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上条「どんなに俺が嫌いでも、お前は逆らえないんだよ−−。」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:02:59.84 ID:7iLxRsAO
http://c.2ch.net/test/-/news4vip/1287480528/1-からの移転スレです

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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :ちょっとVIPとは変更してんのがあるよ! [sage]:2010/10/24(日) 19:16:42.02 ID:7iLxRsAO
上条「…はぁ……どこかにいい男はいないもんですかねっと」

ピロリロリン、店員のありがとうございましたの音を聞きながら上条はコンビニを出て左右を見回す

上条「発見?」


一方「あー……なンか悪寒がすんなァ……」
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:24:02.69 ID:7iLxRsAO
一方「これ、風邪なのかァ?やっぱ今まで反射頼ってた弊害…」ブツブツ

上条「よ、よう!アクセラたん!!」キラキラ

一方「……あァ、三下かよ…、つゥかヒーローがあンなこと言うわけねェし多分幻聴だな…。」

上条「こ、こんな所で会うなんてきっと俺たち運命共同体なんだろうな、お前は今日も相変わらずそっそこらの女より可愛いな」

一方(やべェ、本格的に病院行かなきゃなンねェ…、なンか三下との会話がぜってェ成立してねェ)

上条「が、学園都市序列一位は顔もだったんだな…、悪い…ステイル…どれもこれもアクセラたんが可愛いのがいけない
俺の最強(さいじゃく)がこんなに可愛い訳がない」キリッ

一方「…なァ、三下ァ」

上条「どうしたんだ一方通行?」

一方「……俺ェ、びょういン、行ったほうが良い?(耳鼻科に)」

4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:32:00.86 ID:7iLxRsAO

上条「……っっ!!あぁ、ぁアクセラを、アクセラをっ返して下さいぃっっ!!」

一方「…やべェ、体温の上昇を確認」

上条「ていうのは置いといて…全部置いときたいけど、一方通行、俺はサナトリウム文学が大っ嫌いだ、理由は分かるか?」

一方「(フルフル)」

上条「…俺たちのような愛し合う恋人達がスイーツ(笑)の感動(笑)のために不治の病(笑)になんねえといけなくて…その、幻想は俺でも壊せねえからだよ…!
でも…っ、お前だけは俺が守る!!この幻想だけは誰にも奪わせたりしない、壊されたりだってしない」ダキッ

一方「(もう分かんねェし辛いし…こいつに支えてもらおォ)上条ォ…」

コンビニ近くの公園の噴水脇で抱き合う二人。わずかながら通る人も一方通行の中性さから気に留めることは無かったようだ。

一人例外は居た。
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:37:01.81 ID:7iLxRsAO


美琴「…あいつと一方通行…?」

佐天「何か撮影でもしてるのかな?」

黒子「さぁ、お姉さま!わたくしたちもあの方達のように熱い肉体言語のかわしあっブベルチッ!!」

初春「白井うぜえ」●REC






6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:43:25.45 ID:7iLxRsAO

さて、ファンシーな言動をしていたように見える上条も実は内心かなり焦っていた

上条(まさか、こんなにすんなりいくとは…)

耳元のイヤホンから聞き慣れた声がする

土御門「かみやーん、こちらつっちー、ハグはクリアしたんかにゃー?応答願うぜよ」

上条(現在進行形でしてるんだよ!土御門!応答?何より俺が混乱してんの…!つーか変なセリフ言わせやがって…)

先ほどのどこか頭を打ったのかと心配されるようなご機嫌な口調は全部、彼の友人ー土御門による指令に他ならなかった。


身長も一緒で体に手を回し抱きしめている状況、この上なく一方通行の顔がそばにあることもあって上条は襟のマイクに向かって応答はしなかった。いや、できなかった
上条(こいつ…近くで見ると細くて白くて…何なんだこの感情…)

一方(体の痛みは感じない、白血球が死ンでンのも今のところは認知できない。
となると…ミサカネットワークの不調…、いやいや神経系に変化は無さねェンじゃ)

上条(うわぁああ!どうすれば良いんだ!)

一方(何が起きてやがる?)
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:47:08.68 ID:7iLxRsAO
遠目からは黒白のコンビが、それぞれ思案することを抱えていながら静寂の中抱き合っている、そんなシュールすぎる画を壊したのは彼らが邂逅に至るきっかけになった人物。

彼女は真っ赤に顔を染めて二人の側へ駆けてきた。


御坂「あ、あああ、あアンタ達!!こんなとこでなっ、何してんのよ!」

上条「(また、面倒なことにっ!!)」

一方「…よォ、オリジナル」

御坂美琴、その人だった

8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:48:56.71 ID:7iLxRsAO
一方「…オリジナルゥ、俺、なンか具合悪いみたいなンだよ。顔、赤くねェ?」

御坂「別に…いつものとおり真っ白よ」

上条(耳に息が…!くすぐったい!)

一方「そォかァ…どうしたンだろォ?」

御坂「風邪の引きはじめじゃないの?まぁ、悪化するまえにゲコ太のとこ行ってきなさい」

一方「今日あそこ休みィ…」

御坂「じゃあ、三丁目あたりの薬局の薬剤師さんに聞くと良いわ、常盤台でもすぐ治るって噂だし」

一方「あァ…そォだな、ありがとよ。つーか俺、一般常識欠如し過ぎだよなァ…。」
御坂「あんたのしおらしい顔なんて珍しいわね」

上条(しおらしい表情気になる!)
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:53:04.39 ID:7iLxRsAO
御坂は一方通行の目を深く見据えて言い放つ。

御坂「…そういうのはこれから身につけてっても遅くは無いんじゃない?

今までは機会も時間も無かったけど、今は打ち止めもこいつも妹達も…私も含めてあんたに教えれる奴なんていっぱい居るんだからさ」

一方「……そォかい」

御坂「そうよ、いくらなんでもそうじゃなきゃ寂しいもんなのよ」

慈愛に満ちた顔で、超電磁砲は彼に向かって笑う。


上条(一方通行、嬉しいだろうな)

御坂「でも、それならきっと風邪じゃないわね。じゃあ私はあの子達も待ってるし行くわ。くれぐれもお大事にね、一方通行」

一方「ありがとよ」

御坂「うん」

笑顔のまま御坂は去った







…ように見えた


御坂「ちょっと待てぇぇ!!それでなんで、ハグになんだコラぁぁあ!」ビリビリ!!
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:54:17.53 ID:7iLxRsAO

御坂の手から高電圧の電流が流れる。距離はほどほどにあったとはいえまもなく上条に届いてしまうだろう。

上条「嫌な予感が…!」

更に不運なことに上条の背中に向けて放ったので上条からは見えない。そもそも五感は眼前の彼に全集中させているので電流の音も聞こえない。

そう、今の上条にはどうしても消せないはずだった。

…冷たく滑らかで細い何かが彼の利き手の手首をとる。

一方「そげぶゥ」バシュ

電流は全て上条の手で消された。

11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 19:57:05.84 ID:7iLxRsAO
上条「ん……うぁ?………え!?」

一方「手触られたぐらいで…煩わしィな三下ァ。お前が女でもうるせェ」ダキッ

上条「いたたたた、頑張れ俺の背骨!」

御坂「…ちっ、あぁ!もうなんなのよ!?なんで一々そいつをベタベタ触んのよ!!私の攻撃避けるんなら反射で良いじゃない!」
一方(確かに!)

一方「…えっとォ…!…アレだァ、スイッチつけんのめんどかったし、そもそも俺三下に触られてるから反射出来ないカラダなンだよ」

上条「なんで言い方が卑猥なんですか」

一方(実のところは一回そげぶやってみたかったっつゥのはアクセラお兄さんと君たちの内緒だぜェ?)

12 :可愛くない初春のたーん! [sage]:2010/10/24(日) 19:58:16.43 ID:7iLxRsAO
御坂「あぁ、もうホントに!!離れなさいってば!」

その時

白井「お姉さまぁあ!!」

声が聞こえた、と御坂は感じたがすぐに、白井が他に二人を連れて御坂の横に登場した。
いや、違う。御坂が三人の前に舞い戻ったのだ。


御坂「黒子…?なんなのその蔦」

白井「うぅぅ、黒子はぁ…。」

御坂「佐天さんも切り傷…」

佐天「御坂さん、もう逝きましょ…」

御坂「佐天さん、誤変換してるわ」

佐天「いいえ、ニュアンスとしては花丸なんですよ…」

やたら疲労している白井と佐天、一体この数分間に何があったのかと思案する御坂。

御坂「状況がさっぱりよ?っつーか、黒子!私のこと勝手にテレポートさせるんじゃな、い…?」

今まで言葉を発さずに、沈黙を貫いた彼女が口を、開いた。圧倒的なオーラを、背に。


初春「…御 坂 さ ぁ ん。あのですね、人の恋路を邪魔する輩は※ さ れ て も文句が云えない、って言いませんか」ニヤア
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 20:48:44.75 ID:7iLxRsAO
御坂「初、春、さ?」

初春「えぇ、“ 私”ですよ。御坂さん」

チガウ、“これ”ハウイハルサンジャナイ。

初春「いやいや、今、“何故か”髪が緑色で凄い勢いで成長しちゃったんです、えへ」

御坂「!!」

レベル5で序列第三位の名を欲しいままにする御坂美琴が、髪の毛も動かせないほどの恐怖。

御坂は270万人の中でトップクラスの頭脳を持って考えた圧倒的な殺意を持つ目の前の女。対象が私だとしたら

※ さ レ ru ?


この子はレベル1の定温保存なんだから、超電磁砲が負けるわけがな

初春「嫌だなあ、御坂さん。わたし怖いですよぉ」




あぁあぁ、あaがヴ梁qたFkさバひなきmひゆ那わwwxやとぅわ♪たく柘

エラー、error、彼女の脳内は計測不可(死ぬ未来)な解にならない式を無意識下で探る。

初春「とーっても、残念です。」

初春「 そ ん な の な い で す よ ♪ 」
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 20:51:17.97 ID:7iLxRsAO
御坂「あ…gg、gゎごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいiii」

初春「そんな謝れば良いって感じの短絡的思考、止めて下さい」ニコッ
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 20:52:23.02 ID:7iLxRsAO
御坂「ハァハァ…、ゴホッ」

先ほどの行動は生存するため脳が選び出した最上の解、それは御坂の意志とは何も関係が無い。だから苦しくても無呼吸で謝意を表し続けていた。

彼女はこの緑色は元来からの髪ですよと言わんばかりにあまりに自然な動作で青々とよく育った蔦を掻き分けた。花飾りは既に“無”く眼光は鋭い。

初春「ギリギリセーフでした、御坂さん」
初春「あの種の愛を邪魔してはいけませんよ。少なくとも“わたし”の前では」クスッ

御坂「……。」

白井と佐天は御坂以上に怯え、瞳は涙で潤んでいた。

御坂「…分かった、約束するわ…。初春さんの要望通り初春さんの前では私はあいつらの関係を邪魔しない」

初春「うーん、私の前、だけですか?」

御坂「そうよ。だって私もあいつのこと好きなんだもん。一方通行にただ黙って負けるのは嫌よ」

初春「それで良いんですかぁ」ギロッ

御坂「…ええ」

佐天(なんでレールガン組のパートなのに厨二臭いんだろう)

白井「お姉さま…っ、おいたわしや」

近代的な木製のベンチの上で行われる張り詰めた会話にも終止符がうたれた。


16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 20:55:45.38 ID:iyErYOQo
いや、転載前見てるから知ってるけどさ
せめてスレタイか序盤のレスでBLネタ注意くらいは書いた方がいいんじゃないかなーって個人的には思います
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 21:02:08.91 ID:XxdvQN2o
>>16
読み進めなくても2レス目で分かるだろうから別いいんじゃね?
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 21:02:54.85 ID:7iLxRsAO


このスレは上条×一方通行というBL要素を多く含みますので、苦手な方はお気をつけ下さい

19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 21:05:08.46 ID:7iLxRsAO
>>16
すみません!うわぁぁあ!やってしまった!


投下するとき名前欄のところに初見は>>18読んで下さいって入れるぐらいの対応しかできないです!本当にすみませんでした!
20 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:15:00.12 ID:7iLxRsAO
初春「……やっぱり序列三位は流石です。分かりました、御坂さん私の負けです。」
御坂「…そう」

表情を和やかにしたのは負けた初春、強ばらせたままなのは勝利した御坂。

御坂(格が違う…っ)

御坂の感情など素知らぬふりで善良な顔をして甘ったるい声で言葉を続けてゆく。

初春「やっぱりレベル1の“定温保存ごとき”じゃ駄目ですよね、後輩なのに生意気にすみませんでした」

白井がここぞとばかりに口を挟む。

21 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:20:12.93 ID:7iLxRsAO


白井「嘘は程ほどにですわよ?その花飾り、明らかにお姉さま以上、もしかしたら彼処にいる第一位とも闘える威力を持っているじゃありませんこと?」

するとシュルシュルと音を立て蔦は元の飾りへと戻っていく。唖然とする御坂と白井、呆れ顔の佐天。

初春「解答は2つ。
白井さん、この世は魔術と科学の両極だけと思ってるのなら大間違いですよ。
奇術サイド、話術サイド…天界サイドなんてものもありましたっけ?
そして“学術サイド”…まあ、この都市の学生は関わらなくて良いことです。それともう一つ」

初春『花飾りって何ですか?』

無邪気な、顔、だった。
22 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:22:34.14 ID:7iLxRsAO
御坂「まだ一方通行ったら寄りかかって…!!」

初春「ミサカサン」

御坂「分かってるわよ…」

とりあえず御坂が鞄を置きっぱなしと言うことで彼らのもとへ戻って来た。
初春にたしなめられ平静を装っているが内心穏やかでは居られない。

御坂(なんなのよ、一方通行。病気じゃないんじゃない)

一方「オリジナル?どこに行ってたんだァ?」

一方通行側から四人は来たため、一方通行が穏やかな顔をしているのが違和感と気づいただけで反対側の上条が何かを決意したような顔をしていることには気づかなかった。

御坂「別に…今帰るのよ」

上条「き、気をつけて」

御坂「…ありがと。」ニコッ

一方(いつもこいつ笑ってたら三下も落ちンだろうに…)

23 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:23:58.10 ID:7iLxRsAO
佐天「そういえばどうして上条さんと一方通行さんは人の字作ってるんです?」

佐天は自分だけよく分からない状況を不快に思っていて、ただ純粋に聞いたのだが。

御坂「…」ピクッ

上条「…」ドキッ

黒子「…」オロオロ

初春「…」ビキッ

佐天(墓穴踏んじゃったかも…!!)

一方「そンだけ?」

佐天「あ、はい。えぇ」


あまり気にしていないのかそうかァと呟き、一方通行は行動を始めた。

上条「あ、あ、一方通行?」

それまで支えてもらうために脇の下から回していた手を上条の首に回し、彼女らの方を見やる(初春ビジョンでは+艶やか(笑)な笑みである)

初春「まさか…!!」




一方「そりゃァこいつのカラダが気持ち良いからだろ」


24 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:26:22.97 ID:7iLxRsAO
御坂「」

上条「」

初春「まぁああ!!」パァァ

更に、初春へのサービスなのか天然なのか知らないが顔を上条の耳に寄せ囁く一方通行。

一方「妙な依存性があるっつゥの?離れたくねェんだよ」

御坂「」フラッ

御坂「もう、戦えない」バタッ

黒子「お、お姉さまぁぁぁ!!お気を確かに…っていやぁぁあ!!泡吹いてらっしゃいますのぉぉお!!」

佐天「もう、第一位そっちの人でしょ…」

初春「是非結婚式には呼んで下さい、全身全霊でU&I歌いますんで」キリッ

阿鼻叫喚、収拾がつかない。ちなみにここは相も変わらずコンビニ近くの公園のままである。

25 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:31:11.31 ID:7iLxRsAO

上条も熱っぽいような吐息混じりで息を漏らしているような声を出した。

上条「一方通行…」

一方「三下、エラく愉快な面してンなァ?」

初春「ふぅ…、えへ、新刊書きに行ってきます、えへ、よぉし白井さん、あはは、テレポートですよ!」

陽気な初春。

白井「お姉さま…、お姉さまは一人では御座いませんのよ。わたくしが、黒子がついております」

真剣な眼差しの白井。

御坂「黒子…、黒子…」

悲しみに打ちひしがれる御坂。

佐天「また初春のアシスタントの日々か…給料良くなきゃやってないっつうの」

憂鬱げな佐天

初春「それではお二人の今後祈ってます!」

シュピン!!

さっきの迫力は何のその、やはり初春も腐ったご令嬢。欲望には勝てないらしく“原典”を書きに帰ってしまった。



残るは、黒白の2人っきりだった。
26 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:35:22.81 ID:7iLxRsAO
上条「…御坂たち行ったか?」

一方「多分なァ…。」


数十分振りに二人はお互いから離れ、素早い動きで両手で出来る行動をする。

そして、一方通行がパーカーのフードを被った。

上条「じゃあとっとと行きますか」

一方「…今日は俺が不幸、だなァ」

上条の右手首を一方通行が掴んだ、というには可愛らしいかもしれない。

上条「そんな力じゃ外れないか…?」

一方「うっせェ、別に俺が握力ねェわけじゃ無いからなァ」

並んで同じぐらいの歩幅で歩き出す。

一方「本っ当に不幸だァ」

上条「いつも俺はそんなもんだ。気にすんな」

一方「…打ち止め達に置いてかれたのは不幸レベル5だろォよ」

上条「おまえ命の危機なうだから!」




――時は御坂がテレポートした直後に遡る――


27 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:36:09.77 ID:7iLxRsAO
そろそろ離れた方が良いのか?と悶々とする上条の元に土御門から一本の連絡が入る。

土御門「聞いてるかカミやん、これは緊急の連絡であり依頼だ。応答願う」

上条(土御門も本気モードだし出なきゃ駄目だよな…あー…一方通行になんて言おうか…)

溜め息をつくも、ちゃんとマイクを口元によせた。

上条「あー連絡とれなくて悪かったな土御門。こちら上条、ちゃんと聞こえてる。」

土御門「一方通行は近くに居るか?」

上条「指令通りゼロ距離」

土御門「良くやったカミやん!」

皆まで言わせず土御門が歓喜の声をあげる。
28 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:36:54.25 ID:7iLxRsAO
上条「あー…、土御門?一体俺は何したんでせうか?」

土御門「カミやんが引き起こしたのに珍しくラッキーな事だ、少なくとも一方通行にとってはな」

上条「それは、どうも。で?依頼内容は何なんだよ?」

土御門「今日1日、上条当麻は右手で一方通行を触ってろ、以上」

上条「…どういうことだ?」

上条は正直、真剣な口調のくせに通常の土御門が言うことと変わってないなと思ったが露ほども口には出さなかった。

土御門「連絡しといて悪いがこちらも対処におわれて忙しいんだ。詳細は一方通行にメール送っといたからそれ見てくれないか?」

上条「分かった」

土御門「じゃあ無事を祈る」ブチッ

一方「お前、急に俺の後ろの空間に向かってどうしたンだ?」

怪訝そうな声を聞いて、無線の理由を説明するときもこうなのかと上条はメランコリックだと言いたげに溜め息をまたついた。

29 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:38:42.19 ID:7iLxRsAO
上条「あー…土御門からの無線。それより一方通行、お前の携帯確認してくれないか?」

一方「説明になってねェよ」

そう言いながらも七分丈のカーゴパンツのポケットから(今日はウルトラマンルックではない)シンプルで無個性なそれとグループとして使用するため支給されたピンク色の二つを取り出した。


一方「あァン?」

十字キーを下に入れてスクロールしたまま読みとってしまうのは流石第一位と言わざるを得ない。

一方「なる程なァ。こりゃマジで大変だぜェ…、つゥかありがとよォ三下」

上条「…何が起きたんだとしても俺はお前が俺に礼を言うことよりは驚かないと思う」

一方「言うなァ?俺は礼儀作法も学園都市一位だぜェ?」

上条「それは記憶の容量だけ、実践しなきゃ駄目だろ、それ」

一方「あーうるせェ、素直に感謝されとけっつゥの。

あのなァ、俺、今日お前と会わなかったら死ぬかもしれなかったらしい」

30 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:41:37.30 ID:7iLxRsAO
上条「はぁ?」

一方「どうも、俺に恨みを抱いてやがる魔術師の奴が俺を死に至らせる方法を思案して思案して、強力だが成功率は100−シックスナイン%ぐれェの魔術をかけたンだと」

上条「えーっと100万分の1の確率?術式の詳細は?」

一方「ゼロ一個足んねェよ、だからいつまでもお前は三下なんだぜェ?

名前…は引き起こされる四面楚歌、トリガーハッピーと読むらしい。…ひたすらダセェ…な。」

上条「トリガーハッピー…、乱射魔だっけ?」

一方「そうやって認知されてンけど実際用法は広域的で…あれだ、戦闘版のランナーズハイみたいに思って良いらしい。つゥか俺は具合悪かったからお前に寄りかかってるんだけどよォ」

上条「あぁ(緊張でテンパってて覚えてねえ)」

一方「それもその呪いらしく、熱はその前触れらしい。…っと幻聴は書いてねェから症状とは違うンだな…?」

上条「(俺が本気で言ったとは思って無かったんだな…、…セーフ)」


31 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:42:37.08 ID:7iLxRsAO
一方「で、熱が出たァ、収まったァを経ていよいよ本格的に呪いスタート、“ヤツ”は宿主を五感で感じた生物に敵意は無かったとしても、強制的に戦闘させて暴走させる。宿主を感じなくなるまでなァ。」

上条「…」

一方「ちなみに脳内で思い出したり録音した声を聴いたり作った料理を食べたり、としてもトリガーに手は掛かってる。積極的に探しには行かないが遭遇次第楽しい虐殺の始まり始まりィ!らしいぜ。」

上条「じゃあ、今お前…」

一方「あァ、絶賛患い中ゥ。でも、助かったぜ三下。おかげでのどかな公園ぶっ潰さずに済ンだしよォ。…今はお前の右手が俺に触れてるから周囲の奴らは抑え込めてるが、そのうち超電磁砲あたりが暴れ出すかもなァ?そこは土御門も想像の範疇越えてるらしいし。」

上条「…それで、俺には壊せないのか?」

上条は一方通行の肩を自分から離し真剣な表情で顔を見て言った。

一方「…ばァか、おせっかいな三下風情がそンな顔しなくても良いンだよ。どっちにしても“ヤツ”が居ンのは表皮下、お前が俺の皮全部剥いで右手で触るしか“壊す”のはできねェ。いくらなンでも勘弁してもらうぜェ?」

上条「じゃあ、俺が依頼通りに一方通行と一緒に居る」

一方「何日続くか分かンねェンだから、1日居たところで、お前が死ぬ思いして終わり。次の日からはまた狙われる。あァ、言い忘れてたけど、俺にが攻撃の主体だがそれでも結局無差別攻撃になるンだと。

…だから、とっとと失せちまいなァ。」

本人は精いっぱい笑ったつもりかもしれないが、どう見ても悲しみや落胆や惜別を無理にしまい込んだ嘆きの表情にしか見えない。
32 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:45:37.36 ID:7iLxRsAO
上条「…お前はそれで良いのかよ…?」

一方「別にマゾヒストじゃねェし望みはしねェけど、運が悪かった事にはどうしても抗えねェのはお前が一番知ってンだろ?

はっ、いくら俺も、学園都市に住む全員+αなンて勝てやしねェ。つゥか下手すりゃ核も撃たれるかもなァ、そうなりゃまた戦争かァ?」

いつにも増して饒舌に。言葉が落ちていく。

一方「…もォ、嫌なんだよ。俺は存在するだけでこの世界を影響しちまう、そォいうのめンどい疲れたし飽きた。それに打ち止めや黄泉川や芳川、あいつらが誰かに殺意を抱く世界なンて阻止する第一の対象。解法は俺が消える。なンだ、演算しなくても分かるじゃねェか。」

一方通行が罹患してから初めて上条の手が彼から離れる。肩に置かれた手を外す。


一方「上条、俺は消えるよ。」

−そして、右手が離れる−










ガシイッ


33 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:46:11.58 ID:7iLxRsAO
一方「…ううう…。はなせ…っ」

上条「嫌だ」

一方「離せっつってンだろォ…三下ァ…!」

上条「嫌だ」

上条は一層回す手に力を込めた。

一方「三下ァ、頼むから…」

上条「一方通行、俺はお前が嫌いか?」

一方「…あァ、そォだよ、お前なンて大っ嫌いだ…」

上条「そうか、それは残念だな」

一方「…行かせろ…」

上条「覚えておくと良いかもな。

どんなに俺が嫌いでも、お前は逆らえないんだよ――。」


34 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:46:57.82 ID:7iLxRsAO
一方「…かみ、じょう」

上条「お前は逆らえないから、俺が四六時中そばに居ることに罪悪感を持っちゃいけない。俺はお前に死んで欲しくないから死んじゃいけない。幸せなお前が見たいから消えちゃいけない。俺のこの言葉は幻想でもないから壊されやしない」

一方「…あ、あ」

上条「俺が絶対にお前を守るから、お前は永遠に不幸序列二位のままで居れば良いんだよ」

上条の右手は一方通行の白髪へと伸びていく。

上条「お前も思うだろ?一位の言うことは絶対だって」

一方「…そ、っか…それは、さから、えねェ、な…。

俺、二位、だし」

一方通行は途切れ途切れの言葉を発し、弱々しくも上条に向かい手を回し必死にしがみついた。
35 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:52:00.81 ID:7iLxRsAO




−そして、舞台は歩く二人へと戻るー

一方「あいつらもよォ…、三人だけで北海道七泊八日の旅に行くんじゃねェよ。三人分しか旅行券無かったなら俺だって買うぐらいはするっつゥの、金はあるンだし」

上条「お前先生達の前だとほんとツンデレだな」

呆れ顔をする上条にじとっとした目で返す一方通行。

一方「残念ながら俺はどっかのフラグに気づかない愚かで鈍感な三下と違って思春期真っ盛りなンですゥ」

上条「あのなあ、それ、土御門とか他の友達にも言われるけど、この上条さんが可愛くてモテる多数の女性から好意を持たれているなんてそんな不思議なことがあると思うか?」

一方「お前それ超電磁砲の前で言ってみ?右手残して炭化すンぜ」

上条「御坂?あいつは俺のことサンドバックぐらいに思ってんじゃねえの?」

一方「…強く生きろ、オリジナル…。流石に俺も同情すンぜ…。じゃァ、大食いシスターはどうなンだよ?」

上条「大食いで物知りで妹みたいな同居人。お前の打ち止めへと同じじようなもん…、そういやあいつ大丈夫かな?」

一方「どうしたンだ?」

上条「なんかイギリス清教のお偉いさんが亡くなったみたいで。昨日から法事に行ってる」

一方「まさかあの変な日本語の女が遂に…」

上条「いや、あの人はバリバリご存命。でも本当に大物らしくて、そのための式典は国を挙げてやるらしいし、跡継ぎ会議とかは1ヶ月かかるらしい」
36 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:52:53.01 ID:7iLxRsAO
一方「お前も置いてかれたンじゃねェか」

上条「ニヤニヤ笑うな、そもそも俺らは不登校な一方さんとは違って普通に学校あるんです!」

一方「俺は受けることが無いだけだし、つゥか変に略すンじゃねェ」チョップ

上条「あいたたた」ベシッ

一方通行の右手は戦いのときの勢いや殺気とは違い上条を優しく襲った。

それは一方通行自身もそうであるようで、彼は普通の十代の少年としての年相応で力の抜けた表情をしていた。


上条「あっ」

上条は左手で一方通行の右手を掴む。

上条「おおっ!一方通行の手って指長いし細いんだな」

一方「ちょっ、傍目から見たら変な図だから離せって」

手を振り解こうとする一方通行に構わず目を輝かせている。

上条「おっ!やっぱ白いし指長いし整ってて綺麗だよなぁ」

一方「離せ馬鹿!!」

上条「つーか顔も良いし、頭も良いし体さえ細くなければ見た目でそこらの女子も放っとかないんだろーな」ジーッ

一方「ううゥ、っ見ンな!!のぞき込むな!!つゥか俺の目つきの悪さは半端無ェし!!」

見つめられる気恥ずかしさを感じ上条と目線をあわせないようにするが、立ち止まり手を繋ぎあいながら向かい合っているこの状況では逃げられない。

一方「俺の目つきの悪さは半端無ェから女どもは寄らねェ!」

上条「んー、俺は一方通行の鋭い目つき、結構好きだけどなあ?」

一方「おい、目線合わせんじゃねェ!」

上条「えー、そんなに嫌か?」

一方「くゥっ!(高校生なのに子供みてェに言うンじゃねェよ!断る俺が非道い奴みてェだろうが)」

一方通行の顔はうっすら赤くなっている。勿論、彼の人生で鼻と鼻が触れそうな範囲にあるのは数多くあるわけではない。

37 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:57:47.38 ID:7iLxRsAO
上条「全く羨ましい限りだ、俺も整った顔で生まれてくれば…」

一方「…別にそんな悪かねェだろ。つーか、その、あの…な、鳩がァ、あンな所にィ(我ながら白々しすぎンだろ…)」

上条「ほんとか?」

一方「あァ、花壇のところに、ほら」

上条「…あれか…、小さいから食べれそうにはないか」ショボン

一方「平和の使者を食そうとすンじゃねェ!」

上条「上条さんはほんとギリギリの生活を送ってるんですよ」

一方「だからってよォ…。

あー、思い出しちまった。」

一方通行は上条を引っ張って出口から東の鳩の元へと向かう。
38 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:58:18.23 ID:7iLxRsAO
上条「どうしたんだ?鳩肉に興味出たか?」

一方「…今日好きなもン好きなだけ食べさせてやるから黙ってろ」

上条「神セラレータっ!」

一方「黙ってろって、こいつが逃げンだろ」

鳩「クルッポー」

程なくして一方通行は鳩から5メートル程の所で立ち止まる。
人なつっこいのか人間の気配を感じても鳩は飛び立たない。そして一方通行は周りを見回す。
一方「ウニ頭、周りに俺ら以外の人間は居るか?」

上条「居ないっぽいな、何するんだ?」

一方「術式の現状確認だァ。とりあえずこの公園出る前に鳩で試す」

状態を把握した上条はやや不安げに鳩を見る。

上条「…分かった。でも、攻撃されそうになったら素早くお前に触れるから。くれぐれも、気を付けろよ。」

一方「ありがとよォ、じゃァ行くぜェ」



パッと一方通行が上条から手を離した

39 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 21:59:09.72 ID:7iLxRsAO
その瞬間、鳩は翼を広げ上空へと飛んで行った。

上条「ん?」

一方「……、もしかして、こいつとの距離は遠かったかァ?」

上条「…そうなのかもな…。


って違う!一方通行!」


一方「え?」

シュイッ!!

一方通行の後方から、鳩が嘴をあてるような姿勢で彼が居た場所を飛んでいった。今まで見たことないほどの速さで。

一方通行はというと直前で上条に手を引かれ間一髪の所で直撃を避けていた。

上条「大丈夫か!?」

勢い変わらず飛んでいった鳩を見る。

大きく目を見開いた一方通行の手は微かに震えていた。この鳩の様子を見て死ぬ気で戦える230万人を敵に回す、という意味を痛感したのだ。
例え彼が、比肩する者も居ない、圧倒的な強さを持つ第一位であったとしても、上条や土御門以外の二位以下全学生が、リミッターの外れた力で攻撃したら。

きっと光の世界の人間を殺してしまう。それが一方通行にとっては何よりも避けたい事項だった。

一方通行は上条の右手首を掴んで下を向いた。それを見て上条は一方通行の頭を左手で軽く撫で右手を“掴まれる”から“繋ぐ”にする。
40 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 22:00:57.64 ID:7iLxRsAO
上条「…とは言っても、俺は絶対手を離さないから大丈夫。一方通行は別に不安がる必要は無いぜ?」

一方「…そォかよ」

上条「だからさ…

早く俺の家行って、そんで数学教えて下さい!あっ、ロシア語ペラペラだったんだし英語もお願いします!もう補習受けても手遅れで!」

一方「…あァ、可哀想で馬鹿な三下の為に急ぐか」

一方通行も手をギュッと握った。

41 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/24(日) 22:08:27.99 ID:7iLxRsAO

再度、私のミスのせいで最初にBL注意を入れ忘れて本当にすみませんでした。このことへのお叱りはいくらでも受けるつもりです。そして指摘して下さって本当にありがとうございました。



一応あっちのスレの分は移し終わりました、しかしたったこれだけの量…、ここに来て良かったです。遅筆なのにクオリティは低い>>1ですが、感想頂けたらとても嬉しいです

次の内容からこちらに投下しますのでよろしくお願いします。

42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:09:37.69 ID:en5LDZgo
引越し乙
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage saga]:2010/10/24(日) 22:14:14.70 ID:uJpnuhU0
引越しお疲れ様なんだぜー!
こっち来てくれて正直助かったよ。
向こうは落ちるのが怖くてそわそわするし。
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:15:52.57 ID:Mx7Fa6.o
おつかれさん
これでマターリ続きを待てる
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:37:38.02 ID:S.iOF.6o
wktk
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:46:03.48 ID:DnEBbjE0
堂々と腐女子が投下できる雰囲気…
さすが製作だな

VIPde叩かれたからこっち来たの?
すげぇな…
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 22:50:17.15 ID:XxdvQN2o
>>46
別に叩かれてはいなかったと思うけどなぁ。

ってか今更だが>>1は女なのか?
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/24(日) 23:17:19.33 ID:7iLxRsAO

>>46
事実過ぎて叩かれたとは思っていなかったです。自分が読み手だとしてもあれは絶対腹立たしく思います
あともうちょっとコソコソやりますね、すみませんでした

ジブンフジョシジャナイデスヨ、ラブセツ・リツユイダイスキ!

>>47
魅惑のふたなりなのさと1は1は誰得だろうし回答を濁してみる。今更でしたが誠意見せなきゃなのに俺は無いかなと思ったのですが、自分で良かった、愚か!
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/24(日) 23:30:31.62 ID:XxdvQN20
>>48
ふたなりとか俺得
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 17:33:16.85 ID:dj1FD2AO
ふたなりふたなり
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/25(月) 21:08:36.64 ID:am6pwHEo
わっふるわっふる
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 21:10:47.38 ID:PYDcIvgo
キモいからあげんなって
こっそりやれよ 空気読め
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 21:25:07.35 ID:b1aX3oDO
これはキメェwwwwwwwwwwww
腐女子の叩き耐性すげえわ
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 22:30:09.97 ID:gvz.12AO
激しくわっふるわっふる
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/25(月) 22:36:55.52 ID:p4T/AkAO
これはダメな方の腐女子
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 00:55:02.51 ID:OUDKwoQo
野郎なのにこのスレに期待してる俺は異端ですか
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 01:03:47.27 ID:6TPNaPgo
じゃあ俺も異端者か
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 07:48:27.11 ID:bpsfKYDO
一方さんは特別だな
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 14:27:30.56 ID:zbx0xUDO
ステイルはどうなったんだ?
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 18:19:57.33 ID:OUDKwoQo
一方通行さんとホモ上さんが居れば俺は問題無いです。
61 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/26(火) 22:20:52.99 ID:n57Q1YAO
昨日はすみませんでした。投下します



上条「ここは、俺の家は第7学区だから隣の隣の学区なんだ。結構距離あるから遠いし歩くのは不安だから、タクシーで良いか?」

一方「それで頼む」

上条「分かった。じゃあ、乗り場まで急ごう」

とりあえず、この状況の一方通行では、遠隔感染した一方通行の家を知っている者が家を襲撃する可能性があり、軽度のセキュリティの家では危なくて住めないだろう。それに俺達は四六時中一緒に居なくてはいけないと上条が言ったので、一方通行は今日のみ上条の家に泊まることにしたのだった。


62 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/26(火) 22:22:41.90 ID:n57Q1YAO


一方「…そう言えば、なンで隣の隣な、こンな学区まで来てンだ」

上条「(ギクッ!)いやぁ、その、あのですね」

一方「結局無線のことも有耶無耶になってたよなァ、話してもらおォか」

上条「いや、そのですね、ちょっとしたスペクタクル」

一方「かァァァァみじょうくゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」

上条「すみませんでした…!」ガクブル

洗いざらい上条は話しまくる。何故土御門と無線で通信していたのか、何故ここに来てたのか、何故アクセラレータに話しかけたのか、全てを。

63 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/26(火) 22:24:31.90 ID:n57Q1YAO
一方「…つまり、お前は土御門ともう一人とテストの点数勝負をしていて負けて、関係はねェが、夢で男の知り合いに惚れた内容を見た事を話した。で、それに影響されたそいつらの「誰でも良いから男とフラグ立てやがれ」っつゥ要求に従って誰でも良いからとりあえずここに知り合いを探しに来た、と。…間違ってンか?お馬鹿なお馬鹿な上条くゥん?」

上条「…一つだけ違って、る、のです…が」

一方「あァ?なンだよ?」

上条「…最初から、そのぅ、一、方さん…狙い、でしたよ?」

一方「」

茫然自失とする一方通行を横目にカミングアウトしてしまった上条は、「あぁ、俺はここまでか」と妙に冷静だった。いや、自暴自棄になった。


64 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/26(火) 22:27:30.34 ID:n57Q1YAO

一方「どォして」

上条「だって、まだ俺よりたくましい奴より外見性別不明の方が良いじゃないですか、それに土御門が『カミやん、一方通行んとこフラグ立てるっつうならハグだけで許してやるんだにゃー』っつったんです、嗚呼お馬鹿な上条さん、残念ながら従うしか無いでしょう!?」

一方「逆ギレすンな!!あと性別不明ってなンだ!!ふざけンなァ!!」

上条「よくよくご自身の真っ白くて細くて中性的な外見をご覧するのはいかがでせうか☆百聞は一見にしかず!」

一方「クソがァ……!」

とはいえ、彼は想像する。あのウルトラマンのような長袖シャツを、旅行前に黄泉川に捨てられてしまって無いため、随分普通の学生らしい服装−少しゆったり気味の紫色のフード付きパーカー、イン英字Tシャツ。下はユニセックスの七分丈カーゴパンツに黒い編み上げブーツ、を纏う現在を。

一方「…これぞ男!っぽい要素がねェ…!」

一方通行は愕然とし「凶暴な目をしていなかったら女寄りかァ…?」と頭を抱える。そして、髪は金輪際伸ばさないと心に決めた。


上条「お前も海原と浜面だったらどっち攻略するか即決だろ?」

一方「あァ?」

一方通行は脳内で海原と浜面を攻略した自分を想像する。


65 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/10/26(火) 22:31:19.25 ID:n57Q1YAO


海原『やぁ、一方通行さん。今夜もあなたは変わらず美しい。あなたに出会えた奇跡グループの成立には何より感謝しなければ』

一方『俺はお前に見つめられると胸が苦しくなるンだ///』

海原『嗚呼、愛くるしい僕の金星…、いつまでも輝き続けていて…』

一方『お前が太陽だから…俺は輝けるンだよ//』



一方「…キメェ」ブンブン



一方『…浜面くゥン?』

浜面『アク、セラレータ…っ』

一方『何逆らおうとしてンの?無能が』

浜面『や、止め』

一方『てめェは俺の出来の悪い玩具なンだよォ…、くかきけきかこけけェ!』


66 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/26(火) 22:35:31.20 ID:n57Q1YAO

一方「…どっちも嫌なのは一緒ォ…。」

再びげんなりする一方通行。

上条「あっ、さいですか。なら上条さんの不幸をお分かり頂けたんじゃ?」

一方(俺とコイツねェ…、一応憧れも感じてンし一番自然かもしれねェが…つゥか生殖的に間違ってる相手にフラグ立てなきゃなンねェのは本能レベルでありえねェ不幸じゃね?別に三下が悪ィのは迂闊なのと馬鹿なだけだしィ?

そもそも俺は、何が腹立たしい?男に狙われてたことかァ?
ハッ、三下のこと鈍感なンて言えねェ)

一方「…まァ、それが無かったら今頃必死に逃げ回ってンだろうから、お咎めナシにしてやンよ」

上条「…助かったぁ」

素直に言えない一方通行と、思惑をミリとも感じない上条当麻。

似ていないようで、似ていて、やはり似ていない二人としか言いようが無かった。

67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 23:41:19.61 ID:OUDKwoQo
キテター!!
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/26(火) 23:47:17.54 ID:CIhDEN6o
乙!続き待ってた!

上条さんの右手がふさがってるから、ごはんは一方さんが作るはめになるんだろうか
69 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/27(水) 00:01:51.86 ID:m8QHmkAO
ちょっと外してました!



運転手「ありがとうございましたぁ」

一方通行は上条に触れられたまま代金を支払い、タクシーを降りた。そのまま上条に手を引かれ、周りに見られないよう素早く動く二人。

上条「タクシー代悪いな」

一方「金だけはあンだから、貧乏な三下からむしったりはしねェよ」ニヤリ

上条「事実なんだけど、何だこのやるせなさ!」

チリンッ

一方「今日は晩飯何頼もォかなっと」

上条「今日中に俺んちの食材片付けなきゃなんだぜ?…まぁ、とは言ってもインデックスのお陰(?)で食材なんて殆ど無いか…」

一方「じゃァ出前は明日からな。
ふン、一位なのは料理の腕もっつうのを胃袋に叩き込みなァ」

上条「ベクトル料理は楽しみだ!けど毎日出前は却下」

一方「俺に作れとォ?」

上条「さよならもやし計画、略してSM」ニヤリ

一方「言うじゃねェか、三下ァ」


70 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/27(水) 00:03:53.69 ID:m8QHmkAO


心なしか楽しげにエレベーターを降りる一方通行。それを見て自然に笑顔がこぼれる上条。幸せな一風景は確かにそこにある。

まだ、この感情の誕生さえ知らない少年たち。しかし、それで良い。幸運なことに彼らには沢山の時間があるのだ。

秋晴れがだんだん見えなくなり反比例するように寒くなっていく、ぼんやり暗い五時頃、後になるとこの日が長い長い最強と最弱の同居の最初の日だった。


上条「我が家へようこそ!」

一方「お邪魔すンぜ」



71 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/27(水) 00:16:57.58 ID:m8QHmkAO

佐天「うーいはるうー、宿題終わった!…ってなにモニター見てニヤニヤしてるんだよっ、うりうり」

初春「…滞空回線ハッキングソフトをアンインストールっと…。
って、わっ佐天さんっ!もう、ほっぺ急に触らないで下さいよぉ〜」

カタカタとアンインストール用のパスワードを打った初春の頬に佐天は自分の頬を寄せた。

佐天「だって…」

初春「どうしました?」

佐天「今日、二人きりじゃなくて寂しかったんだからぁ。初春ってば上条さん達にずっと興奮してるし!このやろーっ」

更に、頬を近づける佐天にどれだけ可愛いんだと苦笑しながら答える初春

初春「ひあっ、もう、大丈夫ですからっ!私が見守ることが無粋って分かったんですよ!」

佐天「ふぅん…、蔦、怖かったなぁ」

初春「うぐっ!あれはホログラムとハッタリの一種なのに自分たちの現実が壊されると幻想を受け入れちゃう御坂さん達が凄いんです!私は怒っただけで!っていうか佐天さんノリノリだったじゃないですかぁ!」

佐天「まぁね、快楽主義の涙子ちゃん?なんかえっちいぞ初春!」

初春「佐天さんが言い出したんですよぉ!

まぁ、御坂さん達にはあとでごめんなさい、行くとして」

初春は椅子をくるっと佐天に向かって自分が正面になるように回した。

初春「今はただの佐天さんの親友の初春なんですよ、えへ」

佐天「言ったなぁ!よし、今日はファミレスでガールズトークとしよっか、しようねするのじゃ!三段活用!」

初春「佐天さんってば〜!」

少女達は手を取り合い笑顔で部屋を出ていく



モニター上、アンインストール用のパスワード欄は×で見えないが、確かに初春は入力した


「good rack!」


72 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/27(水) 00:27:54.27 ID:m8QHmkAO

よく、やりましたのよと上条に白井は叫びたかった。

白井「お姉さま、もう四個目ですわよ…」

御坂「もう直ぐ五個目になんのよ、それ食べないなら貸しなさい」

白井「わたくし、もう口を付けてしまいましたのよ?」

御坂「だから何だって言うの?」

白井「いえ…」

本当は半裸で街中を闊歩したいぐらいですの、このお姉さまを見て欲求を抑えられますか!と詰め寄りたい所だったが白井はそれをしなかった。

やはり、お姉さまは純粋無垢な傷つきやすいお人でわたくしが性的興奮を持つことはロリコンと同じ意味の罪悪感を感じますの、とでも言いたげな顔つき。

勿論超電磁砲が気づかない訳がない。

御坂「どうしたのよ?」

白井「いえ…」

白井の食べかけのビターなクレープに食らいつく御坂。
73 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/27(水) 00:39:05.49 ID:m8QHmkAO

悩ましげな顔をする白井。

御坂「…間接キスね」

白井「ぶふぉっ!!」

御坂「あら、何が不思議?」

いつもだったらーっ、と白井は言いかけ御坂はそんな白井を余裕の表情で見つめていた。

御坂「あら?私は一応年上なんだから余裕で当然じゃない?

どこかのお嬢さまのよーに赤面なんてしないわよ、私と黒子だし?あら、熱でもあるの?」ニヤリ

白井「…いえ、ありませんわ」

御坂「…自意識過剰かもよ、って独り言。

まだ付き合いなさい。もしかしたらぐーぜんうっかりキスしちゃうかもしれないけどね、黒子ちゃん?」

白井「…お、お姉さま…あ、あ」


そう言ってベンチから立ち上がる御坂の横でふにゃーと言って気絶した少女を、おんぶで運んだのが愛しのお姉さまと言うことを彼女はまだ知らない。


74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 00:47:11.70 ID:m8QHmkAO
一応早足だったけど第一部完みたいなそんなノリ。ここから同居する二人はどうなっていくのかは、謎な感じです。まだ終わらないのでお付き合いしていただいたら嬉しい、というかプロローグの終了ですぜ!というね

あの人、あの人出したいけど出せるか…、またまた正念場!


最後は百合書いてやんよ、百合ぃぃ!みたいな若干無理矢理なレールガン組のオチの付け方。このスレでは誰得じゃないことを祈りましたがどうなのか!初春は可愛い腐女子なだけなんですからね!佐天さんも一枚上手だし黒子は実は押しに弱いし美琴は格好いいお姉さまなんだからっ!という自己満!百合楽しい!百合ぃぃ!

それではまた次の投下にでもお会い致しましょう!
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 00:51:31.88 ID:J85AiQAO
何か>>1とは良い友達になれそうず
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 09:18:10.38 ID:sNcfIPko
寒いし文章はあまりうまくないね
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 11:51:18.14 ID:EsoBK/Io
百合も大好物なんだぜ
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 20:34:16.65 ID:xJGeW6DO
たまらんぜたまらんぜ
あの人って誰だろう
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/27(水) 22:18:52.69 ID:QTVoHkDO
C
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/28(木) 10:59:58.93 ID:P9wEo/2o
話としては別に面白くはないな
文章もおかしいし
腐女子の煽りを評価と勘違いせず、いっぱい書いてうまくなってくれ
81 :報告 [sage]:2010/10/29(金) 00:12:04.56 ID:cOQvycAO

実のところVIPの時から体調不良で特に昨日、今日(明日も?)と熱が酷く投下出来ませんでしたし出来なくてすみません…、文もおとといはめちゃめちゃだ…。しかし、住んでる地域寒すぎる…。


>>78
ありがとうございます。そしてインデックスたんではないのは事実ですの

>>80
文才ないしwktk出来ないようなSSで申し訳ないです…、自分なりに指摘して頂いたように沢山頑張りますが、巧くならないのかもなあと思うので、文法や構成や設定で間違ってる箇所がありましたら教えて頂けたら嬉しいです
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 00:36:16.01 ID:pqlpL920
>>1
自分もSS書いてる身だからえらそうなこと言える立場にないんだけどアドバイス。
>>80の言うとおり文章が少し読みにくいと思うんだ。
話のアイディアは面白いし自分も楽しみにしてるから少し勿体無い。
「??」ってなって2〜3回同じ部分読み返すことが多いからさ。

無理に難しい言い回しにしたり、難しい漢字を使うよりもぱっと見て相手が解りやすいセリフにした方がいいと思う。
あと、文法の順番もおかしい部分あるね。こればっかりは日頃の癖だと思うから何度も読み返して違和感ないか、読み難くないか…って修正して行くしかないと思う。
急いで書くよりも一晩寝かせて読み返してみて。テンションだけで書いちゃダメだ。

やっぱり上手なSS書きの人はセリフや文章が簡潔だよ。
そして、場面が想像しやすいと思う。
色んな人のSSをたくさん読んでいいところは真似して自分が読み難いと思った部分は自分も注意すればいいよ!
あとはとにかく楽しくたくさん書いてくれ!
頑張ってくれ〜!
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 01:41:39.27 ID:fAyD5F6o
>>81
お大事に!

文章については、台本形式のSSなんだし、そんなに気にしないでいいと思う。
むしろ勢いがあってキャラらしさを大切にしてる作品の方が自分は好きだ。

直すとしても、地の文はさくっと短文を重ねる方がすっきりするかも?くらいじゃね?


>>64
上条「よくよくご自身の真っ白くて細くて中性的な外見をご覧になったらいかがでせうか☆百聞は一見にしかず!」

一方「クソがァ……!」

とはいえ、彼は現在の姿を改めてチェックし直す。
上は少しゆったり気味の紫色のフード付きパーカーに英字Tシャツ。下は七分丈カーゴパンツに黒い編み上げブーツ。
男物とも女物とも取れるユニセックスなファッションだ。
いつものウルトラマンのような長袖シャツは旅行前に黄泉川が捨ててしまったため、随分普通の学生らしい服装になっていた。


つまりドキドキ同居ライフ楽しみにしてるってことだ言わせんな恥ずかしい///
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/29(金) 09:04:16.87 ID:hGOvI5Uo
>>83
お前優しいなw
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/30(土) 19:09:28.85 ID:t0u42IDO
続きまだ?
86 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:01:26.24 ID:qPtPUEAO


熱が興奮した頭なことに謝意を表します。しかし投下を選択します
87 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:02:33.73 ID:qPtPUEAO






一方通行は夢を見ていた。それは彼にとって、とても不愉快で、不可思議で、そして不条理な夢。



芳川「一方通行!早く逃げなさい!!」

黄泉川「引き金を何で…!!…っ、一方通行!絶対に避けろじゃん!!」

打ち止め「…三kg時…方wahgに、軌k.pf道、修…」


一方「…なンなンだ、よ…」

今、彼の前には芳川、黄泉川、打ち止めの三人が居る。彼女たちは彼にとって掛け替えのない大事な“家族”だ。世界を敵に回しても構わないと思うほどの。しかし、その彼女たちは、ぼろぼろになりながら−。

黄泉川「どうして制御出来ないじゃんっ!」

打ち止め「ミサ、jg.pカは、miさ、みSAカは、mmmみみiすぁ」

芳川「一方通行ぁぁあ!」バァン


−彼を攻撃していた。

88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 22:05:53.62 ID:qPtPUEAO

芳川は自由が利かない体で引き金を引いた。
黒光りするハンドガンから弾丸が撃ち出される。一般人なら重傷を負うが、能力も思考パターンも“一方通行”は幅広い応用が可能だ。それを生かし真横や真上に弾丸を反射した後、大気から酸素を欠乏させて酸欠させるなど、彼女らを傷つけず攻撃を止めさせる方法は山のようにあるはずだった。

しかし、彼は何一つ選択できなかった。

一方「なンで“ここ”なンだ…」



ここは、あの10032回目の実験場。




89 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:07:12.00 ID:qPtPUEAO

一方「…変われると思ったのか」

彼は怒りも嘆きも悲しみも驚愕も全て包含する声で呟いた。

一方「それとも、分かってたフリをしてたのか?」

一方通行の腹部を弾は貫通した。じくじくとした痛みが彼を襲う。大量の血が足を伝い地面に流れ、失血のせいで彼は少しふらついた。

彼女らを見ると、本人達の抵抗空しく、もう既に、黄泉川のマシンガン、打ち止めの高圧電流も照準を彼に合わせ射出されたようだった。

一方「結局俺は」

90 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:09:24.36 ID:qPtPUEAO

電流によって視界は青白い。それが電撃使いを二万回殺害するという、気の触れた実験と重なる。

一方通行は少し悲しかった、それは自分の汚い心根の色を、善行で塗りつぶして、必死に彼女たちの前では繕っていただけだと思ったからだった。
電流や弾丸はゆっくりと彼の命を枯らす為に進んでいく、その速度からこれが夢なんてとっくに理解している。それなのに、ただ瞼を閉じた。

一方「一方通行は、悪党だって言うのに」

その言葉は彼らにとって、どんな意味なのだろうか。

電撃は、彼にまとわりついた。


91 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:11:00.02 ID:qPtPUEAO






一方「…あ…?」

上条「そろそろ起きろって!」

目を覚ました一方通行は、声がした左横に視線を向け、望んでもいない上条のどアップな顔をちらりと見る。

一方「…ふあ」

上条「やっとのお目覚めでございますかご主人様、ってもう一回寝るんじゃねえ」

一方「…ねみィ」

上条「いや、起きませうって。俺は起きあがりたいし、一方さんが起きないと料理出来ないの」

そう言って上条は自分の右腕、それと共に包帯によってぐるぐる縛られている一方通行の左腕とを真上にあげる。

92 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:13:38.58 ID:qPtPUEAO


一方「…どっちにしてもお前は作れねェだろ」

上条「ふぁー、昨日はご馳走さまでした。もう、涙が止まらなかった」

一方「反射使って料理出来ねェのがあンなにめンどいとはな…。あの程度で喜ぶとはな…。」

上条「いつもがチートすぎんだよ、つーか上条さんお腹空いたんでぇ、昨日みたいにプロ顔負けなの早く作って下さい、ご主人様ぁ」

一方「きめェ」

悲劇はその時起きた。



93 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:16:46.20 ID:qPtPUEAO

一方通行は上条に言われた通り素直に上体を起こそうとした。起きあがることに自由な右手を支えで利用するのは不思議ではないだろう。彼は他の筋力と同じく腹筋も同年代男子の平均以下なのだ。


この場合、就寝した場所がいけないのだ。
幻想殺しで魔術を無効しないせいで、無防備な所を襲われてはたまらない。なので、自然と密着して寝なくてはいけない。狭くても柔らかいのだし床よりはいくらかマシだろう。昨晩二人はその結論に至ったので、男子高校生二人にはキツくとも今日だけの辛抱だと、我慢して寝たのだ。羨ましいことに毎晩インデックスが寝ているベットである。

一方通行は右側で寝ていた。

一方「うあ…っ!!」

ドンガラガッシャーン!!



一方通行はものの見事にベットから滑り落ちた。




94 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:18:52.58 ID:qPtPUEAO

一方「…うっ…」

上条「…っ、大丈夫…っか」

上条はこみ上げてくる笑いを隠そうとして、会話の節々が詰まる。

一方「頭が精力的に打たれたので、私はつらいと感じざるを得ないです…!」

上条「……ちょっ!!その再翻訳風な文章!なんか起こしてるだろ!!」

一方「頭に影響するので、正解ですが大きい声を止める、脳の振動です」

上条「笑ってる場合じゃなかった!」

一方「それはこれの中に危険だと思います。私は脳振盪を治したいです。冷たいと感じる何かは探されることが推奨されます!」

上条「よく分かんねえけど冷めたいものだな?」

一方「私は肯定します。」
95 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:23:55.76 ID:qPtPUEAO

待ってろ!と上条。台所へ走り、冷蔵庫からあるものを取り出した。

上条「これは、この日のためにあったとしか思えない!インデックスも食べるのを諦めた、夏から既にあったかちこちの冷凍みかん!!手、冷たっ!」

一方通行は手をブンブンと降った。

一方「私はあれをふさわしい判断と思いませン!他のどんなものが意図することはありますか!?私は感謝するけれども、僕が恥ずかしいので、僕はそれを拒絶する!」

上条「あ、若干治った。つーか冷たい通り越して痛い!」

一方「僕は氷枕を所有する状況を普通だと認識していましたァ、貴方がその状況でないのが疑問に生じるのは当然だ!」

上条「痛い痛いっ!僕は申し訳ない、と思いました!」ピトッ

一方「止めなさい。で、あるからして僕にっ。しかし冷たいと感じますゥゥゥう!」
一方通行は丸い形をした凶器から避けようとしたが、狂気の顔をした上条によってベットに引き上げられ、そして押さえ込められて逃げられなかった。
96 :初見は>>18へ [sage]:2010/10/31(日) 22:29:55.57 ID:qPtPUEAO

ググってみたのですが2LDKと3DKはどちらがどのように優れてるのかいまいち分からない>>1です

与太話で終わってしまってすみません、ただ一方さんの一人称変化させてみたかっただけだった
文体も相変わらず読みにくい…、精進します…

皆さんも、風邪には気を付けて、ゴホゴホ♪
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 22:49:08.92 ID:OsfmEuU0
続き来てたー

2LDKは2つの部屋とリビング・ダイニング・キッチン
3DKは3つの部屋とダイニング・キッチン
だよね?
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 23:00:29.45 ID:qPtPUEAO
>>97
ありがとうございます。ということは3DKにお住まいの方はどこでテレビを見るんだろうか…。一部屋別にリビングがあるんでしょうか?
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/31(日) 23:46:25.98 ID:f3MCgX6o
>>98

3DKなら一部屋をリビングみたいにつかうんじゃないかな
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/01(月) 00:08:13.36 ID:I8/aEgAO
>>99
なんとなく分かりました
本当に些細なことでしたがありがとう!
つーか、2LDKにしろ3DKにしろ萌えるのは変わらないですねっつーことで3LDKに致します!金は惜しまずに!
101 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/01(月) 23:52:22.89 ID:I8/aEgAO


一方「三下押さえすぎ。かなり痛ェ…。俺がドジとかそういったワケじゃねェのに」

上条「悪い。それはよく分かる。
勝手に青ピの野郎に『カミやん、あと5歳若かったら、完全に!萌えれたんやけどな、男の娘もやっぱり良いで』とか言われるのは心外だよな」

一方「…この部屋に、なンか不幸神みたいなの取り付いてるだけだし」

上条「そういや、男子小学生の知り合いは居ないな」

一方通行は上条の私服の中からYシャツとスラックスを適当に選んで、それを着て朝ご飯を作っていた。
メニューは炒飯のようである。
上条は、利き手が一方通行の頭にあるせいでやることもなく、ただ料理が完成していく様を見つめていた。

一方「ちくしょう…、米ども覚悟しやがれ!!とりゃァっ!!」

上条「溶き卵上手そう…あぢっ!おい、米飛んで来たぞ!」

一方「ぎゃは!!そンなもンかよォ!!もっと抵抗しやがれよ!ただ犯されてるだけじゃねェかァ!小町ちゃァァあン!?」

上条「何でそうやって卑猥に言いたがるんだよ」

一方「あーァ、茶色になっちまったァ。錦ちゃんも野菜と程よく交わっちまってよォ…、乱交ですかァ?レイプ目エンドですかァ?」

上条「炒飯完成したか」



102 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/01(月) 23:53:25.62 ID:I8/aEgAO

上条の献身的な看病(流石に果物は忍びなく氷枕にシフトした)のお陰で、なんとか一方通行の言語機能は回復した。

上条(…スフィンクス、大丈夫か?いや、メイドさん見習いに契約までして預かってもらってるんだから、多分大丈夫…。一方通行のこと引っ掻くなりして戦争起きたら嫌だし。きっかけは猫っつーのもなあ…。うん、全て終わったら迎えに行こう、そうしよう。

インデックスは電話通じないんだよなあ…何やってんだろ、あいつ。まぁステイルや神裂居るし、十中八九美味しい料理食ってんのでしょーけど。

…だったら良いけど、やっぱイマイチ腑に落ちねーよ…。あとでもう一回電話するか、一方通行の魔術についても知りたいし。)

一方「三下、それ口に合わねェの?」

上条「え?…あ、違う違う」

机を見ると、上条のおかずが手付かずのまま残っていた

103 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/01(月) 23:55:37.95 ID:I8/aEgAO
上条「えっと、ただ俺が左腕で箸使うの苦手なだけだからさ。すげー上手い、さすが一方通行、俺炒飯見直したし」

一方「それはどォも。つーか、責任こっちにあるンだし、食べにくいなら俺が食べさせてやる。」

上条「え?それって俗に言うあーんじゃ…」

一方「どうしたァ?」


上条「な、なんでもねーですよ?」

上条(我ながら初々しいカップルみたいな対応しやがって。

…と言いますか、一方通行は中性的でも男だって言うのに、なんで俺は緊張する?これから無期限で一緒に住むんだし、一緒に寝るんだし…、ってあれ?昨日は全く気にならなかったけど、これ、言い換えると同棲じゃん。え?そうだよね、そうじゃないか、そうに決まってる三段活用。いや、冷静になれって。何か違うことを)


思い出すのは、昨日の抱きしめた感触、手の冷たさ、意外と脆弱な精神、柔らかな寝顔、痛みに耐える涙目、声、料理、温もり、その他にも沢山。

104 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/01(月) 23:56:25.44 ID:I8/aEgAO


不人気な物を食べさせてやろうと目論む一方通行、それを知らず、朝日が彼の白髪に透過していく様に目を離せない上条。

一方「口開けろ」

上条(いや、一方通行は一位だし。俺はただの村人Aだ。深く気にすんな、その時点で負けだから。)

上条は目を合わせずに口を開け、絶品の料理を受け入れた。

一方「うまい?」

上条はコクコクと頷く。

一方「顔赤いけど、りンご病かァ?」

上条はただ首を横に振る。
一方通行はそれを見て自身が嫌いなカボチャは掴んだ。

105 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/01(月) 23:58:09.75 ID:I8/aEgAO

ここで突然、舞台は昨日に遡る。

「はい、もしもし」

「今日はどこに行けば良いのかしら?」

「…」

彼女の顔が怪訝そうなものに変わる。受話器を耳に当てながら、長さのある髪の毛をいじっていた。

「…、それが本気で指令だって言うの?」

「…、これもプランの枠組みのうちなのかしらね?
いや、即答しないでよ」


106 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/02(火) 00:00:29.13 ID:P2vtXIAO



「…まぁ、人殺しよりかはやる気でるけど、なんかお笑いじゃない?恥ずかしいから笑わないでよね?」

「え?あなた達も一緒に?
…はぁ…、上はコント集団でも設立する気なのかしら?」

「…ツッコミは白いのにでもやらせて」

「あら、サボリは良くないと社長が言ってたって言いなさい」

「えぇそうよ、私がエースで魅惑の女若社長。あなた達は秘書か平社員か」

「…明日の17時から初仕事ね、本当に急じゃない」

「分かったわ、場所は決まり次第メールでもして。」


彼女は携帯を切り、同居している教師が呼んでいるので、今日の夕食は何か期待をして自室から出た。



結標「えっと、運送屋、gRoup…相変わらずセンスの欠片も無いのね」




107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 00:29:31.08 ID:P2vtXIAO
続きはまた明日に
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 00:34:35.54 ID:0I7xbHgo
おつ
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/02(火) 01:43:20.41 ID:5Ec3paco
一方通行さんかわいいよ
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 18:15:55.56 ID:4VGThsAO
昨日は来れずにすみません…1です…。病弱っていうのはお金が逃げてく最の原因だと思いましたね、点滴怖い、高校生にもなって若干泣くとは思いませんでした。考査も怖い。文系の方には頭が下がる思いです、世界史と生物はレベル0どころか−レベル5ぐらいです。ああ、空しい…。
自分語りですみません、投下始めたいと思います
111 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 18:24:40.57 ID:4VGThsAO


某高層マンション最上階にて

上条「お、お邪魔します」

一方「お前の家だろ」

若干緊張しているように見える上条は、恐る恐る彼らの新居に足を踏み入れた。

一方「キッチン広いな」

上条「窓が広い…!!」

たたた、とリビングにある窓へ寄っていく上条

上条「え、ちょ、地面から遠いって!それに広いし綺麗すぎる!!何コレ!こんなとこ上条さん住んで良いの!?」

一方「お前が買ったんだぜェ?ありがとよ、上条くン」ニヤニヤ

上条「書類上はね!!うわ三つも部屋ある!どうすれば良いんだ!リビングと勉強する部屋と寝る部屋違うんだぜ!?」

一方「まァ落ち着け」

上条「いやあ!この冷蔵庫の容量!!インデックスにも見せてやりたいぜ!!!」

一方「……良かったなァ」

上条「ああ!!ありがとう一方通行!!俺、今ならレベル5になれる気がする!」キラキラ

一方「意味分かンねェし絶対に無理な比喩をありがとうございますゥ」

一方(こンなに喜ばれるとはなァ…。三下の野郎半端無い笑顔だしよォ。とりあえず、あの店員の女には感謝しねェとなァ、チッ)

112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 18:39:58.09 ID:4VGThsAO

上条「来いよ!一方通行!」

一方「オイ!急に手をひくンじゃねェ!!」

上条「あれが学生寮で、あれが高校だな!改めて見ると学舎の園の大きさ半端無いっつーかうちの高校が狭いっつーか!」

一方「お前嬉々として自虐すンじゃねェよ」

上条「あれ御坂か?あそこ一帯光ってるし。誰か追っかけ回されてる奴居るのか?俺以外にも不幸な奴って居たんだな!」

一方「ただのイルミネーションだろ」

上条「航空写真みたいだ…本当に信じらんねえよ。すげえ…!」


こんなに上条が喜ぶとは買ってやって良かったかなと柄にも無く一方通行は苦笑し、ここに至るまでの経緯を回想する

113 :初見は>>18へ、あと分譲マンションの買い方よく分からないので学園都市ならではと思って下さい [sage]:2010/11/03(水) 18:57:12.65 ID:4VGThsAO

昼下がり、上条と一方通行は全国展開している不動産屋に居た。良い物件を探すためである。

一介の脆弱なセキュリティーの学生寮では、平日に一人残される一方通行を狙いに来た者に一方通行が応戦しなくてはいけない。一方通行の身の安全を心配する上条と上条の部屋を心配する一方通行がはじき出した答えと言うのが引っ越しだったのである。


一方「金に糸目はつけねェ。
なるべく高所で、二人で住めて、(地図差しながら)この学校の近くで、万全なセキュリティーがあって、インターネット環境があって、何より誰にもバレねェように生きていけたら、それで良い」キリッ

店員「了解いたしました
(ヤバい、このお客様イケメンだ!ってゆーか隣は男子高校生…?ヤバい何それ超萌ゆる…っ!愛の逃避行?二人だけの楽園で御座いますか)」

上条「なぁ、良いのかよ?そんなに金出して?借金は?」

一方「俺を誰だと思ってやがンですかァ?お前はただの貧乏学生、俺はこの学園都市をパトロンに持つンだよ。ああ、借金は賠償金から一割貰って、適当に資産運用して、アレイスターぶん殴ってハイ元通りィ」

上条「…八兆も返済終わったのかよ…」

一方「まぁ、実質は兆あったかどうかだけどなァ。で、どうせお前が高校行ってるときは引きこもりカクテイだから、何かしろ娯楽あった方が良いンじゃねェの?」

上条「まぁ、家主は一方通行だし、お金有るなら何も文句も無いけど」

一方「いや?買うのはお前名義だけど?」

上条「えぇぇえ!!何で!」

一方「俺だと戸籍から住所バレる可能性あるらしいンだわ、土御門曰わく」


114 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 19:30:33.09 ID:4VGThsAO

上条「…それなら仕方ないか」

一方「分譲だし、全て終わったらお前のもンで良いぜ」

上条「流石にそれは上条さんには幸福すぎます!住むだけで結構!」

一方「そォですかァ」

上条「そういや、一方通行も本名で戸籍原本に載ってんだよな?」

一方「あァ。粒子加速器、なンていくらDQNでも名付けねェだろうし。とはいえアクセラレータが知られすぎてて俺も忘れるぐらいの名前だがなァ」

上条「つーか、本名なんなんだよ?」

一方「…名字二文字で名前三文字の、日本人らしい、ありふれた名前だぜェ?」

上条「教えてくれよ、同居のよしみだし」

一方「最重要機密だし、誰にも言うんじゃねェぞ?…とりあえず耳貸せェ」

上条「ん」

店員(コソコソ話とか可愛すぎますにぇー、てゆーか検索もとっくに終わってるけど水を差しちゃいけないしっと)カチカチ

上条「…へぇえ!でもさ、名字も名前もありふれてる…かぁ?」

一方「与太話だが、名前の響きは外国ではメジャーらしい」

上条「さっきの発言はグローバル視点なんですねっと。でも字面的には一方通行まんまって感じだな、名は体を表すっつーの?」

一方「誉めてンのか?」

上条「貶すつもりは無いな」


115 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 19:39:47.23 ID:4VGThsAO


店員「(名残惜しいけど、そろそろお話して良いよね?しかし、これ全部億ションなのよね…)
お客様のオーダーのお部屋となりますと、こちらにあるこれらがよろしいのではないかと」

上条「うわ、すげー。家具付きじゃん…。つーか、これってあのビルの最上階じゃねーか…!マンションだったのか…!」

店員「こちらは仰られた通り、学園都市外で活躍する芸術家によるデザイナーズマンションとなっております。そして、記載されている通りに、エントランスからは学園都市製のAIを有したロボットが、昼夜問わずに警備ですので比較的安全かと。あと、お部屋以外はAIMジャマーが設置されていまして、例え超電磁砲であっても無理やり侵入することは出来ません。AIは遠隔操作らしいのでそこを叩かれない限りは。」

一方「…このセキュリティーレベルなら、まァ大丈夫か?」

上条「今までとは天と地ほどの違い…」

一方「じゃァ、このシリーズだな」

上条「了解しましたっと…。…なあ値段は?」

店員「こちらでございます」

上条「…嘘だろ、いったい…もやしが何束買えることやら…。」

上条の脳内に、もやしでいっぱいの25メートルプールが出来上がる。あまりのシュールな光景に、胃からせり上がって来る物を感じたが、それでも全部食べきりそうなインデックスは彼にとって想像に固くなく、ブルブル震えるしか無かった。
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 19:42:52.65 ID:4VGThsAO


一方「そォ?結構良心的じゃね?」

上条「金銭感覚頑張って身につけような。ていうかこれはどの層に需要があるのですか。そんなに学園都市に富裕な学生が居るのか?上条さんなんか一生かかっても稼げないぞ」


一方「あー、学園都市に住まないといけない要人共は、どいつもこいつも金は腐るほど持ってやがるから、そいつら用ならかなり高く設定しても大丈夫なンじゃねェの?」

上条「はあ、きっと一生縁無いな…」

一方「これから住むンだよ」

店員(と言うことは、この人たちも要人なの?アルビノのお客様は理事のご子息とかかもね…。と、いけないいけない)


117 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 19:47:30.28 ID:4VGThsAO

一方「つーか、シリーズ内だとどれも似たり寄ったりってトコかァ?めンどいから、三下が選べ」

上条「マジですか」

一方「マジだ」

上条「えーっと、じゃあこのOSIHビルの最後の部屋?高校から近いし、スーパーも近いし、駅も近いし。それに多分だけど俺、広すぎる部屋は落ち着かないと思う。とは言え3LDKなんですけどねー」

一方「貧乏性っつーのは哀れだって言うのがひしひしと分かるな。まァこれで頼むわ」

店員「ですが、このお部屋は手続き上、一週間ほどお待ち頂かないと入居頂けないのですが」

上条「うー、どうしようか」

一方「変えるしかねェだろ」

上条 「いや、でもあとはどれも高校から遠くて、一方通行危険だろ?」

一方「一週間も待てるか」



118 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 19:59:58.21 ID:4VGThsAO


あーでもない、こーでもないと議論する二人を後目に店員は一人キーボードに指を滑らせていた、あー、これは出世出来ないなあと心で呟きつつ。


一方「だァかァらァ!この7DKにすれば良いだろ!?」

上条「二人が住むには広すぎんだよ!」

一方「金は俺持ちだぜェ!?」

上条「家主は俺!」


カタカタカタカタ、カチン!


店員「…と、記載されてはいたのですが」

一方「あァン?」

怪訝そうな顔をする一方通行に怯むことなく店員は続ける。

店員「…何故か、修正されたようでして本日から入居して頂けます」ニコリ

ゴソゴソ、と店員は書類を机の下から取りだす。

上条「本当ですか!!ありがとうございます!」

一方「…恩に着る」


店員「いえ、是正されただけですので(まぁ、人助け出来たし良かったことにするか)」





119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 20:14:00.40 ID:XGZAgDso
なんだか流れにバラつきがあるような…
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 20:26:46.81 ID:s/j2ZQAO
>>1

店員さんも乙
121 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 20:35:03.82 ID:4VGThsAO

その後、「分割ってめンどくね」という一方通行の態度により、若干高級な不動産屋に億を超える現金が運び込まれることになるが、特筆すべき事では無いだろう。

そして、初仕事の某運送屋にそっくりそのまま荷物を運んでもらい、彼らはここに住むことになった。時間にして6時間、ここまでスムーズな引っ越しならヤドカリにも負けねーなと窓の外をぼんやり見つめながら上条は考えていた。

一方通行は備え付けのソファーに横になりながら、土御門と通話中である

一方「で、これは結標がやったンだよなァ?引っ越し屋さンよォ?」

土御門「そうですたい。本人は上からの指令だと思ってるらしいから、黙っててくれよ?」

一方「俺こそ平穏に引きこもってたいンだから、絶対に言うんじゃねェぞ」

土御門「りょーかいぜよ。」

一方「つーか、お前は何で俺ンとこ襲ってこねェの?」

土御門「スパイだからか、精神攻撃には耐性があるんじゃないかにゃー?」

一方「お前、仕事じゃねェからってキモい喋りすンな。気色悪ィ」

土御門「あっくんたらひっどいにゃー。」

一方「…さよなら」

土御門「待て待て待て!俺が悪かった」

一方「次やったらお前血液逆流だからな」

122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 20:36:52.16 ID:4VGThsAO
スピードバラバラですいません、ちょっとぬけます
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 21:06:10.87 ID:Vv1/2zoo
わっふるわっふる
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/03(水) 21:24:02.68 ID:JAKiZHoo
土御門△
125 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 23:28:23.64 ID:4VGThsAO



一方「で?俺はこれからどうなンだよ?」

土御門「結標と海原には自分探しの旅(笑)に出かけたとは言っといた」

一方「…」ピキッ

土御門「『成長したあなたと再開するのを待ってるわ(笑)』『良い旅になることを祈ってます(笑)』ってお前のこと応援してたぞ」

一方「よォし、グループのみンなの自殺願望聞き入れたぜェ。これからは楽しい愉しい殺戮の時間だァ!」

土御門「うーん、土御門さん『 第 一 位 の 住 所 が 分 か っ た 件 』なんてスレ立ちそうな予感がするにゃー、なんでだろー?」

一方「うぐ……クソがァ…。……つーか上はなンて言ってンだ?」


126 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 23:29:44.79 ID:4VGThsAO



土御門「(単純だにゃー)アレイスターは静観するようぜよ。個人的には、プラン外の行動で動けないってのが本命で、大穴でまだ動き出して無いだけかね」

一方「ダークホースは?」

土御門「…実は、もう動いててそれすら認識出来ない…なんてどうかにゃー?」

一方「はン、勝手にしろ。術者ミンチにしてすぐにでも戻ってやらァ」

土御門「それは健闘を祈るぜよ。

で、例えば『俺の白髪はピアノの白鍵、腹黒さは黒鍵をリスペクトした』とか言い出しちゃうよーならうちらをご贔屓にぜよ。あわきんさんが飛ばしてくれるだろーから」

127 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 23:34:31.65 ID:4VGThsAO


一方「お前の言動は、ほンっとムカつくな」

土御門「一方通行だけだにゃー☆きゃっ、土御門さんたらダイタン!」

一方「三下ァ、耳塞いでろ」

上条「分かった」

一方「…スウッ…あー♪あー♪」

土御門「不協和音っっ、すごい脳に来る、止めろ、止めて、俺が悪かったから、何神経不安定になるるる。」

一方「音声のベクトル操作でしたァ。周波数の違う長二度は破壊能力あンだよ。覚えとけ」

土御門「げほっ…無駄にイケメン声出すんじゃないぜよ」

土御門は咳き込んでいたが、急に仕事モードの口調で話し出した。

土御門「周囲に対するカミやんの情報統制、そこは任せろ」

一方「あァ、お前にしか頼めねェからな。しっかり頼むわ、ハンバーグにされたく無かったらなァ」

土御門「まだ生きてたいから本気出すぜよ。それじゃあ、俺は舞夏とイチャイチャしてくるにゃー」

一方「じゃあな、シスコン」

土御門「お休み、ロリコン」

一方「俺はロリコンじゃねェ」

時、既に遅し。

128 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 23:35:58.63 ID:4VGThsAO

ツーツー。一方通行は携帯電話を切られているのを確認し、仕舞おうとしたが


マ・マ・マジカル カッナミンミン♪
マ・マ・マジカル カッナミンミン♪


何とも可愛らしい音声が聞こえてくるではないか。

上条「へー、お前もあのアニメ好きなんだ、ちょっと意外」

一方「ちげェよ!つーかクソガキィィイ!!!!!」

129 :初見は>>18へ、あと画面崩れてたらごめんなさい [sage]:2010/11/03(水) 23:40:14.25 ID:4VGThsAO

どうやら打ち止めからメールが届いたらしい。腸は煮える寸前である、彼は携帯を操作し受信画面を開く。

 −−−−−−−−−−−−
  from クソガキ
  sub 妖怪カニ星人!
 −−−−−−−−−−−−

  函館なうってミサカは
  ミサカはあなたに自慢
    してみたり☆!

 −−−−−−−−−−−−


添付ファイルで自分の頭より大きい蟹を掴んでいる打ち止めの姿があった。アホ毛はピンと立っており、その楽しそうな様子は学園都市に居る一方通行にもよく伝わった。彼はちょっとだけ和んだとは認めないだろうが。


 −−−−−−−−−−−−―
  to クソガキ
  sub 土産は白い変人な
 −−−−−−−−−−−−―

  俺も北海道行きたかった
  勝手に置いてきやがって
     っつーことで
   三下と旅に出てるから
    探すんじゃねえぞ

 −−−−−−−−−−−−―


130 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 23:44:13.36 ID:4VGThsAO



『まあ、こンなンじゃ不在は誤魔化せねェとは思うけど』
と思い送信したのに打ち止めからのメールは予想を裏切った。

『どこに行ってるのってミサカはミサカは興味津々!』
何故か微塵も疑っていないようで、一方通行は若干拍子抜けした。


一方「三下、今、地球上で一番行きたいとこだ?」

上条「なんでまた…。えー…温泉行きたいから静岡?」

一方「えらく近場じゃねェか、まァ送信っと」

上条「連れてってくれるのか?」

一方「勝手に行ってろ」

131 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/03(水) 23:48:25.24 ID:4VGThsAO


上条「打ち止めからメール?」

一方「あァ。因みにお前と静岡に行ってる設定だから。
『…お茶っ葉買ってきてってミサカはミサカはヨミカワが言ってたじゃん!』
…北海道行ってンだから満足しろよっつーの」

上条「あ、インデックスに電話忘れてた!」

バタバタ慌てる上条を後目に、一方通行は相変わらずソファーで寝転びながらメールを打っている。

一方『精々楽しめ、知床と富良野と小樽と札幌はちゃんと写真とってこいよ』

打ち止め『ほとんど全部だけどいえっさー!ってミサカはミサカは了解してみたり!』

一方『じゃあな、風邪ひくなよ。おやすみ』

打ち止め『明日は小樽なんだって!おやすみなさい!』


一方「小樽かよ…。ずりィ…あー、寿司食べてェ」

上条「インデックスが出てくれない…!」

時刻はそろそろ19時、夕飯の時間である。


132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 00:00:41.36 ID:4z018AAO

今日は多分ここまで…。

なんてことはねえ補足


マンションは大食いシスターインデックスハアハアの頭文字、頭沸いてるかもしれんね、インデックスさん可愛いよぉぉお、養わせて下さいぃぃい

一方さんの名前は完全にオリジナルだからよろしくです。鈴科百合人で良いじゃんって思ったら字面の悪さが…!ぱっと見自由人みたいなノリ

二度の長和音が周波数違うとほんとに気持ち悪いけど1だけかもだから、あまりつっこまないでよねっ///

1はご察しの通り北海道大好きですがロリ時代に一回行っただけなんで気にしないで下さい、静岡のひとでもないです


他に、突っ込みどころあったら遠慮なくどうぞ

133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 00:34:15.17 ID:UGtFVwAO
乙!
素直に「北海道俺も行きたかった」って言う一方さんかわいいよ
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 19:00:48.13 ID:yie7gwQo
おつー

風邪ひいた時は無理しないでゆっくり休んでくれい。
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/04(木) 21:24:44.98 ID:U8kTOQAO

お土産の白い変人って一方さnうわなにやめあbbbbbbbbbbbb
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/11/06(土) 16:34:09.71 ID:o4cGBuQ0
ロリ時代……やっぱ腐女子か
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 22:12:35.81 ID:6wHjKAAO
1でございます。鼻血止まったら投下致したいなと思います
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 22:33:12.16 ID:pYw8ok.o
上条×一方
俺男だけどこういうスレもたまには良いと思います
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 23:19:52.79 ID:6wHjKAAO
あれ、止まんないぞ

>>133
ありがとう!体弱いことに定評ありすぎるね!多分これはテスト勉強頑張っちゃったからのよーな

>>134
なんとなく血気盛んなよりもだうなー系・くーでれな人が好きなのかも。長門と蒼たんとガハラさんは嫁。だけど隊員なんだよなあ。
一方さんのあはぎゃは・カ行変格活用した笑い声は、ぷっちんしちゃった時だけだと自分は萌えたり

>>135
今月これ以上笑うことはないと思う
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/06(土) 23:22:01.94 ID:6wHjKAAO
>>136
だから魔性のふたなりだってば。あげちゃう子は食べちゃうぜ?
っていうか、もとはロリータって小説のタイトルだったのね、しかも少女が男性を好きになる話っぽいのかね、Wikiさん言うには。

>>138
ありがとう!こっちもBLは新境地だけどあたふたしながら頑張るわ。自分、高一だけど感想くれて嬉しい


そんで、今日は1の腐女子疑惑がちょい高まりそうな内容だから、男性諸君も可愛らしい女性もヤバかったら逃げて!お願いだよ!自分言ったからね!あげないでね!血ぃ出ちゃうぅぅぅ!
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 00:33:53.01 ID:YW39sMAO

「最初の日ぐらい適当で良いだろォ?なァ良いよなァ」と一方通行は上条を半ば脅し、いや嘆願をして、適当にコンビニで買ったもので夕食を済ませさせた。

元々このマンションが、教師の一家や研究者の一家からの需要を期待して作ったのかは、彼らの知るところではない。しかし、テーブルに附属されている椅子は五個、そう、大勢で食卓を囲める仕様になっていた。

上条「椅子多っ」

一方「…こンなに使わねェンだし、捨てるかァ」

上条「勿体無いだろ、それにこれから使うかもしれねえだろ?」

一方「そォかよ」

三つもの空席に、一抹の物悲しさを上条は感じ、一方通行の今のこの状況を打破することをコンビニで買ったカップヌードルに誓った。自分が手を繋がなくても、一方通行が居て自分が居て、大勢で食卓を囲ってみせると。





142 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 00:41:04.25 ID:YW39sMAO

そして、広く綺麗な(ユニットバスではない)風呂に入り終わり、いざ就寝の時間。部屋の電気は節電のために消してある。ベッド横のスタンドライトだけが、この部屋の唯一の明かりだった。因みに10時代であるが、本当の意味でのキャパシティダウンを上条は迎えてしまったので普段より早いのである。

毛布も用意してある、あとは寝るだけだが、何やら議論しているらしい。


一方「俺、Lかよォ…」

結標が新しく送ってきたパジャマはL、上条の分は元々一個しか無かったので一方通行はダボダボなそれを着るしかなかった。

一方「…なァ丈余りすぎじゃねェ…?」

上条「ぶっちゃけ俺が着てもそうなるような…。高校のジャージでも着るか?」

一方「…やっぱ脱ぐのめンどい」

上条「さいですか、じゃあ寝よう…っ!!?」

上条はベッドに身を投げる。

その時、信じられないことに気付き、眠たい筈なのに大きく目を見開いた。

一方「手引っ張ったまま寝転ぶンじゃねェ」

上条「…おかしい」

異変に気づいていない一方通行に、上条は緊迫した声で答えた。

一方「どォしたンだ」

上条「何だよ…、何なんだよ…!こんなの、って…許されるの、かよ…ぉ」

一方「三下…?」

一方通行の声にも焦りが混じり、比例して上条の左手はやり場のない感情のはけ口に、ベッドを叩くことを選択したようだった。


143 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 00:42:44.45 ID:YW39sMAO

上条「ちくしょう!ちくしょう…!今まで俺はなんで知らなかった…!!














このベッドふっかふっかじゃないですか!!!!」

一方「…」

無駄にシリアスぶりやがって、結局は小学生でも言えそうな感想じゃないか、と正直一方通行は思う。しかし、貧乏学生の心からの笑みを見ると「それは良かったな」としか言えなかった。彼も悪党であれど外道にはなりたくないと思ったのだろうか。空気を読めるようになったのだろうか。単に後者な気がする。














−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「…チープすぎんだろ、またこの系統かよ…」

144 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 00:44:23.15 ID:YW39sMAO

暗闇とは無縁の光溢れる廊下を、イヤホンをした男は通っていく。

「つーか、いつまでこんな戯れ言をやってれば良いのかよっと。あぁ、カギはどこに入れたんだ?」

彼はバックやポケットの中を弄って、スペアキーを発見した。所詮鍵など、生体認証があるこのマンションでは、ただの飾りにしかすぎない、ただの慣習なのだ。面倒だから行為を止めようかと思案しながら歩いていると、いつの間にか部屋を通り過ぎていた。

「いっけね…、ぼーっとし過ぎだな、こりゃあ…。」

来た道を引き返す。すると彼は昨日までと今日の違いに気づくのだ。




145 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 00:47:58.98 ID:YW39sMAO


「…入居者か…。あー、引っ越し蕎麦くれねぇかな…、佐藤さんが越してきたときのはガチで美味かった。小林さんはうどんだっけ。まぁ、いっか。ぶっちゃけタオルは使わ…。っつーかここは一家?可愛い娘とか居ちゃうんかな?やべえ、それは楽しみすぎる」

彼は、段々大きくなる独り言を気にも留めず、彼の隣の部屋、そのプレートをまじまじと見た。細く丁寧な字だった。

「へぇ、上条さん、ねぇ…。粗品と家族構成的に色々と期待してるぜ」

慣れている動作で鍵を回し、彼は自分の部屋へと戻っていく。


生体が居ないため廊下の電気は一斉に消え、暗闇に飲み込まれた。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



146 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 00:49:23.63 ID:YW39sMAO





今のところ、粗品は海苔のセットにする予定の上条家では、ふかふかのベッドの上で二人の男による醜いバトルが繰り広げられていた。

きっかけは、一方通行の「お前、髪が張り付いてると、ほンと別人だよなァ」という言葉だ。
風呂上がりでワックスが落ちた上条の髪は重力に従って、ペタンと下がっている。

上条「うっさいうっさい!恥ずかしいんで見るな!ていうかな、ツンツンは心が清くないと見えないんだよ!」

一方「いやァ、やっぱり俺は汚い心の持ち主なンでねェ?ストレートな三下しか見えねェなァ。あー残念」ニヤニヤ




147 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 00:50:12.77 ID:YW39sMAO

上条「くそ…ならこっちも反撃してやる!うーん、パジャマだと余計にそう見えるっつーか、一方通行の細さも大概じゃね?さっきはフォローしたけどぶっちゃけMでもその余り方はなさすぎる…あっ、ごめん公式で性別不明だもんな?」ニコリ

一方「うぐっ…、ならてめェも段々ショタ化してるじゃねェか!!どの層狙ってるンだよォ!ちょっと良いンじゃねとか目覚めた奴が居ると思ってンのか!!」

上条「最初に打ち止めを10/9裸ぐらいにしたのは誰なんだよ!興奮したロリコンがどんだけ居ると!!アクセロリータ!?」

一方「俺はacceleratorだァ!!

つーか、三下ァ…、ハァ…それ1超えてンじゃン」

上条「…うっ、その、精神的にも、羞恥プレイな意味で?」

一方「取り繕うなよ」

上条「違いますしー……」

そこで上条が動く。彼は何を思ったのか、一方通行の左手と繋いでいる自身の右手とをベッド側に引っ張る。今までの状況をさらうと、上条は感触を楽しむためベッドに座っていて、一方通行は縁の近くで立っていた。
一方通行は、後ろへ引かれる衝撃に特に逆らわず、上条の横へ仰向けで横になる。

一方「何すンだよォ」

上条「いやあ、上手くいくとはなぁ…」



148 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 00:55:18.17 ID:YW39sMAO
ちょい抜ける、多分次レスからBLっぽい
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 01:07:38.88 ID:6jEuvMAO
全力で待機するのである
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 01:33:24.90 ID:YW39sMAO
今、戻った。本当、夜だから注意ね。逃げたい人は逃げてね
151 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 01:35:12.54 ID:YW39sMAO

繋いだままの右手は一方通行の頭上へ。空いている左手は、彼の右手首を布へとつなぎ止める。

一方「社交ダンスでも踊る気かァ?」

上条「生憎、俺はマイムマイムぐらいしか無理かな」

一方「そうかい。じゃァどうしたンですかァ?柔道の練習ゥ?AEDの講習ゥ?」

上条「特に理由は無いのです」

一方「じゃァ、とっとと解け」

一方通行はほんの少しだけ緊張したことに気づき舌打ちをした。




上条「のーせんきぅ」


意味を理解し、すぐ意識の対象を上条に戻したのだが、鼻が触れ合いそうな位置にまで彼は顔を近づけていた。


152 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 01:38:43.12 ID:YW39sMAO






一方「……」

慌てて目線をそらす。だが、上条は一方通行の右腕を同じように頭上へ持って行き、ベッドへ繋ぎ、胴体を跨いで膝立ちになった。余った左手は一方通行の髪の毛をかき回す。

一方通行が例え抵抗したとしても、抵抗不可能な姿勢をとられてしまった。



上条「スタンドライトだけだと暗いけど、まぁいっか」

一方「おまえ、何して」

上条「ずっと至近距離に居ると気になることが多くてさ。髪の毛が光を反射する具合、皮膚の薄さとか」

言葉と連動した部位を、薄く、触れるだけだと触っていく。

一方「…は…」

離せ、と彼は言いたかった。だが喉を震わすための息は、耳からの刺激に耐えられず、ひゅっとした音を出し、抜けるしかない。

153 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 01:42:03.43 ID:YW39sMAO




上条「耳の皮膚も白いのか」

一方通行にはその声がやけに熱を持って発せられているように感じられる。

自分もその熱に蹂躙されていく気がして、理由もなく一方通行は足を閉じた。

落ち着け、昨日なんて抱き合ったんだ。至近距離、彼の熱に浮かされたような目。

スパコン並みの脳から、命令はおくられる。しかし、先ほどのような昨日の情景を思い出すだけで逆効果にしかすぎない。奇しくも、今朝に上条も全く同じ事を思っていたのだが、そんな事はほんの少したりとも知らない。

上条「一方通行」

一方「…なン、だ」

上条「こっち見ない?目が見たいんだ」

抵抗する事を忘れているのか、出来ないのか、しないのか、したくないのか。一方通行が正面に顔の角度を戻したことで、彼らの視線は、かち合う。



154 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 01:43:54.07 ID:YW39sMAO









上条「ありがとう」

上条の声は、少しずつ少しずつ一方通行を鈍くさせ、痺れさせる。

上条「お前の赤い目は周りが白いからか、綺麗で透明で、人工みたいだな、って俺は思ってたんだ」

一方「…口説き文句なら、宝石みたいだ、が常套句じゃねェの…?今度女に言うなら、改善求む、だな…ァ」

上条「気を付けるよ。


だけど俺は、学園都市製の人工が天然に劣るとは思わなくて。」








155 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 01:48:03.22 ID:YW39sMAO






それは、そう付け加えてしまったら自分の目を讃辞することになるじゃないか。


そこで、指先に軽い痛みが走る。


一方「…」

彼にとって、指先などの体の末端が痺れのような痛みを訴えることとは

−−していることの分かりやすいサインで。

その感情の為に、涙が少し出てくるのを感じた。悲しいわけでは無い筈だと一方通行は思う。



156 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 01:57:21.98 ID:YW39sMAO






目の前の、自分を救おうとする男。

彼とは、色々あった。数多くのことがあった。でもそれは、一つ残さず、自分に影響した。

一方通行は常日頃、彼に対して自分の感情はどう向けているのか思案することがある。

「自分は尊敬し、情景の念を抱いているのか。妬み、ああはなれないと僻んでいるのか。崇拝し、盲目的に慕っているのか。友愛し、今以上に近づきたいのか。愛し、自分だけを好いてもらいたいのか。」


何となく、分かってしまった。この、自分の頬に寄せられた手に、何を望むか。


157 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 02:01:09.96 ID:YW39sMAO






彼は今、自分を視線でなぶり、触ったり、誉めたり。まるで愛玩人形にするような態度をとる。それに、一方通行の肉体は彼のとある感情を、痛みを通して教えている。
一方(分かった…。それにしても、相変わらず、俺は気持ち悪ィ…)

上条「照れなくても。当然だ、で良いんじゃねえの?」

と彼らしくない含んだ笑みを浮かべ、上条当麻は笑う。

一方通行のものではない黒い髪の毛が視界に広がる。これ以上近づけば唇が触れ合うギリギリのライン。痛みは一層強くなり心臓にまで飛来したようだ。


手は、首元へ。親指は、唇の端に。





158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 02:03:21.39 ID:YW39sMAO





(…認めちまおォか…)

「認めて良いのに」

偶然の合致なだけであって、二人の言葉の対象は、全く違う。

(そォか…、あァ、そォなンだよ)

「かみ、じょう…」

「…案外、謙虚なんだな、じゃあ俺が言おうか。柄じゃないけどな。」

(俺は、上条に…縦覧されて

興奮してンだ)

「お前は綺麗だ」





「…、嬉しい」



159 :初見は特に>>18へ [sage]:2010/11/07(日) 02:27:02.50 ID:YW39sMAO




上条「……あ」

上条は、一方通行の顔から手を離す。

上条「ごめん。血、止まってるな。」

一方「…」

張り詰めた背徳感が、ふと弱まるのを一方通行は感じた。彼の手首は、じんじんと痛みを増していく。

一方(マゾ、かよ)

痛みが、気持ちいい。この、男にされた痛みだからだろうか。

一方(結論なンて、無視)

パッと電気が消える。上条が彼の側にあるスタンドを操作したのだ。


上条「毛布、かかってるか?」

返答の変わりに、一方通行は身を寄せる。

一方「今日は、手痛ェし、ぐるぐるは禁止」

上条「抱きついて良いと」

一方「…勝手にしろ」


すぐさま、暗闇の中で、抱きしめられる。彼が自分をこうするのは、別に一方通行が上条に抱く感情を同じように上条が所有しているわけではなく、単に趣味・嗜好・興味ということも充分に理解していた。


一方(もう、俺は、駄目なンじゃねェか)
それでも、彼は嬉しい。彼から与えられる温もりが。


そっと、一方通行は上条のパジャマを握った。






夜は、更けていく

160 :1だよ [sage]:2010/11/07(日) 02:35:28.01 ID:YW39sMAO


…もう、ここまで来たら言うことは一つ…上げないで下さい、本当に頼みます

今日はここで終わりっす。なんか、>>1は一方さんに殺されても文句は言えないと思うんだ。ごめんなさい、勝手にアレにしてごめんなさい

あと、思ったより耽美なわけでもエロくもないかな…、そこら辺期待してた人はごめんね。


次回からは、排他的じゃなくて、例の椅子に座る人達とも絡めていけたらなと思うよ…

例によって感想いただけたら頑張れるますよっと…マジキチとか言われるかなあ…
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 02:38:55.07 ID:ASq6fADO
いいぞもっとやれ
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 10:58:19.25 ID:ApKI5UQo
髪おろした上条さん超見たいw

いちゃいちゃ良いよいちゃいちゃ
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 22:15:28.78 ID:xmlBs.AO
とってもいいっ!
乙です!
続きも楽しみにしています
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/07(日) 23:12:16.65 ID:sVrfQVgo
問題はガチホ……エロシーンがあるかどうかだな

全裸待機の準備に関わるからな
165 :1ですたい [sage]:2010/11/08(月) 00:37:34.47 ID:HsbAroAO
ちょいと4日間ばかし考査なので更新出来るか微妙です、優しい感想ばかりで凄く驚きましたた


>>161
もっと…、鼻血出さないぐらいで頑張るのですよ

>>162
自分でも書いてて、まっっったく想像出来なかたww神参考絵ないかね?

>>163
ありがとう、しかし、これはいちゃいちゃ出来てるのか…?

>>164
せせせ、せくろすなんて、いっいっいちに書けるとと?
とりあえず、未定だから服は着て頂きたいかなっ?
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/08(月) 19:44:41.59 ID:jhEQLuMo
やっぱり一方通行さんが禁書のメインヒロインですよね。
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/11/13(土) 09:39:57.51 ID:accS/Ggo
わっふるわっふるわっふるわっふる
168 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 08:49:30.32 ID:3zPr4sso
まだかな
169 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/14(日) 13:52:50.72 ID:hC73ddQ0
わわわわわっふる
170 :1です [sage]:2010/11/14(日) 20:36:15.38 ID:NC.nzMAO

ひゃぁぁ!長いこと留守にして申し訳なかったですぅぅぅ!!考査が二つの意味で終わっちまったのですが生きてやがりますぅぅぅ!オルソラまじ可愛い!その割には書きためゼロな訳ですが、今日中に投下するつもりです。もうちょい待ってて下し!

171 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/14(日) 23:54:34.11 ID:NC.nzMAO



上条「…うぅ」

まだほんの少し薄暗いような朝、上条は誰かに起こされる訳でもなく、自発的に目を覚ました。
人は寝起きの五秒は記憶が正常に始動しないというらしいが、上条も例に漏れず、ここはどこなのかと疑問を持った。

上条(あぁ、一方通行と同居することになったんだった。つーかベッドかなり気持ち良い)

うんうんと頷き幸せそうな顔をする上条、そして、隣にぼんやり視線を向けた。

上条(右手は離れなかったのか。良かった

と言いますか、相変わらず細いなぁ、こいつ。ちゃんと食べてんのか?)

さらさらとした髪が首にかかってきて、少々くすぐったいと感じていながらも、上条は彼に手を回したままでいた。


172 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/14(日) 23:55:57.75 ID:NC.nzMAO



上条(昨日もされるがままだったし。細いせいで反抗したくても出来ないって、なんか青ピあたりが喜びそうなジャンル?
いや、昨日のは普通に鑑賞みたいなもん、って言い回しがエロい、…ん!?)

彼にとっては、人形をじっくりと眺めるような感覚で一方通行に迫ったのだ、やましい気持ちは無く、ただの興味本位にすぎなかった、昨晩においてはだが。

朝、冷静に状況を判断する上条は一つの判断をする。

上条(俺がしたことも十分エロいような)

173 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/14(日) 23:57:12.45 ID:NC.nzMAO



上条(ぶかぶかのパジャマ着せて、押し倒して、手を使えないようにして、顔に近づいて、耳触って、涙目にさせて、至近距離で口説く…。


これはヤバいよな、誰か乗り込んで来たら確実にそういう一場面だと思われる、俺なら思う。

こいつに訴えられたら絶対敗訴確定だ…。となると


インデックス『最低だね、とーま。見損なったんだよ』

御坂『あんた無抵抗な奴虐めて何か楽しいわけ?』ビリビリ

打ち止め『あなた、もう大丈夫だから…。ミサカはあなたを傷つけたりはしないよってミサカはミサカはそっと抱き締めてみる』

黄泉川『大人しくお縄につくじゃん!』

一方『お前をそンな風にさせた俺が悪かったンだ…』グスッ)




上条「俺死んだぁぁぁぁ!!社会的に終わりだぁぁぁぁ!!」

一方「うるせェ…よ、耳元で騒ぐンじゃねェ」

174 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/14(日) 23:59:46.40 ID:NC.nzMAO



上条「ひぃっ!!本当にごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」

一方「いたっ!俺の手巻き込ンで土下座すンな、三下がァァ!!」

土下座したまま呪詛のように言葉が吐き出される

上条「本当に昨夜はごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

一方「きもっ!どこかの花飾りにでもやられたのかよ…」

175 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/15(月) 00:02:02.68 ID:da9xB6AO


上条「生き残りたいぃぃ!」

一方「まだ生きてたくなるー」

上条「星座の導きでー!じゃなくって…
あの、その、オハヨウゴザイマス」

一方「おはよーございます」

土下座から上体を起こし、ベッドに上条は座った

上条「ソノ、ア、僕、ゴ飯作ッテ来マスネ?」

ベッドから降りようとする上条の手を一方通行が掴み、彼が逃亡するのを妨害した。

一方「料理の係は俺だし、昨日コンビニで適当に買ったンだろ?」

上条「アハハ、ソウデシタネー」

一方「お前、何に狼狽えてンの?」

上条「いえ、上条さんはいたって平常心でございますことよ?」

一方「破綻した喋り調子でよくもまァ」


176 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/15(月) 00:03:37.47 ID:da9xB6AO
上条「そ、それなら、一方通行さんったらお腹空いてません?」

一方「空いてはねェ、たってるけどよォ」
上条「なっ、何にでせうか」

一方「…やれやれ、忘れるなンて三下くンったら俺とは遊びだったンだなァ…」

上条「や、やましいことはな、何も」

一方「貧弱って罵っておいてその挙げ句押し倒されて?誰もこの状況を知らないときたら、これは犯られると思わねェ?」

上条「とてもとても、そんな」

一方「日中はへたれだけど夜はサディスティック?ぎゃは、お前とンでもなく歪んだ性的嗜好だなァ?どこぞの夢見るキモオタァ?」


177 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/15(月) 00:07:24.97 ID:da9xB6AO



上条「」

一方「何呆けてンですかァ?紛れも無い事実だろォが」

上条「じ、事実」

一方「実は本当に『今日から俺は愛玩奴隷か…?それにしてもコイツ、アルビノフェチかよ…』と思った」

上条「怖かった?」

昨日のお返しとばかりにケタケタ笑いながら話す一方通行をじっと見つめた。

一方「ぶっちゃけ否定は出来ねェ」


そこからの上条の行動は素早かった。まだ横たわっている一方通行に、上から抱きつき、ぎゅっと体に手を回す。



一方「な、何が起きた」

上条「俺…、最低のことしたんだな…。責任取るよ」

一方「」

178 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/15(月) 00:13:51.78 ID:da9xB6AO



上条「本当にごめん、一方通行…。一生かけて償うから」

一方「いや、えっと、そンなの求めてねェよ…」

上条「じゃあ、お前が何もしなくて良いように、俺が養う」

一方「いやいや、ちょい待ち三下さン…、体痛ェ!!なンかミシミシ言ってねェ!?」

上条「本当に悪かった」

一方通行の言葉を聞かずに、上条は更に手の力を強めた


179 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/15(月) 00:15:42.14 ID:da9xB6AO


一方「ぎ、ギブギブ」

上条「許してくれるのか?」

一方「…こちらこ、そォ」

上条「あー、良かった」

バッと拘束していた手を離され、一方通行は痛さで丸くなる。

一方「ごほっ、骨が痛ェ…。おい、お前実はド天然だろォ!!ちゃンと冗談は冗談として受け取れェェ!!」


上条「よし、朝ご飯食べるか」

一方通行の言葉を意にも留めずに、にこりと彼は笑う。

一方通行は後にその笑みに、凄惨さを感じ取ったと語った。


上条(危なかった…!セーフ)



180 :1ですの [sage]:2010/11/15(月) 00:19:31.10 ID:da9xB6AO

まさかのKJさんがサディスティックで一方さんがへたれ化していく気がしなくもない

あんまり量が無かった…!すみませんでした。今週からは頑張りたいです
181 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 01:22:25.14 ID:SP4F92AO
今回も投下ありがとうなんだよー
ニヤニヤが止まらんニヤニヤ
182 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 01:40:48.13 ID:MuhNJDYo
おつかれでしたー

他スレに貼られてた画像だけど、上条のを咥える一方通行の画像
http://imepita.jp/20101114/236330
183 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 02:47:33.80 ID:ouWlv/so
>>182
空気読めよ…
あっちでも皆スルーしてただろうが…
184 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 12:10:21.47 ID:0eVXwjs0
>>182
どのスレ?できればURL頼む
185 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/15(月) 14:44:39.05 ID:MuhNJDYo
>>184
一方通行「おちンちン」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1289284847/
186 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/18(木) 17:00:16.25 ID:g/jiKEAO
待ってるぞ
187 :1ですの [sage]:2010/11/21(日) 01:03:40.04 ID:1W6Dc.AO
またもや一週間ぶりの更新…、すみません。それでは投下します
188 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 01:05:07.85 ID:1W6Dc.AO

上条「じゃあ、明日からのこと再確認しようか。俺も三連休終わりで学校始まるし」

一方「あァ、分かった。まず、お前が居ない、特に通学時は俺は何があっても外へ出ない」

上条「それで、誰かに襲われることがあったら俺に電話しつつ、人が居ない所へ逃げる」

一方「お前の右手で打ち消すまでの我慢大会ってことかァ。ンで、あとは家事は暇な俺がやる」

上条「…なんか住ませてもらってるだけで、申し訳ないな。金もそっち持ちだし」

一方「1日だけならニートも楽かもしれねェが、長期になると飽き性な俺には無理だろ」

上条「だけどさぁ」

一方「暇なンだよ」

途端に、眉間に皺を寄せて睨んで来るので、曲がりなりに上条にも反対意見はあるのだが主張もできず「うぅ」と呻くしか無かった。

一方「良いからやらせろ」

上条「分かったけどさあ。俺だって家事やったって良いよな?」

一方「あァ、お好きにどォぞ。

じゃァ、次」

上条「まだ何かあったっけ?」

不思議そうな顔をする上条に、一方通行は問いかける。

一方「もうしてたのか?」

上条「ん?」

一方「暴食シスターに、この魔術の応援要請」


上条「……わ、わすれてた」

189 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 01:07:41.89 ID:1W6Dc.AO

禁書「うぅ…、式典に儀式ばっかり…。もううんざりなんだよ…」

オルソラ「あともう少しで終わるのでございましょう」

禁書「今日の分が、だよね?」

似合わないため息をついた後、彼女は大きくのけぞった。そのせいで、彼女のさらさらとした銀髪に光が浴びるのを、オルソラはただぼんやり見ていた。

禁書「人が死んだっていうことで、何でこんなに会議するのかなあ」

オルソラ「私もイギリス清教には詳しくないのですが、どうやらナンバースリーがお亡くなりになられたらしいでございますね」

禁書「そうだね…。すているもかおりもつちみかどもなんとなく悲しそうにしてたから、きっと良い人だったのかもね」

オルソラ「……そうなのでございましょうね」



疲れのせいで口数少ない場面を、唐突な電子音が壊した。
携帯電話の着信音だ、とインデックスの顔が青ざめる。その様をオルソラは不思議に感じた。

禁書「ケータイデンワーだ…、どうしよう、どうやって出れば」

オルソラ「落ちついて下さい。
インデックスさん、まず画面を開いて、ここのボタンを押すのでございますよ。そうして、耳に当てて会話でございます」

禁書「こ、こうかな?」

オルソラ「その向きに力をかけてはいけないのですよ!」
190 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 01:09:22.31 ID:1W6Dc.AO

2人の手の中ですったもんだを繰り返した挙げ句、ようやくインデックスは通話ボタンを押すことが出来た。

禁書「申し申し」

上条「よーござんすよー、じゃなくてインデックスだよな?俺だ!」

禁書「その声はとーまかな?なんか久しぶりだね、どうしたの?」


電話の相手は、ごくっと喉を鳴らし、かみしめるように言った。

上条「…お前に助けてもらいたいことがある、多分俺じゃ無理なんだ」

インデックスはオルソラに用事が出来た、と告げ、話が漏れないように誰も居ないであろう中庭へ向かう。

禁書「…ちょっと安全な場所に移動するから、術式の名前は言わないで」

上条「分かった」

禁書「何が起きたのかな?」

上条「お前もよく知る奴が、魔術をかけられたんだ」

191 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 01:11:45.16 ID:1W6Dc.AO


禁書「…それは嫌なことだね。右手でも壊せないんだよね?」

上条「ああ。土御門が言うには体中の真皮に展開してるらしくて」

禁書(この時点で、術の個数は527程度。可能性としては…)

禁書「そういうのは例え触ったって無駄なんだよ。生命力を喰って自家発電で魔翌力を形成してるからね。…よし、着いたんだよ。じゃあ名前を教えて?」

上条「分かった。

ごくり、とインデックスの白く細い喉が起伏する。



上条「−−引き起こされる四面楚歌−−」

192 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 01:15:22.77 ID:1W6Dc.AO


禁書「…それが成功しちゃったんだ…」

上条「もしかして相当ヤバいのか?」

禁書「否定はできないかも」

勿論、絞り込みした中にも確かにそれは入っている。だが、あまりにも成功率が低いことや、術の残忍さを考えて無意識にないだろうと判断していたのだ。インデックスにも衝撃は大きかった。

禁書「今までに成功したのも一件だけ。その対象となった人はね、三日さえも生き延びれなかった。逃げても逃げても無駄なんだよ。人間だけじゃなく、生物までにも戦闘意欲を植え付ける技だから。
かかっちゃった人は本当に不運だよ、ただ単に術と相性が良かっただけなのに、自分を知覚した生物は死ぬまで襲いかかって来る」

上条「それを、解除する方法はある、のか?」

電話越しの上条の声は、若干掠れていた。
193 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 01:21:28.29 ID:1W6Dc.AO



禁書「術者を倒せば大丈夫とは思うけど…、ゆっくりはしてられないよね。…かかっちゃったのが誰だとしても、出来る限りそばに居てあげてね。孤独は辛いと思うんだよ」

上条「あぁ、そうするよ。とりあえず、俺とそいつで高層マンションに引っ越した」

禁書「それがベターと思うかも…、とりあえずこっちもこっちで他に解法は無いか探してみるんだよ」

上条「ああ、本当にありがとう、インデックス」

禁書「歩く教会も直してもらうことにしたから、終わり次第そっちに向かうんだよ」
上条「助かります…!!」

禁書「こちらこそ、よろしくなんだよ」

ステイル「インデックスー?」

禁書「何か呼ばれてるみたい。じゃあ、切るね」

上条「ああ。お前来ると俺もそいつも嬉しいから、早く戻って来い」

禁書「……分かったんだよ!」

大きく息を吸い込み、にこりと笑い、そして決意する。

禁書「それじゃあ、またね」


禁書(きっと救ってみせる。魔術で人が傷つくなら、きっとわたしは止められるんだから)




194 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 01:27:30.38 ID:1W6Dc.AO
一方「なンって?」

上条「んと、今までに一件しか成功してないやつらしい、解くには術者を倒せば良いらしいんだけど」

かけられた者の末路は言わないでおいた。彼の不安を煽らなくても良いだろうと上条は判断したのと、自分でも彼が殺されることなんて想像したくは無かったから。

一方「その術者を倒すっつゥのもなかなか骨が折れそうじゃねェか」

上条「とりあえずこのままで居れば良いって」

一方「あァ、分かった…。」

ごろり、と一方通行はフローリングを気にせず横たわる。

上条「おい、また寝るのかよ」

一方「することねェし」

上条「買い物とか行くつもりなんだけど」

一方「俺にまた変質者ルックをしろと?」

上条「いやぁ、それが良いのがありましてね?ダンボール箱の中には黒髪のウィッグが何故か入っていましたのですよ」

じゃーん!と効果音を自分で言った上条の手には艶やかに光る、女性のありふれた髪型を模したウィッグが一つ。

一方「……明らかに女用のそれを、俺に、付けろと……」

一方通行の引きつった顔を微塵も気にしないで上条は頷いた。

上条「これで堂々と歩けるだろ?」

一方「いや、俺のプライドとか考慮は…」



上条「缶コーヒー、切れるんじゃないか?俺は別に紅茶派だけどさ」

一方「…行きゃァ良いンだろ!!」

上条「生活必需品を買うだけだから、すぐ終わるだろ」

一方「知り合いとあわねェことを祈る…マジ祈る」



195 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 01:32:18.48 ID:1W6Dc.AO

オルソラ難しいよぉ、あとインデックスさんは可愛いよぉ、あわきんも可愛かったよぉ


次回、第一位やっぱり知り合いと会っちゃう、まさかのリアル女装癖疑惑、困惑するファミレスの三部作でお送り出来るのか

196 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 02:49:45.86 ID:mPyY47Qo
乙!続き待ってた!!

ちゃんと禁書目録のお仕事してるインデックスっていいなあ
197 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 12:17:45.05 ID:UgyE.MAO
きてたー!乙!
頼れるインデックスさんがカッコいいんだよ!

最初はガチホモギャグだと思ってたのに切ないじゃないの…
今一番先が気になる話だわ
198 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/21(日) 18:54:27.93 ID:1W6Dc.AO
感想嬉しいですぅぅ!ありがとーっ!

今日の夜に投下するつもりです

>>196
インデックスさんは魔術界の一方さんみたいなもんだと個人的には思ってるせいで、自分補正かけちゃったかもと不安だったけどやっぱりインデックスさんはチートだよね!

>>197
切ない…!!驚愕…っっ!一条さん展開が望まれてるだろうなと思ったけどそう言ってくれて嬉しいです、期待してくれるなんて身に余る幸福でした


199 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 23:40:11.05 ID:1W6Dc.AO

とある学区のとある通りにて、ツンツン頭と黒髪のウィッグのせいで女性にしか見えない少年は、通りにある半額カートの中の品物についてアレコレと議論していた。


上条「だから、俺的にはそっちの方が」

一方「どーせ付けンのは俺じゃねェか」

上条「別にお前でも全然構わねーよ?」

一方「はァ?明らかに女用の刺繍付きのこのエプロンをォ?」

上条「なんでお前はっっ!うーっ!このロマンをどうして分かんないかなぁっ!お前は体系的にアリなんだよ!」

一方「おい、なンでそんな目がマジなンだよ」

上条「良いだろエプロン付けたお姉さん!エプロンは特に過剰に装飾されてるわけじゃなく赤地に白文字とかのシンプルなやつ!あざとくない感じが逆に俺にはクるっつーか!ポニーテールからうなじが覗く、下はスキニーパンツ!脚長いなあと俺は見とれ、美味しそうなシチューの匂い!それで『お帰り、当麻くん』とでも言われたら俺はなあ!」


「カミやん…!!」



200 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 23:43:06.07 ID:1W6Dc.AO




上条「青ピ…?」

「あら、上条じゃない」

上条「吹寄まで…、お、おぅ!奇遇だな!そ、そっちは何だ?デートか?」

進行通行上に、上条の級友、青髪ピアスと吹寄制理が制服姿で立っていた。

吹寄「あたし達学級委員は学校行事の為に召集されて、その帰り道。貴様の思うような事では無いわ」

青ピ「えぇー!ボクとしてはデートでも全然構わへんし、そうやったら嬉しかったんのにぃぃ!」

吹寄「黙るか、ここを離れなさい」




201 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 23:49:55.17 ID:1W6Dc.AO


青ピ「ひっどい!やけどそないな所が吹寄ちゃんの素敵な素敵なチャームポイントやんかぁぁ!」

吹寄「一回黙りなさい、青髪

…そちらの女性は、上条の彼女さんかしら?」

吹寄は正真正銘男である一方通行を差して言ったのだが、上条の思ったことは(こいつは男なんだよなあ)ではない。

上条(恋人じゃねえ!)

上条「えっ、あ、その、そんなんじゃねーよ」

青ピ「カミやん一人っ子だったやん?また、女友達…?」

吹寄「紹介していただければ嬉しいのだけれど」

一方(アホだ、こいつ)

上条「…ちょっとタイム!!」


202 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 23:51:12.15 ID:1W6Dc.AO


疑惑の目を向ける2人に、上条は一方通行の耳に口を寄せ、小声で叫ぶというなかなかの高等テクニックを披露する。

上条「どうしよう!どうしよう!」コソコソ

一方「女装してンだから恋人で良かっただろォ!!三下ァァ!」コソコソ

上条「適当に言えば良い!?」コソコソ

一方「あァ、適当にフォローすっから!」カチリ

2人の方、つまり正面を向いて上条は答える。



上条「えーっとですね…。恋人じゃなくって…。なんていうか…。

俺の守りたい人で、これからも守ってく人です」


203 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 23:56:35.72 ID:1W6Dc.AO



上条は彼なりに上手くごまかせたという確信があった。
しかし、挙動不審な上条の宣言に、一瞬、三人は無音で静止した。


一方「な…な」

一方通行はチョーカーのスイッチを入れて音波のベクトル操作をしているため、女声で慌てふためいた。
その顔に浮かぶのは照れでも呆れでもなく、ただの純粋な驚愕。

やがて、ぽつぽつと音が戻る。

青髪「…恋人やのうて」

吹寄「大事な人…?」

一方(息ぴったしexcellent)

青髪「嘘やろ。ついに…フラグに気づいて…カミやんが…」

吹寄「しゅ、祝福すべきよね…、でも信じられないわ…上条が…」

「「婚約済み…!?」」

上条「いや、あの、勘違いしてるって。しかもすげー壮大な」

一方(どンだけ日頃、こいつはフラッフラしてンだよォ…)



204 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/21(日) 23:59:12.27 ID:1W6Dc.AO



上条「そ、そのですね!この方は」

一方「…」

もう、上条はアテにならないと判断を下し、すうっと息を吸い込む。
フォローすると言っちまったし、それに大丈夫だ。できる、これはただの指令だ、と自分に言い聞かせながら。


一方(最大級の笑顔はオプションだァ。受け取れ、観客ども)



一方「…ご紹介遅れて申し訳ありません。わたしは鈴科百合子と申します。
…お二人は当麻くんのご学友かな?いつも彼がお世話になっています」ニコッ



上条「」

吹寄「」

青ピ「……これは適わへんよぉぉぉぉおおおお!!」



205 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/22(月) 00:05:13.86 ID:SV9pR.AO


彼の叫びに、隣にいる吹寄は珍しくビクッとした。

青ピ「カミやんの大好きな年上の分別のある、ちょっと儚げなお姉さん!しかも美人!こりゃ勝てないやろ!誰も勝てへんわぁぁ!鈴科さんパネェェ!なんちゅーかリアルメーテルっっ!カミやんめぇえ!!上条さんめぇぇえ!!」

上条「…あ、青ピ。往来で叫ぶな…」

一方通行の変貌ぶりに衝撃を受けながらも、立ち直った上条はきょろきょろ、と辺りを見回す。
青髪ピアスに怖じ気付いたのか、聴衆はあえてこちらを見ていなかった。

吹寄「…青髪、冷静に。えっと、鈴科さんは婚約者?」

上条「吹寄さん、あなたも落ち着いて!!」

広いオデコに手を当て、思案する吹寄もしっかり混乱していた。


206 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/22(月) 00:06:15.17 ID:SV9pR.AO


鈴科「ううん、当麻くんとはただの親戚です。わたしは持病がありまして、外の者ですが学園都市に療養で訪れているんです。それで、少しだ…け遠縁の彼に、介護をお願いしてもらって、いるん…です」クラッ

上条「え」

青ピ「鈴科さんっ!?」

吹寄「大丈夫ですかっ!?」

わざとらしく、右手の杖によりかかる一方通行。勿論演技ではあるが、誰もそれには気づかない。
吹寄は駆け寄って一方通行の体を支える。

一方「申し訳ありません…、ただの立ちくらみです…」

一方通行の目を伏せる様が、上条にさえ本当に病弱の女性に見える。

一方「ごめんね、当麻くん」


207 :>>206は鈴科→一方で [sage]:2010/11/22(月) 00:09:19.38 ID:SV9pR.AO


青ピ「タクシー呼びます?」

一方「お手を煩わせてごめんね。でも大丈夫…」

上条「す、鈴科さん…!一度戻ろう?」

鈴科「そうだね…。青髪のキミと…吹寄さんかな、当麻くんと話すことあったよね…ごめんね」

吹寄「あたし達は、上条とまた明日会えますから」

上条(早くここから離れたい…っ!)

青ピ「虚弱アルビノお姉さん…!!あぁ、羨ましいやんかぁぁ!

…明日、ぎょうさん詮索すんでー、カミやん覚悟…!!」

吹寄「鈴科さん、どうぞ、お大事に」

上条「そ、それじゃあな!」

半ば強引に青髪と吹寄との話を終わらせ、上条と一方通行はこの通りを抜ける。

杖を突く一方通行が上条を引っ張るという奇妙な光景を見た者は幸いながら多くは居なかった。


208 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/22(月) 00:15:51.79 ID:SV9pR.AO
「いらっしゃいませー!こちらへどうぞ!」

上条「…」

一方「…」ドサッ

上条「!」ビクッ

休日のお昼時と言うのに、何故かあまり人の居ないファミレスの、奥の方のコの字の座席に隣り合って座る。

ベクトル操作を解除した地の声で、ぼそりと呟く一方通行の顔は優れない。

一方「…三下ァ、もうちょい頭回そうぜ…?」ジトッ

上条「すみませんでした…。

…お前、役者なれるんじゃないか」

一方「…言うンじゃねェ…。だから外は嫌だったンだよォ…。」

上条「まさか、俺の知り合いと会うなんてなあ…。俺たち不幸すぎじゃないか」

一方「お前も不幸だし、俺もそうなンだろ…」

上条「かけたらプラスなのになあ」

一方「…こンの馬鹿やろォ…」




209 :今日はここまで [sage]:2010/11/22(月) 00:20:15.32 ID:SV9pR.AO

吹寄ちゃんって対上条属性完全ガードの女だから別にフラグは立って無いよね?

次も一週間以内には来ますね、それでは
210 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 00:35:31.80 ID:IgPSmEAO
うひょ〜連日ktkr!乙乙!
掛けたらプラス…
上条×一方通行=幸せ ですねわかります
なんつって

今が超ほのぼのだけに術発動パートが怖くて仕方ないぜ…!
211 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/22(月) 01:48:10.39 ID:7FgWX1Mo
乙!
上条×一方通行=幸せ ってなんてすてきな数式なんだ
ありがとう、これで明日からまた頑張れる
212 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/23(火) 18:42:31.22 ID:dVw0g6AO
鈴科さんワロタww
213 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 18:44:25.04 ID:rUy3X.AO

7話の一方さんがマジクールだったので何にも言うことは無い>>1です、いやあ個人的には抱きしめちまいたくなるよりも引き返しやがれ!の声が好き!!

ちらりと覗いた上条さんスレの皆さんの熱気にもちょいビビりました。

宣言しないと書かなそうなので今日の夜にでも投下します
214 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 20:43:59.23 ID:bugWKkMo
お、投下宣言wwktk
215 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:41:09.36 ID:rUy3X.AO



一方「あー、うめェ」

まるで水ではないかと疑いたくなるほどのペースを保ちながら一方通行はひたすらにコーヒーを飲む。上条は20杯を超えた辺りからカウントを止めていた。そして、そろそろお昼時、客が入って混み出すことを思い、彼に声をかけることにした。

上条「……一方通行さんったら、物凄く飲んでらっしゃいません?」

一方「あ?気のせいだろ」

上条「いやいや、俺なんてわざわざお前に付き合って立たなくても済むような場所見つけたし。ほら、この位置だと手を伸ばせば良いだけだ」

一方「おォ、気づかなかった。三下くンが三上くンになったなァ、おめでとォ」

上条「ありがとう、いつか神上になってやるよ……じゃなくって!

さっき家出るときに、お前も心配してたじゃねえか。俺が誘っといて悪いけど、俺たちがあんまり長居すると知り合いと会う確率高くなるんだぞ」

上条が諭すと、不服そうな顔で一方通行は立ち上がりコーヒーを入れた。

216 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:42:42.06 ID:rUy3X.AO




一方「…ちっ、じゃァ最後に一杯だけ飲ませろ」

上条「ちょっ、まだ飲むのかよ!つーか満腹になんないのか!?」

一方「別腹っつゥ奴じゃね?さてと、最…」カチッ

一方「最後は何にしようかな…?」

上条「ん…?」

上条は一方通行がスイッチを入れたことに気付き辺りを見回す。

そして、彼はこちらへ向かってくるよく知った顔を発見し(確かにこれはややこしいな)とかすかに呟いた。


上条「……“妹達”じゃねぇか、ここでバイトか?」

「はい、その通りでございます」ニコッ

217 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:45:31.94 ID:rUy3X.AO




その銀のトレイを持った“妹”は彼が知る、どの彼女達とも違い、自然な笑顔で彼に笑いかけた。

上条「…えっとー…」

「このミサカの製造番号は18110号です、お客様」

思わずどもってしまった上条をフォローするかの如く18110号は淀みなく答えた。

上条「…良いバイト号?」

18110号「まだまだな身ではありますが、お客様に覚えていただけたら嬉しいです」

上条「分かったよ、18110号」

18110号「ありがとうございますとミサ…、きゃっ」

上条「ん?」

18110号「申し訳ありません。営業職なのであの口癖は禁止していたのですが」

上条「あー、なるほどね」




218 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:47:40.24 ID:rUy3X.AO



一方「…当麻くん、飲み終わりました」

ごきゅごきゅと一方通行は自己最速ともいえる早さでコーヒーを飲み干し、上条に目をやる。

上条はあいている手で伝票を掴み、立ち上がる。

対して18110号は、もうそれは色々と何かを聞きたそうな顔をしているが、バイト店員としてのプロ意識なのか決して詮索はしなかった。

上条「じゃあ、会計行きますか」

一方「はい」


219 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:49:08.19 ID:rUy3X.AO



彼女以外に暇な店員が居なかったのか、上条と一方通行の会計をしたのは18110号だった。

上条は18110号とは会ったばかりだが、彼女にはしっかり者で頑張り屋という“個性”があることが分かる。

きっと、上条も御坂も一方通行も知らないうちに、彼女が主人公の話があったのだろう。上条達が知らない人たちと、様々な出来事を起こしたような。替えの効くクローンとしてではない、誰にも負けない彼女の人生が。

見慣れたファミレスに、止められた者、救った者、救われた者が居るこの風景は、一時の彼らからは到底考えることもできなかった未来。


上条はそれを思い、顔がほころんだ。



対して一方通行は、ただじっと仕事中の18110号の姿を見ていた。


220 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:49:52.84 ID:rUy3X.AO



18110号「それでは525円になります」

一方「お願いします」チャリン

18110号「550円お預かりします。えー、25円のお返しです」

上条は右手を一方通行の肩に置いている。一方通行は両手を伸ばし、18110号からお釣りを受けとった。

上条「バイト、頑張れよ」

18110号「はい、ありがとうございます」

BGMにもまけるぐらいのぽつりと、小さな声がした。



221 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:51:06.94 ID:rUy3X.AO



一方「…ご馳走サマでした」



222 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:52:32.74 ID:rUy3X.AO



その声は、ちゃんと、彼女にも届いたらしく

18110号「ぅ…あ、ありがとうございますとミサカは精一杯感謝を述べます」

何やら嬉しそうに目を輝かせていた。


上条「じゃあ、また今度」

18110号「ご来店、ありがとうございました!」

18110号の声を背に、二人はファミレスを出る。振動でカランとベルが鳴った。


223 :初見は>>18へ [sage]:2010/11/27(土) 23:53:30.31 ID:rUy3X.AO



外は、風は冷たく、日差しは強い。通りを歩く人々は先ほどより増えたようだった。
どこへ向かうのか決めないまま、理由もあるのか無いのか、何となく人の波に逆らって進んだ。


上条「…今日はもう帰るか。スーパーは後で俺が行っとくよ」

一方「…あァ、充電ももうヤバい」

上条「お疲れ様」

一方「…全くだ、…演技とか柄じゃねェし」

上条「うぉっ、あいたたた!こんなに元気じゃんか!!」

一方「ばァか」




224 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/27(土) 23:57:49.06 ID:rUy3X.AO
短くて申し訳ないけど今回はここまで、もう誰かにいちゃいちゃのネタ出して欲しいぐらい!糖度たっぷりを所望してたら申し訳ない
ミサカ18110号は一応検索したけどもかぶってたらごめんね☆
ぶっちゃけ、このスレ読んでいる方はどれくらい居るのか気になる今日この頃でした
225 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 01:31:36.54 ID:oLhb.6AO
乙!
続き楽しみにしてるよー
226 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 08:31:14.93 ID:8QSuGIAO
楽しみに待ってる
227 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/28(日) 08:39:53.47 ID:Ah3JFNYo
乙です
読んでるよがんばれ
228 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/11/29(月) 10:11:08.77 ID:vQ05FFUo
せっかく一方さんなんだから、あまり百合子ネタには頼らないでほしいな…
229 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします :2010/11/30(火) 23:28:37.13 ID:hq7MqiU0
支援
230 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 02:20:25.86 ID:wnKEkJgo
>>228 男の娘とか最高じゃんか!

あ、そういやなんで一方さん幻想殺しと手繋いでんのに能力使えるんだ?
231 :1なんだよっ! [saga]:2010/12/04(土) 20:07:45.65 ID:xQ3FTsAO
>>230
それはちょうど今日の投下内容と被ってましてね…!いや、別に言われて気づいたわけじゃないんですよ!必死に言い訳してるわけでもないですよ!

夜中に投下しようかなと思っとります
232 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 20:08:45.52 ID:xQ3FTsAO
ごめんなさい!!
sagaとsage間違えました!
233 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/04(土) 21:13:24.69 ID:w/zM61co
>>232
おひさしぶり
234 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:36:54.93 ID:Kl19EwAO
み、みんな…。どんなに美味しくて高いお肉でもレアは危険だよ…、覚えておいてね…。
じゃあ、投下します…
235 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 00:38:43.81 ID:Kl19EwAO


ぱしゃんと水が跳ねた。



先ほどから、とある違和感が纏わりついて離れようとしない。そしてそれは、自分の脳内を延々と巡っていくのではないかと彼は感じていた。


−−あれは、何故できた?−−


些細なことに思えたが、冷静になってみればオカシイとしか思えない。


ゆらゆらと水面に移る自分の顔は眉間に皺を寄せていて、それが彼にとっては妙に腹立たしかった。だから、ぱちん、とチョーカーのスイッチを入れ、わざわざベクトル操作をして水面を操る。

気に入らない顔は見えなくなる。


一方(そう、この状態では能力を使えることは、何らおかしくはねェ)

問題は、

一方(三下が俺を触ってたとき、どうして音波のベクトル操作が出来たンだ?)


音を操作することは、一方通行にとって最も簡単な能力使用法の一つである。具体的には、波形状のそれの振動数を変えてしまえば良いのだから。

しかし、いくら簡単とはいえども紛れもなく超能力を使用している。
上条の「幻想殺し」にかかれば消えてしまう異能なのだ。


236 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 00:40:15.46 ID:Kl19EwAO


一方(考えられンのは3つ。
三下の能力が低下した、もしくは俺の能力が増大した)

一方(…それか、)

上条「一方通行!?」ガランッ

一方「は、入るンじゃねェ!!」

上条「でも、さっきから凄い水の音が!」

一方「心配しなくても良いから!別に溺れたわけでも何でもねェっつゥの!!」

上条「それにしても、バシャバシャ凄かったんだけど」

一方「良いから早く出ろ!」


一方通行が叫ぶと、あたふたと上条は去っていった。




237 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 00:40:57.60 ID:Kl19EwAO

一方「三下の野郎…」

[んでんでんでwww]だったり変態滅びろ!と言ったようなツンデレのツンではなく、例え同性であっても自分の裸を見られることが苦痛であり、彼もその気恥ずかしさから追い出したのである。

あいつになら良いんだケド…と言ったような思いは微塵もない。言ったとしても打ち止めにのみである。


一方(…それに水遊びなンてしてねェし)

水を操る事がどうやら悦に入ったのか、彼もあまり意識しないまま、ばっしゃんばっしゃん遊んでいたらしい。

しかし、風呂場は天井までびしょびしょになっていて、一方通行の言葉には全く信用性が無かった。


一方「…あがるか」


一方通行はそう呟くと、風呂場の惨状を後にした。


238 :前のは間違いなんて無かった、で結構ですwww [sage]:2010/12/05(日) 00:42:47.11 ID:Kl19EwAO

同時刻

どこかの、窓も扉もないビルにて。

ビーカーの中で逆さまになっている“人間”と、金髪にサングラスの二重スパイはお互いをよく見もせずに、淡々と状況報告をしていた。

土御門「住居移転に伴う対象の情報操作は93%が完了した」

アレイスター「ご苦労、と言っておこう」

笑顔とも侮蔑ともとれる表情のアレイスターを一瞥し、土御門は息を吐いた。

土御門「…お前に尋ねたい事がある」

アレイスター「ふむ、どうしたんだ」

土御門「何故、奴は能力を使用出来ているんだ。あの術式の打ち消しと共に“幻想殺し”によって発動不可な筈じゃないのか」


アレイスター「そうだな。その筈ではないのか」

土御門「分かってるだろう。奴は今日幻想殺しに触れられているにも関わらず、能力を使用した。

一体、どうなっているんだ?」

アレイスター「…」

239 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 00:44:24.54 ID:Kl19EwAO

アレイスター「さあ、残念だが学園都市理事長の私には、魔術メカニズムは理解できないな」

一層、彼はその表情を濃くする。目の前の人間が、全てを隠し傍観するのがやり方だとは分かっている。


土御門「…そうかよ」


だが、彼にはそれが気に入らなかった。

自分に術式が効かない理由を知らないことも、不条理に苦しめられる彼らも。
240 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 00:47:24.42 ID:Kl19EwAO
ごめん、あまりに腹痛がアレなので続きは明日…、くそ、松坂牛め…
241 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 01:47:36.89 ID:pw4QFm60
大丈夫か?俺一回食中毒になったときヤバかったぞ。
ただの腹痛かと思ったら翌朝いつの間にか救急車で運ばれてたんだ……
お前もおかしいと思ったらすぐ病院行け?な?
242 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 04:06:47.18 ID:c0PTZV6o
乙!続きが気になるがお大事に

今の時期はノロの可能性もあるから気をつけろ
吐き気がしても水分だけはちゃんと取れよ!
あっためたスポーツ飲料とかちびちび飲むと負担が少なくていい

あと自分も一方さんの風呂を覗きたい
243 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 16:53:24.48 ID:AOP79l20
んでんでwwwwwwには何が入るんだ
244 :1です、昨日はすみませんでした…! [sage]:2010/12/05(日) 21:52:28.92 ID:Kl19EwAO
>>241ー242
その優しさにありがとうぅ(´;ω;`)ブワッ
でも、ただ自分が貧乏人で高級なお肉をレアで食べたからでしたぁぁ!本当にすみません、ううっ

>>243
[んでんでんでwww]です。迷○猫オーバーラン!のセリフですね。まさかあれまで対象に入って居るとは思いませんでしたの
245 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [saga sage]:2010/12/05(日) 21:53:38.07 ID:Kl19EwAO
んぎゃぁー!!んでんでめっ!!
前のは二回死ね!です
246 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 21:58:15.66 ID:Kl19EwAO


彼は気に入らない。


上条「いや、明日から寂しくなるだろ」

一方「…ふざけンなァ、誰が寂しいとかぬかすと思ってンだよ!」

上条「一方通行が」

一方「三下ァァああ!」

上条「おおっと!」

上条の右手が体に触れ、ベクトルチョップを目論む一方通行の右手は、敢えなく阻止された。

一方(これは消されンのかよ…、どンな理屈になってやがる)

上条「おーい、一方通行」

一方「…なンだ」

ぽふっと音を立て、一方通行の体にそれが押し付けられる。

一方「これをどうしろっつゥンだよ…最早困惑しかねェし…」

上条「これ、結構ふかふかで気持ちいいんだぞ?」

一方「お前…、俺のこと馬鹿にしてンだろ」

上条「いやいや、全然」

一方「じゃァ、なンで学園都市最強のレベル5の俺に、こンなもン押し付けンだよ!!」

上条「見た目とか似てるし、気に入るかなって」

一方「カラーリングしか似てねェだろ!」

247 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 22:00:05.31 ID:Kl19EwAO


上条「インデックスが大好きなんだよな、それ。『コモエアリガトウナンダヨ!』ってな」

一方「…裏声きっしょ」

上条「…まあ、兎のぬいぐるみ可愛いくないか」

一方「持たされた俺の気持ちは?」

上条「ありがとォお!上条くゥゥうン!
ってところ」

一方「的外れにも程があンだろ、目ェかっ開いて狙い定めろ」

上条「じゃあ、『べ、別に嬉しいとかは思ってないンだからなァ』」

一方「いちいち真似すンの止めろォ!かなり腹立つンだよ!!」

上条「似てないか?」

一方「知らねェよ」

上条「黄泉川先生の御墨付きなんだけどな」

一方「あのジャージ女……!!」


248 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 22:01:36.45 ID:Kl19EwAO


上条とくだらない会話をしながらも一方通行の思考は、止まってなどいない。むしろそれは加速している錯覚さえ覚えさせる。


一方「……けっ」

上条「何か考えてるのか?」

一方「…まァな。推測にすぎねェモンだけどなァ」

一方通行は話す。今日の矛盾点、自分の見解、そして疑問を。

一方「だから俺は」

上条「あれ演技じゃないのか!?」

一方「はァ?」

遮って放たれた上条の言葉に、一方通行は困惑の声をあげた。

上条「あの鈴科さんモードだよ!ぶっちゃけ演技力もすげえと思ったんだけど」

一方「俺、スイッチ入れただろォ」

上条「テンパっててそれどころじゃなかったんだよ」

一方「あァ、そうかよ」

この理解力…、こいつには話しても無駄じゃないか?と一方通行が疑っているのは露も知らず上条は続ける。


249 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 22:03:42.89 ID:Kl19EwAO


上条「んー、でも、そう言われてみれば」

一方「あ?」

上条「あのとき、何かを取りこぼした気がした。水面ぎりぎりまで入ったコップを慌てて運ぶときみたいな」

上条の顔はいたって真剣である。

一方「…」

上条「根拠もない俺の感覚だから、何とも言えないけど」

一方「取りこぼすねェ。

その感覚はお前にしか分からねェし、何より圧倒的に情報が足りねェ。…あのシスターと要相談だな」

上条「どんな能力は使えるんだ?」

一方「…音波だろ、それと…あァ、知らなかった。だから手借りンぞ」

上条「ん」

上条の手を取りチョーカーのスイッチを入れた。

250 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 22:05:15.37 ID:Kl19EwAO


一方「…、…」

上条「脈拍が」

一方「……気にすンな……」

上条「無理はすんなよ」

一方「……あァ」

応用の利く能力故に、全て確かめるには時間がかかる。時間には制限もある。
同時に3つ以上の演算をこなすのは、彼にとっても骨の折れる作業だった。

一方(重力不可、風向・電流・水流・光の操作不可)

一方(攻撃系は全て不可かもなァ)

一方(…だが血流は微量に操作可能、完全には邪魔をされてねェ。)


一方通行は演算の結果を経ての結論をまとめる。


一方「……外界に関与は不可能ってとこかァ?
…可能だったのは、比較的容易な俺の体の操作だけだった」



251 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 22:12:15.62 ID:Kl19EwAO


上条「それも異常なんだよ、今まで俺が触った時に能力者が能力を発動させようとしても無理だったんだから」

一方「俺も今まではその中に該当してたワケだ」

上条「もしかして魔術が強いから、全部打ち消せてないんじゃないか?」

一方「だったら取りこぼした分の効果が俺を襲うンじゃねェのか?」

上条「だよなあ…、うーん」

思考はそこで行き詰まる。

上条「やっぱりインデックスと相談しよう」

一方「あァ、素人だけじゃ無理だ」

諦めて首を振り、一方通行はスイッチを切る。すると、意思とは無関係に重力によってベッドに倒された。

252 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/05(日) 22:15:32.86 ID:Kl19EwAO
一方「つwelかれmwjeた。もうなbifmにもかンがlrvえたくねェ…」

一方通行の言葉の端々に、よく分からない音声が混じり出す。もうすぐ彼の充電が切れる象徴である。

上条「おい!言語障害!」

一方「わnphmりィ…、nebdglpr」

上条「日本語言えてねー!」ガビーン

上条「もう、早く寝ろ!毛布はかけてやるから」

一方「sglumaynyxe」

上条「気にすんな!それと無理して喋るな!」

毛布を一方通行と自分に向かってかけ、そして間には例の兎のぬいぐるみを差し込む。

上条(完っ璧だ…!絵面最高すぎる!)


彼は気に入らない。

この術式にかかってしまったこと。

そして、夜になると同居人の加虐心が増大すること。


携帯のカメラに兎とツーショットの写真を撮られていることを感じ、明日の復讐を堅く誓う一方通行だった。

253 :おわりーん! [sage]:2010/12/05(日) 22:19:41.97 ID:Kl19EwAO
区切り的には一章終了みたいな?
まだ奇跡的に3日しかたってない!ミラクルスローペース!
次の章はこいつらが延々とくだらないことを話したかと思うと、海の外の魔術師らがあたふたしてみたりとかになると思います。

読み返すのめんどい…とかの理由で質問とかありましたら気軽に尋ねてみて下さい。

それではまた一週間以内にっ!
254 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 22:34:46.06 ID:pw4QFm60
>>253の体調が問題ないようで良かったぜ
更新は楽しみにしてるがお前が倒れるようじゃこっちも哀しいんだからな?
これからはせめてミディアムレアにしろよ
255 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/05(日) 23:03:43.90 ID:kL3IgRwo
布団の中で一方通行に抱きついてもふもふしたい
256 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/06(月) 22:42:26.09 ID:yl1Qsx.o
きゅんとくるな
たまらん
257 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 09:57:00.50 ID:wqp3vuYo
まだかな
258 :1です [sage]:2010/12/12(日) 18:31:55.18 ID:HN2cvUAO
この一週間まさかの賢者モード発令で全く書けなくてすみません。今日投下します
259 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 21:48:42.77 ID:HN2cvUAO




一方「…起きろォ」

唐突に、ゆるゆると体を揺すられる感覚がした。腹に置かれた手の力も弱く、気持ちよく覚醒することができた


上条「…んぁ?」

一方「メシ…できた」

上条「…おお、おはようって家庭的エプロン装備の一方通行…だと…?」

一方「…るせェ、俺だって、ねみィンだよ…」

上条「お疲れ様、そしてありがとう…!でもだからって、こちらに倒れてくる事も無いでしょうに!」

一方「…低血圧なめンな」

上条「弁解にはなってないけどな。よし、じゃあ着替えてそっち行くから先に食べててくれ」

一方「あァ…、くそねみィ…」

寝起きの上条よりも辛そうな顔をしていた一方通行は、フラフラとリビングの方へ向かって行った。

上条も、ベッドの横の携帯電話を確認して一瞬だけ焦った。何故かと言えば、この時間はいつもなら彼は家を出ていたからだ。心臓も大きく縮こまった。


しかし

上条「そういや、こっからは徒歩五分だったな…」

上条の通う高校とこの家はとても近く、許しさえ出るのなら昼さえ家で食べれる程だった。

上条「…ちょうど良い時間だよな。一方通行に感謝しないと」
260 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 21:52:02.34 ID:HN2cvUAO



−−−−−

上条は自身の部屋に行き学生服を身に纏い、席に着いた。テロップで今日の天気を確認する、多分晴れ。



一方通行は相変わらず眠そうな顔で椅子に座っていた。


上条「おお…っ!!」

一方「…これじゃ量少ねェ?」

上条「滅相もございません!しかもうまそうだし…!つーか、朝起きたらご飯があるなんて幸せすぎる!ありがとう!」

一方「…食べろ」

上条「いただきまっす!」

感嘆の声をあげる上条には一切反応をせず、一方通行はコーヒーを一すすりした。

上条「いただきます!」

一方「…」

上条「出汁巻き卵うめぇぇええ!」

上条「えっ、すごいふわっふわだぞこれ!」

一方「よく噛め」

いくら眠くとも、彼がガフガフという効果音を発しながら料理に食らいついているのは理解できた。とりあえず腹を壊さないようにと忠告はしておくことにした。
ペットと飼い主のように、居候と迎え入れる人物もよく似るのだろうか、と一方通行は思う。彼の食いっぷりは、某シスターに酷似していた。


261 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 21:54:25.55 ID:HN2cvUAO



上条「ふぁー、ごちそうさまでした」

一方「三下…、お前実はめちゃくちゃ食べンだな」

上条「上条さんも男子高校生ですから!」

一方「…クソっ、食が細いのは俺だけかよ…」

上条「何言ったんだ?」

一方「…別にィ?」






ふと、とあるニュースが上条の気に止まった。

キャスター「収録曲はどれも珠玉の14曲ー」

上条「へえ、aDMiralがベストアルバム出すんだ。売れるだろうな」

一方「その歌手って人気あンのか?」

上条「ああ、歌がめちゃくちゃ上手くて詩とメロディーも魅力的、んで良い声。女性だけじゃなくて男にも人気があるんだと。あと置き去りとか病気の子供のチャリティーとかに熱心らしい」

一方「へェ」

上条「だけどテレビ番組には一切出ないらしくて、謎が謎を呼ぶみたいな」

一方「その前に海軍大佐っつゥ名前には意味があンのか?」

上条「へ?そういう意味なのか?」

262 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 21:56:40.47 ID:HN2cvUAO


一方「あァ。海軍大佐、海軍将軍だなァ。admirableからとったとしたら…それはそれはご大層なこった」

上条「つーかお前、英語もできんのかよ」

一方「まァな、レベル5だし」

上条「すげえ!俺もレベル5になりてえ!まあ、無理だけど。ていうか英語教えて下さい!自慢じゃないけどらくらく英語アプリも挫折した!!」

一方「不名誉にも上限付けろ。レベル5だから出来るようになるわけじゃ…、まァ、良いけどよォ。

そろそろ時間ヤバいンじゃねェのか?」

上条「ああ、そうかも」

上条はおもむろに立ち上がり、洗面台の方へ向かう。

相変わらずちびちびとコーヒーをすする一方通行は、声の主に思いを馳せていた。


263 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 21:59:02.95 ID:HN2cvUAO



一方(この声妙に腹立つ)

画面ではPVを流しているのだが、その声の主らしき男は出てこない。

一方(聞いたことあるような、ねェような…。)

睨みつけるように画面を見ていたら、いつの間にか特集は終わっていた。その代わりに流れ始めたのは学園都市の第20学区でバスが横転といった慌ただしい速報だった。


一方(これも暗部なのか…、どっちにしたってちゃンと情報統制やっとけっつゥの。つゥか、グループは引っ越し業者に様変わりしちまったらしいが、残りの奴らはどうなンだ。)

暗部の抗争の中で、唯一4人が生き残った勝者のグループさえも社会で誇れる仕事に就いている。今の平和な学園都市で何か起きることがあるとしたら自分絡みではないだろうかと一方通行は至極まともに推測していた。


上条「アクセラレータぁ」

一方「…何だァ?」

上条「ちょっと来てくれ」


264 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 22:03:10.97 ID:HN2cvUAO



呼ばれたので、テレビはそのままにして玄関へ歩く。


一方「もォ行くのか?」

上条「ああ。えっとさ」

一方「あァン?」

上条は右手で手を伸ばし、一方通行の手に触れる。温い体温をしていた。


上条「俺が学校行ってる間はどうやったって危険だから、絶対にどこにも行くな」

一方「……分かってるっつゥの」


265 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 22:10:18.12 ID:HN2cvUAO



上条「いや、俺の気持ちの微塵も理解してない」

一方「何で自信ありげなンだ」

上条「あとはセールスとか新聞の勧誘も全て無視だ。本当に危険だから」

一方「俺が理解してねェとでも?あと、ガキに言うような口振りはやめろ」

上条「本当に俺は心配だよ、うちのあっちゃんが何者かに攫われ…」

一方「ふざけンなっ!」

上条「うぐっ」

触られていない方の手で、学生服の襟周辺に軽く拳をあてた。大げさに上条が反応してみせる。

一方「早く行け、三下」

上条「はいはい。でもさ」

出て行くなと強く手を握られ、上条の痛みを隠しているような表情を見てしまった。

一方「…分かってる」


266 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 22:12:02.36 ID:HN2cvUAO



上条「何かあったら連絡してくれ、俺の都合とか気にしなくて良いから」

一方「…さっきから、心配性にも程がねェか」

上条「ばあか、一方通行が心配させんだろ」

一方「あァ、もォうっせェ」


色々あった3日間を経て、初めて自分たちは離れる。
だから、優しい幻想殺しにはこの瞬間から守ってもらえない。
脆弱な壁の中で外部からの侵入に怯える事しか出来ない。
殺意は殺されない。


それでも、一方通行は上条の右手を外し一歩下がる。

一方「どォせ、どこにも俺は行けねェンだ。だから三下は、さっさと行け」

上条「……分かりましたよっと」


267 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/12(日) 22:15:30.79 ID:HN2cvUAO



上条「じゃあ、気を付けて」

一方「お前がな」

重く、広いドアが放たれる。


上条「絶対に、すぐ帰るからさ」

一方通行に笑顔を向け、上条は走っていった。



ずるずる、と胸の中に広がる孤独感に潰されるかのように、無機質などフローリングに腰を降ろす。




一方「……待ってる」



狭い玄関故の反響は、誰にも聞こえはしなかった。

268 :おわりー [sage]:2010/12/12(日) 22:20:37.07 ID:HN2cvUAO
キュンと来るのとか、ほのぼのって本当に難しいね!ちょっと心折れかけたもん!
今回もまた説明に次ぐ説明…!あんまり面白くないぜ!

それではまた一週間後にでも
269 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/12(日) 22:59:01.99 ID:4AJtabAo
キュンときたぁぁ!
270 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/13(月) 05:29:20.05 ID:5EwEzhEo
エプロン装備キター!
今度ははじめてのおるすばんか…
楽しみにしてる 乙!
271 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/13(月) 05:38:22.37 ID:qG6qBgAO
おつおつー!
ついに離ればなれでwwktkとgkbrが止まらない
強がる一方さんにキュンキュンした
272 :1です [sage]:2010/12/18(土) 20:32:48.84 ID:WdopiYAO
すごい口調が難しい人に悩まされまくりましたが今日投下します
273 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/18(土) 23:04:40.16 ID:WdopiYAO





−−日本から遅れること9時間の23時、イギリスはロンドンの深夜の宮殿の一部屋にて。

長身で赤髪の男は、床に降ろしていてもまだ長さの残るほどの金髪を持った女をいつものように問いつめていた。

ステイル「だから、あの子はどこに行ったって言うんですか」

ローラ「私も知りたし!」

ステイル「最大主教…、それで良いんですか。トップの癖に」

ローラ「うるさしうるさし!私だってあの男が死にしかば忙しくてそれどころならざりしの!」

ステイル「これだから駄目人間は…」

ローラ「ひっ、ひどいと思いにけるのよ…」

ステイル「じゃあ質問を変えます。あの子はどうして出かけたんですか」

はぁとローラは一つ大きなため息をついた。その様が似つかわしくなくて、思いの外彼女もこの葬儀で疲労しているのでは無いかとステイルは腹の底で感じた。

ローラ「例の術式、禁書目録の学園都市での知り合いがかかりしなりて。ならば多分原典を巡る旅をしていると思いたり」

ステイル「……」

ローラ「禁書目録には術式の効果はのっていたりけり、されどあまりの残酷な効果のためかける方法は記載されてなかりける。つまり解法も見つからということなのよ」
274 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/18(土) 23:06:03.29 ID:WdopiYAO




ステイル「−−逆算の可能性ですね」

ローラ「今は幻想殺しの力で事なきを得たるが、いつまでもそれでは居られなし。…あの膨大な魔翌力を持つ者が攻撃の手段として、他の術をかけることも想定できるから猶予もなしかしら。

どちらにしろ、事態の収拾の為にイギリス清教から禁書目録を派遣する予定なりしなれど…あの子、先走りやがって」

ステイル「独断先行と言うことは護衛もついていないのか……」

ステイルは苛立ちを隠しきれない声色で呟き、ローラも特にリアクションをしなかったため室内は何とも重々しい静寂につつまれる。


しかし

ぴーがしゃこん、ぴーがしゃこんっ

ステイル「……」

ローラ「来たりし!」

宮殿にはなんともミスマッチな電子音と、音源に向かって走る女。

ステイルは軽く眩暈を感じた。

ステイル「……この間抜けな音は」

ローラ「学園都市製のファックスなり」

ステイル「最大主教……本当に現代人まるだしですよね」

ローラ「ステイルのクセに一宗教のトップなる私が使いこなせしとでも思いけるのかしら!」

ステイル「……ハァ」

そこは宗教性とか神秘性を大切にすべきなんじゃとステイルは密かにツッコんだ。

275 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/18(土) 23:07:22.12 ID:WdopiYAO



ステイル「それで、僕たちはどうすれば?」

ローラからの返答はない。ただじいっと手持ちの紙に目を通し考えあぐねているようだった。

ステイル(この状態のこの人には何を言っても無駄だ)

また、イギリス清教の利益となるような道を探しているのだろう。国を動かすような決定に神父の自分には口出しは許されていない、今夜は下がるか、とステイルが出口に向かって歩き出す。

ローラ「ステイル」

ステイル「どうしましたか」

先ほどとは微妙に声色が違う。これは、口角が上がった発音だろうか。考えながら振り向くと、予想通り彼女の笑顔がステイルの目に入る。

ローラ「……朗報と、もっと素晴らしき朗報。どちらを聞きたし?」

まるで狐が獅子を利用してかかろうとする、そんな策略家の笑みだった。


276 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/18(土) 23:09:20.89 ID:WdopiYAO



−−−−−−−



一方通行「……」

男物のシャツを畳みながら思う。



一方通行(なンでアイツの服はワンサイズでけェンだよ…!)

手元にあるYシャツは普段の上条は着ないものだが、引っ越ししたついでにもう一回洗ってしまおうということで、この家の付属品の全自動の最高級洗濯機(ちなみに不幸により壊されるかもしれないため、一方通行は上条と家電との接触を認めていない)に突っ込んだのは昨日のこと。


デキアガリマシター、とは流石に言わないが学園都市製の洗濯機の性能は非常に素晴らしかった。


一方「……日光の香り…だと…」


自分のジーンズから、ぽかぽかとしたお日様の香りを感じ取った一方通行が、この都市に戦慄したのはまだ今日の日の事である。


話を戻す事にする。
その、手元の上条のシャツは先ほど畳んだ自分のものより明らかに大きかった。


どうして、こんなに違うのか…。足は一方通行の方が長いので必然的に胴の長さは足りない。しかしそれだけではないはずなのだ。

彼は思わず手を止めて思案していた。


学園都市一位の頭脳は一見くだらない事も真剣に処理しようとする。


そして気が付いた。



277 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/18(土) 23:10:48.86 ID:WdopiYAO







一方「肩幅か……!」


喉に刺さっていた小骨がとれたような、そんな顔を一方通行はする。


確かに一方通行の肩幅は狭い。見た目で彼が性別不明とされるのは、顔の造形だけではなく女性とあまり変わらない細い骨格も影響している。


しかし、この場合は勿論それだけではない。上条にはあって一方通行には絶望的に欠けているもの−−−。

そう、筋肉である。


モヤシ体型と揶揄される彼は、長年のベクトル操作の影響でやはり筋肉量が少ない。よって端的に言うと体も薄っぺらい。巨乳の女性がどのトップスも丈が短いといった悩みを抱えるように、厚みは馬鹿に出来ないのだ。

しかし、誰も居ないのが幸いか一方通行の『骨格は仕方ねェよ、遺伝だし』との幻想(言い訳)は守られることとなった。


一方通行は心なしか上機嫌そうに作業を続けていく−−−。



278 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/18(土) 23:14:56.83 ID:WdopiYAO




−−−−−−−

ローラ「最初に朗報から話したるわ」


相変わらずローラは食えない笑みを浮かべている。


真っ暗な部屋に、しん、と言葉が響いていく。

ローラ「トリノ聖骸布のコピーが完成に終了。あとは魔翌力を注入済みの糸で縫うのみ、これは機械でも出来るから明日にでも完成、と工房からの連絡が入りにけるわ」

ステイル「……早いんじゃ無いですか」

ローラ「禁書目録が英国に戻ってきたときにはもう再発注しけるから、むしろ遅過ぎと表現すべきかしら」

ステイル「………」


果たして本当にそうなのだろうか。
もう造り終えていたにも関わらず、期が熟して居ないためにわざと渡していなかったのではないのか。


ステイル(−−そうだとしたら、僕はこの女を斬らなければいけない)

それならばインデックスの無用な怪我は防げたのかもしれない、彼女が苦しむ必要は無かったのかもしれない。


−−ぷっ、と彼女の顔が緩む。


急なシリアスムードブレイクはどうして起きたのかステイルは掴めない、ただ目の前の女を警戒するのみである。

279 :初見は>>18へ [sage]:2010/12/18(土) 23:19:04.67 ID:WdopiYAO




ローラ「…全くステイルったら物騒なのを好みたる年頃なりね!日本ではちゅうに」

ステイル「早くもう一つの話をして頂けませんか」

最早彼女が読心術を用いることも気にしない。『焦らしたかったのにー』と最大主教の戯言はもっと気にしないと心に決める。

ローラ「大英博物館から救助がありにけるわ」

ステイル「それのどこが朗報なんですか」

苛立ちを隠せないステイル=マグヌス、14歳。


ローラ「言いしことにはぁ?図書館が居座るのでぇ?いつまでも閉館出来ないぃ?引き取りにはぁ?来てはくれないのだろ」

ステイル「出かけてきます」


ローラにうざったい喋り方で皆まで言わせずに、ステイルは走ってこの部屋を去る。


ローラ「……頑張れ青少年、と言いしところかしら」

夜は寒いだろうにご苦労と呟き、彼女は今後の身の振り方を思案する−−。



280 :終わり [sage]:2010/12/18(土) 23:27:52.25 ID:WdopiYAO
さが忘れすぎなのとローラが変でごめんなさい、そしてすているさんじゅうよんさいは禁書でもトップ3に入る萌えキャラじゃないでしょうか

ちょっと更新のスピード上げたいなと思うのですが、一方さんを出すためには愉快に独り言を言わせるしか無くて、延々と独り言の一方さんはあまりに可愛いので、何か上手い案あったら教えて下さい。インデックスさん編はちょちょいとやるつもりです
281 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 03:51:45.60 ID:ekBPGq2o
乙!
体格差を気にしたり、第一位の頭脳で現実(マッスル)から目をそらしたりする
一方さんかわいいぜ!
282 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/19(日) 13:52:21.28 ID:ShNhYJ60
おつおつ!
一方さんと打ち止めとのメールモードなんてどうだろうか?
283 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/29(水) 22:09:50.36 ID:3xJdEMAO
まだかな?
284 :以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします [sage]:2010/12/30(木) 21:33:54.88 ID:MhuLL.AO
ごめんなさい!正月のサンタクロースにならないといけなくて、帰ってきたら寝てました
あと、展開もちょこっとつまづいたのでもう少し待っていただけたらと…、ホントすみません
285 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 22:28:28.53 ID:qzTfQOs0
乙です!
ここの一方さんは可愛すぎだ…。
286 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 23:31:37.78 ID:wQn2lsSO
>>285
ageんじゃねぇよ糞が
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 00:10:48.97 ID:BwPIOIjDO
舞ってる
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 03:08:26.42 ID:CPGXcfX+o
>>1待ってる
289 :1です [sage]:2011/01/13(木) 22:22:06.75 ID:OKFuaQXAO
お久しぶりです。音沙汰も無く申し訳ありませんでした
VIPのときに想定していたオチとは違う方向に行きたくて困っていたのですが、なんとかたどり着きそうなルートを作れたので頑張って書きたいと思ってますっ
正月中に読み返してみたらあまりに拙い文で熱が出るかと思いました、書き方と言うには稚拙ですが少し変えていきたいと考えてます
そして、落ち着いたら新SS板にお引っ越しさせていただく予定です。よろしくお願いします

SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

290 :真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
291 :1ですの :2011/01/16(日) 00:51:36.20 ID:a0pv4jnAO
あまりにお久しぶりです!
そして見てらっしゃる方は居るのかどうか?
一応存在証明の為に上げて、今回の投下始めます
292 :初見は>>18へ [sage]:2011/01/16(日) 00:53:17.30 ID:a0pv4jnAO






退屈な古典の授業も終わり、今は下校の時間。

上条は移転に関する書類を担任に提出し、彼の級友土御門と高層マンションまでの帰路に着いていた。


話す内容は、やはり例の魔術のことであった。
そもそも、男子寮から正反対にあるこちら側へ土御門が歩いているのも情報交換のためだったのだが。


上条「それにしても、分っかんないことばっかだよなー。 お前に効かないとか青ピも吹寄もおかしくならないとかインデックスが解き方を知らないとかさ」

腕を頭の後ろで組む上条を一瞥した土御門は、手に携帯を持って答える。

293 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 00:55:25.79 ID:a0pv4jnAO



土御門「概ね同意だが、まあ、最後のには最もらしい推測があると言っていいにゃー」

上条「ん?」

土御門「そもそも必要悪の教会がそれに気づいたのはインデックスが明らかにおかしい魔力の流れを感知したからだったぜよ。 当然魔道図書館で調べるものも、術の詳細さえも申し訳程度に、当然掛け方なんか載っていなかったそうだにゃー」

上条「ああ、俺との話でもそう言ってた」

今日はあそこの映画館に行きましょう!いえ超行くべきですね!とジャージの男女を引っ張る短いニットのワンピースを着た女子、インデックスと同じぐらいの背丈だろうかとすれ違いながら、あのときの会話がどのようなものだったかと回想した。

294 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 00:58:39.22 ID:a0pv4jnAO



土御門「その理由、俺が推測するにだが、引き起こされる四面楚歌は核兵器でいて麻薬みたいな物だからですたい」

上条「核兵器っつー喩えは分からなくも無いけど麻薬?」


例外はあるにしろ、被術者は多くの生物から全身全霊で命を狙われる。
それは想像を絶する恐怖で、シェルターの中にでも隠れなければまず助からないものだろう。

だが、麻薬―?
中毒性だったり、体を犯していくのか?

怪訝そうな顔をした上条に土御門はひらひらと手を降る。
考えなんてお見通しだとも言うように。


土御門「この場合は為政者のサイドぜよ。 戦闘に明け暮れる民、絶大な威力にすっかり虜になる魔術師。 結局のところ阿片によって傾いてしまった清朝のように国民をコントロールする術が無くなれば呆気なく国なんて倒れてしまうんじゃないかにゃー」

土御門の声色からは、何の感情も掴めなかった。
295 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:01:29.31 ID:a0pv4jnAO



上条「……」

土御門「だから、当時の教会も事なかれを選択して手段は全くもって不明だが、原典を封印もしくは消去したっつーのがこちらの見解だにゃー」

上条「……何となくは理解できた」

土御門「ああ、カミやんも指摘したように何世紀も前のエラーの多い術式で文献も頼りにして良いのか疑いがある。 だから専門じゃないカミやんはなんとなくで良いですたい。 そこら辺は大食いシスターが解くと奮起してるぜよ」

上条「インデックスが解くのか?」

インデックスは魔力の殆どを防御術式―ヨハネのペンに使っているのでは無かったか?
ああ、駄目だ。
魔術に関すると、つくづく自分の無知さが露呈する。

こんな体で、果たして一方通行を救済なんて出来るのか―?
296 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:04:35.47 ID:a0pv4jnAO




土御門「そうだにゃー。 一応は気休め程度に文献巡りをして、その後にカミやんに合流」

上条「原典とか魔道書に解き方は載ってないかもしれないのか?」

土御門「むしろ載っていたら奇跡、とでも言うべきかにゃー。 なんせカミやんでも破壊できない術式だ。 期待してないぜよ」

となれば、どうやって解く気なのか?

土御門「まあ詳しいことは観察してからになるが――」

土御門は言葉を切る。

土御門「ウチらの本質は聖職者なんだよ、カミやん」

上条「本質って」

土御門から真意を掴めなくて、つい拗ねたような声を出してしまった。

土御門「――主への、聖母への祈りだ」
297 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:05:41.68 ID:a0pv4jnAO






――――――――


午前7時
ロンドン、ヒースロー空港

インデックス「おっはよーなんだよ」

オリアナ「……ふぁー、…お嬢ちゃん元気が良いのね」

運び屋、オリアナ=トムソンは早朝の空港でプライベートジェットの離陸を待っていた。

オリアナ「お姉さん、昨日は激しかったから、眠くてしょうがないの」

インデックス「うぅ…。 せ、聖職者である私たちがそういうことを公言するのは」

オリアナ「速記原典に苦戦しちゃって」

蠱惑の声でインデックスに囁く。
たちまち顔の赤くなった護衛対象に彼女はうっすらとした笑みで笑いかけた。

オリアナ「あれあれ? どうしたのかな?」

インデックス「なっ、何でもないかもっ!」

オリアナ「案外耳年増? あの赤髪の男の子よりも詳しかったりしてね」

インデックス「おりあなは意地悪なんだよ…!」

くすくすと笑うオリアナは、急遽昨晩に依頼が舞い込んで来たため寝不足であり、誤解を招きたがる言動にも拍車が掛かっていた。
298 :初見は>>18へ :2011/01/16(日) 01:08:16.35 ID:a0pv4jnAO





オリアナ「朝だちなんて、インデックスは元気いっぱいね」

インデックス「平仮名にする理由はあったのかなあ! ねえっ!」

オリアナは余裕綽々の表情をついぞ崩さなかった。


オリアナへの依頼とは、前述の通りに諸国訪問するインデックスの護衛に他ならない。
被術者の事態は一刻を争うと憂慮したイギリス清教は、正式にインデックスを派遣する事に決めた。
しかし、彼女も清教の最終兵器であり、重要人物――と言った理由から、『追跡封じ』を雇うに至ると言うわけだ。
299 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:10:10.20 ID:a0pv4jnAO






オリアナ「それで、まずはアフリカに行くのよね」

インデックス「うん。 私の蔵書はヨーロッパに偏りがちだから、色んな所を訪れてみようかなって」

オリアナ「それにしても、一週間で終わらせるなんて激しすぎじゃないかなってお姉さんは思うんだけど」

インデックス「時間が無いの」


復活した歩く教会を着る少女は、キャスターの取っ手を握りしめる。
まだ、柔らかくて白い手だった。


インデックス「実はね、おりあなには申し訳ないけどこの旅にあんまり期待はしてないんだよ。 解があったら嬉しいけど多分、ううんきっと無いんじゃないかなって。 ――でも、可能性が存在する以上は無視なんか出来ない」

無視してはいけない、と語る。

インデックス「私は、あの優しい人たちを助けたいから」

オリアナ「……そうね」
300 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:11:27.33 ID:a0pv4jnAO





彼女は昔、皆が幸せになれる基準点を模索して学園都市に侵攻したことを思い出す。

それが、結果として少女らを傷つけてしまったこと、幸せを押し付けるなと言われたこと。


オリアナ(幻想殺しの居候なのよね)

どこかで不運に悩まされる者が居る、そしてこの少女は、きっと正しい方向で救おうとしているのだろう。


インデックス「だから、うかうかしてられないんだよ。 ちょっとだけ読むだけだから、時間はとらないかも…」


彼女に遠慮して言ったのか、言葉尻は少し不安げだった。
301 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:14:16.32 ID:a0pv4jnAO




最終目的地は学園都市。


オリアナ「大丈夫よ。 …お姉さんそういう直向きさは男の子も女の子も愛してるから」

今は、全力を尽くしてインデックスのサポートにあたろう。
今度こそ自分の力で、誰かを幸せにできるように。

インデックス「当然!ご当地のグルメも食べるんだよ!!」

オリアナ「うふふ。 女の子ががっつくのは、テーブルの上でもベッドの上でも嫌われちゃうのよ?」

インデックス「またおりあなってば! 私をからうのは止めて欲しいかも!」



献身的な子羊は強者の知識を守る(dedicatus545)と礎を担いし者(Basis104)による救済の旅、始まる。

302 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:15:33.70 ID:a0pv4jnAO







――――――――



一方「さンし」

上条「ただいまぁぁああ!」

ドスンと衝撃が駆け抜ける。

一方「――っ」

上条「無事で何より!!」

一方「き、軋むからァ…」


ガチャリとドアが開いた、学校から上条が帰って来た。
と認識すると同時に、座っていたソファーが多少動くぐらいの勢いを持って、後ろから衝撃を食らう。

杖も無く、不安定な体はバランスを崩してぽすんと倒れ込んだ。
慌てて上条が引き起こす。

上条「俺は一方通行が虫とか鳥に襲われてないかと不安で不安で」

一方「おい、そこらには能力ナシでも勝てンぞ」

上条「鷹とか強いだろ」

一方「そォだけど、鳥類には負けたくねェ」

303 :初見は>>18へ :2011/01/16(日) 01:17:09.83 ID:a0pv4jnAO





上条「あ、そう言えば」

ホラ、と言って上条が差し出すそれは、一方通行の目を輝かせた。

一方「パPコォ!」

上条「どうぞっパっPっコー、つーわけで買ってきた」

一方「良いねェ!良いねェ!最っ高だねェ!」

上条「俺もそんなに喜んでもらえるとは思わなかったわ」

パキン、片方を渡して手に残ったそれの取っ手を引きちぎる。

一方「功績からして今日のメシは牛ステーキにしてやろォじゃねェか!」

上条「うっしゃあああ!!」

アイスのおかげでハイな、青少年2人だった。
304 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/16(日) 01:19:08.42 ID:a0pv4jnAO






ちゅーちゅーと言う、アイスを吸う音が断続的に聞こえる。

一方「…やっぱりなァ」

上条「うん?どうしたんだ?」

一方「肩幅…、いや何でもねェ」

後ろから抱きつく上条の肩幅を試算してみると、やはり自分よりは広くてたくましいと感じられた。

人知れずガッツポーズをする一方通行。

それを知らずに土御門の言動をリピートする上条。



他者多様の初めてのお留守番は、こうして無事に終わりを迎えることとなる。


305 :終わり :2011/01/16(日) 01:22:33.47 ID:a0pv4jnAO
新EDに感涙し、新OPにwktkが止まらない季節ですね。インデックスさん可愛すぎるびびった
霜焼けにはくれぐれもお気をつけて
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 01:33:20.70 ID:srQvncEAO
きたぁぁあ!!!
今年初の乙はこのスレに…って決めてたからずっと待ってたんだよ!乙!
オリアナも出てくるなんて俺得すぐる

虫に襲われる一方さんでエッチな想像をしてしまったとかそんなことは…
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 03:13:56.59 ID:L0IXQ8lDO
乙超乙
オリアナいいなぁw
インデックスsideとか描写が丁寧で嬉しい
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 16:01:43.19 ID:pEBBavme0
確かにパ○コのコーヒー味はうますぎるぜぇ
おつおつ
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 22:22:34.52 ID:M9R7K76AO
遅くなりました、今週の投下始めます
310 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:23:50.44 ID:M9R7K76AO





上条「そう言えばさ」

一方「あァ?」

上条「髪、どこで切ってんだ?」

どう控えめに見ても六割が肉料理を占める食卓を大体空にしたところで上条は切り出した。
持っていたナイフを皿に置き、前髪を自身の右手の人差し指と中指で挟むジェスチャーを加えて。

ちょきちょき。

一方「自分でやってる」

上条「え、マジ?」

一方「大マジィ」

もぐもぐとかなりの高級品のステーキを粗雑に食べながら一方通行は答える。

一方「ベクトル操作駆使すりゃァ、髪型なンて思い通りなンだよ」

上条「それは、まあ便利だな」

一方「あァ。 今はそォでもねェが、7月頃の前下がりボブの頃には1日中試行錯誤したモンだ。 今になるとよォやっぱアレは失敗だったのか考えるよなァ。 研究者にも性別不明だのなンだの言われるしよォ。 何故かストレートに拘ってたし、あァでもやっぱ嫌いにはなれねェよ」

311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/23(日) 22:25:35.94 ID:M9R7K76AO





上条「れーたんの進路がまた広がったと」

一方「はァ?」

上条「いや、科学者とか研究者とか学者とか医者とか教師とか職人とか料理人とか、ベクトル操作の恩恵にあやかれば内定なんて腐るほどもらえるだろ? 美容師もいけんだろ? ああ羨ましいぜ」

一方「イヤ、ちげェ。 その妙な呼び名は」

上条「あくせられーただかられーたん。 レー太だと、どっかの軽音楽部の女子高生に抱かれて眠ってそうだし」

一方「気味が悪ィ……」

上条「れーたん(笑)」

一方「勝手に自分で付けといて、その態度とかふざけンじゃねェ」

上条「黒翼でレベル5な殴られ体質(笑)」

一方「俺はスイーツ(笑)じゃねェェェ!」

上条「いや、前下がりボブってJK御用達だろ?」

一方「まァ、そォだけどよォ……。 JKが全員スイーツ(笑)じゃねェし、勿論のこと俺も違う」
312 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:27:31.24 ID:M9R7K76AO




手を口に翳して生あくびをする一方通行。
そんな彼を見ながら上条は銀色のフォークをより一層強く握った。

上条「」ヒョイパク


一方「…あァ、ねみィ……」

上条「」モグモグ

一方「お?」


肉を落としていないかと皿を持ち上げて確認をしてみるが、案の定どこにもかしこにもありなどはしなかった。


困惑する一方通行を後目に、と何気ない口ぶりで申告する。

上条「ご馳走さまでしたっ!」

一方「……!」

上条「はっはーんってカミジョーはカミジョーはこの為にどうでも良い話してたんだよ!」

一方「…………」


313 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:28:22.79 ID:M9R7K76AO




上条「え?」

怒鳴る、叫ぶなどの反応はない。
下を向いていて表情もまた分からない。

上条(え? まさか泣き出す寸前!?)

今までの不幸から選択するに、これは悲しくて言葉が出ないパターンかもしれない。

上条(ど、どうしようか)

さっきまで一方通行をいじっていたこともあって、上条には思い当たる節が多すぎた。

一方「―――――――くか」


それは、あの夜初めて聞いた、第一位独特の笑い声。


一方「くかかきけけこかこきくかかか――ッ!」

上条からしてみると、同居人のシスターや彼の同級生達に盗み食いされるのは日常茶飯事であり、一方通行も噛みつきみたく首を絞めてくるぐらいかなーなんて軽い気持ちの行動だったのだが。

314 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:29:36.79 ID:M9R7K76AO




上条「あ、一方通行…?」

ゆらりと立ち上がった一方通行は一歩、二歩とその距離を近づけていく。
縮まる度に、部屋の彩色がどんどん落ちていくような気がする。
その中で、線の細い少年だけは比例してどんどん眩さを増した。
瞳は赤く輝き、肌と髪はどこまでも白く穢れがない。

上条「……っ!!」

一方「駄目だなァ、どォせやンならよォ。 完っ璧にやンなきゃさァァ?」

上条の横をするりと抜け、その微動だにしない彼の首を指の腹で軽く撫でる。
女性のような長くて細い指が上条の恐怖を煽る。
今にも絡みつかれて、呼吸困難にされるのでは無いかと。

一方「せっかく奪えたンだから、バラさなくて良かったのになァ?」

くくく、と喉の奥で笑う声に手が痺れるぐらいの緊張を覚えた。


一方「まァ、三下の事を見誤ってた俺も悪い。 だから、設定し直して痛み分けっつゥのにしよォぜ」

315 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:30:40.69 ID:M9R7K76AO





上条「…さ、再設定…?」

一方「あァ」


一回、言葉を切る。
そして衣擦れの音がして、限りなく顔が近いことに彼は気づく。

鼻先が耳に触れたからだった。


一方「反抗しないよォに再設定…。 そォだなァ、俺を相手取るのがどォいうことか、ゆっくりじっくり丁寧に分からせてやる。 肉体言語的にもなァ」

上条「――っ!」

上条(やべえ、こいつ実はSキャラだったのにここ2〜3日ですっかり忘れていた!)

と、上条が激しく後悔しても後の祭り。


一方「オ シ オ キ だ な ァ」


にいっと白い悪魔は笑ってみせた。

316 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:32:40.67 ID:M9R7K76AO








初春「それで歯磨きプレイとかベクトルプレイとか知を尽くした残虐が、あの後にあると思うんですよ!」

佐天「へ、へえ…」

語気を荒げる初春に、佐天は少しだけ、いやかなりヒいた。

初春飾利は彼女の年齢からすると少し特殊な性癖を持つ。
いつもはスカート捲りにも赤くなる乙女だが、彼女の聖戦(ジハード)になるとたちまちいでたちを変える――。

伊達眼鏡、真っ赤なジャージ、上げてある前髪。

そう、彼女は腐女子であった。


317 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:33:36.91 ID:M9R7K76AO





初春「いやあ、絶対に一方通行さんは受けじゃないと嫌だなんて主張していた過去の私をぶん殴りたいですね! あの上条さんのデフォルトな困り顔とか凄く良いですし、声も若干高いですよね! それにそんなに背が高くないとか上条さんホント可愛いと思うんですよ!! そんな上条さんに一方通行さんがアクセラレートしちゃっても何らおかしいところなんて…!」


佐天「そ、そうなんだ…」

佐天(――初春は今日もどうやら元気なようです。 私の知らない方向でですけど)

誰か止められるのなら初春を止めてくれ。
そんなことを思い、とりあえず今は悶える親友のために白黒の原稿にトーンを張る佐天涙子だった。

佐天(どうしてこうなった)

――――――――

318 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:35:09.46 ID:M9R7K76AO







一方「だから、ω^3nは1になンだろ? だったらω^147は1じゃねェか」

上条「さ、3n?」

一方「3の倍数とでも思ってろ」

上条「ああ、えっと、で1と4と7だから3の倍数?」

一方「あァ」

上条「あっ、そっか! で、これとこれを足して0か?」

一方「じゃねェの?」

その声に押された上条は、意を決して答えの欄を見る。

上条「合ってたああ!」

一方「そォか…」

目を輝かせる上条の隣で一方通行はポテトチップスをほおばっていた。
ちなみに今日の夕飯は鍋焼きうどんで、決して肉料理の類では無いことをここに加筆しておく。
319 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:35:58.97 ID:M9R7K76AO







上条「まさか上条さんが数学が出来るなんて!」

一方「そォか、そりゃ良かったなァ」

上条「一方通行のおかげだって! サンキュ!」

一方「あァ」

満面の笑みの上条が片手を出して、それに一方通行が答えて手を出す。

パシン!

乾いた音がした。


上条「俺、文系みたいでさあ。 国語とかは結構得意なんだけど、数学はからっきしで。 不幸だから勘にも頼れないし」

一方「この都市に文系ってのは存在してたンだな」

上条「失敬な。 俺達はたくましく生きてんだよ」
320 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:37:06.35 ID:M9R7K76AO





一方「そォですかァ。 ンじゃ、ちょっと風呂でも入ってくるわ」

上条「ごゆっくりー」

机に向かう上条を置いて、一方通行は風呂場へ向かった。



カリカリ。

カリカリ。


ここは上条の部屋では無いのだが、なんとなく一人でしかも狭い部屋で勉強する気にはなれなくて、ついリビングで勉強をしていた。

幸い、学園都市で最も優秀な人物に教えを乞うただけあって、すらすらと課題は解決していく。

321 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:38:45.91 ID:M9R7K76AO





カリカリ。

カリカリ。


上条は思案する。
インデックスが一週間ぐらいしたら、ここに来る。
果たして、インデックスと一方通行は仲良く出来るのだろうか?
一応はお互い知り合いであるらしいし、上条の同居人達という共通点もある。
けれど、全くタイプの違う天才だ。
何か、自分には分からないレベルで喧嘩をされたらどうしよう。
伊能忠敬を知らなかった自分が対処出来るのか。

とはいえ、なるようになるだろう。
最悪幻想殺しで押さえつけてしまえば。


カリカリ。

カリカリ。



一方通行が風呂場に行ってから、時間にして15分は経っただろうか。




「うああァァァァァァァァァ!!」


突然の叫びに上条は身構える。
322 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/01/23(日) 22:40:29.67 ID:M9R7K76AO




ガチャン!
ドタドタドタドタ!


一方「さ、三下ァァァ!」

上条「どうした一方通行! 敵か!?」

一方「敵っちゃァ敵だ!!」

腰に布一枚で、全身をビチャビチャに濡らしたままの一方通行は、上条を見下ろす角度で言った。


一方「カラス!! 奴らが窓ガラスに特攻すンだよ!!」

上条「お、おぉ…」

ハトにしろカラスにしろ、鳥類に本当に弱いんだなあと上条は少し憐れんだ。
次はツバメあたりか?


一方「クソっ! あいつらに親近感なンざ持つンじゃなかった!!」


裏切られた仲間のような言動をする一方通行に、どう反応すべきかつかめなかったのだが、とりあえず風呂場からタオルを持って行くことにした。

明日殺虫剤を買おうと決意しながら。


323 :おわり :2011/01/23(日) 22:44:21.60 ID:M9R7K76AO
初春さんはお嬢様にあこがれるとってもかわいらしくて、ちょっと腹黒な素敵な女の子ですよね!
それと今回は>>806さんのレスでインスピレーション…、自分に虫姦属性はありませんが鳥とか斬新で素敵!新OPみたい!
それではまた週末にお会いしましょう
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 22:45:58.59 ID:M9R7K76AO
いやー!
>>306さんですごめんなさい!!
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 23:41:21.82 ID:DMWjVYXDO

虫に特攻されたら怖すぎるなww
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 03:51:23.03 ID:EbOzQunho
乙です!

お高い高層マンションだし、夜景が見える窓のでかい風呂場なんだろうなあ…
ヒッチコック風呂怖いw
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 18:34:12.27 ID:IS5/mxLDO
カラスに親近感wwwwww
黒翼(笑)ですねわかります
それにしても腰に布一枚でびちょびちょか…ふむ…

おつおつ!
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 18:36:07.98 ID:IS5/mxLDO
sage忘れた…さーせん…
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 04:29:04.97 ID:ozCtvuBDO
私まーつーわ
330 :裏筋の方々のお話 [saga]:2011/02/02(水) 00:24:49.85 ID:owGzM56AO





結標「――それで、これは何なのかしら。 パッケージを見たところ小学生女子が沢山出てくるアニメらしいけれど」

土御門「報酬でいただいてきたぜよ」

海原「右に同じく、ですね」

結標「死ね」ヒュン

土御門「ちょっ服!」

海原「男性の下着だけの姿と言うのはどうなんでしょうかね」

結標「だっておかしいでしょう。 そもそも、この会社は何屋さんですか? はい、土御門!」ビシッ

土御門「運送屋さンでェす」

結標「そうね、えっと次回作も楽しみにしてます」

海原「魔術サイド、楽しみですね」

結標「そう! 私たちは運送屋『gRoup』よ。 じゃあ誰が荷物を運んでいますか? 海原!」ビシッ

海原「ほぼ結標さんですね」

結標「九分九厘私よ! 社長も私!」
331 :初見は>>18へ [sage]:2011/02/02(水) 00:26:19.34 ID:owGzM56AO




土御門「繁盛してて素晴らしいにゃー」

海原「ホントですよ。 さすが結標さんですね」

結標「あなたたちがそうやって誉めるから私もいい気になってしまったのだけど」

結標「報酬がこじかって……! 見たこと無いからあまり偉そうには言えないけど、こじかって……!」


結標「あとそれと、おち○こ見てニヤニヤするの止めてくれないかしら」

土御門「好きだからー」

海原「好きならばー」

結標「分かるでしょ、ってやかましいわ!」
332 :初見は>>18へ [sage]:2011/02/02(水) 00:27:30.97 ID:owGzM56AO



土御門「はあ、義妹萌えー」


結標「次は冗談抜きで皮膚剥ぐわよ」

土御門「……」

結標「まったく、私も1日9時間労働で頑張ってるの。 だから、あなたたちも……ってそれは!」


海原「真実はいつも」ニコッ


結標「一つ! はあはあ、コナソ君…、かぁいいよぉ…」

海原「学園都市で娯楽品は非常に高価ですからね。 勿論、要らないと言うのならお返ししますが」

結標「やれば出来るじゃない! じゃあ、さっさと仕事よ、仕事」

土御門・海原((チョロいチョロい))

333 :初見は>>18へ [sage]:2011/02/02(水) 00:30:05.39 ID:owGzM56AO
そういえば運送屋さんのその後を書いていなかったので。
しかし、おふざけが過ぎました。
本編はもう少しお待ち下さい。それとネタ提供していただけたらホントに助かります、あの人ら2人で何をお喋りするんだろうか
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/02(水) 17:13:33.70 ID:s9w8qePp0
乙!
ほのぼのが読めればそれで良いさ
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 17:55:22.96 ID:Yx9b3T9SO
しかしこれBLってほどBLでもなくね?
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 18:07:07.36 ID:kI4OWA5DO
そこがいいのさ
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 02:22:25.90 ID:17iDy3f1o
もうカラスが怖いから一緒にお風呂入っちゃえよ、乙!

あと、上条さんの学校生活のグチ聞いて「…俺クラスメイトってわかンない」ってどんよりしたり
一人学級とかwから子供の頃ってどんなのだったの?という話題になりそうになって
「ヤバイ、俺子供時代の記憶ないんでした!」ってあわてて回避したりすればいいじゃない
338 :1です :2011/02/11(金) 18:10:13.38 ID:X6mVbBtAO
今日、投下出来るようにもうちょい頑張って来ます

>>335
と言われるとBL書こうかなって思っちゃうじゃないですかー!
一週間考えたけどボーイズでラブるってどーいうことなんですかねー!
>>337
ネタありがとうございます!
そうか……、その手があったなあ
書いてきまぁぁすっ
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 21:31:18.37 ID:0oeQpMgm0
……来るかな?楽しみにしてるんだよ!乙!
340 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/12(土) 00:07:26.37 ID:D+vQ8ijAO






毛布越しに、くぐもった声が聞こえる。
少年からすると、早く寝させて欲しくてたまらないのだが、如何せん白い最強様は震えが止まらないらしい。


一方「……寒い」

上条「ぶっちゃけ上条さんにそんなこと言われましても」

一方「風呂入り損ねた」

上条「知ってる、それにカラスにも丁重にお帰り頂けましたから」

一方「……三下、寒い」

上条「何ならシャワー浴びて来れば良いだろ?」

一方「めンどい」

上条「わーい、上条さん今軽くイラっ☆としてますのことよー」

一方「……」

逆上がりをするときの体勢のように、膝を腕で抱え込んでいる図がベッド内で発見された。

ご丁寧なことにパーカーと靴下まで身につけていたのだが、本当にこれで寒いのだろうか。
まだ冬には早いのだが。

341 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/12(土) 00:08:48.88 ID:D+vQ8ijAO




上条「寒がり?」

一方「分かンねェ、今までは反射してきたし」

あー、なるほど、と合点がいく。
今までのホワイトリスト方式では気温だって操作の対象なのだろう。
この場合寒さだけではなく、きっと暑さにも弱いはず。


一方「今年ぜってェ風邪ひくわ」

上条「思ってるより冬は寒いぜ」

呻き声をあげて、また一段と下へ潜っていこうとする。
上条が片方の手首を握っているため、それは不可能に終わるのだが。

上条(コイツの手首、冷たい)

一方「なァ、暖房入れよォぜ」

上条「却下」

一方「ドケチ」

上条「大概な金銭感覚よりかはマシだろ」

一方「くそォ……」
342 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/12(土) 00:11:45.55 ID:D+vQ8ijAO






どうにもあの薄い身体では、何を着たって寒いはずなのだ。

上条(少し太るべきだよなあ)

ちらりと脳裏をよぎるのは、薄く滑らかな肌。それでいて何処までも白かった。

今日の風呂から逃げてきた、タオル一枚の――。

上条(……いや、そういう趣味はないから)

……明日は学校だと言うのに、自分は何を考えているのやら。

昔の自分を覚えてはいないが、きっと同性の震えている様子に興を覚える輩ではなかっただろう。


上条(ちょっとしたSっ気だ。 ああ、そうに決まってやがる)

もしくは同情、先ほどから断続的にベットが揺れるぐらいだ。

しかし、少しだけ逡巡して。

上条「はいはい、上条さん湯たんぽを堪能しやがれ」

ゴロゴロと転がり、一人ぐらい入れそうには開けていた彼らのスペースをあえてつめてしまった。

右を見ると、呼吸も聞こえそうなほど近くに一方通行の顔があって、薄闇のなかルビー色をした瞳が光る。


相変わらず、彼の血の色は美しい。
343 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/12(土) 00:13:55.77 ID:D+vQ8ijAO



上条「漫画とかであるじゃん、その、雪山で遭難したときみたいにさ人肌で暖をとれ! …みたいな?」

おちゃらけて、ごまかして、笑う。
何だか柄にもないし、恥ずかしい。

一方「……」

上条(近い近い! いや俺がやった事だけども! つーか何か喋れよ!)

一方「三下ァ」

上条「はい…?」

やはり、愉快ではない手段なのだろうか。それとも、暖かくはなかったりするのか。
そして、果たして効果的なのだろうか。



一方「もォちょい寄れ」

上条「は」

一方「雪山の場合は気化熱で逃げてった分、衣服を暖める目的なンだよ。 なかなか盲点だが、これじゃァ衣服と衣服の接触なだけで根本的な解決にはなってねェ」

だから寄れ、と一方通行は繰り返す。
344 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/12(土) 00:15:00.61 ID:D+vQ8ijAO





上条「――まさか、理詰めで返されるとは思ってなかった」

一方「はン、科学の最たる俺に何ほざいてンだよ」

上条「ははっ、べっつにー?」


さすがだなあと思わざるを得なかった。

ちゃんと理論で返して来ることであったり、どこまでも不遜な態度であったり。




上条「お前がこっち来いよ。 上条さん受け止めてやるぜ」
345 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/12(土) 00:16:30.83 ID:D+vQ8ijAO





何だかハイになって、クラスの友人に対するような冗談を言ってみたりして。

一方「きめェ」

上条「頼んどいて何だそれは! なんかグサッと来たじゃねえか」

一方「三下くンの安定した気持ち悪さァ」

上条「このっ!」


案外最強は親しみやすいのかもしれないと思う。

この笑みを見ると。


上条(明日遅刻しませんように!)


時刻は1時を超えてしまっていた。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 00:26:17.13 ID:D+vQ8ijAO
Q ま、まさかこれだけの量の投下で一週間もかかりやがったのか!?

A いいえ、一週間以上でございます

ごめんなさい、遅筆とかンなレベル越えてやがるぜ!?な感じです。そもそもBLってなんなのか、模索した結果更に暗中へ、ははっ、ワロス。
しかし休日なので頑張って書いてきます、何時も何時も支援ありがとうございます。ダメニンゲンで申し訳ない
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 00:44:13.46 ID:dani56ob0
大丈夫だ、BLにならなくても十分美味しい
ということで風邪ひかない程度に頑張って書き溜めて来るがいいッ!
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 00:50:50.24 ID:191JEGrk0
乙!
いや、夜の場面は立派にBLってるって、今日もそうだけど
つーか、このスレ程男女比気になるスレはあるまい
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 03:50:32.91 ID:0j82pWvDO
おつ
ホm…上条さんまじ上条さん
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 23:19:30.39 ID:MGpogfVAO
乙。Sっ気がある上条さんって良いな。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 00:17:34.56 ID:p7pmb85S0
乙!
352 :>>1 [sage]:2011/02/14(月) 02:18:28.73 ID:uZYkg3OAO
ハッピーバレンタイン(笑)!
ということで深夜は誰も居ないだろうしまたもや番外編というかある種のパラレル投下
353 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:21:14.95 ID:uZYkg3OAO





上条「一方通行さん、今日は何の日かご存知ですかね」

一方「カップルがヤりまくる日」

上条「……おうふ、即答……、それに随分悪意のこもった覚え方してるんだな……」

一方「憐れみの目で見るンじゃねェ」

上条「いやあ、この季節に独り者だと本当に辛い」

一方「それは大変なことで」

上条「なんで関係なさげなオーラ出してんだよ、お前だって恋人居ねえだろうよ」

一方「まず必要ねェし、第一オマエ無しじゃここから出れねェ俺にどォやって恋人を作れと? それとも何だァ? 三下はまさか女でしたァとかぬかすンじゃァねェよなァ?」

上条「俺はむしろお前が女かもしれないと疑ったときがあるけど」
354 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:22:52.94 ID:uZYkg3OAO





一方「はァ? 見りゃァ分かるだろォよ?」

上条「その言い方絶対良くない。 断言してやる」

一方「なンだァ? 三下のビー玉如きの目玉じゃ俺が女に見えるとでも?」

上条「たまに疑わしい時はあんだよなー、と言いますかね、お前機嫌悪くないか?」

一方「別にィ?」

上条「ホント? なんか眉間の皺が五割増ぐらいになってないか」

一方「なってねェつってンだろォ!」ウガー

上条「なってる! なってるって」ピャー
355 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:25:07.63 ID:uZYkg3OAO





一方「じゃァ言うがなァ! オマエのその甘ったるい匂いで不快なンだよ!」

上条「そんなこと言われましても……、甘いか?」

一方「チョコレート・バニラエッセンス・・小豆・カスタード・蜂蜜……」

上条「確かにそれ、学校でもらって来た……けど、さ」

一方「あァ、我慢ならねェ――」

つファブ○ーズ

上条「え、おいおいマジ本気」

一方「割と――本気」

上条「ちょっ、原液はまじ止めてぶっかけないで!!」

一方「皮膚呼吸して倒れろォォ!!」

上条「んぎゃぁぁああああ!!!! 不幸だぁああああ!!」
356 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:26:02.98 ID:uZYkg3OAO








上条「結局、ファ○リーズは学生服だけでした。 これをツンギレと言わずに何をツンギレと呼ぶのでせうか」

一方「あァ、忌々しい……。 換気扇」

上条「ただの僻みじゃねえの、それ」

一方「うぜェ」

上条「うぜえで済ます癖直せって」

一方「じゃ、死ね」

上条「うざいで十分でした」ペコリ

一方「はン、オマエにはプライドとか無いンですかァ?」
357 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:27:11.96 ID:uZYkg3OAO


上条「あるはあるけど、お前と暮らしていく中で邪魔でしか無いことに気づいた」

一方「三下も進化できたと」

上条「三下じゃなくて二下ぐらいになれるんじゃないかなと」

一方「無理ィ。 あり得ねェっつゥの」ギャハ

上条「本当に今日はドSだよな。 いつもは天然とツンデレの間ぐらいなのに……」ショボーン

一方「……ンな甘ったるい匂いして帰ってくンのが悪ィ」

上条「そうは言っても、義理でもわざわざ作ってくれたのを無碍には出来ないだろ」

一方「義理……ねェ?」

一方(……鈍感クソバカにも程があンだろォよ)
358 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:28:37.38 ID:uZYkg3OAO






一方「倍率高い三下は腹一杯なンだな?」

上条「だから、上条さん宛てに本命なんて誰もくれはしないから。 それと、今日は色々と走り回ったし満腹ではねえよ」

一方「そォかよ、じゃ夕メシはオマエの分も作ンねェとなァ」


上条「そこなんだけど、ちょっと待ってくれ」

ソファーから立ち上がろうとした彼の左手を、ぐいっと引っ張る。
杖が無いので簡単にバランスを崩し、まるで逆再生かの如くシートに戻って来てしまった。


一方「―引っ張ンな」

上条「ごめん」

一方「……ンで? 何の用だ」

359 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:33:13.61 ID:uZYkg3OAO






上条「お前も甘いよ」




沈黙。
換気扇の低温が重く響いてくる。

視線。
どんな感情を向けられているのか。







360 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:34:26.05 ID:uZYkg3OAO





上条「あー、悪態つかないってことは正しいんだよな?」

一方「……うぜェ」

上条「焼いた匂いと、林檎だから」

一方「言うな」

上条「それにしてもさ」

一方「……」

上条「バレンタインデーにはちゃんと作って、他の子に貰ってるから地味に嫉妬して、作ってあるの言い出せないなんて」

一方「……曲解すンじゃねェ」

握られなれた手から、いつもより感じる圧力。

上条「オマエが女だったら惚れるね」


またもや沈黙があって。

それから、大きなため息が一つ。
361 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/14(月) 02:35:29.85 ID:uZYkg3OAO






上条「いてっ!」

一方「ベクトルチョップ」

上条「そんな何回も叩くな、っいたっ」

一方「ドヤ顔すンじゃねェぞ、三下がァ。 つゥか男で良かった」

上条「なんだよー、女体化一方通行萌えーってだけだろ」

一方「だけの定義があやふやすぎンだよ」


今度は引き止められなかった。
少しだけ安心をする。


吐き捨てるように言った。


一方「食べてェなら勝手に食え」

上条「いただくに決まってんだろ」
362 :終わり [sage]:2011/02/14(月) 02:44:48.80 ID:uZYkg3OAO
これはパラレルですしおすし
最近上条さんが可愛さと一方さんの萌えキャラ度に気づいた、新OPとか何かと殺しに来てて素晴らしい、滴る
>>348
男女比は自分も気になっていたところなんだ、深夜コメ多くてどういうことなの…?
自分はふたなりなので1対1からですね^^
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 02:50:13.73 ID:9Uvv4moR0
乙おつ
何というかバレンタイン最高だな…!
嫉妬一方さんかわいすぎる
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 03:02:47.57 ID:TMqnBY7Uo
寝ようとしたら投下来てたから起きてた!乙!

5割増しになった眉間を「そんな顔してると幸せが逃げるぞ?」とか言いながら
上条さんがグリグリしてあげるところまで余裕で想像できた
一方さんのかわいい生物っぷりで死にそう
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 20:43:14.65 ID:snW0O9Lw0
……上一目覚めたかもしれないんだがどうしようか……
俺は上イン厨、あれ?
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 22:30:40.28 ID:IdpjqWaAO
まさかのバレンタイン番外編。チョコ貰えなくてもこれで幸せ……
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 22:33:08.15 ID:s52np9HU0
乙!
なんなのでせう、この可愛らしい二人……!
チョコの匂いする上条さんと林檎の匂いする一方さんを
二人まとめてぎゅってしたい。
368 :>>1 [sage]:2011/02/17(木) 00:49:12.67 ID:UuZMWNsAO
平日に投下という有り得ないことをしでかすので本人か疑わしかったらごめんなさい。一応>>1です
369 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 00:52:15.96 ID:UuZMWNsAO





上条「先生、昨日の書類に判子お願いします」

小萌「どれどれー?」


キャスター付きの椅子に几帳面にも正座したまま書類を受け取り、小萌はそれに目を通す。
何も置けないほど机はまあ酷い有り様なのだが、上条は彼女の部屋を知っているため驚きはしない、ただただ呆れた。

上条(さすがホワイトスモーカー……)


一通り彼女は確認をする。
どうやら不幸体質の彼にしては珍しいことに記入ミスが一切無いらしい。

小萌はほっと胸をなで下ろす教え子の方を向き、少女にしか見えない様相で微笑んだ。


小萌「うん、上条ちゃんにしてはしっかり書いて来てくれたんですねー」

上条「無断引っ越しでアンチスキルに捕まるのも嫌なんで」


偉いですよー、と小さい体躯を伸ばして頭を撫でる。
それが少しだけむず痒い。


370 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 00:54:49.77 ID:UuZMWNsAO




小萌「ここのマンションって高級な物でしたよね。 依頼だとしても先生より上条ちゃんの方が良いお家に住んでると……」

上条「本当すみませんでした!」

夏休み中の事件のせいで(記憶を失う前の事らしいが)、月詠小萌の部屋に大きな穴を開け、今はブルーシートとベニヤ板で補強しているそうだ。

小萌「じゃあ、これは学校側から上層部へ渡しておきますね」

上条「よろしくお願いします」

小萌「それとですね、上条ちゃん」

上条「はい?」

小萌「先生、上条ちゃんにプレゼントがあるんです」

白く細くて触ると柔らかそうな指で、小萌は敢えて上条が物理的にも会話の内容でも触れなかった、乱雑にされている机の一角を占めていた白いタワーを差した。


上条「――え?」


残念ながら深層で抱いていた懸念は当たってしまった。


小萌「進級したいなら課題がんばるのですよー?」


そう言って何枚ものプリントを渡す月詠小萌は年齢にふさわしい恐ろしく禍々しい笑みをしていた。

371 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 00:56:55.10 ID:UuZMWNsAO





―――――


打ち止め『それでねそれでね、牧場も行ったでしょ? 漁港も見たでしょ? あと湿地にも行ったのってミサカはミサカは回想してみたり!』

一方「クソ……自慢すンな」

打ち止め『え? あなたもヒーローさんと旅行してたんじゃなかったっけってミサカはミサカは先日の事を思い返してみる』

一方「……あァ、それなら方向性の違いで解散したンだわ」

一方(どンな嘘ついたっけか……、ったく覚えてねェ)

打ち止め『まるでバンドみたいだねってミサカはミサカは興奮してみる!』

先日ついた嘘のツケが回ってきた、またもや嘘を考えなければと一方通行はその出来の良い頭をフルで回転させる。

一方「方向性と――、あれだ、あの男は確か学校あるンだわ」

打ち止め『その言い方的に、あなたはやっぱり学園都市に居ないのねってミサカはミサカは再度確認してみる』

一方「あァ」

それは勿論真っ赤な嘘で、ただ今の彼は高級マンションの一室でテレビを見ているところである。
そしてその昼ドラは三人の男に求愛される女、しかし彼女は…という続きが気になるものだったのだ。

372 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 01:00:57.46 ID:UuZMWNsAO





打ち止め『ミサカ達は白い変人と花○牧場の生キャラメル買ってきたんだよーってミサカはミサカはあなたへのお土産を大々発表!』

一方「そォかよ」

甘いものはあまり好まないと公言しているというのに、と少しだけ気を落としたが言わなかったこちらも悪いし、何より気を使わせておいて悪態をつくのは如何なものだろうか。


とりあえず、甘くない、それでいて長持ちするお土産は無いものかと思索し……。



一方「乾きもの」

打ち止め『へ?』

一方「買ってきただろォな?」

打ち止め『ほっけだっけ? とりあえず買ったはずだけどってミサカはミサカは答えてみる』

一方「ンなら俺の分も残しとけ」

打ち止め『じゃあそうやってヨミカワに頼んでおくねってミサカはミサカは伝言を思い返してみる』

分かりづらくそれとなく伝わる言い回しをしたはずなのに、はっきりと自分の意志を要約されると何だか妙に恥ずかしい。
しかもそれは曲解では無いのだから。


打ち止め『――で、肝心なことなんだけど。 あなたってばいつこっちに帰ってくるの?ってミサカはミサカは尋ねてみる』

一方「あァ……」

それを言われてしまうと弱い。
それは何故か?

この馬鹿げた魔術がいつ解除されるのかは、彼も幻想殺しも知るところではなかった。
373 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 01:06:15.54 ID:UuZMWNsAO





なんと返答すべきか考えあぐねるうちに、ふと目元の異変に気づく、いつの間にやら眩しいではないか。
光源を辿ると、薄く白いカーテンの隙間から漏れた光であった。
それがちょうどこちらへ差し込んで来たらしい。
反射的にまぶたを閉じる。

視界が赤い。
血が通っているから。
まだ生かされている。
誰に?


あの少年以外の誰だと言うのだ。


一方(こいつらと俺は、生きて相対出来ンのかね)
374 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 01:09:23.20 ID:UuZMWNsAO





ふと目をやると昼ドラがドロドロと盛り上がっている。
化粧気の全くない女が、ただ一心不乱に瞑想する。どうでも良い事なのだが、この作品のヒロインは尼らしい。


……とりあえず存在していた沈黙を破ることにした。


一方「菩薩が下界に戻って来るよりは早ェと思う」


またもや沈黙。


打ち止め『斜め上のボケって言うか56億年後と比較するぐらいなの!?ってミサカはミサカは今必死に検索した!』

一方「俺は自分探ししてるンですゥ。修行しまくって早96億年とかっつゥ愚鈍な奴よりかはマシに違いねェだろ」

打ち止め「まあ、そう言われちゃうとそうなんだけどねってミサカはミサカはちょっとだけ附に落ちなかったり?」


物言いたげな語尾には、敢えて気づかないふりをした。

375 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 01:11:00.42 ID:UuZMWNsAO





一方(……クソが)

察しろと暗に言っていることを理解したのか、それ以上は少しも語りはしない。
これは打ち止めの踏み込んで来ない性格を利用した姑息な手段で、全部ありのままに話した方が幾らかマシではないかとこうやって戯れる今だって思っている。


よく分からないうちに勝手に居なくなって、理由も説明されないまま何かに巻き込まれているようで。
もしそんな立場に打ち止めがなったら、何もしてやれない自分を責めるだろう。
仮定を取り外してしまえば、今そうやって彼女を追い込んでいるのは紛れもない自分。


これ以上彼女が自分自身を思いあぐねるなんてさせたく無いのに、全てが全てマイナスに向かっている気がする。

376 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 01:11:57.01 ID:UuZMWNsAO






それは今に始まった事ではなくて、あの始まりの終わりの日からそうだったのだろうか。

泥沼化していく思考回路にまで激しい嫌悪を抱く。極論を言ってしまうと、この自己嫌悪で自己否定な自己疎外は単なる自己保存なのか。


打ち止め「ミサカは待ってるよ、あなたのこと」


それでも、いくら下劣だとしても自分には電話の先の少女が居る。
一方通行は携帯を強く握った。


一方「――それはどォも」

打ち止め「だから戻ってきてね」

一方「……考えておく」


断言が出来ないことに苛立つのだけれど、いくら自分に腹を立てたって何も解決しないのだ。

あと数日だけは、こうやって忸怩とした思いを引きずりながら過ごしていこう。
そう、今までのような生き方で。
377 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/17(木) 01:16:43.35 ID:UuZMWNsAO







通話時間は10分強、気にはしないが通話料金も表示される画面を見つめる。
やがて照明が切れ、暗くなった画面に顔が映る。


何故か見覚えのない表情だった。
そしてそれは、嫌いではなかった。








一方「見逃しちまった」

何やら男の1人が行動に出たらしい。
また明日が気になるところである。

テレビのスイッチを消す。
とりあえず今だけは一眠りぐらいしたって許されるだろうとフローリングに横たわった。


一方(三下帰る前には起きねェと……)


378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:21:04.65 ID:UuZMWNsAO
一方さんウジウジ悩む編、そして小萌ちゃん可愛いよ編でした。
フィクションの昼ドラについては深いこと考えないで下さい。
あと、まだまだこの日は続きます。

次回はインデックス・オリアナの世界紀行とサディスティック上条さんが登場……するかなあ?

ではまたお会いしましょう!
379 :名無しさん@お腹いっぱい。 [sage]:2011/02/17(木) 02:02:37.70 ID:GQc9a7tno
乙!

だんだん本筋が進んでる感じだ…禁書さんの出番楽しみです
一方さんと上条さんは音楽性の違いで本当に喧嘩しそうだw
「この曲いいよなー、特に歌詞が」
「ケータイ小説のフレーズ並べただけじゃねェか、やっすい歌だなァオイ」
「会いたいのに会えないとか切なくてキュンとするだろ!?共感ゼロ!?信じらんねえ!」みたいな
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 21:04:05.74 ID:pILqle6DO
一方さんせつねー…
S条さん期待!乙!
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 01:38:08.24 ID:M2sLj6oDO
昼ドラきになっちゃうのかww
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 23:47:44.01 ID:4Zj8jImJ0
おつ、オリアナさんとインデックス楽しみすぐる
つーか昨日今日のvipはここの再来を思わせたぜぇ・・・
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 07:06:48.20 ID:FLm2pB29o
やっと見つけた
11月ぶりだ楽しみ乙
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 22:22:11.04 ID:Soimq1o50
一方さんかわいい。
続き楽しみです。乙!
385 :>>1 [sage]:2011/02/23(水) 02:29:46.29 ID:+OpC90EAO
こんばんは、またもや番外編、しかも二作です
そろそろ怒られるべきです、ごめんなさい
386 :2月22日 [sage]:2011/02/23(水) 02:30:47.79 ID:+OpC90EAO



一方「ンで、そのふざけた物体は何だ三下、二秒で答えろ」

上条「ねこみっ、おわっ!」

一方「戯言ほざいてンじゃねェぞォォ、三下がァァァああ!!」ウガー

上条「俺が買ってきたんじゃないからっ!」ピャー

一方「そンなンしてたらベランダからバイバイ確定」

上条「ここ高層マンションじゃね!?」

一方「ンで、答えろ」

上条「今日も相変わらずの暴虐っぷりで……、ああきれんな。 これは青髪の奴が持ってけって」

一方「あァ?」

上条「鈴科さん(笑)にどうぞって」

一方「……」プルプル

上条「俺、貰ってきただけだから」

一方「……なンで捨てねェ」

上条「上条さん貧乏性で、これもいつか使うんじゃないかなー…って」

一方「馬鹿野郎が、はり倒すぞ。 まァ三下の歪ンだ性癖に突き合わせられる女に心底同情するとしてェ」

上条「そう言うんじゃないから!! じゃあ打ち止めにあげるとかすれば、い、…いや良くないですすみません」

一方「オマエの下劣さを打ち止めに押し付けるとか万死」

上条「何言っても地雷踏んじゃう今日この頃……!」

387 :2月22日 [sage]:2011/02/23(水) 02:35:24.32 ID:+OpC90EAO

***

上条「でもさ、今日こうやってみんなと撮ったわけ」

つケータイ

一方「この女」

上条「ああ、吹寄も付けてくれたらしいな」

一方「オマエが撮ったンだろォ?」

上条「俺は男子代表で必死に頭下げてたから、生では見てないんだよ」

一方「へェ」ピロリロリーン

上条「ちょ、何を!!」

一方「三下くンが犯罪者だと疑われるのはアレなンでェ、愉快に素敵に消しましたァ」ニヤニヤ

上条「うそ!! 俺だってちゃんと見てなかったのに!」

一方「なかなか良かったなァ」ウンウン

上条「ひ、ひどい……。 ヒドすぎる」シクシク

一方「他人の不幸は蜜の味ィ」



上条「…………」

一方「ン?」

上条「…………」

一方(やりすぎたかァ?)

一方「あァ、三下」

上条「……吹寄、俺やってやるよ」ユラリ


片手に猫耳(黒)を携え、上条は立ち上がる。


一方(やべェ、変な目してる)

上条「一方通行……!!」

一方「っ!!」


気がつくと右手で掴まれた挙げ句に、間合いを詰められていた。

とめどない後悔が胸の中を巡るのだが時すでに遅し。



上条「ハッピーにゃんにゃんにゃんの日ぃぃ!!!」

一方「ごッ、がァァァァァァァ!!!?」

***


一方「毛根えぐられたァァ……」

上条「結構似合っててビビる」

一方「ちくしょォォ……」

上条「青ピ・吹寄! お前等の敵はとったから!」ピロリロリーン


この後、隙をみて一方通行がデータ消去をもくろむのはまたのお話し
388 :方向性の違う二人 [sage]:2011/02/23(水) 02:39:30.19 ID:+OpC90EAO



チャッ、チャッ、チャーン♪

上条「……はぁ、初めてにしてはなかなか」

一方「三下ァァァァァァ!!」

上条「!?」ビクッ

一方「クッソ、ふざけンじゃねェぞォォ!! ダメバイオリン男! 言いてェことだらけだ!! つゥかオマエの中のテンポはどうなってやがンだよォォ!!」

上条「いやー、やっぱりこの小節で気持ちが高ぶると言うか」アハハ

一方「オマエこの俺に伴奏やらせといてナマ言ってンじゃねェぞォォ!!」

上条「俺もまさかピアノ科主席にやっていただけるとは思いもしませんで」

一方「黄泉川ァ……!」

上条「黄泉川教授と月詠教授が仲良かったらしくって」

一方「じゃァ俺じゃ無くてもよォ」

上条「いや、俺の知り合いのピアノ科がみんな風邪ひいちゃったみたいで。 もう頼れるのは一方通行だけなんだって」パチン

一方「さすが音大一の不幸男ォ……」

上条「えっ、何それ」キョトン

一方「バイオリン科にとンでもねェ不幸な男が居るっつゥ噂があンだよ」

上条「俺、かな……?」

一方「オマエだろォよォォ!!」

上条「ひぃ!!」

一方「クソ三下がァァ!!! 良いか、1人でよがってンじゃねェぞ!!」

上条「はいぃ!」

一方「練習ゥゥゥ!!」

上条「分かりましたああ!!」


389 :終わり [sage]:2011/02/23(水) 02:41:33.51 ID:+OpC90EAO
一方さんは黒猫っぽいような、上条さんは逆に犬かなあ
パロディすぎてごめんなさい、ちょっと感想でカッとなりました。
書いてきます
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 16:34:37.93 ID:JL+WWnklo
S条さん乙!
データ送ってください!
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/25(金) 18:43:37.72 ID:FWDBIZBio
のだめの龍ちゃんと千秋様のようだw
裏軒のおやじがなぜか木原君だったりしたら俺得
392 :1 [sage saga]:2011/02/26(土) 00:16:12.49 ID:oQuingkyo
専ブラ入れての初の投下です
正しく表示されるかアレだけど、まぁいきます
393 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:20:30.17 ID:oQuingkyo


――――――――――


アフリカ大陸、某国。

首都にある比較的新しめのモーテルの一室にて。


もう10時になるというのにベッドの上で仰向けになり横たわるオリアナと、そんな彼女を椅子に座って見つめるインデックスの二人は、昨晩経験したハリウッドも真っ青な大逃亡劇につ

いて話しあっていた。


オリアナ「本当にあなたがバイリンガルで良かったわ……」

インデックス「お礼には及ばないかも」フンス

オリアナ「お姉さんも、まさかあんなにこの国のボウヤたちからラブコール受けちゃうとは思わなかったなあ……」

インデックス「まさか私もあれがオーパーツだなんて思いもしなかったんだよ」

オリアナ「未開の神秘ってものかな」


心なしかやつれて見える彼女は、先ほど備え付けの冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターで軽く唇を湿らせた。
394 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:23:42.02 ID:oQuingkyo



未だ禁書目録に収められていない世界中の原典を巡る旅、INアフリカ。

ターゲットは世界的に有名な遺跡。
そこでも人が居なそうな真夜中を狙った昨晩。
傍目から見ると泥棒、良くてトレジャーハンターだろうか。
そんな魔術師2人組は遺跡の最奥へ向かった。


紆余曲折はあったものの無事に目的地へ着く。
そこではやはり、手付かずの原典は人間に受け継がれないまま存在していた。


無事に記憶し終え、残すは帰るのみとなり教会が手配した乗用車に乗り込むため二人が戻ると、どこにも車の影は見当たらない。
そしてそこでエンカウントシステムの如く現れた原住民とインデックスの大舌戦があって(この場合非があるのは間違いなく彼女らなのだが)そして逃げるように首都まで舞い戻り、ここのモーテルに入ったわけである。


ドライバーオリアナとナビゲートインデックスのコンビは素晴らしいもので、地元警察に職質を受けそうになっても余裕で逃げてこれたものだった。

395 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:27:33.52 ID:oQuingkyo





インデックス「あんな所から人が出てくるとは想像もしなかったし、いくらあなたが強くったって一般人の前では魔術なんて使えないもんね」

オリアナ「英語か日本語が通じるなら、お姉さん得意な言葉攻めもできるんだけどなぁ」

インデックス「おりあなってば朝ぐらい卑猥な表現は慎むべきかも」ヤレヤレ

オリアナ「嫌よぉ。 この喋り方ってお姉さんのアイデンティティなのにぃ」

インデックス「アイデンティティねぇ」

オリアナ「そうよ、あなたの大食いみたいな」

インデックス「わ、私のは必要があるだけなんだよ!!」



叫ぶ声をよそに、ベッドの上で一回寝返りを打つ。

シーツの衣擦れの音がやたらと響いた。
396 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:30:04.34 ID:oQuingkyo




オリアナ「どうしたの? もう一眠りしちゃう?」


歩み寄ってきた少女は、数回首を振る。


インデックス「もう私は十分に寝たし、この歩く教会だってあるんだから、おりあなもこの先に備えてちょっと寝るべきかも」


それに今はあんまりお腹も空いてないしね、と付け足した。


オリアナ「心配してくれてるの? やぁだー、いろんなとこ濡れちゃう」

インデックス「一睡もしないで、しかも昨日あんなに魔力を精製していて。 いくらあなたが凄腕の魔術師だろうと疲れてないなんてありえないんだよ。 だから、ほら」


そう言うと、近くに置いていた毛布を彼女に被せた。


それまでの殺風景な景色が、すっぽりと覆われ見えなくなる。
397 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:32:47.47 ID:oQuingkyo






オリアナ「インデックスのお嬢ちゃんってば、確か急いでるんじゃなかったかしら?」

インデックス「ちょっとぐらいは休憩したって悪くないんだよ」

オリアナ「ちょっと、ねぇ」

とは言え、瞼が重たいのも見過ごせない事実で。


白い少女はまた机のほうに向かうようだった。
さっきからメモ用紙に向かってあーでもない、こーでもないと苦戦しているのだ。


オリアナ(この子だってそんなに寝てない筈なんだけど)


考えが纏まらない、やはり休息が必要なようだった。
観念して目を閉じる。



オリアナ「……1時間したら起こして頂戴」

インデックス「分かったんだよ」

オリアナ「そうしたらお姉さん、また全速力でトばしちゃうから」

インデックス「ありがとう」


インデックス「おやすみなさい、おりあな」

オリアナ「お休みなさい、インデックス」



パートナーが彼女を起こしにきたのは、それから3時間は経ってのことだった。
398 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:36:18.39 ID:oQuingkyo




*******

上条「寝ていらっしゃる……」



あまりに重たいプリントを携え帰宅した上条は、部屋の静かさの原因を知る。

昨日のこの時間帯は起きて元気に活動していた彼が、今はソファーの上で丸くなっているのである。


上条「あぁあぁ背中出して。 風邪ひくっつーのに」


わざわざ寝室に毛布を取りに行くのが面倒だ。
そう考えた彼は、近くに転がっていたパーカーと先ほどまで着ていた学生服の上着を眠る一方通行にかけた。


冷蔵庫が製氷モードに入ったのか、ブーンと鳴る。

上条「ちょっとさみぃ……」


呟いても一人。
とりあえずソファーの空いているスペースに腰掛けた。
399 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:37:24.20 ID:oQuingkyo




上条(しかし、良い寝っぷりというか、寝る子は育つんだっけ? 嫌だな、こいつに背抜かされたら……)


だからではないけどやっぱり起こすべきか、と手を伸ばしたのだが

上条(……なんつーか幸せ満開みたいな顔してんだな)

手はそのままに、白く細い髪の毛を一房とった。
額が少し覗く。


上条(……そうだ)

ちょっとした悪戯心が湧いてきた。


通学カバンの中の、見るだけで憂鬱になる科学のプリントの束を取り出す。

目的は、子萌がくれたとある物。
400 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:39:53.67 ID:oQuingkyo





上条(こんな感じだっけ?)


彼が目覚めることのないように気をつけながら髪をいじる。
向かって右サイドは耳に掛け、もう一方は例のものを使い記憶の中のそれへと仕上げていく。



人の髪の毛を弄ったことなんて、昔の自分にはあったのだろうかなんて思いながら。



上条(……イヤんなるぐらい綺麗な顔だよなぁ)

自分の知り合いの中でもトップクラスの整った顔をしていると思う。
タイプが違いすぎて、嫉妬というか次元の違ったものへの畏怖というか。


上条(……)


ぱちん!


上条「できた!……っていけねぇ」パシン


慌てて口を押さえたが、ただの杞憂。
白い少年は相変わらずすかーすかーと気持ちよさそうに寝ていた。


なるべく音を立てないように距離をとって、全体図を見る。
401 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:44:36.41 ID:oQuingkyo





上条(俺作!! ミサカシリーズのヘアスタイル、ver一方通行――!!)デデーン




一方「……」zzz

黒いクリップで一房止め、髪を掻き揚げる独特のヘアスタイル。

髪の長さからして彼にはぴったりだと前々から思っていたのだが。


上条(盛大に笑ってやろうと思ったんだけど)

腕組みをしてまじまじと眺めた。



上条(なーんか違和感無いよなぁ……)

とりあえずの記念で、携帯のカメラ機能を使い彼の姿を画面に納める。

ぴろりろりーんと間抜けな音がした。

相変わらず、100年の眠りの呪いをかけられた姫のように惰眠をむさぼる彼を見て、彼の中のお茶目心が加速する。


ここまでして起きないなんて、何がどうなっているのか上条にはもう分からない。

もしかして弄られたいから寝ているふりをしているのだろうか。


上条(マゾな一方通行……)キュン


想像図が何かしら彼の琴線に触れたらしい。
402 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:49:08.31 ID:oQuingkyo




上条(その気ならやってやろうか、一方通行・・・・・・)

何気に5・7・5のリズムだった。




上条(さーて……)

上条(こっからの上条さんは一味違いますのことよ……ッ!!)

筆箱から取り出すは数色の水性顔料。

再度ソファーに戻る。



上条(まずは定番に肉だろ?)

ペンを持ったのだが如何せん反対側から漢字を書くというのは至難の業である。

上条(しゃーない、回るか)


片足はフローリング、もう片方はソファーの上となんとなくアンバランスな格好でペン先を躍らせる。
403 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:50:28.71 ID:oQuingkyo




キュッキュッ


上条(あれ、肉って人っぽいの2個だったっけ……)

男子高校生にしては上手な字で書き終えてから気付く。

これでは『内』だと。


上条(まぁ、下にちょちょいと書き足して……)


上条(…………)


上条(なまじ上手く書いちまったせいでアンバランス……!!)ガビーン



時すでに遅し、これでは文字として読み取れないレベルである。


しかし、ここでへこたれないのが上条クオリティ。


404 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:52:09.11 ID:oQuingkyo





上条(落ち着け俺、要は肉っつー字をおでこに書く意思が重要なんだ)

上条(案外英語とか良いんじゃね? 昔、書くのは漢字より簡単だってインデックスも言ってたしな)

上条(ええっと、肉ってなんだっけミート? ビーフ? チキン?)

上条(……値段的に牛肉が代表みたいなもんだ、ならビーフで良いはず)

上条(よし書いた。 んだけど、これだけじゃぁちょっと寂しいよな)

上条(ほっぺにはグルグルとハートどっちが良いんだろう)

上条(もちろん瞼だって書くだろ)


いつもは不幸体質のせいで落書きされる側のポジションに居た、しかし今日は、いや今日からは違う。

そんな予感がするのだ。

なにか、胸に熱いものを感じながらただ一心不乱に上条は書いて、描いた。




そして欠いた。
405 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:53:13.56 ID:oQuingkyo






――――――――――――――――――



一方「……ンァ、……なンか重てェ……」

上条「あ、おはよう」


どこからともなく聞こえた同居人の声に、上手く回転しない頭で応えた。
何故だろうか、手がまともに動かない。


一方「ン……、寝ちまってたかァ……」

上条「うん、帰ったらお前が寝てた」

一方「クソ……妙に体がダリィ……」

上条「風邪か?」


そこで一方通行は、目を開けた。

406 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:54:21.58 ID:oQuingkyo





一方「……」

上条「――」キュッキュ

一方「……」

上条「――♪」

一方「……なンでオマエ」

上条「あぁ?」

一方「俺の上に……」

上条「あぁ、ちょっとやりたいことがあって」

一方「……さっぱり理解できねェンだが……」


彼が目を覚ますと、フルスクリーンに上条当麻である。

それにとんでもない近さでなにやら真剣な眼差しをしている彼が、この胃にかかる重みの原因らしい。



何を俺の上でやっているのか、というか風邪ってオマエの仕業じゃないかと心のそこから指摘したかったのだが。
407 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/26(土) 00:55:30.99 ID:oQuingkyo


一方「えェっとォ……」

上条「目、閉じてろって」

一方「お、おォ」

上条「だから眼球の位置動かすなよ」

一方「……」

上条「うーん」ムギュ

一方「いへェンだけど」

上条「上条さんの言う事聞かないのは誰の頬なのでせうか?」

一方「……理不尽にも程があンぞ……」

上条「もうすぐ、もうすぐで終わるんだ」


能力を使おうにも手は押さえられていて、力では勝てそうにない。

そして今までの中でも最大級に真剣な瞳をしていて、このモードの彼には口喧嘩でも勝てそうにない。

まさしく八方ふさがりである。



つまり、諦めるしかなかったのだ。




一方「早く終わらせろよォ……」ハァ

上条「あぁ、分かってる」


この後、一方通行は10分ほど拘束されたままだった。







408 :終わり [sage saga]:2011/02/26(土) 00:58:56.03 ID:oQuingkyo
思ったより上条さんがSではなかったのと、オリアナさんとインデックスが結構書いてて楽しいことに愕然としました。
そういや愕然の愕って顎に似てるなぁ、今日は顎ショットガン放映日だなぁってふと思い出してwkwkしてます
それでは、また今度
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 01:01:09.36 ID:+p91ra1r0
乙!!!
初、リアルタイム遭遇!
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 12:45:49.70 ID:a7W8GD5B0
おつおつ
何が良いかってちょっと不気味な上条さんだよね
411 :1 [sage]:2011/02/28(月) 00:49:57.12 ID:X9C2FSZAO
こんばんは
投下始めます
412 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/28(月) 00:52:16.67 ID:X9C2FSZAO







夕方の忙しい時間にもかかわらず、現上条家では夕食の準備がされていない。

それは、居住者2人がソファーに座っているからである。

俗には家族会議というらしい、その議題は家主の横暴行為について、だ。




手鏡を持つ一方通行は、鏡文字ををすんなり解読して脇の上条に告げる。

かなりご立腹な様子で、額には青筋が見てとれた。


一方「……オイ、ビーフの綴り間違えてンぞ」

上条「……veefじゃ」

一方「……Bだバカ」

上条「……ごめん」

一方「I love beef……、つゥかデコに書くよォなことじゃねェ」

上条「……すみませんでした」

一方「あと俺の瞼に何やってくれてンだよ?」

上条「……その、寝ても起きてますよアピールというか……」

一方「三下ァ?」ギリギリ


かちり、と場にそぐわない軽快な音が響く。

歯軋りと共に、チョーカーのスイッチが押された。
413 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/28(月) 00:54:04.20 ID:X9C2FSZAO







上条「……正直、なんかトリップしてたよーな……。 あはははー……」


その時の白い少年の口角のつり上がりと言ったら並大抵の物では無かった。


一方「――あは、三下ってば遺言は真面目に言おうぜェ? 法的義務も発生することだしよォ?」


上条「ひぃ、ゆ、ゆいごん……」


白い手が、彼の首筋へと伸びる。
恐怖で、幻想殺しの使用も頭から飛び去っていた。


414 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/28(月) 00:58:19.46 ID:X9C2FSZAO







紅の瞳が輝きを増した。
凄惨な笑みと共に。


上条「あ……、ぁ」



一方「さァて、オシオキにでも洒落込むとするかァ――」

上条「ぁ、あく、せ」


一方「言葉とかそォ言うの、無粋だよなァ」


ひくつく首に、手が触れた。



一方「消しちまえ」



そして、舞台は暗転する。
415 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/28(月) 00:59:27.09 ID:X9C2FSZAO














――――――


上条「もうお婿には行けねえ……」シクシク

一方「嫁でも貰え」


到底言葉に表せない、視覚的には21禁ほどのオシオキを経ても一方通行の機嫌はすこぶる悪かった。
だから、お詫びの一環として、今日の夕飯は久々に上条が作っているのである。


タマネギを切るせいでボロボロ止まらない涙を拭いながら包丁を握る。


一方「早くメシ作れメシィ」

上条「お前、先に風呂入って来たら?」

一方「風呂入ンのには心の準備が必要なンですゥ」


ゴールデンタイムのバラエティーを遠目で眺めながら、一方通行はフローリングに横たわる。
416 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/28(月) 01:01:11.94 ID:X9C2FSZAO







一方「……今閃いたンだが」

上条「どうした?」

一方「オマエを窓際で吊せば、俺が鳥に襲われること無いだろォ?」

上条「……」

一方「浴場の広さにも考慮してるし、最高じゃね?」

上条「いや、この階の高さも考慮しろよ」

一方「根性出せ、根性ォ」

上条「お前に言われると激しい違和感……」


温水で手洗いし、2人分の食器を棚から取り出しカウンターに並べる。


上条「出来たから運ぶの手伝ってくれ」

一方「おォ」


杖の音が響きだした。
417 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/02/28(月) 01:04:31.07 ID:X9C2FSZAO









蛍光灯に照らされた料理の品々は、流石自炊男子と言わざるを得ないレベルで。


一方「サラダうめェ」ムシャリ

上条「本当はサバ缶が欲しかったけど、売り切れてたんだ。 だから、シーチキンで代用」

一方「良いンじゃね、タマネギとレタスもうめェし」

上条「野菜やっぱとんなきゃなー、タンパク質だけじゃ良くねーし」

一方「オマエだって料理出来ンじゃねェか」

上条「家庭的な創作料理なら上条さんにお任せ!」ドーン



半ば冗談めかして言ったセリフなのだが、プチトマトを啄む彼は頷いた。


一方「マジでそォだな」

上条「あり? てっきり厳しい糾弾が来ると思いきや」

一方「突っ込ンで欲しいならそォ言え」

上条「そんな趣味はねえけど」

一方「俺だって評価すべき物にイチャモン付けたりはしねェよ」

上条「それはどうも」


スプーンに一杯救ったスープを、はむと丸ごと飲み込んだ。

野菜の味か何なのか、甘味が強い。


上条「お前も胡椒使う?」

一方「いらねェ」


素直で優しい態度に、ちょっとだけ絆されたようなそうでないような。


とりあえず、塩もひとつまみ加えてやろうとテーブル上から赤い容器を手に取った。
418 :終わり [saga]:2011/02/28(月) 01:06:14.85 ID:X9C2FSZAO
サバ缶は言わずもがなの彼女(ご存命)
それでは、また今度
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/28(月) 01:10:23.60 ID:NcqDecSc0
なんとなく前スレログ張っておきますね
ttp://mimizun.com/log/2ch/news4vip/1287480528/
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 01:23:57.40 ID:QY1sTtVDO
おつううううう!
21禁…ゴクリ
421 :1 [sage]:2011/02/28(月) 01:24:25.60 ID:X9C2FSZAO
あげてしまったお恥ずかしい

>>419
10月だなんて懐かしい……、もう4ヶ月ェ
どうもありがとうございました!
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 01:43:11.37 ID:/AnibTPv0
おつおつ!まず誤字から怒り出す一方さんワラタ
2人ともあいかわらず可愛いなぁ。
腹へってきたな…
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 03:27:47.53 ID:ompa5QOso
乙!

ソファで馬乗りってロマンですよね
ムラっときてやりました。反省してます。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1382830.gif
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 16:49:19.42 ID:4NqOOBP0o
>>423
保存した…!

おしおきはR-21なのかR-21Gなのか…ゴクリ
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 16:57:15.43 ID:9JoY7blFo
>>423
かわいいww

あの人…な…の…かな…?
もうSSは書かないんですか?(身に覚えが無かったらすいませんすいません)
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 17:32:48.62 ID:j084Jt/Lo
おつ
21禁ってことはドキドキ☆虐殺ランドを越える……、それに上条さんのお婿発言……、何が起きたんだ

>>423
gjすぎんだろ!!!つーか一方さんの腰チラktkr!!!!!
427 :1 [sage]:2011/02/28(月) 23:58:44.50 ID:X9C2FSZAO
>>423
こっ、光臨なさった……!

いやもう一方さんの無邪気でそれでいて若干苦しげな寝顔とかミサカシリーズの髪型やっぱ可愛いねとかそこはかとない鎖骨のエロさとかほっぺ白かったり肩幅狭かったり洋服かけてある様がもうなんか可愛いし手の握り方もほんと剥げるとしか言いようがなくて、上条さんも綺麗な髪の毛ですね!それに字もお上手うふふ肉の綴り間違えてるけど音符なんかとばしちゃってノリノリじゃないですか可愛い!
とか凄く凄くたぎってたぎって仕方がありませんでした、本当にご支援ありがとうございます、もう素敵すぎてどうしたら良いのか大変な騒ぎです


……自分が21禁書いときゃ……げふん、本当にありがとうございました!また書いていただけると嬉しいです
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 22:39:32.14 ID:Hxx1fjQL0
追いついた
一方さんと上条さんの距離感たまんない

>>1乙なんだよ!
429 :>>1 [sage]:2011/03/06(日) 22:35:54.88 ID:f4vi9nFAO
ドキドキ☆テレフォンタイムにたぎりました
投下始めます
430 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 22:37:36.46 ID:f4vi9nFAO





ぼんやりとした灯りが部屋を灯す。
他愛もない話を続けるには、そろそろ眠くなってくる時間帯だ。


あ、と上条が気を抜けた声を出した。


上条「明日さ、一緒に買い物行かないか?」

一方「あァ?」

上条「明後日にインデックスがこっちへ戻って来るだろ? 当日にバタバタしたくは無いし、ベッドとか、机とか、あいつに必要な家具買いに行きたいんだ」

一方「あァ、良いけどよォ……」


確かに必要な家具は2人分しか無い。
これから世話になる人間に対して、がらんどうの部屋一つを渡すだけというつもりも勿論無かった。


無かったのだが。
431 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 22:42:59.68 ID:f4vi9nFAO





上条「どうしたんだ?」

一方「っつゥことは、また俺は女装かよ……」

ウィッグは妙に蒸れる、それにお淑やかな鈴科百合子(笑)を演じなければならない。
気持ちの悪い女声を出すのも、顔筋を無理して吊り上げるのももう沢山だ。


一方通行は枕に顔を押し付ける。


一方「うあァ……」


まあ、無理やり引っ張ってしまえば良い話なのだが、それでは何となくあちらが有利になってしまう。

それじゃあ駄目だ。
またなぶられる。


そう考えた上条は、微睡む細胞をたたき起こし、対一方通行の作戦を練る。

上条「……そうかもな」

一方「あァ?」

上条「お前だって思春期の男だ。 それに、したくなくて街中でどう思われてもお前が何にも気にしないってなら、まあしょうがないのかもな……」

一方「……」

上条「上条さんにあらぬ疑惑が立って、友達が居なくなったら……」

一方「……」


開いた左手の二の腕で目を塞ぐ。

声も努めて切なそうに。
432 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 22:45:42.94 ID:f4vi9nFAO




上条「……」

一方「……、ッ…………」


上条(あともう一歩……)

上条「日光に当たらない生活も嫌だろ?」

一方「……嫌だけどよォ、あれ重てェし、俺目つき悪ィから違和感だらけだし、服もどっちか分かんねェよォなの着なくちゃいけねェしよォ……、つゥかオマエが女装すりゃァ」



往生際の悪い男だ、と嘆息。


しょうがない、同情を誘う作戦は失敗だ。


ならば、半ば強制的に従わせるしかない。
433 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 22:47:50.56 ID:f4vi9nFAO





上条「コーヒーゼリー、さ」


一方「」ビクッ


忘れていたのだろうか。

ちゃんちゃら笑わせてくれるではないか。


上条「あれ、いつの間にやら消えてましてね。 おっかしーな、上条さん食べたっけー? あれれー」

一方「そ、それは……」



たじろぐ一方通行を後目に思い返すのは、風呂上がりのこと。
434 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 22:50:36.78 ID:f4vi9nFAO


*****


風呂上がりにコーヒーゼリーでも食べようと思っていたのに、あがったら最後の一個を食べられていた。

やるせない。


上条「……俺が気絶中にでも食べたのか?」

先ほどの途中から記憶を無くしていたオシオキというか躾を思い出してしまい、顔筋が妙な伸縮をした。


水で萎びた髪の毛は、冷気を浴びて更に元気を無くしていくようだ。


今日、3つ入りのコーヒーゼリーを上条がスーパーで買って、それから彼は1個も食べていなかった。

必然的に状況が理解出来るだろう。

上条「ははーん……」

まあ、仕方の無いことだと割り切るしかできない。

この家のヒエラルキーは、彼が基本的に頂点だし(財政的な意味で)、なんせ凶暴が服を歩いているような人物だ。


そしてカフェイン中毒ときた。


やれやれ、と頭を降る。
水滴が首筋にかかった。
435 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 22:53:03.63 ID:f4vi9nFAO






上条「コーヒーゼリーって甘いけど、コーヒーなら何でも良いのか?」



ご丁寧にミルクは残したままである。

それに少しイラっとしたところ、一方通行からの回し者なのか消費を押さえるためのブザーの音が鳴り、慌てて扉を閉めた。


上条「……まあ、明日買ってくれば良いか」

一緒に買って来ていたデザートヨーグルトには微塵も手をつけられていない。


再度扉を開けて、冷気に手を突っ込んだ。


*****
436 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 22:55:27.43 ID:f4vi9nFAO






上条「まあ、ヨーグルトも美味しかったけど? 出来ればそっちが食べたかったよなあ。 だけど不思議な事もあるもんだよな、3個入りのヤツ買ってきたのにミルクだけしか残ってないんだ。 どこ行ったんだろ、見えない奴が食べたんですかね」

一方「……お、俺が」

上条「聞こえねー」


モゾモゾと白髪が移動し、気まずさを隠しきれない赤い目が、おずおずと上条側に向かう。

一方「……俺が食ったァ……」

上条「全部?」


小さく頷いた。


上条「まあ、過ぎちゃったことは仕方がない。 俺も一言言っときゃ良かったんだ」

極めて優しい、それこそ子供に諭すような声で。

437 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 23:00:48.67 ID:f4vi9nFAO






上条「ただな?」

一方「っ」

掴んだ手首に、より一層の力を込める。




上条「問題は、そこからの態度だと上条さんは思うんですよ」

一方「三下ァ……」

上条「どうすんの?」


珍しいことに、完璧に優越な立場に上条は居た。

そのことを悟られないよう、慎重に言葉を紡いでいく。


上条「俺、1人で買い物とか好きじゃないし、お前も知らないとこでお金使われる状況を危惧すべきだって。 俺が遁走しないなんてどこにも保証はないし」

一方「……逃がしはしねェけどよォ……、確かに……」


優秀な頭脳は、今必死で何かをシュミレート中なのだろう。
半開きの口から、意味を為さない音が漏れる。

438 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/06(日) 23:03:57.42 ID:f4vi9nFAO



そんな様を、一つも逃さずに見る。
瞳が乾きそうだった。

一方「……くっ」


演算が終了したのか、長い睫毛がぱしぱし上下に動く。


一方「……着りゃァ良いンだろ」

上条「ありがとうな、一方通行」


近寄り、左手で彼の頭を撫でた。

上条「良い子良い子」

一方「オマエ……、俺ンとこ馬鹿にすンのも大概にしろよォォ!!」

上条「鈴科ちゃん萌えー」

一方「死ねェェェ!!」


防音加工を施してあるが故の大喧嘩。

後に上条は後悔する。



上条「何も4時までやるんじゃなかった……」

439 :終わり [sage]:2011/03/06(日) 23:07:25.15 ID:f4vi9nFAO
協力とか団結とかそういう言葉を覚えるべき2人組
正直言って上条さんのへなーっとした髪型を上手く想像出来ないまま書いてたりします、髪の量多いし長いし、うーん

お付き合いいただきありがとうございます
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 23:34:23.80 ID:0Tw1N3hY0
夜になるとSっ気増しちゃう上条さんぱねえっす
そして翻弄される一方さんかわいいよ

乙!
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 00:37:37.19 ID:WrqRAjrao
乙乙
みっつも食べちゃう一方さんかわいいなぁ…
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 01:04:28.82 ID:wPkE6vBXo
そういえば、一方さんはまだぶかぶかLサイズパジャマなんだろうか

それを毎晩なんだかんだで押さえこんだりハグしたりしている上条さんが
うらやまにくたらしいです 代われ
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 03:50:51.45 ID:Wsn3sgwDO
一方さんに布団の上から抱き着きたい
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 01:42:27.55 ID:4ZgSOWRDO
>>1は無事なのか
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 01:59:50.03 ID:l/hgj5RJo
ここの>>1は無事だろうか
446 :>>1 [sage]:2011/03/14(月) 06:44:14.90 ID:BfZXaJlAO
おはようございます

安否のご報告をするのをすっかり忘れていて申し訳ないです、時間差で震度6に見舞われた地域なんですが、今のところ自分はピンピンしています

この震災で多大なる被害を負った方々の一刻も早い復興を心から祈っています
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 10:45:20.86 ID:3jGVbdYko
おお、無事でなにより
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 16:01:50.27 ID:5BrFmFUH0
無事だった……よかった!
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 00:11:26.25 ID:xXnR3l8DO
良かった
無理はするなよ
450 :>>1 [sage]:2011/03/17(木) 00:13:21.99 ID:ZBMPd5mAO
こんばんは、昨日寒くて死ぬかと思いました。短いですが投下始めます

>>442
ケチな上条さんが買い換えることは無いので必然的にそうですね
451 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/17(木) 00:16:48.80 ID:ZBMPd5mAO





「身長150センチぐらいの女の子ですか」

上条「そうなんですよ、えっと、今まで離れて暮らしてた妹と一緒に住むことになりまして」

「学園都市でご家族で住むって良いですね! 


……ええ、となりますと、此方のベッド類なんかはどうでしょう。 雲のような寝心地とか目覚ましが小鳥の鳴き声だったりまるで彼氏に包まれてるみたいだったり色んなウリがありますがどれも顧客満足度が高いみたいで」

上条「ああ、種類があるんですねー」

「品揃えは豊富にご用意させていただいておりますので」

微笑む店員の傍ら、どこかご機嫌な上条は辺り一帯をキョロキョロと見渡した。


上条「じゃあちょっと見てきます」グイッ

一方「あ、ちょ」

「お気をつけて」

(男の声が聞こえたような……)


訝しむ店員の前を通り、見ているだけで飛びつきたくなるようなベッドの中心へ上条は歩いていった。

彼と離れるわけにいかない一方通行も渋々と後ろをついていく。

452 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/17(木) 00:20:24.45 ID:ZBMPd5mAO





一方「……めンどォ」

上条「なんかこういう店に来るとテンション上がらないか?」

一方「オマエだけじゃねェの」

上条「そうなのか? なんか説明も出来ないけどワクワクするっつーか」

一方「……分かンね」

他人に聞かれると声と外見のそのギャップにしこたま驚かれるのは予想できるので、なるべく小声で耳元に囁くしかなかった。

上条「どれにしようか……、あんまり種類があると悩むよな」

一方「とりあえずはスプリングの性能、流石に女が乗って壊れるよォなことはねェだろォけど」

上条「なるほど」

一方「そンで、低反発マットやらと床擦れしねェシーツと保温性の高い掛け布団、抗菌・防菌使用もあっても良いンじゃね」

上条「流石に説得力がありますね!」

一方「るせェ」


人間の三大欲求の中では睡眠欲しか活動していないような男の言うことだ、なかなか参考になるなと上条は唸った。
453 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/17(木) 00:26:32.31 ID:ZBMPd5mAO





一方「あと、最低でも120キロ」

上条「ん? 多分体重30キロ代だぞ。 ……まあそれぐらい太ってもおかしくない食生活だけどさ」

やれやれ、と溜め息をつく上条に何言ってんだこいつと視線を送る一方通行。


一方「男連れ込むかもしンねェだろ」

上条「……」


何故だろうか、一気に体感気温が下がった。

首がチリチリとした刺激を受ける。


一方「――っ」

上条「……」

一方「……お、い」
454 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/17(木) 00:32:42.83 ID:ZBMPd5mAO





青筋が出るくらいに手を握られて、左手が脱臼するのではないかとの痛みが彼を襲う。

横目で見るツンツン頭は、何だか瞳孔が開いている気もした。



上条「うちの子にそーんな不埒なことする男がいたら」


一方「……っうあ」

踏まれた猫のような声と言うのは正にこんな感じだろう。

だったら弱めろと切実に、そりゃもう声高に言いたいのだが唇が動かない。

何だか全身の血液も止まりそうだった。


思わず下を向く。

彼の地雷をピンポイントで踏んでしまったのか。



上条「そんなん殴るしかねーよ」



一方「オマエの気持ちは――分かった、から俺に当たンな」

上条「あ」
455 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/17(木) 00:36:43.10 ID:ZBMPd5mAO





やっと締め付けが緩まった。
血液が我先にと流れ出すのを指先で感じる。

上条「やべ、ぼーっとしてた! ごめん!」

一方「……」ガコン


すかさずに握った手で鳩尾目掛けてに肘を食らわせる。

それは見事に命中したらしく、腕全体にかけて少々痺れを感じた。


上条「――ぐ、お」

2人分の力をかけられたのが痛かったのか被害箇所を抑えて前傾姿勢でよろめいた。
456 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/17(木) 00:41:46.02 ID:ZBMPd5mAO





一方「見上げた保護者根性だなァ」

上条「……子供っつーか妹っつーか」フラフラ

一方「……つゥかオマエ、急に情緒不安定になるからマジそれやだ」

上条「悪かった、けど打ち止めの場合考えうごぁ!」

一方「千切る」

上条「ですよねー……、俺は正じょぐふ」

一方「だけど痛かったンだよ三下」

上条「どうせ罵るなら高い声で……」

一方「六道輪廻迷って来い」


暴力で和解した過保護コンビはそれぞれ痛む体を引きずりつつ、またベッドの選考に戻って行った。

457 :終わり [sage]:2011/03/17(木) 00:46:24.53 ID:ZBMPd5mAO
保護者同盟お二人さまのショッピングでした
あとホワイトデー番外編をどうぞ
458 :ホワイトデー [sage saga]:2011/03/17(木) 00:47:27.07 ID:ZBMPd5mAO





上条「みつもり、ろくまんえん……だと……?」

珍しく居間の机に向かって電卓をぽちぽち押していたので、何となくコーヒーを淹れて持ってくるとそんな呟きが聞こえた。

一方「あァ? 何かくだらねェ物でも買いてェのかよ。 トイチで貸してやろォか」

上条「悪徳業者め! いや違うんだよ。 ホワイトデーのお返しを皆さんにしたらの推計の額を……、出そうと……」

一方「……あァ」


ホワイトデーを4日後に控えた今夜。

なるほど、彼に感謝の気持ちを抱いていて尚且つ日本在住で渡しにいけるシスターズだけでも相当数。

それでいてクラスメートや知り合いの女子から義理であれ貰っていたら、3倍返しをしたらとんでもない額になってしまうだろう。


上条「しかもこれ、手作りの計算なんだよ……、包装費バカになんねえし光熱費入れてないし……」

一方「別に光熱費は気にすることねェけど……、つゥか何人分作ンの?」

上条「……200人ぐらい」

一方「……製造ライン敷いても良いンじゃね」

上条「……俺には勿体無い幸せだよ」

一方「本当にな」
459 :ホワイトデー [sage saga]:2011/03/17(木) 00:48:47.89 ID:ZBMPd5mAO





上条「一方通行、俺どうすりゃ良いかな……」

とりあえずコーヒーの入ったマグカップを机に置き考え込む上条の隣に腰を下ろした。

一方「6万はオマエにはキツいだろォな」

上条「もう本当に血の涙出るから。 誰だよ3倍返しなんて考えた奴……」

一方「この際そンなの忘れろ。 で、食った分は返せ」

上条「って言うと2万……、2万かあ」

一方「それぐらいなら出してやろォか?」

上条「いざとなったら頼むよ」

一方「ン、分かった」

上条「っていうか、コーヒーありがとな。 やっぱり自分でやるより美味い」

一方「おォ」




なんて会話をした次の日
460 :ホワイトデー [sage saga]:2011/03/17(木) 00:50:14.17 ID:ZBMPd5mAO





寒さと、それとは別の刺激で一方通行は目を覚ました。


一方(……休みだよなァ)


隣を見ても彼はもう居なかった。
寒さの正体は分かったが、この耐え難い事象の原因は寝起きは低血圧な一方通行にはまるで分からなかった。


一方(さみィ……)


3月と言うのに温かくならない日が続く。
ふざけんなと太陽に毒づきながら何とかベッドを抜け出し、杖を片手によろよろと居間に向かう。




居間とを仕切るドアに手を伸ばすと、むせかえるような匂いが彼を襲った。


461 :ホワイトデー [sage saga]:2011/03/17(木) 00:52:10.51 ID:ZBMPd5mAO





一方「なンだこれェ……」

上条「まだ2時だけど。 早いな、休日なのに」

一方「……おォ……? 

いや、ちょっと待てって……」


思わずチョーカーに手を伸ばし、それを反射した。


上条「……反射すると全部俺のとこに来るから」

一方「それぐらい我慢しろ……っつゥか」

火のそばでぐるぐるとボウルをかき回す虚ろな目をした上条の顔をまじまじ見つめる。

上条「……ああ、バレンタイン近いし2日がかりで作ろうと思って」

一方「なンだよ、オマエ髪の毛茶色い……」オズオズ

上条「湯せんかけたら、1回目破裂したんだよ」

彼の体中に付着したチョコレートを見る限り充分兵器になり得ると一方通行は立ち眩みにみまわれた。



上条「……来年は学校休むわ」

一方「そォしとけ」


とりあえず手伝うことになるのだろう。

いつものエプロンを身につけ始めようか。
462 :今度こそ終わり [sage]:2011/03/17(木) 00:59:47.54 ID:ZBMPd5mAO
いつだか何だかんだでチョコにまみれて、だけどお昼は鳥が元気で嫌で風呂には入れず水道水も冷たいから嫌で舐めるかどうしようか本気で悩む一方さんと、あと上条さんは不幸って言うよりドジっ子で案外身長が高くないことをコンプレックスにしてたりすげえ可愛い人だってインデックスに説教されて流石禁書目録さんや……!と感動して起きた昨日の朝でした。
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 01:39:22.59 ID:UNGztEXqo
乙!!
睡眠マスター一方さんと急にスイッチはいるS条さんがたまらんです

チョコが爆発する上条さんは理系だったらあだ名がパウリになってたと思う
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%AA%E5%8A%B9%E6%9E%9C
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 07:50:12.34 ID:sJD7LZADO

万単位のチョコレートwwww
きっちり三倍返ししようとするのな
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/17(木) 13:23:23.28 ID:F9ZHIkYq0
保護者精神あふれる二人がかわいすぎるぜ・・・!
乙!
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/18(金) 20:59:48.28 ID:3TPPbeLmo
一方さんは上条さん連れ込んで不埒なことされまくってるのに何という
467 :>>1 [sage]:2011/03/21(月) 00:20:57.05 ID:GU0mp3MAO
こんばんは、今日は今までで書きためが一番長いのでぐだぐだとした投下になりますがご容赦下さい

>>463
まさか学者に萌える日が来ると思いませんでしたが不憫ぱうりたんまじかわ

>>466
未亡人とヒモ大学生とかそういう昼ドラが大好きな自分にクリーンヒットです
468 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 00:30:31.56 ID:GU0mp3MAO





上条「あ、クレープ食べる?」

一方「カード使えねェ買い物すンの、結構手間がかかンだろ」


あの後、ベッドと机をブラックカードで買って、結標らの事務所に送る手続きをした彼らは何となく帰る気にもならずショッピングモール内を歩いていた。


上条「ええと、お前が買うとしたら俺はお前の手以外の皮膚を直に触ってないといけないんだよな」

一方「逆に俺が買うとしたら俺はオマエの奇妙な右手に触れてないといけねェ。 ……無理ゲーだろ」


上条「一方通行が結標さんみたいな服着てくれれば出来るけど」

一方「これ以上俺にどンな属性加えてェンだ」

上条「……痴女?」

一方「そもそも女じゃねェから」


クレープ食いたいだのヨーグルトとゼリー買ってくるだのなかなか甘味好きの男なのか、と一方通行は隣を一瞥する。


とりあえず自販機のアイスで譲歩するらしい。

上条がコンタクトレンズを探すふりをしながら一方通行の足首を掴み、何とか本人たち的には怪しまれずに2つ商品を購入した。


ベンチを見つけ腰を下ろし、苺ケーキ味のアイスを頬張る上条の隣でちびちびとコーヒーを飲む。

普通男女逆だろ、と言う視線には氷の死線で応対する。

人が散っていくのが一方通行にとって痛快だったのだが、気づいた上条にチョップを食らったので杖で足を刺しておいた。


秋特有の晴れているのに冷たい空気に少し寒さを感じる。
469 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 00:38:00.34 ID:GU0mp3MAO





上条「そういや今日さ、黄泉川先生に旅行は楽しかったかって聞かれたんだ」

一方「あァ」

上条「とりあえずはな、なかなか楽しかったけど、最後に喧嘩して方向性の違いから現地解散しましたーって言っといたんだよ」

一方「こっちもこっちで全く同じセリフで打ち止めに弁解しといたンだわ」

上条「あ、そうなのか。 だったら良かったけど――」

一方「何かあったのかよ」

上条「あの人アンチスキルだからか質問も超怖い! マジ的確! その後もバンバン何か聞いてくんだよ!!」

一方「……わりィ、ただ熱血な女なンだ」
上条「分かってる……けど……!」


上条は詰問とも言える昼の出来事を思い出して怯えた表情をした。

繋いだ手からも震えが伝わる。


上条「どうして行くことになったのか、何でこのタイミングなのか、何に乗って行ったのか、そもそもどうして俺たちだったのか、宿はどうだったのか、自分たちにお土産は無いのか」

一方「受け答えマニュアルでも作っとくべきだったなァ」


まだそれでも黄泉川ならマシだ、子供を信じようとする。

しかし、芳川。

元科学者は一方通行にもなかなか論破できない、出されたとしたら理屈勝負が非常に面倒なことになると予想は付いた。
470 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 00:47:15.56 ID:GU0mp3MAO





上条「とりあえず

『一方通行がみんな北海道言っちゃったので自炊は面倒と言うことで食材買って、丁度やってたくじをひいたら静岡ペアチケット当てて、偶然俺が居たので俺と居候にくれると言ったんだけど、居候がイギリスに帰ってました。 で、期限が近かったから暇同士の俺と一方通行で行くことにしました、青春Q切符です、汽車はそれなりに楽しかったです。 宿はまあまあ、とにかくお茶とみかんが美味しくて。 風呂もまあまあ。 それでまあ、色々衝突しちゃって、お土産は一方通行が持って帰ると思います。 彼は沖縄で皮膚焼きたいとか言ってました』

って答えといたけどさ」

一方「オマエ結婚詐欺師向いてると思う」

上条「嫌なチョイスだな」


そう言えば説教が抜群に上手い男だった。
真偽はともかく、人に聞き入らせる喋りはする。


上条「これで良かったのか?」

一方「限りなくベストに近いとは思うぜ?」



しかし一方通行は一つ大きなため息をつく。

黒髪(エクステ)がサラサラと揺れさらに陰鬱な気持ちへ沈んでいくのは仕方がないことなのか。


一方「……土産品、買わないといけねェのか……」

上条「スーパーの茶葉で良くね?」

一方「だよなァ」


471 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 00:51:01.87 ID:GU0mp3MAO





タイ、PM2:00


インデックス「くしゅん! ……む、風邪をひいたかも……」ゴシゴシ

オリアナ「そんなに沢山食べられる子が風邪? そのスパイスだったり、噂話でしょ」

現地の庶民的な料理店でチキンとスープを貪るインデックス、正面には空の皿も含めて天高くつまれている。

幼いシスターと言うだけで珍しいのに、常識外れの大食らいと言うことで店内中の視線を一手に引き受けていた。

真向かいのオリアナは未だに注目には慣れないわね、と溜め息を1つ零すがそんなのお構いなしである。

と言うか、トレジャーハンター的なことをしているのに果たしてそんなに目立って良いのかとツッコミをする人間は居ない。


インデックス「うーん、とうまが噂してるのかな?」

オリアナ「あの坊や? どちらかと言うとあの赤髪くんの方じゃないの」

インデックス「どうしてすているが?」キョトン

オリアナ「…………鈍感な女の子っていうのも罪よね……」ハァ


頑張れ青少年、と呟くオリアナとて18歳前後なのだが、とてもそうには見えなかった。
472 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 00:52:24.32 ID:GU0mp3MAO





ざわざわとしている店内。

そこは老若男女、とにかく色んな人でごった返していた。


インデックス「とりあえず、東南アジアのめぼしい所も大分行ったんだよ」

ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、東南アジアと過密にも程があるスケジュールをこなし、最終目的地に着くまであともう一息と言ったところだ。


オリアナ「暇になったら、お姉さん、南の島でのーんびり暮らしたいなぁ」

うーんと伸びをするオリアナをスープの皿越しに透かしながらインデックスは答える。

インデックス「最後はオセアニアだから、私のこと見送ったら休んだ方が良いかも」ズズズ

オリアナ「そうさせて貰おうかな……。 はあ、コンシーラーもどっかで買わなきゃ……」

インデックス「隈、全然酷くないよ?」

オリアナ「優しいのね」

インデックス「そうかなあ」

オリアナ「それか嫉妬? まあ、インデックスのお嬢ちゃんに限ってそれは無いのかな」

水で唇を湿らせる。
東南アジアの高温多湿な気候のせいでじわりとした暑さが体中にまとわりついていたのだ。
473 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 00:58:07.41 ID:GU0mp3MAO





インデックス「どうして?」

オリアナ「大半の女の子って、どうしても他の子が綺麗になるのが腹立たしいの。 だからどんなにメイクが下手だったりおかしな着こなしでも『良いんじゃないかな?』とか言っちゃうものなのよ」

インデックス「ううん……、あいさとかにざっくり言われたことあるかも。 うん、多分私の友達は違うんだよ」

オリアナ「そうやって言わないとしたら自分に自信があるのか、嫉妬する価値も無いのか、若しくはお人好し――」



ガンゴン!

発信源を見るとフライパンとお玉を持った店主らしき人物がいる。

彼は大きく息を吸い、そして



『暴走車両がこっちに向かってる!!』

474 :初見は>>18へ [saga]:2011/03/21(月) 01:03:16.93 ID:GU0mp3MAO





店主『今連絡があった!! 入り口方向に、発作を起こした運転手の車が来てるんだ!! 裏口から逃げてくれ!!』


静かだったのはほんの一瞬で、即座に騒然とする店内。


店中の客がほぼ同時に立ち上がり、店主が指差す方へ走って向かう。


店主『押すな! だが急げ!』

『ほら! 走って!』

『手を離しちゃ駄目よ!!』



店の奥半分に人が密集し、車が突っ込む予定の入り口側にはインデックスとオリアナだけが残される。

インデックスは飲み終わったスープの器を置くと、元々開けている入り口から迫りくる車を見つける。

475 :初見は>>18へ [saga]:2011/03/21(月) 01:07:15.50 ID:GU0mp3MAO





そんな彼女の背中に手を当て、同じものを見つけたオリアナがポツリと呟いた。

オリアナ「まさか2トントラックとはねえ……」

インデックス「荷台にあるのはマンゴーかも? ……じゅるり」

オリアナ「……貴女、三大欲求の食欲しか無いのかな。 思春期の女の子なんだしもうちょっと性欲とかあっても良いのに」

インデックス「私はおりあなとは違うの!」


呑気に談話する2人の姿を視界に入れた彼は愕然とした。

もはや、この店と共に死ぬ覚悟は出来ている。
それならば、客は1人残さず救いたい。



悲痛な叫びが再度聞こえた。


店主『こっちに来い!』

476 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:10:09.96 ID:GU0mp3MAO





オリアナ「彼は何と言ってるのかなあ? あ、言葉が分からない中の恋とか燃えるかも」


数10カ国を喋れるインデックスとは違いオリアナに彼の言葉は分からない。


猛スピードのトラックのフロントガラスから、少し白が混じる頭が見える。


店主『逃げろぉぉおお!!』


中央に当たるように体を調節し、インデックスは呟く。


インデックス「――、店を頼むって」

オリアナ「そっか、じゃあ車はよろしく」

インデックス「運転手はよろしく」


瞬間、何かを破く音がして――。



『あああああああああ!!!!』



まるで十字架のように手を広げた白い少女に金属の塊が激突した。

477 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:14:02.71 ID:GU0mp3MAO





ドォォォン!!

轟音が室内に響く。






上条「うおっ!?」

一方「結標ェ……、位置思いっ切りズレてンじゃねェか」


突如として居間に登場したベッドに驚き、上条はシャープペンシルを机に置いた。


上条「流石に早いなー、あ、ふかふかだ」

新品のそれに膝歩きで近づき、上条は顔をうずめた。


上条「スプリングが良い具合……うごぁ!」

一方「早く移動させて、手遅れの数学やンぞ」

上条「何も頭を押さなくても……っていうか手遅れなのはまだ認めたくない……っ!」

微かな抵抗を完全に無視し、電極のスイッチを入れた一方通行は杖を壁に立てかけた。
478 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:16:34.35 ID:GU0mp3MAO





一方「オマエそっち持て」

両端に別れて、木製のベッドの下部を持ち、お互いに目配せをした。


上条「せーのっ!」

ずしりとした重みが上条の両腕に伝わる。
上条「重っ!!!」

一方「よォし、とっととやろォぜ」

上条「くそ、能力使用だなんて小癪な真似を……」

しかもよく見ると片手で持ち上げていた。

ここぞとばかりに貧弱の汚名を挽回しようとする必死さに若干腹立ったのだが、先を行くのは後ろ向きの彼なので痺れをこらえながら進むしか無い。
479 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:19:01.56 ID:GU0mp3MAO





上条「廊下……長ぇ」

一方「三下ァ、やる気出せよォ」

上条「顔がにやけてんだよ!!」


よたよたの上条とは正反対に、普段より優雅に歩く、まるでモデルのような(ただし後ろ向き)一方通行は片手で扉を開け、1人中へ入る。

一方「もォちょい縦に」

上条「こんな……もん……?」

一方「あァ。 つゥかこれ角で良いンだよなァ」

上条「――ッ」コクコク


最早声にならない音を放つツンツン頭に対して膨大な優越感と砂粒ぐらいの罪悪感を同時に感じ、再びそれを目的地まで移動させ、再びタイミングを合わせフローリングの床に置いた。
480 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:23:11.77 ID:GU0mp3MAO



ドォォォォォンッッ!!!!!







今年で齢53になる店主も、平和なこの国でこんなに大きな破壊音を聞いたことが無かった。


客は避難出来たのか、店はどうなったのか。

そして、あの銀髪と金髪の2人組の女――。

とりあえずもっと沢山の救急車を呼ばなくてはいけない。


震える歯の根をこらえ瞑っていた目を開くのだが――何やら状況がおかしい。

そもそも、自分が生きてることさえ自覚していなかった。



店主『は?』



女たちはピンピンと、しかも銀髪の女なんて店内をガサゴソと漁っているのだった。


インデックス「おりあな! 運転手の様子は!?」

オリアナ「ちょっと大胆にやりすぎじゃない? お姉さん色んな所が濡れちゃうよ?」

インデックス「それは聞いて無いんだよ!」


不自然に縮こまったトラックの前部、それはまるで屈強な“壁”に当たったような――。

481 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:27:09.93 ID:GU0mp3MAO





呆然とする店主に気づき、インデックスが現地の言葉で語りかける。

インデックス『アルミ缶とぬいぐるみってあるかな!?』

店主『……あ、アルミ缶ならそこに』

インデックス『ありがと!』

カウンターの上の飲みかけの缶を大胆にもごくごくと飲み干し、インデックスは更にキョロキョロと辺りを見回す。


インデックス『それとぬいぐるみ……!』

何が起きているのかさっぱりな店主にも、彼女が焦っていることだけは分かる。


とりあえずこの飲食店には無いだろうと彼が言葉をかけようとすると、隣から黒髪の5歳ぐらいの幼女が現れた。


手に白い物を持って。
482 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:30:40.55 ID:GU0mp3MAO




母親らしき人物の制止を振り切った幼女は、トラックの惨状を見て一瞬身を竦ませ、しかし宣言する。


『わ、わたし、うさぎさん持ってるよ』

インデックス『ほんとだ、可愛いうさぎさんだね――、私、あなたのお友達をちょっとだけ借りても良いかな?』

『うん……、だけど、シスターさんは何をするの?』

破顔一笑、足を曲げ幼女と視線を合わせ、頭に手を伸ばしかける。


インデックス『あ、この国では頭は撫でちゃいけないんだっけ』

その代わり、軌道を修正しギュッと手を握った。



インデックス『あなたと私とうさぎさんで、一緒にあの運転手のおじさんを助けちゃおう?』

『――うん!』


白い兎が彼女に渡る。


そして銀髪が踊る様が、何故か店主の網膜に張り付くのだった。
483 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:34:12.92 ID:GU0mp3MAO





――それからの2人は素早かった。


まず速記原典を用い、風の刀を生み出す。
ひしゃげたフロントガラスを切って運転手を助け出したオリアナは、彼を地面に横たわらせた。


首元を触るが彼の脈は既に無い、心なしか体温も温い。


魔術サイドの人間にしては科学の知識はもっていると密かに自負していた彼女は少しだけ思い巡らせ

オリアナ「確かこれって、心筋梗塞よね?」

インデックス「うん。

――発病を疑った際は患者から目を離さず直ちに救急車を要請すること、患者の意識が消失た際には躊躇せず心臓マッサージを行うことが必要である。機能的な心停止に陥った際には3〜5分以上の無処置は社会復帰率をほとんど0にしてしまう。救急隊の到着を待たず直ちに救命処置(心臓マッサージなど)に掛かる必要がある――って医療書にはあったんだよ」


オリアナ「オーケー、だけどお姉さんたちはお姉さんたちの得意分野でやろうか」

インデックス「そうだね」

オリアナは手持ちのチョークで魔法陣を、インデックスは店中で集めた品物を置いていく。

見つめる視線は鋭い。

484 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:37:29.62 ID:GU0mp3MAO





インデックス「おりあな、効率的なマナの循環にはそこの点と点は繋げるべきかも」

オリアナ「了解。 実はお姉さん偶像崇拝の理論応用は苦手なんだけど……、どうかな」カッ

インデックス「うん、問題ないんだよ」


邪魔をしないようにインデックスが後ろへ下がる。


途端、青白い光が地面からアスファルトを超えて漏れる。

詠唱するオリアナをチラリと一瞥したインデックスは店主へと声をかけた。


インデックス『ご協力ありがとうなんだよ』

店主『あんたは……一体』

インデックス「イギリス清教所属の一介のシスターかも、――それより救急車ってこっちに来てるのかな?」

店主『ああ、知り合いから電話が来たときには既に通報済みだったようだ』

インデックス『そっか、それなら良かったんだよ』


店内からも観測できたほどの光量だった、魔力を練られた青白い光が止む。
485 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:45:27.96 ID:GU0mp3MAO





オリアナ「脈拍確認出来たわよ」

インデックス「お疲れ様!」


満足げな顔をしたオリアナは入り口に一番近い椅子に座り汗を拭い、ピッチャーからグラスに水を入れ一気にそれを飲み干した。


店主『シスター』

インデックス『どうしたのかな?』


店主『――俺の店を守ってくれてありがとう』


すると、どこか申し訳無いという顔をするのだ。

インデックス『実際、私の力じゃ無いんだよね』

店主『だが、あんた達が居なきゃこの子も俺も、運転手も死んでたんだ』


段々とサイレンの音が近づいてきた。

死者0だなんて警察はどんな反応をするのだろうと少々愉快な心持ちだ。


店主『何かお礼をできないか?』

インデックス『良いの?』

店主『ああ、金はそんなに無いが』

ぶんぶんとインデックスは頭を降り、その結果視界に先ほどの幼女が写った。

オリアナに誉められていて幸せそうな笑顔をしていた。


逃げ遅れた客以外はどこまで行ったのだろうか、戻って来る様子もない。




インデックス『もし良かったらなんだけど――』
486 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:49:28.48 ID:GU0mp3MAO





上条「何? それでお前タイの料理店で10人前無料で食べたのかよ」

インデックス「そうなんだよ、珍しく予定に余裕があったからね。 いやー、あの店長料理上手で、ほんと美味しかったー」

上条「……警察とかはどうしたんだよ」


インデックス「おりあなが所謂“女の最終兵器”で口説き落としたんだよ」

上条「……ご愁傷様です」


あの豊満な肉体で迫られて陥落しない男なんて居ない、居たとしたらロリコンか同性愛者じゃないだろうか。かつて同じようにオリアナにオトされた上条は心から現地警察に同情し、少しだけ羨ましがった。


ベッドを動かして間もなく、今現在の上条は無事にオセアニアに移動したとインデックスから電話がかかり、今日の武勇伝を聞かされているところだった。
487 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:51:22.93 ID:GU0mp3MAO





上条「でも、トラックも余裕で跳ね返すなんてお前のそれって凄かったんだな」

インデックス「本当かも! 全くとうまはとんでもない物を壊してくれたんだよ!」
上条「悪かったって」

インデックス「今度は本当に気を付けるんだよ」

上条「大丈夫、ずっとあいつの手を握ってりゃ良いだろ。 銃のホルダーみたいにさ」

インデックス「そうだね、うんなかなか言い得て妙かも」

その後、取り留めも無い話をいくつかして。

上条「今日、大活躍のインデックスさんを讃えてですね」

インデックス「ぅあっ!」

上条「明日はお前の好きなもんな」

インデックス「ほんと!? やったあ!!」

電話越しの彼女の声が嬉しそうで轟音で耳はきーんと痛むが口角は上がらずにはいられなかった。
488 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/21(月) 01:53:05.36 ID:GU0mp3MAO





上条「ただし一方通行が、だけど」

インデックス「あくせられーた……?」

上条「そう」

キャスター付きの椅子に座って食器を洗う彼をチラリと見やる。


上条「――お前の同居人になる奴だよ」


一方「なンか言ったのかよ、三下ァ?」

上条「お前の紹介をしてたんだよ、インデックスに」


しばしの沈黙があって。


インデックス「……人間、だよね? 装置じゃないよね?」

一方「……目次? それとも禁書の方か?」


上条「……やべ、忘れてた」

上条(これ、説明めんどくさいぞ……)



今から明日の邂逅の段取りをしとかなければ、と上条は1人頭を抱えた。
489 :終わり :2011/03/21(月) 01:57:32.41 ID:GU0mp3MAO
途中あげちゃってすみませんでした。

ほんとはインドのカレー店で牛が侵入する設定でしたがギャグにも程があるので止めました。
あと、こういうヒーロー映画が好きです、女の子コンビはもっと好きです。

次回は遂にインデックスが日本の地を踏む……のか?
お付き合いいただきありがとうございました
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/03/21(月) 01:58:12.57 ID:GU0mp3MAO
うわ、今のもさげ忘れた!
すみませんでした!
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 02:01:50.49 ID:nOIX+OpDO
乙してあげるうううううう!!
やべーインさんとオリアナパートおもしれえwwww
歩く教会直してもらったのか。よかったなインデックス
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 03:30:53.89 ID:ZBon2Vk8o
乙!!!
インデックスさん合流楽しみだ
レンズ捜索とか余計に怪しいカモフラージュする2人に萌えた、ガン見したい

あとインドのカレー店ww
最後はゾウも来て、牛とゾウと店の人たち全員一緒にダンスを始めるんですね
という映画HO展開が想像余裕すぎる
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/21(月) 04:35:27.98 ID:DLoAd1Rg0
インデックスさんかっこいい!
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/03/21(月) 11:18:00.05 ID:FabDGES4o
インデックスさんがいると画面が華やかになるっていうか…やっぱいいよね
二人の同棲生活じゃなくなるのはちょっと残念だがwwww
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/03/21(月) 11:42:35.23 ID:tnwqs67Ho
改めて読むとアイス食ったりベッド持ち上げて喘いでるヒーローズがシュールでめちゃくちゃ笑ったwwwwww
オリアナの女を語るくだりとか、インデックスのあえての誤訳とか魔術サイドの女性が素敵過ぎる
合流まじ楽しみです
496 :>>1 [sage]:2011/03/24(木) 23:36:11.41 ID:FyVdH+TAO
次回予告なんてしちゃったんですが、てっきり消費したと思っていた話をやっていなかったので今日はその話を
497 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:37:21.27 ID:FyVdH+TAO





***

風呂上がり、髪にまとわりつく水滴を拭きながら寝室に向かう。

勿論、ドライヤーなんて殊勝な物は使わない、だから朝の格闘があるんだけどそれは自業自得だし納得している。


ガチャン。


上条「あれ……?」


いつもならもう寝転んでいたり、携帯を操作していたり、俺の漫画や本を読んでいたりするのだが何処にも姿は見えない。


そう、それは後に冷静になって考えると扉に隠れて死角になっていたからだ。


2、3歩進んでようやく気づく。




一方通行はベッド縁で倒れ伏していた。
498 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:39:35.44 ID:FyVdH+TAO





上条「……は?」


何が起きてるのか、分からない。


そんな中でその場で足を止めて考えるのは暗殺?発作?とかそういう所謂、一般論。

とりあえず血の気が引いてく音、というのは本当にあるらしかった。
いつも以上に血液は重力へと従い、下へ下へと向かっていくいくのだ。



上条「あ……、お、まえ」


一方「――lfntab」


力なく開かれた口から漏れるのは言語おろか単語でもない、ただのノイズ。


――ああ、そうか。

よくよく考えたら理由はあるんだ。



上条「……それの充電、切れたのか?」
499 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:42:46.63 ID:FyVdH+TAO




返事は無い、首だって縦には振らない。


だけど今日の日を鑑みるに当たっているはず。
逆にバッテリー切れ以外は困るのだからとどこか祈る気持ちだった。


俺はタオルを投げ捨てると、四肢をだらりと放り出した一方通行の正面で屈む。
自分の影が一方通行の顔に被る、その光量の変化に少しだけ白い瞼が開かれる。

赤い瞳にいつものような猛々しい光は無いし、光を吸収するようなそんな虚ろな目をしていた。


手を伸ばし、こいつの足の向きを揃えひざを立てる。

そして首と床に手を滑り込ませ一気に力を込めた。


……ちゃんと持ち上がったじゃねえか、さっきはよくも笑ってくれたよな。


しかし逡巡する、寧ろこの年の少年がさっきの家具と大差無い重みというのはどういうことなんだろうか、とりあえず新しく同居するインデックスに感化されて欲しいなと切に願っとく。


そのままベッドへと堅い体を降ろした。

チョーカーから変圧器を通し、そしてコンセントへプラグを差し込む。

それがまるで携帯みたいだなんて思わないと言ったら嘘になるけど、こいつに言える筈もなかった。
500 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:45:13.88 ID:FyVdH+TAO





上条「バッテリー使いすぎちゃったんだな」

手にコードを持っていたことから、きっと一方通行も焦っていたことが分かる。



いつもとは違いコンセントの事情でベッドの左側に一方通行が横たわっているので、俺も空いたスペースに横たわったとすると右手で触れるには多少面倒だった。


なのですぐ隣に腰掛け、右手でどこを触ろうかちょっと悩み、そして手を伸ばす。


上条「ほっぺたやわらかっ」

この声も届いていないんだろう。

いつもなら拒否されるだろう行為に今夜は及んでいる。


きめ細やかで滑らかな頬をなぞるのが俺の指で悪いなあとは感じるけど、きっと女にモテるんだろうからそいつらに撫でてもらえば良い。

それにこの先、もっと色んな奴がこうして無骨に蹂躙していくんだろうから、今だけは許して欲しかった。
501 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:46:55.50 ID:FyVdH+TAO





時折緩慢に瞬きする、相変わらずの顔を見て2つ思う。

俺は白痴美について造詣もないし、理解できるワケも無いと思っている。

けど、それはもしかしたら違うのかもしれない。
この白い痴人の密やかな腹の上下だったり、パジャマのはだけ具合だったり、半開きになった口の中の黒は、何だか美しいと感じるのだ。




そして、もう1つ。




上条「――気づかれないのは恐いよな」


瞳が揺れた気がした。


賛同か、はたまた違うのかは分からない。
502 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:48:32.40 ID:FyVdH+TAO





***

充電の影響で次第に演算能力が戻ってきた。


今までは子音の連続を聞き取ってただけ。
とはいえ斜め上から聞こえてくる“音”はあくまでも単語の羅列なだけで、意味を持つ言語としてはそれだけでは認識不可能なことに変わりは無い。


煩わしい光を遮るのは真面目な顔をしたあの男だ。


上条「……ストックへ本当に軽いことを、君は食べなければなりません。 持ち上げられる、あなたはもっとそれと同じくらい故にたくさん」


……食べて体重を付けろ、とでも言いたいのだろうか。

異常に健康なオマエに言われたかねえし、つーか大きなお世話だ。


上条「否定再度、本質的な僕に対して抱くと疑問確信した!?」

ああ、動くんじゃねえ。


天井の冴えた明かりが目に刺さり、視界の中央に白い円が発生する。

閉じても、かぶりを降っても追いかけて来るそれが憎たらしくて仕方がない。
503 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:50:51.40 ID:FyVdH+TAO





無能力者は困惑したような表情をした。


「つゥか、よりにもよって頬じゃなくても触る所は他にもあンだろォよ」

と俺は言ったのだが、言っているつもりなのだが、此方もノイズが混じっているのは同じらしい。


上条「正誤、応答について不可能」

このように、そもそも問いの意味が分からないので答えられないらしい。


――面倒だが待つしか無いようだ。
504 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:52:17.66 ID:FyVdH+TAO





相変わらず四肢は弛緩して、首以外は動くことも出来ない。

上条「感じるダイレクトに、力量不足、自分は及ばない」

一方「……」

上条「焦燥、最中だろうか? 気が気でない正気、若しくは状態異常?」


頬に触れる力が強くなる。

ピンポイントで血管を圧迫され、若干の痛みを感じる程に。


上条「どちらにしても」

一瞬、目を固く閉じたのは気のせいじゃ無いはずだ。

何かを堪えているのか、忘れたいのか、思い出したいのか、それは俺の知るところじゃない――。





上条「俺は、絶対に気付くから大丈夫」
505 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:53:33.22 ID:FyVdH+TAO





そう言うと、椅子を持ってくると言い残しアイツは電気を消しつつこの部屋を去っていった。


一方「……a、edmwh要求akagp」

俺はそれなりに聡いつもりでいる。
それに、いくら上手い奴だからって完璧な嘘をつくのは不可能だろう。



何を隠しているのか。
アイツの気付かれたいことは何なのか。

知らない、分からない。


だけど、それも当然なことなのだろう。



――こちらだって、自分については何も言ってはいないのだから。
506 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/03/24(木) 23:57:17.37 ID:FyVdH+TAO






いつになったら相互理解が出来るのだろうか。


目を閉じても開けても、視界は黒かった。


そして、あの男のひたひたと押し隠すような足音が気持ち悪く、ただひたすらにシャットダウンの瞬間を待って俺は目を閉じた。





507 :終わり :2011/03/24(木) 23:59:39.76 ID:FyVdH+TAO

次回からこそ、同居人追加というか新キャラというか、まあバレバレですけどね!
おやすみなさい!
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 01:10:14.11 ID:BmEo6xfzo
乙!

電池切れ状態をさわらせるって、なんかこう…
信用してるって感じですよね(建前)
エロいっすね(本音)
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 03:42:30.44 ID:qPBwF/aDO
乙乙
一方さんのチョーカーにはロマンがつまってる…
上条さんうらやまs
次回も楽しm
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/03/25(金) 12:09:37.29 ID:EPbseM4R0
おつ
一方さんは一人称でも上条とは呼ばないんだなぁ
次回から動き出すのか
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 03:50:27.72 ID:570H8cBSO
乙ですww

正直二人きりで居てほしかったなぁ…
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/26(土) 14:20:06.44 ID:SrytyMndo
そもそもの発端を思い出せww
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 00:52:18.83 ID:18ChxnPDO
オリアナとインデックスが新婚旅行に行ってる間に上条さんが一方さんを打ち止めからNTRしてショックを受けた美琴御坂妹打ち止めの姉妹丼を俺がもぐもぐしたんだったか
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) :2011/04/01(金) 20:33:43.00 ID:InadyspV0
なんというか…夜の場面がエロすぎる
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/04/01(金) 20:34:38.93 ID:InadyspV0
ってうわあああsage忘れてたごめんなさい
516 :>>1 [sage]:2011/04/01(金) 23:59:27.33 ID:Pp5BbYwAO
こんばんは

もう直ぐ2日とかそんな悲しいことは総無視で投下をば
517 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:08:58.74 ID:32ha74qAO





禁書「……よし、荷物も送れたんだよ」

オリアナ「あとは搭乗だけかあ。 今までなかなかにハードなスケジュールをお疲れ様」

禁書「オリアナこそ、無茶な計画たてたのに私に着いてきてくれて――本当にありがとう」

オリアナ「こちらこそ刺激的な5日間をありがとう」



彼女たちの周りを通過していく多くの人たち。

時折、アナウンスの声も流れ、まだ朝8時と言うのに空港はなかなか騒がしい。



電工掲示板にちらりと目を向ける。
出発まであと20分。

インデックスは右手人差し指を立て、そしてそれをぐるぐると回しながら一つ提案をした。
518 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:10:42.95 ID:32ha74qAO





禁書「抱えてる問題が全部片付いたら、今度はみんなでゆっくり旅行しようよ」

オリアナ「そうね、今回は現地で刹那的な恋にはハマれなかったから欲求不満なの」

禁書「またそんなこと言うの? とりあえず、変な人には引っかかっちゃ駄目なんだよ?」

オリアナ「お姉さんを誰だと思ってるのかな?」

禁書「ふふ、その通りだね」

一面のガラス張りから見える空は眩しく、まともにそれを見たインデックスは眩しさから目を細めた。
519 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:12:54.79 ID:32ha74qAO





禁書「ふぁわ……、飛行機の中でゆっくり寝たいかも」

オリアナ「着くまでたっぷり時間もあるだろうし、ビジネスクラスのシートに心身抱かれてお休みなさい」

コクリと1回頷いて、インデックスは手持ちのバックの紐を強く握った。



禁書「じゃあ、そろそろ」


修道服の裾を捲り、彼女は右手を差し出した。

オリアナ「体に気を付けてね。 あと無茶しちゃ駄目なんだからね?」

禁書「ありがとなんだよ。 オリアナこそ気を付けてね」

オリアナ「ええ」


手と手が離れる。

そして、人が溢れる搭乗口へとインデックスは歩いていく。

小さい体躯ながら歩みはしっかりとしていた。
520 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:13:56.41 ID:32ha74qAO





暖かく柔らかい手の感触をまだ感じながら、オリアナは去りゆく少女へと声をおくる。


オリアナ「行ってらっしゃい! インデックス!」


長い長い銀髪が揺れる。


禁書「――行ってきます!」


そうしてまた、歩き出した。

今度は振り返らなかった。




オリアナ「……頑張ってね」

短い期間だったが、きっとあの相棒なら事態を収束させられるとオリアナは信じている。


修道服を着た彼女の姿が見えなくなる。

ふとオリアナは電光掲示板を見上げた。
521 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:15:03.41 ID:32ha74qAO





オリアナ「……あれ?」


8時30分シドニー発の飛行機が学園都市に到着するのは11時丁度である。

所要時間は2時間半。


オリアナ「……こっから日本って9時間以上かかるはずなんだけどなあ……」


彼女の脳裏をよぎるのは中東を回った時の陰惨な記憶。

とは言え、酷い重力のせいでまともな思考も出来なかったのだが。


オリアナ「……あらあら、頑張って」


そんな彼女の呟きも所要時間の異常さも露知らず、彼女は長い長い廊下を歩いていた。


禁書「学園都市へレッツゴーかも!」


勿論、その道の先に続く機体が超音速旅客機ということも知らずに。
522 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:18:43.17 ID:32ha74qAO





微かに目を開く。
飛び込むのは薄暗い部屋。

全体的な違和感を、特に腹部に重みを感じた。

低血圧故にぼんやりとしながらも一方通行は目を覚ます。

(まだ眠れるじゃねェか……、つゥか何か重てェ……)


何が起きているのか微塵も理解できなかったのだが、右を向いても隣は居ないことから足や腕を乗っけられているわけでは無いと気付いている。


では何だろうか。

苛立った気持ちが先行した。

「鬱陶しい……」

何時もより妙に高い声で唸る。

そして左足を持ち上げ、右手を下にして体を回転させた。


邪魔なそれをベッドに落とそうと思ったのだ。

が、しかし。
523 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:19:54.50 ID:32ha74qAO





「……うぉっと、落ちるかと思った」

声がする。

「どうしたんだよ、いつもはすんなり起きるのに」

それは聞き慣れない、声で。

「……もしかして、上条さん太ったり……?」

そして聞き慣れない、“女”の、声。



「……!?」


驚愕に染まる紅い瞳。

完全に覚醒した一方通行は、驚きに任せて上体を起こそうと試みた。

しかし、上からの重みがそれを封じてくる。
524 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:21:25.96 ID:32ha74qAO





「だからだーめ。 っていうかどうしたんだよ」

「……誰だ」

「へ? 一体どうしちゃったわけ?」

“少女”は不思議で仕方がないと言った声色で語りかける。

「お前、同居人で恋人のかみじょーとーこさんを忘れちゃったわけ? いつもこうやって上条さんが起こしていたというのに」


そして、一方通行にも気づいた事がある。

認めたくない、本当に認めたくはない。

だってそれが事実ならばあまりにシュールすぎるではないか。


黒髪で心なしかツンツンとした頭の少女が、“彼女”の頬へと手を伸ばす。


「具合でも悪いのか?」

「やっ、やめ」

「なあ、どうしたの――百合子?」


「…………ぅ」


もう、我慢の限界だった。
525 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:23:03.29 ID:32ha74qAO





「う、っあァァァァァァ!!!!!」


「百合子!? ねえ、大丈夫!?」


肺の空気を全て吐ききったんじゃないかと思うぐらいの叫び声。

酸欠からか歪んでいく視界と、妙に客観的な自分。


「どうしたんだよ!?」


同居人によく似た、きっと彼が女ならばこうなのだろうと思わせる顔が心配している。
しかし、それもどんどん遠くなっていく。


一方(……どォなってンだよ)


遠くなって、遠くなって。


上条「一方通行!? どうしたんだよ!!」


次は聞き馴染みのある、男の声だった。
526 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:25:35.28 ID:32ha74qAO





上条「なあ!? 一方通行!?」

一方「……るせェ」

言葉尻に合わせて、次はちゃんとした低い声で唸った。



一方「……」

上条「大丈夫か!?」

目を開き、 明るい室内を見渡す。


一方「……夢、かよ」


右側に目をやると、椅子から腰を浮かした上条の姿があり、床には毛布が落ちている。


上条「すげえ唸ってたけど……」

一方「……悪夢に他ならねェ」

上条「俺がお前の胴体を机にして寝てたからかな」

一方「……重かったのはそれかよ」


はあ、と深い溜め息をつき、同時に安堵する。

正夢じゃなくて良かったと。


上条「だけど、なんか唸ってたけど笑顔っつーか……。 どんな夢だったんだよ」


一瞬だけ逡巡し、首を振る。
527 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:34:16.16 ID:32ha74qAO





一方通行には「俺とオマエが女でしかもレズってる夢」と告白する度胸は生憎持ち合わせていない。

まあ、上条も上条で女の自分とそのままの一方通行という何とも不可解な夢を見ているので語りにくいのは同じだが。



そして、それに比べれば

一方「……昨日は……。 その、充電してくれて……」

上条「……あ、おお」


些かのくすぐったさをこらえる方がよっぽど楽で、伝えたいことだ。
528 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/02(土) 00:42:02.42 ID:32ha74qAO





一方「……見つけてくれて……、感謝してる。 あとは、見捨てなかったこととか……」

上条「当然のことだろ。 お前は大事な同居人なのにさ、つーか気にすることじゃねーよ」

一方「……」

上条「あ、首、良いか?」

言われたとおり大人しく差し出し、プラグを引き抜いてもらう。

精神的な解放感。
縛られることは存外に苦痛なのだ。



上条「あー、もうちょい時間はあるけど?」

一方「――寝る」


そうして目を閉じ無音に浸る。


上条「お休み」


次は頭か、と思いつつも撫でられることを拒否する気には到底ならなかった。
529 :>>1 [sage]:2011/04/02(土) 00:47:27.74 ID:32ha74qAO
見易さの為にこれから主要人物は二文字表現でよろしくお願いします。

よく分からないエイプリルフールネタですみませんでした、なんで無難に上百合じゃないのか自分にも分かりません
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/02(土) 04:44:40.22 ID:BhOoUJ1Io
乙乙!よかったよー
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 05:09:16.61 ID:9gRM9j0do
乙!
なぜ夜になるとやけに濃密なんだこの二人…

>>528でプラグ抜く時、目を閉じてちょっとあごを上げて「ン」ってやってる
一方さんなのかと思うと……ふぅ
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 11:40:52.60 ID:oVmWrkg90
続きが気になって夜も眠れないんだよ!!
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 19:11:24.18 ID:9s7L4pdd0

続きが気になる・・・!
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 16:57:31.34 ID:oy+/R0Aco
全裸待機
535 :>>1 [saga]:2011/04/13(水) 23:04:52.77 ID:sr+6kUkAO
『自分に余裕が無いと言うことは言い訳にはならないのではないか』

投下出来ずにすみませんでした、もう少ししたら続きいきます
536 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:38:37.09 ID:sr+6kUkAO





プシュー。

空気の抜ける音がして、第23学区行きのモノレールの扉が閉まる。


休日だと言うのにガラガラの車内。
その扉付近でゼエゼエと息をつく男が2人。


上条「はあ……、はあ……っ」

一方「……ゴホ……っ」

上条「乗り遅れるかと……思った……」

一方「マジ……ふざけ、ンなァ……っ」

上条「わ、るかった……」

彼らに悟られないくらい静かに、車両が動き出した。




学生が居住の第7学区から第23学区に向かう手段としては、タクシーやバスに押され本数は少ないと言えど地下鉄の方が一般的である。

理由としてはモノレールは学園都市の観光を担っていたり、その理由のせいで割高なことが挙げられる。

しかし地下鉄は丁度逃してしまい、スピードは遅いが地下鉄を待つより、乗ってしまったほうが早い。

何より乗らなければ待ち合わせの時間に遅れてしまうのだから、最早選択肢は無いに等しかった。
537 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:40:22.74 ID:sr+6kUkAO





上条「……二度寝して遅刻寸前って結構心に刺さるな……」

一方「何でオマエまで折り重なって寝てたンだよ……!」

上条「……俺だって寝たかったんだもん」

一方「アラ−ム付けとけェ……!」

上条「以後気を付けます……」


車両いっぱいを使って横一列用の座席が両端に設置されている。

どこでも座り放題だったのだが、敢えて長い座席の中心に座ってみた。
特に深い意味は無い。


ぼんやりしながら反対側の窓ガラスに目をやると、どこから見ても女にしか見えない自分がそこにいて、少しだけ一方通行は憂鬱だった。


上条「なあ、引っ越しの挨拶ってさ何が良いんかな」

一方「ンなの知らねェよ」

上条「やっぱり蕎麦? タオル?」

一方「オマエが貰いたいモンで良いだろ」

上条「……ってなると米俵とか?」

一方「いつの時代だっつゥの」

上条「これからのエンゲル係数の有り得ねえ上昇っぷりに絶対お前もアタフタするから! マジで!」

上条がビシッと人差し指を突きつけたものも、対する家主の顔は相変わらずだった。
538 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:46:05.83 ID:sr+6kUkAO





静かに、だが確実に景色は流れていく。


一方「そォ言うのも全部了承して、オマエらのこと養うンだよ。 そいつごとオマエ抱えられねェのに、この奇っ怪な状況を改善できるはずがねェだろォが」


言い切ってから、昨日見た昼ドラで尼の主人公に相手の男が言っていたセリフのままではないかと言うことに気が付いた。

一方(……今日は土曜だからやンねェか)

上条「……はぁ」

一方「あァ?」

上条「いや、なんかその言い方だと、俺ってもうすぐ再婚する子連れの未亡人みたいだなって」

一方「言ってろ」


確かにその解釈もできる。
本来は宗教の事で悩む彼女に、胡散臭い優男が告げていたのだが。
539 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:47:18.43 ID:sr+6kUkAO





上条「同じ階ってうちの隣の人だけだし、デパートとかで適当にギフトセット買えば良いよな?」

一方「良いンじゃねェ」

上条「つーか、お隣さん今日居るかなあ」
一方「さァなァ」


次はどこの駅だと女声のアナウンスと電工掲示板が知らせてくる。
空港まではあと二駅だった。


一方「オマエでも会ったことねェの?」

上条「ああ。 多分、学生じゃ無いんだと思う」

一方「まァ、どンな奴だろォと俺に関係はねェがな」

上条「まあまあ。 もしかしていつか会っちゃうかもしれねーしさ」

一方「隣に存在悟られるだなンて一番厄介だろォ? 流石に重火器で襲われたらドアも破れンだろォし」

上条「まーなぁ、とりあえず俺だけが渡しに行っとくよ」

一方「頼む」


少しだけ負荷がかかり、モノレールは途中駅で停止した。
540 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:49:39.58 ID:sr+6kUkAO





扉が開く。

僅か数名居た乗客もこの駅で皆降りてしまい、もう一回閉まる頃には車両貸し切りとなっていた。


上条「今日って、何でこんなに観光客居ないんだ?」

一方「時期的に微妙だからだろォ。 あと1ヶ月も待たずに一端覧祭もあンだし」

上条「一端覧祭……か」

一方「もォ用意始まってンのか?」

上条「いやー、うちの学校は進学校でも無いし、そんな時間的余裕はねえよ」

一方「へェ」

上条「まあ、クラスの企画は決まったんだけどさ」

一方「一応聞いてやる」
541 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:53:00.69 ID:sr+6kUkAO





上条「無難にお化け屋敷、――っっても決めるまでに一悶着あってさ。

青ピ居んじゃん? あいつうちのクラスの委員長なんだけど、最初委員長権限の公使やー!とか言って通常制服から始まりスク水、チャイナ、スーツ、メイド、ナース、袴、ボンテージ、白衣とかのあらゆるコスプレ喫茶やろうとして文化祭はイメクラじゃないんだからって恐ろしい勢いで却下されて。

その後土御門がここは義妹喫茶だろJKとか言い出して吹寄に殴られ。 他にも京都式占いとか通販オススメ紹介とか殴られ屋ならぬ幻想殺し屋とかガチ殴り合い、つっても青ピと土御門だけだけどに発展するまで色々あって。 結局、担任の言ったお化け屋敷に落ち着いたんだ」

一方「……」

いつにも増して饒舌だった。

上条「んでさあ、俺は普通に装飾係やりたかったんだけど、暴走した能力者居ると危険だからっつー理由でお化け役に回されちゃってさ、しかも西洋の騎士だぜ? 前見えねえじゃん」


同意を求めて、上条は隣を向く。

上条「……あれ」

全く覚えはないのに、一方通行はどこか不機嫌そうな顔をして吐き捨てた。

一方「……そォ思うならそォじゃないンですかァ」

上条「……何かキレてません?」

気に障らないようにと慎重に指摘するも鼻で笑われてしまった。
542 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:56:08.22 ID:sr+6kUkAO





一方「今ここでスパンと切ってやろォか」

上条「止めて止めろよ止めて下さい三段活用!」

一方「本当に三下は馬鹿だろォ、冗談に決まってンじゃねェか」

上条「そうは聞こえないんだよ、マジで」

罵倒する顔は華やいでいるので、多分考察は正しいのだろう。
これでもう鈍感なんて言わせない、そう決意した。



上条「つーか拗ねてた? 何か今はノリノリだし、確かに関係ない話は退屈だったかもな」


一方「――っ、はァ?」

上条「いや、御坂もそんな顔するなあって」

一方「……馬っ鹿じゃねェの!? なァに愉快な勘違いしちゃってンですかァ!!」

上条「え、違うの?」

一方「ち、違ェに決まってンだろ気色わりィ!! 思い上がンのも大概にしろっつゥの!!」

何だかそれが焦っているようにも見える、と伝えたら鳩尾を殴られた。

本当に痛かったのだが、しかし残念ながらそれでは終わらなかった。
543 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/13(水) 23:59:05.51 ID:sr+6kUkAO





そうやって一方的に一方通行にど突かれること10分弱。



上条「降りませう……っ」

一方「……流石にやりすぎたァ」

上条「これくらいじゃ大丈夫……、ってかとりあえず今は急ごう……」


上条は痛む胃を右手で抱えながら、一方通行は電極のスイッチを入れ混雑中の駅を早足で駆け抜ける。


上条「今何分?」

一方「32」

上条「あー、遅刻するー!」

天井から吊られている表示を確認せず、分かれ道を分岐せずに真っ直ぐ行こうとする上条の手を一方通行は強く引っ張った。
544 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/14(木) 00:01:03.18 ID:Uvd7RgRAO





上条「おおっ」

一方「空港はそっちじゃねェ」

上条「ごめんごめん」


人ごみの中を歩くので出す声を演算しながら、しかも杖が他人にぶつからないように気を付けて歩くのがなかなか面倒で思わず舌打ちをした。

上条「今のお前は憧れの黒髪お姉さんなんだぞ!」

一方「……うぜェ。 で、そいつはどこに居るわけ?」

上条「降りてきた三番ゲート近くに居るようにって言ってある」

一方「容姿の特徴は?」

上条「小さくて髪の毛は銀髪のロング」

一方「そンなン一発で分かりそォじゃねェか」

上条「だよな……。 よし、着いた」

駅との連絡通路と繋がっているのは吹き抜けである二階部分だった。

階段横の腹までのある手すりに身を預けると、一・二・三番ゲートがぐるりと見回せる。
545 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/14(木) 00:04:03.79 ID:Uvd7RgRAO





しかし、やはり空港なだけあってどこを見ても人が多い、その上絵画展もやっているらしく、別の種の客もちらほら見受けられる。

上条「ああ、どこだよインちゃんよー……」

一方「荷物も回収したろォし、携帯かけりゃァ」

上条「あんま機械得意じゃないんだ、あいつ。 で、銀髪ロングはどこ……」

一方「あ、つゥかさァ」

上条「どした」

一方「そいつのプロフィール、名前も含めて女ってことしか知らねェンだが。 言われたかもしンねェが昨日の充電切れで幾つかトンだ」

上条「あー、ゴタゴタしてたし。 あいつの名前は――」


次に来る言葉は何かと身構え。


そして――。
546 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/14(木) 00:06:33.06 ID:Uvd7RgRAO





上条「――あ、そっか! あれだ!」

言うや否や、強い力で腕を引っ張られ階段へと歩いていかされた。

一方「見つかったのかァ?」

上条「そう! そっか、今の歩く教会は針のむしろじゃないから金属探査機引っかかん無いんだった!」

一方「……何言って」

上条「えっと、今までの服が安全ピンいっぱい付いてて、だけどイギリスで新しいの支給されて。 まあ、そこら辺は名前も含めてあいつに自己紹介してもらえば良いか」


一方「安全ピン?」

何故だろうか、どこか懐かしい単語である。

いつか、確実に何かがあった気がするのだがしかし、後に訪れた嵐のせいですっかり消えてしまったような気持ち悪さ。


上条「てか、椅子に寝そべってたんだけど具合悪いのかもしんない?」

一方「つゥか急いで良いぜ」

上条「ありがと、てかここ人多いし死んでも離すなよ?」

一階に着き、人の流れを縫いながら北へと向かっあ。
547 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/14(木) 00:08:25.27 ID:Uvd7RgRAO





肩で風を切っているので、もしかしたらウィッグが飛ぶのでは無いかと内心恐ろしいのだが、押さえながら進むのは不可能だ。

ついに前を行く上条が走りだした。

離さないようにと握るその手は少し痛いくらいで、負けないようにと握り返す。


暫くして、行く先に見えてきたのは幾多の背もたれの無い椅子とそれに腰掛ける人、人。


上条「やっぱりそうだ……!」

一方「どこだよ」

上条「一番奥の、あの白いの!」


その人差し指の先に視線を合わせ――。


一方「……あ……」

1人の、少女?
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/04/14(木) 00:10:42.96 ID:Uvd7RgRAO





彼の優秀な脳を持ってしても、落ちついて、そして酸素を潤沢に使いながら考えたいのだが残念なことに上条は止まらない。


長い銀髪、安全ピン、白い修道服、女。

あまり脈絡の無かった文字群が、遂に見えた人物の影響で、急速に繋がりを持っていく。


少女は、その顔をシートに押し付け、ぐったりとしているようだった。


上条「――インデックス!!」


――真白いそれは、身動きを一つ。
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/04/14(木) 00:11:58.07 ID:Uvd7RgRAO






「……とうま、おひさしぶりなんだよ……」






一方通行にも聞いたことのある声だった。
550 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/14(木) 00:19:46.32 ID:Uvd7RgRAO





上条「お前、どっか具合悪い?」

「……なんか、速い飛行機に……間違えて乗っちゃった……かも」

上条「それは災難だったな……」

「うん……」

約一週間ぶりの再会を果たす彼らの横。


一方(――そォだよ、あの9月30日に起きた幸運【ラッキー】じゃねェか)

突然の襲撃を受け、何とか必死の思いで打ち止めを逃がし、だが自力ではどうしようも出来ずにゲームオーバーを迎えかけたとき。

何とも、気の抜けた幸運に助けられたのだが、まさか彼の同居人とは露も思っていなかった。



上条「それでさ、今ここに居るのは俺だけじゃないんだよ!」


「……あんらっきーさんが居るんだよね」

驚愕する一方通行のことは露知らず、嬉しさが滲み出ている声だった。


「……挨拶、しなきゃ」

彼女は、ズルズルと音を立てながら両手で上体を起こす。

横を向いているせいで、まだ長いフードと髪の毛に遮られて顔は見えなかった。
551 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/14(木) 00:21:47.67 ID:Uvd7RgRAO





上条「一方通行も大丈夫か?」

一方「――あァ」

演算が乱れ、地の声が出た。
それに反応して、もう一度身じろぎがあった。

「……ん、どっかで聞いたかも」


一歩


一方「――確かオマエは、完全記憶能力者とか言ってたよなァ」


二歩


「――え」


三歩


「俺の財布でたらふく食ったハンバーガーは上手かったかァ?」



さらりとした銀髪が揺れる。

驚愕に染まる、端正な顔立ち。


やはり、それは見覚えのある碧眼だった。
552 :初見は>>18へ [sage saga]:2011/04/14(木) 00:25:15.40 ID:Uvd7RgRAO








一方「久しぶり、暴食シスター」


禁書「白い……人……!?」


上条「え、何、お前ら知り合いなわけ!? 上条さん凄いびっくりしてるんだけど、なあ、どっちか説明を!」


一方「一方通行【アクセラレータ】だ、よろしく」

禁書「……禁書目録【インデックス】なんだよ……、あくせられーた」



こうして、彼らは再会したのだった。
553 :終わり :2011/04/14(木) 00:28:28.65 ID:Uvd7RgRAO
今回誤字とsage忘れ多くてごめんなさいごめんなさい!
次回、遂に再会した2人と若干把握しきれてない上条さんのぶらり学園都市巡り(嘘)

お付き合いいただきありがとうございました!
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 01:29:34.77 ID:y3xKCGADO
乙!
うおおおお・・・白コンビの再開胸熱
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 02:55:00.50 ID:Vw/14BwHo
乙!!
学校生活楽しい、みたいな話に拗ねてる一方さん萌え
556 :名無しNIPPER [sage]:2011/04/14(木) 18:19:39.31 ID:ISD2cBHzo
おつぅぅうう!!
未亡人とその連れ子と再婚相手なんておいしすぎるたとえじゃないですかー、もー
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/04/24(日) 18:48:41.37 ID:L0KPUEfHo
白コンビすげー好きだ
続きマダー?
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 10:04:58.61 ID:P+WfcrnS0
すごい待ってるマジで待ってる
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 07:40:32.88 ID:uozv2QKx0
白コンビとか俺得

待ってるぜ
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 16:06:17.42 ID:C8HlEf6oo
まさかと思うが、ここの>>1まで調教ゲーにはまってたりしないだろうな…
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/10(火) 15:15:15.95 ID:lg3avh+h0
>>560
調教ゲーってなんぞ……
一通さん調教できるのか
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/05/10(火) 17:17:37.17 ID:SzfOwVN8o
できる
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 19:48:21.92 ID:xxdOSKNH0
>>562
ちくしょー!!
上がってたから期待して来ちまったじゃねぇかorz
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 22:41:38.67 ID:1REvHwOOo
>>561
一方さんの口上ファイルの出来がいいからな…
娼館バイトとか全パターン見るまで頑張ってしまってヤバい
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/12(木) 00:50:58.93 ID:Y1bBoy6m0
調教ゲーについてkwsk
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/12(木) 01:21:43.73 ID:JmgBNXZlo
規約でここにはリンクを貼れない
何も言わずに801板の禁書スレをじっくり読んで来い、ヒントがあるから
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/05/13(金) 22:26:39.96 ID:DB9QCYiR0
スレチだとわかってるが1度だけ言わせてくれ
一方さんの調教マジ楽しい

白コンビの続き待ってます
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/14(土) 04:09:32.49 ID:8JVNcIPro
わかる、一方さんの調教マジ楽しい。デート行って悶えた
あの口上作ってる人一方さん好きすぎだ

それはそれとして白コンビ待ってます
569 :>>1 [sage]:2011/05/14(土) 18:10:03.25 ID:8pGV03bOo
証明できる手段が無くてすみません、だけど本人です
新年度が始まってから忙しくて、1ヶ月更新できずにすみませんでした

やはり生活も変わり更新できる目処も立たないので、サーバーに迷惑かける前に潔く依頼を出そうと思ってます
中途半端ですみません。そして今までお付き合いいただきありがとうございました
復活することがありましたら、そのときはまたお願いします
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/14(土) 23:48:20.89 ID:n+uI5jtDO
>>1
いつでも待ってる
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 00:38:45.19 ID:GiR9wcDto
なん…だと……
また>>1が書いてくれるのを待ってる
楽しかった、ありがとう
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 18:33:20.90 ID:lgnP0US50
>>1
今までありがとう。楽しかった
もしまたスレたてるときは同じスレタイかな?
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 03:09:30.27 ID:zI9Xladbo
>>1
vipのころからずっと見てたよ
楽しかったよー!
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