このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

一方通行「お前は世界にたった一人しかいねェだろォが!!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/09(日) 22:00:38.99 ID:EY4SSyqj0
前スレ
一方・上条「可愛かったなァ」 一方・上条「あれ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288185147/

このSSはいつの間にか一方通行×妹達が好きなり
じゃぁ、以前から好きな上琴もやっちまおうぜっていう>>1の妄想を垂れ流すスレだよ

・現在二部・夏休み編の途中だァ、詳しくは前スレを読ンでくれよなァ
・このスレはカップリング要素があるから気をつけろよな!
・SS初挑戦だから色々気になるかもしれないけど気にしないでね、ビリビリ!
>>1は欠陥通行の同志を求めているらしいです、とミサカは勧誘をしてみます

上記の事を読んで仕方ねェから読ンでやンよって人はみてくれると嬉しいな!
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 :前スレの途中からだから気をつけてね! [sage]:2011/01/09(日) 22:02:41.69 ID:EY4SSyqj0
「…………」ヒクッ


上条「はぁ、はぁ……はっ……」


上条「あーーー………つっかれた」ペタン


インデックス「とうま」


上条「インデックス」


インデックス「…………」ニッ


上条「はは………いやぁ、お互い無事でなによ『ガブ』――――」


インデックス「……………」ガジガジガジ


上条「――――――ぎ」ドクドクドク


上条「ぎぁああああああああああああああああああああああ!!?」
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:03:49.05 ID:nLsoTsBv0
>>1乙!
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:04:03.06 ID:EY4SSyqj0
上条「てめぇ!このバカシスター!!なに噛み付いてんだよ!」ドクドク


インデックス「馬鹿はそっちの方なんだよ!」ガジガジガジ


インデックス「無事!?とうまは死ぬかもしれなかったのに!」


インデックス「これが噛み付いていられずになにをしろっていうの!」ガジガジガジ!


上条「分かった分かった!!だからその肉食獣バリの噛み付きはやめろって!!」


インデックス「誰が肉食獣!!?」ガブゥゥゥ!!


上条「んぎゃあああああああああああああああ!!?」


上条「ごめんなさい、すみません、おゆるしください!だからやめ「心配したんだよ!」―――?」


インデックス「とうまのことが心配で、交渉したんだもん!」


インデックス「だから少しくらい、感謝してくれてもいいかも!」


インデックス「もう私のせいで誰かが死んでなんか欲しくなかったんだから………」


上条「…………あー……」


上条「………………」


上条「ありがとな」
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:05:58.67 ID:EY4SSyqj0
インデックス「む!よろしい!」


上条「さってと」


「………………」


上条「こいつはどうすっかねぇ?警備員か風紀委員にでも突き出すか」


インデックス「その必要はないんだよ」


上条「………?」


インデックス「この人が私の居場所を突き止めたって事は、もうじき私の友達もくるはずなんだよ」


上条「なるほど……それもそうか、しかもこれだけの騒ぎだもんな、人が集まってもいいしな」


上条「………あれ?」


インデックス「どうしたの?」


上条「いや、なんでもねぇ………」


上条「(もう六時過ぎで、寮に帰ってくる奴もいるはずだ……なのに)」


上条「(どうして、寮に人が集まってきてないんだ?)」


上条「……………」


インデックス「とうま?」


上条「あっ……悪い……考え事してた」
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:06:41.47 ID:EY4SSyqj0
上条「まぁ、とりあえずこいつをロープかなんかで縛っちまうか」


インデックス「そうだね」チラッ


「…………」


インデックス「………」ジッ


上条「んー、部屋にロープなんてあったけなぁ?」


「………」ピクッ


インデックス「―――――っ!」


インデックス「とうま!」


上条「ん?どうし」


プシュゥゥゥゥゥゥウウウウ!!


上条「うわっ!なんだ!?」
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:07:40.09 ID:EY4SSyqj0
インデックス「ケホッ!ケホッ!!」


上条「くそっ!魔術か!?」ブン!


スカッ


上条「(右手が反応しない!?)魔術師のくせに科学兵器かよ!」


インデックス「とうま〜〜!どこー!!」


上条「(魔術師はどこ行きやがった!?)インデックス、そこから動くなよ!」


インデックス「う、うん、分かった!」
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:08:23.18 ID:EY4SSyqj0
―――――――――煙幕範囲外の通路


上条「よしっ……無事だな……魔術師は―――」


インデックス「とうま!あそこっ!」


「――――――――」タッタッタ←寮の入り口付近を走っている


上条「アイツ、どうやって……ここ何階だと思ってんだ!?」


インデックス「……………」キョロキョロ


上条「今から追いかけても間に合わねぇ……いや、急いで追いかければ」


インデックス「…………!」ピクッ!


上条「インデックス!俺はアイツを追いかけるから部屋で待ってろ」


インデックス「大丈夫だよ、とうま」


上条「………えっ?」


インデックス「…………あの人、もう」


インデックス「死んじゃうから」


上条「なに、言って……」
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/09(日) 22:09:32.22 ID:EY4SSyqj0





「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!!」





上条「―――――――!!」


上条「なん―――――」


上条「――――だ?」
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:10:10.00 ID:EY4SSyqj0
ゴォォォォォォォォォォォ!!!!!


「うあぅ!あつい!!!あつい!!あつっ!!あ゛づ、い゛」


上条「…………アイツ、燃え……て?」


インデックス「……………」ギリッ


「あ゛あ゛あ゙あ゙あ゙あ゛あ゙あ゛あ゛!!あ……あぁ……ぁ」ジュッ


上条「なんで、なんで火柱なんかが……」


インデックス「……………」


上条「一体……誰がこんなこと!」
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:11:08.54 ID:EY4SSyqj0










「聞くまでもないんじゃないかな?」









12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:12:15.09 ID:EY4SSyqj0
上条「―――――――ッッ!!」


「何もない空間から火を作り出すなんて芸当ができるのはこの街の能力者か」


「僕のような魔術師だけだと思うけど?」

               ルーン
インデックス「人払いの刻印≠刻んだのもやっぱり、アナタだったんだね」


インデックス「ステイル」
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:13:03.39 ID:EY4SSyqj0
上条「ステイル……?」


ステイル「ん、インデックスから聞いていないのかい?」


ステイル「僕はステイル=マグヌス、インデックスの保護「友達だよ!」……」


インデックス「とうま、この子が私と一緒にここ≠ノ来た友達の一人だよ」


上条「あぁ……そうか、なるほど……って」


上条「そうじゃねぇ!!」
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:13:36.77 ID:EY4SSyqj0
ステイル「………なんだい?」


上条「さっきの氷の魔術師を焼死させたのはお前なんだよな……!」


ステイル「そうだけど、それがなにか?」


上条「どうして殺したんだよ!もうアイツには闘う意志は無かったじゃねぇか!」


インデックス「それは………」


ステイル「………」


ステイル「…………悪いのかい?」


上条「なんだと!?」


ステイル「僕はただインデックスに飛び掛る火の粉を振り払っただけ」


ステイル「護衛対象を守らない護衛になんの意味があると思っているんだい?」
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:14:17.59 ID:EY4SSyqj0
上条「てめぇ……!!」


インデックス「とうま待って!!」


上条「インデックス?」


インデックス「確かに、命を奪ったのは悪い事だよ……でも」


インデックス「あのままあの人を逃がしていたら、とうまだって危険な目に合う所だったんだよ」


上条「……どういうことだよ」


インデックス「私を追っている組織は魔術結社っていうのは知ってるよね」


インデックス「つまり、今回私を狙ったのは一人だけじゃないって事……」


インデックス「そんな状況で、一人でも敵を逃してしまったらどうなると思う?」
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:14:54.86 ID:EY4SSyqj0
上条「……………」


ステイル「当然、インデックスとそれを守ったキミがターゲットになるわけだ」


ステイル「……残念だが僕たち魔術師の世界は表の犯罪者の処置より残酷なものなんだよ」


上条「――――くっ」


ステイル「安心しなよ、あの男はキミが殺したわけじゃないし」


ステイル「魔術師にとって殺し合いは日常茶飯事だからね……死んで当たり前」


上条「………それでも」


ステイル「ん?」


上条「それでも俺は、アイツを殺していいなんて思わない!」
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:15:46.74 ID:EY4SSyqj0
インデックス「とうま………」


ステイル「…………」


ステイル「…………ふん、類は友を呼ぶと言ったところかな」


上条「なに?」


ステイル「インデックス」


インデックス「何かな?」


ステイル「彼の部屋に戻っていてくれないか?僕は彼に話があるからね」


インデックス「………乱暴しない?」


ステイル「僕はそんなに信用がないかな?」


インデックス「そんなことはないけど……うん、大人しくしてる」


ステイル「そうしてくれ」
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:16:17.60 ID:EY4SSyqj0
ステイル「………さて、と」


上条「……話って何だよ」


ステイル「あぁ、あまり長い話じゃないからそんなに身構えなくてもいい」


ステイル「ただ、僕のことについて話しておこうと思ってね」


上条「けっ!お前のことなんて知ってどうしろってんだよ」


ステイル「………インデックスの事も含めてね」


上条「!」
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:17:03.47 ID:EY4SSyqj0
ステイル「聞く気になったみたいだね」


ステイル「知っての通り、あの子は魔術師に追われる立場でね」


ステイル「今回の学園都市に来たのも執拗にあの子を狙う魔術結社からあの子を引き離すためなんだよ」


ステイル「観光という事にしているけどね」


上条「待てよ」


ステイル「なんだい?」


上条「アイツが魔術師に狙われてるって言う事は今回の事で身をもって知った」


上条「だけど分からねぇんだよ」


ステイル「………なにが?」
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/09(日) 22:17:56.23 ID:EY4SSyqj0
上条「アイツの頭の中にあるって言う魔導書の事だよ!」


上条「十万三千冊の本なんて一体どこにあるってんだ!?頭って言われても分からねぇよ!」


ステイル「………まぁ、事情を知らない人間からしたらそうだろうね」


ステイル「………………」


ステイル「キミは完全記憶能力≠ニいう言葉は知ってるかな?」


上条「あ……あぁ、一応開発の授業で習いはしたけど――――!!!」
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:18:48.94 ID:EY4SSyqj0
ステイル「理解したかい?そうだよ、あの子はその完全記憶能力者なんだ」


上条「……それって、見たもの聞いたものは絶対に忘れないっていう、やつだろ?」


上条「瞬間記憶、写真記憶……それと同じものをアイツは持ってるってのか?」


ステイル「そうさ、だからあの子の頭の中には魔導書の知識が詰まっているんだ」


ステイル「それこそ……パンクしてしまうんじゃないかって言うほどね」


上条「……パンク?」


ステイル「………」
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:19:27.51 ID:EY4SSyqj0
ステイル「話を戻そう」


ステイル「あの子については理解してもらえただろうから……次は僕らの事だ」


上条「魔術師、だよな?」


ステイル「あぁ、そうだよ」


ステイル「僕と……後一人神裂火織という女性があの子の保護者としている」


上条「インデックスは友達って言ってたけどな」


ステイル「…………キミがそう思うならそう思っていてくれていい」


上条「あと、インデックスに聞いた奴とアンタは風貌が違うな……」


上条「俺が聞いたのは長髪で黒髪ポニーテールの長身の女だったけど?」
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:20:08.38 ID:EY4SSyqj0
ステイル「神裂の特徴と一致しているね……同性から見れば彼女は背が高いし」


ステイル「多分、魔術師に襲われた際に神裂を護衛としてつけたからじゃないかな?」


上条「お前は護衛としてつかなかったのかよ?」


ステイル「神裂は、イギリスの魔術師の中でもトップクラスの実力者でね」


ステイル「僕が護衛につくより確実に守ってもらえると思ったんだ」


ステイル「そして僕は敵に応戦した」


上条「なるほどね……その実力者さんがどうしてインデックスを守りきれなかったんだ?」


ステイル「守りきれなかったんじゃない、わざと落としたんだよ」
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:20:51.72 ID:EY4SSyqj0
上条「………?」


ステイル「歩く教会≠の子の絶対防御の霊装……その特徴を使ってね」


ステイル「あの子をわざと落として場所を特定させないようにしたんだ」


ステイル「戦闘中ともなれば、あの子を捜し出すのは苦労するはずだからね」


上条「ふぅん……それで魔術師が逃げて、あんた等と敵がインデックスを捜し始めたわけか」


ステイル「落としたのは良かったんだけど、捜すのがつらくてね……」


ステイル「途中で霊装の反応は消えるし、この街は訳の分からない構造だし」


ステイル「……見つけたときは多少驚いたよ、一般人と魔術師が闘っていたからね」
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:21:19.69 ID:EY4SSyqj0
上条「てめぇ……まさかずっと前から見てたのか?」


ステイル「あの子のことをしる人間は少ない方がいいからね」


ステイル「あわよくば、相打ちになってくれれば良かったんだけど……」


ステイル「キミが勝ってしまうからね……いやぁ、参った参った」


上条「………てめぇとは仲良くなれそうにねぇな」


ステイル「僕もキミと馴れ合うつもりはないけど?」


上条「上ー等だ」ニコッ……


ステイル「ふん」フッ
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:22:25.12 ID:EY4SSyqj0
上条「そういえば、どうして俺にこうやって説明するんだ?」


上条「インデックスの事を知ってる人間は少ない方がいいんじゃないのか?」


ステイル「別に」


ステイル「『結果として』キミはあの子の恩人になってしまった、お節介にもね」


ステイル「ただその借りをチャラにしようと思っただけさ」
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:23:02.41 ID:EY4SSyqj0
上条「……………」ジトー


ステイル「なんだ、その目は」


上条「……インデックス関連には素直なんだな」


ステイル「…………」


上条「ま、別にいいけどな」


上条「そうだ、これからお前らどうするんだ?ホテルでも借りるのか?」


ステイル「……あぁ、その事について説明してなかったね」





ステイル「しばらくの間、世話になるよ」





上条「えっ?」
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:23:43.02 ID:EY4SSyqj0
ステイル「実は僕らの組織のお偉いさんに頼まれてね」


ステイル「最低『後一月』はここに滞在してくれといわれたんだ」


上条「ほわい?」


ステイル「だけど僕らもそんなに金があるわけじゃなくてねぇ」


ステイル「下宿先を探してたんだよ」ハハハ


上条「…………」


ステイル「というわけで………」


ガチャッ


上条「……?」
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:24:37.52 ID:EY4SSyqj0
インデックス「話は聞こえてたんだよ……ステイル」


ステイル「インデックス……」


インデックス「確かに、とうまは魔術師との戦いに巻き込まれた……」


インデックス「でも、とうまの家に住み込むのは……」


上条「インデックス……おま「ナイスアイデアなんだよ!」……え?」


インデックス「これから先魔術師との戦いがまたあるかもしれない」


インデックス「その時に私とステイル、そしてかおりがいれば百人力なんだよ!」


上条「えっ?待って?あと一人増えるの?ちょっま……上条さんの部屋そんなに広くない」


ステイル「よく分かっているじゃないかインデックス、じゃぁキミからもいわないと」ニヤリ


インデックス「ふっ……そうかも」


インデックス「と、いうわけで……」
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:25:26.22 ID:EY4SSyqj0










インデックス・ステイル「よろしく(なんだよ!)たのむよ」










上条「不幸だあああああああああああああああ!!」









31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:26:28.35 ID:EY4SSyqj0
上条「待て待て待て待て!!ふざっけんな!!」


インデックス「なにか問題があるのかな?」


上条「大有りだっつーの!居候三人抱えるって食費が三倍じゃすまねぇよ!」


上条「上条さん首つるのはごめんだぞ!?」


ステイル「安心したまえ、少しくらい援助はしてやるよ」


上条「そういう問題じゃねぇーんだよ!」


上条「それに、これから先、またインデックスが狙われた時どーすんだ!?」


上条「これ以上アイツが襲われないように隠れればいいだろぉが!!」


ステイル「………それについてだが」


ステイル「すでに手は打ってあるよ」


上条「………えっ?」
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:28:02.83 ID:EY4SSyqj0
ステイル「だからキミは何も考えず、グータラと過ごしてくれればいい」


ステイル「……問題は他にあるのだから」


上条「……??」チョイチョイ


上条「……ん?どうした?」


インデックス「とうまとうま!お腹空いたんだよ!」
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:28:35.00 ID:EY4SSyqj0
ステイル「(…………もって、後一月程度、か)」


上条「なにぃ!?じゃぁ飯を……じゃねぇ!何もう世話になる気に満々なんだよ!」


ステイル「(それまでの間……あの子には少しだけ夢をみさせて)」


インデックス「えー!いいんじゃん!私がとうまを守ってあげるだから!」


上条「それが守ってもらった人の態度!?」


ステイル「(異国の地で友人と思い出≠作ってあげなければ)」


インデックス「むぅ!とうま!私だって頑張ったんだから!もう!」ガブゥ!


上条「あだだだだだだ!!?分かった分かりました!お食事を作らせていただきますー!」
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:29:45.00 ID:EY4SSyqj0









                    ゲンソウ
ステイル「(たとえソレがひと時の夢≠ナあったとしても)」









35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:30:35.70 ID:EY4SSyqj0
――――――――とある場所


男性「……定時の連絡が途絶えてはや数時間」


女性の声『もしやイギリス精教の手のものにやられたのでは……』


男性「やもしれぬ……だが、こちらに駒はまだある」


女性の声『そうですね、では次は今回の二倍の人数で禁書目録を追いましょう』


男性「うむ………それがいい、こうなれば人海戦術だ」


男性「網に捉えて、引き上げねばな……」


女性の声『では、通信霊装で呼びかけを……』


女性の声『…………?』
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:31:17.98 ID:EY4SSyqj0
男性「どうした?」


女性の声『い、いえ……どの霊装に通信を送っても返事が……』


男性「何?それは一体………?」


女性の声『わ、わかりません……いえ、これは……?』


男性「なにか分かったか?」


女性の声『た、大変です!我が魔術結社の人員が全―――――』ブツッ


男性「おい!?どうした、敵か!?返事を「アナタが最後の一人ですね」……」


男性「!!!!?」ゾクッ
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:31:56.98 ID:EY4SSyqj0
黒髪の女性「……初めまして、といったところでしょうか?」


男性「……き、貴様」


男性「聖人、神裂火織!?」


神裂「おや、私も有名になったものですね……」


神裂「しかし、私を知っているのなら話は早いでしょう……」


神裂「早急にインデックスから手を引きなさい」
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:32:43.02 ID:EY4SSyqj0
男性「ぐっ……、そ、そんな要求をこちらが受けるとでも?」


神裂「こんな穴倉のような場所で一人のアナタになにかできるのですか?」


男性「ふ、ふん……私とて魔術師の一人、霊装さえあれば……」ィン....


神裂「―――――……」


男性「聖人とて倒す事は――――」


スパッ!!


男性「………あ?」


ボトッ……


神裂「………なにか、言いましたか?」
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:33:52.23 ID:EY4SSyqj0
ブシャアアアアア―――――――!


男性「ぎゃああああああああ!!う、腕が!!腕がああああああ!!」


神裂「―――――申し訳ありません、こちらも仕事ですので」


神裂「あの子を守るのであれば、手段は選んでいられないのです」


男性「う、ぐ……ぅぅ……こ、[ピーーー]のか……?」


神裂「……誰も殺してはいませんよ」


男性「な、に……?」


神裂「アナタもこれ以上抵抗しなければ、命までは取りません」


男性「信じられると?」


神裂「信じる信じないはアナタの自由です」


神裂「ですが………」


神裂「お願いです、私にこれ以上魔法名を名乗らせないで下さい」
40 :ぐふっ、sagaをいれる癖がまだついていない、だと? [sage saga]:2011/01/09(日) 22:35:59.50 ID:EY4SSyqj0
男性「………無理、だな」


神裂「そうですか、では」スッ


神裂「―――――さようなら」ヒュッ












神裂「……………はい」


神裂「……………私です」


神裂「魔術結社『氷結の審判』全団員の掃討を完了しました」


神裂「はい、抵抗した者も『含めて』死者はゼロです」
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/09(日) 22:37:18.13 ID:EY4SSyqj0
神裂「…………甘いのは分かっています」


神裂「―――――しかし、あの子に罪を背負うことなどして欲しくないんです」


神裂「それより、団員の捕縛をお願いしたいのですが……もう向かっている?」


神裂「仕事が速くて助かります、では……」


神裂「…………これで暫くはあの子を狙う者はでてこないでしょう」


神裂「後一ヶ月、それまでは平穏に………」
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/09(日) 22:39:49.24 ID:EY4SSyqj0
とりあえず、今日はここまで。
えっ?一通さン?まァもう少し待ってくださいよ。
明日も来ようと思ってるんで、多分明日も更新しますよ!

では、新スレでもよろしくお願いします!
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:52:13.69 ID:q4+rrX1Jo


あっちあげちゃったけど良かったか?
ダメだったなら謝りますん
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 23:12:19.01 ID:76X6DJIYo
乙!
しかし、御坂さんが絡める気がしねぇw
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 23:53:40.82 ID:Xa9dP6r30
あの部屋に4人とか無理だろ
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 00:05:27.53 ID:/SjmS2cAO
土御門の方行けよwww
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 02:17:46.23 ID:KEXOfoAF0
やっと追いついた
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 02:33:48.98 ID:Atx9VwrA0
そげぶの生存フラグが・・・消滅しただと・・
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 06:30:14.51 ID:LL++HWFv0
美琴マダー?
50 :1です :2011/01/10(月) 19:30:51.66 ID:iZ3OVlMZ0
家族が見ていない間に投下。
なのでちょっと早いけどはーじめーるよー
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:32:24.16 ID:iZ3OVlMZ0
―――――――ミサカの部屋


ミサカ「〜〜〜〜〜〜♪」スリスリ


ミサカ「〜〜〜〜〜〜〜〜♪」ニマニマ


芳川「随分上機嫌ね」クスクス


ミサカ「はい、この子が手に入ったのでミサカの機嫌は右肩上がりです」


芳川「そう(このカエルのぬいぐるみ、可愛いのかしら?)」


ミサカ「……しかし、この子だけでは可哀想ですとミサカはゲコ太を哀れみます」


ミサカ「この子だけでなく仲間を更に増やしてあげたいところです」


芳川「…………(いつか部屋の中がカエルだらけになるのかしら)」
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:33:19.60 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「むぅ……芳川博士」


芳川「なに?」


ミサカ「クレーンゲームは得意ですか?とミサカは問いかけます」


芳川「……クレーンゲームで取ってきたのだったわね」


芳川「残念だけど、私はその手のゲームはやった事がないわ」


ミサカ「そうですか……とミサカはしょんぼりしてみます、しょんぼり」


芳川「一方通行ではダメなの?」


ミサカ「彼は今日だけだ、といっていました」


芳川「アナタが頼めばとってくれると思うけど……」


ミサカ「いえ、今日だけでも無理を言ってしまったので、これからは自重しようと思います」


芳川「そう……じゃぁ仕方ないわね……」


芳川「そういえば、今日は一方通行が食事を作ってくれるって言ってたけど」


芳川「アナタは見ていなくていいの?」


ミサカ「い、いえ……勉強の為にも見ておこうと思ったのですがとミサカは口ごもります」


芳川「?」
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:33:47.22 ID:iZ3OVlMZ0
――――――――数分前


一方通行「……………」グツグツ


ミサカ「…………」ジーッ


木原「…………」ニヤニヤ


一方通行「オイ」


ミサカ「はい?とミサカは鍋から目を離さずに返事します」


一方通行「ンな目の前で見られると集中できねェよ、離れろ」


一方通行「あと、そのゲコ吉か?そいつを鍋に寄せるな、汚れンぞ」
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:34:35.85 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「ゲ コ 太 ですとミサカは訂正します」


ミサカ「この子も一方通行の作るカレーが楽しみなので見せてあげています」


一方通行「いや、知らン、邪魔だ」


ミサカ「………むぅ」


一方通行「たくっ………」


ミサカ「…………」
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:35:30.28 ID:iZ3OVlMZ0
木原「………」ニヤニヤ


一方通行「……ニヤニヤして見てンじゃねェよ、変態親父がァ」


木原「べっつにぃ?うちの息子が愛しの彼女を連れ込んでるってのが珍しいだけよ」


ミサカ「!!」


一方通行「あァ?なにふざけた事抜かしてやがる」


一方通行「いつの間にか電化製品を仕入れたところまでは感謝してやってたが……」


一方通行「そンな挑発はちィとカチンときちまったなァ、オイ……」カチッ


木原「オイオイ、俺に構ってていいのかぁ?」


一方通行「どォいう意――――「ふにゃ……」―――!!」
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:36:51.58 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「か、かの……かの……ふ……ふ」


一方通行「ミ、ミサカさァン!?ゲコ太!ゲコ太が呼ンでるぜェ!」


ミサカ「……ゲ、ゲコ……太?ゲコ太!」ハッ


一方通行『ミ、ミサカちゃン、飯ができるまで芳川とお話ししてきなァ』(裏声)


ミサカ「それはいい考えですね、とミサカはゲコ太に同意します」


一方通行「おォ、ゲコ太はいい事いうじゃねェか、そうしとけェ」


ミサカ「あ……で、ですが、せっかく作っているのに……」


一方通行「できてからのお楽しみって言葉があンだろォ?ソレと同じさ」


一方通行「てめェはてめェで隠れてお勉強するンだな」


ミサカ「!!」
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:37:49.32 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「目から鱗が落ちました、とミサカは一方通行に尊敬のまなざしを向けます」


一方通行「ハッ!そォだろ?じゃァ、部屋に戻ってろよ、できたら呼ぶかンな」


ミサカ「なるほど……お楽しみ……」ブツブツ


ガチャ、バタン


一方通行「……………」ヤレヤレ


木原「ミサカちゃン、だってよ!!ギャハハハハ!!」


一方通行「…………」


一方通行「コロス!!」
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:39:05.06 ID:iZ3OVlMZ0
――――――――


ミサカ「というわけで、追い出されてしまったのですとミサカは懇切丁寧に説明します」


芳川「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」バンバン!


ミサカ「と聞いていますか?」


芳川「あ、一方通行が、一方通行が!!ゲコ太の物まね!」アハハハ


ミサカ「………?ゲコ太がどうかしましたか?」


芳川「えっ?あぁ、な、なんでもないわ、ぷっ!クックッ……」


芳川「そ、それにしても遅いわね、いつまでかかってるのかしら?」


ミサカ「恐らく、もう少しでできると思うのですが……」


ピンポーン


ミサカ「!」


芳川「着たみたいね……どうぞ、入ってらっしゃいな」ウププ
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:40:25.29 ID:iZ3OVlMZ0
ガチャ


一方通行「よォ、遅くなって悪かったな」ボロボロ


ミサカ「いえ何の問題もありません……どうしてそんなに生傷があるのですか?」


一方通行「ゴミ掃除をしてた」


ミサカ「……?」


一方通行「掃除してたら部屋が汚れちまったから、こっちで食う事にしたンだが、いいか?」


ミサカ「それについても問題はありませんが……木原博士は……」


一方通行「今日も飲みに行くっつって出て行った」


ミサカ「そうですか……せっかくなので木原博士も食べればよかったのでは」


ミサカ「とミサカは人数が減った事に落胆します」


一方通行「いいンだよ、二日酔いの癖に飲みにいくよォなダメ親父だしな」


芳川「………博士、ご愁傷様」
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:42:26.46 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「いただきます、とミサカは食事の挨拶をします」


芳川「いただきます」


一方通行「…………ふン」カチャ


ミサカ「一方通行、食事の挨拶はした方が良いですよとミサカは提案します」


一方通行「俺が作ったンだ、細かい事言うなよ」


芳川「いいじゃないの、それとも恥ずかしいの?」


一方通行「めンどくせェだけだっての……」
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:43:31.72 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「………」ジッ


一方通行「なンだよ、早く食え」


ミサカ「食事は多いほうが美味しく感じるらしいですよとミサカは精神論を述べてみます」


一方通行「俺に何望ンでンだよ」


ミサカ「これからこの人数で食べる事はないかもしれませんし」


一方通行「………」


ミサカ「ミサカは、アナタと一緒に食べたいと思っていますとミサカは自身の希望を打ち明けます」


一方通行「………」


芳川「どうするの?アナタがいただきます≠しないとこの子は食べないみたいだけど」


芳川「アナタと一緒がいいといっている女の子のお願いを無碍にする気かしら?」
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:44:25.70 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「…………」ジッ


一方通行「……ちっ!」カチャ


一方通行「…………いただきますゥ」


ミサカ「!」パァァ


一方通行「な、なンだよ……俺はお前のお望み通りしてやっただろォが」


ミサカ「いえ、とミサカは嬉しさを隠しながら食事を開始します」ニヤニヤ


一方通行「………隠せてねェよ」ボソッ


芳川「ふふ……」ニコニコ
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:45:33.82 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「…………」カチャカチャ


一方通行「……………」カチャカチャ


芳川「………」カチャカチャ


ミサカ「一方通行」


一方通行「ンだよ」


ミサカ「これが、家族の食事、というものなんでしょうか」


一方通行「………家族の食事?」


ミサカ「はい、一般的な家庭は身内で集まって楽しく食事をすると聞いています」


ミサカ「今のミサカ達はそれに該当するのでしょうか?とミサカは首を傾げて尋ねます」


一方通行「どォだかな、そもそも俺とお前に血は繋がってねェし」


一方通行「楽しくお食事っつーのがどンなもンか知らねェが、黙って食うってのは違うンじゃねェか?」
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:46:21.61 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「……なるほど、一方通行は楽しくないという事ですか?」


一方通行「あァ?誰がンな事言った、俺はつまらねェとは一言も言ってねェよ」


芳川「けれど、アナタの言った言葉からするとそういうことになるわね」


一方通行「はァ?……だからンな事言ってねェよ」


ミサカ「……………」


一方通行「………ミサカ?」
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:47:46.01 ID:iZ3OVlMZ0
――――――――


ミサカ「今日は食事まで作っていただきありがとうございました」ペコリ


一方通行「気にすンな、俺が作りたいから作っただけだ」


ミサカ「はい………」


一方通行「何か言いたそォだな」


ミサカ「そんなことはありませんよ、とミサカは否定します」


一方通行「ボケ、お見通しだっつーの……言ってみろよ」


ミサカ「……で、ですが、きっとアナタは機嫌を悪くしてしまいます」


一方通行「いつからてめェは俺のご機嫌を伺わなきゃいけなくなったンだよ」


一方通行「………隠し事なンざして欲しくねェンだよ、俺は」


ミサカ「…………」


ミサカ「………あの」


ミサカ「一方通行は今日の食事は美味しかったですか?とミサカは問いかけます」
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:49:46.34 ID:iZ3OVlMZ0
一方通行「楽しかったかの次は美味しかったか……」


一方通行「………お前はどォなンだよ」


ミサカ「ミサカは前回も食べたので、それについては評価は同じです……ただ」


一方通行「ただ?」


ミサカ「ミサカは、今日の食事がとても暖かかったです」


一方通行「暖かかったァ?ンなもン作りたてだから当たり前だろォが」


ミサカ「そうではないのです」


ミサカ「ミサカも初めはそうだと思ったのですが……何かが違ったのです」


一方通行「………」


ミサカ「七月前に食べたものとの違いを考えたのですが……」


ミサカ「一つはっきりした事がありました」


一方通行「………言ってみろ」


ミサカ「ミサカが一人で食事をしていなかったという事です」
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:52:13.75 ID:iZ3OVlMZ0
一方通行「オイオイ、なンだそりゃ?この前のときも俺はいただろォが」


ミサカ「そうですねとミサカはあっさりと肯定します」


一方通行「分かってるなら……」


ミサカ「ですが、あの時アナタは」


ミサカ「食事の際に『あいさつ』をしていませんでした」


一方通行「それがどォしたってンだ」


ミサカ「アナタが挨拶をしてくれた時、ミサカの体がとても暖かくなりました」


ミサカ「それ以前に、芳川博士の挨拶を聞いたときもです」


ミサカ「研究所にいたときのようにミサカは一人で食事をしているわけではないと感じました」


ミサカ「そして、それがとても嬉しかったのですとミサカはミサカの心理状況を吐露します」


一方通行「そりゃ、結構な事じゃねェか悪い気はしねェ」


ミサカ「ミサカもそう思いますとミサカは同意します」
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:53:01.77 ID:iZ3OVlMZ0
一方通行「………だから家族の食事がどうのこうの言い出したわけか?」


ミサカ「……はい、とミサカは頷きます」


ミサカ「ミサカにとって家族というものはピンボケしたような……」


ミサカ「もやのようなイメージしかありませんでした」


ミサカ「ですが、今日はそれがはっきりとした輪郭を持って見えた気がしたのです」


一方通行「………そォか」


ミサカ「ミサカがなぜこのようなことを思案したかは分かりません」


一方通行「………」


ミサカ「もしかしたら、ミサカはどこかで家族というものを求めているのかもしれませんね」
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:54:52.51 ID:iZ3OVlMZ0
一方通行「………」


ミサカ「しかし、クローンであるミサカには手に入らないものです」

      オリジナル
ミサカ「お姉様≠ノもそしてお姉様と血の繋がった人たちと会う事も許されていない」


ミサカ「仕方のない事です、とミサカは諦めま「ンな事ねェよ」……え?」
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:55:22.88 ID:iZ3OVlMZ0










ギュッ










ミサカ「―――――――!!?」
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 19:57:53.59 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「ア、アク、一方通行?」ワタワタ


一方通行「言っただろォが……悪くはねェってな」


一方通行「俺だって、初めてなンだよ」


ミサカ「な、なにがですか?」カァァ


一方通行「……ガキの頃に描いたような馬鹿みたいに平和な食事なンざな」


ミサカ「…………」


一方通行「お前に家族がいない、そりゃ仕方ねェ事だ……けどな」


一方通行「これから先もいねェなンて事もわかんねェだろ?」
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 20:00:03.52 ID:iZ3OVlMZ0
ミサカ「そう、ですか?」


一方通行「そうなンだよ」


一方通行「お前には芳川も、親父も、俺だっている」


一方通行「お前が家族が欲しいってンならな、俺がなってやる」


一方通行「お前を一人になンざさせねェ」


ミサカ「一方通行」


ミサカ「………………」


グイッ


一方通行「………ミサカ?」


ミサカ「おやすみなさいとミサカは礼儀正しく挨拶します」ペコリ


一方通行「…………ッ!」
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 20:01:11.00 ID:iZ3OVlMZ0
バタン


一方通行「………フラれましたってかァ?」


一方通行「俺は、本気だからな」


一方通行「お前を一人で死なすなンてこと絶対にしない」










木原「……あのクソガキ、普通の喧嘩も強くなってやがる」ケホケホ


木原「つかこれDVじゃね?お父さん悲しいわ〜」


木原「……………」チラッ


木原「(あんな雰囲気じゃ近寄れやしねぇ……)」


木原「(なんで俺がリア充に遠慮しなきゃなんねーんだよ……)」
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/10(月) 20:02:04.68 ID:iZ3OVlMZ0






ミサカ「…………」


ミサカ「ミサカには……あんな言葉をかけてもらう資格はありません」


ミサカ「…………いつか、殺しあう仲なのですから」


ミサカ「………ごめんなさい」
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 20:05:36.98 ID:iZ3OVlMZ0
今日はここまで、です。
いつもよりレス数は少ないですけど、一つの分を多めにしたので
長さはそんなに変わらないんじゃないかな?
後、二十日も終わったので区切りも良かった、というのもありますが。

では、短いですが、これくらいで。
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 20:07:02.69 ID:irf1r6NAO

木原くンマジ親バカかわいい
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 20:12:38.31 ID:iZ3OVlMZ0
レス返し。

>>43
乙ありがとうございます。
ageたのは気にしなくていいですよ〜

>>44
美琴はもう少しででる、はず!
というよりもインデックス来訪が終了したので自然と増えます、きっと。

>>45-46
細けぇこたぁ(ry
ちゃんと対策はたててありけるのよん

>>47
わざわざ、全部読んできた……だと?

>>48
後一月で答えは、でる!

>>49
多分、きっと、おそらく、もう少しです

>>76
木原くンの親馬鹿は一方通行です

レスありがとうございました!
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 03:15:16.36 ID:Djgpv7uUo
まさかの四人暮らしとか
上条さんサイドの展開が全く予想できん
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 05:39:43.01 ID:8nWv4C2Bo
まさかとは思ったが本当に木原と一戦交えたのか
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 19:47:57.09 ID:JDi0tk1Wo
こうやって木原神拳が完成されていくわけだ、これも愛のなせる業か…
81 :1でェっす :2011/01/13(木) 22:02:14.48 ID:XOIge4vf0
こんばんは、>>1です。
今日の投下始めたいと思います
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:03:06.83 ID:XOIge4vf0
――――――――七月二十五日


インデックス「むぐむぐ!むぐぐ」ガツガツ


ステイル「……この味噌汁、ちょっと味が薄いんじゃないかい?」


上条「…………」


インデックス「おかわり!!」


ステイル「後、昨日も言っただろう、コーンスープが飲みたいんだよ、僕は」


上条「…………」


インデックス「あれぇ?炊飯器にご飯がないんだよ、まだ三杯目なのに!」


ステイル「おい、聞いているのか上条当麻」


上条「うるせええええええええええええええええ!!」
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

83 :SS板ができてるらしいですね、移動した方がいいのかな? [sage saga]:2011/01/13(木) 22:05:46.46 ID:XOIge4vf0
インデックス「とうま、朝からうるさいんだよ」


ステイル「全く……日本の朝はもう少し静かだと聞いていたんだが?」


上条「お前らのせいだって分かってんのか!?」


上条「朝飯を作るのもてつだわねぇし?掃除も俺がやってる!」


上条「なのにお前らときたら、やれご飯が足りない、味が薄い?」


上条「上条さんを過労死させる気ですか!?」


ステイル「何言ってるんだ?そんなわけないだろ」


ステイル「僕はキミにアドバイスしているだけさ」


上条「アドバイスじゃなくて、文句だろ!」


インデックス「私は要求をしてるんだよ!」


上条「インデックスは黙ってなさい!」
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

84 :それとも、出来たばっかだから移動しない方がいいのか? [sage saga]:2011/01/13(木) 22:07:32.89 ID:XOIge4vf0
インデックス「むっ、ひどいんだよ!」


ステイル「オイ、上条当麻!インデックスを責めるな!」


ステイル「この子は育ち盛りなんだぞ!」


上条「いや、俺もなんだけど」


上条「って!もう補習いく時間じゃねぇか!?」


上条「ステイル、皿洗いぐらいしといてくれ!俺行ってくるから!」


ステイル「待て上条当麻!話はまだ終わってないぞ!」


上条「帰ってから聞いてやるから黙って皿洗いしてろ!!」
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:08:36.56 ID:XOIge4vf0
―――――――玄関前


上条「……はぁ(インデックスが居候して早五日……)」


上条「(未だに神裂とか言う女は現れず、平和な日が続いているが……)」


上条「(現在上条さん家はただ飯ぐらいの居候が占拠しております)」ヨヨヨ


上条「ステイルはまだ働いてくれるからいいんだけど、インデックスがなぁ……」ハァ


上条「かといってインデックスに何かさせると壊しそうだし……」ムゥ


上条「……そのせいか御坂にもあえてねぇしなぁ」ボソッ
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:09:22.73 ID:XOIge4vf0
上条「な、何言ってんだ俺!べ、別に会えないのはあいつ等のせいじゃねぇもんな!」


上条「は、はは……あ、宿題まだやってねぇや……」


上条「部屋じゃできそうに無いし、どこか外に行って済ませるかなぁ……」


「あ、おはようございます」


上条「ん?」


サッサ.......


上条「………へ?」


「今日は夏なのに涼しくて、過ごし易い日ですね」


サッサ......


上条「えっと……あの、どちらさまでせう?」


「あぁ!すみません、自己紹介がまだでしたね」
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:10:05.67 ID:XOIge4vf0










神裂「私、今日よりここの管理人になりました神裂火織といいます!」サッサ










上条「………え?」


神裂「アナタが上条当麻ですね、インデックスとステイルがお世話になっています」サッサ


上条「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!?」
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

88 :スレごと移動OK出来るらしいので、それのお願いをしました、多分新しい板に移動すると思います [sage saga]:2011/01/13(木) 22:16:58.10 ID:XOIge4vf0
上条「いや、ちょ、まて……お前が噂の神裂……か?」


神裂「そうですが、ステイルたちから殆ど聞かされていないのですか?」サッサ


上条「いや、いろいろ聞いてるけど……」


上条「なんか、イギリスでは五指に入るくらいの実力者とか」


上条「身の丈ほどの刀を軽々と振るうとか化け物じみた話を聞いてたんだけど……」


神裂「いえいえ、そんな……二人とも大げさですね」


神裂「私なんてまだまだ下っ端で……刀だって二メートルほどでステイルよりは小さいんですよ」


上条「(本当の意味で化け物でしたああああああああああああ!?)」
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:18:07.87 ID:XOIge4vf0
上条「(つーか、この女の服エロすぎねぇか?管理人のお姉さんってもっと清楚だろ)」ジロジロ


上条「(聞いてみようかな……)あ、あのさ、一ついいかな?」


神裂「はい、なんでしょうか?」


上条「そのファッションは狙ってやってんの?」


神裂「」ピシッ!


上条「(あれ?なんか割れた音が………)」


神裂「へ、変ですかね?」ヒクヒク


上条「変って言うか……そんな格好だと、若者たちの視線をひきつけすぎでは……」


神裂「若者?」ビキッ!!


上条「えっ?あぁ……だってこの街は学生ばっかだしさ、やっぱそういうの気になるんだよ」


上条「大人のそーいうエロイ格好」


神裂「」バキン!!
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

90 :真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
91 :移動したああああああ!!ビビッター! [sage saga]:2011/01/13(木) 22:19:43.16 ID:2D7oLVls0
神裂「……………」


上条「………あ、あれ?神裂さん?」


上条「えっと……あれ?聞いちゃダメな事だったりするのか?」


上条「そ、そうだよな!うん!そろそろ結婚とかしたい年だもんな!」


上条「今でも充分綺麗だけど、若く見せたいって気持「っせぇ!!」……へ?」


神裂「うっせぇんだよ!!ど素人が!!」


上条「」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:24:34.45 ID:2D7oLVls0
神裂「この格好は、魔術的な意味を持つ重要な着こなしです」


神裂「大人?若く見せたい?結婚したい年?」


神裂「私はまだ十八です!!まだまだ若いんですよ!!」


上条「え、そうにはみえ――――」ブン!!


神裂「……そうには?」


上条「(か、刀、いつの間に出したんですか?)い、いえ、どっからどうみても高校生ですね」


神裂「………よろしい」スチャ


上条「あ、ははは……(魔術師ってまともな人いないのかな?)」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:25:14.82 ID:2D7oLVls0
神裂「それはそうと、上条当麻、アナタはどこか行く途中だったのでは?」


上条「えっ?あぁっ!!補習があったんだった!!お、遅れる!!」


神裂「インデックスとステイルのいる部屋はどこでしょう?」


上条「人を急がせといてなんでソレ聞くんだよ!!あの部屋だよ!あれ!」ビシッ!


神裂「あぁ、あそこですか、ありがとうございます」


上条「これでいいか?じゃぁ俺は行くから!」ダダダダダダ


神裂「はい、行ってらっしゃい」


上条「(………くそ!また厄介なのが増えたな……いや、あの二人よりましか)」


上条「(いや、どっちにしろ不幸だ……)」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:26:05.86 ID:2D7oLVls0
―――――――同時刻一方通行の寮


ガチャ


一方通行「(……夏休みも五日目か)」


一方通行「(だが、その間アイツとの間でなにも起きてねェ……)」


一方通行「(焦っても仕方ねェことは分かってるが……)」


ガチャ


一方通行「ン?」


ミサカ「あ……」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:28:07.68 ID:2D7oLVls0
一方通行「よォ」


ミサカ「おはようございます、とミサカはすっかりおなじみになった挨拶をします」ペコリ


一方通行「学校もねェのにンな朝っぱらから出かけかァ?」


ミサカ「ミサカの日課の散歩です、とミサカは質問に返答します」


ミサカ「一方通行も散歩ですか?」


一方通行「俺がンな事する柄に見えンのかよ、コンビニ行くンだよ」


ミサカ「コンビニ……こんな朝からですか?」


一方通行「悪かったな、健康的じゃなくて」


ミサカ「いえ、そういうわけではありませんが……」


一方通行「(なンでコンビニ行くだけで不思議そうな顔されてンだ?)」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:29:05.21 ID:2D7oLVls0
一方通行「……そうだ、俺もお前の散歩に付き合ってもいいか?」


ミサカ「えっ?」


ミサカ「(数日前に突き放したというのに、どうして誘えるのですか?)」


ミサカ「(どうして、ミサカにこんなにも付き合ってくれるのでしょうか……)」


一方通行「おい、聞いてンのか?」


ミサカ「―――――!!あ、はい!」


一方通行「コンビニ行くついでにちょォどいいだろ?」


一方通行「……それとも邪魔か?」


ミサカ「い、いえ!是非ともご一緒させてくださいとミサカは懇願します」


ミサカ「(彼の好意にもう少しだけ、甘えさせてもらいましょう、もう少しだけ)」


一方通行「いや、俺がご一緒すンだけどな?」


<フコウダーーーーーーー


一方通行「あン?」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:32:27.62 ID:2D7oLVls0
上条「はぁはぁはぁ!!遅れるぅ!うちの居候+管理人のせいで補修に遅れる!」


ミサカ「……あれは、とミサカは数日前の記憶を掘り返します」


一方通行「……ちょっと待ってろ、表にでンなよ」


ミサカ「はぁ、分かりました」


上条「くそぅ!後十分で間に合うか?間にあわねぇよな……」


一方通行「オイ、上条ォ」


上条「……ん?その声、一方通行か?」


一方通行「五日ぶりかァ?なに急いでンだよ」


上条「補習だよ、補習……まぁもう間にあわねぇけどさ」


一方通行「ハッ!落ちこぼれは大変ですねェ!」


上条「いや!お前が来ないから補習の量が増えてんだよ!」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:33:18.79 ID:2D7oLVls0
一方通行「あァ?ンで俺のせいなンだよ」


上条「お前が来てれば補習は勝手にどんどん進むだろ?」


上条「俺は問題写してるだけでいいしさ……でもお前がいないから」


上条「デルタフォース状態で挑まなきゃいけないんだぞ!?」


一方通行「あァ、はいはい、三馬鹿トリオ乙ってかァ?」


上条「四馬鹿だ!!バカルテット……あれ?」


一方通行「どォした?」


上条「いや、今御坂がいるような気がして……」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:34:28.17 ID:2D7oLVls0
一方通行「ミサカァ?お前あいつの事知ってンのか?」


一方通行「(っかしーな……妹達の事は学生では俺しかしらねェはずだが)」


上条「え……?一方通行、御坂と仲いいのか!!」


一方通行「お……?おォ?まァ、そこそこってとこだな」


上条「そ、そうなのか……やっぱり、同じレベル5だもんな」ボソボソ


一方通行「……?」


上条「な、なぁ一方通行……御坂の携帯の番号とかって知ってるか?」


一方通行「ケータイィ?」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:35:03.40 ID:2D7oLVls0
一方通行「(アイツケータイもってンのか?そォいや俺も知らンな)」


一方通行「いや、知らねェな……つかケータイ持ってンのか?」


上条「そ、そっか……残念だ……」シュン


一方通行「……なにションボリしてっかしらねェけどよ、補習はいいのか?」


上条「あっ!忘れてた……引き止めて悪いな!じゃぁな一方通行」


一方通行「おォ、せいぜい留年になンねェよォにな」


上条「よけーなお世話だっつーの!!」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:36:47.98 ID:2D7oLVls0
――――――――――――――


カン、カン、カン


ミサカ「……彼は一方通行の友人ですか?とミサカは階段を下りながら問いかけます」


一方通行「………」


ミサカ「一方通行?」


一方通行「……あっ、オリジナルのほうか」


ミサカ「?」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:37:37.88 ID:2D7oLVls0
――――――――とあるコンビニ


<イラッシャーセー


ミサカ「これが、コンビニというものですか」キョロキョロ


一方通行「お前、一度も行ったことなかったのか?」


ミサカ「屋台程度しか行った事はありませんよ、後はスーパーです」


一方通行「ふゥン……まっ、今日の事はこれからも覚えておくといいぜェ」


一方通行「ちっと遠いスーパーいくよりゃ近いコンビニ利用したほォが楽だからな」


ミサカ「ふむ、これは○○○○二号と○○○○三号にも教えなければ」


ミサカ「とミサカは他個体より優位な情報を手にした事に優越感に浸ります」フンス


一方通行「………恥ずかしくねェのか?」


一方通行「(まっ、どォでもいいか)」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:41:23.53 ID:2D7oLVls0
一方通行「……………」ガタガタンガタ


ミサカ「………」


一方通行「………」ガタガタン


ミサカ「一方通行」


一方通行「ンだよ」


ミサカ「………なぜ、カゴの中が同じ銘柄のコーヒーばかりなのですか?」


一方通行「はまってンだよ、このコーヒー」


ミサカ「この前は違うコーヒーを飲んでいませんでしたか?とミサカは問いかけます」コレデシタヨネトユビサシマス


一方通行「そいつァ、もう飽きちまった」


ミサカ「………飽き性なんですね、とミサカは呆れます」ヤレヤレ


一方通行「悪かったなァ」ガタガタン
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:42:59.12 ID:2D7oLVls0
一方通行「それに、今日はこれからやンなきゃなンねェ事があンだよ、その為の水分補給だ」


ミサカ「やる事?何か重要な用事でもあるのですか?」


一方通行「これからの俺の死活問題でもあンなァ」


ミサカ「死活問題?とミサカは疑問符を並べて問いかけます」


一方通行「あァ、死活問題だ」


一方通行「……俺を支える一本の柱の新調さ」


ミサカ「……?」


一方通行「分からないってンならそれでいい……と、コーヒーはンなところでいいだろォ」


ミサカ「(カゴから溢れんばかりでやっと?)」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/13(木) 22:46:41.76 ID:2D7oLVls0
一方通行「まだ時間に余裕はあるし、散歩の続きでもすっかァ?」


ミサカ「いいんですか!?とミサカは目を輝かせます」キラキラ


一方通行「ン、おォ、俺でよけりゃァな」


ミサカ「ではすぐ行きましょう!とミサカは一方通行の腕をとりながら駆け出します」ガシッ


一方通行「ま、待てェ!会計が済んでねェっつーの!」


ミサカ「………♪」グイッグイッ!


一方通行「ミサカさァン!!?人の話を聞きやがれェ!!」


一方通行「クソッタレェェェェェェ!!」










小萌先生「上条ちゃーん、遅刻で課題増加なのですー」


上条「不幸だーーーーーーーーー!!」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/13(木) 22:49:44.18 ID:2D7oLVls0
短いですが、今日はここまでです。
七月二十五日は行間みたいなものなのでスナック感覚でサクッと読んじゃってください。
では。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/13(木) 22:53:04.24 ID:2D7oLVls0
レス返し
>>78
住めない事だけは間違いないですね。
でも、大丈夫、ねーちん管理人さんだから!

>>79-80
木原くンとガチ喧嘩をして一通さンは勝利しました。
これも愛のなせる業ですよ、えぇ。
この木原くンは木原神拳を体得するのだろうか……


では、レスありがとうございました。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 22:59:15.55 ID:59qfXdTgo
ミサカ可愛いな…
御坂の携帯番号聞こうとする上条さんもかわいいww
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 23:00:49.58 ID:OzHfGTXZo
なら俺は美琴に考えが至らなかったお茶目な一通さんを
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 23:02:06.28 ID:59qfXdTgo
>>109
明らかに目の前のミサカのことで頭がいっぱいだったよね
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 12:48:43.96 ID:n0Pj1EQ1o
魔術サイドとの絡みがおかしな事になってるwwwwwwww
美琴さんと出会えなくて僕も寂しいです><
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 09:06:16.75 ID:ikBv7wk7o
ステイルさんじゅうよんさいが甘やかすからインさんが働かないんだな、きっと
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 16:33:52.33 ID:z689KKuqo
>>35
女性の声『もしやイギリス精教の手のものにやられたのでは……』

精教…



ふぅ…
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 21:03:20.09 ID:eo4UjbcF0
てーかイギリス清教から活動費出てないのかインデックス
115 :1になりけるのよん :2011/01/16(日) 22:13:24.40 ID:4l6yppqM0
どォも、>>1です
今日の投下を始めたいと思います。
116 :1になりけるのよん [sage saga]:2011/01/16(日) 22:15:42.18 ID:4l6yppqM0
―――――――七月三十一日午後


上条「………」


ステイル「………ふむ、キミはこう攻めるのか、なら」


インデックス「あ、あわわ!!ナイトがやられちゃったんだよ!」


上条「………」カキカキ


ステイル「ははは!インデックス、チェックメイトだ!」


インデックス「うわぁん!!また負けちゃったんだよ!」


上条「………」カキ


ステイル「これで僕の十戦十勝だね」フッフン


インデックス「むぅ!ステイルずるいんだよ!なんで何回も戦法を変えてくるの!?」


ステイル「完全記憶能力を持っているキミに同じ戦法をしたって気付かれてしまうじゃないか」


インデックス「でも、ずるいずるいずるーい!!」バタバタバタ


上条「………!!」バン!!
117 :1になりけるのよん [sage saga]:2011/01/16(日) 22:16:30.06 ID:4l6yppqM0
インデックス「ふぇ?」


ステイル「どうしたんだい、上条当麻、さっきから筆が進んでないみたいだけど?」


上条「お前らなぁ………一体誰のせいだと!」


ガチャ


神裂「インデックス!掃除が終わったので遊びに来ましたよ!」


インデックス「あっ、かおりだ!」


ステイル「おいおい、キミがわざわざ来なくても、この狭い部屋より、管理人室のほうがいいだろう?」


ステイル「インデックスを呼べばいいじゃないか」


神裂「あぁ、そういえばそうですね」


インデックス「かおりー!ステイルがチェスで私を虐めるんだよ〜〜!」


神裂「まぁ!それはひど「お前らーーーーーーー!!」……?」


上条「人の話を聞けぇええええええええええええええ!!」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:17:51.75 ID:4l6yppqM0
ステイル「全く、なんなんだい?さっきから大声ばかり上げて」


上条「うるせぇ!お前らな!人が必死こいて課題に勤しんでるのに、邪魔すんなよ!」


上条「もうちょっと家主に対する配慮ってのはないのかよ!?」


インデックス「えーでもー……とうま遊んでくれないんだもん」


上条「課題が終わらないと遊んでやれねぇっての!!」


ステイル「じゃぁ、課題とやらが終わればこの子と遊んでくれるのかい?」


上条「そりゃ、相手くらいはしてやれるよ!終わればだけどな」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:19:44.48 ID:4l6yppqM0
神裂「うーん、確かにこの本の厚さからしてみるとあまり進んでいるようには見えませんね」


上条「結構、難しいからな……静かだったら多少進むのは早くなるんだけど……」


ステイル「文句の多い男だねキミは、そんな障害、妨害があろうとも乗り越えてみせなよ」


上条「妨害の主は誰なのか分ってていってますか!?ステイル君?」


上条「とにかく!神裂も来たことだし、遊ぶなら神裂の部屋に行ってくれ」


上条「そんでもって二人とも神崎の部屋で暮らしてくれると助かります」


インデックス「私ここでの生活慣れちゃったから無理かも」


上条「神裂のところで慣れてくれ!!」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:20:38.32 ID:4l6yppqM0
ステイル「だがねぇ、神裂は仕事≠ェ多いし、僕も暇ばかりじゃない」


ステイル「キミのところが一番インデックスを安全にいさせられるんだよ」


上条「どこだって同じだろ……」


ステイル「キミは盾になれるじゃないか」


上条「やっぱ出てけ、ステイルが一番に出てけ」


ステイル「なにぃ!?上条当麻、喧嘩を売っているのかな?」


上条「さぁね!一人でお考え下さいよ!」


ステイル「貴様!」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:22:12.20 ID:4l6yppqM0
インデックス「あわわっ!喧嘩はダメなんだよ、二人とも!」


インデックス「かおり〜、何とかして!」


神裂「えっ?私ですか?」


神裂「………うーん」


神裂「………そうです!!」ポン!


インデックス「おぉ!いい案が思いついたの?」


神裂「えぇ、きっとこれが最も良い選択ですよ!」


インデックス「じゃぁ、早速それを実行に移すんだよ!」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:23:18.40 ID:4l6yppqM0
―――――――数十分後


上条「………なぁ、インデックス」


インデックス「どーしたの?」ニコニコ


上条「これが神裂の言う最善の策なのか?」


インデックス「私はとってもグッドだと思うんだよ!」


上条「うん、じゃぁさ……」










上条「どーして俺がインデックスと外で勉強する事になってんの!?」









123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:24:15.58 ID:4l6yppqM0
インデックス「よくぞ聞いてくれたんだよ、とうま!」フッフーン


インデックス「こうやって私ととうまが外に出れば私は遊ぶ事ができるし」


インデックス「とうまもどこか腰を落ち着けて勉強できるってわけなんだよ!」


上条「待て!結局ステイルは部屋に残ってたじゃねぇーか!」


インデックス「ステイルとは充分遊んだんだよ!」


上条「関係ないよね!?」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:24:57.69 ID:4l6yppqM0
インデックス「とうま、細かい事を気にしてる場合じゃないんだよ?」


インデックス「時間は刻々と過ぎているんだから、もっと大事にしないと!」


上条「じゃぁ、俺を部屋に戻してくれよ!」


上条「あーくそ、文句言ってる場合じゃないよなぁ……」


上条「神裂に逆らうと怖そうだし……どこか喫茶店でも行くか……」フコウダー


上条「インデックス〜〜〜どこか喫茶店とかないか?」


上条「……インデックス?」キョロキョロ


<トウマーコッチナンダヨ!


上条「ん〜……?――――――ゲッ!!」


インデックス「ここ!このクレープが食べたいんだよ!」ビシッ!


上条「(あ、あの店は……)」ガクガク


上条「(めちゃくちゃ美味いらしいけど全てのものが二千円以上するという金持ち専用の店!)」


上条「イ、インデェェェェェックス!待つんだ!そこは俺達のような貧乏人が行くような」


インデックス「おねーさん、この二千五百円の特盛イチゴクレープが欲しいかも!」


お姉さん「はーい、ちょっと待っててねー」


上条「うわああああああああん!時既に遅しだったーーー!」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:26:28.45 ID:4l6yppqM0
インデックス「〜〜〜〜♪」モグモグ


上条「……ちくしょう、これで暫くはもやし炒め生活だな」


上条「いや、トースト一枚地獄か……?あれ、辛かったよな〜中二の夏」ホロリ


インデックス「美味しいんだよ〜♪今まで食べたクレープの中でも一番かも!」


上条「………」


上条「(まっ、仕方ないか……コイツも嬉しそうだしな)」


インデックス「……?どーしたのとうま?」キョトン


上条「いや、美味しいか、インデックス?」


インデックス「うん♪外に出てよかったんだよ!」ニコリッ


上条「そっか、そりゃ良かった」ニッ


インデックス「敬虔なるシスターさんに恵みをくれたとうまにはきっといい事があるんだよ!」


上条「なんだ、そりゃ……そもそもシスターってのは欲に負けたら「あれ?アンタなにしてんのよ?」」


上条「………えっ?」


美琴「久しぶりね」


上条「」
126 :おひさしぶりの美琴登場 [sage saga]:2011/01/16(日) 22:27:34.33 ID:4l6yppqM0
上条「う、うわぁ!!み、みみみ、御坂!?」


美琴「な、なによその反応!私がここにいちゃいけないわけ!?」


上条「え、いや、そういうわけではなくて、その、会えたのは非常に嬉しいというか……」ゴニョ


美琴「………何言ってるか聞こえないわよ?」


上条「い、いやぁ〜〜その〜………」


美琴「言いたい事があるならはっきりいいなさ……」


チョイチョイ


美琴「………?」


インデックス「………」ニパー
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:28:50.02 ID:4l6yppqM0
美琴「な、なに……?シスターさん?」ナンデコンナトコロニ


インデックス「初めまして、私はインデックスっていうんだよ?」


美琴「え……は、初めまして、御坂美琴です、けど……」


美琴「えっと……アンタ、コイツの知り合い?」


上条「」←コイツ


インデックス「うん!お世話になってるんだよ」


美琴「へ、へぇーーお世話に、ね……」


インデックス「エヘヘ〜〜〜」ニマニマ


美琴「(え?なんでこんなに嬉しそうなのこの子……)」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:30:35.07 ID:4l6yppqM0
インデックス「みこと」


美琴「ん、なにかしら?」


インデックス「ちょっとここで待ってて」ニコッ


美琴「え、えぇ、それは構わないけど……」


インデックス「ありがと!さっ!とうま、こっちにくるんだよ!」


上条「あ、あぁ……え?なんで?」


インデックス「いいからくるといいかも!!」グィッ


上条「ぐえっ!!」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:33:31.53 ID:4l6yppqM0
―――――――――少し離れた席


インデックス「(とうまとうま!さっそく神のご加護があったんだよ!)」ヒソヒソッ


上条「(神のご加護?)」


インデックス「(もう!あのみことって女の子、とうまの好きな人でしょ!)」


上条「(な、なにいってんだよ!)」ドキーン!


インデックス「(あの時は魔術師に襲われてうやむやになっちゃったけど、私は覚えてるんだよ!)」


インデックス「(とうまがあの子の写真を切り取ってた事!言ったでしょ?)」


上条「(そ、そういや、バレてたな……)」


インデックス「(そして、これはチャンスなんだよ!)」


上条「(チャンスって?)」


インデックス「(今こそ、課題を理由に距離を縮めるんだよ!)」


上条「(か、課題を理由ってなんだよ!)」


インデックス「(みことに課題を手伝ってもらうんだよ!解けようが解けまいが話もできるし)」


インデックス「(何より、これから先の予定とかのお話もできるかも!)」


上条「(こ、これからの予定って……?)」


インデックス「(で ぇ と に決まってるんだよ)」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:34:23.06 ID:4l6yppqM0
上条「(で、でででで、デート!!?)」


インデックス「(分ったらさっさと行くんだよ!文通の約束とかも忘れないようにね!)」


上条「(ぶ、文通……い、いや、でも、迷惑かもしれないし……)」


インデックス「(根性なし!はやくしないと帰っちゃうんだよ!)」


ゲシッ!!


上条「う、うぉぉ!?」


ドサッ!


上条「いってぇ……」イタタ


チョンチョン


上条「!」ギクッ!
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:34:58.78 ID:4l6yppqM0
美琴「……で?話は終わったの?」


上条「え、あ……えぇっと……まぁ……」アハハ


美琴「ならいいわ、ねぇ、アンタって今、暇?」


上条「えっ?ひ、暇っていうか、手伝いの相手を捜してましたと言うか」


美琴「……暇ってことでいい?」


上条「ん、あぁ、暇です、はい」


美琴「じゃっ、ちょっと座りましょ?……インデックスって子も呼んであげなさいよ?」


上条「あ、うん」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:35:59.31 ID:4l6yppqM0
上条「………」


美琴「………」


インデックス「………」


インデックス「ねぇ、とうま」


上条「な、なんだよ」


インデックス「どうして私がお膳立てしてあげたのに、こんな状態になってるの?」


上条「い、いえ……その、なんというか……えぇー俺が悪いの?」


インデックス「とうまの、バカーーーーーーーーーーー!」ガブッ!


上条「うぎょわああああああああああ!?痛い痛い!!噛み付くのやめろって!」


美琴「………」


美琴「アンタ達ってさー」


インデックス「?」


美琴「そ、その……どーいう関係なわけ?」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:37:14.79 ID:4l6yppqM0
インデックス「どーいうって……一緒に暮ら――――ムガモゴッ!?」


上条「お、俺が昔ホームステイ行った時に出来た友達でさ」


上条「今、学園都市に留学に来てて、俺の寮の近くの教会に住んでるんだよ!」


上条「な、な!インデックス!」


インデックス「えっ?う、うん!そーなんだよ!」


美琴「ふ、ふーん……留学ね、珍しいわね外の人間をここに入れるなんて」


美琴「……ほ、ホントにただの友達なの?」


上条「ただのって……友達に優劣もなにもないだろ?」


美琴「そーいう、意味じゃないんだけど……そっか、普通の友達なのね」







美琴「……良かった」ボソッ







上条「なんか言ったか?」


美琴「ふぇ!?な、何も言ってないわよ!」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:38:19.17 ID:4l6yppqM0
美琴「そ、そそそ、そうだ!アンタその手に持ってるのなんなの?ノート?」


上条「えっ?あぁ、これは夏休みの宿題だよ」


美琴「宿題……ね」キョトン


上条「そう、宿題」


美琴「……ふぅん」


上条「これが難しくってさ、困ってんだよ」


美琴「ねぇねぇ、ちょっと見せてよ」ズイッ


上条「……お、おい!!」


美琴「ふんふん、へぇ、これが宿題ってやつなのね」カキカキ


上条「やつって……常盤台には宿題ねぇのかよ?」


美琴「私達が普段どんな勉強してるか知らないでしょ?」


美琴「学校での勉強が難しい分、そーいうのないのよ」


美琴「何かいわなくても復習するしね」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:39:21.12 ID:4l6yppqM0
上条「真面目なこったな……じゃぁ御坂もしてるのか?」


美琴「まぁね、最低一時間くらいはするわよ、寮監の目もあるし」


上条「一時間の勉強でテスト出来るのかよ」


美琴「レベル5ナメんな、それぐらい余裕よ」


上条「(それは関係あるのだろうか)」


美琴「……と、ほい出来た」ピラッ


上条「えっ?」


ノート『どやっ!』←全部埋まってる


上条「」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:39:57.87 ID:4l6yppqM0
上条「い、いや、待て、当てずっぽうだろ?」


美琴「確認してみなさいよ」


上条「お、おう」


上条「………」


上条「あのさ……」


美琴「ん?」


上条「なんで分かるの?」


美琴「アンタはどうして分かんないのよ」


上条「………」←高一


美琴「………」←中二


上条「不幸だ………」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:40:28.92 ID:4l6yppqM0
美琴「それどーいう意味よ!!」


上条「いや、今のはお前のせいじゃねーから!」


上条「自分のバカ加減を嘆いただけだ!」


美琴「………ホントでしょうね」


上条「嘘言ってどうすんだよ」


美琴「まぁそういうことにしといてあげる」


上条「………ホッ」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:41:11.18 ID:4l6yppqM0
美琴「………」


上条「えーっと、これの答えは、あれ?違う」


美琴「………」


上条「これは、あれー?使う公式が……」


美琴「そこ、さっきやった問題の応用よ」


上条「え?そうなの?」


美琴「簡単な引っかけ問題なんだって」


上条「な、なるほど」


美琴「………ねぇ」


上条「んー、なんだ?」


美琴「勉強教えたげよっか?」


上条「いっ!?」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:41:48.92 ID:4l6yppqM0
美琴「なによ、私、変なこと言った?」


上条「いや、変じゃねーけどさ………」


上条「その、中学生に教えてもらうってのは年上としてのプライドが………」


美琴「そんな事言って、ホントにそれ終わるの?」


上条「うっ………それは……」


美琴「人の好意は素直に受け取りなさいって!」


上条「うぅ………背に腹は代えられん」


上条「ご教示お願いします」


美琴「よろしい」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:42:48.73 ID:4l6yppqM0
上条「ここは?」


美琴「んっとね………ここが………で………だから」


上条「じゃっここは?」


美琴「これはこの公式を始めに使って、それから、答えを出す」


上条「ふむ……あ、次の問題は解けそうだ、ちょっと時間くれ」


上条「こうだよな?」


美琴「そうそう、やればできるじゃない」


上条「ふふん、上条さんはやれば出来る子ですのことよ」


美琴「調子に乗らない!」ペシ


上条「いだっ!?お前」


美琴「はいはい、文句は全部終わってからにしなさい」


上条「ぐっ………正論すぎる」


美琴「さぁさぁ、次の問題を解く!」


上条「りょ、了解」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:43:38.46 ID:4l6yppqM0
上条「この問題は………こうか?」


美琴「違う違う、それは、こうね」ズイッ


上条「(近いですよ)え、えーっと、じゃぁ、これはこう」


美琴「違うってば!アンタさっきも同じ間違いしたじゃない!」


上条「えっ?な、なら………」


美琴「それも違う!あーもう、ペン貸して!」


フワッ……


上条「cjgmda.lmk.j!?」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:44:41.00 ID:4l6yppqM0
上条「(ち、ち近い上に御坂のいい匂いががが)」


上条「………」ゴクッ

美琴「ったく、アンタは問題をよく見ないから………」


上条「………す、すまん」ドクンドクン

美琴「謝っても出来る訳じゃないんだから私の解き方みてなさいよ」


上条「お、おぅ………」ソワソワ


インデックス「(見てらんないんだよ………)」ハァ
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:45:48.61 ID:4l6yppqM0
インデックス「………あーあー暑いのにさらに気温が上がったかも」


お姉さん「あら、シスターちゃんまだいたの?」


インデックス「あ、おねーさん!そうなんだよ、とうまの宿題が終わるまでいるつもりかも」


お姉さん「ふぅん……とうま≠チてあそこの常盤台の女の子と一緒にいる子?」


インデックス「うん、そーだけど……お姉さん、みことの事知ってるの?」


お姉さん「ん〜?名前を知ってるわけじゃないけどさ、あの子よくこの店にくるの」


お姉さん「常連ってやつね、ご贔屓してもらってるわ」


インデックス「なるほど、それじゃここにくればみことに会えるんだね」


お姉さん「そうね、でも、シスターちゃんが会いたいんじゃなくて、当麻って子でしょ?会いたがってるの」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:46:51.18 ID:4l6yppqM0
インデックス「やっぱり、分かるんだね」


お姉さん「あの様子をみてればねぇ……」


インデックス「他のお客さんの注目の的なんだよ」


お姉さん「八割方嫉妬だけどね、寂しい男達の」


インデックス「でも、肝心の二人はさっぱり気がついてないかも」


お姉さん「そうねぇ……このまま見ててもいいけど、ここいらで一つアクションを起こしたいところね」


インデックス「あくしょん?」


お姉さん「そっ、あの二人いい感じなのにさっぱりくっつきそうな気配がないから後押ししてあげるのよ」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/16(日) 22:47:36.42 ID:4l6yppqM0
インデックス「……でも、二人とも奥手なんだよ」


インデックス「とうまは言わずもがなだし、みこともどう見てもそうだし」


お姉さん「ふっふ〜ん♪お姉さんに任せなさいな」


お姉さん「この方法を使えば、二人の距離もぐっと縮まるわ」


インデックス「そんな方法あるの?」


お姉さん「言ったでしょ?常盤台の子の方は常連なの」


お姉さん「あの子がどうしてこの店によく来るのかも知ってるのよ」


インデックス「自信たっぷりなんだね、これは期待できるかも!」


お姉さん「よぅし、そうとなったらシスターちゃんちょっと手伝って!」


インデックス「りょーかいなんだよ!」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/16(日) 23:00:30.22 ID:4l6yppqM0
今回はここまでです。
おひっさしぶりの美琴登場でしたが、どうでしたでしょうか?
次の投下まではこの二人のいちゃいちゃが描けるので個人的にグフフフという所なんですが
というかね、書いてる時ねニヤニヤが止まらない上に書いてる自分が一番楽しいんですよねぇ
さてさて、次回の投下で文通、もとい番号は聞き出せるのか!?
147 :レス返し! :2011/01/16(日) 23:01:34.58 ID:4l6yppqM0
>>108-110
お互いにとってみさか≠チて何って考えると自然にあぁなりました。
あとすれ違い的な感じ(アンジャッシュ?)勘を出したかったんです。


>>111-112
魔術がらみは難しい……。
ステイルさんと神裂さんにはもっとインデックスを甘やかしてもらいたいところです。
というか>>1がみたい


>>113
とりあえず、俺とキミが欲求不満であることが分かった。


レスありがとうございました!
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 23:06:25.64 ID:I4KFAdXQo
このインデックスは頭ぐりぐりしてあげたい可愛さ
美琴がお互いの距離の近さに気付くのかどうかも楽しみだぜ
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 23:31:24.68 ID:t02enyJ3o
インデックス、ステイル、神裂の理不尽さに俺のストレスがマッハだったのだが、
美琴との仲を取り持とうとするインデックスが普通に(悲愴感とかなしに)可愛かったのでアッサリ癒された。
そっか、この時点ではこういう対応になるんだなあ……

売店のお姉さんも、話のわかる人だww
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 01:40:06.53 ID:ji1beo390
美琴に勉強教えてもらうとか上条さんうらやましすぎるw  ステイルとインデックスは昔はこんな感じに仲良かったんだよな……ステイルは報われるべき   
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 06:50:33.63 ID:/RlmncZq0
暖かみあるなぁー…いまは
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 11:18:11.86 ID:PvlZqUQDO
中二に勉強を教えてもらう高一・・・ 上条さんのプライドはズタズタに崩れ落ちました


お姉さんってクレープ売ってた人ですよね?いいキャラしてるぜ
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 14:16:41.72 ID:sEywrsbDO
まぁ常盤台は普通の大学かそれ以上のレベルの勉強してるからな
それにレベル5の頭脳はスパコン並みだし
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 14:27:01.49 ID:rDMYtdwJo
ステイルが大人げな・・・いや年相応かww
つかアンジャッシュってwwww 俺もあの二人のすれ違いコント好きだwwww
155 :1なのである :2011/01/19(水) 21:59:21.06 ID:7ziPZOXS0
ちーっす、>>1でーっす。
投下の続きをしていきたいと思いまっす
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:00:20.40 ID:7ziPZOXS0
美琴「……こんなところかしらね」


上条「おぉ……!難関とされていた課題の数々が、こうもあっさりと!」


美琴「ふふん、私にかかればちょろいもんよ」スッ


上条「あ………」


美琴「ん?どーしたの?」


上条「あ、いや、なんでもねぇ」


上条「(もう少し、近くに居て欲しかった、なんて言えねーよなぁ……)」


上条「………その、ありがとな、手伝ってくれて」


美琴「何を今更……それに、私だって借りを返せてよかったわよ」


上条「借り?俺、お前になんか貸してたっけ?」


美琴「いーのよ、アンタは覚えてなくても」


上条「……???」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:01:40.11 ID:7ziPZOXS0
美琴「それより、これで課題は全部終わったの?他に残してないでしょうね?」


上条「後は読書感想文くらいだなぁ、適当な本読むから時間はかかんねーよ」


上条「(インデックスに音読でもさせてりゃいいしな、宿題と構うので一石二鳥だし)」


美琴「適当ってねぇ……まぁ、いいけどさ」


美琴「あれ?さっきまでいたシスター……インデックスだっけ、は?」


上条「そういや、インデックスがいないな……」


上条「勝手にどこか行かないように言っておいたんだけど……」


インデックス「とうま、みこと!」


上条「うぉ!!お前、いつの間に!?」


インデックス「え〜〜?ずっといたんだよ〜」


上条「えっ?そうなのか?」


インデックス「そうなんだよ!(やっぱり他に気なんて配ってなかったんだね)」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:02:25.18 ID:7ziPZOXS0
インデックス「それよりとうま〜、私喉が渇いちゃったんだよ、飲み物が欲しいかも!」バンバン!


上条「お前なぁ……二千円超のお菓子食っといてそりゃねーぞ?」


上条「家に帰って、麦茶でも飲んどけよ」


インデックス「それは、私に一人で帰れという事かな?」


インデックス「邪魔されたくないからってそれは酷いかも」


上条「――――な、なにを!!」


美琴「邪魔?」


インデックス「とうまは、みことといる時間を邪「だー!!ストップ!」……」ニヤリ


上条「飲み物でもなんでも買ってやる!頼んできなさい!インデックスさん!」


インデックス「はーい、なんだよ」トテテ
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:03:21.24 ID:7ziPZOXS0
上条「………ふぅ」アブナイアブナイ


美琴「アンタは頼まなくていいの?」


上条「そんな金に余裕あったらとっくに頼んでるって……」


美琴「………しょーがないわねぇ、美琴センセーが奢ったげるわよ」


上条「はぁ!?流石にそこまでしてもらうわけにはいかねーって!」


美琴「だーからー、借りのある私としては返さなきゃ気がすまないのよ!」


美琴「黙って私の好意を「お客様」………?」


お姉さん「ドリンクの注文でしたら今サービス期間で一杯無料ですよ」


美琴「えっ?そうなの?」


上条「(このお姉さん、いつの間にこっちに来てたんだ?)」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:04:22.64 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「はい、注文されるならすぐにお持ちしますが?」


美琴「あ、じゃぁ、お願いします」


お姉さん「かしこまりました、少々おまちください」


美琴「あれ?何にするか聞かないの―――――って行っちゃった……」


上条「どーやら、奢るのは別の機会になりそうだな」


美琴「……みたいね、ラッキーじゃない」


上条「そうだな」


上条「……(あーよかった……これ以上借り作れねーよ、年下にしかも御坂になんて)」


美琴「……(せっかくのチャンスだったのに……不幸ね……)」


お姉さん「お客様、お持ちしました」


美琴「あ、きたき―――え?」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:05:13.18 ID:7ziPZOXS0










お姉さん「こちら、カップル限定のカップルドリンクでーす」


※一つのコップにストローが二本入っているのをイメージ


上条・美琴「」









162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:06:22.16 ID:7ziPZOXS0
美琴「あ、あの、ここ、これは?」


お姉さん「カップルサービスですが?」


美琴「ですが?じゃないわよ!なによこれ!」


美琴「カカカ、カップル限定なんて聞いてないわよ!」


お姉さん「それは申し訳ありません、当方としては気を使ったつもりなのですが」


美琴「よ、余計なお世話よ!」


お姉さん「ではこれはお下げしますね」


お姉さん「………おまけの方も含めて」


美琴「えっ?おまけ?」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:07:34.29 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「はい、こちらのサービスを利用しますとこちらのおまけがつくんですよ」










こちら『ゲコゲコ』










美琴「!!」キュピーン!!
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:08:26.93 ID:7ziPZOXS0
美琴「そ、それはここのポイントを貯めないと手に入らない限定品の一つ」


お姉さん「そうですよ」


美琴「それが無料で、しかも手間なく手に入るの!?」


お姉さん「はい」


美琴「………(一種類は貰えるまで後少しだけど、これなら一気に二種類手に入る)」


美琴「(黒子も最近ダイエット始めちゃって付いてきてくれない)」


美琴「………く、ください!!」


上条「!?」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:09:27.64 ID:7ziPZOXS0
上条「お、おい、本気かよ!?」


美琴「当たり前よ!ゲコ太が待ってるの!」


上条「そ、そう(このカエルにそんだけの価値があるのか?)」


お姉さん「かしこまりました、では」


美琴「ゲコ太♪ゲコ太♪」


お姉さん「ご証明のためにお二人のツーショット写真を撮らせていただきます」


美琴「ゲ―――えっ?」


上条「ツーショット写真って………?」


お姉さん「まぁ、これもサービスのうちでして……」


お姉さん「このドリンクを仲良く飲んでいるところを撮るんです」


上条・美琴「………は?」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:13:58.48 ID:7ziPZOXS0
上条「おい御坂、やめといた方がいいって!」


美琴「………」


上条「あのカエルならいつでももらえるんだろ、な?」


お姉さん「………」


美琴「………と、撮るわ」


上条「ぇ゛?」
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:14:48.58 ID:7ziPZOXS0
美琴「ゲコ太のためよ!こんなチャンスめったにないんだから、ふいには出来ないわ!」


上条「お、お前なぁ、それ何するか分かって言ってんのか?」


美琴「分かってるわよ!同じコップの中身を同時に飲むってだけじゃない!」


上条「合ってるけどやる人間に問題あるだろ!?」


美琴「私とじゃ出来ないっての?」


上条「なんだそれ!?」


美琴「それとも、アンタは中学生相手にいかがわしいこと考えるような変態なのかしら?」


上条「な、なんだと!?」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:16:20.81 ID:7ziPZOXS0
美琴「あら図星?へぇそうなんだ〜」


上条「ぐぬぬっ……」


美琴「違うんだったら出来るわよね〜違うなら」


上条「分かったよ、やってやろうじゃねぇか!!」


美琴「ふ、ふん!望むところよ!」


お姉さん「(可愛いなぁ、二人とも)」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:18:03.94 ID:7ziPZOXS0
コトッ


お姉さん「じゃ、撮りますから適当に飲んでてください」


美琴「………ん」


上条「………」ゴクッ


美琴「………」


上条「………」ソワソワ


美琴「ちょっと、早くしなさいよ」


上条「お前だってそうじゃねぇか」


美琴「う、うるさい!今からしようとしてたのよ!」


美琴「………うぅ、んっ!」


上条「ま、マジかよ」


美琴「ふぁやくひなはいよ(はやくしなさいよ)」


上条「ぅ………」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:19:46.40 ID:7ziPZOXS0
上条「(売り言葉に買い言葉で受けちまったけど………)」


美琴「………」


上条「(出来るわけねーよ!さっきの課題ときでもやばかったんだぞ!?)」


上条「(クソ、どうする?どうすりゃいい)」キョロキョロ


上条「(そうだ!インデックス!)」


上条「(アイツがいれば流石に御坂も無理はしないだろ)」


上条「(インデックスは………)」キョロキョロ


インデックス「………」


上条「(いた!オーイ、インデックス!)」


インデックス「………?」


上条「(気づいたか!助けてくれ!)」


インデックス「………!」ハッ


上条「(あ、あれ?なんか様子がおかしいぞ?オーイ、インデッ!)」







インデックス「………b!」b←超いい顔でGJしている







上条「(インデックスさぁぁぁぁん!?全部あなたの差し金ですか!?)」


美琴「(頭抱えてるけどそんなに嫌なのかな)」シュン
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:20:25.27 ID:7ziPZOXS0
美琴「(って、なんで、私が残念がらなきゃなんないのよ!)」


上条「くっ、ちくしょおおお!」カプ


美琴「ひゃぅ!(ちちち近すぎない!?)」ビク


お姉さん「あっもうちょっと近づいてくださーい」


上条・美琴「!?」
172 :信じられねぇだろ?これ他の客が居るのにやってるんだぜ? [sage saga]:2011/01/19(水) 22:22:45.17 ID:7ziPZOXS0
上条『お、おい近づけつってるぞ?』ヒソヒソ


美琴『そそそんなこと言われても』ヒソヒソ


上条『じゃっ、じゃぁ俺が近づくぞ?』


美琴『う、うん』


...........


お姉さん「後少し近づいてくださーい」


上条「(ふざけんな!!このれ以上近づいたらキ、キスしちまう!)」


美琴「(ち、近いよ………あぅぅ)」カァァ


上条『お、おい御坂!お前が動けっ!』


美琴『な、なんで私が………』


上条『ゲコ太のためだ―――』ハッ!
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:23:48.65 ID:7ziPZOXS0
上条「………」


美琴「?(なんか雰囲気変わった?)」


上条「(これ、事故を装ってしちまえるんじゃないか?)」


上条「(い、いや落ち着け、そんなゲスみたいなことしちゃ駄目だ)」


上条「(で、でも………)」ジッ


美琴『………ゲコ太、ゲコ太、でも』カァァ


上条「………(御坂の唇、柔らかそうだな)」ゴクリッ
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:25:00.33 ID:7ziPZOXS0


スッ


美琴「ふぇ!?(な、なんで手を肩におくの!?)」


上条「……御坂」


美琴「え、あっ……」ギュゥ←目を閉じる


美琴「――――んっ」


上条「…………」









―――パシャッ!









美琴「………えっ?」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:26:20.09 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「はい、ご協力ありがとうございます」ニコッ


お姉さん「良い絵、撮れましたよ〜〜」


上条「………あっ」


美琴「〜〜〜〜!」ポンッ


お姉さん「では、ごゆっくり……」


上条「ちょっ、ちょっと待った!」


お姉さん「はい?」


上条「し、写真は、どうするんだ!?」


お姉さん「ケータイにデータ移します?」


上条「い、いらねーよ!」


お姉さん「データを使って悪用とかもしないんで大丈夫ですよ」


上条「んなことされてたまるか!」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:26:51.75 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「……もうよろしいですか?おまけ置いときますね」


上条「まっ………――――聞かずに行きやがった」


上条「………」チラッ


美琴「………うぅ」モジモジ


上条「(大変なことしちまったなぁ……理性決壊しかけた俺が悪いんだけど)」


上条「……えっと、そのゲコ太手に入って良かったな」


美琴「……うん」


上条「……(怒ってる、よな?今日は帰ったほうが良いかなぁ)」


美琴「………」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:27:49.13 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「あー楽しかった〜」


インデックス「お疲れ様なんだよ!二人とも凄くいい雰囲気だったんだよ」


インデックス「……写真を撮るまでは」


お姉さん「それまでの間は二人の世界に入り込んでたからねぇ」


お姉さん「面白かったからいいけど」


インデックス「ちょっとやりすぎだったかも」


お姉さん「あれくらいしないと距離縮まらないわよ、ああいうタイプの子たちは」


インデックス「それはそうかも」


お姉さん「そうでしょ………とシスターちゃんにこれ渡しとくね」スッ
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:28:24.03 ID:7ziPZOXS0
インデックス「これ、さっき『きゃめら』で撮った写真?」


お姉さん「二人がいらないって言ったからね、私が持っててもしょうがないし」


お姉さん「何より、私の言ったサービスなんて嘘っぱちだしねぇ」


インデックス「じゃぁ、貰っておこうかな、これでとうまをからかってやるんだよ!」


お姉さん「応援はしてあげないの?」


インデックス「お、応援しつつ、なんだよ!」


お姉さん「(大丈夫かなぁ)」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:29:12.41 ID:7ziPZOXS0
―――――――――夕方


上条「じゃぁな、御坂」


美琴「………うん」


インデックス「バイバイなんだよ、みこと」


美琴「またね」


上条「………」


インデックス「(流石に気まずいかも)」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:30:00.26 ID:7ziPZOXS0
上条「御坂」


美琴「ん?」


上条「えっと……今日は課題手伝ってくれて、サンキューな」


美琴「………」コクリ


上条「寮まで送ってこうか?」


美琴「………」フルフル


上条「そうか………なら気をつけてな」


美琴「待って」


上条「………ん?」


美琴「あ、あのさ」


美琴「まっ、また課題に困ったら手伝ってあげるわ」


上条「………え?」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:30:53.83 ID:7ziPZOXS0
美琴「だからっ、アンタの課題見てあげるっつってんでしょっ!」


上条「それって……」


美琴「勘違いすんじゃないわよ!まだ借りが返しきれてないから手伝うだけだからね!」


上条「あ、あぁ……そう、だよな」


美琴「じ、じゃぁね!」タッ


上条「おう、またな」


上条「………」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:31:42.20 ID:7ziPZOXS0
上条「ハァ………」


インデックス「なにため息ついてるの、課題さえあればまた会えるんでしょ?」


上条「借りを返すって言ってただろ?別に俺と一緒がいいってわけじゃねぇよ」


上条「………ちょっと期待しちまったけどさ、ハァ」


インデックス「………鈍感」


上条「はい?なんか言ったか?」


インデックス「なんでもないんだよ」


インデックス「それより、ちゃんと文通の約束はしたの?」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:32:28.06 ID:7ziPZOXS0
上条「へ?」


インデックス「へって………」


インデックス「とうま、まさか………」


上条「え、えーっと、あははは………」















上条「すみません、聞いてませんでしたぁぁぁぁぁ!」


インデックス「バカーーー」ガブゥ!


上条「うぎゃぁぁぁぁ!?」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:33:59.85 ID:7ziPZOXS0
インデックス「せっかく私がお膳立てしてあげたというのに!」


インデックス「どーしてそれをふいにするの!?」ガブガブ


上条「んなこと言われたって、さっきの空気で聞けると思ってんのか!?」


インデックス「とうまの意気地なし!バカ、アホ!」


上条「何ゆえそこまで罵倒されなきゃならんのですかー!?」


インデックス「とうまがバカなのが悪いんだ―――」


ピラッ………


上条「ん?なんだこれ?」


インデックス「あ、それはダメッ!」


上条「なんだよ、隠さなくっても………」


上条「!!」


上条「これ、さっきの……」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:34:58.51 ID:7ziPZOXS0
インデックス「あ……えと……」


インデックス「きゃ、きゃめらで撮ったのに貰わないなんてもったいないと思って」


上条「………」


上条「〜〜〜〜〜!」カァ


インデックス「と、とうま?」


上条「こ、これは俺が預かるぞ」


インデックス「えぇ!?なんでー!私が貰ったのにー」


上条「それ以前に俺と御坂の写真だろうが!」


インデックス「そうかもしれないけど………」


インデックス「とうま、その写真……変な事に使わない?」


上条「んなっ!?」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:35:46.66 ID:7ziPZOXS0
上条「へ、へへ変な事ってなんだよ」


インデックス「なんの想像してるか知らないけど、いやらしいんだよ、とうま」


上条「わかんないくせに変なこと言うな!」


上条「上条さんは紳士ですので大丈夫!」


インデックス「………信用できないかも」


上条「なんでだよ!?」


インデックス「だって、いやらしい顔してるんだよ!」


上条「してねーし!いたって真面目な顔してますー」


インデックス「そのいやらしい表情が真面目なんて、みことの身が危険かも」


上条「て、てめぇ……」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:36:18.20 ID:7ziPZOXS0
インデックス「そ れ に !私は知ってるんだよ」


上条「なにをだよ」


インデックス「課題を手伝ってもらってるときのとうまのみことをなめるような視線を、だよ」


上条「なっ!言いがかりはやめなさい!」


インデックス「言いがかりじゃないもん、ホントだもん!」


上条「してませーん!」


インデックス「とうまのわからずやーーー!」


ガブゥッ!!


上条「んぎゃぁぁぁぁぁぁ」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:37:10.07 ID:7ziPZOXS0
――――――――


お姉さん「さて、そろそろ店仕舞いしますかね」


「あ、あの………」


お姉さん「ん?」


お姉さん「おやお客様、お忘れものですか?」


美琴「えっと、その、まぁそうなるのかな……」


お姉さん「………フフ」


美琴「………?」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:38:05.31 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「忘れ物、この写真でしょ?」


美琴「あ………なんで……」


お姉さん「来ると思って写真作っといて良かったわ〜」


美琴「分かってたの?」


お姉さん「んーまぁね、女の感ってやつよ……と、はい写真」


美琴「ぁ、ありがと」


美琴 「………」ジッ


美琴「〜〜〜〜〜!」カァァ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:38:53.28 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「これで用事、終わりかな?」


美琴「あっ、あと、写真のデータって」


お姉さん「ご安心あれ、データは消したよん」


美琴「でも、消したら困るんじゃ」


お姉さん「サービスは今日までなのよ、だからあんなに薦めたんだから」


美琴「そうだったんだ……」


美琴「(あれ?じゃ、写真撮る必要あったのかな?)」


美琴「……まぁいっか」


お姉さん「何が?」


美琴「な、なんでもない」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/19(水) 22:39:29.49 ID:7ziPZOXS0
お姉さん「そう、あぁ、そうそう」


美琴「?」


お姉さん「ゲコ太のおまけはまだまだあるからこれからもご贔屓お願いね」


美琴「えっ、あっ、はい」


お姉さん「彼氏も連れてね」ニヤッ


美琴「――――ッ!さ、さよなら!」ダーッ


お姉さん「ありがとうございましたー」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 22:46:32.03 ID:7ziPZOXS0
今日の投下はここまでです。
美琴分が足りなかった人は補給していってね!(出来てるかわかりませんが)
まぁ、しかし、他の客は一体全体どういう目で見てたんだろうね、このバカップルを。

次回の投下は、一通さンとミサカがでると思います。
そんでもって次からは八月……物語も終盤(?)に向けて準備が始まっていきますよォ!

>>148-154
今回は大体の人が同じ感想を持ってくれたみたいですね。
ヒロインは可愛く、ヒーローは格好良く! していきたいんですけど
しばらくは難しいかなぁ……
売店のお姉さんは残念ながら出番は無いと思います。
オリキャラスレじゃないしね、残念だけどね……残念だけどね!
ステイルさんは報われるべきだと>>1も思います。
あと、アンジャッシュコントは私的に目指したいギャグ展開

今回はレス返しも一緒にさせていただきました。
レスありがとうございました。
それでは。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:47:20.52 ID:ObOTbkBso
乙!
補給しすぎて砂糖か体中からあふれ出した
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:59:26.26 ID:ZGJn8KEd0
ふぅ…
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 01:37:17.16 ID:hcBtaWFoo
乙乙
ああもうニヤニヤがたまらねぇっす・・・!
アンジャッシュコントはただのすれ違いに見えて結構高度だよね
すれ違いつつそれをイライラじゃなく笑いに持ってくのって結構微妙な匙加減だったりして
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 18:12:06.02 ID:Xd5lRa4DO
超乙なんですよ
何というラブコメサイド…
197 :1ですよー :2011/01/21(金) 21:55:36.84 ID:HgYs1TrT0
どォも。
今日の投下を始めたいと思います。
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 21:56:26.00 ID:HgYs1TrT0
――――――8月1日夕方とある公園


一方通行「……」


一方通行「(アイツが散歩は楽しいとかいいやがるから俺も始めてみたが……)」


一方通行「(……何が楽しいのかさっぱり分からン)」


一方通行「(考えてみりゃァ妹達は外に出れば新しい発見を出来る)」


一方通行「(街についてだいたい知ってる俺がしてつまンねェよなァ)」


一方通行「朝に行くアイツを連れてったほォがいいか―――」


ミサカ「……」キョロキョロ


一方通行「(何してンだ、アイツ?)」


ミサカ「……」


一方通行「(しばらく様子見てみるか……)」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:00:54.11 ID:HgYs1TrT0
ミサカ「今日のご飯はパンですよ」チッチッ


一方通行「……」


ミサカ「そんなに怯えなくても虐めたりしませんよとミサカは伝えます」


一方通行「(なンかいンのか?)」


ミサカ「……やっぱり食べてくれませんかとミサカは落胆します」シュン


一方通行「(なにションボリしてンだよ)」


一方通行「……オイ」


ミサカ「はい?」クルッ


一方通行「なにしてンだよ、お前」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:01:32.79 ID:HgYs1TrT0
ミサカ「ア、一方通行!」サッ


一方通行「お前、なに隠してンだよ、そこどけ」


ミサカ「ダメですとミサカは立ちはだかります」


一方通行「……おら、見せてみろって」グイ


ミサカ「あっ!」


<ニャァ……プルプル


一方通行「あァ?」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:03:32.05 ID:HgYs1TrT0
<ニャァニャァ


一方通行「ンだよ、猫か」


ミサカ「み、見ちゃだめですよぅ」


一方通行「どォして、俺が見ちゃいけねェンだよ」


ミサカ「この四足歩行の生き物はとても臆病なんです」


一方通行「四足歩行の生き物ってなァ……いや、それはいい」


一方通行「どォして臆病だからって俺がみちゃいけねェって、理由になってねェだろ」


ミサカ「理由はありますよとミサカは即答します」


一方通行「……言ってみろ」










ミサカ「一方通行の顔が怖いからに決まってるじゃないですか!」










一方通行「」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:04:37.18 ID:HgYs1TrT0
グリグリ!


ミサカ「痛い痛い痛いですとミサカは抗議します」


一方通行「て、め、ェ、は!俺をなンだと思ってるンですかァ!?あ゛ァ!」


ミサカ「いつもしかめ面してるじゃないですかとミサカは反論します」


一方通行「反省する気はねェよォだなァ!覚悟はいいな」


ミサカ「ひぇぇっ!」


<ミャァ


一方通行「あ?」ピタッ
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:05:27.06 ID:HgYs1TrT0
<スリスリ


一方通行「……」


ミサカ「……」


<ニャー


一方通行「……どォやらコイツは俺の事を分かってるらしいな」


ミサカ「どうして……とミサカは捨てられた恋人のようにうなだれます」


一方通行「訳わかんねェこと、言ってンじゃねェよ」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:06:16.33 ID:HgYs1TrT0
一方通行「……」


<ニャゥ……


一方通行「……そのパン寄越せ」


ミサカ「え?は、はいどうぞ……」


一方通行「ン……」


ミサカ「それをどうするつもりですか?とミサカは……あ……」


<ミャァー♪


ミサカ「食べてる……」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:07:15.19 ID:HgYs1TrT0
一方通行「けっ、意地汚ねェ猫だなァ、オイ」


一方通行「朝からなンも食ってねェからかァ?」


ミサカ「朝から?この生物はミサカが見つけてから一度も食べ物を食べていませんよ」


一方通行「よく見てみろ、コイツの入ってるダンボールにパンの袋だけ置いてあるだろ?」


一方通行「コイツはお前が置いてったもンをしっかり食ってンだよ」


ミサカ「そうなんですか……全く気づきませんでした」


一方通行「猫にしか意識してなかったのかよ」


ミサカ「……猫?」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:09:00.95 ID:HgYs1TrT0
一方通行「ンだァ?猫も知らねェのかよ」


ミサカ「生物学の情報は殆どミサカの中に入っていないのですとミサカは説明します」


ミサカ「このニャァと鳴く四足歩行の生き物は猫と言うのですか?とミサカは確認をとります」


一方通行「あァ、しかも子猫だな」


ミサカ「コネコ?」


一方通行「ガキの猫だから子猫だよ、しかも黒猫じゃねェかコイツは景気がいいなァ」


ミサカ「……」


一方通行「どォした? 何考え込んでやがる」


ミサカ「コネコ、逆からよんでもコネコ、フフッ」ニヤニヤ
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:10:05.57 ID:HgYs1TrT0
一方通行「……くっだらねェ事言ってンじゃねェよ」


一方通行「どォすンだよコイツ」


ミサカ「えっ?それは……」


<ニャァン


ミサカ「可愛いので飼いたいですとミサカは主張します」


一方通行「オイオイ、可愛いとか可哀想だからとかンな理由だけで飼うンじゃねェぞ」


一方通行「動物飼うっつゥことはそいつらに首輪をかけるって事だ」


一方通行「飼う奴に振り回されて、道具みてェに扱われる」


一方通行「コイツのよォに捨てられたりなァ」


ミサカ「……そんな人ばかりではありませんよとミサカは反論します」


一方通行「ふン、どォだかな……」


ミサカ「昔、何かあったのですか?とミサカは質問します」


一方通行「さァな、どォだったか」


一方通行「……路地裏はロクなもンが見れたいってのは確かだよ」


ミサカ「………」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:11:27.42 ID:HgYs1TrT0
一方通行「それで?お前はコイツ飼うのか?俺は無理だと思うけどな」


ミサカ「むっ、それはミサカに管理能力とコネコを愛する気持ちが足りないという事ですか?」


一方通行「お前の体質のせェだよ」


ミサカ「ミサカの体質?とミサカは首を傾げて尋ねます」


一方通行「お前、お前等は超電磁砲のクローンで能力は同じだ」


ミサカ「強度は大したことありませんよとミサカは謙遜してみます」


一方通行「強度の問題じゃねェ、お前の能力、電撃使いである事なンだよ」


一方通行「まァ説明するよりコイツの反応見てからのほォが説明が早えェだろ」
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:12:26.79 ID:HgYs1TrT0
ヒョイ


<ニャ?


一方通行「俺の場合は大人しいだろ?」


<ミャァーブラーン


ミサカ「か、可愛い」ポアン


一方通行「だがなァ、お前に近寄らせるとォ?」スー


<ミャァ!?ビクゥ

ミサカ「えっ!?」


<ミャァ……プルプル


ミサカ「これは……しかめ面の一方通行とミサカでどうして一方通行が好かれるのですか?」


一方通行「しかめ面は余計だ」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:13:47.11 ID:HgYs1TrT0
一方通行「……まァ答えは簡単、電磁波だよ電磁波」


ミサカ「電磁波……」


一方通行「そう、お前のよォな電撃使いタイプは常に微弱な電磁波を発している」


一方通行「それをコイツみたいな動物は敏感に感じとっちまうらしい」


一方通行「結果、お前がどンだけ近づこォが避けられちまうってこったな」


ミサカ「そんな……ミサカは嫌われてしまう運命なんですねとミサカは自らの不幸をなげきます」グスン


一方通行「そういうこった、残念だったな」


<ミャァ


ミサカ「……ごめんなさい、ミサカは、ミサカにはアナタを救うことは出来ないみたいです」


一方通行「……」


ミサカ「誰か他に飼えるといいのですが……」


ミサカ「……あれ?」


一方通行「(嫌な予感がしてきた)」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:14:20.38 ID:HgYs1TrT0
ミサカ「一方通行」


一方通行「……なンだよ」


ミサカ「アナタなら飼う事が出来のでは!」


一方通行「(やっぱりなァ)……無理だ」


ミサカ「アナタなら電磁波もないし飼えますよ?」


一方通行「電磁波以前に寮がペット禁止だろォが」


ミサカ「アナタがルールを語るとは……とミサカは驚きが隠せません」


一方通行「ほっとけ」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:15:21.96 ID:HgYs1TrT0
一方通行「とにかく、コイツは飼ってやれねェ」


ミサカ「一方通行……どうしても、ですか?」


一方通行「飼わねェ」


ミサカ「……この子はずっと一人かもしれないんですよ?」


一方通行「知ったこっちゃねェよ、動物ってのは自然で生きてるのが自然なンだ、猫も例外じゃねェ」


ミサカ「それは、家族がいるからではないですか?」


一方通行「……あァ?」


ミサカ「確かに自然で生きるのが動物は当たり前なのかもしれません」


ミサカ「でも、それはこの子の親が生きていく知識を与えるから」


ミサカ「今のこの子は飼い主どころか親もいません」


ミサカ「家族のいない寂しい思いをミサカはして欲しくないんですとミサカはミサカの意見を主張します」


一方通行「……」


ミサカ「お願いしますとミサカは深く頭を下げます」


一方通行「……」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:16:06.82 ID:HgYs1TrT0
――――――――


<ニャ……ー


一方通行「来るンじゃねェよ」


<ニャァニャァ


一方通行「猫なで声で甘えたところで助けなンざしねェ」


<ニャァ!ニャァ!


一方通行「うっせェ!俺を頼るな、俺にまとわりつくな!」


<ニャ……フラフラ


一方通行「……やっと行きやがったか」


一方通行「……」


一方通行「……俺にどォしろってンだよ」


一方通行「……クソッタレ」


――――――――
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:16:45.47 ID:HgYs1TrT0
一方通行「……」


ミサカ「やっぱりダメです、よね」


一方通行「あァ、そォだ、無理だ」


ミサカ「……」


一方通行「……だがまァ」


ミサカ「……?」


ヒョイ


<ニャ?


一方通行「保護ならしてやらねェ事はねェなァ?」


ミサカ「えっ?」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:17:33.61 ID:HgYs1TrT0
ミサカ「かっ、飼ってもいいんですか!?とミサカは確認をます」


一方通行「バカ、保護だっつってンだろォが」


一方通行「コイツが一人前になるまでのな」


ミサカ「しかし、ルールの方はどうするのですか?とミサカは問いかけます」


一方通行「確かに寮はペット禁止だけどよォ」


一方通行「動物を保護しちゃいけませンなンてルールはないンだよ」


ミサカ「屁理屈じゃないですかとミサカはげんなりします、げんなり」


一方通行「あァ?文句あンのかよ」


ミサカ「いえ、それはありませんとミサカはシレっと答えます」


一方通行「そりゃ結構」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:19:29.48 ID:HgYs1TrT0
一方通行「あァ、そうだ、保護者はお前だから世話ァしろよ?」


ミサカ「はい!とミサカは威勢よく返事します」


ミサカ「あ、でも、この子を運ぶのはお願いしますねとミサカは念を押します」


一方通行「しっかたねェよなァ、ホントによォ……」


<ニャー♪


一方通行「……ふン、迷惑かけンじゃねェぞ、クソ猫」フッ


ミサカ「……おや?」


一方通行「あン?」


ミサカ「いえ、今アナタがとても優しい表情をしたように見えたので驚いただけです」


一方通行「はっ、そりゃ幻覚だ、そンな善人ぶった顔するか誰がするってンだ」


ミサカ「……そうですね」クスッ


一方通行「―――――ッ!!」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:21:35.24 ID:HgYs1TrT0
ミサカ「……どうかしかましたか?」


一方通行「な、なンでもねェよ! さっさと帰ンぞ!」


ミサカ「はぁ」


<ミャァ、ミャー♪


一方通行「(……クソ、油断した)」


一方通行「(時々見せる、あの表情は一体なンだってンだよ……)」


<ニャー


一方通行「……ン?」


<ニャァ〜〜ゴロゴロ


ミサカ「おぉっ、すでに懐かれているとは、やりますねとミサカは感嘆します」


一方通行「(人の気も知らねェで、呑気な奴らだ……)」ヤレヤレ
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/21(金) 22:33:12.78 ID:HgYs1TrT0
今回は以上でェす。
猫を飼うことになりましたよ
>>1は根っからの犬派(柴犬)なんですけど、やっぱりミサカ家なら猫かなぁ、と
この猫がこの先重要な役割を担う事になる、かも?

あ、あと、明日は休みなので出来れば投下をしたいと思っているのですが
なにぶん、来週からテスト期間に入ってしまうので、投下することが出来ないかもしれません。
(書き溜める事ももしかしたらできないかも……)
が、一応ストックはあるので、隙を見つけて投下出来ればしたいと思っています。
遅ければ、一週間後になると思うので
読んでくださっている方たちには申し訳ありませんが、そうなったら気長におまちください。

しかし、と禁のゲームとテスト期間が重なるってどういうことなの……
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/21(金) 22:33:50.44 ID:HgYs1TrT0
レス返し!!


>>193
はっはァ!! >>1なんてまだまだ!
うまい人のイチャイチャみるとマジ死にたくなってきますよ、うん(自分のSSの残念な出来に)
もっとイチャイチャさせたいのよ、>>1
すいまっせェン!! ブラックコーヒーくださァい! カカオ百パーくらいの!


>>194
ちょっと俺のバイブルで賢者になってくるよ


>>195
ニヤニヤあざーす!ニヤニヤ
アンジャッシュのコントは本当に素晴らしいですよね。
こういうコントが作れる人になりたい


>>196
超乙ありがとうございます!
ラブコメって書いててニヤニヤするので困る。
そんでもって、見直して死にたくなる。
人に見られると思うと吊りたくなってくるよねっ!!


レスありがとうございました!!
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 02:00:50.98 ID:wFhASHeJ0
猫飼いたいな
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 23:09:36.89 ID:IZZDia100
どォも、>>1です。
なンとか投下できそうなので、投下していきます。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:10:52.51 ID:IZZDia100
――――――――八月三日常盤台中学女子寮


美琴「……あー、それなら私が持つわよ?」


常盤台生徒「い、いえ! 御坂様にお荷物を持たせるわけにはいきませんわ!」


美琴「持たせるわけにはいかないって……私が先生に頼まれた事だからさ」


生徒「えっ? そうなのですか?」


美琴「うん、だからアナタはアナタの仕事があるでしょ? そっちのが大事だろうからまずそっちを……」


生徒「それはいけませんわ!」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:11:36.71 ID:IZZDia100
美琴「へ?」


生徒「御坂様に手伝いをさせるなど、なんとご無礼な教師でしょう!」


生徒「私、文句を言ってきますわ」


美琴「えっ? いやいや、そんな、そっちのほうが失礼だと思うけど」


生徒「御坂様はお優しすぎますわ!」


生徒「とにかく、これは私が運びますので、御坂様はお休みなさっていてください」


生徒「その後、たっっっっぷり文句を言ってきますので!」


美琴「ちょ、ちょっと! ……行っちゃった、どうしよ」


美琴「なんで、レベル5だからって、生徒の仕事もしちゃいけないのよ……」ハァ


生徒B「ん〜〜〜……!」


美琴「ん?」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:13:12.24 ID:IZZDia100
生徒B「はぁ……はぁ、どうしましょう……」


美琴「……どうしたの?」


生徒B「あっ! 御坂様! あの、その、とてもいえることでは無いので……」


美琴「いいからいいから、何か困ってるようだし、言ってみなさい」


生徒B「……」


生徒B「持てないんです……」


美琴「持てないって……このダンボール?」


生徒B「はい、何か機材が入っているようなのですが、重くて私には、とても」


美琴「ふぅん……よいしょっと」ヒョイ


生徒B「!?」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:14:44.38 ID:IZZDia100
美琴「どうしたの?」


生徒B「いえっ! 御坂様、重くないのですか?」


美琴「そりゃ、重いけど……私、普段から鍛えてるから大丈夫よ、なんとか、だけど」


生徒B「鍛える……能力ですか?」


美琴「いや、筋トレだけど?」


生徒B「み、御坂様はそれほどのスタイルでありながら力もあるのですか?」


美琴「それほどのスタイルって、アナタの方が(胸もあるし)魅力的よ?」


生徒B「……それに比べて私は、御坂様に、荷物を持たせるほど、役に立たない」グスッ


美琴「えっ、ど、どうしたの?」


生徒B「……お荷物ですわーーーーーーーー」ダダダー!


美琴「あっ! 待ってよ! これどこに持って行くの!?」


美琴「―――――はぁ……」
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:16:05.23 ID:IZZDia100
――――――――常盤台女子寮玄関


美琴「うぅ……やれやれ、やっぱ重いものを持つと腰に来るわね」


美琴「……」


美琴「……なんで、みんな私を特別扱いするのかなぁ」ハァ


美琴「私だって、皆と変わらない女の子≠ネのに……」


美琴「……」ゴソゴソ


美琴「……」ジッ←写真を見ている


美琴「……、アイツ、くらいかなぁ」


黒子「何がですの?」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:17:22.10 ID:IZZDia100
美琴「―――――ッ!!」ビクゥ!!


美琴「く、くくく黒子! いつからそこに!?」ワタワタ


黒子「何気なく外を見たらお姉様が一人黄昏ておりましたので、空間移動で飛んできたのですわ」


黒子「何か悩み事でもありますの?」


美琴「う、うぅん……なんでもない」


美琴「……そういえば、準備の方はどう? 大分片付いた感じがするけど」


黒子「そうですわねぇ……わたくしが暇を持て余す程度には、というところですわね」


美琴「そっか……じゃぁもう少しで終わるんだ」


黒子「はいですの」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:19:20.56 ID:IZZDia100
美琴「……そういえば、まだ招待状、初春さんと佐天さんに渡してなかったわね」


黒子「それならわたくしがもう渡しましたが?」


美琴「えっ!? そうなの!?」


黒子「今年の盛夏祭≠フ招待状は一週間前から申請が始まっていましたので、すぐに郵送したんですの」


美琴「そ、そうなんだ……、もう明日だもんね盛夏祭」


美琴「……」


黒子「お姉様?」


美琴「ん? なに?」


黒子「もしかしますが、他にお呼びする方がいますの?」


美琴「えっ? そ、そんな人いないわよ!?」


黒子「ふぅむ……怪しい……」


黒子「……まさか」ジトッ


美琴「な、なによその目は……」


黒子「例のアイツ事、あのバカ≠ナすの?」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:22:26.28 ID:IZZDia100
美琴「――――――――ッッ!!?」


黒子「図星ですのね……黒子は許しませんの!!」


美琴「な、なに決め付けてんのよ!! バカ! 違うわよ、そんなんじゃないって!」


黒子「それならよいのですが……油断なりませんの」


黒子「一応、言っておきますが……お姉様は常盤台のエースですの!」


美琴「な、なによ、エースって……そんなに私は偉くないわよ」


黒子「いーえ! エースはエースですの!」


黒子「ですので!! 不用意に殿方をご自身の意志で呼ぶなど考えてはいけませんの!」


美琴「どうして人を呼ぶのがダメなのよ!!」


黒子「決まっていますの!」







黒子「お姉様はこの黒子の愛する人だからですの!!」ドーン!!







美琴「無茶苦茶個人的な理由じゃないのよー!!」ビリビリ!!


黒子「あっはぁあああん!! 激しいですのぉぉぉぉ!」ビクンビクン


美琴「たくっ……私はもういくからね」テクテク


黒子「お、お姉様ぁん〜もっとぉ〜〜〜」ビクン、ビク


美琴「……(新たな境地を開いたみたいで末恐ろしいわ)」ハァ
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:23:33.95 ID:IZZDia100
――――――――――――


美琴「えっ? もう招待状の申請は受け付けてないんですか?」


教師「えぇ、昨日までが申請日だったから」


美琴「(そういえば、そんな事言ってたような……)」


教師「もう予備の用紙もないからねぇ……御坂さんは良くやってくれてるから特別作ってあげてもいいんだけど」


美琴「い、いえ、他の子はダメなのに私だけいいっていうのは悪いですから」


教師「そう? ならいいけれど……」


美琴「はい、お手数かけてすみませんでした」ペコリ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:24:10.07 ID:IZZDia100
教師「力になってあげれなくてごめんなさいね……あ、そうだ」


美琴「何か?」


教師「さっき、生徒が先生に食って掛かったのをみたけど……御坂さん何か知ってる?」


美琴「……な、ナニモシリマセン」


教師「そう」


美琴「あ、はは……失礼しましたー」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:25:14.69 ID:IZZDia100
――――――――――――常盤台中学女子寮美琴の部屋


ボフッ


美琴「あ〜あ……、結局招待状作れなかったなぁ」ゴロゴロ


美琴「……別に、アイツに来て欲しいわけじゃないんだけどさ」ゴロゴロ


美琴「借りを返すために呼ぶだけだし、これでチャラになるかなーって思っただけだもん」


美琴「……(それに、来なくて良かったかもね、色々あるし)」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:26:27.78 ID:IZZDia100
美琴「……って、私は誰に言い訳してんだっつーの」


美琴「あー……今日は仕事一杯あったし、昼寝でもしよっかなぁ」


美琴「明日は本番だし、体力つけとかなきゃ……」


美琴「………」


美琴「……アイツ、来ないかなぁ」


美琴「……」ゴロン


美琴「………」zzz
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:29:09.95 ID:IZZDia100
――――――――――――同時刻第七学区とある男子寮前


上条「〜〜〜〜♪」フンフフン フンフフン フッフッフーン


インデックス「〜〜〜〜♪」フンフフン フンフフン フッフッフーン


上条「いや〜今日は幸運だったな〜、特売で卵を無事に買う事ができるとは」


インデックス「お肉も安いのが買えたんだよ♪」


上条「はっはっは、今日は久しぶりに肉料理が食べれそうだなぁ」


インデックス「昨日までもやし炒めだったもんね」


上条「しかもお前が全部食ってくしな、俺の皿に侵入してまで」


インデックス「お腹が空いてるから仕方ないかも!」


上条「俺も空いてるっつーの!!」


上条「(肉は料理中に俺の分を食べておこう……、それがいい)」


上条「……と、ついたな」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:31:57.80 ID:IZZDia100
インデックス「部屋に入ったらすぐにご飯を作ってほしいんだよ」


上条「お前な、俺が荷物持ってんだから、休憩くらいさせてくれよ」


インデックス「でもでも、お腹は空くんだよ! お米はステイルが炊いてくれてるだろうし」


上条「(炊くっつっても、炊飯器のスイッチ押すだけなんだけどな……)」


インデックス「……とうま? 先に入ってるよ?」ガチャ、バタン


上条「ん、おぉ」


「上条当麻ー!」


上条「ん?」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:33:32.51 ID:IZZDia100
土御門「よーっす、ひっさしぶりだにゃーカミやーん」


上条「土御門兄妹か、久しぶり」


上条「つーか、舞夏もいるって事は休みなのか?」


土御門「人の義妹を呼び捨てにするんじゃねーぜよ、でもまっそんなところだにゃー」


舞夏「そうだぞー、最近忙しくて明日も大変だから今日は早めに帰ったんだぞー」


上条「ふぅん……寮には戻らないのか?」


舞夏「兄貴に飯を作ってやれなかったからなー、今日は作ってやるんだぞー」


土御門「にゃー、舞夏はホントにいい妹だぜい、お兄ちゃんは嬉しいにゃー」


上条「(お前はホントに真性のシスコンだけどな)そいつは良かったな」


土御門「羨ましいか? 羨ましいだろう?」


上条「あーあー羨ましいよ、俺には飯を作ってくれる女の子なんていねーからな」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:34:52.24 ID:IZZDia100
土御門「ふっふっふ……そんなカミやんにいいものをやるぜい」


上条「あ?」


土御門「舞夏、アレをカミやんあげようぜい」


舞夏「いいのかー? 兄貴」


土御門「カミやんにはぴったりだにゃー、受け取る死角があるぜよ」


上条「あれってなんだよ」


舞夏「ふむ、まぁ、兄貴がそういうなら……」


舞夏「ほら上条当麻ー、あれとはこれの事だぞー」スッ


上条「……なんだこれ?」


上条「………『常盤台中学女子寮盛夏祭の招待状』?」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:36:07.47 ID:IZZDia100
土御門「みての通りだぜい、こいつは常盤台中学が毎年開いてる祭りの招待状だにゃー」


土御門「普段は一般じゃ公開されない常盤台中学の女子寮を見学、もとい遊びに行ける代物ですたい」


上条「そんなのなんでお前が持ってんだよ? 常盤台は女子校じゃねーか」


舞夏「それはだなー、私が常盤台でメイドの仕事をしてるからだぞー」


上条「お前が? へぇ、お嬢様学校だからかな?」


舞夏「そうだろうなー」


舞夏「それで、その間は私も盛夏祭の参加生徒として招待状を送れるから、兄貴に渡したんだがー」


土御門「その日は用事が出来ちまってにゃー、本来ならそんなもん無視していきたいところだけど……」


土御門「大事な用事でにゃー、どうしても行けれなくなっちまったんだぜい」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:37:11.66 ID:IZZDia100
上条「だから、お前の代わりに行ける人間を捜してたってところか?」


土御門「まあにゃー、招待状貰ったのにそれが無駄になっちまうのは嫌だからにゃー」


上条「妹の好意を無駄にしたくないってはっきり言えよ」


土御門「オレとカミやんは言わなくても伝わる仲だと思ってたぜよ」


上条「どういう仲だよ……」


上条「まぁ、それはともかく、それ身分証明とかで引っかからないのか?」


舞夏「大丈夫だと思うぞー? 住所と名前を書き直せばいいと思うしなー」


舞夏「いざとなったら私が証明者になってやるぞー」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:37:44.26 ID:IZZDia100
上条「……それなら行ってみよっかなぁ」


土御門「その招待状、二人ぐらいまでなら通してくれるから彼女でも連れてくといいぜい」


上条「彼女なんていねーよ……つれてくなら青ピぐらいだろ?」


土御門「アイツを女子の巣窟に入れて大丈夫だと思うか?」


上条「……思わねーな」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:43:22.79 ID:IZZDia100
土御門「まぁーカミやんには彼女なんて必要ねーだろ」


上条「なんでだよ?」


土御門「………ふっ」ニヤァニヤァ


ポン










土御門『愛しの超電磁砲にも会えるかもしれねーぜい』ヒソッ










上条「ぶっ!!!? お、お前、何言って!?」


土御門「にゃー、土御門さんは何でも知ってるってことですたい」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:44:01.43 ID:IZZDia100
上条「待て土御門!」


土御門「じゃーにゃーカミやん、これから舞夏とラブラブ生活を満喫するから……」


土御門「邪魔はすんなよ」


上条「……ッ!」ゾクッ!


<マイカー、キョウノメシハナニカニャー
<ソウダナーアニキハナニガイインダー?
<オレハマイカノアイガツマッテルナラナンデモイイゼイー


上条「……こ、この招待状、どうすんだよ」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:45:19.05 ID:IZZDia100
――――――――――――


上条「そーいうわけで、この招待状を貰ったんだよ」


ステイル「なるほど、盛夏祭、ね」


神裂「とても面白そうですね、出し物などもあるのでしょう?」


インデックス「お嬢様学校だから美味しいもの食べ放題なんだよ!」


上条「やっぱ行きたいって思うよな〜……」


神裂「おや? 行ってみたくないのですか?」


ステイル「神裂、この男は行きたいに決まってるじゃないか」


ステイル「女子校なんていう場所はコイツみたいな男には楽園みたいな場所なんだから」


上条「俺を変態だって言いたいのかよ」


ステイル「さぁて、どうだろうね」


上条「てっめぇ……」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:46:04.15 ID:IZZDia100
神裂「コラコラ、喧嘩はいけませんよ」


神裂「それで、上条当麻、どうするんですか?」


インデックス「とうまは絶対行かなきゃダメなんだよ!」


上条「まぁ、俺がいないと入れないからなぁ……誰か他に行きたいやついるか?」


ステイル「キミとインデックスで行けばいいじゃないか」


上条「やっぱそうなるわけか……」


神裂「……なんだか乗り気じゃなさそうですね」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:46:50.03 ID:IZZDia100
インデックス「とうまは拗ねてるのかも」


上条「な、なんでそんな事いえるんだよ」


インデックス「だってそれ、とうまの友達から貰ったんだよね」


上条「だ、だから?」


インデックス「とうまはみことに貰いたかったんだよ」


ステイル「ほう」


神裂「あら」


上条「」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:47:47.40 ID:IZZDia100
上条「インデックスさん!? この二人がいるのに何を……!」


ステイル・(神裂)「知ってるよ(ますよ)」


上条「何ゆえ!?」


ステイル「キミもなかなか青春とやらをしてるらしいじゃないか」ニヤニヤ


神裂「本当は行きたくてしょうがないのに、可愛いところもあるものですね」ニヤニヤ


上条「う、うううるせぇ!!」


上条「インデックス! 言ったのお前だろ!?」


インデックス「それがどうかしたの?」キョトン


上条「『どうかしたの?』 じゃねぇよ!! なんで言うんだよ!」


インデックス「言っちゃダメなんて言われてないんだよ」


上条「屁理屈いうな! 恥ずかしいってわかんないんですか!?」


インデックス「仲間は多いほうがいいかも!」


上条「魔王を倒しに行く冒険じゃねぇんだよ!」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:48:44.49 ID:IZZDia100
ステイル「HAHAHA! まぁ頑張りたまえよ、上条当麻」ニヨニヨ


上条「(ちくしょぉおおおおおお! コイツに弱味を握られたぁ!)」


神裂「しかしそうなると、作戦を考える必要がありますね」


上条「作戦って、なんだよ……」イジイジ


インデックス「何考えても無駄かも」


ステイル「どうしてだい?」


インデックス「とうまが根性なしなんだもん、この前だって文通の約束も出来なかったし」


神裂「まぁ、好意を持った方に踏み込むのは難しい事ですからね」


ステイル「だが意気地なしである事も変わりないね」ニヤリッ
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/22(土) 23:50:12.29 ID:IZZDia100
上条「(ぶっ飛ばしてぇ……)仕方ないだろ、緊張するし」


インデックス「むぅ〜」


神裂「しかし、明日一日時間があるのならチャンスも多くあるでしょう?」


上条「会えるかどうかも分からないしなぁ……」


インデックス「行く前から弱気になってどうするの!!」


上条「アイツだって出し物の準備とか事情があるだろうが!」


上条「俺の事情で会おうなんて出来ねーよ」


インデックス「じゃぁ、偶然会えばいいんだね!」


上条「……まぁ、なぁ」


インデックス「ふっふん! 明日は楽しみにしてるんだよとうま!」


上条「……期待はしねーぞ」


インデックス「後で吠え面かくといいかも!」


上条「(会ったら吠え面はかきませんよインデックスさん)」


インデックス「そのためにもとうま、ご飯の追加なんだよ!」


上条「さっき食べたので最後です!!」


上条「(しかし、盛夏祭、ねぇ……)」


上条「(まっ、どっか遊びに行けるんなら、いいかもなぁ……)」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 23:55:41.76 ID:IZZDia100
今日はここまでです。
盛夏祭ネタはどうしても入れたかった、だから入れた、それだけなんだ。
うん、個人的に好きなんです、あの話は。

レス返し
>>220
猫もいいけど、犬もいいんだぜ。

次は一週間後くらいになると思います。
早ければ、三日後くらいに会いましょう、それでは。
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 00:24:49.09 ID:vBj247Nr0
盛夏祭回はよかった自分も大好き
次の投下楽しみにしてる
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 00:55:34.31 ID:8Tp5qiSwo
記憶があるまま&恋心があるバージョンの上条さんが盛夏祭に行くとかどんだけwktkなんですかくそう
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:13:04.28 ID:41dwuDb/o
この作品ではさりげにステイルと神裂まで上条の青春を(生)温かい目で見守ってるのねww

そういや彼らも10代なんだよな……普通にこういう話も好きなのかもしれんと思った
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:30:20.48 ID:vQQ2kr35o
美琴は慕われてるだけにかわいそうだなー
原作では慕われすぎるのが嫌で好きで孤立してるっぽいが

しかし上条さんの恋心ダダ漏れがかわいそうすぎてニヤニヤするwwww
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 03:44:59.09 ID:sEt4GwTDO
きゅんきゅんする展開だー…
ニヤニヤして待ってます

和みつつも、いつシリアスに入るか分からなくて怯える自分ガイル
255 :1でェっす :2011/01/30(日) 21:25:38.47 ID:QlvAf+fa0
こンばンわ、>>1です。
お久しぶりです、投下を始めたいと思いまァす。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:26:39.90 ID:QlvAf+fa0
――――――――――――八月四日常盤台中学女子寮前


上条「……」


インデックス「〜〜〜♪」


上条「なぁ、インデックス」


インデックス「なにかな♪」


上条「……やっぱやめない?」


インデックス「ここまで来てなに言ってるの! 腹括るんだよ!」


上条「ですよねー」


インデックス「さぁ! いざ、常盤台へ!」


上条「(なにも起こりませんように)」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:27:12.84 ID:QlvAf+fa0
上条「でっけぇ玄関だなぁ……」


インデックス「とうまの寮とは大違いかも」


上条「当たり前だろ……言ってて悲しくなるけどな」スタスタ


警備員「おっと、そこの少年、招待状を見せてくれ」


上条「あぁ、はいはい……あ、それ友達から譲ってもらったものなんですけど……」


警備員「なんだって? その友達の名前は?」


上条「土御門舞夏です」


警備員「ちょっと待ってくれよ……」ピッピッピ


警備員「………」


警備員「うむ、許可は取れてるようだな……通ってよし」


上条「どうもー」


インデックス「ありがとうなんだよ!」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:28:15.41 ID:QlvAf+fa0
――――――――――――常盤台、玄関


インデックス「うわぁ〜〜〜〜〜! とっても綺麗なところだね」


上条「ん、お嬢様って感じだよなぁ……」


生徒「あ、パンフレットどうぞ〜」


上条「あっと、すみません……」


生徒「いえいえ、盛夏祭を存分に楽しんでいってくださいね」


インデックス「とうま、とうま、それは何かな?」


上条「パンフレットだよ、今日ここで何をやるかって事が書いてあるんだ」


インデックス「ふぅん……ご飯は? どこで食べられるの!」


上条「まだ、昼前だぞ、気が早いっての」


上条「幸い、バイキング式で無料みたいだから、正午くらいになったら食いに行こうぜ」


インデックス「食べ放題なの!? 凄いかも!」


上条「他に来てる人に迷惑かけんじゃねぇぞ?」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:29:00.95 ID:QlvAf+fa0
上条「……初めは、まず舞夏にお礼でもしてくるか?」


インデックス「ご飯を食べないなら、捜しながら、展示物を見たほうがいいと思うんだよ!」


上条「妥当なところだな、じゃぁそうすっか?」


インデックス「それにしても……」


上条「ん〜? なんだよ」


生徒(メイド)「パンフレットどうぞー」


生徒(メイド)「こちら、今日の展示物の紹介と地図になっております」


インデックス「どうして常盤台の女の子たちはメイドの服を着ているのかな?」


上条「……おもてなしするからじゃねぇか?」


インデックス「おもてなしっていっても学校のお祭りなんだよ」


インデックス「せーふく、とかでもいいと思うかも」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:30:06.58 ID:QlvAf+fa0
上条「ふっ、これだから女子は分かっていませんのことよ」


インデックス「どーいう意味かな?」


上条「ここは女子校で、確かに女の子の客も多い」


上条「しかーし!! 俺のように男も呼ばれるわけだ……分かるか?」


インデックス「分かるわけないじゃん」


上条「……つまりだな、見慣れた制服を着ていた女子がだな」


上条「いつもと違う趣向の服を着てたらギャップが物凄いだろ?」


上条「常盤台のお嬢様はああいう服も着れるんだなーって興味をそそれる事も出来るってわけだよ」


インデックス「とうまの言いたい事はよく分かったんだよ」


上条「そうかそうか、さすがだなインデックス」


インデックス「つまるところとうまは変態で、みことがあの服を着てると興奮しちゃうんだね」


上条「……」


上条「ナニヲイッテルノカワカリマセンネ、インデックスサン」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:31:40.52 ID:QlvAf+fa0
インデックス「汚らわしいんだよ、とうま」ケッ!


上条「汚らわしいってなんなんですか!? ひどくね!?」


上条「だってお前! だってお前!」


上条「あの服可愛いじゃん! あれ着てる女の子見たいじゃん!」


上条「俺、メイドの良さがイマイチわかんなかったけど、今日で底知れないものを感じたからね!?」


インデックス「あ、みことだ」


上条「おい、聞いてます? インデックスさん!?」


上条「……みこと?」


上条「……」チラッ







美琴(メイド)「おはようございます、今日は楽しんでいってくださいね」ニコッ


上条「」


インデックス「うわぁ! 似合ってるんだよ! 可愛いんだよ!」


インデックス「とうま、とうま……?」


上条「」カチコチガチコチ


インデックス「……情けないんだよ」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:32:31.83 ID:QlvAf+fa0
インデックス「ホラ、とうま、みことに挨拶にいくといいかも」


上条「へぁ!? あ、挨拶?」


インデックス「今日こそ、連絡を取り合えるようにしなきゃいけないんだよ!」


インデックス「根性なしの汚名を返上するいい機会かも!」


上条「もうちょっと心の準備ができてからでいい?」


インデックス「……へっぽこ」ボソッ


上条「おい、聞こえてるからな? へっぽこ言ったの、ちゃんと耳に届いてるからな?」


上条「それにだな、御坂は御坂で仕事してるみたいだし、邪魔するわけにもいかない、だろ?」


インデックス「それはそうかもしれないけど……挨拶くらいはしたって減らないんだよ」


上条「いいの、アイツだって読んだ覚えのない知り合いが来てるって知ったらやりにくいだろ?」


上条「ただでさえ、無理に笑ってるみたいだしな」


インデックス「むぅ……、仕方ないかも」


上条「分かったら、早く展示物みようぜ」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:33:19.80 ID:QlvAf+fa0
インデックス「………」


上条「コラ、インデックス、立ち止まるなって」


インデックス「とうま」チョイチョイ


上条「なんだ?」


インデックス「みことが他の男にちょっかい出されてるんだよ」


上条「はぁ? 何言ってんだ?」チラッ


男子生徒「キミ可愛いね〜、写真とってもいい?」


黒子「お姉様、ハァハァ」パシャッ!


美琴「申し訳ありません、生徒の撮影は禁止されていますので、ご遠慮ください」ニコニコ


男子生徒B「えぇ〜、そういわずにさー……あ、じゃぁ、連絡先教えてよ」


黒子「おぉ……短パンも装着とは……」パシャッ!パシャッ!


美琴「……そういった行為も禁止されているので」ニコニコ
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:35:10.17 ID:QlvAf+fa0
上条「……」


インデックス「みことはモテモテなんだよ!(なんか常盤台の生徒が写真撮ってるけど)」


上条「……」


インデックス「とうま?」


上条「インデックス」ニコッ


インデックス「……な、なに?」


上条「……俺、ちょっとあそこにある幻想をぶっ殺してくるわ」ダッ!


インデックス「ま、待つんだよとうま! そうなるとみことに迷惑かけちゃうんだよ!」ガシッ!


上条「うるせー!! 今まさに御坂が迷惑そうにしてるじゃねぇか!」ジタバタ


上条「ちくしょう! 平然と連絡先聞こうとしやがって! その無謀さを俺に分けろぉ!」ジタバタ


インデックス「本音はそれなんだね!? いいから今は落ち着くんだよ!」


上条「くそおおおおおおおおお! 御坂ぁぁぁ! 俺に気付けええええ!」


インデックス「(とうまが緊張とかイライラでおかしくなってるんだよ!)」


インデックス「落ち着くんだよ! この、ウニ頭ーーーーー!」ガブッ!


上条「んぎゃあああああああああああああ!?」







<ンギャアアアアアアアアアアアアアアア


初春「さっきから、うるさいですね」


佐天「興奮したどっかの男子が騒いでるんじゃないのー?」







265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:36:00.24 ID:QlvAf+fa0
――――――――――――数十分後


美琴「……ふぅ、これで大方、片付いたかな?」


美琴「……」キョロキョロ


美琴「(……アイツは来てない、よね、当然だけど)」


美琴「(私以外に常盤台の知り合いなんていないだろうし)」


「……さま」


美琴「(こんな恰好見られるの恥ずかしいもんね)」


「……ねえ様」


美琴「ん?」
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:36:33.33 ID:QlvAf+fa0
黒子「お姉様!」


美琴「あっ、黒子か」


黒子「黒子か……ではないですの! 先程から声をかけていますのに、無視とはヒドいですの」


美琴「あはは、ごめん、ごめん」


黒子「まったく……佐天さんと初春が来たというのに、それにもお気づきにならないなんて」


美琴「えっ?」


初春「御坂さん、こんにちわ」


佐天「どもー♪」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:37:24.50 ID:QlvAf+fa0
美琴「あー……ごめん、ホントに気付かなくってさ」


初春「いえいえ〜、何か悩み事なんですか?」


美琴「悩みといえば、そうかもしれないけど……どうなんだろ?」


黒子「まさか、今日の事でまだ悩んでらっしゃるんですの?」


佐天「今日の事、ですか?」


黒子「えぇ、今日はお姉様が常盤台の代表≠ニして出し物をしますの」


佐天「へぇ〜、凄いじゃないですか!!」


美琴「えーっと、まぁそれも悩んでるっちゃ悩んでるんだけど……」


初春「他に何かあるんですか?」


美琴「それは……その……」


黒子「初春、お姉様が困っていますの、質問は程ほどにしなさいな」


初春「え、でも……」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:38:10.03 ID:QlvAf+fa0
佐天「まーまー、白井さんもそういってるし、詮索はしないほうがいいよ」ニヤニヤ


初春「そんなこと言って……佐天さん顔がにやけてますよ?」


初春「本当は聞きたくてしょうがないんじゃありませんか?」


佐天「えぇ〜、そうかなぁ〜〜」ニヤニヤ


初春「……」


コソコソ


初春『佐天さん何か知ってるんじゃないですか?』


佐天『ふっ、多くを語らずとも分かるとはさすが初春』


初春『もったいぶらないで教えてくださいよ』


佐天『分かんないの〜? 夏休み前の フ ィ ア ン セ だよ、きっと』


初春『ぬっふぇぇ!? で、でも、そうとは言い切れませんよ!』


佐天『あの御坂さんの物憂げな顔、最近会えなくて寂しい……とかに間違いないね!』


初春『まさか……』
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:39:41.02 ID:QlvAf+fa0
黒子「初春、佐天さん?」


初春「えっ? あ、なんですか?」


美琴「私の仕事も片付いたからさ、案内しようって思ってね」


美琴「常盤台の寮に来るのは初めてでしょ? ここって無駄に広いから、迷うかもしれないと思うの」


黒子「ということですの、お姉様直々の案内、感謝してくださいまし」フンス


美琴「コラ、二人はお客さんなんだから、そんな言い方しないの! ……で、どうかな?」


佐天「いやー、私たちもそう思ってたところなんですよ!」


佐天「是非、御坂さんに案内させてもらいます! ね、初春?」


初春「……そうですね、お願いします」


初春「(……佐天さん、白井さんがいなくなったら聞くんでしょうね)」


佐天「(ついに事の真相が明らかになるんだね、ふっふっふ……)」


美琴「(なんか佐天さんが怖いなぁ……どうしたんだろ?)」
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:40:36.90 ID:QlvAf+fa0
――――――――――――


上条「これが造花ってやつかぁ、ふぅん」


インデックス「手間をかけて作ったって感じがするんだよ」


上条「よく作るよなぁ、俺にはこんな細かいの作れそうにねぇよ」


インデックス「とうまは、なんでもかんでも不器用すぎるんだよ」


上条「なんでもかんでもってなんだよ、なんでもかんでもって」


インデックス「女の子とまともに連絡をとりあえない」プッ


上条「………」


インデックス「あっ、とうま〜、ここはお茶菓子が出てるんだよ! お饅頭が食べたいかも!」


上条「はぁ、分かった分かった、だから慌てんなって」


上条「(ちくしょう、今に見てろよ)」







美琴「相変わらず、綺麗ねぇ」


佐天「これ本物じゃないんですか?」


美琴「本物に見える?」クスクス


初春「私も作ってもらいたいですねぇ」


美琴「えっ?」


佐天「えっ?」


初春「……えっ?」
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:41:23.85 ID:QlvAf+fa0
――――――――――――数十分後


生徒「ありがとうございましたー」


インデックス「」


上条「」


インデックス「ニッポンのサドーはとっても強敵なんだよ」ガクガク


上条「それは同感だ……イ、インデックス、早く立つんだ……」ガクガク


インデックス「ま、まだ無理かも……、とうま、負ぶって」ガクガク


上条「なん……だと?」ガクガク


インデックス「しばらく正座は、勘弁かも……」


上条「俺は、おんぶも勘弁だよ」


インデックス「それは私が重いって言いたいのかな?」


上条「……その修道服、大きめでよかったな」


インデックス「成 敗」


ガブッ!







美琴「ここで、お茶菓子が食べられるんだけど……お昼の後でいいよね」


初春「まだ午前ですからね、そうします」


佐天「お茶菓子かぁ、高級そうなものがでそうな予感!」


美琴「入ってから、その元気なセリフが出るか見ものだねぇ」ニヤニヤ


佐天「……?」
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:42:07.05 ID:QlvAf+fa0
――――――――――――


インデックス「とうまー、そろそろお腹が空いたかも」


上条「あぁ、もう昼になんのか……時が経つのは早いこって」


インデックス「結局、午前中はみこととまともに話せなかったね」


上条「うるさい、昼からが本番だ」


インデックス「みことを捜すの?」


上条「偶然に身を任せると会えそうな気がする」


インデックス「やっぱり情けないんだよ、とうま」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:42:54.82 ID:QlvAf+fa0
上条「つーか広すぎるんだよなぁ……捜そうにも捜せねぇよ」


インデックス「灯台下暗しっていう言葉があるんだよ」


上条「どーいう意味だよ……」


インデックス「多分とうまが考えてる意味で間違ってないかも」


上条「……俺らが回ったすぐ後にその場所にいるとか?」


インデックス「逆に先にみことが行ってるのかも」


上条「まさかぁ、さすがにそんなすれ違わないだろ」ハハハ


インデックス「その通りかも」ハハハ







上条「……飯にすっか」


インデックス「うん」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:43:27.51 ID:QlvAf+fa0
インデックス「うーわーーーーー! たっくさんご飯があるんだよ!!」


上条「食べ放題だけど、遠慮はしろよ? お前だけのじゃないんだからな」


インデックス「分かってるんだよ! 見くびらないで欲しいかも」


上条「そうですか、そりゃ失礼」


インデックス「そこはかとなく馬鹿にされてる気がするけど、今は許してあげるんだよ」


インデックス「今は食べ物の方が大事なんだよーーーー!!」ダダダ!


上条「元気だなぁ、オイ」


上条「はぁーあ……俺もとってくるかなぁ」
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:44:05.73 ID:QlvAf+fa0
上条「うん、美味い、美味いぞ!? これすっげぇ高級な肉だな!!」モグモグ


上条「たっくさん食っとかないと、後で後悔する事になるな!」モグモグ


上条「んぐ、んぐ! おかわり、してくるかな……」


上条「……」キョロキョロ


上条「そういえば……インデックスが帰ってこないけど……どうしたんだ、アイツ?」


インデックス「と、とうまぁ〜〜〜」


上条「どうしたぁ? 全部美味そうに見えて、選べな―――――」クルッ


上条「!!?」
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:45:17.32 ID:QlvAf+fa0





グラグラ


インデックス「うん、そうなんだよ〜〜〜、全部が全部美味しそうで……」


グラグラ


インデックス「こーんなに、取っちゃったんだよ〜〜!」タスケテー












山盛りの皿『デデーン!』












上条「(まるでピサの斜塔のようになってる!!)」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:46:36.56 ID:QlvAf+fa0
上条「ま、待て、あんまりフラフラ動くなよ……崩れるからな!」


インデックス「う、うん……」フラフラ


上条「いいか、そーっとだぞ……そーっと……」


インデックス「そーっと……そーっと……とっとっと!!?」フラフラ


上条「バ、バランスを取れ! 右に傾いたら左に、左なら、その逆だぞ!」


インデックス「ひ、左……」ピタッ.....


上条「ようし、いいぞぉ……そのままだぁ!」


インデックス「んしょ、んしょ……んしょ……」フラフラ


上条「そう、そう、あと一歩!」


インデックス「よい……しょっと!」


上条「やったぞ! ゴールだインデックス!!」


インデックス「や、やったんだよ、とうま!!!」パッ


グラッ……


上条「!!」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:47:41.88 ID:QlvAf+fa0
上条「ば、バカ! いきなり手を離すな!!」


インデックス「えっ?」


グラァッ!







インデックス「キャァァァァァァ!」







ガラガラガラガラ


上条「イ、インデェェェックス!」
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:48:11.01 ID:QlvAf+fa0
インデックス「むきゅう〜」


上条「何てこった、食べ物の下敷きになっちまった……」


上条「インデックス、大丈夫か?」


インデックス「ご飯いっぱいなんだよ〜」エヘヘ


上条「……」


上条「何てこった、その状態で幸せいっぱいになるなんて」
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:50:09.82 ID:QlvAf+fa0
上条「感心してる場合じゃねぇ、引っ張りださないと……」


上条「よいしょ、よいしょ」グィグィ


インデックス「うぅぅ……」ズリズリ


上条「よいしょっと……インデックス、大丈夫か?」


インデックス「うぅ、服が汚れちゃったんだよ」


上条「これは、早く洗濯しないとなぁ……着替えとかないかな」


インデックス「持ってきてるわけないんだよ……」


上条「だよな……貸してもらうしかないか」


インデックス「せーふくを?」


上条「体操着とかだよ、あとジャージ」


上条「どっかに生徒は……」キョロキョロ
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:51:26.98 ID:QlvAf+fa0
舞夏「おーい、上条当麻ー」


上条「舞夏か」


舞夏「何か困っているようだなー、どうかしたのかー?」


上条「あぁ、連れがさ、食べ物をこぼしちまってな、服が汚れたんだよ」


インデックス「助けが欲しいかも……」


舞夏「それは大変だなー」


舞夏「……」


舞夏「ならば、私がそこのシスターに着替えを貸してやろうかー?」


上条「いいのか?」


舞夏「構わんぞー、これもメイドの仕事だしなー」


上条「そうか、じゃぁ、俺はこぼしたものの片づけしとくよ」


舞夏「それこそメイドの仕事だぞー、それは他のメイドがしてくれる」


上条「あー、でも……」


舞夏「客が遠慮してどうする、任せておけー」
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:52:18.95 ID:QlvAf+fa0
上条「そこまで言うなら……仕方ない、インデックス、舞夏に着替え貸してもらっとけ」


インデックス「はーい、なんだよ」


舞夏「よし、シスターこっちだぞー」


インデックス「とうま、また後でね」フリフリ


上条「ん」


インデックス「私がいなくても、ちゃんとみことを捜すんだよ」


上条「さっ、さっといけ!」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:54:06.90 ID:QlvAf+fa0
舞夏「ほう……」ニヤ


上条「なんだよ……なんだ、その気味の悪い笑い」


舞夏「みこと、とは御坂のことだなー?」


上条「……ナンノコトダイ?」


舞夏「ふっふっふ……上条当麻ー」


舞夏「午後、中庭、舞台裏、そこに行ってみると良いぞー」


上条「はぁ? なんだそれ……集合場所か?」


舞夏「五分前行動を忘れずになー、ではまた後で」


上条「??」
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 21:56:02.28 ID:QlvAf+fa0
上条「……インデックスには舞夏が付いてくれてるし、一人で回るかな」


上条「……」











上条「なんかスゲー心細い……」orz









285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/30(日) 22:07:08.48 ID:QlvAf+fa0
今回はここまでです。
こっから上条さんと美琴パートが多くなるので
一通さンはもう少し待っててください。
というよりあの人を書くとどうしてもシリアス(?)方面にいっちゃうので難しいんですよね。
キャラ崩壊上等とはいえ、やりすぎもよくないですしね……
あれ? もうやりすぎか?
では、また次回もよろしくお願いします
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/30(日) 22:08:31.71 ID:QlvAf+fa0





レス返し


>>250
仲間がいた!! あの話はいいですよねっ!

>>251
上条さん←美琴もいいけど
その逆もたまにはいいと思うんDA

>>252
年齢的にはそういう時期ですからねぇ……
でも、環境とかのせいでまともな生活を送れなかったから
案外上条さんみたいな生活をしている学生は羨ましいんじゃないかなぁ

>>253
美琴は皆に対等に扱ってもらいたいっていう願望があると思います
それがいえないのはやっぱり素直じゃないから、ですかね

ツッチーは情報通、インデックスは良かれと思って……
で、上条さんの知り合いに殆ど伝わってますw

>>254
次回はもっとキュンキュンさせてやる!!
シリアスなんて俺が書いてもシリアル(笑)にしかなりゃませんよん


レスありがとうございました!!!
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 23:00:40.76 ID:0U4j9ITPo
なんと見事なすれ違い…
>>264ですげえニヤニヤしたwwww
ダメだこの上条さん早く何とかしないと…
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 00:46:08.23 ID:s4uY3VIDO
上条さんがヘタレすぎてヤバい
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 01:36:01.74 ID:jqglx5cdo
上条さん曰く、俺は慎重派なだけとか言いそう
そしてインさんに鼻で笑われる
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 07:34:31.74 ID:kDT4Hu7/o
午後としか言ってないのに五分前行動とか
舞夏可愛い
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:34:46.39 ID:rxhvQ1Zdo
なにこのヘタレ上条さん・・・イラ付くと同時に可愛い・・・!
早く美琴とバッタリ会っていちゃいちゃすればいいのにッ
292 :1でっす :2011/02/02(水) 22:15:50.70 ID:Np7j9C2M0
どォも、>>1です。
今日の投下を始めたいと思います。
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/02(水) 22:17:03.58 ID:Np7j9C2M0
―――――――――


美琴「さーお昼にしましょっか」


初春「待ってました!」


佐天「あれー? 初春、食べるの?」


初春「当然ですよ!」


佐天「ダイエット中じゃなかったっけ?」


初春「今日はリミッター解除ですから!」


初春「私、早速取ってきますね!」ダダダ


佐天「あーあー、こりゃ後悔するぞ」


美琴「ふふ、佐天さんも遠慮せず食べていいよ?」クスクス


佐天「そうですねぇ、お腹一杯になる前に物をいれないと勿体無いですもんね」ニヤリ


美琴「?」
294 :そォいえば、今月に超電磁砲の六巻でますね [sagesaga]:2011/02/02(水) 22:18:36.80 ID:Np7j9C2M0
初春「よい、しょ……」ガタン


美琴「想像以上にたくさんいれたね……」


初春「お嬢様学校の食事なんて、そうそう食べれませんから!」クワッ!


美琴「そ、そう……(顔が怖いよ、初春さん)」


佐天「うわー、タワーみたいに積んだねぇ、初春」カタン


初春「佐天さんのは少なすぎですよ!」


佐天「んなこたぁない」


佐天「それにさー、初春そんなに食べれないと思うよ〜」ニヤニヤ


初春「えっ? それは、どういう……」


佐天「御坂さーん」


美琴「なにかしら?」


佐天「今日は彼氏さんがいなくて寂しいですねー!」
295 :超楽しみです。来月は新約ですしね [sagesaga]:2011/02/02(水) 22:20:06.29 ID:Np7j9C2M0
美琴「……へっ?」


初春「さ、佐天さん! ダメですよ!」


佐天「いーじゃん、いーじゃん、初春だって気になるでしょ? 御坂さんの恋人」


初春「そ、それは……」


美琴「あ、あの、こ、こここ恋人って!?」アタフタ


佐天「隠すなんて水臭いですよ〜、御坂さん!」


佐天「私達、聞いちゃったんですよ〜」


美琴「き、聞いたって?」


佐天「セブンスミストで御坂さんが男の人と話してるところをですよ」


美琴「え……あ、まさか、夏休み前の……」


佐天「はい、凄く仲良さそうに話してましたよね」


美琴「仲良そうに……? そうかな……?」


佐天「物凄く、嬉しそうに楽しくお話してましたよ」


佐天「それこそ、久しぶりに会った恋人みたいに」
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:20:59.86 ID:Np7j9C2M0
美琴「え、えぇぇ!!?」


佐天「なにそんなに驚いちゃってるんですか〜〜〜もぉ〜、初心なんですねぇ」


美琴「やっ、え……そんな、でも……あの時は、別に……」ゴニョゴニョ


初春「佐天さん……なんだか変ですよ?」


佐天「うぅむ? これは当てが外れたのかな……?」


佐天「あぁ、そっか……御坂さん、片想いなんですね!?」


美琴「!!!?」
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:22:15.42 ID:Np7j9C2M0
初春「佐天さん!! またそんな、脈絡もないこと言って!!」


佐天「だってー、御坂さんの反応はそれに近いっぽいしさぁ〜」


美琴「か、片想い……でも、ない……し、そもそも、アイツは私のことなんて……」ゴニョ


初春「み、御坂さん、佐天さんの言う事なんて気にしちゃ駄目ですよ、いっつも突拍子もない事いいだず人なので」


佐天「いっつもってひどいよ初春ぅ〜〜」


初春「妥当な事いってます!!」


美琴「………あぅぅ」


初春「あのー、御坂さん?」


美琴「……」


ガタッ!


初春「!?」


美琴「………あ、あの、私、用事思い出したから、行くねっ!」


初春「えっ? 御坂さん!? お昼からの案内は!?」


美琴「く、黒子にでも頼んどいて、それじゃ!」タタタ
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:22:44.63 ID:Np7j9C2M0
初春「ま、待ってくださいよー! あぁ……行っちゃった……」


佐天「ふっ、可愛いなぁ、御坂さん」ニヒヒ


初春「佐天さんのせいですよ!!」


佐天「えっ!? 初春だって気にしてたじゃん!!」


初春「私は聞こうとなんてしてませんよ!!」


初春「どうするんですかー……この寮すっごく広いんですよ?」


佐天「どうするったって……白井さんに連絡つかないの?」


初春「珍しく電源を切ってるみたいでつながらないんですよ……」


佐天「えぇ〜〜……」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:23:38.72 ID:Np7j9C2M0
佐天「……」ウーム


初春「どうしたんですか? また何か変なこと考えてるんじゃないですよね?」


佐天「変なことってなにさー、御坂さんの恋愛模様だよん」


初春「まだ言ってるんですか? さっきの御坂さんみたじゃないですか」


初春「きっと怒っちゃったんですよ!」


佐天「どっちかっていうと図星で焦ってたって感じだよアレ」


佐天「つまり御坂さんには片想いしてる誰かがいるって事だね」


佐天「もしくは、それを自覚してないのかも」


初春「佐天さん……恋愛経験あってそれを言ってるんですか?」


佐天「もちろん」


初春「へぇー、じゃぁお相手をお聞きしましょうか?」


佐天「私の嫁は何十年経っても初春だけだもーん!」


初春「冗談言わないで下さい!!」


佐天「私は本気だよー初春ぅー」ニヨニヨ


初春「はぁ……まじめに聞いた私がバカでした……」
300 :つゥか一通さンの出番がねェなァ……オイ [sage saga]:2011/02/02(水) 22:24:34.63 ID:Np7j9C2M0
佐天「まぁまぁ、とにかく、御坂さんはいま現在絶賛恋愛中なのだよ」


初春「……それ、白井さんが聞いたら鉄矢を持って凶器乱舞ですよ?」


佐天「初春、上手い!!」


初春「いえ、そんなに上手くありませんよ……自分で言っておいてなんですが」


初春「まぁ、佐天さんの話が本当だったとしたら、白井さんにはますます言えませんね」







黒子「何がですの?」






301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:25:52.19 ID:Np7j9C2M0
初春「し、しししし白井さん!! いつからそこに!?」


黒子「そうですわねぇ……『初春、上手い!!』ですからですの」


初春「そ、そうですか(聞かれてなくてよかった……)」ホッ


黒子「しかし、わたくしの名前が出ているのは気になりますわね、何の話ですの?」


初春「それは……「御坂さんの話ですよ」さ、佐天さん!!」


黒子「ほう……お姉様のお話……これは聞き捨てなりませんの」


黒子「一体お姉様のどのようなお話でして?」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:26:59.03 ID:Np7j9C2M0
佐天「それはですねぇ……」


初春「佐天さん、言うんですか?」


佐天「なんだか面白くなりそうだし」


初春「私たちとばっちり受けるかもしれないですよ!?」


佐天「そのときは初春が何とかしてくれるさ!」


初春「何で私なんですかっ!?」


黒子「うるさいですわよ初春……お続けくださいな、佐天さん」


佐天「では遠慮なく……」


佐天「御坂さんに異性で好きな人っているんですかね? って話しですよ」


初春「……(言っちゃった……)」ハァ


黒子「ハッ! 何をバカな事を……お姉様にはわたくしがいますの」


黒子「わたくしというものがありながらお姉様がどこぞの類人猿に手をつけるはずが……」


黒子「……あら?」


初春「どうかしたんですか?」


黒子「いえ、何か、引っ掛かった様な……」


黒子「……」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:29:02.79 ID:Np7j9C2M0
―――――――――七月三十一日、夜


黒子「ヴァー、疲れましたわ〜〜〜」


黒子「あぁ、ですがこの黒子、お姉様が待っているというなら! この体惜しみませんの!」


ガチャ


黒子「お姉様ぁあああああああああん、黒子が帰りましたのー!」


美琴「………」


黒子「あ、あら? お姉様? もう寝てらっしゃるんですの?」


黒子「お姉様? 黒子、ただいま戻りましたの」


美琴「……」スゥスゥ


黒子「……」


黒子「(お姉様の寝顔……久々に見ましたわ……)」


美琴「……」スゥスゥ


黒子「(いつも凛々しいお姉様もやはりまだ十四歳、黒子と変わらない中学生ですの)」


黒子「(しかし……)」


美琴「……」スゥスゥ










黒子「(このあどけない表情、た、たまりませんわ……)」ハァハァ









304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:30:48.90 ID:Np7j9C2M0
黒子「こ、これはお姉様が黒子に襲わ……もとい受け入れたということで間違いありませんわね」


黒子「お姉様がお誘いになるのなら、黒子、純潔を、捧げますわ!!」


美琴「……ん」ゴロン


黒子「!」


黒子「ま、まさか、起きていますの? お姉様?」


美琴「……た」


黒子「んん? 寝言……ですの?」


美琴「……捕まえたわよ〜〜、エヘヘ」


黒子「……えっ?」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:32:26.35 ID:Np7j9C2M0
黒子「……い、一体、誰を捕まえたんですの?」


美琴「ムニャ……」ポロッ


黒子「むっ、これは……写真? 暗くてよく見えませんわね……」


黒子「机の電気を点けて……」カチッ


黒子「……」


黒子「……こ、これ……は!!!?」


今にもキスしそうなほど近づいている男と美琴の写真『どやっっっっっ!!!』


黒子「」


美琴「……ん、ダメ、だよう……あっ」


黒子「」


黒子「    えっ?    」
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:33:26.98 ID:Np7j9C2M0
―――――――――


黒子「い、いえ、認めませんの、黒子は、認めませんの」プルプル


初春「し、白井さん? どうしたんですか?」










黒子「黒子は、認めませんのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ウガー










初春「な、何がですか!!?」
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:34:30.68 ID:Np7j9C2M0
黒子「お姉様が、あんな類人猿に体を許すなんて、むっきいいいいいいいい!!」


初春「体を許す!!?」


佐天「おぉっ!? これは凄い情報だ!! やったね初春!」


初春「やってませんよ!」


黒子「類人猿コロス、るいじんえん殺す、ルイジンエンコロス、るいじんえんころす」ブツブツ


初春「白井さん、いつもの白井さんに戻ってくださいよー!」ウェーン


黒子「今度お姉様に近づこうものなら! すぐに!」


黒子「ぶ ち こ ろ し か く て い で す の」シャキン


初春「白井さーーーーーーーん!」










上条「……なぜだか、不幸な予感がする」ブルブル









308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:36:34.56 ID:Np7j9C2M0
―――――――――常盤台学生寮美琴の部屋


美琴「はぁ……」


美琴「まさか佐天さん達に聞かれてたなんて……」


美琴「……アイツと私って、傍から見たら、こ、恋人に見えるのかな?」


美琴「……///」


美琴「……」ハッ!


美琴「ない、ないないないないない!! 私とアイツに限ってそんな事ぜっっったいない!」


美琴「そう、そうよ、そうよ、あんな話を真に受けるなんてどうかしてるのよ」


美琴「うん、今日は疲れてるだけ……ちょっと休んで午後の準備しなきゃね」ゴロン


美琴「……」


美琴「……やっぱり、着替えちゃおうっと」ゴソゴソ
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:37:57.40 ID:Np7j9C2M0
―――――――――


上条「……」ボーッ


上条「……暇だ」


上条「(インデックスがいると騒がしいけど、退屈はしないもんなぁ)」


上条「(くそっ、インデックスと別行動になったのは失敗だったか?)」


上条「……」キョロキョロ


上条「(舞夏の奴、一体どこに連れてったんだ? 食堂……とかか?)」


上条「(うぅーん、迷子の放送をするわけにもいかないしなぁ……)」


上条「(仕方ねぇ、一人じゃどうしようもないし、インデックスを捜そう)」


上条「(また根性なし、とか言われそうだけど)」


ワイワイ、ガヤガヤ


上条「……なんだ?」キョロキョロ
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:38:53.14 ID:Np7j9C2M0
生徒A「……」ガソゴソ


生徒B「……」ゴトゴト


生徒C「……」ゴトン


上条「……あそこ、何の準備してるんだ?」
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:40:24.15 ID:Np7j9C2M0
―――――――――中庭


生徒B「そこのイスはあの列を基準においてくださいな」


生徒C「はい、分かりました」


生徒A「こういった作業は白井さんがいたほうが楽なのでは?」


生徒B「ぶつくさ文句を言ってはいけませんわ」


生徒A「連絡は?」


生徒B「……もちろんしましたわ、ですが、つながらないのです」


生徒C「先輩、白井さんなら、さっき物凄い形相で寮内を走り回っていましたよ?」
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:41:13.27 ID:Np7j9C2M0
生徒B「そうですの?」


生徒A「……また御坂さん絡みじゃないでしょうね」


生徒B「ありえますわね、白井さんがお熱になる事といえば風紀委員活動か御坂さんぐらいですからね」


生徒C「そういえば、御坂様のことを何度も呼んでいたような……」


生徒A「はぁ……これじゃ埒が明かないし、わたし、白井さん捜してきますね」トテトテ


生徒B「あっ! ちょっと、わたくしも行きますわ!」タタタ


生徒C「えっ!? 先輩! 仕事の方は!?」


生徒A・B「アナタにお任せしますわー」


生徒C「そ、そんな〜〜! 私だけではどうすればいいのか……」


生徒C「先輩たち、休みたいだけなんじゃぁ……」ハァ


上条「あのー、すみません」ヒョコ


生徒C「ひゃいっ!!?」
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:42:13.84 ID:Np7j9C2M0
上条「うぉっ! そんなに驚かなくても……」


生徒C「あ、も、申し訳ありません、突然だったので……そ、それで、なにか?」


生徒C「(ど、どうしましょう、殿方から話しかけられたことなんかありませんわ……)」プルプル


上条「んー、ちょっと聞きたいことがあってな(なんでこの子震えてるんだ?)」


生徒C「き、聞きたいことですか? 迷ったなどなら、近くに案内所が……」


上条「いやいやそうじゃなくてな……このイスを並べてる所、何の準備をしてるんだ?」


上条「何かの出し物があるって事くらいしかわからなくてさ」


生徒C「えっと……それは……」


上条「……? 分からないのか?」


生徒C「あっ、いえ……そういうわけではありません……が……」


生徒C「(き、緊張して、何の準備をしているか、忘れてしまいましたわーーーー)」


上条「……????」


生徒C「と、あの……その……」


生徒C「ひ、秘密ですわ!」


上条「はっ?」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:43:45.17 ID:Np7j9C2M0
生徒C「今回の盛夏祭のメインですので、お客様にはトップシークレットなんです」


生徒C「それで、えっと、あの……あと一時間ほどで始まりますので、おまちください!」


上条「え、えぇーーーーっと……」カツ


生徒C「ひっ……! どうして、こっちに寄って来ますの!?」


上条「はい? いや、お礼を言おうと……」


生徒C「や、ヤメテクダサイ! 殿方は狼だと教わっています!」


上条「はぁぁ!? アンタどういう教育受けてんだ!?」


生徒C「いやーーーーーーー! 助けてーーーーーー」


上条「えっ? ちょっ! 何言って――――――」


<ナンダナンダー?


上条「へっ?」
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:44:32.03 ID:Np7j9C2M0
<トキワダイノコガタスケテーッテイッテルゾ?


上条「な……ご、誤解だ、俺は何もしてないっ……」


<アンチスキルヨブ?
<ゲートノチカクニイタロ?


上条「うっ……不幸だーーーーーーーーーーーーー!」ダダダー


<アッ! ニゲタ!
<ホットケヨ、ナンパガシッパイシタッテダケダロ?


上条「(チクショーーーーーーーーーーー! 結局出し物が一時間くらいで始まっつー情報しか入らなかった!)」


上条「(くそう! 多分、あそこの舞台裏に舞夏達がいると思ってたんだか……隠れていくしかないか!?)」


上条「(どこにいるってんだよー、インデックスウウウウウウウウウウウウウ!)」







生徒C「はぁ……はぁ……いきなり大声を出されて怖かったですわ……」


黒子「離して下さいな! お姉様のところに! 霞払いとして!」


生徒C「……白井さん?」
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:45:06.94 ID:Np7j9C2M0
生徒B「大人しくしてなさいな、アナタに手伝ってもらわないと困るんですから」


生徒C「あっ……先輩」


生徒A「無事につれてきたわよ……どうかしたの? 息荒いみたいだけど?」


生徒B「うっ、ぜ、ぜん゛ぱーーーーーい、怖がっだでずわ゛ーーーーー」ダキィッ!


生徒A「ちょっと、大丈夫?」ヨシヨシ


黒子「……ひどく怯えてらっしゃるようですが……何かありまして?」


生徒B「さぁ?」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:46:15.19 ID:Np7j9C2M0
―――――――――


黒子「さてっと……これくらいでどうですの?」


生徒B「助かりましたわ、白井さん」


黒子「全く……あまり酷使させないで下さいな、これで結構疲れますのよ」


生徒A「まぁまぁ、時間には間に合ったみたいだし、良かったじゃないですか」ナデナデ


生徒C「うぅ、ありがとうございました……」ビェーン


生徒B「いつまで泣いてますの? この子は……」


黒子「……これは事件の匂いがしますの」


黒子「そろそろ落ち着く頃でしょうし、聞いてみましょうか」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 22:52:16.32 ID:Np7j9C2M0
生徒A「そうですね……ほら、何があったのか説明しなさい」


生徒C「そ、それは……」ゴニョゴニョ


黒子「まさか、暴漢に襲われた、などではありませんわよね」


生徒C「うっ……!」


生徒A「図星みたいですね」


黒子「ふぅむ……常盤台に来て不埒な事をしでかすとは……相当おバカな方ですの」


黒子「その暴漢の風貌は? 覚えています?」


生徒C「……う、ウニ」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 23:22:56.37 ID:Np7j9C2M0
生徒B「ウニ?」


生徒C「ウニのような頭をした……大声の殿方でしたわ」


生徒B「ふむふむ、確かに怖いですわね、ウニのような頭では」


生徒A「大声を出すなんてはしたないわね……」


黒子「なるほど、ウニあた……ま……?」


生徒C「白井さん……? 何か心当たりが?」


黒子「……」ウーム


黒子「……」


黒子「――――――――――ッ!!!!!」ハッ
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/02(水) 23:24:09.54 ID:Np7j9C2M0
生徒A「白井、さん?」


黒子「くふっ……そうですのね……イヒ、ヒヒヒ」


生徒B「何か様子がおかしいような……」


黒子「お姉様だけでなく、一般の生徒にまで手を出すとは……くふふ」


黒子「一途ならまだ目を瞑れる程度の可愛いものですが……軟派者なら」







黒子「 身 の 程 知 ら ず 、 甚 だ し い で す の 」







生徒A「……」ゾクッ!


黒子「ご安心くださいませ、この風紀委員、白井黒子がその暴漢、見事捕まえて見せますの」


黒子「この舞台はその男の良い餌になりますし……ちょうど良いですわ」イヒヒ


生徒C「……」ブルブルブル


黒子「お姉様の為にも、そして、これから先、被害者を出さない為にも……」


黒子「ジャッジメントですのっ!!」キリッ!
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/02(水) 23:44:12.77 ID:Np7j9C2M0
途中で投下が止まってしまってすいません。
手直しの部分が多く見つかったので修正していました。

で、今回はここまでです。
女性関係で上条さんは不幸で誤解されるか、安心の一級フラグ建築士かどっちかだと思います
きっとアニメの方でもそれなりにフラグを建てていたに違いない。
次回で盛夏祭編は終わると思うんですか……(そうしたら一通ミサカ、かな?)
あと、次回の投下で、地の文がでてしまうと思うので

「てめェの地の文なンざ、一人称視点の過去話でたかが知れてンだよ、クソッタレが」

って人は流して見た方がいいと思います。









これより↓完璧個人的な話。












あ、そうそう。
とある魔術の禁書目録PSP、皆さんはプレイしましたでしょうか?
>>1はそれなりに楽しませてもらってます。
格ゲー、キャラゲーをあまりやらない自分には結構面白かったです。
冬セラレータとか、カナミン衣装のサーシャとか、アスカロンもったアッークアさんとか
美琴のちぇいさー!! とかとか、愛が感じられたのが良かったですね。
原作既読者だからだと思いますが……。
とにかく、自分としては面白かったんで、是非やってみてはどうでしょ?
>>1の感性、変かなぁ……操作も簡単だったんで、それもよかったのかも……
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/02(水) 23:44:50.54 ID:Np7j9C2M0
では、レス返しをば

>>287
すれ違いってもやもやしていいよね。
もだえる人を見るのが好きなんです>>1
え? もちろん、いじめたいとかじゃないよ、ホントだよ

>>288
ヘタレさせるしか上条さん→美琴って難しいんです。
年下に恋させるわけだしね、もやもやさせるわけだしね
……妄想させるわけだしね。

>>289
上条「インデックスさん、俺は慎重派なんですよ?」

インデックス「ヘタレ、精進するんだよ」ケッ

上条「」

>>290
ぐはぁっ!! と、とりあえず、細かい事はきにすんなって事で……

>>291
美琴より上条さんのほうが可愛いといわれる数が多い……
これは、喜ぶべきなんでしょうか?
いや、喜ぶべきなんだよ、きっとそうかも、うん。

上条さんもカッコイイシーンを作るつもりなので
あんまり期待せずまっててね!!

では、レス、ありがとうございました!
あ、次も三日後くらいにくるつもりなので、よろしくです。
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 00:07:27.65 ID:YMx7mkhh0
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 00:24:30.45 ID:wlCJP1FBo
PSP禁書、純粋なゲーム部分だけはいい出来だと思いますよ
戦闘前の特殊会話とかも面白いし・・・
ストーリーさえなければなぁ
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 00:25:28.48 ID:Jg1zAVeBo
乙ー
フラグ立てて誤解されるよりはマシ…なんだろうかww
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 00:28:29.71 ID:eisWZ9cRo
この佐天さんと、生徒Cはうざいww
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 00:58:22.22 ID:gK0x/X5G0
生徒Bの自演でワロタ
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 18:08:36.34 ID:vxpPHiqDO
生徒Cテラウザスwwwwww 乙乙
PSP禁書はどこの店も売り切れで悔しい
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 22:40:28.48 ID:jUGxVqBHo
今回も見事なすれ違いというか事実誤認というか
全て上条さんの不幸へ繋がってるのも可哀想だが笑える
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 07:47:11.74 ID:wB3pwF2Vo
ミサカも美琴もかわいいよ
美琴DNAは恐ろしいな
331 :1ですよー :2011/02/05(土) 22:02:56.05 ID:842NSk4f0
どもども、今日の投下、始めて行きたいと思います!
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:03:52.65 ID:842NSk4f0
―――――――――数時間後中庭


<ワイワイ、ガヤガヤ


初春「白井さん、これから何が始まるんですか?」


黒子「お姉様≠フ出し物ですの」カチャカチャ


初春「御坂さんの……?」


黒子「えぇ、お姉様が生徒達のご指名でする事になったんですの」カチャカチャ


佐天「へぇーっ! さすが御坂さん! 楽しみですねぇ〜〜」


初春「だから、そんなに丹念にカメラをいじってるんですか?」


黒子「お姉様の凛々しい姿を間近で、合法的にとる事ができる機会ですの」


黒子「このチャンス、見逃す訳にはいきません」カチャカチャ


佐天「白井さんらしいなぁ……合法的にってのが気になるけど」


初春「(我先にと一番前の席を陣取ったのもその為だったんですね)」


黒子「(ここならお姉様とあの男の監視も楽ですの……不審者がいれば即動く事が可能……)」


黒子「(それに、不逞の輩を許さない有志も募りましたの……)」


黒子「(ふふふ……お姉様に近づく類人猿が……目に物見せてやりますの)」


黒子「ぐふ……ふふふ……いーっひっひっひ!」ゴゴゴゴ


佐天「(おかしいなぁ……白井さんから黒い翼が見えるや)」


初春「(白井さんなんで大丈夫ですよ)」







美琴「……」キョロキョロ
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:04:43.11 ID:842NSk4f0
―――――――――舞台裏


美琴「……なんで、こんなに一杯いるのかな……」ソワソワ


美琴「黒子が妙な宣伝したんじゃないでしょうね……」ソワソワ


美琴「……独奏ったって私のヴァイオリンは人に聞かせれるほど上等じゃないのになぁ」


美琴「……それに、こんな似合わないドレスまで着ちゃって」


美琴「凄く動き難いし……、あぁー……もぅ」


美琴「……」ソワソワ


美琴「えぇーいっ!!」


美琴「ビビルなんて、らしくないわよ! しっかりしろっ! 美琴!」ペチン


美琴「……」スゥ〜、ハァー


美琴「……」スゥー……


「あのー……」


美琴「!!?」ズッ!
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:06:12.43 ID:842NSk4f0
美琴「――――――ごほっ!! げほっ、げほっ!!」


「わ、悪い! 驚かしちまったか!?」


美琴「ごほっ! だ、誰よ―――――っ!!」


「……あれ?」


美琴「えっ……?」


上条「み、御坂?」


美琴「が、ま……!」


美琴「んなっ!? な、何でアンタが!!! なんでここに!」


上条「い、いや……オ、俺は、知り合いに招待状を譲り受けて……」


美琴「どうして、この舞台裏に来てんのかって聞いてんのよ!!」


上条「それは……あの、インデックスが、ちっこいシスターがいるだろ? アイツを捜してて……」


美琴「じゃぁ、どうして、関係者ぐらいしかこれないようなところに来てんのよ!」


美琴「こんなところにいるわけないでしょうが!」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:06:46.30 ID:842NSk4f0
上条「だけど……舞夏が、ここにって……」ウーム、ボソボソ


美琴「……どうせ、ここに来るときに私を見かけたんでしょ」


上条「はっ?」


美琴「目的は何よ……人の発表を茶化しきたの?」


美琴「それとも似合わない衣装を笑いに来たわけ!?」


上条「な、なに言ってんだよ! むしろ俺はお前を――――」ハッ!


上条「……」


美琴「なによ!!」


上条「い、いや……ナンデモナイデス」


美琴「……?」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:07:26.58 ID:842NSk4f0
上条「と、とにかく、俺はお前をバカにしにきたわけじゃない、そもそも何をやるかも知らないんだぞ?」


美琴「そう、なの?」


上条「あぁ、嘘は言わねぇよ」


美琴「……」


上条「……どうした?」


美琴「うぅん、なんか……今日は私が悪かったかなって」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:08:19.31 ID:842NSk4f0
上条「何が?」


美琴「……私、珍しく緊張してんのよ」


上条「え? えっと……緊張って……この出し物でか?」


美琴「そう、私が一人で、アレだけの人数の前で発表すんの」


上条「そりゃ、すげぇな」


美琴「全然、今回の発表を決める前から私が何かする事は決まってたんだから」


上条「どうしてだよ? こういう舞台が好きな子もいるだろ?」


美琴「私が、超能力者、常盤台のエース、代表だからなんだってさ」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:09:38.88 ID:842NSk4f0
上条「ふぅん……それで? お前はイヤだって言わなかったのかよ?」


美琴「言ったわよ、はっきりとじゃないけど、私よりもふさわしい人がいる、ってね」


美琴「でも、皆、『御坂様なら大丈夫』、『御坂様がやるべきだ』の一点張りよ」


美琴「それで、どうしても私にやって欲しいって押し切られちゃった」


上条「……」


美琴「だけど、私だって人間、緊張だってするわよ」


美琴「授業なんかと違う、顔も名前も知らない人に囲まれて、いつもと同じ精神状態でいられるわけないじゃない」


美琴「正直言って、私はビビッてる」


美琴「失敗したらどうしよう、皆の期待に応えられなかったら、どうなるの?」


美琴「笑っちゃうわよね、天下の超能力者が一学校のお祭り程度で臆しちゃうなんて」


美琴「……アンタも笑っていいわよ? そっちの方が気も楽になるだろうし」
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:10:58.29 ID:842NSk4f0
上条「笑わねーよ」


美琴「じゃぁ、頑張ってって応援でもしてくれる?」


上条「んな事言わなくても、お前は出来るよ」


美琴「……えっ?」


上条「確かにお前は常盤台でも一目置かれるような人間だ」


上条「だけど、お前が言ったようなエースだとかそんな言葉だけで選ばれたとは思えねーよ」


美琴「私が言わなくたって、面と向かって皆言うのよ? 理由なんかそれしかないじゃない」


上条「じゃっ訂正だ」


上条「……俺はそう思わない」


美琴「――――っ!」ドキ
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:12:12.95 ID:842NSk4f0
上条「お前は、努力して、努力して、超能力者になったんだろ?」


上条「そんな風にハードルを超えてきたお前が、何もしないわけがない」


上条「この発表の為に、いや、それがある以前からお前はこの学校の誰よりも頑張ってきたんじゃないのかよ?」


美琴「……それは、でも、私より上手な人だって」


上条「……」


上条「大丈夫」


美琴「……そんな事」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:13:01.34 ID:842NSk4f0
上条「御坂」


美琴「……なに?」


上条「お前は一人じゃない、友達も、他の生徒も出来るって思ってくれてるさ」


美琴「……」


上条「それに」


美琴「……?」


上条「頼りないかもしれないけど、俺もいるからな」


美琴「なっ――――!」


美琴「なななな、なにいってんのよ///!!」カァァ


上条「あ、あれ? 俺なんか変なこと言ったか?」


美琴「ア、アンタねぇ……!!」


ピーンポーン、パーン、ポーン


美琴「!」
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:13:49.53 ID:842NSk4f0
アナウンス『常盤台中学二年生、御坂美琴によるヴァイオリン演奏はただいまから五分後に中庭にて開演です』


アナウンス『ご来場の皆様は、是非、中庭までお越しください』


アナウンス『常盤台中学二年生………』


上条「もう始まるみたいだな」


美琴「……、うん」


上条「俺も席着いとかないと……座れる場所、なくなりそうだし」


上条「インデックスも来てるといいんだけど……」


美琴「………」


上条「じゃぁな、成功させろよ」


美琴「……ねぇ」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:15:18.22 ID:842NSk4f0
上条「ん?」


美琴「わがまま、言ってもいい?」


上条「代わりに弾いてとか無理だぞ」


美琴「そんなこと言わないわよ、女子校なんだし、そもそも弾いた事、ないでしょ?」


上条「……そりゃそうだ、で? なんだ?」


美琴「手、出して」


上条「手? ……ん」スッ


美琴「……」


美琴「……///」カァッ












ギュッ












上条「!!」
344 :>>342訂正 ヴァイオリンじゃなくて、バイオリンで合ってるのね [sage saga]:2011/02/05(土) 22:17:57.79 ID:842NSk4f0
上条「み、みみみみ、ミサカサン!? な、何ゆえ、手を握ってらっしゃるのですかっ!?」


美琴「黙って握られてなさいよっ///!!」


グイッ


上条「(て、手が、み、御坂の胸の前まで持っていかれたーーーーーーー!)」ドキドキ


上条「(これは幸せなのか? 不幸なのか!?)」


美琴「……」ギュゥゥ


上条「あ……」


上条「……(緊張、してたんだよな)」


美琴「……大丈夫、大丈夫」ボソボソ


上条「(……やっぱり、普通の女の子じゃねぇか)」


上条「(支えてやりたい、手だけじゃなくて……御坂自身を)」


上条「……み、さか」







ピンポンパンポーン







上条「!」ビクッ!
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:19:12.61 ID:842NSk4f0
アナウンス『演奏開始まで一分です』


アナウンス『急に席を立つ等して他のお客様のご迷惑にならないようにご注意ください』


アナウンス『演奏開始まで……』


美琴「……もう、時間みたいね」パッ


上条「あっ……」


美琴「じゃっ、私、準備してくるから」


上条「お、おぅ」


美琴「……」


美琴「……ありがと」ボソッ


上条「……えっ?」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:21:56.41 ID:842NSk4f0
―――――――――舞台


<パチパチパチパチ


美琴「……」スタスタ


佐天「初春、御坂さん、バイオリンの独奏だよっ!」スゴイッ!


初春「はいっ! それに御坂さんのドレス姿、スッゴイ綺麗です」キラキラ


黒子「お、お姉様ぁぁぁ! なんと麗しいお姿」


美琴「……」ペコリ


美琴「……(大丈夫、緊張も取れてるし、視線も全然気にならない)」


美琴「……」チラッ


上条「……」←舞台裏で手をヒラヒラと振っている


美琴「……」クスッ


美琴「(アイツの、おかげ、かな……)」


美琴「……(また、貸しができちゃったけど、ま、いいよね)」スッ


美琴「(……さぁ、始めますかっ!)」キュッ


..........




.......................




.........................................
347 :これより多少の地の文あり、ご注意をば [sage saga]:2011/02/05(土) 22:22:46.86 ID:842NSk4f0
―――――――――










――――――とある夏、とある日にて、とある少女が、とある舞台に立った。










―――――――――
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:25:10.38 ID:842NSk4f0

息を呑む、とはこの事を言うのだろうか、というのが初めの感想だ。

……白井黒子は、特別音楽に精通している少女ではない。
常盤台中学というお嬢様学校において『それ』は教養の一つとして、身につけるもの
その程度の、情熱には程遠い感情を持っているだけだった。
今回の舞台も自身が敬愛する少女が認められ、舞台に立つと聞いたので特別熱をあげていただけだ。
ただ、


黒子「(お姉様……)」


今日、この瞬間、白井黒子という少女の中の音楽というものの価値観は大きく変わった。
優しくもあり、ワクワクさせるような高揚感、そして、寂しさを感じさせるような……
そんな旋律を、舞台に立っている少女は奏でていた。
なるほど、音楽、楽器は弾く者の心情を表すとはよく言ったもので
若干の緊張を与えながらも、少女の演奏はある種の決意すらも感じられた。
それは、技術で作られた旋律ではない。



御坂美琴、超能力者でもない、常盤台中学の代表者としてでもない
たった一人のただの少女の内に秘められた強い感情によって伝わった、感動、だった。



黒子「(なんと、美しい……とても、素晴らしい演奏ですの)」


白井黒子は少女御坂美琴≠ノ魅せられていた。
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:27:26.01 ID:842NSk4f0
―――――――――


時を同じくして、上条当麻もその場から動けないでいた。
……いや、訂正をしよう。
上条当麻は動く事など出来なかったのだ。
恐怖で足がすくんでいるのではない。
舞台裏から見える一人の少女に魅了されてしまった。


上条「………」


ゴクリ、と生唾を飲み込む。
言葉すら、発する事が許されない空間、上条はそれを肌で、誰よりも近くで感じていた。
ヴァイオリンの、むしろピアノですら弾く事ができれば驚いてしまう上条にしてみれば
演奏の良し悪しや、曲に秘められた思い
弾く者の感情は自分には理解できない、遠いものだと決め付けていた。
それは、聞いている現在でも変わる事は無い。
しかし、上条は舞台に立つ少女の奏でる感情以上に、


上条「(キレイ……だ)」


その少女の美しさに見惚れてしまっていた。
少女の容姿ではなく、少女の放つオーラのような、内の物に惹かれた。
……演奏? 感情? 感動? それがどうしたというのだ。





何よりも、舞台に立つ少女の美しさに勝るものなど、ない。





上条のそれ以外の感情を認識させないほど、御坂美琴の演奏は全てを取っ払ってしまった、演奏だった。

350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:28:06.12 ID:842NSk4f0
―――――――――










――――――まもなくして少女の演奏は、幕を閉じる。










―――――――――
351 :地の文はここまで。駄文失礼 [sage saga]:2011/02/05(土) 22:29:16.56 ID:842NSk4f0


美琴「……」ペコリ


<ワーーーーーーー!! パチパチパチパチ!!!


佐天『凄い凄い!! 凄い演奏だったねー初春!!』キャーッ!


初春『そうですねぇ、って、佐天さん……他に何か感想はないんですかぁ?』


佐天『だってぇー……他にどんな感想があるってのさー』


初春『私はちゃぁんとした感想を持ってますよ!』フンス


佐天『ふぅん……ま、聞かないで置くよ』


初春『えっ? いいんですかぁ?』


佐天『三人三様っていうしねぇー』


初春『それはなにか微妙に違うような……ねぇ、白井さん』


黒子「………おねえ、さま」ポォー


初春『白井、さん?』
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:30:19.45 ID:842NSk4f0
―――――――――舞台裏







美琴「……」コツコツ





美琴「……あ」コツコツ


上条「……あ」




353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:31:44.38 ID:842NSk4f0
上条「よ、よぉ、演奏成功みたいだな!」


美琴「……」


上条「あ、あれ? どうしたんだ? あ、俺がいると困るとか、か?」


美琴「……」フルフルフル


上条「あの? なぜにそんなに震えてらっしゃるのでしょうか? 御坂さん?」


美琴「……うっ」


上条「うっ?」


美琴「うぅぅぅぅぅ……!」ポロポロ


上条「なっ!?」
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:32:58.11 ID:842NSk4f0
上条「ど、どえええええええええええええ!? な、な、ななな、何で泣いて!?」


美琴「わぁあああああああああああああああああああ」ダダッ!


上条「は、はぇっ!? うぉぉぉっ!!? そんな怒らないでぇ!」





ダキッ!!





上条「はっ……?」


美琴「うぅぅ……」ヒグッ、ヒグッ


上条「あ? あぁ? あぁぁぁああああぁぁ?」


ギュウゥゥゥ


上条「―――――――――っっっっ!!!?」カァァ!
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:33:43.66 ID:842NSk4f0
上条「(ちょちょちょちょちょちょっとまてぇ!? 現状を確認しろ!)」


美琴「ひぅ……ひっく……」エグエグ


上条「(いま、御坂は泣いている、安心した、とかだよな……オーケイ、そこまではいい)」


美琴「……」ギュゥゥ


上条「(で、どうして俺は抱きつかれてるんですかぁぁぁあああ!!!?)」


上条「(ナニコレ、なにこれ!!!? 嬉しいですよ!? でもですね! 一体全体どうしてこんな事に……)」


美琴「ありがと……」


上条「へっ?」
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:34:43.36 ID:842NSk4f0
美琴「ア、アンタが私に勇気をくれたから、私は頑張れた」


美琴「だ、だから……ありがと」


上条「お前――――」


上条「……」


上条「……どーいたしまして」


美琴「……ん」ギュゥ


上条「(か、解放されない……いや、別に解放してほしいわけじゃないけど……)」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:36:15.87 ID:842NSk4f0
美琴「あの……さ」


上条「ん?」


美琴「な、泣き顔見せたくないから……もうちょっと、胸貸して?」グス


上条「お、おう」ドキドキ


上条「(個人的には泣き腫らした顔も見てみた―――)」


美琴「……」キュッ


上条「(いやいや! 上条さんはそんなドSじゃありません!)」ドキッ!
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:36:59.32 ID:842NSk4f0
―――――――――


美琴「……もう、大丈夫」


上条「……そうか」


美琴「また」


上条「?」


美琴「今日だけで、二回も貸し、作っちゃった……」


上条「お前な……今度はそれかよ……」


上条「別に貸しなんて思うなよ、お節介程度に思っててくれていいって」


美琴「それじゃぁ私の気がすまないのよ」


美琴「貸しがあるなんてイヤよ、私は」


上条「貸しったって、俺はお前に返して欲しい事なんて……」


美琴「べ、別に何でもいいのよ」カァァ


上条「お、おま……何でもって」


上条「……」ゴクリッ
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:37:45.07 ID:842NSk4f0
美琴「な、なによ! 人のことジロジロ見て!!」


上条「……あ、いや! な、なんでもねぇよ!」


上条「と、とにかくっ! 俺は、お前に返してもらう事は何もないから!」


美琴「で、でも!」


上条「あーあー! 聞こえません! 上条さんの耳はシャットアウト中で―――」







黒子「お、ねぇ、さまああああああああああああああん!!」シュンッ!







上条「へっ?」


ドシャッ!!


上条「へぼぉっ!!?」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:38:33.00 ID:842NSk4f0
美琴「く、黒子!? アンタ、なんで!」


黒子「お姉様! 先ほどの演奏! とっっっっっっっても素晴らしかったんですの!!」ピョンピョン


上条「げふっ!? ごほっ!?」ゲシゲシ


黒子「黒子は! 黒子は感激してしまいましたわーーーーーーー!」ブワッ!


ゲシゲシッ!


上条「(お、親方! 空から女の子が降ってきて、私目を踏みつけているんですが!!)」ジタバタ!


美琴「わ、分かったから! 黒子、落ち着いて今踏んでいる奴から足をどけてあげて!」


黒子「ほぇっ?」


上条「」チーン


黒子「あら、これは失礼」


グリッ!


上条「ドモルガン!?」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:39:28.21 ID:842NSk4f0
美琴「アンタ、大丈夫?」


上条「な、なんとか……」


黒子「お姉様? その殿方は……関係者ではありませんわね?」


美琴「えっ? う、うん……ちょっと迷っちゃったみたいでさ、ね?」


上条「そ、そうなんですの、迷子を捜してるんですの」アセアセ


黒子「そう、ですの……? ……むむっ?」


ズズイ


上条「な、なんですの?」アセ


黒子「アナタ……どこかでお会いしませんでしたか?」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:40:03.97 ID:842NSk4f0
上条「はっ? いや……会った事はございませんが?」


黒子「何か、とても重要なところでお会いしたような……」ウーム?


上条「俺は、覚えがないけど……」


美琴「他人の空似ってやつじゃない?」


美琴「ホラ、風紀委員の仕事で書庫を見たりするじゃない、その中にいたんでしょ?」


黒子「はぁ……そう、かもしれませんの……」


美琴「きっとそうよ」


美琴「じゃっ、アンタもさっさと迷子を捜してきなさい、舞台の片付けもあるし、邪魔になっちゃうわ」


上条「そうだな」


黒子「……はて?」ウームム?
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:40:43.15 ID:842NSk4f0
上条「じゃあの」


美琴「うん」


黒子「……む?」


美琴「ん?」















黒子「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!?」














364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:41:14.39 ID:842NSk4f0
美琴「な、なに? どうしたのよ!」


黒子「あの、あの男!! あの男ですのおおおおおおおお!!」


上条「……ほわい?」


黒子「出番、ですの!」パチンッ!!


ザッ!!


美琴「えっ?」


ザザザッ!!


上条「えぇっ!?」


数名の常盤台の生徒「「「「「「「「「「「「「アナタが不審者ですわね」」」」」」」」」」」」」


上条・美琴「」ポカーン
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:42:11.86 ID:842NSk4f0
上条「ちょっ! まて、どういうことだ!?」


黒子「ふん、つ、い、に、尻尾をみせましたわね、類人猿」


上条「はぁっ!? 誰が類人猿だ! この、ですの調お嬢様キャラ!」


黒子「はっ! なんですの? その汚い言葉?」


黒子「そんな言葉遣いなら類人猿と呼ばれても文句は言えませんの」


上条「な、なにぃ!!?」
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:43:14.74 ID:842NSk4f0
美琴「んな、くだらない言い争いしてる場合じゃないでしょ!? なんなのよ! この包囲網は!」


黒子「お姉様……いえ、常盤台の生徒を守るための包囲網ですの」


上条「生徒を守るって……俺が何かしたってのかよ!」


黒子「おーじょーぎわが悪いですわねぇ……被害届けはもらってますの!」


美琴「被害届けって……?」


上条「……しょ、証拠はあるんだろうな」


黒子「ふん、もちろんですの! カモン! 証言者!」


生徒C「ど、どうも」オズオズ
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:43:57.44 ID:842NSk4f0
上条「あれ……? キミは?」


生徒C「ひぃっ! ごめんなさい! ひどい事しないで下さい〜〜〜」


上条「はぁ?」


美琴「ちょ、ちょっと……アンタ、この子に何かしたんじゃないでしょうね!!」


上条「し、してねー「しましたわ」……!!」


黒子「お姉様、この殿方……いえいえ、もう類人猿と呼んでも反抗できませんでしょう」


黒子「とにかく、この男、そこの生徒さんに暴行を働こうとしたんですの!」


美琴「な……なんですって!?」
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:45:07.32 ID:842NSk4f0
上条「オ、オイ! でたらめ言うんじゃねぇよ!!」


黒子「はっ! でたらめとは……目撃証言もあがっておりますの!!」


上条「な、なんだってーーーーーーーー!?」


数名の常盤台の生徒「「「「「「「「「「「「「……不逞の輩には罰ですわ」」」」」」」」」」」」」ジリッ


上条「おい、く、くんな!!」


美琴「ちょ、ちょっと黒子! あの人達、なんとかしなさいよ!」


黒子「お姉様、目を覚ましてくださいまし……」


黒子「あんな女性なら何でもいいような男に引っ掛かってはいけませんの」


美琴「アイツはそんな奴じゃないわよ!!」


黒子「お姉様はなにも分かっていませんの!!」


黒子「ああいった年頃の男はお姉様のような純粋な女性をもてあそぶ傾向が強いんですの」


黒子「優しくみせかけて、油断したところを……喰らって後はポイ、ですわ」
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:46:29.83 ID:842NSk4f0
美琴「アンタね……超能力者の私がそこらのチンピラに騙されると思うの?」


黒子「超能力者といっても一般人は一般人、いつ危機的な状況に陥るか分かりませんの」


黒子「だからこそ、危険な芽は今のうちに摘んでおかなければなりません」


上条「や、やめろぉ! 俺は無実なんだーーーーーー!」


数名の常盤台の生徒「「「「「「「「「「「「「大人しくしなさい!」」」」」」」」」」」」」


美琴「………くっ、このままじゃっ……!」
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:47:14.05 ID:842NSk4f0
美琴「ね、ねぇ! アナタ」


生徒C「は、はい!? なんでしょう御坂様!」


美琴「本当に、アイツに襲われそうになったの?」


生徒C「えっ? そ、それは……」ゴニョゴニョ


美琴「お願い! 本当のことを言って!」


生徒C「あの、その……わたし、男の人に話しかけるのは慣れていなくて……」


美琴「……うん、それで?」


生徒C「い、いきなり大声をあげられてしまったので……パニックになってしまって……」


美琴「……うん、……うん?」


生徒C「……」


美琴「それだけ?」


生徒C「はい」コクリ


美琴「……追いかけられたりとか、暴力振るわれたとかは?」


生徒C「特に」


美琴「……」


美琴「……はぁ」
371 :まるでうさみちゃんのようなスピード解決である [sage saga]:2011/02/05(土) 22:48:32.31 ID:842NSk4f0
生徒C「あの、わ、わたし、こ、怖くて」ウルルー


美琴「あーうん、仕方ないわよ、確かにあの頭はチンピラに見えなくもないもんね、うん」ナデナデ


生徒C「(御坂様に撫でられてしまいましたわ///)」ポッ


美琴「……」チラッ


数名の常盤台の生徒「「「「「「「「「「「「「ところでアナタ、本当に不審者ですか?」」」」」」」」」」」」」


上条「いや違いますけど? ……お、ハンカチ、落としたぞ? ホイ」


数名の常盤台の生徒の中の一人「……あっ、申し訳ありませんわ」


上条「いやいや、それ、高いんだろ? 気をつけろよ?」ニコッ


数名の常盤台の生徒の中の一人「は、はい///」


上条「あれ? なんだ、このペンダント?」


常盤台の生徒の中の二人目「あ、それは! わたくしが探していたお父様からもらったペンダント!」


上条「なんだよ、それこそ大事なモンじゃねぇか……ホラ」


二人目「ど、どうも」


上条「もうなくすんじゃねぇぞ?」ニッ


二人目「……///」


美琴「……まぁ、確かにアレは犯罪レベルかもしれないわね」ハァ
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:49:14.75 ID:842NSk4f0
黒子「ちょっと!! アナタたち! なにしてるんですの! 早くその類人猿を八つ裂きに!!」


美琴「黒子」


黒子「お姉様? しばし、お待ちくださいな、あの男ももう袋のネズミ……」


美琴「アイツの無実、証明されちゃったわよ?」


黒子「……はっ?」


生徒C「し、白井さん……ごめんなさい、わたしの勘違いだったようです……」ペコリ


黒子「えっ?」
373 :上条さん「また俺の不幸か、まいったね、どうも」 [sage saga]:2011/02/05(土) 22:50:34.16 ID:842NSk4f0
黒子「ちょっと!! アナタたち! なにしてるんですの! 早くその類人猿を八つ裂きに!!」


美琴「黒子」


黒子「お姉様? しばし、お待ちくださいな、あの男ももう袋のネズミ……」


美琴「アイツの無実、証明されちゃったわよ?」


黒子「……はっ?」


生徒C「し、白井さん……ごめんなさい、わたしの勘違いだったようです……」ペコリ


生徒C「あんな、曇りなく笑う方を疑うなんて……どうかしていました」シュン


黒子「えっ?」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:51:19.06 ID:842NSk4f0
美琴「被害者だっていってた子がこういってるし、アイツをもう解放してやってもいいんじゃない?」


黒子「で、ですが、お姉様……あの類人猿は……」


美琴「……黒子」


美琴「無実の人を風紀委員が私情で捕まえるなんて、いいと思うの?」


黒子「ぐっ……そ、それは……」ウヌヌー


黒子「……」


黒子「分かりましたの……解放、しますわ」


美琴「そうそう、それでいいの、素直が一番♪」


黒子「お姉様が人の事を言えますの?」ボソッ


美琴「ん?」


黒子「い、いえ、何でもありませんの……生徒の解散、してきますの」トボトボ
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:52:02.72 ID:842NSk4f0
黒子「……」


生徒A「あら、白井さん……あの殿方、無実のようね」


黒子「えぇ、そうみたいですの……集まっていただいて申し訳ありませんが、解散をお願いします」


生徒A「まっ、そんなことだろうと思ってたけどね……あの子って箱入り娘だし、さ」


生徒A「皆ー、解散だってー」


常盤台の生徒達「はい!」ゾロゾロ


数名の常盤台の生徒の中の一人「で、では、またお会いできる事を願ってます///」


上条「は? はぁ……そりゃ、どうも?」


二人目「あっ、ずるいですわ!! わたくしも!」


上条「ど、どうも」


黒子「……」


黒子「はぁ……」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:52:46.73 ID:842NSk4f0
―――――――――――――


美琴「ようやく落ち着いたわねー」


上条「囲まれた時は人生終わったと思ったぞ……」


黒子「……」


美琴「そもそもアンタが不用意に話しかけるのが悪いんでしょうが」


上条「えぇ!? 何でだよ!?」


美琴「誤解を受けるような状況を作るのが悪いって事よ」


上条「誤解って……お前、俺はそんなつもりで……」


美琴「そうじゃなくても、常盤台には絵に描いたようなお嬢様がいるんだから」


美琴「不幸の探知だって簡単でしょ?」


上条「上条さんは不幸探知機ではありませんのことよ!!?」


美琴「予知じゃなくても予想くらいはしなさいよ……」ハァ


上条「予想ってなぁ……」


ピーンポーンパーンポーン


上条「……あん?」
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:53:48.05 ID:842NSk4f0
アナウンス『迷子の、お知らせをします』


上条「……迷子?」


アナウンス『第七学区―――高校生徒の上条、当麻様、上条当麻様』


アナウンス『お連れ様を案内所にて預かっておりますので――――『とうまーーーー!!』


上条「!?」


アナウンス(?)『私はここにいるんだよ! 早くくるんだよ! さもないと――――』


アナウンス(?)『こ、こら、勝手に使ったらダメです! 降りてください!』


アナウンス『むぐー!! とうまー! 早く早く! 晩御飯の準備の為に早く帰るん―――ブツッ!!』


ピーンポーンパーンポーン.............


上条・美琴・黒子「………」


上条「……インデックスの、バカ」ウッウッウッ


美琴「(……なんて言葉をかけたら言いか分からないわ)」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:54:50.81 ID:842NSk4f0
上条「はぁ、仕方ない、俺帰るよ」フコウダー


美琴「あ、う、うん、じゃぁね」


上条「……」ジッ


美琴「……? どうかした?」


上条「いや、えーっと……あー……その……」ポリポリ






上条「今日のお前、ス、スゲー綺麗でした!!」





黒子「!!!!」


美琴「ん、な……!!」
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:55:43.87 ID:842NSk4f0
上条「じゃ、じゃぁな!!」ダッ


美琴「あ、ちょっと……!」


黒子「は、速い……空間移動のようですのっ」


美琴「……うん」


黒子「しかし、あの類人猿らしい安っぽい感想ですの」


黒子「あーんな、スゲーなんて言葉、全く響きませんわ」


黒子「ねぇ、お姉様」


美琴「………」


黒子「お姉様?」






美琴「キ、キレイって……言われ、た……///」カァァ





黒子「」
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:58:27.37 ID:842NSk4f0
黒子「(えっ? なんですのこのマジ反応、どうしてお姉様は顔が赤いんですの?)」


美琴「女の子っていう風に見てくれてるって事だよね……で、でもアイツのことだから」モジモジ


黒子「お、お姉様? 何ゆえ、もじもじとしてらっしゃるんですの?」


美琴「けど、嬉しい、かな……え、エヘヘ、キレイ……」


黒子「(NOOOOOOOOOOOOOO!! 悔しいですが超可愛いですの!!)」


黒子「(あんの類人猿が!! 類人猿が!! 類人猿がァァァァァ!!)」


黒子「(もう風紀委員なぞ関係ない、カァンケイねぇんですのォォォォ!!)」


黒子「(白井黒子として! あの類人猿に! 鉄槌を食らわしてやりますの!!)」


黒子「(ジャッジメントですのおおおおおおおおおおおおおおおお!)」


美琴「えへへ……///」ポァン










インデックス「ところでとうま、みことと連絡は取れるの?」


上条「しまったあああああああああああああああ!! 忘れてたーーーー!!」


インデックス「……やっぱり、ヘタレの根性無しなんだよ」ケッ


上条「不幸だーーーーーーーーーーーーー!」









<フコウダーーーーーーーーーー


一方通行「あァ? どっかで聞いたような癇に障る声だなァ、オイ」


ミサカ「そんなことよりも、先ほどまで聞こえていたキレイな音はなんだったのですか?」


一方通行「……今度、CDで聞かせてやンよ」
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 23:30:32.53 ID:842NSk4f0
おっしゃァー!! 盛夏祭編終わったァ!!
長い一日だったぜェ……あァ、長い一日だったァ……。
デレールガンにちょいイケメン(だったんじゃね?)上条さん、とか
しっとオセロさんとか……
えっ? 地の文がなんだって? カァンケイねぇんだよおおおおおおおお!
……ごめんなさい、地の文ですが、上条さんと黒子で感性は大分違うはずなので
黒子は演奏自体に、上条さんは美琴に、感動を覚えました。
(というより上条さんには演奏よりも美琴への印象が強かった)
ま、>>1の文才では伝わり難いと思うので適当に読み流してください。
あと、セリフだけでは表現しにくいところは地の文を使うかもしれないのでよろしくお願いします。

一通さンは、急遽入れました。
常盤台の近くでは無いけど、音が少し聞こえたー、みたいな感じで
ミサカはその場所を探りたがってます。

なによりも今回は黒子を書くのが楽しかった、黒子をもっと暴走させたいけど出番、あるかな……
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/05(土) 23:31:29.87 ID:842NSk4f0
レス返し

>>323
乙、あざーす!

>>324
一通さンは御坂族には優しいと思ってたのに……

>>325
ここの上条さんは美琴一筋ですからねぇ……
あっ、でも今回はフラグ建てちゃったのか

>>326
Cはともかく、佐天さんがうざかった、だと?
変だったかなぁ……普通の女の子で良い子のイメージだったんだが……
おちょくってるんじゃないんですよ! 美琴を応援してるんですよ!

>>327
ごふっ! スルー、スルーするんだーーーーーー!

>>328
Cさんは安定のウザさ、いやでもこういう子も嫌いじゃないですよ
ぎゃはっ!! 俺は予約で手に入れたぜェ!!

>>329
不幸(笑)ですしね

>>330
きっとこのスレを見てくれてる人はミサコンだと信じてる。

レス、ありがとうございました!!
もっと! もっとレスをくれ! >>1に力をおおおおおおおおおおおおおおおお!!
(いつもよりたくさんもらってテンションアップしすぎます、ホントありがとう!)
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 23:59:34.48 ID:iEhmuNyGo

美琴泣かした瞬間に、上条さん常盤台生にフルボッコフラグ立ったなと思ったら
そんなことはなかったぜ!
囲まれながらフラグ建てる上条さんマジぱねぇっす
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:36:04.69 ID:v86kKjlZo
>>343-344が甘酸っぱすぎて俺のテンションがマッハ
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 02:11:54.44 ID:uljbba8no
ようやくヘタレの汚名を返上したなこれと思ったら
流石のヌケサクっぷり
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 05:12:10.65 ID:6xZhletjo
すごくニヤニヤした
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 06:09:14.87 ID:guFg8PZDO
乙。いい、すげーいい。美琴の笑顔はホント可愛いよな。この上条さんも大好きだ。
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 15:46:32.11 ID:XdFXE3LDO
乙乙、誤解が解けてほっとした…
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/06(日) 15:48:37.63 ID:x4NDrPS00
ゲームの禁書のストーリーはありえねぇ
一方さんが御坂DNAに手を出すわけ無いじゃないか!!
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 16:42:59.56 ID:sfTGwJSYo
なんか今回の投下は胸がスッとするシーンが多くて凄い良かった
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 01:19:17.92 ID:RGLWA9Zvo


連絡先を聞けなかったのはインデックスさんにも原因があると思うんだよ
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 03:39:22.27 ID:RB31iBI1o
乙乙
ヘタレ上条さんも最後の最後でいい仕事したな
二人の初々しさがたまらんニヤニヤするwwwwww

ゲーム禁書、なんか他ソフト連動で美琴編あるらしいっすな
あこぎな商売しやがってと思いつつ嬉しい俺正に飼い馴らされた金づる・・・!
393 :1だァ :2011/02/11(金) 22:46:32.26 ID:FnKerZmn0
こンばンわァ。
お久しぶりです。
今回は少ないですが、投下をしたいと思います。
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:47:46.93 ID:FnKerZmn0
――――――――――八月六日


ミサカ「今日は久しぶりにあの子と会える日です」ルンルン


ミサカ「一方通行が預かる事になってから、会わせて貰えませんでしたが」


ミサカ「ようやく許可がでたので楽しみですとミサカはドキドキを抑えられません」ドキドキ


ミサカ「……」


ミサカ「では、入りましょうとミサカは決意を胸にインターホンを押します」


ピンポーン


ミサカ「一方通行、ア、アナタのミサカですよ、とミサカはボケをかまして見ます」


ミサカ「……」


ミサカ「……おかしいですね? 時間は合っているはずですが……」


<オラッ! メシダァ!


ミサカ「おやっ?」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:48:15.73 ID:FnKerZmn0
<……アァン? コノメシハキライッテカァ? ナマイッテンジャネェゾ、クソネコガァ!


ミサカ「どうやら、部屋にはいるようですねとミサカは分析します」


ミサカ「ならば、押し入るのみ……とミサカは突入の準備をします」スッ


ミサカ「……鍵は、開いていますね」ガチャ


ミサカ「……よし」


ミサカ「――――――」スゥ


ミサカ「一方通行!! いぬ≠フ嫌いなものは与えないで下さい! かわいそうじゃないですか!」バン!!


一方通行「はっはァ!! ちゃンと食えンじゃねェか! 見直したぜェ?」タカイタカーイ


いぬ「ミャー♪」ブラーン


ミサカ「……」


一方通行「おいおい、ンなにじゃれてくンじゃねェよ、鬱陶しいやつだなァ!」タカイタカーイ


いぬ「ミャオン」ブラン、ブラーン


ミサカ「あの、一方通行?」


一方通行「あァ!? 今猫の世話してンだよ! 邪魔すンじゃ……」


ミサカ「飼い主、なんですがとミサカは断りをいれます」


一方通行「」


いぬ「ミャァー?」ブラーン……
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:48:48.34 ID:FnKerZmn0
ミサカ「……あんなに嫌がってたのにノリノリじゃないですか」


一方通行「別にィ? ノリノリじゃねェよ、コイツのしつけのためだっつゥの」


いぬ「ミャァ♪」スリスリ


ミサカ「懐かれてますね」


一方通行「はァ? コイツが勝手にじゃれてきてるだけだ」ナデナデ


いぬ「ふにゃぁ〜〜〜」ゴロゴロ


ミサカ「いぬが気持ちいいところ、完璧に把握してるじゃないですか」


一方通行「だァから違うってンだろ、たまたまだ」


ミサカ「……」ムゥー


一方通行「なに睨ンでンだよ」


ミサカ「……独り占めなんて、卑怯ですとミサカは恨みがましく睨みます」ムム-


一方通行「アァ!!? 誰が独り占めだァ!?」ナデナデ


いぬ「にゃぁ〜〜〜〜」ゴロゴロ


ミサカ「ミサカには飼えないといいながら、ホントは飼う気まんまんだったのですね」イヌゥー


いぬ「ふにゃ!!」ビクッ!


ミサカ「あっ……」


いぬ「にゃぁ……」ビクビク


一方通行「……おい、大丈夫か?」


ミサカ「真っ先にアナタの所に逃げましたねとミサカはいぬの動きを迅速に捉えます」


一方通行「……い、いや、だからよォ……俺が世話してるうちにな、な?」


いぬ「?」


ミサカ「……」ゴゴゴゴ


一方通行「ぐっ、いや、その、よォ……」


ミサカ「な に か?」ギロッ


一方通行「………す」


ミサカ「す?」


一方通行「すンませンでした」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:49:23.29 ID:FnKerZmn0
ミサカ「いぬー、こっちにおいでーとミサカは愛しのいぬに呼びかけます」コッチコッチ


いぬ「にゃぁ……にゃぅ……」ビクビク


ミサカ「いぬー、大丈夫ですよ、ミサカはアナタの敵ではありません」コッチコッチ


いぬ「にゃふ……」ビクッ


ミサカ「……はぁとミサカは溜息をつきます」


一方通行「まァ、しょォがねェだろ、お前の体質ばっかりはどうにもなンねェよ」


ミサカ「……」ギロッ!!


一方通行「ン、ンなに睨むなよ」


一方通行「(なンだこの威圧感……負ける気はしねェのに、勝てる気もしねェ……)」


ミサカ「アナタはいいですね、微弱な電磁波が体になくてとミサカはぶーたれます」ブーブー


一方通行「文句を言われてもよォ、そうなっちまってンだから」


ミサカ「!!」ギロッ!


一方通行「(えェーーー……意見すら拒否かよ)」


ミサカ「ふん、いいですよ……ミサカはいぬと能力の壁を越えた友情を築き上げますから」


ミサカ「ですよね、いぬ」


いぬ「みゃう……」ビクビク


ミサカ「……はぁ」シュン


一方通行「……(仕方ねェなァ)」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:50:04.27 ID:FnKerZmn0
一方通行「おい、ミサカ」


ミサカ「なんですか?」


一方通行「猫にびびられてろくに遊べねェてめェのためにぴったりの道具を用意してある」


ミサカ「えっ!? そんな素晴らしいアイテムがあるのですか?とミサカは驚きつつ半信半疑で尋ねます」


ミサカ「……」アレ?


ミサカ「しかし、そんなアイテムがあるなら手に入れてからすぐに渡してくれてもいいじゃないですか……」


一方通行「俺が猫が気に入るようにしつけてたンだよ」


一方通行「せっかく渡しても、猫が遊び方理解してなかったら意味ねェだろォ?」


ミサカ「な、なるほど、とミサカは頷きます」


一方通行「……でェ? 使いたいか?」


ミサカ「もちろんです!! とミサカは即答します」


一方通行「ハッ! じゃァちっとまってな、出してくらァ」


ミサカ「一方通行……」


ミサカ「いぬを独り占めしやがってこのクソもやし、折れて死ねとか思ってすいませんでした」


一方通行「もや、ぐっゥ……!」


ミサカ「? どうかしたのですか?」


一方通行「いや、き、気にすンな……」ズキズキ


一方通行「(くっ……い、意識が飛びそうだったぜェ!!)」


ミサカ「……??」
399 :一通さンはもやし恐怖症 [sage saga]:2011/02/11(金) 22:50:54.95 ID:FnKerZmn0
ミサカ「……」


いぬ「みゃぁ!! ミャァ♪」ピョンピョン


一方通行「ハッハァ!! ご機嫌に尻尾振りやがってェ! かなり気に入ったみたいだなァ!」


ミサカ「……」


いぬ「ミャウ♪」シュッシュ


一方通行「おいおい! 動きが鈍ってきてンぞ! もっとソイツを捉えろォ!」


いぬ「ミャッ!!」ハシッ!!


一方通行「やったじゃねェか、三下ァ!! てめェにしては上出来だァ!」タカイタカーイ


いぬ「ミャァ!」ブラーン


ミサカ「……」


ミサカ「あの」
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:51:38.69 ID:FnKerZmn0
一方通行「あァ? どォした?」


ミサカ「……」


一方通行「もしかして、遊びたりねェのか? そりゃ悪かったな、もォ一度……」


ミサカ「いえ、そうではなく……」


ミサカ「なぜアナタといぬはリビングにいるのに」


ミサカ「ミサカは廊下で全長五mほどの巨大ねこじゃらしを四つん這いになりながら上下左右に振っているのですか?」


一方通行「……」


ミサカ「……」


いぬ「……」


一方通行「よォし、猫、今度はこのボールを……」


ミサカ「なぜ無視するのですか!! とミサカは声を張り上げて渾身のツッコミをします」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:52:20.65 ID:FnKerZmn0
一方通行「つってもよォ……お前の電磁波の事を考えたらこれが一番良い方法なンだぜ?」


ミサカ「それは、そうですが……」


一方通行「しかもお前、もらった時は超ハイテンションで目ェ輝かしてたじゃねェか」


ミサカ「そりゃ、これでいぬと遊べる、と思いましたから……」


ミサカ「しかし、これ、やってるとめちゃくちゃ虚しくなってくるんですよ?」


一方通行「俺も試したから知ってる」


ミサカ「試した上で使わしたのですか!!?」バキィッ!!


いぬ「!?」


一方通行「てっ、てめっ! 俺の製作時間五分の代物を折りやがったなァ!?」


ミサカ「やっぱりやっつけ仕事じゃないですか!」ベシンッ!


一方通行「(た、叩きつけやがった!)」
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:53:01.89 ID:FnKerZmn0
ミサカ「他に! 他にいぬと遊べる便利アイテムはないのですか!? とミサカは要求します」


一方通行「じゃァ、このボール、ボールを使おうぜ」


ミサカ「ボール……?」


一方通行「おォ、これならお前が投げて、それを猫が取りにいけンだろォ?」


ミサカ「……見せてください」


一方通行「ン」


ミサカ「……」


ミサカ「どうして、釣竿にボールが下げられているのですか?」


一方通行「そりゃお前、猫が近づけるぎりぎりまで持ってこさせるためだろ」


ミサカ「意味ねぇよ!!」ヒュッ!!


一方通行「(わざわざドアを開けて外に放り投げやがった!)」


<イテッ!! ナンダコノゴムボール!? ギャァアアアア!!? インデックスノオヤツガアアアアアア!?
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:53:38.49 ID:FnKerZmn0
ミサカ「他は!? 他に! いぬと一mでも近づける道具は!?」


一方通行「くっ、こうなったら最終兵器だ……」


一方通行「オラァッ! 全長四mのねこじゃらし改、だ!」


ミサカ「それあるなら先に渡せよ!!」バキィッ!!


一方通行「お前はなンで、わざわざ壊すンだよっ!?」
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:54:14.95 ID:FnKerZmn0
ミサカ「ハァッ……ハァッ……ハァ……」


ミサカ「結局、ろくなものがないじゃないですか……とミサカは憤慨します」


いぬとの遊び道具だったもの『チーン』


一方通行「……俺の、俺の作品たちがァ」orz


ミサカ「そんなもの、作品とは呼べませんよ職人たちに謝罪してください」


一方通行「だがよォ……お前の電磁波を考慮した結果がこれだ」


一方通行「電磁波を遮断する便利道具なンざァ、お前の体にも悪いかもしンねェしな」


ミサカ「うぅ……ミサカはやっぱり、いぬとは分かち合えないのでしょうか?」


いぬ「……」


トテトテ


クイックイッ


一方通行「あァ……? どォした?」


いぬ「ミャァ」チョイチョイ


一方通行「……俺の作品がどォかしたのか?」


いぬ「……」ヒョイ


トテトテ


いぬ「ミャァ」


ミサカ「……? いぬ?」
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:54:44.12 ID:FnKerZmn0
いぬ「ミャッ! ミャッ!!」


ミサカ「これは、全長四m(だった)ねこじゃらし……」


いぬ「ミャォ」ブンブン


ミサカ「えっ……? えっ?」


一方通行「……貸せ」


いぬ「ミャ」


一方通行「………」ガチャガチャ


一方通行「オラ、これ持て」スッ


ミサカ「しかし……これでは……」


一方通行「アホかお前、あの猫はな、わざわざ短い方を俺に手渡してきやがったンだ」


ミサカ「それは……」


一方通行「つまり、この猫はお前ともっと遊びてェって言ってンだよ」
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:55:28.44 ID:FnKerZmn0
ミサカ「そ、そうなのですか……? いぬ?」


いぬ「ミャァ〜」


一方通行「距離が完璧に縮まらなくたっていいじゃねェか」


一方通行「コイツはお前の事を理解してくれてンだぜ?」


一方通行「……近づきたいって思ってるンだろ」


ミサカ「……」


一方通行「コイツの好意を少しでも汲み取ってやれよ、飼い主さンよ」


ミサカ「いぬ……」


いぬ「ニャォウ」


ミサカ「……ほら、ねこじゃらしですよとミサカは一心に無駄に長い得物を上下に振ります」


いぬ「ミャッ! ミャッ!」ピョンピョン


ミサカ「ふふ」


ミサカ「ありがとう、ございます」クスッ


一方通行「……」
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:56:23.98 ID:FnKerZmn0
――――――――――


ミサカ「今日は、ありがとうございました、とミサカは丁寧にお礼をいいます」ペコリ


一方通行「バァカ、もともとお前の猫なンだぞ? なァ?」


いぬ「ミャァー♪」


ミサカ「そう、ですね……いぬは、そう思ってくれてるんですよね」


一方通行「お前等のコミュニケーションはまだまだ改善すべきところはある」


一方通行「だがまァ、少しずつでいい、コイツとの距離を縮めるンだな」


ミサカ「はい、とミサカは決意しつつ返答します」


一方通行「はっ、こいつァ頼もしいこって……ただ、早まるンじゃねェぞ?」


ミサカ「分かっていますよ、とミサカはアナタの言葉の意味を理解して頷きます」


一方通行「分かってンならいい……おら猫、飼い主様がお帰りだ、見送ってやれ」


いぬ「ニャァー」


ミサカ「おやすみなさい、いぬ、明日も一緒に遊びましょう」


いぬ「ミャッ♪」


ミサカ「ふふっ……」ニマニマ


ミサカ「一方通行も、おやすみなさいとミサカは挨拶をします」ペコリ


一方通行「あァ、じゃァな」
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:56:53.77 ID:FnKerZmn0
キィ、バタン


一方通行「……」


一方通行「少しずつ、ねェ……」


一方通行「ハッ……もォ時間がねェってのに俺は何悠長なこと言ってンだろォな」


一方通行「……」


一方通行「クソ、悪い方に考えるな、時間はまだある、アイツが生きている理由はまだ作れるンだ」


一方通行「必ず、あるはずだ」


一方通行「……」


いぬ「ミャァ?」


一方通行「……あァ、飯ならすぐ作ってやる、安心しろよ」


いぬ「みゃぁ〜♪」


一方通行「ふン、お前は気楽でいいよなァ、ホントに」
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:57:33.78 ID:FnKerZmn0
――――――――――八月七日


ミサカ「さぁ、いぬ! 今日もねこじゃらし『改』で遊びましょう!」


いぬ「ミャァッ!」コクコク


一方通行「……」


ミサカ「ほらっ、ほらほら! とミサカは意気込んでねこじゃらしを振ります」ブンブン


いぬ「ミャァッ! ミャッ!」


一方通行「なァ」


ミサカ「なんですか? とミサカは手を止めず返答します」ブンブン


一方通行「この猫の命名は任せるって言ったのは俺だけどよォ」


一方通行「どォして『いぬ』なンだ?」


ミサカ「今更な質問ですねとミサカはツッコミ待ちだった事を暗に伝えます」


一方通行「ツッコミ待ちの名前を付けてンじゃねェよ!」
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:58:35.29 ID:FnKerZmn0
ミサカ「そんなに変な名前でしょうか? とミサカは自身のネーミングセンスに不安を感じます」


一方通行「センス以前の問題だろォが……いや、俺も何も言わなかったから悪いけどよォ」


一方通行「まァ、ツッコミ待ちが冗談だったにしても、意味はあンのか?」


ミサカ「そうですね……とミサカは思案します」


一方通行「そうですね……ってよォ……まさかノリだけで考えてたわけじゃねェだろォな」


ミサカ「さすがですねとミサカは一方通行の洞察力に感心します」


一方通行「……お前は本気で俺をなめてるよォだな」


ミサカ「冗談、ですよ、冗談、冗談」ハッハッハッハ


一方通行「(コイツは素でおちょくってンのか?)」
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 22:59:16.51 ID:FnKerZmn0
ミサカ「理由、といってもとても単純なものなのです」


一方通行「単純、ねェ……言ってみろ」


ミサカ「ミサカに『犬』についての知識しかなかったからですよとミサカは簡潔に説明します」


一方通行「犬についてしか知識がなかった?」


ミサカ「ミサカには無駄な知識はありません、それは日常、戦場において必要な知識しかないという事です」


ミサカ「ミサカは買い物の仕方はわかります、挨拶の仕方も分かります」


ミサカ「ですが、人以外の生命体についての知識は必要の無いものとしてインプットされていないのです」


ミサカ「とここまでは『いぬ』と出会ったときに説明しましたよねとミサカは確認を取ります」


一方通行「あァ、覚えてる……生物学の知識がねェって言ってたな」


ミサカ「はい、しかし、ミサカは研修として研究所から出た時、とある動物を発見しました」


一方通行「……なるほど、それが」


ミサカ「『犬』です」


一方通行「ふゥン……だがよ、『鳥』とか『虫』はどォなンだ? そこら中にいるだろ?」


ミサカ「もちろん、その生物の事も呼称程度は知っています」


ミサカ「中でも研究所に現れた黒の化身については……」


一方通行「ヤメロ、ソイツの事は話すンじゃねェ、奴は名前すら呼ぶのもおぞましい」


ミサカ「でしょうね、ミサカたちですら駆逐にてこずった強者でしたからとミサカは同意します」


一方通行「ン、これで一つ呼びたくない理由は分かった……で? 鳥は?」


ミサカ「……」


一方通行「どォした?」


ミサカ「彼らは……彼らには……」


ミサカ「爆撃を、受け、ましたから」グスッ


一方通行「……聞いた俺が、悪かった」
412 :イニシャルGはとっても恐ろしい生命体です [sage saga]:2011/02/11(金) 23:00:49.33 ID:FnKerZmn0
一方通行「お前がいぬってつけた理由は分かった……だがよ」


一方通行「犬についての知識しかなかったっつーより、犬ぐらいしか好感を持ってなかったってことじゃねェか?」


ミサカ「はい、思い出すだけでも腹が立ちますとミサカはあの日のことを思い返します」ムッ


一方通行「……(こりゃ、思い出させなかったほォが良かったな)」


一方通行「しっかしな、それでも『いぬ』はどうかと思うぜ?」


ミサカ「納得がいきませんか?」


一方通行「犬と猫ってのは相反するものだからなァ……」


ミサカ「そうなのですか?」


一方通行「まァ、一番仲が悪いって言われてンのは猿なンだがな……猫はその次ぐれェか?」


ミサカ「なんと! ミサカはいぬに敵の名前をつけてしまったのですか?」


一方通行「いや、敵ってわけじゃねェが、俺も喧嘩してるところをみたわけじゃねェしな……」


一方通行「だが、動物に他の動物の名前を付けるのはおかしいってのは分かる」


ミサカ「ふむ……」


一方通行「なンつーか、もっと威厳のある名前はねェのかよ?」


ミサカ「では、徳川家康」


一方通行「そいつァ、威厳がありすぎだな、征夷大将軍じゃねェか」


ミサカ「織田信長」


一方通行「第六天魔王だぞ、それ」


ミサカ「……豊臣秀吉」


一方通行「間接的に他の動物の事、言ってンな」


ミサカ「シュレディンガー」


一方通行「その名前は猫にとっては禁句だなァ」
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 23:01:51.63 ID:FnKerZmn0
ミサカ「全部ダメじゃないですか、とミサカは一方通行の規定点数の高さにブーたれます」ブーブー


一方通行「お前が自分でハードル上げてンだろォが」


ミサカ「では、アナタが考えてくれればいいじゃないですか」ムゥー


一方通行「あァ……? そォだな……」


一方通行「……」


ミサカ「どうかしましたか?」


一方通行「……レ」


ミサカ「レ?」


一方通行「レオン……」ボソッ
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 23:02:41.83 ID:FnKerZmn0
ミサカ「クロネコに、レオン(笑)」プッ


一方通行「テメェ……なに笑ってやがる!」


ミサカ「い、いえいえ、笑ってませんよ」ブフフッ


ミサカ「一方通行が、クロネコにつける名前は、レオン(笑)」ブハッ!


一方通行「ア゛ァ!? テメ、レオン、バカにしてンじゃねェよ!」


一方通行「徳川、織田、豊臣、シュレディンガーに比べればマシだろォが!!」


ミサカ「無難に『クロ』などでくると思っていたので、意外性が……ぶふぃー!」クックック


一方通行「笑い抑えられてねェし、お前、普通の名前用意してンじゃねェか!」


一方通行「なンで、いぬ、にする必要あったンだよ!」


ミサカ「ネコなのに、いぬ……ギャップが……ふふっ」ニヤッ


一方通行「結局の理由はそれかよ!」
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 23:03:19.33 ID:FnKerZmn0
ミサカ「しかし、いぬもこの名前を気に入ってくれているはずです、とミサカは断言します」


一方通行「ンなわけ、ねェよ……それなら俺のレオンの方がマシだ」


ミサカ「レオン(笑)」プッ


一方通行「お前、結構いやなぶり返しするよな」


一方通行「……それはともかく、お前のその名前に対する自信はどっからくるンだ?」


ミサカ「いぬには、この名前のユーモアが分かるからですよ、とミサカはいぬの優秀さを示します」


一方通行「(犬、がなンなのか分かンねェだけどだと思うがな……)」


ミサカ「それに……」


一方通行「?」


ミサカ「自身の名前と相反する名前をつければ、意外性という意味で、いぬが役だってくれるかもしれません」


一方通行「……お前」


一方通行「……」


一方通行「ねェよ」


ミサカ「ですよねー、とミサカは投げやり気味に返答します」
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 23:04:07.29 ID:FnKerZmn0
一方通行「まァ、飼い主でもねェ俺がお前の命名に文句をつけるってのもどォかと思うンだがな」


ミサカ「いえ、ミサカもいぬには真っ当に生きていって欲しいので、アナタのアドバイスには感謝しています」


ミサカ「ですが、やはり、いぬはいぬとして猫の生活をしてもらいたいですとミサカは主張します」


一方通行「(なンか面白ェ言い回しだな、いぬなのに猫として生きるって)」


一方通行「そォかよ……おい猫、お前に異存はねェのか?」


いぬ「ミャァー?」


ミサカ「いぬ」


いぬ「ミャッ」


一方通行「……コイツはこの呼び方で慣れちまったよォだな」


ミサカ「アナタに猫と呼ばれるよりは愛着があるようですね」


一方通行「うるせェな、猫は猫だろ」


ミサカ「今度からはいぬ、と呼んであげてくださいとミサカはお願いします」


一方通行「……」


ミサカ「お願いしますとミサカは念を押します」


一方通行「わァってるよ、二度も言うンじゃねェよ」


ミサカ「本当に?」


一方通行「……あァ」


ミサカ「良かったですね、いぬ」ニヤッ


いぬ「ミャー」


一方通行「……」
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 23:04:45.75 ID:FnKerZmn0
ミサカ「では、今日はこれで帰ります」


一方通行「早ェな、まだ五時前じゃねェか」


ミサカ「……寂しかったりしますか?」ニヤッ


一方通行「その顔やめろ……お前は俺が一人な事を寂しいと思う人間に見えるンですかァ?」


ミサカ「見えますとミサカは即答します」


一方通行「お前は相当頭がお花畑みてェだな」


ミサカ「別に照れなくてもいいんですよ? ホラミサカの胸で甘えなさいとミサカはない胸をアナタに貸す姿勢を見せます」


一方通行「どこで覚えたそンな言葉」


ミサカ「昨日、芳川博士が見ていたテレビ番組で胸の大きい人が言っていました」


一方通行「くっだらねェ、ドラマなンざ見せてンじゃねェよ……あのアホ研究員」


ミサカ「ミサカはそれなりに面白く思いましたが?」


一方通行「女っつーのはそォいうの好きらしいからな、お前の例外じゃねェらしい」


ミサカ「ミサカは一般的な女性と同じ、ということでしょうか」ニマッ
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 23:05:26.93 ID:FnKerZmn0
一方通行「……嬉しそうだな、お前」


ミサカ「そうでしょうか」ニマニマ


一方通行「そォだな……つまらねェって顔はしてねェな」


ミサカ「ミサカにも一般的な女性と同じ感覚があるというのは発見ですから」


一方通行「ふン、そンな事、ずっと前から分かってたことだろォが」


ミサカ「えっ?」


一方通行「ゲーセン言って、ゲームに夢中になったり」


一方通行「料理を作ってみてェと意気込んだり……猫愛でたり、くだらねェドラマみてそれに影響されたり」


一方通行「お前は、『この街』の学生と変わンねェ生活をしてきたじゃねェか」


ミサカ「……ミサ、カは」


一方通行「……明日もこい」


ミサカ「?」


一方通行「明日は猫、いぬとの散歩に行くぞ」


ミサカ「あ、あの……」


一方通行「あァ、そうそう、明日の陽射しは強ェみてェだから熱中症とかになンなよ」


一方通行「じゃァな、昼からいくから飯は食っとけよ」


バタン


ミサカ「あっ……」


ミサカ「……」


ミサカ「ミサカは……ミサカは……」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/11(金) 23:22:57.55 ID:FnKerZmn0
今回はここまでです。
やはり、妹達なら猫につける名前はいぬ、ですよね。
因みに、レオン、ですが、友人の猫の名前が確かそんなだったと思います。
あとはステファン、とか、ミケ(黒猫なのに)、とか色々あったんですけど。
どれにしようかな、で決まりました。
一通さンだったら名前はつけなさそうな気がしますけどね。

一通さンとミサカを書くと、どこか暗い部分ができてしまいます。
せめて終わりには二人に笑顔になって欲しいと思います
あ、>>1しだいですね、それは。

次回の投下も一通さンとミサカ(のはず)です。
投下日はいつになるか分かりませんが、一週間以内にはかならず顔を出すので、よろしくお願いします。


黒の化身ことイニシャルGさんですが、>>1はアレを見ると
音速に近い速度で逃げようとします。
あと、鳥の下りは実体験を元にしています
小学生時にランドルセルに爆撃され、高校だと頭に直撃しました。
死にたくなりました。
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/11(金) 23:23:53.64 ID:FnKerZmn0
レス返し

>>383
安心の一級建築士なので、死角はありません。
上条さんって本命出来たら、なかなか上手くいきそうになさそうですよね。
意外とすんなりいくかもですけど

>>384
書いてる>>1のテンションもマッハで上がってました。
ニヤニヤニヤニヤ、バカなンですかァ? 俺は

>>385
上条先生のこれからにご期待ください

>>386
自分もニヤニヤ出来る二次創作って素晴らしいと思います

>>387
美琴の笑顔は天使です。
女神です、何よりも変えがたいものです。
超電磁砲の最終回とか俺のハードディスクに永久保存。

>>388
原作だと引き摺りそうですよね

>>389
激しく同意。
一通さンが手を出すわけがない!!

>>390
黒子の視点になると、物凄い黒オーラが出てきます。
いや、>>1はスッとしましたけど

>>391
何言ってるの!!? 私のおかげでみことと仲良くなれたんだよ!!

>>392
初心な恋って凄くニヤニヤします。
というか、上条さんが美琴を意識するだけでもう、俺はァアアアアアアアア!
上条さんは最終的に(心の)イケメンです。

>ゲーム禁書、なんか他ソフト連動で美琴編あるらしいっすな
……なん、だと?
クソッ! サイフにまた冬が来ちまいそうだぜェ


レスありがとございました!!
こんなにたくさん……胸が張り裂けそう!
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 23:33:39.82 ID:51oirlM80
ああ、絶対にレンと言うだろう、さすが一方さんロリロリだなと思った俺はきっと心が汚れてる悪い子
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 00:10:56.31 ID:Z60UWo/Xo
ミサカに常に一通さんが触れて電磁波のベクトルをゲフンゲフン
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 00:37:20.61 ID:8T2C+uVAO
アクセラさんの恐ろしいところは、ベクトル操作によって対象に軽く触れただけでもあらゆる性感帯をいじくり回せるということだ。
昔、進退両難な現実を乗り越えミサワと甘々しく恋仲になりベロちゅーでイかせまくるという……いや失礼。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 08:14:41.22 ID:kKGSqBrDo
生まれて初めて発見した人間以外の動物がイニシャルGとクソ爆弾体験ってひどすぎるwwwwww
しかも爆撃は実体験か…運が悪かったっすね
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 20:12:45.09 ID:Ymx4JDxi0
黒猫の名前……
ヤ……ヤマト
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 12:35:28.20 ID:G1Lnnj/X0
欠陥通行は守備範囲外ですが、>>1さんの書くこれは大好きです。2日に一回は確認するのが日課になりました。頑張ってください!!
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 20:27:25.46 ID:N9KlNnvt0
黒猫・・・・・・タンゴ?
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 22:31:31.39 ID:+1riS6NJ0
クロネコ…ジジ?
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 22:50:37.37 ID:VPNTxMDoo
黒猫と言ったらルドルフだな
ほら、一方通行にはセロリ第一位モヤシって名前がいっぱいあるし
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 09:10:45.99 ID:Y5LNnPQDO
黒猫っていったらホーリーナイトだろ
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 09:27:32.37 ID:m7dcWMbAO
>>429
イッパイアッテナさん乙
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 00:30:13.32 ID:Oq0gOxzQ0
こんな時間だけど……>>1です。
今からこっそり投下開始……って言ってもageるんですけどね
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:30:58.91 ID:Oq0gOxzQ0
――――――――――――八月八日


一方通行「おら、いぬ、公園だぞ」


いぬ「ニャァー♪」テテテ


一方通行「ハッ、随分とご機嫌じゃねェか」


一方通行「なァ、お前もそォ思うだろ?」


ミサカ「……」


一方通行「(……こっちは随分と辛気臭ェ面してやがンなァ)」


一方通行「……オイ、ミサカ」


ミサカ「あっ……なんですか?」


一方通行「……いや、いぬの奴がまってンぞ」


いぬ「ミャー! ミャー!」ピョンピョン


ミサカ「ご、ごめんなさい、いぬ……今行きますよ、とミサカは大慌てで遊ぶ準備をします」テテテ


一方通行「オイオイ、道具もなしに遊ぶつもりですかァ? バカなンですか?」


ミサカ「そ、そうでした……あの、道具を……」アセアセ


一方通行「オラよ……あンま目立つところでやンなよ」


ミサカ「分かっていますよとミサカは道具を受け取りつつ、空返事します」トテテ


一方通行「空返事って分かってねェじゃねェか! オイ!!」


「相変わらず、仲がいいわね、貴方たち」


一方通行「あァ……?」
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:31:46.22 ID:Oq0gOxzQ0
芳川「久しぶりね、一方通行」


一方通行「芳川……何しにきやがった……?」ピクッ


芳川「何を警戒しているのか知らないけれど……私は散歩をしにきただけよ」


一方通行「ハッ! 夏休み初日からほとんど外に出てねェテメェが『ただ』の散歩たァ、いただけねェな」


芳川「あらひどいわね、せっかく『たまたま』外であったから妹達についての近況報告してあげようと思ったのだけれど」


一方通行「何だと……?」


芳川「ふふ、どう? これでも『ただ』の散歩というのかしら?」


一方通行「……チッ」スクッ


芳川「あら? どこに行くつもり?」


一方通行「喉が渇いたから、コーヒー買ってくるンだよ、そっから動くンじゃねェぞ」


芳川「それはどうも」ニコッ
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:32:31.72 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「ブラックで文句はねェな?」スッ


芳川「えぇ、むしろそのほうがいいわ」


芳川「甘くしていると眠くなってしまいそうだもの」


一方通行「そりゃ結構、そのまま脱水症状で死ンじまえよ」


芳川「……キツイわね、私に直接的な恨みでもあるの?」


一方通行「さァな、自分の胸に手をあててよォく考えてみろ」


芳川「ごめんなさい、何も思いつかないわ」


一方通行「本気で沈めたくなるほどムカツク奴だな、お前」


芳川「私って結構、神経図太いのかしらね?」


一方通行「知らねェよ、死ね」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:33:05.10 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「……もォいいだろ、さっさと話せ」


芳川「そうね、コーヒーを奢ってもらったのだから、それの分のお礼はしないとね」


芳川「……今日、いえ、正確には昨日の夜ね」


芳川「天井が研究所に訪れたわ」


一方通行「―――――――ッ!!」ガタッ!


一方通行「どォいうことだ!!」


一方通行「まさか、実験が始まるってのか!?」


芳川「落ち着きなさい……彼は、何か資料を漁っていただけらしいわ」


一方通行「らしい……? お前が直接みたンじゃねェのか?」


芳川「違うわ、偶然研究所にいた木原博士と○○○○二号がみていたの」


一方通行「親父の場合は、偶然ってのは嘘にしか聞こえねェな……」


芳川「それには同感ね」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:33:32.87 ID:Oq0gOxzQ0
芳川「まぁ、その事は言及しなくてもいいでしょう」


芳川「問題は、彼の探していた資料よ」


一方通行「妹達関連の資料だろ? アイツは全部把握してるはずだ」


芳川「……でしょうね、彼は誰よりもこの実験に熱を上げているから」


芳川「おそらく何かの確認のため……とある機密書類よ」


一方通行「機密書類、ねェ……その内容は?」


芳川「残念だけど、教える事はできないわね」


芳川「これは妹達において最重要のレベルの機密なの、アナタが利用する可能性もあるから」


一方通行「……お前は俺の味方じゃなかったンですかァ?」


芳川「ズルする子は嫌いなの」


一方通行「あっそ、本当にムカツク奴だ」


芳川「それはどうも」クスッ
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:34:00.78 ID:Oq0gOxzQ0
芳川「でもね」


一方通行「あァ?」


芳川「少しだけヒントをあげるくらいならいいわよ?」


一方通行「オイオイ、利用するのが困るのにヒントはくれるのかよ」


芳川「アナタがズルをしない子だっていうのを信用してるからいうのよ」


一方通行「わけがわからねェな……」


芳川「子どものアナタには分からないってことね」


一方通行「すり潰すぞ、クソアマ」


芳川「ふふ、出来ない事は言わない方がいいわ」


一方通行「……」


芳川「……ではヒントをあげましょう」


芳川「天井が探していた機密書類は、妹達の頭脳について、よ」


一方通行「頭脳……?」


芳川「端的に言えば……」


芳川「『統率者』ってところかしらね」
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:39:29.91 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「統率者……妹達の頭脳……」


芳川「頭のいい貴方ならすぐに答えに辿り着くはずだけど……」


芳川「今はその事を考えている場合じゃないわよね?」


一方通行「……どォだかねェ、利用するべきものだと判断すれば俺は手段は選ばねェよ」


芳川「それを使って本当にあの子が救われるかっていうのがミソだと思うけど?」


一方通行「ふン、言われなくてもその統率者ってのを引っ張り出さなくてもやってやンよ」


一方通行「洗脳に近いことをしなくてもアイツは必ず、生きたいと思うはずだ」


芳川「洗脳、かなり近い答えをみつけたようね……少し軽率だったかしら?」


一方通行「学園都市第一位の頭脳をなめてンじゃねェよ」


一方通行「お前のはヒントどころか答えになっちまってンだよ」


芳川「そう、これからは気をつけるわ」
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:40:34.02 ID:Oq0gOxzQ0
芳川「さて、コーヒーも飲み終わってしまったし、そろそろお暇しましょうかしら」


一方通行「ケッ、大したことねェ情報をどォも」


芳川「天井の行動を知れただけでも情報は有意義だったんじゃないかしら?」


一方通行「……アイツに俺の能力制限以外に何かできるってのかよ」


芳川「彼、結構小賢しいところあるのよ?」


一方通行「カカッ、小賢しいところなら負けるつもりはねェなァ……」


芳川「……それじゃ、あの子の事、よろしくね」


一方通行「分かってる……釘を刺さなくたってなァ」


芳川「……」


芳川「気を抜いたらダメよ」


一方通行「――――ア?」


芳川「なんでもないわ、じゃっ、夕飯までに帰ってきて頂戴」


芳川「あの子が料理を作る時間なくなってしまうから」


一方通行「ダメな母親みてェだな」


芳川「私、そんなに老けて見える?」


一方通行「さァ?」ニィッ
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:41:24.42 ID:Oq0gOxzQ0
芳川「……」スタスタ


「芳川博士」


芳川「……あら? 何か御用?」


○○○○二号「はい、会議の時間が近いのでお迎えに」


芳川「会議……?」


○○○○二号「はい、絶対能力進化計画に関しての変更点について、です」


芳川「……、分かったわ、行きましょう」


○○○○二号「木原博士のように拒否しないのですね」


芳川「私、まだ死にたくないの」


○○○○二号「……アナタは本当に一方通行の味方なのですか? とミサカは探りを入れてみます」


芳川「この実験の結末を見ずして死ぬのは嫌なだけよ」


芳川「……アナタもあまり勝手に動かない方がいいわ」


○○○○二号「……何の事でしょうか、とミサカはシレっと答えます」


芳川「私のことを信用してくれてる子はいないのね」フフッ


○○○○二号「……」


○○○○二号「あの人は、『自分の信じたように行動しろ』と言っていました」


○○○○二号「ミサカはその言葉の通りに行動しているだけです」


芳川「あの人がアナタを利用しているだけかもしれないわ」


○○○○二号「信じていますから、とミサカはミサカの決意の強さを示します」


芳川「冷静な子だと思っていたけど、意外と激情家なのね……」


芳川「一途な子は嫌いじゃないけど……男には気をつけなさいとだけ言っておくわ」


○○○○二号「言葉の意味は分かりかねますが、承知しましたとミサカは上っ面で返答します」


芳川「……じゃ、行きましょうか」


○○○○二号「はい」





芳川「(これからの動き次第では、味方ではいられないかもしれない……)」


芳川「(そのときは、ごめんなさいね、一方通行・○○○○一号)」
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:41:57.23 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「……チッ、気を抜いたらダメだと?」


一方通行「分かってンだよ、そンな事……」


一方通行「……ふン」


ミサカ「あ、ああああああああ! アクセラレーーーーーーーータ!!」ワタワタ


一方通行「アァ?」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:42:38.48 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「どォした」


ミサカ「いえ、あの、その……」ハァハァ


一方通行「落ち着けよ、まァ、このコーヒーでも飲め」ホイ


ミサカ「す、すみません、とミサカは受け取り、んく、つつ、ごく……ぷはぁ」


一方通行「だから落ち着けってンだろ? ゆっくり飲め、ンで息を整えろ」


ミサカ「……飲み終わる前に言ってくださいとミサカは空っぽになったコーヒーを……」


ミサカ「……コーヒー?」
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:43:57.43 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「……なンだよ? コーヒーがどォかしたか?」


ミサカ「あの、このコーヒーは誰が飲んだものなんでしょうか、とミサカは問いかけます」


一方通行「ハァ? お前、俺が手に持ってたもンを、俺以外の誰が飲むンだよ」


ミサカ「……えっ、でも、それは、あれ?」ブツブツ


一方通行「……??」


一方通行「(アァ、そうか、人の口付けたもンが食べられねェ性分だったのか)」


一方通行「それならそうと早く言えよな……たく、もう一本買ってきてやるから、ちょっと待て……」


ミサカ「……今のは、俗に言う」ブツブツブツブツ


一方通行「……(嫌な予感がする)」


ミサカ「ふ」


一方通行「……ッ!!」


ミサカ「ふにゃああああああああああああああああ///」ビリビリビリ!


一方通行「だァから!! 俺が何したってンだよォォォォォ!!?」ウギャアアアアアアアアア!
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:44:30.03 ID:Oq0gOxzQ0
クロコゲータ「……ぐ、くそ、また、黒焦げ、かよ」プスプス


ミサカ「ふにゅ……ふに……」バチバチ


一方通行「……ハッ! 待て待てェ!! 何があったか説明しろォ!!」ガシィッ!


ミサカ「ふぁ? ……あっ、あれ? ミサカは何をしていたのでしょう?」


一方通行「(覚えてない、だと?)いや、だからお前、焦ってたみたいだが何があったンだよ?」


ミサカ「ハッ!! そ、そそそそそうです! 一方通行! 大変なんです!」アタフタ


一方通行「だァから! 何が大変なのか説明しろってのォ!」


ミサカ「いいから来て下さい! とミサカは問答無用に腕を引っ張ります!」グィッ!


一方通行「オイ! お前、俺が杖なの忘れ、うォ!?」コケッ


一方通行「ミサカさァン!? 聞いてます……イダ!? イダダダダ!?」ゴリゴリゴリ


ズルズルズルズルズル……
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:45:47.51 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「……でェ、引き摺られて来てみれば」ボロボロ


いぬ「……」プルプルプル


一方通行「なンで、あの猫、木の上で震えてンの?」


いぬ「ミャォウ……」ガタガタ


ミサカ「そ、それはですね……とミサカは……」
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:46:18.09 ID:Oq0gOxzQ0
――――――――――十分程前


ミサカ「いぬ〜〜〜♪」ブンブン


いぬ「みゃぁー♪ みゃーぁ♪」ピョンピョン


ミサカ「ふふ、いぬは本当に可愛いですね、とミサカはいぬの可愛さに惚れ惚れします」


いぬ「にゃお、にゃお!」


ミサカ「ホーレ、ホレホレ」


いぬ「ミャッ!」ハシッ!


ミサカ「お、おぉ!! ついにミサカの本気のぶん回しに追いつきましたね!」ワーイ!


ミサカ「いぬ、凄いですとミサカは賞賛します」


いぬ「ミャォウ!」ドヤッ!


ミサカ「はふぅ……やはり可愛いですね、とミサカは親バカ全開します」ポワポワ


ミサカ「……そうです!」ゴソゴソ


いぬ「……?」


ミサカ「ふふふっ、一方通行にはとめられましたが……」


ミサカ「遊び道具として、ボールを持ってきているのです!」ババーーン!


ミサカ「いぬ、今度はこれで遊びましょうとミサカは提案します」


いぬ「ミャッ!」コクッ
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:46:56.17 ID:Oq0gOxzQ0
ミサカ「ボール遊びは無理だといわれましたが……いぬがとったボールを転がしてくれれば、なんとか遊べます」


ミサカ「撫でてあげるなどは出来ませんが……いえ、これ以上は望みません!」


ミサカ「では、ボールを投げましょう……ほいっ」ポイッ


いぬ「ニャッ、ニャッ♪」トテトテ


ミサカ「……」ドキドキ


いぬ「ニャ」トテテ、カプ


いぬ「ニャゥ!」


ミサカ「ふぁああああああああ! いぬぅー! 可愛いですよ!!」


ミサカ「さぁ! ボールを転がしてください! もう一度投げますよ!」


いぬ「ニャァ」コロコロ


ミサカ「よしよし……いいですよ、いいじゃないですか!」フンフン


ミサカ「もういっちょぉおおおおおおおお! そぉい!」ブン!


いぬ「!!」


ヒュゥゥゥゥ


パサッ


ミサカ「……あ」


いぬ「……」ニャァ
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:48:03.71 ID:Oq0gOxzQ0
ミサカ「……す、少し興奮しすぎましたね、仕方ありません、ねこじゃらしで叩き落とし」


ミサカ「おや?」


ミサカ「ね、ねこじゃらしがありません、い、一体どこに!?」


ミサカ「……っ!」ハッ!


ミサカ「まさか、ミサカが喜びのあまり、ワーイをしたときに……どこかに放り出して!」


ミサカ「ど、どうしましょう、せっかく一方通行が作り直してくれたのに……」


ミサカ「そ、それに、内緒でボール遊びした事も、怒られてしまうかもしれません!」ガビーン


ミサカ「どうすれば……とミサカは思案します」ウーン


いぬ「……」


いぬ「ミャォ!」ダダッ!


ミサカ「!?」


ミサカ「いぬっ! アナタ、木の上に!」


いぬ「ニャァ!」ガサガサ


木「ポロッ」


ミサカ「い、いぬ!! アナタは本当に凄い猫ですよ!! 勇気もあるなんてとミサカは驚きが隠せません」


いぬ「……」


ミサカ「いぬ? とミサカは返事をしないいぬに不安を覚えます」


いぬ「……ミャァ」プルプル


ミサカ「もしかして、降りれなく、なったのですか?」


いぬ「……ニャゥ」ガクガク


ミサカ「」
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:48:48.06 ID:Oq0gOxzQ0
――――――――――


ミサカ「……ということがありまして」


一方通行「……」


ミサカ「……、一方通行?」


一方通行「お前って、いつの間にドジ属性ついたンだ?」


ミサカ「は?」
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:49:26.56 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「ちィ……ペットは飼い主に似るって話はよく聞くが、こンな所が似なくてもなァ」


ミサカ「い、いぬは勇気を出しただけですよ、とミサカはいぬのフォローをします」


一方通行「勇気と無謀は違うンだよ、あのアホ猫……いや、ただドジなだけか」


ミサカ「いぬは悪くありませんよ、ミサカが興奮してしまったのが悪いのです」


一方通行「どっちにしろドジなだけじゃねェか」


ミサカ「うっ、なにも言い返すことが出来ません」


一方通行「たく、どォすンだよ、俺は木になンか登れねェぞ?」


ミサカ「えっ? 登れないのですか? とミサカは問いかけます」


一方通行「俺のナリを見てそれを言ってンなら、面白いジョークと褒めてやるよ」


ミサカ「……」


ミサカ「で、では、いぬはどうなるのですかあああああああああ!!?」ガシィッ!


一方通行「!!?」ビクッ!
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:49:55.74 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「目を血走らせて掴みかかってくンじゃねェよ!!」ペシッ


ミサカ「あゥ!」


一方通行「焦ったってアイツが降りてくるわけじゃねェだろォが……」


ミサカ「い、いぬうううううううううううう!! 頑張って! 頑張って降りてくださああああ!」ウォー


一方通行「だから落ち着けってンでしょォォォォォォ!!?」
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:50:33.42 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「つゥかよォ、お前が木に登ればいいンじゃねェか?」


ミサカ「何を言っているのですか一方通行」


ミサカ「ミサカはスカートなのですよ?」


一方通行「だから?」


ミサカ「芳川博士に教えてもらったのですが……」


ミサカ「スカートを履いた女性は高いところに登るのは危険だと」


一方通行「あァ……中が見えるからか……」


一方通行「安心しろよ、お前のスカートの中を見ようなンて奴はそうそういねェよ」


ミサカ「一応ミサカは名門女子校の生徒の制服を着ているのですが……」


一方通行「だからこそだろォが、高位能力者にセクハラしようとは思わねェだろ」


ミサカ「アナタはミサカのスカートの中を見られてもいいのですか? とミサカは……」ブツブツ


一方通行「……?」
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:51:14.52 ID:Oq0gOxzQ0
ミサカ「とにかく、ミサカはあの木の上に登るのは不可能ですとミサカは拒否します」ムッ


一方通行「(なンで怒ってンだ、コイツ?)」


一方通行「つってもなァ……俺は杖だしよォ、片手で登るンじゃいぬは助けらンねェぞ」


ミサカ「そ、それは分かっていますが……」チラッ


いぬ「……」プルプル


ミサカ「あのままではいぬが可哀想ですよとミサカは助からないのではと不安を感じます」


一方通行「……」


一方通行「チッ……(能力が使えりゃ楽なのによォ)」


一方通行「立て梯子とか探すくらいしか……」


「あぁーーーーあ……空から女の子、降ってこぉへんかなぁ?」


一方通行「……おォ?」
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:52:00.98 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「あぁーーあー……つまらへんなぁ、夏休みやっちゅーに、出会いもあらへんし……」


土御門「まぁまぁ、青ピ、落ち着くにゃー、焦ったってしかたないぜい」


青ピ「そぉは言うても……夏休みももう半分はすぎたんやで!!」


青ピ「にもかかわらず!! 僕らは未だに男だけで外に出とるんやでー!!」


土御門「うむ、確かにそれは由々しき事態ぜよ」


土御門「かといって、アニメや漫画のように女の子が空から降ってくるわけでもないにゃー」


青ピ「せやなぁ……」


青ピ「やけど、カミやんは許せへんでぇ! 自分だけ常盤台の盛夏祭にいくなんて!」


土御門「(それはオレのさしがねなんだがな……)」


青ピ「えぇなぁ、えぇなぁ! カミやんはホンッッットにズルイでぇ!」


青ピ「ツッチー、今からナンパにいかへん!? 僕らもオジョーサマをひっかけるんや!」


土御門「それも悪くないにゃー」


一方通行「オイ、そこの暇人どもォ」
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:52:37.11 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「!!」


土御門「一方通行か……久しぶりだにゃー」


一方通行「何夏休みなのにしょげてンだよ」


青ピ「うぅっ、常盤台の女の子と面識のあるアーやんにはわからへんよ!」


青ピ「彼女もいない、一緒に遊ぶ女の子もいない……二次元の女の子とデートする毎日……」


青ピ「そんな寂しい休みを送っている僕の気持ちなんて!!」


土御門「(オレには舞夏がいるけどにゃー)」


一方通行「ハッ! 何かと思えばそンなことかよ!」


青ピ「そんなことやて!!」


青ピ「アーやん! 今のはアーやんでも許されへんでぇ!!」


一方通行「まァ待て、なァお前……オジョーサマと出会いが欲しいンだろ?」


青ピ「えっ……?」


一方通行「そンなに、紹介してほしけりゃ、俺がパイプになってやってもいいぜ?」


青ピ「  えっ  」
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:53:15.02 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「ホ、ホンマか……!?」


一方通行「あァ、ホンマだ……今まさにオジョーサマがいるぜェ?」


青ピ「どこ!? どこやぁ!!?」


ミサカ「……?」


青ピ「いたあああああああああ!!!」


ミサカ「!」ビクゥッ!
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:53:50.24 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「……つっても、あの子、アーやんの例の彼女やん!!」


青ピ「僕ぁ、色んな種類の女の子が好みやけどその子のNTRだけは受付てへんでぇ!」


青ピ「略奪愛なんて、真の愛やない! 邪の道やぁ!!」


土御門「(さすがは自称愛の伝道師……純愛好きなんだにゃー)」


一方通行「落ち着けよ、アイツは俺の女じゃねェし、俺は紹介としかいってねェぜ?」


青ピ「……うん?」


一方通行「一緒に遊べる女だって@~しいンだろ?」


青ピ「!!」


一方通行「(まっ、コイツには触らせもするつもりはねェけどな)」ニヤリッ


土御門「(悪い顔してるぜい……)」
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:54:19.34 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「な、なるほど、アーやんは僕の本当の心の友なんやね!!」


青ピ「自分の彼女を友達に紹介して、その子と遊んでもええやなんて……なんという男気!!」


一方通行「だから俺の女じゃねェってのォ……」


一方通行「それはともかくよ……いまよ、アイツが困ってンだ」


青ピ「えっ!? どういうことやねん!」


一方通行「実は……アイツが飼ってる猫がな、木の上に登ったはいいンだが、降りれなくなっちまってな」


一方通行「俺がいってもいいンだが……俺って体が不自由だろ? 助けてやれなくてなァ……」


一方通行「そこで……身長が高くて、腕っ節もありそうな青ピがきてくれたらなァって……」


青ピ「えぇ……アーやんがそんなこというの気持ち悪いわぁ……」


一方通行「アイツが言っててな」


青ピ「なるほど、健気で素直で可愛い子やな」ウム


一方通行「(扱い易ィな……)で、お前が救出してくれたら、お礼をしてくれっかもな」


青ピ「ほぉ!!! ええやん、ええやん!! 僕ぁあんなカワイイ子のためならなんでもするで!」


一方通行「じゃァよ、あの猫、助けてやってくンねェか?」


青ピ「ええでええで! 僕に任せて!!」


土御門「(ここは空気を読んで立ち去るべきか、それとも青ピみて楽しむか……)」フム
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:54:54.84 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「やーやー、久しぶりやね!」


ミサカ「アナタは、確か青髪さんでしたね、とミサカは記憶を遡ります」


青ピ「そっ、覚えててくれて嬉しいでぇ!」ウンウン


ミサカ「はぁ……(どうしてこの人はこんなにも機嫌がいいのでしょうか?)」


一方通行「ソイツがいぬを助けてくれンだとよ」


ミサカ「本当ですか!? とミサカは現れたヒーローに感激します」ズズイ


青ピ「アッハー! 僕に任しといてーなー」イヤービショージョガチカイッテエーナー


一方通行「……」


一方通行「そォ言う事だから……」ムンズ


ミサカ「……?」


一方通行「お前は離れて見てなァ」グィッ


ミサカ「きゃっ!」ベシャッ


ミサカ「(な、何か一方通行の機嫌が一気に悪くなったような……?)」ハテ?
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:55:57.19 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「さて、目の前の困った女の子の笑顔の為に、頑張りますよー」ピョン


土御門「おぉ、流石無駄に巨漢なだけはあるにゃー」


一方通行「その分の無駄な筋力が活躍してるわけだ」


青ピ「無駄無駄いわんといてくれへん!?」


いぬ「ニャァ!!」ビクゥ!


ミサカ「い、いぬが怯えてしまうので声を上げないで下さい!! とミサカは懇願します」


青ピ「えっ? あ、すんません……あれ?」
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:56:53.17 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「さぁって、猫ちゃん……怖くないでぇー、こっちにきぃやー」


いぬ「ニャァ」ビクビク


青ピ「大丈夫、僕はキミの敵じゃあらへんで、だいじょぶやぁー」コッチコッチ


いぬ「……」


いぬ「ミャッ」スッ


青ピ「よぉし、ええ子ええ子……」


いぬ「ジリジリ」


青ピ「そう、そのままゆっくりきぃや……」


いぬ「……」ピョン!


青ピ「……よし、よく頑張ったなぁー」ダキッ
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:57:51.35 ID:Oq0gOxzQ0
土御門「意外とあっさり救出できたにゃー」


一方通行「何かあったら困るだろォが、バカなンですかァ?」


一方通行「……だが、この猫が迷惑かけた事は違いねェ」


青ピ「まぁまぁ、何も起こらずに救出できたんやから、それはいいっこなしや」


青ピ「ささ、ミサカちゃん、猫ちゃん帰ってきたで!」


ミサカ「うっ、いぬぅ〜〜〜……怖かったでしょうに、よく頑張りましたね」ダキィッ!


いぬ「ニャァ〜〜〜」スリスリ


青ピ「あっはー! かわいい女の子が動物を抱きしめてるシーンはたまらへんなぁ!」


土御門「確かに、癒される光景だにゃー」ウンウン


一方通行「ケッ、くっだらね……」


一方通行「……ア?」


ミサカ「……? どうかしたのですか? とミサカは突然固まった一方通行に問いかけます」


一方通行「待て……お前」


一方通行「……どうして猫を抱きしめられるンだ?」


ミサカ「……えっ?」
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:58:31.19 ID:Oq0gOxzQ0
いぬ「ニャァー」スリスリ


ミサカ「あっ……なぜ、でしょう?」ギュッ


青ピ「ん? この猫ちゃんはミサカちゃんの飼い猫なんやろ? 懐いとるんやないの?」


一方通行「いや、ミサカは電撃使いなンだよ、だからアイツから発せられる微弱な電磁波のせいで動物は近づけないはずだ」


土御門「あー、そういえばそんな話聞いたことあるぜい」


土御門「動物ってのは人間よりも敏感に反応しちまうからにゃー」


土御門「だけど、この猫は、そういうのに強いって事かもしれないぜい?」


一方通行「この猫も初めはそうだったはずだ、ミサカが近づけば、怯えていた……」


一方通行「近くにいすぎで、感覚が狂ったのか……それとも今はショックでそれどころじゃねェのか?」


青ピ「種族を超えた愛、ってやつやない!? カンドーするでぇー!」


土御門「イイハナシダニャー」


一方通行「(土御門の言うように、電磁波に耐性があるのか?)」


一方通行「……」チラッ


ミサカ「ふふ、いぬ、やっとアナタを抱く事ができましたね」


いぬ「ニャー、ニャー♪」スリスリ


ミサカ「くすぐったいですよぉ〜とミサカは〜〜〜〜」アハハハ


一方通行「(……まァ、いいか、考えるのもくだらねェ)」
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:59:04.42 ID:Oq0gOxzQ0
一方通行「オイ、ミサカ、そろそろ帰ンぞ」


ミサカ「はい、とミサカはいぬを抱きしめつつ返答します」ギュゥ


いぬ「ふにゃぁー」ゴロゴロ


青ピ「あら? 帰っちゃうん?」


一方通行「あァ、猫のこと、忙しいのに悪かったな」


土御門「イヤー、暇だったからちょうど良かったぜい」


青ピ「土御門クンはなんもしとらへんやん!!」


土御門「にゃー、そうだったぜいー」ニャハハー


一方通行「つまンねェ、漫才してンじゃねェよ……行くぞ」


ミサカ「では、青ピさん、土御門さん、さようなら、とミサカは挨拶します」ペコリ


青ピ「バイバイーまた、あいましょー」


土御門「バイニャー」


<アクセラレータ、マッテクダサイヨ
<オッセェヨ、サッサトアルケ
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/02/15(火) 00:59:34.32 ID:Oq0gOxzQ0
青ピ「うぅーん、やっぱり恋人やで、あの二人、仲良ええもん」


土御門「そうかにゃー?」


土御門「オレには、一方通行もミサカちゃんも互いに無理してるように見えるがな」


青ピ「無理……?」


土御門「まっ、それはあの二人の問題だろうから、オレ達は干渉しないほうが身のためだぜい」


土御門「何かあれば、ヒーローさんがどうにかしてくれるだろう」


青ピ「??」


土御門「それはそうと青ピ、お前、何か忘れてないか?」


青ピ「忘れ……あぁああああああああああああ!!」


青ピ「アーやん、ミサカちゃんと遊ばしてくれるって約束果たしてくれてへんわー!!」


土御門「もう行っちまったぜい?」


青ピ「くそーーーー!! やっぱり僕を騙すつもりやったんやな!!」


青ピ「不幸やああああああああああああああああああああ!!」





一方通行「クカカ、扱い易いよなァ、ホントによォ」


ミサカ「一方通行? 何を笑っているんですか?」ギュゥ


いぬ「ニャァー」


一方通行「イヤイヤ、なンでもねェ……カカ、クク……」


<ツゥカオマエ、イツマデツヨクダキシメテンダ?
<イヌガイヤガルマデズットダキシメマスヨトミサカハケツイヒョウメイシマス
<……アッソォ
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 01:08:27.76 ID:Oq0gOxzQ0
今回はここまで、今回でいぬと近づけるようになりました。
それと同時に八月も十日を過ぎ、半分が終了……
つまり、物語りも終盤への準備期間に入ったわけです。
青ピたちをいれたのはなんとしてもギャグを放り込みたかった
そうしたら変なことになった後悔はしていない。
まぁ、まだまだ続くと思うので終わりまでよろしくお願いします。

468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 01:09:24.27 ID:Oq0gOxzQ0
>>421
俺はロリコンじゃねェぞ、絶対に違う

>>422
一通さンは現在能力を自由に使えません

>>423
……ふぅ///

>>424
封印したい過去ナンバーワンです、アレは

>>425
宅急便♪

>>426
これを機に欠陥通行になるのも、いいんじゃな……
いや、強制は良くない、ここは徐々に洗脳を……

>>427
元ネタがわからない……

>>428
ジブリ見たことないんだよなぁ……
ジジも有名どころの黒猫ですよね?

>>429
一通さンは多種多様ってことですね! わかりますん!

>>430
BUMP好きです、ペロペロ!

>>431
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 07:57:38.42 ID:zbvMlafWo
乙〜!
一方さんかわいいよ一方さん

>>427
黒猫のタンゴは古すぎるだろww
歳がばれるぞww

ちなみに「黒猫のタンゴ」は大昔に流行った歌です
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 10:07:00.69 ID:tixjgsGAO
青ピ乙
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 12:20:48.39 ID:46RWZWJAO
マダー?
472 :1だす :2011/02/20(日) 22:17:51.24 ID:TyN5/J5A0
ども、お久しぶりです。
投下、していきたいと思います
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:18:58.19 ID:TyN5/J5A0
――――――――――


上条「……ん」


上条「ふぁーぁ……朝か……」


上条「今何時だ? ……あれ?」


上条「時計が壊れてる……不幸だ……」


上条「うん……外は暗いな、窓から見る限り夜みたいだな」


上条「朝だったらインデックスとステイルがうるさいし、寝てるんだろう」


上条「二度寝するかな……せっかくの夏休みだし、補習も終わったんだからゆっくりしよう」


上条「よし、では、おやすみ」


ピン、ポーン


上条「……不幸だ」
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:19:35.87 ID:TyN5/J5A0
上条「くそ、せっかく惰眠を貪ろうとしていたというのに、上条さんの楽しみを奪うとは……」


上条「無視しようかなぁ……夜に来るなんてろくな客じゃないだろう」


上条「舞夏に追い出された土御門とか、親父さんと喧嘩した一方通行とか……」


上条「うん、本当にろくな事がなさそうだ、無視無視」


ピン、ポーン


上条「上条さんは現在お休み中です、帰りやがってくださいバカヤロー」


ピンポーン


上条「……」


ピンポン、ピンポン、ピンポン


上条「あぁもう……!! 一体誰だってんだよ!」
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:20:18.70 ID:TyN5/J5A0
ガチャッ


上条「……風呂からでてみれば、外はホントに真っ暗じゃねぇか、誰が来たんだ?」


上条「たくっ……こっちには居候だっているのに……」


上条「……あれ? インデックスとステイルがいない?」


上条「あいつら、どこにいったんだ? 神裂のところに飯でもたかりにいったのか?」


上条「玄関のドアに鍵は掛かってるみたいだし、外に出たにしたってステイルは鍵を忘れるほどマヌケじゃない」


上条「つーか、玄関のドアに鍵がかかってんなら、鍵は持ってるって事だよな……」


上条「神裂のところにいったなら、管理人のマスターキーでドアは開けられる……」


上条「……あの二人が外に出て玄関で立ち往生って事はなさそうだな」


上条「じゃぁ、誰だぁ?」


ピンポンピンポン!


上条「あぁ、もうっ! はいはい、誰ですか!!」ガチャッ











美琴「こ、こんばんわ」










上条「えっ?」
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:20:47.96 ID:TyN5/J5A0
上条「あ、れ? み、御坂? どうして……」


美琴「……」


上条「つか、お前って俺の寮、知ってたっけ?」


美琴「……」


上条「御坂? どうしたんだ?」


美琴「借りを、返しに来たの」


上条「はい?」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:23:12.10 ID:TyN5/J5A0
上条「借りってお前、そんなこと気にしてたのか?」


上条「俺は借りだなんて思ってないって前も言ったろ?」


美琴「……」


美琴「感謝するのはいけないの?」


上条「それとこれは別だろ? そりゃ俺のした事が御坂のプラスになったってんなら嬉しい事だ」


上条「けど、それを返せ、返さなきゃいけない、なんていうのは話が違うだろ?」


美琴「私、どうしてもアンタに借りを返したいの……」


上条「いや、だから……」


美琴「お願い、私が納得したいの、我がまま言ってるのも分かってる」


美琴「……だから、ダメ、かな?」ウルッ


上条「はぅ!!?」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:24:00.77 ID:TyN5/J5A0
上条「(ち、ちくしょう……なんて破壊力だ、涙目の上目遣いなんて、これは、ヤバイ!!)」


上条「い、いや、か、借りを返すってのはどうかと思うけど、それで御坂が納得するんなら、うん」


上条「か、考えなくも無いな」


美琴「本当?」パァッ


上条「ハイ、ホントウニデス」ナンダコノカワイイセイブツハ


上条「(くっ、ぐぅ!! なんだこの抱きしめたい可愛さ! 落ち着け、落ち着け、俺とマイサン!!)」


上条「ト、トニカク、ヘヤニアガレヨ、ハナシハソレカラダ」


美琴「うん」コクッ


上条「(なんか素直だな……)ダ、ダケド、ドウシテコンナヨルニ?」


美琴「……」


上条「……御坂?」


美琴「……それはね」










ギュッ










上条「――――――――ハッ?」
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:24:44.32 ID:TyN5/J5A0
上条「み、みみみみみみみみみ、御坂さん!? あの、これは!?」ドキドキ


美琴「私、ホントにアンタに……」


美琴「うぅん、当麻に感謝してるの」


上条「ト、トウマって……」


美琴「この前の盛夏祭のときも、夏休み前の事も……」


美琴「当麻には貸しばっかり作っちゃって……どうやって返そうって事ばかり考えてたの」


上条「え、あ……」


美琴「でもね、この気持ちがただの感謝の気持ちだけじゃないって気付いたの」


上条「感謝以外の、気持ち?」ドクンドクン


上条「そ、それって……」ドクン


美琴「当麻には、私のこの気持ち、分かるでしょ?」


上条「わ、分かる……分かりますよ」


美琴「ふふっ、そういってくれると思った」クスクス
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:25:52.78 ID:TyN5/J5A0
美琴「……ねぇ、当麻」


上条「な、なんだ?」


美琴「当麻は、私にどうやって返して欲しい?」


美琴「何を、して欲しい?」


上条「お、俺は……いや、何も、返して欲しく……なんて」


美琴「そっか……」


美琴「ねぇ」


上条「こ、今度は何だ?」


美琴「私、当麻の望んだ事なら何しても、いいよ?」


上条「何、しても……?」ゴクリ


美琴「うぅん、やっぱり違う……」


美琴「私ね、当麻になら」










美琴「何されても、いいよ」










上条「み、美琴!!!」ガバッ!
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:30:01.22 ID:TyN5/J5A0
――――――――――


インデックス「……」


上条「……み、美琴ぉ、俺達、まだ学生」


インデックス「……」


上条「だ、ダメだ、そこは……、いや、でも、美琴となら……」ウヘヘ


インデックス「……」


上条「美琴ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


インデックス「うるさいんだよ!! バカとうま!!!」


ガブッ!!


上条「んぎゃあああああああああああああああああああああ!!!?」
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:32:11.19 ID:TyN5/J5A0
上条「……すみませんでした」チーン


インデックス「全く……とうまは朝っぱらから何を考えてるのかな!?」


インデックス「いつもより起きるのが遅いから心配してたのに……」


インデックス「何かブツブツ呟いていると思ったら、いきなりみことの名前を叫びだすなんて!」


上条「いえ、あの、とても心地よい夢を見ていたというか、なんというか、つまり、その……」


ステイル「キミが万年発情期という事だろう?」


上条「うっせーよバーカ!!」
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:32:55.08 ID:TyN5/J5A0
上条「つーか、上条さんだって高校生なんです!! ちょっとくらい夢見たっていいじゃない!」


インデックス「その夢の内容がどんなのだったかが問題なんだよ!」


上条「えっ……? それは……」


インデックス「どんな夢だったの?」


上条「……」


インデックス「……」


上条「……オトコノコの事情です」


インデックス「ケダモノ」


上条「」
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:34:33.29 ID:TyN5/J5A0
――――――――――八月十五日


上条「と、いうわけで」


上条「部屋から追い出されました、まる」


上条「……」


上条「……なぁ」


上条「なんでステイルまで追い出されてんの?」


ステイル「キミのせいだろうが」


上条「ハァ? なんで俺のせいなんだよ!」


ステイル「キミが汚らわしい夢を見たから僕まで同類だと思われたんじゃないか」


上条「汚らわしいってなんだよ!! お前だってそういう夢みたりするだろ!?」


ステイル「忘れているかもしれないけど、僕は神父だよ? 主に誓ってそれは無いと言えるね」


上条「お前が主とか言うガラかよ」


ステイル「心配されずとも、自覚はあるさ」


上条「……」


上条「俺、お前、嫌い」


ステイル「こちらこそ」
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:36:09.52 ID:TyN5/J5A0
――――――――――


上条「しっかし……暑いな」


ステイル「口にするな、暑いと意識してしまうじゃないか」


上条「全身真っ黒な神父さんに言われたくないんですけどね!?」


ステイル「僕だって、これを好きで着ているわけじゃないんだ」


ステイル「咎められても困るんだがね」


上条「くそぉ!! ムカツク! 揚げ足ばっかとりやがって!!」


上条「つぅか! なんでお前俺に着いてきてるんだよ!! ストーカーですか!?」


ステイル「ストーカーとは、心外だね、僕はキミの監視をしているというのに」


上条「……監視?」


ステイル「そう、監視だ、インデックスに頼まれてね」


上条「……どういうことだ」


ステイル「キミがバカな真似を起こさないように、ね」


上条「しません!!!」
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/20(日) 22:36:12.55 ID:VfkbTnVd0
御坂に何があった?
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:36:42.27 ID:TyN5/J5A0
上条「さすがに夢と現実の区別くらいつくぞ!?」


ステイル「わからないじゃないか、今日だって、一歩間違えばあの子に抱きつきそうだったのだから」


上条「えっ? マジで?」


ステイル「嘘に決まってるだろう? それをした時点でキミは灰になっているだろうね」


上条「ふざけんな!!」


上条「……とにかく、上条さんはあっちこっちに手を出す人間では無いので冗談でもそういうこと言うのやめろ!」


「だ、誰が、あっちこっちに手を出す人間なの?」


上条「あぁ!!? だから! そんな事しないって……!!」


美琴「お、おす」


上条「」
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:37:37.77 ID:TyN5/J5A0
上条「み、みみみみみしゃかさん!!? おおおおお前、また突然現れやがって!!」


美琴「な、なにどもってんのよ! それに突然現れるのはそっちの方じゃない!!」


上条「そ、そうか?」


美琴「そうよ!!」


上条「それは、えっと……すみません?」


美琴「べ、別に怒ってはないから謝んなくてもいいわよ」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:38:26.29 ID:TyN5/J5A0
美琴「それはそうと、こっちの赤髪の男の人は?」


上条「あぁ、こいつは……」


ステイル「僕はステイル=マグヌス、一応、神父だよ」


上条「……」


美琴「神父……って事はインデックスの知り合い?」


ステイル「まぁ……そうだね、仕事仲間といったところかな」


美琴「ふぅん……あ、私は」


ステイル「知っているよ、御坂美琴だろう? あの子から色々話は聞いているよ」


美琴「話?」


ステイル「あぁ、色々ね……なぁ? 上条当麻?」ニヤニヤ


上条「ニヤニヤすんな、気持ち悪い」ムッ


美琴「??」
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:38:59.38 ID:TyN5/J5A0
美琴「何の話かは知んないけどさ、アンタ、今暇?」


上条「ん? まぁ、暇って言えば、暇だよなぁ?」


ステイル「僕に聞くのはやめてもらえないか? 答えが決まっているくせに」


上条「う、うううううるせい!! こっちにも準備があるんだよ! 準備が!」


美琴「(なんか今日のコイツ変ね……私の目を見ようとしない……)」


美琴「暇なのよね? じゃ、喫茶店でも行かない? 喉渇いてるし、外暑いし、さ」


上条「お、おう、そうだな! ステイル! お前も行くよな!!」


ステイル「どうして僕が行かないといけないんだ?」


上条「お前、インデックスに頼まれた仕事放棄する気まんまんだな!?」


ステイル「……分かったよ、いけばいいんだろう、行けば」チッ
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:40:20.60 ID:TyN5/J5A0
――――――――――とある喫茶店


店員「いらっしゃいませー」


美琴「すみません、三名で」


店員「かしこまりました、三名様ご案内します」


上条「……なぁ御坂、ここって」


美琴「そ、アンタがハンカチくれたところよ、お気に入りなの」


上条「へぇ、なんで?」


美琴「えっ? そ、それは……」ゴニョゴニョ


上条「……? どうした?」


美琴「な、なんでもないわよ!! さっ、早く、席に行きましょ、ステイルさんも」


ステイル「あぁ(……やれやれ、面倒くさい事になったものだ)」
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:42:35.64 ID:TyN5/J5A0
美琴「それにしてもさ……」


上条「ん?」


美琴「アンタってどっかの宗教にでも所属してるの?」


上条「へっ? イヤ、別にそういうわけじゃないけど、なんで?」


美琴「だって、インデックス然り、ステイルさんも、シスターに神父じゃない?」


美琴「……ホームステイに行ったのって巡礼的な何かなのかなって思って」


上条「えーっと……それは、その……」


上条「しょ、小学校の行事で、な、そういうのがあったんだよ!」


上条「な、ステイル!」


ステイル「……ん? あー……まぁ、そうだね、そんな事もあったような無かったような……」


上条「というわけだ!! ステイルもインデックスと同じ宗教でな、同じ教会に住んでるんだよ!」


美琴「へぇー……アンタって結構、国際的なのねぇ、外国の人と二人も知り合いなんて」


上条「珍しいか?」


美琴「そりゃね、日本に住んでる限り、どうしても外国の人との触れ合いってなかなか無いじゃない?」


美琴「ちょっと憧れるっていうか、凄いなって」
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:43:16.89 ID:TyN5/J5A0
上条「え、へへへ、そ、そうか?」デレデレ


ステイル「おだてられて喜ぶなんて浅はかだなキミは、底がしれるね」


上条「う、うるせーな! 好印象って事じゃねぇか!」


美琴「好印象?」


上条「な、なんでもない!! み、御坂も初対面で好印象だぞって事だよ、な、ステイル?」


ステイル「まぁ、キミよりはマシかな」フン


上条「は、はは、素直な奴じゃないんだよ、コイツ」


美琴「ふ、ふぅん……そう」


美琴「アンタは……どう思ってんのよ」ボソッ


上条「えっ?」


美琴「なんでもない」


上条「そ、そうか?」


ステイル「……」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:44:22.11 ID:TyN5/J5A0
ステイル「……(全く、見ていられないね)」


ステイル「……」スッ


美琴「あ……」


ステイル「……何かな?」


美琴「ここ、禁煙席、なんだけど……」


ステイル「キンエンセキ? ……あぁ、タバコを吸ってはいけないところなのか」


ステイル「やれやれ、面倒くさいところを設けるものだね、最近は肩身が狭いよ」


上条「そう言うなって、大人なんだから我慢しろよ」


ステイル「大人って、僕はキミよりも年下だよ、認めたくないけどね」


上条「えっ?」


美琴「えっ?」


ステイル「?」
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:45:18.04 ID:TyN5/J5A0
上条「と、年下ってどういうことだよ!?」


ステイル「そのままの意味だよ、僕はこう見えても十四でね、そちらの彼女と同い年だよ」


美琴「じゅ、十四!? どうみてもそうは見えないわよ!!? その身長!」


ステイル「……そんなに珍しいかな? 神裂だって高いじゃないか」


上条「神裂はこの国だと高い方だぞ! お前の感覚で言ってんじゃねぇよ!」


美琴「いや、高い低い以前に、タバコ吸っちゃいけない年でしょ!?」


ステイル「はぁ……細かいところをつくね、僕が吸おうがキミには関係ないじゃないか」


美琴「それは、そうだけど……体に悪いし!」


ステイル「(日本は本当に面倒臭い国だね、全く……)」


ステイル「うるさいな……」スクッ


上条「オイ、どこ行くんだ!?」


ステイル「外で吸ってくる、確か喫煙所があったからね」


上条「おいおい!」


ステイル「まさかキミまで体に悪いだの言うわけじゃないだろうね?」


上条「いや、そこまでは……」


ステイル「ふん、安心しろ、目は離さないでおくから」ニヤリ


上条「んなぁ!! いいよ! さっさと行けよ!!」


ステイル「言われなくても」スタスタ
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:46:17.41 ID:TyN5/J5A0
上条「……たく!! アイツは人をからかいやがって!!」


美琴「ね、ねぇ……アレ本当に神父さんなの? 信じらんないんだけど……」


上条「え? あ、そこは本当だぞ? インデックスとも友達だって言うのも本当だし」


上条「インデックスも、どっからどう見てもシスターって感じだろ?」


美琴「暴飲暴食じゃなければね……」


美琴「なーんか、キナ臭いのよね……」


上条「キナクサイ?」


美琴「疑うわけじゃないけど、インデックス然り、留学って感じじゃなさそうだし、さ」


美琴「アンタ、なんか知ってるんじゃないの?」


上条「し、しらねーよ! なんも怪しくないって!」


美琴「でも……この科学の街に、宗教なんてオカルトが絡む事自体、変だし」


美琴「妙な事に巻き込まれてるんじゃぁ……」


上条「―――――ッ!! 御坂!」ガシッ!


美琴「な、何?」ドキッ!


上条「心配してくれるのは嬉しい」


上条「だけど、本当に何でもないんだ、頼む信じてくれ」


美琴「え、あ……べ、別に……アンタのことを心配してるわけじゃ……」


上条「御坂」


美琴「〜〜〜〜分かったから!! と、とりあえず離れなさいよ!!」


上条「あ、すまん」


美琴「い、いいわよ、詮索して悪かったわね」カァァ


上条「悪いな……」
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:47:17.96 ID:TyN5/J5A0
美琴「(たく、いきなり人の肩に掴みかかって、誰かに見られたら誤解されるじゃない……)」


美琴「……」キョロキョロ


美琴「……(誰も見てないみたいね)」ホッ


上条「そういえばさ」


美琴「何よ?」


上条「お前、なんか俺に用でもあるのか?」


美琴「えっ?」
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:48:06.86 ID:TyN5/J5A0
美琴「な、なんでそういう話になるのよ!!」


上条「え、いや、だって、喫茶店なら一人でも行けるし……喉が渇いてるんなら自販機で事足りるだろ?」


上条「だから俺に用でもあったんじゃないかなって思って」


美琴「用がなきゃアンタと一緒にいちゃいけないの?」


上条「いやいや、そうじゃないけど……つーかその言い方は誤解を招くぞ?」


美琴「何でよ」


上条「えっ? そ、それを聞きますか!?」


美琴「聞いたら困る事なの?」


上条「そ、そういうわけじゃねぇけど……」


美琴「なら言いなさいよ!! 用がなきゃ誘えない理由を!」


上条「……そりゃ、お前」


上条「か、勘違い、するだろ」カァァ


美琴「勘違い?」


上条「お、おう……これだけ言えば分かるだろ?」


美琴「……」ハテ?


美琴「……」


美琴「―――――――ッッッ!!!」カァッ!
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:48:50.36 ID:TyN5/J5A0
美琴「ア、アアアアア、アンタは何考えてんのよ!!」


上条「いや! だって、そう思っちまうだろ!?」


上条「(今日の夢の事を思い出したら意識するだろうが!!)」


美琴「だ、だからって!!」


上条「いや、俺の勘違いならいいんだよ! な!」


美琴「あぅ、あぅあぅ……」


バチッ!


上条「な? ……御坂さん?」


美琴「か、かかかかか、かんちがい……よ、だてだって、そそそそんなここと」バチバチッ!


上条「あれ? あの? 聞いてます?」


美琴「……ふ」バチッ!!


上条「……みさ―――――」
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:49:44.10 ID:TyN5/J5A0





美琴「ふにゃー」バチバチバチッ!!!





上条「何事ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」イマジンブレイカー!





<ミサカサアアアアアアアアアアアアンオチツイテーーーーーー!
<フニャッ、フニャァァァアアアアアアアアア!
<ウワアアアアアアアアアアアアアアアアア! フコウダー!


ステイル「……」フーーー


ステイル「やれやれ」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:50:29.40 ID:TyN5/J5A0
ステイル「迷惑な奴等だね、全く……手間かけさせてくれる」


ステイル「どうして僕があんな奴の手伝いをしなきゃならないんだか」


ステイル「……」


――――――――――追い出される前


インデックス『ステイルも出て行くんだよ!!』


ステイル『どうして僕まで出て行かなきゃならないんだい?』


インデックス『男は皆ケダモノなんだよ!! 信用ならないかも!!』


ステイル『なん……だと? くっ、なぁ、インデックス?』


インデックス『なに?』


ステイル『まさかと思うけど、僕とアイツが同類なんて思ってるんじゃないだろうね?』


インデックス『違うの?』


ステイル『違うよ! 僕は真っ当な人間だ!』


インデックス『真っ当な人間は未成年喫煙なんかしないんだよ!』


ステイル『まるで日本人のような意見だね!?』
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:52:29.80 ID:TyN5/J5A0
インデックス『まぁ、それは半分冗談として……』


ステイル『半分は本気なのか……?』


インデックス『ステイルにはとうまの手助けをして欲しいんだよ!』


ステイル『手助け……?』


インデックス『そうなんだよ!! とうまは変態で奥手でヘタレで、根性なしだけど』


インデックス『みことの事をとっても大好きな、優しい人でもあるんだよ!』


インデックス『外に出たら、とうまはきっとみことと出会うと思うんだよ!』


インデックス『その時にとうまのお手伝いをして欲しいの』


ステイル『……奴の思い人と会える保証なんかないと思うけど』


インデックス『そこは女の勘を信じるんだよ!!』


インデックス『女の勘は凄いんだよ! 浮気とか、家の秘密とか、なんでも分かっちゃうんだから!』フンス


ステイル『どこでつけたんだい、その知識』


<ヒルノイチジクライニヤッテルドラマナンダヨ!
<コレカラハミルノヲヤメナサイ
<エェーーーーー!? ナンデ!?


――――――――――


ステイル「……仕方ない、あの子の頼みなら、僕は何だってやってやる」


ステイル「……」


ステイル「……今日も見てないだろうな、あの子」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 22:53:13.79 ID:TyN5/J5A0
インデックス「へくちっ!」


神裂「インデックス? 風邪ですか?」


インデックス「大丈夫なんだよ! あっ!!」


神裂「……?」


インデックス「――――うぉぉぉ!! 凄いんだよ!」


インデックス「血の繋がった異母兄妹とは知らず恋に落ちる、タケシとサチエ!」


インデックス「そして、それを知っているがゆえに二人を引き離そうとするタケシの母、ヨシコ!」


インデックス「結末が気になるんだよ!! ドロッドロなんだよ!」


神裂「(ステイルからは昼にテレビは見せるなといわれましたが……)」


神裂「(しかし、あんなに楽しそうにするあの子から引き剥がす事も……)」


神裂「(わ、私は……どうすれば! あの子の笑顔と友との約束、どちらを選べば!)」


インデックス「タケシーーーーーーーー! そこで引いちゃダメかもおおおおおお!」
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:02:06.33 ID:TyN5/J5A0
――――――――――喫茶店


上条「お、落ち着いたか?」


美琴「あぅ……ごめん……」←頭に右手を置かれてる


上条「よし、なら手を離すぞ」スッ


美琴「あっ……!」


上条「ん? どうした?」


美琴「ま、まだ落ち着いてない! ……から、えっと」カァァ


上条「?」


美琴「な、なんでも、ない……」


上条「はぁ、そうか……」


美琴「……」モジモジ
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:05:51.68 ID:TyN5/J5A0
美琴「……ま、また、借りを作ったわね」


上条「お前、それ好きだな……返さなくても……」ハッ!


美琴「どうかした?」


上条「い、いえ、ナンデモアリマセヌ……ナンデモ」


美琴「そう? なら、いいけど……」


美琴「……でも、さ、感謝してるのよ、私」


上条「……はぁ」


美琴「私って、やられたら、やりかえさないと気がすまないっていうか……」


美琴「負けず嫌いなのよね、だから借りがあると、その、なんか気持ちよくないっていうか……」


美琴「……ね、アンタ、なんか欲しいものないの?」


上条「え?」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:06:42.53 ID:TyN5/J5A0
上条「欲しい、もの……」


美琴「そっ、それで返しきれるかどうかは別として、私も負担が軽くなるじゃない?」


美琴「なんでもいいわ、買うだけじゃなくて、あげるってのもあるし」


上条「……なんでも」


上条「……」


『何されても、いいよ』


上条「へぁっ!!」カァッ!


美琴「? どうかした?」


上条「い、いや、ななななんでもない」


上条「(な、何考えてんだよ、相手は中学生だぞ! そうだよ、中学生だ!)」


上条「(カミジョーさんはもっとこう、大人っぽい体が好みなのであって……)」


上条「(いや、でも御坂って……)」


上条「……」ジッ


美琴「ちょっと? 何黙ってんのよ」


上条「……悪く、ない」


美琴「はい?」
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:07:31.18 ID:TyN5/J5A0
上条「あ、なんでもねぇ! なんでもない!!」


美琴「そう? なんかさっきから、落ち着かない感じだし、体調悪いとかじゃないの?」


上条「はははっ! 何をおっしゃいますやら! カミジョーさんは健康体ですよ!」


美琴「ならいいけど……、で? なんか欲しいものないかしら?」


上条「ぅ……それ、なんですが……」


美琴「アンタって、変なところで遠慮するわよね……」


美琴「ホントになんでもいいんだからね? 美琴センセーにかかれば、何だって用意できるんだから!」


上条「そ、そういわれても……なぁ」


ステイル「キミの欲しいものなんて決まっているじゃないか」
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:08:19.60 ID:TyN5/J5A0
美琴「えっ?」


上条「う、うわ! ステイル、いつの間に!!」


ステイル「見ていられないから来てしまったよ、あぁ、ムカツク、僕はキミのようにハッキリしない男が一番嫌いなんだ」


上条「な、なんだよ、その言い方は!!」


ステイル「ふん、本当のことを言ったまでだよ」


上条「て、テメェ!!」


ステイル「まぁ、落ち着けよ腰抜け、見ていられないから来たといっただろう?」


上条「人をおちょくりに来て、何を……」


ステイル「御坂美琴、キミの連絡先をこの腰抜けに教えてやってくれないかな?」


美琴「へっ?」


上条「……えっ?」
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:08:58.36 ID:TyN5/J5A0
美琴「そ、それってどういう?」


ステイル「そのままの意味だよ、学園都市の学生なら携帯電話くらい持っているはずだ」


美琴「え、でも、欲しいものが私の連絡先って……」


美琴「……」ジッ


上条「……」


美琴「ッ///!!」カァァ


上条「!」
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:10:26.34 ID:TyN5/J5A0
ステイル「どうかな? なんでも欲しいものは上げれるんなら、これくらいお安い御用なんじゃないかい」


上条「まてよ、ステイル!」


ステイル「なんだい? 欲しいものが手に入りそうなのに」


上条「み、御坂が嫌がってんだろ!!」


ステイル「ハァ?」


美琴「!」ピクッ


上条「あんな風に下向いて、まる分かりじゃねぇか!」


ステイル「何を言っているんだか……あれはどう見たって……」


上条「うるせぇ! 嫌々でなんて、御坂が可哀想だろうが!」


美琴「あ……」
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:11:46.40 ID:TyN5/J5A0
ステイル「(なんだコイツ……人の顔色が赤じゃなくて緑に見える病気でも持っているのか?)」メンドクサ……


上条「とにかく! 御坂が嫌がるんなら、俺は何も貰わなくてもいい!」


美琴「……」


上条「御坂、無理しなくてもいいからな? 連れが妙なこと言って悪かったな」


美琴「……」


上条「御坂?」


美琴「……じゃない」


上条「?」


美琴「イヤじゃ……ない///」ウルッ


上条「は?」
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:12:15.56 ID:TyN5/J5A0
上条「あの、御坂さん? 今なんと?」


美琴「待ってて」


上条「え、はい」


美琴「……」カキカキ


美琴「コレ……」スッ


上条「……これ、アドレス?」


美琴「ま、待ってるから」


上条「はい?」


美琴「後でメールして? ……登録と返事、するから」


上条「えっ? えぇっ?」


美琴「そ、それじゃぁ!! 私、帰るから!!」ガタッ


上条「ちょっ、まっ!」


美琴「〜〜〜〜〜〜」ダダダッ!


<オツリハイイデス!
<エッ? オキャクサマ、コレイチマンエンサツ! オキャクサマアアアアアアアアアアアア!


ステイル「行ってしまったね」スパー


上条「」テメェキンエンセキナノニナニタバコスッテンダ
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:13:13.14 ID:TyN5/J5A0
――――――――――


上条「う、ふふふふふ……」ニヤニヤ


ステイル「……」スタスタ


上条「ヘヘヘ」


ステイル「……」


上条「カカカカッ」


ステイル「……」


上条「くかきこきここかけききくこかけー!」


ステイル「いつまで気持ち悪く笑っているつもりだ、キミは」
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:14:02.29 ID:TyN5/J5A0
上条「い、いや、だって、おま……これで喜ばない男は男じゃないぞ」グヘヘ


ステイル「……そうかい、そりゃ良かったね」


ステイル「もはや何も言うまい、一人で浮かれていればいいさ」


上条「じゃぁ、遠慮なく……くかきくけこか」


ステイル「その笑いはヤメロ」


上条「おっと、すまん、嬉しくて理性が吹っ飛んじまった」


ステイル「チッ、こんなことなら手伝いなんてしないほうが良かったね」


上条「まぁ、そう怒るなよステイル」


ステイル「怒らせた本人が何を言っているんだか」


上条「今日はありがとな、んでもってキレちまって悪かった」
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:15:06.26 ID:TyN5/J5A0
ステイル「なっ!? 何を急に!」


上条「いや、お前のおかげでさ、連絡先、聞けたしさ」


上条「ご丁寧に、電話番号まで書いてあったし、これで御坂と電話も出来る!」


上条「……とまぁ、俺にとって嬉しい事ばかりあったわけなんですよ」


上条「だから、お礼を言わないとってな」


ステイル「ふん! 勘違いするなよ上条当麻」


ステイル「僕はあの子に頼まれたから、それを全うしたまでだ」


ステイル「別にキミの事を心配して手伝ったわけじゃぁない」


上条「素直じゃねぇなぁ……」


ステイル「なにがだ!」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:16:02.76 ID:TyN5/J5A0
ステイル「なっ!? 何を急に!」


上条「いや、お前のおかげでさ、連絡先、聞けたしさ」


上条「ご丁寧に、電話番号まで書いてあったし、これで御坂と電話も出来る!」


上条「……とまぁ、俺にとって嬉しい事ばかりあったわけなんですよ」


上条「だから、お礼を言わないとってな」


ステイル「ふん! 勘違いするなよ上条当麻」


ステイル「僕はあの子に頼まれたから、それを全うしたまでだ」


ステイル「別にキミの事を心配して手伝ったわけじゃぁない」


上条「素直じゃねぇなぁ……」


ステイル「なにがだ!」
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:17:05.39 ID:TyN5/J5A0
ステイル「いいか、上条当麻! さっきもいったが、今回はあの子に頼まれたから手伝っただけだ!」


ステイル「それがなければ、僕はキミを助けるつもりはない! 馴れ合う気もな!」


上条「たく、分かった分かった、お前ってホント、インデックスに弱いよなぁ」


ステイル「……なんとでも言えばいいさ」


上条「……」


上条「……なぁ、ステイル」


ステイル「くだらない事なら返答はしないよ」


上条「お前にとってインデックスってどんな人なんだ?」
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:18:14.58 ID:TyN5/J5A0
ステイル「何が言いたい」


上条「いやさ、お前、つーか、お前と神裂だな」


上条「お前ら、インデックスをすげぇ大切にしてるだろ?」


上条「それこそ、割れ物を扱うみたいに大事に大事に……」


上条「今日の事だってそうだ、お前は俺のことを嫌いなのに、インデックスの頼みは果たそうとした、いや、果たした」


ステイル「……」


上条「だから気になったんだよ、お前らにとってアイツはなんなんだろうなって」


ステイル「……」


ステイル「……なんなんだろう、か」


ステイル「ふん、強いて言うなら……そうだな……」





ステイル「僕たちの全てだよ」




519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:19:07.22 ID:TyN5/J5A0
上条「全て?」


ステイル「そうだよ、全てさ、組織よりも国よりも、世界よりも、僕の命だってあの子には及ばない」


ステイル「あの子は幸せに生きなきゃならない子なんだ」


ステイル「どんな物よりも、誰よりも、一年で一生分くらい、幸せに生きなくちゃいけないんだ」


上条「……」


ステイル「上条当麻、キミは僕らの世界からみればかなり幸せな人間だよ」


ステイル「友に恵まれ、愛する人がいて、愛してくれる人がいる」


ステイル「そんなものが溢れていて、その上それが零れ落ちてしまう事すら稀だ」


上条「……」


ステイル「だけどね、忠告しておいてやろう」


ステイル「……何よりも大切なものを作るつもりなら、全てを捨てろ」
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:19:53.68 ID:TyN5/J5A0
上条「捨てる、だと」


ステイル「あぁ、自分の命も、全てその大切なものに捧げるんだ」


ステイル「僕は捨てた、そして、あの子に捧げた」


ステイル「僕はあの子のために、生きて死ぬ、そう誓った」


上条「……! お前!」


ステイル「何も言うな、追求は許さない、そして、踏み込むな」


ステイル「キミはペラペラ人の秘密を話す人間じゃないと『信用』して話してやった」


ステイル「……いいな」


上条「……分かったよ、何も言わないし、これから先、追及もしない」


上条「インデックスが何を抱えてるのか未だに分かんねぇけど、無理はすんなよな」


ステイル「協力ご苦労……さて、帰るとしようか」


ステイル「あの子もそろそろ許してくれただろうしね」


上条「そうだな」
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:20:55.82 ID:TyN5/J5A0
――――――――――


上条「……お、開いてる」ガチャッ


ステイル「……予想通り、許してくれたようだ」


上条「よし、なるべく笑顔だ、今朝の事は意識するなよ」


ステイル「今朝の事はキミだろう、僕は関係ない……」


上条「うるせー、うし、行くぞ」


バン!!


上条「ただいm「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」!!?」


上条「な、ナンダァ!?」


ステイル「さぁ?」
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 23:22:09.90 ID:TyN5/J5A0
上条「インデックス! 神裂! 何があった!?」










神裂「う、うぉおおおおおおおお! タケシーーーーー!」


インデックス「かおり! もっと力を込めて応援するんだよ!」


インデックス「タケシの気持ちになって応援しないとダメかも!!」


神裂「えぇっ!? ま、まだダメなのですか!?」


インデックス「当たり前かも!! 明日てれびでタケシを応援するんだよ!」


神裂「し、しかし、これはいささか恥ずかしいのですが……」


インデックス「何言ってるの! タケシは辛いんだよ! 苦しんだよ!」


インデックス「それに比べれば、私のかおりの恥ずかしさなんて屁でもないんだよ!」


インデックス「さ、もう一回練習! もっと大きな声で!」


神裂「は、はい!」


インデックス「タケシーーーーーーーー! 頑張るんだよーーーーーーーー!」


神裂「タケシィィィィィィィィィィ!」










上条「なにやってんのおおおおおおおおおおおおおおおお!?」


――――――――――その日、世界に二十人しかいない聖人に一つのトラウマが生まれた
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/20(日) 23:36:37.96 ID:TyN5/J5A0
というわけで、今回の投下はこれで終了です。
久しぶりの投下なのでなるべく長めの投下にしました。
今回は『ねんがんのみことのれんらくさきをてにいれたぞ』という事で
ステイルさんの活躍のおかげで上条さんが前進いたしました……
ねーちんはご愁傷様です。
ここのインデックスさんは昼ドラにはまっているんですが、>>1は昼ドラを見たことがありません。
ドロッドロってどんな感じなんでしょうね? ぼくこどもだからわかんないー。
……んで次の投下は多分一週間後だと思います、まぁ、予定なんで期待はしないで下さい。
次回は八月十九日……何かが起こる!(?)
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 23:37:36.48 ID:/7G7fI99o
乙!
美琴が素直でかわいいww
525 :レス返し! :2011/02/20(日) 23:38:15.15 ID:TyN5/J5A0
>>469
相変わらずのヒーローが可愛いと言われる始末。
だが、嬉しい、なんでだろう!?

黒猫のタンゴですが、調べてみたら
1969年にオリジナル版が出ているらしいですね。
相当古い歌みたいですが……ちょっと気になる

>>470
青ピくんは犠牲になったのだ

>>471
待たしてしまってごめんなさい……。

レスありがとうございました!
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 23:44:39.14 ID:t1FSOGm4o
おつおつ
ここのシスターさんはインデックスさんかイン(ryか判断が難しいな
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 23:50:07.37 ID:mXY3MV8zo
たけしがジャイ◯ンで脳内再生されて困る
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 23:51:53.12 ID:K41fvAGAO
インデックス?さん

で良いと思う。
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 23:53:31.69 ID:LXrxcXjmo
上条さんの安心の鈍さ
そしてテンションのおかしさ

とりあえず夢の内容をねっちょりと詳しくですねry
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 23:55:24.56 ID:sGphm+Gzo
>上条「へぁっ!!」カァッ!
ウルトラマンになったんですねわかります

ステイルが色々嫌なフラグ建ててやがる
連絡先のメモと携帯を死守出来るのか上条さん
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 00:03:41.21 ID:OLbeh2nAO
乙っしたー
何をされたんだねーちんwww上条さんが可愛いと思ってしまうのは病気でしょうか?
続き期待しています!
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 00:46:55.17 ID:ztw//TFTo
ねんがんの(ryってことは
ニア ころしてでも(ryってことか…
胸熱だな
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:10:16.02 ID:3BQag+lqo
ふにゃー 苦節一、二時間、やっと追いついた!
応援してるぜー
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 02:46:57.83 ID:qjclUpA20
今日このスレに気付いて前スレも読んだけど...とても面白かったぞ!
あまりの俺得スレになんか>>1に運命的なものを感じ(ry
次の投下が楽しみ
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 07:39:42.52 ID:iELFKK4Yo
美琴かわいい
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 12:43:17.43 ID:ZnXfDxdx0
上条「ねんがんのみさかのれんらくさきをてにいれたぞ」

一方通行「ゆずってくれ たのむ」
という誤解展開
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 20:47:22.76 ID:jhahG7Wg0
最強の欠陥通行そして上琴だ・・
538 :1ィィィィィ! :2011/02/27(日) 22:08:12.71 ID:ErRWGwvO0
どォも、どォも、>>1です。
投下、始めていきまァす
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:08:50.87 ID:ErRWGwvO0
――――――――――八月十九日 一方通行の部屋


ミサカ「いぬ、今日も遊びに来ましたよとミサカはいぬを抱きしめつつ挨拶します」ギュゥ


いぬ「ふにゃぁ♪」ダキシメラレー


ミサカ「ふふふっ、いぬは甘えん坊ですね、よしよし」ナデナデ


いぬ「にゃぁにゃぁ」ゴロゴロ


ミサカ「いぬはコネコですからね、それも仕方ありませんよね」ウンウン


ミサカ「抱きしめているだけで幸せになれますよ、とミサカは至福に浸ります」


いぬ「ミャァ!」


ミサカ「今日は何をして遊びましょうか?」ウーム


いぬ「ニャァ」ゴロゴロ


ミサカ「……」


ミサカ「そうですね、もう少し撫でていましょうとミサカは勝手に結論付けます」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:09:27.78 ID:ErRWGwvO0
――――――――――居間


一方通行「……」カチャカチャ


一方通行「……」カチャカチャ


一方通行「……」


一方通行「……今日はこンぐらいにしとくかァ?」


一方通行「いや、まだ続けるか……?」


一方通行「……」チラッ


一方通行「……十九日か」


一方通行「(ミサカがいぬに触れるようになって十日は経った)」


一方通行「(いぬが多少無理してるよォに見えなくはねェが……まァ……)」


<イヌ、ソロソロナニカデアソビマショウ!トミサカハテイアンシマス
<ミャァ
<ナンダカキョウハノリガワルイデスネ……
<ミャァ〜
<……グッ、カワイスギテツイキュウガデキマセン!


一方通行「あの調子じゃ仲が悪いってこたァねェな」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:09:54.87 ID:ErRWGwvO0
一方通行「つか、あのバカ、甘やかしすぎてンじゃねェよな?」


一方通行「猫は甘くしすぎンと調子にノルって話を聞いた事があンぞ?」


一方通行「わがままになられると世話がめンどォだ……」


一方通行「一応言っといたほォがいいのか?」


一方通行「……」


一方通行「アホらし……俺は母親かってンだ」


一方通行「……」ウズウズ


一方通行「……」スッ


ピリリリリリリリ!!


一方通行「!」


一方通行「電話だァ? ……一体だれ……!」


着信:親父


一方通行「親父ィ!? どォいう風の吹き回しだ!?」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:10:41.91 ID:ErRWGwvO0
一方通行「いやいや、何焦ってンだ、俺ァ……」


ピリリリリリリリ!!


一方通行「あァ、分かった、出る出る……」ピッ


木原『よぉ、家の自慢の息子よ』


一方通行「久しぶりだなァ、木原くン、あとキモイ」


木原『は? 何言ってる? 今日も朝飯ん時に一緒にいただろ?』


一方通行「(キモイの部分はスルーかよ)色々あンだよ、色々なァ」


木原『……? よく分かんねぇが、まぁいい、ちょっと頼みがあるんだが、いいか?』


一方通行「頼みだァ?」
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:11:20.94 ID:ErRWGwvO0
一方通行「つまンねェことだったら切るぞ」


木原『実はなぁ、ちょっと今日は家から出てて欲しいんだよ』


一方通行「……はァ? なンでだよ」


木原『実験のレポートがあってな、それを上司にみせるつもりだったんだが……忘れちまってよ』


木原『んで、取りに行って戻るより、ここで話しちまったほうがいいと思ってな』


木原『つまんねぇ話だし、なにより今部屋にミサカちゃん来てんだろ?』


木原『猫の散歩もあんだろ? ミサカちゃんもつれてそのついでっつーことで頼むわ』


一方通行「めンどくせェなァ……別に俺は聞いてても構わねェし」


一方通行「部屋にこもってればいいンじゃねェか?」


木原『そぉ言わずによぉ……俺の顔を立ててくれよぉ』


木原『夏休みに外にいかないごろごろした息子なんざ見せたくないんだよ』


一方通行「アホかお前、そンな世間体気にするガラじゃねェだろォが」


木原『いいじゃねぇか、散歩も三日ぶりぐれぇだろ?』


一方通行「……あのバカが猫を行方不明にさせかけたかンな、ボール遊びで」


木原『お前がしっかりついてやれば問題ねぇよ、な、頼む!』


一方通行「……あァ、クソ、仕方ねェな」


一方通行「ちょっと待ってろ、ミサカに聞いてくらァ」


木原『頼むぜぇ!』
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:12:24.84 ID:ErRWGwvO0
一方通行「……チッ、めンどくせェ、計画の変更なンざ、虫唾がするぜェ」


一方通行「今日は家でくつろごうと思ったのによォ……」


一方通行「(ミサカに問いただしてやろォとも思ったンだがなァ……)」


一方通行「……ケッ、アイツの答えは決まってるはずだ、猫を残して逝くかってンだ」


一方通行「オイ! ミサカァ! 今から散歩に……」ガラッ!


一方通行「……」


木原『オイ、一方通行? どうかしたかぁ?』


一方通行「……悪ィ、家に戻ってくる時間、ずらせねェか?」


木原『あ? なんでだよ?』


一方通行「三十分でいい、いや、一時間は待ってくれ」


木原『……』


一方通行「頼む」





ミサカ「……zzz」ギュゥ


いぬ「……zzz」スヤスヤ





一方通行「愉快な顔で寝てっからよ、起こすのは酷だと思わねェか?」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:13:15.48 ID:ErRWGwvO0
――――――――――同時刻 上条当麻の部屋


上条「……」


インデックス「……」


ステイル「……」


神裂「……」


上条「……」カチカチ


インデックス「……」


上条「……ム」


神裂「む?」


上条「無理ですごめんなさい」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:14:08.53 ID:ErRWGwvO0





インデックス「ここまで来てなにやってんだよ! 意気地なしかも!」


神裂「期待させといてふざけてんじゃねぇよ、ど素人が!!」


ステイル「キミはホント、グズだね」


上条「うるっせぇよ! お前ら!」




547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:14:41.61 ID:ErRWGwvO0
上条「大体なぁ! 自分の立場になって考えてみろよ!」


上条「『週末に時間空いてますか? 良かったら僕と遊びませんか?』ってメールをうつ俺の気持ちに!」


インデックス「なんの問題があるの!!」


上条「一昔前の遊びの誘い方なんじゃおらあああああああああああああ!!」


神裂「しかし、これの他に誘い方はあるのですか?」


上条「知らねーよ! こちとら恋愛経験レベル0なんだよ! だからお前らに助力を頼んだんだよ!」


ステイル「なのにこの有様かい?」プッ


上条「一人でトランプ遊びしてたお前に言われたくねぇよ!!」
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:15:07.36 ID:ErRWGwvO0
インデックス「でもでも! 基本が一番なんだよ!」


上条「まぁ、確かにな……だけど、これは……」


神裂「それに、これなら誤解なく、逢引する事が出来ると思うのですが」


上条「ぐっ……それは……」


ステイル「なら早くメールしろよ、意気地なし」スパー


上条「黙れ、不良神父!! タバコ吸うな!」


ステイル「……」
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:15:34.88 ID:ErRWGwvO0
神裂「しかし、このやりとりも何日目でしたっけ?」


インデックス「えっと……めあど? を貰ってからだから……六日目かも」


神裂「一週間近くメールをしていない事になりますね……」ウーム


インデックス「というかとうまがさっさと送れば問題ないんだよ」


上条「面目ない……」


神裂「しかし、教えるためにメールしたときはそれなりにメールできていたではありませんか」


上条「それは……世間話みてぇなもんだったしさぁ……」ウジウジ


インデックス「何が違うのか分からないんだよ……」


上条「緊張するだろ? お前、デートだぞ? 一大決心ですよ?」


インデックス「私たちがついて行くからモーマンタイなんだよ!」


上条「古ッ! てか、やめろ! あと、付いてくんなよ!?」


インデックス「そんな心配は誘えてからするんだよ!」


上条「うぐっ!」


神裂「まぁ、誘えても断られるかもしれませんがね」


上条「ごふっ!」グサッ!


ステイル「まぁ、この様子だとキミは一生誘えないだろうね」


上条「うるせぇ!」


ステイル「……どうして僕が言うと反論してくるんだい?」
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:16:23.14 ID:ErRWGwvO0
インデックス「でもどうするのー? 誘わなきゃ始まらないんだよ」


上条「分かってますよ、インデックスさん」


インデックス「分かってないんだよ!! 分かってるならさっさとめぇるを送るんだよ!」


上条「な、ならお前が送れよ! 俺のケータイ使って!」


インデックス「えっ!?」


上条「へっ! 機械音痴でカメラですら怖がっちゃうインデックスさんには触れないんだろ!」


上条「なら文句言わないで下さい!」


インデックス「ち、ちちちち違うもん!! 自分で出来ないととうまが成長できないからだもん!」


インデックス「私だってやれば出来るかも!」


上条「なーらやってみるがいいさ! お手本見せてくださいよ!」


インデックス「う……うぅーーー!」


上条「出来ないじゃねーか! 意地っ張りはいけませんのことよ!」


インデックス「できるもーーーーーーーーーん!」ガブゥ!


上条「ぎゃあああああああああ! ごめんなさいインデックスさん! 私めが調子にのりました!!」


インデックス「バカーーーーーーーーー!」ガリィッ!


上条「ひでぶううううううううううううううううう!」
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:16:50.48 ID:ErRWGwvO0
――――――――――外


上条「くそう、インデックスめぇ……」ヒリヒリ


上条「『許して欲しかったらアイスを買ってくるんだよ!』等と言いおって!」プンプン


上条「それまでに新しい方法を考えておくとかいってたけど、ホントに考えてるんだろうな!」


上条「……近くのコンビニでアイス売ってっかな」


上条「いや、上条さんのいつものパターンだ、欲しいものが売っていない、うん」


上条「だからここで安易に安く済まそうとすると逆に高いものしか売っておらず、サイフが冬を迎える」


上条「つまり、高いものを探せば……あれ? それだと結局高いもの買うことになるのか?」


上条「……あれ?」ハテ?
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:17:37.59 ID:ErRWGwvO0
――――――――――コンビニ


<ラッシャイマセー!


上条「……ない」


上条「夏になるといつも買っていた、百円で買えるアイスが、ない!」


上条「そして、なんでこの、三百円近くするアイスばかりが売られてるんだ!?」


上条「在庫とか、ないのか……?」


上条「……、いや、俺の不幸なら在庫は無い、そして、アイスはちょうどなくなったんだろう」


上条「最近は暑いからな……しかも日中だし、周囲の貧乏学生が買い溜めたのかもしれないし」


上条「不幸だ……」
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:18:21.05 ID:ErRWGwvO0
上条「大体、俺にだって正当な理由があれば御坂を誘えますよ」ブツブツ


上条「それに値する、ちょうど良いイベントがないだけで、それさえあれば……」


上条「まぁ、上条さんにそんな幸運があるわけないんですが、それでも夏休みだ!」


上条「なんかあったっていいよな! 盛夏祭もあったわけだし!」


上条「……あったか? なんかイベント?」


上条「そういや、去年もその前も同じようなこと言ってたような気がする」


上条「彼女作るぞー! って決意表明してたけど……」


上条「結局土御門と青ピ、あ、あと無理やりで一方通行もつれて寂しく花火大会をして……」


上条「……あれ?」


上条「ハナビタイカイ?」
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:19:03.28 ID:ErRWGwvO0
――――――――――とある公園


ミサカ「……♪」ペロペロ


一方通行「……」シャクシャク


ミサカ「〜〜〜〜♪」ペロペロ


一方通行「……そンなにそのアイスは美味いのか?」


ミサカ「はい! とても美味しいですよとミサカは即答します」


ミサカ「それと、できればもう一つ……」


一方通行「ダメだ、二個も一気に食ったら腹壊すだろォが、下痢になンざなられたら困る」


一方通行「それによォ、さっきのコンビニで最後の一つだったじゃねェか」


一方通行「俺はアイス買いに行くのにコンビニとスーパーハシゴすンのはごめンだからな」


ミサカ「うぅ……ですが、この味を一度知ってしまうと、なかなか抜け出せません」


一方通行「……(女は甘いのを好むらしいが、本当らしいな)」


一方通行「……チッ」スッ


ミサカ「一方通行?」


一方通行「俺は甘ェのが苦手だ、欲しいってンなら食えよ」


ミサカ「いいのですか!? とミサカは瞳を輝かせます!」


ミサカ「あ……、でも……」


一方通行「どォした?」


ミサカ「い、いえ……やっぱり、いいです……とミサカは遠慮します」モジモジ


一方通行「……(そォだった、コイツは人の口つけたもンは食わねェ性質だったな)」


一方通行「まっ、食わねェンなら、コイツは捨てるかね」


ミサカ「あ、あぁ……う……」モッタイナイ……


いぬ「ニャー」


ミサカ「!!」ハッ!
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:20:02.22 ID:ErRWGwvO0
ミサカ「一方通行! いぬに! いぬに『あいす』を食べさせてあげましょうとミサカは提案します」


一方通行「はァ?」


いぬ「ニャー」ブラーン


ミサカ「いぬも暑いので冷たいものを食べたいはずです!」


一方通行「お前なァ……」


ミサカ「……ど、どうでしょう」


一方通行「ダメに決まってンだろ」


ミサカ「!?」
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:20:32.90 ID:ErRWGwvO0
ミサカ「何故ですか? 食べれないといぬが可哀想です」


一方通行「食わせてやりてェのは分かる」


一方通行「だがなァ、そもそもアイスってのは人間が食うもンなンだよ」


ミサカ「しかし、いぬも動物です、同じですよ」


一方通行「……人間は猫の餌を食わねェだろ? それと同じだ」


一方通行「人間と猫は体のつくりが違ってるってのは言わなくても分かるだろ?」


ミサカ「はい、体積も違いますから、臓器なども小さいのでしょうとミサカは推察します」


一方通行「つまりそォいうことだ、人間以上に腹が弱い猫に刺激の強いもンは食わせらンねェンだよ」


一方通行「消化機能が弱いらしくてな、詳しくねェから断言はできねェが、やめといたほォがいい」


ミサカ「……そうなのですか、いぬ、残念ですね」ショボン


いぬ「ニャー……」


一方通行「……」
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:21:29.68 ID:ErRWGwvO0
一方通行「……オイ、ミサカ、用事ができたンだが、いいか?」


ミサカ「用事ですか……なんでしょう?」ナデナデ


一方通行「ペットショップ」


ミサカ「えっ!?」


一方通行「テメェがあンまりにもしけた顔してっからなァ、仕方なく、行くぞ」


ミサカ「い、いいのですか! とミサカは念を押します」


一方通行「仕方なくだぞ? いぬいぬいぬ、テメェがうるせェからな」


一方通行「猫用のデザート探しだ、早くしねェと気が変わンぞ」


ミサカ「分かりました! すぐ行きましょう! すぐ探しましょう! とミサカは気力を取り戻します」
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:22:01.80 ID:ErRWGwvO0
――――――――――ペットショップ


<アリガトウゴザイマシター


一方通行「猫用の飯っつっても色々あンだな……」


ミサカ「今まで専門店には行った事がありませんでしたからね」


一方通行「あァ、そこらのスーパーで買った、肉をやってただけだかンな」


ミサカ「……いぬが太ったのはそのせいですか? とミサカは疑惑の視線を向けてみます」


一方通行「なンだよ、子猫なンだから、力つけねェとダメだろォが」


ミサカ「お店の人が言っていましたよ、同じものばかり食べさせるとダメですと」


ミサカ「偏った食生活は体に悪いんですとミサカは受け売りの言葉をドヤ顔で伝えます」フンス


一方通行「受け売りで偉そうにしてンじゃねェよ」ベシッ!


ミサカ「あぅっ!」
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:22:51.56 ID:ErRWGwvO0
ミサカ「どうしてアナタは事あるごとにミサカにチョップするのですか? とミサカは抗議します」ウルウル


一方通行「テメェが人様の知識で調子に乗ってるからだろォが」


ミサカ「ですが、痛いことには変わりありません、暴力反対とミサカはぶーたれます」ブーブー


一方通行「それなら、もォ少し物を考えて話すンだなァ」


ミサカ「むぅ……分かりました、アナタのアドバイスを受け入れましょう」


一方通行「ほォ……素直に言う事聞くか」


ミサカ「ミサカは学習すべき事はしっかり覚えるいい子なのですとミサカはえっへんと胸を張ります、えっへん」


一方通行「……そりゃ殊勝な心がけなこった」カツカツ


ミサカ「おや? こちらは寮の方向ではありませんよ?」


一方通行「本屋に行くンだよ」


ミサカ「本屋……ですか?」


一方通行「今日、店に行って分かったろ? 俺達は猫の育て方についてはドのつくシロートだ」


一方通行「だから、不本意だが、その道のプロの助言を請うンだよ」


ミサカ「猫の育て方のプロフェッショナルがいるのですか!? とミサカは驚愕をあらわにします」


一方通行「いや……そりゃいンだろ」
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:23:35.01 ID:ErRWGwvO0
ミサカ「ぜ、是非、お会いしたいです! その方の所にいきましょう!」


一方通行「アホ、ンな事しなくてもいいように本屋に行くンだろォが」


ミサカ「……猫の育て方にもマニュアルがあるのですか!?」


一方通行「マニュアルっつーほど大層なもンじゃねェけどな」


ミサカ「では、買いに行きましょう、そのバイブルを!! とミサカは意気込みます」


一方通行「……アァ、ご大層なもンじゃねェ、人間様の主観で綴った文章なンざな」


ミサカ「……はい? 何か言いましたか? とミサカは尋ねます」


一方通行「いや、なンでもねェよ、さっさと行くぞ」


ミサカ「はい」


ミサカ「……」





ミサカ「……(何か、嫌な予感がします)」


ミサカ「気のせいだと、いいのですが……とミサカは……」
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:24:05.12 ID:ErRWGwvO0
――――――――――本屋前


一方通行「着いたぞ」


ミサカ「着きましたね、とミサカは頷きます」


ミサカ「では、いざ、いぬのために本を買いましょうとミサカは一歩踏み出します」スッ


一方通行「アイ、待った」ペシッ


ミサカ「ひゃぅっ!」
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:24:49.64 ID:ErRWGwvO0
ミサカ「どうしてチョップするんですか、さすがに怒りますよ」プンプン


一方通行「本屋などの店内では一般的にペットは出入り禁止でェす」


ミサカ「ペットショップでは良かったじゃないですか」


一方通行「あれはそもそも、ペットの施設だろォが、例外だ、例外」


ミサカ「いぬが可哀想です! 動物差別!」ブー!


一方通行「アー、今日はやけにうるせェな……テメェの欲しい本も買ってきてやっから我慢しろ」


ミサカ「物で釣ろうとするのですか、ミサカはそんな軽い女ではありません」


一方通行「……いいから店の前で待ってろ、その変わり俺が最高に愉快で素敵な本を買ってきてやンよ」


ミサカ「……飼い主の意見を取り入れるという気は無いのですか?」


一方通行「悪ィが猫は通行止めだかンなァ、いぬを店前に置いて行くンなら、いいンだが……」


ミサカ「そ、そちらの方がいぬが可哀想です、誘拐されたらどうするつもりですかとミサカは憤慨します」


一方通行「なら待ってろ」


ミサカ「むぅ……了解しました、飼い主としていぬはしっかりと面倒見ます」


一方通行「素直でよろしいこった、ンじゃ、十分で戻るから、うろうろすンじゃねェぞ」


ミサカ「お留守番はミサカの得意分野です、お任せくださいとミサカは胸を張ります」


一方通行「なンだそりゃ……」
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:25:38.60 ID:ErRWGwvO0
ミサカ「……」


いぬ「ニャァ〜」


ミサカ「いぬ? お腹が空いたのですか?」


いぬ「ニャゥ……」


ミサカ「ふふ、寮に帰ればすぐご飯にしますよ、我慢です」


いぬ「……ニャ」


ミサカ「そのかわり、肉類はあまり食べれませんよ、これからは健康志向の時代ですからね」


いぬ「ニャァ!?」


ミサカ「おや? 肉類が好物ですか? ……育て主に似たんですかね?」


いぬ「ニャッ……! ニャッ!」ブルブル


ミサカ「……いぬ?」


ミサカ「何をそんなに怯えて……」


ドンッ


ミサカ「あ……すみません、とミサカは……」


「おいおい、そんだけかぁ?」
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/27(日) 22:26:10.80 ID:ErRWGwvO0
ミサカ「……はい?」クルッ


男A「ちょっとさぁ、ぶつかっといて、そりゃねぇよお嬢ちゃん」


ミサカ「何か、ミサカがしましたか?」


男B「何かした? じゃないよ、ぶつかったんならもっとあるでしょ?」


ミサカ「……?」


男C「おいおい、分かんないの? じゃぁちょっとさぁ、こっち来てよ、話があるから」


ミサカ「いえ、ミサカは人を待っているので……」


男B「いいからいいから、すぐ終わるからさぁ、来てよ」


ミサカ「……」


ミサカ「(嫌な予感、的中ですねとミサカは内心で嘆息します)」




一方通行「……」


一方通行「一寸法師……テメェは小さいのになンて勇気がある奴なンだ……」


一方通行「ちくしょォ!! テメェはヒーローだ!!」ウォォォォ!


店員「(高校生くらいの子がなんで絵本コーナーにいるんだろう……)」
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 22:44:56.44 ID:ErRWGwvO0
今回の投下は以上です。
なんだか最近スランプ気味……ネタはあれど会話が思いつきません。
そもそも、そこまで語彙とか掛け合いに自信があるわけじゃないんですが……。
気分転換に何か小ネタでも書こうかなぁ……でも、遅くなるとなぁ、と葛藤中……
話の展開を焦りすぎて、一つ一つの言葉を軽くするのが嫌なので
もう少し練りこみたい……時間をもっとプリーズ……
次回の投下は未定になると思います、見てくださる方には申し訳ありませんが少し時間を下さい。

基本能天気な人間なんで、すぐに気分は復活すると思いますが
まぁ、もしかしたら三日後くらいには顔を見せるかもしれません。
地球の皆、オラに元気を分けてくれぇえええええええええええ!!

(愚痴なんざ言ってねぇで、さっさと書きます、頑張れ俺、熱くなれよぉ!)
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/27(日) 22:45:25.15 ID:ErRWGwvO0
レス返し!

>>524
素直なデレールガンは可愛すぎますね!

>>526 >>528
インデックス?さん……だと!?
ちくしょう、絶対クエスチョンマークとってやっかんな!

>>527
ドロドロの昼ドラに出演するガキ大将を思い浮かべて吹いた

>>529
つ超電磁砲のまもりかた
まぁ、これを読むんだ

あと、デジとか、いちゃレーとか弾ならいくらでもあるぞ
よければ欠陥通行の薄い本を紹(ry

>>530
>>1はセブンが好き。
アイスラッガーカッケーよアイスラッガー

>>531
安心するんだ、同志ならたくさんいる。
ねーちんは昼ドラ恐怖症になりました。

>>532
なにをするやめ(ry

>>533
わざわざ読んでくれてありがとうございます!!
終盤なんで最後まで頑張ります!

>>534
今度一緒に居酒屋にでも行こうか、あ、>>1はオレンジジュースで

>>535
美琴はいつでも可愛いですよん

>>536
上条「!!?」

>>537
あ り が と う ご ざ い ま す !!
嬉しくてなきそう、くかかかきくけこかーーーー!
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 22:54:36.96 ID:9OqkJM61o
最高で愉快で素敵な本=一寸法師
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 22:58:36.67 ID:Kqr3XsnRo
>>1
一方さんなにやってんだww
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 23:01:00.94 ID:4WSdmj6yo
軍用クローンに目を付けるとは愚かな
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 23:05:41.43 ID:SuQHO9G+o
上条さんとステイルが悪友っぽいというか
なんか良いノリだなww
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 05:26:15.06 ID:hK/qHfJZo
やっぱ好きなように書くのが一番いいんじゃないかな
上条さん、インデックスとの口喧嘩がヘタレぶりを表現しててワロタ
微笑ましい
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 06:28:22.69 ID:KS7tRjMAO
乙です。今回も面白かったですよー。
この一方さんは泣いた赤鬼とか読んでガチ泣きしてそうだ。
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 10:54:23.68 ID:RmyTiB5AO
「なンで青鬼さンが出て行かなきゃいけねェンだよォォォ!!」
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 01:08:35.70 ID:yuS88gbeo
と、白鬼さんはいつまでも泣き続けました
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 23:48:52.99 ID:UxlMxumL0
投下遅くなっても全然大丈夫だ、じっくりとやってください!
576 :1やでー :2011/03/06(日) 22:21:32.48 ID:jLj2jCCt0
ども、投下を始めたいと思います。
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:23:13.05 ID:jLj2jCCt0
※今回は、無意味に下品な表現があったりするのでご注意ください








――――――――――路地裏


ミサカ「……」


男B「へへへ、お嬢ちゃん、常盤台だろぉ? 金、持ってるよな」


男C「だからさぁ、ちょっとお金貸してくんないかなぁ?」


ミサカ「ミサカはサイフを所持していませんよ」


男A「んなこたぁねぇだろ? レベル3以上の能力者ならかなりの奨学金があるはずだぜぇ?」


ミサカ「……」


男B「それがなくても常盤台ってんなら良いとこのお嬢様ばっかりだ、元から金持ちだろ?」


ミサカ「ミサカは一般生徒とは境遇が違いますので、お金は必要ありません」


男C「……しらばっくれるんなら、ちょっと痛い目にあってもらうかなぁ?」ガシッ


ミサカ「……、なんのつもりですか? とミサカは問いかけます」


男C「あぁ? ちょっと」


男C「オレ達の怖さを教えねぇといけないと思ってなぁ!!」ゴォッ!


ミサカ「……ッ!」
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:23:49.83 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「発火能力ですか……とミサカは分析します」


男C「カカカッ、そういうこった……しかも俺はレベル3だぜ?」


男C「お嬢ちゃんとレベルが同じかもなぁ……?」


ミサカ「(ミサカのレベルは異能力程度しかなりません……)」


ミサカ「(しかも……)」チラッ


男A「へへへ」ズズズッ


男B「ケッケッケ……」バチバチッ


ミサカ「(どうやら、三名ともが同レベルの能力者のようですね……)」


ミサカ「(無能力の不良と甘く見ていました……、これはマズイかもしれません)」
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:24:45.88 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「……逃走を試みたほうが得策です、とミサカは一目散に表通りを目指します」


男D「おっとそいつはいけないねぇ!」ザッ!


ミサカ「!!? 新手……!」


男E「一人じゃねぇぜぇ?」


ミサカ「……なっ」


ゾロゾロ


男F「へへっ、本当に常盤台のお嬢様じゃねぇか」


男G「ひゅー、カワイーねぇ、ビショージョじゃん」


男H「オレ達みたいな不良に囲まれてカワイソー」


男I「ギャハハハッ! そりゃごもっともだっ!」
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:25:20.20 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「……これは」


男A「こいつら全員が能力者ってわけじゃねぇが……」


男A「これだけの人数から逃げれるだなんてこたぁ……考えらんねーよなぁ?」


ミサカ「まるで狩人のようですねとミサカは例えてみます」


男B「それはあながち間違ってねーなぁ、アンタみたいな『か弱い』生き物に集団で追い詰めてんだからな」


男C「レベル5でもねーかぎり負ける気もしねーしな」


ミサカ「……」


男A「んでぇ? どうしますかね? 抵抗してみる? それとも大人しくする?」


ミサカ「残念ですが……どれだけ頼まれてもミサカは金銭は所持していないので期待に沿える事はできません」


男A「そぉかよ……じゃっ、他の方法で楽しませてもらいますか!」グッ!


ミサカ「っ!?」
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:25:55.60 ID:jLj2jCCt0
ドンッ!


ミサカ「くっ……ぐぅ……けほっ!」


いぬ「にゃっ!!?」


男A「お嬢様には男の体でも知ってもらいますかねぇ……!」


男B「ひゃはっ!! そうこなくっちゃなぁ! やっぱ金なんかよりそっちの方が断然いいぜ!」


男D「お嬢様をレイプねぇ、たまんねーなー」


男E「お前ら、ロリコンかよ、キメー」


男C「中学生はロリじゃねぇだろ?」


男G「良い女ならどっちでもいいっつの、まぁ、俺はこの中途半端な感じがいいと思うぜ?」


ミサカ「勝手な……事を……!」バチバチィッ!!
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:26:56.07 ID:jLj2jCCt0
男B「うぉっ!!」


男A「いってぇ!!」


男C「オイオイ、なに油断してんだよ、壁に押し付けたあとはさっさと服破いちまえよ」ガシッ


ミサカ「くっ……!」


男E「必死そうに逃げてもこっちはこの人数だしなぁ……逃げられるわけねーじゃん」


男D「でもよぉ、セックス中に電気だされたら困っちまうなぁー」


男G「それでテメェのつかえねー包茎×××の皮でも剥けよ」


男H「この前警備員からパクった能力抑える薬飲ませろよ」


男I「あれ、暴走能力者対策の鎮静剤じゃなかったか?」


男F「能力使えなくなんのはかわんねーだろ、飲ませとけよ、持ってんだろ?」


男B「どっちでもいいから、さっさと挿れちまおうぜ、俺もう我慢できねーよ」グッ


ミサカ「……あっ!!」バタン!
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:27:40.85 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「うっ、くぅ……」ジタバタ


男B「おいおい、暴れんなよ? 大人しくしてたら一晩ありゃ帰れるさ」


男H「初物×××に八人分かよ、中学生の腹破裂すんじゃね?」ギャハハ


男D「んなことあるかよ」


男E「二発で萎えちまうお前にゃ無理無理」


男B「うるせーな、お前ら剥ぐの手伝えよ、予想以上に暴れやがる」


ミサカ「はな、し、てください!」ジタバタ!


男C「えー、剥くのかよ、制服いいじゃん、そのままヤれよ」


男B「最終的には同じだろぉが、さっさと手伝えよ、腕、押さえてくれ」


男C「へーへー、ちぇー、常盤台の制服でなんて早々ねーんだぞ?」ガシッ


ミサカ「くっ!!」


男B「うーっし、じゃぁお嬢様の初体験、服剥き編から開始しまーす」スッ





ガブッ!





男B「いてえええええええええええええええ!!!」


いぬ「ふーーーーーーーーーーーーー!!!」ガブガブ


ミサカ「いぬっ!?」
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:28:16.61 ID:jLj2jCCt0
男C「な、なんだぁ? この猫!?」


男B「しらねーよ!! いきなり噛み付いてきやがったんだ!!」


いぬ「!!!!」ギリリリッ!


男B「があああああああああああああああああああ!! 痛ぇ!!」


男H「うぉ、すっげーイタソー」


男I「嬢ちゃんの飼い猫、ナイト様気取りか、カックイーねぇ」


男B「ふざけんな!! 早く引き剥がしてくれよ!!」


男E「たくっ、しかたねーなー」


いぬ「!!」ギロッ!


男E「な、なんだよ……俺にも噛み付こうってのか?」ジリッ


男B「びびってんじゃねーよ、ガキの猫だろぉが!」


男E「わ、わかってんよ、おら、離れろよ」シッシ


男B「そんなんで離れっかよ!! 引っ張れ!」
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:29:03.19 ID:jLj2jCCt0
男E「分かった! 分かった! んな怒鳴るなよ……よい、しょ!」


男B「ぐぁっ!!」ベリッ


ミサカ「いぬ!! 逃げてください!!」


男B「うるせぇ!!」バシッ!


ミサカ「うっ!!」


いぬ「!!」
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:29:35.47 ID:jLj2jCCt0
いぬ「フーーーーーーーーーーーーーーー!!」


男E「お、おっとっと、か、かむなよ!?」


男B「びびんなってんだろ!! 貸せ!!」バシッ


いぬ「フーーーーー!! フーーーーーーーー!!」


男B「クソ猫が……ちょーしこいてんじゃ……」


ミサカ「いぬ!!」


男B「ねぇぞ!!!」グシャッ!!


いぬ「ギャン!!!」


ミサカ「あっ……!!」
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:30:12.31 ID:jLj2jCCt0
男A「うわぁー、猫を地面にたたきつけやがったよ、コイツ」


男B「うるせぇよ! このクソが!! 人の楽しみを邪魔しやがって!」ゲシッ!!


いぬ「フギャッ!!」ゴプッ


ミサカ「あ……あ……!!」


男B「おい、テメェらもやれよ! ぶっ殺してやる!」


男E「ゲドーかよ、やりたくねーよ」


男H「一人でやってろよー、俺ら噛まれてねーし」


男G「そうそう、俺らはお嬢様と遊ぶからさ」


男B「チッ、ノリが悪い……オラァ!!」グシャッ!


ミサカ「いやっ……!」ダッ!


男C「あっ、オイコラ!」


男D「待てっつの」


ミサカ「いぬが……! いぬが……!!」


男H「暴れんなって」
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:30:48.20 ID:jLj2jCCt0




...................




.............................................




..................................................................




589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:31:32.80 ID:jLj2jCCt0
男B「ハァ、ハァ……ハッ、クソ猫がぁ……」


いぬ「――――――――――」


ミサカ「い、ぬ……?」


男C「うわ、血みどろじゃん、死んでんじゃね?」


男D「内臓とか、ヤベーかもなー、カンケーねーけど」


男H「つかピクリともしやがらねぇし、確実に死んでんだろ」


男B「あー!! ムシャクシャする!! クソ!!」


男F「お疲れさん、じゃっ、お嬢様のほう、やっちまおうぜ」


男B「あぁ? まだ始めてなかったのかよ?」


男H「動物虐待中になんてやる気でねぇよ、死体になったらくせぇしよ」


男B「チッ……それもそうか……」
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:32:23.56 ID:jLj2jCCt0
男A「でもよー、この女、もうつまんねーかもしれねーぞ?」


男B「あん?」


ミサカ「――――――――……」


男D「まぁ、目の前で飼い猫が殺されりゃ、こうもなるよな」


男G「ヤる前からレイプした後みてーとか、これじゃ薬してる女とかわんねーじゃん」


男I「やりすぎだよ、女が使いもんにならなくなっちまった」


男B「うるせー、噛み付いたあの猫が悪いんだよ」


男B「それに、処女にはかわりねーし、結局ヤっちまえば同じだろ」


男F「気分わりーよ、気味も悪ぃし……」


男B「あー、ごちゃごちゃうるせーなぁ!!! ならこの女も俺が処理してやんよ!! それでいい」


「あァ、そりゃ、ダメだ、その女にゃ生きてもらわなくちゃ、なンねェからよ」


男B「あ?」





一方通行「よォ、クソチンピラ共、ぶっ潰しに来てやったぜ」




591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:33:46.27 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「アクセラ、レータ……」


男A「なんだテメェ? これのツレかぁ?」


一方通行「……」


ミサカ「いぬが、いぬが……!」


一方通行「……」チラッ


いぬ「―――――――――」


一方通行「……チッ」


男C「おい! 聞いてんのかよ!!」


一方通行「るっせェな……」


男C「あ?」


一方通行「うるせェっつってンだよ、チンピラァ」ギロッ


男C「な、なんだと!! テメェ!」グッ!


ミサカ「あ……!」





パシ!





男C「え?」


一方通行「……なンだァ? このヘナチョコパンチ」ミシミシ


一方通行「能力使わない素手で止められンじゃねェか」


男C「な……は……?」


一方通行「潰してやンよ、いらねェだろ? そンな腕」


男C「えっ?」


ベキッ!!


男C「あれ? 腕が……曲がんね……?」


一方通行「悪ィ、悪ィ……痛いのが分かンねェと実感湧かねェよな」


グイ


男C「イッ? ……ギィイイイイイイイイイイイイイイイ!!?」
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:34:41.58 ID:jLj2jCCt0
男A「な!? なんだ!!?」


男B「なにしやがった!!」


一方通行「不良に囲まれりゃ、能力妨害は出来ねェと思って試してみたが、マジで解除してンのな」


男A「ハ、ハァ!!? なに言ってんだ!」


一方通行「気にすンな、テメェらじゃ一生に理解できねェ計算してンだからな、聞くだけ無駄だ」


男G「高位能力者か!? な、なんか、や、やばくねぇか!?」


男D「バカ! レベル3が二人もいるんだ! 負けはしねーよ!」


一方通行「へェ? そりゃ、すげェくっだらねェ情報だな」


男D「えっ? いつの間に?」


一方通行「……オラ、蹴り喰らって悶絶しろよ」ヒュッ


ゲシッ!!


男D「ぐあぁ!!!?」


一方通行「安心しろ、能力は使ってねェから死にゃしねェよ、うっかり犯罪者にはなりたくねェしな」


男A「くそっ!! 死ねぇ!!」ズズズ!


一方通行「ア?」


ドバアアアアアアアアアア!!
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:43:57.35 ID:jLj2jCCt0
H「ハハハ!! ざまぁねぇな!!」


男A「ヘッ!! ナメテルからこうなるんだよ!!」


一方通行「あァ……嘗めてるな、嘗めてやがるよテメェらは」


男A「えっ!?」


一方通行「ンな攻撃、俺には届かねェのに気付かないンだからなァ!」ガッ!!


男A「ひ!!?」


一方通行「カカカッ、不思議かァ? どォして俺が無傷なのか」


一方通行「さて、なぜでしょうか?」


男I「クソ!! 余裕こいてんじゃねぇぞ!!」ブン!!


ゴギィッ!!


男I「うぎゃああああああああああああああ!! 腕が!! 腕がぁ!!」


一方通行「……カスが、ゴミみてェな攻撃しやがって」ゴギゴギ!


男A「!!!!!?!?!!??!!?」ブクブクブク
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:45:17.75 ID:jLj2jCCt0
男E「お、おい!! どうなってんだ!!?」


男F「知らねぇよ!! 殴った奴の腕が折れるなんて!!」


男G「ア、アイツ、相当ヤバイ能力者なんじゃぁ……!!」


男H「待てよ……さっきの女、『一方通行』って呼んでなかったか?」


男E「あ、一方通行……? まさか―――――」


男F「第一位じゃねぇか!! う、嘘だろ!? オレ達、第一位の女に手ぇ出したのか!?」


男G「れ、レベル5の頂点……こ、殺される……ひっぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!!」ダッ


男H「オイ!! 逃げんじゃ―――――ギッ!!?」ゴァ!!


一方通行「そォだな、逃げたら、マズイよなァ……」


男E「……!」
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:46:16.12 ID:jLj2jCCt0
男E「ヒィ!! ご、ごごごごめんなさい!! 許してくださいぃ!!」


男F「お、オレ達は、何もしてません!! 何もいいません!! だ、だから許してください!!」


一方通行「……調子イイコト言ってンじゃねェよ、クソッタレが!!」ゴッ


男E・F「――――――ゲァッッッ!!」


一方通行「……」


一方通行「…………あと、一人」


一方通行「―――――キヒッ」
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:46:44.05 ID:jLj2jCCt0
男B「ハァ!! ハァ!! ハァッ!!!」


男B「クソ!! よりにもよって第一位と関わっちまうなんて!!」


男B「厄日だ!! 最っ低の厄日だ!!」


男B「猫を殺っただけじゃねぇか!!」


男B「こ、ここまでこれば……もう、大丈夫か……?」


カツッ……


男B「!!!」バッ
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:47:50.12 ID:jLj2jCCt0
男B「……!!」


カツ、カツ、カツ、カツ


男B「(通り過ぎろ! 通り過ぎろ!! 通り過ぎろ!!!)」


カツ、カツ……


男B「(気付くな……気付くな……!!!!!!)」


カツ、カツ、カツ、カツ、カツ、カツ………


男B「…………」


男B「……………ハァ」


一方通行「溜息ついて、どォしたァ?」


男B「―――――――――ッッ!!!」
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:50:00.48 ID:jLj2jCCt0
一方通行「うちの猫をやったのはテメェだな?」ガッ


男B「ヒィッ!」


一方通行「なァ、そォなンだろ?」


男B「あ、あ……あぁ……ぅ……」


一方通行「なンとか言えってンだろォが!!! 死にてェのか!!!」


男B「ヒィィッ!!! す、すみません! すみません!!」


一方通行「クソッタレが……テメェらみてェなゴミがアイツらに手ェ触れやがって」


一方通行「ぶっ殺されても文句は言えねェよなァ!!!」ギリギリ


男B「ぐふっ、が……あ……ぎ……」


一方通行「…………二度とこンなくだらねェ事すンじゃねェ」


一方通行「―――――――ゴミはゴミらしく大人しくしてろ」


男B「ぎ……ぃ……」ブクブクブク


一方通行「……」
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:50:58.21 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「いぬ、いぬ……返事をしてくださいとミサカは呼びかけます」


いぬ「―――――――」


ミサカ「どうして返事をしないのですか? いつものように甘えてきてくれないのですか?」


いぬ「―――――――」


ミサカ「いぬ……」


一方通行「オイ、ミサカ」


ミサカ「!! 一方通行……、無事だったのですね」


一方通行「俺がそこらのチンピラに負けるかよ」


一方通行「……猫は、どォだ?」
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/06(日) 22:51:50.86 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「先ほどから、動きません」


ミサカ「返事もしてくれません」


ミサカ「ミサカの、ミサカのせいです」


一方通行「……お前らを外で待たせた俺の責任だ、テメェを責めンじゃねェ」


ミサカ「守ってあげれませんでした、ミサカは、いぬに、助けられました」


ミサカ「小さな、コネコなのに、自分よりも何倍も大きい人間に立ち向かって」


ミサカ「たたきつけられて」


ミサカ「跳ねて」


ミサカ「ボールのように蹴られました」


ミサカ「ミサカを守ったせいで、ミサカを助けたせいで―――――」


一方通行「……ミサカ」


いぬ「―――――――――」ピクッ


一方通行「―――――――ッ!」
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:53:39.41 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「先ほどから、動きません」


ミサカ「返事もしてくれません」


ミサカ「ミサカの、ミサカのせいです」


一方通行「……お前らを外で待たせた俺の責任だ、テメェを責めンじゃねェ」


ミサカ「守ってあげれませんでした、ミサカは、いぬに、助けられました」


ミサカ「小さな、コネコなのに、自分よりも何倍も大きい人間に立ち向かって」


ミサカ「たたきつけられて」


ミサカ「跳ねて」


ミサカ「ボールのように蹴られました」


ミサカ「ミサカを守ったせいで、ミサカを助けたせいで―――――」


一方通行「……ミサカ」


いぬ「―――――――――」ピクッ


一方通行「―――――――ッ!」
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:54:25.10 ID:jLj2jCCt0
一方通行「待て、コイツ、まだ生きてるぞ!」


ミサカ「え……?」


一方通行「出血と骨折はひでェが、呼吸はしてる、肺はやられてねェ!」


一方通行「まだ、助かる!」
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:55:46.56 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「本当ですか? いぬはまた鳴いてくれますか?」


ミサカ「いぬはまた元気になってくれるのですか?」


一方通行「……確実な事は言えねェ、だが、可能性はある」


一方通行「―――――(だが、どうする? 俺に医療の知識はねェ)」


一方通行「(俺が出来るのはベクトル操作、あらゆる運動量の向きを変える事しか出来ねェ)」


一方通行「(いや、そもそも、危機が去った今、能力が使えるか?)」


一方通行「(出来たとしても、血の流れを繋ぎとめるしか……)」


一方通行「……クソ! とにかくやってみるしかねェ!!」バッ
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:56:36.72 ID:jLj2jCCt0
「―――――――ミャ」ドクン、ドクン!


一方通行「(いける!! まだ能力は妨害されてねェ!!)」


ミサカ「一方通行!! いぬが!! いぬが鳴きました!」


一方通行「静かにしてろ……集中が途切れる」


ミサカ「す、すみません……あの、ミサカには何か出来る事は……」


一方通行「……――――――俺のケータイを使って第七学区の病院に連絡を頼む」


一方通行「そこらの獣医より使える、優秀な医者を知ってる」


一方通行「『冥土帰し』、一方通行って名前を使えば、融通が利くはずだ」


一方通行「……それが終わったら、コイツを見てろ」


一方通行「クソ小せェ体で、自分を拾った飼い主を命がけで守ったヒーローを」


一方通行「コイツを見て生きるってのがどォいう事か理解しやがれ」


ミサカ「!!」


一方通行「―――――――いいな」


ミサカ「……は、い」コクリ
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:58:20.51 ID:jLj2jCCt0
一方通行「よし……」


一方通行「(反射を含む全ての演算能力を血流操作に回せ、血管一本一本を見落とすな)」


一方通行「(臓器全般が今出来うる最大限の活動を補助しろ……)」


「――――――――ミャ、ニ」ピクッ


一方通行「――――――――ハッ」


一方通行「……飼い主助けて、死ぬなンて、キレイな終わり迎えてンじゃねェぞ」


一方通行「泥臭く、地獄の底から這い上がれ」


一方通行「――――――死ぬンじゃねェぞ、まだまだ躾は残ってンだからなァ」
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:59:13.66 ID:jLj2jCCt0




















607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 22:59:59.78 ID:jLj2jCCt0
――――――――――第七学区とある病院


一方通行「……」


ミサカ「……」


一方通行「……」


ミサカ「一方通行……」


一方通行「……」


ミサカ「いぬは、助かるのでしょうか……」


一方通行「……」


ミサカ「誰かに甘えて、誰かを癒して、誰かと遊べるのでしょうか」


一方通行「……」


ミサカ「一方通行……?」


一方通行「……」スースー


ミサカ「……眠って、いるのですか? とミサカは確認を取ります」


ミサカ「……」


ミサカ「……」クスッ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 23:01:00.66 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「膝枕という寝方があるのを芳川博士から教わりました」


ミサカ「これをすると男性全般は喜ぶようですね」


ミサカ「アナタは……嬉しいですか?」


一方通行「…………」スースー


ミサカ「……」


一方通行「……」スー……スー……
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 23:02:20.68 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「……」


一方通行「……」


ミサカ「生きているとはどういうことか、とアナタは言っていましたね」


ミサカ「ミサカは今も考えていますよ、そして、ミサカなりに答えも見つけました」


ミサカ「―――――――……ミサカにとって生きるという事は」


「〇〇〇〇一号」


ミサカ「……!」





芳川「時間よ」




610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/06(日) 23:03:38.66 ID:jLj2jCCt0
ミサカ「……芳川博士」


芳川「……いくわよ、実験の準備しなくちゃならないからね」


ミサカ「……」


ミサカ「了解しましたとミサカは首を縦に振ります」


芳川「―――――ごめんなさいね、私にはもうどうする事もできないの」


ミサカ「問題ありません、ミサカは元々実験のために造られた物ですから」


芳川「……彼には別れを告げなくてもいいの?」


ミサカ「……」


ミサカ「必要ありません、二日後には対面するのですから」


芳川「そう、ならいいわ、行きましょう」


ミサカ「はい」


一方通行「……」


ミサカ「……一方通行、ミサカはアナタのために造られたクローンです」


ミサカ「だから、ミサカは決めました」





ミサカ「『ミサカはアナタのために生きて死ぬ』と」





ミサカ「誰かのために生きるという気持ちを教えてくれたのはアナタです」


ミサカ「ミサカはとても嬉しいです、そしてお礼の気持ちでいっぱいです」


ミサカ「ありがとう、とミサカは自身の気持ちを吐露します」


ミサカ「……」


ミサカ「では、また会いましょう」
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/06(日) 23:16:15.22 ID:jLj2jCCt0
今回はここまでです。
なんとかひねり出した今回の投下ですが。
ひどいです、えぇ、ひどいです。
あんまりアレとかアレとかアレとか言わせたくないんですが
ストーリー上仕方のない事なので、目を瞑ってください
つーか、学園都市のチンピラの方々ってこんな感じですよね、うん(イイキカセル

次回からはちょっとシリアル、じゃなくてシリアスにするつもりです
頑張れ一通さン!
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/06(日) 23:16:46.83 ID:jLj2jCCt0
レスがえし!

>>567
絵本に出てくる主人公はヒーローが多いですよね
でも、その中には深い意味があったり……実はひどい話だったり……

>>568
一方通行「えほンよンでた」

>>569
一通さンマジギレ

>>570
原作でもこんなやり取りをたくさん見てみたかった……

>>571
微笑ましい、そういわれるとほのぼの書いてて良かったと思えます!
ヘタレ条さんをこれからもよろしく!

>>572-574
お前等の連携に全俺が吹いた。

>>575
ありがとうございます!!
でも、なるべく待たせないように頑張りますね!
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 23:24:40.02 ID:GGEjSAuco
乙です!
物語が佳境に入ってきましたね
ドキドキしながら待ってます!
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 00:01:56.99 ID:TVsmqouDO
乙乙!

いぬ△
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/07(月) 01:18:50.71 ID:jMcdZ1RC0
やっと追いついた・・・
マジ乙です!!上琴は大好物です!欠陥通行もイイ!
いっつーさんはミサカ達とくっつければなんでもいいww
ところでみんなはどの美琴が好き?
1 やっぱりいつものツンデレールガン
2 ふにゃ〜と漏電ビリデレールガン
3 素直で可愛いデレデレールガン
4 病んでる美琴も大好きだああぁぁぁ!!ヤンデレールガン
ちなみに俺は3か4。超電磁砲5、6巻の美琴の壊れた感じがよかった。
てなわけで>>1さんがんばって下さい!!
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 01:50:21.03 ID:OgI+SObho


いぬ△

さて…チンピラ退治しに駆動鎧借りてくる
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 03:32:43.41 ID:U0X77MjAO
2,3が好きだ〜!ツンがデレた時は俺至高。
そして、電撃の美琴かわいかったぜ〜!

何はともあれ乙乙!
618 :1! :2011/03/10(木) 22:28:05.79 ID:0nlahHiG0
どうも、投下を始めたいと思います。
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:28:54.20 ID:0nlahHiG0
――――――――――


インデックス「おかわり!!」


上条「おいおい、もう炊飯器に米はねぇぞ? 頼むから一杯になってくださいよ」


インデックス「えぇ!? まだ三杯しかごはん食べてないよ!!」


上条「充分だろうが!! 今日はいつもより一杯多く食べたでしょ!?」


インデックス「それはステイルが出かけてるからだもん!」


インデックス「結局アイスも買ってこなかったし!! とうまは私を嘗めてるのかな!」


上条「ふざけんな!! そっちだって策を考えてなかっただろ!」


上条「お互い様だ! お互い様!」


インデックス「むぅーーー……だってぇ……」


上条「だって、じゃありません!!」


インデックス「うーーーー食べたりないかもーーーー!!」


上条「文句言ったって米は湧いてこねぇよ、ほらほら風呂に入って気を紛らわしてきなさい」


インデックス「……分かったんだよ、かおりもわがまま言っちゃダメって言ったし、我慢するんだよ」トボトボ


上条「うんうん、神裂の言うとおりだ、素直でよろしい!」


<オナカヘッタンダヨ……


上条「……」
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:29:56.96 ID:0nlahHiG0
上条「行ったな……」


上条「ふ……ふふふ……」ニタニタ


上条「やはりあった、あったよ、あったんだよの三段活用!」


上条「ジャジャーン!! ナツマツリのポスター」テッテレッテッテッテーッテッテー♪(青いロボットのテーマ)


上条「ふははっ! これを口実にして約束を取り付けるのよ!」


上条「もはや、目次とサムライガールとバーコード不良超ムカツク赤髪野郎は必要ない!」


上条「上条さんを馬鹿にした事を後悔させてやる……」


上条「口実さえあればこちらのものよ!!」ケータイトリダス


上条「…………」ピッピッピッピ


上条「………うむ、これなら不思議がる事もなかろう」


上条「多少強引でも構わん、やったという成果が必要だ、そしてあわよくば……」


上条「……」


上条「か、考えるな、妙な事を考えるんじゃない!! 鎮まれ煩悩! 去れよ悪魔!」


上条「何も考えず送信ボタンをポチッと―――――――――」


インデックス「タオルを持っていくの忘れちゃったんだよー」トテテー
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:30:42.10 ID:0nlahHiG0
上条「うぎゃああああああああああああああああああああ!!?」


インデックス「きゃあああああああああああああああ!!? な、なに!? どうしたのとうま!?」


上条「イ、インデックスさん!? い、いきなりどうしたのでございますか!?」


インデックス「どうしたって……、お風呂にバスタオルを持っていくのを忘れちゃったから取りに来たんだよ?」


上条「あ、そ、そそそうか、じゃぁ、早くとりなさい、そして早く入りなさい」


インデックス「そのつもりだけど……とうま何を焦っているのかな?」


上条「な、何も焦っておりませんよ?」


インデックス「ふぅーん……、そっか、それならいいんだけど……」


インデックス「それじゃお風呂に入ってくるんだよ」


上条「お、おう」ホッ


インデックス「と見せかけて、隙ありーーーーーーーーーーーーーー!!!」ナンダヨ!


上条「何ィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!?」
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:32:09.63 ID:0nlahHiG0
インデックス「あっはっはっはー、とうまは分かり易すぎるんだよ!」


上条「ぐっ……インデックス、テメェ、全部謀ってやがったな!!」


インデックス「ふっふーん、愚かなりとうま! 帰ってきてからやけにニタニタしていたからバレバレかも♪」


上条「ちくしょぉぉぉぉぉ!! 浮かれてて全然気付かなかったあああああああ!!」


インデックス「ふふ♪ 一人で何をイジイジしていたというのかな〜〜〜!」


上条「やめろー、見るなーーーー!」


インデックス「……うにゅ? これは……」


インデックス「へぇ〜〜〜……とうまはアイスを買ってこなかったくせに自分の準備だけはしっかりとしてきていたんだね!」


インデックス「この卑怯者!!」


上条「なんで卑怯者扱いされなきゃなんねーんだよ!! むしろ褒めろ! 一人で出来るもん、を達成したよ!?」


インデックス「やり方が汚いんだよ!! 私の見ていないところでなんて!!」


上条「お前は俺の保護者か監督ですか!?」


インデックス「……でもまぁ、一人でやろうとした事は及第点だから許してあげてもいいんだよ」


上条「えっ? (なんでこの子こんなに偉そうなの?)」


インデックス「このめぇるを私が送ってあげるから、それでチャラにしてあげるんだよ!」


上条「はああああああああああああ!!!?」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:32:58.06 ID:0nlahHiG0
上条「ちょ、やめろって! なんでお前がそんな事すんの!?」


インデックス「どうせとうまは文をうつだけで達成感を感じて送れないから、代わりをしてあげるんだよ!」


上条「やめろって! お前、一人で送れるようにしろって言ってたじゃん!」


インデックス「今回はとうまが自分で文章を考えたから、それはなしなんだよ!」


上条「なにその横暴!? やめてくださいよ!」
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:34:01.97 ID:0nlahHiG0
上条「とにかく返せよ! その文章まだ完璧じゃねーから!」


インデックス「イヤなんだよ! さっきは明らかに送る準備をしてたじゃん!!」


上条「確認だよ、確認!」


インデックス「そんなこと言って結局、送らないのがとうまなんだよ!」


上条「いいから返してくださいませんかね!! それにお前ケータイ使えないだろ!」


インデックス「ステイルと使い方の特訓をしたからもう完璧かも!!」


上条「あのクソ不良神父がああああああああ!! 余計な事しやがって!!」


インデックス「ふっふん! あとは送信ボタンを押せばいいんだよねー」


上条「やめてぇーー!! お願いだからかーえーしーてー!」ジタバタ


インデックス「いーやーなーんだーよー」ヒョイヒョイ
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:36:07.05 ID:0nlahHiG0
上条「く、くそっ……身軽に避けやがって……! ホントに食後かお前!?」


インデックス「まだ腹八分にも満たしてないもん! 余裕なんだよ!」


上条「くそぉ……ここまでなのか……俺は……」


インデックス「ふ……とうま、私の勝ちなんだよ……」


上条「―――――なーんて言うと思ったかーーーーーーーーーーー!!!」バッ!


インデックス「え!!? きゃぁ!!」ガシィッ!


上条「わはははー!! お前も油断しているからこうなるのだよ!!」


インデックス「やー!! 離して!! アイスの恨みはまだ続いてるんだよ!」


上条「お前やっぱ根に持ってたんだな!? この野郎!」


インデックス「ア、アイスーーーーーーー!!」ワタワタ


上条「はっはっは、抵抗しても無駄だ!! ケータイは返してもらうぞ!!」


インデックス「うぇーーーーん! せっかくアイスが食べれる交渉材料を手に入れたのにーーーー!」ウェーン


上条「たくっ、この暴食シスターさんめ……さて、と……メールを……」


テロリン♪


上条「……ん?」





『送信しました』





上条「…………えっ?」
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:36:51.70 ID:0nlahHiG0
――――――――――


ステイル「……」


インデックス「と、とうまぁ、しっかりして!」オロオロ


ステイル「……」


インデックス「私が悪かったから、ごめんね、ね?」


ステイル「……」


インデックス「とうまぁ、無視しないでよー」ウワァーン


ステイル「(なんだ? 何があった?)」
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:37:25.28 ID:0nlahHiG0
インデックス「うぇーん」エグッエグッ


ステイル「インデックス、何があったんだい?」


インデックス「あ、ステイル……、おがえりなざい……」ヒック


インデックス「とうまがね、ショックのあまり、倒れちゃったんだよ」


ステイル「……ショック? 何をしでかしたんだい?」


インデックス「わ、私のせいなんだよ、私の……うぇぇぇ」


ステイル「落ち着くんだ、インデックス……何があったか話してごらん」


インデックス「……これ」つケータイ


ステイル「―――――ケータイ? これがどうかしたのかい?」


インデックス「め、めぇるが問題なんだよ」


ステイル「……ふぅん? どれどれ」


ステイル「『八月二十二日は友達と予定があるからいけません、ごめんなさい』?」


上条「!」ピクッ


インデックス「ステイル!! 読んじゃダメ!!」


ステイル「……え?」
628 :しかし、相変わらずのヘタ条さんである/// [sage saga]:2011/03/10(木) 22:38:06.94 ID:0nlahHiG0
インデックス「とうま、落ち着いて!! 幻聴、幻聴なんだよ!!」


上条「」ピクッ! ビクビクッ!


ステイル「キ、気持ち悪いな……」


インデックス「このめぇるが来てからずっとこの調子なんだよ!!」


インデックス「わ、私がイタズラしちゃったから、罰があたったんだよ!」ウェェン


ステイル「……そんなわけないだろ」
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:38:43.48 ID:0nlahHiG0
ステイル「断られた程度で、心が砕けるほどやわなら文を送らなければいいんだよ」


ステイル「まったく……、この子を泣かして……腹の立つ奴だ、万死に値するね」


上条「」シロメー


ステイル「ホラ、起きろ、いつまでショックを受けているだ、このヘタレ」ゲシッ


上条「ぐふぅっ!?」


インデックス「と、とうま!! ……ステイル! ひどいかも!」


ステイル「これが男の立ち直させかたなんだよ、わざと厳しくしてやっているんだ」ゲシッ、ゲシッ


インデックス「そ、そうなの?」


上条「違うよ! なに、真に受けてんだ!!」ガバッ!
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:39:11.18 ID:0nlahHiG0
インデックス「とうま!」


ステイル「やれやれ、やっと立ち上がったか、ヘタレ野郎」


上条「……うるせぇよ」


ステイル「……なに?」


上条「確かになぁ、俺はヘタレかもしれねぇし、豆腐メンタルなのかもしれねぇ!」


上条「けどな! 自分が意を決して断られたならともかく、なんの心の準備もなしだったらそりゃへこむよ!」


上条「もう不幸だー! って言う気すら失せたからね!? ボロボロなんだよ!」


ステイル「……だからなんだ?」


上条「特になにもねーよ!!」


ステイル「だと思ったよ」ケッ
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/10(木) 22:39:53.48 ID:0nlahHiG0
インデックス「と、とうま……」


上条「ん? どうした、インデックス?」


インデックス「あのね、ごめんね? 私があんな事しなければ……」


上条「……別に、怒ってなんかねーよ、アイツは先に約束があったんだろ?」


上条「なら、どっちにしろ俺は断られてたんだ、お前は悪くねーよ」


インデックス「でも……」


上条「気にすんな、むしろお前を泣かせちまったみてーで悪かったな」


ステイル「迷惑な奴だね、キミは」


上条「お前はやりすぎだ!!」
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:40:51.01 ID:0nlahHiG0
上条「それはそうと……」


インデックス「? どうしたの?」


上条「いや、二十二日は空いちまったしさ、せっかくだから神裂も誘って四人で夏祭り、行かねーか?」


ステイル「!」


インデックス「えっ!!? それ本当?」


上条「あぁ、神裂はともかく、インデックスとステイルは日本の祭りは初めてだろ? 良い思い出になると思うんだ」


インデックス「うん! 行きたい! 行きたいんだよ!」


インデックス「ハナビもあるんだよね!」


上条「おうあるぞ、すっげーでかくてキレイな学園都市自慢の大型花火があがるんだ」


インデックス「うわぁー!! 楽しみなんだよ! ね、ステイル!」


ステイル「……」


インデックス「ステイル?」


ステイル「え? あ、どうかしたかい?」


インデックス「夏祭りでの花火大会楽しみだね!」


ステイル「あ、あぁ、そうだね、楽しみだ」


ステイル「……『きっと最高の思い出になるね』」


インデックス「うん!!」


上条「……じゃぁ、インデックス、明日神裂が来たら、連絡しておいてくれよ」


インデックス「分かったんだよ、屋台もあるだろうし楽しみかも〜〜♪」


上条「ははっ……ホドホドニシテクダサイヨ……」


ピリリリリリリッ!!


上条「ん?」
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:41:47.73 ID:0nlahHiG0
インデックス「わわっ! とうま! ケータイが鳴ってるんだよ!」オロオロ


上条「そんくらいでビビルなよ、誰かな、こんな時間に……」


インデックス「も、もしかしたら美琴かも!! 約束がなくなったのかもしれないんだよ!」


上条「そんな都合のいい話あるかってんだよ……って……」


上条「あれ? この電話番号って……」
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:42:29.97 ID:0nlahHiG0
――――――――――


一方通行「ハァ、ハァ……ハァ……!」カツッ!


一方通行「どこだ……、どこに行った……!?」


一方通行「一体、どこに……」


カツッ!!


一方通行「―――――ッ! ぐあっ!!」ゴロッ


一方通行「……クソッタレェ」


一方通行「……どこに、行ったンだ、ミサカッ!」
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:43:08.44 ID:0nlahHiG0
――――――――――数時間前


ユサユサ


一方通行「……ン」


一方通行「……ァ? ここは?」


冥土帰し「僕の病院だよ」


一方通行「冥土、帰し……、―――――ッ!!」ガタッ!


冥土帰し「おっと?」


一方通行「オイ! 猫は! 猫はどうなった!!」


冥土帰し「落ち着きなよ、焦ったって仕方ないと思うがね?」


一方通行「アァ!?」


冥土帰し「僕の表情を見て、あの子猫がどうなったか、分からないかな?」


一方通行「テメェのカエルみてェに潰れた顔じゃ分からねェよ!」


冥土帰し「それはそれは……キミは相変わらずひどいね、が、今は減らず口は叩かないとして」


冥土帰し「まぁ、結論から言ってしまうけど、手術は成功だよ」


一方通行「!」
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:43:53.90 ID:0nlahHiG0
冥土帰し「急患と言われて、血みどろの少年と猫が運ばれてきたと思ったら」


冥土帰し「患者は猫ときたもんだ、よく救急車に乗せてもらえたね?」


一方通行「方法については聞くンじゃねェ」


一方通行「テメェのところに来たのは単純に確率の計算の結果だ」


冥土帰し「僕の専門は人間なんだがね?」


一方通行「天下の冥土帰しサマは人間以外の生物の知識は持ってないンですかねェ?」


冥土帰し「……医学生時代に獣医学もとっておいて良かったよ」


一方通行「その様子じゃ、獣医免許も持ってるみてェだな、正解だったぜ」


冥土帰し「否定はしないよ、患者の必要なものはなんとしてでも用意する性質でね、その結果必要になっただけさ」


一方通行「……ハッ、そりゃご苦労なこった」


冥土帰し「こちらこそ、子猫のためにご苦労様」


一方通行「ケッ……おいミサカ、猫は助かったみてェだぞ?」


一方通行「……あ?」
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:44:34.60 ID:0nlahHiG0
冥土帰し「どうかしたかい?」


一方通行「いや……常盤台中学の制服を来た女がここにいたはずなンだが」


冥土帰し「いないようだけど? 手洗いにでも行っているんじゃないかな?」


一方通行「そう……か?」


冥土帰し「気になるようなら受付に聞いてみなさい」


冥土帰し「……猫のほうは僕の知り合いの獣医師のところに入院をさせてもらうから任せなさい」


一方通行「アァ、頼む……」


冥土帰し「……それじゃ、僕は手術室の片づけをしてくるよ」


一方通行「……アァ」


冥土帰し「……」
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:45:19.59 ID:0nlahHiG0
受付の看護師「常盤台中学の子?」


一方通行「アァ、見なかったか?」


受付の看護師「んー……私は今交代したばかりなので、分かりませんね……」


看護師B「その子なら、さっき見ましたよ?」


一方通行「……! いつ頃だ!?」


看護師B「一時間前くらいに白衣を着た女の人と一緒に外に出て行きましたよ」


一方通行「白衣を着た女?」


看護師B「チラッとしか見てないのでどんな人かは分かりませんでしたけど……」


看護師B「けど、常盤台の子がいたのは確かですよ」


一方通行「くそ、実験関係の奴等か!!」ギリッ!


一方通行「……手間取らせたな、コイツは礼だ」ダッ


看護師B「あ! ちょっ……!? なにこの大金!」
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:46:01.34 ID:0nlahHiG0
――――――――――現在


一方通行「(気ィ抜きすぎだボケ!! 不穏な空気を察すれば、奴等が手を打つのは分かりきってたじゃねェか!)」


一方通行「……(ミサカをつれて行ったのは誰だ? 芳川か?)」


一方通行「(いや、そンな事はどォでもいい……問題は、アイツがどこに行ったかだ……)」


一方通行「……」


一方通行「……クソが」フラッ


一方通行「まずは……研究所から、だな……」
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:46:46.12 ID:0nlahHiG0
――――――――――研究所


一方通行「……」


一方通行「……どォいうことだ」


一方通行「誰もいない……機材も、何もかもなくなってやがる」


一方通行「〇〇〇〇二号も〇〇〇〇三号も……」


一方通行「天井も、芳川もいやしねェ……」


一方通行「……」


一方通行「……寮か?」


一方通行「ハッ……そォか、手術が長引いて、疲れちまったンだな」


一方通行「それで、芳川に迎えに来てもらったのか……」


一方通行「そう、だよな?」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:48:02.35 ID:0nlahHiG0
――――――――――寮


ガチャッ!!


一方通行「……開かねェ」


一方通行「……夜だからか?」


一方通行「寝ちまったのか?」


一方通行「まさか、また路地裏になンざ、行ってねェよな?」


一方通行「……いぬを置いて、何してンだよ、飼い主のくせによォ……」





一方通行「……ア? いぬは、どこにいるンだったか?」


一方通行「俺の部屋? ミサカの部屋? 外?」


一方通行「……アァ」


一方通行「『ドッチモサガシテヤンネェトナ』」
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:48:49.30 ID:0nlahHiG0
――――――――――


一方通行「……」


一方通行「……どこにもいねェな」


一方通行「……たくよォ、面倒な奴等だ」


一方通行「……どこにもいねェ」


一方通行「……どこに行っちまったンだ?」


一方通行「早く、探さねェと……」





――――――――――ニゲテンジャネェヨ





一方通行「―――――――ッ!!」
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:49:19.12 ID:0nlahHiG0
一方通行「逃げ、る? 誰が?」


――――――――――オマエダヨ


一方通行「どォして俺が逃げるンだ?」


――――――――――マケヲミトメテネェカラダヨ


一方通行「誰が、どォ負けたって?」


――――――――――ホントハワカッテルンダロ?


一方通行「何が……」


――――――――――オマエガ『シスターズ』ヲスクエナカッタコトダヨ


一方通行「ッ!!!」
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:50:03.66 ID:0nlahHiG0
一方通行「救えなかった?」


――――――――――アァ、ソウダヨ、モウムリダロ?


一方通行「何言ってンだ、まだ時間はあるじゃねェか」


――――――――――ダケド、アイツハモウイナイ


一方通行「いなくなってなンかいねェよ」


――――――――――ゲンニミツカッテナイジャネェカ


一方通行「すぐに、見つかる」


――――――――――イツ?


一方通行「それは……」


――――――――――ジッケンノヒ?


一方通行「!」


一方通行「……ふざけンな、実験は開始すらしねェよ」


――――――――――ミサカモイナイノニ、ドウヤッテ?


一方通行「アイツは、きっと、実験を否定するはずだ」


――――――――――ホントウニ?


一方通行「……」


――――――――――モウ、アキラメチマエヨ


一方通行「!!」
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:50:55.76 ID:0nlahHiG0
――――――――――ジカンハナイ、ミサカモイナイ、ドウシヨウモナイ


一方通行「諦めて、どォするってンだ」


――――――――――ウケイレテ、ジッケンヲスレバイイ


一方通行「ふざけンな!! アイツ等を殺せるわけがねェだろォが!!」


――――――――――ショセンハクローン、ダレモトガメハシナイ


一方通行「違う!! クローンの人形なンかじゃねェ! 生きてンだ!!」


――――――――――アイツハ『イキタイ』ッテ、クチニシタノカ?


一方通行「そォ思ってるはずだ!!」


――――――――――ハズダ、ハズダ、ナンノコンキョニモナッチャイネェ





――――――――――ナラ、ドォシテアイツハオマエノマエカラ、スガタヲケシタ?




一方通行「……それは!」
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:51:35.48 ID:0nlahHiG0
――――――――――アイツハジブンノコトヲジッケンドウブツトシカオモッチャイナイ


一方通行「違う……!」


――――――――――オマエガナニモデキナカッタカラ


一方通行「ち、がう……!」


――――――――――ミサカハクローンデ、タダノニンギョウだ


一方通行「ち、がう……」


――――――――――ゲンソウハモウお終い


一方通行「ア……アァ……アァァアアアア」


――――――――――ハッピーエンドハただの夢


一方通行「アァ……アアアアアアアアアアアア!」


――――――――――ツゴウノ良いヒーローは登場しない
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 22:52:15.66 ID:0nlahHiG0




















――――――――――お前はもう、誰も救えない



















648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:10:36.96 ID:0nlahHiG0











                   ダ

     レ

                                     モ

  ス                     ク                    

                                             ウ

            コ

                                    ト

      ナ

                                                    ン

              テ

                             デ

                 キ

                                              ハ

     シ

                             ナ

                                                      イ
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:12:23.90 ID:0nlahHiG0





一方通行「あアァああああァアアアァああああアアアァァあああああ!!」




650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:13:26.79 ID:0nlahHiG0


















651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:14:44.52 ID:0nlahHiG0
一方通行「……」


一方通行「……(これから、どォする?)」


一方通行「……(ミサカを探す? どこにいるかもわからねェのに?)」


一方通行「……(手当たりしだいに研究所を潰す? 出来るのか? ボロボロの体で)」


一方通行「……(それ以前に、そのためのプランも何も思いつかねェ)」


一方通行「カカッ」


一方通行「――――――ダメッダメじゃねェか」
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:18:32.07 ID:0nlahHiG0
一方通行「何が、学園都市第一位だ……」


一方通行「何が、最強だ」


一方通行「何が、ヒーローだ」


一方通行「結局俺は、アイツを変えられなかった」


一方通行「……慣れねェ事してきたのによォ」


一方通行「バカみてェじゃねェか」


一方通行「……」


一方通行「……くくっ」


一方通行「……ハッ」


一方通行「ハハハハハハハハハハァッ!!」





一方通行「―――――この、役立たずがァあああああああああああああああああ!!」ガンッ!!




653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:19:26.65 ID:0nlahHiG0
一方通行「必ず助けるンじゃなかったのかよ!!」ガッ


一方通行「出来る出来ないじゃなく、やるンじゃなかったのかよ!!」ガッ!!


一方通行「アイツを否定されたくねェンじゃなかったのかよ!!」ガッッ!!


一方通行「アイツを……アイツを……!!」


一方通行「―――――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ガンッ!!!
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:20:38.90 ID:0nlahHiG0
一方通行「―――――ハァッ、ハァッ、ハァッ!!」


一方通行「クソ……アァ……クソッタレ……」


一方通行「―――――助けてくれよ」


一方通行「誰でもいい、神だろォが、悪魔だろォが、アイツを助けてくれ……」


一方通行「俺がどォなろォと知ったこっちゃねェ」


一方通行「俺一人が死ンで、クソみてェな実験が止まるなら喜ンで死ンでやる」


一方通行「だから……」


一方通行「起きろよ奇跡!! 現れろよヒーロー!!」


一方通行「地獄の底からアイツを引き摺りあげろよォ!!」


一方通行「……」


一方通行「……頼む、誰か」


――――――――――タスケテ








「オイ」










一方通行「――――――……!」


一方通行「……お前、は―――――!」
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/10(木) 23:21:36.53 ID:0nlahHiG0















上条「何やってんだよ、お前」














656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/10(木) 23:32:38.02 ID:0nlahHiG0
今回はここまでです。
久しぶりの主人公の邂逅。

壊れかけた心のヒーローと、その再生のために現れたヒーロー。

次回もよろしくお願いします
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/10(木) 23:33:42.26 ID:0nlahHiG0
>>613
もう少しでゴール!!
ゴールが見えてきたからには走りぬきたいと思います!!

>>614 >>616
いぬはまぁ、こういう役割になった以上……仕方ないです。
なにはともあれ、△!

>>615 >>617
即効で2,3を選ぶ!!

レス、ありがとうございました!!
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 23:35:15.88 ID:FfPTjCrf0
きてたあああぁぁぁああぁぁあ!!!
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 23:35:49.74 ID:T5R3bRKFo

いや、上条さん
あんたが何やってんだよw
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 23:55:31.55 ID:er7HB4iS0
乙!めっちゃ気になるところで終わったあああくそおおおおお!!!!
上条さんがかなり可哀想だよw
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 06:22:38.62 ID:CSvY3qFyo
さっきまで白目向いて放心していた奴とは思えない登場の仕方だぜ
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 18:09:17.02 ID:mHXCMjRAO
乙。
たのんだぜヒーロー!!
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 10:31:42.08 ID:cGPvc/7D0
上条△
664 :1です :2011/03/15(火) 23:23:03.20 ID:52UU6JAQ0
こンばンわ。
投下を始めていきたいと思います。
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:23:34.89 ID:52UU6JAQ0
一方通行「……お、前」


上条「……」


一方通行「……ク、カカッ」


一方通行「血相変えてどォしたってンだ?」


一方通行「俺になンか急ぎの用でもあるンですかァ?」


上条「……」


一方通行「だったら、悪ィが俺は暇じゃねェ、日を改めろ」


上条「……話は、聞いてる」


一方通行「…………ア?」


上条「お前の親父さんから、断片的だけど、聞いた」


一方通行「――――――――な、に……!?」
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:24:13.02 ID:52UU6JAQ0
一方通行「どォいうことだ……」


上条「事情は全く知らない、だけど、お前に悩みがあって」


上条「それで、その悩みのせいでお前が部屋を飛び出したって聞いた」


一方通行「(実験については知らねェのか) ……ハッ、お節介な親父だな」


上条「良い親父さんじゃねぇか、息子が帰ってこないから探すのを手伝ってくれって頼んだんだ」


一方通行「へェ……あそォ、じゃァねぎらいの言葉でもかけてやろォか?」


上条「……いらねぇよ、そんなの」


上条「―――――――なぁ、一方通行」


一方通行「アァ?」


上条「お前、何を悩んでんだ?」
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:24:51.82 ID:52UU6JAQ0
一方通行「ハァ? なに、お前、親父の言葉を真に受けてンですかァ?」


上条「……あぁ」


一方通行「……バカじゃねェの? 信じらンねェ」


上条「隠さなくたっていいだろ?」


一方通行「あったとしてもお前に話はしねェよ」


上条「じゃぁ……」


上条「どうしてお前は『そんな顔』してんだよ」
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:25:27.46 ID:52UU6JAQ0
一方通行「……ハァ? そりゃどういう―――――」


上条「いつも余裕かました面してるお前がどうして辛そうな面してんだって言ってんだよ!!」


一方通行「何、言ってやがる、俺が辛そう? 笑えねェ冗談は止せよ」


上条「冗談じゃねぇ、心配して言ってんだ」


一方通行「だァから、つまンねェジョークを――――」


上条「心配してるっつってんだろ!! 誤魔化してんじゃねぇ!!」


一方通行「――――――ッ!!」
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:25:55.29 ID:52UU6JAQ0
一方通行「ハッ……」


一方通行「何、熱くなってンだよ、お前……バッカじゃねェの」


上条「……」


一方通行「なンだよ……」


上条「……」


一方通行「なンなンだよ……」


上条「……」


一方通行「なンだってンだよ!! その自信たっぷりのツラはァあああああああああああ!!」
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:27:01.45 ID:52UU6JAQ0
一方通行「じゃァ、聞けよ!!」


一方通行「言ってやるよ!」


一方通行「聞いてどォにかしてみろよ!!」


一方通行「俺はたった一人の女を守りたかった」


一方通行「だけど無理だった!! ソイツとの時間は決まっていて、時間切れはソイツの死を意味してた」


一方通行「条件なンざ、楽なもンのはずだった!! ソイツから生きたいって言葉を聞くだけだ!」


一方通行「だが、ソイツは俺の前から姿を消した!!」


一方通行「いなくなる直前まで俺は隣にいたはずなのに、連れられていった」


一方通行「抵抗の後もなく、付いて行った、アイツは……俺に一言も言わずに消えやがったンだ!!」


一方通行「探してもいない!! アイツは住ンでた場所にも戻ってなかった!!」


一方通行「会えるのは時間切れの後、アイツの死が決まってからだ!」


一方通行「生きて欲しいのに、死ンじまうしかねェンだよ!!」


一方通行「―――――さァ!! どォにかしてみろよ!! 何も知らねェお前にどォにか出来ンのかよ!!」


一方通行「お前がアイツを助けられるってのかよォおおおおおおおおおお!!」
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:27:40.19 ID:52UU6JAQ0










上条「お前は、どうなんだよ」









672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:28:11.82 ID:52UU6JAQ0
一方通行「……ハ?」


上条「時間がどうの、条件がどうのじゃねぇんだよ」


上条「俺はお前がそのことに対してどうしたいのか聞きたいんだよ」


一方通行「そンな事、決まってる、じゃねェか、話を聞いてなかったのかよ!」


上条「あぁ言ってたな、聞くまでもない事だよな、悪い」


上条「――――――それじゃぁ、それを踏まえて言ってやるよ」


上条「お前はその子を守りたいんだろ?」


上条「なら」


上条「なに諦めてんだ、バカヤロウ」
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:29:22.06 ID:52UU6JAQ0
一方通行「なン、だと……?」


上条「まだ時間はあるのに諦めてんじゃねぇ」


上条「無理だって決めつけてんじゃねぇ」


上条「お前には力があるじゃねぇか、冷静に考えられる頭があるじゃねぇか」


上条「それを使っても無理だってんなら」


上条「お前にはその子に生きて欲しいって伝える心があるんじゃねぇのか?」


一方通行「―――――――なっ……!」


上条「みっともないのかもしれない、プライドがあるのかもしれない」


上条「けど、大切な人に生きて欲しいって言うことのどこが恥ずかしいんだ? みっともないんだ?」


上条「その子を守るためなら自分の事はどうでも良くなっちまうくらい大切なんだろ?」


上条「……お前は、それをその子に伝えたのかよ」


上条「きっとお前と同じようにお前のことを大切に思っていてくれてるはずの子にその気持ちを伝えてあげたのかよ!!」


一方通行「――――――――ッッ!!!」
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:30:01.10 ID:52UU6JAQ0
一方通行「オ、俺は……俺は……」


一方通行「ッ! それでも、俺には、アイツに向ける好意なンざ……!」


上条「意地を張る必要なんかねぇだろ」


上条「……けど」


上条「―――――それでもお前が自分の好意を伝えられねぇ人間だって言うんなら」










上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺してやる」









675 :※ここから地の文があります [sage saga]:2011/03/15(火) 23:30:54.40 ID:52UU6JAQ0
真剣な表情で目の前のバカは言った。


一方通行「―――――ッハ」


本当に『アイツ』を救い出せると自信たっぷりに拳を握って。


一方通行「ハハハ――――――――」


根拠は知らない、だが。


一方通行「ハハハハハハハハハ!!」


その言葉はやけに、癇に障った。


一方通行「なンだなンだよ、なンなンですかァ!!? そのセリフ!」


俺にはもう、そんな自信は無いのに、必ずできると信じる目の前の男はムカついた。


一方通行「ヒーローじみた事をペラペラ……正義の味方気取りですかァ?」


……ムカついた。


上条「……」


……それはもう、血管がブチギレそうなほど。


一方通行「ハッ……カカカッ……」


止められそうにない。


一方通行「――――――――――嘗めてンじゃねェぞ」
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:31:59.10 ID:52UU6JAQ0
――――――――風紀委員第一七七支部


すでに日も変わるという時間に茶髪のツインテールと花を頭の上に乗せた少女が居残り作業をしていた。
作業といっても片方のツインテールの少女が花飾りの少女に始末書を書く手伝いをさせている、というだけだが。


黒子「ヴぁあああぁぁあ……まだ、終わりませんの……」


件のツインテールの少女、白井黒子がどんよりと近づきがたいオーラを出しつつソファーに倒れこむ。
そんな彼女の目の前には山のように積まれた書類が「早く書け」と彼女を押し潰さんとしていた。
と、そんな彼女を見て、花瓶を思わせる頭をした彼女の同僚であり手伝わされている初春飾利が不満そうに見る。


初春「しーらーいーさーん、そんなところで潰れてないで早く書いちゃいましょうよう」


飴玉を転がしたような甘ったるい初春の声質は、眠気と疲れには毒となる。
白井は眠りに落ちてしまいそうになりながらも体を起こそうとするが、


黒子「……初春、あとは頼みましたの」


無理だった。
ソファーの魔力は彼女が敬愛するお姉様、御坂美琴にも匹敵するレベルで白井を汚染していた。
いってみれば、病気の一種だ、『ソファー症候群』である。


初春「えええええええええええ!!? そんなぁ! これ白井さんの始末書ですよぉー!?」


初春のありえないーと白井を非難する悲鳴が聞こえるが、白井は無視する。
始末書なんて物を認めていない白井としては、いっそ書けなくてもいいやーくらいの物でしかないし
どうせ、また増えるんだーというある意味で究極の逃げを発動しているので、初春の悲鳴は子守唄にしかならない。


黒子「(黒子は夢の中でお姉様といちゃいちゃするんですの、うふふふ、げっへっへっへぇ!)」


今まさに、ハッピードリームへ白井が直行しようとした時、


初春「―――――――はわわっ!! 白井さん! 電気が消えちゃいましたよぉ!」


支部の明かりが消えてしまった。
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:33:04.83 ID:52UU6JAQ0
黒子「!?」


突然の停電に白井は飛び起きる。
条件反射、風紀委員を務める白井の直感、数多の事件を体験してきた異常に対する察知能力だ。


黒子「初春! 非常電源は!?」


眠気など一気に覚めてしまい、ハッピードリームの幻想は頭から消え去る。
白井はこの一瞬で『乙女モード』から『風紀委員モード』へと意識を切り替える。


初春「非常電源、入りました!!」


パッと支部の明かりが灯ると同時に初春がパソコンに電源を入れる。
目的は一つ、彼女たちの警邏地区である第七学区の状況確認だ。
直前の監視カメラの録画を見ようと初春が監視センターにログインするが、


初春「えっ……? どうして?」


疑問に満ちた声で初春が固まる。


黒子「どうしたんですの? 初春?」


そんな彼女の様子を見て、パソコンの画面を見ると
画面には『NO DATE』という記録をあらわした文字羅列と
別窓に表示された監視カメラへの『アクセス拒否』の警告表示。
――――――つまり、停電の理由とその犯人への手がかりはゼロという事になる。


黒子「どういう……ことですの?」
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:33:42.12 ID:52UU6JAQ0









――――――――――咆哮と共に周りの景色が激変した









679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:34:29.69 ID:52UU6JAQ0
上条「くっ……げほっ!! ごほっ!!」


突然の震動、それを感じた瞬間に景色は一瞬にして塗り替えられた。
コンクリートで出来た地面は割れ、道路沿いのガードレールはひしゃげ
鉄で出来た柵はバラバラと崩れ落ちて行く。
その中で一本だけ無傷の電灯が建っていた。
圧倒的に異質なそれは、そこが唯一、目の前で威圧を放つ少年との戦場だと告げていた。


一方通行「オマエ、俺の幻想をぶち殺すっつったよなァ」


―――――― 一方通行。
学園都市最強、超能力者の、二百三十万の頂点に君臨する存在。
その『最強』の能力者は彼を支える現代的なデザインの杖をカツッと鳴らし
ゆらゆらと立ち上がる少年、上条当麻に特徴的な紅い瞳を向け、冷たく言い放つ。


一方通行「それがどォいう意味か正しく理解してるンだろォな」


それは質問ではない。


上条「……」


学園都市の頂点に挑戦するという無謀に対する注意、警告、そのどちらでもなく……、


一方通行「生きて帰れると思うンじゃねェぞ……三下ァ!!」


『命を捨てろ』という宣告である。
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:35:07.95 ID:52UU6JAQ0
一方通行が咆哮と共に足を上げ、即座に振り下ろす。
……瞬間、二度目の震動が上条の体の全身を奔った。
ひしゃげたガードレールは吹き飛び、鉄で出来た柵は埋もれ、ひび割れた地面は崩れ落ちる。
とても生身の人間が立っていられる震動ではない。


上条「くっ……!! おっ!!」


なんとかバランスを保とうとした上条は地に着いた足に力を込める。
だが、


一方通行「オラ! どォしたァ!!」


上条「っ……な!!」


その激震の中、一方通行が『飛行』し、上条との距離を息がかかるところまで詰める。
弾丸のような速度で上条との距離を詰めた一方通行はそのまま腰に力を溜める動作に移る。
屈みこんだ体勢から察する事ができるのは腹部に対する攻撃の準備。
上条はその腕の動きに合わせて、自身の最大限の反射神経を使い防御の体制をとる。
その動きに対し、一方通行は顔を歪め、


一方通行「オイオイ! 顔がノーガードだぜェ!!」


手薄な部分への指摘をした。


上条「えっ……? ――――――――――かっ!!?」


一方通行の指摘に上条の体は自然と反応を示し、意識が自然と上になってしまう。
言葉通り、防御位置を上げてしまった上条はそのまま一方通行の膝蹴りをもろにくらい
その衝撃で数cm体が浮き上がった。


一方通行「ぎゃっ、はっ!」


そして、もう一度、今度は腰に溜めていた拳を同じ位置に正確に打ち込まれ、転げ落ちた。
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:35:48.97 ID:52UU6JAQ0
一方通行「ぎゃはははははは!! どォした、どォした!! デカイ口叩いたくせに大したこたァねェなァ!!」


一方通行は勝利を確信していた。
開幕から二発の攻撃を与えたからではなく、彼の『知識』が自信をゆるぎないものにしているからだ。
そもそも、『あらゆるベクトルの向きを変換する』能力を持つ一方通行は格闘術にさほどの長けていない。
攻撃や有害なものを反射してしまう彼の能力からしてみれば長ける必要のない知識、そういってしまえば身も蓋もないことだ。
……ただ、彼はその学園都市の頂点である頭脳を持って『知識』としてそれを『理解』している。
端的な例で言えば、いかに『最小の力で相手の最大の力を受け流すか』であったり
先ほど実践した心理攻撃、『相手の防御体勢を自身の本命から遠ざける』ことである。
心理戦であれば、それのエキスパートの精神系統の能力者だったり
実践や修練の過程でフェイントなどを意識をしているプロの格闘家には通用しない程度の付け焼き刃にしかならない。
しかし、上条のように『本能』、元々の身体能力に頼るタイプの人間にはそれすらも強い効果を発揮する。
素人の戦術を多く体験している『経験』をもってしても、
一方通行の『プロの習得する技術』を完璧に理解し活用する行動は上条の『経験』は全くの無力となってしまう。


一方通行「なァ!! なンとかいってみろよ、上条ォくゥン!?」


だが、一方通行の勝利の確信はそれだけが全ての理由ではない。
笑いを堪えながら、地面に伏している上条に彼は告げる。


一方通行「俺は能力使って攻撃してねェンだけどなァ!!」


知識『だけ』で上条を圧倒していることを。
その言葉に反応したのか上条が、ピクリッと動き、体を起こす。
そして、


上条「……そうかよ」


ポツリ。


一方通行「……ア?」


ゆっくりと、上条当麻が立ち上がる。
一方通行の言葉に、上条は驚いた様子は無い。
そのまま完全に立ちがるとペッと血を地に吐き付け、一方通行をまっすぐと見据える。


上条「だから、どうした」


彼の瞳にはまだ、絶望の色は無かった。
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:36:52.99 ID:52UU6JAQ0
一方通行「……なンだよ」


上条が普通の能力者やチンピラであるならここで無様に逃げ出すはずだ、と一方通行は思っていた。
瞳は揺れ、一方通行を見ることも出来ず、体を震わせる。
そんなテンプレのような展開を予想していた。
しかし実際の目の前の少年はどうだろうか。


上条「……」


能力すら使っていない相手のなのに。
まだ、触れる事すら出来ていないのに。
これから先も近づく事すら自分からは出来る可能性がないのに。


一方通行「……なンなンだ」


にも関わらず、目の前の少年は視線すら逸らさない。
まだ、終わっていないと、一方通行を捉える事が出来ると決して敵意ではない視線を投げかけている。


一方通行「なンだっつってンだろォがァ、オマエはァああああああああ!!」


咆哮。
それと同時に崩れ落ちそうな地面を蹴り『飛行』する。
のろのろと体勢を変える上条との距離は僅か五m程度、一方通行の移動速度なら一瞬で詰める事ができる距離であり、
同時に上条の体を粉砕する事も容易な距離でもある。


一方通行「オラァ!! どォしたァ!! これで決めちまうぞ!!」


一方通行が右拳を握り上条の腹部に潜り込む。
体勢は初撃と同じく腹部を狙ったものだ。
違うのは、ベクトルの向きが極限までに『押し出される方向に向けられている』事だけだ。
それは、上条が『吹き飛ばされる向き』と同義であり、一方通行の細い腕から繰り出される力を超えて
人間が引き出せる力を超えている。
上条がそれをもろにくらうのは最大速度を出したトラックとの直撃、それ以上の力。
無論、無能力者の上条が直撃すれば向かう先は死、一直線だ。
上条は右腕を基点にして防御を試みる。


一方通行「おっとォ!? 腹バッカ気にしててもいいンですかァ!?」


上条「―――――っ!!」


だが、ここで、一方通行の『知識』が上条を更に追い詰める。
初撃で一方通行は心理を突き上条の反射神経を利用した。
『腹部からの意識から顔面に意識を移す』事で二回の攻撃に成功させる。
ここまでは単純で、誰もが「一度くらいなら引っ掛かるかもしれないな」程度のものだ。
しかし、この「一度」が重要となっている。
「一度」これが成功してしまえば『選択肢』が無数に広がってしまうからだ。
「初めの一撃は言葉の逆を突いてきたが、次は言葉通りの攻撃が来るかもしれない」と
相手に刷り込ませ、『どう動けば相手の動きを封じれるか』を明確に定めることが出来なくなる。
人間は単純な思考回路で物事を考え、同時に二つのことを集中してこなす事は出来ない。
つまり、上条は『無数の選択肢の中から最適の防御・回避方法』を考えなければならず、
一度でも防御に失敗すれば一方通行の能力の餌食となる。
その逆に一方通行は腕を突き出すだけで済み『回避・防御・カウンター』の三つから選びとるだけだ
そして、その一つである『カウンターと防御』は自然と消滅する。
一方通行の『ベクトル操作』において防御は意味を持たないからだ。
例え、トラックを止めてしまえても次は新幹線にでも変えてしまえば良い。
『カウンター』も同様に、そもそも一方通行には攻撃が通用しない。
結果、一方通行は回避のみを考え、あとはいたぶるだけだ。
その回避すらも潰すための心理なのである。
選択肢、そしてその中で正解を選び取る可能性、一方通行の『知識』と『計算』に死角はなかった。
学園都市一位の誇る頭脳の前には目の前の『ただの』無能力者などなんの壁にもならない。


――――――――――彼の『知識』と『計算』には、『ただの』無能力者は相手にならない。


『上条当麻』が彼の『知識』と『計算』の範疇にある『ただの』無能力者であれば。
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:37:57.91 ID:52UU6JAQ0
初めに聞いた音は、パキンとガラスの割れるようなある種心地よくも聞こえる音。
もっと聞いていたいような、もう聞きたくないような不思議な音。


――――――――――?


次に見えた物は目前に迫るがっしりとした『右手』。
自分が『いつか』憧れた、とある『ヒーロー』の『右手』。


――――――――――コレハ?


その後に聞こえたのは、ゴッという鈍い音。
イタイ、と感じる、衝撃。


――――――――――イタ、イ?


最後に見えたのは、真っ黒な空。
月明かりに照らされて、それが不思議と眩しいと感じてしまった。
だけど、


――――――――――アレ、ナンデ?










一方通行「なンだ、こりゃァああああああああああああああ!!!」










どうして俺が倒れてやがる!!
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:38:42.19 ID:52UU6JAQ0
一方通行は『計算』に入れる事が出来なかった。
上条当麻が『回避・防御・カウンター』そのどれもとらなかった事を。


上条「なんだって……決まってんだろ」


一方通行「ッ!!」


一方通行は『知識』を持っていなかった。
上条当麻が『幻想殺し』という二百三十万分の一の起きて破りの存在である事を。


そして、


上条「お前を助けに来たに、決まってんだろぉがああああああああああああああ!!」


一方通行は『理解』していなかった。
上条当麻が一方通行を一人の『友人』として救いに現れた事を――――――!
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:41:00.90 ID:52UU6JAQ0
一方通行「あ……ガァッ!!!」


立ち上がったところに遠慮ない一撃がかまされる。
顔面への強烈な右ストレート、脳への震動はダイレクトに伝えられ、一方通行はよろよろと体勢を崩す。


上条「お前は、でっけぇ悩みを抱えてる……きっと相談なんかお前のプライドが許さないんだろ?」


よろめいた体をアッパーカットで打ち上げられる。


上条「だけど! 俺達、友達じゃねぇか!! 土御門だって、青ピだって! 大事な友達だ!」


拳は飛んでこない。
一方通行は動く事ができない、動けない。


上条「どうして相談してくれなかったんだよ! お前が悩んでるなんて苦しいだろ! 辛いんだよ!」


上条の言葉に感動しているわけではない。
嬉しい、なら頼ろう、なんて単純な思考が出来る問題では無いからだ。
誰も巻き込みたくない、そんなお涙頂戴で正義感溢れた理由でもない。


一方通行「るせェンだよ!! 俺だってな、誰かを頼れるなら頼ったさ! でも出来なかった!」


ただ、


一方通行「いや、相談なンざ、したくなかった! 誰にも手出しをさせたくなかった!」


ただ、


ただ、


一方通行「俺はアイツを……アイツを……!!」


ただ……


一方通行「アイツを、俺の手で救いたかった……アァ、そォだ!! 救いたかった!!」


たった一人の大切な少女をこの手で守りたかった。


一方通行「俺だけの手で! アイツだけのでもいい! ヒーローになりたかった!」


独りよがりのチンケなプライドと罵られてもよかった。
えこひいきだの、史上最低でも、たった一人のためだけでよかった。
あの少女が生きて、自身にありがとうなんて言う良くあるハッピーエンドを見たかった。

        ゲンソウ
一方通行は、『夢』から抜け出す事ができなかった。
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:42:37.03 ID:52UU6JAQ0
上条「っの……バッカヤロウが!!」


一方通行「ぎァ…っ!!」


上条の怒りに震えた声が聞こえると同時に、一方通行は地面に叩きつけられた。


一方通行「俺がバカだと思うかよ?」


口の中の鉄の味を苦々しく思いながら、一方通行は口を開く。


一方通行「偽者でも、俺が化け物だったとしても……誰かのためだけにヒーローになンのが、バカバカしいと言えンのかよ!」


上条は、表情を変えない。
一方通行をバカにした表情でなく、一方通行に怒りをぶつける表情で、


上条「ヒーローなんて……必要ねぇだろ……」


吐き捨てた。


一方通行「ク……カッ……カカッ……オマエには、俺の気持ちは一生分からねェさ」


一方通行は唯一認めるヒーローからの言葉にさほど動揺はしていない。
一方通行は上条当麻という人間がヒーローだの、とのたまう人間でない事が分かっていた。
目の前の少年は一方通行のように意識をしようとしなくても
大切な人がいなくても、目の前で困っている人間がいればそのままその人間が大切な人に切り替わる。
上条当麻は行動を起こす事によって『ヒーロー』になってしまう人間だからだ。
上条にとっては迷子になった猫を探すことも世界を救う事だって『困っている人を助けたい』という思考で
そして助けられた人間には度合いは違えど『ヒーロー』へと『昇格』する。
今、地べたで這いつくばる自分とは違うのだ、と一方通行は悟ってしまっていた。
例外なく、一方通行自身もそうだったから、助けられた事のある人間だったから。


一方通行「オマエは、誰かを救えるじゃねェか……救えた事があンだろォが!!」


一方通行には誰かを絶望から引き摺り上げた事は無い。


一方通行「俺にはねェンだよ……」


窮地から救ったと『勘違い』していた事があっただけだ。


一方通行「救えたと思ったことは、俺の能力を試すための実験でしたって事しかなァ!!」


結局のところ、自分自身の命を繋げるためにしか能力を使った事は無い―――――――
学園都市最大級の化け物は、光に生きるべき住人を助けるために手を差し伸べられない?





上条「そんな事、今は関係ねぇだろ!!」





―――――――――― 一方通行の認めるヒーローは諦めない。
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:43:12.01 ID:52UU6JAQ0
幾度目かの怒号。


一方通行「なン……だと?」


一方通行は体を起こし、上条を睨みつける。


上条「お前、言ったじゃねぇか」


ヒーローはゆっくりと語りだす。


上条「救いたいって……、守りたいって……」


絶望によって、打ち砕かれた少年の心を紡ぐために。
もう一度、立ち上がるために。


上条「その気持ちだけで、お前は一歩進めてんじゃねぇか!」


舞台に一人しかいなかった、『ヒーローの自覚が無い者』をまた一人、登場させるために!
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:43:52.11 ID:52UU6JAQ0
一方通行「気、持ち? 進めた……?」


上条「あぁ、お前は何も出来ないなんてことは無い」


上条「助けたいっていう子のヒーローなんかになる必要なんか無い」


上条「お前は、その子を守るために戦えばいいんだよ」


上条「守りたいって、それこそ、一緒に居たいって思うだけだでもいいんだよ」


上条「俺にはどんな理由で、どんな風にその子が死んじまうのかは分からない」


上条「だけど、お前ならなんとか出来るんだろ?」


上条「なら大丈夫、お前が諦めなけりゃ、きっとはその子は助かるから」
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:44:30.70 ID:52UU6JAQ0
上条「……一方通行」


一方通行「……」


上条「お前は助けたいって、大切だって思える子といて、どんな気持ちだったんだ?」


一方通行「どンな、気持ち……だと?」


上条「一緒にいて、どうだった?」


一方通行「……俺は」


上条「一緒にいて楽しかったはずだ」


一方通行「――――――――――ッ!!」


上条「笑えば嬉しかったはずだ、喜んだ姿を見れば一緒に喜べたはずだ」


上条「悲しんだ姿を見れば悲しかったはずだ、苦しかったはずだ、辛かったはずだ」


上条「―――――――それは幻想なんかじゃねぇ」


上条「その子を救いたいってのはなにもヒーローなんかになるためじゃないはずだ!」


上条「……選べよ、一方通行」


上条「他の人間に託すのか、それとも他の人間に協力してもらうのか」


上条「お前自身の手で最後の最後まで抗って見せるのか!!」


上条「自分が傲慢だって思ってでも自分で選んだ道で諦めずに進めよ、一方通行!!」
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:45:32.28 ID:52UU6JAQ0
一方通行「俺が、選んだ……、道……」


一方通行の脳裏に浮かぶのは、一人の少女の様々な表情。


一方通行「(俺は……)」


初めて食事をしたときに見せた笑顔。
オシャレをして、それを恥ずかしそうに報告する顔。
猫を飼っている時の小さな子どものようにはしゃいだ顔。
そこに、いつも一方通行はいた。


上条「――――――決めれないってんなら、俺がそのお堅い頭をぶん殴って、覚ましてやるよ」


ヒーローが駆け出す。
未だに迷っている一方通行に最後の一撃を与え、一方通行の『幻想』をぶち殺すために。
一方通行は、その姿を受け入れるようにしてみていた。


――――――――――何も、迷う事なんてなかった。


一人で荒れている時間の方がずっと無駄だったと分かったから。
こうしている間にも自分の一番大切な人が傷付く時間が来てしまう事が分かったから。


上条「歯を食いしばれよ最強……」


ヒーローが拳を握る。
ずっと憧れていた拳、幼い頃に自身を守ってくれた拳。
その拳にまた、救われる。


上条「俺の最弱は」


振りかぶる、その一撃は、


上条「ちっとばっか響くぞ――――――――!!」


どんな強大な兵器よりも、強力な『最弱』の一撃だった。
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:46:11.50 ID:52UU6JAQ0
一方通行「……」


上条「……ハァッ、ハァッ、ハァァ」


一方通行「……」


上条「一方通行」


一方通行「なァ……オイ」


上条「!」
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:46:42.43 ID:52UU6JAQ0
上条「どうした?」


一方通行「俺は……」


一方通行「……俺は、アイツを救えるか?」


上条「……」


一方通行「……確証が欲しいわけじゃねェ、ただオマエから聞きたいンだ」


一方通行「俺は、アイツの笑顔が見たい、ガキみてェにしょぼくれて、はしゃぎ回るアイツを見たい」


一方通行「一緒に、いたい」


一方通行「だから、聞く」


一方通行「俺は、アイツとまた一緒にいれるか?」


上条「……」


上条「バカだなぁ、お前……」





上条「そんなの『当たり前』だろ?」




693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/15(火) 23:47:23.47 ID:52UU6JAQ0
一方通行「……」


一方通行「カカッ……そォか」


上条「そうだよ」


一方通行「アァ、そォだな、その通りだ」


一方通行「……」


一方通行「……ありがとよォ、ヒーロー」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/15(火) 23:57:53.37 ID:52UU6JAQ0
今回の投下はここまでです。
ずっと書きたかったヒーロー同士の戦いですが、思ったとおりのカッコイイ感じにはなりませんでしたorz
本当は、ロシア編みたいな感じの上条さんのありがたいお説教とか、一方通行の暴走とか
色々書きたいものがあったんですが……まぁ、>>1にはそこまでの技術はありませんでした……。

あと、一方通行の『心理』ですが……、


上条「熱膨張って知ってるか(笑)」という事で一つお願いします。


なんか頭使って戦うってのが書きたかったんですよぉ!!


世間は地震の事で混乱してますね。
不安や疲労、肉体だけでなく精神的にも辛い時期で直接的な支援などは募金などでしかできませんが
震災の被害に合ったかたがたのこの先の無事を祈っています。
そして、>>1のSSで少しでも元気をつけてもらえれば嬉しいです。


では、次回の投下もよろしくお願いします。
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/16(水) 00:00:31.92 ID:bK2dFd5d0
レス返し

今回レスは上条さん関連でしたね。
上条さんにはまだまだ活躍してもらうので、また△と言われるように頑張ります!!

レス、ありがとうございました!
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/16(水) 00:07:05.00 ID:aTeypnyJo

起きて破りは掟破りかな
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 00:15:32.45 ID:l+eANcFDO
>>674において

上条さん人のこといえんだろ…
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/16(水) 02:13:19.14 ID:qKaUNMo5o
ヘタレ条さんの悪口はやめろ
悪質なものはアンチスキルに通報する
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 02:58:58.06 ID:Y8lYMUuno
乙乙
これだけ啖呵切れた上条さんなんだからきっと今度自分のターンが回ってきた時は・・・きた時は・・・!
駄目だ、想像できない
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/03/19(土) 22:04:39.49 ID:VPsjzrlRo
これは次アクセラレータさんが上条さんの手助けをするフラグか

701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/21(月) 00:00:43.03 ID:h+jwMpW80
そして上条さんのあまりのヘタレっぷりにキレて説教を始める一方さん



702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/21(月) 22:59:58.40 ID:Zf0e1oGAo
その前に、妹達を見て美琴と勘違いして絶望する上条さんをだな

703 :オッスオラ1 :2011/03/22(火) 00:03:16.77 ID:7655NIm00
オッスッス、オラ>>1
こんな時間だけど、投下を始めようと思います。

今回も地の文があるので、気をつけてくださいねい
704 :オッスオラ1 :2011/03/22(火) 00:03:47.69 ID:7655NIm00
オッスッス、オラ>>1
こんな時間だけど、投下を始めようと思います。

今回も地の文があるので、気をつけてくださいねい
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:05:51.64 ID:7655NIm00
――――――――――八月二十一日 PM 15:00


ガチャッ


木原「おぉ、帰ってきたか、ドラ息子ぉ」


一方通行「アァ、ただいま」


木原「……えっ?」


一方通行「ンだァ、その間の抜けた表情はァ?」


木原「いや、お前、ただいまって……どうしちゃったの? 女神様が出てくる泉にでも落っちゃった?」


一方通行「カカッ、なンだそりゃ、面白い事言うじゃねェか、木原くゥン?」


木原「……えー、なんか反応がつまんねーなー」


一方通行「そいつァ悪かったな」


木原「……」


木原「……で? もうタイムリミットだぜ?」


一方通行「そォだな」


木原「意外と冷静だねぇ……もしかして見捨てるとかぁ?」


一方通行「ンなわけあるかよ、諦めるわけねェだろォが」


一方通行「……アイツは必ず助け出す、守ってやるって決めたからな」
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:07:16.42 ID:7655NIm00
木原「カッコイー、惚れちゃいそうだぜ一方通行!」


一方通行「さすがにそれは引くわ、冗談にしてもキツイっつーの」


木原「おっとぉ、それはそれは失礼、けどま、憎まれ口叩くほうがお前らしいぜ?」


一方通行「うるせェ、俺だって似合わない事は分かってンだ」


一方通行「今の俺を捨てでも、アイツを助けなきゃなンねェからな」


木原「くっくっく、いいねぇ、その覚悟、ヒーローみてぇじゃん!」


一方通行「ふン、褒め言葉として受け取っとく」


木原「へっ、一丁前に言うじゃねぇか……ドラ息子」


一方通行「そこはもう一押し褒めたほォが伸びるぜェ? クソ親父」
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:08:03.90 ID:7655NIm00
一方通行「さて、と……そろそろ行くか……」


木原「オイオイ、まだ実験開始まで時間があんぜ?」


一方通行「ミサカといた場所をもう一度見ておきてェンだよ」


木原「思い出の場所めぐりとか、随分センチなお考えだなぁオイ」


一方通行「いいだろ別に、『明日から』の事も考えないといけねェしな」


木原「んだぁ? デートプラン考えるとかか? マジで乙女さんかよお前」


木原「どっちかつーと彼女が初めて出来た童貞の彼氏か?」


一方通行「女を抱くしか脳がねェのかよ、テメェは……」
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:10:02.12 ID:7655NIm00
一方通行「つゥかよ、俺は無駄話してる場合じゃねェンだ、もォ行くぞ」


木原「あぁ、待て待て一方通行」


一方通行「あン? なンだよ?」


木原「お前、『工作』してたよな?」


一方通行「アァ、あれか……完成したら見せよォと思ってたンだが……」


木原「アレ借りてもいいか?」


一方通行「……あンなの借りてどォするつもりだよ」


木原「まぁちょっとな……で? いいのか? 悪いのか?」


一方通行「……」


一方通行「いいぜ、持ってけよ、作り方は頭に入ってっから、壊しちまっても文句は言わねェ」


木原「おう、壊れちまうような使い方はしねぇから安心しな……それとも俺が完成させてやろうか?」


一方通行「……出来るンなら頼む、それがなんなのかは分かってんだろ?」


木原「……こりゃまた、人に頼る事なんていつ覚えたのかねぇ」


一方通行「少なくともテメェじゃねェ事は確かだな」


木原「おぅ、手痛い発言だ、痛い痛い!」


一方通行「大根演技してンなよ、クソ親父、出るぞ俺ァ」


木原「……お姫様をちゃぁんとつれて帰ってこいよぉ? 騎士様よ」


一方通行「……アァ」


一方通行「行ってくる」
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:10:48.99 ID:7655NIm00
木原「……」


木原「……やぁれやれ」


木原「オイ、もうでてきてもいいぞぉ」





芳川「こんな狭いところ、久しぶりに入ったわ……」


〇〇〇〇二号「ミサカもです、とミサカはこれ腰痛めたんじゃね? と人体への影響を危惧します」




710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:12:02.49 ID:7655NIm00
木原「悪い悪い、まさか帰ってくるとは思ってなかったからよぉ」


芳川「……彼、気付いてなかったのかしら」


木原「いんやぁ、アイツは気付いてたよ」


芳川「ならどうして……私はあの子を連れて行った張本人なのに……」


木原「アイツはもうテメェを歯牙にもかけてねぇって事だよ」


木原「〇〇〇〇一号を助ける事しか考えちゃいねぇんだ」


芳川「けれど、出来るのかしら? あの子は自分に生きる価値を見出していない」


芳川「……一方通行の為に死ぬ事しか、考えていないあの子を」


木原「さぁてな、もしかしたらボッコボコにしてつれて帰ってくるかもな」


芳川「それでは何の解決にもなっていませんよ、木原博士」


木原「ジョーダン、ジョーダン、けどよ、お前はそんな事言える立場でもねぇだろ?」


芳川「……そう、ですね、彼には悪い事をしました、私はこの実験の結末を見るまで死ねなかったから」


芳川「反抗する事はいくらでも出来たのに、自分の身がどうしても可愛くて……」


芳川「結局私は甘いだけ……自分にも他人にも……」
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:13:23.39 ID:7655NIm00
木原「ハッ、自分語りで自己嫌悪してんじゃねぇよバァカ」


木原「だったら賭けろよ芳川、一度だけでも良いお前の中の『優しさ』で手助けしてやんな」


木原「俺は俺に手を貸してくれんなら歓迎するぜ? 人格破綻者だろうが、クローンだろうがな」


芳川「……いいですね、それ、とても良い案」


芳川「そうね……ただ一度の『優しさ』に賭けてみるのも、いいかもしれないわ」


〇〇〇〇二号「では、木原博士とミサカと芳川博士は同志ということになりますね」


芳川「ふふ、そうね……よろしくね」スッ


〇〇〇〇二号「よろしくお願いしますとミサカは差し出された手を握り返します」
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:14:39.12 ID:7655NIm00
芳川「しかし……すでに〇〇〇〇二号が意志を持っているのなら、実験は中止してもよいのでは?」


木原「色々その後の処理が大切だろ、それにうちの息子が何より助けたいのは〇〇〇〇一号だ」


木原「これはアイツの最終目標で、最後の壁だ、俺達には他の目標がある」


〇〇〇〇二号「……」


芳川「(なんだかこの子不機嫌なのだけれど……気のせいかしら?)」


木原「それに……」


芳川「……?」


木原「もう実験に意味はねぇんだよなぁ、これが」


芳川「え?」


木原「ヘタに考えようとしなくてもいいかんな芳川」


木原「今夜はパーティの日だぜぇ? 楽しくやろうや」
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:15:45.54 ID:7655NIm00
――――――――――八月二十一日 PM 20:50 一七学区 『操車場』


一方通行「……」


一方通行「ここがどォいう学区かは知ってるか?」


一方通行「『一七学区』、クローン食肉や野菜なンかの人工栽培をする農業区」


一方通行「そして、学園都市の工業製品の製造に特化した工業区」


一方通行「産業全般を支える学区らしいな」


一方通行「まァ施設の大半が自動化されてるおかげで人は殆どいねェらしいから、実験にはもってこいかもなァ」


一方通行「……」


一方通行「いや、そもそも実験開始の関係で人は取っ払っちまってンのか?」


一方通行「そこンとこ、どォなンだ?」


一方通行「なァ、ミサカさンよォ」
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:17:12.40 ID:7655NIm00
ミサカ「一般人の介入については心配いりません、とミサカは自身をもって答えます」


一方通行「だろォな、こンなくっだらねェ実験で一般人巻き込む必要はねェしな」


ミサカ「くだらなくはありません、とミサカは否定します」


一方通行「……」


ミサカ「この実験は被験者、一方通行が絶対能力者へと進化する事が目的」


ミサカ「学園都市が目指す、最終到達点」


ミサカ「……アナタが最強ではなく、無敵になる実験」


ミサカ「利点はこれだけではありません」


ミサカ「工業・経済……様々点において利点を作り出すこの実験は有意義なものだとは思いませんか?」


一方通行「それが二万人の犠牲の上であったとしても……か?」


ミサカ「……」


ミサカ「……はい、とミサカは即答します」
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:18:48.61 ID:7655NIm00
一方通行「大した自己犠牲の精神だねェ、俺には出来ねェよ」


ミサカ「……」


一方通行「俺を強くする為の実験に付き合わせる事になっちまってっから言えた義理はねェンだけどさ」


一方通行「この状況で、何か考える事ってなァねェのかよ?」


ミサカ「何か、という曖昧な表現では分かりかねます」


一方通行「お堅いねェ……もしかして第一次実験っつー事で緊張しちまってンのか?」


ミサカ「……現在の時刻は八時五十五分です」


ミサカ「実験開始時刻よりも五分早いですが、天候悪化が予測されていますので」


ミサカ「所定の時刻よりも早く開始しますが、準備はよろしいでしょうか?」


一方通行「焦るなよ、時間は大切にしなくちゃァなンねェぜ?」


一方通行「五分前行動なンて真面目ちゃンなのも悪くねェが、焦ったところで事態は変わらねェ」


一方通行「それに、雨が降ろォが俺のやる事は決まってるしな」


ミサカ「……時刻は八時五十七分四十秒です、準備はよろしいでしょうか? とミサカは確認をとります」


一方通行「……」


ミサカ「返答無しは準備完了と受け取ります、よろしいですね、とミサカは戦闘体勢に移ります」ジャキッ


一方通行「……」


ミサカ「……」


ミサカ「被験者、一方通行は所定の位置についてください」





ミサカ「九時〇〇分、これより『絶対能力進化』第一次実験を開始します」




716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:23:09.33 ID:7655NIm00
一方通行とミサカにとって、『最初で最後』の実験が開始された。


ミサカ「……先手必勝ですとミサカは攻撃を開始します」ジャキッ

                    セーフティ
ミサカが『オモチャの兵隊』の安全装置≠外す。
材質が積層プラスチック、形状も戦闘機に見られるような機能美が備わっているため
オモチャの鉄砲のようにも見えてしまうが、威力は本物だ。
トリガーを引いてしまえば、何百発もの弾丸が数十秒の間に発射される。
まともに当たれば文字通り、蜂の巣にする事が出切る。


一方通行「……」


標的の一方通行は動かない。
棒立ちしている様は射的場のターゲットよろしく、撃てと言っている様にも見える。
実験は既に開始されている、撃ってしまって、それが命中しても文句は言われないだろう。
もっとも、それが当たればの話であるが。


        ファイア
ミサカ「……発射=v


ミサカは特に考えもなく手に持つアサルトライフルのトリガーを引く。
動かない一方通行に対する威嚇でなく攻撃の意味で、


バン!!


と軽い反動と共に発射される銃弾。
一発だけ発射された銃弾は一方通行の頬を掠める。
彼の異常なまでに白い肌を赤い液体が撫でるように流れ落ちる。


ミサカ「……」


一方通行「……」


無言のまま二人は睨み合う。
ミサカは一方通行を見つめ、一方通行はミサカを見つめ返す。


ミサカ「……どういう、つもりですかとミサカは問いかけます」


沈黙を破ったのはミサカ。
表情はほとんど無表情な彼女には珍しく『怒り』がはっきり見て取れた。


ミサカ「なぜ、動かないのですか!!」


ミサカは実験が開始されてからの一発目の発砲で感じ取ってしまった。
一方通行に、戦う意志が無い事を。
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:24:12.32 ID:7655NIm00
一方通行「……」


一方通行は返事もせずに、じっとミサカを見つめる。
瞳すら逸らさず、彼女をじっくりと、見定めるように、ただひたすらに見つめていた。


ミサカ「なぜ、答えないのですか……一方通行……」


ギリッとミサカは歯を食いしばる。
ミサカはこの一日の為に全てを賭けていたからだ。
生まれた理由は目の前の少年の為、そして自身の為。
一方通行の為に『生きて死ぬ』と誓った。
だが、一方通行は動かない。
戦う意志が無い、と訴えるように立って見つめるだけの彼の行動はミサカの立てた誓いを冒涜するものだ。


ミサカ「アナタは学園都市の『無敵』に興味は無いのですか?」


ミサカは知っていた。
クローン体として生まれてから一方通行と一番長い時間接してきていた彼女は
『一方通行』という人間に対して強い興味と関心を誘われた。
研究所の科学者に頼んで今までの経歴や所属している学校、年齢、体重
プライベート以外の知りえる全ての情報を頭に叩き込んだ。


ミサカ「超能力者であり、学園都市の第一位のアナタは何度も酷い目にあってきたはずです……」


その中で、彼女が目にしたものは、数多くの非人道的な実験の数々だった。
幼い頃に研究者に騙されて人殺し寸前までさせられた事
一歩間違えば一方通行自身が死んでいたような実験。
中には一方通行に関わった人間が被害にあったものも多かった。


ミサカ「この実験さえ終わればアナタは実験に参加する必要がなくなります」


誰も信用できず、信用させる事も出来ない一方通行に感じたものは『孤独』。
友人はいても、彼等が襲われる事に怯え深い関係になることも出来ない。
長い時間遊んだり、遊びに誘ったり、馬鹿なことを話して笑いあったりする日は極僅か。
その上、街を歩けば一位の座を狙う不良に目をつけられる。
だが、『無敵』になる事さえ出来れば、


ミサカ「『挑戦しよう』って思う事すら思われること無く、『調査しよう』とされる事もない」


誰も傷付く事の無い、平和な日常を送る事ができる。
学園都市はその意味をなくし、全ての学生がその役目を終える。


ミサカ「誰もが笑っていられる、そんな素晴らしい世界を見たくないのですか!!?」


一方通行は、『学園都市の実験動物』というしがらみから解放される。
その為になら、ミサカは彼女自身の命など、簡単に投げ捨てられる。


一方通行「ふゥン……」


そんな彼女の決意を、


一方通行「で? その素晴らしい世界にオマエはいンのかよ?」


一方通行は、『理解』するつもりは無い。
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:25:04.47 ID:7655NIm00
ミサカ「……え?」


一方通行「自己犠牲の精神は結構、アァ、すげェよ、俺には出来ねェよ」


パチパチ、と演説を聞いた後のように一方通行は拍手をする。
話しているから聞いてやろう、話し終えたから拍手くらいは送ってやろう程度の小さな拍手。
だが、


一方通行「でも、それで本当にオマエは救われンのか?」


そこに賞賛はあっても同意の意味は無い。


ミサカ「……ミサカは、この実験の為に造られたクローンです」


しかし、ミサカも自身の決意をブレさせるつもりは無い。
それが存在理由だからであり、その為に生きてきた。


ミサカ「実験の成功と引き換えなら、ミサカにとっては本望ですとミサカは意志を伝えつつ銃を構えます」


ガシャッと音を立て、ミサカはオモチャの兵隊を一方通行に向ける。


ミサカ「……戦闘を再開します」


ミサカはトリガーに指をかけた。
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:26:33.58 ID:7655NIm00
一方通行「……どォした?」


一方通行は倒れる事もなく、杖に支えられたまま立っていた。
傷も無い、回避をしたわけでも操車場に数多くあるコンテナでカバーをしたわけでもない。


一方通行「撃たねェのかよ」


ミサカがトリガーに指をかけたまま発砲しなかったからだ。


一方通行「撃たねェって事は、まだ俺に発言権が残されてるって事でいいンだな?」


ミサカ「……!」


ビクッとミサカの体が反応する。
顔を上げたミサカの表情はハッとした様な今まで一つ事だけを考えていたもの。
一方通行に言葉をかけられて、ようやく我を取り戻したように銃を握った。


ミサカ「―――――ッ!! 発射=I!」


そのまま、発砲する。
バン!! という発砲音を立てて、銃弾は一方通行に向かう。
そして、


ミサカ「あ……!!」


一方通行を、貫いた。
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:27:59.03 ID:7655NIm00
銃弾に貫かれ宙に浮いた一方通行の体がドサッと緩やかな音を立てて地に叩きつけられた。


ミサカ「……ア、アクセラ、レータ?」


ミサカは、一方通行の能力の詳細を知っている。
『ベクトル操作』、あらゆる物の向きを操る能力。
ミサカの発射した銃弾も例外ではない、一方通行に触れれば『反射』され、銃弾はミサカを貫いたはずだ。
一方通行が、能力を発動していれば、地に伏したのはミサカの方だった。


ミサカ「……どう、して?」


コンクリートで作られた地面に、一方通行の血が広がっていく。
銃を下ろし、呆然と一方通行の体を見る。


ミサカ「なん、で……、」


こんなの、何かの間違いだ、と思いながら。
目の前の転がっている少年は、学園都市最強の超能力者だ。
そんな最強の存在が、自分の様な、替えの効くクローン体の攻撃で死ぬなんて
笑い話にもならない、間違っている。


ミサカ「……一方通行、ご、め――――――」


……どこか、諦めたように言葉を搾り出した、瞬間、


一方通行「オマエ、どこに当たったかも確認してねェのかよ?」


死んでいるはずの少年によってそれは掻き消された。
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:29:26.40 ID:7655NIm00
ミサカ「……!!」


一方通行「……死ンでねェのがそンなに驚きか?」


ゆっくりと一方通行が体を起こしていく。
貫かれた『右肩』を押さえて、


一方通行「―――――安心しろよ俺は生きてるぜ」


痛みなど感じていないように笑った。


ミサカ「―――――なっ!!」


驚くミサカを無視して一方通行は言葉を紡ぐ。


一方通行「―――――今ので分かった」


それは、『宣言』、


一方通行「オマエは俺を殺せねェって事がな」


目の前の少女の『感情』と自身に対する行動の『確認』を終えた事の。
闇の奥底に身を沈めようとしている少女を救うためのヒーローとしての言葉だ。
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:30:39.41 ID:7655NIm00
ミサカ「な、にを……?」


バカな、と否定しようとした言葉は続かない。
ミサカは、一方通行を殺すつもりで銃のトリガーを引いた。
そう意思を見せなければ一方通行は『ミサカを殺さない』と思ったからだ。


ミサカ「言っているんですか? とミサカは問いかけます」


理解なんて出来るはずがなかった。
少年は確かに銃弾によって肩を貫かれた、それだけで攻撃の意志は充分に伝わるはずだ
ミサカが一方通行を狙って、それが単に外れてしまった、それだけの事。
一瞬、倒れた一方通行に向けて謝罪を向けようとしたのも、単純な罪悪感と喪失感が来たからだ。
恨みも無く人を殺せば、謝罪の一声も出るだろう。
なのに、


ミサカ「どうして、ミサカを殺さないのですか?」


どうして、少年は怒らず自分を殺さないのか。
ミサカの問に対して一方通行はハァッと溜息をついた。


一方通行「……殺す必要があンのかよ?」


当然のように問い返される。


ミサカ「戦って、下さい……」


懇願する。


一方通行「イヤだ」


拒否される。


ミサカ「お願いです、ミサカを、殺してください」


目の前の少年の為に懇願する。


一方通行「殺さねェ」


理解してもらえない、ならば、


ミサカ「アナタを、殺しますよ?」


もう一度、命の危機にさらすだけだ。
銃口を向ければ、一方通行は戦わざる終えないはずだ。
一度撃たれて分かっているはずだ。
次撃てば、少年は怒り狂い、ミサカはボロ雑巾の様に殺される。
そう考えている、ミサカを尻目に、


一方通行「殺せるもンなら殺してみろよ」


一方通行は一蹴する。
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:32:03.22 ID:7655NIm00
ミサカ「いい加減に……して下さい!!」


言葉尻が無意識に強くなる。
これ以上、少年の酔狂には構っていられなかった。
実験は既に開始されていて、時間も決まっている。
それを過ぎれば、一方通行も、ミサカ自身も処分されてしまうかもしれない。
使えない道具は、切り捨てられる。
ミサカは、一方通行に死んで欲しくは無い。
だから、


ミサカ「ミサカを生かして、アナタになんのメリットがあるのですか!!」


問いただす。
一方通行が何を考えているのか、何を思ってこんな事をしているのか。


ミサカ「殺したくない、それだけの理由ではないはずです!!」


少年は優しい。
優しいからこそ躊躇っているのかもしれない。
形あるものを潰す事を良しとしていないだけかもしれない。
だが、それだけの理由ではミサカを止める事は出来ない。
一方通行を解放する方法は彼女には実験しか考え付かなかったからだ
本来は優しくて、それを表に出せるはずだったのに、周りの環境が変えてしまったから
ぶっきらぼうに、本心を隠して生活していかなければならないなんて許せなかったから。
もっと、本来の性格を出して、生きて欲しいから。
……ミサカの意志は固い。
様々な事を教えてくれ、優しくしてくれた、きっと誰よりも本当は『善人』だったはずの
少年を救い出すためなら、彼女は自分の命など毛ほども惜しくは無かった。


ミサカ「アナタは、なぜミサカを殺さないのですか!」


だからこそ、『分からなかった』。


一方通行「理由なンざ、決まってる」


それ程の思いに対しての一方通行の答えはシンプルなものだった。


一方通行「オマエと一緒にいたいからだろォが」
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:34:18.17 ID:7655NIm00
ミサカ「……え?」


あまりにもシンプルな答えにミサカは思わず銃を下ろしてしまう。
ポカンとした表情は戦闘中だというのにその様はあまりにも間の抜けたものに映るのだが、それも仕方の無い事だった。
一方通行の言葉が、あまりにもシンプルすぎるものだからだ。
……そんなミサカの様子を見ながら一方通行は、言葉を続ける。


一方通行「俺は、オマエと一緒にいたい、こンな実験なンざせずにな」


一方通行「猫の世話して、外に散歩に行って、飯食って、寝て、会ったときに挨拶する」


一方通行「それが出来るだけで、いい」


実験開始までのミサカの生活のサイクルをつらつらと一方通行は述べる。
嬉しそうに、楽しそうに、その日々を、慈しむように。
本当に、それだけでいいと言う様に。


ミサカ「わけが、分かりません」


ミサカが首を横に振りながら言う。
それしか言葉が出なかった、という意味ではない。
一方通行に対して言った言葉でもない。


感情の奔流が、だ。


一方通行が一緒にいたいと言っただけで、胸の辺りが痛み
張り裂けそうなほど求めるように心臓が呼応する。
抑えられないほどの激流。
ミサカの固い意志すらも遠くに流してしまう程の激しい感情が体中を飲み込んでしまいそうな恐ろしく強い塊。
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:35:55.49 ID:7655NIm00
ミサカ「……ッ!!」


だが、まだとどまれる。
一瞬で起こった波は恐ろしいが、それで全てが砕けてしまうほどミサカの意志は弱くはない。


一方通行「オイ、どォした、大丈夫か?」


ミサカ「……ッ!!」


少しだけ、呻いてしまったらしく、それが聞こえたのか一方通行の心配する声がミサカにかかる。
その声が、とても安らぐものだったのが悪かった。


ミサカ「ぅぁ……」


心臓がさらに鼓動を早める。
痛い、痛い痛い痛いイタイいたいイタイいたいいたいイタイイタイイタいイタイ。


ミサカ「(あ……ああああああああああああああああああああああ!!)」


それを押さえ込めることに全力をかける。
こんなものはまやかしだ、と言い聞かせる。
ここは戦場で、命を賭けて戦う場所だ、こんな事をしていては殺される。
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:37:10.71 ID:7655NIm00
ミサカ「(ころ……される?)」


……殺される?
ふと、湧いた疑問。
誰に殺されるというのだろう。
目の前の少年は殺す意志どころか、戦う姿勢すらとっていない。
そもそも、死ぬ事を望んでいたのではないか。


ミサカ「(バカ、げています)」


迷う事なんてない。
銃を構えて銃を放てば、目の前の少年が死ぬか、ミサカが死ぬかのどちらかだ。
そうすればいい、そうすれば答えは見つかる。
実験が予定通り行なわれれば、一方通行は解放されるのだから。
普通の少年のように学校に行き、何者も恐れずに友人を作り、恋人をつくり、家庭を未来を作っていくのだろう。
―――――ミサカのいない、光ある未来を。


ミサカ「(ミサカは……そのた為に、いるんです……その、為に)」


歯を食いしばり、銃を構える。
最悪、自害でもすれば一方通行は踏ん切りがつくだろう。
一緒にいたいという物がいなくなれば、実験を止める必要が無いから。


だが、本当にそうだろうか。
一方通行は一緒にいたいという人物を失えば実験を進めるのか。


一方通行「……ミサカ」


ミサカ「……ッ!!」


気付けば一方通行がミサカの方に歩みだしていた。


一方通行「俺はオマエに傷ついて欲しくなンかねェンだよ」


杖をカツッと鳴らしながら、一歩一歩、確実に。
無防備に、だが、構えられている銃には目もくれず。


ミサカ「あ……ぅ……」


ミサカはその一歩に対して後ずさる。
銃を構えながら、しかし、トリガーを引くことも出来ず。


一方通行「オマエに生きていて欲しいンだ」


一方通行「それ以外には、なにもいらない」


ミサカ「――――――――ッ!」


ミサカの中で何かが爆発する。
冷静に判断する事が出来なくなる。
思考は徐々に近づいてくる一方通行をどうにかしないとという短絡的なものになり。


ミサカ「あ……」


結果、


ミサカ「ああああああああああああああああああああああああああ!!」


手に持った凶器を乱射した。
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:38:24.78 ID:7655NIm00
ダダダダダダダダダダ!! と音をたててオモチャの兵隊は銃弾を吐き出していく。
ミサカは目を瞑り、ただ乱射する。
それが目の前の事態と少年を簡潔に処理できる方法と判断してしまった為だ。


ミサカ「ああああああああああああああ!!」


音は止まらない。


ミサカ「あああああああああああああ!!」


まだ、止まらない。


ミサカ「あああああああああああ……ああぁ……う……あ」


音が止まり、同時に叫びも止まる。


ミサカ「……はぁ……はぁ……はっ……」


目を開けば、銃弾を受け、蜂の巣になった少年が、


一方通行「……気はすンだか?」


――――――いるはずだった。
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:40:35.47 ID:7655NIm00
ミサカ「あ……え……?」


視界一杯に広がるのは、ミサカと視線を合わした真っ白な少年。
血を吐いているわけでも、体中に穴が空いているわけでもない。
見知った表情で、見知った少年が、見知った少女を見つめていた。


ミサカ「……なん、で?」


銃が一発も当たっていない、と少女が問うと。
そりゃオマエ、と少年が答える。


一方通行「俺を狙ってねェからに決まってンだろォが」
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:43:20.86 ID:7655NIm00
ふわり、とゆっくり少女の視界が切り替わり、同時にカツン、と何かが地面に落ちる音がする。
見知った少年の表情は見えなくなり、全身が暖かくなる。


一方通行「オマエを一人では逝かせねェ」


一度も感じた事のない、ぬくもり。
心のどこかで求めていた、ぬくもり。


一方通行「オマエを傷つけさせはしねェ」


少年と少女がどちらも望んでいた、人のぬくもり。


ふと、少女がどうして、と声をもらす。


ミサカ「ミサカはいくらでも替えを作るの事の出来る模造品です」


少年が人のぬくもりを与えてくれる事が理解出来なかった。
なぜ、こんなにも必死の想いで自分の為に歩み寄ってくれるのか分からない。


ミサカ「ミサカは必要な機材と薬品があればボタン一つでいくらでも自動生産できるんです」


作り物の体に、借り物の心、単価にすれば十八万で作ってしまえる
『死ぬ事が生きると同義の人形』に、


ミサカ「どうして、アナタは、こんなにも……」


暖かく、抱きしめてくれるのか。
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:45:14.99 ID:7655NIm00
一方通行「……ンな小っせェ事情、俺には関係ねェ」


少年が小さな声で答える。


一方通行「それなら俺と一緒に過ごした日は何だってンだ」


一方通行「アレが、オマエの言う『模造品』が過ごす日常だって言うのかよ」


たった一ヶ月の短い期間での思い出。
食事をしたり、散歩に行ったり、ゲームセンターに行ったり、
そこの景品のぬいぐるみを抱きしめたり、子猫を飼ったり、


一方通行「その時にオマエは楽しいって思っただろ? もっと一緒にいたいって思っただろ?」


そんな風に感情を出せる、子猫一匹を見捨てられない優しい少女が傷つき死んでいくなんて許せない。
だから、と少年は続ける。


一方通行「十八万で作れるとか作り物の体とか借り物の心とか関係ないンだよ」
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:47:18.96 ID:7655NIm00















一方通行「オマエは世界にたった一人しかいねェだろォが!!」














732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 00:51:55.62 ID:7655NIm00










――――――全てを吐き出した少年は、そこで、力尽きた。









733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/22(火) 01:01:52.34 ID:7655NIm00
というわけで、今回はここまでです。
一通さンの戦いも次回で……?

因みに、ですが、一通さンは上条さンにボコボコにされてから
一切休んでないので正直ボロボロです、寝てませんし。

ミサカと一方通行は次回どうなるのか……
そんでもって上条さんは……?


……次回は、一通さンサイドの『最終回』になると思います。
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/22(火) 01:02:58.89 ID:7655NIm00
レス返し

>>696
oh……誤字指摘ありがとうございます……
相変わらず、大事なとこで誤字るんだよな……

>>697
イッチャダメ、ゼッタイ!

>>698
ヘタレ条さんにも味方が!

>>699
今までの行いのせいで……クソ!
せっかく株を取り戻せたと思ったのに!
まぁ、>>1の上条さんは どうあがいても、ヘタレ という事ですね、わかります

>>700-702
これはひどい連携。
そして説教返し……

そういえば、一通さンに嫉妬する上条さんってあんまり見たこと無いなぁ……
見てみたいなぁ……(チラッチラッ

レスありがとうございました!
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/22(火) 01:06:19.64 ID:CTRITeNpo
乙、更新ボタンか壊れそうだったぜ
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/22(火) 01:06:50.13 ID:0cypDmMJo


ところで「全てを吐き出して倒れた」って男だとなんかエロ(ry
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/22(火) 01:07:59.92 ID:0cypDmMJo
って「全てを吐き出した少年はそこで力尽きた」だよ畜生

まぁどっちにしろエロ(ry
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 01:10:46.37 ID:GBBvsMUDO
乙乙ー

ついにスレタイ回収か…胸熱
ミ…私も一方通行さんに抱き締められたいよぅ
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/22(火) 01:23:54.09 ID:gWk994/70
乙。全俺らが泣いた。そして全ミサカも泣いた。
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/22(火) 16:26:20.96 ID:Fn8NZ+Ydo
乙!
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/22(火) 21:10:41.19 ID:AUgr6Ibho
一方通行サイドではプロポーズまでしてるのにヘタレサイドの上条ぶりと言ったら…
742 :1 :2011/03/23(水) 23:03:55.93 ID:OyBm5n040
どうも、>>1です。
一通サイドの最終回(?)の投下を始めたいと思います。
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:05:52.83 ID:OyBm5n040
――――――――――


一方通行「(……)」


一方通行「(体が動かねェ)」


一方通行「(クソ……上条に殴られたのが今になって効いて来やがったのか?)」


一方通行「(それとも俺は、死ンじまったのか?)」


一方通行「(俺の言葉は、届かなかったのか?)」


一方通行「(…………)」


パタッ


一方通行「(……?)」


一方通行「(……つめ、たい?)」
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:07:05.27 ID:OyBm5n040
一方通行「……」


ミサカ「……」


一方通行「……よォ」


ミサカ「どうも、とミサカは挨拶を返します」


一方通行「オマエが目の前にいるって事はここは地獄でも天国でもないらしいな」


ミサカ「走馬灯かもしれませんよ?」


一方通行「走馬灯、ねェ……悪くない走馬灯だ」


ミサカ「……」


一方通行「けどまァ……そりゃ無いな、走馬灯なンかじゃねェ」


ミサカ「……何を根拠に?」


一方通行「走馬灯ってのはアレだ、今まで自分が体験してきた事のリピート現象だろ?」


ミサカ「内外二重の枠を持ち、影絵が回転しながら写るように細工された灯籠の一種というのが本来の意味ですが」


一方通行「揚げ足取りはいいンだよ……それはともかくとして……」


一方通行「……俺が言った方の走馬灯の、記憶の中にゃァ」


一方通行「オマエが泣いてる所なンて無かったからなァ」
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:08:37.65 ID:OyBm5n040
ミサカ「……泣いてませんよとミサカは否定します」


一方通行「そォか」


ミサカ「……これはアレです、雨、ですよ」


一方通行「そォか」


ミサカ「本日、八月二十二日の深夜の天気予報は雨でしたからねとミサカは報告します」


一方通行「……そォか」


ミサカ「勘違い乙、とミサカは一方通行をせせら笑います」


一方通行「分かったよ、これは雨なンだな、あァ分かったよ」


一方通行「俺はオマエの泣き顔なンて見てねェ、記憶にもねェ」


一方通行「……だから、見てないから、好きにしろよ」


ミサカ「……了解、しま、した、とミザガは返答じまず」


ミサカ「……ぅ」


ミサカ「……ッ」


ミサカ「……ッッ!!」


ミサカ「―――――――――――――――――!!!」
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:09:18.18 ID:OyBm5n040










――――――――――八月二十二日 PM 0:30 雨









747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:10:17.74 ID:OyBm5n040
一方通行「気はすみましたかァ、ミサカさァン」


ミサカ「何のことでしょうか、とミサカはしれっと答えます」


一方通行「……はン、目を真っ赤にして言う奴のセリフじゃねェなァ、オイ」


ミサカ「見てないって言ったじゃないですか!! とミサカは声を荒げます」


一方通行「アホかバカかオマエ、俺が見てないのはさっきまでメソメソしてた時間だけだ」


一方通行「もォ時間外なンだよ」


ミサカ「詐欺だ……とミサカは落ち込みます……」


一方通行「カカッ、これからは気をつけるンだな」
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:10:56.00 ID:OyBm5n040
一方通行「それはそうと……」


ミサカ「……はい、なんでしょう?」


一方通行「もォ実験についてはいいのか?」


ミサカ「……」


ミサカ「……ミサカは」


ミサカ「まだ、アナタの為に『生きて死ぬ』という気持ちは変わっていません」


一方通行「……オマエ」


ミサカ「ですが」


ミサカ「それはアナタと『一緒にいる』という意味であり、アナタと『一緒にいたい』というミサカの願いでもあります」


一方通行「……!!」


ミサカ「ミサカは、アナタと、大切な人と一緒にいたいです」


ミサカ「生きて、いたいです」
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:12:24.72 ID:OyBm5n040
一方通行「……ハッ、いいねェ、いいねェ」


一方通行「最ッ高に愉快に決まっちまってンじゃねェか!」


一方通行「最高だ、マジで……アァ、最高過ぎて目が眩ンできやがった」


一方通行「ちくしょう、何も見えねェよ」


一方通行「クソ……よかった……」


一方通行「……良かった」


ミサカ「一方通行……」
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:13:48.75 ID:OyBm5n040
――――――――――


ミサカ「……これからも、よろしくお願いしますね」


一方通行「アァ」


ミサカ「……」


一方通行「……どォした?」


ミサカ「あ、い、いえ……なんでもありませんよとミサカは慌てて否定します」


一方通行「もしかして、どっかケガでもしてンのか?」


ミサカ「していませんよ、ミサカは健康体です」


一方通行「待て、雨に当たりすぎて風邪ひいたンじゃねェだろォな!」


ミサカ「し、してません、あ、ちょ、近……」カァァ


一方通行「顔真っ赤じゃねェか!! 無理すンなって!」


ミサカ「ふ、ふ……」


一方通行「オイ……ハッ!! バカ、待―――――!!」





ミサカ「ふにゃぁー」バリバリバリバリ!!





一方通行「結局、こォいうオチかよォおおおおおおおお!!」
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/23(水) 23:14:34.43 ID:OyBm5n040
――――――――――同時刻 とある研究所


天井「……」ソワソワ


天井「……」ソワソワ


天井「……」チラッ


天井「まだ、一時前か……いや、もう終わった頃だろうか……」


天井「……」ソワソワ


天井「(今回の実験は私の今後を左右する大事な実験だ……)」


天井「(失敗は……許されない……)」


カツッ


天井「!!」


天井「だ、誰だ!!」


カツッ


ミサカ「……」
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/23(水) 23:17:21.59 ID:OyBm5n040
天井「……なんだ、〇〇〇〇三号か」ホッ


〇〇〇〇三号「……」


天井「そうだ、貴様に聞けばいいんだったな……」


天井「ミサカネットワークで第一次実験がどうなったか調べてくれないか?」


〇〇〇〇三号「ミサカネットワークの使用は禁止と言っていましたが、よろしいのでしょうかとミサカは確認をとります」


天井「構わん、実験の結果次第では、すぐにここを出て行くつもりだからな」


〇〇〇〇三号「……」


天井「おっと、他の個体に情報は洩らすんじゃないぞ……洩らせば……」カチャ

                   ショックランサー
〇〇〇〇三号「銃……銃弾は衝槍弾頭≠ニミサカは推測します……ミサカを処分するおつもりですか?」


天井「ミサカネットワーク内で情報をリークさえしなければ問題はない」


天井「貴様達はいくらでも替えが利くんだ、貴様が死んでも、二〇〇〇二号をつくればいいだけだ」


〇〇〇〇三号「……一つ、訂正しておきます」


天井「なんだ!!」





〇〇〇〇三号「ミサカの検体番号は〇〇〇〇二号ですよ、とミサカは衝撃の事実を暴露します」




753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/23(水) 23:18:00.25 ID:OyBm5n040
天井「……な、に?」


「ハッハッハァ! 相変わらず、冷静さを欠くと頭が回らねぇのな、天井くぅん」


天井「な……、貴様……」


木原「よっ、ひっさしぶりだねぇ、天井くぅん!」


天井「木原……数多!!」


木原「オォイ、俺は一応オマエの上司だぜ? その口の利き方はいただけねぇな」


天井「ふん! この前の会議で顔を出さなかった貴様はすでに上司でもなんでもない!!」


天井「用件はなんだ! 実験の停止なら無駄だぞ!」
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:18:54.92 ID:OyBm5n040
木原「あらら……こりゃマジで頭回ってねぇみたいだな」


〇〇〇〇二号「可哀想な人ですね……とミサカは哀れみます」


天井「……ぐっ、バカにしおって……!!」チャキ!


木原「落ち着けよ、んでもって教えてやる」


天井「……?」


木原「絶対能力進化実験だが……ありゃぁもう、全く意味の無い実験なんだなぁ、コレが」


天井「……ハ?」


木原「昨日、第七学区を中心に大規模な停電があっただろ?」


木原「あの時間、第七学区のとある場所で、能力者の喧嘩があったんだよ」


天井「……まて、まさか、あの停電は!!」


〇〇〇〇二号「……」


天井「貴様が……貴様等が起こしたのか!!」


木原「クク、さてどうだか? 停電の犯人も、喧嘩を起こした能力者も見つかってないらしいがなぁ」
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:20:17.32 ID:OyBm5n040
木原「さて、話を戻そうか」


木原「喧嘩を起こした能力者……停電の件については、警備員と風紀委員が捜査を行なっている」


木原「その捜査中に、見つかったのは変わり果てた、とある川沿いでした」


木原「かなり悲惨な状態にもかかわらず犠牲者は一人もいない……」


木原「だが、停電のせいで、カメラや直前の監視映像は止まってしまっていて犯人は見つからない」


木原「しかしなぁ、しかしだ、どこかで誰かは見てるもんなんだなぁ! コレが!」


木原「そのとある人物はこう言いました……」


木原「『学園都市最強の超能力者と学園都市最弱の無能力者が喧嘩していました』」


木原「その結果はと聞けば……」


木原「『……無能力者のほうが勝っていました』だとさぁ!」


天井「……な!!?」
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:21:36.38 ID:OyBm5n040
木原「学園都市で最強最強謳ってる超能力者は実はメチャクチャよわっちかったんだなぁ、うん」


木原「では……」


木原「その『メチャクチャよわっちい』超能力者が」


木原「二万人の妹達を殺したところで、本当に、絶対能力者なんぞになる価値があるのでしょうか?」


バン!!


木原「……お?」ツー


天井「……ハァ、ハァ、ハァ」


天井「……ふッ!!」


天井「ふざけるなぁああああああああああああああ!!」
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:22:56.90 ID:OyBm5n040
天井「なんだそれは!! バカらしい!!」


天井「そんなのは誤差の範囲かもしれないだろう……!」


天井「もしかしたら、第一位が反射できないような武器を使ったのかもしれない!」

               ツリーダイアグラム
天井「結局のところ、樹形図の設計者≠使えば、計算結果はでてしまうだろう!!」


天井「貴様のしている事は悪あがきだ……単なる時間稼ぎにしかならない!!」


天井「無駄なんだよ!! あの化け物を助けようったってそうはいかない!」


天井「残念だったなぁ!! 木原ぁああああああああああああ!!」


木原「……」


木原「……ハァ」


木原「あーあー……まぁそういうだろうとは思ってたけどよぉ」


木原「仕方ねぇなぁ……」


木原「……なぁ、天井くぅーん」


木原「その樹形図の設計者だけどさー」





木原「『樹形図の設計者情報送受信センター』がテロ行為で占拠されてたらどうしますかー?」




758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:24:21.83 ID:OyBm5n040
天井「……どういう、事だ?」


木原「ん? コレ見りゃ、理解、できるんじゃぁねぇか?」


天井「……?」


カツッ、カツッ


天井「……え?」


カツ、カツ、カツ、カツ、カツ、カツ、カツ


天井「――――――――――――な!!」
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:25:27.64 ID:OyBm5n040
ミサカ「天井博士の研究室に侵入しました、とミサカ〇〇〇〇三号は報告します」


ミサカ「続けて、侵入しますとミサカ〇〇〇十二号は報告します」


ミサカ「ミサカ〇〇二三四号も侵入します」


ミサカ「ミサカ〇三六五七号も」


ミサカ「ミサカ一四五九二号……」


ミサカ「ミサカ一七四六五号……」


ミサカ「ミサカ〇九五二〇号……」


ミサカ「ミサカ〇〇〇〇五号も遅れて到着しました」
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:27:57.60 ID:OyBm5n040
ミサカ「ミサカは」


                                       ミサカ「ミサカは」


                      ミサカ「ミサカは」


                                                              ミサカ「ミサカは」


        ミサカ「ミサカは」


                                       ミサカ「ミサカは」


                                                         ミサカ「ミサカは」


                ミサカ「ミサカは」


                              ミサカ「ミサカは」


        ミサカ「ミサカは」


                                                        ミサカ「ミサカは」
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:29:07.35 ID:OyBm5n040
ミサカ「ミサカ一九〇九〇号、そしてミサカ〇九九八二号は所定の位置でフォーメーションの指揮を執ってください」


ミサカ「と、ミサカ一〇〇三二号は指示します」


一九〇九〇号・〇九九八二号「了解しました、とミサカは所定の位置への移動を開始します」





全ミサカ「革命の時は来ましたとミサカはここに宣言します」




762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:31:17.45 ID:OyBm5n040
天井「……な、な……!!」


木原「総勢二万体の妹達……その一部、千体程度はここに集約している」


木原「残りの部隊は各々の情報系統の施設を占拠している」


木原「それは『樹形図の設計者情報送受信センター』も例外じゃぁねぇ」


天井「く、ぐ……いつの間に……ここまでの準備を、知られる事なく……」


木原「さぁて、いつだろうなぁ……オマエがこんなところに引き篭もっちまうから知らなかったんじゃねぇの?」


木原「ま、聞いたとしても、他の研究員は滞りなくとかしか言わねぇだろうしな」


天井「停電も……二万体の妹達の力を使って……か……!」


木原「第七学区のカメラを止めるだけならそこまでの数はいらねぇよ」


木原「だがまぁ、ご名答、その通りさね」


木原「さて……どうする?」
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:32:03.82 ID:OyBm5n040
天井「こんな事をして……統括理事会がただではすまさないぞ」


木原「そうだろうな、だがまぁ、俺達は別に学園都市の都市機能を停止させようってわけじゃない」


木原「その上、妹達については国際法に引っ掛かっちまうから事件を公にも出来ない」


木原「統括理事会がどうにかするんなら、暗部でもなんでも寄越してとっくに妹達を潰してる」


木原「それをしないって事は……上はこれを黙認しちまってるって事なんだよねぇ」


天井「……」


天井「……ふ」


天井「……ふふふふふ」


天井「ハハハハハハハハハハハ!!」
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:33:01.41 ID:OyBm5n040
木原「どうしたのかな、天井くん、追い詰められすぎて頭がおかしくなっちゃったのかなぁ?」


天井「……大した計画だよ、だがな、貴様は一つ見落としている」


木原「あん?」


天井「今私のいる場所がなんなのか……」


木原「……」


天井「打ち止め……そういえば分かるだろう」


木原「……ほぉ」


天井「ここは、私がいるこの部屋は、妹達の統率者へ信号を送る機材の部屋なのだよ!」


天井「そして、私は貴様が余裕ぶって話している間に、ある信号を送った!」


天井「分かるか? 『妹達の無差別攻撃』だよ、貴様も道連れにしてやる!」


天井「さぁ、攻撃しろ!! 殺せ!! 学園都市ごと、全て殺しつくせえええええ!!」





「それは無理……ってミサカはミサカは指摘してみる」




765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:33:59.83 ID:OyBm5n040
天井「……な」


打ち止め「……妹達のその命令は通させないってミサカはミサカは意思表示!!」


木原「検体番号二〇〇〇一号……検体名打ち止め=Aそんなもん把握してるに決まってんだろうが」


天井「バ、バカな……!! 私は、常に、見張って……」


木原「電撃使いの本質は電撃による攻撃じゃぁねぇ」


木原「電子機器へのハック、磁力を活用した移動、受身……キリがねぇ程使い道はある」


木原「欠陥電気について研究してるんだったら、これぐらいは知ってるはずだよなぁ……」


木原「もっとも……すでにそこまで考える余裕はなさそうだが……」
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:35:25.90 ID:OyBm5n040
天井「く……ぐぅ……ううううう」ガクッ


木原「絶対能力進化実験に執着してるのは残りはオマエだけだ」


木原「諦めろ、んでもってコツコツ借金を返すように真っ当に生きろ」


木原「死にたくなかったら、そっちのほうが頭のいい生き方だぜぇ?」


天井「………まだだぁ!!」


木原「……」


天井「まだ、私には……妹達を遠隔操作できる方法がある!!」


天井「打ち止めの頭に直接叩き込む電波ウィルスを、稼動させれば!!」


木原「あー……あー……」


木原「それについても対策は完璧だぜぇ、天井くん」
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:36:24.50 ID:OyBm5n040
天井「バ……バカな!! そんなわけがあるか!!」


天井「アレは、まだ誰にも情報を与えていない!!」


天井「対策を練るなど……不可能だ!!」


天井「現に、打ち止めも!」


打ち止め「……ミサカはなんとも無いよってミサカはミサカは首を傾げてみる」


天井「どういう……ことだ!」


木原「……うちのクソガキがよぉ、対策については作ってあったんだよなぁ、うん」


天井「な、にぃ!?」
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:37:07.06 ID:OyBm5n040
木原「芳川ぁ、見せてやれよぉ」


芳川「はい、博士」


天井「!!」


天井「芳川……貴様も、裏切っていたのか!!」


芳川「私は元からアナタの、実験の味方でも博士の味方のつもりも無かったわ」


芳川「……一方通行が用意した、作っていた対策は、コレよ」スッ


天井「なんだ……? 杖?」


芳川「あの子の能力妨害電磁波を遮断するジャミング装置を取り付けた杖よ」


天井「な!! 奴が電磁波の影響を受けたのは一ヶ月前、しかも一度だけだぞ!!」


天井「それを解析したというのか!!」


芳川「流石は学園都市最高の頭脳を持った学生……と言いたい所だけど」


芳川「彼は、私が話した、『統率者』という単語から推察したんでしょうね」


芳川「コレを見る限りミサカネットワークについても完璧に理解しているようだし……」


芳川「彼単独でミサカネットワークの原理を考察し、そして、あの子は考えた」


芳川「『自分と同じように電磁波を使って彼女たちを操られてしまうんじゃないか』ってね」


芳川「この杖の本質は、能力を補助するだけのものではなくなったわ……」


芳川「……『ミサカネットワークへ悪影響を及ぼす電磁波、及びウィルスの解析と消去』」


芳川「コレがこの杖の本来の使用用途に変わった」


芳川「彼、学園都市だけじゃなくて『世界最高の頭脳』の持ち主なんじゃないかしら?」


芳川「アインシュタインも目じゃないわね、きっと」
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:48:55.92 ID:OyBm5n040
天井「う、嘘だ!! たった一度で全てを解析して……対策を作り出すなんて!!」


木原「途中で作り直したもんだから、完成はしてなかったけどな」


木原「ま、元は完全に出来てたし、完成しきってるって感じだけど」


木原「アイツは自分の妨害電波に似たもんを誰かが作ることを予想してたんだろうな」


木原「んで、対策としてコイツを作った……」


木原「次は、この杖の小型化でも目指すんじゃねぇかな」


木原「……打ち止めがいるのを見越して」


木原「んで、完全に対策されちまった天井くんはぁ……?」


天井「嘘だ……こんな……」


木原「あらら……こりゃダメだね」


天井「……うぅ……く……う……」
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:52:17.89 ID:OyBm5n040
木原「さて、と……じゃぁ帰りますかねぇっと……」


芳川「……いいんですか? 放っておいて」


木原「もう、なにもする気力はねぇだろうしな……問題ねぇよ」


木原「ここの妹達も引き上げさせるぞ、ここは情報施設じゃねぇしな」


木原「そんでもって、手始めにここにいる妹達から『外』の協力期間で調整を受けさせる」


芳川「上が許可するでしょうか?」


木原「するだろ、そもそも『外』へ送り出すのが妹達の最終目標だしな」


芳川「え……?」


木原「あぁ、いや、なんでもねぇ……オイ、打ち止め、妹達を引き上げさせろ」


打ち止め「りょーかーい! ってミサカはミサカは早速指示を開始してみるー!!」


芳川「……あれで、本当に上位個体なのかしら……?」


木原「……手のかかるガキにしか見えねぇけどな」


木原「……さって、うちのクソガキも帰ってくるだろうし、さっさと帰るとしますかね」


芳川「あの子、なんて言って帰ってくると思います?」


木原「んー……」


木原「彼女が出来たぞ、クソ親父、じゃねぇの?」


芳川「絶対言いません、それ」
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:53:25.76 ID:OyBm5n040
〇〇〇〇二号「……」


打ち止め「どうしたの? 〇〇〇〇二号? ってミサカはミサカは心配しながら聞いてみる」


〇〇〇〇二号「……ミサカ達は、本当にここに生まれてきて良かったのでしょうか?」


打ち止め「そんなの当たり前だよってミサカはミサカは……」


〇〇〇〇二号「ですが、結局、ミサカ達は二万、二万一人作られてしまいました」


〇〇〇〇二号「急速に成長し、寿命もどれほど延ばせるのかも分かりません」


〇〇〇〇二号「一方通行は……それを悲しまないでしょうか?」


打ち止め「……」


打ち止め「ミサカ達は……本来、なんの感情も持つ事は許されなかった」


打ち止め「けど、開発段階で『感情』のデータを秘密裏に入力されて生まれる事が出来た」


打ち止め「……アナタは冷静に現在の事象を捉えていて、それを悩んでいる」


打ち止め「……あの人が、自分達のせいで苦しまないかを悩んでる」


〇〇〇〇二号「……」


打ち止め「ミサカ達が生きていいのか? なんて問に答えはきっとない」


打ち止め「でもね」


打ち止め「あの人はミサカ達が一生懸命に生きてくれる事をきっと喜んでくれると思うんだ!」


〇〇〇〇二号「!!」


打ち止め「全員のミサカがあの人と会えないかもしれないけど」


打ち止め「〇〇〇〇二号とミサカであの人に会って」


打ち止め「それで、あの人の楽しそうな、嬉しそうな、笑ってくれる姿を他のミサカに見せてあげようよ」


打ち止め「ってミサカはミサカは提案してみるんだけど……どうかな?」


〇〇〇〇二号「そう、ですね……彼に会って……」


〇〇〇〇二号「彼にミサカ達の生き様を伝えてあげましょう!」


打ち止め「うん! ってミサカはミサカは大賛成!!」



〇〇〇〇二号「……とりあえず、〇〇〇〇一号には抜け駆けされないように」ブツブツ


打ち止め「……(´・ω・`)?」


772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/23(水) 23:54:43.25 ID:OyBm5n040
――――――――――


天井「……」


「よぉ、負け犬」


天井「―――――垣根帝督、か?」


垣根「おう、学園都市第二位の垣根帝督様だぜ」


天井「……何のようだ、一体」


垣根「処理って言えば、分かるか?」


天井「私が何か上の連中に目をつけられる事をしたか?」


垣根「さぁてね、けどまぁ、今回の事でお前は裏を知りすぎたって事なんじゃねぇの?」


天井「裏を知る人間は他にいくらでもいるだろう」


垣根「中途半端な奴はいらねぇんだろうさ」


垣根「外部組織とも提携を取ろうとしただろ? 決め手はそれだと思うんだけどよ」


垣根「……まぁ、俺には関係ねぇ事だな」


天井「私は……こんな所で、死にたく、ない」


垣根「……安心しろよ、死体も、痛みも感じられねぇ様に殺してやるよ」


垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇからな、世界で初めての死に方、できると思うぜ?」


天井「う……うぅ……」


垣根「哀れだな、死に物狂いで行けば、一秒ぐらいは長生きできるかもしれねぇってのに」


垣根「つか、聞いてねぇか……」


垣根「……まぁ、あれだ、せめて安らかにってかぁ?」
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/24(木) 00:17:48.07 ID:HS4iCvo90
というわけで天井くんフルボッコの回でした。
ていとくんはノリで出しただけです、今後話しには関わってきません。

ミサカ尽くしはいかがでしてでしょうか?
原作よりも多い、総数二万一体のミサカ達ですが……
あれ? よく考えたら、一通さン原作上条さんよりもフラグ多く建ててね?

ま、まぁ、これで一通サイドは終了です。
次回からは上条さんサイドのクライマックスイベントです!


では!
774 :レスガエシ! :2011/03/24(木) 00:24:03.85 ID:HS4iCvo90
>>735
そんなに連打しなくても!!

>>736-737
……うっ、ふぅ……
全く、欲求不満なのかい?(キリッ

>>738
オマエ何番だ?
14510号か? 10033号か? 20000号か?
>>1は怒らないから言って見なさい

>>739
二万人超が泣いた……だと?

>>740
乙あざっす!

>>741
ヘタレサイドの上条ぶりといったら本当にどうしようも……
あれ? なんか変? あるぇ?

レスありがとうございました!
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 00:26:27.21 ID:OpBul0N1o
乙乙!
上条さんサイドもクライマックスだと・・・
一体どうなるのやら・・・
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/24(木) 00:28:05.50 ID:k6gIZjZbo
検体番号4桁の連中からもへn…淑女があらわれるかも知れんな
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/24(木) 00:32:04.53 ID:oK+tW5Loo
ここでは2万1人いるわけだから変t…淑女が全体の1%だとしても恐ろしい数に・・・ゴクリ
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 00:43:50.05 ID:kwYJEnRXo
ダメだ、ここの上条さんがカッコよくクライマックスに入る所が想像できないw
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 01:27:34.73 ID:BSe027mDO
乙ー

2万人のハーレムか…ゴクリ
ご主…一方通行の正妻の座を射止めるのはこのミサカです
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/03/24(木) 03:35:46.02 ID:9s8ZkXSg0
あのストーリーで一体どんな上琴展開されるのかね
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2011/03/24(木) 23:24:37.22 ID:MPB9Kl2Vo
上琴とか最早どうでもいいだろ
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/25(金) 01:06:25.70 ID:2UZrxJ2zo
乙!
一方さんが幸せになった良かった。
後はヘタレ上条さんだな。
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/25(金) 18:27:58.80 ID:P5bmImeho
これが親バカレベル5…学園都市最強のバカ親父か
784 :1とけいや(ry :2011/03/25(金) 22:36:34.78 ID:n8vsfHQW0
どうも、クライマックスに向けてテンション上がり中の>>1です。
投下をしていきたいとおもいまーす。
785 :今日は短いです [sage saga]:2011/03/25(金) 22:37:31.28 ID:n8vsfHQW0
――――――――――八月二十二日 PM 17:30 晴れ


上条「おーし、皆、準備はできたかー?」


インデックス「オッケーなんだよ!! 準備万端!!」


神裂「私も大丈夫ですよ」


ステイル「僕も、問題ない」


上条「よし、それじゃぁ、祭りの方に行きますかー」


インデックス「ムハー!! ついに来たんだよ!! 今から楽しみかも!」


神裂「ふふっ、そうですね」


上条「神裂も嬉しそうだな」


神裂「えぇ、日本での祭りに参加するのは十年振りくらいですからね」


上条「へぇ、そうなのか……浴衣とかは着ないのか?」


神裂「本当なら着たいのですが……やはり、動きやすい服装の方がいいと思いまして」


上条「……うん、まぁ、そうだとは思うけどさ、スゲーお前ら目立つと思うんだよね、俺」


神裂「そうでしょうか……?」


ステイル「どこからどうみても、怪しくない一般市民じゃないか」


上条「んなわけあるか!! インデックスとステイルは怪しさ満載のシスターと神父!」


上条「神裂にいたっては刀を引っさげてご登場だぞ!? 注目されるわ!」


神裂「否定は出来ませんね……しかし、武器を置いておくのも心配ですし……」


上条「魔術でなんとかなんねーのか?」


神裂「努力はしますよ、意識化から離す魔術を行使してみましょうか……」ウーム


ステイル「いっその事人払いでもするかい?」


上条「人いなくなったらますます怪しいだろうが!!」


インデックス「なんでもいいから早く、お祭りに行くんだよ!!」
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:38:17.82 ID:n8vsfHQW0
――――――――――PM 18:00


インデックス「……うわぁ〜〜〜〜♪」


ワイワイ、ガヤガヤ、ワイワイ、ガヤガヤ


ステイル「凄い人の数だね……僕は人ごみはあまり好きじゃないんだが」


上条「なら帰るんだな、お前はお呼びじゃねーよ」


ステイル「はぁ? インデックスをこんな所で一人にさせられるか!!」


上条「過保護だな……アイツだってそこまでガキじゃねーんだから……」


インデックス「かおり!! アレ!! アレが食べたいんだよ、タコヤーキ!!」


神裂「え? あ、インデックス! 待ってください! まだ二人が……!」


インデックス「ヤキソバ!! タコヤキ! どっちも欲しいかも〜〜〜!!」ダダッ!


神裂「イ、インデックス!? ちょ、ま……きゃっ!」コテッ!


上条「……」


ステイル「……」


上条「……インデックスと、神裂、どっちもしっかり監視しておこう目を離すんじゃねぇぞ」


ステイル「……了解」
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:39:02.18 ID:n8vsfHQW0
――――――――――同時刻


佐天「おっそいなぁー……御坂さんと白井さん……」


初春「何かあったんでしょうか……? 事件に巻き込まれたとか」


佐天「んー……カツアゲとかじゃあの二人が手間掛かるわけないしなぁ」


佐天「でも、どっちも困った人を見捨てる性質の人じゃないし」


初春「事件に首を突っ込んだ可能性もありますね」


佐天「ありえる……逆にそっちの方が可能性高いよ」
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:39:35.47 ID:n8vsfHQW0
佐天「……それにしても初春、よく今日の祭りにこれたね?」


初春「え? どうしてですか?」


佐天「だってさー、一昨日の大停電で警備員の人はすっごく大変そうだったじゃん」


初春「まぁ、あれだけ大きすぎると逆に学生には手伝ってもらうのは危険だって判断だと思いますよ?」


佐天「ふぅん……白井さんなんかは猛反対だったんじゃないの?」


初春「今回はむしろ喜んでたみたいですよ、御坂さんとお祭りいけるって事もありましたし」


佐天「なるほど……」


初春「まぁ、不良のくだらない能力使った喧嘩で御坂さんとの時間を削られるのは嫌でしょうしね」


佐天「楽しみにしてたもんね、始末書まで徹夜で終わらせて、大人しく過ごしてたくらいだし」


初春「ですね、あの白井さんが大人しくしてたくらいですから」


佐天「でもそれならもっと早く来そうなのに……ホントどうしたんだろ?」


初春「ですね、ちょっと心配に……」


佐天「うー……せっかくの夏祭りなのにぃ〜、二人がこないんじゃつまんないなー」


初春「さ、佐天さん、私といるとつまらないんですか!?」


佐天「なにいってんの? 初春はいて当たり前なの! むしろいないと調子狂っちゃうって!」


初春「あ、そういう意味ですか、びっくりしましたぁ……」


佐天「どんだけ心配性なんだねキミは、あたしは初春を見捨てたりはしないさ!」


佐天「なんてったって初春はあたしのお嫁さんになるんだからね!」


初春「そうだったんですか!!?」


佐天「じょ、冗談だよ、そんなマジにしなくても」


美琴「コラコラ、前にもやったような事で初春さんを困らせないの」
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:40:12.44 ID:n8vsfHQW0
佐天「あ、御坂さん! 遅いですよ〜、何かあったんですか?」


美琴「あはは……実は寮監のチェックが厳しくてさ、目を盗んで外に出るのが難しくって」


黒子「わたくしの能力を使ってなんとか掻い潜ってきましたの」


初春「寮って能力禁止じゃありませんでしたか?」


黒子「ルールは破る為にあるんですのよ、初春」


初春「とても風紀委員とは思えないセリフですよ、それ」


黒子「いいんですの!! そうでなければ、お姉様の浴衣姿は見られないんですの!!」


初春「結局は御坂さんのいつもと違う服装が見たかっただけなんですね……」


黒子「お姉様の浴衣姿は宝」キリッ!


初春「だめだこの人」
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:40:52.23 ID:n8vsfHQW0
美琴「佐天さんと初春さんも浴衣着てきたんだね」


佐天「ハイ、せっかくの夏祭りですからね! 風情ですよ風情!」


美琴「二人ともよく似合ってる、可愛いよ」ウンウン


初春「ありがとうございます、御坂さんも似合ってますよ」


佐天「ふふっ、だが初春はあたしがいないと浴衣を着れなかったんだがね」ニヤリ


初春「さ、佐天さん!! それを言わないで下さい〜〜!!」


黒子「まぁ、初春ならそんな事だろうと思っていましたが……」


黒子「お姉様なんて、浴衣姿に短パンですのよ、何を考えてるんだか……」ヤレヤレ


佐天「えっ? そうなんですか!?」


美琴「コ、コラァ!!! なにいってんのよ!!」


黒子「スカートならまだ致し方なしと広い心で許容しておりましたが」


黒子「流石にそれはナンセンスですの」


美琴「ベ、別にいいでしょ! 履いてないと落ち着かないんだから!」


初春「御坂さんは鉄壁ですね〜……」


佐天「初春も見習って履くかい?」


初春「そうしたら佐天さんはスカートめくりをやめるんなら」


佐天「ふっ……スカートめくりならぬ短パン下ろしを習得しなければならぬときが来たか」


初春「なんですか!? そんなに私の下着を見たいんですか!?」


佐天「今日も気をつけるんだね、浴衣だからといってめくれないという訳じゃないんだから」フフフ


初春「きょ、今日は佐天さんの後ろを歩かせてもらいますね……」


佐天「つれないな〜ういはるぅーん♪」


初春「普通です!! さぁ、早くお祭りに行きましょう!!」
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:41:28.12 ID:n8vsfHQW0
美琴「うわぁ……、人一杯来てるなぁ……」


佐天「あれ? 御坂さんは去年は来なかったんですか?」


美琴「あはは、行こうとしたんだけど途中で寮監に見つかっちゃってさ」


美琴「私が門限破るの前提だったからずっと見張られて行けなかったのよ」


佐天「あー……それはご愁傷様で……」


美琴「まぁいいじゃない、今年はこうやってオシャレして佐天さん達ともこれたんだし」


初春「白井さんは去年はどうだったんですか?」


黒子「あんまり覚えてませんわねぇ……」


初春「老……じゃなくて物忘れが激しいんですね白井さん」


黒子「初春? アナタが言いたい事分かっていますのよ?」


初春「……え? あははー、何の事ですか?」


黒子「とぼけてんじゃねぇですのぉ!! だぁれがボケ老人だぁああああああ!」


初春「そ、そこまでは言ってません〜〜〜〜!!」


佐天「あらら、初春……口は災いの元だよ、ねぇ、御坂さん」


美琴「……」ソワソワ


佐天「……御坂さん?」
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:42:17.44 ID:n8vsfHQW0
美琴「(……ア、アイツが誘ってきた用事って、今日の事だよね)」ソワソワ


美琴「(て、ていうことはデ、でぇとに誘われたと……)」


「……ん」


美琴「(ハッ!! ま、ままま、まさか、ア、アイツに限ってそんなわけが――――)」


美琴「(つ、つーか、何期待してんのよ……違う違う! 期待なんかしてないし!)」


「……か……ん」


美琴「(そりゃ誘われたのを断ったのは悪かったけど……で、でも……先だったのはこっちだったし)」


美琴「(あ、もしかしたら、アイツ誰かと来てるかも……)」


「み……か……さん」


美琴「(そ、それが他の女の子だったら……って!! なに不安になってんのよ!!)」


美琴「(アイツが誰と一緒にいようが関係ないわよね!! うん!!)」


美琴「(せ、せっかく黒子達と来たんだし楽しまなきゃ!!)」


佐天「御坂さん!!」


美琴「ふにゃぁ!!?」
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:42:49.59 ID:n8vsfHQW0
美琴「にゃ、にゃに佐天しゃん」


佐天「いや、さっきから呼んでるのに反応が無かったらどうかしたのかと」


美琴「そ、そうだった? ごめんね気付かなくて」


黒子「お姉様、最近ぼうっとしている事が多すぎませんか?」<イタイデスーシライサーン


美琴「そ、そんな事ないわよ? 私はいつも通りだと思うけど……」


黒子「黒子は心配ですの……」<イ、イツマデグリグリスルンデスカーー!?


佐天「風邪か何かですか? 夏風邪とかもありますし、疲れが溜まってるんじゃ……」


美琴「大丈夫だって! ホント!」


佐天「そうですか? ……うーんむ?」


黒子「……(まぁ、大体の原因は分かっているんですがね)」パッ


初春「あぅ、やっと終わった……」


黒子「……あぁーーームカツクーーーー!!」グリグリ!


初春「きゃあああああああああ!! し、白井さん!? わ、私が何かしましたか!!?」
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:43:19.25 ID:n8vsfHQW0
美琴「それよりさ、お腹空かない? もう六時過ぎだし」


佐天「そうですね〜」


初春「た、食べます!!」ガバッ!


佐天「どうしたの!? 初春のその元気!」ビクッ


初春「今年の夏祭りではちょっと有名なところのクレープ屋台が出店で出るらしいんですよ!」


佐天「そんな情報一体どこから……」


黒子「屋台のものは総じてあまり美味しくないと思うんですの……」


初春「そこはそれ、海の家で食べるヤキソバが美味しく感じてしまうのと同じですよ!」


初春「もし口に合わなくても精神論でなんとかなります!!」


初春「なんとしても、いちごおでんスペシャルを食べないと!!」


黒子「地雷臭がハンパないメニューですの、それよりもっとヘルシーな」


美琴「アンタ、なんでそんなに……あ、ダイエット中だったっけ?」


黒子「ギクッ……!」


美琴「やっぱり……今日ぐらい大丈夫よ」


黒子「で、ですがお姉様、体重が一キログロムでも増えるのはかなり重要ですのよ」


美琴「そんな、甘いものを一回食べるだけでたくさん太るなんて気にしすぎよ」クスクス


佐天・初春・黒子「(この人にはきっと一生分からない苦しみなんだろうな……)」


美琴「??」
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:43:52.22 ID:n8vsfHQW0
美琴「え、えーっと……私変なこと言った、かな?」コクビカシゲ


佐天「(天然ボケだ……でも、くやしいけど可愛い!)」


黒子「お姉様、お姉様の発言は全世界のダイエット女性を敵に回す発言ですのよ」


美琴「え? ぜ、全世界って……大げさな……」


初春「ま、まぁ、横に伸び始めた白井さんの嫉妬はともかくとしてクレープ食べましょう!」


黒子「……!!」ピクッ!


佐天「う、初春、それはまずいと……」


初春「……へ?」


ガシッ!!


初春「!!」


黒子「うーいーはーるぅー? アナタ、まだ懲りてないみたいですのねぇ……?」


初春「ハッ! し、ししししまった!」


黒子「こんの、腹黒女があああああああああああああああ!!」ジャッジメントデスノー!


初春「きゃああああああああ!!」
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:44:21.85 ID:n8vsfHQW0
初春「うぅ……お花が、お花畑が見えますぅ……」シクシク


黒子「己は常にお花畑だろうがぁー!」ウガー!


初春「ひぃぃい! こままじゃ散っちゃいます!!」ウキャー


佐天「ありゃりゃ、自業自得とはいえ、流石に可哀相だなぁ」


美琴「仕方ないわね……」ハァ


美琴「黒子、アンタ、初春さんが言ってたクレープ屋さんに行ってクレープを買ってきて」


黒子「え!? お姉様!? どうして!」


美琴「初春さんも言い過ぎたかもしれないけど、アンタもアンタでやりすぎ!」


美琴「お金は私が払うから、アンタは足使って頭を冷やしてきなさい」


黒子「て、空間移動禁止ですの?」


美琴「はい、これサイフね」


黒子「あ、あの……」


美琴「何か文句がおありで?」


黒子「い、行って来ますの!!」シュタッ!


美琴「私達は近くの広場で待ってるから、早く行ってきなさい」


黒子「ハ、ハイデスノー!」ダダッ
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:45:56.01 ID:n8vsfHQW0
――――――――――広場 PM 18:20


美琴「黒子、おっそいわね……」


佐天「屋台が混んでるんじゃないですか?」


美琴「見てこようかしら……」


初春「あ、それなら私が見に行きます!」


美琴「いいわよ、ここは私が行くから」


初春「い、いえ、白井さんが買いに行く事になったのは私のせいでもありますから」


美琴「気にしない気にしな――――――」


ドンッ!


美琴「きゃっ!」


「きゃぁっ!」


佐天「だ、大丈夫ですか?」


美琴「う、うん、大丈夫……」


初春「大丈夫ですか?」


「問題ないかも……」


「あーーーー!! こんなとこにいやがったな!!」


佐天「ん?」


「と……なにぶつかってんだお前は! す、すみませんねうちの方向音痴が!」


美琴「い、いえいえ、お気になさら……ず?」


美琴「ア、アンタは!!」





上条「あ、あれ? 御坂?」




798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:46:56.17 ID:n8vsfHQW0
佐天「あれ? 御坂さん、知り合いですか?」


美琴「え? あ、まぁ、知り合いって言えば、知り合いのような」


初春「あ、あれ? 上条さんじゃないですか!」


上条「初春さんじゃねーか、その節はお世話になったよ」


美琴「……えっ?」


佐天「初春もこの人の事知ってるの?」


初春「え、えぇ、まぁ……その子の保護者さんを探すのを手伝ったんですよ」


インデックス「その子じゃなくてインデックスっていうんだよ!」フンス


佐天「も、目次? ……それはともかく保護者って迷子の子なの?」


初春「はい、詳しい事は聞いてませんけど保護者が分からないから探してくれって」


美琴「迷子? この子はコイツのホームステイでの……」チラッ


美琴「……」


上条「……」


美琴「嘘だったわけね……」
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:47:38.97 ID:n8vsfHQW0
上条「な、なんの事でございましょうか、御坂さん」


美琴「誤魔化すなぁ!! やっぱおかしいと思ったのよ!」


美琴「アンタが外国の人とどこかでお近づきになったっていうの、胡散臭すぎよ!」


上条「な、なんですとぉ!? 上条さんがホームステイして何が悪いってんだ!」


美琴「嘘をつくのが悪いって言ってんの!!」


美琴「アンタ、ステイル……さんのも嘘でしょ!!」


上条「し、知りません、上条さんは何も知りませんのことよ!」


美琴「まだしらばっくれるのか!! アンタはぁ!!」ビリビリ!!


上条「うわぁ!! ビリビリはしまえって! ここは俺みたいなのの集まりじゃねぇんだぞ!?」
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:50:02.66 ID:n8vsfHQW0
ステイル「ところでキミはカキ氷の屋台の場所を知らないかい?」


佐天「カ、カキ氷? それなら向こうに……ステイルさん達が来た逆側にありましたよ?」


ステイル「ふむ、そうか、悪いね」


ステイル「インデックス、こっちにカキ氷があるそうだよ」


インデックス「!」ピクッ!


初春「? どうかしたんですか?」


インデックス「ごめんねかざり、今、私をカキ氷が呼んだんだよ」


初春「……は?」


インデックス「かおり!! ステイル! 買いに行こう!!」ダダッ!


神裂「あ、あまり走ってはいけませんよ!」テテテ


ステイル「やれやれ……」スッ


佐天「あ、あれ? あの人はいいんですか?」


ステイル「あぁ、放っておいてくれても構わない、奴は奴で目的を達成するからね」


佐天「も、目的?」


ステイル「それじゃ、僕達は行くよ」


佐天「な、なんだったの? あの人達」


初春「……さ、さぁ? (結局あの子が何者か聞けなかった……)」
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:50:35.28 ID:n8vsfHQW0
佐天「まぁいいや、外国の人の考える事は分からんし……」


初春「御坂さんの方が気になりますか?」


佐天「よく分かったね初春!! 見てみたまえよ、あの二人を!!」


初春「……」


上条「そ、そういや偶然ですなー」


美琴「だから何よ」


上条「い、いや、上条さん、御坂さんと会えて嬉しいなーなんてー」


美琴「な!! 何言ってるのよアンタは///!!」


初春「……」


初春「御坂さんが乙女の顔をしてますね、さっきまで怒ってたのに」


佐天「ね? これは事件ですよ!」


初春「何がですか?」


佐天「御坂さんの片想いの相手が判明した事だよ!! 鈍いよ初春!」


初春「えー……」
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 22:59:24.88 ID:n8vsfHQW0
佐天「なんか反応薄いね、初春」


初春「……あんまりぱっとしてませんよあの人」


佐天「うん、そうだね」


初春「それに胡散臭いですし」


佐天「そ、そう?」


初春「ぜんっぜん、王子様っぽくありませんよ!!」


佐天「それが一番の理由だよね!?」
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 23:00:02.69 ID:n8vsfHQW0
初春「当たり前じゃないですか!! 御坂さんの片想いですよ!?」


初春「お嬢様ですよ!! もっとこう……白馬に乗ってるような……」


初春「そんな感じですよ!」


佐天「意外とメルヘン思考なのね、初春は……」


初春「メ、メルヘンじゃありませんよ!!」


佐天「私的には、御坂さんは自分を一人の女の子としてみてくれるタイプの人がいいと思うんだよね」


佐天「あの人、内面がいいんだよ、外面は普通でも、いざとなったら超イケメンなんだよ」


初春「そうですかね……まぁ、御坂さんの好みは私達とは違いますもんね」


佐天「うん、私と初春も違うからね、一応言っとくけど」
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 23:00:57.39 ID:n8vsfHQW0
佐天「それはいいんだよ、それでさ」


初春「……また何かたくらんでますね?」


佐天「バレタか……簡単な話し、二人っきりにさせようよって事なんだけど……」


初春「それはもう、あの反応を見て大賛成ですけど白井さんはどうするんですか?」


佐天「初春が食い止めるんだよ、なんか適当な理由作ってね」


初春「……えぇ!? そんな、無理ですよ!」


佐天「頑張れ! ホラ、白井さんが来たよ!!」


初春「えっ!」


<オ、ネエ、サマァァァン


初春「うわぁ! 凄い恥ずかしい! 大分機嫌直ってますし!」


黒子「あら、初春、戻ってきましたのよ」


初春「はやっ!!……と、し、白井さん!! 御坂さんがヤキソバ食べたいって言ってましたよ!」


黒子「それが?」


初春「買ってきてくれたら、御坂さんが好きなことしてあげるって!!」


黒子「なぬぅ!? それは本当ですの!?」


初春「はい!! なんでもって!」


黒子「な……なんでも……」
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 23:01:53.27 ID:n8vsfHQW0
――――――――――黒子の脳内


美琴『黒子……』


黒子『お、お姉様、こんなところで……ダメ、ですのぉ』


美琴『何言ってるの? 私と黒子の仲じゃない……』


黒子『あ、ん……やぁ……!』


美琴『ふふ、いやと言っても体は素直じゃないか……今日は可愛がってあげるからね』


黒子『お姉様……あ、あああああああああああああああああ!』


――――――――――


黒子「黒子の、黒子の愛をやっと受け取ってくださったんですのね!!」


黒子「げへ、うへへへ」


黒子「初春」


初春「……は、はい?」


黒子「わたくしは今から自分自身の為、戦ってきますの……」


黒子「ヤキソバの列は大変渋滞しておりましたが、必ず届ける、そうお姉様に伝えてくださいな」


初春「はぁ……」


黒子「では、行って来ますの!!」


黒子「わぁぁぁぁがよのはあああああるがきたあああああああああああ!!」


初春「……」


初春「……(チョロイですね)」
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 23:02:48.79 ID:n8vsfHQW0
上条「とりあえず、嘘をついてた事は謝るよ、ごめんな」


美琴「べ、別に、いいわよ……アンタだって事情があったんだろうし」


上条「分かってくれて助かった、それじゃ俺はインデックス達と祭りのほうに……」


美琴「どうかしたの?」


上条「いや、おかしいな……アイツ等がいないんだが……」


美琴「えっ? 嘘? あれ?」


上条「どうした?」


美琴「佐天さん達が……いない」


上条「えっ?」


美琴「……」


上条「……」


上条・美琴「もしかして……」


上条・美琴「はぐれた?」
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/25(金) 23:10:13.15 ID:n8vsfHQW0
というわけで今回の投下は終わりです。
上琴? 次回で当分摂取してよね! バカ!
まぁ、今回は短めに、クライマックスへの準備なので
あんまり重要じゃない


むぎのん「関係ねえよ!! カァンケイねェェんだよォォォ!!」


とか


ほむほむ「その必要は無いわ」


的な話なので、読み流してくださって結構です。






最近ほむほむが可愛くて仕方ない、くっ、俺は、美琴一筋だったはずなのに!
禁書関係ないネタつかってゴメンナサイorz
では。
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 23:11:48.49 ID:vbk6Ibd/o

うん、そこではぐれたって発想になるのがとても2人らしいようん
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/25(金) 23:16:42.74 ID:jpQBcjmYo
>>808
同意
なんつーか 流石だww
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/25(金) 23:17:10.62 ID:n8vsfHQW0
レスがえし

>>775
すぐにわかるはずだぜいb

>>776-777
201人のへn、淑女とかマジ勘弁。

>>778
それもまぁ仕方の無い事です。
今までが今までだったしな!(キリッ

>>779
オマエ10033号だろ?
前もいったけど言えば怒らないから、正直に言いなさい。

>>780
ベタに夏祭り攻めという……。

>>782
上条△といわせるためにセリフとか説教とか
読み直しとか云々……

>>783
木原くンは、うん。
崩壊ってレベルじゃないけどね、うん。
>>1はカッコイイ親父は好きです……ヒロシみたいなな!!


レスありがとうございました!!
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 00:28:47.57 ID:X5AOPpqso
乙乙
>>1がほむほむに浮気してる隙に美琴は貰っていきますn・・・アレ、なんかツンツン頭の男がこっちにkうわなにをするやm
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/26(土) 03:02:09.83 ID:jnbUp8C6o
上条さんはバイオリンでも弾いてればいいんだ
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/26(土) 04:05:58.21 ID:XGWw6gNv0
乙です

黒子「類人猿がァお姉様に告白できるわきゃあねーだろォー!!!!」
……何故か黒子が御大将ヴォイスで再生されたんだ………。
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/03/26(土) 05:03:46.09 ID:rN3rqCnW0
黒子「お前、今お姉様の名前を言ったなぁ?戦場(私の前)でなぁ、お姉様の名を言うのは、瀕死の甘ったれた類人猿の言うセリフなンだよォ!!!!」
>>813
あれ?俺がいる
へへっ、やっぱ小生って(ry
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/26(土) 11:00:05.92 ID:08V+tLuP0
次回までにブラックコーヒーたくさん買っておくか...
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/27(日) 00:08:54.32 ID:uxLpd7VK0
次回投下で糖尿病になったときのためにインシュリン用意しとこう……
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/27(日) 01:26:08.94 ID:ZpzGI+1Co
乙!
続きをwktkして待ってます!
818 :1です :2011/03/28(月) 23:39:44.53 ID:uqzN7/TM0
どうも、この時間ですが、投下をして行きたいと思います。
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:40:26.71 ID:uqzN7/TM0
美琴「ど、どうしよう! いなくなっちゃった!」


上条「お、落ち着け御坂! ケータイを使って連絡とれって!」


美琴「あ、そうか……えと」ピッ


美琴「……」


美琴「で、出ない……!」


上条「マジかよ……誘拐とかじゃねぇだろうな」


美琴「そんな! ……ん?」


上条「どうした?」


美琴「メールが……」


美琴「……」


美琴「……ぁぅ///」プシュゥ


上条「な、なにが書いてあったんだ!?」


美琴「ふぇ!? ぁ、な、何でもないわよ!」


上条「それじゃ、何が……」


美琴「わ、私とははぐれちゃったけど私の後輩と合流できたみたいだから大丈夫ですって書いてあっただけよ!」


上条「そっか……」
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:41:09.31 ID:uqzN7/TM0
美琴「そ、それよりアンタは、連絡とらなくてもいいの?」


上条「あ、そうだな」


上条「……」


美琴「どうしたのよ?」


上条「……いや、そう言えば」


上条「俺アイツらの連絡先知らねぇや、と」


美琴「はぁ!? 何でよ!」


上条「そ、それは……」


上条「(お前の連絡先聞くので必死だったなんて言えねーよ!)」


上条「その……」


美琴「もういいわ、知らないなら仕方ないし……」


美琴「わ、私が手伝ってあげるわよ!」


上条「え?」


美琴「私がアンタの人捜しの手伝いをしてあげるっつってんの!!」


上条「えぇっ!?」


美琴「何よ、不満なわけ?」


上条「そういうわけじゃねぇけど……」


上条「……」


上条「(は、端から見たらデートだよな、それ……!)」


上条「い、いいのか? 手伝ってもらって」


美琴「いいわよ、困ったときはお互い様でしょ?」


上条「そう、だな……」


上条「(デート、デート……御坂と、デート!)」


美琴「それじゃ、行きましょ」


上条「お、おう! よろしくお願いします!」


美琴「え、うん、よろしく」
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:42:46.02 ID:uqzN7/TM0
上条「わ、悪いなせっかく祭りに来たのに」


美琴「だから、私がいいって言ってるんだから気にしないの!」


上条「そ、そうだな……」


美琴「それで? どこから探す?」


上条「え? うーん、屋台全般からかな」


美琴「妥当なところね……そこから捜しますか」


上条「(ぶっちゃけ見つからなくていいんだけどな……ステイルとかついてるだろうし)」


上条「(それに)」チラッ


美琴「どこかなぁ?」キョロキョロ


上条「(浴衣の御坂、すげぇ可愛いから離れたくねぇ)」ドキドキ


上条「(制服とは違うもんな……ギャップもあるし……)」


上条「(目の保養だ)」


美琴「コラ!」ビシッ


上条「あだっ! な、なんだよ?」


美琴「アンタ、さっきからぼうっとしすぎ! 捜す気あんの?」


上条「悪い、御坂の事考え……あ」


美琴「な、ななななに言ってんのよ!」


上条「へ、変な意味じゃないぞ!? い、いつも服装が違うなーって思ってただけだから!」


美琴「えっ? ぁ、そうよね、うん」


上条「……? (誤魔化せたのか?)」
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:43:29.78 ID:uqzN7/TM0
美琴「……ね、ねぇ」


上条「うん?」


美琴「そ、その……」


上条「なに?」


美琴「浴衣、似合ってる、かな?」カァッ


上条「――――ッ!」ドキ


美琴「……へ、変?」


上条「……いや! んな事はねぇよ! その……」


美琴「……」


上条「に、似合ってると、思うぞ」


美琴「ほ、ほんと?」


上条「なんでそんな事で嘘つかなきゃいけないんだよ、似合ってるし、可愛いと思うけど」


美琴「……か、可愛いって」


上条「(あれ? なんかまずったか?)」


美琴「あ、ありがと……」カァァ


上条「お、おう(ちくしょう、可愛いな)」
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:45:17.24 ID:uqzN7/TM0
美琴「いきなり、変な事聞いて悪かったわね」


上条「別に気にしてねーよ」


美琴「……そうしてくれると助かるわ」


美琴「さっインデックスを捜しましょ」


上条「あ、その事なんだけどさ……」


美琴「ん? なんか心当たりでもあんの?」


上条「そうじゃなくてさ、その……」


上条「祭りの方を優先しねぇか?」


美琴「え……?」
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:46:12.31 ID:uqzN7/TM0
美琴「ど、どういう事よそれ!」


上条「インデックスはさステイルとかが一緒にいてくれてると思うし」


上条「それに……」


美琴「それに?」


上条「み、御坂と祭りを廻りたいなぁなんて……」


美琴「な……」


上条「メールでさ、誘っただろ? 良かったら……でいいんだけどさ」


美琴「……」


上条「もちろん、お前が友達を捜すって言うんなら、俺は手伝う」


美琴「わ、私は……」


上条「つか、こんなまどろっこしい誘い方じゃ迷うよな」


美琴「えっ?」


上条「御坂、俺で良ければ、デートしてくれないか?」


美琴「ふぇ!?」
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:47:16.20 ID:uqzN7/TM0
美琴「デ、デ、デート?」


上条「あぁ、デートだ、男女で遊びに行くんだし、それで間違いないだろ?」


美琴「そ、それは……そうだけど……」


美琴「(ど、どうしよう)」


美琴「(こういう風に誘うって事はコイツは私のこと好きって事!?)」


美琴「(そ、そそそんなハズないわよ、コイツが私の事、好き、なんて)」


美琴「(……で、でも、私はコイツといれる、のは)」


美琴「(な、なに考えてんのよ、私! 私はコイツの事なんてこれっぽっちも!)」


美琴「(あれ? どう思ってたっけ?)」


美琴「(嫌いじゃない……けど……)」


美琴「ぁぅ……」プシュウ


上条「……(なんか凄い悩んでるな……)」
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:48:18.04 ID:uqzN7/TM0
上条「御坂」


美琴「えっ、あっ、なに?」


上条「嫌なら断ってくれてもいいからな」


美琴「えっ……」


上条「俺が御坂とデートするなんて身の程知らずだよな」


美琴「そ、そんな事」


上条「御坂の友達、捜そうか」


美琴「(やだっ!)待って!」


ギュッ


上条「……御坂?」


美琴「あの……その……」


美琴「……い、今まで世話をかけた分もあるから、デ、デート、してあげる」


上条「……」


美琴「か、勘違いしないでよ! ア、アンタとデートしたいからじゃなくて、仕方なくなんだからね!」


美琴「今までの借りを返すためだから!」


上条「無理しなくても、いいんだぞ?」


美琴「無理なんかしてない!」


上条「本当にいいのか?」


美琴「いいって言ってるでしょ!」


美琴「ホラ! 行くわよ!」グイ


上条「あ、おい!」


美琴「ちゃんとエスコートしなさいよね!」


上条「じゃぁ引っ張らないでくださいよ!?」


ズルズル……
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:49:14.60 ID:uqzN7/TM0
上条「さて、と……で、どうしようか?」


美琴「そうねぇ……」


上条「ボール掬いに金魚掬い、射的に投げ輪、お面屋さん、あと屋台、色々あるけど……」


美琴「アンタはなにかやりたいものないの?」


上条「上条さんは不幸なのでやりたいもの、買いたいものは大抵出来ないんですよ」


美琴「ふぅん……」


上条「信じてないだろ」


美琴「そんな事ないわよ、アンタがやりたいの言わないから私が考えてあげてんの」


上条「さようで……」


美琴「……」


上条「……?」
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:50:13.69 ID:uqzN7/TM0
上条「射的、やりたいのか?」


美琴「えっ、ま、まぁね」


上条「何か取りたいのがあるんなら、やって来いよ、見てるからさ」


美琴「うん……あれ?」


上条「?」


美琴「サイフが……ない」


上条「なんだそれ、寮にでも忘れてきたのか?」


美琴「後輩に貸してたのよ」


上条「仕方ねーな、金の方は出してやるよ」つサイフ


美琴「いいの?」


上条「(インデックスの胃袋に消えるよりはマシだしな)」


美琴「よ、よし! 待ってなさいよ! ゲコ太ぁ!」


上条「……(なぜかいやな予感が……)」
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:51:54.28 ID:uqzN7/TM0
―――――数十分後


美琴「うぎぃ! どうして……当たってるのに落ちないのよ!!」


上条「あの、御坂さん?」


美琴「おじさん! もう一回!」


おじさん「威勢がいいねぇお嬢ちゃん!! ほら、弾だよ!」


美琴「ようし……、今度こそとってやるわよ!!」


上条「ちょっとお待ちになってくださいよ姫ぇええええええええ!!」


美琴「なによ!! ゲコ太が待ってるんだから! 止めないでよ!」


上条「オマエ、あのぬいぐるみの為にいくら使ったと思ってんだ!?」


美琴「知らないわよ……、いくら?」


上条「二千円だよ!! に・せ・ん・えん!!」


美琴「そんなにやってたっけ?」


上条「やってたよ! ……ちょっと銃貸してみなさい」


美琴「……なに? とってくれるの?」


上条「こう見えても運ではなく技術のいる分野は努力して何とかする性質なのでね」


上条「スーパーのくじ引きは当たらなくても、射的ならコツを抑えれば多少はなんとかなるんですよ!」


美琴「……ふぅん(ゲーセンのシューティングと何が違うのかしら?)」


上条「おっさん! 次は俺がやる!」


おじさん「おぉ! 次は彼氏の番かい、オマケにしといてやっからいいとこみせなよ!」


美琴「か、彼氏って///」


上条「任せろぉ!」←聞こえてない
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:55:35.77 ID:uqzN7/TM0
――――――――――五分後


美琴「うぅー、可愛いー!」モフモフ


上条「はっはっは、上条さんにかかればこんなもんですよ!」


美琴「ゲコ太〜〜〜♪」スリスリ


上条「いやー良かったな御坂さぁん」


美琴「えへへ……今日はきるぐまーと一緒に寝ようねー」


上条「……」


美琴「ホントに可愛いなぁ」モフモフ


上条「(とったのは俺なんですが……なんだこの疎外感)」ズーンorz


美琴「あ、そうだ」


上条「……ん?」


美琴「ありがとね」ニコッ


上条「!」


美琴「あんなに時間かけちゃったのに、この子をとってくれて……ってどうしたの?」


上条「い、いえいえ、上条さんは御坂さんが嬉しそうで何よりですよ!」


美琴「そう? なんか顔が赤いけど、大丈夫?」


上条「だ、大丈夫、オーライッ! 問題なし!」


美琴「変な奴……?」
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:57:31.87 ID:uqzN7/TM0
上条「し、しっかし、御坂はそういうのが好きなのか?」


美琴「そういうのって何よ、この子にはゲコ太っていうちゃんとした名前があるんだから」


上条「……有名なキャラクターなのか?」


美琴「まさかアンタ、ゲコ太を知らないの!!?」


上条「い、いや、だって、カエルに髭が生えただけだろ?」


美琴「信じらんない!! こんなに可愛いのに!?」


美琴「この可愛さも分かんないほどアンタはおっさん思考なわけ!?」


美琴「ゲコ太はねケロヨンの隣に住んでいるおじさんで乗り物に弱くゲコゲコしてしまうからゲコ太って呼ばれてるの」


美琴「で、その設定のせいでジェットコースターとか車、電車にだって乗れない可哀想なカエルさんなのよ!」


上条「えー……(その設定は本当にラヴリーミトン系のキャラの設定なのか?)」


美琴「それにー」


上条「あー、分かった分かった! ゲコ太は可愛いですねーはいはいはい」


美琴「アンタ絶対分かってないでしょ……?」
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:58:17.83 ID:uqzN7/TM0
美琴「あ、そうだ……」ゴソゴソ


上条「今度はなんだ?」


美琴「ホラッ、これ、私のお気に入りのゲコ太ストラップ」


上条「(カエルのケータイにカエルのストラップつけてる……)はぁ、それで?」


美琴「ゲコ太の可愛いぬいぐるみに免じて、アンタの無知は許してあげるわ」


美琴「で、アンタにはゲコ太の可愛さを知ってもらう為にこれを『貸して』あげる」


上条「……は?」


美琴「あ、あげるだけだからね!! 気に入ったって言ったって返しなさいよ!!」


上条「は、はぁ?」


美琴「ケータイとか、カバンとかにつけないさいよ! 肌身、離さず!」


上条「いや、俺は……」


美琴「つ・け・な・さ・い!!」


上条「了解しました! 姫ぇ!!」


美琴「たくっ……、それ限定品なんだからなくしたりしたら承知しないわよ?」


上条「そんな大事なもの、なんで貸すんだよ……」


美琴「……えっ?」


美琴「……」


美琴「……///」


上条「あのー、御坂さん?」


美琴「い、いいからつけなさいよ! 大事にしなかったら罰ゲームなんだからね!」


上条「理不尽だ……まぁ、いいけどさ……大事にさせてもらいますよ」


美琴「は、初めからそうしてればいいのよ」フンッ


上条「(怒らせてしまった……)」
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:58:54.86 ID:uqzN7/TM0
美琴「そうだ、次はお面屋でゲコ太買いましょ」


上条「おい、カエルグッズを増やす気ですか?」


美琴「ふふん、こうなったらアンタにゲコ太の素晴らしさを骨の髄まで思い知らせてあげるわ」


上条「マジかよ……はぁ……」


美琴「ホラホラ、早く私をエスコートしなさいって!」ヒラヒラ


上条「はいはい分かりましたよー、御坂さーん」


美琴「そうそう、そうしてればいいの」ウンウン


上条「(まぁ、喜んでるみたいだし、いいかな)」
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/28(月) 23:59:56.13 ID:uqzN7/TM0
――――――――――お面屋


美琴「はい、アンタはこれね」


上条「……おい、コイツ髭がねぇぞ? パチモンじゃないのか?」


美琴「アンタね……! これはケロヨン!! ゲコ太はこの子の隣に住んでるおじさんっていったでしょ!?」


上条「髭がないだけじゃねぇか……」


美琴「なんてこと言うの……ケロヨンが可哀想でしょ!!」ビリビリ!


上条「悪かったって! だからビリビリはしまえ! しまってください!」アタフタ


美琴「まったく……アンタは学習しないんだから……あっ、あとコレも下さい」


上条「……なぁ、それ俺の金なんだけどさ」


美琴「なによ、使っていいって言ったのはアンタでしょ?」


美琴「それに、ちゃんとお金は返すわよ……それに、サイフを取りに行こうにも相手は黒子だし」


上条「……あの狂乱ですのお嬢様か……俺も会いたくねぇな」


美琴「普段はいい子なんだけどね……あ、すみません、ありがとうございます」


上条「……今度はピンクの……ゲコ子か」


美琴「この子はピョン子よ」


上条「(なんだそりゃ……)」


美琴「ふっふっふ、コレで完璧ね!」キリッ!


上条「(コレホントにつけなきゃなんないのか?)」
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:00:46.84 ID:+Y3XtlwI0
美琴「この調子でどんどんゲコ太シリーズをゲットするわよ!!」


上条「お祭りでキャラクター物漁りすんな!! お面はつけてやるから! 我慢しろ!」


美琴「なによー」プクッ


上条「頬を膨らますな、小学生か」


美琴「ちぇー、せっかくゲコ太・ケロヨン・ピョン子尽くしにしてやろうと思ったのに」


上条「俺の周囲からの視線が痛いので勘弁してください」


美琴「しょーがないわねぇ……まっ、お面はつけてるみたいだし許してやるとしますか」


上条「(よしっ!)じゃぁ、そろそろ飯代わりになんか食おうぜ?」


美琴「いいわね、射的とかで忘れてたけどお腹空いて来たし」


上条「んじゃヤキソバ、ヤキソバ食おうぜ」


美琴「いいわね、さんせー」
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:01:34.13 ID:+Y3XtlwI0
美琴「おいしー……! この屋台のヤキソバ凄いじゃない!」


上条「本場の職人の打った麺をクローン製造したやつで作ったって屋台のおっさんがいってたしな」


美琴「ふぅん……麺だけで変わるモンかしらね?」


上条「お嬢様学校で舌の肥えてるだろうお前が美味しいっつってんだしそうなんじゃねぇか?」


美琴「うーん……でも、なんか懐かしい感じがするのよね」


美琴「味付けとか、家庭の味っていうのかしら?」


上条「アレだろ、お前の親父さんとかが作ってくれた時じゃねぇか?」


美琴「あー、なんか分かる気がする」


美琴「家庭の懐かしさってのを思い出せるからお祭りはいいわね」ウンウン


上条「俺にはあんまり分かんねぇけどな」


美琴「風情を分かんない奴ねぇ……」


上条「うるせー、いいだろ別に」


美琴「あはは、ふてくされないの」


上条「いいでーすよ上条さんは風情の分からん男でーすよ」


美琴「アンタ、人に子供って言ったくせに……あ……」
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:02:31.13 ID:+Y3XtlwI0
上条「なんですかー? 上条さんはまた妙な事いいましたかー?」


美琴「ちょっと動かないで」


上条「……んー?」


美琴「口元、汚れてる」


上条「お、悪いな」


美琴「たく、口元なんか汚して……」


ズイッ


上条「えっ?」


美琴「……」


クイッ


上条「!!!?」


美琴「アンタの方が子どもなんじゃないの?」
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:03:42.83 ID:+Y3XtlwI0
上条「な……/// お、おまっ……」


美琴「なに? 拭いてやったんだから、感謝の一言ぐらい……」


美琴「……」


美琴「……ア、アアアアアアアアアアアア!!」


美琴「アンタ、な、なにしてんのよ!!」


上条「お、おま、お前が、いきなりやってきたんだろ!?」


美琴「う、うああああ、わ、忘れろ!!」


美琴「い、今すぐ忘れなさい!!」


上条「そんな簡単に忘れられっか!」


美琴「もぉおおおおおおお!! 私のバカアアアア!!」


上条「お、おおお落ち着けよ御坂!」


美琴「うぅぅぅぅぅ///」
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:04:56.45 ID:+Y3XtlwI0
上条「そ、そうだ、花火! 花火がもう少しで始まるだろ?」


美琴「は、はなび……」


上条「そうだよ、祭りの一番の目的は花火を見る事だろ?」


上条「俺、きれいに見える場所知ってるからさ、そこに行こうぜ」


美琴「う、うん」


上条「ホラッ、立てよ」スッ


美琴「……」


ギュッ


上条「……よし、行こう」
840 :場所のイメージは、風車の見えるいつもの公園です [sage saga]:2011/03/29(火) 00:06:51.05 ID:+Y3XtlwI0
――――――――――PM 19:30


上条「ホラ、ここだ」


美琴「……公園から少し、離れてるみたいだけど」


上条「ちょっとした丘みたいになってるだろ?」


美琴「そうね……へぇ、この辺りは夜に来た事ないからこうなってるのね」


上条「屋台の明かりとかもチラチラ光ってるし、『風情』があるだろ?」


美琴「それ、まだ根に持ってたの?」


上条「根になんかもってねぇよ」


美琴「嘘、絶対根に持ってる」


上条「持ってねぇって」


美琴「まっ、そういう事にして置いてあげるわ」


上条「それはどうも」


美琴「どういたしまして」
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:09:23.48 ID:+Y3XtlwI0
美琴「それにしても」


上条「ん?」


美琴「こういう所を知ってるって事は相手でもいたわけ?」


上条「……残念、友達とやけになって男だけでここでみたんだよ」


上条「リア充共め! って恋人達に野次とばしながらな」


美琴「最低ね、寂しくならなかった?」


上条「これに関しては黒歴史なんでノーコメントでお願いします」


美琴「んーそうねー……」


上条「……おい」


美琴「……あ! 花火! 始まるみたいよ」


上条「オイ! 話を―――――」


ドーン!


上条「……あ」
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:12:11.55 ID:+Y3XtlwI0
美琴「わぁ……キレイ……」


上条「……御坂は花火、好きか?」


美琴「うん、好き」


上条「そっか、よかった」


美琴「……ねぇ」


上条「ん?」


美琴「……もう少し、近くにいてもいい?」


上条「……どうぞ」


美琴「……」ススッ


上条「……」


グイッ


美琴「きゃっ!?」
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:13:47.70 ID:+Y3XtlwI0
上条「……」


美琴「あ、あの///」


上条「……」


美琴「あ、あのさ」


上条「……何?」


美琴「さ、さっきのアンタの話だけど……」


美琴「また、どこかに誘ってくれるんなら、黙っててあげる」


上条「そっか、なら……」


上条「……御坂」


ギュッ


美琴「ぁ……」


上条「俺と……俺の」
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:14:56.29 ID:+Y3XtlwI0




















「恋人になってください」




















845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/29(火) 00:20:40.65 ID:zwoBoj/Jo
えんだあああああああああああああああ
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 00:21:34.03 ID:lFHc+NMwo
イェアアアアアアアアアアアアアアア
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/03/29(火) 00:22:31.13 ID:hK9i5DPs0
えんだああああああああああああああああああああああああ
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:23:38.84 ID:+Y3XtlwI0
上条・美琴「――――――ッ!!」バッ


男性「ずっと好きでした!」


女性「えっ? そんな、急に……」


上条「……」


美琴「……」


上条「……あ、はは」


美琴「……はは」


上条「か、帰るか」


美琴「……う、うん」
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 00:24:03.05 ID:VG7HK2sJo
地区所大オオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお大おお大おおおおおおおおおおおおおおおおおお
850 :かかったな! [sage saga]:2011/03/29(火) 00:24:41.08 ID:+Y3XtlwI0
――――――


美琴「黒子達呼んだわ、すぐに来るって」


上条「……おう」


美琴「黒子に殺されない内に帰った方がいいわよ」


上条「シャレにならない分、恐ろしいな」


美琴「と、とりあえず夜道には気をつけてね」


上条「そうする」


上条「……それじゃぁな」


美琴「あ、うん……またね」


上条「お、おう!」タッ


美琴「……」


美琴「早めに誘ってよね……バカ」
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:26:17.25 ID:+Y3XtlwI0
――――――


上条「あ……」


インデックス「あ……」


ステイル「あ……」


神裂「あ……」


上条「よぉ」


インデックス「お帰りとうま」


ステイル「……デートはどうだったんだい?」ニヤニヤ


上条「うるせっ」


神裂「その様子だと、それなりに成功したようですね」


上条「……まぁな」


インデックス「とうまにしては良くやったと誉めてやりたいところなんだよ!」


上条「ありがとな」


インデックス「……なんだか張り合いがないかも」


神裂「予想以上の結果だったのでしょうか?」


ステイル「なんだかつまらいね」


上条「……人をなんだとおもってんだよ、お前ら」
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:27:14.24 ID:+Y3XtlwI0
インデックス「……むーなんだか元気ないんだよ」


神裂「ま、まさか、敗れてしまったのでは!」


インデックス「そ、そんな!」


ステイル「……」


上条「……」ボー


インデックス「とうま」


上条「ん?」


インデックス「どうして、元気がないかは分からないけど」


インデックス「噛みついて私がいつものやかましいとうまに戻してあげるんだよ!」


上条「は?」←噛みつくという単語に反応した


インデックス「覚悟するんだよ!」


上条「! う、うわ!!」バッ
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/29(火) 00:28:22.77 ID:+Y3XtlwI0
上条「……」


上条「……」


上条「……?」





インデックス「……ぅ、うぅ」





上条「……イン、デックス?」
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/29(火) 00:36:56.02 ID:+Y3XtlwI0
あい、今回の投下はここまでです。
わざとずらして、期待とかさせてごめんね。
でも、くやしがる人を見るとゾクゾk(ry

えーっと、次回で上条さんパートも最終パートとなります。
投下が全て終了するかは分かりませんが……。
出来れば次回の投下でケリをつけたいと思います。
スレ的にももう1000が見えてきてますしね。

では。
855 :レス返し :2011/03/29(火) 00:37:28.24 ID:+Y3XtlwI0
>>808-809
二人ともそういうのには疎いですからねぇ
でも、自然な感じと思っていただけるのは良かったです!

>>811
ウニ「そげぶ!!」

>>1「ほむほむほむほむほむ」

>>812
オイバカ、やめろ、それは漢字が違うんだ!

>>813-814
黒子「おのぉぉぉぉぉれぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
いい連携DA!!

>>815
甘くなっていれば幸(ry

>>816
その前に病院で診断を受けてからにするんだ!

>>817
乙、ありがとうございます!!

レスありがとうございました!
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 00:44:20.72 ID:1oeFuWLP0
>美琴「あ、あげるだけだからね!! 気に入ったって言ったって返しなさいよ!!」
貸すだけじゃないのか
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/29(火) 00:55:56.52 ID:ZhLkZ5Zn0
え、衛生兵ー!インシュリンだ!インシュリンを大量に持ってくるんだ!
乙でした。
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 01:05:36.97 ID:lFHc+NMwo
とりあえず塩で中和するんだ!
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/29(火) 01:57:40.06 ID:PGFfEPQg0
くやしい!でも笑っちゃうビクンビクン
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/29(火) 05:01:27.09 ID:WbnPQPtS0
ブラックコーヒー飲んでも甘さしか感じない。マジ甘いです!てか地区所多おおおおおおお>>1はSなのか!?
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/03/29(火) 09:02:10.92 ID:U2pxemjw0
上琴こそが至高……
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/29(火) 09:04:10.89 ID:aHYY0M/AO
エンダアアアァァ………
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/29(火) 09:28:03.64 ID:j6M4zgJw0
頼むよオォォォォォォォォォォォォォ
終わらないでくれよォォォォォォォォ
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/29(火) 10:13:27.08 ID:bgHN6p9AO
面白ェ、ははは、ちくしょう。イイぜ、最っ高にイイねェ。愉快に素敵に止めちまったぞ、>>1はァ!
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/29(火) 12:24:29.09 ID:dudG3sx3o
>>1の罠にまんまとかかった畜生!
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/03/29(火) 12:47:20.10 ID:FEVRbmHQ0
最終章はやはりインデックス問題か・・・
嫌な予感しかしないよおおおおお
上条さん、俺の幻想ごとぶち壊してくれ!
867 :1 :2011/03/30(水) 22:28:20.54 ID:dYfrRuXu0
どうも、>>1です。
上条さんパート最終投下を始めたいと思います。
868 :1 [sage saga]:2011/03/30(水) 22:30:17.40 ID:dYfrRuXu0
インデックス「……ぅ」


上条「インデックス!? オイ、どうしたんだよ!!」


上条「(顔が、真っ青だ……)」


ステイル「……これは」


ステイル「―――――――ッ!! どけっ!」


上条「えっ?」


ステイル「いいから早く!!」


上条「な、なんでだよ、インデックスを部屋まで運んでやらないと……」


神裂「上条当麻」


上条「なんだよ!」


神裂「あの子のタイムリミットが来たようです」


上条「……は?」
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:30:55.94 ID:dYfrRuXu0
上条「な、何言って……」


ステイル「神裂、コイツの事はいい、早くあの子を……」


神裂「……この辺りに、人気のない広い河原があったはずです、ステイル、インデックスをそこまで運んでください」


ステイル「だが、早くしないとあの子が……」


神裂「時間はまだあります……」


神裂「……彼にも、話を聞く権利があるはずです」


神裂「ステイル、アナタも分かるでしょう? あの苦しみを」


ステイル「……ッ、分かったよ、先に行っている」


上条「オイ、俺を無視して話を進めんな!! なんだよ、インデックスに何があったんだ!」


神裂「それは、今から説明します」


神裂「インデックス……、あの子が何を抱えているのか」


神裂「――――――――――これから全てを無くしてしまう少女の話を」
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:31:30.45 ID:dYfrRuXu0
上条「全てを、無くす?」


神裂「アナタは、インデックスが完全記憶能力を持っている事は知っていますよね」


上条「あ、あぁ、一度見たものや聞いたものは絶対に忘れないってやつだろ」


上条「便利な能力だと思うけど……」


神裂「便利だなんて……」


上条「……?」


神裂「あの子の境遇を知っている者は言えないんですよ」


神裂「もちろん、あの子自身も、ですが」


上条「どういう事だ?」


神裂「……忘れる事ができなければインデックスは死んでしまうからですよ」


上条「な……に……?」
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:32:24.92 ID:dYfrRuXu0
上条「なんだよ、それ……」


神裂「インデックスは完全記憶能力者、一度見たものは忘れません」


神裂「『忘れる事が出来ない』んですよ」


上条「忘れる事が……出来ない……」


神裂「インデックスの脳には十万三千冊の魔導書の知識が詰まっています」


神裂「それ程の膨大な量の魔術の知識を一字一句忘れない、忘れられないという事は」


神裂「それだけ、あの子の脳を圧迫してしまう、という事なのです」


神裂「パーセンテージで言ってしまえば、あの子の脳は八十五%、それで埋まっています」


神裂「では、残りの十五%で何を記憶するのか……」


上条「……」


神裂「一年間だけ許された、『思い出』ですよ」
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:33:06.48 ID:dYfrRuXu0
上条「一年、間の思い出……」


神裂「はい」


神裂「ですが、それすらも、満足に体験する事は出来ません」


神裂「あの子の脳は、それまでに行った道、すれ違った人々の顔」


神裂「地名、その日食べた食事……葉っぱの一枚一枚だけでなく、雨粒の形すら覚えています」


神裂「そして、その一つ一つを整理して、必要ない記憶を『忘れない』インデックスは……」


神裂「脳がパンクして、死んでしまうのです」


上条「そんな……それじゃぁ、アイツは……」


神裂「このままでは死にます」


上条「……ッ!!」
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:34:07.95 ID:dYfrRuXu0
上条「時間は……時間はどれだけ残ってるんだ?」


神裂「今夜まで、です」


上条「なっ……!」


上条「どうして……どうして教えてくれなかったんだ!」


神裂「アナタにそれを伝えたところで、インデックスを助ける事が出来るのですか?」


上条「それは……でも……」


神裂「……知っていて、あの子と自然に接する事ができますか?」


上条「……!」


神裂「私やステイルは覚悟が出来ています」


神裂「だから、あの子を不安にさせないように振舞う事は容易いです」


神裂「けれど、アナタはまだあの苦しみを知らない」


神裂「苦しんで、忘れたくないと懇願するあの子の姿がアナタに耐えられますか?」


神裂「……だから、アナタには何も教えなかった」


神裂「インデックスと自然に、同年代の友人、兄妹のように過ごしてほしかったから」


上条「神裂……」
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:35:29.75 ID:dYfrRuXu0
神裂「アナタに伝える事はこれで終わりです」


神裂「私達はこれからあの子の記憶消去の処理に移ります」


上条「記憶の……消去……」


神裂「インデックスの頭脳にある十万三千冊の知識を保護する為に」


神裂「もう一年、あの子を生きながらえさせる為に十五%の記憶を削り取ります」


上条「そんな……アイツは……」


神裂「記憶を失う事を良しとはしていません」


神裂「あの子は完全記憶能力者であるからこそ一つ一つの思い出をガラス細工の様に大切にしています」


神裂「……どこかで『自分』が『死んでしまう』のを感じ取っているからでしょう」


上条「……なんとか、記憶を消さないで済む方法はないのか?」


神裂「……ありません」


上条「だけど! ここはお前達がいた魔術側にはないものがある!」


上条「科学なら、まだ分からないだろ!?」


上条「『心を操る能力者』も『心の開発をする研究所』もゴロゴロ転がってる!」


上条「……あ、常盤台には触れただけで記憶を抜き取る能力者もいるみたいだし」


上条「そういう所を頼っていけば、何とかなるかもしんねーだろ!?」


神裂「……」


神裂「……それで?」


神裂「その、どこかにいるらしい人達にあの子の体を好き勝手弄らせようとするんですか?」


上条「――――――――――ッ!」
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:36:30.51 ID:dYfrRuXu0
神裂「アナタは何も知らないからそんな事が言えるんです」


神裂「もし、あの子の立場、そして、『経験者』である私達の立場なら」


神裂「今と同じ事を言えましたか?」


上条「……ッ、俺、は」


神裂「……」


上条「だけど、俺は……それでも、諦めたく、ない」


神裂「!!」


上条「だって、間違ってんだろ!? どうしてアイツがそんな辛い目にあわなくちゃなんねぇんだよ」


上条「お前はそれで納得できるのかよ!」


神裂「……る、さい」


上条「一年前に、インデックスと出会ったときに後悔しないのか!?」


神裂「うるっせぇんだよ!! ど素人が!!」ヒュッ!
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:38:05.55 ID:dYfrRuXu0
ガッ!!


上条「ッ……がっ!! ふっ……」


神裂「私達だって頑張った……頑張ったんですよ!!」


神裂「あの子が記憶を失う一分前だろうが、一秒前だろうが」


神裂「その瞬間まで、無様に泣きじゃくって、インデックスを抱きしめて、思い出を語り合いました」


上条「……ッ」


神裂「それでも、それでも失いたくなかった!!」


神裂「もう、こんな苦しい目にあいたくない、とあの子の敵に回る事もできたんです!」


神裂「だけど、出来なかった……」


神裂「それなら、一年間の間にたくさんの思い出を作ってあげようと思ったんです」


上条「……そんなにも、アイツを思っているんなら、もっと別の方法を……」


神裂「そうですね……でも、もう希望に縋るなんてしたくないんです」


神裂「なんの確証もない希望に縋って……あの子を助けられなかったら?」


神裂「耐えられませんよ……そんなの……」


上条「……ッ……くっ」


神裂「……お願いです、これ以上、私達に希望を持たせないで下さい!!」


上条「神、裂……」
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:39:38.83 ID:dYfrRuXu0
――――――――――


神裂「……ハァッ、ハァッ……ハァッ」


上条「……」


神裂「……、辛いでしょう、ですが辛いのはアナタだけではありません」


神裂「記憶を失うインデックスはもっと辛いんです」


上条「……ちくしょう、俺は」


神裂「……」


神裂「三十分……」


上条「?」


神裂「……術式の準備まで時間はまだかかります」


神裂「あの子との別れの挨拶が必要でしょう?」


神裂「アナタはインデックスにとても良くしてくれました」


神裂「アナタにも別れを告げる権利はあります」


神裂「あの子に、会ってあげてください」


神裂「アナタがあの子に出来る事は、それだけです」


上条「……」
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:41:11.40 ID:dYfrRuXu0
――――――――――


ステイル「……」


インデックス「……」スースー


ステイル「……インデックス」


ステイル「僕は、またキミを救う事ができなさそうだ」


ステイル「……僕は、無力だ」


ステイル「――――キミが生きてさえいてくれるのなら僕は他に何も要らないのに」


ステイル「神様は、いつも残酷な審判しか下してくれない」


ステイル「そして、僕はその結果に従う事しかできない」


ステイル「……こんな僕を、許してくれ」


ステイル「……そろそろ、準備を始めるか」


上条「ま、待ってくれ!」


ステイル「!」
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:42:20.60 ID:dYfrRuXu0
ステイル「上条当麻……何しに来た……」


神裂「ステイル、彼にインデックスに別れを告げる時間をあげて下さい」


ステイル「何言ってるんだ! 今、一分一秒をこの子は苦しんでるだぞ!」


神裂「まだ時間はあります」


神裂「万全を喫したいのはよく分かりますが、焦って術式を失敗しては元も子もありません」


神裂「何より、彼にはお世話になりました、無理も聞き入ってもらいました」


神裂「その分だけでも、彼には時間を与えるのは何もおかしくは無いでしょう」


ステイル「……ッ、だが」


神裂「ステイル、私達の事は全て話しています」


ステイル「なっ!」


神裂「術式の邪魔はさせません、少しでいい時間を」


ステイル「……分かったよ」


上条「……」


ステイル「妙なマネをすれば焼き殺す、いいな」


上条「……」


ステイル「神裂、人払いの刻印を刻む、カードの配置を手伝ってくれ」


神裂「分かりました……距離は?」


ステイル「そこまで広くなくてもいいだろう、一kmか二kmあれば充分だ」


上条「……」


神裂「……」
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:43:16.82 ID:dYfrRuXu0
――――――――――


上条「……よぉ、インデックス」


インデックス「……」


上条「お前、大変な事、背負ってんだな」


インデックス「……」


上条「俺、バカだし、お前と違って特殊な能力なんて異能を打ち消す右手しかなくて」


上条「そのせいで、不幸な事はあるけど、思い出を忘れちまうなんて事はねぇ」


上条「辛いよな、俺だったらそんなの耐えらんねぇよ」


上条「……俺には、そんな事出来ねぇよ」


上条「忘れたくない思い出も、忘れたくない大切な人もいる」


上条「墓場にいくまで持って行きたい」


上条「大切な人の中にはお前だっているんだぜ?」


上条「大切な、仲間なんだ」


上条「……」


上条「ちくしょう」


上条「幻想殺しなんて大層な名前があっても、俺の右手はお前の現実は殺せない」


上条「なんの役にも立てやしない」


上条「お前を、苦しみから解放する手段も思いつかねぇ!」


上条「ごめんな……、ホントに、ごめん」


インデックス「……と、ま」


上条「!!」
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:44:21.03 ID:dYfrRuXu0
上条「インデックス!? 目が覚めたのか!?」


インデックス「……お、なか、すいた」


上条「……あ」


インデックス「ステイル、かおり……ごは、ん、だよ」


上条「……なんだよ、寝言か?」


上条「……こんな時だってのに、お前は呑気だな」


上条「はは……『次』のお前も食いしん坊なのかな?」


上条「『次』のお前の時にはごちそう作ってやるよ」


上条「上条さんスペシャルで……ステイルと神裂も、うまいって言わせるくらいの料理をな」


上条「……ッ」


上条「……かっしいなぁ、お前自身はいなくなんないのにどうして悲しいんだろうな」


上条「また、会える、はずなのに……どう、して……」


上条「うっ……くっ……」





ピリリリリリリッ!!





上条「……!! だれだ? ……あれ?」






着信:御坂 美琴


上条「……御坂?」
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:45:18.76 ID:dYfrRuXu0
――――――――――


上条「……」


ピリリリリリリッ!!


上条「……(どう、する?)」


ピリリリリリリッ!!


上条「(今は、インデックスへ別れを告げる時間だ……)」


上条「(……コイツの隣で、呑気に電話なんて、してる場合じゃ)」


上条「……(悪いけど)」


インデックス「とーま……」


上条「!」


インデックス「み、ことと仲良く、なら、ないと……」


インデックス「……」


上条「インデックス……」


上条「……」


上条「お前が、いいって言うんなら……な」


ピッ!
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/30(水) 22:48:02.79 ID:dYfrRuXu0
美琴『も、もしもし?』


上条「よぉ、どうしたんだ、こんな時間に……」


美琴『え、えっと……その……』


上条「なんだぁ? 友達と間違えて電話しちまったのか?」


美琴『や、そ、そうじゃなくて……って、なんか元気ないみたいだけど、どうかしたの?』


上条「いや、別に……」


美琴『……やっぱり迷惑だった? お風呂に入る前とか、寝る前、とか?』


上条「違う違う……まぁ、ちょっとな」


美琴『ふぅん……』


上条「それで? 電話するくらいだから、なんか急な用か?」


美琴『あ、うん、急といえば、急なんだけど……』


美琴『アンタのサイフ、私が持ったままなのよ』


上条「……サイフ?」


美琴『そ、借りたまま、もって帰っちゃったのよ、私』


上条「……へぇ、そっか」
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:48:37.82 ID:dYfrRuXu0
美琴『なんか……反応薄いわね、不幸だーって言うかと思ったんだけど』


上条「ははは……そんくらいで不幸って言ってたら世話ねぇよな」


美琴『……本気で言ってんの? 困らない? 結構お金入ってるんだけど』


上条「お前が持ってるんならネコババもされないだろ、一日くらい金がなくったって生きていけるよ」


美琴『そっか……じゃぁ、あ、明日届けに行ってもいい?』


上条「そんな急がなくても……まぁ、早けりゃ助かるっちゃ助かるが」


上条「それに、お前は俺の寮知らないだろ?」


美琴『じゃぁ私の寮に迎えに来てよ、学び舎の園の中にない寮なら目立つし、知ってるでしょ?』


上条「俺が常盤台の寮に行ったらそれはそれで問題だとは思いませんか? 御坂さん」


美琴『そ、それもそうね……じゃ、じゃぁ夏祭りのあった公園で』


上条「まぁ、妥当だな」


美琴『私の能力使えば調べられちゃうんだけどね、アンタん家の住所くらい』


上条「ヤメロ、犯罪だろ、それ」


美琴『……まぁ、そうなんだけど』


美琴『そ、それじゃ、また明日、お昼頃に……』


上条「あ、御坂……ちょっと待ってくれ」
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:49:20.02 ID:dYfrRuXu0
美琴『ん? 何?』


上条「いや、ちょっと聞きたい事があってさ……」


美琴『聞きたい事』


上条「暗い話な上に妙な話なんだけど、聞いてくれるか?」


美琴『……いいわよ、私は時間あるし』


上条「……悪いな」


美琴『い、いいわよ、なに改まっちゃってんのよ』


上条「そう、だな……じゃぁ聞くけど」


上条「御坂は、目の前に死にそうな人がいたら、どうする?」
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:50:01.51 ID:dYfrRuXu0
美琴『なにそれ、物騒な話ね……』


上条「だから言ったろ? 暗い話って」


美琴『……分かってるわよ……状況を聞こうかしら?』


上条「ソイツは一年に一度、その日が来ちまうんだ」


美琴『一年に一回死んじゃうって事? 助けられないじゃない』


上条「そうだな、でも……助かる方法が一つだけあるんだ」


美琴『……それは?』


上条「大切なものを捨てる事」
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:50:48.75 ID:dYfrRuXu0
美琴『大切なもの……』


上条「あぁ、そしてソイツが失うものはその一年間の『思い出』だ」


美琴『思い出……その人の記憶ってことね」


上条「そう、ソイツは一度見たものは忘れられない人間で、忘れちゃならない記憶をもってる」


上条「その代わりに一年分しか普通の思い出は持てないんだ」


美琴『生きるためならその忘れちゃならない記憶ってのを捨てればいいんじゃないの?』


美琴『しかも、忘れられないのに記憶を自由に捨てれるってのは変じゃない?』


上条「……細かい突っ込みは後にしてくれ、詳しい事は俺にも分からんし」


美琴『まぁいいわ、その設定は面白そうだし』


上条「(そりゃ、作り話と思うよな、普通……本当のことでも話がぶっ飛びすぎてるし)」
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:51:34.01 ID:dYfrRuXu0
上条「で、話の続きなんだけど……」


美琴『あ、ごめんごめん、話の腰折っちゃって……それで?』


上条「忘れちゃならない記憶ってのは一つの国の……国家機密ってやつなんだ」


上条「(作り話だと思ってるみたいだし、大きくしても問題ないよな)」


上条「ソイツは忘れない記憶能力を持っているからその国で重要な存在で」


上条「ソイツ自身が責任感を持ってるから自分よりもそっちのほうを優先した」


上条「……だけど、それを良しとしない奴等もいたんだ」


美琴『……』


上条「ソイツの事をとても大事にしている奴等、仲間が」
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/30(水) 22:52:32.38 ID:dYfrRuXu0
上条「仲間達は、ソイツが苦しまない、記憶を無くさないですむ方法を探した」


上条「けど、見つからなくて……その代わりに記憶をなくしても無くす事が怖くないくらいいい思い出を作ってやることにした」


上条「そうして、結局一年が経って、ソイツは記憶をなくしてまたゼロからやり直した」


上条「……それで、聞くんだけど」


美琴『うん』


上条「御坂は、そういう生活をしてきた人間に会って、その瞬間に直面した時、どうする?」


美琴『うーん……難しいわね……』


美琴『その人の命は大切だし、その人を助けたいって人の気持ちも分かる』


美琴『記憶を無くしてでも次の記憶を楽しく過ごすか、一年間を一生分生きるか』


美琴『……簡単なのは生きれる『記憶をなくす事』なんだけど……』


美琴『その時点で今の、その人は死んじゃうわけだし……』


美琴『うーむ……』


上条「そんな真剣に考えなくてもいいぞ? ……作り話なんだし」


美琴『ま、そうなんだけどさ……』


美琴『けど、面白い話だと思うわよ? ある意味究極の選択よね』


上条「そうだな、人命か、尊厳かって感じだからな」


美琴『……うーんでもなぁ』


上条「……? なんか変なことがあんのか?」


美琴『これって完全記憶能力の話よね?』


上条「ん、あぁ、そうだな」


美琴『確かにぶっ飛んでて面白い話だと思うんだけど』


美琴『ちょろっとこの話を考えた人は勉強しなおさないといけないわね』


上条「……え?」




美琴『完全記憶能力で死ぬなんて事ありえないし』





上条「……は?」
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:53:15.21 ID:dYfrRuXu0
上条「待て御坂……どういうことだ?」


美琴『え? どういうことって?』


上条「完全記憶能力で人が死なないってのはどういうことなんだ!?」


美琴『えっ? な、ど、どうしたのよいきなり』


上条「いいから!! 説明してくれ!」


美琴『……アンタ、脳開発の授業をちゃんと受けてたの?』


上条「な、なんでそんな事いうんだよ……」


美琴『……まぁいいわ、説明してあげる』


美琴『完全記憶能力者はどんな事でも忘れないわ』


美琴『昨日の晩御飯とか、落ちた葉っぱの枚数とかそんな記憶でもね』


美琴『だけど、それですぐにどーこーなるわけじゃないのよ』


美琴『人間には元々百四十年分の記憶が可能なんだから』


上条「……なん、だって?」


上条「で、でも、限界まで記憶を使いまくったりしたら!?」


上条「例えば、十万冊の本を記憶したりしたら、脳がパンクしちまうんじゃ!」
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:54:26.44 ID:dYfrRuXu0
美琴『アンタねぇ……そんなんじゃ落第よ、ら・く・だ・い』


上条「い、いいから説明を続けてくれ!」


美琴『……何を焦ってんのかしらないけど、聞かないでおくわ』


美琴『で、アンタの質問、脳がパンクするって言ってたけど』


美琴『人の記憶ってのは一つじゃないの』


美琴『言葉や知識を司る意味記憶』


美琴『運動の慣れを司る手続き記憶』


美琴『あと、思い出を司るエピソード記憶』


美琴『他にも色々あるけど、それぞれ独立したものなのよ』


美琴『燃えるゴミとか燃えないゴミ、みたいな例えは悪いけど分別できるゴミと同じよ』


美琴『何かのショックで記憶喪失になっても言葉や立ったりはできるでしょ?』


上条「―――――て、ことは」


美琴『えぇ』





美琴『十万冊本の内容を覚えたとしても思い出を削らなきゃいけないなんて事はありえないわ』




892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:55:37.84 ID:dYfrRuXu0
上条「……」


美琴『どう? これで分かったと思うけど……』


上条「(もしかしたら……)」


美琴『あれ? オーイ、聞こえてる?』


上条「(もしかしたら!!)」





上条「(誰もが笑っていられる最高なハッピーエンドを見ることが出来るかもしれない!!)」





893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:56:50.34 ID:dYfrRuXu0
上条「御坂……」


美琴『え? な、なに?』


上条「ありがとう、助かった」


美琴『へ? え、えと……どういたしまして?』


上条「……」スルッ


ポトッ


美琴『あ、あれ? 今の音何?』


上条「……」


インデックス「……」


上条「……インデックス」


インデックス「……とう、ま?」


上条「……起きてたのか?」


インデックス「えへへ、とうまの嬉しそうな声を聞いたら起きちゃった」


上条「そっか」


インデックス「私、楽しくて、疲れて眠っちゃったみたいだね」


上条「……そうだな」


インデックス「ねぇ、とうま」


上条「……ん?」


インデックス「ステイルとかおり、それと今度はみこととも」


インデックス「『また』お祭りに行こうね」ニコッ


上条「……あぁ(助けてみせる)」


上条「……絶対行こうな(必ずコイツを)」


インデックス「約束、なんだよ?」


上条「おう」


上条「約束だ(地獄の底から引き摺りあげてやる!)」
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:57:44.44 ID:dYfrRuXu0
――――――――――


インデックス「……」スースー


上条「……」


上条「(インデックスを蝕んでいるのは『頭』に近い場所だ、普段誰にも触れられないような)」


上条「(……インデックス自身も気付かない様な)」


上条「(あるとすれば……そこは……)」


インデックス「……」スースー


上条「(……口かな?)」


上条「……」


クイッ


上条「―――――あ」
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:58:41.21 ID:dYfrRuXu0
上条「……ナンダコレ、四に似てるな、これが魔術記号ってやつか?」


上条「―――――でも、そうだよな」


上条「十万三千冊もの『世界をゆがめてしまう』可能性のある魔導書になんの防護策もなく野放しにするハズがないよな」


上条「(『教会』はインデックスを鎖に縛り付けたかった……)」


上条「(裏切れないように、一年毎にメンテナンスを受けなければ生きていけなくなるように)」


上条「(インデックスの頭に何か細工したんだ!)」


上条「……」チラッ


ステイル・神裂「……」


上条「……アイツ等には説明しても無駄だよな、脳医学とか弱そうだし」


上条「……」ゴク


グイッ


インデックス「……ぐっ」


上条「我慢してくれよ……、苦しいのはこれで終わりにするから」


上条「必ず、助けるから!」


上条「……(あと、少し!!)」
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 22:59:29.55 ID:dYfrRuXu0















パキン















897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:00:16.48 ID:dYfrRuXu0
―――――――――同時刻、御坂美琴の部屋


美琴「コラー!! 人の事無視すん――――――――――」


ブツッ!!


美琴「……ッ!! いたっ!!」


美琴「……なに? 今の音……」


美琴「アイツ、外で何か厄介ごとに巻き込まれてるのかしら?」


美琴「……」


美琴「なんだか、嫌な胸騒ぎがするわ……」


美琴「……」チラッ


真っ黒子「……」プスプス


美琴「……(よし、アイツの番号からGPSで位置を取得して)」


美琴「……特定不可、ケータイ壊れたの?」


美琴「……(なら、今度はデータが残ってるところから経由して)」


美琴「見つかった!! 場所は……――――ね」


美琴「ここからなら急いで行けば……うぅん、能力全開で行けば五分かかんないわね」


美琴「……急がないと!!」
898 :※ここから地の文があります [saga]:2011/03/30(水) 23:01:16.14 ID:dYfrRuXu0
空間が炸裂した。
そう表現するしかないほどの突風が起き、上条の体を吹き飛ばす。


上条「……くっ、くそ、なに、が!」


インデックスの口の中にある魔術記号に触れた右手を見た。


上条「……血?」


異能の力なら全てを打ち消すはずの幻想殺しから血がボタボタと音を立てて地に落ちていた。
犬歯に指を引っ掛けただとかそんなレベルではなく、切り裂かれ、右手の所々に傷が出来ている。


上条「ッ、そんな事はどうでもいい! インデ―――――!!」


上条の少女を呼ぶ声は続かない。


インデックス「警告禁書目録の、『首輪』第一から第三まで全結界の貫通を確認」


そこにいるのは上条の知る少女ではなかったからだ。
ぐったりと倒れていたはずの体は文字通り『浮き上がり』
閉じていたはずの目は見開き、エメラルドグリーンの美しかった瞳は赤黒く光っていた。
それは、眼球ではなくなっていた。
血のように赤い、、魔法陣だった。


インデックス「十万三千冊の書庫の『保護』の為、侵入者を迎撃します」


『それ』は、十万三千冊の魔導書を司る『魔神』。
世界に災厄をもたらす、もっとも危険な存在が上条の前に立ちふさがっていた。
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/30(水) 23:03:08.76 ID:dYfrRuXu0
上条「クソッタレ……捕らわれのお姫様がラスボスってオチかよ」


予想できうる範囲で最悪の結果が目の前に立っている。
防護策を張るなら、一枚ではなく二枚、二枚よりも三枚と重ねる方が確実だ。
仮に目の前で今にも殺戮を開始しそうな『魔神』を打ち倒しても
自爆だとか、そんなわけの分からない罠も用意されているかもしれない。


上条「けど、そんな事考えてる場合じゃない」


どんな障壁があったとしても上条は歩みを止めるつもりはない。
『魔神』の奥底に眠っている少女を救い出すために諦めるわけにはいかなかった。


魔神「―――――『書庫』内の十万三千冊により、防壁を傷つけた魔術の術式を逆算、失敗」

                                           ローカルウェポン
魔神「該当する魔術は発見できず、術式の構成を暴き、対侵入者用の特定魔術≠組み上げます」


『魔神』は糸で吊られた操り人形のように首を傾けて、


魔神「侵入者個人に対して最も有効な魔術を組み込む事に成功しました」


魔神「これより特定魔術=A『聖ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します」


開戦の狼煙を上げる。
同時に、バギン!! と凄まじい音を立てて、『魔神』の目にある魔法陣が拡大し押し出される。
『魔神』の顔の前にある魔法陣は二メートルをゆうに超え二つが重なるようになっている。
そして、それは魔神が顔を動かすとその後を追った。


魔神「    、    。」


魔神が歌う。
その歌は常人には理解できない単語を並べており、歌の内容も、歌なのかすら定かではない。
だが、


上条「空間が……歪んだ?」


魔法陣と魔法陣が交錯し、その交錯した部分に亀裂が奔る。
歌とリズムを取るように空間の歪みは揺れ動き、亀裂は大きくなっていく。
優しさはない、あるのは殺意、圧倒的なまでの破壊力をもって上条を浄化しようとするという意思表示。


魔神「     」


唐突に、歌が止んだ。
術式が完成したのだろう、ゆっくりと亀裂が開いていく。
上条への死の宣告まではすでに数秒もないだろう。


上条「……は」


それでも、『死』に直面していても、


上条「ははははははははは!!」


上条は笑っていた。
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:04:56.50 ID:dYfrRuXu0
上条「なんだ、なんだよ!!」


上条は確信していた。


上条「お前を倒しちまえば、終わりになっちまうんじゃねぇか!!」


ここまでの『強敵』であるのは、インデックスを蝕むものが他には無い、という事だ。
まさしく、ロールプレイングでいうラスボス、それも第二形態なんて奥の手は無い。
なぜなら、上条は本来強敵であるはずの『首輪』を破壊してしまったから。
それが唯一絶対のインデックスを縛る鎖だからだ。
……ゆえに、今上条の目の前にいる『魔神』は本当の意味での最後の壁。
この最悪なループイベントを終わらせる、最高のエピローグを迎えられる到着点。


上条「やってやる!! 来いよ! インデックスを苦しめるこんな幻想は俺がこの手で終わらせてやる!」


不幸しか呼び込まない右手で、誰かを救う最高の舞台。


魔神「……術式を発動します」


上条が吼えるのに呼応するように『魔神』が亀裂を解放する。
ビギ、バギバギ! と崩れ落ちるような音を立てて、亀裂が開く。


魔神「     」


そして、




ゴッ! と、亀裂の奥から光の柱が襲い掛かってきた。




とてつもない速度で、上条に突っ込んでくる光の柱はレーザー兵器のようだった。
これが一体なんなのか、それを考える前に上条は右手を突き出していた。
右手と光の柱が激突する。
だが、それ自体に痛みは無いしレーザーのような熱さも感じない。
上条の右手に当たった柱は四方八方に撒き散らされ、その効力を失っていくが
光の柱自体は消える事は無い。
じりじりと、体を後ろに押されいく。


上条「(なん、だ……コレ……―――――――ッ!!)」


自然と上条は空いていた左手で右手を支えるようにしていた。
そうでもしなければ右手が、右腕全体が折れてしまいそうだったからだ。


上条「……ぐ、ぅぁ!」


突然、右手が痛み始めてきた。


……魔術が、食い込み始めてきている。


上条の幻想殺しでは処理しきれないほど強力な攻撃で速度で物量で
上条を数mm単位で追い詰めているのだ。


上条「ち、くしょおおおおおおおお!」


だが、上条も負けてはいない。
幻想殺し自体が魔術に慣れてきているのか……はたまた上条自身の感覚が飛んでしまっているのか
どちらかは上条には分からないが、『魔神』が放つ魔術と均衡を保ち、痛みに押し潰されないように必死に喰らいつく。


と、そこで、二つの足音を上条の耳が捉えた。
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:07:50.97 ID:dYfrRuXu0
ステイル「貴様……!! 一体何……!」


魔術師、ステイル=マグヌスと神裂火織だ。
ステイルは初め怒号を上条にぶつけようとしたが、目の前の状況に息を呑む。
光の柱とそれを食い止める上条、魔術を行使しているインデックスに似た『何か』を見て唖然としていた。
聖人である神裂すらもその光景に絶句していた。

        ドラゴンブレス
神裂「ど、竜王の殺息=I? なぜ、あの子が魔術を使っているんですか!?」


上条はそれに答える余裕はない。
二人の表情も見ることが出来ないし、二人の震えた声でしか表情は想像できない。


上条「オイ! お前らはコイツが何なのかしってんのか!?」


上条「コイツはなんだ!? 名前は!? 弱点は!? 俺はどうすればいい!」


神裂「けど、いったい、何が……」


上条「細かい経緯なんかどうだっていいだろうが!」


上条「見ての通りインデックスは魔術を使ってる、こいつが何かで操られているとしても、だ」


上条「どっちにしろインデックス自身が魔力を持ってるのは明白だ!」


光の柱を打ち消し続けながら、上条は続ける。


上条「お前ら教会に嘘吹き込まれてただけだろうが!」


上条「あぁ、そうだ、インデックスが一年置きに記憶を消さなくちゃ死んじまうってのも大嘘だ!」


上条「今、目の前にいるアイツの魔術をぶっ壊しちまえばインデックスは助かるんだ!」


上条「お前らが、インデックスも含めて傷つかなくても済むんだよ!」


叫び続ける中、上条の体は少しずつ後ろに下がっていく。
上条の右手も限界が近づいているのだ、感覚は麻痺していても酷使していればいずれ上条は浄化されるだろう。
だからといって素直に殺されるつもりは上条にはないが。


ステイル「……、」


ステイルは一瞬、歯を食いしばり、


ステイル「―――――Fortis931」


漆黒のローブから何万枚ものカードを取り出し、ばら撒いた。ステイルの魔術を上条は一度だけ見ている。
炎のルーンとやらを使って摂氏何千度の炎を操る魔術師。
奥の手も持っているだろう、味方につけば心強い。だが、ばら撒かれたカードは上条を守る為ではない。
インデックスという少女の命を最優先に考えて、ステイルは上条の背中に手をつけた。


ステイル「曖昧な可能性……希望なんていらない」


それは、経験してきたからこその言葉。
想像を絶するほどの努力をしてきて、報われなかった敗者の言葉。
一歩間違えば、上条の同じ道を進むかもしれなかった、姿。


ステイル「あの子の記憶を消せば、とりあえず、命を紡ぐ事はできる」


ステイル「僕はそのためなら誰でも殺す、何でも壊す! そう決めたんだ!」
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:09:58.20 ID:dYfrRuXu0
キミにも話しただろう、とステイルは言う。
確かに、上条はステイルの言葉を聞いた。
『インデックスの為に生きて死ぬ』、なるほど素晴らしい自己犠牲精神だ、と上条は思った。
……そう、思っただけだった。
上条はステイルの言葉を賞賛はしていても、認めるつもりは一切ない。
きっとそれで泣くのはあの優しい少女だ。
天真爛漫で人懐っこくてどこかで自分の事よりも他人の幸せを優先してしまうような
そんな、『良い子』が泣く姿は見ていられない。
ステイルの気持ちは痛いほど分かる、だが、だからこそ認めるわけにはいかない。


上条「とりあえず、だぁ?」


ずっと押し負けていた、上条の体の後退が止まった。


上条「ふざけやがって、そんな理屈はいらねぇんだよ!」


ギチ、ギチギチギチと上条の体が悲鳴を上げながら『前進』する。
ステイルと神裂に見せ付けるように、自分はまだ負けていないと主張するように。


上条「たった一つだけ答えろ、魔術師!!」


上条は、息を吸って、
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:11:15.88 ID:dYfrRuXu0










上条「―――――テメェは、『インデックス』を助けたくねぇのかよ!!」










904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/03/30(水) 23:12:11.71 ID:dYfrRuXu0
ステイルの息が詰まった。


上条「テメェら、ずっと待ってたんだろ!? インデックスの記憶を奪わなくて済む」


上条「インデックスが大切な思い出を持ったまま生きていける」


上条「誰も、誰もが苦しまなくて、誰一人泣かないで済む!」


上条「そんな最高なハッピーエンドってやつを!!」


上条は畳み掛ける。
ステイルと神裂の気持ちが分かるからこそ、彼等の本心も分かる。


上条「ずっと待ち焦がれてたんだろ!? こんな展開を!」


上条「英雄が来るまでの場つなぎじゃねぇ! 主人公が出てくるまでの時間稼ぎじゃねぇ!」


上条「他の誰でもない、自分自身の手で、たった一人の大切な女の子を救いたかったんじゃなかったのかよ!」


前進する上条の右手がグギリっと嫌な音を立てる。
気を抜いてしまえば、転げ回り、声すら出ないほどの激痛が襲うのだろうが。
今の上条には関係ない。
こんな体の痛みなんかより、ずっとインデックスは、ステイルは、神裂は苦しんできた。


上条「ずっとずっと主人公になりたかったんだろ!」


上条「絵本みてぇに、映画みてぇに! たった一人の女の子を守りたかったんじゃなかったのか!」


上条「だったらそれは終わってねぇ……始まってすらいねぇ!!」


上条「ちょっとくらい長いプロローグで絶望してんじゃねぇよ!!」


救いたいと願っても、何にも縋る事ができず。
絶望し、全てを諦め、一人の女の子の記憶を奪い、奪い取られてきた。
そんな人達が、救われない結末なんて、納得できるはずがない。


上条「―――――手を伸ばせば届くんだ……いい加減始めようぜ、魔術師!!」
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:13:48.52 ID:dYfrRuXu0
上条の右手の指が折れ曲がる。
親指、中指、小指、その三つが折れるはずのない方向に先端を向けていた。
もちろん、そんな状態で光の柱を支えられるわけがなく。
ついに上条の右手がはじかれた。
右手がなければ、上条は一般的な人間に変わりない、魔術も使えず、能力者でもない。
無防備な上条に、凄まじい速度で光の柱が向かって行き、





神裂「Salvare000!!」





光の柱が上条にぶつかる直前、神裂が叫ぶ。
神裂もつ二メートル近い長さの日本刀が大気を引き裂いた。
月明かりに混じって糸が見える。
上条は神裂が来る前にインデックスが話していたことを思い出す。
七本の鋼糸を用いる、『七閃』、それが神裂の得意技らしい。
だが、その糸はインデックス自身を襲わない。
インデックスの足元、土で出来た地面を抉り、大小バラバラの地面に混ざった石がインデックスの体を狙い襲い掛かる。


魔神「―――――身体へのダメージの回避を優先」


インデックスの体はユラユラと、だが確実に石を回避する。
回避する為に体を上に向けてそらした『魔神』は空に向けて竜王の殺息≠放つ。
上に向けられた光の柱はその速度を保ったまま空中に漂う雲を引き裂き、際限なく伸びていく。
もしかすると、大気圏を超え、人工衛星まで破壊したかも知れない。


上条「……ッ神裂!!」


ただ、それをのんびりと考える余裕は一瞬たりともない。
すぐに『魔神』は体勢を整えて、光の柱を上条に向けるだろう。


神裂「急いでください!! それは『竜王の殺息』―――――伝説にある聖ジョージのドラゴンの一撃と同じです」


神裂「いかな力があろうとも、人の身で、まともに取り合おうと思わないで下さい!」


それを身をもって経験した上条は改めて、『魔神』の放った一撃に戦慄する。
ドラゴンの一撃がどれほどのものなのか上条には想像もつかないが
聖人であり、人の身とは違ったものを持つ神裂の表情が青ざめているのだ
とてもじゃないが震えるなというのが無理な話だ。
しかし、漸く近づくチャンスは出来た、受けることが出来なくとも右手を押し付ける程度は出来る。
上条は『インデックス』を救う為『魔神』の元へ向かう。
だが、『魔神』の方が上条が近づくよりも早く体を起こした。
十万三千冊の書に触れようとする者に鉄槌を下すように光の柱を振り下ろす。
今度は、捉えられる!
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:14:59.45 ID:dYfrRuXu0




               イノケンティウス
ステイル「―――――魔女狩りの王=I!」




ボロボロの右手を構えた時、上条の前に炎の渦が巻いた。
その炎が光の柱を一身に受け、徐々に大きくなり、人の形を成す。
ステイルと喧嘩した後、インデックスからこっそり聞かされた、ステイルの『奥の手』。
それが、上条を光の柱から守るため、盾となる。


ステイル「行け!」


上条はその言葉に答えない。
ただ、『魔神』を見据え、突っ込む。
ステイルの気持ちは受け取った、あとは、インデックスだけだ。
『魔神』を打ち消して、このプロローグに終止符を打つ。


魔神『新たな敵兵を確認。 戦闘思考を変更』


魔女狩りの王が現れた事で、一瞬だけ『魔神』に隙ができる。
上条はその隙のみに全てを託し、右手を伸ばす。


魔神『戦場の検索を開始……完了。 現状最も難度の高い敵兵である『上条当麻』の破壊を最優先します」


だが、『魔神』は魔女狩りの王に見向きもせず、上条のみを狙い打つ。
しかし、魔女狩りの王もそう簡単には上条を死なせない。
『魔神』の前に素早く動き、立ちふさがり、光の柱を真正面から受ける。


上条「……うぉおおおおおおおおおお!!」


光と炎が延々と破壊と再生を繰り返す中、上条は無防備な『魔神』を目指す。
両者の距離は、残り五m。


上条「これで……終わりだ!!」


上条の高らかな勝利宣言。


魔神「術式を発動、『竜王の殺息』の二方向同時照射を開始」


だが、ここまで来て、『魔神』は全てを出し切っていなかった。
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:17:08.96 ID:dYfrRuXu0
上条「な……っ!」


亀裂一瞬閉じたかと思うとすぐさま魔法陣が二分割され
二本の光の柱が、魔女狩りの王と上条に襲い掛かる。


上条「くっ……そっ!」


魔女狩りの王は一本の『竜王の殺息』によって足止めされ
同様に光の柱が上条めがけて突っ込んでくる。
右手で受けきる事はできない、指が折れ曲がり、腕すらもボロボロな今の状態では
光の柱が直撃した瞬間、右手は弾かれる。
そうなれば、終わりだ。
上条と光の柱が激突する瞬間、


上条「……ッ!」


青い閃光が、上条を横切った。
どこかでみた事のあるその閃光は光の柱の横っ腹にぶち当たり、数cmだけ光の柱の射線をずらす。
小さなズレだったが、それで充分上条には回避の時間が与えられた。
がむしゃらに光の柱のずれた方向と逆に体を動かす。
光の柱は頬を掠めたが、それで上条の走る勢いは変わらない。
閃光を放った人物を探そうにもそんな隙を『魔神』は見逃さないだろう。
『魔神』と上条の距離は、残り一m。
右腕を伸ばす、ゴギ、と何かが折れる音が立ち、右腕全体が悲鳴をあげる。


上条「っ……おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


残り、十cm。


上条「(神様……)」


ふと、『魔神』の顔を見据えると、赤く光る目から何かが流れていた。
それは、ずっと少女が『最期の時』に見せていたであろう、苦しみと悲しみ。
痛い、苦しい、辛い、そんな感情。
失いたくないとずっと望み続けてきた少女の心の傷。

           アンタ      システム
上条「(この世界が神様の作った奇跡の通りに動いてるってんなら)」


結局、『魔神』は『インデックス』の十万三千冊の知識を操る事ができても
『インデックス』の心は操る事ができなかった。
そして、その少女を必ず守ると決め、『災厄』に立ち向かった上条達には、敵わなかった。


上条「(―――――まずは)」


それだけの話だった。
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:17:43.43 ID:dYfrRuXu0










上条「(その幻想をぶち殺す!!)」










909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:18:59.65 ID:dYfrRuXu0
上条の右手が『インデックス』の頭にあたると『魔神』が猛威をふるった魔法陣は消え。
インデックスの目に光が戻っていった。


魔神「―――――警、告、最終章、零……『首輪』の、致命的……再生、不可」


魔術の補助を失ったインデックスは地面に崩れ落ちる。
上条は慌ててまだ動く左手でインデックスを支える。
その時、誰かの叫び声が聞こえた。


上条「……?」


目に飛び込んできたのは、一枚の光の羽。
それに釣られて上を見上げると数十枚の光の羽が上条とインデックスにゆっくりと降り注いできていた。
上条はそれを他人事のように見ていた。
視線を戻すと、何かを説明しているステイルと神裂。
そして、その二人に食って掛かるよく見知った少女が視界に入った。


上条「……(なんか、疲れちまったな)」


全部終わった事で緊張の糸が切れたのだろう。
二日前にとある能力者と本気の喧嘩をしたせいもあって、どっと疲れが上条を襲ってきた。
光の羽が一枚地面に落ちる。
それを皮切りに、数十枚の光の羽が一斉に上条に舞い降りてきた。
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:19:55.61 ID:dYfrRuXu0










―――――そして










911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/30(水) 23:20:56.88 ID:dYfrRuXu0




















912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/30(水) 23:25:52.23 ID:dYfrRuXu0
これにて投下終了、上条さんパート終了です。
物語は幕を閉じます。
では。





ちょっとくらい長いプロローグのあとは最高なハッピーエンドが待っていますよね。
しばらく、おまちください。
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/03/30(水) 23:27:00.55 ID:xkWg3API0
>>1さん乙!楽しみに待ってるよ!
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 23:27:20.90 ID:3F30kikZo
えええええええええ
なんて焦らしだ・・・
何はともあれ乙です
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 23:48:04.57 ID:+QptKhBd0
これで終わるのか・・・
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/31(木) 00:58:28.42 ID:U0lTwrm50
えっ………なにこれきになる
917 :1 :2011/03/31(木) 01:06:01.50 ID:iM18ipBP0










――――――――――エピローグ










918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:07:25.65 ID:iM18ipBP0
――――――――――八月三十一日 とある病院


「親愛なる、上条当麻」


「とりあえず、手伝ってもらった礼儀としてインデックスとそれを取り巻く環境について説明しておくよ」


「後で貸し借り言われても困るしな」


「あの子の記憶については特に問題なさそうだ」


「『首輪』が外れた件で『上』が下した判断は―――――――」


「大至急連れ戻せ」


「……かな表向きは」


「実際は様子見という所だろう」


「なぜそんな寛大な処置に落ち着いたのか分からないが」


「しばらくはあの子のしたいようにさせておく」


「僕個人としては一瞬一秒でも君の側にいることが許せないんだけど」


「あの子は十万三千冊の魔導書を用いて魔術を使った」


「自動書記が破壊された今あの子は自分の意思で魔術を使えるのか」


「否か」


「ありえないとは思うけど、万が一の場合には僕達も態勢を整えないといけない」


「十万三千冊を操る『魔神』ってのはそれぐらい危険って事だ――――」


「あぁ、それと―――――」


「僕も一応礼を示した、キミもあの子にしっかり礼を言っておく事だね」


上条「……」


ガチャッ


上条「……あっ」


インデックス「……とうま」
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:09:13.07 ID:iM18ipBP0
上条「……」


インデックス「おはようとうま、それとも、今はこんにちわ、なのかな?」


上条「……」


インデックス「え、えと……」


インデックス「ぁぅ……」


上条「……ぷっ」


インデックス「……?」


上条「あははははははっ!!」


インデックス「……ふぇ?」


上条「なんつー顔してんだよお前」


上条「もしかして今回の事に責任もっちゃってんのか?」


インデックス「な、だって! とうまは私のせいで大怪我しちゃったんだよ!?」


上条「バーカ、俺は俺の意志でお前を助けたいって思ったんだ」


上条「今回の怪我は俺の責任なの」


上条「お前は素直にありがとうっていってりゃいいんだよ」


インデックス「……うぅ、でも」


上条「それに? ぶっちゃけ責任を感じて欲しいのは食費に関してなんですよね」


上条「ある程度援助があるからって……それは……」


インデックス「……とーまー!」


上条「ま、待て、インデックスさん、なぜそのように不機嫌になられているのですか?」


インデックス「私が悪い悪いと思っていたのに」


上条「オイ! 俺は怪我人……」


インデックス「純情を踏みにじった天罰なんだよ!」


上条「うわっちょっ……」


上条「ぎゃあああああああ!」
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:09:38.89 ID:iM18ipBP0
インデックス「……」ガブガブガブガブ


尊い犠牲になった枕『……』


上条「……」ガクブルガクブル


上条「す、すみませんでした、インデックスさん」


インデックス「……ふん! そのまま震えてるといいかも!」


コンコン


インデックス「……? 誰?」
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:10:22.02 ID:iM18ipBP0
ガチャ


美琴「……よーっす」


インデックス「あ……みこと、おはようなんだよ」


美琴「もうこんにちはの時間なんだけどね……」


インデックス「日本の挨拶の基準はよく分からないかも……」


美琴「ま、慣れる事ね」


インデックス「うん……あ、わ、私用事を思い出したんだよ!」


美琴「え?」


インデックス「あ、後は若いお二人でごゆっくり!」


美琴「ちょっ、ちょっと!?」


ガチャ、バタン


美琴「……行っちゃった」
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:11:08.86 ID:iM18ipBP0
美琴「気を使わせちゃったかな?」


上条「気にすんな、アイツは気を使ったなんて思ってねぇから」


美琴「……そう」


上条「……よぉ、久し振りだな、御坂」


美琴「ざっと十日ぶりかしらねこうやって話すのは」


上条「そうだな」


美琴「夏休み最終日を入院で終わらせる生徒なんて、珍しいわよ」


上条「……かもな」


美琴「どうしたの? 元気ないじゃない」


上条「……あの時は助けてくれて、ありがとな」


美琴「……」
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:12:05.98 ID:iM18ipBP0
美琴「知ってたんだ」


上条「神裂から聞いた」


上条「『竜王の殺息』からもその後の、光の羽からも助けてくれたんだろ?」


美琴「……神裂さんが言ってたのよ、あの羽だけでも触れてしまえば大変な事になるって」


上条「……でも、よくあの光の羽をどかせたな」


美琴「アンタ、私が電撃使いって事忘れてない?」


上条「え?」


美琴「砂鉄を使って光の羽を蹴散らして、その後を超電磁砲でズドン、よ」


美琴「一枚残らず消し炭にしてやったわ」


美琴「応用性の高い私の能力でアンタ達を助けたってわけ」


上条「……簡単に言ってくれるな」


美琴「そうね、でもアンタが地面に倒れこまなかったら間に合わなかったわ」


上条「あぁ、疲れて倒れちまったんだろうな」


美琴「それで、羽との高さに余裕が出来たのよ、一秒くらいの僅かな時間だったけどね」


上条「ふぅん、そのおかげで俺の命は救われたわけだ」


美琴「どこでその行動がプラスになるか分かったもんじゃないわね」


上条「はははっ、そうだな」
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:14:13.93 ID:iM18ipBP0
美琴「……」


上条「どうした? なんか、怒ってるのか?」


美琴「別に、怒ってないわよ」


上条「怒ってんじゃねぇか、俺、なんか怒らせるようなことしたか?」


美琴「……バカ」


上条「へ?」


美琴「あんな無茶な事してバカだって言ってんのよ!!」


上条「ん、んなっ!」


美琴「バカ、アホ、無鉄砲!!」


上条「お、お前なぁ! 俺のおかげってわけじゃねぇけどその言い方はねぇだろ!?」


美琴「それでアンタが死んだらどうするつもりよ!!」


上条「……あ?」
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:15:18.26 ID:iM18ipBP0
美琴「……っは!」


上条「あの、御坂さん? その、それはどういう意味で」


美琴「え、えと、今のは……その、ア、アンタに預けたゲコ太が戻ってこなくなるかもしれないって事で……」


美琴「あの、ア、アアアアア、アンタがいなくなってもそこまで困らないっていうか」


美琴「ちょっとは困る、けど……」


美琴「……ぅぅ」


上条「……御坂」


美琴「……ぁ、な、なに?」


上条「俺のこと、少しは心配してくれたんだな、ありがとう」


美琴「……ッッ!! そ、そう思うんならそう思ってなさいよ」


上条「上条さん、基本的にはポジティブなんでそう思っておきます」
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:16:16.32 ID:iM18ipBP0
美琴「あ……そうだ」


上条「どうした?」


美琴「アンタ、今週末空いてる?」


上条「今週末って言うと……なんかあったっけ?」


美琴「とにかく、空いてるかどうか教えなさいよ、もちろんインデックスもね」


上条「……まぁ、アイツも俺も空いてると思うけど?」


美琴「ホント!? やった!」


上条「……」


美琴「ぁ……コホン……うん分かった、じゃぁ今週末は……」
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:17:24.18 ID:iM18ipBP0
――――――――同時刻 とある病院中庭


打ち止め「ビビビッ!! なんだか面白そうな電波を感じ取ったってミサカはミサカは報告してみる」


一方通行「アァ? 何言ってンだ? このガキは……つーかはしゃぎ回るンじゃねェよ」


打ち止め「ぶぅー! それはアナタがミサカと遊んでくれないからじゃんかー!!」


一方通行「うるっせェな……こちとら病室でバカ親父と芳川がくっちゃべるから逃げてきたってのによォ」


打ち止め「そしたらミサカと会ったのでしたーってミサカはミサカは経緯を話してみる!」


一方通行「うぜェ……オイ、ミサカァ! このガキどォにかしやがれ!!」


ミサカ「おや、仲良く一緒に遊んでいると上位個体から報告があったのですが?」


一方通行「なァに言ってるンですかァ? どォして俺がコイツと一緒に遊ばなきゃなンねェンだ」


ミサカ「しかし、客観的にみていれば上位個体が妹か娘にしか……!」ハッ


一方通行「なンか嫌な予感がすンな……」
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:18:30.74 ID:iM18ipBP0
ミサカ「上位個体が娘という事は、ミサカは必然的に一方通行と恋人、夫婦という事になり」


ミサカ「う、嬉しいのは山々ですが……でも、それは少し早いですとミサカは……」ブツブツ


一方通行「……オイ、クソガキ」


打ち止め「クソガキじゃないもん、打ち止めだもんってミサカはミサカは主張してみる!」


一方通行「アー……打ち止め、俺はコーヒーが飲みたくなっちまってよォ」


一方通行「札を渡すから、オマエ、ついでに好きなもン買って来い」


打ち止め「いいの!? ってミサカはミサカは目を輝かせてお札を受け取ってみる!」


一方通行「オォ、さっさと行け、感電したくなかったらな」


打ち止め「……? なんだかよく分からないけど了解」


打ち止め「ってミサカはミサカは先ほどからMNWに干渉してこない〇〇〇〇一号に疑問を浮かべつつも自販機へダーッシュ!!」
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:20:09.93 ID:iM18ipBP0
一方通行「さて……と」


ミサカ「ふにゃ……にゅっ……」ビリビリ


一方通行「……俺はいっつもこォいう役割だよなァ」


一方通行「あーあァ……どこで選択を『間違っちまった』のかねェ」


一方通行「いや、それとも俺は『正解』したのか?」


一方通行「まァ、それは追々分かるだろうなァ……」


一方通行「やる事は変わンねェし……」


一方通行「アァ……なンつーか……『不幸だー』ってかァ?」
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:21:44.39 ID:iM18ipBP0





本来歩むべき道とは違う選択を選んだ『主人公』達。
『平行世界』、本来あるはずのない物語。
だが、それは嘘でもマヤカシでも、正解でも間違いでもない
『もしかしたらありえたかもしれない未来』を彼等は生きていく。





本来立てられていた筋書きと交錯することなく物語りは続く。





931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/03/31(木) 01:34:10.68 ID:iM18ipBP0
というわけで、エピローグも含めて、この物語り自体は完璧に終了です。
特に伏線を張ったわけでもありませんし、単純に全員が笑顔で終われる
エンディングはどういうのかな? と考えたらこうなりました。

>>1は今回が初SSでまぁ、新人(?)なわけですが。
楽しんでいただけたでしょうか?
『平行世界』の主人公達は元の主人公たちとは全く異なった道を進んでいき
性格も信念も、どこか違っています。
じゃぁ、こいつら上条さんじゃねーじゃんとか一方通行じゃねーじゃんとか
言ってしまうのはまぁ、ご愛嬌、>>1の腕が悪いので仕方ありません。

終わり方に納得できない方もいるかもしれませんが
>>1はこういう結末を迎えたかったんだなぁ、ぐらいで考えてくださると嬉しいです。


さて、五ヶ月間続いたこのSSですが。
本当に長くなってしまい申し訳ありませんでした。
拙いSSではありましたが毎回投下が終わるたびにレスがつくことが嬉しくて
乙の一言でも続けよう、と飽き性の>>1でもここまでモチベーションを保つ事ができました。


これから先もしかしてまた懲りもせずSSを投下していく事があるかもしれませんが
よろしければそのときもお付き合いしてくださると嬉しいです。


では、このSSが皆様の頭の隅に少しでも残っている事をちょっとだけ期待して
>>1は去ろうと思います。
約半年、本当にありがとうございました。
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage saga]:2011/03/31(木) 01:35:06.82 ID:tHaQ/Wh+o
乙!!

思わず喜ぶ美琴もふにゃるミサカも可愛いぜ
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/31(木) 01:36:51.57 ID:hVyJFKUio


実の所前作は読めてないんだが面白かった
皆優しくて欠陥通行が俺得だわ
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 01:37:07.35 ID:CIilMmIqo
乙!
大丈夫、十二分に面白かった
最近は放置されちゃうのも多いし、しっかり完結しただけでも素晴らしいと思う
次の作品も楽しみに待ってます
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 01:58:23.94 ID:6HgZTW3v0
乙。いや、おつかれさまでした。
俺は>>1のスレに出会えて良かった。長い間乙かれさん。
もう終わってしまうのがとても悲しいが最高に面白かった・・・
次回作も楽しみに待ってるぜ!!
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/03/31(木) 02:04:28.58 ID:vuaXFcA0o
お疲れ様!
楽しませてもらったよー
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 02:33:06.46 ID:v4dEaV8DO
お疲れさまー

欠陥通行スキーの自分は非常に楽しめました
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/31(木) 03:06:35.80 ID:GJ/rTnHao
完走おつかれさまでしたー

上条さんの記憶は守られたのか…
それだけがどうなるか気になってたのでよかった
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/31(木) 03:31:27.08 ID:U0lTwrm50
お疲れ様でした。
終わってしまうのか………
面白かったですよ!次回作楽しみにしてます!
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 16:33:11.76 ID:sYlWRZCOo
乙!
正に誰もが〜なエンディングだったな・・・
美琴は魔術サイドを知って上条さんとらぶいちゃになれたのはいいけど自分のクローン方面の事情は知らぬままかしら
しかし読後感が爽快なだけにまだまだ続きかちょっとした後日談的なのでも見たいと思えてしまう・・・
でもぐっと我慢して>>1の次回作をwktkしながら待ってる!
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/04/01(金) 01:38:38.11 ID:rmY8Q5qq0
素晴らしい出来でした。
<<1さんの欠陥通行に惚れました。
ぜひ、これの続きでも新作でも書いて下さい!!
本当に乙でした!!
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/04/01(金) 15:51:03.53 ID:KBlstWUTo
>>1乙!
その後のおまけも書いてくれるとうれしいなぁ
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 22:39:15.94 ID:6/utAasl0
>>1乙!
ドラゴンブレスのとこで上条さんの記憶がなくなんのかとガクブルしてたが
無事ハッピーエンドォ!

その後の話も、どうか!書いてください!お願いしますゥゥゥ!!!
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/04/28(木) 18:24:37.66 ID:TYZiA/Q10
後日談、まだかなあ・・・
612.43 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)