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一方通行「無視すンなやゴラァァァ!」 フィアンマ「なんだアクセラか」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 21:11:45.93 ID:kOjPAeI0
・フィアンマ×一方通行(百合子)です  需要あるかな?
・時系列は戦争後 百合子がとある高校に入学 上条さん健在
・初スレ初SSです かなり遅いですが必ず完結させます
・右方通行(ミギセラレータ)は俺の中で至高


 元ローマ正教陰のトップと学園都市第一位が交差する時

          ――物語は始まる――
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 21:13:44.73 ID:DxWLXcAO
これはwwwwww

期待
3 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 21:15:26.67 ID:kOjPAeI0
「学園都市か……」
そう呟いたのは全身が真っ赤な男だ。

「俺様が敵の本拠地に出向くとはな……」

此処、学園都市には深く関わった人間がいる。
4 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 21:15:30.62 ID:kMY4wyQ0
フィアンマだと・・・期待
5 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 21:20:32.94 ID:BsfKCRgo
まさかの組み合わせ・・・
6 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 21:23:11.89 ID:kOjPAeI0
一人は自分と同じ奇怪な右手を持つ男

一人は自らが利用し苦しめた修道女

そして、
「アレイスター・クロウリー……」
学園都市の統括理事長にして最悪の魔術師。己の右腕をあっさりと切断し、叩きのめした『人間』だ。

「さて、行くか」
彼もまた魔術師だがきちんと手続きを行っている。侵入を簡単に許すとは舐められている、と自覚がある。

「まぁ、俺様の目的はアレイスターには関係無いだろう」

男の名は右方のフィアンマ ローマ正教の魔術師だ
7 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/16(木) 21:28:37.10 ID:FA8HUADO
期待
8 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 21:41:08.17 ID:kOjPAeI0
「あァ、だりィなァ……くそ」
そう愚痴をこぼしたのは杖をついた全身真っ白な女だ。しかめっ面は悪党のそれ、普段は男の様に見えるが。

「休日なンだから家で休ませろよクソガキがァ……」
ロシアでは少しデレた彼女だが基本はツンなのだ。
彼女の名は鈴科百合子。これが表の世界で名乗っている名だ。その正体は学園都市最強の超能力者(レベル5)一方通行(アクセラレータ)
裏組織『グループ』の構成員だ。

一方通行「ゲコ太って何だよ……クソッ」
彼女が持っているのは打ち止め(ラストオーダー)が買ってきてほしい頼んだ物だ。当の本人は病院で調整を受けている。

フィアンマ「これが『科学』の街か……」
一方、のんきに街を歩くフィアンマは周りから注目を浴びていた。全身真っ赤なコーディネイトで奇妙な右手が彼の背中から現れている。
それは、学園都市でも異様な光景だった。


9 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 21:55:11.51 ID:kOjPAeI0
赤い青年は自分が注目を浴びているにも関わらず平然としていた。
フィアンマ「(オッレルスの使い走りで来たが、まぁ遠回りしてもいいだろう)」
場所は事前に調べてある。彼は頭の中のマップどうりのルートを歩く。

フィアンマ「(こいつの調子もいいし、伝えることも整理した)」
チラリと第三の右腕をみてそんなことを考える。

一方通行「……何だあれ?」
人混みの中の異様な光景。彼女の疑問は見た目から出たのでは無い。『グループ』の海原光貴や黄金の空から感じる胸への圧迫感。
それは、

一方通行「魔術か?」
チョーカーに手を置き、警戒しつつ近づいて行く。

 「おい」
 「ん?俺様に何か用か?」

最強の名を冠する二人が、交わる。
10 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 22:10:52.22 ID:kOjPAeI0
一方通行「お前、もしかして魔術師か?」

フィアンマ「ほう、俺様の正体がこんなにも早く気づかれるとはな」
周りの一般人には聞こえないように話す。あっさりと自供するとは予想外だった。

「何が目的だァ?」低い声で威嚇する一方通行に対して、男はちょうどいい、試しておくか、と背中の右手に目をやる。
ヤル気かァ……と、チョーカーのスイッチを入れて更に殺気を飛ばす一方通行に、周りの人間はどんどん減っていく。

一方通行「その服装、何か意味でもあんのか?」
会話をしつつ、風を集める。目の前の男は『火の象徴』だの『神の如き者(ミカエル)』だの、「お前はどうなんだ?」と言っている。
一方通行はそれらを無視してありったけの暴風をぶつける。轟!!という音と共に赤い男は近くの店の壁に吹き飛ばされる。

一方通行「(下っ端どもを呼ぶか)」
確かな手応えを感じた一方通行はケータイを取り出す。
11 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 22:11:48.13 ID:kOjPAeI0
カレー食ってきます。投下遅くてごめんなさい。
12 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 22:40:05.45 ID:kOjPAeI0
フィアンマ「不意打ちとは……感心しないな」

一方通行「!?」

風速120メートルで壁に叩きつけられた男は右手に守られ平然としていた。
それどころか、風の魔術を使うのか?、服装に意味は無いのか……、いや、あれが能力者というやつか?と先の一撃をまるで気にしていなっかた。男は口元を緩め、余裕を感じさせる表情で言い放った、
 「こんなものか?」

「クソがァ!」そんな安い挑発に乗った一方通行はベクトルを操作したアスファルトの破片を蹴りつける。弾丸の様な速度で放たれるが、

 「考察はいらない」

第三の腕が振るわれる。破片は届かない。反射の膜をすり抜けて華奢な体に衝撃が走る。

 「振れば終わるのだから回避は必要無い」

一方通行がそう聞いたときに意識が途絶える。学園都市最強の超能力者は一撃で気絶させられた。
13 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 22:52:53.34 ID:kOjPAeI0
フィアンマ「……二撃目はいらない。一撃で倒せるのだから、追い討ちは必要ない」
白い少年?に背を向け再び歩き出す。その表情はどこか悔しそうだ。

フィアンマ「(空中分解を避けるために出力を抑えたが……こんなものか)」
彼は自分の右肩に手をやる。今はオッレルスという魔術師に貰った義手型の特別な霊装を付けている。
これがなければ出力を抑えることも出来ない。フィアンマは白い少年を一瞥し、まぁ、あの右手の男以外に俺様に敵うはずも無いか、と
適当に考える。自分の目的は能力者と一戦交えることではない。

フィアンマ「さて、○○高校とはどこかな?」

それは、幻想殺し(イマジンブレイカー)と呼ばれる右手を持つ少年が通う高校だ。

14 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/16(木) 22:55:07.37 ID:kOjPAeI0
今日はここまでです。書き溜めがないので全然進みませんでした。
頑張って完結させます。
15 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/16(木) 23:40:38.06 ID:RRb7rOUo

期待してる
16 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 00:56:26.72 ID:fS73Id20

新しいなwwwwがんばれ!
17 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 02:25:00.79 ID:v8XFRP6o
何このカオスな組み合わせww
18 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 10:30:33.18 ID:NTJCDkDO
スレタイクリック余裕でした
19 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 12:50:01.14 ID:/dEvxl2o
これはいいうほラレータ
20 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 18:39:30.09 ID:qgNvWF20
こんばんは、1です。見てくれている人がいて嬉しいです。
とりあえずゆっくりまったり休憩挟んだり飯食いながら投下します。
21 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 18:59:52.19 ID:qgNvWF20
一方通行「ン……」

結標「あら、お目覚め? 百合子」

一方通行「結標か……ここは『グループ』のアジトか」

海原「一体どうしたんです? 街中で倒れていたそうじゃないですか。スイッチを入れた状態で」

結標「心配したのよ? あなたの美肌に傷がついたらどうするのよ?」

一方通行「うるせェよ。……つか結標、やたらと足を触ンな」

結標「いいじゃない、百合子ぉ〜。これもスキンシップよ?」

海原「(百合子さんが凱旋し、暗部の人間を解放するように『上』に掛け合ってから結標さんの様子が変ですね……)」

アジトで一方通行を気遣う結標淡希と海原光貴。今此処には居ないが、土御門元春を含めた四人が暗部組織『グループ』だ。
ロシアから帰ってきた一方通行は自らの本名で接するようになり、「馴れ合いは不要」の暗部組織でも仲が良くなっている。
約一名、ツンデレの毒牙にかかっているが。

土御門「ただいまにゃー、元気にしてたぜよ?」

22 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 19:11:18.60 ID:qgNvWF20
一方通行「土御門ォ、そのうぜェ喋り方何とかしろよ」

結標「言葉が汚いわよ? 百合子。まぁそこもいいんだけど」

土御門「まぁまぁ、学校でもこんな感じだし気にしないでほしいぜぃ。それに、見つけてここに連れてきたのは俺ですぜよ?感謝してほしいに    ゃー」

結標「(私も転校しようかな……)」

一方通行「あァはいはい、アリガトウゴザイマシター。これで満足か? 土御門」

土御門「う〜ん、『お兄ちゃん』って言ってくれると尚良し、だにゃー」

三人「(シスコン(きめェ)(キモイわ)(気持ち悪いですね))」

――暗部組織『グループ』の仕事の無い日常はこんなものである。
23 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 19:40:42.00 ID:qgNvWF20
フィアンマ「なんだ……これは?」
とある高校の校門前に立つ、一方通行を右腕の一振りで倒したフィアンマは、右腕をしまっても目立つ格好だが目の前の光景はまったく違う。

月詠「『これ』とはなんですかー? 先生は物ではないのですよー」
彼女は学園都市七不思議の一つにもなっているピンクな怪人ミニマム教師、月詠小萌だ。幻想殺しを持つ上条当麻と先ほどの土御門元春、
一方通行こと鈴科百合子の通う学校の名物、合法ロリ教師だ。

月詠「あなたは、迷子さんなのですー?申し訳無いのですけど先生、見たことないのですー」
『先生』を強調している赤いランドセルと黄色い安全帽の似合う目の前の女性は、どうやら少し警戒しているらしい。
この高校には上条当麻がいる。フィアンマは彼に会いに来たのだ。……学園都市に来た本当の目的とは違うのだが。

フィアンマ「(きちんと調べたのだが、ここは小学校だったのか?)」

月詠「……もしかして失礼なこと考えてるんですー? 先生は立派な大人なんですよー」

フィアンマ「(『大人』だと……こんな小さな子どもに手を出した奴がいるのか!? ロリコンという奴か!?)」

月詠「あのー、先生の話聞いてますか? 迷子ちゃーん?」

フィアンマ「(それに、ここまで自然に話すことが出来るなんて……健気だな) 安心しろ、俺様はこれでも神に仕える身。お前に手を出した不貞      の輩には天罰が下る。安心しろ」ニコッ

月詠「(爽やかな笑顔ですけど、ひどい誤解をしてるのですー)」
24 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 19:53:07.73 ID:iXwEpOco
これが噂に聞くきれいなフィアンマか
25 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 19:57:49.60 ID:qgNvWF20
月詠「先生はきちんと成人して、タバコも吸える大人なんですー!」

フィアンマ「(聖人!? こんな子どもがこの科学の街で!) ……そうか、だがお前は汚されてしまったようだな……所属はどこだ? 俺様は
      ローマ正教のフィアンマだ」

月詠「どうして宗教の話になるのですか!? 生憎、先生は無宗教なのですー (あれ? ローマ正教?)」

フィアンマ「(無宗教だと……テッラあたりなら殺されているだろう……ん?だとすると性人!?)」

フィアンマ「お前はその歳で体を売っているのか? そんなにも貧しいのか?」

月詠「なっ!? だからどうして先生を子ども扱いするのですかー!」

フィアンマ「世も末だな……こんなにも小さな子どもに欲情し、性教育を施してもらうとは……やはり世界は歪んでいるな……」ブツブツ

月詠「ですから! 先生はここの教師なのですよー!」つ教育免許証

フィアンマ「」

月詠「そんなに驚かなくてもいいじゃないですかー! 傷つくのですよー……」
26 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 20:10:35.44 ID:qgNvWF20
フィアンマ「(こんなにも小さな子どもが!? 何かの魔術か!? いやサイセンタンカガクギジュツというやつか!?)」

フィアンマ「そうか、誤解してすまない。それでは『上条当麻』を知っているか? 俺様はそいつに会いに来たんだが」

月詠「上条ちゃんですかー? 今日は補習で来てたんですけど、もう帰ったのですよー」

フィアンマ「そうか……なら家を教えてくれ」

月詠「……失礼ですけど、フィアンマちゃんは上条ちゃんとどういう関係なのですかー?」

――フィアンマの顔が曇る。
27 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 20:31:48.85 ID:qgNvWF20
フィアンマは考える。俺様とあいつの関係は?

フィアンマ「(よくよく考えてみれば、俺様はあいつの右腕を切断して、連れのシスターを誘拐して、殴られて、ベツレヘムの星からの脱出        を手助けされたんだったな……)」
この女になんと答えればいい?友達ではない、右腕を切断しました、とも言えない(しかもすぐに生えてきたので信じてもらえない)だろう。
命の恩人?いや、別に頼んでねーし。シスターを巡った恋敵……何を考えているんだ俺様は……

フィアンマ「そうだな……」
目の前のミニ教師はむむー、と更に警戒を強めている。回答に間を空けてはいけない。俺様と奴の関係は……

フィアンマ「――殴られた」

月詠「え?」
完璧だ。我ながら完璧な答えだ。間違えちゃいないし、「喧嘩」なら友達だと誤解されていただろう。決して友達などではない。
月詠小萌は先程から「やっぱり上条ちゃんは仕方が無いのですねー」とニマニマしている。
どうやらこの女性、ローマ正教のリドヴィア・ロレンツェッティと同様、手の掛かる生徒ほど教育熱心になるらしい。
28 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 20:50:12.98 ID:qgNvWF20
月詠「ところで、フィアンマちゃんはどこの生徒さんなのですー?」

――フィアンマはまた考える。予想外の問いだ。
恐らくこのピンク教師(妖しい響)は俺様をどこかの不良だと考えているのだろう。

フィアンマ「(無理も無い……ここは『学園』都市だ。学校に通っていないなど怪しまれるだろう) ああ、生憎だが俺様はここに
      来たばかりなんだ。通う場所も決まってないが……」

フィアンマは大変な失態を犯す。最後の一言が教育熱心な小萌先生の心を動かした。そして気づく。
獲物を見つけたとばかりに目を光らせ、口元を大きく歪ませている。その笑顔が意味するものを理解し

フィアンマ「今日はアンラッキーデーだな……」

ある少年なら「不幸だーーー!」と叫んでいただろう。
29 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 21:00:25.47 ID:qgNvWF20
昼に出会った青年が不幸な目にあっているとも知らず、一方通行は『グループ』のメンバーと談笑していた。

土御門「しかし、結標は百合子ちゃんにメロメロだにゃー。結構お似合いですぜよ?」ニヤニヤ

海原「確かに、お二人とも美しいですしね」ニコニコ

一方通行「おィ土御門、海原テメェら殺すぞ?」ビキビキ

結標「」スリスリ

一方通行「足撫でてンじゃねェよ結標」

結標「だ・か・ら〜淡希でいいってば百合子〜」

30 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 21:07:41.82 ID:qgNvWF20
一方通行「お前本当になンなンですかァ? もしかして俺のこと誘ってンですかァ?」イライラ

結標「あら、そうよ? 分からなかった?」

土御門「えっ、あいつ本気だったのか!?」ヒソヒソ

海原「えぇ、この前は保護者宅へお邪魔したそうです」ヒソヒソ

一方通行「おィおィ、まだ俺のこと男だと思ってンのかよ」

結標「愛に性別も歳の差も無いのよ?」
31 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 21:26:15.04 ID:qgNvWF20
一方通行「はぁ!? お前……まさか打ち止めを狙ってンのか!?」

結標「え?」

土御門「あれって告白なんじゃないかにゃー。鈍感にもほどがあるぜよ(カミやん級だぜい)」ヒソヒソ

海原「恐らく『歳の差』が誤解の原因でしょうね」ヒソヒソ

土御門「元ショタコンが原因かにゃー」ヒソヒソ
先程から二人は「テメェみてェな露出狂の変態に打ち止めは渡さねェぞ!」「違うわよ! もっと年上!」「番外個体のことかァァァ!」
「だから違ーーーう!!」と喧嘩を始めている。ちなみに番外個体(ミサカワースト)は一方通行の保護者、黄泉川宅に暮らしている。

一方通行「あ……そうだ」
忘れていた。わざわざ休日に外に出たのは打ち止めのゲコ太ストラップの為だったではないか。備え付けの壁時計は現在六時を指している。
とっくに調整は終え、家で帰りの遅い一方通行を待っているだろう。
32 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 21:37:17.56 ID:qgNvWF20
一方通行「帰る(怒ってっかもなァ)」

結標「あら、送るわよ」

一方通行「いらねェよロリコン。クソガキには会わせねェよ」

結標「ロリコンちゃうわ!! それは、二人のことでしょ!!」ユビサシ

土御門「ショタコンかつロリコンに言われたくないにゃー」マッタク

海原「ええ、まったくです」ヤレヤレ

結標「だから違うって言ってんでしょうが!!」
そんな三人に背を向けてそそくさとアジトを出る。闇の中にいても、いや、いるからこそこの『馴れ合い』は心を落ち着かせる。
もっとも、『馴れ合い』だと思っているのは未だに一方通行だけだ。彼女はまだ、素直になれない。
33 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 22:13:27.83 ID:qgNvWF20
一方通行「……ただいまァ」ガチャ

芳川「あら、お帰りなさい」
最初に出迎えたのは戦争前までニート状態だった芳川桔梗だ。彼女は第三次世界大戦と一方通行が本名を名乗り学校に通い始めたことを
きっかけに本格的に教師を目指している。いつまでも無職だと打ち止めや番外個体に悪影響を与えるだろう、という考えを基に。

番外個体「おかえり百合子ちゃん。上位個体は随分とお怒りだよ? げひゃひゃ」ニヤニヤ
続いて出迎えたのが番外個体だ。ロシアで手を結んだが、元々一方通行を殺すためにMNW(ミサカネットワーク)から悪意を拾いやすく
調整されたが今はそんなことない。しかし、なぜ挑発した様な口の利き方なのかというと、

一方通行「その品のねェ笑い方やめろよ。外面はいいのに勿体ねェぞ?(クソガキが真似たらどうすンだ)」

番外個体「に゛ゃ!? な、なななんで、あ、あなたには言われたくないよ!」
様はツンデレなのだ。一方通行同様、素直になれない。ミサカの生まれたきっかけであり、ミサカの命を助けてくれた(殺しかけたのは一方通行)のだ。ありがとう、となかなか言えない。お姉さま(オリジナル)譲りのツンデレだ。

一方通行「(つか、やっぱり怒ってンのか。少し遅れただけなのに……)」
そんな番外個体の気持ちは露知らず、少し反省モードに入る。相手は生まれて半年、見た目十歳の幼女だ。

――演算補助解除(お仕置き)は勘弁願いたい。
34 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 22:47:16.80 ID:qgNvWF20
一方通行「あー、打ち止め? そのー、ちゃンと買って来たぞ?」ドアゴシ

ドア「」シーン

一方通行「(無視か? それとも寝てンのか?) 入ンぞ?」ドアガチャ

打ち止め「……」
答えは前者だったようだ。いつも元気すぎる少女は俯き、自慢のアホ毛も垂れ下がっている。ロシアでの一件以来、一方通行がいないと不安に
なってしまうようだ。特に『約束』を破るのはタブーだ。
学園都市最高の頭脳が謝罪の言葉を選ぶ。遅れた原因は奇妙な右手を持つ不審者のせいなのだが……。

一方通行「悪ぃ……その、なかなか見つかンなくてよォ……ごめンなさィ」
そんなことは言えない。言えるはず無い。少女にとっては一方通行が危険な目に遭うことが一番悲しいことなのだから。
素直に頭を下げ、普段は絶対に口にしない謝罪の言葉を述べる。ゲコ太ストラップを渡して、ようやく『約束』が果たされた。

打ち止め「すごく心配したんだからねってミサカはミサカはあなたの口から『ごめんなさい』が聞けてびっくりしつつも憤慨してみたり!」
「余計なお世話だ」とチョップの代わりに頭を撫でる。これには打ち止めもまたもやびっくりしたが、ふにゃ、と笑顔になる。
アホ毛も元気を取り戻し、ピンと立派に立っている。

一方通行「(ったく、俺がこのガキを悲しませてどうすンだよ)」ナデナデ
これも全てあの赤い不審者のせいだ、とひどい言いがかりをつける白い悪党面。
35 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 23:04:39.75 ID:qgNvWF20
黄泉川「ただいまじゃ〜ん」

打ち止め「あ、黄泉川おかえり〜ってミサカはミサカはお出迎えしてみたり」ドタバタ
「おい打ち止め! 家ン中走るンじゃねェ!」「おかえり愛穂」「おかえり〜」「百合子〜『おかえり』はどうしたじゃん?」
「ン。おかえりィ」
帰ってきたのは黄泉川愛穂。家主であり、皆の母親的存在であり、上条当麻、土御門元春、そして鈴科百合子の通う高校の教師で、街の治安を
守る警備員(アンチスキル)である。この緑ジャージで色気の無い残念美女が一方通行を学校に通うようにしたのだ。

黄泉川「よし、今日のご飯は煮込みハンバーじゃん! 腕によりをかけてつくるじゃんよ」
頑張るのは炊飯器だけどね、と番外個体。これが一方通行が望み、守りたいと願っている表の世界。
そして、守りたい『家族』とその日常である。
36 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/17(金) 23:09:31.92 ID:qgNvWF20
今日の投下は終了です。一回に掛かる時間が長いですね……。
タイピングが苦手で申し訳ないorz
今回は分かりやすい伏線(になってるか?)があります。というか次回回収するでしょう。
それではおやすみなさい
37 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/17(金) 23:11:10.85 ID:iXwEpOco

続きが楽しみ
38 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/18(土) 09:41:11.57 ID:J10G12AO
これはいいフィアンマ。乙です
39 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 17:03:05.32 ID:e.JxrS60
どうも1です。受験シーズンですね。このスレを覘く受験生が皆合格するよう願っています
今回もゆっくり投下します。
40 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 17:15:09.63 ID:e.JxrS60
一方通行「ン? ……コーヒーが無ェぞ?」
夕食を終えて一杯飲もうとしたが、買い溜めておいたブラックコーヒーが一本も無い。はて?と首をかしげていると、

番外個体「あぁ、それならミサカが飲んじゃったよ? きゃは☆」
犯人が名乗り出た。土御門あたりが悪戯でこんなことをしたらシバくところだが、相手は守る対象の『ミサカ』だ。
チッ、と舌打ちだけしてコンビニに向かう。

黄泉川「あ、待つじゃん百合子。こんな時間に出るなんて危ないじゃん」

一方通行「はァ? よりにもよって俺に言うかよ、黄泉川?」
保護者の忠告を無視して杖をつく。学園都市第一位に敵う奴がいるかよ、と心の中で嘲笑する。……昼間にやられたっけ……。
まァ遭うこたァ無ェだろ、と謎のフラグを建て外に出る。
41 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 17:27:33.17 ID:e.JxrS60
フィアンマ「学園都市……恐ろしい所だな」
コンビニの前でそう呟く彼の手には「新発売! 飲むヨーグルト ピザ味(ピリ辛風味)」が握られている。漢字が読めないことはないが、
何しろ真っ赤なのだ。見た目が。全身真っ赤な彼はそれを衝動買いしてしまった。完全にハズレだ。

フィアンマ「今日はアンラッキーデーだ……」ハァ
二度目の呟きとため息。何だかまだ嫌なことがありそうな気がする……。

一方通行「あ! てめェは……!」
神よ、何故私を見捨てたのですか(エリ・エリ・レマ・サバクタニ) 上条という少年は毎日こんなにも不幸なのか。同情するぜ。

フィアンマ「昼間も会ったな? 俺様に何か用か?」
42 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 17:32:14.05 ID:8t54mFko
wktk
43 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 17:44:00.32 ID:e.JxrS60
一方通行「昼間の件はありがとうよ……。おかげでクソガキを不安にさせちまったンだからよォ……」イラッ

フィアンマ「(うん? 礼を言われるようなことはしてないぞ?) それで? またやるのか?」ハァ

一方通行「当たり前ェだ! 俺を誰だと思ってやがる!」

フィアンマ「(何だ、有名人か?) 知らん」キッパリ
ここ学園都市に住む230万人の人間がその名を知っている。知らないのは部外者の中でも特に無知な奴だ。

一方通行「俺は! 学園都市に七人しかいない超能力者の中でも頂点って言われてる第一位の『一方通行』だ!」
ピクッとフィアンマが反応する。脅しが効いたか?と考える一方通行だが、

フィアンマ「アクセラレータ? 変な名前だな……。まぁいい、お前に聞きたいことがある」
今度こそ一方通行はブチ切れる。

一方通行「俺を無視してンじゃねェェェええ!!」
スイッチを入れてベクトル操作。大地を蹴りつけるとクレーターができ、物凄いスピードで男の懐に突っ込む。

44 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 18:00:01.47 ID:e.JxrS60
フィアンマ「おいおい、またか? 俺様の話を聞けよ……」
一方通行の突進を横に動いてかわす。「まったく、俺様を誰だと思ってるんだ」とつい愚痴がこぼれる。

一方通行「アァ!? テメェが誰だろうと、魔術師ってことは分かってンだよ! クソがァ!」
簡単に避けられたことに更に腹を立てる一方通行。第三次世界大戦が起きてから魔術師=敵(例外あり)と認識しているのだ。
それに、暗部として街を守ってる以上、『敵』を排除することに躊躇しない。

フィアンマ「まぁ聞け。確かに俺様は魔術師だが、ここで何かするわけじゃない」

一方通行「ハァ!? そンなこと信じるわけ無ェだろうが!」
ベクトル操作で小石を飛ばし、大気を操作して足元を狙う。昼間の件もあり、バッテリーは少ない。早く排除しようと焦ってしまう。

フィアンマ「(面倒だな。『右腕』を使うか?)」
その攻撃を右腕を使って防ぐフィアンマ。一振りで倒せるのだが、そんなことをすれば面倒だし、何より

フィアンマ「(出力を調整するのは難しいし、下手に傷つけるのも……)」
幻想を殺されてから、彼は少し丸くなったらしい。
45 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 18:10:08.04 ID:e.JxrS60
フィアンマ「まぁ、落ち着いて話を聞けアクセ……何だったか?」

一方通行「アクセラレータだボケがァ!」

フィアンマ「そうだったなアクセラ……でいいか。長いし」

一方通行「変なところで区切ってンじゃねェ!」
当の一方通行もといアクセラは少し動揺していた。ベクトルの解析が終わっていないのでむしろありがたいのだが、なぜかこの男は
自分に一切反撃をしない。まるで話し合いで解決しよう、と言っているようだ。(実際そうなのだが)

一方通行「(なめやがって……!)」

フィアンマ「さて、アクセラ。何で俺様を攻撃するんだ?」
46 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 18:27:10.58 ID:e.JxrS60
一方通行「アァ!? ンなもン見るからに怪しいじゃねェか!」ゼンシン マッシロ

フィアンマ「(人のこと言えないだろう……) つまり、俺様が怪しいからだな?」ゼンシン マッカ

一方通行「あァそうだよクソが!」

フィアンマ「(まずは誤解を解こう) お前は風紀委員(ジャッジメント)なのか?」
風紀委員とは警備員に似て街の治安を守る生徒で構成されている組織だ。これぐらいの知識はすでに調べてある。

一方通行「風紀委員? ギャハ! ンなもン必要無ェ! 俺が今ここで制裁(ジャッジメント)を下してやるよォ!」

フィアンマ「(風紀委員でないということは、良心の則ての行動か?) そうか、でも俺様は無実だぞ?」

一方通行「いつまで吠えてンだ三下がァ!」

フィアンマ「(三下……だと!?)」ピクッ
仮にもローマ正教最暗部の組織『神の右席』でリーダーを務め、20億人を裏から操ることのできた(過去形)彼に向けられる言葉では無い。
『憤怒』は罪だ、と己を鎮める。
47 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 18:41:55.09 ID:e.JxrS60
フィアンマ「(下手に出ていればこいつ……!) ま、まぁこれが証拠だ」つ学生証

一方通行「な……偽造じゃねェ……」

フィアンマ「(大急ぎで作らされたが、功を奏したな) これでいいか?」

一方通行「う……悪かったな」ボソッ
魔術師でも学生である土御門や海原光貴という実例がある以上これは事実だろう。スイッチを切り、謝罪する。

フィアンマ「(やっと開放される) ああ、素直に謝罪できて偉いじゃないか」ニコッ

一方通行「あァ何か侘びに買ってやろうか?」
丁度コンビニ前だし、と学園都市最高の財布を持つ(ただし借金八兆円)一方通行は打ち止めの件もあり、きちんと後始末をしようとする。

フィアンマ「いや、何もいらないが……これを飲んでくれないか? 捨てるのも勿体無い」つ新発売! 飲むヨーグルト ピザ味(ピリ辛風味)
彼が差し出したのは例のゲテモノジュース(飲みかけ)である。

48 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 18:58:38.40 ID:e.JxrS60
一方通行「(ン? 何だこれ?) そンなんでいいのか?」

フィアンマ「ああ、俺様の口に合わなくてな? まぁ、どう処理しても構わんよ」
じゃあな、と背中のでかい右腕をブンブン振って歩き出す。

一方通行「(飲みかけかよ……) まずっ!」ブー
思わず噴出してしまった。何でこンなものを売ってやがンだ?という疑問が湧いて出る。それを買った男もまた謎だ。

一方通行「ピザ味の液体って時点でアウトだろォ……赤いしドロっとしてっから血みたいだな」ブツブツ
口直しに早くコーヒーでも飲もう。と一度に二十個大人買いをする。しかも、全て気に入ってる銘柄なので店側としては複雑な気持ちだ。

一方通行「(ガキどもに何か買ってくか……)」
そんなことを考えながらプリンやアイスをカゴにいれ、そォいや味噌が残り少なかったな、と塩分控えめのを選ぶ。

――最近「気遣い」という言葉を覚えた百合子ちゃんであった。
49 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 19:24:03.28 ID:e.JxrS60
上条「ふ、不幸だ……」
そう呟いたツンツン頭の少年こそが『幻想殺し』を持ち、フィアンマを殴って戦争に大きく貢献(無意識に)した張本人である。
そして、「いつも通り」不幸な目に遭っていた。

インデックス「そ、そんなこと言わないでほしいかも! 私だって頑張ったんだよ!」
とむくれているのは、Index_Librorum_Prohibitorum(禁書目録)と呼ばれるシスターで、10万3000冊の魔道書を『記憶』しているため、
「魔道書図書館」とも呼ばれ、魔術師に狙われている少女だ。

上条「でもですね? インデックスさん? ここまで真っ黒なもやし炒めを口に入れるのは流石にちょっと……」

インデックス「で、でも「記憶を失う前」のとうまはおいしそうに食べてたんだよ!」

上条「はい、ダウトぉお!! 上条さんの胃袋はそんなに強くありません!」
上条当麻は記憶喪失だ。それを知っている者は少ない。かつては、このシスターのために隠していたのだが、戦争中にばれてしまったのだ。
しかし、前で飼い猫のスフィンクスに炭化したもやしを味見させようとしているインデックスは気にしていない。

上条「おい、インデックス、スフィンクスを亡き者にするつもりか?」

インデックス「な、死んだりしないもん! スフィンクスは強いんだよ!」
上条当麻は嬉しい。またこうして過ごせることが、「記憶を失った」自分を見てくれることが。
50 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 19:39:53.15 ID:e.JxrS60
もやし(炭)を口に押し付けられているスフィンクスは「譲ちゃん、買いかぶりすぎですよぉ!」と必死に抵抗している。

上条「それぐらいにしてやれ。……っていうか何故急に料理なんか?」

インデックス「とうまにはいっぱいお世話になってるから、恩返しなんだよ!」

上条「イ……インデックスさん……!」
上条当麻は感動した。クララが立った時のハイジの気持ちだ。(記憶に無いが)インデックスも成長し、家事を手伝うだなんて……。

上条「(でも、恩返しするなら食う量を減らすかもうちょっとマシな物を出してほしかったなぁ……)」ホロリ

インデックス「とうま、とうま。泣くなんて大袈裟かも」

上条「そんなことない! 上条さんは嬉しいですよ!」

インデックス「本当!? じゃあ一緒に食べよ!」アーン

上条「え」
上条当麻は絶望した。鉄壁の胃袋を持つシスターが笑顔で「アーン」してくることに。

――上条当麻は不幸である。数多のラッキースケベを経験しても「不幸だ」と言ってのけるほどに。
51 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 19:52:58.26 ID:e.JxrS60
翌日

一方通行「あァ、だりィ」
寝ぼけ眼をこすり、モーニングコーヒーに口をつける鈴科百合子(16) 朝食を食べ終え、支度を始める。

打ち止め「おはよー!ってミサカはミサカはまだ眠そうなあなたに朝の挨拶をしてみたり!」

番外個体「お、おはよう。えと、ち遅刻してもいいのかにゃーん? きゃは☆」

黄泉川「ほら、百合子! 早くしないと置いてくじゃん! 桔梗も起きるじゃんよ!」

一方通行「芳川のヤローはまだ寝てンのかよ(いいなァ)」

芳川「あら、起きてるわよ? 行ってらっしゃい二人とも」

打ち止め「いってらっしゃーい!ってミサカはミサカはお見送りしてみたり!」

番外個体「い、行ってらっしゃい……百合子」ゴニョゴニョ

黄泉川「いってきますじゃんよー」

一方通行「ン。……行ってくる」
52 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 20:07:24.56 ID:e.JxrS60
上条「じゃ、行ってきまーす」

インデックス「行ってらっしゃいなんだよ、とうま。部屋の掃除は任せてほしいかも!」

上条「イ……インデックスさん……!」ホロリ

インデックス「泣かないでほしいんだよ……」ムー

上条「インデックスがこんなにも甲斐甲斐しく働くなんて……不幸の前触れか?」
昨夜のもやし炒め(炭)で案の定腹を痛め、確実に寿命を縮めた上条だが、それを上回る不幸があるんじゃないか、と勘繰る。

インデックス「とうま……それは私を怒らせたくて言ってるのかな?」

上条「え? いやそうじゃなく……インデックス、さん? ど、どうしたんでせう?」

インデックス「とうまの……バカーーーー!!」ガブ

上条「んぎゃー!! 不幸だーーー!」

――頭皮の寿命も縮んだ上条だが、彼の不幸はまだ続く。
53 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 20:26:39.09 ID:e.JxrS60
土御門「おはようだにゃーカミやん。……どうしたにゃー?」

上条「おう土御門。いや朝からインデックスに噛み付かれてな……」

土御門「いやー朝からお熱いですにゃー。あ、おはようだにゃー鈴やん」

一方通行「チッ、土御門に上条かよ」

上条「挨拶しただけで舌打ちかよ……」
上条当麻と土御門元春は鈴科百合子の正体が一方通行だと知っている。基本的に無愛想な一方通行は、この貴重な「知り合い」を
大事にしているつもりだが、なにせツンデレなので舌打ちしてしまう。フラグメイカーの上条でもフラグを建てられず、他の男子生徒にも、
かなりモテているのだが、本人はまったく気づいていない。百合子は取り敢えず「おはよう」と挨拶を返し、一緒に登校する。

上条「(なんでせう? 視線を感じるのですが……)」
フラグメイカーでもあり、学校のアイドル的存在でもある百合子と一緒に登校(土御門付き)している上条は、いつ背中を刺されても
おかしくはないだろう。

54 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 21:07:27.35 ID:e.JxrS60
姫神「おはよう。上条君。土御門君。鈴科さん」
このゆっくりとした喋り方をする巫女装束の似合いそうな彼女は姫神秋沙。吸血殺し(ディープブラッド)という能力者だが、今はわけあって
無能力者(レベル0)である。かつてはその能力のせいで心に傷を負い、とある錬金術師に助けを求めたが見捨てられ、上条に助けてもらった
ことがある。「ああ、おはよう姫神」「おはようだにゃー」「ン」と三者三様の返事をして各々の席に着く。

青髪ピアス「おはよう〜百合子ちゃん。今日もかわいいわ〜」
彼は学級委員を務める慎重180cm越えの変態である。似非関西弁で話し、とにかく守備範囲が広く、
「ボクぁ落下型ヒロインのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生女教師幼なじみお嬢様金髪黒髪茶髪銀髪ロングヘア
 セミロングショートヘアボブ縦ロールストレートツインテールポニーテールお下げ三つ編み二つ縛りウェーブくせっ毛アホ毛セーラー
 ブレザー体操服柔道着弓道着保母さん看護婦さんメイドさん婦警さん巫女さんシスターさん軍人さん秘書さんロリショタツンデレチアガール  スチュワーデスウェイトレス白ゴス黒ゴスチャイナドレス病弱アルビノ電波系妄想癖二重人格女王様お姫様ニーソックスガーターベルト
 男装の麗人メガネ目隠し眼帯包帯スクール水着ワンピース水着ビキニ水着スリングショット水着バカ水着人外幽霊獣耳娘まで
 あらゆる女性を迎え入れる包容力をもってるんよ?」という名言まで残している。

一方通行「うぜェよ変態。消えろ」

青髪ピアス「あぁ〜もう、百合子ちゃんツンデレやなんてホンマかわえぇなぁ〜」

一方通行「(どうすりゃいいンだよ)」

55 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 21:22:46.31 ID:e.JxrS60
吹寄「こら貴様! また鈴科さんに迷惑をかけて!」ゴッ

青髪ピアス「ごがっ!」
後頭部に拳骨を喰らわせたおでこの広い巨乳の彼女は学級委員長の吹寄制理だ。鉄拳制裁を喰らった青ピの元にはエア線香が焚かれている。
「楽しかったぜ、青ピ」「成仏しろにゃー」と合掌している二人を冷めた目で見る彼女は百合子の方に向き直り

吹寄「大丈夫? 鈴科さん?」

一方通行「あァ、助かったぜ。それと、百合子でいい」

吹寄「そう。また何かあったら私に相談しなさい百合子」

一方通行「ン。そォするわ制理(あの変態だけはどォも苦手だ)」
「私も。いい?」「おォ、よろしくな秋沙」「ええ、よろしくね? 秋沙」「よろしく。百合子。制理」

――ここに女同士の友情が生まれた。

56 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 21:38:34.14 ID:e.JxrS60
小萌「はーい、みなさーん。おはよーなのですよー」

青髪ピアス「おはようございますー! 小萌先生!」
担任の月詠小萌の登場で復活した青髪ピアス。彼の生命力には皆びっくりしている。

青髪ピアス「あれ? 小萌先生どうしてそんなに嬉しそうなんですかぁ?」

小萌「分かりますかー? 実は……またまた転校生が来ているのですよー!」
ええー!とクラスがざわめく。なんたってこれで三度目だからだ。

上条「(またか〜学園都市で同い年の知り合いなんていないし……誰だろう?)」

青髪ピアス「女の子かな〜女の子やとええなぁ」

吹寄「(なんでウチのクラスにばかり……厄介なのが来なきゃいいけど)」

姫神「(また。転校生。私の。個性が……)」

一方通行「(番外個体がドッキリで転校してくる……ありえねェな)」

土御門「先生早く転校生を出してほしいにゃー」
57 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 21:42:36.29 ID:e.JxrS60
小萌「はいはーい慌てないでくださーい。転校生は男の子なのですよー」

青髪ピアス「なんや〜ガッカリ」

小萌「それでは入ってきてくださーい」

フィアンマ「はぁ、やっとか……」ガラッ

一方通行「」

上条「」

土御門「」
58 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 21:58:49.03 ID:e.JxrS60
フィアンマ「俺様の名前はミーシャ・F・クロイツェフだ。フィアンマと呼んでくれ」

一方通行「(何だ、何だよ何ですかァ! どうしてあいつがここに……!?)」

上条「」

土御門「(フィアンマ!? もしかして『右方のフィアンマ』か!? 魔術師が侵入しているのは分かっていたが……そんな……!?)」

青髪ピアス「お、赤髪やなんてええなぁ」

姫神「(制服の下に。赤いシャツ。真っ赤な髪。俺様キャラ。……個性が。強すぎる)」

吹寄「(なんか面倒くさいのが来たわね)」

小萌「フィアンマちゃんの席は……上条ちゃんの後ろで鈴科ちゃんの左ですー。それと聞いた話だと上条ちゃん、フィアンマちゃんと喧嘩
   したみたいですけど、仲良くするのですよー」

フィアンマ「ふ、よろしくな幻想殺し」

上条「て、てめぇ……」
59 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 22:18:25.81 ID:e.JxrS60
上条「何でここにいるんだよ! っていうか名前おかしいだろ! ……じゃなくて、何が目的だ!!」ガタッ
思わず立ち上がる上条。それに対してフィアンマは余裕の笑みを崩さない。

フィアンマ「何でって……幻想殺し、お前が言うのか? 月詠小萌が強引に入学を薦めてな? お前も言ったろ? 『世界を見てみろ』と。
      だからちょうどいいと思ったんだ。」

上条「な……じゃあ何が目的だ!」

フィアンマ「あぁ、いい名前だろう? なんたって大天使が名乗ったのだからな? 『ミーシャ』は俺様の『右』に対応する『神の如き者』
      の別名だからな」

上条「じゃなくて! 目的だよ! 名前の由来なんてどうでもいいっての!」

フィアンマ「お前……大天使の名を侮辱するのか? そもそも聞いてきたのはお前だろう?」

上条「そこは突っ込んでくるのかよ! お前はオルソラか!? 人の話聞いてないだろ!」

フィアンマ「オルソラ? ……あぁ、オルソラ=アクィナスか? 結局法の書の解読法はダミーだったみたいだな」

上条「分かった! 上条さんが悪かったです、はい。目的を話してください」

土御門「(あまり魔術サイドの話をしないでほしいぜい)」
60 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 22:39:27.59 ID:e.JxrS60
フィアンマ「謝罪しに来た」

上条「え?」

フィアンマ「すまなかった、幻想殺し……いや、上条当麻。また改めて謝罪する」
フィアンマが頭を下げる。この様子だとどうやら本気で反省しているらしい。上条は思わず握っていた右拳から力が抜ける。

上条「あぁ、そうか……よろしくなフィアンマ」ニコッ
右手をさしだして握手を求める。どうやら仲よくやっていけそうだ。

フィアンマ「いや、お前の右手には触りたくない」ズバッ

上条「てめぇぇえええ!! 人が仲良くしようとしてんのに!」ウガー
「落ち着くにゃーカミやん!」「右手振り回してンじゃねェ! 上条!」「せやで、カミやん一旦落ちつべぶほッ」「上条当麻! 貴様は〜!」

フィアンマ「握手を拒否したんじゃない。右手に触りたくないだけだ」

上条「いや同じ意味ぃいいいい!! むしろ余計ひどい!」
「青ピ! 大丈夫か!?」「何でボクだけ流れ弾が……」「同情はしねェ」「百合子。ひどい」「何をしてるんだ貴様らは……」
土御門が青ピの介抱をし、抑える者がいなくなった上条は右手に力を込め、大きく振りかぶる。

 「いい加減にしてください!」

61 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 22:47:21.23 ID:e.JxrS60
クラスの皆がシンと静まる。声の主は、泣いている。

小萌「上条ちゃんも、フィアンマちゃんも……どうして……仲良くできない、のですかー」グスッ

 「「「……」」」

小萌「先生は……先生はぁ……」グスッ

フィアンマ「……泣ーかした泣ーかした、上条当麻が泣ーかした」ヤーイ

上条「えっ! 上条さんのせいですか!?」

62 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 23:00:46.90 ID:e.JxrS60
吹寄「上条当麻ぁ……!!」

姫神「有罪。死刑。さよなら。上条君」

土御門「カミやんのことは忘れないぜい?」

一方通行「かァァァみじょォくゥゥゥゥゥゥゥン!?」

青髪ピアス「小萌先生を泣かすなんて……カミやんでも許さんでぇ?」

 「「「……」」」ケイベツノマナザシ

上条「え? な、なんででせう? 皆から殺意を感じますよ?」
見た目小学生の月詠小萌を泣かした罪は重い。皆一斉に飛び掛る。

上条「何でだよ!? あぁ、もうふこブアッ てめぇ青ピ! ……って鈴科さん? ちょ待っ」
63 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 23:15:13.12 ID:e.JxrS60

フィアンマ「いい加減にしろ!」カッ

 「「「……」」」

丁度教室の真ん中に立っていたフィアンマの鶴の一声で喧騒が止む。彼の背中に大きな右腕が現れている。

フィアンマ「確かに、月詠小萌を泣かせたのは上条だ。上条当麻だ。前提として、『月詠小萌を泣かせたのは上条』だ。
      だが、お前らは勘違いをしている。泣いた理由は何だ? 答えてみろ! そこの青髪にピアスの男!」

青髪ピアス「それは……カミやんが殴りかかろうとしたからやろ?」

フィアンマ「確かにそうだが違う! 月詠小萌はなんと言った? 思い出してみろ! 金髪サングラス!」

土御門「えーと「上条ちゃんも、フィアンマちゃんも……どうして……仲良くできない、のですかー」だったかにゃー」

フィアンマ「そうだ。それでは月詠小萌は何を望んでいるんだ?」
64 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 23:26:15.56 ID:e.JxrS60
フィアンマ「そうだな……ん? アクセラ居たのか? それじゃ答えろ」

一方通行「(今気づいたンかよ)えーと、そりゃ仲良くしてほしいんじゃねェの?……!?」

フィアンマ「分かったか? つまり月詠小萌は仲良くしてほしかったんだよ。お前らが上条当麻に制裁を加えるのは無意味。……いや、むしろ
      逆効果なんだよ」

青髪ピアス「そうやった……大事なこと忘れとったわ……」

土御門「どうやら、フィアンマが正しいみたいだにゃー」

一方通行「俺……間違ってたよ……」

 「小萌先生を泣かせてたのは上条だけじゃなかったのか……」

 「むしろ、私たちも加害者なのね」

 「俺……先生の笑顔が見たかったのに……クソッ」

65 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 23:37:42.90 ID:e.JxrS60
フィアンマ「上条当麻」
左手を差し出すフィアンマは慈悲深く、まさしく救いの手を差し伸べているようだ。上条はその手をとり、しっかりと握手する。

上条「フィアンマ……俺……」グスッ

フィアンマ「ふん、謝る相手が違うぞ?」ニコッ

上条「!! 小萌先生……ごめんなさい!」
深々と頭を下げ、固く目をつぶる。それにつられて青ピや土御門、果ては百合子までが頭を下げる。

小萌「みんな頭を上げてください。先生はみんな仲良くしてくれればそれでいいのです。それだけでいいのですよー」
せ、せんせーい! と皆が泣いてすがりつく。小萌先生は膝をつく生徒一人一人の頭を撫で、聖女のような微笑で懺悔を聞いている。

66 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 23:46:32.75 ID:e.JxrS60
フィアンマ「ふ……。いい生徒を持ったな月詠小萌」

吹寄「ねぇ秋沙、確か煽ったのってフィアンマじゃなかったっけ?」ヒソヒソ

姫神「しかも。さりげなく。全責任を。上条君に。押し付けていた」ヒソヒソ

そして鐘が鳴り、朝のホームルームの終了を告げる。

小萌「さぁ、気持ちを入れ替えて勉学に励みましょうー!」

 「「「オー!!!」」」

フィアンマ「学校……か。なかなか楽しめそうだ」

――本来の目的を果たすまでは、『ここ』にいてもいいだろう?
67 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/18(土) 23:49:38.41 ID:e.JxrS60
今日はここまでです。結構進みましたね。ペースは相変わらずですが……。
取り敢えず「フィアンマ学校に入学?」という伏線を回収してみました。
まぁバレバレですよね?それではおやすみなさい。
68 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/18(土) 23:54:10.27 ID:8t54mFko
おつなんだよ!
69 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 13:16:22.63 ID:G6CgR.c0
放課後

小萌「それではみなさん、さようならー」

 「「「さようならー」」」

青髪ピアス「なぁなぁフィアンマ君ゲーセン行かへん?」

上条「そうだな。行こうぜフィアンマ」

土御門「(監視しとくべきか……?)そうだなカミやん。鈴やんも行こうぜい?」

一方通行「ン」

吹寄「私も行っていいかしら?」

姫神「それなら。私も。」

上条「じゃ、みんなで行くか」

フィアンマ「(俺様に否定形は無いのか?)」
70 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 13:24:56.56 ID:G6CgR.c0
地下のゲームセンター

フィアンマ「これは……! 地下にもこんな世界が……」キラキラ

上条「大袈裟だな〜そんな大したものじゃねぇよ」

土御門「(目が輝いてるにゃー)」

青髪ピアス「取り敢えず格ゲーでフィアンマ君の腕試しやな」

フィアンマ「ふん……いいだろう」ワクワク

一方通行「つーか初心者だろ? 手加減してやれよ?」

フィアンマ「説明はいらない。俺様の勝ちは見えているのだから手加減は必要ない」

青髪ピアス「ほぉ、なら百合子ちゃんにええとこ見せてやる!」

吹寄「三バカ(デルタフォース)の影響をもろに喰らったみたいね……」ヤレヤレ
71 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 13:29:33.74 ID:G6CgR.c0
青髪ピアス「そんな……バカな……」ガクガク

フィアンマ「この程度か? 青髪ピアス」フンス

上条「初心者があんなコンボを出せんのかよ……!?」

土御門「(案外子どもっぽいにゃー)」

一方通行「面白ェ、俺が相手になってやる」

姫神「百合子。ファイト」

フィアンマ「ふん。俺様の右手に常識は通用しない」
72 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 13:38:00.55 ID:G6CgR.c0
一方通行「この俺が……瞬殺?」

姫神「(フィアンマ君。大人気ない)」

フィアンマ「どうした? アクセラ……この程度か?」ニヤニヤ

一方通行「クソッ! 調子に乗りやがって……」

上条「鈴科、ここは俺に任せろ」

一方通行「上条!? 俺は……まだやれる!」

上条「鈴科! お前じゃ無理だ! 確かにお前はこの中で一番強い! でもそんなお前が開始二十四秒でやられたんだぞ!? 俺じゃフィアンマ
   には勝てないかもしれない……でも! お前の傷ついているところは見たくねぇんだよ!」

一方通行「く……上条……」

姫神「(上条君。かっこいい)」///

73 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 13:50:56.25 ID:G6CgR.c0
フィアンマ「そろそろいいか? 上条当麻……」

上条「いいぜ……フィアンマ」
上条は右手に力を込める。己の最大の武器であり、かつては目の前のフィアンマを下した『幻想殺し』を。

上条「お前がチート(第三の手)を使ってまで勝利が欲しいってんなら……」
幻想殺しがボタンを弾く。昇竜拳を発動させ、絶対的だったフィアンマが宙に浮く。

フィアンマ「そんな……馬鹿な!」

上条「その幻想をぶち殺す!」

吹寄「何をムキになってるのよ……上条当麻」

フィアンマ「この俺様が負けた……?」
「あらゆる幻想を殺す」右手は第三の腕を使った即死コンボを完膚なきまでに叩きのめした。侮っていた。油断していた。
この少年が以前己を負かした男だというのに……
74 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 14:01:27.38 ID:G6CgR.c0
一方通行「どうだ? 上条の『幻想殺し』は?」

フィアンマ「ああ、効いたよ……忌々しい右手だな」フッ

一方通行「同感だが、お前にも言えるよな?」ニヤッ

フィアンマ「……それもそうか」

土御門「(なんかあそこだけ違う雰囲気だぜい)」

青髪ピアス「やったなーカミやん!」

姫神「おめでとう。上条君」

上条「やった……のか? (無我夢中で記憶飛んじまった)」

吹寄「貴様ら……他の人の迷惑よ」ハァ

75 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 14:15:02.84 ID:G6CgR.c0
最終下校時刻

姫神「あ。チャイム」

吹寄「あら、もうこんな時間ね。ほら、貴様ら帰るわよ?」

上条「えー、まだいいだろう?」

土御門「な、ハメ技は卑怯だにゃー!」カチャカチャ

青髪ピアス「甘いでツッチー! 勝負の世界はこんなもんや!」カチャカチャ

一方通行「ぎゃははは! 遅ェぞ三下ァ!」

フィアンマ「くそ……バナナの皮か……!?」
土御門と青ピは未だに格闘ゲームを、百合子とフィアンマはマ○オカートで騒いでいる。この時間になると武装無能力者(スキルアウト)が
多くなるので警備員も巡回に来るのだ。
76 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 14:25:42.57 ID:G6CgR.c0
吹寄「そんなことだろうと思ったわ……ほら、早く帰るわよ!」

土御門「青ピ……明日は覚悟しとけにゃー」

青髪ピアス「甘いなぁ、ツッチー。ボクぁ女の子にモテるために練習を欠かさんのやで?」

一方通行「ひゃははは! 俺の圧勝だよなァ? 三下ァ!?」ニヤニヤ

フィアンマ「クソ……次こそは……俺様の右腕で……」ブツブツ

上条「(フィアンマもなんだかんだで結構馴染んでるな。上条さんは安心しましたよ)」
三次世界大戦では敵対していたが、この調子では本当に敵意は無いらしい。

上条「じゃ帰るか!」

 「「「また明日ー」」」
皆がそれぞれの帰路につく。上条当麻は安心した。フィアンマが「また明日」と言ってくれたことに。

上条「(フィアンマも楽しんでくれてるみたいだ)」
77 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 14:47:54.24 ID:G6CgR.c0
御坂「遅いわね〜」
とある公園で誰かを待っているのは御坂美琴。発電能力のレベル5で第三位の通称『超電磁砲』(レールガン) 打ち止めと番外個体を含む妹達の
オリジナルであり、過去に絶対能力進化実験(レベル6シフト)という実験を止めようとしたところを上条当麻に助けられ、戦時中にロシアまで
追いかけるほどにゾッコンである。現在は偶然を装い意中の彼に会おうとしているのだが、

御坂「何してんのよ……あいつ」ビリビリ
待ち合わせをしているわけではないし付き合っているわけでもないのだが、こうも遅いと腹が立つ。常盤台中学に通うお嬢様でもつい、
ビリビリと放電してしまう。

御坂「全く……私を待たせるなんて……ってアンタ! 遅いわよ!」

上条「なんだビリビリ? っていうか待ち合わせなんかしてねーだろ」

御坂「えぅっ……そ、そんなのどうでもいいのよ! って……ん?」
上条の隣にいる明らかに目線を逸らしている白髪の女の子は……誰だ?

上条「(しまった! 御坂は打ち止めとか番外個体のこと知らないんだ!)えーと、この人はだなぁ……」

一方通行「(帰りてェ……なんで超電磁砲がいやがンだよ……ガキどものこと話すか?)」
学園都市第一位と第三位、幻想殺しのまさしく修羅場だ。
78 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 14:55:25.25 ID:G6CgR.c0
御坂「あれ? あんたどっかで……(白髪ってまさか……でも杖ついてるし、制服は女子のだし……)」

一方通行「え? そ、そうですかァ?(やべェ、ばれそうだ。なんとかしろ! 上条)」ヒソヒソ

上条「(えー! 上条さんに押し付けないでください!)見たことあるのか?ビリビリ」

御坂「ビリビリ言うな! でも……人違いかな?」

二人「(た、助かった!)」


フィアンマ「何してるんだ? 上条当麻、『アクセラ』」
79 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 15:06:32.07 ID:G6CgR.c0
一方通行「」

上条「」

御坂「え? 誰? あ、あくせら?」

フィアンマ「悪いな、長くて覚えていられない。確か……アクセラ、レータだったか?」

――場の空気が凍りつく。

御坂「(え、何? この人今何て言った? あくせられーた? 何が? それ人の名前?)」

一方通行「(何で急に現れて爆弾投下してンだよ、三下ァァァああああ!!)」

上条「(やだ、逃げたい……インデックスぅ助けてぇ! ふ、不幸だぁああああ!!)」

フィアンマ「げっ、これもハズレか……おいアクセラ飲むか?」つハバネロサイダー
爆弾発言をした本人はまたもやハズレを百合子に押し付けていた。(ハバネロサイダー パッケージは真っ赤)
80 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 15:30:07.92 ID:G6CgR.c0
一方通行「(と、とりあえずこの空気を何とか……)またかよ三下ァ、(ゴクッ)まずっ!」ブー

上条「お、おい大丈夫か!? 鈴科!」アセアセ

御坂「なんで一方通行なんかを気遣うのよ! っていうか『鈴科』?」

一方通行「……俺の本名だ……クソッたれ……ゲホッゲホッ」
耐え切れなくなり、上条は話す。八月三十一日に一方通行が打ち止めを救ったこと。ロシアで番外個体を救ったこと。上層部に
「妹達の命を弄ぶな」と警告したこと。その間、百合子は黙っていた。美琴は驚いた。自分の知らない『鈴科百合子』の優しさが、今、全妹達を救っていることに、そして何より

御坂「演算能力を失った?」
絶対能力進化実験という狂った実験に参加してまで『力』を求めた一方通行が、その能力を犠牲にして、妹達の一人を助けたというのだ。

一方通行「あァ、そうだよクソがァ……今はこの電極で妹達に演算補助をしてもらってっから、ジャミングすりゃいつでも殺せるぜ?」
チョーカーを指差し挑発する一方通行。彼女が妹達を助けているのは贖罪でもあるのだ。
そのオリジナルである御坂美琴が望むのなら、いつでもこの身を差し出すつもりだったのだから。
81 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 15:44:52.59 ID:G6CgR.c0
御坂「へぇ、そうなんだ」
彼女の前髪から紫電が迸る。

上条「おい、御坂! やめろ!」
反射的に御坂と百合子の間に割ってはいる。爆弾魔フィアンマは、ただそれを傍観している。

御坂「ってそんなことするわけないじゃない」
「え?」と間抜けな声が出る。百合子も「はァ?」と開いた口が塞がらない。

御坂「アンタが嘘をつくとは思えないし、それにその『打ち止め』らしい子を見たことあるから」
というか、こんな暗い話をするために二時間も待っていたわけじゃない。

一方通行「俺を許すってのかァ?」

御坂「そんなわけ無いじゃない」

82 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 15:56:54.32 ID:G6CgR.c0
御坂「私は一方通行を許しはしない。けどあなたは妹達を守ってくれている『鈴科百合子』でしょう?」

一方通行「!!」

御坂「確認するけど、あんた『実験』を再開する気あんの?」

一方通行「チッ……あるわけ無ェだろ」

御坂「そう。じゃよろしくね百合子」ニコッ
そう言って右手を差し出す美琴。彼女も自分が守る対象なのだ。「あァ」と短い返事だけしてその手を握る百合子。羨ましいほどに白い肌が
紅くなっているのを見て、美琴はかわいいな、と思ってしまう。

フィアンマ「俺様のおかげで仲良くなった、という解釈でいいか?」

上条「おこがましいぞフィアンマ」
とにもかくにも、全て許したわけではないが、百合子と美琴は和解できたようだ。
83 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 16:09:17.76 ID:G6CgR.c0
上条「っていうかもタイムセールのじかんじゃねぇか! 不幸だー!」

一方通行「じゃあな、上条」

御坂「(苗字で呼んでる……いいなぁ)って待ちなさいよ!」
「ちょっ! 何すんだよ! ビリビリ!」「ビリビリって言うな!」と思わず通り名にもなっているレールガンをぶっ放す美琴嬢。

フィアンマ「仲睦まじいな、あの二人は(シルビアとオッレルスみたいだな)」

一方通行「苦労ォしてンな、上条も」
「っつーか何でハバネロサイダーなンて買ってンだよ」「赤いからな」「そンだけかよ」

フィアンマ「そうだ、俺様は行かなきゃならないところがあるんだ」

一方通行「ン? そォかよ。じゃあな」
百合子の背中を見送り、上条の向かったスーパーへ足を向ける。


84 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 16:20:14.73 ID:G6CgR.c0
上条「いやー、ビリビリに遭っちまったけど卵は無事! これでインデックスも満足するだろ」ホカホカ

上条「ただいまー……って何だこりゃ?」

インデックス「あ! とうま、おかえりー」

上条「あのー、なんで足の踏み場も無いんでせう?」
目の前に広がる漫画や雑誌の海。ところどころに未完成のレポートや家計簿が見える。

インデックス「お掃除しようと思ったらこうなったんだよ……でも私にはどこに何があるか分かるから安心して欲しいかも!」フンス

上条「は、はは……不幸だ」ガックシ
85 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 16:29:44.21 ID:G6CgR.c0
インデックス「え、えーと……そうだ! またご飯作ってあげるんだよ! だから元気出して!」アセアセ

上条「いや、大丈夫! 自分で作るから! インデックスはこの本を片付けてください!」

インデックス「分かったんだよ、とうま!」パァァ
頼りにされて笑顔になるインデックス。働いてくれるようになったし、そんなことで笑顔になるインデックスを見て上条も笑顔になる。

上条「(俺がいない時は泣いてばかりだったみたいだし、笑ってくれるようになって嬉しいな)」
と感慨にふけっていると

インデックス「ほら、ふぃあんまも手伝うんだよ!」
86 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 16:39:22.96 ID:G6CgR.c0
フィアンマ「ああ、分かった。それと上条当麻、おかえりだな」

上条「」
なぜか部屋の奥からフィアンマが現れた。制服を脱いで赤いシャツ姿のため、戦争中を思い出す。

インデックス「これをそっちに戻して欲しいかも」

フィアンマ「了解した。おい、上条当麻いつまで玄関に突っ立ているんだ?」
バケツリレーのように連携して本を本棚に戻していく。なかなかのチームーワークだ。

上条「な、何でここにいるんだよ! 何しに来た!」

87 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 16:48:26.72 ID:G6CgR.c0
フィアンマ「スーパーマーケットに寄っていったからそこから尾行して、先回りして今に至る」

上条「な、なんで!? 何しに来たんだよ!」

フィアンマ「お前の家までは調べられなかったからな。……これはここでいいのか?」

インデックス「うん! ありがとう、ふぃあんま!」ニコッ

フィアンマ「ふっ。これぐらい、どうということは無い」

上条「ちょっ、インデックスさーん!? 何で家に入れてるんだよ!」

インデックス「だって、ベランダに引っかかってたんだもん!」

上条「え」
88 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 17:03:58.18 ID:G6CgR.c0
上条当麻は記憶喪失だ。インデックスとの出会いは覚えていない。だが

上条「いや、おかしいだろ!? なんでベランダに引っかかるんだよ!」
一応常識人である上条のツッコミが炸裂する。一体どうしたら人様のベランダに引っかかるというのだ。

フィアンマ「いや、住んでいる建物は分かったんだが、部屋が分からなくてな? 別の建物からベランダを覗いていたら禁書目録を見つけてな?
      嬉しくてつい、飛び移ろうとしたら失敗した」

上条「なんだよそれ! ありえねぇだろ!?」

インデックス「とうま、とうま。私も最初はベランダに引っかかったんだよ?」

上条「え」
まさかベランダに引っかかる経験をしたのが二人もいるなんて……。
89 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 17:13:36.90 ID:G6CgR.c0
フィアンマ「ほう、それでは俺様は、知らず知らずの内に上条当麻と禁書目録の出会いを再現していたのか」フムフム

インデックス「お揃いだね! ふぃあんま」ニコニコ

上条「いや、そうでなく! 俺が聞きたいのは……」

フィアンマ「謝罪しに来た」

上条「え」

フィアンマ「今朝も言ったろう? 『改めて謝罪する』と」

上条「(全然人の話聞いてねぇ)そういや、そうだったな」

インデックス「ねぇとうま。何の話?」ヒソヒソ

フィアンマ「禁書目録、お前にも関係がある。取り敢えず座れ」
90 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 17:28:18.15 ID:G6CgR.c0
―――

上条「(何故正座させられているのでせう?)」

インデックス「ふぃあんま〜正座はちょっと辛いかも……」プルプル

フィアンマ「なら崩してもいいぞ『禁書目録』」

インデックス「うぅ、足が痺れたんだよ〜」

上条「え? 上条さんは?」

フィアンマ「ところで、禁書目録。戦争中のことを覚えているか?」

インデックス「正直、あんまり覚えていないんだよ」

上条「(あぁそうですか、上条さんは無視ですか……ちょっと痺れてきたな)」プルプル
91 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 17:46:35.31 ID:G6CgR.c0
フィアンマ「実は、遠隔制御霊装でお前を苦しめていたのは……俺様だ」

インデックス「え?」
驚きで目が見開かれる。さっきまで本の片付けを手伝い、一緒に笑ったふぃあんまが自分を苦しめていた?そんなこと信じられない。

フィアンマ「だから、お前に頭を下げるためにここへ来た……すまなかった」
彼を知る者がいたら驚いてとりあえず脳外科へ向かうだろう。フィアンマが頭を下げた。正座した状態からなので、土下座ということだ。

インデックス「いいんだよ」
思いがけない言葉に頭を上げるフィアンマ。インデックスは慈悲深い笑みで暖かくフィアンマを包む。

インデックス「ふぃあんまも敬虔な子羊なんだね」ギュッ

フィアンマ「許すのか? ……俺様を」

インデックス「うん。罪を懺悔し、主に祈れば、神様もふぃあんまを許すんだよ?」

フィアンマ「ふ……修道女らしい台詞だな」フッ

――フィアンマはインデックスに縋り、罪を懺悔した。

――インデックスは彼を許した。
92 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 18:06:30.51 ID:G6CgR.c0
フィアンマ「ところで、上条当麻」

上条「は、はい!」
突然声をかけられて動揺する上条。だがフィアンマはそんなことは気にせず

フィアンマ「腹が減った」

上条「へ?」

インデックス「そういえば、私もお腹減ったんだよ、とうま」

上条「あ、そうですか……」
さっきから驚きっぱなしじゃないか?と自らに突っ込みをいれる。……というかいつまで抱き合っているんだ?あの二人は。なんというか……

上条「解せぬ」

インデックス「何か言った? とうま」
93 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 18:18:16.80 ID:G6CgR.c0
上条「いや、何も……っていうかフィアンマも食ってくのか?」

フィアンマ「金が無いからな。……黒焦げの野菜炒め以外ならなんでもいい」
なぜかばつの悪そうな顔をするフィアンマ「あの女、俺様を殺す気だったのか?」などと不穏なことを呟いている。……なに頭を撫でて
もらってんだよフィアンマぁああ!!

インデックス「とうま、顔怖いんだよ」

上条「いや、何でもない……」
取り敢えず肉無し親子丼を作っていく。……あ、やっと離れたなこん畜生。

フィアンマ「おい、上条当麻」
いつの間にか狭いキッチンにいる上条の背中に移動したフィアンマが声をかける。

上条「どうした? 手伝いならいらねーぞ? もうできるし」

フィアンマ「嫉妬しているのか?」
94 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 18:39:35.60 ID:G6CgR.c0
上条「は? え? な、何を言ってるのでせう?」
思わず声が裏返ってしまう。フィアンマは「図星みたいだな?」とでも言いたげだ。

インデックス「どーしたのかな? とうま。お手伝いならいつでも歓迎なんだよ!」

上条「い、いや、大丈夫だインデックス(おいフィアンマ! 急に変なこと言うなよ!)」ヒソヒソ

フィアンマ「俺様はてっきり、公園の女が本命だと思ったんだが? 『嫉妬』は罪だぞ? 上条当麻」ニヤニヤ

上条「(御坂のことか? 別に本命とかじゃねーよ)」ヒソヒソ

フィアンマ「なんだ……俺様が直々にクピードーの代わりを務めようと思ったのに……」ガッカリ

上条「(あからさまに凹んでる……)えと、『クピードー』ってなんだ?」

フィアンマ「愛の神だ。アモルとも言うな。日本では『キューピッド』だったか?」
95 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 18:56:36.13 ID:G6CgR.c0
上条「それってつまり、『恋のキューピッド』ってことか? 誰と誰をくっつけるんだ?」

フィアンマ「お前は誰がいいんだ? シスターと公園の女……どちらも年下か、もしかしてロリコ」

上条「違う! 違います違うんです三段活用!」
「とうまー、ちょっとうるさいかもー」とテレビに夢中だった渦中のシスターはジト目でこちらを見ている。

フィアンマ「だそうだぞ? 上条当麻」ニヤニヤ

上条「(うるせぇ! 大体、インデックスはそういう対象じゃねぇんだよ)」ヒソヒソ

フィアンマ「そうか、さしずめ『家族愛』というものか……」

上条「(そうだよ! 俺は……その、大人っぽい人が好きなんだよ)」///ヒソヒソ

フィアンマ「まぁ、お前の好みまでは聞いていないんだがな」フーン
……どうして彼はこう自分勝手なのか。飯を食わせて貰うというのに……自分の好きな女性のタイプまで話したのに。

96 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 19:14:19.55 ID:G6CgR.c0
上条「……ほら、飯できたぞ」ゲンナリ

インデックス「いただきまー」ガツガツムシャムシャ

フィアンマ「な……祈りもせずにこの食いっぷり……本当にシスターか?」

上条「おーおー、もっと言ってやってくれよフィアンマ」イタダキマース

フィアンマ「主、願わくは我らを祝し、また主の御惠(おんめぐみ)によりて、我らの食せんとするこの賜物を祝したまえ。我らの主キリスト
      によりて願い奉る。アーメン。聖父(ちち)と聖子(こ)と聖霊との御名(みな)によりて。アーメン。」ブツブツ

上条「おお、これが正しい教徒のあり方か……」ジー

インデックス「何かな? その何か言いたげな視線は」ダラダラ

フィアンマ「『暴食』は罪だ」ボソッ

上条「……」ジー

インデックス「うぅ……」ダラダラ
97 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 19:26:22.01 ID:G6CgR.c0
上条「(流石にかわいそうになってきた……)まぁ、修行中の身だし? しょうがないよな?」

インデックス「そ、そうなんだよ! しょうがないんだよ!」アセアセ

フィアンマ「(意外と甘いんだな)……うん、なかなか美味いな」

上条「そ、そうか?」テレテレ

インデックス「それじゃ、みんなで食後の祈りをするんだよ!」ケプッ

上条「え? なんて言えばいいんだ?」ゴチソーサマ

インデックス「こう祈ればいいんだよ!」つメモ

フィアンマ「それでは、祈りなさい」

三人「永久にしろしめたもう全能の天主、数々の御惠みを感謝し奉る。アーメン。願わくは死せる信者の霊魂、天主の御(おん)あわれみに
   よりて安らかに憩わんことを。アーメン」
98 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 19:41:22.23 ID:G6CgR.c0
インデックス「ふふ……なんだか家族みたいだね」ニコッ

フィアンマ「実際、二人は家族だろう?」ニコッ

上条「家族……そうだな! 俺たちは家族だ!」ニコッ

フィアンマ「……その『家族』に俺様は入っているのか?」
湧いた疑問。戦争中は敵同士だったのに、とフィアンマは思う。

インデックス「人は皆、主の家族なんだよ?」
そう微笑みかけるインデックスを自分は苦しめたというのに……

上条「そうだぜ? 俺たちはいつでもお前を歓迎するよ」
一体いつからだったか。『家族』という温もりを忘れたのは。魔術師として力をつけ、全てを手に入れたつもりだったのに。

そうか、と自嘲する。俺様は――
99 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 19:43:18.40 ID:G6CgR.c0




フィアンマ「ところで、俺様はどこで眠るんだ? ベッドでいいか?」


   
100 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 19:44:43.23 ID:D6wazNso
おい
101 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 19:50:56.50 ID:G6CgR.c0
上条「え? 何? 泊まるの?」

インデックス「そこは私が寝るんだよ!」

フィアンマ「仕方ない、狭いが一緒に寝るか?」

上条「ダメに決まってんだろぉぉぉぉおお!!」

フィアンマ「何だ? 手を出したりはしないぞ?」ニヤニヤ

上条「それでもダメです! 上条さんは許しませんよ!」

インデックス「(ふぃあんまがそういうことするとは思えないし、割とどうでもいいかも)」


――『家族』というものに憧れていたのかもしれない
102 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 20:08:36.25 ID:G6CgR.c0
『神の右席』という組織は、力を持つ者が集い、互いに利用し合ってきた。

前方のヴェントは科学に復讐するため。

左方のテッラは『神聖の国』で人々が争わないように。

後方アックアは己の力で目の前の人間を救ってきた。

――では右方のフィアンマは? この組織に何を求めていたのだ?

  家族?友達?親友?好敵手?恋人?仲間?同僚? 中でも一番幼かった自分は一体なにを――


欲しいものを全て手に入れたと思っていたが、そうではなかった。

主に仕える身として、主の『家族』として、『世界を救う力』を振るいたかった。

世界で20億の信徒を抱えるローマ正教。その全てが『家族』であり、救いたいと思ったのだ。

ただ、家族の温かさに触れたかったのだ。


103 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 20:29:27.51 ID:G6CgR.c0
上条「俺は風呂場、インデックスがベッドだから、フィアンマは……キッチン?」

フィアンマ「雨風が防げるなら贅沢は言わんが……何故お前はベッドで寝ないのだ?」

上条「え!? だってそりゃ、問題あるだろ! 色々と!」

インデックス「私お風呂入ってくるね〜」バタン

二人「……」
インデックスがいなくなり、男二人がリビングに残される。何か、重たい雰囲気だ。

上条「なぁ……フィアンマ……お前」







フィアンマ「ゲームでもするか?」ドサッ


104 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 20:41:26.93 ID:G6CgR.c0
上条「おい! ちょっとシリアスな雰囲気だったろ! っていうかどっから出したんだよその旅行バッグ!」

フィアンマ「ダヴィンチ・ゲームでもやるか」ドサッ

上条「え? なにそれ?」

フィアンマ「全く、これだから東洋人は」ガサガサ つ説明書

上条「おお、さんきゅー……って! これ全部イタリア語!」

フィアンマ「砂時計は……まぁ使うか、よし」ドロー

上条「取り敢えずルールせつめ フィアンマ「ふん。答えは『M』だ」おい!」

フィアンマ「何だ? 始まったばかりだぞ?」イラッ

上条「ごめんなさい……上条さんには無理です」
105 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 20:56:28.38 ID:G6CgR.c0
フィアンマ「仕方ない。チェスはどうだ?」

上条「上条さんに頭を使うゲームは無理です……」

フィアンマ「……」スッ

上条「ちょっと! 黙って『右手』を出さないで!」

フィアンマ「コイバナでもするか?」

上条「え?」

フィアンマ「ほら、あれだ「お前好きな子いるの?」「……いるけど」「えー! 誰だよ?」「言えねーよ」「教えろよー」「無理だよ」
      「何でだよ、いいだろ」「無理」「だから、何で 「お前が好きなんだよ!」「え」/// というやつだ」

上条「(え? 男同士でそんなこと話すの? 最後告白してたぞ!?)」

106 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 20:57:53.88 ID:G6CgR.c0







フィアンマ「お前、好きな子誰だよ?」







 
107 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 21:05:49.53 ID:G6CgR.c0
上条「えっと……いないです」

フィアンマ「ほう、そうか」

上条「えと、フィアンマは? いるの?」

フィアンマ「いない」キッパリ

上条「(ですよねー)」

フィアンマ「……暇だな」

上条「そうですね……(やべ、きまずい)」

フィアンマ「コンビニ行ってくる」ガタッ

上条「え? 金無いんじゃねーの?」

フィアンマ「それぐらいある。お前は風呂上りの禁書目録と楽しんでいろ(チェスで)」

上条「なっ! 変なこと言うな!」///

108 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 21:21:39.88 ID:G6CgR.c0
部屋に取り残された思春期の上条君。

上条「(おいおい、これまでも二人っきりだったろ……二人っきり? ということはナニがあってもおかしくは……って違う!上条さんは紳士!
   よし、落ち着け、インデックスは今風呂に……風呂!? や、やばい! すごく気まずい! そ、そうだ、スフィンクスがいるし、そもそも
   インデックスは家族だ! よし、素数を数えろ……1って入るっけ?)」※入りません

インデックス「とうまーいいお湯だったんだよー」ホカホカ

上条「」

スフィンクス「おいおい、目の前でよしてくれよ」ニャー

―――

フィアンマ「はて、お楽しみ中(チェス)だったら邪魔してはまずいな……」
二人が眠る頃に戻るとするか、と余計なお世話をするフィアンマだった。
109 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 21:49:23.69 ID:G6CgR.c0
――少し遡って黄泉川宅

一方通行「ただいまァ」ガチャ

打ち止め「おかえりなさーいってミサカはミサカは緊急事態でも挨拶は欠かさなかったり!」

一方通行「はァ? 緊急事態?(まさか、暗部のやつが!?)」
急いで部屋に上がり、中を確認する。荒らされた様子は無い。黄泉川は学校、芳川はこの時間は大学だ。ということは――

一方通行「おい! 番外個体は!?」キョロキョロ

番外個体「うぅ……百合子ぉお」
百合子はぎょっとした。番外個体の顔が赤い。熱にうなされている様に。かつて打ち止めが上層部の手で負担をかけられていた時の様に。

110 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 22:04:08.38 ID:G6CgR.c0
一方通行「おい! しっかりしろ! クソがっ! ウイルスか!? 番外個体ォ!」
番外個体がフラフラとおぼつかない足取りで寄ってくる。躓き、転びそうになるのを抱きかかえてやると

番外個体「にゃははぁ〜ナイスキャッチ☆」ムニッ
言うと同時、百合子のほんの僅かな胸(AAA)を掴む。「ありゃ、全然無ェじゃン」とその胸をいじる。揉む、というより、撫でるという表現が適切だろう。

一方通行「なァ! 何しやがる!」///

番外個体「え〜そりゃ、ナニをですけどォ? ってミサカはミサカは百合子に胸を押し付けてみたりィ」ムニュッ

打ち止め「むきー! 百合子に変なことしないでー! ってミサカはミサカは憤慨してみたり!」ムキャー

一方通行「バッやめろォ! 誰か助けろォ!」ジタバタ


 
 「そこまでよ!」


111 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 22:18:17.16 ID:G6CgR.c0
一方通行「だ、誰だ!? 早く助け……ひゃあ」///


結標「うわー、そそるわねぇ。かわいいわよ? 百合子ぉ」///


一方通行「」

打ち止め「えーと、アワキお姉ちゃんが突然やってきて、番外個体と愚痴りながらお酒飲んでたんだよってミサカはミサカは何も知らない
     あなたに説明してみる。ってアワキお姉ちゃんその人にお酒飲ませちゃだめーってミサカはミサカは唯一の良心として酔った二人の
     暴走を止めようとするんだけど……あぁ、だめだ。ちょっとMNWで下位個体とお話……監視してくるね? ってミサカのミサカの
     戦略的撤退!」

一方通行「打ち止めァァァあああ!!??」

――最後の希望(ラストオーダー)は潰えた。
112 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/19(日) 22:20:28.41 ID:G6CgR.c0
今日はここまでです。祝!100突破!
明日は投下できるか分かりません。出来てもかなり少ないです。
ではみなさん、おやすみなさい。風邪ひくなよ〜
113 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:30:56.32 ID:ZgHkeEAO


114 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 22:31:08.85 ID:ZgHkeEAO
乙だぜい
115 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/12/20(月) 22:50:42.88 ID:13eEToA0
乙なんだぜい
116 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/21(火) 23:18:17.95 ID:De4bL8o0
乙なんだよ!
117 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 20:36:10.52 ID:2vgv9Pg0
こんばんは1です。
昨日はモノマネ見てたんで投下できませんでした。

それでは、投下します。
118 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 20:46:26.10 ID:2vgv9Pg0
結標「もぉ、百合子ったらぁ〜近所に迷惑よ?」ウフフ
どうしてここにいるのか、どうして酒を飲んでいるのか、と疑問が湧くのだがなんというかもうカオスだ。

一方通行「おィ結標ェ! 寄るんじゃねェよ……ってクサッ!」

結標「ひどいわよ、乙女になんてこと……まぁそこもいいんだけど」ジュルリ

番外個体「ちょっと淡希ぃ〜その人を独り占めしないでよぉ〜」ジュルリ

打ち止め「番外個体には上位命令文が効かないからってミサカはミサカは何かを訴える目のあなたに釘を刺してみたり」

一方通行「」
せめて保護者(黄泉川・芳川)に連絡を取ってくれないか?と百合子は百合子はクソガキに縋ってみたり……声に出せなければ
思いは通じないのだ。


119 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 21:03:38.50 ID:2vgv9Pg0
一方通行「っつーかお前何で居ンだよ?」
右半身に体重をかける番外個体を無視して、取り敢えず後頭部に胸を当てる結標に疑問をぶつけていく。

結標「あのねぇ〜? 昨日ねぇ〜? 小萌が……あっ小萌っていうのは、私の居候先の教師なんだけどぉ〜」
冒頭から間違った答えが返ってきた。つか番外個体の鼻息荒い……

結標「なんかぁ〜家が無くてブラブラしてる子を拾ってきてぇ〜。しかも男よ! 入学手続きを三十分で終えるなんて流石よね……」トオイメ

一方通行「いやそンなこと聞いてねェよ! お前が来た目的!」

結標「それでぇ〜その日の晩が料理当番だったんだけどぉ〜。そいつ食べた瞬間に泡吹いて倒れたのよ!」

番外個体「え〜それ最悪じゃん。女の子の手料理を食べて泡吹いて倒れるって……あれ? それ淡希が悪くね?」

一方通行「あァたしか 結標「だから百合子に会いに来たのぉ〜」……(聞けよォ)」グスン
悪酔いしている結標は愛している一方通行の言葉も聞かずに喋りつづける。話に聞くその男はアンラッキーデーだったな、と同情する。

今現在の一方通行もそうなのだが
 

120 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 21:15:52.93 ID:2vgv9Pg0
結標「百合子ぉ〜慰めてよぉ〜」スリスリ

一方通行「あァはいはい、残念でしたねェ」ナデナデ

番外個体「(!?)ミ、ミサカも慰めてよ……ゆ、百合子」

一方通行「何でお前まで……ったく」ナデナデ

番外個体「ふにゃぁ〜」///

打ち止め「(番外個体め……あれは確実に酔いが醒めてるな)ミサカも撫でて〜ってミサカはミサカはあなたに要求してみたり!」

一方通行「(本当にどうしたンだよ……もしかして打ち止めも酔ったか?)」
そんなことを考えながら頭を撫でる百合子。アホ毛から察するにおそらくは酔っていないだろう。番外個体の舌打ちが聞こえたり、
「この人は渡さないもん!」という打ち止めの声が聞こえた気もするが無視する。
どうやら結標は遊びに来ただけのようだし、この程度は普段のスキンシップと変わらない。

一方通行「(黄泉川たちが帰ってきたら説教だなァ……)」
十分後、保護者が二人揃って帰ってくる。
121 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 21:31:41.47 ID:2vgv9Pg0
黄泉川「取り敢えず、このことは月詠センセに報告しとくじゃん」ヤレヤレ

結標「それは! それだけは、勘弁してください!」ドゲザ
酒の抜けた結標が小萌の同僚の黄泉川に口止めをしている。結構馴染んでいるようだ。

黄泉川「それは出来ないじゃん。私は教師であり、警備員でもあるじゃんよ?」

結標「うぅ……小萌にあわせる顔が無い……」シクシク

芳川「あら、じゃあ今日は泊まっていったらどう?」

「「「!?」」」

芳川「(月詠小萌ってあの時の教師よね?)今日は帰りにくいのでしょう? だったら一晩泊めてあげるわよ」
「優しいのではなく甘い」芳川は教師を目指しているのに説教もせず、家主の許可なく宿泊を了承する。

黄泉川「ちょっと待つじゃんy 結標「ありがとうございます!」……今日だけじゃんよ」

一方通行「(マジかよ……)」
結標淡希の下心は丸見えだった。
122 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 21:48:06.11 ID:2vgv9Pg0
番外個体「(やるな、淡希!)」

打ち止め「やったね、結標お姉ちゃん! ってミサカはミサカはさっきの惨状の二の舞にならないか心配だったり」

結標「それじゃ私どこで寝たらいいですか!? 百合子と一緒ならどこでもいいですけど!」キリッ

黄泉川「(この子は百合子の数少ない友達……)」

芳川「(お泊り会でガールズトークをしてくれれば、少しは女の子らしく……)」

黄泉川・芳川「一緒に寝(るじゃんよ)(なさい)」ニコニコ

一方通行「はァあ!? 何勝手に決めてやがる!」

番外個体「ミサカも一緒に……」ブツブツ

打ち止め「いいなぁってミサカはミサカは結標お姉ちゃんを羨ましがってみる!」
123 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 22:04:21.44 ID:2vgv9Pg0
なんだかんだで夜

結標「ふふ、今日は寝かさないわよ……」

一方通行「何で俺の布団に潜り混ンですかァ!?」ウガー
座標移動で風呂場へ空間移動され、裸を穴が開くほど見られ、背中を流すと胸を押し付けられて大事な×××に指を入れられそうになった
百合子はひどく疲れていた。

一方通行「(面倒臭ェ……)おら、さっさと寝ろ」クルッ

結標「強引ね? そこもいいけど、恋バナでもしない? 私の好きな人は一文字で表すなら『白』ね。普段は人相悪いのに――」
急に語りだした結標に背を向けて眠ろうとする百合子……こんな奴に惚れられるなんて、可哀想だな、と

番外個体「ぎゃはは! あなたの安眠を妨害しにきたぞ☆(二人っきりにはさせない!)」

思ったけどやはり自分が一番不幸だろう。

一方通行「不幸だー……ってか?」ボソッ

結局、結標の宣言通り百合子が眠ることはなかった。
124 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 22:15:38.20 ID:2vgv9Pg0
翌朝

上条「フィアンマのせいだぞ……」ゲッソリ

フィアンマ「ん? 俺様が何かしたか?」

上条「お前のせいで変に意識しちまって……襲おうと(ルパンジャンプ)したら噛みつかれたんだぞ!」

フィアンマ「(襲おうとしたお前が悪いな)……ん? おいアクセラ」カタトントン

一方通行「その呼び方やめろって……」ジロッ

上条「うわ! ひどい隈だな……寝不足か?」

一方通行「不足どころか一睡もしてねェっつーの」

フィアンマ「辛そうだな。運んでやろうか?」ミギテニョキッ

一方通行「……いや、いい。朝のHRは起こさないでくれ……」


125 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 22:25:00.97 ID:2vgv9Pg0
一方通行「ン……ァあ?」ムクッ

姫神「百合子。おはよう」

吹寄「全く……もう一限目は終わったわよ?」マッタク

一方通行「そォか、悪ィな……あの四バカ(バカルテット)は何騒いでンだ?」

姫神「さっきから。ずっと。続いてる」

吹寄「転校生にまで毒牙にかけて……あのバカ共」

一方通行「(フィアンマの野郎、二日目でバカの仲間入りかよ)」ハァ
126 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 22:43:30.20 ID:2vgv9Pg0
土御門「やっぱり、メイドが至高だにゃー」

青髪ピアス「何言うてんねん。こっちも捨てがたいでぇ?」

上条「いや、俺は割烹着を推すね! 母性溢れる感じがたまらん!」

青髪ピアス「はぁ〜、まったく合わんなぁ。フィアンマ君はどれが好き?」
まさか聖職者である自分が女の服装(メイド服・ボンテージ・割烹着)で迷うことになるとは思ってもみなかった。
しかし、迷える子羊を導くのもまた彼の仕事である。

フィアンマ「そうだな……」
この三択の中で三人を納得させる答えはない。敢えて「シスター服」と答えたら、幻想殺しの右手を喰らうハメになるだろう。
ここは、やはり

フィアンマ「(従順(メイド服)であり、肌の露出が多い(ボンテージ)大人っぽい(割烹着)格好か……)」

神の右席でリーダーを務めた彼が出した答えは
127 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 22:46:37.63 ID:2vgv9Pg0






フィアンマ「(全ての要素を兼ね備えている物……それは)拘束服だろう」





上条「」

土御門「」

青髪ピアス「」

一方通行「」

姫神「」

吹寄「」

 「「「  」」」
128 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage saga]:2010/12/22(水) 22:57:16.53 ID:2vgv9Pg0
青髪ピアス「ほぉ、フィアンマ君も分かってるなぁ〜」フムフム

土御門「(拘束服を着た舞夏……いや、しかし)」ブツブツ

上条「(拘束服ってミーシャ、じゃなくてサーシャが着てたアレか?)」エート

フィアンマ「特に首輪が(色っぽい意味で)」

一方通行「な、何を言ってンだお前はァァァああああああ!!」バキッ

フィアンマ「ご、が、ァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」ドンガラガッシャーン

吹寄「ちょ、やりすぎじゃ……!?」アセアセ

姫神「音速の。三倍は。でていた」

一方通行「あンなンでくたばる奴じゃねェよ」プイッ

―――

フィアンマ「」ボロッ
129 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/22(水) 23:00:18.86 ID:2vgv9Pg0
今日は眠いんでここまでで。明日本気出す。
あげたらいっぱい見てくれるかな? おやすみ
130 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/22(水) 23:04:30.33 ID:.NfSlFwo
音速の3倍を見切る姫なんとかェ
131 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 08:56:27.41 ID:nWTvLAk0
とりあえず教室は壊滅だな
132 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 18:30:56.03 ID:WRsXGJs0
1です あまり進まないと思うけど投下します
133 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 18:36:46.27 ID:WRsXGJs0
―――

フィアンマ「何をするんだアクセラ……」プルプル

一方通行「お前が変なこと言うからだァ!」

上条「だ、大丈夫か?(足がすげー震えてる……)」

吹寄「全く、教室の壁を壊すんじゃないわよ!」ベシッ

フィアンマ「うがっ! ……俺様が悪いのか?」ヒリヒリ

土御門「(委員長の頭突きを喰らって倒れない!? ……こいつ、できる!)」

姫神「大丈夫? フィアンマ君」

フィアンマ「ああ、大丈夫……(何だ? この女……)」
134 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 18:46:39.11 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「おい、お前の所属はどこだ?」

姫神「? 何を言ってるか。分からない」

フィアンマ「とぼけても無駄だ」
そういってフィアンマは姫神の胸を掴む。ラッキースケベでごまかすことはできない、
公衆の面前で痴漢行為を行っている。

フィアンマ「このケルト十字から魔力を感じる……『歩く教会』に似ているが、イギリスせいky 一方通行「死ねェ!」びぶるちっ」

姫神「(やだ。大胆)」///

上条「(いくら上条さんでもあんなことしませんよ)」

土御門「(フィアンマに魔術について口止めしとかないとにゃー)」

吹寄「フィアンマの奴……プラズマになってなかった?」

一方通行「知るかよ。あンなド変態」フン

青髪ピアス「(百合子ちゃんの胸……は流石に自重しとくか……)」

135 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 18:56:05.06 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「心配はいらない。右手が俺様を守るのだから、祈りは必要ない」ガラッ

一方通行「普通にドアから入って来やがった……」チッ

土御門「(誰もが心配してなかったけど……)」

上条「というかこの壁誰が弁償すんだよ? フィアンマは金が無いんだろ?」

フィアンマ「」

一方通行「ちっ……まァ、俺がぶっ飛ばしたかンな。俺が払う」

吹寄「この状態で授業を受けるの……?」

フィアンマ「壁などいらない。どうせまた壊すのだから修理は必要ない」キリッ

一方通行「格好つけてンじゃねェよ三下」

――この後フィアンマは職員室に呼び出されました。
136 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 19:10:51.99 ID:WRsXGJs0
放課後

上条「――ってわけで、この十字架でその能力を封じ込めてるわけ」

フィアンマ「これが俗に言う『和風美人』か」フムフム

姫神「え。そう? ありがとう」///

上条「いや、聞いてた? 俺の話」
上条と土御門は全て話した。姫神が十字架を身に着けている訳と、三沢塾での事件を。フィアンマはローマ正教のアウレオルスの
話になると、苦虫を噛み潰したような顔になったが。

フィアンマ「(『黄金練成』(アルス=マグナ)を実現させ、グレゴリオの聖歌隊を潰した錬金術師……)」
丸くなってインデックスにも謝罪したフィアンマは同じローマ正教の錬金術師が迷惑をかけたことに罪悪感を覚えていた。

フィアンマ「その件はすまなかったな。姫神秋沙」
ローマ正教の元陰のトップは今日もまた頭を下げる。情けないという気持ちはなかった。

姫神「? どうして。あなたが謝るの?」





137 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 19:27:21.08 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「その男は俺様の部下(20億分の1)にあたるからな(直接接触したこともないが)」

姫神「でも。あの人は。私を助けようとしてくれた」
しかし、計画が破綻して激昂し、彼女は一度『死んだ』のだ。フィアンマはそれを知らないが。

姫神「それに。あなたは何も悪くない。今もこうして。『生きて』いるから。平気」
フィアンマは知らない。彼女は大覇星祭にも、ローマ正教のリドヴィアが雇ったオリアナ=トムソンの手によって
怪我をしたことを。

姫神「だから。あなたが。頭を下げなくてもいい。それは。あなたの責任じゃない」ニコッ
どうして彼女は笑顔なのか、フィアンマは分からない。彼の会ったシスターと巫女。二人はこうも簡単に『許す』というのだ。

フィアンマ「(悪意の無い人間はいない、だが……)」
ベツレヘムの星で上条当麻は言った。だが、『善意』が必ずしも悪意に塗りつぶされるわけではないのだ。

フィアンマ「吸血殺し……」

放課後の教室、まだ残っている生徒も多い中で誓う。



138 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 19:34:54.73 ID:WRsXGJs0


フィアンマ「お前は、俺様が守る」キリッ


姫神「え」

上条「え?」

土御門「」

一方通行「」

吹寄「な、な……」

青髪ピアス「(転校二日目にして告白、やと……!?)」

フィアンマ「安心しろ。俺様の右手がお前の安全を保障する」キリッ

姫神「え。えと……」///

土御門「(まさかこれが、幻想殺しの真価!?)」ゴクリ

フィアンマの誓いの真意を知る者はここにはいない……
139 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 19:49:02.58 ID:WRsXGJs0
とある病院

「うん。これで大丈夫そうだね?」
カエル顔の医者、通称冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)が安堵したように問いかける。

「あぁ? ここは……どこだ?」

「ここは病院だよ? まだ無茶に体を動かさない方がいいね?」

「病院、だと……? なんでこんなところに?」
男は痛む頭を抑えようとするが、麻酔が残っているのか、腕は痺れて動かせない。

「だから無茶してはダメだと言っただろう。それはまだ出来たばかりの『肉体』なんだからね?」

「どうして? 俺は確か……」
『死んだ』はずだ。あの状況で死ななかったのか?そんなはずが無い。そもそも、あの『一方通行』が自分に容赦するとは思えない。

「うん? 外部刺激がなくて記憶に無いのかい? まぁ、あっても忘れたいようなないようだろうけどね?」

「なんで、生きてるんだ?」

「うん。それは――」

――男は耳を疑った
140 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 20:04:11.72 ID:WRsXGJs0

「へぇ。そうかい」

自分は『一方通行』に殺され、そして『一方通行』の手によって復活した。ただ、それだけ。

「だけど、まぁ何で『暗部』を解放したんだ?」
極悪非道と名高い(自分の中で)最強最悪のくそったれだと思っていたが、

「(だが、こうしてるとアイツに生かされてる感じだな……)」
『あの時』から記憶が飛んでいるので今が何月何日の何曜日かは分からない。カレンダーを探すと一年も経ってないのが分かる。

「こんな短期間に何があったんだ?」
一体、何が『悪党』を名乗っていた彼(彼女)を変えたのか……。

「しかし、まぁ本当にすげぇな」
記憶には無いが相当ひどく傷ついていたはずなのだが、これなら不老不死も実現するのでは?と口笛を吹いて賞賛する。

「明日には退院できそうだね?」
ああ、そうか、と適当に返事をして布団に潜る。悪い笑みを浮かべながら――
141 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 20:16:38.01 ID:WRsXGJs0
黄泉川宅

一方通行「ただいまァ」ガチャ

打ち止め「おかえりなさい、あなた! ってミサカはミサカは抱きついてみたり!」ギュ

一方通行「ッ!? ……おィ、離れろクソガキ(鳩尾に頭がァ……)」プルプル

番外個体「お、おかえ……ぷっ。え、何? 幼女のタックルでダウン? ダサすぎでしょ!?」ゲラゲラ

一方通行「ダ、ダウンしてねェだろォが……」ガクッ

打ち止め「だ、大丈夫? ってミサカはミサカはもやしすぎるあなたを心配してみたり……あれ?」ナデナデ
ドアの前に人がいる。結構怪しいがこちらを見て微笑んでいる。

一方通行「へ、平気に決まってンだろ。どうした?」

打ち止め「あなた誰? ってミサカはミサカはこの人の友達という可能性に賭けてみるんだけど……」オソルオソル
142 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 20:27:46.60 ID:WRsXGJs0

フィアンマ「ん? 俺様はミーシャ・F・クロイツェフ。フィアンマと呼んでくれ」ニコッ

一方通行「」

番外個体「(えっ誰?)」

打ち止め「フィアンマお兄ちゃん? もしかしてこの人のお友達? ってミサカはミサカは期待30%、諦め70%で
     聞いてみたり」

フィアンマ「ああ。俺様はアクセラと同じクラスだ……えーと、ミサカ?」

打ち止め「ミサカの名前はラストオーダーだよってミサカはミサカは自己紹介してみる」ペコリ

フィアンマ「ほう、きちんとお辞儀が出来て偉いな」ナデナデ

打ち止め「えへへ〜」///

一方通行・番外個体「(何で馴染ン(ん)でン(ん)の!?)」
143 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 20:37:58.92 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「それで? そこの隈のできてる女は誰だ?」

番外個体「み、ミサカはミサカワーストだよ……で? 何しにきたの? あんた、この人の何?」

フィアンマ「(警戒されてるな……雰囲気がヴェントに似てるな)バナナ食うか?」

番外個体「……は?」アゼン

フィアンマ「(しまった……そういえば持って来てないぞ)いや、今のは無しにしてくれ」

一方通行「何言ってンだ、お前?」ハァ

フィアンマ「(何だこの反応……もしかして!?)いや、アクセラよ……」

一方通行「まだそンな呼び方をしてンなかよ……何だァ?」

フィアンマ「俺様は聖職者だからな、お前と性行為はできない」ビシッ
144 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 20:46:12.86 ID:WRsXGJs0
一方通行「は、はァァァァああああ!? 何言ってンですかァァァあああ!?」///

打ち止め「え? 何それ? ってミサカはミサカはMNWで検索をかけてみるんだけど……」ウーン

番外個体「(こ、こいつ百合子とせ、性交、だと……)」バチバチッ

フィアンマ「いや、だからバナナの代わりに俺様の生殖k 一方通行「くたばれェェええ!!」おっと危ない」ミギテガード

打ち止め・番外個体「(何か変なの生えてきた!)」

一方通行「くそっ! ガキの前で変なこと言うンじゃねェ!」

フィアンマ「変なこと……だと!?」プチッ
145 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 21:02:24.52 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「我々人類が子を成す為の神聖な行為を「変なこと」だと!? 神の子(キリスト)も聖母マリアが身ごもり、腹を痛めて産まれてきたのだぞ!
      それを侮辱するとは……お前は人類を敵に回すのか!?」

一方通行「そォじゃねェよ!! このガキ共の前でそォいう話をすンなっつてンだよ!!」

番外個体「(えっ? ミサカもガキなの?)」

フィアンマ「まぁ、仕方ない。このことについては後でじっくり話し合おう……取り敢えず家にあげてくれ」ハァ

打ち止め「どうぞーってミサカはミサカは百合子のお友達を歓迎してみたり!」

番外個体「(友達、だと……)」

フィアンマ「ほう、広いな(俺様のマイホームの方がまだ広いが)」

一方通行「ちっ……何しに来たンだよ(ン? 何で俺の住所知ってンだ?)」
146 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 21:13:53.45 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「それでは、今日一日世話になるぞ?」ニモツドサッ

一方通行「とりあえずコーヒ……は?」ポカン

番外個体「え? 泊まるの?(まさか、もうそういう間柄なの?)」

打ち止め「でも、ヨミカワとヨシカワに聞いてみないと……ってミサカはミサカは大歓迎なんだけど……」

フィアンマ「許可は黄泉川愛穂にとってある」

一方通行「何……だと……!?」アゼン

番外個体「(黄泉川が認めた!? 公認のカップルってこと!?)」

打ち止め「じゃーフィアンマ一緒に遊ぼうってミサカはミサカはおままごとにお誘いしてみる!」

フィアンマ「(おままごと?)色々と玩具を持ってきたが……いいだろう」スタスタ

番外個体「(お、オモチャ!? ってやっぱりそういう……)」プシュー

一方通行「(何で顔真っ赤なンだ?)」
147 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 21:25:21.24 ID:WRsXGJs0
「本当に使えない女だな」
持っていたコップを打ち止めに投げつける。彼女の濡れた顔には涙も混じっているのだろう。
「ごめんなさい。ミサカを捨てないでください……」
「そういえば許されると思っているのか? 大体今月の稼ぎはこれだけしかないのか?」
「バイトを一つクビになったんです……だから」
俯いていた打ち止めが顔を上げると同時、彼が平手打ちをする。
「だったらその分だけ、また稼いでくるのがお前の仕事だろう!」
パァンともう一度顔を叩く。打ち止めは泣きそうな顔で許しを請う。
「ご、ごめん、な、さい。でも、ミサカ、は」
「何だ? 一丁前に口答えする気か? その口を動かす暇があったら俺様に奉仕するべきだろう?」
そういって彼、フィアンマは打ち止めの頭を掴み、強引に抱き寄せる。
「ほら、いつもどおり俺様の 「やめろォォォおおおお!!」ひでぶっ」
148 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/23(木) 21:28:00.95 ID:5zL9cMAO
リアルおままごとwwwwww
149 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 21:36:39.48 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「何をするんだ、アクセラ」ヨロッ

一方通行「お前こそ打ち止めにナニをするつもりだァ!?」

番外個体「……」///

打ち止め「もー、混ざりたいなら素直に言えばいいのにってミサカはミサカはツンデレさんなあなたを歓迎してみる」

一方通行「誰が混ざるかァ! おィ三下! ガキにはまだ早ェだろォが!」

フィアンマ「いや、これは打ち止めの台本通りなんだが」

一方通行「打ち止めァ!?」ギロッ

打ち止め「!? えーと、最近、学園都市在住の下位個体の中でも流行の昼ドラを参考にしたんだけど……」

番外個体「あー、あれかー、面白いよね 一方通行「……」ジロッ ミサカが見せた訳じゃないから!」
150 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 21:48:18.37 ID:WRsXGJs0
芳川「ただいま……あら?」

フィアンマ「ああ、今日世話になるミーシャ・F・クロイツェフだ」

芳川「あ、愛穂が言ってた……そう、君がフィアンマ君ね」

一方通行「(職員室に呼び出された時に知り合ったのか?)」

打ち止め「ヨシカワお帰りーってミサカはミサカは飛びついてみたり!」ピョーン

芳川「!? あら、危ないわよ? 打ち止め(この歳でぎっくり腰になるところだったわ……)」

番外個体「芳川お帰り、って何? それ?」

芳川「これは、愛穂に頼まれたすき焼きのセットよ。お客さんが来るから、って頼まれたの」

打ち止め「今夜はすき焼き!? やったよワーイってミサカはミサカはこの喜びを体で表現してみる!」バンザーイ

一方通行「(炊飯器ですき焼き……? 流石にそれは……)」
151 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 22:02:10.15 ID:WRsXGJs0
フィアンマ「ところで、一ついいか?」

芳川「あら、どうしたの?」

フィアンマ「ここには女しかいないのか?」

一方通行「今更だな……そォだよ」

フィアンマ「そうか……確かに我々十字教徒は隣人愛を説く教えだが……」ブツブツ

黄泉川「ただいまじゃーん」

番外個体「あ、黄泉川お帰り」

打ち止め「おっかえりー! ってミサカはミサカはテンション上がりすぎて黄泉川に突撃してみたり!」ドタドタ

一方通行「おィクソガキ! 走ンなっつってンだろォが! 転んでも知らねェぞ!」

フィアンマ「(過保護だな……)」
152 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 22:16:37.67 ID:WRsXGJs0
黄泉川「お、フィアンマもう来てたのか? 早いじゃんよ」

フィアンマ「まぁ、家も金も無いからな(昔の俺様が見たら笑うだろうな……)」

打ち止め「フィアンマって置き去り(チャイルドエラー)なの? ってミサカはミサカは地雷を踏まないように恐る恐る聞いてみる」

フィアンマ「(置き去り? ああ、ここのストリートチルドレンみたいなものか)いや、住む場所に払う金も無いだけだ」

一方通行「(っつーか魔術師が正規ルートで入学できンのか?)」

フィアンマ「まぁ、色んな所に転がり込むさ(これも社会体験だと思えば……)」トオイメ

番外個体「ねぇ黄泉川、お腹すいたんだけど?」

黄泉川「はいはい、今作るじゃんよー」

フィアンマ「……これが、アクセラの『家族』か?」

一方通行「ン……そォだよ」
照れたようにそっぽを向く百合子。改めてそういうのは照れくさい。だが、否定はしなかった。
153 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga]:2010/12/23(木) 22:19:16.41 ID:WRsXGJs0
今日の投下はここまでです。疲れたんで
冥土帰しに復活された謎の男は誰かな?このペースだと明日はまだ登場しませんね。
じゃ、おやすみなさい
154 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 01:29:42.48 ID:DJnZ6UAO
乙じゃん
155 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/24(金) 03:00:07.59 ID:ujsszlwo
フィアンマかわいいなww
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/05(水) 23:59:09.46 ID:x3akRUAO
まだ?
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 00:42:38.93 ID:Ln392a60
冥土返しが復活させたのはゴーグルの少年か。
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 12:54:35.04 ID:tPfCtBQo
木ィィィィ原クゥゥゥン!!!

かもしれない
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 21:57:35.51 ID:/j5y7EAO
フレンダかもよ?
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 20:07:35.81 ID:p8OhxSBzo
まだー?
161 :真真真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 20:07:54.12 ID:VrZSnlQT0
お久しぶりの1です
冬休みが終わり、入試で色々忙しくてここまで遅くなってしまいました
ぼちぼち投下します

待ってる人がいて嬉しいです 頑張ります
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 20:16:08.77 ID:VrZSnlQT0
フィアンマ「そうか……いいものだな」

一方通行「まァ、否定はしねェけどよ」

芳川「じゃあ手伝うわ、愛穂」

黄泉川「(桔梗が率先して手伝いなんて……百合子のおかげじゃん)」シミジミ

番外個体「ミサカも手伝うよ」

一方通行「俺は……クソガキの相手すっかァ」

打ち止め「遊んでくれるの!? わーい! ってミサカはミサカは大はしゃぎ!」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 20:25:20.86 ID:VrZSnlQT0
フィアンマ「一応客人である俺様は散歩に 黄泉川「じゃあこれ買って来てくれると助かるじゃん」つメモ ……」

一方通行「付いてってやろォか? 場所分からねェだろ」

打ち止め「えー! ミサカと遊んでくれないの!?」ブーブー

フィアンマ「いや大丈夫だ。自力で探すからな」

芳川「そんなに彼が心配なのかしら?」ニヤニヤ

黄泉川「おお!? 百合子にも春の予感じゃんよ」ニヤニヤ

番外個体「」

一方通行「そんなんじゃねェよ……ったく」ハァ
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 20:41:00.85 ID:VrZSnlQT0
―――コンビニ前

フィアンマ「スーパーマーケットに行くつもりだったんだがな……」
そう呟く彼が足を運んだのはいつも彼が通うコンビニだ。「まぁ飲み物ならここでも買えるか」とメモに書かれていないものを買おうとする。

御坂「あれ? アンタたしか……」
あたりはすっかり暗くなっているというのに常盤台中学の制服を着た、どっかで見たような少女が漫画雑誌コーナーにいた。

二度目の対面とはいえ、お互いの名前すら知らないので訝しげにこちらを見ている。

フィアンマ「お前はたしか……」

御坂「そういえば名乗ってなかったわね。私は御坂美琴よ……ところで、この間の、その、アイツと一方通行とはどういう関係なの?」

フィアンマ「ヤマトタケルノミコトか。俺様はフィアンマだ」

御坂「ちょっ! 御坂美琴よ! それより、あいつとどういう……」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 20:56:13.84 ID:VrZSnlQT0
フィアンマ「ところで彦五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)、こんな時間にコンビニで立ち読みとは随分素行が悪いな」

御坂「いや、もはや誰よそれ! 黒子に言ってあるから大丈夫なのよ!」

フィアンマ「何だこの奇怪な生物は……変な趣味だな、坂田金時」

御坂「ゲコ太を馬鹿にしないで! っていうかさっきから何なのよ! 『みこと』すらないじゃない!」

フィアンマ「こんなものが人々に好かれているのか……いや、学園都市がおかしいのか? 瓜子姫」

御坂「だ・か・らぁ! 私は御坂美琴だって言ってんでしょ!!」ビリビリ

フィアンマ「店内では静かにしろ」

御坂「あ、うん……」シュン
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:09:57.01 ID:VrZSnlQT0
フィアンマ「分かればいいんだ、建速須佐之男命(たてはやすさのおのみこと)」ウンウン

御坂「もうっ! 頭にきた! 勝負しなさい!!」ビリビリ

フィアンマ「お使いを頼まれてるから待ってくれ」

御坂「え、あっそう」シュン

フィアンマ「(何が不服なんだ? 日本神話の神の名だぞ……男だからか? 両親は女に男の神の名前をつけたのか?)」ブツブツ

御坂「(えっ、わざとじゃないの?)」

フィアンマ「何をジロジロ見ている? 欲しいのがあるのか? 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)……いや、伊耶那美命(いざなみのみこと)?」

御坂「アンタ外国人よね? どうして日本の神話の神様の名前がスラスラ出てくるのよ……(それに、ここは『科学』の街だし)」ハァ
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:23:39.86 ID:VrZSnlQT0
フィアンマ「まぁ、これでいいか」

御坂「……ちょっと、何買ってんの!?」
学園都市は大学等が日々研究し、その試作品であるジュース、清掃ロボが街中に溢れており、特に飲料は当たり外れが大きい。

美琴は明らかに学園都市に不慣れな外国人がカゴに缶コーヒーと共に投げ入れた物に、不審物が混ざっているのを見逃さなかった。
これがトラウマになる生徒もいるのだ。きちんと注意するべきであろう。

フィアンマ「だから、静かにしろと言っているだろう」

御坂「アンタが危険物を放り入れてんのよ!」

フィアンマ「? ……これのことか?」つ「新発売! 赤身マグロ・コーラ(付属の山葵でお好みの味に!)」

―――未だにパッケージの色(赤)で選んでしまう男・フィアンマ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:32:56.92 ID:VrZSnlQT0
御坂「(うわ……無いわ……)アンタ、本気でそれを買うの?」

フィアンマ「ああ、これが好きなんだ(色的な意味で)」

御坂「へ、へぇ〜そう……(外人っておかしい人が多いのかな?)」

フィアンマ「お前も買うか? 天照大神(あまてらすのおおかみ)」

御坂「いや、遠慮しとくわ……」

フィアンマ「そうか、気をつけて帰れよ?」

御坂「う、うん」

<オネェサマァー ムカエニマイリマシタワー

フィアンマ「ん? メモを落としてしまったか? ……まぁいいか」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:41:40.21 ID:VrZSnlQT0
―――帰宅

フィアンマ「ただいま帰ったぞ」

一方通行「ン? やっと帰ってきたンか」

打ち止め「おかえりー、遅かったね? ってミサカはミサカはお使いの任務から帰還したフィアンマを出迎えてみたり!」

黄泉川「おかえりじゃんよー」

番外個体「おっかえりー。道に迷ったりしなかったかにゃーん? きゃはっ」

芳川「お帰りなさい。もうすぐ出来るわ」

フィアンマ「(……)そうか、それでは祈りを済ませておこう」

―――

 「『家族』の出迎え、か……いや、俺様はただの客だな……」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:04:01.02 ID:VrZSnlQT0
黄泉川・芳川・一方通行・番外個体・打ち止め「「「……」」」

フィアンマ「……」

今、食卓には六人分のすき焼き(二つの炊飯器)が用意されている。最初こそは炊飯器にフィアンマが驚き、「これが日本の食卓か」という
誤解をし、一方通行にツッコミを入れられて皆が笑う、といった賑やかな雰囲気だったが

一方通行「何だこのカオス……」

打ち止め「ごめんなさいってミサカはミサカは謝罪するんだけど……」ウルウル

番外個体「これ、食べられるの……?」オソルオソル

芳川「ごめんなさい……悪ノリしてしまったわ」ウツムキ

黄泉川「ちゃんと見てなかった私も悪いじゃん……」

フィアンマ「いや、全ての元凶は俺様だ……」

六人の目の前には、無事なすき焼きと「新発売! 赤身マグロ・コーラ(付属の山葵でお好みの味に!)」、缶コーヒーが放り込まれた一つの
炊飯器がある。

明るい家庭をぶち壊す、「すき焼き(ダークマター)」が完成されていた。
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:21:43.42 ID:VrZSnlQT0
―――五分前

「「「いただきまーす」」」
準備も終わり、開始した夕食。一方通行・打ち止め・フィアンマと黄泉川・芳川・番外個体に別れ、それぞれの炊飯器に箸を伸ばした。

「しかし、白滝と豆腐が謎のジュースに……どうしてこうなったか説明して欲しいじゃん」

「しょうがないわよ愛穂。やっぱり、場所が分からなかったのよね?」

「すまない……俺様としたことが……」
日本語が堪能なフィアンマは漢字が読めないことも無いが、メモを落とし、スーパーの場所が分からない、謎の少女、ミサカミコトの登場で
飲み物だけを買ってきてしまった。

「でもまぁーいいじゃんほら、第一位、グビッといきなよ」

「あァ? 俺はコーヒーで十分だ」
冷蔵庫にまだコーヒーが残っているのだが、どうやら気に入ったようで、ご機嫌な一方通行。
すき焼きにコーヒーという組み合わせが何とも言えないがこれが彼女のスタイルだ。

173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:37:00.97 ID:VrZSnlQT0
「でもそれ、美味しいのかな? ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり」
『それ』とはもちろん『新発売! 赤身マグロ・コーラ(付属の山葵でお好みの味に!)』である。
赤身のマグロを液体状にし、甘味を加えた炭酸飲料。打ち止めが疑問を持つのもうなずける。

「じゃあ、鍋(炊飯器)に入れてみたら?」
黄泉川が席を立ったのを見計らい、子どものような提案をする芳川。その頬は緩んでいる。

「番外個体、それちょっと貸してってミサカはミサカは『新発売! 赤身マグロ・コーラ(付属の山葵でお好みの味に!)』を
 お鍋(炊飯器)に近づけてみたりー♪」

「あら、手を滑らせたら大変ね」
クスクスと笑う芳川と食事中なので、一応笑いを堪えているフィアンマ。一方通行は呆れているがそれを止めはしなかった。

「ねぇ、ちょっとだけ入れてみようよ」
番外個体が打ち止めを嗾ける。三人はニヤニヤとその様子を見ていた。

―――ほとんど箸をつけることなく
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:53:36.46 ID:VrZSnlQT0
「ちょっと、何してるじゃんよー」

「ひゃあっ!」
戻った黄泉川に驚いた打ち止めが持っていた缶を落とす。
生魚の少し生臭い臭いと赤黒い液体がすき焼き(黄泉川・芳川・番外個体用)を侵していく。炭酸が一気に抜け、臭いと共に皆の気分を
悪くする。更に、

「なァ! 熱ィっ!」
出来立てのすき焼き、その飛沫が一方通行に掛かり、思わず飲んでいたコーヒーが同じくすき焼き(三分の一侵食済み)にぶち込まれる。

―誰も予想していなかった。

――今晩は賑やかになるはずだった。

―――『楽しい時間』は終わりを告げた。


フィアンマ「食べ物を粗末にするのは、罰当たり、だ、な……」

そして今に至る
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:55:17.13 ID:VrZSnlQT0
受験勉強で寝不足気味なんで今日の投下は終わりです。
暇な時間を見つけて投下したいと思います。

おやすみなさい
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 23:09:35.92 ID:oJLmwDnAO
なんたる天罰
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 18:59:56.10 ID:vMLLa4U30
1です。こんばんは 挨拶程度に本編に関係ない投下を↓

―――謎の部屋

フィアンマ「まずいぞ、アクセラ」

一方通行「あァ? 何がだ?」

フィアンマ「もうすぐネタ切れだ」

一方通行「」

フィアンマ「ここの>>1は頭オカシイからな。スレタイから予想できるように、本編の上条当麻と御坂美琴に当てはめればおkと思って
      書き始めたからな。でも俺様が学園都市にいる理由や相思相愛になる過程が全く違うし、原作はいつまでもシリアスだし、
      アレイスターの使い方が分からないし、そもそも恋愛経験が無いからな」

一方通行「まァ、この受験シーズンに余裕ぶって初心者なのに書き溜めも無く、センスも無いのに地の文書こうとするし、タイピングが遅い
     から数少ない読者に迷惑掛けてっからなァ」

フィアンマ「今これ書きながら飯を食っているし、傍迷惑なやつだ」

一方通行「拙い文章に感想をくれる読者の皆様、本当にありがとォございます。これからもよろしくお願いします」ペコ

フィアンマ「これってシリーズ化す 一方通行「それは無い」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 19:13:44.23 ID:vMLLa4U30
一方通行「これ、どォする? 本当に食うのか?」

黄泉川「フィアンマの言うとおり、残すのは罰当たりじゃん……生臭っ!」

フィアンマ「……」ズーン

打ち止め「これってミサカのお鍋(炊飯器)じゃないもんね……」

番外個体「なっ! ミサカこんなの食べたくないよ!」

芳川「二人とも、不毛な争いはよしなさい」ハナゴエ
六人の前にある二つの炊飯器、一方は豪華絢爛なすき焼き、しかしもう一方は暗黒物質(ダークマター)、まさしく天国と地獄である。

だが、責任の擦り付け合いなどしない、仲の良い黄泉川家である。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 19:22:20.65 ID:vMLLa4U30
フィアンマ「(皆、女優に向いてるじゃないか)」ニヤリ

一方通行「(なかなかぼろを出さねェな……)」チッ

打ち止め「(……ククッ、ミサカには強い味方がいる)」クククッ

番外個体「(まずは誰が切り出すかにゃーん?)」

芳川「(ごめんなさい、私は優しいのではなく、甘い人間なのよ)」

黄泉川「(きっと皆同じ事を考えてるじゃん……)」

全員「「「(((誰が全責任を負うか!……)))」」」

……本当は仲の良い黄泉川家である。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 19:43:12.13 ID:vMLLa4U30
「これ、一体誰が食べるじゃん?」
最初に口火を切ったのは、家主ですき焼きの提案者黄泉川愛穂だ。

「(先手を取られたか……)ちょっと愛穂、誰か一人に食べさせるつもり? ここは皆で分けるべきよ」

「(!? 冗談じゃない!)いやいや、ここは被害を少なくするべきじゃない?」

「(他人からソレを提案させるとは、やるなァ芳川)まァ、俺はどの案でもいいけどよ」
誰かに全て押し付ける案を蹴った芳川桔梗に、意地でも口に付けたくない番外個体が黄泉川に賛成、結果として芳川は最終的に押し付けられるであろう人物から恨まれることは無くなった。これが彼女の作戦であり、優しくない、甘い人間のやり方だ。

一方通行は賛成とも反対とも言わず曖昧な状態で傍観者に回る。学園都市最高の頭を持つ彼女には勝機があるのか、ニヤニヤとしている。

「(やはり、誰か個人に押し付ける方法になったか……このままだと買う物を間違えた俺様と台無しにした打ち止めの分が悪い……)」
どう責任を逃れるべきか頭を悩ますこの場で唯一の男性フィアンマ。
同じように追い詰められているであろう実年齢半年の幼女、打ち止めの様子を見てみると、

「(なっ……笑っている……だと!?)」

彼女は俯き、お姉さま譲りの茶系の髪であまり表情はあまり窺えないが、自分と同じぐらい追い詰められているはずの打ち止めの口角が
上がっている。

「(まさか、『アレ』でいくのか?)」

打ち止めが顔を上げる。
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 20:05:34.78 ID:vMLLa4U30
「これはやっぱり、ミサカが食べるべきだよね? ってミサカはミサカはしょんぼりしながら尋ねてみる」

「やはりそう来たか」とフィアンマは一人心の中で呟く。
彼女の作戦、フィアンマには見透かされているがそれは『庇護欲煽り作戦』である。
その名のとおり、見た目十歳の打ち止めが自らを追い詰めるような発言をし、皆が思わず否定して庇うように仕向ける作戦だ。

「(かなりの演技派だな……)」

打ち止めは瞳をウルウルとさせ、上目遣いで周りに「守って」ビームを振り撒いている。
この涙も俯いている際にMNWに接続し、下位個体の悲しい話で目に溜めていたのだ。これもフィアンマには演技とバレているが。

「いや、その必要は無ェ」
打ち止めの絶対的な味方であり、予想通り彼女を庇った一方通行。

「(やっぱりアナタって頼りになる! ってミサカはミサカは今度は本物の涙が出そうになっちゃった……)」

「クソガキは確かに、あのゲテモノをぶち込ンだ本人だが、考えてみろ。コイツ一人でこれ(ダークマター)は処理できねェ」

「確かにそうじゃん……」

「(!……計画通り!)」

182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 20:27:55.92 ID:vMLLa4U30
「(まずい! これでは俺様一人でこれ(ダークマター)を処理する第一候補になってしまう)」
予想外に反し作戦が上手くいった打ち止めがこちらに憐れみを含めた視線を向けている。このままでは確実に不味いであろう物を口に突っ込み
下痢を引き起こすであろう。
どうしたものか、と再び頭を悩ませるが、番外個体が口を開く。

「じゃあさ、食べられる分だけ食べれば? お腹減ってるだろうから結構入るかもよ?」

「えっ!?」

「そうね、打ち止めも責任を感じているようだし(ごめんなさいね、打ち止め)」
芳川が更に追い討ちをかける。番外個体の意思を汲み取ったのだろう。

「(打ち止めばっかり守られてずるいっつーの……いやいや、羨ましくない、羨ましくない!)」

「百合子、打ち止めを甘やかしてると将来我侭な子に育つかもしれないじゃん? 教師として注意するけど、きちんと世話して欲しいじゃん」

「っ!?……悪ィな打ち止め……まァ死にはしねェだろ」

「(そんな!?)そ、そう食、食べなきゃ……」
打ち止め、マジ泣きである。

フィアンマ・一方通行・黄泉川・芳川・番外個体「「「(((あと一人蹴落とせば……)))」」」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 20:46:43.54 ID:vMLLa4U30
「(残る有力候補は俺様一人だ。他に注意を向けさせなければ)そういえば、俺様の飲み物を中に零したのは打ち止めだが」

「!?」
彼の言いたいことを察したのか一方通行が肩をびくつかせる。舌打ちをすれば印象が悪くなるのでつばを飲み込む。

「コーヒーを零したのは……百合子ね」
芳川がフィアンマに続き、今度は一方通行を貶めようとする。キッと睨むと芳川は肩をすくめ、フィアンマは見下すようにニヤニヤしている。

「だけどよォ、アレは俺が頼んだんじゃ 「でも、美味しそうに飲んでたよねってミサカはミサカは指摘してみる」
庇いきれずに、『教育のため』と見捨てた打ち止めからの逆襲だ。そのこともあって言い返せない。事実あのコーヒーは大変気に入った。

「まぁ、コーヒーの分は食べなきゃねぇ? ケケッ」
庇うべきか迷った番外個体だが、彼女の性格と先ほど打ち止めを庇った件から、見放すことにした。

フィアンマは勝利を確信し、無事な方に箸を伸ばすが、それを病的にまで白い手が遮った。

「……くくく」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 21:03:57.50 ID:vMLLa4U30
含み笑いする一方通行が不気味に思え、「何だ?」と訊ねるが

「まァ待てよ。まだお話したいことがあるンでなァ」と一言。
実に怖い笑顔だが、フィアンマはその赤い双眸に釘付けになってしまった。手をつかまれ引き寄せられるようにして顔を覗かれているので
かなり顔が近い。

そんなことを気にしていないのか、一方通行はそのまま顔を芳川に向ける。

「なァ芳川、お前最初に『皆で分けるべき』って言ったよなァ?」

「? えぇ、そうね……(ハッ!)」

「キヒッ 肯定したな? お前はつまり『自分を含めて』全員で食うべきだと言ったンだ」

「……でも、今は打ち止めとあなたが 「ンだァ? 芳川、教師を目指してるくせに自分の主張を変えるつもりかァ?」
その言葉に芳川は言葉を詰まらせる。

夢だった教師になって、甘くない、優しい自分に生まれ変わるのだ。

「そうね……食べるわ」

一人、また堕ちた。
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 21:14:45.68 ID:vMLLa4U30
「おィ何安心してンですかァ? 番外個体」

「えっ!? ミサカは悪くないよ!」

「いや、打ち止めにジュースを渡したな。『開けた状態』で」

「くはっ! そうだったなァ番外個体ォ」

「なっ、そんな……」

「(教え子のこんな姿見たくなかったじゃんよ……)」
黄泉川は二人の生徒(鈴科百合子・フィアンマ)の息の合った連係プレー(責任逃れ)を見て、将来が心配になる。

「じゃ、じゃあ黄泉川も悪いよ!」

「へ?」
確実に逃れたと思った黄泉川は変な声で返事をしてしまう。

「悪いのはミサカだけじゃないもん! 黄泉川も悪い!」

186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 21:26:14.73 ID:vMLLa4U30
「な、何言ってるじゃんよ。私は何も 「それが悪いんだよ!」……え?」

何が言いたいか分からない、と言いたげな顔の黄泉川に対し、番外個体は自信有り気に胸を張りながら

「だから、家主で絶対に止めるべきである黄泉川が『何もしない』から悪いって言ってんの!」

「でも、あの時は、洗濯機を回し忘れて、席を立ってたじゃんよ!」

「食事中に席を立つなんて行儀悪いわ、愛穂」

「そうそう、先生を目指しているヨシカワが頑張っているのに……」

「うっ……それは……」
地獄(ダークマター)行き決定の二人が黄泉川を引きずり込もうとする。味方はいない。絶体絶命だ。

「ね? ミサカと一緒に食べよ? 黄泉川『先生』」

「!?」

教職員魂が、ひとりの教師を地獄へ落とした。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 21:36:31.80 ID:vMLLa4U30
フィアンマ・一方通行「「((勝った……!!))」」
今度こそ、保温しておいたすき焼きに二人が食らいつこうとする。が、しかし

黄泉川「いやいや、百合子もフィアンマもこっちじゃん」チョイチョイ

芳川「フィアンマ君……流石に逃げられないわよ?」アキレ

打ち止め「アナタもフィアンマも食べるの?ってミサカはミサカはさっきまでの争いの意味を考えてみる」ウーン

番外個体「意味なんて無いでしょ……っていうか本当に食べるの?」ゲンナリ

フィアンマ「え? 俺様も?」

芳川「あのジュースは君のじゃない。買って来る物も違うわね」

一方通行「俺も……?」

番外個体「コーヒーは第一位が零したでしょ?」

フィアンマ・一方通行「「 」」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 21:48:01.98 ID:vMLLa4U30
フィアンマ「(俺様の勝利の喜びは……?)」

一方通行「(納得いかねェ……コーヒーは、まァ……)」

黄泉川「ほら、仕切りなおしじゃん!」

一方通行「やっぱり待てェ! 元々はやっぱりコイツが悪い!」
ビシッとフィアンマを指差す一方通行。何か言い返そうとするが、

一方通行「そもそもスーパーに行くときに俺が付いて行こォとしてやったのに断ったり、買う物の確認もせずに出て行くのが悪い!
     っつゥかあのジュースを買うのが悪い!」

言い返せなかった。全部正論で切り崩す余地も無い。

フィアンマ「……もん」ボソッ

一方通行「あァ?」

フィアンマ「初めてだもん」ボソボソ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 21:59:47.19 ID:vMLLa4U30
一方通行「は、はァ?」

フィアンマ「お使いとかしたことないもん。この前まで20億人の部下がいて、ローマ教皇に助言という形で陰から支えてたんだもん」ボソボソ

一方通行「はァ? ちょっ、おい!」

フィアンマ「そもそも学園都市、ひいては日本……いや国外に出るのも初めてだもん。日本語だって日常会話、多少の読み書きは勉強
      したけど、漢字分かんないもん。何で一国に三種類も文字があるんだよ……」

一方通行「わ、分かった。俺が悪かった。だから、 フィアンマ「だから嫌だったんだ、この世界を俺様の手で救ってやれば……」おいそれ
     関係無ェだろ」

フィアンマ「なぁ提案なんだが……」

黄泉川「え、な、何だ? 言ってみるじゃんよ」

フィアンマ「じゃんけんしないか?」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:10:28.59 ID:vMLLa4U30
打ち止め「じゃんけん? それで何を決めるの? ってミサカはミサカはフィアンマの発言に疑問をぶつけてみたり」

番外個体「あれ(ダークマター)を食べる人を決めるんじゃない?」

芳川「まぁ、それなら公平で良いわね」

一方通行「何かと思ったらじゃンけンかよ……」ハァ

黄泉川「異論は無いみたいじゃん」

フィアンマ「そうか……良かった……」

一方通行「まァ、一人で食う奴は可哀想だが、良かったなァ?」

フィアンマ「(本当に……良かった……くく)」

打ち止め「じゃあ早くしようよってミサカはミサカはもう空腹が我慢できなかったり!」グゥー
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:28:56.86 ID:vMLLa4U30
フィアンマ「そうか……くくっ、なら俺様はこれを使わせてもらおう」
そういって右肩から現れたのは不恰好な『聖なる右』。あらゆる十字的儀式は『右手』で行われるため。この腕だけで、ありとあらゆる奇跡、十字的超常現象を起こし、天使に近い体である神の右席のメンバーでも、人間が使う魔術が使える。

この右腕は「倒すべき敵や試練や困難」のレベルに合わせて、自動的に最適な出力を行う性質がある。つまり、

フィアンマ「(この右腕でじゃんけんをすれば勝てる。ふふ)」

振ればそれで『勝ち』、終わる。

フィアンマ「(全てが、ここまでの全てが布石……皆を同じ状況に立たせれば、公平である「じゃんけん」でも勝負は付けられる)」
どのようにして同じ状況に陥れるかが重要だったが、一方通行らが自ら自滅していった。

黄泉川「面倒くさいし、『勝った』人が食べるってことでいいじゃんね?」

芳川「まぁ何の不都合も無いわね」

フィアンマ「……え?」

192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:38:48.59 ID:vMLLa4U30
一方通行「あん? 何だ三下ァ、文句無ェだろ?」

フィアンマ「え、いや」

一方通行・黄泉川・芳川・打ち止め・番外個体「「「じゃ〜ん(ン)け〜ん(ン)・ぽい!」」」

フィアンマ「なっ!?」パー

一方通行「ひゃはっ! きちんと平らげろよ? 三下」グー

打ち止め「う〜ん……ドンマイ! ってミサカはミサカは特にかける言葉が見つかんなかったり」グー

番外個体「なぁ〜んだ、第一位じゃないんだ、つまんない」グー

芳川「(九死に一生を得たわ)」グー

黄泉川「じゃ、改めて」

一方通行・黄泉川・芳川・打ち止め・番外個体「「「いただきます」」」

フィアンマ「今日は……アンラッキーデーだ……」

正確には『今日も』であるが。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:48:55.64 ID:vMLLa4U30
―――翌日・学校

月詠「あれー? フィアンマちゃんはどうしたんですかー?」

一方通行「先生ェ、三し、フィアンマ君はァ、腹痛で休むそォでェす」

月詠「そうですかー、心配ですねー」

青髪ピアス「どうしたん? 鈴やん、元気無いなぁ」

一方通行「……」

土御門「どうしたんだにゃー? 本当に具合悪そうぜよ?」

一方通行「具合悪そうな顔してンのは元々だァ……昨日、ちょっとなァ……」ハァ

青髪ピアス「あれ? ボクぁ無視ですかぁ?」

上条「(昨日は一方通行の家に行ったのか)」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:50:19.67 ID:vMLLa4U30
投下終了。 明後日が私立の入試なんで明日は投下できません。
おやすみなさいー

195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 23:34:21.71 ID:3dzEhFnyo

頑張ってこいよ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 23:56:03.90 ID:LqP4jqBAO
乙だにゃー
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 00:27:14.04 ID:7AJi7HYz0
一方通行「無視すンなやゴラァァァ!」 フィアンマ「なんだセクハラか」

にみえた
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 03:48:33.05 ID:pWwcMhCb0
>>197
むしろそれでもいい
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 00:26:39.52 ID:hac9OvkAO
そろそろかなー
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 16:38:02.09 ID:x28ziA9C0
1です
入試近いので投下できなくなると思い、一応生存報告を。

天使同盟スレやべぇww 一方通行とフィアンマの絡み見てぇぇえぇええええwwww


200レスいきました 応援ありがとうございます
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/01(火) 15:28:00.13 ID:QwmRQ+kW0
入試がんばれ
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 21:22:36.72 ID:GKo+5sFWo
>>1うかれ
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 16:21:11.75 ID:h4IEvFrAO
1大丈夫かな
ずっとずっとずっと待ってるよ!
204 :e :2011/03/21(月) 09:09:03.83 ID:cOs/lGgq0
がんばへ
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄) :2011/03/28(月) 01:38:01.54 ID:7ESSiNlAO
待ってます支援
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄) [sage]:2011/04/21(木) 18:22:35.80 ID:JS1CYeyAO
まだまだ待ってる
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄) [sage]:2011/04/30(土) 07:10:29.89 ID:+arey3dAO
ずっとずっと待ってる
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