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【阿良々木】化物語SS【戦場ヶ原】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/16(日) 16:19:38.78 ID:ND1izMWMo
前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285229117/
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:40:24.35 ID:LBAUOkqwo
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:39:16.20 ID:qbAcbrETo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752507555/

猫饅頭 @ 2025/07/14(月) 19:14:21.34 ID:1knELuPaO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752488061/

(安価&コンマ)コードギアス・・・ @ 2025/07/13(日) 22:27:49.60 ID:9f2ER2kw0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752413269/

KU-RU-KU-RU Cruller!Neo @ 2025/07/13(日) 21:55:45.76 ID:YIcI6tEGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752411332/

ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752404698/

今日の疑問手 @ 2025/07/13(日) 19:07:12.02 ID:ZqmtXqZ3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752401231/

旅にでんちう @ 2025/07/13(日) 13:03:56.58 ID:cdEpW45FO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1752379436/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/16(日) 17:55:51.17 ID:lQH9mB8DO
誰も来ないでdat
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 19:05:23.31 ID:JrPG4YUAO
待ってた
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 20:17:24.66 ID:ZDrFyCxQo
なぜスレごと移転しない
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 23:43:28.54 ID:15vhdEmAO
仕方ない。しかし人いないな
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 07:40:05.72 ID:RnCiXb6e0
ほう
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/25(金) 05:50:00.87 ID:vMKIPhTE0
化と禁書のクロスを執筆中。需要はあるか。なくても書くぞ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/25(金) 08:54:45.75 ID:Pg1IvbwAo
書け
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/07(月) 20:04:34.95 ID:4ckDCSmw0
誰かひぐらしとのクロス書いてくれないかのう…
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/09(水) 10:38:03.65 ID:QoURF1XAO
僕がその町に流れ着いたのは七月。

ひぐらしの鳴き声が喧しく響き渡る盛夏の候のことだった。

豊かな自然に囲まれた雛見沢。

一見のどかに思えるこの町に散りばめられた数々の謎。

その全貌はすべてが終焉を迎えた今になっても尚、伺い知ることは出来ない。

しかしそれでも僕は語らなくてはならない。

友と―――部員たちと共に過ごしたあの夏の出来事を。

それが彼――前原圭一と交わした最後の約束だ。

その約束を果たし終えた時、ようやく僕の役目は終わるだろう。

そして約束を果たし終えるその日まで、僕の役目は永劫続くのだ。

すでに十分過ぎる程、時は過ぎた。いい加減、頃合いだろう。

これから僕が語るのは、ほんの一夏の出会いと別れ。

それは幾重にも交わり重なり合って繰り返される悲劇の序章。

同時に僕の淡い恋の記憶でもある。

鳴物語〜こよみノイズ〜


続くはずがない
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/25(金) 12:24:08.10 ID:1phCFF0Wo
前の書き手さんどこに行ったのやら
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/25(金) 13:07:05.60 ID:DzLF/36uo
中国なのか東北なのか
中国なら帰ってきてないだけなんだろうけど
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/03/25(金) 15:11:00.78 ID:M+5pqDDAO
誰か幻のデレデレひたぎさんを描いてみようという強者はおらんかね
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 16:07:15.60 ID:QrWPJmxL0
ひたぎ「何かやって私を楽しませなさい」

暦「無茶ぶりだな」

ひたぎ「みんな聞いて!今からこのお兄ちゃんが面白いことをするわよ」

暦「注目を集めるな。逃げ道を残しておいてくれ」


戦場ヶ原ひたぎは僕の可愛い可愛い彼女
性格にいささかの問題はあるが口には出さないでおこう
現在、公園のベンチに二人で座っている
これはつまりデートである。

平日の夕方の公園は小学生のたまり場となっていて、
さっきの「みんな聞いて」はそんなガキんちょたちに向けての言葉である。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 16:27:21.47 ID:QrWPJmxL0
暦「……静かなところがいいと言ったのはお前じゃなかったか」

注目を集めようとした意味に疑問を持った。
彼女は大の人嫌い。
子供の扱いに関しては全くの素人。
子供にトラウマを植え付けることに関しては得意そうだが。

ひたぎ「阿良ヶ木くんがそうだからよ。」

暦「はあ」

ひたぎ「公園には来てみたものの、別に考えなんてなさそうに見えたわ。
だから考え事を作ってあげたの。感謝するといいわ」

なんのことはない。
注目がどうとか子供がどうとか、
そんなことよりも僕が慌てたり汗水をたらしている様子を観察してニヤニヤしたいのだ。

ひたぎ「あ、そうだ。阿良ヶ木くん」

暦「なんだ」

リードされている。
僕がもう少し男らしくならなければ。
話題を探そうと頭を回し始めたが、

ひたぎ「ここでキスできる?」

止められた。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 16:44:31.25 ID:QrWPJmxL0
ここでっスか?
いや、ちょっと厳しいんじゃないスかねー

目の前で駆け回る小学生。

少し離れた道路沿いには親御さんが世間話に花を咲かせている。

ここでその、つまり見せつけるように接吻を交わすのは教育上よろしくないというか

子供にトラウマを植え付け……イヤ、なんで恋人同士が愛し合ってそれがトラウマになるんだよ。

僕はうれしいよ? キス。

キス上等。

暦「なあ戦場ヶ原。PTA……違った。TPOという言葉を知っているか」

単なるヘタレだと笑ってくれても構わない。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/03/27(日) 19:26:14.81 ID:pBD3guZAO
昨日からずっと続きを待ってるんだけど…
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/02(土) 01:19:29.58 ID:oBPH7hAu0
ああ、つづけてもいいの?
ていうかここって誰が書いてもいいの?
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/02(土) 01:35:22.82 ID:oBPH7hAu0
ひたぎ「TPO……中学生にもなっていない幼い女の子の、パンツを覗く、お兄ちゃん」

暦「アレはわざとじゃない!」

ひたぎ「いいえ、わざとよ」

ぶっちゃけ戦場ヶ原の「お兄ちゃん」発言は少し心に響くものがあった。
初めて聞いた
が、それを顔に出すとこの女は何をしでかすか…

暦「そして中学生の頭文字はCだ。Tじゃない」

ひたぎ「あら以外ね、人並みには回ってるようね。 頭。」

暦「当たり前だ」

最近まで特に意識していなかったが
少し健全ではないサイトで「JC」というタグを見かける回数が増えてきたから
それをきっかけに覚えたということは口を裂けても言えない。

しかしこの女、一文しかしゃべっていないのに
突っ込みどころを何ヵ所設置すれば気がすむのだろうか

ひたぎ「で、呼んでほしいの?」

暦「何がだ?」

ひたぎ「お兄ちゃんっ!」

ズキュウウウ ̄Zーン!!
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 01:39:25.46 ID:O/5CAwFWo
一応書き手一人だけのスレだと思うんだが
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/02(土) 02:16:17.94 ID:oBPH7hAu0
ひたぎ「そろそろ名字で呼ぶのはやめにしようかと思っていたところよ」

暦「なんか、ひ、卑怯だ」

ホントに卑怯な破壊力だ

ひたぎ「ああ、でもこれ以上増えても仕方ないわよね。 妹」

その通りである。
妹というのはこの世で最もデンジャラスな存在であり、

暦「これ以上増えたら僕は心労で倒れる」

ひたぎ「ただちに健康に害が及ぶ恐れはないわ」

暦「ウチは火力だ。」

ひたぎ「発電はできるのかしら?」

暦「今朝のことだが、新技をかけられてな。頭に電流が走ったよ」

ひたぎ「よかったわねお兄ちゃん」

暦「やめてくれ」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/02(土) 02:22:50.52 ID:O/5CAwFW0
前の書き手はまだなのか…
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/02(土) 02:27:17.82 ID:oBPH7hAu0
じゃあしばらくは俺が書こうかな
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/02(土) 03:09:23.26 ID:oBPH7hAu0
ひたぎ「さて、そろそろ場所を変えるわよ」

はて、
突然なにを言い出すのか

暦「ん?どこか行きたいところでもあるのか」

ひたぎ「神原の気配がしたわ」

暦「気配って」

ナニ変な電波拾ってんだよお前は。しかし神原が…?
一体、何故。

ひたぎ「私と阿良ヶ木くんがいる。ならば、来るわ」

暦「なんだその理屈」

しかし思い当たる節もあった。
あいつは元々神原の熱狂的ファン?であり、
しかも厄介事にも首を突っ込む才能がある。

ひたぎ「私の彼氏ぐらい私の好きなように使ってもいいじゃない?」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/02(土) 03:50:25.86 ID:oBPH7hAu0
というわけで、どこかに行こう。
どこに行こう?

ひたぎ「どこに行くの?」

暦「わからない」

移動しようと言いだしたのはあなたです。

ひたぎ「どこに連れていくの」

暦「……まだ、決めてないけど僕が決める」

ひたぎ「少し、楽しみね。 暇つぶしくらいにはなるかしら」

暦「努力するよ」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/02(土) 03:51:17.43 ID:oBPH7hAu0
ねむいので今日は終わりです
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 19:53:20.50 ID:LOgIWf89o
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/09(土) 06:56:33.45 ID:qS3gnOYao
お久しぶりです、おはようございます。
長い間、留守にしてすみません。
海外出張が長引き、おまけに戻って国内出張中に地震にあってこの様です。
私物PCも濁流の中に消えてしましました。
また一からのスタートですが、何か書いて行きたいと思います。

hanetsuba
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 13:00:41.28 ID:IYBbLY5Jo
また中国なら大丈夫かと思ったが東北だったか…
復帰待ってるぞ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/09(土) 13:09:46.63 ID:6fqH1AuL0
最近書いてた者だが、バトンタッチです
書きたいならどうぞ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/09(土) 14:03:38.17 ID:qS3gnOYao
>>30
いえ、まずはマトモなPCを買いに行かないと・・・
10年前のPCでは、もう涙目なんですよ
win98だし

私は遅筆なので、今書かれている物を完結してください。
お願いします
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/04/12(火) 16:52:11.95 ID:Lmds48HX0
ふーむ、実は西尾維新のことはあんまり知らないのだ…
今日化物語の上下巻買ってきたからこれ見てもうちょっとかいてみるか
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 19:40:53.47 ID:Rb0xIt+bo
お呼びじゃない
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/05(木) 02:28:07.49 ID:bUD7gbSSO
立てるのもなんだし明日からここ使わせて貰いたいと思う
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 00:41:43.07 ID:1OX5Qy5j0
さて、乗っ取ります。
まだ最後から一ヶ月たってないけど、もう来ないだろうよ。

・超がつくほどの遅筆
・趣味で書くようなものだからゆっくりと
・初SS
・キャラ崩壊
・PC物故我てるからPS3で書く
・書き溜とかないよ
・まぁ、たぶんこんな感じです

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/06(金) 00:44:25.45 ID:VoPiir3io
いやどう考えても来るだろ
ちゃんと過去レス見てこいよ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 00:56:18.95 ID:1OX5Qy5j0
あ、一応続きから書こうと思う


努力するって言いはしたが、結局ここには何もない

暦「僕の家とかどう?」

ひたぎ「ケモノなのね」

暦「展開がはえぇ!?」

ひたぎ「不潔だわ…」

暦「違う!違うから!ほらここら辺って何にもないじゃないか!」

ひたぎ「信じてほしい?」

暦「信じてくださいお願いします!」

いつも主導権を握られている僕だった
公園でちらほらと子供たちに後ろから指を指されている感じがする

暦「夕方だしなんか食べたいよね」

ひたぎ「そうね、デートだというのに、ただ公園をブラブララブラブしてたし、オトナのデートの時間でもあるわよね」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 01:05:07.21 ID:1OX5Qy5j0
乗っ取ると言うより、ここって一応総合の扱いでいいと思うのだが…
いやならやめますが…
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 01:13:24.15 ID:1OX5Qy5j0
ふむ、外食か
この日のためにかけなしの貯金、1万を財布に入れてきたのだ
ちょっとやそっとでは無くならないだろう

ひたぎ「高級レストラン?」

暦「申し訳ないが無理です。」

僕は全力で頭を下げた
無理ったら無理なのだたかが高校生がそんなところましてやパーカー着たチビやろうがそんなとこいったらグチグチ

暦「せめてイタリアンにさせてください」

ひたぎ「それでいいわ」

妥協してくれた彼女の笑顔はきれいだった
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 01:30:28.29 ID:1OX5Qy5j0
ガハラさんを人力の二輪駆動車の後ろに乗せ、近くの大きな駅前まで自分に鞭を打って走らせた
するとちょうどいい時間に駅に着き、ちょうどいいところにイタリアンレストランを発見

暦「僕はカルボナーラで」

ひたぎ「私はボンゴレにするわ」

…なんぞボンゴレとは?あなたはマフィアになるつもりですか?
そんな顔をしながら注文すると

ひたぎ「アサリのパスタよ。そんなこともしらないなんて…、脳味噌はシジミぐらいしかないのかしら」

暦「ずっしり入ってます!…ていうかこのやりとりも、何回めなんだろうな」

ひたぎ「私の彼氏が器の小さい男だった」

暦「そんなことはねぇよ!大きいよ、それはもう漁りなんて目じゃなぇよ!マフィアのボスぐらい大きいよ!」

ひたぎ「レストランよ。静かにしてちょうだい」

暦「すいませんでした」

すっかり飼い慣らされている僕は下っ端なのだ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 01:52:48.60 ID:1OX5Qy5j0
暦「夜ご飯も食べたし帰りますか」

ひたぎ「そうね。ここのお店、美味しかったし、お腹もいっぱいで眠いわ」

暦「そうだな。自分で作ってみたカルボナーラよりめちゃくちゃ美味かった」

だまのできたあれは何ともいえなかったのを、思い出して苦笑いした

ひたぎ「なにより、いい思い出ができたわ」

いい思い出。それはレストランでパスタを食べているとき

ひたぎ「阿良々木くん。カルボナーラ食べてみたいわ」

と言われ、注文するか?と聞こうとした矢先に口を開けられたのだ。
急でビックリしつつ、ドギマギしてた僕に「食べさせて」と言われ我に返り、ふるえる手でアーンをしたのは、いい思い出?だ
その後すぐに

ひたぎ「阿良々木くん、アーン」

これまたビックリで動けなかった僕に

ひたぎ「お兄ちゃん?」

と言われて死にかけたのは別のお話
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 01:54:04.65 ID:1OX5Qy5j0
限界で心臓バクバク
寝ます
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/05/06(金) 02:08:38.80 ID:Mhv6aHw6o
続けて
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 21:20:19.64 ID:1OX5Qy5j0
投下します
その前に訂正

>>40
暦「そんなことはねぇよ!大きいよ海みたいに、それはもうアサリなんて目じゃねぇよ!マフィアのボスより大きいよ!」

です。すいません

ゆっくり行きます
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 21:30:25.95 ID:1OX5Qy5j0
その話は心の奥にしまいふと周りを見る

さすがは大きい駅、僕の吸血鬼スキルなんて無くても眩しすぎるぐらい明るかった

そんな中でもやはりソレだけはほかのと違い、駅に負けないくらい輝いていた

暦「戦場ヶ原。本当に月並みの言葉になるけど……」

ひたぎ「何かしら、阿良々木くん」

僕は元々文系ではないのだがこれぐらいは知っている


暦「今日は月が綺麗ですね。」


その瞬間は一秒が1分の長さのように感じた。が


ひたぎ「ええ。月が綺麗ね。」


その言葉だけはすぐに帰ってきたような気がした。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/05/06(金) 23:29:16.51 ID:1OX5Qy5j0
寝落ちでした
今日はこの辺で終わらせていただきます
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/06(月) 17:00:05.50 ID:TOT+VSZAO
続きはまだだろうか・・・
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/06/13(月) 12:52:20.97 ID:4zqxgswdo
最後に待ちあげ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/10(日) 05:25:09.84 ID:bp63CoTso
ちょこっとだけ書いてみてもいいですか?
50 :見てるか知らんが私書くわ [sage]:2011/07/10(日) 05:27:47.99 ID:bp63CoTso
001
忍野メメが怪異のオーソリティである、と言うのは周知の事実で僕自身忍野には何度も世話になっている。
初めて忍野と出会ったのは、忘れもしない僕が吸血鬼と出会い、吸血鬼の従僕となった春休みの事だった。

あの時の事は忘れたくても忘れられない。いや、忘れてはならない。

僕が吸血鬼に成り果てた事。今もなお、僕は限りなく吸血鬼に近い人間である事。
彼女が吸血鬼だった事。あの時、彼女を限りなく人間に近い吸血鬼にしてしまった事。

これは僕の罪であり罰でもある。

でもまあ、その時の話は別の機会にするとしよう。
心配しなくても、僕はあの時の事をいずれ語らなければならない。

そんなことより、今日話そうと思うのは、冒頭に挙げた通り、忍野メメについてだ。

軽薄そうな口調、アロハシャツを愛用、と言うか愛着している一見怪しいおっさん。
おっさんと言うと忍野は少し悲しそうな顔をするので、おっさんと表記するのは忍野が知らないところだけだ。

まさに知らぬが仏。

そんな忍野メメなのだが、その素性は謎に包まれている。
僕が忍野と初めて出会った時は、僕がまさに命を散らそうとしていたまさにその瞬間で、なんやかんやで吸血鬼事件(仮称)を解決した後いつの間にか廃ビルを無断で(誰に断りを入れればいいか知らないが)住みついていた。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:28:59.78 ID:bp63CoTso
怪異譚の蒐集、とか言う名目で各地を放浪し、
今は先に記した通り、とある学習塾跡の廃墟ビルに腰を落ちつけている。

腰を落ちつけるのならもっとマシなところがあるだろうに、と僕は思うのだが、
「君はガウンを羽織りワイングラス片手に超高層ビルの最上階から夜景を見渡す姿を想像できるかい?」などと問われ、
「それは極端すぎるだろう」と突っ込みを入れたのは記憶に新しい。

僕は、怪異が起こす、もとい怪異が起きる度に忍野の住む廃墟ビルまで足を運ぶのだが、
奴はほぼ確実に「やあ、待っていたよ」とか見透かした事を言いながら、
古ぼけた机をベッドに横たわっている。

こいつは一体いつ食費とか金を稼いでいるのだろう、とか思ったりするのだが、
どうやら僕以外でも怪異に魅入られた人に力を貸してその対価として幾ばくかの食費を稼いでいるようだ。

戦場ヶ原の時に、僕だけその対価の桁が二つか三つばかり違った事を知り、
それに関しては少々納得のいかない話なのだが、忍野曰く「吸血鬼は難易度が違いすぎる」らしい。

確かに僕自身このご時世にあのような死闘を繰り広げるとは思ってもみなかったし、これからもごめん被る。

さて、話があっちに行ったりこっちに行ったりしているから、そろそろ真っすぐにしようと思う。
忍野メメが怪異のオーソリティであると言ったのはこれで二度目だが、何故忍野はこのような事をしているのか。

ふとそんなことを思って、答えてもらえるとは思えなかったが、忍野に直接聞いてみた。
いつもなら適当な事を言ってはぐらかしそうなお題目だと言うのに、
その日に限って何故か神妙な表情を浮かべていた。

とはいえそれすら演技で適当な事を話すのではないか、と思って話半分に聞いていたのだが、どうやらそうでもないらしい。

―――忍野メメが忍野メメである理由。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:30:06.29 ID:bp63CoTso
誰得だと問われたら、返答に窮するところだが、
おそらく全国一万人位はいるだろう忍野ファンの方々がそれを望んでいると僕は勝手に思っているので、これから語ろうと思う。

何となく、今まで僕は、「忍野メメは、初めから怪異の権威だった」なんて思っていた。

しかし、そんなはずはない。
プロ野球選手然り、政治家然り、俳優然り―――怪異の権威然り。

何かしら誰かしらから影響を受けて初めてその道を目指そうと志し、それを為す為の行為を行う。

テレビの前で見た名プレイヤーによる華麗なプレイ。

親による官僚になる為の英才教育。

素晴らしい演技を魅せられた劇場での一コマ。

人は大なり小なり、外から影響を受けて、何らかの変貌を遂げるものだ。
自分で言うのもあれだが、僕もこれまで様々な人と怪異に出くわして、それなりに成長した。つもりだ。

自分は生まれた時から自分だった、なんてよく聞く話だが、ありえない。


それは忍野メメだって例外じゃあない。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:30:39.15 ID:bp63CoTso
忍野だって初めはその辺に居る普通の人間で、
僕と同じく怪異と出会うまでは怪異のかの字も知らない普通の学生をやっていたそうだ。

しかし、幸か不幸か、偶然か必然か、はたまた奇跡か運命か。

忍野は出会い、出会わされてしまったのだ。

―――群れ成す数匹の鼬に。

この話を語る前に、少しばかり注意をしておこうと思う。
まあこれは忍野の受け売りで、忍野が自分自身について語るにあたって僕と忍(この頃はだんまりを貫いていたが)にあらかじめ注意をしたのだが、
例えこの話を聞いたからと言って、どうか何も気にしないで欲しい。

特にヤマもオチもイミもない。
大した話ではないし、この話に感化されたからと言って、
それは君達自身が勝手にそう感じただけであり、僕は、忍野は何にも関係ない。

忍野が勝手に話した事を、僕が勝手に周りに言いふらしているだけだ。

なんて迷惑な奴だと感じるかもしれないが、
嫌なら耳をふさいで膝をついてやりすごすしかあるまいて。ふはは。

さて、そろそろ始めよう。いや、とうの昔に終わっているんだけれど。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:31:40.21 ID:bp63CoTso
002
忍野って普段何してるんだろう。とか思ったのは確か、
神原にフルボッコにされてから数日した日の事だった。

僕はいつものようにファイヤーシスターズの熱烈な目覚まし攻撃を喰らい、
いつも通り朝食のご飯とみそ汁と目玉焼きを喰らい(朝はやっぱりご飯)、
いつも通り着替えて学校へと出立しようとして忘れ物の筆箱を頭に喰らってCRYした。

投げた犯人はもちろん我が妹の火憐ちゃん。
良かれと思ってやっている事は良く分かっている。
しかし、どうせ授業中一つも板書などするつもりも無いのに、このような痛みを被らなければならないなんて絶対おかしい。
確かに、真面目ちゃんな羽川や戦場ヶ原なら、筆箱を持ってきてくれた事に感謝するだろう。
とはいえ、羽川はさておき、後頭部に筆箱を喰らったとなると戦場ヶ原は確実に臨戦態勢になるだろうが。
いや、羽川もそうだがそもそも筆記具を忘れる事など無いんじゃないだろうか?
だって羽川は完璧超人だし戦場ヶ原は服のいたるところに文房具をひそめているような奴だぜ?
おっとこれ以上は駄目だ危険すぎる。こんなこと考えてると絶対罵倒される。むしろ百万回の馬鹿にしてるなんかよりも一度ギュッとシメた方が早いだろう。

そんな下らない思考を走馬灯のように脳内に駆け廻らせた後、
今後このような事が無いように火憐ちゃんに文句を言ってやった。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:32:09.01 ID:bp63CoTso
「おいおい、女の子はもっとおしとやかじゃないと駄目だぜ?それが原因で端鳥君にふられても僕は知らないぞ」

「な、何で今後刊行される予定の情報を今流すんだよ兄ちゃん!?」

残念ながらこのSSが執筆されてる時点で囲物語まで出てるんだよ火憐ちゃん。
だけど時系列的にはまだ八九寺真宵と出会って数日、と言ったところだから僕は端鳥くんなんて知らないし認めない。

「こらっ、あんまりメタなことを言っちゃ駄目でしょうが。僕は知ってるんだぜ、端鳥くんっていう年下の彼氏が居て、そのうち僕が火憐ちゃんのファーストキスを奪う事になる事を!!」

「そんな腰に手を当てて堂々と言われたってカッコよくねえよ!潔さは感じるけど!!それに、は、初めてを奪うってどういう事だよ!?」

「ふん、知れた事。続きを知りたくば偽物語を購読することだな。それか僕の事はもう少し労われ。そしたらキスは止めておいてやろう」

「わ、分かったよ兄ちゃん……兄ちゃんの事、大事にするから許してくれよ……」

「そうか、ならまずは服を脱いで僕に跪け」

ここぞとばかりに兄妹の格差を示す僕。
兄より優れた妹等おらぬわと言わんばかりにふんぞり返る僕。
こんな時にしか威張れない悲しい僕。

実の妹に脱衣を迫るクソ野郎がそこにいた。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:32:47.79 ID:bp63CoTso
訂正
瑞鳥君でした。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:34:44.90 ID:bp63CoTso
すると火憐ちゃんは、おもむろにジャージのチャックを下ろし始めた。

「うわ!何すんだお前!」

いやむしろ、何させてんだ僕と言った方が正しい。だって本当に脱ぐとは思わないじゃないか。
女の子としてちょっと位恥じらいを覚えてもらおうという配慮がまさかの裏目。

「脱いでも良いんだ脱いでも良いんだ脱いでも良いんだ……脱ぎます!アタシ脱ぎます!」

「いくら室内とはいえ家族が居る中やっちゃ駄目だろそれは!?せめて脱いじゃ駄目だって言ってくれ!!」

「このような薄布に頼らなくたってアタシは強い。そんなアタシをもっと見て欲しい」

「何かもうカッコイイよ火憐ちゃん!!」

Mカッコイイ。Mカッコよすぎる。今のところ僕の中で一位二位を争うドMっぷり。
僕は火憐ちゃんを越えるドMは現れないと思っていたのだが。
そう言えば奴が居た。神原駿河という名のドM神が。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:36:07.00 ID:bp63CoTso
それはさておき、閑話休題。

「とにかく、脱ぐのは瑞鳥君の前だけにしときなさい。脱いだら殺しに行くけど」

僕が手塩にかけて育てた(嘘だけど)大事な大事な妹(これは本当)を何処ぞの馬の骨とも知らない輩に渡してたまるか。お兄ちゃんは絶対認めません。

「それじゃあアタシ風呂にも入れないじゃんか!!」

「それなら、僕の前でなら許可しよう」

「一緒に入れってことか!?」

「僕は入らないよ、眺めてるだけ」

「流石のアタシもそれは気持ち悪い!」

ちょっと羽川風に言ってみた。とんでもない風評被害になりそうだ。
だけど、何でもは知らないよ、知ってる事だけってちょっと言ってみたい。でも何も知らない僕がこんなセリフを吐くにはそれこそ長い歳月を要すると思う。
いや、それでも足らない気がする。それほどまでに羽川と僕の間には絶対的な壁があった。

つーか気持ち悪いだって。流石に傷つく。こよみショック。

「まあいいや、筆箱サンキューな。多分使わないけど」

火を見るより明らかだ。

「アタシの配慮が全くの無駄だった!?」

まさかでっかい妹から配慮なんて言葉が聞けるとは思わなかった。いや、ちっちゃい方の妹からもそんな言葉聞いた記憶が無いのだけれど。
何にせよ、これは大きな一歩だ。新ジャンル・暴力妹から旧ジャンル・素直で可愛い妹にジョブチェンジする為の偉大な一歩だ。

僕はそんなでっかい妹の成長をしみじみと感じつつ、家を後にするのだった。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:37:30.00 ID:bp63CoTso
003
火憐ちゃんと下らない掛け合いをしているうちに学校に行く事を忘れそうになった僕はマイチャリ(ver.ママ)に跨り華麗に疾走していると、
通学路でキョロキョロしている巨大なリュックサックを発見した。
そのリュックサックのてっぺんには見慣れた黒のツインテイル。

八九寺真宵だ。

蝸牛に迷った少女。今では立派な浮翌遊霊。
僕と八九寺の慣れ染めは、迷子だった彼女を僕が保護したことから始まった。
二週間か三週間前のことだったか、八九寺真宵は十一年の時を経て、ようやく家にたどり着き、迷子から解放されたのだ。
その時感動的な別れを果たしたつもりだったのだが、どうやらそんな事は無く、迷っていた道に縛られる事が無くなっただけだった。

僕個人としては成仏しなくて少しばかりうれしかったのだが(決してロリコンとか性的な意味では無い)、八九寺としてはどうなのだろう。
僕以外から姿も見えず、かといって迷子だった時と比べ「家を見つける」という明確な目的も失ってしまった。

孤立した孤独。

僕のように「人間強度が下がる」なんて黒歴史にも程があるが、自分の意志で孤独化するわけでもない。
ついでに言えば僕はまだ引き返せる。戦場ヶ原がこの事を聞いたら鼻で笑いそうだが、僕だって友達欲しい。男の。

しかし、八九寺はどうだろう。

周囲の輪に馴染めない僕(自分で言ってて悲しいが)とは違い、周囲の輪が気付かないし、気付けないのだ、八九寺に。
不謹慎だがイジメだとか周りが無視するとか、そんな意図的なものではない。無意図として気付かないのだ。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:38:14.53 ID:bp63CoTso
更に言えば、八九寺がいつ成仏するのか。
次の瞬間には消えるかもしれないし、一生。いや、一死の間消える事は無いのかもしれない。

不老の代償は、条件を満たした相手以外には、気付かれない。

果たして八九寺は、今幸せなのだろうか。

会話相手は、もっぱら僕。

果たして八九寺は、今幸せなのだろうか。

……なんて、そんな事を考えていたって、僕には八九寺の考えている事なんてわからないし、何の解決にもならない。
こんな僕の偽善で同情めいた思考ははっきり言って無駄で無意味で無為なのだろう。
考えるだけ無駄。八九寺が成仏したいというのなら、何に変えても成仏させるし、何も言わないならいつも通りいつものように馬鹿馬鹿しい話を積み重ねていけば良い。
罪重ねてきた僕に出来る事はそれだけだ。

忍野風に言えば、助けるんじゃなくて、勝手に助かるだけ。僕は助かる為の手助けをすれば良い。
しかし八九寺が望まない限り、今はその時ではない。

だから、僕は―――
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:38:46.95 ID:bp63CoTso




「はっちくじいいい!!!」

「きゃああああ!!!?」

せめて、僕と居る間位、笑ってもらおうと思った。
故のハグである。やっぱり笑顔を生み出す源は、互いのふれあいだと思う。
こう見えて、僕は八九寺が好きだ。大好きだ。だから八九寺の笑顔の為なら、何だってする。
例えそれが犯罪行為に当たるとしても。

「このやろー八九寺お前って奴はいつでも可愛いなあ!!お持ち帰りしたいくらいだぜえ!!」

ハグアンドキース。世界は愛(八九寺への)で回っている。
そんなわけでハグハグと食べんばかりにハグした後は、お待ちかねのチュー。
とはいえ、八九寺はこんなナリをしていても僕より年上。しかし僕も責任を取る覚悟は出来ている。
あとは勇気(犯罪行為や、世間の目に対する)だけだ!

石ノ森先生本当にごめんなさい。だけど、これだけは譲れないんです。

「はじめてーのーチュウ〜君とチュウ〜デュフフッ」

「ぎゃあああああ!!!いやああああ!!!」

熾烈な抵抗を見せる八九寺。

全く、アメリカじゃこのくらいスキンシップの範囲内だと言うのに、
まだまだナショナル化の進まない日本だなあ。

なんて、閉鎖的な鎖国ジャパンを憂いてると、八九寺が反撃に出た。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:39:29.20 ID:bp63CoTso

「がう!!がうがうがう!!」

「うわこいつ噛みやがった、止めろ!!こんなことしてもお母さんは喜ばない!!」

明らかな自業自得。
止めるべきは僕の方で、喜ばないどころかお母さんにぶち殺されそうなのも僕だった。

「がるるるる……」

と、唸り声をあげる八九寺から、何とか距離を取る。
八九寺は全身の毛と言う毛を猫のように逆立て、狼のように威嚇を続けている。
しかし食いちぎらんという勢いで噛まれた腕からはドロリと血があふれてきた。痛い。
それ以上に、僕自身が痛かった。

「落ちつけ、八九寺!僕だ!……わかるか?」

怖くない、怖くないと野良猫にアピールするように、僕は目線の高さを八九寺に合わせ、おいでおいでと手を振る。

「近所でも五本の指に入る程の優しいお兄さんだぞ〜」

それを言うなら五本の指に入るほどの変態だった。

すると八九寺の瞳に宿る燃え盛る炎を彷彿とさせる赤い光は、
その色を失い徐々に元の色に戻って行った。

「ふー……ふー……うっ……ふう……」

どこの賢者モードだと突っ込みを入れたくなるような息継ぎをする八九寺。
僕は八九寺が落ちつくのを待ち、少しずつその距離を縮めて行った。

「あ……」

と、ここでようやく僕と言う存在を認識したらしい。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:40:12.37 ID:bp63CoTso
「あなたは……マハラギさん」

「僕はそんな悪魔が使うような、火炎属性の全体攻撃みたいな名前じゃない。僕の名前は阿良々木だ」

確かに限りなく吸血鬼に近い人間ではあるけども。
血の代わりにマガツヒを要求する僕。あまり想像したくないな。種族は何に当たるのだろう、夜魔?

「失礼、噛みました」

「違う。わざとだ」

「噛みまみた」

「わざとじゃない!?」

「神出した」

「八九寺がまさか……ペルソナ!!?」

召喚形式は3が一番かっこいいと思うけど、あの形式は危ないんだよな。
だからこそ荒垣さんとかストレガの連中はペルソナが暴走なんて事もあったわけだし。
しかし召喚器を持たない八九寺は、過去の出来事を完全に乗り越えたから、ペルソナを出せるようになったのだろうか。

ありうる。

ならば僕の配慮なんて一切必要なかったのではないか。
何と言う空回り。

「くそ……僕はなんて事を……」

僕の行為は全くの無駄で、八九寺からしたらただのセクハラだったらしい。

これじゃ僕の立場が無いじゃないか!!
ただでさえ世間一般的にもセクハラだと言うのに、
八九寺からも見放されたら、僕は誰を触ればいいんだ?
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:41:21.24 ID:bp63CoTso
「全くもう、私がいくら魅力的だからって、あんまり興奮しちゃ駄目ですよ?
 ほら、このディスチャームで正気に戻ってください」

とか言いながら、リュックサックから何やら怪しげな小瓶を取り出した八九寺。

「ディスチャームなんて何処で売ってるんだ?」

小瓶の中で、ゆらゆらと揺れる液体を眺めながら、僕は尋ねた。
この液体は本当にディスチャームなのか。

「マツキヨで売ってますよ」

「マジで?ディスポイズンとか、マハジオの石とか、そんなのも買えるの?
 それってとてもとても素晴らしいことだ」

「買えます買えます」

「マツキヨマジすげえ!」

年甲斐もなく興奮してしまった。僕、実はメガテン大好きなんだよね。
ていうか、今までは行くとしてもドラッグイレブンとかそんなのだったよ。
「マツキヨ?はっ、何だその芸人みたいな名前」とか内心馬鹿にしてた。

「ごめんな、八九寺。僕って奴は、今までマツキヨを馬鹿にしてドラッグイレブンとか、ドラッグコスモスとかばかり利用していたよ」

と言っても、そんなに言うほど利用してないけど。
食べ物買うならスーパーかコンビニ行くし、薬買うにしても薬局行くし。
なんていうか、あの系統の店はどっちつかずなんだよ。いや、それが売りなんだろうけどさ。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:42:24.13 ID:bp63CoTso
「ふふ、大丈夫ですよ。これからマツキヨをご利用していただけたら……
 さあ、マツキヨのすごさを目の当たりにしたところで……
 マツキヨと契約して、マツキヨ会員になってよ!」

そんな僕の心境を知ってか知らずか、セールスマンの様な口調でマツキヨの素晴らしさを語ったところで、突如として八九寺の口調が変貌を遂げた。
なんだその魔法少女の勧誘みたいなしゃべり方……「マツキヨの使者」を名乗る幼女、か……有りだな。

「それは何か特典があるのか?」

僕はカードに縛られて買い物をする店を選べなくなる性質だから、
こういうポイントカード的な物は持たない主義なんだけどな……

「そうです、百円一ポイントで百ポイント集めたら百円分の割引券になります。
 なお、このカードのポイント加算は提携した会社のお店でも使えますよ」

「おお、それはいいな。どこの店だ?」

ポイントがたまるのは普通その店と同列の店舗だけってのが普通なんだが、どうやら違うらしい。
それはいいな。提携された店だけってことだが、それでも店に縛られる事が減りそうだ。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:44:04.37 ID:bp63CoTso
僕の問いに対して、八九寺はリュックサックから紙を取り出して返答をする。

「えーっとですね……「おとなのちゃちゃちゃ」と」

「そこはかとなくエロい感じがするな……どんな店だ?」

「大人の玩具っていう玩具を販売してる店ですね」

「ド直球じゃねえか!!」

まさかの玩具販売店かよ。おもちゃのちゃちゃちゃとか懐かしすぎるだろ……
というか、僕みたいな清廉潔白純情無垢な人間が利用して良い店じゃないぞ。
そしてのっけからそれとかどんな店のラインナップなんだよ。

「えーと、続いて「鳥晒す」」

「バードウォッチングはマナー良くやりましょう!」

「これも玩具屋ですね、鳥専門の」

「鳥専門て誰得だよ!?」

サントリーの愛鳥活動の一環として取り潰した方が良いんじゃないだろうか?
愛すべき鳥を人の目に晒すなんて絶対に許されないぞ。

「ちなみに、トイ○らスと掛けた名前ですね」

「非常にどうでもいい情報をありがとう」

いやはや、名前の字面だけを見て突っ込みを入れてしまった……僕もまだまだだな。
修行が足らない。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:44:46.47 ID:bp63CoTso
「ところでアマラギさん」

「違う、僕はそんなマガツヒの流れる木みたいな名前はしてない。
 分かってもらえるまで唱え続けるぞ、僕の名前は阿良々木だ」

「失礼、噛みました」

「違う。わざとだ」

「かみまみた」

「わざとじゃない!?」

「仮眠した」

「おやすみなさい!」

まさかの変化球。アトラス縛りかと思ってたのに。
語呂があってないのがいささか気になるところだが……

「早く契約してマツキヨ会員になれよ」

「急に暴力的になった!!?」

いくら怖そうな人が新聞の契約をお願いしに来ても、もう少し下手にでるぞ。
逆に、見た目幼女な八九寺がこんな口調で命令されたら軽くトラウマものだ。

「今なら年会費一万円ですよ」

「金取るの!?」

僕側の採算が合わなくなりそうだ。一万円もだしたら。
というか最低でも一万ポイント、すなわち百万円分買い物しなければならない。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:45:43.48 ID:bp63CoTso
「期間限定なので、期間が過ぎたら年会費無料に戻ります」

「私待つわ!いつまでも待つわ!!」

嫌過ぎる期間限定だな。
「期間限定」という魔法の言葉も一瞬で燃え尽きる。

「つまり、会員にはならないと言う事ですね?」

「あ、ああ……」

流石に無理だ。一万円は無理だ。元を取るのが無理だ。

「じゃあもう帰ってください」

お前にはもう用は無い、と言わんばかりにシッシする八九寺。

「いや、これから学校行くんだが……」

そんな強制固定客錬金が不可能になったからって、邪険に扱わなくても……

「阿良々木さんは学生だったのですか?」

「今更かよ!?」

「いえ、てっきり今をときめくNTかと」

「結構古いぞ、NTって」

しかしこいつの知識は偏ってるよな……
何処から仕入れてるんだろうか、少し気になるところだ。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:46:32.46 ID:bp63CoTso
「違いますよ、ニートです」

「僕にはまだ学生と言う名の盾がある!!」

そうだ、まだ終わっちゃいない。
諦めたらそこで試合終了なんだよ。

「諦めたら?」

「安西先生の名言を汚すんじゃない!!」

僕じゃなく筆者が黙っていないぞ。
何せこの世界を構築した神ともいえる存在だ。ふはは、泣いて謝っても許s―――

「おっとこれ以上メタな事は言わせませんよ」

八九寺は、何が入ってるかわからないがとにかく巨大なリュックサックを、僕に向けて振るってきた。

これは今までになかった攻撃法だ。
しかし、八九寺の体で支えられる程度のリュックサックが、この僕に効くと思うなよ。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:47:06.33 ID:bp63CoTso
「なんて思っていた時期が僕にもありました……」

八九寺が振るってきたリュックサックによって、僕は三メートル程後ろに吹き飛ばされた。
ついでに、いつまでも手にしていた小瓶も割れた。

「何が入ってるんだよ、そのリュックサックに!!?何か、何かの角的なものが直撃したぞ!?
 しかもそれだけでなく柔らかかったり硬かったり熱かったり冷たかったり、一度でたくさんの感触を味わった!すごい!!」

本当に何が入ってるんだ。結局割れた小瓶の中身も分からなかったし、怪しすぎる。

「乙女の神秘です。絶対不可侵領域に不可能はありません」

乙女の神秘。
神の秘密と書いて神秘。

成程。
僕ごときが理解できるような、ましてや受け止める事など出来るはずもない。
むしろ三メートルで済んでよかった。
下手したら「おじいちゃん、地球一周してきたよ」とか言うパンちゃんみたいな事になっていたに違いない。

「僕は手加減されていたのか……」

小学生に手加減される高校生。
なんていうか、哀れだ。

何も知らない他人が見たら、鼻で笑いそうな。
僕もそんな奴を見たら、多分残念そうな顔をするに違いない。

しかし、それは僕自身だった。

非常に残念である。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:47:35.78 ID:bp63CoTso
「私の戦闘力は八九万です」

「フリーザ様より強かった!?」

僕は今まで八九寺に対して飛んでも無いことをしていたようだ。
地球一周どころかそのまま大気圏突破して燃え尽きてもおかしくはなかったのか。

「おそらくもうお分かりでしょうけど、私は今まで手加減してあげたんですよ。
 阿良々木に初めて会って喧嘩した時も手加減してたし」

「さりげなく呼び捨てにするんじゃないぞ、八九寺。確かに実力に関しては八九寺の方が上かもしれない。
 しかし、年の功と言う物も考慮してくれ。なんか泣けてくるから」

手加減された上に舐められている。本当、泣けてくるぜ。

「チッ……反省してまーす」

「違う。わざとだ」

「ごめんなさい!」

「反省してた!?」

「ごめんなちゃい!」

「かーわーいーいー!!」

かわいすぎる。こんなん許さざるを得ない。しかも僕のとっさの変化球にも臨機応変に対応してた。
流石八九寺、我が永遠の好敵手《ライバル》。

「それで、あははははん」

「八九寺、それは最早原型を感じさせないぞ。というか僕はそんないい湯だなを間延びさせたような名前じゃない!
 文字数稼ぎに見えるかもしれないが、お前が理解するまで何度だって教えてやる。
 僕の名前は阿良々木だ」

有ってるのは最初の「あ」と最後の「ん」だけじゃないか。流石にこれは捨て置けない。
いや、今までも全部突っ込み入れてたし、これからも突っ込み入れ続けるつもりだけれど。

「失礼、噛みました」

「違う。わざとだ」

「かみまみた」

「わざとじゃない!?」

「神狩りだ」

「ゴッドイーター!?」

いや、僕はゴッドイーターとか、モンハンとかその系統のゲームはしたことないんだけどね。
ゴッドイーターってネーミングが神狩りっぽかったからつい。

大体、あれって複数人でワイワイやってこそってゲームだろ?
なら僕がプレイする道理はないじゃないか。

あれ?なんだか言ってて悲しくなってきたんだけど。

まあいいや。

「話を戻しますが、学校の方に行かなくていいんですか?」

気が付けば登校するための残された時間は、残りわずかだった。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 05:50:03.94 ID:bp63CoTso
終わりです。
何となく興にのったので書きました。

でも鼬の怪異とか調べるのめんどくさいし、主人公は忍野メメなのに視点はありゃりゃぎさんだし。

途中で語り部があららぎさんから忍野さんに代わるのって有りと思う?
原作じゃ語り部というか一人称って一つの話で一人っぽいし。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/07/10(日) 10:29:07.36 ID:L+KfqFaAO
ふむ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/07/18(月) 03:20:49.27 ID:TGwOn7Yyo
忍と阿良々木がヒロインを振って日本中を旅しに行くSSを読んだんですけども誰か知りません。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/07/18(月) 03:21:19.75 ID:TGwOn7Yyo
ミス 誰か知りませんか?
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/07/18(月) 03:26:19.36 ID:4YsGxvt+o
暦「うそつきー!」 戦場ヶ原「あらあら仕方が無いわね」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1283509215/

これかな?
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/07/18(月) 05:32:18.94 ID:TGwOn7Yyo
>>76 ありがとうございます
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/20(水) 17:54:22.04 ID:7o6pON1ao
お久しぶりです
なんか自分の書いたのが過去ログになっていたなんて胸熱だわ

PCは津波でやられて書いてた物も全部パーになっていただけに、本当に嬉しい
今、実家に戻って落ちついた日々を過ごしているので、また書きたいと思います

でも、原作は猫以降未読なんだよね……
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 18:30:24.45 ID:PmJOtDRMo
期待
だがここは基本全部過去ログ化されるぞ〜
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/24(日) 00:40:57.21 ID:6rd8GHIvo
今までSS速報であった化物語SSで完結したのってあります?
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 03:51:37.27 ID:dqVGIzmoo
あるよ
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/24(日) 13:18:09.77 ID:6rd8GHIvo
教えていただけるとありがたいです
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/25(月) 21:15:42.91 ID:5UwPz2hFo
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