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とある五条の蹴球闘技【第二試合】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:33:17.03 ID:AkAh09oo
明けましておめでとうございます
年始に新スレというのは、縁起の良いところでしょうか
本年も皆様のご栄達をお祈り申し上げます

前スレ
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:36:13.81 ID:AkAh09oo
茜色に染まる学園都市第七学区。
立ち並ぶ高層ビルの数々は地平線へとその姿を消そうとしている太陽の光に晒され、鏡面となっている表層から眩い程の光を乱反射させながら、直に訪れる暗く、しかし普段のそれよりも短い夜にささやかな抵抗の意を示そうとしている。

中空に浮かぶ飛行船に備え付けられた巨大なビジョンの表示が筋ジストロフィーの研究機関が次々と撤退を表明しているというニュースから、高齢層から徐々に低年齢層へと発症の拡大が見られる四肢麻痺に対する研究機関が設立された旨のニュースへと切り替わる。
普段とは何も変わらない、学園都市の夕刻の風景。
その様子をタクシーの車窓から眺めながら、スポーツウェアに身を包んだ五条勝が深くため息を吐いた。

五条(……こんな事になるのなら……戦装束を持って外出するべきでしたッ……!)

彼はぎしり、と奥歯をかみ締め、高速道路を走るタクシーの車窓から再度窓の外に目線を送った。

飛行船のビジョン表示されているニュース映像が切り替わり、本日の天気予報が表示される。

──学園都市全域において、本日、明日共に快晴。
風はほぼ無風状態。

表示される天気情報という今の自分には何の役にも立たない情報を苛立ちながら眺めていると、不意に彼の持つ携帯電話が鳴った。
鳴り始めた携帯電話をジャージのポケットから取り出し、背面ディスプレイに表示される発信者の名前を確認する。

──────初春 飾利。

五条がその瞳を眼鏡越しに大きく見開き、その通話ボタンを押下した。

五条「……オレです」

『あ、五条さんですか?スミマセン、今ようやく風紀委員のお勤めが終わりまして……』

五条「……それはお疲れ様です。疲れているところ早速で申し訳ないのですが……」

『はい、何でしょう?』

電話から漏れ聞こえる少女の声は、昨晩までの自分たちの奮戦により一つの非人道的な実験が壊滅したという事実と、その責務がようやく取り払われた安堵感とを暗に漂わせていた。

彼女にとっても、辛い事実を告げる事になる。
3 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 00:37:24.81 ID:uw4XJnoo
あけおめ!
待ってたよー
支援するぜ
4 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 00:38:06.59 ID:v1ck632o
がんばれ
5 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:38:28.57 ID:AkAh09oo
一拍の間を置いて意を決した五条が、受話器に向かい言葉を続ける。

五条「……昨晩までオレ達が中止を画策していた絶対能力進化実験ですが……」

『……ッ!はい』

どこか甘い雰囲気を帯びる彼女の声が一気に引き締まり、これから告げられようとする言葉に対しての姿勢を整えた様な気がした。
その様子に、どこか彼女を侮っていたかと少しの自省を抱えながら、更に言葉を投げる五条。

五条「……推論の枠を出ませんが……実験は未だ継続されている可能性が高いです……」

『……っ!?』

五条「……先刻、再度お姉さまのクローンが街を徘徊している様を見かけました……昨晩のオレ達の襲撃により実験が凍結されたのならば、本来秘匿されるべき彼女達が平然と街を徘徊する可能性は極めて低い……加えて、タブー視されているクローン人間の転用方法が一日や二日で発案され承認される事などまず有り得ない……実験が継続されていると考えるのが妥当だと思うのですが……」

『……そうですね……私もそう思います……悔しいですけど……』

言に違わず、悔しそうな表情を連想させる彼女の声が受話器から漏れた。

五条「……関連施設は昨晩で壊滅させたという事で間違いありませんね……?」

『……それは間違いありません。御坂さんが壊滅させた分を含めても、間違いなく昨日で関連施設の破壊は完了してます』

五条「……となると、考えられるのは……」

『……多分、外部にデータが引き継がれての実験続行……って所が強いかと思います』

五条「ッ……」

受話器を掲げたまま、五条の眉間に無数の皺が寄る。
外部へのデータ移行と実験続行。
……これではいくら何でもきりが無い。
20000人もの少女を殺害するという規模の実験を外部に引き継ぐとなれば、恐らくはかなりの数の研究機関が関わる事となるだろう。
6 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 00:39:52.15 ID:v1ck632o
もうアレイスターと戦った方が早いww
7 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:41:31.24 ID:AkAh09oo
そして一度こちらが相当数の機関を壊滅させて実験の停止を促そうとした思惑が相手に漏れているのは、昨晩のレベル5 麦野沈利による警備強化の点から鑑みても間違いない。

引継ぎ先の機関はかなりの数に分散されているだろう。
そして各機関の警備体制が段違いに強化されている。

推測に過ぎないとは言え絶望的に手が詰まった状態におかれた事を認識した五条が、更に強く奥歯を噛み締める。

一つ一つの機関を潰して回ることも可能だが、今後の体制強化を思えば自分はともかく力添えをしてくれている初春に火の粉が飛ぶ可能性も格段に高まる。
しかし、彼女の後援無しでは情報すら掴めない数多の機関を潰す事は不可能と言っても過言では無い。

そんな事をやっている内に、一体どれだけの妹達が犠牲になるのだろうか。

……最早、選択肢は幾つも存在していない。

暫し瞳を閉じて思案していた五条が覚悟を決めた様子でその瞳を開き、電話越しに沈黙している初春に言葉を投げる。

五条「……初春。昨晩の警備強化の例を考えると、これ以上は危険の度合が格段に増す事が想定されます……」

『……はい』

五条「……この件から手を引いて下さい」

『ッッ……けど私だってッ!』

五条「人生を……命を捨てる覚悟はありますかッ!?」

唐突に荒くなった五条の声が、タクシーの社内に響き渡った。
その声に反応する様に、運転手がルームミラー越しにチラリと五条を眺める。

『ッ……!?』

五条「……すみません……少し熱くなりましたね……」

『い……いえ、大丈夫です』

五条「……恐らく、恐らくの話になるのですが」

『……はい』

五条「……実験の規模と、その非人道性、そしてその実験が屋外で堂々と行われているにも関わらず一切の言及や外部の追及が無い程の秘匿性を考えると……」

ごくり、と電話の向こうで初春が唾を飲む音が聞こえた。

五条「……今回の実験は統括理事会……学園都市そのものの賛同を得て行われているものかと思われます」
8 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:43:59.75 ID:AkAh09oo
『……』

電話越しの初春は、特段驚いた様子も無く沈黙を保っている。
彼女もまたこの実験が持つ異常性とその秘匿性が高すぎるという違和感に気づいていたのだろうか。
五条が更に言葉を続ける。

五条「……つまり、この実験をこれ以上妨害し続ける事は……学園都市とその暗部をも敵に回す危険性すら孕んでいる……」

『……』

五条「……最後に一つ、調べて貰いたいデータがあります……実験との関係は薄いので、恐らくこれは問題無いでしょう……」

『……何でしょうか?』

先刻より少し暗い様子で放たれた初春の声に向かい、五条の口が動いた。

────────────

『そのデータって……五条さん……まさかッッ!?』

五条「……えぇ、そのまさかです……」

『…………』

五条「……ここまで付き合ってくれて、本当にありがとうございました。すみませんが……オマエはここで引いて下さい……オマエまでが火の粉を被る必要は無い……」

『ッッ……!……それでも……それでも私はッ!あなt「万一があったら、黒子の事をよろしくお願いします」

『〜ッッッ!!!』

気勢を上げる初春を遮る様、五条が言葉を発する。

五条「……オマエならわかっているでしょうが……アイツはああ見えて、そんなに強くは無い……"アイツが一番大切にしている友人"として……傍で支えてやってください……これは"オマエにしか頼めない"……」

『ッッッ!!…………』

五条「…………」

『…………』

受話器越しに、くぐもった嗚咽が聞こえた。
彼女は、初春飾利は泣いているのだろうか。

五条「……初春?」
9 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:46:37.35 ID:AkAh09oo
『ヒック……ズルイ……ズルイです五条さんッ……っく……そんな言い方ッ……しないでック……下さいッ……エック……』

五条が投げた問いに答える彼女の声は、震えながらところどころで嗚咽を挟み、完全な涙色に染まり上がっていた。

五条「……心配しないで下さい……打つ手はありますので……オレだって、無駄に人生を投げる程酔狂な人間ではありませんよ……」

『……ック……』

五条「……食事の約束は必ず果たします……だからお願いします……」

『……ぇっく……』

五条「……」

『……わかりましたッ!……後でッ…PDAにデータを送りますッ……!』

五条「……ありがとう、リナリア」

『ッッ!!……絶対!!食事の約束ッ……絶対守ってくださいねッッ……!!』

五条「……はい、守りますよ……絶対に……」

『……ぇっく……』

五条「ニルス・オーラヴ、オーヴァー……クックック……」

恐らく名乗る機会は最後になるであろうコードネームを告げた五条が、通話の終了ボタンを押す。
ふと前方に目線を送ると、ルームミラーに目線を投げていたタクシーの運転手と目が合った。
その運転席に設けられたメーターは、目的地に到着したわけでも無いのに空車状態になっており料金の加算が行われていなかった。

『……なぁ兄ちゃん』

タクシーの運転手が、おもむろに口を開いた。

五条「……ヒヒヒ……少し騒がしくしてしまいましたね……すみません……」

運転手に謝罪の言葉を投げ、五条の視線が窓の外へと移動する。

『初めて兄ちゃんに使ってもらったのは、アンチスキルの検問まで運んだ時だったな』

五条「……えぇ、未だ一月も経っていませんね……しかし随分と昔の事の様に感じます……」
10 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 00:46:55.35 ID:v1ck632o
初春フラグを折ったか…
11 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 00:48:53.36 ID:uw4XJnoo
五条さん・・・
12 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:49:39.65 ID:AkAh09oo
『……あれから一月も経ってねぇけど、こっちゃあ随分兄ちゃんに使って貰ってんだ……万一兄ちゃんが居なくなると、商売上がったりになってカカアにドヤされちまうんだわ』

五条「……」

『……事情はわからんけど、絶対また使ってくれよな』

その言葉を聴いた五条の視界が僅かに、本当に僅かに水を浴びた様に揺らいだ。

──────自分の無事を祈ってくれる人が、存外に沢山いる。

五条「……えぇ、アナタの運転は実に乗り心地が良い……必ずまた使わせて頂きますよ……クックック……アーッハッハッハッハ!!」

地平線を赤く染めていた太陽がその姿を完全に彼方へと消失させて尚、西空を紅に燃やして続けている。

僅かに目を細めその様を眺めている五条を乗せ、タクシーは黄昏に染まる高速道路を駆け抜けていった。

────────────
八月二十一日 夏休み三十二日目
────────────
13 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:52:17.99 ID:AkAh09oo
五条勝は、ベッドの上で眠れずに天井を眺めていた。
真っ暗な部屋の壁に掛けられているデジタル時計の表示から、現在の時刻が午前一時を若干回った頃合だというのがわかる。

静寂と暗闇に包まれた部屋に、唐突に電子音が鳴り響いた。
五条が慌てて状態を引き起こし、机の上でバックライトを発光させていたPDAに手を伸ばし、その端末に表示された文章に視線を走らせる。

──────

データバンクに残っていた実験計画資料の中から復元に成功したデータにより、直近で行われる実験が八月二十一日午後八時三十分から絶対座標X228561 Y568714に当たる操車場にて行われる予定の第一○○三二実験だという事が判明しました。

被験者となる超能力者(レベル5)一方通行(アクセラレーター:本名不詳)の能力は、運動量・熱量・重力等の物理的なベクトルを観測し、皮膚の表面にある保護膜に触れた時点で変換・操作を行う能力との事です。

能力により、彼の皮膚表面に展開されている保護膜に直接接触した場合、血流操作や体内の電気信号の操作等を行われ、即死させられる危険性を孕みます。

またその保護膜の存在により、あらゆる物理的な干渉は彼に通用せず、逆にベクトルを操作される事により反撃の糸口される事が推測されます。

過去の研究資料等により判明した情報ですが、保護膜は常時展開されており実質的な能力使用の制限時間は無し、そして常に彼の周囲に展開されている保護膜によりデフォルトで行われているベクトル操作は"反射"との事です。

上記能力の利用における戦闘能力の高さや、実験における能力活用の有用性等から、彼が学園都市で最強の能力者として第一位の称号を冠している模様です。




ここで留めても、あなたはきっと戦うんですよね。
御武運をお祈りします。
必ず帰ってください。

リナリア

──────
14 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 00:54:07.66 ID:Y21pD120
タクシー運ちゃんフラグ開放条件が達成されました
タクシー運ちゃんルートが攻略可能となります
15 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 00:54:54.90 ID:uw4XJnoo
五条△
16 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 00:55:15.89 ID:AkAh09oo
ディスプレイの文字を読み終えた彼がその電源を落とした。
再び暗闇に沈んだ部屋の中で大きくため息を吐き、思案する様その額に右手を宛がう。

彼が出した実験中止の為の最後の一手。それは──────

五条(……計画の要となる一方通行の完膚なきまでの撃破……理事会からは大目玉を喰らう可能性もありますが……便宜的に無能力者(レベル0)のオレと超能力者(レベル5)の一方通行が激突して一方通行が敗れたとあらば、理事会の連中も一方通行に対する認識を改める事でしょう……万一改められなかった場合は、相手を再起不能にしてしまえば良い……しかし……)

五条(……保護膜と、物理ベクトルの操作……厄介ですね……)

先の対峙の折に彼が"命中させるつもりで蹴り返した超電磁砲"が、相手の頬を掠める程度に留まっていた事を思い出す。

五条(これまでに禁書目録やアウレオルスが言っていた言葉を鑑みれば、シュートの際に放つ"魔力の様なもの"が相手の物理法則の認識外にあったのでしょうか……)

しかし命中せずに軌道が逸れただけと言う点を考えると、反射された美琴の超電磁砲とは異なるものの多少なりとも観測とベクトル操作が可能であったという事が推測される。
当然ながら純粋な魔力という訳ではない自分のシュートが相手にとって既知の物理法則を何割か帯びていて、そこを掴まれて軌道が外されたというのが最も適した考え方になるだろう。

そしてその既知と非既知とのベクトルの割合を掴んで一度逸らされたシュートが、もう一度先と同様にそのまま通用する、という考え方は今のうちに捨てておいた方が良い。
次回はきっと生命のやり取りになる以上、なるべく危険性を孕む手法は採るべきではないからだ。

五条(……となると、次に考えられるのはその保護膜を掻い潜る方法ですが……)

保護膜に触れた時点よりベクトルを操作されるまでのタイムラグの間に、何らかの物理的な動きで保護膜を突き破る事が出来れば……

五条(……無理、ですね。相手が行おうとするベクトル操作も、ましてや保護膜の範囲も判らずにそんな事をするのは自殺行為に等しい……)
17 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 00:55:31.88 ID:v1ck632o
>>14
奥さんいるのにか?
18 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 00:57:51.44 ID:uw4XJnoo
ホントに一方通行の能力は説明を見るたびチートだなと思う
19 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 01:00:28.62 ID:AkAh09oo
天国の刻による認識外からの直接攻撃……

五条(認識の外であっても、常時展開されている反射の保護膜により妨げられますね……)

天国の刻による認識外からの直接攻撃。常時発動している反射を利用し、反射直前のベクトルを逆に引き戻し、相手にぶつける……

五条(保護膜の範囲も、反射までのタイムラグも不明……リスクが高すぎる……)

五条(……)

──────認識阻害(デコグニション)の使用。

五条(……認識を阻害するという能力の持つベクトルを、相手が認識出来るかどうか……)

結果は全くの未知数だが、これまでの状況を鑑みるに恐らくは一番可能性の高い方策。
また一撃必殺の可能性を秘めているだけに、反射された際は恐らくその場で自滅を招くオールオアナッシングの方策。

五条(……賭けるしかありませんかね……)

五条がふう、と息を吐き、額に宛がった右手を降ろした。
PDAの明かりも消えた部屋の中は、デジタル時計の僅かな燐光に照らされるのみで限りなく真っ暗に近い黒に沈んでいる。

感覚を頼りベッドへと足を運び、その身体を横たえる。
ぼふ、と言う音と共に、柔らかく闇の中へと沈み込む身体。

五条(……敵は"最強"……)

そのまま瞳を閉じ、瞼の裏に相手の姿を思い浮かべた。

北の果てに降る深雪の様に白い肌と髪を持ち、対照的に濁った血の色を想起させる真っ赤な瞳を歪めて愉快そうに実験終了の嘲笑を上げていた、先の一方通行の姿を。

その相手との戦闘を、自身が得たデータに基づいて一挙一動まで可能な限り綿密にシミュレートし始める。

どれほどの時間が経っただろうか。
東の空が紫に染まり始める黎明期には、彼はすやすたと寝息を立てていた。

──────学園都市最強の男との試合開始(キックオフ)まで、あと十数時間……

──────to be continued──────
20 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 01:02:45.93 ID:v1ck632o
上条さんとコンビ組めば楽勝すぎるが、五条さんの方から助っ人を頼みに行くとは考えにくいなぁ
21 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 01:04:01.94 ID:uw4XJnoo
何か五条さんが一人で戦ってピンチに落ちて
上条さんに助けられながら説教されそう
22 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 01:04:11.42 ID:Y21pD120
五条さんDFだからな……
護る闘いでは無敵の強さを誇るけど……う〜ん
一体どうなってしまうの?
23 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/02(日) 01:06:33.82 ID:AkAh09oo
以上本日投下分となります
ご支援を頂いております皆様、関係各位の皆様
昨年度は大変お世話になりました
本年も、今暫しお付き合いの程を頂けます様、よろしくお願い致します

さて、第二回人気投票の開催が決定されましたが、我らが五条さんは一体どうなっているのでしょうか?
投票開始が待ち遠しいものです

次回投下に関しましては、例の如く可能ならば明日晩、不可ならば明後日の晩を予定しております
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
24 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 01:07:12.32 ID:v1ck632o
おつかれー
今年もよろしく
25 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 01:08:42.13 ID:Y21pD120
乙〜!
今年もヨロシク
26 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 01:08:53.09 ID:uw4XJnoo
乙でした
年明け新スレで縁起良いね
27 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 02:04:25.87 ID:DoY1FAAO
乙!
五条さん効果で一方通行がどう輝くかも期待する
28 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 04:54:39.83 ID:YK5KSpUP
うぇへhwwhwwk,へlhwwlh
29 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 10:30:59.64 ID:cApjcYco
あけおめ&乙

上条さんマジ空気ww
30 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 10:43:55.04 ID:uzqx3FUo
ルイズスレもこっちも戻ってきてすごく飯がうまいです
31 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 12:46:49.01 ID:fCQJ6cAO
明けましておめでとう、今年も格好良い五条さんをよろしく!
モブキャラであるタクシーの運ちゃんすら魅力的にしてしまうなんて、ほんま五条さんのカリスマ性は天井知らずやで…
32 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/02(日) 16:09:03.24 ID:8QT8M9ko

映画見てきたわ
本当は凄い出番が多いのに俺の認識を阻害してくる謙虚な五条さんかっこいい
33 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/02(日) 21:28:50.72 ID:rUvUNNs0
34 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [saga]:2011/01/02(日) 23:20:01.31 ID:gFHuFYDO
>>33
もし制作で保守が必要だと思ってるなら
その幻想をぶち殺す!
35 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 00:28:46.46 ID:eOjnsoco
う〜む熱い展開だな
36 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 00:32:11.33 ID:BP1271go
前スレで美琴が年上云々って言ってたけど
五条さんって中一なの?
37 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 00:54:27.66 ID:Z8tuCj.0
きたあああああ
38 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 03:59:34.74 ID:Y7XlZhwo
来てた
39 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [sage]:2011/01/03(月) 23:01:12.14 ID:EIRig5Qo
明日ッから仕事だっつーに呑まされ過ぎたッ……!!
キーボード打つ手もまばらッ……親族恐るべしッッッ……!

ご待望頂いております皆様には誠に申し訳ございませんが、投下予定を改めさせて頂きまして、明晩・或いは明後日の晩に投下を行わせて頂こうかと存じます
お時間がございましたら、お付き合いの程を頂ければ幸いです
40 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 23:02:11.86 ID:Eoq0HyYo
よしこい
41 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/03(月) 23:04:44.20 ID:JnsiAss0
そんな五条ファンさんに

つ【アセドアルデヒド脱水素酵素】
42 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 23:06:23.58 ID:s86c52AO
クックック…眠れ…純粋に…!
43 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 23:26:45.10 ID:Y2PuSa.o
仕事なんてなくなってしまえ
44 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/03(月) 23:58:05.02 ID:AtS2xV2o
酒飲んだ後に濃硫酸飲んで180度に温めるんだ。
そしたらエタノールがエチレンになってアルデヒドにならんくなるから酔わないよ!
45 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/04(火) 10:35:44.64 ID:5.bv5Q2o
ククク…五条さんのおかげでハンバーグ弁当にはまってしまいましたよ
46 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/04(火) 16:48:33.61 ID:VQdCLgDO
五条さんごめん…五条さんより先に新年初ハンバーグ食っちまった…
47 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/04(火) 17:35:06.02 ID:SCp2fJE0
http://www2.inazuma-movie.jp/ranking/ranking.php
第二回人気投票1月8日らしい
48 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/04(火) 17:42:33.27 ID:2EcfoBQ0
>>46
大丈夫だ、五条さん優しいから豆腐ハンバーグまでなら許してくれる
でも、先に食べたハンバーグがデミグラス系やチーズ系だった場合は……

だけど大丈夫。五条さん優しいから痛みは感じさせない筈。だから大丈夫
49 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/04(火) 20:18:18.86 ID:hoilFpE0
ついに一方通行戦か・・・
50 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! :2011/01/04(火) 20:36:53.49 ID:XDNwXjEo
五条さんの苦戦するシーンとか初めてじゃね?
51 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/04(火) 21:36:27.33 ID:4DQGkSwo
ヘタレに2回も塾から追放されてるしそれも苦戦にカウントしてあげようず
52 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/04(火) 21:46:00.66 ID:nObXVcAO
苦戦っていっても目を見たら終わりだよなぁ
初見殺しどころじゃねぇわな

しかも、禁書キャラと違って能力について語り出さないから打つ手なし
体の負担で連発できないのとフラグを消してしまうのがリスクだけど
53 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/04(火) 23:17:12.12 ID:q2p7ccDO
認識阻害使えば余裕勝ちだろ
54 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/05(水) 00:18:18.54 ID:gM0sPXYo
常時展開の反射があるから直接ダメージは難しいけど
靴の炎で一方の周辺から酸素奪えばいけんじゃね?
55 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/05(水) 00:23:37.94 ID:9tu94oSO
一方通行の髪の毛とか服を認識疎外していって精神を壊せばい勝てるんじゃね?
56 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/05(水) 01:15:27.28 ID:ujzavUYo
もう2日置きが定時になってるな
57 :あはっぴぃにゅうにゃぁ2011! [sage]:2011/01/05(水) 01:48:27.97 ID:duirH8wo
イナズマ3のモバイル連動でついに五条さんが来たから一応ここに報告を……
秘伝書枠はここの五条さんに因んで『ぶんしんペンギン』と『イケメンUP!』にするつもり
育成はあんまり慣れてないけどがんばるぜ
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/05(水) 02:59:18.73 ID:lRZrv2AO
よく分からんのだが、
もしかして五条さんにゴッドノウズやヘブンズタイムを覚えさせることは可能なのか‥?
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 03:01:31.25 ID:iX.OnzAo
ゴッドノウズは知らないけどヘブンズタイムなら秘伝書で可能と聞いてます
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 15:01:44.79 ID:SHAjdfY0
一方通行さんの本質は解析みたいだからなぁ。
五条さんといえど油断は出来ないかもしれない。

>>48
そういえば打ち止めを助ける時にさ、ファミレスで食べてたのってハンバーグだったっけ?
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 16:26:32.95 ID:yUHupbgo
確かハンバーグセット
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 19:59:09.08 ID:0nM7ls6o
イケメンUPなんてあるのか
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/05(水) 20:02:37.39 ID:i/xzBMDO
五条さんがアニメのエンディングに出たらしい
素晴らしいことだな
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 00:53:54.21 ID:06EsOcko
今日は来ないのだろうか?
65 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:19:55.20 ID:OLpT5Zso
本日もご支援を頂いております皆様、誠にありがとうございます

大変お待たせ致しました
導入の一区切りの為少量でスミマセンが投下を開始します
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 01:20:19.33 ID:oW35QoMo
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
67 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:21:02.72 ID:OLpT5Zso
────────────
八月二十一日 夏休み三十二日目
────────────
『夏が終わる前に、海が見たいですの』

未だに陽炎が残る真昼の街に、一縷の日陰を拵えている喫茶店の庇の下。
通りに面したオープンカフェのテーブル。

五条勝の向かいに座った黒子が口を開き、表面がうっすらと汗をかいているグラスになみなみと注がれた食後のアイスティーをストローですすり上げた。

五条「……海、ですか……」

黒子「ええ。せっかくお休みも頂けたのですし、ついでに外出許可が下りれば行けるのですけれど……」

彼女の言葉を聴いた五条が、顎の先に右手を置き何かを考える様な仕草を作る。

黒子「……とは言っても、そう簡単に外出許可なんて頂けそうにありませんわね……」

五条「……少し心当たりがありますので、駄目で元々当ってみましょう……期待しないで待っていて下さい……」

黒子「まぁ、無理なら無理で学園都市内にも遊戯施設は沢山ございますしね」

五条「努力はしてみますよ……ククク……」

呟いて、その表情に浮かべた笑みを若干強めた五条の様を見て、黒子が彼から視線を外し再度言葉を紡ぐ。

黒子「……わたくしの方は都合がつきましたけれど、勝さんの方は如何ですの?」

五条「……」

黒子「……沈黙がお答えですのね?」

五条「……今日明日には、きっとカタをつけますよ……」

黒子「……」

五条「……」

黒子「……勝さん?」

五条「……?何でしょう……?」

黒子「顔がお怖いですわよ?」

五条「へぇあッ!?」
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 01:22:27.68 ID:RFWBBJgo
よしこい
69 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:23:53.57 ID:OLpT5Zso
僅かに笑みながら告げられた彼女の言葉を聴いた五条が、いつの間にか強張っていた顔を驚いた様な表情で塗りつぶし、すぐにいつもの微笑みへと戻す。
その移り変わりを見た黒子が、くすくすと可笑しそうに微笑んだ。

黒子「まったく……あまりご無理はしないで下さいませ?」

五条「ククク……えぇ、ご心配には及びません……」

黒子「あら?でしたら心配致しませんわよ?」

五条「……えぇ、無用ですね……オマエは二十七日以降の事を考えておいて下さい……」

黒子「わかりましたわ。でしたら、お言葉に甘えさせて頂きますの」

互いに他愛も無い軽口を叩きあい、目を合わせ笑いあう二人。

と、そんなうららかな午後の一幕を遮る様に、黒子の携帯電話がぴーぴーと甲高い音を放った。
鳴り響いた携帯電話に視線を落とした彼女が口を開く。

黒子「……もう出勤時間ですの」

五条「……相変わらずオマエも忙しいですね……」

黒子「勝さんにお手伝い頂ければ、もう少し暇になりますのよ?……あ、お会計ですけども「オレが出します……」

立ち上がり、鞄から財布を取り出そうとする黒子を五条が制する。

五条「……いつも朝食を用意して貰っているのに、これ位オレが出さなければバチが当たるでしょう……」

黒子「……でしたら、甘えさせて頂きますの。では勝さん、また今夜連絡しまs「待ってください」

右手を掲げ、別れの挨拶を告げようとする黒子を、再度五条が制する。
その声を聞いて、きょとんと瞳を丸くした黒子が五条を見つめた。

黒子「……?どうかされましたか?」

五条「……いえ……その……」

黒子「……?」

黒子から視線を外した五条が、軽く俯く。
変わらず不思議そうに五条を見つめる黒子。

暫しの間を置いて五条の顔が上がり、黒子の瞳を強く見据えて言葉が吐かれた。

五条「……黒子!」
黒子「……!?何ですの!?」
70 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:25:54.48 ID:OLpT5Zso


五条「大好きですよ」


一陣の風が静かに吹き付けた。
残暑とはいえ、未だに暑さが残る街に吹いたその涼風に、五条の前髪と黒子のツインテールが静かに揺れる。

風が吹き抜けるのを見計らった様なタイミングで、黒子が五条と目線を絡ませたまま優しく微笑んだ。

黒子「……わたくしもですわ、勝さん」

その言葉を聞いた五条の微笑もまた、いつも通りのそれながら若干優しい色合いを帯びる。
それは彼を知る人間しか、その違いが判らない程度の、ほんの僅かなものだった。

黒子「では、また後ほど連絡しますの」

黒子が右手を挙げ、五条もまた右手を掲げる。
次の瞬間には黒子の姿は何処かへと消失し、テーブルには五条が一人残されていた。

先に吹き抜けた涼風を愛しむ様にメガネ越しの五条の瞳が細くなり、風が吹き抜けていった先へと視線を走らせる。

その風の残滓は既にそこには無く、ただ静かに揺らめく陽炎が、アスファルトに塗り固められた学園都市をゆらゆらと彩っていた。

────────────
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 01:27:09.63 ID:RFWBBJgo
うひょぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお
72 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:28:30.90 ID:OLpT5Zso
普通に浴びる分には熱すぎる程のシャワーを浴び、一気に身体を加熱させる。
芯まで熱が通ったのを実感してから風呂場を後にし、バスタオルで身体を拭った。

一通り髪の毛を拭い終え、洗面台の脇にあるコームを右手にドライヤーのスイッチを入れる。
ワックスを塗りつけ、頭髪を全て後ろになで付けながらドライヤーで形を整え、仕上げに前髪を一房額に垂らして軽くカールさせた。

眼前の鏡に映る男の姿を確認する。

……体調は万全。
何ら心配の要素は無い。

傍らのつるなしメガネを目元へとかけ、ボクサーパンツの上から萌葱色のユニフォームを纏い、洗面所から自室へと足を運ぶ。

いつの間にか机の上のPDAが、メールの受信を知らせていた。
未だに少々使い慣れないPDAを操作し、届けられたソレに目を通す。

──────

送信者:
題名:一方通行(アクセラレーター)について
本文:…………

──────

送信者名が空欄になっている異常事態には見覚えがあるので、スクロールするまでもなく誰からのメールか理解は出来た。
先に初春が秘匿回線だと言っていたこのアドレスにメールを送ってくる事など、きっとあの人間にとっては造作も無い事なのだろう。

思惑こそ理解出来ないが、本文に軽く目を通しながら画面をスクロールさせて行く。

到底まともに読む気も起きない小難しい言葉が羅列されているそのメールの中の一説が、不意に興味を引いた。

……一方通行と呼ばれた男の、少年時代の話。
彼が自身の能力に気付き、その異常性を周囲に認知されるまでの下り。

どこかで聞いた様な話が、そこに記されていた。
73 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:31:34.83 ID:OLpT5Zso
その話を見かけたのを皮切りに改めて本文に目を通すが、理解できる範疇のものとしては既に自分が持っている情報とは大差なく、具体的な能力の攻略法等は記されていなかった。

このタイミングでこの情報を送りつけてくるあの人間の思惑がまるで読めない。
自身が本気で推し進めている計画ならば、妨害の体を成している自分や美琴はとうの昔に処分されていてもおかしくはないだろう。

そしてこの期に及んでの、あまりに唐突過ぎる情報提供。

自分を、一方通行を、あるいはその両方を試そうというのだろうか。

スクロールが本文の一番下に到達すると同時に、PDAの電源が落ちた。

この後の展開は読めているので再度電源を入れる気にもならず、そのまま壁に掛かっている純白のコートへと手を伸ばし、ハンガーを外し身体に纏う。

全身を包むその感覚に、軽く身体が引き締まった様な気がした。

足を動かし、部屋の電気を消す。
既に周囲は宵へどっぷりと浸り切っており、部屋は一瞬で闇の底へと落ちた。

玄関脇の靴箱から一組のスパイクを取り出し、両足に履く。
そのまま玄関の照明を落とし、完全に闇に沈んだ部屋を後にした。

────────────

雲も風も無い夜空は、手を伸ばせば星屑まで掴めそうな感覚だった。

見上げていた視線を落とし、眼下に広がる光景を見渡す。
既に夜の帳が下りているとはいえ未だ宵の口にある街の灯りは強く、地平線にまで届きそうな輝きが隔壁の内外で随分と発展に差がある事を改めて知らしめてくれる。

その光景に軽くため息を吐いて、腕に着けた時計に目をやった。

……午後八時二十七分。

闇に浮かぶデジタル表示を確認して、瞳を閉じる。
上空に吹く風の音が耳に届き、初めてサッカーボールを蹴った小学校の授業の歓声を想起させる。

……あれから随分と時間が経ち、気がつけば学園都市という場所にまで流れ、いつの間にやら生命のやり取りすら身近にある珍妙な環境になっていた。

学園都市に足を踏み入れて以来、今では自分にとって大切な人となった少女との出会いをきっかけに相当な数の人間と対峙したが、実際に自分の生命の危機を実感するのは今日が初めてではないだろうか。

そんな事を考えていると、僅かに膝が震えた。
74 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:34:56.11 ID:OLpT5Zso
自分が得たものを、積み重ねてきたものを全て一瞬で失う死という現象に、その現象に近づこうとする自身に、心が悲鳴を上げているのだろうか。

閉じている瞼に一層強く力を込め、9982と呼ばれた少女が最期に浮かべた微笑を思い浮かべる。
感情を持っていない様に見えた少女が、最期に掴んだ一片の淡い感情を。

────胸の中に、ごうと赤黒い炎が燃え上がる様な錯覚を覚えた。

次いでその胸に左耳を当てながら、嗚咽を上げて泣いていた少女の姿を思い浮かべる。
何よりも強く、気高くあろうとするが故に流された、少女の頬を濡らす水晶の様な涙を。

────胸の中の炎が吼え猛り、徐々にその勢いを増して足先へと流れる。

爆炎に包まれながら駆けた夜を、電波の先で支えてくれた少女を思い浮かべる。
自身の危険すら省みず、非道は許さないと憤慨していた、花の様に可憐な少女の声を。

────足先に収束した炎が、轟々と唸りを上げながら、その開放の時を待ちわびている。

海が見たいと言った少女の横顔を思い浮かべる。
全てに気付きながらも尚、自身を信じ何も問わず、ただ帰りを待ってくれる大切な少女の笑顔を。

────膝の震えが、止まった。

腕の時計から僅かにアラームの音が漏れる。
刹那、足先で咆哮を上げていた炎が爆ぜ一気に身体を押し出した。

頭を向ける座標はX228561 Y568714。
あの晩に、9982と呼ばれた少女が"実験対象となった"操車場。

僅かな飛翔を経て、操車場の片隅に佇む一つの影とその足元に倒れる影が視界に入った。

こちらの気配に気付いたのか、特徴的な黒いシャツを纏ったまま佇んでいた影がゆっくりとこちらに振り返る。

幽鬼を思わせる程真っ白な髪、同様に生気を感じられない白い肌。
その造詣の中でも一際異彩を放っている、鮮血の様に真っ赤な瞳と自身の目線が交差し、相手の口元が大きく歪む。


──音を置き去りにした世界。
自身の頭の中では、高らかに試合開始のホイッスルが鳴り響いていた。

──────to be continued──────
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 01:38:10.28 ID:RFWBBJgo
あれ? 上条さんストーリーに絡んでなくね?
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 01:39:38.78 ID:KYUKIFco
お姉さま今回出てきてないからそういうことなんだろう
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 01:39:44.30 ID:06EsOcko
寝る準備してたらキテター
相変わらず良い所で切るもんだ
次回は一方通行との決戦か
何はともあれ乙!
78 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/06(木) 01:42:36.20 ID:OLpT5Zso
以上、本日投下分となります
ご支援を頂いております皆様、関係各位の皆様
本日もありがとうございました
私事が起因にて遅筆気味となっておりますが、ご容赦の程を頂ければ幸いです

さて、丸々バトル描写を予定しております次回投下に関しましてですが、例のごとく可能ならば明晩、不可ならば明後日の晩を予定しております
可能ならば、八日の第二回投票開始までにはひと段落終えておきたいところです
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 01:45:40.12 ID:RFWBBJgo
おつかれー
無理すんなよー
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 01:46:19.64 ID:oW35QoMo
おつ!
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 01:56:38.36 ID:sEIGrrE0
乙かれ!
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 01:57:58.18 ID:JTw7.Rk0
乙!えんだああああいっちゃってもいいのかな?
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 02:01:04.95 ID:JpkbB5A0
おつねる
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 03:06:47.02 ID:NO3RmOQP
海の誘いって…。
エンゼルフォールフラグ!
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 03:07:59.55 ID:RFWBBJgo
>>84
それ見たいわ
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 06:31:45.21 ID:VZ2u7IAO
ストレートな告白はやはりいいな
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 07:02:53.02 ID:4Dxg5wMo
うおおぉぉぉ盛り上がってきた!!
上条さんがどう絡んでくるのか楽しみ
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 07:14:08.63 ID:kpPKs6DO
五条さんかっこいいなあ・・・こりゃもてるわけだ
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 13:02:10.11 ID:r7uxE6Y0
五条勢力やばくね?アイテム勢に天才ハッカーとか
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 14:50:24.82 ID:JtW4qdEo
えっえっえんだ…
ま、まだ言っちゃだめか?そろそろ我慢の限界え、え、えn
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/06(木) 20:30:10.04 ID:lluQMwAO
流石に最強キャラに圧勝したら最低過ぎるが
どうなるのか期待
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 22:12:43.88 ID:wNV8IMUo
俺は五条さんの髪型が好きなんだよね
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/06(木) 22:50:28.60 ID:4dD9LQU0
>>91
おっと、エイワスさんの悪口はそこまでだ
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/07(金) 00:56:19.33 ID:EiWeo460
この作者は敵も魅力的に仕上げるから安心して見ていられる
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/07(金) 20:20:02.53 ID:kJO0iioo
>>90
????「サッカーやろうぜ!!」
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:00:52.54 ID:jaYcTQAO
教えてくれ、五条さん!俺はあと何時間全裸待機すればいい?あと何回リロードを繰り返せばいいんだ?
ゼロは何も答えてくれない。教えてくれ、五条さん!!
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:03:13.33 ID:9.2f5AAo
認識阻害します
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:08:38.12 ID:6I7NUjg0
新人気投票なんだよアレ・・・
あんなもん誰も得しねぇよ・・・なぁ五条さん・・・
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:15:11.17 ID:tCkp7cAo
これも五条さんの能力故か・・・
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:16:24.58 ID:06J2LCwo
新人気投票は予想通り五条さんやその他を外してきたな
運営は空気読めてないアホの子か
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:24:09.18 ID:ETLxJuYo
それでも壁山なら・・・!
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:28:01.91 ID:06J2LCwo
人気投票に五常さんが居なくてもこのスレでは間違いなく生きている
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:31:24.06 ID:xvsadwDO
五条さんの勇姿を見れるなら徹夜も厭わない
104 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:37:19.83 ID:k1f1KzUo
今夜もご支援のほどを頂きまして、誠にありがとうございます
人気投票について敢えて多くは語りませんが、無念の一言に尽きます

捗らない上に明日もあるんでぼちぼち筆をおかにゃならんのですが、とりあえずで今書きあがっている分を投下させて頂きます
105 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:38:51.48 ID:olFcC.o0
うっひょう
起きてた甲斐があった
106 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:40:14.59 ID:k1f1KzUo
学園都市第七学区、その西の外れに位置している工業地帯の中に存在する操車場。
うず高く積み上げられたコンテナが立ち並び、さながら迷路の様相を呈しているその区域の一角に、向かい合う二つの影があった。

天気予報の通り体感できるほどの風は吹いておらず、街中とは異なり申し訳程度に点灯している照明の下、二つの影の内の片方、モノトーンのシャツを纏った白色の髪と肌を持つ学園都市第一位、最強の名を冠する少年、一方通行が口を開く。

一方通行「いつぞやのヒーロー気取りの小僧じゃねェか。今日も元気に実験妨害ですッてかァ?」

彼が言葉を投げた相手は、自身と相対するもう一つの影、純白の生地に豪奢な金刺繍が施された戦外套を身に纏い、足元から炎を吹き上げながら静かに笑みを浮かべる少年、五条勝。

五条「……そういえば、自己紹介をしていませんでしたね……」

数日前に見かけた時と変わらず、悪びれた風もなく軽口を叩く一方通行へと飛び掛りそうになる衝動を無理やり押さえつけながら、五条勝が言葉を返す。

五条「……オレの名は五条。五条勝。守護者の銘を担いながら少女の一人も救えなかった、只の中学生です」

その言葉を聴いた一方通行の表情が、僅かに訝しげなものに変化する。

一方通行「守護者ァ?面白ェ。ホントに正義のヒーローごっこでしたってかァ?なかなか笑かせてくれンじゃねェか小僧」

五条「……」

沈黙する五条の様を見た一方通行が、その傍らに横たわっていた影へと視線を投げて言葉を続ける。

一方通行「……なァ、この場合実験ってなァどォなっちまうンだ?」

言葉を投げられた影が、身体を震わせながら必死で上体を起こした。
常盤台中学校のサマーセーターにプリーツスカート。
肩に掛からない程度に切られている栗色の髪。
学園都市第三位の能力者、御坂美琴とまったく同じ外観を持つ少女が、顔を上げて五条へと目線を送る。

彼女が五条の姿を視認すると、その表情に僅かながら驚愕の色が降りた。

『貴方は……五条……勝?』

呼びかけられる言葉を聴いても、まるで何も聞こえていないかの様に五条は一切の反応を示さない。
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:40:48.23 ID:Thbbf3Yo
投票スレを見て、さぁ寝るかと思ったら投下だとっ……
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:43:02.10 ID:06J2LCwo
寝ようと思ってたらキテター
支援するぜ
109 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:44:01.65 ID:k1f1KzUo
五条「……残念ながら実験は永久凍結……いや、今夜を以って中止ですね」

一方通行「へェ……そりゃ初耳だなァ、何でまた急にンな事になったんだ?」

五条「……実に簡単な事です……明日の朝一のワイドショーで、レポーターが面白可笑しく告げるからですよ……"学園都市最強の能力者である一方通行が、レベル0の中学生と喧嘩をしてコテンパンにされ、意識不明の重態です"とね……クックックック……」

一方通行「カカカッ!とンでもなく愉快ニュースだなァ!」

五条「でしょう……?ククク……」

一方通行「でもなァ、そのニュースは新聞の三面記事になってオシマイだと思うぜェ?"身元不明の変死体が、操車場で発見されました"ってなァァァァアアアアア!!!」

声を上げると同時、一方通行の足先が、とん、と軽く地面を叩いた。
刹那、轟音と共に足元の砂利が大きく爆ぜ、数多の散弾となって五条へと襲いかかる。

咄嗟に地を蹴り横に飛んだ五条が飛礫の群れを回避し、指を鳴らした。
何処かより彼の元へとサッカーボールが投擲される。
ボールをトラップし、空中で一方通行に向かいボレーシュートを放った。

一方通行は、自身へと向かってくるボールを視認してもポケットに手を突っ込んだまま回避の行動をとろうとはしない。

五条(……恐らくは……)

ボールが一方通行の顔面を捉える直前、飛来する倍以上の速度をもってその軌道を変え、蹴りだしたはずの五条の元へと到来する。

自身の下へ帰ってきたボールを胸でトラップして勢いを殺し、再度五条が指を鳴らした。
何処かよりボールを抱えた五羽の企鵝が飛来し、彼の前に隊伍を組み上げる。

五条「……ナイスリターン……」

その様子を見た一方通行が、ポケットに手を突っ込んだまま大きくため息を吐いた。

一方通行「オマエやる気あンのかァ?あンだけ派手な登場しといてそのザマですかァ?オラ、さっさとこないだみてェな派手なの打って来いよ。ンなありきたりの事されてても、こっちゃあ面白くも何ともねェンだよ」
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:45:01.10 ID:Thbbf3Yo
チートvsチート
111 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:46:20.96 ID:k1f1KzUo
五条「……クックック……リクエストにお答えしたところですが……」

一方通行に言葉を返した五条が、ちらりと彼の傍らに視線を投げる。
上体を起こしていた御坂妹が、不思議そうな表情を浮かべた。
その視線の意味を解した一方通行の眉間に深い皺が寄る。

一方通行「……あァそうかよそうかよそうですかァ!!……おい実験動物。オマエ邪魔だ。どっか行ってろ」

『……』

一方通行に言葉を投げられた御坂妹が、苦痛に顔を歪めながら両足で立ち上がった。
その身体は小刻みに震え、五条がこの場に駆けつけるまでの僅かな間に、深刻なダメージを受けていた事を如実に表している。

押し寄せる激痛を抑える様に強く奥歯をかみ締めた彼女の顔が上がり、五条に向かい目線が投げられた。
元より自身へと視線を投げていた五条と、彼女の視線が交差する。

僅かな間五条と顔を見合わせた彼女は、無言のままふらふらとおぼつかない足取りで闇の中へと歩を進めて行った。

一方通行「ケッ……粗製の実験動物風情が随分それらしいツラしやがる」

その様を黙って眺めていた一方通行が愚痴る様に呟き、再度五条へと向き直る。

一方通行「よォ小僧、前にオマエと会ったときから何日経った?」

五条「……今日で六日ですね……忘れはしませんよ……」

一方通行「……六日、か……命拾いさせてやったってのにわざわざもう一回殺され来たってワケか?トンでもねェマゾヒストだな、オマエ」

一方通行の両の手が、音も無くポケットから抜き放たれる。
腐敗を表す、邪悪な白を湛えた掌。
触れたが最後、生命そのものを一瞬にして奪い去る右の毒手と左の苦手。

五条「……生憎と、自殺を志願する程酔狂ではありませんし、妙な性癖も持ち合わせておりません……俺は勝算ありきでここに立っています……」
112 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:49:01.87 ID:k1f1KzUo
一方通行「そォかそォか、つーこたァ予習はバッチリなンだな?クカカカカ……せいぜい楽しませてくれよオオオォォォォォォ!!」

咆哮と共に一方通行が地を蹴り、弾丸の様な速度で五条へと飛び掛る。
相対する五条は、驚いた様子も無くその動きを視認し、即死の魔手が眼前に迫ると同時に僅かに身をかわし攻撃を回避した。

五条「……接近戦は危険……即死の危険性がありますからね……」

あれだけの速度を出していたにも関わらず、音も無く急停止した一方通行の口の端がにやりと釣り上がる。

一方通行「まァセオリー通りだなァ……で」

再び一方通行の足が地を蹴る。
炸裂音と共に足元の砂利が爆ぜ飛び、猛スピードで五条へと飛来した。

一方通行「そっからどォやって反撃するンだ?」

先と同様に砂利の散弾を横へと回避する五条。
飛礫を回避した彼の姿が着地と同時に猛烈に加速し、その足先から激しい炎を吹き上げながら一方通行へと向かう。

一方通行「おォ?発火能力(パイロキネシス)か?」

大きく息を吸い込み、その口を固く閉じた五条。
音すらも置き去りにする速度で一直線に駆け寄る彼の姿へと、一方通行の毒手が伸びる。

一方通行「……なンだ、結局自殺志願かよ」

その右手が五条の姿を捉えようとした刹那、彼の視界から五条の姿が消失した。
次いで視界を赤く染め上げる炎と、自身の周囲を燃え盛りながら高速で旋回する"何か"の様子が展開される。

嘲笑を浮かべていた一方通行の表情が、一気に険を帯びたものへと変化し、三度その足元が蹴られた。
一縷の地響きと共に、一方通行を起点とした360度に敷き詰められている土砂が水面に波紋を描く様に爆ぜ飛び、激しい音と共に浮き上がった砂利が、重力に引かれて大地へと降り注ぐ。
113 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:50:30.23 ID:k1f1KzUo
彼の周辺を取り巻いていた炎は、その砂利に巻き上げられる様にして宙へと舞い上がり、僅かな火の粉を残して虚空へとその姿を消していた。

いつの間にか周囲を旋回していた"何か"、炎に包まれていた五条勝が足を止め、一方通行を見つめていた。
全方位に展開された砂利の散弾は回避し切れなかったはずだが、彼の様子にダメージを負っている気配は見られない。

五条「……ククク……炎は無効ですかね……」

一方通行「……とぼけてンじゃねェぞ小僧、オマエが狙ったのは酸欠だろォが」

表情を変えずに言葉を吐く五条と、眉間に皺を寄せたまま言葉を返す一方通行。

五条「……バレていましたか」

はあ、とため息を吐いた五条の肩が僅かに落ちる。

一方通行「悪かねェ発想だが、屋外じゃ無意味だなァ。で、オシマイか?」

五条「……いえいえ、これで終わりでは」

言葉を吐きながら指を鳴らした五条の視界が、一気に灰色へと染まりあがる。
先刻まで真っ青な光を注いでいた三日月すらもその色合いを灰色へと染め替え、確かに時間が凍りついた世界だという事を表している。

静止した世界の中、五条の体が動いた。
数メートル前方に屹立している一方通行の側面へと回り込み、彼の耳元へと右足を振り上げ、ハイキックの要領で幾度か足を往復させる。
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:53:11.30 ID:z2OuBns0
時止めでお手軽木原神拳かww
115 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:53:47.14 ID:k1f1KzUo
一度目はゆっくり。
二度目は、少し速度を上げて。
三度目は、更に速度を上げて。

彼が五度目に足を蹴りだすと同時に、世界が時の流れを引き戻した。

──高速を上回る速度で一気に五度もの蹴撃を繰り出した右足が一瞬で煌々と赤熱し、真空をなぞる様に巻き起こった豪風が一方通行の側面を襲った。

しかしその豪風は一方通行にダメージを与えるには至らず、すぐにそのベクトルを間逆へと転換され、発生源である五条の体へと襲い掛かる。

五条「グっっっ!!」

幾重にも重なった風の塊をもろに受けた五条の体が、大きく後方へと吹き飛ばされた。
無防備な状態の腹部に強烈な衝撃を受けたその口から、僅かに鮮血が飛び散る。

五条(……霊装が無ければ、内臓破裂ものでしょうか……)

空中で体勢を立て直しながら、一方通行へと目線を送る。
……特段、変わった様子は見受けられなかった。

立て直した体勢で宙を蹴り、再度一方通行の側方十メートル程の位置に着地する。

一方通行「……少したまげたぜェ。何しようとしたンだ」

五条「……認識していない衝撃波も反射の対象ですか……ソニックブームも狙ってみたのですが、なかなかうまくは行きませんでしたね……」

一方通行「……衝撃波だの音波兵器だの、こっちゃァさンざン試されたからなァ。今更そンなンじゃ勃ちもしねェよ」
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:55:38.42 ID:HVVFGMAO
五条さんが強すぎる件について
117 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 02:57:20.81 ID:k1f1KzUo
半端な所で申し訳ございませんが、書き溜め分は以上となっております
明晩今一度区切りの良い所まで投下させて頂きますので、暫時お待ちの程をお願い致します
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:58:36.87 ID:FKTtXQQo

なんか負ける気がしないな
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 02:59:06.40 ID:06J2LCwo
乙かれー
やっぱり一方通行は強いな
一筋縄じゃ行かない
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:01:06.62 ID:olFcC.o0
乙です
複合能力者は居ないみたいな設定があったから、
サッカーバトル知らん一方さんは五条さんの能力が何なのか戸惑ってるんだろうか
反射も突破されうるって知ってる訳だし
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:09:12.23 ID:jaYcTQAO

学園都市最強は伊達じゃねえな…これで五条さんのサッカー技術から魔術要素解析されたらどうなっちまうのか…
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:16:21.37 ID:bMQS4koo
全盛期の一方さんはマジで最強だよ
上条さん補正がなきゃ勝てるわけないんだし
手を伸ばして突っ込むなんて愚行を犯さず小石蹴ってれば勝てたのに…
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:19:34.30 ID:MTFCt0co
最強であることに絶対の自信があるってのがヘタ錬に近いものを感じるよね
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:21:41.18 ID:BZiu1b.0
これちょっと勝てないだろ
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 03:44:55.14 ID:PrTSH.Eo
全盛期の一方さんたおせるのとか前方のヴェントとか天使位しかいなそうだしなぁ
あとはアウレオルスくらいか?
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 03:52:16.22 ID:yyuZqZ60
異次元サッカーのやつらって気の使い手だったよな?一方通行さん気も大丈夫なのか
127 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 07:52:20.59 ID:s4cZlQ20
同時刻、遠く離れた異国の地にて
騎士の鎧装に身を包んだ漢達が、眼前に剣を掲げ叫んでいた

カゼラ「ローマ正教十三騎士団『ランスロット』ビットリオ=カゼラが問わん!」
ジャッと一列に並ぶ五人の騎士達が同様の姿勢をとる。

カゼラ「我らが五条殿が悪を払う剣の名を答えよ!」
『『『PROWESS! (優れた戦闘能力)』』』
カゼラの問い、五人の漢達が返答する。

カゼラ「我らが五条殿が魔を防ぐ盾の名を答えよ!」
『『『COURAGE! (勇気) 』』』

カゼラ「我らが五条殿の背後に鎮座せし、守るべき者達の名を答えよ!」
『『『HONESTY! LOYALTY ! GENEROSITY!(高潔・忠節・寛容) 』』』

カゼラ「続けよ!五条殿が守るべきものの名を!」
『『『FAITH! FAITH! FAITH!(信頼・信念・教義)』』』
傍目にも、漢達の士気が見る間に高翌揚していくのがわかる。

カゼラ「なれば行かん!我らが五条殿よ! 今こそ邪悪を打ち滅ぼす時也!!」
『『『『GozyouDono!!!』』』』 そして漢達が掲げた剣より溢れ出す暑苦しい光

三沢塾での戦闘後、結成された「ローマ正教五条殿ファンクラブ」
今日も熱い漢達の日課となった五条殿コールが響き渡る
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 09:56:47.57 ID:F0nG6N2o
やっぱり認識阻害に頼るしかないのか
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 11:04:14.22 ID:.haMqsSO
おっさん達何やってんのよwwwwwwwwww
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 12:22:53.38 ID:TqyAVrco
>>126
超次元サッカーな
確かに気の使い手ではあるけど語ってる描写が少ないんだよ
アニメ版のフットボールフロンティア決勝で円堂がマジン・ザ・ハンドを使うときにいきなり気とか言い出して
あと、3のチーム・ガルシルド戦で円堂のじいちゃんが円堂に「身体全体で気をコントロールしろ」とか言い出した

まあ、気を使った必殺技も強い相手には素手で止められるしな・・・
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 15:16:45.74 ID:9o4Wt/Mo
あの世界は超次元だからな
地球ぶっ壊れそうなレベルの技もあるし
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 15:49:56.39 ID:2obt8fMo
キャプテン翼とテニヌを足して2で割るではなくそのまま掛け算した感じか
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 16:38:39.09 ID:06J2LCwo
宇宙人とサッカーバトルするぐらいだしな
あと魔界とかもある
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 18:49:59.14 ID:6uU3R1so
未来人とも戦う
あれ?涼みy
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 20:44:24.63 ID:JA6IlgAO
わっふるわっふる
136 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 23:36:44.21 ID:k1f1KzUo
五条「ククク……手厳しいところです……しかし、俺とて退くワケには行きません……!!」

言葉を紡ぐ五条の背に、一本、また一本とその外套と同じ色をした純白の翼が姿を現す。
銀色に輝くその翼の一本の長さは、おおよそ五メートル程だろうか。

翼が出現するに従い同様に燐光を放つ羽片が五条の周囲に舞い、暗闇に染まっていた操車場にを仄かに明るく染め上げた。

一方通行「クカカカカ……イィねイィねェ!!天使様ってかァ!?そォいうのを期待してたンだよ!!」

宙に浮かび上がる五条を見た一方通行が、狂笑を浮かべながら喜びの声を上げた。

対峙する五条は、その背に生えそろった六枚の翼を幾度かはためかせ、三日月が浮かぶ夜空へと舞い上がる。

その姿へと、何処からか一つのサッカーボールが放られた。

二、三度羽ばたいた五条の背の力翼が、眼前を通過しようとするサッカーボールを停止させ、秘められた力をボールへと注入していく。

次第に輝きと稲光を纏い、真っ白な光玉へと姿を変えるサッカーボール。
ビリビリと震える大気から、その光玉が秘めたエネルギーが容易に察知出来る。

五条「──God knows.(神のみぞ知る)」

呟き、右足を高らかに振り上げた五条の足が光玉へと振り下ろされる。

──つんざく音と共に、物理法則の限界を超越せんと吼え猛った光玉が打ち出された。

空間に一条の白い筋を残しながら、一方通行へと襲い掛かる光玉。

人の道を外した白色の少年へと殺到するそれは、例えるならば不可侵の道徳を犯した者へと向けられる神罰の雷。

人の身が受けるにはあまりに過ぎている神雷を迎え入れんと、外法の王、学園都市第一位の称号を冠された少年が大きく両の腕を広げる。

その顔に浮かぶのは、先と変わらぬ狂笑。

少年の身体に神の雷が触れた刹那、激しい閃光が光玉より迸り、暗闇に包まれた操車場を一瞬で光の洪水へと埋没させた。
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 23:39:17.76 ID:s4cZlQ20
五条殿ーー!!!
ウオォーーーーッ!! 五条殿ーーー!!!
138 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 23:39:35.94 ID:k1f1KzUo
その場に死合う二人以外の誰かが居合わせたのならば、間違いなくその瞳は暫しの間使い物にならなかった事だろう。
誰しもの視界を奪う、余りにも強烈な閃光。

光が描く闇と言っても差し支えの無い程のそれが、徐々にその勢いを弱めていった。

次第に操車場がその輪郭を取り戻し、展開されている光景があらわになる。

──浮かび上がったのは、狂った様に高笑いを上げる一方通行と、うつ伏せに地面へ倒れ伏した五条勝の姿だった。

────────────
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 23:40:24.75 ID:L6Vt8Bw0
五条殿! 五条殿ーー!!!
ゥヲォーーーーーーーーーーーーーッ!!!
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 23:41:03.53 ID:s8/7eSQo
ククク・・・待ってましたよ
141 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 23:41:52.19 ID:k1f1KzUo
何が起こったのか理解をするのに、多少の時間が必要だった。
反射された際の危険性を考慮して、自身が放てる渾身のシュートであるグランフェンリルではなく幾分かレベル下のゴッドノウズを放った。
ハズだった。

しかし霊装に軽減されているとはいえ自身の身体を襲った衝撃の度合いは、放ったであろうゴッドノウズのそれを遥かに超越していた。

腹部に食い込むボールと、同時に襲い来る鈍痛の中、最悪の回答が頭をよぎる。

……もはや、否定のしようが無い。

あの男は"先の一度の邂逅で、超次元サッカーバトルのベクトルを完全に掌握している"

背の翼が消失し、重力に引かれた身体が砂利の上へと落下する。
着地をしなければと思いはしたものの、身体に力が入らない。

幸い、外套のおかげで落下の際の痛みは無かった。

『よォ小僧、なかなか楽しませてくれたなァ』

狂った様な高笑いを止めた一方通行に声を投げられる。

五条「ク……ククク……」

辛うじて喉を絞り、何時もの笑い声を捻り出す。

一方通行「おォ、まだ笑える余裕があンのか。いやァ、敵ながら大したもンだわオマエ……細けェ事はわかンねェけど"徐々に物理法則を帯びる現象"なんて、なかなか厄介な事してくれンじゃねェか」

……一方通行の言葉の意味がよく理解出来ない。
出来ないが、もともとサッカーバトルとは理解など出来ない代物だ。

今更細かい説明など聞く気にもなりはしない。

言葉を吐きながら一方通行が自身に近づいてくるのが、その足音から理解出来た。

一方通行「……褒美代わりにゃなンだが、せめて楽に殺してやるよ。安心して良いぜェ?一瞬で心臓も脳髄も爆破してやるから、痛みなんて感じねェ」

五条「……」

ざりざりと寄って来た足音が、すぐ傍に停止した。
逃げ出さなければ死ぬという事実は存分に理解しているのに、身体が言うことを聞いてくれない。
142 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 23:46:29.01 ID:k1f1KzUo
直近に佇む死神の気配に、強く瞳を閉じた。

…………

………

……しかし一向に、死を告げる鎌は振り下ろされない。

一体何だというのだろうか。
真意を解しかねていると、死神が再び口を開く。

一方通行「……なァ、命乞いしねェのか……?」

……更に真意を解しかねる言葉が耳に届き、瞳を開いた。

五条「……ク……クク……すれば……助けて……もらえるのですか……?」

一方通行「…………さァな」

五条「……」

再び瞳を閉じる。
真っ暗になった世界に浮かぶ、自分の帰りを待つ人たちの面影が次々と浮かんでは消えていった。

すみません。
消えていく面影達に、心の中で謝罪の言葉を呟いた。
震える右手に力を込め、中指を突きたてる。

五条「……ククク……狂い死ね、モヤシ野郎……」

一方通行「……あァそォかよ」

一方通行から濃密な殺気が放たれるのが判った。
続けざまに聞こえる、僅かな風切り音。

右手か、或いは左手が掲げられたのだろうか。
もうどちらでも関係は無いのだが。

一方通行「じゃあなヒーロー」

閉じられた瞼に力を込め、思わず息を呑む。

『やめろ三下ああああああッッッ!!』

────再び暗くなった世界に、どこかで聞いた男の咆哮が響き渡った。

──────to be continued──────
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 23:47:03.83 ID:L6Vt8Bw0
五条殿!ハアッハアッ 五条殿!!グフッ 五条殿ーーー!!!
グボアァーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:47:53.08 ID:A7bm8yQo
やっぱり一方通行サンはこうじゃねェとな
解析のすさまじさと対応速度がバツグンだからこその学園都市第一位ってワケだ
相手の賞賛も忘れンところに惚れてしまう ちなみに俺は一方通行サンとは無関係ェだ
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 23:47:54.25 ID:s4cZlQ20
五条殿!? 五条殿!! 五条殿ーー!!!
グオォォーーーーーーーーーーーーッ!!!
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:48:27.53 ID:Efh.8LY0
邪気眼なんで使わないんだ?
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:48:58.48 ID:drXQBFgo
ハンデだよハンデ
148 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/08(土) 23:52:09.74 ID:k1f1KzUo
以上、改めまして昨日&本日投下分となります
ご支援いただいております皆様、関係各位の皆様、本日もありがとうございました

例え人気投票から削られようと、五条勝は五条勝かと存じております
絶対に許さない

さて、次回投下に関しましてですが、可能ならば明日の晩に再度投下をさせて頂こうかと思います
不可能な様ならば再度告知を行わせて頂きます
お時間がございましたら、またお付き合い頂ければ幸いです
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 23:52:28.86 ID:L6Vt8Bw0
ふゥ……
大変素晴らしい内容でありました
心よりの乙を奉じさせていただく
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:53:21.20 ID:F0nG6N2o
乙!五条さんでも一方は無理だったか…
悪魔顔で天使の羽根を纏う五条さん想像してわろた
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/08(土) 23:53:34.16 ID:TqyAVrco


五条さんの最強必殺技ってグランフェンリルだったのか
既に世界レベルじゃねえかwwwwwwww
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/08(土) 23:58:27.98 ID:s4cZlQ20
乙であります!<(`・ω・´) シャキーン
あぁ 五条殿ファンになって本当に良かった……
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:02:02.31 ID:VICZLhMo
認識阻害をあえて使わないのが五条さんの優しさ
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/09(日) 00:09:24.65 ID:yVH7n9w0
反射膜に爆裂パンチかませば木原神拳になるかもな
高速連打はそれと同じ速さでパンチを引き戻すから
ただあの速度で間に合うかだが
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:20:09.27 ID:U2psfDUo
五条さんと一方さんの共通点見つけた

二人とも笑い方がキモい
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:23:16.38 ID:EyGkYcAO
もし命乞いしたら一方さんは見逃してくれるだろうな……
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:23:48.84 ID:OuS7lTko
やべえ、上条さんが五条フラグ立てようとしてる……
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:24:39.34 ID:eiQCZM.o
>>155
おい何言ってんだ
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/09(日) 00:25:12.15 ID:ncEffHo0
「殿」を付けぬか! 不心得者が!!!(カッ
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:27:22.13 ID:VICZLhMo
一方通行って原作でも弱点無い無敵キャラなの?
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:33:18.35 ID:E2fOg7Mo
>>160
頭撃たれて弱体化してる
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:37:12.55 ID:7P7mO5Uo
>>160
誰にも無双するパートと、イレギュラーに苦戦させられるパートをそろえているリバーシブル仕様です
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:39:09.45 ID:U2psfDUo
弱体化ってもチートには変わりないわな
ほんの2ヶ月前までアハギャハ言いながらクローン殺しまくってた人が
天使になっちゃったからな
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:44:59.59 ID:VICZLhMo
wikipedia見たら
悪役から第2の主人公になったお方だったのね
この時期はまだ弱体化されてない完全無敵な悪役なのか
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 00:54:59.73 ID:bfkkptY0
>>145
オッサンうるせーよw

>>164
まあベクトル能力とかどう考えても無敵だろ

166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 01:07:30.81 ID:PYoL1.AO
乙。威力増幅されたとはいえ、立ち上がれないまでに痛めつけられるなんて、やっぱりゴッドノウズも滅茶苦茶強いんだな…
しかしこの展開だとシスターズはどっちにフラグが立つんだろう?
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 09:42:33.75 ID:wvd3lSE0
ここでここまでノータッチだった上条さんなのか。
五条ファンさんはほんとに構成が上手くて全キャラ引き立ってるよね。すごいです!!!
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 17:06:42.87 ID:PYoL1.AO
原作時間軸の一方さんの方が正直怖いけどな

学園都市最高の頭脳をフル活用して能力なしで暗部部隊全滅させたりするし
今はヒャッハーしてるだけだから付け入る隙がある
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 17:08:51.51 ID:GuwQauIo
>>168
一方さんの何が恐ろしいってあれで『演算能力落ちてる』ことなんだぜ…?
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 19:25:48.21 ID:UIyGaqqPo
>>168
VS猟犬舞台の一方さんはマジ輝いてた
あの一方さん相手だったら上条さんも絶対負けるっていうムードがあったのに
最新のVS上条さんじゃ黒い翼に頼ってあれだよ! どうしてこうなった
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 20:44:03.76 ID:u8TBJMpio
原作主人公が良いところを持っていくのはクロスオーバーではよくあること
五条さんはあくまでイレギュラーだしね
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 21:49:45.34 ID:2KqrMBZ+o
シュートの強さの具合が良く分からん。
誰か教えてくれ。
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 21:50:58.43 ID:u8TBJMpio
>>172
もりさきくんが宇宙まで吹っ飛ぶぐらいの強さ
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 21:54:36.40 ID:2KqrMBZ+o
>>173
表現が分かりにくかったみたいでスマン。シュート毎の強さの優劣みたいな感じ。
グランフェンリルがゴットノウズより強いのは分かったけど、他はどんな感じなのかなって。
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:03:05.76 ID:jeyF+dPzo
>>174
グランフェンリル>皇帝ペンギン3号(たぶん3号)>ゴッドノウズ
他にシュート技あったっけ?

ちなみに、グランフェンリルも皇帝ペンギン3号も本来3人で撃つ技
ペンギンにいたっては五条さん以外が1人で撃つと全身の筋肉がズタズタになったり失明したりする
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:05:46.02 ID:XV32FGIDO
>>175
>ペンギンにいたっては五条さん以外が1人で撃つと全身の筋肉がズタズタになったり失明したりする

なにそれ怖い…
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:09:50.97 ID:0vG/0v+0o
原作読んでないんだけど、>>168-170読んでひぐらしの「あたしは部長でいい」みたいなコピペ思い出したわ
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 22:51:36.37 ID:jeyF+dPzo
この戦いでいつ立ち上がリーヨを流せばいいんだよ
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 23:20:51.48 ID:6F7FY7/s0
>>166
描写が無いだけで、原作通りに御坂妹との接触があったんだろうねぇ。
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 23:26:12.53 ID:u8TBJMpio
ミサカネットワークの線は無いのかな
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/09(日) 23:57:56.34 ID:Af9lJENG0
God knowsの天使五条さんか……
イケメルヘンな帝凍庫君が現れたら天使が二人だな
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 00:19:15.59 ID:YZw6KQ5DO
上条△展開も嫌いじゃないぜ!
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 00:40:04.51 ID:xW7u8Cv+0
五条さんはがんばったが一方さんにダメージはないし、このまま原作どおりにいくかな。それとも…?
184 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 00:47:26.62 ID:u8TBJMpio
五条さんと上条さんが協力したら向かうところ敵なしな気がする
185 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:06:04.07 ID:qFbXhIeTo
本日もご支援頂きまして誠にありがとうございます
大変お待たせ致しました、本日分の投下を開始致します
186 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 01:06:53.62 ID:ABUe/qKh0
支援
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 01:07:28.88 ID:RHgWyM3So
よしこい
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:08:08.76 ID:u8TBJMpio
待ってました
支援するぜ
189 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:08:50.34 ID:qFbXhIeTo
────時は、少し遡る。
夜空に冴える三日月がその青白い光を投げかける学園都市の路地を、息を切らしながら駆ける一つの影があった。

夏休みの夜分だというのに白いワイシャツにスラックスという学生服に身を包み、若者向けのファッション雑誌を参考にした様なツンツン頭の幻想殺し・上条当麻が周囲の目も気にせず駆けていた。

その頬は黒く煤けており、時折ぶれる身体の軸や、襲い掛かる苦痛に表情を歪める様から彼が酷く消耗している様が見て取れる。

上条(……間にあってくれよっ……クソっ……!!)

進行方向の歩行者用信号が、赤色へと表示を切り替える。
駆けながら左右に視線を投げ、車の気配が無い事を確認した彼が、横断歩道を一気に駆け抜けた。

走りながら上条は現状について再度認識する。
昨日今日で、自身が知っている世界とはあまりに価値観を違える理不尽な現実が一気に襲い掛かってきたものだと。

始まりは、なけなしの二千円を飲み込んだ憎き自販機の前で遭遇した学園都市第三位、常盤台中学校の超電子砲・御坂美琴との偶然の遭遇だった。

その美琴と同じ容姿を持つ少女との僅かの邂逅。
邂逅の最中に垣間見た少女──妹達(シスターズ)とその背後にある、あまりに人道を蹂躙している実験とその内容。

その真意を問い正した際に普段は気丈な御坂美琴が見せた、余りに儚い姿と悲壮感に充ちている覚悟。

一方通行と戦い、演算より遥かに早く自分が敗れる事により、実験を中止させると語った際の彼女の表情。

文字通り"懸命"の意をもって実験を停止させようと、一方通行への玉砕を試みようとした彼女を救う為。
そして今まさに散らんとしている"妹達"を救う為。

──否、そんな幻想を許しておけない自身の心根の為。

上条はひたすらに駆け続けていた。
次第に人通りが寸断されて行き、目的地である工業地帯の操車場を取り囲む金網が視界に入り、足を止める。
190 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:12:24.53 ID:qFbXhIeTo
この金網の中で、学園都市最強の称号を持つ男が待ち構えている。
そしてこれから自分はその男と対峙し、打ち倒す。
打ち倒さなければならない。

僅かな悪寒が背をなぞり、彼は軽く身震いし、不意に自身と同じ無能力者(レベル0)の立場にある少年の事を思い返した。
これまで自身が異能と対峙する際は常に肩を並べていた、数奇な縁を持つ一人の少年の姿を。

上条(……居てくれりゃあ、心強いのは確かなんだけどな……)

まるで悪寒を振り払う様にその右の掌に視線を落とし、強く握り締めた。

悪魔的な外見とは異なり、あまりに優しすぎるあの男に、自ら厄介毎を押し付けるわけには行かない。
ましてや相手が学園都市最強の能力者ともなれば、生命の危機に晒される可能性も格段に高いだろう。

上条(……やるしかない、か……)

顔を上げて金網によじ登り、そこから飛び降りた上条の視界の隅に、こちらへと歩み寄ってくる人影が飛び込んできた。

思わず身構えた上条が、その影へと視線を据える。
自身へと近づくにつれ、次第に明瞭になってくるその人影の正体。
乱れた栗色のショートカット。
常盤台中学校の制服。

それは先に別れた妹達の一人である、10032と名乗る少女だった。
上条の姿を確認した事による安心からだろうか、肩でぜえぜえと息をしていた彼女の身体がふらりと揺れ、その両膝が地面へと付けられる。

上条「っ……!!御坂妹っ!しっかりしろ!」

慌てて10032に駆け寄った上条がしゃがみ込み、その両肩に自身の手を据えた。
191 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:14:46.70 ID:qFbXhIeTo
10032「……非常に消耗された状態にありますが生命活動に支障はありません……とミサカは自身の体調について主観的事実を述べます」

上条「そうか……良かった……っておまえが無事って事は、実験は?」

安堵の声を漏らした上条の表情が和らぎ、10032へと問いが投げられる。

10032「実験は侵入者の介入と被験者の希望により、一時的に凍結状態となっています。とミサカは現状について端的に説明を行います」

上条「……?侵入者……?一時的に凍結っ……!?」

実験自体が未だ頓挫したわけではない事を察知した上条の表情が再び凍りついた。

10032「はい。侵入者の名は五条勝。学園都市に在籍するレベル0の中学生です。とミサカは侵入者の氏名情報を提示します」

上条「なっっっ……!!?」

刹那、上条の視線のおおよそ300m程先、暗闇に包まれているはずの操車場の一角が仄かに発光する。
その光は、いつか上条が背中越しに感じた淡い銀色の燐光。

胸に去来する嫌な予感を押し留めようとすると同時に、光が爆ぜ、周囲が眩い閃光に包まれた。

咄嗟に瞼を閉じ、光が収縮するのを見計らい、再度瞼を開く。

……先に仄かに発光していた箇所が、完全に暗くなっている。
次の瞬間、上条の身体は光の発生源へ向けて駆け出していた。

列車やコンテナに阻まれ直線的には向かえないその光の発生源に向けて、息を切らせながら走る。
酷使された体が悲鳴を上げ始めるが、今はそんな事は関係ない。

立ち並ぶコンテナの道を抜けた先、一際開けた区画で上条の視界に飛び込んで来た光景は、うつ伏せに地面に倒れ伏している五条勝の姿と、その身体へと右手を差し向ける学園都市第一位、一方通行の姿だった。

……常に余裕の笑みを絶やさなかった、年下とは思えない程の頼りがいを備えた男の倒れた姿と、それをあざ笑う様な嘲笑を浮かべる白亜の少年の姿に一気に全身の血液が沸騰し、痛みや疲労感を何処かへと押し流していく。

上条「やめろ三下ああああああッッッ!!」

上条は自身でも無意識の内に咆哮を上げ、驚いた様な表情でこちらに向き直った一方通行へと駆け出していた。

────────────
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 01:16:41.17 ID:RHgWyM3So
まさにヒーローだな
こりゃ美琴じゃなくても濡れるわ
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:17:02.55 ID:Af9lJENG0
上条△
194 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:18:25.92 ID:qFbXhIeTo
『……ッたく、客の多い夜だなァおい』

五条の頭部に伸ばしていた右手を止めた一方通行が、新たに現れた侵入者である上条当麻の姿を見て呟いた。

上条「ォォぉぉおおおおおお!!!!」

ポケットへと両手を突っ込み、余裕の笑みを浮かべたまま一方通行が呟く。

一方通行「……なンだありゃ、新種のイノシシか何かか?」

五条「か……上条……?」

五条が必死で上体に力を入れ、雄たけびの根源へと目線を送る。

視界に映るのは、叫びながらこちらへと駆けてくる幻想殺し・上条当麻の姿。
その右手は硬く握られ、僅かに打ち震えながら振りかぶられている。

五条(……これは……最高の援軍かもしれませんね……)

次第に距離を詰める上条へと、笑みをたたえたままの一方通行が言葉を吐いた。

一方通行「おいイノシシ、もォいっぺン言ってみろよ」

変わらず余裕に充ちた嘲笑の浮かぶ顔面に向かい、上条当麻の右手が伸びる。

「ぁぁあああああああああああ!!!!」

──それは如何なる幻想をも容易く屠り去る、あまりに無慈悲な一撃。

魔術も超能力も、或いは神の慈悲や加護すらをも無差別に喰らい消失させる、世界にそのものに反抗する一撃。

無能力者(レベル0)の烙印を押された男の持つ唯一の牙が、傲慢な笑みを浮かべる外法の王へと伸び、その肌に触れる。
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 01:19:21.57 ID:ABUe/qKh0
かみやん///
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:20:01.01 ID:xW7u8Cv+0
ちょっとこれはかっこよすぎるんじゃないかな
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:20:43.63 ID:Af9lJENG0
まさに主人公
198 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:21:06.58 ID:u8TBJMpio
上条△
このスレじゃ脇役とか言ってごめんよ
199 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:24:10.44 ID:qFbXhIeTo


──────ごしゅっ。


辺りに響くに鈍い音と共に、暴虐の笑みを湛える陶磁の様に白い顔面へと裁きの鉄槌が叩き込まれた。

全ての体重を乗せた上、十分な助走によって加速度を得たそのインパクトに、一方通行の身体が後方へと大きく吹き飛ぶ。
その鼻からは勢い良く鮮血が舞い、大きく見開かれた赤い瞳は現状を理解していないのだろうか、或いは既に意識を留めていないのだろうか、虚ろに中空へと投げられていた。

ぜえぜえと繰り返される上条の呼吸が辺りに木霊する。

……暫しの呼吸を経て、ようやく落ち着いた様を見せた上条が、倒れ伏せている五条に目線を送り口を開いた。

上条「……なんでおまえが居るんだよ……」

言葉を聴いた五条の身体が小刻みに震えながら、ゆっくりとその上体を引き起こした。

そのまま上条の姿を見ると、心配そうな表情でこちらに右手を差し出している。

上条「……ほら、立てるか?」

差し出された右手を眺めた五条が遮る様に左の掌を上条へと突き出し、言葉を返す。

五条「……心遣いは感謝しますが……霊装を纏っておりますので……」

上条「っと……じゃあマズイな」

上条が右手を差し戻すのを見た五条が、座ったまま立てた膝へと自身の右手を置き、力を込めて一気に立ち上がる。
普段浮かべられている微笑みが、その全身を蝕む苦痛に若干歪んだ。

上条「あー……もしかしてお前も一枚噛んでたんですか?」

五条「……ククク……ご名答です……しかし何故またこんな所に?……!」

上条へ返答した五条の視界の先で、一つの影がコンテナの脇より姿を現した。

影は、御坂美琴と全く同じ容姿をしているが、ところどころの衣服や頭髪の乱れから、美琴本人ではなく先刻まで一方通行と交戦していた妹達の一人だという事が推測出来る。
ふらふらと力ない足取りだが、先に五条が乱入した時よりは幾分か調子を取り戻したかに見えたその姿に、五条が軽く安堵の息を漏らした。

そんな五条の様子を見た上条が、彼の目線を追って振り返り、同様に安堵の息を漏らす。

上条「……ま、つまるところ自分の為ですよ」
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:25:30.65 ID:u8TBJMpio
反射できると余裕で突っ立てた一方通行さん吹っ飛ばされたー!
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:25:34.98 ID:laupVo1uo
上条△!
上条さんと五条さんで条条の奇妙な冒険や!
202 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:27:12.11 ID:Af9lJENG0
流石セロリ慢心は一流だぜ!
203 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:27:31.69 ID:xW7u8Cv+0
>>201
おまえディアボロスレ読んでるだろ
204 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:27:32.53 ID:qFbXhIeTo
言い放って僅かに微笑んだ上条を見た五条が、軽くため息を吐いた。

……どういった経路を辿ってここに立っているのかは理解出来ないが、眼前のこの男は"昨日初めて会ったクローン人間の少女の為に、命がけでこの場に駆けつけた"のだ。

改めて佇まいを確認すると、ところどころ衣服や頭髪が焦げており、煤けた頬には疲労の様子も見て取れる。
ステイルの炎か、美琴の電撃でも喰らったのだろうか。
この男のトラブル体質を考えるに相当紆余曲折を経たことが考えられるが、まぁ経過は後々語り合えば良いだろう。

五条「……とんだお人よしですね……オマエは……」

上条「……オマエにだきゃあ言われたくねえっつーの」

互いに顔を見合わせ、くすくすと笑いあう。

『ク…………くひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ』

談笑する空気を裂く様に、狂笑が響き渡った。
一瞬で五条と上条の表情が凍りつき、笑い声の発生源へと視線が集中する。

その発生源となる男は、敷き詰められた砂利の上で仰向けに倒れたまま、小刻みに肩を揺らしていた。

あれだけの勢いで殴り倒されて尚、狂った笑い声を上げ続ける学園都市第一位の名を冠する少年、一方通行。

一方通行「イイッ……イイぜオマエら……サイコーだァ……!そォかそォか、痛ェってなァこンな感覚だったんだよなァ……!!」
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:30:04.78 ID:xW7u8Cv+0
だめだヤバいこの一方さんは至近距離で戦ってくれない
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:30:05.10 ID:YZw6KQ5DO
展開が熱すぎる
207 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:32:40.26 ID:qFbXhIeTo
むくりと、顔を血に染めた一方通行が上体を起こした。
彼の表情は狂笑とは異なった険しさを帯び、二人に向けられた明らかな憤怒の色と殺意が見て取れる。

相対する二人が、弾かれる様に飛びのき身構えた。

上条「っ……五条、動けるか?」
五条「……えぇ、支障が無い程度には」

答えながら五条は考えた。

実際のところは、シュートを打てるほどの体力は残っていないし、まともな戦闘など到底出来はしない。
……しかし十分。
せめて足さえ動けば、自身と異なり生身の上条の盾にさえなれれば十分。
これまであらゆるダメージを反射して生きてきたであろう一方通行が身体的に貧弱なのは、その体格と先に闘った際の体裁きから想像に易い。

目視で、一方通行までの距離はおおよそ10メートル。

懐に潜り込んでの肉弾戦ならば、即死の両手にさえ気を付ければ上条に分があるだろう。
ならば自身が採るべき行動は只一つ。

"上条の拳を叩き込ませる為に、遠距離で放たれる攻撃を全て防ぎきる"
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:34:46.73 ID:xW7u8Cv+0
上条さん10メートルも吹っ飛ばしたのか。頭もげるぞ
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:34:51.39 ID:u8TBJMpio
ここで認識阻害来るか?
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:34:52.64 ID:Af9lJENG0
ここからがDFの仕事ですね!
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:36:09.40 ID:sJ8ZOCqCo
分業ktkr
212 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:37:02.78 ID:qFbXhIeTo
五条「……オレの攻撃は、あらかたヤツには通用しませんでした……」

上条「認識阻害は使ってないのか?」

五条「……色々と勘案したのですが……万一反射された際のリスクが完全に不明……ヒヒヒ……」

上条「……つーと、効くのは俺の右手だけってわけか」

五条「……相手の攻撃は全てオレが防ぎます。オマエは」

上条「ああ、わかってる」

言い放った上条が、その右手を固く結んだ。

五条「……クックック……オマエがFW(フォワード)、オレがDF(ディフェンダー)、さながらアイツは敵のGK(ゴールキーパー)といったところでしょうか……」

右手を額に当て、二三度左右に首を振った一方通行がゆっくりとその場に立ち上がった。
乱れた脳波のベクトル操作でも行ったのだろうか、その足取りは、先の一撃のダメージをまるで感じさせない。

一方通行「……よォ、お別れの挨拶はすませたかよ?」

そのポケットから、触れれば即死という恐ろしい幻想を抱えた両の手が抜き放たれた。

五条と上条が、互いに視線を合わせて頷きあい、口を開く。


上条「二万人の妹達殺害?絶対能力進化?何言ってやがる!」
五条「実験動物……?ふざけるなっ!!オレが触れた彼女は、紛れも無い"人間"だった!!」

上条「何の罪も無い人間が、テメェみたいな奴の食い物にされるってんなら!!」
五条「彼女の魂の安寧の為!!そして後に続く妹達を、他でもない"人間達"を守る為!!」

上条の拳が一層強く握られ、小刻みに震え始める。
合わせる様に、五条のスパイクが輝き、その足元より僅かに炎が漏れ始めた。

上条「その幻想をぶち殺す!!!」
五条「その認識を阻害します!!!」

宵闇の底に沈む操車場の中で高らかに上げられた咆哮と共に、戦闘の再開を告げる轟音が鳴り響いた。


──────to be continued──────
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:38:35.60 ID:u8TBJMpio
W条△
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 01:39:07.91 ID:RHgWyM3So
        /≦三三三三三ミト、          .  ―― .
       《 二二二二二フノ/`ヽ       /       \
       | l  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∨{ミvヘ      /      ,   !l ヽ
       ト==   ==彡 》=《:ヽ     ′ ―‐ァ!l / ̄}
         /≧ァ 7¨7: :ァ.┬‐くミV!ハ    |    (__   _ノ    |
       ′: /: イ: /': :/ |:リ  ヽ }i! : .     |  _j_   ツ    |
      i. /: il7エ:/ }:/ ≦仁ミ ト:.i|: i|   |    d   __ 、、   |
      |:i|: :l爪jカV′´八ツソ Vミ :l|   |   ノ  − ノ    |
      |小f} `   ,    ´  ji }} : .{    {   ┌.  ー ´    }
       }小    _      ,ムイ|: :∧    .    |/   ヨ
       //:込  └`   /| : :i i : :.∧   、  o   ―┐!l /
        /:小:i: :> .    .イ _L__|:| :li {∧   \    __ノ /
.      /′|从 :|l : i :爪/´. - 、 〈ト |ト:ト :'.   /       く
            N V 「{´ /   ヽ{ハ|   `\ /        ヽ
           | }人ノ/   li  V    _.′贈  惜  と  '
       i´ }    //} i′′ ハ 、|   `ヽ.   り   し  ミ   !
       { {     〃ノ {l l!  } :  {     }  ま  み  サ  |
   rー‐'⌒ヽ  ,イ   i{| |   i      |  す  な  カ
   〉一 '   ∨n     ∨   ′  ハ      |      い. は  }
   `r‐‐ ´   V    |       |      !      称     ′
    ‘r‐‐ ´    \   }/i⌒ヽ   {      .      賛    /
      `¨¨` ー .、  ` < ` |    `ト、 }     ヽ     を
         }}\      ̄ `ヽ ト ソ      \     /
         ノi  \        } }         ` ―‐ ´
          //     > .     | ノ
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:40:07.21 ID:xW7u8Cv+0

しかしここで区切るのはあまりに惨い
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 01:40:31.34 ID:ABUe/qKh0
上条×五条
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:40:58.24 ID:UZvyg7UCo
GJ。ディフェンダーと言えば五条さんの本来のポジションだもんなー。
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:41:24.48 ID:sJ8ZOCqCo
いいところで切ったか
次も期待して大丈夫か?
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:41:29.82 ID:YO4ym4Kso
今日も乙です
続きが楽しみすぎて眠れないだろこれはww
220 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:43:22.21 ID:Af9lJENG0
五条さんが本気で守りに回れば不可能なんて言葉は可能と同義だぜ!
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:43:22.93 ID:laupVo1uo
乙!
222 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/10(月) 01:44:42.80 ID:qFbXhIeTo
以上、本日投下分となります
本日も斯様な夜分までご支援を頂きました皆様、関係各位の皆様、最早数え切れなくなった御礼を申し上げます

一方さんのセリフ部は、"ン"のチェックが少しめンどくせェンです

さて次回投下に関しましてですが、例のごとく可能ならば明晩、不可ならば明後日の晩を予定しております
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:45:33.84 ID:u8TBJMpio

レールガンですら蹴る事が出来た五条さんなら
プラズマ元気玉も蹴り返しそうだな
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:48:52.26 ID:YZw6KQ5DO
今夜も乙ー
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:49:53.99 ID:xW7u8Cv+0
麦のんのビームはだめだったからちょいきびしいかな
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 01:50:45.96 ID:u8TBJMpio
一方通行の口調変換機ならあった
ttp://luigitefu.web.fc2.com/accelerator.html
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 02:05:02.56 ID:3zJBcsjAO
W条さんマジパネェっす
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 06:01:31.57 ID:2MUooUbU0
五条殿 五条殿 五条殿 五条殿 五条殿 五条殿!!!
ゥッ………
                ふゥ……
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 08:24:23.47 ID:mYo/T0xj0
>魔術も超能力も、或いは神の慈悲や加護すらをも無差別に喰らい消失させる、世界にそのものに反抗する一撃。

この文を見て何故かスクライドのop曲連想したわ。
230 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 11:41:39.59 ID:F9yB88+ko
最高にハイってやつだあああああぁぁぁ
レディオノイズ編熱すぎるべ
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 13:46:53.01 ID:NcBTtBlto
    トリーズナー
オレは反逆者ですよ? ノーとしか言わない男です
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 20:30:30.42 ID:u6hvrejwo
ならば君の心変わりを誘発しよう!
W条は一方さんに勝てるかな?
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 21:07:23.24 ID:Re8SKS9IO
イエス
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 21:16:42.12 ID:NcBTtBlto
(ノーとしか言わないハズ……!?)
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 21:29:13.99 ID:C0RvEWMPo
お前らノリノリだなwww


人気投票は許さない、絶対にだ
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/10(月) 23:20:38.26 ID:4NxENy+A0
俺の記憶が正しければキラースライド以外の
ブロック技使ってないんだよな五条さん(スキャンは微妙かもしれんが)
全部シュートとドリブルで戦ってきた
今回こそはブロック技が出るのか
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 23:49:45.50 ID:M0Ht3S+Xo
>>236
さすがに五条さんもシグマゾーンは1人ではできないだろ
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/10(月) 23:55:06.26 ID:XF1gI76Ko
分身でも無理?
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 00:07:45.44 ID:L5rpYUtvo
ペンギンに参加させろ
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/11(火) 23:46:24.80 ID:bu4zd7GDO
今日は来ないかな
241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 01:49:17.70 ID:pZV+Vm4xo
もうそろそろ来るかな?
242 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:33:32.69 ID:oLzgKNIOo
本日もご支援を頂きました皆様、誠にありがとうございます
大変お待たせ致しました

少量ですが、投下を開始させて頂きます
243 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:35:43.68 ID:oLzgKNIOo
──操車場は、先刻までの静寂がまるで幻想であったかの如く、さながら戦場の様相を呈していた。

深雪の色を湛える肌と髪を持つ少年、一方通行が狂笑いをあげながら右足で地を蹴ると、轟音と共に地響きを伴い地表が爆ぜ飛び、衝撃の波が幻想殺しの少年、上条当麻に向かい襲い掛かる。
寸でのところで横方向へと跳躍した上条が着地するのを待たず、一方通行の脇で隆起していた線路を形成する鉄骨が突然ねじ切れ、一本、また一本と空中で無防備な体勢になっている彼のもとへ殺到した。

次いで響く、鈍くも激しい打鉄音。
上条と一方通行の間に割って入った五条が、致死の速度を以って飛来する鉄骨を、次々とその赤熱する足先で蹴りとめる。

ベクトルを相殺された鉄骨が重力に引かれ、その質量を思い出したかの様に地面へと落下し、地を揺らしながら周囲に砂埃を舞い上げる。

その砂埃を盾にする様に、一足早く着地した上条が駆けた。
硬く握られた右手を振りかぶるその様は、一方通行からは砂煙に隠れ視認出来ない。

数歩の距離を駆けた上条の右手が、砂煙の中より一方通行に向かい突き出される。

奇襲に反応出来なかった一方通行の身体が、再び宙を舞い地に転がった。

倒れ伏せる一方通行へ追撃を行わんと足を進める上条に向かい、五条が口を開いた。

五条「追撃はやめておきなさい!!ダウンしている奴が足に触れる危険性がある!!」

その言葉を聴いた上条が、はっとした表情を浮かべ停止する。
止められたその足元へと、倒れたままの一方通行が持つ即死の毒手が伸びる。

再びギリギリのタイミングで上条が後方へと飛び退いた。

チッ、という舌打ちが聞こえ、ゆっくりと一方通行が起き上がる。

元来身体的に貧弱な彼が、トラブル体質故喧嘩に慣れている上条渾身の一撃を二度も顔面に受けたせいだろうか。
彼の膝は、立ち上がった後もがくがくと笑っていた。
244 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:39:34.41 ID:oLzgKNIOo
一方通行「ハッ……なンだよその右手……なンなんだよその両足……面白ェ!!愉快に素敵にキマっちまったぜオイ!!」

言い放ち、尚狂った笑い声を上げ続ける一方通行に向かい、上条の口が開かれる。

上条「……おまえ、誰かと対等な喧嘩した事ねぇだろ」

一方通行「あァン!?」

上条「……単調なんだよ、攻め方が。まぁそんな反則みたいな能力もってりゃ、真っ当な喧嘩慣れなんてするわけねぇけどよ。こっちゃあそれなりに修羅場潜って来たんだぜ?そんな先の読めた攻撃、当たるわけねぇだろうが」

上条がこつこつと足音を響かせながら、一方通行へと歩を進める。

一方通行「ッ!!吼えてンじゃねェぞ三下ァァアアア!!!!」

一方通行が再び地を蹴ると、彼を中心に高さ砂利の津波が巻き起こった。

テレビノイズの様な音を上げて押し寄せる砂利の津波へゆっくりと歩を進める上条の前に五条が飛び出し、右足を振り上げる。

五条「──────Volcano Cut.(簒奪の噴炎)」

その足が振り下ろされると同時、一陣の真空波が走り、地面を揺らした。
次第に迫り来る砂利の津波を前に、地面へと到達した真空の波が大地に亀裂を生じさせ、その亀裂から激しい炎が吹き上がり、厚い炎熱の壁が形成された。

一方通行「なッ……!?」

燃え盛るその壁面に到達した砂利の津波が、まるで防波堤に当たった波頭の様に姿を変え、その真円の軌道に一縷の空白が生み出される。

五条「そして、次は全方位攻撃と……オマエはもう少し戦略を考えてサッカーバトルに望んだほうが良い……今ですッ!!」

五条の叫び声と同じくして、その吹き上がる炎の壁がまるでガラスの様に砕け散り、呆けにとられている一方通行へと再度上条の右手が炸裂した。

一方通行「クソ。クソォ!クソオオオオオオオ!!」

今度は踏みとどまった一方通行が、その両の手を広げ上条に向けて振り回す。
何らかのベクトル操作を行っているのだろうか、振られる両手の速度こそ常人のそれと比べて早いものの、何ら相手に命中させる為の段を経ていないその両手は、上条に触れることは無い。

近距離の攻撃は上条に当たる事はなく、逆に上条の右手が、次々と一方通行にダメージを蓄積させていく。
遠距離の攻撃は五条によって阻まれ、上条に接近の糸口を掴まれる。

学園都市最強の座から彼の姿が引き摺り下ろされるのは、最早時間の問題だった。

────────────
245 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:41:35.40 ID:oLzgKNIOo
上条当麻が幻想を殺す右手を握りながら歩を進めてくる最中。
その背後に控える五条勝がその足先から炎を迸らせる最中。

敗北を知りかけた彼は、初めて相手に勝つことを"考えた"。

接近した状態では、自身の攻撃が髪を逆立てた男に届く事は無い。
かと言って、距離を置いた攻撃は全てあのメガネの男に阻まれる。

どうすれば、どうすればこの布陣を破りうるのか。

そこで彼は思い出す。
先に反射したメガネの男のボールが、ほかでもないメガネの男に対し、ダメージを与えていた事を。

──つまり、"あの男が防ぎきれない程の攻撃を放つ事が出来れば、現状を打破する事が可能。"

しかし、自身の手により生み出せる運動量は、あの男に有効打を与える事は出来なかった。
ならばどうすれば。
あの男に有効打を与え得る程の力の流れを、一体どこから引き寄せれば。

不意に吹き抜けた風が、彼の真っ白な前髪を揺らした。


風。


一方通行「く……くかか……」

先刻まで憔悴に歪んでいた彼の顔が破顔し、一転して嗜虐の狂笑へと切り替わる。
妙な気配を察知した上条と五条の二人が、足を止めて身構えた。

一方通行「くけカカカカかこきくきかけきかかけけくこけかここ────!!」

その様を見た一方通行が、自身の頭上に両手を掲げる。
轟、と激しい音と共に、彼の頭上に周囲の風が巻き込まれていく。
次第に加速し、その勢いを増す風に従い操車場の砂利が、舞い、その両手の間に生み出された大気の渦に次々と巻き込まれていった。

五条(……!?周囲の風を一点に!?)

危険を察知した五条の身体が飛び上がり、再び地面に向かい真空の刃を放つ。
246 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:46:44.83 ID:oLzgKNIOo
一歩通行「遅ェ遅ェ遅ェ遅ェエエエエエエエ!!!」

その真空の刃が地面へと到達する間際、一方通行の両手で逆巻く暴風がそのベクトルを上条と五条の二人に向け変換され、風速百二十メートルを超える烈風の槍となり飛来する。

竜巻と同じほどの風速を持つその巨大な風の槍に。真空波は掻き消え、上条の身体が激しく後方へと吹き飛ばされた。
吹き飛ばされた上条の身体が、風六発電のプロペラの支柱へと激突し、鈍い音を立てる。

辛うじて踏み止まった五条に向けて、一方通行の右手が掲げられた。

吹きすさぶ突風に耐えながら五条が視線を投げたその先、一方通行が取っているその右手の形は、どこかで見たことのある形だった。

五条(……あれは……お姉さまの……!?)

しかし、その指先に置かれた物体はコインでも何でもない。
直径一センチにも満たない程の、小さな、本当に小さな砂利の一粒だった。

瞬いた後に、その指先に置かれた砂利が消失しており、何をしたのだろうと五条は若干の疑問を覚える。

次いで、自身の腹部が、妙に熱いこと気がついた。
視線を落とし、その腹部を眺めてみる。

それは、小さな赤い染みだった。
外套により守られているはずの左腹部にいつの間にか小さな赤いシミが出来ている。
その染みは、徐々に広がり始め「よォ小僧、オレ達が今立ってる場所って、物凄い速度と質量で動いてるって知ってたか?」

五条(……まさか…………)

身体から完全に力が抜け、彼の姿がその場に崩れ落ちる。

一方通行「ほンの少しだ。ほンの少し自転の力を借りただけで、こンな事だって出来ンだぜェ!?」

次いで響く狂笑。
その声を聞きながら、五条勝の意識は闇の彼方へと滑落して行った。

────────────
247 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:48:21.82 ID:oLzgKNIOo
『く……何だ何だよ何ですかァ、二人がかりでそのザマは!!結局デカイ口叩くだけで大したことねェなァ!!おら、もう一発かましてやるからカッコ良く敗者復活でもしてみろっつの!!』

吼え猛り、笑い声を上げる一方通行。
その前方、二十メートル程向こうで風力発電のプロペラの支柱に背中を打ちつけ、その場に崩れている上条と、それよりも手前、10メートル程の位置ででうつ伏せに倒れている五条に向かい、一方通行が歩を進める。

近づくにつれ鮮明になる、うつ伏せに倒れた五条の姿。
その身体の下から流れ出ては徐々に広がる血液が、彼の出血量の多さを物語っている。

そう長くはと待たないだろうと踏んだ彼が、退屈そうな表情で言葉を吐き捨てた。

一方通工「はン、脆いもんだなァ……テメェは終わりだヒーロー、万一意識が戻ったらゆっくり嬲ってやるから楽しみにしとけよォ……!」

うつ伏せに倒れるその姿を跨ぎ、そのまま上条へと歩を進める一方通行。

「空気を圧縮、圧縮、圧縮ねェ……はン、そうか。愉快なこと思いついた。おら、立てよ三下ァ。おまえにゃまだまだ付き合ってもらわなきゃ割りに合わねェンだっての!!」

ざりざりと音を立てながら、一歩、また一歩と上条に近づく一方通行。

その言葉に対して、上条は何も答えない。

『止まりなさい、一方通行』

唐突に操車場内に響き渡った声に、一方通行の足が止まる。
先に一方通行が立っていた地点、五条勝を挟んで反対側の位置に、いつの間にか学園都市第三位、超電磁砲御坂美琴の姿があった。

握られたその親指には既にコインが乗せられており、彼女の栗色の前髪からバチバチと青白い火花が飛び散っている。

足を止めたまま、振り向こうとしない一方通行に向けられた御坂の右手が、僅かに震え始めた。
248 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:50:32.81 ID:oLzgKNIOo
御坂美琴は、この指を弾いた先にある結果を既に知っている。

数日前、奇しくも同じ操車場のこの場所で彼に向かって放たれた超電磁砲が辿った末路を、彼女は既に知っている。

そしてあの時自身を護った少年が、今は眼前で倒れ伏している事も。
自分が、自分の覚悟と決断がもう少し早ければ、彼はこんなことにはならなかったかもしれない。

ぎしり、と美琴の奥歯が音を立てて一層強く噛み締められる。
最早、眼前の少年の伴侶である自身の大切な後輩へと合わせられる顔も無い。

このままでは、上条当麻と五条勝の生命すら危うい。

ならばこれが、自身の命を投げ打ってでも研究を終結させる事こそが、この悲劇の起因となった自身に対するけじめであり、残された最後の選択肢。

美琴の眉間に皺が寄り、一方通行と自身の間に磁界のレールが形成される。
そして親指を、強くはじk「……めろ、みさか」

その時、自分を呼ぶ声に気がついた。

上条「……やめろ御坂!!」

美琴の視界の前方。一方通行の向こうで支柱に背を投げた上条当麻が、悲痛な叫び声を上げた。

その声を聞いた美琴の指が止まり、放電も止まったのか前髪からの火花も同時に停止した。
操車場を包み込む暫しの静寂の中、美琴が顔を伏せる。

美琴「……ごめん」

呟いた美琴が顔を上げた。
その表情は、普段の彼女が見せているそのままの笑顔。
自身の死を前にして、尚の笑顔。
その瞳の隅に微かに光の粒が見えた事に気付ける人間は、この場には居なかった。

美琴「──それでも私は、きっとアンタに、アンタ達に生きて欲しいんだと思う」

最後に一層強く微笑んだ美琴が、磁界の組成を開始する。
徐々に彼女の全身が帯電を始め、バチバチと音を立てながら周囲に火花を漂わせ始めた。
形成されていく磁場のレールに合わせる様に、周囲の砂鉄が舞い上がり始める。

上条「やめろぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!」

──────三日月が放つ冴えた明かりの中浮かぶ操車場に、上条当麻の絶叫が一際高く木霊した。

──────to be continued──────
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 02:52:04.32 ID:p21KFF+/o
おつおつ
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 02:52:45.19 ID:pZV+Vm4xo
乙です
相変わらず良いところで切るなぁ
251 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 02:53:50.35 ID:oLzgKNIOo
以上本日投下分となります
ご支援頂きました皆様、関係各位の皆様、本日もありがとうございました

もう少し早い時間に投下したかったのですが、自身の遅筆が悔やまれます

少々文量が少なかったので、可能ならば明日また投下させて頂きます
お時間がございましたら、またお付き合い頂ければ幸いです
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 03:07:24.76 ID:DIlfg+yIo
乙です。
誤字(?)かと思われるので一応。
>一方通行が再び地を蹴ると、彼を中心に高さ砂利の津波が巻き起こった。

次も楽しみにしてます!
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 03:27:27.24 ID:pZV+Vm4xo
>眼前の少年の伴侶である自身の大切な後輩
ようやく黒子の保護者に仲を認められた
しかし五条さん出血多量とか相当ヤバイ状況じゃ・・・?
でも上条さんならハッピーエンドにしてくれるはずだ
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 08:18:31.08 ID:tIaAT2DDO
乙さま

相変わらず焦らすなあ
続きが気になってしょうがねえよ・・・
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 08:27:44.82 ID:mWw7btb/0
乙です。
遅筆だなんてとんでもない。
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 11:43:36.82 ID:ToLAifmXo
五条さんがここからどう立ちあがるのか
先が読めんからハラハラするわ
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 13:21:56.95 ID:h72WXhpx0
乙です
そろそろ一か八かの認識阻害来るカナー
258 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 13:31:21.35 ID:J4o1jvlDO
続きが気になりすぎる…
ラノベなら半年〜一年以上待たされる所を二日三日で読ませてくれるんだぜ
遅筆どころかありがたい
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 14:22:28.53 ID:E/3psWCg0
これはノーリスクで認識阻害が通るとは思えないな…下手すると視
いや予想はよそう
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 15:19:06.61 ID:0idX+W6io
>>258がいいことを言った
一回の投下が短いからこそ限られた時間で読め
待つ時間が月単位にまでいかない五条ファン氏の筆の速さを含めた技量の妙かもしれない上に本当にありがたいこと
結果的に待つ時間が短くなるのがここのいいところでもある
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 15:22:45.27 ID:bo2g6M4n0
自転のベクトル操作とかヤバすぎんだろwwwwww
その気になればいつでも地球破壊できるってことだろこれ
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 17:49:24.63 ID:G85VHNBUo
その内大気圧とか操作しそうだな
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 18:39:19.38 ID:h72WXhpx0
>>261
一方さんて原作の中で既に地球滅亡レベルに自転パワー使っちゃってるらしいぜ
空想科学読本でネタにされてたわwwww
264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 20:54:05.29 ID:pZV+Vm4xo
http://d.hatena.ne.jp/nunnnunn/20100506/1273134648
これだな
地球は滅亡するwwwwwwww
265 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 20:57:54.87 ID:pZV+Vm4xo
http://2d.moe.hm/index/img/index2244.png
もうひとつ
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 21:36:38.60 ID:qpN29kZSO
学園都市第一位だけど同僚のDQNに虐められたから地球巻き込んで死ぬ(332)
267 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/12(水) 23:35:31.85 ID:oLzgKNIOo
本日もご支援を頂き、ありがとうございます
誠に申し訳ございませんが筆が捗らず区切りが付かない為、本日の投下予定は延期させて頂きます
節目となる一方通行編の大詰め故、ノらない筆を執りたくないという我侭をご容赦下さい

明晩は私事が詰っておりますので、次回投下は金曜夜に行わせて頂こうかと存じます
ご期待頂きました皆様には申し訳ありませんが、お時間がございましたら再度お付き合い頂ければ幸いです
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2011/01/12(水) 23:36:23.02 ID:yQRFhUMvo
待ってる
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 23:39:15.50 ID:pZV+Vm4xo
ゆっくり充電してくだされ
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 23:40:13.37 ID:ToLAifmXo
終わって欲しくないから個人的にはどんどん延期してくれておk
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/12(水) 23:57:28.92 ID:rmxhoGuc0
待ってます。
ラグナロク待ちの俺には短いもんだww
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 00:02:34.33 ID:Rv+9QTdGo
ゆっくり無理をせずがんばってください

その間に俺は五条さんと上条さんの合体技の妄想を・・・
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 00:32:09.85 ID:DNOv6PSGo
大丈夫、納得いくように楽しんで書いてくれ

五条さんのおかげでゲーム気になってるけど、これって最新作から買っていいの?
それとも引き継ぎあり?
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 00:37:32.00 ID:UyGbXk5Mo
1は何も無いけど2→3は引継ぎあるよ
3もスパーク・ボンバー→ジオーガで引継ぎあり
引継ぎといっても能力的な引継ぎじゃなくて、キャラを連れて行けるって意味だけど
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 01:18:51.33 ID:SwoLqxhDO
ここの>>1は生真面目だなwwwwww
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 02:51:24.89 ID:TZ5e0a4g0
やたら言葉遣いが丁寧だよね
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 04:55:13.87 ID:q7UrLX2DO
五条さんSS書きは腰が低いな
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 11:46:27.38 ID:Q38i8N9Wo
五条さんが紳士だからな
書き手にも読み手にも影響を与える五条さんマジ紳士
279 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 19:29:44.45 ID:Rv+9QTdGo
>>273
引き継ぎないけどストーリー把握できないから全部買うべき
特に五条さんのセリフはストーリーだと1しかないから必須
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 20:45:42.42 ID:8XHOl/jIo
二作目で早くも認識が阻害されてるのか……
281 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 21:48:17.15 ID:DNOv6PSGo
>>274>>279
サンクス
1はストーリーで五条さんを堪能するために
2〜3はアルティメット五条さん誕生のために買ってみるわ

SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

282 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 21:49:06.75 ID:DNOv6PSGo
あれ、なんか付いた?
SS・小説スレは本日、移民大会議を行います。(板が新しくなります)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279375638/

283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 22:37:26.54 ID:8XHOl/jIo
これに移転すんのか?
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/13(木) 22:38:03.72 ID:xGLODwywo
板移転。ここで依頼できるそう。
■ 【必読】 SS・ノベル・やる夫板は移転しました 【案内処】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1294924033/
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 00:08:39.97 ID:eqZa5Axoo
もう移転したん?
SS・小説スレは移転しました
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/ Mobile http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/

286 :真・スレッドムーバー :移転
この度この板に移転することになりますた。よろしくおながいします。ニヤリ・・・( ̄ー ̄)
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 02:55:21.34 ID:55ZTD5heo
てすと
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 03:14:23.93 ID:opH3xi8y0
URLがnews4ssnipになってるし移転完了したっぽい
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 07:56:53.62 ID:OuwlI0LAO
てす
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/14(金) 19:44:37.69 ID:C3P0U75DO
てってて
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/14(金) 22:59:03.80 ID:DkrqOCOc0
te
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 02:18:48.87 ID:oUZbofaho
移転して場所わからないのかな?
それとも今日は来ないのかな?
293 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [sage]:2011/01/15(土) 02:22:08.68 ID:xMhp6vroo
大変お待たせ致しました
移転のゴタゴタも少々落ち着いた頃合でしょうか
本日もご支援の程を頂きまして、誠にありがとうございます

それでは本日分の投下を開始させて頂きます
294 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:25:41.88 ID:xMhp6vroo
どこか遠くで、親しい友人の叫び声と共に風の音が聞こえた気がした。
次いで、妙に明るくなった視界が、自身が瞼を閉じていたという事を僅かに思い起こさせてくれる。

もしかすると自分はもうとっくに死んでいて、この明るさの原因は魂が天国にでも辿りついたのではないだろうか等という邪推が浮かぶ。

その考えは、徐々に熱を帯び始めた周囲の空気と吹き荒ぶ風の流れを肌に感じて、すぐに誤ったものだという事がわかった。

力を込めて、異様に重くなった瞼を開く。

視界に入ってくる光景は十メートル程離れた位置、風力発電のプロペラの支柱にぐったりと背を預ける上条当麻と、対面する形で両手を空へと突き出したまま狂った様な笑い声を上げる一方通行。

そんな様子を見て、徐々に自身が置かれていた状況が意識の隅から溢れ出してくる。
同時に、脇腹に残る激しい痛みまでもが思い起こされ、押し寄せる激痛に思わずうめき声が漏れた。

霞む視界の中、先刻まで闇に沈んでいたはずの操車場がまるで日中の様な明るさになっている事に気が付き、視界を光源へと走らせる。

視界に入ったソレは、さながら夏の夜空に浮かび上がる青白い太陽。
一方通行の頭上、おおよそ数十メートルの箇所で大気が渦を巻き、青白い光の玉が形成されていた。

……プラズマの類だろうか。
圧縮された空気が熱を帯びるというのは学校の授業で習ったが、プラズマが出現する程の空気の圧縮率とは、いったいどの程度のものなのか。

次第に肥大化するプラズマと共に、どんどん周囲の空気が熱を帯びて行くのがわかった。。

対面している所から察するに、一方通行はそのプラズマを上条当麻へ叩き付けんとしている。
そしてあんなものが爆ぜたのならば、この操車場一帯は見るも無残な焦土と化すだろう。

今の一方通行は、"明確な殺意を以って上条当麻に刃を向けている"。
295 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:28:47.94 ID:xMhp6vroo
ふと先日この操車場で潰えた少女の姿がフラッシュバックし、ぐったりとうな垂れている上条と重なった。

落ちそうになる意識に抗う様、右手に力を込める。

……動く。

こちらに気付いた様子の無い一方通行を見据え、辛うじて動く手をメガネの淵にかけて強く引き剥がす。

かつっと小気味の良い音が響き、自身の視界からガラスの膜が消失する。
そのまま瞳に力を込め、一方通行を強く見据えた。

────刹那。

──────今までは他者に向ける事しかなかった認識阻害の力が、自身を襲ったのが理解できた。


────────────

両手を掲げていた一方通行の笑みが消え、唐突にその腕が降ろされた。
頭上に浮かぶプラズマの塊は、消失するでも肥大化するでもなく、そのままの形を保って浮かび続けている。

眉間に深く皺を刻んだ一方通行が背後に向き直り、呆然とした表情で自分に目線を投げている五条と向かい合う。

一方通行「小僧ォ……オマエなンかしやがったな……?」

五条「……」

切り札を隠し持っていた少年、五条勝の瞳は一方通行と交差している。
にも関わらず、その表情はどこか空虚な様相を呈しており、ぶつぶつと小声でうわ言の様なものを口にしていた。

五条「……そうか……これが……蹴球……」

一方通行「なンだそりゃ?……精神操作の類かなンかですかァ?どちらにしろ、"反射されちまった"みたいだなァ……クカカカカカカカカカカカカ!!!」

呆けた表情で呟き続ける五条と、対照的に大きく哂い声を上げる一方通行。
次第に上空に輝いていたプラズマが霧散していくが、嬌声を上げている彼はそれに気が付いていない。

一方通行「カカカカ!!ザマァねェなァオイ!!!ンじゃあオマエから死ンどくか!!」
296 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:31:44.04 ID:xMhp6vroo
叫んだ彼の足が地を叩くと、轟という音を上げながらその身体が一気に加速した。
振り上げられた死を呼ぶ両手が、呆けた表情の五条へと向けられる。

『やめなさいッッッ!!!』

その行動を遮る様、五条の後方に立った美琴が叫び、コインを掲げたままの右手に力を込める。

その様を見た一方通行が瞳を見開き、思わず足を止めた。

即座に空間を電磁波が満たし、組み上げられた磁界が周囲の砂鉄を引き寄せ始める。

──せめて一時でも、一時でも自分の大切な者たちが延命出来るというのならば、もう身命等要りはしない。

美琴「ぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああッッ!!!!」

決意の咆哮と共に、音速を超える速度を伴いながら、彼女自身の破滅へと向かう超電子砲が射出された。

────────────

反射された認識阻害が自身を襲い、生まれてより常に持ち続けていた能力が影を潜めた。
途端、脳漿の中にまるで閃光の様に様々なイメージが到来する。

──────炎、狼神、企鵝。

次から次へとサッカーに関するイメージが溢れ出し、危機的な状況に置かれている自身の思考を埋め尽くして行く。

──────宇宙、魔界、未来、帝国。

あまりの情報量に、だんだんと意識が希薄になっていくのが理解出来た。

『やめなさいッッッ!!!』

響いた美琴の声に、飛びかけた意識が繋ぎ止められる。

次いで冷たい何かがコツリと額に辺り、溢れていた情報に消え入りかけていた意識が、一気に現実へと引き戻された。

──────超精査、天国の時、殺人滑走、天使、神のみぞ知る。

相も変わらず意識をイメージに引っ張られたまま、自身の額を叩きに地面へと落ちた"何か"へ視線を落とす。
297 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:33:42.15 ID:xMhp6vroo
──それは、一体どれ程の確立だというのだろうか


視界に入ったのは、笑みを浮かべるカエルが描かれた小さな金属片

あの日この場所で散った少女が、愛しそうに胸に抱えていた小さな金属片

妹達に回収されていたら。今日の実験がこの操車場でなかったら。自身が今、この場に倒れていなかったら。美琴が今、超電子砲を放つ為磁界を形成していなかったら。

あらゆる"もしも"を乗り越え、自身の額を叩くという奇跡を起こしたバッジに作為めいたものを感じたその瞬間


──────五条勝、護浄の魔去、認識阻害。



───"超次元蹴球闘技"───



頭の中を駆け巡っていたイメージが、終着点を迎えた──────

────────────
298 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:37:26.37 ID:xMhp6vroo
眼前に展開された不可思議な状況に、一方通行は狼狽していた。

離れた所に立っていた御坂美琴(オリジナル)より射出された超電子砲を自身が反射して、御坂が死亡する。

そんな状況になっているはずだった彼の視界を埋めていたのは、冥府を思わせる程に深い暗黒と、数多に煌く星々。

不意に突きつけられた、自身が宇宙空間に放り出されたかの様な状況に狼狽する彼の足元に、うっすらと発光する緑色の線が多数出現する。

一方通行(能力……!?幻覚の類かァ……!?)

『ヒヒヒッ……幻覚ですって?お前が見ているのは現実そのものですよ』

咄嗟に響いた声の元に目線を投げる。

見据えたその先には輝く星屑に埋め尽くされた空間をバックに、笑みを浮かべたまま一人の少年、五条勝が立ち尽くしていた。

先に倒れ伏していたハズの少年が放つ妙な気配に、思わず一方通行の足が後ずさる。

五条「……間違いありませんね……サッカーバトルの到達点にして、始発点……」


五条「 総 和 領 域 (シグマゾーン)」


説明する様に言葉を吐く五条に向かい、一方通行が走った。
その様を見ても動じない五条の首に、即死の魔手が伸び、触れる。

一方通行「ゴチャゴチャうるせェンだよ!!弾けろ小僧オオオオオォォォォ!!!」

触れた首からベクトルを観測し、操作……出来ない。

──────否、"ベクトルそのものが観測出来ない"。

五条「ここにはありとあらゆる無限の和が存在し、観測するオレ次第で全ての事象が収束する……当然ながら、オマエが能力を持っていないという和も存在しますよ……クックックック……アーッハッハッハッハ!!」

いつの間にか首を掴んでいたはずの五条の姿が消失し、背後から声を投げられた。
慌てて振り返った一方通行の視線の先で、五条が小さなバッジを中空に放り投げる。

放り投げられたバッジは一際眩く煌くと、甲高い音と共に弾け、虚空へと消失して行った。

五条「礼を言いましょう……オマエのお陰で……認識阻害が頭から消えて初めてオレは、"超次元蹴球闘技の本質"を理解出来た……さて、あまり長くはもちません……一撃で終わらせて頂きます……」

言葉を吐いた五条の身体から二体の分身が出現し、正三角形を描く様に一方通行を包囲する。

五条「……終わりです、最強」

呟くと共に駆け出した三つの影が一方通行を蹴り飛ばし、交差する。

激しい衝撃を受けた一方通行が意識を手放す直前に見たものは、高笑いを上げる五条勝の姿と、バッジが消えた箇所に集まり始める光の欠片達だった──────
299 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:39:08.19 ID:xMhp6vroo
────────────

『……おい小僧』

満天の星空に浮かぶ月を眺めながら、大の字に倒れている一方通行が口を開く。

『ククク……何でしょうか……』

一方通行から数メートルの距離をおいた場所に、同様に大の字に倒れている五条勝が言葉を返した。

一方通行「……俺ァ負けたのか」

五条「……ええ、オレの勝ちですね……」

一方通行「……そォかよ……」

随分と遠くから、救急車のサイレンが聞こえる。
倒れている五条の左手を、傍にしゃがみ込んだ美琴が強く握り締めた。

美琴「直に救急車来るから、しっかりしなさい……!絶対死んだりするんじゃないわよ!」

五条「……ええ、今は未だ死ねません……」

五条の言葉を聞いた美琴が、優しく微笑むのが判った。
上条の姿は近くに無さそうだが、恐らくは救急車を呼びに行ったのだろう。

一方通行「クカカカ……今なら殺れるぜェ……とどめ刺さねェのかよ……」

首を動かし、二人の様に目線を投げた一方通行が再度の問いを投げる。

五条「……そんな事しませんよ……今更何にもなりません……」

一方通行「……あァそォかよ……オマエら甘ェなァ……ここで見逃したらまた殺しに行くかもしれねェぞ……?」

五条「……いえ、それも可能性は低そうだ……」

一方通行「……あ?」

五条「……今度は逆に質問させてもらいます…………」
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 02:39:51.52 ID:oUZbofaho
ここでシグマゾーンとか胸熱
301 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:40:10.30 ID:xMhp6vroo
五条「オマエはあの晩……超電磁砲を反射した時……お姉さまを殺す気は無かったでしょう?」

美琴「……え?」

一方通行「…………」

美琴の表情が驚愕に染まり、対照的に一方通行の表情が冷めた色を浮かべる。

五条「対峙してみてわかりましたよ……オマエが普通に反射を行っていたら……きっちりとベクトルを操作してあの超電磁砲を反射していたら……今頃、オレが死んでいたでしょうね……」

一方通行「……」

五条「咄嗟に身体が動いたとはいえ、そもそもお姉さまの超電磁砲はオレがまともに蹴り返すには荷が過ぎる……つまり」

五条「オマエはあの時、威力を殺した上で超電磁砲を反射していた……違いますか?」

一方通行「……さァなァ」
302 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:42:26.45 ID:xMhp6vroo
五条「ククク……オマエも変な奴ですね……」

次第に救急車の音が強くなり、美琴が顔を上げる。
同時に自分の意識が薄れていくのを感じた五条が、ゆっくりと瞳を閉じた。

五条「……お姉さま、黒子には見舞いに来過ぎるなと伝えておいて下さい……あいつにはあまり心配をかけたくない……」

美琴「わかった、伝えとくわ」

五条「それから一方通行……」

一方通行「……なンだよ」

五条「……サッカーに興味はありませんか……?」

一方通行「……はァ?」

五条「……自分の力に悩んでいた少年が、サッカーと出会って人生を変えたという話を聞いた事がありましてね……興味があったらオレに声をかけて下さい……」

次第に薄れていく意識の中、五条が言葉を吐く。

一方通行「……」

残った一縷の意識が消失する直前に一方通行が何かを呟いた気がしたが、その言葉を理解する間もなく五条の意識は闇の中へと落ちていった。

最強では足らず無敵を目指した少年と、運命に翻弄されながらも懸命に戦った少女と、小さな生命を護るために奮闘した少年。
その三人の影へと、遠くからもう一人の、理屈すら無く火中に身を投げた少年の影が駆けて行く。

静寂に染まった操車場に、やがて赤い色合いを帯びた光を放つ救急車が入り込み、長い一夜の幕が静かに下ろされていった。

迫る夏の終わりを彩る頼りない月明かりが、酷く疲れた顔をした四人を優しく包んでいた──────

──────to be continued──────
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 02:42:28.94 ID:c4Z1GMZAO
超展開だな
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 02:43:42.85 ID:6trWHVtmo
今日も乙です。
認識阻害反射されて今後の影響が気になる。
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/15(土) 02:45:38.93 ID:8vgNzfUno
皆で仲良くなってサッカーに興じる一方通行を想像したら一気にワロタ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 02:46:05.49 ID:oUZbofaho
乙です
認識阻害反射されて記憶喪失フラグか
そして上条さんが空気になったww
307 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/15(土) 02:46:15.46 ID:xMhp6vroo
以上本日投下分となります
本日もご支援頂きました皆様、関係各位の皆様、誠にありがとうございました

移転の影響かと思われますが、専ブラの更新が重く感じます

さて、レディオノイズ編最終話となる次回投下に関してですが、日曜夜(深夜になるかと思われます)を予定しております
お時間がございましたら、またお付き合い頂ければ幸いです
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/15(土) 02:46:58.60 ID:3p/uoAW90
乙です。
まさかのサッカーやろうぜ!展開。
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 03:00:51.94 ID:i0JnM6aLo
まさか認識阻害の反射が好転するとは予想外やった
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 03:14:41.17 ID:9ZMOqNif0
今夜もお疲れ様です 今後の一方さんも楽しみだ

しかし能力に悩んでたけどサッカーと出会って云々って誰の話だっけ……
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 03:27:10.02 ID:7krnOG+I0
イナズマイレブンは知らないからよくわかんないんだけど、
シグマゾーンって具体的にはどんな技なの?

>>310
五条さんのことかと思ったけど違うのか?

312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/15(土) 06:30:22.37 ID:mU06AT0f0
ウオォーーッ!! 五条殿 バンザーイ!!
バンザーイ! バンザーイ! 五条殿 バンザーイ!!!
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 09:14:00.54 ID:L2rmG0clo
これは別に認識阻害の影響はないんじゃないか?
完全に思い出したし
つかそれどころかパワーアップしているような気もするが
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 10:10:49.47 ID:TJqGIbsAO
乙。やっぱり認識阻害も反射されちゃうのか…しかしまさかそれが好転するとはなあ
次回後日談って事は、共に約束をしている初春と黒子による修羅場を期待せざるを得ない
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 10:58:02.16 ID:hMy39tPho
良かった、最後上条さんも仲間に入れてもらえた!wwwwww
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 15:19:30.53 ID:PQGZlLKfo
ググってみてゲームの中でシグマゾーンがどんだけチート級の技かはなんとなく理解できたんだが
これ一人でやる技じゃねえよなwwww五条△
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 22:41:24.99 ID:cRdD+0E+0
認識阻害が五条にかかって、認識阻害のマイナス部分が消えたってこと?
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 23:36:14.93 ID:Et6RJ/SNo
認識阻害が消えたのか?
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 04:16:25.73 ID:HgLQkgZto
面白い内容なのに絵師の支援が全く無いのが不思議
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 05:10:12.16 ID:6lo4UJqDO
絵師なんて来たら荒れる
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 13:28:58.60 ID:QxAXbj3DO
pixivで我慢しとけ
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 16:27:29.53 ID:bcv2EC8oo
絵描きたくてもイナイレととある両方知ってる奴が少ないんじゃないか
俺は両方知らないしな
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 19:25:11.95 ID:2zKvCZQWo
面白いんだけど、なんでこれ→「」の前にキャラの名前付いてんの?
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 19:40:45.30 ID:MoXE53blo
小説と台本足して割ったようなもんだ、深く考えなくていい
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 20:44:54.35 ID:3PniJNcq0
てかなんでそこを気にする
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 21:21:46.70 ID:2zKvCZQWo
いや、単に「台詞だけの奴じゃなくて、きちんと情景を描写してるのになんでわざわざ名前付ける必要があるんだ?」って思っただけ
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 21:22:34.98 ID:EE4xBUSAo
2chSS独特の表現方法だからなんでと聞かれてもな・・・
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 21:34:24.95 ID:SU5eizhCo
認識阻害の能力が認識できなくなった
→能力者(原石)から無能力者に…@

超次元蹴球闘技は無能力者のスポーツ
→能力者に本質は理解できない…A

@Aより五条さんは超次元蹴球闘技の本質を理解したことにより
超次元蹴球闘技の技能が上昇した

ということか?
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 21:44:02.72 ID:jI+imF87o
>>328
たぶんそうだと思われるが
本文中からこれは一時的なもの云々ってあったから、これっきりの技になるかそれともコツを掴んで普段から使えるようになるか……
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 22:18:14.59 ID:mYN48xxAo
>>328
Aの説が仮に成立するなら
学園都市に超次元蹴球闘技が流行しだしたりするのかww
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 22:59:36.60 ID:2zKvCZQWo
>超次元蹴球闘技は無能力者のスポーツ
「魔人出したり」 「ビーム撃ったり」 「天変地異起こしたり」 「沢山の校舎を11人前後で破壊したり」する連中が無能力…?
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 23:01:57.14 ID:jI+imF87o
※サッカーのテクニックです
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 23:07:24.16 ID:3Ih0e7qjo
魔術も無能力者に原石と同等の力を備えるためのものらしいしかなり妥当じゃないかな
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 23:26:13.50 ID:H8KS+xZDO
さて、待機しとくか
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 02:22:20.57 ID:1GOTyk8do
>>323
>>326
>>328
>>331
こまけぇこたぁいいんだよ!!(AA
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 03:28:29.41 ID:1GOTyk8do
日曜深夜が来週じゃないことを祈る
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 04:01:58.79 ID:1/wnrqgeo
まだかよ
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 04:02:29.84 ID:95Euayku0
来週だな…
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 18:08:08.96 ID:FGz9xjXgo
>>328
超次元サッカーは超能力者のスポーツだろ、製作会社的に考えて。
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 18:25:30.92 ID:aUt1Fobzo
やっと見つけた・・・
341 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:20:38.76 ID:ogjtM/8Oo
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『30分ほど仮眠しようかと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        いつのまにか今日の昼になっていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか睡眠薬だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしい疲労の片鱗を味わったぜ…

本日もご支援頂き、誠にありがとうございます
また昨晩お待たせしましてしまいました皆様、誠に申し訳ございませんでした
投下を開始させていただきます
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:22:08.82 ID:/8xHNRAto
>>341
wwwwwwwwwwww
いつも乙そしてありですwwwwwwww
343 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:23:15.56 ID:ogjtM/8Oo
瞬く様にその光を明滅させる星々。

彼方では、星団の群れが渦を描きながら仄かに光を放っている。
恒星の明かり、飛び交う流星、全てを飲み込む漆黒の孔。

疑う余地も無い"宇宙空間"に、自身が放り出されているのが理解出来た。

重力が存在しないにも関わらず浮遊感を感じない事に疑問を覚え、足元に目線を走らせる。
その足先に網目状に走っている数多の緑線。

『一番理解の容易な表現方法を採るのならば、"異次元"という事になるのでしょうか。とミサカは変な男性に、この世界についての自分なりの推論の一端を吐露します』

不意に投げられた声の方角へと目線を向ける。
自身と同様、緑色の線が描く床の上に佇んでいる少女の姿が目に入った。

サマーセーターにプリーツスカート、肩までの長さに整えられた短髪の上には、ちょこんと違和感を招く軍用暗視ゴーグルが鎮座している。

五条「オマエは……?」

問いを投げ掛け、自身がよく知る少女と同一の姿を持つ彼女の腰の辺りに、一つの缶バッジが括り付けられている事に気が付いた。

五条「9982……なのですか……?」

9982「はい。ミサカに与えられた固体番号は9982。現地時間八月十五日二十一時に実施された第九九八二実験にて被験者一方通行に殺害された固体です。とミサカは自身の不幸な生い立ちを惜し気もなく語ります」

表情を変えずに自身の死に様を語る彼女を見て、何故だか僅かにため息が漏れた。

五条「……ククク……相変わらずですね……しかし何故オマエがここに……?」

9982「……これも推論に過ぎないのですが、恐らくは貴方がこの次元に持ち込んだバッジに対し貴方が描いていたイメージであったミサカの存在が収束された結果なのではないか、とミサカは貴方に強く思われていたという事実に対しわずかに羞恥の念を抱きます」
344 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:27:39.37 ID:ogjtM/8Oo
五条「……夢……ではなさそうですね……」

9982「はい。観測出来る原理は不明ですが、ミサカから観測した貴方は現在一○○三二実験での負傷が原因となり、病院のベッドで昏睡状態に陥っている模様です。とミサカは貴方の現状を冷淡に宣告します」

五条「……そうですか……」

立ちっ放しで会話を続けるのもどうかと思われたので、緑色に煌いている床に腰を下ろす。
暫しの間を置いて、同様に9982が自分の隣に腰を下ろした。

場を包み込む、深い沈黙。
遠くで青く瞬きながら流れる星が目に入り、その美しさに思わず感嘆の声が漏れる。

9982「……ありがとうございました」

唐突に隣に座る9982が口を開いた。

五条「……?」

その言葉の意を解する事が出来なかったので、彼女に向かい首を傾げる。

9982「この世界に構成された際、ミサカと出会って以降の貴方の行動記憶が流入して来ました。とミサカは謝辞の根源を提示します」

五条「ああ……ククク……別に構いませんよ……」

9982「実験動物として生を終えたミサカでしたが、生命活動を停止する直前、貴方とお姉さまがこちらに向かい来る様を見てとても胸が痛くなったのを覚えています」

五条「……そうですか……」

9982「他の妹達にも、出来るならばあんな思いをして欲しくはありませんでした。そしてその希望を、貴方とお姉さまと上条当麻は生命を賭して聞き届けてくれた。その事実がとても嬉しく思えました。とミサカは自身の胸中を素直に自白します」

五条「……」

9982「だから……ありがとうございました。そちらの世界のミサカは既に生命活動を停止してしまいましたが、ミサカが最後に貴方やお姉さまと過ごせた事は、本当に大切なものだったと感じる事が出来ます」

隣の彼女が、こちらを向いて僅かに微笑む。
それはあの日見せた最後の笑顔よりも、本当に少しだけ感情の色合いが濃くなったものの様に感じられた。

思わず視界がぼやけたので、星を見るふりをして視線を上方へと投げる。
345 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:30:25.01 ID:ogjtM/8Oo
9982「そろそろ目が覚める頃合かと思われます。もう行って下さい、とミサカは隣で感動のあまり落涙している五条勝に目覚めを促す声をかけます」

五条「……クヒヒッ……別に泣いてなんかいませんよッ……星を見ているだけです……」

9982「……了解しました、では貴方は星を見ているだけという事にしておきます」

彼女の返答を聞いて目線を落とすと、自身と9982だけかと思っていた世界に自分たち以外に五つの影がある事に気が付いた。

人間の腰ほどの大きさのその影達は、互いにサッカーボールを蹴り合って遊んでいる様だ。

視線を凝らして影を見据える。

青と白のツートンで構成される体表。
黄色く大きな嘴。
死んだ魚の様なまん丸の瞳。

それは普段自身に添ってくれている、五羽の企鵝の姿だった。

五条「……!?何故アイツらが……!?」

驚愕の声に反応した9982が、同様に企鵝達に視線を投げる。

9982「ああ、彼らも此処の住人のようですね。良い話相手になってくれています、とミサカは愛らしい同居人達に手を振ってみます」

こちらの様子に気が付いた一羽が、その短い羽?手?をこちらに向けてブンブンと振り帰して来た。

五条「……いつもどこに居るのかと思っていたら……?ちょっと待って下さい、オレがアイツらを呼べるのならばお前もあちらに戻ってくる事は」

9982「残念ながら、それは不可能かと思われます。あちらの世界のミサカの存在情報は既に死亡したものとして固定されていますので、現出が可能とは思えません。とミサカは悔しげな表情を浮かべながら説明します」

五条「……そうですか……」

彼女の返答を聞きため息を吐いた所で、視界が僅かに白く染まった。

9982「目が覚める様ですね。とミサカは貴方の回復を喜びながら右手を振ります」

徐々に白さが強みを帯び、眼前の景色を認識出来なくなって行く。

9982「あちらの世界には戻れませんが、ミサカは此処に存在しています。時々で良いので遊びに来てくれても構いません。とミサカは五条勝に向かい右手を振り続けます」

そんな言葉を耳にしながら、光の中へと身体を投げ出していった。

────────────
346 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:32:57.27 ID:ogjtM/8Oo
先の閃光から一転し闇に閉ざされていた視界に、再び徐々に光が戻ってくる。
自身が瞼を閉じているのがわかり、少々力を込めて瞳を開けた。

以前もどこかで目にした天井が視界に入る。
次いで鼻を突く、消毒液の香り。

……間違いない。病院だ。
点滴こそされている様だが、酸素マスクをされていない事から考えるに、今は生命に関わる程の重態ではないのだろう。

『……五条?……おい、起きたのか五条!?』

付近から聞きなれた声が響いてきたので、左側へと首を向ける。

視界に入って来たのは、隣の医療用ベッドのリクライニングを起こしこちらに目線を投げ嬉しそうな表情を浮かべている幻想殺しの高校生、上条当麻の姿だった。
彼も自身と同様、病院のパジャマに身を包んでいる。
同様に入院している状態だとみるのが妥当だろう。

上条「おおおぉぉ!!皆心配してたんだぜ?大丈夫か!?傷痛んだりしてないか!?」

矢継ぎ早に質問を投げてくる彼の様を見て思い返す。
……そういえば、自分は腹に穴が開いて大量に出血を起こしていたハズだ。

言葉を返す前に、視線を自身の腹に落とす。
包帯こそ巻かれてはいるものの、既に違和感や痛みはなくなっていた。

再度視線を上条へ戻し、口を開いた。

五条「……ククク……死に損ないましたか……」

言葉を聴いた上条の表情が一瞬止まり、深くため息が吐かれる、

上条「よくもまぁあの状態からそんな事が言えたもんですね……ホントに危なかったんだぞ、オマエ」

五条「……まぁ、生きてさえいれば善としましょうか……今日は何月何日ですか?」

上条「八月二十三日。あの晩から二日経った昼だな」
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:34:17.76 ID:b41hE0/lo
9982救済されてよかった!
348 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:34:45.49 ID:ogjtM/8Oo
────────────
八月二十三日 夏休み三十四日目
────────────

その言葉に反応して、窓の方へと目線を投げた。
色とりどりの花が飾られている花瓶の向こうに、昼の町並みが見て取れる。

五条「……随分と眠っていた様ですね……」

上条「無理もないところなんだけどな。ま、何にせよこれで一安心だ」

言いながら笑う上条を見て、そういえば一先日の晩に浮かんだ疑問を尋ね忘れていた事を思い出した。

五条「……そういえば、あの晩オマエが操車場に来た際の話ですが……」

上条「おう、どうした?」

五条「……オレと一方通行の間に割って入った時、もうすでにボロボロの状態ではありませんでしたか……?」

上条「ああ、あれかぁ……」

上条の表情が苦笑へと切り替わる。

五条「見たところ、火傷が主な負傷の様でしたが……」

上条「ありゃあ『名誉の負傷、ってやつよね?』

病室の入り口から、新たな声が響く。
その姿を見た上条の表情が凍りついたのが判った。
自身も顔を病室の入り口へと向ける。

目に入ってきたのは、先も目にしていた常盤台中の制服姿の少女だった。
その表情と眼差しに宿る色濃い感情から、彼女が学園都市第三位、御坂美琴だと言うことがすぐに理解出来る。

美琴「そーゆー事にしときなさい?……余計な事吹き込んだら殺すわよ?」

上条を見据えたまま恫喝の言葉を吐く彼女。

『あらあらお姉さま、一体どうなされ……』
349 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:37:35.10 ID:ogjtM/8Oo
その彼女に続いて、病室に足を進めてきた小柄な少女と目が合った。
栗色の長髪を赤いツインテールに纏め、美琴と同様常盤台中の制服に身を包む風紀委員の転送能力者、白井黒子。

上体を起こし上条と話をしていた自身と目が合った彼女は、驚愕の表情を浮かべて静止したかと思いきや、唐突にその目尻に涙を貯めたと同時、自分のベッドの上方30センチ程の位置に転移して来ていた。

黒子「勝さぁぁぁぁぁああああああん!!!!」

ぱさ、と音を立てて、彼女が手にしていたコンビニの袋が病室の入り口に落ちた。
ぼふ、と音を立てて、彼女の身体が自分の身体の上に落ちた。

絶叫と共に、腹部に彼女の全体重が圧し掛かるを感じる。
恐らくは自身に飛びつきざま、強く抱擁されているのだろう。

五条「へぇあッッッ!?」

続けざまに、腹部の傷に走る鈍痛。
背に回された手にぎりぎりと力が込められるにつれ、痛みの度合いが飛躍度的に上昇していく。

黒子「辛かったですの!!悲しかったですの!!勝さんもお姉さまもロクに相手にしてくださらなかった日々は黒子にとってこれ以上無い責め苦でしたのよ!?
   それがっ!!それがようやく終わったとお姉さまからお伺いしましたの!!かと思いましたら今度は勝さんが重態だなんて……!!
   ああ、一体わたくしはいくつ胃と心臓を用意すればよろしいのでしょうか!?でも良かったです!本当に良かったですわ勝さん!!
   あなたならばきっと帰って来てくれると信じておりまし「あの……黒子?」!?どうされましたっお姉さまっ!!」

興奮した様子で五条の胸に頬を擦り付けていた黒子が、美琴の言葉に反応して彼女へと目線を送る。
視線の先の美琴は、血の気が引いた様子で苦笑を浮かべながら五条の顔を指差していた。
不思議に思った黒子が視線を上げた先。

……激痛のあまり、再び昏倒している五条勝の姿がそこにあった。

────────────
350 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:39:06.81 ID:ogjtM/8Oo
『嬉しいのはわかるけど、まだ抜糸も済んでいない状態なんだ。あんまりはしゃいじゃいけないよぉ?』

黒子「……はい、大変反省しておりますの」

『まあ、でもカワイイ彼女に抱きしめられて死ぬんなら君も本望かもねぇ?』

五条「……ククク……ご冗談を……」

飛び込んできて黒子を引っぺがしたナースと入れ替わりで、カエル顔の医師が病室に足を踏み入れてきた。

五条「……度々お手数をおかけ致します……」

『ボクはそんなに大したことはしていないよ?驚いたのは君達の生命力そのものだ。いやあ、若いってのは全く羨ましいもんだねえ』

黒子「あの……先生、勝さんの退院は……」

『んーそうだね、特段症状に変わりが見られなければ明日には抜糸して、明後日には退院になると思うよ?そこの常連の彼も、明日明後日には退院出来るだろう』

返答を聞いた黒子の表情が、途端に明るくなった。

黒子「……!わかりましたの!本当にありがとうございます!先生!」

『あっはっは、だからボクは別に大したことはしていないって。じゃあ二人とも、お大事にね』

言い終えた医師が踵を返して病室を後にする様を、頭を下げて見送る。
351 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:42:10.57 ID:ogjtM/8Oo
黒子「よかったですの……これで休暇中も勝さんと過ごせそうですわね」

医師の言葉を聞いた黒子が安堵の息を漏らす。

五条「ククク……確かにオレも気がかりでしたからね……」

黒子「あら、気がかりでしたのはわたくし?それとも遊ぶ事ですか?」

五条「……オマエに決まっているでしょう……」

黒子「……相変わらず不意打ちには定評がありますのね」

五条「これは不意打ちでは無いと思うのですが……」

微笑み、ベッドの横の椅子に座る黒子の頭へと手を伸ばしわしゃわしゃと撫でる。
まるで猫の頭を撫でた時の様に、んーと声を上げて彼女が気持ち良さそうな表情を浮かべた。

美琴「まったく……本当に仲良いのね、あんた達」

呟いた美琴が、眼前に小さな紙袋を差し出してきたので受け取り、中身を確認する。

美琴「あ、大したモンじゃないんだけどさ。あんたには……その……今回随分色々世話かけちゃったし?」

五条「……お気遣いなど無用だというのに……」

美琴「良いから黙って受け取っときなさいって!!」

そんなやり取りをしていると、そわそわとした様子で壁の時計を眺める上条の姿が視界に入った。

こちらの視線に気付いた上条と目線が合う。
その口元がパクパクと動き、こちらに何かの意図を伝えようとしていた。

五条(……?)

お・お・お・お・あ・ば・い?

その唇の動きから、意を察してみようとするがお行が連続し過ぎている。
これでは読むに読めない。

一体何を伝えようとしているのd『五条さん!!気が付いたんですね!!』

唐突に病室に響いた声に、上条が右手を額に当て、首を横に振った。
今度はその唇の動きを読み取れる。
間違いない。上条は今"あちゃー"と呟いていた。

病室に居た全員の視線が、一口に注がれる。

柵川中学校の制服に身を包み、真っ黒な髪に色とりどりの花飾りをつけた風紀委員の少女、初春飾利の姿がそこにあった。
352 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:46:02.69 ID:ogjtM/8Oo
その右手には、彼女の髪飾りと同様、カラフルな花の束。

初春「あれ……?白井さん?」

黒子「初春……?」

初春「あ、ちょっと待ってて下さい。今お花替えますから」

そのままつかつかと病室の中に入り込み、窓際の花瓶を持ち上げる初春。
……あの花を見舞ってくれたのは彼女だったのか。

今回の件では随分世話と心配をかけてしまった。
改めて礼を言わなければならない。

何かベッド横に座っている黒子の方から妙な威圧感を感じるが、やましい所は何も無いし筋は筋だ。
程なくして、花瓶を持った初春が戻ってきて、窓際に再度ソレを飾った。

黒子「どうして初春がここに居ますの?というか、勝さんが入院したのをご存知ですの?」

初春「そちらの上条さんから伺ったんです。前に常盤台の学園祭の時に少しお話して、五条さんの先輩だっていう事で連絡先も交換していましたので」

上条「え……!?あ、ああ。うん。そうだ。そういうことなんだ」

黒子「……そうでしたの」

はあ、と黒子がため息を吐く。
対照的に、何故か隣のベッドの脇からバチバチと火花が散る様な音が聞こえるが、いくらなんでも病院内ではマズイのではなかろうか。
彼女の良識を信じる事しか出来ない自分が歯がゆい。

初春「私が花が好きって言うことを覚えててくれた上条さんから、"病室が殺風景だから花を届けて欲しい(キリッ"って連絡を頂いてたんで、こうして花を届けに来てたんですよ」

上条「なっ……!!?くっ……ああ!!そうだ!!そうだとも!!そういう事なんだぜぇぇぇええ!!」

初春が楽しそうな笑顔を浮かべ、黒子もあらあらでしたら言ってくれればご一緒しましたのに等と苦笑を浮かべている。

反比例して、隣のベッド側の空気が何か大変な事になっている。
353 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:48:13.35 ID:ogjtM/8Oo
反比例して、隣のベッド側の空気が何か大変な事になっている。

────人は感電した時、あばばばばといった声を発するのか。
────また一つ、勉強になった。

初春「じゃあ私はこれで戻りますね!白井さんも、あんまり仕事サボり過ぎないで下さいよー!」

そのまま初春が右手を掲げ、病室を後にする。
病室から姿を消す直前、自分に向けて軽くウインクしたのは、一体どういった意味合いなのだろうか。

そんな事を考えていると、自分が大切な事を忘れていたのに気がついて咄嗟に言葉が口を突く。

五条「お姉さま……そういえば、"アイツ"は、"アレ"はどうなりましたか!?」

満面の笑みを浮かべたまま上条の布団に手を添えていた美琴が一瞬ビクっと背を伸ばし、すぐにまじめな表情でこちらに目線を投げてきた。

美琴「……!そう言えば、まだ話してなかったわね……あの晩、あれからの事なんだけど……」

彼女が話し始めると、コンコンと病室のドアがノックされた。
……間の悪い来客だ。

言葉を遮られた美琴も、むすっとした表情で入り口へと目線を投げている。

上条「……どーぞー!!」

上条が声を上げると、音も立てずに入り口のドアが開かれた。

『クカカカカ……おジャマしまァす、ってかァ?』

予想だにしなかった来訪者に、黒子を除く全員の表情が同時に凍りついたのは、言うまでも無い。

──────to be continued──────
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 20:54:07.11 ID:qm2sC3Kao
おおおおあばい って何て言おうとしてたんだ?
最後は「やばい」か?
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:54:10.95 ID:b41hE0/lo
乙!
サッカーでもしに来たのか?ww
356 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/17(月) 20:55:38.94 ID:ogjtM/8Oo
以上、本日投下分となります
ご支援を頂いております皆様、関係各位の皆様、本日もありがとうございました
また昨晩お待たせしました皆様には、重ねてお詫び申し上げます

病院内でのドタバタに思った以上に時間を割きそうな気配がします
遅筆もありますので、早いところ展開を回せたらなー等と考えながら筆を執っております

さて、次回投下に関しましてですが、例のごとく可能ならば明晩、不可ならば明後日の晩に投下を行わせて頂こうかと存じます
可能な限り頑張らせて頂きますが、私事の繁忙で投下が遅れそうな折には再度告知をさせて頂きますのでよろしくお願い致します
それでは、またお時間がございましたらお付き合い頂ければ幸いです
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 20:56:10.51 ID:qm2sC3Kao
おつかれー
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:56:48.54 ID:f03FR+Sso
うっひょう、こんな時間に来てた。お疲れ様です!
俺もやばいは何となくわかったが……最初の4文字が出てこないww
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:57:05.95 ID:1YZ46KLlo
お疲れさまです
寒い日が続いてるから身体に気をつけて
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:58:34.79 ID:qm2sC3Kao
おおおおが分からないんだよな
ご・じょ・う でも口の開きはおおおおになりそうなんだけど…
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:58:37.93 ID:1GOTyk8do
乙カレー
9982の所で思わず目から汗が出そうになった
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:16:23.89 ID:LzTGT/yA0
そろそろやばい かと思ったんだが
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 21:17:19.13 ID:qm2sC3Kao
>>362
おお! 多分それだ!
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 21:21:44.12 ID:1GOTyk8do
初春が来るから「そろそろやばい」と言う意味だったのか
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 21:25:54.41 ID:qm2sC3Kao
初春は五条さんが気掛かりで何度か見舞いに来ていたんだな
だから上条さんは初春が来る時間帯を把握していた
それで「そろそろやばい」か

そして初春が黒子に気を遣ったせいで、上条さんが不幸になる、とww
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 21:29:26.15 ID:b41hE0/lo
なるほど
上条さんは初春とメアド交換したというだけでビリビリされたのか?ww
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 21:41:10.27 ID:1GOTyk8do
ここの上条さんは記憶喪失になってないし
花火のWデートとかで美琴との仲も進展してるはず・・・?
その分インなんとかさんが空気扱いと思ったら
原作でもこの時期は空気だったな
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:02:00.07 ID:asgecmHDO
なんでこんな続きが気になる終わり方するんだ・・・生殺しじゃないか
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:05:48.95 ID:WQDp2Y2DO

個人的には31日の展開が凄く気になるところだ

でも五条さんなら何とかしてくれそう
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:18:24.79 ID:5TF2fA2e0
さて
そろそろ明日の晩飯に食べるハンバーグをこねるか
……念のために明後日の分も作っとくか……
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 00:14:56.23 ID:RWIq+43AO
乙。まさか修羅場に会うのが上条さんとはな…さすが不幸の男
それにしても、

>黒子「あら、気がかりでしたのはわたくし?それとも遊ぶ事ですか?」
>五条「……オマエに決まっているでしょう……」

このやりとりの中での゙オマエ゙には、長年連れだった夫婦の「あなた」「お前」という呼び方と同じようなニュアンスが感じられてならないぜ…

372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 00:28:22.93 ID:6v2XAt7x0
すまねえ五条さん…誘惑に負け、ファミレスでついハンバーグ食っちまった…
めっさ美味しかったれす
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 02:37:26.47 ID:JQ99bw5No
遅筆だなんてとんでもない
こんな良SSを2日置きに読めることに感謝
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/18(火) 04:00:13.68 ID:gjs/cL5DO
9982との会話で泣いちゃったよ。9982の別れ際の台詞は後々の伏線になるのかな?。
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 04:07:26.20 ID:BJyGX5MNo
ペンギンを介して連絡取れるのかな。
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 10:31:46.67 ID:AeVE931AO
上条さんは逆に“記憶喪失になっていない”からビリビリ認識がこびりついてる希ガス
いつ頃からの知り合いか分からないけど、その辺からずーっと恐怖の鬼ごっこ相手なんだろうし
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 10:53:56.90 ID:HAS6WGCK0
参考:五条さんの必殺技イメージ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm13325079

ゴッドノウズ:6分25秒
シグマゾーン:3分30秒
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 19:35:53.94 ID:Wou0+yeDO
>>377
五条さんがかっこよすぎて辛い。
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 20:09:41.91 ID:vC1woAyTo
イナイレってこんなとんでもサッカーだったのか
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 20:33:45.94 ID:eenn4NMDO
>>377
濡れた
このSSの劇中でも使って欲しいな

>>379
何を今さら
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 01:45:53.61 ID:oJLmwDnAO
黒子のデレが顕著になったな
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 01:55:49.47 ID:dEsVavPdo
黒子は「海が見たい」と言ってたし
御使堕し編も期待せざる得ない
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 02:34:58.40 ID:L94z86ZDO
>>374
IDが五条さんになってるw。
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 13:25:17.94 ID:aRm7Fz+R0
>>377
すばらしいなまったく
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 20:26:09.93 ID:mWgIwR92o
>>377
すごいすごいすごすぎる
いつものユニフォームじゃない五条△
豆の技までやっちゃう五条△
386 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/19(水) 22:29:40.08 ID:SjJKDoqro
本日もご支援頂き、誠にありがとうございます
ちなみにお察しの通り、"そろそろヤバい"となっております
私的にもそろそろヤバくなっております
分身を覚えたい今日この頃です

お待たせしております皆様には誠に申し訳ございませんが、筆を執る間が無い為本日の投下は延期させて頂きます
私事が立て込み続けておりまして、下手をすると週末まで投下が出来ないかもしれません
次回投下予定に関しましては追って告知を行わせて頂きます
お飽きになられておりませんでしたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:30:36.60 ID:UOAw8QOPo
もちろん待つさ
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:31:34.53 ID:i11zCzAOo
気長に待ってるよ
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:37:00.02 ID:MzeBAS29o
待てっ…純粋に…!!
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:48:01.98 ID:WKimRB7yo
待つさ、いつだって!どんな時だって!!
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:49:30.59 ID:SO50oBZAO
寧ろ無理矢理に投下して五条さんの演出の質が下がっては困る
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 22:50:02.20 ID:8eN0vMUh0
           ┌┬┐ スレ主へ 元気にしてますか
           ├┼┤ 無理せず 身体を大切にね
 J( 'ー`)し     └┴┘
  /っ日o-_。_-.、      クロウリー 待ってるからね
  (´   c(_ア )      五条さんの好きなハンバーグ作って
  [i=======i]      待ってるからね
                いつでも待ってるからね
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 22:59:11.91 ID:JLzp5gUAO
クックック…余り…無理をしないでくださいね…
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 23:13:21.84 ID:nxMzHrgAO
ふひひ…待つに決まってるでしょう
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 23:15:52.97 ID:IU5rK5UPo
ビッグバン
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 23:58:39.85 ID:5tPwii6Ro
無理せずにゆっくりやってくれ
リアルに分身使えたら良いと思ってる人は貴方だけじゃない
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 00:46:52.59 ID:eo/ho1cDO
次回投下までss読み返しておくか
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 02:21:36.06 ID:xBUxBcoDO
気長に待ってるよー。あまり無理はしないでね。
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/20(木) 10:49:39.38 ID:I7z9mjIv0
今さ、五条さんの勇姿を再確認しに行ってたら



548 : 以下、名無しにか - 2010/11/22(月) 08:15:42.49 ID:CzHbWoBE0
ってかイナイレメンバーの必殺シュート 人に対して打てば普通につええよな・・・
もちろん五条さんのΣゾーンと一方さんのラストバトルで最終回だろ


続くの分かってほっとした!
五条△
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 10:51:32.83 ID:I7z9mjIv0
下げ忘れすまん
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 12:13:50.90 ID:KdthXpRgo
何気に御使堕し編フラグ立ってたりするしな
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 21:37:55.88 ID:t3qeQ9+e0
黒子が誰と変わるか見物だな
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 00:35:53.39 ID:YnrHBt+AO
もうそろそろしていいんだろうか.....
え、え、えn
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 01:38:18.03 ID:46+2FxVqo
ホライゾーンのとあるSS読み漁ってたら大分キャラも把握できてきたぜ
wiki見てて疑問に思ったんだが一方通行さんって本名ないの?
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 01:46:40.04 ID:NKUaDreAO
なんか忘れちゃったらしい
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/21(金) 01:48:33.40 ID:B1x/OeWw0
>>404
確か苗字が2文字、名前が3文字だったかと
しかも未だに性別不明
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 01:50:46.09 ID:NfvO4/uBo
中性的な少年じゃなかったっけ?
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 03:23:54.92 ID:46+2FxVqo
忘れたのか…その辺の過去話気になるからやっぱ原作買うか…
とあるの人達って通称名が多いから名前なくても別にいいかと思っちゃうな

もやしっ子と五条さんの超次元サッカーは実現するのかwktk
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 16:08:49.51 ID:Wf+97t1J0
俺は漫画版単行本しか追いかけてないが、
一通さんが言う「本名忘れた」は、
「もう長いこと、名前を呼ばれるような普通の人間関係から遠ざかっている」
という意味だと思う。
性別は「中性的な少年」で公式のはず。
「実は女で、本名は鈴科百合子」というのは、イラストの灰村発のネタ。
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 19:25:52.31 ID:ZMKfp8Xlo
ちゃくちゃくと五条勢力・・・じゃなくて五条イレブンが完成しつつあるな
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 19:30:23.09 ID:QlxVcfF/o
これで学園都市に宇宙人が襲来しても大丈夫だな。

……闇落ちした姫神とか妄想してしまったwwww
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 19:45:49.88 ID:dA7OYEk40
>>411
「ためしてみたいんですよ…
 五条さんと私と どちらが上か」

つまりこうか
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 19:53:32.92 ID:ZMKfp8Xlo
>>411
ステイルでも闇落ちの対象になりそうなレベルだな
初春はマネージャーだから別として
佐天?目金ポジションだよ
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/21(金) 22:48:58.71 ID:B1x/OeWw0
>>409
性別は男なんだ、てっきり不明なのかと思ってた
じゃあセロリはセロリで問題ないんだな
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 00:06:31.97 ID:T33YFCODO
9982が烈火の炎の紅と磁生みたいに五条さんの必殺技としてなら出せないかな?。なんて中二な妄想が思い浮かんだw。五条さんなら9982の言葉すら後にチートパワーで覆しそうだ。
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 01:26:33.05 ID:KJPLU77DO
>>409 >>414
「中性的な少年」でほぼ確定だけど、原作で明言はされてないから一応、まだ性別不詳……と、俺含め信じてる人は少なくない
百合子がネタなのは間違いないけどww
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 07:53:00.19 ID:fmZ3jdRAO
おはよう五条さん
行ってきます五条さん
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 11:16:17.94 ID:pRtB1Rnho
>>415
電気系の必殺技が使用可能になるんですね、わかります。
サンダービーストが妥当か
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 11:45:12.42 ID:CM6svdeAO
>>415
発想は面白いけどなんかすごく悲しい話になりそう
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 12:29:47.59 ID:GaWt6nB0o
皇帝ペンギン1号発動した瞬間に滑り込めば…こう、ズルッと…
…うまくいかないもんかね
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 13:01:35.83 ID:GaWt6nB0o
しまった間違えた、五条さんが発動するのは分身ペンギンか…
1号は禁断の技だったな
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 00:05:08.69 ID:VmGOObboo
まぁ2号をひとりで撃つ時点で1号と大差ないよね
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 00:30:01.70 ID:8oTks3uwo
エッーーーークス!!!
があるじゃないか
424 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 00:53:56.95 ID:AdYByZwOo
本日もご支援を頂きました皆様、大変お待たせ致しました
これより投下を開始させて頂きます
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 00:54:53.81 ID:iIMgc3PY0
ktkr
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 00:55:59.70 ID:CAoJr/0lo
ククク……お待ちしておりました……
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 00:56:05.45 ID:Ux9okWBq0
うわっリアルタイムは初めてかもしれん
428 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 00:56:30.21 ID:AdYByZwOo
女性と言われても疑わしくはない程に細く華奢な体つき。
透き通る白さを持つ肌と、同様の白さを湛える頭髪。
そしてその獰猛性を表するかの如く、爛々と赤く輝く瞳。
ドアを開けて病室に足を踏み入れて来たのは、学園都市第一位の超能力者、一方通行だった。

五条・上条・美琴「」

黒子「あらあら、お二人のお知り合いの方ですの?」

一方通行「……なンだ、鳩が豆鉄砲食らったみたいなツラァしやがって」

上条「い……医者……!?いや、アンチスキルを!」
美琴「コインコイン……」
五条「コートっ……!!コートとスパイクはどこですかっ!?黒子!早くっ!!えぇいシグm」

一方通行「あのなァ……別にドンパチやりに来たワケじゃねェンだけどよォ」

予想だにしなかった侵入者が気だるそうにため息を吐き、自身の腹の上にどさりとビニール袋を置いた。

ゴツゴツとした感触を確かめ、その中身を確認する。

五条「缶コーヒー……?ですか……?」

一方通行「見舞いと礼みたいなもンだから取っとけ」

美琴「見舞い……?お礼……?アンタ、何企んでるの?」

眉間に皺を寄せた美琴が、声のトーンを落とし一方通行に声を投げる。

一方通行「あァ?オレが用があンのはこの小僧とそこの三下なンだよ。うるせェンでその他大勢は黙ってて貰えますかァ?自殺志願ならまた今度相手してやるからよォ……クカカカカカ……」

美琴「なッ……!?」

黒子「殺しますの?」

上条「落ち着け!?落ち着け御坂!?ほら、白井もソレしまえ!?ここ病院だからなっ!?怪我してる人とか一杯居るからなっ!?」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 00:57:36.66 ID:70K5vZ5vo
wktk
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 00:57:57.64 ID:/20+xaIDo
これは律義な一方さん
431 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 00:58:55.98 ID:AdYByZwOo
バチバチと放電の音を発する美琴を一瞥した赤い瞳が、上条を見据える。

一方通行「まずはそこの三下に礼だ。オマエが救急呼んでなかったら、オレも今頃こんなにピンピンしてなかったらしいぜェ!?」

上条「そっか……まぁ、お前だけ放置ってのも、何か後味悪いしな」

五条「……猿芝居は結構です。本題を伺いましょうか」

眉間に皺を寄せながら道化の様に振舞う男に言葉を吐くと、赤い瞳が今度は自身を捉えた。

一方通行「クカカカカカ……そンなに愉快なツラしてんじゃねェよ小僧……オマエのお陰でこっちゃあ晴れて暇人生活に逆戻りしちまってなァ」

五条「……!?」

慌てて美琴へと視線を送る。
視線がぶつかった美琴が、険しい表情のまま首を立てに振り口を開いた。

美琴「……昨日づけで実験は凍結。無能力者(レベル0)に撃退されて実験の内容を乱したソイツの可能性を、研究者連中が疑問視したみたいね」

一方通行「そンでもってオレの無敵化プランもおじゃンになっちまったってワケだ」

再び一方通行に目線を戻すと、苦虫を噛み潰した様な表情でこちらを見据えていた。
……ドンパチする気は無いと言っていたが、危機的な状況に違いは無い。

万一今すぐに暴れられたら、シグマゾーンを再度使える確証も無いこの場で撃退できる可能性は非常に薄い。
下手をすれば、病室の中に無残な死体が四つ転がるスプラッターな展開まっしぐらだ。

一方通行「でよォ……」

五条「!?」
432 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 01:01:16.09 ID:AdYByZwOo
ゆらり、と一方通行の身体が動く。
咄嗟に身構えようと試みるが、生憎と自身はベッドの上。
体勢を整えようにも、時間が掛かりすぎる。

背筋を冷や汗が伝うと同時に、一方通行の口が開いた。


一方通行「……サッカーってのは面白ェんだろォな?」


五条「……は?」

見回す余裕は無かったものの、きっとその場に居合わせた誰もが同じ表情をしていたに違いない。

一方通行「何度も言わすンじゃねェよ。だからサッカーってのは面白ェンだろ?」

苛立たしげに一方通行が言葉を続ける。

一方通行「オレの知ってるサッカーとは随分違うみてェだけど、オマエが使ったあの狼やらペンギンやら宇宙空間ってのも、全部サッカーなンだろ?……面白そうじゃねェか。観測も出来ない現象なンて、今までに無かったからなァ!!あァ面白そうだなァ!!クカカカカカカカカカ!!」

五条「……いや……その……アレは通常のサッカーとは若干異なっているのですが……」

一方通行「……なンだ、そォなのかよ」

自身の発言を聞くなり、一気に膨張したテンションで高笑いを上げていた一方通行が、ガックリと肩を落とした。
……その様からは、殺気らしいものが一切感じられない。

どうやら、本当にドンパチする気は無い様だ。
先のお姉さまの例を考えると、自身に害していない一般人を手に掛けるつもりは無いのだろうか。

五条「ですが……」

一方通行「あァ?」

五条「……これだけは保障できます……」

一方通行から目線を外し、窓際の花瓶を眺めた。
飾られたばかりの色とりどりの花が、薄く開けられた窓から吹き入ってくる風に微かに揺れている。

五条「楽しいものですよ、サッカーは……」

────────────
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 01:03:43.86 ID:u7bp5Evpo
ベクトル操作をサッカーに取り込んだら酷いことになるぞwwwwww
434 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 01:04:01.41 ID:AdYByZwOo
上条「…で」

美琴「何で」

黒子「こうなってますの?」

三人が苦笑を浮かべながら見据える先では、二人の少年が押し問答を繰り広げている。

一方通行「……つうと相手の身体が当たったらその場で爆破しちまやァ良いワケだな?」

五条「……ダイレクトにはマズイですね……マントルを掘り出してぶつける程度ならば全然問題はありませんが……」

一方通行「ンじゃあ自転のベクトル変換してスローインってなァどォだ?」

五条「……ふむ……二、三人巻き込んでしまえばオウンゴール扱いになりそうですね……これは盲点でした……流石は第一位……やはりオマエは有望そうだ……」

一方通行「……良いね良いねェ、堂々とやりたい放題ってワケだなァ……」

五条「……クックック……どうです?楽しそうでしょう……」

一方通行「クカカカ……」

五条「クックックック……」

一方通行「クカキキクケクキカカクケキコケコケカー!!」
五条「アーッハッハッハッハッハッハ!!」

美琴「どう考えてもサッカーの話してないわよねアレ……」
上条「てゆーか、あの二人が揃って高笑いしてるとテロ組織の会談風景って言われても違和感無いぞ……」
黒子「あら、ご無礼な事仰らないで下さいませ」

事実この二人は、各々半端なテロリスト等造作でも無い程の武力を持っているなど、傍目から見て一体誰が理解出来ようか。

一方通行「……ってちょっと待て小僧ォ」

五条「……?どうされましたか?」
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:05:16.53 ID:/20+xaIDo
まさしく超次元サッカーだな
436 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 01:07:45.04 ID:AdYByZwOo
一方通行「サッカーってなァ最低でも十一人でやるスポーツなンだろ?」

五条「えぇ」

一方通行「面子はどうするつもりなンだよ?」

五条「……」

五条の顔がくるりと横を向き、メガネ越しの瞳が上条側のベッドに集まっていた三人を捉える。
その様を見た三人の身体が、一瞬ビクリと跳ねた。
三人を一瞥した五条が再度正面を見据え、ため息を吐いて肩を落とす。

五条「……あと六人ですか……」

上条「おおおおおい!!待て!ちょっと待て!!入ってるのか!?俺達もそのサッカーらしい血生臭い何かの参加メンバーに加えられてるのかッ!!??」

一方通行「当たり前だろォが三下ァ。あ、拒否権無ェからな。拒否ったらこの場で暴れンぞ。もっかいまぐれパンチ試してみるかァ?」

美琴「ちょっ……!!ジョーダンじゃないわよ!!アタシまだあんたの事許したワケじゃないのよっ!?」

一方通行「あァ?怖ェのかお嬢様?おーおー、第三位っても大した事ねェもンだなァ。そンなンだから乳の一つも」
美琴「やってやろうじゃない!えぇ、やってやるわよ!!せいぜい背後からのパスに気を付けなさいね」

不幸だーと咆哮する上条と、バチバチと放電を始める美琴。
二人の様子を眺め、クカカカカと笑い声を上げている一方通行。

その脇の椅子にに腰を下ろしていた黒子が、苦笑を浮かべたまま掌を左右に振っている。

黒子「わたくしはちょっと……風紀委員も忙しいですし……」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 01:10:07.55 ID:7HU177xN0
むぎのんも勧誘されそうだなww
438 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 01:10:20.21 ID:AdYByZwOo
五条「黒子」

断りの言葉を吐こうとした黒子を遮り、五条が彼女の名を呼んだ。

五条「……オレは、オマエが欲しいのです(チームの面子的な意味で)」

黒子「……ほッ……だっ……駄目ですわ勝さん!!病室ですの!!皆が見ている前ですの!!欲しいだなんてそんなッ」

五条「……駄目ですか?」

黒子「うぅ……そんな目で見ないで下さい……」

五条「……黒子……」

黒子「……っ!わかりました!わかりましたわよ!!」

顔を真っ赤に染め上げた黒子が、五条の瞳を見据えたまま大声で言葉を続ける。

黒子「皆様……少しでもご良心がございましたら、この黒子めに恥をかかせないで下さいませ……!!ご退出をお願いしm「ククク……これで残りは六人と……」へっ……?」

上条「ステイルと神裂はどうだ?あいつらインデックスの件で変に恩義感じてるみたいだし、貸し借り無しにするのには調度良い機会だろ」

五条「……!!そうですね、"そっち側"の人間に助力を頼むのもアリでしょうか……」

ごっ……ごっ……ごっ……

五条「アウレオルス……は連絡が取れれば良いのですが、果たして人目に触れる行動を採れるものかどうか……」

上条「姫神の能力じゃサッカーには向かないだろうしなぁ……」

五条「インデックスと初春は……監督向けですかね……あの二人の観察眼と情報収集能力があれば、相当な采配が出来るでしょう……」

ごっ……ごっ……ごっ……

一方通行「なァ、何してンだソレ」

美琴「……いつもの病気だから、あんまり気にしないであげて」

黒子「うふふふふふふふふ……バカバカ!!黒子のバカっ!!」

それから暫くの間病室には、わいわいと人選を進める談義の声と、床に額を打ち付ける音が木霊していた。

────────────
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 01:12:02.03 ID:u7bp5Evpo
サッカーでテレポートもかなりのチートだな
440 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 01:12:42.73 ID:AdYByZwOo
五条「……では面子が集まって対戦相手が見つかり次第、オレの方から連絡をします」

一方通行「おォ、早いトコ頼むぜェ」

別れの挨拶も無く自身のオーダーを告げた少年が、踵を返して病室の入り口へと歩を進める。
こつこつと足音を響かせて彼がドアの前に立つと、触れても居ないのに音を立ててドアが開いた。

一方通行「あン?」

否、開かれた。
次いで、廊下側に立ってドアを開いた人物の姿が一方通行の視界に入る。

ピンク色のブランド服に身を包んだ、茶色いロングヘアーの少女。
その脇に、ビニール袋を掲げたベレー帽の少女が隠れる様に寄り添っている。

一方通行「……どけよ」

『あぁ?テメエがどけよ』
441 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 01:14:18.73 ID:AdYByZwOo
『ちょッ……!!麦野!!マズイって!!コイツ第一位じゃん!!』

入り口の異変を察知したのだろうか、部屋の中に居た四人の視線が同時に入り口へと注がれた。

四人の瞳に映ったのは、部屋を出ようとしている一方通行。
そしてその一方通行の背中越しに見える、学園都市第四位"原子崩し"麦野沈理の姿と、彼女に付き添う金髪碧眼の少女、フレンダの姿。

麦野「ッッ……!!」

フレンダの言葉を聞いた麦野が、咄嗟に一歩横に身体をずらす。

一方通行「……ご苦労さン」

皮肉めいた笑みを浮かべて、その脇を一方通行が通り抜けていった。

再びコツコツという足音が、徐々に病室から遠ざかっていく。
その背中があろう方向に目線を投げる来訪者の少女達と、きょとんとした顔をしている上条と黒子。

そして二人とは対照的に、一気に険しい表情になる五条と美琴。

麦野「……大量殺人鬼が、こんな所で何してんのよ」

遠くなったその背に向かい忌々しげに呟いた麦野の視線が、病室の中に向けられた。

麦野「入るわよ」

フレンダ「結局ノックしないでドア開けたのに、今頃言っても遅いって訳よ……」

二度目の思わぬ来訪者の姿に、病室の空気が一気に凍りつく。
先の一方通行とは異なり純粋に暗部に所属している人間が放つ特有の威圧感が、一気に部屋中を満たした様な錯覚を覚えた五条が深くため息を吐いた。

五条(……来客の多い一日です……)

部屋に踏み入れて来る彼女から目線を離し、何の気無しに壁の時計を眺める。
彼が目を覚ましてから未だ二時間も経過していない事実を、短い針が音も無く刻み付けていた。

──────to be continued──────
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 01:15:57.13 ID:u7bp5Evpo
麦野とフレンダにもフラグ立ってることを知ったら、また黒子が壊れるぞ
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:16:46.66 ID:aHgT9yxAO
修羅場ですな
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:17:38.88 ID:/20+xaIDo
この二人もメンバー入りか
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 01:18:32.13 ID:qDsNSFzZ0
もう皆でサッカーすればいいよ
446 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/23(日) 01:18:34.37 ID:AdYByZwOo
以上、本日投下分となります
ご支援を頂きました皆様、関係各位の皆様、本日もありがとうございました
正味皆様の暖かいご支援に、何度目頭がやられかけた事かわかりません

ようやく若干ながら筆を執れる週末になりましたので、書き進めさせて頂こうかと思います
急な私事が入らなければ明晩再度投下を行わせて頂きます
お時間がございましたら、またお付き合い頂ければ幸いです
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:20:57.50 ID:goQQlsTho
まあ正妻は黒子だから大丈夫だ、安心していい
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 01:21:35.25 ID:qDsNSFzZ0
リアルタイムで見たのは初めてだ…
いつも乙です
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:21:41.54 ID:/20+xaIDo
ククク…楽しみに待っていますよ…
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:22:30.75 ID:vUHza94Bo
なんという異次元サッカー
グングニルの影には黒子がいたのか
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:25:49.35 ID:Fs1eSO6ho
あわてる五条さんも黒子を手玉に取る五条さんも楽しい
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 01:41:53.76 ID:Ww77XO6lo
五条さんに欲しいと言われるとは…黒子は三国一の幸せ者だな!

4vs4のサッカーバトルなら四人でいけるんじゃないかな…
いやいくら超次元といってもここの五条さんとか一方通行さんとか混ぜたチームが出場したら
試合中にもう一個宇宙が生まれてしまってもおかしくない気がするわけで…!
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:12:13.89 ID:cq/ZMZEWo
4vs4は今の人数的にもあってるかも
必要なメンツは対戦相手も含めれば選手は最低8人で試合ができる 

超次元サッカーを広めていけば自然と11人フルメンの試合も出来るようになるが
学園都市での最初の試合は11人対11人の方向か?
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:26:57.78 ID:nidZRl+DO
黒子も気苦労が絶えんなw
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:34:01.44 ID:+zY21XRAO
恐るべし学園都市超次元五条さんサッカークラブ(仮)...
いやでもなんか嬉しくて目から砂鉄が.......
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/23(日) 02:44:28.52 ID:TQ8PYHJK0
キックオフと同時にボールを相手のゴールにテレポート(しゅうううううううう)!!!1ってのはありですか?
とりあえず一方通行さんは自転ベクトルいじんのは勘弁して下さい
真逆に向けようものならボールは空気摩擦で燃え尽きて衝撃波だけが残るから
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:56:39.01 ID:BAP4DK9Co
>>447
ヒロインが決まってたのに途中で変わった作品なんて腐るほどあるんだぜ・・・
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:59:19.46 ID:j3d90dLu0
>>456
安心しろ
下半身の衣服とボールは絶対破けない
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 03:06:39.13 ID:QWYDUDyQ0
まさかの展開すぎるだろwwwwww
今度はイナイレよりでサッカーやんのかね
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 03:49:40.24 ID:et2EhTyDO
このメンツなら世界狙える
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 04:23:42.70 ID:chpQNKQAO
乙。今回はギャグ回だなww
齢十四にして、黒子という正室がいながらに更に初春・フレンダ・麦野にフラグを立てて側室を作らんとする五条△
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 04:42:51.10 ID:BAP4DK9Co
しかしその先に待ち受けるのは修羅場という地獄絵図
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 07:59:26.35 ID:qDsNSFzZ0
http://twitter.com/gojobot
今更だけど五条さんのまともなbotがなかったから作った。
一時間おきに何か呟く
追加して欲しい言葉があったらリプかDMで
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 09:18:18.38 ID:8Gjx4MP80
相手チームが可哀想……可哀想だよ (´;ω;`)

【ペチコネ】絶望ハンバーグ工場【ペチコネ】

     (~)
   γ´⌒`ヽ
    {i:i:i:i:i:i:i:i:}     __ ペッタン
   (  ´・ω)    | .|     (~)
    (::::::::::::つ⊃―┤ .|    /´⌒\
     し─J      | .|,、 ⊂∽∽∽⊃
   | ̄ ̄ ̄ ̄|   (~ ̄ ) (ω・`  )
   |        | | ̄ ̄U ̄| (つ⊂|l|l|l)
   |____| |   .:::::::| (_(_つ
            ̄ ̄ ̄ ̄

     (~)
   γ´⌒`ヽ /\
    {i:i:i:i:i:i:i:i:} \  \  コネコネ
   (  ´・ω)/\/)     (~)
    (::::::::つ/O   ( (    /´⌒\
     し─J      )) ⊂∽∽∽⊃
   | ̄ ̄ ̄ ̄|   ( ⌒ヽ⊂(ω・`  )
   |        | | ̄ ̄U ̄| (⊂|l|l|l|l)
   |____| |   .:::::::| (_(_つ
            ̄ ̄ ̄ ̄

     (~)
   γ´⌒`ヽ
    {i:i:i:i:i:i:i:i:}     ミ __グシャ
   (  ´・ω)      | .|   (~)
    (::::::::::::つ⊃――┤ .|  /´⌒\
     し─J        |_|⊂∽∽∽⊃
   | ̄ ̄ ̄ ̄|   ( ⌒ヽ⊂(ω;`  )
   |        | | ̄ ̄U ̄| (⊂|l|l|l|l)
   |____| |   .:::::::| (_(_つ
            ̄ ̄ ̄ ̄

あと、ローマ正教十三騎士団のおっさん達が
仲間に混ぜて欲しげに覗いています
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 10:29:15.25 ID:W/eIvdHg0
落ち着くんだ、五条さんには黒子しか見えていない。
五条さんが浮気なんてするわけないじゃないか。          黒子がどう思うかはわからんが。
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 10:42:45.69 ID:Snqwn7gio
乙でした。やっぱり面白すぎるなこの連中ww
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 10:52:06.71 ID:SHV/ZjPGo
>>439
ワープドライブという技があってだな
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 11:35:17.76 ID:Ww77XO6lo
一方通行さんは危険だからGKやってください><
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 11:42:32.00 ID:f5YLYMtxo
GKは上条だろjk
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 11:47:13.23 ID:Ww77XO6lo
上条さんがGKになったら「ボールは破れない」っていう幻想が破壊されてしまうんじゃないか
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 11:51:36.46 ID:SHV/ZjPGo
>>470
右手で触れたら全部普通のシュートに戻るんだろ
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 12:08:00.93 ID:Ww77XO6lo
>>471
なんというゴッドハンド…しかし射程が短そうなのが欠点か
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 12:08:55.45 ID:j3d90dLu0
>>464
ローマ正教のおっさんたちがなんで登場したかよくわからなかったけどサッカーするためだったんだな
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 12:12:06.26 ID:SHV/ZjPGo
>>472
基本的に必殺シュートは人に向かって蹴るから射程は関係ない
ゴッドハンドは破られることあるけど幻想殺しは破られないから最強なんじゃね?
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 12:16:37.13 ID:GDpxv1y6o
>幻想殺しは破られない
一定のキャパシティ越えると消せなくなるぞ
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 12:17:44.04 ID:Ww77XO6lo
>>474
じゃあ4vs4の場合は、上条さんと五条さん別チームだとバランスいいかもな
五条さんチームの攻撃は上条さんが必殺シュート無効化で防ぎ、
上条さんチームの攻撃は最強DFの五条さんが食い止めてゴールまで到達させない…

…なんか女子陣で五条さんチームのGK奪い合う展開が見えた
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 12:39:07.42 ID:wU+dUKZDO
大量更新でwktkして開いたらクソ外野だったでござる
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 12:43:41.86 ID:dv+MPz+6o
もしもしはお呼びじゃねーぞ
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 13:51:46.73 ID:suw/EAffo
このまま五条イレブンでイナズマジャパンと闘うのか

>>470
エフェクトが消されて残りのボールの威力は自力で抑える的な必殺技になるんじゃないか?
まあ、それだとスピニングシュートやひゃくれつショットみたいな必殺技には対処できなさそうだが
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 17:13:56.78 ID:7TTUGefAO
主人公DFって盛り上がりにかける気が、
とか思ったけどDFラインからシュート打てば問題ないね
五条さんなら一人でジアースとか打ってくれそう
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 17:36:37.06 ID:sMtFE5Y20
ステイルのイノケンティウス使えば爆熱ストームできるんじゃね
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 18:04:50.63 ID:OcK2Ek8l0
<<480
ピンチに五条さんのオーバーラップで点をとるとか熱いジャマイカ
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 18:15:17.21 ID:V1W6Cmct0
流れ思いっきりぶった切るけど
五条さんってミシェルに似てね?

http://www.chitaro.com/src/chitaro0245.jpg_DxIbLp2N1nz6YH4WGhAV/chitaro0245.jpg

http://www.chitaro.com/src/chitaro0246.jpg_ddB5AqcyNzFgksAAWJdB/chitaro0246.jpg

http://www.chitaro.com/src/chitaro0248.jpg_8X6qT9Z7u0D0Bi6neLDe/chitaro0248.jpg

あ、五条さんチームと上条さんチームに分かれるんだったら
電磁砲とガニメデプロトンの鍔迫り合いとかめっちゃ見たい。
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 18:28:58.50 ID:VmGOObboo
ミッシェルゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!


ってさすがにねーよ
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 19:07:36.87 ID:ZWbiVaA80
そろそろ鬼道佐久間源田含む帝国イレブンを出してもいい頃だと思うんだ……
イナイレの中じゃ帝国が一番好きだ
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 20:07:59.80 ID:aHgT9yxAO
それは勘弁してほしいなぁ
俺は五条さんにしか興味ない
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 20:32:11.84 ID:PzEFPtzAO
9982号のときの件とか、そもそも実験の件に対して、御坂は一方通行をもっと深く憎んでると思うの
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 20:38:12.11 ID:nidZRl+DO
>>485
流石にもう今更感が否めないなぁ。ここまで五条さんと禁書のメンツが絡んでいると今更他のイナイレキャラ出しても禁書のメインストーリーでは動かしにくいと思う。出すとしてもサブでちょいちょい出るくらいでいいや
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 20:40:21.09 ID:mXfL140HP
まあ既に佐久間さん伏線が張ってあるんですがね
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 20:57:27.26 ID:LyYZ8PRBo
この作品って五条さん以外のイナイレキャラ出てたっけ……?
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 21:00:38.10 ID:j3d90dLu0
>>487
たしかにあっさりしすぎだよな
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 21:04:01.46 ID:3h3ejS8bo
>>487
一方通行を憎むよりも先に自分を責めてるだけだと思うんだが。
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 21:12:03.30 ID:suw/EAffo
イマジンブレイカーがG5に進化するとどうなるんだろうか

>>485
帝国イレブンってそのメンバーで自称神に負けてるってことは
ゴッドノウズやヘヴンズタイム使える五条さんには勝てないような・・・まあ、技の問題だけじゃないが
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 21:13:34.58 ID:WLKYrYYA0
超次元サッカーか、超電磁砲をエクスカリバーで跳ね返されたりするのか?胸熱ッ
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/23(日) 22:00:15.34 ID:TQ8PYHJK0
>>458
もっとやべーよwwお前のシュートで地球がヤバい状態

魔術勢入れて残り4人だからアイテムで丁度11人だな
フレンダって能力者?
滝壺がストーカー、絹旗が窒素のクェイサー、むぎのんが全身ビーム砲でいいんだよね?
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 22:05:27.81 ID:aHgT9yxAO
無能力者説とアポート説ある
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 22:11:00.06 ID:+yEjzESm0
>>493
各シリーズ内で選手能力のインフレ→次シリーズである程度の平坦化ってのが繰り返されてるし、
最新作以後の話と考えればまあ大丈夫かも

例えるならメガテン
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:04:11.81 ID:J81tHqHJ0
お前等の妄想が爆発
499 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:19:08.45 ID:GpzR5CC7o
本日もご支援頂き、誠にありがとうございます
夜分に食い込んでしまいましたが、これより投下を開始させて頂きます
500 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:21:10.69 ID:GpzR5CC7o
『ったく手間かけさせてくれたわね……随分探したのよ?』

彼女達の姿を確認した自分以外の三人の挙動は、三者三様のものだった。
上条当麻は自身のベッドでおおおーと嬌声を挙げ、黒子はその大きい瞳を開いたまま首を傾げ、そして美琴は、

美琴「……っ!!今更追っ手!?」

叫ぶと同時に手早く駆け出し、自身を含む三人を庇う様、彼女達の前に立ちはだかっていた。

追随する為に、膝に力を入れてベッドから立ち上がる。

上条「五条っ!未だ動いたら……!!」

確かに脇腹に痛みは走るが、動けないほどのものでは無い。
咄嗟に辺りを見回してみたがスパイクとコートは見当たらなかった。
……生身で彼女達と対峙しなければならないのだろうか。

五条「構いません!!万一の折には黒子をお願いします!」

上条の制止の声を抑え、美琴と並び立ち麦野に向かい口を開く。

五条「用件を伺いましょうか……!!」

麦野「へぇ……相変わらず肝の据わったツラしてるじゃない」

美琴「聞いてるの!?返答次第じゃ……」

隣の美琴がいつの間にか取り出していたコインを親指に乗せ、麦野に向かい右手を伸ばしていた。
緊張した空気のせいだろうか、或いは彼女が放出している電流のせいだろうか。

さして広くはない病室を、より一層濃密な威圧感が支配していく。

麦野「……おいおいマジかよ、病院で超電磁砲?どんだけ被害出るかわかってる?……アンタやっぱ私よりタチ悪いわね。躾のなってない犬かと思ってたら、もしかして只の狂犬?」

美琴「……なっ!?」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:21:37.78 ID:KOeIbPTJo
ククク…待っていましたよ…アーッハッハッハッ!!
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 01:22:45.31 ID:HSu5fb76o
よしこい
503 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:23:11.95 ID:GpzR5CC7o
麦野の言葉を聞いた美琴の気勢が、一瞬削がれた様に感じられた。
刹那、

麦野「フレンダ」
フレンダ「オッケー!」

続けられた彼女の言葉に、金髪の少女が素早く動いた。
片手に掲げたビニール袋を持ったフレンダが、数歩の距離を一気に詰めて自身へと肉薄して来ている。

五条「……!?」
美琴「爆弾っ……!?」

次いで視界に入ったフレンダが、唐突にその姿を消した。
しかし眼前にはビニール袋を掴んだ彼女の拳が展開されている。

下!?
反応して下方へと視線を送る。
と、そこに有ったのは、眼前にビニール袋を突きつけている彼女の後頭部。

……つまり彼女は今、自分へとビニール袋を掲げながら、頭を下げている形になる。

フレンダ「……こないだはありがとーございました」

五条「……へぇあ?」

緊張した空気のまま、静寂に包まれる病室。
隣の美琴も腑に落ちていない様な表情でこちらに目線を投げている様子がわかる。
もっとも、その右手のコインはしっかりと麦野に向けられたままの状態だが。

麦野「……だーかーらーそのコからの礼だっつうの!さっさと受け取れよ」

事態を受け止めきれず、意見を伺うべく隣の美琴に目線を送る。
何とも形容しがたい表情の美琴と目が合った。"あんたが何とかしなさいよ"と、それとなく目で語られた気がする。

五条「……」
504 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:26:30.54 ID:GpzR5CC7o
警戒しつつ無言のまま差し出された袋に手を伸ばし、受け取る。

袋を受け取ると頭を下げていたフレンダの顔が上がり、自身と目線がぶつかった。
その表情は、心なしか楽しそうに微笑んでいる。

彼女から目線を外し、外観以上の重さを誇るビニール袋の中身を恐る恐る確認してみる。
こつりと指先に金属状の手ごたえがあったので、低い円筒状になっていたその中身を掴み、引き出してみた。

……鯖缶?

フレンダ「色々悩んだんだけど、結局自分が一番好きなものが良いかなーって結論になったワケよ!」

説明の声に視線を戻すと、腰に手を当てたフレンダがぴっと人差し指を立て、嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

麦野「……後で聞いたんだけど、フレンダが随分助けられたみたいじゃない?一応アタシからもお礼言っておくわ。……しっかし相当エグい事してんのね、この電気女。アタシでもちょっと引いちまったわよ」

美琴「なっ……!?見境無しに光線ぶちまけてたアンタに言われたくないわよっ!」

五条(……お礼……?)

美琴(……五条、あのコ助けてたっけ?……アタシがエグい?)

"五条(俺が飴)
美琴(私が鞭)

(( 計 画 通 り ))"

五条&美琴(アッ────!!)

覚えの無いお礼の原因を思い出し、隣の美琴に再び目線を投げる。
いつの間にか猫の様な顔になった美琴が、こちらの様子を伺いながら滝の様に冷や汗をかいていた。

麦野「まぁ、お礼はついでで他の用件があって来たんだけど……?どうしたの、アンタ達」
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:27:49.57 ID:UD4/KQrMo
うおおリアルタイム初遭遇!
幸せ!
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 01:28:21.49 ID:HSu5fb76o
流石は俺の嫁フレンダ
可愛いな
507 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:29:56.58 ID:GpzR5CC7o
美琴「……!!いや別に!!」

美琴(どうしよう……)

五条「何でもありません……!何でもありませんよ……グヒヒヒ……!!」

五条(今更言い出せる空気ではありませんね……)

麦野「……?まぁ良いわ。オラ、いい加減ソレ下ろしなさい第三位。仕事でもなきゃアンタみたいなクソガキの相手ゴメンだっての」

美琴「……」

その言葉から暫しの間を置き、麦野に向けられていた美琴の右手が降ろされた。
しかし相も変わらず彼女の表情は警戒の色に充ちている。

上条「なぁ五条……」

ふと背後から声をかけられ、肩越しに振り返り後方に視線を投げる。
いつの間にか黒子を庇う様立ち上がっていた上条が、真剣な表情でこちらを見据えていた。
次に投げられるだろう問いを彼が続けないのは、彼女たちに対する配慮からだろうか。

五条「……敵ではありません……彼女がその気ならば、ドアを"開けて"は来ないでしょう」

麦野「だからさっきから違うっつってんだろ。なーにビクビクしてんだよ?キン○マ付いてんのかテメーら」

黒子「勝さん、随分お口の悪いお知り合いが多いんですのね?……可能でしたら、もう少し品のあるお知り合いをお選び下さいまし」

麦野「あぁ!?」

黒子の言葉に棘を感じたのだろうか、眉間に皺を寄せた麦野の眼差しが黒子に向かうのがわかったので、その間に身を挟み視線を遮断する。

五条「黒子、控えなさい……」

麦野「……へー……」

五条「……ククク……お茶でもお出しした方がよろしいでしょうか?」

麦野「……要らないわ。さっきも言った通り、用件済ませたらとっとと帰るから安心しなさい」

五条「……用件?」

右手にぶら下がっているビニール袋を一瞥して、再度麦野へと視線を移す。
このお礼(鯖缶)が用件では無いのだろうか。

麦野「アンタに話があって来たのよ。一応機密事項だから人払い頼みたいんだけど……まー良いか」
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:33:20.08 ID:JKZWY6uDO
ククク・・・
509 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:33:39.90 ID:GpzR5CC7o
はあ、とため息を吐いた麦野の顔が俯き、その表情を読めなくなった。

"最悪の場合が起こった時は、各隊連携して何としてでもアンタを殺せってね"

先に邂逅した際彼女が吐いた言葉がフラッシュバックし、背筋を冷たい何かが駆ける。
まさか。未だ早いのではないだろうか。

次第にその強さを増す胸の早鐘を悟られぬ様に彼女を見つめ続けていると、彼女の顔が上がり、自身と視線が交差した。
その整った顔に貼り付いた表情は、獲物のエゾシカをみつけた蝦夷の猟師が如く嗜虐的な笑みに満ち溢れている。

麦野「あんた、今日からアタシの部下ね」

────────────

五条「へぇあっっっ!!??」

美琴「なっ!?」

黒子「止めないでっっ!!止めないで下さいまし上条さん!!」

上条「落ち着けっ!!落ち着け白井っ!!よくわからんけど何かマズそうだぞあのお姉さん!!」

麦野が放った一言で、張り詰めていた場の空気が一気に爆ぜた様に感じた。

黒子「どういう事ですの勝さん!!その方達、恐らくカタギではございませんわよね!?そんな連中の部下だなんてっ……!!」

美琴「そうよ!!いきなり出てきて何言ってるワケあんた!?」

麦野「あーあー、小娘達はちょっとうるさいから黙っててくれる?」

五条「……どういう事でしょうか……?」

余りに突然過ぎる発言に、状況が整理し切れない。
自身が彼女の部下?
先の彼女の発言が真実ならば、暗部組織に在籍する事になる?
そんな希望を出した覚えは一抹も無い。
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:35:21.66 ID:QOgHBNEfo
寝ようと思ったのに・・・くそっ
511 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:35:44.61 ID:GpzR5CC7o
麦野「上の決定よ。今私が言って良いのはそれ位なんだけど……もうこの際言っちゃおうかしら、あなt「麦野!!」」

心の底から楽しそうに言葉を続ける麦野を遮ったのは、隣に立つフレンダだった。

フレンダ「全部ばらしちゃ私達もマズイんじゃないの!?それに……」

ちらり、とフレンダの青い瞳がこちらに向いた。
自身が返した視線に気付いた彼女は咄嗟に目線を外し、そっぽを向く。
心なしか頬が染まった様にも見えたが、場の熱気に当てられたのだろうか。

フレンダ「これから仲間になるかもっていうのに……あんまりアイツに迷惑掛けたくないワケよ」

麦野「……」

フレンダの言葉を聞いた麦野の笑みが消え、再度深いため息が吐かれる。

黒子「あら?ドロボー猫の気配がしますの。窃盗罪は未遂でも手首を落として構いませんわよね?お離し下さいませ、上条さん。共犯ですの?あらあら共犯ですの?」

上条「止めろ白井!!ここは日本だッ…!!ちょ……御坂!!助けてくれ!!そろそろ一人じゃ無理だっ!!」

麦野「……わかったわ……で、どうする?アンタは今ここで全部説明してもらいたい?」

彼女の問いを聞いて、背後でドタバタと騒いでいる三人の声に耳を傾けた。
……度合いにもよるだろうが、ここで暗部周りの機密を漏らされたら、最悪この三人が消されかねない可能性もある。

五条「……いえ、結構です。腑に落ちない点も多々ありますが、それは上部と直談判させて頂きましょう……」

麦野「……賢明ね……あぁ、この流れならもうわかってんだろーけど、退院したら上から呼び出し掛かってるわよ」

当然だろう。
一方通行を撃破した自身に危険性を見出したのか、或いは認識阻害の限度を超えてしまったのかは判らないが、いずれにしても本人に話を通さず暗部組織に所属させるとは唐突過ぎる話だ。
そうホイホイと自身の進退を誰かの一存で決定されてしまっては溜まったものではない。
兼ねて、先の絶対能力進化実験の是非も直接問いただしてやらねば気が済まない。
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 01:36:16.81 ID:HSu5fb76o
浜面はリストラ?
現時点ではまだ仲間じゃないのかな?
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:38:15.87 ID:c22CGZoDO
うろたえる五条さんマジ天使
514 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:38:44.21 ID:GpzR5CC7o
五条「……了解しました。その伝令を下した上の人間とやらにお伝え下さい。"ちゃんと行ってやるから、迎えは寄越すなと伝えろ"と。あれは本当に気分が悪い……」

麦野「……伝えとくわ。結果如何ではよろしくってトコかしら?……あぁ、アンタの連絡先はもう聞いてるから、今度こっちから連絡するわね」

こちらの言葉を真顔で聞き届けた麦野が、踵を返して病室の入り口へと歩いていく。
いそいそとその後をフレンダが追って行った。

彼女達が去るのを察したのだろうか、背後の三人の喧騒が止み、病室には二つの足音が響き渡っている。

麦野「!……そうそう」

ドアを開けたところで、麦野が何かを思い出した様な声を上げて立ち止まり、くるりと振り返った。
僅かに伏し目がちに頬を染めるその表情は普通に考えれば恥らう女性のものだったが、何となく先に見せていた嗜虐的な笑みを想起させる気配を帯びている。

……嫌な予感がする。


麦野「……あんなに強く抱かれたの初めてよ?ちょっと痣になっちゃったんだから……今度はもう少し優しく頼むわ」


五条・上条・美琴「」

再び踵を返し、廊下へと消えていく彼女。
その後を追って行ったと思ったフレンダが開かれたままのドアから顔を出し、「お大事にね〜☆」と笑いながら手を振った。

次第に遠ざかる二つの足音。
静まり返った病室。
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:40:54.64 ID:KOeIbPTJo
おい五条さんうらやましいぞこの野郎
516 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:40:55.23 ID:GpzR5CC7o
上条「なっ……なぁ御坂!!喉渇かないか?オレ、ジュース買って来るわ」

美琴「アタシも行こうかしら……アハ……アハハハハハハ……」

いそいそと、二人の先輩が空気が質量を持った様な惨状と化している病室から脱出せんとその歩を進める。

五条「待ちなさい!!誤解だ!!オマエ達は何か盛大な誤解をしています!!」

叫びながら、無我夢中で上条の右腕を掴んだ。

上条「離せ!!いくら上条さんでも、もうこれ以上フォローしきれねぇぞッ!!」

五条「お姉さま!!お姉さまならば誤解だとわかるでしょう!?」

美琴「うん!!そう!そうよね!あれは成り行きというか、事故の様なものというか……!」

五条「端的な発言は止めて下さい!!誤解が深まります!!」

『……あらあらあら……最近随分と夜分に出歩かれる事が多いと思っておりましたら……』

五条「!?」

学園都市の能力者による能力発現の際にはAIM拡散力場というものが観測される、という内容の授業を以前受けた事がある。
だとしたら今まさに自分が現在進行形で感じているこのプレッシャーも、その力場の影響なのだろうか。

プレッシャーの発生源は、俯いたまま言葉を発した白井黒子本人だった。
俯いているせいでその表情が読めない。
というか口元から上が綺麗に陰影になっているその様は、日本製のホラー映画を彷彿とさせ非常に恐ろしい。
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 01:41:04.34 ID:HSu5fb76o
麦野ワザとだろwwwwww
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:42:02.96 ID:UD4/KQrMo
やめて黒子さん五条さん怪我人なの!

…あっ退院遅らせる作戦でしたかそうでしたかそれならどーぞ!
519 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:43:53.30 ID:GpzR5CC7o
すっ、と彼女の掌が医療用ベッドに添えられた。

『ねえ勝さん……わたくし達、もっとゆっくりお話をする機会が必要だと思いませんこと?』

五条「え……えぇ!!そうですね!!必要です!!可能ならば、オレは明日も明後日も百年先でも、オマエと語り合いながら日々を過ごしたい!!」

上条「離せ!!はーなーせーよー!!俺は何にも関係無いだろ!?っておい、御坂!!なんでちゃっかり避難してるんですかアナタはあぁあ!?」

美琴「黒子!!誤解よ!!話せばわかるわ!!」

『でしたらお泊まりをあと一日程延長して頂いて、たっぷりお話させて頂きますの♪』

伏せられていた彼女の顔が上がり、その表情が露になる。

彼女は笑っていた。

傍目から見れば彼女が笑っているという事で、誰も疑いはしないだろう。
しかし自身は知っている。

────あれは、目が笑っていない。

上条「ベッドは!!ベッドはマズイってえええええ!!!」

五条「やめなさい!!やめろ!!やめて黒子!!」

黒子「おやすみなさいませ、勝さん♪」

彼女が触れていたベッドが音も無く消失し、明るいはずの病室が突然暗くなった。
否、自身と上条の頭上に出現したその物体により、影が出来上がっていたのだ。

──────この件を境に、五条勝の認識は改められる。
能力者のレベルの高低は、戦闘行為においてはあくまで一つの指針にしかなり得ず、"本当に恐ろしいもの"とはレベルで測定出来るものではないと──────


──────五条・上条の退院予定日数 +1──────

──────to be continued──────
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 01:45:02.46 ID:HSu5fb76o
一日で済んだのはリアルゲコ太の手腕によるものだな
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:45:35.85 ID:UWVRCd9ao
地味に上条さんが関係ないのにとばっちり食らって不幸すぎるワロタ
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:46:18.83 ID:IKcVmF7/o
幸運を認識阻害してるのかもしれんww
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:47:30.71 ID:JKZWY6uDO
俺も痣ができるくらい五条さんに強く抱かれたい
524 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/24(月) 01:50:26.86 ID:GpzR5CC7o
以上本日投下分となります
ご支援を頂きました皆様、関係各位の皆様、本日もありがとうございました

さて次回以降の投下に関しましてですが、未だ私事の立て込みが続いており、週末を除いて明確な告知が出来ない状況となっております
そこで今後の投下間隔につきましては、週末、または執筆の時間を確保出来た晩とさせて頂こうかと存じます
(今まで通り七日で二、三本ペースを保てる様尽力致します)
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 01:51:23.79 ID:HSu5fb76o
おつかれー
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:52:20.65 ID:KOeIbPTJo
お疲れ様です…グヒヒヒ
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:54:45.02 ID:UD4/KQrMo
おつー!
待つに決まってるだろJK
望まれるなら一週間全裸待機でもいいくらいだ
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:00:07.06 ID:c22CGZoDO
五条さんは恐妻家なんだねw。そして当麻の不幸体質が五条さんにも伝染していやがる・・・!。
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:05:36.93 ID:c22CGZoDO
>>527
グフフ・・・オマエ面白いヤツですね・・・
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:05:42.98 ID:Azz3rXnGo
>>344-345
オレの眼球から水分を搾取する効率が高すぎるんですがねえ?
ちくしょう五条ファンさんはばかだ
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:13:31.12 ID:c22CGZoDO
>>530
全面的に同意。素晴らしい作品を提供してくれてありがとうです。五条ファンさんはもはやファンから昇格して五条親衛隊長と名乗るべき。ゴメン、寝ぼけてるのかな?。変な事言っちゃったorz
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:38:16.15 ID:UD4/KQrMo
っていうか販促にかなり貢献してると思うんだ…
俺このSSのせいでついにイナイレのゲーム買っちゃったし…
しかも旧作のみならず最新作まで…だってシグマゾーン使う五条さん見たくて…!
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 03:09:13.12 ID:c22CGZoDO
>>532
そういえばニコ動大百科の五条さんの項目の内容がこのSSの影響をもろに受けてるっぽい。
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 04:54:23.96 ID:2IlN1Abbo
五条さん暗部入り確定なのか?
個人的には今まで通りで居て欲しいな
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 08:05:17.91 ID:VoA7Ww9w0
分離変形DXフレンダ完全回避だぜ! 流石は五条さん!!

だと思ったのに黒子の部分テレポートで
フレ/ンダ & 麦野/沈利 フラグ発生でゴザル
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 09:39:53.35 ID:dq19334r0
>349
>あなたならばきっと帰って来てくれると信じて
黒子…
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 10:10:55.99 ID:fepx3SYAO
乙、黒子が怒りでレベル5に覚醒しそうな勢いだな…
ていうか五条さん加わったらアイテムの戦力ヤバくね?強すぎじゃね?
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 18:25:06.05 ID:2hF45MgAO
五條さんの「やめて黒子!」がつぼったwwww
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 06:07:15.23 ID:tebyaDwAO
おはよう五条さん
行ってきます五条さん
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 21:44:17.65 ID:zrmrhqtio
禁書もイナイレも端々の知識しか無かったから禁書6巻までイッキ読みしてきた
天使モドキの赤シスターとおっぱいおっぱいな眼鏡っ娘の登場が楽しみだ
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 01:09:38.99 ID:j7/wZyHDO
日本が韓国に勝ったよ。五条さん
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 02:16:49.61 ID:ftUDAW2Io
これが日本の超次元サッカーだ!
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 14:39:17.39 ID:gZ7NcXyVo
容赦ない時止めでした
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 16:03:10.56 ID:IdjUcI1ao
>>540
ああ・・・次はイナズマイレブンをやってくるんだ
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 19:58:04.63 ID:d02iegKDO
一方通行に黒子と上条は兎も角、それ以外の能力は超次元サッカーで使えるのか?
一応サッカーなんだぜ
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 20:20:47.33 ID:IdjUcI1ao
>>545
美琴→砂鉄で壁作る
一方通行→じてんシュート
むぎのん→ガニメデプロトン
初春→マネージャーとしてドリンクの温度を一定に
佐天→エイリア石を探しに
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 22:32:55.33 ID:KrhnwubDo
練習して秘伝書使えば(持ってる技や最大能力値の差はあれど)大体どのキャラでも活躍出来るのが(ゲーム版)超次元サッカークオリティ。
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 22:40:58.99 ID:kQqOQI7Wo
ここの五条さんは技枠圧迫しないイケメンスキル持ちだからな…
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/27(木) 04:32:29.42 ID:SpQ/wWX60
>>545
DF美琴:ザ・タワー
GK一方通行:ビーストファング
FWむぎのん:がにめ(ry
DF絹旗:無限の壁
DFフレ/ンダ:分身フェイント(悪意はない)
FWステイル:爆熱ストーム
FW神裂:エクスカリバー

FW、DF、GKしか知らん!MFってなんだよ!
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 08:35:14.41 ID:WQO1i7xDO
それはモビルファイターってやつだよ
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 09:53:48.65 ID:HMpdGs8ho
>>549
MFとは天才が多いポジションだけど分りずらいんだよな
ステイルにフレイムダンスさせとけばおk
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 20:00:47.54 ID:jpwB0C5f0
MFは前後移動がテレポで一瞬な黒子だろ
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 22:27:13.12 ID:5d/SFyMw0
拠点防衛要員のステイルさんがGKなのもあり
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 23:15:36.52 ID:RsVKsoyPo
ステイルはバーンアウト君ポジションがしっくりきそう
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 14:09:52.67 ID:BtHA/i0Io
作者が急に忙しくなったのは多分引っ越し屋だからと予想
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 14:55:57.89 ID:GlIbgs400
サッカーやってたのかもよ?
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 17:22:28.06 ID:AeLtLIjpo
不動産屋かもしれん
まあ不動産屋が本当に忙しいのは2月3月だけど
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 19:02:00.82 ID:Xk43nJPPo
>>557
なるほど、五条ファンさんの必殺技はキラーフィールズと皇帝ペンギン3号か
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 19:58:44.45 ID:cGKfsI/e0
大覇星祭でサッカーってできないかな?
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 15:04:26.54 ID:AF4EY/y6o
マダー
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:27:56.06 ID:uPOl5XzAO
>>560
きたかと思ったじゃねえかアゲんなボケ
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:28:06.73 ID:OOivPwGXo
キーパーは上条さんと一方通行とどっちが良いんだろ。
一方通→すぐスタミナ切れおこしそう
上条さん→手の使えないポジションでは役立たず
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 18:56:23.53 ID:hac9OvkAO
上条さんは身体能力高めだし役立たずって程ではないとおもうの
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 19:16:18.70 ID:eyg8/xoVo
上条さんのパンチング技術は一流だろうなww
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 19:27:27.13 ID:jRVCn8nQo
上条「その幻想をぶち[ピーーー]!」
審判「ハンド」
上条「」
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 19:28:39.07 ID:vC1qUPpDo
どう考えてもGKです
オメガザハンドなんて目じゃないそげぶで守護神上条になります
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 19:30:41.78 ID:nZ8cc8tAO
>>563
身体能力高め程度じゃこの面子で生き残れないだろ…
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 20:08:06.80 ID:pAqyzMRgo
一方サンが三下をバットのように持って三下パンチでガードすればいいンじゃないですかァ?
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 20:43:07.67 ID:GyGbiZXDo
聖人の脚力で普通にシュートされたら上条さんだと無理じゃね?
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/01/29(土) 21:24:15.71 ID:776mrtoT0
>>565
黄金の右腕って知ってるか?(熱膨張的な感じで)
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 22:06:56.03 ID:Z1kvyX8Oo
黒子にしてもあわきんにしてもテレポーターにスポーツ(特に球技)はやらしちゃいけないよね
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 01:34:14.17 ID:OOhRDdZ0o
現地のカタールに応援に行ってるから忙しいんだよ
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 02:49:23.54 ID:OOhRDdZ0o
日本おめでとう!
熱い戦いだったな
574 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:25:31.88 ID:CtWAbuk2o
本日もご支援を頂き、誠にありがとうございます
妙な時間帯ですが投下を開始させて頂きます
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/30(日) 16:26:17.05 ID:17sUAYpYo
よしこい
576 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:27:47.87 ID:CtWAbuk2o
ビーカーが放つ仄かな橙色の光を除いては、一切の光源を遮断された部屋。
中央に鎮座するそのビーカーの中には、相も変わらず緑色の手術衣に身を包んだ人間が逆さに浸っている。

……この部屋に足を運ぶ度に、外界の時間の流れから隔絶された様な錯覚を受ける。
初めてここに訪れた昨年の晩秋以来、この部屋は何一つとして変化していない。

眼前のビーカーの中、人の心境を見透かした様な笑みを湛えていた人間がゆっくりと口を開いた。

『度々済まない、認識阻害(デコグニション)。いや、今は五条勝と呼ぶべきか』

五条「……こんにちは、統括理事長。用件をお伺いしましょうか」

『その用件なんだが少々長い話になる。その前に、私に聞きたい事があるのではないか?』

眉の一つを動かす事もなく、淡々と発声をした人間の言葉に若干の思案を経て問いを投げかける。

五条「ククク……お気遣い感謝します……まずは、オレが麦野……第四位と同じ組織に所属する事になったとの知らせを受けたのですが……」

『……詳細は後に話すが、君という存在のリスクがまた大きくなってね。私以外の理事会からもいよいよ反発の声が上がり始めた。そこで体面上だけでも君を我々の指揮下に収める必要があった。そして第四位の組織……我々の暴走を防ぐ為に設けられている組織に君を在籍させようという流れになったという事だ』

五条「……そうですか……」

『無論、君の行動原理はおおよそ把握しているつもりだ。彼女達の作戦行動は、その行動原理に反する点が多々あるだろう。故に君は、彼女達が本当に危急の任務に当たる時のみ任意で作戦行動に参加してくれればそれで構わない。あくまで体制を取り繕う為の配置だからね』

五条「……色々と厄介なものですね……」

……どうにも腑に落ちない点はあるが、眼前の人間にこれ以上の問いを投げてみたところで、恐らくは全てはぐらかされてしまうだろう。
さして強制力は無さそうだし、おおよその経緯が判っただけでも収穫だろうか。

僅かにため息を吐いて、再度ビーカーに浮かぶ人間の虚空を思わせる濁った瞳を見据える。
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 16:28:45.05 ID:Qop97DG1o
ktkr。
578 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:29:32.60 ID:CtWAbuk2o
五条「次に……絶対能力進化実験についてですが……」

『ああ、何か問題があるかね?』

表情を変えずさらりと言い放たれた言葉に、脳漿が一瞬で沸騰しそうな程の感情の激流がこみ上げて来た。

五条「人道的な観点k……」

言い出して言葉を止め、今正に自分が吐こうとした言葉を頭の中で反芻する。
人道的に反するから、そんな実験は止めろ?

……無理だ。
そもそもこの学園都市の上層部は、人間を人間と思っていない節がある。

初春より聞いた木山春生が事件を起こした理由や、"脳の開発"がメインの能力開発(カリキュラム)が存在する点を鑑みるに、恐らく自分が触れた先の絶対能力進化実験など、本当にささいな実験の一部に過ぎないだろう。

そんな相手に向かって今更人道云々を説いたところで、鼻で笑われる事すらないだろう。

自分は一体何を勘違いしていたのだろうか。
そもそも、ここはそういう場所だ。

ならば、この場で自分が主張すべき事は……

五条「……どんな実験をされようと、学園側の意図に一生徒であるオレが介入出来るだろう等と調子に乗った事は考えていません。オマエ達が如何に人道にもとる実験を行っていようと、それも知った事ではありません。いや、むしろ人の発展が数多の犠牲の上に成り立っている事には理解を示します。その為に敢えて進んで手を汚す人間には、畏敬の念すら覚えましょう。ですが……」

一旦言葉を区切り、見据える瞳に力を込める。
きっと、眉間に皺が寄る形になっているだろう。

五条「ですが、オレの好んだ人間を害するのはご遠慮願いたい。特に理屈や理由はありません。これは開き直ってしまえば、オレの我侭です。エゴイズムです」

見据えた人間の表情は、何ら変化の兆しを見せない。
そのうつろな笑みから漂う威圧感に思わず目を背けそうになるが、堪え、ひたすらにその瞳を除き続ける。
579 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:32:23.06 ID:CtWAbuk2o
若干の間を置いた後、ビーカーの人間が口を開いた。

『以後は考慮しよう。無論、あくまで考慮だが』

五条「お気遣い感謝します……以後統括理事長の考慮が、善きものである事を期待させて頂きますよ……」

そこまでを告げて、一旦視線を外した。
……当然ながらこの部屋では、視線を外した先など深い闇以外にありはしないのだが。

『質問は以上か?そろそろ本題に入らせてもらいたいのだが』

五条「ええ……御手間をかけましたね……お伺いしましょう……」

再び理事長と視線を交え、続けられるであろう言葉を待つ。


『……先の一方通行との交戦を観測させて貰って、君の能力について凡その目星が付いた』

理事長に告げられた言葉は、心のどこかで何となく推測していたものだった。

────────────

『……とはいえ、君も薄々は感づいていたのだろう?』

五条「……ええ……あくまで何となく程度にですが」

『ならば結論から問わせて貰おうか』

心なしか、只でさえ重苦しい部屋の空気が、より一層の重さを帯びた様に感じた。
これから突きつけられる言葉を前にした緊張なのか、或いは眼前の理事長が放つ重圧なのか。

『君は、この世界……いや、この次元の人間ではないね?』

──完全に予想の範疇を超えた理事長の言葉に、思わず息を飲んだ。
能力の目星が付いたという話から、何故自分が異次元の人間だという帰結になるのだろう。

五条「……そうなのですか?」

『実感はしていないか……入学の際に"覗かせて貰った"限りでは、その言葉は偽りではないのだろうな』
580 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:36:18.46 ID:CtWAbuk2o
五条「……ええ。お恥ずかしながら……」

頭の隅に居座った一抹の違和感を呼び起こし、自分がこの学園都市に来た際の事を思い起こしてみる。

学園長に呼び出しをされ、学園都市に行くという旨を告げて。
……そして気が付いたら、見知らぬ中学校で転入の挨拶をしていた。

自分は一体どうやってこの学園都市に来た?
今日まで、その記憶を疑わなかった?

そもそも──────あの時自分に学園都市行きを薦めた学園長の顔が、何故思い出せないのか──────

『……ならば順を追って説明しよう。先ずは君の能力についてだ』

先に一方通行と対峙した際、認識阻害が反射され、自身の認識阻害が阻害された結果として色濃く発現する事となった能力。
否、片鱗は既に多々見られていたが、到達点であるシグマゾーンを体感して初めて確信が持てた、自身が秘めた本当の能力。

理事長の声で、束の間の回顧が中断される。

五条「……よろしくお願いします」

『君の能力は、根本的に学園都市で研究されている能力とは相違している。学園都市で言うところの能力については、理解しているだろう?』

五条「確か……"自分だけの現実"を演算して、周囲に展開したAIM力場を介して具現化する事が学園都市で言われている"能力"の定義でしたね」

『その通りだ。ところが君がこれまでに発現させた能力は、それとは異なる道筋を辿っている』

五条「……?」

『ここからは推論が多くなってしまうのだが……君は平行世界というものを知っているか?』

五条「パラレルワールド……ですか?」

それならば知っている。映画や小説等で度々お目にかかる、似た様な世界が平行に幾つも並んだ世界観の事だ。
581 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:38:30.18 ID:CtWAbuk2o
『そうだ。実際の観測には成功していないが、この平行世界は理論上確かに存在するものとして捉えられている。そして君の能力の本懐は、この平行世界から自身が望んだ現象の因果情報を即時に手元に引き寄せる力であると思われる』

……次第に話がややこしくなって来た事に、軽い眩暈を覚えた。
しかし、つい先日異世界に一方通行を引きずり込んで攻撃を加えた自分が、この説を否定するワケにも行かないだろう。
むしろ"自分が形成した異次元"に相手を引きずりこむシグマゾーンこそが、超次元サッカーバトルの真髄なのだと先に自覚したばかりだから尚更だ。

『例えば、君が蹴ったボールに炎がまとわりつくイメージを強く描いた場合、結果として平行世界のどこかで燃えている炎が召還され、ボールにまとわりつく。時間が止まったと感じる程の反射能力と身体能力を求めれば、結果として時間が止まったと感じる程の能力が身に付く』

語られる内容を聞き進めるにつれて、自分の驚嘆の度合いが飛躍的に高まっていくのを感じた。
……チートにも程がある。
というか、それは正に

『この能力を完全に操る事が出来たのならば、それは神の御業にも等しいものだろう。しかし残念ながら、その領域に至る事は難しいものだと考えられる』

五条「……?どういう事です?」

『君が能力を発動する為に必要となる具体的なイメージの描写や肉体への負担が極端に高いと推測されるからだ。更に言えば、発動までのプロセスが完全に不明なので、我々としても君の技能を研鑽する方法が見つからない』

五条「……」

一体どうやってシュートを打っているかと問われたら、"集中して気合で打っている"としか答えようが無い。
ましてやシュートを打つ際は、自分でも理解できる程高揚した、一種のトランス状態になっている為そのプロセスなどいちいち考えた事も無かった。
そして何かしらの技を放つ度に、自身の体力が大きく削られることも理解している。
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 16:38:32.34 ID:FLKqk0EE0
なんかすごいことになってきたな
583 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:40:12.29 ID:CtWAbuk2o
『理解は出来ないが、強大な力というのはよくある話だ。その点はさして気にする必要も無い。第七位も同様の能力を持っているので、彼に会う機会があったら色々と談義してみても良いだろう』

五条「留意しておきます……」

『次に気にかかるのが、君の出自だ』

これまで淡々と言葉を紡いでいたアレイスターの気配が、初めて淀みを帯びた様に感じた。

『今までに話した内容から、君が異次元の事象を召喚する力の持ち主だという事は理解出来たね?』

五条「ええ。噛み砕いて言えばそういう事になるのですね……ククク……」

『そして、君の過去を覗かせて貰った際、やはり君と同様の能力を有している少年や少女が多数居たようだが?』

五条「……ええ。オレにとっては、シュートが炎を帯びたり、突然フィールドに津波が押し寄せたり等は日常茶飯事でした」

『……』

五条「……?どうしました?」

『いや、少し想像に難い光景だな』

五条「……とはいえ、事実でしたからね」

『……まあ良い。一旦要点を纏めよう。つまり"君の世界では異次元にアクセスする能力がごく一般的なもの"だったという事になるね?』

五条「……あまり実感はありませんが、その線が濃厚なのでしょうね」

『これで推論が成り立つ訳だが……君がこの学園都市に転入する前に在籍していたのは"帝国学園"で間違いはないか?』

五条「……はい、帝国学園ナンバーファイブ。それが俺に与えられていた称号でした……」
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/30(日) 16:41:36.55 ID:17sUAYpYo
削板みたいだな
585 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:43:03.54 ID:CtWAbuk2o
『……方々を調査してみたのだが、表も裏も含めて我々の世界に"帝国学園という学校は存在しない"。当然存在していた記録も無い』

五条「……」

『だが、君の記憶を覗いた限りでは、君がこれまでに体感した事は間違いが無さそうだ。つまり、必然的に君はこの世界とは異なる世界から来たという事になる』

学園都市に根を張って以来、外部との連絡を絶っていた為実感が薄いが、眼前の人間が突きつける事実は余りに重く感じた。
しかし事実として認識するには十分過ぎる根拠が明示されている。

五条「……そうだったのですね」

『ああ。そして君は、自分の意思でこの学園都市に来たわけではないのだろう?』

再度想起する。
学園長に呼び出しをされ、学園都市に行くという旨を告げ、気が付いたら見知らぬ中学校で転入の挨拶をしていたという事を。

『君の記憶で、学園都市行きを薦めたその学園長についてなのだが』

五条「……これまでの話から鑑みるに、彼は随分と疑わしいものですね」

……そうだ。顔すら思い出せない彼の行動は、疑問に満ち過ぎている。
何故彼は異なる世界に存在するはずの、学園都市を知っていた?
何故自分に学園都市行きを薦めた?


──そして、何故あの男は、自分に超能力の素質があると見抜いていた?
チームメイトですら、自分を認識出来なくなっていたあの状況で──


ハッとした表情で、統括理事長を見上げる。
事ここに至っても、彼の表情は一切のほつれをみせず、ただうっすらと微笑を浮かべ続けていた。

『気がついたか。そう、"君をこの世界に送り込んだ張本人は、帝国学園の学園長だ"』

おおかた予想通りの言葉が告げられると同時、一つの疑問が爆ぜ、生み出された無数の疑問のカケラが頭の中を埋め尽くして行く。

何故自分が送り込まれた?
あの男のメリットは?
顔すら覚えていないあの男は一体何者だ?
何故認識阻害を知っていた、そして認識阻害の効果が無かった?
どんな方法で自分を学園都市に送り込んだ?
何故、学園都市なのだ?
586 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:45:01.39 ID:CtWAbuk2o
『ならば何故、彼……帝国学園長がそんな事をしたのか?……考えられる理由は幾つかあるが、恐らく一番筋の通った考えは、君の特異体質に起因する』

五条「特異体質……」

……先に話していた異次元の事象を喚ぶ能力が脳裏を掠めたが、あれは自分の居た場所では当たり前の様に皆が行使していた力だ。
あの場所でも特異であった自身の能力といえば……

『そう。認識阻害(デコグニション)だ』

────────────

『……一度に詰め込み過ぎても混乱を招きそうだ。外はそろそろ昼食の時間だろう?一旦休憩を入れようか』

理事長の言葉に、携帯電話を取り出して時計に目を走らせる。
窓が無い部屋というのは、どうにも時間の感覚が狂ってしまいがちだ。
いつの間にか時間は午前と午後が切り替わる頃合になっていた。

五条「……ククク……お言葉に甘えさせて頂きましょうか……」

彼の提案を受け入れ、踵を返して部屋を後にする。
直前で足を止め、肩越しに背後のビーカーに声を投げた。

五条「……何か買ってくるものはありますか?ジュースとか、タバコとか」

『……それはジョークかね?そもそも君の年齢では、煙草は販売されないだろう』

五条「クックック……」

再び足を進め、指定されたポイントへと移動する。
周囲の景色が一瞬で切り替わり、煌々と晩夏の日差しが注ぐ街の中へと変化していた。
587 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:47:31.00 ID:CtWAbuk2o
────────────
八月二十六日 夏休み三十七日目
────────────

先の閉塞感より開放された煽りで、強く背伸びをして空を見上げる。
澄み渡る程青い空と、彩りを添えるる様に流れている雲のコントラストを妙に美しく感じ、自然と自身の笑みが強くなったのがわかった。

特段時間の指定はされなかったので、少し骨休めをしてから戻るのも良いかもしれない。

『ねぇ、あなた』

不意に背後から聞きなれない女性の声が響き、その方向へと振り返る。

次いで視界に入った女性の姿に驚愕した。

金属の留め金が付いたベルトと、極端に短いミニスカート。
上半身は、胸に桃色の布をサラシの様に巻いただけの状態に、どこかの学校のブレザーを羽織っている。
気の強そうな切れ長の目を中心に整った顔立ちをしており、僅かに赤を帯びた長い髪は、頭の左右から下部へとゴムで括られピンと伸びている。

『あなた中学生でしょ?もしかしてこれからお昼?』

眼前に立つ女性が、自身へと言葉を投げてくる。
……自身が中学生だとバレている理由は、統括理事長に会う体面上、今まさに制服を身にまとっている事から推測されたものなのだろうが、問題はそこでは無い。

『どう?良かったらお姉ちゃんと一緒にお昼ご飯行かないかな?私もちょうどこれから休憩なのよ』

自身をお姉ちゃんという評する点や、さり気の無い誘い方。
そして夏場とはいえ、余りに露出度の多いこの格好。

間違いない。
──この女は、高確率で痴女だ。


五条「……ククク……お誘いは嬉しいのですが……」

女から目線を外さないまま、一歩後方へと後ずさる。

『……?あぁ、このカッコ?ちょっとアレ過ぎるよね。でも転送能力って、演算シンドいからあんまり素肌に布とか着けすぎてちゃマズイのよ』
588 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/30(日) 16:49:59.23 ID:CtWAbuk2o
こちらの話を聞かず、自身の格好を鑑みても尚あっけらかんとしている。

……黒子の例を考えると、あまり薄着の理由にはならないだろう。
あいつは制服姿で堂々とテレポートを多様している。

転送能力者、且つ痴女。

こんな街中で白昼堂々渡り会うには、あまりに危険すぎる相手だ。
対峙していた女が、その右手に持ったマグライトを振るう。

と、先に距離を測っていた彼女の姿が、いつの間にか間近に出現……
違う。自分の姿が彼女の目の前に転送されていた。

五条「くっ……!!」

慌てて距離を測ろうとした自身の右腕に、彼女の両腕が絡みつく。
次いで腕に伝わる、二つの柔らかい感触。

いつの間にか、自分の右腕に彼女がしがみ付いている体制が出来上がっていた。

『じゃあ行こっか。何か食べたいものある?お姉ちゃんがご馳走しちゃうぞー』

五条「はっ……離しなさい!」

『だーめ、年上の厚意はきちんと受け取るものよ?』

五条「当たってる……!!当たっています……!!」

『……あれ?興奮しちゃった?ほら、変な事考えてないで行きましょ?』

そのまま歩を進め始める彼女に付き添わされる形で歩き始める。
間近に終わりを控えているとはいえ未だ夏の日は高く、湧き立つ陽炎が視界の隅を淡くぼやかしていた。

──────to be continued──────
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 16:50:30.08 ID:FLKqk0EE0
守備範囲広いなあわきん
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 16:53:33.17 ID:ZiBziPYz0
乙!
これで黒子に遭遇でもしたら血の雨が降るでぇ…
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 16:54:07.51 ID:Qop97DG1o
中学生はババァっていう一方が狭いだけでしょ
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 16:54:43.48 ID:pFt4eQfAO
流石五条さんテラ常識人
おつ
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/30(日) 16:54:53.87 ID:17sUAYpYo
色んな意味で黒子のライバルwwwwwwww
594 :五条ファン ◆APKLrJzDFw :2011/01/30(日) 17:00:35.70 ID:b7MB3mbAO
緊急外出につき、もしもしから失礼します
以上本日投下分になります
本日も御支援を頂きました皆様、関係各位の皆様、誠にありがとうございました

場面的に少々説明臭く書き込みが濃くなりがちですが、適当に読んで頂ければーと存じております

さて、次回投下に関してですが可能ならば今晩、不可ならば明晩投下を行なわせて頂きます

お時間に余裕がございましたらお付き合い頂ければ幸いです
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 17:01:13.87 ID:17sUAYpYo
おつ
全裸に靴下だけで正座して待ってる
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 17:55:26.83 ID:Qop97DG1o
乙。
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 18:05:15.92 ID:f7qoaa6DO
>>595
うp
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 18:17:47.53 ID:Bo0diQdDO
>>597
おいw
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 18:24:31.16 ID:IEmva8KAO
誰とく
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 18:36:52.48 ID:FwFyWehK0
アレイスターが通常時よりも優しい
心なしか嬉しそうも見えるし優しい
何故だろう?

J( 'ー`)し まさるは旗を立てすぎだって、クロルリー思うな
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 19:08:34.04 ID:Bo0diQdDO
一応黒子に告白してるのにこれだけ自分の意思とは関係無しに女の子が寄って来るなんて五条さんはジゴロとして生きていけそう
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 19:12:37.82 ID:rOWNP9Fco
年下好きだから中学生の五条さん狙われたのか・・・
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 19:35:39.26 ID:F7kRptI6o
>>600
まさかクロウリーにまで……
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 20:42:49.51 ID:3xrwb0/30
年齢が重要なのであって外見や性格はどうでもいいんだな
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 20:59:01.36 ID:EfNZBmOXo
これは前回とは打って変わって超展開だな
そして五条さん羨ましいぞちくしょう
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:01:49.09 ID:IEmva8KAO
あわきんかわいいよね

かわいいよね
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:02:53.20 ID:vhBw1O++0
あわきん・・・五条さんを中学生と認識できるのかwwwwwwww
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:06:35.67 ID:17sUAYpYo
ショタっ子レーダーでも付いてるんだろww
スカウターみたいに調べられるんだよ
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:07:03.78 ID:Qop97DG1o
>>607
真性ショタコンをあまり舐めない方が良い
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:35:50.40 ID:XstM4ZM60
超次元サッカーなら異世界人がいてもおかしくないな。ていうか、超次元サッカーの世界って五条さんレベルがごろごろいるのかwwやばすぎだろ
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:40:37.02 ID:nDV6cvk9o
>>610
必殺技を使える人間は多くてもその強さはピンキリ
グランフェンリルとかシグマゾーン使える五条さんはおそらく超次元世界でもトップクラス
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:47:21.61 ID:Uxj0o/l1o
皆のコメント見てようやく納得がいった、五条さんショタ扱いで連れていかれたのか……
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:50:13.35 ID:wqinwwcz0
マジであわきんVS黒子の時が楽しみだ・・・
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:52:56.77 ID:17sUAYpYo
同系統の能力で因縁の相手という状況に加えて男が絡むとか、泥沼以外の何物でもないな
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 21:59:26.41 ID:IEmva8KAO
淑女vs痴女
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 22:01:02.19 ID:EfNZBmOXo
なるほど
黒子vsあわきんのための伏線か
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 23:28:37.74 ID:2XCBgr+AO
五条さんを見定めた結標△
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 23:41:30.62 ID:Bo0diQdDO
今更だけど五条さんはショタの範疇に入るの?
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 23:57:57.55 ID:/o+tfQlAO
乙。あわきんと黒子の因縁がさらに深まるなんて、ほんま五条さんは全てのキャラをさらに魅力的にしてくれるで…

しかしクロスオーバー物ってことがこんな風に活かされるなんてなあ、いつか来る学園長との対峙が楽しみだわ。
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 00:19:14.96 ID:THhVJNrAO
たぶん普通に年下好きなだけだろうな
てかステイルってショタ?
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 01:39:55.21 ID:zARP7nPDO
>>620
某スレにて、残念ショタとしてあわきんに説教されてました
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 02:31:50.81 ID:eAj5o5Sz0
食べたいものを食べさせてくれる

つまりハンバーグを食べれて五条さん陥落シナリオってことか
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 02:42:56.49 ID:SM2+0rCAO
>>622
!!!!!
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 04:08:56.60 ID:f0Es3HJDO
>>622
五条さんは食い物でホイホイ釣られるほど愚かではないぞ! 多分・・・
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 09:19:31.86 ID:THhVJNrAO
お前だったら耐えられるか…?
まあ五条さんなら平気だと思うけど…
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 10:23:39.69 ID:yOR1dIMKo
このアレイスターは母親の様な優しさを持ってるな
そしてあわきん・・・守備範囲広すぎだろwwwwww
五条さんの外見だけで中学生と判断出来るのがすげぇwwwwww
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 10:25:54.81 ID:oRiLEfW/o
暗部の人間だから五条さんのこと知ってて何か企んでるのかと思ったが
ただのショタ狩りかww
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 13:36:07.05 ID:ihurfHMn0
アレイスターの部屋の出入りに今まであわきん使ってなかったが・・・
次回からあわきんがくっついて送ってくれそうだなwww
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 19:25:53.00 ID:pIFuAgfwo
あわきんを五条さんがいた世界に放ったらヤバいことになる
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 19:28:47.21 ID:K97GT4q6o
腐女子のファンがいるキャラはもちろん、不人気と呼ばれている連中も根こそぎいかれるなww
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 20:34:58.71 ID:TuuiHJ1To
ショタ狩りwwww
632 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 22:39:06.79 ID:DtB5RIHio
ご支援を頂いております皆様、本日も誠にありがとうございます
お待たせいたしました、これより投下を開始させて頂きます
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:41:10.00 ID:ac6f+o5Co
待ってたぜ
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 22:41:15.52 ID:K97GT4q6o
よしこい
635 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 22:41:51.38 ID:DtB5RIHio
『戻ったか』

数刻を経て、再度薄暗い部屋の中でビーカーに浮かぶ、手術着の統括理事長と視線を交わす。

『……?どうした、どうも顔色が優れないようだが』

表情を変えないまま、こちらを気遣う言動を吐く眼前の理事長の様子に、思わず眉間に皺が寄った。

五条「……どうしたもこうしたもありませんよ……何なのですか、あの転送能力者は?」

『結標淡希か。彼女が一体どうかしたのかね』

五条「……彼女と昼食を共にしたのですが……何か食べたいものはあるかと尋ねられまして……」

『……?』

五条「ハンバーグを食べたいと言ったら……よりにもよってチェーンのハンバーガーショップに連れて行かれました……」

『何か問題があるのかね?』

相も変わらず張り付いた笑みのまま言葉を続ける統括理事長に、遂に激情の堰が音を立てて切れるのがわかった。

五条「駄目なんです!!ハンバーガーでは!!あれはいけない!!ハンバーガーという認識で食するのならばまだしも、あれをハンバーグと捉える事はハンバーグへの、食材への、ひいては食材となった生命に対する冒涜だ!!私は!!私が望むものは、白米でわしゃわしゃとハンバーグを食する事なのですっっっ!!!!あれじゃない!!あれじゃあないのですよ!!」

『……』

五条「もっとチーズを!!もっと挽肉を!!!もっともっとデミグラスソースを!!!!」

気勢が空気に影響をもたらしたのだろうか。
密閉された部屋の中を、一陣の涼風が吹きぬけた様な気がした。

気がしただけで当然室内に風が吹いているはずもなく。

眼前のビーカーでは、先と同じく統括理事長様の慈愛に満ちた眼差しが自身へと向けられ続けている。
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 22:42:29.85 ID:K97GT4q6o
問題はそこかよww
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 22:44:20.48 ID:6j7F43nV0
白米でわしゃわしゃwwwwww
いかん、腹減って来た…
638 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 22:44:36.62 ID:DtB5RIHio
『話を続けようか』

五条「ええ、お騒がせ致しました」

何事も無かったかの様に口を開く理事長に一礼して、その言葉に耳を傾ける。
残念ながら、理事長は同好の士にはなり得ない様だ。

『認識阻害こそが、君がこの世界に送られる事となった原因だろうという所まで話をしたところか』

五条「……ええ。」

『では君の認識阻害についての仮説と、先に話していた"最悪"について説明しようか』

……"最悪"という単語が耳に入り、僅かに身体が緊張を帯びた。
そんな自分を見ても動じる様子も無く、抑揚に乏しい理事長の説明は続く。

『"最悪"について、先に話した内容は覚えているね?』

五条「……当然です。仔細は語られていませんが、"認識阻害を多様すると、世界の危機すら招きかねない"と伺っておりましたが」

『その通りだ。それでは、その理由を説明して行こう』

言葉を続ける統括理事長のビーカーの横の中空に、立体映像で一つの透明なボールが出現した。
その透明なボールの中には、赤く透き通る小さいボールが二つ漂っている。

『この透明なボールの中身を"虚無"と考え、中の赤いボールを平行に並んだ世界として捉えてくれ』

暫く眺めていると、中を漂う赤いボールの内の片方からもう片方へと、赤い線状のものがつきだされ、二つの赤いボールが線を中心に並んだ。
鉄アレイの様な形状といえば判りやすいだろうか。

『この状態が君が元来の能力を使用した状態、つまり平行世界から因果情報を召喚している時の状態だ。このボールの中身は成分は多少異なれど基本的に同じ世界であると言う概念から比較的安定していて、どちらか一方の色が変わったり体積が変化する様な事は無い。次に』

639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 22:44:48.98 ID:oRiLEfW/o
通なりの美学があるのか…
640 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 22:48:11.60 ID:DtB5RIHio
二つの赤いボールを繋いでいた線が途切れ、それぞれのボールに分離した後、一方のボールの表面に小さな穴が開いた。
その穴を介して徐々に中身の赤い液体が流出し始める。

『対してこの状態が、君が認識阻害を使用している状態であり、この穴の中心が君だそのものだ。世界の外側、虚無の情報を引き込む為に世界に穴が開き、引き込まれた虚無の代わりに世界の中身が外側である虚無へと流出し始めている』

徐々に赤いボールの中身が流出するにつれ、元々は真っ赤だったそのボールの赤みが薄まっていく。
対して流出先である透明のボールの中は、その容積の大きさからか殆ど色合いに変化は起こっていない。

『この状態が続けば、最終的にどういった結果になるかわかるね?』

……問われるまでもない。
やがて赤いボールはその中身を完全に外部へと吐き出し、入れ替わりに流入する極めて僅かに赤みを帯びた色に満たされる事だろう。

五条「……ええ。推測出来ます」

『とはいえ、これは説明の為に非常に小さい規模で事を起こしている模型だ。実際にはこの赤いボールには自浄作用があるので、君が普段の生活を行っている分には君の周囲に虚無が流入する事はあっても、世界の存亡までの問題には発展しないだろう。しかし』

中身を流出させていた赤いボールの穴がふさがり、再びその中に濃い赤色が戻ってくる。

『君が認識阻害を多様した場合、或いはその力の暴走が起こった場合』

完全に元の色を取り戻した赤いボールに、再び穴が開いた。
いや、穴というのは不自然だろうか。
その球形の4/1程を抉り取られた様な状態に変化している。

当然ながら、先とは比較にならない速度で流出が始まり、みるみる内に球体の中身は完全に透明に近い状態になってしまった。

『こうなるというわけだ』

淡々と続けられる理事長の言葉と、幾分かデフォルメされら映像により危機感を明確に感じることは出来ないが、事態は相当に深刻なものだとの認識が深まっていくのを感じた。
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:49:57.74 ID:THhVJNrAO
怒りのあまり一人称が私になってるwwww
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:50:27.26 ID:wHUZNsg/o
クソッ…五条さんはまだハンバーグ食えねえのかよ…!
ステーキハウスは当然、最悪でもファミレスぐらいには連れてってやれよォ!
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:51:36.30 ID:K97GT4q6o
ご馳走するって言った割にはセコいよねww
644 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 22:52:28.14 ID:DtB5RIHio
……自分が原因となって世界が滅びる。
わかってはいたが、これでは、これではまるで────

『そう、君の存在が、世界という存在そのものに対する爆弾の様なものだと思ってもらえれば理解が早い』

こちらの心を見透かした様に、性質の悪い事実が部屋に響き渡った。

────────────

『話を続けて大丈夫か?』

頭が痛い。
口の中が一気に干上がっていく。
動悸が止まらない。
自分が爆弾?何故自分が?破裂したらどうなってしまう?
閉じた瞼の裏に、急激にこれまで出会った人たちの笑顔がフラッシュバックしていく。

──────自分が彼らを、彼女達の存在を壊すのか?

唾を嚥下し、瞳を開く。

五条「……大丈夫です。話を続けてください」

『……恐らくは、君が元いた世界の人間も同様の結論に辿りついたのだろう。そしていつ暴走するとも判らない力だ。自分たちに影響の無い場所へ廃棄してしまおうという帰結に至ったのだと思われる』

五条「クッ……クックック……アーッハッハッハッハ!!」

次々と投げられる容赦の無い言葉に、思わず笑いを堪えられなくなった。
自分が爆弾?邪魔だからどこか遠くに捨ててしまおう?
ふざけるな。何だそれは。自分の意思が介在する余地が一遍も無いのが、殊更可笑しく感じる。

『そして彼らの持つ並行世界を観測する力で、数ある世界の中からそういった超常現象の研究に特化しているこの学園都市が察知され、君が送り込まれる事になったのだろうな』
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:55:38.70 ID:THhVJNrAO
…話がすごいことになってきたな
五条ファンさんは最初からこれを考えてたのか…?
646 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 22:57:09.50 ID:DtB5RIHio
五条「……?」

その言葉に違和感を感じた。
自分が扱い辛い爆弾という事は理解出来たが、何故学園都市に自分を送り込んだのだろう。
爆弾を破裂させるのならば、それこそ他の適当な場所でも構わなかっただろう。

自分が抱えている認識阻害を研究させて、一体どんな利点が──

『万一この学園都市で君が認識阻害のコントロール方法を会得したら、回収をしようと考えているのではないだろうか』

五条「……回収?」

『そのままの意味でな。彼らにとっても特異的な能力である認識阻害は、恐らく相応な利点を呼び込むのだろう……その考えに基づいて、今度は君たちの世界の人間が次元を操作する事に長けていたという観点から推測を深めようと思う。あくまで断片からくみ上げた推論なので明確な証拠は存在しないが、これから語る内容の信憑性は君自身に問うて貰おう』

最早嫌な予感しかしない。
思い起こしてみれば、自分でも謎の多い人生だとは思っていたが、何故こんなにも酷薄な道程を経て、自分はここに立っているのだろうか。

そして、眼前のビーカーから動く事無く、断片的な情報からこれだけ信憑性の濃い推論をくみ上げる理事長は、一体何者なのだろうか。
変わらずに微笑んでこちらを見据えている理事長の瞳を除く。

……その奥に、探究心という名の悪魔が吐く暗く熱い炎が燃え盛っている様な錯覚を覚えた。
その業火を叩き付けんと、爛々と燃える瞳で理事長が言葉を紡ぐ。

『君の認識阻害は生来のものだったね?ならば君は"胎児の時から初めて認識阻害を発現するまでの間に、次元操作に長けた何者かに認識阻害の異能を植え付けられた"ものかと思われる。この推論の根拠は、"君の認識阻害を理解して、尚且つその影響の外に立っていた人間が居る"という点から推測したものなのだが。その時の記憶は無いか?"記憶が無いという点は、先に君が話した帝国学園長の顔と一致しているな"』

──────止めろ。

『そして君の記憶を覗かせてもらった際、もう一人"存在は確認しているが記憶が一切無い人間"が居たのだよ。わかるか?"君の父親"だ。君の母が何度も君に言って聞かせていたね。"あなたのお父さんは立派な人なのよ"と。その言が確かならば、相当な社会的地位を築いていた人間なのだろう』

──────もう止めてくれ。
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:58:58.94 ID:wHUZNsg/o
ミスターK…
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:01:28.88 ID:VmLtSxPAO
なん…だと…?
649 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 23:02:48.22 ID:DtB5RIHio
『君の記憶の中で、"存在は確認しているが一切の記憶が無い社会的な地位の高い人間"が二人居る。奇しくもまったく同じ状態の人間だな。"君の父親"と"帝国学園長"。この二人はその不自然な共通点から察するに、同一人物である可能性が高い。君ももう違和感に気付いているのではないか?何故学園長に認識阻害が効かなかった?何故学園長が君の能力に気付いていた?君の記憶が確かならば、帝国学園長は"サッカーの為ならば何でもする"程の憎悪と執念の持ち主だったのだろう?』

五条「────もう止めて下さい!!」

『目を背けるな、五条勝。最早事態は君一人の問題の範疇を大きく逸脱している』

次々と投げつけられる推論の弾丸に溜まらず静止の悲鳴を挙げるが、理事長はこちらを嗜め、言葉を紡ぎ続ける。

『君がそれで良いのならば、この話はここで終わりにしよう。しかしそれで良いのか?いつ破裂するかも判らない君という爆弾を、この学園都市に来て以来君が関わった全ての人間に背負わせようというのか?』

五条「っ!それは!」

『話を続けさせてもらう。聞きたくないのならば、耳を塞げばそれで良い』

語られる理事長の言葉に、咄嗟に掌が両の耳へと伸び、多い尽くす寸前でその静止した。

再び学園都市に訪れて以来肩を並べた友人たちの笑顔がフラッシュバックする。
この世界に、学園都市に訪れるまで一人きりだった自分が巡り合った、久方ぶりの"自分の居場所"を形成している皆の笑顔を。
思わず目頭が熱くなり、耳を塞ごうとした自身に対する羞恥心が背骨を熱く焼きつける。

──────絶対に、皆を巻き込むわけには行かない。

奥歯を強くかみ締め、続けられる理事長の言葉に耳を傾けた。
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:04:32.42 ID:ac6f+o5Co
理事長がすげえ良い奴になっているな
何か企んでるかもしれんが
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 23:05:34.56 ID:oRiLEfW/o
何て壮大な話になってしまったんだ…
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:06:20.64 ID:j/4E1IQJo
クロルリーが他人のためにこんなに親身になってるとこ初めて見た
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:07:02.80 ID:EryfeeLd0
>>650
単純に被害をこうむりたくないだけだろ
654 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 23:08:28.63 ID:DtB5RIHio
『話を纏めよう。"君の父親と帝国学園長は、同一人物である可能性が高い"。そして"帝国学園長である誰かであり君の父親である誰かが、サッカーの為君に認識阻害を植え付けた"ものかと思われる。その後、"君の能力を制御し切れない事が発覚したので、君を平行世界であるこの学園都市に放り込んだ"。"万一君がこの学園で認識阻害の制御を身につけたのならば、回収する事を目算として"ね』

全ての欠片を繋ぐ言葉の鎖が、次々と編みこまれていく。
……告げられた推論の群れに心が一段と悲鳴を挙げるのを感じたが、胸の痛みなど今は気にしている場合ではない。

五条「……それで」

この際、もう過去はどうでも良い。

五条「……オレは、この先皆を守る為に、この世界を守る為に何をすれば良いのですか……?」

乾いた喉から言葉をひり出したが、やはり理事長の表情は綻ばない。

『考えられる方法は幾つかある。一つはこれまで通り認識阻害の力を最小限に抑えて生きて行く事だ。しかしこの方法はいつ能力が暴走してもおかしくないリスクを伴う。暴走した際に君を処分する手筈は整っているのだが、君が死亡して次元に開いた穴がどうなるのかも全く予見が出来ない為、可能ならば避けておきたい方法だ』

五条「……」
今までと変わらない保留案、というところだろうか。

『次に考えられるのは、君が先の一方通行との対峙で会得した次元移動能力を行使し、ここで告げた事実を抱えて"あちら"の帝国学園長に、認識阻害の是正手段を問う方法だ。……しかし、この方法も君が押し付けられる形で"こちら"に送られた事を考えると、解決策になり得る可能性は低いだろう』

五条「……でしょうね……」
ここまでで、何となく嫌な推論が頭をよぎる。
この統括理事長の性質を考えれば、有効な策があるのならば真っ先に提示しその是非を自分に問う事だろう。
655 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 23:10:06.69 ID:DtB5RIHio
『……済まないが、現状では上記の二点以外の対処方法は見当たらない。残されたあと一つ、君の能力が暴走した際の最終手段だが』

五条「そこまでで結構です。それに関しては、これまでの説明から大まかに推測出来ます」

『……ならばここで止めておこうか。今話せる私の話はここまでだ』

五条「……私的には、何とかして元凶を蹴り飛ばしてやりたい気持ちで一杯なのですが、とりあえずは現状維持、認識阻害は使うな、といった所でよろしいですね?」

『……その通りだ。いずれ現状を打破する芽が見つかる可能性もある』

五条「……了解しました……色々とありがとうございます」

『私としても、この世界に滅んでしまわれては困るのでね。君を身勝手に押し付けてくれた"あちら"の学園長にも、少々憤慨を覚える。今後も何かわかり次第、君に協力しよう。可能ならば、君も私に協力を頼むよ』

……厄介な借りを作ってしまったものだ。
如何にイレギュラーとはいえ、この理事長は使えるものはとことん使うだろう。
あまり面倒な事を投げられなければ良いのだが。

そんな事を考えながら踵を返す。

五条「可能な範疇でならば、尽力しましょう……」

言い終えて、部屋の出口へと歩を進める。
途中、理事長に依頼しようとしていた事を頼み忘れていたのを思い出し、足を止めてビーカーへと振り返る。

五条「!!そう言えば……」

『どうした?まだ何かあるのかね?』


──────五条「外出許可を頂きたいのですが」

──────to be continued──────
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 23:10:49.98 ID:K97GT4q6o
海に行く約束したもんね
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:10:59.22 ID:EryfeeLd0
乙です
まだまだ先は長そうだなあww
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:12:52.67 ID:VY7uRSjQ0
俺のアレイスターがこんなに親身なわけがない
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:14:38.63 ID:THhVJNrAO
アレイスターが良い人過ぎるwwww自分のためってだけじゃないだろコレwwwwww
660 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/01/31(月) 23:15:43.84 ID:DtB5RIHio
以上、本日投下分となります
本日もご支援を頂きました皆様、関係各位の皆様、誠にありがとうございました

途中で五条さん×ゼロ魔のスレに誤爆をしてしまいました
あちらの作者さんが戻ってきてwktkが抑えきれずに投下してたらこのザマだよ!
大変ご迷惑をおかけしてしまいました由、この場を借りて深くお詫び申し上げます
五条さん好きな方ならばご一読すべき名作SSとなっておりますので、興味がございましたらこの板より検索して頂ければ幸いです

さて、次回投下に関しましてですが、此度と同じく週末〜週頭、時間が取れましたらゲリラ投下を行わせて頂こうかと存じます
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:20:43.67 ID:THhVJNrAO
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:21:43.86 ID:TuuiHJ1To
乙る
統括理事長はやさしいなーあこがれちゃうなー
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 23:24:19.20 ID:oRiLEfW/o
をつ
またいい引きで終わりますな
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:33:50.30 ID:SmmheWwto

誤爆には気をつけろよ
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:39:22.33 ID:e0pqGn860


話が通じる五条さんには言っておいた方がアレイスター的にもおいしいっていうことか
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:40:29.84 ID:j/4E1IQJo
乙。
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:42:12.30 ID:LOo8G5SXo
おつです
あっち誤爆したのかw
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 23:44:12.35 ID:f0Es3HJDO
五条さんが世界の破壊者になってしまう可能性があるのか・・・
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 00:02:27.61 ID:IfU8Su6No
五条さんがあっちの世界に影響を及ぼし始めた
これも認識阻害の影響か・・・・・
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/01(火) 00:04:35.72 ID:MDBhK9H5o
>>668
世界の破壊者、五条
いくつもの世界を巡り、その瞳は何を見る―――

こうですかわかりません
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 00:05:59.05 ID:PHiMKXzAO
中2成分がいっぱいで大変よろしい
潤うぜぇ
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 00:29:40.64 ID:gG7uXEeAO
乙。
世界を球体に例えてるところでディケイドを思い出したのが俺だけじゃなくて安心した。
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 00:51:27.62 ID:PUqGfszK0
乙です

あっち見てきた
誤爆だと最初から解ってても周りの反応で笑っちゃう事もあるもんだなww
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 00:59:26.08 ID:nUwMqCero
今はもう世界の破壊者より海賊のほうが時代に即してるんじゃないかね?
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 01:10:32.03 ID:+DuRuSwlo
まさかの五条さんと影山親子説がここで出るとは思わなんだ…!
さて読み終わったし、来週のために服を脱いで待っておくか…
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 01:19:15.60 ID:4k9yLhOto
影山さんのスケールが滅茶苦茶デカくなってるで……
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 01:20:32.82 ID:+DuRuSwlo
ヒント:だいたい全部影山のせい
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 02:47:12.48 ID:bzzp3D+j0

☆「この子はもう、家の子です! 帰って下さい!!」

──┐                       ──
 学 │     ☆         [影山]   │ 帝
 園 │   J(;'Д`)し       (`Д´ )   │ 国
 都 │     (  )\( ロAロ)  ヾ(  )    │ 学
 市 │     ||   (_ _)ヾ     ||    │ 園



窓の無い部屋で☆に「クックックッ 学園都市に来てよかった!」と言ったら


  ( ロAロ) J('A` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─ 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|  
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


☆は 「まさるちゃんは旗立てすぎです」 と言って涙を少しこぼした


  ( ロAロ) J('A` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|  
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 03:11:07.62 ID:bzzp3D+j0
笑顔の方がいいよね
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 03:13:07.87 ID:bzzp3D+j0

☆「この子はもう、家の子です! 帰って下さい!!」

──┐                       ──
 学 │     ☆         [影山]   │ 帝
 園 │   J(;'Д`)し       (`Д´ )   │ 国
 都 │     (  )\( ロAロ)  ヾ(  )    │ 学
 市 │     ||   (_ _)ヾ     ||    │ 園



窓の無い部屋で☆に「クックックッ 学園都市に来てよかった!」と言ったら


  ( ロAロ) J('A` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─ 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|  
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


☆は 「まさるちゃんは旗立てすぎです」 と言って涙を少しこぼした


  ( ロAロ) J('∀` )し
  .(_ _)   (  )  .┌─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄くく ̄ ̄ ̄|  
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 03:34:16.22 ID:YHcf2d0L0
笑顔の方がいいね
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 09:07:03.57 ID:01LD3ZkJo
もし五条さんが影山の息子だとすると
その父親はもう既に護送中に・・・
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 10:00:51.44 ID:JxyFwGBDO
時間軸は違うんじゃないかなぁ
つってもイナズマ世界の何時頃に五条さんが送られたかは不明だけど
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 10:23:30.72 ID:o1rBSH6E0
影山ってだれ?とおもって画像検索したら…
似過ぎだろwwwww
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 14:11:19.50 ID:nUwMqCero
全く知らないで二人の画像見たら親子キャラかと思うレベル
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 15:39:08.69 ID:vmDPG/np0
アレイスターが100%真実を語ってるかは別と思ってたけどそっくりだわww
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/01(火) 16:40:31.81 ID:TIDxGEhJo
イナイレ知らんから見てみたらこんな奴がおったのか…
原作知ってたらより楽しめただろう
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 17:45:48.30 ID:3dicaUpDo
影山が五条さんソックリな件
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 17:50:09.70 ID:YAy4httlo
イナズマイレブンの序盤の悪いことは大概、影山の所為で通用する件・
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 18:55:15.66 ID:o1rBSH6E0
五条さん人気投票も最初は影山のせいかもしれないと言われてたみたいだね
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 20:27:02.89 ID:+DuRuSwlo
イナイレの映画に出てた未来の主人公勢力参謀(影山似)は五条さんの子孫だと俺は信じて疑わないことにした
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 22:38:17.07 ID:01LD3ZkJo
てか、五条さんよりもコトアールの鬼道ポジションの奴の方が影山に似てるだろ
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 22:47:02.44 ID:ffI3lHkto
>>692
ジーン・ゲイノだったか?
アレは影野だったと思うが
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 00:24:27.41 ID:2JzoDZngo
>>693
え?マジ?
グラサンかけてるしゴーグルキャラいないから鬼道ポジションと思ったんだが
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 00:37:06.09 ID:iPPYc7E0o
スキッド・ウーって奴がキドウでしょ
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 11:53:26.56 ID:Y5HcaUhAO
質問なんだが、
魔術サイドと科学サイドがあって、上条さんは話術サイドだろ?
五条さんは何サイドって呼べばいいんだ?
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/02(水) 11:58:29.34 ID:8B3lrX0qo
サッカーだろ
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 12:47:52.39 ID:h6OwsiAAO
オフサイドだろ
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 13:00:07.93 ID:es/zxVhAO
>>698
だれうま
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 14:50:48.71 ID:5eNfjqsg0
異次元にアクセスする能力が五条さんの世界で一般的っていってたけどサッカーだけの話だよな
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 16:46:16.02 ID:GouTdtZAO
ガニメデプロトンだっけ?
あれはボールに対してしか撃てないの?
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/02(水) 17:21:21.16 ID:WXvSI/FDO
>>696
普通に蹴球サイドでは?
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 07:59:33.59 ID:f55NL6fJ0
>>701
もしそうだとしても無問題
アストロブレイクっていう雑魚技程度で学校壊せるから
またGKをやるとしたら相当の体の防御力がなきゃやってられない
すごいぱーんちの人や上条さんぐらいが適任だと思う
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 10:39:38.37 ID:w6rdjLbAO
なんじゃそりゃwwww
じゃあイナイレの最強の蹴り技だとどのくらいの破壊力があるの?
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:17:57.30 ID:QALqRfqJo
>>704
http://www.youtube.com/watch?v=E0eDvBlFOKo
これくらい
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:28:05.43 ID:GGPhh+eeo
ttp://www.madoka-magica.com/special/dic/img/card10.png
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:46:51.82 ID:OwmgzJvWo
>>705
五条さんのシュートで地球がヤバイ
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:49:06.89 ID:w6rdjLbAO
>>705
なぜか壊れないボールとゴール
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:49:38.17 ID:w6rdjLbAO
>>706
なんスかこれ
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:50:19.10 ID:0yytJb7Io
魔女の使い魔
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:51:14.37 ID:S8lKSyoYo
魔法少女まどかマギカに出てくる雑魚敵
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:57:36.88 ID:w6rdjLbAO
なんかめっちゃ強く見えるんだけど五条さん効果?
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 03:59:33.92 ID:rSx8nqXb0
イナイレは「サッカー」として見ちゃだめだよな
小1の従兄弟に付き合ってDVD見たら愕然としたでござるの巻
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 09:22:03.86 ID:K3AguFzR0
認識阻害で思い出したけど、超電磁砲で視覚阻害っていたよね?
あの娘も成長すれば似たような感じの能力になるのかな。
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 09:51:10.90 ID:PqUNwePwo
>>705
これでも世界からしてみればカスレベルなんだよな
やはり五条さんには皇帝ペンギン3号が似合う
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 13:04:37.10 ID:dNkH7KmAO
>>714
あれは姫神さんと同系統の能力で影が薄いだけだから違うと思うな
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 06:33:05.90 ID:e25DYB0Wo
ものすごい今更だが、一方さんよく認識阻害を反射できたな
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 11:21:46.29 ID:zQR2EkFS0
>>716
おっと姫神さんの悪口はそこまでだ
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 17:47:39.06 ID:+m5KAJ58o
めっちゃ関係ないけど五条さんが送り込まれたハリポタが急に脳内再生された…
ハリーが五条さんに見えてきた不思議
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 21:15:23.99 ID:17cRkU4DO
>>717
でもΣゾーンには対応できず引き込まれてたよな
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/05(土) 22:00:02.31 ID:cwiZetVlo
>>720
エイワスにやられた時と同様で逸らしきれないベクトルだったんだろ
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 22:15:24.97 ID:vwfL6q2uP
しかし瞬間移動やら精神操作やらサイコキネシスやらのどこにベクトルがあると言うのか
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 22:39:14.36 ID:AtKwSy+2o
熱のどこにベクトルあるんだろって言うくらい野暮だろ
実際のベクトルどうこうじゃなくて仮想ベクトルだかなんだかに当てはめて干渉する能力なんじゃね?
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 22:59:39.36 ID:KeQzyK4Q0
>>723
え?
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 23:09:34.01 ID:np22GmASo
>>722
瞬間移動は11次元上の移動ベクトルだって説明されてるし
サイコキネシスは普通に物理的な力じゃね?
精神操作は・・・・さあ?
まあ科学的に考えると脳内の電気だのなんだのの操作を行うんだからベクトルはあるだろ
魔術は科学の範疇じゃわからん

>>724
え?
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 23:35:48.47 ID:IEQlubsT0
そもそも禁書の設定からして科学?なにそれ強いの?レベルだから突っ込んでも無意味
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:28:12.89 ID:kmBwlS8AO
学園都市の能力者は原石を除いて皆演算して能力発動してるんだから何かしらのベクトルは存在してるんじゃね。対象決めれば確実に方向性が存在するし
そもそも一方さんは未知のモノでも解析してその場で反射に組み込むくらいだしなぁ

>>723
熱は分子運動の激しさの度合いだから思いっきりベクトル持ってるぞ、とマジレス
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:57:04.16 ID:1cOCaiwDO
認識阻害能力はレーザーでもビームでもないただの視線(眼力)だろ。
物理法則とか小難しい話は別に考えなくていいでしょ


ただ疑問なのは、異次元の能力である認識阻害を一方さんが反射できたことなんだよなあ。
てか認識阻害を解析できるってこの禁書SSのストーリー上重要なポイントになってこないか?
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 01:03:09.32 ID:NS/lEqK6o
まあアクセラレータの能力の本質は
「ベクトルを操ること」じゃなく「不明なものを逆算し推測すること」なわけだし、
認識阻害を解析できるのはある意味当たり前かもな
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 01:03:11.05 ID:dntJIMmVo
>>728
ここまで考えてあるんだ、そのくらい考えてるだろう。
色々言うと展開予想になるから止めておくけど。
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 01:06:07.29 ID:nUHuidaAO
こういっちゃナンだが原作自体科学描写が曖昧だからな
>>1の解釈に任せてフレキシブルにいこうじゃないの
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/06(日) 09:12:05.28 ID:tGRCVKyXo
投下がなくて暇なのはわかるけど議論はやめろよ
それでいくつのスレを潰してきたのか
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 12:38:47.58 ID:Hw3EnuVdo
議論そのものはともかく、一方さんの能力なら原作関係のとこでやるべき
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 12:53:41.93 ID:r1tN4onAO
いや認識阻害の議論はここでしかできんだろ
議論するのは控えた方が良いとは思うが
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 12:57:39.49 ID:bBgl7ELgo
>>727
マジかよ…禁書関連のスレで「熱にベクトルはない」キリッって言ってた奴のこと信じてたのに…
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 13:41:25.98 ID:Hw3EnuVdo
>>734
だから、認識阻害には関係ない議論の話をしてるんだが
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 13:52:18.46 ID:r1tN4onAO
>>736
基本的に認識阻害の話ばかりじゃないか?
そこまで脱線してないだろ
まあコーユー話はキリがないからもう黙るわ
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 15:13:05.10 ID:qGJY03xRo
だって、視線ってことは光反射して五条さんの目に届いて認識した時に効果が発するんでしょう
そしたら余裕でベクトルじゃん
光速さえも超えて計算できるセロリさんカッケー
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 22:50:16.64 ID:XVglomu30
概要詳細関連云々掲示板
             /)
           ///)
          /,.=゙''"/   
   /     i f ,.r='"-‐'つ____こまけぇこたぁいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /



740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 02:23:20.73 ID:mnhvrx9Go
細かいこと言い始めたら原作が既に色々アレだしな
楽しめればいいじゃないか
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 21:17:36.54 ID:efj4bgzSO
こういうところで細かい事気にする奴は絶対に人生損してるわ
742 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 21:58:54.52 ID:XmYUE7e7o
本日もご支援頂き、誠にありがとうございます
またなかなか筆を執る時間が取れず、大変お待たせ致しました由、併せてお詫び申し上げます
それでは、本日分の投下を開始させて頂きます
743 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:00:58.39 ID:XmYUE7e7o
『……来たか。存外に遅かったな』

学園都市第七学区の一角。
薄暗い宵闇に包まれた部屋の中に、堂々とした男性の声が響き渡る。
その声に呼応したかの様に、ぼう、と中空に炎が浮かび、その炎が部屋の中に居る二人の男の姿を浮かび上がらせた。

片方の男は、長めの緑髪を総髪にまとめ上げ、白いスーツに身を包んだまま泰然とソファに腰掛ける稀代の錬金術師、アウレオルス=イザード。
そしてもう片方の男は、対照的な漆黒の神父服に身を包み、咥えた口元のタバコへとライターの炎を寄せる天才魔術師、ステイル=マグヌス。

ステイルはそのタバコの先端に火を灯すと深く息を吸い込み、一拍の後大きく紫煙吐き出し、口を開いた。

ステイル「詫びるつもりは無いよ。生憎とこちらも暇じゃないんでね。それで、見せたいものって、一体何だい?」

アウレオルス「悠然。そう急くな倫敦の神父よ。時に貴様は一人で来たというのか?」

ステイル「……?ああ。それがどうかしたのか?」

ステイルの返事を聞いたアウレオルスが、疑わしげに周囲を眺める。
薄暗い部屋の中には間違いなく彼とステイルのしか存在せず、また周囲に他者の気配が無いという事を確認した様に一度口元に笑みを浮かべた彼が、再びその口を開いた。

アウレオルス「少々無用心が過ぎるな」

ステイル「……無用心?そもそも君はこの部屋の中では魔術が使えない様結界を──」

そこまで言葉を吐いたステイルは、アウレオルスの右手を見て戦慄する。
暗い部屋の中ではまざまざとは確認出来ないが、その右手に握られた細い棒状の何か。
その何かが一瞬金色の輝きを放つと同時、コートの内ポケットからルーンを刻んだカードを取り出さんとステイルの右腕が動いた。

アウレオルス「動くな、ステイル=マグヌス」

ステイル「っ!?」
744 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:03:41.93 ID:XmYUE7e7o
薄暗い部屋の中、突然の出来事で反応が遅れたのは当然だった。
ステイルが右手でカードを掴むと同時、その首に黄金の鍼を突き立てたアウレオルスが言葉を吐くと、突然鉛の様に重くなった体がステイルの動きを完全に封じた。

その様を見たアウレオルスが、くくっ、と小さく含み笑いをした後に、彫像の様に固まったステイルに向け言葉を吐く。

アウレオルス「憮然……あの程度の結界で我が黄金練成を防げるだろうとは、侮られたものだな」

ステイル「……!貴様、何をするつもりだっ!?」

投げられたステイルの言葉に返答するでもなく、アウレオルスはゆっくりソファから立ち上がると、入り口とは逆側の窓に立ち、その外に広がっている学園都市の夜景を眺めた。
眼下に広がるその景色を、どこか遠くを眺める様な眼差しで眺めていた錬金術師の口が動く。

アウレオルス「当然。知れた事……三沢塾の一件における礼をするまで」

ステイル「……?礼……!?」

呟いた錬金術師が、そのまま振り返り魔術師と視線を交差させる。

アウレオルス「五条勝には礼をしていたが、貴様には礼をしていない。此度呼集せしは、その礼をせんが為だ」

ステイル「……礼ね、だったらこの呪縛を解いてくれないか?」

アウレオルス「それは出来ん。これより行わんとする事は、貴様らの教義の源に反するもの。貴様はそこで見ているが良い。"我が術にて動きを封じられている状態"でな」

ステイル「……!?」

再び踵を返し、窓の外に目線を投げた錬金術師が言葉を続ける。

アウレオルス「……少々、話をしようではないか」

ステイル「……」

アウレオルス「三沢塾での一件以来、私は考えを改めさせられたのだ。禁書目録を人の身より外し、彼女の笑顔を守りたい……その一心で全てを捨て、神にすら反目し、なお私は艱難辛苦を積み重ねこの黄金練成を完成させた」

ステイル「……その努力は、まったくの無駄骨に終わったわけだけどね」

吐かれたステイルの皮肉に、軽く自嘲の色を表情に浮かべたアウレオルスの言葉が続く。

アウレオルス「然り。されどそれは貴様とて同様だろう?ステイル=マグヌス。貴様も彼女が為、相応の研鑽を重ねたはずだ」
745 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:06:12.58 ID:XmYUE7e7o
ステイル「それは……」

アウレオルス「……そして我々が幾重にも血涙を重ねようと届かなかった彼女の解放を、いとも容易に上条当麻と五条勝が成しえてしまった」

ステイル「……!!それは違う!彼らの辿った道は、決して容易なんかじゃ」

アウレオルス「唖然、失言であったな。彼等を侮辱する意は無い。許せ。そして結果として、禁書目録は記憶を失わずに生を歩むことが可能となったと」

ステイル「ああ……それは君もボクも望むところだったはずだろう?彼女の幸福。それを得るために君は神に背き、ボクは悪に染まる事も辞さなかった」

アウレオルス「また然り。私も禁書目録と上条当麻を見て、嫉妬すると同時に祝福の念も抱いたのだ。そしてあの三沢塾一軒では、その祝福の念が嫉妬に打ち勝ったが為、私は黄金練成を封じ、彼の者達を陰より見守ろうと決意した。彼女が幸福なるというのならば、それに勝るものは無いだろう。我が方向性は誤っていたのだとな……だが……」

そこで振り返ったアウレオルスの表情を見たステイルの背中を、ぞわりと冷たい何かが駆け巡った。
あれは、あの表情は──

アウレオルス「時を経るつれ、次第に私の中で肥大化して行ったのだ。そう、嫉妬の感情が」

ステイル「っ!!ならば君は壊すというのか!?彼女がようやく得た平穏を!日々を笑って過ごせるという、当たり前の幸福を!!」

語調を荒げるステイルと対照的に、何処か落ち込んだ様なアウレオルスの声が響く。

アウレオルス「……そうなのだ。私には出来ない。禁書目録がようやく得た幸福を私情にて蹂躙するなど、到底叶わぬ」

ステイル「……だったら話はこれで」

アウレオルス「だがな倫敦の神父よ。そんな矛盾を抱えたまま煩悶の日々を送る内、さる東洋の偉大な錬金術師の言葉を思い出した。その錬金術師の残した言葉が、私を突き動かしたのだ」

ステイル「?」
746 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:08:25.72 ID:XmYUE7e7o
アウレオルス「"彼女は僕が先に好きになったんじゃないか、それを横からとるなんてダメだよ兄さん!"と!」


ステイル「」

アウレオルス「私は感銘を受けた。そうだ!私が先に想いを寄せた禁書目録が、どこの馬の骨とも知れぬ男に奪われて良いというのか!?否!!私には、そして貴様には、上条当麻よりも先に禁書目録と想いを通わせる権利があるハズだ!!」

次第に加速する様テンションを上げる錬金術師の気勢に押される様、ぽろっとステイルの咥えたタバコの灰が落ちた。


ステイル「しかし、それは彼女が選択する事じゃあ……」

アウレオルス「当然!!されど目を逸らすなステイル=マグヌス!姫神秋沙より聞き及びしところによれば、上条当麻は我らが禁書目録と既に同棲をしているとの事ではないか!」

ステイル「それはイギリス清教の指示でもあるんだけどね……」

アウレオルス「知れた事!!されど想像してみよ!!我らが禁書目録と同棲をした折に繰り広げられるであろう、その甘美で穏やかな日常を」

ステイル「!!そんな不埒なこと、出来るワケが」

アウレオルス「己が欲望のまま正直に想像せよ!倫敦の神父!!」

高らかに声を上げたアウレオルスの首に、黄金の鍼が立てられる。
刹那、ステイル=マグヌスの脳裏に浮かんだのは、禁書目録と呼ばれる少女との二人暮し。
朝は彼女に起こされ、二人で朝食をとり、暫し同じソファでテレビを眺めた後、猫を伴い近所の公園に散歩に行き、彼女が興味を示した飲食店で昼食を済ませ、そのままぶらぶらと街を歩き、夕食の買い物をし、帰宅し、夕食の後に軽く戯れそのままベッドで──

つう、とステイルの鼻腔から一筋の赤い線が流れた。
それは、そんな願望が叶わないと知る彼の心が流した涙に代わるものだったのかもしれない。
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:10:19.78 ID:RfwCuU9AO
アウレオルスじゅうはっさいなにいってんだwwww
748 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:11:43.44 ID:XmYUE7e7o
アウレオルス「クックック……貴様も思春期、無理も無い……鼻血よ、止まれ」

アウレオルスが三度首に黄金の鍼を突き立てると、ステイルの鼻から流れ出した血がぴたりと止まった。
それと同時に、呆けていたステイルの顔が険しくなり、言葉を吐き出した。

ステイル「クソっ!!こんな事を考えさせてどうするつもりだ!?ボクらが如何に望もうと、彼女は、彼女はッ!!」

アウレオルス「間然。既に禁書目録は彼女が定めし伴侶が居る。その幸福を奪うことは我らには到底叶わぬ。私はこのジレンマを解消する為の手立てを考え、そして結論に至ったのだ」

ステイル「結論……?」

アウレオルス「そう、"もしも彼女がもう一人居れば"とな」

ステイル「なっ……!?まさか……!?」

アウレオルス「見るが良いステイル=マグヌス!!これぞ我が錬金術が到達点にして終着点!!我が願望にして貴様が願望!!これこそを以って我が最大の返礼と知れっ!!」

再度高らかに叫んだアウレオルスの首に、黄金の鍼が突き立てられる。
刹那、アウレオルスとステイルの間に黄金の閃光が迸り、部屋中を埋め尽くして行った。


────────────
八月二十七日 夏休み三十八日目
────────────
749 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:14:09.78 ID:XmYUE7e7o
『クックック……では、行くとしましょうか……』

残り幾許も無い夏を惜しむかの様に冴え渡る晴天。
とはいえ、相も変わらずその紫外線を容赦無い勢いで投げ掛けてきている太陽のせいで今日も温度計の表示は摂氏三十度を上回っており、晩夏の公園は季節外れの猛暑の様相を呈していた。

その公園の中でむさっ苦しい白外套に身を包みながら悠然と言い放つ五条勝の長身を眺め、彼の対面に立つ転送能力者の少女白井黒子は大きくため息を吐き出した。

黒子「行きますかって勝さん、何ですのその格好は?見ているこちらまで暑くなって来ますわ。というか……」

いつもの微笑を浮かべたまま、つるなしのメガネに太陽光を乱反射させている五条に、黒子の言葉が続けられる。

黒子「学園都市に来て以来、外出されるのは初めてですの?これから一体いくつ面倒な手続きが待っているかご存知ではありませんの?」

法を守っている立場として、当然彼女は知っている。
学園都市の機密保持に関する異様なまでの堅苦しさと、その最中で外出をするという事が如何に面倒な手続きを経るものであるかを。

そもそも、こんなにも急に外出届が受理された点は些か不自然ではあったが、どうにも偽造の線は薄そうだし、そんな事を知ったら彼女がそれはもう烈火の如く激怒するであろう事を五条は知っている。
相も変わらず謎の多い人だ、と彼女が再度が再度吐こうとしたため息は、五条の言葉によってかき消された。

五条「クックック……面倒な手続きとやらはパスしましょうか……どうせオレに許可を出した人間は、これからの移動手段も、果てはオマエと同行する事も周知の範疇でしょう……」

黒子「……何ですのそれ……?」

そこまで言葉を吐いた五条勝の視線が、中空へと投げられ再び言葉が続けられる。

五条「何よりも行き先を指定されたと言うのが気がかりですが……まあ好意に甘えておきましょうか……ねえ……?どうせ見ているのでしょう、オマエは……クックック……」

その言葉に反応した黒子の視線が、五条の視線と同じく中空へと投げられる。
しかし当然ながら、そこには何も無い。
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:16:03.13 ID:fo/sbluRo
ギャグ回か
751 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:16:15.31 ID:XmYUE7e7o
黒子「……?勝さん?中二病でもこじらせましたの?」

五条「なっ!?」

黒子「パスをすると仰いましたけれども、不可能ですわ。これから外との境界線に向かうかと思われますけれど、その境界線で強制的に体内にナノマシンの注入作業と書類の山の処理が待ち受けておりますのよ?」

五条「……黒子、荷物はそれだけですか?」

外出の際に必要となる面倒な手続きを知っている事を得意げに語る黒子と、意に介さず彼女の手荷物のみに気を掛ける五条。

その問いを聞いた彼女は、自身が抱える大きめのバッグに目線を落とし、五条へと返答した。

黒子「ええ。二泊三日ならば、あとは現地で調達すればよろしいかと思いまして」

五条「そうですか……」

答えを聞いた五条が、彼女の右手からバッグを受け取る。

右手に黒子のバッグ。
左手に自分のバッグ。

両手の塞がった五条はそのまま黒子に背を向け、軽くしゃがみこむ様に中腰の体制になる。

五条が求めていることを理解が出来ず立ち尽くす黒子と、降り注ぐ蝉時雨。

暫しの間を置いて振り返った五条が、不思議そうな表情で口を開いた。

五条「……?何をしているのです?おんぶですよ、おんぶ」

黒子「おっ……おんぶですの!?」

五条「早くしなさい……!夏は待ってはくれません……!」

ほらほら、と急かす様に揺られたその背中を見つめる黒子の顔に徐々に赤みがさす。
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:17:51.06 ID:jP7nMIudo
おおktkr!
全裸待機解除、早速正装して読まねば!
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:17:52.53 ID:RfwCuU9AO
基本的にギャグSSじゃないの?
754 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:19:05.37 ID:XmYUE7e7o
黒子「まっ……勝さんと密着できる点ではそういったプレイも嫌ではな……いえむしろそのマニアックな要求もわたくしの望む所なのですが、幾らなんでも街中でおんぶというのは羞恥心的にも風紀委員的にもマズイですの、あ、いえ、羞恥心を煽られるのは嫌じゃないですわよ。というかわたくし的にも燃えるので構わな「良いから早くしなさい」

冷淡に放たれた五条の言葉に、彼女は一瞬のたじろぎを見せた後覚悟を秘めた表情へと変貌し、その肩に両手を掛ける。

黒子「……覚えていないのですけれど、あの晩以来なのですわね」

五条「……そんな事もありましたね、クックック……」

次いでその体重を五条の背に預けた彼女の頬が、より一層赤く染まっていく。

黒子(……やっぱり大きいですわね、勝さんの背中……)

五条「ククク……」

かちゃり。

どこか恍惚した表情のまま、その頬を五条の背中へと押し当てる黒子。
早鐘こそ打たれていないが、とくん、とくんと背中越しに伝わる五条の鼓動が、彼女の耳に届いた。

かちゃり。

黒子「ねえ、勝さん……?」

五条「……?何でしょう?」

かちゃり。

黒子「さっきから何をされておりますの?」

五条「ああ、コレですか」

かちゃり。
音が鳴るたびに、まるで車のシートベルトの様な仰々しいベルトで自身の身体が五条の背に固定されていくのを感じていた黒子が、率直に疑問を吐き出した。
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:20:03.53 ID:fo/sbluRo
飛ぶ気じゃないだろうなww
756 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:21:44.37 ID:XmYUE7e7o
胴体に三本、足に一本のベルトで強く固定された状態の彼女と五条の姿は、傍目から見ると非常に滑稽なものに見える。

五条「落ちると危険ですからね……しっかり掴まっていなさい……クックックック……」

黒子「きっ危険って……!?ちょっと、勝さん何をされるつもりですの!?」

五条「行きますよ……加速が終わるまでは息を止めていなさい……5……4……」

黒子「お待ち遊ばせ!!何ですの!!何ですのその不穏なカウントダウンは!?」

五条「3……2……」

再び両手にバッグを持った五条の身体が、その筋肉を凝縮して力を貯める様にググっと折り曲げられる。
その背に負われる黒子の表情は、襲い掛かる不安に対し、徐々に青ざめていった。

黒子「お待ち下さい!!勝さん!!良く判りませんがわたくし心の準備がまだ──」

五条「1……0!」

轟、という音と共に、襲い掛かる重力に全身の血液が後方に引っ張られる様な感覚を覚えた黒子の意識が、徐々に漂白されて行く。

その意識が手放されんとする直前、息を止めていろと言った五条の言葉を思い出した彼女は強く口をつぐみ、その背にしがみ付く事で何とか意識を留めた。

そして景色が目まぐるしく流動する様を見て、その背に負われた彼女は気付いた。
自身と五条勝が、今正に凄まじい速度で上昇しているという事に──────

────────────
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:24:35.92 ID:RfwCuU9AO
バレてもいいのか!?
758 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:25:26.11 ID:XmYUE7e7o
手を伸ばせば届きそうな程に近い雲、遥か下方に流れ行く街の風景。
閉鎖的な学園都市を抜け出し、青い海を目指して、愛しの五条勝とつかの間のバカンスを堪能しに向かったはずの白井黒子は──

黒子「……何ですの、これ……」

自分が五条の背に負われ、空を駆けている事に呆然としていた。

五条「クックック……何故飛べるのか、とかどんな能力なのか、とか細かい事はオレも良くわからないのですがね……なかなかに壮観でしょう……」

ともすれば、彼の駆ける振動で酔ってしまいそうなものだが、転送能力を多用する白井黒子の三半規管は、随分と鍛え上げれていたものだった。
現に彼女はその振動と速度をものともせず、流れていく景色や鳥を眺めるたびに、感嘆の声を挙げている。

五条「……この調子ならば、思ったよりも早く目的地に着きそうです……黒子、体調に異常はありませんか?」

自分を気遣う五条の言葉に、少し喉が渇いた事を告げようと思ったが、彼女は言葉を飲み込んだ。
自身と荷物を負ってこの速度で駆けている五条が平然としているのに、自分のわがままで彼のペースを乱す事は無いだろうと。

黒子「……異常有りませんわ。それより勝さんはお疲れになりませんの?」

五条「軽く駆けているだけですからね……全力だったら、今頃オマエは火だるまですよ……クックック……」

その含み笑いが冗談は無いであろう事を察した黒子の背を、一抹の恐怖感がなぞる。

黒子「あまり脅かさないで下さいまし」

五条「これはすみません……」

黒子「……というか勝さん」

五条「……?どうしました?」

黒子「こんな姿、外の方に見られたらフライングヒューマノイドが出たと騒ぎになりませんこと?」

五条「あぁ、その点は心配要りません……余程接近遭遇でもしない限りは、我々の姿は見えていない。いや、見えづらい様になっていますので」

黒子「……ますますワケがわかりませんの」
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:26:16.41 ID:fo/sbluRo
アウレオルスの偉大さがよく分かるスレだな
760 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:27:40.19 ID:XmYUE7e7o
軽口を叩きあい、再び黒子は五条の背に顔を埋める。
規則的な五条の息遣いに合わせ、その背が膨れ、萎み。
そんな繰り返しを感じながら、彼女が小声で呟いた。

黒子「本当に、わたくしは貴方の事を何も知りませんのね」

その呟きは吹き付ける風の音に打ち消され、五条の耳へと届く事は無かった。

────────────

数刻程空を駆けて到着した神奈川県のとあるビーチは人影もまばらで、思っていた以上に活気の無いものだった。

五条「……少々期待外れでしたかね……もう少し活気のあるものだと思っていましたが……」

その様を見て、思わず一人ごちる。
入院中にニュースで耳にした太平洋沿岸のクラゲ大量発生の煽りを受けたのだろうか。
それなりに広いビーチは随分閑散としていて、夏ももう終わりかけだという事実を改めて想起させてくれる。

ぎらぎらと照りつける太陽。
青松白砂の様相を呈する、なかなかに赴きのある浜辺。
しかし夏特有の喧騒はなく、ただ穏やかな波の音と蝉の鳴き声、時折高く鳴く鳶の声が周囲を夏色に彩っていた。

直ぐに着替えを済ませた自身とは違い、少々時間がかかるであろう黒子が手近な海の家で着替えを済ませる間、レンタルしたパラソルとサマーベッドを設置してそのベッドに腰掛け、波の音に耳を澄ませる。

──────こうして誰かと海水浴に来るなど、どれくらいぶりの事だろうか。

『どうされましたの?感傷的になられて』

五条「……クックック……いえ、海というのも中々に良いものですね……へぇあッ!?」

背後から投げられた黒子の言葉に答えながら振り返った五条の笑みが、驚愕の色に染まりあがった。

黒子「大変お待たせしましたわ。いかがです?似合っておりますの?」
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:30:06.49 ID:dEmy5TBDO
・・・・・・へぇあッ!?
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:30:43.16 ID:RfwCuU9AO
ちょっと五条さんには刺激が強すぎるな
763 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:32:16.82 ID:XmYUE7e7o
五条の視界に写る、見慣れた白井黒子の姿。
問題は、その水着の方だった。
お世辞にも大人びた体型とは言えない起伏に乏しい彼女の肢体とその局部、細かく表現してしまうならば股間と両胸の先端を、必要最低限な紫色の布が覆い隠している。

というか、その局部を隠している布の面積は一般的なそれと比較して余りに小さく、ほぼ全裸に近い。

五条「サっ……サンバ?」

思わず見たままの印象を表す言葉が、五条の口から漏れた。

黒子「嫌ですわ、サンバではございません。水着ですの。恥ずかしいのであまり見つめないで下さいまし」

黒子の返答を聞いた五条が黙って立ち上がり、海に向かって駆け出した。

黒子「……?」

その様子を不思議そうに眺めている黒子を尻目に、走りながら五条が指を鳴らした。
次いで一斉に浜辺の水が引き、暫しの静寂を伴った後に、高さ数メートルはあろうかという一際大きな波が海岸へと押し寄せる。

押し寄せてくる波間にいつの間にか漂っていたサーフボードに向かい五条は大きく跳躍し、その上へと飛び乗ると、起用にバランスを取り、波を切り裂き滑走を始めた。

波は次第にその形を崩し始め、白と青が描くパイプラインが形成され始める。

その最中に悠然とボードを滑らせた五条の身体がそのままの勢いで美しい弧を描き、宙へと舞う。
海面から一羽の企鵝が顔を出し、五条に向かいビーチボールを放った。

黒子「すっ……凄いですの勝さん!!そんな特技がございましたのねっ!流石ですのー!」

始めて目の当たりにする五条の波に乗る姿にキャーキャーと黄色い歓声を上げる白井黒子。

五条「着替えろ……純粋にっ!!」

その顔面に向かい、ビーチボールによる五条のシュートが放たれた。
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:33:25.22 ID:fo/sbluRo
やっぱギャグ回やww
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:33:36.32 ID:jP7nMIudo
五条さんツナミブーストも使えたのかwwwwwwwwwwww

てっきり海に向かったのは冷やして鎮めるためだと(ry
766 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:34:46.85 ID:XmYUE7e7o
黒子「?……へぶっ!!」

何が起こったのか理解出来ず呆けていた黒子の顔にビーチボールが直撃し、ぽよんと弾む。

波頭が砕け、その巨大な質量を以って押し寄せた津波が海岸線を覆いつくして行った。

『不幸だあああああああああああああああ!!!』

彼らは知らない。
その波に飲まれ、危うく溺れ掛ける羽目になった一人の高校生が居たことを。

────────────

間を置いて海の中から五条が顔を出し、ばしゃばしゃと海岸線に向かい泳いで海から上がり、黒子の下へと駆け寄った。

地味に痛かったのだろうか、彼女の顔に痕こそないものの、その瞳にはうっすらと涙が滲んでいる。

黒子「なっ……何をされますのいきなりっ!?」

五条「こちらのセリフです!!何だというのですかその水着はっ!!」

珍しく語気を強めた五条の言葉を聞いた黒子の視線が下を向き、自身の水着へと走る。

黒子「……?何か問題がございますの?」

……本物だ。彼女はここまで大掛かりなツッコミして尚、何が問題かまるで気が付いていない。
そんな彼女の様子に、五条の肩がガックリと落ちる。

五条「……露出をし過ぎでしょう……」

黒子「……?そうですの?わたくしとては、これでも控えた方なのですが……」

理解が出来ない、といった様子で言葉を返す黒子の身体に、五条が唐突にバスタオルを投げかけた。

五条「……水着を買いに行きましょう……確か海岸線に店があったハズです……」

黒子「お待ち下さいまし、わたくしは別にこれでも」

五条「オレが嫌なのです!!オレ以外の衆目に、あまり素肌を晒さないで下さい!!」

歩き始めながら一層強く吐かれた五条の言葉に、一瞬ビクっと黒子の背が跳ねる。
そんな様子を知るはずもなくずんずんと歩みを進める五条の背を見て、何かに合点した様な表情を浮かべた黒子が軽く頬を染め、笑みを浮かべたままおずおずと追従して行った。

午後を回ろうとしている終わりかけた夏の日は未だ高く、バスタオルに包まったまま隣の少年に寄り添って歩く少女と、どこか呆れた様な笑顔を浮かべ少女と歩調を合わせる水着姿の少年に、強くその日差しを投げ掛けている。
暮れて行く、自身たちには遅く訪れた穏やかな夏休みを惜しむ様に寄り添い歩く二人の姿が、静かな波音をBGMに、ゆらゆらと揺れる陽炎の中へと溶けて行った──────

──────to be continued──────
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:36:34.46 ID:fo/sbluRo
五条さん可愛い
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:38:26.97 ID:RfwCuU9AO
あらあら
五条さんったら
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:39:24.16 ID:jP7nMIudo
ぐぬぬ…一瞬津波によるポロリ展開を期待したが…ラッキースケベ値が足りなかったようだ…!

今週もありがとうございました、たいへんにほのぼのさせていただきました!
今からもう一度読んだ後に全裸待機に戻ります!!!
770 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/07(月) 22:42:27.27 ID:XmYUE7e7o
以上、本日投下分となります
ご支援を頂いております皆様、関係各位の皆様、本日も誠にありがとうございました

週に一度の投下となりますと、やはり遅筆も相まってどうしても展開が遅くなるものだな等と痛感しております
どげんかせんといかんです

次回投下に関しましてですが、此度と同じく週末〜週頭に投下を行わせて頂こうかと存じます
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:43:20.28 ID:dEmy5TBDO
そういえば五条さんはやっぱりアレもでかいのかな?だって鼻が大きい殿方は・・・というか鼻の形そのものがち(ry
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:44:10.76 ID:RfwCuU9AO
乙!
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 22:52:30.55 ID:QqHe4lWp0
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:11:09.78 ID:53rvccHDO
なにこのバカップル

乙でした!
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:11:41.90 ID:0WVjK8Cwo
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:12:13.35 ID:oTKAJjq2o
まさかからくりサーカスネタが出てくるとは…
乙です
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:29:21.96 ID:HLE7xGaO0
乙です
アウレオルスは黄金錬成をそんな使い方ばっかでいいのかwww
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:30:06.39 ID:fo/sbluRo
でもお前らがアウレオルスと同じ能力を持っていたらリアルダッチワイフ作るんだろ?
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:41:10.32 ID:RfwCuU9AO
>>778
ハーレム作るよ…
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:46:04.28 ID:CSHMzgNJo
>>778
とりあえず、エイリア石を・・・
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:48:43.43 ID:DNHjio9Xo
「ネトラレ効果」で興奮二倍!さらに「好きなあの子に対する背徳感」で興奮四倍!!
そして事後に「俺…本気で何やってるんだろ…」で通常の十三倍の空しさを味わうんですね。わかります。
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:11:10.51 ID:7fgj3h7DO
なんか話の流れが暗くなっているぞw。俺はねぇ、朝優しく起こしてくれて朝飯作ってくれてて出勤前に弁当作ってくれてて帰ってきたら晩飯とお風呂準備してくれてるメイドさんが欲しいよ(笑)。











・・・さて明日は早朝出勤か
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:27:46.70 ID:2KYSBHtV0
話がそういう方向に行くと、ほぼ確実にこの中に同胞が見つかる気がするんだ

いいぞもっとやれ
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:42:17.55 ID:7rgd/+6AO
乙、前半のシリアスとは何だったのかってくらいのギャグ回だなwwww
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:43:42.33 ID:q5CDVYFAO
幼なじみで、黒髪で、ショートカットで、背が小さくて、胸はDくらいで、普段は物静かだけどチョコとかパフェとか見るとものっそい笑顔になって、家が隣で、窓越しに部屋を行き来する仲で、おれが部屋に帰って来たら勝手におれの部屋でゲームしてたりして、たまに朝方おれの布団にもぐり込んで来たりして、子供の頃におれが作ってやった折り紙の鶴を今でも大事に持っている



そんな、彼女を作りたい
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:45:07.94 ID:a/d1bdbHo
>>785
そこにメガネをプラスしたいのですが構いませんねッ!
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:59:02.01 ID:qJewTgYco
五条さんとお揃いのメガネなんですよねわかります
あと>>782は嫁を貰えばいいんじゃないか…メイドコスが趣味とかなら直良し
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 01:25:02.46 ID:TXuqbC3A0
>>787
…残酷なコトいうなよ……
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 01:27:28.83 ID:cvtI0lGvo
これが噂のリア充か
中学生でリア充か
もう吊ろう
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 02:09:10.64 ID:u0yLSsZAO
>>753
お前は今まで何を読んできたんだ?
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 02:17:00.64 ID:KDnVe09po
>>785が時空の壁を超えるっ……!
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 07:28:29.23 ID:slxybmnn0
うはー相変わらず面白かったです。

海×上条さんだとやっぱ原作4巻の内容に入るのかな?だとするとまさか五条さんと黒子が・・・!
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 07:52:05.06 ID:eK8inAvAO
>>790
いや最近はそうだけど最初とかはギャグ要素強めだったじゃん
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 09:49:39.60 ID:TXuqbC3A0
黒子の恥じらいは良い
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 15:12:51.85 ID:ybumBFKI0
こんなシリアスでギャグな錬金術師とすている君は初めてだわwwwwwwww
てか、いいのか?クローンなんてwwwwwwww
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 15:30:45.12 ID:PwGNLA8mo
まだ14歳のすている君をそんな邪な道に誘わんでもwwwwww
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/08(火) 16:14:11.62 ID:A0KwPaK90
人体錬成とかwww持ってかれた―とか叫ぶ羽目になるぞwwwwww
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 16:17:34.05 ID:YnC1ZXhJo
クローンについてはもうミサカはミサカはなんだからいいじゃんwwww
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 17:07:29.30 ID:PwGNLA8mo
>>798
そうだったwwwwwwwwww
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 21:14:39.04 ID:buAYaT43o
いいなぁ俺も空飛びてぇなぁ
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 00:23:51.98 ID:W85dcd+zo
確かに羨ましいよなぁ自分も五条さんにおんぶとかされたい
いやだめだ動悸が激しくなりすぎて天国に一番近い場所で逝ってしまう
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 01:01:03.75 ID:wMc3pRgf0
金さんwwwwww
確かに偉大なる錬金術師ではあるがww

というかアルさん何してはるん
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 18:36:38.83 ID:H8MReC3x0
>>797
愕然ッ!!我が左腕が…
倫敦の神父は何処へ?

ここまで想像してワロタ
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 22:22:37.37 ID:f7VbvLG7o
ジ・オーガで普通に秘伝書も手に入るようになったしそろそろ五条さんもカオスブレイクを修得しても良いと思う
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 22:33:30.53 ID:ZafE40eqo
アウレオルスさんなら地獄の機械も止められるな
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 04:40:40.85 ID:bDNldPHx0
>>805
地獄の機械って禁書に出るのか
これまでからくりサーカスしか心当たりが無かったよ
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 10:53:43.83 ID:pKPT5FeAO
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 15:07:33.26 ID:1tNOnttfo
からくりサーカスの話じゃないかね
更に元ネタもあるが
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 01:52:06.76 ID:jSmQPZjo0
>>803
最初に失うのは左脚だから、腕なくなったら円が作れないう―
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 02:32:03.89 ID:Mvw08Sooo
>>803
鎧になってもでかいのは変わらないな よかったよかった
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 02:32:36.23 ID:Mvw08Sooo
ooo(オーズ)…だと…
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 02:42:43.76 ID:66ScBzGAO
雷鳥・ペンギン・フェンリルのゴジョウコンボ発動か…
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 10:23:24.60 ID:cD3vxa970
五条さんの今の最強必殺技はシグマゾーンで次点でグランフェンリル?
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 17:42:28.23 ID:VA4cI3Soo
ゴリラ!! ジョーカー!! ウナギ!!
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 21:50:27.36 ID:ltLNtGZ80
>>809
ステイルさん終了のお知らせ
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 02:41:12.68 ID:M8+3ft6Jo
>>811 末尾Sooo
>>814 末尾Soo
なんかすげえな
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 03:21:20.34 ID:zZ/ghSPqo
それに気づく >>816 がすげぇww
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 22:20:51.37 ID:4R9eoZYX0
今日五条ファンさんくるかな…
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 00:35:16.95 ID:MkPYygMuo
結局来なかったな…
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 00:58:53.61 ID:0OBcrTtd0
そして来てしまったな…この日が
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 01:01:19.37 ID:mkMD7BRDo
五条さんはチョコたくさんもらえそうだな
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 07:52:15.85 ID:FJil7klho
このオレにチョコをくれるとは
おまえヘンなやつですね ヒヒッ
823 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:14:21.96 ID:PHCZGbGho
本日もご支援の程を頂き、誠にありがとうございます
雪やべえwwww

三十分頃より投下を開始させて頂きます
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 22:16:32.74 ID:Z2g4/5jho
よしこい
825 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:28:43.36 ID:PHCZGbGho
────溢れ出した金色の光が、まるで大きな渦を描く様、徐々にその中心点へ向かい収束を始める。

錬金術の秘奥にして、有史より只の一人も成し得る事の叶わなかった神の領域の踏破。
己が欲望のみを糧にその禁忌を破り捨てた錬金術師の業に、思わずステイルは目を奪われた。

収束しきった黄金の光が、一層その輝きを増加させ、再び大きく爆ぜる。
一瞬の内に霧散していった金色の光が渦巻いていたその場所をまざまざと見据えた彼の口からは、思わず声が漏れた。

ステイル「こ……これは……!?」

視線が向けられたその先。
再び宵闇に包まれたその部屋の中において、赤子が産声を上げるが如く、淡い燐光を放っている物体が一つ。

──否、物体では無い。あれは最早、一つの生命──

ごくり。
思わずステイルが口中の唾を嚥下する音が、静寂に包まれた部屋の中に響き渡った。

その音に反応する様に、彼の目線の先に生まれた生命が蠢く。

緑色を帯びた半透明のゲル体。
恐らくは瞳なのだろうか、真っ赤な球二つの球体が、意思を持った様にステイルの双眸を見つめる。
ふるふると、その小さな体を振るわせた生命体が、口の様に見て取れる箇所を開き、人の言葉として理解の出来る音を吐き出し始める。

『ゥオ……オレ ゲドウ スライム コンゴトm』
アウレオルス「ええい消え去れ化物(フリークス)!!」

間髪居れず、その首に黄金の鍼を立てたアウレオルスが高らかに叫ぶ。
彼の宣言と同時、ステイルが見つめていたその緑色のプルプルした何かは「ヒデー」と吐き捨てる様な断末魔の雄たけびを上げ、虚空へと消滅して行った。

呆けた様にそのやり取りを眺めるステイルの目線の先で、アウレオルスがぜえぜえと肩で息をしていた。
その視線に気付いた彼の顔が上がり、両者の眼差しが交差する。

……場を包み込む静寂。

どこからか、夏の終局を高らかに歌い上げる澄んだ鈴虫の鳴き声が響いてきた。

暫しの間を置いた後、錬金術師は背筋を伸ばし、握りこぶしを口元に添えてこほん、と一度咳払いをして口を開く。

アウレオルス「そう、"もしも彼女がもう一人居れば"とな!」

ステイル「ああ、そこからやり直すんだね」

────────────
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 22:29:33.66 ID:Z2g4/5jho
悪魔合体失敗ww
827 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:30:14.67 ID:PHCZGbGho
夏と言えど、如何に長く暑い日と言えど、必ずや落日は訪れる。

五条勝はサマーベッドに上体を預けたまま、次第に金色から深い紅へとその色彩を変化させて行く水平線を眺めながらため息を吐き、左隣へと視線を投げた。

その視線の先では、真剣な面持ちの白井黒子が彼と同様、プラスチック製のベッドに体重を預け、海の彼方へ沈もうとしている夕日を眺めている。

……こうして黙っていれば、彼女も相応に絵になる少女なのだが。

浮かんだ邪推を振り払う様、五条の口が開いた。

五条「……以上が、オレが学園都市に訪れるまでの生い立ちです……」

五条の言葉を聞いた黒子の首が動き、その澄んだ瞳が五条の目線を捉える。
そんな彼女の眼差しに、急激に胸の鼓動が早まるのを感じた五条は思わず目線を外し、再度暮れて行く西日を眺めた。

五条「……中途半端に重い話ですみませんね……ですが、オマエには知っておいて貰いたかった……クックック……」

黒子「……勝さん」

夕日を眺めながら、くぐもった自嘲の声を上げる五条の名を、確かめる様に黒子が呼ぶ。

黒子「あなたは今、お幸せですの?」

五条は彼女に投げられた意外な言葉に、多少の驚きを覚えながらも、静かにその瞳を細め思い返す。

学園都市に足を踏み入れて以来の出来事を。

晩秋の公園で、黒子と出会った。
今でも月を背負って街頭の上に立っていた彼女の姿は、瞼の裏にしっかりと焼き付いている。

忌み嫌っていた異能を、多少なりとも制御する術を得た。
そして、その異能が誰かを守り得る力となる事も知った。
828 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:32:21.51 ID:PHCZGbGho
そして迎えたこの夏休み。
振り返ってみれば直に終わろうとしているこの期間で、随分と沢山のものを得た気がする。

上条と出会い、美琴と出会い、ステイルと殴り合い、神裂に襲われ、禁書目録を餌付けし、姫神に血を見せ付けられ、アウレオルスに記憶を消され、鎧に身を包んだおっさん連中と三沢塾に突撃し、9982の散り様を目撃し、初春のサポートで研究所を燃やし、また時に爆破し、フレンダを謀り、麦野に打ち抜かれ、一方通行に危うく殺されかけ……

黒子「……どうされましたの?頭なんか抱えて」

五条「考え直してみればここ最近、ロクな事をした記憶がありません……」

暫し頭を抱えて思い返してみたが、今のところ、脳裏に浮かんでくる知人・友人の顔は全て笑顔へと帰結している。
……善しとしようか。

五条「……ですが……」

顔を上げた五条の視線と、黒子の視線が再度ぶつかる。
そのメガネ越しに移る瞳を嬉しそうに細めた五条の口が、率直な感想を紡いだ。

五条「ですがオレは幸せです。これは断言出来ますよ」

その笑顔は、少年が浮かべるそれに相応しく、普段のどこか陰のある微笑とは異なる眩い程の笑顔だった。

滅多に見ることの無い彼の表情に釣られて笑顔を溢した黒子が、穏やかな口調で言葉を返す。

黒子「なら結構じゃありませんの」

五条「……?」

笑顔をたたえたままの表情で、尚も穏やかに彼女は続ける。

黒子「今がお幸せなら、もう良いではございませんの。辛い過去や絵に描いた餅の未来なんて、幸せな今の前では何の価値もございませんわ」

そんな言葉を聞きながら、五条は学園都市に来てより自身の過去を知る事となった二人の人間のリアクションを思い起こす。

友と呼べる上条はこの過去を知った際、その傷跡を見て何も言わず涙を流した。
利害の一致している統括理事長は、表層的な事実に囚われずそれを深く見据え、現在の有益な情報へと転化した。

そして今眼前で語りかける少女は──────
829 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:34:22.65 ID:PHCZGbGho
黒子「過去を振り返るよりも、未来を夢みるよりも、わたくしは今を、貴方と過ごす今この瞬間を見つめていたいですの」

──────凪ぐ夕刻の海原よりも穏やかに、"どうでも良い事"と笑い飛ばした。

それは、何よりも優しい肯定であり、何よりも穏やかな否定。
傷跡に薬を塗るでもなく、傷跡を診断するでもなく。
ただ自身と過ごす今こそ、最も価値があるものと断言した。してくれた、彼女の言葉。

その意味を頭の中で咀嚼するにつれ、思わず熱を帯びた目頭を悟られぬ様、五条の口が冗談を紡ぐ。

彼の言葉を聞いた黒子の顔が赤く染まり、ぎゃあぎゃあと何かをまくし立てる。

響くくぐもった笑い声。
何処か楽しそうなため息交じりのお説教。

浮かんでいた太陽がその姿を水平線の彼方へと完全に沈めるまでの暫しの時間、そんな二人のやり取りを優しい波音が柔らかく包み込んでいた。

────────────

海水浴場から徒歩数分。
海の家が経営している民宿や、良い具合に萎びた雰囲気の食堂のある通りを抜け、田舎特有の温かみを帯びた白熱灯に照らされた道沿いに、五条勝、白井黒子の両名が今夜宿泊をする予定の温泉旅館は存在していた。

建蔽率の都合なのだろうか、さして大きな建物ではないが趣のあるロビーへと歩を進めようとした二人は、通りに面したその門前で思わず足を止めて完全に凍りつく。

五条「……歓迎……?」
黒子「五条勝・黒子様……?」

その門扉の脇には、黒板に白の筆文字で二人の宿泊を告げる旨の文字が堂々と躍っている。

学園都市の外部だからまだしも、内部で行われたら周囲の好機の目線に晒されるどころかお嬢様学校の生徒でもある黒子は"不純異性交遊"のレッテルを貼られ進退の危機に晒されかねない危険性すら孕んだそのウェルカムボードに、五条の顔が青ざめる。

黒子「まっ……勝さん?これは予め頼んでおいたものですの……?」

五条「いえ……この宿は知人の紹介でしてね……予約もその知人に丸投げしていたのですが……」

黒子「……そ、そうですの……」
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 22:35:37.60 ID:MkPYygMuo
wktk
831 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:35:57.10 ID:PHCZGbGho
五条は言葉を交わしながら隣に立っている黒子の表情を伺う。
どこか引き気味の表情の奥底に、仄かな怒りの色を感じ取ることが出来た。

五条「……任せた人間が悪かったですね……戻ったらオレからよく言っておきましょう……」

彼はため息混じりに首を降ると、眼鏡に手を添えながらこの宿泊施設を紹介した、ビーカーの中に漂う一人の人間の顔を思い浮かべた。

……先に会った際に放ったジョークへの仕返しのつもりなのだろうか。
理由もなくこんな事をするとは思えない人物なのだが……

黒子「まあ、良いじゃございませんの。考えてみれば学園都市の外ならわたくし達の事を知ってる方もおりませんものね。さ、入りましょう」

こっ恥ずかしいボードを尻目に、すたすたと館内へ歩を進める黒子。
彼がそれに続いて歩を進め旅館の自動扉をくぐると、小さくチャイムの音が鳴った後、『いらっしゃいませー』と、温かみのある歓迎の声が響いた。

ぱたぱたとスリッパの音を響かせながらフロントに顔を出した着物の女性の姿を視認すると同時、再び五条勝は凍りつく。

その装いこそ、いかにも女将といった着物だが、その顔はつい先日目の当たりにしたものだ。

切れ長の目つき。僅かに赤を帯びた長髪。下方に流されたツインテールの様な髪型。

学園都市統括理事長の居る"窓の無いビル"への案内人、結標淡希──────

黒子「すみません、表のボードに書かれております五条ですけれど」

凍りつく五条の様子に気付かず、黒子が女将の格好をした結標に話しかける。

『五条様ですね、お待ちしておりました。それではお部屋の方までご案内させて頂きますので、お荷物をお預かりいたします』

黒子がよろしく御願いしますわ、と女将に荷物を手渡し、受け取った女将が今度は五条の前へと手を差し出す。

『さ、遠慮なくお預け下さい』

黒子「……?勝さん?どうされましたの?」

二人の声で我に返った五条が、伸ばされた手と女将の顔をまじまじと数回見比べて口を開く。

五条「いえ……部屋までならば自分で持ちますので結構です……」

『あらまあ、お若いですねぇ。これは失礼致しました。それではこちら、ご案内致します』

まるで熟年の女将の様な抑揚で笑い、歩を進め始めた結標の後を、さ、参りましょうと微笑みながら黒子が追従する。
832 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:38:42.56 ID:PHCZGbGho
数歩遅れてその後に続いた五条は、部屋までの道のりを案内されながら思案を巡らせていた。

五条(……この旅館を理事長が指定したのは、やはり外出先で監視を行う為でしょうか……いや、あの人間が本気で監視を行おうとするのならば、こんなに直接監視役を前面に押し出す必要は無いでしょうね……となるとオレとだけ面識のある彼女が直接我々に接触するポジションに据えられたというのは、オレに対する威嚇や牽制が目的というのが妥当でしょうか……"出先で妙な事をするなよ"というメッセージ……いや、そんな事はオレも重々に承知していますし、妙な事をしないというのはアイツも理解しているハズです……ならば何故、"オレと面識のある転送能力者の少女を不自然な女将役に据えた"のでしょうか……先のボードの件と併せて考えると、まさか本当に嫌がらせ?……考えられない、あの無感情そうに見える理事長がそんな些少な物事の為にわざわざ手はずを整えるとは「勝さん?」思えませんね……もしも理事長の意に反して彼女が独断でここへ来たというのならば、これは先に死守したオレの貞操の危機という事態も考慮に「勝さん!!!」「へぇあっ!?」

少し語調が荒くなった黒子の声に、思考の坩堝に沈んでいた意識が引き戻され、五条は思わず驚嘆の声を上げた。

その視界に飛び込んでくる、一つのドアの前で足を止めている結標女将と黒子の姿。

黒子「はぁ……もう少ししっかりして下さいませ……で、お部屋はこちらですの?」

『はい、こちらです。今お開け致しますね』

結標が手馴れた様子で鍵を解除し、ドアを開く。

失礼しますの、とその部屋に入った黒子に続き彼もまた部屋の中へと歩を進めた。

通されたその部屋はこれまた外観と同じく趣のあるオーシャンビューが高ポイントの和室だったが、隣で歓声をあげる黒子とは異なり、どこか釈然としない気持ちを抱えたまま五条は女将から部屋や食事、宿泊の説明を受ける事となった。

────────────
833 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:40:49.34 ID:PHCZGbGho
周囲が完全に宵闇に閉ざされた午後八時。
五条勝は、海の見える旅館の一室、その窓際のテーブルに添えつけられた椅子へと腰を下ろしていた。

ちょっとお風呂に行って参りますわと言い残し鼻歌混じりに部屋を出た黒子を見送り、アメニティの浴衣に着替えた後に腰を下ろした彼は、座ったまま網戸が付いている事を確認し、窓を開く。

途端、程よく涼を帯びた夜の潮風が吹きつけ、彼の頬を撫でた。
惰性で点けられたテレビからは、凶悪殺人犯が新府中の刑務所から脱獄したというニュース特報が流れてきていた。

……しかし統括理事長は、一体何を考えているんだろうか。

網戸越しに夜の海を眺めながら思わずため息を吐いた彼の頭の中では、そんな疑念が渦を巻いていた。

再び思考の奔流が彼を絡み取り、その体勢のまま暫し頭を捻る。

五条(……腑に落ちない点が多すぎますね……あえて現状で理事長が自分にプレッシャーをかけてくる必要は無い……しかし、彼女は確かにこの旅館で女将をやっている……他人の空似……?考えられない事もないが……)

……数分が経過した後、彼は再び大きくため息を吐くと頭を垂れた。

五条(……結論が出ませんね……まぁ、ここでこんな事を深く考えていたら、また黒子に心配をかけてしまいそうだ……)

よし、と小さく呟きブンブンと頭を振る五条。
そしてその様を見据えた様に、着信を告げる旨の呼び出し音を部屋に響かせる携帯電話。

五条(……?誰でしょうか……?)

彼は、自身がかけるテーブルの上に置かれた携帯電話の背面ディスプレイに目線を投げ、その表示を確認する。
映し出された発信者の名前は、上条当麻。
例のトラブル体質が発動していなければ、今頃は学園都市の一角でアバドンと見紛う聖女と食後の穏やかなひと時を過ごしているはずであろう男。

その表示に何故か嫌な予感を覚えた五条が、おもむろに携帯を手に取り、通話ボタンをプッシュする。

『もっ……もしもしっ!?』

それに次いで、慌てた様子の声が受話器のスピーカーから響いてきた。

五条「もしもし……オレですが……どうかされましたか?」

『五条か……?五条だよな……!?』

……?妙な事を言う。この電話にかけて来たのだから、自分以外の人間が出る事も無いだろうに。
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 22:41:59.69 ID:IulMYG9Fo
五条さんは正常なのか
835 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:43:06.81 ID:PHCZGbGho
五条「ええ、オレです。五条勝です」

『そうか、そりゃそうだよな……あのさ、今何してる?』

受話器を片手に立ち上がり、彼は再度夜の海へと視線を投げた。
ところどころで点滅している夜漁の船の灯火が、夜空の星のそれを連想させ何となく美しい。

五条「今は……学園都市の外の海に居ます。ああ、勿論許可状を貰ってですが……」

『海……なあ、まさかそこって神奈川県だったりするか……?』

五条「……?ええ、何故わかったのです……いよいよ能力に開花でもされましたか……?クックック……」

『いやぁ〜、上条さんは無能力者のままなんですけどね……』

五条「……?ならば何故わかったのです……」

『……つうか、もしかして白井と一緒に居ないか?』

五条「……ッ!?」

その言葉を聞いた彼の背筋を、つうと冷や汗が流れた。

何故無能力者である上条が、自分と白井がともに神奈川のいち海水浴場に宿泊しているという事実を知っている……?
まさか上条も、結標と同じく……

五条「……何故、オマエがそれを知っているのです……?」

『……今……』

嫌な予感が方向性を変え、加速度的に膨張していく。
知りうるはずの無い男が知りうるはずの無い情報を持っている。
そんな明らかに異な事態を前にすると、やはり人間は生理的な恐怖を覚えるのではないだろうか。

『今目の前に掛かってるボードに、歓迎 五条勝・黒子様って……』

──────彼の身体は、弾かれる様に廊下へと飛び出していた。

────────────
836 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:45:58.25 ID:PHCZGbGho
五条「違うんです!!これは違うんですっ!!落ち着いて聞いて下さい!!」

上条「や、女連れで旅行ってのが男のロマンって言うのはわかるんだけどさ、いくらなんでもこりゃちょっと引くわー……新婚気分っつーのか?」

慌ててロビーを飛び出した五条が、旅館の前、何故かそこに居て難しい表情でウェルカムボードを眺めていた上条に詰め寄っていた。

五条「違いますっ!これはっ……これはっ!!」

上条「あぁ、皆とか御坂には言わないから安心して良いぜ?あー、何か喉渇いちゃったなー」

五条「ジュースですか?ジュースですね!?すぐに用意しましょう……!」

きょろきょろと辺りを見回した五条が、旅館の中を歩いている女将、結標の姿を視認し声を投げる。

五条「結標さん!大至急このお方にジュースをお持ち下さい!」

しかしその声に反応する事なく、彼女の姿は従業員用のドアへ吸い込まれていった。

五条「無視ですか!?それでは接客業者にはなりきれませんよ結標さん!」

……相も変わらず無反応。
やはり、他人の空似なのだろうか。
或いは彼女は名を呼ばれても無視をせざるを得ない状態なのだろうか。

上条「……やっぱりオマエのとこもか……」

そんな五条のうろたえる様を見て、上条がため息混じりに口を開いた。

五条「……?やっぱり?オマエのとこも……?一体何を言っているのです……?」

上条「……それなんだけどさ……」

『私から説明しましょう。二三、確認させて頂きたい所もありますので』

唐突に二人の会話を裂いて、凛とした女性の声が響き渡った。
五条が声のした方角へと目線を投げると、暗い路地に見覚えのあるシルエットが浮かび上がる。

長い黒髪をポニーテールに束ね、へそが見える程短く絞られたTシャツと、片側だけホットパンツの様に短くカットされたジーンズ。
腰に巻かれた二本のベルトの一本には、長さ二メートルはあろうかという太刀が挿されたままピンと背筋を張る女魔術師、神裂火織の姿がそこにあった。
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 22:47:37.72 ID:Z2g4/5jho
痴女さんか
838 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:48:07.67 ID:PHCZGbGho
五条「……これはこれは、息災そうですね……」

上条「……ついて来てたのか!?」

神裂「……いえ、犯人を捜して歩いていたら、窓際に立っている彼の姿が見えたので、もしやと思いここに来たのです」

つかつかと五条の方へと歩み寄りつつ刀の柄に手をかけながら、神裂が続ける。

神裂「恩義もある手前、あなただとは信じたくありませんが……答えてください五条勝。あなたがこの魔術の術者なのですか?」

上条「……ちょっと待てって!またそんな物騒になる必要も無いだろ!?刀から手ぇ離せって!」

……眼前で繰り広げられるやり取りが理解できず、思わず五条は首を傾げる。

五条「……さて?何のお話でしょうか……オレにはとんと理解出来かねますがね……ククク……クックック……アーッハッハッハ!!」

神裂「その口振り……やはり貴方でしたかっ!?」

上条「違う!!素だから!!何か黒幕チックだけど、あいつ素であの口調だから!!五条!!オマエもいちいち高笑いすんな!!」

五条「これは失礼……久しく見た顔に、つい嬉しくなってしまいましてね……」

神裂「……失礼しました。ご無沙汰でしたね、五条勝。貴方も息災そうで何よりです……幾つか確認したい事があるのですが、ご協力頂けますか?」

はっとした表情で刀から手を離し、律儀に一礼しながら挨拶をした神裂が、五条へと問を投げる。

五条「……?確認したい事?……別に構いませんが……」

言葉を返しながら、五条は上条と神裂の顔を交互に眺めた。
先のやり取りとは打って変わって、二人とも真剣な面持ちになっている。
加えて、禁書目録の件以来顔を合わせる事もなかったこの二人の取り合わせで、何となく自身が置かれた状況が推察出来た。

五条「……何かあったのですね……ここで立ち話も何です……部屋で伺いましょうか……」

二人に向かい口を開いた五条が踵を返して歩き出す。
顔を見合わせて互いに頷いた上条と神裂が、その後に続いて旅館の門をくぐり、その中へと消えていった。

────────────
839 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:51:59.99 ID:PHCZGbGho
『〜♪』

白井黒子は、上機嫌だった。
先刻から若干五条の様子がおかしく感じられたが、きっと日中の疲労によるものだろうと断定した彼女は、宿泊しているフロアとは別のフロアにあった温泉につかり、今日一日の遊び疲れを洗い流し彼の待つ部屋への廊下を軽い足取りで進む。

黒子(男はほろ酔い、女は湯上りと申しますものね〜♪旅の空での湯上りのわたくしを見たら、勝さんもケダモノになってもおかしくはございませんの……ようやく奥手なあの方に黒子の純潔を捧げる時が来ましたのねっ……!!そもそも男女で旅行というのは"そういう事"でございますわよね……あぁ、どうしましょう、これで部屋に戻ったらもう滾った勝さんがお待ちしておりましたら……!!)

部屋のドアの前にたどり着き足を止め、大きく息を吸い込んだ彼女は、意を決した表情でドアノブに手をかける。

風既に備え付けの浴衣に着替えた彼女は、その浴衣の下に一応の下着は身につけているものの、その気になればいつでも"こと"に及べる状態だ。

彼女の手が、ドアノブを捻り、強く押し開ける。
それと同時、彼女は声を張りながら部屋の中へと飛び込んだ。

黒子「お待たせしましたの勝さん!!黒子はっ……!!黒子は覚悟を決めて参りました!!さぁ、わたくしの純潔、今晩こそ、その勝さんご自身でお散らし遊ばせええええっっっ!!」

──刹那、浴衣がはだける程の勢いで飛び込んだ彼女の視界を、想像だにしていなかった光景が迎撃した。

正面、部屋の中に立っているパンツ一丁の五条勝の姿。
そしてその五条の背にぴったりと密着して、彼の腰から下腹部へと手を回している、見慣れない黒髪長身の美女。

五条「……っ!神裂!そこはいけないっ!!」

神裂「直ぐに済みますので……じっとしていて下さい」

五条の耳元へと囁きかける様凛とした神裂の声が響き、その真っ白な蛇を思わせるしなやかな右手が、ボクサーパンツの上部から彼の局部を目指して滑り込む。
絹の様な滑らかさを帯びているその手に体表をなぞられた五条の口から、思わず嗚咽混じりの哀願が漏れた。

五条「やめてくださ……っ!!??」

慌てて腕を振り払おうと顔を上げた五条の目線が、浴衣をはだけさせたままぽかんとした表情を浮かべている黒子を捉えた。

────────────
840 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:54:14.85 ID:PHCZGbGho
話は、少々前に遡る。
五条勝は上条当麻と神裂火織を部屋に招きいれ、両者に事情を尋ね、帰ってきた答えに首を捻っていた。

五条「天使とやらを呼ぶために、外見と中身が入れ替わる副作用のある魔術ですか……」

招き入れた二人の語る話を頭の中で反芻しながら理解を進めていく。
彼らから語られた内容は以下の通り。

・誰かが天使の力を手に入れるため、天界に存在する天使をこの世界に引き摺り下ろす大魔術を行使しようとしている。
・この術を便宜的に御使堕し(エンゼルフォール)と呼称する。
・その影響は全世界に及び、副作用として皆の外観と中身が入れ替わってしまう不思議な現象が起きている。
・影響を受けていない人間が犯人。
・天使の力などという物騒なものが誰かの手に渡ってしまうと大変なので、必要悪の教会に所属している魔術師として神裂が首謀者を探っていたら、影響を受けていない上条に出会った。

五条「……では、オマエが犯人なのですね?」

上条「バカ言うなっての。オレの場合、この右手のせいで影響が出なかったみたいだ」

そんなやり取りを挟みながら、なおも彼らは話を続ける。

・右手が理由で上条が犯人じゃないのは判ったが、犯人はきっと近くに居る。
・上条が五条を発見。あれ?あいつ影響されてなくね?
・あいつ犯人じゃね?
・今に至る。

五条「……オレが犯人……?クックック……失礼な事を言う……しかしこれで合点が行きましたよ……オレもこの旅館の女将が知った顔だったので、少々訝しんでいたところでした……」

神裂「非礼は承知しています。ですが、何故貴方には影響が無いのでしょうか?ご説明頂けますか?」

……説明、と言われてもあまり心当たりが無い。
自身が身に着けている魔術的な要素といったら……
841 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:56:09.79 ID:PHCZGbGho
五条「……以前知り合った錬金術師より贈られた外套があります……それが魔術の影響を防いだのでは?」

神裂「……その品を拝見させていただいてよろしいでしょうか……?」

それですよ、それ。と呟いた五条が、壁のハンガーに掛かっていた白い外套を指差した。
みるみる内に神裂の顔色が変わり、慌てた様に言葉が吐かれる。

神裂「歩く教会っ……!?いえ、違いますか……しかしこれは……」

外套をまじまじと眺めながら、神裂が言葉を続ける。

神裂「……随分な代物ですね……ですが、これだけでは御使堕しの影響を防ぐ事は……」

五条「それで防ぐに足らずと言うのならば、あとはオレの能力が原因ではありませんか?以前にもあったでしょう……オレが人払いの結界とやらを無意識に透過していた事が……」

神裂「ええ……ありましたね……確かにその二つの要素があれば御使堕しの影響を回避出来る可能性もあるでしょう」

上条「……ま、当たり前だけどやっぱり白だって事だな」

あーよかった、とため息を吐く上条と対照的に、まだどこか疑念の表情を浮かべている神裂が続けた。

神裂「……ですが、念の為身体を改めさせて頂きます。あなたも学園都市の能力者なのでしたね?」

五条「……ええ、構いませんが身体を改めるとは……?」

神裂「言葉の通りです。能力者が魔術を使うと、身体のどこかに大きなダメージを負うという報告が上がっているので、貴方の身体に損傷が無いかどうかを調べさせて頂きます」

淡々と続ける神裂の様子に、軽く首を横に振った上条が立ち上がり踵を返した。

五条「……?どこへ行くのです?」
842 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 22:57:43.04 ID:PHCZGbGho
上条「飲み物でも買ってくるわ……人に見られるのも忍びないだろーからな」

五条「……?何を言っているのですか?」

神裂「賢明ですね、上条当麻。さて五条勝。まずは衣服を脱いで下さい」

五条「なっ!?何を言っているのですか貴方はっ!?」

神裂「?やましい所が無ければ、何ら問題は無いでしょう。それとも何かあるのですか?衣服を脱いだ後は、触診を行わせて頂きますのでご了承下さい」

五条「触診!?かっ……上条!待て!待ちなさい!一緒に止めt」

上条「許せ五条っ!!」

叫びながら足を速めた上条が、見る間もなく部屋から駆け出して行った。

神裂「あくまでも脱ぐ気が無いのならば、申し訳ありませんが力づくで調べさせて頂きます……浴衣ならばさして手間はかかりませんからね……」

五条「や、止めなさい神裂!!部屋で暴れてはなりません!ちょ!!まっ!!アッ────!!」

────────────
843 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 23:00:33.13 ID:PHCZGbGho
そして、今に至る。

……彼女は、風呂に入りに行っていた。
これは間違いない。
そして彼女が部屋に戻らぬ様、神裂が人払いの魔術をこの部屋に施していた。
これも間違いない。「結界の類は苦手なので簡単な術式ですが」と言っていたが、暫く部屋に人は寄り付かないとの事だった。
だったはずなのに。
どういうワケだか、彼女は今部屋に戻ってきている。
そして今、自分の局部を神裂に"調べ"られている。
何故か。
否、今は原因の追究はどうでも良い。

──────どうしたものか。


五条「狂え!!純粋にっ!!!」

素早くその右手でつる無し眼鏡を外した彼は、力を込めた目線で黒子を見据える。
彼女が今正に目の辺りにしている光景の認識を阻害する為に──────

程なくして、黒子の身体がふらりと揺れ、そのまま後方へと昏倒した。
派手に倒れそうになる彼女を、神裂の手を振り解いた五条が素早く駆け寄り、抱きとめる。

神裂「その娘は何者ですか?」

その様子をみた神裂が、倒れ掛かった黒子を抱きとめた五条に声を投げた。

五条「……オレの恋人です」

神裂「っ!?……恋人!?その娘がですか……?」

五条「ええ……先に話していませんでしたか……オレはコイツと、泊りがけで旅行に来ている最中なんです……」

神裂「……そうですか……」

若干申し訳無さそうな表情を浮かべ俯きかけた神裂だったが、すぐにはっとした表情に切り替わり、端整な顔を持ち上げる。

神裂「確認させて頂きたいのですが、その娘の外観は貴方から見て入れ替わっていますか?」

五条「……いえ、入れ替わってはいませんね。恐らくは今朝方オレと……その……密着状態で行動していたので、その影響ではないかと……」

神裂「……貴方と外套の発する反魔力の影響が彼女にも及んだと……」

五条「それに一日中さんざん水着で遊びまわりましたが、彼女にダメージなんて一片も見当たりませんでしたよ……これはオレが証明します」
844 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 23:03:16.36 ID:PHCZGbGho
あれだけ際どい水着を着ていても、いくつか古い傷跡こそあれ、彼女の身体には痣の一つも無かった。
彼女が犯人では無いのは明白だろう。

神裂「……わかりました。では貴方がたは完全に白として扱わせて頂きます。手間をおかけしましたね」

ぺこりと頭を下げ、神裂が部屋の外へと歩を進めはじめる。

五条「少々お待ち下さい……久しく会ったのです、夕食でもご一緒に如何ですか?」

神裂「……申し訳ありませんが、そんな事をしている時間は……」

五条「上条も居るとなれば……船盛りをもう二人前追加して頂きましょうか……今朝は良い鯛が上がったと女将さんが言っていましたね……」

神裂「ご相伴しましょう。その娘が気がかりです」

神裂の返事を聞き、座布団を枕代わりにして黒子を横たえた後、内線を使ってフロントへと電話をかける。

数回の呼び出し音を経て響いた明るい声にオーダーを告げようとした際、部屋のドアが開いた音と共に二つの足音が部屋へと飛び込んできた。

五条「もしもし……五条です……友人と夕食を共にすることになりましたので、急で済みませんが彼らの分もご用意頂けますか……?はい……当然料金は追加で結構です……」

上条「お?なんだ、ゴチしてくれんの?んじゃあウチの家族に連絡しとかないとな」

受話器を耳に当てたまま、背中越しに右手の親指を突きたて上条へ合図し言葉を続ける。

五条「はい……ええ、船盛りも二人前追加で御願いします……ええ……無理を言ってすみませんね……」

『おー!船盛りなんて豪勢なハナシだにゃー!三人前で頼むにゃー!それでこそわざわざイギリスくんだりから駆けつけた甲斐もあるもんぜよ!!』

五条「……あ、済みません、一人増えたので計五人分で……はい……御願いします……では支度が終わったらお呼び下さい……ええ……どうも……」
845 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 23:06:31.37 ID:PHCZGbGho
フロントとの電話を終え、軽くため息を吐く。
急に三人前と無理を言ってしまったので、後で女将に心づけでも渡しておいた方が良いだろう。

……三人前?

ふと疑念が湧き、受話器を置いて振り返る。

飛び込んで来た部屋の中の光景は、すやすやと寝息を立てる黒子と、背筋を伸ばして正座している神裂、そして皆にジュースを配っている上条の姿と────

五条「オマエは……?」

『急でごめんにゃー、ゴチになるぜよっ!!』

神裂が当然の様に振舞っているところから考えると、彼もまた魔術師なのだろうか。
何処かで見た様なツンツン金髪アロハシャツ姿の男と目線がぶつかった。

……何処かで見た事がある。どこだったろうか。
慌てて脳内にある記憶の重箱を逆さにして激しく揺さぶってみた。

その底からこぼれ出して来たのはつい最近。
禁書目録の件が解決し、入院をしていた際に姿を見せた深夜の侵入者。

五条「……っあの時の!?」

上条「あれ?お前ら知り合いなの?」

『いや、自己紹介するのはこれが初めてぜよ。上やんの仲間の土御門元春(つちみかどもとはる)だにゃー、よろしくにゃー』

──────ニヤニヤと笑みを浮かべたまま、男の右手が眼前に差し出される。
統括理事長の使いをしていたあの男が何故ここに……?

問い詰めたい気持ちに駆られながらも、部屋の中には上条も神裂も居る。
今妙な機密でも持ち出されたら、二人に危険が及ぶ可能性も重々に考えられる。

暫しの逡巡を経てその右手をとり、言葉を返した。

五条「……オレは五条……五条勝です……よろしく御願いしますね……"土御門先輩"……クックック……」

握った右手に力が加えられたので、自身もまた同様に力を加え返す。
暫くの間微笑み混じりに互いを睨み付けながらギリギリと力を込めあっていた均衡を破ったのは、家族へと電話をかけるどこか間の抜けた上条の声だった──────

──────to be continued──────
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 23:09:35.83 ID:z4GFXmFco

五条さんが災難すぎるwwwwwwwwww
847 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/14(月) 23:10:12.66 ID:PHCZGbGho
以上、本日投下分となります
ご支援を頂きました皆様、関係各位の皆様、本日も誠にありがとうございました

週一投下ともとなると、どうにも分量が濃くなってくたばれバレンタインしまいがちですが、ごゆるりお読み頂ければ幸いです

次回投下に関しましてですが、此度と同じく週末〜週頭に投下を行わせて頂こうかと存じます
お時間がございましたら、またお付き合いの程を頂ければ幸いです
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 23:11:06.94 ID:Z2g4/5jho
おつ
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/02/14(月) 23:12:01.51 ID:RHSapciw0


五条さんにまで不幸体質が伝染してるとしか思えないwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 23:12:41.18 ID:MkPYygMuo
乙でした〜
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 23:30:27.40 ID:6qAPNGoJo
乙です

五条さんもう認識阻害使いこなしてるなwwww
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 23:30:33.77 ID:P0LYCWCio
乙です
読んでて笑いが止まらなかったwwwwww
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 23:34:27.00 ID:9a8Ka7yLo
>>847
途中で本音がこぼれてるぞ
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 23:44:24.16 ID:i0ITQpuo0
>>1
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 00:03:25.51 ID:D3z15K/Bo
乙です
五条ファンさんにチョコあげたかったけどバレンタイン終わっちゃった…

> 五条「……オレの恋人です」

最高にニヤニヤしましたごちそうさまでした
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 00:03:45.95 ID:oZBC/12AO

五条ファンさんのテンションがおかしいwwwwwwww
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 00:08:27.05 ID:QJdtyMa40
あと…あと1時間早く帰ってきていれば間に合ったのに…サービス残業の馬鹿野郎っ…
乙でしたっ…
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 00:29:36.31 ID:QG4YKoqDO
これは五条さん・黒子がデートすると災難に遭遇するフラグ確立ですな。しかし異性に恋する黒子がこんなにかわいい…だと…?
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 00:30:35.30 ID:LvnrBUG5o

  *歓迎*

 五条勝
        様
 五条黒子
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 01:11:24.80 ID:bYZcN6o20
最初のやつは何かのパロディかな?
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 01:17:46.80 ID:ArqVvVTfo
ゲームの女神転生シリーズですな
悪魔と悪魔を合体させる時に、合成が失敗すると組み合わせと無関係にスライムが出来上がってしまうという
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 01:21:24.85 ID:bYZcN6o20
そうなんだサンキュ
さすがに人体錬成はきつかったかw
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 02:26:39.51 ID:lltAcWlto
五条夫妻になる日も近いなww
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 16:10:28.66 ID:OgcfHN2ho
今回は濃かったな
トラブル続きだがやっぱり五条さん羨ましいぜ
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 17:58:57.81 ID:RXSYmnroo
あ、あれ……
おかしいな、>>819から>>854までのレスへの認識が阻害されているようだ……
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 19:53:53.25 ID:L2FLdPgko
>>865
そげぶ
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 21:31:41.13 ID:oZBC/12AO
そげぶといえばさ
五条さんの決め台詞って
「狂え…純粋に」と「その認識を阻害します」
のどっちかな?
他にもあったっけ?
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 21:39:37.36 ID:bYZcN6o20
へぇあっ!
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 21:54:27.79 ID:7xZCy+o7o
クックック・・・アーハッハッハッハ!
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 21:55:29.83 ID:8vuWCgWTo
ククク……
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 14:14:28.64 ID:CLDciZJ/0
フヒヒ…
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 16:06:17.40 ID:r14tBPsIO
ハンバーグ
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 16:23:57.11 ID:JfJu0ylAO
黒子
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 20:49:05.64 ID:TpmJfQJro
五条さん…
あっ「ん」付いた、負けたッ
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 21:10:14.04 ID:cJKKgNIao
さンま
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 23:49:32.63 ID:JfJu0ylAO
何と戦ってるんだ
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 00:24:20.71 ID:Y2bArFjuo
ククク
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 02:20:05.58 ID:PBgdr/Wso
ハンバーグ弁当買ってきたった
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 09:48:15.78 ID:9wj1nitw0
五条さんはいつハンバーグが食えるのやら
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 15:54:35.36 ID:AMUgtYXDO
昨日は来なかったな、五条ファンさん…
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 16:35:36.71 ID:2D3A1k8AO
昨日は何回もこのスレチェックしたよ…
基本的に月曜日の夜みたいだな
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 22:27:27.67 ID:Sv70X9dvo
ソフマップでスパークの新品が980円で売ってたから買ってしまった・・・
ジ・オーガ持ってるのに

鉄壁の五条さんでも作るかな
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/22(火) 06:43:16.62 ID:L6ocgUex0
そういえばアウレオルスの
「"彼女は僕が先に好きになったんじゃないか〜うんぬんは
からくりサーカスが元ネタと思われる。
ネタ豊富だな五条ファンさん
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 20:31:53.45 ID:GWfXPSfAO
五条ファンさんは忙しいのかな
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 20:41:07.34 ID:sA18PcKIo
年度末は忙しいものですよ……
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 20:46:24.04 ID:T5pBMNzDO
待て…!純粋に…
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 23:35:08.73 ID:G0700N3AO
は、早く五条さんと一緒にハンバーグが食べてえ…
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 23:49:05.81 ID:2InLckXjo
食え…!純粋に…!
889 :五条ファン ◆APKLrJzDFw [saga]:2011/02/23(水) 01:03:21.67 ID:4lAAHg7+o
投下が遅れまして誠に申し訳ございません
お察し頂いております通り少々私事にて多忙が続いており、疲労のせいか、筆を執ってもいまいち面白い文言が走りません
脳が痛ェ、頭痛が痛い

大変お待たせ致しますが、今週の日〜来週の月曜までには確実に投下を行えるかと思いますので、今暫しお待ち頂ければ幸いです
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:06:23.14 ID:WzsBKWxQ0
待ってます!
無理しないでくださいな
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:07:23.02 ID:6iTUPyZ1o
お体に気を付けてください
待っていますので大丈夫です
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:07:35.59 ID:mVET95IEo
ククク…お大事に
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:36:27.02 ID:IUICTSzV0
お疲れ様です
体調が悪い時は無理をする必要はないですよ
ここの方々は皆、五条さんのような紳士を目指す方でしょうから
気にせず体を休めてください
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 02:26:11.25 ID:droYmqnDO
なんか大変そうだなww
お疲れさん
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 15:21:04.24 ID:iFKyLwLIo
>>883
地獄の機械のネタもあったし、みんなわかってるんじゃね???
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 15:27:43.59 ID:LAFA8TlUo
>>883
大丈夫だ皆分かってる、問題ない
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 17:56:26.06 ID:WzsBKWxQ0
別にいいじゃん…発見がうれしかったんだろ
ほっといてやれよw
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/27(日) 22:24:10.41 ID:5InAnjrnP
・・・
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 19:02:10.74 ID:wKEy4o0Xo
思えばけっこう時間たってるんだなーここも
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 19:33:41.14 ID:1axlgAtV0
11月からだから3ヵ月以上続いてるな
こんなに長く追ってるのは初めてだ

今日は五条ファンさん投下できるかな・・・?
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 19:49:54.85 ID:tHsHT/z1o
五条ファンさんは何人のイナズマイレブンプレイヤーを産んだのかな?

おれもここからだけど
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 20:14:33.51 ID:a7Bz4na50
俺もここ読んでジ・オーガ買ったわww
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 20:41:46.28 ID:FJsy1nSAO
2までやったが……五条さん何レベで総和領域覚えんの?
やり込みが苦手な自分には、五条さんを超次元サッカーの真髄に到達させることはできないのか……
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 20:52:13.66 ID:tHsHT/z1o
>>903
シグマゾーンか?
2ではキラースライド、スーパースキャン(ドリブル)、スーパースキャン(ブロック)、分身ディフェンスじゃなかったっけ?
3なら49レベルで覚えるはず
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 20:55:55.18 ID:FJsy1nSAO
>>904
よし、明日3買ってくる
……のは金銭的に無理そうだし、秘伝書で我慢するか
ごめんよ五条さん
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 20:59:07.78 ID:tHsHT/z1o
>>905
この前ソフマップで新品980円で買った
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 01:02:43.13 ID:FeSUO6OAO
>>906
ウラヤマシス


五条ファンさん大丈夫なのかな?
そろそろ生存報告くらいあっても良いと思うが
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 02:11:17.63 ID:R0Q1McBAO
忙しいんだろうな
納得いくのを書きたいといってたし
ゆっくり待とう
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 14:16:41.56 ID:fKpgFsy80
何ヶ月遅れたって一生更新されないよりはずっといいさ
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 17:39:03.17 ID:pXK/lQnAO
五条ファンさんは11月からずっと定期更新してくれていたからな
この充電期間は必要だよ
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 17:48:27.36 ID:4Ja7daYY0
それよりなんかあったのかと心配になる
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 17:48:33.70 ID:krs73PY1o
もしかして:俺達が五条ファン氏を認識阻害されている
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 19:17:16.43 ID:tX5bNGjMo
逆に五条ファン氏が認識できなくなっているのかもしれん
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/05(土) 00:28:52.16 ID:MzSCzC+DO
私事で立て込んでるみたいだったし、待っていれば必ず来てくれるさ
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 00:47:05.35 ID:ofnMEPxAO
チッ
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 02:43:33.52 ID:VIhAG6TDO
ふとアニメ見て思ったんだけどEDで五条さんが最後の最後でホントにちょっぴりしか画面に映らないしすぐに画面からフェードアウトしてるのはやっぱり製作側の故意なんだろうか…。人気投票の覇者なのに…
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 06:37:53.67 ID:gIrVF2mAO
五條さんはな
謙虚なんだよ
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 07:05:03.11 ID:+ZyJ4dZXo
>>917
濡れた
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 11:31:07.59 ID:uoBWohzH0
>>917
五條さん×
五条さん◯
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 23:15:34.55 ID:szDEJX7Oo
>>1が既に五条さんに飽きてきて
このスレでさっさと完結させてドロンするに1ペリカ
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 23:57:29.57 ID:ouvn9MD4o
じゃあ完結させない方に3ペリカ
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 00:07:08.41 ID:mmB1oYJDo
>>脳が痛ェ、頭痛が痛い
これが突然死フラグだった
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 00:53:30.22 ID:JRs8haLO0
残念だ
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 01:36:45.48 ID:H0N2QX75o
俺は待つよずっと待つ
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 01:58:22.24 ID:EE9n7mvFo
年度末は社会人は忙しく学生は暇なもんだす、のんびりとね
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 13:01:30.83 ID:YvdFtJUl0
今まで最高に面白かった、ありがとう>>1

もし飽きちゃったなら、それも仕方ないとも思う
元々端役でしかなく人気も下地も薄いキャラが
人気投票祭りで瞬間的に高騰しただけの話なんだから
ブームが去ってモチベが無くなりゃ続けられるわけもないんだよ
もし1000までに>>1が現れなかったら、これが最後のスレでいいんじゃないか
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 14:56:44.32 ID:Vb1+i4tAO
うーん…
超不定期でもいいから完結させて欲しいな…
どんな素晴らしい作品でも途中で終わってしまったら駄作になってしまう
>>1が続けるのがツラいなら仕方ないがこんないい作品を完結させないのは勿体ない…

てか俺がツラい
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 16:23:04.28 ID:q+3yn3cjo
これだけ生存報告すら無いのは本気で心配してしまう
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/09(水) 16:27:19.55 ID:+F6vnRtpo
たかだか一ヶ月で逃亡と決めつけて勝手にスレを終わらせようとするアホが来たか
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 16:38:46.82 ID:Vb1+i4tAO
>>929
今までのことを考えてのことさ
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 16:43:19.24 ID:m1KhdRcIo
>>930
今までってなんぞ?
数ヶ月単位の超不定期って思っとけ。
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 16:50:59.57 ID:XS2xoujk0
>>931
いままではきっちりやってたから心配って事じゃない?
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 17:45:03.03 ID:Vb1+i4tAO
>>931
そっすね
メンゴ
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 22:57:53.21 ID:PXEyRLfzo
3ヶ月ぶりに更新した作品だってあるんだぞ
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 23:14:53.47 ID:m1KhdRcIo
俺らに出来る事は、このスレを出来る限り残しておく事だと思うんだが、どうよ。
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 23:49:49.28 ID:u8M0giXAO
なら1000行ったら新スレ建てるべきか…?
五条ファンさんがいざ書こうって時にスレないのもアレだしな。
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 23:51:07.04 ID:Vb1+i4tAO
書き込んどいてアレだけど
書き込みやめりゃいいんじゃあないか?
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 23:52:39.46 ID:iR8N/8jQo
ヒヒッ
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 00:48:19.84 ID:93Yv4R6Lo
ククク…
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 09:21:21.58 ID:zi5aNZrio
グヒヒ
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 15:48:17.27 ID:gem9zk79o
ちょっwwwwwwww地震来たwwwwwwww
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 16:06:49.13 ID:YeRnlVCAO
五条さん地震を認識阻害して!
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 22:22:19.49 ID:hzlPRbC30
まあ大丈夫だろうけど五条ファンさん元気かーい
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 15:26:35.78 ID:RhY3UmNxo
複数の人が2005年8月からずっと待ち続けてる作品だってあるんだぞ
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 23:09:48.22 ID:I+8sgJdAO
まだ3週間
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/03/16(水) 17:34:17.66 ID:XUWhXvI0o
どうかせめて無事であってくれ
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/16(水) 17:43:29.54 ID:Sh8WALljo
あれ、所在地ついたの?
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 18:55:36.78 ID:Q7a01oMno
五条さんずっと待ってるからなー
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 02:58:31.10 ID:1qqkXNH/0
あれ、所在地消えてる?
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/18(金) 13:26:01.59 ID:1PZy7SSfo
なんだったんだ
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/18(金) 13:27:16.90 ID:1PZy7SSfo
って、つくのかよ
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/03/19(土) 20:43:19.00 ID:YPwipBAG0
>>947,>>949-951
この流れ、嫌いじゃないぜ
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/03/19(土) 23:42:51.76 ID:djO54iQ+0
俺ら認識を阻害されちゃったんだな
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 00:29:15.05 ID:W8PSA3d7P
俺はずっと待ってるからな!
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/20(日) 06:30:10.37 ID:JOecfzEl0
実際は次スレに移動してるのに認識阻害が発動されているパターン
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 10:24:44.12 ID:SkMvs90/0
五条ファンさん、生存確認を!無事だといんんだが心配だ
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/03/20(日) 21:46:21.18 ID:d+4eT9co0
まぁ、また書ける様になったらスレを立ててくれるだろう…
俺らは静かに潜伏しとくしかないな
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/03/20(日) 22:47:09.56 ID:3Tj/D8/Qo
五条ファンさん入院していられるのだろうか
何事もなければいいが
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 02:56:31.64 ID:arQ62IWG0
そろそろ一カ月
私たちは五条ファンさんの無事を祈りながら帰還を待つことしかできない
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/24(木) 04:56:40.71 ID:SkGAlCKAO
同じ五条さんを慕う者
無事でいてくれ
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/03/24(木) 19:14:58.44 ID:m4eBLp9AO
これはもう……
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/03/26(土) 11:34:23.30 ID:FvpFRIeP0
どんな名作も完結しなければ駄作となってしまう
残念だ
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2011/03/26(土) 14:05:16.88 ID:plgqTDq9o
>>脳が痛ェ、頭痛が痛い
これが本当に突然死フラグだったとは
残念だ
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/26(土) 17:07:09.66 ID:egtXs2Yq0
>>961-963 お前ら何勝手にあきらめてんの?
あと半年は待とうぜ。
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/03/26(土) 17:37:24.99 ID:vIPw7Sf5o
>>964
何言ってんだ2年は余裕で待てる

だから生きていて下さい
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/27(日) 02:24:20.29 ID:1soyCxSso
IDがVIP……だと……
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/03/27(日) 20:15:37.42 ID:CNsu3ygAO
初心に戻って次スレはvipという暗号か……!?
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 20:17:58.26 ID:oHdUuRYBo
もう落とそうか^^
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) :2011/03/28(月) 22:22:51.03 ID:cVEDl6tp0
一方編完結まで書き続けてくれただけでも感謝だよ



















もちろん永遠に続きを待ってるけど
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/29(火) 07:50:23.82 ID:4Y2nMf2J0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301352567/
新スレ立てておきました。移動してください。
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/29(火) 07:57:48.98 ID:yUAz0EkAO
いや…なんで…?
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/29(火) 08:07:07.49 ID:BR55eVyWo
地震以前から消えていたからな、移動しても仕方ないだろ。
いきなり消えるような人柄には見えなかったから、せめて元気でおられる事を祈るまで。

話は一方編が完結して、黒子と一緒の幸せ五条さんが見れたので満足だ。
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/29(火) 14:22:08.92 ID:yUAz0EkAO
俺は全然満足シテナイ
続きが読みたい
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/03/29(火) 15:29:59.62 ID:xU00UFsBo
せめて区切りよく見終わりたいな……
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/03/29(火) 23:08:34.91 ID:uuam2+hw0
書き手もいないのに立ててどうすんだよ
「待ってるよー待ってるよーボクタチいつまでも待ってるよー」だけで埋められていくキモイスレにすんのか?
それともアレか? 絶対に何が何でも戻ってきて続き書けよって作者にプレッシャー与えてんのか?
帰ってきたら本人が勝手に立てるだろ…
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/29(火) 23:11:39.98 ID:yUAz0EkAO
とりあえずこのスレが埋まんなければ良いだけのこと
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/03/31(木) 22:38:30.90 ID:xRvk4+ugo
ここ、お前が埋めに貢献しとるがなーって突っ込むところ?
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/01(金) 01:20:24.11 ID:vUU0K6MAO
>>977
黙ってなさい
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/01(金) 03:53:59.79 ID:4ahlGiFLo
うんわかった
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/04/08(金) 09:57:17.50 ID:LarOWqDAO
生存確認が欲しい
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 17:30:43.84 ID:ZASsMIeIo
まんこ
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/19(火) 21:27:41.69 ID:+kmtWsvAO
マジで死んじゃったのかな
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/04/19(火) 21:41:37.02 ID:gXNWuUM3o
地震後じゃ冗談じゃ済まなくなったな
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/19(火) 21:43:25.46 ID:Pxpb6hNho
地震よりも前にフラグは>>889で立ててたな
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 08:08:34.59 ID:Tc2uUNlDO
まぁ、そのうち帰ってくるっしょ。とある×SIRENの人も帰ってきたし多分、そのうちひょっこり出てきて我々を驚かすに違いない。大方、充電期間で構想を練ってるかと思われ
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/22(金) 08:26:11.79 ID:eD/uHQTq0
>>985のおかげで、再開したとある×SIRENを見つけた。
ありがとう。
お礼にハンバーグ置いてくね。
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 04:23:16.35 ID:e21x4yBdo
Penis
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/24(日) 15:41:40.35 ID:zZohMNQIO
保守
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/24(日) 20:51:55.13 ID:q0ohoInio
終わってしまったコンテンツ
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/24(日) 21:21:57.74 ID:IdGEqcDAO
じゃあ書き込むなよ
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 05:53:39.49 ID:XMKMnSbFo
それでも俺は書き込む
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/25(月) 08:12:57.10 ID:N6NI2PjAO
頼むからこれ以上埋めないでくれよ
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 21:02:12.00 ID://sVjqpIO
お前こそ埋めんなよ
迷惑だなあ
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/04/26(火) 00:07:40.84 ID:rK/IN8iIo
埋めるの手伝うぜ
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 00:10:56.27 ID:xWUS2onMo
とある五条の蹴球闘技【第三試合】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301352567/
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/26(火) 19:25:48.28 ID:d2o1yBO7o
あ?
クソスレ立てんなや
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/26(火) 23:24:43.45 ID:NGx7T67AO
頼む
お願いだからこれ以上埋めないでくれ
何かしろっていってる訳じゃなくて何もするなっていってるわけだからよっぽどバカじゃない限りできるよな?
あと、このレスはこれ以上意味もなくスレが埋まんないために書いたのであってお前が埋めてるじゃんとか言われても困る
大人しく五条ファンさんを待とうぜ
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 07:37:58.22 ID:MMBTnyKSO
そういわれるとうめたくなるよね
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 07:39:10.61 ID:MMBTnyKSO
ざまぁ
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/27(水) 07:40:39.81 ID:MMBTnyKSO
>>1000なら、作者死亡www
1001 :1001 :Over 1000 Thread
               /|\
              /::::::|:::::\
              |::::::::::| ::::::::|
              |::::::::::ヽ:::::::|
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              |:::::::::::::::::::::|
              |___ :::::::|
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               ∧::::::V   V:::::∧
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涼宮ハルヒの憂鬱 総合 避難所31 @ 2011/04/27(水) 01:35:56.78 ID:7hD//4pSo
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厨二能力やるからそれ使って闘おう @ 2011/04/27(水) 01:25:42.61 ID:RAWjK/7AO
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VIPでひぐらしデイブレイク >>2は100ペリカ払えし編 @ 2011/04/27(水) 00:58:26.47 ID:bukjlnCs0
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