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禁書「……『幻想物語』?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:46:57.28 ID:eDP0Nik0

去年とある総合スレに投下した同名SSの続編です

時系列は無視、キャラ崩壊が起きています

黒歴史をネタにしているので、苦手な人は避けてください

すでに投下した一話から五話までは再録となります

それでは、お付き合いください

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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :第一話 上条さん、露見する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:47:45.70 ID:eDP0Nik0

上条「学校に行ってくるよ。留守番たのむな、インデックス」

禁書「任せてとうま。 行ってらっしゃい」

上条「おお、行ってきます」バタン タッタッタ

禁書「……とうま行っちゃったね」

禁書「よーし! 作戦開始なんだよ! スフィンクス」

スフィンクス「ニャー」

禁書「とうまにはたくさんお世話になってるんだよ。 だから私も、とうまにお返ししなきゃ
   なんだよ!」

禁書「この日のために、小萌に家事全般のやり方、家電の使い方を教えてもらったんだよ」

禁書「部屋をきれいにしておいしいご飯を作れば、とうまはきっと喜んでくれるんだよ!」

禁書「まずは掃除から、頑張るんだよ!」

禁書「ふんふんふ〜ん♪」ガーガー

禁書「掃除機は便利なんだよ」ガーガー

禁書「ふんふ〜ん♪……あれ?」

3 :第一話 上条さん、露見する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:48:19.72 ID:eDP0Nik0

禁書「壁と机の間に本が落ちてるんだよ」

禁書「ん〜とぉ。 ……取れた!」

禁書「ノートなんだよ。 何が書いてあるんだろ?」ペラ

禁書「……『幻想物語』?」

禁書「これとうまの字だよね? 『登場人物』『幻想殺しについて』『魔術について』『世界
   観』……いろいろ書いてあるけど、魔術についての考察、なのかな?」ペラペラ

禁書「! もしかしてとうま、魔術について勉強してたのかも!」

禁書「水臭いんだよとうま。 言ってくれれば手伝ったのに」

禁書「よーし。 とうまのために添削してあげるんだよ。 まずは『登場人物』から」

禁書「イラストもついてる。 とうまって絵上手かったんだ」

4 :第一話 上条さん、露見する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:48:48.49 ID:eDP0Nik0

禁書「まずは……『主人公・神浄討魔。 あらゆる異能を打ち消す右手・幻想殺しを持つ』かぁ」

禁書「これってとうまのことだよね……。 絵もとうまそっくりなんだよ」

禁書「! そっか、自分を客観視するために自分のこと書いてるんだね! えっと、幻想殺し
   についてはっと」ペラ

禁書「『あらゆる異能を打ち消すことができる……(中略)……切断された右腕から竜王の顎
    が出現した……』」

禁書「『……その正体は神浄討魔の体に眠るドラゴンである。 神上の存在であるドラゴンは
    自浄作用を持ち、存在するだけで空間そのものを清めることができる。 その空間で
    は全ての存在があるべき状態へと落ち着こうと働くため、それを乱す行為――魔術に
    よる世界への介入は不可能となる。 幻想殺しは、その自浄作用が限定的に発現した
    ものである』……?」

禁書「流石に飛躍し過ぎかも。 それに所々に誤解が……」カキカキ

禁書「ふぅ。 添削は思ったより時間かかるかも。 さて次は……」

禁書「『雷の神に祝福されし皇女』 短髪に似てるんだよ。 『魔術を司りし巫女』 あ、
   これ私に似てるんだよ!」

禁書「『銀髪灼眼の討ち手・鈴科百合子』……これ、あくせられーたなのかな? 似てるけ
   ど女の子なんだよ」

禁書「ノートの半分以上が設定とか人物紹介なんだよ。 北欧神話とかいろんな国の神話や
   英雄の話が引用されてるんだよ。 意欲は感じるけど、どれも中途半端で分かりにくく
   なってるかも」カキカキ

禁書「小説も書いてるみたいだけど……見せ場だけを書いてるみたいで分かりづらいかも。 
   でも発想は悪くないし、添削のし甲斐があるんだよ」カキカキ




5 :第一話 上条さん、露見する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:49:22.06 ID:eDP0Nik0

上条「ただいま、インデックス。 いやー、今日は補修もないしセールに間に合ったし、上条
   さん幸せですよー」

禁書「おかえりー、とうま」

上条「あれ、なんか部屋がスッキリしてるけど……まさか掃除してくれたのか!?」

禁書「えへへ、時間なくなっちゃって簡単にしかできてないんだけど」

上条「インデックス……上条さん、今モーレツに感動してますよ……!」ジーン

禁書「あとね、とうま。 魔術の勉強してるなら、先に言って欲しかったかも!」

上条「? ってインデックス! そのノートはっ!!」

禁書「私は魔術の専門家なんだよ。 言ってくれればいくらでも手伝うのに」

上条「い、いいいいや、インデックスさん。 そ、そそそそのノート……見ちゃったんですか……?



禁書「うん! とうまって絵が上手だったんだね。 考察も、今まで見たことない切り口だっ
   たから面白かったんだよ!」

上条「」

禁書「……とうま?」

上条「………………ぃ、ぃ」

禁書「い?」

上条「いやぁぁぁぁぁぁぁあぁああああああぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!」ダバダバダバダバ

禁書「とうま!? どこ行くのとうまぁぁぁぁ!?」

6 :第一話 上条さん、露見する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:50:02.46 ID:eDP0Nik0





美琴「今日は、アイツと会えなかったなぁ」ハァ

美琴「アイツ、今何やってんだろ?」

上条「ぅ……えぐっ……えぐっ、うぅぅぅ 」

美琴「! ちょっとアンタ、どうしたの? なんで泣いてんのよ!?」

上条「ぅぅ……み゙ざかぁ」グス

美琴(やだっ、泣き顔カワイイ……って違う!)

美琴「ほら、落ち着いて。 いったい何があったの?」ナデナデ

上条「み゙ざかぁ……俺、俺ぇ……恥ずかしいの、見られ、ちゃったぁ……」

美琴「」

上条「インデ、ックス……完全きおくっのお、りょく……もって……から……忘れてくれないぃ」

美琴「なっななな何言ってんのよアンタは!!?」

上条「もう、俺……生きていけないぃ〜」ビェーン ギュウゥー

美琴「ちょ、抱きつくなんてっ。 てか顔が胸に当たって……! 恥ずかしいものって!?」

美琴「な、何なのよ一体ー!?」


7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 22:50:51.84 ID:vyw2v6DO
スレ立てたのか!
支援
8 :第二話 上条さん、暴露される ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:51:22.30 ID:eDP0Nik0

美琴(コイツ、泣き疲れて眠っちゃったけど、一体どうしたんだろ?)

美琴「とりあえずベンチに寝かしてっと」

禁書「とーまー! どこ行ったのー! とーまぁー……って短髪!」

美琴「アンタは!」

禁書「良かった、とうまも一緒なんだよ」

美琴「ちょっと待ちなさい! アンタ、コイツに何したのよ? コイツがこんな風になるなん
   て、尋常じゃないわよ!」

禁書「私にもよく分からないんだよ。 ただ、このノートを読んだって言ったら、急に走り出
   したんだよ」

美琴「ノート?」

禁書「これなんだよ」

美琴「どれどれ……ってこれは!」

美琴(なにこれ……すごくかっこいいっ!!)

美琴「これ、コイツが書いたの」

禁書「うん……多分とうまが書いたのかも」

美琴(すごい! コイツにこんな才能があったなんて……っ!)

美琴「じゃあ、これは私が預かっておくわね」

禁書「え、でもそれは」

美琴「だ、大丈夫よ。 コイツから預かっておいてくれって頼まれたんだから」アセアセ

禁書「……なら短髪に預けとくんだよ」

9 :第二話 上条さん、暴露される ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:52:46.74 ID:eDP0Nik0

上条「ぅぅ、ん……インデックス?」

禁書「! とうま。 目が覚めたんだね」

禁書「ごめんなさい、とうま。 私、とうまのこと傷つけちゃったよね」

上条「……いや、俺も取り乱しすぎたよ。 ごめんなインデックス」ナデナデ

上条「御坂にも迷惑かけっちゃって、悪かったな」

美琴「そ、そんなことは無いわよ。 それじゃ、私は用があるんでこれで」タッタッタ

上条「……俺たちも帰ろうぜ」

禁書「うん。 とうま、ごめんね。」

上条「もういいって。 お互い水に流そうぜ」

禁書「うん! ねぇとうま、こんど私が魔術教えてあげるね」

上条「は、はは。 お前、よく分かってないだろ」

禁書「?」

上条「ま、いいっか」

10 :第二話 上条さん、暴露される ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:53:38.48 ID:eDP0Nik0


翌日

上条「学校に行ってくるよ」

禁書「いってらっしゃい。 留守番は任せるんだよ!」

上条(インデックスも家事手伝ってくれるようになって、楽になったな)

上条(ノートのことは誰にも言わないって約束したし、まあ幸せ、かな?)

黒子「おや、上条さんじゃないですの」

上条「おー、白井か。 珍しいな」

黒子「風紀委員の早朝掃除の帰りなんですの。 おはようございます、『竜王を宿す者』
   <ドラゴンハート>さん」

上条「」

11 :第二話 上条さん、暴露される ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:54:33.62 ID:eDP0Nik0

黒子「どうしました? ドラゴンの封印が弱まっているのでしょうか?」

上条「お、おま、どうして」

黒子「『幻想物語』、拝見させていただきましたの。 なかなか、ふふっ、興味深い内容でした」

上条「」パクパク

黒子「『神浄討魔、その身にドラゴンを宿す、神上の存在へと到達できる可能性を持つ存在。
   ドラゴンの存在を確認されてから『竜王を宿す者』<ドラゴンハート>と呼ばれ……』」

上条「止めてーっ!! どうして!? どうして白井が知ってんのー!?」

黒子「さぁ、とうしてでしょう? 私だけが知っているとも限りませんですし」フフッ

黒子「では、ごきげんよう」シュン

上条「不穏な言葉を残して消えないでーーーー!!」

12 :第二話 上条さん、暴露される ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:55:21.50 ID:eDP0Nik0




小萌「神浄ちゃーん、遅刻ですよー」ニヤニヤ

土御門「元気がないぜよ『竜王を宿す者』」ニヤニヤ

青ピ「どうかしたんかいな『竜王を宿す者』」ニヤニヤ

吹寄「栄養ドリンク飲むか? 『竜王を宿す者』」ニヤニヤ




上条「」



13 :第二話 上条さん、暴露される ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:56:34.08 ID:eDP0Nik0

上条(学校のみんなに知られてた)

上条(この分だと、常盤台にも知れ渡ってるんだろうな)

上条(道歩いてたらやたら視線感じたから……下手をすると学園都市中に……)

上条「不幸だ」グスッ

一方「……三下ァ」

上条「ア、一方通行!」

上条(何でこんなところに……まさか、みんなみたいにバカにしにっ! ひょっとして、百合
   子のモデルが一方通行だってばれてお礼参りですか!?)

上条(い、いや、中二病患者ともっぱらの噂の一方通行のことだ。 案外設定に共感して語り
   合えるようになるかも……っ!)

一方「……これ、やるよォ」

上条「……缶コーヒー?」

一方「新しくでたヤツなンだが、なかなかイケる。 ……うめェぞ」

一方「それ飲めばちったァ落ち着くだろ。 あとは……その、なンだ」

一方「負けンなよ。 じゃァな」

上条「」

上条「……くしょぅ」

上条「なんだこれ……何でこんなに苦しいんだよ。 優しさが痛ぇよ……」

上条「ちくしょうーーーー!!」


14 :第三話 上条さん、イジられる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:57:32.35 ID:eDP0Nik0

不良A「お嬢さん、俺らと遊んでいかねぇか」

不良B「嫌、なんて言わないよなぁ」

不良C「へっへ、楽しませてやるよぉ」

少女「い、いや……誰かっ」

上条「よう、ここにいたのか。 探したぜ」

A「おいおい、なんなんだお前」

上条「いやー、彼女の連れでして。 ほら、はぐれるなって言っただろ。 早く帰るぞ」

少女「え、ええ?」

B「ちょっと待てよ。 嬢ちゃんはお前のこと知らねえってよ」

C「大体、お前誰なんだ……ああん?」

A「待てよ。 そのツンツン頭……、お前、もしかして『竜王を宿す者』
  <ドラゴンハート>か!?」

上条「」

15 :第三話 上条さん、イジられる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:58:12.64 ID:eDP0Nik0


B「な、なんだって! あの『その身にドラゴンを宿す、神上の存在へと到達できる可能性
  を持つ存在』か!?」

C「その強大な力で、世界中の魔術機関に狙われている、あの!?」

少女「世界を創り変える存在『竜王を宿す者』<ドラゴンハート>……っ!」

上条「」

A「いやまだだ! まだドラゴンには封印が施されている! つまりお前は能力を打ち消
  す以外に、あの強大な力を使えないはずだ!」

A「いくら『竜王を宿す者』とはいえ今なら――『ドラゴンストライクッ!!』――ぐはぁ!!」

B C「「Aーーーーッ!!」」

B「ばかなっドラゴンの力を振るっただと!? すでに封印は解けているのか!?」

C「それだけじゃねえ。 奴の目を見ろ!」




上条「おかしいかよ……ちょっと設定考えるのがそんなにおかしいかよっ!!」




少女「まさか――暴走っ」

16 :第三話 上条さん、イジられる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:58:45.74 ID:eDP0Nik0

上条「最強主人公考えるのがそんなに悪いかぁぁ!!」ガシッポカ

A「こ、これが、神を超える力――げぼぉ」




B「なんてこった……このままじゃ世界が」

C「もう、どうすることもできないのか……ッ!」

少女「まだよ!」

B C「「ッ!!」」

少女「ただ一人、『雷の神に祝福されし皇女』なら『竜王を宿す者』の暴走を抑えられるわ!」

B「だ、だが、どうやって探せば……」

少女「諦めちゃダメよ! じゃなきゃ世界が!」

C「……嬢ちゃんの言うとおりだ。 『雷の神に祝福されし皇女』を見つけられなけりゃ世界
  が滅ぶ! 腹括るぞB!」

B「!」

上条「厨二の何がいけないんだぁぁぁぁ!!!!」ガシッポカ

A「や、やめ、ぐふぅ」






美琴「やめなさい!! アンタたち!!」




17 :第三話 上条さん、イジられる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 22:59:11.87 ID:eDP0Nik0

少女「『雷の神に祝福されし皇女』! 軌跡だわ」

B「見ろ! 『竜王を宿す者』が動きを止めたぞ!」

C「あれほどの力を押さえ込めるとは、さすがは『雷の神に祝福されし皇女』」

上条「み、御坂ぁ〜」ウワーン

美琴「はいはいよしよし。 もう大丈夫だからね」ナデナデ

美琴「アンタたちもさっさと帰りなさいよ」

B C 少女「「「は〜〜〜い」」」スタコラサッサ

A「は、はぁい」ヨロヨロ

上条「俺、俺……『竜王を宿す者』じゃ、ないもん」サメザメ

美琴(私も『雷の神に祝福されし皇女』なんて呼ばれて困ってるなんて、言えないわね……)ハァ

美琴「もう大丈夫だから。 噂なんてすぐに忘れられるから、ね」ナデナデ

上条「『神浄討魔』なんかじゃないもん。 上条当麻だもん」エグエグ


18 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:00:06.74 ID:eDP0Nik0


上条「黒歴史ノートが暴露されて数週間。 噂は消える気配がありません」

上条「それどころか尾びれ背びれがついて学園都市中を駆け巡っています」

上条「もう『竜王を宿す者』<ドラゴンハート>って呼ばれることのほうが多いです」




禁書「とうま、また壁に向かって独り言言ってるんだよ」

禁書「とうま、ご飯できたよ。 一緒に食べよう?」

上条「ああ、ありがとう、『魔術を司りし巫女』」

禁書(目が死んでるんだよ……)

禁書「私はインデックスなんだよ……。 さあ、ご飯食べよう」

上条 禁書「「いただきまーす」」モグモグ




上条「ごちそうさま。 それじゃ、学校に行ってくるよ」

禁書「とうま、大丈夫? ちゃんと行ける?」

上条「あはは。 何心配してんだよ『魔術を司』……インデックス。 上条さんは元気ですよ」

禁書(ダメそうなんだよ)



19 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:00:51.52 ID:eDP0Nik0




上条「……インデックスに心配かけちまったな」

上条「こんなことじゃいけないよな。 気合、入れなおさないと」

不良A「おやあ。 『竜王を宿す者』じゃないか」ニヤニヤ

不良B「あの『大戦』に生き残ってたのかぁ」ニヤニヤ

不良C「愛しの『雷の神に祝福されし皇女』を残して死ねないってか」ニヤニヤ

不良D「夜は『竜王を宿す者』の『ドラゴンストライク』が炸裂ってか」ニヤニヤ

上条「……最近じゃ、こうやってからかっていく人たちが増えました。 まあ、もう慣れたけど」

上条「ちなみに、俺と御坂が付き合っているってのも、尾ひれのついた噂のひとつです」

A「お前、誰に向かって話してんだ?」

20 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:01:34.93 ID:eDP0Nik0

B「『竜王を宿す者』さーん、いつになったら封印解けるんですかぁ」

C「おいおい、滅多なこというなよ。 世界滅びちゃうぜ」

D「大丈夫だよ。 『雷の神に祝福されし皇女』さまがいるんだぜ。 愛の力で一発よ!」

A「違えねえ」

「「「「はっはっはっはっはっ!」」」」




                  ブチィ




上条「『ドラゴンストライクッ!!』」バキバキィ

A「ぐはぁ!」

B「こ、こいつ。 まさか暴走……がっ!」

上条「『ドラゴンストライクッ!!』」バキィ

C「こいつ、本当に我を失って……うぐぅ!」

D「封印が解けちまったのか!?」

上条「ウォォォォッ!!」

21 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:02:12.66 ID:eDP0Nik0


上条「フーッフーッ」

美琴「そこまでよアンタ! いくらなんでもやりすぎよ!」

D「た……助けて『雷の神に祝福されし皇女』」

美琴「……そこの人、意外と余裕ね」

上条「ウ、ウワァァァァァ!!」

美琴「アンタ、正気を失って……。 なら、私がアンタを止めてあげる!」ビリビリ

美琴(この私……『雷の神に祝福されし皇女』が『竜王を宿す者』の恋人として!)

上条「『ドラゴンストラァァァイク!!』」





禁書「とうま! 短髪! 大丈夫!?」

美琴「来ないでインデックス! くぅ!」

禁書「短髪!」

美琴「逃げなさいインデックス、いいえ『魔術を司りし巫女』! このバカ完全に我を失ってる、
   ドラゴンの封印が解けているのよ!」

禁書「! ……短髪を、ううん『雷の神に祝福されし皇女』を置いて逃げられないんだよ。 
   『竜王を宿す者』、お願い、正気に戻って!」

上条「ウォォォ……『ドラゴン……』」ググッ

美琴「だめっ! 私じゃ止められない……っ!」

一方「そこまでだ三下ァ!!」ゴゥ

22 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:02:42.95 ID:eDP0Nik0


禁書「竜巻が、とうまを吹き飛ばしたんだよ!」

美琴「アンタ……助けてくれたの……?」

一方「勘違いすンなァ。 俺はただ、あのバカ面を一発殴りに来ただけだ」

禁書「あくせられーた、ううん『銀髪灼眼の討ち手』ありがとうなんだよ」

上条「ウォォォ……スズシナァ」

一方「……礼なンていらねェよ。 いくぜェ三下……いや『竜王を宿す者』!」

上条「『ドラゴン……ストライクッ!!』」

一方「黒翼ッ!!」

上条 一方「「ウォォォォォォッ!!」」

23 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:03:09.33 ID:eDP0Nik0






一方「ここまでだァ!」ズシャァ

上条「ガァッ!!」

禁書「とうまが黒翼に捕まったんだよ! 動きを封じられたかも!」

美琴「ようやく……終わるのね」

上条「ガァァァ……」

一方「いい加減目ェ覚ませよ、ヒーロー! いつまでこいつらを悲しませる気だァ!!」

上条「アァァァ……」パァァァ

美琴「何? アイツの右手が光って……!」

一方「この期に及んでなにを……!」

禁書「とうま……!」

24 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:04:13.39 ID:eDP0Nik0








竜王「がぉーっ」

    ・
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・

一方 禁書 美琴「「「なんかでたーーーーっ!!」」」ガビーン

25 :第四話 上条さん、暴走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:04:58.39 ID:eDP0Nik0


窓の無いビル


            \ナンカデターーーーッ!!/


エイワス「こういう時何と言うか、君は知っているかね?」

アレイスター「……」

エイワス「こう言えばいい――『それにしてもこの竜王、ノリノリである』と」

アレイスター「黙れ」

アレイスター「……空気を読みすぎだ……あの駄竜……っ!」



26 :第五話 上条さん、乗り越える ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:05:53.60 ID:eDP0Nik0


上条「前回の騒ぎから一週間、いろいろ大変だったけど上条さんは元気です」

上条「竜王の竜ちゃんも言うこと聞いてくれるから、ちょっとしたペット感覚です。
   普段は腕に擬態してくれるんですよ」

上条「幻の超能力者第八位とか噂が大きくなったけど、上条さんは大丈夫です」



一方「誰に話しかけてンだよ、三下?」

上条「一方通行! この間は世話になったな」

一方「……俺はただ、オマエをぶん殴っただけだ。 感謝されるいわれはねェよ……」

一方「それより、もう大丈夫なのか?」

上条「みんなには心配かけて悪かったと思う。 もう我を忘れて暴れたりしないよ。 俺には、
   支えてくれる竜ちゃんとお前たちがいるからな」

竜王「がうがう!」

一方「……三下」ニッ

通行人A「お前! 『竜王を宿す者』じゃないか!」

通行人B「なんだと! あの第一位すら下した幻の超能力者の!?」

通行人C「『雷の神に祝福されし皇女』や『魔術を司りし巫女』、さらには『銀髪灼眼の討ち手』
     すら手篭めにしたっていうやつ?」

通行人D「カッコイイ! サイン下さい!!」

上条「」

一方「うっとォしいヤツラだ……三下?」

上条「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

竜王「がぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

一方「三下ァァァァァァァァァ!?」

A B C D「「「「ヒィィィィィィィィィ!」」」」

27 :第五話 上条さん、乗り越える ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:06:47.79 ID:eDP0Nik0


上条「ごめんなさい」

一方「面倒かけンじゃねェよ。 辛ェのは分かるが、ところ構わず暴れるのはよせ。
   大体、竜ちゃンはもう制御できるンじゃないンですかァ?」

上条「いや、我を忘れるとつい……スイマセン」

竜王「がぉぅ」シュン

一方「少しは冷静になれよォ。 ……オマエの強さはそンなもンじゃねェだろ」ボソ

上条「面目ないです。 あ、学校に遅刻するからもう行くな」タッタッタ

一方「……チッ」




小萌「上条ちゃん、からかっちゃってごめんなさい」

土御門「悪かったぜよ。 かみやん」

青ピ「堪忍してェな、かみやん」

吹寄「私も調子に乗りすぎた……すまない」

上条「みんな……もういいんだ。 謝ってくれて嬉しいよ」

28 :第五話 上条さん、乗り越える ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:08:00.30 ID:eDP0Nik0


姫神「これで一件落着。 上条くん。 えらい」

青ピ「さっすが『竜王を宿す者』やな! 太っ腹やで!」ポン

上条「」

青ピ「?」



上条「キシャーーーーッ!!」

竜王「がぉーーーーっ!!」



「一体なんなんですかー!?」

「や、やめて! ボクなんておいしくないでっ……イヤーーーー!!」

「青ピが竜に食われたぜよー!!」

「上条くん……大胆。 ぽっ」

「や、やめろ貴様っ! 放せっ!!」

「大変だー! 姫神と吹寄が連れていかれるぞーっ!」

一方「三下ァァァァァ!!」ガシャーン

29 :第五話 上条さん、乗り越える ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:08:51.28 ID:eDP0Nik0

    ・
    ・
    ・

上条「申し訳ありません」

一方「一言あの単語言われたくらいで暴走しないでくれませんかァ。 大丈夫大丈夫って全然
   ダメじゃねェか。 いっぺん冥土帰しに診てもらいますかァ?」

一方「ンで竜ちゃン。 オマエも三下と一緒に暴走すンな。 そういうときこそ三下を支えて
   やらなきゃだろォ」

竜王「がぉ」シュン

一方「おら青いの。 なァに人の心の傷抉るようなことしてくれるンですかァ。 冗談でも言
   っていいことと悪いことがあるって、小学校で習わなかったンですかァ?」

青ピ「ホンマ、申し開きもございません」

一方「謝る相手が違ェだろうが」

青ピ「かみやん、ホンマすまんかった」

上条「いや……俺もあのくらいのことで暴走しちまって……ごめん」

モブ「……やっぱ封印が」

一方「なンか言いましたかァ」ギロッ

モブ「……っ!」フルフル

一方「よーし、これで一件落着だァ。 オマエら、今日からあのことは忘れろよォ」

クラスメイト『ハーイ』

上条「みんな、一方通行……ありがとう」

竜王「がうがう」ニパー

美琴「アンタ、大丈夫!?」バン

30 :第五話 上条さん、乗り越える ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:09:46.97 ID:eDP0Nik0


一方(やべェ、めンどくさいヤツが来た)

上条「御坂? とうしてここに?」

美琴「竜ちゃんの光線が見えたから、何かあったと思って……」

美琴「だ、だからって、アンタのことが心配になった訳じゃぁ、ないんだけど」アセアセ

上条「わざわざ来てくれたのか。 ありがとな」

美琴「う……ど、どういたしまして///」

美琴(そんな……来るに決まっているでしょ。 私とアンタ、『雷の神に祝福されし皇女』
   と『竜王を宿す者』は恋人同士なんだし///)

美琴「……あら一方通行、いたの?」

一方「……ォォ」

美琴(コイツがアイツを助けてくれたのか。 ……でも待って)

美琴(確かネットの噂で、『竜王を宿す者』と『銀髪灼眼の討ち手』が付き合ってるってのが
   あったような)

美琴(一方通行って見た目男か女かわかんないし、最近アイツとよく一緒にいるのよね……)

美琴(そんなまさか。 あれはあくまでも噂であって、一方通行も男のはずだし……でも
   万が一ってことが……!)

31 :第五話 上条さん、乗り越える ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:10:22.71 ID:eDP0Nik0


一方「三下、よく見たら血が出てるぞ」

上条「え、どこ?」

一方「額だよ。 髪で隠れてたのか。 こりゃァ傷は浅いな」ピト

美琴「! ダメッ『竜王を宿す者』の恋人は『雷の神に祝福されし皇女』なのよ!」

一方 上条「「!!」」

美琴「あ」

一方「何やってくれるンですかァァァ!? オリジナル!!」

上条「う、うぉぉ……っ」

小萌「みんな、避難するんですよー!」

竜王「がおーーーー!」

32 :第五話 上条さん、乗り越える ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:10:56.15 ID:eDP0Nik0


一方「竜ちゃン!?」

美琴「竜ちゃんがアイツの体に巻きついて、頭に頬ずりを始めるなんて」

竜王「がーお、かーお」スリスリ

上条「あ……。 竜、ちゃん」

一方「三下ァ、正気を取り戻したのか!」

子萌「上条ちゃん、竜ちゃん……美しい友情なのですよぉ」グス

青ピ「あかん、こんなん反則やわぁ」グス

吹寄「くぅ、いい話じゃないか」グス

上条「みんな……俺、もう大丈夫だよ」

美琴「アンタ、おめでとう」

一方「オリジナル、オマエは後で説教だ」

美琴「」




土御門「……」

土御門(【『雷の神に祝福されし皇女』と『銀髪灼眼の討ち手』が『竜王を宿す者』をめぐって
    痴話喧嘩。 そこに竜王が美少女メイドになって光臨】っと)カコカコ

土御門(こんなもんかにゃー。 掲示板に書き込み完了っと)

33 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:18:30.50 ID:eDP0Nik0
以上で前回投下分は終了です

これから少しづつ投下していくつもりです


第六話は『アイテム』勢ぞろい
時系列は無視して、もちろんフレンダも登場します
34 :第六話 浜面、発覚する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:19:23.10 ID:eDP0Nik0


滝壺「はまづら……ねぇ、はまづら」

浜面「……」カコカコ

滝壺「……はまづら」

浜面「……」カコカコ

麦野「はーまづらあ」ゴン

浜面「イッテェ! な、何!?」

麦野「あんた、他人の呼びかけ無視するなんて、随分イイご身分になったもんね」

浜面「へ、あ、ち、違う。 今集中してたから、その」

麦野「謝る相手が違えんだよ」ゴン

滝壺「はまづら……」

浜面「ごめん滝壺。 俺、そんなつもりじゃ……」

麦野「……」

35 :第六話 浜面、発覚する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:20:02.23 ID:eDP0Nik0


麦野「という訳で、あいつを調べるわよ」

絹旗「滝壺さんを無視するなんて、超何かありますね。 最近ケータイばっかり弄ってますし」

フレンダ「そこで取り出したるは浜面のケータイ。 滝壺に話しかけられたときにも弄ってたか
     ら、これに何かがあるって訳よ」

滝壺「はまづら、どうしちゃったんだろ?」

絹旗「浜面は適当な用事で席を外させたから、今の内に超調べましょう」

フレンダ「まずはメールからね。 ピッピッと」

麦野「……特に怪しいメールは無いわね」

フレンダ「結局、メールに不審な点は無いって訳よ。 次はブラウザの履歴ね」

フレンダ「とりあえず最新の履歴をっと……。 これは――」

麦野「どれ――『幻想物語 Index SSまとめwiki』?」

滝壺「?」

絹旗「幻想物語って、あの超中二の小説のことですか?」

フレンダ「都市伝説にもなってるアレよ。 どうやら複数の人がこの設定を使って小説を書い
     てるみたいね。 『俺たちで小説を完成させようぜ』って書いてあるわ」

滝壺「はまづらは、それを読んでたの?」

フレンダ「いいえ、それだけじゃないみたい。 結局、浜面は小説を書いている側って訳よ!」

36 :第六話 浜面、発覚する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:20:39.86 ID:eDP0Nik0


フレンダ「ほら、ケータイのフォルダに小説とそのプロットが保存されているわ」

滝壺「かなりの量を書いていますね。 超のめり込んでます」

麦野「まったく、あのバカは……」

滝壺「私、はまづらの小説読んでみたい」

麦野「あいつが書いた小説なんて高が知れてるわよ」

絹旗「それが超いいんじゃないですか! 素人の痛い小説も、C級映画に通じるものがあります!」

フレンダ「それじゃあ読んでみましょうね〜」

滝壺「わくわく」

麦野「……うっわ。 この登場人物、浜面自身じゃない」

フレンダ「っていうか『アイテム』勢ぞろいって訳よ」

絹旗「私たちを中心にしたサイドストーリーを書いているのですね。 まとめwikiでも超人気の
   高い作品のようですが……」

絹旗「う〜ん。 設定はよく考えて組み込まれてますし、文章も悪くありません。 浜面の癖に
   超期待外れです」

麦野「……意外な才能ね、浜面の癖に」

滝壺「……面白い」

フレンダ「さーて、どんどん行くわよー。 ってこのフォルダは……」


【R18】


フレンダ 麦野 絹旗 滝壺「「「「……」」」」

37 :第六話 浜面、発覚する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:21:09.66 ID:eDP0Nik0


フレンダ「あ、開けてみるよ……」

絹旗「……さらにフォルダ分けされてますね」



【アンタのこと】竜王を宿す者×雷の神に祝福されし皇女【好きだから】
【触っても】竜王を宿す者×魔術を司りし巫女【いいんだよ】
【優しく】銀髪灼眼の討ち手×竜王を宿す者【してやるよ】
【ご主人の手】竜王を宿す者×竜王【暖かい】



フレンダ 麦野 絹旗 滝壺「「「「……………………」」」」

        ・
        ・
        ・
        ・
        ・
        ・
38 :第六話 浜面、発覚する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:22:10.61 ID:eDP0Nik0


浜面「ただいま〜。 まったく、缶詰が見つからなくて時間かかったぜ」

麦野「……」

浜面「……あれ? みんな、どうかしたか?」

フレンダ「ねえ浜面……あんたもしかして、幻想物語の小説書いてる……?」

浜面「えっ、何だよ急に。 何でそれを知ってるんだ?」アセアセ

絹旗「……」

浜面「い、いや〜、紹介するのは完結してからって考えてたんだけど、まさか見つかっちゃう
   なんてな〜。 なんだよ、お前らも幻想スレ見てたのか〜」テレテレ

浜面「こういうのって結構照れくさいのな。 俺も自分のSSには自信あるんだけどよぉ」テレテレ

浜面「やっぱ自分から発表した方が、心の準備がなぁ〜」テレテレ

滝壺「……」

麦野「幻想スレなんてみてねえよ」ポイ

浜面「へ? ってこれ、俺のケータイ。 見てないって……まさか」サー

絹旗「『竜王を宿す者』と『竜王』のカップリングを沢山書いていますね。 っていうか、何
   で『竜王』が超メイドなんですか? バニーからメイドに超宗旨替えですか?」

浜面「」

麦野「官能はねえよ、浜面」

フレンダ「結局、浜面はキモいのね」

滝壺「大丈夫だよ、はまづら。 私はそんなはまづらを応援してる」

浜面「う……」

浜面「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」ダッ

39 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/08(土) 23:24:59.47 ID:eDP0Nik0
今日の投下は以上です

なるべく早く、できれば毎日少しづつ投下する予定です



恐らく一スレ丸ごと使うことにはならないと思うので、『幻想物語』が終わったら、総合スレ
に投下した別のSSの続きを書こうと思っています

そのときは、どうぞ、お付き合いください

40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:26:55.23 ID:I98DOgAO
乙!
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:42:24.51 ID:ZS7jdZE0
おもしろい
はまづらの二つ名が気になる
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:54:20.92 ID:HKWeoNwo
あれの続きかwwktk
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 01:03:02.35 ID:WnJ2HC6o
相変わらずひどい厨二(褒め言葉)
スレ立てたのかー全力で張り付くぜ
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 01:06:58.28 ID:v1pfiNE0
おもしろかったけどサンホラとのクロスかと勘違いしちゃったんだよ!
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 01:39:59.47 ID:HHUgLd.o
ダメだ
痛過ぎてまともに読めないw
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 04:42:55.09 ID:S/FCOAIP
あのSSの続きかよ
楽しみだわ!
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 09:28:15.82 ID:WDWQc6AO
オモシロい、浜面の設定早く知りたいわ
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 13:01:03.21 ID:503cgM60
隠されし幻想<インビシブルイマジン>って感じか浜面
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 14:24:26.66 ID:flHukQ2o
>>48
大分毒されてきたな
50 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:20:48.24 ID:vM0b+oIK0


みなさん、レスありがとうございます
これからも期待に応えて厨二を貫こうと思います

でも言えない……浜面の二つ名とか考えてなかったなんて言えない……

それでは投下します

51 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:21:37.75 ID:vM0b+oIK0


竜王「がおーがおー」ユサユサ

上条「……ん。 ああ、おはよう竜ちゃん」

竜王「がーお」

禁書「おはようじゃないんだよ、とうま。 もうお昼だよ」

禁書「いくらお休みの日でも、ちょっと寝すぎかも」

上条「おはようインデックス……。 そっか、朝飯食って二度寝しちゃったのか」

禁書「お昼はできてるよ。 早く食べよう」

上条「ん。 竜ちゃん、手に戻ってくれるか」

竜王「がお」ウニョーン

上条 禁書「「いただきまーす」」

上条「ん、このみそ汁おいしいなぁ。 インデックスも随分料理上手くなったよな」

禁書「えっへん。 私はやればできる子なんだよ。 とうまよりおいしく作れる自身あるもん」

上条「うーん。 これは上条さんもうかうかしてられないなぁ」

上条(前回の騒ぎから数日たって、身の回りはすっかり落ち着きました。 みんな俺のこと
   気を使ってくれるし、インデックスも家事を手伝ってくれて、上条さんは幸せですよ)

上条(ちなみに竜ちゃんは、俺が食事をすればそれでいいらしく食事の間は手に擬態しています。
   食費がかからないって言うのは助かりますよ)

52 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:22:42.54 ID:vM0b+oIK0


上条 禁書「「ごちそうさま」」

上条「それじゃ、食器片付けてくるな」

上条「ふんふんふん♪」ジャー カチャカチャ


ピンポーン


禁書「はーい。 どちらさまかな?」ガチャ

一方「よォ」

禁書「あくせられーた! いらっしゃいなんだよ」

一方「ン、じゃまするぜェ」

上条「珍しいな一方通行。 家に遊びに来るの初めてなんじゃないか」ジャー カチャカチャ

一方「まァな。 オマエは大分回復したみたいだな、『竜王を宿す者』」

上条「おいおい、それはもう言いっこなしだぜ」キュッ フキフキ

一方「……本当に大丈夫みたいだなァ」

上条「みんなのおかげだよ。 それに、振り返ってみると悪いことばかりじゃなかったし」

上条「あの騒ぎがあったから、一方通行とも仲良くなれたし、竜ちゃんとも出会えたんだしな」

竜王「がぉーう」

一方「ハッ、相変わらずよく回る舌だなァ。 死ンでも治りそうにねェ」

禁書「あくせられーたの言うとおりかも」

上条「ちょ、それどういう意味だよ」

53 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:23:24.73 ID:vM0b+oIK0


一方「それよりも、これでようやく話を付けられるな」

上条「な、なんでせうか、そんな怖い顔して? 上条さん何か怒らせるようなことしたでせうか?」

一方「『銀髪灼眼の討ち手』っての、ありゃァなンだ?」

上条「」

禁書「そう言えば、あれってあくせられーたをモデルにしてるよね。 でもなんで女の子なの?」

上条「い、いや、それは……展開上その方が都合がいいと言いますか……その、ヒロインが必要
   だったとかありまして」

一方「ヒロインなンて十分すぎるほどいるじゃねェか。 話の流れで言ったら、男にして親友の
   位置に置いた方がいいだろゥ」

上条「そ、それは……」

一方「俺が女に見えたってのかァ?」ギロ

上条「〜っ。 し、仕方なかったんだ! 上条さんだってハーレムルートに憧れてたんだ! 
   アルビノ系美少女の誘惑に勝てなかったんだ!」

一方「……うわァ」

禁書「……とーまあ」

上条「そんな汚いものを見るような目で見ないで! 別に一方通行のことがどうこうとかって
   のは一切無いから! ちょっとした気の迷いだから!」

上条「インデックスさんも! そんな歯をむき出しにしないで――『ガプ』――ギャァァァー
   ーーー不幸だぁーーーーっ!」

54 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:24:17.00 ID:vM0b+oIK0


竜王「がうーっ」

上条「うん、ありがとうな竜ちゃん。 俺の味方はお前だけだよ……」

一方「右手から伸びた竜ちゃンが首に巻きついて慰めてる訳だが……竜ちゃンも大変だなァ」

禁書「竜ちゃんも呆れてるように見えるんだよ」

上条「そんな訳で、ちょっとした気の迷いで、深い意味は一切無いんですよ」

一方「……まァいい。 本題はこっちだ」スススッ

上条「って、言いながら離れるの止めて! 地味に傷つくから!」

一方「黙ってこれを見ろ」ドン

禁書「……これ、ぱそこんってやつだよね」オソルオソル

上条「これは、『幻想物語 Index SSまとめwiki』?」

一方「今、ネットじゃオマエの設定を使っていくつもの小説が書かれている。 これはその
   まとめサイトだ。 そして、こっちが現行スレだ」

上条「な、なんでこんなものが……50スレ目って……」

竜王「がーう」スリスリ

一方「設定は作りこまれてたからなァ。 噂は学園都市内のみにとどまったが、ここは学生の街。
   これに共感する厨二病患者が大勢いたって訳だァ」

一方「早急に噂を消すのは不可能だ。 サイトを潰すのは簡単だが、それじゃァ逆効果になっ
   ちまう」

一方「目を背けて、いずれ忘れられる時を待つしかねェ」

55 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:24:56.85 ID:vM0b+oIK0


上条「……」

上条「……待ってくれ、一方通行」

一方「あン?」

上条「俺、もう一度書いてみようと思うんだ」

一方「……自分が何言ってンのか、分かってンのか三下ァ」

上条「もちろんだ。 今度こそ、幻想物語を完成させたい」

一方「いい目だァ。 厨二も突き抜けりゃ芸になるってかァ」

禁書「そういうことなら私も手伝うんだよ。 魔術のことなら何でも聞いて欲しいかも」

竜王「がうがう!」

上条「みんな、ありがとな」

禁書「! ねえねえ二人とも。 この『げんこうすれ』っていうの、ついさっき投稿されてる
   んだよ」

一方「ああ?」

禁書「ほらこれ」

56 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:25:39.54 ID:vM0b+oIK0


666 :外伝『神が住む天界の片鱗を振るう者』:ID:darkmatter

主人公『神が住む天界の片鱗を振るう者』を中心にした『都市』所属の暗部組織同士の抗争
を描く群像劇を考案中です

『神が住む天界の片鱗を振るう者』はこの世界に存在しない物質の生成・操作を可能にする能
力『ダークマター』を持っている

イケメンで思慮深く、敵を許す寛容さも持ち合わせている紳士

とにかく『銀髪灼眼の討ち手』より強く、頭脳明晰で美形

他人をメルヘン呼ばわりしたくせに黒翼(笑)、天使(笑)な真性メルヘンモヤシとは違え

格が違うんだよ、ざまーみろ第一位




近いうちにスレを立てる予定



57 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:26:12.74 ID:vM0b+oIK0


一方「……」

上条「また新しい人がSSを書くのか。 なんだか感慨深いな」

一方「……」

禁書「どうしたの、あくせられーた?」

一方「……何でもねェ。 用事ができたから帰るわァ」スタスタ

一方「それと三下ァ、俺も執筆に協力してやるよォ」ニヤァ

パタン

禁書「いきなり帰っちゃったけど、どうしたのかな?」

上条「なんだか分からないけど、上条さん嫌な予感がしますよ……」

58 :第七話 上条さん、覚悟する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:27:01.99 ID:vM0b+oIK0

    ・
    ・
    ・

数日後


上条「でさ、ここの設定なんだけど……」

一方「こっちの設定と矛盾してるじゃねェか。 ここはこういう風に変えてだな……」

禁書「う〜ん」

上条「インデックス? パソコン見つめて何してるんだ?」

禁書「『神が住む天界の片鱗を振るう者』が投下されてないんだよ。 とうま、掲示板を更新
   してくれないかな」

上条「ん、ちょっと待ってな。 ……やっぱりスレも立ってないな。 すぐに立てるって書い
   てたのに」

一方「クソメルヘンなら療養中だ。 投下はできねェなァ」

上条「一方通行?」

一方「それより続きだァ。 三下、ここも矛盾してるぞォ」

上条「ああ……うん?」

禁書(……深く追求しないほうがいいのかも)

59 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/09(日) 20:28:45.42 ID:vM0b+oIK0
以上です

ハーレムルートは、男なら一度は憧れるものだと思います
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 20:29:39.46 ID:PviyugoSo

アルビノ系美少女の誘惑にはかてんわな
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 21:46:09.80 ID:/k6zrsxeo

総合でも楽しんでたぜ
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 21:51:39.90 ID:jOIoZ3d3o
帝凍庫…
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 03:11:13.27 ID:7Ir1ZCUXo

>.                        _,,-‐'' ̄`''- 、,_
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>           |::::::l    |    帝凍庫クン     |
>           \_ヽ    |_________________|
>             `  ./|==========iト、
>                ../ |   -―- 、__,        .|| .\
>              /  l   '叨¨ヽ   `ー-、  .|ト、   \
>    r、       /   .!〕   ` ー    /叨¨)   || \  \        ,、
>     ) `ー''"´ ̄ ̄   / |         ヽ,     ||   \   ̄` ー‐'´ (_
>  とニ二ゝソ____/   |    `ヽ.___´,       ||    \____(、,二つ
>                       |       `ニ´      ||
>                       |_____________j|
>                 |´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`i|
>                 |               ||
>                       |〕 常識は通用しねぇ  ||
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64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 09:21:01.84 ID:sIuw5mB+o
65 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/10(月) 14:14:12.23 ID:s4VfGZot0
レスありがとうございます

楽しめるものが書けるようがんばります

それでは、第八話を投下します
66 :第八話 竜ちゃん、執筆する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/10(月) 14:14:56.25 ID:s4VfGZot0


竜王 カタカタ

禁書「あれ、竜ちゃんなにやってるの?」

上条「竜ちゃんはな、今執筆中なんだ」

禁書「執筆って……それ、ぱそこんだよね? 竜ちゃんぱそこん使えるの?」

上条「この間一方通行に教えてもらったんだよ。 竜ちゃん物覚え良くてな、一発で覚えちゃ
   ったんだ」

上条「竜ちゃんが気に入ったからって、一方通行の奴、パソコン貸してくれたんだよ」

竜王「がうー」

禁書「髭でキーを叩くなんて、器用なんだよ」

禁書「……っていうか、なんで髭があるの? 髭なんて生えてなかったよね」

上条「パソコン使うのに便利だからって生やしたらしい。 もう上条さんびっくりですよ」

禁書「流石、竜ちゃんなんだよ」ゴクリ

竜王「がおっ」フンス

67 :第八話 竜ちゃん、執筆する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/10(月) 14:15:55.21 ID:s4VfGZot0


竜王 カタカタ

禁書「ホントにぱそこん使えるんだね」

上条「インデックス形無しだな」

禁書「む、私だって本気出せば、ぱそこんくらい簡単に使いこなせるんだよ」

上条「じゃあやってみるか? 上条さん、インデックスの本気が見てみたいなー」

禁書「うぐ。 ……今は竜ちゃんが使ってるし、ちょっと日が悪いからまた今度にするんだよ」

上条「へいへい、期待しないで待ってますよ」

禁書「き、起動くらいならできるんだよ。 マウスだって動かせるかも!」

上条「……まあ、上達したほうだよな」ボソ


68 :第八話 竜ちゃん、執筆する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/10(月) 14:17:16.97 ID:s4VfGZot0



禁書「……ところで、竜ちゃんは何を書いてるの?」

上条「竜ちゃんの自伝だってさ。 これがさ、竜ちゃん意外と文才あるんだぜ」

禁書「自伝……?」

上条「うん。 竜ちゃんの生い立ちとかいろいろと。 幻想物語に参考にできるらしいから頼
   んだんだよ」

禁書「……私は今、原典の製作に立ち会ってるのかもしれないんだよ」

上条「なんだよ、大げさだな」

禁書「大げさなんかじゃないんだよ! 下手をしたら魔術サイドがひっくり返るかも!」

上条「まあ……大丈夫なんじゃないか。 っていうかパソコンで原典なんて書けるのか?」

69 :第八話 竜ちゃん、執筆する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/10(月) 14:18:33.00 ID:s4VfGZot0


禁書「竜ちゃんだったら有り得るから困るんだよ」

竜王「がおがお」

上条「ほら、竜ちゃんもそんなことはしないって言ってるぞ」

禁書「……うん、そうだよね。 ごめんね竜ちゃん、変なこと言って」

竜王「がうっ」ナデナデ

禁書「ふふ、竜ちゃん、髭がくすぐったいんだよ」ナデナデ

竜王「がうがうっ」

上条「なに竜ちゃん? 気分転換に面白いこと教えてくれるって?」

竜王「がおっ」カタカタ

禁書「『とある聖守護天使の秘め事(プライベート)』?」



70 :第八話 竜ちゃん、執筆する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/10(月) 14:19:24.49 ID:s4VfGZot0




アレイスター「……っ」プルプル

エイワス「君がそんな表情を見せるとは珍しいな。 何を読んでいるんだ?」

アレイスター「ああ……エイワス、あなたか。 なにエったんの意外な一面に面食らってしま
       ってね」

エイワス「!!」

アレイスター「エったん(笑) ホったん(笑) ……まさかあなたに、こんな一面があると
       は……ブフゥ!」プルプル

エイワス「」

アレイスター「仲がいいことは素晴らしいが……おお、これは……またっ」ブッヒャッヒャッヒャ

エイワス「」


    ・
    ・
    ・


エイワス「竜王のバカ野郎はどこだ……っ!!」ピカーッ

土御門「ア、一方通行と設定について相談するって、かみやんと出てったにゃー」

土御門(何この人、すんごく光ってるにゃー……)

71 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/10(月) 14:21:52.55 ID:s4VfGZot0
以上です

また明日も投下する予定です

ありがとうございます
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 14:34:41.19 ID:gzv7Rr2xo

楽しみにしてるよ
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 17:10:58.49 ID:fYUiOo760
ホったん
……?
ホーリーエンジェモン?
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 17:17:57.56 ID:40Hy9qj5o
ホルスのことじゃないの?
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 23:12:55.08 ID:RegC7TQAO
エったんカワユス
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 23:27:32.93 ID:+OcXD86AO
竜かわいいよ竜
77 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:52:06.32 ID:a3EcaZ+P0
どうも、>>1 です

>>73
>>74

ホったんはホルスのことです
エイワスが恥ずかしい過去を暴露されたことを表現したかったのですが、分かり辛かったですね

なので>>69の続きを修正して投下します
78 :第八話 竜ちゃん、執筆する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:53:16.21 ID:a3EcaZ+P0
>>69の続き


アレイスター「……っ」プルプル

エイワス「君がそんな表情を見せるとは珍しいな。 何を読んでいるんだ?」

アレイスター「ああ……エイワス、あなたか。 何エったんの意外な一面に面食らってしまってね」

エイワス「!!」

アレイスター「あ、あなたが自分のことを……エったんなどど……キャラじゃねぇwwww」

エイワス「」

アレイスター「エったん(笑)wwwwww自分のことエったん(笑)wwwwwwねーよwwwwブフゥッwwwwww」


エイワス「」

79 :第八話 竜ちゃん、執筆する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:53:54.23 ID:a3EcaZ+P0


    ・
    ・
    ・


上条「はぁっはぁっ」ダダダッ

禁書「とーまっ……もう走れないかも……」タッタッタ

上条「頑張れインデックス! 止まったら死ぬぞ!!」タッタッタ




        エイワス「あの駄竜……許さんっ!!」ピカーッ




竜王「がうっ!!」

禁書「追いつかれた……もぅダメかもぉ……」グス

上条「やられるもんか……逃げるぞインデックスッ!!」ヒョイッ

禁書「! とうまっ抱きかかえるのは恥ずかしいかも///」

上条「んなこと言ってる場合か!」

エイワス「そこまでだ」




        ゴッパァァァァァン!!




禁書「いやぁぁぁぁぁっ!!」

上条「不幸だぁぁぁぁっ!!」



80 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:56:48.40 ID:a3EcaZ+P0
以上です

言い忘れてましたが、竜ちゃんの髭はドラゴンボールの神龍の髭を想像してください

せっかくなので、第九話も投下します
81 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:57:20.00 ID:a3EcaZ+P0


美琴「アンタ、今時間ある?」

一方「オリジナル? オマエの方から話しかけるなンて珍しいな」

美琴「聞きたいことがあるのよ。 それで、時間はある?」

一方「……ああ。 で、聞きたいことってのはなンだァ?」

美琴「アンタ、料理はできる?」

一方「……もう一度聞く。 俺がなンだって?」

美琴「だから、料理はできるのかって聞いてるのよ」

一方「……料理なンざしねェよ」

美琴「やっぱり! そう、そうよね!」ニパー

一方(コイツ、なンでこンなに笑顔なンだよ?)

82 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:58:41.15 ID:a3EcaZ+P0


一方(最近ようやくわだかまり無く話せるようになったと思ってたが……違う意味でオリジナ
   ルが遠く感じるぜェ……)

美琴「ちなみに私は得意よ。 伊達にお嬢様学校に通ってないわ」フンス

一方(胸張って得意げなのはいいが、なンでンなこと俺に報告すンだよ?)

美琴「むっ。 その目、信じてないでしょう。 いいわ、そんなこともあろうとお弁当作って
   きたんだから」

美琴「これを食べれば、私の言葉が本当だって信じられるでしょ」

一方「オマエは一体何を言っているンだ?」

美琴「いいから。 あそこにベンチがあるから、座って食べなさい」スタスタ

一方(オリジナルの考えが全く見えねェ。 一体何が目的だァ)スタスタ

一方(まさか……毒か。 なンだかンだで恨みを晴らしてェのか?)スタスタ

一方(いや、オリジナルの性格から考えてそンなことはしねェか。 ヤるとしたらもっと直接
   的にくるはず……)スタスタ

83 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:59:12.56 ID:a3EcaZ+P0


美琴「ちょっと、どこまで行く気よ」

一方「あ、ああ。 悪ィ、考え事してた」

美琴「しっかりしてよね。 はいお弁当よ」スッ

一方「……見た目は悪くねェな」

美琴「当たり前よ、自信作なんだから。 さ、食べて」

一方「……おゥ」

84 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 02:59:56.27 ID:a3EcaZ+P0


美琴(思ったとおり、一方通行は料理ができないようね)

美琴(アイツの周りには沢山の女の子がいるけど、一番に気にかけるべきはインデックスと一
   方通行の二人)

美琴(『幻想物語』のせいでアイツと二人の距離はずっと近くなってる。 例え一方通行が男
   でも油断はできない。 ここでアイツは私の……いえ、『竜王を宿す者』は『雷の神に
   祝福されし皇女』の恋人だって教えてあげる必要があるのよ///)

美琴(このお弁当はそのための布石。 結局男は料理のできる女に魅かれるのよ!)

美琴(さあ、お弁当を食べて、私の腕を思い知るが良いわ! そして、誰が恋人に相応しいかもね)ニヤリ

一方(赤くなったと思ったら、不気味に笑い出すたァな……)モグモグ

美琴「……味は、どう」

一方「……悪くねェ」

美琴「ぃよしっ!」グッ

美琴(天邪鬼な一方通行は素直に褒めることはない。 つまりこの場合、悪くないってことは
   おいしいってことを意味してる)

美琴(この勝負、私の勝ちよ!)

美琴「アイツ(の胃袋)を満足させられるのはこの私なのよ」ボソ

一方(怖ェ、オリジナルが訳わかンなくて怖ェ)



85 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 03:00:59.01 ID:a3EcaZ+P0




禁書「あれ、あくせられーたに短髪。 珍しい組み合わせかも」

上条「よ、二人とも」

美琴「な、なんでアンタたちがここに!?」

上条「上条さんたちだって散歩くらいしますよ」

禁書「それよりおいしそうなお弁当なんだよ! あくせられーたが作ったの? 食べてもいい?」

美琴「それは私が作ったのよ!」

上条「お前って料理できたのか?」

美琴「当たり前でしょ。 伊達に常盤台に通ってないわよ」エッヘン

上条(まったく料理できるイメージがなかったって、言わない方がいいよな)

禁書「ねーねー。 食べてもいいでしょ?」

一方(毒は入ってる様子はねェし)「ほらよ。 ……いいだろオリジナル」

美琴「もちろん。 ついてだし、アンタも食べなさいよ」

上条「いいのか? じゃあお言葉に甘えて……」

禁書「いただきまーすなんだよ!」

86 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 03:01:48.67 ID:a3EcaZ+P0


上条「おお、これうまいな」

禁書「おいしいんだよ。 短髪見直したかも」

美琴「ふふん。 この私が作ったんだもん、当たり前よ///」

禁書「短髪、よかったらレシピを教えてくれないかな?」

美琴「レシピって、アンタ料理できるの?」

禁書「バカにしないで欲しいかも。 小萌に教えてもらったからちゃんとできるんだよ」

上条「今じゃ上条さん顔負けの腕前なんですよ」

美琴「……え」

87 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 03:02:14.54 ID:a3EcaZ+P0


一方「あの大食らいシスターの姿からは想像もできねェがな」クカカ

禁書「むーっ。 あくせられーたには言われたくないかも」

上条「お前こそ料理できるイメージないもんな」

美琴「え、ちょっと待って。 ……一方通行が何だって?」

上条「こいつ、意外と料理上手いんだよ」

禁書「あくせられーたの作った玉子焼きは絶品だったんだよ。 いつかあの玉子焼きをマスタ
   ーすることが、私の目標なんだよ」

上条「話してたらまた食いたくなったなあ。 これから作ってくれよ、一方通行」

一方「めンどくせェから却下ァ」

美琴「……ちょっと待ってよ。 さっき一方通行は料理できないって言ったじゃない……」

一方「ン? できないって言った覚えはねェぞ。 めンどいから作らねェだけだァ」

美琴「」

88 :第九話 美琴さん、迷走する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 03:03:30.21 ID:a3EcaZ+P0


上条「なあ、これから家に来て作ってくれないか。 打ち止めも呼んでいいからさ」

禁書「私からもお願いなんだよ。 もう一度教えて欲しいんだよ」

一方「なァンで打ち止めが出てくるンですかァ? ……まァいい」

一方「ついでだ、オリジナル、オマエも来い……オリジナル?」

美琴「な、なによ……見せ付けるんじゃないわよぉ。 ……悔しくなんかないんだからぁ」グス

一方「お、おい」

美琴「覚えてなさいよぉぉぉっ!!」ダダダッ


    ・
    ・
    ・


禁書「……短髪、どうかしたのかな?」

一方「取り合えず、次会ったら慰めとけ、三下」

上条「ああ……何で俺?」

一方「いいから、言うとおりにしておけェ」

禁書「それより、早く帰って玉子焼き作って欲しいんだよ!」

一方「途中で打ち止め拾ってくるから少し待て」

上条「でも楽しみだな。 お前なかなか玉子焼き作ってくれないんだもんな」

一方「わざわざ作ってやる理由もねェしな」

禁書「安心するんだよとうま。 今度こそ作り方をマスターするかも」

一方「せいぜい頑張りなァ」

上条「期待してるぜ、インデックス」

禁書「任せるんだよ!」

89 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 03:09:35.08 ID:a3EcaZ+P0
以上です

それでは、今日か明日の夜にまた投下します
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 03:20:49.85 ID:3D4iudGDO
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 03:22:17.93 ID:aBjLdAcyo
あっくん流石だな
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 04:22:51.24 ID:qdtnT40ho
ベクトルクッキングで火加減も思いのままってかァ
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 06:48:06.59 ID:Gw74ry0DO
ベクトルクッキングが某無能力者のふわふわクッキングに勝てないのは確定的に明らか
94 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:36:42.94 ID:a3EcaZ+P0
どうも

今から投下します
95 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:39:00.82 ID:a3EcaZ+P0
書き忘れてしまいましたが、今回は地の文付で進めようと思います
お付き合いください


では改めて投下します
96 :第十話 上条さん、魔がさす ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:39:32.64 ID:a3EcaZ+P0


休日の昼間、上条は自宅のベッドの上で健やかな寝息を立てていた。 いつものバスタブでは
なく、柔らかいベッドに横たわった彼は、すっかり寛いだ様子を見せていた。 台所からはみ
そ汁の匂いが漂い始め、自然と、上条は鼻をひくつかせた。 

台所では、少女が一人昼食の準備を進めていた。 副菜である金平牛蒡、ほうれん草の御浸し、
香の物、豆腐のみそ汁を手際よく調理し終えると、まずはみそ汁を除く副菜を二人分の皿に盛
り付けた。 それが終わると、彼女は主菜となるシャケを取り出した。 シャケはすでに下ご
しらえを終えており、後はフライパンで焼くだけになっている。 

彼女は手を洗い、エプロンを外すとベッドへと足を進めた。 ベッドの横まで行くと、彼女は
膝を付き、眠りこける上条の肩を揺すった。

「ご主人、起きてください」

優しく声をかける少女だが、上条は身じろぎを返すだけだった。

「起きてください、ご主人」

先ほどよりも強く、少女は上条を揺する。 上条はうめき声に似た声を上げると、ゆっくりと
薄目を開けた。 目の焦点が定まっていない彼は、少女を見て、言った。 「……インデック
ス?」

「違います、竜ちゃんですよ」

97 :第十話 上条さん、魔がさす ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:40:17.97 ID:a3EcaZ+P0


クスクスと、いたずらっ子のような笑みを浮かべる少女を前に、上条は短く間の抜けた声を上
げた。 見開かれた上条の目に映っているのは、肩口で揃えられた美しい金髪と澄んだ赤い瞳
をもつ美少女であった。

「おはようございます、ご主人。 そろそろお昼ですよ」

「……」

完全に思考が止まってしまった上条を他所に、少女は台所へと引っ込んだ。 ややあってシャ
ケの焼ける音が上条の耳朶を打った。

「今日のお昼は焼きシャケですよー。 すぐに準備できますから、待っててくださいね」

「ちょっと待って! 君は一体誰!? インデックスはどこだっ!?」

のん気な少女の声に、たまらず上条は叫んだ。 部屋を見回す上条だが、インデックスの姿は
見当たらない。 部屋が香ばしい匂いで満たされた今、あのシスターがじっとしているはずな
ど有り得ない。 また何かの事件に巻き込まれたのかと慌てる彼だが、少女はのんびりと口を
開いた。

「インデックスなら小萌さんのところに遊びに行っていますよ」

その言葉に上条は思い出す。 確かに昨夜、彼女は小萌の家へ遊びに行くと告げていた。

「じゃあ……君は本当に……」 と、上条は声を震わせて言った。 

「その通り、竜ちゃんですよ」 と、竜王は楽しげな声で言った。



98 :第十話 上条さん、魔がさす ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:41:30.22 ID:a3EcaZ+P0




「さあ、召し上がれ」

昼食が並べられた食卓を前に、竜王の前に腰掛け、上条を促した。 いただきますと、上条は
小さく言うと、シャケを一口口にした。 

「うまいっ」 と、上条は思わず声を出した。 塩加減、焼き加減は共に絶妙であり、上条の
舌をうならせるに十分であった。 とたんに空腹を思い出した彼は、わき目も振らず箸を進め
た。

そんな上条を見て、竜王は破願した。 いかにもおいしそうに食べる上条の姿は、料理人冥利
に尽きるものがあった。

「喜んでくれてよかったです」 と、竜王は言った。 彼女はみそ汁をすすると、満足そうに
頷いた。

「いまさらだけど、本当に竜ちゃんなんだよな」 と、上条は一息つくと、改めて尋ねた。

「もちろんです、ご主人」

「何というか、突然すぎて現実味が無いっていうか……右手もちゃんとあるし」

「秘密にしてましたが、私には変身能力があるんです」

99 :第十話 上条さん、魔がさす ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:43:20.65 ID:a3EcaZ+P0


えっへんと、竜王は胸を張って言った。 「でも、この姿だとエネルギーを使うのでご飯を食
べる必要があるのです」

「それにしても、そのご主人ってのはどうにかなんないかな」

「私としてはしっくり来る呼び方なのですが……お嫌いですか?」

「嫌いっていうか、なんか慣れなくて」

「つまり食わず嫌いって訳ですね」

「いや、それとは違うような……」

「食わず嫌いはいけませんよ。 少しすれば病み付きになりますから、楽しみましょう」

真剣な表情を浮かべる竜王に、上条は何も言えなくなった。 ただ、「ね、ご主人」 と、笑
みを浮かべた彼女に、上条は酷く心を揺さぶられた。

100 :第十話 上条さん、魔がさす ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:45:26.51 ID:a3EcaZ+P0


食事を終え食器を片付けた後、二人はリビングで寛いでいた。 『幻想物語』の設定について
あれこれと話をするうちに、上条は思い出したように尋ねた。

「ところで、竜ちゃんはなんでその姿になったんだ?」

「……せっかく二人きりになったのですから、特別なことをしようと思いまして」 と、竜王
ははにかみながら答えた。 彼女の頬に朱が差した。 その表情に、上条は見惚れていた。

「あの、私のこと、どう思いますか?」

「……綺麗だって、思う」

「……嬉しいです、ご主人」

おもむろに竜王は上条の隣に移動すると、彼の肩に頭を乗せた。 彼女の温もりが上条には心
地よかった。

「私、ご主人のことが好きです」 と、竜王は言った。 「もちろん男性として、ですよ」

「竜ちゃん……」

「だから、この姿になったんです。 ……ご主人に、私の思いを伝えたかったのです」

「俺も、竜ちゃんのことが好きだ」

そっと、上条は竜王の肩に腕を回すと、力強く抱きしめた。 

「暖かいです、ご主人」

ゆっくりと、竜王は上条の背中に腕を回した。 二人は、互いの温もりを確かめるように抱き
合っていた。 竜王は上条の首元に顔をうずめ、頬を摺り寄せていた。 上条は彼女の髪から
香る芳香に酔いしれ、同じように彼女の髪に顔をうずめた。 彼女の柔らかい髪が、肌に心地
よかった。

やがて二人は、どちらからともなく体を離し、向き合った。 竜王は潤んだ瞳で上条を見上げ
ると、そっと目を閉じた。

ごくり、と、上条の喉が鳴った。 視線は瑞々しい唇に釘付けられ、胸は早鐘を打ったように
高鳴っていた。

「竜ちゃん」 と、上条は呟くと、意を決して顔を近づけた。

101 :第十話 上条さん、魔がさす ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:47:02.24 ID:a3EcaZ+P0

    ・
    ・
    ・

上条「……ん」

??「……お、がお」ユサユサ

上条「……んん……」

??「がお……がおっ」ユサユサ

上条「……竜、ちゃん?」

竜王「がおがお」

上条「……夢……?」

竜王「がう?」

102 :第十話 上条さん、魔がさす ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:48:02.15 ID:a3EcaZ+P0




        ガンッガンッガンッ   ガウガウ!? ガオーッ!?


禁書「もー、うるさいんだよ、二人とも。 ……って何やってるのとうま!?」

上条「止めて、くれるな、二人ともっ!」ガンッガンッガンッ

禁書「止めるんだよ! それ以上角に頭をぶつけないで、血が出てるんだよ!」

上条「俺って……俺ってヤツは……っ!!」ガンッガンッガンッ

禁書「とうまぁーっ!!」

竜王「がおーっ!!」

103 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/11(火) 20:53:14.26 ID:a3EcaZ+P0

以上です
女体化妄想は誰もが一度は通る道だと信じています

竜ちゃん人間バージョンを書いてるときは楽しかったので、もし要望があれば、また出してみ
ようかと考えています
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 21:06:50.23 ID:h6dLOFjbo
おつおつ

右手は恋人なんだし間違ってはいないよな
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 22:29:12.89 ID:QHF2TUCU0
乙!
右手擬人化とか手コ[ピーーー]されたらどうなるんだ…(ゴクリ
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/11(火) 23:20:17.38 ID:3NWZP/6U0
竜ちゃんは幼女と予想してたんだがな…これはこれでアリだな
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 23:42:54.32 ID:PQVq238no
で、この話は『幻想物語 Index SSまとめwiki』のどこにあるんだね?
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 01:12:04.11 ID:JXmySnDXo
その発想はなかった
上竜か
109 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:27:26.01 ID:qG5UuDeq0

みなさん、レスありがとうございます

>>106

竜ちゃんが幼女とは、考え付かなかった
打ち止めと遊ぶ幼女竜ちゃんもいいかもしれない……


これから投下します

今回は再び『アイテム』の話で、彼女らの二つ名も登場します


110 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:30:00.86 ID:qG5UuDeq0


『アイテム』の隠れ家

麦野「ただいまー。 あ〜寒かったぁ」ガチャ

絹旗「あ、超おかえりなさい『戦乙女の槍(ゲイルスケグル)』」

麦野「……はぁ?」

絹旗「おかえり、げいるすけぐる」

フレンダ「おかえり〜」モグモグ

絹旗「まだサバ缶食べるんですか『戦乙女の剣(フレック)』? 夕飯食べられなくなりますよ」

絹旗「このくらい別腹って訳よ『戦乙女の鎧(ランドグリーズ)』」モグモグ

麦野「……あなたたち」

フレンダ「とうしたの『戦乙女の槍』? あ、もしかしてサバ食べたいの。 それならあ〜ん
     してあげるよ」ニコニコ

滝壺「らんどぐりーず、みかんとって」

絹旗「はい『戦乙女の目(アルヴィト)』さん」ヒョイ

滝壺「ありがと」

麦野「……」

111 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:31:28.01 ID:qG5UuDeq0


浜面「みんな、お茶のお代わりできたぞ〜。 あれ、『戦乙女の槍』帰ってたのか」

フレンダ「遅いよ『消えない幻想(ラスティングイマジン)』 喉カラカラになっちゃったよ」

浜面「『戦乙女の剣』はサバ缶なんて食べてるからだろ。 塩分取りすぎなんじゃないか」

フレンダ「結局、その心配は無用って訳よ。 まだ若いんだからね」フフン

絹旗「油断は超大敵ですよ。 その積み重ねで超体調崩すんですから」

滝壺「らんどぐりーずの言うとおりだよ、ふれっく」モグモグ

フレンダ「うっ、二人までそんなこと言わなくてもいいじゃない」ムーッ

浜面「二人ともお前の体を心配してるんだよ。 もうちょっと控えてもいいんじゃないか?」

フレンダ「……分かったわよ。 でもこの一缶は譲れないわ」モグモグパクパク

浜面「ホント好きだよな。 ……ん、頭抱えてどうしだんだ『戦乙女の槍』?」

麦野「はーまづらあ」ガシッ

浜面「んな!? ちょ、何でアイアンクロー……イデデデデデェッ!!」ギューッ

麦野「ちょっと面貸しなさい」ズルズル

浜面「は、離っ離して……ギャァァァァァッ!!」ズルズル

絹旗「……『戦乙女の槍』超どうしたんでしょうか?」

フレンダ「……さぁ?」

滝壺「大丈夫。 救急箱は用意したから、らすてぃんぐいまじんは大丈夫」

    ・
    ・
    ・
112 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:33:36.65 ID:qG5UuDeq0

麦野「これはどういうことかしら? 浜面ァ」

浜面「ま、まずは落ち着いてゲイル――『ああんっ』――……麦野さん。 胸倉締め上げない
   で……く、苦しい……」

麦野「その呼び名、アンタの小説で使われてたモンでしょ。 なんでそんなモンで呼ばれなき
   ゃならないのよ」

浜面「い、いや、あいつら、俺のSS気に入ってくれて……せっかく自分たちをモデルにしてる
   んだから、自分たちも二つ名で呼び合おうって……」

麦野「んでこのザマって訳……頭痛い」パッ

浜面「ケホケホっ……あー苦しかった」サスサス

麦野「喉さすってないでさ、この状況に違和感とかなかったわけ?」

浜面「まあ、ちょっと恥ずかしかったけど、みんな楽しんでるしいっかぁ……って」

麦野「はぁぁぁ……普通そこまでのめり込むかなぁ」

浜面「いや、これが結構楽しいんだって」

麦野「厨二病過ぎるわよ」

113 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:34:50.19 ID:qG5UuDeq0


浜面「ん〜、でもさ」

浜面「能力者の名称って、例えば窒素装甲とか原子崩しとか、自分で名前決めてるじゃん」

浜面「だから、厨二病って言っても今更って言うか、手遅れって言うか、むしろこっちの方が
   おとなしかったり……」

麦野「はーまづらあ」ガシッ

浜面「えぁ!? またアイアンクロー……グアァァァァッ!!」ギリギリ

麦野「テメエが私のことどう思ってんのか、よく分かったわぁ」ギューッ

浜面「麦野さんっ! 誤解、なんか凄い誤解してるから…………ギャァァァァァッ!!」ギリギリ

麦野「アンタが私のこと『原子崩し(笑)』なんて思ってたなんてね。 これは……」

麦野「オ・シ・オ・キ・か・く・て・い・ね」ギューッ

浜面「や、やめぇぇぇぇぇぇ……」ジタバタ

    ・
    ・
    ・
114 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:36:56.60 ID:qG5UuDeq0

浜面「」チーン

麦野「まあ、このくらいで許してあげるわ」

浜面「……あ、頭が割れるかと……」ズキズキ

麦野「ともかく、あんな調子じゃ落ち着かないわ。 なんとかしなさい」

浜面「でも、みんな楽しんでるんだし」

麦野「思い浮かべてください」ズイッ

麦野「寒風吹きすさぶ中、寒さに震えてやっとの思いで帰った我が家。 その中で繰り広げら
   れる厨二ネームの応酬」

麦野「暖まるどころじゃない、心が冷え込むわ。 うわぁぁぁって身震いしちゃう」

浜面「それは……」

浜面「確かに麦野の言うことにも一理あるけど……でも」

浜面「思い浮かれてください!!」ビシッ

115 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:39:17.49 ID:qG5UuDeq0


浜面「例え厨二ネームだとしても、それを目一杯楽しんでいるあいつらの姿を! あいつらは
   俺の作ったSSで笑顔になってくれるんだ。 あいつらが一丸になって何かに夢中になる
   なんて、めずらしいことだろ」

浜面「そんなあいつらの楽しみを奪うことはできねえよ。 絹旗なんて目をキラキラさせなが
   ら役になりきろうとしてんだぞ!」

麦野「役も何も、私たちをモデルにしてるんだからそのまんまじゃない」

浜面「ともかく、今はなりきるのに熱中してるんだ。 無理矢理止めさせるなんて可哀想だろ」

浜面「他の人がいるときはあの名前を使わせないようにするから。 麦野が嫌なら麦野に対し
   ても使わないように聞かせるから」

麦野「……」

浜面「それにほら、いくらあいつらでも四六時中あの名前使ってる訳じゃないし。 その内飽
   きるかもしれないし……それまで我慢してくれないか」

麦野「……」

浜面「この通りだ」ペコリ

麦野「……わーったよ、浜面。 目ぇつむってやるよ」

浜面「本当か、麦野!?」

麦野「二度言わすんじゃねえよ。 ただし今回だけだからね」

浜面「ありがとう麦野。 恩に着るよ」

麦野「……ふん」

    ・
    ・
    ・
116 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:40:43.02 ID:qG5UuDeq0


絹旗「あ、『戦乙女の槍』、用事は済みましたか?」

麦野「もう終わったわ。 あー……『戦乙女の鎧』」

絹旗「らすてぃんぐいまじん大丈夫?」

浜面「大丈夫。 心配してくれてサンキューな、『戦乙女の目』」

滝壺「ん」ニコリ

フレンダ「……ねえ、麦野」オズオズ

麦野「ん、何、フレン……っと『戦乙女の剣』?」

フレンダ「もしかして、麦野は二つ名で呼び合うの嫌だった?」

麦野「……どうして?」

フレンダ「帰ってから様子が変だったし……頭抱えてたのだって、私たちが『戦乙女の槍』っ
     て呼んだからだよね」

フレンダ「だから……もしそうなら、私たち止めるよ?」

麦野「……」

麦野「何言ってんのよ『戦乙女の剣』」ペシッ

フレンダ「!」

麦野「四六時中こんな調子じゃ考え物だけど、たまにやる分なら構わないわよ」ヤレヤレ

麦野「たまになら、私も付き合ってあげるわ」

117 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:43:06.49 ID:qG5UuDeq0


フレンダ「あ、ありがとう麦野……ううん『戦乙女の槍』!」

絹旗「それじゃあ『戦乙女の槍』、早速『消えない幻想』のSSの続きを考えましょう!」キラキラ

麦野「……なんでそうなるの?」

滝壺「役になりきると話も書きやすいんだよ、げいるすけぐる」

絹旗「私たちもSS製作に超参加しましたからね。 『戦乙女の槍』も一緒に超最高のSSを考え
   ましょう!」キラキラ

麦野「いや、私そこまでやる気ねぇし。 てか、なりきりごっこじゃなかったの」

フレンダ「だから、なりきりながら話を作るのよ。 これがすんごく楽しいんだから!」

浜面「いやー、ちょうど麦野にも意見聞きたかったんだよ。 協力サンキューな麦野……じゃ
   なくて、今は『戦乙女の槍』だったな」

絹旗「もー、これからって時に本名言っちゃダメじゃないですか。 超気が抜けちゃいますよ」ヤレヤレ

浜面「いやー、悪い悪い」

フレンダ「結局、『消えない幻想』は抜けてるのよね」

滝壺「大丈夫。 私はそんならすてぃんぐいまじんを応援してる」

絹旗 浜面 フレンダ 滝壺「「「「わっはっはっはっ」」」」




麦野「……」

麦野「……これは早まったかなー」ボソ


118 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:44:40.71 ID:qG5UuDeq0

以上です

浜面の二つ名は >>48様を参考にさせてもらいました
ちなみに、以下が二つ名まとめです


『消えない幻想』(ラスティングイマジン)浜面 
『戦乙女の鎧』(ブリュンヒルデ)    絹旗
『戦乙女の目』(アルヴィト)      滝壺
『戦乙女の剣』(フレック)       フレンダ
『戦乙女の槍』(ゲイルスケグル)    麦野


自分で言うのもなんですが、ややこしいですね 
たぶん次から名前で呼ばせます
119 :第十一話 『アイテム』はまる ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/12(水) 22:46:52.96 ID:qG5UuDeq0

間違えました

絹旗は『戦乙女の鎧』(ランドグリーズ)でした、ブリュンヒルデではありません
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/12(水) 23:32:39.32 ID:+jVnTdz/0
ささっ、続きを
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 23:41:45.70 ID:IhpvBz+AO


ブリュンヒルデってなんか聞いたことあると思ったらポニョの本名だ
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 00:47:23.45 ID:4CvmtvTbo
>浜面「思い浮かれてください!!」ビシッ
NOA……だと……?
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 01:12:27.78 ID:tXy3k0CAO
>>121

ゲルマンないし北欧神話じゃないの?


>>1
124 :48 [sage]:2011/01/13(木) 01:23:27.79 ID:BDw2aqKT0
やだ俺のを参考にしたとか恥ずかしい///
それじゃ俺が厨二病みたいじゃないか
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 01:37:55.97 ID:BDw2aqKTo
ポニョってそんなかっこいい名前なのかよww
ラインハルトの旗艦が思い浮かぶな

>>123
元ネタはそうだよ
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 13:41:15.47 ID:GPxSIOZSO
スレタイだけ見てサンホラかと
127 :106 :2011/01/13(木) 21:39:48.31 ID:424ObGGDO
>>109
どうかその絡みをお願いします!
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

128 :真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/13(木) 23:28:06.95 ID:xdboIeDDO
>>128
色々と焦ったぜ‥
まぁ再開をまつだけなんだが…








さたして釣れr
130 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 13:31:06.11 ID:D4Jfoanb0


みなさん、レスありがとうございます
昨夜は投下できず、すみません
第十二話は、今夜投下します


>>121
知らなかった、ポニョかっこよすぎる

>>122
まさかNOAを知ってる人がいるなんて……仲良くなれる気がします

>>126
そういえば前にも勘違いしたというレスがありました……紛らわしいタイトルですみません

>>127
打ち止めと幼女竜ちゃん、どうにか挑戦しようと思います


『アイテム』の四人は北欧神話を参考にしました
絹旗のブリュンヒルデは、禁書原作にブリュンヒルドがでていたので変更しました

131 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 13:31:57.29 ID:D4Jfoanb0

>>124

『戦乙女の槍』「私らが人並みの幸せを得られるばずねえだろ。 仲良し小好しな家族ごっこ
        なんざ、所詮幻想なんだよ」

『消えない幻想』「幻想なんかじゃねぇ……これから実現する未来だ……っ!」

『戦乙女の槍』「同じことよ。 私らの未来は幻想、在りはしねぇんだよ」

『戦乙女の槍』「だから……こうするしかねぇのよ」

『消えない幻想』「いいぜ……テメェが未来を幻想って言うんなら、俺はそいつを守り抜くっ!!」


『戦乙女の槍』「……テメエのせいだ……テメエが私らの前に現れたから……」

『戦乙女の槍』「なんで殺さねえのよ……見下してんじゃねえよ」

『消えない幻想』「家族を、殺せるわけねえだろ……」

『消えない幻想』「お前も、俺が守りてぇ未来なんだよぉ」



あのレスのおかげでここまで閃きました、ありがとうございます



それでは、また今夜に
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/14(金) 20:59:04.21 ID:6QZizd9DO
もゥ夜でよォォおおお!
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 22:15:58.93 ID:uQglz3/AO
個スレになって初めて来た
ますます楽しくなってる
134 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:38:54.58 ID:D4Jfoanb0
こんばんは

>>132
お待たせしたようですみません

>>133
ありがとうございます
もっと楽しいのが書けるようがんばります

それでは、第十二話を投下します
135 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:40:41.69 ID:D4Jfoanb0


浜面「みんな! 大変なことが起こったぞ!」バン

麦野「一応聞いておくけど、まさか『幻想物語』関係じゃないわよね」

浜面「何言ってんだ麦野! それ以外に何があるんだよ!?」

麦野「……はーまづらあ……」

フレンダ「でさ、結局何が起こった訳?」

絹旗「また新しいSSが投稿されたのですか?」

滝壺「止まってたSSが再開したの?」

浜面「そんなもんじゃない! あの『竜王を宿す者』が統合スレに降臨したんだ!」

絹旗「まさか、超原作者本人がですか!?」

フレンダ「それ、本当に本人なの?」

浜面「間違いないって! いろいろ突っ込んだ質問したけど全部返ってきたんだ。 少なくと
   も俺たちより『幻想物語』について熟知している」

麦野「浜面、うるせえから少し黙れ」

滝壺「ごめんね、むぎの。 でも大切な話だから我慢してくれるかな」

麦野「……もういいわ。 好きにしなさい」ハア

136 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:43:29.27 ID:D4Jfoanb0


絹旗「で、その『竜王を宿す者』はスレに現れてどうしたんですか?」

浜面「ああ、なんでも『幻想物語』本編の執筆を始めたそうだ。 近々スレを立てて本格的に
   動くらしい」

フレンダ「沢山SSが投稿されたけど、結局本編を書いたのはいなかったんだよね」

絹旗「投下されたのは、浜面みたいに外伝的なものか、そうでなければ短編程度でしたね。 
   やっぱり本編を書くのは超遠慮があったのでしょうか」

滝壺「楽しみ」ワクワク

浜面「で、こっから先が重要なんだけど……設定の一部を変更したいって言うんだ」

絹旗「確かに、超初期設定では矛盾点もありましたし、私たちもそれを解消するのに超苦労し
   ました」

フレンダ「けど、他の住民と会議をしていくつか新しい設定を考えてたよね。 それが無視さ
     れるのは問題じゃないの?」

浜面「それを踏まえて作った新しい設定をこれから投下するつもりらしい。 それを元に意見
   交換して折り合いをつけることで話はまとまったんだよ」

フレンダ「へぇ、面白いじゃない」

滝壺「みんな、早く確認しよう」

絹旗「浜面、いえ『消えない幻想』のケータイじゃ超まどろっこしいです! 私のパソコン使
   いますよ!」

滝壺「おーっ!」


ダダダッ


麦野「……」

麦野「どーしてこうなったのよ」

137 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:45:38.23 ID:D4Jfoanb0

    ・
    ・
    ・

上条「……これで、一段落着いたな」

禁書「もう外が真っ暗なんだよ。 でも、ちゃんと設定がまとまって良かったかも」

一方「あとはまとめwikiを更新すれば終了だ。 これから忙しくなるなァ三下」

上条「書き溜めは結構あるし、頑張って完結させるよ」

禁書「ついでだし、竜ちゃんの自伝も投下したら面白いかも」

上条「いいなそれ。 『幻想物語』に深く関わってくるし、せっかく竜ちゃんが書いてくれた
   んだからもったいないしな」

一方「文才あるよなァ竜ちゃン。 いいもンを読ませてもらったぜ」

竜王「がうっ」テレテレ

一方「特に……聖守護天使のくだりは最高だァ。 アレには腹が捩れたぜェ」クカカッ

上条「でも……それであんなのに襲われるとは思わなかったよ」ウンザリ

一方「でも面白かっただろゥ」

上条「まぁ、それはそうだけど……」

一方「エったん(笑)」

禁書「やめてあくせられーた。 それ聞いちゃうと……」クスクス

上条「ぶふっ……止めろよ一方通行、それ反則……ん?」


        ピカーーーーッ


一方 禁書 上条 竜王「「「「………………」」」」

138 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:46:47.49 ID:D4Jfoanb0


上条「なあインデックス、さっきまで外暗かったよな……?」

禁書「でも、ベランダの外が尋常じゃないくらい光ってるんだよ……」

上条「あ、あー、一方通行。 もう遅いから飯くらい食べていけよ!」

禁書「そ、それがいいかも! さっきのことは忘れてご飯にするんだよ」

一方 竜王「「……」」ジー


        ピカーーーーッ


上条(ほら一方通行。 外の発光物体睨んでないで話し合わせて。 あれに襲われるのは、上
   条さんもう嫌ですよっ)ヒソヒソ

禁書(竜ちゃんも、お願いなんだよ)ヒソヒソ

一方「……チッ」

一方「ああ、何話してたンだったか……。 忘れちまったンなら大したことねェンだろうなァ。
   それよりも飯が先決か。 三下、早く用意しろよォ」

竜王「がうがうっ」

上条「よ、よーし。 今日は腕によりをかけて頑張っちゃうぞーっ」チラ

禁書「わ、わーいなんだよ」チラ




「「「「………………」」」」




        フッ



139 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:48:07.52 ID:D4Jfoanb0


禁書「消えたんだよ……よかったあ」

上条「前襲われたときは、今度こそ死ぬかと思ったよ……ホント、よく生き延びられたよなあ」

竜王「がおがお」フンス

禁書「……確かに竜ちゃんが追っぱらってくれたから助かったけど、原因も竜ちゃんにあるかも」

一方「いいじゃねェか。 あの話はそれくらいの価値はあったぜェ。 エったん(笑)」


        ピカァー


上条「ッ一方通行ァァァ! ちょっとこっちに来ようかぁぁぁっ!!」ズイッ

禁書「あくせられーたはイったんって呼んだんだよっ! 私の新しいあだ名なんだよ、そうだ
   よねっ!!」ガバッ

一方「やめろオマエら飛びつくなっ!」


ワーワーギャーギャー


「……」フッ

140 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:49:18.23 ID:D4Jfoanb0

    ・
    ・
    ・

上条「……今度こそ行ったな?」

竜王「がおっ」

禁書「……大丈夫そうなんだよ」

一方「ならさっさとどいてくれませんかァ。 潰されて苦しいンだよ」

禁書「あくせられーたは軽率すぎるかも」

上条「下手に怒らせたら寮なんて一発で吹っ飛ぶんだぞ! 家をなくしたら、上条さんたちに
   どうやって暮らしていけって言うつもりですか!?」

一方「あー、分かった分かりましたァ。 俺が悪かったですゥ」

禁書「……もういいんだよ。 それより騒いだからおなか減ったんだよ」

上条「はぁ、今用意するよ」スタスタ

141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/14(金) 22:50:59.21 ID:D4Jfoanb0


台所

上条「さて、料理するから竜ちゃんには手に戻ってもらってと」

竜王「がおー」シュルン

上条「材料何があったっけ?」ゴソゴソ

上条「……鮭にきんぴらごぼう、ほうれん草に香の物と……」

上条「……なんだ、この胸を締め付けるような感覚は……」

禁書「とうま? どうかした?」

上条「! いや、なんでもないよ。 ……そう、なんでもないんだ」

    ・
    ・
    ・
142 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:53:11.25 ID:D4Jfoanb0


一方「さて、飯ができるまでまとめwikiを確認するか……ン?」

禁書「どうしたの、あくせられーた?」

一方「『竜王』の項目にろくでもねェことが書いてあるなァ」

禁書「なになに……『なお、竜王は人の姿に変身することができ、その際はミニスカメイド姿
   となる』?」

一方「こンなもン、さっさと消すに限るなァ」

土御門「ちょっと待つにゃーーーーっ!!」バンッ

禁書「っ! ……びっくりしたんだよ」

一方「オマエ、何しに現れやがった」

土御門「一方通行! その設定を削除することは、この俺が許さないぜい!」ビシッ

一方「なンなンですかァ、その無駄な情熱はよォ。 とっととドブにでも捨てちまえ」

土御門「お前は何も分かってないようだにゃー」ヤレヤレ

一方「あァ?」

土御門「竜王は、『幻想物語』での唯一のメイドなんだぜい。 それを削除することは、美少
    女が一切登場しないラノベを書くようなもの! そんなものに魅力があろうか、いや
    無い!!」

一方「オマエの性癖なンざどうでもいい。 こンな設定は必要ねェ」

143 :第十二話 上条さん、動揺する ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:54:32.53 ID:D4Jfoanb0


土御門「従順なメイドさんにご奉仕させる楽しみが、なぜ分からないんだにゃーっ!!」

禁書「……そういう発言は控えて欲しいかも」

土御門「かみやんなら分かってくれるだろう! この俺の、熱い思いが!!」

上条「ええっ!? ……あっ」




    『ね、ご主人』




上条「……」

一方「三下?」

禁書「とうま?」

土御門「かみやんなら分かってくれると信じてたぜい。 さあ、このまま二人で竜王メイドさ
    ん化計画を――『ドラゴンストライク!』――あべしっ!!」

一方 禁書「「!」」

土御門「か、かみやん……?」

上条「ち、違う……俺は違うんだっ!」ダッ

一方「待て三下、三下ァーっ!」

禁書「とうまぁーっ!」

144 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/14(金) 22:59:18.92 ID:D4Jfoanb0
以上です

途中の >>141 でトリが外れてしまいましたが、話はちゃんと投下できています

次回投下は明日か明後日の夜になります
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/14(金) 23:01:18.16 ID:wdXVKbPB0
乙!
今度の更新はいつかな?
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 23:25:12.14 ID:gAdcCy4DO
乙!
147 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:44:10.37 ID:fahDX67i0
どうも、これから投下します
148 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:46:58.82 ID:fahDX67i0


上条「はっはっは」タッタッタ

美琴「! ……朝から珍しいわね」

上条「おお、御坂か。 おはよう」

美琴「おはよう。 アンタってランニングなんてするのね」

上条「ん……最近運動不足かなって思ってさ」

美琴「この間も特売に間に合わないって走り回ってたじゃない」フフ

上条「見られてたか。 でも、それとこれは気分が違うんだよ」

上条「なんていうか、頭がスッキリするし、煩悩が消えていくって気がすんだよな」

上条(そう、竜ちゃん擬人化なんて気の迷いだ。 本気で友達をそんな目で見る訳がないんだ)

美琴(煩悩っ!)

美琴(煩悩って、いわゆるえっちな……。 な、何を言っているのよコイツはっ)

美琴(でも、消えていくってことは、煩悩が生まれる何かを考えたってことよね。 それって
   ……///)

美琴「た、体液のやり取りで魔力供給てのは、……私なら……///」モジモジ

上条「一旦落ち着こうか、御坂さん」

    ・
    ・
    ・
149 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:48:05.82 ID:fahDX67i0


竜王「がお〜」

美琴「こんにちは竜ちゃん。 そういえば、会うのは久しぶりね」ナデナデ

竜王「ぐるるるぅ」

美琴「……」ナデナデ

上条「? そんなに竜ちゃん見つめて、どうしたんだ?」

美琴「あの、まさかとは思うんだけど……」ナデナデ

美琴「竜ちゃんって、女の子に変身したりしないわよね」ナデナデ

上条「!」

竜王「?」

上条「み、御坂さん、何でそんなことを言うのでせうか?」

美琴「ん〜、まとめwikiにそんなことが書いてあったから気になってね。 って、なんで動揺
   してるのよ」

上条「ど、動揺なんてしてませんことよ! 何を根拠に言っているのですか!?」

150 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:49:09.09 ID:fahDX67i0


美琴「本当に変身できる訳じゃないでしょうね?」ジー

美琴(この子が女の子になったら、一番の強敵になるでしょうね)

美琴(何せアイツとの距離は一番近い。 パソコン使えるくらい器用なら料理ができても不思
   議じゃないし)

美琴(幻想スレでも何気に人気なのよね、『竜王を宿す者』×『竜王』って)ウムム

美琴(まあ、『竜王を宿す者』×『雷の神に祝福されし皇女』が一番人気だけど)フフン

竜王「がう?」

上条(最近よくぼーっとするよな。 そのくせ表情はころころ変わるから面白い)

美琴(それに、あんまり距離が近すぎても返って気持ちに気づかないものだし。 なんかさ、
   照れくさくてちょっと気まずくて、愛してるって言いにくい雰囲気になるっていうか)

美琴(それに、友達の期間が長いと恋愛関係に発展しにくいって聞くし)

美琴(……あれ? 私とコイツって、知り合ってどのくらいになったっけ?)

美琴(まだ一年も経ってないわよね。 ……うん大丈夫、特別長いわけでもないからまだ大丈
   夫よ)

美琴(っていうか、照れくさいとか告白できないとか……それって今の私……?)

美琴()ズーン

151 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:49:52.80 ID:fahDX67i0


上条(どうしよう、なんか落ち込み始めた……)

上条「あのさ、もしかして何か悩みでもあるのか?」

美琴「……え?」

上条「元気ないみたいだから心配でさ。 俺でよければいつでも相談に乗るぜ」

美琴「アンタ……」

美琴(そうね。 うじうじ悩んでも仕方ないわね。 もっと前向きにならないと)

美琴「ありがと、もう大丈夫だから」

上条「そっか。 ならよかった」ニコッ

美琴 ドキッ

美琴(……コイツったら、いつも不意打ちばっかりして///)

美琴(あれ。 いつの間にか竜ちゃんが右手に戻ってる)

美琴(これって二人きり!? ……いえ、落ち着くのよ美琴。 こんなチャンスめったにない
   んだから)

美琴「あ、あのっ」

上条「ん?」

打ち止め「……」

152 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:50:54.36 ID:fahDX67i0


上条「おおっ!?」

美琴「……ッ!?」

打ち止め「あ、ミサカは気にしないで続きをどうぞ、ってミサカはミサカは二人を促してみたり」

上条「ラ、打ち止め! 何してんだお前!?」

打ち止め「ヒーローさんに用事があったんだけど、あなたとお姉様の雰囲気に思わず釘付けに
     なっちゃった、ってミサカはミサカは野次馬根性を披露してみたり」

美琴「ア、アンタね……っ」

上条「俺に用って、何かあったのか?」

打ち止め「うん、ミサカも『幻想物語』のキャラを考えたから見てもらおうって思って、って
     ミサカはミサカはあなたにUSBメモリを差し出しつつここに来た目的を打ち明けて
     みる」

上条「打ち止めも考えてくれたんだ」

打ち止め「正確には妹達全員で考えたんだよ、ってミサカはミサカの団結力をアピールしてみ
     たり。 妹達一人一人が設定考えてたから、あなたに紹介するのが遅くなっちゃっ
     たんだけど、ってミサカはミサカは反省してみる」

上条「そんなことはないよ。 ありがとな」ナデナデ

153 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:52:51.18 ID:fahDX67i0


美琴「妹達全員って、まさか9971人分のキャラクターを考えたんじゃないでしょうね」

上条「えっ」ピタ

打ち止め「さすがにそんなことはしないよ、ってミサカはミサカはお姉様の誤解を解いてみる。
     でも設定を厳選したから、むしろそっちで時間かかっちゃったんだ、ってミサカは
     ミサカは白状してみる」

竜王「がおっ」

打ち止め「あーっ、竜ちゃんだ、ってミサカはミサカは初めて見る竜ちゃんに興奮を隠せなか
     ったり! 初めまして、竜ちゃん、ってミサカはミサカは丁寧に挨拶してみる!」

竜王「がおがおっ」ナデナデ

打ち止め「きゃーっ、くすぐったいよ竜ちゃん、ってミサカはミサカは仲良くなれた喜びを体
     全体で表現してみたり!」スリスリ

美琴「打ち止めったら、竜ちゃんに抱きついて頬ずり始めるなんて。 よっぽど竜ちゃんに会
   えたのが嬉しかったのね」

上条「竜ちゃんも、友達が増えてよかったな」

竜王「がお〜♪」

154 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:55:13.20 ID:fahDX67i0


打ち止め「出でよ神龍!! ってミサカはミサカは勇ましく叫んでみたり!!」

竜王「がおーっ」

上条「『願いを言え。 どんな願いも一つだけ叶えてやろう』」

打ち止め「ギャルのパンティおっくれー、ってミサカはミサカはお約束を言ってみる!! 
     いえーっ!!」

上条「『ダメだ。 その願いは私の力を超えている』」

上条 打ち止め 「「わっはっはっはっはっ」」

竜王「がうがう♪」

美琴「さすがにはしゃぎ過ぎよ、打ち止め」

上条「いいじゃないか。 竜ちゃんも楽しそうだし、せっかくだからお前も願いごと言ってみ
   たら」

美琴「えっ。 私はいいわよ」

打ち止め「え〜、お姉様も遊ぼうよ、ってミサカはミサカは可愛らしくお願いしてみる」

竜王「がうっ」キリッ

上条「ほら、竜ちゃんも乗り気だぞ」

上条「『願いを言え。 どんな願いも一つだけ叶えてやろう』」

美琴「……そこまで言うなら」

美琴「えーっと、そうね……」

155 :第十三話 美琴さん、噛み合わない ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:56:25.28 ID:fahDX67i0


美琴(願い事、何にしようかな?)

美琴(そういえば、アイツから預かったノートには、『竜王を宿す者』が誰と付き合うかって
   ことは書いてなかったのよね)

美琴(まあ、『雷の神に祝福されし皇女』が恋人ってことは揺るがないと思うけど……)

美琴(やっぱり、コイツの文章で読んでみたいわね)

美琴「なら、『幻想物語』がちゃんと完結しますように」

美琴(『竜王を宿す者』×『雷の神に祝福されし皇女』でね)

上条「御坂……」ジーン

上条「待ってろよ。 必ず完結させて、いい作品に仕上げるからなっ」

美琴「何か困ったことがあったら言いなさいよね。 相談に乗ってあげるから」

美琴(告白シーンとその後のイチャイチャは108通り考えたんだからっ)フンスッ

打ち止め「ミサカも協力するよ、ってミサカはミサカを代表して宣言してみたり!」

上条「ありがとう。 俺、頑張るよ」

美琴「……竜ちゃんが変身しても、負けないんだから」ボソ

竜王「がう?」

美琴「ううん。 なんでもないわよ、竜ちゃん」ニッコリ

156 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/15(土) 23:59:04.88 ID:fahDX67i0
以上です


次回は番外編で、幼女になった竜ちゃんと打ち止め、さらに一方さんのお話です

つまり竜王通行止め

投下は明日か明後日の夜になります
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 00:08:44.72 ID:cBZhvldFo
>>竜王通行止め

明日(つか、今日)、滋賀県でかなり高確率で起きそうだなw
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 01:05:12.68 ID:76PdKGaDO
今更ながら乙

竜王モードと擬人化モード、両方の竜ちゃんがかわいすぎてにやけがとまらん
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 23:14:14.01 ID:LymN/PnAO
御坂かわいい
160 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:37:17.17 ID:3wtsoKzK0

どうも、予定より遅くなってしまいましたが、今から投下します

今回は『通行止め with 竜ちゃん』という内容です

地の文つきですが、お付き合いください
161 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:38:23.48 ID:3wtsoKzK0


昼下がりの午後、黄泉川家のリビングに微かな寝息が響いていた。 
壁際に配置されたソファーの上で、栗色の髪の少女が一人、眠りこけていた。
少女は大型のクッションに身を預け、猫のように体を丸めていた。
時おり、彼女は寝返りを打つように体を揺すり、その度にぴょんと飛び出たアホ毛が揺れた。 



ゆっくりとリビングのドアが開かれ、10歳ほどの少女が顔を覗かせた。
肩口で揃えられた金髪と澄んだ赤い瞳をもつ、愛らしい少女だった。
彼女は半歩リビングに踏み入ると、絹糸のような髪を揺らし部屋を見回した。
ソファーで眠りこけている少女を見つけると、彼女は柔らかい笑みを浮かべ、
するりとリビングに入った。 小さく音を立ててドアが閉まった。
少女は滑るような足取りでソファーに近づくと、眠っている少女の顔を覗きこんだ。



栗色の髪の少女は穏やかな笑みを浮かべていた。 楽しい夢を見ているのだろう。
その表情に、金髪の少女は頬に手を当て首を傾げたが、ややあって栗色の髪の少女の肩に手を置いた。


「打ち止め、起きて」 と、金髪の少女は彼女の肩を揺すりながら、言った。

162 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:39:17.82 ID:3wtsoKzK0


打ち止めは小さくうめくと、イヤイヤと顔を横に振った。 
それを無視して、金髪の少女は肩を揺すり続けた。


「ん……まだねむいよぉ……」 と、打ち止めは言った。 
彼女は半分目を開いて金髪の少女に視線を投げた。 まだ寝ぼけ眼だった。


「ダーメ。 ほら、起きて打ち止め」

「ん〜……あなたぁ?」

「残念、一方通行じゃないよ」 と、金髪の少女はニッコリ笑って、言った。 「竜ちゃんだよ」


163 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:40:54.71 ID:3wtsoKzK0



「あなたは誰? ってミサカはミサカは目を白黒させて疑問をぶつけてみる」



ようやく目が覚めた打ち止めは、ソファーに横になりながら呆然と尋ねた。
金髪の少女は口元に手を当てて小さく笑った。


「竜ちゃんだよ。 ほら、公園で神龍ごっこしたでしょう」 と、竜王は言い、えっへんと胸を張った。
「実は、私には変身能力があるんだよ。 だから人間の姿になったの」


「じゃあ、あなたは本当にヒーローさんの竜ちゃんなのね、ってミサカはミサカは興奮気味に確認したり」

「そうだよ。 ご主人……上条さんちの竜ちゃんだよ」


すっごーい! と打ち止めは歓声を上げると、竜王に飛びついた。
竜王は彼女を受け止めると優しく抱きしめた。 


「本当に人間の姿になったんだね! ってミサカはミサカは抱きついて確認してみたり!」

「へっへーっ。 どうだ、すごいでしょ」

164 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:41:51.76 ID:3wtsoKzK0


唐突に、竜王は打ち止めの頬に頬ずりをした。
竜王の瑞々しい肌の柔らかさに、打ち止めはさらなる興奮を覚えた。
打ち止めは竜王を抱きしめる手に力を込めると、負けじと頬ずりを仕返した。


「きゃーっ竜ちゃんくすぐったいよーっ! ってミサカはミサカは負けじとうりうりうりーっ」

「やったなーっ。 うりうりうりうりーっ!」


こうしてしばらくの間、彼女たちは抱きしめ合い、互いに頬を摺り寄せ続けていた。


165 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:42:39.45 ID:3wtsoKzK0



「……何やってンだァ」


呆れを含んだ声が、二人の頭上から振ってきた。
見ると、呆れ顔で彼女らを見下ろす一方通行の姿があった。


「見て見てあなた! この子、竜ちゃんなんだよ、ってミサカはミサカは竜ちゃん人間バージ
 ョンを紹介してみる。 人間になれるなんてすごいよねーっ!」


そう言って目を輝かせる打ち止めに、一方通行はため息をついた。 


「知ってるよ。 てか、誰が連れて来たと思ってンだ?」

「一方通行がここまで連れて来てくれたんだよ」 と、竜王が補足した。

「もしかして、知らなかったのミサカだけ? ってミサカはミサカは置いてけぼり食らった気
 分になってみたり」


打ち止めの眉毛が垂れ下がった。 捨てられた子猫のような表情を見せる打ち止めに、
一方通行は頭をかいて、言った。


「安心しろ、俺もついさっき知ったンだ」

「この姿になるのは初めてなのよ。 だから元気出して、打ち止め」

166 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:43:41.64 ID:3wtsoKzK0


おもむろに、竜王は打ち止めの頭を撫でた。 よほど心地がいいのだろうか、打ち止めは目を
瞑りうっとりとした表情を見せた。


「で、いつまで抱き合ってるンですかァ」


ここに至るまで、彼女たちは抱き合ったままだった。 
「それもそうね」 と、竜王は撫でるのを止め、体を離した。


「それじゃぁせっかくだし、みんなで遊ぼうよ」 と、竜王は言った。 
「もちろん一方通行も一緒にね」


ニコニコと笑顔を浮かべ見つめてくる竜王を前に、一方通行は再び頭をかいた。


「あァ? ……しかたねェな。 何をするンだ?」

「あなたも遊んでくれるの!? ってミサカはミサカは驚愕してみたり!」

「何だ? 遊ばねェ方がいいのかァ?」

「そ、そんなことないよ! 一緒に遊ぼう! ってミサカはミサカは大慌てであなたを誘ってみたり」


打ち止めは大きく足音を鳴らしながら一方通行の左手側に回り込むと、彼の手を握った。
さらに上目遣いに見上げると必死に遊びに誘い始めた。

167 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:45:23.12 ID:3wtsoKzK0


「うるせェよ……ンな言われなくても遊ぶっつうの」 と、一方通行は面倒くさそうに答えた。
「で、何すンだァ?」

「三人でおままごとしようよ!」


ハイッ! と、竜王は手を上げて大きく声を上げた。 「一方通行がお父さんで、打ち止めが
お母さん。 で、私が二人の子ども!」

その言葉に、打ち止めは顔を真っ赤に染めた。「ミサカが……あの人の奥さん……ってミサカ
はミサカは甘美な言葉に酔いしれてみたり」


「それだったら、オマエらが姉妹のほうがいいンじゃねェか?」


竜王はいたずらっ子のような笑みを浮かべて 「ダーメ。 打ち止めはお母さん役よ」


竜王は打ち止めに視線を投げた。 彼女は赤くなった顔を両手で抑え、俯いてしまっていた。 
犬の尾っぽのように、せわしなくアホ毛が揺れていた。 

「打ち止めも、お母さん役したいよね」 と、ニコニコ笑いながら、竜王は打ち止めに言葉をかけた。
その言葉にピクンと反応した打ち止めは、俯いたまま、しかし力強く頷いた。

「ミサカも……お母さん役したい、ってミサカはミサカは決意を表してみたり」

「……いいさ。 さっさと始めるぞォ」

「「おーっ!」」 と、二人の少女の声が重なった。


168 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:46:46.25 ID:3wtsoKzK0




「それじゃ、このリビングがお家ね」

竜王はそう宣言すると、テーブルの上に視線をやった。
そこには様々なお菓子やシリアル、ジュースなどの食料、食器が並んでいた。

「おままごと始まり始まり〜」 と、竜王は一方通行に手提げカバンを手渡しながら、言った。

「それじゃあ、会社に行ってらっしゃい、ってミサカはミサカはお見送りしてみる」

「……あァ、行ってくるよ」

「ああ待って待って。 忘れ物だよ」

ドアノブを掴んだ一方通行は、そのままの姿勢で首を巡らすと、傍らの竜王を見た。

169 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:47:57.86 ID:3wtsoKzK0


「忘れ物ォ?」

「とっても大切な忘れ物」

そういって、竜王は自分の頬を指差し








「行ってきますのチュー、忘れてるよ、パパ」








会心の笑みを浮かべてみせた。

170 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:48:47.64 ID:3wtsoKzK0


「チ、チ、チ、チューゥゥゥゥ!? ってミサカはミサカは……!!」

「もちろん、最初はママにしてあげてね、パパ」


竜王は、一瞬で顔を真っ赤に染めた打ち止めの背後に回ると、彼女の背中を軽く押した。
打ち止めが一歩一方通行に近づいた。 打ち止めの視線は一方通行の唇に釘付けになっていた。


「ませンな、ガキども」 と、一方通行は冷たい声で言った。 「オマエらにゃ早ェよ」

「頬っぺたなら挨拶代わりだよ」 と、竜王は打ち止めの背中から顔を覗かして、言った。

「欧米ならなァ。 残念ながらここは日本だ」

「家族相手なら、どこだって関係ないよ」

「……ごっこじゃねェか」と、一方通行は低い声で言った。

「一方通行は受け入れてくれたでしょ。 それに……」 と、竜王は打ち止めの左手側に回りこむと、
彼女の顔を覗きこんだ。 「ママもして欲しいよねー」

171 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:49:53.85 ID:3wtsoKzK0


小首をかしげ同意を求めてくる竜王に、ようやく打ち止めは自分を取り戻した。


「そ、そうだよ、行ってらっしゃいのチューしてくれなきゃ! ってミサカはミサカは鼻息荒く頷いてみたり!」

「却下ァ」

「あなたお願い、チューしよう!! ってミサカはミサカは一生のお願い」

「……昨日の晩飯に一生のお願い使ってたろゥがクソガキィ」


打ち止めは一方通行の上着の裾を掴み、上目遣いで彼を見上げた。
竜王も彼女にならい彼を見上げた。
彼女らの瞳に揺ぎ無い意志が宿っていることを悟った一方通行は、大きなため息をついた。
そうする以外になかった。


「……わかった。 降参だァ」

「じゃ、じゃあ、ってミサカはミサカは期待に目を輝かせてみたり!!」

「パパだーい好きっ!」

「だが、今回だけだからな」

172 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:51:02.13 ID:3wtsoKzK0


一方通行の言葉に、二人はハーイと元気良く返事をした。
ニコニコ笑みを浮かべる彼女らは彼の前に仲良く並んだ。
もう一度、一方通行はため息をついた。


「最初はママからだよ。 それと、ママからもパパのほっぺにチューするんだからね」

「ミ、ミサカからもっ!? って、ミサカはミサカはさらっととんでもない提案をする竜ちゃんに戦慄してみたり」

「……おいクソガキ、震えてるけど大丈夫かァ?」

「だ、大丈夫! これは武者震いだから、ってミサカはミサカはバッチコーイ」


ゆっくりと、一方通行は跪き、打ち止めの頬に顔を近づけた。
打ち止めは耳まで真っ赤になって微かに震えていた。
打ち止めと目と鼻の距離で、一方通行は動きを止めた。


そして彼女の耳に自分の唇を持っていくと

173 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:51:33.91 ID:3wtsoKzK0




「……たかが挨拶だァ。 そンな緊張するな」




そっと、囁きかけた。

174 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:52:23.19 ID:3wtsoKzK0


「ひゃっ」 と、打ち止めが小さく声を上げた。
一方通行はそれを無視して、彼女の頬に軽く、口づけを落とした。


「あ、ありがと、ってミサカはミサカは……。 あ、ミサカからもしなくちゃ……」


熱に浮かされたように、打ち止めはすっかり蕩けた笑みを浮かべた。
ややあってそろそろと一方通行の肩に手をかけると、白磁のような彼の頬に口づけした。
一方通行と同じように軽い、しかし長いキスだった。


「もゥいいだろ」 と、一方通行は言うと、体を離した。
「あっ」 と、打ち止めは短い声を上げると、物欲しげな視線を投げかけた。

一方通行は取り合わなかった。

打ち止めは、ゆっくりと指で自分の唇をなぞると、うっとりと目を細めた。 

175 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:53:06.30 ID:3wtsoKzK0


「次は私の番だね」 と、竜王はニコニコ笑みをたたえたまま、言った。

そんな彼女に、一方通行はしかめっ面を返した。
彼女の傍らに跪いた一方通行は、彼女に顔を近づけ、耳打ちをした。


「あンまり調子に乗るな竜ちゃン。 悪ィ癖だ」

「でも、打ち止め幸せそうだよ〜」


彼女の言葉に打ち止めを振り返ると、打ち止めは呆けたように視線を宙に彷徨わせていた。 
心ここにあらず、といった体だ。

176 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:53:59.14 ID:3wtsoKzK0


「……さっさと済ますぞォ」


一方通行はため息混じりにそういうと、覇気のない瞳を竜王に向けた。
そして、やや乱暴に彼女の頬に口づけした。


「ん、ありがと。 でもため息ばっかりだと幸せが逃げちゃうよ」

「ああ、次から気ィつけるわァ……ン」

「はいお返し」 と、竜王は一方通行の頬にキスをして、言った。 「いってらっしゃい、パパ」


「……あ、いってらっしゃい、ってミサカはミサカは恥ずかしさと愛しさにモジモジしながらお見送りしてみる」

「……行ってきまァす」


一方通行は力なく言うと、リビングの外へと出て行った。

177 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:54:58.77 ID:3wtsoKzK0


「さあママ、いつまでもぼーっとしてないで、パパがお仕事に行ってる間にご飯の支度しよう」

「……うん、そうだね、ってミサカはミサカはテーブルまで引き返してみる」


打ち止めは、未だ上気している頬を両手で挟み、えへえへとだらしない笑みを浮かべている。 
テーブルへと向かう彼女の足取りは空を飛んでしまいそうなほど軽く、そんな彼女の姿を見て、
竜王は小さく笑った。 

そのまま、竜王はドアを開けると、そっと囁いた。


「支度って言っても刃物は使わせないよ。 簡単な調理だから安心してね」

「……三十分したら戻ってくる」


廊下の壁に背中を預けていた一方通行は、それだけを呟くと自室へと足を運んだ。

竜王は静かにドアを閉めると、打ち止めの後を追いかけた。


「ママ〜、私もお手伝いするね」

「おいしいご飯作ろうね、ってミサカはミサカは腕まくりしてみたり!」


178 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:55:41.96 ID:3wtsoKzK0



それからきっかり三十分後、一方通行はリビングに姿を現した。


「ただいまァー」

「お帰りなさいあなた、ってミサカはミサカはお出迎え!」

「パパお帰りー」


ぱたぱたとかけてくる少女たちに、一方通行は軽く頷いた。
彼に両手を差し出す竜王にカバンを渡すと、テーブルへと視線を投げた。

179 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:57:06.96 ID:3wtsoKzK0


「ンで、飯は何を用意したんだァ?」

「そ、その前に……」 と、打ち止めが意を決して口を開いた。 「お、お帰りのチューを…
…ってミサカはミサカはあなたにチューしたいっ!」


打ち止めの顔は真っ赤だった。 先ほど一方通行にキスされたときよりも顔を赤らめ、しかし
力強く、一方通行の瞳を見つめていた。 背筋はシャンと伸び、体は震えていなかった。

一方通行は打ち止めに視線を合わせた。 彼女の瞳はらんらんと輝いていた。 


「今回だけっつたろゥ」

「まだおままごとは続いてるもん、ってミサカはミサカは言い返してみたり」


一方通行は天井を仰ぐと、乱暴に頭をかいた。 頭をかいた左手を首筋に滑らせると、
そのままの体勢で、しばし固まった。 打ち止めは穴が開くほどに彼に視線を注いでいた。

180 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:57:49.91 ID:3wtsoKzK0


「……まさかオマエが言ってくるたァな」 と、一方通行は観念したように呟いた。


彼はやおらと跪くと、打ち止めに左の頬を差し出した。


「……本当にいいの? ってミサカはミサカは最後の確認をしてみたり……」

「なァにいってるンですかァ」 と、一方通行はあさっての方向に視線を投げて、言った。 
「オマエからするって言ったンだろゥが」

「……うん! ってミサカはミサカは〜っ!」


打ち止めは一方通行の首に抱きつくと、差し出された頬に口づけをした。
キメの細かい、僅かに赤みが差した肌の感触に打ち止めはすっかり夢見心地であった。


しばらくして、打ち止めは顔を離した。
彼女は抱きついたまま首をひねり、一方通行に頬を差し出した。
打ち止めのもち肌に、一方通行も口づけた。
彼女の熱を帯びた柔肌は、なんとも言えず心地よかった。

181 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 21:58:56.84 ID:3wtsoKzK0


「……ほら、竜ちゃンの番だァ」 

「うん、ありがとね、パパ」


竜王は一方通行の右手側に近づくと、彼の右頬に、小鳥が木の実をついばむようなキスをした。
対する一方通行も、竜王に軽くキスをした。


「改めて、お帰りなさい、パパ」 と、竜王は笑った。 


182 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:00:01.04 ID:3wtsoKzK0




「あなた召し上がれ、ってミサカはミサカはお手製料理を勧めてみたり」


浅くソファーに座った一方通行に、彼の左隣に座った打ち止めはそう言って胸を張った。
テーブルの上には様々なお菓子や軽食が並べられていた。
竜王は取り皿にいくつか料理を取り分けると、一方通行の右隣に腰掛けた。
彼女はツナのペーストが乗ったクラッカーをつまむと、一方通行に差し出した。


「はい、パパあーん」

「ああーっ竜ちゃんずるいよ、ってミサカはミサカもあなたにあーんしてみる!」 と、
打ち止めは慌ててクラッカーを手に取ると、一方通行に差し出した。

「止めろ、自分で食える」

「照れなくてもいいんだよ、ってミサカはミサカはめげずにあーんしてみる」

「そうだよ。 家族なんだからさ」

「……ンなクソ甘ったるい家族がどこにいるってンだ」 と、一方通行は目を伏せて、言った。

「何言ってるの」 竜王は首を傾げ、柔らかい笑みを浮かべた。 「目の前にいるじゃない」

183 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:01:15.98 ID:3wtsoKzK0


一方通行は目を伏せたまま無言を通していたが、ややあって竜王と向き合うと、口を開いた。
竜王にクラッカーを口に入れてもらうと、彼はゆっくりと咀嚼した。


「……悪くねェな」

「ほらあなた、ミサカのも食べて、ってミサカはミサカはお勧めしてみる」


その言葉に、一方通行はクラッカーを飲み込むと、口を開いた。
打ち止めのクラッカーにはモッツァレラチーズにトマトが乗せられ、少量のオリーブオイルがかけられていた。
彼女は実に楽しそうにクラッカーを彼の口に入れた。


「……悪くねェ」

「やったねママ! パパがおいしいって!」

「……うめェとは言ってねェだろ」

「もしかして、おいしくなかった? ってミサカはミサカは不安になってみたり」

「……うまかったよ」

「やったねママ!」

「やったぜ竜ちゃん! ってミサカはミサカはガッツポーズ!」

184 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:02:04.21 ID:3wtsoKzK0


打ち止めは竜王に視線を送ると、小さくガッツポーズをとった。
竜王が打ち止めに向かって手の平を差し出した。
それを受けて、打ち止めも手を差し出すと、少女たちは一方通行の前で手を打ち合わせた。
パンッと、小気味いい音が鳴った。


「……ったく。 少しは静かにしろォ」


文句を言う一方通行だが、その顔には穏かな笑みが浮かんでいた。


185 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:03:10.94 ID:3wtsoKzK0




「ふぅ〜。 もうお腹一杯、ってミサカはミサカはお腹をさすってみたり」

大きく息を吐くと、打ち止めはソファーの背もたれに背中を預けた。
用意したお菓子をほとんど食べた彼女は満足そうにお腹をさすっていた。


「オマエ母親役なンだろ。 もうちっと落ち着いたらどゥだ」

「しょうがないよパパ。 お菓子おいしかったもん」

「ったく、竜ちゃンの方がよっぽどお母さンじゃねェか」


思わず、一方通行は苦笑を浮かべた。 その言葉に、打ち止めは頬を膨らませた。
しかしすぐに息を吐くと、脱力したように体を伸ばした。


「……ひょっとして、ママおねむ?」 と、竜王は首を傾げて、尋ねた。

186 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:05:19.66 ID:3wtsoKzK0



「……うん、食べ過ぎたかも、ってミサカはミサカは……」

ふわぁ〜と、打ち止めは大きく欠伸をした。 口を押さえ、照れたような笑みを浮かべる打ち止め。
竜王はそんな彼女の隣に移動すると、彼女の頭を撫で始めた。


「寝てるところを起こしちゃったもんね。 少し寝たら?」 と、竜王は柔らかい声で言った。

「でも……おままごとが、ってミサカはミサカは……」

「大丈夫。 時間はたっぷりあるんだから、また遊びましょう」

「そンなンじゃ遊べねェだろ」 と、一方通行が口を開いた。 「また付き合ってやるから、今は寝てろ」


打ち止めは気の抜けた笑みを浮かべた。 目を瞑ると、彼女は竜王の肩に頭を乗せた。
竜王は彼女の髪を梳くように、優しく頭を撫で続けていた。


「おやすみママ……ほら、パパも」

「……おやすみィ」

「おやすみ、ってミサカはミサカは挨拶してみたり……」


そして打ち止めは、眠りに落ちた。

    ・
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・
187 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:06:36.45 ID:3wtsoKzK0


打ち止めが目を覚ました時、リビングは夕焼け色に染まっていた。
窓に目をやると、浅い角度で日の光が差し込んでいた。 ほんの一眠りのつもりだったが、
思った以上に長く寝てしまったようだった。

打ち止めは、いつの間にかかけられていた毛布を剥ぎ取ると、ゆっくりと身を起こした。
テーブルの上はすっかり片付けられており、ソファーに座っているのは、彼女一人きりだった。
打ち止めは、短い髪を揺らして辺りを見回した。


「あなた……竜ちゃん……?」


声をかけた打ち止めだったが、返事は返ってこなかった。 電気の消えたリビングの中で、
家具の影が長く伸びていた。


「夢……だったのかな?」


打ち止めは背もたれに体を預けると、毛布を引っ張り体にかけた。 
部屋は床暖房で十分に暖められていたが、彼女には、どこか肌寒かった。

ややあって打ち止めの体が滑り、彼女はソファーの上で身を横たえた。 猫のように丸まり、
頭まで毛布を被った。


沈黙が続いた。 打ち止めは身じろぎもせず体を丸めていた。 どんどんと影は長く伸び、
やがて薄らぎ、部屋は薄暗闇に包まれた。

188 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:09:24.10 ID:3wtsoKzK0


廊下の奥から甲高い声が聞こえてきた。 聞き覚えのある少女の声だった。 
次いで廊下の奥から足音が聞こえてきた。 その中には硬質な音が混じっていた。
杖を突く音だった。


打ち止めは勢い良く毛布を跳ね除けると、上体を起こした。 ソファーから飛び降りると、
勢い良くリビングのドアを開き、廊下へととび出した。


「起きてたか、打ち止め」

「ただいま、ママ」


そんな彼女に声がかけられた。 打ち止めが視線を向けると、
そこにはビニール袋を手に提げた一方通行と竜王の二人がいた。
一方通行は竜王に一瞥をくれると、口を開いた。 「オマエ、まだそれ続けるのか?」

「もちろん。 ママが目を覚ましたんだから再開だよ」 と、竜王は笑みを浮かべた。

「あなた……竜ちゃん……夢じゃなかったんだね、ってミサカはミサカは二人に抱きついてみたり!」


わーいっ、と声を上げると、打ち止めは二人に抱きついた。 一方通行は首を傾げて、口を開いた。
「なァにしてンだ、打ち止め?」

「帰りが遅くなったから、心配させちゃったのかな」 と、竜王は打ち止めの頭を撫でながら、
言った。 

189 :番外編 打ち止め、はしゃぐ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:10:50.87 ID:3wtsoKzK0


「なんだか、竜ちゃんと遊んだことが夢見たいに思えちゃって、
 ってミサカはミサカは今更ながら恥ずかしくなってみたり……」


そう言って、打ち止めは二人から離れた。 
僅かに頬が赤くなり、彼女はごまかすように自分の頭を撫でた。


「んーん、私たちもすぐ帰ってくるつもりだったのに遅くなっちゃったからね。
 それじゃあ、ただいまのチューしよっか?」

「オマエ……それはもゥいいだろ」


竜王の言葉に、一方通行は呆れたように言った。 

「だって、おままごとはまだ続いているよ」 と、竜王は言うと、打ち止めの頬にキスをした。

打ち止めも竜王にキスを仕返すと、今度はキラキラ目を輝かせて一方通行を見つめた。 
若干鼻息が荒い。 おまけにそわそわと落ち着きなく指を弄っている。

一方通行は睨みつけるように彼女に視線を投げたが、ややあって彼女から視線を外して、言った。


「もゥおままごとはこれっきりだ」


一方通行は跪くと三度目のキスを落とした。


190 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/19(水) 22:14:45.46 ID:3wtsoKzK0

以上です

夢オチにしようか迷いましたが、一方さんのキスを夢にするのはもったいない、
と思いこうなりました

次回投下は明後日の夜を予定しています
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:21:08.76 ID:YVLJXmDAO
おふぅ……乙
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 23:42:18.06 ID:CJJkZvxDO
まさか本当に幼女竜ちゃんを書いてくれるなんて…!>>1
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 23:58:34.87 ID:rqqVIftAO
幼女が頬をすりあわせる…
どんぶり四杯はいけるな
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 00:49:12.93 ID:L9rh2yAVo
ニヤニヤとほっこり…どう表現していいかわからんがとにかくニャっこりした
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 02:15:27.34 ID:hcBtaWFoo
なんという至極の通行止め・・・
一方さんが適度にぶっきらぼうながら行動でちょいデレ位の通行止めは大好物
デレデレの甘々も好きだけどこういうのも本当にイイ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 14:28:51.04 ID:qPOSWN4DO
内容は100点だけど
地の文が稚拙過ぎるのが気になるね
〜た。〜た。が多すぎる

乙!
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 20:25:45.37 ID:5SH++jljo
>>196
おっと。もしドラの悪口はそこまでだ
198 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/21(金) 23:32:19.41 ID:PZOsiYzE0

みなさんレスありがとうございます

竜ちゃんと通行止めのやり取りが好評のようで嬉しいです
この三人の組み合わせは書きやすかったので、また近いうちに書いてみようと思います


>>196
〜た。〜た。が多すぎる

『〜している』のように『〜た』以外で終わる文章を混ぜろということでしょうか?
リズムが悪かったのですかね
他にも気づいたことがあれば指摘してもらえると助かります


それでは、少ないですが第14話を投下します


199 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:33:25.75 ID:PZOsiYzE0


不良A「お嬢さん、俺らと遊んでいかねぇか」

不良B「嫌、なんて言わないよなぁ」

不良C「へっへ、楽しませてやるよぉ」

少女「い、いや……」

上条「よう、ここにいたのか。 探したぜ」

A「おいおい、なんなんだお前」

上条「いやー、彼女の連れでして。 ほら、はぐれるなって言っただろ。 早く帰るぞ」

少女「え、ええ?」

B「ちょっと待てよ。 嬢ちゃんはお前のこと知らねえってよ」

C「大体、お前誰なんだ……ああん?」

A「待てよ。 そのツンツン頭……お前、もしかして『竜王を宿す者』か」ニヤニヤ

B「『竜王を宿す者』(笑)」

上条「……いいぜ」

上条「てめえが厨二設定で俺をどうにか出来るってなら、まずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!
   竜ちゃん!」

竜王「ガアァァァァ……ッ!」

A「な、なんなんだよ、それ!」

B「あ、あの噂、本当だったのかよ!?」

C「超能力者なんてふざけんなよ!」

A B C「「「チクショー!!」」」ダッ

200 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:34:17.08 ID:PZOsiYzE0


少女「……っ!」ブルブル

上条「よーしよし。 ありがとうな竜ちゃん」

竜王「がおっ」

上条「でもちょっと迫力出しすぎだったかな。 女の子も怯えちゃってるよ」

竜王「がう」シュン

上条「君、大丈夫? 怖がらせてごめんな」

少女「あ、は、はい。 ……大丈夫です」コクコク

竜王「がおっ」ニッコリ

上条「無事でよかった。 もうこんなところに近づいたらダメですよ」

少女「はい。 ……あの噂、本当だったんですね。 幻の超能力者って」

上条「それは違くて、上条さんはそんな大層な者じゃないんですよ」

少女「え? でも……」

上条「そんなことより、もうこんなところには近寄らない方がいいよ。 気をつけて帰ってね」

少女「……はい。 ありがとうございました」ペコ

201 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:34:51.76 ID:PZOsiYzE0


上条「さて、俺たちも帰ろうか」

少女「あ、あのっ」

竜王「がう?」

少女「よかったら、何かお礼をさせてくれませんか?」

上条「いやいや、好きでやったことだから気にしなくてもいいんですよ」

少女「そんな、私の気が済みませんし……それに、あなたと話がしてみたいんです」

竜王「がうがう」

上条「竜ちゃん……そうだね、じゃあそこのファミレスに行こうか」

少女「私、佐天涙子って言います。 よろしくお願いします」

上条「俺は上条当麻、こっちは竜ちゃん。 よろしくな」

竜王「がうーっ」ニパー

佐天「よろしくね、竜ちゃん」

202 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:35:21.80 ID:PZOsiYzE0


ファミレス

佐天「改めて、さっきはありがとうございました」

上条「いやー、上条さんとしては、そこまでお礼を言われるとなんだか恥ずかしいな」

竜王「がうがうっ」

佐天「竜ちゃんって大きさを自由に変えられるんですね。
   不良を追っぱらった時は、私も一飲みにできそうなくらい大きかったけど」

上条「大きさだけじゃなくて長さも自由自在、どこまでも伸びていけるんだよな」

竜王「がお」フンス

佐天「かっこいいな〜。 ほらおいで」

竜王「がおー」

佐天「うりゃうりゃっ」ワシワシ

竜王「がうがうっ」

上条「よかったな竜ちゃん。 また友達ができたぞ」ニコニコ

竜王「がお〜っ」ニコニコ

佐天「でも、上条さんが『幻想物語』の作者だったなんて驚きました。
   私、『幻想物語』好きなんです!」

上条「いやー、こう面といわれると照れるな」テレテレ

佐天「特に『竜王を宿す者』が孤立した『雷の神に祝福されし皇女』を助けに行く場面は興奮
   しました!」

上条「本当? 俺もあの場面は良く書けたと思ってってさ、お気に入りなんだよ」

佐天「あと、登場の場面の……」

上条「ああっあそこはさ……」

203 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:35:52.28 ID:PZOsiYzE0

    ・
    ・
    ・

上条「いやー、佐天さんがこんなに『幻想物語』を読んでくれて、
   上条さんは作者冥利に尽きますよ」ニコニコ

佐天「上条さんって凄いですよね。 ものすごい設定とか作りこんでますし」

上条「あれは友達のおかげかな。
   魔術に詳しい奴と、設定の矛盾とか合理性を考えるの得意な奴がいるんだよ」

佐天「……あのっ実は私も設定とか、いろいろ考えたんですけど……」

上条「本当か? 良かったら見せてくれないか」

佐天「あ、でも、私のは、上条さんのに比べたら出来のいいものじゃないし……」

上条「そんなの関係ねえよ。 佐天さんが考えてくれたってことに意味があるんだから」

佐天「……ありがとうございます。 じゃあこれを」

上条「ありがと。 どれ……」

204 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:36:19.91 ID:PZOsiYzE0


上条「……うん。 これいいよ佐天さん、面白い」

佐天「本当ですか!?」

上条「っていうか佐天さん、結構文章書くの上手いね。
   いっそのこと、これで一本書いてみたら?」

佐天「さすがに、そんなことは無理ですよ」テレテレ

上条「いやいや、これは上条さん、傑作の予感がしますよ」

佐天「そう……ですか? そこまで言うんなら、思い切って書いてみようかなあ」テレテレ

上条「うん、それがいいよ! 俺も応援するからさ」

竜王「がおがおっ」

上条「そうだ、良かったらメアド交換しない?
   俺の友達も紹介したいし、きっとSS書くのを手伝ってくれるよ」

佐天「分かりました。それじゃあお願いしますね」






美琴「……」



205 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:37:22.43 ID:PZOsiYzE0


常盤台中学学生寮


黒子「お帰りなさいですの、お姉様」

美琴「黒子。 アンタって『幻想物語』読んでたっけ?」

黒子「上条さんのアレですか? ノートはお姉様に見せてもらいましたけど、それだけですわね」

美琴「『幻想物語 Index SSまとめwiki』は知らないのね」

黒子「名前は存じておりますが、実際読んだことはありませんわね」

美琴「なら今すぐ読みなさい。 本編だけじゃなく、設定もちゃんと読むのよ」

黒子「お姉様?」

美琴「読み終わったら、その後の展開、新しい登場人物、設定、何でもいいから考えて頂戴。 
   私も今からまとめるから」

206 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:37:50.50 ID:PZOsiYzE0


黒子「あの、お姉様。 話が見えないのですが……?」

美琴「一刻の猶予もないわ。 私も話作りに参加して、アイツの気を引かないと」ブツブツ

黒子「お、お姉様?」

美琴「黒子」




美琴「今夜は寝かせないから、頑張りましょう」ニコリ




黒子「〜〜〜〜っ!!!! 不肖黒子っ全身全霊を持って頑張らせていただきますのっ!!!!」


美琴(待ってなさい。 第三位の名にかけて、最高の展開を考えてやるんだから。
   負けないわよ佐天さんっ)メラメラ

黒子(『今夜は寝かせない』『今夜は寝かせない』『今夜は寝かせない』……私ったら、
   そのお言葉だけで何杯でもお代わりができますわ〜〜〜〜)ポワー

207 :第十四話 上条さん、出会う ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/21(金) 23:38:37.83 ID:PZOsiYzE0
以上です

次回投下は、また二日後辺りになります
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/21(金) 23:40:17.94 ID:uwikpeQDO
乙!

竜ちゃんをナデナデしたいお!
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 00:03:26.39 ID:ij3fgAvqo
美琴さんやる気は買うが相変わらず頑張る方向性がズレてるなぁ・・・ww
そこが可愛いんだけど
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 00:20:02.02 ID:KJPLU77DO
擬人化竜ちゃんと出会うのかと思ったぜ……

乙でした
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 00:46:40.58 ID:5pc/w5fAO
佐天さんにはコンプレックスの反動で震えが止まらない程のド痛い厨二を期待してまう。
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 03:08:06.16 ID:9eKA5M4lo
乙です!
インデックスと一方さんってそういえば
魔術と科学の最高峰の頭脳なんだよな
上条さんのブレーンはすごいメンツだ
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 19:38:20.54 ID:6xCMGz4AO
美琴さんひでぇ
と思ったらSとMの理想郷でした
214 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:16:42.05 ID:/DuAuwHi0

みなさん、レスありがとうございます
本当に励みになるので嬉しいです

それでは投下を始めます
今回は一方さんメインのお話、イジられています

215 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:17:34.43 ID:/DuAuwHi0


一方「仕事はねェ、クソガキは調整、三下は補習とか言ってたなァ……」

一方「やることがねェな」

一方「……たまには幻想スレでも確認するか」カタカタ

一方「特に目新しいスレはないか……ン?」




80:『幻想物語』外伝『神が住む天界の片鱗を振るう者』(456)




一方「あのクソメルヘン、まだ懲りてねェのか」

一方「今度ふざけたこと書いてたら容赦しねェぞ」カチッ

一方「……」

一方「……ほゥ」

    ・
    ・
    ・
216 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:20:36.55 ID:/DuAuwHi0


垣根「よう、第一位」

一方「はン、わざわざ来てやったんだ。 茶くらいだしたらどゥなンだ?」

垣根「生憎だが、テメェに淹れてやる茶はねえな」

一方「しけてやがるなァ」

垣根「テメェにゃ言われたくねえよモヤシ。 で、何しにきやがった?」

一方「オマエの書いたSSを読ませてもらった」

垣根「サインならお断りだ」ニヤリ

一方「抜かせ。 ……だが、あの時の書き込みに比べりゃマシになった」

一方「それでもなンとか読めるってレベルだがな」ニヤリ

垣根「テメェ見る目ねえな」

一方「十分すぎる褒め言葉だぜェ。
   オマエにゃまともなSSは書けねェと思ってたからな」

垣根「なめるなよ、文章力じゃあテメェより上だぜ」

垣根「だがちったぁ手を抜いた方がいいか? その内に本編を食っちまいかねないからな」

一方「寝言は寝てから言え。 あっという間に三文小説の出来上がりだ」

垣根「言ってくれるな」

217 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:21:37.46 ID:/DuAuwHi0


一方「……これ以上ここにいても、しょうがねェか」

垣根「それだけかよ。 結局何しに来たんだ」

一方「さァな。 未だに冷蔵庫に繋がれて動けねェバカを笑いに来たのかもな」

垣根「……テメェは止めねェのか?」

一方「何をだよ?」

垣根「SSを書くのをだよ。 これから『銀髪灼眼の討ち手』をボロクソに書くかもしれねェぜ」

一方「……オマエのスレは相当に期待されていたなァ」

一方「書き手として、住民の期待を裏切れる訳がねェ。 
   ……もっとも、クソみてェな話しか書けねェってンなら仕方ねェがな」

一方「そン時は、せいぜい腹ァ抱えて笑わせてもらうぜェ」

垣根「……誰に向かって言ってやがる」

垣根「すでにテメェには想像もつかねえ話を考えてある。 テメェが唸る姿が目に浮かぶぜ」ニヤリ

一方「やってみろ……できるもンならなァ」ニヤリ

218 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:22:24.10 ID:/DuAuwHi0


一方「さて、これからどゥするか――『ピリリリッ』――あァ?」

一方「電話? ……土御門か」ピッ

一方「もしもォし」

土御門『急用だ、すぐに来い』

    ・
    ・
    ・
219 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:23:23.60 ID:/DuAuwHi0

キャンピングカー車内

一方「でェ、一体何があった?」

土御門「思ったより早かったな、一方通行」

一方「何があったと聞いてンだ。 さっさと話を進めろ」

海原「まあまあ、短気は損気ですよ、一方通行」

結標「その通り、慌てるナントカは貰いが少ないわよ」

一方「『急用』ときたんだ。 無駄話している暇はねェンじゃねェか」

結標「そうね。 でもその前に、貴方にはやることがあるでしょう?」

一方「やることォ……?」

結標「そう……」


220 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:23:55.57 ID:/DuAuwHi0






結標「お帰りなさいのチュー、してくれなくちゃ☆」キャハッ







一方「」

土御門 海原 ブッヒャ



221 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:24:41.69 ID:/DuAuwHi0


土御門 海原「「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!」」

土御門「お、お帰りのチューっ! だ、第一位がほっぺにチューとかっ!!
    ロリコンが極まったにゃーっ!!」ブヒャヒャヒャヒャ

海原「そ、その顔っ今世紀最大のっ間抜け面っですよっ!!」ブヒャヒャヒャヒャ

結標「いい仕事したわぁ。 記念に一枚っと」パシャ

土御門「ナイスだぜい結標! 後で写メ頂戴にゃー」

海原「……っ……っ!!」ジタバタ

結標「ツボに入りすぎよ、海原。 写メは今一斉送信で……」

一方「ォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」ドバァ

222 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:25:21.58 ID:/DuAuwHi0


結標「……ちょっとしたおちゃっぴいじゃない。 あーあ、ケータイ壊れちゃった」

土御門「キャンピングカーがメチャクチャぜよ。 ああ運転手クン、今日はもう帰っていいにゃー」

結標「あれだけやって運転席は無事っていうのは見事かもね。 それ以外は消し飛んだのに」

土御門「こいつはそういう奴ぜよ。 大丈夫かー海原」

海原「……あ、ああ……」ピクピク

結標「笑い転げてるから逃げ遅れるのよ。 ……まあ、気持ちは分かるけどね」クスクス

土御門「いやー、あの顔は見ものだったにゃー」クックック

結標 土御門「「わっはっはっはっは!!」」

一方「じゃねェェェェだろォォォォォォがァァァァァァァァァッ!!!!」


223 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:26:36.74 ID:/DuAuwHi0


一方「なンでだァァァァァァァァなンで知ってるゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!」

結標「土御門から聞きましたぁ」ハーイ

土御門「かみやんから聞きましたぁ」ハーイ

一方「三下ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

土御門(まあ実際は、かみやんと竜ちゃんの会話を盗み聞きしたんだけどにゃー)

土御門「でも驚いたぜい。 第一位様がキス魔ってことはもちろんだが、竜ちゃんが擬人化できるとは」

土御門「さっそくメイド服を特注しといたぜい」グッ

一方「余計なことばかりしてくれンなァオマエはァ! 突き立てた親指へし折ってやろうか!?」

一方「っていうか、急用ってこれのことか!!」

土御門「その通りだぜい」グッ

土御門「一方通行を弄る絶好の機会。 そのために『グループ』大集合って訳にゃー」

結標「その竜ちゃん、後で私にも紹介してよね。 一方通行の痴態をもっと聞きたいわ」

土御門「まかせるにゃ。 俺も聞きたいことは山ほどあるからにゃー」

一方「ふっざけンなァァァァァァァァァァッ!!」ウガー

土御門「きゃーっロリコンが怒ったにゃー。 あわきん逃げるぜい」シュン

結標「言われなくてもスタコラサッサよぉ」シュン

一方「逃げんなオマエらァァァァァァァァァァッ!!」ゲシゲシゲシ

海原「ちょっ、ァ、一方、通行、そんな、蹴ら、ない、でぇ」アベシッ


224 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:27:30.63 ID:/DuAuwHi0

    ・
    ・
    ・

一方「アイツらァ、次会ったらゼッテェ許さねェ……」

番外個体「やっほう。 しけた面してるね、一方通行」

一方「なンのようだ、番外個体」

番外個体「ケケッ。 なーにツンツンしてんだよ。
     ミサカがわざわざ会いに来てやったんだよ。 もっと嬉しそうにしろよぉ」

一方「残念だが、無理な相談だァ」

番外個体「張り合いがないね。 まぁいいや、それよりそこのカフェに行こうよ。 
     奢らせてあげるよ」

一方「……チッ」スタスタ

番外個体「あら珍しい。 いつもなら憎まれ口の一つでも叩くんじゃない?」

一方「いろいろあって喉渇いてるンだよ。 それともいらねェのか?」スタスタ


225 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:28:23.13 ID:/DuAuwHi0


番外個体「ま、奢ってくれればなんでも良いけどね。 
     ……そぉだ、お礼にチューさせてあげようか?」

ピタッ

一方「……ンだと」

番外個体「ミサカ驚いちゃったよ。 学園都市第一位が、まさかキス魔だったなんてね」

番外個体「それともロリ相手だったから張り切っちゃったのかな〜」キャハハハッ

一方「一応聞く。 なンでそれを知っている?」

番外個体「MNW。 最終信号がチューしたチューしたってうるさいのなんの」

一方「あンのクソガキ……」

番外個体「ロリ二人に囲まれて鼻の下伸ばしたあなた、見ものだったよ」ニヤニヤ

一方「オーケー。 よっぽど愉快なオブジェになりてェらしい」

番外個体「あなたってワンパターンよね。 そうやって脅すしか能がないの?」

番外個体「そんなんじゃ、ミサカ面白くないなぁ」

番外個体「たまには趣向変えてみない? 例えば……キスでミサカの口を封じるとかさ」

一方「……」

番外個体「どうしたの? こんな美人とキスできる機会、あなたには二度とないよ?」ホレホレ

一方「……チッ」スタスタ

番外個体「……つれないなぁ、意気地なし」スタスタ


226 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:29:42.41 ID:/DuAuwHi0


一方「コーヒーうめェ」

番外個体「お茶おいしい。 一方通行の奢りだとまた格別だね」

一方「ンで、なンのようだ? まさか奢らせるだけが目的って訳じゃねェだろゥ」

番外個体「んっふっふ。 実はミサカも『幻想物語』作成に参加しててね。
      最終信号から聞いているでしょう」

一方「ああ、三下が預かったっていうアレか。 『兄弟姉妹達(シブリングス)』だったか」

番外個体「何を隠そう、その設定を考えたのはこのミサカなの。
      MNW大会議で厳選された設定なのよ」フンス

一方「確か、『雷の神に祝福されし皇女』と血がつながった兄弟だったかァ」

番外個体「そうだよ。 で、こっからが本題。 これ読んでみてよ」

一方「SDカード?」

番外個体「ミサカたちも小説書いてみたんだよ。 中々の粒ぞろいだからさ、期待して良いよ」

番外個体「てな訳で、ケーキも追加させてもらうよ」

一方「おい」

番外個体「そんな素敵な小説読ませてもらえるんだから、このくらい安いもんじゃない。 
      あ、注文お願いしまーす」

一方「……いいさ、好きなだけ食え」

番外個体「言われなくても。 店員さん、これとこれと、あとこれもお願い」

店員「承りました」ペコ

一方「……チッ」


227 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:30:41.51 ID:/DuAuwHi0


店員「ご注文の品は以上でお揃いですね。 ごゆっくりどうぞ」

番外個体「う〜ん。 奢りのケーキはおいしいねぇ」ニコニコ

一方「……おィ」

番外個体「あ、早速読んでくれた? 称賛の言葉なら、ミサカいつでも歓迎だよ」

一方「ああ、思ったよりも良くできてた。 中々のもンだ」

番外個体「それだけ? 第一位ってボキャブラリーが貧困なのかな?」

一方「ンなことよりだ……このフォルダはなんだ? 
   まともな小説の中に、なンでこンなもンが紛れ込んでる?」

番外個体「ん? ああ、それ。 見たまんまだよ」




番外個体「【R18】。 『銀髪灼眼の討ち手』と『兄弟姉妹達』の濃厚な絡みが保存されてる
      フォルダだよ」ニタリ




228 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:31:35.77 ID:/DuAuwHi0


一方「バァァァカですかァァァァァ!? なンでンなもン書いてンですかァァァァァ!?」

番外個体「知ってる? あなたって自分が思っているより妹達に好かれてるんだよ」

一方「なンの関係があるンだよ!? 
   ってか好きなヤツ相手にこンなもン書く訳ねェだろォォォォォ!!」

番外個体「うるさいよ。 お店の迷惑だから叫ぶの止めなよ」

一方「っ!!」

一方(コイツに注意されるたァ、不覚っ)ギリッ

番外個体「一部の個体が凄い勢いで書いてるの見つけてさ、
      思わずミサカも楽しくなっちゃって書いてみたんだ」

一方「ふざけンな。 こンなもン削除だ削除ォ」

番外個体「酷いなぁ。 せっかく苦労して書いたのにぃ」

一方「うるせェよ」

番外個体「あーあ、20000号泣いちゃった。 可哀想だなぁ」

一方 ピタ

番外個体「10033号も泣き出しちゃった。 あんなに頑張って書いたんだもん。
      なのに読まずに捨てるって残酷だよね」

番外個体「絶対に守るって誓った相手を泣かすなんて、酷い人だねぇ」


229 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:32:31.91 ID:/DuAuwHi0


一方「……」

番外個体「なーに10033号? せめて消す前にどんなものを書いたのか知って欲しいって? 
      でもダメだね。
      この人血も涙もない人だから、女の子が泣いて頼んだって省みないよ」ハァ

一方「……オマエ」

番外個体「どうしたの一方通行? 一思いに消しちゃってよ。
      そんな焦らす様なまねして、ミサカたちを悲しませたいの?」

一方「……読ンでやるよォ」

番外個体「え、何だって?」

一方「読ンでやるって言ってンだよ……」

番外個体「なら今すぐ読んでみてよ」

一方「なっ!」

230 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:34:39.79 ID:/DuAuwHi0


番外個体「ほかのミサカも今すぐ感想聞きたいって言うし、そのケータイ、
      横から画面見えないようにしてあるんでしょう。 周りを気にする必要ないよね」

一方(くっ。 『百合子たんなめなめしたいお』『百合子「変態」弟「ああ、もっとっ!」』
   『いちゃいちゃ百合子ちゃんR18』 ……こンなもン、こンなとこで読めるかァッ!)

番外個体「持ち帰ったら読んでくれないかもしれないし、他の子も読んでるところを見たいってさ」

一方「……っ」

番外個体「……読んでくれないか。
      あーあ、せっかく泣き止んだのにまたみんな泣きそうになってるよ」

一方「……分かった。 やってやる……やってやるよォ……ッ!」

番外個体「ありがとう、一方通行」ニヤァァァ


231 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:38:30.84 ID:/DuAuwHi0


一方(まずは『百合子たんなめなめしたいお』か。 ふざけたタイトルしやがってェ)

一方(ひたすら百合子が舐められるSSとは……なンて捻くれた性癖……気色悪ィ)

番外個体(顔が歪んでる。 いい表情だなぁ)ニヤニヤ

一方(次は……百合子が弟を調教だと!!)

番外個体(おおー真っ青になった。 10033号のヤツを読んでるのかな?
     あれはエグかったからなぁ。 震えちゃってかわいい)ニタニタ

一方(もう二度と読みたくねェ。 次は『いちゃいちゃ百合子ちゃんR18』だァ? 
   ……なンだこれ、甘ったるくて読むのが辛ェ)

番外個体(今度は赤くなった。 『いちゃ百合』でも読み始めたのかな。
      なんかミサカまで顔が熱くなるなぁ///)

番外個体(それがこのミサカが書いたって知ったらどんな顔するかなぁ?
      見てみたいなぁ。 でも恥ずかしいから無理かなぁ///)ニタァァァ

一方(もゥ……帰りてェ……)

番外個体「どうよ? 読んでみた感想はどうよ? 
      顔真っ赤だよぉ。 興奮しちゃったかなぁ?」ニタァァァ

一方「クソォ……」

    ・
    ・
    ・

232 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:39:46.11 ID:/DuAuwHi0


一方(……ようやく解放されたァ)フラフラ

一方(もう、なにも考えたくねェ。 ……クソッタレェ……)フラフラ

??「……さーん。 一方通行さーん!」

一方「……ンあ?」

佐天「一方通行さんっ。 無視するなんて酷いですよ」

一方「佐天か。 すまねェ、ちょっとぼーっとしててな」

佐天「一方通行さんがぼーっとするなんて珍しいですね。 具合悪いんですか? 
   ちゃんと栄養のあるもの食べてますか?」

一方「佐天……」ウルッ

佐天「わっ! ど、どうしたんですか!?」

一方「なンでもねェ。 ……優しさが身にしみただけだァ」ナデナデ

佐天「あっ、あの///」

一方「佐天はいい子だなァ」ナデナデ

佐天「あ……ありがとう、ございます///」


233 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:41:04.21 ID:/DuAuwHi0


一方「ンで、なンの用だったか?」パッ

佐天「あっ……。 えっとあの」

一方「ン?」

佐天「いえ、何でもありません! ……じゃなくて」ワタワタ

一方「分かったから、ちったァ落ち着け」

佐天「はい……。 実は、SSについて相談したいことがありまして」

一方「付き合ってやるよ。 とりあえずそこのファミレスに行くぞォ」ニカッ

佐天「はいっ!」


234 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:42:49.98 ID:/DuAuwHi0


一方「で、何につまづいてるンだ?」

佐天「ここなんですけど、この先の展開がどーにも思いつかなくて」

一方「……例えば、コイツには協力者がいたとして……」

佐天「ふんふん」

一方「で、コイツらの行動はコイツの策略で、動機はこれと関連付けて考えて……」

佐天「なるほど、そういう考えがありましたか。 じゃあその先は主人公が……」

一方「それも悪くねェが、あえてコイツを先に動かして主役の動機付けをだな……」

佐天「ならここのところは直しちゃって……」

一方「ン、大分よくなったンじゃねェか」

佐天「ありがとうございます、おかげで大分捗りましたよ。 
   それと、実はもう一つ見せたいものがあるんです」スッ

一方「手帳?」

佐天「実は、新しくキャラクターを考えてみたんです。 
   今回はちょっと思い切ったキャラクターなんですが……ぜひ見てもらいたくて」

一方「どれ」

235 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:46:41.34 ID:/DuAuwHi0


一方(『右天累子』――皇立魔法学園に籍を置く14歳の少女。 
   長い黒髪とオッドアイの瞳を持ち、その目の色は右目が金色で左目がルビー色。
   学園随一の魔力を誇る才女であり、持ち前の高い魔法センスと相まって、
   その実力は第一線の魔法使いに引けを取らない。)

一方(その正体は堕天使ルシファーの転生体である。
   このため膨大な魔力を扱うことができる彼女だが、その魔力量はルシファー本来の魔力の
   数パーセント程度である。
   これはルシファーの記憶が長い年月で磨耗し、右天が天使の魂を有していることを自覚
   していないことに起因している。
   天使の力は彼らが使用する神聖文字を理解する必要があり、この記憶が蘇らない限り
   ルシファー本来の力を振るうことができない)

一方(ルシファー本来の力とは因果律を操る力である。
   ルシファーは万物を創造する光の力に加え破滅をもたらす闇の力を行使することで、
   因果律の操作を可能にしている。
   その力は世界を創造した絶対神に匹敵する)

一方(記憶を取り戻し彼女の新の力が解放される時、彼女は天使と化す。
   この際は背中から光り輝く六対の翼が生え、髪と瞳は金色に変化する…………)


236 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:48:17.87 ID:/DuAuwHi0


一方「……」

佐天「ど、どうでしょうか」モジモジ

一方「……中々の出来じゃねェか」

佐天「ほ、本当ですか!」パァァァ

一方「ああ……だがこのままじゃいけねェ……いくつか設定と食い違っているからなァ」

一方「ちっと修正してみるかァ」

佐天「例えばどんな風にですか?」

一方「まずこのルシファーの件だが……」

佐天「ふむふむ」

    ・
    ・
    ・
237 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:49:21.52 ID:/DuAuwHi0


佐天「今日はありがとうございました、一方通行さん。 おかげで参考になりました」

一方「気にすンな、大したことはしてねェよ」

佐天「そんなことはありません! 一方通行さんと話したお陰で良い物が書けますよ!」

佐天「もうどんどん良いアイディアが湧いてきましたもん!」

一方「なら、これからちょくちょく話さなくちゃだなァ」

佐天「え?」

一方「その方が捗るだろう。 こき使ってくれて構わねェぜ」

佐天「……いいんですか?」

一方「あァ。 次はインデックスたちを加わえて会議するかァ」

佐天「……私は別に、二人っきりでも」ボソ

一方「さて、そろそろ帰るか。 送っていくぜェ」

佐天「あ、はい。 ……ありがとうございます」

    ・
    ・
    ・

佐天「今日はありがとうございました」

一方「じゃあな。 さっさと寝ろよ」

佐天「またお話しましょうね」

一方「おう、いつでも良いぜ」


238 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:49:56.80 ID:/DuAuwHi0


一方「さて、そろそろガキの調整も終わる頃か」

禁書「あっ、あくせられーたなんだよ」

上条「ああ……一方通行」

竜王「がーうぅぅ」

一方「珍しいな、オマエらがこンな時間にうろついてるなんて」

上条「それが、気分転換にみんなで散歩してたらいろいろありまして。
   おかげで気づいたら財布がなくなってて……不幸だぁ」グス

禁書「せっかくお腹一杯ご飯が食べられると思ったのにぃ」

竜王「がぉー」

一方「相変わらすだな三下。 ところでェ」ガシッ

上条「あ、あの……なんで上条さんの首に腕を回しているのでせうか?」

一方「喋っちゃったンだってなァ、チューのことをよォ」

上条「……え」

竜王「……がぅ」


239 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:50:47.14 ID:/DuAuwHi0


一方「竜ちゃンも、そういうことはペラペラ喋っちゃいけねェよなァ」ギリギリギリ

上条「ちょ、首……苦しい」タップタップ

竜王「が、がうがうがうっ」アタフタ

一方「こりゃァお仕置きが必要だなァ」ギリギリギリ

上条「止め……上条さん、何も、知らない……」タップタップ

竜王「がうがうがう!」アタフタ

禁書「止めてあくせられーた! とうまが死んじゃうんだよ!」

240 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:51:27.10 ID:/DuAuwHi0


一方「つまりィ、オマエはクソ御門には何も喋ってねェと」

上条「その通りです……たぶん俺と竜ちゃんの会話を盗み聞きされたのかと」

一方「……まァいい。 後はクソ御門とショタコンをぶちのめして仕舞いだァ」

竜王「がぅぅ」シュン

一方「……」

一方「……そンなにしょげるな、竜ちゃン。 喋ったことには何にも言わねェよ」

一方「竜ちゃンは三下とインデックスだけに喋ったつもりだったンだろ。
   それを悪ィとは言えねェ」

一方「ただクソ御門には気をつけろ。 次見かけたら思いっきり噛みつけ」

竜王「がうっ」コクン

一方「三下もだ、アイツには油断するな。 竜ちゃンにメイド服を着せようと企ンでいる。
   間違いなく性的な目で見ていやがる」

上条「……付き合い、考えた方がいいかなぁ」


241 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:52:52.57 ID:/DuAuwHi0


上条「ところで、一方通行は何やってたんだ?」

一方「特に何もォ」

禁書「なら、あくせられーたも一緒にご飯食べる?」

一方「あン?」

禁書「この間料理を教えてもらってから、かなり料理が上達したんだよ。
   あくせられーたの玉子焼きだって作れるようになったかも」

上条「インデックスさん、そんなこと言っても食材がないんですよ……」

禁書「うっ……家にはモヤシしかなかったんだよ。 これじゃ腕を振るうも何もないかも」

一方「……俺の玉子焼きを作れるようになったかァ」

一方「そいつは確かめる必要があるなァ」

上条「でも家には食材が……」

一方「食材なら適当に買ってやるよ」


242 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:53:38.88 ID:/DuAuwHi0


上条「!! それは本当でせうか!?」

一方「ンなことでウソついてどゥする」

上条「やったぞインデックス、竜ちゃん! 今夜は豪華な飯が食えるぞーっ!!」

禁書「やったーなんだよ!!」

竜王「がうがう!」

一方「大げさなンだよ、オマエらは」

禁書「これで私も腕を振るえるし、おいしいもの沢山食べれるんだよ!」バンザーイ

上条「頑張れよインデックス」

禁書「任せるんだよ! あくせられーたの度肝を抜いてやるかも!」

竜王「がうがーう」スリスリ

一方「どうした竜ちゃン、くすぐってェよ」

上条「お礼したいんじゃないか。 嬉しい時は、よくそうやって擦り寄って来るんだよ」

一方「そゥか……ありがとな」ナデナデ

竜王「ぐるぐる」

243 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:54:11.96 ID:/DuAuwHi0


禁書「あくせられーたが素直にお礼を言うなんて珍しいかも」クスクス

一方「うっせェ。 文句があるなら奢らねェぞ」

禁書「!! 文句なんてあるわけないんだよ! すっごく素敵なことかも!」

一方「さァて、どうするかなァ」

上条「一方通行いや一方通行様! 俺からも謝りますんで、どうか食材をお願いします!」

一方「冗談だよ。 あンまマジになるな三下」クカカ

一方「気分がいいからよォ、目一杯食材買ってやるよ」

禁書「ホント!? あくせられーた大好きなんだよ!!」

上条「ありがとう……これで今月は楽に過ごせそうですよ」グス

一方「だがその前に……打ち止めを迎えに行かなくちゃならねェ。
   ついでだ、あのクソガキも飯に誘ってやるかァ」

244 :第十五話 一方さん、ほっつく ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/23(日) 23:54:57.54 ID:/DuAuwHi0


禁書「いいアイディアなんだよ! 大勢で食べるご飯はおいしいんだよ」

竜王「がおがお!」

上条「そうと決まれば早く行こうぜ! で、打ち止めはどこにいるんだ?」

一方「いつもの病院だよ。 待ってろ、今タクシーを呼ぶ」ピッピッピ

上条「さすが第一位、タクシーなんてブルジョワなものに乗るのに何の躊躇いもないなんて」ゴクリ

一方「……苦労してんな」ア、モシモシ、タクシーイチダイオネガイシマス

一方「それじゃァ今夜はパーティといくかァ」

上条 禁書「「おーーーーっ!」」

竜王「がおーーーーっ!」


245 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/24(月) 00:03:05.31 ID:TFcPTLhm0

以上です

『右天累子』には上手く厨二要素を取り入れられたと思いますが、どうでしょう?

本編と外伝の違いはありますが、これで学園都市第一位から四位まで『幻想物語』執筆に参加しました
世界一能力の無駄遣いをしているSSになりましたね


書き溜めが底を突きかけているので、次回投下はしばらく先になります
読んでくれている方にはすみません
一週間以内を目標に投下したいと考えています

246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:06:36.99 ID:vdBdUTzDO
乙!
右天さんで腹が痛いwwwwwwww

続き楽しみにしてるよー
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:12:30.90 ID:v5qBPmjDO
まだ甘いな
ルシファー=サタンやミカエルの双子
明けの明星、堕天あたり設定に取り入れようぜ
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:01:26.10 ID:ha68ENOAO
乙の代わりにふと思いついた二つ名置いてく
『総てを偽る金色の刃』
『三界を渡る朱の翼』
『陰を統べる黒曜の貴公子』
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:28:56.63 ID:U0igygrAO
1どころかお前らまで厨2かよwwww
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:40:06.24 ID:dNmQI9O4o
>>249
さあ、部屋の押入れや引き出しにしまってある学生時代の落書きノートを手にとってごらん……
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:50:17.52 ID:U0igygrAO
うわぁぁぁぁぁぁあああ

世界史の教科書にめちゃくちゃ書き込んである
『環太平洋連邦』とか『アジア・アフリカ首長国連合』とか『EA』って何だよ、俺…
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:06:15.66 ID:2fMCuo6Po
>>251
さあ、スレを立てるんだ
お前の物語を見せてくれ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 05:12:49.07 ID:tPs4Lp0AO
今回長いな!と思ったけどスラスラ読めました
ワーストとのやり取りが良かったなあ
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 06:07:48.71 ID:0p4cjefAO
佐天時止めスレのせいで余り右天設定に違和感を感じなかった件
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 09:33:13.14 ID:kC0u/HcAO
一通さんすげぇや、顔色一つ変えずに右天設定読めるんだから
慣らし抜きにいきなり突き抜けた厨二は読むのに体に悪いわ
256 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:28:39.30 ID:rEgsaAid0

お久しぶりです

あまり書き溜めができなかったので控えめな投下になります
待ってくれていた方には申し訳ありません


>>247
そこまで考えつかなかった
右天さんの設定を見直す必要がありますね


>>248
やだ、かっこいい
後で使わせてもらいます

257 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/01/31(月) 00:30:32.55 ID:rEgsaAid0


打ち止め「あなたーってミサカはミサカは迎えに来てくれた喜びを全身で表現してみたり」ピョンピョン

一方「ちったァ落ち着け、クソガキ」

上条「元気そうだな、打ち止め」

禁書「こんにちはーなんだよ」

竜王「こんにちは」

打ち止め「みんなも来てくれたのね、ってミサカはミサカは幸せ指数がアップしたり!
     竜ちゃん、今日は人間バージョンなんだね」

竜王「今日はご主人の家でパーティーなんだよ。 待ちきれなくて変身しちゃったの」

打ち止め「パーティー? ってミサカはミサカは素敵な言葉に心躍らせてみたり」

禁書「一方通行の提案なんだよ、今日はみんなでご飯食べようって」

上条「今日はご馳走だぞ〜。 上条さん、今日ばかりは言わせてもらいますよ……幸せだぁ」

打ち止め「あなたがお友達をご飯に誘うなんて……ってミサカはミサカは胸が熱くなってきたり」

一方「どゥいう意味だ、打ち止め?」

打ち止め「深い意味は無いよ、ってミサカはミサカはごまかしてみたり。
     それよりヨミカワたちに連絡しなくちゃ、ってミサカはミサカは優先事項を伝えてみる」

一方「……とっくに連絡は済ませた」

打ち止め「なら早くヒーローさんのお家に行きましょ、ってミサカはミサカは促してみたり」

258 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:31:30.40 ID:rEgsaAid0


竜王「その前に食材を買いに行かなくちゃ」

禁書「打ち止め、何か食べたいものはない? 腕によりをかけて作るんだよ」

打ち止め「インデックス料理できるの? ってミサカはミサカは家庭的なインデックスに
     意表を突かれてみたり」

禁書「ふふーん。 私だってやればできるんだよ」フンス

打ち止め「むぅ〜、なんとなく出し抜かれた気分かも、ってミサカはミサカは料理スキルのない
     自分に焦りを感じてみたり」

竜王「打ち止めは器用だから、コツを掴めばすぐできるようになるよ」

打ち止め「そういう竜ちゃんも器用だよね……やっぱり竜ちゃんも料理できるの? 
     ってミサカはミサカは恐る恐る尋ねてみたり」

竜王「一応、簡単な料理ならね」

打ち止め「やっぱりだーっ、ってミサカはミサカは予想通りの答えにガクゼンとしてみたり。
     こうなったらミサカも修行をしなければ……」

禁書「なら料理を教えてあげるんだよ。 秘伝の玉子焼きを教えてあげるかも」

打ち止め「本当!? ってミサカはミサカは……」

一方「おィ、いつまで油売る気だ?」

上条「タクシーも待ってるし、そろそろ行こうぜ。 打ち止めのレッスンの時間無くなっちまうぞ」

打ち止め「それはいけない、ってミサカはミサカはタクシーに向かって駆け出してみたり!」ダッ

禁書「待つんだよ打ち止め」ダダッ

竜王「待て待て〜」タタタッ

一方「コラァ、いきなり走るンじゃねェ」

上条「まあまあ、俺たちも急ごうぜ」

259 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:33:03.74 ID:rEgsaAid0


上条「それでスーパーに着いたけど……何を作ろうか?」

禁書「玉子焼きは決定だから、それに合うものなんだけど」

一方「ちっと遅くなっちまったから鍋でいいだろゥ」

打ち止め「ミサカもお鍋食べたーい、ってミサカはミサカはあなたの意見に賛成してみる」

禁書「望むところなんだよ!」

一方「決まりだなァ」ポイポイ

上条「って一方通行! お前これ、カゴに入れた豚肉、イベリコ豚って……っ」

一方「それがなンだ?」

上条「いや、グラム当たり二千円って高すぎるんじゃあ……」

一方「ガキどもに下手なもン食わせられねェだろ。 余計な気ィ回してンじゃねェよ」

禁書「私、こんな高いお肉初めて食べるんだよ」ゴクリ

一方「料理の準備は任せたからなァ。 食材無駄にするンじゃねェぞ」ポイポイ

禁書「合点承知なんだよ!!」

260 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:33:36.07 ID:rEgsaAid0


上条「……こんな高級なもん食べられるなんて……幸せだ」グス

竜王「ご主人、泣いてるの?」

上条「涙って、嬉しい時にも出るんだなぁ」グスグス

竜王「良かったね、ご主人」ナデナデ

禁書「いよっあくせられーたの太っ腹! カッコいいんだよ!」

一方「うっせェ……さっさと買い物済ませンぞ」スタスタ

打ち止め「あなた照れてるね、ってミサカはミサカは忍び笑いしてみたり……って痛ッ」

一方「くだらねェこと言ってンじゃねェよ」スタスタ

打ち止め「何もチョップしなくてもいいじゃない、ってミサカはミサカは文句を言ってみる
     ……って置いてかないでよ〜」

禁書「ほら竜ちゃん、とうま、買い物を続けるんだよ」

上条「ああ。 行こうか、竜ちゃん」

竜王「うん。 でも待って」

一方「あン?」

竜王「家には土鍋とコンロが無かったよ」

一方「ならついでに買っていくか。 多少かさ張るが体力バカの荷物持ちがいるから平気だろ」

上条「それって俺のこと……だよなぁ」

一方「なンだ嫌か?」

上条「いえいえ、そのくらいお安い御用ですよ」フンス

261 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:34:45.57 ID:rEgsaAid0


一方「良し。 なら適当なもの見繕っておいてくれェ」

上条「分かった、行ってくるよ」スタスタ

打ち止め「ねぇあなた、ってミサカはミサカは遠慮がちに声をかけてみたり」

一方「どゥした?」

打ち止め「ミサカ、エプロンが欲しいなぁ、ってミサカはミサカはちょっとワガママを言ってみる」

禁書「家には私と竜ちゃんととうまの分しかないんだよ」

竜王「ご主人の分を借りられるけど、打ち止めには大きすぎるよね」

打ち止め「だからね、家に帰っても練習ができるようにしたいし……
     ってミサカはミサカは胸の内を明かしてみたり」

一方「……」

一方「……このスーパーはよゥ、食に関するものならなンでも揃ってンだ」

一方「食材から調理器具、手に入らねェもンはない充実の品揃えってのが売りだ」

一方「ここなら、オマエの気に入るものも見つかるンじゃねェか」

262 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:35:45.17 ID:rEgsaAid0


打ち止め「……!」パァァァ

打ち止め「うわーい! ありがとうあなた! ってミサカはミサカは飛びついてみたりふぎゃっ!」

一方「騒ぐンじゃありませン」

一方「言っとくがあンまり時間かけるなよ。 ちゃっちゃと買ってちゃっちゃと帰るンだからな」

打ち止め「はーい。 そうとなればエプロン売場に向かって一直線、
     ってミサカはミサカはダッシュしてみたり!」ダダッ

禁書「待つんだよ打ち止め」ダダッ

一方「ったく、走るンじゃねェっつうの」

竜王「しょうがないよ、それだけ嬉しいってことなんだから」

一方「……それとこれとは話が別だ。 後で説教だなァ」

竜王「ふふ、パパは大変だね」

一方「……」

一方「竜ちゃンもそゥいうとこ直そうなァ」

竜王「?」

263 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:36:28.01 ID:rEgsaAid0


学生寮前

禁書「ふっふっふ、大量なんだよ、笑いが止まらないかも」ニヤニヤ

上条「ちょっと買いすぎたんじゃないか? 冷蔵庫に入るかなぁ?」ヨロヨロ

禁書「だいじょーぶ。 入らない分は全部食べちゃうから♪」

上条「っていうか流石に重いんだけど。 ちょっと荷物持ってくれないか一方通行」ヨロヨロ

一方「もゥ持ってるだろ」ガザ

上条「いや、一袋だけじゃなくてですね。 土鍋とか思った以上にかさ張るの」ヨロヨロ

一方「がンばれ三下。 オマエならできる」

竜王「ご主人、少し持つよ?」

打ち止め「ミサカもまだ余裕あるよ、ってミサカはミサカの腕力をアピールしてみたり」

上条「……いや、みんなにはもう荷物持ってもらってるし、部屋まであと少しだからな」

上条「このくらい何でもないですよ!」フンッ

一方「よく言った三下。 さっさと行くぞォ」スタスタ

上条「……一方通行には手伝って欲しいんだけどねぇ」ボソ

264 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:38:07.40 ID:rEgsaAid0


上条「さ、みんな入ってくれ」ガチャ

土御門「待っていたにゃーカミやん、竜ちゃん!!」

上条「土御門!? 何で部屋の中にいるんだよ?」

土御門「許せカミやん。 しかし俺にはこの高ぶる思いを抑えることはできなかったんだにゃっ!」

竜王「土御門さん?」ヒョコ

土御門「おお竜ちゃん!! 喜んでくれ、ついに……つぅいに完成したぜよ!!」

土御門「竜ちゃんのための特性ロリロリメイド服!! その名も!!」

土御門「『聖天使ペタメイド』にゃー!!」バァーン


上条「」

竜王「」


土御門「竜ちゃんのサイズに合わせた第二の皮膚と言っても過言ではない究極のパターン!
    露出控えめながらも最大限のエロスを追求した至高のデザイン!」

土御門「健全なエロスに満ち満ちた、ロリの魅力を余すところなく引き立てるこれぞまさにっ!!」

土御門「ロリの! ロリによる! ロリのためのぉぉぉぉぉ」

一方「……」キィィィ

土御門「ぉぉぉ…………ア、一方通行、なんでこんなところにいるのかにゃー?」サァー

一方「それはなァ」カチッ

一方「オマエをお星様にするためだよォ」ニタァァァ

土御門「」

265 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:40:51.68 ID:rEgsaAid0


土御門「ホント、すみません、出来心、だったんです。 だから……」ギリギリ

土御門「ベアクロー、勘弁、して、くれませんか。 ……頭が、割れちゃぅ」ギリギリ

一方「ああ、すぐ解放してやるよォ」スタスタ カチャ カラカラ

上条「あの一方通行、何でベランダに出たのでせうか?」

一方「決まってンだろォ。 コイツをお星様にしてやンのさ」セーノ

土御門「や、やめ……っ」ギリギリ

一方「往生しろォ」ブン

土御門「イヤアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ…………」キラーン

打ち止め「大丈夫なの、ってミサカはミサカは凄まじい勢いで投げられた変態さんを心配してみたり」

一方「心配するだけ無駄だァ、この程度でどうにかなるほど軟じゃねェからよ。 それより」

一方「ふざけた服は処分処分」

禁書「大丈夫? 竜ちゃん」ナデナデ

竜王「うん……ありがとうインデックス。 ちょっと目眩がしただけだから」

上条「やっぱり、アイツとの付き合い考え直そう」

一方「すまねェな竜ちゃン。 もう二度とクソ御門には手を出させねェからな」

竜王「もう大丈夫。 ありがとう一方通行」ニコ

禁書「なら気を取り直して料理を始めるんだよ。
   とうま、食材を冷蔵庫に運ぶの手伝って欲しいかも」

上条「あ、ああ、今行くよ」

打ち止め「ミサカも手伝うよ、ってミサカはミサカは名乗りを上げてみる」


266 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/01/31(月) 00:43:42.05 ID:rEgsaAid0

今日は以上です

次回は三日以内に投下できると思います

ありがとうございました
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 00:48:13.57 ID:8NSnnKtAO
乙!
大丈夫だ土御門、俺が捨てられたらペタメイドを回収しておいたぜ
なに、そんなに頭を下げんなよ。俺もお前と同じ気持ちなんだ
つー訳で1、ペタメイド竜王頼みますッ
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 00:55:33.30 ID:zARP7nPDO
投下乙!

>>267
>>1さん、俺からもお願いします!
どうか、どうかペタメイドを!
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 01:43:48.77 ID:nt1a9poAO
読んでると昔を思い出してなんかもうなにもかもから逃げたくなるな

死にたい
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 18:58:49.01 ID:O7MrKu2DO
今日あたり来るかなー
271 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 00:55:04.41 ID:1q/y9mpq0
予告より投下が遅くなってすみません

短いですが、番外編の続きを投下します
272 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 00:56:12.87 ID:1q/y9mpq0



禁書「それじゃ私たちはご飯の準備するから、とうまとあくせられーたはゆっくりしててね」

上条「手伝わなくても大丈夫か?」

禁書「竜ちゃんと打ち止めがいるから大丈夫かも。 大船に乗った気持ちで待ってて欲しいんだよ」

一方「打ち止め、包丁には気をつけろよ」

打ち止め「大丈夫、ってミサカはミサカは胸を張ってみる」

竜王「安心して一方通行。 私たちがついてるから」

禁書「私たちが料理のいろはを教えてあげるんだよ」

上条「あまり遅くなるのも良くないから程々にな」

竜王「その辺も考えてるから大丈夫だよ。 行こう、二人とも」

打ち止め「はーい、ってミサカはミサカはお返事してみる」

一方「……うまいもン期待してるわ」

禁書「まっかせるんだよ!」

273 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 00:56:56.36 ID:1q/y9mpq0


台所

禁書「まずはよく手を洗うんだよ」

竜王「そしたらエプロンを着て、準備完了」

打ち止め「じゃじゃーん、ってミサカはミサカはおろしたてのエプロンを披露してみる!」

禁書「ケロヨンのエプロン、よく似合ってるんだよ」

竜王「いいなぁ。 私も着てみたいかも」

打ち止め「へへへ〜、ってミサカはミサカはクルッと回ってポーズを決めてみたりっ」ビシッ

禁書「カッコいいんだよ打ち止め」パチパチ

竜王「可愛いなぁ」パチパチ

打ち止め「えへへ、ってミサカはミサカは照れ隠しに頭をかいてみたり」

打ち止め「それじゃ早速ご飯の支度始めましょう、ってミサカはミサカは促してみたり」

竜王「今日は時間がないからお米の研ぎ方と包丁の扱い方、それと玉子焼きの作り方を教えるね」

禁書「まずはお米研ぎなんだよ。
   よく見てね打ち止め、五人分だからお米は五合必要なんだよ」ザーッ

禁書「丁度炊飯器一台分。 本当はもっと欲しいけど、時間がかかっちゃうから諦めるんだよ」

打ち止め「十分な量だと思うんだけど、ってミサカはミサカは呟いてみる」

274 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 00:58:13.35 ID:1q/y9mpq0


禁書「研ぎ方だけど、まずは流水で優しく素早くすすぐんだよ」

禁書「量が多いからこぼれないように注意して、かき混ぜるようにするんだよ」

打ち止め「わ、わかった、ってミサカはミサカは始めてのお米研ぎに挑戦してみる」ジャー ザッザ

禁書「うん、その調子だよ打ち止め。 要領いいかも」

打ち止め「そうかな、ってミサカはミサカは褒められて調子が出てきたかも」ジャー ザッザザッザ

禁書「うん、そんなところでいいかも」

打ち止め「えっ、もういいの?」

禁書「あんまりやり過ぎるとおいしくなくなっちゃうんだよ。
   後はお釜のメモリに合わせて水を入れて、軽くかき混ぜるんだよ」

打ち止め「こう、かな? ってミサカはミサカは確認してみる」サッサ

禁書「オーケーかも。 これで炊飯器にセットすれば完了。 簡単でしょ?」

竜王「次は包丁の扱い方を教えるね。 おいで打ち止め」

打ち止め「はーい」

禁書「その間に出汁を作っておくね」

竜王「よろしく、インデックス」

275 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 00:58:46.18 ID:1q/y9mpq0


竜王「最初に、まずキチンと野菜を洗って……」ジャー

打ち止め「洗い終わったよ、ってミサカはミサカの手際のよさをアピールしたり!」

竜王「打ち止め、野菜を切るときは『猫の手』を忘れちゃだめだよ」

打ち止め「猫の手?」

竜王「こういう風に指を丸めて野菜を押さえるの。 こうして丸めた指と包丁の側面を密着させると
   指を切らずにすむのよ」

竜王「左手はまな板と平行になるようにして食材を押さえる。
   そのために右足を引いて、まな板に対して体が斜めになるように構えるの」

竜王「包丁は親指と人差し指で柄の付け根を持って、他の指で軽く握るんだよ。
   力まずリズミカルに切るのがコツ」トントントン

打ち止め「おおっさすが竜ちゃん、手際がいいんだよ、
     ってミサカはミサカは憧れの眼差しでみつめてみたり」

竜王「さ、打ち止めもやってみて」

276 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 01:03:00.14 ID:1q/y9mpq0


打ち止め「うん、ってミサカはミサカは見よう見まねでやってみる」トン トン

竜王「ちょっと待って。 包丁は刃先じゃなくて付け根に近いところを使って切るのよ」スッ

打ち止め「竜ちゃん!? ってミサカはミサカは突然の竜ちゃんの行動に驚いてみたり」

竜王「肩の力抜いてリラックスして。 左手は猫の手で、包丁は……」

打ち止め「竜ちゃん、息が耳に当たってくすぐったいよ、ってミサカはミサカはこそばゆくなったり」

竜王「もう、真面目にやらないと危ないよ」

打ち止め「だって〜、ってミサカはミサカは言い訳をしようとしてみたり」

竜王「ほら。 刃物扱ってるんだから集中しなきゃ」

打ち止め「はーい、ってミサカはミサカは元気にお返事!」



禁書「竜ちゃんが打ち止めの手をとって教えているんだけど……後から抱きついてるようにしか
   見えないんだよ」

禁書「ていうかイチャイチャしてるように見えなくもないかも」

禁書「こういうところ、とうまとソックリなんだよ。
   ……ううん、とうまが竜ちゃんに似たのかなぁ?」ウーン

277 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 01:03:53.99 ID:1q/y9mpq0


上条「へっくしっ」

一方「大丈夫かァ?」

上条「ん、ちょっと鼻がむず痒くなっただけだから」

一方「そゥか……」ジー

上条「よし、コンロの準備はオーケーと。 一方通行、みかんでも食うか?」

一方「いらねェよ。 もゥすぐ飯だろう」ジー

上条「それもそっか。 にしても、そんなに心配することはないんじゃないか」

一方「なンのことだよ」

上条「さっきからずっと台所見てるだろ。 インデックスたちが付いてるんだから平気だって」

一方「何言ってンのかわかンねェな」

上条「お前も素直じゃないよなぁ。 よいしょっと……あーコタツが温いー」

一方「俺がなンだって」

上条「またまたぁ、打ち止めが心配なんですよね、わかります……って痛っ! 足を蹴るなって」

一方「うるせェ」ゲシゲシ

278 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 01:05:53.01 ID:1q/y9mpq0


上条「でも、今更だけど打ち止めって料理できなかったんだな。
   教えてあげれば良かったのに」

一方「そもそも料理なンざ滅多にするもンじゃなかったからなァ。
   打ち止めも特別興味があったわけじゃなし」

上条「やっぱインデックスと竜ちゃんの影響か?」

一方「自分だけできねェってのが悔しかったンだろうよ。 いい傾向だ」ウンウン

一方「この間竜ちゃンが遊びに来た時もそうだった」

一方「ああ見えてあのガキ、だらしねェとこがあってよ。 出したもの出しっぱなしで
   放っておく癖があったンだ。 いくら口を酸っぱくしても直らねェから参ってたンだが……」

一方「竜ちゃンと遊ンでから散らかすことが無くなってよォ。
   竜ちゃンが整理整頓できるの見て、恥ずかしくなったンだろうな」

一方「同い年の友達がいるってのは、いいもンだなァ」シミジミ

上条「……やっぱお前、良いお父さんになるよ」

一方「あァ?」

上条「家庭的な一方通行ってのも似合ってるじゃないか……イタッ。 だ、だから蹴るなって」

一方「うっせェ。 コタツから出てけ」ゲシゲシ

279 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/04(金) 01:13:19.08 ID:1q/y9mpq0
今夜は以上です。

次回投下は……今週中にはできると思います。

見切り発車で鍋パーティー始めてしまったので、筆が遅くなってしまいました。
申し訳ないです。

あ、『聖天使ペタメイド』は書き溜めしているので期待してください。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 01:23:19.83 ID:3BFQhAQZo
女の子が料理が和気藹々と料理してるのっていいよね
女の子が聖天使ペタ冥土を着用してるのも凄くいいよね
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 01:48:35.74 ID:4I3ZOLjAO
イタさが寒気さが黒歴史が足りなすぎる
番外編も良いが厨二な本編も読みたい
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 08:23:22.44 ID:z/mtoyuDO
厨二な本編も読みたいけど、ペタメイドな本編も読みたい
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 08:29:40.09 ID:JCoEKKaAO
いっそ融合して厨ニなペタメイドが読みたい
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 19:40:23.51 ID:014eXKJgo
厨メイドなペタ二
285 : ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/02/07(月) 02:26:44.41 ID:gzQubG4i0
どうも、遅くにこんばんは。

鍋パーティーが上手く書けず、投下はもう少し先になってしまいます。
申し訳ない。


>>281
厨二成分を忘れていました。
これからキツイのを考えてきます。

とりあえずペタメイドでは厨二竜ちゃんを活躍させます。
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 19:51:13.33 ID:53rvccHDO
厨二ペタ竜ちゃん期待wwktk

ところで、竜ちゃんは人間時は常にロリなの?
それとも自在に姿を変えられるの?
287 : ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/02/09(水) 00:19:31.61 ID:k+Fg9w1q0
>>286

常にロリです。
これは打ち止めと同じ視線で遊ぶためと、上条さんの精神衛生のためという二つの意味があります。
同じ屋根の下にスタイルのいいお姉さんがいると、上条さんの理性が持ちません。

でもプロポーションくらいなら自由に変えられると思います。 なぜなら竜ちゃんだから。


時おり、竜ちゃんはインデックスを誘って外出します。
これは上条さんにプライベートな時間を用意するためですが、上条さんはそのことに気づいていません。
上条さんは女の子同士で遊びたいのだろうと考えてますし、竜ちゃんもその通りだと説明しています。
ですので、このプライベートな時間で上条さんが何をしようが、竜ちゃんの知ったことではありません。

今日も竜ちゃんは上条さんのために一肌脱ぎます。
しかし上条さんが竜ちゃんの真意を知ることはありません。

という妄想が今浮かんだよ。
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 00:56:26.62 ID:GPA10cwlo
※右手は竜ちゃん
289 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:50:35.72 ID:k+Fg9w1q0
>>288
人間バージョンで上条さんと分離してる時は、竜ちゃんは上条さんが何をしているか分かりません。
腕に擬態している時も、基本的には外の様子を覗くことはしないよ。


ようやく続きができたので投下します。
今回で鍋パーティーはお終い。 ほのぼのオンリーで、厨二要素は次回までありません。 

厨二要素を期待している方はもう少し待っていてください。
290 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:51:48.28 ID:k+Fg9w1q0


一方「って三下、コタツに何かあるぞ?」カザッ

上条「あ、それインデックスが買った雑誌だ」

一方「『超機動少女カナミン』ねェ。 アイツもこンなもンに興味があるのかァ」

一方「……ンだその面は?」

上条「いや、一方通行の口からカナミンなんて言葉が出るとは……」プクク

一方「挽肉になりてェならそう言いな。 一秒で仕上げてやらァ」ガタッ

上条「いや、ちょ、待て! 短気起こすなよ!」アタフタ

上条「ただちょっと気になっただけだって! ほら、お前がカナミン見るなんて意外じゃん!」

一方「……俺じゃなくてクソガキが見てンだよ」

上条「ああ、同居人が見てて詳しくなるパターンか。 実は俺もそうなんだよ」

上条「流石にかぶりついて見てないから、細かいとこはよく分かんないけど」

上条「最近じゃ竜ちゃんも見てるんだよ。 インデックスにお勧めされたみたいで」

上条「それでもつき合わされてるって感じなんだけどな」ハハハ

一方「……竜ちゃンも大変だなァ」

291 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:52:37.98 ID:k+Fg9w1q0


上条「そうそう。 だから一方通行がカナミン見てても別に何とも……。
   あの、なんで杖をこっちに向けているんでせうか?」

一方「そォい」ジャコン

上条「うおっ!!」

一方「外したか。 やっぱもうちっと威力を増そうかァ?」ガシャッ

上条「っぶねぇ……人にそんなもの向けんなよな。 その杖、立派な武器になるんだから」

一方「こンな時しか使えねェがな」ジャコン

上条「うおおっ!! だから人に向かって伸ばすな! 危ないだろ!」

一方「うるせェ。 気晴らしに一発当たれ」ジャコン

上条「のわっ!! ぼ、暴力反対!」

一方「これは暴力じゃねェよ。 ツッコミだからセーフだァ」ジャコン

上条「ひょわっ!! ツッコミってのは痛くしちゃダメなんだよ! 相手を気遣わなきゃ!」

一方「ベクトル操作でイロイロやってっから痛くねェよ」ジャコン

上条「ぎゃーっ!! ウソだ! チョーカーのスイッチ切り替わってねぇだろ!」




禁書「あの二人、何やってんだろ?」

打ち止め「ヒーローさん、コタツから出て逃げればいいのにね、
     ってミサカはミサカは上半身だけで器用に避けてるヒーローさんに首を傾げてみる」

竜王「ご主人、あれでノリがいいから」

禁書「コタツが気持ちよくて逃げるって選択肢が思い浮かばないだけかも」


292 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:53:36.54 ID:k+Fg9w1q0


上条「ふははーっ。 こうやって寝転べば杖は届かない! どぉだ一方通行!」

一方「そォい」ゲシゲシ

上条「あっダメ足蹴らないで! 痛い痛いっ!」

禁書「バカなことはやめて欲しいかも」ハア

一方「ン。 用意できたかァ」

竜王「お待たせー。 危ないから少し離れてね。 よいしょっと」

打ち止め「玉子焼きも上手にできたよ、ってミサカはミサカは胸を張ってみたり!」

上条「いてて……。 サンキューな。 お皿持つよ」

一方「ご苦労さン」

一方(……打ち止めに怪我はねェようだな)ジー

打ち止め「はい、あなた、ってミサカはミサカはお手製玉子焼きをあなたの前に差し出してみる」コト

禁書「こっちは私が作ったやつだよ、どうぞ」コト

一方「……ン」

禁書「それと……これはスフィンクスの分なんだけど、スフィンクスどこにいるの?」

上条「ベッドの上で寝てるな。 後であげればいいよ」

禁書「そうだね」

293 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:54:49.08 ID:k+Fg9w1q0


竜王「みんな、お皿とお箸は行き渡ったみたいね。 それじゃお鍋開けるよ〜」


パカ グツグツグツ


上条「おお〜いい匂い」ゴクリ

竜王「さあ頂きましょう」

禁書「いっただっきま〜すなんだよ! ……痛ッ!」

一方「一人で先走るンじゃありませン」

禁書「だからってチョップしなくてもいいんじゃないかな……」

上条「一方通行の言う通りだぞインデックス。 もうちょっと堪え性というものをだな」ゴクリ

一方「生唾飲み込んで言う台詞かァ」

竜王「まあまあ。 改めて、みんなで頂きますしましょう」

打ち止め「はーい、ミサカが音頭取るね、ってミサカはミサカは一度やってみたかったんだよねー
     ってカミングアウト!」

竜王「じゃあよろしくね、打ち止め」

打ち止め「んーおっほん」

打ち止め「えー今日はお日柄もよく……じゃないか、ってミサカはミサカは軌道修正っ」

打ち止め「えーっと。 今日はミサカのために集まってくれてありがとー……でもなくて、
     ってミサカはミサカは再び軌道修正っ」

一方「……おい。 いくらなンでもグダグダすぎるだろゥ」

禁書「う〜〜お腹空いたんだよぉ」

打ち止め「うわわ。 もう一度、もう一度だけやらせて、
     ってミサカはミサカはプリーズワンモワタイム!」

竜王「頑張って、打ち止め!」

294 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:55:38.07 ID:k+Fg9w1q0


打ち止め「ん、おっほん」

打ち止め「えーっと。 今日はみんなで食べる初めてのお鍋で、初めてお料理もして、
     ミサカはとってもワクワクしてて……」

打ち止め「だから、今日は一杯ご飯食べて沢山おしゃべりして楽しみましょう!
     ってミサカはミサカはいたたきまーす!」


「「「いただきまーす! (なんだよ!)」」」

「いただきまァす」ボソ


295 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:56:53.39 ID:k+Fg9w1q0


上条「ちなみに、第七話じゃ食事の際に、竜ちゃんに手に戻ってもらったけど、
   人になれることが分かった今は一緒に食卓を囲んでもらってます」

竜王「食費がかかっちゃうから、最初は遠慮したんだけどね」

上条「いやいや、みんなでご飯を食べることの方がずっと大切なんだよ」

竜王「ありがとう、ご主人」ニコリ


296 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:57:33.04 ID:k+Fg9w1q0


禁書「美味しいんだよ! この歯ごたえ……今までのお肉とは一味違うかも!!」パクパクムシャムシャ

上条「ああ、幸せだぁ……ってインデックス! いくらなんでもがっつき過ぎだ!!」

竜王「大丈夫だよご主人。 お肉はまだ沢山あるから」

禁書「早いもの勝ちかも」ガツガツガツガツ

上条「く、負けるもんかっ」ガツガツガツガツ

一方「ほら、小皿にとってやったから食え」

打ち止め「ありがと、ってミサカはミサカはお礼を言ってみる。 じゃあミサカもお返しに……」

一方「もう自分の分は確保したよ。 オマエは飯食うことだけ考えてろ」

打ち止め「……」ジーッ

一方「ンだよ」

打ち止め「ミサカの玉子焼き、食べるんだなぁ、
     ってミサカはミサカは玉子焼きにお箸をつけたあなたを注視してみたり……」

一方「上手く焼けたンだろゥ?」

打ち止め「それはそうだけど、いざって時は緊張するの!
     ってミサカはミサカは複雑な乙女心を主張してみる!」

297 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:58:31.40 ID:k+Fg9w1q0


一方「何でもいい」パクッ

打ち止め「あっ……」

一方「……」モグモグ

打ち止め「ど、どう? ってミサカはミサカは恐る恐る尋ねてみたり」

一方「……」モグモグ

一方「悪くねェな」

打ち止め「……ッ!」パァァァ

打ち止め「ぃやったーーーー!! ってミサカはミサカは大勝利!!」

一方「うるせェ。 静かにしろォ」

上条「まあまあ。 少しくらいいいじゃないか」ガツガツ

打ち止め「竜ちゃんっ! ってミサカはミサカは両手を突き出してみたり!!」

竜王「やったね打ち止め!」


ハイタッチ パーンッ


打ち止め「インデックスッ! ってミサカはミサカは有頂天!!」

禁書「ふえっ!?」

打ち止め「これもインデックスのお陰だよ! ってミサカはミサカはハイタッチを要求してみる!」

禁書「あ……よ、良かったんだよ打ち止め。 私も鼻が高いかも」


パーンッ


上条「直前まで鍋食べてて話聞いてなかったくせに」ボソ

298 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 17:59:28.30 ID:k+Fg9w1q0


禁書「なっ。 とうま、それって失礼かも」

一方「事実じゃねーか」モグモグ

禁書「あ。 それ私が作った玉子焼きだね。 どうかな?」

一方「……悪くねェな」

禁書「ふふーん。 私が本気を出せばざっとこんなもんかも!」ドヤ

上条「んーどれどれ……。 おっうまい!」モグモグ

上条「打ち止めのも初めて作ったと思えないくらい上手だよ」モグモグ

打ち止め「よかったぁ、ってミサカはミサカは安堵のため息をついてみる」

上条「初めてでこれなら、将来有望だな」

打ち止め「えへへー、ってミサカはミサカはなんだかくすぐったくなったり」

打ち止め「これからはミサカがあなたのご飯作ってあげるね、
     ってミサカはミサカはできる女をアピールしてみる」

一方「まだ玉子焼きしか作れねェだろ」

打ち止め「すぐにいろんなの作れるようになるもん、ってミサカはミサカは希望的観測をしてみる」

打ち止め「それに、パパのご飯を作るのは妻の役目だし、
     ってミサカはミサカはあの時のおままごとを思い出して……キャーッ」

299 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 18:00:22.14 ID:k+Fg9w1q0


一方「……おままごとはもうしねェって言ったろうが」

打ち止め「そう言わずに、ね、ってミサカはミサカは上目遣いでおねだりしてみたり」

竜王「パパだって楽しそうにしてたんだし、もう一回くらいしようよ」

一方「……」

禁書「私もおままごとしてみたいかも」

上条「俺も。 なんか面白そうだよな」

竜王「じゃあ二人も夫婦で、私たちの家のお隣さんって設定で……」

禁書「えー、竜ちゃん私の子どもじゃないの?」

打ち止め「残念でした。 竜ちゃんは私たちの子なんだよ、ってミサカはミサカは勝ち誇ってみたり」

竜王「ゴメンねインデックス。 私にはもうママがいるの」ヨヨヨ

上条「また次の機会でいいじゃねえか。 それに、俺たちにはスフィンクスがいるだろ」

禁書「さすがにスフィンクスを子どもにするのは無理があるんだよ」

一方「……俺はやらねェぞ」

禁書「むっ。 そういう空気を読まない発言は慎んでほしいかも」

打ち止め「お願いあたな! もう一回おままごとにつきあって! 
     ってミサカはミサカはお願いしてみる」

竜王「私からもお願い。 チューとか無茶振りはしないから」

上条「そんなしかめっ面しないでさ。
   ほら、みんなもこう言ってんだし、もう一回くらいいいんじゃないか?」

300 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 18:01:14.48 ID:k+Fg9w1q0


一方「……」

禁書 打ち止め 竜王「……」ジーッ

一方「〜〜ッ」ガシガシ

一方「チッ。 ……次で最後だからなァ」

打ち止め「そんなあなたが大好き、ってミサカはミサカはあなたに抱きついてみたり」

竜王「ありがとう、パパ」

禁書「やっぱりあくせられーたは期待を裏切らないんだよ」

一方「うぜェ。 俺は飯を食いてェンだ、離れろ打ち止め」

打ち止め「もうちょっと位抱きついても……でもミサカもお腹が空いてるから自重するね、
     ってミサカはミサカは聞き分けのいいところをアピールしてみる」

上条「今日は遅いし、おままごとはまた後っていうことにして……鍋パーティーの続きしますか」

竜王「うん。 ……ん、鍋美味しい。 やるねインデックス」

禁書「私は日々進化しているんだよ。 次はまた別の鍋に挑戦するかも」ガツガツ

上条「幸せだ。 この際だから何度でも言わせてもらいます……幸せだぁ」ガツガツ

301 :番外編2 今夜はパーティ ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 18:01:57.66 ID:k+Fg9w1q0


一方「……」ハァ

打ち止め「はい、あなた、ってミサカはミサカはあなたにお代わりを勧めてみる」

一方「あン?」

打ち止め「ため息ばっかりじゃ幸せが逃げちゃうよ。 せっかくのパーティーなんだから楽しもう、
     ってミサカはミサカは不景気を吹っ飛ばせーって誘ってみる」

一方「……ン」ガツガツ

一方「……打ち止めァ」

打ち止め「なぁに? ってミサカはミサカは尋ねてみる」

一方「どォせ料理覚えるンなら、コーヒーに合うもの作れるようになれ」

打ち止め「!」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカは力強く頷いてみる!」

一方「……」ガツガツ

一方「……あークソッ」

一方「……うめェな」ボソ

302 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/09(水) 18:07:37.29 ID:k+Fg9w1q0
以上です

次回はペタメイドの出番です。 厨二竜ちゃんにご期待ください。


ところで、打ち止めって上条さんのことなんて呼ぶんでしょうね?

上条当麻って呼び捨てにするのは違うような気がするので、ヒーローさんと呼ばせてますが……
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 18:25:00.91 ID:9txG8xNDO
投下乙! 呼び方はそれでいいと思うよ

あと、>>287回答thx
つまりロリ巨乳が可能という訳ですねわかります
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 19:04:15.13 ID:dCTC4GXAO
金髪ロリ巨乳とか激マジ俺得ktkr!!
ただのロリだとか巨乳なんざいらねえロリ巨乳こそ至高なんやで>>1
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 20:41:33.46 ID:NrnymjZ9o
最近美琴がハブられっぱなしでちょっぴり寂しい
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 21:16:08.31 ID:iE16sN8qo
きっとものすごい厨話持ってくるからおとなしく舞ってればいいさ
307 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:30:24.38 ID:l1PxQCAZ0

>>303 様 304 様
ロリ巨乳とかまたしてもその発想は無かった。
しかしよく考えてください。 ツルペタ幼児体型こそロリの魅力、余計な脂肪の塊なんて愚の骨頂以外の何者でもないっ。
発展途上だからこそいいんじゃないか!
思い浮かれてください! 巨乳な竜ちゃんなんて、竜ちゃんなんて……あれ、いいかもしれない!?

>>305
美琴の出番はもう少し後になります。 でもしっかり厨二病発症させるので待っていてください。


今回は地の文付の上、ずっと竜ちゃんのターンです。

長くなってしまったので、今回は導入部分を投下します。

308 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:31:13.08 ID:l1PxQCAZ0


昼下がり、ここ上条当麻の部屋では竜王が一人、スフィンクスと向き合っていた。
彼女の右手には猫じゃらしが一本握られている。
その房を、彼女は左手で包むように握ると、感触を確かめるように揉み始めた。
柔らかい感触ににんまりと笑みを浮かべた少女は、やがて揉むのを止めると、
房で床を撫でるように猫じゃらしを揺らした。

竜王の正面に座っているスフィンクスが、じっとその様を見つめている。
猫じゃらしの房が動くたび、スフィンクスの顔が揺れる。
その内に彼の前足が持ち上がり、顔の動きと合わせて頼りなく揺れた。

竜王は笑みを深くすると、猫じゃらしを跳ね上げるように動かし、スフィンクスの鼻先に近づけた。

ビクリと、スフィンクスは顔を反らし一歩横へ動いた。
そして前足を持ち上げ房にじゃれつき始める。


「うりうりうり〜」


猫じゃらしの動きが大きくなると、スフィンクスはらんらんと目を輝かせ懸命に前足を動かした。
竜王が高く猫じゃらしを持ち上げる。
逃すものかと彼は後ろ足だけで立ち上がり、バンザイをするように前足を伸ばす。
ほんの少しの間、彼はそのままの体勢で猫じゃらしを叩いていたが、すぐにゴロンと転げてしまう。

309 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:32:14.99 ID:l1PxQCAZ0


「ふふ、意地悪しちゃったね」


ゴメンね、と竜王は言うと、寝転がったスフィンクスの前で猫じゃらしを振った。
彼は寝転がったまま、二三度小さく前足を動かした。
しかしすぐに動きを止めると、そのまん丸な目で猫じゃらしを見つめ始めた。


「? どうしたの、スフィンクス」


竜王はスフィンクスの目の前で、猫じゃらしを大きく左右に動かした。
動きに緩急をつけ、彼の気を引きつけようという考えである。
猫じゃらしの動きに合わせて彼の顔が動く。
しかし胸の前に引き寄せられた前足はピクリとも動かない。

竜王は首をかしげ、ならば、とスフィンクスの鼻先に猫じゃらしを近づけた。
鼻をくすぐろうと近づけたそれは、電光石火の速さで動いた彼の前足に捕らわれてしまった。


「おっ、やるな君ぃ」 と、竜王は不敵に笑って言った。 「ならこれならどうだっ」


竜王は猫じゃらしを手放すと、無防備なスフィンクスのお腹を揉んだ。
モフモフした柔らかい感触が気持ちいい。 ふにゃっと、竜王の顔がゆるんだ。

310 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:33:21.41 ID:l1PxQCAZ0


スフィンクスは猫じゃらしを捨てると、彼女の手を押さえにかかった。
前足で強く、しかし爪は立てずに彼女の手を抱きかかえたスフィンクスだったが、
彼女の指の動きは止められない。
竜王の指がこしょこしょとスフィンクスのお腹をまさぐる。


「それじゃ止められないよ。 そ〜れモフモフモフモフゥ〜っ」


竜王の指の動きが激しくなる。 それに連れ、どんどんと彼女の顔がゆるむ。
対してイヤイヤと言うように体を揺するスフィンクス。 しかし、それで彼女から逃れられるはずもない。
彼の目が光った。 次の瞬間、彼は猛烈な勢いで猫キックを繰り出した。
これには流石の彼女も敵わない。


「きゃーっちょっと気持ちいいかもっ」


お返しだ、とばかりにキックを炸裂させるスフィンクス。 竜王が指の動きを止めてもお構いなしだ。
竜王はされるがまま、それでもしっかり肉球の感触を味わっていた。


不意に、インターフォンが鳴った。

311 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:34:25.00 ID:l1PxQCAZ0


その音に、スフィンクスは竜王の手を解放すると、素早く身を翻してしまった。


「もう、せっかく良いところだったのに」


不満げに呟く竜王の耳に二回目のインターフォンが届いた。 「はーい」 と返事をすると、
彼女は玄関へと急いだ。


「おお竜ちゃん、丁度良かったにゃー」


扉を開けると、そこにいたのは土御門だった。 傍らには大きな紙袋が置かれている。
いつも通りの軽薄な笑みを浮かべ、顔の横で軽く手を振り少女に挨拶をする土御門。
そんな彼に、竜王は眉を曇らせると半歩後ずさった。


「こんにちは土御門さん……ご主人たちは留守にしてますけど」

「いや、今日は竜ちゃんに用があるんだにゃー」


土御門は笑みを引っ込めると背筋を伸ばした。 「この間は迷惑かけちまったから謝りたくてにゃー」
彼はそう言って、頭を下げた。 


「あの時は悪かったにゃー、竜ちゃん」

312 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:35:00.15 ID:l1PxQCAZ0


「えっ? そんな、私気にしていないから……」

「いや、流石に非常識だったにゃー。 だからせめて謝らせて欲しいんだぜい」


ごめんなさい、と土御門は頭を下げたまま言った。 腰を九十度にまで曲げ、
身じろぎ一つしていない。
そんな彼を見て、竜王は穏かな笑みを浮かべた。


「謝ってくれてありがとう。 あなたって優しい人ね」


その言葉に、土御門は頭を上げた。 「このくらい当然のことぜよ」 と言うと、
ニカッと笑みを浮かべた。

「私の方も、さっきは失礼な態度をとってしまってごめんなさい」 と竜王は言って、
頭を下げた。

土御門は頭をかいた。 「あんなことがあった後じゃ無理もないにゃ。 ってか、
むしろ当然の反応だぜい。 だから頭を下げないで欲しいにゃー」


「じゃあ、これでおあいこだね」

「だにゃ。 それと、俺のことはツッチーと呼んでくれぃ」

「うん、よろしくツッチー」


そういって、竜王は手を差し出した。 土御門は笑顔で応じ、彼女の手を握った。
小さな彼女の手は力強く彼の手を握り返した。 その暖かい感触が土御門に心地よかった。

313 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:35:41.88 ID:l1PxQCAZ0


「それと……竜ちゃんにプレゼントがあるんにゃー」


鼻歌を歌いだしそうな程上機嫌になった彼は、いそいそと足元の紙袋から分厚いガーメントケース
を取り出した。

「俺からの心ばかりの贈り物ぜよ」 と土御門はケースを差し出しながら言った。

「そんな、悪いよ」

「いやいや、ぜひ竜ちゃんに受け取って欲しいんだぜい。 お近づきの印にゃー」


遠慮する竜王だったが、土御門も譲らなかった。 彼は半ば押し付けるようにケースを
受け渡そうとする。 その勢いに、竜王は苦笑を浮かべケースを受け取った。


「そこまで言うのなら……ありがとう。 開けてみてもいい?」

「どうぞどうぞ。 きっと気に入ると思うにゃ」


ケースのファスナーを開け中身を確認する竜王。 その表情が固まった。 彼女は上目遣いで
土御門を睨むと、冷たい声で言った。

314 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:36:20.48 ID:l1PxQCAZ0


「この流れでこんなものをプレゼントするかなぁ?」

「俺は真剣だ、竜ちゃん」


サングラスの奥の瞳がキラリと光った。 弧を描くように持ち上がっていた口元は引き締まり、
浮ついた雰囲気はすっかり消え去っている。


「俺はぜひともこの服を、『聖天使ペタメイド』を竜ちゃんに着て欲しい。
 この服を着こなせるのは世界で竜ちゃんただ一人。
 なぜならこれは、竜ちゃんのためにその道のマエストロが最高級の素材を用いて作った逸品。
 ロリの魅力を余すところなく引き出す究極にして至高のメイド服なんだ!!」

「きゅ、急にシリアスになるのは困るよぉ」


ずいっと顔を近づけ力説する土御門の迫力に、さしもの竜王も気圧された。
サングラスの奥の瞳は彼女が見たこともないほど澄んでおり、力強さに満ちていた。
その視線が、竜王の瞳を射抜いている。
二人はそのまま見つめ合った。 やがて竜王は頭を横に振って、ため息をついた。


「一応、受け取っておくね。 でも着るかどうかは別の問題だよ」

「受け取ってくれるだけで十分にゃ」


竜王の言葉に、土御門は笑った。 一仕事終えた後の清清しい、満足気な笑みだった。
そんな彼の様子に、竜王はもう一度ため息をついた。


「それじゃ俺は帰るにゃ。 そうそう、メイド服の取り扱いは気をつけてにゃ。
 一方通行に一着ダメにされたから、残ってるのはそれ一着だけなんだぜい」


その言葉を残して、土御門は部屋を後にした。 首を縦に振ることで彼の忠告に答えた竜王は、
「またね」 と言葉を返し扉を閉じた。

315 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:37:08.61 ID:l1PxQCAZ0




「どうしようかな、これ」


部屋に戻った竜王は、さっそくメイド服の扱いに困っていた。
とりあえずケースから服を取り出すとベッドの上に広げてみる。


「……ツッチーの言ってたことは本当だったみたいね」


しげしげとメイド服を見つめる彼女から、思わず呟きがもれた。
それには肌触りの良い上質な生地が使われており、熟練の職人の業が振るわれたことが
素人目にも窺えた。 まさに贅を尽くされた逸品である。
一体いくらしたのか、それを考えると少女は申し訳ない気持ちになってしまう。


「スフィンクス、イタズラしちゃだめだよ」


いつの間にかベッドに上がってきたスフィンクスは、興味深そうにメイド服に鼻先を
擦り付けていた。 やおら前足を服に乗せると、彼は揉みしだくように足を動かし始めた。
その様子を見て、竜王は慌てて彼を抱き上げた。
スフィンクスは不満そうに彼女を見上げると、にゃあ、と鳴いた。 


「後でツッチーに返すんだから。 ……でも手触りいいなぁ」


スフィンクスをベッドの下に降ろすと、竜王は何の気なしにメイド服を撫でた。
その滑らかな感触に、彼女は目を細めた。 袖を通したらさぞ心地よいだろう、と考えてしまう。
スフィンクスが擦り寄った気持ちが分かる気がした。

316 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:38:05.87 ID:l1PxQCAZ0


改めてメイド服を見てみる。

土御門は『エロスを追求した』と語っていたが、露出を抑え要所にフリルがあしらわれたそれは、
むしろ少女には可愛らしく見えた。 

竜王は首を巡らせてテーブルの上に置かれた雑誌に視線を投げた。
それはインデックスが購入した雑誌であり、『超機動少女カナミン』が表紙を飾っている。

もう一度メイド服に視線をやる。
メイド服ということだが、見ようによっては魔法少女のコスチュームとも取れるデザインである。




ゴクリと、竜王の喉が鳴った。




317 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:38:50.84 ID:l1PxQCAZ0



「まだ、ご主人たちが帰ってくるまで時間があるよね」

時計を確認しながら竜王は呟く。 上条とインデックスは日用品の買い足しに出ているのだが、
あの二人が外を出歩いてすぐに家に帰ってこれるはずがない。 彼女には確信があった。


「ちょっと試着するくらいなら汚れないし……大丈夫だよね。
 ツッチーも着て欲しいって言ってたんだから……いや、でも……」


腕を組んでうんうんと唸る竜王。 しかし彼女の視線はメイド服に釘付けになって離れない。
そのまましばらく固まっていたが、やがて彼女は一つ大きく頷いた。
結局、一度火がついた好奇心を抑えられる程、彼女は大人しい少女ではなかった。


いそいそと上着のボタンを外し始めた彼女の傍で、スフィンクスが小さく鳴いた。


318 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/14(月) 00:47:50.71 ID:l1PxQCAZ0
今日は以上です。

ところで、第十六話の終わりには二つのパターンを考えているのですが、
みなさんは笑顔の竜ちゃんと泣きじゃくる竜ちゃん、どちらを読んでみたいですか?

笑顔なら団円、泣きじゃくるなら血の雨が降ると少し展開が変わるので悩み中なのですが……
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 00:57:59.84 ID:myemAmeAO
どちらにしてもいいなあハアハアハアハア
でも泣くに一票
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 03:01:38.88 ID:/K6aa47Ao
泣きかな
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 08:48:18.14 ID:aOffsONoo
笑顔で
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 11:20:19.82 ID:dUd17ldAO
んじゃ邪気眼で
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 11:39:02.93 ID:D0yAv7xDO
真の紳士なら、幼女は泣かせちゃいけない
笑顔で
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 12:37:15.51 ID:kvo9Sqy3o
いやいや、幼女の泣き顔ほど勃起を誘うものはない
泣きでおねがいします
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 12:55:49.51 ID:J8aXeJbRo
笑顔にきまってるだろ
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 15:50:10.71 ID:YaH3jPYAO
泣きしかないな
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 18:19:33.91 ID:hQlEp6PBo
笑顔で涙
328 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:07:36.72 ID:mFRCqul50

意見ありがとうございます。

泣きの意見の方が多いので、やはり当初の予定通り泣かせる方向で行きます。


では投下します。
329 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:10:10.28 ID:mFRCqul50


「ジャーン!!」

『聖天使ペタメイド』を身にまとった竜王は、鏡の前でスカートの端をつまむと
ニッコリ笑顔を浮かべた。
実際に着てみると、『聖天使ペタメイド』のデザインは一層可愛らしく感じられる。
体のラインを強調するきらいがあるが、熟達した裁縫技術により窮屈さは感じられない。
予想を裏切らない快適な着心地に、少女はご満悦だった。 自然と笑みが深くなる。


サイズが寸分の狂いもないところに引っ掛かりを覚えたが、この際、些細なことだった。


竜王は一度笑みを引っ込めると、くるりと一回転して右手を腰に当て、左手を真横に伸ばし
ポーズを決めた。
口元をキリッと引き締め、鏡の中の自分を流し目で見つめる。
ややあって口元に涼しげな笑みを浮かべると、彼女はゆっくりと体を動かしポーズを変えた。 
やはり流し目を使い鏡を見つめ、更にもう一度ポーズを取り直す。


「……いい」


ポツリと竜王は呟いた。 頬にはうっすらと赤みが差し、瞳はキラキラと輝いていた。
もう彼女は止まらない。 時には可愛らしく、時には勇ましく、時にはセクシーに、およそ
考え付く限りのポーズを試していく。


スフィンクスはそんな彼女を余所に毛繕いを始めていた。

330 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:11:57.00 ID:mFRCqul50


一通りポーズを試した後、竜王はリビングの中央に移動すると精神を集中するように目を閉じた。
すると彼女の頭上に巨大な光の球が現れ、彼女は瞬く間に飲み込まれてしまった。


光の中、黄金に輝く幾条もの光の帯が舞い、少女は鷹揚に両手を広げた。
光の帯は、まず竜王の四肢に絡みついた。 きつく四肢を締め付けた瞬間、それは一際輝きを放ち
消滅した。

次いで少女の胴体に光の帯が巻きついた。 やはり体を締め付けた瞬間、閃光を放ち消滅する。

にわかに彼女を覆っている光の球にひびが入る。 硬質な音を立ててそれが砕けると、
少女の頭上に煌々と輝く小さな輪が生まれた。

光の球の欠片が舞い散る中、竜王はビシッとポーズを決めると、高らかに叫んだ。


「魔法少女『聖天使ペタメイド』竜ちゃん、ここに見参!!」


沈黙。 少女はポーズを決めたまま、じっくりと余韻を味わっていた。 やがて肩を震わせ
堪えきれないと言わんばかりに笑みを覗かせた。


「きゃーっ凄く気持ちいいーっ」

331 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:13:33.77 ID:mFRCqul50


ピョンピョンと小さく飛び跳ねる竜王。 実に気持ちのいい笑顔を浮かべている。


「どう? どうだったスフィンクス!? カッコよかったでしょう!」


スフィンクスは物陰から出てくると、にゃあ、と鳴いた。
実のところ、彼は眩しさから逃れるために物陰に隠れていたので変身シーンを見ていない。
鳴き声にも力が篭っていない。 が、竜王はお構いなしだ。
彼女は顔を赤くして、鼻息荒く言葉を紡いだ。


「光の球とか帯とかね、魔法少女の変身シーンを演出してみたの!
 このメイド服ってほら、魔法少女っぽく見えるでしょ。
 初めてやってみたけど上手くできたと思うんだ〜。
 欲を言えば、本当に変身できるようになりたいんだけどさ、雰囲気は出てたでしょう!」


少女の笑顔がまぶしい。 スフィンクスはそんな彼女に一瞥をくれると、ゴロリと横になった。 
再び毛繕いを始めるスフィンクスに竜王はやれやれと首を振った。


「つれないなぁ君ぃ。 いいよ、一人で遊ぶから」


竜王は頬に手をあて、あれこれと考え事を始めた。
スフィンクスは毛繕いを中断すると、軽い身のこなしで本棚の上に登った。
十分な幅があることを確認した彼は、ゆったりとそこに寝転がった。


「超機動少女カナミンごっこ!
 まず必殺技が必要よね。 そうだ、カナミンとの合体技ってのもステキかも!
 一方通行みたいに翼生やすのもいいなぁ〜」


空を飛んでしまいそうな程に浮ついた竜王を余所に、彼は今度こそ毛繕いに集中した




332 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:14:52.33 ID:mFRCqul50

    ・
    ・
    ・

人の気配の無くなった都市の上空で、二つの影が飛び交っていた。 それらは競い合うように
高速で移動し、火花を上げ激突を繰り返している。
激突が十回を越えた頃、互角であるように見えた両者に変化が起こった。
激突の衝撃で片方の白い影の軌道に乱れが生じた。 白い影が後方に流れ、もう片方――
金色に輝く影に追い縋る形になる。
にわかに反転し体当たりを仕掛ける金色の影。
二度三度と繰り返される金色の影の攻撃に、白い影は制御を失い墜落した。

道路に激突する寸前、辛うじて姿勢の制御に成功した白い影は滑空するように道路すれすれを
飛行した。 そのまま転げるように道路に降りると、それは小さなうめき声をあげた。

亜麻色の髪の少女だった。 トリコロール色の衣装に身を包み、蓮を模した杖を持っている。


「ここまでのようだね、カナミン」


少女の頭上から声がかかった。 カナミンと呼ばれた少女が顔を上げると、十数メートル
の距離に金色の影があった。
それは青ざめたプラチナの翼を持ち、全身から金色の輝きを放つ男であった。


「まだよエイワス。 勝負は決まったわけじゃ……」

333 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:15:47.86 ID:mFRCqul50


立ち上がり杖を構えるカナミン。 彼女の鋭い視線がエイワスに突き刺さるも、
彼は涼しい顔で受け流している。

エイワスの翼が広がり不気味に輝いた。
攻撃の予兆を感じたカナミンはとっさに魔力シールドを展開する。 直後に轟音が炸裂した。
巨大化したエイワスの翼が、シールドを粉砕していた。
その衝撃に、カナミンは遥か後方に弾き飛ばされ地べたを転がった。

カナミンは震える腕で必死に上体を起こし、鋭くエイワスを睨みつけた。 
視線の先で彼は先程と同じ位置に佇み、再び翼を広げている。


「終わりだ、カナミン」


エイワスの冷たい声が響いた。 だが、すでにカナミンには杖を掲げる力も残されていなかった。
エイワスの翼が振るわれた。 巨大化し、尋常でない魔力の篭った一撃に、少女は死を覚悟した。




「させないよ」




凛とした声が、カナミンの耳朶を打った。

334 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:17:00.14 ID:mFRCqul50


突如としてカナミンの前に何者かが割り込むと、その人物は翼の一撃を受け止めた。
爆音が轟く。 しかし割り込んだ小さな影は揺るぐことなく口を開いた。


「イマジィィィィィィンブレイクッ!!」


大声疾呼。 その叫びに反応するように、彼女の右手で受け止められた翼にひびが入る。
と、瞬く間に硬質な音を響かせて、翼は粉々に粉砕された。


「……あなたは、一体」


カナミンは呆然と、目の前にある小さい背中に呟いた。 


「私もあなたと同じ魔法少女よ」


その人物は肩越しにカナミンに視線を向けると、会心の笑みを浮かべた。


「『聖天使ペタメイド』竜ちゃん、遅ればせながら登場」


335 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:17:41.76 ID:mFRCqul50


「『聖天使ペタメイド』竜ちゃん、遅ればせながら登場」


そう竜王は呟くと、満足気にため息をついた。
スフィンクスは本棚の上から少女を見下ろしている。 毛繕いには満足したらしい。

現在、彼女は超機動少女カナミンごっこの真っ最中である。 
彼女の役はカナミンを助ける魔法少女。 完璧に役にのめり込んでいる。
ブツブツ台詞を呟き、時に叫び声を上げ、所狭しとアクションをこなし、さらに発光したりと
大忙しだ。 もちろん魔法陣などのエフェクトも完全再現。


彼女は今、輝いていた。


竜王は表情を引き締めると虚空をにらみつけた。 ごっこ遊びの続きが始まるようだ。


「助けに来たわカナミン。 後は私に任せて」 と、毅然とした態度で少女は言った。

336 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:18:20.22 ID:mFRCqul50


「新たな魔法少女。 多少の価値はあるようだが」


エイワスは悠然と呟いた。 すでに砕かれた翼は再生しており、彼は値踏みをするような視線を
向けている。 「さて、どれ程のものか?」


「その節穴で、私の価値をはかれるのかしら?」


竜王は唇の端を吊り上げた。
彼女の背中から山吹色の輝きを放つ翼が現れた。 春の日差しのような暖かい輝きだった。

カナミンはその輝きに目を細めた。
傷ついた体に心地よく、思わず眠りに落ちそうな心地よさがあった。
カナミンは慌てて首を振ると、少女の背中に声をかけた。
 

「……だめよ竜ちゃん。 そいつの力を甘く見ないで」

「だーいじょうぶ。 大船に乗ったつもりになってくれにゃー」


不意にカナミンの耳に息が吹きかけられた。 少女は小さく悲鳴をあげると声のした方を向く。

そこにはサングラスをかけた茶トラ猫がいた。 カナミンの目の高さに合わせて後ろ足だけで立ち、
軽薄そうな笑みをたたえている。 

「あなたは……?」 と、疑問を浮かべるカナミンに、茶トラは浮ついた調子で答えた。

337 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:19:04.09 ID:mFRCqul50


「にゃ。 俺は竜ちゃんの使い魔、土御門だぜい。 気軽にツッチーって呼んでくれにゃ」

「土御門? ……まさかあなた『三界を渡る……』」

「おっと。 おしゃべりは後回しだぜい」


ツッチーはカナミンの言葉を遮り、彼女を取り囲むように数枚の札を配置すると、
何事かを口の中で呟いた。
札はその言葉に反応し仄かな光を放った。
その光はカナミンの傷を癒し、体力魔力の回復までも促している。
突然の事態に戸惑う彼女に、ツッチーは彼女の頭を撫でながら応えた。


「俺の魔法にゃ。 しばらくすれば戦えるようになるぜい。 それまでは……」

「この私『聖天使ペタメイド』に任せて!」


ツッチーの台詞を引き継ぎ、竜王はそう宣言した。

エイワスは竜王を見つめ薄く微笑んだ。


「勝負だ」


338 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:22:13.78 ID:mFRCqul50


竜王は山吹色の翼をはばたかせ、一瞬の内にエイワスの懐へ飛び込んだ。 
少女は勢いそのままに渾身の右ストレートを繰り出す。 
しかしその一撃は、エイワスの左手に受け止められてしまう。

エイワスの翼が振るわれた。 竜王の翼がこれを迎え撃ち、凄まじい轟音を炸裂させた。

衝撃波が発生し、嵐となって走る。 翼の打ち合いは互角だった。
両者の翼は相手を寸断せんと鍔迫り合いを行い、こう着状態を作っている。

エイワスの右手が握り締められ、音の速さを超えて突き出された。 翼の激突で発生した衝撃波が
収まらぬ内に、再び衝撃波が荒れ狂った。 一瞬遅れて落雷のような音が響く。

その中で、竜王は笑みを浮かべていた。 エイワスの右手は彼女の左手に押さえ込まれ、
ミシミシと軋みをあげている。 エイワスの笑みが僅かに深まった。


「中々の対応だ。 楽しませてくれる」

「悪いけど、お楽しみは終わりにさせてもらうわよ」


竜王の言葉を皮切りに、二人は密着状態のまま急上昇を行った。
その最中、噛み付き合っていた二人の翼は同時に互いを弾き、後方へと振りかぶられた。
やはり同時に、二種類の翼は全身全霊を持って振るわれ、相手を打ち据える。


青ざめたプラチナと山吹色の閃光が上空を満たし、発生した衝撃波が周囲のビルを破壊した。


339 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:23:08.62 ID:mFRCqul50




「大丈夫だったかにゃー?」


こんな時でもどこかふざけている様な声色で、ツッチーが尋ねた。


「大丈夫……ツッチーの張ってくれた結界のお陰だよ」


上空で起こった大爆発の余波は地表にも現れていた。 ビルの瓦礫が散乱し、至る所にヒビが
入っている。
二人は仄かに光を発する光の壁の中で爆発から身を守っていた。 カナミンがお礼を述べると、
ツッチーはブイサインを作って応じた。


「それより竜ちゃんは大丈夫なの?」

「幻想殺しがあるから大丈夫だと思うけど……いたぜい! あそこだ!」


ツッチーが指を差す先に、山吹色の光が揺れていた。
激しい衝撃波に吹き飛ばされた竜王であったが、彼女は素早く体勢を整えると、爆心点から
距離を置いた。
コスチュームの一部に破損が見られたが、目立った外傷は見られない。

しかし傷を負った様子が見られないのは、エイワスも同じだった。

340 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:24:19.63 ID:mFRCqul50


彼は爆心点に佇んだまま、ゆったりと腕を組んでいる。 青ざめたプラチナの翼が広がり、
その前に翼と同色の光の球が六つ生まれた。 僅かに翼が震えると、それらは竜王に向かって
打ち出された。

その球はひとつひとつが高密度の魔力の塊である。 直撃すれば竜王であっても一たまりも無い。

高速で迫る光の球に、竜王は加速し回避行動に専念する。
一発目二発目を振り切り、続く三四発目をバレルロールでかわし、続いて急旋回を行うことで
五発目をやり過ごす。

しかし六発目、少女に逃げ道は無かった。
光の球は吸い込まれるように彼女に迫り、突き出された彼女の右手に激突した。


「イマジンブレェェェェェェェクッ!!」


一瞬の膠着。 次の瞬間、光の球は甲高い音を立て消滅した。



341 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:27:43.35 ID:mFRCqul50


「イマジンブレェェェェェェェイクッ!!」


上条家のリビングに竜王の叫びが響いた。 彼女は右手を突き出したまま口元に笑みを浮かべた。
そのままゆっくり右手を引き戻し背筋を伸ばすと、虚空に鋭い視線を投げた。
少女の目には宙に佇むエイワスが映っている。 彼に向かいビシッと指を差すと、彼女は口を開いた。


「今度はこっちの番よ。 食らいなさい『竜王の殺息』ッ!!」


両手の平を突き出し、少女は魔方陣を展開する。 複雑な紋様が浮かんだ魔方陣はもちろん飾り。
綺麗に輝くことしかできない。

しかし彼女の中では、キチンと『竜王の殺息』が発射されたことになっており、
妄想の中でエイワスはそれに飲み込まれた。


「『やったにゃ!?』」

「『まだよ竜ちゃん! あの程度じゃあいつは……っ!』」

「……」エート

「『ここまでやるとは興味が尽きないよ、聖天使ペタメイド』」

「この程度じゃビクともしないか……。 でも私は負けないわ、この星の未来のために!」


とりゃーっと、竜王はとび蹴りを放った。 
着地すると、すかさずワンツーパンチを繰り出す。
もちろん攻撃のたびにエフェクトを付け加えるのを忘れない。


「食らえ、ドラゴン・レインボー・ストーム!!」


七色の閃光がリビングを走った。

スフィンクスはあくびをすると体を丸めた。 多少賑やかだが、眠れない程ではないらしい。




342 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:29:39.41 ID:mFRCqul50




「ドラゴン・レインボー・ストーム!!」


竜王の翼から七条の閃光が打ち出された。
これらを巧みに避けるエイワスだが、竜王はその上を行った。
閃光が突如反転し、再びエイワスに襲い掛かった。
彼女は全ての閃光を巧みに操りエイワスの飛行を限定することに成功した。


「サンダー・ドラゴン・ブレェーク!!」


雷撃がエイワスを打ち据えた。
エイワスが動きを止めたその一瞬に、ドラゴン・レインボー・ストームが追い討ちをかける。

エイワスの体が閃光に包まれ、爆音が響き渡った。
雷撃と閃光はエイワスの右半身を吹き飛ばしていた。 しかし彼の笑みは崩れることは無かった。


「それまでか『聖天使ペタメイド』?」


瞬時に、エイワスの体が再生した。 プラチナの翼が大きく伸び、鞭の様に竜王を狙う。

しかしその翼は地上より発射された閃光に打ち抜かれてしまう。

343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 00:30:02.73 ID:pYH0wPbAO
あぁ、そうか、やっと分かったよ
コレが『萌え』なのか…
344 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:30:31.29 ID:mFRCqul50


「私を忘れてもらっちゃ困るのよ!」


その叫びと共にカナミンが上昇してくる。
蓮の杖に魔法でブレードを発生させ、怒涛の勢いでエイワスに切りかかった。


「先程よりも動きがいいな『超機動少女』」

「そりゃどーも。 今ならアンタも怖くないね」


カナミンのブレードが振られるたびに、それを受けるエイワスの翼が欠けていく。
数度の打ち合いの後、エイワスは大上段から振り下ろされたブレードを受け止めると、
大きく弾き飛ばした。
エイワスの翼が刃となってカナミンを襲う。
カナミンは身を翻し翼を避けると、脱兎のごとく後退した。


「『ヤロウどもカワイコちゃんのマエでイイカッコしてみセろ』!!」


ツッチーの声が響いた。
いつの間にかエイワスの周囲には幾つもの折鶴がばら撒かれ、彼を包囲していた。
ツッチーの掛け声で魔力を纏った折鶴は、一斉に銃弾と化しエイワスに襲い掛かる。
翼で防御をする暇は与えない。 瞬く間に、エイワスは全身を貫かれた。

345 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:34:49.63 ID:mFRCqul50


「流星ドラゴン脚ッ!!」


無防備となったエイワスの頭上から、竜王の鋭い一撃が決まる。
高高度からの急降下による垂直蹴り。 十分な速度と膨大な魔力の乗ったこの蹴りは、
エイワスをアスファルトに叩きつけ、彼ごと道路を粉砕し、巨大な陥没を作った。

粉塵が舞い上がり、二人の姿を覆いつくした。
一拍の空白の後、粉塵の中に山吹色の光が瞬き、竜王が大きく翼をはためかせ飛び立った。

翼のはためきで生じた風で粉塵が振り払われる。
陥没の中心に現れたのは、ぐったりと横たわり体の修復に努めているエイワスの姿だった。
原形を留めないほどに破壊された体は緩やかに回復され、彼は緩慢な動作で上体を起こした。

346 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:36:11.14 ID:mFRCqul50


「ようやく効いてきたみたいだにゃー」


浮ついた調子の声に視線を巡らせると、両手に折鶴を持つツッチーの姿があった。
にやりと口の端を持ち上げて笑っている。 エイワスは大きく息を吐き、口を開いた。


「『三界を渡る朱の翼』……見事だ。 君たちの価値は期待以上だよ」

「にゃー。 今の俺は使い魔ツッチーだぜい」

「それも非常に興味深いことた。 君が翼を折り、使い魔に身をやつすとは……。
 そこにどんな価値があるのか」

「言ってもお前にゃ分からんぜよ。
 価値がどうこう言ってるが、お前にゃオレたちの想いなんざ理解できねぇにゃ」


ツッチーの声が冷たくなった。 「ただ興味でしか動かねぇ貴様にはな」

彼は折鶴を放ると宣言した。


「『ふぬけたクソッたれども! ちったぁオトコをみせやがれ!』」

347 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:38:54.03 ID:mFRCqul50


折鶴が輝きを放ち、エイワスを中心に張り巡らせた結界が起動する。
エイワスの表情が始めて変化した。 驚愕に開かれた彼の瞳に、ツッチーは笑みを深める。

複雑な紋様を描いた結界から幾つもの氷の刃が生まれ、エイワスを刺し貫いた。
動きを拘束するように体中、翼に至るまで貫かれた彼は微動だにすることもできず、宙釣りにされている。
彼の翼から輝きが消えた。 まるで吹き消された蝋燭のようだと、ツッチーは思った。


「対聖守護天使用拘束術式『カミジョウノトウマ』
 お前のために特別に誂えたものだ。 よぅく味わうんだにゃ」


ツッチーの言葉に、エイワスはぎこちなく目だけを動かし、彼に一瞥をくれた。
エイワスは口を動かすも、響いてくるのはノイズのような意味を持たない音だけだった。
変わり果てた姿の彼に、ツッチーは告げた。


「地獄に落とされた堕天使が氷付けにされた逸話を元に構成した術式だ。
 禁書目録の取って置き、破れると思うな」


エイワスの翼が震えたが、すぐに動きを止めた。
風にそよいだのかと思うほど、弱々しい抵抗だった。

348 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:40:17.56 ID:mFRCqul50


エイワスの瞳が動き、ツッチーの後に視線を投げた。 そこには二人の魔法少女の姿があった。
カナミンの持つ蓮の杖は竜王の身の丈ほどに巨大化し、先端部分から銃口を覗かせていた。
少女たちは巨大化した蓮の杖を挟んで向かい合わせになり、二人がかりで杖を構えている。
その照準が、ピタリとエイワスに向けられている。

ツッチーはエイワスに視線を向けたまま後に下がり、射線上から退避した。


「仕上げは任せたにゃ。 竜ちゃん、カナミン」


ツッチーが視線を向けると、少女たちはそろって頷いた。
そして彼女らはエイワスに視線を注ぐと、蓮の杖に意識を集中した。

349 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:46:38.97 ID:mFRCqul50


「チェックリスト。
 蓮の杖、魔力回路、魔術コントロール装置、バッテリー、冷却機、全部異常なし」

「魔力回路接続……接続完了」

「魔力回路の接続確認」

「魔力の同調を開始……同調完了」

「魔力の同調確認。 全部異常なし――」

「――最終プログラム『メギドの火』展開。 砲門形成確認。 魔力回路異常なし」

「魔力チャージ開始。 チャージ、安定稼動確認」


蓮の杖の先端に幾重にも魔方陣が展開され、巨大な砲身を形作った。
これぞ蓮の杖最終形態。 その真価とは聖魔を滅するメギドの火の制御にある。
カナミン一人では終ぞ制御できなかったかの力だが、二人の魔法少女の力が一つになった時、
神の炎が顕現する。

「冷却機全開。 蓮の杖、魔術コントロール装置異常なし」

「プログラム『メギドの火』異常なし。 魔力チャージ完了確認」

「全チェック完了! 発射態勢良し!」


蓮の杖に形成された砲門に、膨大な魔力が込められた。 並みのものでは近づくこともできない程の
圧倒的魔力量。
その迫力に、ツッチーは体の震えを抑えることができない。

竜王とカナミンはお互いに視線を合わせると、強く頷いた。
一層強く杖を握り締め、発射の瞬間に備える。


二人の声が裂帛の気合と共に轟いた。


350 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:47:17.92 ID:mFRCqul50





「ドラゴン・パワード・シュートッッ!!!!」





351 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/16(水) 00:53:34.75 ID:mFRCqul50
今日は以上です。
続きはまた後日投下します。

>>248
二つ名を使わせていただきました。
ありがとうございます。
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 01:22:44.08 ID:MFt1JY+DO
乙でした!

これだけの展開を竜ちゃんが上条さんの部屋で一人でやってると思うと……
なんだろう、とても暖かい気持ちになるよ
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:12:01.69 ID:VLtam8L9o
目撃者は誰になるんだwwwwww
354 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:36:38.00 ID:9ozMR/x50
こんばんは、これから第十六話の投下を始めます。
355 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:39:01.53 ID:9ozMR/x50


無限の熱量を伴い閃光が放たれた。 必殺の一撃は一瞬の内に宙釣りにされたエイワスを飲み、
雲を割り、空の彼方へと吸い込まれていた。
魂まで燃やし尽くす熱量の中、エイワスは完全に消滅した。


「……終わったのね」


カナミンが大きく息を吐いて座り込んだ。
蓮の杖はプログラムを解除し、元の小ぶりなサイズに戻っている。

横を見ると、竜王も同じようにへたり込んでいた。 翼と頭の輪っかも消失している。
ほとんどの魔力を使い切ってしまった彼女らは、立っているだけでも辛い様子だった。


「ありがとう竜ちゃん。 あなたのお陰で助かったわ」


柔らかい笑みを浮かべるカナミンに、竜王はゆっくりと首を横に振ると、会心の笑みを浮かべた。


「あなたがいたから戦えたのよ。 ……ありがとう、カナミン」

「竜ちゃん……ありがとう。 大好きっ」

356 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:39:36.57 ID:9ozMR/x50


感極まった、といったところだろう。 カナミンは杖を放り出すと竜王に抱きついた。
竜王は小さく悲鳴をあげると、必死に彼女の体を支えた。

「もーっ、カナミンったら危ないよ」

「えへへっ。 だーい丈夫。 ちゃんと受け止めてくれたでしょ」

「調子良いんだから……。 でも、そんなカナミンが好きよ」


竜王は力強く彼女の体を抱きしめ返した。
ついでとばかりに頬をすり寄せると、今度はカナミンが小さく悲鳴をあげた。

「やったなーっ」 と、カナミンは声を弾ませて言うと、竜王の頭をくしゃくしゃと撫でた。
竜王は頬ずりをやめると気持ちよさそうに目を瞑った。 堪えきれず小さく笑い声が零れる。

やがて二人は顔を見合わせると、火が点いたように笑い声を上げた。


「やれやれ、だにゃー」


そんな二人を前に、ツッチーは肩を揺すった。
軽く頭をかくと、ツッチーは二人に向かって歩き出し……。


357 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:40:59.34 ID:9ozMR/x50








「それでお終いか?」

「ぴょわ!!!!?」








358 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:41:47.95 ID:9ozMR/x50


いきなりの言葉に竜王は飛び上がりすってんころりん。 強かに尻餅をついてしまう。


「えっなっ……へ?」


まるで溺れたように、手足をバタバタ振り回す竜王。
一応立ち上がろうとしているのだが、気が動転してしまい手足をもつれさせて何度も転げてしまう。

結局立つことを諦めた彼女は、四つん這いの状態で声のした方へと顔を向けた。
目に映ったのは、底意地の悪い笑みを浮かべるエイワスの姿。


「素晴らしい見世物だった。 大した役者振りではないか」

「な、なんで……いつから見てたの?」


蚊の鳴くような声で、竜王は尋ねた。
彼女は顔を真っ赤にして、僅かに体を震わせている。
初めて見せる竜王の弱々しい姿に、エイワスは口の端を吊り上げた。

359 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:42:44.13 ID:9ozMR/x50


「無論最初からだ。 鏡を前にポーズを取る姿は実に……」


そこで言葉を切ると、エイワスは俯いた。 長い髪が表情を隠し、俄かに肩が震えた。
空気が漏れる音がした。 肩の震えが全身に回り、彼は体を反り上げて、笑った。


「くくく……っく、あっははははははあーーーーっははははははははははは!!
 あーーーーっははははははははは〜〜〜〜っひゃっはははははははははは!!
 はーーーーっはははははははははははははひゃはははははははははははは!!
 ………………っ! ………………………………っっ!!」


顔に手を当て、狂ったように笑い転げるエイワス。
哄笑がリビングに響き渡り、息を吐きつくしてもなお、エイワスは笑うことを止めなかった。
人間であればとうに笑い死んでもおかしくない。

竜王はそんな彼を前に、体を震わせることしかできないでいる。


「くっはぁっ。 これ程笑ったのは初めてだ。 ……実に、素晴らしい」

「あ、あなたは……っ!」


竜王は精一杯エイワスを睨みつけた。 しかし顔中耳まで真っ赤に染めては迫力など出るはずも無い。
むしろエイワスにとって更なる娯楽となったようで、彼は目を細めて竜王を見つめ返した。


「次回の公演を楽しみにしているよ。 ではさようなら」


そう言うと、エイワスは消え去った。 

360 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:44:10.15 ID:9ozMR/x50


次の瞬間、けたたましい音を立てて扉が開かれ、二つの影が飛び込んできた。
彼らは手に持った買い物袋を玄関に放ると、土足のまま弾丸のようにリビングに踏み込んできた。


「竜ちゃん、無事か!?」

「私たちが来たからもう安心だよ!!」


叫ぶように声を上げた上条とインデックスだったが、竜王の姿を見た途端に雷に打たれたように
動きを止めた。
彼らは目を見開き、ポカンと口を開け、間の抜けた表情を晒している。

竜王はと言うと、「ひぅっ」 と小さい悲鳴と共に小さく飛び上がり、もう一度尻餅をついた。
その衝撃で涙が一筋、彼女の頬を伝った。


「……竜、ちゃん? その格好は何なんでせうか?」


その上条の一言に、竜王は自分の体を隠すように抱きしめた。 


「み、見ないでぇ……っ」 


そう小さく言う彼女の肩が震えた。
彼女の眉間にしわがより、怯えたように細められた目からもう一筋涙が零れた。

その涙に、上条とインデックスは慌てて口を動かした。


「あ、えっと……外から凄い光が見えたから何かあったのかって思って……だからその……」

「魔術師か何かに襲われてると思ったから、それで……」


沈黙が降りた。 上条とインデックスはすっかり混乱してしまい、かける言葉が見つからない。
二人の視線が落ち着き無く部屋中を巡り、やがてほぼ同時に竜王に投げられた。
彼らは引きつった笑顔を浮かべて、


「あの、竜ちゃん……そのカッコ似合ってるよ」

「そ、そうかも! ほら……魔法少女みだいだよ」


それが引き金になった。

361 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:45:10.12 ID:9ozMR/x50






「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁああぁぁああああぁぁぁぁぁぁああぁぁんっっ!!!!」






「竜ちゃん!? どこ行くの竜ちゃん!?」

「待って行かないで! 竜ちゃん!? 竜ちゃぁぁぁぁぁぁん!!」


竜王は手足を振り乱しベランダに飛び出すと、そのまま飛び降りてしまった。

泡を食ってベランダに駆け出した上条たちだったが、竜王の姿はどこにも見えなかった。

362 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:46:30.30 ID:9ozMR/x50


「あなたとお散歩楽しいな、ってミサカはミサカはスキップしてみたり」

「ちったァ落ち着けよクソガキ」


人通りの無い公園を、彼ら二人は歩いていた。
どこに行くという目的は無くただ足の向くままにふらつく自分に、一方通行は不思議な感覚を覚えていた。
「悪かねェな」 と一方通行は口の中で呟いた。
その彼の前で、打ち止めがくるくると踊るように回転する。


「落ち着けっつったろうが。 今に転ぶぞォ」

「だぁーって、あなたとお散歩するの楽しいんだもん。
 それにこのくらいじゃ転ばないよ、ってミサカはミサカのバランス能力を自慢して……っとと」


満面の笑みで答えた打ち止めだったが、その体が傾いた。
二三歩たたらを踏みバランスを失いかけるが、そこで打ち止めは大きく飛び上がった。
着地をし、ビシッと両手を上げた彼女は、そのまま一方通行に顔を向けると、照れたように笑った。


「えへへ……。 ね、ミサカのバランス能力凄いでしょ、ってミサカはミサカは照れ笑い」

「思いっきりコケそうになったじゃねェか」

「転ばなかったっていう結果を評価して欲しいな、ってミサカはミサカは求めてみたり」

「そもそも転ぶようなマネをすンじゃねェ……あン?」


ふと、明後日の方向に視線を投げた一方通行の眉が顰められた。
その彼に首を傾げた打ち止めは、その視線を追った。


「どうしたのあなた、ってミサカはミサカは……って竜ちゃん!?」

363 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:47:23.82 ID:9ozMR/x50




「えぐっ……ぅ……えぐっ……ふぇぇぇぇん」




そこには両手で目を拭い泣きじゃくる竜王の姿があった。

あまりのことに立ち尽くしてしまう一方通行と打ち止め。
ややあって我を取り戻した彼らは脱兎のごとく竜王に駆け寄った。


「竜ちゃァァァァァン!」

「どうしたの竜ちゃん! ってミサカはミサカはあなたを気遣ってみたり!」

「あ、あくぜ、ら、れーだぁ……っ……らずと、おーだぁぁぁ……うわぁぁぁん」


竜王は倒れるように打ち止めに抱きつくと彼女の胸に顔を擦り付けた。
打ち止めは彼女をしっかと抱きしめ、優しく頭を撫でた。

364 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:48:52.97 ID:9ozMR/x50


「わたじ、わたじぃ……見られ゙、ちゃっ……ぁ……」

「……大丈夫だよ竜ちゃん。 私たちが付いているからもう安心だよ、
 ってミサカはミサカは竜ちゃんを慰めてみる」


打ち止めの手が止まった。 彼女は一瞬顔を強張らせると、再び頭を撫で始めた。
一方通行はコートを脱ぐと竜王の肩にかけた。 打ち止めがコートの前を整え、竜王の肩に手を置いた。

カチリという小さな音が、打ち止めの耳朶を打った。


「竜ちゃンは任せた。 家に連れて帰って一緒にいてやれ」 と一方通行は言った。
冷え切った、刃のような声だった。

「あなたはどうするの、ってミサカはミサカは答えは予想できてるけどあえて尋ねてみたり」

「落とし前をつけてくる」


その言葉を残して彼の姿が消えた。 
残された打ち止めは強く竜王を抱きしめ、彼女の耳に顔を近づけた。

「さあ竜ちゃん、家に帰ろう、ってミサカはミサカは促してみる。
 今日はずっと一緒にいてあげるから心配しないで」

「ぅぅ……ありが、とう……えぐっ」

365 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:50:12.71 ID:9ozMR/x50
    ・
    ・
    ・

薄暗い路地裏に土御門はいた。 にこにこ笑みを浮かべ落ち着き無く体を揺すっている。
そんな彼に、路地裏の奥の薄暗闇から声がかけられた。


「お待たせしました、とミサカは声をかけます」

「おお〜っ。 待ってたぜいスネーク!」


現れたのはミサカ17600号であった。 浮かない顔の彼女に、土御門は軽い足取りで近づく。


「いやー。 メイド服をプレゼントした側から着てくれるなんて、
 竜ちゃんは俺の見込んだとおりの逸材ぜよ」

「しかし可哀想な結果になってしまいましたね、とミサカは金髪幼女に同情します」

「そういや問題が起こったと聞いたが、何が起こったんだにゃ?」

「かくかくしかじかという訳です、とミサカは単純明快に説明します」

「何、だと……幼女の神聖なお楽しみを踏みにじるたぁ何という鬼畜の所業。
 許せることじゃないにゃー……っ!!」

「私たちが言えたことではありませんがね、
 とミサカはミサカに幼女の盗撮を任せたグラサンにツッコミます」

「しかしまあ、そこら辺はかみやんたちが上手くフォローするぜよ。
 今は竜ちゃんが落ち着けるように、俺たち外野はじっとしてた方がいいんだにゃー」

「切り替えが早いですね、とミサカはグラサンの変わり身の早さに呆れます」

「冷静って言って欲しいぜよ。 そういう訳で、早くデータ寄越すにゃ」

「これも仕事ですね、とミサカは割り切ります。
 これが彼女のごっこ遊びを収録したUSBです、とミサカは懐から取り出します」

「ぬおおっ。 竜ちゃんのペタメイド姿、ごっつあんです!!」


懐から出したUSBを、17600号は差し出した。
土御門がそれを受け取った瞬間、それは粉々に砕けてしまった。

366 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:54:16.09 ID:9ozMR/x50


土御門が声を上げるより早く、二人の間に何者かが割り込み、土御門の頭を鷲づかみにした。


「やはりオマエの仕業かァ」


土御門の頭がミシミシと軋みを上げる。
彼の頭を締め上げる一方通行は、赤い目を輝かせ、地獄の底から響くような声を上げた。

土御門が唸るような悲鳴を上げ、一方通行の腕から逃れようとする。
が、もちろんそれは徒労に終わった。


「まさか妹達が一枚噛ンでたとはなァ……残念だァ」


一方通行が肩越しに17600号に視線を投げた。
氷のような冷たい視線に、17600号は小さく悲鳴を上げ、後ずさった。


「い、いえ。 ミサカはだた撮影を頼まれただけでして……とミサカは言い繕います」

「データを全部破棄しろ」

「は、はい! 直ちにっ! とミサカは削除に取り掛かります」


一方通行は土御門に視線を向けた。 痛みに悶絶している土御門に、一方通行は宣言した。


「さァて、楽しィ楽しィお仕置きの時間だァ」


平坦な声だった。 それが土御門には恐ろしい。
土御門は必死に喉の奥から言葉を絞り出した。


「ご、誤解……」


言葉はそこで途切れ、二人は大空へと消えた。
17600号は大きく息を吐くと壁にもたれかかり、頭を押さえた。

367 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/19(土) 23:55:28.61 ID:9ozMR/x50


「た、助かりました、とミサカは安堵のため息をつきます。」

【やっほー17600号!】

【運営様!! どうかなさいましたか!?】


突如としてMNWの個人回線を経由して打ち止めから連絡が入る。
17600号は思わず直立不動の姿勢を取り、敬礼までしてしまう。


【ちょっと訊きたいことがあるんだけどね。
 あなたって竜ちゃんに何があったのか知っているんでしょ?】

【いえ! あれはミサカの意志ではなくあくまで強制されてですね……】

【そんなことは訊いてないよ。 竜ちゃんに何があったか、教えて欲しいな】

【あの、その……】

【早く教えて。 お仕置きされたいの?】

【いいえ! 今すぐ教えます!!】

368 :第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/20(日) 00:00:51.71 ID:rIBkzhHt0

    ・
    ・
    ・

17600号から事の顛末を聞いた打ち止めは、強く奥歯を噛みしめた。
ちらりと、打ち止めは傍らに視線を投げる。
彼女は今、竜王の肩を抱いて家へと向かっている途中である。
ようやく落ち着きを取り戻した竜王の頬に、涙の後がはっきり残っていた。
眉は力なく垂れ下がり、俯いたまま足を引きずるように歩いている。


(発光体が何者かわからないけど、絶対許せない、ってミサカはミサカは怒りに燃えてみたり)


打ち止めは竜王を抱きしめる腕に力を込めた。 「打ち止め?」 と、竜王が訝しげに呟いた。


「竜ちゃん、今日はミサカのお家でお泊りしよう、ってミサカはミサカは名案を申し出てみる」

「……いいの?」

「もちろん! 夜は一緒に寝ようね、ってミサカはミサカは今からワクワクしてみたり!」

「……ありがとう」


堪らず、竜王は打ち止めに抱きついた。 打ち止めは足を止め、優しく彼女の頭を撫でた。


(ヒーローさんたちには下位個体を通じて連絡して、あの人には17600号を差し向けよう)

(状況を伝えて対策とらなくちゃ。 でも……)

(少なくとも今日一日は、竜ちゃんのことはミサカに任せてもらおう)

(ヒーローさんたちに会うのも気まずいだろうし、みんなが落ち着く時間が必要だからね)

(早く元気になって欲しいな。 竜ちゃんには悲しんでる表情は似合わないよ)

(そうだ。 元気になったら、一緒にごっこ遊びしよう。
 インデックスもコスプレしたことあるって言ってたし、三人で魔法少女トリオ作ってみたり)

(竜ちゃん付き合ってくれるといいなぁ)

「さ、そろそろ行きましょう、ってミサカはミサカは促してみる」

「……うん」

369 : ◆iH7bNFBwQs [saga]:2011/02/20(日) 00:03:41.24 ID:rIBkzhHt0

以上です。

この後竜ちゃんは上条さんたちとすぐに和解することができました。
ちなみに魔法少女ごっこは、この一件で吹っ切れた竜ちゃんにより上条さん一方さんまで
巻き込んだ盛大なものになったようです。

370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 00:37:12.30 ID:QyOeJAoJo
血まみれってツッチーとエッちゃんが血まみれだったのね
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 13:08:11.31 ID:m18oBYFAO
性天使ペタメイドがどんな衣装なのかすごい気になる
1乙
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 16:08:40.90 ID:HuIai7IAO
ペタメイドのペタって、ぺたんこのぺた?
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 14:58:53.61 ID:Jp828vCAO
>>1は無事かい?
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/03/27(日) 18:55:35.34 ID:szRi9gvQo
1ヶ月更新ないけどこのスレどうなんだ?
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/04(月) 02:18:52.71 ID:S+wvAPAAO
生存報告はして欲しいな
376 : ◆iH7bNFBwQs [sage]:2011/04/08(金) 02:04:17.38 ID:tW8lFr+Y0

お久しぶりです>>1です。

長い間スレを放置してしまって申し訳ありません。
地震の被害はなく、私は無事です。
しかし、私生活の方でゴタゴタがあったので、SSを書く気力が無くなっていました。
そのため、このままHTML化してしまおうとも考えていましたが、それではあまりに失礼なので、
これからSSの続きを書いていこうと思っています。

書き溜めはほぼ無いので、投下は遅くなると思いますが、キチンと区切りをつけます。


心配してくださった方、本当にすみません、ありがとうございます。


377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/04/08(金) 07:29:09.37 ID:K3AJAQoCo
生きてたのか、よかった
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/08(金) 20:36:09.96 ID:4Cbxhgpjo
大事無しでよかった。初源ナル1
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/28(木) 22:21:27.59 ID:yHpTOv0Uo
ho
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:36:25.12 ID:RajL5+U70
よかった本当によかった
期待してる
381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:38:50.83 ID:RajL5+U70
最近竜ちゃんと上条さんの絡みがなくなってさびしいな
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