は誰にもさせない。



 あなたは決断して、動き出す。光の方へと。
 望みは彼方へ。全ては此処に。あなたはあなたを捨てて今、ヴルカータとして歩み始める。
 それには理解が必要。

 あなたには呪いの地が相応しく、光で生きるなど決して出来るはずもない。


俺「出来るさ」


 それなら早い話だ。闇に引きずり込むならば、抗ってみせよう。
 深淵の闇から逃れてみせよう。



?「ふふ……」


 そう。じゃあ。
 ガンバってね。応援なんかしてあげない。

 呼ばれてるんだ。じゃーね。



 光に引っ張られる。夢から覚める。
 もうこんな場所には、用はない。こんな汚れた世界は忘れたのだから。
83 :権兵衛 :2010/08/11(水) 18:34:09.08 ID:qqbQdn60
 入院してから二日後。

 "ヴルカータ・グーテンブルク"と丁寧に書かれたプレートともおさらばして、僅かながらの入院ライフに別れを告げる。
 お世話になった看護婦(いないとか疑って申し訳ない限りだ)にも感謝の意を述べると、

看護婦「あなたの世話ほど楽なものはなかったわ〜」

俺「……はぁ」

 とか言っていた。どういう意味何だかサッパリなんだけど。

 春風と共に流れてくる桜の花びらを除けつつ、病院の自動ドアを潜り、ようやく蒼天の大地に立つことが叶った。
 快晴。太陽が差しているだけでも有り難い。自然の恵みを直に感じ取れるような天気で、思わず歌い出したくなるような。歌なんて全く知らないけど。

 さて。どうしよう。
 よくよく考えれば、今の俺ってただのホームレスに違いないんじゃないか?
 行く当てなし。身寄り無し。人間ってここまで孤独になれるんですね!!


1.素直に病院に戻ろう……
2.ガイアが俺にもっと輝けと囁いている!! 突撃ッ!!
3.四輪車みっけたーッ


選択は>>85
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 18:34:41.15 ID:u3zg1gEo
ksk
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 18:52:31.14 ID:Hv/lqNso
2
86 :権兵衛 :2010/08/11(水) 20:51:49.37 ID:qqbQdn60

俺「突撃の結果がコレだよ……」

なのは「え? 何か言った? 喋ると舌噛んじゃうよ」

 何も言ってねーですよ、と小さくぼやいて黙る。
 フェイトさんから聞いたのだが、なのはさんのバインドは管理局の中でもダントツらしく、その拘束力はかの聖王を二分ほどには押さえ込むほどらしい。なるほど、俺がこうやって捕獲されるのも当たり前というわけだ。はっはっは。
 俺は猪か何かですか? せめて小脇に抱えるのは止めてください。

俺「というか、釣りじゃないんですから説明も無しにいきなり拉致しないでください。俺は動物ですか」

なのは「うーん。何だかね、あの時から癖になっちゃって。大丈夫、君……いや、カータ君にしかやってないから」

俺「遠回しに動物だと言いたいんですね、まお……イタタタタ!!」

 脇を締められる。ていうか、なんで華奢な体格なのにこんな力強いんですか?
 なのはさんは既に名前のことを知っていたようなのだけど、俺のことをヴルカータではなくカータ君と呼んでいる。この方が呼びやすいとか何とか。
 別に俺はどっちでもいいんだけどさ。

 門を飛び出した瞬間にバインドを身体に巻き付けられ、釣り上げるようにして抱えられたのだけど。
 出迎えってことはつまり。

俺「これから、管理局の方に?」

なのは「うん、賢いね。カータ君は唯一の生存者だから、仕方ないと言えば仕方ないことなんだ」

 きっと。面倒なことが起きる。


1.協力したくない……
2.相手次第だな
3.なのはさんはどう思っているんだ?

選択は>>90
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 21:52:51.21 ID:WPKGO9Qo
ksk
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 22:13:49.93 ID:u3zg1gEo
ksk
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 22:26:42.24 ID:MmCcfmMo
ksk
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 22:29:21.25 ID:wSG6xTMo
1
91 :権兵衛 :2010/08/12(木) 00:32:56.77 ID:4cLiE9I0

 ぶっちゃけ言って面倒くさい。尋問とか流石にないよね?

なのは「そんな嫌そうな顔しないっ。どうせ嫌がっても無駄なんだから、覚悟決めなきゃ」

俺「心の中まで愚痴禁止とかどんだけ禁止なんですかこの鬼」

なのは「鬼じゃなくて悪魔だから」

 この人開き直りやがりましたッ! 俺が言おうとしたらあんなことしたくせに!
 ていうか、勝手に人の心を覗かないでください。

なのは「はは、でもそんな想像してるようなものじゃないから、安心して良いよ。みんないい人だもん。それに、はやてちゃん――――――あ、私の友達で、管理局の機動六課部隊長なんだけど。その人が直に話を聞きたい、っていうから連れて行くんだ」

 友達……もしかして、あの時の変な言葉喋ってた人か?
 まぁ、どっちにしろなのはさんのご友人なら優しくないわけもないだろう……フェイトさんを見れば分かる。

俺「でも、俺の持つ情報量なんて雀の涙ほどですよ?」

なのは「絞ったり叩いたりで出るかも、だね!」

俺「悪魔ッ!」




 なのはさんのキャラがドSなので、原作とは少し違う風味。叩かれたり絞られたいお……興奮してきた。
92 :権兵衛 :2010/08/12(木) 00:57:09.34 ID:4cLiE9I0

 管理局機動六課。
 危険遺失物捜索班という名義で活動してきたその部署の名を知らぬ者は、このミッドチルダにほとんどいないだろう。

 ロストロギアと呼ばれる危険物。
 かつて、その中でもA級という最上位ランクのロストロギアに指定されていた『エリック』。
 それを巡っての事件が世にも有名な『IS事件』…………

俺「そこで活躍したのが、高町なのは一等空尉、フェイト・T・ハラオウン執務官、八神はやて部隊長の三人、とか。色々有名ですね」

なのは「うぅん、それだけじゃない。六課だけじゃなくて、管理局の部隊みんなが活躍してくれたからこその解決だと思う」

 配られたパンフをゴミ箱に捨てる。本人がいるのだから必要ないか。
 にしても、これはすごいな……管理局ってこんなに大きいのか。規模の大きさは重々承知だけど、こりゃ政府機関も真っ青だ。
 ようやくバインドから解放されて身体が痛いし、長時間飛行で足はフラフラするしで、なのはさんの歩みに揃えるのがやっとだ。

俺「殊勝ですね、とか言えば満足でしょうか」

なのは「皮肉分からないなぁ……」

 そう言いながら頭に拳骨を繰り出すのは止めて欲しい。すごい痛いし。
 俺がこんな目に会うのは何故なのでせうか神様……

俺「……うん?」

 管理局の行き来が少し激しい渡り廊下。
 そんな中で、少しだけ浮いている存在を見つける。というか、マジで浮いてる。

 水色の髪。
 妖精のような振る舞い。
 で、本当に妖精なんだろってレベルのミニマムサイズ……


1.UMAなら捕まえざる負えないな
2.怪しい妖精さんは身体検査だっ!
3.なのはさんに頼んで虫網バインドを作ってもらおう

選択は>>96
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 01:22:49.13 ID:Got9SdU0
1
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 10:44:20.62 ID:Ze0f9Yoo
エリック?レリックじゃなかったっけ?kskst
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 11:52:29.01 ID:C0Pf1Qoo
2
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 18:09:17.08 ID:4qhpMhgo
2
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 19:27:18.29 ID:VyzsYgMo
98 :権兵衛 :2010/08/12(木) 20:23:09.34 ID:HiX5KnU0
>>94 マジごめんと平謝りしてみたり。記憶に頼るのはいけないよねー



俺「S○T突撃ぃぃぃぃぃ!」

 距離十メートル。目の前に障害物は無し、かつ妨害をされないほどの距離はある。
 目標に向かって猛ダッシュ。なのはさんが止まるよう叫んだのは分かったけど、一瞬の風に追いつく音などないっ……!
 自分でもビックリのスピードだ。腕を上げる瞬間には妖精の目の前へと出ていた。

俺「遺失物隠蔽容疑(今作成)で身体検査を行うっ!」

妖精?「う、嘘言わないでください! そもそもあな……キャーッ!!」

 捜査とは非情である。仕方ない。こんな小さい中に色んなものがあるなんて……危なすぎるじゃないか!(色んな意味で)
 今なら縫い物で世界チャンピオンをも倒せる早さだろうな。Yシャツのボタンを二秒で全て解く。
 抵抗されつつ、こんな小さいボタンを外すとか褒めて欲しいスキルだ。

俺「上半身を確認いたしマース」

怪しい妖精「やーめーなーさーいー!」

 開かれたYシャツの中を手で念入りに、本当に念入れに探ってみる。
 なるほど、これは小さい。絶壁。絶壁である。しかしその絶壁にしがみついている二つの何か……触れば触るほど自己主張の激しい……

エロ妖精「ひっ………あ……はぁ」

 艶やかな喘ぎ声。摘んでみる。

エロエロ妖精「やぁん!」

 嬌声。嬌声である。こいつ……感じてるっ!
 周囲の行き交う人達が、その言葉で異変に気付いたようだ。我に返ったような、なのはさんの声が再び聞こえる。
 流石に時間がないか?


1.未開の下半身へ……
2.なのはさんよろしく拉致ってみる
3.必殺技だっ!!

選択は>>102



必殺、ジャンピング……
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 20:24:49.01 ID:4qhpMhgo
ksk
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:22:21.51 ID:C0Pf1Qoo
2
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 23:47:03.96 ID:jxsB0po0
ksk
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 00:03:10.10 ID:FX7ohBM0
3
103 :権兵衛 :2010/08/13(金) 01:31:04.63 ID:k2fzr2g0

フェイト「ヴルカータさん! どうしたんですか、その怪我……だけじゃなく色々」

俺「魔王と戦った勇者の行く末ウグッ」

 拳骨制裁。なのはさんのグーパンの痛さは半端じゃない。
 いやね、確かに俺が悪かったよ。やったら普通にリアル警察沙汰のこと堂々と(しかも警察みたいな機関の中で)やりましたよ。
 けどさ、こうして公然と暴力を正当化させるのもいけないと思うわけですよ?

 身体の痛み+今までで一番強烈な縛り具合のバインドをさせられて、半強制的に連れて行かれたその部屋。最初に出迎えたのはフェイトさんの驚きの声。そして続いたのは、俺の知らない陽気な笑い声だった。なのはさんのことだ、十二発の石みたいな重さのアクセルシューターと内臓飛び出ちゃうってぐらいのバインドで飽きたらず、このまま拷問部屋かな、なんて思ってたんだけど。
 もしや、羞恥プレイ……いや、集団リンチかも知れない。怖いぞおい。

リイン「何が操られたですか! あんな嬉しそうな顔をしていながらッ」

 再びエロエロ妖精もとい、リインフォース軍曹の拳は痛くないから嬉しい。魔法は凄く痛かったけど。
 顔真っ赤にしてる。そう照れんなよ、とか言ったら今度こそ殺されるので止めておこう。

女性「ははは、一部始終見とったから知ってるんやけど、普段の私みたいだから思わず見物しとった。特に、最後のジャンピング土下座にはもう感動してなー」

なのは「はやてちゃん、そんなことやってると、セクハラ部隊長なんてあだ名付けられちゃうよ?」

 はやて……八神はやて部隊長。このセクハラ部隊長が、三人のうちの一人に数えられている英雄か。
 ってことは、ここに英雄三人勢揃いというわけだ。英雄にリンチされるのも悪くない。悪いと死んじゃうけど。

リイン「はやてちゃんなら許せるけど、お、男の人にあんなことされて黙ってるわけにはいきません! ユニゾンです! 処刑です!」

俺「黙ってるどころかボコボコなんだけどな……」

 ぷい。当然のように無視られた。

 心配しないで、フェイトさんの心配そうな視線だけで俺はもう元気百倍ですから!
 その代わり、リインとなのはさんの視線に相殺されてるけど。はやてさんの笑い声で挫けそうにもなってるけど。

104 :権兵衛 :2010/08/13(金) 01:33:37.80 ID:k2fzr2g0
今気付いたら、↑の文、語尾が『けど』ばっかりだった。調整し忘れ。




フェイト「ヴルカータさん! どうしたんですか、その怪我……だけじゃなく色々」

俺「魔王と戦った勇者の行く末ウグッ」

 拳骨制裁。なのはさんのグーパンの痛さは半端じゃない。
 いやね、確かに俺が悪かったよ。やったら普通にリアル警察沙汰のこと堂々と(しかも警察みたいな機関の中で)やりましたよ。
 けどさ、こうして公然と暴力を正当化させるのもいけないと思うわけですよ?

 身体の痛み+今までで一番強烈な縛り具合のバインドをさせられて、半強制的に連れて行かれたその部屋。最初に出迎えたのはフェイトさんの驚きの声。そして続いたのは、俺の知らない陽気な笑い声だった。なのはさんのことだ、十二発の石みたいな重さのアクセルシューターと内臓飛び出ちゃうってぐらいのバインドで飽きたらず、このまま拷問部屋かな、なんて思ってたら拍子抜けだ。
 もしや、羞恥プレイ……いや、集団リンチかも知れない。怖いぞおい。

リイン「何が操られたですか! あんな嬉しそうな顔をしていながらッ」

 再びエロエロ妖精もとい、リインフォース軍曹の拳は痛くないから嬉しい。魔法は凄く痛かった。
 顔真っ赤にしてる。そう照れんなよ、とか言ったら今度こそ殺されるので止めておこう。

女性「ははは、一部始終見とったから知ってるんやけど、普段の私みたいだから思わず見物しとった。特に、最後のジャンピング土下座にはもう感動してなー」

なのは「はやてちゃん、そんなことやってると、セクハラ部隊長なんてあだ名付けられちゃうよ?」

 はやて……八神はやて部隊長。このセクハラ部隊長が、三人のうちの一人に数えられている英雄か。
 ってことは、ここに英雄三人勢揃いというわけだ。英雄にリンチされるのも悪くない。悪いと死んじゃうかあははは。

リイン「はやてちゃんなら許せるけど、お、男の人にあんなことされて黙ってるわけにはいきません! ユニゾンです! 処刑です!」

俺「黙ってるどころかボコボコなんだけどな……」

 ぷい。当然のように無視られた。

 心配しないで、フェイトさんの心配そうな視線だけで俺はもう元気百倍ですから!
 その代わり、リインとなのはさんの視線に相殺されてるけど。はやてさんの笑い声で挫けそうにもなってるけど。
105 :権兵衛 :2010/08/13(金) 02:02:17.73 ID:k2fzr2g0

 取り敢えずセクハラ事件は後回しとなり、本題にはいることになった。
 なのはさんのバインドは未だ続いており、全身の痛み、蔑むような視線のおかげでもう拷問みたいな構図だ。泣きたい。

はやて「ヴルカータ・グーテンブルク。本名不明。年齢不明。情報は性別のみ。記憶喪失、か。まるで謎に手足が生えてきたような人やな」

俺「それはまた子供に人気が出そうな人間ですね」

 冗談を無視されるのは精神的にキツいから止めてください。
 はやてさんのデスクには書類の一枚も乗っておらず、代わりに色んな画面が180°全てに展開されている。何と忙しいそうな。

はやて「で? 分かっているのは事件後なんやな?」

 はい、と短く答えるだけじゃ流石に悪いだろう。
 今、相手が求めているのは情報だ。今回の事件。海に漂う魚のような焼死体を思い出す。吐き気がして、そこで回想は止めた。
 兎に角、知っていることを全て話す。起きてみたら、自分しかいなかったこと。なのはさんに救出してもらったこと。入院、退院して、ここまで連れてこられたこと。そして、自分の名前のこと。

 経歴を話し終えるのには五分もかからなかった。

はやて「ふむ。分かってたけど、ビックリするぐらいに役に立たないなぁ……」

俺「なら訊くなよ!」

 はやてさんはケラケラと笑いながらこっちを見る。
 その眼に宿る光を見て、その射抜くような眼孔に思わずたじろぎそうになる。けど、たじろぐ足は拘束されてた。論外すぎる。
 はやての側にいるリインは既にさっきの威勢は何処に消えたのやら、この尋問? の内容をただ傍聴しているのみ。

はやて「ヴルカータ・グーテンブルク。あなたは今回の事件の当事者であり、唯一の生存者。あなたには、この事件の内容を知る権利がある」

 部屋に沈黙が訪れる。
 知る権利。それは、義務でも何でもなく。俺が選択するべき分かれ道。

 さぁ、どうしよう?


1.何があったのか訊く
2.尋ねられない……

選択は>>109
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/13(金) 02:06:36.20 ID:PS4OalAo
ksk
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 21:59:58.24 ID:T61oMk.o
ksk
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 23:53:31.99 ID:FX7ohBM0
ksk
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 23:54:13.51 ID:T61oMk.o
1
110 :権兵衛 :2010/08/14(土) 20:07:36.53 ID:442r5nQ0

 過去を振り返ること。呪いに再び向き合うこと。それはヴルカータという存在とは矛盾した行動だ。
 きっと、この行為は正義でも悪でもない、あまりにも無為な行動。そうだとしても、直感的に願った。真相が知りたいと。

 無限に続く焼死体の大地。
 全てが容赦なく破壊された世界。
 その真実を握って生きている俺は、その映像を頭の中に閉じこめて鎖で縛っている。きっと、鍵はあの呪われた地に眠っているはずだ。

 理由は十分だ。
 ヴルカータ・グーテンブルクのエゴとして、俺はあの場所で起きた現実を再び呑み込まなければならない。
 紅と黒に染められた過去を取り戻し、その重さを背負う。まるで英雄のようなその行動。
 だから、きっと。俺はただ、善と正義を持つ英雄になりたいのかもしれない。汚い俺が憧れる存在に。


 何となく

 笑い声が聞こえた気がした。



俺「教えて、ください」

 はやてさんの堅い顔が崩れる。破顔の笑み。
 隣に座っているリインにデ、スクの側に立つフェイトさん。振り返れば、なのはさんも。振り切ったような、微笑。
 その笑みに何の思いがあるか分からないけれどさ。

はやて「腹を括ったような顔やな」

俺「まさか。何時でも逃げ出しますよ」

なのは・フェイト「逃がさないよ」

 勿論。逃げないですよ。背を向けるなんて、英雄には似合わないから。
111 :権兵衛 :2010/08/14(土) 20:37:57.78 ID:442r5nQ0

俺「魔術攻撃、ですか?」

はやて「町一つ分の面積に渡る超広範囲攻撃魔法。これが原因や」

 ミッドチルダの隣町……とはいうものの、その規模はミッドチルダにも劣らない巨大都市イルフィア。特に魔術の研究が盛んだったらしい。
 ミッドチルダに管理局あり、というならイルフィアに研究所あり、というほどの巨大な研究所が建設されていたそうだ。
 ミッドチルダの技術はほぼイルフィアから伝えられていたらしい。

 しかし、事件当日の午後一時に送られた研究の報告レポートを皮切りに連絡が途絶えたらしい。
 映像を確認しようとしても、結界で防がれたそうだ。しかも、その最中に絶えず地震が起きていたのだという。

フェイト「この機動六課や陸上部隊が救助に着いたのは地震から二十分後。でも、その時にはもう遅かった……」

なのは「二十分で巨大都市が壊滅する。現時点で一番強力な兵器って言われてるアルカンシェルを防ぐ防御結界を備えてる都市のはずなのにね。まともに正面から向かったら、ミッドチルダの全部隊でも制圧できるか怪しいのに」

俺「つまり、それほどの要塞を二十分で壊滅させた魔術師がいる。そういうことですか?」

はやて「そうや。大規模な事故としてはここまで露骨な破壊は行われんし、魔翌力の残滓が救助に来た時はかなり濃厚な状態になっとった。内部からの攻撃としても、二十分という時間は異常な時間に違いない」

リイン「集団で行われた可能性もありますけど、それでもここまで巨大な魔術の行使を行えば嫌でも次元の歪みが出来るんですけどねぇ」

俺「なるほど……それはまた」

 考えられる可能性は多いけど……


1.そんな化け物レベルの魔術師なんているか普通?
2.三人の全力全開なら余裕でしょう
3.犯人は貴様だなリイン! 危険物捜索でひんむいてやる!

選択は>>115
112 :権兵衛 :2010/08/14(土) 20:48:26.38 ID:442r5nQ0
誤字修正

魔翌翌翌力の残滓が救助に来た時は

救助に来た時、魔翌力の残滓が
113 :権兵衛 [sage]:2010/08/14(土) 20:49:50.56 ID:442r5nQ0
すいません。タイピングがおかしい。

魔翌力の残滓が救助に来た時は

救助に来た時、魔翌力の残滓が

安価は>>117で御願いします

マジすいません。ジャンピング土下座
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 22:40:00.34 ID:Z7xAmQQo
ksk
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 23:45:34.41 ID:/.vrVAAO
Ksk
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 23:57:04.84 ID:0hLVEH.0
2
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 00:01:10.28 ID:ZwhIB720
2
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 00:06:33.63 ID:Qc5eqWMo
なぜ地雷を踏み抜きにいくww
119 :権兵衛 :2010/08/15(日) 00:43:58.07 ID:EPwfACo0

俺「あびゃびゃびゃ!」

鬼教官「お話、続けようか?」

 きっとなのはさんにとって会話とは一方的な暴力のことを指すに違いない。でなきゃアクセルシューターなんか飛んでこないと思います。
 はやてさんは兎も角、フェイトさんの無情な眼が痛い。なのはさんの温かい眼差しは行動に伴っていないんだけど止めてください。
 なのはさんしか会話(暴力)していない。強いて言うなら、リインの爆笑と俺が壁にぶつかったり床に叩き付けられたりする時の悲鳴とか。

俺「冗談でしたごめんなさい申し訳ありませんでしたッ!」

鬼教官「へー、カータ君の冗談っておもしろーい」

俺「ぎゃびゃびゃびゃ!! 天井に着いたぞぉあびゃびゃびゃ」

 俺、そろそろ死ぬんじゃないでしょうか?
 誰かお助けのすけッ!



1.なのはさんに必殺技だ! 両手両足縛られてるけど
2.フェイトさん、お助け!
3.はやてさん、部隊長権限の出番ですッ!
4.リイン、てーせんきょーていだっ!
5.煮るなり焼くなり好きにするがいい!

選択は>>122


何か文字入力に異常発生中。おかしいな……
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 02:39:57.16 ID:ZwhIB720
ksk
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 06:16:10.17 ID:E55nOYAO
Ksk
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 09:44:07.86 ID:Ckp3a/so
4
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 10:43:06.27 ID:JCgQ.Ako
>>119
メル欄にsagaと入れるんだ
124 :権兵衛 [saga]:2010/08/15(日) 20:07:00.81 ID:K.31QWw0
>>123  sagaワロタ 入れてやったぜsaga


リイン「やです。はやてちゃん達を犯人扱いすることが許せませんですよ。それ抜きでも、こんな事件で犯人扱いとか冗談になりません!」

俺「それでも俺の謝罪に冗談はないんだ、人の想いを無碍にするなッー!!」

リイン「それなら条件提示です。リインに今後一切、襲いかからないと誓いますか?」

俺「え、なんでそんなことを。感じていた癖にそんなことを言うなアギャギャギャ!」

 ヤバい、アクセルシューターがそろそろディバインバスターに進化しそうだ……
 でも、裸に触れないのはなー。


1.誓ってやる
2.裸に触れないとか論外だし
3.お前が俺を襲えば良いじゃないか

選択は>>127
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 20:27:20.61 ID:E55nOYAO
Ksk
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 22:24:18.71 ID:qULxs1g0
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 23:42:04.61 ID:zOr6y26o
2
128 :権兵衛 [saga]:2010/08/16(月) 19:26:43.91 ID:VAD4rLo0

 ふざ、けるな。
 そんなことが有り得てたまるか!

俺「リインッ!!」

 リインが驚いた表情に必死に問う。

俺「どんなに傷つこうと、いかに絶望的な状況だろうと、俺には捨てられないプライドがあるってこ」

 ピチューン




BAD END1
「ディバインバスター」

説教は上条さんだけにした方が良いかもなのですよ!



1.誓ってやる
2.リインは役に立たない……他の誰かに(なのは、フェイト、はやてを選択)
3.お前が俺を襲えば良いじゃないか

選択は>>131
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 20:00:58.26 ID:EwLFi0Qo
不思議だ・・・俺は比較的シリアスなSSを読んでいたはずなのに気付けば変態が主役のギャグになっているではないかkskst
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 21:33:39.66 ID:iwxDGfg0
ksk
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 21:39:41.18 ID:WXcIUv6o
3
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/16(月) 21:39:42.08 ID:U2mvmRU0
133 :権兵衛 [saga]:2010/08/16(月) 23:31:11.46 ID:qzUztUc0

 待て、はやまるな俺。よく考えるんだ。俺は襲いたい訳じゃない。ただリインの裸に触りたいという性的欲求を満たしたいだけだ。
 つまり、リインから肌を晒せば何も問題ないじゃないか! なんだなんだ、万事解決じゃん!

俺「ってなわけでリイン、誓ってやるから取り敢えず裸になるんだ」

リイン「やです! 何が『ってなわけで』ですか、何もリインの言いたいことを分かってないです!」

俺「そうだな。だが誓う。これで契約通りだ、その魔法陣を消してもらおうか。」

 ちっ、とかいう舌打ちが聞こえたのは気のせいだと願いたい。
 因みに、フリジットダガーとかいう魔法の陣らしい。魔法陣を消すリインの顔は少し紅潮していた。セクハラがそんな嫌いか畜生。

 アクセルシューターの大嵐もようやくストップする。やばかった。あのまま続けてたら間違いなく死んでたに違いない。
 天井と床と壁に開いている相撲取りの四股踏みの後みたいな大穴は、綺麗に俺がすっぽり入りそうなサイズである。既に型と化してた。
 なのはさんを見ると、すごい清々しい笑顔だった。悪魔め今に見てろ。

はやて「……それで。話続けていい?」

俺「うん、ごめんなさいでしたなのです」

 うぅむ。はやてさんとフェイトさんには悪印象だったか。ジト目で見ないで欲しい。
 なのはさんは恐ろしく理不尽ながら満足したようだった。リインはよく分からないけど、じっと俺の顔を見てた。何か付いてる?

リイン「顔に性欲って書かれてます……」

 どんだけ副笑いなんだ俺はっ!!

134 :権兵衛 [saga]:2010/08/17(火) 00:09:54.77 ID:MyOXvbc0

 話は再び戻る。例の巨大魔術行使の件だ。

 一人の魔術師が行ったにしてはその威力はあまりにも強大。嗅ぎつけたマスゴミなども大騒ぎで、パニック寸前の状況にまで陥っているらしい。
 特に俺の存在はかなり面倒だそうだ。病院に看護婦以外に人がいなかったのは、俺のための特別措置だとか何とか。顔は公表されてないのがせめてもの救いだな。神に感謝。

俺「六課が動くのはその魔術師の所持しているデバイスですか?」

はやて「そうや。その魔術師がA級ロストロギアの所持してるの可能性もないわけじゃあらへん。それに、六課は戦力においては管理局の中でもピカイチやし、他の部隊からも出動を要請されたっちゅうわけや」

フェイト「けど、目撃証言も何もなく、データ解析も結界に阻まれて不可能。それでヴルカータさんが呼ばれたんです。唯一の事件当事者として」

 なるほど。役には立たなかったけど、管理局としては『当事者』として呼び寄せるだけでも十分だ。
 事件の加害者を罰する際、被害者声明ほど便利な道具はないだろうからな。全滅してしまった今、証言者は必要不可欠だ。

俺「へぇ……ということは、事件解決まで俺はどこかの牢獄に閉じこめられ、生かさず殺さずということに?」

はやて「本人がそれを望むなら、と上部からの伝達や」

フェイト「は、はやてっ! それは……」

 フェイトさんは親切だなぁ。惚れちゃいそうだよボク。
 でも、それは正しい判断でもある。冷蔵庫で冷凍したものが脱走したり物言うこともない、管理局としても都合が良いはずだ。

俺「でも流石に牢獄で過ごすのは嫌ですねぇ。ミッドチルダがやられたら逃げられないですし。それに、四人を忘れてしまうなんて恐れ多い」

なのは「キャラ似合ってるのか似合ってないのか、よく分からなくなってきたよ……」

 光栄の至りで御座います暴虐の王女様。
 結構、心を深く抉られたのには気付いていなさそうなのだから泣ける。

135 :権兵衛 [saga]:2010/08/17(火) 00:31:38.13 ID:MyOXvbc0

リイン「そうですねぇ……六課の方で部屋を一つ借りましょう! そこで寝泊まりしていれば文句は出ないはずです!」

 なんと、リインが俺を助けてくれている。感動で打ち震えちゃう!
 ……のは一瞬で、フェイトさんが首を振った。

フェイト「それが最善策なんだけど、今の管理局はこの非常態勢……余ってた部屋は全部事件関係に使ってしまってて埋まってるんだ」

なのは「管理局の寮も他の部隊が寝泊まりに来てるから全部埋まっちゃってるの」

俺「野宿という手はありますけど」

はやて「ダメや。今の緊張状態で見知らぬテントが建っててみ。バインドはもう懲り懲りやろ」

 ……え? マジで?
 Q:あなたのおうちは? A:檻の中です。   とか本当に冗談になりそうにもない止めて。サーカスの動物か俺は。

リイン「そうですねぇ。他に手があるとすれば、どこかの家に……」


 世界が
 固まった。


1.なのはさんに土下座する
2.フェイトさんに土下座する
3.はやてさんに土下座する
4.快い男性の方を探そう

運命の選択は>>140
お前等、分かってるな……因みにカミングアウトすると男性とは例のイケメン。


>>129 変態を極めた俺に書けぬ通りなどないッ!
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:36:38.61 ID:0cD6MVMo
ksk
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:45:43.31 ID:BAmV0Xc0
ksk
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 01:38:48.97 ID:KIwlbUDO
ksk
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 01:38:48.91 ID:jm5s7zco
2
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 02:03:07.27 ID:Po9.vLQo
2
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 02:15:58.37 ID:Jkml.EAO
支援
142 :権兵衛 [saga]:2010/08/17(火) 20:32:55.97 ID:AGOetnk0

 はやてさんの所にはリインがいる。
 なのはさんを頼るのは二度目だ、何かと気が引ける。
 何より、俺に一番優しい接し方をしてくれる人は確実にフェイトさんだろう。

俺「フェイトさん、あなたしかもう頼れる人はいないのです! いかにこの身を扱おうとも構いませんから、どうかッ!」

フェイト「え゛」

 もう何度目になるか。膝お降り、床に手を突き、思い切り頭を叩き付ける。精神誠意を究極系にした礼。DOGEZA。
 勢いつきすぎて床が血に染まるぐらいがちょうどいい……かもしれない。意識朦朧としてきた死んじゃう。

フェイト「で、でも……なのはもいるし」

俺「何でそこになのはさんも出てくるんですか?」

なのは「えへへ……フェイトちゃんとは六課設立の時から寮のルームメイトなんだ」

 ヤバい、鼻血が漏れそうだ……く、何でそんな重要なことを早く言わないんだ。
 ああ、同棲! そんな中で板挟みになるなんて、(妄想だけでも)素晴らしいじゃないか!
 でも、もしかして二人って。

なのは「まぁ、私は別に良いよ。救出したのは私なんだから、その後のことも面倒みるのは私の役目。ね?」

フェイト「うん。なのはらしいよ」

 その言葉に皮肉の響きはない。なんか怪しいよなぁ。はやてさんの眼がアレになってるし。
 ……俺を見てるのは気のせいだよね?

なのは「ヴィヴィオは私が頑張って説得するから大丈夫…………大丈夫、だよね?」

 ヴィヴィオ、っていうのが誰だか知らないけど、きっと彼女たちのルームメイトなのだろう。
 でも、大丈夫なんて訊かれたらなぁ。


1.襲ったらマエストロ切ってもいいです
2.襲わないですよ何言ってるんですか(襲わせるんです)
3.顔と年齢とサイズによりけりです。小さいと危険。

安価は>>145


143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 21:07:50.40 ID:YSQr4F2o
3
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 21:10:16.27 ID:BAmV0Xc0
ksk
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 22:32:43.72 ID:9EvKdfYo
3
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 23:48:00.01 ID:N4pyhkco
もう無理なんじゃないか?
ダメな方にばっかり進んでる気がするww
147 :権兵衛 :2010/08/20(金) 16:29:39.87 ID:kxhxNK.0

>>146 大丈夫。つーか大体シナリオはもう決まった。後は続けられるかが勝負所だっ……


 リインに形容出来ない眼で見られる。そんなに見られると俺もう……
 なんて冗談は無しで。いやね、分かるだろ? 俺は小さいのが好きなんだよ。

俺「リイン、勘違いするな。俺はお前が大好きで堪らない。欲情してるだけなんだよ」

リイン「ま゛っ……な、何を破廉恥なこと言ってるんですかー!」

俺「清純な意味でも大好きだから安心して照れるがいいぜ」

はやて「うっさい」

 言語道断の部隊長の一喝。うん、なんかごめんなさいでした。
 背後にオーラが見える……もう既に別の感情が既に移入してるよね?

なのは「兎に角、カータ君は私とフェイトちゃんで面倒見るよ」

フェイト「うん、責任持って修正するから安心して、リイン。はやても仕事が詰まってるだろうけど無理しないで」

はやて「心配なんてせんでいいよ。それよりもフェイトちゃんの方が心配や……執務官なんていうたら非常事態じゃ引っ張りだこやないか」

 確かにそうかもしれないけど、はやてさんだって劣らぬ多忙になるはずじゃないか?
 特に、今回の事件は迷宮というよりは巨大すぎる雲に近い。それに、相手が相手だ。逆襲してきたら下手すると全滅しかねない。

はやて「フェイトちゃん、なのはちゃんも気ぃ付けてな。出来るだけ人気のない場所には行かへんように、連絡は何時でもしてえぇから」

俺「自己防衛手段も連絡手段もない俺は?」

はやて「観念も戦いの一つや」

 勝負が決まってる戦いは暴力ですよ?
148 :権兵衛 :2010/08/20(金) 16:54:03.46 ID:kxhxNK.0

 リインと共にデスクワークに勤しみ始めるはやてさんに礼を言い、部屋を後にする。

 それからなのはさんフェイトさんも部屋から出てきた。次にはやてさんに再開する時は何時になるか分からない。
 悪けりゃ会えなくなるかもしれないしね。

 並んで管理局の中を歩いてみると、分かることがある。バインドはないのに、肩身の狭さで縛られてるみたいだ。
 それにしても凄い注目率である。歩いているとさ、道行く人全てがこっち向くわけよ。こっち見んな。
 けどまぁ、女の子がこっちガン見するのは悪くない。笑顔を向けてみる。キラッ☆

女「うわキモ……」

 心も綺麗とは限らないけどな。わ、写真取られた。真ん中の俺は宇宙人か何かですか?
 小声で文句を言うのが聞こえたらしい。けれど、それについてはなのはさんも否定はしなかった。

なのは「いつものことだから、最近は気にしてないかな」

フェイト「JS事件の終結後は特に酷かったんだ。外に出るだけでも色々と問題があって、その頃に初めて亜空間魔法なんてしたんだっけ」

 管理局のビルを出ると、既に日は沈みかけていた。病院を出たのが遅かったから仕方ないか。
 外には車が数台止まっていたけど、マスコミのカメラ一台そこにはない。
 管理局の方から情報規制がかかっているのか? 地上本部も大変だなぁ……

 外は相変わらずの光景。変哲のない、アスファルト道路、両サイドに植えられた桜の木。
 全く違和感のない世界だけど、不思議な感覚だ。こんないい天気なのに無言はやだな。折角だ、何か訊くことはあったかな?


1.なのはさんに訊く
2.フェイトさんに訊く

選択は>>151
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/20(金) 17:01:32.37 ID:EPVktWYo
2
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 17:15:48.87 ID:sCsESKgo
kskst
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 17:17:07.32 ID:lMNCcpUo
主人公の扱いヒデェなwwwwww

2
152 :権兵衛 :2010/08/20(金) 17:37:02.81 ID:kxhxNK.0

 ふむ。フェイトさんに訊きたいことと言えば……

1.この事件についての推測
2.二人の周りの環境
3.ヴルカータの正体
4.『ヴィヴィオ』って誰?
153 :権兵衛 [sage]:2010/08/20(金) 17:37:33.26 ID:kxhxNK.0
安価忘れた
安価は>>156
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 17:45:25.41 ID:sCsESKgo
kskst
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 17:48:49.07 ID:eGufBJA0
kskst
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 17:57:54.75 ID:yyUwoz.0
4
157 :権兵衛 :2010/08/20(金) 18:42:45.16 ID:kxhxNK.0

俺「そういえば、ヴィヴィオって言ってましたよね? どんな人なんですか?」

 その瞬間である。なのはさんとフェイトさんの顔が完全に硬直した。
 開いた口がふさがらない時の悪い意味とは正しくこのことを指すに違いない。って、なんでそこまでショック受けるんですか。

フェイト「……言わなきゃダメですか?」

なのは「フェイトちゃん、言っておかないと更に酷くなる場合も考えられるよ」

 いや、酷くなるって何ですか。
 待てよ? 酷くなるって事は…………ああ、なるほど。そういうことか。すなわち『小さい』わけか。なるほどなるほど。

俺「フェイトさん、なのはさん。何の誤解か知りませんが、俺はロリコンというわけじゃないですよ?」

 二人が絶句した。代わりに“unbelievable”という英語音声。フェイトさんの首にかけられているそれ。
 金色のデバイスだ……って、おい。人間様に文句つけるんじゃない失敬な奴だな。

 そうだ。俺はそもそも精神的には大人に近いリインだからこそセクハラしたんだ。
 あんなミニマムサイズであるからこそ欲情したのであって、俺がそんな純粋無垢な幼女にエロい真似なんてするわけがないじゃないか。
 だから、頼むからそんな顔しないで御願い……俺ここに来てからそんな眼でしか見られてないお。

なのは「詭弁だね」

フェイト「詭弁です」

 その旨を伝えてみたところ、このような返答が返ってきた。まぁ別に問題はない。態度で示せば良いんだ。態度で。
 それにしても、フェイトさんはなかなかに必死である。なのはさんは半分冗談……でもないけど、笑ってる感じがあるし。フェイトさんって真面目なんだな……それとも過保護なのか? あんまり冗談言わないようにしようかな。

俺「どっちにしろ、俺の性欲の捌け口はリインだけにしますから。ヴィヴィオには手を付けません。安心してください」

フェイト「それは安心できないですから」

158 :権兵衛 :2010/08/20(金) 20:16:42.53 ID:kxhxNK.0

 脱線した話は元に戻すのが道理だ。

俺「なるほど……すなわち、なのはさんの養子というわけですか」

フェイト「うん。ヴィヴィオ.T.ハラオウン」

なのは「ダメだよフェイトちゃん。高町ヴィヴィオってもう学校の方にも出してるんだから」

 高町ヴィヴィオ……その十歳にもならない少女の正体はかつて強大な権力と魔法を所持していた聖王のコピーであること。
 そして、JS事件にて首謀者スカリエッティに利用されたものの、なのはさんに助け出されたこと。
 言いにくいであろうことも全て話してくれた。これから相部屋になるのだからという配慮なのだろう。人に近きは知ることが重要だ。

 それにしても、こう聞くと二人の子供みたいに聞こえる……ヤバい鼻血吹きそう。

俺「でも、俺のことをどう思うでしょうかね。多分だけど仲良くはしてくれませんよ?」

フェイト「そ、そんなことは!……あるかもしれないですけど」

 同族嫌悪。あまりにも限りない暗闇を知っている二人。狂気に近い絶望の経験がある二人。
 そこに馴れ合いなどは決してなく、互いを鏡写しとするような存在が目障りになるだけだ。実に不愉快極まりない事実である。

なのは「私からもヴィヴィオに言うよ。カータ君はそんな暗い人じゃないって事、嫌でも知らされたから」

俺「最後さえなければ良い言葉になりそうだったんですけどね」

 まぁ、そうだなぁ。
 変わり者同士仲良く、だとか馬鹿げたことが出来るならしたいもんだけど。


159 :権兵衛 :2010/08/20(金) 21:17:38.03 ID:kxhxNK.0

 炎に燃える緑色の瞳。
 それは『嫉妬』を現す炎の色。何かに羨望して生まれた者が宿す歪な形の願い。

 光に植える赤色の瞳。
 その色は鮮血の景色をそのまま閉じこめた紅の色。あまりにも穢れた場所に映し出した人の嘆き。

 ああ、良かった。
 なのはさんの配慮に感謝しなきゃ。
 なんせ、予め説明されてなきゃ見ただけで発狂していたに違いない。

 人 間 の 皮 被 っ て ん じ ゃ ね ぇ

××××「ママ、この人は?」

なのは「あ、この人はね……」

 何か喋ってる。耳が遠くなった? 違う。景色が遠いだけ。世界は薄れて、そこからはもう自分の認識外。
 今までこんなこと――――――――ある。何時か全く覚えていないけれど。なんて不愉快なんだ。
 身体が泥に包まれた感触に嫌悪する。必死に逃れようとして、溺れそうになりながら必死に藻掻く。

 ああ、またこれか。

 もう、うんざりなんだ止めてくれよ。



 …………?
 そうだ。忘れるな。確認するんだ。

 この場所はなのはさんとフェイトさんの寮の部屋。
 そして、今ドアを開けてお邪魔したばかりだ。
 そして、まずなのささんとフェイトさんが部屋に入って、「ただいま××××」と叫んだだけだ。

 だから、目の前にいるこの子は……


1.高町ヴィヴィオ
2.聖王ヴィヴィオ
3.あの人

選択は>>162
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 21:22:22.44 ID:ttPKcwDO
ksk
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 21:23:55.53 ID:sCsESKgo
3
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 21:25:03.82 ID:lEfGS960
1
163 :権兵衛 :2010/08/21(土) 01:02:39.65 ID:7Nw4Pa.0

 そうだ、落ち着け。あくまでこれは幻覚に過ぎない。
 瞬きをする。その瞬間に意識が浮上してきて、開いた先にいたのは……

俺「ん、つぅ……高町、ヴィヴィオ」

 そうだ。名前は高町ヴィヴィオ、なのはさんの養子になった初等科1年生の少女であり、聖王のコピーである存在。
 そして、今は何故か震えている少女……って、あれ? 何でビックリしているんだ?

ヴィヴィオ「えっと……初めまして、グーテンブルクさん」

俺「あ、ああ。今日からここで世話になる。邪魔、だったかな?」

ヴィヴィオ「あ、い、いえ……」

フェイト(どうしたんですか一体? 何かこう、どんより空気が漂ってますけど)

 なのはさんとフェイトさんが心配そうに念和で話しかけてくる。
 うーん、俺が少し気後れしてるせいなんだけどな。

なのは(フォローした方が良い? ……とヴィヴィオに服引かれつつ言ってもダメかな?)

 確かに。この気後れ状態から抜け出すのはそれが一番いいな。


1.なのはさんにフォローを任せる
2.フェイトさんにフォローを任せる
3.他人の力は借りるべからず。どんな子だって口説いてみせるぜ!

選択は>>167
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/21(土) 02:54:05.87 ID:hRsP9voo
3
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 03:01:06.30 ID:/tpKhADO
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 10:41:19.30 ID:.ts5Wsko
はてさてどうなることやらkskst
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 12:02:59.48 ID:vuW046.o
3
168 :権兵衛 :2010/08/21(土) 20:14:56.02 ID:mo/pB7Y0

 いやいや、焦るべからず。こういう時は慌てた奴から死んでいくのです、ボリス。
 心機一転、態度一新に彼女に爽快に笑いかける。やらしい顔じゃないよね?

俺「そうだな。まず、敬語なんて止めてくれよ。俺は高町家の使用人とでも思ってくれればいいさ。カータ、って呼んでくれるとグッド」

ヴィヴィオ「は……うん。カータ君でいい?」

 おお。これは予想以上だ。なのはさんとフェイトさん似の優しい子のようだ。人なつっこいし、警戒と言うよりは男にあまり慣れてないのか?
 ……なるほど。これは重要アイテムだな。表情が緩むヴィヴィオに慣れ親しむような人間になるのが重要らしい。

俺「ときにヴィヴィオ。キスはしたことあるかい?」

フェイト「フォトンランサー!」

 身体を大きく反らせて、飛んでくる雷の弾丸を避ける。残念、口説いた時点で攻撃が飛んでくるなんて予想済みさ!
 でも、フェイトさんがするとはまた珍しい。

なのは(フェイトちゃん、落ち着いて)

フェイト(で、でも……ママの目の前でヴィヴィオを口説くなんて許せないッ)

なのは(相変わらずの過保護だね……でも、まぁあれは本気じゃないみたいだから。そうでしょ?)

 うむむ、見抜かれたか。けど、面白いんだよなこれが。クセになるっていうか……ダメだこのままいくと女ったらしになるぞ俺。
 確かに、会話を弾ませるのには俺の習慣としてきた変態的行為ならぬ口説きが良いと思ったわけだ。

ヴィヴィオ「キ、キス! し、したことなんてないない! 私、男の人とそんな……」

 でもね、こういう赤面した顔を見ると俺の欲情がたまらなくなるんだ……ぐふふふふ


1.OK、執事はキスぐらい余裕だぜ
2.キスしない。ていうか殺されたくない
4.なのはさんとフェイトさんにキスの手本をさせるよう要求する
5.なのはさんにキスをせまる
6.フェイトさんにキスをせまる

選択は>>171
なにこの選択肢気持ち悪いとか言わないでくれ。
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 20:23:45.64 ID:.Ju1Wnko
4
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/21(土) 20:25:11.99 ID:lvAwTRQo
4だろ……
171 :権兵衛 :2010/08/21(土) 20:47:33.91 ID:mo/pB7Y0

すまん。ちょっと期待されてるとこ悪いが。

4.なのはさんとフェイトさんがキス
5.なのはさんとカータがキス
6.フェイトさんとカータがキス

って意味ね。



だから、


1.OK、執事はキスぐらい余裕だぜ
2.キスしない。ていうか殺されたくない
3.なのはさんとフェイトさんに、二人でキスしあうように要求する
4.なのはさんとフェイトさんに俺とキスするよう提案する
5.俺となのはさんのキスをせまる
6.俺とフェイトさんのキスをせまる

>>174で再安価します。分かりににくくてすまない。誤解招いてないか心配になった。
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 20:56:54.30 ID:.Ju1Wnko
3
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 21:21:43.92 ID:ZRSdsHco
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 21:22:15.97 ID:WplXCyo0
3
175 :権兵衛 :2010/08/22(日) 01:13:58.18 ID:aN.CUA.0

 ヴィヴィオがこんなにもウブな理由。そんなの一つしかないじゃないか!
 彼女の後ろ、こっそり逃げだそうとしていた二人をヘビ睨みする。ふざけんじゃねーです。

俺「なのはさん! 子供が十代にもなったのにあなたはキスシーン一つ見させてないんですか!」

なのは「だ、だって、そういうのはまだヴィヴィオには早いんじゃないかなーなんて」

フェイト「そ、そうだよ。まだヴィヴィオの友達にも彼氏持ちなんていないし、まだそういう知識はいらないと思う……よ?」

 よ? じゃねえぇぇぇ! あんたらどんだけ親バカなんですか!
 このままだともしかしてコウノトリ伝説まで信じてるかもしれない。く……そんな事実が知れたらヴィヴィオが可哀相だというのに。

俺「ふざけないでくださいっ。責任とって二人が教えてあげてくださいよ! しないと俺がキスします」

なのは「うん、いいよ」



…………は?

フェイト「」

ヴィヴィオ「」

俺「」

なのは「フェーイトちゃん♪」


 最後に耳に届いたのは、ヴィヴィオの真っ白い悲鳴と俺のマエストロが皇帝液を大噴射する音だけだった……



BAD END2
「意識断絶」

目の前でなのフェイなんてやられたら、昇天物以外に有り得ない。
そしてヴィヴィオごめん。俺、百合にしか興味ないんだ。



再安価>>178 興奮しすぎて死に至らないようにしよう(丸
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 03:06:11.11 ID:roPEIMoo
4
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 04:29:52.03 ID:naqpxM6o
ksk
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 04:54:07.47 ID:4ZAhNQDO
5
179 :権兵衛 :2010/08/22(日) 12:56:23.79 ID:5JLv2As0
 ヴィヴィオがこんなにもウブな理由。そんなの一つしかないじゃないか!
 彼女の後ろ、こっそり逃げだそうとしていた二人をヘビ睨みする。ふざけんじゃねーです。

俺「なのはさん! 子供が十代にもなったのにあなたはキスシーン一つ見させてないんですか!」

なのは「だ、だって、そういうのはまだヴィヴィオには早いんじゃないかなーなんて」

フェイト「そ、そうだよ。まだヴィヴィオの友達にも彼氏持ちなんていないし、まだそういう知識はいらないと思う……よ?」

 よ? じゃねえぇぇぇ! あんたらどんだけ親バカなんですか!
 このままだともしかしてコウノトリ伝説まで信じてるかもしれない。く……そんな事実が知れたらヴィヴィオが可哀相だというのに。

俺「いた仕方ない。母親であるなのはさんには責任を取って貰います。キスしてください。俺に」

なのは「は、母親だけど、ヴィヴィオ・T・ハラオウンだもん……」

フェイト「ダメだよなのは。高町ヴィヴィオってもう学校の方にも出してるんだから」

 どこかで聞いたようなフレーズである。気にしない。
 そう、これは俺の我が儘でなく、なのはさんに対する理詰めなのだ。ヴィヴィオにそういう知識を教えなかったのは、何となく本人も駄目なんじゃないかと思っていたんじゃないか? という推測だったんだけど。図星だ。

俺「ヴィヴィオ、眼を反らすなよ。お前が何時かやるであろうキスシーンなんだから」

ヴィヴィオ「う、うん……ママ、お願い」

 なのはさんが恨めしい眼でこっちを見てくる。ヴィヴィオを誘導すれば逃げられるはずもない。
 子供の純粋な心は時に鋭利な刃となることもある。そんな純粋無垢な心を気遣って、精一杯、自分の欲望のために利用するのも大切なことだ。

なのは「うぅ……カータ君! ディープなんてしたら……分かってるね?」

俺「こんな時に脅迫ですか。受けて立ちましょう」

 何だかもうフェイトさんとなのはさんの仲が凄い拗れそうなのに拗れてない。不思議すぎる。
 なのはさんに歩み寄る俺を前にして、なのはさんはゆっくりと溜息を吐いた。その溜息を吐き出す唇に自然と視線が向かう。
180 :権兵衛 :2010/08/22(日) 13:37:59.34 ID:5JLv2As0

 彼女の肩をゆっくりと掴む。その瞬間に少しだけ身体が震えるのが分かった。
 ああ、そうか。彼女もヴィヴィオと同じようなものなのか? 知識だけ持ったとしても、実践となれば別物だ。

 少なくとも、今のなのはさんはただの少女にしかなり得ない。

なのは「……ロマンチックな台詞の一つも言わないんだ」

俺「まさか。俺にそんな器用な真似できませんよ。あくまで俺の欲求に従うだけですし」

 二対の視線。一つは未知の世界を垣間見ようとする期待の眼差し。
 もう一つは……なんだろう。ありとあらゆる感情が交差していて分からない。けど、背けることは決してないはずだ。

俺「恥ずかしがり屋なんですね。そんな馬鹿正直に生きることもないでしょうに」

なのは「あはは……そうだね。けど、私は何時でも一直線で生きてきたから、こういう時になるとどうしてもね」

 感情は生まれるものではない。作り出すものだ。
 だから、俺みたいな欲求だけで嗜虐的でも思慕的なものでもない、異常なまでに無感情な接吻。


 刹那、怖気が走った。


 ああ、そうか。なんて、空しいんだ。
 なのはさんと唇が触れあった瞬間。甘い味と共に感じる虚無感。世界からの剥離を体感する。

 そうか。
 こんなことを願っていたんだ。
 どうしようもない温もりを求めて、そして失敗した。

なのは「ん……はぁ…………」

 甘い、甘い、とろけるような感触が消えていく。
 僅か五秒。五秒間のうちに脳が有り得ない速度で回転して、完全にヒートしていた。

 頭が、痛い。
181 :権兵衛 :2010/08/22(日) 13:54:52.91 ID:5JLv2As0

ヴィヴィオ「……すごい」

フェイト「……なの、は?」

 顔を真っ赤にして。それでも俺の言いつけを守ったのだろう、ちゃんと行為を見ていたらしい。
 ヴィヴィオは恥ずかしそうに、それでも思わず心からの感想を漏らしている。

 逆に、フェイトさんの表情はそれほど優れていないみたいだ……まあ、普通そうだろうなぁ。

なのは「……私の、ファーストキス」

俺「はぁ……記憶ないから知りませんけど、ヴルカータとしては俺も初めてですよ。おあいこでしょう」

フェイト「…………」

 空気が凍る。なんていうか、状況の運び方を間違えたというか。
 俺、アホすぎる。でも、ヴィヴィオとしてはどうやら満足だったらしい。大人の階段はこうして上られるのか。悲しい事よ。


1.その後、食事を取り、何事もなく夜となった……
2.なのはさんと色々話す
3.フェイトさんと色々話す
4.ヴィヴィオと色々話す

選択は>>184
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 20:17:23.47 ID:BRIpL.AO
4
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:32:41.91 ID:BNS7odI0
3
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/22(日) 22:35:16.38 ID:roPEIMoo
2
185 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/23(月) 00:40:17.78 ID:wq0wx6g0
好感度表とか作るのん?
186 :権兵衛 :2010/08/23(月) 00:51:19.32 ID:XyZth3U0
訂正 ヴィヴィオが一年だと流石にアレなので三年生にしておきます。vividは四年生。


 四人での夕食は実に新鮮だった。残飯から構成したような病院食とは違う、肉や野菜などが彩る豪勢な料理。
 なのはさんもフェイトさんも料理は出来るようだ。ヴィヴィオも手伝っていたので、俺も手伝おうとしたのだけど拒否られた。なのはさん曰く、カータ君の歓迎の印であるということ。面目ない限りだ。

 たまらなく、おいしかった。気を抜いたら涙が零れそうになるぐらいにな。

 満腹した身体を動かすのに躊躇いはない。部屋のベランダに出て、すっかり暗くなった夜を眺める。雲がないおかげで月がよく見える。
 星光の瞬きをぼんやりと記憶に収める。病院ではカーテンをずっとかけていたから、夜の景色を眺めるのは……そっか、初めてなのか。
 イルミネーションで輝く空と、窓から漏れる部屋の明かりで輝く管理局。

 ようやく分かってきた。きっと忘れるってことは悲しいことなんだ。
 そうでもなければ、こんなにも美しい風景を見てこんな空虚な思いになるはずがない。ポッカリと開いた穴は決して埋めることは出来ない。

なのは「どうしたの? 流れ星に馳せる思いでもあるのかな?」

俺「まさか。思いは全て捨てました。だから、これから三言にて願う流星などに興味はありませんよ」

 なのはさんは空を眺める俺の隣、ベランダの塀にもたれる。夜風が彼女の髪をなびかせた。

俺「フェイトさんとヴィヴィオは?」

なのは「お風呂。フェイトちゃんが忙しいから、機会がある時は二人で入ってほしいんだ」

俺「それは羨ましい限りですね。誰かと一緒にお風呂だなんて」

 それを聞いて、なのはさんは肩をすくめる。
 ……なんだ、丸わかりなんだ。俺ってポーカーフェイス無理なんだなぁ。
187 :権兵衛 :2010/08/23(月) 01:23:30.54 ID:XyZth3U0

俺「俺、そんなに顕著ですか? 不愉快にさせてたらすいません」

なのは「うぅん、そんなことないよ。カータ君は精一杯、この不慣れな世界で生きている。それだけで十分だと私は思うな」

 きっと、分かっていたはずだ。
 なのはさんが傷ついていないわけがないのだ。あんなにも憧れて、そして怯えて逃げ出しそうになる。迷惑ばかりかけてしまう。

俺「夕食、すごい美味しかったです。満腹感って素晴らしいですね」

なのは「ありがと。でも、分かってるんだ。本当に、美味しそうに食べてたから」

俺「そう、ですか。これでもう十分幸せなはずなんです。そのはずなんですよね……基準も忘れたのか、高望みしすぎたんです」

 その目標はあまりにも簡単で、実は生まれたばかりの子供なら既にそれは持っていて、そして俺には持ち合わせていない。
 そこには英雄の燐片さえない、残ったのは使い古しの感情を持つ壊れた人形に過ぎない。
 だからこそ、あまりにも当たり前の希望に縋り、そして得たはずの醜悪としか思えぬそれに絶望するしかない。

 原因なんて分からない。どこで壊れてしまったのかなんて忘れてしまったから。
 きっと、もう元に戻りはしない。全ての思いを無碍にする狼藉者なんて捨てられた方が良いに決まってる。

なのは「嘘だよ」

 だから、そんな言葉をかけてくれる彼女にはもう、今後一切は頭上がらないと思う。

なのは「だって、リインちゃんには甘えてたくせに」

俺「あー、リインは何ていうか、そういうのには含まれないというか。それこそ人形みたいな?」

なのは「さり気なく失礼なこと言ったね」

188 :権兵衛 :2010/08/23(月) 01:42:22.52 ID:XyZth3U0

 なのはさんはケラケラと笑う。
 そういえば、夜だからこそ分かる。なのはさん、少し酒入ってるんじゃないか? 少し紅潮してるみたいだし。

なのは「うん、カータ君は偉いなぁ。後ろ向きなのに、結果的には前向きだもん」

俺「それって褒めてるか皮肉か分かり辛いですね」

 今まで溜まっていた物が流れ出すようになのはさんは笑い続ける。
 何というか、一本取られたような気がせんでもない。けど、その好意は受け取っても悪くないか。

なのは「カータ君、こーんな良い夜で気分の良い私からの提案です」

俺「へへえ、お代官様。勿体ないお言葉拝聴致しまする」

なのは「もう一度キス、してみる? フェイトちゃんには内緒でね」

 …………ん?
 ………………………マジか。
 そこまで気遣うか? いや、でも、うーん。何というか罪悪感が芽生え始めてくるけど。



1.好意は受け取るべきだ
2.間違ってるんじゃないか?
3.……答えることは不可能だ

>>191の選択。
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/23(月) 02:14:56.89 ID:gizGxxs0
ksk
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 02:30:50.25 ID:Ejl0VkAO
1
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 02:47:19.06 ID:hriYR9Mo
1
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/23(月) 16:07:47.69 ID:epGIxNQ0
早くしなさい、エロシーンに期待
193 :権兵衛 :2010/08/23(月) 16:48:25.15 ID:n1WUnAc0

 俺に女性の気持ちなんて繊細なものは分からない。
 だけれど、なのはさんが複雑な気持ちの仲、こう言ってくれていることだけは分かった。感謝するしかない。

 今日で二度目だ。彼女の頬を両手で包み込む。何の穢れもない頬。両手の中でなのはさんが擽ったそうな表情をするのが分かった。
 ごめんなさい、という言葉を呑み込んで、彼女の瞳を見つめる。
 深い蒼の色。幼少の時からあらゆる危険を見つめてきてなお、その輝きを失ってはいない。美しいサファイア。

俺「これは愛ですか? それとも慈愛ですか?」

なのは「……私にも分からないや」

 上弦の月がのぼる空。
 美しき女神と穢れた囚人は狂気に惑って接吻をする。誓いも希望もない空虚な印。それはただの欲望に似た行為にしかなり得ない。

 少女の唇に身を捧ぐ。

 ああ、やっぱりか。

 腕が震える。眼を瞑っていなければ、表情なんて保てるわけがない。視界に入れた途端、その形が分かってしまう気がして。
 甘い、空白という地獄の中で、俺は無感情の海に浸る。そのまま抱き寄せることなく、僅か五秒で安寧を手放す。

なのは「カータ君……」

俺「……っはははは! まさか、ここまで怖いとはね! そうさ、間違いない。こんな傑作、コメディとしては最悪だ!」

 笑う。笑う。
 何で、こんなにも恐ろしいのか。その理由すら知らずに、自分の壊れた部分を呪う。
 なんてひどい矛盾なんだ。

 そして、嵐のようにやってきた、虚しさ。

俺「そろそろフェイトさんも風呂から出る頃です。部屋に戻りましょう。身体も冷えますし」

 うん、と素直に頷くなのはさんは余りにも寂しげな背中をしてリビングに戻っていく。
 嫌われてはいないはずだ。だけど、間違いなく思われた。これが、ヴルカータという人間なのだと。

 こんなにも心に穴が開いているなら、何で満たせば良いんだよ?


1.今日はもう寝よう
2.フェイトさんに打ち明ける
3.ヴィヴィオと打ち解ける

選択は>>197

>>192 物語自体があんまりにもアレなんだすまない。エロは個別に入ってからな。それでも多分、ないけどさ。
     選択肢を選ぶ時は、過去にあったことや予想などを立てて進めるといいです。
     今回だったら、2の間違っている、がなのはさんの好感度が上がった予定でした。
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/23(月) 16:54:02.57 ID:epGIxNQ0
? エロは個別ルートに入ったらってこと? それでも多分ないとはどういう矛盾ぞや?
kskst
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 19:06:00.37 ID:GoN8mRI0
ksk
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 19:21:09.10 ID:epGIxNQ0
kskst
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 20:56:02.45 ID:Ejl0VkAO
2
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 22:14:55.12 ID:QlMTQAIo
がっつきすぎるとよくないと。
急がば回れって事か
199 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 22:24:46.03 ID:epGIxNQ0
よし、お前ら紳士にだぞ? 
⊂二 ̄⌒\  ハァハァ          ノ)
     )\   ( ∧_∧         / \
   /__   )*´Д`)    _ / /^\)  
  //// /       ⌒ ̄_/      
 / / / // ̄\      | ̄ ̄          
/ / / (/     \    \___
((/         (       _  )
            /  / ̄ ̄/ /
           /  /   / /
         / /   (  /         
        / /     ) /          
      / /      し′           
    (  /                      
     ) /                     
     し′                     
200 :権兵衛 :2010/08/24(火) 10:20:06.59 ID:qVe3BKs0
>>199 つまり、エロが書ける度量が俺にはない、って言いたい。紳士というよりは、状況的に何が最善か考えるんだ。


なのは「それじゃ、先に寝るね。おやすみ。フェイトちゃん、カータ君」

ヴィヴィオ「フェイトママ、おやすみなさーい」

 おやすみなさい、と答える俺とフェイトさんは、そのまま寝室に移動する二人を見送った。
 再び静けさが戻るリビング。フェイトさんはテーブルの上でデスクワーク中である。執務官は今、てんてこ舞いだと聞いた。
 事態が特に深刻な上、自然災害ではない、犯人がいるという前提だ。そりゃまぁ、仕方ないとは思う。

 もやもやとした気分でフェイトさんの正面に座る。
 風呂を有り難く頂いたわけだが、この気分のおかげで風呂の水をがぶ飲みするのも忘れてしまっていた。不覚。

フェイト「なのはと何かあった? 何だか落ち込んでたみたいだけど」

俺「あー、はい。ちょっと俺がバカやりまして。調子に乗ってた、とは違うんですけど。ただ、自分にもなのはさんにも甘えてたんです」

フェイト「それは、私にも話せることなのかな?」

 断る気なんて更々なかった。どっちかと言うと話したかったのかもしれない。
 彼女にチャンスを与えられたこと。そして実践し、何の感情も得られずに終わる。あまりにも彼女のプライドを傷つけた行為だ。
 唯一、感情を得られたのだとしたら。それは正しく恐怖であったということも。

 一語口から出る度に自分に嫌気が差してくる。
 そんな自嘲的で聞くに堪えない告白を、フェイトさんは仕事の手を休めてまで聞いてくれた。

フェイト「そう……なのはも気張ってるんだね。私に真面目すぎるってよく言うんだけど、実際にはなのはの方が物事には一直線な人だから」

俺「良くも悪くも不器用、なんですね。その愛情と気遣いが空回りしてしまうなんて、今までもあったのでは?」

フェイト「うん、そうかも。私自身がそれはよく知ってるし、それが無為なものだとしても、いつかはきっと届くことも分かってる」

 じゃあ、それは俺にも届くんでしょうか? そんな言葉は口から出て来ない。
 何故なら、それは既に自覚していることだ。人に触れることを恐れていて、その温もりを求めている俺が抱え込む究極の矛盾は覆せない。
 だけど、もし。フェイトさんの言う通りに届いたのだとしたなら……それは一体、どういう結末を迎えるんだろう?
201 :権兵衛 :2010/08/24(火) 10:55:35.83 ID:qVe3BKs0

フェイト「けど、これ以上になのはには苦労させたくない」

俺「……分かってます。後は自分で何とか出来ますから、なのはさんとフェイトさん、ヴィヴィオにはいつも通りにしてくだされば有り難いです」

 全ては自己責任だ。彼女たちには何の責任も本来はない。
 俺としてもこれ以上なのはさんに対して迷惑をかけるのは御免だ。ただでさえ、無理しがちな性格をしているのに、これ以上はきっと負担にもなりかねない。
 俺は……一体、どうすればいいんだ?

 思わずテーブルに突っ伏す。
 さっきまでなのはさんといたベランダを見つめ、げんなりする。どうして、俺はこうもクズなんだ?

フェイト「……カータ。私も手伝うよ」

俺「止めてください。あなたの親切心は度が過ぎる。そもそも、俺の破壊された心の穴を埋めることが出来るんですか?」

フェイト「出来るよ。絶対に」

 嘘だ。絶対に出来ない。
 なのに、どうしてこうも期待してしまうんだろう。フェイトさんの顔は、何かを決意したようで。それが俺を再び軋ませる。

フェイト「私を、信じて」



1.信じてみる
2.これ以上は巻き込めない
3.答えない

選択は>>205
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 11:15:59.80 ID:xKlF3c20
ksk
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 16:29:48.56 ID:DwEEvk60
3だなうん
204 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 16:38:04.73 ID:6P5PygAO
1だろ
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 16:43:44.32 ID:O1E90G2o
2
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 17:03:26.63 ID:DwEEvk60
2か……落としてあげるてな感じで行くのか
207 :権兵衛 :2010/08/24(火) 22:34:34.66 ID:Ac73ebs0
>>203-205 久々に意見分かれたな面白い。



 ……だめだ。これじゃ二の舞じゃないか。
 なのはさんに飽きたらず、フェイトさんにまで迷惑をかけるなんて許されない。

 それに、彼女は執務官だ。この多忙の時期にそんなことを頼めるわけがないのだ。
 無茶をするのは二人ともか。苦労体質にも程がある、これで二人が気が合わないわけがないよ全く!

俺「フェイトさんの言葉を疑うわけがありません。でも、出来るなら俺を知る数少ない友人として、負担をかけさせたくないのです」

フェイト「でも、カータ君の想いはどうなるの? あなたに自由はない。機動六課とこの家しか居場所がないんだよ?」

 確かにそうだ。
 俺の行動範囲は自分の立場故にかなり制限されている。機動六課も実質的には自由に出歩ける訳じゃない。
 だからこそ、この現状を打開するには上部に取り次げる人が不可欠となってくる。

 けど、フェイトさんは自分だけで抱え込んでしまうことは重々承知している。
 もしかしたら、彼女だけで俺の身柄拘束の解除を提言するだろう。そのための膨大な労力はあまりにも大きすぎる負担以外何物でもない。

俺「でも、俺は既に居場所と安寧を貰ったのです。それ以上に何を望みましょうや」

フェイト「ふざけ、ないで……」

俺「俺からすれば大真面目ですよ。病院食よりも醜悪な食事なんぞ食べられたもんじゃない」

 そのくせ、こうして茶化してでも言わなければ、彼女にすぐに傾倒してしまいそうだった。
 なんて、情けないんだ。

208 :権兵衛 :2010/08/24(火) 23:16:05.34 ID:Ac73ebs0
上記訂正。フェイトさんは主人公を『カータ』と呼び捨てにする設定で。かつ、あなたじゃなくて君。



 フェイトさんは反論しようと顔を上げ、再び俯いた。
 それに僅かに胸が痛む。けど、ここまで言った以上、甘えるわけにもいかない。けじめは自分で付けるべきだ

フェイト「私じゃ力不足だった?」

俺「それがあなたの罪悪感でないことを祈るばかりです」

フェイト「でも、それは事実なんだよね?」

 街の修復は可能でも、人の破損はまず直せる物ではない。
 身体の奥底からせり上がるように恐怖が湧いてくるほどにもなれば、それこそ真人間に戻すのも難しくなるから。
 それ故に、フェイトさん一人でも、なのはさんとの二人でも、大して変わることはない。これはトラウマなん軽いもんじゃない。呪いだ。

俺「フェイトさん。この道化の最初で最後の願いだとするならば、ピエロなどに自分の時間を使わないでほしい。ヴィヴィオに言ったような身分がお似合いだ」

 その気持ちは確かだった。寧ろ、それですら過ぎている。
 何も考えられずに三人の温かみに触れていられるのならば、身に余るような幸福に違いないのだから。
 本来、温かみなど得られるはずもない運命から救い上げられて、それ以上を望むのは傲慢や慢心の限りであろう。

フェイト「そんな……悲しいこと言わないで、カータ」

 だけど、そんな言葉で自分の意志は簡単にも揺らぎそうになる。

フェイト「君が拒否するなら、私からは動かない。だけど、いつでも頼んできて欲しいと思ってるんだ」

俺「なのはさんやはやてさん、リインには黙って? それが本当に俺の望むことだと思っているなら、フェイトさんは勘違いをしているようだ」

フェイト「……っ!」

俺「明日も早いんでしょう? それに、俺ももう眠い。おやすみなさい」

 唇を噛む彼女に冷たく告げる。
 口から出ない助けの声は、俺と一緒に闇の中に葬るのが一番だ。だから、こうやって強引に別れの挨拶を告げる。

フェイト「…………助け出してみせるよ。きっと」

 助け出されていますよ。日光を浴びたその日にはね。
209 :権兵衛 :2010/08/24(火) 23:44:52.69 ID:Ac73ebs0

 そうして夜が更けて。


 強引に叩き起こされた。


 部屋にいたキャロ・ル・ルシエが惨殺されたということだった。



                                        なんていうか。

       ざ ま ぁ み ろ


210 :権兵衛 :2010/08/24(火) 23:46:19.68 ID:Ac73ebs0


第三部開始。 大丈夫だなんて思ってるから、こうなるのにね。



1.フェイトさんと調べる
2.なのはさんにくっついて協議に出席する
3.無視する



安価は>>213



現在の好感度

フェイト 2
なのは・リイン 1
はやて 0
ヴィヴィオ 0
通りすがりの女性 ー10
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 23:53:01.14 ID:xKlF3c20
ksk
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 23:55:51.49 ID:O1E90G2o
2
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:14:23.14 ID:PI20nGco
1
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/25(水) 01:47:24.46 ID:fAAL7kQ0
やったぜフェイトだ
215 :権兵衛 :2010/08/25(水) 09:52:03.65 ID:cmWFsXM0

 違和感である。

なのは「ヴィヴィオー、遅刻するよー?」

ヴィヴィオ「ちょ、ちょ、ちょっと待ったー! ランニングコースでリオと出会っちゃって……ってもうこんな時間」

フェイト「ヴィヴィオ、学生鞄忘れて何しに学校に行くの?」

ヴィヴィオ「にゃーっ! 本当だ!」

 おかしい。ヴィヴィオのテンションは何となく予想できたんだけどなぁ。
 何かこう……無理してるな。間違いなく。聡いヴィヴィオのことだ、きっとそれを感じ取っていながら表情にお首も出さないんだから凄い。
 ヴィヴィオにソファの上に放ってあった学生鞄を渡してやると、ヴィヴィオは笑顔でそれを受け取った

ヴィヴィオ「ありがと! それじゃ行ってくるね、カータお兄ちゃん」

俺「ぶぼっ」

 取り敢えず鼻血にしないと。ハイパー兵器から出たら朝っぱらからとんでもない地獄絵図になってしまう。
 いや、それでも十分破壊力が……わざとか? わざとなのか? 

俺「何でお兄ちゃん……なんだい?」

ヴィヴィオ「うぅん……なんだか、パパって感じしないし」

 さり気なく、なのはさんやフェイトさんに手出すなみたいな牽制になってることを自覚した方が良い。
 この子……将来、何か目覚めそうだ。いや、何かは知らないけど。

ヴィヴィオ「それじゃいってきまーす」

 いってらっしゃーい、と三人でヴィヴィオの言葉に応えた。
 最後、ドアが閉まる前に見えたヴィヴィオの笑顔は絶対に忘れられる物じゃないと思う。

 少し悲しい笑顔だった。
216 :権兵衛 :2010/08/25(水) 10:41:25.39 ID:cmWFsXM0

 キャロ・ル・ルシエ。十三歳。
 かつての機動六課のライトニング部隊に配属していた少女だという。その後は時空管理局辺境自然保護隊所属保護官アシスタントだったが、再結成した六課に配属。
 そのためにこの寮に泊まっていたらしい。

 特にフェイトさんとは深い関係があるようで、どうやら彼女に拾われたようなものらしい。
 今までも交流はあるままで、ヴィヴィオとも面識はある……どころかかなり仲は良好だったようだ。そうでもなければ、隠したりなんかしない。

俺「ですよね、フェイトさん? そんなに顔を真っ青にしていれば、どんな演技でも意味はありません。よほどショックだったんですね」

フェイト「…………キャロはね。私の娘とか、妹とか、そういう家族のようなものだったから」

 だった、ねぇ。
 なるほど、現実を受け止められるぐらいには落ち着いているって事だ。流石は執務官。いかなる状況でも変わらないってことかい?

俺「で。執務官なんです、今までに一度は死体ぐらい見たのでしょう?」

フェイト「した……っ! そんな風にキャロを言うな!」

俺「言いますとも。何を仰いますかあなたは。死は誰にでも平等に訪れる、人間の生で一番平等な事象なんです。そのきっかけがどうであろうとね」

 だから、その人がフェイトさんの妹だろうが娘であろうが恋人であろうが、所詮は死体であり、その人ではない。人間だった残骸に過ぎない。
 そもそも、死人を人間として扱うのだとしたら……俺が生きている意味なんてなくなるのだから。

 なのはさんはこの事件の概要説明について聖王教会の方に向かったらしい。恐らく何か対策が講じられるのだろう。
 全く簡単なことなのに、そんなことをする必要はあるのか? くだらない。

フェイト「……私は、キャロを見てくる。カータはここにいて」

俺「謹んでお断りします。死体に俺ほどまでに容赦のない人間は、未だかつて人類として生まれてこなかったでしょう。それにね……」

 ソファに埋めていた身体を起こす。昨日とは打って変わって酷い顔をしたフェイトさんに告げる。

俺「何故か、この事件は人事とは思えない」
217 :権兵衛 :2010/08/25(水) 11:21:39.76 ID:cmWFsXM0

 ああ。きっと。
 彼女は幸せだったに違いない。

 こんなにも血まみれで笑ってるのです。四肢に杭を打ち込まれ、内臓を引きずり出されていたとしても。

 こんな狂気に笑って彼女は幸せだった。
 俺のように壊れて、少女は何も気付けずに逝ったのだ。

俺「フェイトさん、どう思います? 実に歪な姿で死んでますよね。それでも、病死みたいな綺麗な死に方と何も変わらないんですよ?」

 ああ、ようやく[ピーーー]るんだと。そう笑って死ぬなんて不幸せだねぇ。
 それにしても汚い。一瞬、部屋にはいるのを拒んでしまったじゃないか。鮮やかな紅で描かれた部屋はもう腐臭と死の匂いで充満している。

 真っ青になって洗面所で吐いてるフェイトさんを脇目に見て、部屋の中を再び覗く。

 さて、どうしよう?


1.フェイトさんを慰める
2.部屋を調べる
3.一旦、引き上げるように忠告する。

安価は>>217


ストパンのSSって何で無いんだ……サーニャが可愛い死んじゃう
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 11:56:28.52 ID:lXtMHjQ0
自己安価とな
219 :権兵衛 :2010/08/25(水) 12:07:45.05 ID:cmWFsXM0
なんと間違えてる
安価は>>222
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 13:13:24.68 ID:lXtMHjQ0
ksk
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/25(水) 13:54:35.03 ID:fAAL7kQ0
2
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 15:11:44.20 ID:KOwbNDYo
2
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/25(水) 15:11:52.59 ID:9Zuo6lk0
3
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 17:23:42.06 ID:SEhqChgo
キャロを[ピーーー]とはwwwwww

ちょっと訊きたいんだが>>1って何歳?
225 :権兵衛 :2010/08/25(水) 21:29:28.21 ID:t2GR9qI0

いまだに続きが書けない病。
因みに分かりにくいとは思いますが、この事件で六課は再設立されています。

>>224 16のバリバリ高校二年生です。しかし中二病。書きたくなるんだよね。村正とか知ってるのは友人によるものです。

後、キャロってキャルに間違えるよね。同年齢だし。

もうすぐ更新します。
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/25(水) 21:33:48.67 ID:5rnj7oAO
サラッとキャロ殺すなよww
サラッとし過ぎてて殺されたのが解らなかったわwww
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/25(水) 22:11:12.50 ID:fAAL7kQ0
早く見たいぜい
228 :権兵衛 :2010/08/25(水) 22:43:44.19 ID:t2GR9qI0

 きっと……変わらないんだ。

 誰にでも死は平等だ。だから、何万物人が焼死しようが、一人が惨殺されようが実質的には同じ事。
 数によって変わる死なんて無い。強いて上げるなら、それは重さじゃなく、価値の度合いが違うこと。

 それは生者によって決定されて、死者に与えられるのは嘆き悲しむ者の口から漏れる悼みの声のみだ。
 中身があろうとも意味を成さない。
 底に何が含まれようと、絶対の境界を超越することは不可能なのである。

 外には“KEEP OUT”と表示された進入防止ようのバインドが張られているため、今は執務官であるフェイトさん、そしてその保護下である俺しかいない。

 ティア……なんとかという執務官も元機動六課でいたそうだが、その人は現在はこの場所にはいない。
 そう、彼女が第一発見者だ。そんな彼女はフェイト三都なのはさんに連絡を入れた後、ショックで寝込んでしまっている。
 連絡までに気を保っていられたのだ、優秀の限りです。執務官のことはあるね、褒め称えてやる。

 部屋に足を踏み入れる。血が広がったままの床なので、土足のまま。靴底に血がベッタリと付くけど気にしない。
 腹を引き裂かれたのか。飛び出してミミズのようになった小腸を踏みつけないようにして歩く。

俺「んー、どれがどれだか? 俺バカだから困るんだけどな……」

 ピチャピチャ。耳障りだ。
 聞こえるのは涙を流して呻く声だけで良い。フェイトさんのその嘆き悲しむ声を聞くだけで、人にある嗜虐の欲望が満たされる。
 思わず眼を落とす。捜し物は、彼女の紅色の原型を止めぬほどに引き裂かれた衣服の下にあった。歪に膨らんだ場所。邪魔な紅と桃の綺麗な混合色の服を除ける。

 頭部だった。一瞬、腫瘍かと思ったけど、きっと頭部だ。笑ってるけど、きっと頭部なんだ。
 ……なんで、入ってる前から笑ってるって分かったんだろう?

 ま、どうでもいいか。そうだよね、キャロ・ル・ルシエ。
 彼女の視線を俺と合わせる。虚ろな瞳は俺だけを見つめていた。この世界の全ての景色を取り去って、俺だけを映し出していた。

 彼女の世界には、俺しかいない。
229 :権兵衛 :2010/08/25(水) 23:10:26.14 ID:t2GR9qI0

 さて、少女相手にこんなことしても楽しくはない。
 取り敢えず頭を再び衣服があった場所に戻す。ゴム手袋しててよかったよ。面倒なことになるしな。

 真面目に考察してみる。
 犯人は彼女の両手両足に杭を打ち込んで魔法で拘束後、衣服を引き裂いて全裸にし、その後に切断して殺した、とまぁ簡単に考察した所はそれか。
 それにしてはあまりにもナンセンスだ。そうやって殺したには床や壁だけじゃなく、天井にも彼女の血液が多量付着している。首を飛ばしたとはいえ、ここまで血柱が吹き上がるとは考えにくい。屋上にまで叩き付けられたのか?

 一つ言えるのは、ここまで徹底的にやる必要があったということ。
 恨みがあったと言えば簡単だが、ここまで凄まじいと感動すら覚える。それに、わざわざ警備が厳重な管理局にまで忍び込むなんてよほどの理由だ。その点が考慮されないなら、刃の竜巻でも起こしたような現場になる理由は一つしかない。

 ここには『何か』ある。犯人が隠したい事実がある。

俺「まぁ、ここで探索なんかしたら俺の血が飛び交いますか? そんな表情をしないでくださいよ、フェイトさん」

フェイト「……カータ」


1.彼女を無視する
2.彼女と話す

選択は>>232


いよいよ血みどろになってまいりました。
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 23:20:14.64 ID:lXtMHjQ0
ホントに血みどろだな・・・


いいぞもっとやれ
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 23:24:42.22 ID:A5Kr/fMo
2
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/25(水) 23:45:49.44 ID:fAAL7kQ0
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 23:46:40.90 ID:8EsbEUDO
2
234 :権兵衛 :2010/08/26(木) 10:58:29.23 ID:rlObC6.0

 今のフェイトさんは確実に情緒不安定な状態だ。
 彼女だってこれが初めてではないはず。それでも、自分の身近となれば別なのだろう。俺も、フェイトさんやなのはさんだったとしたら……

 ダメだ。考えるのを止めよう。

フェイト「何も……思わないの? キャロを見て、何も感じないの?」

俺「いいえ。ただ、感じることが普通と違うだけ。俺は死に対して鈍感であり、そして何者よりも執着できるのです。連続通り魔と同じような者ですよ」

 完全に腐った性根。
 完全に死に慣れきってしまった者の行く末がこれだ。それは単純にも一つの結果として捉えられる。それ以上もそれ以下もなく、虚ろの瞳を覗いて考える。
 そんなフェイトさんの眼はさっきのキャロ・ル・ルシエのような、虚ろの光を発している。驚いたことに、深紅の瞳に泣きはらした後はない。
 強い人だ。だから、壊れて欲しくない。俺みたいにね。

俺「フェイトさんは戻って休んだ方がいいです。ティア……ナ執務官もそうしたでしょう。俺に任せて頂きたい」

フェイト「……カータは?」

 彼女が何を思っているのか急に気になった。でも、短く呟く彼女の態度で何となく分かった。
 きっと、それは憐れみ。破壊されてしまった俺に対するどうしようもない感情。それは、既に悲惨となった心に宿る嫉妬の感情でもあるのか。
 緑の炎は、いくらでも燃える。

俺「手がかりがないか調べてみますよ。こういうのは得意ですしね」

フェイト「止めて。執務官は私だよ……捜査も、現場検証も私の役目。カータはあくまで私の保護下であって、助手じゃないんだよ?」

俺「はは! 虚勢張れるほどの元気があれば、元自分の教え子の生首も笑って見られるようにもなるんですか? そんなわけないでしょう。今のあなたはただの役立たず他有り得ない」

フェイト「うる、さい……!」
235 :権兵衛 :2010/08/26(木) 11:27:10.21 ID:rlObC6.0

 肉塊の漂う血の海にゆっくりと歩んでいく。
 壁に手を付きながら。こちらを狂ったように凝視しながら。綺麗な髪を振り乱して、それでもこちらに向かってきていた。

俺「……そんな状態で捜査? 気絶して血の海にでも沈む気ですか?」

フェイト「執務官命令です。ヴルカータ・グーテンブルク。今すぐ私の部屋に戻って、待機していなさい」

 イラッときた。心から湧き出る怒り。どうしようもない偽善と共に、俺の感情が沸々と煮えたぎる。
 血の紅でぼやけていた視界が一気に晴れた。映るのは一人。唯一、俺が願い続けた幸せをくれた人。死人とは似合わない人。

俺「お断ります。戻るのはあなたの方だ、フェイトさん」

フェイト「ふざけないで……私にはあなたを守る義務がある! いい加減戻ってよ!」

俺「今のあなたに誰が守れるっていうんですか! そんな今にも倒れそうな、そんなにも辛そうなのに!」

 フェイトさんが、ようやく固まった。
 こっちを見ていたんじゃない。キャロ・ル・ルシエの死体を見ていたんだ。そうでもなければ。

俺「そんな表情しないでくださいよ、フェイトさん……」

 この台詞は二度目だ。そして、同じ意味だ。
 だって、今にも泣き崩れてしまいそうで。それでいて、決して悲しむまいと涙を流すことはない。なんで、そんなに肩を張ってしまうんですか。
 どうして、誰も頼ろうとしないんですか。



1.抱きしめる
2.彼女を支える
3.強引にも引っ張る

安価は>>238
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 11:33:07.37 ID:RRHfEdQo
ksk
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 12:39:29.66 ID:hue4ukAO
1
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 12:49:26.04 ID:klicKtAo
3でいかせてもらいましょう
239 :権兵衛 :2010/08/26(木) 13:38:28.39 ID:rlObC6.0

 俺は……不器用な人間だ。
 だから、人を傷つけるような形でしかものを告げることは出来ないし、大切な人の導き方すら知らない。
 フェイトさんの手を握る。死人のように冷たくなってしまった手。今では俺の方が温かい。

フェイト「や、止めて……!」

俺「止めません。自分に正直になれない人に従うつもりなんてありませんから」

 彼女を再び洗面台に連れて行く。水道場では未だに酸っぽい臭いがしていた。
 けど、今ではそれすらマシと思える。内臓の肉と血が入り交じった凄まじい腐臭には耐えられない。これは、生きた匂いがするから。
 フェイトさんは顔を真っ青にして反抗していた。

俺「御願いです、無理をしないで。あなたが壊れてしまったら、あなたを想う人が悲しんでしまう。なのはさん、ヴィヴィオ、はやてさん……それに、俺も」

フェイト「無理なんかじゃない!」

 悲痛な声。その言葉は、俺に投げかけられたんじゃない。
 きっと、自分への叱咤。執務官であり、全てに献身する役なのだと思い込んでいる少女の叫びだ。

フェイト「キャロは今まで一人だったんだよ? 私と出会って、エリオと出会って。六課のみんなに見守られて……ようやく、よく笑うようになってきて…………それで、今がとても幸福なんだって、部隊が解散してからも通信でそう言ってたんだ……」

 独白、なんかじゃない。ちゃんと俺が聞いてるから。

フェイト「キャロね、凄い幸せだったのに……また私と会って、エリオと手を繋いで二人で笑っていたのに……!」

 フェイトさんが繋いでいた手をギュッと握る。爪が食い込んで痛い。
 この痛みは、彼女の悔しさ。大切なものを失ってしまって、自分の無力さを知った時の嘆きと引き裂かれた心の痛み。
 そして、その痛みは彼女からも流れ出る。

フェイト「私は憎い! だけど……その前に…………寂しいし、悲しいから………………」

 腕を強く引かれた。そこに抱きつく美しさの欠片もないはずの金髪の少女は涙を流していた。俺の腕に押しつけられた瞳の感触は、あまりにも悲しくて。

フェイト「キャロォ……! あぁぁ……うぅ…………!」
240 :権兵衛 :2010/08/26(木) 22:41:26.54 ID:tv.Nq/I0

 ……キャロ・ル・ルシエか。その結末がどうであろうとも、彼女は幸せには違いない。
 死は平等である。だからこそ、彼女の死の後、悲しむ人やその身を悼む。人でなくなった自分を大切に思ってくれる人がいるのなら、十分に幸せなんじゃないか?

 ま、死者は悼まれてなんぼだ。あの世に幸アレ。この世に幸アレ。
 だけど生者の特権なんて数えればキリがない。きっと、あの世があったとしても、この世でだって幸福なことは幾らでもある。

俺「落ち着きました?」

フェイト「……うん。大丈夫」

 五分に渡って泣き腫らしていたフェイトさんだったが、ようやく復活。
 彼女の目は涙で充血していたものの、顔色もそれにあわせてだいぶ回復していた。病気は心からなると言われているが、間違ってはいないようだ。
 その紅い瞳に思わず見入る。悲しみを称える瞳に渦が走っているのを見て、瞬間には反らしてしまった。

俺「フェイトさん、そろそろ放して頂けるとありがたいです」

 その時ようやく気付いたようにして彼女が慌てて離れる。
 フェイトさんの泣き場所と慣れたのには死ぬほど嬉しいのだけど、おかげで爪の食い込み方があまり冗談になってない。素直に痛いです止めて。

フェイト「え、あ、あの、えっと……ごめんなさい! 何だか色々たまってて!」

俺「いや、放出するように仕向けさせたのは俺ですから。っていうか、どうみても謝るのは俺の方なんです。頭なんか下げないでください」

 紅潮させるのを隠しているようにして頭を下げるフェイトさんはどうしようもなく可愛い。
 このままずっとそうさせたかったけど、そんなこと出来るわけない。っていうか、俺が根本的に悪い。フェイトさんを傷つけてしまった……
 俺も必死だったとはいえ、あんな理詰めの仕方はしちゃいけなかったよな……それに、強引に手引っ張ったのは俺だし。
241 :権兵衛 :2010/08/26(木) 22:56:53.40 ID:tv.Nq/I0

 一旦、血塗られた部屋を出て、“KEEP OUT”のバインドを解除してもらう。
 外には既に六課とは違うのであろう捜査隊がいた。その顔を見て、思わず苦笑いしてしまう。彼等の空気の読み方に感謝の限りだ。罪悪感すら覚える。

俺「兎に角。落ち着いたからには、休んで貰いますよ! この事件のことはあの方にお任せしてください。フェイトさんじゃ負担が大きすぎる」

フェイト「うん……分かってるよ。私は部屋で休んでる。カータはどうするつもりなの?」

 彼女は俺が捜査に加わるのを良しとしていない……というか、俺が死体に平気であることに悲しんでいる素振りを見せていた。
 そうだな……どうせなら。


1.ティアナ執務官の様子を見に行きます
2.部屋まで送りますよ

選択は>>244
後、物語の大まかが完成。この殺人事件が色々と鍵になってくる……かも。
つーかね、考えたのでいくとバトルシーンが入るんだって。マジ無理くせー。でも頑張ってみまする。
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:04:34.56 ID:klicKtAo
おぅおぅ、3年前の自分を思い出すぜkskst
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:11:09.89 ID:c11wp8k0
2
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:23:24.06 ID:2fMNdIo0
1
245 :権兵衛 :2010/08/26(木) 23:56:15.82 ID:tv.Nq/I0
>>242 Strikersのやってた時期か。貴様……妄想していたな!


 そういえば、第一発見者の執務官……ティアナとか言ったっけ? その人も今、寝込んでいるはずだ。
 お礼に見舞いも兼ねて、行った方が良いのかもしれない。

 その旨を伝えてみた所、彼女は一も二もなく賛成した。

フェイト「うん、行ってあげて。ティアナの親友なんだけど、今はスバルって娘が所用で外出中なんだ。彼女も寂しいだろうしね。私は大丈夫だから」

俺「……分かりました。何かあったら、俺でも誰でもいいから連絡を回してください」

 俺に出来ることは余りにも少ない。だけど、フェイトさんの足や手の代わりにでもなれば十分だ。
 フェイトさんに念を押した後、執務官の部屋を告げて背を向ける彼女を見つめる。完全に、とまではいかないけど、足取りはだいぶしっかりしていた。

 さて、と。なら俺も行きますか。


?「何処に行くつもり?」

 聞き慣れぬ女性の声だった。

 凛とした声。けど、そこには黒い感情も交じっている。
 それは、疑念。もしくはそれに近いもの。

俺「……全力疾走でジョギングでもしようと思いましてね」

?「あら、そんなに怖かったかしら」

俺「そんなことありませんよ。ただ、夢遊病者となんて会話したくなかっただけです。あなたも嫌でしょう、ティアナ……なんちゃら執務官」

ティアナ「ランスターよ!」
246 :権兵衛 :2010/08/27(金) 08:53:28.54 ID:eczwQvY0

 ティアナ・ランスター。かつての機動六課の前線メンバーの一人だという。
 現執務官というのも頷けるような真面目そうな顔をしている。フェイトさんより若いのは間違いない……十八、九ぐらいか?

俺「もう体調は良くなられたので?」

ティアナ「……いや、あまり良くないわね。友人があんな様にされたら、体調も気分も最悪よ。あなたには分かる?」

 質問を無視する。
 確かにまだ顔は青いものの、それなりには落ち着いたのか。
 今じゃその眼光には鋭さすらも映えているのだ。美しい薔薇にはトゲがある。まぁ、バラなんか俺の趣味じゃないけどね。

俺「いやはや……私からそちらに向かおうとしたいたのですが。お見舞いは相手が元気だと出来ませんしなぁ」

ティアナ「あら、ありがとう。フェイトさんの代わりか、あなたの善意かなんて聞きたくないわ。あなたが誰なのか、よく分かったわよえぇ」

俺「有名人にはなったつもりはないんですよ? なりたくもないしね」

 流石に管理局内では隠されても、執務官ほどの階級なら情報は与えられているらしい。
 彼女からすれば俺ってのはどんな感じ何だかね。

俺「それで、何の用です? 逆ナン以外は興味ないんですけど」

ティア「似たようなものかしらねー。私からは誘うんだけどさ」

 あ?
 どうも回りくどいな。

ティア「率直に言うとね」

 彼女は冷たい顔で朗らかに笑う。
247 :権兵衛 :2010/08/27(金) 08:54:33.96 ID:eczwQvY0





         キャロ殺したのあんたでしょ。ヴルカータ・グーテンブルクさん?
248 :権兵衛 :2010/08/27(金) 09:04:23.13 ID:eczwQvY0

 あー。
 この女、マジで面倒くさいな。

俺「初対面だからって八つ当たりされましても。それともフェイトさんとの繋がりが気に入りませんか?」

ティアナ「どっちもよ。けどね、八つ当たりでも何でもないわ。不振人物が来たと知っていて、私が何も仕掛けてないと思う?」

 ちっ。手回しが早い……コイツ。

ティアナ「そうよね? 就寝時間過ぎてからは出歩くと、誰なのか特定されるのよ? 魔翌力センサーにかかってね」

 認証プログラム魔法の一種か……すっかり忘れてたぜ。
 なんとまぁ、俺と特定まで出来るだなんて優秀な限りだ。無限大だな魔法。

俺「深夜徘徊が趣味なんですよ」

ティアナ「キャロの部屋を通った痕跡があるけれどねー。しかも、わざわざ変なルートで回ったみたいじゃない? 遠回りする必要性が徘徊にもあるのかしら」

俺「あるんだよ、徘徊なんだからよ」

 敬語を止める。
 この女、寝込んでたどころかかなり調べてやがる……最初から俺を疑っていた訳か。これは面白い。
 けど、まだ不十分だ。

俺「何にせよ、立証としちゃ不十分だなぁ。殺害に使われた時の魔法も、てんで俺はからきしだし」

ティアナ「えぇ……そうね。けど、容疑者よ」

 まさに獲物を仕留めんとする鷲の目つきだ。まぁそれもそうか。友人が殺戮でもされりゃだれでも憤怒に浸るからしねぇ……
 ああ…………面白い。最高だ。

 敵がいない勝負なんて味気なかった所だからなぁ。
249 :権兵衛 :2010/08/27(金) 09:14:05.38 ID:eczwQvY0
まりょく→魔翌力と変換される不思議。あるえー。



 その殺意が籠もった、そして歯痒そうな表情はもはや芸術の域だ。

俺「ふ……ははは! もし犯人だったら塩送りじゃないか?」

フェイト「黙りなさい! でないと、私が殺人犯にでもなりそうだから……!」

 ティアナ執務官は何やらお怒りのご様子ですねぇ……俺には全く理解できんな。
 生憎ながら、ジャンクなんだ。

俺「……そうかい。なら黙ってフェイトさんのところに戻ることにするか。何より物騒だしなぁ……心配でたまんねぇ」

ティアナ「ちっ……あんたとはとことん反りが合わないわ」

 彼女は未だ憎しみを込めた眼で睨んでくる。
 そんな目で見られるのは当然、嫌いじゃないんだけど。執務官に睨まれているのは周囲からも犯人扱いされかねない。それは困る。

俺「ふーん。まぁ、頑張ってくれよ。犯人が捕まれば万々歳だ」

 返答はなかった。もはやいらなかった。


1.フェイトさんの様子を確認しなければ……
2.手土産の一つや二つは持っておいた方が良いんじゃないか?
3.そういえば、なのはさんはどうしてるんだろう?

安価は>>252です。
にしても、書きやすいなぁ。戦闘と比べたら楽すぎるぜー。
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/08/27(金) 10:18:53.23 ID:UCB4o4Y0
メ欄にsagaで殺すとか魔力とかの制限解除されるぞ。
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 10:47:19.68 ID:ibFmrpIo
kskst
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 12:45:41.12 ID:SLBcQgDO
3

やっとなのはだ
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/27(金) 13:27:33.39 ID:l1iTUvAo
>>252
IDがスターライトブレイカー
254 :権兵衛@友人宅 [saga]:2010/08/27(金) 17:42:28.26 ID:Y9ADMuc0
 ただいま、友人宅のパソコンからお邪魔しています
 >>252 あなたが魔王か。   >>250 知らんかったぜ……感謝。

 部屋に戻ってフェイトさんに再会。彼女としては着替えるのも面倒だったのだろうか、上着を脱いだ肌蹴たYシャツ姿は実に艶めいている。
 なるほど、これで男性と接点がないとか真面目に信じられねぇ。ごめんなさいエロ過ぎです。

フェイト「おかえり。ティアナはどうだった?」

俺「復讐に燃えてましたし、あれならすぐに復活するでしょう。それよりも、今は通信使えますか?」

 誰宛かは予想がつくだろう。フェイトさんはすぐさまパネルを開いて通信を開始してくれる。
 申し訳ない限りだがこればかりは仕方ない。俺には魔力というものがないらしい。病院で空を飛んでみようとして看護婦に止められたのは内緒である。
 頭の下がる思いで通信先の映像を覗き込んだ。

なのは「あ、カータ君! どうしたの?」

俺「……いえ、ただなんとなく気になりまして」

 心配してくれるんだ、なんて悪戯をする子供のような笑みで笑う彼女に思わず笑ってしまう。
 心配なんてしてないけれど、まぁそういうことで別にいいか。そんな彼女のそこ抜けた顔に苦笑するけど、すぐに本題に入った。

俺「それで……何かつかめましたか」

なのは「それがまだ。というかね、みんながショック受けすぎて何も手がつかないというか」

俺「そう、ですか」

 それは安心する。今のうちに犯人が分かってもらったら困るなんてもんじゃないしなぁ。
 ティアナ執務官はまだ知らせていない……どういうことなんだか。独自捜査でもする気なのかな?

 まぁ、どうでもいいや。


 何を聞く? 

1.今、何処にいるんですか?
2.この事件についてどう思いますか?
3. 現状で分かってることは?

安価は>>256
なのはさんでもフェイトさんルートでも物語が同じという内容になってまいりました。ごめんなさいごめんなさい。
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 17:46:00.90 ID:41bsCxko
ならリインルート一択
3
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 18:01:50.02 ID:/PxwTPso
1
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 18:28:01.73 ID:SLBcQgDO
>>254安価は、遊びじゃないんだよ?
258 :権兵衛@友人宅 [saga]:2010/08/28(土) 00:11:23.93 ID:iwcOalo0
>>257 安価が遊びじゃなかったらなんなんだと言いたい。お前はどんだけSSに対してマジなんだ。命でもかけてんの?
    つーか、言葉遊びも出来んのかあんたは。そもそも、なのはさんでもフェイトさんでも構造設定は同じで問題ないだろうが。


なのは「今は聖王教会にいるの。はやてちゃんとリインちゃん、それにカータ君は知らないだろうけど、教会の責任者で、はやてさんの直属の上司、カリム少将に弟のヴェロッサ査察官、そしてフェイトちゃんの義兄のクロノ提督がいるよ」

 聖王教会……病院で管理局については勉強していたから一応、知っている。
 管理局と繋がってはいるものの、その圧力からは逃れているのだそうだ。だから、彼女たちは大抵、この場所で会議などを行っているのだという。

俺「まぁ……その方とは会うべきなんでしょうね、俺も。それで、会議は終わったんですか?」

なのは「うん。もともと話す内容も少なかったから……」

 それは実に簡単な話だ。管理局自体もこの件に対してはある程度の想像を立てているからこそ、会議の必要性が皆無であるだけ。
 しかし、それには理由も根拠もない。だから、あくまで想像の形として会議で練りこんでいるというわけだ。
 ぶっちゃけ言えば、なのはさんは俺が疑われていることを隠蔽しているということだ。

 なのはさんもフェイトさんにも、迷惑ばかりかけていて。
 そして、俺は何も出来ない。

俺「なのはさん。フェイトさんの体調を少し崩しましたので、看病に戻ってきてくれると嬉しいんですけど」

なのは「フェイトちゃんが!? ……って言っても、なんとなくは予想ついてたんだよ。助けてくれたんでしょ、カータ君」

 むむむ、バレていたのか。
 偶に彼女の信頼関係が俺にも結びついてくるのだから怖い。

なのは「フェイトちゃん、そこにいるんでしょ? 私はヴィヴィオの迎えに行くつもりだったんだ。悪いんだけど、フェイトちゃんの看病は任せられるかな?」

 そこに何故か顔を真っ赤にしたフェイトさんが首を突っ込む。

フェイト「だ、大丈夫だよなのは! 私は一人でも問題ないから、カータと一緒にヴィヴィオを迎えに行ってあげて」


1.なのはさんに同行
2.フェイトさんの看病

安価は>>261です。

259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/28(土) 14:56:42.16 ID:AF3mvsM0
>>1あんたもマジにならなくてよろしい
てことで2
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 15:44:08.22 ID:65R79i6o
kskst
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 15:56:56.15 ID:6eKPmrs0
もちろん2
262 :権兵衛 [saga]:2010/08/28(土) 18:29:20.46 ID:V9ZXZXs0
 ただいまなのですよー。
 それにしても、このスレ面白いぜ……なのは勢もフェイト勢もいて。友人に画集借りて、バリアジャケットだけ脱いだなのはさんもいいなーとか思ったりしました。後、はやての白タイツがエロい。そして、私服のセンスがひどい。

 続きは書いていきますが、未だあやふやなままなので、ちゃんと全ての辻褄が合っている、みたいには書けません。
 同人レベルより断然低いものだと思ってくださいな〜。


>>259 ごめんちゃい。まだガキんちょだから、事あるごとに反応しちゃうような人間なんだ。気を付けるお。



263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 19:06:25.50 ID:7mm.ZAAo
>>262
それだけ多感って事だろうよ。
多感な時期って言葉がある通りガキんちょって自覚があるのならば多感が当然だって事も自覚しておけ。
悪いことじゃない、子供は多感であるが故に成長が早いのだから。
264 :権兵衛 [saga]:2010/08/28(土) 19:31:44.29 ID:V9ZXZXs0

 彼女がヴィヴィオを迎えに行くのは、この事件とは何の関わり合いもないことだ。迎えに行くのに二人も必要ない。
 なのはさんはそこまで体調が悪く見えないし……何よりも、ヴィヴィオとちゃんと俺が接せられるかと訊かれたら、肯定できるはずもない。

俺「ダメですよ、フェイトさん。誰か見張りでも付いていなかったら、ティアナ執務官に会いに行かれるのでしょう?」

なのは「そうだよ、フェイトちゃん。エリオのことも気になるんだろうけど、今は自分のことを大事にして」

 エリオ……覚えている。ライトニング部隊の竜召喚士であるキャロともう一人、ガードウィングとしていたのが、エリオ・モンディアル。
 キャロ・ル・ルシエと同年齢だそうだ。男とはいえ、まだ若すぎる。彼が今、一番近しい存在としている彼女の訃報だ。傷つかないわけがない。
 そいつもきっと、キャロ・ル・ルシエと同様に、フェイトさんにとっては子供のような存在なのだろう。

フェイト「……うん、了解。なのはも気を付けてね。巻き込まれたらすぐに私に連絡して」

なのは「あはは、フェイトちゃんは心配性だなぁ。さっき会議が終わった時、はやてちゃんにも同じ事言われたんだけどねー」

 なのはさんも笑ってはいるが、本当の意味では笑っていないはず。
 彼女は特に管理局内では一目置かれている。管理局にすら忍び込んできた犯人が、ヴィヴィオの学校に潜入するのは容易いだろう。それゆえに保護者であるなのはさんが送り迎えを担当している。
 相手の実力は全くの未知数のうえ、周囲に被害が及ぶことを考えると、戦闘では圧倒的な不利な場所だ。心配するのも当然である。

俺「ヴィヴィオを確保したら、出来るだけ街道を通ってのルートにしてください。魔術妨害をされたとしても、すぐに見当が付くようなルートで。それから無理をせず、逃亡も考えてくださいよ。あなたなら街の人全員に背を向けかねない」

なのは「……そう。もしね、カータ君は私が墜ちたらどうする?」

 だから、急にそんなことを言われたらどう返せばいいか分からなくなる。


1.何処にいようと、あなたの側に
2.何よりも鋭い剣を手に
3.悲しみに暮れ、願いを馳せる

選択は>>266
イケメンになるかヘタレになるかみたいな
265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/08/28(土) 19:48:24.98 ID:AF3mvsM0
kskst
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/28(土) 19:52:42.06 ID:OZRoJIAO
2
267 :権兵衛 [saga]:2010/08/29(日) 16:59:42.31 ID:voas6jY0

……
…………

 …………そこに見えたのは、髪が傅いた形。それが剣なのかさえ曖昧な、未だに存在すら持たない妄想の形状だ。
 遠い場所にあるはずなのに、手を伸ばせば届きそうな距離。なのに、決して届くことはない。それは、あくまで俺の願望に近いものの想像に過ぎないからだ。

 でも、これで素材は十分だ。きっかけによって原型は完成した。
 後は自分の力として作り出すのみ。

 無意識のうちにゆっくりとそれに手を伸ばしてみる。形は分からないそれに、真っ黒になった手が触れそうになる――――――――




なのは「カータ君?」

 急な目眩と共に焦点がぶれる。
 俺は……何を見ていた?

俺「……っ」

 酷く夢心地だった。一瞬にして意識から乖離して、この世界から切り離される感覚。今までに何度かあったことだ。
 けれど、その夢幻での光景は俺の記憶になく、ただ何となく遠い景色として保存されるのみ。

なのは「……ごめんなさい。変なこと聞いちゃったね」

俺「い、いえ……そんなことないです」

 慌てて弁解する。兎に角、いらぬ心配だけはかけないようにしなければ。
 ただの杞憂に、フェイトさんもなのはさんも愚直にも対応してしまう。彼女等の負担はいかに些細なことでも消していかないと。
268 :権兵衛 [saga]:2010/08/29(日) 19:51:34.00 ID:jaEple.0

 夢心地のまま、彼女の発言に答える。捻りのないまま感情を吐露する。

俺「俺は……その時には消えています。なのはさんが墜ちる時は俺の生も途絶えている。俺はあなたに救われて、そしてあなたは俺に与えてくれた。だから俺はなのはさんのもので、剣であり楯でもあり、何物でもあるんです」

なのは「へ……あー、えっと、ね」

 どうやら予想外だったのか。初めてかもしれない。なのはさんは紅潮していて、はにかむようにして照れていた。
 その笑顔は正に天使に負けず劣らず……いや、違う。なのはさんが天使なんだ。
 うん、天使ちゃんマジ天使。

 でもなぁ。なのはさんを倒すほどの相手に俺が戦えるわけがないんだ。気の持ちようで変わるならどれほど楽なんだか。
 だから……せめて俺は剣でも槍にでもなりたい。相手を貫き、切り裂ける強大な力が欲しい。それが、なのはさんやフェイトさんに捧げられるものであればいいのに。

なのは「カータ君、女性相手に見栄を張るのにはまだ早いんじゃないかな?」

俺「そんな不吉なこと言われたら、いくらだって風呂敷を広げますよ。虚言ではない……つもりですけど」

なのは「うん、知ってる。ありがと、カータ君」

 思わず眼を反らす。あぁもう、本当にこの人には適わないなぁ。
 そんな悲しい眼を、しないで。

なのは「それじゃあ、そろそろ通信切るよ。フェイトちゃんもカータ君のこと聞いて休んでるようにね!」

フェイト「あぅ……わ、分かってるよ、なのは!」

 何か、言わなきゃ駄目なんじゃないかな?


1.お気を付けて
2.また会いましょう
3.何も言わない

安価は>>271
天使ちゃんマジ天使。Angel Beats面白かった……と思う。
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 20:04:48.52 ID:vkUVtSko
ここの>>1が書くなのはが時々えらくかわいくて困るkskst
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 20:37:12.43 ID:zQhQbDg0
1
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 20:45:32.67 ID:aMFjkPso
2
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 23:38:01.65 ID:Y0uGowDO
ここでネタバレ

主人公はアンリマユ

フェイトつながりで
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/29(日) 23:58:24.11 ID:r/xdAXco
なんか死にフラグっぽい
274 :権兵衛 [saga]:2010/08/30(月) 00:20:31.39 ID:oBxW8Dk0
>>272 良い読みだが外れだぜ。境遇的には似てるのかもな。カータはロックスターにはなれなそうだけど。してもHollowネタとは珍しい……
>>269 そんなこと言われたら頑張らざるを得ない。


 彼女の声、温もり、甘い唇。それを思い出して、画面越しに願ってしまう。
 必ずまた会いたい、と。

俺「……寮に着いたら連絡ください。迎えに上がりますから」

なのは「どうして? 買い物をして帰るわけでもないから、必要ないと思うんだけれど」

俺「俺にはあるんですよ。一刻も早くなのはさんの顔を見たい、それだけです」

 途端に。
 レイジングハートの色になのはさんが染まった。度合いはもうさっきの比じゃなく、もうリンゴ。もしくはザクロ。

 栗色のポニーテールが揺れているのは、俯いて動揺を隠しているボロが出ているのか?
 黙りこくって顔を赤くしているなのはさんは、もはや男が元来持っている価値基準においてはもはや芸術的だとも言えよう。
 すなわち。

俺「なのはさん、可愛いですね」

なのは「……っ! 大人をからかうと良くないことが起きるって知ってるかな!」

俺「レイジングハートを握らないで洒落になってねぇ」

 なのはさんの会話がどれほど危険なものかよく知っている。
 言語とは抑止力にもなる。けど、この場合は色々違う、っていうか使い方が全く違ってきてる。危ないなぁ。

俺「全くもう、後で『お説教』だからね! フェイトちゃんも逃げないように見張ってて!」

 あ、それ無理死んじゃうわ。
 そう思わず呟いた直後には通信が遮断される。うーむ、流石にからかいすぎたか?
 でも、今回そこまで悪くないよね……名も知らぬ母様お父様、これから会いに参りますのでよろしくお願いいたします。


275 :権兵衛 [saga]:2010/08/30(月) 00:33:18.37 ID:oBxW8Dk0
>>273 しかし死なない!


 黙っちゃいないのは当然、俺の隣で細い眼をして睨んでるこの方。
 流石は十年以上の付き合いである。流石に親友がこんなからかい方をされては色々と苛つくのだろうか。しかもどっちも女性だし。

フェイト「……カータ、人をたぶらかすのが上手いんだね。知らなかったよ」

俺「いやいや。俺も知らなかったりしたわけですよ」

フェイト「へー」

 何の感情もこもってない声。
 その無機質な眼を止めて欲しい。


1.フェイトさんにもフォローしてみる
2.話をそらす
3.一旦待避→何か買って機嫌取り


安価は>>278
シナリオ進行とルート進行で別れてる分岐。どっちを選ぶ?
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 02:25:36.60 ID:XgyJ7ADO
1
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 02:47:25.10 ID:wrcXKM60
1
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 04:16:09.09 ID:LX2Rrs6o
3
279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 07:21:16.19 ID:2DVQn9Io
俺「全くもう、後で『お説教』だからね! フェイトちゃんも逃げないように見張ってて!」

( ゚д゚)

( ゚д゚ )
280 :権兵衛 [saga]:2010/08/30(月) 14:46:55.91 ID:iJm6ZKk0
>>279 正直すまんかった。お説教ぇ……


 戦略的撤退、もしくは逃避行為。
 ていうか、現状において説得の余地が全くないというね。語彙力は大切なのである!

俺「少しトイレに行って参りまぁぁぁぁす!」

 フェイトさんが何か叫ぶ声が聞こえたがガン無視。一瞬の風になれ……! 
 そのまま部屋から緊急脱出。そのまま尿意すらないのに便所に駆け込む。何このいじめられっ子構図。俺ってこんな役回りしかないのね……


 少年放尿中……あぁん


 さて、みなさんに不愉快な音声が入ったのは気にしないこととして。
 これからどうしよう? 空気に耐えられずに飛び出したのは兎に角、どの面下げて戻ればいいんだ? なのはさんにも看病すると約束した手前、戻らなければならない。

 仕方ない……何か機嫌取りに甘い物でも買おう。幸い、昨日なのはさんから多少の小遣いは貰っているのだ。
 一文無しだと言ったらくれた大金。壮絶に遠慮はしたんだけど、いざという時だと押しつけられたのだ。それがこんな時に役立つとは。
 でも、本当はあまり使いたくはない……というより、世話になってるだけでも十分なのに、手持ち金を貰うなんてあまりにも恐れ多いことだ。

 さてと……売店はどこに売ってるんだか。この階には多分、ないだろう。つまり。


1.ロビーだ
2.屋上だ
3.外にある

安価は>>283 運が良ければ出会いがあるかもしれない。
281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 15:07:43.34 ID:GuMg1Wwo
2だ 星を誰かが見ているに違いない!
って今何時だ?
282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/30(月) 16:04:28.10 ID:H36Lcwso
kskst
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/30(月) 16:25:17.80 ID:82VKiMY0
3
284 :権兵衛 [saga]:2010/08/30(月) 23:55:28.18 ID:xjJnmvg0
>>281 朝食→フェイトさんゲロる→フェイトさんから逃げ出す→今  まだ昼飯前だ。


 よく考えればホテルでもないのに寮の中に売店があるとは少し考えがたい。まだ昼時にも少し早いのか、職だと思われる場所もしまっているはずだ。
 二階出口から外へ出ると、寮のすぐ側の建物に人が吸い込まれていくのが見える。
 なる。あそこか。

 それなりに大きい程度の食品や雑貨の量販店。寮に住む管理局員にとってはここでの品物がライフラインとなっているのだろう。
 なので、管理局の制服の人が行き来する中で、一人だけ管理局が用意してくれたYシャツとジーパンを来ている俺は異質だ。Yシャツは外に出してるからかな?

 兎も角、早く済まさなければ。自動ドアをくぐって、

?「あ」

俺「あ」

 嫌な奴と出会った。
 全く、もう二度と出会いたくないと思っていた矢先にこれか……マジでついてねぇ。
 サラサラとした髪が流れる。彼女の手には弁当とペットボトルのお茶が入ったビニール袋。どうやら昼食を買いに来ていたらしい。

俺「食堂開くの待ってりゃ良いじゃねえか。もったいねーな」

ランスター「……寮の食堂は多人数で食べた方が良いのよ。専用のメニューがあるぐらいだしね」

 なら多人数で行けよ、という言葉を呑み込む。なるほど、多人数――――――――そういうことか。知らずのうちに皮肉ってわけだ。

 執務官の言葉裏は辛辣そのもの。その委殺すような視線は俺のハートへの直行便だ。おぉ、怖い怖い。
 にしても、そんな無愛想な顔をしなければいいのに。笑顔でも見せたなら、なかなかどうして魅力的な女性でもあるとは思う。
 かのお二人の元直属なんだ、見直してほしい限りだぜ。

「で、あんたはフェイトさんといるんじゃなかったわけ?」

「今はお前といたいのさ☆」

 キモい、と殴られた。二つの意味で痛すぎた。
285 :権兵衛 [saga]:2010/08/31(火) 00:16:33.67 ID:QQ5WZyY0
↑のでティアとカータの名前入れ忘れたごめん。でも普通分かるよね? 後、主人公視点だからランスター。彼女は攻略対象外です。


ランスター「へぇ……それで、あんたここにいるわけ」

俺「そうでもなきゃ外なんかに出るか。もともと保護対象が逃げ出してる時点で大問題だがな!」

 ランスターが、何故俺がこの場所にいるかと詰問することは至極真っ当な対処である。
 そもそも彼女は腐っても執務官。どんな行動であろうとも、容疑者をのこのこ目の前で見逃すわけにはいかないということか。

 でも、体調を崩したフェイトさんに何か贈りたいと告げると、その態度は一変して敵意が消えた。
 未だに疑念は晴れていないみたいだけど、息の詰まるような空気は既にしないので良しとする。とても耐えられないのだ。
 ……まぁ、疑念自体はかなり厄介なんだが。

俺「で、分かってくれたなら俺は行くぞ。ぶっちゃけ、時間があんまりねぇんだよ。逃げ出しちまったしな」

ランスター「何言ってんのよ。自分が事件の容疑者だって事、忘れてるわけ?」

俺「もともと知るかよ、んなこと。なんなら監査でもすりゃ良いだろうが。お前よりフェイトさんが優先事項だ。ついでにチョイスを任せる」

ランスター「あのねぇ。あんた本気なわけ? 容疑者が執務官連れて歩くって、もしかして私のことなめてんの?」

 舐めたい、とか言ったらまた殴られるので、黙って先行することにする。その後ろに少しだけ間隔をあけてランスターは付いてきた。
 うぅむ。悪いことをしたかもしれない。あいつだって友人が死んだ上、それに忙しい最中に俺の付き添いとは。でもまぁ、俺をかぎ回ってる奴だしなぁ。


1.食品
2.雑貨
3.衣服

安価は>>289 フェイトさんが欲しいものは時間や状況を考えれば分かるはず。
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 01:33:50.82 ID:jzFh0MAO
Ksk
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 01:50:19.89 ID:nOu2HSo0
ksk
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 03:06:56.87 ID:MMrBS4Io
ksk
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 03:47:04.52 ID:Z36a7t20
2
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/31(火) 18:22:24.39 ID:jzFh0MAO
1だろ
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 01:44:34.24 ID:Ep/swEDO
ふつうは2になるだろ
どんだけ虐めたいんだよ
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 18:17:14.97 ID:4aryCPYo
まぁ腹は減るが食べれる状況ではないわな
293 :権兵衛 [saga]:2010/09/01(水) 22:55:29.31 ID:S9LERtU0

 何処へ行くかは決まってる。昼食前に甘い物を贈る……という前に、生々しい肉を見た後で食事というのも酷じゃないか。
 それに、フェイトさんがいない状況で衣服をかったところで、好みもサイズも分からないんじゃ意味がない。その上夏だから、コートというわけにもいかない。

「よし、雑貨店だ。いくぞ下郎! 這い蹲ってついてくるがいい!」

「偉そうにすんな、うっさい!……あぁもう、あたしったら何やってんだろう」

 微妙な心境をお察しするが、今はフェイトさんの方が断然に重要なのである。
 諦めて貰うしかないんだよ!


 ……フェイトさん、ちゃんと寝てるかなぁ?



好感度分岐……?
1.フェイト視点へ
2.なのは視点へ
3.××××視点へ

選択は>>296
シュタゲ面白いよう。小遣いが涙目だが。誰かカオスヘッド貸してぇ……
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/01(水) 23:52:07.78 ID:mBFy/Kco
うぉぉぉぉぉ全力でksk!!
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/02(木) 01:43:42.32 ID:2U6Q6oDO
2
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/02(木) 01:44:10.61 ID:RbfEbr60
1で
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/03(金) 01:54:53.77 ID:7E7Uv7o0
早く見たいぜこのやろう
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/03(金) 21:15:46.27 ID:t0BNwoDO
魔王様はまだか
299 :権兵衛 [saga]:2010/09/04(土) 16:03:37.56 ID:hY4WW2.0
シュタゲやってて書けなかったごめん
>>297 ありがとよ    >>298 フェイトさん……だぜ?



「フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの独白」


 何度も助けられてきた。
 そんなあの子の姿はもう無い。

 キャロとの最後の会話は温かみもないただの事務報告だった。
 あの時には既に開発都市イルフィアの崩壊についての対処に追われていて、誰もが暗い顔をしていた。

 かくいう私は何も考えずに、ただ当たり前の作業の繰り返し。
 私は事実を把握するのが苦手だ。
 だけど、それを表情から何もかも誤魔化すのは幼い頃から大の得意で、だから出来るだけ普通のテスタロッサ・ハラオウンであろうとしていた。

 だから、無理しないでなんて言われてしまうんだって気付いた。
 なのに、ありがとうと言える時は永遠にない。あの時、その言葉に固まってしまった私を恨むほか無い。

フェイト「キャロ……」

 写真の向こう側を撫でる。あまりにも近すぎる距離に思わず溜息をついてしまった。
 私にはとても遠すぎる希望の果て。未来に明るい笑顔で私に手を振る二人の姿を見て――――――――

「……っ!」

 痛い痛い。
 止めて止めて止めて。これ以上は耐えきれない。
 歯ぎしりをして紛らわす。ダメだ、乗り越えなきゃいけない。

 死について理解するのは、死に自ら近づく以外にしか有り得ないことだ。私のような生者には決して理解は出来ない。

 ……うん、そうだよね。
 彼の背中しか、私には見えない。見てはならない。
300 :権兵衛 [saga]:2010/09/04(土) 16:14:45.93 ID:hY4WW2.0

 それは数日前。

 あまりにも圧倒的で、世界という漠然とした器ですら認知していた絶対的な死を肌で感じ取った。
 焼死した被害者に形相なんて無いに等しいのに、無数の彼等が私を睨んでいた気がした。一瞬にして身体の筋肉が凍り付いた。
 私がそれに恐怖を覚えて飛べなくなってしまった。それで、なのはに全てを押しつけてしまった。それについて彼女は気にするなとは言っているけれど。

 でも、それで良かったのかもしれない。
 なのはが救助した彼を、気の弱い私にはとても助けられなかったはずだ。なのはの持つ優しさを私は持っていない。
 強引にでも暗闇から人を助け出せる強さを持っているはずがないんだ。私は……!

 そうして、対面した。名も忘れ、我を失い、環境すらも取り去られた彼は愉快そうに笑う。
 そうして、空を見上げていた。そして告げたのだ。

俺「こちらこそ。フェイト・テスタロッサ・ハラオウンさん」

 私の名を。彼の名を。
 かつて失われてしまった物を切り捨ててさえ、今に執着しようとしている。
 だから、思わず笑ってしまう。

 知ってる癖に。過去を振り切れても、忘れるのは不可能なんだって。

 そう皮肉にも思った。
 なんてことはない、実に単純な嫉妬。私も全てを忘れてなのはやヴィヴィオといられたらどれほど幸せなのか。
 忌まわしい過去が消え去れば、きっと私は壊れなかった。

 私は、こんな人好きになれそうもないよ。
301 :権兵衛 [saga]:2010/09/04(土) 16:28:31.85 ID:hY4WW2.0

 揺れる。心が上下逆転して、そのまま内臓を潰されたような吐き気が全身を駆けめぐる。
 まるで、彼女の皇帝を全て否定されたようにして、私の願いが詰まった袋が思い切り引き裂かれた。

フェイト「あ、ああぁぁ……っ!」

 この時点で私は気付いていたはずだ。
 あまたの理不尽な憎悪と無限の嫉妬を含有させている視線。存在がない緑眼。
 どう転がっても、もう二度と見るはずのないおぞましい世界は再び身近なものとなって再現された。

 ああ、私は失っていく。幾らでも手に入れられるなんて傲慢にも程があったんだ。
 決してジェイル・スカリエッティのような心は持ち得ないはずで、私と二人は支え合っていた。
 そして、守れなかった。私の手から砂がこぼれ落ちて。

 その背徳感に堪えきれなかった。ああ、簡単だ。逃げよう。
 下品にも汚物がからになるまで嘔吐すれば何も問題ない。そうして再び自分すら誤魔化してみせる。私のあるのは義務で、権利なんて興味がない。

 そうして死から逃れた私が見たのは、堂々とキャロの死を踏みにじるその姿。
 途端に激怒した。許せなかった。

俺「いいえ。ただ、感じることが普通と違うだけ。俺は死に対して鈍感であり、そして何者よりも執着できるのです。連続通り魔と同じような者ですよ」

 だから、カータのその言葉に耐えきれなかった。自分の紅の緑眼が飛び出そうな事実に頭が割れそうになる。
 道理を超えきった巨大な死を見た彼は、もうとっくに壊れていたのかもしれない。

 それに、涙を流していた時に気付いた。彼の温度に触れたからだろうか。
302 :権兵衛 [saga]:2010/09/04(土) 16:37:18.69 ID:hY4WW2.0

 きっと、彼ほど死と向き合える人間は現在に置いていない。

 そして、私が本来抱えるべき重荷を彼は全て背負っている。いかにキャロを嘲笑しようとも、彼は無関心を装うことを良しとしない。
 私が背負えぬ痛みを、キャロと全く関係のない彼は抱えたのだ。

 だから。

 私の思いすら受け止めたカータに捧げたい気持ちがある。
 彼の重荷は彼を何時か壊してしまう。確かに昨夜は私の願いは彼に否定されてしまった。
 ……なめないでよ。けれど、私はなのはの友人だ。親友であり、ライバルだ。なら、なのはと同じように強引にでも沈む身体を引き上げるのみ。

 まだだ。まだ間に合うはずだ。

 正当化すら出来ぬ私のエゴに彼が憎悪していたとしても、いかに他人……なのはでさえも私は拒否できる。
 これは私の償いの鎖。私の独善行為に大切な人は巻き込めないから。

 ベットから這い出る気力はある。
 でも今は待つべきだ。きっと入ってすぐに頭を上げるはずの彼の姿を眼にしたい。
 エリオに会うのはこれからだ。

 確かに期待する自分。
 微かにだけど……感じられる。
 私の思いは再び繰り返される。

 カータ、ごめん。
 望まれないとしてもね、私はやり遂げてみようと思う。あなたは、こんな暗闇に生き続ける人間じゃないって知ってるから。

 その役目は、私の物だ。
303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga ]:2010/09/06(月) 00:12:32.06 ID:I2EOVQM0
まだかいにゃー
304 :権兵衛 [saga]:2010/09/10(金) 19:54:53.56 ID:6aV.Hrc0
何か色々どうしようかと悩んでて、立て逃げ寸前になって、でもやっぱり妄想したいから書こうと思った。


 雑貨屋の自動ドアを出てからも、ランスター執務官と二人して歩く。
 彼女との距離にして役1メートルという同行は須くして遠すぎた。どっちかというと信頼感などに等しい物である。

ランスター「ねぇ、一つ聞いていい?」

俺「……執務官としてなら俺が拒否する権利なんて無いだろ?」

 ランスターはその言葉を完全に無視。代わりにはいたのは予想通りの文句。
 ああ、そうか。真面目な性格が邪魔している……逆だな。こいつが持っている人間が誰しも当然だと思ってる腐りきった良心のせいとでもいうのか?

 この女……やはりバカだな! 資質は良いし優秀だが、柔軟でもなければ俺は天の雲に等しい。

ランスター「現状で容疑者として一番怪しいのはあんたよ、ヴルカータ・グーテンブルク。あんたも否定はしていない。けど、それに対する証拠はない」

俺「回りくどいな面倒くさい」

ランスター「正直に言いなさい。あなたがキャロを殺したの?」

 涼しい風が駆け抜ける。
 遠い無効では、かつて俺が好きだった桜の花びらが散っているのかもしれない。美しい故に短命。
 それは価値であり、全ては失われる。

 他意など無い。
 不条理なんて溢れている。そんなことを今更聞くのか?

1.殺した
2.殺してない
3.考えろ

安価は>>307 さぁどうする?
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 20:05:01.63 ID:5RUtLH6o
3
306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 21:50:12.89 ID:qev9bgAO
3
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/10(金) 21:51:39.85 ID:MET9wswo
2
308 :権兵衛 [saga]:2010/09/11(土) 00:45:54.05 ID:BSdI2UQ0

 当然、お縄になる気なんてのは更々無いわけで。

俺「……まさか。そもそも、俺は人を殺せるような技術はないし、神を冒涜しているわけでもないんでね。寧ろ感謝すらしてる」

ランスター「詭弁よ! ほんっとに意味分かんないあんた!」

 そりゃそうだわな。お前の中身は未だに快晴なんだ、理解できるはずもない。
 知識としてしかないないんじゃ話にならない。確信は持つ物じゃなくて、作る物だ。だから、こいつの質問などまともに答える気すらならない。

俺「うっさい。仮に俺が殺害したと言ったら、お前は今ここでどうするつもりだった? その質問は恐ろしく生産性のないものだって自覚もないのかよ」

ランスター「いいえ、それはある。それなら被告人の自己証言を前提での捜査が出来た」

俺「想像するだけで背筋が凍るね。冗談交じりで言おうと思ったじゃないか」

 実際は言って強引に無実に引っ張る予定なんだけどねー。
 ランスター執務官の射殺しそうな視線から眼を反らす。取り敢えず、とっととフェイトさんに渡したいんだけどさ。後門の虎から全力で逃げ出したいぜ。
 こいつは挑発も知らないのか?

1.フェイトさんに贈り物を
2.なのはさんはもう来たかな?
3.このままお遊びに付き合ってやる

選択は>>311
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/11(土) 07:48:46.34 ID:KpThg.AO
1
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga sage]:2010/09/11(土) 14:26:04.72 ID:xzyyTAM0
kskst
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/11(土) 15:10:37.98 ID:xOffhIDO
1
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/13(月) 19:06:26.02 ID:0I12RsDO
早く

書け!

313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/17(金) 01:55:00.96 ID:FSePM2AO
来ないな
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/23(木) 18:47:48.30 ID:fUABRIAO
俺はいつまでも待ち続ける!
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/26(日) 13:28:41.33 ID:wjIPqego
まだー?
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/09/28(火) 23:09:47.73 ID:074Nu.AO
面白いから期待してたのに…
もう来ないのか…
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/04(月) 21:53:15.83 ID:gTB.EZU0
待ってるよ
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/10(日) 18:29:14.76 ID:gPFXxhwo
もう1ヶ月も経つのか……
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/14(木) 02:32:22.52 ID:moK6sgAO
C
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/10(水) 00:24:29.43 ID:112my.AO
age
321 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/16(火) 01:00:40.56 ID:E6qCFUAO
>>1帰ってきてくれ
322 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/16(木) 22:53:58.15 ID:1Ib6N6AO
age
323 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/24(金) 02:40:11.77 ID:d6X2xw6o
 
324 :権兵衛 [saga]:2010/12/31(金) 17:33:23.53 ID:pX6rR1o0
行き詰まってた。自分勝手だと思うけど、やっぱりまだ続けたい。
批判や中傷の一つも言いたいなら、どうぞ。
贈り物のシーンがうまく考えられなくて挫折してしまって……正直、文章力が足りないと思う。



 その日の夜。
 なのに、まるでこの日の管理局の寮は未だに数多くの電灯で明るい。いや……どちらかというと慌ただしい、というか。
 流石に機動六課の熟練魔術師が殺害されたともなれば、厳重な警備体制にもなりうる。
 魔法で作られた光は陶芸のような美しさで、まるでネオンのようだ。星の光が届きにくいのは少し残念だけれど。

 人は死に恐れ、安堵を覚える。死にたくないのと幽霊に出会うのがニュアンス的には同等であるからだろう。
 それは……多分、違う。一生に一度しか得られない経験。それは、恐らく人間の生の中であまりにも絶対的すぎる事象であり、それを人間の最果て、終着点というより、神格化されたものにすら成り得ているのではないか。何であれ、死を恐れるのは薄れてしまった本能の砦には違いない。

なのは「フェイトちゃんには、これからは事件には関われないようにさせたいんだ」

 フェイトさんの耳に付けられたピアス。ミッドチルダの辺境に住むという黒鳥の羽があしらわれたもの。
 これをプレゼントにした時のフェイトさんにようやく明るみが出てきたものの、精神的ショックが消えた訳じゃない。熟睡してくれただけでも行幸だろう。

俺「それは……恐らく不可能でしょう。今はその場しのぎ。犯人が彼女を狙うまいが、フェイトさんから犯人を追うはずです。執務官としてね」

なのは「私に止める権利はない、か。寂しいよね」

 寮室のベランダで並んでミッドチルダの町並みを見下げる。世界は広く、大きい。
 アダムとイヴが誘惑に負けなければ良かったのに。もしくは、知恵の実を食した時に神が二人を滅ぼせば良かったんだ。そうすれば、支配者なんて生まれなかった。

俺「フェイトさんを支えられる人は多くない。キャロ・ル・ルシエの相方は心傷し、彼女の補佐のランスターは事件や処理で手一杯。あなただって、そうです」

なのは「それは……そうだけど」

俺「フェイトさんは、向き合っていかなくてはならない。誰からも支えられず、一人で」

 俺は、何も出来ないから。死にまみれた者に支える資格なんてないから。
 少なくとも、彼女は犯人……に対して挑むのだろう。

 ならば。

 俺も、準備だけはしておかなくては。
325 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 18:13:11.04 ID:jcasrF2o
おかえり
326 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/31(金) 21:37:57.34 ID:FBaMXvMo
まってたぞ
327 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 00:42:59.94 ID:Kk3Lxmk0
きてた
328 :権兵衛 [saga]:2011/01/01(正月) 18:03:49.53 ID:LEl8SZY0

ソファの上に寝っ転がる。
さぁ、明日はどうしよう。

1.死体が『あるであろう』ところに行く
2.ランスターにまとわりつく
3.はやてさんと部隊長会議へ

>>330

ごめん安価忘れてた
329 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 18:41:07.09 ID:ZH3a9AAO
自由安価だったら参加してた
330 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/01(正月) 18:56:48.67 ID:h1Sdgz6o
1
331 :権兵衛 [saga]:2011/01/01(正月) 19:48:03.56 ID:LEl8SZY0

 ……
 ……
 ……………………

俺「ん」

ヴィヴィオ「っ!」

 目の前で震えた小動物。覗き込んでくる見慣れない緑眼に思わずこちらもブルッと震える。いや……毛布がないだけか。少し寒い。
 窓から出てくる太陽はようやく地平線から抜け出して溜息を付いている。はて、こんな早い時間にどうしたんだろう。

俺「どうしたんだ? お嬢」

ヴィヴィオ「おじょっ……お嬢様なんてキャラじゃないよ」

俺「どちらかというとお姫様だしなぁ」

 何か言いたげに口がパクパクと動く。面白いなぁ。
 そういえば、何でヴィヴィオが居間にいるんだろう。しかもこんな夜更けに。眠れない、だなんて事はないと信じたい。その心境を悟ったのか、ヴィヴィオから口を開く。

ヴィヴィオ「……騒がしかったの。外も、内も。なのはママもフェイトママも何か物凄い焦ってて、それで多分私に気遣う余裕なかったんだと思う」

 多分……俺に後を任せたんだろうか。それとも、それすら気が回っていなかったのか。どちらにせよ、重大事件が発生した。つまり、誰か死んだ。既知の事実でもある。
 確かに外には夜更けにもかかわらず完全武装した魔法使い達が巡回に回っている。昨日よりも断然ピリピリしていて、目を合わしたらそれこそ殺されそうだ。怖い怖い。
 窓を開けて外に出、ベランダから観察すると、明かりがついている部屋がほとんど……どころか言い争いの声まで聞こえる。

俺「なんとまぁ。台風前夜みたいだ。御神輿でも担ぐかい?」

ヴィヴィオ「あるの?!」

 そんな反応されるとは思ってもみなかったわ。どうすりゃいんだよ……
332 :権兵衛 [saga]:2011/01/01(正月) 20:38:22.36 ID:LEl8SZY0

ヴィヴィオ「ハムハム……私、空気?」

俺「そりゃねぇ……モグモグ」

 二人でモソモソと昼食を食べる。ここで俺の存在は空気に近しい物ではあるし、ヴィヴィオは管理局の優しいお姉さん達から事件に遠ざけられるように仕向けられている。
 というわけなので、こうやって二人で朝食を頂いてると、妙な親近感が湧いた。寂しがりや過ぎる。
 焼きたてのトーストに舌鼓を打ちつつ、この後のことに思いを馳せた。

 そろそろ回収する頃だろうか。



1.ヴィヴィオともう少し話す
2.死体を確認しに行く
333 :権兵衛 [saga]:2011/01/01(正月) 20:38:57.02 ID:LEl8SZY0

安価忘れた
>>336

今日はもう書きませぬ
334 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/01(正月) 22:36:19.13 ID:1TMXH2.0
ksk
335 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/01(正月) 22:39:18.92 ID:1TMXH2.0
後今更だが>>92
IS事件→JS事件じゃないかな…?
336 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/01(正月) 23:18:11.22 ID:Kk3Lxmk0
1
337 :権兵衛 [saga]:2011/01/02(日) 23:49:04.90 ID:gxoTGPI0
>>335 多分、その訂正は前にやったと思うぜ。誰かに言われた記憶がある。


 視線をヴィヴィオから外すと、自然とそれに目がいった。今まで何故気付かなかったのかが不思議なくらいにだ。
 金縁の写真立てには、横長の写真が収まっていて、そこには二人の少女が映っていた。

俺「あれは……お二人がヴィヴィオぐらいの歳の時か?」

ヴィヴィオ「うん。私はあまり聞いたことないけど、九歳に出会ってからはずっと仲良しなんだって! 恋人になっていないのが逆に驚きだよね!」

俺「恋人になってる方が驚きだよ!」

 でもまぁ、十年以上もこんな仲がいいってのも珍しい。
 実際、ルームメイトって普通は二段ベッドだって知ったのは最近のことだ。ランスターに聞いて、思わず興奮してしまったなんてことはない。決してない。
 でもその二人の間にいるヴィヴィオはどんな心境何だか。俺はすごい申し訳ないけど。

ヴィヴィオ「カータは、ティアナさんとは友達じゃないの?」

 友達……ではない。どころか敵対すらしている。
 ただ、知り合いではあるし、俺のことを中止しているとするなら、俺に近しい存在なんじゃないか。なんせ、俺を避ける人がほとんどだしな。

俺「友達じゃないけど、知人だな。まぁ、知り合いってだけでも十分さ」

 一瞬。
 一瞬だけど、表情が変わった。口が勝手に動きそうになって、堪える。

俺「……俺、少し出かけるから。昼頃には一旦戻るよ」

ヴィヴィオ「うん、待ってる」

 帰るよ、とは言える気がしない。
338 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 00:13:12.80 ID:etUOx4Qo
安価はー?
339 :権兵衛 [saga]:2011/01/03(月) 00:23:56.08 ID:vzOra8M0

 部屋を出て五分。二階にあるその部屋の入り口には人だかりが出来ていた。流石にもう話になっている限りだ。
 にしても……まるでアリだな。いや、同族の死体に群がるなんてアリ以下だ。どうかしてる。

 鳴き声と罵声。人だかりの隙間から見える“KEEP OUT”の文字を見ると、どうやら同僚の死を見せて貰えず、不平を言っているわけか。そして足手をしてるのは……

 極めて明るく努めることにした。性格を作ることは友達作りの基本です。
 泣き喚く女を押しのけて紳士的に挨拶。

俺「やぁやぁ頑なな顔のお嬢さん。今日も快晴でデート日和じゃないか」

ランスター「へぇ。次の死体はあんたかしらね」

 努めて冷酷な顔をされていた。ゾクゾクするぜ。
 にしても、コイツも大変だよな……執務官とはいえ、まだキャリアもフェイトさんより短いというのに、大した働きアリっぷりだ。感服の限りであるよ。

ランスター「人が死んでなお、その面構えでいられるなんてね。逆に犯人じゃないように思えて仕方ないわ」

俺「そらどうも。取り敢えず、中に入らせてくれ」

 後ろから殺気が発される感覚。殺しても良いけど、その後どうなるか分かってんの?
 ランスターも当然の如く、

ランスター「……入りなさい」

俺「マジでか!」

 正直、入れるとか微塵も思ってなかったのに。当然、後ろから物凄い罵声が飛んでくるが、ものすごい勢いで逃亡した。これはひどい。


1.死体を調べる(何処をか安価)
2.ランスターに話を聞く

>>341
340 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 00:42:21.39 ID:UyDsavgo
あの子のスカートの中
341 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 01:27:39.82 ID:etUOx4Qo
342 :権兵衛 [saga]:2011/01/03(月) 23:23:01.02 ID:79dbia60

 取り敢えず、第一の疑問から解消していくことにする。死体は居間にあるらしいが、取り敢えず廊下で問いかける。その少し小さい背中に。過剰なまでの重さを背負った身体に。

俺「容疑者の確率が最高の俺をこの部屋に入れるとはねぇ。どういう考えだ?」

ランスター「……さぁね。気まぐれよ」

 この女、どういう了見だ?
 いや、問題ない。恐らく、死体を見た時の反応だとか言うつもりだろうが……だからどうした。

ランスター「強いて言うなら、あんたの見解を聞きたいからかしらね。あんたみたいな死人に笑って挨拶できるような奴の意見も拝聴したいわね」

俺「死人に挨拶だ? 馬鹿げてるぜ、死人というのに『人』としての『挨拶』を加える義理はないんだよ」

ランスター「そのぐらいじゃないとやっていけないのかしらね。あなた、執務官向けの人間だわ。正義と名高い職業も、事実は案外暗澹としてるからね。殺人事件は当然、警察が担当するわけなんだけど、大抵は魔法が使われている上に警察は役立たず。ハイエナ、って言うのが業界用語よ。笑えるわよね」

俺「正義のために、人を守りたいがために入社したのに、何時の間にやら目的すら見失っている。人の死にすら悲しむことがなくなってきている。滑稽な限りじゃねぇか」

 正義とは何か。
 善とは何か。
 少なくとも、俺はそんなことを一々考える必要などないのだ。

 そして。殺人者も、また然り。

343 :権兵衛 [saga]:2011/01/04(火) 00:00:38.82 ID:pNFzZkg0

俺「で、とっとと事件概要を教えろ」

 なんせ、処理班すら来ていない。この狭い廊下から部屋まで、あるのは俺とランスターと死体だけだ。
 この隔離された空間。外の罵声を無視するなら、そこはあまりにも静かすぎる。

ランスター「分かってるわよ……まず、被害者はローラ=スチュアート。十七歳の遺失物の保管長を努めていたエリート中のエリートよ。人望もあって、彼女とは私も少し話したことがあるけれど、確かに信用の足る人間ではあったわ……口調が変だったけど」

 ランスターの話を聞きつつ、居間へのドアを開ける。視界に紅が走った。そして、一介に染まる。
 ひどく、美しい。黄金の長髪にその色はあまりにも映えていた。そこから頭があり、上顎で途切れていた。物すら食べられなくなるとは、不憫なり。

俺「今回はソファに横たえられている……趣旨替えのつもりかね。ソファも切り刻まれてるってレベルじゃないけどさ」

 もはや半壊である。

ランスター「あんたの趣旨じゃないのかしらね」

俺「まさかね。俺ちゃん、そんな怖い人間じゃないって。ほら怖くな〜い」

 すごい殺気が向かってきた。最近、殺気を向けられるのが日に二、三度はある気がする。
 ガン無視すると、溜息を付いたランスターは説明を再開。

ランスター「少なくとも、キャロの時とほぼ同等ね。今回はこの子も抵抗したのかしら。おかげで顎どころか十字に切り裂かれてる。人を縦半分に裂く力なんて、冗談にならないわ」

俺「なるほどねぇ……まぁ、以前のように痕跡もクソもないわけだ。なんせ指すら散らばってんだ。処理班はキャロ・ル・ルシエの復元は終わったのかよ?」

ランスター「まだよ」

 そこで、ふと疑問に思った。

1.疑問を口にする
2.取り敢えず、死体から採取する(どこからか)



>>346が安価
ローラさんは古文不勉強で死刑になりましたとさ
344 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/04(火) 00:35:06.86 ID:rNmzJ2so
345 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/04(火) 00:58:11.21 ID:whfC1Q2o
な、納得できかねたりなのよ!?
安価なら1
346 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/04(火) 02:26:54.98 ID:am4Ar4I0
1
347 :権兵衛 [saga]:2011/01/04(火) 18:10:00.14 ID:IGa3S160

 今まで不思議に思っていた。無惨に引き裂かれた死体を見て、何も動じない少女。縁遠いだとか、そう言う問題ではない。
 それを執務官という職業柄の問題を理由にするって事は。

俺「『お前だけ』なわけ?」

ランスター「……ええ、そうよ。悪かったわね」

 なんだ。
 そういうことか、結局。壊れてると思いきや、何だかんだ善良だってわけね。こんなお人好しじゃ、そりゃこういうのに慣れちまうわけだ。
 いやはや……理解は出来るさ。でもまさか、俺と同類には成りつつあるとは、実に信じがたいとは思えない。

俺「フェイトさんも良い部下を持ったもんだな……知らず知らずのうちに、後輩に助けられているとはね」

ランスター「昨日は私が想像以上に動転してしまったせいで、負担をかけてしまったから、もう意味はないわ。慣れていたとはいえ、キャロが……ね」

 その目に陰が落ちる。やはり、親友ともなれば違うわけだ。実に利己的で、人間らしい。その分、生粋の物で在るとも思える。悲しみを持てているのだし。

俺「まぁ、お前の努力なんぞどうでも良い。取り敢えず、こいつをどうにかするぞ」



どこを探る? >>350
348 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/04(火) 20:17:42.81 ID:rNmzJ2so
死体の服
349 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/05(水) 00:47:43.29 ID:V5z4jkAO
帰ってきてくれたのか>>1

落ちないようにあげてた甲斐あったわ
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 11:16:21.16 ID:qU.euNYo
kskst
351 :権兵衛 [saga]:2011/01/05(水) 17:51:15.94 ID:JIhZXlI0
>>350
ミスってしまったか? まぁ、取り敢えず>>348を優先


 服は肉体と共に四散しており、回収するのは難しそうだ。それに、血と肉にまみれてどこにあるのかよく分からない。
 ただ、血の付いてない断片を見ると、僅かに青色が見える。どうやら制服のようだ。

俺「制服のまま殺された……待ち伏せってわけか。役隊長ともなれば上がるのも遅いだろうし、都合の良い殺され方だな」

ランスター「昨日、彼女があの部屋を出たのは午前二時頃のようだから、部屋に入った直後に拘束されたと見た方が良いわね」

 ……そりゃそうだろうねぇ。

俺「さてさて、次はどこをひんむいてやろうか」

 殴られた。


>>353 安価
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 18:23:22.26 ID:kUjI2mUo
顔の上アゴと下アゴを分離されたのか
キャロみたいに安らかな顔か調べられる?
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 19:17:28.32 ID:H0btIVUo
>>352
気になる
354 :権兵衛 [saga]:2011/01/05(水) 22:49:34.48 ID:nkkJsDg0

 ふいに足下を見やると、そこには何本かの歯が散らばっていた。真っ赤になって、もはや歯槽膿漏なんてレベルじゃない。大惨事だ。
 顔を切断する時に勢いよくやりすぎて吹き飛んだのか。形が残っているのも奇跡というわけね。

俺「ふむ……実に汚い顔である」

ランスター「というか、表情が分からないわね」

 キャロ・ル・ルシエの時は顔だけは無傷だったんだよなぁ……流石に強引に縦に裂かれてアゴまで切り離されたらよく分かりにくい。
 眼孔は飛び出そうなほど開いているし、何より口で何かを告げようとしていたような形。
 口周りの跡に実に目敏い執務官が気付いた。

ランスター「これ、猿轡された後かしら? 変ね……防音魔法はかけてあっただろうに」

 つまり、防音をしたなら猿轡をする必要性がないのだ。しないとしたら、彼女をここまで惨殺する時に何らかの音が漏れるだろう。

俺「さて、次はどうしようか」


>>356 安価
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 23:23:50.30 ID:qU.euNYo
死体の周囲の魔法などの痕跡
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 00:02:46.60 ID:ElXxKEAO
>>355
357 :権兵衛 [saga]:2011/01/06(木) 00:16:29.73 ID:X0s8Zeg0

俺「やっぱり、魔法の残り香みたいな物はあるのか?」

ランスター「微かに、ね。でも、存在が感知できるぐらいしかないから、どんな規模の物だとか、特定は無理よ」

 そうか。
 それは実に好都合だ。


>>360 残り二回
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 00:32:32.37 ID:k8CQ5sYo
事件の大体の時刻と周囲の不審人物の情報
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 13:04:50.81 ID:ElXxKEAO
ティアナの考察
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 14:51:07.24 ID:JYbekqco
単独犯か複数犯かの考察
魔法使えない奴が拘束→魔法使える奴が後から来てスプラッタの可能性あるし
361 :権兵衛 [saga]:2011/01/06(木) 17:08:11.77 ID:7ndrxe60

俺「複数犯の可能性はどうよ? 拘束術もやけに単純だし、二人いたんじゃないのか?」

ランスター「ないわ」

 即答だった。とんでもない自信であります。

ランスター「覚えてなかったのかしら? 監視カメラなんてバカなことじゃなくてね、魔法陣で寮内囲っているのよ? それに、殺人は二時以降に行われたのに、そんな二人でやる必要性があるのかしら?」

俺「ふむ……なら、動向を感じ取ったと同時に捕まえに行けばいいじゃないか。確実に逮捕できる」

ランスター「無理……ね。私の力不足が原因だけど。多分、あの時間帯に寮全体に催眠魔法がかけられてる。人を自然と催涙に掛ける高位魔法よ。だから、履歴を見るしか手段はないわ」

 ランスターの視線。なるほど……そういうことか。疑惑は未だに残っているって言いたいわけか。

ランスター「これは未だに秘密事項だけど……私の『包囲網』は魔力レーザーで作られてる。かなり密度は薄いけど、物質がレーザーに当たると反応する、機械の赤外線を応用した物よ」

 床にしゃがみ込み、乾いた血をそっと撫でるそいつの影は、あまりにも長くて。こいつも、無理してるのかな?

ランスター「一日目も二日目も一人の反応だったわ。恐らくは、同一犯人でしょうね」

 ああ、そうとも。
 間違いなく、俺さ。


>>364
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/07(金) 20:23:21.08 ID:v3Ejn3go
殺人に必要な魔導士としての技量の考察

しかし魔法って便利だね、肉体をバラバラにするなんて造作もない。
とはいえこういう快楽殺人犯は肉を抉る感触とかの「自分の手で[ピーーー]こと」を楽しみそうじゃね?
魔法も自分の一部なのか、それともこの殺し方になんかの意味があるのか
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 00:43:45.72 ID:No6HBlw0
ksk
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 01:39:47.73 ID:.5y2JKAo
>>362
365 :権兵衛 [saga]:2011/01/09(日) 17:35:25.95 ID:zl3R1/R0

>>362 ただ、その殺し方をすると指紋や血の跡が残ってしまうことを考慮すると、魔法の可能性の方が高かったりする。魔法は便利だ(キリッ


俺「寮全体に催眠魔法をしかけて、更に身体を八つ裂きにするほどの力を持つ魔法師ってどれほど?」

ランスター「後者は兎も角、前者に関しては少なくともA……もしくはS級ね。もしかしたら、魔力を増幅させる媒体を使っての行使っていうのもあり得る」

俺「媒体……か。そんなものがあるのかねぇ」



 ………………


 よし、そろそろ頃合いだな。
 ドアにはどうせ待ち伏せがいるんだ。窓から逃げよう。


1.自室(ヴィヴィオ)
2.散歩する(???)

>>367
安価
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 20:56:08.72 ID:vTdTiB90o
なのはに会いにいく
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 21:49:09.43 ID:E2suSVZgo
自室へ
368 :権兵衛 [saga]:2011/01/09(日) 23:52:57.19 ID:qw2we4b40

俺「ソロモンよ、私は甦ってきた!」

ヴィヴィオ「ふぇ……!」

 あくまで帰ってきたとは言わないクオリティーである。
 ヴィヴィオはテーブルの上に冊子を三冊、広げている。なるほど、どうやら宿題をこなしていたみたいだ。学生の本分とは勉強である。
 まぁ、誰が言ったかなんて知らないけど。知識は記憶とは違うのですぜ。

ヴィヴィオ「えっと……お帰り。クッキーあるんだけど、食べる?」

俺「いや、今はいいや」

 何ともはや、優しい子だなぁ。思わず涙がドバドバこぼれる。
 勿体ないので、宿題の冊子上にたっぷりかけようとすると、丸めた新聞紙が飛んできたのですぐに逃げた。元は木だから成長するんじゃないかって期待しただけですよ?

俺「ふむ。お二方はまだ帰ってきてないみたいだな」

ヴィヴィオ「うん。さっき連絡があって、今日帰ってくるのは夕方になるんだって」

俺「……そうか。そうだろうな」

 この事態にもなれば、そりゃ緊急会議が開かれないわけがない。
 お二人は兎も角、俺の立場も不安定なものだ。犯人役を押しつけられる可能性だって無しとはとても言い難い。正直言って、牢獄に閉じこめられるのはあらゆる意味で困るし。

 特に、現状は芳しくない。

俺「俺さ、事情が事情で生活範囲が寮内ぐらいしかないんだよね……ヴィヴィオの学校の話が聞きたかったり」

ヴィヴィオ「カータは学校に行ってないの?」

俺「うーむ、どうだろう。読み書きできるから、一応は行ってたと思うけどねぇ」

 それでも。俺は欲張りだ。
 安寧ですら、欲しがってしまう。だから、満たされないはずの過去で補完するのだ。


1.ヴィヴィオに何か聞く (自由安価)
2.少し眠る

>>371   ここからはあまりストーリーには左右しないぜ。抜かしたい人は2を選んでくれ
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 00:52:35.33 ID:g6weP8vAO
ヴィヴィオとお話だろjk
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 10:47:17.40 ID:9BPifQImo
学校でのことをgdgdきく
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 11:15:59.70 ID:NGkH0+2Xo
ヴィヴィオはなのはさん達と違って恋愛してるよな?
372 :権兵衛 [saga]:2011/01/10(月) 20:26:41.69 ID:xVwZRS1m0

俺「なるほど。で、その子は結局、どうなったんだ?」

ヴィヴィオ「くっつきました!」

 ヴィヴィオがキューピット役を務めた話はなかなか面白かったが……
 そういえば、聞いていなかった。初等部四年生ともなれば、こういう恋沙汰の話の一つだってあるはずだ。それに、共学。小中一貫。年上から年下まで幅広くカバーできるとは恵まれている。
 俺は小さいモノが(ry

 なにせ、ヴィヴィオは優しい。しかも可愛い。可愛いは正義である。
 こんないい子がこんなに可愛いわけがあるのだから恐ろしい。なんせママがあれなんだ。強くて優しくて可愛いとか最強過ぎる。

俺「ヴィヴィオはどうだ? キスなんてしたことないなんて言ってたけどよ、恋の一つもしていいんじゃないのか?」

ヴィヴィオ「えっ……あぁ、うん。私は――――」

 僅かに。ほんのちょっと、顔が赤らんだ気がした。





                   え


                                         ?
373 :権兵衛 [saga]:2011/01/10(月) 20:47:53.91 ID:xVwZRS1m0

俺「へ……へえええぇぇぇ…………いるんだあぁぁああぁぁぁ」

 絶対に特定して見つけ出してやる。処刑してやる!

ヴィヴィオ「――――――――え、あの、その…………………………………………いる、かな。付き合ってなんか、いないけど」

 殺す。存在消去してやる。こんな可愛いこといて告白してないとか死刑だ。

俺「どどどどどういう子なのかねぇ?」

ヴィヴィオ「ママには内緒でね! 今ね、中等科の一年生で、すっごく強いし、格好良いんだ! それに、ね」

俺「そ、れ、に?」

ヴィヴィオ「…………手、繋いでもらったら、その、温かくて……」

 ほうううううううううううううううううううううううううううぅ、流石は年上だねえええええええぇ。

俺「お名前、は?」

ヴィヴィオ「アイン――――アインハルトさんっていうの」

 脳に刻み込んでおいた。絶対に忘れない。地の果てまでも追ってやる。

俺「へー。一度、お会いしてみたかったりするんだけど」

ヴィヴィオ「だ、ダメ!」


1.まだ何か話す
2.眠る

>>376

374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 23:34:34.45 ID:fYUiOo760
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 23:40:40.19 ID:NGkH0+2Xo
血が繋がらなくても親子か…
安価1

女性の魅力について語る 胸尻腋脚
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 23:44:56.84 ID:d0pnlDrAO
ヴィヴィオの魅力について語る
377 :権兵衛 [saga]:2011/01/11(火) 18:48:15.31 ID:Jejmqr1Q0

俺「ふむ……まぁ、ヴィヴィオならどんな子だとしても告白すれば一発だろうけどな」

ヴィヴィオ「う゛そ」

 どんだけ衝撃的なんだ。

俺「いや、ヴィヴィオは可愛いからな。可愛いは正義だ。俺ほどになったらもはや信仰対象だが、世の心理も分からん中等部生なら妥当だし」

 ありとあらゆる政治家達、白髪にーちゃんに物申す。
 ロリコンは正義です(キリッ

ヴィヴィオ「えっと……そうなのかな?」

俺「うむ。特に、あの二人の子供だ。ヴィヴィオは自分で思っているよりもずっと優しいし、聡い。人を思いやれる人ってのは決して多くないからね」

 実際に、人を思いやれるというのは、人のみになって考えると言うこと。思考と自我が存在する人間にとって、それは非常に難しいことだ。時には自分に反することまでやらねばならない。それをあくまで善意だけで片づけられるのは、一度ねじ曲がってしまえば不可能だ。

 だからきっと、俺の心配はただの偽善に過ぎないはずだ。

ヴィヴィオ「そっか……それじゃ、嫌われたりしないのかな?」

俺「まさか。ありえんよ」

 その心配そうな顔。なんっていうかな……ただ告白して気まずくなるのが嫌になるのを心配してるわけじゃなさそうなんだよなぁ……不思議だ。


>>380  ラストですよ〜
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 19:17:15.18 ID:KrIOEIA+o
いっそのこと告白してしまえ
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 23:00:02.38 ID:MD6VZciAO
>>378
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 23:11:09.19 ID:ELXPdERyo
>>378
というかこれは安価と関係ないんだけれども、ageないの?
381 :権兵衛 [saga]:2011/01/12(水) 20:48:55.54 ID:d/aT0STy0

俺「てことで結婚してくれ」

ヴィヴィオ「勘弁してください」

 しばらく立ち直れそうにない、辛辣な言葉だと思いました。ヴィヴィオの幼声でそんなこと言われると(ビクンビクン
 
俺「その子とは結婚しても良いのに俺とはダメなのか!?」

ヴィヴィオ「普通ダメだと思うよ? でも、アインハルトさんとも結婚は……どうなのかなぁ」

 と言われましても。



1.眠る
2.パズルで遊んでる

>>383 ようやく本編突入
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 21:37:21.60 ID:voDjgcHAO
2
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 22:31:49.18 ID:zg0cXPWPo
384 :権兵衛 [saga]:2011/01/14(金) 21:17:27.12 ID:cW0r9VqN0

なのは「カータ君、ちょっといい?」

 夜八時頃。美味しくなのはさんの手作り夕食を頂いて、満腹の心地をソファで楽しんでいた最中。エプロンを解いたなのはさんが問いかけてくる。
 その手にあるのは分厚い本だ。かなり古めかしいそれだが、宝石が埋め込まれているもの。デバイスだ。

なのは「言ってたでしょ? 本型のデバイスが欲しい、って。でも、使えるの?」

俺「うーん、でも、気合いで練習すれば何とかなりそうな気がするんですよねぇ」

 彼女からそれを受け取る。拍子には新しく書かれた金箔の文字で"Gutenberg"と表記されている。
 俺がかつて入院していた聖王教会で発見した俺の名の由来、グーテンベルク聖書をそのまま持ってきたのだ。その後、なのはさんに頼んでデバイスに変えて貰っていたのだが。

俺「なっていうのか、こう、来ないですね」

なのは「パワーとか?」

俺「エネルギーとか。情けない限りです」

なのは「そうかな? きっと、あなたがそれを本当に必要としていないからか、デバイスがあなたを受け入れていないか。どちらかだね」

 受け入れる、か。
 そりゃそうだ。俺は人を傷つける以外にこいつを使わないんだ。パートナーなんて言える質じゃない。なら、こいつが答えないのも当たり前だ。

 それに、もともと必要はないに等しい。あくまで、保険だから。


1.過去の写真を見せて貰う
2.なのはさんにヴィヴィオに悪い虫が付かないように説得する

>>387

SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

385 :真真真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 22:16:29.12 ID:EL5W12mQo
1
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 22:17:35.94 ID:LIvRKURko
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/16(日) 16:29:17.36 ID:p8zs44QSo
作者気づいてるかな
389 :権兵衛 [saga]:2011/01/17(月) 20:36:32.03 ID:NrHOdZ910
>>388 そりゃね。移転させたの俺だし


俺「なのはさん、アインハルトって人知ってます?」

なのは「え、うん。ヴィヴィオに聞いたの? すっごい子でね、ヴィヴィオにとっては憧れの人って感じかなぁ。私にとってのフェイトちゃんかな」

 ショッキング事実発覚。あかん。これはあかんぞ。

俺「えっとですね……そんなに仲が宜しいとデスね、誤って関係を掘り下げすぎてしまうという結果がありうると言いますか」

なのは「別に良いじゃない? それで」

俺「 」

 俺絶句。
 マジか。なんと親公認。砦はもはや俺だけか。

俺「俺の言ってる意味、理解してます?」

なのは「確かにまぁ……問題だとは思うけど。それでも、ヴィヴィオがもしそうなら、それは親として認めるべきだからね」

 砦が崩壊していく音を聞いた。

390 :権兵衛 [saga]:2011/01/17(月) 20:46:37.99 ID:NrHOdZ910

 思わずふらつく。目の焦点がぼやけて、僅かに視界に入ったそれ。

俺「あ……うぅ…………これって、フェイトさんと……どなた?」

 写真の中からほほえむ二人。一人はまだ幼い金髪の少女。恐らくは、フェイトさんだろう。
 そして、もう一人はまるで異質だ。黒髪で、細い目をした美人。少女の方を抱き、慈愛に満ちた笑みを見せている。恐らく。恐らくだけど……

なのは「あぁ……うん。フェイトさんのお母さん」

俺「母、親?」

 ああ、そう。なのはさん、隠さなくても分かりますよ。
 死んだんですね、その人。分かります。


1.フェイトさんにそのことを聞く
2.なのはさんに詳しく聞く

>>392
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:59:06.59 ID:NO1bJgHKo
2だろ
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:05:46.10 ID:7umXM7gAO
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:27:11.66 ID:coC1Qnvy0
1
394 :権兵衛 [saga]:2011/01/18(火) 20:42:06.90 ID:mpI8Q/ZH0

 当然、気になったことではある。しかし、人の過去に触るのは、特にフェイトさんに関わることならばなお、それは不干渉になるべき。
 だったのに。なのはさんはそんな俺の心中を見抜いたのだろうか。自然と話し出す。

 それは、二人の少女の物語。

 一人は桃色の光の白き少女。
 一人は金色の光の黒き少女。

 敵同士として、互いに強い思いを持って出会った二人。何度もぶつかり合い、切磋琢磨して認め合う存在になる。
 金色の少女の母もまた、違う想いを抱いていた。故に、その愛情はどこかで曲がってしまったのだ。そして、遂に禁忌の法への道を歩み始める。

 “消失幻想世界”アルハザード。
 ありとあらゆる魔法の秘術が眠っているとされる、絶対不可侵領域。その中にあるであろう時間操作と復活魔術を駆使し、彼女は我が娘を甦らそうとしていた。
 そう、金色の少女は母ではなかった。少なくとも、記憶そのものは真実だったが、あくまで道具であった。

 だから、彼女たちは戦ったのだろう。
 金色の少女は、自分と同じ姿をしている本物に別れを告げる。そして、彼女は母ではない母に対してこう言ったのだ。母さん、と。確かにそうではないかもしれないけれど、その想いはやはり、母を想う子の物であった。

 それが届くことは、もうない。

395 :権兵衛 [saga]:2011/01/18(火) 21:02:33.85 ID:mpI8Q/ZH0

__
    ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
           -=ニニニニ=-


                           /⌒ヽ   _,,-''"
                       _  ,(^ω^ ) ,-''";  ;,
                         / ,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'
                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'     d⌒) ./| _ノ  __ノ


俺「映画化決定ですね! 俺監督やります!」

なのは「うんそーだね(してるんだよねぇ)」

俺「なるほど……にしても、これは素晴らしい。二人の仲も納得です。俺はてっきり奴隷市場で出会ったのではないかと……イッツアジョーク御願いです止めて」

 レイジングハートを握られながら無言で笑うのは止めてください。ラブアンドピース!
 にしても、二人にこんな過去があるとは。大体、予想が出来ていたのが怖い。多分、ゴ○ラの腹から出てきて出会ったでも信じられた自信がある。

俺「にしても呪われた家系ですかね、テスタロッサ家は。プレシア、アリシア、フェイト……フェイトさんはアリシアを恨んでいるのでは?」

なのは「うぅん、そんなことはないって。フェイトちゃんも、そのことは……否定してたからね」

俺「はぁ。そんなもんですか」

 お二人の過去を聞いた。なるほど、なのはさんが男だったらとっくに結婚してるな。
 それとフェレット喰われろ。クロノとか言う奴も消し飛べ。お二人に近づく男は揺るさん。

 ……俺? 知らんなぁ。

1.なのはさんに話を聞く (自由安価)
2.フェイトさんの帰りを待つ
3.俺……映画監督になりたいです!

>>397
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 09:32:52.98 ID:w0z9DtEO0
kskst
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 12:39:36.59 ID:RObq3/vIO
2
398 :権兵衛 [saga]:2011/01/20(木) 20:50:13.36 ID:1yPNWSsl0

 女性の先に風呂を頂くという(実際、毎回シャワーだけで済ませているのだが)のは実に失礼なことである。
 というわけで、魔法の練習。デバイス片手に唸ったりヴィヴィオにコツを教えてもらっていたが、スンとも言わない薄情な聖書を嫌いになり始めていた時、扉の開く音が。

ヴィヴィオ「あ、フェイトママだ!」

俺「そうみたいだな。なのはさんは……入浴中か」

 覗こうもんなら殺害よりヒドい目に合わされると信じてる。
 フェイトさんを玄関まで出迎えようと走っていったヴィヴィオの背中を追い――――――


フェイト「うん……ただいま」


 固まった。
 文字通り。ヴィヴィオも、俺も。完全にフリーズ状態。金縛りにあった感触。何じゃ、そりゃ。

ヴィヴィオ「マ」

 叫びそうになるヴィヴィオを手で制止させる。ここで一方的な感情を押しつけてはならない。あらゆる自体は双方の思考が成り立ってこそ、完遂されるからだ。
 だが、これには俺も思わず唸る。

俺「フェイトさん、遅い帰りでしたね。どうしたんですか?」

フェイト「……いや、何でもないよ」

俺「あ、そうですか。それなら、その顔のままで、なのはさんと会ってみます? 風呂桶の中に叩き込まれますよ?」

フェイト「…………」
399 :権兵衛 [saga]:2011/01/20(木) 21:11:57.44 ID:1yPNWSsl0

 ああ、もう。何でこの人はいらん事に首を突っ込みたがるのだか。理解できない、わけではないけど。
 過去を聞いて分かったことがある。この人は、自分の大切なものに縋り付くことで自己を成り立たせている。だからこそ、言える。この人は、ひどく脆い。

俺「見に行ったんですね。俺とランスターで済ませたのに」

フェイト「…………何の話?」

 なのはさんから聞いた話では、朝は二人で一回目の殺人についての緊急会議に出席していたのだが、それから二人目の死亡者の速報が出た。
 更に、管理局の上位幹部が半狂乱状態で、会議は進むどころか混乱する事態に。はやて部隊長が必死に指揮したおかげで何とか収拾はついたらしい。
 その後、協力体制を整えるということで解散となった。

 フェイトさんとなのはさんが別れたのは六課に付く前。
 すなわち、それからわざと時間をおいて、死体を確認しに行ったということになる。また調査員がいる頃だ、執務官が立ち入れない理由がない。

俺「で、見返りはあったんですか? 得る物なんて何一つない……自己の意識なんてのはあくまでブースター、アクセルにはなりませんよ」

 わざと冷たく告げる。得るはずが、ない。回収はしておいたし。

フェイト「…………黙ってて。これは執務官の問題」

俺「怯えるあなたに何が出来ると? 笑えますね」

フェイト「っ!」

 軽やかに嘲笑う。俺は嘘を付かない。だから、これは比較的、本心でもある。
 その言葉を聞いて、僅かにフェイトさんは目を見開き、そして俯いた。もはや対抗する気力も失っているらしい。あまりにも、重傷だ。馬鹿な人。

 ヴィヴィオと俺は、何も言わずに寝室へと歩んでいくフェイトさんを見やった。
 あまりにも、背中が小さく見えた。


1.なのはさんに相談
2.フェイトさんに直接

>>402

400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 21:19:53.88 ID:kpHgczKno
2
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 21:21:44.07 ID:Xn5vtBfh0
2
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 21:28:45.66 ID:/8thTYLto
2
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 22:24:03.05 ID:nFCnkOANo
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/20(木) 23:12:54.95 ID:n1uPVOLAO
2
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 23:27:40.59 ID:2glWU65no
おおっwwww
406 :権兵衛 [saga]:2011/01/21(金) 20:46:33.10 ID:JE19/P1U0
愛過ぎるw ですよねーっていう


なのは「お風呂上がったよ…………って、何この空気」

 艶やかな栗色の髪から湯気を出しながら、なのはさんがリビングに姿を現す。いや、まぁ。何といいますか。エロい。
 けれど、とてもじゃないけど今の状態じゃ何かセクハラする気にもならなかった。

俺「ちょっと、フェイトさんのことでありまして」

ヴィヴィオ「…………」

 ヴィヴィオは悲しそうな顔を埋めて体育座り。流石にあのフェイトさんの姿を見て、一人ベッドに行くのも気まずいということだろうか。
 何も知らされず、あまりにも理不尽な事実が立て続けに起こっているのに、この子は何も文句を言わず、耐えている。それほどまでに二人を信頼してくれてるし、俺のことも理解してくれる。
 そんな愛情を無碍にするなんて、許せない。

俺「なのはさん、お疲れでしょうが、少し待っていてください。後……ヴィヴィオ、眠かったら寝ても良いよ?」

ヴィヴィオ「うぅん、大丈夫。ママとお話、するんでしょ?」

なのは「行ってきなよ。ヴィヴィオは私と勉強してるから」

 思わず苦笑い。思わぬ重荷だ。いや、もとからこれほどまでの責任は持っていたのだけれど。
 彼女が眠る、寝室へと向かう。

 寝ているぐらいなら、叩き起こしてやる。遠慮なんてしねぇ。家族が心配してるのに、一人眠るなんて許せるか!
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 20:58:53.81 ID:X6hD8DxAO
支援
408 :権兵衛 [saga]:2011/01/22(土) 00:16:17.82 ID:ofBwCLyw0

 ゆっくりと寝室のドアを閉める。部屋は暗闇。一切の明かりはなく、けれどやけに闇に目が慣れていた。
 フェイトさんはベッドにくるまっていた。起きている。微かにだけど、ここからでも震えているのが見えるのだ。それにひとまず安堵する。

俺「フェイトさん」

 震えが僅かに収まった。けれど、ここで温かく声を掛けるわけにはいかない。

俺「言ったはずですよ? 死とは絶対的なものであると。それに対する覚悟もないまま意志で見たのなら、あなたはそれを抱え込まなければならない」

フェイト「……分かってる」

俺「死人、という言い方は間違ってます。死人は物だ。死体ですよ。哀愁も思い出も何もない、生の抜け殻。それから生み出されるのは腐臭と黒くなった血液だけ。時間が経てば白骨です」

 彼女がもし『死』を割り切れないのだとすれば、それは当然のことだ。ランスターは自分をハイエナだと語っていたが、無理しているのは丸わかりだ。
 それが普通。俺がイレギュラーなだけ。死に慣れることなど決してない。死に歩み寄ることは出来るけど。

俺「教えて、くれませんか。あなたは何が欲しいんですか?」

フェイト「カータには、関係ないよね?」

 はい、という言葉を呑み込む。俺がこの事件に関与していることを悟られてはならない。未だに、目的は果たされていないのだから。
 ただせめて、この人だけは巻き込みたくなかった。

俺「関係なんて下らない。死に関することとは、それは人外と俺の領域であります」

フェイト「じゃあ、私もそうじゃないのかな? 執務官として、事件現場に立ち入る権利がある」

俺「それは問題外。あなたが望む『執務官』がこんなものだとは思いませんでしたよ。正義を振りかざしている間にこの状態じゃ話にならない」

 返答はなかった。暗闇の中で、モゾモゾと動く音。震えは収まってはいないけど、それで僅かに安心した。
 
409 :権兵衛 [saga]:2011/01/23(日) 18:46:05.91 ID:8SsvBmrb0

 ベッドに腰掛けて十分間。互いに無言。俺が言いたいことは……言いきってはいないけど。
 そろそろ良いだろうか。なのはさんやヴィヴィオも眠いだろうし、退出しようか。

フェイト「……恐いんだ」

 立ち上がろうとして、止める。どうしたんだろう? 恐い、って何?

フェイト「多分だけどね、今日もきっと死者が出るんだろうと思うんだ。止まらない連続死。自身の周りの人が消えていく感覚。カータが羨ましいよ」

俺「……そんなこと、ないですよ」

 死とは何か。生とは何か。あくまで形のないものに、俺は理解を完全に諦めた。ただ、一度体験したはずなのであろうそれに対して、単なる事象としか捉えぬ事に決めたからだ。恐怖ではなく、心臓停止そのものだと考えた。
 だけど、返答は情けない言葉しか出ない。

フェイト「それにね……何よりも、私の命。バカみたいだよ、私の支柱が崩れている中で、自分のことが心配でたまらないなんてね」

 その後、僅かに。
 ひどくか細い声で、アリシアならどうするかな、と呟いた。

俺「アリシア……フェイトさんの姉」

フェイト「知ってたんだね」

俺「写真がありまして。駄目だとは思ったんですけど、なのはさんに聞きました」

フェイト「そう……アリシアにね、一度だけあったことがあるんだよ。私の夢の中だったけれど、確かにアリシアだったんだと思う。私の記憶が、正しいことを知ってるから」


410 :権兵衛 [saga]:2011/01/24(月) 18:50:12.80 ID:VaqmbR4K0

俺「フェイトさん」

フェイト「何かな?」

俺「つけ込むようで悪いんですけど……犯人の見当は付きましたか?」

 一応のこと聞いてみる。
 目を見開き、僅かに怯えたように身体を丸める。そして、一言。

フェイト「分かったら、苦労しないよ……」

 彼女らしくない皮肉ではあると思った。ただしかし、道理は合っている。もはや泣きそうになるほどの心労がにじみ出ているのだろうか。
 まぁ、別のモノにしろ、俺は俺で自己推理を進めるべきだろうか。

フェイト「カータは何でこの事件に対してこんなにも知りたがってるの? 部外者なのに」

俺「野次馬らしくない野次馬でしょ」

フェイト「ふふ……そうだね」

 言葉の濁し方が悪かったかもしれないけれど。

 もはや、どうでもよかった。
 良い機会だ。


        今日もまた
                              死が訪れるのだ

411 :権兵衛 [saga]:2011/01/25(火) 20:22:20.69 ID:cUUkO4WD0

 次の日、ソファの上で目覚める。
 さて、朝になった。部屋には誰もいないようだ。


1.死体を見に行く
2.取り敢えず誰か探す


>>414
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 20:28:55.19 ID:iZ3OtC6Yo
ksk
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 20:34:51.39 ID:nsJOaPHro
2 リインにセクハラしようぜ!
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 20:45:26.58 ID:UmSx3i6ao
2
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 21:31:20.29 ID:tWY/BlR+0
死体を見に行こうと思ったら一足遅かったようだ
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 22:14:10.66 ID:YfVGcozoo
これは夢遊病みたいなもんなのかな
417 :権兵衛 [saga]:2011/01/26(水) 21:17:31.51 ID:MtvdHLkd0
>>415 まぁ、まだ機会はあるし

俺「おやおや」

リイン「むむむ」

 管理局の二階。書類の束を抱えて、なのに全く危なげなく歩く小さな姿が見える。水色の髪。蒼天のような瞳。何とまぁ、しばらく見ない間に数十倍にも育ったリインフォースだ。
 ……って、何でじゃ。

リイン「変な顔するんじゃないです、これもちょっとした魔法なのですよ? 肉体労働の際は流石に人のサイズにもなります」

俺「いや、まぁ。何となく予想は付くけどよ。ちょっとそれでも足りなさそうなんだよ、埋もれてるぜ?」

リイン「あ、ありがとうです」

 書類の束を半分かっさらう。リインも素直に礼を言う辺り、どうやら最初にあった警戒は消えているようだ。やっぱり良い奴だなぁ。これでも軍曹なんてところがまた凄い。
 どうやら、この大量の書類ははやてさんが徹夜で確認した事務処理の物らしい。うーむ。大変だな。

俺「少なくとも、今の管理局は、状況としては思わしくなさそうだな。今日も……今日もまた、出たんだろう?」

リイン「……はい。とても悲しいことですけど、私とはやてちゃんが泣いてちゃ誰も動きませんから。だから、みんなが悲しむ分だけ、私達は支えなきゃなりませんよ」

 気丈な子だ。よく見れば、クマらしき物がないわけではない。
 管理局の廊下はやけに静かだった。静かすぎる。きっと、誰もが部屋に引きこもっているのだろう。だから、この子もこうやって事務作業を自ら行っているに違いない。

リイン「静かですねぇ」

 寂しそうな声で、そう呟く。仕事中の活気は、もうこの場所にはない。


1.書類の中身を聞く
2.頭を撫でてやる

>>420
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 21:19:09.12 ID:N2fFRf4Uo
2
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 21:19:27.39 ID:MGGVdU1eo
1
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 21:29:19.41 ID:VkEtuIaGo
1は機密っぽいし2で
421 :権兵衛 [saga]:2011/01/27(木) 00:06:35.40 ID:gk/CJLxQ0

 なでなで

リイン「……」

 なでなで

リイン「な、なんですかいきなり」

 なでなで

リイン「……………………………………………………………………ふぅ」

俺「ふっ」

リイン「笑わないでくださいー!」

 好感度が上がらないけど、可愛さがアップした。やったね!
 撫でたくなる頭。尻じゃないのがポイントだよね。



1.取り敢えずとっとと持っていこう
2.何か聞いてみる (自由)

>>423
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 00:25:55.97 ID:eS0u31Awo
1
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 00:26:46.91 ID:1KwHzlFIO
2
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 12:52:58.43 ID:u4lISQMDo
これって何を聞くかまで書かなきゃいけないんじゃないの?
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 22:53:32.69 ID:OOgT6c/AO
どうせ聞くなら
好感度上げようぜ
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 20:50:21.93 ID:az5EKVHAO
リインぺろぺろ^^
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 21:03:44.52 ID:GRYTqDkUo
ナイスバディに変身しないのはなんでか聞いてみる
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 19:03:29.75 ID:EynRTo8AO
リインぺろぺろ^^
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 20:21:54.45 ID:etoLQJnAO
oi
おい
>>1はどうした
430 :権兵衛 [saga]:2011/02/02(水) 20:59:08.26 ID:g38nDqJt0

 不意に疑問に思った。

俺「お前って人工精霊なんだろ? ならさ、原型を止めていればあらゆる姿態に変化できるということ。なんでそんな貧相な身体をしているんだ」

リイン「貧乳はステータスです!」

 新たな価値観だった。どっかで聞いたようなフレーズなんだけどなぁ……
 はやてさんの人工精霊。この明るい性格ははやてさん本来の性格から投影されているのだろうか。どうなのだろう。

リイン「自由な身体っていえば良いんですけれど。私は確かに、人間に近い存在ですよ?」

 けれど、違う。人間ではない。そのことを彼女はよく知っている。人から作られた存在が、人間を理解するのは容易いことなのだから。

俺「どうだろうな。人に近い事が人である証明には成りはしない。逆に、人に近しくない思考でも、正にその姿であれば人と認識される。俺は少なくとも、後者だな」

リイン「何言ってるんですか。あなた、とても人間くさいですよ」

 心外だ。思わず身体が硬直する。
 人気がない二階から一階の階段で、青色の髪は妖精はそう断言した。反論する気はある。けど、どこか自分の中でそれを認めている気がして。

俺「……さぁね」

 お茶を濁すことしかできない。
 階段を下りていくリインの背中を見て、急いで追う。少女の身体は、やはり書類とは不釣り合いな小ささだった。
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 22:30:51.74 ID:etoLQJnAO
別に>>1が来なくて寂しかったわけじゃないんだからねっ!
432 :権兵衛 [saga]:2011/02/03(木) 20:53:53.61 ID:OljEmcNA0

リイン「はい、これで全部ですよ」

受付の女性「うん、ありがとうリインちゃん。後、私の顔をジロジロを見つめないでください知らない人」

俺「あなたも花畑があったら振り向くでしょう? そういった類のものですって」

受付「花粉症には皮肉ですね」

 正直へこみながら、書類の山を渡す。どうやら受付係宛の物のようだけど。
 にしても、可愛いよなぁ、この人。可愛いは正義です。目の保養だけでお腹一杯だよ!

受付「にしても、こんな時期に更に盗難ですか……やっぱり、同一犯人なんでしょうかねぇ」

リイン「証拠は当然、取れてないですけど……十中八九、そうですね〜」

 盗難? いや、もしかして……

俺「あの、それってもしや遺失物が保管されてるあの倉庫ですか?」

リイン「何故知ってるし」

受付「正直に吐きなさい。痛くするから」


1.正直に話す
2.しらを切り通す

>>435
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:54:33.13 ID:9s96U0E7o
1
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:05:28.39 ID:5iYYZWGHo
1
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:06:16.74 ID:ZVAg9M7IO
1
436 :権兵衛 [saga]:2011/02/05(土) 20:39:03.38 ID:qEwxzAYA0

俺「リスト中の『強力媚薬』を持ち出したのは俺です」

リイン「鼻の穴に投入しますですよ?」

 ちっ、バレたか。
 因みに、持ち出したのは本当のことであって。

俺「嘘だ嘘、イッツアジョーク! 実際には、お守りを持ち出しましてですね」

受付「あぁ、アレですね。広範囲の魔力的干渉を無効化するロストロギア……確か、C級だったと思いますけど。どうしたそんなものを」

俺「いや、綺麗だったんでつい。好きな色なんですよね、水色」

 首からつり下げたネックレスには、水色の水晶体が取り付けられている。光に反射して煌めくそれは、まるで宝石で作られた眼球。見透かされているようで、面白い。
 リインは半眼にして頭にチョップする。背伸びしてる所がポイントだと思う。可愛い。

リイン「全く、ロストロギアをそう簡単に持ち出すんじゃないですよ!」

俺「いやいや、ドアが開いてたものでつい」

 泥棒癖が付いてるのかもしれん。
 この泥棒ネコ! お母様?!

俺「うほほ」

受付・リイン「気持ち悪い……」


1.死体を見に行く
2.まだ話す! (自由安価)

>>439
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 21:07:47.41 ID:RbXsOu5Jo
2ないよう下
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 21:44:57.85 ID:XTNj5Ai2o
2
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 22:12:16.13 ID:Ri2YIP7AO
1
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 23:04:19.71 ID:ac0DhLDAO
>>1はどうしたっていうんだ!
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 21:43:44.77 ID:mlpkMXuAO
来ない…だと…
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/11(金) 22:24:04.51 ID:IrHEeJWAO
>>1ェ…
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 18:52:49.51 ID:ClN03HeAO
ほえ〜
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 23:20:23.31 ID:nhUu/YSu0
>>1! come on!!
445 :権兵衛 [saga]:2011/03/07(月) 21:54:31.49 ID:hh2UCMtO0
たっだいまー! 期末テスト終わって、泣きそうだよボク。これから大学受験なんだってね。はぁ。


 首飾りを取り戻そうと追いすがってくる二人から逃亡して、その勢いで目的地へとたどり着く。三階の端。相変わらずのKEEP OUTの文字に罵声を飛ばす輩はもはやいない。
 ふふふ……所詮、そういうものか。

 魔法で書かれたkEEP OUTの横断幕をくぐり抜けて扉を開くと、まず鼻孔に付くのは猛烈な臭さ。

 まるで、腐った魚のような――――――――

俺「っ!」

「……あら? いたのね」

 身体が硬直する。
 オレンジの長い髪。執務官の制服。なのに、その色は漆黒とは言い難い、朱に呑み込まれるような色合いをしている。
 この女、もう壊れてんのか?

俺「お前……どうしたよ。かつての仲間さえもモノとしか感知できないのか? お前はその程度の正義しか持ち合わせていなかったかな」

ランスター「失せたわ」

 そう、切り捨てられる。一体、どうしたというんだろう。この女は自分の感性がねじ曲がっていることを自覚してはいたが、根本的なモノは正義であったはずなのに。
 まるで、何も信じられないというように、死体を見下げる女。

俺「この部屋……廊下がない」

ランスター「そうでしょうね。ここは被害者の自宅ではないのだし、それに何より、見れば分かるでしょ?」

 朱に塗れた黒衣が少しだけ脇にずれる。そして、それは姿を現した。

446 :権兵衛 [saga]:2011/03/07(月) 22:12:02.13 ID:hh2UCMtO0

俺「……何コレ。生の和え物?」

 シュールすぎて面白い言葉が出て来なかった結論である。これが……ミ○ノ風!
 かろうじて分かるのは……ああ、そうだ。コイツ男か。

ランスター「エリオ、だったものよ。随分と不味そうに調理したもんよね。もうね、感想なんて息と一緒に駄々漏れだわ」

俺「ひでぇ感想だ」

 サラダなどをよそうのだろう大皿には、目玉がくり抜かれ、耳が削がれた頭部が中央に乗っていた。少しばかり延髄がはみ出していて汚い。四肢も小皿に乗っていて、まるでちょっとしたアートですらある。

ランスター「いやねぇ、何かどうでも良くなってきたわ。調べるなら勝手にどうぞ、ってかんじ」

 全てを放りだした、もはやその過去にですらどうでもよさそうな顔。何がこいつをこんなに変えたのかは分からない……けど。
 聞かざるを得ない。


 俺が最も嫌な予想をしている答えを、聞かなければならない。


俺「なぁ――――」



1.向かうべきところに向かう (自由安価)
2.誰かに会いに行く (自由安価)

>>450
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 23:51:33.55 ID:6dm6tEa2o
リインに会いたい、けどksk
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 22:59:42.97 ID:/n9/aZZAO
キテタ━(゚∀゚)━!
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 23:11:58.77 ID:sTPrpE5Ro
1場所はした
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 12:37:40.42 ID:vGNvug/wo
バインドかけられて拉致されたところ
451 :権兵衛 [saga]:2011/03/10(木) 20:51:06.77 ID:BgOmp7En0

 以前、リインに突撃した場所まで来た。以前は人通りも多かった渡り廊下も今では静寂がこの場を保っている。
 いつ殺されるか分からない。どれほど無惨に殺されるのだろうか?

 そんな恐怖が自分に降り掛かっていることを人間が自覚する妥当な時間だと思う。
 夜になる度に怯え、震える。普段、有り得ないと思うことが、自分にはないはずだと信じているはずなのに、その慢心が瓦解するのが死ぬより恐いのだろう。
 人は死と隣り合わせではない。だから、これは『人間』としてまともな反応だ。

 誰とも会わずにきっかけを作りたくないのか。それとも、余暇の時間を皮肉にも有意義に使うのか。

 しかし、此処には例外もいたようだ。

リイン「……まだ、うろちょろしてたんですか」

俺「ああ。京の被害者の状態を確認しに行っていたが……お前は行くなよ、ありゃ狼がやった方がマシと言えるレベルだから」

 リインはベンチにもたれて、特に何もせずに放心していた。その顔には色濃く疲れの色が出ている。
 人工精霊……はやてさんから生まれてきた存在だ。優しくないはずがない。まだ年齢としては子供ほどの者が、こんな事件を主人と二人で真っ向から受け止めているのだ。
 横に座ってみても、振り向きもしない。水色のお守りが俺の胸元で光っているのにもかかわらず。

リイン「いります?」

 差し出されたのはタバコだった。え、嘘。マジで?

俺「そりゃ、まぁ。つーか、お前みたいなキャラがこんなもん所持してるとは」

リイン「今日の朝、はやてちゃんの机から一箱、拝借したのです。もはや黙認状態」

俺「うわぁ……相当、参ってるんだな」

 タバコを加えるとリインに火を付けて貰う。
 吸う。気持ちいい。吐く。気持ちいい。身体から、悪い成分が抜けていく感触。実際にはその逆なんだけど。

俺「昔……多分、ヘビースモーカーか何かだったのかもな、俺」

リイン「思い出せはしないですか?」

俺「全く。というか、記憶を脳の中に閉じこめられたというより、脳が損傷して完全にアウトになってるらしいぜ。医者曰く」

 だから、いつそれが発症してもおかしくない。
 発症、しているのかもしれないけれど。けれど、リインも含め、五人の事を忘れないならどうでもいい。

452 :権兵衛 [saga]:2011/03/10(木) 21:33:13.59 ID:BgOmp7En0

 にしても、さっきとは打って変わった表情だなぁ。
 やっぱり、仕事中だからって無理はしていたのかもな。もしかしたら、今日の分の仕事はこれで終わりなのかもしれない。だから、こんな脱力しているのか?

 もう一度、タバコを見てみる。“Winston”と表記されたタバコの箱だ。このタバコが魔法管理外世界の物であることも、それがなのはさんの出身である地球という星の日本であることも知っている。
 知識だけならいくらでも甦るのに。もっと大切なことは、決して復活はしない。

 タバコの紫煙がうっすらと立ち上って、天井に広がり、消える。もう一度深く吸うと、変わらぬ味が肺の中で満たされた。

俺「こんまま何にも出来ずに終わるのかね」

リイン「仕方ないんです。何とかしたいのに、震源地が分からないんですから」

 それは、どうしようもないということ? 所詮、その程度なわけ?
 いや……違う。怯えているんだ。もし犯人を逆に刺激して最悪な結果になることを想定したら、それはまぁ手を出すなと上から言わないわけがない。
 なるほど。ランスターの心労がよく分かる。

リイン「これは私達では決して解決できないのですよ。あなたが犯人ならどれだけの人が救われるか分かりますですか?」

俺「……さぁね。証拠もないのに検挙できるか」

リイン「分かってない、ですね」

 温かい感触。手を重ねられたと感知するまでには少し時間を要した。
 どういうつもりなんだ? 顔を上げてみると、リインの瞳が5センチまで迫ってきていた。

リイン「あなたが犯人なら、本当に私達は救われるんですよ?」

 ……ああ、なんだ。そういうことか。
 笑え、ねぇ。

俺「ならさ……誠意の一つは見せたらどうよ? その目、その唇、本当にキャラが違うじゃねぇか」

 リインは笑う。本人とは思えないほど艶やかに、タバコの匂いを吐き出して。
 女は、詞を口ずさむ。

リイン「人間では、ないんです。私」



1.のる
2.のらない

>>456  いや、キッチリ書けるか怪しいけどね。つーか三流官能になる。う゛ぇう゛ぇう゛ぇww
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 22:27:32.45 ID:UH3oORZd0
ksk
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 23:50:37.70 ID:vGNvug/wo
ksk
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 01:19:55.89 ID:LGxTN8uTo
1
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/11(金) 01:24:12.80 ID:KkA4KDNP0
2
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 01:28:47.12 ID:CMH9njxs0
リインとの官能……ゴクリ
458 :権兵衛 [saga]:2011/03/13(日) 20:37:26.17 ID:GqD5TJ5S0

俺「あ、頭にハエが留まってる」

リイン「あうっ!」

 手加減して、でもしっかりとリインの頭をはたく。
 これは、許されないことではない。だから、これは少なくとも俺の勝手だ。誘っておいて、だらしないけれど。

俺「駄目だ、ストップ。気分にならん」

リイン「…………へぇ?」

俺「な、なんだよ……その笑み」

リイン「いえ、意外と純情なんだな、と思いまして」

 むぅ。そんなことはないつもりだが。
 っていうか!

俺「それ、どういうことだよ!」

リイン「言って欲しいですか?」

 意地悪い笑みを浮かべられて、思わず押し黙る。コイツ……分かっていやがる!


1.やるべきことをやる
2.まだ話す

>>461



被災地の方々、辛いでしょうが、応援しております。明日からは停電なので、更新率がグッと低くなります。
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 20:49:15.45 ID:gzO15P/Ro
2
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 21:00:34.74 ID:/thrqu6AO
1
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/13(日) 23:46:11.74 ID:KLyoMKkJ0
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 19:52:42.06 ID:HY1hyx4AO
リインぺろぺろ
463 :権兵衛 [saga]:2011/03/16(水) 22:50:10.13 ID:cabClQUy0

 さてと……んじゃ、そろそろ行くか。

俺「っと、その前に。こいつを頼む」

リイン「これは……血液です?」

俺「ああ、そうだ。今回の被害者の血。何か証拠でもあるんじゃないかと思ってさ。分析できるよな?」

 リインは少しだけエリオ・モンデュアルの血液が入った小型カプセルを少しだけ掲げる。そいつも俺がお守りと同時にかっぱらった超弾力性カプセル。もはや発明品じゃないか。
 リインは少しそれを陽光にかざした後、俺を真顔で貶した。

リイン「あなたが、これを、私に?」

俺「ああ、そうだ。なんせ――――お前が犯人を捕らえるからなぁ」

リイン「…………何を考えているんです?」

俺「さぁ。俺は犯人じゃないから」

 何が不満なのかは知らないが、もはや興味はない。もうこいつと話すことはないのだ。
 繋がっていた手を切り離す。温もりが消えて、冷めついた風が俺の手を通り抜けて、思わずその手を掴みそうになった。いや……違うか。
 存在にただ、近付きたいだけだ。

俺「夕飯時、フロントまで行く。その時が、俺達の最後の逢瀬だ」

リイン「そうですか」

 リインは少し残念そうに、でも笑って一言付け加える。

リイン「タバコ、もうあげません」


464 :権兵衛 [saga]:2011/03/16(水) 23:11:16.96 ID:cabClQUy0

 リインに吸い殻の処理を任せた後、俺の足は管理局へと向かっていた。種は、蒔いておいた。誰もいない廊下を歩きながら思考をフルに回転させる。

 意識はクリア。
 視界は開けて、まるで人が死んだ後とは思えない状態だ。死んだことを誰よりも理解しているからこそ、出来る芸当。
 兎に角……結果は一つ。これだけは変わらせてはならない。

 今日、俺すらも含めて死人は出ないということ。
 三人……必ず三人は必要だった。しかし、それ以上は必要がない。いや、俺に対する実害ではない意味で、寧ろ、ない方が良い。

 今まで……夜は俺の領域だった。しかし、今の状態はそうでない。リインが俺が行動に出ることを知っているからだ。
 リインは職業上、八神はやてを連れて行かなければならない。ここに重要な意味合いがある。
 つまり、部隊長がこの事件に幕を下ろす、すなわち『機動六課』がこの事件を解決するということに意味を成すのだ。そうでなければ話にならない。陸軍がやってきたら最悪だ。

 現状、元ライトニング部隊は死滅した。元スターズはランスターが完全にダウン状態、会ったことはないが中島スバル……だっけ? は管理局の本局で仕事中。
 基本的にいつでも出来るわけではない。いや、もしかしたら今日しか出来ないのかもしれないのだ。
 絶対に、成功させる。

 管理局の自動ドアを開くと、寮とは逆にごった返した人だった。しかし、俺が現れると同時に、まるで怪物でも現れたかのように逃げる。いや、実際怪物だろう。
 無視してエレベーターに乗ろうとしたら、中にいた人達が全員竦んでしまう。

俺「邪魔です」

ブサイク「は、はいぃ!」

 結局、残ったのは俺。そして、もう一人。
 知らぬ女ではなかった。

465 :権兵衛 [saga]:2011/03/16(水) 23:30:58.11 ID:cabClQUy0
>>464 中島スバル→スバル・ナカジマ  でした。ごめんちゃい。


俺「全員、じゃなかったわけね」

?「な、なに? っていうか、あなた何?」

俺「ひどくねぇかいその質問。あんた、スバル・ナカジマだろ? ランスターに写真見せて貰ったけど、大体予想通りだな」

ナカジマ「ティアに? ってことは、ティアの友達かな?」

俺「いや、恋人」

 真顔になった。こえぇ。

俺「嘘だよ、セフレだ」

ナカジマ「取り敢えず、私とフィーリングが合わないのは分かったよ……」

 疲れた顔をして言われると案外傷ついたりする。ほら、過剰反応か溜息どっち期待するって言われたら前者だろ? そういうようなもん。
 にしても……とっさに嘘付いたけど後でバレたら恐いなぁ。特定できたのは、なのはさんの写真の一つにあったからだし。
 あれから四年も経っているというのに、元気に手足を生やしたような人間なのは変わりないのな。フィーリングが合わないのも納得だ。俺も、あまり得意じゃない。

俺「俺のこと、知らんの?」

ナカジマ「そりゃ、私こっちに帰ってきたばかりだし。なんせ、なぁ。ひどいことになってるんだもん。あなた、見かけない顔だけど名前は?」


1.正直に言う
2.偽名で通す(自由安価)
3.黙秘権を行使する
4.権兵衛

>>451
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 23:31:56.48 ID:BBdMsWf40
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 23:34:57.06 ID:PO6/SsYWo

ユウ・カジマ
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/03/16(水) 23:53:05.02 ID:+YNUONVso
応援してるぜ
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 00:16:15.91 ID:7xwdPk6J0
同じく支援

ところで、安価おかしくね?
470 :権兵衛 [saga]:2011/03/17(木) 12:03:06.60 ID:WnY2HA960
マジだ安価おかしい
>>467は俺がガンダム分からんので、>>472で安価取る
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/17(木) 14:22:17.64 ID:Dfw4D+QAO
3
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 15:39:33.15 ID:7xwdPk6J0
1
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 16:24:18.30 ID:sp57ySFLo
ってか何でガンダムってわかったしww
474 :権兵衛 [saga]:2011/03/17(木) 19:23:48.37 ID:WnY2HA960
>>473 ググって、うん、分からんってなった。


 どうしよう。ここで変な偽名使っても、何かバレる気しかしないし。正直に言うか。

俺「一応、仮の名前だけど。ヴルカータ・グーテンブルクっていうんだ。いかにもふざけた名前だろ?」

スバル「……うん、そう思う。犯人第一候補って言われてる人でしょ?」

俺「そいつは光栄。殺したくなるね」

 まさか顔すら合わせていない奴らにそんな評価が下るとは思っても射なかった。
 にしても、そう考えると俺の立場ってなのはさんとフェイトさんに守られっぱなしだったわけか。二人には感謝しきれんなぁ。そうでもなければこんな自由に動けなかった。

スバル「有名だよ? 大破壊からの唯一の生き残り、あなたって本局で『人食い聖者』って呼ばれてるぐらいだし」

 センスの欠片もないあだ名だった。自分で付けといて良かったぜ……

俺「で、お前さんは俺をどうする? 犯人でもない人間を逮捕できると思うのか?」

スバル「……出来たら二人の墓標に添えたいよね」

 殺す気満々かよ……二人ってのは、多分エリオとキャロか。
 ライトニング部隊……フェイトさんの『家族』だっけ? 前にそんなことをフェイトさんが言っていたような気がする。
 ま、俺はフェイトさん達三人とリインとランスターが生き残っていれば何とかなるし。だから二人には死んで貰わなきゃならなかったんだからねぇ。

スバル「で、エレベーターに乗った理由は何よ?」

俺「あやや」

 ボタン押すの忘れてた!

475 :権兵衛 [saga]:2011/03/17(木) 20:06:33.03 ID:WnY2HA960

 エレベーターが昇っていく。
 はやてさんの階はかなり高い。急上昇していくガラス張りのエレベーターから外を眺めると、遙か彼方……隠れるようにして、それはあった。

 俺の故郷。
 俺の証拠。
 かつてそこにあったものは全て失われてしまった。その代わり、ただ一つ、ヴルカータという存在が誕生して、今ここにいる。

 俺は……生まれるべくして生まれたのだ。だが、そこには違和感はある。形容しがたい、直感的な物だ。

スバル「記憶も大切な人も失って」

 スバル・ナカジマもまた、見つめていた。しかし、その目が向くのはもっと遠い理想郷。
 きっと、人を救うような職業についているんだろうか? きっと……きっと、俺が求めていたもの。そんな光をずっと昔、追い求めていたんだろう。

スバル「だから、あなたは再出発しようとしているの?」

俺「いや、そいつは大きな間違いだ。俺の時間は滅亡の日、かつて俺の身体を持っていた人格が失われたその時から始まって、そこから先は0のままだ」

 詞が自然と湧き出てくる。何だろう? この激情。

俺「俺は変われない。ヴルカータという人格である俺は『生まれた』わけじゃないのさ」

 そう。これは、ただの仮の時間。だからきっと、何か綺麗な感情を作るわけにもいかないし、新たな人生を始めることも許されない。
 もうすぐ、始まる。世界は変化していくが、俺は置き去りにされるのだろう。

 それは俺のエゴ。けじめ。他人からすれば、馬鹿かと思われる常識から逸脱した思考。

俺「殺した人間は殺されるべき。死んだ人間は死ぬべきだ。だから、犯人はもう死ぬよ」

スバル「……あなた」

俺「ランスターは俺に死ねと言った。だから、お前も言ってくれ」

 死んでください、とね。


476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/18(金) 10:10:40.30 ID:sBi4QPjZ0
来てる・・・だと?
期末乙。また読ませていただくぜぇ
477 :権兵衛 [saga]:2011/03/18(金) 12:15:22.47 ID:nziYxnsO0

 ドアがオープン。
 窓もオープン……っておい! 何やってんですかあんた!

俺「は、早まるなさちこおぉぉぉぉぉ!」

はやて「もう、もう私達は無理なんやあぁぁぁぁ!」

 ナカジマが猛烈に冷たい目をしていた。そのくせ、ちゃんとはやてさんを窓から下ろしているところを見ると、救出活動を日頃から行っていると見える。
 多分、これだけをやりたいがためにあんな真似してたんだろうなぁ……

はやて「で、どうしたんや? 私はもう完全にオフやで? もう何にもせーへん」

 職務怠慢の極み。これはひどい。
 さっきのは嘘泣きだったのだろう満面の笑みである。クマがない理由を聞こうとして止めた。悪い予感しかしない。

スバル「湾岸警備隊特別救助隊・防災士長、スバル・ナカジマ、ただいま本局より帰還しました!」

俺「俺ちゃんは少し用があって。後タバコください」

 唸る豪腕。思い切りナカジマに叩かれる。何故だ。
 デスクシートにもたれているはやてさんはタバコを一箱こちらに投げて渡すと、スバルに向かって投げやりにいった。

はやて「残念やけど、上から言われた通り、事件の捜索はするなと言われたばかりや。どうしてこっちに来た?」

スバル「それは……許せないから、ですけど」

はやて「それならお門違いや。そもそも、私自身も許せないけれど、みんなこの状態で捕まえる気なんてあるんやろうか?」

スバル「私にはあります!」

 あ、そう。頑張ってね?
478 :権兵衛 [saga]:2011/03/18(金) 20:47:47.11 ID:nziYxnsO0

 スバルはなお食い下がっている。しかし……彼女はあまりにも遅すぎた。
 遅くなかったとしても、意味は成さないだろう。所詮、一介の人間に過ぎないのだ。そもそもこの事実に気付くには、ランスターと組む必要性がある。

 そして、そうすれば確実に殺される。

俺「…………ふむ、そろそろ俺の話も聞いて欲しいのですけど」

はやて「んー? 何?」

 心底めんどくさそーに言うんじゃねーよ。仮にも部隊長だろ。
 押し黙ったスバルが睨むのが分かったが、無視する。こんな奴に一々付き合ってられるか。だから、素直に邪魔だと思った。

俺「二人で話がしたいんです。誰にも聞かれない状況で、ね」

はやて「……」

俺「っていうか、俺の事情においてはこんなもの児戯に過ぎないのだが……最高に、くっだらねぇ」

スバル「…………お前っ」

 ガッ、とスバルに胸ぐらを捕まれる。コイツの意殺すような視線をヘラヘラ笑っていなした。

俺「で?」

はやて「…………いいやろ。スバル、離しや」

 悔しそうに歯を食いしばるスバルは俺の顔を一瞥すると、途端に体落としされた。いてぇ。
 そのまま逃げていく彼女の背中を、はやてさんは見もせずに、俺の瞳を爛々と見つめる。まるで、そう。狸のような……

はやて「さてと…………それで――――」



 種は蒔き終わった。後は待つのみ。


1.管理局に戻る(管理局の何処?)
2.はやてさんとヤる(どうやって誘う?)

>>481
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 21:34:01.23 ID:T2om3gzpo
ksk
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 21:41:50.08 ID:ZzZuldL60
2
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 01:01:54.26 ID:/GoxkX5G0
1
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 11:08:57.50 ID:OKTbsi3Lo
どこにする?
483 :権兵衛 [saga]:2011/03/19(土) 15:56:54.35 ID:dfsZi6K90

 それじゃあ、何処にしようか?
 フェイトさんを探すのもいいしな……

>>485
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 17:14:43.62 ID:A7/2L7YIO
キャロとローラ(とエリオ?)の死体がある場所に行く
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 18:33:02.77 ID:/GoxkX5G0
フェイトさんを探しに行く
486 :権兵衛 [saga]:2011/03/19(土) 20:25:38.69 ID:dfsZi6K90

 ……そういえば、フェイトさんは何をしているんだろう? 
 昨日、寝てしまうまでは側にいて、それからなのはさんに後を任せたのだけれど。今日の朝はまだ見ていないとすると、もしや本局行きか?

俺「はやてさん、フェイトさんが何処に行ったか知ってます」

はやて「L、しってるか。じつはわたしもしらない」

 役にたたねぇ! ちゃんとメッセージ残せよ!
 いいや……仕方ない、寮に戻ろう! もしかすると……いや、可能性としてだが、最悪のパターンも予想される。

俺「俺はもう行きます! はやてさんはちゃんと働いてくださいね!」

はやて「りょーかいりょーかい♪ 養命酒飲んで待ってるから安心せーな」

 すげぇあてになんねぇ。


 管理局の何処にフェイトさんはいるんだ? (自由安価)  >>488

487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/19(土) 20:28:53.88 ID:/f4X0i8Vo
実は俺もなのはを書いているという…
kskst
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 20:45:58.37 ID:/GoxkX5G0
最悪のパターン一歩手前で
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/03/20(日) 00:14:39.55 ID:54vx//8T0
爆発する感情
490 :権兵衛 [saga]:2011/03/21(月) 20:27:17.76 ID:b5iELfti0

 最悪のパターンは有り得ないとふんだが、二番目の可能性は十分にある。もともとフェイトさんは今行方知れずだ。
 足を速めて管理局から寮へと到着。目的のドアを乱暴に開く。

 誰もいない……? わけじゃないみたいだ。

俺「ランスター! フェイトさんは!?」

 エリオだった物体が日に照らされるのを眺めているのだろうランスターは、何も答えなかった。
 何を思っているんだか。このシュールな造形物に対して美観があるとでも考えているのなら、さっぱり理解できない。死体は死体だ。その時点で汚らわしい。
 どんなものでも、時間が経てば全て骨になる。ならば、そんなものに意味など持ち合わせているわけがない。

ランスター「……会ったわ。部屋の前に張ってたし」

俺「それで?」

ランスター「あれはもう駄目ね。言うこと言ったら、精神限界振り切れたみたい。ヴィヴィオと心中なんて、何時してもおかしくないわよ?」

俺「そう、か。ってことは、これを見てはいないんだな?」

 頷くランスターに思わず胸をなで下ろす。このままフェイトさんが自殺するわけがない……と信じたいけど、取り敢えず居場所が分かったから良しとしよう。
 問題は、姿がかき消えたアイツのことだ。
 俺は今日、本局から来たスバル・ナカジマについてとはやてさんに会いに行ったことを洗いざらい話した。この女は聞き上手で非常に助かる。

ランスター「スバルがねぇ。あいつとまだあたし会ってないけれど、どこいったのかしら」

俺「……」

 スバルを

1.ランスターを会わせる
2.ほっとく


>>493

勢いが空しい。
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 20:32:24.74 ID:sH8XQxJao
2
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/03/21(月) 20:47:31.35 ID:sapVYixdo
2
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 20:59:50.57 ID:kZvZBLM/0
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/23(水) 05:20:13.61 ID:aWX8dF1Ho
おいついた
495 :権兵衛 [saga]:2011/03/24(木) 14:38:23.20 ID:z/4D/8+l0

 うん、何か作戦に支障が出ることもないだろうが、念のため釘は刺しておこう。何より、激情して突っかかってくるのが一番恐ろしい。

俺「取り敢えず、何とかしといてくれ。あいつ、狂犬病にでもかかってんじゃねーかってぐらいに不安定だ」

ランスター「あたしに噛み付かれて来いって?」

俺「飼い主だろうが責任持てよ」

 面倒くさいわねぇ、と腰を上げて部屋から出て行くランスター。
 これで……これ以上、コイツとあいまみえることもなくなるわけだ。少し残念にも思える。なんせ、こいつほど真剣に俺が犯人だろうと考えていた奴はいないからだ。

 普通の人間が考えるのとは全く違う次元で、俺と向き合ってくれた女。

 確かに、それは皮肉な関係だったのかもしれない。

 けれど、それでもやっぱり嬉しく思えてしまう。
 ああ、もう。いつからこんなにバカらしくなったんだか、ね。

 別れの言葉はない。

 そもそも、俺達はそういう間柄でもなかったのだ。

 さてと……エリオはもうすぐ死体回収されるだろうし。とっととフェイトさんに会いに行こうかな。

496 :権兵衛 [saga]:2011/03/24(木) 14:39:17.25 ID:z/4D/8+l0


 自動扉を開くと、中から出てきたのは案の定なのはさんだ。
 なのはさんもすっかり疲弊した顔をしているが、やっぱりフェイトさんやランスターほどでもない。恐らく、スバルに会ったことで少しでも解消されたのだろうか。

なのは「カータ君、おかえり」

俺「……はい」

 良くない顔色のまま、ぎこちなく笑うなのはさんに胸が痛む。相変わらず、『ただいま』だなんて言える気がしなかった。
 なのはさんは俺の心中を悟っていたのか、それとも本人やヴィヴィオが限界なのか。静かに呟いた。

なのは「フェイトちゃんは寝室にいる。私は強引に医者に連れて行こうとしたけどダメだったよ。あはは」

俺「なのはさん……これは、あなたのせいじゃない」

なのは「でも、やっぱり力不足だよね。私の大切な友達なのに、こんなに苦しませちゃうだなんて」

 俺は知っている。彼女は誰にでも笑顔を振りまくが、何よりも他人が笑顔になってくれることが一番嬉しいのだと。
 そして、そのためだったらどんなに擦り切れても必死になるのが、高町なのはという人間だということもだ。

 ……彼女には、結末をどうしても知って欲しかった。

俺「なのはさん、ヴィヴィオは?」

なのは「いる。いるけど、泣きつかれて寝ちゃった」

俺「起こしてやってください。それから、夜になる前には、はやてさんがいる管理局地上本部の方へ向かって欲しいのです」

 なのはさんは素直にも分かった、との一言で踵を返した。それに続くように俺も入る。
 いきなりの俺の要請に、しかも自分の家を明け渡すだなんて馬鹿げていることだと思う。けれど、俺は期待していたのだ。利用するようで、悪い気もするが。

なのは「ヴィヴィオ、ほら、起きて」

ヴィヴィオ「んー、う、ん」

なのは「もう、仕方ないなぁ」

 なかなかのふて寝っぷりだ。なのはさんに担がれるヴィヴィオはなかなか滑稽。

なのは「後は……カータ君に任せるよ。ダメな私じゃ動かせなかった。でも、カータ君ならきっと届かせられるでしょ?」

俺「無茶言うな、と言いたいところですけどね。無理が通れば全て押し通しますとも」

 二人で笑う。多分、こんな時間もコレで最後だけど。
 ヴィヴィオの頭をできるだけ穏やかに撫でてやると、寝息が大きくなったような気がした。また会おうな。

俺「はやてさんには『タバコを吸いに来た』とでも言えば喜んで入れてくれますよ」

なのは「ごめん。私タバコは、ね」

 知ってますよ。当然。
497 :権兵衛 [saga]:2011/03/24(木) 14:39:54.81 ID:z/4D/8+l0


俺「……フェイトさん」

 彼女はいた。寝室の暗闇の中で、ただ一人呼吸の音すら聞こえない静寂の中で、ベッドに腰掛けている。
 電気をつけても、身じろぎすらしない。ただ、その異常なまでににごった瞳が、唯一の緊急警報だというのが分かる。

俺「死刑宣告でもされたような目ですね」

フェイト「実際、された」

俺「いやぁ、されてはいない。あなたがそう思い込んでいるだけで、本当は違うのかもしれない」

 何でも良い。彼女の瞳がこっちを向くまでは、どんな手も厭わない。

俺「あなたの家族、でしたっけね。ライトニング部隊の二人は惨殺されました。しかし、あなたは殺されていない。生きている。それが現実なのです。素直に喜んではいかがですか?」

フェイト「お気楽だね。あなただから言えるんだよ、それ」

俺「いいや、残念ですがフェイトさんにも言えますよ」

 そう。明確な理由がないはずがない。

俺「だってあなた、守れなかったじゃないですか? 自分の家族すら守れぬ者がいくら大切な存在だったと主張してもね、何も生まれないんですよ? したい相手には」

フェイト「……カータッ!」

俺「あの二人はね、死体になったんですよ。あなたが悲しんでいるのは何に対してですか? 二人が死んだことに? 自分が生き残っていることに? どっちにしろ、俺にはまるで理解が出来ない」

俺「ただ、昨日まで人間だったものが肉塊になった。それだけの話に、何故あなたは恐れている?」

 フェイトさんは答えない。この三日間で伸びた髪は、フェイトさんの目を隠して、まるで拒絶しているかのようにも思えた。
 だから、思わず笑った。あぁ、やっぱりか。相変わらず優しいねぇ、この人は。それが裏目に出ているとも知らずにねぇ。かわいそうにかわいそうに。

498 :権兵衛 [saga]:2011/03/24(木) 14:41:48.50 ID:z/4D/8+l0


フェイト「ねぇカータ」

俺「なんです?」

 その瞬間には、引き倒されていた。ベッドとフェイトさんに俺が挟まれたようになる。
 どうしたというんだ。本当に。

フェイト「カータって記憶喪失なんだよね? っていうことは、セックスは『まだ』したことがないんでしょう?」

俺「そりゃあね。誘われましたけど」

フェイト「ああ……そうなんだ。それは私のためなのかな? それとも……誰のため」

 赤の瞳に緑色。
 それは嫉妬の緑眼。あまりに爛れた、藁にもすがるようなその思い。彼女はもはや、何かにすがってなければ自己を成り立たせていけない。寧ろ、すがられる者こそ彼女の自己になりうるほどに。
 それなら……俺は、その立場になりたかったのかもしれないな。

俺「そうですね」

1.フェイトさんのため
2.俺のため


>>501 最終安価。
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 14:43:30.28 ID:yi4b4ddo0
これ、選択肢によってはBAD直行かな
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 14:45:04.05 ID:yi4b4ddo0
あ、安価は2で
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 15:06:02.01 ID:oxYH18LTo
2
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/24(木) 16:03:30.19 ID:9b8WHrhlo
俺のフェイトちゃんがあああ
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 18:31:17.09 ID:bxErdYMto
二週目やりたくなってきたwwww
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/24(木) 23:24:03.61 ID:9V8tehUAO
支援
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/03/25(金) 01:55:57.14 ID:Q7hoP2Uco
2か・・・
出来ればTrueを見たいが、どうなるかね
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/25(金) 02:02:20.07 ID:Z60q7U37o
なぜにせくロス…
507 :権兵衛 [saga]:2011/03/25(金) 11:12:24.09 ID:uhif8lVN0

 それは……許されないことだと感じられたから。人に近づくことが。人といたわることが。
 何よりも、誰かと結びつくことが。

 恐れと言えればどれほど楽なのだろう。けれど、そんなものはただの口実に過ぎず、それに理由など存在しない。ただ、人の重みを感じたくなかっただけなんだ。

 故に、答える。全ての心中を呑み込んで。

俺「俺は、俺のために自分を抑制してきました。ありとあらゆる厚意を無碍にして生きてきました」

フェイト「っ……」

俺「だから、フェイトさんの想いすら否定してみせます。自分のエゴにすがりつく事しか出来なくて、ごめんな――――」

 すっと添えられた人指探し。綺麗で長い、無性に傷つけたくなるような。
 それすら気にならなかったのは、きっと彼女が泣いていたから。俺の前で、初めて涙を流してくれたから。

フェイト「もう謝らないで。十分、だから。私もひどい人だよね」

 涙を拭おうともせずに、彼女はそう言った。

 止めて。自分を貶さないで。あなたは何にも悪くないんです。ただ、俺の自分勝手で傷ついているだけなんです。ねぇ。


 お願いします。


フェイト「出てって。あなたなんて見たくもない」

508 :権兵衛 [saga]:2011/03/25(金) 11:24:51.91 ID:uhif8lVN0

 とぼとぼと歩く。
 何処に行けばいいのか。何処に止まれというのか。

 今まで、何のために動いてきたのか。

 今まで、ありとあらゆる感傷を抱いてきたが、何かを失うことに対して、感情持つことはないと思い込んでいた。しかし、どうやらそうでもないらしい。
 そのことを俺の胸が伝えてくれる。激しい痛み。出てって、という言葉が頭の中でリフレインし続ける。

?「あら、また会うなんて驚きね……って、ちょ、すごい顔してるわよあんた」

 この声……明るいようで、実は中身は空っぽ。
 ランスターか。

ランスター「あの後、フェイトさん探しに行ったんでしょ? もしかして……いなかった、とか?」

俺「いた。今もいる」

 俺の場所は何処にも無かったはずなのに。
 なのに、『帰る』場所として、何故かあそこが思い浮かんでしまうから。
 だからなのか。追い出されたことに、こんなに心が沈むなんて。彼女の期待を裏切ったからか? 何でなんだ?

俺「フェイトさんに、セックスを要求された」

ランスター「そう。それで?」

 特に驚いた様子もなく、さも当然かのように聞き返す。

俺「俺は拒否した。人と交わることが許されてないから、あなたも拒絶すると」

ランスター「……で、あんたは逃げ出したわけね。最悪」

 それには、語弊がある。
 確かに逃げ出したかったという気持ちもある。けれど、その前に。

俺「出てけ、とさ」

 ランスターの無表情に亀裂が入った。

ランスター「な……急ぐわよ!」

 急に手を引っ張られる。何なんだよ、急に。それに……そっちの方向は、俺が逃げた方向だって言うのにさ。
 お前は恋のキューピッドですか? もう、止めてくれ。

 俺はあの人に見られたくない――――――――

509 :権兵衛 [saga]:2011/03/25(金) 11:29:15.44 ID:uhif8lVN0

 望むのならば、私にどうぞ。
 願うのならば、我が命まで謙譲しましょう。ありとあらゆるものを差し上げましょう。

 しかし、私の心は開きません。私の心は差し上げられません。

 こんな温かい手で触れられたら、きっともうそこから逃げられなくなる。俺の決意はそこで途絶えるのだから。
 だから、決めたのです。

 そのときまでに、俺に温かみを与えてくれる全ての人に、自分の出来る精一杯をやるのだと。

 そして、そのときが来たというのに。


俺「え」

俺「                    は?」



   何               

そ         れ                 ? 


 死。死体。人間じゃないもの。人間だったもの。構成されていたもの。形。温もり。うらやましいもの。嫉妬。願い。希望。俺。ああxsれねgっtったのになnやっtnだ?
 差skjふぁjgkjgじゃjsd亜fslgかkがえrかががががあがあががが

フェイト「      」

 ごめんなさい。
 ありがとう。
 さようなら。

俺「                   ざけんなあああああああああああああああああああああ!!」

俺「何がごめんなさいなんですか? それでありがとう? 有り難味されるような真似されてないでしょう! 寧ろ失礼ばかりしていたのに!」

俺「もうちょっとだったんですよ!」

俺「なのによぉ」

    んで

俺「フェイトさん、死んでんですか?」

 体がゆらゆら。
 首をくくってふらふらふらふら。
 金髪が揺れる。揺れる。揺れる。綺麗な人。死に顔綺麗。俺の求めていた、その美しさ。

 そして、温かみはきっともうない。

 もうすぐ、ヴィヴィオもなのはさんも学校から帰ってくる頃ですよ?
 部屋真っ暗だったら怖がりますよね? 明かりもつけずに。怖くなかったですか? 大丈夫ですよね。
 呼んでくれたらいつでも傍にいますよ。ほら、ランスターもそこにいる。手をついて、悔しそうな顔をして。ボロボロと涙を流してさ。

 だって、俺。
 だって……だって。



 俺は――――――――――――――――



510 :権兵衛 [saga]:2011/03/25(金) 11:37:55.23 ID:uhif8lVN0



「バカな人」

「彼女はあなたを求めているのに無碍にして」

「あなたはまだ勘違いをしている。あなたには立派な心があるのだから」

「さぁ、もう一回」

「今度こそ、この世界で幸福を見つけなさい」

 そうでしょう?
 ヴルカータ・グーテンブルク。 



BAD END
「宙ぶらりん」


>>498 の再安価  >>513
1.フェイトさんのため
2.俺のため



>>506 フェイトは完全に追いつめられていて、自分の心の拠り所にならないカータに身体で迫るほど焦っていた。
    もはや、彼女は限界ギリギリだったといえる。それを断られたため、苦しみから解放されたいがために自殺した。
    主人公は他人のことを思いやるが、人の死による悲しみを理解出来ない。故に、フェイトがどれほど追いつめられているかが察知できなかった。
    そういうところで、主人公は人よりも壊れていると言える。
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/25(金) 11:52:12.29 ID:HY8zKJ9jo
1
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/25(金) 11:58:55.99 ID:Z60q7U37o
ころすなあああああああああああああ
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/03/25(金) 12:18:17.10 ID:Q7hoP2Uco
1に決まってんだろ!
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/25(金) 12:19:11.72 ID:Z60q7U37o
これってフェイトルート?
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 15:33:39.43 ID:jdYXcEvP0
だろうな
これで3度目か・・・ようやくBAD ENDらしい終わり方だな、後味悪いけど
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 19:12:00.38 ID:fSU3hARFo
>>128
>>175
>>510

BADまとめ
517 :権兵衛 [saga sage]:2011/03/25(金) 23:17:16.49 ID:uhif8lVN0

 例えば、そう。柱だ。

 何を考えるわけでもなく、かといって自分を放棄することもない。
 ただ、そこにあり続けることで意義がある、そのためだけの柱。

 それは、人にとってはあまりに残酷な物かも知れない。けれど、俺はそれを願っていたのだ。

 否定する理由など無い。
 望んだ幸福の形こそ、誰かがもたれる場所になるんだ。それ以外なんてもうどうでもいい!

俺「俺はフェイトさんのためにあり」

 儀式的に紡ぐ詞。悦びの表し。

 彼女の美しい頬に触れる。一切の穢れない彼女の肌をゆっくりと、念入りに汚していく快感が堪らなく気持ちいい。

俺「あなたが望むならば、どんなことでもしてみせましょう」

フェイト「そう」

 彼女はそう言うがすぐに、俺に覆い被さってくる。何だろう。
 耳元で、熱い吐息ともに言葉が漏れる。

 ああ。これこそ――――――――

フェイト「抱いて。壊して?」


 はい
 分かりました



 ……………………もう、考えなくて良い。
 何、も。

518 :権兵衛 [saga ]:2011/03/25(金) 23:18:11.66 ID:uhif8lVN0



          グシャ







 え?
519 :権兵衛 [saga ]:2011/03/25(金) 23:21:56.66 ID:uhif8lVN0

 意識が遠のく。
 分からぬ 
            分からぬ。

 世界が認識できない?

    ああ、そうか。いや、違う。



   ――――これは、幻だ。だから、もうきっと覚める――――


 可愛い可愛いフェイトさん。血塗れになって死んでいる、金色の人。


    後。


  そこに立ってるお前、だれ?
                       どうして、そんなに――――――――



BAD END
「夢幻での串刺し」




520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/25(金) 23:30:12.27 ID:Z60q7U37o
え?どっちも?へ?
521 :権兵衛 [saga ]:2011/03/25(金) 23:33:11.06 ID:uhif8lVN0

「…………さて」

「どちらにしても、あなたは未だに分かっていない」

「あなたは、もう持っている……いや、違う」

「教えてもらっているはず」

「だから、後はあなたが気付くだけ」





 もう一回だけ選ばせてあげよう。

 これは最初の選択肢。
 これは最後の選択肢。

 あなたは闇の中を求めて彷徨った。

 後は掴むだけ。それだけであなたは全てを得られる。





 俺は――――――――

1.光を掴む
2.闇を掴む

>>524
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/25(金) 23:44:24.77 ID:Z60q7U37o
光あれ…
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 23:51:08.25 ID:fSU3hARFo
光を
漆黒の光を
あ、安価↓
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/26(土) 00:39:34.19 ID:95aFVd8Do
1
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 07:42:22.86 ID:V7zA+8GJ0
結局BADだと・・・・・・?
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) :2011/03/26(土) 14:30:25.70 ID:3tKNsMUb0
もしかして、>>1の選択肢でほのぼのかシリアスか決まるのか!?
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 00:07:01.67 ID:UMO+wgVC0
光→ほのぼの
闇→シリアス

って事か?
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/27(日) 00:43:29.45 ID:+7wANqyFo
誰だかっこつけて闇を選んだやつは
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 00:47:06.87 ID:UMO+wgVC0
>>5の安価により全てが始まった
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 13:46:49.28 ID:D00ajMSEo
これはもう次すれいくよなぁ
531 :権兵衛 [saga ]:2011/03/27(日) 14:52:01.61 ID:IDNyWLf/0

    ――――――――俺はそれの前にいる――――――――

 かつて求めていた物が目の前にある。
 いや……掴もうと思えば何時でも掴めたんだ。

 だけど、俺は闇を彷徨うことに慣れたから。

 ただ、その光は眩しすぎて。故に、俺は闇を選んだ。



 しかして。

 今、見よ。

 この一角に、手を伸ばせ。


 選択の時間は失われた。

 しかし、もう一度だけ選ぶが良い。
 今度はあなたの前で光っている。決して失われることはなく、それは必ず見えている。

 真の答えを。

 さぁ。



 俺は――――――――――――――――



1.フェイトさんのために生きる
2.俺のため生きる

532 :権兵衛 [saga ]:2011/03/27(日) 14:54:02.86 ID:IDNyWLf/0

      君の光への道は、開かれた
   
      故に



3.俺から、彼女に歩み寄るのだ



    >>535
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 15:52:55.90 ID:UMO+wgVC0
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/03/27(日) 16:08:39.57 ID:UrJStpyNo
3
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/27(日) 16:16:21.36 ID:eWHldmjPo
3
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 18:55:04.81 ID:UMO+wgVC0
満場一致だな
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 05:08:26.66 ID:r18qmbDd0
3、だな俺も
538 :権兵衛 [saga ]:2011/03/29(火) 21:03:57.91 ID:7cHdxpt00


 そうだ。ちゃんと、きっかけはあった。

 リインを思い出す。未だに違和感が残っていた、あの優艶さだ。
 あれはあまりにも急で、もし本人隠していたものだとしても、リインそのものを生成したはやてさんが分かっていないはずはない。
 だから、俺はアレを作った性格だと分かった。しかし、理由は全くの不明だった。

 けれど……今なら何となく理解できる。彼女が何をしたかったのか。

 セックスとは多面的要素を持っている。
 生物の種族保存の本能。人間の持つ心理的欲求。金を動かすビジネス。その姿は万別にいきわたり、もはやただの『行為』に枠を収めることの出来ない存在だ。

 リインは、その中にある大切なものを教えたかっただけなのかもしれない。

 これは俺の自惚れなのかどうなのか……分からないけれど。

俺「それは……違います」

フェイト「……ぇ」

 俺は今まで出来るだけ感情移入をしないようにしてきた。それが、誰かに近づきすぎることを恐れたから。
 ……違う。誰かに近づきすぎると、どうしてもその温もりを壊したくなってしまう。そんな嫉妬があることに、認めたくなかった。 
 もう、誰かから手を差し伸べられるのは嫌だ。そんな手で掴まれたら、消えてしまいそうで。

 けれど、今はその間逆。
 ここでフェイトさんのためというならば、彼女は俺にすがるだろう。彼女は俺に隷属するのだろう。

 だけれど、俺のためだとは決して言ってはならない。俺自身が心を閉ざして、何になるというのだ。

 それは、ただの偽善だったのだから。今度は、ちゃんと前を向いて言おう。

俺「そんなこと、あっていいはずがない」


539 :権兵衛 [saga ]:2011/03/29(火) 21:04:32.93 ID:7cHdxpt00
 思い出せ。彼女がいかに強い人であるか。
 思い出せ。彼女がいかに優しい人であるか。

 そして、俺は彼女と同じ存在であるという事実を認識しろ。俺は、この瞬間、確かに人間であるという自覚を持て。

俺「俺が憧れた人は、誰かに隷属しなければならない人じゃない。もっと気高い、美しい人だった」

フェイト「ち、違う! 私は、弱いから……だから、誰かにすがらないといけないって知ってるから。だから、カータに……!」

俺「それじゃダメなんです! フェイトさん、俺はあなたの支柱にはなれない。俺はあなたのために自分の心を預けるんじゃいけないんだ! この気持ちを捧げることが出来たとき、初めてあなたの隣に立てるから……!」

 そうだから。俺から歩まなくてはいけないんだ。
 一歩も心は動かなかった。そのことをリインは言ってくれた。諭してくれた。誰よりも人間らしいと。否。

 誰よりも、人間であることを求めているのだと。

 それに気付いた今だから、俺はフェイトさんに歩み寄よれる。この確たる気持ちをもって、あなたに告げることが出来る。

俺「誰が、誰のものなのでなく、フェイトさんは、フェイトさん。俺は、俺です」

フェイト「カータ……」

俺「独りよがりでごめんなさい。拒絶してごめんなさい。けれど、最後の自分勝手で言わせてください」

540 :権兵衛 [saga ]:2011/03/29(火) 21:06:12.69 ID:7cHdxpt00


 あなたの温もりに。その眩しさに。その笑顔に。
 今更ですが、俺はヴルカータ・グーテンブルクであることが出来ました。


俺「『ただいま』、フェイトさん。ヴルカータ・グーテンブルクです」

 そして、告げるのだ。自分が隠していた本当の気持ち。
 凍結していた光。決して偽者なんかじゃない、ヴルカータ・グーテンブルクとしての、初めての『気持ち』を。

 

     「フェイトさんのことが、大好きです」



541 :権兵衛 [saga ]:2011/03/29(火) 21:06:43.60 ID:7cHdxpt00



 余計な言葉は必要なかった。俺に必要な言葉はたった一つだけでよかった。
 なのに、自分で勝手に殻に閉じこもって、それが正しいことなのだと思い込んでしまったのだから、こんなにも遅くなってしまった。

 ああ。よく考えれば簡単なことだよな。
 こんな優しい人に、俺が惚れないわけないじゃないか。

 あの病院で、困るからといって適当に名づけた名前。意味もないだろうと、価値のないものとして扱ってきたその呼称。それが今ここで、初めて息づいたのだ。あの頃から、僅かに心の奥底で願っていたことがあったに違いない。

 そうだ……きっと。

 俺が記憶をなくしてからずっと求めていたもの。暗闇の中で手を探って、目の前にあるのに眩しくて振り向けなかったその光。
 それは、自分自身だったんだ――――――――

542 :権兵衛 [saga ]:2011/03/29(火) 21:08:33.67 ID:7cHdxpt00



 フェイトさんは泣いていた。
 彼女は口には出さないけれど、俺に依存を囁きながらも、その心中では反対していたんだろう。

フェイト「止めてよ……バカ…………」

 彼女は人に頼ることを良しとしない。物事を自分で解決しようとする、そういう責任感ある人だから。完全に追い詰められたはずなのに、それでも、その心は働いていた。

フェイト「カータも…………なんだね。もう……私の頼れる人はいなくなっちゃんたんだ…………」

 だって、最初から俺に頼ってきたから。彼女にも親友は多いけれど、自前の性格が、彼女の依存欲求を大切な友人に押し付けることを許さなかった。フェイトさんは自身にガンガラ締めにされて今まで耐えてきたのだ。

 だから、俺を選んだ。人間として『自己』の価値感がほとんど欠如していた俺に。責任を唯一感じられないのは、そういう無機質的存在を願った者。フェイトさんはそこに縋るしかもう手段がなかったんだ。
 リインは……こうなることを分かっていたのかな? もしそうだったなら、アイツには頭が上がらない。
 何せ、気付かずに間違った世界へと進む自分の姿が、ありありと目に浮かんでくるから。

フェイト「ありがとう……でも、もう私に縛られないで。そのあなたの想いはきっと、錯覚のような、そういう嘘のものだから」

俺「それこそ、高度な嘘です。今まで、確かに俺は『カータ』の名を名乗った偽者でした。けれど、あの時から今でも持ってる気持ちに嘘などない。フェイトさんが願った日々に、あの時……本当に憧れたんですから」

 ただ一つの願いだった。この残虐非道な事件から、大切な仲間を、家族を、守りたい。
 それはきっと、彼女が少女だった頃よりあったもの。毎日が幸福で満たされた日々を与えられた少女の決意だったんだ。

俺「落ち着いて。これが、『俺』の最初の気持ちだということだけを、忘れないでほしい。それだけです」



543 :権兵衛 [saga ]:2011/03/29(火) 21:11:00.95 ID:7cHdxpt00



 もはや役に立ってはいない彼女の拘束から離れて、立ち上がる。逆に、フェイトさんはもう立ち上がる力も残っていないように見えた。
 ベッドに腰掛けて儚げな微笑を見せる少女は、この世界の何よりも美しい。

フェイト「……ありがとう。随分と、気持ちが晴れた気がするよ」

俺「そうですか?」

フェイト「うん。今まで、私は誰かに頼りたかったんだと思い込んでいたんだ。でもね。そうじゃなくて、本当は、ただ私は認知してほしかっただけ」

 もう全部、台無しなんだね、と呟いてフェイトさんはベッドに倒れこんだ。それと同時に、カーテンを全開する。いつの間にこんな時間が経ったんだろう? 焼けた空が、俺たちを見つめている。
 もういいんだ。もう、大丈夫。

フェイト「お願い、少しだけ一人にさせてほしいんだ。私が本当にカータの気持ちを受け止められるか分からないけれど……ただ、少しだけ時間がほしくて」

俺「はい。分かりました」

 一瞬、彼女が何処か言ってしまう気がして、けれどそれは杞憂だった。以前あったであろう、それは少女の瞳。
 もう、フェイトさんは誰かに縋ることはないだろう。代わりに、きっと色んな人と手を繋ぐんだ。

 そうやって人は支えあえるって、俺もフェイトさんも、ようやく知ることが出来たから。






 一気に更新。今日はこれで終わり。
 これからは、事件解決編に向かいます。フェイト浮ナすが、Trueではありません

544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/29(火) 21:13:31.47 ID:r18qmbDd0
乙!!
しかし、これでTrueではないのか……
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 21:24:24.73 ID:K1n5w5dbo
なん…だと…?
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/03/30(水) 01:10:39.80 ID:lGcCF9QEo
Trueじゃないだと?
やはり最初から光を選ぶべきだったかのか?
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 12:11:47.34 ID:xC3HtM6T0
まさかセクロスしてないからじゃないよな
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/30(水) 17:51:36.24 ID:ruJpvhogo
やっべこっちもフェイトさんルートだったのか
549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 14:49:51.39 ID:7AppqCkT0
こっちもって?
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/31(木) 18:29:20.49 ID:2fTQT9CQo
俺も書いてるじゃん?
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/31(木) 20:03:05.13 ID:7AppqCkT0
>>550
え、それ詳しく
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/31(木) 20:45:01.01 ID:2fTQT9CQo
>>551
検索したらでるじゃん?
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/31(木) 20:46:26.23 ID:7AppqCkT0
>>552
ごめん、何を検索?
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/31(木) 20:55:10.68 ID:2fTQT9CQo
なのはでここを

って言わせんな恥ずかしい///
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/31(木) 21:46:00.62 ID:7AppqCkT0
もしかして、>>487か?
候補が多すぎて検索で絞れない
タイトルのヒントだけ教えてくれ
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/03/31(木) 22:04:18.31 ID:2fTQT9CQo
>>555
そうだけど…SS速報VIPでなのはってこのスレと俺のとこしかなくね?
ほかのスレで自分のとこのタイトルもさらすのは…
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 22:32:30.03 ID:w3UfAi6ro
スレのタブを更新してないんじゃない?
ふつうに なのは でそれらしいのでてきたけど
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/04/01(金) 03:05:09.57 ID:t0zwNs090
頼むからなのはルートもお願い…!!
559 :権兵衛 [saga]:2011/04/01(金) 11:14:21.46 ID:8Bex1SHr0

 なんか色々言われてるけど、これからの方針。

1.フェイト浮ゥら、その流れでTRUEへ
2.フェイト書き上げてから、他浮熄曹「て、それからTRUEへ

この場合、1と2のTRUEは多少なりとも違うことになるんだよねぇ……特に、超破壊についてはフェイト浮ナしか設定考えてなかったから、異なる浮イとに原因が変わってくるという感じになる。
しかも、あまり時間がないから、正直な所、俺は1がいい。なのは浮ニか話題がなさすぎて無理。スカリエッティ関連で頑張るしかないって厳しいよ普通に。

このどっちが良いか、っていうのはフェイト浮ェ終了してから適当に考えるから、今は本編進めるだけにします。



ID:2fTQT9CQoさん
黒円卓のやつか。見てるが、黒円卓なにそれってなった。
まぁ、これはあくまで完全なifストーリーだから、気にしないでくれ。ライトニング壊滅だしw


>>546
いや、これであってる。最初に光を選ぶと、主人公の記憶がある状態で始まることになった。
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/01(金) 11:22:59.38 ID:1hi61s2oo
よーしやっちゃえー
561 :権兵衛 [saga]:2011/04/01(金) 17:37:22.09 ID:8Bex1SHr0


 フェイトさんを部屋に残してから、すぐさま一階のロビーへと向かう。
 もうだいぶ日は暮れている。恐らく、もう来てるはずなんだが……お、いたいた。

 ロビーの脇の柱にもたれて、まるで恋人でも待つかのようたたずむリインフォース。未だに人型を取っているのは何故だ? あっちも俺に気付いたようで、明るく手を振り返す。うん、萌えるねぇ。

俺「すまん。今来たところだ」

リイン「カータが言うべきセリフじゃないですそれ。因みに私も今から二分前に来たところです」

 そう言って例のカプセルと分析結果を取り出す。取り敢えず、血液の入ったカプセルはあまり必要はないので、分析結果に一通り目を通した。

俺「……やっぱり、そうか。魔術痕跡の残滓なら残っているとふんだが、ビンゴだ」

リイン「それで、あなたはどうするんですか? 証拠隠滅でもしますですか?」

俺「それもアリだが、俺の望む結果じゃない。ただ、これを他の人に見せるというのもなぁ」

 これをそのまま公開しても、俺にはさほど問題はないのだ。やるべきことも、手段も対して変わりはしない。だから、あくまでこれは保険の一つ。さほど重要と言うわけでもなかったりする。
 ……まぁ、一応預かっておくか。

俺「すまん、やっぱり俺が持ってる」

リイン「悪い人ですね!」

俺「出会った時からな。この年の男なんてそんなもんだ」

リイン「いや、絶対カータだけです!」

 力説された。そんな真顔で言われましても。
 取り敢えず適当にあしらおうと思って、やっぱり止めた。俺は……そう。コイツに借りがある。リインの話が切れた時を見計らって、口を開いた。


562 :権兵衛 [saga]:2011/04/01(金) 17:37:53.70 ID:8Bex1SHr0


俺「あの、さ。なんっつうのかな? た、助かった」

リイン「? なんのことです?」

 こいつ、いたずらでやってんのか……ってわけでもなさそうだな。純粋な疑問顔。頭にクエスチョンマークでも浮かんでそうだ。
 もしかして。もしや、自覚せずに、あのタイミングであんなアホみたいなことやってた? いや……それはつまり。

俺「いやさ、すまん。あの渡り廊下のときのお前って、アレが素?」

リイン「素も何も、セックスなんてそんなものでしょう」

俺「 」

 なんかこう……脱力。コイツは、天然だ。真性の天然ものだ。なんかこう、人間と精霊のギャップを感じる……

俺「ってちょっと待て。なら、何でS○T突撃で恥ずかしがっていたっ!」

リイン「そりゃ、はやてちゃんぐらいにしか私のフリーさ教えてないですし。そんな初対面で教えちゃうなんて、ただの痴女か何かじゃないですか」

俺「…………」

リイン「あ、でも久々に乳首吸われて、感じたのは本当ですよ? そんなに落ち込まないでください」

 いかん。これ以上話してると夢が色々と壊れる。
 人っ子一人いなくなってしまったロビーでとんでんもないスピーチを繰り広げるリインをチョップで黙らせて耳打ち。

俺「………………………………………………………………」

リイン「………………………………はぁ。別にいいですけど」

 良いのかよ! 普通、ダメだろ。

リイン「まぁ、私はあなたが無事に逮捕されることを願ってますし」

俺「それ無事じゃねえ」

リイン「泣いても笑っても、この日が最後、ですか。いい表情です。フェイトちゃんとうまくいったようで安心ですね!」

 なっ……! な、なああああああああああにいいいいいいいい!
 ってことは、お前やっぱりっ!

俺「てめっ」

リイン「それじゃ、はやてちゃんのところに帰りまーす。ババハ〜イ」

 ちっ、逃げられたっ……



563 :権兵衛 [saga]:2011/04/01(金) 17:39:09.86 ID:8Bex1SHr0


 空を駆けていくリインを追うのも流石に面倒くさいので、後は深夜を待つだけでいい。

 ロビーにあるフカフカなソファーを独り占めして、ゆったり体を伸ばす。

 なのはさんとヴィヴィオははやてさんの所で食事を取ってるはず。
 フェイトさんも恐らく眠っているはずだ。疲れきっていただろうし、彼女が起きているのだとすれば俺と夕食を食べようとするはず。

 ロビーには誰もいない。この場所は……呪われている。それは全く正しいと思う。
 夜になる度に死の恐怖に怯え、誰かの死に喚起し、そして自分の無事を喜ぶという日々。それが続くものだとでも思っているのだろうか。対抗策も取れないのだ。仕方ないと言えば仕方ないだろう。

 死とは、極端な話、あらゆる可能性を封じることである。
 もっと詳しく言えば、その人間が干渉することで起こり得る、ありとあらゆる未来事象を全て打ち消すものである。あまりにも一方的な柵作りは、世界の無限さなどあっという間に埋め立てていくのだ。

 俺がいない頃から。

 かつて、世界は有限だった。
 今でも有限だ。しかし、認識の範囲ではもはや無限に近いものだと言える。その時点で、世界はもはや無限なのだろう。
 なら、今の俺の世界はどうだ? 管理局とその寮内しか出歩けず、人と出会えばまず犯人扱い。自由の『じ』の字もありはしない、そんな生活。それに、急にいらつく。

 きっと……それは、初めて今日、『自分』を確立することが出来たから?

 フェイトさんを思い浮かべる。
 綺麗だ。何より、自分の思考できるあらゆるもの全てを超越して美しいと思える。俺は、彼女が大好きだと告げた。それは、本当だ。何より失いたくないし、近くにいたい。それを人間らしい理由で好きになれたのだとしたら。俺は人類史上最高の鈍感野郎ってわけだ。

 これからも、フェイトさんのために。
 これからも、俺のために。

 二人が支えあっていく未来。何もかもを失ってしまった人間の残骸じゃない、一週間前から始まった、ヴルカータの人生のスタートだ。

 ああ、妄想するだけでも救われる……!

?「「気持ち悪い……」」

俺「ひどっ! ……って、お前らか」

564 :権兵衛 [saga]:2011/04/01(金) 17:40:09.31 ID:8Bex1SHr0


 零れそうだった涎を慌てて吸って声のある方に首を回転させると、見知った二人組みが。いや、二人同時で見るのは初めてだな、そういりゃ。
 なのに、このフィット感? しかも、こいつら手まで繋げちゃってるよ……お前マジで恋人か? 百合ッ気むんむんさせちゃって。俺ちゃん興奮しちゃうぞー?

俺「こんなところでデートとか、場所考えろよ迷惑だろ」

スバル「全くだよ! あんたがいなきゃ最高だったのに」

ランスター「そもそも論でしょうが、まずはデートを否定しなさい!」

 これはひどいツンデレっぷり。なのに手は離さないんですね。

ランスター「後、手痛い離せ。それから、あたしの上着をいい加減返しなさい」

 と思ったらツンだけだったという罠。
 にしてもこいつら……のんきってレベルじゃないぞ。他の人が見たらどう思うんだか。妬ましいとか、感心するとか。

俺「どうせお前ら暇なんだろ。こんなことしてる暇あったら、部屋でセックスでもしてろ。眼に毒だ」

スバル「分かっ」

ランスター「折角告白すらしたってのに、フェイトさんとヤってないあんたに言われたくないわよ、本当に」

 げっ、なんでこいつまで俺とフェイトさんのこと知ってんだ。もしや……盗み聞きされたのか?! うわ、むっちゃハズい!
 コイツ……後で見てろよ! いずれスバルと結託して襲ってやるっ!

スバル「えっ。こいつが、フェイトさんに?」

ランスター「ええ、そうよ。他人に聞かれたらショックと恥ずかしさで吐血しそうなぐらいのセリフを言ってのけた男よ、見直してあげなさい。後、スバル。下半身に手出ししたらしばらくお預けよ。」

 よほどセックス出来なくて悲しいんだなあ。胸を揉もうとして失敗したのだろう、下半身に伸びる手がビクリと止まった。漫才か。
 にしても、何をお預けるというんだ? すごい気になる。

ランスター「って、あたしはあんたに用があってきたのよ。リイン軍曹から通信があったけど……アレ、あんたの差し金ね?」

俺「あんなこと進言すんのは現段階で俺以外の誰がいると? まあ、無くても問題は無いんだが、念のためな」

ランスター「そう。なら、あんたも私も、そろそろってことか」

 部分的に話についていけていないスバルが恨めしそうな目で見ている。こっち見んな。
 まあ、確かにそれもそうだな。現時刻八時。深夜までは後四時間だが、準備は念入りにしておくのだ。

 そう。ランスターは、全て知っているようで知らないのだから。だから、こんなにも明るい顔なのに、心中では風に揺れる穂のようにざわめいている。


 さぁ。そろそろ……



 そろそろ……最後の夜が始まる。



 事件解決編へ。
 ただし、まともな推理なんて存在しないので、そこはご愛敬……なわけないね。
565 :権兵衛 [saga]:2011/04/02(土) 14:39:17.67 ID:YnpE1w/n0


 崩壊し
 純化していく。

 ミッドチルダには未だ、星の光が途絶えない。
 技術が進歩し、環境問題にも対応できるほどになってしまった今では、もはや自然という言葉は使われる時は来ない。そうであっても、美しいと感じられる。

 星の光。
 そして月光。

 月は人を狂わすという。その光が、人間の奥底にある狂気を呼び覚ますという俗説だ。しかし、それを信じないわけじゃない。
 ただ、月が狂わすんじゃなく、ただ人が勝手に狂うだけだ。人間は誰しもが狂気を持っていて、それは奥深くにある癖、バカみたいなとこで表に出てきたりする。
 人間は恐れた。自覚がある事は、すなわち存在していると直結している。だから、意識を何よりも大切にして生きる。

 少なくとも、俺はそうだ。世界が再び朦朧としたものに包まれることは無い。

 『完全なる"0"』 ヴルカータ・グーテンブルク。その存在は、今ようやく意識を持ったのだ。意識を持ち。


 そして、彼女に笑いかける。


566 :権兵衛 [saga]:2011/04/02(土) 14:40:12.38 ID:YnpE1w/n0


 時計を見やる。午前1時25分。夜はまだまだ続く。
 未だ、禁じられた遊びは終わらない。

フェイト「ヴルカータ・グーテンブルク、あなたを連続殺人の容疑で現行犯逮捕します。あなたには黙秘権が」

俺「いいや、与えられませんよ。俺はそもそも生贄扱いだ、恐らく弁護士どころか裁判すらしない可能性だって十分に在り得る」

フェイト「そう、かもしれないね」

 しかしあなたは執務官だ。そして何より、この呪われた夜にだって光り続けるはずの、この六課のヒーローなのだから。
 正義の味方は、ありとあらゆる事に公平でなければならない。それが、正義たる意味。情など存在しない、したとしても、罪を逃させるなど持っての外だ。
 だけど、もう迷いはしないみたいだね。それは……実に光栄なことです。

 だが……どうする? 
 俺を逮捕すると言うこと。それがいかに難しく、リスクが高いか。あなたは分かってはいない。

 いや、そうじゃないな。

俺「フェイトさん、本当に俺を逮捕できるとお思いなのですか?」

フェイト「どういうこと……!」

俺「ひねりなどはございません。ただ単純な意味合いですし、もう一回分かりやすく言いますね」

 彼女の問いに、にこやかに回答する。
 ランスターの体から漏れ出した十二指腸を踏み潰し、フェイトさんに告げた。

俺「あなたでは、今の俺を逮捕することなど出来はしない」

フェイト「……っ」

 意味を理解しているかどうかなど些細なこと。どう足掻いたところで、彼女には決して俺を正義に則って逮捕することは不可能だ。
 
フェイト「ティアナを殺して……私の家族を殺して。その次はどうするっていうの?」

俺「ええ。あなたを殺します。折角来てもらったのだしね」

フェイト「……そう。なら、実力行使だね。デバイスもろくに使えないと思ってたけど、そうでもないんだ。驚きだよ」 

 フェイトさんは暗い顔でバルディッシュを展開させる。もはや涙すらない、か。
 良いだろう。そろそろ良かろう。

俺「焦ることはないでしょう? まだ夜は長い。俺の話でも聞いてから、押さえ込んでくれませんか?」

フェイト「何が言いたいの!」

 無視する。何よりも気をつけなければならないのは、フェイトさんの動向ではない。俺の口だ。
 俺の口がすべれば、全てがおじゃんとなる。気をつけろ。相手を刺激しすぎても、全くしなくてもアウトなんだ。集中。

 そして、笑顔を……心の底から作りたくなかった、笑顔を。あなたを拒絶する形を、向けるのだ。



567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/03(日) 21:47:19.81 ID:qIfHG9c10
え、ティアナいつ死んだ!?
568 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:07:54.07 ID:FC3OvKCv0



   「フェイトさん、あなたが犯人です」


569 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:09:01.57 ID:FC3OvKCv0


 唖然するフェイトさん。しかし……それは決して本心ではない。彼女は演技しているのは間違いないのだから。

フェイト「何……言ってるの? 私が犯人って、どうしてそんなことが! だって、現に私がティアナの自室に入ったときには、ティアナは既にカータに殺された後だった。それで、どうして私が犯人扱いされなきゃ……」

俺「されますとも。慌てずとも、安心してください。時間はたっぷりあると言ったばかりじゃないですか」

 呼吸を整える。まずは、第一関門突破か。
 しかしまぁ、この死体がこれほど役に立たないとかね。折角、フェイトさんのために用意したというのに。


570 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:10:11.22 ID:FC3OvKCv0



俺「まず、第一回目の犯行。俺がここに来た日と被らせたのは、最も疑いがかけられやすい俺に罪を着せるためでしょうか? 実際、管理局内ならその効果は抜群でしたよ?」

フェイト「……」

俺「大前提として、フェイトさんは執務官であり、ランスターの先輩だ。つまり、ランスターが極秘にしている『職業柄』の極秘は、フェイトさんの『職業柄』の既知の事実であるということ。故に、あなたはランスターの張っていたレーザーを既存だったわけです。シールドで防げば魔力質で判断されるからでしょう。だから、あなたはレーザーを避けて通るしかなく、外から飛んで行ったというわけだ。フェイトさんがさっきまで寝ている最中にキャロ・ル・ルシエの部屋を確認しました」

 フェイトさんの目が、僅かに反れた。

俺「縦二つ、横四つの窓……合計4の鍵のうち、三箇所は閉まってる中、一箇所だけ開いていたんです。しかも、そこだけ付着しないはずの窓の枠組みに血痕がありました」

フェイト「でも、外から犯人がやってきたとすれば誰でも当てはまるよ?」

俺「しかし、当てはまらない。鍵も窓も壊れていなかったうえに、キャロ・ル・シエは部屋の中心で殺されていた。そして何より……何で彼女の愛竜、フリードリヒがいなかったのでしょう? 子供こましのあなたのことだ、空から突然やってきても警戒なんてされないはずですし、常時小型になっている愛竜とキャロを同時に殺せるようにするのも楽だったはず」

 もし、突然犯人が空からやってきたとしたら、窓ガラスは普通割られるはず。魔術で窓ガラスを何とかしても、人間より敏感な竜が殺意を感じ取れないわけがないし、そもそもベッドで死んでないのだ。つまり、この時点で竜が認知している人間ということになる。

フェイト「だから、私って? 私以外にもこの管理局内なら誰でも……」

俺「つまり、この管理局内の人間だというわけですね」

フェイト「それって、揚げ足のつもり? 止めた方がいいよ」

俺「性根でして」

 流石にまだ折れないか。
 それに、これはフェイトさんから自白させるための俺の見解に過ぎない。まだ十分も経っていないというのに、もう朝が来そうな気分だ。


571 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:11:59.24 ID:FC3OvKCv0



 辛辣な顔で、こちらを黙って睨むフェイトさんを無視して、ベッドに腰掛ける。そう……リラックスしつつも、フェイトさんから絶対に目を離さない。
 表情だけは作り上げる。心中の緊張がバレたら目も当てられない。

俺「さて……第二回目の犯行。ローラ=スチュアートは、ソファごと切り裂かれて死んでいた。『それ』自体に意味は無いのですが、彼女には大きな意味がある。故に、一回目と三回目の死とは根本的に大きく違います」

フェイト「どういうこと?」

俺「問題になるのは彼女が遺失物の保管庫を担当していた者であり、彼女が起動六課が回収した遺失物を一任されているということ。フェイトさんはどうしても必要なものがあって、彼女を殺したと俺は見てます」

 俺の首にかけられた『それ』を見せる。水色に輝く玉石。それは今、何かに呼応しているかのように輝きが増しているようにも思える。

 その光で照らされるフェイトさんが息を呑むのを見逃しはしない。

俺「一回目の犯行後、かなり強化された警備では、流石に、ただ単純に殺しに行っては怪しまれてしまう。しかし、外では見張りがいるし、出来るだけ隠密に殺すには、管理局内の中を通るしかない。なんせ、あなたの髪は暗闇では余りにも目立ってしまうから」

俺「当然、内部に巡回者がいないわけがない。それに、ランスターが張ったレーザーもある。逆に言えば、これらの解決法が作れれば、誰にも邪魔されずに目標を殺害することは可能になるというわけだ」



572 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:13:07.86 ID:FC3OvKCv0



 彼女はこの光を知っている。このお守りは、一つしかなかったわけではないのだから。

俺「ランスターから聞きました。この空間、深夜に展開される催眠魔法の概念は、人間が最も自然な形で眠るように暗示をかけているのだ。つまり、フェイトさんに出来る程度の催涙魔法をこの一定区間に拡散させればいいわけで、ようするにそのためのスピーカーが必要だったということです。また、リインの所持していた遺失物管理記録を見たら、そういうような感じのロストロギアがありましたとも、えぇ。どうやら据え置き型らしいですが、どうでしょう?」

 知らない、と頑なに言うフェイトさんだが、明らかにその顔は焦っているものだと受け止められる。ポーカーフェイスというガラじゃないのに、全く。
 手でお守りを弄びながら、再び話し始める。

俺「あなたが倒れてベッドで休んでいた時……俺が逃げて行った後、あなたはすぐに部屋を発ち、ローラ=スチュアートの部屋に侵入。レーザーは昼の時点では効いていないから、その間に彼女を待ち伏せしてソファに拘束したのでしょう。猿轡の後がしっかりと残ってしましたし、恐らく生きたまま。あなたは拘束後、彼女のパスキーと制服を強奪し、それからロストロギアを盗んだと予測しています」

フェイト「そ、それなら不可能だよ。あそこはパスキー以外にも顔をチェックする機械もある。通れるわけが……」

俺「あります。覚えてないんですか? 『変装』のことを言ったのは、他ならないフェイトさんです」

 俺が寮に入る前、管理局で言った言葉だ。俺はその時、何か小道具を使った、グラサン程度のものだと思っていた。
 しかし、もしそれが本格的な魔法だったら?

俺「魔法なんて便利なもの誰が開発したんだか。兎に角、魔法で本人の身体的要素をコピーしてローラ=スチュアートに成りすましたあなたは、拡散機と俺が今持っている『お守り』、そしてレーザーを完全に無効化できる『何か』を倉庫の中から持っていったんだ。そうでしょう? あなたの上着の内ポケットに入っている『それ』が分からないとでも思っているんですか?」

 あまりにも予想通り……既にフェイトさんの額には汗が流れているのが分かる。
 その右腕が自然と上着の内ポケを気にしている素振りで、もう場所すら特定できるのだ。完全に慌てているようだ。

 さてさて……まだ自白してくれないか。


573 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:13:42.79 ID:FC3OvKCv0



 フェイトさんにリインに預けたカプセルを見せる。第三の死体、エリオ・モンデュアルの血液を採取したものだ。

俺「エリオ・モンデュアルの血液です。中身を分析してみたところ、やはり魔力痕跡はありませんでした。が、分かりにくいですが、その表面を高熱で焦がされた後が発見されたんです」

 カプセルをフェイトさんの方に投げると、彼女はそれをぶらりと下げた左手でキャッチした。

俺「電気、です。しかもかなりの高電流で流したものが切り口となっていたほどにね。今までのは採取してはいませんが、きっとこのような焦げが残っていますよ? きっと」

フェイト「……へぇ。よく調べたんだね」

俺「そりゃそうですよ。俺の愛しい人が容疑に掛けられてると知ったら全力で調査しますとも。見事に的中でしたが」

 その瞬間だった。ゴトン、と音が鳴って水色の光が点滅する『お守り』が落下した。
 それは、俺の首飾りからでなく、彼女のポケットから出されたものだ。やっぱり、持っていたんだ。虚ろな眼でこちらを見るフェイトさんに少したじろぎそうになって、腰を据える。ここで引いてはダメだ。

フェイト「最後に聞きたいんだけど。カータって」

フェイト「いつから私を疑っていたの?」

 ああ、そんな質問。何となく予想してました、っていうわけじゃないんですよ?
 だって、その答えは。

俺「ええ、最初っから」

フェイト「最初?」




574 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:14:44.52 ID:FC3OvKCv0



  俺「はい。フェイトさんがキャロ・ル・ルシエを殺す瞬間を見てましたから」



575 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:16:13.87 ID:FC3OvKCv0



俺「いやはや、あなたが居間の窓から飛んでいった時は驚きましたが、追いかけたら、まさか人殺しとはね」

フェイト「見ていた? あなた、寝ていたフリを……!」

俺「帰ってくる時間は毎回ジャスト三時でしたね。なかなか感心しましたよ、いい子いい子♪ ふふふふ……はっはははははは!」

 そう。それが、俺の持つフェイトさんが犯人であるという『確たる』証拠であり、今までの解析の動力源となっていた。

 あの夜、慣れない部屋で寝れなかった俺だったが、急にフェイトさんが起きてきたから身動きできなくなったのだ。
 しかし、デバイスでフォームチェンジしてから、窓から飛び出したフェイトさんに驚いた俺は、思わず追いかけていた。その時にランスターの『包囲網』に引っかかり、俺が犯人扱いされたのだ。

 ランスターを思い出す。そう……俺は、アイツがいなければこんなバカなことは出来るわけなかったんだからな……


576 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:17:49.65 ID:FC3OvKCv0




  数時間前。

  エリオ・モンデュアル死体現場にて


  ランスターとの会話
577 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:19:39.49 ID:FC3OvKCv0



俺「お前、分かってるんだな?」

 ランスターは微動だにしない。しかし、沈黙を保っていることが、その決して望まれない問いの答えなのだと分かった。
 俺はランスターに聞かなければならない。きっと……

俺「もう一度言うぞ? お前、分かってるんだよな。フェイトさんが犯人だと」

 名前を出して、僅かにランスターの唇が震えた。俺にとっても、コイツにとっても、この結論はあまりに痛々しい。

ランスター「でも……確かな証拠はないわ」

俺「しかし、お前は犯人であるという『確証』を持ち合わせているのだと俺は見る。そうだな?」

 後は、その『確証』で何とかするしかないのだろう。うまいこと彼女を自白させるぐらいしか手段がまるで見えないが。
 ランスターは疲弊しきった顔のまま、うずくまる。今までやったことがまるで分からない、と呟いて。

俺「最悪の結論だな」

ランスター「まず犯人だと疑った私の方がよっぽどゴミ野郎だわ。あんたが犯人だったらどれほど良かったのかっ!」

俺「そう、だな」

 それは冗談でもなんでもなくて、きっと本心。ランスターは俺に対しての怒りも恨みも無い。あるのは嫌悪だ。
 何事も無く死を認識し、その重さに耐えてしまう、人間らしからぬ人間に、ランスターはどうしようもない嫌悪をする。何であんたが、と。


578 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:21:57.16 ID:FC3OvKCv0



ランスター「いや、あんただから良かったのかもね。だって、ほら。あんたの一番身近な人だって言うのに、当人はまるで傷ついてない」

俺「そうかもな」

 それは間違いでもある。しかし、正解でもある。
 なんにしろ、俺のやることは変わらない。

俺「終幕だ」

ランスター「……」

俺「手伝え、ランスター。お前がやるべきは、犯人を……フェイトさんの行為を隠し通すことじゃないだろ? なんせ、お前は執務官だからな」

 返答は無い。俺はもう独白しているに過ぎないのだ。自分に語りかけているに過ぎないのだ。

俺「死の重みを、彼女にも。生の重みを、彼女にも。人を殺すものは、その二つの重さを背負わなければならないのだから、俺は自分の独断だけでフェイトさんを罰するつもりだ」

俺「だから、ついでにお前も巻き込む。強制さ。お前がいなくても出来ないことはないが、リスクが高いからな」

 それは、嘘。俺一人では、何も出来る気はしない。このお人好しがいて初めて成せるものなはず。

 ランスターは……泣いていた。初めて見せてくれた涙。それを拭こうともせずに、エリオの死体に涙が零れていく。
 これが、最初で最後の、ランスターの人への想いなのだろう。釘付けになった。聞くにはあまりに忍びないすすり泣き。現実の非常さに耐えられない心。

 それに、俺は触れたくなって。けれど、触れてはいけない気がした。
 そんなことをやってしまったら、きっと俺は――――――――



579 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:22:56.69 ID:FC3OvKCv0



ランスター「最初は心底あんたが憎かったわ」

 泣き止んだランスターの顔は、もはや疲れも何も消えてしまった。涙で洗い流したんだろう、自嘲の笑みすら見える。
 そのランスターが口を開くまで、俺は黙ってコイツの隣でエリオの死体を眺めていた。

ランスター「でも、完全に確信に変わったのは今日。疑いを持っていたのが昨日。ほんとにバカよね、あたし。まさかフェイトが、って冷静な判断も出来なくてさ。最後の最後に賭けてみたら、これだもの。特に……エリオは私を恨んでるかしら」

俺「死人は恨みなんて死ねえよ。それに、お前がやったことは正しくはないかもしれないが、応対としては完璧なものさ」

 純粋な関心だった。
 出来るだけ心を込めずに。正しい、だなんて俺には分からないくせに、そう答えてやった。

ランスター「でも……これで再認識したわ。今日で終わらすわよ」

俺「当然だ。こんな腐った日々は望んでないからな」


580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/06(水) 00:26:53.93 ID:EGD6pNRwo
終わりそうだな…ゴクリ…
581 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:26:56.02 ID:FC3OvKCv0



 同時に、ランスターは目の前でディスプレイを展開する。流石は執務官というところか、そのタイプの速さは慣れたもので、あっという間に寮の見取り図を3Dで展開する。更に、そこに赤いレーザーを何本が挿入された。
 これが……ランスターの『包囲網』か。しかし、これは。

俺「お前は魔方陣と言っていたはずだが……このレーザー、壁を突き抜けていないな。物質を感知して情報を伝えるタイプだったのか」

ランスター「ええ。この微弱のレーザーは、機械を媒体にして調節した魔力のエネルギー光線。普通、実戦で使うものを何万分の一に抑えて、当たっているかさえ認識できないようにしたものよ」

 そう、この『包囲網』は寮内にしか展開できない。外では魔力が見張りに感知されて、いざという時に混濁してしまう危険性があるからだ。
 しかし、かなり密度は薄いものの、人が通り抜けられないほどのレーザーの壁が寮内の廊下とロビーに巡らされている。

ランスター「今まで一度もフェイトさんはかかってない……フェイトさんは、このレーザーが張られていることを知ってるの。というより、本人の提案だったのよね、コレ」

 やっぱり、そうだったのか……執務官二人なのだ。予想通り。

俺「いや、今回ばかりはそうもいかんのよね。レーザーには個人特定の能力がある。実質的証拠で残すなら、出来るだけレーザーにはかからせたい。レーザーの魔力媒体と演算を行っている機械は何処にあるんだ?」

ランスター「私の部屋よ。あんまり大きくないし、何時でも操作できるようにしてある」

 なるほど、ね。既に開けっ放しだった窓を開けると、緩やかな風が部屋に入ってきて、血の臭いを和らげる。
 いや……そうか。後で確認しておくか。今は兎も角、作戦会議だ。

俺「よし……ならばティアナ・ランスター。お前、1回殺されろ」

ランスター「無茶言うな」

俺「あながち冗談でもねーぞ。ただ、『お前が死んでいる』という事実をフェイトさんに認識させることが出来ればいい」

ランスター「……結局、あたしが死ぬことは変わってないじゃない」

 いやいや、そうでなくてなぁ――――――――





582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/04/06(水) 00:33:20.28 ID:sl4RYvzh0
更新来てた!!

どうでもいいが>>576はエリオ・モンディアルな気がする
583 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 00:36:45.44 ID:FC3OvKCv0



はい、どうも。大体事件は解決。
っていうことで、犯人はみんなの予想通りの人でした! 伏線は張った(と思いたい)から分かっちゃうよね!

今回、最初からプロットがころころ変わってたから、まともな伏線を張れる気がしませんでした。難しいですこういうの。

さて、第三回の事件は、まだ実は色々あります。というか、コレだけに関してはティアナがやらかしてます。
この後どうなるのかは、お楽しみにしないでください。


>>567
フェイトさんが部屋に入った瞬間には既に。カータは血塗れ。
フェイトさんが犯人だろうからおかしい? まぁ、カータも誰か殺したくなる時があったんだよ。多分。

>>580
実は終わらない。終わりたい。

>>582
どころか全てモンデ『ュ』アルになってる。気にするな。そしてごめん。



コーヒーブレイクでも少し。
500ぐらいまで進んだ時、気付いた。

ヴル『ガ』ータ・グーテンブルクだった。

あらまぁ、とか思いつつ、ガータっていう方が発音しやすいよね? ってなったのでそのまんまです。

……良いよね?

584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/06(水) 00:42:02.11 ID:EGD6pNRwo
いいんじゃね?俺のなんてドライだぞ…かわいてっぞ
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/04/06(水) 01:26:47.69 ID:H43zaY7io
無論だ
586 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 01:50:59.94 ID:FC3OvKCv0
>>583
おかしいww
カータの方が発音しやすいね。ごめんね、馬鹿な作者で

>>584
ファントムを思い出すんだよね。あれは、そう……何だかんだいって、やっぱり漫画板がいいっ!
こう、アレだ、ドライが押しかけ妻みたいになって、エレンがそれを文句いいつつも受け入れて、んでレイジはそれを笑いながら日々が過ぎるというそういう妄想が(ry

>>585
そうなのかー

587 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 12:51:21.34 ID:FC3OvKCv0


俺「っ!」

 一瞬の隙、だった。俺が僅かにランスターのことを思い出してフェイトさんから意識を背けたのに感づいたのだ。

 さっきまで呆けていたようなのはまるで演技。
 漆黒の疾風と黄金の激流が目にも留まらぬ速度で迫ってきて、俺の喉元に急に現れたデバイスを宛がい――――――――

俺「今ッ!」

 寸での所でフェイトさんの体が吹き飛ばされた。彼女は体勢を立て直しながらも、何も無い空間から現れた『何か』を探っているようにも見える。
 あの状況から、とっさにシールドを作り出した……? 流石は歴戦の勇士、並じゃない反応速度だ。

フェイト「……そこか」

 彼女のデバイス(バルディッシュとか言ったか)を展開すると同時に、その先から電気粒子が鎌の形状となり、固定化される。アレが凶器? あれなら三人を惨殺したと見て間違いないような刃渡り。そして電気だからこそ人体切断が可能だったのか。
 バルディッシュに嵌る金の玉石から魔力を抽出して作り上げられる何本もの雷の矢。俺は……あれをかつて一度だけ見たことがある。なのはさんのアクセルシューターと同じ役割を持つ牽制攻撃だったもの。黄金の矢。

"Photon Lancer"

 英語の機械音と同時に、五本の矢が放たれる。
 そのうちの俺に向かってきた二本を体を伏せてかわし、残りの三本は――――――


588 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 12:51:47.78 ID:FC3OvKCv0



"Photon Bullet"

 今度はバルディッシュからじゃない、違う声が虚空に響く。
 何も無い空間から再び、『何か』が現れる。フェイトさんの金とはまた違った、だが決して見劣りはしない濃い橙色の巨大な散髪の弾丸だ。俺の左後ろから放たれたソレは、出所に向かってくるフォトンランサーの魔法で相殺し、どちらの魔法も潰れる。その衝撃の爆発で、思わず発された声は……

フェイト「な……! ティアナ!?」

ランスター「あ、バレた」

 何が『あ、バレた』だよふざけんな。
 まぁ……もしかしたら魔法の色で特定できるのかもしれないし、何よりもうバレた所で何も問題は無いか。

 まるで透明マントでも着たかのようにして空間から突如現れるランスターに、フェイトさんはバルディッシュを再びこっちに向ける。
 俺だけしかいないと見誤ったか……残念でした。

フェイト「嘘、だって、殺されたはずじゃ……」

俺「そりゃま、罠ですわ。魔法を使えない俺は貧弱そのもの……だから、こうして騙す必要があった。特に、この死体を『作る』のは一時間も取られたんですからねぇ」

 俺がそういった瞬間に、無残に引き裂かれたランスターの死体だった幻影が消され、部屋に飛び散っていた血液も消え失せる。ランスターが幻影を使えるのだと聞いて二秒後には、こういう風に使いたかった、だけ。
 伸びをして体をほぐすランスターの表情は不満たらたら。

ランスター「全く、無駄な労力にも程があるわよ! 自白させたいからってこんなもん作らせて、結局は役に立ってないなんて! しかも私の死体、こんなに酷くなくたっていいじゃない!」

俺「アホか、こんなのじゃなかったらそもそも意味無いだろ。それに、これがあったからこそ、今まで攻撃されなかったっていう見方もあるし?」

ランスター「あんたの後ろで隠れてる途中、私の死体を見てるのは生きてる心地しないわ……」

 疲れた表情のランスターだが、その目はキッチリとフェイトさんを捉えていた。というのも、ランスターはこういった特殊魔法ばかしはかなり上手なのだが、直接的な戦闘力があの三人ほど高いわけでもない。
 状況としては良いものの、実力ではまずあちらが上、か。


589 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 12:52:24.34 ID:FC3OvKCv0



フェイト「……結託してたんだね」

 ええ、そりゃね。というより、成り行き的に合致したといった方が正しいとも言える。俺は俺のほうで、アイツはアイツで、と。
 ただ、途中で『きっかけ』を与えたのは間違いなく、この俺だ。

ランスター「三回目の殺人……エリオが殺された時に、エリオは自分の部屋でなく、別室で殺害されました。コイツだけは除いて、一般の人は殺人者がエリオを別室まで運び、殺したと考えてました。けど、それは違う」

ランスター「エリオは自ら泊まる部屋を変えて、それをフェイトさんだけに教えることにした。だから、エリオは本人の部屋でないのにも関わらず、場所を特定されて殺された。なんせ、フェイトさんは一度もエリオの部屋には行っていないから」

フェイト「へぇ? 知ってるんだ」

 彼女は笑う。もはや包み隠さず、どこか狂気が含まれているような笑みを浮かべて、バルディッシュの先をゆっくりと下げた。微弱な電流がバチバチと空に消えていく。
 俺はもう口を出す必要もない。後は、全てコイツに任せよう。

ランスター「当然ですよ。エリオを別室に泊まらせ、それをフェイトさんだけに言ってきかせたのは私ですから」

 彼女は少しだけ驚いた顔をして、そしてニタリと笑う。綺麗な顔を汚さないでくれ。思わず拳を握る。

フェイト「つまり、エリオは私とティアナに殺されたんだ」

ランスター「はい、全くその通りです。けれど、後悔はしてない!」


590 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 12:54:32.08 ID:FC3OvKCv0



ランスター「知らないですよね。エリオの部屋に私が眠っていたなんて。催眠魔法は、自然な状況なのであればいかなる場所でも眠らされてしまう……だから、他人様のベッドでも支障はありませんでした」

 そうか。ランスターとエリオは命を賭していたのだろう。
 フェイトさんに二人を殺すほど時間はない。ランスターが死ねばエリオが、エリオが死ねばランスターが、それぞれ後日にフェイトさんを告発できるようにしておける。そういう体制をあらかじめとっていたのだ。

 きっと……ランスターもエリオ・モンディアルも、自分の命よりフェイトさんの無実の方が大切だったんだ。
 そうでもなければこんなこと逸れた事、出来るはずがない。

ランスター「私は最初からフェイトさんを疑ってたわけじゃない。いや、寧ろこのまま気付かない方が良かったのに……」

 そう。なぜならば、俺がそれを差し向けた。
 不機嫌そうに黙り込んだランスターに代わって、俺が代弁してやる。

俺「コイツを懐柔したんですよ。あなたがローラ=スチュアートに成りすましてる間、俺は偶然にもランスターと出会った。そして、あなたへのプレゼントとして渡したあの羽に色々細工してもらったんです」

 今、フェイトさんはあの羽飾りをつけていない。多分、フェイトさんはあの羽飾りを場所の探知機や盗聴系統のものなのだと思い込んでいる。
 好都合。それを見越してこそ意味を成したのだ。

俺「慎重なあなたは勘違いしてるでしょうが、これに内蔵してあるのは盗聴器でも探知機でもなくてですね、記録型温度計なんですよ。あなたの体から離れるとその温度は一定にまで下がってしまう。その毎秒ごとのデータを記録して電波でランスターのパソコンに飛ばしていたんです」

フェイト「……また、私は騙されたんだね」

俺「フェイトさんにも見せてあげたいですよ、あの結果! 三時五分にはちゃんと上昇していましたよ、『いつも通り』にね」

 俺が言い終わった二秒後。そこで初めて、フェイトさんの表情が変化した。

 それはまるで何かを危惧するような、そんな顔。何かを恐れるような――――――――だから、それすらも俺は暴いてみせる!


591 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 12:54:59.42 ID:FC3OvKCv0



ランスター「でも、今更ながら変よね、それって」

 ランスターが首をかしげる。初めは本当にいやいや取り付けたランスターだが、一日後には完全に反応が変わっていた。
 あの羽は、それだけのものだったというわけだが、しかしここで疑問点が残る。

俺「何で寝るときに外さなかったのか。そう言いたいんだな?」

ランスター「ええ。あんたが言うには、フェイトさんは入浴以外の時にはずっと付けてるのよね? でも、寝る時にも外していれば、盗聴器にせよ何にせよ、問題は無かったはずなのに」

 そうだ。
 全く、その通りだと思う。それに関しては、証拠もクソも無い。

 だから、俺は推測を述べる。あってはならないはずの、そしてあってほしい推測を。

俺「今から話すことは、あくまで想像に過ぎない」

俺「だから、それが真実であるという確証は微塵も無い」

 もはや完全な無表情になったフェイトさんがこちらを捉える。吸い込まれそうなほど紅かった瞳……その色は既に濁り、違うものへと変わっていた。
 俺は……彼女に恋をした。だから、こうして、殺人者となってまだ前に立っているのだ。

 フェイトさんが俺を殺そうとしようが何だろうが、それが潰えることは決してない。それが、俺であることへの自縛となるのだ。



592 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 12:55:32.66 ID:FC3OvKCv0


フェイト「……真実でもない、ただの仮説の話を私にしないで」

 うるさい。これは、違う。何かが大きく異なっている。だから、俺は愛するはずもない言葉を無視する。

俺「俺は今まで独りだった。自分から独りになって、それでもやっぱり繋がりを求めずにはいられない。だから、出来るだけ自分を押さえ込んで、自分を偽りのものだと仕立て上げることで、それに耐えられてきた」

俺「けど、それは簡単に破られたんだよ。気高くて、意地っ張りで、なのに自分がボロボロになってもまだ優しい人。その人は俺の憧れで、幸福そのものだった」

 思い出せ、この四日間を。
 俺がいかに彼女に支えられていたのか。俺が彼女を守ろうとして、実は後ろから抱きすくめられていたのだ。その肌に触れてようやく、俺は自分を見つけられた。

 俺はようやく、自分を自分だと見つめなおすことが出来たんだ!

俺「だから……俺はフェイトさんが犯人だと思いたくない。考えられる気すらしない。あんなに三人の死を悼んでくれる人が、殺人者であるはずがないじゃないか、って思えた。いつも、いつもそう考えて夜を過ごした」

 あなたの去り行く背中を見つめて、いつも。

ランスター「な……! ここまでやっておいて、あんたそれはないでしょ!」

俺「そうだ。俺は現に、あなたが犯人だと思いたくないにも関わらず、こうしてあなたの前に立っている。フェイトさんを騙すことに嫌悪しつつも、ね」

 だから、今までずっと思ってたんだ。

俺「どうして、なんて言いません。もう言う気すら失せた。だから、昨日までずっと考えていて、質問を変えることにしたんです」


593 :権兵衛 [saga]:2011/04/06(水) 13:38:02.79 ID:FC3OvKCv0



     あ ん た 誰 だ ?

594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 15:57:16.59 ID:9P9n3AmIO
ど、どゆこと!?
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 16:16:24.65 ID:ay474brDO
私だ
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/06(水) 18:04:43.82 ID:EGD6pNRwo
お前だったのか
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 18:58:52.54 ID:9P9n3AmIO
なんだお前か・・・
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 19:53:28.08 ID:qTc0Qs2Yo
暇をもてあました
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/04/07(木) 22:24:23.09 ID:Xk+MCVy+0
神々の
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 22:40:00.72 ID:AhJmQ9n8o
遊び
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 22:52:31.35 ID:e1AhXSQc0
>>594-600

ノリ良すぎるだろお前等wwww
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 20:22:53.98 ID:Fbx7/be/0
いつから「フェイト・テスタロッサ」じゃなかったんだ…………!?
603 :権兵衛 [saga]:2011/04/09(土) 00:05:01.01 ID:j6zJdHRt0

 一瞬だけ固まった世界を切り裂いたのは、ランスターの怒声だ。

ランスター「な、何言ってんのよ! 今更になって現実逃避とかふざけないでくれない?」

 これは……全て仮の話。都合のいい話。
 だから、ここから先は俺の創造であり、妄執であり、何より正義も何も無い言葉で構成されたものだ。そんなものがあって良い筈が無い。寧ろ、唾棄すべきだ。希望論だけで暴くなど、正気の沙汰じゃない。

 けどさ、よく考えてみろ。ヴルカータ・グーテンブルク。
 今まで、俺は何で動いていた? 何を原動力としていた? 自分の我が侭とエゴ以外、何もないじゃねーか。

 そう。深く考えなくていい。

 俺は自分だ。なら、そいつに従ってりゃ何の問題もないじゃねえか!

俺「ああ、そうだ」

 後方にいるランスターを笑い飛ばす。そうだ、笑い飛ばせ。どうせ、今の俺は正気の沙汰じゃねえ。

俺「全くそのとおりだ。現実逃避そのものさ、自分が恋した女が別人だって疑うのはなぁ」

フェイト「…………」

俺「けどな、そうでもないと心が持たなかった。特に、俺がフェイトさんへの気持ちに気付いたとき、それは希望じゃなくて、確信に変わったほどにだ。そうでもなければ、俺は何のために生きてきたのか迷走してしまう」

 目の前にいる、俺の抱いた夢の人。かつて、羨望と共に形を得ない『何か』を持った俺の恩人であり、今や既に片思いの人。
 しかし、火が進めば進むごとに明らかになっていく現実に俺はまるで耐えられなかった。だから、日が進んだ時に知った事実にしがみ付くことしか出来なくなってしまったのだ。

 それが正しいかは分からない。いや、こんな暗愚で短慮な話が正しいわけがないというのにさ。

俺「だから、俺はある仮説を立てた」



 
604 :権兵衛 [saga]:2011/04/09(土) 00:05:51.95 ID:j6zJdHRt0



俺「あの日……ヴルカータ・グーテンブルクが生まれた日、あなたはあの死の世界で倒れた」

 しかし、それは本当にショックで倒れたのか?

俺「また、その根底となる大破壊は超大規模な魔法攻撃だった」

 それが、何か本来有り得てはならないような大魔法の副作用なのだとしたら?

俺「そして、あの世界にいた不特定多数の中で、突発的に倒れて病院に搬送されたのは、フェイトさんのみ」

 偶然ではなく、故意のものだとするならば。

俺「そして、死が必要だったローラ=スチュアートを除いて、何よりも自分の守るべき存在を優先的に殺していった」

 そして、彼女は限界ギリギリまで追い詰められたのだというのに。
 演技だというには、あまりにも悲しすぎるんじゃないか?

俺「あんたのそれは、二重人格では決して無い。二重人格なら、僅かにでも片方の面影が残っているから。洗脳という可能性もあるが、その『お守り』を持っていたのだから、洗脳には影響されないはず」

 けれど、フェイトさんに近しい存在。

俺「だから、あんたはフェイトさんの中に、確実に、いる。しかし、人の中にもう一つの魂が存在することなど可能か?」

 答えは、可能だ。何故なら、魂とは物質ではなく、脳神経で記憶されるものでは決して無いから。それは、俺の存在によって証明される事実。
 故に、考えた。

俺「あんたはフェイトさんを狙ったわけじゃない。フェイトさんしか狙えなかったんだな? 本来、戻るべき場所にしか魂は宿らないからだ!」

 ランスターが息を呑み、

 ソイツは――――――――

                           ―――――――――――――――笑みを





605 :権兵衛 [saga]:2011/04/09(土) 00:07:54.47 ID:j6zJdHRt0









    俺「そうだろ! アリシア・テスタロッサ!」









606 :権兵衛 [saga]:2011/04/09(土) 00:10:33.00 ID:j6zJdHRt0



 世界が割れた?

 いや……ちげえや。思いきり壁に叩きつけられただけか。横を見れば、ランスターも痛みに呻いている。全く、やっぱりいざってところでこうなる奴なんだなぁ。
 穏やかな風が流れ込んでくる。衝撃で窓ガラスが全部吹き飛んだみたいだ。

 頭を打たなかったのが幸運か……ガラスの破片に触れないようにして立ち上がる。

 向かうは独りの少女。
 向かうは金髪の美しい人。
 向かうは彼女の本当の主。

 そして、俺にとっての偽者だ。

?「あぁあ、そのまま気絶していれば痛い目見ずに死ねたのに。本当に不運だね、カータは」

俺「てめえにカータって呼ばれる筋合いねーよ。それに、俺は不運じゃねえ。悪運さ」

 ソレが浮かべるは決して耐えぬ笑み。夜に浮かび、月の光に照らされてなお、余りある狂気を内包する、残虐な金髪の悪魔だ。
 完全にフォームチェンジした彼女は、本来持っていたはずの優雅さなどは微塵も感じられず、ただただこちらを見下す高圧的な存在感と、何よりも圧倒的な殺意を撒き散らしている。

俺「アリシア・テスタロッサ……フェイトさんのモデルであり、本来の『形』」

?「殺人は何時かはバレるんじゃないかと危惧していたけど、まさか『私』にまで目星をつけるなんてね。感心感心、妹は良い奴隷を持ったものだわ」

 予感的中、か。
 あってほしかった筈の展開だ。なのに、何だろう。この胸底からわきあがる怒りは!

アリシア「正直なこと言うとね、あなた達お似合いよ。偽者同士、気が合うのかしら? 私は以前のあなたの方が大好きだけど」

俺「黙れよ。フェイトさんも俺も、偽者なんかじゃねえ……!」

アリシア「何とでも言いなさい。現にこの体は、日に日に本物に馴染んでいく……ヴルカータ、あなただって気付いているんでしょう?」



607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 00:10:39.55 ID:3eaYNMlK0
え?




え?プロジェクトF、成功してたの!?
608 :権兵衛 [saga]:2011/04/09(土) 00:12:10.48 ID:j6zJdHRt0



 空に浮かぶアリシアを睨みつつも、ランスターの様子を盗み見る。
 が、かなり体と頭を強打したようで、かなり意識は朦朧としているようだ。しかし、例え起き上がったとしても強打し、ガラスで傷ついた体で対抗できるとは思えない。

 何より、俺自身の足から流れる血は全く止まってくれなさそうだ。

俺「フェイトさんが眠っている時間……そのうちのレム睡眠時がお前の活動時間ってとこか?」

アリシア「よく出来ました、と。かつその時間が日に日に増えていることを付け加えれば満点だったのにねえ」

俺「増えている……ねぇ。お前が殺す相手に執着している理由が、これか」

 へえ、とアリシアは感慨深く嘆息して見せた。死んでしまえ。
 大サービスだ、その期待に応えてやる。

俺「精神の弱体化、だな?」

 フェイトさんの人格でいる時間とアリシア・テスタロッサの人格でいる時間。それは足して二十四時間であることには違いない。
 しかし、それらが複合することは決して有り得ない。魂は普通、一つの人間に一つであるという、人間の定義が『世界の意思』として作用している。故に、アリシア・テスタロッサはフェイトさんの精神状態を弱めることで、彼女の体を略奪しようとしているというわけだ。

アリシア「ご名答! 私の出来の良い妹はね、自分の家族と誰かさんが殺されていく中で、自分が犯人なんじゃないかってビクビクしながら生きてたわけよ! 笑っちゃうでしょう。信頼していた仲間たちを裏切るわけが無いのに、自分しか疑いようのない状況で大事な家族が死んでいくんだからねぇ?」

 こいつ……フェイトさんの人格を弄びやがって!

アリシア「おかげさまで当初の予定の何倍ものスピードで私の『侵攻』は進んだ。一週間もすれば一日のほとんどが私のものだったのに、誰かさんのおかげで台無しよ」

俺「けっ、阻止できて光栄だね!」

アリシア「そうねえ……おかげで、決定打すら出来たのだから感謝すらしてるわ。あなたが死んだと知った時、そして自分が殺したと分かったなら。この子はどんな表情をするのかしら? 自殺するほど追い詰められたら、もはやゴールも同然! 最高の出来レースじゃない?」

 ……そうか。それほどまでに俺は大切に思われているってことか。
 なら、それだけで十分だ。彼女が俺を思っていてくれているという理由さえあれば、どこまでだって追いすがれるから。

俺「だが、その後はどうするつもりだ? ここまで派手にやったんだ、お前がもはや殺人者であることは隠し通せないぜ? 管理局から追われる身になってまで、その体を手に入れたいってのか!」

アリシア「承知の上よ。私の速さに追いつける人は管理局内にはいない。それに、私を欲しがる研究機関やテロ組織なんて幾らでもあるってこと、分かってる?」

 アリシアはあくまでも上品に答える。それが、何よりも気に喰わない。

アリシア「それに、あなたが死んだら私がアリシアであることに気付く人間などほぼ皆無……気付いたとしても、管理局のみなさんに愛されているフェイトちゃんの身体をどう扱うのかしら?」

俺「ぐ……人質ってわけか、畜生がッ!」

 何より、管理局内での上層部……もしその研究者たちがアルハザード研究のためにアリシアへの待遇を変えるということも十分にありうる。何にせよ、これからアリシアは悪い方向へ転ぶことは絶対にないのだ。
 つまり、は……

アリシア「この会話、実況してるんでしょ?」

俺「……っ」

 ちっ、バレたか!

アリシア「構わないわよ、好きにしなさい。ただし、到着した頃にはね」

 黄金の刃を宿したバルディッシュが向けられる。その雷は、もはや正義のためには使われず、殺人のためだけにあるのだろうか。
 瞬間的に、消える――――――――

アリシア「死んでるわ」




609 :権兵衛 [saga]:2011/04/09(土) 00:23:56.73 ID:j6zJdHRt0


やぁや。こんばんは、権兵衛です。
てことで、真犯人は『例のあの人』……じゃなくて、ただの死人でした。ばんざーい。

これからコイツを何とかします。もうしばし待たれよ!



>>607

答えはイエス。

ただ、ジュエルシードの絶対数が足りなかったために、プレシアの生命力を魔力としてアリシアに流れ込み、再び復活を遂げる。
つまり、俺の解釈としてはアルハザードは『世界』ではなくて、魔力で生み出された、物理的存在とは全く異なる『空間』だと捉えています。
それがアリシアに使われたのだとしたら、その世界はもはやアリシアの作り出した『世界』と同等のもの。

だから、プレシアが自らの命を捧げたか、それとも奪われたのかは神のみぞ知る事実ということであります。

フェイトさんが闇の書事件で見たアリシアとちげえ、っていうのは当然のことです。
あれはフェイト自身の記憶を闇の書が改竄して描いた偽りの世界。故に、アリシアが実はこんな奴だったとしてもおかしくはありません。

また、アリシアさんは何で肉体のまま復活しないのは、単純にジュエルシードの数が足りないからです。

もしくは…………



610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/09(土) 00:30:35.40 ID:2cowdOoJo
まさかの…
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/04/09(土) 02:56:36.17 ID:d4da0Ptio
こう来たか・・・
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 19:53:14.14 ID:6CQTMY0w0
腹黒幼女(事故当時の年齢を考えて)だと…………
やっぱりフェイトさんの人格は、複製された物ではなく彼女自身のものだったんだな
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/10(日) 21:51:23.92 ID:MhQekA+mo
救いはあるんだよな?な?
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 22:31:13.12 ID:6CQTMY0w0
>>613
これたしか、TrueEndじゃなかったよな……
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/10(日) 22:35:26.04 ID:MhQekA+mo
>>614
なん…だと…
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 22:41:29.79 ID:6CQTMY0w0
>>615
俺もいやな予感がして読み返してみたんだ
>>543の最後を見てくれ
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2011/04/10(日) 22:51:03.69 ID:MhQekA+mo
>>616
ははっワロス
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 20:23:45.42 ID:IfXm9y8U0
>>616

oh……
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 20:52:52.60 ID:TFhUw/MO0
支援!!
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 14:42:29.46 ID:tAq83Vet0
支援!!
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 10:12:18.52 ID:FwW9RZYDO
権兵衛や・・・生きてたら連絡してけれ・・・
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/06(月) 19:44:14.29 ID:T5V2a1YAO
シエンタ
623 :!ninja [sage]:2011/06/07(火) 17:50:09.12 ID:wJLSs3JAO
待ってるぞ。私怨
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/06/16(木) 19:58:25.61 ID:QyUBbUtFo
帰ってこーい!
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/06/27(月) 21:22:52.41 ID:7FE3WJd0o
権兵衛ー!
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