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意地悪なメイド4.5 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/15(土) 00:49:15.04 ID:YZK2xNaY0
男「おーいメイドー、お茶入れてー」
メイド「今何て言ったかしら?」
男「ヤバッ…いててて!」
メイド「お茶を入れてください、でしょ?ご主人様」
男「ごめんなさーい」
メイド(うふふふ、ご主人様ったら可愛い…)


・荒らし禁止、来てもスルー
・またーり仲良く
・基本的にsage進行で。
・次スレは>>950辺りから考慮。
・新作者もまだまだ募集中。
・メイド好きな紳士はこぞって書いていけばいいんじゃないかな!
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 00:52:28.85 ID:YZK2xNaY0
というわけで立てました。
こちらでもドシドシ書いていこうとは思いますが、せっかく移転したので新しい作者もいっぱい増えるんじゃないかとひそかに期待してたり。

とにもかくにもよろしくお願いします!
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 11:17:47.90 ID:whlLtTUx0
乙ー
一応新スレってことで久々にジ○リっぽいお題をば
【となりのメイド】
【もののけ冥】
【崖の上の姉】
【女と男の神頼み】
【紅の妹嬢】
【風邪の男と会長】
【いいんちょ怒りのアフガン】
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 14:28:40.74 ID:QcrQNkeIO
はやくするんだ!
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/15(土) 14:56:05.32 ID:SXCsd3j0o
ふたなり妹のスレか
懐かしいな
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/16(日) 01:30:55.06 ID:mszfkJI50
参考リンク

意地悪なメイド
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1196005488/
意地悪なメイド2
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1205413781/
意地悪なメイド2.5
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1217252495/
意地悪なメイド3
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1241662202/
意地悪なメイド4
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280493546/

7xさんのところにもまとめがあります。
元祖というかvipにたったころのはそちらからどうぞ。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 01:36:24.54 ID:YgAf7PtAO
新スレ乙!
俺も久しぶりにお題をば

【受験期】
【大寒波】
【○○改造】

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 01:52:45.89 ID:OXnhN/xAO
妹嬢「何故意地悪なメイドのスレか、ではなく妹がふたなりなスレで記憶をされてるんですか!?」
メ「負けたぜ……妹様、あんたがNo.1だ」
妹嬢「名誉なのか不名誉なのか」
メ「笑えよベジータ」
妹嬢「本格的に不名誉になってきたような」
男「さておき久々にお題もきたな。前見ててくれた人も良かったらまた来てほしいところだけど」
メ「女々しくもまだ続いてますもんね。もう二年かそこらは過ぎてましたっけ」
男「実感ねぇよなぁ」
メ「とにもかくにも新たなスタートですので今後ともウルトラぷりちーなメイドさんとダメ主様もよろしく仮面」
男「その称号をそっくりそのまま返上してやるよ」
メ「じゃあ主様はウルトラぷりちーの称号ですね」
女「だねっ」
男「違うしこういう時の反応早いな! ま、まぁいいや。ではでは挨拶はこれくらいで!」
メ「これが元気な主様を見た最後の瞬間なのでした」
男「最後に嫌なナレーションでしめるなよ!?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 08:58:33.91 ID:8jQLX1TIO
改行
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/16(日) 13:48:30.30 ID:6u+uFxvxo
ナレーション「そして一週間後・・・そこには元気に走り回る男の姿が」
男「もうあんなことはしないよ」

よし、フラグクラッシュ完了
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 00:40:55.08 ID:dDD7y94AO
はい! 油断するとすぐ間隔空いちゃうからダメですね!

どうも、中の人です。知らない人は初めまして。知ってる人はお久しぶりです。

主にこちらでぐーたらメイドとそのご主人様を書かせてもらってます。どうぞお見知り置きをば。



さてさて話は変わりまして改行ですね。

前まであんまり言われなかったんでつい普通に空けずにやってたという。

やっぱり読みにくいだろうなぁと反省ってことで今後はなるべく改行しっかりやってきますね。

てな訳で主様こと男の死亡フラグも折られたことですし、うまい具合にお題がうちの話に出てくる人をピックアップしてくれてるので紹介もかねて早速!
12 :【となりのメイド】 [sage]:2011/01/17(月) 00:52:38.38 ID:dDD7y94AO
メ「となりのトロトロ」

男「開幕からグロネタはどうかと思うんだが」

メ「グロ美人ですね、私!」

男「やな新ジャンルだな。具体的にはどんなのよ」

メ「んー……クトゥルフ的な?」

男「怖ぇよ! また別の意味でさ!」

メ「つまり私は邪神だからトトロも邪神でこれは全てクトゥルフ神話だったんだよ!」

男「本当かキバヤシ! って何言わせんだ」

メ「あまりにも暇だったんでつい」

男「となりで必死こいて家事にいそしむ俺を見て何か思う事はないか?」

メ「ああ。これが本当のとなりのメイドですね」

男「うまくねぇよバカやろう!?」
13 :【もののけ冥】 [sage]:2011/01/17(月) 01:00:21.90 ID:dDD7y94AO
冥「パパ、ママ。おなかすいたー」

男「さっきご飯食べたばっかりだろ」

メ「あんな晩御飯もどきでもどっかの誰かが必死こいて作ったもんですから表面上だけでもおなかいっぱいなフリをしなさい」

男「おい、このヤロウ」

冥「うー。でもぉ」

男「こら、それに食べてすぐゴロゴロしない。牛になるぞ」

メ「も〜」

男「……お前は牛より生産性がないからな」

メ「おっぱいデカいから生産性はありそうに見えません?」

冥「私も!」

男「二人揃って動物なんて俺はすごい困る」

メ「さすがの主様もけもかんは範囲外ですか」

冥「けもかん?」

男「はい終ー了ー! この会話おしまい! 終ーわーりー!」

メ「顔真っ赤にして。学生かって話ですよ」

男「うるせっ」

冥「……それよりご飯」

男「後でなんかデザート用意するから我慢しなさい」

冥「はぁい」

男「全く。我が子ながら食欲が獣じみてるな」

メ「主様は性欲が獣じみてますが」

男「……。返しにくい台詞を」
14 :【女と男の神頼み】 [sage]:2011/01/17(月) 01:11:12.82 ID:dDD7y94AO
男「どうか、どうか神様! 今だけは俺に運を!」

女「あぅあ……神様、お願い。今だけは私に」

男「……いい?」

女「はぅ。いい、よ?」

男「じゃ、いくよ。せぇ、のっ」






女「やったぁー!」

男「な、なんでだ」

女「ほらほら、男くん男くん、約束通り。ね?」

男「どうしても? どうしてもやらなきゃダメ?」

女「私がくじに負けてたら着るハメになったんだから、おあいこのはずだよっ」

男「だからってさすがにこれは……」

女「うぅ。ずっと楽しみにしてたのに。男くんは嘘つきさんになっちゃうの?」

男「いや決してそんなつもりは。それに泣き顔は反則だって。ああもう、わかった、わかりました! 着ればいいんでしょ!」

女「うん! じゃあ早速これとこれから着けて、それからメイクは〜」

男「……女の涙って」






女「完成〜!」

男「……。顔から火が出るどころか全ての血液逆流して穴という穴から出てもはやしんでしまいたい」

女「ダメダメ。せっかくの衣装なんだから!」

男「ぐ……。股下がすーすーする」

女「はぅあ。かわいいよぉ、男子(オトコ)ちゃんのシースルーゴスロリ服かわいいよぉ」

男「その名前で呼ばれるのは未だに慣れないんですが。あとなんでこのチョイス」

女「それはこの後メイドさんが手配した御披露目会が……あ」

男「何その不穏なイベント名!? 聞いてないんだけど! 待て、待て待て待ってくれ?!」

女「え、えっとぉ……似合ってるから大丈夫だよ。うん!」

男「そうじゃなくてぇぇぇええ!!?」
15 :【紅の妹嬢】 [sage]:2011/01/17(月) 01:19:20.13 ID:dDD7y94AO
メ「生えない妹嬢はただの妹さ」

妹嬢「生えません!? 何故開幕がこれなんですか! もっとシリアスでいいのに!」

メ「妹嬢さんから色物キャラ取ったらただのお嬢様な妹キャラしか残らないじゃないですか」

妹嬢「十分です! 他に何が必要だっていうのですか!」

メ「胸とか?」

妹嬢「ぐっ?! ……で、でもそれは、今後に期待ということで」

メ「まぁ大事な部分からは生やせるんですから期待はしますよ」

妹嬢「人を妖みたいに! だいたい無理ですから! 人体の動きとして有り得ないことは基本的には私は再現出来ません!」

メ「え? でも妹嬢さんの特殊能力にどこからでも生やすってのがあると思ってたんですが」

妹嬢「出来てたまりますか!? 第一その理論ですと私の胸からも生えることになるじゃないですか!」

メ「そんなことまで可能だったとは……妹嬢さんの可能性たるや陵辱ゲー会社達の注目の的!」

妹嬢「出来ませんしやりません! あと注目なんかされたらその会社を社会的ひ破滅させますからね?!」

メ「そんな顔真っ赤にして泣きそうにならなくてもわかってますって。ジョークですよ、ジョーク。イッツ・ア・フタナリンジョークです」

妹嬢「あ、ああ、あなたという人はー?!」

メ(うぅむ。本当にからかいがいのある可愛いお人ですなぁ)
16 :【風邪の男と会長】 [sage]:2011/01/17(月) 01:29:07.70 ID:dDD7y94AO
男「けほっ、けほっ。うぅ……風邪が感染つりますから離れてください」

会長「あらあら。それはいけません。我が校のアイドル、男子さんが風邪を引いたなどと噂になれば全校の妹達が悲しみますよ」

男「それは全校の御姉様たる会長さんのことでしょ。あくまで臨時籍のお……げふん。私なんて誰も気にしません」

会長「いえいえ。理事長代理を始め、皆さん本当に男子さんのことを好いておられるんですよ」

男「うちのバカ妹……げふん。あの方だってこんな現状を知れば基本がなってないだの、優柔不断がどうのこうのって怒りだしそうですけどね」

会長「後半の事は若干私事が紛れているようですが。ええ、分かりました。こうしましょう」

むぎゅ

男「ひゃわ!? かかかか会長さん?!」

会長「こうして私が人肌で温めてさしあげます。それに風邪は感染つせば治ると言いますし一石二鳥です」

男「いやいやいや困ります! 困りますから離れてください!」

キャーキャー!

男「ほら、皆さん見てますから! お願いします!」

会長「ふふ、ダメですよ。しっかり捕まえさせていただきます」

会長(こうして少しずつ私の側へ引き込めば妹嬢さん……いえ、理事長代理にも使える大事なカードになりますし)

会長「一石三鳥、ですかしらね」

男「え? な、なんですって」

会長「役得ですね。というお話です。クスクス」

男「こっちはそれどころじゃ!? げほっ、ごほっ!」
17 :【崖の上の姉】 [sage]:2011/01/17(月) 01:36:18.04 ID:dDD7y94AO
姉「なんだかとばされたきがする〜」

男「姉さん、大丈夫。真打ちは後からって言うだろ?」

姉「そなの? まぁおとちゃんが一緒ならどっちでもいいや」

むぎゅ

男「のわ!? ね、姉さん……」

姉「えへへ」

男「ぅぅ……」

メ「一生やってろって感じですけどね」

男「や、やってられるか! 姉弟だからっていつまでもベッタリって訳にも……」

姉「だめなの?」

男「あ、ぅ」

メ「自分が立ってる場所忘れてるだろうこの状況でよくもまぁ乳繰りあってられますね」

姉「大丈夫だよ。だいたいビルの10階分くらいでしょ?」

男「姉さん。それ間違いなく即死レベルだから。落ちない前提だと信じていいよね?」

姉「落ちても私は多分大丈夫!」

男「俺が大丈夫じゃないからね? 頼むから身投げごっことかやめてね?」

メ「姉君様。今のを意訳するとアイキャンフライです」

姉「了解〜。てやっ」

男「へ? ……あ、あぁぁああぁぁああぁぁああああ!!!?」




どぱしゃーん

メ「……ま、多分死んでないっしょ」

※主様は全治二ヶ月の入院となりました
18 :【いいんちょ怒りのアフガン】 [sage]:2011/01/17(月) 01:43:31.17 ID:dDD7y94AO
委員長「……」

妹「……あ、あのぉ」

委員長「ねぇ、妹。男のじゃなくて私の妹。先に出たから本来の妹を押しのけてその名前を冠した私の妹」

妹「なんでそんな説明口調なの?! メタすぎるよ!?」

委員長「ジ○リって、何だったのかしらね」

妹「いや、あの……ほら! あくまでジ○リだし! 本物じゃな……」

委員長「ジブリ作品にアフガンって出たかしら? 出てないわよね?」

妹「言っちゃったー!?」

委員長「つまりこれは私に潜入工作をしろってことなのよね? お題を出した人間のところへ行けということなのよね?」

妹「そ、そうかもね! あえてツンデレお題でお姉ちゃんを誘ったんだよ! ほら、好きな子ほどイジメちゃうアレだよ!」

委員長「そう。奇遇ね……私もイジメルノハダイスキヨ」

妹「お姉ちゃん、その肉厚なナイフは何!? なんで弓矢を担いでるの! ね、ねぇっば!」

委員長「いってくるわね」

妹「ひぃ!? 目が笑ってないよぉ! に、逃げてぇ! お題の人逃げてぇぇぇえ!」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 07:33:25.99 ID:7qOXCIUw0
中の人乙ー
やっぱり妹嬢といいんちょは弄られポジションが似合う
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 07:34:49.44 ID:/OqU/lUro
つまりふたなり「妹」としか言ってないのに反応した誰かさんは・・・
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 16:04:17.63 ID:NoLA9bO0o
そんな描写ないのに何故かイメージ的にはしっくりくる不思議
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 00:33:17.24 ID:B8LZJR+AO
委員長「嫌な定位置ね」

妹嬢「全くです。我々知性派の人間が何故このような扱いを」

委員長「あら。私はどちらかと言うと直感型よ」

妹嬢「まさか。我々の中でも一、二を争う良識人ではありませんか」

委員長「そうかしら」

妹嬢「そうですとも」

委員長「……まぁどちらでもいいけれど」

妹嬢「つまりは気にせず自分らしく生きれば何ら恥ずべきことは……」

メ「私は自分がふたなり扱いされたら恥ずかしさで前に出れませんけどね」

妹嬢「私は濡れ衣を着せられているだけなんです! こんなキャラ立ちする気なんてなかったのに!」

メ「確かにキャラが勃ってますね」

妹嬢「字面が分かるような言い方をわざわざアナタはぁ!!」

委員長「構うからそうなるのよ」

妹「お姉ちゃんもお題の時はだいたい乗っちゃってるような」

委員長「何か言ったかしら」

妹「なんでもないよっっ!!」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 00:36:39.41 ID:B8LZJR+AO
描写下手なんで逆に会話だけの方が気楽だったりします。

その悲しみに覆われんばかりの駄文は参考リンクからどうぞ。

あと今回はもしかしたら新しい人が見てくれるのではという淡い期待を持ってたんで説明台詞多かったのもあるんでしょうかね。

何にせよわかりやすく面白いのを書けるようにふんばりますんでビシバシ厳しくお願いします。
24 :【受験期】 [sage]:2011/01/18(火) 00:42:04.04 ID:B8LZJR+AO
メ「おーおー、電車の中でも居るわ居るわ学生ども。こんな時期にどこに行ってたんだ貴様ら! 状態ですね」

男「学校なり予備校なり勉強してたんだろ」

メ「センター試験はもう終わりですよ!」

男「センター試験が全てじゃないからな」

メ「ライトとかレフトが?」

男「お前は一度受験生にしばかれた方がいい」

メ「さっきゲーセンでいいようにしばかれましたんで遠慮します」

男「無様な負け姿だったもんな」

メ「くそっ、学生は学生らしく勉強ばっかりしてもやしみたいになればいいのに!」

男「学生さんが多数乗り込むこの時期に不特定多数の相手に喧嘩売るのやめような」

メ「滑り落ちてしまえ!!!」

男「頼みますからやめてくださいお願いします」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
25 :【大寒波】 [sage]:2011/01/18(火) 00:52:06.10 ID:B8LZJR+AO
メ「ざみぃ」

男「そら冬だからな」

メ「はやぐがえってストーブにはりづきまず」

男「前にそれでやけどして泣きわめいたとこだろ」

メ「今度はやけどずる前にすばやく移動しまず」

男「張り付く選択肢はなくならないのか」

メ「主ざまとぢがって私はさむがりでずがら」

男「お前が異常にさむがりすぎなんだよ」

メ「だっでぇ」

男「はぁ。ったく、ちょっと来い」

メ「ごんな日にあおがんとは主ざまきちぐ!」

男「バカ言ってないでほら」

メ「むぎ」





男「これでどうだ」

メ「私はどこの達磨ですか」

男「近くにたまたまユニクロがあって良かったな」

メ「だからってこんなに着せなくても。結果的に高くついたし」

男「いいだろ。また別個に着ればいい」

メ「でもなんかこう、申し訳ない」

男「何がだよ」

メ「メイド服着ないとメイドじゃないような気がして」

男「ばーか」

メ「なっ!?」

男「家ん中ではメイドだけど、今は一人の女の子なんだから気にするな」

メ「うぅ……」

男「それに元からメイドらしさなんてないんだから。お前はお前らしくふてぶてしくしてろ」

メ「い、言われなくとも! 主が従者を大事にすんのは当たり前ですからね! 労働組合に守られた私ってば無敵!」

男「よしよし。そんなけ元気なら大丈夫だろ。今晩はあったかいもんにするから楽しみにしとけよ」

メ「……うす。……ざっす」

男「ん? なんか言ったか?」

メ「寒波も大したことねぇなぁと思っただけです!」

男「はは、頼もしいな」

メ「ええ。どっかのノー天気さんのおかげっす」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
26 :【○○改造】 [sage]:2011/01/18(火) 00:59:59.62 ID:B8LZJR+AO
メ「ロム改造」

男「いきなりグレー発言が飛び出した」

メ「自分のを吸い出しただけですから。自分で楽しむ用ですから」

男「いかにもな台詞をこれ見よがしに吐きながらそのわざとらしい口笛が全てを物語ってるぞ」

メ「えらく長い言い回しで訳わからんことになってますが」

男「自分でもそう思う。俺としてはお前が働くように改造したい」

メ「人体改造っすか。ぜひ返信機能を」

男「真っ裸になる魔法少女スタイルでいいか」

メ「主様、さすがにそれはきついっす」

男「すまん。セクハラで訴えられたら間違いなく負ける台詞だった」

メ「いや、エロいのは今更ですからいいですがこの年で魔法“少女”は……」

男「それは……まぁ、そうだな。後今更とはなんだ今更とは」

メ「主様があまりにエロすぎて息をするようにセクハラしますから私も慣れました。慰みモノにされても私泣きません」

男「本当に襲ってやろうか」

メ「泣きはしませんが全力で国家権力に電話します」

男「社会的にやられるのかよ」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 02:36:14.92 ID:Wf9WmkMzo
主様の主様を慰みモノにしたいです><
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 02:47:27.57 ID:MEHvxNTAO
冥「呼ばれて飛び出て」
男「いや、お呼びでない」
冥「これはそろそろ私の出番かと」
男「もはや忘却の彼方だろ、俺ら…」
冥「だからこそ心機一転、新たな萌えジャンルとしてですね…」
男「…さすがにタイトルには沿えよ?」
冥「……」
男「ってオイ待てコラ!無言で人の食料食い散らかしに掛かるな!!そりゃ意地悪じゃなくてタダの嫌がらせだ畜生ぉぉぉ!!」


うん、こりゃひでぇ(^q^)
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 09:06:23.81 ID:Wf9WmkMzo
生きてたのかww

一瞬息子の方だと思ったのは内緒
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 09:08:01.02 ID:d4A2I5EIo
前スレまでのストーリー別まとめとパー速2スレ目纏めました
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/ijiwaru_maid.html

url貼らないのは何か拘りがあるのかもしれませんが
自分が読む時に便利なので貼っちゃいます
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 01:02:29.78 ID:ocvsUFLAO
慰みモノになれるような上等な面ではないので悪しからず。

というか何度も言うけど野郎しかいないんだからそんな発想にはならないはずなんだってww

げに恐ろしきは既にこのやりとりすらテンプレ化してきたことか……

どうも中の人です。久しぶりに自分以外にも書いてくれる人の一人が来てくださってホクホク。

これでいつでもサボ……げふん。任せられますね!

さておきURLについては貼っていいか分からなかったんでってのが正直なところ。

一報くらい入れた方がいいのかな? と思って書かなかっただけですね。

まぁあるとありがたいのは中の人も同じですが!

ではでは今週は会社の商品が現場で火吹いて真面目に修羅場なので短めに。

大丈夫! 足りない分は冥土の人とか新しい人が来てくれますから! チラッチラッ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 01:09:08.42 ID:ocvsUFLAO
メ「中二病っていいですよね」

男「包帯貸してくれなんて言うから何事かと思ったらそれか」

メ「見てください。この片目スタイル! 無駄に長くてビラビラさせつつ!」

男「風とか吹かないからビラビラしないけどな」

メ「ビラビラしてるのは別のとこですしね」

男「俺はそれにどう反応すりゃいいんだ」

メ「『くっ、……右腕が……っ、はぁ……!』とか」

男「無駄に“……”が多そうだな」

メ「主様、実は義手だったりしましょうよ」

男「取って付けたような!」

メ「義手だけに」

男「やっぱお前に中二病は無理だわ」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 01:16:13.17 ID:ocvsUFLAO
委員長「あんた、最近名前出ないから息子扱いされてないわよ」

命「っせぇ。どっちにせよあんな野郎の息子扱いされるよりはるかにいいさ」

委員長「素直じゃないわね」

命「親が悪いからな」

委員長「そこは同感ね。だからっていつまでも子供みたいに拗ねるのは可愛いだけよ」

命「けっ、雌狐が」

委員長「その雌狐に抱かれて、喚いて、命乞いしたのはどこの誰だったかしら」

命「……ふん」

委員長「全く。可愛い子。安心なさい、貴方は死ぬまで愛してあげるわ」

命「人形愛だろ」

委員長「否定はしないわ」

命「……けっ」

委員長「ふふ」






妹(こ、こいつらのがよっぽど中二してるじゃんかよ……)

※こいつらの関係は上記URLからどうぞ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 01:25:15.45 ID:ocvsUFLAO
メ「主様」

男「ん? どしたよ、神妙な顔して」

メ「肩車してください」

男「いいけどなんで」

メ「急に思い出したので」

男「何を」

メ「世紀の八百長を」

男「は?」

メ「いいから肩車する! ほら!」

男「まぁいいけど。ほら、乗れ」

メ「では遠慮なく」

男「もが?!」

メ「ほら、立ち上がって」

男「もが! ふもふが!」

メ「スカートでくぐもって聞こえません。あとあんまり喋らないでください。股関が熱いので」

男「〜〜っ!」

メ「前からでもパンツは見せないっすけどスカート越しでも息は来ますからね。では。すぅ……」



【空 中 元 彌 チ ョ ッ プ !】









メ「何これ全然きいてない」

男「ふ、ふも……」

メ「むしろ意地悪のつもりがご褒美になってきてるような。ちくしょう!」

べし! べし!

男「……もふ」

メ「な、なんかよりホールドされた気がする?!」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 01:31:21.10 ID:ocvsUFLAO
会長「気持ちよいですね。やはり大きな浴槽は日本人ならではの楽しみです」

男「ブクブクブクブク」

会長「ほら。そんな離れないでくださいな。あまり離れると他の娘に背中を流す機会を与えてしまいます」

男「ブクブク……」

会長「そうそう。あくまで女の子で見られているのがバレない為には私のお気に入りだとされている方が安全です」

男「だ、だからってこんなに引っ付かなくても」

会長「お気に召しませんか? これでも一生懸命、女を磨いているつもりですが」

男(良すぎて困るんだよ! 主に体の一部が!?)

会長「ふふ、そんなに固くならないでください」

男「っ……! 好きでなってる訳じゃないです! 体が勝手に……」

会長「そちらの意味ではなく単純に緊張なさらずという言葉だったのですが」

男「〜〜〜!!」

会長「可愛らしいですね、本当に」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 09:09:33.40 ID:6OJi2M4Eo
>>15
つまり主様を掘ってる状態でちんこからちんこ生やしてひぎぃ!か・・・ゴクリ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 00:51:55.93 ID:kIw/IfZAO
メ「無限チンーコとはさすが妹様。私の想像の斜め上を行かれます」

妹嬢「行ってませんし行きません。そんなもの想像の中だけです」

メ「アクエリオンだって無限パンチ出来たんです! 妹嬢さんも本気を出せば!」

妹嬢「そんな本気はありません! 第一なんですかその化け物は!」

メ「確かに人と違う生まれでしょう……でもだからってそんな風に自分を化け物呼ばわりしてはいけませんよ!」

妹嬢「してません!? 何故に毎回毎回私をそんな扱いにするんですかっ」

メ「それだけでキャラ立ててきたんだから今更捨てられませんって」

妹嬢「一度たりともそんなポジションについた覚えはありません。全く、私の品格を貶めるのはやめてください」

メ「品格なんて関係ないです。愛さえあれば」

妹嬢「台詞自体には同意しますが真意をはかりかねますね」

メ「主様は生えててもきっと受け入れてくれますよ。後ろで」

妹嬢「……。あ、有り得ませんから!」

メ「今の間に何かしら恐怖を感じた私がいた訳で」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 00:55:47.76 ID:kIw/IfZAO
しかし7xさんは仕事早いしありがたい限り。許可さえもらえるなら参考リンクとして頭に毎回持ってきたいくらいです。

改めましてありがとうございます。

それに比べて毎回大した話も書かないで……周りの二次やらオリジナルの毎回ガッツリ更新の中これでいいのか! 俺よ!

A.ダメな奴はダメ。

なんか自分の中で出しちゃいけない答えが出た気がする。
ま、まぁ見捨てられないように地道な更新だけは続けますんで! はい!
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 01:09:07.47 ID:kIw/IfZAO
男「裸エプロンって憧れるよな」

友「男同士だからってすごい話題振ってきたね」

男「いいだろ、たまには。俺もお前も健全な野郎なんだからさ」

友「まぁねぇ。個人的には裸エプロンよりパジャマがいいかなぁ」

男「なんだよ、お前もなかなか際どいな」

友「まぁね。でも男は裸エプロンって言っても本当に裸なだけはダメなんでしょ?」

男「どういうことだよ」

友「要はニーソックスとかつけてなきゃ減点みたいな」

男「何言ってんだ。女の子は生まれた時からニーソックスかガーターベルトは着けてるぞ。つまり裸ってのはそれだ」

友「君の知ってる人類と僕が知ってる人類は違う気がする。少なくとも衣類を着用しないから裸なんじゃ」

男「何も着ていない姿のどこにエロさがあるってんだよ! 答えてみろよ! 答えられなきゃホモ扱いだからな!」

友「嫌な制限つけてきたね!? う〜ん、でもほら。太ももから足先への脚線美って素敵じゃない?」

男「ああ。ガーターベルトがよく栄えるよな」

友「……。に、二の腕とかさ!」

男「長手袋が合うよな」

友「…………。ウェストラインとか!」

男「ぴちっとしたアンダースーツがいいな。ハードポイントから覗くような」

友「…………。もう君の場合何につけても裸ではないよ」

男「裸エプロンもエプロン付けてるしな」

友「もはや焦点が霞みに霞んだよ」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 09:06:38.91 ID:IvJkrXmCo
そういやこいつガチホモ疑惑あったっけww

この頃空気だけど
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 02:25:05.77 ID:z+7JumOAO
メ「そのホモ疑惑はとうとうサブもサブなサブキャラなくせに彼女持ちになるという明らかな身分不相応な扱いを受けて尚、輝いてますよ」

友「長々と言ってくれた割には最終的にけなされてるよね」

メ「わかりにくくてすみません。言い直します。この、ホモめ!」

友「そんな描写が一切自発的にされてないのにこれなんだよね。一体何が悪いんだろ」

メ「むぅ。もっとこう、アグレッシブに反抗してこないんすか」

友「多分言っても聞いてくれなさそうだしさ。それにこういうのは本当にわかってほしい人にだけわかってもらえればいいし」

メ「……」

友「な、何? 急に黙り込んで」

メ「こりゃ出番少ない訳だ。真っ当な人すぎる」

友「え?! そんな理由で!?」

メ「ここは頭おかしい人しか居ない場所ですから。主に私以外」

約全員『ねーよ』

メ「今返事した人はだいたい頭おかしい人ですから」

約全員『……』

友「よくわからないけどなんとなく自分が浮いてるのはわかったかもしれない」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:19:10.64 ID:ROfSSZ7AO
メ「にんにん」

男「……。いや、家の中にまきびしは互いに利益を生まないと思うんだ」

メ「くくく。トイレ籠もりの術でトイレに行けない主様の無様な姿を嘲笑う作戦なのだよ!」

男「隣に借りにいくけど」

メ「またそうやってフラグ立ててさ!!」

男「トイレ借りるだけだろ?!」

メ「主様はそこから確変入ってフィーバーで打ち上げ花火な展開がデフォだもの」

男「お隣は男の人だろ……」

メ「まさかのホモフラグ乱立っすか!」

男「乱立ってなんだ乱立って」

メ「しっかりおめかししてから出掛けてくださいね。私はトイレから出られないんで」

男「どう考えても自爆したお前が殊勝に片付けしたくなるようにおやつでも買ってきてここで喰うか」

メ「おやつにお隣の人をここで食べて……勿論性的な意味で」

男「干からびるまで放置してやろうか。いっそ」

メ「いざとなったらトイレ水で……」

男「いいから片付けろよ?!」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:25:57.11 ID:ROfSSZ7AO
男「結局片付けたのはほとんど俺じゃねぇかよ」

メ「よく働いた主様には私のくのいちスタイルをおがむ権利をあげましょう」

男「お前はメイドなのかくのいちなのか」

メ「間を取って女中的な」

男「うやむやさ全開だな。しかし最近微妙〜、にコスプレ多くないか?」

メ「毎日がコスプレみたいなもんなんで気にしないですが」

男「……それに関して言えば確かに俺にも責任の一端はあるんだけどさ」

メ「かく言う主様もコスプレというか女装が板につきましたね」

男「嫌な角度からえぐりこむね、君」

メ「忍者ですから」

男「関係なくね?!」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 02:31:17.39 ID:ROfSSZ7AO
メ「勝っても負けても罰ゲームなゲームしましょうよ」

男「……。どっちがどっちの罰ゲームか次第で考えてやる」

メ「私が罰ゲームくらう訳ないでしょ」

男「ですよねー。誰が受けるか」

メ「じゃあうまいこと私と引き分けたら指ちゅぱでどうです? ふやけるまでしていいですよ」

男「俺がするのかよ」

メ「蒸れに蒸れたこのニーハイな爪先をですね」

男「まぁ俄然やる気にはなってしまったので種目を決めてくれ」

メ「白黒つけやすい将棋で」

男「引き分け狙いならいいんだな?」

メ「へ? いや、でも将棋に引き分けとか……」

男「安心しろ。あらゆる手段を使ってでもお前の足先をふやけさせるから」

メ「な、なんか目がマジで怖い! 主様怖い!!」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 21:36:02.49 ID:koo0RRPxo
>将棋に引き分け
St.George's Tavernのバーテンダー「あるよ」
虹ヶ浦の居酒屋の店員「ないよ」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:19:39.35 ID:WJBcAtrAO
うぬぬ……出展がわからないのぜ。

個人的に将棋は大好きですが一回やるだけでガッツリ疲れる年寄り体質。

何時間、何十時間、何日間もかけてやるような思考のやりとりって大好きですけど。





さてさて十四連勤目が東京のホテルで明かす一夜になった中の人ですので今夜も短いバカ話でひとつ。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:29:17.07 ID:WJBcAtrAO
メ「ドエマーで毎晩浮浪者に犯されては満足している主様に質問です」

男「ドエマーて。しかもそれMとかじゃなくてもはや精神的にヤバいからな。あと導入がガキ使っぽいな!」

メ「律儀なツッコミありがとうございます。えー、そんな主様がオススメの最近ホットな露出場はどこですか」

男「あー、それはね。って、知るかぁ!?」

メ「まっちゃんはもう少しノリがいいですよ」

男「プロの芸人と同列に見られてもだな」

メ「でも主様がドMなのは事実ですし」

男「どのあたりがだよ」

メ「精通の時のお話をさせていただいてよろしいなら喜んでさせていただきましょう」

男「はン。ねつ造話をいくらされたとこ……はぅあ?! ま、まさか!」

メ「『しゅっしゅ。しゅっしゅ。おとちゃんしゅっしゅ』でしたっけ」

男「うわぁぁぁあああああああ?! 中の姉さんに聞いたなてめぇぇぇええ!?」

メ「時々何の労も得ず弱みを鷲掴み出来るからこの体質はやめられん」

男「人のプライベートをなんだと思ってやがる?!」

メ「飯の種っす」

男「あまりに正論であり正解であり暴論過ぎて悲しみが止まらない」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:33:21.57 ID:WJBcAtrAO
委員長「監禁の仕方?」

メ「イエス! 生かさず殺さずな塩梅のを教えていただきたく」

委員長「何故私なのかしら」

メ「え? だってその道のプロでしょ?」

委員長「あなたは私をなんだと思っているのかしら」

メ「人間兵器?」

委員長「聞かれてはいそうです、とは答える気にならない質問はやめてくれるかしら」

メ「で、結論から言うとやり方は!」

委員長「だから知らないわよ」

メ「経験談とかでいいっすよ」

委員長「……あまりしつこいとあなたで初めての体験を得るかもしれないわね」

メ「ひ!? つつきすぎた!」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 01:44:49.68 ID:WJBcAtrAO
メ「赤主様青主様黄色猿こと主様」

男「早口言葉に悪口を混ぜてきたか」

メ「早悪口言葉です。ルールは簡単。相手への悪口をひたすら早口言葉で言うだけです」

男「ゲームにしやがった!?」

メ「生主様生主様生卵の腐ったみたいな主様」

男「前半の手抜きっぷりが尋常じゃないな」

メ「隣の主様はよく柿喰う主様だ。金がなくて」

男「もはや早口言葉ですら!」

メ「悔しかったらどうぞ言い返してください。早口言葉で」

男「ぐ。だったら、メイドぴょこぴょこむぴょひょここあわせてひょぴょこぴょむぴょここぴょ」

メ「……ぷ。ぷーりぷりぷすぷす」

男「ああそうだよ笑えよ! 下手ですいませんでしたね! ああもう、早口言葉なんて大嫌いだ!」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 05:17:40.64 ID:wiSj4zr6o
その舌使いでハァハァ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 01:08:02.65 ID:LweRzpnAO
メ「主様。レロレロレロってやってください」

男「急になんだ。そんな早く舌が動くわけないだろ」

メ「完璧超人の主様ならあるいは」

男「あるいはもくそもあるか。苦手分野ばっかり出しやがって」

メ「でも主様は舌使いが一級品ですし」

男「どこ情報だよ」

メ「実体験からの発言ですが」

男「ぶふぅ! な、ななななな……!」

メ「アイスの舐め方的な意味で」

男「で、ですよね!」

メ「なにを赤くなってるか知りませんが主様の舌テクでは何時間たってもイけませんから」

男「ことごとく男としてのプライドと威厳を潰してくね」

メ「そんな主様にはいい男を紹介しますよ、ええ」

男「漢ゲージ減ったからって女の子にはならないからな!?」

メ「女の子にならないまま男に抱かれるから意味あるのに」

男「より非生産的に!」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 01:57:37.22 ID:CtctRoeAO
メ「サムライスピリッツ!」

男「勝ったなぁ、日本」

メ「正直負けるかと。むしろ負けてくれなきゃ負ける方に賭けてた私の立場は」

男「非国民っぷりがハンパないな」

メ「私の知ってるサムライは球けりなんかしないもの!」

男「比喩表現にマジになってどうすんだ」

メ「サムライジャイアンツ!」

男「もはや球技として違う方に。個人的にはサムライがバット振る姿も想像出来ないんだけど」

メ「比喩表現にマジレスとか頭沸いてますね」

男「くっ……付け入る隙を与えた俺が悪いんだ。我慢しといてやる」

メ「成長したな、小僧」

男「ダメだやっぱり腹立つ!?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 02:08:25.66 ID:CtctRoeAO
メ「主様、NTR属性付けませんか」

男「よし、頼むからその結論に至った過程を教えてくれ。なるだけ詳しく」

メ「日々の生活に潤いを」

男「なんら潤いを感じない未来なんだが」

メ「刺激がほしいじゃない! 毎日毎日主様の顔ばっか見せられてさ。少なくとも下半身は潤うって話ですよ」

男「最低な答えに持ってったな」

メ「私だってそれなりに器量よしですからね。本気出しゃイケメンの一人や二人くらいは……」

男「あー、絶対ダメだ」

メ「なんすか。自分ばっかハーレムなくせに私には男を侍らすなと?」

男「ち、違……お前みたいなのが世の他の男性に迷惑かけるのがダメっちゅうか許したらいけないっちゅうか、その、うん」

メ「ならおしとやかにしますよ。私だって最初くらいは猫かぶり出来ますし」

男「それ結局迷惑かける前提じゃねぇか! ダメダメ、絶対ダメだからな!」

メ「だが断る! 実は今度ネットで顔見知りになったイケメンさんとデートなるものをしますので」

男「絶対そんな事に金なんか出さないからな!」

メ「要りませんよ。自費でいきますし。あー楽しみだなー」

男「こ、こいつが自腹で外出だと……ありえん、ありえんぞ」

メ「では週末はそんな訳でお休みいただきますんで悪しからず。今から服とか選ばなきゃーふふふー」

男「…………ぐぬぬ」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 00:43:30.57 ID:H+xz1EKmo
男子ちゃんも中の人もちゃんと抱いてあげますよ


あと日本おめでとう
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 02:00:55.50 ID:hiYubU3AO
男「なんでどっちも野郎を選択してるんだろう」

メ「実は女の子フラグ!」

男「急にときめきイベントだな」

メ「だが現実は容赦なく同性愛に走るのだった」

男「現実はもっと夢見させようとしていいと思うんだよな」

メ「確実に殺しにきてますね」

男「ま、日々の数少ないプラスを糧に頑張るしかない訳で」

メ「つまり抱かれる、と」

男「どこをどう曲解したらそうなるんだよ!?」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 02:07:06.09 ID:hiYubU3AO
メ「という訳なんです。どうしましょう」

妹嬢「知りませんよ。自分で蒔いた種くらい自分でなんとかしてください」

メ「だって私にイケメンの知り合いなんていないですもん。野郎は苦手だし」

妹嬢「素直に見栄から出た嘘だと告白されてはいかがです?」

メ「主様が悔しがる姿を見るまでは嫌です」

妹嬢「全く、あなたのワガママに私が付き合う義理など……いえ、これはもしかして」

メ「ちぇー、仕方ないからその日は適当に遠出してネカフェで過ごすかなぁ」

妹嬢「メイドさん」

メ「うぃ?」

妹嬢「用意しますよ。その男性」

メ「マジっすか。イケメンでお金とか出してくれて優しくて主様よりいい男だけど私を本気で狙わないような奴が」

妹嬢「どれか一つくらいは外れるかもしれませんがなるべく十分な条件に見合う方を用意しましょう」

メ「やほぅい! 言ってみるもんっすね。いやはや助かったぁ」

妹嬢「素敵な方を用意しますよ。兄さんを忘れられるくらいの、ね」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 02:41:18.99 ID:H+xz1EKmo
完璧に満たしてる人がいますね

厳密には男じゃないというかむしろ女に近いからイケメンと言うべきかは微妙だが
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 02:24:50.23 ID:dtnkSNBAO
男「てな訳で週末な訳だが……不安だ」

妹嬢「だからって尾行したいなんて実の妹に相談しますか、普通」

男「お前だから頼ったに決まってんだろ」

妹嬢「……っ! に、兄さんが私を信頼してくださることは私としてはありがたいですが、だからって毎回毎回私が兄さんの為に動くほど暇な訳でもないですしけれどどうしてもと兄さ……」

男「あ、きた! あいつマジで普通の格好できやがった。くそ、なまじ元がいいからなんかこう。ぐぬぬ」

妹嬢「……。なんでしょう。この胸を駆け巡った一抹の寂しさは」





男「待ってる待ってる。あいつがまさか人を待つ日が来ようとは」

妹嬢「待たされているようですね。ただ時間については携帯ゲームに夢中で気付いていないようですが」

男「あいつもしかして目印とか決めてないのか。あと関係ないけどなんでお前メガネなんだよ」

妹嬢「変装です。ほら、兄さんも」

男「こんな子供だましみたいな……」

妹嬢「いいから! 私が見たいんです!!」

男「ものすごい力入ってるとこ申し訳ないがカメラを向けるのは俺じゃなくてあっちだから」

妹嬢「いいえ、メガネな兄さんを撮らずして帰れますか!」

男「やっぱ帰れお前」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 08:27:59.42 ID:ksSR/Raf0
妹嬢段々壊れてきたw
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 09:02:47.92 ID:XmzYscdqo
スレッドの進行中割りこんで申し訳ありません、お許しください。
今現在、「■SSスレッドをWikiでまとめようプロジェクト!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295189440/
において、SS-WikiにSSの紹介文等を載せるための相談をしております。

さて、今日はその一過程として編集テストを行いました。
その際に、勝手ながらこのスレッドをテストに用いさせていただきましたので報告いたします。
詳細はWikiスレまたはSS-Wikiをご覧ください。
勝手に行った上に事後報告になってしまい、お気に障ったら申し訳ありません。
編集にご不満があれば削除・修正をいたしますので、上記のWikiスレまでどうかご連絡ください
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 15:29:17.13 ID:Pg6gDhZg0
中の人が来ないぬるぽ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 22:06:48.96 ID:sI6RfsGDo
ガッ
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 03:22:17.70 ID:AXRqjooAO
ガッ




ブラックな会社じゃないのに17連勤!

どうも。朽ちかけた中の人です。

明日だ……明日の出張さえ乗り切れば代休なんだ……!

とまぁリアルに修羅場ってる間に何やら素敵な企画に載せて頂けてるみたいで。

ありがとうございます! 近々挨拶に伺ってみたりwikiに紹介でも書かせてもらってみようかしらっ。

今後ともに是非ともよろしくお願いします。

あとこれを機に他の方とクロスとかしてみたいですね!

まぁうちのはウルトラ知名度低いから妄想程度に抑えつつ他のとこを読んだりさせてもらう感じで。

さておき、今夜は朝一新幹線に向けて仮眠を取る予定なんでそれまでに一本か二本くらい!
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 03:27:34.90 ID:AXRqjooAO
メ「いちゃいちゃなんてしてないのに!」

男「させてくれてもいいだろ」

メ「百億万円要求しますが」

男「単位が小学生だな!」

メ「つまり実質私とのいちゃいちゃフラグなんて無かったんですよ」

男「マジか」

妹嬢「そこで私の出番ですね。私ならいくらでもいちゃいちゃなり可愛がるなりしてくださって結構ですから」

メ「なるほど。ショタ枠ですね」

妹嬢「生えてませんからね!?」

男「お前もショタが何か理解する程度には俗っぽくなったな」

妹嬢「屈辱です……」

男「いや、とっつきやすくていいと思うんだが」

妹嬢「誉れです!」

メ「最近安定して色物路線に……」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 03:34:14.59 ID:AXRqjooAO
男「で、結局メガネなんだな」

妹嬢「兄さん。……素敵です」

男「ありがとう。でもとりあえず暑苦しいから離れなさい」

妹嬢「離れたらメガネな兄さんを堪能出来ないじゃないですかっ」

男「近くでないと堪能出来ないのかお前は」

妹嬢「むしろこちらを堪能していただきたく……」

男「お、動きがあったぞ。あれが相手か」

妹嬢「……兄さん分かっててやってません?」

男「うお。マジでイケメンだ。すげぇ手慣れてる感じで隣に座ってるし」

妹嬢「メイドさん。なんだかよそよそしいですね」

男「割と人見知りするからなぁ。……しかし絵になる二人だな」

妹嬢「我々も仲睦まじい夫婦に見えますかね?」

男「下手な変装して柱からコソコソカップルを覗き見する夫婦が仲睦まじいかどうかは判断しにくいぞ」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 00:45:32.67 ID:RzHD92UHo
乗り切れなかったのか
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 08:52:49.52 ID:MhDqLWdd0
朽ち果てたか…
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 00:30:14.53 ID:R+SHJrVN0
はい。乗り切れなかった中の人です。

だって出張先で滞在日数のびるなんて……ぐぬぬ。

結局昨日まで働いて今日やっとこ代休もらえました!

結果として一日寝込んで明日からまた仕事という何のための休日だったのか状態ですが。

くそぅ、これが社会人ってやつなのか……!!



というわけで明日が始まるまでに書いてきますね!

あと今後時間あったらSSwikiのほうにうちのとこの紹介文とか考えてみようかな。

いろいろと協力させてもらわないと。

てなわけで今夜もいそいそとー!
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 01:28:29.96 ID:R+SHJrVN0
男「む。なんか立ったぞ」

妹嬢「デート開始というところでしょうか」

男「……どうせ数分ともたずに帰るんだって。あいつはそういう奴だ」

妹嬢「確かにそうかもしれませんね。私もその情景が浮かばないです」

男「だよな! だよな! まったく、見栄張ってるんだろうよ、どうせ」

妹嬢(まぁ待ったくをもってそのとおりなのですが)







男「おい。なんか二人して普通に買い物してないか」

妹嬢「多少、店舗のチョイスが通常のカップルのそれとは違いますけれどね」

男「くっそ、あんなイケメンのくせにメイトとか虎穴とか普通に楽しみやがって。もっとドン引きとかしろよ!」

妹嬢「兄さん、抑えてください。ただでさえ我々は浮いてるんですから騒いで目立つのは得策ではないかと」

男「目立つような変装させられた側としてはその意見は非常に遺憾に感じるんだけど」




男「今度はおしゃれなオープンテラスでお昼か」

妹嬢「恐らく彼のセンスでしょうか。いいお店を選ばれてますね」

男「俺だってあれくらい選べるぞ」

妹嬢「ではせっかくですし私といきませんか?」

男「そんなことよりあいつが普通に楽しそうなのが意外っつーか腹立つというか」

妹嬢「……兄さん、私だって怒ることはあるんですよ?」

男「まぁお前とはまたいずれ行くからそれでいいだろ」

妹嬢「約束ですからね!? 絶対ですからね!」

男「だから大声出すなっての!?」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 02:10:46.67 ID:kgwYkXJAO
男「おいおい。とうとう映画まで見ちゃってるよ」

妹嬢「二人きりで暗い映画館。何か間違いが起こってもおかしくありませんね」

男「俺達も行くぞ! 好き勝手させてたまるか!」

妹嬢「兄さんと初めての映画……是非!」




男「まさかのアニメ映画だったな」

妹嬢「色っぽさの欠片もありませんでしたね。はぁ」

男「いい事だろ。変な雰囲気にならずに済んだんだしな」

妹嬢「そうでしたね。あら、次はアミューズメントパークに向かわれてますね」

男「ああ、多分ゲーセンで遊ぶんだろ。で、相手のイケメンほっぽりだして嫌われるパターンだな」

妹嬢「先程から兄さんが必死に見えるのは何故でしょうね」

男「実際必死なんだよ! くそ、あんなやつの面倒見れるのは俺だけなのに」

妹嬢(素直に独占欲を出せないあたり、まだ私にも部があるのでしょうかね)






妹嬢「まさかの展開ですね」

男「ゲーマーでもあるのかよ。あのイケメン野郎」

妹嬢(メイド長には彼女に合わせた人材の用意を頼みましたがまさかここまでとは)

男「二人して普通に楽しんでやがる……くそ、いっそ俺が乱入して!」

妹嬢「さすがにバレますから抑えてください」

男「ぐ、ぬぬ」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 02:20:17.92 ID:kgwYkXJAO
男「とうとうディナーか……」

妹嬢「そこそこにはお洒落なお店ですね。手頃なお値段ですし肩を張らないで済みそうです」

男「お前からしたら世界のほとんどが手頃な店だろ」

妹嬢「まさか。そのような世間知らずでは財閥の経営なんてやっていけませんよ」

男「箱入り娘ではいられない、か。俺のせいでもあるか。悪い」

妹嬢「気にしないでください。それより二人はまだ一緒に居られるようですよ」

男「何!? 解散じゃないのか!」

妹嬢「はい。……しかしこの後となると」

男「おいおい、マジかよ。嘘だよな」

妹嬢「彼女とて一人の女性ですし、あるいは気変わりなどがあっても不思議ではないかと」

男「……」

妹嬢「ですが兄さん。私は絶対に兄さん一筋です。例えどんな素敵な方が現れようと私には兄さんしか……」

男「ふ、ふふふ」

妹嬢「……あの、聞いてらっしゃいます? 兄さん?」

男「もういい。乱入してくる」

妹嬢「な、何を突然!」

男「許してたまるか、そんなもん! あいつはそういうんじゃないんだからダメなんだよ。他のやつなんて絶対合わないって教えてきてやる!」

妹嬢「めちゃくちゃな……」

男「知ったことか!」

妹嬢(ここまで兄さんが取り乱すなんて。いえ、これはうまく利用すれば……)
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 02:52:48.13 ID:Pm6UbC1m0
今日はもう終わりかな
中の人乙ー
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:06:32.41 ID:nLm5svsGo
方や就職難民、方や休日は疲れて眠るだけ
ネオリベが闊歩する世の中じゃダメダメ
資本主義「国家」であることを経営者は胆に銘じないとね
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 00:13:13.32 ID:irAFbog30
ぬるぽー
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 00:54:11.46 ID:pQmgJyGAO
ガッ




はい。お久しぶりです。
またまた出張でした。今回は出張前日から徹夜までいただく地獄日程でしたが。


さておき、お国様がそちらの対策に本腰入れてくださるビジョンが見えない中、企業単位でどれだけ視野を広く持ってくださるやら。
結局歯車単位でしかない自分にはひたすら日々の性格水準を落とさないことしか出来ないのでした。


最近中の人の愚痴ばっかですね。申し訳ない!
明日からは通常勤務に戻るはずなんで来週から何とかなるかなぁ、とは思ったり。
思ってばかりの口先三寸にだけはならないようにしないと。


ではでは今回は覗き見主様のラスト回!
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 01:06:34.07 ID:pQmgJyGAO
男(別にあいつが誰と付き合おうが関係ないけどなんかこう、俺の知らない奴と勝手にってのが気に入らないっていうか、本気なのかもわからんし何より普段みたいに男相手に嫌がらないし……ああもう!)

妹嬢「兄さん、兄さん! 待ってください。本気ですか、ずっと覗き見してたことがバレますよ?」

男「本気だっての! お前は黙ってろ!」

妹嬢「ひゃぅ! ……兄さん……」

男「っと、悪い。お前は何も悪くないよな。ごめん」

妹嬢「いえ、ですが、その……」

男「嫌われたって構わねぇよ。なんかとにかくムカつくから行く。それだけだ」

妹嬢「……ではもう止めません。ですが最後にすぐに怒鳴りこまず、近くでお話を伺ってみてください」

男「なんでだ?」

妹嬢「訳は後で話しますから。お願いします」

男「……。わかったよ。そうする」

妹嬢「では、私はこちらでお待ちしてますので」









妹嬢「はぁ……」

メイド長「良かったのですか? お嬢様にとっては好機だったかと存じますが」

妹嬢「ええ。そのまま怒鳴りこんでいただければあるいは二人の仲も変わっていたかもしれません」

メイド長「では何故? わざわざここまで回りくどく手筈を調えられたのに」

妹嬢「わかりません。ただ兄さんが後悔されて悲しまれる姿を思うと……ああ言うしかありませんでした」

メイド長「そうですか。私個人としましてはこの結末で良かったと思いますが」

妹嬢「ふぅ。自分に何よりも素直になれれないものですね」

メイド長「それもまた人である事の証かと」

妹嬢「こんな私が、ですか」

メイド長「そんなお嬢様だから、ですよ」

妹嬢「……ありがとう」

メイド長「いえ」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 01:21:43.42 ID:pQmgJyGAO
男(くそ、普通に楽しそうに会話なんて。俺相手ならすぐ喧嘩腰か意地悪に発展するのに。やっぱイケメンか、お前もイケメンがいいのかよ)



イ「いやぁ、メイドさんは面白いね、本当」

メ「そちらこそ。久しぶりに男の人と喋ってて楽しいです」

イ「そう? 光栄だな。何ならこの後も一緒に……」

メ「いえ、すみません。今日はそろそろ帰らせてもらおうかと」

イ「そうなの? さっきはまだ喋りたいって言ってくれたのに」

メ「ん……何ていいますかね。すごい楽しいんですよ、ええ。新鮮だったし、実際」

イ「だったらまだまだ足りないでしょ。俺がいっぱい埋めてあげるよ、メイドさんの心とかさ。……なんて、くさかったかな」

メ「ええ、かなり」

イ「あちゃ、失敗したかぁ」

メ「大失敗でしたね。ただ、ええ……ごめんなさい」

イ「ん? 何、急に」

メ「もったいないですね。あなたみたいな方は」

イ「そんな事ないよ。メイドさんは自分を過小評価しすぎなんだって。俺は好きだよ、メイドさんみたいな人」

メ「それは……」

イ「女の子としてだよ、勿論。正直言えばこのまま帰らせたくないんだ」

メ「……」

イ「ああ、けどその、ね。下心がないって言えば嘘だけど、ただ話をさせてくれるだけだっていいんだ。それくらい気に入っちゃったんだよ」

メ「……」

イ「会って急にこんな話したのは初めてなんだよ。これは本当。だからさ、今晩は……」

メ「あー、勘違いされても困るんでハッキリ言います。私、あなたみたいな人はタイプじゃないんで」

イ「……遠慮なしだね」

メ「ぶっちゃけますと、“私みたいないい女には”もったいないんですよ、あなたでは」

イ「言ってくれるね。気に入ってたのは本当だけどそこまで言われるとさすがにこっちも色々言いたくなるよ」

メ「構いませんよ。無理矢理に合わせようと趣味も話題も用意してくださったようですが余計なお世話です」

イ「……」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 01:55:50.19 ID:pQmgJyGAO
メ「楽しかったのも新鮮だったのも本当ですが、やはり違うんですよね」

イ「何がかな」

メ「今日一日、冒険半分実験半分で来ましたが、やはりあなたの相手など私には役不足で。何が私に合うか確認するいい機会になりました」

イ「つまり何? 俺は当て馬か何かにされた訳? ……ふざけんなよ」

メ「ふざけてはいませんがね。ただ確かにその点に関してはこちらに非がありますので謝罪します。すみません」

イ「腹立つね、そういうの。なんか怒りとか通り越して呆れるレベルだけど」

メ「ならばそんな相手に引っかかったこの日はただ不運だったと諦めてください。私はあなたを好きにはなりませんので」

イ「あっそ。……はぁ、無駄な時間を使わされたよ、全く。じゃあね、せいぜいイイ男でも見つけなよ」

メ「お疲れ様でした。ご心配なく。既に心当たりはありますので。それでは良い夜を」

イ「……ちっ」

メ「……」






メ「ぶはぁ、心臓に良くないわー、こういうの。逆上されたらどうしようかと思った」

メ「しかしまぁ、やらかしたかなぁ。別に悪い人じゃないんだからあそこまで邪険に扱わないでも良かったかも」

メ「けど、ま。仕方ないか。これだけ時間をかけても心は動かなかったんだし」

メ「さ、帰って仕掛けといた盗聴器で主様のヤキモキした様子でも思い浮かべてニヤニヤすっかな! いざ行かん、我が家へ!」






男「あー、う。その、あれだよな。これって俺、自惚れていいんだよな」

男「……だぁ! いいや、とにかく帰宅だ帰宅! 盗聴器とかいう物騒なもんは回収して説教だ!」

男「あと盗聴器越しじゃなく直接どれだけヤキモキしたか教えてやるか。ったくあいつは本当に世話をかけさせるっつーか心配ばっかさせるっつーか」





妹嬢「兄さんてばあんな嬉しそうに」

メイド長「選りすぐった役者だったのですが。役立ちませんでしたね」

妹嬢「彼はよくやってくれましたよ。あまり責めないように」

メイド長「お嬢様が仰るなら」

妹嬢「さて、今日一日を空けた分の穴埋めに参りましょう」

メイド長「はい」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 02:02:24.80 ID:bXF9SUfAO
バタン

男「……」

ガサガサ

男「よし。早速再生するか。さすが人気女優、パッケージ詐欺で終わらなさそうだな」

男「窓よし。ドアよし。天井よし。……盗聴器類もさっき調べたとこだし大丈夫だろ。てな訳でいざ、再生!」

メ「『淫蜜劇場〜濡れた一夜〜』とはまた今季いちおし作品じゃないすか」

男「そうなんだよ。まさか借りられるとは思ってなくてな。いやぁ、持つべきものは友……じ……」

メ「ああ、お気になさらず。ズボン下ろされたんですからしっかりシコシコしてくださいね」

男「……」

メ「あ。これですか? 妹嬢さんから強請っ……げふん。借り受けた光学迷彩スーツの試作品だそうで。案外マジでバレないもんなんすね、いやはや科学すごい」

男「……お、おお、おまっ」

メ「しかし主様。私が言うのもなんですが、たまの休みのそれも昼間からこんなのはどうかと思いますよ? よ、このエロ魔人!」

男「お前ってやつはぁぁぁあああ!!?」

メ「おお、今更恥じらって隠されても困ります。ビデオ撮ってあるんですから」

男「いやぁぁぁああああ?!」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 02:06:47.83 ID:bXF9SUfAO
友「災難だったね」

男「あれほどまでに情けなくて死にたいと思う瞬間ってあるんだな。いっそ心臓発作とか起これば良かったんだが」

友「失敗したあとがあるのが人生のつらいところであり、いいところだよ」

男「知った風な口を。お前だって同じ目にあったらそんな台詞吐けまい」

友「僕だってそういう経験あるよ? 男の子なわけだし」

男「お前もオ○ニー姿を盗撮されて散々バカにされた挙げ句、ホモサイトに動画上げられたのか!?」

友「ごめん、そんな明らかに想定の範囲外かつ社会的にアウトな経験まではないよ」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 12:05:29.57 ID:fATkJop40
なんという鬼畜なメイド…いいぞもっとやれ
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 21:26:35.06 ID:hPUl40LGo
逆襲あるのみ
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 22:54:35.27 ID:MwmrzH1Zo
最早、意地悪の域を脱してるような・・・
女→男でも家庭内DVは成立するというに
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 02:29:48.35 ID:dXJz2c6AO
メ「主様〜」

男「……」

メ「主様の好きなフリフリなメイド服とか来てみましたよ〜」

男「……」

メ「だからそんなツンケンしないでこっち見てくださいよ〜」

男「……」

メ「……」

男「……」

メ「主様は短小」

ガンッ!

メ「ひぅ!?」

男「飯。勝手に食え」

バタン

メ「……こ、怖かったぁ。私の分も作ってくれるだけまだありがたいんですけど。さすがにやりすぎたか。よし、たまには素直に謝ってやるか」

ガチャ……ガチャガチャ

メ「あ、あれ? 鍵なんて掛かってたっけ。おーい、主様ー」

ドンドン

メ「昨日の件はちょっとした出来心だったんですって。いつもの意地悪みたいなもんじゃないっすか。謝りますから出てきてくださいよー」

・・・・・・。

メ「あらら。完全に無視すか。……うぅむ、まぁ大丈夫でしょ。その内許してくれるはず」








メ「……のはずだったのに」

男「……」

メ「主様、あの。3日もまともに口を聞いていただけないとさすがに不安になると言いますか」

男「……」

メ「ハッキリ怒っていただくならまだしもこういうのは個人的にこたえるなぁというか悲しいというか」

男「……」

メ「いや、だからその、マジですみません。多分もうしませんから許してください。ていうか許してよ!」

男「……」

メ「なんすかこんなねちっこいやり方でさ! ハッキリ言ってくれるならまだしもこういうのは陰湿で良くないっす!」

男「……」

メ「だからここは男らしくズバッと私を許してむしろ珍しく謝ったことを誉めるとか昇給すら有り得る話になるとかね!」

男「……っせぇな」

メ「へ?」

男「……。何でもねぇよ。寝るから起こすなよ」

バタン

メ「あ、あの……あれ。もしかして本格的にヤバい?」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 02:35:54.00 ID:dXJz2c6AO
男「無視する?」

委員長「そう、それだけで効果あると思うわ」

男「けどそういう陰湿なやり方はなぁ」

委員長「意地悪が困るから懲らしめたいんでしょ? だったらやってみなさい」

男「うぅん。懲らしめたいっていうか単純に頻度を減らさせたいというかもう少しやり口をマシにさせたいというか」

委員長「そんなだからつけあがるんじゃない。いいから試してみなさいよ」

男「まぁ、委員長がそう言うなら……」







ドンドン

『主様〜! 主様〜! ごめんなさいってば! ねぇ、主様ー!』

男「むぅ、結果キツいな、これ。サクッと叱って終わりにしたいんだけど……」






委員長『いい? 三日間、とにかく続けなさい。それで四日目は友くんの家に無断で泊まりなさい。後は帰れば全部うまくいくわ』





男「なんて言われてるしな。けどま、たまにはいい薬になるだろ。明日までの我慢我慢、と」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 02:49:45.62 ID:dXJz2c6AO
男「さて。本当に無断外泊してきた訳だが。こんなんで効果あるんかね? ま、モノは試し。ダメなら今日あたり許してやるか」

ガチャ

男「ただーい……」

ガバッ

男「のわ?!」

ドサッ

男「あいたたた……なんだよ、いき……な、り……?」

メ「主ざばぁぁ〜、うぁぁあ〜ん! 捨でないでぐだざいぃ〜、ごめんなざぃぃ〜! うぁぁ〜ん!」

男「お前、何泣いて」

メ「だっで主ざば、ぎゅうに帰っでごないじ……ずびび。私、意地悪ばっかりで、愛想づかざれぢゃっだど思って……」

男「……はぁ。バカだな、お前は。お前みたいなのは俺んとこ以外では生きてけないんだから捨てる訳ないだろ?」

メ「ずず……本当でふか?」

男「本当だ。けど確かに前のはやりすぎだからな? かなりショックなんだぞ、あんなの」

メ「……ふぁい」

男「別にお前の意地悪は今に始まったこっちゃないし、怒りはするけど捨てたりはしないさ。だけど俺だって人間なんだから限度はある。そこはわかっておけな?」

メ「あい……」

男「んじゃ説教おしまい。安心したか?」

メ「しました。……主様」

男「ん?」

メ「ごめんなさい」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 02:55:31.99 ID:dXJz2c6AO
男「おう。あ、でも一個だけ罰ゲームな」

メ「えぅ?」

男「三日前だったかに着てたフリフリのメイド服。あれを今日一日着ること。あとその衣装で膝枕一回な」

メ「む……了解っす」

男「ありゃ。珍しく素直だな」

メ「ええ。膝にゴツゴツのサポーター付けてくるんで期待しててください」

男「むしろ罰ゲームはこっちか!?」







なんて言いながら普通に膝枕してあげたとかあげてないとか。
そして次の日……




男「おいメイド、なんだこれは!」

メ「主様の為に不肖わたくしめが主様の靴ひもを左右共に結んでおきました。えっへん」

男「左右共に別個に結べよ! なんで全部ひとまとめなんだよ!? ああもう、朝の貴重な時間がぁ?!」

メ「主様」

男「なんだよ!?」

メ「ふぁいと」

男「満面の笑みで中指立てながら言う台詞じゃないねぇよぉぉおお!?」





結局、いつも通りな訳で。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 20:05:24.68 ID:7F+ZPwYRo
本当に反省してるなら、お前もやってみせろ
・・・・・・分かりました・・・・・・・・・・・・んっ・・・ああっご主人様ぁ
見るだけで我慢できるかぁ!!
もっと、もっとご主人様、もっとお仕置きしてください

な展開は? あれ? どこ〜?
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 23:49:52.52 ID:7oo78wPno
主様は本当はお仕置きされたい人だから仕方がない
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 01:42:14.09 ID:d7IqZl0AO
お久しぶりです!
すみません。久しぶりに連休いただけたのでお世話なった人達と温泉いってきました。
いいですね、お風呂。家族風呂が予約で埋まってたことになんか意味を感じてしまう中の人です。


さておき、かなりの間こっちの更新が……まぁシリーズものの止まり具合とかが今更ですよね!
ははは……はは……うん。いや、あの……すみません。



チラシの裏にでも書いておけばいい話はこれくらいにして。
今晩も少しずつでも書いてきますので皆さんのお暇つぶしにでもなれば幸いかと。
ではでは早速。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 01:47:38.90 ID:d7IqZl0AO
男「本当に反省してるならお前もやってみせろ」

メ「パワハラですか」

男「ぬ、ぐ。そ、そこは誠意というか忠誠心というか」

メ「主様の中で誠意とは身体で払えば成り立つものなんですか」

男「そういう訳では、えぇと」

メ「仮にそうすることで主様がわたくしめに手を出されるという魂胆ならば非常に悲しく思います」

男「が、我慢するかもしれないぞ」

メ「ならばその自制心を最初のこの段階できかせていただきまして、謝罪を受け入れてくださるものと存じます」

男「……お、おう」

メ「では改めまして。主様、この度は申し訳ありませんでした」

男「うん、その……反省しろよ」

メ「はい」

男「……」

メ「……」

男「こういう時だけは頭回るよね」

メ「貞操観念がしっかり植え付けられておりますので」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 01:54:23.77 ID:d7IqZl0AO
男「貞操観念て事はどんな相手なら許すんだよ」

メ「はて。そんな人物がこの世に居るものですかね」

男「理想高そうだな、おい」

メ「少なくとも合格点が80点とするなら主様は2ミクロですね」

男「もはや単位が違うもんな」

メ「それにです。私だって好きになった人以外はやっぱりこう、嫌です」

男「でもお前ってば男嫌いなんじゃないかってくらい野郎と交流ねぇじゃん」

メ「私は主様と違って誰にでもケツを振るような賤しいメス犬ではございませんので。食い荒らす狼ですから」

男「主に食い散らかしてるけどな。ていうか俺だってケツ振らねえしメス犬でもねぇよ!」

メ「ドMのくせに」

男「俺は攻めだ!」

メ「今全世界から物言いが。審議が必要かと」

男「世界レベルで?!」

メ「だって主様が攻めてる姿より受けてる姿のがしっくりきますし」

男「くるかぁ!? ……こないだろ? え、こないよね!?」

メ「この空気が世界の答えですよ」

男「嘘ぉ?!」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 02:20:08.17 ID:d7IqZl0AO
メ「そして主様がお尻を振った時一番に食いつきそうなのは妹様ですね」

妹嬢「しません! 私もですが兄さんだってそんな事するはずありません!」

メ「想像だけでもしてみてくださいよ」

妹嬢「想像なんて出来る訳……が……」

メ「妹様?」

妹嬢「……」

メ「妹様。お鼻から兄妹愛がだだ漏れてますよ」

妹嬢「ち、違いまふ。これは、ほの……心の高ぶりといいまふか、興奮はめやらふといいまふか」

メ「全くを持って違わないことだけはわかりました。下半身もギンギンですね」

妹嬢「はえてまひぇん!」

メ「鼻押さえながら怒らず大事な場所を押さえながらでよいですよ」

妹嬢「押ひゃえまひぇん!」

メ「うんうん。もはや隠せないサイズですしね」

妹嬢「あなたって人はぁ!?」

メ「興奮すると止まりませんよ、兄妹愛が」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 02:33:48.87 ID:d7IqZl0AO
メ「主様。今年のバレンタインなのですが」

男「ああ。ちゃんと作ってあるから。飯の後に喰おうな」

メ「え? あ……はい」

メ(むむぅ。手作りって訳じゃないけど一応ラッピングは頑張ったこのチョコ。一応準備だけはしとくか)






男「ごちそうさまでした」

メ「ごち! って事で主様。食後のまったりタイムにチョコを……」

男「了解、ちょっと待ってな」

メ「え、いやだから」

メ(まさか最初に渡すダミーのカレールー作戦を察して先手を打ってきたか!)

男「ほい、お待ち。チョコケーキとティラミス。んでもし後で余裕あるなら冷蔵庫にチョコアイスも作ってあるから」

メ「お、おす」

メ(何このキラッキラしたチョコの群れ! ……こんなの出されたら私の市販のやつとか出せないじゃないっすか)

男「ん? どした? こういうの嫌いだっけ」

メ「いえ。なんでもないです……いただきます」

男「おう、召し上がれ」

メ(……今年くらいはと思ってたんだけどな)








後半へ続く
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 02:28:43.05 ID:R8TCQrnAO
メ「結局渡しそびれたまま日をまたいだ訳で。……はぁ」

メ「しかも例年のごとくちゃっかり主様ってば色んな人から義理だの友チョコだの理由付けられながら渡されまくってるし」

メ「……今更私なんかのなんて」

メ「ええい。こんなもん!」

ガサッ

メ「ふぅ。スッキリした。さ、ネトゲでもやって寝るか」







男「……はぁ」

男「結局期待するだけ損だったのかね。欲しかったんだけどな、あいつから」

男「イタズラでもびっくり系でも何でもいいからチョコをあいつからってのが重要なんであって」

男「ま、日付も変わったし今年は潔く諦めるか」

男「とと、そういや明日はゴミの日だっけ。今の内にまとめて……って、この包装。まさか、な」








メ「むぅ、やっぱりもったいないから回収しとこ。小腹が減った時の強い味方に……って、あれ? なくなっとるガーナ。市販のチョコだけに」

男「よ。何をゴミ箱漁ってんだよ」

メ「浮浪者ごっこをば」

男「いろんな意味で危険だから止めなさい。で、探し物はこれか?」

メ「……違います」

男「本当に知らないのか?」

メ「イエス。そんなチョコ知らないっす」

男「よく包装の上からチョコって分かったな」

メ「ひゅい! あ、いや、その……」

男「なぁ」

メ「なんすか! 知らないったら知らないっすよ、私は!」

男「それならそれでいいからさ。これ、お前から手渡してくれないか」

メ「な、なんで私が……」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 02:33:33.16 ID:R8TCQrnAO
男「寂しい野郎にバレンタインな気分だけでも味わわすてやってくれや」

メ「しゃ、しゃあなしっすからね」

男「おう」

メ「じゃあ……はい。これで高カロリー摂取して倒れちゃってください」

男「食いにくくなる台詞を……でも食う」

メ「あ」

男「んぐ、んぐ。うん、普通だな」

メ「そりゃ、市販ですし」

男「でも今日食った中では一番だ」

メ「安い舌っすね」

男「悪かったな」

メ「貧乏主様め。ニヤニヤしやがって」

男「おう。かく言うお前はなんで照れてんだよ」

メ「照れてねーよ! ばーかばーか!」

男「うはは。そういう事にしといてやる」

メ「むきー! これだからバレンタインなんざ嫌いなんだー! ちきしょー!」



男(ありがとな、メイド)
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 02:42:39.04 ID:R8TCQrnAO
【おまけ】




メ「そういや居間にえらいデカい箱ありましたけどなんすか、あれ」

男「さぁ? バカ妹からの贈り物らしいけど」

メ「まさかこの箱いっぱいの高級チョコ! ゴディバボックス!!」

男「なんか値段を想像したくないな」

メ「売りましょう、ネットオークションで」

男「お前の即物的な考えって情緒を消し去る先兵だよな」

メ「ほらほら主様、さっさと開けて中身確認しましょう。小分けして売れば更に倍率ドン!」

男「嫌な頭の回転の早さだよな、本当。まぁでも開けないのもあれだしさっさと開封すっか。よっと」

ベリベリ。ぱか

男「……あ?」

メ「ほらほら主様、何固まってるか知らないですが私にも中身を確に……」

妹嬢「は……はっぴーばれん……たい、ん」

男「……」

メ「……」

妹嬢「……」

メ「裸リボンですか」

妹嬢「き、……」

パタン

『〜〜〜っっ!?!!?』

メ「防音性の高い箱で良かったですね。何故か同性の私で悲鳴をあげられちゃいましたけど」

男「なんだ。俺はどこからつっこめばいいんだ」

メ「とりあえず据え膳喰わぬはってことで箱に穴あけてそこにつっこめばよろしいかと」

男「どこの成年誌かエロゲだよ!」

メ「少なくとも裸リボンでバレンタインな私を食べてな時点でだいたい当てはまるかと」

男「……これが身内なのか、俺」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 02:55:57.64 ID:qaw6mSlAo
本当にふたナイトさんはどうしてこうなった

さらば、優しき日々よ
もう戻れない
もう帰れない・・・
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 23:42:22.05 ID:s+S4KCYAo
イロモノの匂い染み付いてむせる
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:07:47.04 ID:uHlCiF2AO
メ「昔はシリアス担当だったのに今や変態イロモノ代表に……」

妹嬢「今でもです! 誰が変態イロモノですか!?」

メ「まぁシリアスものでも使い易いポジションかつギャグもイロモノもいけて実は私以上に書きやすいとの噂が」

妹嬢「つまりそれは私が主役になるチャンスでは!?」

メ「ただ何故か普通の恋愛シーンだけは想像出来ないとかなんとか」

妹嬢「何故?!」










でもそんな彼女が大好きです。むせるくらい好きですよ、中の人は!
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:15:13.59 ID:uHlCiF2AO
女「ふんふふ〜ん」

女弟「姉ちゃんやけに機嫌がいいな」

女「え?」

女弟「いや、なんか鼻歌とか歌ってるし」

女「えぇ、と」

女弟「なんだよ。違うのかよ」

女「……誰?」

女弟「おイィ?!」






【Take 2】

女「ふんふふ〜ん」

女弟「随分とご機嫌だな、姉ちゃん」

女「えへへ。明日は友達と買い物にいくんだ。お洋服を見て回る約束なの」

女弟「へぇ。……女の子とだよな?」

女「ふぇ?」

女弟「いやっ、だから、その。彼氏……とかじゃない、よな?」

女「あはは、違う違う。本当にお友達だよ。それに男の子だけど買い物は女モノだから」

女弟「は?」

女「うぅん、気にしない気にしない。それより明日は部活だよね? お弁当作ったげるね」

女弟「お、おう。ちゃんと食えるもんを頼むぜ」

女「はい。頑張ります」

女弟「じゃ、寝るから。おやすみ」

女「はい、おやすみ」







女弟「〜〜っしゃ! 姉ちゃんの弁当っ!!」





女「男くん達の分のついでにあの子のも作ってあげなきゃ。……ちょっと焦げたりしたとこをお願いしよっと」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:25:19.87 ID:uHlCiF2AO
委員長「ふぅ。寒いわね」

妹「だね。今度の仕事は調整だけだから簡単に終わると思ってたのになぁ」

委員長「仕方ないわよ。山一つ回ることになったんだから」

妹「そこがおかしいよね! 全く、いたいけな女の子に冬の山を歩かせるとかどうかしてるわよ」

委員長「文句は私の前だけにしなさいね」

妹「ぶー。わかってる。それにしてもなんで今日中に終わらせるの? 明日までかければのんびり出来たのに」

委員長「……明日は。約束があるから」

妹「まさかあの男と!?」

委員長「そうね。彼だけじゃないけれど。買い物に行くみたいなの」

妹「うわ。デートかぁ。く、その為に私まで駆り出されたのね」

委員長「埋め合わせはするわ。必ず」

妹「いいよいいよ、冗談だから。お姉ちゃんの為なら私いくらでも頑張れるから」

委員長「私もよ」

妹「えへへ。よっし、それじゃあさっさと終わらせてお姉ちゃんは明日に備えなきゃね!」

委員長「ありがとう。……ここね」

妹「ほい、お姉ちゃん。お神酒はどうする?」

委員長「いいわ。ここは効果が薄いでしょ」

妹「そうなんだ。了解。それにしても天下の女子高生とその妹にやらせる仕事じゃないわよね、本当」

委員長「ほら。口より手を動かす」

妹「はいは〜い」

委員長「……山の怪の調律。我ながらおかしな仕事よね」

妹「お姉ちゃん?」

委員長「なんでもないわ。次、行くわよ」

妹「らじゃ〜」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:30:33.80 ID:uHlCiF2AO
メイド長「買い物、ですか」

妹嬢「ええ。普通の女の子はどう振る舞うのか教えてくれるかしら」

メイド長「難しい質問ですね」

妹嬢「あなたでもわからないのね」

メイド長「申し訳ありません。買付の依頼はありますが一般的な観点でのものではありませんので」

妹嬢「そうですか。兄さんの前で恥はかきたくないのですが」

メイド長「逆にそれでよろしいのではありませんか? 教えていただくことで距離を縮めるということも可能なはず」

妹嬢「さすがですね。ではあえて予習はなく行くことにします。ふふ、明日が楽しみですね」

メイド長「では明日、一日体を空けていただくために今日は多少ハードになりますが」

妹嬢「望むところです」






姉「ふ〜ん。おとちゃんといもちゃんは買い物かぁ。ふふ、面白そ。私も行こっと」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:35:08.83 ID:uHlCiF2AO
メ「いや、家でいいでしょ」

男「開幕何否定から入ってんだよ」

メ「寒い中なんで買い物なんすか。通販でいいじゃないすか」

男「みんなで行けば面白いだろ」

メ「主様は両手両足に花ですからね。そりゃ楽しいでしょ」

男「お前な……」

メ「とにかく在宅意志とまで言われたプロの自宅警備員の私が出かける訳ないっすよ」

男「はぁ、お前を誘った俺がバカだったよ」

メ「やーいやーい、バーカバーカ」

男「こんにゃろ」

メ「……ま、行きますけどね」

男「え?」

メ「主様がウハウハするのが気に食わないんで徹底的にいじめ倒しにわざわざ外出しますって話ですよ。別途手当とか出ますよね?」

男「出てたまるかバカ野郎」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 20:49:25.28 ID:PFKa0hnZo
>>100
つまり中の人は掘られたい、と
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 02:26:06.54 ID:wOr8fXeAO
中の人はノンケだしM寄りですが後ろの純潔だけは生涯守り通します。ええ、はい。





妹嬢「というより生えてませんからね!?」

メ「はい、テンプレいただきましたー」

妹嬢「ぐ……うぅ」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 02:45:07.18 ID:IBCq3zPAO
メ「今夜の小話ショー」

男「お前は誰と喋ってるんだ」

メ「毎晩ひとつくらいは書いておかないと死亡説流れるらしいんで」

男「死んでないだけ説もあるぞ」

メ「素晴らしき生殺し!」

男「何ら素晴らしくないのがポイントだよな」






メ「という訳で今夜のゲストは会長さんです」

会長「ごきげんよう」

メ「ナチュラルにマリみてオーラ。マジもんのおぜうは気品が違うっすね」

男「お前はいい感じに頭悪いのが露呈してるな」

会長「あら、“はじめまして”」

男「え、いや。あの……」

会長「くすくす。私殿方のお知り合いはほとんど居ませんので。ねぇ、メイドさん」

メ「おーイエス。だもんで主様、女の子のお茶会に男の子がいるのはどうかと思うんですよ」

男「き、着ないからな!」

メ「ではこれだけでも」

カポッ

男「のッ……! っ、急に何を被せ……ウィッグ?」

会長「あら、男子さん、ごきげんよう」
メ「男子ちゃんってば男モノの服なんか着てー。まぁ似合うから良し」


男「お、お前ら……」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 02:53:08.52 ID:IBCq3zPAO
メ「しかしまー、女さんのメイクは偉大っちゅーか何ちゅーか」

男「悪かったな。素は似合わないのは当たり前だろ、野郎なんだし」

会長「お化粧と相性がいい肌というのはひとつのアドバンテージですよ?」

男「さいですか」

メ「にしても私も女の割にはタッパある方っすけど会長さんもかなり背が高いんすね」

会長「ええ、少しコンプレックスでして」

男「いいじゃん、素敵だし」

会長「ありがとうございます」

メ「主様も平均的な身長ですが並ぶとほぼ変わらないってのはすごいっすね」

会長「ですから学園では皆さん私を姉として慕ってくださるばかりで」

男「不満なの?」

会長「時には乙女として扱われたく思うものなのですよ? 初めて抱いてくださったあの時のように」

メ「うーわ! うーわ!!」

男「誤解を招くのは止めましょう。抱いたっていうか抱えただけでしょ」

会長「素敵でしたよ? 男子さん」

男「……そりゃどーも。後から考えたらめちゃくちゃ不自然なハプニングでしたけどね」

メ「つまり主様が会長さんをてごめにするための自覚自演!」

会長「まぁ。そんな回りくどい事をされずともいつでも親密な関係になりますよ」

男「はいはい、どーも」

会長「くすくす。つれませんね」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 00:18:05.19 ID:o5UtpA9jo
しかしイロモノって元々いいんちょの役だったのにすっかり妹さんに取られちゃったなww
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 19:11:54.33 ID:+jpFvsNfo
実はツンダメイドだよね
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/20(日) 23:32:43.78 ID:KPZ/g8350
メ「主様。大変です、前々から私ってばスレタイと違うくね? 疑惑がありましたがあっさり見破られてます」

男「安心しろ。俺も大分前からそう言ってるから」

メ「ここは心機一転、キャラ変更とかどうでしょう」

男「ここまでやってきて!?」

メ「ただの意地悪メイドにジョブチェンジして改めて人気をですね……」

男「今ですらないのにか」

メ「あ、この野郎! 言ってはならぬことを!」

男「主相手にこの野郎と申したか」






委員長「これからはよろしくね」

妹嬢「よろしくしませんからね!?」

委員長「私の担当は妖艶さとハードボイルドになるから。ただ出番がなくなってるのが惜しいわね。ああ、惜しいわ」

妹嬢「く……まったく惜しくないくせに!!」

委員長「そうね。イロモノなんていやだもの」

妹嬢「そんなはっきり言わなくてもいいではありませんか!?」

委員長「がんばってね。イロモノさん」

妹嬢「うううう……!!」

妹(でもお題でイロモノ系が回るのって結局お姉ちゃんな気がするんだけど……言ったら何されるかわかんないから黙っとこ)
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 19:23:03.25 ID:nJnq6ga3o
教育と書いてしつけと読むかはともかく
従者の教育も主の役目だと思うんだ
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 22:02:26.09 ID:u5DNMiFWo
新ジャンル「おむつメイド」

しつけから連想しました
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 00:15:35.76 ID:6/7tgecX0
メ「主様、どうしましょう。主様の監督不行き届きが原因でなんかおむつプレイを強要されそうなんですが」

男「俺のせいじゃないと言いたいし、プレイって言うな。いろいろとまずいから」

メ「主様の理性とかね」

男「それも危ういけどもね?」

メ「というか主様。なんでちゃんと私の教育しないんですか! そんなだからいつまでたっても私がちゃんと仕事しないんじゃないですか!」

男「……」

メ「すっごい難しい顔してる。これ文面だからいいけど絵面に起こしたら間違いなく放送禁止ですよ、ええ」

男「確かに甘やかしてた部分はあるだろうよ、ああそうだよ。けどちょっと待ってくれ。俺は何度もこいつを更正させようとしたし仕事もさせようとだな!」

メ「主様。結果が伴わない努力って無駄だと思いません?」

男「……」

メ「どーんまい」

男「……」

メ「無視すんのはどうかと思いますよ? ほら、会話してなんぼのこの業界でその態度は仕事放棄じゃないすか。そんなんで飯食ってけると思ってるんすか? ニートなの? しぬの?」

男「がああああああああああ!!!」

メ「あ、キレた。おお、こわいこわい」

男「お前絶対おむつ履かせるからな! もう絶対だからな!! おしりとかぺんぺんだかんな! 覚悟しとけよ、おい!!」

メ「お断りします。ええ」

男「許さぁぁぁああああん!!!!」





妹嬢「……お、おむつ」

メイド長「お嬢様。どうか気を確かに」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 00:17:12.51 ID:6/7tgecX0
ここからちょっと前から書いてます委員長(アダルト)と命という第二世代な男の子のお話。

ぶっちゃけスタートがいきなり前回の続きからですので参考リンク付近にあります7xさんのところのまとめ等から確認していただけるとよろしいかと。

てなわけで早速今夜分スタート。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 00:18:48.86 ID:6/7tgecX0
ぐ、の音に続く絶叫にも似た咆哮。
人では決して出せぬその音は本能的に危険だと頭の中で警鐘が鳴り響く。
怖い。そう素直に感じるのはきっと自分が捕食される側だと悟ったからか。
腕の中で毛を逆立て、唸る声も先ほどまでの攻撃的な色合いではなく怯えのそれ。

「厄介ね、これ」

何事にも動じないと思っていた彼女ですら警戒の色を灯した瞳でそちらを見る。

「ふじゅる……じゅ、ぶ……ぐる、ぐ、ぁぁぁあああ!」

巨大な肉塊。そう呼ぶしかないだろう姿でそれは吼える。
かろうじて四肢とわかるパーツと、頭と尾。そして顔であろう部分があるだけ。
口と思われる場所からぎらつく牙を見せ、粘膜質の液体を垂らす姿は獣のようではある。
歪に積み上げられた積み木のように立っていることすら不安定な状態。
そんな生命としての異物が命達の退路を阻む形で飛び出してきたのだった。

ぼたりぼたりと涎とそれ以外の何かを滴らせる肉塊。
背後に空間の歪みを置き、いつでも飛び掛らんばかりの姿勢でこちらをねめつける。

「命。生きたいわよね」

「当然だろうが」

悪い夢としか思えないそれを相手に散弾銃を構えながら、委員長は命に一瞥をくれる。

「その子も生かしたい?」

「今更何だよ。逃げろって言うんなら全力で逃げるぞ」

「そう。じゃあ前に向かって逃げなさい。少なくとも後ろはダメよ」

「前、ってお前……」

見やればそこには命の機器たる原因がそこにいる。
背後に開きかけているであろう退路は確かに生存に繋がっているかもしれない。
だがそこをそれほど簡単に通れるものなのか。

「無理だろ」

結論など考えるまでもない。

「無理を通せば道理が引っ込むものよ」

けれど応える声は涼やかな一言。

「……確かにあんたなら通せそうだけどな」

ならば他に方法などないのだろう。
自分達は囮として使われるだけかもしれない。
何度だってこの女の言葉をそのまま信じて痛い目をみたか。
考えるまでもないはずだ。
けれど、同時に必ず外まで連れ出すとも約束した。
ならば……その言葉を信じてみる以外にない。

何より、もはや時間がないことが視界の端で確認できる。
目の前の獣が跳躍のために溜めの姿勢に入ったのだ。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 00:19:41.45 ID:6/7tgecX0
「……っ!!」

少女を抱えてがむしゃらに走る。
一直線とまではいかなくてもほぼまっすぐに歪みを目指して走る。
かすかに聞こえる声は人のもの。ならばこの先にあるものは安寧に近いものであるはず。
そこへ向かって走る。もっと早く走れればと思いながらも。

「じゅああ!!」

水気をまとった咆哮と共に丸太ほどの肉の獣の腕が飛んでくる。
獣の右へと駆け抜ける命に対応するように左手による大薙ぎの一撃。
恐らくもらえばもれなく再起不能になることは容易に想像できる。
だから目一杯、姿勢を低く転倒寸前までの前傾姿勢でつっこむ。


唐突に響く音は彼のすぐそばから。


下へと降りぬかれ、あわや命と獣の少女の体が潰れた肉片へと変わろうという時。
轟音と共に肉の獣の腕が上へと跳ね上げられる。

「面倒な硬さね」

ほぼ同速度かそれ以上で滑り込んだ女の一撃。
至近距離からの散弾銃のセミオートによる連射は肉を削ぎながら勢いを上へと変える。
決して致命傷には至らぬであろうそれは、しかし一人と一匹を救うには十分だった。

「このまま走るわよ」

「……っっ」

応、とすら返せぬまま片腕は少女を抱き、もう片方の手は倒れかけた自身を引く手として。
スライディングからの連射をこなし、なおかつそのままの勢いで立った彼女。
委員長のすばやい身のこなしによって体勢を建て直しながら命たち三人は歪みへと体をねじ込む。

背後、圧倒的な質量を感じさせる薙ぎの一撃を感じるも、結局届いたのはその風圧のみ。
多少の痺れにも似た痛みを感じながら、一瞬の暗転のあと、彼は数人の人影に囲まれ、森の中にいた。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 02:02:45.70 ID:ZpYZqzOAO
メ「おむつプレイって個人的にこう、ぐっとこないんですよね」

男「この流れで言う台詞なのか」

メ「逆に反省の意味を込めて主様の下着を全ておむつにしておきましたのでどうぞご安心を」

男「……今の台詞の中に安心できる要素がひとかけらもなかったんだが」

メ「ぐっとこないとはいえリクエストですからね。さぁ主様、よだれかけも完備してますから安心してバブバブしてください」

男「してたまるか?!」

妹嬢「兄さん、一体何の騒ぎですか」

姉「おとちゃんが赤ちゃんになるんだって〜」

妹嬢「……はい?」

女「おむつプレイなんだよ! 赤ちゃんプレイなんだよ! 男くんが恥ずかしがりながら幼児退行なんだよ!」

男「何を興奮してるかわかんないけどやらないからね? あとカメラはしまっといて。なんか嫌な予感しかしないから」

妹嬢「兄さんはそんな事しません!」

男「おお、いいぞ。もっと言ってやれ」

妹嬢「兄さんは私の前以外ではそんな情けない姿はしませんもの!」

男「誰の前でもしねぇよ!?」

メ「なるほど。妹嬢さんは自分がバブバブしたい側ですもんね」

妹嬢「なっ、違……!」

姉「あはは、じゃあおとちゃんもいもちゃんも私がおっぱいあげるね〜」

メ「完全に企画モノだこれー」

女「だ、大丈夫! ホームビデオだから、投稿しないからっ」

男「お前ら一回落ち着け?! ほら、お前もなんか反論を……」

妹嬢「兄さんと赤ちゃんごっこ……二人で、一緒……」

男「おおぉい!? 最後の砦があっさり陥落すんなぁ?!」

姉「はい、二人とも〜おっぱいでしゅよ〜」

男「わあああああ!! 出しちゃダメ、ダメだから姉さん!」

女「……」

男「そこもビデオ片手にマジマジみてないでさ!?」

メ「主様、とりあえず事務所には素人モノで掛け合いますんでギャラの整合は任せてください」

男「お、おお……お前らなぁぁぁあああ!?」







収集はメイド長がつけました。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 21:07:33.02 ID:fixAyr3jo
暴走した妹嬢にあんなことやこんなことされちゃって
[らめぇぇっ!]風になっちゃったメイド長が浮かびますた
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 01:31:34.64 ID:mye1ut9AO
妹嬢「いくら私が理性を欠いたとしてもそのような事態には決してなりません。そうですよね?」

メイド長「……。はい、お嬢様」

妹嬢「今の間はなんですか」

メイド長「あまりに突飛なお話で現実味を感じませんでしたので内容を理解するまでに正直お時間をいただいただけです。他意はありません」

妹嬢「でしたらいいのですが。よもや同性であり、ましてや主従の関係にありながら仕えるべき主にそのような情欲を抱くはずなどありませんものね」

メイド長「……。勿論です、お嬢様」

妹嬢「ですから何故貴女は先程から無用に間を置いて返事をしますか」

メイド長「普段使用することのない思考回路が用いられるようでどうにも調子が出ないだけです。お気になさらず」

妹嬢「それは私が常用の思考とは違う、あからさまな変人と仰りたいので?」

メイド長「滅相もありません。よもやお嬢様にそのような考えで接するなど長年連れ添わせていただいた従者として有り得ない結論です」

妹嬢「今日は饒舌ですね」

メイド長「失礼しました」

妹嬢「いえ。なかなか貴女と話す機会がありませんから。内容はさておき、こうしてゆっくりと会話をするのも悪くないと思いまして」

メイド長「ありがとうございます」

妹嬢「妙な事を言いました。下がりなさい」

メイド長「はい、失礼します」

バタン




ガチャ……バタン

メイド長「お嬢様……申し訳ありません」

メイド長「私は従者失格なのかもしれません。この想い、どうして止められましょうか。ああ、私がお嬢様の心の隙間を埋めてさしあげられればどんなに幸せか」

あや「クールビューティーの恋。絵になるなぁ」

執事長「恋する乙女モードな長さんって可愛いよ、本当」

ガタッ

メイド長「あ、あなた達!」

あや「ども。契約更新と情報開示の時期なんで直接来ました」

執事長「なんか長さんの可愛い姿が見られる気がして口実がてら連れてきちゃった」

メイド長「っ、人の私室に!」

あや「あやや、なんか殺気立ってらっしゃるような?」

執事長「大丈夫大丈夫。自衛だけなら何とかなるから」

あや「自分だけ安全圏!? こ、ここは落ち着いて一度話し合いを!」

執事長「長さんが素直になれるようにこのお嬢マル秘アルバム集とか提出してみる? バレて折檻でもある意味おいしいし」

あや「火に油!?」

メイド長「天誅」

あや「にゃぁぁああああああ!?」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 01:50:04.09 ID:a2MomvQAO
執事長「長さんやりすぎ。この子がタフだからっていぢめ良くないよ?」

メイド長「仕向けたのはそちらでしょうに。それで? わざわざここまで来るからにはさぞ重要な話なのでしょうね」

あ「痛た……あーと、そりゃもう。それなりに。そこそこには」

執事長「恐ろしく歯切れが悪いな。俺も重要だって聞いたから連れてきた部分あるんだけど」

メイド長「何でしたらもう少し意地悪してあげますよ。重要な話がしたくなるように」

あ「ひゅい!? 外されたり詰められたりするのは嫌ー!!」

執事長「だったら実りある話をしようじゃないか」

あ「うぅ、アウェイだ。えっとですね、基本的にお探しの方々は拠点跡まで辿るのが限界でした」

メイド長「探偵の名が廃りますね」

あ「無茶言わないでください、相手は超一流ですよ。三下なりに頑張って食らいついただけでも誉めてもらわないと。あとうちは探偵じゃなくて万屋です」

執事長「で、まさかその万屋がそんな報告だけで終わらせる為に来た訳じゃないよな」

あ「うす。一応今までの活動パターンと行動範囲。それとお姫様の動向を探るギリギリのラインから考えて現在の潜伏箇所はある程度絞りました」

メイド長「なるほど。それで? 肝心の“あちら”の情報はどうなっていますか?」

あ「構成員の全てとまではいきませんが信用度の高い情報はいくつか。断片的ですが、既にファイルはこちらに」

執事長「ありがとう、後で確認させてもらうよ。それで、本題の方だけど」

あ「そちらは引き続き調査中です。ただ妹子様に近付こうとかそういう動きは今のところなしです」

メイド長「そちらに関しては念入りに頼みますよ。あの事件があってから世間……裏側ではありますが妹子様の有用性は広まりつつありますから」

執事長「全く。嫌な話だね、本当」

あ「了解っす。全力であたらしてもらいますよ。組織力はないなりに精鋭は居ますんで」

メイド長「頼りにしますよ」

執事長「んじゃ真面目な話はこれくらいにして……長さんがどんな風にめちゃくちゃにされるのが燃えるか談義に入ろうか」

あ「お相手は勿論お嬢様ですね。ちなみにリバありで?」

執事長「もちのろんよ!」

メイド長「……あなた達、すぐにここから立ち去らないと怪我をすることになりますよ」

あ「刃物とメイドさんってどうしてこう、合うんでしょうね」

執事長「刃先突きつけられながら言う台詞じゃないなぁ」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 01:57:00.18 ID:a2MomvQAO
執事長「でも長さんってば意地悪になったよな」

メイド長「何の話ですか」

執事長「長さんがちっこい頃はしー兄ちゃんしー兄ちゃんと可愛く懐いてくれたのに」

メイド長「あ、あなたが真面目にしていないからでしょう! 能力も地位もありながら毎度そんな……!」

執事長「ははは、適度に力抜かないと潰れちゃうからね。ほら、俺繊細だし」

メイド長「どの口が。ああもう、くつろがないでください」

執事長「いいじゃん、いいじゃん。俺と長さんの仲じゃない」

メイド長「……そうですか。では充分にもてなして差し上げましょう」

執事長「えぇと。その手に持ってる中身が沸騰して湯気出してる薬缶は何かな? というか相変わらずいつの間に」

メイド長「ご堪能ください。どうぞ」

執事長「急に放られても困るよね! という訳でパス」

あ「え? 何、ここまで蚊帳の外だったのに急にスポットライトが……」

ジュー

あ「あぢゃぁぁああああ!?」

執事長「うわ、可哀想に。長さんはいぢめっ子だなぁ」

メイド長「……本当に、どの口がそれを言いますか」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 22:07:40.19 ID:CHLuQInXo
お嬢様の生きた証を残す為とか、相続争いをなくす為とか
唆されたメイド長が妹嬢を逆レイプして真のヒロイン爆誕
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/25(金) 09:18:10.02 ID:djJfiDbAO
執事長「爆誕て。勢いありすぎるでしょ」

メイド長「問題はそれ以前にだと思いますが」

執事長「ああ、長さんって純愛派だもんね。ちゃんと和姦じゃないと」

メイド長「そうではなくて」

執事長「え? じゃあやっぱり無理矢理?」

メイド長「まずはその話題から離れてください」

あ「話が終わっちゃいません?」

メイド長「その話題しかないと仰りたいのですか」

あ「目が怖い!」

執事長「でも長さんを唆すとか並大抵じゃないよね」

メイド長「お嬢様の幸せを考えれば自ずと自制は効きますので」

あ「でも自分の気持ちに素直になれなくないすか?」

メイド長「あの方に全てを捧げようと決めたあの日から、私の益とは全てお嬢様の為にあります」

執事長「愛してんねぇ。妬けるよ」

メイド長「そういった俗世に浸った考えとは違います」

あ「難しい話っす」

執事長「俺は長さんにも幸せになってほしいけどね」

メイド長「でしたらもっと真面目にしてください。それだけで日々の私の精神的負担が軽減されます」

執事長「難しい任務だ。どうしよ?」

あ「いや、振られても困りますから」

執事長「それでも芸人か」

あ「万屋だってば!」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 01:05:06.53 ID:cb8TsopAO
メ「誰?」

執事長「ああ、そういえば初めましてですね。大旦那様の代より懇意にさせていただいております。執事係の長の者です、以後お見知り置きを」

メ「だそうっすけど」

男「執事長さんは昔から親父達のサポートが主だったからな。メイド長さんほど俺らと面識ないのは仕方ない」

メ「でもなんか若いっぽいのに重役ですね。またあれか、若き天才ポジションすか」

執事長「いやいや、全然若くないよ。でも天才なのは否定しないかな」

メ「いきなりくだけた物言いに! 何この人!」

執事長「最初くらいはサービスしてみただけだよ。普段は仕えるべき主以外にはこんな感じなのさ」

メ「ものっそいフランクっすね。それでも従者か!」

男「おい同業者。鏡を見て発言しろ」

メ「あらまぁ、かわゆい美少女ガールたんが」

執事長「意味が若干重複してるから。ちなみに立場的には君は俺より下なんだよね」

メ「え。じゃあもう執事長さん神以上の立場っすか」

男「お前の中で自身のランク付けが過大評価ってレベルじゃなくなってないか」

執事長「とりあえず直属でもなけりゃ配属先も用途も目的も違うからね。とやかくは言わないけど」

メ「けど?」

執事長「あんまり失礼ぶっこかれると大人気ない対応になるから気をつけるようにね」

メ「ははは、私はどんな相手にも唯我独尊を貫き通してきたつわもの。今更スタンスを変えるつもりなんざ……」

男「一応忠告しとくけど昔、あのメイド長さんをしごいて色んな基礎を教えたのはこの人だからな?」

メ「靴をお舐めすればよろしいでしょうか」

男「卑屈すぎるだろ!?」

メ「や、だってあの地獄の仕置人のメイド長さんの師匠を敵に回すなんてありえないっすから!! ああ、思い出しただけでも胃とか喉とか手足が……」

男「よっぽどなトラウマがあるんだな」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 01:19:14.55 ID:cb8TsopAO
男「なんて昔は言ってたのにな」

メ「時間の流れとは恐ろしい」

執事長「全くですよ。さて、紅茶の銘柄はいかがしましょうか」

メ「り、リプト……」

男「ダージリンで頼む」

執事長「畏まりました」

メ「うぅ、なんか背中がムズムズする」

男「いい加減慣れろよ。わざわざお前が堅苦しくないようにうちに来てもらってんだから」

メ「だったら態度も昔みたいでいいじゃないっすか! あの笑顔で何度泣かされた事か……ああ、思い出しただけでも主に体の末端器官がキリキリと」

男「どんな教育的指導受けてたんだよ」

執事長「お待たせしました」

男「ああ、ありがとう」

メ「あ、ありがとうございます」

執事長「ごゆっくりお楽しみください」

メ「……あの。何故背後に立たれておられますでせうか」

男「日本語おかしくなってんぞ」

執事長「奥様にいつ何時、御命令をいただいても実行に移れるように、ですよ。何より身重なのですから。ご自愛ください」

メ(そう思うんなら二人にしてください、と言えない威圧感がひしひしと!)

男「しばらくはこっちに居てくれるんだっけ」

執事長「ええ。メイド長の方は別件にて対応がありますので二、三日は私が奉仕させていただきます」

男「助かる。俺もどうしても家をあけなきゃならないからさ。こいつのこと、頼むよ」

執事長「おまかせください」

メ「ひゅい!? な、え、二人きりにされるんですか?!」

男「悪いな。すぐ戻るから」

メ「一緒に行きます! 行きますってば!」

男「お腹の中の子を大事にしてやりたいからさ。な?」

メ「そう思うんなら余計にですよ! 母体にどんなけ負担かけさせる気っすか!」

男「……? だから執事長に世話頼んだんだけど」

メ「だぁかぁらぁ?!」

執事長「良かったじゃないですか、念願叶って」

メ「どこが念願すか! そんなこと一切考え……」

執事長「『そう思うんなら二人きりにしてください』」

メ「!?!!?」

男「ん? 何か言った?」

執事長「いえ、何も。今晩より早速泊まり込ませていただきますので」

メ「あばばばば」

男「おう。頼むな……って、お前は何を面白い顔してんだ」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/28(月) 01:31:28.70 ID:cb8TsopAO
メイド長「……」

コンコン

メイド長「どうぞ」

執事長「や。精が出るね」

メイド長「仕事ですから。そちらは?」

執事長「定時後は公私の切り替えをしっかりやるのがモットーでね。残業してる人を見るとついつい構いたくなるんだよね」

メイド長「私はまだ定時ですが」

執事長「年中無休? 二十四時間?」

メイド長「適宜休憩はいただいてますよ」

執事長「じゃあなんで俺は長さんをデートに誘えないんだろうなぁ」

メイド長「時間が合いませんね。致し方ありません」

執事長「じゃ、俺が合わすよ。長さんは次いつなら空いてるかな」

メイド長「そうですね。私がここを辞めるかクビを切られてからで良ければ」

執事長「遠まわしにアウト宣言だよね。意地悪なとこ見せないで少しくらいは付き合ってよ」

メイド長「お断りします。それより、ご用件は以上でしょうか」

執事長「いや、今のは本題だけど置いといて。少し、きな臭い連中の話を小耳にはさんでね」

メイド長「……明らかにそちらが本題ではないでしょうか」

執事長「だってこの話を始めたら長さん絶対飯の誘い断るじゃん」

メイド長「優先順位を考えれば当然です」

執事長「むー。だったら飯食いながら情報共有ってのは?」

メイド長「……」

執事長「ダメ?」

メイド長「はぁ。食堂に五分後。すぐに向かいます」

執事長「やりっ! んじゃまた後でな」

バタン

メイド長「はぁ……。気を遣われてますね。全く、軽口を叩ける相手とは厄介なものです」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/01(火) 01:15:49.56 ID:VZFZfWpC0
執事長「……。zzz」

メイド長「これは俗に言う『喧嘩を売られている』ということでしょうか」

執事長「むにゅ。ギャルのぱんてぃおーくれ……zzz」

メイド長「こうも堂々と居眠りですか。この目立つホールのど真ん中で。ええ、これはきっと何か深い理由があるのでしょう。数日休まれていない、体調不良、ならびに命令か何かで」

執事長「んん、もう休めないよぅ」

メイド長「……天誅」

サクッ

執事長「のおおおおおおあああぅ!? 痛、痛いっ! 主に頭とか頭とか頭とか!!」

メイド長「目が覚めましたか。まだ覚めていませんね。ええ、わかっておりますとも」

執事長「ちょ、ま、まって。ギャグ補正かつ俺だから大丈夫みたいな感じなってるけど人に刃物刺すのはよくないよ?」

メイド長「ご安心ください。人間相手、それも自身より目上の方にそのような無礼は働きません」

執事長「ひゅー、さっすがメイド長。話がわかる」

メイド長「堂々と昼間から居眠りが許されるのは駄犬と相場が決まっておりますので、ええ。これは躾というものです」

執事長「ああああ! ですよねーーー!?」

サクッ サクッ
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 01:30:03.24 ID:NhOCUKdAO
メ「意地悪とはまた違くないすか?」

男「少なくともお前よかスレタイ通りにしようと頑張ってらっしゃる訳だ」

メ「別に本気で意地悪オンリーになっても構わんのだろう?」

男「構う構う、構いますからやめてください」

メ「安心してください。初心に帰るだけです」

男「お前の初心は困るから安心できないんだよ!」

メ「今では牙の抜け落ちた狼な私。所謂チワワとかプードルとかあのあたりですね」

男「完全に雑種だろう」

メ「駄犬が何やらきゃんきゃんうるさいですが気にしません。きゃんきゃん言うのは掘られた時だけでいいのに」

男「まかり間違ってもそんな鳴き声をあげる日は来ないからな」

メ「しかし今夜から私は牙の生えそろった狼! 多分ライオンとか虎的な!」

男「犬科なのか猫科なのか」

メ「出始めに懐かしの仕掛けをいくつか施しました。具体的にはお風呂場とかに」

男「この若干磯臭い気がする感じは……まさか、だよな」

メ「ええ。まさかです」

男「……」

メ「……」

男「なんでよりによってまたワカメ生活始めなきゃいけねぇんだよ! 他にあっただろ!?」

メ「大ダメージ技を選択してみました」

男「MPへのな!! くそぉ……あの地獄の日々が……」

メ「ふぁいと。ああ、私はカップラーメン買い込みましたんで」

男「裏切り者!!」

メ「主様が悶え苦しんでいただくなら私どんな賎しい身分にも身を落としましょう」

男「無駄にかっこつけやがって! いいさ、全部ちゃんと捨ててやる。そうすりゃ万事解決なんだ。そうなんだ」

メ「捨てた場合捨てた分だけ毛が抜け落ちる現象が発生するようなおまじないかけましたのでお楽しみに」

男「ははは、そんなバレバレのブラフなんかで……」

メ「……」

男「……マジ?」

メ「さぁさ。私はお湯でも茹でてきますかね」

男「ちょ、おい! 気になるだろ、放置すんなよ、おい、おーい?!」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 01:44:25.21 ID:NhOCUKdAO
メ「MED48」

妹嬢「……はい?」

メ「ですから、妹嬢さんのとこのメイド隊でユニット組みましょうって話ですよ。48人くらいなら若くて可愛いのいるでしょ」

妹嬢「そんなくだらない遊びに彼女らを巻き込まないでください。第一年齢層がそういった意味で満たせる人間は少ないですし」

メ「意外や意外な理由っすね」

妹嬢「意外でもなんでもありませんよ。彼女らや彼らは全てが若い方ばかりではありません。寧ろ家政婦の仕事には年配の方も多いですし」

メ「夢のない! けど割と若い子もいません?」

妹嬢「彼女らは正確には我々の家政婦といった位置付けではありませんので」

メ「肉奴隷?」

妹嬢「学徒です! なんて事を言い出すんですか、全く」

メ「Gackt?」

妹嬢「ニュアンスが違うのだけは伝わりました。我々は身よりのない子供達になるべく職をという事でうちに住まう代わりに仕事を与えているんです」

メ「なんか偽善っぽい」

妹嬢「そうでしょうね。見える範囲、出来る範囲でしか手を差し伸べられてはいないのですから。けれど私は止めませんよ。意味が無いとは思っていませんから」

メ「ふぅん……え? でもじゃあそれこそアイドルとかに仕立てあげれば色々宣伝効果とかあるかもだし良くないすか?」

妹嬢「……。我々が預かる理由の“建前”が先のもの。それを隠れ蓑にして世に出せぬような方々こそが若い子のほとんどなのです」

メ「……それって」

妹嬢「偽善なんて言葉すらおこがましい。先代までの悪徳、所業を明るみにだしたくない。それが本当の理由ですよ」

メ「……」

妹嬢「いえ、そうしたくないという願望ではないですね。そうせざるを得ない、という現実なのですよ。世界のバランスの為に」

メ「なんか、難しい感じの話になるとわからないからいいっすけど。納得いかんす」

妹嬢「忘れてください。とにかく、企画の話は没ですよ」

メ「ちぇ。せっかくメイド姿な主様を放り込んでウキウキウォッチングだと思ってたのに」

妹嬢「うちからは出せませんが別の企業なりに掛け合って出演交渉はしましょう、任せてください」

メ「さ、さっきまでのシリアスが吹き飛んだ!!」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 02:10:08.21 ID:O0NOvUgho
5人グループで男の娘、眼鏡っ娘、ロリ、お嬢様、ヤンデレ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 10:01:34.36 ID:lHfhC2a30
いいんちょが眼鏡とヤンデレダブってる
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 01:31:47.98 ID:aegalpAAO
メ「仮に5人揃えたとして残り43人はどうなるのでしょうか」

男「あくまで48にこだわるのな」

メ「四十八手」

男「言うと思ったけどさ!」

メ「主様は不器用なので二、三手しか出来ませんしね」

男「身を持って四十八手食らってみるか」

メ「勘弁してつかぁさい。というか何公然とレイープ宣言してんすか。怖い、この人!」

男「和姦なら問題ないだろ」

メ「主様、主様。私から同意を取るのと地球を手にするのは同難易度ですよ」

男「……ちょっとくらいならいいだろ!」

メ「男優の『先っちょだけだから』に似た悲しさの漂う台詞ですね」

男「やめろ!?」

メ「とにかく48人揃えなきゃダメっす」

男「無茶言うなよ」

メ「何なら私とか妹嬢さんのクローン的な……」

男「止めろ。冗談でも」

メ「な、何すか。急にマジになっちゃって。怖い顔したってダメっすからね!」

男「……」

メ「……いや、あの。すみませんでした」

男「ん。じゃ、後は四十八手を試す方向で」

メ「ちょっと精神的に優位に立ったところで勢いで誤魔化すなんて無理が通る訳もなく」

男「……ちっ」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 01:39:31.16 ID:aegalpAAO
委員長「眼鏡なら私で納得するけれど他には同意しかねるわ」

メ「他に適任がいます?」

委員長「少なくとも私より似合う子はいくらでもいるじゃない」

メ「少なくとも委員長さんより似合う方はまずおられませんよ」

委員長「そんなはずないでしょ。何より私のどこにそんな要素があるのかしら」

メ「か、過去をなかった事にしようとしている……! その時、私の中にかつてない恐怖が駆け巡った」

委員長「そうね……妹嬢さんなんてどうかしら」

メ「あれは時々頭がかわいそうになられますが病み方が健全に近い何かですよ。何よりお嬢様分が」

委員長「そこは会長さんでいいでしょう?」

メ「んじゃあロリ分は妹さん……とはいえ、あちらは純粋にロリ属性じゃないからなぁ。やさぐれロリなんて需要が」

委員長「あの子は昔から素直ないい子よ」

メ「す、すげぇ。天然なのか器がでかいだけなのかとにかく全く気にしてない!」

委員長「後は彼が女装して私が眼鏡、問題の属性は誰か外伝なりから引っ張ってくるか新しく作ればいいわね」

メ「何故そこまで頑なに認めないんですか?!」

委員長「私は違うからよ」

メ「……なんで言い切れるんだこの人」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 01:44:35.32 ID:aegalpAAO
委員長「じゃあ逆に聞くけれど眼鏡は他に誰かいるかしら」

メ「む、……確かに、まぁ」

委員長「そう考えれば眼鏡キャラを新しく作る手間より誰かヤンデレとやらに仕立てればいいと思うわ」

メ「なるほ……いやいやいや、メガネかけさせて定着させる方がどんなけ楽か!」

委員長「やらない内に決めつけは良くないわ」

メ「やらなくても分かるレベルで確実じゃないですか!」

委員長「……。あなた、頭は大丈夫?」

メ「鏡見て言ってくださいよ! っていうか、ここにきて委員長さんが壊れてる気がするんですが!」

委員長「至って平常よ。何かおかしいかしら」

メ「きっとイロモノキャラ以外の扱いに体がびっくりしてるんですね。ああ、おいたわしや」

委員長「喧嘩なら買うわよ。鉛弾で」

メ「変なとこだけ尖った設定そのままとかずるくないっすか!?」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 20:10:51.05 ID:bIZI1W3mo
委員長が48人
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 23:49:01.88 ID:H3LXY8Ago
委員長なら分身で対応できそうww
過激に暴力で対応してたけど病んデレになるのか?
好きなアイツが自分のものにならないならいっそ・・・てのがヤンデレじゃないの?
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 00:05:03.37 ID:Mm4TYtK2o
2chの時のスレのオチでは委員長がヤンデレになってたんだよ
あの時はまさしくホラーだった
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 01:50:53.33 ID:7rzz0gtAO
メ「時代はヤンデレ。まさに世紀末な展開!」

委員長「まだ21世紀の頭よ」

メ「世も末的な意味で。というか委員長さんってば初期はクー(ツン)デレからヤンデレへと移行し、やがてイロモノポジションでしたもんね」

委員長「最初から最後までヒロイン属性よ」

メ「世の中からサブキャラが消えかねない定義になりますよ」

委員長「自分がメインキャラだと思っていたら間違いよ」

メ「へっへ〜ん。これでも主様を下部に出来るのは私だけと決まってんですからね。メインは私ですよ」

委員長「馬鹿ね。彼がメインヒロインよ」

メ「な、なんだろう。恐ろしいほどの説得力。でも委員長さんがヤンデレだった事実は揺るぎない訳で!」

委員長「こっちに移った際にあれはパラレルだと言い切ったのはどこの誰かしら」

メ「ぬ、ぐぐ……私ですけど。あ、でも昔に委員長さんのヤンデレ日記があったじゃないですか!」

委員長「あれも単発ネタのパラレルよ。つまり私のヤンデレ設定は公式じゃないの。分かったかしら」

メ「(でも公式じゃなかろうがそういう展開がまわってきまくる時点でポジションが決まってるような……)」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 01:57:37.69 ID:7rzz0gtAO
命「委員長が48人とかどこのクローン兵団だよ」

委員長「あら。初登場に活躍したキャラクターのクローンは弱くなってやられ役になるものよ」

命「メタな発言しやがって……」

委員長「それに私が48人もいたらすぐに壊滅するわよ」

命「解散じゃないのか」

委員長「ええ、壊滅。最後に残った一人以外みんな消えるでしょうね」

命「一人バトルロワイアルだな」

委員長「そうね。だって私は私が一番嫌いだもの」

命「自分が好きな人間なんているかよ」

委員長「自分が嫌いでも自分を許せるのが人間。でも私は自分が許せないのよ」

命「なんだそりゃ。じゃあ自殺願望でもあるのかよ」

委員長「ええ……すぐにでも」

命「嘘つけよ。殺しても死なないくせに」

委員長「[ピーーー]ないもの。私は」

命「めちゃくちゃ矛盾してるな。頭大丈夫か」

委員長「ええ。極めて健康よ。心配してくれるのかしら」

命「誰がするか。あんたなんか」

委員長「……ふふ」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 02:05:07.18 ID:7rzz0gtAO
女「みんながアイドルになったら私がメイクもコーディネートもするからね!」

メ「女さんは出ないんすか」

女「あはは、私はその、無個性すぎるというか可愛くないというか似合わないしどっちかといえばブサイクだし歌も下手だし踊れないし」

メ「自分全否定じゃないすか。でも女さんは普通に可愛いと思いますよ? 歌だって特別下手じゃないし」

女「ん〜、つまりやっぱり無個性ってことな気がするよ。だから私は表舞台にはあがらないの」

メ「割り切ってますね」

女「うん。その代わりみんなみたいなすごい人たちを一番近くで見てられるからいいんだ。私は今の位置がすごく幸せ」

メ「一番居たかった場所も諦められるんすか」

女「うん。私には彼の隣は荷が重すぎるから……なんて。逃げ出した側の言い訳だね」

メ「いや。昔主様にちゃんと告って玉砕してるじゃないすか。どこぞのヤンデレさんのが逃げましたからね」

女「ダメだよ、そういう言い方。恋路の決着は人それぞれなんだから」

メ「そういうもんすか」

女「そういうものです。メイドさんは初恋が最後の恋だからわからないかもしれないけど」

メ「私の初恋は二次元ですが」

女「そういうことにしといたげるね」

メ「む、ぅ。強くなったなぁ、この人」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 23:04:49.07 ID:MzgPb77Po
ふたなりが公式設定と化した夢を見ました
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/06(日) 13:25:07.20 ID:8COw+8Sp0
>>142
現実です
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 01:43:57.09 ID:obFTVp4AO
妹嬢「夢です! 夢、完全にフィクションですから! 有り得ませんから! 生えてませんからっ!!」

メ「寧ろここまでふたなりである事を求められてるのに拒むとかファンを蔑ろにしすぎでしょう」

妹嬢「要りません! そんな歪んだ愛情は要りませんから!!」

メ「いっそ今後はふたなり妹嬢スレとして主役張ってもらうまでありますよ」

妹嬢「なっ……私が、主役?」

メ「主様とめくるめく甘美な世界が展開しちゃうかもですよ」

妹嬢「兄さんと本当に結ばれるのですか?」

メ「ええ、ばっちりです。合体です。結合です」

妹嬢「だ、ダメです、そんなはしたない……私と兄さんがそんな」

メ「さぁ、勇気を出して主様を突きましょう! あ、違った。付き合いましょう!」

妹嬢「やっぱりそっちなんですね!? 普通にヒロインなんて出来ないならそんな主役なんて要りません!!」

メ「そこまでして頑なになる必要がどこにあるんすか。別にち○こくらい気にしないでいいっしょ」

妹嬢「でしたらあなたはどうなんですか! ふたなりメイドとやらになってみますか?!」

メ「やですよ。気持ち悪い」

妹嬢「分かってるならあなたも否定を手伝いなさいっっ!!」

メ「おーおー。涙目になっちゃってかわゆすなぁ」

妹嬢「むきー!!」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 01:59:16.00 ID:obFTVp4AO
メイド長「妹嬢様が明るくなられました」

執事長「それをわざわざ俺に言いにきた、って訳でもなさそうだね」

メイド長「永年の旦那様からの呪縛から放たれ、自分なりに気持ちの整理を付けられたという事なのでしょうが……」

執事長「喜ばしい事の割には随分と悩み顔だね」

メイド長「彼と彼女……坊ちゃん方に関わられているのが一番の要因でして」

執事長「何? あの子らがまた厄介ごとに巻き込まれててお嬢様が躍起になってる?」

メイド長「それも度々ありますが。それよりも根本的にお嬢様が俗世に毒され過ぎていると言いますか」

執事長「あー。確かに分かるかも。今まで鉄壁の氷帝とか絶対女王様って感じだったのに最近はえらい親しみやすい時があるような」

メ「若干聞き捨てならない言い方がありましたが……概ねそういう事です」

執事長「いいんじゃないの? とは一概に言えないか。下々に意識取られ過ぎてるのは確かだし」

メイド長「ええ。最近は付き人に対して優遇なされ過ぎています。私や貴方も例外なく」

執事長「だな。本来負わなくていい負担をわざわざ抱えられてちゃ俺達の立つ瀬がないわな」

メイド長「私からは何度となく進言させていただいていますが……逆に気を遣われる始末。自分が情けない」

執事長「で、俺に相談にきたと」

メイド長「少なくともこの状況を憂いでいる人物など他には居ませんから」

執事長「人間、サボれるならサボりたいのが本来の姿だしな。俺らみたいにそういう役割でしか生きられない奴しかそういう考えにならんだろ」

メイド長「ですから貴方からもお嬢様に進言を。最悪、現状を顧みていただけないのならば私が汚れ役にもなりましょう」

執事長「嫌われ役は損だぞ?」

メイド長「お嬢様の為ならば」

執事長「ったく。了解、協力するよ。長さんは本当に放っておけない子だね」

メイド長「……私を子供扱いですか」

執事長「俺からすれば長さんも可愛い子供みたいなもんだよ」

メイド長「まだ、貴方に並べませんか」

執事長「さぁてね。んじゃ俺からはお嬢様に進言と憎まれ役でもしてくるかね」

メイド長「いえ、貴方がそんな役を負う必要は……」

執事長「気紛れの暇つぶしだよ。そっちはちゃんとスケジュール見直し、よろしく」

メイド長「……。はい、ありがとうございます」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 02:09:58.05 ID:obFTVp4AO
妹嬢「はぁ……全く」

メイド長「どうされましたか? お嬢様」

妹嬢「どうもこうもありません。執事長が勝手に私と兄さんの逢瀬の予定をキャンセルされたんです」

メイド長「確か映画を見に行かれるというものでしたか」

妹嬢「ええ。せっかくそのためにかなりの時間をやりくりしてきたというのに……」

メイド長「しかしお嬢様。実際その予定を行うにあたってかなり無理をされる事になっていたはずです」

妹嬢「それを承知で私は……」

メイド長「ならばせめて我々侍女側に作業なりを落としてください。最近ではお嬢様が処理をされるばかりで我々が暇を持て余す事態に陥っています」

妹嬢「ですから彼女らには充分な余裕ある勤務になるでしょう」

メイド長「それがそもそもの間違いではありませんか。お嬢様がそんな事実すら分からぬようになっておられる訳ではありませんでしょう」

妹嬢「……。今日は彼といい貴女といい、私に噛みつきますね」

メイド長「忠犬なればこそです。飼い主の間違いに吼えられぬ駄犬ではおれませんので」

妹嬢「私が間違っていると?」

メイド長「はい。ご自分の好きにされ過ぎているかと」

妹嬢「……。言いますね」

メイド長「どうか、どうか御自愛を」

妹嬢「はぁ……わかりました。調整は任せますが、あまり私に気を遣いすぎぬように」

メイド長「かしこまりました。既にこちらに草案は」

妹嬢「全く、してやられたわね。貴女達に」

メイド長「お誉めの言葉としていただきます」

妹嬢「ふぅ。本当に優秀な忠犬ですね」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 02:19:06.88 ID:obFTVp4AO
執事長「うまくいったみたいだね、その様子だと」

メイド長「はい。貴方の進言もあってかやっと私の言葉を飲み下していただけました」

執事長「そかそか。良かったよ」

メイド長「しかしあのお嬢様が予定のキャンセルを含め受け入れられるとは若干意外でした」

執事長「ちょっとばかり裏技を使ったからね」

メイド長「と、言いますと」

執事長「坊ちゃんとあそこの侍女のね、仲良しこよしな場面をたまたまって形で見てもらってね」

メイド長「それは……」

執事長「人のもん盗っちゃいけねぇよなって話をしただけさ」

メイド長「そんな事をされたんですか。お嬢様の気持ちを知りながら」

執事長「したさ。長さんも思ってんだろ? もういい加減に目を覚ましてほしい、ってさ」

メイド長「それは……」

執事長「なら文句は言わないよな。ああ、恨んでくれていいし嫌われ……たくはないけど、長さんの気持ちも受け止めるつもりだよ」

メイド長「……意地が悪いですね」

執事長「長さんには負けるよ」

メイド長「分かりました。私も心を鬼にしこれまで以上に諦めていただくよう努めます」

執事長「辛いぜ?」

メイド長「覚悟の上です」

執事長「……オーライ。しんどくなったら胸はいつでも貸すからな」

メイド長「貴方に借りるくらいならば一人で処理しますよ。ではこれにて」

執事長「あいあい。了解っと。んじゃまた」

メイド長「失礼します」

執事長「……」





執事長「はぁ。本当、胸くらい借りてくれねぇかね。俺はお嬢より長さんのが心配だよ。……はぁ」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 19:32:22.47 ID:adi2hI2Bo
忠犬・・・舐め犬・・・いや、なんでもない
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 02:08:06.29 ID:QlKhDqiAO
メイド長「何を仰っているのやら」

執事長「動じないねぇ」

メイド長「私にとってお嬢様は忠誠を誓い全てを捧げるに相応しい方ですが私から何かを求めるなど有り得ません」

執事長「つまり舐めたいって願望になるのか」

メイド長「……失言でした。お忘れを」

執事長「いいじゃないの。同性だとか忠義だとか。人間として存在として憧れる相手が居るのは素敵だよ」

メイド長「やけに私の肩を持たれるのですね」

執事長「だって俺、長さん大好きだし」

メイド長「……。……」

執事長「なんか言おうぜ、そこはさ」

メイド長「私は、その……からかうのはやめてください」

執事長「からかってないんだけどな。まぁいいや、お互い実らない恋同士頑張ろうや」

メイド長「……頷きにくい言葉を」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 02:15:01.82 ID:QlKhDqiAO
メ「妹嬢さんをペロペロしたい」

男「勝手にしてこい」

メ「と、主様が言ってたことにしました」

男「また余計なことを?!」

メ「きっと今頃めくるめくピンク色の妄想ファンタジーでエクスタシーですね。この変態兄妹めっ」

男「親族関係にまで意地悪の魔の手が! っつーか今更感はあるが俺はいいが周りまで悪く言うなよ」

メ「悪く言ってませんよ。まだオブラートに包んでます」

男「あれで!?」

メ「言い出すと禁則事項ですの連発ですよ」

男「お前は人の家族を何だと思ってやがるんだ」

メ「若手芸人よりいじりがいのある素材」

男「だ、ダメだ。根本的にこいつ、俺を含めて下に見てやがる!」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 03:05:21.94 ID:7moXvfFZo
妹嬢はふたなりネタが流行りだしてから生き生きしだしたよね
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 01:37:42.17 ID:WGQhxuqAO
妹嬢「生き生きなどしてません!」

メ「またまたぁ。今でこそシリアスもコミカルもイロモノもいける万能キャラですが昔は味気ないブラコンお嬢キャラでしたよ」

妹嬢「寧ろそれで私としては問題ないのですが」

メ「今や主様を掘って飽きたら侍女軍団を侍らせる立派なヤリ○ンキャラですもんね!」

妹嬢「事実無根すぎませんか!?」

メ「でも妹嬢さんが本気でハーレム作ったら酒池肉林が完成しそうですね」

妹嬢「そんなものよりも大事なものはありますよ」

メ「例えば女の子をひーひー言わせるその立派な竿とかですね」

妹嬢「全くをもって違いますからね?!」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 02:51:28.75 ID:ueTp5IpMo
誰かさんの関係と一緒で好きだからいじめたくなります

妹嬢怒らせて仕返しに掘られたいなんて思ってないからね!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 16:18:39.95 ID:y6LWyPEY0
妹嬢に種付けされたい
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 21:53:28.94 ID:/SsDgy97o
キレた妹嬢にさんざんネタにした竿でおしおきされるメイド、という電波を受信したがなんぞこれ
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 01:28:30.22 ID:bsgdbu7io
肉棒があってもみんな妹嬢のことが大好きさ
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 02:02:50.17 ID:y4CXqxZAO
妹嬢「……」

メ「すげー。人間って本当に絶句したら口パクパクするんすね」

妹嬢「な、なんなんですかこの流れは!?」

メ「要約すると皆さん妹様が大好きだよ、という事かと」

妹嬢「それは非常にありがたいですけれど何か不穏なものまで約していませんか?」

メ「ザッツ・ふたなり」

妹嬢「ですから!!」

メ「この際、うんって言ってみては? ほら、冗談でしたーで済むでしょうし」

妹嬢「いいえ、絶対言いません! 言質を取って今後それを公式にされかねませんので!」

メ「でもほら」


A.電波受信でメイドが危ない

B.電波誤受信で主様が危ない

C.お願いします生えてください

メ「こんな選択肢が」

妹嬢「何もない中空を指しながらさもありそうな言い方はやめてください!?」

メ「じゃあD.の主様もメイドもまとめていただきますコースで?」

妹嬢「いただきませんから!」

メ「でも羨ましいんすよ? ぶっちゃけ私より人気ありそうですし」

妹嬢「そんなバカなこと……どうせイロモノとしてパンダを見るような好奇の意味合いです」

メ「我々が好奇の目を向けてもらえなかったら終わりっすよ。そういう意味で言えば妹嬢さん、あなたがNo.1です」

妹嬢「メイドさん……」

メ「妹様……」

妹嬢「だったら私にメインヒロイン譲ってくださいな」

メ「調子乗るなよこのふたなりキャラめ」

妹嬢「やはりアナタとは直々に決着を付ける必要がありますね!!」

メ「おーおー、小物相手に本気とは大人気ないっすよ。超人キャラのくせに。ふたなり的な意味も含めて」

妹嬢「今すぐその減らず口を塞いで差し上げましょう!」

メ「いやー、下の口が塞がれるー」

妹嬢「ぐ……もう許しませんからねー?!」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 02:05:09.42 ID:y4CXqxZAO
……とまぁ誤魔化してみたものの。

ifだろうがパラレルだろうがアンソロジーだろうが。

とにかく公式、非公式関係なく一回生やさないとおさまりつかない気がしてきたwwww

いやもう本当、どうしてこうなった。







でもたまには濡れ場もありなんだろうか。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 19:49:36.47 ID:mGCGIggxo
軽口叩きつつもメイドは妹嬢信用してるんだな
妹嬢がその気になれば人格改造だって出来るはずなのにな
まぁ改造してもスレタイ的に意地悪はなくせないわけだがww
あ、意地悪なのは別のメイドでも良いのか・・・

>でもたまには濡れ場もありなんだろうか。
たまに、じゃなくていいお
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 01:23:53.68 ID:IcPFt/yAO
メ「その気になれば私なんてほのぼのレイ○されちゃいますよ」

妹嬢「する動機もなければ必要もありませんし何よりこの世界で相手をしたくない方の五指に入りますよ」

メ「実は私ってば隠された能力が!」

妹嬢「隠れてない能力でしょうに。姉さん程の規格外を内に秘めながらよく精神が無事ですね」

メ「案外いい人でした。ちゅーか頭に口がついてかないだけでこの人めちゃくちゃ思考派ですし」

妹嬢「知ってますよ。だからよく無事だなと」

メ「話半分にしか聞いてないんで。後別に妹嬢さんのことなんて好きじゃないんだからねっ!」

妹嬢「改めて宣言されなくとも承知してますよ」

メ「え……好きじゃなくて愛してるのレベルなことがバレてました?」

妹嬢「は?」

メ「実は私、妹嬢さんの事が前から……」

妹嬢「私はそういう趣味はありませんよ」

メ「大丈夫! 誰もが始めはだいたいノンケ!」

妹嬢「ちょ、そのやらしい手つきをやめなさい! い、いや! 近づかないで!」

メ「うひひ、そのちっぱいをでっぱいになるまで揉み倒しちゃる〜」

妹嬢「ダメ、ダメダメダメ! 私に触っていいのは兄さんだけです! やめなさいってば!」

メ「ええい、辛抱たまら〜ん!」

ガバッ





サクッ

メ「あの。はい、調子乗ってすいませんでした」

メイド長「……」

メ「決してマジではなかったと言いますかスキンシップなだけでリクエストにお答えして濡れ場にしようだとかはなくて」

メイド長「……」

サクッ

メ「あの。ギャグ補正で平気に見えてたら白状しますけどむちゃくちゃ痛いですよ?」

メ「……」

サクッ

メ「黒ひげ危機一髪みたいになってきましたね。次あたり刺されたら首が飛んだりして」

メイド長「やってみますか」

メ「マジすんませんでした!!!」

妹嬢(あ、哀れな……)
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 01:33:27.44 ID:IcPFt/yAO
め「濡れ場担当です」

主「一切そんな気配見せてないのにそのポジションか!」

め「御安心ください。世の中には追加パッチなるものが存在すると、めいど聞き及んでおります」

主「覚えとけ。それはある種の後付けだからな」

め「後付けでもいただかない限り内容が薄いめいどには厳しい現実が待っておりますが」

主「わ、悪かったって! ちゃんとお前んとこ戻るから!」

め「その頃にはご主人の居場所はありませんが」

主「あれ!? 忠犬ハチ公よろしく主人の帰りを待っててくれないの?!」

め「犬も長いものにはまかれるのです」

主「なんか諺っぽいな!」

め「ご主人。我々何者かすら忘れられております故、何事もなかったかのように日常パートもあり得る気がして参りました」

主「ものすごい自虐色強いな、おい」

め「お任せください。ネガティブ方向への御案内役に就任予定ですので。主にご主人専門で」

主「素直に嫌がらせだと受け取るべきなのか。まさか歪んだ愛情!」

め「ええ、変情です」

主「字面なら似てそうなのにな!」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 16:07:28.31 ID:IcPFt/yAO
こんな時に限って関東なう。

中の人、地下に埋もれて帰ってこなかったら後は誰かに任せますww
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 18:49:30.18 ID:FWrlj4nLo
笑い事じゃないだろ
中の人も、被災した人も最小限の被害で元の生活に戻れますように
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 21:19:39.84 ID:IcPFt/yAO
笑えない事態なことに気づいたのは地上あがった後だった……

やっとこホテル確保してテレビ見て冷や汗出たという。揺れヤバかったけど意外と大丈夫だったんで全然気付けなかった先ほど。

いろいろ連絡取って身内には被害なかったようだけど東北の方々が少しでも無事であることを祈ります。
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 21:25:11.05 ID:IcPFt/yAO
という訳で今夜はまるまる時間が出来てしまった。もしもしからだけど色々書いてこう。

中の人の無事はこれで証明しまくるしかない!

ただ更新が途切れても夢の中へスリープインしただけの予感しかしない!
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 21:56:07.06 ID:IcPFt/yAO
男「久しぶりに外出たな」

メ「主様が外に出るなんて明日は矢が降りますね」

男「お前に言ったんだ、お前に」

メ「私はちゃんと健康的ですよ。毎日ネトゲ生活の合間に野菜生活飲んでますし」

男「ものすごい不健康そうなフレーズが聞こえたんだが」

メ「主様に日々迷惑をかけようとこっちだって必死なんすよ」

男「何故その頑張りを別ベクトルに活かさない!」

メ「私ほら、主様の顔が負の感情に歪むのが大好きなんで」
男「お前の歪みっぷりに脱帽だよ」

メ「へへ……」

男「誉めてないからな? 何ひとつ誉めてないぞ?」

メ「またまたぁ」

男「ぐ……そんな安い挑発に!」

メ「主様」

男「なんだよ」

メ「ばーか」

男「てめぇー?!」





男「はぁ、はぁ」

メ「ははは。捕まえてみんしゃーい」

男「無駄なとこでハイパワー発揮しやがって!」

メ「便利な体になったもんです」

男「そんな使い方されて姉さんも泣いてるだろうに」

メ「寧ろ喜んでますが」

男「こ、こいつら……」
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 22:05:48.00 ID:IcPFt/yAO
男「しかしお前、なんで外出の時までメイド服なんだよ」

メ「主様が無理矢理コスプレさせてる変質者に見せるためにですが」

男「回りくどい嫌がらせだな!」

メ「嫌そうだけど弱みを握られて逆らえない感を演出してますよ」

男「無駄な努力を」

メ「これで警察から呼び止められたら私の演技はもはや女優並ですね」

男「アダルトなビデオ的な方か」

メ「あ、もしもし警察の方ですか?」

男「うおおおおい! 行動力ありすぎだろバカやろー!?」
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 22:39:34.38 ID:IcPFt/yAO
メ「ふふ、電話越しにへこへこ謝る姿はさすがでしたね」

男「結局怒られるのは俺なんだからやめてくれ」

メ「止めてほしい?」

男「お、おう」

メ「無論断る」

男「だろうな!」

メ「くくく。このまま生涯迷惑かけたおしてやる」

男「寿命が確実に縮まるわ。ったく……疲れたから茶でも飲むぞ」

メ「主様のおごりなら」

男「どーせお前は何が何でも出さないからな。好きにしろ」

メ「じゃあメニューの端から端まで」

男「夢のような注文は頭の中で留めてくれ」

メ「私の妄想具現化が火を吹くんですね」

男「さっさと鎮火してくれ」
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 22:53:45.29 ID:IcPFt/yAO
メ「主様」

男「ん」

メ「主様ー」

男「んー」

メ「あーるーじーさーまー」

男「んー」

メ「……」

男「……」

メ「ていっ」

男「痛っ?! 何しやがる!」

メ「何見てました」

男「……別に何も」

メ「お向かいのお姉さんの脚ですか」

男「……」

メ「綺麗な脚されてますもんねー。しかもガーターレスストッキングですもんねー」

男「い、いやまぁそうなんだけど」

メ「知らせてきてやろうかしら」

男「やめてくださいお願いします」

メ「ったく。……ロングスカートだけど私なんてガーターなのに」

男「え? 何?」

メ「警察の番号はなんだっけなぁと」

男「やめて!?」
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 23:12:11.43 ID:IcPFt/yAO
男「結局何も買わず終いだったな」

メ「恨みやら迷惑なら買ってそうですが」

男「お前のせいでな!」

メ「私ってば罪なお・ん・な」

男「本当によ。しかしこれじゃあまるで……あーいや、何でもない」

メ「何言いかけたんすか?」

男「こっぱずかしいこと」

メ「当ててみましょうか」

男「やめろって、悶絶して昇天しちまうっての」

メ「無様な大往生を拝ませていただきましょう。ズバリ、主様は!」

男「ぐっ」

メ「警察に捕まって留置場プレイがお望みだったとみた!」

男「んな訳あるかぁ?!」

メ「じゃあただのデートみたいに思って恥ずかしくなった?」

男「げふぉ?! い、いきなり鳩尾に貫手食らったレベルなんだが……」

メ「ははは。勘違い乙! デートなんかじゃないっつーの!」

男「わかってるよ……」

メ「だからデートはまた今度で」

男「え?」

メ「まぁ永遠に予定は未定ですが」

男「く、期待だけさせやがって。でもま、楽しみにしとくわ」

メ「わくわくしすぎて心不全になるがいい!」

男「おうおう」
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/11(金) 23:47:05.17 ID:FWrlj4nLo
ほむ、中の人の被害は殆どなさそうだな
関東は交通が麻痺してるくらいって事か
首都は災害の少ない地域に移転させれば良いのにな
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 00:00:02.39 ID:AoOXyM8AO
メ「首都は某S県に!」

男「なったところで何もないだろ」

メ「副都市が強いんで無問題です」

男「お飾りのボスすぎるだろ」





さておき中の人は無事です。
ただ余震は断続的に続いててどうにも不安で……
とりあえずカプセルホテルで予報見ながら横になってるせいでかなりうとうとモードに。
で、余震で起きるの永続ループ。なんともはや。
このままこれ以上何事もなければいいのですが。
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 00:43:22.83 ID:SCdphdA+o
琵琶湖にメガフロートか・・・
リリ禁条例撤廃したら考えよう
そういや地震は日本国内に限れば西に行くほど少ないんだろうか・・・
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 00:49:56.42 ID:AoOXyM8AO
【それっぽいアクションシーン】

命「くそ。漫画か映画かよ」

委員長「囲まれたわね」

命「どうすんだよ。詰みじゃねぇか」

委員長「そうでもないわよ。確かさっきの階にいい足があったわ」

命「あのクソでかいバイクか。……動くのかよ」

委員長「考えるだけ時間が無駄でしょ。行くわよ」





命「くそっ、まだかよ!」

委員長「慌てないの。いい男のする事じゃないわよ」

命「ヘタレで構わねぇよ。っつ、もう保たないぞ!」

委員長「ん。ほら、君。素直に言う事を聞いてくれたら後でイイコトしてあげるわよ」

グォ……ン!

委員長「あら、いい子ね。ひねた子の相手ばかりだから素直な子は好きになりそうよ」

命「バイク相手に何やってんだよ! いいから出してくれ!」

委員長「妬いてるの? くす、可愛いわね」

命「うっせぇ!」

委員長「ほら、乗りなさい」

命「っ、乗ったぞ!」

委員長「そう。それにしても私が運転なのね。普通は逆じゃないかしら」

命「俺はバイクの免許なんて持ってねぇんだよ!」

委員長「奇遇ね。私もよ」

命「……は?」

委員長「飛ばすわよ。捕まりなさい」

命「なっ、ちょ……のわぁぁぁああ?!」

ブォォ……ン!! ガシャーン!!!
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 00:53:07.37 ID:AoOXyM8AO
し、滋賀県なんて誰も言ってないよ! ないよ!

西は西でデカいのあったけど今は東海とかのが怖い気がする訳で。

……ニュースで被災の放送が止まらない。一人でも多くの人がどうかご無事でありますように。
地震情報:http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 21:30:15.67 ID:BkMJqoJPo
漫画喫茶に泊まったのでいろいろ漫画が読めたよ
満員だったけど、席が確保出来ない人は料金発生しない&飲み物自由で
受け入れてくれてとても助かった
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/12(土) 23:20:49.62 ID:SCdphdA+o
生存報告乙
そういや急遽宿確保したってことは用事終わって帰る予定が帰れなくなってたって事か・・・
東海道新幹線は復旧してるし、今頃帰宅中かな?
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 00:13:05.58 ID:uR7WffnAO
中の人です。

無事帰宅できましたんでまずはご一報。

まだまだ予断を許さぬ状況ですので皆様も引き続き安全の確保につとめていただければと。

とにもかくにも中の人は今夜は泥のように寝ます! 色々入れたバッグを枕元におきつつ!
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 01:06:57.67 ID:SpS8M8jzo
俺と中の人しか居な伊予柑
他の人は大丈夫かいな・・・
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 06:08:39.45 ID:a9a1HXgSO
俺もいるぜwwwwww
関西だから影響ありませんでした
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 10:04:55.89 ID:msLSH2qc0
俺の友人の親戚も東北の人間らしく連絡が取れてないらしい。
今まで大きな災害にあったことないが
何時災害にあっても大丈夫なように初めて救助袋作った。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/13(日) 12:46:09.15 ID:rZZ44FcIo
俺もいるぜ
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 00:52:59.48 ID:VavCpZvAO
メ「人があんまり居ないのは元からのような」

男「やめてやれ。その考えに至って裏で泣いてる奴がいるから」





と書き込もうとしてたら皆様の無事な書き込み見れて一安心。

とはいえ全体数を把握できない以上、未だ苦しい立場の方もおられるでしょうし、楽観視は出来ませんね。

引き続き皆様の安全をお祈りしております。




今夜は短めにして早めに携帯の電源やら機器類を最低限の電力に!

け、決して筆が進まないとかそういうのではなく!
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 01:03:29.42 ID:VavCpZvAO
命「……っ、……!」

委員長「今日は随分と甘えるわね。人肌恋しい時間かしら」

命「ち……がっ、……!」

委員長「聞こえてるのね。ヘルメットなしとはいえよく聞き取れてるわ。いい子ね」

命「……っ!」

委員長「くす。そうよね、きつく抱いてくれてるものね。そんなに求められたら私まで欲しくなるわ……誘い上手ね」

……チュン!!

命「!!」

委員長「いいところを邪魔してくれるわ。そう思わない?」

命(なんでこいつはこんな命がけの高速運転でふざけられるんだよ! 撃たれてんだぞ!?)

委員長「命」

命「……ん、……だよ!」

委員長「生きて帰れたら思い切り抱いてあげるわ。だから私を信じなさい」

命「たり、ま……だ!」

委員長「いい返事ね。この子も交えてバイクプレイかしら。燃えるわね」

ヒュン!

命「っ! (耳元! 掠めてったぞ!?)」

委員長「全く。無粋なんだから」

ガチャ

命「!?!!? (片手で何やってんだよこいつ!!)」

委員長「蠅掃除の始まり始まり」

ガガガガ!

命(ああもう! どうにでもなれ!!!)

ヴォォ……ン!!
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 01:12:56.98 ID:VavCpZvAO
命「……生きてる」

委員長「ええ。生きてるわね」

命「最後のあれ、知っててやったのか?」

委員長「ジャンプのことかしら」

命「下のあの高さに道が続いてなかったらどうする気だったんだよ」

委員長「その時は二人とも……いいえ、三人ともスクラップだったわね」

命「……。……」

委員長「何? 面白い顔ね。いつからそんな芸を覚えたのかしら」

命「……っ! ああ、もう。……で、どうすんだよ。これから」

委員長「あら。決まってるでしょ」

命「あ? なんだよ、逃げるのに必死だったから知らなかったけど次の目的地は決まってたのか」

委員長「それはまだ未定ね。あちらからも連絡がないもの。プランも練り直してる頃ね」

命「んじゃあ何が決まってん……んむっ!?」

委員長「ん……、ハぁ。約束通りに三人で、よ」

命「……馬鹿だろ、お前」

委員長「あら、そう言いながら脱がすあなたは何なのかしらね」

命「生きてる実感くらい、いいだろ」

委員長「ええ。ちょうだい。私の中に」

ヴォ……ン

委員長「くす。ええ、アナタも私にいっぱい触れて。私を覚えて」

命「こっち見ろよ」

委員長「振り向かせてみなさいな」

命「無機物に負けられっかよ」

委員長「期待してるわ」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 01:18:49.12 ID:VavCpZvAO
メ「……」

男「……」

メ「私、楽屋ネタとかメタ発言とかって良くないとは知ってますけど言っていいですか」

男「今回は許す」

メ「あれ、私達の子なんすよね」

男「実は橋の下で拾ったとか後付けの設定が出ない限りはな」

メ「だとしたら、あの子って……」

男「なるべくオブラートに包めよ」

メ「ツバメじゃないすか」

男「割と包んだ方だな。許せる」

メ「ヘタレキャラで取り柄が顔の良さだけて! ヒロインかよ!」

男「しかも昨今では珍しい王道タイプだよな。性別以外」

メ「ツンデレだし」

男「色々足りてないし」

メ「周りがすごいのばっかだし」

男「相方が主人公属性も超人補正も持ってるとか」

メ「……」

男「……」

二人「「どうしてこうなった」」







俺もよく分かりません。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 22:45:47.43 ID:uDyMl/FOo
>最低限の電力に
デマチェンメ出回ってるらしいから言っとく
西日本を中心に60Hz、一方問題の東北・関東は50Hz
周波数が違う為、送電するには変換が必要になるが、変電施設の容量が合計100万kWしかない(不足が見込まれるのは1000万kW)
発電能力はピークとなる夏場を基準に作られているので今の時期100万kW程度は節電しなくとも軽々賄える
(北海道は50Hzだがこちらも送電能力限界があり、既に送れるだけ送電中とのこと)
よって60Hz地域は節電の必要なし
50Hz地域の人もデマに惑わされず各自利用電力会社のサイトを確認されたし
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 00:42:54.86 ID:wcKSuzCAO
メ「……なんか難しいこと言ってる」

男「要は支援するにもしっかり情報得て効果的にって事だ」

メ「つまりただ単に中の人が馬鹿だったという事でFA?」

男「うむ」







と、とはいえ節電自体悪い事じゃないよね! 地球に優しい中の人に!

だからと言って別に書かないとかそういう方向に持ってく訳ではないので大丈夫です!

こんなアホの子ですが許してね……
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 00:57:50.16 ID:wcKSuzCAO
男「なぁメイドよ」

メ「珍しく主様からフリが入りましたね。何すか、まさか告白イベント? 満を持した割にはまだまだ好感度が足りないどすえ」

男「全体的に面倒くさいからつっこまないぞ」

メ「昔の主様なら三文字で簡潔に笑いを取りながら話題を進める程度のツッコミ力があったのに。嗚呼、あの頃の主様はどこへ!」

男「全盛期の俺、万能過ぎるだろ。いやそうじゃなくて。スカートの話だ」

メ「履くんですか? さすが女装癖持ち」

男「勿論違うからな?」

メ「でも先日も有事に備えて腸洗浄したじゃないっすか」

男「さもしたように嘘をつくのはやめるんだ。お前、話を進める気がないだろ」

メ「主様のペースに乗るなんて考えられないっすからね。馬になるなら乗ってもいいですが」

男「なんだろう。主と呼ばれてるんじゃなくてただのあだ名なんだって分かってきた。今更すぎるけど」

メ「そんなどうでもいい感想は後にして早く話を進めてくださいよ」

男「殺意で人に危害を加えられたらお前今頃とんでもない事なってるからな。で、スカートだよ、スカート。長ぇよ」

メ「そりゃロングっすから」

男「冬場だからってそれはどうなんだ。何の為のランジェリーなんだ!」

メ「必死の形相なとこ申し訳ないんですが、お脳は健康ですか? 主様にしてはストレートに壊れてません?」

男「毎日毎日、お前の脚を楽しみに洗濯やら衣類の準備してんのにお前ときたら……一番の意地悪だからな!?」

メ「いやでも寒いし」

男「引きこもってんだろ!! 分かったよ、床暖房するから毎日ミニかホットパンツか下着姿で過ごせよ、いいな!」

メ「何この人こわい」








メ「という夢をですね」

男「お前が俺に対してどういうイメージで接してるかだけはよく分かった」

メ「では床暖房完備してくれるんですね?」

男「しねぇよ!」

メ「じゃあミニとか履かないっすよ! いいんすか?!」

男「長いのは長いのでまくって見えた時にすげぇ興奮するから大丈夫だぞ」

メ「何だろう。夢よりある意味ナチュラルにこの人がこわい」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/15(火) 21:43:38.18 ID:As/5ewLCo
>>188
むやみな節電もよろしくないよ
電力消費で重要なのは発電容量内で安定していること
・火力以外(原発・地熱・風水力等)の発電方式は出力調整が出来ない・しがたい・レスポンスが悪い
・発電した電気は1日のうちの変動量さえ貯蔵できない
何を基準に「地球に優しい」とするか問題だけどエコ(笑)のCO2基準だと一番排出する火力発電に頼る割合が増える事になる
現状火力・原子力以外では出力が小さいので現実解としては原発がクリーン且つ低コスト
ただし今回のように事故が起これば被害も大きい
もっとも、今回爆発した原発はメンテが十分ではなかったのが事故の要因として無視できない
現実的な代案もなく反対し続けた連中と東電の責任は看過できないだろう
今後も十分な代替エネルギーが確保できないかぎり、原発への依存を無くすことは出来ないのだから
原子力アレルギーを起こすのではなく、より安全な原発の開発と運用を行うことが肝要

・・・あれ?何のスレだっけww
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/16(水) 00:57:37.97 ID:PgVkAQVAO
なんかすごい為になること書いてある……すげぇ!

またも大きく揺れたし本当に知識がないとまずいと実感する今日この頃。

良かったらバシバシ災害対策書いてください! 割かしマジに!

え? 自分で調べないのかと?

……ほら、中の人って甘えたがりなんでっ。いやなんか言ってて痛々しいけど。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/16(水) 01:17:49.07 ID:PgVkAQVAO
女「珍しい組み合わせになっちゃったね」

友「だね。今日は仕事は?」

女「こっちで妹嬢さんところのでお仕事があるの。まだ時間はあるけどね。そっちは?」

友「外回り中。この時期は頑張り時だから」

女「頑張り時なのにゆっくりしてていいの?」

友「今日は頑張り時間は終わり。あとはのんびり時間で」

ペラ

女「わ。それが契約の紙? すごいね」

友「前から狙ってたお客様だから。今日で一気に口説き落としてきたよ」

女「ジゴロさんな台詞だね」

友「相手はおじさんだけど」

女「おじさんを誘惑?」

友「違う違う。もぅ、うちの連れみたいな事言わないでよ」

女「あはは。奥さんは元気?」

友「元気というか不健康ではあるけどいつも通りかな。相変わらずっていうか」

女「あはは……」

友「そっちは?」

女「えへへ。それなりに頑張ってみてるかな」

友「そかそか。昔を思えば素晴らしい事だね」

女「あぅ。昔の話はなしだよぉ」

友「ごめんごめん。そういえば男達は元気してる?」

女「うん。相変わらずだった」

友「相変わらずかぁ。中学生みたいな夫婦生活なんだろうね」

女「だねぇ」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/16(水) 01:28:09.47 ID:PgVkAQVAO
女「そういえばこの前なんかね」

友「うんうん」





メ『セクハラされました。家裁に連絡しますから助けてください』

女『え? え? どうしたの? 何されたの? 相手がどんな奴かわかる? 男くんには話した?』

メ『その主様が犯人です!』

女『へ……ぅ?』

メ『奴めは二人でDVD見てた時、ちょっとラブでロマンスなシーンになった時に、いきなり……!!』

女『まさか無理矢理?』

メ『はい……勝手に了承もなく太ももを撫でられました』

女『え? あ、え? 撫で……え?』

メ『さわさわって。こう、なんか、ね?』

女『それがすごく嫌だったって話かな?』

メ『や、別に主様以外の奴ならぶち○すまでですが主様ですし。それ自体嫌というワケでもなく流れが、こう』

女『なんとなくえっちになりそうな感じだったんだね』

メ『なっ、痴女発言!? 女さんてばいつの間にそんな属性を!』

女『え、えぇ……まぁそれは否定したいけど今は置いておくよ? とりあえず結論として男くんとそういうのが嫌って事でいいのかな』

メ『ん、あー……嫌って事でもなく単純に気恥ずかしかったり普段大口叩いてるから色々要求されたらどうしたらいいようとか』

女『……』

メ『あと、下手とか思われないかなぁとか、今日まだお風呂入ってなかったなぁとか、下着はちゃんと可愛い奴だったかなぁとか』

女『えっと。切るね?』

メ『なっ?! この裏切り者ぉ!』






女「そのあと延々とノロケ話を……」

友「ど、同情するよ」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/16(水) 01:41:51.67 ID:PgVkAQVAO
委員長「こんな話は知ってるかしら」

命「なんだ。急に」

委員長「この建物の持ち主さんね、エレベーターに乗れないの」

命「ふぅん。閉所恐怖症か何かか」

委員長「似たようなものね。曰わくある経験をしたからだそうなの」

命「閉じ込められた、とかか」

委員長「違うわね。そう……それは今みたいな夜中」


彼はいつも通りに仕事を終え、この14階建てのマンションの最上階へ向かうエレベーターに一人で乗った。

最上階に作った自分用の部屋に向かう為だ。決して絶景とまではいかなくとも夜景を眺めながらの一杯は彼の一日のご褒美。

今夜の肴のレシピを考えながら、彼はエレベーターに乗り込むと最上階のスイッチを押した。

と、動き出して少し経った時、8階のボタンのスイッチが点いた。

委員長「彼は『ああ、誰か乗ってくるんだなぁ』と彼はぼんやり考えていたんだけど、急に慌てて2階、3階とスイッチを押したの」

命「……んん?」

幸いにして動き出してすぐだったことから彼は3階にてエレベーターから降りられた。

ドアをこじ開けるように外へ飛び出すと転げ落ちるように近くのコンビニへ移動する。

結局その晩はコンビニで立ち読みなどをして朝まで過ごした。

委員長「それから彼はエレベーターに乗れなくなった、という事なの」

命「ああ? なんだそりゃ。なんかおかしいか?」

委員長「ゆっくり考えてみるといいわ。どうせ今から向かうんだから」

命「よくわからんがロクな事がないのだけは分かった」

委員長「ふふ……そうね」

命「む、ぅ。しかし一体マジで何なんだろう。……何も変なとこは……」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/17(木) 01:51:31.44 ID:Lg/jprRAO
メ「で、答え合わせは?」

男「みんな分かってるだろうからいらないかなぁと」

メ「まぁ特にひねった内容でもないですしね」

男「そんな楽屋会話」





メ「ところで主様」

男「なんじゃい」

メ「主様は太ももっちゅうか脚がええの? 下着が好きなの?」

男「どちらと答えたとこで俺は何か大事なものを失う気がするんだが」

メ「今更でしょ」

男「素直に頷けねぇな、おい。いやでもあれだよ? どっちもというか合わさらないと最高潮までいかない」

メ「つまり?」

男「生足もいいし生下着もいい。けど可愛いかったり綺麗な刺繍のランジェリーとかストッキングをつけた女性の脚ってヤバくね?」

メ「はい、変態発言いただきましたー」

男「聞いといて!?」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/18(金) 01:26:59.77 ID:iaa1VolAO
メ「大変ですぞ、主様!」

男「八割方大変じゃないのは知ってるけど、どうした?」

メ「NHKの集金が!」

男「ああ、了解。今すぐ用意するから玄関で待ってもらってて」

メ「何をのんきな! 相手は日本破壊結社ですよ!」

男「えらい組織に変貌させられてるな」

メ「そんな奴らにお金を渡すなんて……主様の手を汚させない為に私がその役目を!」

男「お前、がめるじゃん」

メ「……。ま、まさかそんなぁ」

男「逆に嘘ついてますな演技うまいな、おい。いいから待ってもらってきてくれ」

メ「大丈夫です、主様。うちにはテレビないって追い払いましたから」

男「何やってんだおいー!? 毎回謝りに行く手間をかけさせやがって! 今回こそサラッと終わらせる予定だったのに!」

メ「ブラックリスト入りしそうっすね。よ、滞納者」

男「ちゃんと払ってるに決まってんだろうが?!」

メ「果たしてそうかな」

男「そうだよ!」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 10:47:48.61 ID:DFamkR5R0
流石男NHKにちゃんと払うとは…
アナログ放送終わって集金に来たら地デジ非対応のテレビしかないから追い返そう
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/22(火) 00:55:18.22 ID:zCd3ADWAO
男「え……払うのが普通じゃないの?」

メ「主様ぐらいの偽善者かつ騙され体質でないと払いませんね。ええ、間違いなく」

女「そこまででもないと思うけど……うちも払うし」

メ「はい、二羽目の鴨いただきましたー」

女「あぅ」

男「そんなバカ高いワケでもないんだし職員の人が困るだろ? 払ってあげないと」

メ「しゃらっぷ! どうせ見てない番組の為にお金を払うなんざ、なんせんすです!」

男「いや、ニュース見てるし」

女「私も、かな」

メ「……まぁ私もアニメ見ますが」







別に局の回し者じゃないですが払える人は払っておく方がいいかもですね!

久しぶりに顔出して一発目が宣伝くさいという不思議仕様の中の人でした。
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/22(火) 01:05:32.96 ID:zCd3ADWAO
命「このマンションか」

委員長「ええ。時間もいい具合ね。早速件のエレベーターに乗るわよ」

命「あいよ」



委員長「操作は任せるわ」

命「確か乗り込んで最上階の14階をのボタン押す、と。……だよな?」

委員長「ええ。後は通常通りよ」

命「ふぅん。お、動いたな」

委員長「……」

命「で、確かランプが点灯すんだろ? 8階の。誰か乗り込んでくるって事だよな。何が変なんだよ」

委員長「少し違うわね」

命「あ? 違うって何がだよ」

委員長「私は8階のランプとは言ってないわ。8階の“ボタン”のランプが点いた、と聞いてきたのよ」

命「……!! お、おい、それって」

委員長「そういうこと。中に誰か居ないのを確認して乗り込んだはずの室内に誰か居た事になるの」

命「嘘だろ……」

委員長「嘘かどうか調べるのが仕事よ。機器の不具合を疑ったけれどメーカーの回答は白。昼間に調べたけれど再現性はなしだったわ」

命「でも今は点いてないぞ」

委員長「そうね。だから今夜は何度かこれを繰り返すわ。数回試してダメならあなた一人で試行してもらうから」

命「じょ、冗談じゃねぇぞ!」

委員長「勿論本気よ。賃金も出すわ。それとも怖い?」

命「……っ。ああ、やるよ! やりゃあいいんだろ!」

委員長「ええ、よろしくね。ちょっとした肝試しだと思って楽しみなさいな」

命「楽しめるかよ、くそ……」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/22(火) 01:10:29.38 ID:zCd3ADWAO
メ「200!」

男「ペースはあれだけどとりあえずきたな」

メ「息切れ感がハンパないですけどね」

男「ま、まだまだ走れるぞ!」

メ「コースはあるけど体力が」

男「地味にうまい例えしやがって」

メ「とりあえずゴールするまでは歩いていいから頑張ってくださいよ」

男「なんで上から目線かわからんけど頷くしかねぇよこれ」





お題とかも募集してますんでいじメイスレを引き続きよろしくお願いします。








あと意地悪なメイドってジャンルで書ける人は是非書いてみてください!

なんか中の人が書くと違うジャンルにしかならないのでww
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/22(火) 01:19:44.67 ID:lJxbGQHAO
>>200
主様の主様乙ー

では早速お題をば
【ぽぽぽぽーん】
【募金】
【新学期】
【後輩】
【花見】

花見はちょっと早いやも知れんねww

また書けたら書いてみようかな
「意地悪」ってめちゃくちゃ難しいけどなww
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 23:14:17.54 ID:ba81OTiFo
最近NHKの偏向捏造報道が酷くなってきたから
払う価値無いと思ったけど地震報道でちょっと見直した
でもNHKは滅べ
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/23(水) 01:09:21.75 ID:ZBTYJvLt0
男「1行目と2行目と3行目でめまぐるしく評価が変わってるんだが」

メ「これが有名な3段オチってやつですね!」

男「お前わかってて間違ってるだろう」



久々のお題に張り切る中の人です。

が、その張り切りがなぜか中篇、委員長・命ペアの続きを書くほうへ!

……なんでだろ、本当。



いやまぁ、さておき。早め早めの先取りお題は歓迎ですのよ!

そして201さんのいじメイに期待しつつ今夜の分をば!
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/03/23(水) 01:09:58.68 ID:ZBTYJvLt0
「無事、だったのか」

呟きは自身への問いかけ。
一瞬の出来事を終え、気がつけば森の中。
見知らぬ顔に囲まれながらも敵意がないことを感じ取り、一息つく。
みぃ、と子猫のようなむずがるような声は腕の中から。

「お前もここまでよくおとなしくしてくれてたな。偉いぞ」

改めて獣の芳香漂う彼女を抱き寄せ、生きることを実感する。
守れた。彼女だけは。それが今の彼の誇りであり、矜持。

「っと、おい。どうした」

そんな彼の生きるべき目的である獣の娘は何故か彼の腕を振りほどこうと力をこめる。
基礎の部分で能力が違うため、あっさりと腕を振りほどかれると彼女は先ほどの場所まで駆ける。
そう、あの地獄の入り口へと。

「――――ォォォ……ン」

か細く。虚空へと吸い込まれるように鳴いた声はまるで泣き声で。

「……一体何だってんだよ」

「巣への未練かしらね。獣らしく」

後ろからかけられる涼しげな声。
あれだけの地獄を潜り抜けてこの振る舞い。いや、彼女にとってこんなもの地獄でもないのだろう。
いつも通りの凛とした立ち振る舞いを頭で思い描きながら振り返り彼女の名前を呼ぶ。

「その言い方はやめろよ。それより助かったよ、委員……」

けれどその名前を最後まで呼ぶのはかなわない。

「無理をされないでください。深手です」

「仕事には忠実なのね。あの家からすれば私なんて早く消えてほしいでしょうに」

「そのような言い方はおやめください。さぁ、こちらへ」

「結構よ。私に触れていいのは私だけなんだから」

そんな言い合いをただただ絶句して見ているしかない。
命の前に立つ彼女の腹部より下は赤黒く染まり、じっとりと濡れている。

「何? そんなに見つめて。ああ、貴方は私の一部みたいなものだから触れていいのよ。でも今は我慢してちょうだいね」

「あ、当たり前だろ! お前、なんだよその傷!!」

やっとのことで搾り出した言葉。
けれどそんなもの彼女が気にするはずもない。
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/03/23(水) 01:11:16.56 ID:ZBTYJvLt0
「かすり傷よ」

「そんな訳あるかよ!! おい、見せてみろ!!」

「あ……っ。乱暴ね」

弱々しく抵抗する彼女の手を撥ね退け、服をまくればそこには傷はない。

「ほら、言ったでしょ。大丈夫よ」

「……背中か」

すばやく回り込み、そちらに移れば、


「……っっ」

言葉さえ出ない。何度も見たはずのその柔肌は朱く抉れている。
もはや常人ならば立っていることすら不思議なほどの出血を伴うその傷にもはや出来ることはひとつだ。

「あんたら、こいつを助けてくれるんだよな」

「そのつもりだ」

「なら俺から頼む。こいつの一部だって言葉、聞いただろ。だから今すぐ、治療してくれ」

「命、勝手は許さな……ん、くっ」

「ほら見たことかよ。俺らを庇ったんだろ、最後に。だったらこれくらいさせてくれよ……」

ふらりと倒れこむその体を抱きとめ、搾り出すような声で懇願する。
そんな彼の態度に不思議そうに微笑み、彼女は息を吐きつつ答える。

「貴方、私が憎いはずじゃなかったの? おかしな子ね」

「ああ、ムカつくよ。何でもかんでも勝手にしやがって。俺のことなんて眼中になくて」

「そうね。気にしたことなんてなかったもの」

「そのくせ、微妙に気をかけやがって。俺のことを利用するだけなのか、そうじゃないかはっきりしねぇ」

「……ええ」

「訳わかんねぇんだよ、あんた。だから、その理由とか、全部知るまで俺は……」

「くす。そこから先は止めておきなさい。わかったわ、言う通りにしてあげる」

命の肩を借りる形で、委員長は今一度その足で立つ。

「治療できる施設だと、最寄のポイントは?」

「ここからすぐです。こちらへ」

「……ええ、少しお世話になるわ」

そうして彼女は数人の男たちに囲まれ移動を開始する。
それをただ見届けることなど当然許されない命と獣の少女。
委員長とは違う意味合いでの囲まれ方で彼らは進むことになる。
命もそれに従う形で歩き出すが、一人虚空を見つめたまま動かぬ少女。

「おい、行くぞ。あの場所にはもう帰れないんだ。俺のせいだと恨んでくれていい。だから今は……」

意味など通じないとわかっていても、そう釈明しながら彼女の手をとるしかない。
しかし巌のようにその場に固まった彼女が動く気配がない。

「……おいって」

少し強引に肩をつかみ、こちらを振り向かせる。
そこにあったのは、

「お前、泣いて……?」

呆然としながらも涙々と雫を落とす少女の姿だった。
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/03/23(水) 01:12:21.41 ID:ZBTYJvLt0
結局、数分かけてなんとか動きだした彼女を連れてついた場所は少し大きめの倉庫のような場所。
木々に紛れる形でひっそりと建つその場所は意外なほどに清潔で生活に不自由しないような印象がある。
その予想通りともいえるように食事だけでなく簡単な湯浴みの施設やベッドまで備え付けられている。
治療のためにベッド部屋がまるまる占領されている状態で、命が出来ることは少しでも疲れを癒すこと。
そう判断し、備え付けられたシャワー施設を借りれるか確認を取ったところ、委員長から話が通っておりすぐに許可が下りる。
獣の少女を連れ、さっさとシャワー室へと移動し、ここしばらく溜まった汚れを落とす。

「……」

小さなシャワー室で二人きり。相手は半分が獣だとは言え、年頃の少女と変わらぬ肢体。
本来の彼ならば何らかの悪戯心なり、情欲を催す場面だった。
しかし、抜け殻のような少女の様子や、この子を護ろうという気持ちからそんな気分になれず結局はただただその身体を清めるしかない。


半時間ほどかけ、久しぶりにさっぱりとした気分になったはずが、どうにも気持ちは晴れないまま。
少女の様子と、委員長の容態。どちらも彼の心を悩ます種となる。

それでも今すべきことである体力の回復を思い、一室を借り受け少女を抱き寄せながら瞳を閉じる。
どうかこの次に目覚める時は、すべてが終わっていることを祈って。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/23(水) 01:34:09.75 ID:7soK7eGAO
書き終わってから久々にsage忘れてた事実に気付く。やだ! こんな稚拙な文章上げるとか正気の沙汰じゃない!

今すぐ少し前に戻りたい! 寧ろ小学生くらいまで戻りたい……

あと関係ないけどデレデレヒロインっていいですよね。







メ「まぁうちには何ら関係ない話ですが」

男「そこはリクエストに答えてだな」

メ「脳内でやれと」

男「身も蓋もないな! ……でもせっかくだから勝手に妄想してやる」

メ「了解しました。微力ながら協力をば。隣で暴言の数々を囁いて邪魔させていただきマンモス」

男「そこまで嫌なのか、メインヒロイン」

メ「主様には負けますよ」

男「ヒロインじゃねぇから?!」





でも親子二代で割とヒロイン属性。不思議なもんです。
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/24(木) 01:39:35.18 ID:BTtSP3mAO
今夜は会社の送迎会でしこたま飲まされた中の人です。

主賓は俺じゃないのに!

酒が強いキャラで定着したばかりに……うぅ。

そんな訳で申し訳ないですが本日予定してましたお題は明日に! 今夜は明日に備えて寝かせていただきます……





メ「浮気は文化だ」

男「言い切った人が言い切った人だからなぁ」

メ「NTRされる私とか」

男「許すか」

メ「主様も好きな子とにゃんにゃん出来ますよ」

男「お前だけでいい」

メ「……。何真顔になって言ってんの。恥ずかしい」

男「だ、だって本当の事だろうが!」

メ「やーいやーい、バーカバーカ」

男「くそ、何故ここまでこき下ろされてんだ俺」

メ(や、やっべ。じゅんってなった。うぅ……主様のアホぉ)
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 10:26:47.97 ID:LZHp857Oo
バカップル爆発しろ
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/25(金) 00:21:57.78 ID:9ukvtI9AO
メ「どかーん!」

男「……」

メ「何すか? にまにまして。気味と気色と頭悪い」

男「何とでも言うがいい。お前は今、とんでもない事を認めたんだからな!」

メ「人に指差さないでください。折りますよ?」

男「ひゅい!? そして何故視線が指じゃなくて股関なんだ! 何を折る気だ!?」

メ「もぎますよ?」

男「くっ……だがこんなもんじゃ屈しないぞ。何故ならお前は爆発したことでカップルだと認めたんだからな!!」

メ「……。いや、違いますって」

男「いいや、そうだね。とうとう年貢の納め時だぞ。さぁ、たまにはヒロインっぽく甘えてきなさい!」

メ「嫌です」

男「真顔で断りやがった!?」

メ「絶対嫌です。本当に嫌なんで。はい、嫌です」

男「繰り返し方が大事なことなのでってレベルじゃないぞ! そこまで頑なに言われるとマジで凹むんだが」

メ「顔面凹んでるようなもんだからいいじゃないっすか」

男「ルックスなんて……!」

メ「ま、でも」

男「でも何だよ」

メ「何でもないっす」

男「あ、てめ、ちゃんと言えよ! ずるいぞ! にまにましやがって!」

メ「〜♪」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/25(金) 00:22:29.68 ID:9ukvtI9AO
メ「どかーん!」

男「……」

メ「何すか? にまにまして。気味と気色と頭悪い」

男「何とでも言うがいい。お前は今、とんでもない事を認めたんだからな!」

メ「人に指差さないでください。折りますよ?」

男「ひゅい!? そして何故視線が指じゃなくて股関なんだ! 何を折る気だ!?」

メ「もぎますよ?」

男「くっ……だがこんなもんじゃ屈しないぞ。何故ならお前は爆発したことでカップルだと認めたんだからな!!」

メ「……。いや、違いますって」

男「いいや、そうだね。とうとう年貢の納め時だぞ。さぁ、たまにはヒロインっぽく甘えてきなさい!」

メ「嫌です」

男「真顔で断りやがった!?」

メ「絶対嫌です。本当に嫌なんで。はい、嫌です」

男「繰り返し方が大事なことなのでってレベルじゃないぞ! そこまで頑なに言われるとマジで凹むんだが」

メ「顔面凹んでるようなもんだからいいじゃないっすか」

男「ルックスなんて……!」

メ「ま、でも」

男「でも何だよ」

メ「何でもないっす」

男「あ、てめ、ちゃんと言えよ! ずるいぞ! にまにましやがって!」

メ「〜♪」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/25(金) 00:24:27.06 ID:9ukvtI9AO
久々に連投とか……やらかしてしまった。すみません。

とりあえず今夜はお題をばいかせていただきましょう。

そして引き続き募集もしつつ!
213 :【ぽぽぽぽーん】 [sage]:2011/03/25(金) 00:30:38.06 ID:9ukvtI9AO
メ「もはやこの頻度ですと呪詛か何かにしか思えないですね」

男「仕方ないだろ。企業側もCM自粛してんだから流せる繋ぎがACしかないんだし」

メ「そういう大人の事情なんて! 許せなインコ!」

男「微妙に毒されてるのは分かったから」

メ「主様も素敵な挨拶してみたライオン」

男「お前のは挨拶関係なくないか?」

メ「語尾でイカとか! 主様は侵略者か!」

男「すまん、お前が何言ってるかわからない」

メ「という訳で今夜はエビが食べたいでゲソ」

男「普通にコロッケの予定なんだが」

メ「許されると思ってるんスカンク!」

男「ならお前は飯抜きになるぞ」

メ「主様の目ん玉をぽぽぽぽーんして抵抗します」

男「意味変わってるからな?! 怖い方に!」
214 :【募金】 [sage]:2011/03/25(金) 00:43:49.17 ID:9ukvtI9AO
青年「募金をお願いしまーす!」

メ「おーおー、やってますね」

男「繁華街だからな。人通りも多いし適所だろ」

妹嬢「うちの系列からも出資はさせていただいていますが、やはりすぐに救われる訳ではありませんしね」

メ「妹嬢さんが本気出したら案外何とかできちゃいそうっすけど」

妹嬢「世界全体の流れというものがありますから。持てる側には持てる側のルールがありますので」

男「小難しい話で結局目先の困ってる人の為になれないのは悲しいよな」

妹嬢「メイド長。今すぐ集められるだけの資材を現地へ手配しましょう」

メイド長「お嬢様。いいところをお見せしたいのは重々承知しますが先程の御自身の言葉に立ち返っていただきたく思います」

メ「最近頭のネジの弛み方が強烈になってきてません?」

メイド長「あなた如きがお嬢様を侮辱することは私が許しません」

メ「ひっ、何この先端がやたら尖った金属の感触! 背中の服越しなのに命の危機を感じちゃう!」

妹嬢「……すみません、兄さん」

男「何も謝る必要はねぇだろ。出来ない理由があんのにやれなんて言わねぇよ、バカだな」

妹嬢「あぅ……」

男「それよりほら」

妹嬢「この百円は?」

男「一緒に募金しようぜ。純粋に何かしたいって気持ちがあれば額とか量じゃないしさ」

妹嬢「……兄さん。はい、そうですね」



男「ほい。ご苦労様です」

青年「ありがとうございます!」

妹嬢「えぇと、こちらですね」

青年「はい、ありがとうござ……」

妹嬢「このように微力でしかありませんが、私も協力したいと思います。お寒い中、大変でしょうが、どうかよろしくお願いします」

青年「は、はひ……」




メ「おーおー。罪な女ですな、おたくのお嬢様は。手なんか握っちゃってまぁ」

メイド長「……お嬢様ですから」

メ「実は羨ましかったり?」

メイド長「黙りなさい。縫いつけますよ」

メ「ひゅい!?」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/26(土) 02:06:22.49 ID:XjcxGt9AO
男「……」

メイド長「……」

男「……」

メイド長「……」

男「あの」

メイド長「何か?」

男「いや、えっと……何でもないです」

メイド長「そうですか」

男「……」

メイド長「……」

男(ぐ。やっぱこの人苦手だぁぁ〜!! 小さい頃のトラウマで未だに二人きりはきつい……)

メイド長「……坊ちゃん」

男「は、はひ!?」

メイド長「いえ、何でもありません」

男「そ、そっすか」

メイド長「はい」

男(ああもう無駄にプレッシャーばっかりかけられてるよぉ……胃が痛い)

メイド長(お嬢様を未だに誑かす罰です。せいぜい勝手に緊張なさってください)
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/26(土) 02:11:20.22 ID:XjcxGt9AO
意地悪するならこの人の方が適任な気がする中の人です。

ただ絶望的なまでに進展性がなかった!

まぁ両立が難しいジャンルなのですね……精進不足か。
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 03:53:01.88 ID:sdLaG7JJo
なるほど、こういういじめもありか

妹嬢のおちんちんってあまり大きくないんだっけ?
兄さんが絶望する大きさを想定してたけど
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/26(土) 09:03:53.96 ID:XjcxGt9AO
妹嬢「っ……、……!」

メ「どーどーどー。はい落ち着いて深呼吸ー」

妹嬢「すー、……はー」

メ「では股関にぶら下げた立派なものを見せびらかして差し上げましょう」

妹嬢「ついてませんってば!!!」

メ「おうふ。声だけでビリビリした」

妹嬢「何故ついている前提で話が進むんですか! 私は女ですよ!」

メ「女だからついてるんすよ。わかってないなぁ」

妹嬢「私ですか!? 私がおかしいのですか?!」

メ「ちなみにサイズはミニマムからマキシマムまで自由なのが売りですよね。基本主様よりデカいですが」

妹嬢「違います!!」

メ「なんと。主様と比べるのもおこがましいレベルでしたか。失礼しました」

妹嬢「そんな訳ありません!! 兄さんのだって立派です!」

メ「平均あるかないか程度じゃないすか」

妹嬢「そ、でも、えぇと!」

メ「結論として妹嬢さんは立派な息子さんをお持ちです」

妹嬢「娘しかいません!?」








男「これ一番の被害者は俺だろ」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/27(日) 00:03:40.86 ID:X2l8Tlmqo
あ、妹嬢のがしょたちんこなのは俺の妄想なだけで公式じゃないよ
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 13:30:33.58 ID:Vt4PSKRm0
妹嬢のち○ことか2本位有りそう
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/03/28(月) 01:12:02.35 ID:FebxJN5e0
夢を見た。
獣の少女が、そっと命の頬を撫でる。
言葉はわからないけれど、ただその瞳が言っている。

――サヨナラ

ああ。行くのか。
漠然とそれだけを感じ、俺は手を伸ばす。
けれど虚空を握ったその手には何も残らない。
彼女は背を向け歩いていく。
それがたまらなく悲しくて――





粘着質な音を感じ、目覚める。そう遠くない場所だろう。
虚ろな意識は水面に近づくようにゆっくりと覚醒へと近づく。
泥のように重たい身体は久々の休息らしい休息を得たからだろうか。
薄い毛布を押しのけ、電灯に手を伸ばす。

「電気、誰か消したのか」

寝ている自分を気遣ってなのだろうか。
この施設はそこそこの規模であり、電気も通っていたのは覚えている。
しかし現在この部屋の明かりは自分の近くにあった電灯のものだけ。
それ以外が消されているのだから、きっとそういうことなのだろう。

「寝るか、もう一度」

まだ気だるい身体を再び横にし、そこで隣に気配がないことに気づく。
獣の少女は確かに自分の隣にいたはずで、今まで寝相が悪くどこかへ消えたということはない。

「まさか、嘘だろ!」

跳ね起き、すぐに部屋の出口へと向かう。
可能性として思い至ったのは自分だけが置いていかれたというもの。
彼女なら、委員長ならやりかねない。安全だと勝手に思い込んでしまっていた。
心の隙を利用してくる相手なのだから、十分にありうるだろう。
少女を連れ、怪我をした演技でこの場において重要なものだけを入手していく。
始末されなかったのは温情? それとも何か理由があってか。
とにかく全てにおいて心を許しすぎていた。まだここは敵地なのだ。

「くそ、冗談じゃねぇぞ」

廊下に出て異常事態であるとすぐに気づく。
来た時にはついていた明かりが全て落ちている。
ますますをもって彼女らが引き払った可能性が濃厚になる。
幸い、携帯できるサイズだった電灯を片手に彼は走る。
この施設の出口へ向かい一目散に走り、

「!?」

急な動きで彼はひとつの部屋に引き込まれる。
さながら、獲物を狩る食虫植物のように。
音ひとつ、光すらも廊下には残らなかった。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/03/28(月) 01:13:46.19 ID:FebxJN5e0
「静かに。音を出さないで」

耳元で空気の振動のみで伝えられる。
音として最低限のものが捉えたのはそんな言葉。
電灯はいつの間にか光を落とされ、身体は自由を奪われている。
しかし、そこに痛みはなくこちらへの気遣いを感じ取り、抵抗はしない。

「いい子ね。暗さに目が慣れるまではじっとしていて」

その声の涼しさに声の主がすぐに思い至り、命は指示に従い力を抜く。
瞳を閉じ、闇を受け入れじっと。

数分近くそうしていたか。
ゆっくりと拘束していた何者かが離れる。

「無事だったようね。命」

こくり、と頷き振り返れば想像通りの顔。
委員長、と声には出さずに空気だけを吐く。
自分には彼女のような技術はない。音を出すなと言われたのだから。

「状況を簡単に説明するわ。見なさい」

そうして見せられるのは、

「……っ!?」

危うく出すところだった声と振動を彼女が抑える。
そこにあった……いや、“居た”のは先ほどの一団の一人。
いや、もう一人という数え方は違うだろ。
ひとつの無残な肉の塊がそこにあったのだから。

「あいつが、肉塊がね。どうやら出ているようなの」

あまり余裕のない彼女の呼吸に本調子でないことを悟る。
それでも気丈にこちらへと情報を伝えてくる。

「私が目覚めてすぐよ。入り口で銃撃の音がしたの。後は散々。私も逃げの一手でかくれんぼ状態」

要はあれに正面から踏み込まれて、応戦むなしくこの惨状ということなのだろうか。
だが、おかしい。あの境界らしきものは機能していたはず。というより、すぐに追ってこなかった。
なのに今にしてどうして。

「あの子猫がね。やってくれたみたい。貴方もあの子、見かけていないでしょ」

彼女はこちらの表情からある程度の意思を汲み取り説明をくれる。
だとすれば、この惨劇を呼び込んだのは……。

「……。今は生き残ることだけを考えなさい」

強く手を握られる。
決して強くはない。けれど強い意志は感じる。
だから、頷く。今を見ろ。そう伝える彼女の意思に。

「でも貴方が生きていたのは正直予想外だったわ」

こちらこそだ。というより置いていかれたと思っていた。とは勿論言えないが。
しかし彼女の物言いも気になる。

「私たちが襲撃を受けたのは二時間も前。その間にほぼこの施設内の人間は私以外ほぼ全滅」

ほぼ、というのは確認をしていないだけでというニュアンスだろうか。
自分が生きていたことが意外といわれる以上、実質的には全滅なのだろう。

「だからこうして手が増えたことは純粋にありがたいわ。命、頼りにさせてちょうだい」

初めて、個人として頼られる。
その事実が胸の中にストンと収まる。
それだけで、気力がわく。

「いい顔ね。素敵よ」

そうして微笑む彼女の口から次に俺へと伝えられた言葉は信じがたいものだった。
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/03/28(月) 01:21:49.89 ID:FebxJN5e0
妹嬢「いいですね。久々のシリアスな空気です」

メ「あ、シリアスブレイカーの妹様ではないですか」

妹嬢「なっ!? 私といえばシリアス、シリアスといえば私でしょう!」

メ「2本くらい生えてるとか言われる人はシリアスとはほど遠いかと」

妹嬢「そういう身体に弄られた、という悲劇的な設定とかあるじゃないですか!」

メ「お、久々に付いてるに肯定的な意見が」

妹嬢「ち、違います!? 例えばの話です! あと毎回同じ台詞を言うと飽きられる気がしまして」

メ「じゃあ付いてるんですか?」

妹嬢「付いてません!!」

メ「これ聞かないと落ち着かなくなりましたよ。調教されちゃった感じですね、はい」

妹嬢「そんな調教ありえませんから!」

メ「妹嬢様は本気出したら本数もいけそうですよねー。ショクーシュも自由自在とか完全エロゲじゃないっすか」

妹嬢「さも出来るように言われてもできません!?」

メ「ほら、なんか同じような化け物出てますし、すぐ前で。大人委員長さんをエロエロCGに持ち込んじゃいましょう!」

妹嬢「そんなシーン作りません!!」

メ「絵心ないですもんね、中の人」

妹嬢「そういう意味ではなく!?」

メ「でも羨ましいんですよ? こんな人気なのはいまや妹様だけなんですから」

妹嬢「そんな人気なんて……」

メ「要らないですか?」

妹嬢「要る、要らないではなく! ……いえ、その、ありがたいですが」

メ「ち○こが?」

妹嬢「もうこのループはいやぁぁぁ!?」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/28(月) 05:10:41.08 ID:rNH1R88Eo
一人目が女の、次が男の子なら三人目は究極の存在を目指して両性として生み出された訳か
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/29(火) 00:56:44.80 ID:t8YSkepAO
メ「それっぽいから公式設定にしましょうよ」

妹嬢「人の過去をあっさり決めないでください?!」

メ「いいじゃないすか。なかなか筆を進めないまま風呂敷だけを広げる人が悪いんですから」

妹嬢「あの、さりげなく一番辛い毒を吐きましたね、今」

メ「さておき。中の人の頭の中にある年表らしきものも実は少しずつ矛盾が出てきていくつか設定を切ったり貼ったりしてるらしいんで本当にいいかな、と」

妹嬢「な、何がですか」

メ「もはや看板息子……失礼、看板娘な妹嬢さんの設定が他の皆さんによって固められてもです」

妹嬢「だ、ダメです! そんな事をされたら私、確実に生えるじゃないですか!?」

メ「もしかすると素敵な恋の始まりのきっかけになるかもしれませんよ。ち○こが」

妹嬢「そんなきっかけ嫌ぁぁぁああ!?」
226 :【新学期】 [sage]:2011/03/29(火) 01:11:15.65 ID:t8YSkepAO
冥「えへへ〜」

冥友A「あんたは何時でも楽しそうでいいわね、本当」

冥友B「この子くらいよ。新学期なんて始まってニコニコしてるの」

冥「だってみんなと会えるんだよ? すごい楽しみ!」

冥友A「鼻の下伸ばして近づいてくる猿みたいな野郎共ばっかじゃない」

冥友B「もしくは群れないと自分の妬みの意見すら出来ない陰湿な女くらいかしら」

冥「そんな子いたかなぁ?」

冥友A「この子、多分いじめられてもこんな顔で毎日登校しそうよね」

冥友B「いじめられる姿も想像出来ないけれどね」

冥友A「うちらと違って、ね」

冥友B「私まで含めないでくれるかしら。腐れビッ○さん」

冥友A「そういやあんたは外面だけは化粧くらいうまいわよね。この性格ドブス」

冥友B「見てくれが男なら誰でも股開く奴に言われたくないわね」

冥友A「金さえもらえれば豚にでも股を開くあんたよりマシじゃない?」

冥友B「……」

冥友A「……」

冥「二人とも新学期から仲良しだねっ」

冥友A「……はぁ。そうね、あんたから見たらそうなるのよね」

冥友B「そういうことにしておいて。負けたわ」

冥「ふぇ? 何? 二人ともどうかしたの?」

冥友A「何でもないわよ。それより今日はパパさんの手料理弁当よね? 私に寄越しなさい」

冥友B「やめておきなさい。この味音痴より私がいただいた方がよっぽどお義父さんのためよ」

冥友A「何よ」

冥友B「別に」

冥「大丈夫! そう思って三つ用意したから! 一つはパパのでもう一つはママ!」

冥友A「既に罰ゲームクラスが入った気がするけど一応聞いた方がいいのかしら」

冥友B「毒も食らうなら対処がわかってるものの方がいいでしょ。冥、最後のは誰が作ったのかしら」

冥「えへへ〜。ないしょ〜」

二人((ああ、絶対こいつが作った危険物だ))
227 :【後輩】 [sage]:2011/03/29(火) 01:19:23.81 ID:t8YSkepAO
メ「ほれ。雑魚メイド達よ、働くのデス」

メイド長「あなたも働きなさい」

メ「私は主様専属っすよ! いわば近衛兵。つまり雑務は業務対象外なんです!」

メイド長「だったらこちらは管轄外でしょうに。志気が下がるので出てこないようにしなさい」

メ「えー。だって可愛い後輩達をいびりたいじゃないっすか」

メイド長「では貴女の上司にあたる私から指示を差し上げましょうか」

メ「パワハラ反対! 意地悪禁止!」

メイド長「自分に甘く他人に厳しい人間には誰もついてきませんよ」

メ「私はロンリーウルフですから。へへっ」

メイド長「ではぼっちさんは早々にお帰りください」

メ「サラッと言葉の刃物を振りかざしてきた!」

メイド長「足らなければ串刺しにして差し上げますが。物理的に」

メ「掃除って楽しいっすね! いやー、労働最高!! ……あ、壷割れた」

メイド長(しまった。この展開は間違いなく逆に散らかされてしまう……なんて扱いの難しい)
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 01:53:23.73 ID:hfhUXD//o
純粋な子って可愛いよな
妹嬢もこんくらい素直ならいいのに

そんなお題
【ボクと契約して魔法少女になってよ】
【ボクと契約して魔法野郎になってよ】
【ボクと契約して魔法男子になってよ】
【いいんちょがぱっくんちょ】
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/30(水) 01:03:36.70 ID:HiyszoKAO
妹嬢「私のどこが純粋でないと!?」

メ「股間に不純物付いてるからでは」

妹嬢「付いてませんから!?」

メ「でもうちの娘は私に似て天真爛漫。かつ可愛くてスタイルも良く素直で優しく裏表がない上に可愛くて時々困った子なのが憎めないキュートな子なんです」

妹嬢「同じ単語が二回入ってますが。まぁ素直なところは認めますけれど。親に似ないで」

メ「もはやこのスレにおける純粋無垢なのは私を筆頭に冥とめいどさんくらいなものですね。次点で女さん」

妹嬢「対極の不純まっしぐらの筆頭なのは知ってますが」

メ「とにかく言える事は純粋にいきましょうってことです」

妹嬢「私は純粋です!」

メ「ならば自分を偽らずに! もろだしていきましょう!」

妹嬢「出すものなどありませんから!?」
230 :【花見】 [sage]:2011/03/30(水) 01:15:59.64 ID:HiyszoKAO
メ「乾杯」

男「乾杯」



チンッ

男「んっ……は、ぁ」

メ「女の私より艶っぽく呑むのやめてもらえますかね」

男「べ、別に意識してやってる訳じゃないぞ。それに酒をこんなに飲んだのが久しぶりだし」

メ「お猪口一杯で何言ってんすか。野郎のいいとこ見せてくださいよ」

男「だからちゃんと一杯目は杯を乾かしたろうが。そんなに煽るなよ」

メ「いいや、煽りますね。約束してたのに春は無理だとか言い出してこんな山の中に連れ出して。こんなんじゃ騙されないっすからね」

男「悪かったって。俺だってのんびり行きたかったけどどうしても春先は忙しいから……」

メ「なーんて。わかってますよ。主様の甲斐性なしは今に始まった事じゃないし」

男「微妙に失礼な」

メ「けどまぁ、約束を守ろうと頑張ったのは評価しましょう。痛みに耐えて頑張った! 感動した!」

男「古いフレーズ持ち出しやがって。ま、例年みたいにみんなととはいかなかったけど、許してくれな」

メ「出来れば私としてはこれのがいいんすけど」

男「ん?」

メ「主様に膝枕すんのはごめんだからやっぱり酔わさないでいこうと思っただけです」

男「なら俺がしてやろうか。なんてな」

メ「じゃあ10キロのダンベル用意するんでお願いします」

男「何をする気だ!?」

メ「花を見ながら風流に主様の苦悶の顔を眺めてひたすらニヤニヤします」

男「そんな場面で正直さはいらんっての。ったく……んく」

メ「ね、主様」

男「んー?」

メ「えっちぃことしたげましょうか」

男「ぶふぅ!!?」

メ「やーいやーい」

男「お、おまっ、器官に、けほっ」

メ「可愛いやっちゃ」

男「マジで襲ってやろうかこんにゃろ」

メ「どうせ酔っ払ってふにゃちんですよ」

男「なら頑張れるとこ見せてやるはらら〜!」

メ「早くも呂律が危ない」

男「ぅー」

メ「さてさて。酔っ払い主様でも可愛がりながら酒の続きといきますか」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/31(木) 00:02:34.19 ID:JCGThpTAO
こんばんようございます。中の人です。

今夜はお題消化の予定! ……なのですが実は中の人はまどかマギカを全然知らなかったりww

ちだまりスケッチなのは何となく程度には知ってるけど多分かけ離れた何かになりますがご容赦をば。

というかお題だからそれにそいつついじメイ風に! な感じで。



数分後。そこには下手に真似ようとして全くうまくいかずうなだれる中の人の姿が……!
232 :【ボクと契約して魔法少女になってよ】 [sage]:2011/03/31(木) 00:21:52.98 ID:JCGThpTAO
メ「……あ?」

?「魔法少女にならない? 何でもひとつ願い事が叶うよ」

メ「じゃあ何でも願い事が叶う体質にしてもらいましょうか。但し取り消し自由で無理な事は一切なしの」

?「……」






?「ボクと契約して魔法少女になってよ」

女「えと、あの……年齢的にもう魔法少女じゃないかなぁ、って」

?「何でもひとつ願い事が叶うよ」

女「あ、だったら他の困ってる人を助けてあげてほしいな」

?「……」





?「ボクと契約(略)」

姉「君、美味しそうだね」

?「え? あ、それより契約してくれれば何でもひとつ願い事が叶うよ」

姉「食べていい?」

?「……」





?「ボクと(略)」

妹嬢「また変な属性を付けられるなんてごめんです! 帰ってください!!」

?「……」






?「なんだかこう……違うよね、ここの人」






委員長「私のところに来ない理由は何なのかしら」

妹「と、特別枠だよ! きっと!」
233 :【ボクと契約して魔法野郎になってよ】 [sage]:2011/03/31(木) 00:25:22.33 ID:JCGThpTAO
?「なりふり構ってられないんだよ」

友「あ、あはは……そういうのは適任がいるからボクはいいや」

?「でも何でもひとつ願い事が叶うよ」

友「んんー。ごめん、願い事は自分で叶えたいからいいや。ありがとう」

?「……」






?「……」

女弟「……」

?「……」

女弟「……」

?「パス」

女弟「うぉぉい?!」








?「やっぱりダメなのかなぁ」

男「はぁ、誰でもいいから助けてくれよ……今なら悪魔にでも魂売るぞ、俺は」

?「……!!!」
234 :【ボクと契約して魔法男子になってよ】 [sage]:2011/03/31(木) 00:36:06.71 ID:JCGThpTAO
?「今なら願い事がひとつ何でも叶うよ」

男「ま、マジか」

?「本当の本当だね」

男「もはや頷く以外に選択肢がないはずなんだが不穏な単語が聞こえたんだ」

?「さぁ、気にせず気にせず」

男「サラッと先に進もうとするのはよくないぞ。魔法男子ってなんだ」

?「魔法使いだよ? さ、疑問は解けたよね。じゃあ契約を……」

男「待て待て待て待て。じゃあ魔法使いでいいだろうが」

?「魔法使いっぼいから同じことだね。さ、契約を……」

男「いやいやいやだからよ。俺は魔法使いになるんだよな?」

?「ほぼそういうことだね」

男「ほぼ? ほぼって何だ? やっぱり魔法男子なんだな?」

?「気にしすぎだよ。大丈夫、魔法は魔法だから」

男「全然理由になってねぇよ!?」

?「でも何でも願い事が叶うよ?」

男「む……ぬぅ」

?「契約、いいよね」

男「まぁ、うぅん」

?「それじゃあ……」

メ「あ」

男・?「「げ」」

メ「さっきの訳わからん生き物」

男「お前、何しにきたんだよ」

メ「ああ、主様。はい、これ」

男「なんだこの写真」

メ「男子ちゃんの時に撮影したセクシーショットです。学校にばらまいておきました」

男「て、てめぇー!? 人がそれで落ち込んでんのに更に傷口に塩を塗りたくりやがったなぁー!?」

?「ほら、そんなことよりボクと契約……」

男「うるせぇ! 絶対魔法男子なんかやるか!! 帰れっ!」

?「……」

メ「あ、どっか行った」

男「そんなんはどうでもいい! それよりどうしてくれんだよ、この状況!?」

メ「まだばらまいてませんから大丈夫です。けどまぁ軽く強請ろうかなと」

男「堂々と主人を強請るやつがあるか!?」






?「……諦めよ」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 00:44:36.63 ID:7xXlArSBo
生まれて初めてQBに同情した
弟君はさすがにアウトかww

だが魔法男子はみたかった
236 :【いいんちょがぱっくんちょ】 [sage]:2011/03/31(木) 00:57:20.82 ID:JCGThpTAO
委員長「知ってるわ。魔法少女側が惨い死に方をするんでしょう。私にその役目が回ってきたのね」

妹「……う、うん」

委員長「何か言いたそうね。いいのよ、言ってみなさい」

妹「お、お姉ちゃんはメインヒロインなんだからそんな役回りがくるかなぁって!」

委員長「一理あるわね」

妹「だからもしかしたら何かの手違……」

命「お前がヤられるタマかよ。逆だろ、ヤる側だろ」

委員長「……」

妹「ちょ、ばっ!? 違うからね? お姉ちゃんは全然そんな役目じゃないからね!」

命「第一魔法少女に選ばれるかっての。ターミネーターとかだろ」

妹「あわわわわ」

委員長「……。命」

命「何だよ」

委員長「精一杯強がって。可愛いわね」

命「ちげーよ、ばか!」

妹(あ、あれ? なんか思ってたのと違う展開? やった! 久しぶりに平穏にお題が終わ……)

?「あ、君。ボ(略)」

妹「あ? 何で私が……はっ!?」

ゴゴゴゴ

委員長「……」

妹「いや、あの、だからこれは」

委員長「早く契約しなさいな。私がお題通りに動いてあげるから」

妹「ひぃぃぃいい!?」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 01:00:52.62 ID:I2xXODIK0
中の人乙ー
ぱっくんちょ「する」側w流石いいんちょ伊達に落ち担当でh
うわなにをするやめr
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/31(木) 01:05:12.97 ID:JCGThpTAO
魔男「マジカル☆アンカーただいま推参っ」

男子「魔法☆男子、同じ見参っ」

魔男「二人の力が一つになって」

男子「世の中の悪を討滅します!」

魔男「ララルル!」

男子「マジカル!」

二人「「ハートフル♪」」

男子「あなたのはぁと」

魔男「牽引しますっ」








メ「あれ。中身どっちも野郎なんすよね」

魔女「素敵ですね。まだ恥じらってますよ、二人とも」

メ「ドSっすなぁ」

魔女「はい。二人にはピンチになっていただきますので」

メ「服だけ溶けるタイプ希望」

魔女「お任せください」

魔妹「それでいいのか味方組」







そんなマジカルは始まりません。

女弟「俺がやる! 俺がやるぞ!」

始まりません。絶対始まりません。

女弟「……」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/31(木) 01:11:04.61 ID:JCGThpTAO
委員長「……」

?「……」

委員長「……」

?「……許してください」

委員長「何故そんな反応なのかしら」

?「その、いやだから違うというか根本的にこちら側というか」

委員長「要領を得ないわね。席が空いていないなら無理矢理空けさせるけれど」

?「うん、だからその発想が既に適正から外れまくってるというか」

命「賞味期限切れか」

バスン!

命「っぶね?! 今の威嚇射撃ってレベルじゃねぇだろ!」

委員長「おかしいわね。確かに威嚇のつもりじゃなかったもの」

命「なっ……?!」

?(流れで助けちゃったけど……ああ、早く解放されないかな)
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 01:14:49.88 ID:7xXlArSBo
ちなみにいいんちょの変身した奴は「シャルロッテ」って言うそうです
初期形態は可愛らしいけど一皮向けばぱっくんちょって辺りがいかにもいいんちょさんpp
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/31(木) 01:40:01.88 ID:JCGThpTAO
委員長「どういう意味か説明してもらおうかしら」

妹「凶器片手はよくないよ! お姉ちゃん、ヒロインヒロイン!」

命「ヒロインじゃなくて中ボスだろ」

委員長「……」

妹「ひぃぃぃいい?! わ、私は関係ないよ!?」

命「魔法少女にでも助けを求めてみるか?」

妹「あんたが原因なんだから頭下げてお姉ちゃんに助けを求めなさいよ!?」






魔法少女って難しいね! テヘペロ☆
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/31(木) 20:25:33.62 ID:C4rYbzFIo
委員長は魔法少女じゃなく魔女(妖艶さ的な意味で)だよな
エロくて命を奪われかねないって面ではサキュバス的でもあるか・・・
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/31(木) 23:59:42.28 ID:JCGThpTAO
命「もっと端的に言えば死神とかがお似合いだな」

委員長「あら。あなたにしてはセンスのある例えね」

妹「なんで肯定的なのお姉ちゃん!?」

命「艶っぽいのは認めるけど精気を吸うってよりは命を狩りにきてるからだろ」

委員長「だいたい正解ね」

妹「全然違うよ! お姉ちゃんはそんなんじゃないんだから! あんた勝手な事ばっか言ってるとぶっ飛ばすわよ!」

命「別に勝手な事だけ言ってるつもりはないけどな」

委員長「ありがとう、妹」

妹「お姉ちゃん……何でそんな寂しそうな顔すんのよ」

委員長「ありがとう……」

命「……。ほら、似合わねぇことしてないでさっさとガヤガヤやろうぜ」

委員長「不器用ね」

命「あ?」

妹「やーいやーい、ぶぁーか!」

命「このガキんちょ……犯すぞ」

委員長「あなたが言うと本気にしか聞こえないわね」

命「あ? マジに決まってんだろ」

妹「へ、変態だー! ロリコンだー!」

命「関係あるか。抱ける相手なら誰であろうが抱く。そんだけだ」

委員長「言い切ってる台詞の意味が悲しいまでに浅いわね」

妹「しねばいいのに」

命「けっ」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 00:33:43.15 ID:kIT8ZdIGo
妹嬢が今までふたなりかと思ってたら、やっぱりそんなことはなかった
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/01(金) 00:48:12.97 ID:/0KanfhUo
命が居る時代なら妹もそれなりの歳のはずだろww
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/01(金) 01:08:43.39 ID:NP+SPB8AO
妹嬢「私はいつだって清い乙女の体です! ですから付いてなどいないのです!」

メ「清い乙女(笑)」

妹嬢「痛みだけを極限まで引き出す方法などいくらでもあると体に教えて差し上げましょうか」

メ「ご、拷問反対っ! 痛いのいくない!」

妹嬢「全く。からかう相手を考えなさいな」

メ「いや、妹嬢さんだからからかうんですが」

妹嬢「何故です?!」

女「親しみやすいし」

友「なんだかんだでいい人だし」

メイド長「気高く美しいメインヒロインだからです」

メ「最後理由としては違うくないすか」

メイド長「黙りなさい端役」

メ「こちとらメインヒロインなんすよ! そっちこそ端役じゃないすか!」

メイド長「私はヒロインのパートナー役です」

妹嬢「はい?」

メイド長「取り乱しました。要するにお嬢様に従う忠臣ということです」

メ「まさかヒーロー的な立ち位置であるとかヒロインの恋人役とかいう意味じゃないっすよね〜」

メイド長「……。お嬢様は皆様に愛される素敵な方ということです」

メ「なんかスルーされとる!?」










妹嬢「それより私に対する評価を兄さんがしていただけないのは何故なのでしょうか」

メイド長(恐らくトドメになりかねない一言が飛んでくるからだと思われます。……とは間違っても言えませんね)
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/01(金) 01:13:08.85 ID:NP+SPB8AO
妹「う……」

命「確かにそうだな。年齢的にゃ三十路あたりだろ」

妹「だからそれはほら、楽屋会話だから許されるんだって! 深くつっこまない!」

命「でも楽屋会話的なノリだとよく出るけどガチっぽい時は未だに出会ってないよな。何でだ?」

妹「し、知らないわよ。どうでもいいでしょ!」

命「なんか腑に落ちねぇんだよな……」

委員長「その内話が進めば分かるわよ。進まないかもしれないけれど」

妹「あーぅー。進まないでいいような!」

命「進め進め。今のしんけくさい状態をさっさと終わらせようぜ」

委員長「……そうね」

妹「……」

命「なんだこの空気」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/01(金) 01:29:43.64 ID:NP+SPB8AO
命「そんな話題より何か面白いことねぇのかよ」

委員長「そうね。だったら命にプレゼントでもあげようかしら」

命「お? なんだ、俺は恨みも痴情のもつれも遠慮なくいただくぞ」

妹「遠慮しろよ、それは……ってお姉ちゃん!?」

委員長「じっとしてなさいね」スッ

命「ん」

妹「はわわわわ、ち、近い近い近い! 何抱き合ってるの! こらー、お姉ちゃんから離れなさいよー!!」

委員長「出来たわ。似合うじゃない」

命「……お前、首輪って」

委員長「可愛いわよ。私だけの奴隷の印」

妹「な、なんだビックリした……そうよね、お姉ちゃんがこんな奴とどうこうなんて……」

委員長「おいで。じっとしていた御褒美をあげるわ」

命「ん」

妹「ぎゃぁぁぁあああ! いやぁぁぁあああ! 何キスしてんのよ二人とも! バカバカバカバカ!?」

委員長「あら。ペットを可愛がってるだけじゃない」

命「誰がペットか。それよりお前、妬いてんのか?」

妹「あ、当たり前でしょ。お姉ちゃんにそんなことして!」

命「悪かったよ。お前にもしてやるから」

妹「ぎゃぁぁぁあああ! くんな、くんなバカー!」







妹「はぁ、はぁ。貞操は守り抜いた」

命「シャイすぎだろ」

妹「これがシャイなもんかアホー!? 見てくれいいからって調子のんな!」

委員長「器量がいいのわ充分得意になるべき点ではあるけれどね」

命「だってよ」

妹「む、ぐ」

妹(確かにすごい、というかめちゃくちゃいい男だけど……うぅぅ。ヤバい、かっこいい)

妹「って私は何を血迷ってんだぁぁぁあああ!」

命「お前の妹、ヤバくないか」

委員長「可愛いでしょ」

命「さいですか」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 01:57:52.79 ID:kIT8ZdIGo
今年は震災の影響で自粛らしいな
残念だけど仕方がないのかな・・・
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 18:31:48.09 ID:kIT8ZdIGo
ごめん、>>244は嘘だった
騙してごめんね
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/03(日) 03:41:08.42 ID:I+gRBVoAO
男「円谷が今年なかったのが悲しかったな」

メ「四月バカをうちも今年はやりませんでしたね」

男「嘘つくような内容がないだろ」

メ「最終回でーすとか宣言してみるとか」

男「お疲れ様でしたの一言でトドメ刺される気がするんだが」

メ「無言でHTML化依頼に走られたりして」

男「どっちにせよ大ピンチじゃねぇか! やっぱ嘘はよくないってこった」

メ「私は四月バカでなくとも嘘つきますけど」

男「何ら自慢にならんぞ」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/03(日) 03:46:07.99 ID:I+gRBVoAO
妹嬢「何も謝られる必要はありませんからね? 嘘ではないと分かっていますからね?」

メ「人間諦めが大事っすよ」

妹嬢「諦めるくらいなら人間やめます!」

メ「つまりふたなり確定と」

妹嬢「絶対しません!」

メ「まぁ四月一日だけふたなりでした発言する予定が書き込む時間が二日になってて危うく公式設定だったそうですが」

妹嬢「そ、そんな舞台裏のやりとりが!?」

メ「はい。だからもうそんなゴタゴタにならないよう、いっそ生やすべきかと」

妹嬢「あなたは私の発言を聞いてないのですか!?」

メ「スレの声を聞いてます。というか今まで“生やせ”はあれど“生やすな”は一切ないですしね」

妹嬢「うぅ……いっそ男に生まれれば良かったです」

メ「それはまた違うジャンルに……」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 14:53:41.96 ID:6AI6NDD+o
つまり>>246で言うとおり、「生えてない」ってのが嘘ってことか
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/03(日) 18:34:39.65 ID:mg/nZVpQo
妹嬢的には「生えてない」のが一番としても「生えている」のと「生やすも無くすも自由自在」のどっちがいいんだろう
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/04(月) 01:03:55.62 ID:NQJaJY+AO
妹嬢「そこは嘘ではありません! 真実です!」

メ「え、生えてるのが真実?」

妹嬢「く、この都合のいいところしか聞かない耳を引きちぎって差し上げましょうか」

メ「さらっとバイオレンスな」

妹嬢「私は言葉の暴力をこれでもかと受けてますので」

メ「ああ、ペチャパイとか幸薄とか偽妹キャラとか似非お嬢とかチートキャラとか色物のくせに出張りすぎとか?」

妹嬢「口も縫い付けるなりふさいだ方が良さそうですね」

メ「妹嬢さんの立派なモノで口をふさがれちゃうんですね」

妹嬢「もはや何がなんでもそこに持っていかないと気が済まないようですね」

メ「スレ民の三大義務なんで」

妹嬢「そんな義務はありません!?」

メ「妹嬢さんはふたなり、友さんはガチムチ、主様は肉便器に持ってかないといけないとばかり」

妹嬢「そんな根も葉もない風潮は捨ててください?!」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/04(月) 01:14:57.59 ID:NQJaJY+AO
妹嬢「どちらかを選択しなければ存在が抹消されるというならば……後者でしょうか」

メ「ネコもタチもいきたいとか欲張りな」

妹嬢「単語の意味は分かりませんが非常に不愉快な気分にさせられるのだけは分かりました」

メ「でも実際生えさせられるようになったら何に使います?」

妹嬢「生涯使いませんよ! そんなもの!」

メ「男子ちゃんがケツ振って誘ってきてもですか」

妹嬢「……。使いません」

メ「微妙な間が。でも興味わきません? 主様がどんな快楽を味わってるかとか」

妹嬢「べ、別にそんな事に興味は……仮にそうだとしても私は他者にそんな事を求めたりしません」

メ「私、妹嬢さんならいいっすよ」

妹嬢「はい?!」

メ「だから、妹嬢さんになら身体を好きに使っていただいてもいいかなって」

むぎゅ

妹嬢「ちょっと、何を冗談……抱きつかないでください!」

メ「私、そんなに魅力ないっすかね」

妹嬢「それとこれとは、それに同性でそんなのは」

メ「気持ち悪いですか?」

妹嬢「ぅ……」

メ「私だってこんな事言ってておかしいって分かってます! でも、妹嬢さんの為なら、何だって出来る事を知ってもらうにはこれしかなくて」

妹嬢「貴女……」

メ「妹様……」








妹嬢「だったら私が生えてないって認めなさい」

メ「ちっ。雰囲気に流されないあたり主様より手ごわい」

妹嬢「当たり前です!」

メ「身体はって言質を取れればとサービスしたのに」

妹嬢「全く。毎度訳の分からないことを」

メ「へへへ。しかしこれがあの人にバレたら私のクビが飛びかねませんね。物理的に」







ゴゴゴゴ


メイド長「あの泥棒猫……」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/04(月) 01:20:05.97 ID:NQJaJY+AO
メ「そういえば中の人はトリップ付けないんすね」

男「なんでも他と違って一人で書いてくスレじゃないからそんなの要らないとか何とか」

メ「人来ないっすけどね」

男「言ってやるなよ。あと他で感想なり何なり書いた時にトリップ残ってたら宣伝しにきたみたいで嫌とからしい」

メ「痛い子演じて人を呼ぶんすね」

男「それが嫌だから付けないんだって。いや別に痛いレス付ける訳じゃないけど」

メ「知らぬは本人ばかりみたいな」

男「や、やめてやれよ。疑心暗鬼で今後レス出来ない体になるぞ」

メ「他所に出張る余裕あるならこっち頑張れよと」

男「あまりに正論過ぎてフォロー出来ねぇ」
258 :【四コマ風 リターンズ】 [sage]:2011/04/04(月) 01:41:45.61 ID:NQJaJY+AO
【注意喚起】

女「せくはら?」

男「そ、セクハラ。なんか今年の体育教師が噂じゃすげぇセクハラ野郎なんだって」



男「例えばじっと下半身ばっかり見てたり」

女「うわわ」



男「他には馴れ馴れしく話し掛けてきたり肩触ったりとかなんだと」

女「はわわ」



女「それは怖いね……男くん、気をつけてね?」

男「おう! ……ん? あれ?」




【全盛期の姉さん伝説】

妹嬢「姉さんのことですか? そうですね……一度質量を持った残像を出されてましたね」



メイド長「鉄製の扉を目の前で破られた姿を見せられた時は危うくアンチマテリアルライフルを構えましたね」



メ「一度銃弾の雨の中を小脇に抱えられて連れまわされました。二回くらいちびりましたね」



男「姉さん? んー、すごく可愛い人だったかな。大人っぽいのに面倒見なきゃって感じで」

妹嬢(見事に騙しきっていたのもある意味すごい事なんですかね)



【スク水】

姉「えへへ〜」

メ「これは破壊力ありすぎなぱっつんぱっつん……!」


妹「な、なんだよ」

メ「いや、さすが本職だなと」



妹嬢「な、何ですか!! その哀れむような目は!?」

メ「いや、その歳でぴったり似合うのもどうかと。あと股関あたりがモッコリ……」

妹嬢「付いてませんからね?!」



メ「そして最後は」

男「着ないからな!?」

女「準備出来てるよ〜」

男「嘘ぉ!?」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 00:06:00.15 ID:YkEjmekmo
サポーターとかあるからそこまでもっこりしない・・・はず

つまり妹嬢さんのスク水見たいです
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/05(火) 00:37:35.07 ID:Yvm6z1pAO
妹嬢「どうせ私の発育の悪さで盛り上がるに決まってます! だから絶対に着ません!」

メ「わざわざサポートとかのアドバイスまでしてくれてるのにそんな邪険な扱いはどうかと」

妹嬢「むむ……。で、ですが今までずっとそのような扱いでしたし」

メ「私の知る限り妹嬢さんの発育がどうだといじられた方はほぼおられませんよ」

妹嬢「少しはいるんですね」

メ「大半が中の人が発端ですよ」

妹嬢「……た、確かに言われてみれば」

メ「ですから気兼ねなく着替えみてはいかがでしょう。旧、新、競泳に白スクとそれなりに用意はしました」

妹嬢「何故そんな用意が良いんですか」

メ「男子ちゃん用ので用意してたんで」

妹嬢「すざましい勢いで納得させられる身内の存在とはいかがなものなのでしょうね……」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/05(火) 00:48:00.46 ID:Yvm6z1pAO
メ「……むぅ」

妹嬢「分かってます。どうせ発育が悪いですからね。ぴったりですみませんね!」

メ「いや、ぶっちゃけると似合うのは似合うんすけど」

妹嬢「言いたい事ははっきり仰られたらどうですか」

メ「エロいなぁ、と」

妹嬢「は、はい?」

メ「前回は勢いでごまかしてましたけどかなりムラムラきますよね。妹嬢さんのスク水姿」

妹嬢「またそうやってからかって」

メ「いやいやマジですよ。なまじ身体のラインに余分なとこがないから生地の質感と相まって素肌よりエロいんすよ」

妹嬢「あ、ぅ。ここはお礼を言うところなのでしょうか」

メ「いえ、礼には及びません。ここからはメイド長さんと交代しますので」

妹嬢「それが何故、礼が必要ないことに?」

メ「今日はリミッターカット状態になられてますので理性がぶっ飛ばれてまして。とりあえずあれだ。ふぁいと!」

妹嬢「理性? ファイト? 一体何を……」

ゴゴゴゴ

妹嬢「……? なんですかこの威圧感は」

メイド長「お嬢様。そのようなご格好を……私といえどこれ以上は」

妹嬢「すみません、確かにはしたないですね。すぐに着替えます」

メイド長「はい。存分に他のものに着替えましょう。私が直々にお手伝い差し上げますので」

妹嬢「あの、何故息を荒げて……メイド長……さん?」

メイド長「久々に本気を出します。悪しからず」

妹嬢「え、ちょ、きゃぁぁあああ!?」






ドタバタドタバタ

メ「愛されてんなぁ」

男子「全くだな」

メ「あ、スク水の変態だ」

男子「……好きで着てんじゃねえよ」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/05(火) 00:58:14.56 ID:Yvm6z1pAO
冥「ふんふふ〜ん。ね、パパ」

男「ん〜?」

冥「えんこーっていうのがしてみたい!」

ガタン

男「……what's?」

冥「えんこーっていうのをしてみたいです!」

男「やめときなさい。ついでにそれを教わった子にもやめるように言いなさい。聞かないなら友達やめなさい」

冥「えー。やだよー。パパもやってたんでしょ?」

男「やるかい?! 誰が言ってたそんなこと!」

冥「ママにえんこーのこと聞いたらパパが経験者だから聞きなさいって」

男「よし。ママには後から俺が地味だけどすげぇ痛い間接技とかして言い聞かせとくからお前は今すぐその嘘を忘れなさい」

冥「あい! でもみんなにはパパが経験者だから相談するって言っちゃったからみんなにも言わないとだね」

男「お前はパパをナチュラルに貶めるな。って、なんか携帯にメールが」

『私、おじさまとなら遊んでみたいです! お金はあんまり要らないです! 冥友A』

男「……いや、これまず返事に困るし何でこっちのプライベート携帯のアドレスばれてんだ」

冥「あぅ? パパの携帯のアドレスっていつもの以外教えちゃダメだった?」

男「すごくダメだったな。これで一つ賢くなれたのは喜ばしいがそろそろそれくらいわかるようになろうな」

冥「あい!」

男「返事はよし。く……本当にあのバカ息子といい、こっちといい。俺らはどれだけ育児がへたくそなんだ。責任はだいたいうちのバカの気がするけど」

冥「えへへ〜」

男「いや、違うな。この笑顔で全部許してきた俺も悪いんだよな。……はぁ」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/05(火) 22:00:37.16 ID:+HrKXY67o
実は「付いてる」のは妹嬢じゃなくメイド長なんじゃないのか?ww
ところで男はメイド相手にえんこーしてたと言えなくもないような
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/06(水) 00:28:17.14 ID:br49eRCAO
メイド長「お嬢様が望まれるのであればその役目、謹んでお受けしますが」

メ「私情も兼ねて一石二鳥っすね」

メイド長「何が言いたいかわかりかねますね」

メ「意外と男に生まれたかった状態なのかと」

メイド長「お嬢様の周囲に蔓延る邪悪を全てはねのけるだけの力があれば性別は関係ありません。ちなみにあなたも邪悪の一部ですよ」

メ「さらりと宣戦布告されてません、これ。でも結局メイド長さんってお嬢様ラブなんでしょ?」

メイド長「そのような恐れ多い考えには至りません」

メ「ならメイド長さんって生涯独身とか?」

メイド長「この身はただ一振りの剣であればいい。人並みの幸せなど必要ありません」

執事長「んー。それはそれで困るんだけどな」

メ「げ、出た」

執事長「やぁ、自称専属メイドさん。今日も元気にサボりかな? サボりなら管理職としては色々とお話があるんだよね」

メ「さーて主様の面倒みてくるかー。退散っ!」

執事長「全く、逃げ足だけは早いね」

メイド長「……」

執事長「ん? 何?」

メイド長「困られても、……私も困ります」

執事長「そっか。うん、今はその答えで充分かな。あとなるべく君も付いてない方で頼むよ」

メイド長「善処します」

執事長「頼むよ、本当」







妹嬢「くしゅん! ……おかしいですね。身に覚えのない謂われを受けている気がします」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/06(水) 00:34:01.14 ID:br49eRCAO
男「や、別に援交してた訳では」

メ「全く一切? 本当に何ら下心なく接してました?」

男「……一応、その。はい」

メ「制服だと言い張ってメイド服やらランジェリーを付けさせたのも一切私情が絡まないものなんですね」

男「……」

メ「私が色々迷惑かけても給料出し続けて追い出さないでいたのは有用だから何ですね」

男「……」

メ「最終的に手を出したのも」

男「わかった! 悪かった! 下心はあったよ、正直。……お前、その、……いから」

メ「はい?」

男「お前が可愛いから期待しない訳ないだろ! 途中から働かなくても給料出してたのもどっか行ってほしくなかったから! ……これでいいか」

メ「……主様」

男「なんだよ」

メ「やっぱえんこー経験者なんじゃないっすか」

男「そこか! 今ここでそれなのか!?」
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/06(水) 00:37:36.27 ID:k6j0YyW4o
まぁそうなるとメイドもえんこー経験者なわけで・・・
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/06(水) 00:42:53.32 ID:br49eRCAO
メ「久しぶりにおぱーいネタでも」

男「期待したらダメなのに胸が熱くなるのは野郎の性だよな」

メ「では問題です。私の谷間に今挟まってるのは何でしょーか!」

男「無闇やたらに胸を突き出すと思ったらそんな状態だったのか! む、難しいな」

メ「ヒントは胸で隠れるサイズのものです」

男「ヒントの幅が広いな。もうちょい何かないのか」

メ「主様がいつも口にしてるものです」

男「む……卵か」

メ「ぶー。正解は空気でしたー」

男「何だろう。登ってもない山から転げ落ちた気分だ」

メ「残念賞は妹嬢さんの前でちっぱい音頭を踊るか男子ちゃんのデカパイ作戦としてシリコン注入の二択です」

男「謹んで前者で」

メ「決意が早かった。さすが男の中の男な主様。危うく男の娘でしたが」

男「……さて。命がいくつあれば帰ってこれるかな」










逆に泣かれて違う意味で帰ってこれなくなりました。
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/06(水) 00:47:16.11 ID:br49eRCAO
メ「ザ・えんこー夫婦!」

男「すっごい不名誉?!」

冥「パパとママみたいになりたいから私もえんこーしてみたい!」

メ「冥。ダメですよ」

男「なぬ?! 思わぬ場所から正論が出ようとしている」

メ「ママはバカだけどそれなりに自制が効いて金の匂いがする相手を判別出来たから許されたんです。冥は出来ないでしょ」

冥「ぅー、出来ない」

メ「だからえんこーは相手を見つけてママに報告してからにしなさいね? しっかり玉の輿を狙うように」

冥「あい!」

男「すごい勢いで前言撤回しないとうちの娘の未来が危ない」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/06(水) 21:27:52.11 ID:k6j0YyW4o
そういやメイド長、付いてなければ善処する必要がないわけで、つまりは付いてるってことじゃ・・・
妹嬢の前でギンギンにおっ起てて先走りまで滴らせながらも
サラシかなんかでギチギチに締め上げて膨らみを誤魔化し
表情だけは理性で抑えつけて涼しい顔、って事か
えろいな・・・爆発しないように妹嬢は定期的にケアしてあげないとだ
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/07(木) 00:38:24.27 ID:DNJB0j9AO
メ「定期的にケアどころか毎日生殺しですよね。おお可哀想に」

メイド長「そのような情念は持ち合わせておりませんので」

メ「なら何で妹様ハァハァしてるんすか」

メイド長「身に覚えはありませんが」

メ「うわ、きったね! 今までのあれやこれやを無かった事にしにきてるし!」
メイド長「無かった事ですから」

メ「そんなご都合主義に好き勝手やらせるもんすか! だったら妹嬢さんと私で風呂とか入っ……」

ドスッ

メ「……ナイフって壁にこんなに深く刺さるもんなんですね」

メイド長「人肉程度なら貫通もしますが」

メ「串焼きどころかつくねとは。ご勘弁願いたいので前言撤回で」

メイド長「良い心がけで」

メ「しかし何で長さんてば妹様ラブなんすか? 昔何かフラグ立てられたとか?」

メイド長「その名で呼ばぬように。次はありませんので」

メ「刃物の威圧感やべぇ……」

メイド長「私がお嬢様にお仕えする理由はただ一つ。この身全てを捧げても惜しくないと感じたからです」

メ「でも長さ……はい、メイド長さんが妹様に仕え初めたのって子供時代からっすよね?」

メイド長「赤子であらせられる時からですね」

メ「その頃から今みたいに?」

メイド長「いえ。ですがあの方が三度目の誕生日を迎えられた時に全ては決まりました」

メ「あれっすか。今流行りのKill Love(殺し愛)みたいな展開とか?」

メイド長「……よく分かりました。概ね正解です」

メ「マジで?!」

メイド長「正確には暗殺の危機にただ一人で残り我々を逃そうとされました。義務感のみで仕えてきたはずがあちらはそうでは無かったのです」

メ「ほうほう」

メイド長「我々を唯一の家族と呼んでくださいました。当時、その場にいた少ない数の者達ではありましたが……今でも我々は忘れていません」

メ「唯一の家族っすか。主様ハブられてやんの。ぷーくす」

メイド長「……忌々しい事にあの方については唯一の肉親であり憧れであり、心を頂いた方だと仰られたのが数日後でしたが」

メ「すごい三歳児っすね」

メイド長「幼くして聡明であらせられましたから」

メ「あの人今では微塵もないけどやっぱりハイスペックっすなぁ」

メイド長「今でも、ですね?」

メ「刃物の使い方を新しく覚えましたよ、私。相手に頷かせる便利だったんすね……ひぃ!?」
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/07(木) 00:48:58.73 ID:DNJB0j9AO
メ「で、それからゾッコンラブな訳っすか」

メイド長「というよりも心からの忠誠を誓いましたね。義務や責任ではなく魂の盟約として」

メ「重たい単語が並ぶ並ぶ」

メイド長「それだけの意味を見いだしていましたから。それからはお側で過ごさせていただく内に自然と……」

メ「恋しちゃった、と」

メイド長「違います。ええ、違いますとも」

メ「今更隠さなくとも!」

メイド長「……。恋とは違うのです。存在に、在り方に惹かれたと言いますか」

メ「愛しちゃったんですね」

メイド長「ですからそういったものとは……まぁいいでしょう。この感覚はあなたには分からないでしょうから」

メ「すまんちん。や、すいませんって。刃物はダメですって」

メイド長「ですが確かにお嬢様が望まれるのならば私は身体も心も全て捧ぐつもりではあります」

メ「イエス枕で枕元にティッシュ状態っすね。先にシャワー浴びてきました感!」

メイド長「意味は分かりませんが意味合いだけはかろうじて。ですが私から何かをお嬢様に求める事はありませんよ」

メ「前回なんかリミカして迫ってたような」

メイド長「あくまで楽屋ネタですので」

メ「きったね! こういうメタと中身を使い分けるのって一番良くないのに!」

メイド長「何と罵られようが気にしませんが。お嬢様の幸せが私の全てですので」

メ「これだけ愛されてんだから妹嬢さんも抱かれてあげればいいのに」

メイド長「出来れば希望としては女として扱われたく」

メ「生えてる設定追加の予定は?」

メイド長「お嬢様が望まれれば」

メ「主体性を作らんと!」

メイド長「主体はお嬢様ですので」

メ「むむぅ」
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/07(木) 01:04:57.73 ID:DNJB0j9AO
メ「てな話なんすよ」

執事長「珍しく君から来ると思えば。出歯亀は良くないよ」

メ「んー。なんつーかメイド長さんも同じ女の子なんだし幸せになってもええのかなぁって」

執事長「君らしくないね。でもまぁ、そういう部分が坊ちゃんを射止めたのかもしれないな」

メ「あ、主様は関係ないでしょ。今回のだって暇つぶしですしおすし!」

執事長「そういう事にしておこうかな。さて、じゃあ君は彼女に何をしてあげたいのかな」

メ「ぶっちゃけると執事長さんがメイド長さんを娶ればええのんかな、と」

執事長「根拠は?」

メ「メイド長さん、執事長さんにだけなんか態度がやわこいというか女の子っぽいというか」

執事長「そうかな」

メ「そっすよ。なんか全体的にまんざらでもなさそうだし。執事長さん側も」

執事長「ふむ。まぁ彼女は僕の娘みたいなもんだからね」

メ「えらい歳の近い娘さんで。もしかして若作り? 緋天御剣流?」

執事長「よく分からない部分を飛ばして答えるなら、あの子にメイドの基礎や技術を教えたのは僕だって事」

メ「いたいけな幼女に奉仕とは何ぞやと……アグネスの予感!」

執事長「そんな経緯があるからね。昔から知ってただけに家族みたいなものでさ。少しくだけて接するのも仕方ないかな」

メ「スルースキルたっけぇ」

執事長「でも、個人的に彼女が成長して綺麗になってく中で思う部分がなかったと言えば嘘になるかな」

メ「ロリコンやないすか」

執事長「うちは歳を取りにくい家系でね。問題ないよ」

メ「無くはないでしょうに。まぁいいや。じゃあやっぱり気はあるんじゃん!」

執事長「まぁね。けど彼女は今の立場、忠義、要約するなら生き方が完成しちゃってるから僕の入る隙間もない」

メ「ふむ……」

執事長「だから精々彼女の負担を陰から日向から支えるしかないんだよね」

メ「なかなかに回りくどい」

執事長「自覚はしてるさ。ま、気長にやるつもりだよ。悪かったね、解決策になれなくて」

メ「いえいえ。っかし、妹嬢さんは絶対こんな事情に気付いてないんだろうなぁ」

執事長「いや、知ってるよ? むしろ縁談にしようかって言われたくらいだし」

メ「マジっすか?! でもじゃあ何で関係が進んでないんすか!」

執事長「簡単だよ。本人が誰から想われてるか気付いてないから話が進まなかったのさ」

メ「ああ、なんかすごい納得してしまった」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/07(木) 18:48:47.90 ID:vf8ICOexo
あーあ、メイド長ってば自分が付いてる事にしておけば妹嬢の疑惑が晴れたかもしれないのに・・・
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 18:49:44.30 ID:avQM6nIi0
中の人乙ー
最近の中の人の投下ペースが尋常じゃなく早い希ガス



まさか…失gyゲフンゲフン
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 18:58:36.33 ID:et9C69ONo
つまりふたなりはお嬢様一人だけではないですよ、と

泣けるな
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/07(木) 22:10:46.42 ID:vf8ICOexo
>>274
逆に考えるんだ
「東京出張で書けなくなるより(いろんな意味で)いいさ」
と考えるんだ
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/07(木) 23:50:04.98 ID:2n2jMsma0
どうも。仕事が繁忙期を過ぎてひと段落してる中の人です。
だから決して失業したわけではww

……してたらそれこそここに来れないような気もするw
とにもかくにも最近全然書いてなかったのでその分、今こそがっつり頑張り時!
ってな具合ですかね。これからもよろしくお願いします。

にしても18時台に一気に3コメとはw
これはその付近で投下しといたほうがいいということか! ……まぁ普通に仕事中だから無理だけどw


さておき今日も今日とてメイド長さん周りでも。
この人なんだかんだで可愛くなってきてしまった。いかんいかん。
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/08(金) 00:27:29.87 ID:VPICgrEAO
妹嬢「最終的に私が生えてる事に変わりないじゃないですか!」

メイド長「お嬢様、落ち着いてください」

妹嬢「落ち着いていられますか! あなたまであらぬ疑いをかけられているんですよ!」

メイド長「私の事はどうかお気になさらず。むしろ私がそうでありお嬢様は違うと認識されるならばそうなるべきです」

妹嬢「いけません! またそのような自己犠牲的な考え方……私に取って貴女達は大事な家族だといつも言っているでしょう!」

メイド長「お嬢様……」

妹嬢「その家族が不名誉な疑いをかけられているのを黙って受け入れられますか。私は断固として戦います」

メイド長「分かりました。お嬢様がそう仰るならば私も最後まで真実を貫き通しましょう」

妹嬢「その意気です」

メ「じゃあいい話になったとこで妹嬢さんのスカートの中でもチェックしますか」

妹嬢「させるものですか!?」

メ「大丈夫です。主様ネタを使えば下着の上からでもふくらみで確認できますし」

妹嬢「ふくらみません!!」

メ「まぁまぁそう言わず読者サービスとでも思って」

サクッ

メ「サク? って、のおおぉぉああ?! 刺さってる、刺さってるよ、ナイフ!?」

メイド長「たかだか果物ナイフです。身体強度が常人と比べるべくもないあなたからすれば大した傷でもないでしょうに」

メ「いやいやいや! 痛いもんは痛いから!」

メイド長「だからと言って自身の主に不埒な真似をされて黙っているほど間抜けではありませんので。次は脚にしましょうか」

メ「ひ、ひぃい?!」

妹嬢「あ、あの。さすがにこれはやりすぎでは」

メイド長「お嬢様。我々の地位を色物とやらから脱却する為には容赦は不要です。勝ち取りましょう、望まれた地位を」

妹嬢「は、はい」

メ「つまりメインヒロインになりたい的な願いを実現へ?」

メイド長「では席を空けていただきましょう」

メ「ひぃぃい!!? コンバットナイフて?!」

妹嬢「お、落ち着きなさい? ね?」

メイド長「お嬢様、私一人が手を汚すことを今だけはお許しください」

メ「ぎゃぁぁあああ!? 何が可愛くなってきただよ! めちゃくちゃバイオレンスじゃんかぁぁあああ!!」
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/08(金) 00:33:36.38 ID:mmiMbwF9o
>メ「大丈夫です。主様ネタを使えば下着の上からでもふくらみで確認できますし」
>妹嬢「ふくらみません!!」
ふくらまないならチェックさせれば疑いも晴れたものを
一時の感情でチャンスを逃すとは・・・
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 00:35:40.81 ID:Z0Q0Y2BYo
まだコツカケ覚えてないんだろ
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/08(金) 00:38:44.50 ID:VPICgrEAO
メ「うぅ、ひどい目にあった」

男「よく生きて帰ってきたな」

メ「途中から意識をお姉さんに全引き渡しで逃げの一手でしたから」

男「そういや姉さんはメイド長さんとは微妙に相性良かったっけ」

メ「『せいかくにはいっぽうてきにならないだけ〜』だそうですが」

男「ふむ。分からん」

メ「厨二設定があるんだそうで。気にしたら負けですよ」

男「しかしまぁ何で懲りずに毎回からかいにいくかね」

メ「だってどっちも可愛いじゃないっすか。完璧超人なくせにああも俗っぽい反応してくれるんだから」

男「昔は完全にお嬢やってたけどな。変わるもんだ」

メ「誰のせいなのか」

男「だいたいお前のせいだぞ」

メ「つまり私がプロデュースしたから今の妹嬢さんフィーバーが!」

男「完全に乗っかってるだけよな、お前」

メ「最初に商標登録したもん勝ちなんすよ」

男「誰もしてないような」

メ「登録したら“ふたなり妹なお嬢様”でストーリー書く権利が!」

男「誰が欲しがるんだそれ。というか既に市場に散々出回ってそうなブランドだし」

メ「たまには中古車もいいですよ?」

男「中古車はいいけどその権利はいらん」

メ「差別だ!!」

男「いやそれも違うくないか」

メ「妹嬢さんがどんな姿でも受け入れられる心を!」

男「受け入れぐらいはするけど本人否定してるからな?」

メ「主様のケツ処女が予約されてしまった」

男「その受け入れはしてません」

メ「ちっ……」

男「お前は俺がそんな目にあっていいのかよ!」

メ「はい。面白いし」

男「お前はそういう奴だった」
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/08(金) 00:46:13.83 ID:VPICgrEAO
妹嬢「仮にそうだとしても他人にスカートの中を覗かれるなんて耐えられません!」

メ「カリに?」

妹嬢「違います!」

メ「でもまぁ確かに中を見られたらふくらみ確認されちゃいますもんね」

妹嬢「付いてません!」

メ「いや、違うか。妹嬢さんは出し入れ自由だからコツカケとかいうレベルじゃなく隠せるのか。いやー、危うく騙されるところだった」

妹嬢「そんな設定ありませんから!?」

メ「ならいっそ脱いでみせてくだ……そこぉ!!」

キンッ

メイド長「ほう」

メ「へへん。予め脚狙いと分かってれば防ぎようはあるっても……」

サクッ

メ「いだだだだ?!」

メイド長「ああ。時間差で到達する二の矢、三の矢は当然仕込んでありますよ」

メ「て、撤退ー!」

メイド長「全く」

妹嬢(どんどんバイオレンスに……)
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/08(金) 00:52:19.74 ID:mmiMbwF9o
>>280
骨掛けは玉を隠すだけで竿はムリww

ところで既に妹嬢はメイドに水着姿披露してるやん
しかもぴっちりなやつだから起ってるか否かに関わらず付いてるなら判るんじゃね?
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/08(金) 00:54:29.15 ID:VPICgrEAO
メ「でもそれとは関係なく妹嬢さんのおみ脚を視か……げふん。眺めてたいですよね」

男「一瞬すごい単語が漏れたぞ。人の肉親を何だと思ってやがる」

メ「ズリネタ?」

男「時間が時間ならスレが抹消されかねない台詞だぞ」

メ「深夜万歳。けどマジで羨ましいんすよね。めちゃくちゃ脚長くて細いでしょ」

男「まぁなぁ」

メ「私ってどうしても肉付きいい方だから嫌でもむちっと派じゃないすか。メリケンなワガママボディじゃないすか」

男「ワガママボディかどうかはさておき確かに細いって感じじゃないよな。ふとましいってほどじゃないが」

メ「だから見てて、ほぅってなるんすよね。妹嬢さんの脚」

男「分からんでもない」

メ「女さんもふっくら寄りだし委員長さんはあえなくなったしで安定して楽しめるのはもはや妹嬢さんのみ! だから主様!」

男「俺が何だ」

メ「さくさくっとハメ撮りお願いしますよ。脚中心で」

男「最低の発想だな?!」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/08(金) 00:58:16.12 ID:VPICgrEAO
メ「妹嬢さんは錬○ん術師なので竿を生やしたり無くしたり出来る上位ふたなりなのです」

妹嬢「違いますからね?!」

メ「そして妹嬢さんの水着はマジエロでしたよ。女の私ですら軽く濡れました」

妹嬢「嫌な感想を?!」

メ「私でこれだからメイド長さんは大洪ず……ひゃうん!?」

ザクッ

メ「音が何か痛いとかじゃないような!? でも痛い! 超いてぇよ〜!」

メイド長「く。しぶとい」

妹嬢(……額に刺さってるように見えるのですが。これが噂に聞く顔面セーフなのでしょうか)
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/08(金) 21:32:16.98 ID:mmiMbwF9o
一応旦那なのに人とヤってるとこ見たいとかNTR好きなのか?
そう考えると見たいのは本当に脚なのだろうか・・・
そして額は人体でも特に強固な頭蓋骨でも特に強固な所、いかにメイド長とはいえザクッっとは刺せんだろww
魚でさえ骨を切ろうとすれば刃こぼれしかねないもの
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/09(土) 03:23:21.31 ID:SDOYEGfAO
メ「ギャグ補正というものがありまして。効果音はあくまで私基準ですから」

男「若手芸人顔負けの体張りすぎっぷりだな」

メ「実際にゃあ刺さってヤバいのは放ってきませんので、ああ見えて。……多分」

男「そこは安全の担保を取っとこうな。あとこいつは口ではあんな事言うけど俺がしないの分かっててからかってるだけなんで」

メ「主様はヘタレさんですしね」

男「……ぐ、下手に違うとか言って浮気者扱いも困る!」

メ「それに私はNTRは二次限定です。なるべく嫁がかっさらわれる方で」

男「現実にあったら困る」

メ「主様。私としては主様が隙を見せたらソッコーでビッチキャラになろうかと思うんですが」

男「お願いですからやめてください」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/09(土) 23:34:02.20 ID:TOnPtj/Ho
ふむ、つまりは男がメイドとハメ撮りすれば万事解決ってことか
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 01:06:02.73 ID:mNJnBAIAO
メ「なんだろう。解決の必要がない解決策がきちゃったよ」

男「手伝うから頑張ろうぜ! な!」

メ「がっつきすぎっすよ。オ○ニー覚えたての厨房ですか」

男「だってお前、すぐ嫌がるし恥ずかしいとかでめったに触らせすらさせねぇじゃん!」

メ「高翌嶺の花でいるべきがヒロインですから。ちゅーか主様、昔はそんな露骨に迫ってこなかったのに」

男「既成事実というフラグが俺を素直にしてるんだ」

メ「昔のお互い素直になれなくて初々しい感じが良かったんじゃないかと思うんですよ」

男「時代は変わるんだよメイド君。俺がお前の心の隙間、埋めてやる」

メ「顔にやりたいとしか書いてないんですが」

男「実際そうだからな」

メ「お互いにいい歳なんだからそういうのは卒業しましょうよ」

男「生涯現役だぞ、俺」

メ「ふにゃチンが偉そうに」

男「う、うっせぇ!」

メ「息子の息子より小さいくせに」

男「ぐ……ってなんでお前そんな情報を!? ま、まさか」

メ「変な勘ぐりは止めてください。見た事はありますがそんなけですよ。主様と違って倫理観はしっかりしてます」

男「あまり言い返せない自分が悲しい」

メ「私が経験あんのは主様だけなんすから。他に目移りしたら許しませんよ」

男「……」

メ「な、なんで黙るんすか!? 最低だこの人!!」
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 01:17:22.63 ID:mNJnBAIAO
男「いや、そういう意味で黙った訳じゃなくて」

メ「言い訳なんて見苦しい! どーせまた私の知らないとこで知らない娘とよろしくやってんでしょ!」

男「やってねぇよ! だから、嬉しくて声にならんかったというか」

メ「はい?」

男「お前が俺だけとか目移りすんなとか可愛いこと言うから胸が詰まっただけだよ!」

メ「か、可愛い?」

男「そうだよ。なんか普段そんな事言われねぇから。とにかく俺だってそうだよ、気持ちが向いてるのはお前だけだ!」

メ「身体はそうじゃないという建て前ですか」

男「そこは何一つ言い訳出来ないけど。今はお前だけだから。お前以外、見てないから」

メ「妹嬢さんとか女さん、冥の友達とか学会の知り合いとか町ゆく可愛いお姉さんとか、見ないようになるんすね」

男「心はお前しか向かない。最後のは物理的には見ちまうかもだけど」

メ「そこは正直にならんでも。……はぁ、信じますからね?」

男「おう」

メ「……じゃあ、いいっすよ」

男「ん?」

メ「今夜は、その……しても」

男「いいのか?」

メ「あんまり聞き返すと気持ち変わりますよ」

男「悪かった。よし、メイド。こっち来い」

メ「ん……」

ぽすん

男「久々だな、お前が俺の腕の中とか」

メ「だって……」

男「いや、いいよ。今がこうだから。……今夜は寝かさないからな」

メ「む、むぅ。卑猥っすよ」

男「卑猥で結構。メイド、こっち向いて」

メ「……主様」

男「メイド……」








バタン!

冥「パパー、ママー! 宿題教えてー! って何やってるの?」

メ「ああ、冥。コブラツイストの練習してるだけっすよ。ね、主様?」

男「……、……!(ギブ、ギブ!)」

冥「面白そう! 私もやるー!」

男「〜〜〜ッ!!?」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 01:29:42.86 ID:mNJnBAIAO
男「え、えらい目にあった」

冥「くー……くー……」

メ「ミシッとか音した時は救急車呼ぶか接骨院に電話か迷いました」

男「手加減を知らんからな。この寝顔が天使ちゃんは」

冥「むにゅ……」

メ「起きてても天使っすよ。無邪気な小悪魔も兼ねてるだけで」

男「違いない。……今夜はおあすげかな」

メ「私をその気にさせるのが何年後になるか」

男「スパン長ぇな!」

メ「それだけさっきは珍しく不覚な状態だったんすよ。あー、思い返すと恥ずかしくて死にそう」

男「死因:悶絶死とか末代まで語り継がれるな。嫌な伝説として」

メ「くくく。安寧の一生より一回の伝説でいいっすね、それ」

男「割とマジなのが怖いわ。……ま、今日は寝るか」

メ「ういっす。親子三人川の字っすね」

男「あのバカもどっかで頑張ってるかね」

メ「頑張ってますよ。最初の失踪もどきと違って今回は自分から旅立ちましたから」

男「だな」

メ「何より私の子ですよ。何とでもやってくでしょう」

男「心配よりいつかデカくなって帰ってくると期待しとくか」

メ「あそこは主様よりデカいっすが」

男「うるせ」

メ「主様」

男「ん?」

メ「おやすみのちゅーください」

男「ん……」





メ「ふぅ。悶絶死には至らなかったか」

男「顔真っ赤だけどな」

メ「お互いに」

男「んじゃ、おやすみ」

メ「おやすみなさいませ、主様」






冥(二人ともラブラブさんだなぁ。寝たふり寝たふり〜)
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/11(月) 01:31:51.76 ID:KPS8VZpyo
児玉「なぜ鍵を掛けない」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 01:34:55.42 ID:mNJnBAIAO
妹嬢「……」

メイド長「お嬢様? いかがなされました」

妹嬢「別に何でもありませんが」

メイド長「そうですか。何やら苛立ってらっしゃる御様子でしたので」

妹嬢「何一つ苛立ってなどいるものですか!!」

ダンッ

メイド長「……。申し訳ありません。失言でした。御容赦ください」

妹嬢「……いえ。私の方こそすみません。貴女は何一つ悪くないというのに」

メイド長「……」

妹嬢「ふぅ。時間軸として私が関与出来ない場所とはいえ、歯がゆいものですね」

メイド長「お嬢様……」

妹嬢「失言です。忘れてくださいな」

メイド長「……はい」
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 01:37:10.45 ID:mNJnBAIAO
メ「お約束だからです」

男「言い切ったな。そして何故児玉さん」
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/11(月) 01:42:49.84 ID:KPS8VZpyo
華丸「アタックチャ〜ンス」
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/11(月) 01:49:02.29 ID:mNJnBAIAO
男「思いっきりアタックチャンス逃してるけどな」

メ「お約束ですから」

男「……それで言うと今後チャンスを生かす機会がないような気がしてきたんだが」

メ「健全なスレなんで期待しないのが正解ですね」

男「ぐぬぬ」
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 06:07:40.24 ID:YKkRgPoEo
何やら立ってる御様子に見えた
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 12:59:08.02 ID:wm1Ao9m6o
ここみたいな駄メイドにwwktkしてたら
ご主人様がキレて監禁虐待レイプになってドン引き
でも普通怒るよな
男ももうちょっと反撃してもいいんだぜ
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/11(月) 19:37:43.07 ID:KPS8VZpyo
姉さんの力によりアンチェインだわな
・・・影響でもっとべたべたしても良さそうなもんではあるが
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/12(火) 00:23:07.30 ID:JZ5jVA1AO
妹嬢「座ってなかったという意味で捉えてらっしゃるのですね」

メ「勿論勃ってた的な意味なのは言うまでもなく」

妹嬢「違います。決して」

メ「でも勃ってましたよね」

妹嬢「苛立ちくらいはしてましたがそちらの意味では一切ありませんでした」

メ「そんな事言って今もムクムクと」

妹嬢「あり得ませんから。……あまりにしつこいと相応の手段を持って口を閉ざしていただきますよ」

メ「何すか。いつも通りのやりとりなのにムキになって。大人気ないですよ。そんなだから主様に……」

妹嬢「……っ!!! 黙りなさい!!」

バンッ

メ「ひぅ!?」

ビクッ

妹嬢「貴女、私の事を軽く見てらっしゃるようですからハッキリ言いますが。その気になれば貴女共々兄さんを社会的に抹消する事だって造作ないのですよ」

メ「い、いやそうかもしれないっすけどそんなマジな顔で言われたら怖いというか」

妹嬢「いい加減、自分の立場をわきまえなさい。この泥棒猫……!」

メ「……。えと、すみませんでした。失礼します」







妹嬢「……はぁ。私、何をあんなに。言われた通り大人気ないにも程があります」

メイド長「あれでよいのです、お嬢様。あの手合いは増長させればキリがありませんので」

妹嬢「本当にそう思って?」

メイド長「……。多少、お嬢様にしては感情的になられ過ぎかとは」

妹嬢「です、ね。はぁ、嫌ですね。こういった類で自己嫌悪に陥るのは」

メイド長「お嬢様……」







メ「むぅ」

男「なしたよ。難しい顔して」

メ「いや、なんつーか。ギャグに走ったのに相手がマジギレした時のやりづらさってヤバいなぁと」

男「なんか知らんが謝っとけよ」

メ「……うす」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/12(火) 00:32:58.77 ID:JZ5jVA1AO
メ「>>298さんが監禁プレイでリョウジーョクされたと聞いて」

男「待て、微妙に発音出来ない言葉になってないか。いやまぁさておき、さすがにそれはないだろう」

メ「でも書き方がまるで自分が見てきたような!」

男「ありえんありえん」

メ「しかし主様は本当に寛大ですよね。私が何してもニコニコしながら好きにしなさいってお金くれますもんね!」

男「思い出は美化されるとは言うが捏造はどうなんだ。つぅか俺は何回もキレはしたしさ」

メ「その割には力に任せて襲われたりだの暴力だのはありませんでしたが」

男「お前は色々最低だったけど人間として守らなきゃならない範囲は守っ……いやまぁ、うん。言葉で分かってくれるくらいの信頼はあったから」

メ「何で途中で言うの止めたんすか」

男「とにかく俺は人として曲げちゃいけない部分だとかは怒ったけど、意地悪くらいは気にしてなかったからな」

メ「マゾか私にゾッコンだったかの二択ですね」

男「実家での扱いのがひどかったからだよ」

メ「ああ。つまり超ドMな主様には私程度の意地悪では感じないくらい開発されてたと」

男「お前の思考回路はきっと道筋立てて考える部分が焼き切れてるんだな」

メ「へへへ」

男「誉めてねぇよ」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/12(火) 00:39:15.02 ID:JZ5jVA1AO
メ「主様のお姉さんという人間ブルドーザーさんの意識が中にあるおかげで私も常人よりは身体的に優れる状態ですが結局たかが知れてますよ」

男「そういうもんなのか」

メ「お姉さんの本来のスペックを100とするなら私はせいぜい10前後ですね。ちなみに主様が大体2か3くらいの計算ですが」

男「改めて姉さんが超人的だったと思い知る瞬間だよな」

メ「ですからまぁ、主様にゾッコンぷりも大して影響出ない程度でしか発揮されない訳で」

男「そこはまぁ……残念だわ」

メ「それでも昔なら私からちゅーしてだの言わなかったんでそのあたりは影響ありますよ」

男「もっとベタベタでもいいけどな」

メ「了解、主様名義でタールを大量に買い込んでおきます」

男「いらん気配り大きなお世話!!!」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/12(火) 00:59:18.11 ID:JZ5jVA1AO
メ「……。むぅ、謝りにきたはいいがどうしよう」

メ「ここはサラッとサーセンっした! みたいな感じで」

メ「いやいや。ふざけた感を出さないように土下座スタイルか」

メ「それも何かふざけてるみたいだしなぁ。ごめんなさいでした、でいこう」

ガチャ

妹嬢「……いらしてたんですね」

メ「どうも。勝手してます」

妹嬢「全くです。私の部屋にアポイントメントも取らずに来るのは貴女くらいですよ」

メ「むむ。もしかしなくても怒られてる?」

妹嬢「分かってらっしゃるなら早々に痛手を見ないよう行動される事をオススメしますよ」

メ「そっすね。んでは」

スッ……

妹嬢「な、何ですか。急に頭なんて下げて」

メ「最近調子乗りすぎて失礼ばっかこいてすみませんでした。ごめんなさい」

妹嬢「……はい?」

メ「いや、だから何か前にめちゃくちゃ怒られてたし主様まで引き合いに出すとか尋常じゃなくヤバい気がして謝らないとと思った次第で」

妹嬢「……くす」

メ「ぬ?」

妹嬢「あはは、貴女がそんな殊勝に謝るなんて。くす、あはは」

メ「あれ? 怒ってないんすか?」

妹嬢「怒ってましたよ、ええ。ですが今は許します。でも私の気持ちを知っていらしてるのですから、そこは察してくださいね」

メ「あ……はい」
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/12(火) 01:04:47.36 ID:JZ5jVA1AO
メ「その、すみません」

妹嬢「これについては謝らないでくださいな。選んだのは兄さんですから」

メ「でも……」

妹嬢「この話はおしまい。前回の互いの失態もなしということにして終わりませんか」

メ「私としては願ったりかなったりですが」

妹嬢「ではここまで。それよりもせっかくいらしたのですから何かお土産話の一つでもお願いできますか?」

メ「む……なら、最近あった話なんすけど……」

妹嬢「ええ」








メイド長(お嬢様、そのように強くあられる必要などありません。何故自分を押し殺されるのです)

メイド長(もっと自分に素直に。他人に厳しくしてもよろしいではありませんか)

メイド長(私は……私は悔しいです。お嬢様の支えにも楯にもなれないこの身が)

メイド長(嗚呼。何故私はお嬢様の心を満たすことが出来ないのだろうか……)
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/12(火) 01:16:14.02 ID:JZ5jVA1AO
姉「今だから言っちゃおうシリーズ!」

男「唐突だね、姉さん」

姉「えへへ。実は私のおとちゃんへの態度は半分以上演技だったんだよ!」

男「笑顔から言葉の刃物が飛んできたんだけど」

姉「だってああしないとおとちゃんが取られちゃいそうだったし。何より懐いてくれなきゃ美味しく壊れてくれなかったもん!」

男「数年前の俺、目を覚ませ。君の初恋は完全に敗れてるぜ」

姉「でもね」

男「後はどんなトドメをさされるんだ」

姉「最後にわかったの。お腹もなくなって、頭の中まーっしろになった時に」

男「姉さん……」

姉「私ね。色んな欲求より食欲が強くてそれ以外なかったはずなのにね」

男「……」

姉「おとちゃんが欲しかったんだ。おとちゃんが好きだったんだ、って。すごい最後に分かったなんておばかさんだよね」

男「そんな事! 姉さんの在り方を勝手に決めた奴らが悪いんだ。だから姉さんはバカなんかじゃ……!」

姉「ありがとう。だから私は今幸せだよ。ベタベタしたい部分もあるけど、好きの気持ちで胸が溢れてるから」

男「胸が溢れて?」

姉「メイドさんね。毎晩おとちゃんの……あ、やっぱり止めておこ」

男「いいとこで!?」

姉「ふふふ。大丈夫、すぐ分かるよ。だからおとちゃんもなるべくメイドさんとのいつもを楽しむんだよ」

男「毎日がめちゃくちゃだよ。楽しいけど」

姉「良かった。じゃあ、いくね」

男「また会えるよな」

姉「……うん! それじゃ、バイバイ」

男「またな」







男「っ、ん……夢か」

メ「すぴー、……ふがっ、んぐ……すぴー」

男「もうちょっと女の子らしい寝息にしろよ。全く」

なでなで

男「姉さんもメイドも、幸せにするからな」
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/13(水) 00:23:20.67 ID:T0qHBNHAO
メ「主様が最近リア充するからコメント減るじゃないすか」
男「俺のせいなのか!?」

メ「後は妹嬢さんが似合わないシリアスやるから」

妹嬢「私もですか!?」

メ「全く。もっといぢりやすいネタを提供してくださいよね」

男「でもどっちにもお前が関わってたような」

妹嬢「そうですね。姉さんの部分は例外ですが」

男「ぬ、ぐ」

妹嬢「とはいえいちゃいちゃした話もシリアスな話もあなたが絡んでいるようにしか見えませんね」

メ「私は無罪です」

男「言い切ったよこいつ!」

メ「責めるべきは調子乗った中の人です。身の程を知らないからこうなる」

男「お前はメタ的な場合だいたい反逆の精神だよな」

妹嬢「何やら世界のどこかで誰かがトドメをさされたような気がします」

メ「大丈夫ですよ。毎回トドメとか言いながらしぶとく生きてますし。ゴキブリ野郎め」

男「明日からいきなり出番なくなってもおかしくない程の強気だよな」

メ「ふふん。ネタに困れば私に頼らざるを得ないですからね。余裕しゃくしゃくです。何よりスレタイを考えればメイドたる私が居なければ成り立ちませんし」

妹嬢「あら? 何やら紙が……しばらくメイドは出禁。出禁!?」

メ「何ですと?!」







という訳で最近こいつに頼りすぎなので他で頑張ってみます。

……いやなんか今からすごい不安だけど!
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 00:35:50.69 ID:u23ODcmxo
メイドがVIPに出張出稼ぎだと
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/13(水) 00:38:19.97 ID:T0qHBNHAO
メイド長「……」

執事長「そこは溜息の一つでもつくとこじゃない? 可愛げ出そうよ」

メイド長「貴方に隙を見せれば色々と気を回されますので」

執事長「頼ってもらいたいのも野郎の性なんだよね」

メイド長「頼りにさせていただこうにも人の部屋に気配を消して侵入してくる輩には不安が残りますので」

執事長「なるほど。そんな輩がいたら僕が追い払おうじゃないか」

メイド長「自傷癖か何かをお持ちなようでしたら是非自室で。ここは私のワークスペースですので」

執事長「連れないね、本当。そんなに意地悪しないでいいじゃん」

メイド長「意地悪でも何でもなく真っ当な感覚で喋っているつもりですが」

執事長「分かった、悪かったよ。けどノックに気付かないから何かあったのかと思ったんだ。それは本当」

メイド長「失礼しました。こちらこそ気付かず」

執事長「無事もなくて一安心だけどね。……いや、そうでもないか。我らが姫君が不機嫌だったのが原因かな」

メイド長「貴方には隠しても無駄ですからね。その通りです。表面上は諦めたと何度も繰り返しながら未練を引きずられている」

執事長「要らない荷物を抱えてるねぇ。で、自分が肩代わりも一緒に担ぐ事も出来ず途方に暮れてる、と」

メイド長「何故お嬢様はあの方にそれほどまで……」

執事長「刻み込まれた運命の環か。螺旋に縛られた生き方から人は逃れ得ない。悲しいね」

メイド長「無関係とは思えませんが全てが終わった今、それでも影響があると?」

執事長「可能性の問題だよ。いや、違うか……発端がそうであるからこそ自分の意志だと信じたいのかもしれない」

メイド長「それが禁忌故に与えられる背徳感もまた美味である。真実の愛などありはしないのに」

執事長「君の愛を真実ではないのかい」

メイド長「私のものは畏怖であり敬服であり、依存です。我ながら情けない」

執事長「人間なんてそんなもんだし。僕だってこの気持ちはきっと同情や憐れみにまみれたものだから」

メイド長「……愛とは何と悲しいものでしょう」

執事長「それでも求めねばいけないのだね。人である限り。人の形に魂を内包する限り」
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/13(水) 00:42:59.77 ID:T0qHBNHAO
妹「いきなり厨二病なポエムとは飛ばしてんな」

命「そういう肩書きなんだろ。堅苦しい。窒息しそうだ」

委員長「命達には似合わない空気だものね。それより彼女が出張とはね」

妹「多分スレすら立てられない予感だけど」

命「今更すぎるしなぁ。更新をそんな出来る余裕もないだろ」

妹「つまりやんない?」

委員長「でもやる気はあるみたいな顔してたわよ」

命「無理としか思えねぇけどな」







はい。無理だと思いますww

ぶっちゃけスレタイすら思い付かないんで……

でも久々にあっちで何か書いてみたりはしたいけどね! 一日が48時間あれば……
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/13(水) 00:51:47.19 ID:T0qHBNHAO
メイド長「本来であればお嬢様にとって私がいかに想おうと無駄な事でしかないのでしょう。しかし、だからと放棄出来ますか」

執事長「メイドの鑑だね。こっちにも分けてほしいよ、その想い」

メイド長「……。すみません」

執事長「あー、通算何度目かの撃沈かね。いやはや、堅いわ」

メイド長「嬉しくはあります。ですが、今はお嬢様を見ていたいので」

執事長「都合のいい奴として必要な時だけでいいんだけど。って扱いが出来ないから長さんなんだけどさ」

メイド長「すみません」

執事長「いいよ。悪い、毎回押し付けて。うぅん、俺ってば意地悪しすぎか」

メイド長「いえ、お気持ちは嬉しく思います。これは本当ですので」

執事長「ありがと。大丈夫か?」

メイド長「安易には頷けませんが、そうですね。……少しだけ、ここに居ていただけますか」

執事長「了〜解。実は長さん、俺がこの後しばらく仕事詰まりっぱなしなの知っててお願いしたでしょ」

メイド長「はい。私のデスクワークの時間を持っていかれましたから。ささやかな報復です」

執事長「意地が悪いね、どうも。ま、分かってて残る俺が一番悪いんだけど」

メイド長「ありがとうございます」

執事長「いやいや。どう致しまして」
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/13(水) 01:03:47.55 ID:T0qHBNHAO
女「えぇと、あの。お久しぶりですっ」

友「あまり出番がない僕らのコーナーだそうだよ」

女「初回の今夜はお葉書紹介とリクエストされた事をやる、だって」

友「初回なのにハガキがある時点で何かおかしいと思うんだけど」

女「えと、なになに? PN.姉ちゃん大好きさんからのお葉書で、『姉ちゃんがメイド服着てるのが見たい』だそうです。姉ちゃんって誰なんだろ」

友「うぅん。何となく誰か分かる気がする……差出人が」

女「そうなのっ? エスパーだね!」

友「うん、違うけどね。とりあえずそういう訳で実は今回女さんの貴重なメイド姿なんだよね」

女「あ、あはは……似合わないよね」

友「かわいいと思うよ、すごく。ただ残念ながらこれ映像で配信出来ないんだよね。すごい企画倒れな気がするんだけど」

女「あ、お時間だ。ではまた次回に〜」

友「打ち切りの匂いしかしないけど」










女「ただいま〜。あれ? ラジオで何やってるの?」

女弟「ちょっとラジオにテレビ付けてただけだ。気にすんなよ、姉ちゃんのくせに」

女「はいはい、じゃあお姉ちゃんはご飯の支度手伝ってくるから。あんまり機械にイタズラしたら、めっ、だからね」

パタパタ

女弟「……。姉ちゃんの『めっ』か……よし、もっと改造するか」
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/13(水) 23:56:24.80 ID:WiZ1iYyw0
今夜は委員長編。

お酒入ってるので実はぐでんぐでん状態ですがご容赦をば。
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/13(水) 23:57:08.68 ID:WiZ1iYyw0
「正面からあれと対峙しなさい。その後は逃げればいいわ」

指示というより今できる自殺方法を紹介されただけのような言葉。
言うまでもなくあれとは肉塊となって襲ってきた獣のことだろう。

「大丈夫よ。無駄死にはしないわ。勿論、うまくいけば二人とも生きてここを出られる」

無駄死にはしないだけで失敗すれば命はないということか。
だとしてもそれ以外に方法がないと暗に告げられており、命にとって選択肢などない。
もとより、彼に出来るのは無様に逃げ惑うか、無謀と知りつつ正面から突破するしかない。
だとすれば取るべき選択肢は誰かの思惑の中でいい。生き残る可能性があるほうだ。
だから頷いた。



今更だがこの建物について簡単に説明するなら、大きな倉庫を想像してもらうのが手っ取り早い。
入り口から大きく開けた空間があり、左右に2階への階段がある。
左右からぐるりと中央にあいた空間を囲うように廊下があり、両側に部屋がある。
なので1階中央から見上げた天井は歪だがぽっかりと四角い空間があることになる。

その1階、中央の空間にそいつはいた。
散らかっているのは銃器と衣服。それ以外の赤色もところどころに見えるか。
けれどそんな中、一つの山がそこにあり、それはゆっくりとうごめいていた。

「よぉ」

粘着質な水音をさせながら声に反応した山がこちらを見る。
その顔と思わしき場所には獣ですらない何かがある。
少し前に出会った時には形状として生き物と判別できるレベルだったものがいまや完全に何か別種の存在としか認識できない。
それでも、そいつが生き物なのだと。そして食事の最中であったことが、口と思わしき場所から覗く腕のような何かではっきりとわかる。

「大きくても2mもないって言ってたよな」

ここまでくると笑うしかない、とばかりに苦笑を見せる命。その眼前に盛り上がった山はゆっくりと膨らむ。
いや、それはきっと立ち上がったということなのだろう。けれどもはや膨らんだとしか思えぬような大きさと様相でそれは彼を見下してくる。

「なぁ、とりあえずよ。一つだけ教えてくれないか」

ともすれば震えそうな体を抑え、まっすぐに見つめる。
そこにどうしても聞かなければいけないことがあったのだから。

「あいつは……あの娘はどうした」

護ると決めた存在が、今彼の隣にいない。
自身を縛る罪であり、生きるための導。失われ、守れなかった何かの代替品。
恐らくこの参上を引き起こした原因であろうことはわかっている。
だから、きっとそうなのだろう。
心の乾いた部分で理解しながらも、それでも命は問いかける。

「あいつはちゃんと棲家か、森のどこかに帰れたんだよな。そうなんだろ?」

人語を解するとも、発するとも思えない。
けれど、それでも言葉をかける。覚悟を決める答えがほしくて。
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/13(水) 23:57:40.41 ID:WiZ1iYyw0
ずるり、と振り返った肉の山から何かが生え出る。
それは禿山に寂しく立つ一本の樹枝のようで、

「……」

血肉を纏った少女の姿に見えた。



猛烈な吐き気と、抑えきれない情動。怒りや悲しみ、その他の感情が胸の中で暴れ狂う。
わかっていたと言い聞かせる内なる自分も、きっと言葉に出た微かな希望にすがっていたのだろう。
本心は隠せぬまま、震えとなり、言葉も出ず。立ちすくむ。

けれど、

「そっか。お前はそこを選んだんだな。……お前の望みで、そうしてるんだ。なら、いいんだよな」

それでも生きようとする。
導を失い、築いたものが一瞬で瓦解したその瞬間も、彼は生きることをやめなかった。
彼は、それほどに強くもなければ、潔くもなかった。

(あれだけ護るとか、生きる目的だなんて思いながら、今は逃げ延びることだけを考えてる、か。……情けねぇ。……けど)

あの洞窟の生活で見た仮初の日常が崩れ往く時も。
いきたいと、助けを請うての世話役を裏切った時も。
その償いとして獣の娘を生かそうと決めた時も。
天敵と呼べる存在にまでなった女に命を賭けて対峙した時も。

結局は、彼は生きることを選び、一度たりとも死を受け入れたことなどなかった。

表面上、どれほど取り繕おうとも、どれほど偽善に酔っていても。
その演技(いきかた)は、それだけの事を成していただけ。

きっとどの瞬間も、命が消えるなど思いもしなかった。
必ず助かるとどこかで信じていた。

だから今だって、そうなのだ。

「悪い。……ずっと一緒とか言ったかもしれないけどさ。それ、嘘だ」

悲しいとか、つらいとか、悔しいとか。そういった感情は全て胸のそこに沈め、彼は一歩を踏み出す。
静かに、けれど確実。
その一歩は後ろへと後ずさるために踏み出され、距離を作る。

「ギ……グ、……」

その動きに今まで静止を続けていた肉塊が始めて反応を見せる。
ずるずるとあたりの肉片を体中から伸びた枝のような細い手のようなものを使い引き寄せつつ、更に巨体になっていく。
ごりごりと何かを押しつぶすような音をさせながら、その塊はゆっくりと高さを増していく。
そしてその頂にて小さく鳴いた少女の形をした何かが、視界に命を捉える。

「ア、ぁ……」

回収を終えたのか、手持ち不沙汰になった腕の数々がいっせいに向きを揃える。
無論、その先に在るものは未だ生きた人間の体。

「ばいばい」

その間もじりじりと後退を続けていた命は、その一言と共に初めて背中を見せて走り出す。
追うように動き出した肉塊の山は、数本の腕を百足の足を思わせるように動かしながらその背中を目指す。
その中心に少女の無垢な顔を貼り付けたまま。
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/13(水) 23:58:29.45 ID:WiZ1iYyw0
直線では一瞬で距離を詰められる。
外に出たところでその差も広がらない。
そう感じさせる後ろから風圧や音の具合で、彼は建物の入り口付近の階段を駆け上がる。
何より、彼女はそう指示した。

『まず走れるだけ走って二階へ。右からよ。そうしたら後はなるべくよく見て走りなさい』

その言葉に従い、息を切らさず上りきった先。
細い通路をひたすらに突っ切る。
途中、何かきらりと光る線を見て、そちらを避けて通る。
振り返る余裕もなく、気のせいかと思った次の瞬間、

「ギ、ガ……オォォ……!!」

獣の咆哮が背後より轟く。
一瞬の意識をそちらに向ければ大きく裂かれた肉の断面が見える。

「糸……?」

その中心、裂け目のもとに血塗れた糸のようなものが見える。

「なるほど。えげつねぇ」

目の前に迫る次の糸をわずかに避けつつ、彼は突き進む。
第一の曲がり角が見えた。




建物全体を揺るがす咆哮が響く中、一人の女は満足そうに笑みを作る。

「いいわよ、命。私のために生きなさい。貴方は私のものなんだから」

手の中に硬質の何かを遊ばせながら、彼女は暗闇で一人笑う。




第二の角を曲がり、二階における最後の直線が見える。
背後では縦、横、斜めと様々な角度に切り裂かれた肉塊がそれでもこちらを追う。
もともと肥大した体はこの廊下を埋め尽くすようにして走っている。
ならば避けられる要素などなく、必然的にその身を削っての行進となる。
確かに有効打に見える。けれど。

(本当にこんな程度でとまるのかよ)

勢い事態は度々削がれながらも決して弱っているようには見えない。
それどころか痛みに怒りを燃やし、その速度は上がっているようにしか見えない。
捕まれば容赦なくあの肉塊の一部として食われ、砕き、貪られるであろう様を一瞬思い浮かべ、すぐに否定する。

(生きる。絶対に、生きてやる)

その為の手段として、彼は走る。

『最後の角を曲がって、まだ生きていたならそのまま左手にあるダストシュートを使いなさい。それがあなたのゴール』

その言葉を今は信じ、目前に迫ったゴールを目指して。
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/13(水) 23:59:56.65 ID:WiZ1iYyw0
「あった!」

ここまで全力疾走を続けてきてなお、言葉が出る。
無機質な取っ手は、建物の外に付けられたもの。他が一様に中央側についている中で唯一のもの。
これがダストシュートだと瞬間的に決め、彼はその取っ手を引く。
開いた口はお世辞にも余裕があるとは思えなかったが、かまわない。
鼻をつく臭いに耐え、彼はその口へと身を躍らせる。

が、その勢いはすぐにとまる。

「……あ?」

壁が。いや、詰まった生ごみが出口を高い場所まで塞いでおり、その体は外へ放り出されることを許さない。

「おいおいおいおい、ふざけんなよ。おい!!」

ガンガンと鳴り響く頭上の音は、やがて止み、光がさす。
狭い口から進入するのは最低限の機能を備えた獣の姿。
少女を象りながら、その全身から鋭い牙を生やした口が覗く。
もはや少女と区別のつくのはその無垢な顔と体のラインくらいなものだ。
行き場のないこの場所に侵入するのはその肩までだが、死を与えるには十分なもの。

「……死ねるかよ。死んで、たまるかよ」

呟きは胸の中の凶器を彼の手に携えさせる。
決して引くつもりのなかった引き金を、彼はその人形に向けて、



引いた。

――カチリ

今度こそ、言葉が出ない。
そんなはずはと、再び引いた引き金は空しく音を鳴らすだけ。
弾が、ない。
そんなはずは、と思い返せば自分のこれから弾をぬく機会などいくらでもあったろう。
あの女か、その周りの人間かはわからない。
ただ言えることは、今彼に出来る抵抗策が全て費えたということ。

「は、はは……屑は屑置き場で、か。洒落になってねぇよ」

もはや鼻先数センチまで迫った死の恐怖。
その存在に、けれど最後まで目を閉じず、相対した命は、

「―――ァァァアアアア!!」

劈くような悲鳴をあげる目の前の少女を見ることになる。
ぐじゅり、と少女の頭が彼の胸へと落ちる。
その鋭利な断面はまるで刃物で落としたよう。

と、次の瞬間背後でガゴンと何かが音を立て、気配がなくなる。
つっかえとなっていたゴミが一気に下へと落ちたのだ。
そのまま吐き出されるように彼と少女の頭部だけがその場所から出て行く。


そして、残った獣と共に、建物が炎上した。
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/14(木) 00:11:51.65 ID:uDk9YSkAO
冥「すごい事やってるね〜」

妹子「あれはあれで充実してるみたいね。顔はそこそこなだけに芯が兄くんみたいにしてればいい男なんだけど」

冥「命はしっかり者だよ」

妹子「ダメダメ。あいつ生き方がもやしだもん。冥はああなっちゃダメだからね?」

冥「うぅん。命はそんなにふにゃふにゃかなぁ」

妹子「ふにゃふにゃもふにゃふにゃ。余った皮みたいなもんよ。昔は可愛かったけど今は可愛げを武器にしちゃうくらい嫌な子だし」

冥「一生懸命だけどな」

妹子「生き方に免罪符求めてるような中途半端な奴には賭ける命も生涯もないわよ。にしても冥は命を庇うわね」

冥「妹子お姉ちゃんほどじゃないよ」

妹子「私のどこが命を庇ってるっていうのよ」

冥「えへへ。話を聞いて一番に動いてくれたもん」

妹子「そ、それは兄くんやあいつが勝手にやっただけで私は別に……」

冥「じゃあそういう事にしとくね」

妹子「あんたなかなかいい生活してるわよね、昔から」

冥「にひひ。ありがと〜」

妹子「ったく。兄くんの子とは思えないわね、どっちも」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/15(金) 00:48:35.49 ID:s0kZmPMAO
妹子「と、いう訳であの女が出禁食らってる間に私が兄くんをゲットの時間よね!」

皇「それを仮にも旦那の前で宣言するのは良くないような気がするね」

妹子「気のせいよ、そんな倫理観! でなきゃ私の恋は実らないんだからっ」

皇「倫理も論理も放ったらかしは孤独と不幸を生む糧になりかねないね」

妹子「ならあんたが私を守りなさいよね!」

皇「護るからこそ止めたいのだけれど。個人の感情としても」

妹子「私情を持ち込んでこそよ。でも止まりなんかしないけどね!」

皇「困った人だ」

妹子「愛想が尽きた?」

皇「まさか。だからこそ、させないようにしますけれどね。互い不幸にはさせたくありませんから」

妹子「一時的には幸福感を持てる自信があるわよ、私は」

皇「その先に貴女が本当に望んだ結末はありませんよ」

妹子「じゃああんたとなら私は幸せになれるかしら」

皇「なれますよ。僕が、絶対に、幸せにしますから」

妹子「……。何真顔で恥ずかしいこと言ってんのよ……バカ」

皇「僕は恥ずかしくありませんよ」

妹子「うっさいっ! うぅ……買い物いくから付き合って!」

皇「はい。どこへなりと」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/15(金) 00:59:44.17 ID:s0kZmPMAO
め「呼ばれてなくとも即参上。どうも、めいどです」

あや「街の便利屋。ライフプランのパートナー、あやですどうも」

め「あや様。いつの間に新たな肩書きを」

あや「すみません、適当ぶっこいただけです。気にしたら負けなんすよ、名乗り口上なんて!」

め「なるほど。めいど、また一つ学びました」

あや「うんうん、どんどん学べばいいさ!」

め「適当ぶっこいてスベるのは低温やけどと同義、ですね」

あや「さらっと手厳しい!」

め「それよりもあや様。我々ももっと顔出ししないと存在がなかった事にされかねないかと危惧します」

あや「ははは。大丈夫っすよ。めいどさんは仮にも属性:メイドなだけあって存外しぶとく生き残れますって」

め「つまり、あや様が窓際なのですか」

あや「リストラ候補!? 割とあり得るから怖い!」

め「うちのご主人も相当まずいですが。芋づる式という言葉もありますし何とかめいどが引っ張るしかありませんね。おや、そうなるとあや様がより一層窓際に」

あや「いっそ○して!?」

め「様々な憶測飛び交いかねない伏せ字ですね。めいど、知ってます。これがR-18なのですね」

あや「どっちにせよリストラされて風呂落ちコース! バカな、こんなはずでは」

め「あや様。大丈夫です」

あや「めいどさん!」

め「人生、諦めも大事かと」

あや「突き落としにきたよこの人ー!」

め「問題ありません。この場合、めいどの事を世間一般では人でなしと呼ぶそうです。つまり人というカテゴリーに該当しませんので悪しからず」

あや「悪しき塊じゃないっすかー?!」
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/15(金) 01:22:47.69 ID:s0kZmPMAO
会長「久しぶりに登校された男子さん一緒に過ごすお昼はなんと素敵な時間でしょうか」

男子「こちらとしても喜んでいただけてるようで何よりですが近くありませんか? というか何故後ろから抱きかかえられてお昼ご飯なんでしょうか」

会長「勿論、男子さんを独り占めしたいからですよ」

男子「わざわざこっちの小さい屋上に二人きりなのに独り占めも何もないような」

会長「あら。私これでも妹達からお昼を二人きりでいただく権利のご予約を半年先まで頂いている身なのですよ?」

男子「もしかしなくても独り占めしてるの俺……げふん。私だったりします?」

会長「立場や環境としては申し分なく。皆さんに予約日を一日ずつずらして頂いてますし」

男子「道理でここに来る途中、殺気やら怨念やら刃物やらが飛んできてたんですね。納得しましたから離してください。帰り道が怖くて仕方ないので」

会長「あらあら、それは大変です。最後まで付き添わせていただきますね」

男子「ダメだ。逃げれねぇ」

会長「では問題が解決したところで。お味はいかがでしょう」

男子「ああ、これはすごいよ。めちゃくちゃうまい。良かったら教えてく……ださいませんか?」

会長「くすくす。先程のような粗暴なお話の仕方をされる男子さんも可愛いですね」

男子「育ちが悪くてすみませんね」

会長「誉めましたのに。可愛いギャップだな、と。では放課後によろしければご伝授しましょうかしら」

男子「お願いしたいところですけど……またどなたかとの約束を反故にしてという事ではありませんよね?」

会長「ご安心くださいな。元より今日は料理を教える予定でしたので」

男子「ああ、それなら……」

会長「二人きりの予定が三人になるだけですから私は手間がかかりませんし」

男子「調理室で鋭利な包丁が事故で飛んできそうなお邪魔虫になる訳にはいきませんから辞退します」

会長「……男子さんが来なければ私、寂しくてその子との約束を反故してしまいそうですわ」

男子「わかりました! 行きます、行きますから!」

会長「ふふ、ありがとうございます。優しい男子さんは大好きですよ」

男子「そりゃどーも。……はぁ」
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 03:01:40.59 ID:dG/+7Fdco
本日のお題です
【俺がガンダムだ】
【異能生存体】
【童貞坊や】
【ロケットパンチ(という名の投擲)】
【いいんちょは死んだ!もういない!!】

まさかダイガードが参戦するなんて思わなかったよ
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/16(土) 04:52:50.93 ID:bi18FvJAO
お題に取りかかる予定が気付けばこんな時間……

とりあえず今夜は軽くでお茶を濁してみたりなんかして!
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/16(土) 05:04:23.09 ID:bi18FvJAO
会長「くすくす。なるほど、似合いますね」

男子「たかだかエプロン姿なだけでしょうに。何も変わらないですよ、本当。女の子は心で勝負が一番です」

会長「あら。男子さんは女性の脚回りについてはかなり熱心な視線を向けてらっしゃるように見受けられますが」

男子「それは俺……げふん。私がその、えぇと。ああ! 脚があまり細くありませんので他人の姿が気になるだけでして!」

会長「なるほどなるほど。では一様にただのストッキングがハイソックスよりも膝上まで隠す靴下やストッキングの方を注視されるのも何か理由が?」

男子「それらが特に似合わないから念入りに見ちゃうだけです! だけなんです!!」

会長「私のようなロングスカートの愛用者は男子さんのお眼鏡にはかなわないのですね」

男子「いや、大丈夫です。会長さんがガーターなのは知ってますから。……別に他意はありませんよ? ありませんとも!」

会長「何を慌ててらっしゃるか分かりかねますが概ね趣向は把握しました。今日は楽しい食事会になりますね」

男子「何を出るやら」

会長「メインディッシュは男子さんにしましょう」

男子「勘弁してください。それより先約の子がまだ来られないみたいですが」

会長「あっさり流されてしまいましたね。ちなみに彼女は男子さんが来るとお教えしたところ何故かお幸せにと涙ながらに走り去られましたが」

男子「……なんで初めにそれを言わないのですか」

会長「面白いので」

男子「会長さんも大概いい性格してますね……」

会長「くすくす。ありがとうございます」
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 00:14:41.16 ID:duvOfHJMo
ぶっちゃけ某馬鹿生徒会長がちらつくせいでものすごい違和感があったりなかったり
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 00:58:49.90 ID:6+EgfGplo
めいどは可愛いし『意地悪なメイド』だけど
あや様は・・・・・・



ピコーン!!(AA略

登場回数が少なくてバックボーンが薄いのがいけないのだから
VIPで学園怪異ものの読みきり中篇書いてくればいい
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/17(日) 09:19:37.54 ID:YdY8fC8AO
むしろ意地悪される側としての地位を築いているような気がせんでもないがww

最近主様の投稿量が多くて嬉しい限りだ
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/18(月) 00:02:09.27 ID:G80UgtZt0
生徒会長ってなんか響きがいいよね!
ただ中の人が中学時代生徒会長やってましたが何らトキメキがなかった。
これが・・・現実・・・ッッ

さておき、どちらの生徒会長かわからないので違和感を減らす努力が難しそう。
まぁうちの人はあらあらうふふ(黒)なんでそんな感じでお願いしますw


あやについてはさっさと書かないと本当にかわいそうなのでいずれ書かせていただきます。
一応この子がいてこその厨二病展開なので!
でもまずは委員長たちのとこをば。
あとこいつ、ドM属性なんでどんどんひどい言葉かけましょう。喜ぶかもしれません。


そして今週も毎日更新を心がけていきますのでよろしくお願いします。
比例してかコメントも増えてきてホクホクですし!
そんなわけで今夜はお題をばー。
328 :【俺がガンダムだ】 [sage;saga]:2011/04/18(月) 00:23:08.60 ID:G80UgtZt0
メ「どうも、ガンダムです」

男「お前、しばらく出禁だろうが」

メ「いえ、人違いではありませんか? 私はガンダムですので」

男「そのダンボールアーマーがか」

メ「モノアイもありますよ」

男「サングラス全体がそうなら確かに単眼扱いもわかるけどお前意味わかって言ってないだろ」

メ「心が大事なんです」

男「モビルスーツに心を求めたら駄目だろ。戦争がさらにややこしくなるぞ」

メ「大丈夫です。世界がみんなガンダムになれば平和な世界になります」

男「いや、モビルスーツだらけのが戦争おこるだろ」

メ「神はいない! いるのはガンダムだけだ!」

男「怖ぇよ、もはや新興宗教みたいなってるぞ!」

メ「でもガンダムだからいいかなって。ほら、私ガンダムなんですよ?」

男「いいからまた舞台裏で待機しとこうな?」

メ「いやだいやだ! 出たい出たい出たいー!」

男「わがままな奴め」

メ「出してくれなきゃ主様の恥ずかしい話を匿名でいろんな人に投稿したことを教えちゃいますよ!」

男「実行済み!?」

メ「拡散メガ粒子砲が火を吹きましたね」

男「そんなん装備するガンダムは稀だし、何お前とんでもない名誉毀損行為を!?」

メ「主様も人を捨ててガンダムになればいいじゃない」

男「そんな方法で退場はいやだよ!?」
329 :【異能生存体】 [sage;saga]:2011/04/18(月) 00:36:24.88 ID:G80UgtZt0
妹嬢「異能生存体。つまりは強運という言葉すら生ぬるいレベルでどんな活動領域ですら活躍可能であり、生存能力が高い固体。……一人心当たりがありますね」

男「へぇ。やっぱお前の知り合いとかなるとそういうすごい奴がいるんだな」

妹嬢「誰とは言いませんがね。ええ、言いませんが」

男「でもすごいよなぁ。周りがすごい奴らの中にいても全然平気なんだろ? 羨ましいよな」

メイド長「……本気で仰ってますか?」

男「え? 何か変なこと言いました、俺」

メイド長「いえ、何でもありません。失礼しました」

妹嬢「自覚がない分、厄介なのかそうでないのか」

男「……?」




委員長「くす。そうね、そういう意味ではこの子はやっぱりそういう星の元に生まれてるわ」

命「あん? 何かいったか?」

委員長「何も。あなたを御守代わりにするのも悪くはないと思っただけよ」

命「ていのいい抱き枕か何かとしか思ってないくせによ」

委員長「ええ、そうね。そうかもしれないわね」

命「認めるかよ普通……。いやいいけどよ」
330 :【童貞坊や】 [sage;saga]:2011/04/18(月) 00:45:00.78 ID:G80UgtZt0
あや「ここのスレとは無縁の言葉っすねー」

め「情操教育の乱れというものですね。めいど、知ってます」

あや「最近の若いもんは駄目っすね、貞操観念がない!」

め「性知識の低年齢化が進む昨今ですので」

あや「そういう意味では貴重な存在がここに!」

女弟「俺は童貞じゃねぇ!!」

め「童貞は皆口を揃えてそのような弁明をする、と聞いたことがあります。めいど、博識ですので」

女弟「だから違うって!」

あや「んじゃあ相手は誰か言ってみてくださいよ」

女弟「え? あ、えっと……」

め「大丈夫です。めいど、口は堅いほうだと自負しますので」

あや「ほかに誰が聞いてるわけでも興味あるわけでもないんでほらほら」

女弟「後半バカにしてんだろ、この野郎」

め「女郎ですが」

あや「誤魔化してないでさっさと吐いちゃってください」

女弟「……。や、やっぱ秘密だ秘密! 言ってたまるか! じゃあな!」

ドダダダダ

め「……。なんとまぁ初々しい」

あや「嘘でも適当に言っとけばそれなりにセーフかもしれないのに。かわいそうに」

め「ちなみに私は記憶の限りでは純潔ですが、あや様はいかがでしょうか」

あや「では次のお題にれっつゴー!」

め「あや様も中々に下手な方ですね。めいど、よくわかりました」
331 :【ロケットパンチ(という名の投擲)】 [sage;saga]:2011/04/18(月) 00:49:47.33 ID:G80UgtZt0
冥「ろけっとぱんち?」

男「ああ、男のロマン武器の一つだ。ほかにはドリルとかあるぞ」

冥「そうなんだ! えへへ、私もできるかな?」

男「できたら困るぞ。腕飛ばしたらまずいだろ」

冥「でも強そうだよ!」

男「自分に大ダメージだからな、間違いなく」

冥「あ。そっか……ロケット付いてないから飛ばないもんね」

男「そこはいいんだ、別に。腕離れたらそれどころじゃないだろ?」

冥「うん。飛ばすには投げるしかないもんね」

男「冥。パパはお前まで人の話を聞かない子に育てた覚えはないぞ」

冥「ふぇ? 私、パパの言うこときかない悪い子じゃないよ!」

男「いい子なのはよーく知ってるので、自分の腕をはずそうとするのをやめなさい」

冥「じゃあパパのでやる! ロマンだもんね!」

男「絶対にやめなさ……いだだだだだ!? だから、ちょ、おい本当に駄目だってば! ぎゃあああああああああ?!」
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 00:50:55.16 ID:GWaBTt1Mo
自覚した瞬間に異能生存体でなくなるという説もあってだな・・・

バーコフ小隊もキリコの余計な一言さえなければ死なずに済んだかもしれないのに
333 :【いいんちょは死んだ!もういない!!】 [sage;saga]:2011/04/18(月) 01:13:00.63 ID:G80UgtZt0
命「だったらよかったんだが、な」

委員長「珍しく私をお題に入れている中では優しい内容ね」

妹「え?!」

命「もっと鬼畜なのが来ると思ってただけに拍子抜けだな」

委員長「そうね。まさか味方側の扱い、それも重要なキーマンポジションとは思わなかったわ」

妹(なんでこんなひどいお題なのに平然としてるの!? これ全然扱い良くないよ、お姉ちゃん!!)

命「でも委員長が本当にそうなったら、泣いてくれる奴なんているかね」

妹「なっ……いるに決まってんでしょ!」

委員長「命は泣かないでいてくれるかしら?」

命「当然だろ。俺は泣くわけねぇ」

妹「最低! あんた、お姉ちゃんと一緒に頑張ってるんじゃないの!」

命「何一つ頑張ってねぇよ。むしろ死ぬような思いを何度もさせられたし、利用だってされた」

委員長「そうね」

妹「うっ」

命「だから、泣いたり悲しんだりなんてのはねぇよ。そうだろ?」

委員長「そうね」

命「俺はあんたが死んでも立ち止まりもしないし、振り返らない。先に待ってる、それだけだ。いつか会える。そうだろ?」

委員長「ええ」

命「それだけのことだ」

妹「……お姉ちゃん、命……」

委員長「ね? 有情なお題でしょ」

妹「そう、なのかもね」

命「普通なら最悪のお題だけどな。あんただけだよ、似合うのは」

妹「ちょ、せっかくいい空気なのに何台無しにしてんのよ! バカバカバカ!!」

命「ははは」

委員長「くす」

妹「がるるる!」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/18(月) 01:20:25.31 ID:G80UgtZt0
メ「ガンダムな私からしてもボトムズはリアル系の皮をかぶったご都合設定ですしね。よくある話です」

男「おいガンダム、出すぎだぞ。謹慎しとけ」

メ「く、介入行動がバレた! 逃げろー!」

男「あいつこのネタ気に入ったのか」

妹嬢「しばらくあのノリで来られそうですね」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 01:36:20.79 ID:GWaBTt1Mo
いいんちょにもたまには安らぎを与えても良いじゃないか


ただし妹嬢、てめーは駄目だ
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/18(月) 01:44:16.54 ID:gMpIy6AAO
あや「ドMじゃない! あってたまるもんすか!」

め「おや。あや様は基本的に受け側を選ばれますのでめいど、てっきり」

あや「好きでそんなポジションな訳では!?」

め「割と精神的にも物理的にもことごとくダメージを受ける立場とは如何に」

あや「望んでそうなのではないからセーフだと思うんすよ」

め「流れが出来ると既成事実になると両性具有の先達がおられまして」

『生えてません?!』

あや「な、何か空耳みたいのが」

め「あや様も新たな属性取得おめでとうございます」

あや「すごい不本意!? というか無理矢理にでも付けにきてるよこの人!」

め「めいどの土産というやつでしょうか」

あや「それ死刑宣告みたいなもんだから!!」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/18(月) 01:54:52.52 ID:gMpIy6AAO
妹嬢「私が何をしたというのですか!?」

委員長「素晴らしい人気ね。おめでとう」

妹嬢「喧嘩を売られてますね? そうなのですね?」

委員長「止めましょう、そんな生産性のないやり取り。私はあなたを単純に誉めただけよ」

妹嬢「上から目線で言われても何ら嬉しくはありませんが」

委員長「そうね。本心から誉める気はないもの」

妹嬢「嫌な人!」

委員長「あら。私がいい人でないのは昔からよ。知っているでしょうに」

妹嬢「うぅ……それにしても何故私がこんな言われを受けなければならないのですか」

委員長「あなたに比べれば他の娘たちの扱いなんてもっとひどいわよ」

妹嬢「どこがですか! 私以上にこんな立ち位置が悪い人間が居てたまりますか!」

委員長「そう思っている内はまだまだ許してもらえないわね」

妹嬢「何ですか、それ」

委員長「さぁ。適当な戯れ言よ。本気で取り合わないのが精神衛生上の為かしら」

妹嬢「……」

メイド長「お嬢様。気になさらず。所詮野良犬の遠吠えですので」

委員長「言ってくれるわね」

メイド長「負け犬はさっさと巣にお戻りなさい。でなくば躾もやぶさかではありませんよ」

委員長「それは怖いわね。退散させてもらうわ」

メイド長「二度とお嬢様の前に立たぬよう。……ふぅ、お嬢様、もう大丈夫ですよ」

妹嬢「メイド長、私は……」

メイド長「深く捉えられなくとも結構ですよ。いつも通りのお嬢様に対する流れのようなものでしょう。ええ、ですから気にせずに」

妹嬢「……はい」

メイド長(ずいぶんと参られて……この方こそ休息が必要なのではないでしょうか。聞き入れてはくださりそうにありませんが)
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/19(火) 00:12:48.44 ID:aJjRdn4AO
男「さーて今晩のメイドさんは?」

テッテレテー

メ「ガンダムです。肌寒い季節からようやく麗らかな日差しが降り注ぐようになりましたね。まるで拡散メガ粒子砲のように」

男「サザエさん風予告が一瞬にしてロボアニメな空気に」

メ「次回はガンダム、大地に立つ。オペレーションメテオ。怒れる瞳の三本でお送りします」

男「意外と豪華なラインナップだけどもう次回予告なのか」

メ「それでは来週も見てくださいね。じゃん、けん、しねぇ!!」

ズキューン!

男「こ、こら! カメラに向かってビームライフルぽく音ならしながら物を投げるんじゃない!!」



てな訳で今夜は短くそこそこに!
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/04/19(火) 00:31:53.20 ID:aJjRdn4AO
妹「……」

委員長「どうしたの、妹。あれがどうかした?」

命「……」←あれ

妹「ふぇ?! な、なんでもないよ。なんでも……」

委員長「……。まぁ見てくれはいいものね」

妹「ちょ、ち、違うよお姉ちゃん! 勘違いしないで!」

委員長「あの子は追われるより追う方が本気になるタイプよ。あまり自分から仕掛けるものじゃないわ」

妹「だから違うよ! 私はそんな、全然あいつの事なんかっ」

委員長「でも一夏の思い出くらいにはちょうどいいわね。あの歳にしてはなかなかうまいし顔もいいもの。少し貴女は垢抜けてきなさい」

妹「お姉ちゃん、話を聞いてってば!」

委員長「だったら私がもらっていくわね。あれでもお気に入りなのよ、あの子」

妹「だ、ダメっ!!」

委員長「くす。あら、どうして?」

妹「それは、その……ほら、お姉ちゃんにあいつなんか釣り合わないからで。だからお気に入りでもそんなのダメで」

委員長「だったら貴女となら釣り合いが取れるのかしら」

妹「わ、私!? そ、いや、でも」

命「さっきから何二人でギャーギャーやってんだ。うるせぇな」

妹「ひぅ!? あ、ああ……」

命「あン?」

妹「あんたなんか、あんたなんかぁぁぁあああ!!」

バチン! ドダダダタ

命「っ、つぅ〜〜! なんのつもりだよ、あいつ!」

委員長「さぁ。でも可愛いでしょ」

命「あ? なんだそりゃ。それよりお前の妹はいきなり殴って逃げるのか」

委員長「私の血縁だもの」

命「何か変に納得しちまった」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/19(火) 00:33:51.31 ID:aJjRdn4AO
男「やっべ。ageちゃったよ」

メ「主役不在なのに」

男「もはや出禁とは何だったのかってレベルであっさり出るよね、君」

メ「封印が解けられた!」

男「ブロンティスト乙」






マジで不覚だったわ……早く下がってくれぇ!
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/19(火) 01:22:05.72 ID:aJjRdn4AO
女「あ、男くん」

男「おお、女さんか。買い物?」

女「う、うん。男くん、も?」

男「おう。学校から帰って一旦着替えちた後にここのスーパーに寄るとちょうどタイムセールでさ」

女「……同じ、だね」

男「お。女さんも卵狙いか、負けないからな」

女「う、ん」

女(あわわ、どうしよ。男くんがこんな近くに。えっと、えっと何か会話をしないとっ)

女「その、服!」

男「ん? 服?」

女「素敵、だね。すごく、いい、かも……」

男「なんでどんどん語気が弱くなるんだ。でもありがとう。最近うちの奴がネット通販で見つけたらしくてさ」

女「そ、なんだ」

男「何か個人がチョイスした服だけど組み合わせが可愛いとかで評判なんだと。それを試しに買ったみたいなんだが……要はていのいいモルモットさ」

女「でも、いいと思う、よ」

女(それにしても何だか見たことあるコーデかも)

男「ん、どうも。ただ俺もよく知らないんだけど『O』さんって人がやってるやつなんだってさ」

女「ふぇ?!」

女(それ、私が時々ネットで上げてるやつなんじゃ)

男「ま、とにかく気に入ったから今後もその人の新作に期待しとこうかな」

女「あ、あ、えと、じゃあ……次はスカート、とか!」

男「それはいいかなぁ」

女「えぇぇ?!」

男「いや、そんな驚かれても」
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/19(火) 01:25:35.62 ID:aJjRdn4AO
女「なんて事もあったっけ」

男「だね。確かにあの頃からお気に入りなのは相変わらずだけど」

女「今日はこれとか着てみようよ〜」

男「未だにこういう服を着せられそうになるのも相変わらずなのはどうなんだろう」

女「大丈夫、絶対似合うから!」

男「何で自信満々に言い切れるかな」

女「えへへ。色々あって女の子は強くなるのですっ」

男「そこは素直に喜ぶところだね」

女「だから、はい!」

男「でもこんな部分での押しの強さは要らなかったと思うんだ……」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/20(水) 00:35:33.57 ID:NXU8kFhAO
め「サービスシーンなるものが必要なのだと聞きました」

あや「それは青年向け内容の場合です。このスレは全年齢対象ですから必要ないんすよ」

め「そう仰りながらも着々と面積の少ない布地に身を任せる様はまさにプロですね。さすがはあや様」

あや「文面だからって追い詰めるのはやめようよ!? 何が悲しくて肌を無闇に晒さないといけないんすか!」

め「世の中の悲しみを癒やす為に、あや様が文字通り一肌脱がれる。素晴らしい話ではありませんか」

あや「素晴らしくないのだけはわかりますね。というか世の中の悲しみがえらいピンポイントな年齢層!」

め「あや様の良く言えばスリムな体型は人を選びますのでちょうどよろしいかと」

あや「ピンポイントの対象が違うし! 何気に貧相だと言われてるし!」

め「大丈夫。需要はあります」

あや「ぐ、見事に追い討ち。ならめいどさんのがスタイルいいんだから脱いだらいいじゃないすか!」

め「嫌です。痴女であるまいし」

あや「この人鬼だー!!」

め「いいえ、めいどです」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/20(水) 00:42:57.87 ID:NXU8kFhAO
会長「サービスクイーンである男子さんはそういった意味では一番人気なのでしょうね」

男子「誰も喜ばないサービスシーンはカウントしないんで」

会長「一部、性根の歪んだ方々が毎回楽しみにされてますが?」

男子「ノーコメントで」

会長「ですが男子さんは脱いでは逆に色気が褪せますからね。是非着たままのサービスを」

男子「応えようのない要求出されてもですね」

会長「例えば」

びりりっ

男子「ひゃう!?」

会長「このように深いスリットを入れて下着が見え隠れする様ですとか……おや、女性モノですか」

男子「ちゃんと男用だから! 勝手に決めないで!」

会長「なるほど。心も乙女である為にまずは形から、ですね。素晴らしい向上心。嗜虐の精神を擽られます」

男子「聞いてねぇよこの人! というか何かさらっと怖い事言ってないすか?!」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/20(水) 00:54:12.20 ID:NXU8kFhAO
友「着飾ると言えば外せないのは女さんだね」

女「わ、私? 私は全然だよ」

友「女さん自身は結構簡単に着こなしてるけど見てて外れがないっていうか」

女「私はただ、組み合わせて変じゃなければいいだけで」

友「それがセンスだよ。だから女さんデザインの服とかはうちのも褒めてたし」

女「私はすごくないよっ。着こなしてくれるみんながすごいだけ。そういう意味では妹嬢さんや妹子ちゃんは別格だったかな」

友「男は入らないんだ」

女「う……ごめん、やっぱりあの二人に比べるのは難しいかも」

友「ま、ごもっともか」

女「あの二人は何を着せても似合ったからね。私もやりがいがあるんだか仕事がなくなってるんだか分からないくらいだったんだよね」

友「服に中身が勝っちゃったらコーディネートのしがいがなくなるか」

女「多少は、ね。だから途中からは趣味だったかも」

友「そういう意味じゃ役得だし天職だったんだね」

女「うん。後、一緒にお風呂入ったりも出来たのはすごかったよ。もうね、芸術作品みたいだった」

友「男に生まれたからには一度そんなすごい人と、なんて思っちゃうよ」

女「私が男の子なら間違いなく理性が大変でした」

友「さすがに同性なら理性云々以前だしね」

女「……。あは、あはは……すみません、理性保ちませんでした」

友「え?」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/20(水) 23:43:04.15 ID:QeWvLTc2o
そうだサービスシーンは必要だ
全員でやれ
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 00:10:40.21 ID:DbOXmSUso
なんか妹嬢をいじりにくくなってしまったので久しぶりに中の人掘ろうと思います
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/21(木) 00:50:49.92 ID:2b67UWtAO
メ「ガンダムのエロ画像希望と聞いて」

男「仮にそうだとしてサービスシーン提供しないだろ、お前。あと全員だからな?」

メ「私一人のサービスシーンで一騎当千な訳で。鬼神の如き活躍しますね」

男「それらのワードに一切魅力を感じないんだが」

メ「とりあえずいきますよ。チョバムアーマー、パージ! さぁ、とくとご覧あれ!」

男「ダンボールアーマー脱いだだけじゃねぇか」

メ「ああ、このメイド服はバカには見えないタイプなんで。ちなみに下はバッチリ勝負下着です」

男「ぐぁぁあああ! この瞬間だけはバカになりてぇぇええ!!」

メ「やーい、バーカバーカ」

男「おい、まだ服が見えてるぞ! バカになったはずだろ!」

メ「バカさが足りない!」

男「ぬぬぬ……うぉぉおおお! バカのなりかたが分からん! ちくしょおおお!」

メ「ははは、精々悶えるが良い人間よ。我が真の姿は誰にも捉えられぬのだー」

男「俺は……バカになれない……」

メ「その時、主様に秘められし真の能力が! 次回『覚醒』。主様が、バカになる……!」

男「やっべぇ、次回まで全力待機だな」

メ「まぁここで打ち切りなんすけどね」

男「ぎゃぁぁああああ!?」






め「あれをバカというのですね」

あや「正確にはバカップルっすね」

め「なるほど。めいど、また一つ賢くなりました」

あや「果たして必要な知識かは疑問っすけどね」
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/21(木) 01:00:06.00 ID:2b67UWtAO
妹嬢「とうとう私への嫌疑が晴れるというのですか!?」

委員長「良かったわね」

妹嬢「……。何故かあなたから言葉をいただくと無条件に喜べないのですが」

委員長「そうね。祝ってなんかないもの」

妹嬢「こうもハッキリ言われると逆に清々しますね」

委員長「あなた、立場がとても危うくなっている事に気付いているかしら」

妹嬢「何のことですか」

委員長「話題にされづらくなってると言ってるの」

妹嬢「そんなはずありません! 今後は私の真の魅力にて皆さんの応援を得て……」

委員長「重傷ね。いいわ、だったら頑張ってみなさい。いずれ分かるわよ」

妹嬢「含みのある言い方ばかり。失礼な方です」

委員長「そうね。それじゃあ失礼するわ。精々頑張りなさい、お嬢様」

妹嬢「言われずとも!」






妹嬢「……。……私は何も間違えてなんて」

メイド長「お嬢様、大丈夫です。お気になさらずに」

妹嬢「はい。きっとここから私の活躍が始まるのですから!」

メイド長(ただ話題にされにくくなった可能性は……いえ、シリアスな空気こそお嬢様。今後は色物キャラなど!)
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/21(木) 01:04:35.36 ID:2b67UWtAO
さて、妹嬢ピンチ。

それ以上に中の人の処女もピンチ。

どうしよ。なんかいじられるように仕向けないと久しぶりにお尻がムズムズする生活が始まる悪寒!

そうだ! 中の人の写真を貼ってブラクラものだと気付いてもらえれば!!







絶対やりませんが。ええ、はい。

さておき、妹嬢をはしゃがせすぎた。……その内凹ませないと。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/21(木) 01:22:41.60 ID:2b67UWtAO
め「しかしサービスシーンとは難しいものですね」

あや「難しいならやらなきゃいいじゃないすか」

め「お客様の要求に応えずして何が侍女であるかと」

あや「仕える人間違えてない?」

め「現在派遣切り状態ですのでわりかし問題はないかと」

あや「軽い自虐じゃん……でもだからってサービスシーンなんてやれないでしょ、こんな文面上」

め「あや様。昨今では百合とやらが主流の一つだそうですが」

あや「そうくるか?!」

め「ご安心ください。めいど、何気にあや様に対する好感度はCG一枚分に匹敵する程度には高まっております」

あや「変な知識ばっかり吸収してからに! というかこちらからの気持ちはどうなるんすか」

め「おや。めいど、てっきりあや様からゾッコンラブ頂いているものとばかり。残念ながら一途な機能も搭載済みのめいどには先約がありますが」

あや「いやいやいや。ゾッコンはないから、ゾッコンは」

め「ラブありで?」

あや「……無くはないっすけど」

め「デレいただきました。では契約完了としまして昨今サービスシーンを」

あや「展開早くない?!」

め「問題ありません。数行空けた後、宿屋の主人より『昨夜はお楽しみでしたね』の一言をいただければ既成事実になりますので」

あや「サービスシーン思いっきりカットされてるー?!」

め「おや? サービスシーンとはこの間なのでしょうか」

あや「そりゃ、その……ねぇ?」

め「めいど、あや様とセクースするには好感度が足りないと判断しますが。あと諸処の問題などなど」

あや「この子はっきり口にしちゃったよ! けどまぁ結局、サービスシーンは無理って事なんすよ。分かったら諦めて……」

め「ですからその辺の適当な相手にあや様がリョウジーョクされる様を放送というのはどうでしょう。あや様の性癖的にもベストマッチかと」

あや「最早頭のネジをどうにか締め直す必要性すら感じてきたんすけど」

め「あや様……そこまで自己を卑下されずとも」

あや「ヤバい。殺意で人をころせたらって一瞬マジで考えてしまった」

め「妄想は大概にされた方がよろしいかと」

あや「うきゃぁぁあああ! ちくしょおおおおお!」

め「ああ、ネジが……」
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/21(木) 22:18:07.63 ID:K3PCqjrjo
サービスシーン書けないから代わりに中の人がサービスすると聞いて
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/21(木) 22:39:11.64 ID:DbOXmSUso
その辺の適当な相手に中の人がリョウジョークされるとな・・・

あと地震怖い
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/21(木) 23:08:40.96 ID:K3PCqjrjo
西日本は今日も平和です
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:24:31.36 ID:ISID7BU00
中の人のサービスシーンは頑張って書くことです!

というわけで今夜は委員長編投下。

実は今回で区切りがつくとか何とか!

打ち切りみたいに見えるけどちゃんとこういう流れの予定だったので何かあれでも許してね!

というわけで早速。
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:25:24.21 ID:ISID7BU00
めらめらと燃える建物。目の前で崩れていく様を身ながら、漠然と思うのは自身の生。

「生きて、た」

確かめるように自身への言葉を呟く。
あがくだけあがき、最後の瞬間にだめだと思って、しかし生きた。
一緒に押し出されたか、何かの拍子で詰まりがとれたか。
どちらにせよ、退路となった場所に壁だったゴミが散乱している。

ぐずり、と。その時点で自分が抱いていたものに気づく。
ぬらぬらと、どこか禍々しい肉と汁気を帯びたそれは、頭部。

「……何で、だよ」

自分から離れたことか。この結末に対してか。
言葉を交わすことない存在故に、その心内がわからぬままに離別となった。
その少女の顔を、彼は今一度強く抱く。

「思ったよりも無事だったようね。もう少し危うい場面があるかと思っていたのに」

背中にかかる涼しげな声に振り向けば、やはり彼女の姿がある。

「委員長」

「ええ、私よ。あなたが思いのほか頑張るものだから、脱出させるタイミングが遅くなったわ」

こともなげにそう言いきる彼女。恐らく、また彼女の暗躍で自分は助かったのだろう。
いや、違う。……きっとそうじゃない。

「こいつが目的だったのか」

隠すように腕の内にある頭部を抱え直す。
彼女は言っていたはずだ。この部位だけは持ち帰るのだと。

「知ってたんだろ。こいつがあの中にいたの」

「そうね。知っていたわ」

悪びれることなく、その目的も肯定し、彼女は平然と返す。

「それで、厄介なやつの始末と、目的の回収も兼ねたから、あのタイミングなんだな」

「あなたの頑張りで予定を繰り上げなくちゃならなかったのは本当。けれど、そうね。大体は命の思う通りよ」

ならばあの状況も、危機を作り出したのも彼女。
人を利用することを何ら罪と思わず、自身の目的を達成する。
改めてこの女が恐ろしい、と彼は思う。
けれど、助かった。ならば、今はそれでいい。

「……。これから、どうすんだ」

「迎えは来るわ。ここは監視下だもの。すぐに異変は気づかれるわ」

「なら、俺の役目も終わりか」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:25:56.64 ID:ISID7BU00
そう。彼の役目は獣の少女の導き手。その対象が消えた今、彼女はただ目的のモノを回収すれば終わりだ。
つまり、今の命の存在など足手まといであり、邪魔でしかないはず。
彼の言う役目の終わりとは、その短く空虚だった人生の終点を意味していた。
しかし、

「ダメよ。対価はまだ払い終えていないでしょうに」

彼女は薄く笑うと、彼の頬に手を添え、

「報酬は与えるわ。あなたがこの地を無事に脱するという。だから」

奪う。ただほしいままに、その唇を。

「……っ、は。だから、あなたの魂、毛の一本に至るまで、私のもの。そういう契約でしょう」

「そう。だったな」

そうだ。少女の未来は無くなり、同時に無くなったのはその守護のみ。
命の無事も契約として含まれていた。
きっとそれは、無意識に期待していたことで、やはり自身の死は受け入れていなかった。
だから、まだ生きる。……生き延びる。
今はその約束された生に、安堵を得るのだった。
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:26:47.42 ID:ISID7BU00
あれだけ激しく燃え上がっていた火は、しかし不思議なことにあたりに広がることはなかった。
ある程度開けた場所だとはいえ、森の中。下手をすれば山火事だったろう。
だが事実として、炭となり燻ったのは建物と少しの周囲のみであった。

「さすがにあの化け物もこれだけ焼かれりゃおしまいか」

「どうかしらね。ただ現状として襲ってこないなら問題ないわ。後始末は私の仕事じゃないもの」

「……。それで、動かずいたのは新しい救援待ちか何かか?」

「そうね。賭け、みたいなものかしら。どちらが先に来るかわからないから」

「あ?」

遠まわしな物言い、その意味の不明さにただ聞き返すしかない。

「貴方、自分がどれだけ恵まれているか、知らないでしょう」

「何の話だよ」

「……賭けは私には不利なほうに転んだみたいね」

彼女が告げた瞬間、いつの間にか人影が辺りに広まっている。

「いつの間に」

「怖いわね。私も全く気づけなかったわ」

「味方にビビってどうすんだよ、らしくねぇ」

「そうね。味方相手にならこんなに警戒しなくてもいいのだけれど」

「おい、何言って……」

ふと、その言葉に視線を辺りに戻せば向けられるのは銃口。

「おいおいおい。何の冗談だよ、これは」

後ずさる先にもいつの間にか死の予感が迫っている。
囲まれた、というべき状態だろうか。しかし、違和感を感じ、その銃口の先をたどればどれ一つをとって自分を向いていない。
その凶口が向けられる先は、

「……。こんな辺鄙な場所にまでご苦労ね。飼い犬さん」

全て委員長のもと。
決して多くは無い人影だが、その全てがとてつもない威圧感を放っている。
その先が自分に向けられていれば喋ることすらままならないだろう、と命は思う。
それでも涼しげに返した先、人影の中から見目麗しい女性が出てくる。

「主よりの厳命ですので。それにしても、まさか貴女が噛んでいたとは」

どこかで見たことのあるその姿は、侍女服姿であり、この場にそぐわないもの。
けれど、何故かこの中で誰よりも存在感を発し、決して場違いだとは思えない姿。

「亡者に縛られるなんて。貴女達の忠犬ぶりには頭が下がるわ」

「でしたらそのまま無抵抗で。こちらも無駄な手間も労力も弾丸も惜しいものですので」

「嫌よ。私に触れていいのは私だけなんだから」

言いながら、委員長の側に引き寄せられる。
自分が割り込む余地がないと、黙っていただけに唐突なアクションに何ら抵抗なく流されてしまう。
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:27:14.64 ID:ISID7BU00
「その方を離しなさい」

「ダメ、とは言わせてくれないわよね」

「交渉の余地など最初から存在しませんが。ですがこちらとしてもその方を危険に晒すのは本意ではありません」

「じゃあ、見逃してくれないかしら」

「それこそ本意ではありません。先に告げておきます。私から貴女方の目的そのものに関与する気はありません」

その視線の先にあるものは、獣の頭。

「それは有り難い申し出ね。命、それ、こっちに渡しなさいな」

「……」

何か、とても嫌な予感がする。
それはきっと、自分ではなく、目の前の相手のことで……。

「命。契約、私に破らせないでくれるわよね」

無事を約束する、というもの。
何となくわかることは、この侍女服の女と、その一団は自分を助けようとしているということ。
けれど、彼女はどうなのだろう。

「あんたは、どうすんだよ」

「決まってるでしょ。次に行くだけよ」

「……。それは」

その先の言葉が出るより先に、抱きすくめられる。
周囲の空気が固く、緊張の糸が張られる中、彼女は命にだけ囁く。

「命。貴方との蜜月。思いのほか楽しませてもらったわ。だからイイ事を教えてあげる」

それは容赦なく、

「何も考えず、ただ非日常に憧れた馬鹿な子を、私は一度たりとも相手にした覚えはないわ」

塞ぐことの出来ない耳朶に、


「私はね。貴方なんて一度も見ていないの。貴方の姿に未練と憎悪をぶつけただけ」

もっとも彼が忌み嫌うことを、

「貴方のパパの事、私は好きだっただけ。わかった? 貴方自身に価値なんてないのよ。お人形さん」

たたきつけた。
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:27:59.18 ID:ISID7BU00
呆然と、ただ抜け殻のように立ち尽くす命の手から、するりと獣の頭が抜き取られる。
離れる際にその手癖を披露しながら、彼女は彼の頬に口付ける。

それは、別れの合図。


「さ、持ってかえってあげなさい。親鳥の巣へ」

とん、と。背中を押されただけで、彼の足は自然と侍女服の元へと歩を進める。

「ご苦労様でした。貴女が原因とは言え、ここまで護っていただいた事だけは感謝しましょう」

その力ない身体を侍女服は支え、

「身体に怪我、不調等はありませんか?」

確認を取り、彼が力なく頷くのを確認すると、

「では、こちらの任務は達成しました。次のステージへ移ります……」

撃て、と小さく、令を出した。



「!」

その言葉の意味を理解し、振り返った先に彼女はいない。
けれど耳にした音は確かな発砲音で、彼女の居た場所には少量の鮮血。
そして先ほどまで居た人影のほとんどが姿を消している。
信じられないという表情で見やる侍女服の相手は淡々と説明をくれる。

「我々の最優先目標は貴方の身柄、そして安全の確保。第二に下された命令はこのような事態を起こした相手の特定と」

殲滅です、と彼女はいう。

「お、おい。やめさせてくれよ! 別にいいだろ、俺は無事だったんだから!」

「貴方に命令権はありません。ただ自身の無事を噛み締められるとよろしいかと。では移動します」

「おい! やめろ! あいつは、委員長は関係ないだろ! 俺が勝手についてっただけなんだ! だからやめてくれ!!」」

そんな少年の無力な叫びを無視し、彼女達は進む。
そうして再び得られた平和は、しかし彼の中から何もかもを奪う結末しか残りはしなかった。
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:28:41.77 ID:ISID7BU00
「なぁ」

日常の中の風景。見慣れぬ道をゆく社内で、命は隣の侍女に声をかける。

「何か」

「俺は、……」

「……」

「何でもない。それとは別で頼みがある」

「叶えられる範囲であるならば」

「髪、切ってくれるか。短く、してくれ」

「何故そのような行為を。我々としては刃物を持ち出すことすら躊躇われる状況ですが」

「切りたいんだ。あいつらのとこへ、戻る前に」

「けじめのつけ方はそのようなものではないと思われますが」

「区切りだよ。俺は、それくらいしか、今思いつかないから」

「言葉遊びですか」

「覚悟だよ。俺に、何かさせてくれ」

「……。わかりました。それで貴方の無力感が削がれるならば」

言外に、それで大人しくなるならば、と。
厄介ごとを極力排するようなニュアンスを込められていることに気づきながら、しかし事実を受け止める。

泣き叫ぶことも、暴れることも。
今の自分が行ったところで、無意味だから。

力がほしいと思った。

揺れることもなく、静かに進みゆく社内。
耳に入る鋏の音だけを聞いて、彼はその生で初めて、欲っするものが出来た。









「ぎ、が……!?」

「おい、どうし……ひ!」

すでに通信が途絶えた組が2つ出、撤退の二文字が彼らの頭の中で浮かび始めたころ、3組目の犠牲者が出る。
手負いの獣とは聞かされていたが、狩られているのはどちらなのか。
深追いはするな、と釘は刺していた。しかし、所詮相手は一人とどこかで侮っていた部分は確かにあった。
相手からすればホームグラウンドとまではいかずとも、向こうの側の土地であることは間違いない。
その場で無理に追撃を仕掛けるのは得策ではない以上、現状としてこうなってしまっていることもわかる。
けれど、それでも。追撃を始めてわずか“半刻”のうちにこれだけの被害が出るものなのか。
あれだけの傷を負いながら、何故これほどまでに動ける。
そして決して低くない練度を誇る者がこうも手玉に取られるのか。

尽きぬ疑問を、後を任された部隊長は飲み下し、撤退の命令を下す。

命がその場を離れ、約一刻。
委員長の無事は、彼に知れることなく確保されるのだった。
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:29:32.63 ID:ISID7BU00
「おかえり」

そう、何事も無かったかのように迎え入れる父。

「ぶ!? ボーズだ! ボーズ、BOUZU!! ぶひゃひゃひゃ!!」

もともと頭の螺子が緩んでいた母は涙を流すほどに笑い転げ、

「ぼーず、ぼーず!」

同じようにアホの子はアホの子なりに帰宅を喜び、

「全く。心配させないでよね。あんたに何かあったら、みんな悲しむんだから」

腹違いの姉は、怒りながらも無事を喜んでくれた。



そして切り出すのは、家を自分から出て行くという話。

「だから、金が欲しいんだ」

要約して、まとめた結論がそれだった。

「帰ってきて早々親に金せびるとかこの子大丈夫っすか、主様」

「いいよ。何か決めたんだろ? 自分の中で」

そんな無茶苦茶な要求も、何故か止められない。

「うっわ、主様が何か厨二病的な会話を! ポエムを!」

「ぽえむー!」

「黙ってなさい、君達。……で、今度は探すなってのも言いたいんだよな」

あっさりとこっちのもう一つの要求も見透かしてくる。
本当に、いけすかない。

「……ああ」

「そんな! 何でよ、別にやりたいことならここでも出来るじゃないの!」

その様子に、一人慌てるのは半分血の繋がった姉。

「ごめん、妹子姉ちゃん。ここじゃ、ダメなんだ」

「何よそれ。訳わかんない! 私は嫌っていっても探すんだからね! ていうか家出なんてさせないから!」

心の底からこっちの身を案じてくれる。
本当の意味で、この人だけは、信じていいと思う。
けれど、

「ごめん」

「……うう。馬鹿!」

謝る姿も、そっぽを向かれてしまう。彼女なりの許しなのだろうか。
そんな様子に困った顔をしながら、父は何かを取り出す。
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:30:41.24 ID:ISID7BU00
「わかった。でもそんな適当な金額じゃ、やりたいことも出来ないだろ」

そう言って差し出されるのは一枚の通帳。

「……おいおい。何だよ、この額」

こちらが要求していたよりもゼロの数がひとつ多い。

「お前らの母親からのプレゼントだ」

「ちょ、主様。ネタバレいくない」

急にあたふたしだす母親の姿に、珍しく父が意地の悪い顔で解説をする。

「こいつ、お前らのために毎月3万ずつ貯めてたらしい。昔、俺がやってた給……げふん。小遣いから」

「いいのか」

「いいよ。元々お前らの金だ。俺が渡した訳じゃない。遠慮しないでもってけ」

施しなのか、餞別なのか。結局どうあれ、頼ってしまった結果なのだ。
そうするしかないと分かっていても、憮然としてしまう。

「……。絶対返す」

「遠慮か? 孝行か?」
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/04/21(木) 23:31:13.42 ID:ISID7BU00
本当にいけすかない。答えがわかっていて、言葉で聞きたがる。
嫌なやつ。

「意地だ」

「なら良し。いってこい、馬鹿息子」

「お前に息子なんて呼ばれたくない」

だからせめてもの抵抗。

「ぬ、ぐ」

「やーいやーい」

「あんたも母親として見てねぇ」

せめてもの強がり。

「お、女として!? やばい、そういうタブーはちょっと燃える!」

「燃えるな、頼むから」

「けど、……すまん。助かった」

そして、素直な言葉は……

「そういう時はありがとうだよ!」

純粋な肉親の後押しもあり、

「……。あり、がとう」

言葉にできた。

「おう。時々手紙くらいよこせよ」

「メールでいいじゃん。メールで」

「方便だっつうの! わかれよ!」

「主様ってばマジアナログ。アナログマー」

「もはや過去の遺物なのに!!」

そんないつもどおりのやり取りを背中に、扉に手をかける。

「あ。おい、飯くらいどうだ?」

「いい。その代わり」

「おう?」

「次に来た時は、土産話の代わりに、うまいもん、頼む」

「了解」



そうして、俺は家を出る。
まだ少し漠然としていても、目的は出来た。
あいつに……委員長に会う。
それで、どうするか。分からないけれど。
でも、今度は俺を俺として認めさせる。
何があっても、絶対。そして……。


「思いっきり、抱いてやる」



いいんちょ・命 退魔夜行 『獣面人編』  了
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/21(木) 23:57:42.17 ID:K3PCqjrjo

命がやっぱりガキのまま、か
ところでこれでえろいんちょの出番減るのか・・・?
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/22(金) 00:15:41.66 ID:Oun3PuIAO
委員長「逆かしらね。これから出番は増えるわよ」

命「……ふん」

委員長「くす。可愛い子ね。ゆっくり大きくなりなさい」

命「精々余裕こいてろ。絶対追い付いてやる」

委員長「期待しないで待つわ」






という訳で今後は飛ばし飛ばしにでもこいつらのとこ書いてきますので。
期待しないで待っててくださいww
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/22(金) 00:20:07.96 ID:Oun3PuIAO
あと遅れましたが震災の緊張が未だ続く地域の方々の無事をお祈りします。

中の人も西なのでやはり平和な側ですがだからこそ書ける間は書いてこうと思います。

稚拙なまま成長せずに今に至ってますが今後もよろしくお願いします。
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/22(金) 00:24:24.24 ID:Oun3PuIAO
メ「で、今から中の人の公開レイープが始まる訳ですね」

男「な、中の人? 何言ってんだ、お前。大丈夫か?」

メ「……。私そんな事言いました?」

男「なんか怖い!」

メ「私も自分が怖い!」





中に誰も居ませんよ。
なのでリクエストがきても中の人は出ませんのであしからず。
というか誰も得しないのに何でこの流れが!!
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/22(金) 00:33:37.74 ID:Oun3PuIAO
め「ホテルの一室。ベッドは一つ。入るのは二人。なるほど、罠でしたか」

あや「ただの節約ですから。気にしないでベッド使ってくださいよ。こっちは椅子を一つ借りられれば充分なんで」

め「寝込みを、ですか。夜討ちですね」

あや「最近知った単語を使いたいだけでしょうよ」

め「博識ぶりをひけらかす事に一種の快感すら覚えまして」

あや「蘊蓄自慢は友人無くしますよ。それより明日も早いんすからさっさと休んでください。シャワー先に使っていただいて結構っすから」

め「先にシャワー浴びてこいよ発言ですか。流石にめいどが魅力的とはいえ、そうやすやすと肌を晒す訳には」

あや「覗かないし襲わないから早くどうぞ!! 休む時間無くしますよ?」

め「……あや様」

あや「なんすか?」

め「その反応は女性として寂しく思うのですがこれは正常な反応でしょうか」

あや「はいはいすごく正常なのでそれはめいどさんのご主人にしてあげてください」

め「了解しました。では失礼して」

ばたん

あや「はぁ……どっと疲れる。全く、逃避行のはずなのに緊張感の欠片も……ある訳ないか。知らせてないんだし」

ガチャ

め「……」

あや「ひゅい!? な、なんすか突然!」

め「あや様」

あや「は、はい」

あや(ヤバい、聞かれてた?)

め「……CG回収は確実にどうぞ」

ばたん

あや「……。覗けと?!」
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/22(金) 00:54:24.38 ID:Oun3PuIAO
妹「お姉ちゃんのそういうとこ、いつの間にか公式になっちゃったよね」

委員長「そういうとこ、というのはどういう意味かしら」

妹「え、あ、いや。そ、そう! つまりスタイリッシュが板についたねって事だよ、うん!」

委員長「そうかしら。どちらかと言えば泥臭いようなやり方ばかりよ、私」

妹「ううん! だってこう、当たり前みたいに銃とかでババババーって! かっこいいよっ」

委員長「死に場所が欲しいだけなんだけれど」

妹「お、お姉ちゃん!?」

委員長「……冗談よ。妹は真に受けすぎ」

妹「だ、だって」

委員長「私に許されるのはそんな安寧ではないもの。それより、命ならあっちよ」

妹「あいつはどうだっていいの! 私はお姉ちゃんさえ居てくれればっ」

命「なんだ。呼んだか?」

妹「へぅ?! きゅ、急に来ないでよバカー!」

バチン! ドダダダ

命「……嫌われすぎだろ、俺」

委員長「そんな事ないわよ。ふふ」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/22(金) 21:57:02.80 ID:N6miAjTlo
だって濃厚なサービスシーンが無いなら中の人が身代わりになるしかないじゃないか
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/23(土) 02:05:39.33 ID:XSFRyC0AO
め「という訳で選ばれた子羊があや様でしたか」

あや「嘘ぉ?!」

め「またまた。チャンスとばかりにいきり立っていらっしゃるのをめいどは知っていますよ」

あや「全く理解されてないのがよく分かったっす」

め「口ではそう言いながらも勝負下着が見え隠れですか。あや様は深夜枠が似合う人材ですね」

あや「どうにかしてそっちの方向に持ってかないと気が済まないんすか」

め「あや様の乱れた姿が見たいという歪んだ愛がなせる業でしょうか」

あや「真っ直ぐきて!?」

め「浮気はさすがに」

あや「愛のなせる業じゃないの!?」

め「すみません、口から出任せを」

あや「そんなとこで素直にならなくてもさ!!」

め「さておき。濃厚な描写が必要だそうなのでフェティッシュな感じでお願いします。練乳まみれ等」

あや「物理的に濃厚なんすね」

め「勿論スタッフが美味しくいただきますので。練乳もあや様も」

あや「逃げ場なし!」

め「さぁ、レッツコンデンス」

あや「何か掛け声みたくなってる!?」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/25(月) 00:33:39.93 ID:OKAlajjAO
め「最近出番が増えましたね。あや様、めいどに感謝の意を表明してくださってもよろしいのですよ」

あや「昔のめいどさんは出番はなくても人にそんな態度をしない立派な中立の人だったのに!」

め「それだけ打ち解けたのでしょう。やりましたね、あや様」

あや「何で上からなんだこの人」

め「世の中、二分するならばいじりといじられというらしいですね。はい、つまりはそういう事かと」

あや「素晴らしいルールをありがとうございます。しかしルールなんて破る為にあるもので」

め「ルールを破ったところで本質が変わるならばあや様は今頃このような会話に興じておられないかと」

あや「……ですよね」

め「それにあや様。めいど思うにあや様もジワジワと人気を出されていると思うのです」

あや「マジすか」

め「嘘ですが続けます。やはり今までのようにキャラ付けが薄……」

あや「ウェイト。待ってください。最初から破綻してる理論を語られても困るんですが」

め「ではあや様は自身が人気であると?」

あや「そうは言いませんが、結果伴わない理論を参考にする意味もないような」

め「あや様。無理を通せば道理が引っ込むそうですよ」

あや「無駄な労力ばかり使って!」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 01:57:14.61 ID:RPmKe3DYo
なんか昨日某番組で足柄特集だったのでふと思い出した
【キンタローマン】

話題には上らなくなったけど、ちゃんと活躍中らしくて安心した
375 :【キンタローマン】 [sage]:2011/04/26(火) 00:59:57.00 ID:lMDGsgbAO
メ「大人って汚ねぇよ!」

男「それが大人の仕事なんだよ」

メ「どう考えたってキンタローマンのがご当地の活性化に繋がるのに!」

男「仮にそうだとしても既に工事にグッズの生産を委託したりライン確保は済んでたんだろ」

メ「投票とは何だったのか……」

男「小学生に聞いてある程度票が集まると考えたか並んだ結果になると踏んでたんだろうな。あの異彩を放つキャラが来るまでは」

メ「出る杭は打たれる……世の中の悲しい現実を子供達に学ばせて彼はどこかへと……見せかけて活躍中なんすよね!」

男「権利は市が持ってるけどな」

メ「大人ってマジで汚ねぇ! きっと私が売れたら中の人が権利を主張しだすに違いない!」

男「売れないから安心しろって」








ちなみに昔、中の人が住んでたとこのご当地キャラはクリちゃんでした。
子供時分は何の気負いなく連呼してたのに今や恥ずかしさを感じてしまう。
これが大人になるという事なのか……。



め「ただ発想がゲスのそれになっただけかと」

あや「思っても言わない優しさが大人っすよ」

め「めいどはめいどですので」

あや「すごい理屈だ。いや理屈じゃないか」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/26(火) 01:09:10.58 ID:lMDGsgbAO
カチ、コチ

め「すぅ、すぅ」

あや「……」

カチ、コチ

め「ん……」

あや「……」

カチ、コチ

め「……」

あや「……はぁ。なんで同きん状態になってるんだろ」

もぞもぞ

あや「やっぱり落ち着かないですし椅子で寝ま……」

きゅっ

あや「……。裾をばっちりいかれてる。あー、もう」

め「あや、様」

あや「はいはい。ここに居ますよ」

め「……ん。す……」

あや「す? まさかまさか」

め「き……」

あや「って、ちょ、マジですか! さすがにそれは色々まずいので困りますがっ」

め「やき……のラードみたいですね」

あや「……。せめて鋤焼きで止まりましょうよ。はぁ、もう」

ぽんぽん

あや「おやすみなさい。手の掛かる従者さん」
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 23:24:44.28 ID:FYZH8wNqo
気の利いたレスしようと思ったが気持ち悪い
でも見に来ちゃう
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/27(水) 00:40:11.30 ID:gWwIovhAO
め「あや様。気持ち悪い発言いただきましたよ。さすがですね」

あや「いや、これものすごいショックな出来事なのでは」

め「ご安心ください。割と平常運転でこれですから言い訳も出来ませんので」

あや「より退路を断ちましたね。ま、まぁ見向きもされないよりはいいって事で」

め「個人的には書き手が最近しゃしゃり出過ぎなのが一番の原因ではと思うのですが」

あや「それは気持ち悪い上に痛いからきっと違うはず。もはや言葉にすら表せないレベルで不快なだけなんで」

め「なるほど。ゴミくずのような何かですね」

あや「ゴミくずに失礼っすよ」

め「さておき、このような楽屋会話もある種の不快感を生む原因では?」

あや「あり得ますね。後は無駄に書くから読みにくい地の文入りのあれとか」

め「おやおや。もしかするとあや様はそんな中、比較的ましなレベルで気持ち悪いだけなのでは」

あや「あ、ここまで来てもそれは譲らないんすね」

め「直下につきました御意見ですので。あや様が真面目な台詞呟いた瞬間ですし。やはり、あや様は間違いなく気持ち悪いですね」

あや「ここまで言われて平常心保ってしまうのは良くないんだろうなぁ……」

め「あや様の美徳ですよ。ドM体質なのは」

あや「……く。うぅ……すぐに反論出来なかった自分が嫌だ」
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/27(水) 00:56:11.38 ID:gWwIovhAO
冥友A「ぶっちゃけどうなの! まだあんたんとこの両親はお盛んなの!?」

冥友B「朝の登校中に話題にそれをあげる? 普通」

冥「お盛んさんだね〜」

冥友B「そしてあんたも答えるのね」

冥友A「くぅ〜、そこが問題なのよね。やっぱ不倫のスタートは欲求不満からなのよ! 足がかりは身体目当ての動機なのよ!」

冥「二人は欲求不満さんだよ?」

冥友A「詳しく聞かせなさい、そこのところ!!」

冥友B「おいこら女子高生。一応ここは公道よ。少しは表現控えなさい」

冥友A「ならあんたは興味ないのよね。冥は私とだけ話しようね〜?」

冥友B「ボリュームさえ控えるなら問題ないだけよ。ほら冥、続けて」

冥友A「こいつ……」

冥「二人はね〜、未だに素直さんじゃないのでムラムラしてるんだよ〜。私が居るから余計に気をつかってるし」

冥友A「これはチャンスね……チャンスでしかないわね!」

冥友B「それよりあんたも分かってて邪魔してるのね」

冥「ん〜。だってその方が面白いし。ダメだった?」

冥友B「いいえ。グッジョブよ」

冥友A「グッジョー!」

冥「えへへ、誉められた〜」







男「ぬぉ、なんか寒気が」

メ「主様。病気患うなら出来るだけ高額な保険に入ってからにしましょう。私、手伝いますんで」

男「な に を だ よ」
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 19:40:38.07 ID:dHiGrIl5o
いやいや、気持ち悪い→具合が悪いって事っす
勘違いさせてすまん
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/28(木) 00:14:29.41 ID:4Iqm2lQAO
め「こちらこそ語意を汲み取れず申し訳ありませんと本人も反省しておりますので」

あや「矢面にたたされた?! でもまぁ、気を遣わせてすみません」

め「ではあや様。ここは謝罪の意味を込めまして脱ぐしかないかと」

あや「何が何でもそこなんすね!? 脱ぐ事の何が謝罪に繋がるのか!」

め「脱ぐ脱ぐ詐欺でここまできたあや様だからこそ伝わる誠意があると思いまして」

あや「悲しいほどに誠意から遠ざかってますから」

め「性的ではありますよね。おお、語感は似てます」

あや「めいどさん、もしかして正式な謝罪とかしたことないでしょ」

め「罪と無縁な存在でしたので」

あや「最近ものすごい加害者ぶりを発揮してると思うんすけど」

め「合意の上ですから」

あや「こちとら一度たりともこの扱いに頷いた覚えはありませんがね!!」

め「あや様……若年性の痴呆症ですか」

あや「ぐ、ヤバい。血管切れそう」

め「血流まで危ういとは。あや様、一度病院を訪ねてみてはいかがでしょうか、頭の」

あや「むきぃぃぃいいい!!!」

あや「手遅れでしたか。南無」
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/28(木) 00:44:59.01 ID:4Iqm2lQAO
そこは薄暗い部屋。

「いい格好ね、命」

「……」

後ろ手に縛られ、傷のない箇所を探す方が困難なほど傷めつけられた姿。
それを見下ろすのは着崩した着物に身を包む艶姿。
見下す者と見上げる事すら出来ない者。
それは最初から変わらぬ二人の立ち位置。


「相変わらずの無様な姿で安心したわ。あれから数ヶ月でここに辿り着いた事は誉めてあげるわ」

「けれどね。あなたに才能なんてないわ。覚えておきなさい。あなたは本質的に無力で無様で無為なの」

「何かを起こす力もなく誰かに誘われるままの動機。矛盾だらけで何一つ貫き通せない信念。誰も守り得ない無力」

「知らないとでも思っているなら教えてあげるけれど、私があなたを肴にしているの一番の理由はあなたがここに辿り着くまでに吐いたリソース」

「憎い相手から施しを受けた事はまだいいわ。ただ無様なのはそれを自分の力だと勝手に思い込んで私に臨もうとした事よ」

「いい加減悟りなさい。あなたには何一つ成す力はないの。目覚めなさい、あなたの生きるべき道に」

「あなたにしかない、あなただけのやり方。人も人外も関係なく惹きつける体質。それを生き方にしなさい」

「あなたは自身を育てる必要も鍛える事も、ましてや学ばなくてもいいの」

「あなたはあなたが力を求める相手の思い通りに人形をしていなさい。それが最もあなたを高みへ連れて行くわ」

「……お喋りが過ぎたわね。さぁ、あなたの身の振り方がわかった今、やるべき事は何かしら?」

差し出されるのは救いの手などではない。
突きつけられる脚の指先。
そこにひたりと、力なくも震えながら、真っ赤な舌が触れる。
何度も何度も微かに動くそれは、隷奴が主に捧げる無様な愛撫。
切れた口内の血を絡めた舌で必死に救いを乞う姿は、何より彼女を悦ばせる。

「くす。……素敵よ、命。また、愛してあげる」

あれから数ヶ月。
二人の逢瀬は再び従属の誓いから始まった。
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/29(金) 02:00:36.78 ID:CDcUuQqAO
め「世はまさに黄金期。これが理想郷というものなのですね」

あや「ただの大型連休とも言いますが」

め「あや様は夢がない。ああ、違いました。胸がない」

あや「言い直してまで貶めにくるか!」

め「あや様。ゼロにゼロを足してもかけてもゼロにしかならないとめいど学びました」

あや「引いてもゼロだもん! 割ってもゼロだもん!」

め「あや様の胸は割断機能を有されるのですね。人体の神秘ここに極まれり」

あや「極めてないから?!」

め「ヨガとかあのあたりと存じます。あや様ならば腕も伸びるはず」

あや「何その期待感! 絶対応えないに決まってんでしょう!」

め「……ああ、前フリなのは分かっておりますのでどうぞ続けてくださいませ」

あや「回避不可能イベント?!」
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 23:07:07.65 ID:pz/dAOBfo
しかし良いいじられキャラに育ったな

主がちと可哀想だが
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/04(水) 01:54:43.03 ID:OdkoetQAO
お久しぶりでございます。中の人です。
しばらく空けてすみません。久々に旅行なるものに出かけてます次第で。
明日の夜には戻る予定ですが今夜はさすがに放っておきすぎで不安なのも含めて生存報告をば。
あまり色々書ける状態ではありませんが今夜は少し書いてきます〜。
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/04(水) 02:03:03.11 ID:OdkoetQAO
主「良かったな。主役交代だ」

あや「何をのん気な。もう少し自分の立場を大事にしたらどうなんすか」

主「大事にしたらお前が出れないだろ?」

あや「こっちは本来脇役街道まっしぐらの予定なんすよ。しっかりでばってくださいな」

主「悪いけど俺も脇役街道に逸れたいんだよなぁ、正直。いい歳こいたオッサンが出番取っちゃいけねぇよ、やっぱ」

あや「めいどさんが泣きますよ」

主「泣かないようにしてくれてんだろ?」

あや「そこまで仕事に入ってませんよ。それに主さんが戻ると信じてるからめいどさん頑張ってるのに」

主「報われないまま終わりにしてやるには可哀想だろうさ。現状が一番いいんだよ」

あや「主さんのそういう大人ぶって自己完結するとこ、最悪ですね」

主「ああ、俺みたいなデカい子供に他人の面倒見てやる余裕なんか最初から無かったのかもな」

あや「……シリアスぶってないで前みたくめいどさんとバカやっててあげてくださいよ」

主「その内、な」

あや「嘘つき」

主「言うねぇ。合ってるけど」

あや「次会ったら絶対首根っこ捕まえて連れてきますんで」

主「オーライ。待ってるよ」

あや「……むぅ」
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/04(水) 02:13:57.16 ID:OdkoetQAO
め「あや様。何やら楽屋で嫌な事でもありましたか」

あや「楽屋って言っちゃったよこの人! いやいやいや、違いますよ。大丈夫です、はい」

め「あや様の大丈夫は八割方大丈夫ではない仕様だと存じますが」

あや「うあーい。信用ゼロだよ」

め「あや様。めいどは真剣ですよ。……何割方かは」

あや「何割か聞きたくないなぁ、これ。本当に大丈夫ですから。めいどさんはそんな事を気にするより他に出番に備えてネタとか作ったらどうすか」

め「あや様。メタ発言など今時流行りませんよ」

あや「志村ー、一行目! 一行目!」

め「あや様。ご安心を。めいどの場合、自分に優しく他人に厳しくをモットーとしますので」

あや「何を安心すれば?!」

め「ですから、あや様。何かあればめいどにその種をお分けください。悩みも苦しみも、一人で背負われては万能たるめいどでも干渉出来ません」

あや「……」

め「めいどは自分に優しいですから多少の問題をいただく程度には容量は空けてありますので。どうかご自愛を」

あや「あー。いや、じゃあ、めいどさん」

め「はい」

あや「パンツ見せてくだ……ほぐぉ?!」

め「あや様。ボケ担当より先にオチに走られるとめいど、傷ついてしまいます。代わりにあや様のほっぺで痛みを表現しますがご容赦を」

あや「ようひゃ、ひてくらはい!?」

め「おことわりします」

あや「むひゅー?!」

め「……」

め(あや様。我々にシリアスなど似合いませんよ)
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/05(木) 02:01:31.90 ID:Yuu+bfQAO
妹嬢「……」

メ「どうかされましたか?」

妹嬢「い、いえ。別に何も」

メ「誰も相手してくれなくて寂しいなんて思ってませんもんね」

妹嬢「当然です!」

メ「もう身体ネタとか来ないですし安心ですよ」

妹嬢「む、あの……皆さんあくまで冗談で言ってらしただけ、なのですよね」

メ「冗談と真実の境くらいを楽しんでましたね」

妹嬢「冗談だと仮定します! ……で、あるならば少しくらい話題にしていただいても良いかな、と」

メ「おやおや。自身のアイデンティティがそこにあったと認められるようですね」

妹嬢「私の特徴や長所という点からすれば違いますが……まぁ、多少話題の種くらいには」

メ「じゃあこの際、認めちゃうのもありなんじゃ」

妹嬢「なしです! 絶対になしです!!」

メ「そんな事言いながらビンビンなんでしょ?」

妹嬢「ビンビンになる箇所がありませんから!」

メ「乳首とか」

妹嬢「それはそれで嫌です」

メ「しかし妹嬢さん」

妹嬢「何ですか」

メ「なんだかんだでこの流れにホッとしてるでしょ」

妹嬢「……。してません」

メ「強がっちゃって、まぁ」
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 20:32:05.29 ID:yfPt2qooo
書き止めようとするとぼやける
ネタは夢のよう
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 02:41:39.85 ID:hGPqlwF30
>>389のIDがオーズw
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/07(土) 03:34:22.76 ID:po8pgDvAO
夢幻のオーズなり……いや普通にすごいなww

もうすぐ黄金週間もおしまい!

つまりこの平穏な日々も……ぐぬぬ。

いっそこのまま! と思った回数は数知れず。

それでも人間、今まで通り生きちゃうもんですね。

さておき他の方のネタも楽しみにしつつ今夜もチロチロと!
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 11:35:14.63 ID:cG41fnLBo
妹さんのこと素で忘れてた
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/08(日) 04:14:54.35 ID:B9RNYy7V0
書いたと思ってたら書けてなくてそのまま消えてました。

く……たいした内容じゃなかったとはいえ、なんかものすごいショックががが。

まぁでも男子ちゃんと女さんのもふもふしてる内容なんていまさらなのでいいか。



てなわけで今夜こそは書き込みを確認してから寝ます!
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/08(日) 04:19:49.88 ID:B9RNYy7V0
妹嬢「わ、忘れないでください!?」

メ「最近めいどさんとあやっち大活躍ですし、妹嬢さんふたなりじゃないとか言い出すしで話題にあがらないのは仕方ないかと」

妹嬢「前者はいいとして後者はなんですか、後者は!!」

メ「ふたなりでない以上、妹嬢さんのアイデンティティが悲しいまでに落ち込んでしまうという現実がですね」

妹嬢「ありえません! 私の魅力は妹属性、お嬢様属性、デレ属性とそのあたりのはずです!!」

メ「どれもほとんど本編で中途半端に出てましたね。ふたなり属性が一番出てましたけど」

妹嬢「だから出てませんってば!? 特に本編なんて一切!!」

メ「そうでしたっけ?」

妹嬢「振り返ってください!! まさかのベッドシーンですらそのような描写がなかったというのに!」

メ「実は省いただけで生えてたんでしょ?」

妹嬢「ないですってば!」

メ「主様にちゅっぱちゃっぷすしてもらってあふんあふんだったんじゃ?」

妹嬢「されてません! そりゃ、兄さんにそんな風に優しくされればうれしいですが……」

メ「で、我慢できずに?」

妹嬢「だから違いますって! それより深夜枠だからってあまりこのような話題、私のキャラクター像からはよろしくないですし止めましょう」

メ「ベッドシーンとか言い出したのそっちのくせに」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/08(日) 04:25:02.52 ID:B9RNYy7V0
男子「うぅん」

女「何で男子ちゃんってモテモテなんだろうね」

男子「ラブレターとか困るんですが。いやマジで」

女「やっぱり可愛いからだよねぇ。うんうん、わかるよぉ、はうぅ」

男子「会話になってねぇ……。くっそ、なんで野郎からラブコールなんざもらわにゃならんのだ」

女「可愛さは罪だね」

男子「俺に何の罪もないから!」

女「えっと……読まずにポイしちゃうから資源とかの無駄にしちゃってる感じということで」

男子「相手の気持ちがどうとかじゃないのね」

女「それはそうだよ! 男子ちゃんを独り占めなんて駄目だもんね。みんなの男子ちゃんなんだから」

男子「なんだろう、俺は共有される前提なのかな、これ」

女「安心して。私がきっちりマネージメントするよ! 日取りの調整とか」

男子「日取り!?」

女「デートとか、デートとか、……デートとか?」

男子「しないからね!?」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/08(日) 04:29:29.40 ID:B9RNYy7V0
あや「あー。これはあれっすか。きゃっきゃうふふなCG回収シーンすかね」

め「あや様。何を仰っておられるのでしょうか」

あや「まだ夏でもないのに何でこんな場所にいるのかなぁと」

め「水着を入手しにきただけですが何か問題が?」

あや「問題というか……うぬぬ」

め「メイド様が仰っておられました。今年は泳ぎにいくので用意するようにと」

あや「なるほど。いや、それは構わないんですけどね? 何で二人分いるのかなぁと」

め「あや様は服を着たまま泳がれるのでしょうか」

あや「泳がないという選択肢は……」

め「問題ありません。泳がずとも着替える。これが海のしきたりだそうですので」

あや「思いっきりローカルなしきたりだと思うけど!」

め「あや様。貧相なことは決して恥ずべきことではありませんよ。ええ、ぺたんこだろうと胸は胸です」

あや「ほっといてください! いいんです、平らな世はいつだって人々の希望なんですから!」

め「世であれば良かったのですがね。ええ、残念です」

あや「むきぃぃーーー!!」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 20:39:58.84 ID:fQe5+z8oo
弄られ役豊富だな、良いことだ

妹さんになら掘られてもよいというのに、むしろ掘られたいのに
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/08(日) 21:46:11.00 ID:aFO7mHBAO
ちっぱいでも一向に構わんよあやたん

とても弄り甲斐があるじゃない、物理的に
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/08(日) 23:58:59.05 ID:B9RNYy7V0
め「つまりこのスレのヒエラルキーといいますかパワーバランスといいますか。MとSが明確化されたということですね」

あや「いやな区分っすね」

メ「おや、ドMの総大将どの」

あや「待て待て待って! 何すかその嫌な称号!!」

男子「おめでとう」

妹嬢「おめでとうございます」

あや「いやいやいや、関係ないみたいな顔してるけどこっち側の人ですからね、あなた方!?」

男子「さすがに負けるかなぁ」

妹嬢「生粋の趣味の方には……」

あや「おい後者! 主にいじられ役はそっちの役目でしょうよ!」

妹嬢「な!? わ、私は違います! 一緒にしないでください!」

おや「ヒロイン顔しても駄目なんすからね! 掘られたいとか言われてる時点でお察しでしょうよ!」

男子「まったくだな」

妹嬢「兄さんだって掘りたいとか言われているんですよ! もはやヒロイン側でしょう!」

あや「それもイロモノの!」

男子「お前らと一緒にすんな!!」

妹嬢「な!? ひ、ひどいです! この方はともかく私はイロモノなどでは!」

あや「その台詞をそっくりそのまま返しますよ!!」

ずずず・・・


め「ふぅ。……醜い争いですね。平らな三人組だというのに」

あや・妹嬢「悪かったですね!!!!」

男子「というか俺男だし……」
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/09(月) 00:10:41.55 ID:3vNe/hZ70
め「趣味趣向というものは不思議ですね。これも一つの需要と供給の関係なのでしょうか」

あや「まじまじと見つめながら言わないでください。人の胸で」

め「……モンゴルの大草原」

あや「どこまでも続く大平原。ってやかましいっすよ!?」

め「物理的に弄くってみてもよろしいでしょうか」

あや「絶対的にお断りします」

め「問題ありません。同性同士、特にそういった趣味はございませんので」

あや「だったらしなくていいじゃん!?」

め「生物学的見地からの興味本位です。あとは暇つぶしに」

あや「おおい、後者、後者が本音だなちくしょう!!」

め「それほど嫌がられなくともよいではないですか。それとも何か見られてはいけない理由が?」

あや「それは……えぇと」

め「10秒以内に理由をお願いします。2、1、0。アウトです。では早速触診を」

あや「おおおおおおおおおい! フライングもいいとこじゃないっすか!」

め「そうこうしている内に10秒ですのでお気になさらず。ああ、逃げないでください、あや様」

あや「だ、駄目だ! この人目が怖い! いや、いつもどおりの無表情だから本気にしか見えないだけなんだけど!!」

め「めいど、いつだって本気です」

あや「その気力をほかのことにまわすとかさ!」

め「……。ではスカートの中を検閲しましょうか」

あや「ノオオオオオオ!!!」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/09(月) 00:37:08.46 ID:4XP15O8AO
「随分回復したわね。喋れる?」

言葉こそ安否の確認だが声音に気遣いはない。
生きている事が不思議なくらいに痛めつけられて数日。命は確かに喋れる程度には回復していた。

「ああ。喋れる度にまだ血の味がするけどな」

壁に体重を預け座して対面するのがやっとの姿。
力ないその姿に正面の委員長は嘲笑う。

「そう。それなら結構。早速仕事の話よ」

「……」

動けない、と言うは容易い。けれど言えばそれより容易すく自身の命が途切れるだろう。
そんな予感をさせる圧を感じ取り、今は黙る。

「最初に必要なのはあなたが今のあなたを捨てる事。その上でこちら側に属する事かしら」

「具体的に何をすればいい」

「そうね。名前も立場も捨てて、私のモノとしてなればいいわ。前のような口約束ではなく、正式な契約として」

「余計わからねぇよ」

口に溜まった唾を飲み下す事すらままならず言葉と共にに吐き出す。
赤色の混じったそれを愉快気に見つめ、委員長は契約の内容を告げる。

「まずはこの羊皮紙にサインを。名前だけでいいわ。但し自身の血液で」

「悪魔でも召還すんのかよ」

オカルトじみたその行為に不安を覚えつつも目の前に放られた紙に目を落とす。
署名欄らしき部分に未だに残る傷跡から自らの血をインクとし、名を落とす。

「……貴方、本当にバカなのね」

「あ?」

その様子を眺めながら彼女は嘲笑う。

「内容も確かめず盲目的。可愛くはあるけれど無様でしかないわ」

「何だよ。お前がサインしろって言うから」

「今後貴方が踏み入れる世界は名前も血も、髪の毛一本ですら命に関わるわ。悟りなさい。貴方は今一度命を落としたのだと」

告げながら持ち上げた羊皮紙を着崩した着物の胸元にしまい、たった一言、

「『駄狗。息をするな』」

「……、……!!」

命じられ、呼吸が奪われる。
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/09(月) 00:37:38.21 ID:4XP15O8AO
「随分回復したわね。喋れる?」

言葉こそ安否の確認だが声音に気遣いはない。
生きている事が不思議なくらいに痛めつけられて数日。命は確かに喋れる程度には回復していた。

「ああ。喋れる度にまだ血の味がするけどな」

壁に体重を預け座して対面するのがやっとの姿。
力ないその姿に正面の委員長は嘲笑う。

「そう。それなら結構。早速仕事の話よ」

「……」

動けない、と言うは容易い。けれど言えばそれより容易すく自身の命が途切れるだろう。
そんな予感をさせる圧を感じ取り、今は黙る。

「最初に必要なのはあなたが今のあなたを捨てる事。その上でこちら側に属する事かしら」

「具体的に何をすればいい」

「そうね。名前も立場も捨てて、私のモノとしてなればいいわ。前のような口約束ではなく、正式な契約として」

「余計わからねぇよ」

口に溜まった唾を飲み下す事すらままならず言葉と共にに吐き出す。
赤色の混じったそれを愉快気に見つめ、委員長は契約の内容を告げる。

「まずはこの羊皮紙にサインを。名前だけでいいわ。但し自身の血液で」

「悪魔でも召還すんのかよ」

オカルトじみたその行為に不安を覚えつつも目の前に放られた紙に
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/09(月) 00:38:04.79 ID:4XP15O8AO
「随分回復したわね。喋れる?」

言葉こそ安否の確認だが声音に気遣いはない。
生きている事が不思議なくらいに痛めつけられて数日。命は確かに喋れる程度には回復していた。

「ああ。喋れる度にまだ血の味がするけどな」

壁に体重を預け座して対面するのがやっとの姿。
力ないその姿に正面の委員長は嘲笑う。

「そう。それなら結構。早速仕事の話よ」

「……」

動けない、と言うは容易い。けれど言えばそれより容易すく自身の命が途切れるだろう。
そんな予感をさせる圧を感じ取り、今は黙る。

「最初に必要なのはあなたが今のあなたを捨てる事。その上でこちら側に属する事かしら」

「具体的に何をすればいい」

「そうね。名前も立場も捨てて、私のモノとしてなればいいわ。前のような口約束ではなく、正式な契約として」

「余計わからねぇよ」

口に溜まった唾を飲み下す事すらままならず言葉と共にに吐き出す。
赤色の混じったそれを愉快気に見つめ、委員長は契約の内容を告げる。

「まずはこの羊皮紙にサインを。名前だけでいいわ。但し自身の血液で」

「悪魔でも召還すんのかよ」

オカルトじみたその行為に不安を覚えつつも目の前に放られた紙に
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/09(月) 00:55:13.66 ID:4XP15O8AO
「こういう事よ。契約というのは」

「……!!」

酸素を求め陸で溺れる哀れな姿。
その頬に優しく手を添え、

「このまま死ぬのもいいんじゃないかしら。よく言うでしょ、バカは死んでも治らない」

見せ物を嘲笑うその顔は邪悪そのもの。
かつて共に時を過ごした中でも見せなかった表情。
絶望と生命の危機に、ただひたすらに助けを瞳から訴える。
それに気付いているのか、あるいは元よりそのつもりだったのか。

「ん」

長い口づけを交わす。唇が僅かに震えた。

「ぶはっ! はぁ、はぁ!」

僅かな後、唇が離れた瞬間から命は呼吸を取り戻す。
文字通り溺れかけた命はもはや座することすら叶わず床に臥す。

「ふふ。私が意地悪な相手でなくて良かったわね」

「ひゅー……はぁ、ひゅー……」

もはや言い返す言葉さえなく、ただ見上げるのみの命。

「改めてようこそ。こちら側へ」

その様子に満足する委員長。

ただ、一つ彼女に誤算があったとすれば。

「……かま、わない」

「何がかしら」

途切れる呼吸の合間から、拾われた言葉。

「あんた、なら……ころ、さ……ごほっ! た、って」

「……くす。そう、貴方はただのバカでは無かったわね。ええ、そうだったわ」

そう。あの日、あの森で交わした口約束。
しかしそれは未だに命を縛り、従属させる。

「だから今回は正式に魂だけでなく身体も私にくれた。それだけなのよね」

頷きこそしないが、それが命の言い分。在り方。

「くす。あはははは!」

その誤算にただ委員長は告げる。

「自分では何も決められない、救いようのない、可愛い私の狗。命尽きるまで飼ってあげる」

命。齢十八。
こうして彼の命の行方は大きく定められたのだった。
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/09(月) 00:57:48.61 ID:4XP15O8AO
む。鯖の調子悪いのか多重投稿になってしまいもうした。すみませんです。




とりあえずこの調子で委員長サイドはちびちび更新予定。
そんなんより他にあるだろ! てな方は良かったらお題やらでリクエストお願いしまする。そんな感じで!
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/10(火) 00:35:35.69 ID:xW4XVS0AO
め「実際のところ、めいどは何者なのでしょうか」

あや「哲学っすね」

め「単純な疑問です。あや様が友情や博愛主義で動かれるような情に厚い人間だとはめいど、これっぽっちも思っておりませんので」

あや「誰が冷血動物か」

め「つまりあや様は仕事柄でめいどに付かれている、と。では何故? どなたが? その目的は? 疑問に思うのは自然な事かと」

あや「昔のめいどさんならそんな人間らしい考え方にも至らなかったような」

め「確かに今だからこそかもしれません。ですから知りたいのです」

あや「……。私は下っ端っすからね。正直依頼で来てるのは確かですがそれ以上は」

め「あや様は嘘を付かれる時、右下に視線を泳がされますね」

あや「かまかけてるなら残念ながら違いますよ。嘘付きは慣れっ子なんで癖なんかつけないですから」

め「逆説的に嘘を付いたと判断出来ますが」

あや「信じてもらえない以上、何を言っても無駄かなと思っての忠告です」

め「あや様を全て信頼してよろしいと?」

あや「疑ってください。この口からは真実が出るのは多数の嘘に混じる程度のものですんで」

め「……。では質問を続けます」

あや「答えるかはわからないっすけどね」

め「構いません。ご主人は私を捨てられたのでしょうか」

あや「最後に会った時にそう仰ってました?」

め「捨てたとは明言されていません。いずれ迎えるとも明言されませんでしたが。後は男様のところで待つように、と」

あや「あそこが安全っすからね。首突っ込みたがりですし」

め「あや様は誰に命じられめいどを?」

あや「依頼主をあっさり挙げられるほど無能じゃないっすよ」

め「めいどは護衛を頂かなければ危うい立場なのですか」

あや「それなりに。めいどさん、そこそこ重要人物ですし」

め「そこそこという単語に悲しみを感じました」

あや「まぁまぁ。それが現実なんで」
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 00:50:58.48 ID:Un1rsebAo
結局のところ、究極の弄られ役である俺らの肉便器こと中の人には勝てないんだよな・・・
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/10(火) 01:14:34.71 ID:xW4XVS0AO
め「つまり……めいどの重要性とは副産物に近いのでは?」

あや「当たらずとも遠からず。ただまぁ実際、襲撃なんてないですが」

め「あや様は時々、めいどを連れ回されますが」

あや「遊びたい年頃なので」

め「ご主人も重要性が高い人物なのですね」

あや「あの似非好青年は重要性ありそうで無さそうな」

め「二度救われました。めいどにとっては何よりも重要です」

あや「愛されてるなぁ。で、そんなめいどさんは情報を得てどうするんすか?」

め「何者かが分かれば身の振り方も分かるかと思いまして。どちらに伺えばご主人を見つけられるのかを知る為に」

あや「……迎えを待ってちゃダメなんすか?」

め「めいど、待つばかりの女では居られませんので」

あや「ただのワガママっすよ、それ」

め「構いません。ワガママなのでしょう。ご主人にとっては迷惑なのでしょう。しかし、自分の気持ちを抑えられません」

あや「……ずるいなぁ」

め「はい?」

あや「何でもないっすよ。で、その第一歩がこの質問攻めって事ですか」

め「はい」

あや「んー。ではここで問題です。優秀なエージェントたる自分はクライアントを裏切ってまでそれに手を貸す理由はあるでしょうか」

め「……信じてみます。あや様を」

あや「信頼だけでなびくとでも? 先立つもんがないと」

め「ではめいどの純潔を」

あや「安売り良くない」

め「肩たたき券で」

あや「小学生か!」

め「ノリでOKが出るかと思ったのですが」

あや「互いにシリアスな時間が保てないなぁ、もう」

め「ですが諦めませんので。あや様が協力していただく時まで」

あや「のんびり待ってますよ、ええ」

め「必ず、ご主人を……」

あや(……。同じはずなのになぁ。こんなに人間らしいなんで本当にずるい)
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/10(火) 01:17:48.42 ID:xW4XVS0AO
いじられないし肉便器でもないし中の人は残念な奴だという事で忘れてください。
というかヒロイン(笑)どもをいじってやってください。
決して自分がいじられたくないとかそういう事ではなく。いやそういう事だけど!
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/10(火) 01:51:21.91 ID:xW4XVS0AO
め「ぶわっと」

ぶわっ

あや「ひぅ!!?」

め「おお。あや様まさかのブルマっ子」

あや「な、ななななな……何すんすか!?」

め「俗に言うスカートめくりですが?」

あや「ですが? じゃないよ! 何をいきなりとちくるってんだこの人!?」

め「スカートの下が気になりましたので」

あや「疑問に思うだけに留めてください?!」

め「好奇心という魔物が」

あや「好奇心は猫をもって言ってですね」

め「あや様は猫耳装備されるのですか」

あや「絶対やんない?!」

め「にゃーと言ってみてください」

あや「や、やですよ」

め「さん、はい」

あや「にゃ、にゃ〜」

め「……うわぁ」

あや「やらせといて?!」
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 07:47:59.46 ID:nK6vF4zzo
メイド長「嫌なら出番が来るまで砂に埋まっていても構いませんよ」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/10(火) 23:49:31.09 ID:jTYxl5540
あや「ひぃ!? 四面楚歌?!」



もしかして中の人が埋まってたほうがいいのだろうか。
どうせならメイドの胸の中に埋まってたい。
実際に埋まるのは仕事という名の書類の山の中ですが。……ちくしょう。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/10(火) 23:58:32.33 ID:jTYxl5540
メ「今日が後数分で終わりますね」

男「なんかあったか?」

メ「……いや、なんか謎の義務感に襲われまして」

男「ふぅん。マジで何の日でもない平日だよなぁ」

メ「はい。…………あ、この流れ」

男「ん?」

メ「あれっすよ、あれ」

男「あー……」








はい。どうも。今年もまた死への階段を上ることになりました。

てな訳で誕生日を何事もなく過ごしつつ、このあとなんか書こうかと!

さ、寂しくなんて……っっ
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 00:01:16.90 ID:WMWt+fiFo
誕生日おめでとう
プレゼントは俺の童貞だ
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 00:35:16.54 ID:hSOIz1ls0
なら俺は後ろの純潔を
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/11(水) 00:43:58.03 ID:JVhzrJwAO
ありが……あれ?

何故このスレからはこうも濃密な同性愛臭がするのだろう。

ちゃんとボーイミーツガールな内容ばかりのはずなのに!

いやまぁ多少通常の恋愛要素とは違う形が多いだけで。

ともあれありがとうございます! プレゼントはいただけないけど!
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/11(水) 00:52:51.77 ID:JVhzrJwAO
命「動けるようになったら早速使われるのか」

委員長「ええ。しばらくは屋敷内で使うつもりだけれど」

命「ここ、お前の屋敷なのか」

委員長「まさか。ただ多少他の人間より待遇がいいだけね。ペットを飼えるくらいには」

命「……。だからって首輪かよ」

委員長「似合うわよ」

命「くそ。っかし、広いな」

委員長「そうね。かなりの規模かしら。少なくとも全部を回れば一日かかるわね」

命「マジかよ」

委員長「ええ。さぁ、そろそろね」

命「そういや俺はどこに連れてかれてるんだ」

委員長「そうね。分かりやすく言うなら一番偉い人のところ、かしら」

命「ふぅん」

委員長「畏まる必要はないわ」

命「元から畏まるつもりはないけどな」

委員長「結構。入るわよ」

命「おう」
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/11(水) 01:08:22.73 ID:JVhzrJwAO
長「待っておったよ」

割烹着「相変わらず無礼な入室ですね。困ります」

委員長「もっと困らせるにはどうしたらいいかしら」

割烹着「もう。あら、そちらが?」

命「……」

委員長「いいでしょ。あげないわよ」

割烹着「要りませんよぉ。可愛げはありますけどまだまだ手ばかりかかりそうですし」

委員長「それを楽しむのも飼い主の特権よ」

長「はは、相変わらずよな。今回もご苦労。首尾は上々とは聞いたが」

委員長「そうね。前回みたいにイレギュラーな要素がない分、スマートに終わったわ。つまらないくらいに」

割烹着「んもー、仕事なんだから当然じゃないですか。前回みたいに好き勝手やられると後始末も大変なんですよ」

委員長「前にも聞いたわ。だから今回はつまらないと言ったのよ」

割烹着「性格悪いですねー」

命「あのよ」

割烹着「おや? なんですか。ここのわんちゃんは勝手に吠えるんですか」

命「ちっ。……あのよ」

委員長「何かしら」

命「これが一番偉い奴なのか?」

長「ふむ? いかにもだが」

命「このちんまい娘がトップかよ。大丈夫か、おい」

割烹着「失礼な。長様は可愛いだけのお飾りなんですからこれでいいんです!」

長「お前のがよっぽど失礼だよ」

委員長「くす。……嘘ばっかり」

命「あン?」

割烹着「失礼じゃないです。言うなれば長様に威厳がないのがいけないんじゃないですか」

長「身体的特徴で人をけなすのは良くないなぁ」

割烹着「可愛いは罪!」

長「この従者は……」

委員長「お楽しみ中悪いけれど、この子を飼うのだけ許可してもらっていいかしら」

長「ああ、構わんよ。但しうちの側としての役割以上は使わないように」

割烹着「前回はその辺の関係で“あちらさん”がうるさかったんですからね。がっぽりふんだくってやりましたけど」

委員長「ええ、心得てるわ。それじゃあ」

長「ああ」

割烹着「次の仕事までごゆっくり〜」

命「……」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/11(水) 01:15:26.55 ID:JVhzrJwAO
すたすた

命「なぁ」

委員長「何かしら」

命「……。マジであれなのか」

委員長「要領を得ないわね」

命「マジであの狐目とガキみたいな奴が偉いのかって事だよ」

委員長「そうね。長は見た目こそ幼いけれどあれでかなりの年齢よ。狐みたいな方は参謀役ね」

命「ふぅん……まぁ長とかいう奴はまだしも狐目はいい身体してたな」

委員長「手を出すなら命がけね。見てる側は楽しいからどんどんやりなさい」

命「その内な。で、挨拶が済んだんだ。仕事に入るんだよな」

委員長「挨拶はまだしばらくあるわよ。そう焦らないでいいわ」

命「……」

委員長「後、そうね」

命「何だよ」

委員長「次からの挨拶は基本的に黙っていた方が身のためかもしれないわね」

命「俺は俺のやりたいようにやる」

委員長「そう。好きになさい。私は手出ししないから」

命「元よりそのつもりだって」

委員長「……くす。それじゃあ次よ」
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/05/11(水) 10:41:21.71 ID:EuXu+7izo
「俺は俺のやりたいようにやる」キリッ

    i〜〜〜〜i
  /レ´⌒⌒`ヽi  だっておwwwwwwww
  i'|{_ノl|_|i_トil_|i  そwれwでww命乞いwwwwww下僕wwwwwww
 i'|{ (@  @)\
 |,  リ。゚  ワ_丿|゚。) バン
丿〜/)|r| /) バン
(__つ ̄ _つ))   ←ママン

421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 21:19:17.35 ID:WMWt+fiFo
ほんとこのスレはおちんちんだらけだな
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/12(木) 00:49:42.96 ID:G4VQ0cgAO
委員長「そこが可愛いのに」

メ「いやいや、この真性本当どっか頭沸いてるでしょ」

委員長「そうかしら」

メ「自分で何一つ為せないのに態度だけは一人前。危険には誰より敏感で得意なのは命乞い。顔はいいけど中身は子供。何がいいのか」

委員長「顔が好みかしら」

メ「後はうちの子だから?」

委員長「そうね」

メ「八つ当たりだし逆恨み入ってないすか?」

委員長「私から何か仕向けた覚えはないわよ」

メ「自滅に追い込むくせに」

委員長「尻尾を振ってきたのはあの子よ」

メ「まぁ今後どうなろうとしったこっちゃないですが」

委員長「……。憐れな姿が見たいから程ほどに手を差し伸べてもらいたいわね」

メ「あのバカは何の恥もなく掴みやがるから嫌っす」

委員長「それを自分が為したように感じてまた強がる様が見たいわ」

メ「歪んどる」

委員長「自覚はあるわよ」

メ「……ま、私が無視しても主様と妹子が勝手に何かしますよ」

委員長「楽しみにしてるわ」

メ「いやー。我が身内ながら笑うしかねぇわ、本当」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/12(木) 00:56:09.96 ID:G4VQ0cgAO
妹嬢「だらけではありません! 比率で言えば付いていない側が圧倒的に多いではないですか!」

メ「比率を付いてる側に上げてる方が何を今更」

妹嬢「だから違います!?」

メ「いいですか? 両性具有ってのは古来から完璧の象徴とかそんな感じなんです。つまり妹嬢さんなんです。ふたなりなんです!」

妹嬢「したり顔をされてもその論法は穴だらけですからね!?」

メ「穴があったら突っ込みたいと」

妹嬢「突っ込みません!」

メ「まさか入れられる側!」

妹嬢「当然でしょう」

メ「前でぷらんぷらんしたのを振りながら後ろからカム・イン! な訳ですね!」

妹嬢「前半が余計ですっ」

メ「安心ください。メイド長さんが優しくにぎにぎしながらぱんぱんしてくれますよ」

妹嬢「全体的に卑猥な擬音ばかり?!」

メ「まさしく擬音祭!」

妹嬢「だからそのしたり顔はやめなさい!?」
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/12(木) 01:04:59.39 ID:G4VQ0cgAO
め「アリーデヴェルチ」

あや「何か開幕からお別れを告げられたんすけど」

め「おや。これはそういう意味でしたか」

あや「知らずに使う勇気が怖い」

め「あや様の顔を見ながら使えば大抵の言語が正解に思えるから不思議ですね。人徳でしょうか。いえ、ただのM気(えむぱわー)の成せる業でした」

あや「自己完結早いな! さらっと失礼だし」

め「ねっとり失礼ぶっこいた方がよろしいので?」

あや「まず失礼こかないという選択肢はないのかこの人」

め「あや様だからこそです。人徳でしょうか。いえ、ドマゾ臭のせいでしょう」

あや「その流れが気に入ったんすね? 気に入ったんすね?!」

め「涙を流してお喜びとは。さすがマゾっ子は頭おかしいですね」

あや「どうかこの人の口から暴言出る度に雷とか落ちる仕様になりますように」

め「まさかあや様。自身に落雷が来ないと満足されないと? いやはや……病院に行きましょう。紹介します」

あや「うあああああもおおおおお!?」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/12(木) 01:16:37.87 ID:G4VQ0cgAO
男「女の子のさ。ホットパンツとニーハイってずるいよな」

メ「仮に同意したところで私はしませんが」

男「超ミニスカでニーハイもありだよな」

メ「しませんからね?」

男「よしんばロングスカートでも何かの拍子に下がガーターって分かった時、最高潮だよな」

メ「……。いや制服の仕様上そうならざるを得ない部分はありますがしたくてしてる訳じゃ」

男「なぁ、メイドよ。ならせめてこれだけはお願い出来ないか?」

メ「お断りします」

男「裸ワイシャツに縞パンで黒ニーハイを、な」

メ「断るっつってんだろ! 何この強制イベント?!」

男「カチューシャとメガネ付きでやってみよう。な?」

メ「菩薩みたいな顔で俗にまみれきってんじゃないっすよ! 豆腐およびそれに準ずる柔らか素材の角に頭ぶつけて脳内HDフォーマットしてください!」

男「よし。やるか」

メ「人生やり直しオフラインを?」

男「強制着替えイベントを」

メ「させるかぁ?!」

バタン!

妹子「兄くんのリクエストに応えて衣装チェンジで登場だよ!」

皇「すみません、お騒がせします」

男「……。さぁ、メイド、ここは大人しく」

妹子「な、なんでスルーなの?!」

皇「お義父さんにはお義母さんしか見えない魔法がかかっているんでしょう。“恋”という名の」

メ「鳥肌台詞禁止!!」

妹子「間違いなく病気ね。兄くんの病気は私が体を張って治さなきゃ!」

皇「話がややこしくなるからやめておき……」

冥「何々? 楽しそう! 私も混ざるー!」

皇「……遅かったようですね」
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/12(木) 21:46:29.27 ID:IjPJDo5Io
遅れ馳せながら誕生日オメ
そして俺の誕生日がもう直ぐ終わる
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/05/12(木) 23:25:59.29 ID:0gqibnsq0
め「すべりこみおめでとうございます」

あや「ズサー! とお祝いで! おめでとうっ」

め「何をされているのですか。恥ずかしい」

あや「ちょ、ちょっとはしゃいだだけじゃない!」

め「普通にお祝いできないあや様の芸人根性は見上げたものがありますね。多少他人のフリが必要ですが」

あや「やめて! その哀れむような瞳をやめて!」

め「哀れむまでもありませんので。あや様への御褒美になってしまいますので」

あや「苦痛だから!? というかお祝いのムードじゃないよね、これ!」

め「あや様に他人を祝うほどの権利があるとでも?」

あや「え、えぇぇ……」





男「あっちはほっといて。改めておめでとうっす」

メ「お祝いに男子ちゃんが脱ぐとか脱がないとか掘られるとか」

男「全部ガセだからね?」

メ「いやよいやよも幕の内」

男「好きのうちだからな?」

メ「好きなんですね」

男「ハメられた!?」

メ「ハメていただくのは他の方にお任せしましょう」

男「意味が違う!!」
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/13(金) 00:33:55.17 ID:8+2dsXoAO
委員長「今ので一通り紹介は終わりよ」

命「……」

委員長「あら。最初の威勢はどうしたの? 少し身体を壊したくらいで情けないわよ」

命「……、……」

委員長「引きずられるのが嫌なのかしら。仕方ないでしょう。自分で立てもしない子を連れなきゃいけないのだから」

委員長「それとも捨て置けばいいのかしら。確実に焼却炉行きでしょうけれど」

委員長「……くす。私ばかり喋ってしまっているわね。いけないわ。上機嫌になってしまうの」

命「……、ね」

委員長「ふふ、悪態をつくくらいには元気なのかしら。だったら躾ないと」

ドゴッ……!

命「ひ、ぐっ?!」

委員長「声もまだ出るじゃない。いいわよ、もっと鳴いて」

命「ひ、ぁ……!」

委員長「安心なさい。あいつらと同じように顔だけは傷なんてつけないわ。だから同じ場所だけ踏んであげる」

ゴスッ!!

命「……〜〜〜ッ!!?」

委員長「ふふ。怯えた目で誘うなんてずるいわ。部屋に帰ったらうんと可愛がってあげる」

命「……、ぁ……」

委員長「可愛い子」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/13(金) 00:45:59.61 ID:8+2dsXoAO
命「……」

委員長「食べないのかしら。それなら早く書類整理に戻りなさい」

命「食うよ! ……くそ」

委員長「ふふ。大分傷は癒えたみたいね。ひと月はかかりすぎだけれど」

命「まだ飯すらまともに食えねぇっての。ああくそ、喋るだけで痛みやがる」

委員長「たかだか臓物を痛めつけられただけじゃない」

命「骨も折れたって。まだくっついてるか怪しいのに書類を山ほど回しやがって……リハビリにしたってだな」

委員長「リハビリ? したいならさせるわよ。貴方が死にたくないなんて泣くから退屈な仕事を渡しているだけ」

命「なっ、あれは……!」

委員長「怪我さえ治れば良かったその場しのぎの演技よね。ふふ、わかっているわよ。安心なさい」

命「な、おま……、っ。くそ!」

委員長「くす。可愛いわね、本当。けれど確かに怠惰に飼うだけもつまらないわね。明日からリハビリよ」

命「断ってもやるんだろ」

委員長「ええ。貴方にそんな権利はないもの」

命「ああもう……好きにしてくれ」

委員長(くす。未だに立場すら理解出来ず、流される中で自分の意志すらなく、ただ愉しく生きたいとただ願うのみ)

委員長(嗚呼、あの人の顔で、もっと虐げられて。それが私の……)

命「何だよ。じっと見て」

委員長「きなさい。気分がいいわ。遊んであげる」

命「なっ……訳わからん」

委員長「くすくす」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/16(月) 00:39:59.20 ID:B8QGyP8AO
め「あや様。怖い話というものをご存知ですか」

あや「人並みには」

め「ではお聞かせ願えますか」

あや「えぇと、都市伝説の類なんすけどある部屋で」

め「あや様がリンカーンされた、と。なるほど、恐ろしい話ですね」

あや「聞いといて話の腰を折るどころか心を折りにきたよこの人!」

め「あや様は間違いなく調教済みだと思われまして」

あや「日常生活のどの辺からそう思うのか……」

め「あや様のバナナやアイスキャンデーの食べ方辺りですね」

あや「いいじゃん口が大きくないんだから?! ちびちびになるの!」

め「デフォルトで調教済み、と」

あや「そんなデフォルトあるかぁ?!」

め「しかしあや様。サービスシーンが無ければ捨てられてしまう世の中。その点で言えばあや様は時代の寵児ですね」

あや「そんな時代の乗り方いやだから! 普通に人気無くていいっすよ、そんな扱いなら」

め「またまた。下の口は正直ですよ。おっと、めいど、はしたない言葉を」

あや「はしたないっていうかだんだんめいどさんもキャラ崩壊してないっすか!」

め「あや様に調教されてしまいましたね。参りました」

あや「なんかいちいち卑猥な……」

め「まさか。あや様ではあるまいし」

あや「こっちが発した言葉に全く性的なニュアンスがないはずなのに!」

め「存在がエロスですから」

あや「それは他のエロ担当にお願いしてください!」

め「よろしくお願いします」

あや「こっちじゃなくて?!」
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/16(月) 00:49:01.97 ID:B8QGyP8AO
メ「という訳でエロス担当さんおっすおっす」

妹嬢「私のどこが?!」

メ「スレ内でち○こ扱いされてるのは妹様だけですし」

妹嬢「そんな扱いされてたまりますか?!」

メ「そうですね。さすがに直接的すぎました。比喩的にいきましょう、ふたなりーんさん」

妹嬢「よりバカにされてるとしか思えないのですが」

メ「バカにはしてませんよ。ただふたなりだなぁと思っただけで」

妹嬢「違うのは貴方も知っているでしょうに!」

メ「いやぁ、私は妹嬢さんと朝までしっぽりな体験はありませんので」

妹嬢「お風呂です! 一緒に入ったことがあるでしょう!」

メ「タオル巻いてたじゃないすか」

妹嬢「ぬ、ぐ。で、ですが前にふくらみがないくらいは確認出来たでしょう!」

メ「確かにまっ平らでしたね」

妹嬢「くっ……胸がなんだというのです! 少しはあります!」

メ「私は別に胸の話はしていませんが。つまり、お股の間に少しはあるという……」

妹嬢「頑なにある方向に持っていきますね!?」

メ「期待されてますので。何なら今晩久しぶりに二人でお風呂しますか?」

妹嬢「い、いいですとも。入ってさしあげます!」

メイド長「いけません」

妹嬢「何故ですか!?」

メイド長「……。いけませんお嬢様。そのような短絡的な理由で他人に肌を晒すなど」

メ「じゃあメイド長さんが代わりに確認します?」

メイド長「ええ、私が担当しましょう。是非、今すぐにでも」

妹嬢「め、メイド長……?」

メ「最近出番なかったせいか今回えらいとばしてるなぁ」
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/16(月) 01:00:56.77 ID:B8QGyP8AO
命「が、っ……! 痛っ……」

委員長「情けないわね。たかだか寝込みじゃない。わざわざ音まで出してあげたのに」

命「いきなり、何しやがんだ……!」

委員長「リハビリの一環かしら。次は蹴られる前に起きるようにしなさい」

命「ふざけんな! さっきだってリハビリとかぬかして延々筋トレなんかさせやがる!」

委員長「なまった身体にはちょうどいいでしょう?」

命「それだけならまだしも、してる最中に蹴りいれるわ、回数が少ないから今晩は飯抜きだ、好き勝手やりやがって」

委員長「張り合いと緊張感が出るでしょう?」

命「ただのイジメだろ、このサディストめ……」

委員長「それだけ悪態がつければ充分ね。ああ、それと」

命「あ? ……ぬぁ!?」

ヒュン

委員長「あら、いい反応ね」

命「ま、またいきなり……」

委員長「次も頑張ってかわしなさい。痛い思いをしたくないなら、ね」

命「……くそっ」
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/17(火) 01:19:02.62 ID:UCPYr04AO
め「あや様は時々ふらりとどちらへお出かけなのでしょうか」

あや「別に同棲してる訳でもないんだから自分の家でのんびりしたりしてるだろうなぁ、とか考えないんすか」

め「あや様が住まいを持たれる姿を想像しろというのも酷な話ではありませんか」

あや「何ら酷じゃないよ! その下方への想像力にびっくりだよ!」

め「実際問題、あや様をストーキングしお家を見つけてみよう大作戦は毎回失敗してますし。どう考えても家がないとしか」

あや「最近なんか背中に視線感じてたのはあんたかぁ?!」

め「違います。めいどがあや様のストーキングなど有り得ません。時間の無駄ですから」

あや「なんだろう。望んだ答えのはずなのに非常に癪に触るのは」

め「ですのでめいどが無駄にした時間を返してください」

あや「やっぱつけてたんじゃないっすか!?」

め「具体的にはお住まいの情報なり休みの過ごし方なり」

あや「何でそんな情報にこだわるんすか」

め「あや様のパーソナルデータすら把握出来ないなど屈辱の極みではありませんか」

あや「そんな扱いなんだ……まぁ休日の過ごし方くらいなら」

め「一体どのような悪逆非道の限りを尽くされているのか」

あや「まじめに聞く気がないならそれでいいっすけど」

め「なるほど。言えないような何かを……」

あや「言います言います言いますから! はぁ……普段は食材の買い物とか洋服みたりですよ」

め「服装が代わり映えされないのにですか」

あや「ウインドショッピングくらいするでしょ。後は家庭菜園だとか本読んだりっすかね」

め「……乙女過ぎて似合わないことこの上ありません。判決は嘘で有罪ですね」

あや「否定理由が私情丸出しな判決!?」

め「あや様はきっと安い男に引っかかり何度も涙を飲んでこられたか」

あや「嫌な想像力だけはさすがっすね」

め「もしくは人に言えないお仕事か」

あや「……。まぁた裏の仕事だとか薬に手を出してるとか言い出す前に言いますけどそんな事は」

め「……」

あや「な、何シリアスな顔してんすか。ないっすよ! そんな事する訳」

め「でしたら、良いのですが」

あや「当たり前ですよ。全く」

め「……」
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 08:07:11.94 ID:i04GX5f4o
め「……人には言えない様な家庭菜園でしたか」
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/18(水) 00:08:54.59 ID:6LNSYjXAO
あや「誰が○麻栽培なんかしますか!?」

め「なるほど。また一つあや様の弱みを握ってしまいましたね」

あや「痛くもかゆくもない弱みだよ……」

め「では言いふらしてまいります」

あや「それでも人の評価って大事だから止めて、是非止めて!」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/18(水) 00:26:38.23 ID:6LNSYjXAO
め「そろそろ職につくという事を真剣に考えないといけない時期になりつつありますね」

あや「至極真っ当な意見すね。どっかのお店に修行とか考えてたりっすか?」

め「……。この街から離れないのであればそれも悪くないのかもしれませんね」

あや「まだ待ちますか」

め「捨てられたとは告げられていませんので」

あや「ま、いいツテでもないかこっちでも聞いて回っときますよ」

め「あや様は卒業後は?」

あや「んー、まぁ適当に」

め「野垂れ死にか泡姫ですね」

あや「描くビジョンが絶望味溢れすぎてる!!」

め「ですがまぁ。あまりに哀れな事になるのも不憫で面白いのですが……めいどのところへ来られるのも一つですよ」

あや「あやや。まさかこんな奴を拾ってくださるんで?」

め「こんな珍妙な生物を手元から逃がすなど珍獣コレクターとして名が廃ります」

あや「初めて聞く肩書きなんすけど。ま、考えておきます。ありがとうございます」

め「いえいえ。この程度の嘘で満足して頂けるのであれば」

あや「嘘かよ!?」

め「当然ではないですか。私があや様と同棲など……」

『あや、様?』

め「む?」

あや「……」

宮「あや様。あや様ですよね」

め「お知り合いで?」

あや「いや、人違いでしょう。どこのどなたか存じませんが」

宮「あや様、宮です! 学生時代、お慕いしていた宮です!」

あや「めいどさん。行きましょう」

め「ですが」

宮「あや様! あや様!!」

あや「……」

すたすた

め「あ、あの。……すみません。失礼します」

宮「あや、様……」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/18(水) 00:36:42.25 ID:6LNSYjXAO
め「あや様、あや様」

あや「何すか?」

め「本当にお知り合いではないのですか?」

あや「知らないっすよ。どこのご令嬢だか知んないっすけど、なんか今更ながら知り合いのふりしてご飯くらいたかれば良かったかなぁと後悔が」

め「よくご令嬢だとわかりますね」

あや「見たでしょ。場違いな服装にあの口調。後ろにでっかい車もありましたし、あれでご令嬢じゃないなら何かのドラマ撮影かテレビのドッキリっすよ」

め「本当にそうなのでしょうか」

あや「信じる信じないはめいどさんの自由っすよ。それよりそろそろめいどさんのうちですが」

め「いつの間に。……あや様、よろしければ今夜は」

あや「お誘いどうも。申し訳ないすけど私用がありますんで。すみません」

め「そう、ですか」

あや「んじゃ、この辺りで」

すたすた

め「……。釈然としませんね」






宮「……」

『さっきの子は?』

宮「友人です。皇様」

皇「その割にはどうにも友人と接するような態度ではなかったね」

宮「……」

皇「気を悪くしたならばすまない。それよりも今夜は久しぶりの会食なんだ。あまり沈んだ顔は良くないよ」

宮「はい」

皇「……まぁ、及第点だね。気になる事があるなら僕なりに調べておこうか?」

宮「ありがとうございます。ただ……いえ、気に留めていただくほどではありませんので」

皇「それならいいけれど。自分に言い聞かせられないのならば早めに吐き出すようにね」

宮「……はい」

宮(あや様……“学生時代から何ら変わらないあのお姿”……一体)
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/18(水) 00:45:10.47 ID:6LNSYjXAO
メ「女の私に抜きゲー勧めてくるネトゲ民ってなんなんすかね、本当」

男「圧倒的シリアスブレイクだよ、お前」

メ「意地悪神拳の極意の一つですからね。くくく」

男「無駄な暗黒面アピールだな、おい。あと多分お前、ネトゲ民に女と思われてねぇよ」

メ「バカな。貢がせようと必死にキャラ作りしてるのに!」

男「今時そんな痛い子のが希少だからな?」

メ「かくなる上は写真作戦か」

男「そこまでして貢がせたいか?!」

メ「ご安心ください主様。あ、なんか主様って呼び方が懐かしい。いやさておき、私の写真なんざ使いませんよ。勿体無い」

男「俺もなんか久々で感動した。いやそうじゃなくて。勝手に他人の顔写真なんか使うのはまずいだろ」

メ「大丈夫です。架空の人物ですから」

男「二次元画像で今更野郎が釣れるか?」

メ「勿論三次元っすよ。ほら」

男「俺じゃねぇかぁぁぁあああ!?」

メ「男子ちゃんなので無問題」

男「問題あるわぁ?! よりにもよって着替えシーンから抜粋しやがって!」

メ「あ、なんかすごい勢いでmesとんできた。おー、なんかハァハァされとる」

男「嫌ぁぁぁああああ?!」
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/18(水) 21:31:37.26 ID:MR0AEXueo
男→抜きゲー薦める(同士的な意味で)
女→抜きゲー薦める(プレイ的な意味で)

うむ、どっちでも一緒だ
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/18(水) 23:52:32.75 ID:6LNSYjXAO
男「何だろう。論理的ではないのに妙な説得力を感じる」

メ「ちなみにこの言い方だと主様と女さんが抜きゲー薦めてるみたいですね。いやらしい子たち!」

女「ふ、ふうひょうひがい?」

男「微妙に違うけどだいたいあってる。問題は俺達はほとんどそういう類を知らないのにそんなカテゴリーに当てはめられる事だ」

メ「主様って名詞は日本語でエロスの意味ですよね?」

男「エロスは日本語じゃないし固有名詞に意味はない! あと俺とエロスは関係ない!」

女「でも、え、えっちぃ下着は好きだよね?」

男「それは俺個人の問題ではなく野郎全てが背負うべき性だ」

メ「大多数に紛れたところで主様がエロスなのには何ら変わりはない訳で。つまり主様は抜きゲーを知ってる。となればオススメもあってしかり!」

女「い、意外とろんりてき……」

男「論旨は俺を貶めたいだけなのはいかがなもんか」

メ「あと女さんはむっつり」

女「むっ、む……!?」

男「適当こいてるだけだから流してていいよ。相手してたら気がもたないから」

メ「女さんは毎晩男子ちゃんを想って何度か貸した衣装をオカズに……」

女「はわ?! そ、それは秘み……!」

男「あってたまるか! 女さんは清楚系の可愛い属性だぞ。ヨゴレ系芸人担当のお前とは違うっての。な?」

女「へ? あ、あぅ……ぅぅ」

メ「罪悪感からくる涙は悲しいもんですな」

男「な、なんだそれ」

女「ぅぅ〜……」
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/19(木) 00:00:29.95 ID:5/5SFpZAO
め「あや様。縞パンは何故高く評価されるのでしょうか」

あや「……聞いて答えが出ると思われてる時点で何となく悲しい立ち位置だと感じるんですが」

め「実際今日ははいて参りましたが」

あや「!!? ちょ、ま、周りの野郎どもからの視線が三割増し!」

め「ふむ。効果は確かなようですね。そのあたりいかがですか、解説のパンティソムリエあや様」

あや「違いますから。いや、まぁ単純に珍しいのとデザイン的に人気なんじゃないっすか?」

め「もっと面白い答えでお願いします。ただでさえ変態のレッテルで評価がマイナスなあや様」

あや「真面目に答えて損した!? というかケガしたよこれ!」

め「かくいうあや様の今日の一枚は」

ばさっ

あや「ひぅ?!」

め「なんと」

あや「な、ななななななな」

め「ブルマとはまた。あや様、ぐっじょー」

あや「何すんすかぁ!!?!?」

め「スカートめくりですが?」

あや「ぐああああ! 小首かしげても騙されねぇよ! 何公衆の面前で猥褻行為してんすか!!」

め「すみません。ご褒美には早かったでしょうか」

あや「ただの罰ゲームだよ!?」
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/19(木) 00:12:29.32 ID:5/5SFpZAO
委員長「あら」

命「っぶね! く、毎回毎回蹴られてたまるかよ!」

委員長「いい反応になってきたわね。ひと月でこれなら少しは誉めてあげてもいいかしら」

命「嬉しくねぇよ」

委員長「ふふ」

委員長(飼いころしてあげたいけれどこちらに来た以上、前までのようには楽しめないわね)

命「んだよ」

委員長「何でもないわ」

委員長(あまり気は進まないけれど……もう少し手を加えようかしら。勝手に消えられてもつまらないもの)

委員長「命」

命「何でもないんじゃないのかよ」

委員長「もうすぐ私の顔馴染みがここを訪ねてくるわ」

命「顔馴染み?」

委員長「ええ。彼女は私を慕ってくれるのだけれど少々過激な子なの」

命「過激、ね。経験上何となくヤバいのだけはわかってきた」

委員長「そうね。その子とは私がすぐにここを出てばかりなせいであまり出会わないけれど今回はそうもいかなくて」

命「……で、それが何なんだよ」

委員長「その子に酷い事されないように頑張りなさい、という話よ」

命「頑張るって、何を」

委員長「少なくとも今あなたのしているリハビリは無駄ではないわね」

命「オーライ。自分の身は自分で何とかしろって事か」

委員長「そうね。何とかできるなら話は早いわね」

命「……どうせヤバいのは分かってる。その、だから……」

委員長「私が入れ込むと余計に状況は悲惨になるわね」

命「マジかよ」

委員長「くす。それなりに足掻きなさい。見ていてあげるから」

命「……悪趣味め」

委員長「今更でしょう」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/19(木) 00:13:31.81 ID:tnRd2HC5o
ババアブルマは罰ゲーム
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/19(木) 00:24:15.89 ID:5/5SFpZAO
め「あや様、謝りましょう。あや様のブルマが人々に与えた影響は言わば罰ゲーム的な不快感だそうで」

あや「ババア扱い?! そんな加齢臭とかしわくちゃではないはずなのに!」

め「あや様はもはや老害的存在なのですよ。ババあや様」

あや「泣いていい? ねぇ泣いていい?」
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/19(木) 00:52:01.38 ID:5/5SFpZAO
バタン!

妹「お姉! 久しぶり! やっと会えたよぉ」

委員長「ええ。久しぶりね。命、この子が前に話した顔馴染みよ」

命「あの話マジだったのか……あれからえらい経ってたから忘れかけてたぞ」

妹「お姉。何こいつ」

命(露骨に声と目つきが変わってないか)

委員長「命。私の所有物よ」

妹「お姉が野郎を連れ込むなんて……潰してやる」

ゾクッ

命(く、なんだ。めちゃくちゃ鳥肌が……)

委員長「ダメよ。勝手は許さないわ」

妹「そんな……」

命「残念だったな」

妹「くっ! ……あんた、お姉の髪や爪先でさえ指一本触れてみろ。お姉が何と言おうが生きてる事を後悔させてやる」

命(あー……さすがに今このタイミングで触れたとかいうレベルの付き合いじゃねぇとは言わないでおくか)

委員長「さて。それじゃあまずは説明ね」

命「説明? 何のだよ」

委員長「ここでの生活についてかしら。まず命。あなたにはチャンスをあげる」

命「チャンスだ?」

委員長「ええ。現状あなたには残飯漁りしかさせていないけれど、今から出す条件をクリアすれば待遇を変えるわ。人並み程度には」

命「畜生の生活よりはマシって事か」

妹「さっさと屠殺されればいいのに」

委員長「くすくす。命、あなたがクリアすべき条件はその子の髪を累計で構わないから百本集める事よ。それが叶えば人並みの生活は保証するわ」

命「ガキんちょの髪集めか、ありがたいね。涙が出る」

委員長「ああ、それと一本につき一食分の食事も約束するわ」

命「随分と気前のいい話だな。いいのかよ」

委員長「私はそうは思わないけれどね。そして次にあなたには禁忌を与えるわ」

妹「タブー?」

委員長「それを破らない限りはいくらでもここの滞在を許すわ」

妹「本当!?」

委員長「ええ。あなたが破ってはいけないルールは3つ。一つは自分から命を襲わない」

妹「いきなり最悪な条件がきたよ……」

委員長「必ず守りなさい。次に命を何があっても殺さない。最後が……これはまだ秘密よ」

妹「ええ?!」

委員長「大丈夫よ。明かさない間は踏んでも許容するから」

妹「ならいいけど」

委員長「くすくす。しばらくは退屈しないで済むわね」

命「……はぁ」
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/19(木) 07:48:26.42 ID:k38VjGXAO
つくづくVIP時代の委員長から変わったよなぁ……

あ、そういえばいじメイオルタマダー?
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/19(木) 18:19:01.76 ID:HfwTsdJlo
ヤンデレからクリーチャーか
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/20(金) 01:04:31.24 ID:WQT7dVXAO
メ「可哀想に委員長さん。厨二秒な中の人の毒牙にかかって今や原型を留めないキャラに……」

女「そう、かな」

メ「だって本来ならこっちでバカ騒ぎしてるとこに冷静なツッコミ役でいるはずでしょう」

女「うぅん」

メ「きっとヤンデレ属性とかネタキャラ属性をひたすら煮詰めたせいですね。彼女もまた犠牲者なのです」

女「えと、ね。委員長さんも、実はあんまり普通じゃなかったと思うの」

メ「普通も普通。初期とかヤンデレな以外めちゃくちゃ正統派でしたよ」

女「い、一番最初のはパラレル、だから。……けど、こっちになって早い段階で色々と背負ってたみたい」

メ「設定が出来たって事っすよね。具体的にはいつ頃?」

女「妹ちゃんが出て、中が変わったりできるようになったのがわかったあたり、かな」

メ「ぶほっ!? 女さんが変態ーズに入るより前じゃないすか」

女「へ、へんたいちがう〜! 私は普通だもんっ」

メ「普通の人は靴下すーはーしません」

女「し、してない……もん。んもぅ、私はいいの! えと、とにかく委員長さんは初めから結構私たちと違ってて」

メ「違ってましたかねぇ」

女「うん。多分、男くんと似たような環境だったんじゃないかな。心を預ける人が居なかったのはおっきな違いだけど」

メ「何すか、それ」

女「うまく言えないけど、委員長さんは私たちの知らないところで想像がつかないような生き方してたんじゃないかな、って」

メ「だから今の姿はある意味本来の姿だと?」

女「……多分」

メ「にしたって何つぅか変わりすぎというか」

女「そこは……分からないけど。何かあったのかも、だよ」

メ「憶測ばかりですなぁ」

女「うぅ……。ただ、委員長さんは心の根っこはか弱い女の子なはずはずなの」

メ「か弱いという言葉の対局におられますが」

女「うん、だから何かあったとしか思えないの。あの日、私が騙されて告白させられた日……あの時の委員長さんから、何かが」

メ「告白?! 誰に誰に!?」

女「し、知ってるでしょ? 私が学生時代にそんな事できる相手なんて……」

メ「弟さんとか?」

女「何で弟くんが出てくるの?」

メ「や、なんでもないです。……不憫な」

女「とにかく、今の委員長さんは確かに怖いけどきっと理由があるはずだから」

メ「ま、それは追々ですかね」
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/20(金) 01:07:39.44 ID:WQT7dVXAO
男「いじメイ……もはやどこまで行ってたか」

メ「主演しっかり汁」

男「かく言うお前は一切出てないけどな」

メ「果たしてそうかな!?」

男「そうだろ」





ところがぎっちょん!



二人「「?!」」



いじメイもまたいずれww
ただこんな形で声をもらった限りなるべく早く続きは書きます。はいww
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/20(金) 01:13:12.44 ID:WQT7dVXAO
め「ババあや様。ババアや様。うぅむ、どちらもしっくりときてしまう。呼ばれる側としてはどちらがよいですか?」

あや「ものすごい不愉快な二択を迫られてる……」

め「この際、略称としてババア様というのは? ああ、様も削ればすっきりしますね」

あや「もはや面と向かって罵倒してるよ、それ!?」

め「そんな訳ありませんよ、このクソババア」

あや「もはや清々しいまでに悪態じゃないっすか! ていうかむしろ増えてるよ! 悪意の塊じゃないか!」

め「悪意はありませんよ。純粋に見下した結果です」

あや「それが悪意じゃなくて何だっていうのか」

め「摂理です。真理なのです」

あや「……怪しい宗教の勧誘ってこんな感じで始まるんだろうなぁ」
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/21(土) 02:52:15.99 ID:ymk143bAO
め「あや様はいつも服装が清楚系ですね。衣装だけでも清楚系に、という事ですかね。素晴らしい無駄な努力かと」

あや「いっそ似合ってないと言ってくださいよ」

め「似合ってますが? 愛らしいと思います」

あや「……、っ……。あ、ありがとう、ございます」

め「今更嘘だったとは言いづらい空気ですが、さておき。あや様はミニスカートは着用されませんね」

あや「うん。まぁわかってたけど人の感動返せ。めいどさんだってはいてないじゃないすか」

め「あや様と違ってノーパン健康法を実践している訳ではありませんが」

あや「OK、分かりました。質問に答えるまできっとこの流れなんすね。まぁ、単純に趣味じゃないってのがありまして」

め「ほほう」

あや「人前で肌の露出していられるほど自分に自信はありませんしね。答えになりました?」

め「え? ああ、はい。聞いてませんでしたが」

あや「どうしてこの段階で聞いていないでいられるのさ?! さっきのほほうは何だったって話だよ!」

め「不思議ですね」

あや「めいどさんの頭の中が不思議だよ!!」

め「スカートの中は不思議がいっぱいですね」

あや「その手は何すか。捲ろうたってそうはいきませんからね。で、ついでに気になるのはめいどさんの格好で」

め「何か?」

あや「いや、毎回こう、同じような服装だし、あんまり外出用の普段着って感じじゃないなぁと」

め「ヘッドドレスもエプロンも外して自らの存在意義を極限まで薄めているめいどに更に脱げと」

あや「脱がなくていいから。たまには女の子らしい格好でもいいじゃないすか。それこそミニスカートとか」

め「……ご主人と再び会いまみえた時、すぐに元の関係に戻れるよう、めいどなりの配慮ですので」

あや「なるほど。ならあんまり言う必要もない、か」

め「はい。ですのであや様がめいどの肢体目当てできわどい衣装を勧められても無駄ですので」

あや「はいはい、了解しましたよ」

め「その分、あや様がマイクロビキニ着用で……」

あや「絶対嫌です」
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/21(土) 20:29:00.75 ID:P9NdfdRX0
中の人乙ー

いじメイの女キャラでは
個人的に会長が一番気に入ってるんだが同士は居るのだろうか
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/22(日) 01:09:43.03 ID:B91Vc9WAO
個人的にはメイド、めいど、あや、男子が同列1位だわ
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/22(日) 16:47:17.61 ID:8e/i8D6Lo
デレたメイドが最強
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/22(日) 23:33:22.67 ID:AL+YB7TAO
会長「他にたくさん素敵な方がおられますのに。ありがとうございます」

男子「会長さん、本性知られなかったら生粋の大和撫子だからなぁ」

会長「くすくす。男子さんたらそんなに私にいじめてほしいのですね」

男子「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、会長さんはいつでも素敵ですよ!」

会長「ありがとうございます。私も男子さんの事は可愛い方だと思いますよ」

男子「む……いや、別に可愛くはないかと。ていうか野郎ですし」

会長「性別は関係ありませんよ。元より男子さんは性別:男子ではありませんか」

男子「別ジャンルに分類された?!」

会長「ええ。男子さんはどちらも愉しめそうですし」

男子「……なんか深く聞いたらダメなんだろうなぁ」
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/22(日) 23:44:52.25 ID:AL+YB7TAO
あや「うおお、まさかの展開!」

め「このように名指しで評価をいただけた事は二代目として喜ばしいですね」

あや「ここまで来れたんだ……頑張ってて良かったぁ」

め「むせび泣いておられるところ申し訳ありませんが、きっとあや様に関しては何かの手違いではないでしょうか」

あや「素直に喜びくらい噛み締めさせてよ?!」

め「思うに打ち間違えか予測変換の不具合か……プラズマですね」

あや「いやに科学的な否定だ! 最後は苦し紛れだし!」

め「逆に考えてみてください。あや様が評価をされるような点は何があるというのですか。ないでしょう」

あや「ものすごい高圧的に全否定されたー!? ま、待ってください。この健気さとか尽くすとことかが評価されてると思うんですよ」

め「それはめいどの職業的な立場ですが」

あや「あんた全然従者らしいことしてないよ! もはや形骸化とかいうレベルじゃないし!」

め「当てはめられた枠に収まるだけがめいどではありませんよ」

あや「型に入りもしないままでめいどだと主張する方がどうかしてますから!」

め「……ちっ」

あや「普通に舌打ちー!?」









主「こんなのがいいってのも変わってんなぁ」
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/22(日) 23:49:23.01 ID:AL+YB7TAO
メ「どうも。地上最強の生物です」

男「意味合いがいきなりグラップラーだな、おい」

メ「あ、女キャラがって話題の時に名前挙がった人だ」

男「べ、別に違うだろ! きっとそういう意味で挙げてくれた訳じゃねぇよ、誰がヒロイン属性か!」

メ「言ってませんよ、そこまで。ケツビッチ」

男「純潔だよ!」

メ「不純ケツのくせに」

男「どうあってもその流れにしたいのか……それよりお前、ちゃんと最強証明用にデレて見せてくれよ」

メ「アメーバちっくに?」

男「それはデロっとだろ。されても困るわ。出来たら怖いわ」

メ「人間努力が大事だと思うんですよ」

男「努力の方向性もな」
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/22(日) 23:55:53.18 ID:AL+YB7TAO
メ「主様、主様。ストップ」

男「ん? どしたよ」

メ「なんか頭ついてますよ。お似合いなでけぇほこりが」

男「マジかよ。この辺か?」

メ「あーあー。違いますって。んもぅ、まどろっこしい。しゃがんでください」

男「のあ、こ、こら」

メ「いいからじっとする。えー、と」

男「……」

メ「よし、と。しかし主様の髪は猫っ毛ですなぁ。ふわふわしとる」

男「も、もういいだろ。みんな見てるから離せって」

メ「何照れてんすかぷげら。抱き合ってる訳でもあるまいに。小学生かっての」

男(お前に頭抱かれてるみたいで恥ずかしいんだよ、察しろバカ! ……うぅ)

メ「私に働かせた罰ゲームにもうしばらくこうしてやる」

男「なっ、お、お前!」

メ「けけけ、精々恥ずかしさで憤死しかけるがいい」

男「うぅ〜〜……」




女「あはは……見てる側が恥ずかしいよねぇ」

委員長「全くね」
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/23(月) 00:05:41.42 ID:7eQE5sIAO
メ「主様〜、仕上げ〜」

男「いい加減それくらい自分でしろよ」

メ「やだやだー。そもそも主様の櫛なしでは生きていけない髪にしたのはどこのどいつだ!」

男「誰でもねぇよ。ったく、ほら。貸してみ」

スッ スッ

メ「んふー」

男「猫みてぇな顔しやがって。うりうり」

メ「ふしゃあ!」

男「ははは、悪い悪い。……ほれ、機嫌直せ」

スッ スッ

メ「む〜……はふぅ」

男「……」

メ「……」


スッ スッ

男「なぁ、メイド」

メ「何すかぁ?」

男「……。何でもない」

メ「……うす」

スッ スッ






冥(あーあ。私だってパパに髪を梳いてもらいたいなぁ。でも仕方ないか。ママだけだもんね、パパのその仕事は)
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/23(月) 00:09:31.25 ID:7eQE5sIAO
なんだろう。メイドのデレがこんなんしか浮かばない……!
誰かデレの見本をお願いします。
もっとなんか世間一般でいうデレ属性とかに近づきたい……
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/23(月) 01:50:17.57 ID:8T6fAQMVo
頭打って甘えんぼうと化すとか?
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/23(月) 07:15:40.26 ID:J1NPsstAO
なんかこう、あやって某同人STGの同名の烏天狗思い出すんだよな


メイドのデレはこのスレ的には一度完結したころが結構多かったような気がするね
まぁ、定期的に主様を酔わせりゃ問題なしだな!
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/23(月) 22:06:15.38 ID:LiR53kSpo
>主様を酔わせりゃ
酔ってHしてる時にメイドが醒めてえっ?なんでHしちゃってるの?処女奪われた!!みたいに記憶混乱して
レイプしてるみたいでご主人様ハッスルハッスル
ってネタを想像して一人ハッスルした事があるのがばれたか
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 00:29:18.82 ID:GOE64RRAO
男「頭打たなきゃデレないヒロインって何なんだ」

メ「主様がヒロインなんでしょ」

男「それは全く答えになってねぇからな」

メ「でも主様は私がデレデレになっちゃったらどうします?」

男「間違いなく警戒する」

メ「ほらもうこの時点で私に従来のヒロインを勤めるなんて無理って話ですよ」

男「得てしてお前のせいだからな? 日頃の行いだからな?」

メ「従者として精一杯やってるのに!」

男「精一杯意地悪だけはしてるな」

メ「でしょう?」

男「何をふんぞり返ってるか知らんがそれは従者の仕事じゃないからな」
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 00:37:18.19 ID:GOE64RRAO
め「所謂有名どころに便乗して名前を売る作戦ですね。このスレで希有な固有名詞持ち。つまり媚び媚びなあや様」

あや「あちら様に比べたら自分なんて塵芥もいいとこですし純粋なファンには怒られ、アンチな方にはなじられ……あれ、実はかなり悲しい立ち位置?!」

め「意識してるくせに」

あや「し、してませんよ! 全然そういう要素出してないですから!」

め「『あややや』、でしたっけね。ええ、めいどの記憶では」

あや「別にキャラ作りとかで使った訳では?!」

め「ドMなキャラ作りには余念がありませんがね」

あや「違うっての!?」

め「しかし初代はさすがの人気ですね。やはりめいどには何かが足りていませんか」

あや「ああ、それは多分愛しいパート……」

め「ヒロインの存在ですね。なるほど、自身がヒロインの立場など古いということです」

あや「え、あ、あれ?」

め「初代にとっての御主人のように、めいどもギャップ萌えなヒロインを」

あや「大まかには間違ってないけど根本的な何かは違う。絶対に」
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 00:46:11.34 ID:GOE64RRAO
男「想像力ってすごいな。ハッスルしてもらった手前、申し訳ないけど俺はこいつが酔いつぶれたとこを見た事なくて……」

メ「私が飲む場合、確実に主様も飲みますしね。結果、先に潰れて惨状に」

男「……正直毎回反省はしてるんだが。酒だけはどうにも記憶が飛ぶんだ」

メ「語尾や文中ににゃあだのろれつ回らないだのめちゃくちゃアナログな酔い方ですしね」

男「悪かったな」

メ「しかもここぞとばかりにセクハラまがいのべったり甘え攻撃までくるから恐ろしい」

男「し、仕方ないだろ! 理性とかふっ飛んでんだから」

メ「まぁ、いいですけどね。人前で酔わなきゃ」

男「お前の前以外では基本的に飲まないよ。飲んでも寝るだけだろうし」

メ「む? そうなんすか?」

男「……た、多分」

メ(そういや身内で宅飲みする時もだいたい私オンリーでじゃれてくるような)

男「だからまぁ、人様には迷惑かけねぇよ」

メ「あれ。ナチュラルに私、人扱いされてないような」

男「お前はお前だからな」

メ「主様と書いてごみくずと読むあれですね」

男「お前脳内ルビでそんな読み方してたのか」

メ「人のスカートの中に頭突っ込んだりオパーイダイブやら膝枕を強要する奴がごみくずでなくて何だと」

男「す、スミマセンデシタ」
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 00:59:57.79 ID:GOE64RRAO
【てな訳で頭を打ってもらいました】



メ「主様、主様!」

男「なんだ。どうしたよ、でかいコブできてるけど、頭でも打っ……」

メ「大好きっ!」

男「…………はい?」

ガバッ

メ「んふ〜」

男「ちょ、ば?! な、ななななな、何だこの……何だ!?」

メ「主様、だっこ!」

男「だ、だっこってお前、もはやこんな密着してて今更抱っこもくそも」

メ「……して?」

男「ぬ、ぐ……うおおお、待て! 頑張れ理性、これはただの抱っこだ! 抱っこなんだからな!?」

ぎゅむ

メ「うにゅ。……えへ〜」

男「……!!!?!?(←もはや一瞬でも気を抜けば押し倒していく気満々)」

メ「あのね、主様」

男「な、なんだ?」

メ「一生、一緒、ね?」(にへら)

男「……桃源郷はここにあった。ああもう、後の事は考えねぇ!! メイド!!」

ガバッ

メ「ひゃう」

ゴチン!

男「はぁ、はぁ……もう、無理。据え膳食わぬは武士の恥!」

メ「……」

男「いざっっっ!」

メ「何やってんすか? 主様」

男「へ?」

メ「え、何この態勢……は! ま、まままままさか、盛られた!?」

男「あ、あれ?」

メ「く、不覚! しかし純潔を守るため、かくなる上は……秘技・末代祟り(金的)」

ゴスッ

男「!?!!?!?」

ドサッ

メ「ふ……危ない危ない。貞操セーフ」

男「……」

メ「おー。人間が泡吹いてんの初めて見たかも」







どう頑張ってもこいつらはエロに発展させにくい不思議。委員長なら二行で濡れ場なのに。
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/24(火) 23:37:55.93 ID:H6gCrNuyo
>委員長なら二行で濡れ場なのに。
かまわん、やりたまえ
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 23:43:04.47 ID:GOE64RRAO
め「そこを行くはブルマの人」

あや「……」

め「他人のふりとはナンセンス。そこはいつも通り、はいてませんよの台詞を」

あや「どうせ下着自体をはいてない事にされるんでしょ!」

め「事実は事実ですし」

あや「誰がそんな事実に得をするんだ……」

め「全国一千三百万のあや様ファンの皆様が」

あや「そんなにいたんすか?」

め「はい。ちなみに単位は匹とかですが」

あや「明らかに人ではないのだけは察しました」

め「あや様につくファンは米櫃につくあれと同じ意味合いですし」

あや「虫じゃんか?!」

め「良かったですね。ブルマはいててもパンツはいてなくてもこんなにファンが」

あや「ファンはいらないから虫も遠ざけて!?」

め「あや様は甘い匂いがしますから集られるのでしょう。ラフレシア的な」

あや「それ甘い匂い違う」
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 23:43:53.25 ID:GOE64RRAO
め「そこを行くはブルマの人」

あや「……」

め「他人のふりとはナンセンス。そこはいつも通り、はいてませんよの台詞を」

あや「どうせ下着自体をはいてない事にされるんでしょ!」

め「事実は事実ですし」

あや「誰がそんな事実に得をするんだ……」

め「全国一千三百万のあや様ファンの皆様が」

あや「そんなにいたんすか?」

め「はい。ちなみに単位は匹とかですが」

あや「明らかに人ではないのだけは察しました」

め「あや様につくファンは米櫃につくあれと同じ意味合いですし」

あや「虫じゃんか?!」

め「良かったですね。ブルマはいててもパンツはいてなくてもこんなにファンが」

あや「ファンはいらないから虫も遠ざけて!?」

め「あや様は甘い匂いがしますから集られるのでしょう。ラフレシア的な」

あや「それ甘い匂い違う」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 23:48:49.67 ID:GOE64RRAO
まさかの連投……スミマセン。なんか不調だ。
さておき、委員長と命が濡れ場っても誰得状態なので割愛。
悲しいまでに愛されてない二人でした。俺は大好きだけど!











ちなみに一番のむっつりかつ変態ちっくなのは言うまでもなくあの人です。
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/24(火) 23:57:15.66 ID:zOdTgShAO
>>471
先生!心当たりがありすぎて誰のことかわからないよ!
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/25(水) 00:01:19.43 ID:V+2+va5AO
会長「〜♪」

男子「……」

パチパチパチ

会長「あら。来ていらしたのなら声をかけてくだされば良いですのに」

男子「最後まで聞きたかったから。それより会長さんがサボりなんてね」

会長「構いませんよ。過去の偉人を想う日であればこそ、形式ではなく心があれば良いのです。イベントとは、お祭りとは本質的にそういったものですし」

男子「だからって創立記念日の集会を抜けてくるなんて。らしくないんじゃないですか?」

会長「たまには良いのものですよ。かく言う男子さんもおサボりですね」

男子「基本的にイベントごとは社会的立場での地雷源なんで。行かないに越したことはないですから」

会長「今日のダンスパーティーでは男子さんとのペアを所望する方がたくさんおられましたのに」

男子「ありがたいお話ですが、こちらからしてみれば会長さんの聖歌を楽しませていただいた今が何よりの幸運ですよ」

会長「まぁ。ふふ、男子さんは女の子をその気にさせるのがうまい罪な女の子ですね」

男子「あー、色々と違います。それより会長さん。もっと歌を聞かせていただけませんか?」

会長「後ほど一緒に踊っていただけるならば」

男子「素人ですよ?」

会長「私はうまい方と踊りたいのではありませんよ?」

男子「……わかりました。喜んで」

会長「くす。約束ですからね? では……」

〜♪ 〜♪

男子「……」

男子(綺麗、だな)

会長「……ふぅ。ご静聴ありがとうございました」

男子「素敵でした。うん、やっぱりいいな、会長の歌声」

会長「くすくす。では約束通り」

すっ

男子「はい、ダンスでしたっけ? 本当に素人なんですから手加げ……んむっ!?」

むぎゅ

会長「つかまえた」

男子「むー! むー!」

会長「くすくす。一曲の前に、元気を充電です」

男子「むむー!?」
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/25(水) 00:05:14.04 ID:V+2+va5AO
メ「私以外だいたいが変態かエロスですしね。もしくは粗大ゴミ」

男「おい、燃えないゴミ」

メ「萌えるゴミですが何か?」

男「ゴミは否定せんのかい」








女「……。……え? あ、あれ? 何で急にライトアップされてるの? 私は普通すぎる普通の人だよ?」

友「無自覚って怖いね」

女「ふぇ?」
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/26(木) 00:52:03.38 ID:NKdqWlJAO
メ「あ、むっつり系の人」

女「むっ……ち、違うよ」

メ「実はエロス系なのにその辺スポット当たらないからバレてないだけの変態筆頭じゃないすか」

女「ちがうもんっ」

メ「異性着用済みの下着をくんかくんかしてオ○ニーしちゃう人はだいたい変態です」

女「み、みんなしてることだよ!」

メ「してたまるか! 何より女さんって実は両刀ですよね」

女「……何のことかな?」

メ「隠さなくても知ってますよ。かわいいの基準に達してる相手なら性別関係なく一夜を共にしたい欲求が沸いちゃうでしょ」

女「そこまではないよ! ただかわいい子だったらいっぱい触りたかったり着せ替えたりしたいだけだもんっ」

メ「でも一夜を共にするのに抵抗ないでしょ」

女「それは……あぅ」

メ「しかし需要と供給は難しいですね。あちらは生えてこちらは生えず。つまり抱かれる側か」

妹嬢「抱きませんし生えてませんし女さんはそのような方ではありません!」

メ「さすがこういった話題にはがっつり登場しますね。皆勤賞かと。ちなみに女さんはそちらで葛藤してますが」

女「あぅぅ、みんながかわいいのがいけないんだもん。私は普通だもん。妹嬢さんなんて可愛すぎるだけだもん」

妹嬢「何やら非常にこの先を聞かない方が良い予感がします」

女「あの肌は赤ちゃんみたいにぷにぷにでそのくせきめ細かいし反則で髪の毛はさらさらでいつまでだって触ってられるくらい飽きないし唇だって私が……」

妹嬢「……」

メ「ね?」

メイド長「ご安心を。間違いなど起こさせはしません」

メ「むしろ包囲網完成のような」
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/26(木) 01:00:58.56 ID:NKdqWlJAO
メ「ザッツ発情期!」

男「……はい?」

メ「私の内なる獣が何やら三大欲求中、二大欲求をものすごい刺激してきまして」

男「ああ、姉さんか」

メ「ご飯食わせろ。さもなくば主様を食わせろと」

男「個人的には後者がいいなぁ」

メ「前者の願いを後者にて叶えてやりましょうか」

男「すみませんでした。じゃあ何か食い放題でもいくか」

メ「その後ホテルで。って何言わすんじゃコラァ!!」

男「中で喧嘩すんなよ。俺なら構わないから」

メ「私が構いますよ! 誰が主様なんかと」

男「我慢は良くないぜ」

メ「顔にやりたいって書いたまま言われてもなぁ」

男「いいじゃん。最悪代わってれば」

メ「感覚は共有だっつってんでしょうが! ただでさえ快感やら二倍でこちとら……な、ななななな何言わすんじゃゴルァ!!」

男「……くっ。マジで我慢させられるのがキツいぞ」

メ「い、いいから出かけますよ! 財布役なんすからね! 主様なんか財布なんすから!」

男「おう。今の発言だけで俺は胸がいっぱいだから。いくらでも出してやる」

メ「む、むがー!! 回らん寿司で全品頼みしてやるぁぁあ!!」

男「それは勘弁?!」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/26(木) 01:08:26.27 ID:NKdqWlJAO
め「あや様、あや様」

あや「はい?」

め「ちょっとこちらへ」

あや「何すか?」

め「パイタッチ」

あや「……」




『きゃぁぁぁあああああああああ!!!』








あや「はぁはぁはぁ、な、ななななな何すんですか!? 何しんですかぁ?!」

め「ふむ。無い無いとは思ってましたがまさかAA以下では……」

あや「おいこら変態! いやもはや犯罪者! 今すぐ警察に突き出しちゃいますよ!?」

め「あや様。御安心を。事故です」

あや「故意だよ?!」

め「恋ですか」

あや「誰がフォーリンラブか!? こんな出逢いから始まったら間違いなく身体の関係オンリーだよ!!」

め「さすが経験者は違いますね」

あや「違わい!?」

め「そしてきっと捨てられ傷付く度にあや様の胸のうちが削られていったのですね……物理的に」

あや「身体的特徴いじりは良くないから! あと本当に最近ひどいよ、行動が色々と!?」

め「愛故に」

あや「一方通行すぎるから!」

め「片思いですね」

あや「……全く感情こもってねー」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/26(木) 01:15:40.33 ID:Q7XrxsLXo
また話題に上るようになって良かったね妹嬢
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/26(木) 20:04:29.46 ID:09hWpguuo
>>471
俺得だよ
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/27(金) 00:51:55.38 ID:ggDaVYgAO
妹嬢「こんな出番の得方は嫌です! もっと私らしい乙女な出番が欲しいんです!」

メ「それこそ誰得な内容かと」

妹嬢「皆さんが得します! 得以外の何物でもないではないですか!」

メ「それなら今頃妹嬢さん主役の話がごまんと出てるはずですが」

妹嬢「作者にも都合があります」

メ「あっ、汚ねっ! メタ的な部分で保守に入るとか!」

妹嬢「ち、違います。真理なんです!」

メ「なんかキャラがどんどんダメになってきてません?」

妹嬢「う……こんな位置付けは嫌です……。ああ、もっと輝くポジションを」

メ「脱ぐしかないかと」

妹嬢「売れなくなったからと身体を使うなんて手段は取りません! そこまで落ちぶれてはいませんから」

メ「それもそうでした。脱いでも純粋に女の子じゃないですもんね」

妹嬢「生えてませんってば?!」
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/27(金) 01:06:53.02 ID:ggDaVYgAO
命「ふぐっ、んむぅ……!!」

委員長「くす。女の子みたいに震えて。五感のほとんどを制限されるのは初めて? 安心なさい。可愛がってあげる」

命「ん、ふむぅ!」

委員長「敏感なのね。可愛いわ。綺麗な肌ね、まるで初雪……だったら最初の痕は」

ちゅる……ちゅ……

委員長「ん……私が付けないとね」

命「〜〜、っ」

委員長「ふふ。可愛い痣の出来上がり。次はどこがいいかしらね。それとも……」

ぎゅっ

命「んんん〜〜!!?」

委員長「こそばゆいより痛い方がいいかしら。潰れちゃうかもね、貴方の大事なところ」

命「んっ、ふ、むぐぅ!」

委員長「あら、なぁに? そんなに甘えた声を出して。誘ってるの? いいわ、もっと痛みをあげる」

ゴリッ

命「―――、!?」

委員長「声が出なくなるほど良かったかしら。泡まで吹いて。くす……安心なさい。痛い内はまだまだ機能として大丈夫よ」

命「……」

委員長「聞こえてないわね。さて、お仕置きはこれくらいにしてあげようかしら。ねぇ、貴女もそう思わない?」

妹「……」

委員長「くす。聞こえてないのね。でもいつまでも裸に剥いたままだと風邪をひくわね」

ぐいっ……ずる、ずる

委員長「暖めてもらってきなさい。畜生相手でもそれなりに楽しいものよ」

ドサッ

妹「ぁ……ねえ、……」

委員長「気が付いた? だったら可哀想ね。寝ていた方が楽なのに。バカな子」

ぐるるる……

妹「ひ……」

委員長「せいぜい、いい声で鳴いて楽しませてちょうだい」

妹「ひっ……い、や……ぁぁぁああああ!!」

委員長「あら。まだそんなに動けるのね。すごいすごい。頑張りなさい。ここの野犬は獰猛だから」

妹「あああぁぁぁああ、ぁぁあああ!!!」

委員長「くす。聞いてない、か……まぁこれもそれなりに悪くない肴としましょうか」








血濡れ場でした。
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/27(金) 01:15:12.04 ID:ggDaVYgAO
メ「厨二な内はまだいいとして最近の委員長さん近辺はもはやそういう類の中でもヤバい部類にいってるような」

男「基本的にハートフルなんで大丈夫だ。大丈夫なはずだ」

メ「うちらの血筋が明らかにハートフルボッコされてて大丈夫もくそもないですがね。あれは自業自得がほとんどですが」

男「あんまり言うなよ。責任は俺やお前が大きいんだから」

メ「そういう言い方好きじゃないっす。というかそもそもあの子についてはですね」

男「あー、そうだよ。俺が甘やかしすぎたんだよ」

メ「そうやって責任から逃げる」

男「逃げてねぇよ」

メ「うそつき。受け止めなかったくせに」

男「ハナから放棄してたお前が……」

冥「パパ、ママ」

メ「む……」

男「……。すまんすまん。お前は何も気にしないでいいからな」

冥「命、大丈夫だよね。しーちゃん、心配してるよ」

メ「……。まぁあれで何故かしぶといですから。何だかんだで大丈夫ですよ、きっと」

男「そうだな。きっと大丈夫だ」

冥「むぅ……」
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/27(金) 01:21:29.68 ID:ggDaVYgAO
め「こちらも便乗しましょう、この空気に。シリアスもこなせるマルチ性を証明するのです」

あや「一行目にしてシリアス崩壊だよ」

め「あや様が登場したばっかりに」

あや「もはやゴルゴムの仕業なみにこっちにふっかけてきますね」

め「世界の中心たるあや様ですから。負の」

あや「暗黒面そのものなポジション!?」

め「つまりあや様も実はケモカーンなりハードエースエムなりを経験した剛の者ですね」

あや「剛というかそれってどちらかといえば柔な感じが」

め「体操プレイ……」

あや「あんた最近発想が無駄にピンクだよ!」

め「あや様の下着の色ですね」

あや「黒ですよ! って何言わせんすか?!」

め「誘われましても、めいどは他に相手がおります故に困ります。写真だけ撮って売ってもよろしいですか?」

あや「最低だ! この人やっぱ最低だ!!」
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/27(金) 21:59:42.88 ID:sgmZHU+Qo
いいんちょがなんかヤバい方向に・・・
SMって相互の信頼が成り立たないもんだと思う
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/28(土) 03:44:03.65 ID:wxNuKGLAO
前回のいいんちょは実はお仕置きモードなのでした。

というのも命が何のかんので別の子に手を出して相手もそれを受け入れかけてたからという。

つまり泥棒猫への彼女なりの対処なのでした。こわいこわい
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/28(土) 19:56:49.35 ID:rMVZi1W5o
商業だと好き放題やって痛い目見ても、主人公補正で救いの手を差し伸べて貰っちゃう糞展開ばかりだから
助けを求めて見捨てられる展開になって欲しいな〜チラリ
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/30(月) 00:12:37.57 ID:oGClKNtAO
先週から微妙に短いスパンで出張しまくりな中の人です。どうも。
あ、なんかこの入り方すごい久しぶり。それだけ不要って事ですn



いじメイの続きは展開自体は元のをなぞっていきつつ、の予定なのに未だに書けてなくてすみません。
ある程度は端折ったり描写を抑えたりしながらいかないと……


んで命ですがこいつは中途半端が命題だったり。
こいつが関わってる人間はだいたい救われません。自分含めて。
主役になることはないし誰一人助けられない救えない。
そんな役所のままな予定です。
期待に沿えるかは分からないけど!


ただ描写に死ににくい体質なんでそこだけご容赦をば。いいんちょ含む。






さてさて。そんな訳で明日は朝一新幹線なので今夜は簡単に。
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/30(月) 00:27:41.03 ID:oGClKNtAO
主「よ、お仕事ご苦労さん」

あや「……」

主「何を口パクパクさせてんだ。幽霊を見たような顔して」

あや「な、何やってんすか! こんなとこで!」

主「ま、まだ何もしてないぞ。やましい事とかしないはずだ!」

あや「します感バリバリのお返事どうも。で、街に戻ったって事はあっちは一段落したんすか」

主「ああ、とりあえずは」

あや「だったらめいどさんを迎えに行ってあげてください。あの人、ずっと主さんの事、待ってましたよ」

主「ありがたい話だね。拾った相手にそこまで恩義を感じてくれるか」

あや「恩義とかそういうのではないっすよ。もっと感情としては……」

主「皆まで言わなくても分かるよ。バカやっててごまかしてたつもりなんだけどなぁ」

あや「……逃げるんですか」

主「厳しいね。……会うよ、ちゃんと。ただまだ全部が終わった訳じゃないのは知ってるだろ」

あや「今まで遠ざけててくださったのが一気に流れこんできたのだけは」

主「これでも大部分は関わらせないようにしてるんだけどな」

あや「御託はいいんすよ。あの人は守ります。二重でそう依頼をかけられてますし。けど、それじゃあ救われない……」

主「大丈夫、出だしはさせないさ。お前はあいつに付いててくれりゃいい。それで全部が事足りる」

あや「……そうじゃない。それじゃ足りないんすよ、あの人は」

主「んじゃ、今後は不定期に連絡入れるから。様子だけ報告よろしく」

あや「……、わかり、ました」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/30(月) 00:36:51.42 ID:oGClKNtAO
あや「……」

め「あや様。あや様」

あや「……」

め「ふむ。無視を決め込むとはなかなかに腹立たしい対応。ここは報復行為に」

あや「ねぇ、めいどさん。ちょっと話……何してんの?」

め「何もしていませんよ。それより話とは何でしょうか」

あや「いや、明らかに身体を触りにきてたでしょ、今。まぁいいか。あのね、実はさ」

め「待ってください。当ててみせましょう。めいどとあや様の仲です。既にツーカーホンのそれと変わらぬ以心伝心ぶりをば」

あや「懐かしい単語レベルの仲なのね」

め「アンニュイな顔。思い詰めた表情。そして誘うような服装」

あや「暑いから多少薄着しただけでその認識なんだ」

め「ズバリ、あの日ですね」

あや「服装関係ねぇ?!」

め「と見せかけて、かけおちのお誘いですか。困りました、めいどがいくら魅力的とはいえ、さすがにそんな……」

あや「……しちゃいましょうか」

め「え?」

あや「かけおち。めいどさんがいいなら、それもありかな、って」

め「……。あや様、本格的に夏だからといって暑さにやられるとは」

あや「あはは、ですね。どうかしてました。忘れてください」

め「……。それよりあや様、先程言いかけられたお話とは」

あや「ううん、大した話じゃないんで。さ、そんな事より何か冷たいものでも食べにいきましょ〜」

め「……むむ」
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/30(月) 00:51:55.68 ID:oGClKNtAO
委員長「二人して何を拗ねてるの」

命「拗ねてねぇよ」

妹「私だって」

委員長「昨日は少し遊びすぎただけじゃない。気持ちを切り替えなさい」

妹「……でも」

命「言い返すだけ無駄だろ。それより何でいきなりあんな事」

委員長「最後のタブーに触れたから、かしら」

命「何だよ、まだ知らされてないタブーにペナルティはないはずだろ」

委員長「あれはペナルティではないわよ。実際、まだ何も状況自体は変わっていないでしょう」

妹「ん……それは、まぁ」

命「なら改めて聞くが、なんで昨日はいきなりあんな事を」

委員長「あなた達が仲良くしてたから、かしら。最後のルールはね、あなた達二人が一定以上仲良くしない事。それだけよ」

命「仲良く? そんな事、あったか」

妹「ないわよ。誰があんたなんか」

委員長「昨日は初めて私に命が髪を届けたわよね。ちょうど半月めかしら」

命「それが何だよ」

妹「ぁ……」

委員長「私が見てないと思ったのかしら」





妹『はン。しつこさだけは一級品ね』

命『言っ、てろ。けほっ』

妹『そんなにご飯にありつきたいのかしら。浅ましい畜生ね』

命『飯なんざ、どうでもいい。ただ……あいつに認めさせるんだ。俺が、居てもいいって』

妹『……』

妹『(居ても、いい。傍に居たい、か。こいつも同じなのかな)』

命『だから、俺は……』

妹『ふん。勝手になさい。私は行くから』

ふぁさ……すたすた

命『くそ……待て! ……なっ、これは』






委員長「あなたらしくないわね。施しを与えるなんて」

妹「ち、違う。別にそんなつもりは……」

委員長「この子の顔が良かったの? それとも憐れみ? 何にせよ、この子はバカだから施しだと考えもなしに持ってきたわ」

命「……、っ」

委員長「私はね。そんなどうでもいい結果は欲しくなかったの。分かった? 次はないわ。覚えておきなさい」

妹「……はい」

命「……」
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/30(月) 23:56:16.89 ID:oGClKNtAO
男「だぁっ!! だから俺はこの面子で麻雀やりたくねぇんだよ!」

メ「はいはい。御託はいいからさっさと脱ぐ」

妹嬢「兄さん。ルールはルールですよ」

女「あ、あはは……」

男「何が悲しくて一人脱衣麻雀やってんだ俺は」

メ「主様が言い出したんじゃないっすか。やるならペナルティ付けろって」

男「別に脱衣じゃなくてもいいだろ」

妹嬢「ですが最終的に頷いておられたではないですか」

男「ぐ……浅はかだった自分が憎い。脱衣麻雀に設定された事で俺が狙い打ちされるのは明白だったのに!」

女「で、でもほら。救済措置が」

男「女装させられて脱がされてを繰り返すだけのこれが何の救済だっていうんだ」

女「えぇと……目の保養?」

男「俺のMPがひたすらガリガリ削れるだけだよ!」

妹嬢「いいじゃないですか。楽しんでますよ、私達は」

メ「つまり3対1で民主主義な我々日本人はゲームの続行を提言します」

男「ぐ、ぬぬ。お前はさっきからドンジャラ状態で麻雀の読みあいゼロじゃねぇか!」

メ「人聞きの悪い。手作りで大物手しか狙わない事の何が悪いのやら」

男「危険牌バンバン切りやがって……他の二人がスルーしてなきゃお前なんか!?」

メ「今日はやけに犬が吠えますね。おお負け犬負け犬」

妹嬢「彼女なりの流儀で楽しまれているんですからいいではないですか」

男「黙れ諸悪の根元! 見えてるかのように人のツモ順やら全部ずらしやがって! お前は漫画の世界の住人か、近代麻雀か!」

妹嬢「ただ私なりに河から推測し最適解を出しているだけですが」

男「それが毎回出来れば麻雀は誰でも負けねぇよ!」

女「あはは……」

男「そして毎回マイペースにプラスマイナスゼロ付近で敵を作らない女さん……何気に恐ろしい」

女「私は、別にそんな」

男「だぁもう! とにかく終わり! こんな面子で打ってられるか。普通のを読んでこい、普通のを!」

妹嬢「では変わりますか? メイド長」

メイド長「はい」

メ「んじゃ私は中のお姉さんに」

女「あぅあ。えと……」

妹嬢「構いませんよ。もう一人は私が手配します。それなりに得意な方を」

女「あぅ。ありがとう」

男「何だろう。暗黒微笑系某会長が浮かぶんだが。ってなんか面子が変わっただけで俺のピンチは継続の悪寒!!」



当然のように男子ちゃんファッションショーでした。
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/31(火) 00:07:11.55 ID:Kfy98VkAO
め「レズ☆ハッピー」

あや「!?」

め「なる単語を見かけまして。時代の最先端を行くあや様ならば意味を知っておられると確信の上でご質問をば。どういう意味ですか」

あや「いや、その……女の子同士、一定以上の意味で仲がよろしい様子かと」

め「では更に詳しく」

あや「絶対知ってて聞いてるよこの人!? いやだから、その……女の子同士で好きあってたりとかラブラブってる状態ですよ!」

め「うわぁ」

あや「本当に言っちゃったよこの人みたいな顔するのはやめて?! ていうかいきなり何ですか!」

め「あや様が最近異様にめいどにご執心な気がして」

あや「自意識過剰も大概にしてください」

め「でもあや様。あや様は何かとめいどを異性のように扱われますよ。お風呂はまだしもプールや寝所でさえも」

あや「そりゃ、まぁ……お互いプライベートな部分ですし」

め「めいど、あや様の事はご主人以外で唯一と言えるほど信頼しております。間違いなどあろうはずがないではないですか」

あや「や、それはそうなんですがね」

め「さぁ。やましい事がないのであれば共にスパワールドなるアミューズメントに参加しましょう。あや様の貧乳を楽しむ会がお待ちしております」

あや「地味にその流れにしたいだけじゃ?! 何よりそっちからアプローチかけてるじゃないすか!」

め「ご安心を。めいどのは悪戯心です。完全な嫌がらせにして意地悪ですので」

あや「本人を前にそこまで言い切るか」
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/31(火) 00:17:21.47 ID:Kfy98VkAO
主「で、行ったの」

あや「連れてかれましたよ、ええ。とにかく人目が気になって死にそうでした」

主「ご愁傷さん。で、わざわざ県外に連れてったんだから何か動きはあったかって質問かな」

あや「未だにあの人が価値を持ってると考えてる奴らはいるんでしょ」

主「貴重なオリジナルシリーズだからね。いやでも目を引くさ」

あや「厄介な遺産ですよ。あの天才は自分の事情だけ考えてたんでしょうが」

主「おこぼれがあまりに価値を持ちすぎだな。さておき、尻尾は掴んだよ。しばらく泳がせてた甲斐があった」

あや「なるべく早くお願いしますよ。そろそろこっちもしんどいんで」

主「早く終わりにしていいのものなのかね」

あや「どういう意味っすか」

主「政の深部に関わってたあの子。未だにちゃんと話もしてないんだろ」

あや「それが何か」

主「気持ちは分からんでもないがね。うちの子犬もそんな風に扱われるのかな、ってさ」

あや「元の居場所に戻るだけでしょう。そして自分は新しい仕事につくだけ。何の不都合があるんすか」

主「アンドロイドは電気羊の夢を見るのか」

あや「……」

主「さて。これ以上は野暮だね。また次の連絡まで」

あや「見ませんよ」

主「……」

あや「自分はロボットじゃないから分かりませんがね。きっと見ないでしょう」

主「そうかい」

あや「でもあの人は違います。だから……」

主「……。いずれ、かな」

あや「あなたはそうやって……!!」

主「んじゃね」

あや「待っ……く。ああ、もう!」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/31(火) 00:22:23.81 ID:Kfy98VkAO
メ「ナースのお仕事」

男「もう改名しちまえよ。何ら名残がねぇよ、侍女として」

メ「お注射しますよ」

男「太すぎるだろ、針が! ショック死するわ!」

メ「ご安心を。下のお口にぴったりサイズです」

男「よりショック死だわ!?」

メ「わがままな。そんなんじゃ治りませんよ」

男「どこも悪くねぇよ!」

メ「頭が悪いじゃないすか」

男「ならお前も下の口からぶっとい注射の必要があるって事だな」

メ「はい、今の台詞の録音完了です。すぐに妹嬢さんあたりにこんな脅しを受けてますと相談をば」

男「止めてくださいお願いします。あいつは冗談を冗談と受け止められな……」

plll...

メ「すみません。その部分だけ生中継でした」

男「ノー!!?」
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/31(火) 00:32:07.68 ID:Kfy98VkAO
会長「〜♪」

男子「あの、ご機嫌なところ申し訳ないのですが」

会長「何か?」

男子「何故私が絵のモデルなのでしょうか」

会長「私が描きたいからです」

男子「……。百歩譲ってそれは理解しましょう。何故裸なんですか!」

会長「見たいからですが?」

男子「背中からだからまぁセーフな感じはありますけど、もし人が来たらどうすんですか!」

会長「一緒に並んでモデルをお願いするのもいいですね」

男子「がっ、ぐ……」

会長「さぁさ。お互いそれなりのリスクを背負った賭事の結果ですからそう嫌がらず」

男子「……はぁ」

会長「あら。アンニュイな表情も素敵ですわ。あとヒップラインが」

男子「み、見ないで!?」

会長「そこまで隠されると私としては正面からシーツなしをデッサンさせていただくしか」

男子「分かりました、分かりましたから! ……うぅ」

会長「くすくす。では始めますね。疲れた時は仰ってください。休憩の時間も考えますので」

男子「……はい」

会長「頑張ってくださるご褒美に私の姿をデッサンしていただいて構いませんので」

男子「ぶ!? け、結構です!」

会長「あらあら、残念です」

男子「ああもう、この人は……」
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/01(水) 00:17:23.61 ID:X/3i3PxAO
メ「フルーチェってなんでこうエロいんですかね」

男「そう感じるお前側に問題あると思うわ、俺は」

メ「だって白濁しててプルプルで微妙に水っぽいあたりどう見ても」

男「ありがとうございました。言いたい事は分かるけどそれを口に出すのはやめようか」

メ「何今更カマトトぶってんすか。周りのスレでも濡れ場やら隠語やらバンバン出てんすから」

男「ものすごい偏見をメタ視点で持ち出すのはどうかと思うぞ。確かにここだって一時期あれな話があったけど」

メ「全くエロくなくうまくもなかった以外は概ねアウトな内容でしたね」

男「時々お前の言葉が我がことのように胸に鋭利に突き刺さるわ」

メ「事実は事実。オブラートから多少はみ出るくらいがちょうどいい」

男「苦味だだ漏れじゃねーか。しかしさぁ」

メ「何すか」

男「美味しく作ろうと頑張ってんだからそんな食い方は止めようぜ」

メ「エロく食べて何が悪いんですか。ちゅるちゅる」

男「悪かねぇけど……いや食材に悪いけど」

メ「要は主様の気の持ちようですよ、きっと。フルーチェはエロくない!」

男「最初にエロいとか言い出したのお前だからな」
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/01(水) 00:31:06.42 ID:X/3i3PxAO
女「冥ちゃんや命ちゃんってさ」

男「うん?」

女「本当に男くんとメイドさんの子?」

男「ぶふっ?!」

メ「これはまた核心に迫る質問が飛び出した。我らがハー・レム男さんの返答やいかに」

男「確実に俺らの子だよ?!」

メ「いやいや。もしかすると私に産んだ記憶が曖昧なあたり実はみたいな」

女「あ、えと、そういうんじゃなくて、ね? 二人とも、夫婦みたいじゃないなぁって」

メ「実際違いますからね」

男「そうだよ!? 根本の否定はやめようよ!」

女「冥ちゃんたち、聞いてなくて良かったね……言い出したのは私だけど」

メ「ガキンチョどもはガキンチョどもなりに楽しんでるんで良しとしましょう。こちらは家裁の予感な話で楽しみつつ」
男「だからぁ!?」

女「あはは……えとね、何ていうかね。二人ってずっとこうでしょ?」

男「こうって?」

女「んと、仲良しだけど、全然ベタベタしてないというか」

メ「ぶっちゃけ濡れ場が想像出来ないと」

女「そうそ……はわっ」

メ「さすがむっつり系。常に発想がエロス」

女「はうあう……」

男「んでも実際そういう空気は皆無だしなぁ」

メ「きっと私が何かミミズ的体質で勝手に産んだんすよ」

男「何故か嘘だろうと言い切れない何かがある」

メ「おい、否定しろよ」

女「だ、だからね? 本当に二人の子なのかなぁって。もしかして男くんの家族さんとかの……」

男「違う」

女「あぅ」

男「ん。悪い、ちょっと感情入った言い方になった」

メ「メンチ切ってましたしね」

男「重ねてごめん。けど、本当にこいつとの間にやっと授かった子なんだ。これだけは絶対の真実」

メ「……ま、不本意ながら若気の至りで襲われた際に抵抗できず」

男「合意の上だ」

メ「何かポロッと出来ちゃいまして」

女「そうなんだ……ねね、メイドさん。その時ってやっぱり優しくされたの? それとも普段の我慢が爆発して激しく?」

メ「いや、あの」

女「もしかしてもしかして男子ちゃんを逆シチュエーションで!? あわわ、いいないいな。やっぱり良かった? すごかった?」

メ「あ、主様!」

男「俺、冥や子女ちゃんの様子見てくる」

メ「な!? 逃げた!」

女「ねえねえ、教えてよ〜。最初はじっくり? それとも……」

メ「ひ、ひぃぃ」
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/01(水) 00:45:44.21 ID:X/3i3PxAO
め「あや様は超ド級のマゾですからやはり服の下は亀甲縛りになっているのでしょうか」

あや「はいそうですと答える人類は地球全体見渡してほぼゼロに近い数値ですよ」

め「つまりあや様は人類から外れた存在なのですね」

あや「遠まわしに違いますって答えてるの!」

め「では拝見してもよろしいでしょうか」

あや「嫌に決まってんでしょうが!」

め「見せられないという事はやはり……」

あや「嫌な論法だな! 大体人前で脱ぐなんて非常識な事はしません」

め「なるほど。環境の問題ですか。ではあちらへ」

ぐいぐい

あや「ちょ、ちょっと。何する気ですか」

め「大丈夫です。問題ありません」

あや「何が!? ねぇ、何が?!」




『好きなフレームを選んでね』

め「では改めまして。レッツ、ストリップ」

あや「今時プリクラで脱がせるとか場末のAVでもしませんよ! 何だこの企画モノ!」

め「めいど、単語単位で意味を察するにあや様はやたらと性知識が豊富なのだとだけ分かりました」

あや「ぐ、今のはこちらに非がある」

め「さぁ、あや様。全部とは言いません。下着と靴下のみでいきましょう」

あや「そういう趣向は最近多いけど!」

め「お詳しいですね」

あや「……聞かないでください」

め「了解しました。ではめいどめが脱衣の手伝いをば」

あや「ちょ、まっ、本当にダメ! ダメダメダメ!」

め「嫌よ嫌よも何とやら」

あや「やぁの、やぁの! そういうの、やぁの!」

め「……何故でしょう。涙目のあや様を前にすると嗜虐心が激しく揺さぶられるのは」

あや「揺さぶられないでー?!」










声でバレて店員さんに叱られました
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/01(水) 01:06:51.45 ID:X/3i3PxAO
メ「……」プシュー

女「〜♪」ホクホク

男「無言なのに大体どうなったか分かるのってどうなんだろう」

メ「この人……エロスの権化ですよ」

女「そんな事ないよぉ。でも意外だったなぁ、メイドさんの弱い部分が……」

メ「だぁぁああああ!? 何さらっと暴露しかけてんすか!!」

男「ほほう。せっかくだから言ってやってくれてもいいよ」

女「かく言う男くんも背中とか首筋……」

男「ぎゃぁぁああああ!! わぁぁあああああ!?」

メ「主様! ダメです、この人ナチュラルに人の弱い部分をえぐってきやがります!」

男「ここは一時休戦して何とかやり過ごすぞ」

メ「うす」

女「でも二人とも着たままが……」

男「女さん!!!」

女「ふぇ?」

メ「女さんの最近のお仕事ぶりとか聞きたいな!」

男「ナイス!」ビッ

メ「ふ」ビッ

女「最近? あ、実はそんな二人にぴったりの仕事してたの!」

ヒラヒラ スケスケ

女「見て見て〜、せくしー下着だよっ。こういうのもデザインしてみたかったんだよね〜」

メ「ソ、ソウナンスカー」

男「スゴイナー」

女「だからいつも前戯で……」

男「だわらっしゃぁあぁぁあああ!!」

メ「もぺきょ
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/01(水) 01:12:54.39 ID:X/3i3PxAO
500! という訳で製作きてからしばらくしてやっとこ半分ですね。

相変わらずなのんびりペースでしかも内容が特に進む訳でもないですが元よりゆるい会話を楽しんでもらう場所なんでご容赦をば。

その割にすぐに何かのシリーズぽくなるのは悪い癖ですが。すみません。

さておき。こんな感じでのんびり進行ですがよろしくお願いします。

あと誰かが何か全く違う世界観で書いてくれたりとか。……とか!
期待してます。はい。









しかし最近話題がピンクっぽいな。……溜まってるのかな。
この発想が既にあれな訳だが。



いいのか、折り返しがこんな感じで?!
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/01(水) 19:57:28.60 ID:gqFnhxPeo
そうだな、最近おちんちん成分が若干足りない気がする
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/02(木) 01:36:21.15 ID:H3x4vfdAO
メ「ですって」

妹嬢「何故私にふるんですか! 私は関係ありません!」

メ「OTNTNな話題で妹嬢さんを出さないってのはカルピスを水で割らないくらい失礼ですが」

妹嬢「カルピス扱いはやめてください!」

メ「すみません、どう見ても米青子でしたね」

妹嬢「何の話ですか!?」

メ「妹嬢さんの艶姿が見たいって話ですよ」

妹嬢「お断りします。私が肌を晒す相手は兄さんだけです」

メ「つまり主様以外には皮を被ったまま、と」

妹嬢「被ってません! 元より被るものなどありません!」

メ「ず、ずる剥けっすか」

妹嬢「違いますから!? 生えてませんからっ!!」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/03(金) 00:47:26.88 ID:tlbgKv3AO
妹嬢「……仮に」

メイド長「はい」

妹嬢「仮に私が本当にそうならば」

メイド長「そう、とは」

妹嬢「……忘れてください」

メイド長「はい。ただこうも言えます。お気を確かに」

妹嬢「……」

メイド長(自身のアイデンティティが揺らいでらっしゃる。いや、正確には有りもしないアイデンティティを認めようとして……!)
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/03(金) 00:56:17.76 ID:tlbgKv3AO
冥「じゃーんっ」

子女「ま、まさか冥ちゃん」

冥「えへへ。またおっきくなったの!」

子女「いいなぁ。やっぱりお母さん譲りなのかな」

冥「うん。ママとかママの中のママだった人のおかげかな」

子女「え、えぇと……とにかく遺伝なんだね。羨ましいな」

冥「子女ちゃんのママも結構おっきくない?」

子女「うぅん……うちのお母さんのは、普通よりはってぐらいで。周りがおっきい子ばっかりだから」
冥「ハリウッドな感じなんだね!」

子女「そんな感じ。私みたいに東洋人の血が濃い子は人気取れないって言われてるし……夢は遠いよ」

冥「でも色々と向こうではでてるんでしょ?」

子女「ちょい役だけどね? お父さんの影響で、って言われるのがほとんどだけど」

冥「大変なんだね。でもでも私はしーちゃん大好きだし、ずっと応援してるからね!」

子女「あは、ありがと。冥ちゃんは私のファン一号さんだもんね」

冥「えへん。ちなみに二号もきっとどこかで応援してるよ」

子女「ん……だったらすごく、嬉しいな。えへへ」

冥(恋する乙女さんだねぇ。命にはもったいないや)

冥「あ、そろそろパパ達のとこ行こっか」

子女「うん。ねぇ、冥ちゃん」

冥「う?」

子女「……やっぱり毎日牛乳とか飲んでるのかな」

冥「飲むよ〜! 毎日三本くらいっ」

子女「さ、さん……!? だ、だったら私も」

冥「お腹こわさないようにね」




こわしました。
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/03(金) 01:23:02.07 ID:tlbgKv3AO
委員長「100本……確かに集めたわね」

命「最初の1本はあくまでカウントしねぇんだな」

委員長「ええ。それにしても……やっと終わったわね」

命「だけど条件は満たしたはずだ」

委員長「半年近くもかかったけれどね」

命「うっせ。あいつが頑張りすぎなだけだろ」

委員長「そうね。よくあの状態で髪だけでも守ろうとしたわ」

命「……。別に良かったんだよな。あんたの妹なんだろ」

委員長「構わないわよ。妹みたいなものでしかないもの」

命「なら、いいか」

委員長「ええ。寧ろ誉めてあげたいくらい」

妹「……ぁ、ぐ」

委員長「よく“騙し取った”と誉めてあげるわ。くすくす」

命「あんたのいう仲良くは俺が本気でこいつに感情を傾けるって意味だからな」

委員長「そんな説明をした覚えはないけれどね」

命「だったらまた殴られ損なだけだろ。うまくいったんだ。それでいいじゃねぇか」

委員長「くす。それにしても半年近くもかけて使った手が色仕掛けなんてね。呆れるくらいアナタらしい」

命「ふん」

委員長「薬を盛られてもよくあの子は抵抗したわ。それについては誉めなくもない」

妹「姉、……」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/03(金) 01:30:38.36 ID:tlbgKv3AO
委員長「でもダメ。ルールだもの。敗者は要らないわ」

ガッ

妹「ごふっ……!?」

ドサッ ゴロゴロ

妹「げほ、ごほ! ね、……さ……がは!」

委員長「消えなさい、塵屑」

妹「……ぁ……」

パタン

委員長「さ、これで大体条件は揃ったわね。そろそろ有給休暇も終わりにしないと次がただ働きにされかねないわ」

命「なぁ」

委員長「何かしら」

命「席は一人分、なんだよな」

委員長「ええ」

命「……」

委員長「……くす」

命「はぁ。……飯が、食いたい」

委員長「構わないわよ。待遇の改善は契約事項だものね。何がいいかしら」

命「握り飯。具はシラスで」

委員長「それ、あの子の好物ね」

命「だから食うんだよ。食って栄養にして残りカスを出すんだろ」

委員長「……そう。良かったわ。今からルール違反者を裁かなくてすみそうで」

命「……。それと」

委員長「何?」

命「食い終わったら、久々に抱いてくれ。思いっきり」

委員長「アナタ、ヒロインみたいね」

命「最低の屑野郎なだけだよ」

委員長「そうね。……ええ、いいわよ。一日中汚してあげる」
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 07:15:00.16 ID:veUCpe2fo
有りもしないアイデンティティなのかwwwwww
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/04(土) 04:04:27.79 ID:d0JFJ6AAO
メ「ただ単にふたなりであるのを認めたくないだけですよね」

妹嬢「認めないも何も私はふたなりではありません!」

メ「大丈夫っすよ。生えてても私は妹嬢さんのこと大好きっすよ。……ぷっ」

妹嬢「最後の最後に吹きながら言う台詞ですか!?」




でも最近どんどん自分のキャラ位置を見失ってたりする。中の人含め
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/06(月) 01:04:57.90 ID:26SOzG9AO
メ「がるるる……」

男「どんだけ懐かない気なんだよ」

メ「しゃーっ!」

がぶっ

男「ぎゃわー!?」

メ「……ぺっ」

男「く、噛みついておきながら汚いものに触ったみたいなアクションしやがって……」

メ「ぷいっ」

男「確かにこいつがペットだったらと考えたシチュエーションは数あれどこうまで飼いにくいとは」

メ「……」カラカラ

男「空アピールせんでもわかってるわい。ったく、いっちょ前に飯だけ要求しやがって。自宅警備くらいしろよ?」

メ「にゃぁ!!」

男「いいから寄越せときたか。はいはい、どうぞ」

メ「はぐあぐ!」

男「誰も盗らないからゆっくり食えよ。ったく、よしよし」

メ「しゃー!」

がぶっ

男「ぎゃわー?!」






男「はぁ、はぁ。ちょっとくらい撫でたっていいだろ。ああもう……」

メ「はふ」

男「満足したか? なら俺はでかけるから」

メ「……」タシタシ

男「なんだよ。でかけるんだって」

メ「……」タシタシ

男「床をタシタシ叩いてなんだよ。座れってか」

メ「にゃ」

男「……わぁったよ。ほら」

メ「……」

ぽすん

男「……おう。膝を占領されたぞ」

メ「にゃ〜」

男「くっ、で、でかけるんだって!」

メ「ゴロゴロ」

男「ぐ。くそぅ……今日は買い物諦めるか。その分元は取らせろよ? うりうり」ナデリナデリ

メ「〜♪」
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/06(月) 01:08:48.43 ID:26SOzG9AO
妹嬢「……」

メ「自分も動物プレイから主様に甘えよう作戦ですか」

妹嬢「ち、違います! 誰がそんなっ」

メ「妹嬢さんは昔、狼ポジションで失敗してますからね。今回こそはですな」

妹嬢「ですからしませんって!」

メ「ああ、股の間に立派なのがぶら下がってるのがモロバレですもんね」

妹嬢「やってやろうじゃありませんか! 違うところを証明するいい機会です!!」

メ「や、安い挑発にこうも掛かるとは」





犬耳プレイでターゲット以外(従者とか専属スタイリスト)が悶えたそうな。
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/06(月) 01:25:07.24 ID:26SOzG9AO
姉「おとちゃん〜。えへ〜」

男「姉さん、暑いから離れて」

姉「やだ〜! 暑いならプールとかでならいい? あ、お風呂をお水にして一緒に入ろ!」

男「色々と困るので勘弁してください」

メ「と言いながら早速準備しようと思う主様であった」

男「時代劇みたいなナレーションしてもやらないから」

メ「元より私がいる間はそのような不埒な事はさせません」

男「だってさ」

姉「えー、やらないのー?」

男「やりません。しかしなんか久しぶりだな、この感じ」

メ「何をメタい事を。確かにお姉さんと私が別々なのは久しぶりですが」

男「お前が核心的にメタいよ」

姉「じゃあじゃあ、メイドさんも一緒ならいいよね?」

メ「何故そうなる!?」

姉「二人ならダメでも三人でなら大丈夫だよ」

男「何も大丈夫になってないよ姉さん」

メ「全くです。何が悲しくて私が主様とお風呂なんざ」

姉「おとちゃんと一緒なら私は何だって楽しいよ! だからメイドも」

メ「私も同意見みたいじゃないっすか。私は違いますからね。何より主様だって私と一緒は嫌でしょうし」

男「……嫌ではないけど」

メ「ちょ、ば、ここは嘘でも断らないと」

姉「じゃあ決定〜!」

がしっ

男「のわっ」

メ「にゃっ」

姉「れっつお風呂〜♪」

メ「こうなるから言ってるのにぃー!」
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/06(月) 01:33:46.05 ID:26SOzG9AO
男「俺としては二人と一緒になら歓迎だけどな」

メ「とうとう本音を出したなスケベ野郎め!」

男「二人とこんな風にしてたかったって気持ちはあるし。仲良くしててくれるのは嬉しい」

メ「ハーレム思考め」

男「お前と姉さん相手だからな」

メ「……そんな言い訳」

姉「私は嬉しいよ。おとちゃんも大好きだけど、メイドさんも大好きだもん」

メ「は、恥ずかしいの禁止!」

姉「禁止させません。えいっ」

ぎゅむ

メ「わぷっ」

男「ふもっ」

姉「三人一緒。ね?」

メ「……〜〜、はぁ。分かりましたよ」

男「はは」

姉「それじゃみんな仲良く水のお風呂〜」

男「って服着たままで!? ダメダメ生地が痛むのあるから! ちょ、待っ」

メ「ここまで連れてこられた以上、問答無用やっちまってください」

姉「てりゃ〜」

男「ぎゃぁぁああああ!?」

ザバァ









男「……。夢、か」

メ「えらい夢でしたがね」

男「お前も見てたのか」

メ「中の方も見てたようで」

男「そっか。……でも、今だからこそ見れる夢ってやつだな」

メ「ただのハーレムエンドじゃないすか。許されん!」

男「夢くらいはいいだろ? 続きも一緒に見たいし」

メ「運が良けりゃ見られるんじゃないすか? ま、私は全力で起きますがね」

男「言ってろ言ってろ。んじゃ、おやすみ」

メ「うぃす」






翌朝、二人してベッドからすぐ出れない状態で赤面起床だったそうな。
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/06(月) 01:48:28.87 ID:26SOzG9AO
め「やって参りました。初めまして。らじお@めいどのお時間です。パーソナリティはお馴染み、めいどですが何か?」

あや「初めてなのにお馴染みとか言い出すあたり一言くらい文句が来ても何も言えないっすよね。そして何故ラジオ調」

め「よく分からない電波が飛んでますが華麗にスルーしつつ」

あや「おい」

め「まずはお便りを。PN.めいどさんが可愛すぎて生きていくのが辛いさんです」

あや「初回からコアなファンがきてるなぁ」

め「いつも聞いてます。めいどさんの素敵な声と進行は五大大陸に響き渡りますね。話は変わりますがあや様について質問です」

あや「あ、自演だこれ」

め「あや様をペロペロしたいという奇特な願いを叶えるにはどうしたらいいのでしょうか」

あや「奇特というか気の毒というか」

め「どうしたらいいのでしょうか」

あや「うん……うん? え? もしかしてこっちに聞いてます!?」

め「ほら。リスナーがお待ちですよ」

あや「回りくどい質問の仕方だなおい! っていうかペロペロしたいって何さ!?」

め「そこを含め答えられねば番組降板ですよ」

あや「喜んで頷きたいんですが。とりあえず質問に答えるなら『させません。誰であろうが』ってとこでしょうか」

め「ちっ」

あや「露骨な舌打ちー!?」

め「何らひねりのない回答をありがとうございます。次回からあや様の出演はないでしょう。それではシーユーネクストタイム」

あや「降板決まった上に番組締めたー?!」

め「あや様。御安心を。私はペロペロするつもりは毛ほどもありませんので」

あや「毛ほどでもあったら嫌だよ」

め「代わりにしたい方を募っておきました。この後、ペロペロ会です。さぁ」

あや「握手会みたいにイベントにしてるー!? しないよ、してたまるかよ!」

め「既に料金はいただきましたので」

あや「今すぐ返してきてー!!」
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/06(月) 01:58:03.13 ID:26SOzG9AO
妹嬢「……」

メ「主様的には三人で、で御満足らしいですが」

妹嬢「き、きっとその場に私が居れば四人でしたよ!」

メ「が、ダメ……! これが現実……!」

妹嬢「ぐ……うう」








メ「で、実際のとこはどうなんすか」

男「……ノーコメントで」

メ「ちっ、脈ありか」

男「な、ない……はず」

メ「三分の二が血縁なあたりヤバいすね」

男「うっせ?!」
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/07(火) 00:31:32.01 ID:bY8b3wWAO
メ「断片化しすぎて分からないと好評の委員長さんとこの様子ですが簡単に解説が入るとか何とか」

男「そうなん?」

メ「まぁ私が説明役なんすけどね。まずうちの命が半年弱で主様が渡した資産を使い切りながら委員長さんとこに到達。これ自体はすごい事だとか」

男「へぇ」

メ「それなりに金をばらまきましたからね。資本主義万歳。そんで到着早々に身元割られて袋にされます」

男「おいおい、大丈夫なのか」

メ「委員長さんがまたも仲介に入って自分の隷属にするのと多大な負債を背負って手元に置きましたんでとりあえずは無事です」

男「ほっ……」

メ「で、向こうさんは主様んとこの縁者さんとして扱わない旨をうちに打診。うちからも概ね合意をだしました。利用価値を無くした形ですね」

男「残念だけど今回はあいつがひとりの人間であり、うちから出てってる事になってるからな」

メ「そんな訳で委員長さんに飼われ始めて数週間。傷が癒えた頃に挨拶まわりして向こうの幹部連中に喧嘩売ってまた袋にあったそうで」

男「……」

メ「頭抱えてないで続きをば聞いてください。んで、委員長さんに家畜同然に扱われながら必死に自己防衛出来る程度に仕込まれた、と」

男「筋トレとか言ってたな。あと急に蹴りやらもらったり拷問まがいの扱いばっかり」

メ「色々耐性やら体力はついたようで。そんでまた一ヶ月強ほど経った頃に妹さんが来襲。奇妙な共同生活開始となります」

男「なんか妹ちゃんに対する接し方がおかしかったよな、委員長。昔なら絶対考えられないような……」

メ「理由はいずれ。んで、委員長さんから課せられた題目を半年かけて命はクリアした訳ですよ。相手を利用する形で」

男「……」

メ「事実は事実ですから受け入れてください。そんで生活改善。少なくとも家畜から小間使いくらいに格上げされていよいよ本格的に委員長さんが動こうとしたのが前回です」

男「なんか……うん」

メ「うちの子も大概ですが、委員長さんも変わりましたね」

男「何があったんだろうな」

メ「もしかしたらあれが本性かもですが」

男「絶対ねぇよ。絶対な」

メ「そういう事にしときますか。ちなみにメタ空間でのみ我々は知覚してる状態なんでひとつよろしく」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/07(火) 00:51:46.04 ID:bY8b3wWAO
委員長「久しぶりね」

命「……」

長「全くよな。いつまで引きこもるかと思えば急に現場で仕事をさせろとは。立場が逆だろう。態度とか」

割烹着「良いではないですか。長様ってば威厳なしですし。可愛すぎて」

長「威厳とか外見で立場軽んじられても困るのよなぁ」

命「……」

割烹着「おや。ここしばらく見なかったうちにえらくお利口に躾ましたね」

委員長「少し物足りないくらいだけれどね。それで。仕事はあるの? ないの?」

長「あるよ。おい」

割烹着「はいはい。今回はあちらの方々が少々我々に黙って霊脈の研究をされ始めまして」

長「具体的には商側よの。政の側も看過しとる節はあるが……奴らの日和見は今に始まった事でもない。それより我々としての固有の利権に手を出されては困るでな」

長「ちょっとばかり暴れてきてくださいな。あそこは元来、我々のような特化した者には相性がよろしくありませんので」

委員長「いいわ。それじゃあいつもの用意、頼むわよ。あとこの子用に最低限身を護れる装具をお願い」

長「よかろう。手配しよう」

割烹着「では明日よりお願いしますね。吉報以外は必要ありませんので」

委員長「くす。はいはい。ほら、命。行くわよ」

命「……。おい狐目」

割烹着「あら。私が何か?」

命「そっちのガキですら着けてんだから下に何か着けとけよ。誘ってんのか」

割烹着「あらあらまぁまぁ」

長「そうなんかえ?」

割烹着「ええまぁ」

委員長「バカやってないでいくわよ」

命「ふん」

割烹着「先程の躾やらの発言にやり返したおつもりならその……かわいい方ですね」

命「……っ」

長「くくく。では、の」

割烹着「またいらしてくださいな。存分にからかって差し上げますので」

委員長「……はぁ」






割烹着「どう見ますか」

長「さての。あちら側の案件にあれを向かわせたのが不安かえ」

割烹着「多少なりとは。あのような本物の愚者ではありますが価値はやはり無では」

長「あわよくば使い勝手の良い駒ごとあちら側へ、か? 心配するな。そうはならんと視えとるよ」

割烹着「ならば、よろしいのですが」

長「何よりアレは絶対にあちらにはなびかんよ。絶対にな……それよりお主、本当に何も着けとらんのかえ」

割烹着「健康法ですので」
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/07(火) 01:07:04.43 ID:bY8b3wWAO
命「なぁ」

委員長「何かしら」

命「怒ってんのか」

委員長「何に対してかしら」

命「最後にいらねぇ事言ったからよ。恥かかせたのかな、って」

委員長「私に恥をかかせるつもりで言ったのでしょう? なら構わないわよ。それともまさか本当に腹いせ程度にあれを言ったの?」

命「……」

委員長「アナタ、本物ね」

命「う、うるせぇ」

委員長「くすくす。参ったわね、本当」

命「……ちっ」




?「随分と楽しそうだね」

?「俺達も入れてくれや」

命「……っ」

委員長「あら。蛇と虎の二人なんて珍しい組み合わせね」

蛇「ちょうど一山片付けてね。彼とは共同戦線だよ」

虎「ほとんど俺が平らげてこいつが細かい事を片付けとっただけだがな。がははは!」

委員長「そう。お疲れ様。私は明日から新しい仕事だから失礼するわね」

虎「あぁ? 待てよ。素っ気ねぇじゃねぇか。ここ半年に何回も呼びつけたのに無視しやがって。明日からしばらく居ねぇんなら今夜は相手しろや」

委員長「お断りね。つまらない事で体力は使いたくないわ」

虎「へ。あれだけヨガって泣きわめいてたくせに強がるなよ。立てなくなったら俺が片付けてきてやるぜ?」

委員長「断ると言ったのよ。聞こえなかったのかしら。それとも獣に人語を理解しろという方が難しいのかしら」

虎「……てめぇ。調子に乗りすぎじゃねぇか? あァ?」

委員長「程度が知れる獣の相手に畏まる必要があって?」

虎「んのクソアマ……!」

委員長「……」

ジャキッ

命(なっ、い、いつの間に二人とも得物なんて構えたんだよ)

委員長「……」

虎「……」

パンパン

蛇「はいはいそこまで。殿中ですよ。あまり物騒な事をしないでください」

虎「ちっ」

委員長「……」
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/07(火) 01:25:52.14 ID:bY8b3wWAO
蛇「さて。一段落したところで我々は報告に参りますので」

委員長「ええ。早く行ってちょうだい」

虎「覚えてやがれよ」

委員長「忘れておくわ」

虎「んの……!!」

蛇「どうどう。ほら、貴女も無闇に煽らないで」

委員長「……」

蛇「それに……調子に乗りすぎないに越したことはありませんよ。処女を散らしたあの日のようにどれほど願ったところで助けのこない世界がここなのですから」

委員長「……っ」

蛇「貴女のあの日の泣き声。あれだけは未だに忘れやしませんよ……ふふ」

委員長「……」ギリ

虎「へへっ」

蛇「ふふ。ではこれにて……む?」

委員長「なっ」

ダッ

命「クソ……野郎が!」

ぶんっ








どしゃ

命「……!?」

命(な、何だ? 俺、今殴りかかったはずなのに何で空を見てんだ? 何で庭に落ちて……)

蛇「おや。半年前はあれで延びていたというのに。無駄に頑丈になりましたね」

虎「こりゃ面白れぇ。人形は丈夫でなきゃ戯べねぇからなぁ。へへ」

委員長「……殿中なんでしょう。離れならまだしもここは母屋よ」

蛇「分かってますよ。このお礼はまたいずれ。それでは」

虎「な、このままかよ……ふん、命拾いしたな。小僧、次はかわいがってやるからな、がははは!」

委員長「……ちっ」
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/07(火) 01:33:40.74 ID:bY8b3wWAO
委員長「全く。本当にムチャクチャね、あなた」

命「い、っつ……」

委員長「けれどあいつらの前で無様にのた打ち回らなかったのだけは誉めてあげるわ」

命「痛がってる姿は相手を調子づかせるんだろ」

委員長「ええ。普段はそれを意識なさい。ただ今回はそのせいで面倒な連中に目を付けられたけれど」

命「……悪かった」

委員長「本当にね。厄介事ばかり引き込む体質なのは何とかならないかしら」

命「けどよ」

委員長「今回の言い訳かしら?」

命「けど、あいつら……委員長に」

委員長「……はぁ。そうね。確かに今回はアナタに気取られるほど感情を動かした私に落ち度があるわね」

命「落ち度なんてねぇよ。俺は委員長とあいつらにどんな経緯があったのか知らねぇけど。すげぇ、むかついたから」

委員長「……くす」

命「だから! んむっ!?」

委員長「ん……は、ぁ。今回の件はこれでおしまい。いいわね?」

命「何だよ、それ」

委員長「気にしないの。それより明日の支度にかかるわよ。手伝いなさい」

命「訳、わかんねぇ」

委員長「……。返事は?」

命「……おう」

委員長「いい子ね。お利口さん」




翌日、早朝より二人は屋敷を離れる。
現地につくその時まで命が自ら口を開く事はなかった。
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/07(火) 20:14:11.65 ID:eFllMrGso
世話になりつつ態度L
莫大な援助を受けつつも、無駄金は使わないバイトで稼ぐなどささやかな反抗でプライドを保とうとする
流れ流され、娘の交遊費に使い切れないような額を置いていく大人になりました

どうみても親子です
本当にありがとうございました
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/08(水) 00:50:26.18 ID:oEhh34fAO
メ「主様、ディスられてますよ。よっしゃ」

男「最後のよっしゃは何だ。よっしゃは。まぁ、ダメな親だよな、実際」

メ「言い返そうぜ、親御さん」

男「本当の意味でちゃんと子育て出来てなかったんだよな、俺らは。はぁ……」

メ「私まで含められても。親として接してたかは微妙ですが」

男「あー……ダメだダメだ。ネガティブスパイラルに陥ってても仕方ねぇ。今からでも何とかせにゃ」

メ「そういや冥が何やら今度キャンプに行くとか言ってましたが」

男「マジか。すぐちゃんとしたキャンプセットとか揃えてやらなきゃな。あと食材なんかも俺で用意して届けてやるようにするか」

メ「ダメだこの親バカ何も分かってねぇ」
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/08(水) 01:00:05.68 ID:oEhh34fAO
子女「冥ちゃんと命くんって変わってるよね」

冥「私はふつーだよ? 命はちょっとお馬鹿さんだけど」

子女「あは、あはは……」

冥「あの子はねー、自分に自信が無かった時期にパパのすごい話とかを周りから聞かされてね」

子女「う、うん」

冥「それで何やっても周りはその頃にはパパはどうだった。更にはパパの血縁者はもっとだった、とか言われちゃって」

子女「かわいそう」

冥「でもパパはその頃忙しくて全然そんなの知らなかったしママは元から煽るくらいの人だから余計に悪い方に考えだして」

子女「……」

冥「そんな時、自分が唯一良かったのが器量だった訳だからどんどん調子乗っちゃって」

子女「で、でも実際かっこいいのは才能だよっ」

冥「それをどう使うかだったんだけどね〜。で、色々問題起こすんだけどパパがみんなうまく解決しちゃって」

子女「え? それっていい事じゃないの?」
冥「命はパパやママに叱ってもらいたかったのかもね。パパは過保護だしママは友達付き合いの感覚だから」

子女「そう、なの?」

冥「あ、この辺りは込み入った話だからあんまり気にしないで。で、そんな感じでひねくれた命は絶賛家電中なのでした」

子女「そうなんだ……命くん」

冥「んふー。しーちゃん、今『私が守ってあげなきゃ』とか思ってたでしょ」

子女「ち、ちがっ! はうあう」

冥「んもー、しーちゃんてば可愛いんだから。食べちゃいたいっ」

ぎゅむ

子女「ひゃわ!? 冥ちゃん!」

冥「あははは〜」

子女「んも〜」

子女(……でも昔、命くんは……)
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/08(水) 01:06:28.52 ID:oEhh34fAO
命「姉貴のこと?」

子女「う、うん! 良かったら聞きたいな」

子女(と、とりあえず無難な話題からだよね。よ、よしっ)

命「……あー。うん、すげぇ女だと思う」

子女「うんうん、すごい可愛いよね。天使みたいに素直で素敵で」

命「何言ってんだ、お前。あいつが天使なら俺らは神様か何かだぞ」

子女「は、はえ?」

命「知らないなら教えといてやるけど、あいつが多分一番厄介だぞ。俺らの中で」

子女「そう、なの?」

命「俺みたいなバカと違ってあいつは明確に自分の考えと目的の為に生きてるぞ。本人が自覚してるかしてないかは別にしてな」

子女「命くんは馬鹿じゃないよっ」

命「おう。ありがとな。ただまぁ……あー、どう言ったらいいか。とにかく底知れねぇよ、姉貴だけは。ま、大体はマジで天然だけどな」








子女「何て言ってたっけ」

冥「う? 何が〜?」

子女「あ、ううん。何でもな……ひゃう!? み、耳はやめてぇ〜」

冥「ダメ〜。かぷかぷ」

子女「ひゃわわわわわー?!」
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/08(水) 01:14:46.73 ID:oEhh34fAO
め「設定とか投げ捨てつつ別の肉付けをしていくもの」

あや「世紀末な台詞だなぁ」

め「裏表ないって最初に言ってたのにこのザマになりかねない何が起こっている気がしまして」

あや「何が言いたいかわからないけど割と神視点で会話してません?」

め「めいど いず ごっど」

あや「訳すと“マジ神”みたいな。あれ何か急にDQNちっくなチープさが」

め「あや様はごっど絶壁ですけどね。ひんぬー乙」

あや「神レベルで貧乳ですってか。やかましいわ! ……うぅ」

め「揉めば大きくなるという都市伝説があや様以外に効果ありと効きましたが」

あや「ピンポイントにこっちを避けてく都市伝説っすね」

め「都市伝説すら退けますか。さすが神絶壁。こいのぼり。土管」

あや「ここぞとばかりにたたみかけてきたな!?」

め「あや様のステータスですから。アイデンティティですから」

あや「そうやって人を世間的評価がよろしくない方へキャラ付けするのやめません?」

め「大丈夫ですよ。本物の紳士(へんたい)はあや様ぐらいがちょうど好きですし」

あや「ルビは会話中ではだだ漏れっすよ」

め「漏らしてんすよ。おや、めいどったらサービス台詞が出てしまいましたね。ザッツ黄金水」

あや「ちょっと黙ってた方が自分の為になりますよ。夏で沸いてんのは分かりましたから」
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/08(水) 01:21:55.61 ID:oEhh34fAO
メ「主様は恋人プレイフェチですね」

男「いちゃいちゃ好きなんだよ。ラブってなんぼなんだよ!」

メ「……はっ」

男「鼻で笑うか!? だいたいてめぇのせいなんだぞ! 新婚から今まで全っっっ然甘い空気無かったんだからな!」

メ「主様、主様。仮面夫婦って言葉がありまして」

男「やめてくれ?! 本気なら舌噛んで死にかねないぞ、俺!」

メ「ああ、しっかり保険だけはかけてからどうぞ」

男「ちくしょー?!」









冥「何て言いながら昔から髪の毛はパパ以外は触らせないし、よく二人で手を繋いで歩いてるんだよ」

子女「はわー」

冥「後ね、私や命が居ない日は二人でお風呂入ったり、未だにお気に入りの勝負下着を毎日着けてたり……」

子女「あ、あのね、冥ちゃん」

冥「う?」

子女「何でそんな事まで知ってるの、かな?」

冥「……えへー。何でだろうね?」

子女(何だろ。冥ちゃんだけは敵に回しちゃいけない気がする)
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 03:05:07.35 ID:8ncSN387o
絶壁設定とか投げ捨てつつ肉付けをしていくもの
豊胸? シリコンは嫌だなぁ、最新技術の柔らかブラにしとこうよ
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 06:50:36.15 ID:/xSvF5oSO
>>526
紳士乙ww

中の人も乙っす
背後に回っておきますねww
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/09(木) 00:39:22.23 ID:SADiNwwAO
すぐ後ろに立たれると何も悪い事してないのに妙な罪悪感というか警戒心が出るのって何でだろうね。
あと背後からより正面からのが個人的には好きです。何の話だ。

最近抜かしてきた諸々をちょいちょい補完しなければと思うように。
小出しにしたっていつ中の人が(社会的に)消されるか分からない以上、悔いのないように頑張らねばという感じなので。
はい。ただ単にかっこつけないで読んでもらう以上、かっちり全部出してこうと思っただけですすみません。



でも多分今夜もちまちま更新!
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/09(木) 00:46:28.31 ID:SADiNwwAO
め「あや様。待望のファンですよ、奇特な」

あや「奇特じゃないっすから。普通に見る目あるだけっすから」

め「でも胸のない奴は出直せと言わんばかりに主張されてますが」

あや「くくく……それを受けて設定を投げ捨てんばかりのボリュームを見よ!」

ぼいん

め「……。あや様、ちょっと飛んでみてください」

あや「え、ええ。いいっすよ?」

ひょこひょこ

め「ものすごい挙動不審なジャンプをされているところ、申し訳ありませんが横でお願いします。反復横飛び的な」

あや「いや、それは……あの」

め「めいど、それだけのボリュームな天然モノの胸を見てますので造り物は割と見分けがつきまして」

あや「ぐ、ぬぬ」

め「ぶっちゃけるなら。パッドに手を出すまで落ちぶれたか、と」

あや「ああそうっすよそうっすよ! あんな風に言われたら絶壁なのが申し訳ないじゃないっすか! 貧しくても生きてんすよこっちは!?」

め「泣くほどなのですか」

あや「追い詰めたのはそっちだからね!?」

め「メンヘラ怖い」

あや「ちきしょぉー?!」
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/09(木) 01:00:35.20 ID:SADiNwwAO
妹子「兄くん、機嫌直そうよー。あんまり怒ってもいい事ないよ?」

男「事前に連絡もなしに街中で黒服にこんな高級車に詰め込まれて警戒すんなって方が酷な話だろ」

妹子「私が呼んだって分かったんだからいいじゃんかー」

男「身に覚えがありすぎてこういうシチュエーションなだけで嫌な事思い出すんだよ」

妹子「……ごめん」

男「はぁ。まずはその一言だけ聞きたかったのもあったんだぞ。ちゃんと連絡してくれよな? サプライズにしたってやり方はあるしさ」

妹子「うん。そだね、ごめん」

男「よし。ならとりあえず話を聞くか。どこに向かうんだ?」

妹子「ダーリンの親類方とパーティーだよ。ちょっと息苦しいけど妻のお勤めですから」

男「頑張ってんな。偉いぞ。ただそこに俺は入れんな」

妹子「そだね」

男「……じゃあ何で連れ込んだよ」

妹子「えっと……」

男「たまたま見かけて話がしたいから拉致ったとかか」

妹子「あ、当たり〜。さすが兄くん! 分かってるぅ」

男「馬鹿娘め」

ぴしっ

妹子「あいたっ!?」

男「はぁ。俺の予定だってあるんだから無意味に拘束するなっての」

妹子「だってぇ。兄くんと居たいんだもん」

男「お互い暇な時にしとこうな。とにかく用事がないなら降ろしてくれ。電車なりタクシーなり使うから」

妹子「えー! ダメダメ! ダメだよっ」

男「用はないんだろ?」

妹子「ぅー……ある! あるよ! ほら、選んで!」

男「ん? 何だこの布きれ……ぶ!?」

妹子「今日のパンツはどっちがいいかな? 赤? 黒? 意外性の緑とか」

男「自分で決めろ! 降りる!」

妹子「なら決めてよぉ!」

男「ああもう、ならこれ! はい、おしまい!」

妹子「ん。じゃあはかせて?」

男「……飛び降りるぞ?」

妹子「あぁん、もう。ノリ悪いなぁ」

男「ったく。育ての親があいつなだけあって部分的にダメな方向に育ちやがって」

妹子「早くぅ〜」

男「いいからさっさと着替えなさい! 俺は後ろ向いてるから!」

妹子「じゃあ私はその背後に……」

男「さっさとしろ!?」



結局会場まで行きました
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/09(木) 01:10:57.53 ID:SADiNwwAO
委員長「無事、仕事も終わり。いい脚も手に入ったし、言う事なしね」

バ『ブォォ……ン』

命「映画か何かの世界だろ、本当。良く生きてるな、俺」

委員長「それだけ生き汚くなれたのよ。いい事ね」

命「そういう事にしとくか。それよりいいのか? 勝手にパクったままで」

委員長「いいんじゃないかしら。返す相手は散々痛めつけたし、うちの連中にとやかく言わせるつもりもないわ」

命「さいですか。ならいいけどよ。なんか俺のとこだけ座り心地よくねぇんだけど」

委員長「嫌われてるのね。私は濡れるくらい優しく触れられてるわよ」

バ『ブウォン!』

命「さっきの抱いてる時もバイクばっか贔屓しやがって。そんなにいいなら今度からそっちだけで勝手にしろよ」

委員長「くす。妬いてるのかしら? バイク相手に」

命「なっ!? 訳、あるかっ」

委員長「くすくす。さ、追っ手は来ないみたいだけれど別の刺客がきたみたいね」

命「別?」

委員長「……全く。身内相手すらこれだものね。気が休まる暇もないわ」

命「身内って……まさかあいつら」

委員長「とにかく振り切るわよ。下手に手を出さずにね」

命「無茶苦茶だな」

委員長「無茶も抑えて道理を作れるわよ。この子なら」

バ『ブォォン!!』

命「……ちっ。頼もしいな」

委員長「ええ。あなたもね」

命「オーライ。牽制くらいしか出来ねぇからな」

委員長「充分。それじゃあ……パーティーの再演よ」
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/09(木) 01:20:20.92 ID:SADiNwwAO
め「パーティー?」

あや「そ。卒業前にうちの料理学校恒例のって事ですが」

め「そこで自慢の逸品を、ですか」

あや「はい。何か料理の偉い人とかも来るみたいで。みんな必死ですよ」

め「天才肌の私には関係ありませんね」

あや「ちらちら視線が自前のレシピ帳に動いてるのは見なかった事にします。とにかくそんな訳ですからキッチリ出ましょうね」

め「はい。お任せを」

あや「よしよし。あ、でも当日はドレス着用でどうぞ。料理は先に作っといて本番はあくまで優雅に」

め「……無茶苦茶言いますね」

あや「どうしてもドレス姿が出したいとか」

め「聞かなかった事にします。とにかく情報共有、助かりました。早速準備に取りかかりますので」

あや「うん、頑張ろうね」

め「はい。ただ私がこちらに係りきりになります故、あや様が寂しくて涙で枕と豊胸マシーンを濡らすかと思うと」

あや「おいやめろ。胸ネタはやめろ」

め「ではそういう事ですのでペアで出ましょう」

あや「はい?」

め「二人の合作。良いではありませんか」

あや「で、でも」

め「私はあや様とが良いのです。お願いします」

あや「あー……うー。はぁ、分かりました。微力ながら協力しますよ」

め「ありがとうございます。これで誉められれば手柄を独り占めし貶されればあや様という贄を差し出せば……」

あや「黒いよ! せっかくの友情シーンが台無しだよ!」

め「友情がない以上宿命ですね」

あや「……」

め「ものすごい放送できない顔になってますよ。ああいつもか」

あや「……っ、むきゃぁぁああああ!!」
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/09(木) 02:02:41.20 ID:H/Sjnd1go
                   r-''ニl::::/,ニ二 ーー-- __
バイクがしゃべった!!  .,/: :// o l !/ /o l.}: : : : : : :`:ヽ 、
                  /:,.-ーl { ゙-"ノノl l. ゙ ‐゙ノノ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
              ゝ、,,ヽ /;;;;;;;;;;リ゙‐'ー=" _゛ =、: : : : : : : :ヽ
              /  _________`゙ `'-- ヾ_____--⌒     `-: : : : : : :
...-''"│    ∧  .ヽ.  ________   /   ____ ---‐‐‐ーー    \: : : :
    !   /   .ヽ  ゙,ゝ、      /  ________rー''" ̄''ー、    `、: :
    .l./     V   `'''ー-、__/__r-‐''"゛     ̄ ̄   \   ゙l: :
                   l     .,.. -、、 _ ‐''''''''-、    l   !:
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/10(金) 01:11:13.12 ID:XlAZrs5AO
命「アニメじゃあるまいし喋る訳ねぇよ。……と言いたいとこなんだけどな」

委員長「いい子よ、この子は」

命「なんて人間扱いするし毎度応えるようにエンジンを無駄にふかしやがるし。中に何か入ってんだろ」

委員長「入っていたら不安かしら。私があっちにばかり構うから」

命「んな訳あるか。人間外同士仲良くしてろよ」

委員長「ですって。残念ね」

バ『ブォ……ン』

委員長「くす。だったら二人だけで軽く走る? 火照るくらいに熱くさせてくれたなら……可愛がってあげるわよ」

バ『ヴォン!!』

委員長「くすくす。張り切っちゃって。初めて拾った頃の命みたい」

命「こんなにがっついてねぇよ。……後勝手に行くなよ。連れてけ、絶対」

委員長「はいはい。ペットを置き去りになんてしないわよ」

命「誰がペットだ」

ジャラ……

命「……これはファッションでだな」

委員長「似合うわよ、首輪。いいじゃない。隷属は甘美なものよ」

命「うっせ。何が悲しくて侍従みたいな事を……」

委員長「いいわね、それ。無事に切り抜けたらあなたをメイドにでもしましょうか」

命「……は?」
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/10(金) 01:14:29.70 ID:XlAZrs5AO
メ「時代は次世代ハード機!」

男「PS2で充分だろ。携帯ゲームはゲームボーイまでだけど」

メ「そこはゲームギアだって!」

男「コアだからいいってもんじゃなかろうに」

メ「いいハードでしたよ、実際。しかしですね、今の御時世にPS3も箱もwiiもないなんてどうなんすか」

男「やる暇ないから一緒だろ」

メ「そうなんすか?」

男「いや、なんかすごい代弁させられてる気がする」








スパ4やりたいよぉ……
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/10(金) 01:20:49.37 ID:XlAZrs5AO
め「時代はゴスロリ」

あや「特に似合わない我々ですが。何より全然来てないかと」

め「先見の明です。一回りして大当たりなのです」

あや「ユニクロが主流な昨今でごてごてしたのは流行りませんよ、世の中では」

め「あや様。時代は人により様々な形とタイミングがありまして……つまりめいど、ロックンロールな訳なのです」

あや「日本語喋ろうよ。要約するならつまり“自分の中ではゴスロリきてるんですよ”アピールな訳っすね」

め「ザッツライト。ゆーあー、HINNYU」

あや「いいから下手な言語はやめなさい。で、ゴスロリがそんなにいいなら着たらいいでしょうよ」

め「残念ながらめいどが着てもスタイルがそこそこに良い為かあまりしっくり来ないといいますか」

あや「ちらちらこっち見てもダメっすからね。まかり間違っても着ませんからね」

め「からの?」

あや「着ませんからね?!」
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/10(金) 01:26:51.22 ID:XlAZrs5AO
め「ふむ……いやはや」

あや「まかり間違ったー!?」

め「これはなかなか」

あや「やぁのやぁの! やっぱりこれやぁの! 脱ぐ、すぐ脱ぐーっ!!」

め「構いませんよ。さぁどうぞ」

あや「なら部屋から出てよ!?」

め「何故でしょう。めいどはあや様のストリップショーに期待し胸を膨らませておりますが」

あや「物理的に挟んで膨らませなくていいから! すごい屈辱だからっ」

め「ですがこれはなかなかに良いですね。元々華奢であらせられるのもありますが全体的に儚い印象がより神秘さを引き立てますね」

あや「そ、そうなんすか?」

め「ちなみに裏を返せばあまりに貧相な体つきで印象薄いせいか衣装が濃いと栄えますね、って意味ですが」

あや「よし、わかった。表に出ろ」

め「了解しました。いざ大通りであや様を観衆の前に晒すとしましょう」

あや「あれ!? 逆にピンチ?!」
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/13(月) 00:48:32.72 ID:ZVHT+CiAO
め「遅れてきた五月病」

あや「ここ2日のサボリっぷりが顕著でしたね」

め「更新しないスレに何の魅力がありましょうか。ただでさえ進んでないのに」

あや「そこはほら、本来日常系ほのぼのライフをゆるゆるお送りするはずなので」

め「その割に非日常ばっかりなのは一体」

あや「……よ、擁護出来ねぇー!」

め「ま、あや様は非日常の全く似合わない桃色性奴隷な展開をお送りなさる訳ですね」

あや「してたまるか! とはいえこれでも非日常系出身ですからね、ええ。シリアスもばっちりですよ」

め「あや様のシリアスは温めたコンビニ弁当に付いてくる漬け物並に不要ですね」

あや「いやいやいや! みんな知ってますから、こちとらシリアス畑の重要人だと認識されてますから!」

め「あや様のシリアスが見たい方は申請をお願いします。……ほら、ないではないですか」

あや「見切りつけるの早いよ! もうちょっと、せめて一日くらいは様子見を……」

め「この話題に全く触れられないに十万ペリカで」

あや「ぐ、何だろう。すごい不安だ」

め「さて。浮いたお金で何を買うか考えないと」

あや「大丈夫! きっと大丈夫! 最近ちょっと話題に挙げてもらってるしきっと大丈夫なはず!」

め「これがダチョウ倶楽部並の前フリと呼ばれるものですね」

あや「……うぐぐぐ」
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/13(月) 00:53:38.75 ID:ZVHT+CiAO
メ「軽音楽部が主流な今、我々に出来る事は何でしょう。それはブームに乗ること! 便乗なのです!!」

男「……朝から何」

メ「見てください。この○いおんグッズの売れ方。これは一大ビジネスですよ!」

男「ああ、提携した企業はウハウハだよな」

メ「つまり我々もこれにあやかるのです。そして印税とかでウハウハに!」

男「ざっくりした野望だよなぁ。実はノープランだろ」

メ「くくく。主様のありんこ脳みそではその程度の認識でしょうね。しかし! だがしかし! 私には秘策がありまして」

男「バンドネタはもうやったぞ」

メ「……。さ、バカやってないで朝ご飯を早く出してくださいよ」

男「おい、ありんこ脳みそ以下。久々だぞこんな投げっぱなし」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/13(月) 01:03:32.74 ID:ZVHT+CiAO
委員長「久方ぶりの我が家ね。感慨はないけれど一先ず無事な事は喜ばしいわ」

命「何回か終わったと思っただけにな。で、入ってすぐ今度こそ終わりってな展開はないよな」

委員長「そこだけは問題ないわ。敷地内での身内のもめ事だけは御法度だもの。仮にそこまでして報復する気なら最初からそうなるよう仕向けるでしょうし」

命「……複雑だな」

委員長「単純よ。ただの嫌がらせをしたかっただけでしょ」

命「嫌がらせで何度も命の危機に晒されてたまるか。それより……」

委員長「ええ。一応それらしいパーツだけは集めたけれど。無事かしら、この子」

命「案外大丈夫だろうよ。今だってなんとなくあいつのマフラー音が聞こえる気がするからな」

委員長「ええ。……さ、行くわよ、命」

命「ん。……ああ、そうだ」

委員長「何かしら」

命「おかえり。……ってな。冗談だよ」

委員長「……」

命「何だよ。そんなにひどいすべり方したか?」

委員長「いいえ。……そんな言葉があった事を思い出していただけよ」

命「相変わらず不憫な奴だな」

委員長「くす。そうね。そういう事にしておいて」

命「さぁってと。腹減ったなぁ」

すたすた

委員長「……ただいま。ふふ、次もこんな言葉が言えればいいのだけれど」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/13(月) 01:16:58.33 ID:ZVHT+CiAO
妹「姉さん! 久しぶりっ。帰ってきたんだね!」

命「なっ……」

委員長「ええ」

妹「あのさ、今回は私も仕事がしばらくないみたいでね。よかったら一緒に……」

委員長「ごめんなさい。まだ事後報告と整理に時間が欲しいから」

妹「そ、そうなんだ。ごめんね、無理言って。あ、でももし手伝いとか……!」

委員長「この子がいるからいいわ。それじゃあ、行くわね」

妹「……う、ん」

委員長「行くわよ、命」

命「あ、ああ」

妹「……」

命(そりゃ、睨まれるよな。俺はこいつを騙してた訳だし……しかしよく無事だったな。確か野犬に襲わせたとか聞いてたけど、やっぱりそんな事までしないか)

妹「あんた……」

命「……」

委員長「命、立ち止まる必要はないわよ」

命「けどよ……」

妹「あんた……“誰か知らない”けど、姉さんの迷惑になったら許さないからね」

命「なっ、え……? お前……」

委員長「命」

命「あ、ああ。……何だよ、これ」

妹「ふん!」








委員長「……」

命「なぁ、あいつは嫌がらせのつもりであんな事を言ってきたんだよな?」

委員長「……」

命「それともあれか? 大怪我とかで記憶が飛んでて、とか。よく似た別人とかなんだよな?」

委員長「……」

命「なぁ、答えてくれよ!」

委員長「命」

命「っ」

委員長「ついたわよ。今回は黙っていなさい。口を開いたら許さないから、そのつもりで居なさい。いいわね」

命「……あのチビ助と狐目に報告中にか。嫌だね。俺は勝手に……」

ゴッ!

命「がっ?! な、にを……」

委員長「言うことを聞かないなら連れて行く義理はないもの。ここで寝てなさい」

命「く、そ……」

ドサリ

委員長「……。ふぅ、嫌ね、全く」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/13(月) 01:28:56.26 ID:ZVHT+CiAO
あや「うぅ」

め「おはようございます、あや様。おやおや、あや様が珍しくニーハイをはかれていらっしゃる。コレハイッタイドウシタコトカ」

あや「おい、犯人」

め「何のことやら」

あや「ロングスカートの上から靴下の種類当ててる時点でほぼ確定っすよ!」

め「とあるご主人は匂いだけで下着(主にランジェリーの種類)を当てる事が可能だそうですが」








男「ぶぇっくしょい!」

メ「どこかで主様の変態列伝が炸裂してますね」

男「してたまるか! ……してないよな?」







あや「仮にその変態大王がいたとしてめいどさんがそうだとは限りませんし何より不自然に他の靴下が消えてたんすよ!」

め「嘆かわしきは疑いの心を友人に向けるその浅ましさですか。ああ、何と悲しい事でしょうか。まぁめいどがやったんですが」

あや「あんたが一番嘆かわしいわ! 何してくれてんすか! わざわざお金と手間の込んだ事を……」

め「ご安心ください。あや様の私用靴下は然るべき紳士の集うお店にて換金致しましたのでめいど的には寧ろ黒字です」

あや「こっちの心が大赤字だよ! うぅ、こういうのは履きたくないのに」

め「素敵ではないですか。あや様は脚くらいしか女性らしさのアピールポイントがないのですから」

あや「別にアピールしたい訳じゃないもんっ」

め「そうは仰いますが……せいっ」

バサッ

あや「ひぅ?!」

め「ふむ、相変わらずのブルマっぷり。ニーハイが合わさりなかなかに特殊な趣向めいてますね」

あや「あ、ああああああんたいい加減にしないと通報モノですよ?!」

め「ご安心を。まだ写真には収めておりませんので」

あや「そこまでいかなくてもアウトだよ?!」
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/13(月) 21:43:28.20 ID:yhupT+50o
男「……ひ、ひさしぶりだな委員長」

委員長「…………」

男「…………」

委員長「……」クルッ

男「おい!! 待てよ、折角旧友と再会したんだからちょっとくらい話でも」

委員長「話す事なんか無いわ」

男「えっと、ほら・・・あ! 妹ちゃん元気? 今度あの子も連れt」

委員長「妹なら死んだわ」

男「なっ!!」

委員長「そこの貴方の息子に利用されて捨てられて塵の様にね」

命「っ!!」

男「今の話、本当か命?」

委員長「貴方も気をつけた方がいいわよ、利用価値があれば実の母親すら狙うような」

男「どういう事だゴラァ!!」

委員長「募る話なら親子水入らずでどうぞ。 命、先に帰ってるわよ」

__________________________________


長「は〜勿体無いのぅ。 何故じゃ? わざわざ手駒の価値を下げるような事を」

割烹着「これで“あちらさん”への見せ札としても交渉カードとしても使えなくなっちゃいましたね」


委員長「  」
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/13(月) 21:49:28.03 ID:yhupT+50o
  あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

 『おれはネタを考えて疲れて眠ったと
  思ったらいつのまにか妹が登場していた』

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった
頭がどうにかなりそうだった…

大怪我とかで記憶が飛んでて、とか
よく似た別人なんてもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/14(火) 00:12:47.72 ID:8sR3nLVAO
今の主様と委員長が会ったらきっとこんな感じな気がする。
何となくこのまま続きを見てみたい感じですね!
いっそ意地悪なメイドさんとか出してそのまま新しいストーリーとか書いてみたりとかしません? という勧誘。
久しぶりにここで自分以外の話を見れてホクホクな中の人です。

残念ながら妹生きてたけど!






ちなみにその妹さんは○○で○○はずっと○○で○○になってます。……うん。五秒でエロい単語が埋まった。



さておき、せっかくだから委員長サイドはひとまず置いてあやちゃんでも。
自分でも最近こいつが可愛くて仕方ないからもっと意地悪したいと思います。
れっついじメイ!
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/14(火) 00:17:54.43 ID:8sR3nLVAO
あや「なんかすごい不穏な気配が天から降ってきてるような」

め「あや様ですから。きっと大凶星などが頭上に爛々と輝いていますよ」

あや「そんなオカルトめいた……」

べちゃ

め「鳩の糞が頭に直撃とは。今時逆に稀少ですよ。ああ、近寄らないでくださいね」

あや「……うぅ」

め「さめざめと泣きながらハンカチで頭を拭うあや様。何て悲しい一枚絵でしょう。CG回収お疲れ様です」

あや「このシーンの為だけに興すほどの絵なの?!」

め「個人的に使い回しを希望したいので」

あや「そう簡単に何度も何度も糞をくらってたまりますか!」

べちゃ

あや「……」

め「さすがに天丼で笑いを取るシーンではないかと」

あや「もう嫌ぁ?!」
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/14(火) 00:35:23.30 ID:8sR3nLVAO
主「はっはっは。バカじゃねーの」

あや「バカだからとか関係ないでしょ、こればっかりは!」

主「バーカバーカ。鳩糞野郎ー」

あや「ぐ……性格悪いな、この人」

主「で、だ。ここんとこ変化はないか」

あや「彼女の周辺では特には。ただ流れ込んできた面倒な奴らのおかげで妙な商売が増えてまして」

主「妙な商売ね。お前みたいのが身体を売るのと何が違うんだ?」

あや「その辺りはノーコメントで。後、人聞きの悪い言い方はやめてください」

主「実際、そういうのだってないワケじゃねぇだろうに。面倒だね、便利屋は」

あや「何すか。情報共有までは仕事の範疇っすけど、不要な挑発を続けられるなら契約は無かった事にしますよ」

主「それはあいつから離れるって選択肢か? それともあいつをかっ攫うって宣戦布告か?」

あや「……。はぁ、止めましょう。こちらも熱くなりすぎました。とにかく、街の流儀だとかしきたりなんて古い考えを無視した商売が増えてるんすよ」

主「つまり新顔か」

あや「元々、様々な組織が虎視眈々と重要度の高いサンプルやら技術、人材に派閥なんかを一挙に集めてますからね。いや、どちらかと言えばアレに惹かれたか」

主「推察は個人でどうぞ。俺の範疇はそこじゃない」

あや「はいはい。現状、めいどさん周りは不自然なレベルでの監視やらはないっすよ。主さんやあちらさんが頑張ってますから」

主「頑張ってんねぇ、かなり」

あや「でもどんどん異分子やら入ってきてますよ。何だか数年前の大騒動を思い出しますね」

主「ボーイミーツガール。構図だけ見りゃ単純だけどな。商の奴らがこぞって勢力変化の波に飲まれた時期か」

あや「“偉大なる御主人様”か。今思うとアホみたいな呼ばれ方ですね」

主「力があったんだ。誰もケチは付けられなかったよ。何よりあいつの成果に飛び付く羽虫は後を絶たなかったからな」

あや「嫌な話っすよね……とにかく、現状維持はまずいと思いますよ? どっかで勢力レベルで状況を打破しないと」

主「だったらあちらさんに掛け合ってくれよ。俺は向こうの出方次第だからな」

あや「またそうやって面倒を……はぁ。わかりましたよ、やります。どうせ断っても無駄ですし」

主「理解の早い奴は好きだぜ。鳩糞臭くなけりゃな」

あや「いちいちやる気を削ぐのをやめません?」
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/14(火) 00:56:50.02 ID:8sR3nLVAO
あや「うー、あづぃ」

め「わざわざこの暑い中、ロングスカートに薄いとはいえ上着まで。流石にドMは違いますね」

あや「上着に関してはさておき、下はめいどさんのせいでもあるんだからね?」

め「よ、ニーハイっ子。明日から挨拶は脚を露出しながらニーハイオでいかましょう。流行ります」

あや「流行るかそんなあざとい中国語みたいな挨拶!」

め「あざとーす」

あや「さ、SAN値が……」

め「こういう細かい部分を拾ってくださるあや様が好きです。おういえ」

あや「何で反応しちゃうか自分でもわからないんすよね。ぐ、段々と被虐体質になりつつあるからか!」

め「関係ないかと」

あや「ないよねぇ。はぁ」

め「おや。あや様、前方に見えますはいつぞやのお嬢様では」

あや「……、っ」

め「……。回り道、なされますか?」

あや「え?」

め「めいど、こう見えてドSですが、相手の本当に嫌な事くらいはわかりますし、そこに付け込むつもりはありません」

あや「めいどさん……」

め「ですから回り道をしましょう。あの方の真横を」

あや「あんた最低だよ! ドSとかじゃなくてただの人でなしだよ!」

め「……あや様が自分を語られないのがいけないのです。大人しく観念してください。ほら、先方もこちらに気付かれた様子ですし」

ガシッ

あや「ちょ、羽交い締めとか!?」

め「さぁ、参りましょう。あや様の過去を教えていただきつつ感動の再会シーンをば」

あや「っ……すみません、先に謝りますよ」

め「何を急に。めいどに謝らなければならないような話が……」

ぐるんっ……とさっ

あや「っと。どこか打ったりしてないっすか? 勢いは付けましたけど怪我はないようにしたはずっすけど一応」

め「……え? あ、はい」

あや「では失礼。また明日にでも」

すたすた

め「……はっ。な、何やらめいど、一瞬、宙を舞ったような」

『はぁ。はぁ……あや様! あや様っ!!』

め「おや、そちらに見えますはあや様のお知り合いの方とお見受けしますが」

宮「すみません、急ぎますので。あや様! お待ちください、宮です! あや様っ」

たったったっ

め「むぅ……行かれてしまいましたか。何故か腰が砕けたままで動けないのが歯がゆいですね。しかし……」

め(あや様。あや様は一体、めいどに何を隠していらっしゃるのですか……?)
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 01:34:55.37 ID:wBj583e6o
男子ちゃんとおちんぽ侍で弄られ役三本柱ですね!
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 22:46:36.22 ID:0NJwBOCKo
委員長「…………」

あや「…………」

男「…………」

委員長「…………」

あや「…………」

男「…………」

       な…
    _, ,_   なんなんですか?
  ア;゚д゚ヤ  ここ、どこですか?
   レV)   なんであたし
    <<   連れて来られたんですか?

め「出番が無いとお嘆きのあや様に取って置きの活躍シーンを用意しました」

あや「何余計な事してくれてんすか!」

委員長「煩い蟲が鳴いてるわね」ギロッ

め「な、なんですか? 文句があるならあや様がお聞きsあや「黙れ!!」 

め(な、なにを)モガッモガ

あや(いいから!! やばいの!! 修羅場なの!! 命が惜しいなら黙ってて!!)

め(・・・・・・もしかして本当にヤバイ系ですか?)

あや(もしもの時は何とか生きてあの男の人の所までたどり着いて下さい、保護してくれるはずです)

俺(掛け合い思いつかねぇ)
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/15(水) 00:17:26.53 ID:YjwH+caAO
さらっと本人オチじゃないのww
しかし委員長はもはや常人キャラとは馴染めない程にかけ離れた存在へ。
昔から威圧感習得してたけどギャグ要素だったのが今やマジもんですから。
世の中の絡んじゃいけない単語の内、チャ○とヤ○ザあたりを平然と属性として持ってますから。
いやまぁ後者は微妙に違うか。


さておき連夜の投下に胸熱状態!
明日も来てくれるかな? とテレフォンショッキングなノリで待機しつつ今夜もちょこちょこ。
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/15(水) 00:27:37.19 ID:YjwH+caAO
男「もはや俺に対するいじりはそこしかないのかと軽い絶望を覚えてきた」

メ「何分他が地味に完璧超人ですからね。そこしかいじれないのが現実。更にその上位互換なくるみぽんちお侍さんは余計ですね」

妹嬢「だ、誰がおち、お……くぅぅ」

メ「誰と名指ししなくてもいいあたり外堀は埋まりきってもはや山にすらなりかけてるような」

あや「こんなキャラ立ちしてる人達の間に入るなんざとてもとても」

め「あや様も問題なく変態存在感を放ってらっしゃいますよ」

男「言外に俺らが変態扱いされてるんだが」

妹嬢「心外ですね」

メ「女装野郎にふたなりお嬢。変態兄妹でなくてなんだというのか」

め「おお、二人して凹んでらっしゃる。憐れ憐れ」

あや「……これと同列なのか」

め「あや様が人並みに並ぶだの評価されるだのあり得ませんから。思い上がりも華々しいですよ」

メ「ぽっと出なんすから大人しくしてればいいんじゃないかと。一応元主人公とネタでも設定でも最上位キャラな方達なんで」

あや「何でここまで言われなきゃならないの……」

男「元……元……」

妹嬢「ネタ最上位……」

め「さすがは先輩。見事に全滅させましたね」

メ「精々見習ってください、後輩。我々がいてなんぼのいじられ三本柱どもなんで」

め「らじゃ」



三人(((後で泣かす……!!)))
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/15(水) 00:42:02.60 ID:YjwH+caAO
め「威圧感ヤバいですね。メタ空間なのに本筋より危険メーター上がってたような」

あや「実際、スペランカーな我々がバラモスに挑むようなもんですんで」

め「即ゲームオーバーですね。残機もないのに」

あや「いのちだいじにって訳ですよ。さておき、あの人は本筋でもあまり絡みたくない部類の方でして」

め「そうなのですか? あや様にとって苦手な部類の方は自身に善意を持って接してくる方だけだと思っておりましたが」

あや「めいどさん、地味に観察眼高いですね。いや、それも確かにありますがね。話や道理が通じない相手は苦手でして」

め「そこまでの方には見えませんでしたが」

あや「損得抜きの駆け引きや自身の命を省みない策謀、何より思考のネジがどこか飛んでいるとしか思えない行動の数々……正直怖いです」

め「あや様がそこまで他人を語られるのは珍しいですね」

あや「一時期連絡役として橋渡しなんかをしてた頃に色々ありまして。容赦なく脚とか撃ち抜かれた時はさすがに参りました」

め「……。あや様、マジな話でそれをされているならさすがのめいどもドン引きですが」

あや「冗談すよ、冗談。あははは」

め「そうである事を祈ります、ええ」

あや「とにかくあの人と関わるとろくな目に遭わないで是非ともメタ空間を含めて遭遇するような調整をしないよう願いますよ」

め「来週から毎回出逢いの場をセッティングしておきますね」

あや「話聞いてたのかこの人ー?!」
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/15(水) 00:53:22.78 ID:YjwH+caAO
メ「いっしょにとれ〜にんぐ」

男「俺もやるのか」

メ「私が一人で汗水垂らして頑張るなんて許せないんで。主様がぜぇぜぇ言う姿を見ないとやる気が出ませんので」

男「歪んだやる気を見せるくらいならいっそしないでいいんじゃないか」

メ「そうは言いますが既にトレーニング用の薄着な訳ですよ。ほれほれ、ムラムラ来ちゃうっしょ?」

男「とりあえずニーハイかガーターストッキングがガーターレスでいいからオーバーニーのストッキングを……」

ぼふっ

男「クッション投げは止めてくれ。埃が舞うから」

メ「とりあえず変態を黙らせるのに手っ取り早かったので。つぅかなんでもかんでもそういうの履かせるのってどうかと思うんすよ!」

妹子「私は履いてるよ!」

男「妹子はえ○いなぁ。いい子だ」

妹子「良し! 好感度ゲットぉ!」

メ「……なんだろう。最近私が真面目なキャラポジに来てしまってるような感覚が」

男「で、トレーニングだろ? 付き合うよ。筋トレか?」

妹子「なっ!? 兄くん兄くん、そんな生足ほっといて私の足ではふはふしなよ!」

男「よしよし。いい子だからそういう発言をマジでするのは止めようか。後絶対人様の前では言うなよ」

メ「……じゃ、じゃあ腹筋から」

男「おし。いっちょやるか」

妹子「ああ、わ、私もやる!」




メ「ぜぇ、ぜぇ」

男「姉さんパワーすげぇな。四桁近くやってないか」

メ「とちゅ、から、止まら……はぁ、ひぃ」

男「なるほど」
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/15(水) 01:19:47.76 ID:YjwH+caAO
割烹着「あらあら。もう根を上げられますか? だらしがありませんね」

命「ひゅー……ひゅー……」

割烹着「しっかりしてくださいな。男の子なんですから」

ぺしん

命「ひっ、ぐ!?」

割烹着「少し撫でた程度じゃないですか。それほどに辛いですか? 皮膚を剥がれたの」

命「っ、……」

割烹着「たった数センチ四方を数カ所。命に別状はないよう細心の注意を払ってるんですから〜。そんな怖い顔しないでくださいまし」

命「……して、……る」

割烹着「うんうん。男の方はそうでなくては。しかしこちらに来られてすぐの頃でしたら今頃痛みで命を落とされていたかもしれませんね」

さわさわ

割烹着「そういった意味では私好みに成長されたようで。なるほど、彼女が目を付ける訳です。なかなかに甘い香りがしますね」

ちろちろ

割烹着「ん。ですが私は熟れすぎた果実は嫌いでして。このあたりでサクッと収穫するのも一興でしょうか」

ギラリ

割烹着「と、いう訳で何ら恨みはありませんが、どうかもうしばらく私の趣向にお付き合いくださいましね」

命「……」

割烹着(ふふ。脅しでないと分かっていながらも屈する事のない瞳。ますます壊し甲斐がありますね……とはいえ、そろそろですか)

ガラッ

委員長「お邪魔、するわよ」

割烹着「あらあら、これはこれは。いらっしゃいまし。何のご用でしょうか」

委員長「ペットを受け取りに」

命「……」

割烹着「なるほど。ですがこちらの領域にて無許可で行動されたのはそちらですからねぇ。治外法権は効きませんよ?」

委員長「だったら押し通すまでね。二度は言わないわ。それを返しなさい」

割烹着「と、申されましても。ここまで踏み込んだ狼藉もありますし、はいそうですかと返す訳には」

委員長「……対価は用意するわ。“あの子”に会ってあげる」

割烹着「それはそれは。頼み込んでも首を縦に振らなかった貴女がねぇ。そんなにこの子が大事ですか?」

委員長「久しぶりに顔を見たくなっただけよ。これならいいでしょ」

割烹着「ええ、勿論。どうぞ御自由に引き取っていってくださいな。日取りは追って連絡しますので」

委員長「いつまでも連絡が来ない事を期待して待ってるわ。命、おいで」

命「……」

委員長「バカな子ね」

命「ご、め……」

委員長「……。帰るわよ」
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 01:40:26.07 ID:5FCNQ4cwo
冷静に考えると「妹嬢」と「侍」は微塵も関係ないという

なのに妹嬢しか浮かばない不思議
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/16(木) 00:26:47.36 ID:eVDQVm6AO
メ「多分におちん○という単語が妹様の全てを表しているからかと」

妹嬢「他にあるでしょう?!」

メ「具体的には?」

妹嬢「……い、妹な点やお嬢様属性……でしょうか」

メ「自分の事なのに自信なさげなあたり全てを物語ってますね。イツモツ語り」

妹嬢「某物語シリーズのような語呂を無理矢理使いますか」

メ「ま、そこそこに頑張ってください。ふたなり様。寧ろマーラ様的な」

妹嬢「ご立派様!?」







男「最近バカ妹もメイドにいいように毒されてるよな」

メイド長「危機感すら抱きますよ、全く」
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/16(木) 00:46:10.60 ID:eVDQVm6AO
委員長「話をしなかった私も悪かったわね。貴方が何を探ろうとしたかは知らないけれど、一番踏み入れてはいけない場所なのよ。あそこは」

命「でも、あいつが全部知りたいなら来い、って」

委員長「私を呼び出す口実作りにされたのよ。後、自身の成長にかまけてあの女を見くびったわね」

命「……」

委員長「ここには私を入れて六人、主だった人間がいるけれど、領地内で言えば二番か三番目に手を出すべきではない相手なの。覚えておきなさい」

命「微妙な位置だな気付いたら、ああだった。本当に何されたかわからねぇ」

委員長「そんなものよ。それより、傷はすぐ治るはずよ。応急処置はおしまい」

命「まだ多少痛むけど、もう大丈夫だ」

委員長「くす。我慢出来ないくらい痛いくせに。偉いわ」

命「大丈夫だっての。すぐ治るんだろ」

委員長「傷の付け方がうまいから、あの女。治してすぐ壊せるようにするのよ」

命「……あの狐目、最悪だな」

委員長「ここにはそんな人間しかいないわよ。それより、改めて聞くわ。何を探ろうとしたのかしら」

命「あんたの事……そんで、あんたの妹の事だ」

委員長「……そう」

命「俺はあんたに従うよ。けどそれとは別にあんたを知りたいと思う」

委員長「私が止めろと命じても、かしら」

命「バレないように続ける」

委員長「……ふぅ」

命「くそ、これみよがしにため息つきやがって。どうせすぐバレるのは分かってるっての」

委員長「それで? 私について知ってどうするのかしら」

命「あんたに近付きたい。もっと」

委員長「主従関係では不満?」

命「……ああ」

委員長「素直ね。好きになさい。けれど勝手に動くのはやめなさい。きっと何一つ得られないわよ」

命「今回ので懲りたよ。気をつける」

委員長「妹についても同じね。どう動いたところで真実は転げ出てきやしないわ。……でも、分かるわよね」

命「……あいつは。今回会ったあいつは“別人”なんだよな」

委員長「正確には、ね」

命「教えてくれ。でなきゃ俺は……利用したあいつを、ただただ引きずっちまう」

委員長「忘れたいのかしら。自身の罪を」

命「腹に落としたいんだ。あいつが何だったのかを」

委員長「……。だったら待ちなさい。いずれ貴方も連れて行ってあげる」

命「連れて……?」

委員長「ええ。いずれ、ね」
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/16(木) 00:52:34.34 ID:eVDQVm6AO
め「あや様。唐突な質問なのですが」

あや「だいたい唐突な質問しかされてないような」

め「あや様はおいくつなのでしょうか」

あや「めいどさんと同じくらいっすよ」

め「自慢ではありませんがめいど、年齢不詳ですよ」

あや「うん、何ら自慢にはならないよね。でも18から22くらいに見えるよ」

め「あや様も同じくらいと言いたい訳ですね。年齢詐称は詐欺師の第一歩かと」

あや「まだ詐称も何もしてないのに!?」

め「そしてこの間、あや様に声をかけられた淑女なお方ですが……二十代後半だとお見受けしました」

あや「誰のことやら」

め「一体あの方とあや様はどのようなご関係なのでしょう。やはり詐欺師と被害者の関係で?」

あや「だったらさっさと警察に突き出すなり強請るなりされてるような」

め「あや様、いつの間に前科持ちに」

あや「脳内のキャラ付けすごい事なってきてるな!」

め「その内、ないなりにおっぱいミサイルなども搭載予定でして」

あや「他に付けるべきオプションあるだろうよ?!」
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/16(木) 01:01:27.10 ID:eVDQVm6AO
め「話が逸れていましたね。危ない危ない」

あや「ちっ……」

め「そんな訳で改めて質問ですが」

あや「もういいじゃないっすか。いい加減、他人のプライベートに突っ込むのやめましょうよ」

め「あや様は処女ですか? 非処女ですか?」

あや「あまりにもプライベートすぎる部分にシフトチェンジしてきた?!」

め「さすがにあや様も答えにくいでしょうから最初の質問にイエスかノーで答えてくだされば結構ですので」

あや「それが一番答えたくない部分だよ!」

め「で、実際どうなのでしょう。答え如何によってはあや様の株価が大暴落ですが」

あや「秘密でお願いしますっ」

め「ああ、非処女なんですね」

あや「だから決めつけはよくないかと」

め「あや様。思うにめいど、あや様の性格ですと処女なら処女とハッキリおっしゃられるかと」

あや「そこは恥じらいとかね?」

め「頑なに答えを拒否する時点でほぼ決まりですがね。お相手までは聞きませんからご安心を」

あや「決定事項?!」

め「そこまで仰るならハッキリと処女発言をどうぞ。3・2・1、はい」

あや「あ、ぅ……」

め「よく分かりました。ちなみにあや様は童貞ですか? 非童貞ですか?」

あや「何故その質問が浮かんだよ!?」

め「世の中にはそんなお嬢様もおられますので」

『生えてません!!』

あや「……な、何か聞こえたような」

め「どこかの侍の米青な子ですよ」

あや「漢字に変換したくねぇ……」
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/17(金) 00:46:31.20 ID:KVKbqVcAO
メ「時代はロボ!」

男「いつの時代も野郎の心にロマンを魅せるのはロボだな」

メ「つまり主様は頑張ってロボ作れと」

男「ムチャクチャ言うよね、君」

メ「出来ないなら三行半突きつけますが」

男「本当にムチャクチャ言うな!?」

メ「でも主様ってパイロットやらせてもオペレーターやらせても何かうまくやりそうですね」

男「逆にお前のオペレートだけは絶対受けたくないけどな」

メ「敵を欺くにはまず味方からと言いまして」

男「味方を欺いたまま放っとくだろ、お前は」

メ「おいしいとこだけちゃんとやりますよ!」

男「その頃には全滅してるか現地で築かれた連携を前に、お前のオペレートが耳を傾けられないようになってるかだな」

メ「最悪脱いででも視線をこちらに」

男「お前は妙なとこで自分を安売りするな?!」

メ「で、何が言いたいかと言うとアーマードコアVやりたいな、と」

男「激しく同意せざるを得ない」
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/17(金) 00:56:10.22 ID:KVKbqVcAO
冥「パパ、パパ」

男「どうした?」

冥「あのね。パパってママが大好きだよね」

男「ん、まぁ……そんな感じだな」

冥「じゃあじゃあ浮気とかしないの?」

男「ははは。……しないぞ」

メ「妙な間はきっと“もう”しないの意味だと思われ」

男「そういう無駄な勘ぐりはやめましょう。つかわざわざ娘の前でだな」

メ「冥はこういう異母姉弟作るような男に捕まっちゃいけませんからね〜」

冥「う? ……あい!」

メ「返事だけは一人前なれど全く理解してませんと顔に書いてあるのは如何なものか」

男「とにかく。浮気なんてしないぞ、冥。お前や命はそんな心配しなくていいんだ」

冥「命はしてほしいみたいだったよ」

男「……。気にしたら負けなんだろうな」

メ「あれはあれでアホの子なので仕方ないですね」

男「うぅん……どうにも落ち着きが足りないからなぁ、あいつは」

メ「そんな評価なあたりが親バカだと言われてる要素だと何故気付かないのか」

冥「私はパパ大好きだよ! 浮気していいからね!」

男「パパも冥は大好きだけどそれは浮気じゃないからな」

メ「そこまで堕ちたら私が取り憑いて○しますから安心を」

男「……サラッと怖い事を」

冥「ママも大好きだから私に浮気していいからね!」

メ「ガチレズは担当じゃないんで遠慮しますよ。ああ、でも男子ちゃんならありか」

男「なしだよ。ていうか何だこの親子会話?!」
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/17(金) 01:04:39.30 ID:KVKbqVcAO
め「あや様、あや様」

あや「はい」

め「膝枕して頂いているところ恐縮なのですが」

あや「何でしょう」

め「野郎のごとき肉感の無さがあや様がいかにグラマーとかけ離れた存在かを再認識させられ、こみ上げる何かが目から溢れ出そうです」

あや「んっっっ……とに失礼だな、あんた!」

め「ですが、こうして見上げる空が悲しいほどによく見える絶壁ぶりを堪能しても尚、良いと感じる膝枕マジックに感動しております」

あや「こちとらものすごい不愉快ですがね」

め「あや様」

あや「次はどこをけなしてくるんすか」

め「好きです」

あや「……はい?」

め「冗談という奴なのですがあまりに薄い反応にめいどは悲しみに包まれる結果に。どうしたんですか、リアクション芸人」

あや「いや、違いますから。というか昔、同じシチュエーションで同じ冗談言われまして。なんか懐かしくて」

め「……。それはどこのどなたなのでしょうか。まぁあや様にそんな台詞を冗談でも吐くからには相当性格破綻者なのでしょうね」

あや「おーい、鏡持ってこーい」

め「で。本当にどなたですか。そこそこにイケメンなのですか」

あや「秘密、っすね」

め「……ぺっ」

あや「ちょ、どういうリアクションだよ?!」

め「かーっ、ぺ!」

あや「こ、このやろ……」
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/17(金) 01:18:53.55 ID:KVKbqVcAO
委員長「命は猫っ毛なのね。見た目は固そうなのに」

さらさら

命「委員長のは長いのに全然枝毛とか無いのな。不自然なくらい綺麗だし」

委員長「髪は命というもの。それが輝いていなくて女をやってるなんて言えないもの」

命「そういうもんかね」

委員長「そういうものよ」

命「ふぅん……やらけぇ」

委員長「何? お腹なんて触って」

命「腹筋あるのに力入れてないからかすげぇやらかいのな。肌も綺麗だし」

委員長「どうしたの、急に」

命「いや、なんだろ。久々にさ、ゆっくり抱いた後だからか……余韻がすげぇ良くってさ」

委員長「確かに抱かれたのは久しぶりかしら。最近はいじめてばかりだったものね」

命「……あー。やっぱ人肌はいいな。委員長、もっと引っ付いていいか?」

委員長「好きになさい。怪我が治ったか、確かめてあげるから」

命「ん。色んな触り方で頼む」

委員長「その代わり貴方も休まないのよ」

命「ああ。こんなボリューム、目の前でちらつかされて我慢できるかよ」

委員長「くす。そういうがっつくところ、嫌いじゃないわ」

命「嫌われててもするけどな」

委員長「その時は無理矢理するなら対価が要ると教えてあげるだけよ」

命「対価?」

委員長「指の一本か二本、というところかしら」

命「無理矢理はよくねぇよな」

委員長「くす……命」

命「ん?」

委員長「明日、貴方に色々と話をするわ。そこで一度だけチャンスをあげる。ここから帰る、ね」

命「そんなつもりは一切……」

委員長「その時に決めなさい。いいわね?」

命「……わぁったよ。けど、逃げねぇからな」

委員長「期待していないから身体で引き止めようかしら」

命「だから」

委員長「分かってるわよ。……命、いらっしゃい。今夜はたのしませてあげるから」

命「ならたっぷり甘えさせてもらうかな」
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 05:26:33.38 ID:dko3sS3Ko
ついにおちんぽさん生霊にまでなって・・・
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/20(月) 00:25:54.00 ID:DTL2PjAAO
メ「多分つっこむべきところは生き霊云々ではなく名前ですら呼ばれない事実なんでしょうね」

妹嬢「わ、私の事だと決まった訳では!」

メ「名乗りあげるまでもない位置付けなんですね。いやはやさすがです」

妹嬢「違うと言ってますに! どうして皆さんこうまでして私を貶めようと……!」

メ「どうどう。落ち着いて。誰も貶めようなんて思っちゃいませんよ」

妹嬢「でしたらこの扱いは何ですか!?」

メ「皆さん真実を語られているだけですよ」

妹嬢「事実無根です!」
メ「え、事実巨根?」

妹嬢「だから違いますってば!?」

メ「またまた。妹嬢さんが短小な訳ないのは私でも分かりますよ」

妹嬢「そもそも生えてませんから!」

メ「しかしいくら主様がドンガバチョな尻アス設定を持っているからといって開発しすぎないでくださいね。他にも使いたい方はいますから」

妹嬢「兄さんはそんな方ではありません!」

メ「なるほど。キツキツの絞まり具合ですか。相性バッチリですね」

妹嬢「そこは否定しませんが貴方の考えてらっしゃる相性とは何かが違うと思います」

メ「身体の相性バッチリじゃないんすか?」

妹嬢「ぐっ……完全に否定出来ない聞き方を!!」

メ「という訳で妄想垂れ流しタイムといきましょうか。R18な感じで」

妹嬢「止めてください?!」
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/20(月) 00:41:40.56 ID:DTL2PjAAO
メ「で、妄想18禁な内容を書いてたのですが」

妹嬢「本当に書いてたんですか!?」

メ「何故か気付くと妹嬢さんがNTRな展開で救いようがない感じになってしまったので没で」

妹嬢「何ですかその展開!?」

メ「……溜まってたんですかね。てへり」

妹嬢「てへり、で済ませてたまりますか! 私は兄さん以外となんて絶対嫌です!」

メ「ああ、その台詞を吐きながら腰振ってましたよ。さっきの妄想で」

妹嬢「想像の中で何をさせるんですか!?」

メ「最後は快楽に溺れていく様が不憫で不憫で。主様との最後の邂逅のシーンなんてその後を考えるのが鬱にしかならないような……」

妹嬢「嫌ぁぁー!?」
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/20(月) 00:55:40.10 ID:DTL2PjAAO
め「あや様。髪を切ろうかと思うのですが」

あや「あや。伸ばしてたんじゃないんですか?」

め「めいど、考えたのですがあまり伸ばしているとご主人が見分けられないのではと危惧いたしまして」

あや「そこまで主が呆けてると仮定するのもどうかと思いますが」

め「そこであや様にお願いがありまして」

あや「お店の紹介ですか? 構いませんよ。いいところはいくつかありますんで見学がてら見回りましょうか」

め「いえ、そうではなく」

あや「ふむ? ではお願いとは」

め「あや様にハサミを入れていただきたく」

あや「はぇ、なんでまた」

め「髪は女の命でして。下手をしたくありません。それに切りそろえる程度なので」

あや「いやいやいや。だとしたら余計に専門家に任せるべきでしょ。何故あえて素人を指名しますかね」

め「あや様やご主人以外に髪に触れられたくありませんので」

あや「……えと。信頼されてるのは嬉しいんすけど、やっぱりここは」

め「あや様は空気みたいなものですので触れられたところで無問題だと判断しています。ですのでご心配なく。影薄さん」

あや「OK、思いっきり斬新なヘアスタイルを贈呈しくさってやりましょう」
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/20(月) 01:07:19.92 ID:DTL2PjAAO
メイド長(お嬢様が寝取られるなどありえますか。否、断じて否)

メイド長(この私がお傍に控える限りそのような狼藉、天地が滅びようと有り得ません)

メイド長(しかしお嬢様も人。欲求というものは持ち合わされている)

メイド長(何かの手違いでお嬢様から求められるような事が……)

メイド長(有り得ない。お嬢様は気高く孤高でいらっしゃる。そのような俗世的な考えなど)

メイド長(それに何より、そのような欲求があれば私どもに相談いただけるはず。それくらいには信頼されているはず)

メイド長(で、あればその欲求を解消すべきは私どもの役目。つまり、お嬢様を満足させるべきは我々)

『舐めなさい。我が脚に触れることを許すわ。ほら、その汚らわしい舌で精々愉しませなさい』

メイド長(……)

ゾクゾク!

メイド長「……お嬢、様……」ブルブル

妹嬢「あら? 何か呼びまして?」

メイド長「いえ、少々御髪が乱れておられるよいに見えましたので」キリッ

妹嬢「そう?」

メイド長「見間違いでした。貴重なお時間を浪費させてしまい申し訳ありません」

妹嬢「気にしませんよ、それくらい。いつも気にかけてくれてありがとう」

メイド長「そのようなお言葉……恐悦至極にございます」

妹嬢「相変わらず堅いですね。ですがそこが貴女の良いところですが。ふふ」

メイド長「……」

メイド長(何と華やかな……嗚呼、お嬢様。お嬢様!)

妹嬢「な、何かしら。微かに寒気が」ゾクッ










メ「って感じなんでしょ?」

メイド長「くだらないお話をどうも。御礼にとっておきでも差し上げましょうか」

メ「そ、その構えは何ですか。何か嫌な予感しかしないので是非とっておいたままにしてください」
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/20(月) 01:23:38.46 ID:DTL2PjAAO
ショキショキ

あや「ん、こんな感じですかね。どうです?」

め「あや様にしてはなかなかの手際。大分と軽くなりました。ありがとうございます」

あや「お褒めに預かり光栄ですよ。しかしめいどさんの髪、どこの国の人なんだって色ですよね」

め「ただ色素が薄いだけかと。あや様は日本人形のように艶やかな黒髪ですね。ずっとそうで?」

あや「染めるにゃ脱色とかしなきゃならないんで不便っすよ。髪を傷めたいとも思わないし」

め「なるほど。しかし似合っておられますよ。こう、怪奇・髪の伸びる人形。と言いますか」

あや「それ全く嬉しくないんだけど」

め「あや様は髪を伸ばしてらっしゃるので?」

あや「ま、セミロングくらいにはキープしてますかね。長すぎるのは動きにくいんで困りますが」

め「あや様の場合ショートですと男性扱いされかねませんからね。体型的に」

あや「別にいいっすけど。煩わしいナンパとかされないんで」

め「あや様がナンパにあうのが想像出来ない反面、悪い男に連れられる様がありありと浮かぶ。不思議なお方です」

あや「どっちもすげぇ不名誉!?」

め「さて、あや様。せっかく切っていただきましたのでシャンプーまでお願いしたく」

あや「別にいいっすよ? 今日は特に予定もありませんし」

め「では互いに水着に着替えて風呂場に集合という事で」

あや「え!? 何そのCG回収イベント! いきなりの展開すぎない?!」

め「あや様、シャンプーいただくのにはシャワーが必要で、更にはシャワーには着衣していく訳にはいかないと思いますが」

あや「別に全身浴びなくていいじゃないすか! 少なくともこっちまで脱がないでも!」

め「私があや様の水着が見たいというだけですが何か?」

あや「ぶっちゃけたよこの人! ダメダメ、絶対ダメ!」

め「おやおや。何故でしょう」

あや「だ、だって……えと、この後用事が……」

め「ないのですよね」

あや「でも倫理的にあれだし恥ずかしいし……」

め「同性ですが」

あや「うぅ、どうしても?」

め「はい」

あや「……あぅぅ。分かりましたから百本譲ってシャツは着させてください」

め「裸にシャツのみとはなかなかマニアックな」

あや「水着の上からに決まってんでしょうが! あとパレオもつけますからね!」

め「……仕方ありませんね。全く世話の焼ける」

あや「ぐ、相変わらずの理不尽さだ……」
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 01:39:33.93 ID:4KIYzog9o
「私は兄さん以外となんて絶対嫌です!」って言いつつ友を四つんばいにしてパコパコやってる図を想像しちゃったじゃないか・・・
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/21(火) 00:28:53.48 ID:O6Im3N1AO
妹嬢「どうしてそのような解釈に!?」

メ「腰振ってるの意味をそっちに取るあたりここの人達のレベルが高すぎるような気がしてならないんですが」

妹嬢「第一、私が寝取る側などという発想にどうして行き着きますか!」

メ「人徳?」

妹嬢「そのような徳は要りません!」

メ「キャラ立ちしてるって事でしょ」

妹嬢「からかわれているようにしか思えないのですが」

メ「影も形も噂されないよりマシっすよ。少なくとも私なんて最近、呼ばれもしませんし。勝手に出ますが」

妹嬢「そ、それは」

メ「主様も男子ちゃんというキャラクターを得ている今、ただの意地悪なだけの可愛いメイドでは生きていけないんです」

妹嬢「相変わらずサラッと自分を持ち上げますね」

メ「自分大好きなんで。ですから新機軸として超人的パワーを活かそうかと思うんすよ」

妹嬢「例えば? 家事や労働以外に活かす場がありましたか?」

メ「……ないな。うわぁぁあああ! やっぱり没個性すぎて私ヤバい! 宇宙ヤバい!?」

妹嬢「この際、労働しようという思考に行き着かない時点である意味強烈なキャラ立ちをされているかと」

メ「黙ればポンチオ!」

妹嬢「ぽ、ぽん……っ?!」
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/21(火) 00:42:04.92 ID:O6Im3N1AO
メ「主様、主様。何故に騎乗位から見上げるパイオーツはこうも絶景なのでしょうか」

男「お前のは見た事あっての言葉じゃねぇだろ」

メ「生でなありませんね。妹嬢さんじゃあるまいし」

男「あいつもないだろ。……ないはず。ないよな?」

メ「もはや身内ですらこの扱い。さておき、私が見てるのはエロゲCGですがね」

男「相変わらずお前の世間一般女性との感覚のズレが激しすぎて困る」

メ「一部コアな方とは合いますよ。で、そこんとこどう思います?」

男「経験ないからパス」

メ「私も割とたわわちゃんですが」

男「お前させてくれねぇじゃん!」

メ「当たり前です。何が悲しくて主様にシーン回収させねばならんのか」

男「その扱いが悲しいわ」

メ「でもほら、非童貞な主様ならわかるでしょ。私よりたわわちゃんなあの方と、ね?」

男「姉さんとはそういうんじゃねぇよ」

メ「誰と言ってないのに肉親の名前挙げるあたり最悪な経験者ですね」

男「ぐっ。なら聞くなよ」

メ「まぁまぁ。で、実際やっぱ、むしゃぶりつきたくなるような感動でしたか」

男「だからそんな余裕ないっての」

メ「脱童貞記念でしたもんね」

男「死にかけたって意味だよ!」

メ「けどよくイチャイチャしてたやん。組み付いたり押し倒されたりしよってからに」

男「何故いきなり関西弁を入れてきた」

メ「なんか思い出したら腹立ってきた。くそ、主様のアホ! バカ! 近親にしか欲情出来ない変態ー!」

男「最後は否定させろ! あと窓から叫ぶなぁ?!」
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/21(火) 00:50:05.76 ID:O6Im3N1AO
あや「助けてください」

主「泣きつく事かよ」

あや「だって主さんが戻らないからどんどんめいどさんが積極的になってるんすよ!」

主「いい事だろ。寝取っちまえよ」

あや「無理に決まってんでしょうが! ただ寂しいだけなんでしょうがだんだんエスカレートしてきてて」

主「で、今度はとうとうパジャマパーティー、と」

あや「無理無理無理! 絶対ダメ! というか寂しいからってそんな乙女なイベント企画しますか、二人なのに!」

主「確かに余計寂しい気がしないでもないわな」

あや「だから顔出せとまでは言いませんから。とにかく存在をほのめかすくらいでいいんで動いてくださいよ」

主「んー。まぁそうしなきゃ仕事やれねぇってんなら考える」

あや「無理! 絶っ対、無理!」

主「分かった分かった分かりました、と。けど逆に言えばもうしばらくは頼むぞ」

あや「そこはこちらもプロなんで。所長あたりも発破かけてくるんでサボりゃしませんよ」

主「あの爺さんにケツ叩かれりゃ嫌でもやってくれそうだな。了解、明日あたり俺のマンションの掃除でもさせに来させてくれ」

あや「頼みましたからね、本当」
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/21(火) 00:59:01.60 ID:O6Im3N1AO
あや「ご機嫌ですね」

め「それほどでもありません」

あや「答え方おかしくないすか」

め「何を隠そう、昨日ご主人からメッセージがありまして」

あや「何一つ隠せてないよ」

め「待たせて悪い、の一文とせんべいがありました」

あや「……何だそのチョイス」

め「めいどが捨てられた訳ではないという証拠ですね。いやはや、やる気がわいてしまいます」

あや「好きなんすね」

め「はい。めいどに生き方を、目的をくださった方ですから」

あや「ふぅ……ん」

め「あの人は自分を抜けたように見せますが強かな方で、めいどに対していつも気遣いをくださっていました」

あや「……」

め「めいどはそれに甘えてしまっていましたが、今度またお会いした時にはお役に立てるようしっかりと……」

あや「そんないい人、なんすかね。勝手に突き放しといて」

め「……それは」

あや「そんなベタ誉めするような素晴らしい人物だとは何となく思えないんすけどね。だいたい本当に大事なら……あ」

め「……」

あや「あ、や、でもそうっすよね。何かやむにやまれぬ事情とかありそうですし、ね! いやぁ知った風な口を! すみませんっ」

め「……」

あや(し、しまったぁ!? 何自分からフォロー頼んどいて無駄にしてんだぁ!)

め「すみません。少々浮かれすぎでした」

あや「いや、あの、あははは……」

あや(っかしいなぁ。何をいきなり口走ってんだろ。……うぅ?)
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 21:25:55.72 ID:DWrEG7mso
なるほどなるほどニヨニヨ
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/22(水) 00:42:02.40 ID:caM9fWPAO
あや「何を笑われているか分からないんですが」

主「お前もなかなか可愛いとこあるなって事だろ」

あや「だから何の事っすか」

主「いいのいいの。若者は青春を謳歌しなさい」

あや「青春って……違いますよ。そんなんじゃないです」

主「春を売ってこその若さだろ」

あや「本当にそんなんじゃないのを挙げるか!? 売っちゃダメでしょ!」

主「身持ちが固い方だっけか?」

あや「そこは臨機応変に」

主「それは尻が軽いって言うんだぜ?」

あや「いいんすよ。自分みたいな半端なのはそれで」

主「ちったぁいいとこ見せてみろよ」

あや「……主さんに言われたくないっす」

主「そうだな。主役の位置から早々に逃げ出す野郎に言われちゃ終わりだわな」

あや「分かってんならいいとこ見せてくださいよ」

主「んー。いいんじゃねぇか? 頑張る役目、交代したって」

あや「無茶言わんでくださいよ。こちとら影役なんすから」

主「そう思ってんのは本人だけかもしれないけどな」

あや「……」

主「拗ねんなよ。ま、最近は自分でも変わってきたんじゃねぇか?」

あや「……」

主「楽しめよ、素直に。どうせ終わるんだからさ」

あや「はぁ……嫌なもんですよ」

主「気張れよ、ブルマちゃん」

あや「〜〜っ!?」

主「隠すな隠すな、別に見てねぇから」
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/22(水) 00:43:16.61 ID:caM9fWPAO
め「あや様。くるみぽんちおとは何ですか」

あや「称号というか代名詞というかとあるお嬢の両性具有というか」

『生えてません!?』

あや「……つまり空間すら超越しちゃう魂の在り方です」

め「よく分かりませんが非常に不名誉なのだけは理解しました」

あや「捉え方次第ですよ、多分」

め「ではあや様もそのような立ち位置で」

あや「もともといぢられポジションなのは不動みたいなもんすよ。……ハハハ」

め「何と乾いた笑い」
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/22(水) 00:47:52.25 ID:caM9fWPAO
メ「ぽんちおさん」

妹嬢「……」

メ「華麗にスルーなのかげんなりして返す元気がないだけなのか」

妹嬢「両者です」

メ「複雑な事をされますね」

妹嬢「うぅ……ここまでくると最早私がそうでなかったとして周囲が認めぬ以上、生えているのと同義ではないですか」

メ「つまり生えてるんすね」

妹嬢「生えてません?!」

メ「じ、自分で言い出しといて」

メイド長「ご安心を、お嬢様。お嬢様が正真正銘の淑女であらせられる事は私が天地天命をかけて保証いたします」

妹嬢「メイド長……!」

メ「つまり裸覗きましたよ宣言とみてよろしいですね」

メイド長「……違います」

妹嬢「何ですか今の間は」
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/22(水) 00:51:40.76 ID:caM9fWPAO
リクエストもらってる(と勝手に解釈してる)いじメイが一向に進められてなくてすみません。
やるやる詐欺になり果ててる気がしますので明日必ず取りかかる事を宣言しときます。
嘘ついたらあやちゃんが濡れ場披露でお茶を濁します。



あや「あれ!? 知らぬ間に人身御供させられてる?!」

め「ご安心を。誰一人期待されていませんので」




明日の定時退社後の飲み会とやらが長引きませんやうに……
中の人の政見放送的な何かでした。
581 :【いじメイ オルタネイティブ】 :2011/06/23(木) 00:27:34.52 ID:ttc7hzys0
前回までのあらすじ。

原因不明の世界移動。これによって主様こと、男は平行世界へと飛ばされた。
そこで待っていたのはBETAと呼ばれる地球外生命体と、人類の生存を賭けた戦争だった。

一度、いや数度の人類の敗北を“経験”し、それを“引き継いだ”状態の彼。
それが現状の男の状態。

彼を利用する本来の肉親。妹嬢。
彼女は彼を理解し、重要なポジションから彼を時に利用し、時にサポートする。

次などないかもしれない。そんな不安の中、経験を元に必死に世界を変えようとする男。
肉体、精神、経験。どれもが引き継いだ状態であり、世界の出来事すら知る彼によって、徐々に世界は変わりつつあった。

前倒しにされる衛士への登用。それにより戦術機と呼ばれる人型の汎用兵器、いわばロボットの操者となる。
めきめきとその実力をチームに見せ、さらに自身の理論を他者へフィードバックすることで人類全体のレベルアップを図る。

同時に、世界を変える根本的な作戦。オルタネイティブW。
そのコアとなる「00ユニット」の完成が望まれる。
その理論の完成は、本来ならばありえなかったものだったが、男の本来の世界では解があると記憶の隅から声がする。

無茶苦茶な話だが、それを信じた妹嬢により元の世界へと干渉を始める男。
果たして、試みはうまくいくのか。
そして、人類はBETAの脅威に勝てるのか……。

「絶対に、勝つんだ。もう、オルタネイティブXは……人類の敗北は見たくねぇ」


これは、あいとゆうきのおとぎばなし。その、リフレイン。

第26話 「再開/再会」

気がつけば平和な町並み。
そこにある、日常。当たり前のように並ぶ町並み。
空気が、匂いが、違う。

帰ってきた。そう、思える。
空を見上げ、傾いた太陽の位置から今が16時を過ぎたあたりだと予測をつける。

「……まるっきり、帰ってこれた訳じゃねぇか」

そんな一学生とはかけ離れた当たり前。それが今の彼をかたどるもの。
故に、ここが故郷だと感じる反面、どこか懐かしさが先行する。
ここは、今は自分のなじみの場所ではないのだ。

「いけね。あんまり時間もないんだっけか」

確か、こちらの世界に滞在できる時間は少ないはず。
この時期ならば、妹に連絡することはそう難しいはずではない。
二年と三年の間。あの頃は彼女とは顔見知り以上、敵対未満だったはずだ。
だから、今頃はうちにおしかけて三人で、何てことがよくあった。

「急がないとな」

駆け足で斜面を下り、我が家を目指す。
どことなく、感覚としては帰宅とは違った趣に、寂しさを感じながら。
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/23(木) 00:28:08.03 ID:ttc7hzys0
「で、来たはいいが……」

ここにきて連絡手段がないことに気づく。
何たる無様。アホか、俺は。
携帯に類するような機器はないし、公衆電話からかけようにもあいつの番号なんざ暗記していない。
かと言って当然のようにあがりこみ、万が一、こちらの自分にでも鉢合わせようものなら……。


「極力干渉はするな、か。あいつが言うんだ。深い意味があってのことだろう」

とにかく、まだあいつが到着していないことを祈り、周辺で待機するしかない。
時間が本格的に差し迫れば別の手段を考える。これでいこう。
15分、きっかりそれだけを使うと決め、彼はふっと気配を殺す。

そうしてみれば意外なほど、この街は静かだ。
そんな中、響くのは我が家からのうるさい声。

「――!!」

「〜〜!!」

その声の片割れ。懐かしく、甘い響き。
あんな馬鹿相手でも、会えなかった時間が主観で何年もあり、胸が締め付けられる。

が、今はその気持ちを抑える。
帰るのは、あっちの世界を救ってからでも、遅くはない。
重く、血を飲み下すように決意し、再び周囲に気を配る。

「……兄さん?」

瞬間、後ろから声をかけられた。




おいおい。一応これでも本物の軍隊で主観で言えば数年以上鍛えたはず。
それをあっさり無視してくるあたり、こいつがいかに化け物だったのか今なら分かる。

「あ、ああ。久しぶり」

「あの、久方ぶりと申されましても昨日もお会いしたばかりで……」

そんな調子で語り始めた妹嬢が、一瞬にして表情を殺す。

「何者ですか、貴方」

「返答次第では、あまりよい結果を得られない事にご留意ください」

首元に当てられた刃物。そういやもっと化け物な人がこいつには付き添ってたっけ。

「待て、待ってくれ。話がしたいんだ。出来ればここじゃない、誰にも邪魔されない場所で」

「……」

信用はしていないだろうその表情が、解答を保留する。
だから、畳み掛ける。

「信じてくれ! 少なくとも、俺は俺だ。偽者だとか、悪意があるとかそういうんじゃない。なぁ、頼むよ」

真っ直ぐ目を見つめ、言葉を紡ぐ。
やがて、俺の首元から凶器が外れ、彼女が背を向けた。

「付いてきてください。なるべく人払いをしたほうがよろしいのですよね」

「……ああ、頼む」

こうして、俺は目的の人物と接触することができた。
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/23(木) 00:29:24.14 ID:ttc7hzys0
「……これ、は。いえ、そんな。しかし……」

これを渡せば分かる。そう言われてあちらの妹嬢に預かった物を手渡した。
渡せば分かる、とだけは言われているがもしそうじゃなかったらどうすればいいのだろうか。
いまさらながらそんな疑問を抱いている自分のダメさに呆れながら、返答を待つ。

「っ! 兄さん! ……なの、ですよね?」

「ああ」

「とにかく早急に事実のみを述べてください。お願いします」

「おう。けどかなり無茶苦茶な話だから、信じられないかもしれないけど……」

「前置きは結構です。いいから話を始めてください、坊ちゃん」

「う……」

何も聞いてないふりをしながら大事なところだけツッコミが飛んでくる。
あっちでもこっちでも、やっぱりこの人は苦手だ。
そんな彼女と、困惑気味の妹に見つめられながら、俺はここまでの出来事を語った。




「って、感じで。……やっぱ信じられない、よな?」

語ること十数分。色々と抜け落ちてる部分はあるが、概要は話した。
何より新理論の数式が、「00ユニット」の完成が必要であることは伝えられたはずだ。

「因果律量子論……」

そんな呟きが漏れたのは意外にもメイド長さんからだった。


「やはり、お嬢様の理論は間違っておられませんでしたか」

どことなく、うちの馬鹿妹よりも嬉しそうな表情がした気がしたのは気のせいか。
ただ、そんな雰囲気を打ち消すように無表情な妹嬢。彼女はしばらく無言のままとなったが、やがて口を開く。

「分かりました。新理論の数式、並びに補足となりえる数式の準備は行いましょう」

「あ、ありがとう! 助かる!!」

その言葉は何よりの収穫だ。これで向こうの世界がまた勝利へ一歩近づいたのだ。


「それで、兄さん……いえ。男さん、後どれくらい、こちらに?」

「たぶん、一時間くらいじゃないかな。ちょっとうろ覚えだけど」

「でしょうね。複数の世界に同時に干渉するなど、何が起こるか未知数ですし……」

どことなく他人行儀な彼女に違和感を覚えながら、話を続ける。

「しかし、確かにどことなく今の貧弱な坊ちゃんとは違い、たくましくなられて」

先ほどの拘束時も、体つきがなどと感心しているメイド長さんはさておくとして。

「……同情しますよ」

そう呟いた妹の表情は寂しげで、

「本来はこちらの人間のはずなのに、今やお客様。あちらに戻るにはこちらに思いを持ちすぎてはいけない、ですか」

それ以上の言葉は噤んでくれたが、実際にそれは俺も感じている部分だ。
だからといって、そのまま全てを忘れるなんて出来ない。
俺にとって、あっちも本当の世界だから。

そんな意思が視線から伝わってしまったのか、彼女はため息をひとつつき、助言を与える。

「ならば、強い意志を持ち、事に当たってください。望むものを勝ち取るために、全力を尽くしてください」

それは、世界の残酷さを彼女なりに伝えたかったのだろう。
時間をも、世界の断りをも越えた……いや、外れてしまったからこその不遇さ。
だからこそ、強く意思を持てと。必ず帰ると近い、行動しろと。
彼女はそう伝えたのだ。
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/23(木) 00:32:44.23 ID:ttc7hzys0
「では三日後には資料をまとめておきましょう。媒体は……そうですね、紙ベースにしましょう。世界間で端末に差異がある可能性は大いにありますので」

「分かった。よろしく頼む」

そうして、俺は新たな希望の種を得ることに成功した。
芽吹きはまだ先。けれど、必ず実る。実らせてみせる。
そう密かに誓った俺に、彼女はもうひとつ、プレゼントを残した。

「……では、男さん。今から私は兄さんを呼び出しますので、少しの間ですがお邪魔虫の相手をお願いできますか?」






「うー、寒。お、主様?」

「よお。久しぶり」

「あ? 何言ってんだこいつ、数分前に出てったくせに。頭の螺子どっかいってんですか」

家の前。待ってるだけでいいと言われたが本当に出てきやがった。
目の前にこいつがいる。それだけで、不意に涙が出そうになった。

「……主様?」

「ん? なんだよ」

「いや、えっと。……なんか、んー……何だ」

「知るかよ」

苦笑しながら、いつもやってたように軽くデコピンを食らわせる。

「あだぁ!? な、なななな、何すんすか!!」

「あ? たかがデコピンくらいでギャーギャーさわぐなよ」

「たかがデコピンはこんなベシ! とかベキ! みたいな音しねぇし! くそ、反撃のぉぉ……セカンドブリットぉ!」

「セカンドはダメフラグだぞ?」

「な、きいてない!? って、かたっ! 何すかこの腹筋6パック! ビリー隊長も真っ青じゃないっすか!!」

「お前が貧弱すぎるだけだっての、ばーか」

「何すか何すか主様のくせにぃ! むきー!!」

ははは。ダメだ。
これ以上いたら、俺、戻れない。

「……なぁ、メイド」

「はい?」

「ちょっと出かけてくるわ。必ず戻る」

「いや、さっきもそう言って出てったような……まぁいいけど」

「んじゃ、な」

それ以上はダメだった。声すら出せない。
出せば、こいつへの想いがあふれそうだったから。
そうして後にしたその場、あとは記憶になんて残ってない。
ぶらぶらと町を見て、空を見上げ、そうして世界が歪むのを待った。









誰もいなくなったその道。
家の前だというのに、彼女は何か、どうしようもなく長い道のりへ彼を送り出したような感覚があった。

「主様……早く帰ってきてくださいよ?」

それは誰に聞こえるでもなく、その場に残り、消えていった。
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/23(木) 00:48:04.15 ID:APBFLGtAO
そしてまさかのsage忘れである。
こういう拙いのになる時は確実にこれが起こるな! 怖いっ!

さておき、久々の更新で前がどこまでだったか確認するとこから開始なあたりお通夜な気がする訳で。
もっともっと展開そのままに端折るとこは端折って先に進めないと……
オルタ知らない人の為に解説しとくとまだ全体の四割もいってません。いやマジで。


とにもかくにも久々に書いてモチベーションがこっちに寄ってきたので引き続き更新してきまする。
それにしても我ながら皮肉なタイトルだ……
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/23(木) 00:51:52.24 ID:APBFLGtAO
め「……ち」

あや「やった! 陵辱シナリオ回避!」

め「日付的には間に合わなかったのでダウトでは」

あや「残念ながら昨日の宣言も零時越えからですのでセーフっす」

め「……ちっ」

あや「露骨な舌打ちと後ろ手がひどい!」

め「いえ、これは決してそういう意味ではなく」

ヴヴヴ……ヴヴ……

め「違います」

あや「隠しきれない陵辱シナリオの片鱗?!」




でもセーフなので回避。……セーフですよね?
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/24(金) 00:33:07.07 ID:VefD8pPAO
メ「どうも。ドラクエで言うフローラな人」

妹嬢「嫌味ですか」

メ「いやいやまさか。幸薄いとかお嬢様(笑)とか思ってないですよ」

妹嬢「くっ、習得呪文やステータスを始め初期ROM的には優位なんですからね!」

メ「その辺りも含めてフローラ属性ですね。パッケージ絵で子供の髪色決まってたあたりまさにハマり役」

妹嬢「ならばアナタはビアンカだとでも!?」

メ「や、私は鳥山絵じゃないんで。強いて言うならヨヨとか」

妹嬢「……まごうことなき悪女ではありますね」







男「お嬢様キャラなはずの妹がいつの間にか俗っぽくゲームの話が出来るようになってた……しにたい」

メイド長「ただのメタ空間です。気にしては負けです」
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/24(金) 00:38:03.74 ID:VefD8pPAO
め「夏は暑いですね」

あや「改めて何ですか」

め「いえ、何も。強いて言うならばこのくそ暑い中、何露出控えてんだろうこの人といった感じで」

あや「嫌いなんすよ、肌出すの」

め「今この時期に開放的にならずにいつなるというんですか」

あや「結婚初夜とか?」

め「あや様結婚しましょう」

あや「そこまでして脱がせたいのか!?」

め「割とそうでもないですが」

あや「誘っておいて!」

め「あや様、あや様。レズ☆ハッピーな展開はめいど、ヒロインなので御勘弁願いたく」

あや「こっちだって願い下げだよ!」

め「あや様はさげ○んですか」

あや「下げだけに反応して出す単語としては最低ランクだよ!?」
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/24(金) 00:41:32.32 ID:VefD8pPAO
男「マッサージねぇ」

メ「たまにはしてやろうかという意気込みを何故ご理解いただけないのか」

男「間違いなく秘孔を突く練習したいだけだろ」

メ「エスパー?」

男「北斗の拳見てすぐだから誰でも分かるわい!」

メ「じゃあ奮発して水着でしますよ」

男「お願いします」

メ「弱い! 煩悩相手だとこの人本当に弱いよ! では遠慮なく」

男「あれ、水着は!?」

メ「DVDでは私の服が水着になってますので是非ご購入を」

男「あざとい?!」
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/24(金) 00:51:39.57 ID:VefD8pPAO
【マッサージそれぞれ】

友「マッサージというか……ストレッチみたいな感じかなぁ」

メ「お前はもう死んでいる」

妹嬢「血流を良くすればいいのでしょう? 例えばこの辺りですとか……」

女「ま、まずはこの衣装に着替えてから、だよっ」

メイド長「……(黙々と)」

妹「やだよ、かったりぃ。……んだよ、やらねぇぞ。うー、どうしてもってんなら千円だからな」

姉「てやぁー! ……あれ? おーい、なんで白目さんなのかな」

母「踏めってか?」

委員長「爺臭い趣味ね、全く。……何してるの? 早く横になりなさい」

冥「もみもみ〜。きもちいい〜?」

冥友A「三万円になりま〜す。あ、お兄さんカッコいいからサービスしちゃおうかな?」

冥友B「ああ、顔は気にしないから。払うものだけ払ってくれれば」

会長「あらあらまぁまぁ。無防備ですね。悪戯してしまいましょうか」

委員長(新)「くす。……すぐ楽にしてあげるわ」










男子「ん、ん……こってるなぁ。ほら、いいから楽にする。何恥ずかしがってんだ。……気持ち良かったら寝てていいから。この頑張り屋さんめ」







何となく最後にヒロイン補正つけてしまった自分が嫌だ。
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/25(土) 01:45:05.69 ID:Dv0lntzAO
め「覆面レスラーが見たいのですが」

あや「プロレスの動画なり観戦行くなりご自由に」

め「もっとお手軽かつ安上がりな方法があるとは思いませんか」

あや「……嫌な予感しかしないんすけど」

め「どうぞ。マスクを装着なさってください」

あや「やっぱりか?! ていうかどう見ても特注モノじゃないすか!」

め「匠のこだわりが細部まで行き届いています」

あや「全然安上がりじゃないよ! 動画のが断然良かったでしょ!」

め「問題ありません。観戦に行くより高くつきましたので」

あや「大問題だよ!?」

め「しかしここまでした以上、あや様もまさか拒否などされませんでしょう」

あや「いや、でもこれはさすがに」

め「あや様……」

あや「上目遣いとかしたって無駄なんすからね!? 騙されたり、なん、か……」

め「……」

あや「……ぐぁぁあああ! ちくしょう、ちくしょー!」

め「おお、装着なされましたか。お似合いですよ。ぷっ」

あや「最後に本音出しやがって!?」
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/25(土) 01:54:14.16 ID:Dv0lntzAO
男「カチューシャ付けるだけで何でこうも可愛く見えるのか」

冥「えへー」

メ「あほっぽく見えるんすけど」

男「可愛いだろ!」

メ「否定はしないんだ。でも親バカ発言をくらっても確かに頷きたくなるレベルではありますね」

男「だろ? うんうん、やっぱり可愛いなぁ」

冥「ママも可愛いよ!」

メ「まぁ私のはユニフォームというか制服というか。ヘッドドレス込みで私なんで」

男「マジ愛してる」

メ「安い愛だよ」

冥「パパも可愛い〜」

男「……罰ゲームだからな」

メ「学生時代ほどの破壊力はないですが今は今で違った破壊力が……ぷーくす」

男「うっせ」

冥「じゃ、みんなで一緒に写真ね! はい、ちーず」

ピロリン

男「ちょ、バ、何写メなんか撮って」

冥「そ〜しん」

男「ぎゃぁぁああああ?!」

メ「悪意がない分、決断力と行動力は私以上ですね。さすがさすが」

男「誰に送った?! すぐに消してもらいなさい!?」

冥「えへー。やだ〜!」

男「のぉぉぉおお!?」








冥友A「うあ、これは……」

冥友B「普通ならあ痛たたたな内容なんだけどね」

冥友A「くそ、何この家族。本当に同じ民族なの」

冥友B「こうまで似合ってちゃねぇ」

冥友A「よし、決めた! これを餌にパパさん強請る!」

冥友B「毎度思うけどなんであんたは毎回発想がエグいかな」
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 00:43:28.23 ID:pDbeTXWgo
おるたきてた
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/27(月) 01:11:52.79 ID:oibfdP8AO
オルタの次回は明日あたりに!
順調に本編に沿ってますがその内にでもオリジナルルートへ……まぁ予定は未定なのですが!


関係ないけどボーナスの時期らしいですが中の人にはほとんど出ないと会社から通達がありました。
……え? って顔したら辞めてもいいよというありがたいお言葉をいただきましたのでもうしばらく踏ん張りたいと思います。
くっ、転職サイトにお世話になるにはまだ早いのに……!


そんな今夜は小話で。
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/06/27(月) 01:20:33.70 ID:oibfdP8AO
め「あや様、あや様」

あや「何でしょう」

め「呼んでみただけです」

あや「何すか、このこそばゆいやり取り」

め「ああ、ほら、愛犬を呼ぶ時に理由は要らないですよね。そういう事です」

あや「畜生扱いかよ!」

め「愛犬と申したではありませんか。畜生とは違います」

あや「めいどさん……」

め「愛玩具です」

あや「ものすごいレッテルを言い切ったな、おい」

め「あや様はめいどが育てましたから」

あや「嘘つけ?!」

め「おやおや? あや様にこうも出番が増えたのはどこのどなたのおかげでしょうね」

あや「……し、自然の成り行きかと」

め「つまり我々の出会いは必然ですか。運命感じちゃいますね」

あや「鼻をほじるアクションしながら言う台詞ではないよね」

め「あや様。身分不相応という単語がありましと」

あや「釣り合ってないときたか!」

め「めいどの相手がつとまるのはご主人くらいなものですので」

あや「いいや! そんな事絶対にないっすよ!」

め「……ではめいどにはどなたが相応しいので?」

あや「それは、だから……」

め「……」

あや「う……そ、そんなの分かる訳ないっすよ! 見つめたって出ないもんは出ないっす!」

め「便秘ですか」

あや「話題が一気に下に?!」
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/27(月) 01:30:42.92 ID:oibfdP8AO
妹子「うぅん」

メ「どうしました。愚娘」

妹子「何その呼びにくいあだ名」

メ「碌な事で悩んでないのが明白だったので」

妹子「はん。私は常に素晴らしい事しか考えないわよ」

メ「世間一般の素晴らしさとかけ離れた人材が何を言うかと思えば。私がツッコミに回る時点でお察しですよ」

妹子「何よ、失礼なやつねー。メイド長さんにいぢめさせてやろうかしら」

メ「自分で来ないあたりゆとりっ子な具合がひどいですね」

妹子「あんた超人属性だから私じゃそれくらいしか出来ないのよ」

メ「しょっぱいのぉ」

妹子「な、ちょ、やめなさいよっ。頭撫でないでってば!」

メ「小生意気なとこは評価しますよ、私は。で、何を悩んでたんすか」

妹子「あんたに言っても仕方ない事よ」

メ「案外いい答えが出るやもですが」

妹子「む……なら聞くけどさ」

メ「はいはい」

妹子「読み手に受ける濡れ場のシチュエーションってどんなのかなぁって」

メ「……」

妹子「……」

メ「夏ですからね。沸きもしますよ、人間だもの」

妹子「やっぱり無駄になったし!」

メ「そりゃそうでしょうがよ! メタいわ、卑猥だわ、媚びるわで最低な悩みじゃないすか!」

妹子「だ、だって出番ないし。こう、エロなら一気に人気と兄くんゲットでウヘヘな展開かなぁって」

メ「いいから頭冷やしてくなさい」

妹子「何よ、自分は出番あるからって! いーっだ。そうやって胡座かいてたらいいわ。すぐ引きずりおろしてやるんだからっ」

すたすた

メ「……うぅむ。何であの人と主様の遺伝子を継いでこんな性格になるのか」←だいたいこいつのせいです
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/28(火) 01:15:07.45 ID:/l7CpuE60
第27話 「イド/私」


「うまくいったようですね」

そんな言葉に振り返れば、物々しい機器の類が並んだ部屋。
見慣れた世界。

「ああ、ちゃんと必要なものは三日後に……」

言いかけた視線の先、ふらりと倒れるイドの姿が見える。

「お、おい! 大丈夫か!」

「前回まで数十秒だったものが今回は数時間、なるほど。さすがと言ったところでしょうか」

「何ぶつぶつやってんだよ! 前もそうだったけど、何でイドがこんな風になってんだ!」

「それで、向こうの私はどのような段取りを?」

「おい!!」

俺の言葉をモノともせず、さっさと自身の用件を推し進めていくこいつに腹が立つ。
確かに世界を救う重要なキーを手に入れてきたんだ。そっちが気になるのはわかるけど……!


「……。そちらのソファに寝かせてください」

諦めたように嘆息しながら、備え付けのそれを指す。
決して寝心地は良くないだろうが、背に腹は変えられない。
抱き上げた小さな身体は驚くほどぐったりしており、顔色蒼白。
まさか息をしてないなんてことは……。

「何で。何で実験のたびにこいつがこんなにボロボロになってんだよ」

「……。まだ理論の回収が終わっていない段階ですが。ええ、そろそろ彼女の力を話す必要があるでしょうね」

「イドの、力?」

「はい。彼女の力はこのオルタネイティヴW完遂に必要不可欠なんです」

そんな重圧がこの小さな肩にかかっているってのか。
いまだ浅い呼吸を繰り返すその姿を見るだけしか出来ない無力さをかみ締めながら、妹の話を聞く。

「そもそも、オルタネイティヴ計画とはBETAとのコミュニケーションを模索するというものでした」

オルタネイティブ計画。その発端は太陽系外から飛来したと思われる惑星間航行技術すら持つ知的生命体との和解、交渉にあった。
それほどの科学力を有する生命体にコミュニケーションをとり、その意思、真意を確かめようとすることは当然の帰結だった。
しかし、作戦は失敗。彼ら――便宜上そう呼ぶ――がそもそも言語を有するのか、それすらもわからぬままに調査は暗礁に乗り上げた。
それを受けて、オルタネイティヴ計画は2へと移行。彼らを捕獲し、その生態を研究・解明することで直接のコミュニケーションを図ろうとするものだった。
この研究のために捕獲されたBETAに対してありとあらゆる方法、思いつく限りの研究がなされた。

だが、結果として分かったことは有り得ないという結果。

彼らは月や火星などでも観測されるほどの適応能力を有しながら、種としての同定するための特徴すら発見できず、
各個体には消化器官や生殖器にあたるものも確認できなかった。
そんなデタラメな数種類の生物が高度な科学技術を持って地球圏に飛来した。
その恐々たる事実のみが明かされたのだ。

そう、天文学的な予算とサンプル確保のために払われた膨大な犠牲によって得られたのは……
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/28(火) 01:15:43.36 ID:/l7CpuE60
「彼らが炭素生命体であるという事実のみ、でした」

そこで一区切りをいれ、不味そうに自身で用意した珈琲を煽る。
顔をしかめたのは味のせいか。それとも自身が口にする人類の危機を思ってか。

「それから計画は第三段階へ移行。我々が向かった先は科学すら越えたものに縋ることでした」

視線の先、少しずつ穏やかになる寝息を立てるイドがいる。
未だ渋面を保ったままのその様子に、俺の中で不安だけが膨らんでいく。

オルタネイティブ3の発端は、彼らが社会を形成し、群生し集団での活動をする以上、そこには思考や意思がある。
――はず、という半ばヤケクソな前提を元にして立てられたプランであった。

そう、オルタネイティブ3とは当時一部の超科学アカデミーを母体に開発された人口ESP発現体を用いた作戦。
BETAの思考をリーディングするというものだったのだ。

「え? じゃあ、心を読もうとしたのか。それってすごいことじゃねぇか。テレパシーとかそういうんだろ?」

「そこまで万能なものは存在しませんよ。漠然とした『画』であったり、『色』であったり。とにかくそんなレベルです」

元来、ソビエトの方面ではそれらの研究が進んでおり、同時にわが国でも一部の研究機関がそれに積極的にかかわっていた。
くだらない話ですが、とは言いながらも妹嬢が話すその口ぶりは、どこかその内情を知っているというもの。
……こいつも、もしかして。

そんな横道にそれた話を戻したのは、衝撃的な言葉。

「元来、発現性の高い個体を優先的に掛け合わせ、より遺伝子的にESP能力に特化した存在を生み出す。ええ、言葉の上では正しいでしょう」

そう話しながら、ますますその顔に浮かぶ苦悩の色は濃くなっていく。

「ですが、我々には時間も、倫理に訴えて足踏みをしている余裕もなかった」

「……おい、それって、まさか」

「ええ。彼女は……イドはそうやって生み出された命のひとつです」

頭を殴られたような衝撃だった。

「彼女は母親に抱かれたこともない。人口子宮の中で育った子供です」

そんな人体実験みたいな、人を人とも思わぬ所業が許されるのか。
反発しかける俺を、彼女は諌めるように視線を飛ばす。
それは、分かりきっていること。倫理も、正論も、人類の滅亡の前には何の意味もない。
俺は、そうした考えから切り捨てたものだって、あるんだ。

浮かぶのは天元山の噴火のこと。
直接助けることのできなかった人たちがいる。
それによって俺たちが足踏みをするわけにはいかないから、と。

だから、俺はこの話を聞いて、憤ることはあっても誰も責められやしないんだ。
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/28(火) 01:16:12.45 ID:/l7CpuE60
「イドは計画末期に開発された『第六世代』と呼ばれる完成系に近い個体群ですが、その中でも特に優秀な発現性を誇りました」

平均を軽く凌駕し、ほぼ鮮明な『画』として捉えられたという。
だからこそ、俺の心の中に描かれた様々なことを彼女は知っていったのだろう。

――たとえば、『あいつ』の意地悪なんかを。

「ただこのリーディング能力には制限がありました。要約すれば読み取る対象には一定以内の距離内でしか発揮できないというものです」

それは、つまり。

「彼女のような大勢の発現体がハイヴ――やつらの巣の、その中枢に連れられました」

「じゃあ、イドも戦場に!?」

「いえ……幸か不幸か、彼女が実戦配備される前に計画は第四段階へ移行しました」

でなければ、生還率数%とのうちに入れていた保障はなかっただろうと淡々とこいつは語る。

「じゃあ、計画は失敗だったのか?」

「いえ。成功はしました。BETAにも思考があることが証明されました。ただ……」

唯一分かった事実は、やつらがこちらを、人間を生命体と認識していないということ。
そして、奴等にとって平和だとか和解といった概念は存在しないであろうということ。
どちらかが滅ぶまで、この戦いは終わらないという事実。それが結果として得られたものだ。
そしてここからだ。計画が第四段階――オルタネイティヴWへ移行した今、どうしてイドが必要不可欠なのか。
その答えをすぐにでも俺は知りたい。

この計画の要は「00ユニット」の完成にある。
彼女はそう切り出す。そして……

「それが全てです。以上」

「……は?」

「彼女の力については説明するつもりでしたが計画の全容を話すとは一言も申していませんが」

「おいおいおいおい!? 何だよそれ、いまさら出し惜しみかよ!」

「ここまでの情報もほとんどが極秘扱いなんですよ。進行中の計画の一端に触れられただけでも感謝してください」

んなこと納得できるか!?
ただでさえ、不安を煽られるような話を続けられたんだ。
ここで希望の答えを、理論の中身を教えてくれたっていいじゃないか。

「貴方は他人の心情よりも、自身の興味が優先なのですね。案外科学者向きではないでしょうか」

そんな憤りに冷や水をかぶせるように、こいつは言い放つ。
視線の先にはイド。

だが、関係ない。俺にとってはイドはイドだし、それ以上でもそれ以下でもない。
確かにまるで心を読んだかのような反応はあったし、実際に心の中を絵にしてくれたこともあった。
ただ、それだけのことだ。

「貴方が私に対して交渉を持ちかけた時。その発言の全てが絵空事ではないと、確証を与えてくれたのは彼女です」

それは……そうだったのか。
いきなり押しかけて、人類を救うだの、それが俺には出来るだの言い放ったっけ。

「私はあの時、貴方を信じたのではありません。イドの言うことを信じたのです」

あの時、こいつは確かに信じるに足る理由があるとは言った。
それが何かとまでは教えてくれなかったが、それがイドだったんだ。
俺がこうしていられるのも、世界の希望に携われているのも、イドのおかげ。

だが、俺はそれに対してどう向き合っているんだろうか。
確かにあいつはあいつだと言い切れる自信はある。けど、本当にそれはイドの望むものか?
無理矢理持たされた力を、その中身を知られるようなこと……。

あくまで当事者の一人として、妹は俺に対して情報をくれたに過ぎない。
決してイドが知られることを望んだわけじゃないんだ。
悩みの答えは見つからぬまま、彼女は話を続ける。
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/28(火) 01:16:51.28 ID:/l7CpuE60
「計画についての全容はさておきましょう。今はイドの話です」

そんな前置きを持って、話は進む。

「彼女の力は一度捉えたイメージを保つことに優れています。けれど、そのイメージを保ち続けるには膨大な精神力を要します」

それは、俺がこの世界へ帰るための命綱。

「だから二人を一緒に生活させて、精神的な繋がりを強くしていたのです」

それで急に同棲生活か。理屈はわかったが、毎度のことながら急すぎるんだよ、やり方が。

「結果として、数十秒が数時間になった。劇的な変化です」

「けど、こいつの負担が軽くなってない。いや、大変になってるんだろ」

「だから何ですか?」

強い視線が俺を捉える。

「これは結果のみが求められるのです。イドに楽をさせて結果が出なければ何の意味もないんですよ」
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/28(火) 01:17:33.16 ID:/l7CpuE60
その通りだとは思う。
ただでさえ、俺達には時間がないんだ。けど、だからって。

「床を見てください」

床? 視線を落とせば一面に散らばるへたくそな絵。

「これ、全て貴方ですよ」

「俺?」

「これが彼女にとって一番効率のいいやり方なのでしょう。可愛いものです。EFP能力に秀でていても絵の才能はないようで」

た、確かに絵については非常にコメントしづらいが。

「私をはじめ、普通は貴方がこの世界から消えた主観から観測できなくなっています。実験中は、彼女のバックアップがあって初めて成り立つのです」

それはつまり俺を見失わずに、機器の調整や細かい判断を下すこと。
もしもこいつが俺を忘れてしまえば俺は帰ってこられないのだ。

「けれどイドはそのバックアップすらなく、貴方を捉え続けているのです。分かりますか? それがどれほどの力を消耗するか」

……そうだったのか。ありがとう……ありがとうな、イド。

「だからこそ、……っ」

「え?」

珍しく、妹のあわてた声と視線に振り向けば、

「……」

「い、イド」

いつから聞いてたんだ、お前。
そう言葉にし、近づこうとする。
それに合わせるかのように、彼女は一歩、一歩と後退していく。

「お、おい。待ってくれ、俺は……」

「……」

「あ! おい!」

脱兎のごとく、とは言ったものか。
急に走り出したイドにどうしていいか分からず立ち尽くす。
そんな俺に、

「レポートは後日でかまいません」

結果を求めたはずのこいつからそんな言葉が出る。

「で、でも」

「生まれはどうあれ、彼女も女の子なんですよ。理論の回収までまだ時間はあるのでしょう? ならば明日は休みにします」

「じゃ、じゃあ」

「時間は自由に使って良し。以上、解散」

早く追いかけなさい。
そう、言葉にせずとも背中を押す視線に、俺は走り出す。
イド、待ってくれ。俺はお前にちゃんと、伝えたいことがあるんだ!


走り出す足は迷わない。
どんな答えになろうとも。伝えたい気持ちを胸に。


――to be continued...
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/28(火) 01:27:18.37 ID:3AycFLdAO
男「という訳でこのチビ兎の正体がハレて明るみに出た訳だ」

メ「原作知ってる人にゃなんら隠せてないっすがね」

イ「……」

男「知らない人もいたからな! 気にするなよ!」

イ「……」コクコク

メ「へ、今更カマトトぶったところで無駄無駄! 出番も貰えずひたすら埋もれていくがいい!」

イ「……」ササッ

男「お。俺を盾にするか。まぁでもこのバカに懐くよりは絶対いいな」

メ「私だってごめんですよ! 第一、こんなキャラが今更何の……」

イ「『主様から離れやがれチビっ子め』」ボソ

男「へ?」

メ「!?」

男「……あー、と」

メ「な、何見てやがるんすか! おらそこ、何妄言吐いてやがるってんですよ、うきゃー!?!!?」

イ「……真っ赤」

男「それは内面か外見か?」

イ「……どっちも」

男「だな」

メ「みぎゃぁぁああああ?!」






イドちゃん、解禁
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 06:30:43.29 ID:NLnlZ23Mo
原作知らなかったからwwktkだぁたよ
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/29(水) 00:40:52.55 ID:PaHOWAIu0
第28話 「イド/貴方」

追いかけて追いかけて。

「待てよ、おい、イド! 待てってば!」

ひょこひょこと逃げる背中を追う。俺とあいつの体力、体格の差なら捕まえるのはすぐだろう。
そう踏んでいたが、この兎めはなかなかに賢しかった。

「な!? お、おま、エレベーターとは卑怯な!?」

このエリアは元々セキュリティが高く設定されている区画であり、地下だ。
であればそのエレベーターにて距離を離されれば……

「くそ、次のが来るの遅ぇんだよ、これ……!」

あっさりと差をつけられる結果となった。




「イド! どこだ、イド!」

基地内上層部。思い当たる場所を片っ端からあたっていく。
食堂に差し掛かった時も、そこにあいつがいるような気がしたからだ。
けれど、代わりに出会うったのは、

「どうしたの? えらく慌ててさ」

「友か。なぁ、イド見なかったか?」

「何? 喧嘩でもした? ダメじゃんか、大事にしてあげなきゃ」

にやにやとした笑いが返ってくるが無視。
そこに引き寄せられるように集まるいつもの面子たち。

「な、なにかあったのかな? イドちゃんがよにげさん?」

「差し出がましいようだけれど、よくないわよ。そういうの」

「どういうのだよ!? ていうかお前ら勘違いしすぎだ! 別に何でもないっての!」

いいんちょや女さんもからかい半分でそんな事を言ってくる。
割と本気で探してるってのに、こいつらときたら……。

「どーせあんたが嫌がるあの子に無理矢理何かしたんでしょ」

「……。な、訳ねぇだろ」

「変な間! 怪しい!!」

妹ちゃんのからかいも、遠からずあたっているのではないか。
そう、一瞬だけ感じてしまう。
あいつが本当は知られたくないままにしたかった過去を俺は知ってしまった。
それはあいつにとって、逃げ出すほどにいやな事だったのかもしれない。
あいつを傷つけたかもしれないんだ。
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/29(水) 00:41:28.94 ID:PaHOWAIu0

「それで? 彼女を探しているのよね。皆、見てない?」

どことなく雰囲気を察してくれたのか、いいんちょが皆に声をかけてくれる。
こういうとき、こいつの聡明さが救いだ。

「みてない、かも」

「同じく」

「僕もだね」

「そっか。ありがとな」

皆のことも避けているのだろうか。
ここにいないとなるとほとんどお手上げ状態なんだが。

「にしても、彼女が居ないと結構寂しいもんだね」

「そ、そだね。何だかんだで、いろいろ、その。おもしろかった、し」

「そうね。だから早く見つけてあげなさいよ、旦那さん」

「だぁから! そういうんじゃないっつーのに!!」

けど、良かった。
こいつらが、そんな風に思っててくれたんだ。
人以上に人の心が分かるあいつの周りに、こいつらが居てよかった。
それだけは、確かに感じられることだ。
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/29(水) 00:42:29.77 ID:PaHOWAIu0
結局、それからしばらく探し回ってもあいつを見つけることはできなかった。
無駄かもしれないが、安心しろ、とか怒ってないぞ、とか。
とにかく何でもいいから安心させるようなことを考えまくってみる。
そうすれば俺の思考を読み取って案外ひょっこり……。

「あ。距離に制限とかあんだっけ。……何やってんだ俺」

でも一度捉えた対象はトレースしやすいって言ってたっけ。
無駄じゃないかもしれないんだ。続けてみよう。
色々、話とかしたいんだよ。
たとえばさ……お前、メイドのこと、知ってるんだろ?
俺、最近あっちの世界にいくまでは“あいつ”のことなんて意識から飛んでてさ。
だからお前がしてくれた“あいつみたいなこと”ってのは、俺から引き出せないはずなんだよ。

「……なら、お前はどこから“あいつ”のことを」

もしお前が俺の記憶の、忘れちまってる部分まで引き出せるなら教えてほしい。
あっちの世界のこと。前の、失敗しちまった世界のこと。
そして“あいつ”のことを。

何出だろうな。イド、お前のことを考えると一緒にメイドのことまで浮かぶんだ。
お前と、あいつが重なるのは何でなんだ。
俺があいつのイメージをお前に押し付けてるのか?




『主様にはわからない!!』

それはいつかの失敗した世界で、脳髄の入ったシリンダーにしがみつきながらイドが放った言葉。
この基地を捨てなくちゃいけなくなって、それで全てを放棄しないといけないそのときに。
あいつは何よりも、それを護りたいと意地になって。
そうして俺にそう言ったんだ。あいつしかそう呼ばないはずの、俺の呼び方を。



今の世界になってから、そんな言葉を言われたことはない。
もしかしたら、そんな思い過ごしなのかもしれない。
けど、それでも。これが偶然じゃないとしたら……。

頼むよ、イド。
俺、お前と、話がしたいよ。
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/29(水) 00:43:33.89 ID:PaHOWAIu0
ゆさゆさ。

……ん……

ゆさゆさ。

……ん……んん!?

がばっ

「イド!?」

「……!」

跳ね起きた俺に、驚きの顔を見せるのは間違いなくイドだ。

「戻ってきて、くれたのか?」

「……」

「そっか、ありがとう」

「……ごめんなさい」

「いいよ。俺こそ、色々ごめん」

「いえ。……届いていました」

「そっか。じゃあ、俺が今何考えてるか分かるか?」

おかえり。

「……はい」

「うん。それでさ、隠し事はできないから正直に言えば、色々話したいことはある。けど今はいい」

「……ごめんなさい」

「いいよ。さっきも言ったけど、ごめんな……俺……」

「……わかっています」

「そっか。……ありがと」

「どういたしまして」

まだどこか戸惑いながら、けど、しっかりと。
こいつが帰ってきてくれたことに、俺は感謝した。

「しかし、腹減ったな」

「もうお昼です」

「何!? え、だって俺、うぇ!?」

よ、良かったぁ。特殊実験の、そのまた休暇だからいいようなものの。
鬼教官の顔を思い出して若干身震いする。
やっぱ分かりにくいだけで実験とかで疲れてんのかなぁ……

「そうです」

「ぬぉ!? って、そうか」

うん、そうだったよな。お前には伝わるんだった。

「俺もお前ほどじゃないにしろ疲れてたんだな……よし、お互い回復……したよな?」

「はい」

「なら、そっこーで飯だ飯。たらふく食うぞー」

「はい」
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/29(水) 00:44:26.59 ID:PaHOWAIu0
そうしてやってきたPXは誰も居ない。それもそうか。
昼も過ぎたこんな時間に訓練もせずうろついている奴がいればよっぽどのお偉いさんかそれこそ俺みたいな奴だけだろう。

「うっし、んじゃあイドはそこで待ってろ。今日は俺が取ってきてやるからな」

「あ……」

「そこで何で悲しそうな顔になる。いいだろ、今日は特別なんだよ」

「どうして、優しくするんですか」

「普段俺が優しくないみたいな発言だがあえてスルーしとこう。ま、人間ってのは単純なんだ」

侘びとか感謝とか、とにかく俺みたいな単純なやつはこういう返し方しか知らない。
それは特別なことで長続きしないけど、でも今だからこそしたいって思うことなんだ。

「よく、分かりません」

「それでいいよ。人間なんてわかんないもんだ。ただ仕方ないなぁと思って付き合ってやってくれな」

「……やっぱり、よく分かりません」

「とにかくお前は待ってること。俺がそうしたいんだ」

「………はい」

納得はしてないだろうこいつの元に、二人分の合成竜田揚げ定食を運んでやる。
くじら風味だそうだが結局あのモサモサ感じゃどれも変わらないんだろうけど。

「食えるだけマシ、ってとこか。ほれ、いただきます、だ」

「いただきます……」

そう言ってわざわざ竜田揚げをほぐした後、俺のほうに差し出してくる。

「……それは、その。うん、誰もいないけどやめとこうか」

「嫌、ですか」

「嫌とかじゃなくて、ただその、地味な意地悪にしか思えないというか」

「……」

たださ、それはお前の役目じゃないんだ。
お前があいつとどういう関係か知らないけど、お前がそうある必要はないんだ。
あと俺の精神衛生上、できればやってほしくないし。
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/29(水) 00:52:41.22 ID:PaHOWAIu0
それに、たぶんさ。
それをされて嬉しいというか、いやマゾじゃないんで嫌なんだけど。
でも、きっと。


それはあいつじゃなきゃ、ダメなんだ。
俺の好きなのは、メイドだから。


だから、お前のそれを受け取ることも出来ないし、資格もないよ。

「さ、俺はいいからさっさと食っちまおうぜ。さめないうちにさ」

そうして始まる食事。
何となく、気まずい。
別にそういう意味で断ったつもりはなかったんだけど、どうにも尾を引いてるというか……。
ええい、今日は外も暖かそうだし、いっちょ二人きりなのを利用して、

「デート?」

「ぶほ!?」

むせる! むせちゃう!!

「く。俺はそこまで考えてねぇよ! 意訳はいいけど飛躍しすぎだぞ!? ま、まぁだいたいそうだけど」

「……」

ああもう、無言で頬を赤らめるな!

「とはいえ、この辺で出来ることなんてたかが知れてるしなぁ。あ、そうだ」

俺はたまたまその辺で見つけた紐を一本ちょうだいする。
たぶん、献立表とかをつるしてるやつだが……ま、おばちゃんには後で謝っておけばいいか。

「ほれ、いくぞ。あやとりだ」

「……」

こくり、と頷き二人連れ立って屋上へと出かけるのだった。


―― to be conteinued...
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/29(水) 01:39:00.82 ID:763AJGWAO
メ「まさかの夜の連続テレビ小説。謎の頑張り!」

男「テレビでも小説でもないし謎って言ってやるなよ」

メ「だってだって。あ、もしかして失業フラグ?」

男「リアルにやめてやってください」

メ「ま、可愛すぎる私に対して主様が劣情を催してしまうのは必然ですが、そんな台詞やら文章書いた仕返しみたいなもんです」

男「劣情言うな」

メ「しかしロリコーン伯爵たる主様には兎娘とイチャイチャな次の話が待ってる訳ですね。嫌だわけがらわしいっ」

男「お前ね……」

キュ

男「ん?」

イ「……」

男「どした?」

イ「ものすごく、嬉しい気持ちがいっぱいになってます」

メ「な、ちょ、ば!?」

イ「……羨ましいです」

男「ははは。羨ましがってやってくれ。それが一番効くから」

メ「そういう桃色っぽいキャラに私を持ってくのやめてくださいよ!? いやー?!」

イ「真っ赤です」

男「真っ赤だなぁ」
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 22:54:40.17 ID:tNQTu5NSO
オルタの元ネタ分からないの、自分だけじゃないことに安心した
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/30(木) 00:53:27.23 ID:KedpS9780
第29話 「イド/二人」


「かーっ。やっぱいいな、外だよ、外」

当たり前のことを大げさに言ってみる。
場所は屋上。二人連れ立って来てみたにしてはどうにも味気ないか。

「初めてか、屋上」

「はい」

けれど、どことなく悪くないって感じがする。
気のせいなら気のせいでかまわないけど。

「普段、地下ばっかだからなお前。たまには太陽あびないともやしになるぞ、もやし」

「……嫌です」

「なら時々はこうやって来ような。そして、今日のメインディッシュはこいつだ!」

ばばーんと効果音が響きそうなアクションで取り出したるは紐。

「こいつであやとりタイムだ。分かるか? あやとり」

「……?」

「どっこいせ、と。ほらお前もこっち座ってさ。これ、お前の分な」

不思議そうに首をかしげるだけのイドにもう一組分の紐を作って渡す。
少し短いかと思ったものの、イドの小さな手にはちょうどのサイズだ。

「いいか? 俺の通りに真似てみ。まずはこう、ここを……」

「……」

「そうそう、で、次は」

二人して屋上にべったりと座り込んであやとり。
色気もくそもあったもんじゃないが、それでも結構白熱してくるもんで。

「よし、次はテクニックがいるとこだぞ? よーく見てろな」

「……」

「ここをこうして、こう……ほれ!」

ババーンと完成させたるは東京タワー。
つっても、この世界にはそんなものがなかったっけ。
でも紐が作り出す幾何学的な模様は、それなりにイドの興味を引いたようだ。

「次はイドの番だ。やってみ」

「……」

「ああ、惜しい! そこは中指を動かして……」

「……うー」

「あちゃ。ま、まぁそう気を落とすなよ? 俺なんて前の世界じゃ一番の下手っぴだったんだからさ」

この世界では娯楽がかなり限られるからな。
前の時の世界。こっち側での失敗した時の時間軸ではそりゃもうみんなにいじめられたもんだ。

「だからガンガン練習して、ばっちりにしとこうぜ。んで、あいつらに見せ付けるんだ!」

「……」

こくり、とうなずくちびっこ兎。
小さな手は真っ白で単色の紐とのコントラストは、きっと他のやつがやるより栄えるだろう。
こうやって、ひとつずつ、こいつと思い出を作っていこう。
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/30(木) 00:54:22.88 ID:KedpS9780
「んでさ。全部、うまくいくようにしような」

「……はい」

「あと少しだから。実験、大変だけどさ。後は回収するだけなとこまで来たんだ」

「……」

「一緒に、頑張ろうな」

「はい」

「っと、やるじゃねぇか。センスいいぞ、イド」

彼女の手の中に咲いた、小さな花の形。
まだ少し歪だけど、それでもしっかりとそこにある。
俺達はこれくらいでいいんだ。不器用でも、不細工でも。結果を作っていこう。

「……」

「何だ? 嬉しすぎて言葉が出ないか? なんて」

「はい」

む、何だろう。こう、素直に反応されると意外と恥ずかしい台詞言ってることに気づいてしまう。
でも、ほんのりとでも、こいつの嬉しそうな顔が見れたのは大きな収穫だ。

「よし、もう1回だ。今度は最初から自分で全部やってみ」

「……」

「そんな悲しそうな顔すんなよ。大丈夫、崩しても練習すりゃすぐ出来るようになる。それに新しい形だって作れるんだから」

「あ……」

「だから、覚えていこうぜ。ひとつひとつ、さ」

そうやって思い出も、一緒に。
はい、と小さく頷く兎娘とその後しばらく、あやとり教室を楽しむのだった。
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/30(木) 00:55:20.42 ID:KedpS9780
「はぁ、はぁ……」

「おいおい。大丈夫か? たったこれだけの丘を登っただけで息切れとは。本格的に運動不足だな、イド〜」

「……」

お、拗ねてる拗ねてる。
でもダメだぞー。本当に。運動しなきゃ身体なんてすぐ訛っちまうんだからな。
というか、飯ばっか食って運動しないと……。

「……!」

ふるふると首をふるイド。
おお、通じたか。俺がイメージしたぷくぷくしたイドが。

「……っ」

「お? 息切れはどうした?」

「し、てませ……」

「我慢はよくないぞー」

「し、して……はぁ、はぁ」

「そうそう、それでいいんだって。息切れ我慢したとこで運動不足が解消されるわけじゃないしな」

ぽんぽんと頭を撫でながら、訓練校の裏からの風景を見渡す。
そこは廃墟と化した町並みが映るばかりだ。けれど思い返せば、そこは俺の町がある。

「見えるか、イド」

それは最近、あっちの世界で見てきた風景。
心の中に描いたそれを、見せてやる。

「……はい」

「お前にも、この風景があるところへ連れて行ってやりたい……んだけど、な」

歩く機密事項なこいつを連れまわすことなんて不可能なことだろう。
こいつからしてみれば、今こうして歩き回る風景だけでも物珍しいくらいだろう。
それに、あの風景は……きっと、どんなに似せてもここには築けない。
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/30(木) 00:56:06.20 ID:KedpS9780
「ごめんな」

「いえ」

「けどさ。俺の知ってる風景の場所へ連れてくことはできなくても」

この世界に平和が訪れれば、きっと。
それは当たり前のものとしてこいつの前に現れるはずなんだ。

「だから、うん」

「言いたいこと、あるんですね」

「……そうだな」

「言って……ください」

「俺、この街が好きなんだ。“あいつ”と一緒に作ってきた日常があった、さ」

そこでは笑って、怒って、だいたい迷惑ばっかかけられて。
そんな中で泣いたり、困ったりもしたけど。思い返せば、全部かけがえのないものなんだ。
だから、あの時。

「『元の世界』……戻れたとき、うれしかったんだ。思い出しちまったんだよ、色々」

それまでぼやけていた日常が、戦場ばかりを経験した俺だから、忘れかけていたそれを。
ただでさえ、世界を移動するたびに記憶が抜けたり、欠けたりしてきてる。
最初、この世界にきたときなんて初めてのことばかりだと勝手に思い込んでたくらいだし。
途中で思い出したからいいけど、もしそうじゃなきゃ、また前の世界の繰り返しだったろう。

「それでさ、俺、忘れてた……のとは、違うのかもしれない。思い出したってのとはちょっと違うから」

けど、何となく。この胸に、“あいつ”を大事な気持ちで迎えた気持ちがあるんだ。
お互い、意地っ張りだしそんなつもりなんてなかったはずなのに。気づいたら誰より相手が大事になって。
それを阻むいろんな障害があったし、気持ちが揺れ動くことも、なかったわけじゃない。
けど。それでも……あいつの唇の柔らかさも、肌のなめらかさも、身体のぬくもりも全部思い出したんだ。
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/30(木) 00:56:59.94 ID:KedpS9780
「『元の世界』で俺、妹にさ。願いを実現することを強く思えって言われたんだ。それを実現するために行動しろ、って」

「……」

「俺の意思は世界さえも変えられるんだから、その責任の重大さも自覚しろとも、言外に言われた」

「……」

「なぁ。イドは何がしたい?」

「何……ですか」

「そう。何がしたい?」

「……BETAの思考を読んで……いえ、まずは実験を成功させて」

「それは違うだろ。誰かに決められたことじゃなくて、お前が、自分がやりたいこと」

「……」

「俺は『この世界』を救って、『元の世界』に帰る」

「……帰る?」

「ああ。俺は俺にしかできない、やるべきことを全部果たして、そうするつもりだ」

そう。最初は帰還すら可能性がないと諦めていたはずだった。
『この世界』を救いたいって気持ちにも嘘はない。
『元の世界』を実験で経験した今でも、その気持ちは変わらない。むしろ強くなったくらいだ。
隊のみんなや、『この世界』に生きるみんなを放っていけやしない。
それだけ、大事なんだ、ここが。

「けど、やっぱさ。俺の居場所は、あっちなんだ」

「馬鹿なやつだけどさ。ず〜っと近くにいたヤツがいないのは……やっぱ、寂しくてさ」

あいつと一緒に歩んだ記憶を思い出したから。
だからもう、あいつが隣にいないのは……ダメなんだ。

「他のみんなはいるし、お前も居てくれる」

けど……メイドが。あいつが隣にいないのは……辛いんだ。

「……ずっと、一緒だったんですか」

「いや、数年くらいだ。主観時間で言えばお前との付き合いのが長いくらいだ」

でも。あいつと過ごした時間は俺の人生の中で何より大事なものだ。

「大切、なんですね」

「そこにいて当たり前のやつがいないのはさ。自分の半分がないみたいに物足りなくて、な」

「……」

「『前のこの世界』から来てからしばらくはあいつのこと、思い出せてなかった俺が言うのもなんだけど」

今はもう、ダメなんだ。
あいつとの何気ない、馬鹿みたいなやり取りが。
いろんな障害に阻まれて、やっとあいつの大切さに気づいたときとか。
ずっと一緒に居たいって伝えた時のこととか。
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/30(木) 00:57:30.75 ID:KedpS9780
「思い出」

「うん……思い出だ」

「思い出……どんな感じですか」

「え?」

「思い出、知らないです」

軍事機密だから。
誰とも会えなかったから。
話すことすら、許されなかった存在だから。

「それに、私は怖がられています」

きっと、それは難しいことで。人でありながら、人を超えている力。
人の心を除き見てしまう。そんな力。
彼女が話を許されたのは、その部分を知る人間ばかり。
だから、彼女は知ってしまう。自分がどれだけ恐ろしがられているかを。

「それは、他の妹達からも、そうでした」

暗く、冷たいイメージ。
それが彼女の感じてきたもの。
だから、恐れた。俺に知られることで、またそうした目で見られるのではないかと。

「けど、俺も妹も、違うよな」

「あの人は『自身にとって益か不利益か』でしか見ていません」

「あー……わかった。あいつは一旦さておく。けど、俺は違うだろ」

「はい……不思議です。何故、怖くないのですか」

「うぅん。理屈とかじゃねぇんだけどな。俺だって、すごいもんだぞ?」

「特殊な、力」

「おう。それも世界スケールだ。で、お前は俺が怖いか?」

「いいえ」

「なら、それと同じだ。俺はお前が戻ってきてほしくて、ずっと探し回ってたんだぞ」

「知ってます」

「ま、まぁ最終的に寝てたのはおいておくぞ。んで、お前のことを怖がったやつは心にやましいとこがあったんだよ」

「……」

「そう思ってさ。許してやれ」

「あなたはどうして平気なんですか」

「んー、本当に思ってることが伝っちまうのは仕方ないことだ。で、それで誤解が生まれたらその都度、説明すりゃいい」

元々、心が『見えてる』ならそれも簡単なことなはずだ。
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/06/30(木) 00:58:18.49 ID:KedpS9780
「それだけのことだと思ってるから、かな。要は単純なんだよ」

「……」

「普段の俺はどうだ?」

「いつも見ているわけではありません」

「そうなのか?」

「話すより『見る』方が楽だなんて、思わないでください」

「……すまん、悪かった」

「でも」

そう呟いて。

「あなたは、楽しいです」

そうして真っ直ぐにこちらを見つめる瞳は、真摯で。

「そっか。なら、良かった。なぁ、イド。今日のこと、忘れんな」

あやとりしたこと。
二人で飯くったこと。
辛い過去の話をしたこと。

楽しかったこと、悲しかったこと。
全部、全部忘れるな。

「……」

「それが『思い出』になるんだ。お前、さっき思い出がないっていったけどさ。そんなこと、ないぞ」

ここまで二人で過ごしたこと。
隊のみんなのこと。食堂や、地下のこと。
全部全部、お前にとっての思い出になっていくんだ。

「……はい」

「んで、楽しい思い出はなるべくたくさん作ってこうな。俺、手伝うから」

無理くり、馬鹿妹から休みをもぎ取ってやる。
そんで、今日みたいな日をたくさん作ってやろう。

「……私」

「ん?」

「この景色……ずっと忘れません」

「そうか」

「この景色を見ながら、お話したこと、もっと忘れません」

「俺も忘れない。それが、思い出だ」

「……はい。私には……思い出が、あるんですね」

そうして廃墟を、その街を見つめる背中はいつもより、少し大きく見えた。
陽も落ち、冷えてきたその場を後にし、俺達が食堂に戻るまでの少しの間。
俺達はその思い出をしっかりと胸に刻み込むのだった。



―― to be conteinued...
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/30(木) 01:10:23.22 ID:OPuaw5/AO
メ「中の人、もうすぐしぬんじゃね?」

男「ただ更新しただけでこの言われよう。普段の取り組み具合がよく分かるよな」

メ「毎度の誰得な会話ばかり書かれても困るんすよ」

男「今の発言で六割近いキャラが目そらしたぞ」

メ「悔しかったら主役はってみやがれってやつですね!」

男「お前、別に主役じゃないだろ」

メ「……はぅあ!? や、やっぱり時には可愛いメイドさんの日常風景挟んだりしてみませんか?」

男「お前は本当に欲望に素直だな」








オルタはいいゲームですよ。
こんな拙い内容からは想像出来ないくらい本編は面白いので是非是非。
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/01(金) 01:09:45.33 ID:8wUx0dKZ0
第30話 「不穏の足音」

そして、PX。
いつも通りに集まった面子は、雰囲気の変わった俺達の話題ばかりだ。

「雨降って地、固まるか」

「何なにー? いきなり急接近じゃんか。恐ろしいねぇ、このロリコンやろう!」

「あうあう、そ、そうなの? 男くん」

「ちげーよ! おい、イドも何か言え!」

「ろりこんなのですか」

「違うっつってんだろ!?」

結局、戻ってみればこの馬鹿騒ぎ。
こいつらに落ち着きというものはないのだろうか。

「それで。あーん、はなくなっちゃってるんだ。残念だねぇ」」

「そうね、今日は自分で食べているのみたいね」

「おいおい、イド。こいつらお前が一人じゃ飯も食えない奴だとかいってるぞー。何かいってやれ」

「それはどっちかっつーと昨日までのあんただろーが」

「い、今の委員長さんの台詞は、男くん、むけの、ような」

「ぐ、ぐぬぬ……何だこの包囲網」

「でも、拍子抜けするくらいあっさりと仲直りしたのね」

「そ、そだね。なんだか、すごい、仲良しさん?」

「やっぱり雨ふってってやつね! いやー、かなわないわね、本当!」

「ま、男はロリコンだから実力行使で手篭……ぐぶ!?」

あ、友のやつ、珍しくいじめられてる。
こいつ自分がいじられるの苦手なくせに珍しく身体張りやがって。
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/01(金) 01:10:21.53 ID:8wUx0dKZ0
「イドー。こういう下世話な話題ばっかしてる奴らはほっといて俺達は飯でも食おうぜー」

「はい」

おー、言うね言うね。
くくく、まさかの援護射撃にやつらも豆鉄砲くらったような顔になってやがるぜ。

「おい、男」

と、そんな和気藹々の空気に突き刺さるような絶対零度の声。
そんなもんを遠慮なく発せられる人を、俺は一人しか知らない。

「あ、はい。メイドちょ……げふん。教官殿」

「何か聞こえたが?」

「気のせいであります!」

あぶねぇあぶねぇ。元の世界に戻って出会ったこともあってついついいつもの呼び方が出そうになる。
これで何度痛い目にあったことか。精神的にも肉体的にも。

「全くお前という奴は……召集令が出ている。この後、司令のもとへ出頭するように」

「了解であります!」

「よろしい。では食事を続けるように」

ふぃー。あっぶね。
しかし、こうやってうまくいった以上、報告は当然必要だな。
そう、イドと仲直りできた今、次の希望へ向けて動かなけりゃいけないんだ。

「……仲直り、ですか」

「そう。仲直り。これも一人じゃできねぇんだぞ?」

なんてな。
ぽんぽんと頭を撫でてやれば、うつむいて恥ずかしそうにする姿。
娘みたいな感じでいじらしいじゃないか。うんうん、やっぱお前は普通に女の子してなきゃな。


その後、そんな俺に対して何故か女集がえらい突っかかってきやがるが、それはまた別の話だった。
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/01(金) 01:10:52.06 ID:8wUx0dKZ0
「もう一人の貴方が『元の世界』にいた?」

「ああ。って、それがどうかしたのか?」

場所は変わって司令室。という名の研究所兼、こいつの私室。
相変わらず整頓は行き届いているものの、膨大な資料が結局雑多な印象を与えている。
そんな息苦しい空間の中、話は進んでいく。

「いえ。無意味に干渉などはされていないのですよね?」

「あれだけ釘を刺されてたんだ。当然、接触はしてねぇよ」

まぁ、メイドとは会ってきたけど。
……それくらいはいいよな。だ、大丈夫だよな?

「貴方の考えくらいは読めますよ。無論、全く問題ないとは言いませんが、許容範囲でしょう」

そうこいつは結論づける。
その程度は『元の世界』の確立分岐とやらに含まれていてもおかしくないとか言い出したがよくわからん。

「それにしても、もう一人が居た、ですか」

「そうなんだよ。今までは一体化してたみたいなのに今回は急にだ」

何でだ? と視線で問えば、知りませんの一言。

「私だって余裕があればこの命題に注力したいくらいですがね。今はそれよりも優先すべき事態があります」

そうだった。
本来なら、俺が元の世界に戻った時、居場所がないんじゃないか、とか何で記憶が断片的によみがえったのか、とか。
聞きたいことは山ほどある。
けど、今はそのときじゃない。こいつだって、この世界が救えたときは協力はしてくれるだろう。
興味本位かもしれないが、それで十分だ。何たって、俺の妹様は世界一だから。

「……何を自慢げにされているかは知りませんが、次までに課題を与えておきますから必ずクリアしてくださいね」

「課題?」

「ええ。前回の実験は出力でごまかしている部分が大きく、その結果が……ああ、そこは置いておきましょう」

む。こいつ俺が理解放棄するのを見越しやがった。

「貴方に必要なのは、『元の世界』の貴方との共通の強い認識を持っていただくことですね」

「何だそりゃ」

「要は向こうの貴方が大事だと思っていることを強く思ってくだされば結構です。『元の世界』に帰りたい、なんてものでなくね」

「それは、つまり」

「ああ、今結論を出していただかなくて結構です。後二日ですか、その間にこちらも装置の改造などがありますので」

「……。了解、よろしく頼む」

大事な課題をもらって、俺は次の実験に備えるべく部屋に引き返す。
次の実験、何が何でも成功させてやる。
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/01(金) 01:11:19.99 ID:8wUx0dKZ0
翌朝。
委員長と女さんに囲まれての朝飯。

「あ、れ? 男くん?」

「おう。俺だぞ。って何だよ、不思議そうな目でこっち見て」

「イドちゃん、居ないみたいだから」

「ああ、別々に食ってるだけだよ。たまにゃそういう日もあるわな」

ま、本当はあいつの朝のおつとめに付き合えないだけなんだけど。
やっぱり朝から脳みそ部屋で飯を食う元気は俺にはないので。

「で、いいんちょ姉妹はどうしたよ」

「ん、えと……えへへ」

「ふふ」

「んだよ、気持ち悪いな。さっさと吐け、吐いちまえ」

「じつ、は。昨日ね、ペアでの模擬戦、勝っちゃって」

「朝から特訓だそうよ。貴方の居ない間に私達も十分レベルアップに励んでいるわ」

「そうかそうか、だったら俺も負けて……」

と、そんな俺の耳に入るニュースの声。

『――火山活動の活発化に伴い――昨夜未明、帝国陸軍―――不法帰還者の救出――――無事、終了しており――』

……天元山のことか。
それは、あの土地に住まう人たちが不法に土地に帰還していた事件だ。
本来は俺達がその救助――という名目の強制手的な退去――をするはずだった。
でも、自分の生まれた土地にいたいと言う人たちに、委員長は同意して、話はややこしい方向へ向かうことになる。
結局、火山は本格的に活動して、そのせいで俺と委員長は訓練用とはいえ戦術機を無駄にし、営倉入り。
数日を無駄にしちまうことになるんだ。
だから、俺はあらかじめ妹に頼んで手を回してもらってたんだが……。

『――内務省からは放置も已む無しとの声がありましたが、帝国側からの『国民の生命』は財産――――救助が行われ――』

そっか。あの土地にいた婆さんをはじめ、いろんな人は助かって……。

「……馬鹿みたい」

そんな俺に、冷たい声が飛ぶ。

「ニヤニヤして。まさかとは思うけれど、貴方はこれが真実だなんて思っていないわよね」

「……」

言い返したい気持ちも、こいつの言い分を理解している部分も、俺はあるんだ。
けど、違う。ここで言い争っても仕方ない。それは前の世界を知る俺だからこその視点だ。
それをこいつに押し付けるわけにはいかない。

「……悪かった。けど、俺もお前も帝国の人間じゃない。国連軍の兵士だ。住民の願いも大事だが、まずはこの戦いに……」

「貴方もそんな言い方するのね。……人を救えない力なんて、そんなものは何の意味もないわよ」

「だからそういう精神論だとかきれいごとは」

「綺麗事? その程度の志もなく力を振るえと貴方は言うの?」

「だから志は必要だけど……」

「そんなものは無意味よ」

「っ、無意味なもんかよ! じゃあ何か、民間人の言い分を優先した結果、作戦が失敗しようが人類が滅亡しようがかまわないって言うのかよ!!」

つい、売り言葉に買い言葉とばかりに食ってかかっちまう。
けど、その言葉に反応したのはいいんちょじゃなくて。
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/01(金) 01:11:47.13 ID:8wUx0dKZ0
ガシャン。

「「―――!?」」

「…………」

「と、ともくん? だいじょうぶ?」

「友?」

「……っ!」

「ともさん!」

「何だよ、あいつ。床くらい掃除していけよ……」

「男。これは私が片付けるわ。貴方は彼を追ってあげて」

「え?」

「悪かったわ。貴方にこんなこと言うつもりじゃなかった。結果的に周りに不快な思いをさせただけね」

「ふ、ふかいなんて、私、そんな」

何となく、熱が引いていく。
こいつも悪気はないんだろう。譲れない部分があるだけで、俺もいいんちょも向かう場所は同じなんだ。
だから、こうやって気遣ってくれた以上、俺は俺の気遣いを見せなきゃいけない。

「だったら野郎の俺が行くより、お前が行くほうがいいだろ。慰めてやってくれよ」

「……他意がないのを信じるわよ、その発言。分かったわ、それじゃあここ、お願いね」

「ああ、任せとけ」

そうして朝の場は解散となった。
結局、気まずい空気が完全に払拭されることはなかったけれど。







そんな食堂からの帰り道。
たまたま目の前を通り過ぎる友。
何となく早足で歩いていくその姿は、まだいつものあいつより硬い印象があった。

「あいつ、まだ何か引きずってんのか? 意外と根に持つやつだな」

メンタルが弱いのはまずいぞ、と勝手に思いながらあいつが向かった先に俺も行こうとして、

「あれ? これって今あいつが落としてったもんかな」

一枚の封筒を見つける。
しかし、何か変だ。……これ、切手とか検閲の印とかしてないよな。
ああ、これから出すのか、と勝手に納得しながらあいつの部屋に向かうことにする。

道中、何となしに見てみれば達筆ながら柔らかい字体がそこには並んでいる。

「『友女』さんか。ふうん、何だよあいつ、隅に置けねぇな」

どうやら奴さん、いつの間にやら文通する相手などをこさえてやがったらしい。
これはひとつ、最近からかわれた仕返しに多少検閲してやらねばなるまい。
等と一人で勝手に結論付けながら、友の部屋へと向かう。
この手紙が、次の騒動の引き金だと、俺はこのときまだ知らずにいた――。


―― to be continued...
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/02(土) 03:25:14.90 ID:wWprUnwAO
め「今夜はダメだったようですね。ぷーくす」

あや「自分の出番なかったからってひがまないひがまない」

め「それもそうですね。あや様は日陰者生活が長かったおかげでずいぶんと寛大に……」

あや「一言すごい余計だよ」






という訳で今夜はすみませんですが更新なしで……
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 09:02:06.06 ID:IhPPhYTxo
気にするなー

リアルは大事に
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/04(月) 00:53:01.61 ID:ifW+hc2AO
寝苦しい夜が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
中の人は冷蔵庫を開けっ放しにして中身をダメにしたり自転車がパンクしたり定期落としたりしましたが割と元気です。
……元気ですとも!! うぅ……。



さておき。いじメイの更新は先週のごとく平日に実施いたします。
明日以降を楽しみにお待ちいただければ幸いです。
……ま、待ってないとか禁句ですよ? 言わない優しさって大事!




という訳で今夜はあやめいコンビです。
二人には相変わらずイチャイチャしてともらいましょう。
何がイチャイチャかって感じですが。
きっと愛だから仕方ないんですよ、ええ。多分。……愛のはず。
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/04(月) 01:04:25.42 ID:ifW+hc2AO
め「あや様。丸太で突いてもよろしいでしょうか」

あや「何その彼岸島。嫌ですよ、何でいきなりそんな提案が出るんすか」

め「強いて言うならば……愛、でしょうか」

あや「辞書引き直してきやがってください。ていうか丸太なんざ持てないでしょうに」

め「一理ありますね」

あや「それ以前のツッコミポイントも多数ありますが」

め「あや様の下の口にツッコミポイントですか」

あや「いちいち発言が下ネタなのは何で? キャラ変えのシーズンですか?」

め「あや様への愛が私を狂わせるのです。訴訟ですね」

あや「某大国並の訴訟レベルだよ! ていうか、愛してるんなら普通に愛してくださいよ……」

め「ふむ。普通に愛するとは例えばどのようなものを指すのでしょうか」

あや「そりゃ、えぇと」

め「我々、同性ですが」

あや「……。愛とかね、幻なんすよ。ええ」

め「可哀想なのでラブ注入しましょうか」

あや「丸太で?」

め「はい」

あや「御勘弁ください」
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/04(月) 01:15:39.14 ID:ifW+hc2AO
め「……」アミアミ

あや「へぇ、上手っすね。我流とか?」

め「出典は今流行りの通信講座です。未だに教科書が無ければ危ういものです」

あや「それにしては十分うまいと思うけどなぁ。マフラーとか?」

め「いいえ」

あや「ふむ。ならセーターとか?」

め「ノンノン」

あや「手袋とか帽子?」

め「ダウト」

あや「むむむ。だとしたら何だろ……しかし色がえらくファンシーですね」

め「ピンクは可愛いですから」

あや「珍しく真っ当な意見ですよ。でも主さんには合わない感じしますよ?」

め「私もそう思います」

あや「なら何でその色に?」

め「これはあや様用ですから。あや様にはよくお似合いだと判断しまして」

あや「え……あ、ぅ。そ、そうなんすか。あ、あはは、いや、まいったな」

め「参ってしまわれるのでしたら他の方に譲りましょうか」

あや「もらいます、もらいます! 是非ください!」

め「完成の曉には必ず着けてくださいね」

あや「はいっ。お任せっす! ……えへへ」

め「では数ヶ月後、あや様にはこの特製パンツを履いていただく事が決定しましたのでより気合いを入れてギミックを仕込むとしましょう」

あや「……え゛?」

め「くくく。今から楽しみで仕方ありません。おっと涎が」

あや「あ、あの、予約の取り消しを……」

め「あや様。約束を反故されるのですか」

あや「いや、だから……」

め「されるのですか」

あや「……ふぁい。はきまふ……」グスグス

め「よろしい。では数ヶ月をお楽しみに」

あや「あぅ……何浮かれてたんだろ……ぐす」
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/04(月) 01:25:15.47 ID:ifW+hc2AO
め「あや様、あーん」

あや「仮にも料理学校行ってる我々なのにわざわざそれをやるのが錠剤ってどうなんすか」

め「少しでも飲みやすいようにというめいどなりの配慮です」

あや「だが断る!」

め「何故、このようなレアイベントを見逃すような選択肢を」

あや「一見、理にかなってるようで飲む理由を聞かされてないあたり嫌な予感しかしませんよ!」

め「ああ、すみません。確かに大事な事を忘れていましたね」

あや「ええ、そりゃもう大事なのを……」

め「ふー、ふー。……あーん」

あや「じゃなくてさ?!」

め「何ですかあや様。何様ですかあや様。あや様でした」

あや「妙な自己完結を!」

め「そのようなワガママな方に育てた覚えはありません。さ、ひとおもいに」

あや「そんな危険な行為をホイホイ受け入れられるように育てられてたまるか!」

め「美味しいですよ、このバイア……げふん。栄養剤は」

あや「明らかにバイ○グラって言いかけたでしょう今! 何飲ませる気だよちくしょー?!」

め「いや、案外立派なモノがひょっこり出たりしないかと」

あや「そんな妖怪じゃあるまいし……」

『誰が妖怪ですか!? って生えてませんよ?! 何を言わせるんですか!!』

あや「……い、今何か声が聞こえたような」

め「妖怪ふたなり嬢ですね」

『違います?!』

あや「ひぃぃ!?」

め「あや様。これを飲んで落ち着けばこんな幻聴は収まりますよ」

あや「違う作用でまずい事なるよ!?」
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 21:20:55.02 ID:09biq032o
 
 妹はマーラ様


ラノベの題名っぽくね?
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/05(火) 00:13:26.03 ID:c5O1P4MS0
メ「よ、ご立派様!」

妹嬢「誰がですか!?」

メ「もしくはミシャクジ様でも」

妹嬢「ま、まだそちらのほうが……いえいえいえいえ、おかしいですから! 何故私が妥協してるんですか! 違いますから!!」

メ「女性でも降魔可能ですからご安心を。さ、遠慮なく『マララギダイン』を!!」

妹嬢「しませんから!!?」

メ「でもあらすじ出来ちゃってるし……」

妹嬢「あらすじ!?」



俺の妹はお嬢様だ。
それも正真正銘、生粋の筋金入り。
文武両道、才色兼備に容姿端麗。
加えて言うなら何をさせてもうまくやる完璧超人だ。
けれど、こいつには誰にも言えない秘密があって……。

『妹はマーラ様!? 第一巻 生えたっていいじゃない!』

鋭意製作予定中。予定は永遠に未定です。


メ「良かったですね。ヒロインじゃないですか」

妹嬢「私の想定しているヒロインと違うー!?」




はい。嘘予告は置いといて今夜の更新分ですw
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/05(火) 00:13:51.89 ID:c5O1P4MS0
第31話 「手紙/予兆」

「……おいおい、冗談だろ」

友の部屋につき、誰もいないのをいいことに意地悪程度の気持ちで封筒を開けたまでは良かった。
いや、決して人としてはよくないのだろうが、事態は思わぬ方向に転がっていく。

「何だよ、これ」

そもそも前提が間違っていた。これが出される手紙だからと勝手に思っていたから気にしなかった。
けれど中から現れた字は達筆ながらどこか女性を思わせる柔らかさのもの。
あいつの字は何度か見たことはあるが、こうじゃなかった。
だからこそ、差出人の名前を見て気づくべきだった。
この検閲印がないという、手紙の異質さに。

「お前は、関与なんかしてないよな」

それは願いにも似た考え。決して有り得ないと頭のどこかで分かっていること。
俺達の所属する国連軍だって一枚岩じゃないことくらい分かってる。分かってるけど。
こんな裏切りみたいなことに、お前が関わっていてほしくないんだよ。

確か、お前の親父さんが言ってたっけ。
反オルタネイティヴ勢力や米国がどうの、って。

今こうやって少しずつ事態が良い方向に転がり始めていた矢先、こんな出来事。
もしこれが陰謀や工作の予兆なら見過ごせや……しない。
それがあいつを売ることにつながっても。

だから、そんなことにお前が関係ないって。おれ自身が納得するために。
俺はその手紙の中身を読んだんだ。……絶望を知ると、どこかで分かっていながら。




「これ……いや、でも」

俺はこれでも理系か文系かで言えば、理系だったりする。
けれど、得意ならどちらというだけで、文系も嫌いじゃない。
だから、その難解な言い回しの中に含まれる意味を理解してしまう。

細かな内容、詳しい何かまでは読み取れなかったが。
そこにあったのは【クーデター】の決起が近い。そんな内容が記されていた。
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/05(火) 00:14:27.34 ID:c5O1P4MS0
「友。探し物か?」

「え? あ、えっと……哨戒だよ」

俺は封筒を手に、読み終えたそのままの足で廊下を適当にふらついた。
結果として、これを探していたであろう友の姿を捉える。
後は、流れだ。

「うそつけよ。これだろ? 俺、さっき拾ったんだ」

「……そう。ありがとう」

「いいよ、別に。大事なもんなら落とすんじゃないぞ」

「……」

「ん? 何だよ」

分かってる。こいつは馬鹿なふりやノリがいい事はよくあるけど、本質は聡い。

「見たんだね」

「何をだよ」

「……見たんだ」

「中身は知らねぇよ。外だけ見た。検閲印押してねぇからまだ出してないんだろうなとは勝手に……」

「ねぇ、男。友達だと思ってるから、これだけは言うよ」

「……」

「このまま、忘れて。知らないふりでいて。……僕は」

君を殺したくない。
そう、はっきりと俺に告げた。

「……」

「それだけ。うそつきなのはいいけど、嘘が下手だよ」

それじゃ、と言い残して去っていく姿。
いつも飄々としているあいつらしくない、その辛そうな背中に、けれど俺が思うのはひとつ。
オルタネイティヴW完遂までにお前が何か、不穏な動きに加担するなら。
俺もお前を……。
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/05(火) 00:15:23.79 ID:c5O1P4MS0
結局、一晩悩んだ末に俺はこの件を妹に伝えられなかった。
あいつは今、装置の改造にかかりきりだろう。不確定な情報を持ち込むべきじゃない。
それによって本当に達成しなきゃいけない目標がダメになっちゃいけないんだ。
そう言い聞かせ、けれどどこか、友を庇っているだけじゃないのかとも考える俺がいる。
ぐちゃぐちゃとした考えのまま、眠りについた俺を起こしてくれたのはいつも通りイドだった。

「おはようございます」

「ん、ああ。おはよ……って、早いな。まさかもう装置が?」

「……いえ。調整に手間取っているとのことで、明日実行に移すとのことです」

「ん、了解。それじゃあ俺は原隊に復帰するかね。このまま訛ってばかりもいられないし」

「私は下にいきます」

「そっか。ごめんな、思い出作りもしてやりたいんだけど」

でもこのまま操縦感覚を鈍らしたままはまずい。
それにあいつらがどこまで新OS……俺の発案した改良型の性能についてきているか確かめたいんだ。
だから、ごめん。

「……いえ。下の部屋であやとりの研究をしてきます」

「お! そりゃいいな! ばっちりうまくなっとけよ!」

「はい……思い出作りです」

ただまぁ残念ってわけじゃないが、あの脳みそ部屋で一人で研究か。
何ともシュールな思い出になりそうだが。

「んじゃ、頑張ってこいな。研究」

「はい。……ばいばい」
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/05(火) 00:16:07.78 ID:c5O1P4MS0
そうしてイドと別れてすぐ。
入れ違いで委員長が入ってくる。

「おはよう。早いのね」

「そっちこそ。点呼前にうろつくとは中々のもんだ」

「違うわよ。総員起こしがかかったの」

総員起こし? 総合演習か何かか?

「事情は分からないけれどね。各自、準即対応体勢にて自室待機の命令よ」

貴方は特別任務中だと聞いていたから迷ったけれど、と付け加えられる言葉。
一体何だってんだろう。こんな時間から。

「それで。特殊任務は順調なの?」

「ああ、そうだな。でも明日まで待機になったからな。今日はみんなと演習に参加だ」

「そんなこと勝手に決められるものなの? 教官に申請してきたら」

「それもそうか。ま、今日はがっちり揉んでやるからな。楽しみにしとけ」

「くす。貴方の開発した新OS、自分で味わってみるのもいいかもしれな……」

そんな冗談めかしたやり取りを破ったのは、けたたましい警報音にアナウンス。

「防衛基準体勢2発令。全戦闘部隊は完全武装にて待機せよ。繰り返す、防衛体勢発令。全戦闘員は……」

いきなり防衛基準体勢2!?
それを俺が聞いたのは、『前の世界』では……。

フラッシュバックする記憶。
敗北を告げる声。

「オルタネイティヴXが発令したんじゃ……」

そんな不安が俺の胸中に過ぎる。
冗談じゃない。色々と未来が変わりはじめてるとはいえ、こんな結末……!

「……とこ、……こ! 男!!!」

「あ、え? 委員長……」

「急ぐわよ! アナウンス、聞こえないの!」

「……っ、わかってる!」

けど。こんなの……。
知らないままなんかじゃ、俺は!


「すまん! 俺、博士のとこにいかなきゃいけないんだ!」

「――わかったわ。教官には私から伝えておくわ!」

「頼んだ!!」

事情は知らないまでも俺の真剣さが伝わったのか素直に通してくれる委員長。
聞かないまま、信頼をくれる彼女に俺が返せるのは全力で事態を把握することだけだ。
だから、走って、走って。地下の妹の部屋を目指す。
だが、そこに彼女の姿はない。

「くっ……だとしたら!!」

中央作戦室しかない。
そう、こんな命令が飛ぶってことは、あそこくらいしか。
敗北の瞬間が来ていないことを確認するために、俺はそこに飛び込むのだった。

―― to be continued...
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/05(火) 01:34:48.64 ID:878IHduAO
メ「しゃぶられ系ヒロインさんじゃないですか」

妹嬢「違います」

メ「主様のより立派とかニクいですね。もはやその立派さたるや涅槃級!」

妹嬢「意味分かって使ってます?」

メ「さすがの私も顎が外れるかと思いましたよ」

妹嬢「既成事実作りはやめてください」

メ「主様の後ろがゆるゆるになってしまって最近では玩具で蓋しないといけない体に」

妹嬢「人の肉親を貶めるのは止めてください。一応あなたの伴侶でしょう!」

メ「妹嬢さんの伴侶かもしれませんよ」

妹嬢「なっ……あ、えぇと。それは、そうですが」

メ「まぁ私のなんですがね」

妹嬢「だったらもう少し良い扱いをしてあげたらどうですか?」

メ「後ろの穴を掘りススム君な開発した人に言われたらおしまいですね」

妹嬢「してませんから?!」








男「何だかんだで仲いいよな、あの二人。正直妬けるよ」

メイド長「ええ。非常に」

男「……目がマジっすね」

メイド長「はい」

男(ダメだ。その手に持ってる凶器については触れられないっ!!)
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/05(火) 08:05:50.97 ID:rv8iN45ro
ホリススム君wwwwwwwwwwww
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/06(水) 01:42:02.97 ID:oIwfUU+AO
どうも中の人です。
ミスタードリラーは連れがやたらうまかった記憶がありますね。
ま、奴はノンケでしたが。
言うまでもなく中の人もドリラー下手なノンケです。



そんなどうでもいい話はさておき。
更新については今夜はお休みいただいて明日に二〜三話分まとめてあげる予定です。
内容は相変わらずなので期待せずお待ちくださいませ。

てな訳で今夜はいつもの二人でお茶濁し。
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/06(水) 01:48:11.49 ID:oIwfUU+AO
め「あや様。我々、つなぎ扱いですよ」

あや「実際つなぎ程度の扱いで十分でしょ」

め「何を仰いますか。今やヒロイン役として看板娘となっためいどがつなぎ程度にされて良いのかと」

あや「だんだん向こうの真打ちメイドさんみたくなってきてますよ。慎ましやかないつものめいどさんで行きましょうよ」

め「あや様はさすが隠遁生活を送られているだけあって影役歴の重みが違いますね」

あや「人を不名誉なポジションに仕立て上げやがって……」

め「あや様のつなぎっぷりは堂にはいってますからね。リリーフエースです」

あや「ぐぁ……何だろう。すごい名誉なのに損した気分なのは!」

め「まぁあや様は言葉のキャッチボールが苦手ですから野球の例えはよろしくなかったでしょうが」

あや「基本的に大暴投かデッドボールしか投げない人に言われたらおしまいっすよ」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/06(水) 01:54:56.86 ID:oIwfUU+AO
メ「主様って無人島で男ばっかりになったら真っ先に性欲のはけ口にされそうですよね」

男「何だその想像は。誰得だよ」

メ「主様がなぶられる様を思うだけで笑いが止まりません」

男「黒いな、お前」

メ「シックな感じが大人な魅力を演出します」

男「大人はそんな生産性のない卑猥な妄想して他人を貶めたりしません」

メ「だったら私は大人になんかならない! 賢しいだけの大人なんかに!」

男「かっこつけてるとこ悪いが数行遡ってみると台無しな台詞を肯定してるからな、お前」

メ「でも主様は肉便器でしょ?」

男「お前の中で俺はどれだけ汚れた奴なんだよ!?」








女「はぁはぁ……色んなタイプの男の子になぶられる男子ちゃん……はぅ、鼻血が!?」

女さんが参加する今夏の大イベントに出す予定の薄い本の内容が決まった瞬間であった。
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 00:37:09.70 ID:dlQmb7f6o
じゅずつなぎ
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/07(木) 01:08:16.25 ID:FbHDxlyg0
第31話 「錯綜/情報」


突っ込んだ勢いをそのままに、中央作戦室で見かけた妹に声をかけようとして、

「長官どの。もはや一国の猶予もないのですぞ」

「ですから、これは日本帝国の国内問題。我々国連が帝国政府に要請もなしに干渉するこではありません」

「何を悠長な……この機を逃しては公開する事になりますぞ」

口調こそ丁重だが、確固たる意思を感じさせる物言いに俺は口をつぐむ。
後姿とその声で分かる。あそこにいるのは女さんの親父さんだ。

「日本政府の出動要請が出ていないのですよ。国連はいつから加盟国の主権を蔑ろに出来る権限をお持ちに?」

「博士、国連は対BETA極東防衛の要である日本が不安定な状況に陥ることを望んではいないのです」

「事務次官。お言葉ですが此度の騒乱は、帝国軍のみで対処可能な規模であると判断します。国連の介入する必要性は……」

「予防的措置です。クーデターの後、新政権がこの基地を、人類の切り札足りえる計画の接収に乗り出したらどうされるおつもりですか」

どくん、と。心臓が跳ねる思い。
クーデター、その単語はつい最近、それも俺にとって近しい人間から感じ取ったものじゃないか。
まさか、それが本当に……。
けれど同時に、オルタネイティヴXの発動ではない事にうすうす感づき、どこかほっとしている自分がいた。

「その際は国連の名に於いて、全力で応戦するまで。そうなれば当然、米軍への支援も要請するでしょう」

「で、あればこの機会に米軍の受け入れを」

「今はそのときではありませんわ。何より、このタイミングで米軍太平洋艦隊が相模湾沖に展開しているなんて」

出来すぎではありませんこと。と、妹は言外にけん制をする。
そうか、親父さんは事務次官として、米軍をこの基地に誘致する気なのか。
いや、親父さん本人の意思ではないにしろ、その後ろにいるのは米軍ってわけか。
これはこれできな臭い話になってるみたいだけど……。

結局、長官と妹、そして女さんの親父さんの話は平行線。
あくまで国連としての正論として増援部隊の受け入れを提案する親父さん。
対して基地側としての持論として基地を支配下に置かれるわけにはいかないとする。
だから安保理の正式な決議を待ってからの受け入れを主張し、結果として受け入れの拒否を示す。
そんな平行線をたどる議論も、やがて執着を迎える。

「……私は人類の未来を優先すべきだと考えます。たとえそれが特定の集団の利益につながるとしても」

「それは理解しています。だからこそ、筋を通していただきたい。国連軍が正義であることを世界に示すために」

「それでは遅いのです。後手に回ってばかりです。私も一人の日本人として、オルタネイティヴWの完遂を願っている」

だからこそ、現在国連上層部にて展開する時期オルタネイティヴ予備計画――すなわちオルタネイティヴXを阻止したい。
このままその主導権を握る一派によって現在の計画に見切りをつけられる可能性がある。
そんな結末を迎えたくないがために、日本主導のオルタネイティヴWを完遂させたいのだと親父さんは言う。
その発言は、彼の立場を鑑みれば非常にまずいものだろう。しかし、その確固たる意思を持って、彼はここにきているのだ。
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/07(木) 01:09:02.09 ID:FbHDxlyg0
「事務次官、そのような発言をこの場でされては」

「いいじゃないですか、長官。では私も一人の日本人としての意見をさせていただきます」

「な、博士!」

彼のそのような気概に応えるように、妹もうわべを取り繕うことなく発言する。

「結局、米国は極東の防衛線が崩壊して本土が戦場になるのを避けたいだけなのでしょう」

「…………」

その言葉に、長官は押し黙る。それは責任を回避したいとか、そういうことではない。
同意見であるからこそ、いや、それ以上に思うところがあるからこそ、何もいえないのだ。

「戦略の転換、つまり次期計画の要であるG弾を米国本土意外でバンバン使ってBETAを殲滅。残った地球に君臨したいだけ」

そんなやり方が彼らの思い描く計画なのでしょう。と、珍しく感情をこめて吐き捨てる。
G弾。それは核兵器よりも恐ろしい戦略兵器。威力は当然お墨付きだが、その後に残る環境、人体への影響は核兵器以上だ。
だからこそ、米軍のそんな戦略を許せるわけがない。許してはいけない。
俺は前の世界で、その光景を見てきたんだから……。

「国連が米国の意向を受け入れない組織になれば……彼らは単独でもそれをやるでしょう」

「ご安心ください、事務次官。そのような結末も、彼らの独断専行も許しませんわ」

「随分な自信、ですな。大した成果もあげられていないというのに」

「虚勢と取るかどうかはお任せしますわ」

「その判断は私のするところではありませんな。……仕方ありません。一旦退散するとしましょう」

そうして親父さんは去っていく。
残った長官と妹は現状についてのやり取りの最中だ。
何となく、いつも俺の前で見せる姿とは違う大人の姿に、戸惑う。

「全く、厄介なことになったな。安保理としてはこのような横暴は認めにくいとは思うが、機嫌を損ねたくないというほうが大きいだろう」

「ではすぐにでも正式な決議がされると?」

「おそらくな。この状況を楯にすれば安保理も認めざるを得まい」

「所詮日本政府の意向が全人類の利益と同じ天秤の上には乗りえない。なるほど、あのお国の狙いは確かなようです」

「事務次官もそうと知りながらも、彼なりの信念に基づいて行動されているのだろう。だが所詮政治屋だ。現場が見えていない」

「手厳しいですのね」

「……ふっ。君からそのような言葉をいただく日が来るとはね」

そんな二人の大人の会話をただ俺は聞いていることしかできない。
おそらく、俺があそこに入るには情報も、経験も、何もかもが不足しているから。

「私は発令室に戻る……博士、あとは宜しく」

「はい」

そうして二人が別れた今。
妹に接触するにはこの時しかないだろう。
俺は彼女に近づき、声をかけようとし、

「こんなところで何をしている。男」

「うわぁああっ!?」

真後ろから声をかけられ大声をあげてしまうのだった。
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/07(木) 01:09:50.03 ID:FbHDxlyg0
渋い大人の声は、聞き覚えのあるもの。
振り返ればそこには友の親父さんがいた。

「あなた達……こんな場所で何をされているのですか」

それに気づいた妹がこちらに近づいてくる。

「あ、いや。えっと……って、友の親父さんがどうしてこんなところに」

「貴方もですよ。……ああ、そうでした。私の部屋よりセキュリティレベルが低いんでしたね、ここ」

「私が入れるくらいですからな。はっはっは」

おい。それでいいのか軍事施設。

「いけませんなぁ、博士。先ほどのお話もそうだ。あのような機密情報をああもおおっぴらに……スパイに聞かれたらどうするおつもりですか」

「大丈夫ですよ。ここにはスパイなど、貴方くらいしか居ないですので」

「何、私はスパイではありませんので。ご安心を」

でも確か親父さんって帝国の情報省の人間で……あれ、つまりスパイじゃん。

「……で、あれば問題ないのでしょう」

「ふむ。確かに」

あ、こいつ親父さんの相手が面倒になったな?

「それで、どこから聞いていらしたのですか」

「それは言うわけにはいきませんな。しいて言うならば全部、でしょうか」

「い、言ってるし……」

何だこのおっさん。やっぱり読めねぇ。

「警報、聞こえなかったのですか? 貴方の向かう場所はここではありませんよ」

「悪い。俺、てっきりオルタネイティヴXかと思って、あわててここに」

「安心してください。大体察しておられるでしょうが、日本国内で面倒が起きているだけですので」

「さすがですな。帝国軍が必死に情報封鎖を行っている最中だというのに。どこまでご存知なのです?」

「大元の栓を抜いた方に言われることではありませんよ」

「ふむ。では決起の目的、部隊、その裏にいる人物。どこまでご存知なのでしょうかね」

「楽しそうですね。八方美人も度が過ぎれば消されますよ」

「はっはっは。肝に銘じておきましょう」

「それで。私から聞かなくても情報をしゃべってくださるのでしょう?」

その言葉に頷きも、否定もせず、親父さんは独り言のようにしゃべりだす。
現在、帝都守備隊を中核としクーデターが発生。部隊は首相官邸、帝国議事堂、各省庁などの主要機関を制圧。
各政党本部、新聞社や放送局も占拠し帝都の機能ほとんどを掌握しているという。
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/07(木) 01:10:37.52 ID:FbHDxlyg0
「そのようですね。それで、陰陽どちらの将軍はご無事で?」

……将軍? ってのは、確かこの国の一番偉い人なんだっけ。

「帝都城は近衛軍の精鋭が固めていますが、帝都守備隊の全てを向こうに回しては時間の問題でしょうな」

そしてそれは陰と陽の二つがあって、片方……陰についてはいいんちょ達が絡んでたはずだ。
あいつ、こんな情報聞かされたら心配しちまうだろうな。

「本当に楽しそう。事が思う通りに運んではしゃいでおられるのですね」

「買いかぶりすぎですよ。脚本を用意したのは国連上層部オルタネイティヴX推進派とCIAといったところ。私などとてもとても」

だが、否定はしなかった。
この人は今回のことに、どこかでかんでるんだ。

「国連と帝国を相手に大立ち回り。楽しむのは結構ですが、早々に退場されないでください。利用価値の高い駒は残したいので」

「はっはっは。私などをそう評価していただけますか。いやはや、冥利に尽きますな。ではこちらからも質問を」

「そちらが勝手にお話されただけでしょうに」

「先ほど、事務次官どのに随分を勇ましい事をおっしゃられていたようで。計画が順調なようですな」

そうして親父さんがここにきて始めて俺を見る。
俺のことが……バレてるのか。

「彼のおかげ、といったところですかな」

「程ほどにしてくださいね。駒が消されるのは我慢なりませんが、消す事にためらいはありませんので」

「おお怖い怖い。ですが、商売柄、目体遂行のためならば手段を選んでいられないでしょう。お互いに」

言葉の途中から雰囲気が変わる。

「たとえそれが、陰陽の縁者であろうが、実の息子であろうが……必要ならば犠牲は厭いません」

それって、まさか……。

「そして都合の悪いものは……始末するだけ、でしょう」

「お、親父さん!!」

「何だね」

「今のって、どういう意味ですか」

うすうすは感づいてる。でも、否定してほしかった。
だから、俺は聞いてしまう。思い至った考えが間違いであったと。

「いけないな。聞けば必ず答えが返ってくるとでも思っているのかね」

「犠牲って、どういう意味ですか!」

「安心したまえ。犠牲は無駄にするような真似はしないさ。最大の効果を発揮するそのときを見極めるまではね」

「だから!!」

「それは私もであり、博士もだろう」

「え……」

俺は視線を妹に向ける。
だが、彼女から否定の様子はなく、ただ真っ直ぐに俺に視線を返すだけだ。

「そうですね。博士」

「……」

「陰陽家縁の者に、政治屋としては国連事務次官の娘。更には元陸軍中将の縁者であり、情報省外務二課課長である私の息子」

――それって、俺の周りの、あいつらのことなのか。
いいんちょ、妹ちゃん、女さん、友。みんながみんな、何か重要なポジションの人間と縁がある。
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/07(木) 01:11:09.40 ID:FbHDxlyg0
「君はこれだけの豪華メンバーが偶然ここに集まったとでも思っているのかい」

……確かに。前の世界でその事実を知ったときも作為を感じた。
つまり、俺達は見えない力に踊らされているってのか。まだ。

「さて。お喋りが過ぎたようだ。私はそろそろお暇するとしよう」

そうして置き土産の謎の人形を手渡され、それにツッコミをいれようとする隙にまた逃げられる。
だけど、俺の心にはそれ以上のもやもやがあって。

「――さ、急ぎますよ」

「あ、ちょ。待ってくれよ!」

その場をさっさと移動し始める妹の背を追う。

「さっきの親父さんが言ってたこどだけど……」

「オルタネイティヴXとは関係ないから安心なさい」

「違う! そこじゃなくて、犠牲にするとか何とか」

「受け取った情報の取捨選択は自身で行ってください。先ほども言われていましたが、聞けば答えが得られるなどという考えは甘えです」

「でも!」

「一々立ち止まる癖はもうやめてください。人類を救うのでしょう? 偉そうなことを言ったからには行動で示してください」

「っ……」

そりゃ、そうだけどよ……!
でもあいつらの事とか、今回のクーデターのこととか、ぜんぜん情報がなくてどうしたらいいか分からないんだよ!

「私は貴方のお守りをしていられるほど暇ではありません。利害関係の一致する間は互いにうまく利用しましょう。それだけです」

くそ! そういう奴だって、わかってるはずなのに!
俺はすぐにこうやって甘えて……!

「現状として何が起こっているかはお分かりですね」

「軍事クーデターだろ。こんなの俺の記憶にはなかったんだよ」

「それはすばらしい。未来を変えている証拠ですよ。ええ、いい傾向です」

そんなことを言ってのけて、こいつは立ち止まることなく進んでいく。
どうしたらこんなに強くなれるんだ。

「ですから、今回の件も頼みましたよ」

「頼みましたよって……何のことだよ」

そう聞き返したところで答えはない。
自分で考えろ、ってことかよ。

今まで自分が関われていなかった世界の事情に少しずつ触れていく。
そのことが俺の脚を鈍らせているのか。それとも覚悟が足りないだけなのか。
結局答えは自分で考えるしかなく、目先のことさえわからないまま、俺はブリーフィングルームへ到着したのだった。

―― to be continued...
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/07(木) 01:24:19.65 ID:QhwCp1gAO
め「二話分とは何だったのか」

あや「二話分目は犠牲になったのですよ……スパ4AE熱帯のね……」

め「つまりサボタージュではないですが」

あや「本人は仕方ないじゃないと言い訳してますがどう考えてもサボタージュですね」

め「ただでさえつまん……げふん。ペースまで落とすなど舐めているかと小一時間問い詰めたいですね」

あや「しかも会話中心の割に説明少ないから内容伝わりにくいというね」

め「中途半端感が否めませんね」

あや「どうしたものやら。と、何やら速報が……おお?」

め「どうされましたか」

あや「その内、設定説明用になぜなにいじめいなるコーナーが始まるとか何とか」

め「……そこまでパクりですか」

あや「万策尽きた感すらしてきますね」






と、とりあえずそんな訳でその内に説明とかもしていこうかと!
知らない人向けですがオリジナル要素も入れてく予定なのでそっちの説明なんかも加えつつ。
そんなこんなで明日も更新予定です!


でもたまにはいじめい以外を更新すべきだろうか……うぅむ。
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/07(木) 01:30:05.00 ID:QhwCp1gAO
メ「薄い本のタイトル出ちゃいましたよ。なんか聞いた事ある気がするけど」

男「ヤマジュンぽいな」

メ「いや、私が聞いたのは某型月アンソロ本にてキャス子さんが旦那と義弟で描いてた奴が浮かんだんすよね」

男「そんなピンポイントあるかよ?!」






友「もはや会話にしないだけでヤオイである事は確定なんだろうね。ツッコミどころがおかしいもん」

女「純粋なファンタジーなのですっ」

友「……生産性ゼロなファンタジーだなぁ」

女「むー。そんな事言うなら本を描いてもらうよっ」

友「い、嫌な脅しだね!?」
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/08(金) 00:10:03.47 ID:4fx+I2WM0
第31話 「生命/声明」

ブリーフィングルームは既に教官をはじめ、隊のみんながいた。
博士は到着後、すぐに俺の原隊復帰を告げる。

「ほら、貴女も目を通しておきなさい」

「はっ……な、博士! これは!?」

「何かしら」

「訓練隊には過ぎた情報では……このような詳細なブリーフィングを……!?」

「彼方達はただの訓練隊ではありませんでしょうに。私の直轄部隊として詳細な内容くらいは把握してなさい」

そんな言葉にいやでも緊張感が出てくる。これが夢でも何でもなく現実なんだと。
ほぼ同時刻に太平洋方面第11軍司令部より入電が入ったとの報告が女性仕官より告げられる。
在日国連軍の対応が決定し、相模湾沖の米軍が正式にこの基地へと受け入れられることになったのだ。
やはり筋書きが出来ていたということか。長官と博士のやり取り、そして女さんの親父さん。
三人のやり取りを思い出す。

「後は貴女に任せますよ。私は受け入れの準備がありますので」

妹嬢はそのまま通信にて打ち合わせに入っていく。
後を引き継いだ教官より具体的な指示が届く。


国防省は陥落、帝都城の周辺で近衛軍とクーデター隊の戦闘が始まったとの情報も。
仙台臨時政府より将軍と帝都奪回のための討伐部隊を集結中だという。
だが実質帝都軍は日本海沿岸に展開中で部隊を集めようなどない。
つまり、帝国軍が単独で帝都機能の奪回など難しいだろう。
それともまさか、沿岸に展開する絶対防衛線を放棄するなてことは……。

「首謀者は帝都防衛第一師団・第一戦術機甲連部隊所属、女友大尉と判明した」

続く情報。その中に引っかかる言葉があった。

その名前は先ほど聞いた名前であり、記憶のどこかで見た姿だ。
それは友と、彼女が仲睦まじく並ぶ姿。
だが、この世界ではどうなのだろう。

続く情報で、そんな夢想は砕ける。

「――国賊として、内閣府の人間とそこに連なる人間を処刑したとの情報が入っている。委員長、残念だが」

そこにはいいんちょの一族も含まれる。
教官から告げられる言葉はただただ事実として伝えられる。

「そう、ですか」

「お姉ちゃん……」

「……妹。任務中よ」

「っ……」

強いな。そう告げることすら許されない中、新たな動きがある。
首謀者より声明の発表が始まるのだ。
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/08(金) 00:10:46.59 ID:4fx+I2WM0
「親愛なる国民の皆様、私は帝国本土防衛軍帝都守備連帯所属、友女大尉であります」

静かな声は確固たる意思を持つ。
凛とした声は、まるで刀のよう。

「皆様もご存知の通り、我が帝国は今や、人類の存亡をかけた侵略者との戦いの最前線となっています」

「殿下と国民の皆様を、ひいては人類社会を守護すべく前線にて我が輩は日夜生命を賭して戦っています」

「それが政府と我々軍人に課せられた崇高な責務であり、全うすべき唯一無二の氏名であるといえましょう」

「しかしながら、政府及び帝国軍はその責務を十分に果たしてきたと言えるでしょうか」

彼女は帝国軍の実情を話し、責め立てる。先日の天元山での出来事もそうだ。
あの時、救助という名目のもと、就寝中に麻酔銃で襲撃するという非人道的な行為が行われていた事実。
更には罪人のごとく仮設住宅に押し込められ物資すら満足に届けられていないのだ。
それがあくまで氷山の一角に過ぎず、殿下のご尊名において遂行された多くの作戦が政府や軍にとっての効率や安全のみを重視したものだという。

「しかも国政に恣にする奸臣どもは、その事実を殿下にお伝えしていないのです」

「殿下の御心と国民は分断され、遠からず日本は滅びてしまうと断言せざるを得ません」

「超党派勉強会である『戦略研究会』に集った我々憂国の烈士は本日、この国の道行きを正すために決起致しました」

戦略研究会。それは確か、友の親父さんが喋ってた話だったか。

『帝国軍の一部に不穏な動きがあるようでして』

『実は最近、戦略研究会なる勉強会が結束されましてね』

『事が起こればこの国に軍事的・政治的な空白ができますよ』

あれはこの事だったのか!

「我々は殿下や国民の皆様に仇成すものではありません。我々が討つべきは日本を蝕む国賊を滅すのみ」

「現在、厳戒令を発令中につき、国民の皆様が特に帝都の皆様にはご不便とご迷惑をおかけしますが、今しばらくご辛抱ください」

「ラジオ、テレビの電源は必ずお点けになり、急患の方が出た場合などは――」

諸悪の根源みたいな言い方をされている人間の中にはいいんちょ姉妹の親族もいたという。
後ろから背中しか伺えない二人の表情を、ただ想像するしかない。
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/08(金) 00:11:13.93 ID:4fx+I2WM0
「――諸外国政府、在日国連軍、及び米軍第7艦隊に告ぐ」

「我々は事態を完全に掌握しており、混乱は収束に向かいつつある」

「これは帝都の内政問題であり――」

「もういいです。切ってください。……何を言うかと思えば、がっかりですね」

実際にガッカリといった様子を見せる妹嬢。
後は通信を請け負っている女性仕官と、教官のみ、毅然としている。
俺達といえば、黙りこくりただひたすらにうちに渦巻く感情を隠せずにいる。
そんな状態を見抜いてか、教官から言葉が降りてくる。

日本人として思うところはあるだろうが、使命を忘れるな、と。
人類の存亡を賭けた戦いに国家の垣根を越えて奉仕せよと。

「全員入隊宣誓斉唱!!」

雷鳴のように轟いたその命令に、一瞬詰まってしまう。

「どうした! 入隊宣誓斉唱っ!!」

が、再びの一喝で俺達は宣誓斉唱を行う。
引き締められた気持ちをかみ締める。

「現在当基地では第一戦術甲大隊、第五航空支援大隊を即応部隊として待機させ、残りは基地の防衛に当たる予定だ」

「……」

「加えて先ほど決定された米軍の受け入れ……おそらく、訓練部隊の出る幕などないだろう」

「……」

「とはいえ、出撃の可能性はゼロではない。今頃、貴様らの機体も実戦装備に換装されているはずだ」

そう。可能性はゼロじゃない。
初めての戦闘。……それが同じ人類相手だなんて。

「貴様らが無駄飯食らいでないことを証明してみせろ。以上だ、各自即応体勢で待機せよ!」

「敬礼!」

親族が死んだってのに。
いいんちょの気丈な振る舞いに、俺は言葉が出ずにいた。



―― to be continued...
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 00:38:07.75 ID:WwjLAuFPo
生産性ゼロだと
マライヒに謝れ
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/08(金) 01:13:10.17 ID:eRDb1AZAO
メ「ついでに長門にも謝っときましょうか」

男「誰だよ」

メ「今やこの名字は有機なんたらいんたーふぇいすな無口系図書館少女の代名詞ですが私にとってはエアマスターの長門以外はありませんね」

男「だから誰だよ」

メ「さ、早く謝っテ!」

男「何でだよ!? つぅか俺が悪いのか?!」

メ「主様。時には負い目がなくとも謝罪によって場を収める必要があるのです」

男「珍しく小難しい言い回しを……」

メ「だから主様も早くホモに目覚めた宣言しましょう」

男「趣旨変わってないか!?」







メ「ちなみに主様はマライヒみたく美少年じゃないのが残念ですね」

男「どうせ不細工だよ、ちくしょう」

メ「安心してください。世の中、顔よりお金ですから。私が靡いたのもそれですし」

男「最上級の嫌がらせ発言だよ!!?」

メ「な、何も泣かなくても」
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 04:22:40.37 ID:wAMsRUWEo
そこは泣くのかwwwwwwwwwwwwwwww
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/11(月) 01:16:56.07 ID:afg9fF8AO
男「お前なんか金目当てでしたと言われた日には泣きたくもなるよ!」

メ「仕方ないじゃないですか。事じ……げふん。いや、あの、だからね?」

男「……」

メ(ぐ、おなごか! 生娘かってくらい純情な涙目でしかも上目遣いとか!!)

メ「い、いつもの意地悪なだけですよ。マジになっちゃってもー。HAHAHA」

男「じゃあちゃんと好きとかの一言くらい言ってくれたりするか?」

メ「何を面倒くさい女子みたいな発言を?!」

男「面倒くさいんだ……俺ってそんな面倒な相手だったんだ……」

メ「だーっ、もう! 拗ねたって可愛くないから! 今更キャラ作りとか何考えてんすか!」

男「……」

メ「ぐ、またその顔を……わ、わかりましたよ! 言えばいいんでしょ、言えば!」

男「うん」

メ「こ、こいつ……。あー、えーと……」

男「……」

メ「だから、その」

男「……」

メ「……ぐ」

男「……ぷ、く」

メ「え?」

男「ははは! お前だって顔真っ赤じゃねぇかよ! 人の事笑える立場かっての!」

メ「なっ、ななな」

男「ったく、お互い耐性ないんだからこういうネタは禁止だからな。禁止!」

メ「ハメやがったなー!?」

男「先に仕掛けたのはお前だからな。俺のは正当防衛だ」

メ「んな訳あるかぁ! 人の純情ハートを弄びやがってぇ!」

男「確かに純情だったな。くくく」

メ「ぐ、ぐぬぬ。あとで絶対泣かす!」

男「やれるもんならやってみやがれ」

メ「むきー!!」








妹嬢「結局イチャイチャじゃないですか。馬鹿らしい」

女「うらやましいの?」

妹嬢「当たり前でしょうが!!」

女「あ、あはは。正直だなぁ」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/11(月) 01:22:55.04 ID:afg9fF8AO
という訳で更新止まって申し訳ない。
週末のが時間出来ない不思議。……何故だ。
多分理由を深く考えると思い当たる節ばかりなのでこれくらいにして。
どうも中の人です。
夏はホラー映画ですね。怖いの苦手ですが。
でも見たくなる不思議! 怖いもの見たさとかそういうのでしょうか。

さておき、明日からまたいじメイ更新してきます。
来週は出張とか挟むのでなるべく頭のうちに進めてきます。
じわじわコメントやら付けてもらえてるので頑張りたいところ。
てな訳で今夜は後に短いのをさらっといかせてもらって続きは明日にでも!



関係ないけどホラー映画見た日は何故かお腹壊す法則は中の人だけでしょうか。……でしょうね。
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/11(月) 01:41:20.63 ID:afg9fF8AO
め「あや様。たまには映画と洒落込みましょう」

あや「オーケー。付き合いますからこの手錠やら縄やら外していただけませんか?」

め「……?」

あや「小首を傾げるな! 頭おかしい奴を見てるみたいな顔をやめろ! もはや犯罪だよこれ?!」

め「ご安心を。バレてからが犯罪です」

あや「この場における法の無力さよ! ていうか何故こんな事に」

め「だってあや様が恥ずかしがって逃げてしまわれる気がしまして」

あや「謂われのない前科を疑われてもですね。はぁ、もう分かりましたよ。いいですよ、このままで」

め「さすがドM様。期待を裏切らない」

あや「抵抗した結果だと自己弁論くらいはしときますよ。で、映画でしたっけ?」

め「はい。TUTAYOの夏のホラー映画特集に埋もれるように陳列されていた逸品でして。借用の際、店員の方に本当にこちらを? と聞かれました作品でして」

あや「曰わくありそうなのは嫌ですからね。見たら呪われるとか」

め「それはそれで興味は尽きませんがご安心を。オカルト担当は別のグループですので」

あや「微妙にメタな……」

め「では注目のラインナップですが、タイトルは『テキサスチェーンソー』と『テキサスチェーンソービギニング』です」

あや「パッケージから溢れ出るスプラッタ臭が尋常じゃないんですが!?」

め「こちらをあや様に鑑賞していただきたく」

あや「え? めいどさんは?」

め「めいどは隣の部屋で別作業を。あや様には内容を説明頂けるよう期待しておりますので」

あや「何それ?!」

め「ほら。めいど怖がりですので」

あや「じゃあ何でこんな企画を!?」

め「あや様がげんなりする姿を見たくて」

あや「……既にげんなりしてるんすけど」

め「ちなみにめいど、あらすじと見所は確認済みですので目を瞑ってやり過ごしていたと判断した場合もう一周ですので」

あや「そこまでしたんなら見なよ?!」

め「ではごゆるりとお楽しみください」

あや「聞いちゃいねぇ……」

バタン

あや「はぁ……あんまり血とかグロいのはなぁ……うぅ。しばらくお肉食べられないかも」







ちなみに中の人は明後日までお肉食べたくなくなりました。
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/12(火) 00:31:40.39 ID:pK+Qnllm0
第31話(前) 『初陣/その前』

結局、あれから俺はいいんちょ達に話しかけられないままにハンガーで待機をしていた。
実戦塗装に変えられた俺達の訓練機は、目立つマーキングを潰しただけだというのに兵器としての風格を醸している。
本来BETA相手であれば無用な事だが、対人間を想定しているのならば当然の措置だろう。
そう、俺達が引き金を引くかもしれない相手は人間なんだ。
物々しい雰囲気を気圧されてか、はたまたいいんちょ達を気遣ってか。
俺達の間に漂う空気は重たい。それだけこの状況が異常なのだろう。
前の世界では、こんなことは起こらなかったのに……。
誰にも呟けぬ愚痴。知るからこその未知。ここにいる誰よりも俺が混乱と焦燥を感じている。
今は寄り道している場合じゃないってのに。一体どうして。
国内ひとつでこの有様だ。それなのに人類が一丸になるなんて夢のまた夢じゃないのか。
BETAとの戦いは、片手間なんかでどうにかなる話じゃないってのに。
誰もがわかりながら、誰もが実践できずにいる。ただただ、歯がゆい。

「おおい! 兵装の指示は!」

「Cだ! 次のコンテナがそうだ! 前期実弾装填! 兵装はC!!」

「了解!」

戦場の中のようなあわただしさ。いや、彼らにとってはここが戦場。
兵士が無事に帰れるように万全を尽くす。その戦いの場。
だからこそ、いやでも実感する。これが訓練なんかとはかけ離れた事態だと。

「実、弾……」

隣で呟く女さんの声色は、顔を見るまでもなく不安になっていると分かる。
実弾が、実戦が怖いんじゃない。その先が、銃口を向ける相手が同じ人間なのが怖いんだ。
俺だってそうだ。前の世界の記憶があるにはある。
兵役を務めたという自負もある。けれど、それはあくまで哨戒任務をいくつか担当したまでだ。
幸か不幸か、俺の担当した区域ではテロ組織の活動もなければBETAだって現れなかった。
本当に、俺の初めての実戦が人間相手になってしまうかもしれないんだ。

「男。外、すごいことになってるわよ」

皆をこれ以上不安にさせまいと表情を硬くする俺に、いいんちょから声がかかる。
案外平静を感じさせる声はさすがと言えばいいのか、それとも我慢するなと声に出すべきなのか。

「外? どうかしたのか?」

結局、俺はいいんちょの強さに甘えることになる。

「帝国軍が基地周辺に展開しているわ。最悪の空気ね」

「なっ!?」

いいんちょの言ってる意味が分からず、思わず絶句する。
俺達、国連軍は今から帝国軍のクーデターに対して動こうとしている。
そんな現状の“仮想敵”とも言える相手が堂々とこちらの基地周辺に展開するなんざ、正気の沙汰じゃない。

「何だってそんなこと!!」

我慢できず俺は外へ向かって走る。
途中、友の制止の声があがっていたが無視する形になりながらも俺は走る。
そして、いいんちょの言葉通りの光景がそこにあった。


「なんで、こんな……!!」

言いようのない気持ちが言葉になって出そうになる。
けれどそれを留める程度には理性は働いてくれたようだ。
何より、

「待機中だという言葉、聞こえなかったみたいね。話の種にと迂闊に話した私も悪かったけれど」

「いいんちょ、お前まで」

「貴方を連れ戻しにきたのよ」

ああ、そういうことか。
けど、まだ戻りたくない。この光景に納得がいかないからだ。戦術機だけでなく機甲部隊まで……。
この分じゃ後方にはMLRS(多連装ロケットシステム)部隊が展開していても不思議じゃない。
クーデター部隊とは違って当然だが、こんな威圧的なやり方。一歩間違えたらどうなるか分かってるのかよ。
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/12(火) 00:32:45.97 ID:pK+Qnllm0
「国連軍の基地内とは言え、他国の軍隊が無断で上陸してきたのよ。主権国家としては当然の措置でしょう」

そうか。国連の部隊じゃなく、米国の軍隊だからの行動ってわけか。

「くそ、結局お国同士のにらみ合いかよ……」

怒りを通り越し、もはや遣る瀬無さを感じるまでに至り、ただただため息と共に言葉が出る。
米国に手出しされたくないなら、とっとと自分達で片付けろよ。
これ以上、俺の、俺達の脚を引っ張るな!!

「こんなところに割く戦力があるのかよ、今必要なのはこんな事じゃないってのに!」

「別問題よ、それは。既に米軍が当基地に進駐している以上、当然の反応じゃない」

「だから、だからBETAに負けるんだよ。あいつらの好きなようにやられるんだよ! こんなんであいつらに……」

「目的が同じであっても、重んじるものが違えば、道が交わらないこともあるわ」

「BETAに勝つより、大切なことなのか、それは!」

「……それは」

いいんちょにあたっても仕方ない。
けど、この場での正論を言うこいつが、まるで俺達の敵のように思えて思わずきつい言葉になってしまう。
そんな俺達のやり取りをさえぎったのは、凛とした声。

「貴様の言う通りだ。だが、それだけではないのも事実だ」

「じ、侍従長さ……中尉」

「侍従長……貴女が何故ここに。彼女……いえ、殿下の危機を知りながら、何故ここに」

「我等が殿下より賜りしは御身の警護。故にこちらへ馳せ参じることこそ、その役目でございます」

「……痴れ言を。今帝都が、……っ」

言いかけた言葉を必死で飲み下す委員長。
その視線の先には決して怯まず、受け止めるだけの侍従長さん。
そしてその後ろには御付の役目か、三人の侍従さん達が並ぶ。
彼女等の視線が、十二分にそれを承知しながらもこの場を離れられぬこと。
そして委員長の身が同等に大事であると、未を引き裂かれる想いでいることを伝えてくる。
だから、これ以上何も言えない。委員長は、聡いから。

「悪かったわ。貴女達が殿下の命に背くことなど決してないと、わかっていたはずなのにね」

「そのようなことは……」

「取り乱したわ。ごめんなさい。それよりも教えて、殿下はご無事?」

「はい。現在近衛軍第二連隊と決起部隊が堀を挟んでにらみ合っておりますが、未だ戦闘は起こっておりません」

良かった。なら、戦闘が開始されたってのは誤報だったのか。
だったらちょうどいい、俺からも聞かせてもらおう。

「侍従長中尉殿。不躾ながら私めからも質問を。この帝国軍部隊は一体」

「恐らく甲信越絶対防衛線から派遣されている部隊だ。帝都奪還作戦の主力は北関東絶対防衛線、第二次防衛線から抽出されたと聞き及ぶ」

ぐ。思わず馬鹿かと罵りたくなる。第二次防衛線まで手薄にしてやがるなんて、どういう了見だ。
今もしBETAが活動しだしたら、一瞬で防衛線が瓦解しちまうぞ!
けれど言葉にしたところで、この人に通じるとは思わない。
それなりに大局を見据えられるだろうが、結局は帝国軍人であり、現場の人間だ。
だから米国のことが気に食わないだろうし、国連の力を借りろだなんて一切受け入れないだろう。
俺からしてみれば、例えどんな思惑があったところでこんな危険な綱渡りをするくらいなら受け入れたほうがマシだ。
これじゃあお互いに足を引っ張り合うだけだってのに……くそ。

そこからはある程度の情報を侍従長さんからもらうことになる。
きっと委員長だけならもっと色々情報が得られたかもしれないが、仕方ない。
今はとにかく、殿下の無事と、一触即発であること。
そして時間が経てば国連軍の介入が始まり、帝都が戦場になるかもしれないこと。
彼女らのような独立部隊は将軍家所縁の人間の護衛についていることなどを教えてくれた。
本来なら訓練生である俺達に明かすべきではないのかもしれない事を考えればこれでも十分なのだ。だから、これ以上は望まない。
死人であり、国連軍……引いては米軍寄りの立場の俺が委員長のそばにいるだけでも彼女からすれば我慢ならないだろうに。
これで済んでいるだと考えれば不思議なくらいだ。

けど、今はそのことを考えたって仕方ないのかもしれない。
こうして事が起こっている以上、後は早く全てが解決するのを待つだけだ。

その後、二、三の会話を交わし俺達はハンガーへと戻る。
そう、俺達みたいな訓練生はただ事の成り行きを見守るしかないのだから。
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/12(火) 01:23:09.46 ID:w8KWDc9AO
ちょっと今宵は続き上げられそうにないので続きはまた明日にでも。
中途半端なところで申し訳ない。
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/13(水) 00:54:19.94 ID:WBNDDQoU0
待機室。そんな名ばかりの俺達の訓練教室。
非常時であり、基地施設の多くは国連軍の人間が居る以上、訓練兵である俺達にはここしかないのだ。
だからこそ、日常の中に非日常が入り込んだような違和感がぬぐえない。
そんな気持ちは俺一人じゃないのか、皆一様に口を閉ざしたままだ。
いいんちょはただ黙って何かを見据えているようだし、女さんは落ち着き泣く歩き回っている。
妹ちゃんはいいんちょほど達観できていないのか、それとも別の要因か。
教室から出て廊下で窓の外を眺めている。けれどその視線は何も捉えちゃいないんだろう。
そして……。

「……」

ベランダ側に出て、一人夜風を浴びているのは友だ。
今回のクーデター。無関係とは思えないあいつは、一体何を思うんだろうか。


ふと、廊下から戻ってくる妹ちゃんが目に入る。

「皆、ハンガーに移動だって。火器管制系の微調整を各自でやれってさ」

「何で今更。そういうのはOSがある程度補正かけて修正を勝手にやってくれるんだろ?」

「そのOSをバージョンアップさせたのはどこの誰よ。個人単位で設定が生かされるせいで従来の補正関係じゃ追いつかないってさ」

そういうことか。まさか新規OSによってそんなしわ寄せが来るなんて予想外だったな。
けど、やることができればみんなの気も少しは晴れるだろう。

「了解。行くか」

「だったら貴方は彼も連れてきてくれるかしら」

いいんちょが声だけで指すのは友。

「オーライ。んじゃ、先いっててくれ」

「早く来なさいよ。男同士でだべって遅れでもしたら」

「いいから行けっての。おっかねぇな」

普段通りのやり取りが出来たことは少し嬉しい。
けど、妹ちゃんがどこか無理をしてるんじゃないかと不安にもなる。
やっぱりどこかで時間を取って、この子達姉妹とは話をしたいな。

「それじゃ、あ、あとでね」

三人を送り出し、俺は友のもとへ向かう。
寂しそうな背中はまだ、こちらを見ていない。
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/13(水) 00:55:02.50 ID:WBNDDQoU0

「よ、元気ねぇな」

「そうかな」

「そうだろ」

当たり前のように始まるやり取り。
けれど、今のこいつは誰が見ても分かるくらい上の空だ。

「ハンガー、移動だってよ。火器管制系の微調整だ」

「ふーん……」

「だから移動だって」

「うん」

「いや、うんじゃなくてだな。……ああもう」

こいつ、人に嘘が下手とか言っておきながらこれか。
態度だけは構うなって感じのくせして、声音は正反対。

「……手紙のことか」

「いきなりだね。やっぱり見てたんだ」

自嘲気味に笑いながらこちらに初めて視線を向ける友。
逃げず受け止め、俺は踏み込む。こいつを信じたいから。

「ああ、見たよ。けど、お前には関係ないんだろ? 俺はお前を信じたい。信じていいんだよな」

「うん、って言えば信じるの?」

「ああ」

「……。即答、なんだ。はは、男らしいね」

「質問に答えてないぞ」

「……わかんないや」

そういって取り出すのはあの時の封筒。
そしてこちらを試すように差し出してくる。

「内容、わかる?」

「大体はな。単語単位で誰が誰を指すかはほとんどわからなかったけど、大筋で」

内容は、当然クーデターの件。準備は整い、もはや止まらない。
そしてこの手紙の差出人の尊敬する人物の無念を、思想を継ぐと言っている。

「予想はついてるんでしょ、差出人の」

「『友女』大尉か」

「……うん」

それは、勘とか推測とかじゃなくて、確信に近い何か。
俺のバラバラになった記憶の中から、どこかで寄り添う二人が見えたから。

「彼女は僕の爺様をすごく尊敬しててね」

こいつの爺様、というのは元陸軍中将という肩書きを持つ偉い人だ。
けれど、上層部の意向を無視した為、部隊は大損害を被り、その責を負わされたのだ。

「だから、うん。……その場にいた民間人の非難を優先させ、即時撤退を受け入れなかったような人を、彼女は真実だと思ってる」

国は人のために、人は国のために。
そんな考え方をこいつから聞いたことがある。
ならばこそ、今回のクーデターの声明とも合致する部分が出てくる。
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/13(水) 00:57:01.01 ID:WBNDDQoU0
「優しい人だったから。その時、爺様を救えなかったと今でも自分を責めてるんだ」

「だから今回の件でもお前を誘って、内側に引き込もうと?」

「どうなんだろ。……僕、一度も彼女からの手紙に目を通してないからさ」

「そう、なのか」

「怖かったんだ。彼女の考えに触れるのが」

それはきっと、どこかでその考えに賛同している自分が居たからなのだろうか。
そうして流されてしまうと気づいていたからか。

「……爺様にお世話になったって偉い人達が時々会いに来てさ。今回の手紙もそう。これが最後だって、渡された」

じっと封筒を外から見つめるその目には後悔のせいか暗い色が見える。

「巻き込みたくなかったのか、引き込みたかったのかすら分からないまま、こんな事になってさ。……頭、パンクしそうだよ」

「それで、お前はその人が……友女大尉のことはどう考えてるんだ」

「……。一言じゃ、言えない。けど、爺様は僕と彼女を結婚させるつもりだったらしい」

その言葉を発する時。
複雑な感情の中に、しかしはっきりとここには居ない彼女を想う一面が見られた。
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/13(水) 00:57:45.23 ID:WBNDDQoU0
「でも、やりすぎだよね。……僕がもっと早くに手紙を読んでいれば、死なずにすんだ人もいたかもしれない」

いいんちょ達の親族のことか。

「けど、それは結果論でしかない。お前が早く読んで、それを知らせたところで絶対に阻止できたわけじゃない」

「でも阻止できなかった訳でもないよね」

「それはあるかもしれない。けど、お前がここから居なくなって、俺達と対峙してた可能性も生まれてたんだ」

「……」

「だったら、俺は今でいい。お前と肩を並べられる、今でいい」

それは心からの言葉だ。こいつのことは信頼してる。
どんな事情があるにせよ、それだけは変わらない。

「男の君に言われてもね、なんて」

「いいじゃねぇか。野郎同士の友情だって捨てたもんじゃないだろ」

「うん。……ねぇ、男。もし僕が戦場に出て、今みたいに迷ったら……」

背中を撃て、と目が訴える。だったら応えてやろう。

「引っぱたいて目を覚まさせてやればいいんだろ? 任せておけよ」

「……。ん、頼んだよ」

そんな覚悟なんて負わせない、と。

「なぁ、友。もう一度だけ聞かせてくれ。俺はお前を信頼してる。お前は、どうだ」

「……信頼するよ。彼女のことを想う部分もあるのは事実だ。けれど、今は僕の居場所はここだから」

それは今まで培ってきた、俺達の関係。
こいつの中で、何年も想ってきた人と、同じだけの価値があると考えてくれる。
それだけで、十分だ。

「了解。なら、一つだけ約束してくれ。この話はここだけのことにしよう。共犯だからな」

「うん。今更みんなを混乱させたくないからね」

まだ全ての不安が拭えたわけじゃない。
けど、こいつの口から真実が聞けたこと。
その上で、俺達の側に居てくれるといったこと。
今はそれで十分だ。
世界を救おう、こいつと、みんなと一緒に。




「友! 男!!」

そんな俺の決意に水を差すような怒鳴り声。
まっずい、妹ちゃんの忠告をすっかり忘れてた!?

「あ、えっと、妹ちゃん、これには深い深いわけが……」

「言い訳は後で聞いてやるから、急げ! ブリーフィングルームだ!!」

それは事態が動き出したことを告げる言葉だった。




―― to be continued...
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 20:28:12.57 ID:FGetYolAo
ブリーフルームに集合だ
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/15(金) 01:23:58.40 ID:kstmVyOAO
昨夜はまさかの鯖の某でヒヤヒヤしてました中の人です。
関東の電車は暑いなぁ……関西もか。
という訳で明日まで出張サービス頑張ってきます。
帰宅次第、更新していこうと思いますんで。

そんな誰も望んでない近況報告でした。
せめてネタになる出来事があれば……!!
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/15(金) 01:26:07.57 ID:kstmVyOAO
男「ブリーフ部屋って何のネタなんだ」

メ「私は知りませんが少なくとも主様にはお似合いな部屋ですね」

男「違うぞ。俺は……」

女「男くんはショーツだよ!!」

メ「……ああ」

男「違うぞ?! 何納得してんだ! んな訳ないからな!?」
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/15(金) 01:29:51.54 ID:kstmVyOAO
メ「主様。私が寝取られたらどうします?」

男「多分気が狂って死ぬ」

メ「な、何をマジ顔で怖い事を」

男「もしくは俺に非があってお前に不満やらを与えてたんなら素直を身を引く。幸せになるならそれでいい」

メ「今更そんな綺麗な台詞を!」

男「とにかく許さんとかじゃないがすごい嫌だ。とにかく嫌だ」

メ「子供か」

メ(全く……ネタでNTRモノ短編ごっことかしようと思ってたけど死人が出そうだからやめとくか)
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 07:02:44.93 ID:z1sGAzN6o
前に似たようなことやって散々なことになったのにまだ懲りないかww
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/15(金) 09:44:48.72 ID:uwfUL+2AO
そんなネタやったら俺も死んじゃう!
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/16(土) 20:39:20.94 ID:RVgok/lno
仕方が無いな、涙を呑んで俺が寝取ろう
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/16(土) 22:05:37.82 ID:aWKV+X9do
中の人をか
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/17(日) 04:23:35.57 ID:VQatXS2AO
どうしてこう(いう流れに)なった!
更新遅いからか! きっとそうだ!
だから寝取る以前に同きんは勘弁してください。
そんなこんなですが明日まではとあるお宿にて小旅行なのでいじメイ更新はお預けになりそうです。すみません。








しかし個人的には陵辱後に霰もない姿で痕跡を隠そうとしてるとこに旦那さんが帰ってきて必死に言い訳してるようなシーンはぐっとくる。
……はい。どうでもいい妄想でした。
エロは期待されてないんだから健全にバカ会話を頑張りたいと思います。
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/17(日) 21:07:29.98 ID:2vOE4h/6o

『いじメイ』は筆者パラレルワールド取材中の為休載します
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/18(月) 07:14:35.47 ID:CmcV11p5o
「一体いつからエロを期待されていないと錯覚していた?」
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/19(火) 00:54:36.65 ID:aG4KFerAO
帰宅なう!
という訳で無事帰りました。取材という事になってるようなのでそういう感じの理由で!
てな訳で明日から早速更新はさせてもらう予定です。
今週中にクーデター編は終われるようにとは予定してます。



では今夜は短編とかとか。
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/19(火) 01:07:32.81 ID:aG4KFerAO
メ「主様」

男「な、何だよ」

メ「率直な意見として、今日の私はどうでしょう」

男「どうって言われても。珍しくミニスカート履いてるな、とか全体的に小さいのかむっちりになってるなぁとか」

メ「……ほう。メイドにハァハァしちゃってる訳ですね」

男「また録音系から強請りか! もうその手には乗らんぞ」

メ「そういうのでもないんですが。んー、なら宣言しましょう」

男「何をだよ」

メ「主様。私に何をしてくださって構いません」

男「は?」

メ「ですから、私はどんな事でもしますし、何をされても構いません。そう言っています」

男「いや、え、何でもって、だから……はい?」

メ「……」

男「何をいきなり目瞑ってんだよ!? 待て、待ってくれ! 何がどうなってるんだ!」

メ「……したい事を素直に言ってみてください」

男「おっぱ……いや、待て、今のなし! なしっていうか待った!」

メ「はい」

男「はぁ、はぁ……何でなんだいきなり。どういう事でこうなってるんだこれ……フラグ? 何のだよ。だがしかし罠以外有り得ない訳で」

メ「10、9、8、7」

男「カウント始まってる!? う、あ、あのっ」

メ「3、2、1」

男「だぁぁぁああああ?!」

バタン! ドタドタ……

メ「に、逃げた。あのチキン野郎」

メ「……」

メ「という訳で皆様。申し訳ありませんが相手が居ませんのでそういったシーンはお預けという事で」









ゴロゴロゴロゴロ

男「ぁぁあぁぁ〜〜〜どうして俺はこうなんだぁああぁぁ〜〜〜」
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/19(火) 01:16:27.01 ID:aG4KFerAO
委員長「そんな逃げ方、私は認めないわよ」

メ「?!」

委員長「要するに和姦でなくてもいい訳よね。そういうのって」

メ「や、でもそういうのはやっぱり雰囲気的に良くないと言いますか」

委員長「気にしなくていいわ。結局、ifだと告げればいいのだから」

メ「ぅ……」

委員長「だから何も考えずにただ演じればいいのよ、花形らしく」

メ「委員長さん、何か怖いっす」

委員長「ありがとう。誉め言葉よ」




※という訳で微18禁な内容に。苦手な人は次を読み飛ばしてください。
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 01:31:23.62 ID:q6GqVxk0o
逆レイプ・・・だと・・・wwktk
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/19(火) 01:39:25.11 ID:aG4KFerAO
夢ならば覚めてほしい。けれどこれは夢ではない……夢ではないのだ。


ぱしゃり。水音はリビングからするもので、小さいものだった。
同時に聞こえるのは焦りを孕んだ女の声。どこか譫言のように、けれど焦燥感に追われるそれは熱を帯びている。

「片付け、なきゃ。こんなの、見られたら」

彼女が手にし、すくい上げるのは先程までの情事の余韻。ダイニングの床に零れた蜜は、白と混ざったもの。
それをただすくっては起こった事実に呆然とし、やがて秘所から漏れる次の淫蜜に気付いて同じ事を繰り返すのだ。
数回繰り返したその行為に意味がないと気付いたのは、時計の針が夕刻過ぎを知らせていた為。

「帰って、きちゃう……」

彼をいつも通りの時間に送り出し、たまには苦手な掃除でもして驚かせてやろうと考えた矢先だった。
首筋に突き立てられた薬品の種類はわからないままだったが、朦朧とする意識が回復する頃には自身の躯は快楽に震えていた。
ぶるり、と身を震わす。つい先程まであれが自身を好き勝手に陵辱の限りを尽くした事を思い出し、快楽と嫌悪感がぶり返す。
朝から今まで続いた無惨な行為は自身の器だけでは納められない量の精液を注がれたのだ。その結果がこの惨状。
彼が帰るまでにこの場を何とかしなければ。尊厳が壊された今、日常だけは守らなければ。

「ただいまー。今日は早く帰れたぞー」

そんな思いが届かなかったのか。はたまた運命の悪戯か。
未だ何一つ隠す事の出来ていないこの場所に愛した人が戻ってくる。

「ま、待……っ!」

一糸纏わず、代わりに淫らな蜜に濡れた全身をリビングの入り口にあて、彼の帰還を、絶望の光景を塞ぐ。

「おいおい、どうしたんだよ。って、お、お前!?」

スリ硝子を使ったドアに押し当てた身体があちらに色を伝えてしまう。

「しゃ、シャワーを浴びてまして。湯上がりにすぐ牛乳を一気飲みしようかな、とかしてたところなんで」

必死に考え、瞬間的に答えると同時に次の手を打つ。

「その、申し訳ないんですがまだ晩御飯の準備が出来てませんので何か買ってきてくださいますか。冷蔵庫が空なんで」

「ん、ああ……いいけど」

釈然としないままに再び出ていく彼の足音に安堵と、傍に居てほしい気持ちが溢れる。

「わた、し……」

涙に濡れた顔を覆う手には妖しく濡れた蜜が絡む。
彼女はこれが現実である事を改めて受け止め、声をあげて泣いた。
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/19(火) 01:45:03.97 ID:aG4KFerAO
メ「……マジ陵辱じゃないすか」

委員長「希望通り名前は伏せたから貴女じゃない事になってるわよ。良かったわね」

メ「こんな役目は絶対ごめんです! ちゅーか主様が本当に出ちゃいけない場所から血出して倒れますよ!!」

委員長「あら、安心なさい。他にも彼の事を狙ってる人はいるでしょうし、貴女が取られたところで何とでもなるでしょ」

メ「ならないっすよ!? 帰還して最初からハートフルぼっこな内容にしやがって!!」

委員長「……百合の方が良かったの?」

メ「違わい?!」







という訳で相変わらずエロ路線は下手っぽいからダメだな。
くそぅ……情事の場面なんか書いたら読み返した瞬間に自分にザラキ唱えてそうだ。


なんか期待に沿えてなさそうですみません。
エロはシチュリクとか来ない限りはやっぱり止めておくべきか……ぐぬぬ。
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/20(水) 00:26:14.01 ID:o68JS18q0
第31話(中) 『初陣/出撃』

全員の集結を確認し、教官は静かに告げる。

「国連軍の軍事的支援を、仙台臨時政府が正式に受け入れた」

それは決まっていた筋書き。殿下の保護、身の安全という餌と既成事実を利用し取り入ってきたのだ。
確かに女さんの親父さんが言うように、これで事態の解決には向かうのだろう。
望んでいたはずの事だし、それ自体はいい。けど、これを推し進めているのはオルタネイティブXの推進派だ。
国連のお墨付きという後ろ盾をもとに、今後俺達の行く先に暗雲が立ち込めないとはいえない。
何より、こんな風に遺恨ばかりを残すやり方を何故選ぶのか。こんな事をしているから、人類は――。

知らず握った拳が音を立てる。
けれど一兵卒である俺に出来ることは何もなく、ただ事態だけが進んでいく。
目の前ではこの基地から進軍する大隊の進路、及びルートなどの説明が進む。
当然のようだが、俺達訓練兵について触れられることはなく、話は終盤に差し掛かる。
基地の防衛に周り、事態の推移を見守る。それが役目だろう。
だったら俺に出来ることはこの馬鹿げた騒動がただ一刻でも早く終わることを祈るだけだ。

「尚、第3戦術機甲大隊の出撃予定時刻は1940。これに合わせ我が隊も出撃、後方警備任務にあたる」

「「「「―――!!」」」」

予想外の言葉に、全員が息を呑む。
任務の重要度や戦力バランス、様々な要因を加味した結果だと教官は告げるが、そんな余地があるのだろうか。
疑問は尽きず、こういった事をしでかす可能性のある肉親の顔を思い浮かべる。

「お前達が担当する作戦区域はこの――」

告げられる区画は帝都とは正反対の方向。そこにあるのは確か将軍家の離城で、要は別荘みたいなもんだ。
なるほど、訓練兵への割り当てとしては妥当だろう。
あのあたりはBETAの支配地域だったはずで廃墟だし、そんな辺鄙な場所に正規部隊の配備は有り得ない。
思い浮かべていた我が妹の意地の悪い笑顔をかき消し、可能性の一つが潰れたことに安堵する。

「尚、当任務には横浜基地駐留の帝国近衛軍第19独立警備招待も随伴する」

「……」

それは侍従長さん達の部隊だ。それを分かっていて黙っているのは委員長なりの矜持か、けじめか。
逆にそういった感情に走らず、冷静に現地での帝国軍との接触の際に有り得る可能性をあげられる程度には冷静なようだ。
正式な作戦とはいえ、現地にて駐留する帝国軍の人間からすれば俺達は国連軍。つまりは今回介入した敵に近い存在。
何も思わぬはずがないし、挑発や最悪の可能性として攻撃されることだってあるだろう。
それだけこの世界において国連軍、引いては米軍に対しての感情というものは悪いといえる。
ふと、視線の端にかかる女さんの複雑な表情。それもそうだろう。
世論がそうなっていると分かっていながら、今回国連軍を引き入れる仕事を担当しているのは他でもない、彼女の肉親なのだ。

今回の件、誰一人だって無関係じゃないんだ。

友の親父さんが暗躍し、その想い人がクーデターの決起を促す。
その結果、いいんちょと妹ちゃんの親族が殺され、親戚である将軍の安全も脅かされている。
だから女さんの親が国連を引き込んで、事態がより複雑な方向へ進んでしまう。

それぞれの立場や事情が分かるだけに、居心地は良くない。
今まで育んだ俺達の絆。それがこんな風に縺れ、拗れていくなんて。



「最後に、本任務は実戦が想定されている以上、私が戦術気で直接指揮を執る。コールナンバーは00だ」

そんな本格的に実戦を想定した配置までするのか。驚きと緊張、不安がより増していく。
けれど逆に言えば実戦経験のある人が指揮を執ってくれるのはありがたい。
ここで教官をする前はメイド長さんも前線で戦っていたって聞くし。

「お前達の小隊は委員長を隊長とし運用する。各自30分以内に火器管制装置の調整を済ませ、ハンガー前に集合。以上だ、解散」

それを合図に俺達は動く。今は、やる事がある。それに打ち込んでいられるのは、ありがたかった。
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/20(水) 00:27:06.97 ID:o68JS18q0
山間を進む戦術機。教科書の見本のような陣形を組み、進むのは彼等の小隊。
当然のように作戦区域に敵影はなく、順調にプラン通りの経路を踏破していく。
その間に、当然のように誰もが喋ることはなかった。時折状況を伝える教官の指示への返答があるくらいだ。
実戦の緊張か。自身の死の可能性を思ってか。それとも、誰かを殺めてしまう可能性が現実味を帯び始めているからか。
さらに言えば複雑なそれぞれの立場と、関係。お互いそこを気にして下手に声がかけられないのだろう。
作戦中とはいえ、この空気はよくないだろう。そんな判断のもと、男は軽口をたたく。

「なぁ、俺達の向かう先って確か温泉の名所なんだってな。せっかくだから作戦が終わったらひとっ風呂浴びようぜ」

これに反応する声はない。教官にも届いているはずだが、お目こぼしか叱咤の声は飛んでこない。

「何なら俺は全員一緒でもいいぜ。あ、友、お前はハブだからな」

「04より02。作戦中なんだから、静かにしときなよ」

「おお、友。やっと反応が返ってきたか」

こういう場合は妹ちゃんが噛み付いてきそうなものだけど。
そんな風に思う男の考えをよそに、教官からの通信が入る。
調子にのりすぎたか、と慌てる男をよそにその一言は最悪のシナリオへの幕開けを告げる。

「先ほど、帝都で戦闘が始まった」

曰く、帝都を包囲する歩兵部隊の一部が近衛軍部隊に向け発砲したとか。
首謀者である大尉からも戦闘停止の声明が発表されたが混乱は収拾できていない。
とうとうやっちまいやがった、馬鹿野郎が。これで帝都は戦火に包まれるだろう。
それに胸を痛めるのは俺達も同じだが、何より思うところがあるのはいいんちょ姉妹だ。
何より、俺達が何を思おうがこの場所にいる以上、目の前の任務にあたるしかない。
甘かったんだ。国連が介入したことで戦力バランスが偏ればすぐに片付くだろうなんて思っていたことは。
もはや賽は投げられた。たった一人の兵士のせいで。

「くそ……」

声にならない声で呟く。
それでも音声を拾っているはずの回線から返すものは誰一人いなかった。


―― to be continued...
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/21(木) 00:29:53.50 ID:/YE43DVJo
出ちゃいけないとこから出血・・・まゆげとか?

>エロはシチュリクとか来ない限りはやっぱり止めておくべきか……ぐぬぬ。
リクしろという誘いか?誘い受けなのか
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/21(木) 01:03:02.91 ID:zAEotmaAO
どうも。深夜の残業代は高くつくから早朝出勤を言い渡された中の人です。
一旦帰宅する意味ないよ! そのまま使ってよ!!
所詮社会の歯車たる底辺民の弱さたるや……



さておきまして。
そんな訳で今夜はあまり余裕がないので更新は明日に。
それとリクエストという名の飴には中の人はすぐさま飛びつきますのである種の誘い受けなのかもしれません。
……でもエロは期待するよりピンク板とか行った方が!!
ともかく。お題やらリクはいただければ必ず応えますんでっ。
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/21(木) 01:10:21.45 ID:zAEotmaAO
メ「まゆ血出して解脱とか新しいっすね主様」

男「まゆ血って何だ、まゆ血って。そんな往生してたまるか」

メ「あとは乳首の周りに生えた毛からとか」

男「語呂悪そうな出血になりそうだな! ていうか毛からなのか!」

メ「乳首血とか。……母乳じゃないすか。主様、いくら女装が生きがいだからって」

男「でねぇよ! 生きがいでもねょえ!!」

メ「出るのは下からみるくがどぷどぷくらいですか」

男「おっさんの発想じゃねぇか!」

メ「ちなみに妹嬢さんは上も下もみるく出ますよ」

妹嬢「出ませんよ?!」

女「そ、そうだよっ」

男「おお、意外なところから援護射撃が」

女「男くんの女装は、い、生きがいじゃなくて、宿命、なのっ」

メ「女さんもいい感じに仕上がってきましたね」

男「そんな仕上がり方はやめとくんだ」

女「ふぇ?」

妹嬢「ここにはまともな方が少なすぎます……」

メ「自分もその比率を下げる要員なのに」

妹嬢「違います?!」
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 02:53:24.93 ID:bHS9UWTmo
よく分らんから結ばれた1年後→乳が張ると挑発→メイドの母乳吸いながらセクロス
を盗撮してた事にしてそれを再生してるシュチュでハッスルしてくる
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 07:11:05.80 ID:DiDduIEEo
妹嬢の下はともかく上にミルクなんか溜まるスペースないだろ
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/21(木) 22:35:56.14 ID:/YE43DVJo
早朝でも残業代は掛かるだろ?と思ったら深夜か
とは言え残業代出るって事だよな・・・

ちん毛から出血と言う珍事
そうするとまんじ固めは・・・

>……でもエロは期待するよりピンク板とか行った方が!!
書かなきゃ上手くなりませんよ?
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/22(金) 00:04:56.34 ID:BWD/1jbm0
第31話(後) 『初陣/護衛』

「はぁ、はぁ」

ただ操縦するだけならこんなに疲れたりなんてしないだろう。
燃料切れまで動いたって大丈夫だって自信はある。
――これが実戦じゃなければ。

けたたましい駆動音をあげ、コックピット内は激しく揺れる。
人型の、それも大型の兵器が走り、跳躍するということは操り手に多大な負担をかける。
だからこそ、この世界における兵器がいかに発展しているかという事実を垣間見ることができる。
少なくとも衛士はその負担を和らげ、長時間の運用が可能なように訓練され、装備を与えられる。
この衛士強化装備がその最たるものだ。
高度な伸縮性を持ちながら、衝撃に対して瞬時に硬化する性質をもった特殊柔軟素材。
そして各種装置を収納したハードプロテクター類で構成されている。
また耐Gスーツ機能、耐衝撃性能に優れ、防刃性から耐熱耐寒、抗化学物質だけでない。
バイタルモニターから体温・湿度調節機能、カウンターショック等といった生命維持機能をも備えている。
その他、パイロットの生命を優先される様々な機能を備えて、初めて戦術機はまともに動かせるのだ。

だが、もし。それらを装備せぬままに搭乗すればどうなるだろう。
耐G、耐衝撃、それらを受けるストレス。あらゆる要素を持って、人体への悪影響は免れない。
数十分もてば驚異的であるといえるその環境下、

「……っ」

この人は何故、耐えられるのか。

「私の事は構う必要はありません。行って下さいませ」

自分よりも、俺を気遣えるのか。

「分かり、ました」

歯を食いしばり、ただ懸命に目の前の任務にあたる。
だって、そうじゃなきゃ、この人を。
日本帝国国務全権代行である、政威大将軍殿下――朱鷺之宮殿下の御身が危険に晒されてしまうのだから!
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/22(金) 00:05:48.18 ID:BWD/1jbm0
時は少し遡る。
現地へ到着した俺達は当然のように待機を強いられ、時間のみが過ぎていく。
帝都では殺し合いが始まったっていうのに、静かすぎるその地は焦燥感だけが募る。

「ねぇ、男」

「いいんちょ?」

それは意外なところからの声。
二人一組で待機する俺のもとへ入ってきたのは委員長からの通信だ。

「知ってる? この離城に留まって戦った部隊がいるという話」

「そうなのか」

初耳だ。けれど将軍家と縁がある委員長なら知っていてもおかしくない。

「でも何で」

「さぁね。けれど補給路も断たれた状態で数ヶ月、彼等は戦ったそうよ。幸い、小規模な戦闘が数度あった程度なこともあってね」

にしたって、数ヶ月単位の話だ。
そこまでして護らなきゃいけないものかよ、この離城は。

「BETAの本州侵攻の際、京都で宮城警護を担当していた人たちだから、かもしれないけれど」

「そっか。もう二度と城の陥落なんて見たくなかったのかもな」

けど、多少の疑問は残る。
この目の前の空白に考えるには悪くない議題かもしれないな。

「……ごめんなさい。余談だったわね」

せっかく盛り上がりかけた気持ちをくじいて来る委員長。
けど、こいつはこいつなりに話したいことがあるはずだ。
余談なんてとんでもない。こいつの中じゃ、そんな忠誠心を見せる部隊の話が出るって事は……。

「なっ、男! 貴方何を……」

甲高く、小さな警報音。秘匿通信回線を使用した合図だ。
本来作戦中にこんな私的な使い方をすれば営倉入りも覚悟しなきゃならないけど……。

「お前、どう思うんだよ、今回のクーデター」

「どう、って。何が言いたいのかしら」

「……。はぁ、単刀直入に言うよ。お前の気持ちとしては、分かるんじゃないのか、クーデター側の奴等の気持ち」

一瞬、躊躇を見せる委員長。
けれど、何かを決めたのかその瞳は俺を真っ直ぐに捉える。

「分かるわ。正直に言えばね」

凛とした声はいつもの委員長のもの。
そして、返す言葉は俺への問いかけ。

「貴方はどうなの」

「俺は……。俺はわからないでもない。でも、人類の勝利があってこそだ、と思ってる。人類同士で、こんなこと。ばかげてる」

こいつの言う、それぞれが持つ重んじるものってのも分からないわけじゃない。
日本人として、その誇りを失ってはいけないし、人としての尊厳だって当然だ。
けど、こいつは……侍従長さん達も含めて、俺以外の人間は『あの結末』を見ていないんだ。
人類が敗北し、オルタネイティヴXが発動してしまうあの瞬間を。
けれどそれを説明することはかなわないし、理解なんてもってのほかだ。
だから、食い違う。こいつらの言い分と、俺の根底にあるものは。

「そうね。けれど、BETAとの戦争が始り20年以上もの時間が過ぎて、けれど事態は好転しない」

慢性的な食料不足に強制疎開、強制収用。徴兵年齢は下げられ今や男女の区別なく前線へ赴かねばならない。
それらの苦難を強いられているのは他の誰でもない。当たり前のように生きている民間人なのだ。
今後は状況は厳しくなる一方で解決の策など見えずにいる。
そんな世界でもどこかの誰かのために命をいとわず助けられる。そんな精神が『この世界』の日本人にはある。
多くの命と土地がBETAに奪われても国民が恐慌に走らずに居られたのは、将軍家をはじめとする心の礎があったからだ。
だからこそ、その立脚点たる“愛国心”の存在。それを美しくも、厄介だと思う。
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/22(金) 00:06:43.05 ID:BWD/1jbm0
「そしてBETAに背後区し、本州奪還に国連軍の力を借りざるを得なかったことが、政府を変えたのよ」

「国連の力を借りなければ、日本は、国は滅んでたろ」

「……そうね」

ただ彼女はそういった善悪ではない、とも言う。本州奪還に伴い国連との関係強化は基本政策となった。
結果として手段が目的を凌駕し始め、本当に護るべきものを蔑ろにしているように彼女は思うのだ。
政府は将軍家を傀儡に貶め、己の都合や利益のみを考えるモノが現れ始め、今のように国を蝕んでいる。

「そして、私達も……」

「お前が、何だって」

「……。ごめんなさい、今のは忘れて。ただ、私も今の国の在り方は良く思っていないわ」

分かりきっていたはずの答え。彼女の心情が、友女大尉たちクーデター側に近いなんて事は。
それはこの国の人間なら誰しもがそうなのだろうか。俺は『この世界』の人間じゃないから、そんな思いにいたれないのか。

「でも、さ。俺達が巻けたら、人類が全滅したら全部終わりだってことは、わかってるんだよな」

「ええ」

「その結果、更に国は疲弊してるし他国は下らない駆け引きを起こす。これが本当に殿下の望むことなのか」

あいつらは、生き物としての根本が違うのに。
俺達は同じ生き物で、あいつらの『1』に人類の『1』としてあたらなきゃいけないのに、なんでこんなくだらないこと……。

「そんなんじゃ、勝てるわけないだろ……日本人とか、米国人とか関係なく、今は人類とBETAの戦いで……」

「……」

「そんな答えが、『この世界』の甘えなんだよ。国を正すってのは立派なのかもしれないさ。でもそれは、世界にとって本当に……」

「もう、いいわ」

「本当に正しいことなのかよ! 日本を護りたいのは分かる、けどそれ以上に護らなきゃいけないのは世界じゃないのかよ!!」

「わかっているわよ。だから、もうやめて。私だって……何が正しいか分からないのよ」

「……。すまん」

本当はただ、彼女の話を聞いて自分の中の疑問を解決に向かわせたかっただけなのに。
途中から説得になってた。こんなんじゃ、お互い何も得られるはずなんかない。
けど、それでも……

「でも、これだけは言わせてくれ。お前がどう思おうと、世界に対してどんな答えを出しても」

「……」

「俺は人類の勝利を優先する。そして、日本も救う……それだけだ」

それが今の俺の考えだ。
押し付けがましくとも、こいつが国連軍であり、俺の隣に並ぶのなら。これは言わなきゃいけない。


沈黙が場を支配する。
互いに思うことはあっても、これ以上の言葉はない。
もはや平行線でしかないのだから。

「……つき合わせて悪かった。回戦、切るぞ」

「男」

「何だ?」

「貴方は……強いのね」

……違う。

「俺は強くなんてない。お前は今、クーデータの奴等に自分を重ねてるだけなんだ。それじゃ潰れちまうぞ」

「私は、ううん。違うわ。本当につらいのは、あの子……あの方のはずだもの。せめて心くらいは、あの子を」

「お、おい。何の話を」

「ごめんなさい。切るわ」

「待て! 待てよ、言いかけてやめるなんて……」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/22(金) 00:08:01.22 ID:BWD/1jbm0
再び短く高い警報音。
切られた、ってことか。

「……はぁ。違うよ、いいんちょ。俺は強くなんてない」

強いて言うなら、割り切りなんだ。『前の世界』で終わりを見た俺だから。
そんなものを見たからこそ、こういった結論になるんだ。
けど、お前達は違う。『日本』って国に対する想いが、違うんだ。
俺からすれば国を意識することなんてオリンピックだの、そういったお祭り騒ぎのときだけだ。
だから、そんな風に志とか、愛国心みたいなものが軽いんだ。
……そういう意味ではお前のほうがずっと強いんじゃないかって、俺は……。


結局、俺の中にある燻った思いは、より深みにはまるだけ。
こんなとき、もっとあいつらと腹を割って話したいと思う。
仲間として。大事な、友人として。


その後、仮眠の時間を取り、交代の時間まで一時的に身体を休めることとなる。
次の休憩役の女さんに引き継ぐ前に、俺はまだ前進に残る気だるさを解消するため、少し風にあたることにした。

「悪いな、すぐ戻るから」

『う、うん。少しくらいなら、だいじょぶ、だよ』

「いいよ、すぐ戻るから。それじゃ、後で」

そうして出てから強化装備の温度調節ですんだ話だと気づく。
まだ寝ぼけているのかと自嘲しながら、離城のほうへ少しだけ歩いてみる。
このあたりは温泉街で有名だったっけ。
『元の世界』ではみんなで温泉とかもいったっけか。……あの馬鹿がえらい騒ぎを起こしまくってくれたもんだが。

「……ばーか」

わずかにもれた笑みをそのまま言葉にする。
思い出が、そのままこぼれるように。

「それにしても、ここを護ったんだよな。近衛軍は」
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/22(金) 00:08:33.22 ID:BWD/1jbm0
立脚点こそないが、こうして国という象徴を見ることに何も感じないわけじゃない。
学ぶべき点だってあるんだ、ともう少しだけ近づいたその時、

――ペキ

「―――!!!?」

主観的にその場に伏せる。と、同時に強化装備から拳銃を取り出し、油断なく構える。
明らかな他者の存在を知らせる音。初弾の装填を確認し、見つかっている前提のもと、気を張り詰めさせる。

(俺は……人を撃つのか)

迷いはある。けれど、こんな場所で……死ねない!
暗視機能を操作し、敵の居場所を確認する。同時に、情報のリンクを機体、委員長側へと送信し……。

(民間人、か?)

明らかに軍の関係者とは異なる単純な移動。
安堵しながら、声に出して状況を委員長側へと伝える。
避難民か、はたまた不法帰還民か。とにかく避難をさせないと。


一応の可能性を考慮し、銃を構えながらその人物達の前に出る。

「――止まれ」

「な、銃を向けるとは何事ですか! 無礼者、控えなさい!」

そんな言葉を初老の女性からぶつけられて一瞬、たじろく。
けれどそんな事でいちいち困っていられるほど、俺も軍人をやめてない。

「ここは既に作戦区域となっており、現在民間人は速やかな退去を――」

「ふむ。その黒の強化装備、国連の者か」

「ええ、長様。どうやら面倒な連中に見つかってしまったかと」

それに連なって出てくるのは少女と狐目の割烹着姿。

「あの、繰り返しますが当区域は……」

「まずはその銃をおろしなさい! この方に銃を向けるとは何事ですか!」

げんなりしながら状況を委員長側へ送信する。
とりあえず狙撃状態での待機は必要なさそうだし。

「さて。御仁、悪いが保護を頼まれてくれないかね」

しかしよく分からない連中だ。
最初から保護はするつもりだけど、何でこうも偉そうなのか。

「ええ、最初からそのつもりですよ。ですからおとなしく……」

「ほう、気風のいい返事だ。では頼まれてくれるかな、この方を」

そうして、今まで奥に控えていた人物が目の前に現れる。

「……え?」

そこに居たのは、

「日本帝国国務全権代行である、政威大将軍殿下――朱鷺之殿下の御前ぞ、控えなさい!!」

「……」

ほんわりとした笑顔と、柔らかな空気をまとったやんごとなきお方であった。


―― to be continued...
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/22(金) 00:17:44.90 ID:DIvNqOsAO
早朝出勤して就業時間を早める事で残業はなかった事になる賢いやり方にはまった中の人です。
大人って! 大人って!!
まぁその分それなりに早く帰れたんですが寝不足がたたって帰宅後ソッコー寝てしまった自分が悲しい。


練習しなきゃうまくならない……その通り過ぎる。
かなり拙いから見てる方が恥ずかしいと思いますがご容赦をば。
とりあえずは挙げてもらってるぼにうプレーからか……
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/22(金) 00:26:02.06 ID:DIvNqOsAO
メ「ま、まん血固め! 固められたまん血!」

男「要するにナプキ……悪かった。今のは俺がデリカシー無かった。許してくれ。謝るから高い食器をブーメランするのは止めてくれ」

メ「次アウトな事したら主様の主様を百叩きですからね」

男「ムスコみたいな使い方はやめてくれ」

メ「ところで主様。なんか偉い人が出てきましたけど、とうとう名前有りオリキャラですか」

男「いや、実は……」







め「む。カメラが急にこちらに来ましたが一体どうした事でしょう。主役交代の時期ですかね」

あ「めいどさんと謙虚って本当に無縁っすね」

め「謙虚のかけらに向かって何て台詞を」

あ「多少自覚はあるんだ」

宮「あの、あや様」

あ「ぬぉっ。きゅ、急用が。それでは」

ぴゅー

宮「ぁ……」

め「相変わらずですね」

宮「はぁ……せっかくパラレル系とはいえ、久々の出演報告をと思いましたのに」

め「……何と」





という訳でこの人が偉い人だったりします。はい。
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/22(金) 00:31:37.44 ID:DIvNqOsAO
妹嬢「普通逆でしょうに! むしろ下の方がどこに溜まるというのですか!?」

メ「そこは超人パワーで何とかなるでしょうに」

妹嬢「なってたまりますか!」

メ「ああ、胸は全然大きくなりませんもんね」

妹嬢「ほうっておいてください?!」

メ「あっちはすぐ大きくなるのに」

妹嬢「なりません! 生えてません!!」

メ「私は何も妹嬢さんの身体についてお話した訳ではないというのに。自覚してましたか」

妹嬢「誘導されただけです! 本位ではないです!」

メ「わかってますよ。母乳は下からあげてたんですよね」

妹嬢「絶対に違います?!」

メ「……まぁ確かにそんな搾ち○こシーンはかなりマニアックな絵面になりそうですもんね」

妹嬢「だからぁ?!」
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/22(金) 00:51:26.23 ID:DIvNqOsAO
※性的描写注意。苦手な方は読み飛ばし推奨







「や、ダメっ……ダメですってば」

力無い抵抗の声があげる。それを無視して柔らかな双丘にむしゃぶりつくのは彼の旦那。

「胸が張って苦しいんだろ? これ見よがしに見せつけるくらいに」

普段とは逆に、意地の悪い笑みを浮かべ豊満な胸に顔を埋めて声をかける。
同様に彼の肉棒は熱くたぎった彼女の秘所に埋められており、微かな振動が水音をたてる。

「や、やぁ」

「ああ、片方だけじゃ形が悪くなるかもしれないから嫌なんだな。よしよし」

当然ながら彼女の主張する事とは見当違いだと知りながら、彼は両方の胸の先端を寄せて同時に口に含む。
瞬間的に広がる原初的な味わいは甘みと生臭さ、鉄の味を思わせる。
そして柔らかでありながら甘噛みにしっかりと弾力を返すほどにいきり立ったその箇所を重点的に責める。

「ひ、ぁぁ……!」

多少乱暴なその扱いは、下半身を濡らす熱い蜜が彼女の喜びを知らせ、加速していく。
右へ左へ。力を入れた分だけ形を変え、舌も目も楽しませる胸。興奮からか自然と腰を動かし、より締め付ける彼女の膣内の形を味わう事になる。

「ぁ、ら、らめ、です、こんな、こんなっ」

既に二度の絶頂を迎えながら三度目の快感に身体を震わせ始める彼女に、彼は唐突に動きを止めてしまう。

「え、あ、なん……」

「んー。だって嫌とかダメって言われてるからさ」

「ぁ……ちが、あの」

もはやこれ以上の我慢は無理だ、と。彼女なりに必死に腰を動かすがひたすらにもどかしいだけ。
近づいた快楽の波が徐々に引いていくのが分かる。だから雌として精一杯の懇願を。

「だ、って。この格好、顔、見られてて、気持ちいいの、見られてて……恥ずかしい……の」

その言葉に、愛しさを感じた雄が全力で突き上げる。

「ひぁ!! き、くる、い、くっ……!!」

無理矢理、胸に顔を埋め、腰の動きをそのままに母乳を思い切り吸い上げる。
上も下も激しい快楽が電流のように駆け抜け、

「―――!!」

声にならない声をあげ、彼女は三度目の快楽の痺れに身を震わすのだった。
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/22(金) 01:00:28.50 ID:DIvNqOsAO
『ぁ、あァん! ま、まだ……続け、ひゃぁ!?』



メ「す、すごい内容っすね」

男「う、うむ」

メ「わ、わ。すごい母乳が……あわわわ」

男「ぶるんぶるんなってるな、これ。うあ、これ本気で吸ってるだろ……すげっ」

メ「主様と同じで持久型ですね。あんまりおっきくないし」

男「悪かったな、貧相で。どうせ勢いと持久力だけだよ」

メ「おあ、主様、主様。見てください、またフィニッシュっぽいっすよ!」

男「す、すげぇ……」

メ「ほぇぇ……」

男「むむぅ……」

ドキドキドキドキ

メ「……」チラッ

男「……」チラッ

二人「「!!?」」ババッ

メ(あぅぅ、主様をまとめに見られない……)

男(や、やべぇ。全力前かがみだよ、ちくしょう)





妹嬢「で、本人達は気付いてないと」

メイド長「あくまでifですしその都合上、他人にしか見えませんので」

妹嬢「なるほど。特定させない言い回しはそのせいですか」

妹嬢(は! で、では私にもチャンスが!)

メイド長(何故かお嬢様はまっとうなシーンではないような予感が)
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 06:55:43.31 ID:vcqMUlXao
女装を徹底化させるために女性ホルモン打たれてその副作用で母乳が出るようになってしまった男子ちゃんという電波を受信した
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/22(金) 23:55:21.67 ID:A2GKb8OUo
早朝だって時間外労働に変わりはないよん
正確には始業から規定労働時間を超えた分が割り増しになる
ex)通常9時5時なのが8時始業の場合4時以降分が残業(4時に終業なら残業なし)

公開オ○ニーしておいて見てる方が恥ずかしい?
中の人のオ○ニー・・・(*´д`*)ハァハァ

ところでエロパートは地の文多いのな
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/25(月) 00:47:52.04 ID:OJVctMC+0
第32話(前) 「逃走/開始」


彼女の身分の確認が終わり、事態がうまく飲み込めないながらも侍女の方や、御付と思われる人たちから説明を受ける。
この離城は帝都から地下に走る鉄道がつながっており、それを利用してここにいるということ。
彼女がこれを命じ、今に至っていること。その真意として自身の身を囮とし、帝都を戦火から護ろうとしていること。
そのために情報をわざとリークしていること。今まさにクーデター部隊がこちらに近づいていることなど。
情報のひとつひとつが重大すぎて考えが追いつかない。更に、狐目の割烹着はとんでもないことを言い出す。

「我々は将軍の身辺警護は承っておりますが、何分現在必要なのは足。となれば……そちらの殿方の戦術機に将軍をお預けするほかありませんね」

「はぁ!? お、俺ですか?!」

「何を考えておられるのですか!」

当然のように侍従の女性が訴えかけるが、

「この状況で戦術機のコックピット以上に安全な場所がありましょうか? 何より男さん、貴方の操縦練度を鑑みれば現状としては最良かと」

正論をさらさらと語られては反論のしようもない。

「……信用できるのですか」

苦虫を噛み潰すように呟く侍従の女性。
そこには若干の諦めにも似た肯定のニュアンスがある。

「ふむ。では殿下、よろしいですか」

「よしなに」

幼女が継げ、殿下がこちらに頭を下げる。
思わず恐れ多くなり、俺も頭を下げてしまう。

「ではそのまま基地まで向かわれるのがよろしいかと。侍従殿、そちらは指揮戦闘車両に」

きびきびと指示を飛ばす幼女と狐目。
今更だけど身辺警護も預かってるなんて言ってたが、こいつら何者なんだ。
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/25(月) 00:49:11.96 ID:OJVctMC+0
「長殿。貴方はどうされるおつもりですか」

「殿下。こちらはもう一仕事残しておりますゆえ、帝都に舞い戻り微力ながら事態の収拾に努めましょう」

「……どうか、無事に」

幼女相手にも恭しい態度。
尊大な様子はどちらが年上かわからなくなる。

「此度の決起にて臣を失われる痛み、悲しみは如何ばかりかと存じ上げますが、国を憂う若者たちがやむにやまれず立ち上がったというもの」

狐目は微笑をそのままに、殿下へと言葉を送る。

「そのような者たちがいる限り、この国もまだ捨てたものではありません。ここで膿を出し切れば必ずやこの国は生まれ変わります」

「本当に、そうなのでしょうか」

心苦しいといった面持ちの殿下に、それでも尚微笑みを絶やさない。

「ご安心ください、殿下。帝国の精神は必ずや民の心に蘇りましょう。――さて、時間も差し迫っておりますゆえ。お早く」

「……はい」

彼女達のやり取りは真剣で、これがとんでもないことなのだと改めて実感する。
同時に、教官から入った司令は今までの話が真実であることを告げる報が入ったというもの。
くそ、何だってんだよ、これは!
あまりに大きすぎる事態の推移、そしてその中心にいるという実感。
怖くすら感じるのは、妹嬢のこと。あいつ、こうなることを知っててここに俺達を配置したんだ。
何が後方待機だよ、激戦区のど真ん中に配置しやがって。あいつはここが帝都からつながっていることを知ってたんだ。
そういえば、委員長との話の中に出てきた部隊がここを死守したって言ってたっけか。
そりゃそうだろう。物資や補給路は元より存在していたんだし、ここが脱出地点に選ばれる可能性が高いと分かってたんだ。
忠誠心もあるだろうが、それ以上にここが重要な拠点だから護ったんだろう。
……もはや揺るがしようがない。これは、紛れもない事実だ。

「02男からCP、最優先処理の必要を認む! 繰り返す、02男からCP――!」

『CPより02。秘匿回線の使用を許可する。報告せよ』

「先ほど確保した4名について身元が判明。朱鷺之宮殿下以下、侍従数名です」

『何!? 殿下がたったそれだけの警護で……』

教官が絶句するのも無理はない。本来この方は外に出られるご身分でもないし、出たとしてもどれほどの警護が必要となるか。
一国を象徴するというのはそういうことなのだ。けれどその先入観がカモフラージュ。最大の隠れ蓑となっているんだ。

「侍従方が現在指揮車両に向かっておられます。そちらで詳細の確認を」

『――了解。それで、殿下はどうされている』

「戦術機のコックピットが現状として安全であると侍従の方の一人から案が」

『侍従が? ……何ゆえお前を指定した』

それは、確かに。
でも、あれは侍従のようだと思っていただけで事実としてもっと位の高い人物だったようにも思える。

「あちらの判断基準として此方の操縦技術の練度、並びに現状を鑑みたものであると判断されたと考えられます」

『……貴様についての情報があちらにあるという事か? まぁいい、練度については認めざるを得ない。状況を考え見れば余計にだ』

それも分からない。俺という人間について何で知っていたのか。
もしかして友の親父さんと同じ情報省の人間だったりしたのだろうか。いや、今はいい。考えるのは後だ。

『よし、あくまで緊急措置だ――秘匿回線の使用を終わる』

「……06了解」

教官より各機体に俺を中心としたフォーメーションでの待機が告げられる。
とんでもないことになった。けど、やるしかない。
こちらを見上げてくる殿下の視線に真っ直ぐに向き合う。
柔らかな物腰でありながら、その芯の強い視線はまごうことなき気品の高さ。

「殿下。こちらへ。若輩ではありますが、御身の警護、勤めさせていただきます」

頭をたれ、傅くことに何ら違和感はない。
それだけのお人なのだ。この方は。

「世話になります」

告げられ、手を取られる。
何となく、今更だが俺の言葉遣い、間違ってるんだろうなぁと思いながらコックピットへとあがるのだった。
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/25(月) 00:49:48.23 ID:OJVctMC+0
数十キロと離れぬ地点。
そこで起こる戦闘は一方的というより他ない。

『――こちら604C、現在交戦中! 至急増援を――』

『くそがァ!! 止まれ、止まれよ! 同じ機体なのに何――』

『帝都の護りを預かる我等精鋭。その力……見くびってもらっては困る』

操縦の練度、衛士としての技量。
これらに圧倒的な差がある二つの部隊の交戦は、片方のみの爆発によって赤く彩られる。
その歩み、止まることなく。ただひたすらに向かう。先に居わす殿下の下へ。





爆発音。それもかなり近い。
かなり近くまで迫られてるのか。大丈夫なのか、後方の部隊は……。
心配していても仕方ない。殿下を座席に固定し、通信により状況を確認していく。

しかし、侍従長さんも俺が殿下を預かることに賛成とは思わなかった。
あの人からは色々思われることがあるから、余計にだ。
恐らく自身が遠慮なく動き回れることが重要だと判断したんだとは思うが。

意外と手馴れた動作で座席に体を固定する殿下。
後は多少マシにはなるだろうと補助薬として使う錠剤を手渡し、飲んでいただく。
飲まないよりは、って程度ではあるがこれからを考えれば無用とは思わない。

「スコポラミン、加速病対策ですね。揺れは覚悟します」

「ご不便をおかけします」

「良いのです。無理を強いているのはこちらなのですから」

そう言われてはこれ以上何もいえない。
俺は再び通信に耳を傾けようとし、殿下から音声をそちらにも届くようにと請われる。

「音声のみとなりますが」

「かまいません、お願いします」

事実上の帝国軍最高司令官の命令だ。
作戦が始まれば切っておけば問題ないだろう。そう判断し、音声を全体へと変更する。

状況としてはもはや一刻の猶予もない。
前線基地は突破され、ふた山向こう――すぐ後方でも交戦が始まっている。
敵の主力は二手に別れこちらを追走。脱出経路としては真っ直ぐに基地へと向かうルートはアウトになった。
主力とぶつからぬよう、南下をすることになる。敵は左右、後方を抑える形でこちらを追走していく。
これに対して俺達は米軍の援護を受けながら、重要なポイントとなるE1と呼ばれる地点を抜けることを目指す。
E1地点は山間部が狭くなっており、敵がこちらの頭を抑えられるのはここ以外にはない。
よって俺達の最重要目標としては敵より早くここを抜けることになる。そうすれば事実上の勝利だ。
その先には米軍の戦術機甲大隊が展開し敵を待ち受ける。そこに飛び込み、後は海路を行けばゴールだ。
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/25(月) 00:50:23.55 ID:OJVctMC+0
「厳しい状況ですね。私がふがいないばかりに」

告げる言葉は殿下のものだ。
正直に言えば、かなり厳しいだろう。
急ごしらえの作戦でしかなく、楽観的に見すぎにも思える。
俺達の勝利条件は提示されたが、つまりそれは失敗すれば敵に包囲されて一巻の終わりだということ。
支援砲撃や航空支援も期待できず、殿下の御身があり無茶を出来ないと考えても陰謀渦巻く今回の事件でそれを期待しすぎることはできない。

「何をおっしゃるんですか。大丈夫ですよ」

けれど、そう告げるしかない。
この方の心が少しでも痛まないように。
囮部隊の存在や侍従長さんの独立部隊の援護もある。
だからこの言葉を真実にしなきゃいけない。絶対に。

最後に教官より俺の機体を最優先に警護する旨、そして俺に殿下を無事送り届けることを絶対という言葉をつけて命じる。
これから始まるのは訓練でも演習でもなく、実戦。人が死ぬかもしれない。人を殺すかもしれない。
――俺が未来を変えたからかもしれない。
でも、そう思ってもなお、止まらない。止まっていられないんだ!

「本当に……面倒をかけます」

「必ず基地までお連れします。任せてください」

絶対に生き残る。……生き残るんだ!
生き残って『数式』を回収して、世界を救う。
そして……あいつの元に、『元の世界』に帰るんだ!

『全機――発進!!』

教官の声に、必要以上に力で操縦桿を押し込む。
決意は俺を前へと押し出し、逃走劇の開始を告げたのだった。
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/25(月) 00:55:47.66 ID:OJVctMC+0
というわけで今夜はここまで。
クーデター編、始まったばっかじゃねーか! 誰だよ今週中に終わらせたいとかいったやつ!
……ええ、はい。自分でしたね、すいません。
まだまだ始まったばかりでこのペースだと今月中に終わるかどうかな気がしてなりませんが気長にお付き合いください。
あと時々デフォで誤字ってますが各自脳内変換不可能な場合は申告下さい。
つまりそうでない場合は見逃してくださいという宣言だったり! ……重ねてすみません。


さて。最近ピンクっぽくなってきてしまってるけども、練習ということで。
個人的に会話オンリーのが書きやすいし楽なのは楽なんですが、えちぃシーンまで説明口調ってのはあまり好きではなかったり。
下手なりにもこだわりは持ってやってみてますがあまりにもあれだったらつっこんでください、はい。

あと中の人のオナニーはすでにここで見られまくってるようなもんなので恥ずかしくありません。見られたって。
……嘘です恥ずかしくて毎日憤死手前です。ぐあああああああああああ!


今夜ラストは男子ちゃん。
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/25(月) 01:11:02.04 ID:IPCrZktAO
女「ご、ごめんね? 私は本当は嫌なんだけどね、男の子だから女装に恥じらいとかあって好きなんだけどね? でもリクエストだから、仕方ないんだよ?」

男子「ならばその嬉しそうな顔は何さ! 手にもった注射器は何さ!?」

女「えと……不可抗力?」

男子「多分違う!! ま、待っていや本当、無理、無理無理無理!」

女「え、えい♪」




ずぬぷっ

『みぎゃぁぁああああああああああ!!?!?』







あ「おお。流れ星」

め「また一人偉大な戦士が逝きましたか……南無」

あ「あ。何かすごい不本意な最後っぽそうな流れ方してきましたよ」
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/25(月) 01:15:54.51 ID:IPCrZktAO
友「な、何それ」

ふにゅん

男子「見るな! 見ないでくれ!」

友「えっと……男? だよね」

男子「そうだよ! 俺だよ!」

友「その胸は?」

男子「……い、色々あったんだよ」

友「そ、そうなんだ。……ブラまでしてるのはどうかと思うけど」

男子「うるせぇ! こうでもしなきゃ出るんだよ!?」

友「出るって何が」

男子「っ……、それは、だから……」

友「何が出るのさ」

男子「……ゅう」

友「はい?」

男子「母乳だよ! 母乳が出るんだよ?!」

友「……とうとう孕んだ?」

男子「違ぇよ!!?」







メ「孕むとしたら相手は妹嬢さんしか居ませんね」

妹嬢「何故?!」
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/25(月) 01:24:08.67 ID:IPCrZktAO
メ「主様。吸わせてください」

男子「何でだよ!? 嫌に決まってんだろ! 絶対させるか!」

女「でもパンパンに張ってて苦しそうだよ?」

男子「自分で処理します!」

妹嬢「いけません、そんな勿体無……げふん。自然の摂理に逆らうような」

会長「それに片方ずつ適当に出しては形が崩れかねませんしね。ちょうど4人居ますから同じ回数だけ我々で出して差し上げましょう」

男子「ま、待て待て! 色々穴がありすぎる理論だぞ、それ! ていうか何だこの包囲網?!」

メ「隙ありっ」

しゅばっ

男子「にゃっ?!」

メ「おお……妹嬢さんよりは大きいし柔らかい」モミモミ

男子「や、ちょ、ダメだっ……ぁう!」

メ「あ、出てきた」

女「わわ……すごぉい」

妹嬢「一部聞き捨てなりませんでしたがまぁ良いでしょう。流石に特注で作らせた一品でしたね。効き目が抜群です」

会長「ギャグパートでは本当にムチャクチャなレベルで科学技術を振り回しますね」

妹嬢「ギャグパートですので」

メ「ではでは」

女「いただきま〜す」

男子「や、やめ……ちょ、いやぁぁぁあああああ!?」












友「で、戻ったんだ」

男子「吸われすぎて萎むって何だよ……痣だらけになってるし……うぅ」

友「なんかもう不憫でならないよ」
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 02:17:52.95 ID:hSTFZAPdo
ふぅ・・・





さぁ次は中の人の番だ
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/26(火) 00:58:34.63 ID:IR23erHAO
何がっすか!?
どうも。まさかの賢者要請に戸惑う中の人です。
……つまり遊び人に転職フラグか!


人気旺盛なDQ3な勇者様ご一行系のSSは好きなんですが攻略優先だった中の人としてはあんな理想的なハーレムにはならなかったり。
そりゃもう勇盗遊遊というダーマまで薬(草)漬けパーティーでしたからね。ええ、はい。
ちなみに盗はFC版では僧でしたがすぐさま悟りを開くので中盤以降はスーパー賢者タイムでした。
……はっ! これが中の人の賢者タイム暴露!
つまりこれで要望は満たせた訳ですね!





何だろう。ものすごい不満な様相が目に浮かぶ。
……今夜は申し訳ないですが更新はなしで。
他所のクオリティの高さと更新頻度を見てると泣きそうになるけどここはここなりに!


てな訳で今夜はあやめいコンビで。
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/26(火) 01:04:43.28 ID:IR23erHAO
め「あや様パーティーご一行を想像してみました」

あや「また無駄な時間を……」

め「残念ながらぼっちから脱する事が出来ず……力及ばず申し訳ありません」

あや「想像の中くらいもう少し気を遣ってよ?!」

め「これ以上妄想に力を入れますとあや様が間違いなく汚される方向でしかパーティーが成立しませんが」

あや「どれだけ負の方向へ想像力豊かなのさ!?」

め「あや様にひのきスティックが出たり入ったり……ああ、もちろん袋の名前ですが」

あや「その内伝説の剣やら鎧やら出し入れされた日には袋さんが可哀想な事になる訳で」

め「さすがのめいどの想像力をもってしても鎧は……あ、あや様!? いけません、そんな事をしてはあや様が避けて……あ、ぁぁ!?」

あや「想像力豊かすぎるから!? ていうか表情だけ変えずに感情こもった台詞とかすごいな?!」

め「内に情熱を秘めていますので」

あや「負の方向にね」
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/26(火) 01:15:09.34 ID:IR23erHAO
め「あや様の水着を考えよう第二弾のお時間がやってまいりました」

あや「お断りします」

め「などと言いながら体は正直なもの。既に期待に股を濡ら……こほん。胸膨らま……すみません」

あや「前者を止めたのは評価しますが後者謝った理由を察するに非常に遺憾の意を表します」

め「ないものはないですし」

あや「いいですよーだ。別に困りませんし」

め「開き直りですか。さすがはあや様。前向きな卑屈さです」

あや「間違いなく誉められてないよね、これ。いやいいけど」

め「そんなあや様の凹を凸に……は出来ませんがマイナスをプラスに変える装備がこちらです」

あや「こ、これは!!」

『6の2 あや』

め「いえすロリコン。ノータッチ」

あや「スク水(旧)じゃないっすか! って誰がこんなん着るかぁ!」

め「着ないのですか」

あや「こんな水着が許されるのは小学生までですから!」

め「ふむ。おかしいですね……明らかに成人女性がこれを身に付けているところを見かけた覚えがあるのですが」

あや「十中八九、あざといか天然か。どちらにせよ自然の摂理からは離れてますよ」

め「あや様のまな板ぶりも自然の摂理から離れているかと思われますが」

あや「いいからその話題から離れろ!?」








姉「くちゅん」

男「どしたの、姉さん」

姉「風邪かなぁ」

メ「それは機械が風邪引くくらいありえませんから」

姉「ひどい言い種だなぁ。私だって風邪くらい引くもんっ」

男「そりゃまぁ……そんな格好してたらね」

姉「う? 水着、変かな?」

男「……〜〜っ」

メ(ムチムチスク水とかあざとい。天然なのにあざとい。くそぉ……)
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/26(火) 01:34:04.68 ID:IR23erHAO
め「あや様、あや様」

あや「ろくな事じゃないだろうけど聞きましょう。何ですか」

め「膝枕をしませんか」

あや「な、何でまたいきなり」

め「薄い膝枕を堪能したいと思いまして」

あや「あ、こっちが枕なのね。ていうか薄くて悪かったっすね」

め「あや様はどこを取ってもフラットで素敵ですよ。まるで沈みゆく太陽を受け入れる大地のように」

あや「誰が地平線か。……まぁ、しないでもないですが。変な事したらすぐ叩き出しますからね」

め「了解しました。では失礼して」

ぽすん

あや「……」

め「……」

あや(あー。なんだこの……なんだ。うぅ)

め「あや様」

あや「ひゃい?!」

め「……。何でしょうか、めいど、胸がぽかぽかしています」

あや「えっと、それは……あの……」

め「あや様」

あや「は、はい」

め「……」

あや「……」

め「……」

あや「……あ、あの?」

め「……すぅ、すぅ」

あや「ね、寝てる!? はぁ、もうこの人は自由なんですから……全く」

め「くぅ……すぅ……」

あや「……。……〜♪」ナデナデ








あや「あ、足しびれた上にスカートが涎でベトベトに……」

め「ふむ。思ったよりも寝ごたえがありましたね。素晴らしい」

あや「うぅ」

め(しかし夢の中で聞いた異国の歌。あの澄み切った歌声は一体)
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/27(水) 00:50:14.07 ID:+B9Y5D630
第32話(中) 「逃走/開戦」


「04女、離れすぎだ!」

「やって、ます!」

「くっ、帝国軍が突破されたよ!」

「ぎゃーぎゃー騒ぐな! 後方は近衛が固めてくれてんのよ!」

各々から出る言葉は不安と緊張に彩られる。
それも仕方ないこと。俺達の間に入っていた守りとなる帝国軍があっという間に突破されているから。

「00から各機。落ち着いて隊形を維持しろッ!」

浮き足立つ俺達をしかりつけるように教官からの言葉が飛ぶ。
だが、これ以上の速度をあげるわけにはいかない。そうなれば殿下にかかる負担は……。

「男。速度をあげなさい」

そんな考えを遮るように告げるのは当の本人から。

「しかし!」

かれこれ30分以上、実戦起動で揺られっぱなしなのだ。
いくら薬を服用しているからといって耐えられるものじゃないはず。

「行きなさい」

「……ッ、各機、合わせてくれ! 次の谷を噴射跳躍≪ブーストジャンプ≫でショートカットだ!」

今まで以上のGが機体を襲い、その壁を突破るように戦術機は進む。
と、同時に悲鳴のように友が告げる。

「――4時の方向より機影多数接近! 稜線の向こうからいきなり!?」

冗談じゃないぞ!
いくら進軍速度が異常だからって前に回りこまれるなんてことがあるのか!
思わず強く握ったトリガーが、戦術機に装備された火器系統を掃射しかけた時、

『――バカヤロウ! ロックオンするな! 殺されたいのか!!』

――!?

浴びせられた罵声と、その意味を理解するまでに見やったレーダーの反応。
そこにあるのは友軍機のマーカーだ!

『こちらは米国陸軍第66戦術機甲大隊! 速度を落とすな、早くいけ!』

『ここは任せろッ』

俺達の隊の横をすり抜け、細身の戦術機が後方へと進撃していく。
助かった――のか?

「了解した。援護、感謝する。各機、フォーメーションを維持、進め!!」

呆ける俺を他所に教官が返答の返事と、俺達への指示を的確に出してくれる。
ありがたい。素直に助力に感謝し、俺達は先に進む。
後方では既に銃撃の音に始まる戦闘の音色が響き始めていた。
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/27(水) 00:50:42.82 ID:+B9Y5D630

「――っ、来ました! 機影8、米軍のF-15E≪ストライク・イーグル≫です!!」

迎え撃つ形となる帝国軍の帝都守備隊。
彼等の駆る『不知火』は帝国軍に配備される最新鋭の機体である。
柔軟な運用が可能であり、ポテンシャルは高く、兵の練度が高いことを踏まえれば先の進軍速度も頷ける。

「米軍機に告ぐ。直ちに戦闘行為を停止せよ。繰り返す――直ちに戦闘行為を停止せよ」

『所属不明機に注ぐ。即時自動翻訳を有効にせよ、または国連軍事規約に従い国際公用語である英語にて通信せよ』

そんな彼等に対し、返す米軍の言葉。
当然のことだが、コミュニケーションがとれぬ以上、先の勧告に意味などない。

「諸君の行為は重大な内政干渉である。直ちに戦闘行為を中止せよ」

『繰り返す。国際公用語である英語にて通信せよ。何を言っているのかわからない!』

で、あれば。
それは勧告などではなく。

「米軍機に告ぐ。英語などクソ食らえ。繰り返す――英語などクソ食らえ」

『何?』

「尻尾を巻いて逃げ帰った貴様等が、今更日本に何のようだ。忘れ物でもしたのか、間抜けめ!」

最初から彼等にとって米軍は倒すべき、踏破すべき障害でしかない。
国連軍など……日米安保理を一方的に破棄し、この国を見捨てた相手など。
誰が“降伏などさせてやるか”!!

『撃ってきました!!』

「F-15E 8機……手ごわいぞ! 鶴翼参陣≪フォーメーション・ウイングスリー≫で包囲殲滅! 兵器使用自由!!」

『このやろォォォォ!!』

狙われたのは不知火の中に混成される撃震と呼ばれる一世代前の戦術機。
彼の操縦センス、練度は非常に高かったが、いかんせん分が悪い。
同じ第二世代の中でも最強の名を冠するF-15シリーズはドッグファイトこそ華である。
競り合い、撃ち合えば……

「ぐあああぁぁ!?」

戦場に赤い爆炎が上がる。

「撃震でF-15Eと接近戦闘は無茶だ! 2機連携を崩すな!」

当然、その事実は帝国軍側にも周知の事実。
即時くみ上げられる戦術にて対応し、数の利を用いて巻き返しを図る。
だが、それを阻止したのはF-15Eをも超える力。

「――7時方向より砲撃!? ――いきなり機影がッ!!」

「馬鹿な! レーダーに反応は……ぐああ!?」

一瞬にして包囲が崩されていく悪夢。
いつの間にかこちらに肉薄し、一気に殲滅にかかるのは、

「識別該当データ無し……米軍の新鋭、F-22A≪ラプター≫だ!!」

「全機散開ッ! 平面起動挟撃≪フラットシザース≫!!」

それは手一杯の対応。繰り返すが、彼等の練度は高い。
もしその上で一方的な展開になるとすれば、機体の性能差に他ならない。
そう……それこそがこのF-22A。
現行配備されている他の第三世代戦術機を圧倒する隠密性と機動性を持ち、戦域支配戦術機の異名を持つ存在なのだ。

『各機、被害状況の報告を』

当然のように返ってくる無傷の報告。

『良し。では友軍機を包囲する敵機を片っ端から食い尽くしてやるぞ』

対戦術機戦闘を視野に入れた設計をされたその思想。
正面からの接近ですらレーダーから発見されにくいステルス性能、新型ジャンプユニットによる桁違いの推進力等……。
戦後の米軍よる支配を考慮に入れられたその機体が、夜を駆ける。
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/27(水) 00:51:10.79 ID:+B9Y5D630
「……ふぅ」

米軍の助太刀により一旦の難を逃れた俺達。
ちらっと見かけた機体はレーダーにほとんど映ってなかった。
噂の最新鋭機まで投入してくれるとは、ありがたい。
だが安心していられるわけじゃない。
あらゆる要素で、現状のプランを上回るクーデター軍の追走。
こちらの部隊があっさりと突破された以上、向こうの練度は推し測るまでもない。
今回のことを見越して対戦術機戦略も練りこんできたのだろう。
そんな奴等とあたるかもしれない、と思うと冷や汗が止まらない。
このままのペースが続けば勝利条件となるポイントをあっちより早く抜けるなんてとてもじゃないが……。
どうすりゃ……どうすりゃいい!

「男……大丈夫ですか? 顔色が優れませんよ」

「え? あ、ああ――大丈夫です」

くそ。俺が心配されてどうする。
この人のほうがよっぽど負担が掛かっているってのに。

「心配は無用ですよ。お飾りとは言え軍の最高司令官。実機で96時間ほどですが戦術機の心得もあります」

「……そりゃ」

すごいの一言だ。
主観時間では俺のほうが長いだろうが、部隊での訓練なんかを鑑みれば部隊の誰よりも長いぞ。

「だからでしょうか、貴方の操縦は少し変わっているように感じますね」

それが分かるくらいには出来るってことか。
だとしたら専用機とかもあるんだろうな、将軍だし。
金箔とかギラギラに飾られた五月人形的な。……われながら趣味の悪い想像である。

「ところで男。この部隊に随伴している近衛の指揮官は侍従長中尉でありましょうか?」

「あ、はい。そうですけど、何故それを?」

「先ほどの無線で第19独立小隊の名前を聞きましたので」

「だとすれば……おかしいですね。何故、あれが……」

何やら一人ごちる殿下に怪訝な顔をしてしまう。
実はこれってものすごい不敬にあたったりするのだろうか。

「男、貴方に尋ねたいことが」

『国連戦術機甲小隊に告ぐ。こちらは米国陸軍第66戦術機甲大隊指揮官だ』

「ちょっとすみません!」

唐突に割り込んできた通信に耳を傾ける。
悪いが、殿下のお話は後回しだ。

『現在我がA中隊が時間を稼いでいるが、彼我の戦力差を考えれば楽観できる状況ではない』

その通りだ。

『我々はこの先のポイントにて諸君等の到着を待つ。到着次第、補給作業を開始する』

そりゃありがたいがそんな時間……いや、それだけ足止めに自信があるってことか。
実際補給なしで突っ切るのは事実上不可能に近い。

『可及的速やかに合流せよ――以上だ』

無茶を言われてるのは分かるが、やるしかない。
さっきの連中が命がけなのは分かるけど、これ以上早くなんてことは……。
くそ、米軍にとっちゃ殿下の身は後回しってことかよ。

「すみません、米軍の司令官から合流地点の指示が来ていまして。えっと、先ほど何か尋ねられていましたが」

「いえ……構いません。米国軍衛士の生命が懸かっていましょう。先を急ぎなさい」

「……はい。では殿下のご配慮、そして衛士訓練の実績を考え……飛ばします!」

「よしなに」

そうして俺達の機体は再び噴射跳躍を繰り返し、目的の地点までひたすらに速度をあげるのだった。
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/27(水) 01:22:24.75 ID:fkMaw8iAO
ちょっと中途半端なとこになりますが今夜はここまでで。
続きは明日にでも。
しかし設定説明しないと知らない人は置いてけぼりになりそうな気がしてきた……
やはりなぜなにいじメイのコーナーか!



め「ぱくりにぱくりの上乗せとは斬新な」

あや「毒を食らわばとは言いますが恥を上塗りはひたすら恥ずかしいだけのような」




……や、やめときます。
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 07:31:01.24 ID:QTmB4wIDo
なぜなにと聞くとトロワがおかしくなった事件思い出す
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/28(木) 01:06:26.02 ID:bPlTXpeD0
―――合流補給ポイント――――

恙無く進む補給作業。それは同時に無駄な時間を取れないことを表す。
表情が優れない殿下の様子に、ひたすら申し訳なくなる。強化服なしであの機動に振り回されてるんだ。
とっくの昔に弱音が出てたって何ら不思議じゃないのに。さっきの薬も一日の服用限界数を越えてる。
もはやこの方にはただただ我慢を強いるしかない。その事実が、辛い。

「――時に男」

不意にかかる声色は尋ねの色合い。きっと先の件か。

「はい、何か」

「この部隊に……委員長が、彼女が居るのではないですか?」

「え、あ。はい。それが?」

一国のトップとも言える人物から意外な人の名前が聞かされる。
当然ながらあいつが将軍家と関わりがあるとは聞いてたけど、その血縁者じゃないはずだ。

「ではなぜ、武御雷が見当たらないのですか?」

武御雷。それは帝国軍、ひいては日本国が有する戦術機の中でも最高峰の性能を持つ機体。
同時にその生産数の少なさから所持する、あるいは搭乗するのみで出自、あるいは自身の位すら分かるというもの。
だから、あいつは――。

正直には、答えにくい。
あいつは、委員長はその機体に乗ることを拒んだ。
一兵卒として、ましてや訓練兵が手繰る代物では決してなく、何よりも国連軍の兵士が帝国の象徴を駆るという意味。
それは政治的に見ても、戦略的に見ても、あらゆる意味で注目を集めてしまう。
故に彼女は拒んだ。その様子を俺は見ている。侍従長さんたちとのやり取り、そして委員長の珍しく感情的になる姿。

その事を、言葉を選びながら何とか伝える。
理由は分からないが、目の前の人がそれを命じたのだ。突っぱねられたなんて素直に言ってしまうか、迷う部分もある。

「くす……そうですか。あの方らしい」

当然のように、そこにはるのは寂しそうな笑顔だ。

「あの方はいつもそうだと聞いております。私の贈り物を素直に受け取ったことがないとか」

「そう、なんですか」

何となく引っかかる言い回しに違和感を覚えるが深く突っ込んでいいものか迷う。

「時に男……彼女は、日頃どうなのですか?」

「普段のいいんちょ、あ、いや。委員長訓練兵ですか?」

「くす。構いません。あなたの言葉で、教えてください。畏まる必要も、謙る謂れもない話題故」

「で、では」

何で将軍家のトップが一兵士をそんなに気にかけるのか。
薄々感じ始める予感は、彼女のここしばらくの様子を思い起こさせる。

「あいつは無口だし、堅苦しいところがありますが、強さの中に人に対する優しさを持つ、尊敬できる人物です」

委員長の良さは真っ直ぐと、自分を曲げずに信じた正義を貫いているところだと俺は思っている。
融通は利かないわ。口も同様。更に普段の様子じゃ冷たいって印象を与えるのが関の山だろうが、本質は違う。
多分、俺達が恥ずかしがって口にできないような熱い言葉も、優しい気持ちも、あいつは素直に出すことができるだろう。
その分、自分に厳しくて全部自分で抱え込もうとしちまう。見てるほうが危なっかしくて、ひやひやものだ。
けれどそれを表に出さず、自律してみせる。そんな奴なんだ。
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/28(木) 01:06:53.58 ID:bPlTXpeD0
「だから、って訳じゃないですけどね」

「……」

殿下は先ほどから俺の話に黙って耳を傾けてくれる。
だから、ついつい本音が出る。

「もう少し自分に甘くても良いのかなって気はします」

「……そうですか」

って、何か言い過ぎたか?
聞き上手なせいでいガンガン喋ってたけど、何かまずかったりしたかも。
あせる俺をよそに、殿下は俺を見上げ、

「男がそう感じるのであれば……彼女は相当あなたに甘えているのでしょうね」

「……え?」

「私が聞き知る限り、あの方はそのような弱さを人に気取られることすら、良しとしないはずです」

柔らかな笑みを向ける。

「ですが、こうしてあなたと話をしているとそれも理解できるような気がします」

「何がですか?」

「長殿が仰られるように、あなたが変わり者だということです……くすくす」

「俺が変わり者ですか? そんなはずは……」

年相応の笑みを。その片鱗を見せられ、思わず顔をそらしてしまう。
けど、同時に思うのはやはり殿下といいんちょの関係だ。
『親しみ』こそ感じすらすれど『距離』も同時に感じる。違和感が言葉の端々から垣間見えるのだ。

「あの、殿下。俺、ここの暮らしが短いんで不躾な質問だったりしたらすいません」

この時点で不躾すぎる気もするが、今更だ。
いけるとこまでいってやれ。

「殿下といいんちょは……その、どういったご関係なのでしょうか?」

「……」

小さなため息に、さすがにびびる。

「――すみません!! 聞いちゃまずいですよね、お、俺ってば空気読めないらしくて、あの、その」

これでも所属は国連である以上、帝国の最高司令たるこの方にどえらい失礼をぶっこいたんじゃないだろうか。
政治的な観点とか、そういう部分で後々遺恨が残ったりなんかした日には……あばばば。

「良いのです。……あの方は、自身の出自を何と?」

「出自、って言うと……将軍家とは縁者に近いというか、確か親類とかそこまではいかないけど、近しい関係だとか」

その辺はあいつもよくごまかしてたっけ。
教官からついさっき将軍家の縁者に犠牲者が出たって聞いたときは、やっぱりその関係の血筋かなとは思ったけど。

「そう……ですね。あの方と私の……いえ、我々の関係というものを鑑みればそのあたりに落ち着くのでしょうから」

――我々の関係?

「古より朱鷺之宮の家は陽の場に出る一族として祀り上げられてきました。それと同時に、その陰ではもう一つの顔があります」

陰陽。いつの時代も、権力の傍にちらつく言葉だ。
でも、それといいんちょに一体何の関係があるっていうんだ。
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/28(木) 01:08:05.95 ID:bPlTXpeD0
「彼女等の一族は陰であり、同時に『力』を有していました。それは『権力』や『財力』とは違う、この世の理の裏にあるもの」

「理の、裏?」

こめかみが疼き、ノイズのような映像が視界を掠める。
それは『元の世界』で“あいつ”が言ってた言葉。

≪我々が『商』であり、『政』と関わりがある一方で、父は『魔』との交流も持ちました。その血脈の中に、あの人はいますよ≫

そう、か。委員長の家元って、確か陰陽師だか何だか忘れたけどやたらとオカルトに染まってたって話があったっけ。
何で今更こんな記憶が引き出されてくるのか。いや、それよりも俺はこの事実を知っていたのか。
混乱する俺をよそに、殿下は話を進めていく。

「あの方の一族は我々のようなお飾りとは違い、実質的に世界を動かしておられました。占星術に始り、魔術の類を使うことで」

「何を仰っているのか、俺には」

「理解しろは言いません。ただ世界にはそのような存在があるのです。そして、彼女はその血族の中でも中心に近い位置におられました」

「……」

「幼少時代、まだ物心ついたばかりの私を優しく見守り、導いてくださったのが彼女なのです」

「お姉さんみたいなもんですか」

「ええ。ですが、あちらの事情で彼女は中心から末端へと追放されました。同時に私の関わりもなかったことにされています」

「追放?」

「詳しくは知りません。けれど、ただ事ではなかったと聞き及んでおります。……そのような素性と関わり泣く生きてゆけたならばまだ幸せだったのでしょう」

「それは、どういうことなんですか」

「……。彼女はあろうことか、将軍家の陰と陽の、両家からの信義の証として、あなたの所属する国連部隊に居るのです」

つまり、それって人質じゃないか。

「あの方は政の道具として扱われ、常に民の範たるべしという将軍家の責務をも奉じているのですよ」

『君はこれだけの豪華メンバーが偶然に集まったとでも思っているのかい?』

昨日のやり取りの中での、友の親父さんの言葉がよみがえる。
この人も、他のメンバーのことだって知ってるんだ。全部でなくとも、かなりのことを。
だからこそ、将軍家の縁者程度の認識しかされないはずのいいんちょに対して近衛部隊がついており、国連の基地に駐留すら許されたんだ。

「情けないことですが……私がそれをあの方に強いてしまっているのです」

「……っ」

それは違う。
そうじゃないから、将軍が蔑ろにされたり政治の道具にされているから、クーデターなんかも起きてくるんだ。
この人の思いを、国へ、民へ反映させられない、させようとしない連中がいるから。

「私はあの方を失望させたでしょうね」

「そんなことは、絶対ないと思います」

「そう、なのでしょうか」

「あいつは、殿下の苦しみを我が事のように感じています。いつかの天元山のことだって怒ってました」

そうだ。あいつは民を蔑ろにするやり方を、ニュースを見て怒ってた。
それだけじゃない。あいつと一緒にいて分かるのは、本当に国を、民を第一に考えてるってことだ。

「だから、それって帝都が戦火にまかれることを避けるために御身を危険にさらしてまで行動してる殿下と同じだと思うんです」

「……」

「きっとあいつは今、決起した連中の志を理解しながら、その鎮圧を任務とする国連軍に所属している自分の矛盾した立場に苦しんでいます」

そうじゃなきゃ、あんな風に平行線の話し合いは起こらなかった。
どうでもいいと、何ひとつ思っていなければ。あいつと言い合うことなんてなかったはずだ。
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/28(木) 01:10:13.52 ID:bPlTXpeD0
「そして一番の気がかりは……似たような境遇にある殿下の苦しみのはずです」

『私は、ううん。違うわ。本当につらいのは、あの子……あの方のはずだもの。せめて心くらいは、あの子を』

ああ、今なら分かるよ、いいんちょ。お前が想う、苦しみを抱えている人が、誰なのか。

「殿下だって決起軍の志と、日本のために想って動いている政治家の志。どちらも理解できるのんじゃないですか」

「……」

「あいつ、言ってましたよ。その苦しみを一人に抱えさせるのが辛いって。せめて心は共にありたい、って」

神妙な面持ちでうつむく殿下。けど、それでもこの言葉は伝えなくちゃいけない。
一度離れてしまった二人だから、ちゃんと心が傍にあるように。

「その言葉を聴いた時、何のことか分からなかった。けど今なら分かります。あいつは……殿下のことをずっと考えてるんですよ」

「そう、でしたか」

だからこそ、帝都包囲の報が入ったとき、侍従長中尉にすぐに向かうように言ったりしたんだ。
感情を出すいいんちょなんて滅多に見ないからこそ、その真剣さが分かる。
あいつは大事にしてるんだ。この人との絆の在り処を。そのよりどころを。
それは本来、彼女が負うべきものじゃなかったはずで、義務感だとかましてや教育だとかじゃない。
口にも出さないし、誰にも話さない。態度にすら出さないままに、それを支えにあいつは頑張ってたんだ。
身代わりの宿命を、大事なもう一人の妹のために、誇りを持って生き抜こうとしてるんだ。

「……男」

俺の気持ちがこもりすぎた声に、そっと覆うように声がかけられる。
二人の境遇を想い、どこか熱くなった心を、覚ますのではなく抱きしめるように。

「これを、彼女に渡していただけませんか」

渡されるのは小さな髪飾りは、ふるぼけてガラクタのようにしか見えない。
けれどそれは何度も何度も手入れされたように見え、とても大事な品なのだろうと分かる。

「これが……あの方と私が共に過ごした証なのです。此度、身の回りの品で唯一持ち出せたものです……」

「そんな大事なものだったら、直接……!」

「叶いません。私は将軍家の人間であり、他に血縁の者はなく、あの方は陰であり、妹君は既に別の方のみ」

「……っ」

そこまで、覚悟して……。こんなに近くにいるのに。これだけ想いは、心は傍にあるのに。

「あなたからであれば……あの方が心を許した、あなたであればこそ。快く受け取ってくれるはず」

武御雷をはじめ、いいんちょはあらゆるものを拒んできたって話だった。
今回だって殿下がそのような心に従った行為をしたところで、いいんちょが受け取るだろうか。
きっと、それは……俺以上に、この方がわかっているのだ。だから、託すのだ。
公の場で、そんな関係をにおわせることすら、させないように。

「……わかりました。必ず、いいんちょに渡します」

「――お願いします」

揺るがぬ瞳を見据えながら、その髪飾りを受け取った時、

『戦術機甲小隊の各機に告ぐ。現在的部隊が後方の峠に到達。友軍部隊は撤退を開始した』

米軍指揮官からの通信が割ってはいる。

「あの、すみません!」

「よい」

すぐに事情を察した殿下の許可ももらい、俺は通信に耳を傾ける。
この後退が戦略的なものであり、包囲殲滅を狙うものであることに始まる指揮官の説明。

『彼我の撃墜比が7対1の優勢を維持している。目下のところ、事態の推移は予想の範囲内であり、作戦及びルートの変更はない』

何だってんだ、その撃墜比……兵の練度に差はないはずだぞ。それだけ米軍のF-22A≪ラプター≫が化け物ってことかよ……。

『そちらの小隊は補給完了次第、陣形を維持し出発。両翼と最後尾は我々が固める』

そんな戦力が俺達の周りを固めてくれるならありがたい。
俺達小隊も彼等の指揮下に入ることになるが、納得するほかないだろう。
モニターを見ればほぼ補給は完了している。つまり出発はすぐそこまで迫っているんだ。
逃げ切って、生き残るんだ。俺達は……この方と共に無事に帰る。そして、いいんちょうに……!
その決意を胸に、迫る出立の時に向け、静かに闘志を滾らせるのだった。
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/07/28(木) 01:14:13.04 ID:bPlTXpeD0






どかーん!

テンテケテーンテンテケテーンテンテンテンテンテン♪

Wでのトロワの戦闘BGMに設定してましたが何か?
どうも中の人です。今晩も想定のとこまで書ききれなかった……ぐぬぬ。
とはいえ、やっとこさオリジナルの部分がちらちらと。
おいおい、じゃあモノホンの妹は何なんだよ、というツッコミはもう少しお待ちをば。
一応ちゃんとそちらはそちらで意味がありますので、はい。

にしても宮さん、口調変わりすぎでは?

宮「あら、私は公の場ではそういった振る舞いも取れますよ?」

というわけで決してキャラが変わったとかそういうんではありません。
はい、出番なくてキャラを捉え切れてないとか、元のキャラに引っ張られてるわけでは。
……訳では!!

それではチラ裏はこれくらにしておやすみ前の何か短編一本にて今夜はお別れということで。
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/28(木) 01:46:03.59 ID:obMFhXTAO
メ「主様って監禁が似合いますね」

男「そんな誉め言葉があるか」

メ「ご安心を。誉めちゃいません」

男「ぐぬぬ……ていうか本編でそんなんした事ねぇし!」

メ「そりゃしてないでしょ」

男「だろ?」

メ「される側ですし」

男「違う。断じて違うからな」

メ「後ろの開発されてガバガバになるのは間違いないですが下手したら妊娠とかしてそう」

男「もはや人体実験の域だな!?」

メ「はらませ主様とかいうスレタイにします?」

男「何が悲しくてそんなタイトルに……」

メ「主様はかいにんchu-☆とか?」

男「下手な乙女ゲーよりネーミングセンス悪ぃよ?!」

メ「という訳でタイトルと主様の調教内容を募集……」

男「しねぇよ?!」
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 07:06:27.44 ID:obI4ZTE7o
妹嬢の手に掛かれば本当に孕みかねないのが怖い
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 08:28:59.19 ID:35/cypE+0
でも妹嬢に孕まされるなら別に良いかな
俺男だけど
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/29(金) 00:56:38.53 ID:nwzihfWAO
妹嬢「何故この流れでピンポイントに私の名前が?!」

メ「他に居ないに決まってるじゃないですか。何を今更」

妹嬢「決まってません! 第一私は人を懐妊させる生殖機能は備えていませんし」

メ「つまり貴女は偽物って事ですか。くせ者めっ」

妹嬢「正真正銘私は私です?! 寧ろ生えてる方が偽物ですから!」

メ「それじゃあ主様や>>728様が孕めないじゃないですか」

妹嬢「孕まなくていいんですよ!?」

メ「でも男子ちゃんがラマーズ法でいきむ姿は妙に扇情的な気がしません?」

妹嬢「……多少は」

メ「私はしませんが」

妹嬢「はめましたね!?」

メ「いや、ハメる役は妹嬢さんでは」

妹嬢「生えてませんから!!」
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/29(金) 01:06:21.17 ID:nwzihfWAO
メ「しかし外伝では全然キャラ違いますよね。一部の方は」

委員長「そうかしら」

妹嬢「そのままだと思いますが」

メ「キャラ変化の二大巨頭が何を仰いますか。片方は巨根ですし」

妹嬢「生えてません!?」

メ「そういういじりを一切されない時点でもはや別人ですよね。いっつ あ どっぺるげんがー」

妹嬢「元来私はああいう立ち位置こそが正解なのです」

委員長「私も何ら変化はないわね」

メ「や、委員長さんに関してはもはやどこから語ればいいか見失うレベルなんですが」

委員長「そうかしら。設定的にもほとんどそのままなのよ」

メ「マジだとすると末恐ろしいレベルで詰め込まれてますね」

委員長「気にしないわよ。それより私の方の話が進んでいない事の方が問題だわ」

妹嬢「……あちらは私の出番がないのでこのままでも」

委員長「力ずくでもいいのよ」

妹嬢「やれますか? 貴女程度が」

メ(や、やべぇ……ここだけ空気が少年誌だよ。厨二秒だよ)

メ「あ、あのお二人とも。ここは仲良く今夜のお休みを埋めるように……」

二人「「黙りなさい、メインヒロイン風情」」

メ「す、すみませんでした」

この時メイドは本能的に財布から万札を抜き取り差し出していたとかいないとか。
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/29(金) 01:13:41.10 ID:nwzihfWAO
め「あや様。今回は尼僧姿のコスプレとはあざといですね。あざといです」

あや「何故二回言ったよ。仕方ないじゃないっすか。ボランティアなんだから」

め「夜のミサにてご奉仕がですか」

あや「今は昼間でしょうに! 罰当たりな」

め「昼からとは大胆な」

あや「まずはその黒ミサの発想から離れてください。バザーがあるから人手足りないって事で上司から命令が入ったんすよ」

め「上司? あや様はどこかへお勤めですか?」

あや「バイトみたいなもんすよ。とにかく今日はめいどさんの相手をしてる暇……」

バサッ

め「いけませんよ、あや様。シスター姿なのに下着がスパッツだなんて。ここは由緒正しくエロ下着を……」

あや「〜〜〜〜っ、わきゃぁぁあああああ!?」

め「どうされました? 乙女のような悲鳴をあげて」

あや「お巡りさんさん、お巡りさぁぁああああん!」

め「ほう。よく分かりませんが自首ですね。お勤め頑張ってください」

あや「誰かこの人を止めて……」
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 13:26:43.52 ID:ONl58nSz0
中の人乙
土曜日は仕事だったから日曜は思いっきり遊ぶ

と思ったら昼過ぎだったでござるこれはもう一日中寝るしかない
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:14:43.74 ID:C1xfinVa0
週末は大体平日できなかった家事やら買い物してて気づいたらサザエさん終わってる中の人です。
日曜日を寝て過ごすのは仕方ない。……仕方ないよね!
ああ。嫁がほしい。メイドでもいい。もしくは誰か娶って!?

軽く錯乱しましたが暑さのせいですね。
そんなこんなで今夜もいじめい!
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:15:54.64 ID:C1xfinVa0

第32話(後) 「逃走/包囲」

繰り返す噴射跳躍≪ブースト・ジャンプ≫がコックピットを揺らし、機体は地上と空中を行き来する。
既に後方で展開する国連の米国部隊と帝国軍の追撃隊が戦闘を開始していることから分かる迫り具合。
緊張と不安を飲み下し、ただ前進を続ける。脱出の要所となるポイントまであと少し。
ここさえ越えれば横合いから追走する部隊から足止めを食らうことはなくなり、後は抜けきるだけ。
勝利条件を向け、着実に進めている実感はあるものの、先ほどに比べて殿下の容態が思わしくない。
声をかければ速度を落とすな、の一点張り。後方で戦闘が始まっていることを察してか、態度は頑なだ。
けれど脂汗が吹き出ており、呼吸も荒く、重態なのは明らかだ。
加速度病で死ぬことはない、と思われがちだが衛士の座学として初期に学習する内容では、その危険性をあげている。
これは嘔吐に伴い脱水症状は死に至る可能性があり、強化装備の着用は義務だけでなく安全面を最優先としてのことなのだ。
故に、気丈に振舞われているが、徐々に速度を落とし少しでも負担を軽減するしか……。

『小隊各機へ告げる。E1地点周辺に敵機の到達が確認された。現在第174戦術機甲大隊が応戦中だ』

唐突に入った通信は米軍指揮官のもの。そんなバカなという言葉がのどもとまででかかる。
先の補給で時間を食ったことを考慮にいれても決起軍の展開が速すぎる。
こちらのルート変更や転進などを一切考慮に入れない思い切りの良さはこちらの情報が筒抜けだと考えてしまうほどに……。

「――っ!」

一瞬、友の顔、そしてあの封筒のことを思い出す。
違う、有り得ない。俺はあいつを信じると決めたんだ。だから、こんな事を一瞬でも考えた自分がいやになる。

『――という状況だ。全機現隊形を維持、最大戦速でE1地点を突破する』

更に追い討ちをかけるような命令が飛んでくる。
今ですら殿下の容態はギリギリだというのに、これ以上速度をあげるなんて無茶が出来るはずがない。

『報告から判明したが174部隊が相手をしているのは恐らく、富士駐屯地の部隊だ』

『――まさか。富士教導団まで決起部隊に呼応したというのですか』

珍しく焦った声をあげるメイド長。それもそうだろう。
富士教導団と言えば衛士に応用操作技術を教える側の立場。
練度、経験、技術。どれをとっても通常部隊をはるかに超えるものだ。
そんなものが相手になれば……そういうことか。

『実験開発部隊を擁する帝国軍最精鋭部隊だ。174大隊が長時間持ちこたえられる保障はない』

富士の部隊が先行して、後続の部隊が俺達の転進をカバーしていたということだろう。
元々の追撃部隊をぶつけるのではなく、富士の部隊で俺達を補足させる気だったんだ。
だからこの思い切りで、展開していける。早いはずだ。

『あちらの切り札が投入されたと見るべきだが、逆を正せば我々がE1地点を突破してしまえばやつらに打つ手はなくなる』

確かに、その通りだ。
だからこそ、今は最大戦速をもって、この場を進むしかない。
正論であり、これ以上ない最良の答え。
この先に帝国軍基地はなく、海沿いへと向かうルートとなり国連が展開しているため、決起軍の追撃は難しくなる。
指揮官の言うように突破さえしてしまえば多少戦速をおとしても追撃は間に合わない。
何を迷う必要がある。人類の未来のため、殿下のため。やるしかない。

――そのはずなのに。
俺の胸のうちに渦巻くもやもやは、それを良しとしきれない。
歯噛みしながらも、ただ了解と告げることしかできない。

「男……私に……気遣いは無用ですよ」

「はい……」

頼む。それしかないというのなら、間に合ってくれ。
顔も知らない174大隊の人たちよ、もう少し耐えてくれ。
E1ポイントさえ越えれば決起部隊だって後退せざるを得ないんだ。
そうすればこの馬鹿げた戦いも終わる!
そこまでは持ちこたえてくれ……。祈るように操縦桿を押し込む。
応えるように機体は速度をあげ、空を舞う。
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:17:05.45 ID:C1xfinVa0
レーダーに映る機影はどんどんとE1地点へ進軍していく。抑えるように展開する味方部隊のマーカーも、同様の動き。
まだ数キロを残す時点でこうなる以上、もはや敵機がE1地点へ取り付くのは想像に難くない。
それにあわせ、指揮官より俺達に随伴する近衛部隊と、米軍が側面を固める形へと隊形を変化させる指示が飛ぶ。
もはや、猶予などない。

――Piiiiiii

甲高い警告音と共に、敵機の接近を告げるマーカーが表示される。
完全に決起軍が取り付いたのだ。これじゃあ頭を抑えられて――

『各機へ告げる。敵は小gんがこちらにある限り迂闊に手出しは出来ない。現隊形を維持し全速前進』

確かに殿下がこちらにあり、彼等の目的が殿下より今回の件に対してお墨付きをもらうこと。
攻撃なんかして傷つけようものなら彼等の目的が達せられないどころか『逆賊』はあちらになる。
けれど、本当にそれが目的なのか?
仮に身柄も確保できず、勅命もいただけないのならば邪魔でしかないはずだ。
万が一の事態が起こったとし、それを米軍や国連軍に責任転嫁することが狙いだとしたら?
今の混乱した状況で正確な情報伝達は不可能であり、外国の……それも米軍に対する国民感情を考えれば情報操作は難しくない。
仮にこの件が収まったところで第二、第三のクーデターが起こるだけだろう。
女友大尉の真の目的がそうであったら……。

『優しい人だったから――』

そんな友の言葉を思う。
信じてしまいたい。その言葉をただ愚直に。
けれどこの焦燥感は、そんな思惑ばかりを肯定する。


事態の推移は更に悪化をたどり、後方からのUNKNOWNのマーカーが多数近づく。
状況を鑑みれば当然敵機であり、こちらの相手まで考えなければならなくなる。
米軍指揮官より、1小隊のみを残す形でそれぞれ部隊を展開させ、突破のみを考える陣形となる。
護りは当然手薄になるが、ここを越えれば終わりなんだ。それを考慮してのことだろう。
推進剤がもつのか不安になる速度で、前方の援護に向かう小隊と、反転し防衛にあたる小隊。
それぞれの人たちを頼もしく思う反面、レーダーに映るマーカーの圧力がそれを上回ってくる。
――本当に突破できるのか?
胸のうちに這い寄ってくる不安を押しのけ、行くしかない。行くしかないんだ!!
叫びにも似た音をあげ、噴射機構がバーニアを噴かす。戦闘の光はすぐそこまで見えていた。
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:18:07.50 ID:C1xfinVa0
『――全機隊形維持のまま最大戦速。このまま、追跡部隊を引き離す』

レーダーに映るのは混戦模様となるE1地点。そして、その先を行く俺達の部隊。
そう……やったんだ。突破したんだ!

「……は、ぁ」

これでもう、決起部隊が俺達の頭を抑えることは不可能だ。これでこの戦いも終わる。

『E4地点を通貨後、NOE≪匍匐飛行≫に移行。谷側に――』

匍匐飛行! よし、これで振動は随分マシになるし、殿下の負担も軽くなる。いいぞ!

「聞きましたか、殿下! もうす……殿下?」

「……っ……ぅ」

「あの、殿下? どうし……殿下ッッ!!?」

いけない!! 意識がなくなって!!

「02より00!! 最優先処理の必要性を求むッ!」

『00より02。秘匿回線の使用を――」

「殿下が倒れられました! 重度の加速病です、とにかく停止を、停止を進言します!!」

『なッ……症状は!』

「意識は朦朧、呼吸はやや乱れ、心拍数高め! 嘔吐はまだありませんが、一度始まれば止まらなくなる恐れが!」

そうなればアウトだ。嘔吐物により詰まった器官が機能せず、呼吸が難しくなる。
今の意識状態を考えれば死に至る可能性も高く、非常に危険な状態であるだろう。

『そのまま待て!』

――なっ。くそ、一々お伺いを立ててる場合じゃないだろ!
こうするしかなかったとはいえ、くそ、くそぉ!!

『ハンター1より部隊各機――約2マイル先の谷間でNOE。高度制限は100フィートとする』

地形を見れば両側を谷に囲まれた地形となっている。
ここなら守りも容易だろう。各機に俺の機体以外を警護に当てるよう指示する通信が入り、方針が固まる。

「すみません殿下……もう少し、もう少しだけ頑張ってください!」

ポイントに到着するまでの間、届くか分からないままに言葉をかけ続ける。
勿論、そんなことで殿下の容態が良くなるわけはない。でも、それくらいしか出来ないから……。
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:18:54.68 ID:C1xfinVa0
ポイントに到着後、俺と教官どの、指揮官の少佐どのとのやり取りとなる。

『男、殿下のご容態は』

「依然変化ありません。いえ、むしろ先ほどより苦しそうかと」

『バイタルデータはモニターできるか?』

「固定ジャケットの簡易データになりますが。――転送します」

『軍曹、訓練部隊のファストエイドキットは国連E規定に準拠したものか?』

『はっ、米軍と同じものを使用しております』

『男訓練兵、スコポラミンの投与は?』

「出撃前に服用いただきました。既に3錠を」

『限界量が効かない、か』

そんな分析は後回しでいいだろう。
今必要なのは休息だ。医学的な知識は簡単なものしか衛士は習得しないんだ。
だったら今は休ませてやる以外、効果が望める方法なんて……

「少佐、早急に応急処置を施すべきだと考えますが!」

『処置内容は?』

「ハーネスのテンションを緩め、可能な限り楽な姿勢をとらせるべきです。ハッチも開放、涼しい外気に触れさせることも必要だと判断します」

『許可する。応急処置を実行に移せ』

「了解!」

そのまま現状についての論議に映る二人をよそに、俺は殿下の応急処置に入る。

「すみません、こんな処置しかできず。でも、少しは楽になりますので」

ハッチを開き、楽な姿勢をとらせる。
触れる身体は年相応の女の子のもので、この人にいかに無理を強いてきたかと思うと胸が痛む。
遠くから聞こえる戦闘音は、かなり距離を稼いだ証拠。
この先、帝国軍基地はなく物理的に決起部隊が現れる危険もない以上、休息は必要だ。
さなかに聞こえてくる二人のやり取りから、この騒乱が起こってから殿下が一睡も取られていないことが分かる。
更に現状を鑑みれば、その心労は推し量るまでもない。民と臣。両方を失い、危険に晒し。心は擦り切れていく一方だろう。
そんなコンディションで弱音一つ吐かず、逆に俺に気遣いまで。強い人だと思う。将軍の名は伊達ではないんだ。
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:19:26.33 ID:C1xfinVa0

『男訓練兵。殿下にトリアゾラムを投与しろ』

唐突に告げられる命令。それにとっさに反応することができない。
トリアゾラム。……精神安定剤にして、睡眠薬の効果もある。
それを、殿下に?

『お待ちください少佐、殿下の症状と戦況の好転から考えて、更なる投薬のリスクは不要では』

『精神安定剤の投与は重度化速度病に対する通常の処置だ』

今、殿下にそんなものを投与すればどうなるんだ。
確かに眠っていただく間に移動を完了させればそれでいいだろう。
移動時間の短縮にも繋げることで負担を最小限にするという考え方は納得できる。
事態の早期収束にもなり、選択肢としてはありだ。
だが仮に筋弛緩効果もあるこの薬品を投与する中、嘔吐などが始まれば窒息の危険が高まる。
それでなくてもこの容態。薬品によるあらゆる症状の併発やリスクは高い。
殿下の御身か、それとも事態の早期収束か。今判断すべきはそのどちらを取るかということ。
その内で、少佐どのがこの選択をするのは当然なのだ。

『その判断は不要かと、少佐』

そこに我慢ならないといった様子で、侍従長中尉が割り込んでくる。
本来、オブザーバーではあるが発言権はないはずだが、彼女の立場を考えれば当然だろう。
ここまでよく我慢してたと言えるくらいだ。
殿下の容態を鑑みない発言や命令が続く現状、内心穏やかではないだろう。
それでも自制した物言いで進言を続ける。
あくまで休息を提案する侍従長さんと、投薬を行い、すぐにでも出立に向ける方針とする少佐どの。
そして今尚、呼吸すらままならない殿下を見て、俺は口が勝手に動いてしまう。

「少佐、無茶です! すぐに移動を開始すれば、殿下は嘔吐による衰弱と脱水症状で――」

『男訓練兵! 上官の議論に口を挟むなッ!』

「――ッ」

一喝はメイド長教官のもの。
立場上、確かに俺は何も言えないだろうし、彼女がそれを窘めるのは当然だろう。
けど、納得いかない。この好転した戦況で、休息を取ることのないがいけないんだ!

『男訓練兵、何をしている。早くトリアゾラムを投与しろ』

「う……」

『ならんぞ、男訓練兵。少佐、休息時間の再考を具申します』

侍従長中尉に助けられる形で、俺は手を止めてしまう。
やはり、俺には出来ない。

『中尉。我々国連軍の任務は、反乱軍から将軍を守り、無事脱出させることだ』

やり取りの中、指揮官の少佐どのが言い聞かせるように話し出す。

『そしてもうひとつ、指揮官である私には、出来うる限り、君達を含めた部下の安全を図る義務がある』

この作戦は日本政府の要請により実施されているもの。
つまり反乱軍の人間でない限り、任務遂行の邪魔をするな、と彼は言外に告げる。
いや、真に言うべきは裏切りではないのかと疑ってすらいるのだ。
富士教導団の例まで出し、その事実を指摘する彼の言い方は、正論だが味方に言うべきじゃないだろうと思う。
対する侍従長中尉は他国の首脳に独断で身の危険の及ぶ判断が出来るのかというもの。
フォローするように教官も米国に対する国民感情の好転を考え、政治的な知見から判断を下すようというもの。
それぞれが違った立場でありながら、殿下の御身を考えるよう具申してくれる。
これなら、きっと少佐だってある程度はその点を考えた作戦に切り替えてくれるはず……。
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:20:34.48 ID:C1xfinVa0
『君達の忠誠心、想いの深さには敬意を表する。そして君達がそうであるように私も、私の部下達も祖国に忠誠を誓った軍人だ』

しばらくの考慮のあと、少佐は告げる。

『国民や国家の安全を守る命令には従う。そしてこの作戦も任務である以上、全力を尽くそう。だが……これだけは言わせてもらうぞ』

険しくなる表情は、もはや取り繕うものなど一切ない。

『この人類滅亡の危機に、無意味な内戦に突入し貴重な戦力や時間を浪費している愚かな国家。それが君達日本だ』

少佐の言葉は、俺の胸に突き刺さるものだった。

『その幼稚で下らない国ために、私の部下が落とすことは絶対に我慢ならん。今も後方ではそれが事実として起こっているのだ!』

何故ならその言葉は、

『中尉の提案する休息時間の間に、敵味方何人の命が失われると思う。それは本来、人類の宿敵たるBETAと戦うべき命なのだぞ!!』

俺がずっと言い続けていたもので、同じ考えなんだ。人類同士で戦ったり駆け引きしてるときじゃないんだ。
だけど、何かが……釈然としない何かが俺の中にはある。
もやもやした気持ちが胸中に渦巻く。

『少佐の指摘はご尤も。貴国との争いに敗れ、誇りを失い、政治は疲弊し情けなく今や他国の干渉に翻弄される有様』

返すは侍従長さん。
その物言いは今回の国連介入に裏があることを知ってのものか。

『されど貴官の将兵の命を危険に晒しているのは、我々でも、まして殿下でもありますまい』

極東から引き上げ、しかし今や復権を狙う米国政府がその原因だとはっきりと告げる侍従長。

『なれば先の物言い、まさに陰口が如き泣き言に過ぎぬ。その程度の覚悟と中世ならば遠慮は無用。またあの時のように安全な北米大陸へ帰られよ!』

『言葉が過ぎます侍従長中尉! 本作戦での立場をお忘れか!』

さすがにこれを止めるよう、メイド長教官も言葉を挟むが、

『先ほど、上官の議論に口を挟むなと訓練兵を窘めていたな? 部下への範じゃ己が態度で示すがいい』

冷たい声音にて一蹴する。
あの侍従長さんがこんな感情的な物言いをするなんて、なんでこんなことに。

『中尉、今般の作戦を主管する国連軍の名に於いて警告します。貴官の発言は挑発的意図が散見され、今後の任務遂行の障害となる恐れがあります』

そんな見え透いた売り言葉に対して、買い言葉を発するメイド長教官。
この人も普段の冷静さを考えればこんな言い方、有り得ない。どうすりゃいいんだ、こんな状況……!

『なるほど。任務の障害となる我々近衛部隊を国連が『反乱軍』と認定し排除する……そういいたいのだな?』

『警告と申し上げました。以後、ご自重ください』

『できぬとしたら、如何に?』

一触即発の雰囲気が高まっていく。
どうしたって言うんだよ、二人とも。こんな無駄な……無駄な?
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:21:26.40 ID:C1xfinVa0
『やめたまえ中尉。時間稼ぎはもう十分だろう。全く、見事に乗せられたか。君の挑発が全て演技というわけではないだろうが、な』

『少佐の仰る意味がわかりません』

『ふっ、まぁいい。ところで軍曹、君は知っていて乗ったクチかね?』

そうか、二人とも演技で時間を稼いでたのか!
少しでも殿下に休んでもらうために……

――――ォォ

こういう腹芸は全くできない俺にしてみれば、今のやり取りは本気のものにしか見えなく……って、何の音だ?
開けっ放しのハッチから聞こえる遠くからの音は聞きなれないものだ。

「……とこ、……薬……わたく、しに……」

と、遠方の音に気を取られる俺にかけられる声は、

「殿下!!」

でも、何で殿下が薬のことを……。
ふと見やるモニタの状況にチャンネルがオープンになっている表示が映る。
いつの間に、こんな! だとしたら殿下はほとんど今の話を聞いていたことになるだろう。
そして強い人だ、当然そんな要求を出してくるに決まってる。

「い、いけません殿下、それは……」

「わたくし、は……だいじょ……ぶ……」

「う、うぅ」

「……いか、なるいの、ち……むだ、に……!」

俺は、……俺は……。

――ゴォォォオオ!

「!? 何の、音だ?」

先ほどから響いてきたいたものは、見上げた先に答えとしてうつる。

「友軍の、航空、機?」

航空機が何故。一般の世界においては戦時中といえば航空戦力の配備が当然だろう。
しかし、『この世界』において航空戦力は無力なものとなっている。
その答えはBETAにあり、レーザー級と呼ばれる固体による対空狙撃能力が圧倒的であり、人類は航空戦力に頼ることがなくなったのだ。
結果として繁栄したのが戦術機であり、現在の主流となる兵器だ。
だとすれば、日本海側をはじめ多くの地域が危険空域である日本では聞きなれないのは当然であり、誰しもが気づかなかったこと。
更に両側の山がレーダーの死角を作っていたことが拍車をかけていた。俺みたいにハッチを空けていたらまだしも、他はみんな閉鎖したまま。
気づかなくて当然だ。
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/01(月) 01:22:27.11 ID:C1xfinVa0

『帝国軍671航空輸送隊? 作戦参加は聞いていないが……』

友軍機のマーカーが俺達の頭上付近まで接近してくる。

『帝国軍……671……ッ!?』

教官がその所属を確認し、一瞬で声色が固まる。

『軍曹どうした、報告せよ』

『少佐、671輸送隊は先に決起軍に占領された部隊のものです。少佐、あれは恐らく』

もはや確認するまでもなかった。
次々とレーダーのマーカーがUNKNOWNの表示となる機体と投下していく。

『――空挺作戦≪エアボーン≫だと!? ばかな、有り得ん!』

少佐の言葉も当然だろう。先も言ったが、日本の空域のほとんどはBETAの占領区画と照らし合わせて危険区域となっている。
比較的安全な太平洋側の航路は今、国連や米軍が押さえている以上、考えられるのは……。

『完全にしてやられた。戦術機の空挺……ましてや危険空域の航空機使用など有り得ないという硬直化した思考の隙をつかれたのだ』

歯噛みする侍従長さん。
もはや、退路は完全に断たれ、包囲は完成している。
彼等は全滅の危険すらいとわず、無謀な作戦を遂行したのだ。

『国連軍指揮官に告ぐ。私は本土防衛軍、帝国守備第1戦術機甲連隊所属の、女友大尉である』

その名に誰もが凍りつく。

『直ちに戦闘行動を中止せよ。我々の目的は戦闘ではない』

まさか、決起軍の総大将が最前線へ……。
しかし静かな声音は声明の時と同様で、本人以外に有り得ないだろう。
向こうはあくまで殿下の御身を迎えにあがったこと。一方的ではあれ、60分の休戦を申し入れの用意があること。
この休戦が朱鷺之宮殿下のご尊名にかけて履行されること。それをあちらから破ることがないことを告げられる。

『休戦の間、現在置かれている状況、諸君等が我が国に対して行っている行為の当否を冷静に熟慮し、現実的で誠実な対応を取られんことを切に願う』

非常に紳士的な態度ではあったが、当然ながら返答なき場合、またその他の行動があった場合。
相応となり、必要と思われる全ての手段をもって事態の収拾を図る旨も告げられた。
もはや逃げ場はない。それを示すように決起軍のマーカーが俺達の周りで点滅するのだった。

―― to be continued...
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/01(月) 01:55:17.26 ID://QpBrDAO
め「あや様。ぷにぷにですね」

あや「ふぐー!! ふむー!?」

め「日本語でお願いします。そのような猿ぐつわをされていては何も聞こえませんよ」

あや「むぐぅ!?」

め「手錠アピールをされましても。性癖が特殊なのは知っていますが」

あや「むむぅふぐぅ?!」

め「勝手にミニスカメイドに着替えをさせていただくくらいでそんなに暴れなくとも。まだ未遂ですし」

あや「むー!!?」

め「では早速」

あや「ふぐむぅ!」

しゅる

め「むむ?」

あや「はぁ、はぁ……さ、させてたまるか!?」

め「どうやって手錠を」

あや「え、と。たまたま外れた訳でして」

め「明らかに不自然な抜け方をされたような。もしやあや様は何か特殊な技術を?」

あや「ないない。ないですから気にしないで!」

め「……次からはもっと拘束力の高い器具を準備して……いやしかしそうなると着替えが不可能に……」

あや「さらっと怖いよ! もうめいどさんの前で絶対寝ないから!?」

め「それは困りました。あや様をひん剥けないではないですか」

あや「ひん剥かなくていいんだよ?!」
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/01(月) 02:04:27.46 ID://QpBrDAO
あや「最近、明らかに身の危険を感じるんですけど。宮ですらもう少し自重してた記憶がありますが」

主「のろけ?」

あや「こちとら死活問題なんすよ?!」

主「いいじゃん別に。あの時と違って立場上バレたくないとかそういうしがらみもないだろ?」

あや「……何故それを?」

主「っと、怖い目だ。ダメだぜ、そういうカタギから外れる真似は」

あや「そっちが……あー、もう。何で周りはこうも厄介なのばかり……」

主「素直になれ、とも言えないけどさ。少しもダメな訳?」

あや「特定の個人に一定以上の関係は持てない仕様なんで」

主「そこはラブパワーでどうにかさ」

あや「マンガや小説じゃあるまいし」

主「現実はだいたいハッピーエンドと相場は決まってるよ」

あや「嘘でしょ」

主「おう」

あや「くっ……なら勧めないでくださいよ。今でかなりカツカツなんですから」

主「なら相談すんなよ。自分で決められないからって他人を理由にするな」

あや「ッ……!」

主「仕事の話だけしたいって言い出すくせに自分は私情晒してさ。どうしたんだよ、最近本当におかしいぞ、お前」

あや「……すませんっす。確かにちょっとどうかしてましたね。……割り切り、しないとな」

主「……」

主(多分こいつ、俺と同じ失敗するんだろうな……めいどが泣く事になる、かな)
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/02(火) 01:25:44.92 ID:/SXsi2qAO
メ「今夜は更新なしっすか」

男「戦士は時に休息を必要とするのだ」

メ「社会の底辺層が何を言ってんだか」

男「……」





時に目から汁が出そうになりますが私は元気です。……で、でも更新は明日で。
最近また更新ペースが落ち始めてるんで気を引き締めないと。
では今夜は珍しく姉さんで。
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/02(火) 01:43:02.66 ID:/SXsi2qAO
メ「ハイスペック人間(の形した何か)コンテストー!」

姉「わー!」

男「姉さん、姉さん。あいつ今さらっと失礼ぶっこいてるよ」

メ「趣旨は単純。最近では影がめっきり薄くなったお姉様に返り咲いていただく為、そのハイスペックぶりをひけらかすコーナーです」

姉「返り咲くー!」

男「むしろどん引きの予感が」

メ「では最初は瓦割百枚のコーナー! これを指でお願いします」

メ(くくく。実は瓦に見せかけた鋼鉄製よぉ。せいぜい痛い目見て人気を落とし……)

姉「たー」

ミシッ

男「珍しい。姉さんが破壊系スキルを発揮しきらないなんて。いいとこ四割くらいに皹入った感じか。ブランクあるし仕方ないよ」

姉「むむむ」

メ「……」

男「なんだよ、メイド。青い顔して」

メ「い、嫌。なんでも」

メ(こ、怖ぇぇ……指一本でこれとか! 普通にやったら割れてたんじゃないすか!?)

姉「全部割れなかった。ごめんね、おとちゃん……」

男「別に気にしてないよ。謝る必要はないし、むしろ普通の女の子に近づいたって事なんだから俺は歓迎だよ」

姉「おとちゃん……えへ、えへへ」

ぎゅむ

男「ちょ、姉さん?!」

姉「えへ〜♪」

男「ぬ……ぐぅ」

メ「っけ。なんか私が体のいい当て馬じゃないすか。全く」

パラ……パラ……

メ「ん? 偽瓦にしてはえらく細かい粒が……って、ま、まさか」

ミシッ……ミシ

メ「こ、これ、下のほぼ半分は見た目わかりづらくてくっついてるだけで割れてる?! ひ、ひぃぃ……!?」




結論:喧嘩売ったらダメ
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/02(火) 01:49:24.07 ID:/SXsi2qAO
姉「喧嘩?」

『そ、喧嘩。ただの取り合い』

姉「私と、あなたが?」

『他に誰かいるかしら?』

姉「うぅん。でも、喧嘩なんかできないよ」

『それはそれは。お優しい事ね。だったら一方的にやらせてもらうだけよ』

姉「うん、そだね」

『……聞き分けがいいのね。そんな博愛主義者には見えないけれど』

姉「当たり前だよー」












姉「だって、一方的に私が狩るだけだもん」

委員長「はッ! ……上等ね。挽いて裂いて潰してあげる」

姉「らじゃ。そっくりそのままやり返したげる」

委員長「そして残った方が……」

姉「おとちゃんを」

「「もらう」」









メ「という今作二大戦闘民族の邂逅を予想してみたのですが」

男「どっちにせよ俺がもたないからパス」
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/02(火) 02:02:58.87 ID:jxUQWN60o
確かにどっちに犯されても持たないな
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/03(水) 01:03:32.57 ID:74Z5bYjAO
委員長「実際はそんな物騒な発言はしないわよ、私」

命「どの口が言うかね」

委員長「あら、最近ただでさえ影が薄い命じゃない」

命「その口から暴言や嘲笑以外が出てくる外伝の違和感が尋常じゃねぇよ」

委員長「くす。あれが本当の私なのに。ひどい言い種ね」

命「あーはいはい、聞こえませんよ、と。でもあんたなら本当にあの化け物と対峙しても負けなさそうだな」

委員長「仮にも肉親に随分な言いようね」

命「抱けない女に興味はねぇ」

委員長「抱けるように達磨にしておくわよ?」

命「首から上だけありゃ俺みたいなのは喰われて終いさ」

委員長「意外ね。自己分析できるなんて」

命「それ以前にまず達磨に出来る前提がすげぇよ」

委員長「身体に思考を合わせられない獣相手なら当然よ。多少型落ちしててもまだ貴方の母親の方が脅威ね」

命「おーおー少年誌な発言だことで」

委員長「くす。これはこれで役割をもらえるものよ」

命「さいですか」
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/03(水) 01:23:07.55 ID:74Z5bYjAO
命「そういえば一時期やってたエロの流れはどうしたんだよ」

委員長「さぁ? 蒸し返すなって声が聞こえる気がするけれど気のせいね」

命「気のせいだな。何だよ、濡れ場担当と言えば俺かあんただろ」

委員長「私とは無縁ね」

命「あんたの床事情は桃色通り越して真っ黒だもんな」

委員長「ええ」

命「……。俺は学生やってた頃は大体桃色だぞ」

委員長「薄っぺらな青春よね」

命「これ以上ないくらい謳歌してたっての。ま、俺よりすごいのはいたけど」

委員長「家族自慢かしら」

命「……」

委員長「くすくす。分かりやすく拗ねないでよ。ごめんなさい、続けて」

命「ちっ。……まぁ、簡単に言えば三人くらい同時に、かつ付き合ってた奴とかな」

委員長「貴方も似たようなものでしょう?」

命「俺のはセ○レ。あいつは全員と本気で付き合ってたよ。周りの評判は最悪だったけどな」

委員長「貴方も評判は悪そうね」

命「顔と要領が良けりゃ何とでもなるもんさ」

委員長「餓鬼くさい人生観ね」

命「っせぇな……だからまぁ、またそいつらの話とかして俺にスポットを……」

委員長「安心なさい。今夜を逃したらしばらく出番はないから」

命「な、ちょ、おい! 待て、話をさせろ! さすがにこれじゃあ出足り……」








命には少し早い夏期休暇を進呈しつつ今夜はこれくらいで。
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 19:52:20.50 ID:JYiI4Mj/o
沢山更新があるから後の楽しみに取って置いたら
更なる大量更新で追いつけねぇww
投下に即したレスが出来なくなるけど
ちびちび楽しみながら追いかけるよ
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/04(木) 01:26:21.29 ID:YtuZcTAM0
第33話(前) 「包囲/それぞれ」


米国軍と近衛軍による最低限の戦術機による警戒を残し、各リーダによる簡易的なミーティングが開かれる。
現状について、反乱の首謀者が前線に現れいきなりの休戦協定。歩兵部隊による強襲を想定しないわけがない。
確かに、E1ポイントを制圧した後続部隊が後方を固める時間稼ぎの可能性もあるだろう。
だがそれは更にその後方に展開し、接近してくる国連軍の合流を考えればリスクが合わない。
けれど日本人である教官や侍従長さんからしてみれば、彼等が殿下の名のもとに提示した60分。
この時間の間に何かを仕掛けてくるなどの攻勢に出ることは想像できずにいた。

多少、難航の兆しこそあれ、答えは出ている。
結局、彼等は休戦勧告を受ける以外の選択肢などなかった。

「何故君達がそこまで敵軍を信用できるかは分からん。だが、こちらにとっては好都合だ。殿下には戦術機を降り、お休みいただこう」

「はっ」

応えるのは侍従長。
彼女からしても、その案は真っ先に賛同すべきものであった。

「念のため、歩兵の襲撃に備える。軍曹、君の小隊は殿下の警護に当たれ」

「訓練兵を殿下の直衛に当てるにはいささか力不足が否めないかと」

多少困惑の色を見せる教官に、侍従長さんからフォローが入る。

「軍曹。少佐は今のうちに訓練兵を休ませておけ、と仰られているのだ」

「……!」

「…………」

真意はどうであれ、それを肯定も否定もしない。
それが彼なりの答えであり、いかに日本という国に対して思うことがあっても、部隊を預かるという信念。
これに関しては誠実だった。

「少佐、我が部隊の衛士も戦術機から降ろし、周囲の警戒にあてさせます」

「良かろう。近衛である君の任務を果たせ」

「……は!」

「……。少佐、お心遣い、感謝します」

「状況はもっと厳しくなる。頼んだぞ」

「はっ」

こうして、俺達は殿下の護衛という名目の下、各自が各自なりに休憩を取ることになる。
勿論、立ちっぱなしだし周囲を警戒してなきゃならない。
信用こそあれ、あっちが手を出してこないなんていうのはあくまで希望的観測。
戦況次第じゃ、どうにでもすっころぶ。今起こってるのはそういうことなんだ。

「……とはいえ、安心しちまってるよな、俺」

向こうから発するマーカーに嘘偽りがなければ、30分を経過した今、あちらに動きはない。
レーダーが記録した降下機体数、位置、共に間違いはない。

「戦闘が目的ではない、か」

やはり根拠もなく、相手を信頼してしまう。
俺に足りないはずの立脚点、信念みたいなものを相手から感じ、胸のもやもやは膨らむばかりだ。
作戦に何のメリットもないこの空白の時間。自殺まがいの空挺作戦まで行って、何故なんだ。
理由があるとすれば『誇り』や『矜持』。決起してまで、目的の人が目の前にいてまで守らなきゃいけないのか。
大尉、あんたが命を賭けて起こしてるこの事態は、全人類に迷惑をかけてまで起こしてるこれは、そんなに軽いのか?
俺は違う。そんなあやふやなもの、信じたりしない。
俺の目的は明確に、人類の敗北をさけることだ。俺が決起軍なら、間違いなく襲撃を仕掛ける。
位置を特定されないためにわざわざセンサー類をすべてころしてる現状、歩兵部隊で数を攻めればすぐに片付く。
卑怯と、無法と罵られようと、人類の敗北を回避するためなら迷ってちゃいけないんだ。
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/04(木) 01:26:51.09 ID:YtuZcTAM0
なのに、浮かぶのはさっきの少佐の言葉。

『この人類滅亡の危機に、無意味な内戦に突入し貴重な戦力や時間を浪費している愚かな国家。それが君達日本だ』

『その幼稚で下らない国ために、私の部下が落とすことは絶対に我慢ならん。今も後方ではそれが事実として起こっているのだ!』

胸のもやもやがいっそう濃くなる。
米国にも某かの思惑はあるのは明白だろう。けど、俺にとっては少佐の言葉のほうが真実だ。
勿論、米国の思惑があったことは事実だし、全てを認めることはできない。
けれどあの人の言葉はそういったどす黒いドロドロした何かとは違う、前線の衛士としての言葉。
むしろ、彼にしてみれば人類の最前線を預かる兵士が身勝手な信念を振りかざした反乱に巻き込まれ、命の危機にさらされているこの事態が異常なのだ。
助けてやった味方の関心ごとは将軍の安全で、任務は二の次。あまつさえ敵の言葉をあっさりと信用する。
日本人からすれば当然の感覚も、彼からすれば幼稚で下らないと一蹴するに足る。
故に胸に刺さることもあるし、納得できる部分もある。

「……そっか、俺がその考えに行き着くのは、『この世界』の日本人じゃないから、なのか」

俺は『この世界』の日本人がもつ立脚点がないし、歴史的な立場も教科書以上には知らない。
そもそも、そんな政治の善し悪しを考えて行動できる立場じゃない。
俺が目指したいのは、人類のあんな結末を回避する、ただそれだけなんだ。

だからこそ、俺は知っていた知識を利用して、本当は俺達の手で、本当の意味で救うはずだった人を切り捨てた。
天元山。そこにいた避難民を見捨て、オルタネイティブWの完成を優先したんだ。


なのに何故、もやもやは消えないのか。
何故、俺はあの時、殿下に薬品を投与できなかったんだ。
貴重な残り時間を、人間同士の争いに割くことに苛立ちを感じていた俺が……。
それを終わらせるために、1秒でも早く将軍を連れて基地へと帰還すべきだと、頭でわかっていたはずなのに!

――結局俺の信念とやらは、目の前で苦しむ少女に対して、意味を成さない程度のものだったということなのか。

彼女は、殿下は米軍、国連、さらには決起部隊の衛士のことを考え打てば死ぬ可能性のある薬を、それでも与えよと頼んできたのに。
びびってた。迷ってた。焦ってた。たったそれだけの、吹けば飛ぶような……信念なのかよ。

「くそ!!」

対極的に物事を見れないからこうなる。命のやりとりや生身の現実に直面したから、なんてのはいいわけだ。
結局、俺は人の命が関わる局面で、手を下すのが怖かったんだ!

「何が……俺に、何が足りないっていうんだ」

経験。確かにそれもひとつだろう。けれど、それはあくまでファクターのひとつだ。
将軍だって、他の衛士のほとんどが実戦経験豊富だと言えるわけじゃない。
結局は『立脚点』や『信念』が足りないってのか?
そんなことねぇだろ! 俺だって、俺にだって譲れない信念はあるんだ。
この世界にとって、確かに俺は異邦人だ。それでもこの世界を救いたいって気持ちは嘘じゃないのに!
人類を救いたいってどれだけ強く思っても――だめなのかよ!!

『一々立ち止まる癖はもうやめてください。人類を救うのでしょう? 偉そうなことを言ったからには行動で示してください』

……っ! くそ、やっぱお前よく分かってるよ。
妹の顔と、その呆れられた情景が浮かんでくる。
本当に、よく見てやがる。

「……強く、なりてぇよ」

あいつらは来ない。そう、言い切れない。
自身でそれを、相手の信念も、自分の信念も疑っているから、こうして落ち着かないのだと思う。
相手の持つ信念を信じられるくらいに。強く、なりたい。
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/04(木) 01:27:29.60 ID:YtuZcTAM0
煮詰まってはしまったが、自分のなかにあるもやもやが少し見えた気がする。
まず今だ。ここを抜けなきゃ次はない。その覚悟を、もう一度しっかり持とう。
そうしてみんなで……。

「みんな、か」

そうだ。みんなだって色々な事情や現実を背負ってるんだった。
出撃してから全然、あいつらと話ができてない。

「見に行って、みるか」

持ち場を離れ、俺はあいつらに会いに行く。

――結局、俺はあいつらに甘えてるんだな。

そんな思いを感じながら。






委員長には会えなかった。あいつのことだ。まじめに見回りでもしてるんだろう。
全員、これがある程度建前であることは分かっているのに。
真面目である以上に、殿下を守るって任務だからこそ、あいつは歩哨任務をおろそかにできないんだ。
何より、何もしないでいるより、そっちのほうがいいはずだから。


同じ足で友のところへ向かう。
あいつはあいつなりに気遣いを見せてはくれる。
けど、それが上辺だけなのはすぐ分かるほど、辛そうだった。
そして、お互い露骨に避けてしまう、その名前。

「――聞かないんだね。大尉のこと」

その均衡を破ったのは向こうからだった。

「別に、関係ないだろ。お前と、あの人は」

「そう思う?」

答えに詰まる。何より、俺はさっき、部隊の展開の速さを疑った。
俺達の情報がリークされてるんじゃないかって。出所が、こいつじゃないのかって。

「ま、嘘ついてごまかされるよりは誠実ってことか」

「ち、違っ、俺は!」

「本当、余裕あるよね。うらやましい」

「余裕とかじゃなくて、俺は……!」

「ごめん。もう行くよ。そっちもちゃんと歩哨任務やりなよ」

「っ……待て! 待てよ! 俺、お前のこと一瞬でも疑ったりしたよ、正直に言えば、だからごめん!」

思わず、そのまま行きそうになる背中にぶちまけてしまう。
でも、それはすぐ後悔に変わる。

「自分だけ軽くなって……こっちだって、いっぱいいっぱいなんだよ」

振り返らずに告げられた言葉は、友の今をそのまま物語る。
ああ、そうだよ。何を俺は勝手に押し付けて、自分だけ楽になって……。
今、目の前の現実が一番つらいはずのこいつに、心が揺れてるはずのこいつに、俺は、何てことを。
結局、それ以上何も声をかけられないまま、別れてしまうのだった。
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/04(木) 01:28:52.03 ID:YtuZcTAM0
ふらふらと向かう先で、二人の女性の声が耳に入る。
片方は聞きなれないもので、相槌をうつ声が俺の知る人だった。

「まさか私も人間相手の作戦に駆りだされるなんて思ってもみなかったわ」

「そう、ですよね……すみません」

女さんと……米軍の衛士か。
そういえばあっちも交代で休憩を取るって話だっけ。

「何で貴女が謝るのよ。貴女が何かしたわけじゃないでしょ」

「……っ」

女さんは自分の父親が外交官で、今回の件に絡んでることを知ってる。
何より直接的ではなくとも彼女等米軍を今回の事件に関わらせた一端ではある。
だからこそ、責任を感じてしまうのだろう。

「もしかして、あなたは日本人?」

「あ、はい」

「そっか、そういうことか。だったら尚更つらいよね。同胞に銃を向けるんだもん」

「任務……ですから」

「……そう」

何となく、立ち聞きしちまってるけど、あの人、理性的だ。
本来なら日本人だってわかった時点でこんな事態に巻き込まれたことに文句のひとつでも言いたくなるだろうに。

「私ね、戦災難民なの」

「……え?」

「だから米軍に入って市民権を獲得しなきゃ、家族は難民キャンプから出られないんだ。国、なくなっちゃったから」

「あ、あの、私……なんていったらいいか……」

「気にしない気にしない。よくある話よ。それに家族は母さんも妹も生き残って、幸せなくらい。貴方、家族は?」

「父と弟が……母は戦災で。弟は今、衛士訓練中で……」

「そっか。だったら頑張って弟君が実戦に出ないですむようにしてあげないとね」

「は、はいっ」

「うん。やっと笑ってくれた。貴方、笑顔のほうがいいわよ」

「……あ、ありがとうございます」

「私はユーニ。あなたは?」

「女。女です」

「そ。女ちゃん、もしこの先、BETAとの戦争が終わったら私の国に招待するわ」

「本当ですか?」

「ええ、いずれ復興させて、私の住んでいたところを紹介してあげる。すごく花が綺麗な場所だったんだから」

「……ほわぁ」

「だから、絶対に生き残りましょう。お互いにね、いい?」

「……! は、はい!」

そうして二人は別れていく。米軍にだって色々な人がいるんだ。
ああやって家族のために戦えるし、国が違っても気遣いをくれる。
上の思惑がどんなにきなくさくったって最前線ではいい人はいくらでもいるんだ。
だから……ああいう人を巻き込んでる今は、すごく、つらい。

女さんは少し落ち着いたみたいで良かった。
何より、この後の戦いも彼女との約束が支えになってくれるはずだ。
俺は見つからないうちに、その場を離れることにした。
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/04(木) 01:32:07.31 ID:YtuZcTAM0
何だかんだでここまできたら、という具合に妹ちゃんのところにも顔を出す。
思ったよりも元気で、多少の笑顔すら見られる。心配はいらなかったか?

「大変、だよな。どうなっちまうんだろ」

「だよねぇ。お姉ちゃん、無理しなきゃいいけど」

「そういう妹ちゃんだって大変だろ? 親族の人だって今回の件に巻き込まれ……」

言いかけて思いっきり地雷を踏み抜いたことに気づく。わざわざネガティブになる話題をふってどうする!
だめだだめだ。さっきの友の件が尾を引いてる……しっかりしろ、俺!

「……親族なんていないよ、私にゃね」

「え?」

「私にとって家族は姉ちゃんだけさ。むしろ、今回死んだやつらなんて私からすりゃ当然の末路だしね」

「それ、ってどういう……」

「どうだっていいだろ。要はうまい汁だけ吸って生きてるごみ虫は駆除された。それだけの話さ」

本当に、心を痛めてるからの強がりとか、そういうのじゃない。この子は、今回の件、もっとも向こうに近いんじゃないか。
直感的なものだが、そう感じる部分が、今の妹ちゃんにはある。

「あ、でもさ。あれだろ? 殿下についてはお前も心配だよな」

そうだった。委員長が姉妹みたいなもんだって言ってたからな。
きっと容態とかある程度教えておいてあげれば、心労も軽くなるはずだ。

「……姉ちゃんは心配してた?」

「ん? あ、ああ」

けれど思ってたのとは違う返事。

「そっか。……あいつ、まだ姉ちゃんに心配かけて……自分はのうのうとお飾りやってるくせに」

「お、おい」

いくら俺でも今のが不敬にあたることは分かる。いや、下手をすればこの状況だ。裏切り者の扱いすら受けかねない。

「……私達みたいな陰も存在するだけ悪だけどね。それ以上に、その上に胡坐かいて生きてた奴等はもっと悪だ」

彼女の言葉の端々から感じる憎悪。その出所がわからず戸惑いが隠せない。
そんな俺の態度も露知らず、彼女はさっさと進んでいこうとする。

「な、なぁ妹ちゃん!」

それが不安で、思わず声をかける。

「ん?」

「……みんなで一緒に、生きて帰ろうな」

けれど、そう声をかけるのが精一杯だった。

「おう。むしろこの状況ではあんたのこと頼りにしてんだからね。しっかり頼むわよー」

だから、そんな風に声が返ってきたことに安堵する。ただ、何となく。今まで委員長と妹ちゃんはただの姉妹だと。
そうとしか知らなかった自分が、もしかしてとても大事なことを知らないままではないのか。
そんな風に感じられてしまうのだった。


結局、全員のところを回り終えた俺は侍従さんの一人に呼び止められることになる。

「探したぞ。休憩とはいえ、この状況でうろつきまわるとは……国連軍の程度が知れるな」

「すみません……」

なんか必要以上に言葉に棘があるような。

「まあいい、ついてこい」

むすっとしながらも誘導される。

「――急げ、殿下がお呼びだ」

「えぇ!?」

その目的地は俺の予想外な人の場所だった。
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/04(木) 01:39:46.36 ID:X0OmcXjAO
ペースは相変わらずなのでゆっくり追いついてもらえれば!
むしろ追いつくと更新待ちで悲しみを負う可能性が……


でもこうやってレスもらえるとモチベーションあがりますね!
ありがたい話です。



さて、今夜は更新これくらいで。
そして今更ながら友父ポジションはあやにやらせたいというリメイク願望ががが!
……まぁまずは書ききってからですね。
てな訳で今夜はこれくらいで。
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/04(木) 01:48:28.43 ID:X0OmcXjAO
メ「最近の女の子の可愛さはヤバいですね。JCあたりが特に。朝の駅とか」

男「お前朝の駅とか行かないだろ。まず起きないだろ」

メ「何となく電波受信してますから」

男「怖いわ。……怖いわ!」

メ「やっぱりJCが靴下のズレを屈んで直す仕草は至高ですね」

男「やたらマニアックな! ていうか自分で着てやれば見放題だろ」

メ「自分でやるとどーにも胡散臭くて」

男「ああ、年齢的に厳しいわな。童顔だけど」

メ「多分スタイル良すぎるからではないかと。JCに必要な色香はそこではないので」

男「仮にそうだとしてお前のそのこだわりは何なんだ」

メ「電波でしょうかね」

男「怖いわ。……ていうかおっさん臭いわ!」

メ「主様じゃあるまいし加齢臭はないかと」

男「俺臭ってんの!?」

メ「やヴぁいくらいに」

男「……ま、マジか」







冥「つまりママはパパの臭いに敏感さんだね。大好きだもんねっ」

メ「違います」

冥「でもいっつもお布団ダイブして……」

メ「シャラーップ!?!!?」
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/05(金) 01:20:58.80 ID:hQyP6VVAO
メ「短小主様」

男「……」

メ「他人のふりしても事実は変わらないんですよ。へいへーい」

男「く、くそ。腹立つ絡み方しやがって」

メ「大丈夫ですよ。とりあえず入れられて出せりゃ機能としては問題ないですから。あ、でも満足出来るかは別ですが」

男「そこは技術でカバーという日本人らしい発想でだな」

メ「息子のムスコは立派なのに」

男「うるせぇ!? 好きでそうなった訳じゃねぇよ!」

メ「大丈夫です。ポークビッツも嫌いじゃないですから。シャウエッセンのがいいっすけど」

男「未だかつてこんな悔しさにまみれるような下ネタがあったろうか……」

メ「割と度々ありませんでした?」

男「そうだよチクショウ!?」
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/05(金) 01:28:44.98 ID:hQyP6VVAO
委員長「その点、貴方はそこに関しては優秀ね」

命「まさかの夏期休暇返上だよ。下ネタにありがたみ感じる日がくるとはな」

委員長「溜まってて良かったわね。誰がとは言わないけれど」

命「全くだ。でもそういう意味じゃ、いいんちょはもっとすごいよな」

委員長「何の話かしら」

命「俺もまだまだガキだけどそれなりに経験は積んでたつもりがあっさり手玉に取られたもんだ」

委員長「されるがままだったつもりだけれど」

命「何で今更保身に走るよ。いいじゃねぇか、差はあれどお互い愉しめるようにしてくれたのは良かったし」

委員長「……命、まだそういった話を始めるには早いわよ」

命「充分頃合いの時間じゃねぇか?! 何? もしかして外伝でのイメージアップ作戦か。無理無理、今更」

委員長「……」

命「考えてみろよ。昔、それなりに外伝更新してた頃ですら綺麗な委員長関連のお題も話題もなかったろ? それが急に変わる訳な……」

ブォン……ゴスッ!

委員長「あら、ごめんなさい。手が滑ったわ」

命「か、角材は……やめ……」







命、夏期休暇から入院へ
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/08(月) 00:53:57.78 ID:a2KaoYhI0
第33話 「決意/陽」

向かった先。木の根元に腰掛、先ほどより顔色の良くなった殿下がおられる。
近くへといわれたはいいが、基本的に作法なんて知らないわけで。
しどろもどろしている俺に、殿下は優しく微笑みかける。

「どうしました。楽になさい。また、このままで話す無礼を許してもらいます。身を起こすと少々辛い故」

「えっと、失礼します。あと、こっちのほうが非礼ばっかりだと思うんで気にしないでください」

「ふふ……本当にあなたは面白い男ですね」

「スミマセン」

もはや取り繕えるレベルではないくらい失礼ぶっこいてるだろうことは明らかだがどうしようもない。

「それで、殿下。自分をお呼びになられたのは?」

「貴方と作戦の前に少しお話がしたかったのです」

「は、自分でよろしければ」

先ほどまでのように顔見知りのところへ顔を出せばお互い気が休まらずに終わってしまうだろう。
この方のように俺とのしがらみがない人と話ができるなら、それは僥倖だ。

殿下との話は、俺の身を案じてもらうことに始り、此度の戦火を自身の非力さを悔いるところから始まる。
俺達訓練兵、米軍、そして自らの臣たちが血を流すことになる今を。
そして俺の操縦技術についても賞賛いただくことになる。
とはいえ、俺のは半分ズルみたいなもので、申し訳なく感じるというか、何というか。
しかも強化服については訓練兵の白が切れていたせいで正規軍のものを使うことになっているのが余計紛らわしいし。
基地内では正規兵が訓練過程に落とされてるみたいだとか色々からかわれたりしたっけ。

「されど、戦術機機動に於ける突出した発想と柔軟性……国連軍正規兵とて、あなたに比肩するものは稀でしょう」

「ほ、ほめすぎですよ、殿下」

「長どのがあなたの機体を推した由、得心しました」

「ありがとうございます」

「例を言わねばならぬのは私です。あなたに心よりの感謝を」

「当然のことですから」

むぅ。それにしてもこの人にそう言ってもらえる栄誉ってのは、何というか身に余る感じがしてしまう。
あと、長さんってのは確か、最初に出会ったときにいたあのちんまい人か。
今にして思えば何者だったんだろうか、あの人。えらくちっさい割に偉そうだったというか、殿下も敬意を持ってたみたいだし。

「……当然、ですか。あなたは本当にそう思われますか?」

「え?」

殿下は言う。此度の戦火によって失われた物資、時間、そして将兵の命。
どれひとつをとって、本来BETAとの戦いに用いられるものだと。
それは俺が考えていたこと。だとしたら、この人もそう考えているっていうことなのか? 日本のトップが。
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/08(月) 00:54:39.74 ID:a2KaoYhI0
「私は先ほどから考えていることがあります。何ゆえ、あなたがトリアゾラムの投与をためらったのか」

「……!」

まさか、殿下からその話を振ってくるなんて思いもしなかった。しかも今、俺が一番悩んでいることを。
俺の中にある迷いのその核心。やっと明確になった俺のもやもやのひとつだ。

あの時、殿下は朦朧としながらも少佐と侍従長さんのやり取りを聞いていた。
だから殿下は俺に投与を命じた。なのに俺は従えなかった。それが一番、作戦を達成し、この戦いを収束させる方法だと知りながら。
少佐の言葉に理を感じ、侍従長さんの言葉には感情的だと思っていた。名誉や筋といったプライオリティの高い、柔軟性に欠けた考え方。
それでも、その言葉をどこか正しいと思っていた。彼女の立場も、心情も、わかる部分があった。
双方正しいと感じていたのに、俺は結果として侍従長さんに従ったのだ。
どちらが正しいとか思っての行動ではなくとも、結果的にはそうなる。
米軍のやり方が気に食わないからか? 決起軍の行動に心情的に同調しているからか?
……わからない。考えても、考えても答えが出る気配はない。
あの時の行動に対して応えられているのなら、俺はとっくに楽になっている。
だから進むって決めたんだ。がむしゃらでも、前に進むしかできないんだから……!
頼むから、まぜっかえさないでくれ!

「……ッ……」

「無理に答えずともよいのですよ」

「……え」

「男。あなたはその優れた素質ゆえに、いつか人の上にたつこともあるでしょう」

俺が、人の上に?

「人の上にたつということは、多くの責任を背負い、多くの決断を下さねばならぬということです」

「……」

「国家や組織はその拠って立つ処が違えば、各々に理想や信念が異なるもの」

拠って立つ……処。

「それは人も同じです。何かを成そうとすれば、必ずそれを良しとする者と、悪しとする者がいるでしょう」

「されど、それぞれの立場にたって、ものを見ることが出来れば、各々が拠り所とする正しさも見えてきましょう」

「そして……悲しいことですが、それら全ての者達の望みを満たす道が、常にあなたの前にあるとは限りません」

「その時、あなたは何に拠って決断し、どの様な道を彼の者達に指し示すのか……」

それは……きっと、信念や不動の立脚点だ。そんなことは、わかってるよ……。

「その時、あなたに迷いがあったなら、原点に顧みること……立ち止まる勇気を持つのです」

原点ならある! 人類を救うっていう信念が、決意があったんだ!
それ以上の価値がないって、思っているのに……俺は揺らいでるんだ。

「そして、自らの手を汚すことを、厭うてはならないのです」

自らの手を、汚す?

「道を指し示そうとするものは、背負うべき責務の重さから目を背けてはいけないのです」

「私はあの時、流れに身をゆだねたわけでも、己が死を以て責任を果たそうとしたわけではありません」

「私が信ずる『正しさ』に従い、トリアゾラムの投与が最良と判断したのです」

「………」

それは……俺が、殿下に投与できなかったことが、自分の手を汚すことを怖がってたからだって言いたいのか。
天元山のことを切り捨てられた俺が、信念を持って行った俺が、今回は目の届く範囲だからと、怖がってたってことなのか。

「私の話はそれだけです。休息中に大儀でした……下がるがよい」

ああ、確かに俺は怖がってた。恐れてたよ。生身の人間を相手に、相手を殺す可能性がある選択ができなかったってことだろ。
立脚点や信念なんてご立派なもののでいにして、天元山のひとたつを見捨てた、俺が!
経験や知識の多さじゃない。それがあっても、結局自ら手を下すことにおびえていたら、責任も負えない。
結局、何も決断できやしないんだ。
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/08(月) 00:55:18.86 ID:a2KaoYhI0
「男? もう下がってよいのですよ?」

その場から動こうとしない俺に、殿下が声をかけてくれる。
けど、ここから離れたくない。いや、殿下に話を聞いてみたい。
俺は人の上に立ってる訳じゃない。けど、人類の未来という途方もないものを左右してしまう立場に立たされている。
国という大きなものを背負っている殿下であれば、話すことで何かをつかめるんじゃないか。そう思うのだ。
でも……こんな話、殿下にするべきじゃ……ないよな。

「何か話したいことがあるのではありませんか?」

「……いえ、何でもありません。持ち場に、戻ります」

「偽るではありません。あなた、私を侮っていますね?」

「あ、侮るだなんて、そんな」

「そのような険しい顔をして、何もないと申すのですか」

「しかし……」

「今更、何を遠慮しているのです?」

小さなため息と共に、殿下が柔らかく問いかけ直してくれる。

「あなたのような態度で私に接した者は、これまでひとりとしていませんでした」

「す、スミマセン」

そりゃそうだろうな。うわ、どうしよう。やっぱ怒られてるのか、これ。

「良いのです。私はその気安さが逆に心地よいのです。それはきっと、あの人も感じていたことでしょう」

いいんちょのことだろう。でも、それはあいつが元の世界では俺の友人でしかなく、普通だからだ。
目の前のこの方が元の世界でどうあれ、俺にしてみれば当たり前の接し方でしかないからな。……だから不安になるというか。

「ですから……そうですね。ささやかですが世話への返しとして受け取っていただけませんか」

将軍に恐れ多い、なんて考え方、『この世界』に染まってきてるのかな。
だとしても、スケールの大きなものを背負ってる人と話す機会は今後もうないかもしれない。ここで、話しておかなきゃ後悔するだろう。
きっとすれ違いの議論や頭ごなしの決め付けなしに、不毛な言い争いになったりしないで話ができそうな気がする。

「私では力不足でありましょうか?」

「……では、お言葉に甘えて」

数瞬の迷いを経て、俺はこの人に自分の悩みを切り出す。
自分が日本人としての愛国心が足りないと思っていること、みんなのような信念や立脚点がもてないこと。
クーデター軍の考えや心は分かるが、納得できないこと。自分にとっては人類がBETAに勝つことが最優先であること。
俺の抱える全てをぶちまけられればと思うが、全てを抑えて出来る限りを吐き出していく。
どうして国や人のしがらみは続くのか、目の前の危機を団結して乗り越えられないのか。
みんなわかってるはずの、子供でもわかるそんなことが、どうして蔑ろにされるのか。
それらを多少感情的になってしまいながらも、俺は言葉にしていく。どうしてこう、人に伝えるというのは難しいのだろうか。
殿下も身体の調子がまだ良くないだろうに、黙って俺の愚痴みたいな話を聞いてくれる。
申し訳ないと思う反面、こうして全部吐き出していくと楽になっていくのを感じる。こんな気持ちになったのは初めてかもしれない。
ずっと一人で、抱えてきた心のうちだから。

「ひとつ、聞きますが」

「あ、はい」

「あなたは何ゆえ、愛国心が足りないと思うのでしょう」

「知ってるかもしれませんが……俺の部隊は、全員立場が普通じゃありません」

ある程度、侍従長さんから情報が入ってるとは思うが、改めて話しておこうと思う。
彼女達が、俺の仲間にはそれぞれ深い因縁を持っているってことを。
あいつらから感じる日本という国や、日本人に対する想いの強さは計り知れない。
特に委員長とは何度も口論になるくらい、その考えを聞かされてる。
俺の言葉は米軍寄りだと、侍従長さんから非難されたこともあるくらいだ。
今回の件だって一歩引いた考えになってしまうの。何故そうなるんだろう、と考えをめぐらせていった結果の答え。
俺がこの世界の住人じゃないからだと考えに行き着いたんだ。
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/08(月) 00:56:29.06 ID:a2KaoYhI0
「その違いが、愛国心だとあなたは思うのですね?」

信念や立脚点でも何でもいい。俺の辿った経緯を話すことができない以上、この言葉が最適だろう。
俺の仲間達がもつ、日本という国との深い因縁も、その強さに関係があると思っている。

「因縁、ですか。先程も聞きましたが、あなたの部隊にはどのような者が?」

あれ? 知らないのか?
委員長の護衛についてるって話だったから、ある程度身辺情報が入ってるもんだとばかり……。
いや待てよ。よくよく考えてみれば委員長の立場なんてあってないようなもの。
それをわざわざ殿下に入れることなど本来はないのかもしれない。なるほど、そういえば俺についてもあまり知らなかった素振りだった。
出自やら何やら、もっとも不可思議であり、危険とすら判断されかねない俺に対してこうして接してくれていることを考えれば分かる。

「ええと……いいんちょについては説明するまでもありませんが……」

その肉親であり、今回の件で親族を失ったであろうある妹ちゃん。女さんの親父さんが事務次官であること。
友に至っては元陸軍中将の血縁者であり、父親が帝国軍の情報課だ。

「……まさに此度の件にただならぬ因縁を持つものばかり……」

端的な説明だけでほとんど理解したのだろう。
瞑目し、それぞれの人物について思うところがあるのか、じっくりと反芻しているようだった。

「今のこの状況下で、それぞれがそういう因縁を持っているせいか、お互いとてもやりづらそうで」

「それは……無理からぬ事でしょう」

「それでも部隊が正常に機能しているのは、軍隊の規律とかじゃなくてそれぞれが持つ『愛国心』みたいなものが強いからじゃないか、って思ってます」

「そうでしたか……」

やっぱり、今の状態の殿下にこれ以上心労をかけるのは良くなかっただろうか。
そんな不安がよぎり始めたとき、殿下から俺にひとつの命が下される。

「男……あなたに頼みがあります」

「はっ」

「皆をここへ集めてください」

「全員、ですか?」

「はい。国連軍、米軍、近衛軍。全ての者を、です」

全員を集めて何をするっていうんだ……。

「あの、殿下。いくら休戦中でも全員を集めるのは……そもそも訓練兵の俺にそんな権限――」

「米軍の指揮官に私の命令だとお伝えなさい。よいですね?」

「あ、はい。……伝えるには、伝えますが」

「時間がありません。急ぎなさい」

「わ、わかりました。失礼します!」

その確固たる意思は口調にも現れており、その力強さはさすが将軍だと感じる。
目的はわからないまでも、今は従うほかない。
俺は急いでこの命令を少佐どのにお伝えするのだった。

―― to be continued...
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 01:29:09.85 ID:BZci1ooAO
メ「毎日がエブリバディ」

男「言いたい事は全くわからんが元気なのは分かった」

メ「そりゃもう元気っすよ。最高にハイってやつです」

男「馴染む血液でも吸収したか」

メ「今なら時間くらい止められそうですね」

男「時間を止めるメイドとかまた属性的にありきたりな」

メ「大御所がやったからといって弱者下請け会社がやっちゃいけない理由にはならないのですよ」

男「ならやるのか」

メ「まず出来ないんですがね」

男「出来たら間違いなくロクな使い道じゃないのだけは分かる」

メ「失敬な。主様への悪戯に以外に使いませんよ!」

男「それがロクじゃないって言ってんだよスカタン」
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 01:54:31.91 ID:BZci1ooAO
トントントントン

あ「……」

め「あや様」

あ「……」

め「あや様。刃物を扱っている際にぼーっとされては」

ザクッ

め「そら見た事ですか。ああ、こんなに深く切って。今夜の鍋にあや様の指など入れられても、めいど困るのですが」

あ「……」

め「あや様? あの、指が……」

あ「……ああ、本当っすね。ちょっと直してきます」

バタン

め「……我慢強い、という判断だけではどうにも釈然としないものが。初めて会った時もそうでしたが、あや様は時々痛覚がないのでは……」

め「詮無き事ですね。あや様はあや様です。続きの下拵えをしておきましょう」

トントントントン






あや「はぁ……。何やってんすかね、こんな……」

くるくる

あや「とりあえず千切れないようにテープで固定しときゃ大丈夫でしょう。後で盛大に痛がっておきますか」

あや「しかし……」

ピッ

あや「とうとう、来ちゃいましたか。これ」

あや「どう……しようかな」







『数日後に彼女の護衛の件、任を解除します。お疲れ様でした』
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/10(水) 01:52:45.76 ID:D3Ge/3zAO
どうも。朝出社して即出張を言い渡される底辺民こと中の人です。
そしてまさかの即戻り要請……この2日で移動距離だけなら日本を上から下まで移動した感じ!


さておき、更新止まってた言い訳でしかないのでこれくらいに。



あまり長い更新は出来ませんが止まったままは悲しいので短編でも。
今夜はシリアスムードを迎えつつある、あやめいコンビでも。
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/10(水) 01:59:49.35 ID:D3Ge/3zAO
あや「めいどさん、めいどさん」

め「あや様からとは珍しい幕開け」

あや「たまにゃこっちから声かける事だってありますよ」

め「記念日にしましょうか。サラダ記念日感覚ですね」

あや「付き合いたてのカップルですら気に留めないレベルかと。で、実はちょっとばかしお出かけでも行きませんかとお誘いをば」

め「いくら出しますか?」

あや「金とるの?!」

め「あや様。考えてもみてください。あや様がめいどをデートに誘っていい返事がくると思いますか」

あや「ふ、不思議とうまくいかないビジョンしか……!」

め「それを大人な解決として道を提示しているのですよ」

あや「何だろう。この理論的に見える暴論。ただの誘いがたかられる餌に!」

め「さておき。めいどもあや様の懐具合を知ってますので無理は言いませんよ。付き合いましょう」

あや「素直にはいって返事くれればいいのに、全く」

め「とりあえず三千円でいいですよ」

あや「金取るのは変わらないのね!?」
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/10(水) 02:07:52.66 ID:D3Ge/3zAO
め「そんな訳で初めての待ち合わせな訳ですが」

あや「えらい気合い入った服装してきましたね」

め「とある知人にデートの作法を聞いたところグローバルな活躍をされているメイクさんを紹介いただきまして」

あや「相手がこんな貧相な奴だって知ったらガッカリものでしょうね」

め「胸は薄くも心は錦蛇ですよ、あや様」

あや「一文字余計だっての」






男「悪いね、無理言って」

女「む、無理とかじゃ、ないよ。すごい、楽しい、し。……うん」

メ「あの子も主さん一筋かと思ってたらまさかデートとは。女の心変わりは恐ろしいのぅ」

男「どこのサザンクロス首領だ。でもいいんじゃないかね。全然帰ってこない主相手より、新しい恋のが」

女「そ、なの? 相手、女の子って、聞いた……けど」

二人「「なぬ?」」






め「それで。こんな馬子にも衣装なめいどを連れてどちらへ向かうのですか」

あや「謙遜しなくてもよくお似合いですよ、めいどさん」

め「……、……」

あや「くす。ま、ゴールだけ決めてあるぶらぶら旅なんで気軽にいきましょ」

め「あや様のくせに……ぐぬぬ」
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/10(水) 03:06:44.23 ID:LRQnR2kAO
最近更新が多くて個人的にはwwktkが止まらないww

出張とは相変わらず大変な感じですね
お身体には気をつけて下さいな。
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/11(木) 01:10:18.74 ID:xjWFWHc90
第35話 「決意/陰」

幾人かの歩哨、そして戦術機での警護を残した全員がその場に集まっていた。
近衛軍、俺達国連軍……の訓練兵の隊。そして、米軍の人間。

「――敬礼!」

拝謁の栄誉に賜り……そんな定例句から始まる言葉をささげるのは指揮官である少佐どの。
さすが俺達(俺本人を除く)とは違って堂々としたものだ。歩哨に立ってる委員長はさておき、他のみんなはガチガチだ。
無理もない。本来国連軍所属とはいえ、将軍が目の前にいるって事はこの世界で言えば現人神を目の前にするようなもの。
一生に一度あるかないか。普通の人生であればまずないままなくらいのものだ。
そんな緊張とは無縁に、少佐どのと殿下は話を続ける。もっとも、中身などあってないようなもの。
儀式的なやり取りの後、指揮官から今回急に収集を行った旨を説明願う形となる。
当然だ。今この時だって、決起軍が歩兵による強襲をかけてきてもおかしくない中、日本のトップとはいえ急な呼び出し。
如何な理由とて、作戦の遂行において妨げになっていることは疑いようもない。

「少佐、此度の我が国に対する米軍の尽力、日本国将軍として心よりの感謝を表します」

だから、殿下からそんな言葉と、頭を下げるという行為がなされたことに、その場の全員が息を飲む。

「――なんと畏れ多い、殿下、そのような……」

さすがの少佐どのも慌てずにはいられない。このような状況下であれ、将軍が一介の将校に頭を下げるなんて有り得ないからだ。
だが殿下は止まらず、少佐だけでなく他の衛士にまで感謝の意を表する。
当然、近衛軍側の顔色は優れない。当然だ。この国の対米感情を鑑みれば、自分達の戴く存在が他国の、それも米軍に頭を下げるなんて。
感情では抑えきれないものはあるだろうが、それでも立場をわきまえ、言葉にも態度にも出さないように勤めている。
でも、殿下はわざわざこんな事をするためにみんなを集めたのだろうか。
続けて、一人ひとりと話がしたいという申し出に少佐は断りを入れる。
建前として、世界秩序と国連協調体制の維持、そして祖国から下された命である今回の任務に全身全霊をもってあたるという言葉で返す。
だが、先の本音。愚かな国云々の言葉を聴いたあとではどこかドライに聞こえてしまう。
それでもこの人たちが悪いんじゃない。色々な策謀や暗躍は本土のお偉方のやっていること。
現場でこうして命がけで戦ってくれることは事実なんだ。女さんと話してたユーニさんっていう衛士もそうだ。
きっと殿下の感謝の言葉は、気持ちは……伝わってるはずだ。

「では少佐、国連軍部隊の指揮官をこれに」

「は! メイド長軍曹」

呼ばれ、先の少佐と同じように働きをねぎらう言葉をかけられる。
また、それだけに留まらず言葉は訓練兵である俺達にも向けられる。

「あなた達も訓練兵でありながらこのような困難な作戦に従事するとは、さぞや辛いことでしょう」

それは感謝や労いに留まらず、

「我が国の此度の混乱、すべてこの朱鷺之宮の力不足に端を発すること。同じ日本人として、国を預かるものとして心よりお詫びします」

「「「「――――!!?」」」」

まさかとは思った。でも、この人は俺達訓練兵にまで頭を下げたんだ。

「あ。ぅ……」

「そ、そんな……」

「……」

それぞれがそれぞれに、言葉をなくす。
国連軍に所属しているとはいえ、誰もが日本人。今目の前で起こったことが信じられないでいる。

「――っ、殿下!?」

異様な空気に呑まれる俺達。気づけば侍従長さんの制止をやんわりと遠ざけ、殿下がこちらへと向かってくる。
まず立ったのは妹ちゃんの前。憮然とした態度ながらも、さすがにこんな事態は想定してなかったのか、いつもより殊勝な姿だ。

「あなたのお名前は?」

「……妹。妹訓練兵です」

「そうですか……あなたも……」

その名前を聞いて、何かを得心したように殿下は話し出す。
自身の忠臣を今回の事件でなくしたこと、その事実を深く悲しんでいること。
そしてその親族である妹ちゃんに対し、改めての侘びの言葉と感謝の言葉を送る。
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/11(木) 01:11:21.49 ID:xjWFWHc90
「……もったいない、お言葉です」

それに対し、目を合わせることなく俯き、言葉だけを返す。
あの子の心が少しでも軽くなってくれればいいけれど。
そう思う反面、さっきの休憩でのやり取りを思い出すと不安になる。

『そっか。……あいつ、まだ姉ちゃんに心配かけて……自分はのうのうとお飾りやってるくせに』

あの時の言葉。あれは真なる憎しみがこめられていた。

『……私達みたいな陰も存在するだけ悪だけどね。それ以上に、その上に胡坐かいて生きてた奴等はもっと悪だ』

俺はもしかして、大きな勘違いをしてるんじゃないのか。
この子は……妹ちゃんは、親族の死を悼んでいないのではないか。
いや、それどころか……。

そんな考えに囚われそうになった時、涼しい声音が次の兵にかけられる。

「そなたのお名前は?」

「は、はひ、おおお、おん、なくんれ、んへい……ですっ!」

緊張でガチガチになりながら、必死に受け答えをする女さん。
普段からあがり症だ。この場で卒倒してもおかしくない。大丈夫だろうか。
そんな心配をよそに、殿下はゆっくりと彼女の心労を解きほぐしていく。
彼女の父、事務次官に対して認識があること、またその激務に理解を示し、その上でこう告げる。

「お父上は往々にして厳しい立場にお立ちになることでしょう。されど弛まぬ努力によって日本にもたらされる公益は、決して小さくありません」

「あ……」

「私と同様、さぞやあなたもお父上を誇らしく思われているでしょうね」

「え……」

「だからこそ、あなたも国連軍に身をおいているのでありましょう?」

「……はいっ! あ、ありがとうござい、ます、殿下っ!!」

女さんの悩みであった父の立場。それを将軍からお墨付きをもらったようなもんだ。
これで全部不安が吹き飛ぶ、なんて単純なことじゃないけど、少しは気が楽になったろう。

「そなたのお名前は?」

「はい、友訓練兵です」

「私の不徳が斯様な事態を招き、あなたのような訓練兵にまで過酷な任務を課す始末……。此度のこと、申し訳なく思うと共に、心より感謝致します」

「いえ、任務ですので、どうかお気になさいませんよう」

そんな提携のやり取りを、将軍は自身で否定する。
訓練兵をこのような味方同士で争うような事態に巻き込んだことは責任とし、消えるわけではないという。
何より幾人かの将兵に師事してきた中で、何れの支もこのような状況を嘆いているだろう、と。
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/11(木) 01:12:21.98 ID:xjWFWHc90

「人は国のためにできることを成すべきである。そして国は人のためにできることを成すべきである」

「……! そ、れ……その、言葉は」

俺の記憶の断片が確かなら、それは友の祖父さんの言葉。
だとしたら、将軍は友の祖父さんに師事していたってことなのか。

「とある師の教えですが、この言葉は常に私の心にあります」

「――!」

「今この時ほどこの言葉の意味するものを大きく、そして重く感じることはありません」

「…………」

「このままではまこと、恩師達に合わせる顔がありません。されど私も愚弟の謗りに甘んじるつもりはありません。今しばらく、堪えていただけますか?」

「はい」

「あなたに、心よりの感謝を」

この数奇な運命のつながりを尊く感じる一方で、その繋がりから友女大尉との繋がりを知っている可能性も思い至る。
だとすれば、そこから友との繋がりも……。殿下は一際じっと友の目を見つめていたような気もする。
どこまで、知っているんだ? ……いや、意味がない。殿下がそれをクチにしなかったことを、考えても意味はないんだ。
今は、信じよう。

「男訓練兵」

「は」

「成行き上あなたとは、存分に言葉を交わせました故、ここで多くを語るのは詮無いことでしょう」

「……はい」

「されど、改めてこれだけは言わせてください」

――あなたに、心よりの感謝を。

言葉と共に、俺の手が殿下の手によって包まれる。
小さな、それでいて華奢なはずなのに、全てが包まれているような感覚。
強化装備越しで、体温なんて感じられないはずなのに、冷え切っているはずなのに。

(暖かい……)

そう、感じられる。
俺はこの人に畏敬の念を抱いているのだろうか。
『この世界』の人間じゃない、俺が。

「男……。あなたが某かの答えを得る手がかりになればよいのですが」

最後に、そう告げて殿下が離れていく。
でも、その言葉の意味は当然わかるはずもない。――そう、この時は。


そして――。
殿下はそのまま、元の位置へと戻られる。
歩哨に立っているからとはいえ、いいんちょの方は一瞥もしない。
徹底しすぎとすら感じるその振る舞いに、けれど応えるようにいいんちょからも殿下を見ることはない。
ここまで必要なのか。二人の関係の維持には。
もしかしたら2度と会えなくなるかも知れないのに、目も合わせないほどの、徹底が。
くそ、俺の力じゃふたりの想いを酌んでやれるような方法は思いつかない。
ひたすら歯がゆく思うものの、どうしようもない。

「……さて、米軍及び国連軍衛士の皆様、今暫くお時間を戴くことをお許しください」

凛とした声に気づけば、殿下はまだ話が終わっていないことを告げている。
そして、そこから紡がれる言葉は、人類が抱える不安、そして現在自身を中心として起こる事実。
それを自らの至らなさと戒めつつも、民の心のある魂を。、国を護りたいという言葉。

「これは……」

いつだったか。俺が『前の世界』でいいんちょから直接聞いた言葉と同じもの。
あいつも人々のもつ心を、魂を、志を護りたいといっていた。国とは、日本とはそういうものを指すのだと。
俺からしてみれば『国』とは政府とかそんなものを浮かべてしまう。
けれどいいんちょも、この人もそういう考えを持っていたんだ。
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/11(木) 01:12:55.70 ID:xjWFWHc90

「私と同じく、この想いは全ての人が持っているに違いない――私はそう信じています」

決起に走った者たちはその想いが強すぎたのだと、純粋であるが故に立ち上がらざるを得なかった。
それは近衛の人間からすれば紙一重にて抱いていた心のあり方。
結果として彼等は罪を犯し、相応の報いを受けなければならない。だとしてもその意気を宥恕してほしい。
そう、殿下は告げる。何故なら、その責めを負うべきは自身であるのだから、と。

誰もが言葉を発することができない。

その中で、殿下は言葉を続ける。
ここまでの道すがら、様々な想いや考えに触れ、それぞれに信じるものがあった。
けれど骨肉相食む戦場ではその尊さも色あせ、空虚になってしまう。

「もはやこの状況を看過する訳にはまいりません」

次第に語気を強めていく殿下に、何か固い決意があることだけは分かる。

「況して私ごときのために、人類の護りたる者達が鬼籍に入るなど断じてまかりなりません」

けれど、その答えは……。

「私が自ら、決起した者達を説得して参ります」

決して認められるものではなかった。


当然のように反対の意を発する少佐どの。
俺だって同じ考えだ。今は殿下を護りきれるかすら怪しいのに、みすみす相手に殿下を差し出すなんて!
口調こそ慇懃ではあるが、少佐の反対の言葉が続く。
ごり押しして介入した今回の作戦が失敗に終わるなんて、許されない。
何よりここに来るまでに死んだ米軍兵が無駄死にだったってことになる。だから認められない。
けど、そんな風に思う傍ら、その提案はこれ以上の消耗を避けつつ事態の収束をはかるという意味では理にかなった方法だとも思う。
クーデター側の最優先目的は殿下からの勅命を賜り、自分たちの行為を正当化すること。
もはや引き返せぬほどの大罪を犯してきた彼らにしてみればそう殿下の身柄を押さえたところでそう簡単に話が進むとは思っていないだろう。
友女大尉は、反オルタネイティブ勢力やオルタネイティブX推進派に利用されただけだと知っているんだろうか。
それとも、それを知った上でその思惑すらも利用し、目的を達しようとしているのか?
いや、経緯はどうあれ、彼女が今の状況を作ったことに責任を感じていないはずがない。だからこそ、最前線に自ら乗り込んできたんだ。
となれば、殿下の目の前でこれ以上の争いは避けたいと思っていても不思議じゃない。
ここで殿下が投降を呼びかければ諦めて従う可能性も低くないんじゃないか。
あっちがヤケになって殿下を拉致する可能性もなくはないが、そんなことをすれば正当性を得るどころか本当に逆賊になりさがる。
そしてそれは政府や軍の上層部が待ち望んでいる事態でもある。
仮に今殿下が大尉達の手に落ちたとしても、勅命が下されることは絶対ないだろう。この状況で殿下がそんなことをするわけがない。
こうなると考えられる最悪のケースは大尉が殿下を手にかけることだ。
逆に殿下だって儀に背くようなことを共用されるくらいなら自らの死を以て大尉達を諌めるかもしれない。

「……」

違う。そうじゃない。
思い出すのは先に二人になって殿下と話した言葉。

『そして……悲しいことですが、それら全ての者達の望みを満たす道が、常にあなたの前にあるとは限りません』

そうだ。今、殿下の前には全ての人の望むを満たす道はない。

『そして、自らの手を汚すことを、厭うてはならないのです』

だとすれば……この状況下で、殿下の言う自らの手を汚すこを、っていうのは。

『心配は無用ですよ。お飾りとは言え軍の最高司令官。実機で96時間ほどですが戦術機の心得もあります』

自分の手で……友女大尉を討ち取るつもり……なのか!?

『男……。あなたが某かの答えを得る手がかりになればよいのですが』

それが俺が答えを得る手がかりになるっていう事なのか?!
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/11(木) 01:13:53.98 ID:xjWFWHc90
俺がいきついた一つの可能性に驚きを隠せないでいる中、少佐と侍従長さんは再び激しい意見のぶつかり合いを見せる。
片や彼らの儀を信じ、殿下の意見を尊重する。片や敵は敵と判断し、最悪のケースを回避するために必要とあれば近衛を切り捨てるとまで発言する。
それぞれがそれぞれの主張をぶつけるなか、殿下は侍従長さんを下がらせる。

「殿下、改めて具申致します。先程の殿下のお考え、今一度考え直しを」

「此度の由、承認を求めているのではありませんゆえ、あなたに従う事叶いません……どうかお許しを」

「で、殿下!?」

「侍従長、武御雷を持て!」

「――ははッ!」

戦術機を持ち出すということは、いよいよ俺の考えが現実味を帯びてくる。
決意は固く、もはや誰も止められぬ。

「――お待ちください!」

そのはずだった。
全員が視線を送るのは、今まで陰のごとく存在を消していた者。

――い、いいんちょ!?

その人だった。

「何事だ訓練兵!? 勝手に持ち場を離れるな!」

固まった空気を一番に破ったのは少佐の声。
鋭い叱咤の声も受け流し、いいんちょが殿下の前へと歩いていく。
あの二人がいつ以来になるか分からないまでも、久しぶりに顔を合わせることになる。
こんな状況、こんなトラブルでも起きないと言葉すら交わせない二人。

「あなたは……」

「衛士訓練部隊所属、委員長訓練兵であります」

「…………」

「殿下……ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じます」

今、こうして二人は顔を合わせる。
そう。何だって……やっと対面できたんだ。それだけは、素直に喜べばいいんだろう。

「此度の件における殿下のご心痛の程、私ごときには察することも出来ぬ、深いものでございましょう」

けれどかしづいたまま、顔を上げようとしない委員長。
せっかくの対面のはずが、お互い顔をみることすらできずにいる。

「そして、殿下の先程のご提案。それが民草への限りなき自愛とご配慮に溢れたものであることは、疑うべくもございませんが……」

しかし、と続ける。

「畏れながら、現況を鑑みますに少佐殿にも一分の理が有るのではないかと小官は思惟致します」

一刻も早い事態の収集、無益な流血を避けることを図るため、相克を乗り越え、全部隊が一致団結することが肝要だと告げる。
当然、それを十分に承知している殿下に、だからこそと委員長はひとつの提案をあげる。

「決起せし者達を説得する大任、この私めに拝命賜りたいと存じます」

今度こそ、全員が絶句する。
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/11(木) 01:14:28.59 ID:xjWFWHc90
「真に畏れ多い事ではございますが、私は常日頃より、殿下に生き写しの命を受けております」

「……」

「とある儀によりこの身は殿下の器として在るよう造られております故……御身を拝借する御無礼をお許しいただけるならば」

バレるはずもなし。俺の記憶の断片が告げている。
それは真実である、と。委員長の身体は、魂は特定の人間と入れ替えることができるんだと。

「されど……」

「この身を殿下のお役に立てる機会、今を於いて他にございません。何卒……」

確かに、難しいことかもしれない。仮にもし殿下の身体に何かあればそれは日本国として大事である。
けれど、その魂は存在としては生きながらえることが可能なのだ。人を構成するのは肉ではない。魂なのだ。
だからこそ、委員長はそれを提案している。自身を、真の意味で身代わりにしたいと。
それが……こいつの生き様なのだ。それが陰として生きる、委員長としての役目なのだ。
俺がそれを否定することなんてできない。あいつにとってそれは自分の存在意義であり、信じてきたもの。
だから否定なんてできやしない。だけど……。

「あなたの申し出、大変嬉しく思います。されどこれは、私自身が果たさねばならぬ責務……」

「畏れながら、殿下」

「……」

「御身の責務とは、そのような事ではございますまい」

「……、……」

今まで、誰ひとり止められなかった殿下の言葉を、委員長が始めて止めた。
いや、初めて殿下が間違えた、ともいえるのか。

「民を慈しみ国土を育み、それらを広く深い徳を以て治め導く。それこそが御身に課せられた第一の責務ではございませんか?」

「………」

もはや、殿下に返す言葉などない。

「今、殿下に万に一つの大事があれば、遠からず帝国は滅びましょう。此度の騒乱の責任が御身にあると申されるならば……」

「………」

「今、枢要なのは、彼の者達を御自ら誅する事ではございますまい」

「――!」

殿下の表情が全てを物語っている。
おまえも、そう思ったんだな。俺みたいに殿下とゆっくり話す機会もなかったのに。それでもわかったんだな。
本当にお前は、殿下の想いが……。

「ご心痛いかばかりかと存じますが……事後の民のためを第一にお考えくださいますよう、伏して申し上げます」

誰もが、その気高さに言葉をなくす。
お前は陰なんかじゃない。他の誰が何といおうと、お前は、光だよ。

「説得の大任、何卒……何卒、御裁可戴きますよう……」

そして。

「………わかりました。あなたに、任せます」

全てを託すよう、殿下の一言が、委員長に渡された。
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/11(木) 01:24:02.98 ID:caXLqf6AO
お気遣いありがとうございます。
体だけが資本の人間なんで大事に使っていきますっ。

さてさて今夜は中途半端ですがここまでの更新で。
やっとクーデター編も佳境。このままラストまでジワジワでも進めないと!


てな訳で今夜はこの辺りで。
ラストはいつも通り短編で〜。
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/11(木) 01:28:32.08 ID:caXLqf6AO
メ「フィーバー入りましたよ、主様」

男「そういや777なのな」

メ「確変ですね。ボーナスですね」

男「賭事は分からん」

メ「かく言う私もでして。パ・チンーコは全然分からんです。しかし言いにくい」

男「そこで区切るから後半伸ばす事になってんだぞ。さておき、お前には確かにパチンコもパチスロもスロットも似合わないな」

メ「全否定とは……なんか悔しいんで主様のお金でパチスロしたくなってきました」

男「お前は絶対熱くなって養分にされるだけだから止めとけ」

メ「大丈夫です。台ごと買いますから」

男「さすがにそれは金がもたないから止めて!?」
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/12(金) 01:28:36.70 ID:5VeRgFFAO
メ「主様。夜伽に参りました」

男「……はい?」

メ「ですから夜伽です、夜伽。分かります?」

男「……夢?」

メ「多分夢ですね」

男「うぉおい?! 少しは希望持たせろよ!?」




【夜伽】





男「という訳でパン一にひん剥かれた訳だが……あの、メイドさん? この縄とアイマスクは何でしょうか」

「ほら、主様って被虐体質ですし。この方が燃えるかなぁと」

男「多分何ら拘束されない方が燃えるんだけど。しかしどういう風の吹き回しなんだか」

「たまには台詞掛け合いのみエロスも挑戦しないとなぁ……だそうです」

男「くそぉ、メタい、メタいよ! 本格的に夢オチの気配が濃厚だよ!」

「分かってんなら委ねちゃいましょ。ん、人肌程度には温まったかな」ヌロロ……

男「ひゃうん!? な、ななな?!」

「女子か。ローションくらい黙ってぶちまけられてくださいよ」

男「だ、だってこんなの慣れてねぇし!」

「いいから黙る。ん、しょ」ホヨン

男「……!!? お、おぱおおおぱ……!」

「どですか?」

男「た、たまりません」

「正直で何より。こっちも素直ですのぅ」サワサワ

男「だ、だってそりゃ……お前の肌が気持ちいいから」

「ありがとうございます。では主様、舌を出してください」

男「舌? ほうは(こうか)?」

「んっ……」チュル チュ チュル

男「ぬはぁ!?」ババ

「っ、主様、急に暴れないでください」

男「だだだだだだって、おま、お前! 吸ったろ、今!」

「吸いますよ、そりゃ。夜伽ですし。嫌なら止めますけど?」

男「……ほねはいひまふ(お願いします)」

「最初からそうやってくれれば話は早いのに……ん」チュ チュル

男「(うあ……すげぇ、口の中めちゃくちゃにされてる感じで……)」ゾクゾク
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/12(金) 01:39:04.55 ID:5VeRgFFAO
男「あ、ぅ……」ポー

「呆けてどうするんですか全く。たかがべろちゅーごとき」

男「ほぇ?」

「ダメだ。ほら、しっかりしてください」チロチロ

男「にゃう!?」ビクン

「だから女子かと。びーちく責めくらいどって事ないでしょ」

男「どって事あるよ! くそぅ……なんかいいように弄ばれ……ひぅ?!」ペチャペチャ

「ん……主様の耳、おいし」

男「(中まで! 中まで!?)」

「はぁ……主様、なんだか私も暑くなってきました」ピト

男「あ、ああ……」

男「(うあああああ! 柔肌が! おぱーいが! 下腹部がー!?)」

「分かります? ローションがなくてもこんなに湿ってるんですよ?」ピチャ

男「(どこの音ですかー?!)」

「主様、私にも少し慰めをくださいね」ズル

男「はぅあ!? ぬ、脱がされ……?!」

「ふふ、かわいい。こんばんは」チュ

男「……っっ!!」ピクン

「おや。主様のムスコはちゃんと御辞儀できるのに。当の本人は我慢に必死とは」

男「うるへぇ……」

男「(ヤバいヤバいヤバいヤバい!? 気を抜いたら一瞬でやられる! いや、何か違う気がするけど!)」

「本来ならばまずは口での奉仕が先なのですが……主様が可愛すぎてたまりませんので、もう一つの口にて奉仕させていただきますね」

男「(どこの口ですかー?!)」

「では……失礼します」ヌヌヌ

男「ぅ、く……」

男「(あ、あれ? すごいキツ……)」

「……ッッ」メリッ

男「へ?」
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/12(金) 01:47:26.07 ID:5VeRgFFAO
?「い……痛っ」

男「初、めて? お、おい、声も違うし! 誰だお前! 何やってんだ!?」

「あ、バレちゃいました? うぅむ、だからまだ早いって忠告したのに」

男「おいメイド! どういう事だ、説明しろ!」

「面倒なんで自分で確かみてみろ! と某格闘家のように宣言しつつ。とりゃ」バッ

男「っ! 眩……」

冥「いた……いた、い」

男「!!?!??!!?!?」

冥「え、えへへ……パパのものになっちゃった」

男「……、……」










男「うわぁぁぁあああぁぁああああ!?」ガバッ

男「っ、……はぁ、はぁ……ゆ、め?」

男「……だはぁぁぁ……なんつー悪夢だよ。そんな溜まってんのか、俺?」

男「よりによって夢とはいえ相手が実の娘とか……死にた――」ヌル

男「……」

男「この歳で夢精とか……って思ったより出てない? なんか綺麗だし……んん?」







『ごちそうさまっ。えへへ……』















メ「たまにはそんなオチもありつつ」

男「いやダメだろ!?」
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/12(金) 13:02:49.80 ID:ODQSm4P7o
・・・ふぅ
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/15(月) 02:15:25.11 ID:PU3tyQeAO
どうも。しばらく音沙汰なくてすみません。中の人です。
世間のお盆シーズンに便乗のはずが何故か出社の日々が続く不思議!
あれですね。緊急の対応って言われてもずっと緊急になってる以上平常対応ですよね。


とりあえず久しぶりの休みだったのですが1日寝て過ごしてしまった訳で。
少し前にもそういう話をもらった気がしますが休みの過ごし方を有意義にするのって難しいですねぇ……


はい、愚痴っぽくなりましたのでこれくらいに!
いじメイ更新は明日にはやります。お待たせして申し訳ない……


今夜は遅いので短いのを!
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/15(月) 02:21:43.92 ID:PU3tyQeAO
メ「ふふふ、私ってば罪な女ですね。いたいけな青年を一人の賢者にしてしまうとは。私イズ悟りの書」

男「悲しいくらい煩悩にまみれた書物だけどな。ただ今回ばかりはその……やばかったのは認める」

メ「ヤバいも何もアウトでしたがね。実の娘なのに」

男「セーフだよ! 楽屋ネタだし! 夢オチだし!」

メ「主様は硬派に見えて下半身事情だらしないからなぁ」

男「大丈夫だよ! もはや一途でしかないよ! お前だと思ってたからああなってたんだよっ」

メ「私が主様に夜伽なんざ有り得ないのに?」

男「夢くらい……希望くらい……! だって男の子なんだもん……!!」

メ「確かに男の娘ですね」

男「字面が違う! なんか分かるけど、それ字面が違うから!」

女「違うの?」

男「ここぞとばかりに食い付いたね?!」
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 02:25:08.17 ID:8BpNUX/Lo
やっぱりその辺は妹似なのかww
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/15(月) 02:29:10.73 ID:PU3tyQeAO
男「いいか、冥。楽屋ネタだろうが夢オチだろうが、パパにああいう悪戯はいけないんだからな?」

冥「あい!」

男「……なんて元気のいい返事なんだ。明らかに中身を感じさせないレベルで。本当に分かってるよな?」

冥「あい!」

男「パパにしていいのは?」

冥「抱きつくまで!」

男「よし。とにかくパパと娘がそういうのはいけないからな。ちゃんと守ること」

冥「あい! でもパパ、なんでパパやママと結婚とかえっちしちゃいけないの?」

男「まずママとは同性だからアウトね。ていうか義務教育期間に何を習ったんだお前は。保健体育の授業よ、しっかりしてくれ!」

冥「なんでー、ねぇなんでー?」

男「あー、つまりだな……その……」

メ「禁止にしてた方が燃えるからですよ。建て前はダメな方が世の中盛り上がるもんです。覚えときなさい」

冥「なるほど〜」

男「犯人はお前か!?」
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/15(月) 02:34:41.08 ID:PU3tyQeAO
メ「呼ばれてます、益荒男さん」

妹嬢「女ですから! 付いてないですから!?」

メ「いいじゃないですか。付いてようが付いてまいが主様も男の娘な訳ですし」

男「違うから?! 俺はれっきとした男だから!!」

メ「仲良し姉妹。いや兄弟。いやいや、姉弟ですね」

二人「「だから違うって?!」」

メ「もはや鉄板すぎて付け入る隙なしですね。妬けちゃいますよ、ぷぷぷ」

妹嬢「くっ……一度その体に徹底的に教育する必要がありそうですね」

男「ああ、ちゃんと性別ってのを理解してもらわにゃな」

メ「……3P?」

二人「「違うわ?!」」
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/16(火) 01:20:02.06 ID:n1jpEgob0

「謹んで、拝命いたします」

「……あなたであれば、或いは私より至妙に、彼の者達を説き付けるやもしれませんね」

浮かべる笑みは、信頼の証か。
こうして決まった流れに、もはや止める術などない。
そう思っていたが……。

「殿下、改めて反対させていただきます」

告げるのは指揮官たる少佐殿。

「何故でしょう?」

「確かに殿下を危険から遠ざけることはできるだろう。しかし、説得が成功しなければどうだ」

無論、俺達だってそのリスクはわかっているつもりだ。

「次善策となるのは強行突破だが、この状況下だ。包囲網の突破は難しくなるだろう」

「……」

「今最も避けるべきは戦力の分散だ。更に、我々の利点が弱くなることもある」

利点は将軍の搭乗機を露見させないことで、敵機の攻撃をためらわせる隠れ蓑。
それが説得に向かった機体と真実味を演出するために随伴する護衛機分、的を絞りやすくなると少佐は言う。

「加えて言うなら、殿下が偽者と発覚した際の敵の反応は予測不能だ。だが君達の忠義とやらを鑑みるに凄まじい怒りを買うだろうな」

なるほど。彼らの任務はあくまで殿下を無事に送り届けること。これ以上の流血を止められるのは最善だが、成功の確率という点では最大ではない。
理詰めで固められる部分は可能な限り固める。そのための全戦力を集中しての中央突破を少佐は提唱するのだ。

「数字の上で考えれば、確かにそうですね」

それに食いついたのは侍従長さんだ。だが、その言葉は殿下への庇護のように感情が見えるような言い方ではない。

「少佐の意見に異を唱えたわけではありません。むしろ、訓練兵を使うことで作戦の成功率を引き上げることが可能ではないかと考えます」

「ふむ。かまわん、続けろ、中尉」

「は。――まず、この訓練兵が決起部隊の説得に成功するならばそれで良し」

「その通り」

……侍従長さん。いいんちょのこと、訓練兵って呼んだな。
少佐に陰陽だとかそういった裏の部分を勘ぐられたくないからか。確かに、わからない話じゃない。

「説得に失敗した場合でも、この者に注意をひきつける事で、殿下をお乗せした機体の脱出を、より容易にすることができます」

――待て、それはつまり、

「その理由は、決起部隊の目的が我々の殲滅ではなく殿下だからです。逃げるものは追わないでしょう……その余裕もないはずです」

説得に失敗した場合、身代わりになるいいんちょは見捨てていくってことだろ。

「ふむ……」

「仮にこの者が決起軍に拘束されたとしても、替え玉であると気づく頃には、殿下の意思は基地に到着しております」

そんな選択肢が……天元山の人々を切り捨てたのと同じように、俺はできるのか?
殿下にトリアゾラムを打てなかった俺に、それが……。
オルタネイティブW完遂のために、目的を達成するために、それができるのか!?

「ひとつ訊くが。今のプランは殿下のお望みとはだいぶかけ離れているが、近衛軍としては構わないと?」

「この状況下で全隊無事に帰還できる可能性は、如何なる作戦においても大差ないものと考えます」

殿下のご提案はそれと同じこと。説得が成功しても、決起したものはいずれ処刑される。殿下も、それを踏まえたうえで先の決断をされたのだ。
軍事裁判での不名誉な死を遂げるより、殿下に直接手をかけてもらえるほうが、大尉達にとってはいいことなんだろう。
本人達に聞いたわけじゃないが、そういった想いを酌んで決断できる。それが、この世界の、日本人のあり方なのだ。
死ぬことが問題なんじゃない。そこに自分の意思があるかどうかなのだ。俺がいまだに到達できていない、信念や立脚点のあり方……。
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/16(火) 01:20:39.22 ID:n1jpEgob0
「殿下……そこまで」

「己が未熟、恥じ入るばかりです」

初めて、そこまでの意思の在り方に触れ、理解に近づいた少佐はどう思っているのだろう。
俺に近い立ち位置のはずの、この人は……。

「少佐は何か勘違いされておられるようですが、我々近衛が最たる護りを行うは殿下の望みではなく御身」

その判断基準において、少佐の作戦よりも殿下の身の安全が高いと彼女は思ったのだ。
そう、訓練兵である、いいんちょの策が。

「なるほど。これまでの注意の言動が感情に支配されたものではなかったという事は、私にとって良いニュースだ」

「では少佐、作戦を以下がなさいますか」

大人の会話ってやつか。
二人には笑顔はないが、そのやり取りには意地の悪い笑いが含まれているように感じる。
流れは決まったのだ。

「うむ――」

この世界は状況が変わってきている。それは間違いなく、俺の手によってもたらされたものだ。
責任を取るとか、そういうことじゃないけど、俺がこの状況に対して、何かを働きかけなきゃいけない。
そう強く思う。殿下が、委員長がそうしたように。それが、この状況を生み出した一端である俺の気持ち。
何かを言うならば今だ、そしてそれは俺自身が言葉にしなけりゃいけないんだ。
この作戦に俺は……委員長の提案を推すべきだと、現状の最良であると判断する。
ここで大尉達が投降すれば全てが終わる。これ以上、人間同士が無駄な血を流さないでいい可能性をはらんでいるのはこの可能性だけなんだ。
オルタネイティブX発動まで時間のない今、それを目指すことが俺の最善。
それが今、俺がなすべきことなんだ。
勿論、委員長が犠牲になってしまう事が引っかからないわけじゃない。
次に流れる血がいいんちょのものになるかもしれないんだ。本当なら、止めてやりたい。
でも、あいつが将軍の影としての生を受け、宿命を精一杯受け止め、本来なら外れてしまった役目を今、全うできる機会が来ている。
それは義務だからとか、在り方だからって決め付けだけじゃなく、本当に想っている相手のために自分だけが出来ること。それを否定なんかできない。
俺の常識や感覚だけで、違う世界の考え方で引き止めるのはあいつの全てを認めてやれないのと同じだ。
ここでいいんちょを行かせてやらなければ、それはもう死ぬことと同じなんだ。
だから、俺に出来ることを考えるならば必然的にどうすればいいんちょを護れるか。そこに至る。
仮に説得が失敗しても、正体がばれることはまずない。外見が似てるとかじゃなく、身体そのものは殿下なんだから。
本来、そんな不徳は許されないだろうが、有事の際を考えて、いいんちょは造られた。ならば、今が有事、使わぬ手はない。
そんなあらゆる常識から外れた作戦を相手が早々に看破できるわけがない。人間の中身を疑うことを、本物だって証明する手段がどこにあるっていうんだ。
それに、元の世界でも超然としたその態度がこういった高貴な生まれからくるものなのだと今更ながらに感じてくる。
こいつは偽者なんじゃなく、ただ将軍じゃないだけなんだ。
だったら……どちらも護らなきゃいけない!

「――少佐! 発言を許可してください!!」

一同が何事かと俺を見据える中、さすがの少佐もため息をもらす。

「全く……国連の訓練兵は次から次へと」

「男、控えていろ!!」

当然のようにメイド長さんからお叱りがくるがここで止まってなんかいられない。

「――はッ! ご許可を頂きありがとうございます!!」

「――なっ、貴様!?」

無理を通せば道理は引っ込む!

「私は先程の替え玉作戦に志願致します!!」

「「「――!!?」」」

誰もが予想しなかった訓練兵の志願。
当然、今回の作戦に抜擢されるのは近衛の人間だとばかり、周りは思っていただろうから仕方ない。
けど、今黙ってたら俺は流れをつかめなくなる。いいんちょを、護れなくなる!
お互いに生きて、大切なものを護るために……行くんだ。
人類が悲しい結末を迎えることのない未来のために、お前の力は絶対必要なんだ。
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/16(火) 01:21:07.81 ID:n1jpEgob0
「男――いい加減に」

もはや怒気を越え、殺気すら感じる気がするメイド長さんの声。
だが、それに屈する前に、意外なところから助け舟が出る。

「待て、軍曹」

「少佐!?」

「あの訓練兵……多少気になっていたのでな。理由を言ってみろ」

まさか、指揮官自らが……いや、ありがたい。
利用できるものは利用させてもらう。

「は! まず如何に殿下が衛士技能を修得されているとはいえ、自ら戦術機で説得に向かわれるのは状況からいって不自然です!」

殿下自らが決起部隊を討つ必要がなくなった以上、武御雷はいらない。
それに、下手にいいんちょに任せても同じことをしかねない。

「待ちなさい、男、貴方まで……!」

思いも拠らなかったのだろう。ここに来て事態を飲み込めてきたのか、慌てて声を上げる委員長。
だが、それを止めたのは少佐殿。さすがにここでは素直に引き下がるが、あの様子じゃ殿下の変わりに決起部隊を誅するつもりだったみたいだ。
悪いが、それはさせられない。

「続けます。決起部隊に安心感を与える意味でも、これまで通り、私の機に替え玉を同乗させ、説得に向かうべきです」

「………」

だんまりしちゃいるが、視線でものすごい文句を言ってきてるのが分かる。
いいんちょは割と目で語るタイプなのである。
余談だったな。理由を述べないと。

「これまでの移動隊形から、私の機がマークされている可能性が高く、説得の際、真実味を付加できます」

更に、説得が失敗した場合のあらゆる可能性を考慮すれば殿下の護衛には正規兵をより多く配するべきであり、訓練兵を捨て駒にするのは理にかなっている。
俺の強化服が国連正規兵のものであることも、有利に働きかけてくる。ダメ押しにしておくなら、元より簡易ベルトなどが敷設されているので即時対応が可能な点もある。

「ふむ。理は確かにある。……その上で、訓練兵。他に言いたいことがあれば訊いておこう」

どうやら興味が引けたようだ。
俺が言いたいこと、言わなきゃならないこと。この戦場で感じたことを、伝えるんだ!

「決起した者達の、国民や殿下への思いは恐らく本物でしょう。戦いが本位でないというのも理解できます」

そうだ。そこには俺も共感できる。でも、彼等はやり方を間違えたんだ。そこだけは絶対、認めちゃいけない。流れた血は戻らないんだ。
でも、多くの日本人がその行為自体を拒絶したとしても志には共感してしまう。国連軍の衛士である俺でも、その前に日本人である以上、分かるんだ。
そういう意味では既に彼等の目論見の半分は達成されているのかもしれないだろう。今、この場だけがうまくいったってダメなんだ。
殿下の脱出がうまくいったとして、武力鎮圧すればいずれ同じことが繰り返される。
ただでさえ良く思われていない米軍の力がそこに加わることで、彼等の志は人々の心の中により深く刻み込まれてしまう。

「先程、少佐はBETAとの戦いのさなかに人間同心の争いを招いた日本を愚かだと仰いました。でも、日本は最前線なんです」

そう、BETAとの戦いの最前線として国民は常に不安におびえ、身も心も追い詰められている。
暴走一歩手前のこの国を、心を支えているのが殿下の存在なんだ。
その殿下が義憤に駆られ起った者達から逃げ回り、あげく米国と協力して不名誉な死に追いやったとなればその先は血みどろだ。
近い将来、志を継ぐものが現れ、今回以上に周到な準備を以てことを起こすだろう。そうなれば当然また米軍が動く。
結果として、今まで以上の災厄が降りかかることになるんだ。だからどうしても今回のことで将軍への信用を失墜させちゃいけない。
極東絶対防衛線が崩壊して、人類の滅亡が始まってしまうかもしれない。いや、すでに始まっている!
日本という防波堤がなくなれば、いまだ無傷である米国本土までは海しかない。
そうなれば……もっと、もっと多くの地が流れる!
そして、地球を見捨てて別の星に逃げるんだ! 無事にたどり着けるかわからない、そんな旅路に……!!
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/16(火) 01:22:03.69 ID:n1jpEgob0
「俺は、俺は絶対そんなことさせない! させたくないんです!!」

「……」

「説得に成功すればここで全てが終わりますっ! お願いです、いかせてください!!」

もはやどこからが俺の言葉で、気持ちだったか。
少なくとも、言っちゃいけない言葉以外は全て出てしまったように思う。

「――よせ男っ! 何を取り乱している!」

だからか。メイド長さんの叱責で我に返れば、少佐の目の前まで詰め寄っていた。
慌てて距離をとり、謝罪する。ダメだ俺、何を感情的になって……。

「お願いします、少佐……私の機だけであれば、万が一の場合の犠牲も最小限ですみます」

だから、頼む。俺を、俺をいかせてくれ!!

「お願い、します……」

「言いたいことは終わりか?」

「……は」

そうして、頭の上からかけられる声は落ち着いたものだ。
ダメ、か。途中から理由じゃなくて気持ちばかりが先走っちまった。
これじゃあ、当然……。

「訓練兵、一つ聞くが。確か貴様は、私の命令を実行するのをためらったな?」

「そ、それは……は、い。申し訳ありませんでした!!」

「貴様が指揮官だったとして、このような重要な任務を、命令の実行をためらうような兵士に任せるか?」

トリアゾラムの件か。くそ、ここにきてそれが響いてきやがるなんて!

「……いいえ、任せません」

「では、それが分かっていながら、何故志願した?」

ここまできた以上、取り繕ったって仕方ない。
正直にいこう。

「は。先程までの私は……情けないことですが、自分が直接手をくだすということにおびえていました」

『自分が関与することで人が助かるのは良しで、ひとりでも死人が出ることは許さない、などと仰るのではありませんよね』

いつだったか、妹からそういわれたことがあったっけ。
あいつの言う通りだ。ネガティブな結果が出ることに直接関与するのが怖かったんだ。

「殿下ご自身にも、少佐の命令に従えと仰せつかったにもかかわらず、です」

「殿下が?」

初耳だったのか、少佐の声に驚きが混じる。

「………」

それに対して、殿下が何かを仰るわけではない。
けれど、少佐からすればそれを信じるに値するだけ、殿下の強さは伝わっているんだろう。

「そのあと、大気中に色々と考えました。私はこの国が長くないせいもあって、今回の騒乱をどこか引いた目で見ていました」

国、としてよりも『世界』が違う。違う世界の日本人だから、だ。

「正直に言えば自分の『目標』達成の邪魔をするな、という考えでもありました。少佐の仰るようにこの大事な時期に人間同士下らない、と蔑みました」

それは俺が体験してきた人類の敗北を思ってのこと。

「ですがこの作戦の間に、色々な立場の人たちの考えや意見に触れて、どうすればいいか、わからなくなりました」

国連、米国。米軍に近衛軍。俺達小隊とその関係者達。友女大尉、少佐殿、侍従長中尉、そして殿下。

「全ての言い分は理解できる。けれど、それを自分の中でどう処理すればいいかわからない。私自身の『信念』や『立脚点』が明確ではなかったのです」

「………」

「自分の『目標』やそれを達成しなければという『使命感』や焦りばかりが先走り、肝心の土台がスカスカだったんです」

だけど。
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/16(火) 01:23:11.14 ID:n1jpEgob0
「ですが、ここに来てハッキリと分かったことがあります」

たった今、それを殿下と委員長から教えられたんだ。

「『信念』や『立脚点』とは違いますが……自分が日本人だということです」

『元の世界』と『この世界』……そして悲しい結末を迎えてしまった『前のこの世界』の。

「自分が日本人であることを自己認識できれば後はそれを軸に『目標』を達成する方法を考えて物事を決断すればいい」

3つの世界の日本人として、俺にしかできないことをやり遂げる。

「そしてその決断に従い、自ら状況に関与することを厭わないで、出た結果に責任を持つ」

全てをすくっていけないのなら、こぼれおちるものに対して、こぼすなりの筋を通す。
ただ切り捨てていくようなオルタネイティブXと同じになってはいけない。それが、

「今の俺にとっての答えです。……そこまでしか分かっていませんが、その上で志願しました――以上です」
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/16(火) 01:24:32.33 ID:n1jpEgob0

一瞬の静寂。そして、少佐から質問がくる、

「ひとつ訊くが、貴様の『目標』とは何だ?」

「人類の勝利です」

はじめから何一つ揺らがない。変わることのない、唯一のもの。

「………」

そんなありきたりな言葉は現場の最高責任者には絵空事にしか聞こえないかもしれない。
けれど俺にとってはそれは全てを賭けるに値することのひとつなんだ。

「まさかとは思うが……贖罪のための志願ではないだろうな」

贖罪? もしかして命令違反のことか?

「いえ。自分が為すべき事を行うためです」

殿下の脱出の成功率、事件の解決の可能性、殿下の決起部隊への想い、そして委員長の願い。
これだけ多くのものを叶えられる可能性を秘めた選択肢だから、選んだんだ。
だから――頼む、少佐!!

「……実戦が訓練兵を鍛え上げた……ということなのか」

……えっ?

「貴様の考えはよくわかった。だが吹雪≪TYPE97≫が単機で向かうというのはいかにも不自然だな」

……それ、って。

「近衛の直援は真実味の上でも必要であろうな……でありましょう、少佐」

侍従長さん!! そうか。この人は最初から、いいんちょと一緒に行くつもりだったんだ。
そうだよな……今までだって目にかけてたんだ、ひとりでいかせるわけないよな。

「貴様達のプランを採用する。替え玉は男機に搭乗、直援は侍従長機とする」

「「「了解!」」」

俺といいんちょ、そして侍従長さんの声が重なる。

「殿下、御裁可いただけますか」

「はい」

こうして全て決まった。決まれば後は早い。少佐による指揮のもと、着々と準備は進む。
最後のミーティングのあと、メイド長さんと目が合う。かなりのご立腹だ。そりゃそうか。部下があんな暴走すりゃ、上官形無しだもんな。

「男」

「あ、メイ……教官殿。その、すみません、俺」

「――ふぅ。今は作戦を成功させることだけを考えろ」

「了解!」

「帰ったらきっちりと指導してやる。泣いたり笑ったりできないくらいにな。覚悟しておけ」

「――はい!」

彼女なりの激励を受け取り、俺は進む。ふと、視線を感じて振り返れば、侍従長さんが居る。

「あの、何か?」

「――殿下はお話になられたのか?」

「え、っと?」

二人の関係のことか?

「いや、いい。委員長様を頼む」

「はい!」

そんなやり取りを終え、それぞれの配置へと俺達は動き出す。
これ以上の血を流させないために。ここで終わらせるために――。


―― to be continued...
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 12:50:51.46 ID:kOsGcvTlo
いよいよクライマックスか
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/17(水) 01:19:58.96 ID:Djvohg5AO
ご期待に沿えず申し訳ない……明日には更新予定ですので!
いじメイじゃないとこが!







……い、いや。違うんです。
急にこう、書きたくなるシーンとか台詞がふと浮かびまして。
勿論いじメイオルタも更新予定の目処は立ってまして……あの、えぇと、はい。
素直に続き書きます。






今夜はそんな書きそびれの人をば。
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/17(水) 01:49:07.27 ID:Djvohg5AO
主「ぶぇっきし!」

あや「汚っ」

主「バカ野郎。俺のは聖水みたいなもんだぞ。いわば黄金水だ」

あや「よりアウトなんで」

主「っかし、治安いいんだか悪いんだか」

あや「どこのお国もこんなもんでしょ」

『う、ぅぅ……痛ぇ……』

主「そんなもんかね。ほら、お兄さん達。お金以外を取られる前にさくっと退散しときなよー」

『ひ、ひィ!?』ドタドタ

あや「あや、お金取ってたんだ」

主「服、こんなにされたし。弁償金額以上は取らないつもりだぞ。……多少迷惑料はもらうけど」ゴッソリ

あや「明らかに迷惑料のが多くないすか!?」

主「ち、違うぞ! これはだから……通院費だ、色々と!」

あや「ああ、頭の」

主「手遅れ発言されたらどうしよう……医者怖ぇぇ」

あや「哀れな。で、進捗はいかほどなんすか」

主「んー、やばめ?」

あや「質問に疑問系で答えられても」

主「心にゆとりって大事じゃん?」

あや「のりしろとかならありそうですよね」

主「器がデカいからな」

あや「単に頭にスペース空いてるだけじゃ」

主「失礼な。……失礼なっ」

あや「なんで二回言ったんすか。で、本当にヤバいんすか? 確かにわんころさんの噂は絶えませんけど」

主「やれるだけやってんだけどな。お前が言ったようにどこの国も同じようなもんでな。あいつらは組織ってもんに取り入るのがうまいんだよ」

あや「つまりピンポイントで標的をどうこうが難しくなってる、と。厄介な話ですね。『何でも屋』の名前が泣きますよ?」

主「『便利屋』ほど楽なお仕事でもないんでね」

あや「……」キッ

主「……」フフン

あや「まぁ、いいです。でも急いでくださいよ。任、解かれるんすよ、もうすぐ」

主「俺にやれってか? お前の立ち位置を。それこそ余計に火種になるっての」

あや「いっそ正直になればいいのに」

主「他人ごとだと思って」

あや「他人ごとですし」

主「嘘つけよ……っと、みーちゃんから連絡だわ」

あや「ミサキさんからっすか。何て?」

主「お料理が出来たそうな。おーおー、よっぽど自信作か写メまできたか。見る?」

あや「遠慮しますよ。のろけは余所でどうぞ」

主「……」

あや「そんな心底嫌そうな顔せんでも」
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/17(水) 01:52:40.37 ID:Djvohg5AO
メ「ていう感じのサブどもの厨二祭になりそうだったそうな」

男「いや、あの、両方一応主役級の立ち位置らしいんであまりそういう言い方は」

メ「チラ裏でやれ!」

男「……ああ、ものすごいさめざめ泣く声が聞こえる」

メ「そして私の出番がないいじメイなんざ早く打ち切りエンドに!」

男「それこそ困るから! 今ソードマスターな展開だけは?!」

メ「次回作のメイドさんの怠惰な一日シリーズをお楽しみにね」

男「タイトルからして全くワクワクしねぇ?!」
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/18(木) 01:24:55.43 ID:uDEAPtaV0
第36話 「対話/場」


休戦終了まで906秒。残り60秒になれば、作戦は始まる。
侍従長中尉より決起軍に交渉の意思があることを通告してもらい、場を作る。
応じればよし。応じない場合は別プラン……つまり中央突破だ。
勿論、本来のプランも交渉が決裂すれば同じ流れでしかないが。

「……」

傍らから聞こえる呼吸は、緊張をはらむもの。当然だ。自身の命だけじゃない。みんなの命すらこいつは背負ってる。
俺だって正直かなりキてる。けど、こいつに比べるまでもないだろう。それだけ……厳しい状況なんだ。

「寒くないか?」

「心配してくれるのね。大丈夫よ」

見かけや声音は殿下そのもの。けれど、口調に混じる委員長の顔。
これからこいつはこの姿をもって、決起部隊を説得するんだ。気遣いは過ぎるくらいでいい。

「遠慮なく言えよ。俺、強化装備だから調節は……」

「ほら、こっちを気にしてないでブリーフィングに集中なさいな」

「む、ぅ。了解」

しかし、こんなの委員長だって俺は知ってるから分かるものの、知らない奴からすればバレるわけがないだろう。
そりゃそうだ。身体に関して言えば殿下そのものなんだから。
詳しく知るわけじゃないが、存在としては知っている。俺の『元の世界』の知識にも、それはあるくらいだから。

『では引き続きプランAの説明だが……』

それぞれが説得の場に出る俺達の援護と、その後の突破の展開を見据えた配置におかれていく。
交渉のタイムリミットは開始から20分が限度だと指揮官は告げる。
増援の可能性を高めるためにぎりぎりまで時間を稼げ、という指示がついてくるが。
俺達の説得のフェイズで終わらなければ後は突破に向けた采配が主になる。
簡単に言えば俺達を囮にして、今殿下の心を持つ委員長が乗る近衛軍の機体を最優先で脱出させる。
そんなプランの流れだ。当然とはいえ、失敗も十分に前提に入れられてる事に、委員長の顔にいやでも緊張が走る。
当然だろう。自分の肩に多くの、敵味方を含めた命が懸かっていると改めて実感しているのだから。

「大丈夫、お前ならやれる」

「…………」

応える声も、頷く動きもない。でも、俺には信じてやるしかない。
各機がそれぞれ所定の位置へ動く中、ただ声をかけてやることしか出来ない。

「絶対、成功させよう」

「……無論よ」

重く、それでも声を返すだけの覚悟はできたみたいだ。
なら、あとは全力でことにあたるのみだ。
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/18(木) 01:25:43.14 ID:uDEAPtaV0
「ねぇ、男」

「ん?」

作戦まで残り200秒ほど。残り数分も過ぎれば作戦が始まる。そんなとき。
委員長から小さな声があがる。

「私……」

「うん」

「……」

「……」

何かを言いかけて、けれど言葉は続かない。
コックピット内の電子機器のわずかな駆動音だけが場を満たす中、

「……ううん、何でもないわ。緊張してるみたい。ごめんなさい」

「いいよ。俺だって一緒だ。声、かけて緊張がほぐれるならどんとこい」

「ありがとう……優しいのね」

「こんなときだからな」

「こんなときでないと優しくできないのかしら」

「さぁな。ただ、何だ。うまくいったら……あー、やめだやめ。作戦前にフラグ立てはご法度だ」

「ふらぐ? 旗がどうかしたの?」

っと、そういえばこの世界ではこういう単語の使い方はしてないわな。

「気にすんな。それより、そろそろだ。いいんちょから殿下っぽくなっとけよ」

「そうね。……その旨、承りました」

……っ。声音は元々そうだけど、まるで殿下から言葉を聴いたみたいに感じた。
その一瞬で、こいつが殿下としての立ち振る舞いが出来る、と。何となく俺は直感した。

『女友大尉に告ぐ。私は帝国近衛軍、――」

始まったか。

『応答せよ、こちらは……』

『私は帝国本土防衛軍帝都守備連隊、女友大尉である』

来たか……!

『貴官等の熟慮の結果、聞かせて戴こう』

『この通信は貴官の要求に対する回等のためのものではない』

『では、何のための通信か』

『殿下が直々に貴官と会って話されることを望まれている』

『……それは事実か?』

『貴官が決めればよい。殿下のご要望、疑うも信ずるも貴官次第であろう』

『了解した。手はずを聞こう』

あっさりと信じた。そりゃそうか、相手にとって殿下の言葉といわれれば、何であれ全て信じるに値すること。
何より近衛の人間が殿下の名を使って謀るなど有り得ないという忠義と同義の信用があればこそか。

『殿下お召しの国連軍機に現部隊に在る全近衛軍4機が随伴する』

――な!? おいおい、作戦と違うぞ! 何勝手に増やしてるんだ!!

『国連軍機には殿下の他に衛士が搭乗していることを念のために断っておく』

その後、淡々と落ち合う場所を指定していく侍従長さん。
でも、そんなことは当然……。

『場所は確認した。手筈に従おう。だが接触後、殿下にはこちらで用意する機体にお召し替え頂く。それが条件だ』
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/18(木) 01:26:10.38 ID:uDEAPtaV0
当然その後、国連軍や米軍の介入を主権侵害とし国連軍機の立会いを断ろうとする。
こんなもの認めれば、敵の手にみすみす殿下を……委員長に渡すことになるぞ!
取引材料として直援機の数を多めに言ったんだろうけど、逆に警戒させたんじゃないのか。
このまま、いきなり交渉決裂になるなんてこと……。

『貴官の主張は理解した。だが、その条件は受け入れられない。その条件は当初の引渡し要求を受諾するに等しい』

殿下がそれをお望みでないがゆえに此度の謁見の運びとなったことを侍従長さんは伝える。
当然、それに対してこちらの目論見でないかと大尉は反論する。
これを侍従長さんは殿下の意思としてこれ以上の争いを望まぬこと、混乱を鎮めるために介入した国連、米軍に対して理解と感謝をされていること。
同属相食む無用な戦いを良しとされず、それに巻き込まれ苦しむ国民を慮る殿下の語深慮に他ならぬ、ということ。
これら殿下のご心痛を理解できぬはずがない相手に、逃げ場をなくすように伝えていく。
心情が近いだけに、提案を受け入れざるを得なくなるように交渉を運んでいく。
数瞬の間があり、大尉からの答えが返る。

『先の条件は撤回する。国連衛士の随伴も認めよう』

『了解。ではこちらも直援を私のみとさせていただく』

『殿下の直援が1機だと? 貴官はそれでも近衛の将校か!?』

そうか! 直援の近衛機を多く言ったのはこのためか!
大尉は最初からこの部隊にいる近衛が全機直援に付く事を当然だと思っている。
だからこそ、心情も思考も理解するが故に当初より少なく提案することで不信感をもたれぬようにしたんだ。

『これもまた殿下の思し召しである。そもそも殿下は貴官等の謁見には警護は無用とまで仰せになっていたのだ』

『……何と』

『されと、先ず貴官の志の真偽を見定め、その上で1機は御供させて戴くよう、私が献策差し上げたまでのこと』

『殿下……』

『貴官を瀬踏みしたことは詫びる。されど1機という由は、貴官を信ずる殿下の御心の証であると知るがよい』

『畏れ多い……』

『ここは殿下のご厚情を賜るがよいであろう』

侍従長さん……殿下のためとはいえ、大尉を騙すとうな事を言うのはつらいだろうな。
きっと、相手の心情に近いからこそ、今回のようにうまく交渉が進むんだ。
殿下という存在が、こちらにいるから。

『委細了解した。では、これより謁見の場に向かう』

『その場には先んじて殿下をお連れする。貴官は私の連絡を待て』

『待て。それでは礼に失する。私が先立ち、殿下をお迎えすべきだ』

『貴官の情意は理解している。されどここは殿下の保安を預かる私の差配に従って頂く』

『成程、了解した。貴官が務めを果たすことに依存はない』

まるで立場が逆だな、これじゃあ。
普通の交渉ごとならば首謀者をおびき出す罠だと疑ってかかるのが当然だ。
それだけ殿下の存在は大きいんだ、この国の人間にとって。

『こちらは2機で出向く。では、貴官からの通信を待つ。以上だ』

でも、だったら。そこまで強い忠誠心をもちながら何故帝都で戦闘が起きた時、素直に停戦できなかったんだ。
こうやって素直に信じて出てくるのも大尉が死に場所を求めているからなのか?
殿下が目の前にいる今、直接話す最後のチャンスと思っているから、なのか?

「……男」

「ああ、いよいよだな」

いや、考えたって仕方ない。
今は目の前に造られた交渉の場に、いいんちょをつれていくだけだ。
そこで真意は全て分かる。きっと。
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/18(木) 01:53:37.03 ID:BXQl+8hAO
すみません。かなり中途半端ですが一時中断で。
よく考えたら明日始発の新幹線で日帰り出張でした。てへ。
……クソース!


てな訳で続きはその内に。
いいんちょの言いかけた台詞、出自なんかに迫りつつクーデター編クライマックスへ。








メ「いいんちょさんの過去話とかみんな興味ないんでカットでよくないすか?」

委員長「……腸詰めにするわよ?」

メ「そ、そんな台詞言うから扱いヒドいんすよ!?」
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/18(木) 13:32:07.63 ID:0Oq6u8/ao
使徒になったり魔女になったり忙しいよな
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/19(金) 01:22:45.79 ID:T3CyLl0AO
委員長「どちらも覚えがないわね」

メ「嘘つけぇ!」

委員長さんの七変化っぷりはもはや平行世界を行き来してるレベル。



どうも。何とか日帰り出張に納めて帰宅な中の人です。
く……もはや新幹線に慣れた身体に……ビクンビクン。
さておき週末には何とか続きを更新したいと思ってますんで期待せずお待ちをば。
今夜は珍しい方を召還して短く一本!
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/19(金) 01:47:12.12 ID:T3CyLl0AO
母「おっす」

男「……」

メ「……」

二人「「で、出たぁぁぁぁああぁぁああ!?」」

【お盆だし?】

母「何だよぉ、人を幽霊みたいにさぁ」

男「みたいじゃなくて幽霊だろ」

母「ちゃうちゃう。幽霊なんて非現実的なもんとちがうで」

メ「何故に関西弁」

母「気分? ていうか見なさいこの脚線美! どこが幽霊かと」

男「透けてる透けてる」

母「マジで!? 勝負下着だからやっぱ生地が透けちゃうかぁ」

メ「この人、基本的に話を聞く機能が欠如してますよね」

男「お前みたいに悪意をもって無視するのとはまた違うよな」

メ「私のは意地悪ですから」

男「悪意の塊じゃねぇか」

母「てゆーか普段楽屋会話だメタだの言うんならこれくらいサクッと受け入れなさいよ」

男「ごめん。幽霊は反則だわ」

メ「主様のお腹から透けて出てくるなんざメタだろうが楽屋だろうが想像の範囲外ですし」

母「いやぁ、人の股ぐらから出てきやがった奴に仕返ししたくなってさ」

男「それが母親の台詞か」

母「私の肉壺に触れてええのはダーリンだけなの。帝王切開にしとけば良かったか」

メ「結局医者が触るかと」

母「そこはダーリンが手術してくれるから大丈夫って。あ、やべ。想像したら濡れてきた」

男「出来そうなあたり嫌だな」

メ「息子の前でこんな発言するのも嫌ですけどね」

母「なんだよぅ。お前らも乳繰れよぉ。何の為にダーリンを初裏切りしてまであんたを生かしたと思ってんのさ」

メ「それは……その」

男「別に俺達は俺達のペースでいいよ。母さんは母さんなりのペースだったんだし」

母「私のは何回も繰り返しての愛だかんね。主観にして数百年愛され続けて嬉しくない訳ないじゃん?」

男「……そこだけは親父も母さんもすごいと思うよ」

メ「およそ人が持ちえる愛の限界突破してますね」

母「だから私は充分だしあんたに譲った訳だ。そんな訳だしもうちょいくらい素直になんなよ」

メ「気が向けば」

母「かかか。ま、ガキの顔を楽しみに待ってっから。しっかり励めよー」スー…

男「いったか。今頃地獄の物見遊山でも楽しんでる頃だろうな。さて……せっかくだし今夜は」

母「……」ジー

男「早く逝けよ!?」
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/22(月) 01:23:44.57 ID:71McInxAO
更新遅れてすみません。久しぶりに外出して人と接する週末を過ごした中の人です。
だが何故か明日を思うと悲しくなるのは……。く、週休2日制って名前ばかりな現状が悔しいっ。
という訳で密かにクラスチェンジを狙ってみてたり。
うまく行けば底辺からは脱出か……!!

まぁそんなチラ裏はさておき。
明日が更新予定日ですのでよろしくお願いします。
今夜の残りはショートにっ。
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/22(月) 01:45:01.00 ID:71McInxAO
メ「失敗した」

男「むふー。ゴロゴロ」

メ「擬音を口に出し始めたら確実にカタストロフな手前の合図。主様、無駄だと分かってますが言いますよ。しっかりしてください」

男「酔ってなんかないろー!!」

メ「完全にアウトである」

【飲酒】

メ「あの、主様。もうそろそろ休まれてはどうでしょう?」

男「おーい、おぱーいさーん!」

メ「人の胸に向かって話しかけるのは止めましょう。色々と末期ですよ」

男「あんたエラい、エラいよ! 感動した!」

メ「何にだよ。胸の何にだよ」

男「胸厚。……胸熱!」

メ「ダメだ。もはや正常な思考能力が……」

男「おっぱいさーん、どうしてこんなにおっきくなっちゃったんですか〜?」

メ「し、知りませんよ」

男「……」ムスー

メ「な、何をふくれっ面してんすか!? え? 何? 答え方なの?」

男「こほん。おっぱいさーん。どうしてこんなにおっきくなっちゃったんですか〜?」

メ「……ま、真面目にやってきたからや」

男「むふー」ホッコリ

メ「誰が分かるんだよこんな関西ローカルな引越会社CMネタ!? おっぱい関係ねぇし!」

男「よし、行こう! 希望の園へっ」

メ「え、何? 次は何なの!?」

男「いざ往かん。その頂へ。ダイブっ」モフ

メ「ぎゃわぁぁぁあああぁぁああ?! ななななな何を人の胸に顔突っ込んで……」

男「むもも、むむもも」ハフハフ

メ「ぎゃぁぁああぁぁああ!? 喋るなら離れてっ、息が、息が胸に?!」

男「……」スーハースーハー

メ「誰かこの変態を止めろー?!」



数秒後呼吸が困難になり勝手にオチたとか。
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/08/23(火) 01:46:01.20 ID:MtTnl+Qn0
言えなかった。言わなかった。
どちらだって構わない。けれど、言いたくなってしまった。
それほどまでに自分は弱くなっているのだろうか。
それほどまでに自分は彼を信じているのだろうか。
わからない。結局、言葉に出来なかった事は伝わることなどない。
心は言葉でしか伝わらない。だから、私の本当の心は、届かない。

だからこれは、私にしか聞こえない言葉。

男。私ね。私もね。
皇族の……『宮』の姓を持っていたの。



それは、いつの頃か。
少なくとも、物心ついた頃はまだ、あの子の姉であれた。

「おねえさま。このお花は?」

「これは蓮ね」

「はすというのですね。とてもきれい」

「ええ。とても」

私の血筋とは、すなわち高貴とされるもの。所謂、皇族と呼ばれるもの。
母方がそうであり、父はまた違った血筋で高名な人だった。
故に私も本来は彼女と同様に気高く生きる、人々の範たる姿を目指していたはずだった。
けれど、そうはならなかった。私に用意されていたのは他者から利用されるだけの人生。

私の親である二人の馴れ初めはとても情熱的ではあったが、同時に禁忌であったという。
故に私は皇族の血筋の中にありながら、決してその血筋としての扱いを受けず忌み子とされていた。
その扱いにいつも父は申し訳なさそうであったし、実際に数々の手を打つよう動いてくれた。
勿論、それが実ったことはなかったけれど。
母は……私など、元より眼中になかった。彼女は華のような人であったが、同時に世を知らなさすぎた。
箱の中で育てられた、愛玩道具であり、政略のための駒でしかなかったのだ。

結局、そうあるよう仕向けられた二人は当然のように結ばれ、当然のように罰せられた。
つまり、私の両親はなるべくして恋し、愛を経て、私を作ったのだ。
その結果が、この生だ。
私の身体は父方の血筋、つまり人とは違った能力……魔と呼ばれるものを付与され出来ている。
それは私本人からすれば便利でもなければ使い道も限られるもの。けれど彼らにとっては大事な標本。

「おねえちゃん」

そう私を呼ぶ、私そっくりな子と初めて会った時、全てを悟った。
ああ、私という名の生産図から生み出された入れ物の子なのだと。
それを……その子を私は妹と呼ぶようになった。

既に義務教育が始まるころには、私達家族は……いや、家族としてあったものは崩壊していた。
父は単身、私達の生活を護るために本家に戻り、未だに帰らずにいる。
母は父という拠り所をなくし、すぐに人としての生を止めた。
妹は私よりも素直に現状を嘆き、怒り、私を支えようとしてくれた。
唯一、皇族の頃に私を一心に世話してくれた女性もいたが、結局彼女も元々持っていた地位を失ったと訊く。

そうして気づけば、人類は戦いを余儀なくされていた。
BETAという名の侵略者との、生存戦争を。

そんな私が、未だに皇族としての心を持てるのか。
将軍という名の蓑を被り、彼らの前に出てもよいのだろうか。
こんな生き方を強いられ、何の恨みもなかったわけじゃない。
許されるのならば、妹と二人、ただ平凡な学生生活でも送ってみたかった。
それこそ、私の性根は生真面目であるから、何かの委員長なんていいかもしれない。
そんな許されぬ夢を、見なかったわけじゃない。

だから、このような大役、何故引き受けてしまったのか。
後悔? それとも罪悪感?
どちらも今の私にぴったり当てはまるのではないだろうか。
心の底から、この事態をどうかしたいと思えているのだろうか。
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/08/23(火) 01:46:50.27 ID:MtTnl+Qn0

『………わかりました。あなたに、任せます』

思えている。そう、私も、あの子と同じだ。殿下から、宮から託されたのだ。
どれほど陰の道を歩まされても、ただの道具としての生しかなくとも。
それでもあの子と過ごした時間は本当だった。
強い子だった。皇族という鎖を背負わなければならない生を、あの頃には既に受け入れていた。
短い時間の中で、それを知り、この子のようになりたいと想った。
この子のためにならば、この身体を使ってもいいと思った。
そうして触れた、彼女の想いが、私の心を作っているのだ。

『国とは、心。民、そのものなのです』

そう教えてくれたのは彼女だった。
忌み嫌われ、誰からも爪弾きにされていた私に手を差し伸べた人間が彼女なのだ。
綺麗だと想った。そのあり方を美しいと感じた。
だから、そうなりたいと願い、学び、駆け抜けた。

出来る。私は、やるんだ。この説得が道を作るからではない。
かの勇士達を無為に死なせたくはないと願うから。
彼女であればきっとそう願うから。私も、そう思えるから。

だから行こう。
隣には憎らしくも、頼りにできる人間がいる。
やるんだ。……私は、宮として、将軍として。


これは誰にも届かぬ言葉。
けれど、私に届ける、思いの形。







そうして時は訪れる。

『02の正面20mにて停止。女友大尉が機外にて“殿下”をお迎えする』

「02了解。……『殿下』、女友大尉が接近中です。ご準備を」

侍従長さんからの打ち合わせを確認し、委員長を届ける。
いや、ここからはもう、委員長は殿下なのだ。

「聞こえていました。イヤフォンの感度は良いようです」

「向こうも戦術機の集音マイクで『殿下』のお声を拾いますから、大声を出さずとも大丈夫ですので」

「よしなに」

ここでの会話ですら気が抜けない。何ともいえない緊張感。
それは俺だけでなく、いや、俺以上に、痛いほど委員長から伝わってくる。
自身に課せられた使命。身代わりという生き方。
その中で、自分なりの責務を果たす。そこにどんな想いがあるのだろう。
……ダメだ。今は、やめよう。
こいつなら出来る。それだけを信じて、今は。


94式戦術歩行戦闘機 不知火。
そのスマートなシルエットが噴射跳躍を経て、ダイレクトランディングにて指定のポイントへと滑り込む。
誤差21センチ。もはや神業としかいえぬその操縦練度は、けれど帝都を護る精鋭としては当然の技術なのだろう。
俺だって新OSを搭載したこの機体の特殊な機動性については負けていない自信はある。けれど、俺達の技量差を考えれば……。
うすら寒い思いをしながら、目の前の機体に……そのコックピットに視線を向ける。

『大尉の準備が完了した。『謁見』を開始する』

「了解」

侍従長さんの声を聞き、謁見の段取りを思い出しながらそれに従う。

「では『殿下』……参ります」

「……はい」

ハッチが開き、風の音が耳をくすぐる。
視線の先には頭を垂れ、傅く女友大尉の姿が見える。
彼女が……今回の首謀者。
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/08/23(火) 01:47:36.27 ID:MtTnl+Qn0
「あなたが……女友か?」

「は。拝謁の栄誉を賜り、真に恐悦至極にございます。私は帝国本土防衛軍 戦術機甲連隊所属、女友大尉であります」

「面をあげるがよい」

「は」

澄んだ声音と共に、彼女が顔を見せる。それは研ぎ澄まされた刀のようであり、けれどその芯に在る優しさを感じ取れるもの。
ああ、友。この人、なんだな。分かるよ、すごく。

「此度、このような形であなたと顔を合わせねばならぬこと、真に遺憾です」

堂々とした態度は先程までの緊張がまるで嘘のようだと思わせる。物腰も自然だ。

「殿下に多大なるご心労をおかけ致しました事、塗炭の苦しみでございます。されど……」

彼女等にとっては今回の事件は必要であると告げる。国に救う逆賊を討ち、膿を出し切るまで、容赦を賜りたいのが言い分。
だがそれを許しえることは出来ないのが殿下だ。彼女にとって今回のような事件を起こさせてしまったことが、不徳なのだ。
確かに帝国議会と軍の在り方、そして殿下の意思の間に浅くない溝があったことは事実だろう。
けれど彼等にも彼等なりの考えで、国と民、世界を救うために尽力してきたのだ。
その想いが純粋であるが故に、齟齬や対立が生まれるのは往々にしてありうること。
それを御しきれずにいたことを、委員長は殿下として詫びる。

「畏れながら殿下!」

だが、大尉たちにとってみれば将軍の名において行われるべき政が殿下の意思と違える現状こそが許されざること。
人のなすことに絶対はない。だが、それを正そうとせぬまま、殿下の言葉のみを隠れ蓑に利用する連中がいるのだ。
齟齬が生じたのならば、それを正すのは殿下ではなく政府や軍であるはず。しかし今の彼等に自浄作用を望むべくもないのが現状なのだ。

「席の帝都での戦闘の際、臨時政府から伝えられた殿下のお言葉は『即時無条件武装解除』でした」

それは一方的すぎる宣告。

「しかもその命が伝えられたのは、顧みるに、すでに殿下が帝都城に居られるはずのない時刻……」

つまり、殿下の言葉などではなく。

「おおかた、彼の者達が握り潰そうとしていた折、殿下のご不在を知り、急遽偽命を発したのでございましょう」

そうか……。
初めて殿下に遭遇した際、俺は殿下に何故帝都での戦闘をやめるよう命令しなかったのかと問うたことがあった。
殿下はそう命じていたのだ。けっれど、こうした事が、臨時政府から呼びかけられる『殿下のお言葉』を信じろというほうが無理だ。
こういった事実を知るからこそ、今回の決起が起こったのだ……。
そういう意味では先程のやり取りで侍従長さんに従ったのはそこに殿下の意思があると信じられたからなのだろう。

けれど……。けれど、それもこの人達を騙しているのには違いない。
大尉たちの心情に近い侍従長さんが大尉を信じられるような言い方をしたに過ぎないのだ。

「幸い、私共は真のご下命の内容をさる信頼できる筋から聞き及んでおりましたので、奸計に陥ることはありませんでした」

さる信頼できる筋……。一瞬浮かぶ、友人の肉親の顔。
帝国情報省。……まさか、そうなのか?

「私が決起せし同志達に戦闘停止を命じたのは彼の者達が偽命を発した遥か依然にございます」

「……」

「されど、何故彼の者達は殿下の命を私共に伝えなかったのか」

「……畏れながら、その者達こそが逆賊! 殿下が心を痛める由は微塵もございません」

俺は当初、帝都での戦闘が始まったとき、女友大尉の統率力を疑った。
けど、帝都での戦火の拡大は陰謀勢力の望みだったってことなのか? それとも別の勢力による……。
ふと、目の前の委員長が言葉を発していないことに気づく。息を呑み、震わせ、ただあちらの言葉を聴くのみ。
どうしたいいんちょ、何でずっと黙ってる! 怪しまれる前に早く――
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/08/23(火) 01:48:12.06 ID:MtTnl+Qn0
「大尉、あなたの申されることもわかります。されど、今の帝国の有様……これが将軍である私の責任である由は何ら変わるところではない」

っ、……驚かさないでくれ。

「米軍や国連軍の介入を許してしまっていることもまた然り……」

「……」

「故に、貴方達が私のために血を流す必要はないのです」

「殿下………」

いいぞ、このまま押し切れば少なくともこれ以上人間同士で争うことはなくなる。
殿下直々の言葉であれば、女友大尉も従順なはず。畳み掛けるならいまだ。

「畏れながら……殿下の潔く崇高な御心に触れ、万感交々到り、心洗われる思いにございます。しかしながら」

米軍および、国連軍の介入が内政干渉であり国家主権を脅かす蛮行ではるのは事実。
そして、この場だからこそ、彼等は口にする。
此度の件が、米国の思惑によって進められているということを。

「帝都での戦闘は、帝都城警備の近衛部隊に対して、我が同志部隊が先制攻撃を仕掛けたことが発端となったとされています」

結果的にはそれは事実である。だが、部隊指揮官は発砲を命じておらず、一兵士が暴走した結果が全ての発端なのだ。
不思議なことにこれは同じ時刻に同様のことが、帝都城の周囲数箇所で発生していた。
その中のとある将校が命令を無視して発砲した兵士を逮捕し、連行したという。

「精査の結果、その兵士は米国諜報機関の工作員であることが判明致しました」

「――!?」

っ、まずい! まずいぞ……。
委員長はこの手の裏情報を全く知らないはずだ。
何となく想像していたとしても、今ここでその情報を女友大尉の口から訊くのはまずい。

「極東での復権を望む米国政府は米国派遣の口実を作るため、帝都での騒乱を望んだのです」

帝都の戦闘から、米軍が殿下を救出、保護し、日本の騒乱を平定する。
それを容易くし、殿下の戦闘停止命令を握り潰した者達が、帝都を戦火に晒した張本人。
その事実を、『殿下』にぶつけてくる女友大尉。
返す言葉はなく、ただただ訊きに回るだけの殿下(委員長)。

「さりとて、それを許した私の罪……拭えるものではないと重々承知しております」

本来、殿下(宮)はそのあたりの裏事情を知った上で、大尉達に死に場所を与えるために動こうとした。
だが委員長は、あいつの知りうる情報と、さっきまでの状況とから殿下の決意を慮って、身代わりを名乗り出たはずだ。
裏事情を知った上でのことじゃない。決起を下らないと想っていた俺ですらそうなった程なのに……。
いきなりそんな話を聞いてしまえば、真偽依然にいいんちょは女友大尉たちにこれまで以上の気持ちが入ってしまう。
元よりこいつの心は決起軍のものに近い。それがこのような形で揺さぶられてしまえば、説得なんて……!

「……っ」

「殿、下……?」

困惑する大尉の声に、俺は目の前の情景を知ってしまう。
いいんちょは……泣いているのだ。

――何てことだ。
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/08/23(火) 01:48:54.34 ID:MtTnl+Qn0
お前は殿下の影なんだろ? その宿命に殉じるんだろ!?
気持ちはわかるけど、ここで流されたらダメなんだ!!
殿下なら絶対に大尉の前で泣いたりしない。あの人は一人になった時だけ……
大尉や死んでいった臣下のためを思い、人知れず涙を流すはずだろ!
それ以上の状況を知っていた殿下は、もっと悩んでいたはずなんだ!
どれだけ言葉を発しても届かない。そればかりか、勝手に物事が悲しい方向へと進んでいく。
それでも何とかしなくちゃと想って、囮になってまで帝都での戦闘を終結させたんだ。
そして自分の手で、心で泣きながら女友大尉達に死に場所を与えようとしたんだぞ!?
どうしてそこまで出来る? 将軍だからか? 投げ出すことを許されぬ立場だからか?
違うだろ。それでも国民を大切に想っていたからだ。
日本の平和のために、来るべき未来で日本人が誇りを持って暮らしていけるよう、それを願っているからだ。
そして政府も軍もその目的のために動いていると信じているからだ。
だからこそ、俺達の目から見て最悪なものであっても、黙って今の状況を受け入れてるんじゃないか。
各々の主義や立場で今の状況に憤りを感じているものたちには全て自分のせいだといい続けているんじゃないか!

「そこまで――」

――!?

「そこまで国を……民を……この朱鷺之宮を想うのならば」

震える声で、けれどはっきりと、それを告げる。

「何故あなたは人を斬ったのですか!?」

「……殿下」

「血は血を呼び、争いは争いを生みます。そのような仕儀を齎した貴女達の此度の行い……それは私や民の心を酌んだものだと言えるのですか?」

――いいんちょ、お前。

「将軍の意思を正しく伝えることが貴女達の穂にであったとして、それが伝わらぬ者、阻むものを除することが許される道理があるのですか……」


それを許すのであれば……

「天元山の人々を力尽くで排除した政府を非難する資格があなたに在ろう筈がない」

「………」

「民の意思を語る資格が在ろう筈がない……」

「………」

俺も、大尉も何一つ言葉を発することすらできない。

「国とは……日本という国は……民の心にあるもの」

そして将軍はそれを、民の心にある日本を移す鏡のようなもの。
もし映すものがない鏡が在ったなら、それは何と儚い存在であろうか。
そう訴えるいいんちょの背中に、俺は確かに殿下の影が重なって見える。
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/23(火) 01:49:45.17 ID:MtTnl+Qn0
「日本を護るというのは即ち、民を護るということ……民のない国など、ありはしないのです」

「………」

「それをあなたが一番分かっていながら……道を誤ったのです」

彼等が斬った者。それもまた、日本であり、民なのだ。

「されど、未だ貴女達に残された正道があります。過ちを雪ぐ道が」

「………」

一刻も早く争いを終わらせ、民を不安から解放する。
そして志に賛同する者たちを一人でも多く救わねばならない。
今ここで帝国軍や米軍、国連の将兵をひとりでも多く救えるのは、目の前の彼女なのだ。

「日本の行く末を憂うあなたの想い、志はこの私がしかと受け取りました」

「………」

「これより後は、常に此度の件を戒めとし、民のため、日本のために尽瘁する所存です。朱鷺之宮の名にかけて……あなたに誓います」

「殿下……」

俺は、もはやまぶしくて、委員長を見れなかった。
すまない、俺はお前という人間をわかっていなかった。
まるで自分のことのように殿下のことを心配していた委員長、そしてまた殿下も委員長を大事に想っていた。
一緒に過ごした時間が少なくとも、あまりに離れた二人の立ち場であろうとも……二人の気持ちは通じ合っていた。
裏事情を知らなくとも、自ら女友大尉に死に場所を与えようとする殿下の決意を察することが出来るほどに。
そして、その事実を知った衝撃を受けたとしても、こうして殿下と同じ考えに行き着くほどに。
それを俺はまた、思い知った。

「………」

「有難きお言葉の数々、わが身には過ぎる栄誉にございます……」

訪れる沈黙は、すぐに大尉によって破られる。

「殿下……我が同志の処遇……くれぐれも宜しくお願い致します」

まさか……これは。

「女友大尉……」

いいんちょの、殿下の想いが通じたんだ。
そう、説得が成功し――




ズガガ……!!!!

「――ッ!?」

「「なっ……」」

目の前で起こる爆炎と崩れ落ちる機体。
突如始まった掃射により、大尉の随伴機である不知火を吹き飛ばす。

希望の火が、目の前で、消えた。


―― to be continued...
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/23(火) 01:58:15.55 ID:7OZrBwFAO
久々にageてしまってすいません。
くっ……何とか今日中に上げきれたとか油断したらこれだよっ!

なんかこんな感じの事が前にもあったような気がする……気をつけないと。
とにもかくにも次回、次々回くらいでクーデター編は終わる予定です。
なんとか今月中には……!
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/24(水) 00:59:06.23 ID:8rT9UNpAO
メ「委員長さん、とうとう設定が飽和しかねないレベルに達してませんか」

委員長「残念ながら最初期から決まってた事よ」

メ「嘘ですよね?」

委員長「嘘よ」

メ「やっぱりかぁぁー!!」


【委員長】


委員長「冗談よ。ある程度、そういう家系の生まれというのは決まってたわ」

メ「初期のvipの頃はただのクーやら無口系からヤンデレに進化するくらいしかなかったじゃないすか」

委員長「あれはあれ。これはこれだもの。そんな事言ったら貴女なんてもっとキャラ付け無かったじゃない」

メ「おーけー、止めましょう。互いにメタ視点会話はこれくらいにしないと冷めますからね、周りの方が」

委員長「構わないわよ、私は。どうせ今更ヒロインになれる訳でもないし」

メ「やさぐれすぎでしょ……」

委員長「私なりの生き方が決まっただけよ。天使にも魔女にもなれる立ち位置なんて早々ないでしょう」

メ「誰が天使かと」

委員長「最近使途呼ばわりされたでしょ?」

メ「多分御遣いとしての意味で使われた訳ではないような」

委員長「どちらでも同じことよ。突き抜ければ下も上も互いに神格化の対象になるわ」

メ「神発言いただきましたー」

委員長「勿論、そんな肩書きよりも他者より畏怖を持たれることに益を見いだしてるだけなのだけれど」

メ「委員長さんが遠いぜ」

委員長「気のせいよ。それより貴女、最近は随分と丸くなってるのね」

メ「ぬぐ……いやまぁアイデンティティ的には危機を感じてない訳じゃないですが」

委員長「そっちもだけれど、身体のほうが」

メ「……そ、そんなにピザってきてます?」

委員長「昔は胸が強調されていたのにね。今の貴女、ハムみたいよ」

メ「……!!?!」

委員長(まぁ、それはそれで美味しそうではあるけれど)




委員長、ナチュラルに人を泣かせるほどに強くなりました。
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/24(水) 01:07:29.44 ID:8rT9UNpAO
男「な、何」

メ「……」

男「なんで涙目で睨まれてるんだよ、俺」

【意地悪なハムメイド】

メ「……」ムスー

男「なるほど。そんな事が」

メ「誰がハムか! この超絶ぷりちーヒロインに向かって!」プンスコ

男「ハムなぁ」

メ「よしんばハム呼ばわりされたとしてもそれはポーク的な意味ではなくハムスター的な可愛さのハムですよ。ね、主様!」

男「うん、まぁ……ははは」

メ「おい貴様、今どこを見ていた」

男「ぽっこりお腹?」

メ「だらしゃぁぁあああ! 誰がぽっこりか! 誰が妊娠3ヶ月か! 誰がちゃんこメイドか!?」

男「そこまで言ってねぇよ。あとぽっこりは言い過ぎた。うん、ムッチリだ」

メ「フォローになってねぇよ!」

男「だってムッチリなのはマジだし」

メ「く……ええ、認めます! 認めますよ、最近少し肉ついたなぁとか思ってたのは!」

男「ムッチリーニ」

メ「しね!! っつぅか仕方ないじゃない! 仕方ないじゃない! 昔は全然気にしなくても肥らなかったのに何故か最近は……くぅ」

男「少し間色減らせばいいだけだろ。あと生活リズムとか。いい兆候だぜ? 機能として人間らしい身体になってきてる証拠だ」

メ「私はハムになるくらいなら超人がいいです」

男「……このハム超人め」
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/24(水) 01:15:36.55 ID:8rT9UNpAO
メ「という訳で奮発してみました」ウィンウィン

男「ロデオマシンか」

メ「うす。こっそり主様のへそくりから」

男「……そんな事だろうとは……くぅ」


【いっしょにとれ〜にんぐ】


メ「しかしこれはなかなか……」ウィンウィン

男「……」

メ「何をベガ立ちしてんすか主様。私の騎乗っぷりにハァハァしてるんすね」

プルン プルン

男「……うん、まぁな」

メ「ちょ、ばっ、どこ見てんすか」

男「たわわに実った果実を2つほど」

メ「視聴料を要求する!!」

男「そのマシントレーニングが終わってからな」

メ「ぐ、ぐぬぬ」





メ「で、終わって請求にきてみりゃ何ですかこのトレーニング器具の山」

男「お前のダイエットに協力したくなってな。ユニフォームも露出度を段階的に調整できるやつを準備したからな。存分に頑張れ」

メ「私をイメージビデオのアイドルか何かだと勘違いしてないかこの人」





女性が器具でトレーニングする姿って何故かエロスを感じますよね。……感じませんよね、すみません。
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/24(水) 15:56:25.21 ID:ximo2kYAO
まぁ、メイドは男専用のアイドルだから仕方ないNE!
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/25(木) 01:04:43.57 ID:rHdgyzTAO
メ「私は皆様の愛玩具(アイ・ドール)ですよ」

男「それニュアンス的にラブドールじゃね?」

【主様のアイドル】

メ「つか主様が私にゾッコンなのは今に始まった訳ではないので割礼しまして」

男「今更成人の儀は困る。というか割愛せずにこのお題は深く掘り下げようか」

メ「却下で。私、こっ恥ずかしいネタが大嫌いですんで」

男「つくづくデレ要素が皆無だな」

メ「もとより期待してないくせに。ていうか主様にとってアイドルは私ではありますまい」

男「そうか? お前以外にと言われてもピンと来ないというか」

メ「お姉様とか」

男「ああ、なるほど。姉さんは俺にとって確かにアイどぅふえ?!」ゴス

メ「あっさり前言翻しやがってこの豚野郎!!」

男「ぐ、グーパンかよ……」
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/25(木) 01:11:52.69 ID:rHdgyzTAO
メ「関係ないですけどなんか最近、小話の頭に変なの付いてません?」

男「変なの?」

メ「ほら、なんか【】に囲まれたやつ」

男「ああ、題名的なもんだろ」

メ「……要らなくね? あと変な感想みたいな地の文〆とか」

男「い、言うなよ! 試験的にやってみるのもいいじゃん、たまには」

メ「むしろ読みにくくなってたりしそうですがね」

男「あんまり言ってるとペナルティ来るぞ」

メ「ペナルティが怖くて無頼を気取れますかっての! どんときやがれってんです! がははは」


【ペナルティ】


ハムメ「……すみませんでした」

男「わ、僅か一行の出来事であった」

ハムメ「つかなんすかこの語呂の悪い名称! センスのかけらもありゃしない」

男「抗う姿はかっこいいけど俺まで巻き込まれたくないから下がっとくか」

ハム「ちょ、主様! ひどいですよ私だけなん……って別に語呂が良くなったというより単語になっただけだよこれ! センス関係ねぇ!」

妹嬢「……ぷ」

ハム「何笑ってんだちくしょー?!」
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/25(木) 01:22:15.32 ID:rHdgyzTAO
ハム「……ここから読んだら私新キャラみたいじゃないですか?」

妹嬢「そうですね、ハムの人」

ハム「あ、今ナチュラルに殺意が」


【御中元とかのあれ】


妹嬢「何をカリカリされているんですか? ハムの人」

ハム「ははは、別にカリカリなんざしてませんよ、シャウエッセンな方」

妹嬢「なっ……! く、ええ、それならよろしかったですわ、ハムの人。最近丸くなられていますし、愚問でしたね」

ハム「ぬぐっ」グサ

妹嬢「その点、私はこと体型に関しましては兄さん好みのスレンダーサイズですし」

ハム「嘘つけ鯉のぼり体型め」

鯉のぼり「鯉の……?!」グサ

ハム「主様はむちむちぼいんぼいん派ですよ」フフン

鯉「確かにグラマラスな女性は兄さんにとって魅力的に映るかもしれませんね。……ハムは別ですが」

ハム「ガフッ」ゴポォ

鯉「貴女みたいなハム人間、さっさと出荷されてしまいなさい! ハム、ハム、ハム人間!」

ハム「嫌でも属性付けにきやがった! そういうそっちも同じく出荷されちまえばいいんすよ、シャウエッセンめ!」

鯉「ガフッ」ゴポァ

ハム「ぐぬぬぬ」

鯉「ぬぐぐぐ」







男(……今夜はベーコンでも使うか)
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/25(木) 10:01:14.62 ID:yNU/lioDO
やはり、ムチムチ派か…
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/25(木) 22:02:36.51 ID:ZFVGPaYRo
idolってよりidleな希ガスww
そしてハメにはならなかったんだな
いろんな意味で恥ずかしいメイドだたのに
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/26(金) 01:56:22.94 ID:nSIOqbjAO
男「俺はむっちりでもスレンダーでも大好きだぞ」

メ「こういうところがだらしない下半身事情を物語りますね」

妹嬢「兄さんは最低です」

男「やぶへび?!」


【凸凹】


男「いやほら、俺は見た目で好きになるより好きになれた人の外見が好みになるわけで」

メ「はいはいワロスワロス」

妹嬢「いつも可愛い子には目移りされるくせに」

男「別にそういうキャラじゃねぇだろ!」

メ「ああ確かに。野郎に追われる側でしたね」

妹嬢「なるほど、確かに」

男「何の納得だよ、てか仲いいなお前ら!?」

二人「「有り得ないっす/です」」

男「息ぴったりじゃねぇか……」
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/26(金) 02:07:14.62 ID:nSIOqbjAO
男「Idelとはまたうまい事言われたな」

メ「つまり私はIntelの親戚みたいな扱いってことですよね」

男「確かにIT系用語にも使うけど……」

メ「ふふ、隠しきれない聡明さが溢れんばかりの完全従者ですね」

男「すげぇ恥ずかしい事になってるのにそろそろ気付いてくれ」


【おりません】


男「要するにお前を現してんだよ」

メ「めちゃかわスリムですね、わかります」

男(まだハムネタ引きずってたか)

メ「くくく、わかります、わかりますよ? 皆さんのオカズにされて早数年。脳内嫁にしたくなるのはよっく理解してます」

男「果たしてヒロイン枠の人間が吐いていい台詞なのか」

メ「ですが残念ながら皆様の想像を裏切る純情可憐枠な私がハメ呼ばわりなど有り得なかったんです!」

男「なんだってー」

メ「ほらそこ、もう少し真剣に」

妹嬢「ハムに欲情する人間がいないためにそう呼ばれなかっただけでは?」

メ「」メキョ

男「おーおー、台詞なり何なり吐いてくれ。無言で家の家具を握り潰されても困るから」

メ「ご安心を……被害はこの程度でおさまりませんから」ゴゴゴ

男(……こういう場合保険とかおりるのかな)
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/26(金) 02:18:24.70 ID:nSIOqbjAO
メ「結局主様ってどんな娘が好みなんすか」

男「お前」

メ「」



【SE:薬缶から沸騰した音が出た時のあれ】


委員長(若)「好み? ないわ。ああ、強いて言うなら常識人かしら」

妹「お姉ちゃんいったく!」



女弟「優しくて可憐でおとなしい感じの守ってやりたくなる子だな。ちなみに姉ちゃんのタイプは間違いなくガッチリスポーツマン系だ、きっと」

女「がっちりした人はちょっと……かわいい子がいいな」

女弟「」



妹嬢「好みの殿方ですか? それは勿論……って、え? 個人の名指しはダメって、でも先ほど……」

姉「おとちゃん!」

妹嬢「ちょ、ちょっと! 何故姉さんはよくて私がダメなんですか?! なんですかこの扱い!?」


め「……玉の輿でしょうか」

あや「それ、タイプ、違う」

め「あとはあや様みたいな……」

あや「……っ!」

め「リアクション芸人の方はありですね。……なしですが」

あや「どっちやねん!! ていうか遠まわしに芸人扱いされてる?!」




命「いい女。それもとびきりの」

委員長(強)「子犬かしら。元気が良くてはねっかえりのくせに鳴き声だけは妙に甘いのがいいわね」

命「趣味悪いな」

委員長(怖)「あなたもね」

命「……自分をけなしてんぞ、その返し」
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/29(月) 02:42:20.95 ID:rs89TrTAO
どうも。中の人です。
本日いじメイ更新予定だったのですが……はい、ですが、です。
久々に書いてた内容が保存前に消し飛ぶという展開に襲われまして今夜は更新できません。
自身の不徳がいたすことだけに何ひとつ言い訳になりませんがここしばらく更新なかったこともあわせて謝りたく。
すみませんでした……

内容自体は頭の中で決まってますので明日には必ず。
絶対今月中に完結させます!



という訳で申し訳ないですが今夜は一本だけで失礼したいと思います。
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/29(月) 02:57:04.63 ID:rs89TrTAO
女「ふえ? 私のこと?」

メ「おーいえす。基本的に縁の下係な女さんの秘密にたまには迫ってみようかと」

女「わ、私なんかつまらない、よ?」

メ「ふふふ、などとのたまいながら実はスペックの高いところを余すとこなく拝見させていただきましょうか」ワキワキ

女「め、目が怖いよっ。あと、手がその……ひぅ?!」ビクビク


【誰得企画:女さん その1】


メ「まず出始めにスリーサイズからいきましょうか」ハァハァ

女「うぅ……こ、こわい」

メ「なるほど。胸はそこそこ、ウェストはグッドでお尻は安産型と。理想的な日本女子ですな」

女「服の上から見ただけでわかるの?!」

メ「いや、隠し撮りしたカメラで確認した結果ですが」

女「ひぅ、か、隠……?!」ジワ

メ「すみません、嘘ですから。まさか泣かれると思ってもみなかったもので。周りがメンタル面セメントすぎて、はい」

女「うそ、でも……よくない、よ」

メ「うぅむ。女さんマジ乙女。では今夜はそんな女さんの男性遍歴を。実は魔性の女と噂で持ちきり(当社比)ですからさぞかし愉快に」

女「お付き合いしたことあるのは……今の旦那様だけだよ?」

メ「嘘だぁー。そんな可愛いウサギちゃんしてたんなら狼な野郎どもに事欠かないっしょ」

女「だ、だって高校を卒業してから専門学校入って今の先生につくまでずっと男の人と会う環境じゃなかったし……」

メ「逆を言えば男火照り! いやっ、恥ずかしいっ、このド淫乱め!」

女「……うぅ」ジワ

メ「え?! 嘘、このレベルでアウト!? どんだけメンタル豆腐なんすか!!」

男(今回録音係だから声出したらダメらしいけどツッコミてぇ……どう考えても普通におかしいのはお前だってツッコミてぇ……)
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/30(火) 00:40:30.11 ID:37DaY0dA0
第37話 「決着/落ちるモノ、進むモノ」


『男、『殿下をお守りしろ! 下がれッ!!』

何が起こっているのか理解が及ばぬまま、しかし侍従長さんにより庇われ下がるよう命じられる。
それでも訓練をしてきた今、目の前のことに頭が追いつく前に身体が動く。
コックピットから出た場所で立つだけの委員長。当然、機体を動かせば彼女の身が危ない。
倒れそうになる身体を抱え、中へと引き込む。

『ハンター2ッ!? なぜ撃った!? ハンター2!!』

イヤフォンを通して聞こえる指揮官の叫び。
何故だ? 何故なんだ。時間はまだ残っているはずなのに! もう少しで全てが終わっていたのに!!

「何故……何故なの……」

委員長の呆然とした呟きも、動き出した戦場では誰にも届くことはない。
視線を見やれば、もはやそこに女友大尉の姿はない。……交渉が完全に決裂したのだ。

『応答せよハンター2ッ!? 少尉、攻撃をすぐに中止するんだ!!』

「やめてっ!! お願い、もうやめてっ!!!」

少佐の言葉も、いいんちょの悲痛な叫びも何ひとつこの状況を好転させるには至らない。
彼女の身をスムーズにコックピットへの引き上げさせられただけでも俺にしては上出来な部類だ。
もはやこれ以上はない。そう、全ては手遅れなのだ。

「男、行かせて!」

「バカ言うな! ――ッッ!!」

一瞬で眼前に肉薄する不知火――女友大尉。
行動が2手、3手も相手のほうが早い。直接殿下の身柄を確保しにきたか!

「何をしている男ッ、さがらんか!!」

叱責と共に割り込むのは赤のカラーリングに包まれた武御雷――侍従長さん。
庇われたとわかった以上、すぐに機体を後方へと跳躍させる。

「――まだ、まだ今なら間に合うかもしれないのっ! お願い、行かせて!!」

「っ、お前も分かってるんだろ、もう無理だ! すぐに簡易ジャケットを……!」

「けれど!!」

「俺はお前を死なせないんだ!! 生きて殿下に会わせるんだよ!!!」

「ぐ……!!」

そうだ。その身体はお前一人のものじゃない。
お前の心を、命を案じ、信頼し、身体を預けてくれた人が居るんだ!!
だから……今は耐えてくれ。
なんでこんな事になったかなんてわかりやしない。俺だって今すぐ誤解を解いて、全てを収めたい。
だが……それはもう、だめなんだ!!

『全機に告ぐ、作戦を第2シーケンスに移行ッ! 兵装使用自由!!』
『男、来るぞ!!』

隊長の苦渋の決断と、侍従長さんの必死な声がほぼ同時に響き、戦火の火蓋は落とされたのだった。


「うおおおおおおおおおおっっ!!!」

この理不尽な、争う必要なんてないはずの戦いが――!!!
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/30(火) 00:41:26.63 ID:37DaY0dA0
乱れ舞う銃撃音。それは破壊の質量を伴い、場を駆け巡る。
俺達の訓練機、米軍のF-22、そして決起軍の不知火、撃震が入り乱れ、戦場と化す。
だがその動きの中心は俺。いや、正確には俺の機体に乗った“殿下の御身”か。
だとすれば作戦はうまくいっている。こうして勘違いが続いたままならば、本物の殿下は逃げ切れるのだから。
飛び交う通信は米軍機によりカバーされる俺達訓練兵の小隊の動きが中心だ。
そこに近衛部隊のフォローも合わさり、一時的に渡り合っているようにも見える。
だが、これは実戦だ。死ぬときはあっさり、死ぬ。
みんな……無事でいてくれ。俺達は戦わなくたっていい。無様に逃げればいいんだ。
うちの妹が携わった新OSの力なら、逃げ回るくらいならできる。それが可能なくらい、お前たちは実力があるんだ!
だから、頼む……誰も、俺の傍からいなくならないでくれ!!

「男、状況は!?」

「岩山方面に敵戦力が集中しているらしい! このまま交代しつつ、囮になる!」

傍らのいいんちょに応えながら、レーダーに映り続ける影に俺は恐怖していた。
女友大尉が引き離せない。不知火の挙動もそうだが、練度が違う。
だが、それが功を奏した。


『プランを第3フェーズに移行、全機散開ッ! 平面機動挟撃(フラットシザース)!』

殿下の安全を確保した今、動きを変える!

『了解!』

『今、だぁぁぁああ!!』

メイド長の通信が飛び、友と妹ちゃんによる反転、攻勢がかけられる。だが……

『はずした!?』

『嘘だろ!』

各々が完璧だとふんだタイミングは当然のように避けられ、あっさりと反撃の銃口が妹ちゃんを捉える。

『……ひっ!?』

銃撃。打ち込まれる弾丸が装甲を食い破り、動力炉へと到達する。
避けられない破壊の力は機体を内側から押し広げ、爆散していく。

『よくやった。お前達がうまくおびき寄せたおかげだ』

しかし、破壊されたのは妹ちゃんの機体ではなく、決起軍のもの。
二人へと気を向けた瞬間にメイド長教官が落としてくれたのだ。

『お前達はまず、新OSの特性を生かし、とにかく動き回って逃げ回ることを考えろ』

『――了解』
『……了解』

『次が来る! 気を抜くなよ!!』

訓練兵部隊も、実戦の中でよく動いていく。
メイド長教官や米軍のフォローもあり、逃げ回り、敵をかく乱するだけの力は発揮しているのだ。
だが、それだけで覆せるほどの戦力差では、勿論……ない。

『抜けた! ハンター3、ひよっこどものほうにいったぞ!!』

「正面、よ、4機……」

後方に位置し支援射撃を担っている女さんのもとへ、4機の不知火が向かう。
明らかにこの雰囲気に呑まれ、一人完全に浮ついた動きを見せる機体を見逃すほど、相手は甘くない。

「ひっ、い、いや……こわ、いよぉ……」

涙と鼻水、その他もろもろをぶちまけ、それでもただ震えることしかできない。
引き金にかけた指が、動かない。だって……

「う、撃ったら……しんじゃうんだよぉ!?」

悲痛な叫びも、戦場の中では空しく響くだけ。
もはや有効射程距離まであと少し踏み込まれるだけで、彼女の命は儚く散っていくだろう。
だが、そうはならない。彼女を、護る動きがあるから。
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/30(火) 00:42:01.18 ID:37DaY0dA0
鋭い機動はF-22特有のそれ。
細かい切り替えしと短距離での加速力を生かし、巧みに背後を取り女機の元へ向かう不知火を一機、屠り去る。

『戦場でホーっとしない! 目の前に敵が着たら撃つのよ、いい!?』

それは、先の休息で得た大事な心の支え。米国に所属する女性衛士。

「ユーニ少尉!!」

『さ、早くあがって合流を! これ以上さがっちゃダメよ!』

「は、はい!」

彼女の叱責と、激励。同時に受け取り、彼女はかろうじて動き出す。
すぐに部隊の後方へと向かう最中、先程のことに礼すらいえなかったことを思い出す。

「あ、あの、ユーニ少……え……?」

後方では激しい爆砕の音と、円状する鋭いフォームの戦術機。
紛れもなく、先程まで存在していたはずの……

「少尉の、マーカー……消え……」

それが示すものは、人の命の儚さ。
そして戦場という場での命の軽さ。

「あ……あ……ユーニ少尉……!?」

『おい、ひよっこ! しっかりしろ!!』

「ユーニ少尉ぃぃぃいい!!」

叫ぶ声もまた、あまりに儚く……すぐさま銃声と硝煙の中に消えていく。





「く、っそ!!!」

先程から振り切ることのできない執拗な追撃に、合流すら危ういことを予感する。
じわじわと被弾を繰り返す中、積み重なる損傷はもはや隠し切れないものとなってきている。

「ぐぅっ!」

俺以上に苦しそうな声を出すいいんちょ。当然だ、こいつは今、強化装備も、満足な固定ハーネスもつけてやれていない。
移動だけでもしんどいのに、実戦機動だ。これ以上の負担は殿下のときのように……。

「男、集中して!」

「――ッ!?」

「私のことを気にしてる暇はないでしょ!」

ああ。そうだ……すまん、お前に、甘える!!

「悪い、そうさせてもらうぞ!!」

お前を気遣ってやれる余裕は、全くない。ぴたりとつけている側面の不知火に目を向け、

「しまっ!?」

既に驚異的な立体駆動を駆使し、前方に回り込まれていることに気づいたときには不可避の一撃が下されようとしている。
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/08/30(火) 00:42:52.93 ID:37DaY0dA0

『ぬォォオオオ!!』

ズガガガ!!!

そこに割り込むF-22は隊長機のマーカー……指揮官のもの。

「少佐っ!? ――っ、うぁああああ!!」

「きゃあ!?」

激しい振動は、強引にコースを変えたことで地面への接触を失敗したもの。
横転に通ずるその危険な挙動を、無理矢理脚部バーニアと、右腕を犠牲にするつもりで動かし何とか姿勢の制御を元に戻す。

『訓練兵にしてはいい動きだ。このまま後退しろ!』

間に合った。部隊と合流できたのだ。

『02、ついてこい! 遅れるな!!』

「りょ、了解!!」

メイド長さんの声に従い、突破のルートへの合流を果たす。
だが、当然それを眼前にしながら見逃してくれるほど、敵の大将は温くない。

『傲慢なる米国人よ――これ以上、私達の邪魔を……するなッ!!』

『侍従長中尉に言われたように私は君達を侮っていたようだ……しかし、私も合衆国に忠誠を誓った軍人、ここは通さん!!』

『殿下が御座す限り国は変わる……我が逝くは血塗られた外道、引き返すことあたわぬ。なれば――!!』

圧倒的スペックの差。それは本来、覆すことなど出来ないほど。

『うおおおおおおおッッ!!』

戦力比7対1という数字は、決して埋められるもの。
その操り手が熟練の衛士同士であれば尚更である。

『なっ、機動で……ドッグファイトでF-22Aを!? ばかなっ!!』

だが、そんな常識すらも覆す圧倒的操縦練度……いや、乗り手の魂か。
二人を別つ最大の差がそうであるならば、この結果は当然であったのかもしれない。

『――せめて、殿下の御心を蔑ろにする輩を、その一片までも残さず、取り除くのみ!!』

もはや生きることすら望まず、修羅と化した一人の女は完全なる一太刀にして、F-22Aの胴を分かつ。
あまりに鋭く、そして圧倒的に速い一撃。

『――すぐ参る。……先に逝くがいい』

それは最後に告げたその言葉を後に、機体が爆発を起こすほどのもの。
修羅の歩みを、外道だと知りながら駆け抜けるその歩みを……誰が止められるというのか。
感傷など、もはや必要ない。すぐさまその場を離れ、追うは殿下の御身。
その道に今、障害はなかった。

―― to be continued...
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/30(火) 01:53:01.45 ID:0qFzQH0AO
男「久々にやると面白れーな、これ」

メ「まさかのバハラグ」

男「中のやつ曰わく、未だにリメイク待ちしてる作品だとかなんとか」

メ「何故こんなドマイナー作品を……」


【サラマンダーより、ずっとはやい!!】


メ「って台詞をパルさんに跨りながら喘ぐゲームでしたっけ」

男「お前のいってるのは恐らく同人か何かだ。面白い話と設定だと思うんだよなぁ」

メ「一般受けしないだけで実に良い題材なんですがね。主人公があくまで語り部っちゅーか観察者っつーか」

男「RPGの主人公……プレイヤーのアバターにはなりきれんからなぁ」

メ「むしろなると中盤吐血しかねないですし」

男「……まぁな」

メ「ちなみに主様はヨヨの名前に好きな子の名前を入れたんすか?」

男「だったら今頃俺はROMを一本へし折ってた可能性がある」

メ「大げさな」

男「うちの母親に至っては会社に喧嘩売りにいきかねなかったがな」

メ「愛ゆえに」

男「親父は止めたがハードが一台お釈迦になったのは言うまでもない」

メ「しっかりしろよこの家族」

男「あと関係なくはないけど中のやつが実はちびちび書いてていつかvipなりに投下しようとしてるのが性転換バハラグらしい」

メ「スレ立ても出来ないのに?」

男「さっき廊下でむせび泣いてたわ」
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/30(火) 02:04:00.03 ID:0qFzQH0AO
め「久々の登場に胸が躍りますね。物理的に」

あや「物理的に躍るほどなくてすみませんね」

め「ははは。はは……かわいそうに」

あや「哀れまないで?! 一番傷つくから!?」


【乳】


め「もはや悪意しか感じない一文字が燦然と頭上に輝いておりますね。南無南無」

あや「何故拝む必要が」

め「あや様がこれを機に自らの命をたたれた場合に備えまして」

あや「嫌な予行練習だな?!」

め「それにしても完璧な絶壁ですね。パー壁なない乳です」

あや「そうっすね」

め「もはや脂肪分が全くないのではと疑うレベル。吸引でもしたんすか」

あや「してませんよ。いいじゃないすか、元からのスペックなんすから。気にしてませんし」

め「そこが良くないのではないかと。もっと貪欲におぱーいをもぎ取っていくべきです」

あや「どこから」

め「……。まぁ、世の中余ってるとこには余ってますので」

あや「はい?」








メ「ぶぇっきし!! うぅ……風邪っすかね」

妹嬢「まずは人に向かって全力で唾やらくしゃみを飛ばしたことの謝罪からでしょうに」

メ「ああ、なら鯉のぼり相手だし謝らなくていい、と」

鯉「こ、このハムは……!!」

ハム「誰がボンレスじゃい! この土管め!!」

土管「ど、どか……?! 黙りなさいこの肉団子!」

肉団子「にくだ……!? ぐぬぬ……!」

男(何故口論だけは小学校なみなんだこの二人は……)
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/01(木) 02:06:58.25 ID:QhKdVj1Q0
第37話 「影落/陽昇」

「そんな……少佐が」

「少佐がどうしたの!? ……まさか」

「っ……女友大尉ィィ!!」

後方、消えた味方のマーカーは指揮官のもの。認めなくちゃいけない。
化け物じみた性能をもつ戦術機。それを、こうもあっさりと倒すんだ。化け物は大尉のほうだ!
瞬く間に詰められる間隔に、内心で悪態とつく以外に抗う術はない。

「男、落ち着きなさい!」

「うおおおおおおあああああ!!!」

委員長の声も今の俺に届かない。携帯するアサルトライフルを振り返りざまに撃ち込む。
それを当然のように避けつつ、前に出てくる不知火の姿。――速過ぎる!!
瞬時に肉薄してくる機影に、死をも覚悟した瞬間、

『――お姉ちゃんをぉぉ、やらせるかあああああ!!』

横合いよりくるアサルトライフルの銃撃と共に、妹ちゃんの吹雪が割り込んでくる。
完璧なタイミングの奇襲。だが、それは彼女の足を一瞬止めるだけに留まり、返す刃が閃く。

『きゃああああ!?』

「妹ちゃん!!?」

戦術機の腕が飛び、妹ちゃんの機体がバランスを崩していく。
それを見やったがために、出来た隙を逃してくれるほど、戦鬼は甘くない。

「っ、しまっ――うわああああッ!?」

繰り返される光景は、三度味方の割り込みによって助けられる。

『もうやめてくれっ!!』

――友!?

ただ戦術機という壁として俺の前に立ちはだかるだけの友。
それをただの障害と見切り、大尉の進行は止まらない。
外道に堕ちて尚、誇りという名の刃を片手に、血塗られたその手はかつての想い人すら斬ろうとする。

――そんなの……あるかよ!!

妹ちゃんのように撃ってくるわけでもなかった。
攻撃するつもりなんてないんだ。元より、俺の前に飛び出したのだって、本当の目的じゃない。
こいつは……ただ、止めたいんだ。大好きな人を。

「大尉ッやめろォォォォッ――――!!」

そんなすれ違いが許せなくて、ただ叫ぶ。

「その機体には、友が乗ってるんだぞっっっっ!!!」

『――ッ!?』

刹那。だが確かに大尉の動きが止まる。
その一瞬が俺達の明暗を分けた。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/01(木) 02:07:29.76 ID:QhKdVj1Q0
ガガガガ!!

『くっ!?』

『下がれ、訓練兵。お前達の敵う相手ではない! 邪魔だ!!』

「侍従長中尉!?」

的確な援護射撃にて前に出、更に押し返していく朱色の武御雷。
そして身を寄せ合うように互いの無事を確かめる俺達にメイド長教官から声が飛ぶ。

『00より各機、全機後退せよ! 目標は――』

互いを庇いながら、俺達は下がる以外の術がない。
一瞬、その場に留まろうと言い出すかと思っていた友も、何も言わずに後退の動きを見せる。
どれだけ無様だろうと、俺達は逃げられたんだ。あの、戦鬼から……!



『はああッ!』

裂帛の気合と共に、太刀を振るう武御雷。

『くっ!! 侍従長中尉か! 近衛であるはずの貴様が……何故米国の片棒を担ぐような真似を!』

踏み込まれた分、勢いはあちらが上。
身をよじるような機動で横合いへと抜け様にアサルトライフルの弾を浴びせる。

『…………』

だが不完全な姿勢から放たれた弾丸はその威力を発揮するだけの集弾性をもたず、撫でるように敵機に当たるのみ。
それでも、言葉という名の刃は確実に相手の心を抉る。

『どうした中尉、応えろ! 応えて、見せろおおおおおおおおお!!!』

鬼となり、修羅となり。
だがそれでも同じような立場であるはずの人間と刃を交え、人としての心が、彼女を責める。

『日本は全人類への奉仕という大儀に酔い、潔癖や徳義を軽んじ、忘却していった……』

『…………』

牽制を兼ねた互いの射撃は、当然決定打にはなりえない。
離した距離を、今度は自ら詰めることで有利な接近戦を持ちかけていく。
だが今度は相手がそれを良しとせず、再びのこう着状態へともちかけようと動く。
それは相手にとっては当然の行動。こちらにとって時間の経過は味方ではないのだから。
だから詰める。逃がすまいと。己の言葉から、想いから。
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835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/01(木) 02:07:59.17 ID:QhKdVj1Q0
『我等の先達は――日本をこのような国にするために、死んでいったのではない!!』

一瞬、鬼の脳裏に浮かぶ情景。
それは徳をもち、義を教え、武を授けてくれた一人の恩人の姿。
だが彼も、目の前の命のために、部隊を危険に晒したとし、罪人と扱われた。
彼がそれでも誇りを持ち、笑顔を向けてくれたことは、今でも覚えている。
彼の血縁であり、互いに寄り添い、見守り、生きていこうと決めた少年と共に見た、あの笑顔。
何ひとつ、彼は恥じることなく、前線から退いていった。
あの潔癖を、あの徳義を、何故今の日本は持てはしないのだろうか。何故、このように腐りきってしまったのか。
今、目覚めずして、この国は……

『日本はいつ、救われるというのだ!!』

『女友大尉……』

不意に動きを止め、しかし油断なく太刀を構えなおす近衛の機体。

『ほう、何か言いたくなったか』

『貴官等は見事、その先導となったと信ずる。その所行が、人々の心に潔癖や同義を目覚めさせたと、私は信ずる』

認めると。その魂の叫びを、想いを。
何故ならば彼女もまた、日本の行く末を憂う一人。
ならばこの言葉に応えられずにおられようか。

――されど。

『されど……その術は外道』

行いだけは認めてはならない。
失った命は還らない。それは、陽も陰も、どちらの姫もが想い、心を痛めること。
だから彼女は、それを認めてはならない。だが、その二人が、彼女にとっての二人の殿下がいない今、

『外道に甘んじ、それでも尚、命を懸けて国を正そうとしたそなた達を……私は誇らしく想う』

本心を、ありのままに伝えた。

『…………』

返すは空白。一瞬の間に、彼女にとっての全てをこめた。

『外道は外道、それ以上でも、それ以下でもない』

だからもう、互いに心残りはない。

『せめてのも手向け……介錯つかまつる』

後は往く。残った側が、未来を、日本を見守っていけると、互いに信じられるから。

『日本の新生に先駆け……散るもまた宿命。いざ――』

そうして、二人の影が互いの刃を閃かせる。
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836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/01(木) 02:08:39.44 ID:QhKdVj1Q0
機体の性能差は歴然であった。
乗り手の練度は互角。懸けた魂の重みも、国の行く末を憂う心も。
であれば、最後に決着を別ったもの、それは……

『その機体には、友が乗ってるんだぞっっっっ!!!』


――ああ、何て、数奇……こんな形で再会を果たすのね。

それは“彼女本来の言葉”。

――ならば、強く生きて。私は……あなたを……。

『     』

彼へと贈る言葉。
届くはずのない、しかし万感をこめた、たったの五文字。




ぐらり、と揺れる視界。
胴が二つに断たれ、いまや爆炎をあげるのも時間の問題。
その最中、告げるのは相手への信頼。

『斯様な決着、か――ならば……後は、宜しく頼む』

想うは、大切な人の顔。最後まで傍に居られぬことを心で詫びながら、彼女は逝く。

『さようなら……』

私は幸せでした。
そう呟いた刹那、“朱の武御雷”が爆散した。



『友……私は、まだ……死ねない』

それが、彼女の生への執着。
機体の機能をほぼ失いながらも、生きるという戦に勝ち残ったのは、女友大尉のほうであった。
煌々と炎を揺らす残骸に黙祷を捧げ、彼女の戦いはここにひとまずの終幕を迎えた。

――かに、思えた。

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837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/01(木) 02:09:42.58 ID:QhKdVj1Q0
『本日13時23分、最後まで抵抗の意思を示していた反乱軍部隊が投降。これをもって臨時政府は本件の終息を宣言した』

『そして先程、臨時政府は帝都に出されていた戒厳令を解除。現在、緩やかにではあるが都市機能は回復しつつある』

淡々と読み上げられるメイド長さんの説明。
それが、少し前まで誰もが信念をぶつけあい、戦い、そして散った事件の終わりだった。

「気をつけぇぇぇっ!!」

多くの人が集うその場は、死者を弔うところ。

「捧げぇ……筒ッ!!」

たからかにあがる砲の音が、それを空しくも実感させる。
……そう、終わりなんだ。やっと。……そして俺は、まだ生きている。
これであと2、3日もすればこの事件が起きる前と変わらない『この世界』の日常が戻ってくるだろう。
たとえそれが表向きだけであったとしても。

「…………」

この事件で失ったものは、あまりにも大きかった。いいんちょや妹ちゃんの親族、司令官である少佐どの。
逆賊として殺された閣僚達。帝都の市民に、多くの兵士、多くの戦術機。……そして、“女友大尉”。
流れた血が全て無駄だった、とは言えない。
得られたものもあった。そのおかげで分かったことも、少なからずある。
俺は人類を救うために、自分で手を下すことを畏れず、自身にしかできないことをやるんだ。
3つの世界を知っている唯一の『日本人』として。それがこの事件の中で見つけた、俺だけの『立脚点』。
きっと、この事件がなければ見つけられていなかっただろう。
もしかすれば、無理にそう考えることで、失われた命に価値を見出そうとしているのかもしれない。
死者を弔うのは生者のため、か。……いいんだ、たとえそうであっても。
少佐や、大尉。あの人たちのような人を失ったということは、それだけ俺にとっては悔やまれることだった。
あの説得の失敗だって米国兵士の狙撃が原因だ。狙撃を行った本人が戦死した今ではその理由も永久に謎のまま。
帝都での策謀を鑑みればこれも陰謀勢力の仕業と見るのは考えすぎなのだろうか。
そしていくら大尉達が死に場所を求めていたとはいえ、殿下をはじめ、いろいろな因縁のある人たちの前で逝く必要はなかった。

「……っ」

分かっている。誰の命も失わなければ、俺はそういうもんだと割り切っていたさ。
けど……やっぱり、強烈で、忘れられるわけもない。

「――訓練小隊――機をつけぇぇっ!!」

式典の場にて、堂々とこちらの前におわすは殿下。

「日本帝国政威大将軍、朱鷺之宮殿下に対し――敬礼!!」

メイド長さんの掛け声にあわせ、俺達は不動の敬礼を示す。

「――休め!」

そうして儀式的に……いや、儀式そのものとして、恙無く事は進む。

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838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/01(木) 02:10:17.99 ID:QhKdVj1Q0

「此度のあなた達の働きに、この朱鷺之宮、感謝この上なく思います」

「「「「「ありがとうございます!」」」」」

「此度の件は、この国の、そして世界の多くの人々に、深い悲しみを刻み付けてしまったことでしょう」

「…………」

「人と人は、このような形で血を流さねば、前に進めないのでしょうか」

誰もが今回、心の中で傷ついている。

「私はそうではないと信じています。そして、あなた達こそが、まさにその希望なのです」

それでも、この人に言葉をもらい、前を向くしかない。

「多くの当事者を擁する貴方達が友に力を合わせ、滅私の精神でことにあたり、斯かる困難を克服した由は、正に崇敬の念を禁じえません」

克服、できたのか。
滅私の精神で、あたっていたのか。

「此度の件を戒めに……そして貴方達が示した規範を旨に、私は将軍としての責務を果たしてゆく所存です」

結果だけを見れば、そうなのかもしれない。
でも、俺達は……そんなに、強くない。

「国連や帝国……そして人それぞれ、重んじるものに違いはあれど、その目標とするもの、根源的な願いはひとつであると私は信じています」

それでも、この人が言うように、俺達は誰もが思ってる。
たったひとつの、かけがえのないもの。

「人類の未来を……宜しくお願いします」

そう、人類の勝利を。そして……平和を。

「「「「「はいっ!」」」」」

そうして、殿下は俺達の前から去っていく。
最後まで、いいんちょに対して何ひとつ特別な思いを見せずにだ。
けれど、俺は聞こえていた。

―― あなたに心よりの感謝を

殿下からいいんちょに贈られた、その言葉を。
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839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/01(木) 02:13:59.17 ID:QhKdVj1Q0
こうして終わるはずの儀式。それが無事に終わらなかったのは、警務本部から出された出頭要請があったからだ。

「友……お前に、だ。彼等についていけ」

「……了解」

これは友に何らかの嫌疑がかけられているということ。――そう、今回の騒動についてあらゆる場所へとつながる、友だから。

「心配するな。まだ何で呼ばれたかすらわからないだろう」

そう、メイド長さんは言ってくれるが……。

「たかが訓練兵風情がMP(警務本部)に世話になることなどたかが知れている」

十中八九、友のオヤジさんのことだろう。あの人は今回の件で立ち回りすぎた。
さらにそこから友女大尉のことへ行き着いたりすれば……。

「今日と明日は予定どおり基地内待機。後日、現場調査に駆りだされる可能性があるので、それまで十分身体を休めておけ」

「「「「はい」」」」

考えたって、俺にどうすることもできない。
友父と裏で色々と関わっていた分、下手に妹に立ち回らせることが今回はできない。だから無事を祈るしかないんだ。

「――以上、解散」

「敬礼」

いいんちょの掛け声で、俺達はふたたび日常へと戻っていく。
それぞれが生き残ったことに喜びを分かち合えないままの足取り。
一番うしろでその様子を伺いながら、ふと、ポケットの中にあった感触に、気づき、いいんちょを呼び止める。

「いいんちょ、本当に良かったのか?」

殿下とのやり取りに、後悔はないのか。そう問うてしまう。

「……その話は、したくないの。ごめんなさい」

「そうか、わるい。……ただ、これだけ。ある人から預かった」

「――これ」

「今回の騒ぎで持ち出せた唯一のもの」

「……」

「瞬く間のような短い間。けれど昔ふたりが一緒に過ごした証……その人がそう言ってた」

いいんちょに言葉はない。でも、十分に伝わったはずだ。

「……っ……」

それは将軍の影や、写し身、器などというものではなく人間として。
友に過ごした、姉妹のような関係として、共にあるというメッセージ。

「先に、戻る」

だから、そこに俺はこれ以上立ち入らず、去ろう。こいつが一人で殿下と向き合えるように。

「……あなた、知って……ううん、何でもない」

聞こえなかったふりで、その場を後にする。どこかその声が震えていたように感じたのも気のせいだ。


「……殿下。……宮っ」

こうして、陽はまた昇り、陰は落ち、消える。

「ユーニ少尉……私、いつか、あなたの故郷に」

それぞれがそれぞれに、傷を負い。

「私には……元々お姉ちゃんの傍以外に、帰れる場所なんか……ないんだ」

それぞれがそれぞれに、決意を秘め。

「なんで……なんであんたが、死ななきゃ……オヤジ、爺様……友女さん!!」

それぞれがそれぞれに、失いながら。それでも、明日はくるのだ。

―― to be continued...
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840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/01(木) 02:26:36.58 ID:OSXVI5AAO
という訳で日付的には先月中に完結しきらなかった中の人です。
……いやもう本当にすいません。
い、一応8月の最後の日をまたいだだけってことでセーフ……にはなりませんよね、はい。
ぐぬぬ、自分の遅筆が恨めしい……


とにもかくにも一度区切りのとこまできましたんで今月はいじめいもやりつつ他も意識してみようかと。
あと、vipで久々にSSスレとかね! ……レベル低くて建てられないけどっっ!!
いっそここでたててみようかと息巻いた矢先に鯖問題とかで思いっきり出鼻をくじかれてますがまぁいいか。

一応1ヶ月以上の放置だとかはよほどの理由がない限りはないと思いますが今後ともよろしくお願いします。
……保守とかいらないとは思いますが書いてるの自分だけなんじゃ、と微妙にヒヤヒヤしてたり。
いつチラ裏でやれとか言われないかとww
そんな感じで今夜はこれにて。ではでは。
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841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/05(月) 02:27:56.41 ID:/n+VrEaAO
会長「男子さん。タイが曲がってましてよ」

男子「さっき急に人のタイを曲げた方の仰る台詞ですか」

会長「男子さん、身だしなみを整えすぎて全くこういう機会を作れないのですから。仕方がない事なのです」

男子「こんなイベント誰が得するんですか」

会長「主に一部の女生徒さん達でしょうか」

男子「……マジすか」


【百合ではない何か】


キャー キャー オネエサマー

男子「……役者は人気取りも大変ですね」

会長「これはこれで楽しいものですよ。何より男子さんに触れられる口実になりますし」

男子「なってませんから」

会長「ですが男子さんは日に日に可愛さに磨きがかかりますね」

男子(化粧に慣れてきただけなんて野郎としてあまりに情けないんだが……)

会長「これは恋のおかげでしょうかね。くす、男子さんの心を射止めるような殿方、一度お会いしてみたいですね」

男子「勝手に盛り上がってもらった手前、申し上げにくいんですが違いますよ」

会長「あら。では男子さんは乙女相手に恋を……」

男子「そこじゃなくてね?! いやまぁ男性よりはあれですけど! っていうか知ってて言わせようとしてますね!?」

会長「まぁ、本当にそうなのですか? いけませんよ、男子さん。そのような非生産的な趣味趣向は」

男子「ぐっ……だからぁ……」

会長「わかりました。ここは私が一肌脱がせていただきます。ちょうど他校の生徒会役員がたから打ち合わせの名目でお茶会のお誘いがありますから、そこへ一緒に」

男子「い、いきません!」

会長「ご安心を。どの殿方も立派なお家柄の方ですので」

男子「殿方?! なんで男性がこの学園の方と打ち合わせを!?」

会長「くす。それは追々。では参加者を正式に決めてまいりますので。詳細はまた連絡いたします。では」

男子「ちょ、いや、待っ……な、なんだこの展開?!」
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/09/05(月) 14:06:38.99 ID:YQtUkSw90
なんと言う俺特展開
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/09/05(月) 14:10:34.25 ID:YQtUkSw90
なんと言う俺特展開
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/09/05(月) 14:11:28.41 ID:YQtUkSw90
なんと言う俺特展開
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/09/05(月) 14:12:22.85 ID:YQtUkSw90
なんと言う俺特展開
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/09/05(月) 15:01:33.14 ID:YQtUkSw90
なんと言う俺特展開
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/05(月) 21:02:54.36 ID:7BC7JywBo
どんだけ「特」なんだよww
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/06(火) 01:40:39.53 ID:lUBEucOAO
会長「期待されているということですね。男子さん、素敵なお相手を見つけないといけなくなりましたよ」

男子「……帰りたい」

会長「では我々側の参加者ですが……」

男子「なんで周りがこう人の話聞かないやつばっかなんだ?!」


【お茶会】


宮「お誘い頂きましてありがとうございます」

会長「試行会ということですので少人数の人選になりました。宮様ほどの方がおられればさぞかし席が華やかになりましょう」

宮「ふふ、お上手ですね」

会長「本来であれば理事長代理にも参加いただきたかったのですが都合がつかないそうで」

男子(合コンもどきなんてバカ妹が一番嫌いな部類のイベントだからなぁ。絶対ぶっちしやがったな)

あや「あの……自分も参加しなきゃダメっすか」

会長「あら、何かご都合が?」

あや「いや、特に……あ! あります、すっごいあります!!」

会長「宮様の参加条件があやさんの参加ですのでここはご協力を」

あや「お、おまけ扱い……!」

男子(不憫な……)

会長「ではこれより先方を迎えてのお茶会となります。互いの校風や活動などを通し、よりよい学園作りの材料としましょう」

宮「はい」

あや「……はぁ。わかりました、わかりました。協力させていただきます」

男子「……(どうせ逃げられないんだし)」コクリ

会長「では参りましょう。楽しい楽しい観察会に」

宮「はい♪」

男子・あや「「?!」」
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/06(火) 01:52:07.86 ID:lUBEucOAO
メ「……」パリポリ

メ「……む」キュピーン

メ「主様の貞操が危ない気がする!」ガタッ

メ「……」

メ「まぁ、赤飯でも用意しておきましょうか。主 様 の 金 で」チャリーン


【合コン】


池面「本日はお招きいただきありがとうございます」

会長「こちらこそ遠路はるばるありがとうございます。私がこの学園の生徒会長をつとめさせていただいているものです」シャララーン

オォ...オジョウサマダ...


宮「私は朱鷺之宮と申します。生徒会の役員に属している訳ではありませんが、今日という機会を通して見聞を広め、学園の為に役立てたいと思います。皆様、よろしくお願い致しますね」キラキラ

ヤ、ヤマトナデシコ...

あや「あー、えっと、あやと申します。生徒会の便利屋というか下働きというか。とにかくそんな感じです」

...チェンジデ

あや「おい誰だ今さらっと失礼ぶっこいたの!?」

宮「あや様、はしたのうございますよ」

あや「ぐ、ぐぬぬ……」

男子「……男子です」ペコリ

シーン...

男子(これでいい。これで。下手に目立って目を付けられるよりこうして地味な子で嫌われておけば……)

...フゥ

男子(誰だ今賢者タイムに入ったやつはー?!)
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/07(水) 01:36:39.07 ID:ahPsDn6AO
池面「やはり名門の女学院の花形、見目麗しい方々ばかりです」

会長「ありがとうございます。そのように殿方からお褒めいただけるのは乙女として何よりです」

あや「明らかに我々を外した視線で喋ってますよ、あの野郎」ヒソヒソ

男子「(暇だからって絡まんでくださいっ!!)」ヒソヒソ

宮「……ふふ」ホッコリ←絶賛観察中


【必死に回転車を回すハムスターを見てる気持ちになるあれ】


池面「では我々からも自己紹介を。今回の企画を立案させていただきました生徒会会長のものです。よろしくお願いしますね」キラリン

あや(おー、歯が輝いた。漫画みたいな人だ)

男子(……く、張り合う気にすらならないレベルだ)

筋肉「私は体育会役員を勤めているものです、ふんっ! 自慢の筋肉はこの……」

池面「次、お願い」

筋肉「な、なぜだ?!」

あや(逆に絶滅危惧種ですよね、こういう人。完全に引き立て役じゃないすか)プークス プリプリ

宮「くすくす」

筋肉「おお、宮様が笑ってくださった! みろ、池!」

池面「あー……うん、そうだね。良かったね」

男(宮様、同じ引き立て役に対して『お前が言うな』冗談で笑ってただけのような……って、ひどいなこの人!)

金髪「次は俺かな? みんなみたいに可愛い子と一緒の席に居られてハッピーだよ。今日は是非仲良くなってくれよな」

あや(うっわ、池面さんと同じレベルだけど方向性が真逆だわ。遊び慣れてそー)

池面「彼はこういう場に詳しいということなので参加いただきました。学園でも行事関連では率先して動いてくれます」

男子(さらっとフォローしてくるな。二人で合コンとか荒らしまくりだったりして。……考えすぎか)

あや(そしてよく聞いたらこいつチェンジとか抜かした野郎じゃ!?)ムキー

ショタ「あ、あの……最後は僕、ですね……えぇと、その。よろしくおねがいします」ボソボソ

あや(引き立て役にしてはなかなかレベルの高い。小動物とか好きな人は好きな感じか。……宮とか)

宮「私は珍獣の方が好みでしょうか」ニコリ

あや「さらっと読心術?!」

男子(すぐ騒がないでくれ。早く終わらないだろ。全く……ん?)

ショタ「……」ジー

男子(な、何だ)

ショタ「……」ポッ

男子「ひッ?!」ゾゾゾ
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/08(木) 01:14:53.05 ID:e9OLQOVAO
メ「ヒロインとは何だったのか」

め「見事にメイド率ゼロパーセントで話が進んでいますね」

メ「くそぅ、やはりヒロインは主様だというのか!」

め「……納得しかけてしまったのは何故でしょうか」


【スレタイは投げ捨てるもの】


男子「くしゅん! ……むむ」

会長「大丈夫ですか、男子さん?」

男子「……」コクコク

池面「では互いに自己紹介も終えたところですし、まずは校風の説明などを……」

金髪「そんなんここにきてやらなくても分かってるだろ、お互いさ。それよりもっと知るべきは互いの学校の人間性とかじゃない?」

あや「一理あるようなそうでもないような」

池面「そうですね……それではせっかくですから質疑応答などの形式でざっくばらんにいきましょうか」

会長「進行はお任せ致します」

池面「ありがとうございます。個人的には堅苦しくならずにすむのは嬉しいですね」

筋肉「全くだ」

あや「うんうん」

男子(早く終わるなら何でもいい)

池面「それでは言い出した君から質問を頼めるかい」

金髪「りょ〜かいっ! んじゃ、無難に趣味を教えてもらいたいかな。そっちの学園の人達が普段どんな事に興味を持ってるか知りたいをだよね」

会長「なるほど、わかりました。では私からですが趣味は音楽や舞台鑑賞、それと可愛い後輩たちと過ごす事に学園をより良くする事でしょうか」

池面「生徒会をまとめる方としては理想的ですね。音楽鑑賞はどのようなジャンルを?」

会長「多種多様ですね。こだわりは嫌いではありませんが視野が狭まりますので」

金髪「うんうん、ありがとうございます。ちなみに俺、ギターとかやってるんすよ。そっちは何かやってたりですか?」

会長「一通りの弦楽器等は。その点、宮様はもっと多様な楽器に精通されていますよ」

宮「いえいえ、私などはまだ未熟ですよ。精通しているなど師範がお聞きになれば笑われてしまいます」

筋肉「音楽にも師範がいるんですね! ちなみに私の師範も筋力トレーニングのメニュー作りは天才的でして!」

あや「筋肉話題に何とかもってこうとするな、この人」

金髪「今はあちらの話タイムだから、アピールは後でな」

筋肉「ぐ、ぬ」

男子(徹底的に潰されてんなぁ、かわいそうに)
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/08(木) 01:22:43.18 ID:e9OLQOVAO
宮・会長「ふふ……」

金髪・池面「ははは」

あや「早くもはぶられだしてませんか、これ」

男子「基本的にこっち二人が無趣味かつお嬢様属性でないのを見抜いた質問が多いから仕方ないんじゃ?」

あや「むむむ。なんか悔しい」

男子「いいじゃないすか、変に目を付けられるより我々はここで下手こいて次回以降参加を拒否する口実にすれば」

あや「それが悔しいっていうか」

ショタ「あ、あの……」

あや「ん? なんすか?」

ショタ「男子さんは、その……好きなお菓子などはありますか?」

男子「(何故名指し。全員に質問してくれよ)……特に」

ショタ「はわ……えへ、えへへ」

男子(何笑ってんだ、この人)

ショタ「やっとお喋りできましたね。うん、素敵な声だ」

男子(裏声ですよ?!)

あや「なんすかなんすか、下手こくとか言いながらかっちりファン作って! あ〜あ、つまり独り身つかまされ……はっ!?」

筋肉「……」ジー

あや「え、えらいのが残ってたぁー?!」
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/08(木) 01:46:46.61 ID:e9OLQOVAO
ショタ「男子さんは普段、どんな事されてるんですか」

男子「(く、何が何でも食いついてくるな。ええい、すべってドン引きさせたる!)……息」

ショタ「あはは、男子さんは面白いな」

男子(う、器でけぇ! メイドならグーパンあり得るレベルの答えなのに!)

ショタ「えと、他には何を聞こうかな……」

男子「(放っておいたらいつまでも続きそうだな。ここは先手で!)……そっちは」

ショタ「え?」

男子「そっちは……何が好きなの」ボソボソ

ショタ「あ、はい。好きなの好きなの……えっと……男子さんです!」

男子「?!」ガタッ

ショタ「へぅ? は、あ、いや今のは、あわわわわ?!」←天然

男子「……っ!?!!?」ゾゾゾ

ショタ「言い間違いですっ、その、男子さんみたいな方がって事で、だからあれは本音が出たというかあのえぇと」アタフタ

男子(な、何で会って一時間もしない内に野郎から好かれてんだ俺はー?!)








メ「ヒロインですから」

め「どなたと会話されているのですか? 電波でもきてましたか?」

メ「割と。主様から悲鳴的ニュアンスで」

め「感度が良好すぎかと」
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/09(金) 01:14:54.56 ID:VsI1BIhAO
金髪(おかしい……狙い通りにいってるはずだろ?)

池面(ああ、二対二に持ち込んでいる。だが何だ……この違和感は)

金髪(こうなれば毎度のごとく、次のステップからゴールまで一直線なはずなのに)

池面(まさか……我々が相手にされていない?)


【合コンという名の観賞会】


宮(あや様の見せ場はまだでしょうか)ウズウズ

会長(男子さんってばあんなに慌てて……くすくす。もっと困り顔を見せてくださいな)ホクホク

宮・会長「ふふ……」ゴゴゴゴ




筋肉「この際あんたでいい! せめて女の子と喋ったという結果を残させてくれ!」

あや「そう思うならせめて一言目は隠すとかあるでしょうに。全く」

筋肉「す、すまない……ただ、私は今までスポーツ以外に何ら興じた事がなくてだな。舞い上がっていたんだろう」

あや「見た目通りなんすね」

筋肉「君達のように華やかな女性を前にしてアピールできるのがこの筋肉だけだったからか妙に強気になってしまっていたようだ」

あや「で、我々みたいな雑魚はほっといて上玉狙い、と。ぶっちゃけるにしてもタイミングとかあるでしょう。何で今かな」

筋肉「ぬ、ぐ」

あや「それに経験ないにしろ人して当たり前の行動してりゃ少なくとも浮かずに済んだかもっすよ?」

筋肉「反省している……」

あや「しっかり記憶しといてくださいね。はぁ……よいしょ」ガタ

筋肉「ど、どこかへ行くのか?」

あや「ええ、ちょいとそこまで」

筋肉「……そうか」ショボン

あや「では」

スタスタスタ……ポスン

筋肉「は? あ、え、お?」

あや「てな訳でちょいとそこまで移動してみたり。おやおや、さすがに腕とかかっちかちですのぅ」

筋肉「な、なななな……隣に移動していいものなのか、こういう場で!?」

あや「さあ? でもたかだかお茶会でしょうに。色々お互いの話を聞くのに適した位置に移動しただけのつもりですよ」

筋肉「む、ぅ」

あや「さ、せっかくの機会なんすから。色々お話しましょうか。別に筋肉の話とか嫌いじゃないんで聞いてみたいですし」

筋肉「な、ならば筋肉……いや、効果的な運動についてなんかはどうだろうか」

あや「いいじゃないすか。なになに? ちゃんと持ってんじゃん、いい話ー」

筋肉「そ、そうか? はは、わははは!」
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/09(金) 01:27:30.01 ID:VsI1BIhAO
男子(周りの和気藹々さからは信じられないレベルで気まずい訳だが)

ショタ「あぅぅ……」

男子(悪気はないのは分かってんだけどなぁ。とりあえずさっきのは聞かなかった事にしよう)

男子「……あの」

ショタ「は、はい」

男子「そういうのは、なしにしましょう」

ショタ「はぅ!」ジワ

男子(な、泣きそうだとー?!)


【どっちも男です】


男子「あ、あの」

ショタ「ひぐっ、えぐ……ず、ずびばぜん。でも、ごんながだぢでふられで……がっごわるぐで、ざいあぐで、もうじわげなぐで」

男子(豆腐メンタルすぎるだろ……!)

ショタ「だがら、ぞの……ごめんなざい」

男子「……いいよ。そういう抜きでなら、お話しよ」

ショタ「え……」

男子(はぁ……何で俺ってばここでほっときゃ終わるのに……ああもう)

男子「まずはお友達から、ね」

ショタ「は……はいっ!」

男子「クッキー」

ショタ「ふえ?」

男子「好きなお菓子。本当はクッキーとか、マシュマロ」

ショタ「あ……ど、どっちも得意です! よく作ります!」

男子「本当? マシュマロって作れるの?」

ショタ「はい! 材料だけちょっと工夫すれば簡単に……」

男子(……ま、毛嫌いせずにこっちも普通に接してれば問題ないか)

ショタ(ああ……やっぱり素敵だなぁ……男子さん、愛していますっ)

男子「……?!」ゾワワッ





会長(少し期待した展開とは違いますが……ふふ、これはこれで)クスクス

宮(さすがあや様。どのような相手でもその懐に自然に入られるところ、素敵です)ホッコリ

金髪「な、なぁ」

池面「何かな」

金髪「一番の負け組って……」

池面「言うな。何も言うな」

金髪「……くそぉ」
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/09(金) 22:02:33.37 ID:5t2euC/ro
こりゃ筋肉落ちたなww

そしてショータ!ショータ!ショータ!
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/11(日) 00:10:27.85 ID:4JbdllBAO
会長「さて、そろそろ閉会には良い頃合いですね」

宮「たくさんのお話、ありがとうございました」

金髪「はは……ははは……」プスプス

池面「どういたし、まして……」ヒクヒク


【閉幕】


あや(おーおー、あちらは結局自信を根こそぎ奪われたようで)

男子(あんなヤバい二人相手によくこれだけの時間を話し続けられたな)

宮「今回は試行会という事でしたが、是非とも今後に繋げていきたいものですね」

会長「はい。宮様も私も非常に有意義な時間を過ごさせていただきました」

あや「その台詞はこっちを見ながら言うもんじゃないでしょ」

男子(激しく同意!)

会長「我々はお二人も有意義だったか確認させていただきたかっただけのこと。他意などはありませんよ」

男子「それは……まぁ(有意義ではなかったけど)」

あや「それなりに、ねぇ?(女の子免疫ゼロな子に最初の段取り教えただけだし)」

宮「くすくす。そちらも良き時間となったでしょうか?」

池面「ええ……いい勉強をさせてもらいました……」

金髪「右に同じく……」

筋肉「非常に楽しい時間をいただきました! ありがとうございます!!(あやさんあやさんあやさんあやさん!!)」

あや(視線が痛いほどに!! 調子に乗せすぎたか!?)

ショタ「ぼ、僕も、素晴らしい時間をいただきました! 一生忘れません! これからもっ!!」

男子(忘れてくださいお願いします)

会長「それは何より。では以上を持ちまして学園間共同活動の試行会を終幕とさせていただきます。ありがとうございました」

『ありがとうございました』
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/11(日) 00:25:06.11 ID:4JbdllBAO
男子「……つかれたっ」グテー

あや「そんなおっぴろげな格好して。あちらさんが戻ったらどんな顔するか」

男子「知ったこっちゃないやい。それに今は先生達の案内で学園の見学中なんでしょ?」

宮「はい。会長様も同行し、夕方には出られる予定です」

男子「なら問題なし。はぁ、本当にもう……次回なんかあっても絶対出ないぞ」

あや「一瞬で一人陥落させたくせに」

男子「こっちが何かした訳じゃないでしょ。それを言うならそっちなんて自分から落としにいったくせに」

あや「や、なんかあまりにも可哀想だったんで励ましついでに、と」

男子「とか何とか言いながら。見てましたよ、連絡先か何かの紙切れ渡してたじゃないすか」

宮「それは本当ですか、あや様?」

男子(っとと、この人が話題に割り込みかけてくるなんて珍しい)

あや「いや、別にあれはただのゴミを渡しただ……」

plll...

あや「……いや、あの」

宮「出てくださって結構ですよ? いえ、是非出てください。ね?」ゴゴゴゴ

あや「ぬ、ぐ……」

pi!

『おお! 繋がった! あやさん、聞こえますか!? 先ほ……』ブツ

宮「なるほど。……なるほど」ゴゴゴゴ

あや「宮、違うから。これは違うからね? というか何で怒られてるの!?」

宮「怒ってなどいません。ただ少しお仕置きなどをしてみたい衝動に駆られただけですので」

あや「世間一般ではそれを怒ってると言うんすよ!!」

男子「あーあ。ご愁傷様」

宮「あら、会長から言伝がありまして。男子さんにもお仕置きするようにといただきましたよ」

男子「なんで?!」

宮「自分が望む展開に持ち込んでいただけなかったからだとか何とか」

男子「理不尽な?!」

あや「ご愁傷様」

宮「ではお二人とも。まとめてそちらにある衣装にお召し替えくださいな」

あや・男子「「マジで?」」

宮「……さぁどうぞ」ゴゴゴゴ

あや「どう見ても不可避系イベントじゃないかこれー?!」

男子(なんで俺までー?!)








結局その日の見送りにメイド服姿の二人が現れ約二名理性が吹き飛びかけたとか吹き飛んだとか。……それはまた別の話。




続かない
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/11(日) 00:33:29.84 ID:4JbdllBAO
『合コン編:クリア』

【ピンク系妄想ファイル:08-二人は侍従キュア-】がアンロックされました。

……みたいな!
という訳でよくわからない短編みたいのが終わり!
そして中の人の週末休みも終わり。……というかなしだったよ!
ふふ……来週まるっと働いたら今月初の二桁連勤かぁ……おかしいな、目から汁が。
さておき、明日あたりにいじメイ更新予定をしてたりします。
他のとこにするか迷ったけど一番見てもらってるの多分あれだろうしww
という訳で今夜はこれにて。月月火水木金金!
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/09/11(日) 17:30:48.34 ID:V9qfR7Oz0
乙ー
しかし、会長のお仕置きはこれだけでは無かった!


みたいな展開を期待したり
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/12(月) 00:35:47.64 ID:WuWC2kqAO
お仕置きって実は難しいですよね。どうも中の人です。
意地悪するのとはまた違うニュアンスでかつ愛情という名の独占欲が見え隠れするとすごく興奮しますよね!
……え、あれ、しない?
いや別に中の人はドMじゃないですよ! 決して「誰が目をそらしていいと言ったの?」とか言われてゾクゾクしたりなんて……ふぅ。


やはり順当に恥辱責めか……!



あと申し訳ないのですが今夜の更新は明日に変更で。
オリジナル展開を強めようと筆を執ったらまとまりが悪くなったでござる状態なので一旦整理しますので。
相変わらず自分で課した締め切りすら守れない奴ですみません……




そんな訳で今夜は、そんなお仕置きで大丈夫か? 状態のを書いてきます!
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/12(月) 00:46:13.29 ID:WuWC2kqAO
男子「ダメダメダメ! そんなの絶対無理っ」

会長「大丈夫ですよ。きっと」

男子「何の根拠も示せない時点でそっちもわかってんでしょ!? 絶対入らないからっ」

会長「優しくすれば意外と」

男子「明らかに受け入れ側より入れる側のサイズが大きいよ!」

会長「そう言わずに……えい」

メリ……

男子「ひぃ?! やめてやめてやめて! お願いだから! 後生だからぁ?!」

会長「あら、そこまで哀願されると私も人間ですから……」

男子「やめてくれるの?!」

会長「無理矢理にでも意地悪がしたくなりますね」

男子「いい笑顔で最悪な事言ったぁー?!」

ぐいっ

男子「あっ、あっ……あああぁっ?!」

メリメリ……

会長「えいっ」

男子「うぁぁああぁぁあああ!!?」


【健全】


男子「……うぅ。部屋がぁ」

会長「やはり入りましたね。見立て通りです」

男子「人の部屋のドアを枠ごと破壊してその感想ですか!? 有名女学園の会長が何て暴走を!!」

会長「学園ならばこんな暴挙いたしませんよ?」

男子「こんな特別扱い嫌だよ!? くそぉ……直すのにいくらかかるんだこれぇ……」

会長「泣くほど喜んでいただけました?」

男子「わかってて聞いてるよね?!」

会長「はい。見たかったお顔が見れて私は満足です」

男子「こちとら不満たらたらですけどね!!」

会長「ではせっかく運び込んだ衣装を合わせていきましょうか、男子さん」

男子「マイペースすぎるよこの人?!」
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/12(月) 01:01:52.38 ID:WuWC2kqAO
会長「いつまでそちらにおられるつもりですか? 更衣室は共同スペースですよ」コンコン

『ま、まって! お願いだから服を返してっ』

会長「衣装ならばちゃんと備えてあるではないですか」

『こんな格好で出歩けないから!?』

会長「そうですか? あからさまに破廉恥な衣装ならばともかく、普通の服姿ではないですか」

『普通ではないよ! 場面としてもおかしいし!』

会長「くす。一足早い御披露目と考えていただければ」

『誰にも見られたくないから! こんな姿見られたら……ていうかバレるでしょ!』

会長「それはありませんよ。きっとお似合いです」

『む、胸とか』

会長「詰め物も多少ございますので有効にお使いください」

『……どうしてもこれで出ないとダメ?』

会長「今から皆さんが寝静まる深夜まで粘られると騒ぎになりかねませんが試してみますか?」

『制服を持ってきてもらうという選択肢は』

会長「ご自分でお部屋まで移動されることがよろしいかと」

『あくまでこの格好させたいんですね……ああもうわかりました! でもせめて人目につかないように見ててくださいよ』

会長「わかりました」

『じゃあ……着替えます』ゴソゴソ

会長「……ふふふ」

『(気のせいかドア一枚向こうから暗黒微笑とかいう単語を感じさせる空気が入ってきてるような……)』





『お待たせしました。人目は大丈夫そうですか?』

会長「バッチリです」

『……よし! ならこのまま自分の部屋まで即移動してっ……』

ガチャ

【装備:ウェディングドレス】

男子「え……」

≪キャァァアアアァァアアア! 男子さん素敵ぃぃいい!!≫

男子「(あれぇー?! 何この人だかりはぁー!?)」

会長「バッチリな人目ですね」

男子「謀られた?!」

会長「まさかそんな……くすくす」

ワーワー キャーキャー パシャ パシャ

男子「ちょ、と、撮らないで?!」

会長「大盛況で私も満足です。良かったですね」

男子「何ひとつ良くないから! ……ああもぅ!」



その後校舎内を走り回る花嫁(婿)が多数の場所で目撃され最終的に怪談に昇華したとか何とか。

会長「“怪異! 血まみれた花嫁の怨念か”だそうですよ。よほど鬼気迫る表情をされていたのですね」

男子「……もう学園内を歩けない」シクシク
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/12(月) 01:23:09.25 ID:WuWC2kqAO
会長「すぅ、すぅ」

男子「……」

カチ コチ カチ コチ

会長「ん、……」モゾッ

男子「!!」

会長「……」

男子「」

会長「……すぅ、すぅ」

男子「……はぁ」

男子(どうしてこうなった!?)


【一番のお仕置き】


会長「男子さん」

男子「なんですか」

会長「あら、怖いお顔。何か嫌なことが?」

男子「ありすぎて枕を涙で濡らしてました」

会長「かわいそうに、男子さん」

男子「誰のせいですか、誰の!」

会長「そんな男子さんに……」

男子「また何かする気ですか!? もうやだ、こりごりなんです! 秘技、布団隠れ!」バサッ

会長「……」

男子(ふふふ、もはやこうして亀のように縮こまっていればあらかたの意地悪は防げ……)

会長「失礼します」モゾ

男子「はい?」

会長「かわいそうな男子さん。私が精一杯、慰めてさしあげますね」

ぎゅむ

男子「な、なななな」

会長「男子さん、あたたかいですね」

男子「あ、あわわ、あわ」

男子(どうきんだとぉ!?)

会長「よしよし」

男子(なんだこの背中にあたりまくるマシュマロの感触は!? あとこの頭撫でられる感じ!)

会長「〜♪」

男(鼻歌まで!? 一体何が狙いなんだー?!)



『一時間後』

男子「なるほど。寝不足狙いか……ぐ、ぅ。それともまさか誘われ……!! てる訳もなく。はぁ、朝まで素数でも数えとこ」ブツブツ

会長「……」

“いくじなし”ボソッ


翌日、寝不足により男子ちゃん凡ミス連発。その姿を見て会長がご満悦だったとか……そうでもなかったとか。
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/13(火) 01:20:47.07 ID:/ltfVWd+0
第38話 『許されざる者/目覚め』


まどろみからゆっくりと引き上げられていく。
短い生涯のうち、何度も味わった目覚めへの気配。
重たい目蓋を無理矢理に開けば、そこには見慣れたはずの景色があった。

「……戻って、きたんだ」

呟きは自身への言い聞かせか。本来であれば何気ない一日の始り。
彼にとって、これがどれほど望んだ景色だったか。
そう。男にとって、『元の世界』と呼ばれる場所、そのうちの自分の部屋に彼は居た。

「18時間。今回のタイムリミット、か」

身を起こし、手のひらを開いては閉じる。
その感触は紛れもなく自分で、けれど不確かに感じてしまう。
前回の実験では、自分はもう一人この世界にいて、今の自分こそが異邦人だった。
その事実はまるで、元の世界に自身の居場所がないといわれているようで、思い返せば悔しさがこみ上げる。
けれど彼の肉親であり、世界的にも有数の頭脳を持つ少女は、彼に告げていた。
装置の出力や精度、観測者のコンディション、そして彼自身の気持ちの持ちよう。
それぞれがベストとなった今ならば、二つに分かれるなどということは起こらないだろうと。
珍しく言い切らなかった彼女から詳しく話を聞こうとしたものの、どうせ理解されないからと一蹴されたりもした。
けれど彼女を、妹嬢を信じきるならば今の自分は紛れもなく、この世界の自分なのだ。

「メイド……」

気持ちの持ちよう。そのモチベーションの根源。
還りたいと願った世界の、もっとも必要とする要素を口に出す。
きっと自分にとっては彼女を強く、そして彼女の元へ還るという想いこそが鍵なのだ。
だから、覚悟を決める。残りの時間で、自分に託された任務をこなすのだ。
『00ユニット』の完成に必要とされる理論を回収する。そして『もう一つの世界』を救い、ここへ戻るのだと。


起き抜けに着替えながら思うのは、あちらの世界のこと。
クーデターの件で、結局基地に戻った後は現場調査に駆り出され、基地内待機とはいかなかった。
結局、俺がこの実験に入るまでに友は戻らなかったし、他のみんなの心も癒えていないままだろう。
それでも殿下がひとりひとりに声をかけてくれた分、少しはマシなんだろうか。
……考えても仕方ない。仕方ないんだ。
今は目の前のことに集中しろ。俺はそんなに器用に生きられやしないんだから。
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/13(火) 01:21:22.22 ID:/ltfVWd+0
まだ少し暗く、明かりの弱いリビングに出ればいつも通りの光景。
先程まで起きて遊んでいただろう、うちのぐーたらの生活の後がそこらかしこに散らばっている。
特に顕著に現れる流し台のごみの数々にため息をつきながらも、まだいつも通りと思えることに安堵を覚える。
戻れる。きっと……どれだけ掛かっても。その気づきが自然と彼の手を動かし、

「ん?」

違和感に気づく。
人の気配。それもメイドの放つ殺気(もどき)とは違った息遣い。
意地悪をしかけられ慣れるというのもどうかと思うが、その分、気配やらそういった自身に対する視線に敏感になってしまっている。
ある種の武道家やら拳法家じみた能力を習得できたと思う反面、そんな生活に浸っていることを改めて実感してしまう。

(ま、それもあるけど……)

きっと本物の軍隊で鍛えてきたということだって大きいんだ。
そうしてその能力をそのまま持ってこれている。これは『前の世界』から『今のあちらの世界』へ移動したときと同じ状態。
つまり『俺』が『俺』のまま、この元の世界にいるということ。
かみ締める喜びとは裏腹に、ソファの死角に隠れているであろう人物の背後からそっと近づく。

「何してんだ、一体」

「……驚かせないでくれるかしら」

「全然驚いてないようにしか見えないけどな」

元より敵意は感じていなかったおかげで、自然と声音を柔らかくしながら話しかけられた。
そこにいた委員長はバツが悪そうに目をそらしながら、後ろでに何か言い訳を考えているようだ。

「おかしいわね。まだ起きてこないと思っていたのだけれど」

「そうだな。多分、いつもより早起きだな。……で、そんな俺より早起きないいんちょがうちで何してるんだ」

学生の頃、いいんちょがうちに来たこと自体は少なくなかったが、こんなイベントあったっけか。
あの頃は誰かが何かをしでかすのが日常的にあって、これくらいのことは特筆するまでもないのだろう。

(……いやいやいや、ダメだろ、俺。よく考えてみろ、これ不法侵入だから)

改めて自分の思考回路がいかに螺旋を飛ばしまくっていたかを自覚しつつ、委員長の答えを待つ。

「……約束したでしょ。私がハウスキーパーをするからって」

「あー。えーっと……」

あったような気がする。そんなイベントが。
ただ思い出に残っていないのか、それともそういうことがあった世界になっているのか。
どちらにせよ、そういった約束が今日までになされており、委員長という律儀な人間はそれに従ったということか。

「だからよ。後はサプライズ狙いもあって、かしら。これでいい?」

「うん、まぁ」

いいのかよ! と我ながら思うものの、こんな日常があったことを思い返す嬉しさもある。
ただ、それでも明らかにスルーするには問題のある光景に、一応つっこんでおく。
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/13(火) 01:22:11.04 ID:/ltfVWd+0
「あのさ、いいんちょ。それはいいとして、後ろのあれ、何?」

「……まずは私の格好に対して何か言うことがあるんじゃないかしら」

「似合ってるよ、メイド服。……多分」

「……。まぁ、いいわ。それと、あれについては気にしないで。少し物置の戸を厳重に閉じただけだから」

苦しい言い訳が示す先には防音素材とわざわざ書かれたバリケードが張られている。
何だろう。映画で見たことあるけど封印ってやつじゃないのか、これ。
そしてその扉の先、というか部屋の戸は。

『……!! …………!!!!』

かすかに漏れてくる講義の声と微弱な振動。
うん、間違いなく内側から叫んでるな。あと叩いてる。

「開けてやろうぜ?」

「いいじゃない。それより朝ごはんできてるわよ」

「そう言わずにさ」

「……。……はぁ、わかったわよ」

そうしてバリケード(というか封印)がとかれ、中から珍獣よろしく一匹の野良メイドが飛び出し……
いや、飼いメイドのはずなんだけどな。そのままトイレへと逃げ込む姿はやっぱり野良か、何かで。

「うるあああああああああ!? 漏れるとこだったでしょうが! 何してくれてんだよ、この人は!?」

「紙が挟まってるぞ、下着に。ひきずってくるな、もったいないから」

「いいんすよ! 新ジャンルっすよ!!」

「よくねぇよ! 資源の無駄だから!?」

戻ってきたこいつの顔に満足してしまうあたり、俺もとことんダメなんだろう。
やっぱり、このバカとのやり取りをしてる間は心が休まる。

「それより、朝ごはん。さめるわよ」

「それよりとは何すか!? いいんちょさん、最近私に対して冷たいし!!」

「安心して、元からよ。それより男、本当に急いだほうがいいわ。あまりのんびりしてる暇、ないでしょ」

「もうそんな時間か? 早起きしてる分、余裕あると思ったんだけど」

「冬なんだから、外が暗いのは当たり前でしょ。ほら、いいから食べて」

「もぐもぐ……割といける」

「先に食べないで。男が先でしょ」

「な、何故?!」

「あなた……本当に自分が従者だって自覚がないのね」

「属性であって役職ではないので」

「いや、役職だから」

失ってから気づいた、こんなバカなやり取りの大切さ。
今、俺は心から笑ってるだろう。
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/09/13(火) 01:22:50.74 ID:/ltfVWd+0
「……にしてもなんか、主様が達観してるっつーか」

「そうね。目や雰囲気が違うわ。……きっと睨まれたら逃げられない気がする」

二人のするどさとか、本質を捉えるところは相変わらずか。
まぁ、それも仕方ない。今の俺は、あの頃ほどのんきにいられないんだから。

「気のせいだろ? それより、お言葉に甘えさせてもらうな。いただきます」

「ええ、召し上がれ」

「召し上がってますけどね」

「あなたは遠慮しなさい」

そうして登校までの間、久しぶりの暖かく、柔らかい飯を大量に平らげることになった。





登校。そう、学校だ。
人々のざわめき。緊迫感など一切感じない雰囲気。
誰も彼もが平和の中で談笑する。当たり前の光景が目の前にあること。
それがたまらなく嬉しくて……けれど、現実感がまるでないのは何故だろうか。
クーデター事件のすぐ後という事実は、前回のように素直に平和を喜べるほどの余裕がなくなっている。
これが成長なのか喪失なのか。結局答えなど得られなくて。

「おはよ」

「ん、おはよう」

席につくと声をかけてくるのは友だ。
ありふれたその光景も、『あっちの世界』の彼を思えば違和感すら感じる。
その横をそそこくさと通りながらも視線を何度かくれ、最後にはおじぎをくれる女さんが通っていく。
こっちの世界では、まだ俺は彼女とそこまで親しくできていないんだから、仕方ないか。
それでも昔を思えば、こうやって他の誰かよりも意識を割くくらいにはなっているんだ。
十分に友人と呼べる間柄だろう。ただ『あっちの世界』での距離感を考えると、少し寂しくはあるが。

「……とこ、ねぇ、男ってば!」

「ん? おお、なんだ?」

「ぼーっとしてるからどうしたんだって訊いてるの。それにさっきから女さんばっか見てさ。何? そっち狙いだっけ」

「ちげぇよ。そういう色恋沙汰にすぐもってくのやめろっての」

「……っ、ご、めん」

あれ? という違和感はすぐくる。
何をこいつ、いきなり怯えたような……。

「どうした?」

「ん、いや。ちょっと男が怖い顔したから……ごめん、気のせいだよ。何でもない」

「そっか。っと、そろそろ先生が来ちゃうぞ。座っとけ」

「了解。それじゃ」

怖い顔、ね。そんなつもりはないんだが。
気をつけないといけないな。うん。
そうして始まる何気ない日常。
そこ抱く違和感を、俺はまだこの時、それほど重要だと思っていなかった。

―― to be continued...
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/15(木) 01:17:24.35 ID:ORc3V8iAO
メ「主様を生ごろしにしようの会を発足したいと思います」

男「本人の前でわざわざ宣言することなのか」

メ「などと言いながらその視線を釘付けにしてしまう罪な私。あ、触ったら即通報なんで」

男「ぐ……ホットパンツとニーソとは卑怯な……!」


【メイド要素はもはやヘッドドレスのみ】


メ「はっきり言ってこれで外を歩き回る事になったら恥ずかしくて憤死もあり得ますね」

男「その危険性をはらみながら何故実行したよ」

メ「主様が発情期に入られたので」

男「そんな時期はない! ……はず」

メ「最近ゴミ箱のがびがびティッシュがやたら増えてますが」

男「……鼻水だ」

メ「イカくさいのに?」

男「スルメ食べてたからだ」

メ「明らかに白い塊が付着してたのに?」

男「カルピスを飲んでたからだ。濃いのを」

メ「何という食べ合わせの悪さ……」

男「というかお前、いつの間に人の部屋に入ってゴミ箱調査なんざしやがった!」

メ「してませんよ?」

男「え?」

メ「今時こんな手に引っかかる方がおられたとは。よ、性欲魔人」

男「う、うるせぇ!」

メ「ほれほれ、物を拾うモーションですよー、けつ側ですよー」

870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/15(木) 01:41:08.89 ID:ORc3V8iAO
女「そ、それで私のところに逃げてきたの?」

男「……あのままだと間違いなく豚箱行きだったもので」

女「あ、あはは」

女(あれ。でもそれって私なら手を出すまでもないって遠まわしに言われてる? ……むむ?)

男「なんだ。なんか安全圏に逃げたつもりが逆に次なるピンチにはまったような」


【次なる刺客】


女「男くん」

男「は、はい。なんでしょうか?」

女「あれ、敬語?」

男「あ、いや。気にしないで……(謎の威圧感に負けたとは言えない訳で)」

女「そう? えと、それじゃ、あの……お風呂沸かしたから入っていったらどうかな」

男「何故急に?!」

女「い、いいからっ。ほら、はやくっ」

男「な、え、ちょ……」

ぐいぐい ばたん!

『ちゃんとあったまってきてね!』

男「う、うん……。はぁ、あれか。野郎として認識されてないんだろうな。女の子が自分ん家の風呂使わせるなんて……」

男「ま、考えようによっては好都合か。よし、嫌な汗かいたとこだしお言葉に甘えてさっぱりさせてもらうか」



そして風呂上がり。

ばたん!

男「女さん?! あのさ、人の着替えをど、こ……に……あの、何その格好……」

女「私の場合のホット、パン……ツ……」カー////

男「……」ゴクリ

女(あぅ、私のばかばかっ。よく考えたらメイドさんと同じ土俵で勝負したって勝てっこないのに……はふ)

男(……。はっ! い、いかん、今完全に女さんのニーソに意識を持ってかれてた?! まずい、本格的に性欲がまずい!!)

女「あ、あの男くん。ホットパンツ、どうかな?」

男「え、と。すごいエロ……かわいいよ。冗談抜きで見とれ……」

女「あ、そうじゃなくて男くんのほうのホットパンツの履き心地」

男「そうだった?! 何つぅ着替えをセッティングしたのさ! 返して、俺のズボン!」

女「洗濯しちゃったからしばらくは無理かなぁ……だから、ね? 男子ちゃんの太ももを……」ジュル

男「な。なんだ。風呂上がりなのに寒気と嫌な汗が……だがこの格好で脱出はさすがに?!」

女(男子ちゃんの太ももすりすりしたい男子ちゃんの太ももすりすりしたい男子ちゃんの太ももすりすりしたい男子ちゃん)

男「……脱出だな」
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/16(金) 01:11:57.35 ID:zpWCL57AO
男「あらすじのコーナー」

メ「主様のぽんちおミルクたんくがはちきれそう!」

男「端的にアウトだよ!!」


【意外と仲良し】


キャイキャイ ワイワイ

男「っ……、あー、ダメだ。街を歩くだけでも目に毒だよ。なんで最近の子はこう、露出がピンポイントなんだ」

あや「おやま。どこの田舎ギャルかと思えば」

男「嫌な認識持たれたな、おい」

あや「毛、処理してるんすね」

男「非常〜に不本意ながら」

あや「帽子で顔隠してるから後ろ姿ですぐ気付かなかったっすよ。で、プライベートまでとうとう乙女に?」

男「な訳あるかい。……よく見たらなかなかいい服来てるね、うん」

あや「ひん剥かれる?!」

男「そこまで外道なもんかよ。そういう服、安く手に入る場所とか教えてほしいんだ。手持ちが少ないし」

あや「いいですけど、せっかくだしこのままの格好でもうしばらくぶらぶらしてみません?」

男「人の不幸を楽しみやがって」

あや「そりゃ蜜の味なんで。んでもまぁ、こちらもクライアントの事を鑑みるとこれ以上は後々しんどいし……協力しますよ」

男「君が打算的で良かった」

あや「にゃはは。大船に乗った気でいてくださいよ。んじゃ、おすすめの風俗店でいいんすよね」

男「沈め! そんな大船沈んでしまえ!?」

あや「純情すなぁ。いいじゃないですか。チェリーで初めては憧れのあの娘に! って人でもないでしょ」

男「……割とそのタイプなんですが」

あや「あー……。あー……」

男「前半が呆れで後半が納得のニュアンスなのな」

あや「分かりました分かりました。んじゃこうしましょう」

ぐいっ

男「っと?」

あや「安くしときますからそこのホテルで一発いっときましょ。部屋代は割り勘でいいんで」

男「だから?!」



その後通りすがっためいどによる強制拉致までこのやりとりの無限ループ。
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/16(金) 07:35:20.34 ID:7FfuwYeQo
なんか恐ろしいことになっていらっしゃる・・・
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/18(日) 01:57:29.50 ID:Hl1tkqVAO
あや「名前が出た途端にこの扱いだよ!」

め「あや様が絡むと生理的に受け付けないのでしょう。……割と致命的な部類ですね」

あや「泣くよ? さすがに泣くよ?」


【あやちゃんいじめは楽しい】


あや「何故か標的がこっちにシフトしたような」

め「あや様の被虐体質はもはや遺伝子レベルな何かですから。致し方ないことかと」

あや「そうやって大層な理由をつけたってダメですからね?」

め「さておき、先程の女装変態さんを放ってきた訳ですが大丈夫でしょうか。頭とか」

あや「ものすごい常人な発言をどうも。大丈夫大丈夫、さっきちらっと相方さんの姿を見かけたから」

め「相方ですか」

あや「そうそう。メイド服姿で街中歩いて。すごいよね、何だかんだで最後はしっぽりなんだよ」

め「すごいというよりも、まずは社会の常識を疑う光景ですね」

あや「……厳しく一般目線で切り捨てますね。しかもめいどさんから出る台詞というのがまた……」

め「世論を代表するめいどの意見に何か問題でも?」

あや「常識の顕現ならせめてこっちに対する扱いも改善するとか」

め「御安心ください。何一つおかしいところはありません」

あや「うん。うん……あのね、だったらこの首輪と紐を外してください」

め「何故でしょう」

あや「世間一般から見たら異様な光景でしかないからだよ!」

め「あや様。社会のルールとは社会に生きる人間に適用されるものです。極貧乳枠はまた別でして」

あや「そのカテゴライズは一部の身体的特徴を持つ人の人権を著しく損なってますよ!?」

め「極貧乳に人権はありません」

あや「言い切ったー?!」



※どなたにも等しく人権はあります。
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/09/20(火) 01:06:43.98 ID:0EzaqlUo0
中の人乙ー
女さんは変態可愛いなw
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/20(火) 01:34:34.62 ID:nm591XJAO
女「へ、へんた……?!」

メ「恐らく主要メンバーの中で最も変態要素を兼ね備えてますからね。妥当な評価かと」

女「ち、ちがうよ! へんたいじゃないし、かわいくもないよっ」

メ「凡人は女装男子にハァハァしないし男女区別なく可愛いからって欲情しませんよ。あと衣類スーハーも」

女「え?」

メ(ものすごい意外そうな顔!! この人本物だった!?)


【既存ジャンル「変態可愛い」】


メ「第一に女さん、自覚ないあたりが危ないような」

女「自分は大丈夫だって自覚してるもんっ」

メ「……完全に無自覚だこれ」

女「わ、私はいっつも変だ変だって言われるけど……変じゃないよ!」

メ「つまりここに私の仕込みによって主様が着替えてしまった縞パンがあったところで何ら……」

女「ちょうだいっ」

メ「……」

女「だ、だめ?」

メ「いや、あの……数秒前の発言は何だったのかなと」

女「それはそれ、これはこれだよ」

メ(全く同じ問題のような)

メ「まぁ、はい。どうぞ」

女「やたっ」ギュ

メ「くくく。騙されましたね。それは私の脱ぎたて縞パンなのだよ!」

女「ふぇ」

メ「ふはは、これに懲りたら今後は、自重……し……あ、あの」

女「……」スンスン

メ「な、何をされてるんですか」

女「え? だってメイドさんの下着だよ? すごい興奮するよねっ」

メ(いい笑顔ですごいこと言い出したよこの人ー?!)

女「はふ……メイドさんの……」ウットリ

メ「ひぃ?!」ゾワゾワ
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/20(火) 01:45:10.22 ID:nm591XJAO
メ「はぁ、はぁ」

女「うぅ、取り上げることないのに」

メ(ひ、久しぶりに全力全開で動いたかもしれない……女さん、恐ろしい人!)


【高レベル淑女】


メ「もう絶対こんな悪戯しないでおこう……うん」

女「メイドさんメイドさん、次は何くれるの」

メ「豚箱への案内状でしょうか」

女「えぇ……そんなのいらないよ? 他の下着とか写真とか使用済みの品とかはないの?」

メ(何か知らんけどスイッチ入ってるー?!)

女「ねぇねぇ〜」

メ「あ、ありません。申し訳ない」

女「そっかぁ……」シュン

メ「ですがこれで女さんが変態だと証明は出来ましたね」

女「ぅ?」

メ「何ですかその“今の何が悪かったんですか”オーラは」

女「変なところあった?」

メ「まともなところが無かったよ?! 全く変人はこれだから……」

メ(ん? 待てよ。これを何か主様への意地悪に使えないですかね)

女「メイドさん?」

メ(例えば主様の洗濯物一式を女さんに譲り渡してみるとか? 安直すぎるか)

女「おーい」

メ(むしろ既に実行済みなあたりインパクトは薄いし……は! つまりあれか!)

女「……。メイドさんの唇可愛い……」

メ(私と女さんが実は出来てると思わせ作戦で主様をやきもきさせてやる! うん、これだ! うひひ、では早速仕込みを……)

女「いただきます」

メ「あの、女さん、お話……」

女「ん」チュ

メ「」



数秒後、メイド涙目にて逃走
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/20(火) 16:12:21.12 ID:LnYXVtJuo
そらみたことかwwwwwwwwww
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/21(水) 01:20:03.93 ID:rXNXuOIAO
メ「主様……私、けがされました……」

男「はいはい、次は何のネタだよ」

メ「唇……奪、われ……」グス

男「」ガシャン


【骨折り損】

男「な、なななな……ネタとか嘘じゃないの?」

メ「主様ぁ」

ギュ

メ「ふぇぇ」

男「……!? ……マジなのか」

メ「……ぐす」コクン

男「そうか。そいつ、今どこだ」

メ「えっと……その」

男「知らない奴なのか?」

メ「……」

男「知り合いなんだな。分かった、言わなくていい。片っ端から聞いて回る」

メ「あ、あの」

男「(どうせ野郎の知り合いなんて数えるほどだしすぐに当たりはつくだろ)……それより、他は変な事されてないよな」

メ「あ、……その」

男「……されたんだな。いい、言わなくて。つらかったよな、ごめん……助けてやれなくて、ごめん」ギュ

メ「(う……縞パンの件は自業自得なので微妙にちがうと言えばちがうけど)」

男「必ず、責任はとらせる。地球の果てまで追い詰めてやる……どんな手を使っても!」ゴゴゴゴ

メ「(な、なんだか今更相手が女さんだったとは言えなくなってきたような)」



その後、メイド本人から話を聞き出すまでにとんでもない人員やら資産が動いたとか動かなかったとか。
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/21(水) 01:31:33.66 ID:rXNXuOIAO
女「えと、その……ごめんなさい」

男「い、いや、こちらこそ迷惑かけてすみませんでした」

女「い、いいよいいよ。ハリウッド映画みたいでドキドキしたし! あはは、あは……」

男「(そりゃ黒服の野郎どもが家を完全に包囲してたらドキドキするよね。命の危機的な意味で)」


【収束】


男「ほら、お前も謝りなさい」

メ「……うぅ」

女「えと、メイドさん、ごめんなさい。衝動的になんて言い訳にもならない理由であんな事しちゃって」

メ「聞きましたか主様。このように私に非はないんです。謝る理由なんてないんです」

男「いやまぁそうみたいだけどここは水に流すって意味合いでさ」

メ「いやです」

女「あぅ……」

男「む、ぅ」

メ「ただ……そうですね。今後そういう事をしない為に何かこう……」

女「や、約束は難しいよっ。だってメイドさん可愛いんだもん」

メ「……」ササッ

男「あーこら、隠れるな。あと女さんもせめてここは本音より建て前優先で」

女「ご、ごめんなさい」シュン

メ「……ここで主様の生着替えをしますからそれを見てるだけで我慢してください。できたら自制心ありだと信じて許します」

男「な、ちょ」

女「ず、ずるっ……ぅ……わか、り、ました」

男「俺の意志は存在しないのか! あと女さん今までに見たことないくらい悲しそうな顔だね!?」

メ「主様も迷惑かけたと思うんなら協力してください」

男「ぬ……」

女「お願い、男くん」

男「ぐ……わ、わかったよ。けど、下着とかはなしだからな」

メ「……」

女「……」

男「下着までなの!?」



結局、メイドの策略により女さんと主様の両方が最終的に憤死する形となったとかならなかったとか。
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/21(水) 21:42:35.78 ID:VCfhqWaAO
ど う し て こ う な っ た

しかし街中を歩く男子ちゃんか…
これはペロペロせざるを得ない
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/22(木) 00:52:51.18 ID:GRM/CQqAO
男「いや、誰も街を歩くなんて一言も……」

メ「採用で」

男「薮蛇!?」

女「メイクも気合い入れるね」


【姦しい……?】


男「うぅ……」

メ「そんな恥ずかしがってどうするんすか。逆に注目されますよ」

女「そうだよ〜。わざわざお揃いにしたんだから、普通にしてたら大丈夫だよ」

男(ミニスカメイド服の何が普通で大丈夫なんだよ! 俺だけ明らかにがたいで浮いてるし!)

メ「何の為に主様だけ黒パンストだと思ってんすか。主様、意外と足首周りとか腰とか細いしいけるいける」

女「本当不思議だよね。メイクさえしっかりしてたらどう見ても綺麗な女の子さんだもん」

男(男だよ!)

メ「後は声か……声帯の手術とかします? 実家パワーで何とでもなるでしょう」

女「だめだよー。バレるかもしれない緊張感でびくびくしちゃう姿が可愛いんだからぁ」

男(まずその会話の中に俺の意志はないのか! くそ……メイドもそうだけど女さんも完全に意地悪しにきてるとしか)

女「このまま岩盤浴とかいってみよっか」

メ「もしくはエステとか」

男「……?!」

※捕まります
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 11:56:59.10 ID:XmGbqydyo
すっかり筋金入りの変態に・・・
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/24(土) 04:07:48.45 ID:Ik48LtoAO
女「うぅ、違うって言ってるのにぃ……」

メ「変態は総じてそう言いますね。ええ、残念ながら」

男「お前も方向性違うけど頭のネジが弛んでるからな」

メ「黙れ変態」

男「仮にも主に言う台詞か!?」

女「大丈夫、男くんは可愛い変態さんだからっ」

男「……どこからつっこめばいいんだその台詞」


【ご褒美】

男「はぁ、きつかった……」

メ「何を大層な。たかだか一時間程度の散歩でしょうに」

男「普通の格好ならな!」

女「え? 普通だよね?」

男(つっこまない……つっこまないぞ俺は)

メ「さて主様。我々としてはこのまま主様を喜ばせても仕方ないのですが更にご褒美を用意してたりします」

男「何一つ喜びを表現した覚えはないが……ご褒美ねぇ」

メ「さしあたって条件が一つだけ。今すぐ目を瞑って手を出してください」

男「あからさまに罠じゃねぇか! 断る!」

女「信じてくれたらメイドさんがご奉仕なんだって」

男「ぬ、ぐ」

メ「さん、にー、いーち」

男「ユニバァァァアアアス!(月人における南無三の意)」バッ

メ「私、主様のそういう欲望に素直なとこは嫌いではないですよ。騙しがいがあるんで」カシャン

男「騙し……って、手錠!?」

女「ご、ごめんね? でもちゃんとご褒美は嘘じゃないからね?」

男「信じられるか! というか女さんまでグルとは……無念だ」

女「あぅ」

メ「気にしないでいいですよ。それより、と」トン

男「わぷ?!」ボスン

メ「主様メイドをソファーに転がした今、必要なのは足の拘束くらいですかね」

男「何する気だ!」

女「あ、あと猿ぐつわかな?」

男「本当に何する気ですか?!」
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/24(土) 04:22:56.64 ID:Ik48LtoAO
メ「完璧な拘束っぷり。衣装のはだけ具合も悪くないですね」

女「はぅ……はふぅ」

メ「早くも悟り開いてる人も居ますが今はスルーで」

男「むぐ、むぐぐ!」

メ「何言ってっかわかんないっすけど、一つ言うなら……安心してくださいな。あくまでご褒美を渡すだけなんで」

男(それが不安なんだよ!?)


【サービスシーン?】

メ「では我々も着替えますか」

女「ふえ? 本当にあれに着替えるの……?」

メ「ここまでやったんだからこっちも犠牲を出さずことをなそうなんざ思っちゃいませんよ」

女「あぅ……わかった。待っててね、男くんっ」

男(……不安だ。女さんが今や第二の意地悪メイドになってしまった以上、これは究極的にピンチなのではないだろうか)




メ「戻りました」

女「ぅぅ……」

男「ふむぐ?!」

メ「おーおー興奮しとる。セクシーダイナマイト過ぎましたかね」

女「こ、こんなすけすけ……あぅ」

メ「ギリギリ見えてないレベルですから健全ですね。ふふ、厳しい倫理対策もバッチリな我々」

男「……」

メ「おやおや。顔を赤くして目までそらしちゃって」

女「似合ってないのかな」

メ「大丈夫です。似合ってるからそらしてんですよ」

女「本当かなぁ」

男(似合ってます! 似合ってるけどエロすぎて見れない……!)

女「あ、血涙……」

メ「本当に分かりやすい人だ」
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/24(土) 04:34:03.89 ID:Ik48LtoAO
メ「では準備も整ったことですし本格的にご奉仕しますか」

女「えへへ……だね」

メ「簡単に言えば主様の気持ちよくなる穴にスティックを突っ込む作業です」

男「?!」


【中の人も大好きです】


メ「んじゃ、主様。汗で濡れたりしないうちにいきますね」

女「失礼しまぁす」

メ「私はこっちから」

女「じゃあ私はこっちで」

「「せ〜の」」

男「むぐ……ふむぅー?!」




ぐりぐり

メ「ほれほれ、腰ふるたびにうんたん言うてみぃ状態ですね」

女「何、それ?」

メ「気にしないでください。それより主様ってば目をとろんとさせちゃって」

女「あはは。気持ちいいんだね」

メ「あ、こら。気持ちいいからってびくんってしないでください。驚きますから」

女「気持ちは分かるけどね。あ、こことか気持ちよくない? ほら」

男「……!」ビクン

女「えへへ、良かったんだね。やっぱり壁にこすりつけるような感じがいいみたい」

メ「乾燥してんだからあんまりやりすぎると傷になりますよ」

女「ん、ごめんごめん」

メ「ま、主様的にはありみたいですがね。この好きものめっ」

女「ふふ……喜んでもらえたみたいで良かったね。“耳そうじ”」

メ「何期待してたかしらないっすけど残念でしたね!」

女「誰と話してるの?」

メ「……さぁ」

女「ま、いっか。よ〜し、まだまだいくよ」

メ「くらえ、綿毛側でのふわふわ攻撃じゃいっ」

男(あーぅー……目のやり場に困る以外は極楽だぁ……)
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/29(木) 00:51:08.76 ID:0bZTwUxAO
お久しぶりでございます。
予告なく旅に出てました。すみません。
なんかシルバーウィークの三連休におまけもらえて今日までお休みだったのでつい……あれ、もしかして派遣切りの兆候?


さておき。今晩から復活ですのでまた更新していきたいと思います。
というか今月えらい休んでたような……し、しっかりしないと。
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/29(木) 01:04:47.67 ID:0bZTwUxAO
め「ふむ。お久しぶりです」

あや「え、急に何?」

め「いえ、何故か突然言わなければいけない謎の強迫観念に迫られまして」

あや「えぇと……ご苦労様?」

め「お勤めですので」

あや「それよりめいどさん。もう秋ですよ、秋」

め「そうですね。それが何か」

あや「なのに何でこんな場所に呼び出したのかな、と」

ザザーン

め「あや様が人前で露出を極端に嫌がられますので、めいどなりの気遣いです」

あや「うん、うん。……泳がないよ?」

め「何と。では何の為にこんな時期に海など来たというのですか。頭がおかしいのではないですか」

あや「うん、うん。それ、完全に自分に言ってるのと同じだからね?」

め「あや様。まずは非を認めるのも立派な大人の役目ですよ」

あや「立派な大人は人に責任転嫁しません」

め「めいど、大人ではありませんので」

あや「何その逃げ口、じゃあ何だってのさ!?」

め「めいどです」

あや「うん……うん?」

め「では結論を得られたところで着替えといきましょうか」

あや「話を進めるの?! いやいやいや、枠外な解答につっこむべきか生着替えを強要されることにおののくべきか!?」

め「……いいから早くしてください」

あや「強引ぐマイウェイ!!」

め「さぁ、この見えない水着に」

あや「まずは着替えるという選択肢に抗うから! 絶対お断りだからっ」

め「そんなあや様に何の価値が」

あや「人間性の否定?!」
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/29(木) 01:14:54.25 ID:0bZTwUxAO
め「888。いわゆるキリ番というものでしょうか」

あや「分かっていながら自ら踏んだよこの人!」

め「あや様、逆に考えてください。踏んでいただく方すら居ない事実をもみ消したと」

あや「逆というか悲観論だよ!」

め「せめて絵心でもあれば別だったでしょうに。あや様が」

あや「妙な責任転嫁を……」







あや「はぁ、はぁ」

め「むぅ。どうしても駄目ですか」

あや「どうしても嫌です」

め「こんな寒空の下、風にうたれ塩気に肌を傷めるめいどが懇願してもですか」

あや「全く同じ条件下でむしろさらに悪化させようと強要してくる相手にうなずけるか!!」

め「そこは価値観の相違でしょうか。カースト制度のような」

あや「価値観というか身分!?」

め「我々の間に横たわるヒエラルキーのバランスはもはや青虫とキャベツのごとく」

あや「互いに低いなぁ……」

め「キャベツの葉のようにめいどが外側から剥いていく。つまりそういう事かと」

あや「脱がす方向は変わらないのね」

め「さぁ、一息に。とは言いません、じわじわと参りましょう」

あや「よりたちが悪いわ!!」
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/29(木) 01:25:36.32 ID:0bZTwUxAO
委員長「命もだらしない顔してピースサインを撮った写真を親御さんに送りましょうか」

命「……は?」

妹(まさかの野郎版あへ顔ダブルピース?!)


【そのまさか】


命「よくわからねぇけどパス」

委員長「そう。残念ね、準備は万端だったのだけれど」

妹(その指の動きは何!? その後ろの道具は何ー?!)

命「第一、それに何の得があるんだよ」

委員長「私が愉快になるわね」

妹(恐ろしいほどにジャイアニズム……)

命「ならお断りだ。俺の楽しみの対極だからな」

委員長「くす。そうね……無理矢理も悪くないわ」

妹(最初から不可避のイベントっぽい!!)

命「ちっ……そういうのはそっちのが担当だろ」

妹「へ?!」

委員長「この娘は飽きたわ」

妹「えぇ!?」

命「ちっ、役に立たねぇ……」

妹「えぇぇー!!?」

妹(何この不条理に腹立つ感じはー!?)

委員長「命。観念してこっちに来なさいな」

命「……はぁ」

妹「あ、あの、お姉ちゃん?」

委員長「くす。さっきのは冗談よ、あなたの事で飽きたりなんてしないわ」

妹「いや、そうじゃなくて……それも嬉しいし大事なんだけど」

委員長「安心なさい。あなたも同じように扱ってあげるから」

妹(あれー?! 何か巻き込まれたー!?)
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/30(金) 00:56:34.83 ID:99otdOaAO
男「はぁ、気付いたら周りから常識人が減りすぎで何か悲しくなってきた」

メイド長「……」

男「そういう意味ではメイド長さんみたいに大人な方と一緒だと安心するね、うん」

メイド長「坊ちゃん」

男「ん?」

メイド長「なるべく喋らないでいただけると世の為になるかと。地球の酸素も有限ですので」

男「……。……?!」


【ドSとイジメっ子の違いは非常に曖昧なようで実は本来Mが求めるのは(ry】


男「め、メイド長、さん?」

メイド長「はい。何か?」

男「今あの……え? 聞き間違いかと思ったんだけど何かすごい言葉が聞こえたような」

メイド長「坊ちゃん。何を言い出すかと思えば……」

男「あ、あはは、聞き間違いですよね?」

メイド長「理解力がそこらの畜生にも劣りますか。残念です。せめて二酸化炭素を吸収して酸素を供給出来る程度になっていただかないと困ります」

男(……え、えぇー……)

メイド長「それより視界内ではなるべく低くなっていただけますでしょうか。そうですね……家具の足程度に」

男「端的にひれ伏せと仰っておられます、か?」

メイド長「……」

男(む、無視ー?! いや、でも何か逆らうと怖いしここは素直にひれ伏すか)モゾモゾ

メイド長「……」ツカツカ

ぐにっ

男「のぅ?! ふ、踏……!!」

メイド長「ああ、坊ちゃん。どうしましょう」

男「どうもこうも今思い切り体重……」

メイド長「靴が汚れてしまいました。さぁ、どうすれば良いでしょうね」

男「……」

メイド長「……」

男「……き、綺麗にさせていただきます」

メイド長「40秒以内で仕上げてください。それ以上無駄な時間を過ごさせるようなら……この大陸から消えていただきますので」

男「ひぃ?!」
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/30(金) 01:09:30.83 ID:99otdOaAO
男(何故こんな事に……)

メ(主様、主様)コソコソ

男(な、何だよ。用があるなら出てこいよ)

メ(断固拒否します。それより隙を見て何とかこっちに)

男(隙ったって)

メイド長「……」ゴゴゴゴ


【長さん確変中】


男「あ、あのー、メイド長さん?」

メイド長「……“さん”?」

男「え?! あ、あの……メイド長、様」

メイド長「女王様とお呼びなさい」

男「まさかの女帝誕生?! い、いやいやしかし、立場的にそれは……」

メイド長「畜生のごとく飼い慣らされた坊ちゃんより賜った金銭など一銭も存在しませんが……立場と仰いましたか?」

男「生きててすいませんでした、女王様」ズーン

メイド長「理解力のある豚は良い豚です。……誉めたのですから嬉しそうに鳴いたらいかがですか」

男「ぶひ、ぶひぃ!」

メイド長「……浅ましい。プライドのない人」

男「……」←orz

メイド長「坊ちゃん」

男「は、はひ」グスン

メイド長「優柔不断。変態。女装癖。ロリコン。寄生虫」

男「……」

メ(見える。実際には見えないけど言葉で吐血する様がありありと……!)

メイド長「どれか一つでも当てはまる人間が身内におられるとしたら……私なら自殺を速やかにオススメしますね。坊ちゃんはどう思われますか」

男「……しにたひ」

メイド長「ありきたりな解答ありがとうございます。つまらない人」

男「……ゴハァ!」

メ(主様が血を吐いた!!!)
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/30(金) 01:10:11.39 ID:oW9HhywDO
なんというご褒美…ゴクリ
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/30(金) 01:18:41.15 ID:99otdOaAO
男「……」

メ「お勤めご苦労さまでした」ズルズル

男「……」

メ「とりあえず捨て置かれた主様の回収は完了しました。安心ください、長さんの有効射程範囲からは逃れましたので」

男「……介錯頼む」

メ「は、はやまっちゃダメ!!」


【事情】


メ「実は長さん、先程とある薬品を服用されまして」

男「薬品ね。でもあの人が薬なんか必要とするかね」

メ「身体ではなく心のお薬を。……ただの小麦粉なんですか」

男「まさかのプラセボ効果!」

メ「『素直になーる』とか適当にでっち上げて愚痴を聞いてたら何かだんだんイケない方にスイッチ入っちゃって」

男「まさかお前も……」

メ「久しぶりに吐血しました。口プロレスで瞬殺くらったのは初体験でしたが」

男「あれは勝てる方がどうかしてるレベルだったからな……ってよく考えたらお前のせいか?!」

メ「今回はマジで反省してたり。自分も被害者なんで」

男「自業自得じゃねぇか……しかしどうやって止めればいいか」

メ「あ! 長さんが部下メイドに接触しますよ。これは新たな生贄が……」

『……』 『……♪』

男「普通に談笑してるんだが」

メ「あ、あっれー」

男「……もしかして薬の効果が解けてたりして。俺アタックしてみてくるわ」スタスタ

メ「あ、ちょ……」

『……』 『ヒィ!!』

メ「ああ……単純に我々に対してのみ不平不満を持ってたんじゃないすか、って聞こえる訳ないか。南無」
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/30(金) 01:28:53.86 ID:99otdOaAO
会長「あらあら。いけませんね、あれは」

女「そうなんですか?」

会長「あれはただの隷属化ではありませんか」

女「えと、えすえむってそういうんじゃないの?」

会長「一部の性癖を持つ方々にとってはあれでも成立しますね。私は違いますが」

女「具体的にはどう違うんですか」

会長「ふふ。愛でしょうか」


【行き過ぎた独占欲の結果としての言動やその人を愛するが故に様々な面を見たいという願(ry】


女「……あ、あい」

会長「はい。例えばここに男子さんがいたとして」



会長『ふふ。何故今勝手に目を逸らしたのですか』

男子『そ、それは』

会長『私の命令もなく、勝手に、何をしているんでしょうね。くすくす……覚えの悪い子は嫌いになりますよ』

男子『ご、ごめんなさい! ごめんなさい!!』

会長『よろしい。では……』コトッ

男子『……』

会長『這いつくばって、お食べなさい?』






会長「……は、ァ」ブルブル

女(今多分、何かが分泌されてそう。お臍の下あたりから)
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/01(土) 02:48:06.97 ID:7Vag6jjAO
メイド長「……」

男「……」

メイド長「食べないのですか。作り手を考えせめて手を付けるくらいはされても良いのではないかと」

男(この煮えたぎったマグマみたいな見た目からして激辛スープを飲めと……!!)


【不等価交換】

男「今、なんて?」

妹嬢「ですから、メイドさんをお借りする都合からメイド長を兄さんに付けますと」

男「何故そうなる?!」

妹嬢「何故も何も。兄さんにとって最高の従者を借り受ける以上、うちから最高の従者を代わりに付けるのは当然です」

男「不釣り合い! 不釣り合いだからっ。普通のおばちゃん家政婦とかで全然いいから!」

妹嬢「うちは施設の都合上、若い子ばかりですし。彼女らのカリキュラムを考えると一日を無為にあけさせるのは……」

妹嬢(それに兄さんの隠れファンは案の定存在しましたし、どこに賊が紛れこむかわからない以上は……)

男「で、でも! その、なんだ……メイドだって反対してたろ?!」

妹嬢「少し考えられたあと、満面の笑みで賛成されましたが」

男「それが罠だー!?」







男(で、まさかの二人きりにされた訳で……く、家事自体はしてくれるけど! くれるけどっ!!)

メイド長「坊ちゃん」

男「は、はひ?!」

メイド長「食べなさい。……食べなさい」

男「……」ゴクリ

ぐつぐつ

男「イタダキマス」







『ぎゃぁぁぁあああああ!!!』

メ「む、流れ星」

妹嬢「室内ですが」

メ「また偉大な戦士が一人逝ったか……」

妹嬢「ですからここは地下ですよ」
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/01(土) 13:15:05.31 ID:I2MoWEmvo
妹嬢が出た時点であのネタを期待してしまう自分をどうにかしたい
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/01(土) 21:32:57.39 ID:vwNOkx4go
メイドと交換なら立場あるよね
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/02(日) 06:12:15.91 ID:Pub9VTQAO
妹嬢「ネタとは何ですか!」

メ「またまたぁ。ほら出し惜しみせず。ポロリもあるよ的に」

妹嬢「しません! ありません! 生えてません!」

メ「別にポロリってぽんちおの話で言ったつもりはなかったんですがねー」

妹嬢「……っ、……!!」


【片や更に地獄】

メイド長「現在あてられた立場、役割を全うする事に異存はありませんよ」

男「だったら何故一つ一つの家事に悪意が込められているのでしょうか」

メイド長「人に失敗はつきものです」

男「明らかに人為的な何かを感じるよ! 例えばさっきだって水風呂だったわけだし!」

メイド長「私は浴槽に水を入れた段階で“お風呂を入れました”とご報告したまでですが?」

男「入れと誘導してる物言いだよそれ! 失敗じゃないよ、もはや意地悪とかそういうレベルだよ!」

メイド長「……」

男「ちょっと、聞いてます?!」

メイド長「……うるさい」

男「え……?」

メイド長「……はんせいしていますゆるしてくださいすいませんでした。満足しましたか?」

男(えぇー……)

メイド長「坊ちゃん。それより一つご質問を」

男「な、何。このタイミングで」

メイド長「よく生きておられますね。生き恥を晒しながら」

男「何つー質問をふっかけてきてんすか?!」
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/02(日) 06:18:43.27 ID:Pub9VTQAO
メ「で、人を呼び出した理由は何ですか。まさかCGとシーン埋めを兼ねたフラグ回収!!」

妹嬢「単語の意味は分かりませんが違う事だけは分かりました」

メ「私も従者にして妹嬢さんの嫁。しゃぶるなりぶっさされるなり覚悟は出来てますので」

妹嬢「誰が婿ですか! あと何故こちらが男性の前提なのです!?」

メ「そりゃ我らが嫁の主様を抱く役割を持ってらっしゃるから」

妹嬢「抱かれる側です!!」

メ「掘られる側っすか」

妹嬢「違います! あ、いやですが兄さんが望まれるならそちらも……」

メ「主様がち○こ要求すれば生やす訳ですね」

妹嬢「いいからその話題から離れなさい!?」

メ「それは妹嬢さんと話をするなという事ですか」

妹嬢「私とその話題はそこまで離せないレベルなのですか?!」

メ「はい」

妹嬢(そ、即答……)
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/02(日) 23:23:24.52 ID:/lqG/cTfo
メイドにも生やしてしまえば言われなくなるな
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/03(月) 01:53:34.81 ID:44NpiANAO
妹嬢「なるほ……いえ、それでは私が生えてる前提ではないですか?!」

メ「だって生えてますし」

妹嬢「生えてませんってば!!」


【記念日贈呈】


メ「という訳で今回のアップデートを経てとうとう私も妹嬢さん属性に」

妹嬢「つまり妹属性ですよね、お嬢様属性ですよね!」

メ「[らめぇぇっ!]属性ですが」

妹嬢「だから違います?!」

メ「さて。そんな訳でキリ番的なポジションをとられた>>900さんの後門を私の破城槌で突き崩すとしましょうか」

妹嬢「もはや罰ゲームではないですか!?」

メ「それとも妹嬢さんのマグナムでお腹たぷたぷになるまで連射されるとか」

妹嬢「マグナムなんてありません!!」

メ「まさかアームストロング砲……」

妹嬢「ですからぁ?!」

メ「では選んでいただきましょうか、>>900さんに」

妹嬢「する前提ですか?!」
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/03(月) 02:07:32.20 ID:44NpiANAO
ガチャ

メイド長「ああ、いらしたんですね。失礼、澱んだ空気程度の認識でしたので」

男「……、……!!」プルプル

メイド長「一つ忠告ですが、何をされようと構いませんとは思いますが……素直に気持ち悪いですよ。男性が女性用の下着を自分の箪笥にしまう姿は」

男(絶対それ言いたくてタイミングはかってたろこの人ー!!!)


【男子ちゃん時用縞パン】


男「ぐ、ぅ」

メイド長「言ってくだされば私がしまいます。それをあえて自分でやるなど後ろめたいみたいじゃないですか」

男(後ろめたいだろ実際!! 普段使わないだけに余計に!!)

メイド長「それにしても坊ちゃんは異常な環境におられる為か気付かれてないようですが」

男「な、何すか」

メイド長「気持ち悪いですよ、かなり」

男「……!!!」

メイド長「せめて社会に害をなさない体なら良かったのでしょうが。まさかの害虫でしたね。残念な方」

男「ごふっ」

男(なまじ美人で常識人な人に言われるせいかダメージが倍に……!)

メイド長「坊ちゃんを一人にする事に不安を覚えました。今から私、買い物に参りますが坊ちゃんもついてきてくださいまし」

男「……どうしてもでせうか」

メイド長「監視と荷物持ちも兼ねられる僅かながらの社会奉仕の機会を与えた私に、何か御意見が?」

男「いきます。謹んで受けさせていただきます!」

メイド長「当然の事に何を改まって。上がりませんよ、好感度」

男「わかってます、ええ、わかってますとも」グス

メイド長「ではいきますよ。まずは味噌と塩と米を……」

男(明らかに潰す気だこの人!!)
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/03(月) 02:17:10.45 ID:44NpiANAO
妹「……」

命「……」

妹「ねぇ」

命「あン?」

妹「おいしいの? それ」

命「うまいぞ。ココアシガレット」

妹「ふぅん」


【はぐれものの縁側】

妹「タバコじゃないんだ」

命「嫌煙家だぞ、俺」

妹「じゃあそれってお姉ちゃんの真似?」

命「……ちげーし」

妹「間があったからそうね。何よ、なんだかんだでやっぱりお姉ちゃんがいいんだ」

命「ちげー」

妹「嘘よ嘘。わかるもん、あんた見てたらずっとお姉ちゃんしか見てないし」

命「つまりお前は俺を見てたのか」

妹「ちがうわよ」

命「ふぅん」

妹「勘違いしないでよね。ぶっ○すわよマジで」

命「はいはい。……」カリッ

妹「……」

命「けど」

妹「何よ」

命「俺は、割とお前も見てるぞ」

妹「……っ。だから何だってのよ、バカ!」

命「確かに。……あー、女の子と会話とかイチャイチャしてー」

妹「それは私に対して遠回しに喧嘩売ってない?」

命「喧嘩と情事の誘いではあるな」

妹「……やっぱ○す」ユラァ

命「おい。マジになんなよ、バカ、おい止めろ! おい!」







委員長「ふぅん……仲、いいのね」
904 :900 [sage]:2011/10/03(月) 20:22:24.73 ID:9pQDiJpdo
俺の家に後門は無いんだなこれが
AFはヤるけど挿れるほうだしね
というわけでメイドと妹嬢と中の人のアナルは穴らしてもらいますね(^^)v
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/04(火) 01:24:53.36 ID:Fgcavg0AO
二人「「お断りします」」

女「すごいハモってたね、今」

男「それ以前に挙がってる名前が一つ増えてなかったか」





生涯処女を貫き通しますよ、はい。
……というか何故中の人の名前が出る時はだいたいこういう流れなんだろう……
ま、まさか野郎相手のみにフェロモンが出てたりとかか!! ……想像してものすごい悲しい気分に。
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/04(火) 01:40:03.76 ID:Fgcavg0AO
会長「〜♪」

男子「ご機嫌なところ申し訳ないんですが頭の上のこれをどけていただけますか」

会長「あら。お嫌でしたか?」

男子「すごく良すぎて困るんで」

会長「ではこのままで良いのでは?」

男子「……思春期真っ只中の自分は頭に女の子の胸を乗せられて何も思わないほど悟りを開いてる訳じゃないので」

会長「なるほど。それは困りましたね」

むぎゅ


男子(……!? そ、素数を数えるんだ、俺!)


【毎度ながら爆発しないのが不思議なレベルでリア充】


男子「やっと解放された……」

会長「ふぅ。充電完了ですね」

男子「あの、毎度思うんですけど何でこんなに自分ばっかり構うんです? 会長さんの容姿やら家柄考えればお相手はいくらでもいるでしょ」

会長「例えば男子さん、ですか?」

男子「自分は色々イレギュラーなんで却下。というか可愛い子がいいなら選り取り見取りでしょうに。野郎でも女の子でも」

会長「では男子さんは私に選ばれてくださいますか?」

男子「……うちの妹にそんなに対抗したいんですか」

会長「ええ」ニコリ

男子「……」

会長「あら。自分から確認しておいてそのような目をなさるのですね。はぐらかすなり誤魔化すべきでしたか?」

男子「俺は……、っ……。会長さんのことを、敵にしたくない」

会長「くす。そう言っていただけるだけでも今まで懇意にさせていただいた甲斐があるというものです」

男子「けど、それは会長さんを一友人として好……んむ?!」

ぴとっ

会長「そこから先は今は言わないでくださいな……やりづらくなりますので」

男子「……」

会長「少なくとも初めの頃に色で仕掛けても無駄だとは分かりましたから、今更それを繰り返したりはしません」

男子「……」

会長「けれど今でも男子さん……いえ、男さんをこちら側へ引き込みたいとは思ってますので」

男子「俺は……」

会長「まだ時間はありますので。慌てないでくださいな。さて、そろそろ聖歌隊に参加する時間ですので。ごきげんよう」

スタスタ

男子「……会長さん」






会長(くす。揺れてらっしゃいますね。早く堕ちてくださらないかしら。このままでは貴方を本当に欲しくなってしまいますよ?)クスクス
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/04(火) 01:56:44.08 ID:Fgcavg0AO
メ「ばばんばばんばんばんーとくらぁ」ピチョン

妹子「……」ブクブク

メ「何ふてくされてんだこの娘っ子は。温泉マナーがなっちょらん。親の顔が見てみたいもんですな」

妹子「あんたが兄くんを遠ざけたんでしょうがー!」ガルル


【水場の母娘の水入らず】


メ「実の親父を誘惑する為に家族風呂を借りる娘を野放しにする親ってどうよと思いまして」

妹子「他人のあんなには関係ないでしょ!」

メ「いやいや。義理とはいえ母なんで、妻なんで。あれ? もしかして私属性増やしてね? やっべ溢れる魅力がぶるんバスト」

妹子「くっ……損害がポルノめ」

メ「もはや人ですらなくなったよ」

妹子「人外ポルノ!」

メ「改めて人間じゃねぇ宣言!?」

妹子「……兄くんのこと好きじゃないなら譲りなさいよ」

メ「やなこってす。あんな金づ……げふん。スバラシイアルジサマニツカエラレテシアワセダナー」

妹子「一生遊んで暮らせるようにしたげるから兄くんを寄越しなさい」

メ「……保留!」

妹子「断らないの!?」

メ「はっ!? つ、つい素直な心が。ピュアハートが」

妹子「黒いピュアハートね……」

メ「しかし、いい景色……ではないな。明らかに周りが見えねぇ」

妹子「そりゃ周りから見られないようにしないと。防音もバッチリだし」

メ「気のせいか向こうにス○ベ椅子やらマットやらが見えるような」

妹子「家族風呂だもんね。ローション完備!」

メ「完全にラブホだこれー!」

妹子「ってな具合に色々仕込んでまで気合い入れてきたのにさぁ。媚薬とか」

メ「本当に手段選ばないなこの子は。誰に似たんだか」

妹子(言いたかないけどこういう黒いとこは大半あんただっての)

メ「まぁいいや。だったら改めて母子水入らずで楽しみますか」ムニュ

妹子「ひゃわ?! な、何触って……!!」

メ「おーおーピチピチじゃのう。ふぉほほ、ええ気持ちじゃー」モニュモニュ

妹子「いーやー!! 誰か助けてー!?」ジタバタ

メ「完全防音。周りからは見えない。完璧な立地ですな。では心おきなく罰ゲームタイムー」

妹子「ひぃぃー!?」







男「……」ブクブク

冥「ぱぁぱ。まだあがらないのー?」

男「……む、むぅ」←ガッツリ媚薬盛られてたせいか今更ムスコが大元気で出るに出られない人
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/05(水) 01:35:07.15 ID:slOE6BqAO
メ「最近委員長さんがヒロインだったらどうなるか想像してみたんですよ。命で」

男「何故かロクな図が浮かばないんだが」







命「……」シャコシャコシャコ

命「……」ズズ……ガラガラガラ

命「ぺっ」

スタスタ

命「ん? なんだ、忘れ物か」

委員長「ええ。色々と」

命「ぶふぅ?!」


【情事の翌朝に歯磨きしてたら帰ったはずのあの娘が戻ったのかなと思って振り返ったら死神みたいな存在感した委員長がいた時】


命「……な、なんだよ」

委員長「朝ご飯でも、と思って。張り込みさせた側でしょ? 少しは気を遣ってみたのよ」

命「ソウナノカー」

委員長「まさか玄関先であんな可愛い娘とすれ違うとは思わなかったけれどね」

命「キットリンジンカナニカダ」

委員長「なるほど。その隣人とやらは貴方の部屋から出掛けるのね」

命「世の中拾いからな。そういう人もいるかもしれないだろ」

委員長「そうね。あるいはそうなのかもしれないわね」

命「ああ、そういうもんだ」

委員長「……」

命「……」

委員長「言い残した事は?」

命「愛してる」

委員長「そう。それじゃあなるべく血の出ない方法にしてあげる」ゴト

命「何ですかその重厚感のある器具は」

委員長「拷問具よ」

命「爽やか笑顔で死刑宣告かよ」

委員長「安心なさい。半○しよ」

命「……南無山」
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/05(水) 01:45:59.40 ID:slOE6BqAO
め「あや様、あや様」

あや「何でしょう」

め「あや様とめいどの間に子供が出来た場合、あやめという名前は如何でしょう」

あや「何その幸せ家族計画!! 身に覚えがないどころか諸々の事情含めて分かっているのに嫌な汗でたよ!!」


【どっちが身ごもるんだろう】


め「ちなみに当て字で字面はなるべくインパクトを持たせてみたいかと」

あや「どんどん話を進めたいんだろうけどあえて腰を折ると何でまた急にその発想が出たかな。五文字以内でお願いします」

め「ひまなので。という訳で漢字なのですが」

あや「きっかり説得力持った五文字を……!!」

め「殺めとかどうですかね」

あや「名前を記入する度に名字がかわいそうなことなるよ! というか怖い!!」

め「なるほど。オブラートに包めと」

あや「根本的に漢字のチョイスが間違ってるんですが」

め「……殺女?」

あや「だから前半が間違ってんだって! 後半むしろ良くなったのに前半のせいで台無しだよ!!」

め「ではあや様ならばどのような?」

あや「え? あ、えと……そうっすね。やっぱり可愛い名前とかがいいっすよね。我が子なんだし。何がいいかな〜♪」

め「あや様とめいどの間に子供は出来ませんがね」

あや「乗り気になったらこれだよ!!」
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/10/05(水) 08:53:03.86 ID:s7ZtuHKf0
中の人乙
しかし南無「三」が正解、誤字がある中の人は尻を出しなさい
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/06(木) 00:35:36.34 ID:Llv2JBmAO
メ「誤字脱字のたびに掘られたら中の人のけつ穴が毛穴レベルの数必要になりますね」

男「もはや絵面を想像するだけでもおぞましい生き物になってないか?」




……相変わらずの誤字っぷり申し訳ない。
昔から見直しと推敲なんてほとんどした事のない人間なので……うむぅ、ダメな奴ですみません。





でも尻は勘弁してください!!!
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/07(金) 02:10:57.65 ID:JrqQrOVAO
ミーンミンミンミン……

あや「はぁ、はぁ……あづぃ。街中なのに誰も歩きゃしない。調査にならんでしょ、これじゃあ」トボトボ

あや「しかしこうも気温が高いと従来以上の負荷がきやがる訳で端的に言って倒れそうな訳で。……誰と話してんだこれ」フラフラ

あや「あ、ダメだ。ヤバい、電池切れ……」フッ

ドサッ



ミーンミンミンミン……


【“あやめ”な絡み】


あや「ん……あれ、すずし……」モゾ

女「ふぁ、気がついた?」

あや「あ、えっと……?」

女「んと、道端で倒れてたから公園まで運んだの。ここ、ちょっとした林になってるから太陽は来ないし風通しもいいんだよ。気分は良くなった?」

あや「あ、はい。一通りの機能不全は解消されたみたいです」

女「だったら良かった」ホッ

あや「失礼っすけど、どちら様で」

女「あ、わ、そだった。ごめんね、初対面なのに、あの、いきなり馴れ馴れしいし、勝手に移動させるしで、あの……あぅ」

あや「あや、謝られる必要はないっすよ。ありがたい話ですし。っとと、改めましてありがとうございます」

女「う、うぅん、いいの。えへへ」

あや(……天使みたいな人だ)

女「ん、そろそろぬくまっちゃったかな。冷やしてくるね」

あや「ほぇ? あ、ハンカチをあててくれてたんすか……」

女「ひんやりしてた方が気持ちいいかな、って。待っててね、今もう一度濡らしてくるから」

あや「あいや、でも」

女「いいからいいから。困った時はお互いさまだよ? もうしばらく休んでてね」

なでなで

あや(あ……ヤバい。なんかこう……)

女「それじゃあ、よいしょ。ちょっとだけごめんね」トタタタ

あや「い、いえ」

あや(自然すぎて気付かなかったけど膝枕してもらってたんだ。あぅあ、今更ながら恥ずかしくて憤死しそう)

あや「……。仕事、戻らないと。黙って行ったら悪いかな。でも……うぅ」

あや(何を迷う必要があるんすか! ああいういい人を巻き込まないのも大事な役目! 嫌われたって構わないから今は行く! よし!!)






女「お待たせ〜」

あや「全然待ってないっすよ」

あや(意志弱っ!! 結局待っちゃったよちくしょー!!)
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/07(金) 02:30:01.96 ID:JrqQrOVAO
女「そっか。あやさんって言うんだ」

あや「さん付けなんて大層なもんじゃないっすよ。呼び捨てちゃってください」

女「はわわ、そんなの申し訳ないよ。えと、だったらあやちゃんでいい?」

あや「はい!」

あや(ああ。なんだろう。ドグサレどもの相手に慣れたせいかこの時間があまりに貴重に思えて仕方ない!)


【基本的自分もカウントされてます】


女「涼しくな〜れ」パタパタ

あや「はぅ……」

あや(こんな台詞、他のが吐いたら即私刑なペナルティなんだろうなぁ)

女「ところであやちゃん」

あや「ふぁい?」(蕩)

女「あやちゃんはちゃんとお肌の手入れとかしてないでしょ」ズイッ

あや「は、はい?」

女「だからお肌のお手入れだよ」

あや「いや、えっと……そうっすね。必要ないことなんで」

女「だめだよっ」ズズイッ

あや「はひ?!」

女「ほら、肌がひび割れしちゃってるし、くまだって出来てるよ?」

あや「で、でもそんな時間があれば他にやるべきこととかあるんで……」

女「女の子は自分をキレイにするのが権利以上に義務なんです! 最優先課題です! 必須事項なんです!」

あや「え、えぇ」

女「とりわけあやちゃんは可愛いんだからそれを保とうとしないのはもったいないよ」

あや(可愛い? 誰が?)

女「んー。UVケアとかしてないんだろうなぁ。だめだよぅ。数年後に泣きをみちゃうんだからね」

あや「は、はぁ」

女「よし! ここは私が一肌脱いじゃうからね。えぇと、確かここに」ゴソゴソ

カキカキカキーン! てってれてっててーっててー!

女「私特製天然美肌化粧水ー!」

あや(なんかすごいのきたー?!)

女「これ一本で美肌効果がメラニンの生成を抑えて万人にパッチテスト済みの浸透力がDNAレベルで美白効果な昼も夜もこれ一本な保水効果なんだよー」シミコム シミコムー

あや(あ……でも気持ちいい……なんだろ、こんな感じ久しく忘れてた)

女「くす。やっぱりあやちゃん可愛い」

あや「ほぇ?」

女「ううん。なんでもないよ〜」ペタペタ
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/11(火) 01:44:06.38 ID:lSeqsyKAO
お久しぶりです。中の人です。
更新遅くなってしまい申し訳ない。ぐぬぬ……
世間は三連休だそうですがほぼ三連勤みたいだった中の人は明日も元気に出社予定!
これが……社会の底辺……ッッ!!


ただ、現在そんな現実に抗うがごとくとある計画を進めてまして。
前も言ったかもですが……今月末くらいには結果が報告できそうな予感。
その時になったらまたチラ裏ですが発表しますね!

最近ちょっと小話ばっかだったなぁ……
明日はいずれかの中編書きますんで。
グダグダしてますがどうかご容赦をば!
見てくれてる方のためにも!!


あ、それと今更ですがまたお題とか募集してみたり。
見ての通り最近合間の話も煮詰まってる感バリバリなので。はい。


そんなこんなで今夜は女さんとあやちゃんコンビの続きをば。
……って、メイド要素薄っ!
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/11(火) 02:07:44.31 ID:lSeqsyKAO
あや「ありがとうございました。もう大丈夫です」

女「ほんと? つらくない?」

あや「ういっす! バッチリっす」

女「そっか。……これからどうするの?」

あや「一応仕事に戻るつもりですかね」

女「そなんだ……」

あや「ただ、この気温と天気なせいで人通りもない少なくて仕事にならないんすよね。なので今日はもう引き上げようかと」

女「あ、じゃあね、一緒に買い物、付き合ってくれない、かな?」

あや「買い物っすか? 構いませんけど」

女「やた。ありがと。じゃ、早速いこ」

あや「ういっす」


【デート】


あや(って普通に付いてきたけどダメじゃん! 早く別れるつもりが何をとちくるってんだ!?)

女「〜♪」

あや(あまりに毒気がなくてあっさり頷いちゃったよ。でも案外刺客だったりしそうだし、ちゃんと警戒くらいは……)

女「……」ニコッ

あや「……」ニヘラ

あや(って、あっさり靡いちゃうよこれ!? ぐぬぬ、女さんが刺客だとしたら恐ろしい人だよ、マジで)

女「これなんかどうかな〜。うん、これとこれかな。あやちゃん、はい」

あや「うい?」

フリフリ〜

あや「な、なんスか。このフリフリした服は」

女「あやちゃんのだよ」

あや「へぅ?! え、いやなんで!?」

あや(というかいつの間にか服屋に!)

女「似合うかなと思って。試着してみて」

あや「い、いいっすよ。お金もないし。ほら、それより女さんの買い物しないと」

女「お金なら私が出すからいいよ。これは私が欲しいものだし」

あや「だったら何で試着を勧めて……」

女「だって私がそれを着たあやちゃんを見たいんだもん。ね、お願い?」

あや「や、しかし、こう肩とか腕とか太ももとか出ちゃうし、フリフリしすぎて自分にはあんまりイメージ違うというか」

女「……だめ?」ウルウル

あや「え、と。あの……わかりました。試着だけっすからね」

女「やた♪」

あや(……騙されてないかな、これ)
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/11(火) 02:17:39.50 ID:lSeqsyKAO
あや「うぅ……」

女「すっごい可愛いよ! うん、可愛い!」

あや(あああ、肩とか股下がスースーするぅ!!)


【ノースリーブにミニスカニーソってなんであんなにエロ可愛いんでしょうか】


女「あとはリボンとネクタイと〜」

あや「あ、あれ?! 元の服はどこに!?」

女「大丈夫だよ、もう支払いは済ませてあるからそのまま出ても」

あや「いや、そっちではなくて!」

女「前のは私が預かってあるから大丈夫。良かったらクリーニングとか出しておくよ?」

あや「全力でお断りします!! あの。お願いなので前のに着替えさせていただけませんか?」

女「んー。じゃあ、買い物の間だけ、付き合って。そしたら着替えてもいいから」

あや「ぐっ、何が何でも今すぐはダメなんスね」

女「うん。お願いします」

あや「……。はぁ、わかりました。買い物の間だけっすからね」

女「えへへ。ありがとう」

ぎゅっ

あや「ふぉ?!」

女「よし、じゃあ可愛くなったところでまずはご飯を食べにいこー」

あや(う、腕を組まれた!)

女「〜♪」

あや(全く……意外と強引というかやっぱり変な人だったというか)

あや(けど、まぁ)

917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/11(火) 02:37:34.38 ID:lSeqsyKAO
女「今日は楽しかったよ〜。振り回しちゃってごめんね」

あや「い、いえいえ」

あや(まさか結局あれから四時間も拘束されるとは思わなかったけどね!!)


【女さんセンサー】


女「ふふ。でもほんとに楽しかったよ」

あや「喜んでもらえたなら何よりっす」

女「うん。でも不思議だな……」

あや「何がでしょ」

女「あのね。実は私ってすごい人見知りで初対面の人とは全然うまく話せないの」

あや「……」ジー

女「ほ、ほんとだよ? でも時々、暴走しちゃうことがあって」

あや「暴走?」

女「うん。えと……何ていうのかな。あやちゃんみたいな可愛い子を相手すると、こう、気持ちが溢れちゃって、周りが見えなくなるの」

あや「可愛い人なら街中探せばいっぱいいるじゃないっすか。まさかそのたびに暴走を?!」

女「あはは、そこまではないよ。それに私の可愛いっていうのは女の子もそうだけど……あれ? あ、もしかして、だから……」ブツブツ

あや「どうかしました?」

女「……あやちゃん」

あや「はい」

女「あやちゃんって……あの、その」

あや「?」

女(そ、そうだよね。さすがにメイクとかでごまかした感じじゃないし、体格や骨格もそうだし……)

女「ううん、なんでもない。ごめんね」

あや「はあ」

女「それじゃあ今日はこの辺で失礼するね。良かったらまた機会があれば一緒に遊ぼう。これ、私の連絡先だから」

あや「ありがとうございます。って、このブランド名……もしかしてすごい有名な方でした?」

女「すごいのは私じゃなくて師匠だよ。全然有名なんかじゃないんだから」

あや(いや、その師匠が弟子とらないので有名なんすけど。でも考えようによっては行幸でしたね。まさかこんな形でコネが……いや、やめよう。この人とはそういう繋がりじゃない)

あや「了解。では一個人として、またの機会によろしくお願いします」

女「うん。それじゃまたね〜」パタパタ

あや「はい。また……」








め「で、そんな格好をされていると。ぷっ」

あや「仕方ないでしょ! まさか本当にクリーニングに出してるなんて知らなかったんすから!!」

め「いやいや。超お似合いです。ぷーくす」

あや「ちくしょー! やっぱこの扱いか! このポジションかー!!」
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/10/12(水) 00:49:48.42 ID:v1fx6yV20
中の人乙
時々このスレ見てるの俺だけじゃないかと思ってしまう
久々にお題とか出してみる秋だしね
【読書の秋】
【スポーツの秋】
【食欲の秋】
【秋でもゲームだろjk】
【遂に変態の頂に上り詰めた女さん】
【会長夜の男子いぢめ】
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/12(水) 02:01:25.51 ID:Srk5GYM40
【命と委員長 前回までのあらすじ】

委員長との出会い、付いていく日々が過ぎて一年近く。
“本家”と呼ばれる人外魔境にて過ごすうち、命はいくつかの疑問を抱くようになる。
別人のはずの、しかし瓜二つにしか見えない委員長の妹。
謎に満ちた組織とその全容。そして委員長自身の持つ因縁。
あらゆる事柄を知りたいと、もっと近づきたいと思って行動した結果、彼は傷を負うことになる。
結果として今まで命に対して放任主義を貫き、一切の情報を与えなかったはずの委員長が初めて彼にチャンスを与える。
それは多くを知り、戻れなくなる道を選ぶもの。けれど同時に与えられたのは全てを捨てて日常へと戻るというもの。
命はその答えは最初から決まっていると豪語するも……。

そうして訪れた運命の日。そこで彼が目にするものとは。






「おはよう」

命が目を覚まし、最初に見たのは艶やかな着物姿の女性。
それは妖艶ながらも凛とした姿で、誰かすぐに分からず押し黙ってしまう。
やがて覚醒の度合いが進むにつれ、その正体を把握し、その名を呼ぶ。

「いいんちょ」

「ええ、私よ」

「……おはよう」

見慣れたはずのその顔を何故かその日は直視出来ず、ぶっきらぼうに朝の挨拶を交わす。

「朝食、届いてるわよ。食べるわよね」

「ああ」

少し前まで、自分に与えられていたのは残飯とすら形容できなかったモノ。
それが今では豪華な食事が与えられている。それは勝ち取ったもので、手に入れたもの。
そうするために、あの子を蹴落として、だ。

「……ずず」

だからといって、その感傷を引きずる意味はない。
すましと一緒に胃の中へと落とし、大きく息をつく。
うまい。そう、感じるはずの食事が、けれど空しく感じるのは何故だろう。
この人に付いて、無茶をし、駆けずり回っていた頃は質素だろうが飢えていようが満たされていた。
なのに。ここしばらくはどうしても空虚でしかない。
少し前に負った傷はもはや痕を残さないほどに治っていたが、その下にある疼きのほうがよっぽどに現実味を感じる。

「なぁ、いいんちょ。今日なんだよな」

「そうね。今日が貴方にとっての分水嶺。帰るべき場所へと案内する日になるはずの、ね」

「……。分水嶺なんだろ。どっちに転ぶか、あんたが決めるな」

「くす。自分で言い出したことだものね。貴方の言う通りよ」

鈴の音のような音を喉で鳴らし、彼女は笑う。
その姿がいつもの憎まれ役とはかけ離れた存在に思え、命は箸を止める。

「ちそうさん。うまかった」

「顔にはそう書いてないわよ」

「なら、そういうことなんだろ」
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/12(水) 02:01:55.41 ID:Srk5GYM40
会話が続かない。元々、互いにべらべらとクチを並べるタイプではない。
けれど、何故か今日という日の二人にある溝は明確で、どうにも埋めがたい。

「……。先延ばしにしてもいいわよ」

ふと告げられる、『今』への未練。

「いい。連れてってくれ。そして、俺にあんたの真実を教えてくれ」

それをきっぱりと跳ね除けられるほどには、彼の成長はあった。
嬉しく思うのか。寂しく思うのか。それとも別の感情があったのだろうか。
けれどそれらを表に出すことなく、彼女は立ち上がり襖に手をかける。

「いいわ。それじゃあ、行きましょう、命」

ゆったりと歩を進める彼女の後ろに連れ立ち、移動する。
その先に何があるのか。何が待ち構えるのか。

(何だっていい。俺は、あんたに付いていく。それは、あんたに隷属を誓った時に決めたことなんだ……。決めたことなんだよ)

強がりの想いは、彼のうちですら素直になれず。
契約という言葉を持って、自身を縛る。どこまでも不器用な、曲がった男の秘め事だった。
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/12(水) 02:02:53.87 ID:Srk5GYM40

「私達姉妹は、元々はそれなりにやんごとなき血筋の出だったの」

長く、暗い廊下を進む内、ぽつりと呟かれた言葉。

「母方が、そういう家系の人で、蝶よ花よと育てられたそうよ。私が物心付くころに母と呼ばれる人を紹介されたことがあるけれど……」

あからさまに他人を見るような態度を忘れない、と彼女は言った。

「あの人にとっては恋というものが初めてで、全てだったわ。だから私はその過程に出来た荷物でしかないの。ええ、それこそ誰にも必要とされることのない、ね」

元よりそのような血筋ではあったが、厳格に決められた相手との交配のみを強いていた訳ではない。
だが、そうであったとしても禁忌というものは存在する。たとえば、表の家柄と、裏の家柄の交わりだ。

「父は“本家”の人間。所謂、陰陽であったり仙道なんかに精通するこちら側の人間だった。元来、そんな存在は表に出てはいけないの。分かる?」

それは優れた力を見せること、それ自体が問題だという。
大多数の人間に“不公平感”を与えてはならないという不文律がこの世に存在するからだ。

「そんな特異性であり、優位性を持った存在が、高貴なる血筋にあったと分かればそれは畏怖の対象であり、同時に妬みの対象になるわ」

あくまで上に立つ人間とは、全ての人間の代表でなければならない。
それは特別であることが許されぬ立場。敬われるのは、血筋であって力であってはならないのだ。

「……だから、私は生まれてしばらく。母方の人間のわずかな抵抗が続く間だけ、雅な生活をおくっていたわ。けれど、大多数の人間がそれを許すわけもない」

結局、彼女とその母は還俗を命ぜられ、縁を切られた。
父は押し付けられたその位置を全うしただけだというのに、けれど得られたのは罪人の烙印。
生活能力どころか、全てを他者に預けて生きた母がうまく生きられるはずもなく、幼くしてほとんどを自身の手で行わなければならなかったのが彼女の真の意味での原初だ。

「ただ、情をかけてくれた人もいたわ。侍従長さん、忘れもしない……あの人だけは味方だった」

だから、不幸に陥ったのだけれどね。
そう呟く委員長の顔は、命からは見えない。
一度区切られたその話は、ここから先がひとつの分け目であることを告げている。
まだまだ続く暗い廊下は、この話と同じで行き先はまだ見えない。

「大丈夫だ。続けてくれ」

漠然と胸のうちに抱く不安に抗うように、命は先を促す。
こんなところで止まる気はない。
彼女と、もっと、ずっと、歩く。そう決意を新たにしながら。
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/12(水) 02:28:50.00 ID:qEvYayjAO
やったねたえちゃん! お題がふえるよ!

ありがとうございます。中の人です。
今夜は導入みたいなもんなのでちょっと短いですがご容赦をば。
あと自分以外の方が一人でもおられたら頑張れますので!
逆に自分以外の書き込みがひと月くらいなかったらその時は大人しくたたみますので、はいww

てな訳でいただいたお題をありがたく考えつつ……




男「後半秋関係なくないか?!」

女「あぅ」

会長「楽しみですね」



今夜はこれにて!
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 07:43:12.34 ID:wUm9von/o
>>918
俺もいるぜ

いつのまにか900行ってたのかww
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 00:42:39.28 ID:RBBDoOGno
まとめながらチェックしたら、オルタ話数重複ガ多くて多分次回は44か45話
31話がいっぱいwwww
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/13(木) 01:53:07.37 ID:AwniwIwAO
一部は前後編にする予定で同話にしてたりしましたが途中からカウントがちょーいい加減になってたのは事実だったりします。
の、脳内変換でよろしくお願いします……

てな訳でおこんばんわ。中の人です。
見直しなんてしない人生! チェーンのエリは振り向かないぜ! ←BBBRばっかやってるフラグ


さておきもうすぐ1000ですね。
さすがに半年以上かけてたおかげでいっちゃいそうですね。
逆に言えば半年以上かけて1000いかないペースということで……ごくり。

しかし気付けばvipでスレがたってから早……何年だ。
え、初代が2007年の11月くらいだから……もう4年か?!

ぐ、同じ年月やってる人なら二桁スレくらい行ってそうだぞこれ。
募る謎の危機感! いや謎じゃないけど。

とにもかくにもこんなペースで続けようと思います(が一応ペースアップも視野に入れつつ)ので今後ともよしなに。



なんか事あるごとにこんな書き込みしてる気がする!
主にペースアップ的な意味d
926 :【読書の秋】 [sage]:2011/10/13(木) 02:00:16.88 ID:AwniwIwAO
メ「主様。読書気張りますんで金ください。諭吉を二、三人くらい」

男「お前は何の専門書やらを買いあさるつもりなんだ」

メ「気にしてたデアゴスティーニのシリーズを大人買いしようかなと」

男「完全におまけ狙いだろお前!」

メ「ラノベ買いあさると言い出さないだけ成長したと思って!」

男「実用性で言えば、確かにそうだな」

メ「余った金で表紙買いするくらいで基本は買いません」

男「金が支給される前提のとこ悪いが出さないぞ」

メ「鬼! 悪魔! ひとでなし!」

男「何とでも言いやがれ。出さないもんは出さないぞ」

メ「女装癖! 下着フェチ! 下半身節操なし!!」

男「ごはぁ?! ……ぐ、わ、わかった。わかったからこれ以上は」

メ「さぁ、ブックオフにいきましょう。中古のゲームを買いあさりに」

男「もはや趣旨が変わっとる!?」
927 :【スポーツの秋】 [sage]:2011/10/13(木) 02:11:43.88 ID:AwniwIwAO
メ「主様のことだから運動はベッドの上しか気張らないとか言い出しそうですね」

男「いつからそんなキャラ付けになったんだ俺は」




メ「主様、主様。ジョギングしませう」

男「お前の口から物珍しくまともな提案が出たな。構わないけどいつ行くよ」

メ「今からで」

男「夜中の今からか?!」

メ「夜中だからいいんじゃないっすか」

男「まぁ、人通りが少ないし道を選べば確かに」

メ「我々のメイド服姿を御近所様に見られずに出来ますからね」

男「待て。我々って何だ。メイド服でって何だ」

メ「レッツ・ジョギング!」

男「全くごまかしきれてないからな!?」




メ「むー。結局ジャージとかつまんない」

男「文句垂れるな。せっかく運動すんだしきちんと準備はしないと」

メ「へいへーい」

男「ったく。ほら柔軟やるから座れ。ほい、押すぞー。ってかた?!」

メ「ぐぐぐ、これ以上無理っす」

男「嘘だろおい。お婆ちゃんレベルじゃねぇか」

メ「失礼な。華の十代前半をつかまえて。……犯罪じゃん!」

男「いい空気吸ってんのは分かったから黙ってなさい。ま、ゆっくりほぐすか」グイグイ

メ「主様、あたってますよ」

男「あてるもんがねぇよ」

メ「下半身のが」

男「あててねぇよ!」

メ「視線がバチバチ胸に」

男「……なんで巨乳ジャージってエロいんだろうね」

メ「造形が強調されるからかと。このスゲベ主様」

男「言い返せん……!!」





男「で、結局走ってすぐこれか」

メ「はー楽チン楽チン」

男「ったく、おぶる側の気持ちになれよ」

メ「だってこうしたかったんだから仕方ないっしょ」

男「へ?」

メ「なんでもないっすよー」

結局そのあと数キロの道のりを二人なりに楽しんだとかトラブったとか。
928 :【食欲の秋】 [sage]:2011/10/13(木) 02:21:03.04 ID:AwniwIwAO
姉「じゅる……」

妹嬢「姉さん、はしたないですよ」

姉「だって目の前にご馳走があるんだもん!」

妹嬢「ふふ、最高級の素材を仕入れ最高の技術で調理し、最適な器に盛り付けただけです」

姉「それが一番いいよね〜。いもちゃんはその辺心配ないから安心だよっ」

妹嬢「お褒めいただきありがとうございます。ではいただきましょうか」

姉「わーい! それじゃ、いただきまーす!」

男『ふむぐ!? ふむー!!』 ← 器





メ「という夢を」

男「夢で良かった……メンツ的に皿まで食らう人がいるだけに」

メ「ちなみに主様は鶏肉っぽい味だったとか」

男「あんまり想像したくない台詞を出すなよ!?」

メ「そう言われても中から主張される以上発散しないとなかなかしんどいので」

男「……無理強いてんな、悪い」

メ「そういう台詞はいいんでうまいもん食べにいきましょ。栗とか粟とか」

男「字面にして分かりづらいの並べやがって。というか何故そのチョイスよ」

メ「主様に松茸とか頼んでもせいぜいメイドinチャイナが限界だと思いまして。主人の顔を立ててみました」

男「思いっきり泥ぬりやがって。わかったよ! 本物の松茸料理ってのを食わせにいってやらぁ!」

メ「いや、それならマックの新作で適当に済ませて余った額でゲームを」

男「お前は本当に風情とか楽しもうとしないのな!?」
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 08:16:09.96 ID:vLHYRzk7o
変な意味の松茸じゃなくて良かった
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/14(金) 02:23:22.06 ID:PoVrQGe80
男「変な意味の松茸ってなんだ」

メ「主様には関係ない話ですね。……このシメジ野郎め」

男「し、しめじは言いすぎじゃないかな」

メ「実際に見たことある人間が言うんだから間違いない。このシメジめ」

男「ごふっ。……ど、どてっ腹に散弾銃ぶちかましてきやがったな」

メ「自分が水鉄砲(制限年齢6歳以上)しか持ってないからって私にそんな豪勢な銃を持たすとは」

男「もうちょっと制限年齢高いよ! せめて12歳以上はだな!」

メ「えらい低いな、自身での尺度」



主様は背伸びしない人なのでした。
今夜は委員長の過去つづき!
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/14(金) 02:23:51.57 ID:PoVrQGe80
等間隔で揺れる光源がある。道すがら、両の柱に備え付けられた燭台だ。
揺ら揺らと頼りなさげに炎が揺られ、闇をわずかに払う。
その中央を歩く二人の人影。一人は素肌に豪奢な和服を纏った女性。

「委員長、それで」

そう呼ばれた女性は、僅かに後を歩くもう一人に声だけで応える。

「私はその生活自体は苦だと思ったりしなかった。けれど、それを許せなかったのが母だったわ」

「母、ってのはさっき出てきた」

「ええ。皇族の出だったからかしら。俗世の暮らしなんて我慢ならなかったのよ」

我慢ならなかった。言葉にすれば一方のわがまま。
世界中のどこにでも転がっているだろう、一方的な言い分で、幼い癇癪。
けれど、それを強いられたのはぶつけた側より幼い娘。それもわが子だった。

「叩かれもしなかったし、罵られもしなかったけれどね。……事あるごとに訊かれたわ」

『何故こんな暮らしをしなければならないの?』

『あの人はどこなの?』

『あなたはどうして私によくしてくれるの? 貴方が私の新しい侍従の方なの?』

幼き子供は、けれど聡かった。故にその言葉の意味を全て理解してしまった。
全ての言葉が彼女の幼い心を抉り、傷を残していった。
それでも内に推し留め、ひとつひとつに応えた。

『母様と私がその立場を強いられたからです』

『父様はご本家に掛け合ってくださっておられます。この暮らしの改善を訴えるために。いずれ帰られます』

『それは貴方が私の母親であり、肉親だからです。侍従ではありません、私は……』

家族だから。愛してほしかったから。
叫びだしたい衝動も、暴れ、逆上してしまいたくなる情動も押さえつけ、望んだのは子なら誰もが抱く想い。
けれど、一度たりとも得られたことはなかった愛の変わりに与えられたのは残酷な言葉だけ。

『母様とは、私のことですか?』

一度たりとも、彼女は私との血のつながりを特別だと感じてはくれなかった。
諦観を得た少女は、それでも生きるしかなかった。
心を壊せば、生き様を否定できればよかった。
だが、それを是とできなかったのは、彼女を支えるもう一つの家族と呼べる存在が居たから。

「侍従長さん。私は、何のために生まれたのでしょうね」

「人は誰しも、幸せになるために生まれてきます。委員長様、どうかそれを信じてください」

無責任な言葉だと突き放すこともできただろう。彼女に辛く当たることだって出来た。
だが、同じ境遇に、宮仕えから転落して尚、ただ無償の愛を注いでくれる存在。
そんな人間が居ることを知った今、それを手放すことなどできなかったのだ。
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/14(金) 02:24:30.15 ID:PoVrQGe80
「親って、やつは……」

整った、という言葉だけでは飾れぬほどに艶のある形貌を歪め、少年は呟く。
その言葉の刃が向けられる先は、今の話で得られた相手へのものだけではないのだろう。
ここには居らぬ、しかし明確に浮かんだその姿に対し、彼なりに糾弾を含めた言葉だった。

「憤ってくれるのは勝手だけれど、同情ならばいらないわよ。家庭の事情なんて千差万別だもの。“特別”なんてないわ」

そんな彼へと委員長が告げるのは簡潔な拒絶。

「っ、けどよ……」

「分からない? 哀れまれるのはごめんだと言っているの。それ以上に、同じ位置に自分を置こうだなんて思わないで」

「……」

二人の歩みが止まり、空気が固まる。
燭台の炎だけがわずかに動きを生み続ける中、訪れた静寂を委員長が破る。

「続けるわ。訊きたいんでしょう?」

背後で僅かに頷く気配を感じ、再び委員長が歩を進める。
衣擦れの音から始まる人の動く音が廊下に生まれ、言葉が続く。

「父が帰ったのは、まる一年たった頃だった。還俗してから母が笑う姿を私が見たのは、それが最初だったわ」



乾き、ひび割れ、血を流すような生活を一年近く続けた頃。
唐突に帰ってきたその男は、自分が父だといった。存在では知っていたし、顔だって見知っていたはずだ。
けれど多感な幼少期の一部に、その男はあまりにも薄くしか色づいておらず、

「他人にしか見えなかった。いいえ、そう見ようとしたのかもしれないわね。放っておかれた子供に出来る、小さな敵意」

拗ねて見せたその姿を見せることしか彼女には出来なかった。

「勿論、そんなことに意味はなかったわ。元より私達の生き方は他者から利用されるだけのもの。父は私に言ったわ」

『お前が必要なんだ!』

父が求めたのは母ではなかった。
母はその事実を簡単には受け入れなかった。

『何故なの!? 私はここに、ここにいるのよ!』

『ああ、分かってる。分かっているさ。だから待っていてくれ、今はお前は黙って私を信じていなさい!』

停滞していたときを動かした父との邂逅。けれど、初日にして彼女の心は感じ取る。
これが更なる奈落へと堕ちていくだけの、わずかに踏みとどまったはずの日常すら手放す道なのだと。
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/14(金) 02:25:25.65 ID:PoVrQGe80
「そうして、母と別れ、侍従長さんを残し、私と父は“ここ”へ来たの。立派なお屋敷に、私は僅かに希望を抱いたわ」

元の暮らしと同じ、とまではいかないが立派な建物だった。
趣と風格を漂わす建物は、自分達を救う力があるのだと予感した。
実際、その力は持っていたし、ふるうことだって出来ただろう。

勿論、そのような未来は訪れず、彼女の人生を更に絶望へ誘う力が振るわれたのみだったが。

『お前が、彼奴と蔵姫の子か。ふむ、良い器だの』

暗い部屋で、少し年上に見える少女が委員長を指し、ころころと笑う。
まるで蛇が舌を出して笑っているようだ、と当時の彼女は思ったという。

「今思えば大きな間違いね。蛇なんて可愛い生き物じゃないわ、あれは。……生粋の化物よ」

取引は単純だった。人身御供。その身をもって全てを捧げれば家族を救うといわれた。
いや、救うというのは語弊があったか。けれど当時の自分にはそう聞こえるよう、巧みに誘われ、導かれた。
そうして得られた結果が、母が満足する程度の生活と、父の僅かな復権と、

『おねえちゃん?』

血のつながった、忌まわしい妹≪にくぶくろ≫だった。




「……に、く?」

「私は親に血と肉を与えられたわ。そうして、その血から生まれた肉の袋。そこに詰め込まれる私の血」

「一体、何を……」

「出来上がったのは幼い私に似すぎずも遠すぎい、肉親」

もはや、言葉にしなくても分かる。
二人の、姉妹の関係は、きっと……。

「これでも私、希少種なのよ? だったらその代わりが利くように保険を造るのは当然よね?」

何が当然なのか。
当たり前の声音で、血を吐くように告げるその言葉が。

「そう。あの子はね、使い捨てなの……私の妹は、無数にいるのよ」

歪な、生き物として許されぬ存在。
それが、彼女達の正体だった。
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/14(金) 02:46:41.16 ID:d76J1smAO
メ「……へ、へびーすぎやしませんか」

委員長「よくある家庭の一幕でしょ。私はこうして普通に生活しているし何の問題もないわ」

メ「あそこから普通ってのに浸れてるあたりなんかこう……うぅむ」

委員長「あと妹自身は知らないことだからあまり話題にしないでよ」

メ「そこは安心の楽屋ネt……じょ、冗談ですから刃物は止しましょう」

委員長「銃器の方が好みかしら?」

メ「痛くないのが!」

委員長「無痛でも何なりと人は苦しませる術を持つものよ」

メ「しません! 今流行りにあやかってシスターズとかネタにしませんから許して!?」
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/10/14(金) 08:26:11.27 ID:0XnDLtmw0
しかしこのいいんちょノリノリである
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/14(金) 16:39:01.70 ID:ww442DE8o
上位個体ロリんちょと聞いて
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/14(金) 20:36:30.16 ID:f4yT6SRgo
香りマツタケ味しめじ、という訳で
メイドは男のしめじをおいしいおいしいと口いっぱい頬張りましたとさ
って話なんだね
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/15(土) 01:24:38.10 ID:b4BnkN8AO
委員長「演説や講演は自分に酔わないとつまらないわよ」

命「悲劇のヒロイン気取る柄かよ」

委員長「あら。悲劇ではないわよ。ただの人生回顧なんだから」

命「おーい。ヒロイン部分の否定なかったぞー」

妹「お姉ちゃんは天使だからね! 納得のヒロインだよ」

命「……」

妹「な、何よその憐れむような目は!?」

命「事実から目を背けるのもしんどいんだろうな、と」

妹「事実よ事実!!」

委員長「命は少し退屈してたのよ。私と戯れる口実に身を張っただけよね。いいわ、アソンデアゲル」

命「こんな血と硝煙の匂いが染み付いた天使が居てたまるか」
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/15(土) 01:29:01.95 ID:b4BnkN8AO
メ「もはや言い逃れきかないレベルで単語が沸いてきますよね。妹どクローンとか」

妹「何そのありきたりな設定」

メ「……、……!」プルプル

妹「な、何よ。言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」

メ(い、言えねー!)

ギラリ

メ(向かいのビルから狙撃手がこっちをガッツリ補足してて言えねぇ! あんたのことだよってつっこめねぇ!)←視力はマサイの戦士並

妹「でも私がそんな立場だったら間違いなく最後まで残ってオリジナルを主張するわね! クローンなんて所詮人形みたいなもんなんだから!」

メ「……、……!!」プルプル
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/15(土) 01:36:10.81 ID:b4BnkN8AO
メ「なるほど、主様の粗末なものを口にせよと」

男「いやー、やっぱ期待には応えなきゃなー。かーっ、つれぇー、しめじ役はつれぇなー」

メ「いいでしょう。やりましょうか」

男「何、だと」

メ「ほら、早く出しやがってください。さぁさぁ」

男「い、いやここは従来通り嫌がってもらってだな」

メ「ちゃんと期待に応えますよ。私だって主要メンバーなんですから」

男「……ま、マジで? 久々のピンクシーン? 全裸待機の諸兄らについに待望の瞬間が?」

メ「さ、ばっちこい」ガチン! ガチン!

男「あの、メイドさん?」

メ「はい?」

男「その口に入ったものは片っ端から喰いちぎるぜなモーションは何でしょうか」

メ「見たままですが。安心してください。中のお姉さんが担当ですからキッチリ喰いちぎりますよ」

男「……。やっぱなしだな! ここはKENZENなスレだもんな! いやー、仕方ない! 仕方ないなー!」

メ「では私が迎えにいきましょう。いただきしね!!」

男「食前にそんな挨拶あってたまるか! というか食わせてなるものか!!」



第一次しめじ防衛戦勃発
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/15(土) 18:02:57.18 ID:noJdABJno
残酷な天使・・・・・・か
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/10/15(土) 18:55:58.31 ID:/75Dcswf0
様々なお題からハブられた弊害が…
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/15(土) 21:18:49.43 ID:F3aeQPNXo
>>940の男は顔のパーツが中心に寄っていたに違いない

そして「第一次」ということは二次惨事と・・・
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/10/16(日) 17:14:19.94 ID:LB5xmfuG0
ぬるぽ
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/16(日) 21:02:12.50 ID:3/pi0M0+o
ガッ
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/16(日) 23:05:08.26 ID:7wLBX7uAO
いいんちょ→デレ→ヤンデレ→制裁キャラ→対魔師→ハードボイルド→腹黒→グロ人外

いいんちょのブレるどころじゃないメタモルフォーゼっぷりに涙が止まらない
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/17(月) 02:07:52.86 ID:H6Y2uoHAO
メ「委員長さん大人気じゃないっすか」

委員長「当然の結果かしら」

メ「何をもってそのような自信が……!」

委員長「ヒロインだからよ」

メ「ここまで不遇なの重なるとヒロインというより主人公臭が」

委員長「だったらヒロインはあの子かしら」

メ「……我が子ながら備えてんなぁとは自覚してます。しかし変わりましたね、本当」

委員長「私からしてみれば変わってなんていないけれどね。最初から設定だけはあったのよ。拾っていないだけで」

メ「そういやいくつか伏線らしきものが……数年前じゃ覚えてないっすけど」

委員長「それは遅筆な誰かさんのせいよ」

メ「裏で吐血の予感。でもこれだと本当、いじメイ関係なくなって委員長さん物語になっちゃいますね」

委員長「設定としてあなた達とは切っても切れない関係なのだけれど……それはまだ先ね」

メ「うぅむ。いっそいじメイ成分として命をメイド服にするしか」

委員長「悪くないわね」

命「勝手に決めんなバカヤロウ」

委員長「あら、私のヒロインじゃない。寂しくて会いたくなったのかしら」

命「……言ってろ」

メ「まんざらでもなさそうな反応。バカ息子よ、あんたにはしーちゃん(女さんの娘さん)という可愛い子がいるでしょ」

命「あ? あいつが何だよ」

メ(ま、まさかの異性の対象じゃないの!? この色欲魔人が!)

命「あいつが俺に惚れてんのは知ってるけど手は出さねぇよ」

メ「まさかのプラトニック……!?」

命「売れてから食う。その方が楽しめる」

メ「やっぱ最低だったこいつ」

委員長「それじゃあ私よりそっちの子にする?」

命「別にそうは言ってねぇだろ。……今はあんたで手いっぱいだ」

委員長「くす。可愛い子」

メ(何だろ。身内が知り合いにゾッコンな図ってこうも気まずいもんなんでしょうか)
948 :【秋でもゲームだろjk】 [sage]:2011/10/17(月) 02:17:07.48 ID:H6Y2uoHAO
冥友A「という訳でJK参上〜。おじさま、ゲームしよ、ゲーム」

冥「秋だしねっ」

冥友B「秋関係あるの?」

男「ゲームなら君たちでやりなよ。おじさんにゃキツいわ」

冥友A「えー、嘘だー。おじさまうまいって冥が言ってたよ」

冥友B「私達相手じゃ不満ですか」

冥「一緒にやろーよ!」

男「あーいや、けどな?」

ゴゴゴゴ

メ「……」ジトー

男(あいつと秋の新作ゾンビゲーをやる予定なんだよ! それをわざわざゲームでかぶせてこられちゃ困るんだって!)

メ「ヤッテアゲタライインジャナイスカー」

男「なんつー棒読みだよ。や、だから今からはちょっとマズいんで今度にしないかい?」

冥「今がいい!」

冥友A「今じゃなきゃヤです!」

冥友B「お願いします」

男「ぬ、ぐ……ならせめてこいつも一緒に」

冥友A「おばさんはダメ。大人気なく本気でやるから」

冥友B「格闘ゲームばかりチョイスされるのも困ります」

冥「う? ママはダメなの?」

二人「「ダメ」」

メ「……」ギリギリ

男(この子ら来るとなんで毎回こうなるんだ……ゲームくらいゆっくりさせてくれ)
949 :【遂に変態の頂に上り詰めた女さん】 [sage]:2011/10/17(月) 02:24:32.92 ID:H6Y2uoHAO
女「上り詰めてないよっ」

メ「いえいえ。満場一致ですから」

女「私は普通なのにぃ……」

メ「では問いますが以下の内当てはまるのはいくつですか?」

@匂いだけでイった

A同性でもイける

Bだいたいエロい下着だ

C興奮すると周りが見えない

D何故か性体験の話をすると周りが驚く

女「え? 全……こほん。ひとつもないよっ」

メ「ノーベルエロス賞、受賞おめでとうございます」

女「してないよぉ」

メ「あ、男子ちゃんが野郎に襲われてレイプ目に!」

女「どこ!? それどこ?!」

メ「この食いつきようである……でも女さんはビッチではないのでしっかり淑女ってますね。安心安心」

女「その淑女はあんまりいい意味じゃないんだろうな……」
950 :【会長夜の男子いぢめ】 [sage]:2011/10/17(月) 02:39:26.66 ID:H6Y2uoHAO
会長「今回は本編に関係ないイフな展開です。さぁ、免罪符は得ましたので愉しみましょうか」

男子『むー! むー!?』←拘束中





会長「素敵な格好ですよ、男子さん。純白のドレスが闇夜と黒の拘束具で栄えますね。手首、痛みませんか」

男子『むぐー!』

会長「あらあら。そんなに誘うように腰を振って。下のお口が物欲しそうに開いてますよ?」

男子『むぐ?!』ササッ

会長「冗談です。それとも隠されるという事は本当に付いてらっしゃるのでしょうか。下のお口」

男子『ふむー!』ブンブン

会長「心得ていますよ。ありますものね、男性にも穴は」

男子『むー?!』

会長「くすくす。ではこの犬耳と尻尾を付けて」

ズヌ……

男子『……、……!!』ビクン

会長「はい。完成です。それでは私、こちらを観察できる位置にて待機していますので頑張ってくださいね」

男子『!?』

会長「ええ、大丈夫ですよ。学園内とはいえ見回りの方は男性もおられますし手違いで訪れた女の子が慰めてくれる事もありますので」

男子『……!!』

会長「それでは一晩、恐怖と緊張を味わいながら貪る快楽をお楽しみくださいませ」

男子『ふむー!?』








男子「という夢を見たんですが何かしましたか、昨日」

会長「あら、そういった趣向がお望みで?」

男子「絶対しないでください」

会長「くすくす。心得ました。今後は控えます。薬の副作用も気になりますし」

男子「?! ゆ、夢オチですよね!?」

会長「くすくす」

男子「ひィ!?」
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/17(月) 21:04:17.28 ID:4rLjisoKo
ふぅ・・・


男子たんはこんなんばっかだな
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/17(月) 22:58:49.47 ID:uyi8Pvlqo
中の人のされたい願望の発露なんだよきっと
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/18(火) 00:37:40.58 ID:j2Hrv7Ve0
違います。断じて違います。
男子ちゃんは似合うから許されるのです。
中の人は似合わないしダメなのです。
うむ、そういうわけで至ってノーマルな中の人が今夜はいいんちょ編をお送りします。
……というかいぢめられたい願望なんてないはずだ。……はずだ。



メ「そういえば主様」

男「なんだよ」

メ「第二次しめじ防衛戦の季節かと思うんですが心の準備はよろしいですか」

男「その手に持ってるハサミはなんだ。ペンチはなんだ」

メ「収穫用にですね。綺麗にとれたらまた生えてくるかなぁって」

男「二度とはえねぇよ! 絶対させねぇよ!!」

メ「おかしい妹嬢さんは生えてくるのに」

妹嬢「生えませんから!!?」
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/10/18(火) 00:40:07.80 ID:/sV+d/A90
会長はドMには堪らない


のかな?でも女さんなら勝てそうだ勿論変態的な意味で
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/18(火) 00:41:22.50 ID:j2Hrv7Ve0
知らず足を止める命。恐る恐るといった風体になりながらも言葉をかける。

「それじゃあ何か。俺がこの前見たあんたの妹と、それ以前に会ってたのは」

「ええ、別の子よ。外見や本質は変わらないけれどね」

さらりと肯定される認めたくない事実。

「やっぱり、俺達と一緒にいたあいつは……」

思い出すのは見知ったはずの顔から告げられた何者かを尋ねる言葉。それはつまり、

「死んだわ。いいえ、私が殺したのよね。結果的に」

重たい沈黙が場を包む。
暇があれば言い争い、互いに競い合う相手。仲が良かったとは思っていない。
しかし、そうであったとしてもどこか通じるものはあった。
少なくとも、目の前の彼女を大事に思うという点においては、きっと。
だが、そんな彼女を気まぐれのように裁いたのはその委員長だ。
勿論そういった条件の元、争ったことは確かだ。
命と彼女。どちらかのみが委員長の傍にいる。その為の争いだった。
けれど互いに競い合う内に、相手を競争相手以上に意識し、尊重するほどにはなっていた。
結果として命は勝った。だが、同時に委員長に対して妹と名乗った少女の居場所を願った。
そうして得られたのは、

『随分と仲がいいのね。妬けてしまうわ。……お仕置きが必要かしら』

理不尽としか思えぬ暴力。
未だにあの事について納得などできてはいない。
生い立ちや彼女らの特異性を理解した今でも、だ。
だから問う。それが許される今だから。

「何で、あの子を殺したんだ」

「許せないじゃない。私が欲しいものを、あの子のふりをした私以下の存在に盗られるなんて」

「……何、言ってんだよ」

そのような、たったそれだけの理由だったのか。
人の命とはそれほどにたやすいものなのか。
腹の内から沸く、純粋な怒りが彼を満たす。

「この答えでは満足できないかしら」

「当然だろ」

「だったら、どんな理由だったら納得できたの?」

返答が、できない。きっと、何を言われても納得など出来なかった。
そう分かっていたはずなのに。問うことで得られるものがこのような結果だと分かっていたのに。

「気は済んだ? 話を続けるわよ」

「……っ。頼む」

全て受け止める。そう決めて臨んだはずだ。
言い聞かせ、自身を収める。きっとこれは序の口なのだと。
彼女の過酷な半生はこれだけのことをこの程度にしてしまっているのだというなら。
その根源を見極めなければならない。
委員長の傍に立つために。あの子の代わりではなく、自身のために。
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/18(火) 00:45:13.65 ID:j2Hrv7Ve0
一息。その呼吸が収まれば二人は再び歩きだす。
目的地はわからない。だが、どこまでも続いているのではないかと疑うほどに、随分と歩いた。
遠くまできている。少なくとも、今までのような飼われているだけの生活には戻れないほどに。

「私はある特異な体質を持っているわ。貴方も知っているでしょう」

「親しい人間と身体と中身を入れ替えられるってやつだよな」

「ええ、そうね。正確には肉体的な繋がり、つまりは血縁だったり、相性が良い相手」

もしくは、と続けられる言葉に命が言葉をはさむ。

「身体の繋がりってことだろ。あんたと俺の場合はこれが当てはまるって話じゃなかったのか」

「そちらは精神的な繋がりね。感応というのが正しいのかしら。貴方との繋がりはこれよ」

故に彼女と命では完全な入れ替わりは不可能だと告げられる。
視界や感覚、有る程度の思考の共有や一方的な読取が可能という点ではこちらの方が便利なのだと言う。

「貴方を利用して仕事の臨む時は、これを活用していたのは忘れてはいないでしょ」

一瞬、命の顔が痛みを感じるように歪む。
獣の少女。彼女と命、特異な状況を結びつけた要因。その結末。
彼が何を想い、心を傷めていているか。それを察しながらも、彼女はそれ以上を告げない。

「だから、という訳ではないけれど。正確に説明するならば、あの子とだけ、私は本当の意味で入れ替われるわ」

つまり、彼女の特異体質を利用するならば妹達の身体を利用するしかない。

「使わないけれどね。あんな肉袋達の身体なんて」

浅く身を抱きながら呟く言葉は嫌悪を纏う。
それほどに彼女にとって妹と呼ばれる存在は忌々しいのか。

「そんなに嫌いなのか。あの子のこと」

だから素直に聞く。彼女にとっての妹の存在がどのようなものかを。

「ええ。嫌いよ。その存在を全て消してあげることが、私に出来る彼女たちへの手向けね」

「全て、なのか」

「……。そうね」

一瞬の間。それが何か大事な事実を含んでいる。
そう感じた命は改めて尋ねようとし、

「ついたわ」

目の前に現れた厳しい作りの扉に、言葉を無くす。
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/18(火) 00:45:49.90 ID:j2Hrv7Ve0
一言で言えば、あまりにも禍々しい。
きっと人間の言葉でいえば語彙として足りぬほどに、それは不気味だった。

「なんだよ、これ……」

入りたくない。身体が全力でここへの進入を拒否している。

「真実の一端がこの先にあるわ」

自身と違うのか、彼女は平然とした様相だ。
ごくり、と唾を飲み下し、覚悟を決める。

「……。わかった、連れて行ってくれ」

「無理はしなくていいのよ」

「無理じゃ、ない」

「……。そう、でも少し休憩がてら、話の続きを聞いてもらえるかしら。私の、唯一人らしく生きていた頃の記憶を」




委員長にとって幼少期から思春期に至るまで、存在したのは他の同年代とはあまりに違った記憶だった。
大まかに言えばサバイバル技術や武器、兵器の扱い。そして人外への知識。
そういったものへの学習を繰り返し、時に女としての技術も磨かされた。
家事全般から床の技術。大事に扱われることなどなく、ひたすらに多岐にわたる技術を詰め込まれた。
ぼろぼろに擦り切れていく心を支えたのは、侍従長と妹の存在だった。

「……妹?」

「意外かしら」

「そりゃ、そうだろ。あんたはさっきまでそいつらのことをあんなに嫌ってたってのに」

「それは肉袋どものことよ。私にとって妹は一人。一人だけなの」



「お姉ちゃん!」
自身と同じように。いや、自身以上に過酷な扱いを受けているはずの彼女。
そんな彼女から向けられるのは無償の愛と信頼だった。

彼女にとって家族は自分だけだった。
父のことは存在でのみ知っており、母に関してはその奔放さにあきれ果てていた。
故に彼女にとって信頼に足る、唯一の身内は姉であり自分をよく見てくれる委員長だけだった。

「侍従長さんは、母の世話と私達の教育に忙殺されていたこともあって、妹の世話は主に私が担当したわ」

多くの場面で、妹は彼女を頼った。それに応えられるよう、委員長もまた必死に努力を重ねた。
その裏に、役立たずだと烙印をおされれば全てが終わることを知っていたから。

「必死だったわ。この子だけは護ろうと、何でも学びもしたし、協力したわ」

特異体質を生かすために、修練も何度も行った。
小さな子には苦痛でしかないようなことも、多くやってきた。

「だから、私が15になった時、言い渡された任があまりにも異質で……はじめは戸惑ったわ」
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/18(火) 00:46:31.80 ID:j2Hrv7Ve0
『学生、ですか』

『ああ。ちょうどいい年頃だと思うのでな。羽を伸ばすつもりで三年間、勤めてこい』

勿論、その言葉を鵜呑みに出来るほど純粋ではなくなっていたし、甘い場所でないことは分かっている。
けれど今まで数度、偽装として経験することはあったが、本当の意味での就学は初めてだ。
何を目的とし、企むのか。真意など探ったところで無意味と知りながら、この時ばかりは訝しんだ。
故に最後に告げられた言葉がその一端だと信じ、彼女は思い通りになどならないと決めた。

『そうそう。お前にはある“男”に縁を繋いでおいてもらいたい。身体だろうが情だろうが構わんから、繋がっておけ』

そうして示された一人の男の写真。その男を、決して特別な存在にしないでやろうと。

「結果として、嫌でも意識させられたわ」

今思えば当事の自身の反骨心を利用したうまいやり方だと思う。

「入学式の時に、その日までの仕事でギリギリの状態だった私は早々に式の途中、貧血で倒れたの」

『おい、大丈夫か! 保健室、だっけ。そこ、つれてくから!』

周りがそういったトラブルに触れることを良しとせず、出る杭となり打たれぬよう無関心を装う中。
その馬鹿は、あまりにも世間知らずで、何より純粋で。だから彼女を逸早く助けるために動いていた。

「それがあなたの父親よ。ふふ、絶対に関わらないでおこうと決めた人間に、誰より早く関わることになったのよ、私は」

当事を思い返してか、自然と委員長の顔に笑みが浮かぶ。
それは、命にとって初めて見る表情で、心をざわめかせるのに十分なものだった。

「そこからは、彼を意識していたわ。もしかすれば本家側の刷りこみもあったかもしれない」

けれど、その三年間は人としての生を謳歌していた。そう、言い切れる。
他の競争相手になり得る存在はほとんど邪魔をしたし、脅しもした。
幾人か屈しない人間もいたが、ほとんどが彼に近づけずにいたのは大体、彼女のせいだったという。

「妹も、一時的とはいえあの家を離れることが出来たわ。随分と羽根を伸ばしていたようだけれど」

学校に通えと言いつけたが、結局彼女はずっと委員長との生活のみを楽しんだ。
時折、身体の入れ替えをせがまれた際は何をしているのかを知りながらも素直に頷いていた。
逆のお願いをきいてもらったこともあったし、何よりあの子に俗世を味わう機会が今後ないことは分かっていたからだ。

「それは私にもあてはまることだったのに。当事の私は一人の女の子を満喫しすぎていたのよ」

だから、恋愛競争にある敗北というものを意識できなかった。
彼女にとって自分こそが主役であり、他は脇役だった。
……事実は全くの逆で、自分自身こそが脇役だったというのに。

「三年。それはあっと言う間だったわ。彼の家の事情を知り、協力もした」

その騒動は、小さくも世界のバランスに一石を投じたと後に周りは評している。

「一人の男の子が、一人の女の子に告白するだけの、ありきたりな物語」

だからこそ、それはハッピーエンドを約束されていて、

「私の入り込む余地なんてなかった」

告白すら、出来なかった。
けしかけたはずの少女の方がよほど強く、想いを告げて敗れていった。
それすら出来ず、ただ逃げることで傷つくことを避けて、何一つ得られないまま、

「私はここに戻された。表向きは企業への就職だったけれど。私が就いたのは、戦場だったわ」

国外のPMCに身を置き、凡そ紛争地帯と呼ばれる地域での活動は行ってきた。
生きて戻れたことが自身でも信じられないほど、過酷な環境だった。
男ばかりの組織で、その身を何度嬲られたか数えるほうが馬鹿らしくなる生活。
それでも味方を作り、盾にし、生きる事のみを優先した。
元々仕込まれていた技術は洗練され、より効率的な殺人の術を覚え、

「帰ってきた私に待っていたのは、退魔としての経験と対人能力を備えた一人の便利な駒という役目だったわ」
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/18(火) 00:48:13.13 ID:j2Hrv7Ve0
過酷な半生を聞いた今、命にとってふと疑問に思うことがある。

「何でそんな思いをして、ここに残るんだよ」

「そうね。私が受けた恩と罰の両方のせいかしら」

「せい、って事は望んだ結果としてじゃないんだな。……だったら、いい」

理由まで話してほしいとは思っていない。けれど、彼女が望まない現状。
それを確認できたのならば、自分にとってやることは最初から決まっている。

「だったら、俺が……」

「貴方は本当にいい子ね」

言いかけた言葉をさえぎるように委員長が言葉を重ねる。

「私が打算的だと教えたつもりだけれど。だとすれば何故こんな話をしたと思うのかしら」

「何故、ってそりゃ」

「分からない? それなら、教えてあげる。私はね、貴方という“彼”の代わりを手放したくないのよ」

「……っ」

それは予感していた応え。自分に求められているもの。
この女が生涯に置いて唯一欲しいと思い、けれど手にする事のできなかった存在。
存在としての慰みとして、復讐の対象として、愛すべき存在として、必要としているのだ。
命という人間性になど、最初から期待されてなどいないのだ。

「だから貴方はいい子なの。私が自分なりに脚色して教えたこの話をそのまま信じるんだもの」

「真実なんだろ、それが」

「ええ、私なりの真実。けれど、別の視点からすれば大間違いな事実」

先ほどまでの淡い印象から一転し、暗い微笑みには悪意しか感じない。

「私の家族がどうなったのか。侍従長さんは? 妹は? 私の話はいつも大事な部分を省いているわ」

だから、と彼女は告げる。

「可哀想だとか、同情だとか。ましてや愛や善意で私を受け入れるなら、貴方はきっと後悔するわ」

「後悔なんて……」

「だったら教えてあげる」

ゆるりと立ち上がる艶姿。

「私が受けた恩と罪の一つの形を」

その手が扉にかかり、軽く押され、開かれる。
中から溢れだす瘴気と腐臭に命が顔を歪める。

「ただいま、妹」

そう告げられた先、見える姿は……

「何だよ、これ」

てらてらと光る粘液に包まれた、人ならぬ姿をした化物だった。
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/18(火) 01:22:42.72 ID:u2/M9AzAO
会長「そうですね。私の責めは独占欲からくる愛の延長線上の行為ですので。本来のSとMとはそういう関係であると私は思います」

男「綺麗な笑顔で何言ってんだこの人……」

女「わ、私はそういうのわからないし、だから普通で、勝ち負けで言うと不戦敗でっ」

会長「そうでしょうか。貴女の行為がもし意図せずに行われているのだというならば、私ですら及びつかないレベルで楽しんでいらっしゃるのかと」

女「自覚してますっ。すごいしてますっ!」

男「その返事もどうなのよ」

会長「くすくす。でしたら私達は同志ですね。男子さんを愛でるという一点においては互いに深い理解を得られるかと」

女「そこについては異論ないよっ」

男「本人からすれば異論しかないんだが!」

会長「ふふ。では我々で大惨事しめじ収穫祭を仕組みましょうか」

女「さすが会長さん! 襲われて必死に抵抗する男子ちゃん目当てだなんて分かってるね」

男「なんだこの息のあい方!? 怖ぇ!!」



淑女×淑女=カルナバル
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/18(火) 01:29:20.28 ID:u2/M9AzAO
メ「うーわ……主様、どうしましょう。マジZINGAIがでちゃいましたが」

男「どうするもこうするも……なぁ?」

メ「もはや意地悪なメイドスレから厨二病だよ、全員集合! スレになってやしませんか」

男「そこはこう、な? 新世代が頑張るってことで」

あや「汚っ!? 都合が悪くなったら他人に押し付けるとか!」

め「あや様。ご安心を。あや様よりヨゴレはありませんので」

あや「あんたはどっちの味方なんすか?!」

め「無論、あや様の敵である事のみ揺るがぬ事実だと存じますが」

あや「論すら許されないレベル!?」

メ「……」

男「……」

あや「そこ! 何を縁側で茶のみしてる老人よろしく和んだ目で見てんすか!?」

メ「いやー、新世代のいじメイコンビ。いや、あやめいコンビに任せれば安泰だなぁと」

男「お前たちがNo.1だ」

あや「綺麗に押し付けられとるー?!」

め「あや様。ドンマイ。ぷっ」

あや「あんたもだよ!?」
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 22:05:19.93 ID:15wYXxPCo
今のところメイド長x男が一番いじメイしてるな
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/19(水) 01:45:38.20 ID:4lVivBpQ0
外観を一言で表すならば肉と骨で組まれた造形だった。
太い管のような支えの上に、肉の胞子をいくつも纏い、その隙間から骨とも外殻ともつかない突起をはやす。
頭部と思わしき器官は長い首の先についたのっぺりとしたもの。
サイドに並ぶ二つの光源が目なのだろうと思った矢先、その光に射すくめられる。

「ひっ……」

喉から漏れた音が自身の悲鳴だと気付き、虚勢をはろうと身構えるも萎えた四肢に力は戻らない。
どんな相手であろうと不遜であろうと、自身なりの矜持を一瞬で砕かれる。
それだけ、存在として圧倒される。
これは、間違いなく人が関わっていいものではない。

そのような化け物が数本の触手を揺らす。それだけで理性が吹き飛びそうになる。
今すぐにでも逃げ出したい。そう本能が叫び、それならば共に連れて行こうと隣を見れば、そこに彼女はいない。
気付けば全体で2m近くはあろう巨体をふるふると揺らすその化け物に、委員長は足取り軽く近づいていく。

「お、おい!」

あまりにも無防備なその姿に危機感を抱く。
今まで彼女がどうにかなる姿など想像できなかったが、この時だけは別だった。
ダメだと叫ぶ声が掠れ、あれに目を付けられたくないという一心で、近づくこともできない。
このまま彼女が消されてしまうような悪寒が走り、知らず涙を流す。
言うことをきかない身体が恨めしく、それでもどこか安堵している自分がいる。

「いいん、ちょ……!」

必死に呼びとめようとする声に、彼女が初めて振り向く。
大丈夫。そう、唇が形を変え、声にならぬ言葉を届ける。

愛しいものに触れるように、委員長の手が化物に触れる。
粘液の音がわずかにあがり、化物がひとつ身震いを起こす。
目と思わしき器官を細め、新たに生えだした触手が委員長を包み、

「――――!」

音として理解できぬ声で、化物が吼えた。

「ごめんね。全然会いにこれなかったわ。許して」

七色に光る粘液から漂う腐臭に嫌な顔ひとつ見せず、委員長は口付けを行う。
更にざわめきを起こす触手は、無遠慮に委員長の身体をまさぐる。

「そう、ここよ。私はここにいる。だから、寂しくないわ」

粘着音を立て、優しく摩る手がみるみる赤く爛れていく。
嬲られる体も同様に、焼けた匂いが漂い、その触れ合いが明らかに人体に悪影響を与えていることが見て取れる。
それでも、彼女は離れない。まるでそれが些細なことだというように。

もはや命に告げられる言葉はない。
きっと自分の言葉では彼女へ届かないから。

「ん……そこにいたのね。そう、うん。……いいのよ、貴女の方が辛いじゃない」

「―――」

「優しいのね。……ねぇ、やっぱり代わるつもりはないの?」

「―――」

「……馬鹿ね。本当。……ええ、わかっているわ。必ず、ね?」

もはや自身が入り込む余地のない、彼女らだけの世界。
互いに蕩けるように絡み合い、掛け合う言葉は愛の睦言。
この世のものとはけして思えぬ光景。禍々しくも美しいその姿に命はただただ言葉を失う。
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/19(水) 01:46:25.71 ID:4lVivBpQ0
だから、不意に委員長が崩れ落ちた際にも咄嗟に反応できなかった。

「え……」

間の抜けた声を出す。刹那の時を経て、目の前の現実にゆっくりと思考が追いつく。

「い、いいんちょ……!!」

叫び、走り出す。
止めるように働きかける理性をねじ伏せ、全力で彼女の元へ向かう。
ぎこちない足取りは何度かもつれ、転びそうになりながらも、必死に前へと進む。

たどり着いた先、ぐったりとした彼女の身体を持ち上げ、息を確かめる。
ゆるやかだが上下を繰り返す胸の動きに一瞬の安堵を得る。
だが、状況はそれほどゆっくりとしていられるものではなかった。
ヒュン、と耳元で音の発生を感じた時には強烈な鞭打が命の肩を襲う。

ひ、と小さな悲鳴をあげ、見た目以上のダメージに転げ悶えたくなる衝動に駆られる。
けれど、腕の中、ぐったりとする眠り姫の顔を見て、得意の痩せ我慢で自身を奮い立たせる。

「こんな、もん……! いいんちょの扱きに比べりゃ、よ!!」

思いの他軽い、彼女の身体を抱え、命は扉へと向かう。
決して早いとはいえない足取りは、格好の的となる。
うなる触手の鞭は容赦なく彼の全身に傷痕を残す。
ただの痛打だけでなく、滴る年液が肌と傷を焼き、声にならぬく苦痛と化す。
それでも一歩一歩を重ね、そう長くない、けれど果てしない地獄の道を歩みきり、

「っ、……ぁ」

倒れこむようにして部屋の外へと出た。
どういう仕組みかは分からないが、背後で勝手に扉が閉まって行くのが分かる。
触手も扉から先へは伸びてこないのか、その一線を境界とし、手前で手をこまねくばかりだ。

「はぁ、は、ぁ……くっ、そ。い……てぇ」

呟き、傷痕を見れば焼け爛れた皮膚がある。
全身を廻る痺れと痛みに言葉を出せぬまま、壁に背を預けゆっくりと瞼を降ろす。

「ちょっと、休憩……」

背後の扉が閉まると同時。
腕の中の委員長にそれだけ告げ、命の意識は暗転した。




全身に感じる浮遊感。景色は斑に色が混ざり溶け合う空。
地も天もなく、羊水に満たされた空間に漂う感覚に、これが夢だと知覚した。

「おらー、起きろー! いつまで寝てんだこの色男ー!!」

少女の声。呼びかけられたのは自分だろうか。
それにしたってやかましい声だ。

「呼んだのあんたよ、あんた。ったく、お姉ちゃんだけじゃなく、私にまで失礼ね」

どこかで聞いたことのあるはずの、けれど初対面だと感じるその声。
それは声音ではなく、魂の色というべきか。きっと出会ったことはないが、知っている。
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/19(水) 01:47:23.36 ID:4lVivBpQ0
「そうね。少なくても、因縁はあるわ。うん、今さっき繋がりも出来たわけだし」

何を言っているのか分からない。

「分かれとは言わないけどね。ただ、さ。うん、何ていうかさ……すっごい癪ではあるんだけど」

何を気恥ずかしそうにしてるか知らないが、似合わないぞ。

「……今度会ったら引きちぎってやろうかしら」

それは勘弁してくれ。まだまだ死にたくない。

「うん、そうだね。死んでもらっちゃ困るかな」

ああ。俺は死なない。あの女を一人にしたくない。

「……。うん、そんなあんただからお願いする。お姉ちゃんを、助けて」

任せろと無責任に言えるほど、俺は強くない。

「知ってるよ」

だけど、俺はあいつを、絶対に一人にしない。

「うん。それでいい」

それと、

「ん?」

お前も、一緒だ。

「……ん。ありがと」

嫌か。

「嬉しいよ。けどね?」

歪んでいた景色がゆっくりと固定されていく。
零れた水がコップへと逆再生されていくように、世界が急速に形を取り戻す。
そして、そこに……

「―――!!!」

人ならぬ化物が、先の少女に似た声で、咆哮した。
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/19(水) 01:48:29.03 ID:4lVivBpQ0
「うぉぁあああああ!?」

悲鳴と共に跳ね起き、拭える部位の嫌な汗を払う。

「……今の、って」

委員長の口から何度かあの化物を呼ぶときに、その名を告げていた。
だとすれば、今の夢と符合する事実を自分なりに組み合わせていけば……。

「受けた恩と、罪」

先ほど、彼女が口にしていた言葉。
つまりあの化物は……。

「おはよう。随分と賑やかな目覚めね」

腕の中、力なくかけられた声は委員長のもの。

「起こしたか」

「ずっと起きていたわよ。貴方が離してくれないから、困っていただけ」

その言葉が冗談でも真実ならば、その身体がいかに弱っているか考えるまでもなく分かる。
委員長がその気になれば命の寝込みなど、気付かれることなく何度となく襲われ、終わっているだろう。
それが無防備に自身の身体を他者に預けるしかないという事実が、彼女の受けたダメージが少なくないことを教える。

「……色々、まだ話を聞かなくちゃいけないのは、わかった」

「ええ。その上で、貴方は選択の権利を得るわ。この地でのことを全て忘れ、元の生き方に戻ることを選ぶ、ね」

その言葉に、命は表情を歪める。

「何であんたは、そうやって……!」

今までのように、軽く流せない。

「俺は頼りないし、弱いし、どうしようもねぇかもしれないけどよ! ……一言、くれよ」

今日までの日々の中で、それでも受け入れてもらえないことが悔しくて、

「助けてくれって、力を貸してくれって! 俺は、俺はそんなに……!」

どれだけ手を伸ばしても届かなくて。

「何故貴方が泣くのよ。馬鹿ね」

「うる、せぇ」

気が付けば彼女の前で初めて弱みを見せてしまった。
きっと、彼女が弱みを見せてくれたから。素直に、本当に心から力になりたいと思ってしまったから。
感情が溢れて、とまらなかった。

「俺は、あんたを……!!」

言いかけた言葉をふさぐのは優しい口づけ。
背中に回された手は強く、抱擁の動くで彼を抱く。
それだけのことが嬉しく、命はまた涙を流す。
今までのような身体だけでない、心の繋がりで、彼等の影が一つに重なった。
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/19(水) 07:20:03.75 ID:j3BnJTjAO
男「よ、良かったですね! 評価いただいてますよ、メイド長さん」

メイド長「ええ。坊ちゃんが他の動植物の栄養素となられるとなおのこと評価が上がることかと」

男「えらく遠回しながら[ピーーー]と?! いやそれにこっちの評価は今更なので!」

メイド長「努力を惜しみますか。ただでさえ他者より低い道のりを歩んでいるというのに」

男「努力で干からびたくないんですが……」

メイド長「ああ、坊ちゃん。喋るならば最低限マイナスイオンでも飛ばしてみてはいかがでしょう。もしくは空気中の雑菌のみを吸ってみるなど」

男「俺は空気清浄機か何かですか」

メイド長「失礼な……空気清浄機の各製造メーカーに謝ってください」

男「……すみませんでした」

メイド長「普通のリアクションですね。芸のない。何をしに生まれてきたのやら」

男「ごべんなざい……うまれでぎでごべんなざい……」ヒグエグ
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/21(金) 01:46:06.51 ID:+4ZB4ihAO
あや「月明かりふんわり落ちてくる夜は〜、と♪」

め「……」

あや「なんちゅー嫌そうな顔してんすか!? ちょっと歌っただけでそこまでせんでも!」

め「ご安心ください。めいど、基本的に無表情キャラですのでよっぽどの事がない限り表情を歪めるなど」

あや「よっぽどか! よっぽどひどいってか!!」

【月見】

あや「いいじゃないすかー。たまにはこうやってまったり月をみて楽しむくらいの風情があったって」

め「あや様。人にはそれぞれキャラクター性というものがありまして。……属性スロットにない行動は能力基礎値にマイナス補正が掛かりやすいのですよ」

あや「似合ってなくて悪かったっすね!」

め「あや様を装備スロットに入れた際には速+1、防−50、ヨ+77の補正値が」

あや「最後のヨはヨゴレか! ヨゴレなんだな!?」

め「ちなみに呪われた装備故外せません。あや様、存在が罠ですね」

あや「はいそうですねとはならないからね!? どうしてこうこの人は人を貶める事だけは積極的かな」

め「あや様だからです。あや様だけが特別なのです」

あや「聞きようによってはとても嬉しい台詞なんだろうがタイミングが最悪だった」

め「めいどとしましては最良のタイミングなのですが。ええ、あや様に対しては」

あや「いっそ嫌いなら嫌いとですね?!」

め「大好きですが」

あや「……マジすか?」

め「はい。大好きです。月見は」

あや「そういやそんなのしてたな! もはや言い出した側が忘れてたよ!」

め「風情のない方ですね」

あや「ぐ……月までふっ飛ばしたい……!」
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/21(金) 01:54:57.11 ID:+4ZB4ihAO
女「うぅん、ひどい話だね」

あや「そう思いますよね!? よね!? 良かった、やはり常人は違った!」

女「あやちゃんはヨゴレじゃなくていぢられだよね」

あや「違った! なんか共感してもらったつもりが的が外れてた!!」

【かわいいは正義】

あや「うぅ、どうせこのままずっとこのポジションなんだ……ぐす」

女「よしよし。よっぽど嫌なことがあったんだね」

あや「今の話が大半嫌なことだったんですが」

女「うんうん。大変だね」

あや「……あの、女さん?」

女「ん?」

あや「話聞いてます? あとなんでずっと抱えられてるんでせうか」

女「んー、えへへぇ」

あや「質問に答えてくださいよ?! んもぅ」グシグシ

女「あ。ダメだよ、あやちゃん、手櫛は」

あや「ほぇ?」

女「髪の毛が痛んじゃうんだから。ん、ちょうどいいからこのままじっとしててね」ゴソゴソ

あや「は、はぁ」

女「よし。それじゃ、私の櫛で、と」

スッ スッ

あや「……あぅ」

女「〜♪」

あや(なんだろ、この感じ。鼻の頭がむずむずするような、体が暑くなって暴れだしたくなるような)

女「〜♪♪」

あや(でも、ずっとこうしててもらいたいような……あぅ。気持ちいい)

女「くす。あやちゃん、猫さんみたい」

あや「はひ?」

女「何でもないよ」

スッ スッ





女「……今度猫耳と尻尾かな。後ろにちゃんとさすほうで」ボソッ

あや(なんか今不穏な気配がしたような?!)
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/22(土) 17:03:38.85 ID:kve4GJqYo
山猫っぽい?
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/24(月) 01:36:58.84 ID:I1lt7YZAO
め「あや様はいつからGRUの特殊部隊所属に……」

あや「それゲームの話っスよね。というかゲーム系話題分かるんすか」

め「メイドネットワークから受信しまして」

あや「またそういうギリギリなネタを!!」


【ソースはあいつ】


あや「でも自分、猫っぽくないっスよね」

め「はい。哺乳類どころか動植物カテゴリにすら分類され難いかと」

あや「ものすごい低い地位だよ!! せめて動物、それも哺乳類で喩えてくださいよ!」

め「ふむ……妖怪乳吸いというのは」

あや「動物だっつてんだろー?! 妖物に分類しないで! 何よりそんな名前聞いたことないし!」

め「新種の生き物ですね。あや様のおかげでめいどの名前が生物学史に残る可能性が。ありがたやありがたや」

あや「載らないからね?」

め「ここまで抵抗されるとは。ふぅ、分かりました。わがままなあや様を動物に喩えて差し上げましょう。不本意ながら」

あや「く……なんだこのデフォルト上から目線!」

め「……犬、でしょうか」

あや「意外にまとも!」

め「あや様は誰にでもはらまされる雑種タイプですから」

あや「犬関係ねぇー?!」





他人に尽くすタイプだから犬っぽいだそうです。
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/24(月) 01:42:52.48 ID:I1lt7YZAO
男「そういや昔、みんなを動物に喩えたら、みたいな話があったよな」

メ「私猫でしたっけ」

男「全く懐かない猫だったな」

メ「ははは、主様に懐くとかもはやそれ別の生き物ですよ」

男「猫に懐かれないのかお前に懐かれないのかどちらにせよ悲しすぎるんだが、それ」

メ「そういうのは別の方にしてください。例えばえーっと……妹嬢さんの狼とか」

男「ああ、あったな。でも気のせいか懐かれてなかったような」

メ「自業自得でしたけどね、あれは」

男「他は何だっけな……いいんちょが、えーっと」

メ「ヨルムンガルドとか使徒とかそんなんでしたっけ」

男「何だろう。違うはずなのに頷いてしまいそうなのは」





委員長サンハ天使デス
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/24(月) 02:01:23.55 ID:I1lt7YZAO
あや「メイドってのは主を敬いこそしなくとも雇用者として一定のサービスと礼儀は返さないといけないはずなんすよね」

め「そうなのですか」

あや「世の中の共通認識程度に聞いてください。あと、我々の関係は主従ではないんで多少の失礼はお互い様なんスけど」

め「今更あや様を敬う気など毛頭ありませんし」

あや「改めて言わなくていいですから。で、まぁそんなメイドの意地悪と時折見せる愛嬌に好感を見いだすのがここの趣旨な訳です」

め「ほぅ。つまりあれは愛嬌を見せるまでの下準備なのですね」



メイド長「おや、坊ちゃん。今呼吸をされましたか? されましたよね? 謝ってください。地球の酸素を無駄にしましたごめんなさいと」

男「ご、ごめんなさい」

メイド長「それをせめて無呼吸で行う気概を見せてくださらないと。全く、そんな事すら説明させるのですね」

男「……、……」

メイド長「本当に無呼吸で喋ろうとでも? 頭は大丈夫ですか。脳に皺がないのではないですか? つまり人ですか? ……違いますよね?」

男「……」グス

メイド長「ふふ、いい歳をした男性が涙目ですか。……気持ち悪いですよ?」

男「う、うぁぁぁああああん!」

ドダダダダ!

メイド長「……」ホッコリ




あや「……えぇと、その」

め「深いですね。意地悪なメイド」

あや(多分違うんだろうけど。うん、多分に違うんだろうけどね)
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/24(月) 02:03:28.49 ID:I1lt7YZAO
雇用者に対して、って言いたかったんです。被雇用者としてって意味です。
という出だしのつまづきフォローをば。

そろそろスレがあれなんで990あたりで次スレたてます。
そんなこんなで今宵はこれにて。
おやすみなさいませ。
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 13:59:14.54 ID:INe2l9iu0
メイド長がHENTAIに目覚めつつあるのが楽しみでならない
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 22:04:53.17 ID:R0+MGi/7o
このスレも色々あったなぁ
魔法男子になったりいいんちょがぱっくんちょしたりふたなりさんが切れちゃったり・・・
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/25(火) 00:15:09.68 ID:HVSe4D5po
なんか最近「いじ・めい」じゃなく「いじめ・い」になってる希ガス
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/25(火) 01:03:50.72 ID:2p/T33gAO
やった! やった!! やりましたよコンチクショー!!
という訳で久しぶりに素直に喜びを露わにする中の人ですどうも。

実はここ最近裏でコソコソやってました転職活動なのですが……
無事、ほぼ確定で地方公務員職につくことになりました!!


い、いやまぁ本来ならばクリエイター職に! とか言うべきなんでしょうが、はい。
ただまぁ今までみたいな理不尽な忙しさはなくなるはず。
派遣なんて先のない未来とはおさらばなのです!

てなわけで今後はこっちにも力入れていけるはずなんで、今後ともよしなにお願いします。
そんな感じのチラ裏報告でした。以上
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/25(火) 01:07:49.88 ID:2p/T33gAO
メイド長「私をあの辺りの括りと同じにされますか。……教育が必要ですね」

男「目が怖い! 怖いですから!?」

メイド長「そのように感じられるのは何か心に疚しい事があるからではないでしょうか」

男「……な、ない。はず」

メイド長「息を吐くように嘘をつきましたね。最低です」

男「ぐ、ふっ。な、なんかひどいよ最近。ほら、いじめはよくないよってレスも来てる訳ですし」

メイド長「都合良く解釈されますね。あれはもしかすればいじめ・(良)いの略語を話されたかもしれないというのに」

男「そっちのが都合いい解釈じゃないか?!」
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/25(火) 01:11:52.94 ID:2p/T33gAO
男「全体的にチョイスがピンポイントすぎやしないか?! 全体を通して見ればごく一部すぎる場面のような……」

委員長「してないわよ、私。そんな生温い殺り方」

男「別の意味で怖ぇよ!」

メ「そういう意味合いですと妹嬢さんは常時ふたなりで切れてますから平常運転ですね」

妹嬢「生えてませんから!? 怒らせているのはあなた方のせいですからね?!」

メ「ほらまた生やしながら切れてるよ」

妹嬢「ですから私は普通です!」

メ「普通のふたなりですね」

妹嬢「ああああもうこの人はぁぁああ!?」ムキー
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/25(火) 01:23:00.15 ID:2p/T33gAO
メ「最近、活躍の場がない」

男「いい事だろ? あんまり俺らがでばってばっかいるより新しい風が吹くほうがさ」

メ「んやー、でも最近のはなっちょらんでしょう。私の意地悪さに比べると可愛げがないというか」

男「実質的な被害で言えばお前のが迷惑度高いからな?」

メ「そこを愛嬌でカバーしてきたじゃないっすか。例えば……えぇと……まぁそういう事です」

男「自発的なカバーはゼロだったもんな。でもよ、だからってお前がやったようなのを踏襲しても意味ない訳だしさ」

メ「ふむ」

男「みんなが新しいいじめいをやってくんだから、それはそれで見守らなきゃって事だよ。多分」

メ「まぁ主様の意見なんざどうだっていいんですが」

男「おい」

メ「そうなるとしんどいのは自分ですよ。あやさんとこはいいとして他は……」

男「他?」




会長「男子さん」

メイド長「ゴミ豚さん」

女「男子くん」

冥友s「「おじさまっ」」






男「俺はもういいだろ! 引退だよ、引退! 何よりメイド率低いな、おい!」

メ「つか私が霞む理由って寧ろ主様のせいじゃね? って気がしてきたんすけど」
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/25(火) 01:31:13.58 ID:2p/T33gAO
め「活躍の場を期待される声が聞こえたような気がしましたよ、あや様」

あや「活躍という名の理不尽展開が見える……!」

め「あや様はあや様なのですから理不尽などありはしませんよ」

あや「そうですかね。今までを考えると理不尽しか無かったような」

め「あや様に対しては全ての行為が許容されますので理不尽ではありません」

あや「理論一切抜きな決定事項のどこが理不尽でないと?!」

め「それだけ、あや様に対して信頼を預けているという証ではないかと」

あや「信頼ってそんな形だっけ……」

め「少なくとも、めいどはあや様が勝手に離れていかれるなど、絶対にないと思っていますので」

あや「……。世の中に絶対なんてありはしませんよ」

め「ではあや様は勝手に行かれるのですか」

あや「別にどこへ行くとも言ってないじゃないっスか。何を急に真剣に……」

め「……」

あや(な、なんスかこのシリアスムード。……やっぱ色々感づかれ始めてんのかな)

あや「ふぅ。安心してください。勝手に居なくなったりしませんから。約束します」

め「本当に、ですか」

あや「はい。約束しますよ」

め「そうですか……ではこれより銭湯という場所に行きますので絶対に勝手に逃げたりしないでください」

あや「しまったー?! なんかシリアスムードに騙されたー!?」
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/25(火) 01:36:55.53 ID:jYEpVjp5o
>>978
おお!おめでとう!
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/25(火) 07:32:25.71 ID:l5Mb+wfu0
中の人乙&おめでとう
公務員ウラヤマシス
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/25(火) 21:42:07.67 ID:HVSe4D5po
いじわるといじめの境はやられてる方がそれを本当に許せるか否かだと思う
いじめは見てるこっちも気分悪いしね

ところで公務員になったってことは叩かれる側になったんだね( ̄ー ̄)
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 01:28:34.94 ID:50/JmFfFo
めいどのはいじわるを越えて嫌がらせになってる
経験が少なくて越えてはいけない線が分らないのかな?
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/26(水) 01:33:15.86 ID:xv5UAovAO
皆さんありがとうございます……!
なんかリアルの知り合いに普通に祝いの言葉を一切もらえなかったせいか逆に新鮮! というか普通に感動だよっ。

あ、ちなみに地方の市役所職員なんで叩かれるような悪いこと出来るような立場ではないっすよww
とはいえやるからには一生懸命、頑張るですよ!




さて。あと最近のメイド長のサドっぷりはまぁ……うん。
大丈夫、主様もマジで凹んだり泣いたりはして……あー……うん。
キャラ付けキャラ付け! きっと本心じゃないよ!
でもまぁ今後あまりに不評を呼び込みそうなら……ごくり。


メイド長「デレませんよ」


おいィー?!
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/26(水) 01:39:58.92 ID:xv5UAovAO
め「ご安心を。マジ嫌がりするあや様に対しては多少寛大になりますので。はい」

あや「多、少?」

め「なんだかんだでめいどとてあや様を憎く思ってなどおりませんし」

あや「逆に憎まれてなくてこれなら本気で相対する場合どうなるんだろ……」

め「とにかく。……その、何ですか。あや様」

あや「はい?」

め「……ませ……した」

あや「ほぇ?」

め「……ませんでした」ムスッ

あや「……。あ、あー……いや、別に気にしてませんし。というか多少方向性はあれですけど、めいどさんと居るの、個人的に楽しいんで」ニヘラ

め「……」

ぽすん

あや「のぉ?!」

め「ドMあや様」ボソ

あや「そっちの方向には愉しんでないから?!」
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/26(水) 01:47:01.32 ID:xv5UAovAO
め「どうぞ」

あや「……」ゴクリ

め「あや様?」

あや「ど、どういう風の吹き回しっスか! 一体何を企んでんスか?!」ガクガク

め「……手料理ひとつでこの扱い。どうやらあや様とはとことん話し合う必要があるかと」


【そういや料理の専門学生だった人たち】


め「日頃、お世話になっている礼にとめいどなりの仕返しですよ」

あや「恩返しじゃないの?!」

め「おっと口が滑りましたね。……召し上がってください」

あや「聞き捨てならねー?! ……ま、食べますけどね」ハグハグ

め「……どうでしょうか」

あや「ん。塩っ気薄くて好みです。さすがはめいどさん」

め「……、……どうも」

あや「あ、これもいける。んっ、こっちもおいし」

め「……あの、あや様」

あや「ふぁい? なんス……ごふぉ?!」

め「その料理の中に一つだけ激辛料理を混ぜておきましたので存分にお探しください。以上です」

あや「もうちょっと早……ひィィ?! あとからキタァーーーー!!!」
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/27(木) 12:00:34.09 ID:e0NJYmfAO
>>990ゲットォー!!
そして今更ながらに転職成功おめでとう主様の主様!


最近メイドのデレが見れなくて寂しいでござる
あぁ、あやさんの扱いはそのままで。はい。
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 00:45:22.87 ID:KittyufEo
転生成功おめでとう
に見えた
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/28(金) 01:24:14.25 ID:0MY9pUFAO
転生予備軍だっただけに笑えないww
だがまだ現世に未練出来たからもうちょっと頑張りますよ!
んで明日くらいに次スレたてますねっ。
今晩そこまで更新しないしレスが奇跡的な加速を見せない限りは大丈夫なはず。……はずww






男「ほら。キリ番な人がリクエストしたんだからデレてみろ」

メ「あーん、らめー、いくいくいっちゃうー」

男「何故チョイスがいきなり濡れ場なんだ!? 棒読みだし!」

メ「主様の事ですからデレとかよりエロのが喜ぶかな、と。まぁ喜ばす気はないんで棒読みですが」

男「お前の俺に対する気構えはある種の畏怖すら感じるぞ」

メ「ただバカにしてるだけなのにね」

男「本人前にして言うか普通。言うか、お前だし」

メ「言いますね。主様相手だし」

男「望んでる特別扱いとベクトルが違うんだよ……!」

メ「主様、主様。当たり前の事を今更確認しましたね!」

男「追い討ちかけるか普通?!」







め「何だかんだと言いながら実は勝負下着を着けられるあたりデレが垣間見えますね」

あや「透視か何かっスか。よく分かりますね」

め「先程気構えシーンを覗きましたので。……まさか全力で暴れられるとは思いもしませんでしたが」

あや「性別関係なく恥じらう乙女でちょうどいいんすよ、ヒロインなんて」

め「……きゃー」

あや「遅いし棒読みだしまず覗きにいった時点でヒロインではないし」

め「ないない尽くしとはあや様のようではないですか」

あや「サラッと失礼ぶっこくなこの人は……!!」
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/28(金) 01:37:56.78 ID:0MY9pUFAO
ゆさゆさ

メ「主様、主様」

男「ふぁ……んだよ」

メ「思うに一応嫁してからは同じベッドで寝るようになった時点でかなりデレてません、私。これってトリビアになりませんかね」

男「キングサイズを更にでかくした特注買わされて部屋をまるまる潰してるこのベッドのどこにワクワクイベントがあるってんだ」

メ「一応寄っていけば手が届く範囲じゃないすか」

男「導入初夜に鬼ごっこ状態になって徹夜になったあれは何だったんだろうな」

メ「恥じらいという名のエッセンスでは」

男「エッセンスが際立ちすぎてどうする。それにお前触ったら怒るし」

メ「そりゃ女の子としては我が身を守らないでどうすんだと」

男「ほらな。力でも勝てないしどうしろと」

メ「しかしそれでも立ち向かう気概とかですね。私、魅力ありません?」

男「最近ネグリジェがエラい透けてて下着を可愛くしたなぁとは思ってた。三回くらいオカズに……うん、いや、すいません」

メ「本人の前はさすがにアウトでしたね。今は気分出ないんで明日ひどい事してさしあげます予告」

男「ぐ……で、満足したか? 寝るぞ」

メ「いや。いやいやいや。……主様」

男「なんだよ。襲っていいのか?」

メ「両手両足へし折っていいなら」

男「ついでに男根も折られかねんからな。ったく……ほら、目隠し寄越せ。あと手錠」

メ「……はい」カシャカシャ

男「ふぁ……あふ。ほら、これで抵抗できないだろ。好きにしろ」

メ「……あい」

ぎゅむ

メ「……おやすみなさい」

男「はいはい。ったく、人を抱き枕扱いしやがって」







基本的に眠気が強いと主様も自分がいかに変態順応してるか気付いなかったり。
メイドも素直になりやすかったり。
ただまぁ……デレかこれ。
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 14:16:30.22 ID:KittyufEo
メイドが抵抗しちゃわない様に自分用目隠し手錠を用意してるのかと思ったのにぃ
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage;saga]:2011/10/29(土) 01:31:31.49 ID:7iQgPQLq0
ハイ、というわけで5スレ目作成しましたので後は埋めちゃってもらうなり、1000とりしていただくなりお任せしますw
リンク先はこちら。
意地悪なメイド5
ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1319819139/

もう少しタイトルこればよかったかと思ったものの、いつも通りが一番だよね! ……よね!
今後ともよろしくお願いします。
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 00:03:44.16 ID:BSDg902a0
梅は任せろー
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 00:04:26.30 ID:BSDg902a0
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 00:05:44.65 ID:BSDg902a0
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 00:07:30.46 ID:BSDg902a0
>>1000は任せたぞー
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 07:59:02.67 ID:tndrnaeR0
>>1000もらい
1001 :1001 :Over 1000 Thread
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       | アパム!アパム!次スレ建てて来い!アパーーム!
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                      / ̄ ̄ \
      /\     _. /  ̄ ̄\  |_____.|     / ̄\
     /| ̄ ̄|\/_ ヽ |____ |∩(・∀・;||┘  | ̄ ̄| ̄ ̄|
   / ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|  (´д`; ||┘ _ユ_II___ | ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
   / ̄ ̄| ̄ ̄| ̄ ̄| ̄|( ” つつ[三≡_[----─゚   ̄| ̄ ̄| ̄ ̄|
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2011年度サーバ大改修作業 @ 2011/10/31(月) 03:16:48.58 ID:???
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ニートな19歳♀が全レス @ 2011/10/31(月) 02:34:37.73
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1319996077/

現役中一男子が出来る限り全レス @ 2011/10/31(月) 02:22:49.88 ID:s9279/OH0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1319995369/

CCS【クリスマス】 @ 2011/10/31(月) 02:11:41.51 ID:vADqOV6G0
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みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/31(月) 01:15:10.17 ID:RVWoIxVI0
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みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/31(月) 01:15:08.85 ID:BjCRva420
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1319991308/

みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/31(月) 01:15:06.66 ID:khkrHAfh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1319991306/

みくろみん仮出所ちゅう @ 2011/10/31(月) 01:15:02.99 ID:nDqYSsff0
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