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麦野「私が暗部に落ちる前に」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:18:37.66 ID:PVxwcD5S0
ここでいいのかな

ttp://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1295015883
プロパイダ規制かかったのでお引越ししてきました、
お騒がせしてすみません。

では、ゆっくり投下していきますね。
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:19:08.10 ID:PVxwcD5S0
麦野「はーーーーーーーーーまづらぁ、またあんたはつまらないミスして……死にたいわけかにゃーん?」

浜面「す……すまねぇ、麦野。き、気をつける」

麦野「’気をつける’だぁ?! 気をつけるで済んだら警備員はいらねぇんだよ! 今日こそてめえのその情けない×××を×××してやろうかコラァ!!」

バァン

浜面「ひ、ひぃ?! 麦野っ、ゆるしてくれーっ。命、命だけはっ」

麦野「ア”アァ?! だったらさっさと下部組織に召集かけてシコシコ後片付けでもやっとけや!!!!!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:21:30.15 ID:PVxwcD5S0
フレンダ「き、今日の麦野……、いつにも増して怖い訳よ……」

滝壺「むぎの、こわい」

絹旗「さっきのは敵が超最期の足掻きで暴れただけで浜面のミスって訳でも無い気が……」

麦野「ほら、アンタらも無駄口たたいてないで、後片付けは下っ端に任せてさっさと退散するわよ」

絹旗「浜面は待たないんですか?」

麦野「なんで正規メンバーのアタシらが下っ端ごときを待ってなきゃいけないのよ」

絹旗「いや、だってほら。車が」

麦野「車だったら他の適当なヤツにでも運転させればいいじゃない。ほら、帰るわよ」

フレンダ「う、うん。まってむぎの」

麦野「はやくしなさい」

スタスタ
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:22:32.52 ID:PVxwcD5S0
バタン

ブロロロロロロロロロロロロロロ……

麦野「揃ったわね」

滝壺「うん」

麦野「出して頂戴」

「へい」

フレンダ「……」

絹旗「……」

滝壺「……」

麦野「……」

滝壺「……」

フレンダ「……」

絹旗「……」

麦野「……」

絹旗「む、ぎの?」

麦野「なに?」

絹旗「いや、なんでも……」

麦野「そう」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:23:45.30 ID:PVxwcD5S0
フレンダ「(たきつぼ、たきつぼ)」

滝壺「(なに?)」

フレンダ「(なんかさぁ……ココ最近ずっと麦野の機嫌わるくない?)」

滝壺「(そうだね)」

フレンダ「(さっきからこの重たい空気、耐えられないのよ)」

滝壺「(べつに、私はへいきだけど)」

フレンダ「あたしが平気じゃないわけよっ」

麦野「どうしたの?」

フレンダ「ひゃっ?! い、いやべつになにも」

麦野「そう」

フレンダ「(ひゃ〜……、何かあったなコレは絶対……)」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 21:25:26.97 ID:4P1ZtNDDo
最初からかい

終わったら呼んで
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:27:47.64 ID:PVxwcD5S0
シーン……

麦野「……」

滝壺「……」ボー

フレンダ「……」そわそわ

絹旗「……」

シーン……

フレンダ「あ、あのさ」

麦野「うん?」

フレンダ「結局、さっきの浜面、最高にバカだったよね、あははー」

麦野「そうね」プイ

フレンダ「(はい原因特定っ……、はーまづらぁあああああっっ、アンタか、アンタのせいか!)」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:29:19.54 ID:PVxwcD5S0
ブロロロロロロロロロロロ……

麦野「止めて頂戴、あたしはここで良いから」

「はい」

麦野「それじゃあアンタ達も、いつまでも遊んでないでさっさと帰って寝なさいよ」

絹旗「超わかりました」

滝壺「うん」

フレンダ「了解」

麦野「それじゃあまた明日」

バタン

フレンダ「……」

絹旗「……っだぁ〜、なんか超疲れました」

フレンダ「結局、仕事よりしんどかった訳よ……」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:30:25.72 ID:PVxwcD5S0
滝壺「二人ともへーき?」

絹旗「滝壺さんは超平気なんですか?」

滝壺「うん」

フレンダ「この子のマイペースさには感服ねー……」

絹旗「どうしたんでしょうね、超何かあったんですか麦野は」

フレンダ「何か知ってる?」

滝壺「ううん、何も」

絹旗「私も超知りませんよ、フレンダは?」

フレンダ「しらな〜い」

絹旗「う〜ん……」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:31:33.99 ID:PVxwcD5S0
フレンダ「麦野さーここ最近、ずっとこんな調子じゃない?」

絹旗「そうなんですか?」

フレンダ「あ、そっか。絹旗ってずっと個人任務行ってたんだっけ」

絹旗「1週間ほど超出てましたけど、ずっとこんな感じだったんですか……、超ご愁傷様です」

フレンダ「ほんとにもー、麦野がこんな時に限って浜面が火に油注ぐようなマネ繰り返すからずっとヒヤヒヤだった訳よ」

絹旗「浜面、超空気読めませんもんね」

フレンダ「っだー、疲れたから温泉でも行って帰ろうかな。二人とも行く?」

絹旗「滝壺さん、どうします?」

滝壺「二人が行くなら」

絹旗「ん〜、それじゃあ行きましょうか」

フレンダ「行くいく〜、レッツゴー。運転手さ〜ん、隣の学区の温泉までお願いね〜」

「わかりました」

ブロロロロロロロロロロ……
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:33:23.20 ID:PVxwcD5S0
◇ ◇ ◇ ◇


「浜面さん、ココの片付け、あらかた終わりました」

浜面「わかった、いつもご苦労さんな。それじゃあ俺らもとっととずらかるか」

「あと……コレ、落ちてたんですけど。どうすればいいですか?」

キラッ

浜面「なんだこりゃ?」

「さぁ? 見た目がなんか綺麗だったんで拾ったんですけど、何かの部品みたいですね?」

浜面「まぁいい、俺が預かっとく」

「へい」

浜面「報酬はいつもの口座に振り込まれてるはずだから、確認しといてくれ」

「わかりました」

浜面「それじゃ俺も帰るか」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 21:34:46.81 ID:GG/1wBReo
VIPに誘導貼ってきた。思う存分やってくれ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:35:37.49 ID:PVxwcD5S0
浜面「帰るか……って」

キョロキョロ

浜面「あれ」

キョロキョロ

浜面「……」

キョロキョロ

浜面「く……」

浜面「車が無えぇーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

♪トアルニチジョーハパラレルワールド♪

浜面「えぇぇぇ……ん? なんだ、メールか?」

From 絹旗
件名 三人で超温泉です
今日は超災難でしたねー
今フレンダと私と滝壺さんで温泉です
浜面はキッチンで水浴びでも
しといてください☆ミ
あ、後、浜面の車で皆超帰りましたから


浜面「犯人お前等かよ……思いっきり温泉自慢されてるし……」

浜面「温泉……いいなぁ、あいつら」

ヒュウウウウウウウ

浜面「うぅ……さむっ、はぁ……歩いて帰るか……」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:37:04.62 ID:PVxwcD5S0
>>12
感謝です、痛み入ります
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:40:47.08 ID:PVxwcD5S0
浜面「こんな時、火の能力者だったらストーブ代わりに火を出して暖かくするんだろうなー?」

浜面「流行のエコだろそれ、エコロジーいっつイージーってか」

ヒュウウウウウ……

浜面「うぅっ……さみさみ、早く帰ろ」


黄泉川「おー? 誰かと思えば浜面じゃん」


浜面「げ」

黄泉川「ちょっと待つじゃん」

浜面「なんだよ! 俺はまだ何もしてねぇぞ!」

黄泉川「まだって事は何かするつもりじゃん?」

浜面「いや……ご心配なく、帰るとこだよ」

黄泉川「ふーん? 急に真面目になったじゃん? 感心感心」

浜面「真面目というか……はぁ」

黄泉川「どうした、元気ないじゃん?」

浜面「おめーにゃ関係ねぇよ」

黄泉川「ちょっと待つじゃん」

浜面「な、なんだよ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:42:24.53 ID:PVxwcD5S0
キラッ

黄泉川「これ、落し物。ちゃんとポケットに入れとくじゃん」

浜面「お、おう。ありがとよ」

黄泉川「随分高そうなモノ持ってんじゃん」

浜面「うるせーな、関係ないだろ」

黄泉川「関係ない?」

ガシッ

浜面「いてっ」

黄泉川「浜面……まーた何か悪さしたら、すぐ捕まえるから覚悟するじゃん?」

浜面「してねーよ、いてーな。離せよっ!」

黄泉川「ちゃんと家に着くまで監視するじゃん」

浜面「はぁ?! なんでだよ!」

黄泉川「完全下校時刻はとっくの昔に過ぎてるじゃん」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:43:25.48 ID:PVxwcD5S0
テクテク

浜面「……」

テクテク

黄泉川「……」

テクテク

黄泉川「浜面、スキルアウトを抜けたらしいじゃん」

浜面「何でそんな事知ってるんだよ」

黄泉川「風の噂じゃん」

浜面「そーかよ」

黄泉川「なのに相変わらず学校には通ってないらしいじゃん」

浜面「何でそんな事知ってるんだよ」

黄泉川「浜面の学校の先生と知り合いじゃん」

浜面「……そーかい」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:45:16.01 ID:PVxwcD5S0
黄泉川「今からでも遅くない、ちゃんと学校に通って勉強するじゃん」

浜面「大人はすぐそれだな口あけたら、勉強・勉強ってさ」

黄泉川「聞いてるじゃんよ浜面、昔は真面目な生徒だったって、だから──」

浜面「昔の事は言うな!!!!」

黄泉川「っ」

浜面「俺らの事、何もしらねぇくせに大人面するんじゃねえよ!!」

黄泉川「…………………………」

浜面「……なんだよ」

黄泉川「……随分な口を利いてくれるじゃん、こっちは心配して言ってるのに」

浜面「うるせぇ!」

黄泉川「このチンピラが……痛い目みないとわかんないじゃん?」

浜面「いいぜ黄泉川……かかってこいよ」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:47:04.84 ID:PVxwcD5S0
黄泉川「今日こそその腐った根性、叩きなおしてやるじゃん!」

浜面「いくぜ黄泉川アァァァ!!!」

黄泉川「来るじゃん!」


浜面「必殺ッ・煙玉!」

ボワン


黄泉川「っ! 煙幕か!」

浜面「だっはっは! なーんてな! お前に腕力で勝てるわけねえだろ! 逃げるが勝ちなんだよ!」

黄泉川「待つじゃん! 浜面!」

浜面「誰が待つか!」

黄泉川「お前は! まだやりなおせる! だから!」

浜面「うるせえ! ばーか! おとといきやがれ」

タッタッタ……
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:48:41.64 ID:mMpBoVEFo
え?作者なのか?
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:49:30.46 ID:PVxwcD5S0
──、走る。


──、走る。


──、走る、走る。


──、どこに。


──、……どこに。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:50:36.91 ID:PVxwcD5S0
────────

────

──

浜面「……はぁっ、はぁ……逃げ切ったか……?」

浜面「ったくよー……仕事上がりでこっちも疲れてんだよ……」

浜面「勘弁してくれよなホント」

浜面「……だいたいよ」

浜面「もう堕ちるとこまで堕ちきった俺が、今更戻れるワケねぇだろうが……」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:51:35.11 ID:PVxwcD5S0
──戻るって、どこに


浜面「あぁ? だからがっこ──」


──戻るって、どこによ?


浜面「……?」


──どこに戻るの?


浜面「さっきから……なんだ……? どっから声が……?」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:52:15.61 ID:PVxwcD5S0
浜面「おい! そこに誰か居るのか!」

「……」

浜面「……(スキルアウトか? こんな狭いビルの間の空き地で集団だったらめんどくせえぞ)」ゴクリ

「……」

浜面「出てこいよ! 居るんだろ!」

ジリッ……

ジリッ……

「……」

……ゴクリ

浜面「……、来るっ!」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:56:34.39 ID:PVxwcD5S0
麦野「大きな声出さなくても聞こえてるわよ、はーーまづらぁ」


浜面「っ、麦野っ?! なんでこんなトコに」

麦野「なに、私がこんなとこに居ちゃ悪いわけ? なんでいちいち浜面の許可もらわなきゃいけないのよ」

浜面「いや……何も悪いなんて言ってねぇけどよ」

麦野「ふぅ〜ん? それで、浜面はこ〜んな寂れた場所に何の用かにゃ〜ん?」

浜面「……知り合いの警備員から逃げてきた」

麦野「警備員?」

浜面「なんていうか……、まぁ、ゴリラみたいなやつ?」

麦野「なによそれ、人間?」

浜面「いやはは、本当、なんなんだろうな」

麦野「ま、逃げてきたってのが浜面らしいわね。あんたがマトモに戦ってる姿なんか想像できないし」

浜面「うおい! 俺だって男らしく戦っただろうが今日!」

麦野「あれで?」

浜面「あれで……です」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 21:59:33.26 ID:PVxwcD5S0
麦野「あんたは別に大人しくしてれば良いのよ、戦闘員で雇ってるわけじゃないんだから」

浜面「はぁ……でもよ」

麦野「うん?」

浜面「本当にお前等が危ないとおもったから突っ込んでいったんだよ」

麦野「あー、はいはい。それで死んでりゃ世話ないわよ」

浜面「……御尤もです、はい」

麦野「次は知らないからね、最低限自分の身くらいは自分で守りなさいよ」

浜面「了解……です」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:04:40.59 ID:PVxwcD5S0
麦野「で? その死にかけた浜面は、こんなとこになんの用事よ?」

浜面「いや、用事というか……適当に逃げ回ってたらココに来たんだけどよ、お前こそこんな所でなにやってんだ?」

麦野「私がこんな所にいたらヘン?」

浜面「いや、ヘンというか。スキルアウトかと思ってビビったぞ」

麦野「スキルアウト如きでビビってんじゃないわよ」

浜面「いや、お前はそうかもしれないけどさ」

麦野「はいはい」

浜面「それより俺は麦野がこんなとこに居たのがびっくりでよ、何かしてたのか?」

麦野「ふーん? じゃあ浜面はどこだったら私に似合うと思うの?」

浜面「どこって……お屋敷とかじゃねえの?」

麦野「お屋敷?」

浜面「そ、お屋敷。しかも金持ちのお屋敷で執事とかつけちゃうお嬢様ってとこじゃね? わかんねーけどさ」

麦野「……ぷ」

浜面「あん?」

麦野「あはははははははははははははは! 私が? お嬢様? ……ククク……あははははは、笑える、サイッコーに笑えるわ、それ」

浜面「そーかよ」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:05:51.60 ID:PVxwcD5S0
麦野「はーまづらぁ。浜面はそんな妄想を繰り広げて毎晩×××を上下させてるわけ? あー、幻滅だわ」

浜面「なんでそうなるんだよ!」

麦野「ま、育ちが良いのは否定しないけどね」

浜面「否定せんのかい」

麦野「……あんまり覚えてないのよねー昔の事って。能力開発していた事くらいしか覚えてないかも」

浜面「あぁ、そりゃ学園都市に七人しか居ないレベル五の第四位だからな。やっぱり小さい頃から実験漬けだったんだろうな」

麦野「なーに? 浜面のくせに知った風な口利いてくれるじゃない」

浜面「ひっ?! べ、別にイヤミとかじゃねえぞ」

麦野「当たり前でしょ。浜面は無能力者、私は超能力者なんだから」

浜面「はぁ……そうだな」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:12:39.75 ID:PVxwcD5S0
麦野「浜面は覚えてる? 昔の事」

浜面「昔?」

麦野「そ、むかし」

浜面「べつに、普通の子供だったよ。普通に学校いって、普通に友達つくって、普通に……普通にスキルアウトに入ってたな」

麦野「なにそれ、つまんなーい」

浜面「ひでぇ」

麦野「なんかないの? 見知らぬ女の子をその身一つで救ったとか、銀行強盗を捕まえたとか、国際指名テロリストをぶん殴ったとかさ」

浜面「んなコトできてたらスキルアウトに流れてねぇよ!!」

麦野「そうよねー」

浜面「ったくよー俺に何期待してんだよ」

麦野「それじゃあ、学園都市に来る前の事は?」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:14:10.07 ID:PVxwcD5S0
浜面「別に、普通だろ」

麦野「もっと具体的に」

浜面「はぁ?」

麦野「いいから、教えなさいよ。この第四位の麦野沈利様が興味を持って聞いているのよ。光栄に思いなさい」

浜面「まぁいいけどよ……」

麦野「うん」

浜面「学園都市に来る前は、……そうだな、こう見えて結構真面目な子供だったな」

麦野「この見るからに頭悪そうなチンピラ風情が?」

浜面「おおい! 過去の俺に謝れ!」

麦野「ふん、いいから続けなさいよ」

浜面「無茶苦茶だなオイ……」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:14:37.68 ID:PVxwcD5S0
浜面「小学校じゃ学級委員とかやってたし、放課後行ってた野球チームじゃエースで四番のキャプテンだったよ」

麦野「全然そんな風には見えないわよね、今」

浜面「うるせー」

麦野「で、何でここに来たわけ?」

浜面「そりゃあ子供が学園都市に来る理由なんか一つだろ」

麦野「一つ?」

浜面「超能力に憧れてたんだよ、こう、能力をばーーーーーーっと使って、ごわーーーーーーーっと相手をやっつけて、正義のヒーローになるんだーーーーってな」

麦野「浜面が? 正義のヒーロー?」

浜面「そーだよ、悪いか」

麦野「いや、いいんじゃない? 私には良さがわかんないけど」

浜面「お前さ、テレビとかアニメとか見てなかったワケ?」

麦野「見てないわよ。それに戦隊モノなんてどれも同じじゃない、飽きるわよ」

浜面「わかってねぇ! お前は戦隊ヒーローの良さがわかってねぇなぁ、麦野」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:15:35.85 ID:PVxwcD5S0
浜面「いいかぁ! まずはなぁ!」

浜面「────────で、────────な、──────だろ!」

浜面「────が出てきたら3分で──────で!」

浜面「──────────敵も──────そこはお約束で────────」

浜面「────がピンチになったら────────でよ!」

浜面「────────だろ!」

浜面「──────なんだよ!」

浜面「わかったか!」


麦野「──ふにゃ? もう、終わった?」


浜面「寝てたとか……ひどい……」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:31:29.09 ID:PVxwcD5S0
浜面「まぁいい、とにかくそんな風だ」

麦野「ふーん」

浜面「?」

麦野「浜面もやっぱ、そういうのに憧れてたんだ」

浜面「まぁ……大抵のヤツはそうじゃないの?」

麦野「わっかんないなー、そういう憧れるっていう感情は」

浜面「そりゃ最初から上に居たからだろ。勝手に憧れて、勝手に堕ちてった、そんだけだよ」

麦野「憧れ、ねぇ」

浜面「憧れるのは自由だろ?」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:31:58.78 ID:vlMH5I64o
お、こっちに来たんだ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:32:13.96 ID:PVxwcD5S0
麦野「という事は、浜面はこんな学園都市の最底辺まで堕ちてきといて勝手な妄想を抱きながら毎晩[田島「チ○コ破裂するっ!」]してるのかにゃーん?」

浜面「いつもそうやって茶化すのな、オマエさ」

麦野「は?」

浜面「別に」

麦野「……浜面の癖に」

浜面「悪かったよ、気に障ったなら謝る」

麦野「謝罪なんかいらないわよ」

浜面「そうかよ」

麦野「そ、……その代わりもっと話しなさいよ」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:32:43.21 ID:PVxwcD5S0
浜面「何を」

麦野「浜面の小さい頃の話」

浜面「はぁ? なんで」

麦野「いいから!」

浜面「……ん〜?」

麦野「例えばホラ! 学園都市に来た時の話とか!」

浜面「ここに来た時? ん〜?」

麦野「そう、来たとき」

浜面「……来たとき……来たとき……?」

麦野「うん」

浜面「あー……、そういえばここに初めて来た時──」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 22:34:24.61 ID:PVxwcD5S0
◇ ◇ ◇ ◇


カポーン……


絹旗「超極楽です」

滝壺「良い湯だね」

フレンダ「極楽極楽……」

絹旗「日々の疲れが超癒されていく気がします」

フレンダ「む〜」

ジー

滝壺「ふれんだ、なに?」

フレンダ「麦野もカナリ大きいけど、滝壺も結構大きいね」

モミモミ

滝壺「ひゃっ」

フレンダ「待て、たきつぼっ」

滝壺「やだ」

フレンダ「ま〜て〜」

絹旗「やれやれ……二人とも超子供なんですから……」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:35:26.11 ID:ZDrFyCxQo
ここでは目欄にsaga入れるの推奨
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:40:49.76 ID:PVxwcD5S0
モミモミ

滝壺「ふえぇ……」

フレンダ「きひひっ」

絹旗「あーもー、二人とも、そこらへんにしといてくださいね」

フレンダ「わかってるって」

滝壺「……もー」

フレンダ「めんごめんご、後で牛乳奢ってあげるから許してね」

滝壺「……」

フレンダ「?」

滝壺「二本、ね」どーん

絹旗「勝利のブイサインっ?!」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:42:21.94 ID:PVxwcD5S0

滝壺「……ごくごく」

絹旗「それにしても、今日の依頼は超ヘンでしたね」

フレンダ「そう? 適当に暴れただけで終わっちゃったから歯ごたえがなかったと思うけど」

絹旗「いつも爆弾で超ドカーンで終わらせてますもんね」

フレンダ「ふふ新種も開発中よ」

滝壺「……ごくごく」

絹旗「研究所を襲うのは超わかるんですけれど、暴れるだけで目的物の回収とかは依頼内容に含まれてなかったじゃないですか?」

フレンダ「ん、そういえばそうね」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:42:54.90 ID:PVxwcD5S0
絹旗「それに、最期浜面と超殴り合いになってたあの研究員、やたらと好戦的というか、何かを守ろうと必死でしたし」

フレンダ「そりゃ、自分が殺されそうになるってなったら必死にもなるでしょ?」

絹旗「んー、そうでしょうか」

フレンダ「ま。あそこでどんな研究があったとか、何に応用されるとか私達には関係ないって」

滝壺「……ぷはー」

絹旗「そうですね」

フレンダ「さ、絹旗も飲む飲む。こうやって腰に手をあてて……」

滝壺「もう一本」

フレンダ「プハー! 結局、風呂上りの一杯は格別な訳よ!」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:44:26.61 ID:PVxwcD5S0
絹旗「私も牛乳、超おかわりです」

フレンダ「あ、待ってよ絹旗」


────────

────

──


黄泉川「ちょっと待つじゃん! ……切れた」


鉄装「どうしたんですか?」

黄泉川「匿名のタレコミじゃん」

鉄装「匿名で?」

黄泉川「子供に大切なものを奪われた、取り返して欲しいって」

鉄装「大切な物って……?」

黄泉川「さあ? それを聞こうとしたら切れたじゃん」

鉄装「イタズラ電話ですかー?」

黄泉川「だと良いじゃん」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:45:12.44 ID:PVxwcD5S0
鉄装「んーそうですね、最近。私達の出動回数も減ってますもんね」

黄泉川「なんだ鉄装、出動がないからって怠けるつもりじゃん?」

鉄装「そ、そんな訳じゃないですよ!」

黄泉川「ほー……?」

鉄装「バリバリ頑張りますよ!」

黄泉川「頼もしい頼もしい」

鉄装「はい!」

黄泉川「それじゃあ、今日も一杯やるじゃん!」

鉄装「えぇぇ……今日も、ですか」

黄泉川「ホラホラ、今日はもう終わりの時間じゃん! 行くじゃん行くじゃん!」

鉄装「ふえぇ〜い」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 22:51:48.96 ID:BNwZEC7Po
あとどんくらいだっけ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:02:12.92 ID:PVxwcD5S0
鉄装「そういえば、あの彼どうなりました?」

黄泉川「ん? あの彼?」

鉄装「はま……なんとか、くん。でしたっけ?」

黄泉川「浜面じゃん?」

鉄装「ああ、そうその子」

黄泉川「浜面がどうかしたじゃん?」

鉄装「いや、黄泉川先生の机の上に資料が置いてあったから……」

黄泉川「鉄装〜……盗み見とは良い度胸じゃん?」

鉄装「そ、そんなぁ。別に盗み見たわけでは……、その、ちょっと好奇心で」

黄泉川「まぁいいじゃん、浜面は元々どこだかのスキルアウトでチンピラで過去14回留置場にぶち込んだじゃん」

鉄装「じゅ、14回って……」

黄泉川「絵に描いた様なチンピラで、困ったもんだったんだ……けど」

鉄装「けど?」

黄泉川「その浜面がどうやらスキルアウトを抜けたみたいじゃん」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:03:11.01 ID:PVxwcD5S0
鉄装「え? じゃあ更正したんですか?」

黄泉川「わからん」

鉄装「わからん……って」

黄泉川「今日見てきたが相変わらず学校にも通わずフラフラしてるみたいじゃん」

鉄装「そうなんですか……」

黄泉川「……鉄装、どう思う?」

鉄装「どう、って?」

黄泉川「スキルアウトはそんな簡単に一言『辞めます』って辞められる様な組織じゃないじゃんよ」

鉄装「はぁ……それが?」

黄泉川「あそこのリーダー、駒場の姿もある日を境にぱったり見なくなった。一体何が起こってるじゃん?」

鉄装「仲間割れ、とか?」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:03:58.64 ID:PVxwcD5S0
黄泉川「だったらまだいいんだけど……最近、街がやけに静かじゃんよ。何かが起こる前兆じゃなければ良いけど」

鉄装「もー、心配しすぎですよ、黄泉川先生」


────────

────

──


浜面「そんで、心配して探しに行ったら半蔵の野郎が郭とイチャイチャしててよ、さすがに頭に来たな」

麦野「……わかった」

浜面「あん?」

麦野「あんたのとこのスキルアウト? だっけ」

浜面「おう」

麦野「あんた含めて、バカばっかりだったって訳ね」

浜面「おーい!」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:04:49.44 ID:PVxwcD5S0
浜面「まぁ……否定はできねぇけどよ」

麦野「ほらね」

浜面「それでも」

麦野「うん?」

浜面「俺らには俺らで、目的があったんだよ。組織としても、そしてたぶん、個人としても」

麦野「ふーん、目的ね」

浜面「おう」

麦野「ATM強奪したり、無駄に武装したりする事?」

浜面「いや、それはあくまで手段であってだな……少なくとも暗部組織とは違うぞ」

麦野「何が違うのよ、殺し……盗み……監視、観測、ハッキング、ピッキング、追跡……やってる事は一緒じゃない」

浜面「まぁ……そう考えるならそれでもいいけどよ……、それにもう俺はあそこを出た人間だからな」

麦野「哀愁漂わせちゃって、似合わないわよ」

浜面「うるせー」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:06:37.82 ID:PVxwcD5S0
麦野「はー、なんか浜面の話聞いてたら私の悩み事なんか消えちゃいそう」

浜面「悩みだ? お前に悩みなんかあんのかよ」

麦野「失礼ね」

浜面「う、わりぃ」

麦野「だいたい誰のせいだと思って…………………………」

浜面「あん?」

麦野「……なんでもない」

浜面「そーかよ」

麦野「バカだから許してあげる、バカだから」

浜面「二回繰り返さんでもええわい!」

麦野「あははっ」

浜面「あー……なんかいつもこんな感じだな、俺。損な役回りというか……」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:08:01.58 ID:ZLY1zJ85o
むぎのんを幸せにしてやって欲しい
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:08:02.86 ID:PVxwcD5S0
浜面「……」

麦野「……」

浜面「……あー」

麦野「……」

浜面「……」

麦野「……」

浜面「……」

麦野「……なんか喋りなさいよ、はーまづらぁ」

浜面「お、おう」

麦野「……」

浜面「あ、あのさ」

麦野「うん?」

浜面「……えーっと……(やべ、なんか何喋っていいかわかんねぇ)」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:09:03.44 ID:PVxwcD5S0
浜面「……」

麦野「……」

浜面「え……っと」

麦野「はーまづらぁ?」

浜面「……(つーかよぉ、よくみると麦野って結構美人?)」

麦野「?」

浜面「……(いや、結構っていうか、かなりというか……少なくとも俺の知ってる奴等と比べたら……)」

麦野「どーしたのよ、固まっちゃって」

浜面「……い、いや。別に」

麦野「?」

浜面「……(く……、顔! 顔! ちかいっての!)」

浜面「いや、ははは。そ、そうだ。上見てみるよ上」

麦野「上?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:09:56.42 ID:PVxwcD5S0
浜面「……(よ、よっしゃ、ナイス俺! とりあえず顔を離す事に成功したぜ!)」

麦野「はーまづらぁ? 上になんかあるの?」

浜面「……(し、しまった! 顔を離す事だけしか考えてなくてこの後の展開なんて何も考えてなかった!)」

麦野「はー……、それにしても、夜なのに星一つ無いわね」

浜面「そ、そうだな」

麦野「声裏返ってるわよ?」

浜面「そ、そうか? コホン、あーあー、うん。ゴホゴホ」

麦野「ヘンな浜面?」

浜面「(っだあああああああああああ!!! 近い! だから近いって! 顔! あたる! 顔が! 息が!)」

麦野「何よ鼻息荒くして、どうせエロい事でも考えてたんでしょ?」

浜面「な、ななななななんでだよ! はっ、アホな事いうなよ!」

麦野「だーれがアホだって……?」

浜面「いや! これは顔が! 顔じゃない! その、息じゃなくて! 近いのは! えっと!」

麦野「はーーーーーーーーまづらぁ……」

浜面「そ、そうだ! 麦野!」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:11:02.30 ID:PVxwcD5S0
麦野「なーにかにゃーん?」

浜面「月だ!」

麦野「月がどうしたって?」

浜面「月が綺麗だな、なーんつって、ははは」


麦野「………………………………………………………………」


浜面「ほら、月が……」

麦野「どこ? 月なんか出てないじゃないのさ」

浜面「うぐっ?! なんだって!」

麦野「ほら、見てみなさいよ、どこに月があるって?」

浜面「……なん……だと」

麦野「あはは、バーカ面、浜面のバーカ」

浜面「う……ぐ(しかしなんか知らんが機嫌よくなったみたいで良かった……)」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:12:09.05 ID:PVxwcD5S0
麦野「……ぷ」

浜面「?」

麦野「……あはは、あんた、さっきからなんて顔してんのよ」

浜面「は?」

麦野「くく……あはは、笑いすぎてお腹痛い……」

浜面「なんだよ……そんな笑う事かよ」

麦野「うん」

浜面「ああもう死んでもいいよ、畜生……」


麦野「………………………………………………………………」


浜面「え? 何この間」

麦野「はーーーーーまづらぁ」

浜面「え?」

麦野「私以外の女の前でこの台詞禁止な」

浜面「え? なんで?」

麦野「なんでって……なんでも」

浜面「なんか知らんが、わかったよ」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 23:12:56.91 ID:Zm98In42o
前スレ1というか書き手はいるのか?
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:13:02.40 ID:PVxwcD5S0
浜面「あ、そうだ。麦野」

麦野「ん? 何?」

浜面「いや。大した事じゃないかもしれないんだが」

麦野「今気分良いから特別に聞いてあげてもいいけど」

浜面「そうか、なら言うが。フレンダや絹旗、怖がってたぞ。お前が不機嫌だーってな」

麦野「あらそう? それならもう治ったから大丈夫よ」

浜面「は?」

麦野「だーかーら、もう大・丈・夫・だ・っつってんの!」

浜面「お、おう。さんきゅな、伝えとくよ」

麦野「フン、用が済んだら帰るわよ」

浜面「あ、おい。待てよ」

麦野「ついてくんな!」

浜面「待てよ! 麦野!」


──、……ありがとう
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:16:33.83 ID:PVxwcD5S0
◇ ◇ ◇ ◇

スタスタ

スタスタ

浜面「お、絹旗じゃん」

絹旗「……超おはようございます」

浜面「どしたん? なんか暗いぞ?」

絹旗「朝一番で超バカの浜面の顔みたからじゃないですか?」

浜面「ひどい! ……ひどすぎるっ!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:18:50.81 ID:PVxwcD5S0
浜面「ってかお前等温泉行ってたらしいな」

絹旗「そうですよー、超楽しかったです、浜面も来ればよかったのに」

浜面「誘う気なかったくせによく言うぜー」

絹旗「当たり前じゃないですか、温泉ですよ? 浜面だったら絶対覗くに決まってるじゃないですか」

浜面「しねえよ! んなこと!」

絹旗「そうでしょうか……」

浜面「絹旗さーん? その可哀想なものを見る目やめてもらいますー?」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:21:44.17 ID:PVxwcD5S0
絹旗「それにしても」

浜面「ナンだよ」

絹旗「昨日の麦野、超こわかったですね」

浜面「あいつはいつもあんな感じだろ?」

絹旗「いやー、いつもの3割増くらいでブチ切れてましたよ」

浜面「……そうかも」

絹旗「何が原因なんでしょうね」

浜面「さあなー、あの日じゃね?」

絹旗「最悪、超[ピーーー]、女の敵」

浜面「ひでぇ……」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:23:52.95 ID:PVxwcD5S0
絹旗「で、何があったか知りませんか?」

浜面「ああ、その件だけどよ」

絹旗「?」

浜面「昨日お前等が帰ったあと、麦野と会ったんだよ」

絹旗「超殺されませんでしたか?」

浜面「だったら今ココにいねえよ!」

絹旗「それで?」

浜面「昨日あいつ自分で言ってたけどさ、なんかもう機嫌治ったらしいぞ」

絹旗「超怪しいですね……」

浜面「あん? 何がだよ」

絹旗「麦野は私が仕事で居なかった一週間前から機嫌が超悪くなったんですね?」

浜面「あ? あぁ、そうだと思うけど」

絹旗「その一週間前。浜面、プライベートでどこか行きました?」

浜面「はぁ? なんでそんな事言わなきゃいけないんだよ」

絹旗「窒素装甲・展開」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

浜面「ちょ! 待て! その車を下ろせ! 街中だぞここ!」

絹旗「超話す気になりましたか?」

浜面「なった! なったから!」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:24:22.10 ID:PVxwcD5S0
浜面「一週間前っつたらアレだな、なんかよ修道服着たシスター道端で倒れててがハラヘッタっつうからファミレスにつれてってやったんだよ」

絹旗「はぁ? シスターが道端でお腹を空かせて倒れてたぁ? もっと超マシな嘘はつけないんですか、浜面?」

浜面「いやだから本当なんだって!」

絹旗「はぁ……まぁいいでしょう、それで?」

浜面「それで、ファミレスに行ったのはいいんだけどよ。そのシスターの食欲がすごくてよ、店のメニュー殆ど一人で食いやがるんだ」

絹旗「超暴飲暴食シスターですか」

浜面「いやだからマジなんだって! 俺も一食くらいなら別に……って思ってたんだけどよ、これじゃさすがにやべーって思ってさ」

絹旗「財布が軽くなりそうですもんね」

浜面「軽くなるどころかマイナスなんだよ……」

絹旗「超ご愁傷様です、それで?」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:25:01.43 ID:PVxwcD5S0
浜面「そんな所に麦野がやってきたんだよ」

絹旗「……他の女性と一緒に居るところを超見られたわけですね……」

浜面「おー、丁度いいところに! って思ってさ」

絹旗「修羅場的な意味でですか?」

浜面「ちげーよ、さすがに持ち合わせがなかったから金貸してくれーって言ったら財布投げられて走って帰っていっちゃったんだよな。何か機嫌悪かったのかな、ははは」

絹旗「お前が超原因です!」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/17(月) 23:29:49.74 ID:uqhuLlEx0
>>60
メル欄にsaga入れたら[ピーーー]無くなるぞ
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/17(月) 23:35:19.38 ID:PVxwcD5S0
浜面「なんだ俺が原因……、俺っ?!」

絹旗「どう考えても浜面しか居ないじゃないですか!」

浜面「なんでそうなるんだよ!」

絹旗「なんでって……はぁ、それ本気で言ってるんですか……」

浜面「……わっかんねーな」

絹旗「超浜面ですね……」

浜面「って、おーい。どこ行くんだよ、路地裏だぞそっち」

絹旗「こっちのが超近道なんですよ、ボヤボヤしてると先行きますよ」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/17(月) 23:39:00.64 ID:PVxwcD5S0
浜面「おーい、待てよ……って行っちまった」

ポロッ

浜面「っとっと、また落としちまった、コレ」

キラッ

浜面「何なんだろうな、一体」


──、オマエさ。結局どこの誰なんだー?


浜面「……?」

浜面「まただ。……また、なんか聞こえたな……」

浜面「まさか俺、なんかの能力に目覚めたのか?」

浜面「ははっ、まさかな」

浜面「あんなに望んだって手に入らなかったんだ、今更手に入ってたまるかってんだ」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/17(月) 23:41:29.18 ID:PVxwcD5S0
浜面「空耳だろ空耳」

浜面「だいたい心理系の能力ってどうなのよ」

浜面「どうせならこう、わかりやすく火とか出てくれたらいいのにな」

浜面「リーダーのレッドっつたら、赤だから火だろ、イメージ的に」

浜面「……ま、うちのリーダーは火というか炎というか……まんま自然災害みたいなもんだけどな」

浜面「……能力、ねぇ」

浜面「まったく、無能力者の俺には関係のねー話だな」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/17(月) 23:43:17.17 ID:PVxwcD5S0
浜面「な、そう思うだろ絹旗……って,あれ? 絹旗ー? おーい」

浜面「……あいつ俺置いてとっとと行きやがった……」

浜面「ひでぇ……」

浜面「うぅっ、俺、アイテム入ってからずっとこんな扱いばっかり……」

浜面「スキルアウト時代が懐かしいなぁ、チクショウ」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/17(月) 23:50:16.31 ID:PVxwcD5S0
浜面「あの頃は適当に集まって、適当にバカやって適当に……」

浜面「駒場さん」

浜面「俺は、あんたみたいにはなれなかったよ」

浜面「あー、ほんっと。ツイてたなぁ俺は」

浜面「……つーかよ」

浜面「昔と違って、リーダーが怒りっぽくてな。遅刻するとすげー怒られるんだよ、出てくるならさっさとしてくれねーか?」


「浜面仕上だな?」


浜面「その浜面仕上に何の用だってんだよ、そんなゾロゾロと大人数でさ」

「悪いが一緒に来てもらおう」

浜面「お前らどこの組織だ」

「答える義理は無い」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/17(月) 23:53:53.90 ID:PVxwcD5S0
浜面「そーかよ……」

「大人しく従えば命までは奪わない」

浜面「随分高圧的だなおい」

「無駄な抵抗はしない事だ」

浜面「……(正面に3人、後ろに2人。やれるか? ……いや、無理だな。かと言って逃げ道は奴等が塞いでる……)」

「一緒に来てもらおうか」

浜面「万事休す、か」

ゴソッ

浜面「……(ん……ポケットの中に……、昨日のアレか)」

「さあ」

浜面「……(なんとか、なるんじゃねーか……やってみるか)」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/17(月) 23:56:36.61 ID:PVxwcD5S0
「答えは決まったか」

浜面「……へっ、そんなの答えは最初っから決まってんだろ!」

「そうか、それなら」

浜面「答えは、NOだ! 必殺! 煙玉っ!」

ボワン

「なんだこの煙はっ?!」

「く……子供だましが!」

浜面「っらあああああああああああああああああああ!!!!」

ドガッ

「ぐあっ……」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/17(月) 23:59:59.80 ID:PVxwcD5S0
浜面「(とにかく、後ろのあと一人ぶっ倒して逃げるっ!)」

浜面「(武器……武器……何か適当にぶん殴れるもん、落ちてないか……)」

浜面「!」

浜面「鉄パイプ! みーっけ!」

ガン!

浜面「なははははは!! 後は逃げるだけ──っ」

ガシッ

「捕まえたぞ、クソが、てこずらせやがって。オイ、上に連絡だ」

浜面「……あれ? 絶対絶命?」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:04:17.79 ID:P7Kj2VIn0
「よくもブン殴ってくれたなガキが……」

「おい、一発くらいいいだろ?」

「死なない程度にな」

ドゴッ!

浜面「……ぐあっ?!」

「あーあーあーあー、情けねえなおい。地面の味はどうだ? あ? このバカ野郎が」

浜面「……バカはお前等だ」

「あん?」

浜面「あれがただの煙幕だと思ったか……信号弾なんだよ……」


絹旗「浜面! 超大丈夫ですか!!」


浜面「絹旗! ……っだああああ!! 車、車はやめろ!」

絹旗「えいっ」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:06:39.04 ID:P7Kj2VIn0
絹旗「必殺・車投げ」


ぽいっ



浜面「……死ぬかと思った」

絹旗「何勝手にヘンな奴等に殺されかけてるんですか、浜面」

浜面「お前にだよ!」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:08:24.00 ID:P7Kj2VIn0
「くそ……新手か!」

絹旗「なかなか来ないから超心配しましたよ」

浜面「……そりゃどーも、やれるか?」

絹旗「心配超ご無用ですよ!」

ドガッ

「ぐあっ」

絹旗「窒素装甲の前では銃弾も無力ですから!」

バキッ

「く……」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:09:25.66 ID:P7Kj2VIn0
絹旗「あと3人!」

ガッ

「く……くそ!」

絹旗「後2人!」

ドゴッ

「っ!」

絹旗「残るは……!」

「く……来るなァァ!」

絹旗「銃ですか……」

「一歩でも動いてみろ! う……う、撃つからな!」

絹旗「どうぞ、超ご勝手に」

「は?」

絹旗「だから、どうぞご勝手に」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:11:14.55 ID:P7Kj2VIn0
「な……何を言っているんだ、怖くないのか? 命がどうなってもいいのか?」

絹旗「怖い? 何を言っているんですかアナタ? そんな甘っちょろい事言ってるから命を落とすんですよ」

「ひ……」

絹旗「ほら、撃ちたきゃ撃てばいいじゃないですか」

「く! くるな!」

絹旗「ほら、ここが心臓ですよ。よく狙ってください」

「く……!」

絹旗「一歩」

「っ」

絹旗「二歩……三歩……」

「来るな……来るなよぉ……!」

パァン!

「……こ、殺した……殺しちまったアアァァァァ!!!!」

絹旗「……勝手に殺されるのは超不快ですね」

「……なっ」

絹旗「だから私には効かないって言ってるじゃないですか。ほら、今逃げたら私は超許してあげますよ」

「ひ……、ひ……、銃が効かない? ば……化け物!」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:13:52.87 ID:P7Kj2VIn0
タッタッタ


絹旗「超逃げましたか」

浜面「……みたいだな」

絹旗「とんだ腰抜けですね」

浜面「逃がしちまっていいのか?」

絹旗「私は許すっていいましたけど」

浜面「でもよ」

絹旗「私がそうでも、麦野がどういうつもりかは、超わかりませんけどね」

浜面「……ご愁傷様……、って、いててて」

絹旗「超大丈夫ですか?」

グイッ

浜面「ギャース! ひっぱんな! 患部を刺激してんじゃねええええ!!」

絹旗「それだけ大声だせたら超大丈夫ですね」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:14:43.72 ID:P7Kj2VIn0
────────

────

──

「はぁ……はぁ……、ここまで逃げてきたら平気だろう……」

「くそっ、なんだってんだ。無能力者のガキ一つさらってくるだけじゃなかったのか!」

「なんであんな強い女が一緒に居るんだよ! くそ!」

「とにかく連絡を……」

「あ……? あれ? 携帯電話がない?」



麦野「探してるのはコレの事かにゃーん?」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:21:50.45 ID:P7Kj2VIn0
「あ、あ。あぁ……(なんだこの女……)」


麦野「さっき、そ・こ・で、拾ったのよーん」


「そ、そうか。ありがとう。それを返してくれないか? 大事なものなんだ」


麦野「ふふ、お兄さん? そんなコトよりわたしとイ・イ・コ・ト・してかない?」


「いぃいいい? いいこと?」


麦野「ふふ、赤くなっちゃって可愛い。そんな下半身おったちゃって、早漏なのかにゃーん?」


「な、なにを……」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:24:03.82 ID:P7Kj2VIn0
麦野「ねぇ〜? お兄さん」

「……?」

麦野「これ、返して欲しい?」

「あ、あぁ。返してくれないか?」

麦野「ふふ、いいわよ」

バキィィ

「なっ?!」

麦野「あ、ごめんなさ〜い? 手が滑っちゃったぁ♪」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:28:34.18 ID:P7Kj2VIn0
「手が滑っただぁ?!」

麦野「……りねぇ……」

「(こ、こいつ……笑ってやがる……)」

麦野「足りねぇ……足りねぇなぁ……こんなんじゃあよぉ……」

「なに……を……」

麦野「私はさぁ……別にいいんだよ、あのバカがどこで何してようが誰と居ようが何喋ってようが誰と一緒に食事してようがさぁ……」

「……?」

麦野「でもさぁ……アレはだめだ、お前……あいつの事蹴っただろ……アレはだめだなぁ……」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:33:52.92 ID:P7Kj2VIn0
カツン

「ひっ」

カツン

麦野「大事な大事な身体なんだよ……傷がついたらどう落とし前つけるつもりなんだよ……なぁオイ」

カツン

「ひっ、ひぃいい……」

カツン

麦野「あいつをどうにかしていいのはなぁ、私。……私だけなんだ、それを何でどこの馬の骨とも知れない輩がよぉ……よくもでしゃばってくれたもんだ……」

カツン

麦野「ね? おにーさん?」ニコッ

カツン
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:34:40.86 ID:P7Kj2VIn0
カツン

カツン

麦野「そう、動かないで。いい子だから動かないで、そのまま」

カツン

カツン

「は? はい?」

麦野「だから、動くなっつーの。脳味噌まで×××なのかっつーの。大人しくしてたら逝かしてやるからよ」

「え、ええと……」

カツン

カツン

麦野「逝かしてやるって言ってんだろ? 聞こえなかった?」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:36:33.57 ID:P7Kj2VIn0
「あ……ぁ……あぁ……」


麦野「クソが! どこの犬かしらねぇけどよぉおおお!」


「あ……あ……まさか……まさか……」


麦野「てめぇの所有物に手ぇ出されて黙ってられる程、お人良しじゃねえええええええんだよ私はアアァァァァ!!!!」


「まさか……まさか……原子崩し……」


麦野「人の事を能力名で呼ぶんじゃねえよ。私には、私にはなぁ……ちゃあああああんと麦野沈利って名前があるんだよおぉ、覚えとけクズがアァァァ!!!!!」


キュイイイイイイイイイイイイイィィィィィン……


「ゆ、ゆるし……」

麦野「──ま、最も。もう二度と喋れないだろうけどなァァァァァァァァアアアア!!!!!!」


ドッ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:38:07.97 ID:P7Kj2VIn0
麦野「……ちっ、胸糞わりぃな」

麦野「二度とアイテムに手を出すんじゃねーぞ」

麦野「……」

麦野「原子崩し……か」

麦野「どいつもこいつも畏怖、畏怖、畏怖……レベル五だから、当たり前といえば当たり前か……」

麦野「歩く自然災害……か、私にぴったりじゃねぇか」

麦野「……はぁ」

麦野「なんか疲れちゃった……」

くたっ
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 00:41:37.00 ID:9vGdb3PDO
ところどころに見覚えのない部分がある気がするんだけど、もしかして加筆とか修正してる?

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:41:46.45 ID:P7Kj2VIn0
──、麦野!


麦野「麦野沈利……」


──、麦野! 麦野!


麦野「ちゃーんと……名前、あるのになぁ……」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:44:30.06 ID:P7Kj2VIn0
──ナ……マエ……。


──、そう。


──、伝えなきゃ。


──、私。私の、私のナマエは……。

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/18(火) 00:44:50.13 ID:SO6VZ+Rbo
>>87
なに?読み直しとな?

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:56:45.49 ID:P7Kj2VIn0
浜面「麦野!」

麦野「……あぁ?」

浜面「麦野! あぁよかった、気がついたか」
 
麦野「なんだ、浜面か……」

浜面「なんだじゃねぇだろうが麦野……何回呼んでも返事しねぇし、心配したんだぞ?」

麦野「はっ、無能力者の浜面が超能力者のこの私を心配? はーまづらぁ、腹で茶ァ沸かせるつもりかよ」

浜面「ほんとに心配したんだって、無事そうでなによりだ。ったく麦野よぉ、お前は一人で突っ走るから追っかけるのも大変だったぞ」

麦野「追いかけてきてくれたの?」

浜面「当たり前だろうが」

麦野「……あ、そ」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:57:36.75 ID:P7Kj2VIn0
浜面「ったく麦野よぉー」

麦野「むぎの」

浜面「あん?」

麦野「ねー、浜面」

浜面「なんだよ」

麦野「名前、呼んで」

浜面「はぁ? なんで」

麦野「いいから」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:58:25.56 ID:P7Kj2VIn0
浜面「麦野」

麦野「苗字じゃなくてちゃんと名前も」

浜面「……は、はぁ?(なんでそんなこと……)」

麦野「はーまづらぁ」

浜面「……っ(なんだ、どうしたんだ麦野? さっきから様子が変だぞ?)」

麦野「……おねがい」

浜面「なにこの麦野、可愛すぎだろ……(どうしたんだ麦野……)」

麦野「私、そんなに可愛い?」

浜面「し! まった! 心の声がっ!」

麦野「心の声? 浜面は心の中でどんな妄想を繰り広げていたのかにゃーん?」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:59:02.47 ID:P7Kj2VIn0
浜面「ドチクショウ……なんたる失態……」

麦野「はーまづらぁ?」

浜面「ああもう煮るなり焼くなり好きにしろぃ!」

麦野「あんたなんか煮たところで出汁なんか出ないわよ」

浜面「ひでぇ……」

麦野「それより、さっきの」

浜面「お? おおう……」

麦野「はやく」

浜面「ええい! ままよ!」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:59:30.77 ID:P7Kj2VIn0
浜面「沈利、麦野沈利」

麦野「ん、もっかい」

浜面「しずり」

麦野「もっかい」

浜面「もっかいだぁ?」

麦野「文句いわない」

浜面「……沈利」

麦野「……うん」

浜面「沈利」

麦野「……」

浜面「麦野沈利」

麦野「……うん……」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 00:59:57.36 ID:P7Kj2VIn0
浜面「も、もういいか」

麦野「……うん」

浜面「……なぁ、なんかあったのか?」

麦野「べつにー」

浜面「そぉかよ」

麦野「……」

浜面「まぁ、無理にはきかねェよ」

麦野「そ」

浜面「……」

麦野「それじゃあ私から一つ聞いてもいいかな」

浜面「あん?」

スレが壊れたところ、直します。。@荒巻 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/operate/1161701941/
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:06:12.12 ID:P7Kj2VIn0
麦野「浜面と、アイテムで会ったときから、ずっと聞こうと思ってたんだけどさ」

浜面「なんだよ」

麦野「……あー、やっぱりいいわ。気のせいかもしれないし」

浜面「らしくねーな、いいから話せよ」

麦野「そう? じゃあ聞くけど……」

浜面「おう」


麦野「……私とあんた、ずっと、どこか、ずっと前に会ってない?」


────────

────

──

絹旗「ちょっとフレンダ! 押さないでください!」

フレンダ「絹旗こそ! ちょっと下がるわけよ!」

滝壺「北北西から電波きてる……」

絹旗「っだあー、ここからだと声が聞こえませんね」

フレンダ「でも感じるのよ……あの辺り一帯に広がるピンク色のオーラを!」

絹旗「ピンク色って……なんだか超いやらしいですね」

フレンダ「ピンク色、もとい、バニー色な訳よ」

絹旗「あー、なんかそれ聞いて隠れてるの超アホらしくなってきましたよ……」

フレンダ「!」

絹旗「どうしました!」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:06:53.84 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「あ……あ……」

絹旗「フレンダ……?」

フレンダ「とある魔術の禁書目録、録画するの忘れてたーーーーっ!!!」

ズコー

絹旗「な……なんですか?」

フレンダ「ごめん、先帰るね」

絹旗「帰るって、ちょ……」

滝壺「きぬはた、かえろ?」

絹旗「滝壺さんまで」

滝壺「いいから、ね?」

絹旗「むー」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:07:50.20 ID:P7Kj2VIn0


黄泉川「そこの3人、ちょっと待つじゃん」


フレンダ「……(い、今、気配なんかなかった訳よ!)」

絹旗「……(……おそらく相当のやり手ですね、どうします?)」

フレンダ「……(まだ麦野と浜面が中に居るし、事は荒立てない方が良さそうな訳よ)」

滝壺「なんですか?」

黄泉川「お? さっきの奴等と違ってちゃんとお話できるじゃん、偉い偉い」

フレンダ「さっきの?」

黄泉川「なんか4人くらい静止を振り切ってここの廃工場に振り切って入ろうとしたから成敗したじゃん」

絹旗「そうなんですか、それじゃあ私達は超失礼しますね」

黄泉川「まーまー、待つじゃん」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:08:28.16 ID:P7Kj2VIn0
絹旗「何でしょうか?」

黄泉川「この顔に見覚えあるじゃん?」

滝壺「だれ?」

黄泉川「昔、この辺りを根城にしてたスキルアウトの一員じゃん、名前は浜面仕上、こっちは駒場利徳」

滝壺「しらない」

黄泉川「そっか、ありがとじゃん」

滝壺「お役に立てなくてごめんなさい」

黄泉川「いいじゃん、それよりこんな古い工場で遊んでるといつ崩れてくるかわからないし危ないじゃん。早く帰るじゃん」

フレンダ「それじゃあお言葉に甘えてそうさせてもらう訳よ」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:10:21.87 ID:P7Kj2VIn0
黄泉川「ここには居ないか……ほかを当たるじゃんよ」



スタスタ

フレンダ「……」

スタスタ

絹旗「……」

スタスタ

滝壺「……」

スタスタ

フレンダ「行った?」

絹旗「みたいですね。……っだぁ〜、超疲れました」

フレンダ「何なのよあの警備員、絶対タダ者じゃない訳よ」

滝壺「はまづらを探してたね」

絹旗「滝壺さん……、’知らない’って嘘つくのに超微動だにしませんでしたね」

フレンダ「世界最高の嘘発見器があったとしても感知できなさそうね」

絹旗「超すごかったですよ」

滝壺「それほどでも」

フレンダ「照れちゃっても〜、かわいいっ」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:11:29.30 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「それよりあの写真の人、駒場っつったかしら?」

絹旗「駒場、駒場利徳でしたっけ?」

フレンダ「結局、誰なのよ?」

滝壺「しらない」

絹旗「誰なんでしょうね」

フレンダ「浜面に関係ある人なのかな」

絹旗「今度機会があったら聞いてみましょうか」

滝壺「……」

フレンダ「そういえば浜面の過去って、あたし等、なーんも知らないのよね」

絹旗「それはお互い様では……?」

フレンダ「まっ、一緒に働くからには、興味が無いわけじゃないのよね」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:12:32.46 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「浜面だってほら、ひょっとしたらどこかの国の王子様かもしれないし」

滝壺「はまづらが王子様?」

絹旗「なんですかそれ、どこの超アホアホキングダムですか」

フレンダ「わっかんないわよ〜、だいたい、ここに来る前どうしてたかなんて本人以外わかんないもんね」

絹旗「なんか超興味沸いてきましたよ」

滝壺「南南西から電波きてる……」

フレンダ「今度皆の前で吐かせるわけよ、きひひっ」

絹旗「超罰ゲームでもやりますか」

フレンダ「浜面限定罰ゲーム大会? いいねいいね」

絹旗「超かわいそうですけど、超お似合いなのが悲しいですね」

滝壺「お似合い」

フレンダ「そんじゃもう解散って事でいいかな? あたし先帰るね」

絹旗「あ、待ってくださいよ」

滝壺「どこいくのフレンダ」

フレンダ「サバ缶」

絹旗「昨日超勝ってたじゃないですか」

フレンダ「昨日とは違う味が新発売な訳よ、全国を代表するコレクターとしては抑えときたいアイテムなのっ」

絹旗「サバ缶コレクターって全国に何人居るんですか……」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:14:01.32 ID:P7Kj2VIn0
────────

────

──


「……浜面仕上の捕獲に失敗した?」

「は、はいっ」

「どういう事だ、きちんと現状を報告しろ」

「それが……」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:15:22.95 ID:P7Kj2VIn0
「……なるほどな、あの原子崩しが関与しているのか」

「どうしましょう」

「アレはまだ浜面仕上が所持している、間違いないな?」

「は、はい」

「ふむ……やぶへびだったか、どうしたものか……」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:15:48.57 ID:P7Kj2VIn0
「社長、しかしアレには我が社の命運が……」

「わかっている」

「社長」

「ここは学園都市……、これ以上騒ぎを大きくして他の組織から目をつけられるのは得策ではない……静観する他あるまい」

「しかし!」

「なぁに、ただ何もせず待つと言っているわけじゃない」

「?」

「果報は寝て待て……ここには金で動く連中なら五万といるだろうさ」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:18:12.40 ID:P7Kj2VIn0
◇ ◇ ◇ ◇




──あんまり覚えてないのよねー昔の事って。能力開発していた事くらいしか覚えてないかも。





──というのは嘘だ、本当は全部覚えている。

──ただ、思い出すにはあまりに無味乾燥で、

──黒と灰色しかない世界の事ばかりが支配していて、

──夜な夜な、それが私の心をチクチクと刺すように音も無くやってくるんだ。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:21:49.63 ID:P7Kj2VIn0





──、沈利。

──、麦野沈利。

──、しずり、なんて。我ながら変わった名前だと思う。

──、それが申し訳程度につけられた名前だという事は子供ながらに理解していたけれど。

『アレが……原子崩し』

──そこでは誰も私の名前を呼んではくれなかったから。

『やあ、原子崩し。今日から僕が君の能力開発を担当する事になった』

──白衣を着た男が私の前にやってきて薄っぺらい顔で笑う。

『今日からよろしく頼むよ、原子崩し』

──毎回繰り返される意味の無い遣り取り、これで一体何人目なのだろうか。
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:25:15.63 ID:P7Kj2VIn0
──、白色の部屋。

──、何も無い部屋。

──これも、私の能力開発を促すための部屋らしい。

──原子崩し

──それがあの白衣の男によってつけられた、私の呼び名。

──、反芻してみる。

──、メルトダウナー。

──、私の能力名。

──、誰も呼んでくれない名前。

──、むぎの、しずり。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:28:55.24 ID:P7Kj2VIn0
──振り返るとつまらない毎日だったと思う。

──研究室で見る0と1の繰り返しが面白いとは思えず

──インストールされるプログラムを横目に座りながら足をプラプラさせてみた。

──きっと彼らが興味あるのは私個人ではなくて、私個人から採取される0と1の世界なのだろう。

──、数値の変化に一喜一憂する彼らを見る事さえ、いつしか飽き始めて、やがて何も思わなくなった。

──ただ促されるまま

──0と1を吐き出す。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:30:06.34 ID:P7Kj2VIn0
──朝が来る。

──足音が聞こえて、起床を促される。

──窓すらない研究施設の隅の部屋で与えられた物と言えば、研究者の男が趣味で読んでいるという本くらいだった

『おはよう、原子崩し』

──特徴の無い声が抜けていく。

──ああ、今日もあのつまらない時間が始まるのか。

──そう考えるとほんの少しだけ億劫になる。

『どうした? 行くぞ』

──いっそ目の前の男を殺してしまえばこの意味の無い日々に終わりがくるのだろうかと思って

──白衣を赤色で染め上げた事もあった。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:31:33.22 ID:P7Kj2VIn0
──人を殺したという実感は無かった。

──なんだ、こんなものか。

──かんたんじゃないか。

──簡単なことじゃないか。

──いつも通り、普段やっている実験の通りに照準を合わせて、能力を解放する

──それだけで目の前の男は動かなくなってしまった。

──本当に。

──息をするのと同じ感覚で能力を解放しただけ

──たったそれだけの事だったんだ。

──何も生み出さない

──恐らくは、ただ、奪うだけ。

──ただ、壊すだけ。

──それが原子崩しだという事に

──私は気がつかないフリをした。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:32:29.85 ID:P7Kj2VIn0
──騒ぎを聞きつけた警備員が私の部屋に集まってきた。

──なのに誰一人として私を咎める物は居ず

──ただ、畏怖

──そして、無関心

──淡々と、業務的に遺体を回収して消えていった。

『素晴らしい……素晴らしい力だ、原子崩し』

──おかしいな

──悪い事をした子供は怒られるんじゃないのか

──少なくとも本で読んだ世界では、そうなっていたのに。

『これは実験の計画を少し前倒しにしてもいいかもしれないな、ははははは』
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:34:30.49 ID:P7Kj2VIn0
──白衣が一つ消えて

──部屋に残ったのは何冊かの本だけ。

──そしてまた繰り返される。

『やあ、原子崩し。今日から新しく君の担当になった者だ、よろしく頼むよ』

──また。

──また、白衣を着た男が私の前にやってきて薄っぺらい顔で笑う。

──同じ顔で。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:35:01.98 ID:P7Kj2VIn0
──実験

──実験

──実験実験

──被検体番号4

──能力名

──原子崩し

──実験

──実験
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:39:06.17 ID:P7Kj2VIn0
──ねぇ。

『何だ、原子崩し』

──こんな実験繰り返して、何になるの?

『いつも言っているだろう、お前は将来莫大な利益を生み出すんだよ』

──将来って、いつ?

『明日の明日の、もっと先だよ』

──その日が来たらどうなるの?


──答えは、無かった。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:40:53.06 ID:P7Kj2VIn0
──捲ったカレンダーの数は覚えていないけれど。

──そんな日が、ぐるぐると続いた。

──窓の無い、白い部屋。

──寒暖の差など無く、空調で色を消された季節の無い部屋。

──最初の白衣が残していった本だけを読んで過ごしていた。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:41:37.64 ID:P7Kj2VIn0
──やがて私はある一つの事に興味を持ち始めた。

──研究所の外

──この外側の世界はどうなっているのだろう。

──24時間をこの研究所の中で生きていた私が始めて関心を抱いた事柄だ。

──きっと、私の知らない不思議な出来事が沢山待っているに違いない。

──だったら。

──とっととこんな所、抜け出してしまおう。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:48:40.11 ID:P7Kj2VIn0
──思い立ったが吉日。

──味気ない金属製のドアを原子崩しでぶち破った。

──警告音が鳴るが、気にしない。

──迷路の様な研究施設。だけど道筋は覚えている。

──途中、私を制止する大人達を何人か能力で黙らせた。

──大人達が後ろで何か叫んでいたけど聞こえない。

──行くんだ。

──外へ

──帰るんだ。

──外へ。
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:50:05.66 ID:P7Kj2VIn0
──右。

──右、

──ひだり

──階段を上がって

──長い廊下をぬけて

──いつも自分の実験が行われていた部屋を横目に私は走った

──銃を持った大人が立ちふさがる

──気にしない。

──能力を解放して駆けた

──皮肉なものだと思う

──壊す事にしか使えない私の能力が

──今、私の願いをかなえようとしている。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:51:06.80 ID:P7Kj2VIn0
──息があがる。

──肺がつぶれそうだ。

──だけど、代償と思えば安いもの、

──今までの過去を清算するための。

──思い返せばつまらない毎日だった

──朝起きて一番に色々なプラグが取り付けられた服を着せられ

──その後いくつかの栄養を摂取し

──パラメーターの変化を測定

──それに従って白衣の男が指示する通りに原子崩しを発動させる。

──薄気味悪い笑い顔が浮かんだ

──それを、おもいっきり、右足でふみつけるようにして

──私は走る。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:51:58.89 ID:P7Kj2VIn0
──外に出たら

──なにをしようか

──あの本で読んだ

──おしゃれ、というものにも興味があるし

──しゃけという魚にも興味がある

──やってみたいこと、みてみたいこと

──たくさんありすぎてどれをしようなんて選べない

──ああ

──ああ

──なんて、

──なんて楽しいんだろうか
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:52:27.96 ID:P7Kj2VIn0
──あと少しで

──あと少し

──あと少しで、

『め、原子崩し! 待て!』

──うるさい

──ジャマスルナ

『原子崩し!』

──私はそんな名前じゃない

──私は、私の名前は!
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:53:26.10 ID:P7Kj2VIn0
──

──

──

──

──

──

──

──、

──、これが、外の世界。

──思っていた程も、

──、いや、想像以上に

──、何も無かった。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:54:16.64 ID:P7Kj2VIn0
──結論から言うと、何も変わらなかった。

──これが世界。

──これが世界か。



──でも、次にやってきたあの感覚は例えようの無い興奮・快楽の類で

──風・音・光・温度・匂い・声・人の気配・町並み・ビル・雲・車・建物・ガラス・木・道・煙突・煙・騒音……エトセトラエトセトラエトセトラ……

──同時にあまりに多数の情報が脳に入ってきて

──私の頭はどうにかなってしまいそうだった

──

──、……まぶしい

──これが日の光というものだろうか

──うん、……悪くない。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:54:59.81 ID:P7Kj2VIn0
──感動と呼べばいいのだろうか。

──あるいは。

──だがその一時の感動はすぐに不快な声でかき消される。

『ばか! お前等撃つな! 撃つな! 当たったらどうするんだ! あいつは金の成る木なんだぞ!』

──振り返ると銃を構えた大人達が追いかけてくる

──オマケにあの耳障りな声だ。

──私はまた、走った。

──威嚇で何回か能力を解放すると、奴等の動きが止まる。

──追いかけてこないでよ

──私、帰るんだから。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:55:45.65 ID:P7Kj2VIn0
『原子崩し!』

──声が聞こえる。

『原子崩し! どこにいくつもりだ!』

──私は答えない。

『お前は、お前は俺の元でしか生きていけない! 一人で生きていけると思ったのか!』

──そんなの、知らない。

『原子崩し!』

──、うるさい

『……く』

──、ジャマ、しないでよ!
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:56:38.11 ID:P7Kj2VIn0
『くそ……まだ実験段階だが、アレを使うか』

──白衣が携帯電話越しに何か指示を出した直後

──不快な音が私を襲う。

──とたんに演算に集中できなくなった。

──私の能力はその特性上「照準」が最も重要な要素であるらしい

──あの白衣の男が言っていた事だ

──「照準」が狂うと能力が暴発してしまうかもしれない、と

──最悪自分を傷つけてしまうかもしれない。

──、……だとするとこの状況で能力を発動させるわけにはいかない……っ

──大人たちの足音が大きくなる。

──私は、
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:57:26.04 ID:P7Kj2VIn0
──逃げる

──息があがる

──でも、逃げる

──だめ。

──だめ、捕まったら。

──私は、私は外の世界に行くんだから。

──白い部屋なんかじゃない、薄暗い研究所なんかじゃない太陽の世界に。

──、一度手に入れたんだ。

──離して、たまるか……っ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:58:01.88 ID:P7Kj2VIn0
──、でも

──、……だめ

──、耳が痛い、頭が痛い。

──もう

──もう、何も考えられない。

──ああ

──そうか

──だめなんだ

──私は、私には

──この世界には

──私の場所なんて……



『おい! こっちだ!』
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:58:33.45 ID:P7Kj2VIn0
──その声は耳を塞いでいても聞こえたし


『こっちだ! はやく!』


──この、不快な音に支配された世界でも、はっきりと私に届いた
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 01:59:41.93 ID:P7Kj2VIn0
──男の子だった。

──年は同じくらいだろうか?

──背は私と同じくらい、髪はボサボサ、なぜか土色に汚れた半そで半パン。

『逃げるぞ!』

──手を掴まれて、ぐいぐいと引っ張られる

──痛いくらいに強く引っ張られて、私は思わず手を引っ込めた。

『なにやってんだよ! 追われてんだろ!』

──、え……あ

『いいから!』

──、また、手を引っ張られる。
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:02:51.48 ID:P7Kj2VIn0





──その手は今まで差し伸べられたどの手よりも汚れていて




──その手は今まで差し伸べられたどの手よりも暖かかった




134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:03:53.92 ID:P7Kj2VIn0
────────

────

──



『……ふぃー、逃げ切ったか?』

──、

『なんだよ、せっかく助けてやったのにお礼もねえのかよ』

──え、あ、……

『どうしたんだ?』

──う、あ……

『なんだオマエ、喋れねえのか?』

──何かを伝えようとするほど、私の喉は枯れていった。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:04:48.95 ID:P7Kj2VIn0
『んー、ま、いいや。無理に喋んなくてもいいよ。あいつらに何か怖い事されたんだろ?』

──、ん……

『さ、これからどうするか。それよりオマエ、腹へってないか?』

──、……おなか? そういえば今日はまだ何も……

ぐるるるるる

『そっか、じゃあ俺の家に来いよ! なんかレーゾーコの中にあったと思うから』

──、言葉を介さなくても、なんとか空腹の意思は伝わった様だ。
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:05:25.73 ID:P7Kj2VIn0
『つーかよ、最近この辺りも色々工事中ですげーよな、ビルとかいっぱい立つのかな?』

『学園都市ってさ、すげーよなぁ。俺の居た地元じゃこんないっぱい人いなかったしさ!』

『あーもうなんかワクワクするなー!』

『来週からさ! 俺! 学校なんだ! どんな能力に目覚めて、どんな事ができるか、今から考えたらワクワクするぜ!』

『っと、話してる間に着いたな。このマンションが俺の部屋、狭いけどゆっくりしてけよ!』

──、こくり

『って、オイオイオイ、靴脱げ靴!』

──、?

『ハテナ? じゃねえよまったく、欧米か』

──オーベイ?

『いやそんなキョトンとされてもだな……』
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:06:05.06 ID:P7Kj2VIn0
ガチャ

『あー……』

パタン

『おーい、コンビニで買ってきた鮭弁当しかないけど、食べるか?』

──、こくり。

『ん、ちょっとまってろ。暖めてくるから、えーっと、確か電子レンジはこのボタンで……』
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:06:40.29 ID:P7Kj2VIn0
──、そわそわ。

『なんだよ、なんか珍しいモンでもあったか?』

──、?

『テレビに机にポスター、あとタンス……雑誌、別に普通のモンばっかだけどよ』

──、じー

『あぁこれか? 昨日ゲーセンで取ったカエルのストラップだけど、欲しいのか?』

──、こくり。

『ま、いいぜ。俺は別にいらなかったし、欲しい人に持っててもらえるならそいつも幸せだろ』
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:07:12.68 ID:P7Kj2VIn0
──、じー

『それはダメ』

──、?

『いや、だってそのヌイグルミ取るのにすげー金つかったんだよ、でかいし重いしクレーン甘いしで大変だったんだからよ』

──、じー

『……そ』

──、じー?

『……そんな目で見てもだめなもんはだめだああああああああああああああああっ!!』

チーン

『あぁぁぁああああって、出来たみたいだな』
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:07:41.88 ID:P7Kj2VIn0
──、?

『ホレ、熱いから注意しろよ』

──、っ!

『あーもー、そんながっつくなって……ってオイ! 手で食べるな手で! 箸をつかえ! ギャグか? 身体を張ったギャグなのか!』

──?

『お箸だよ、お・は・し! 日本語アンダスタン? チョップスティーック!』

──、?

『この顔はマジでわかんねーって顔だな……』
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:08:07.70 ID:P7Kj2VIn0
『いいか? こうやって右手で……こう、わかるか?』

──、こくり。

『お、そうそう。そうやって掴むんだ』

──、こくり。

『おー、上手い上手い。そのまま食べちまえ』

──、もぐもぐ。

『どうだ? 美味いか?』

──、こくこく。

『そっか、鮭好きなんだなオマエ。コンビニ弁当くらいしかなくてすまねぇな』

──、ふるふる。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:08:37.84 ID:P7Kj2VIn0
『そういえば、オマエ、名前は何て言うんだ?』

──、

『ナマエだよナマエ、いつまでもオマエのままじゃ嫌だろ?』

──、ナ、……マエ……

『そうだよ、名前、なんだよ喋れるんじゃん!』

『あ? あ、あぁそっか。人に名前を聞くときはまず自分からだよな』

『俺な、俺の名前は──』

────────

────

──

麦野「……私とあんた、ずっと、どこか、ずっと前に会ってない?」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:09:10.50 ID:P7Kj2VIn0
浜面「俺と麦野が?」

麦野「うん」

浜面「さあなー、誰かと勘違いしてねーか?」

麦野「そうかな」

浜面「だいたいよー、俺は女の知り合いっつったらスキルアウト繋がりで数人居る程度だしよ」

麦野「……それじゃああの修道服の娘は一体何だったのよ」

浜面「っだあ! かあ! らぁ! あの娘は道端で倒れてたんだって何度も説明しただろぉ!?」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:09:52.60 ID:P7Kj2VIn0
麦野「ふつーさぁ、今日日の日本で道端に倒れてる修道服の女の子って居ると思う?」

浜面「いや、ベランダに引っかかっててもおかしくねぇんじゃねぇの?」

麦野「……むぎのびーむ」

浜面「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ?!」

麦野「ち、はずしたか」

浜面「い、いま! 髪! チリって! チリっていった! 髪! チリ! 当たるトコだったぞ! 麦野!」

麦野「当たり前じゃない、当てる気だったんだから」

浜面「さらっと恐ろしい事を言ってくれるな麦野は……」

麦野「浜面の分際で私に口ごたえしようなんて態度が気に入らなかったのよ」

浜面「ひでぇ……」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:10:32.57 ID:P7Kj2VIn0
麦野「ま、いいわ。今日はもう帰りましょう」

浜面「ん。そうだな」

麦野「ここの後片付けよろしくね」

浜面「っておい! 俺一人でっ?!」

麦野「当たり前じゃない、正規の依頼でもないんだから下部組織使うわけにもいかないでしょ?」

浜面「いや俺所属は下部組織なんだけど……」

麦野「はーまづらぁ? あんたのせいで今日は休日出勤なんだからね」

浜面「う……」

麦野「……ま、どうしてもっていうなら手伝ってあげてもいいけど」

浜面「ほ、本当かっ?!」

麦野「その代わり……、か、買い物、付き合いなさいよ」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:11:08.80 ID:P7Kj2VIn0
『買い物だよ、か・い・も・の、わかる?』

──、?

『なんつったらいいか……、食べ物、無くなったから買ってくるんだよ。わかるか?』

──、こくり

『よっしゃ通じた、そんじゃ俺は行ってくるから』

──、ふるふる

『ん?』

──、とことこ。

『一緒にってか?』

──、こくこく

『はぁ……、ま、いっか。夜は冷えるからほらコレ、着てけよ』
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:11:45.83 ID:P7Kj2VIn0
『そんじゃあ、行くか』

──、こくり。

『戸締りして……と。まーったくよ、オマエさ。結局どこの誰なんだー?』

──、?

『迷子の迷子の子猫ちゃん、あなたのおうちはどこですかーってか……結局名前も聞けなかったしさ』

──?

『まぁ、誰だって言いたくない事の一つや二つあるもんだしな、気にすんな』

──、……こくり。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:12:21.98 ID:P7Kj2VIn0
『さー着いた着いた、おい勝手に行くなよー』

──、?

『あぁ? これか? これはサバ缶っつってな、サバの缶詰だよ』

──?

『缶詰がわかんねーのか、缶詰ってのはまぁ、保存食みたいなもんか?』

──、こくり

『保存食って言葉はわかるんだな〜?』

──、こくこく
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:12:56.97 ID:P7Kj2VIn0
『……ま、インスタントの麺類何個か買ってりゃ当分は大丈夫だろ』

──?

『ソレ、お湯入れたら食えるんだよ、うめーぞ』

──、っ

『あー……鮭味のラーメンは無い……かな』

──、……

『あからさまに落ち込んでるな……喋れねえのにナンつーわかりやすさだオイ』
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:13:22.93 ID:P7Kj2VIn0
『……あー、ちょっと来い』

グイ

──?

『魚のコーナーは、っと。ここか』

──!

『おお……目が輝いてるぜオマエ……』

──っ! っ!

『あーはい、はいはい。買う、買うから。ったくよーグリルなんて使った事ねーから焦げてもしらねーぞ?』
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:13:52.83 ID:P7Kj2VIn0
浜面「ったくよー、絶対コレ焦げてるって髪の毛さ」

麦野「さっきからグチグチと、女々しいのよ」

浜面「そりゃ女々しくもなるわい!」

麦野「はーまづらぁ」

浜面「なんだよ麦野」

麦野「……」

浜面「なんだよー?」

麦野「べつにー」

浜面「なんだぁ? ヘンな麦野だな」

麦野「ヘンはヘンでもヘンタイの浜面にだけは言われたくないわよ」

浜面「ははっ、負け犬上等ォ〜……」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:14:26.39 ID:P7Kj2VIn0
麦野「あった」

浜面「何買うかと思ったら弁当かよ」

麦野「明日の朝用よ。ここの鮭弁、好きなのよね」

浜面「ふ〜ん」

麦野「なによ」

浜面「いや……意外っつーか、麦野がこんな庶民派スーパーを使ってるなんて思わなかったからさ」

麦野「なによー、人がどこで何買おうと勝手でしょ」

浜面「ちげぇねえ」

麦野「浜面は何買うの?」

浜面「そうだな……今日の晩飯、何にすっかなぁ」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:14:53.51 ID:P7Kj2VIn0
浜面「……、あ」

麦野「うん? どうしたの?」

浜面「……麦野」

麦野「なに?」

浜面「……大変悲しいお話だ」

麦野「だからなによ」

浜面「金、ない」

麦野「……さー、かえろっと」

浜面「まままま、待って! 待ってよ〜! 麦の〜ん!」

麦野「誰が麦のんだ! ×されてぇのか浜面ァ!」

浜面「む、麦野! ビームはやめろ! 公共の場! 公共の場だって!」

麦野「……フン、なによ。お金が無いのってあのせいでしょ? 自業自得じゃない」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:15:20.38 ID:P7Kj2VIn0
浜面「頼むよ〜、腹が減って死にそうなんだ」

麦野「勝手に飢え死にしてれば?」

浜面「ひでぇ……」

麦野「フン」

浜面「俺がオマエの立場だったら絶対手を差し伸べるぞ麦野! 間違いなく! どこの誰であっても!」


『……オマエさ。結局どこの誰なんだー? 』


麦野「……」

浜面「あん? どうしたよ麦野?」

麦野「……なんでもないわよ」

ぐるるるるるるるるる……

浜面「は……はらへった……」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:15:53.25 ID:P7Kj2VIn0
麦野「あーもう、わかった。わかったからそんな子猫みたいな目でみないでよ」

浜面「……麦野っ!」

麦野「そのかわり!」

浜面「?」

麦野「食材は買ってあげるわ。でも料理は浜面がすること、いい?」

浜面「お、おう! もちろんだぜ! 俺のスーパーでスペシャルな料理で麦野のほっぺた落としてやるから覚悟しとけよ!」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:16:20.71 ID:P7Kj2VIn0
『っだああああああああああああああ!!!! 煙が! 煙が出てるっ?!』

──、けほ、けほ

『おい! ちょっとトイレ行ってくるから見ててくれって頼んだじゃねーか!』

──、?

『いや、見てたけど? って感じで顔をかしげられてもだな……』

──、ふるふる

ポン

『慰めてくれるのか、オマエ……』

──、こく

『そっか、優しいんだな』

──、……

『でも、晩飯は残念ながらカップラーメンだ』
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:16:47.25 ID:P7Kj2VIn0
──、ずるずる

『うまいか?』

──、こくり

『そっか』

──、ずるずる

『今度鮭味のラーメン、探してみるか?』

──!

『ここは学園都市なんだし、商品も変わったもの置いてたりするかもな』

──っ!

『あー、はいはい。また明日な、今日はもう遅いから』
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:17:14.16 ID:P7Kj2VIn0
『オマエ、布団つかっていいぞ』

──、?

『俺、ソファーで寝るから』

──、……?

『布団だよ、布団、ワカル? これを、こう、被ってねるの』

──こく

『お、そっか。じゃあ電気けすぞ、おやすみなー』

カチ

──、……。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:17:40.35 ID:P7Kj2VIn0
──、……。

──、……。

スー

スー

スー

Zzz……。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 02:17:41.04 ID:EAmWT06Yo
> むぎのびーむ
なんて強力な・・・
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:18:08.34 ID:P7Kj2VIn0
『ふあぁ……よく寝た』

『って、うおお!!』

──、すー……すー……

『なんでオマエがソファーに……、ベッドで寝てたはずじゃ……』

──、すー……すー……

『ま、いっか。気持ち良さそうに寝てるし』

──、すー……すー……

『ほんっと、幸せそうに寝てるなー』

──、すー……すー……

『それにしても、誰なんだろこの子』

『やっぱ、誰か大人に相談した方がいいのかな』
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:18:36.00 ID:P7Kj2VIn0
『つっても、俺ここらへんの事まだよくわかんねーんだよな』

『こんな時どうすればいいんだっけ……』

『たしかこのガイドには……ええっと? こまった事は風紀委員か警備員にご相談って書いてあるな』

『これ、地図か』

『んー、ここからだと警備員の詰め所が近いのかな』

『んじゃ、買い物のついでに寄っていくとするかな』

──、ぱちり

『お? おはよ、おきたか?』
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:19:03.06 ID:P7Kj2VIn0
──、……ぼー

『おーい?』

──、びくっ

『そんな警戒すんなよ、俺だ俺。昨日の事は覚えてるよな?』

──……こくり

『そりゃ良かった、シャワーでも浴びて来いよ』

──、?

『買い物、いくんだろ?』

──!
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:19:34.46 ID:P7Kj2VIn0
『シャワーわかるか? お湯が出てくるんだぞ?』

──こくこく

『へ〜、オマエでも知ってるのあるんだな』

──こく

ヌギヌギ

『って、うおお! バカ! こんなとこで脱ぐんじゃねえ!』

──?

『だから何? って顔してんじゃねえええええええええ!!!!』
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:20:05.34 ID:P7Kj2VIn0
シャーーーーーーーーーーーーー

──♪

『ったく、脱ぎ散らかすんじゃねーっての……、うへぇ……生暖かい……』

──♪

『ち、ちがう。これは別にやましい気持ちなんかじゃなくて、その! ちらかってるのはダメだろうどうかんがえても!』

──、♪

『ってかこいつ、服コレしかないんじゃ……』

──♪

『ついでに服屋にも寄ってくか? 金は親から振り込んでもらったのがまだたんまりあるし、大丈夫だろ』

──♪

『あいつ……結構胸、大きかったな……ってそうじゃねええええ!!!!!』
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:20:36.88 ID:P7Kj2VIn0
キュ

ポタポタ

ガチャ

──♪

『……』

──、?

ポタポタ

『……』

──?

『……タオルでふけー……』

──こく
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:21:08.20 ID:P7Kj2VIn0
カシャン

浜面「もー、なにやってんだよ。麦野が動いたから醤油倒れただろ? ホラ、これで拭けよ」

麦野「あんたが押すからよ!」

浜面「ただでさえキッチン狭いんだから、二人も入ったらそりゃキュウキュウだっての!」

麦野「何よ! せっかく手伝ってあげてるのに!」

フキフキ

フキフキ

浜面「……ん」

麦野「どうしたのよ」

浜面「このニオイ……」

麦野「あ?」

浜面「麦野! 火! 止めろ!」

麦野「火?」

浜面「魚! 焦げてる!」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:21:34.62 ID:P7Kj2VIn0
麦野「……」

浜面「ま、焦げちまったもんはしゃーねー」

麦野「そうね」

浜面「責任の所在は一先ず置いといて……だ」

麦野「そ、そうね」

浜面「晩飯……どうするよ……、シャケしか買ってこなかったじゃねーか……」

麦野「なんとかするわよ」

浜面「なんとかってったって……」

麦野「ったく、しゃーないわね。アレを出すか」

浜面「あれ?」

麦野「鮭味のカップラーメン。あんまり売ってないから大事にとってたんだけど特別だからね」

浜面「どんだけ鮭好きなんだよ!」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:22:02.24 ID:P7Kj2VIn0
◇ ◇ ◇ ◇


海原「お疲れ様でした」

一方通行「あー疲れた疲れた疲れた疲れたァ……、ほんっと、マジで疲れたわァ」

結標「っていうか……今日の依頼って、本当に四人で行く意味あったの? 三件とも全部瞬殺だったじゃない」

土御門「にゃー。依頼は完遂、何事もなく終わったんだから文句言わないにゃー」

海原「そういえばあの噂、聞きましたか?」

一方通行「何だァ?」

海原「なんでも人の記憶を自由自在に操るデバイスの研究が、とある施設で行われていたそうですよ」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:22:34.22 ID:P7Kj2VIn0
結標「また悪趣味な研究をしていたものね」

一方通行「記憶だァ? ンなもんいじくってどうしよってンだ?」

海原「さぁ……そこまでは、ただ裏でその研究に不釣合いな程莫大な資金が動いていたとか何とか。噂じゃ子供の記憶の改変に用いられたらしいですけど」

一方通行「子供のねェ……」

結標「許せないわね、遺憾の意を表明するわ」

一歩通行「全くだァ」

海原「そうですね、でもまぁ統括理事会の意向に背いたとか何とかで封殺されたらしいですけどね」

土御門「おー、こわいこわい」

海原「ま、何かと尤もらしい理由をつけて、後は僕らみたいな組織が力づくで黙らせる。それが彼らのベーシックなスタンスですけどね」

土御門「さわらぬ神にたたりなしって事だにゃー」

海原「さて。与太話もこれくらいにして……、今日はもう解散ですかね?」

土御門「そうだにゃー、もう今日はアジトに残っててもやることがないにゃー。解散ですたい」

Prrrrrrrrrrrrrrrrrrrr.......

土御門「っと、電話か……」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:23:40.01 ID:P7Kj2VIn0
結標「何の仕事?」

土御門「’メモリー’の回収だにゃー」

一方通行「’メモリー’?」

海原「その’メモリー’とは?」

土御門「詳しい事はわからないにゃー。ただ、……」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:24:40.67 ID:P7Kj2VIn0
─────────────

────────

────


浜面「タダより高いものはねぇ!」

フレンダ「なによ」

絹旗「超大声だしてどうしたんですか?」

滝壺「耳……きーんってする」

浜面「いや、何故か叫ばなくちゃいけない衝動に駆られてよ」

フレンダ「バカなの?」

浜面「うるせーやい。それよりフレンダ、この前頼まれてた品できたぞ」

フレンダ「え?」

浜面「なんだ忘れちまったのか? これだよコレ」

ゴトリ

フレンダ「あ、靴と……えーっとなんだっけ?」

浜面「イグニスだろ? 中身はただの窒素ガスだけどよ」

フレンダ「あー、そうそう。イグニスよイグニス、ありがと」

浜面「大事に使えよな」

フレンダ「結局、フェイクの爆弾なんて使う場面が限られすぎてて使いにくい訳よ、発想が逃げ腰の浜面らしいというかさ」

浜面「おおい! 人に作らせといてそれかよ!」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:25:33.81 ID:P7Kj2VIn0
浜面「あと絹旗、窒素のビン、お前にもだ」

絹旗「私にもですか?」

浜面「お前さ、窒素装甲使ってる時は殆ど無敵みたいなもんだけど、窒素なくなったらやべーんじゃねーか? クリボーみたいに踏み潰されちまうかもしれねーだろ?」

絹旗「は……浜面には超言われたくないです!」

浜面「へーへー、いいからほら、持っとけ。持ってりゃいつか使うだろ」

絹旗「あ、……ありがとうございます」

浜面「おう。それにしてもフレンダさー。靴に仕込みのナイフなんてよ、なんかスペツナズみたいだな」

フレンダ「憧れてたのよね」

浜面「映画の見すぎじゃね?」

フレンダ「ちょっと浜面さー、あたしの故郷バカにしないでくれる?」

浜面「え? フレンダってロシア人だったの?」

フレンダ「ぜんっぜん、縁もゆかりもないけど」

浜面「なんだそりゃあ……」

フレンダ「とりあえず、ありがと」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:26:10.90 ID:P7Kj2VIn0
滝壺「はまづら」

浜面「ん、どした?」

滝壺「むぎのは?」

浜面「あと30分くらいしたら来るんじゃね?」

フレンダ「……なーんで麦野が来る時間を浜面は知ってるわけなの?」ニヤニヤ

絹旗「超謎ですね」ニヤニヤ

浜面「な……なんだよお前ら」

フレンダ「さぁねーはーまづらぁ」ニヤニヤ

浜面「なんだよ麦野のマネかフレンダ」

絹旗「昨日麦野の家に泊まったんですよね」ニヤニヤ

浜面「な”ぁ?!」

フレンダ「とぼけても無駄よ、浜面の靴にGPSチップを設置していたからねー」ニヤニヤ

浜面「お……お前らっ?!」

絹旗「で」

フレンダ「ぶっちゃけ、シたの?」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:26:39.12 ID:P7Kj2VIn0
浜面「はぁぁぁぁぁぁああッ?! な、な、な、何を言ってるんだよ!」

フレンダ「何って、ナニでしょ」

絹旗「超ナニですよね」

滝壺「なに」

浜面「ナニとかさらっと言うんじゃねええええええ!!!!! だ……だいたいっ! 麦野は俺の事なんか全然好きでもなんでもねーよ!!」


絹旗「そうでしょうか?」ニヤニヤ

フレンダ「なんでそんな風に言い切れるのかにゃーん?」ニヤニヤ


浜面「あいつはベッドで寝たけど俺は廊下だぜ?! この扱いからわかるだろーが!」


フレンダ「という事はつまり」

絹旗「麦野の家に泊まった事実は認めるんですね?」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:27:05.86 ID:P7Kj2VIn0
浜面「はぁ? 認めるも何もそれはお前等が俺の靴に細工して……」


フレンダ「あたしら、何も細工なんかしてないよ」

絹旗「まさかこんな簡単な誘導尋問にひっかかるなんて……浜面はやっぱり超浜面ですね……」

滝壺「たんじゅん」


浜面「なん……だと……」

フレンダ「(きひひっ、これから罰ゲームのはじまりはじまりよ!)」

絹旗「(フレンダ……悪魔の尻尾がでてますよ)」

フレンダ「(気のせい気のせい)」

絹旗「(超ワルですね。まぁこのノリ、嫌いじゃありませんよ)」

フレンダ「(さーさー、尋問開始よ!)」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:27:32.19 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「ネタは上がってんだよにーちゃんよぉ」

浜面「何のネタだ何の」

フレンダ「……吐いてラクになってまえよ……カツ丼くうか?」

浜面「いらねーよ!!」

絹旗「ずばり、麦野のどこに惚れたんですか?」

浜面「はぁ?! なんで俺が麦野に惚れなくちゃいけないんだよ」

フレンダ「……」

絹旗「……なんで、って」

フレンダ「自覚なし?」

絹旗「ファミレスの件といい……きっと超自覚無しなんでしょうね……」

フレンダ「むぎの……不憫……」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:28:21.30 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「浜面はさー、麦野の事どう思ってるの?」

浜面「どう……って」

絹旗「超好きだーーーー!! とか。超愛してるーーーー!! とか」

浜面「だからぁなあ、そんなんじゃねえんだよ」

フレンダ「婚前宿泊までしておいてっ?!」

浜面「婚前って……久々に聞いたぞそんな言葉、お前やっぱり日本人なんじゃ……」

フレンダ「今私の国籍の話なんかどうでもいいの」

浜面「はぁ……」

絹旗「昨日、麦野の様子はどうでしたか? 何か変わった様子は超ありませんでしたか?」

浜面「変わった……? 変わった様子って言われてもなぁ……」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:28:54.22 ID:P7Kj2VIn0
浜面「あ」

絹旗「何か超おもいだしましたか?」

浜面「昨日夜さ、晩メシ作ってたんだよ」

フレンダ「どっちが! どっちに!」

浜面「どっちが……って別に、二人で、だけどよ」

絹旗「愛の共同作業ですねこれは……」

フレンダ「OH……LOVELY WORKS……トゥギャザー……」

浜面「いや、フレンダ意味わからんから」

フレンダ「それで、料理した。はい終わり。って訳じゃないんでしょ?」

浜面「あー、それでよ。狭いんだ麦野の部屋のリビング、二人入ったらもうキュウキュウでさ」

絹旗「つまりスキンシップも自然と増えるっていう超寸法ですね」

フレンダ「麦野……涙ぐましい努力……」

浜面「そしたらあいつさ、醤油とか零しやがってよ」

フレンダ「ドジっ娘アピールっ?!」

絹旗「なんか麦野のイメージが超崩れていきます……」

浜面「ったくしゃーねーなって感じで拭いてたら、鮭を焦がしちまってさ」

フレンダ「そこで更にワンモアパンチを重ねにいったのね麦野……」

絹旗「二重の仕掛けですか、超ハイレベルです」

フレンダ「上級者向けよ上級者向け」

絹旗「なるほど、超参考になりますね」

メモメモ

フレンダ「参考になるな……ならねーよ」

メモメモ
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:29:21.02 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「で、お風呂は当然一緒に入ったんでしょ?」

浜面「は……はぁ?!」

絹旗「超エロ面ですね」

浜面「あのなぁ……んな事してたら命がいくつあってもたりねーよ!」

フレンダ「3つくらい命、ありそうじゃない?」

絹旗「浜面でひとつ、エロ面でひとつ、バカ面でひとつですか?」

フレンダ「絹旗、上手いこというじゃない。ザブトン進呈よ」

絹旗「超ありがとうございます」

浜面「ったくよー、麦野が俺の事好きとかありえないからさ。お前等だけで盛り上がってんじゃねーぞ」

絹旗「それじゃー、昨日浜面が襲われた時の事はどうやって説明するんですか?」

浜面「昨日?」

フレンダ「結局、麦野ったらスゴい形相で逃げた一人を追っかけていった訳よ、あんな小物ほっといても別に大丈夫そうなものを。私が走っても追いつけなかったんだから」

絹旗「そうですよ、あんな小物」

浜面「その小物に追い詰められた俺の立場はっ?」

フレンダ「なし」

絹旗「超ありませんね」

フレンダ「でも浜面、よっく考えなよ」

浜面「あん?」

フレンダ「麦野の気持ちよ」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:29:54.39 ID:P7Kj2VIn0
浜面「だから昨日のアレはアイテムのリーダーとして……」

絹旗「ここまでとなると……超呆れたものですね」

フレンダ「天然記念物クラスな訳よ、どっかの博物館に展示すればいいのに」

浜面「はぁ?」

絹旗「たぶん……超アレじゃないですかね」

フレンダ「アレだよね」

浜面「アレってなんだよ」

絹旗「アレはアレしかないです」

フレンダ「うん、アレしかない」

浜面「アレ?」

フレンダ「アレはアレよ」

浜面「アレってなんだよ」

絹旗「浜面だって自分の持ち物を勝手に取られたら超怒るでしょう? 例えば、お金を奪われたりしたら」

浜面「当たり前だろ」

フレンダ「麦野も一緒ってコト」

浜面「……そうだったのか」

絹旗「やっと気づきましたか」

フレンダ「鈍感」

絹旗「超鈍感」

滝壺「どんかん」


浜面「やっぱ麦野……ファミレスで金借りたコト怒ってるのか……?」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:30:30.94 ID:P7Kj2VIn0
滝壺「」

絹旗「」

フレ ンダ「」

浜面「しかも昨日もお金無いって言ったらすげー怒られたし……金の切れ目が縁の切れ目って言うしなぁ……、次金が入ったら一番に謝りにいくよ……って、なんで三人ともずっこけてるんだ?」

絹旗「あの〜、浜面? お金の事はものの例えで、実際麦野はそういう事で怒ってたわけじゃないと思うんです」

浜面「そうなのか?」

絹旗「え、えぇ。そうですよ」

フレンダ「こ……ここまでとは……」

絹旗「浜面仕上……超侮りがたし……」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:30:59.02 ID:P7Kj2VIn0
麦野「随分楽しそうな話してるじゃない? 私も混ぜなさいよ」



フレンダ「む、むぎの」

絹旗「い、いつから居たんですか?」

麦野「いつ? 今きたとこだけど?」

フレンダ「そ、そう。なははー、なんか喉渇いちゃったなー、ドリンクバーでも行ってこようかなー」

麦野「あら? そんなの浜面に任せとけばいいじゃない」

フレンダ「な、なんだか今日は自分で入れに行きたい気分なのよ、そう! たまには自分で動かないとねー」

麦野「あ、そ。いってらっしゃーい」

滝壺「(にげた)」

絹旗「(超逃げましたね)」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:31:25.77 ID:P7Kj2VIn0
浜面「お前等は何にする?」

絹旗「コーラ」

滝壺「かるぴす」

浜面「麦野は、いつものでいいな」

麦野「うん」

浜面「じゃ、行ってくるわ」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:37:49.90 ID:P7Kj2VIn0
>>6
今日はここまで
うつすだけとは言えさすがに疲れました……

>>20
私です

>>34
まだあまり慣れないけど
さるさん無いって素敵です
25秒規制なんですね

>>38
sagaなんですね、sageじゃなくて
途中まで間違ってsageてた、はずかし

>>44
とりあえず現状ここまででした

>>50
任せた

>>56
私です

>>64
サンクス

>>87
ほんの少しだけ

>>160
むぎのびーむで地球がやばい
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 02:39:27.06 ID:mdjdZSHvo
前に総合で投下したことある?
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 02:39:40.15 ID:tOOwWvOko
sagaだとピーとか入らない
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/18(火) 02:43:48.14 ID:EJT5gUiho
saga sage両方いれればおk
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 02:46:20.95 ID:P7Kj2VIn0
>>186
総合ってどこでしょう?
VIP以外でSS投下するのは初めてです……

>>187
そういう事かw

>>188
両立も大丈夫なのね
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 04:13:24.72 ID:NhrHE0TRo
1か!おかえり!マジ期待だわ支援
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/18(火) 05:17:10.96 ID:/B5GF8LWo
こっちに来てたのか!
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 19:36:17.03 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「(きゃ〜! むぎのにバレた? 聞こえてた? それとも聞こえなかった?!)」

フレンダ「(……でも、なんかいつもと同じ風だし……別に大丈夫だよね)」

フレンダ「(それにしても、あ〜、浜面、ほんとに麦野のコト、なんとも思ってないのかな)」

フレンダ「(麦野は麦野で、浜面のコト、どー思ってるんだか……)」

フレンダ「(でも正直、浜面に麦野はもったいないと思うわけよ)」

フレンダ「あれ、レモンティーが無い?」

フレンダ「むー、ツイてないな」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 19:39:36.45 ID:P7Kj2VIn0
フレンダ「だったらこの特製のサバフレークをミックスして……」

浜面「やめんか」

ひょい

フレンダ「ちょ、返せバカ!」

浜面「あのなぁ、どこの世界にドリンクバーに持ち込みのフレークをミックスするヤツがいるんだよ」

フレンダ「ここに居るわよ」

浜面「アホか」

フレンダ「むきー!」

浜面「こういう時はな〜。すみませ〜ん店員さん。レモンティー切れてるみたいなんですけど」

「わかりました、少々お待ちください」
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 19:42:28.29 ID:P7Kj2VIn0
浜面「な? ホラこう言えばいいんだよ。ほれ、ティーパック」

フレンダ「……」

浜面「えーっと、何だっけ。滝壺がカルピスで絹旗がコーラで麦野が紅茶だったか」

フレンダ「あ、あのさ」

浜面「ん?」

フレンダ「ありがと」

浜面「あいよ」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 19:47:39.57 ID:P7Kj2VIn0
麦野「〜〜♪」


絹旗「(滝壺さん、滝壺さん)」

滝壺「(きぬはた、なに?)」

絹旗「(さっきから麦野、超ゴキゲンじゃないですか?)」

滝壺「(そうね)」

絹旗「(……誰かさんの行動一つで機嫌が超良くなったり超悪くなったり……恋する乙女ですか)」

滝壺「(麦野も女の子だもの)」


麦野「〜〜♪」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 19:51:36.95 ID:P7Kj2VIn0
浜面「ところでさっきの話だけどさ」

フレンダ「ん?」

浜面「その……マジな訳?」

フレンダ「何が?」

浜面「麦野が俺の事……その、なんだ、ほら」

フレンダ「さ〜ね〜」

浜面「はぁ?」

フレンダ「気になるなら自分で確かめたらぁ?」

浜面「で……できる訳ねぇだろんな事!」

フレンダ「そうだよね〜、結局、浜面ヘタレだし」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 19:55:18.24 ID:P7Kj2VIn0
浜面「……う」

フレンダ「ヘタレの浜面、略してヘタ面ね。お似合いじゃない」

浜面「うるせー」

フレンダ「……(なにこの浜面、ちょっと可愛い訳よ。こんな顔されたら母性本能くすぐられるわよね……、あ、それで堕ちたのか麦野)」

浜面「……で、どうなんだよ」

フレンダ「し〜らないっと」

浜面「おい?! 待てよフレンダっ」

フレンダ「結局、外野がどうこう言う話でもないからね〜」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 19:59:33.76 ID:P7Kj2VIn0
浜面「お待たせ」

麦野「ん」

浜面「ほれ、紅茶」

麦野「ありがと」

浜面「お前等も、カルピスとコーラな」

麦野「さて、全員揃った所で作戦会議を始めましょうか」

フレンダ「作戦?」

麦野「依頼よ」

絹旗「内容は?」

麦野「詳細はもうすぐ届くと思うわ、浜面、あんたのとこにメールが届くはずだから全員に転送して頂戴」

浜面「あ? あぁ、わかった」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 20:05:06.09 ID:P7Kj2VIn0
♪マヨエー ソノテーヲ ヒクモーノナ-ドイナイ♪

浜面「お、来たな」

コロン……コロッ、コロッ

麦野「浜面、ポケットから何か落ちたわよ」

浜面「ん、あぁ。すまんな」

ひょい

麦野「なにそれ?」

浜面「さあ?」

麦野「さあ……って。綺麗ね、パズルのピースみたい」

浜面「全員、転送したぞー」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 20:09:51.04 ID:P7Kj2VIn0
滝壺「……聞こえる」

絹旗「……? 滝壺さん?」

滝壺「……声、聞こえる」

フレンダ「どーしたの?」

滝壺「……わからない、けど。悲しい声が、そこから」

麦野「ここから?」

浜面「あー、そういえば持ってて何か聞こえたな、俺も」

麦野「ふーん?」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 20:12:59.77 ID:P7Kj2VIn0
麦野「ま、いいわ。それより浜面、大切なものならちゃんと持っておきなさいよ」

浜面「お? おう」

フレンダ「結局、麦野はモノは大切にする派な訳よ」

浜面「ほう?」

フレンダ「だってボロボロのヌイグルミ抱いてないと眠r」

浜面「ヌイグルミ?」

麦野「フーーーー……レー……ン、ダァ?」

フレンダ「ひぃっ?! な、なんでもない、なんでもないっ」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 20:17:55.67 ID:P7Kj2VIn0
────────

────

──


「報告します。’メモリー’の件に関して依頼をしたところ『グループ』という組織とコンタクトがとれました」

「ふむ、ウデは確かなのか?」

「噂では学園都市でもかなり上級に位置する能力者が在籍しているとか」

「それは頼もしい」

「’メモリー’について情報を要求されていますが如何しましょう?」

「任せる」

「承知致しました」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 20:28:02.87 ID:P7Kj2VIn0
◇ ◇ ◇ ◇


麦野「それじゃあ、今日は解散ね。各自そのデータを叩き込んでおくこと、いいわね?」

滝壺「うん」

絹旗「超お疲れ様でした」

フレンダ「は〜帰って新しいサバ缶た〜べよっと」

浜面「ほんと、サバ缶好きだよなぁ」

フレンダ「きひひっ」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 20:32:38.32 ID:P7Kj2VIn0
絹旗「それじゃあ私はお先に超失礼しますね」

滝壺「ばいばい」

フレンダ「サバ缶サバ缶っと〜♪」

麦野「はいはい」

浜面「おーう、またな」

麦野「ったく、サバ缶のどこがいいのやら」

浜面「ははは」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/18(火) 20:35:14.37 ID:P7Kj2VIn0
麦野「……」

浜面「……え、っと」

麦野「ん?」

浜面「お、俺らも帰るか」

麦野「そうね」

浜面「それじゃあお先に」

麦野「待ちなさいよ」

浜面「……え?」

麦野「女の子を一人で帰す気?」

浜面「あ、いや」

麦野「イヤならいいけどー?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

浜面「お供させていただきます麦野さん」

麦野「うん、よろしい」

浜面「ははは……(こんなとこでビームだされたら死ぬだろーが!)」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 00:45:48.51 ID:fTaIiVrAO
麦野かわいい〜
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 00:53:12.85 ID:PT9xgBvMo
ふっきゅう
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 01:34:12.21 ID:OSk0YVKdo
ふぁっきゅう
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 01:45:04.51 ID:Aoew1ww/o
fack you
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 02:19:06.13 ID:v/ALD8NGo
Oh
spell miss

fack me
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 02:25:20.05 ID:9vl2sQHNo
fuckなwww
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 02:31:44.69 ID:Tmlv+DAwo
何故だろう、タイトルを見る度に
「私がオバさんになっても」を連想してしまう
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 02:33:55.72 ID:o/7V/Hx10
oh
miss spell

fuck you
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 03:06:09.12 ID:Aoew1ww/o
>>213
fuck you
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 03:12:15.01 ID:LxK7YNWco
麦野「fuck me」

浜面「oh……」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:10:37.45 ID:MVKsivV40
スタスタ

浜面「で、──────昨日のサッカーがな──」

スタスタ

浜面「────岡崎が──────ハットトリックで──────」

スタスタ

浜面「決勝──────リーグに────────」

麦野「……」

スタスタ

浜面「────おーい……麦野ぉー?」

麦野「なによ」

浜面「オレノ、ハナシ、キイテマスカ」

麦野「聞いてるわよ、岡崎がハットトトリックして勝ったんでしょ」

浜面「あと、前田も2ゴールな」

麦野「はいはい、聞いてた聞いてた」

浜面「そーかよ、ならいいけどさ」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:15:20.67 ID:MVKsivV40
浜面「でよ、次は開催国のカタールと試合なんだとさー。勝つと思うか?」

麦野「私サッカーなんかあんま見ないから」

浜面「そ、そうか…………(あー……スポーツの話題はNGだったか……)」

麦野「……」

浜面「……(気まずい沈黙だな……)」

麦野「……」

浜面「……(な、なんかないか話題、話題っ?!)」

麦野「ど……」

浜面「……?」

麦野「どっちかと言えば……」

浜面「……どっちかと言えば……?」

麦野「どっちかといえば、野球かなー……なんて」

浜面「は?」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:18:20.84 ID:MVKsivV40
麦野「だから、どっちかって言えば野球かなって言ってんのよ!」

浜面「あ? あぁ……そ、そうか。お前でもナイターとか見るんだな」

麦野「何よ! おかしい!」

浜面「いや、別に。最近じゃ女も野球見るのは普通だろ」

麦野「フン」

浜面「なんだ麦野も野球好きだったのかー、どこのファンなんだ?」

麦野「あ、あんたはどこが好きなのよ」

浜面「あ? あー、どこって……強いて挙げるなら京浜アスレチックスとか?」

麦野「じゃあ私もそこ」

浜面「私も、って……」

麦野「何よ! おかしい?!」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:20:29.77 ID:MVKsivV40
浜面「おかしくはねーけどさ」

麦野「ならいいじゃない、私がどこのファンだろうとさ」

浜面「いや、そうか。漫画が好きなんだな」

麦野「?」

浜面「?」

麦野「何?」

浜面「い……いや、べつに?」

麦野「そ」

浜面「……?」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:27:17.00 ID:MVKsivV40
麦野「それじゃ、ここでいいから」

浜面「おう」

麦野「次は遅刻すんじゃないわよ」

浜面「しねーよ!」

麦野「はいはい」

浜面「またな」

麦野「また、ね」


────────

────

──



♪ハナテココロニキザンダユメヲーミライサエオーキーザーリーニシーテー♪

絹旗「超限界など〜♪ しらない〜♪ 超意味ない〜♪」

絹旗「この力が〜♪ 超光散らす〜♪ その先に超遥かな思いを〜♪」


ピ


絹旗「はい、絹旗です」

麦野『出るの遅い』

絹旗「はい、すみません。何か超緊急の用事ですか?」

麦野『……ちょっと、聞きたいんだけど、いいかしら?』

絹旗「は?」

麦野『だーかーら、聞きたい事があるんだけど』

絹旗「はぁ……私でわかる範囲なら超答えますけど」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:32:36.49 ID:MVKsivV40
絹旗「ナイターのチケットぉ? 麦野、野球はとっくに超シーズンオフですよ?」

麦野『え? そうなの?』

絹旗「そうですよ」

麦野『でも、サッカーは試合あったんじゃないの?』

絹旗「いや、そもそも種目が超違いますし……」

麦野『そ、そうだったの……』
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:36:46.25 ID:MVKsivV40
絹旗「そうですよ」

麦野『まぁそんな事はと、当然、知ってたけどね。確認よ確認』

絹旗「はぁ……そうですか」

麦野『それじゃあもう一つ確認していいかしら』

絹旗「はい?」

麦野『京浜アスレチックスって何県の球団なの?』

絹旗「京浜? 超聞いたことありませんね」

麦野『え?』

絹旗「その京浜アスレチックスが超どうかしたんですか?」

麦野『いや、浜面が好きって言うから……どんなチームなのか気になって……』

絹旗「ちょっと待ってください、ネットで超調べますから」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:38:35.39 ID:MVKsivV40
麦野『あ、ありがと……』

絹旗「お?」

麦野『みつかった?』

絹旗「あー……」

麦野『どうしたの?』

絹旗「漫画で出てくるチームみたいですね、実在しない架空の球団だそうですよ」

麦野『』

絹旗「むぎの、超どうかしましたか?」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:45:18.99 ID:MVKsivV40
絹旗「……大体事情は把握しましたよ。浜面が昔野球やってたから? 野球好きをアピールしたと思ったら? 好きだって言った球団が架空の球団で?」

麦野『だ、だって。そんな事しらなかったんだから』

絹旗「どんだけ健気なんですか麦野」

麦野『し、仕方ないじゃない』

絹旗「っていうか麦野って、そんなキャラでしたっけ」

麦野『なによ、私にどんなキャラ期待してんのよ』

絹旗「いやいや、あえて無知な所を無知なりにがんばってみた感じの会話ってのがひょっとしていいかもしれませんよ?」

麦野『そ、そうかしら』

絹旗「っていうか、別に気にする事でもないと思いますよ。浜面ですし」

麦野『な……なんで浜面の事だって……』

絹旗「いや、さっきから自分で超言ってますよ、麦野」

麦野『はっ』

絹旗「超落ち着いてください」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:49:36.00 ID:MVKsivV40
絹旗「超深呼吸ですよ」

麦野『スーーーー……ハーーーー……』

絹旗「落ち着きました?」

麦野『……おかげさまで』

絹旗「超良かったです」

麦野『で、どうしよう絹旗ァ……』

絹旗「はー……恋する乙女みたいですね、麦野」

麦野『みたいじゃなくて、してんのよ!』
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:50:11.34 ID:MVKsivV40
絹旗「そーですか」

麦野『そうなの』

絹旗「……」

麦野『……』

絹旗「……?」

麦野『いまの、きいた?』

絹旗「ええ、超聞きましたよ」

麦野『超・ブ・ッ・殺・す!』
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 06:50:44.64 ID:v/ALD8NGo
野球だけに超どストレートですね、麦野
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:52:39.21 ID:MVKsivV40
絹旗「麦野っ?! 麦野、落ち着いてください!! 麦野!」

麦野『あーーーあーーーー、聞こえない何も聞こえない!』 


────────

────

──


ピンポーン

ガチャ

オジャマシマース

絹旗「と、とりあえず。お茶でもどうぞ」

麦野「あら、悪いわね」

絹旗「なぜこんな展開に……」

麦野「私の秘密、知ったんだから当然よ」

絹旗「ある意味超不可抗力ですけどね」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:58:33.27 ID:MVKsivV40
麦野「……で、相談なんだけど。用件はもう言わなくていいわよね?」

絹旗「ええまぁ……だいたいは」

麦野「そう、じゃあ言わせてもらうけど」

絹旗「けど?」

麦野「どーしてこいつ等がいるのよ!」


滝壺「……お茶、おいしい」

ズズズ

フレンダ「なははー、面白そうじゃない。私も混ぜなさいっての。あれ? お茶菓子おいしいわね」

モグモグ
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 06:59:44.09 ID:MVKsivV40
絹旗「いや、なんか超面白そうでしたし」

麦野「そう……絹旗……あんたやっぱり……」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


絹旗「い、いやほら! 滝壺さんもフレンダも経験豊富というか! 私一人より大勢いたほうが客観的なアドバイスもできるかとおもいまして!」

滝壺「そうだよ麦野(けーけん?)」

フレンダ「そ、そうよ麦野。落ち着いて(だーれが経験豊富よきぬはたぁっ! 彼氏なんか居たことねーっつの!)」

麦野「そう……、ありがとね」

しゅん

フレンダ「小動物みたいなむぎの! たまらーん!」

麦野「っだあ! 寄るなフレンダ! 暑苦しい!」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 07:03:07.69 ID:MVKsivV40
>>190
ただいま

>>191
お引越ししてきました

>>206-215
一連の流れにワロタw

>>227
きっと163km/hのストレートとか投げるに違いない
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 08:44:06.10 ID:r40RNmRAO
いちいち歌詞に超つける絹旗超かわいい
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 10:23:28.67 ID:dvDB8My5o
ttp://www.youtube.com/watch?v=gJlJuubAy6c&feature=related
絹旗にこれ聞かせてやりてぇww
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 15:57:43.17 ID:z9Ui1/9m0
 乙!!
むぎのん可愛すぎるwwwwww
アイテムvsグループ……かぁ
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 16:35:23.44 ID:PT9xgBvMo
浜麦浜絹浜レンダ
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 16:41:14.57 ID:HAwgGzls0
応援してる
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/19(水) 18:20:02.21 ID:ufT4iETDO
早く続きを!
関係無いけど、ウィルス性胃腸炎で熱38,5℃
だがこのスレを諦めるわけにはいかない!
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 18:26:06.51 ID:T320UFEDO
>>237
ほんとに関係ねぇな
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 20:14:09.25 ID:3tE05Xdd0
どうしてSSの麦野はこうもかわいいのか。結婚したい。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:20:08.79 ID:MVKsivV40
────────

────

──


黄泉川「やっと見つけたじゃん、浜面」

浜面「……また黄泉川かよ」

黄泉川「まーまー、そんな顔しないしない」

浜面「何か用かよ」

黄泉川「用って程でもないじゃん、聞きたい事があって」

浜面「お前が俺に聞きたい事だぁ?」

黄泉川「お前がスキルアウトを抜けた事は把握してるんだけどね」

浜面「なんだ、そんな事かよ」

黄泉川「駒場はそれを許したのか?」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:20:50.93 ID:MVKsivV40
浜面「……」

黄泉川「駒場じゃん、駒場利徳。お前んとこのリーダー」

浜面「……なんでお前がそんな事気にするんだよ、関係ねーだろ」

黄泉川「ある」

浜面「ないだろ」

黄泉川「関係ある」

浜面「ねぇよ!」

黄泉川「心配してんじゃん!」

浜面「……」

黄泉川「スキルアウトって組織はさぁ、そんな簡単に抜ける事ができる組織じゃないのはよくわかってんじゃんよ。なのに浜面はスキルアウトを抜けた、それ以降駒場の目撃情報は無い、心配するなっていう方が無理な注文じゃんよ!」

浜面「……いいだろ、そんなに知りたきゃ教えてやるよ……駒場の旦那は死んだよ」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:21:16.86 ID:MVKsivV40
黄泉川「……っ」

浜面「……死んだんだ」

黄泉川「どうして……」

浜面「詳しい事は知らないし、知ってても教える義理はねぇよ、ただ……」

黄泉川「……」

浜面「駒場利徳っていう人間はもうこの世に存在しねぇ、それだけだ」

黄泉川「……墓、教えるじゃんよ」

浜面「あぁっ?!」

黄泉川「墓参りくらい、私にもさせてもらう権利があるじゃん」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:21:52.68 ID:MVKsivV40
浜面「やなこった! だいたいお前が居なかったら……っ! お前が居なかったら……、お前が……クソッ」

黄泉川「頼む」

浜面「……っ」

黄泉川「頼むよ、浜面。私にとっては……誰であろうが大切な教え子なんだ」

浜面「……」

黄泉川「……頼む」

浜面「わかったよ……わかったから顔あげてくれよ黄泉川」

黄泉川「教えてくれるじゃん?」

浜面「……、第七学区の──────、通りを抜けて────」

黄泉川「連れていくじゃんよ、浜面」

浜面「……いいのかよ警備員、完全下校時刻はとっくに過ぎてるんじゃねーのかよ」

黄泉川「時と場合によるじゃん」

浜面「そーかよ」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:27:10.44 ID:MVKsivV40


浜面「……ここだよ」


黄泉川「ここが……」

浜面「今日も誰か来てたみたいだな、花が添えてある」

黄泉川「随分慕われてたみたいじゃん」

浜面「たりめーだろ、駒場さんだぞ」

黄泉川「私にとっては……手のかかる子供だったけど、そうか、そうだったのか……」

浜面「……」

黄泉川「なぁ駒場よ」

浜面「……」

黄泉川「すまなかったな……」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:31:37.12 ID:MVKsivV40
浜面「……」

黄泉川「本来、お前や浜面みたいにドロップアウトする生徒が出ないようにするのが私の、教師の仕事じゃん」

浜面「……」

黄泉川「なのに私ときたらお前等と顔を合わせるのはいつも、いつもいつもいつも事件の現場じゃんよ」

浜面「……」

黄泉川「そりゃいつも面倒事を起こしてくれて、腹が立った事もあるじゃん。クレーン車でATM強奪した時は怒り心頭だったじゃんよ」

黄泉川「でもそれは、お前達だけに怒りの矛先を向けるのは間違っていた事じゃないかって、最近そう思うじゃん」

黄泉川「お前達をそうさせてしまう、その前に、何か出来たんじゃないか……私の本来の仕事は、そこなんじゃないかって」

黄泉川「……なあ駒場よ」

黄泉川「お前は一体この学園都市で、何を見て、何を感じたんだ」

黄泉川「……ちょっとで良いから、教えてほしいじゃんよ……」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:37:36.70 ID:MVKsivV40
『あのー……すみません、警備員の詰め所ってここで合ってますか?』

『いかにも。少年、警備員に何か用じゃん?』

『この子、迷子みたいなんですけど』

『迷子?』

『あー、えー。はい』

『よしよし、そんなに怖がらなくてもいいじゃんよ。ちょっとで良いから、知ってる事をおねーさんに教えて欲しいじゃん?』

──?

『?』

『すみませんこの子、喋れないみたいなんですよ』
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:40:08.38 ID:MVKsivV40
『んー、参ったじゃんよ。学生証は持ってるじゃん?』

『えっと、俺来週入学で、まだ発行してもらってないんです。たぶんこの子もそうだと思います』

『そうか。だったらとりあえず詳しい話を……』

──?

『そっか、話せないのか』

『あの……この子、ちゃんと戻れますか?』

『安心するじゃん、おねーさんに任せとくじゃんよ。ちゃーんとお家に戻してあげるじゃん』

『だってよ! オマエ、よかったな!』
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:42:31.86 ID:MVKsivV40
──、ふるふる。

『なんだ? 帰りたくないのか?』

──、こくり。

『んー……、そういう訳にはいかないじゃんよ』

──、……。

『あ、あの。この子の身元がわかるまでしばらく俺の家で預かっていてもいいですか? なんつーか、俺に懐いているというか、その』

『この子が良いなら構わないけど、どうするじゃん?』

──、こく

『ん、わかったじゃん。とりあえずいくつか質問するから、答えてほしいじゃん』
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:45:14.40 ID:MVKsivV40
『ありがとうございました』

『なんのなんの、困った事があったらいつでも相談にくるじゃん』

『はいっ』

『ん、良い返事じゃん。これから入学となると、身体検査が楽しみじゃん?』

『へへっ』

『勉学に励むじゃんよ、少年』

『わかった!』

『何かわかったら連絡するじゃん』
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:50:47.26 ID:MVKsivV40
カタカタ

『えーっと……身長約140センチ程の少女、迷子……』

カタカタ

『白色ワンピース……ロングヘアで栗色の髪』

カタカタ

『身元、捜査……願い……○月○日……』

カタカタ

『浜面仕上……家で……保護』

カタッ

『黄泉川! 出動だ!』

『わかったじゃん! すぐ行くじゃん!』

パタン
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 21:58:06.32 ID:MVKsivV40
────────

────

──


──、!

『……嘘……だろ……』

──、!!

『鮭味の……カップラーメン……だと……?』

──、こくこく

『シーフード味じゃなくて、なぜ鮭味のピンポイントなんだ…………』

──、きらきら

『すげー目輝いてんなオマエさ、そんなに心配せんでも買うからよ、安心しとけ』

──!

『っだあ! 抱きつくなコラ!』

──、しゅん

『あ……その、すまん……ほら、2個買ってあげるから』

──!

『喜怒哀楽がわかりやすすぎだろ……』
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:08:09.17 ID:MVKsivV40
『まーいっか、ほれ、カゴん中入れとけ』

──こくり

『おし、後ほしい食べ物あるか?』

──?

『なんでもいいんだぞー、ただし食べ物なー?』

──……

『いやー……、そんな真剣に悩まなくてもいい気が……』

──!

『ん? 何指差してんだ……?』

──じー……

『……』

──じー……

『いやアレ、この店のマスコットだから。いくら鮭のキャラクターだからってくえねえから』

──、ガーン
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:10:39.62 ID:MVKsivV40
『お買い上げありがとうございましたー』

『さて、食料も買ったし……次は服だな』

──?

『服だよ服、オマエそれしか着るもんねーだろ?』

──?

『別に困らないけど? みたいな感じで首を傾げられても……こっちが困るんだよ』

──こくり

『わかったら行くぞー、たしかセブンスミストっていう店があったはずだから』
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:16:43.92 ID:MVKsivV40
『さて……来たはいいが……よく考えたら俺、女の服の事なんてわかんねーぞ……』

──!

『お? 気に入ったのあったか?』

──!

『っだあ! こんなキワドイ水着選ぶやつがあるか! それに普通に着る服を選んでんだよ今は!』

クスクス

兄妹カシラー?

カワイイー

『ぐ……何故か周囲から白い目で見られてる気が……』

──?
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:20:11.59 ID:MVKsivV40
『ん?』

──?

『これなんかいいんじゃねーの?』

──……!

『向日葵柄のワンピース、どうだ?』

──、こく

『なんつーか、今着てるからかもしれねーけどよ』

──?

『ワンピースが似合う気がするんだよオマエには』

──?

『あー、とにかく試着してこい。って、まさか試着も一人でできないっていうオチじゃあないよな?』

──……

『さ、さすがに服くらいは一人で……』

──?
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:21:58.46 ID:MVKsivV40
『お買い上げありがとうございましたー』

──♪

『おー? 似合う似合う』

──ぺこり

『……ん? お礼のつもりか?』

──こくこく

『どーいたしまして』

──♪

『はは、子供みてぇにはしゃいでるな』
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:24:25.25 ID:MVKsivV40
ドン

不良A『……いてーな、このクソガキ』

──……!

不良A『あぁ?! 人にぶつかっておいてごめんなさいも言えねぇのかてめぇは!』

──ふるふる

不良A『なんだテメェ……おい、ふざけてんのか!』

──、ビクッ

不良A『あぁーん? よく見たら可愛い顔してんじゃねーか、おい、ちょっと来いよ』

『おい、待てよ』
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:27:12.42 ID:MVKsivV40
不良A『んだてめぇ!』

『この子の保護者……というか、まぁ、そんな感じだけどさ』

不良A『保護者だぁ?! ……だったらてめーが責任とるんかよ』

『責任だ?』

不良A『おー、いてえいてえ。こりゃ骨が折れてるな、おいニーちゃんよ、入院費と治療費寄越せや』

『どう見ても折れてるようにはみえねぇけどな』

不良A『はー? だから病院に行って検査してもらうんだろーが、頭沸いてんのか、あ?』

『……話し合いは無駄な様だな』
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:29:44.65 ID:MVKsivV40
『おい、荷物もってどっか隠れてろ』

──!

『いいから、どっか安全な所で、な?』

──、ふるふる

『良い子だから、言う事聞いてくれ』

──……

『ちょっとしたら戻ってきてくれ、待ってるからよ』

──、こくり

不良A『話し合いは終わったかよ、ええ? ニーちゃんよぉ』

『ああ』

不良A『だったら……とっとと死ねや!』

ゴッ
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:30:50.59 ID:MVKsivV40
──、おろおろ

──、あたふた

──、きょろきょろ

──、!

『何かしら? あの子』

『さー、行こう行こう。約束の時間に遅れちゃうよ』
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:32:22.95 ID:MVKsivV40
──!

──とてとて

『おー? お嬢ちゃんじゃん、どうしたじゃん?』

──!

『そんなに慌てなくても、ちゃんと見つけてあげるじゃん』

『おい黄泉川! また出動だ!』

『わかったじゃん! お嬢ちゃん、おねーちゃんはちょっとお仕事いってくるじゃんよ!』

──、……。
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:35:11.26 ID:MVKsivV40
──、とぼとぼ。

──、とぼとぼ。

──。

『よぉ……、無事だったかァ?』

──……

『ったくよー、最初は……いてて、最初は勝ってたんだけどな、チクショー、後でぞろぞろ4人も5人も出てきやがってよ、はは』

──……

『負けちまったー、あー、よわっちいな俺、ったくよー』

──……
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:38:16.48 ID:MVKsivV40
『なんか身体がふわっと浮いたり、鉄がぐにゃんて曲がったり、あれが能力ってやつなのかな?』

──、

『まぁオマエが無事でよかった』

──!

『はは、せっかく買った服、キレーなままで、良かったな?』

──……。

『おーい?』

──、

『どうした?』

──、くるっ

『おい、どこ行くんだよ! 待っ……いててて』
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:42:53.58 ID:MVKsivV40
ドクン

──、ハァッ

ドクン

ドクン

──、ハアッ

ドクン

──、ハァッ……ハア……ハ……ア……

──、……ロス……コ…………

──、ス………………

────、コロ………………ス……
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:44:06.09 ID:MVKsivV40
不良A『カカカカ、サイコーだったなオイ』

不良B『てんで弱っちいのによ、倒しても倒しても起き上がってきて笑えたな』

不良C『能力者に立ち向かう無能力者カッコイイ! ってかぁ?』

不良D『ま、あんだけやられたらもう立ち向かってこねーだろ』

不良A『あーあー、しかも全然金もってなかったしよぉ。働き損だっての』

不良B『ちげーねー』
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:46:47.06 ID:MVKsivV40
不良A『ったくよー、こんなんじゃ全然たりねえよ、あと2.3人狩ってくか?』

不良B『この時期だと新入生のガキが多くて簡単だしなぁ』

不良C『こっちのサイフが潤ってしゃーねーよ』

不良D『風紀委員も警備員も最近出てる事多いしな、こっちまで手がまわんねーのよ』

不良A『まさに俺らへの追い風だなオイ』

不良B『ははっ』


──、ミ……ツ……ケタ……
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:50:24.51 ID:MVKsivV40
不良A『あん?』

不良B『どうしたよ?』

不良A『なんか言ったか?』

不良C『いや?』

不良A『なんだ? 空耳か?』

不良D『おいおい、脅かすなっての』

不良A『ははっ、すまねえすまねえ』


──ミツ……ケタ


不良D『ああ? なんだぁ? このガキ』
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:52:18.43 ID:MVKsivV40
不良C『ガキ?』

不良A『さっきのガキの連れじゃねーか、なんだ? せっかく見逃してやったってのにまた来ちまったのか? ああ?』

不良B『げへへ、どーする? やっちまう?』

不良D『お前は女とか子供でも手加減なしだからな』

不良B『げへへ、げへ……げへ、いいだろ?』

不良A『程々にな』

不良B『いっただっきまーすっ!』

キュイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィン……

ドッ

不良A『……?』
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:54:11.68 ID:MVKsivV40
不良C『お、おい、あいつは?』

不良D『き……消えちまった?』

不良A『っ、何の能力だ!』


キュイイイイイイィィィン……


不良A『やべぇ……何か知らんがやべぇぞ!』

不良D『に……逃げろぉおおお!!』

不良C『おい、待てよ!』
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:56:48.14 ID:MVKsivV40
────────

────

──



──、とぼとぼ

──、とぼとぼ。

『お、いたいた! おーい!』

──!

『ったくよー、どこ行ってたんだー? 探したぞオイ』

──……

『ん?』

──くるっ

『あ、おい! 待てって!』

グイッ

──あ……

『どこ行くんだよ』
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 22:59:06.69 ID:MVKsivV40
──、どこ……

『はぁ……行く当てもなく走り出したんか? アホかオマエ、心配したんだぞー?』

──、うん……

『さ、かえろーぜ』

──、かえ……る?

『俺ん家だよ』

──、家?

『そ、いえ』

──、うん……。

『……』

──、?

『あれ……? ってか今喋って……?』
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 23:02:25.68 ID:MVKsivV40
黄泉川「できれば、もっとお前と喋ってみたかったじゃんよ駒場」

黄泉川「……また来るじゃん」


浜面「……」


黄泉川「ありがとう」

浜面「何を」

黄泉川「元々お前は迷子の女の子を届けてくれるような心優しい少年だったなって思い出しただけじゃん」

浜面「あ? 迷子だ?」

黄泉川「そうじゃん?」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 23:04:45.11 ID:MVKsivV40
浜面「何で俺がそんなめんどくせー事しなきゃいけねぇんだよ」

黄泉川「……男にツンデレは似合わないじゃん?」

浜面「ちげぇよ!」

黄泉川「まあいいじゃん、今日はもう遅いから、まっすぐ家に帰るじゃんよ」

浜面「前みたく、ついてこねーのかよ」

黄泉川「浜面のこと、信じてるから」

浜面「そーかよ」

黄泉川「浜面はまっすぐ家に帰るはずじゃん」

浜面「けっ」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/19(水) 23:14:15.74 ID:MVKsivV40
>>232
かわいいに超つけるあたり超絹旗通ですね

>>233
顔ww
その顔はどうにかならなかったのかww

>>234
とある科学のハーレム軍団
VS
とある科学のロリショタ軍団
的な

>>235
生麦生米生たまご的な

>>236
ありがとうございます

>>237
お大事に

>>239
お幸せに!
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 23:19:19.24 ID:kIQjGxVYo
超乙なのよ!!
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/19(水) 23:39:43.67 ID:owDAoSt30
結局このssは俺のつぼにどストライクな訳よ
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 00:11:06.05 ID:hFLRBkSwo
続きが楽しみなのである。
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 00:35:28.96 ID:EiWjZd9ko
乙でした
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:10:53.58 ID:5bVEXwja0
黄泉川「それじゃあ」

浜面「……待てよ、クソババア」

黄泉川「失礼なヤツめ、やっぱ手錠つけて留置場にぶち込んでやるじゃん?」

浜面「俺は学園都市のゴミクズだ、それは認めるよ」

黄泉川「……?」

浜面「けどな、そんなゴミクズにも、ひょっとしたら、守りたいものの一つくらいあったかもしれねーだろ」

黄泉川「何の話じゃん」

浜面「俺にもわかんねーよ、……ただ」

黄泉川「ただ?」

浜面「なーんか、大事なモン、忘れちまってる気がするんだよな」

黄泉川「……ま、せいぜい悩むといいじゃん、少年」

────────

────

──

フレンダ「悩み事?」

麦野「悩み事」
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:14:36.13 ID:5bVEXwja0
絹旗「お茶どうぞ」

フレンダ「ありがと」

ズズズ

絹旗「麦野も」

麦野「ありがとう」

ズズズ

絹旗「滝壺さんも」

滝壺「……ん」

モグモグ

滝壺「ありがと」

ズズズ
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:17:27.46 ID:5bVEXwja0
フレンダ「く〜、お茶がおいし〜」

麦野「そうね」

絹旗「お茶の国・静岡から超取り寄せましたからね」

滝壺「そうなの?」

絹旗「最近お茶に超凝ってるんですよ、このお茶菓子も美味しいでしょ?」

麦野「そうね」

モグモグ

フレンダ「ん〜、サバ缶があれば文句なしね。カレー味、カレー味」

滝壺「お茶にカレー……」

フレンダ「意外とイケるかもしれないわよ」

麦野「あはは、そんなわけないでしょー」
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:19:43.71 ID:5bVEXwja0
絹旗「このお茶に超含まれるカテキンが血圧とかコステロールとか血糖値……アレルギー等に超効果テキメンらしいですよ」

フレンダ「ほ〜」

ズズズ

滝壺「おいしいね」

麦野「本当ね」

ズズズ

麦野「そんじゃ、お茶も頂いたし帰るわ」

フレンダ「は〜い、またね〜ん」

絹旗「超おつかれさまでした」

滝壺「ばいばい」

麦野「……あれ?」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:22:00.30 ID:5bVEXwja0
麦野「危うくいつも通り帰る所だったわ」

フレンダ「いや、やっぱりこう。お約束は一度はやっとかないと」

滝壺「おやくそく」

絹旗「超お約束です」

麦野「……で」

フレンダ「うん」

麦野「……あの」

絹旗「はい」

麦野「……その」

滝壺「うん」

麦野「……………………………………………………」

麦野「っだあ! やっぱりだめ、いえないっ!」
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:24:45.40 ID:5bVEXwja0
滝壺「大丈夫、そんな乙女ちっくなむぎのを私は応援してる」

麦野「滝壺……あんた……」

フレンダ「で、浜面がどうしたって?」

麦野「……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

フレンダ「へ? え?」

麦野「フー……レ、ン、ダァ……」

フレンダ「な、なになになになに?!」

麦野「人が今から言おうとしていた事をサラっといってんじゃないわよ〜〜〜〜〜!!!!!!!」

フレンダ「きゃ〜〜〜〜〜!! 麦野! 落ち着いて! 殿中! 殿中でござるっ!!!」

麦野「あんたそんなナリして忠臣蔵?! やっぱり日本人でしょ!」

フレンダ「今ソレは関係ないでしょ〜〜!!!」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:26:59.32 ID:5bVEXwja0
絹旗「私の家……超終わった……」

滝壺「大丈夫」

絹旗「ふえぇ〜、たきつぼさぁあ〜ん」

滝壺「ほらむぎの、フレンダ、きぬはたが泣いちゃったよ」

麦野・フレンダ「ご……ごめんなさい……」

絹旗「……(超計画通り)」
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:30:02.94 ID:5bVEXwja0
麦野「……で、その……浜面の事なんだけどさ……」

フレンダ「うんうん、浜面がどうしたわけ?」

麦野「……その」

絹旗「はい」

麦野「……ええっと……」

滝壺「うん」

麦野「……その、えーっと。浜面の事が、気になってるというか……」
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:30:51.10 ID:5bVEXwja0
フレンダ「……」

絹旗「……」

滝壺「……むぎの」

麦野「うん?」

フレンダ「結局、アタシらは麦野の事を応援してるわけよ」

絹旗「敵は超強敵ですが、めげない事が超重要だと思います」

滝壺「がんばって」

麦野「え? あ、うん。やけに話が早いわね……」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:32:26.02 ID:5bVEXwja0
フレンダ「だって〜ね〜?」ニヤニヤ

絹旗「ね〜、ですよね〜?」ニヤニヤ

滝壺「ね〜?」

麦野「?」

フレンダ「結局、アタシらの目に曇りはないってワケよ」

絹旗「ですね」

滝壺「うん」

麦野「そ、そう……」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:34:40.67 ID:5bVEXwja0
フレンダ「でも正直、なんで浜面?」

麦野「え?」

絹旗「この際超ハッキリ言わせてもらいますけど、麦野と浜面じゃ超お似合いじゃないですよ」

麦野「そ……それは……」

滝壺「ワケアリ?」

麦野「う」

フレンダ「ワケアリなのね……」

滝壺「超ワケアリですか……」

麦野「べ、別に大したことじゃないんだけど、本当に、全然大したことじゃないのよ?」
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 02:56:15.78 ID:hFLRBkSwo
続きが気になるのである。
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 02:56:27.12 ID:5bVEXwja0
>>275
細切れですまぬ

>>276
そう言ってもらえると素直に嬉しいです

>>277
アックアさん……だと……

>>278
ありがとございます
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/20(木) 03:09:34.55 ID:5bVEXwja0
>>290
アックアさん!

>>289
くが、眠気でやっちまった。

×滝壺「超ワケアリですか……」
○絹旗「超ワケアリですか……」

超脳内保管たのんます。
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 16:05:19.73 ID:7NsaH1Ea0
浜麦は俺のチャイナシンドローム
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 17:50:34.55 ID:wPjoTNDUo
超楽しみにしてるって訳よ。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 21:28:23.67 ID:UfaWNNGvo
+   +
  ∧_∧ + 
 (0゚・∀・)
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/20(木) 23:34:05.49 ID:Jfwdsp1AO
ワクテカ久しぶりに見た
297 :22巻後アイテム [saga]:2011/01/20(木) 23:58:22.03 ID:5bVEXwja0
麦野「どこから話せばいいかしら……」


────────

────

──


──、む、ぎの

『麦野? お前麦野っていうのか?』

──、……うん。

『なんだよハハハ、良かったなおい、話せる様になったんだな!』

──、うん。

『あ、そうだ。まだちゃんと名乗ってなかったな。俺は浜面仕上、よろしくな、麦野……麦野……えーっと?』

──、なに?

『下は何て言うんだ?』

──、した?

『苗字じゃなくて、ナマエの方だよ』

──しずり。むぎのしずり。

『しずりかー、どんな字書くんだ?』
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 00:01:08.73 ID:kkpZ7rq/o
きたきた
299 :22巻後アイテム [saga]:2011/01/21(金) 00:03:30.91 ID:zFlo3s+x0
──沈利。

『へー、かわいいナマエだな、沈利か』

──、うん。

『沈利はどっから来たんだ? なんであんなトコに居たんだ?』

──、……。

『ま、言いたくなければそれでもいいけどさ』

──、うん。

『とにかく喋れる様になったみたいでよかったよ』

──、はまづら。

『あん?』

──、はまづら、しあげ?

『そーだよ、浜面だよ』
300 :22巻後アイテム [saga]:2011/01/21(金) 00:07:48.23 ID:zFlo3s+x0
──、クスクス

『あー? 何が面白いんだよ?』

──、ヘンなナマエ。

『ぬわぁんだとぉう! 沈利っ! てめー飯抜きにすんぞ!』

──、キャー

『待てこのやろー!』

──、野郎じゃないもーん、女の子だもーん。

『あいつ……実は結構ポギャブラリー豊富なんじゃねえか? 常識知らずなのに……』

──、おーい、先行っちゃうよー?
301 :22巻後アイテム [saga]:2011/01/21(金) 00:10:34.98 ID:zFlo3s+x0
『あーもー、こら。勝手に行くと迷うぞ、お前ただでさえ迷子なのにこれ以上迷子になってどーすんだ』

──、はまづら。

『なんだ?』

──、ふく、ありがと。

『あん?』

──、おしゃれ、してみたかったの。

『そーかよ』

──、怪我、大丈夫?

『全然、喧嘩なんか慣れっこだしよ』

グイ

『いてててててててててててて!!! バカ! 内出血してんだよ! ひっぱんな!』

──、いたいのいたいの、とんでけー。
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:13:03.58 ID:zFlo3s+x0
『お前……』

──、どう? 治った?

『……ん、あぁ。なんか治った気がする』

──、そ。良かった。

『ありがとな』

──ん?

『これで服とチャラだな』

──、えへへ。
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 00:15:30.35 ID:s+m8Ekbao
麦のんかわいいな…
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:16:18.34 ID:zFlo3s+x0
『……ま、とにかく。そろそろ帰るか』

──うんっ

『ハラも減っただろ?』

──はやく鮭味食べたい。

『お前、どんだけシャケ好きなんだよ』
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:19:36.46 ID:zFlo3s+x0
──だって、今まで食べた事なかったから。

『そうなのか?』

──、うん。

『何食ってたんだよ今まで……』

──、さあ? 学園都市で独自に開発したサプリメントとか、栄養はドリンクか点滴で……

『待てまてまてまてえぇぇぇぇぇえ〜〜〜〜い!!! なんの話だよそりゃ!!』

──、え?

『独自に開発したサプリメントだぁ?』

──、うん。能力開発を促す薬みたいなものらしいけれど……。

『……ほー……』

──、私、レベル五候補だから。
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:23:46.71 ID:zFlo3s+x0
『はぇっ?! レベル五候補っ?!』

──、え? うん。

『……すげー』

──、はまづら?

『すげー! すげーよ沈利っ! 何の能力なんだっ!?』

──、えっと。原子崩しって言って……

『メルトダウナー?! く〜、なんだそのカッコイイネーミングっ! あぁずりーなぁ、いいなぁ、俺も早く能力開発受けてみたいぜー』

──、ははは。

『俺とお前、友達な』

──、ともだち?

『おう、学園都市に来て最初にできた友達』

──、うんっ
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 00:25:55.78 ID:gf3jjtH+o
なにこれかわいい鼻血でそう
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:27:24.16 ID:zFlo3s+x0
──、でも

『あん?』

──、友達って、何するの?

『いや、別に普通だろ?』

──、普通って何?

『んー……? 普通にしゃべったり、普通に遊んだり、普通に笑ったり喧嘩したり……? そういえば普通って何だろうな』

──はまづら

『ん?』

──わかんない、ちゃんとわかるように話して。

『……ガーン』

──……プ

『……あん?』

──、アハハハハ……ククク……アハハハハ、はまづら。へんな顔〜
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:34:00.94 ID:zFlo3s+x0
ガチャ

『ただいまー』

──ただいまー。

パタン

『さて、と。今日野球やってたっけかな……』

ピ

──はまづら、鮭味!

『おいおいおいおいおいおい、待て待て、まずは手洗いだろうが!』

──洗ったよ!

『うそつけっ! ずっとその箱握ってただろうが!』

──むー……。
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:37:21.66 ID:zFlo3s+x0
『ごちそうさまでした』

──ごちそうさまでした。

『……なぁ』

──うん?

『……いくら好きだからって二箱も食うか?』

──いいじゃない

『まぁお前用に買ったんだからいいけどさ、明日の分ないぞ?』

──……

『……?』

──ジワッ……

『っだああああ!!! 泣くな! そんな事で!!』
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:40:11.96 ID:zFlo3s+x0
──、だって……だって……

『何も泣く事ないだろ?』

──、だって……美味しくて……

『あーはいはい、そうだな、すげー美味そうに食ってたな』

──、……ごめんなさい……

『そこまで真剣に謝られると何か罪悪感が……』

──、はまづら……

『ん?』

──、また、買っても……良い?

『……』

──?

『……(あれ? なにこの子、こんなに可愛かったっけ)』

──どうしたの?

『ゴホゴホ、いや、ん〜? なんでもない』
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:43:13.53 ID:zFlo3s+x0
『ま、いいや。また買いに行けば済む話だしな』

──、やったあ!

『ただし、次からは一個だからな』

──、えー、ケチ。

『ケチじゃねえよ! 俺の金だろうが!』

──、お金にうるさい男はモテないらしいよ?

『どこで覚えたんだそんな知識』

──、小説。

『なんの小説だ……』
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:44:39.55 ID:zFlo3s+x0
『そんじゃ片付けやっとくからよ、先に風呂入ってこいよ』

──、うん、わかった。

『おう』

──、……。

『……?』

──、……。

『どうしたんだ?』

──、覗くなよ、はーまづらぁ。

『覗くかよ!』

──、あははっ。

『ったくどこでそんな言葉覚えてきたんだか……』
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:47:06.47 ID:zFlo3s+x0
『歯も磨いたし、寝るか』

──うん。

『じゃ……お前布団使っていいからな?』

──、はまづらは?

『ソファーで寝るよ』

──、……ね?

『あん?』

──、一緒じゃ、だめ?

『ナンデストー』
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:49:17.58 ID:zFlo3s+x0
『いや、俺はいいんだけどさ、お前はいいのかよ?』

──なんで?

『疑問に質問で返球されたっ?!』

──はまづらならいいよ?

『無防備すぎんだろうが……』

──なんで?

『なんでって……はぁ、まぁ、沈利が良いってんだから良いんだろうけどよ……』

──、ほらココ、ココ。

『あーもー、わかったよ』
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:49:54.17 ID:zFlo3s+x0
『じゃー、電気けすぞー』

パチッ

──おやすみ。

『ん、おやすみ』
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:51:06.27 ID:zFlo3s+x0
──、ね。はまづら。寝た?

『俺の鼻つまみながら言う台詞かそれ』

──、あははっ。

『はな、いたい』

──ごめんごめん。
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:53:09.62 ID:zFlo3s+x0
──ねー。

『なんだよ』

──、何かお話してよ。

『はぁ?』

──、こういう時ってさ、昔話とかしてくれるんじゃないの?

『俺はオカンか!』

──、悪寒?

『字面的に間違ってますそれ……』

──わかんないよ?
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:54:10.03 ID:zFlo3s+x0
──、ねぇ。はまづら。

『あん?』

──、あの時はまづら。私の事、助けてくれたよね。

『あぁ、あの事か』

──、ありがとう。

『別にいいって、たいした事じゃねーし』

──ううん。

『?』

──、私にとっては、すごく、大きな事だから。

『そーかよ』

──はまづらは、私の救世主だよ。

『オーゲサだなオイ』

──ううん、本当に。
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 00:55:20.80 ID:zFlo3s+x0
──、だから。

『ん?』

──私、私ね、あのね?

『なんだよ』

──はまづらの事、守ってあげるね。

『はは、ありがとよ』

──うんっ

『さ、もう寝ようぜ』
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 01:02:19.12 ID:zFlo3s+x0
>>293
ググったら炉心溶融とか映画とかいっぱい出てきて
10分くらい読みふけってしまったw

>>294
結局、超ありがとうって訳よ。

>>295
ワクテカ

>>296
可愛いですね

>>298
そういえば「キタキタおやじ」っていましたよね。
結構好きだった。

>>303
うっかり「>> 303」にされないようにご注意を!
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 01:05:17.79 ID:kkpZ7rq/o
これには浜絹成分は少しでも含まれますか?
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 01:05:31.77 ID:s+m8Ekbao
乙です!
応援してるよ!麦のんを( ´ ▽ ` )
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 01:09:11.20 ID:rQdkZH2IO
もしもこんな過去があって本編の展開になったとか考えると……(´;ω;`)ブワッ
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 05:54:33.58 ID:wagnlNU70
ショタ面ときいてとんできました
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 07:50:29.19 ID:mVuKCfPIO
>>325
あわきん、口から吐瀉物垂らしながらニヤニヤしないで気持ち悪い
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 16:24:36.31 ID:Oa8fgY0IO
こんなに可愛いロリ麦野がああ成る訳ない
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 19:13:00.91 ID:q887SH32o
ああ成っちゃったのは浜面のせいな気もするし
浜面が選択肢間違ってなければ……
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 21:02:17.68 ID:1fwbYL/j0
 乙乙!!なんか涙が出てくる。
これってさ、
要は竜王の吐息の羽食らった後の上条さんと
インデックスみたいなもんなんだよな……
 むぎのんが可愛すぎるのとはまづらがイケメンすぎるのと
黄泉川先生がいい先生過ぎるのと……
 おい、浜面の記憶消しやがった学園都市ぶっ潰すぞ
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:02:57.19 ID:zFlo3s+x0
────────

────

──


『博士! 見つけました!』

『ふむ、情報元はどこだ』

『警備員の書庫です』

『警備員の?』

『迷子の名簿に登録が、……髪型や身長や着ていた服など身体的特徴が一致します』

『それはそれは……善良な学園都市の一般市民に感謝しなくてはな……はははは』
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:03:50.04 ID:zFlo3s+x0
『現在一般人の下で保護されているようですが……』

『構わん、すぐにつれて来い。最悪アレを使っても良い』

『はぁ……しかしアレはまだ開発途中では』

『なに、レベル五のデータが取れると思えば良い』

『わかりました』

『良い報告を待っている』
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:06:45.48 ID:zFlo3s+x0
『逃げられんぞ……原子崩し……私からはな……くくく』


────────

────

──


『逃げんじゃねーよ!』

──、やだ!

『てめー! 俺が隠しておいたお菓子食べやがって! ゆるせーーん!』

──、だからさっきから謝ってるじゃない

『ふんぬー! 理解は出来ても納得できーーーーん!!!』

──、つかまんないよーだ、べー。

『あ、てめー、こら! まちやがれ!』
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:10:10.67 ID:zFlo3s+x0
ピタッ

──、……。

『へへっ、とうとう観念したか』

──、……。

『食べ物の恨みは恐ろしい、くらえーーー!』

──、静かに。

『……どした?』

──、はまづら。

『あん?』

──、そのまま。動かないで

『は? なんで』

──、いいから。

『沈利?』
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:12:43.47 ID:zFlo3s+x0
──、今。隣のビルの屋上から一瞬だけ反射光が見えた。

『反射光?』

──、たぶん、双眼鏡か何かの。

『新手の覗きか?』

──、はまづら。カーテン閉めて、なるべく自然な動作で

『お? おう』

──、……まさか。まさかね。
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:20:35.63 ID:zFlo3s+x0
『ふふふふん♪ ふふん♪ ふふふふん♪ ふふん♪ 星屑ロンリネス♪』

──朝からジョーキゲンね。

『あったりまえだろー? 明日からついに学校なんだからよ』

──ふーん?

『夢にまでみた学園都市の学校……あー、はやく明日にならねーかなー』

──ふーん……はまづらは私より学校の方が楽しみなんだ……

『……へ?』

──、いいんだ、どうせ私なんか……

『お、おい沈利?』

──、……

『す、すまん、傷つけたなら謝る。な? このとおりだ』
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:24:35.38 ID:zFlo3s+x0
──、……

『すまなかった』

──、……プ

『……え?』

──、あはははは、こんなタンジュンな手に引っかかるなんて、ばっかみたい

『ぬわぁんだとぅおおおおおお!!!』

──、べー

『沈利っ! てめー!!』

──、はまづら、やさしいね。

『は?』
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:27:13.77 ID:zFlo3s+x0
──、服、かったくれたし

──、シャケも買ってくれるし

──、面白くないけどバカだし

『おい』

──、私の事、……名前で呼んでくれるし

『それはまぁ、当たり前だろ。友達なんだし』

──、……うん。
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/21(金) 22:44:10.03 ID:zFlo3s+x0
『それより俺さ、いまから学校に手続きいかないといけないから留守番しててくれるか?』

──留守番?

『おう、2時間くらいで帰って来れると思うんだけど』

──、やだ、はまづらと一緒にいる。

『だーめ、関係者以外入っちゃいけないんだぞ?』

──、はまづらの友達だもん

『おいおい、我侭言う子はダメだぜ〜?』

──、ワガママじゃないもん

『ちゃーんと留守番できてたら、シャケ弁買ってきてやるから、おとなしくまってろい』

──、……う、わかった……。

『あれ……? 冷静に考えたら 俺<シャケ弁 ってこと……?』
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/21(金) 23:49:37.07 ID:Mz4Y4mtAO
ちょっと吉田慰めてくる
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 00:46:04.32 ID:sK0txke00
>>322
ガチで期待してたらならごめんなさいとしか……

>>323
ありがとです

>>324
たまに書いてて (´;ω;`)ブワッ ってなる、こまったSSです

>>325
ショタ面×ロリのん

>>326
あわきんなら……あわきんなら仕方ない

>>327
そういえば超電磁砲の扉絵に載ってましたね
あれ? 違いましたっけ?

>>328
きっとまだ描写されてない二人の過去があるはず
いつかかまちーが書いてくれるはず

>>329
上条さんは記憶喪失なのに誰一人気がつかないなんて役者すぎると思うんです……

>>339
ごめんなさい書くの忘れてサッカーみてました
正直負けると思ったけど今日の試合、興奮したなあ。
アジアカップ面白すぎる。
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 00:49:53.35 ID:PqdjG7J1o
まぁ浜絹はしょうがないやね 当然
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 02:59:47.02 ID:lcV3QIXTo
続きはまだであるか?
結局今か今かと待ってしまう訳じゃん!
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:18:51.92 ID:sK0txke00
──、でも。気をつけてね

『迷子にならないようにか?』

──、違う。

『へいへい、すぐ帰ってくるから待っててくれ』
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:21:27.62 ID:sK0txke00
ガチャ

『じゃ、いってきまーす』

パタン


──、心配だ。

──、さっきのアレが私の勘違いだといいのだけれど。

──、……もし、あいつらがこの場所を特定してるとしたら絶対私を連れ戻しにくる。

──、はまづらにも危険があるかもしれない。

──、……だったら、私とはまづらとは別行動の方が……?

──、……。

──、いや、あいつらがはまづらに手出しするかもしれない。

──、でも……。

──、……よし、尾行だ。

──、むかし、推理小説とかで読んだ、大丈夫、やり方はわかる。
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:24:59.82 ID:sK0txke00
──、だったら準備だ。

──、必要なモノは?

──、ええっと……。

──、これと、これと。

──、それから、地図と

──、あとは、水筒と……お菓子ももっていこう。冷蔵庫のうえ、お菓子の隠し場所はもう覚えた。

──、それから、このぬいぐるみも。

──、あ、しまった

──、リュックに入らない。

──、はやくしないとはまづらが見えないところまで行ってしまう。

──、なんとか全部を詰め込んで、私は外に出た。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:28:39.58 ID:sK0txke00
────────

────

──


『おい』

『なんだ』

『例の少年が家を出たぞ』

『原子崩しは?』

『いない、恐らくまだ家の中だ』

『キャパシティダウンの準備は?』

『いつでもイケる』

『だったら突入だ、原子崩しを確保する。突入と同時にキャパシティダウンを起動しろ。捕獲はなるべく人目につかないようにな』
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:31:43.11 ID:sK0txke00
『……待て、ターゲットが家を出た』

『何?』

『リュックサックに水筒……はっ、ピクニックにでも行くつもりか』

『どこに向かっている?』

『わからん……だが人の目の多い場所だろうな』

『……今日の捕獲は諦めるか?』

『いや、博士の堪忍袋が切れる前に仕事を終わらせたい。尾行を継続する』

『わかったよ、上司がアレだと部下は大変だな』

『気遣い感謝するよ』
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:35:51.06 ID:sK0txke00
『……に、しても。まだガキじゃねえか、本当にあんな子供一人捕まえるのにこんな仰々しい機械が必要なのかね』

『相手はレベル五候補だ、ただの子供……いや、人間とは思わない方が良い』

『鬼だねぇ』

『それが科学だよ』

『俺に子供が居たら絶対こんなところには遣りたくねぇな』

『バカバカしいほど正しい判断だと思うよ』

『皮肉だねぇ、研究者さん』

『……気にしないでくれ』

『はいよ』
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:43:31.99 ID:sK0txke00
『それと後一つ質問なんだけどいいか?』

『何だい?』

『キャパシティダウンは原子崩しの能力を封じる、それはわかるんだけどな』

『けど?』

『もうひとつ、この小さいのは?』

『そのデバイスを僕たちは’メモリー’と呼んでいる』

『’メモリー’?』
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 03:51:51.44 ID:au+EwykAO
面白いよ〜
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 03:58:01.23 ID:sK0txke00
『僕はつい半年前、原子崩しの担当になったんだ』

『おい、質問の答えになってねーぞ』

『聞けよ、内部の人間にはこんな話できないんだからさ』

『あーはいはい。聞くよ、聞けばいいんだろ』

『さっきの君の、子供が居たらこんなところに遣りたくないって言ったろ?』

『ああ言ったさ』

『僕もそう思うよ』

『へぇ、科学の鬼でもそう思うのかい?』

『全員が全員鬼なワケじゃないさ、博士の心は100%鬼だけどね』

『ははっ』

『……僕には子供が居てね』

『ほー? いくつだ?』

『3歳』

『一番可愛い時だな』

『その一番可愛い時に、死んだよ』
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 04:04:41.46 ID:sK0txke00
『……っと、わりぃな』

『いや、……いいんだ』

『また……なんでだ? 3歳っつたら……病気か?』

『娘は学園都市の犠牲になったんだ、とある研究の犠牲にね』

『研究ってまさか』

『ああ、僕も携わっていたさ。もちろん、あの博士もね』
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 04:10:01.30 ID:sK0txke00
『ある日、原子崩しの素養を持った女の子を博士がどこからか持ってきてね。脳にとあるデータを焼き付ける作業を行う必要があったのさ、それによって演算能力を飛躍的に向上させる事ができるんだ』

『狂ってやがるな』

『そうとも、狂った研究さ。でもさらに狂ってるのはその手術の予行演習を’生きた子供の脳’で行う必要があったって事さ』

『……まさか』

『万全に万全を期したさ』

『そりゃそうだ、自分の娘なんだからよ』

『結果は……、さっき言った通りだ』
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 04:16:40.08 ID:sK0txke00
『表向きには交通事故という形で処理されている、新聞の記事にもならない事件としてね』

『恨みはねぇのか?』

『自分の無力さを死ぬほど恨んだよ』

『……、救えねぇ話だ。娘が死んでなお研究を続ける父親……ねぇ』

『生きてるんだ』

『あん?』

『確かに娘は死んだ、けどその時に採取された娘のデータが原子崩しの一部になって今も生きているんだ』

『……よくデキた考え方だな、否定はしないがよ』

『だから正直、こんな実験なんか無くなれば良いと思ってる。原子崩しにはあんな暗い研究所なんかじゃなくて明るい世界で生きて欲しい……ってのが、本音といえば本音かな』

『たしかに、あの博士の耳には入れられない話だな。だが俺の仕事は、お前が言うその真っ暗な研究所にあのガキをお届けする仕事だぜ?』
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 04:18:15.84 ID:sK0txke00
『……あの原子崩しが逃げおおせたところで、博士はきっとたぶん別の子供で研究を始めるに違いない』

『あの博士ならそうするだろうな』

『その度に娘の様に犠牲になる子供が増えてしまう……』

『……だろうな』

『だからそこでこの’メモリー’の出番なんだよ』

『あん?』

『’メモリー’は人の記憶を一時的に預かっておく事ができる、そしていつでも他の媒体への保存・再生が可能になるのさ』

『へぇ……この小さいのがね』

『まだ研究途中だからね、保存できる容量には限りがある。けれど、ここ数日間のデータなら可能さ』
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 04:19:42.68 ID:sK0txke00
『はっはーん? わかったぜ、研究員。お前の考えてること』

『うん?』

『消したいんだろ? 外での記憶を。戻ってから憧れない様に、研究所での生活に疑問を抱かせない様に、希望を根こそぎ奪うつもりだろ。娘さんみたいな犠牲を出したくないが故に、あの博士に原子崩しを縛り付けておく為に、原子崩し一人苦しめばいい、そうだろ?』

『……逆さ、僕は原子崩しを救いたい』

『救う、ねぇ』

『そうさ、苦しまなくていいようにね。希望は堕落だ、だったらそんな希望、最初からなかった事にすればいい』

『俺には、お前自身が誰かに救ってもらいたい、……そう聞こえるけどね』

『解釈は自由だ』

『そうかい』

『とにかくこのメモリーで、原子崩しの記憶を奪う』

『わかったよ』
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 04:22:18.22 ID:sK0txke00
>>341
余力があれば次もアイテムSS書くと思うから
その時縁があれば是非

>>342
こんな夜中に待たれたら書かざるをえない……
という訳で数レスですが

>>350
ありがとうございます
正直そう言って貰えてめっちゃ嬉しいです
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 04:53:14.49 ID:sK0txke00
『与太話はこれくらいしにて、尾行を続けよう』


────────

────

──


──、尾行って楽しい!

──、お菓子美味しいし

──、ジュース美味しいし

──、このふく、おしゃれだし。

『ん……あれ? こっちで合ってるのかな?』

──、でもはまづら、さっきからきょろきょろしてばっかりだよね

『くそ……地図、やっぱり持ってきた方が良かったか?』

──、あれ、地図って確か……

『ちくしょー、でも時間が……』

──、……私、もってるーーー!!
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 05:01:45.28 ID:sK0txke00
──、どうしよう、どうしよう。

『どうしよう……』

──、渡しにいく……? でもはまづらには黙って出てきちゃったし……

『うーん……』

──、そうだ! この方法なら……
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 05:03:13.96 ID:sK0txke00
『困った……』


──、他人のフリ他人のフリ他人のフリ他人のフリ他人のフリ他人のフリ……

──、あー……コホン、そこの少年や


『……なぁっ?! し……沈利っ?!』


──、他人のフリ他人のフリ他人のフリ他人のフリ他人のフリ……

──、わ、我輩は麦野沈利ではない


『はぁ……? なに言ってんだ?』
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 05:03:59.51 ID:sK0txke00
──、他人のフリ他人のフリ他人のフリ他人のフリ……

──、こ……困っているのじゃろ、この地図を持っていくといい


『お前……まさかこれを届けに……』


──、他人のフリ他人のフリ……

──、さ、さきほどこれを君に渡す様に頼まれてだな……それでは私は忙しいからコレで失礼


タッタッタ


『あ、おい! 待てよ!』


──、他人のフリ……ふふふ、完璧だ、完璧な他人のフリ……ふふふ……


『……ありがとよ、沈利』
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/22(土) 05:20:48.27 ID:sK0txke00
『よっしゃ、コレで間に合うぜぇぇぇぇ!!!!』

──、はーまづらぁ、間に合うかなぁ。

『くっそおおお!! 走れぇぇぇぇえええ!!』

──、あ、コケた。
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:26:18.16 ID:sK0txke00
────────

────

──



『というわけで』

──、ガッコ。間に合った?

『おかげさまで』

──、そ、よかった。

『で、なんで沈利がここにいるんだ?』

──、だってしょうがないじゃない、地図なしで帰れないし。

『やっぱさっきのお前だったんじゃねーか!』

──、し、しーらないっ

『おいぃ?!』
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:26:57.57 ID:sK0txke00
──、どうでもいいじゃない! 間に合ったんだからっ!

『……まぁ確かに』

──、さ、行くわよ

『おーい? どこいくんだー?』

──、どこって

『あん?』

──、シャケ弁、買いにいくの。

『誰が買うの?』

──、はまづらが、私に。

『なん……だと……?』
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:30:41.73 ID:sK0txke00
ありがとうございましたー


『……結局買ってしまうという』

──、わーい。

パカッ

『わかったからせめて家に帰ってから食べよう、な?』

──、ちぇ

『ちぇって何っ?! ってかそのリュックなに! なんかお菓子の袋いっぱい入ってるんですけどおおお!』

──、こ、これは……

『あ、てめー。このヌイグルミはダメって言っただろー?』

──、べ、べつに、いいじゃない!

『ダメダメ、これは俺のソウルそのものなんだからよっ! ああ懐かしいぜ……あのクレーンとの格闘……壮絶だったなぁ……』

──、ちょっとくらいいいじゃない、ケチ!

『ガーン』
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:37:56.75 ID:sK0txke00
──、んー、かわいい。これ何て生物?

『クマもしらんのかい!』

──、クマ? クマっていうの?

『そだよ、クマだよ』

──クマっ♪ クマっ♪

『ははは、そんなに気に入ってるのか?』

──うんっ





『でもあげねーーー!!!! ははははは!!!!!』

──、えーーー!!!!
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:40:28.63 ID:sK0txke00
『あのさー、そのシャケ弁10個分くらいあるんだぜこのクマ』

──、じゃ、じゃあシャケ弁10個分がまんする!

『あー……やっぱ12個分くらいだったかな?』

──じゃあ12個がまんする!

『いやー……? やっぱり15個だった気がする』

──15個! がまん!

『ははは、ごめんごめん。20個だった、うん、20個もなー、多いなー、我慢するのは大変だなー?』

──、何個でもがまんするもん!

──、する……もん

──、ジワッ

『だあああ!!! 泣くな! わかったから!』
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:42:48.54 ID:sK0txke00
──、〜〜♪ 〜〜♪

『よかったなぁ……』

──、うんっ!

『ははは、そーかい……』

──、クマさん♪ クマさん♪

『たははー……また取りにいくか……』

──、また取ってくれるのっ?!

『いつの間にか沈利の為にっていう前提になってる……』

──、ねぇねぇ。取ってくれるの?

キラキラッ

『く……まぶしい! 目が! 目がぁぁぁあああ!!!!』
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:46:00.57 ID:sK0txke00
『結局、来てしまった……ゲーセン……』

──、ね。アレ! アレとって

『どれだよ?』

──、あの奥の

『アレか? よーし、ちょっと待ってろ』

チャリン

ピ

ウィィィィィィィーーーン
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:46:30.06 ID:sK0txke00
──ねぇ

『ん?』

──このボタン押したら取れるの?

『そーだよ』

──ふーん。

ピ

『……』

ウィィィィィィィーーーン

『ってあああああああああ?! 勝手に押すんじゃねええええええええええええ!!!!!』
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:49:29.69 ID:sK0txke00
スカッ

ザンネンデシター

マタドウゾー

──、ちょっと。何も出てこないけど?

『たりめーだ、何も取れなかったんだからよ』

──、えぇ?!

『沈利が! へんなとこで! ボタン! おすから!』

──、はまづらが! 押したら! 取れるって! 言ったじゃない!

『いや、そりゃ言ったけどさ……物事にはタイミングってもんが……』

──、もう一回よ! もう一回!

『もう金ねーよ』

──、なんで?!

『今日は弁当も買ったし、もーすっからかんだよ』

──、……むー。
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:51:54.72 ID:sK0txke00
『また今度に取ってやるから、そんな落ち込むなって』

──、ほんとっ?!

『おう』

──、あのね! あのね! あの大きいのがいい!

『お、おう? あれだな?』

──、うん!

『わかったよ』

──、いつ?!

『い、……いつ?』

──、明日? あさって? しあさって?

『はは……いつだろうなー』

──、はまづら、約束して!

『あーもー、わかったよ。明日、明日また来ような?』

──、うん!

『ったくよー、その笑顔は反則だぜー……ははは』
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:56:38.08 ID:sK0txke00
『沈利』

──うん?

『なんでもねー、呼んでみただけ』

──なにそれー?

『はははっ』

──……むー

『ごめんごめん』

──はまづらだけ楽しそうにしてて、つまんない。

『ごめんって』
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 06:57:21.12 ID:sK0txke00
──はーまづらぁ?

『なんだー?』

──、呼んだだけー?

『なんで疑問系なんだよ』

──、さー? ふふふっ。

『まあいいや、もう遅いしそろそろ帰ろうぜ』

──、うんっ
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 12:52:41.37 ID:eZaiV3r00
浜面の前でだけ昔みたいになるとかだったらマジで萌える
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/22(土) 18:42:21.18 ID:dbi254lDO
麦のんはどんな麦のんでもかわいいよ!!
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 20:19:11.91 ID:JEPz9a77o
うっひょおおおおおおおおおお
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/22(土) 20:21:34.93 ID:ZSSk2E8AO
ぬっふぅおうおうおうおうおう

さっさと子作りせんかい
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 08:58:35.74 ID:8Gjx4MP80
麦は踏まれれば踏まれる程 虐げられれば虐げられる程
立派な恵みを稔らせる、農産物界を代表するドM作物
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 09:00:28.18 ID:8Gjx4MP80
誤爆
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 09:12:28.62 ID:INvBydUto
>>380
どんな誤爆だよ
続きマダー?
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 13:05:57.02 ID:e5fia6Hk0
ある意味誤爆とも言い切れんのが怖い
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 13:52:20.91 ID:vWq3dp/r0
◇ ◇ ◇ ◇


『んー。結構遅くなっちまったな』

──、そうだね。

『暗いから足元、気をつけろよ』

──……ねえ?

『なんだよ』

──、道、あってるの?

『……』

──?
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 13:53:43.19 ID:vWq3dp/r0
『アッテル』

──、ねぇもしかして

『アッテル』

──、はまづら、ねぇ

『……』

──、いんてる?

『ハイッテル』
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 13:55:15.76 ID:vWq3dp/r0
──迷った?

『迷ってねえよ! この裏道抜けるほうがちけーんだよ!』

──、ほんとに?

『地図だとそうなってる』

──、……

『っだああ!! そんな目でみんな!!』

──、バカ面

『誰がバカ面だ! 俺は浜面だっての!』
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 13:57:06.30 ID:vWq3dp/r0
──、……はまづら。

『そうそう、俺は浜面だ』

──、囲まれてる。

『あん?』

──、私が合図したら、すぐに走って。

『なんで?』

──、いいから。

『だからなん──』

──、いいから、行けっ!

『ッ!!』
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 13:58:10.79 ID:vWq3dp/r0



研究者『キャパシティダウン、起動しろ』


ィィィィィィィィイィイイィィィン………………………………
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 13:58:57.52 ID:vWq3dp/r0
──っ?! あ……ぐ……頭が……っ

『沈利っ?! おい、どうした?!』

──、いたい……

『おい?! 大丈夫かっ?!』

──、はまづら、だめ、……逃げて……

『バカ! お前も一緒にくるんだよ!』
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:01:28.29 ID:vWq3dp/r0
傭兵『ヘイヘイ、どーこ行くんだよお二人さん。ちょっと待ちなよ』

チャキ

──、……く……完全に囲まれた……。

傭兵『よう? お嬢さん。いや……原子崩しよぉ。あんたに用事があって来たんだぜ? 何の用かは……わかるだろ?』

スッ

『沈利に何の用だッ!』

傭兵『おお? この状況で女の子を守るたぁ殊勝な心がけだ、良い男になるぜ少年。だがおじさん達はその子の、まぁ、なんというか、保護者でね。迷子のお嬢さんを捜してたんだよ』

『嘘つけっ!』

傭兵『嘘じゃないさ、だいたい君は知っているのかい? そこに居るお嬢さんが何かを』

『麦野沈利、俺の友達だ』

傭兵『友達……友達ねぇ、ははは、友達? まるで普通の人間みたいだなぁ。なぁ? 原子崩しよぉ』

『帰れよ、お前ら!』

傭兵『そうはいかねぇ、お嬢さんをつれて帰るのがおじさんの仕事だからねぇ』
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:02:48.90 ID:vWq3dp/r0
──……。ブルッ

『……沈利?』

──、……やだ、かえりたくない……。

『大丈夫、大丈夫だからな?』

傭兵『へぇ、妬けるねぇ。こんな状況で励まし合いってか?』

『……』

傭兵『辞めとけ辞めとけ、これが見えるだろ? 銃だよ、本物だぞ? 当たったら痛いぞー、当たり所によっちゃ死んじまうかもな』

『……く』

傭兵『あんま抵抗すんなよー? あんまり反抗的だとお前もこわーーーいおじさんがいっぱいいる施設で脳みそいじられておかしくなっちゃうからなー?』

『くっそおおおおッ!!!!』

傭兵『丸腰で突っ込んでくるとは……バカがっ』

ガン
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:04:11.43 ID:vWq3dp/r0
『がはっ……』

──、はまづら!

傭兵『バカだなーお前さ。この体格差考えろよな。でもお前みたいなバカは嫌いじゃないぜ。ははは。おいお前ら、抑えとけ』

ボカッ

『ぐあぁ!!』

傭兵『でもよーあーあー、だめだこりゃ。あの世行き決定だなおい、まだ抵抗しないってんなら俺は見逃してやってもいいと思ってたんだぜ? 本当だぜ?』

ドガッ

『……っ!』

傭兵『何も抵抗せず、この場の事は忘れる約束をしてくれたらよぉ……誰も殺さず済んだのによ』

『沈利をどうするつもりだ!』

傭兵『うるせーよ。黙りな、浜面仕上クン?』

『沈利に何かしてみろ! ぶん殴ってやるからな!』

傭兵『おーおー、そうかいそうかい。そりゃ楽しみ……だっ!』

ガン!

『ぐは……っ』
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 14:05:43.20 ID:3fIqDixUo
うわああああああああああああああ
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:06:47.93 ID:vWq3dp/r0


傭兵『あのさー……俺も子供をいたぶる趣味はさすがに持ち合わせてねーんだ。だからもうこれ以上俺に殴らせんなよ、楽に死んどけ』


────、パァン…………。


394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:08:11.07 ID:vWq3dp/r0
傭兵『……よう。そっちのほうは、いいのかよ?』

研究員『いま起動させたよ’メモリー’』

傭兵『そーかい』

研究員『引き上げだ』

傭兵『了解』

研究員『……』
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:09:30.77 ID:vWq3dp/r0
────────

────

──



あれ

わたし

なにしてるんだろう

はまづらは?

あれ?

はまづらってだれ?

え?

ここどこ?

わたし、なにしてるの?

なにを、していたの?
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:09:56.86 ID:vWq3dp/r0
えっと

今日は

朝からいつもの研究で

あれ

いつもの研究?

美味しかった

あれ?

何が美味しかったんだろう?
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:10:38.31 ID:vWq3dp/r0
目の前には大勢の大人

いつもどおり白衣を着ている

あれ?

でも、今日は皆、ヘンな服きてる

まるで

まるで、軍隊みたい?

軍隊?

あれ? なんで?

ここは?

いつもの研究所じゃ、ない?
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:12:07.70 ID:vWq3dp/r0
着ている服もいつもと違う

違う

何かが違う

何が違う?

わからない

けど、何かが

何かが違う

……気がする
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:13:26.68 ID:vWq3dp/r0
目の前の景色は見える

見えるけど理解できない

何か

すべての輪郭が曖昧で

ぼんやりとしていて

とけてしまいそうで

音が

音が一切聞こえない

私の耳はどうなってしまっているんだろう
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:13:56.66 ID:vWq3dp/r0
『沈利っ!』

……だれだろう

誰かから名前を呼ばれている気がする。

音は聞こえないはずなのに

……やさしい声だなあ。

『沈利っ!』

……こんなやさしい声、いままで聞いた事ない。

……ああ、ずっと聞いていたいなぁ。

『沈利っ!』


『うるせーよ。黙りな、浜面仕上クン?』
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:14:40.73 ID:vWq3dp/r0
……あれ?

はまづら?

はまづら……?

はまづら……

浜面?

浜面……

浜面、仕上

浜面仕上

……とても

……とても、やさしいなまえ。
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:15:18.40 ID:vWq3dp/r0
この服を選んでくれたのは誰?

私を助けてくれたのは誰?

鮭味を教えてくれたのは誰?

名前を呼んでくれたのは誰?

やさしくしてくれたのは誰?

私を友達って言ってくれた人は誰?

私が、守りたい人は、誰?
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:15:47.33 ID:vWq3dp/r0


はまづら。

浜面、仕上。


そう!


はまづら!

はまづらだ!


……はまづら、なんだ!



────、パァン…………。


404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:19:46.80 ID:vWq3dp/r0
────────

────

──


傭兵『で、その’メモリー’で記憶とやらは回収できたのかよ?』

研究者『ああ、おそらく。反応があったからね』

傭兵『……ふーん』

研究者『興味なさそうだね』

傭兵『俺としてはもうこの都市からの仕事を遠慮させてもらいたいところだよ』

研究者『ははは』

傭兵『笑い事じゃねーよ。それじゃさっさとお嬢さんを回収して帰るか』
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:22:31.27 ID:vWq3dp/r0
──、……ロ……ス



傭兵『あん?』



──、…………コ……………ロ……


ヨロッ


傭兵『お、おい? 起き上がったぞ、あいつ?』

研究員『大丈夫、キャパシティダウンが起動しているから演算には集中できないはずだよ。何もできやしない』

傭兵『そうか?』



──、……コロス……


ドッ


傭兵『あん?』
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:23:22.44 ID:vWq3dp/r0
傭兵『ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』



研究員『め……原子崩し……ッ?! まさか、キャパシティダウンが効かない……だと……ッ?!』



──、コロ……ス……コ……ロ……スッ


ドッ



──、コロス……



──、コロス


ドッ




コロス



コロス




コロス
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:24:59.31 ID:vWq3dp/r0
────────

────

──


私が正気に戻ると、目の前には誰も居なかった。

ただ、はっきりと覚えているのは

うざったい周波数をまきちらす車を爆発させた事

襲い掛かってくる男たちを能力を解放して爆ぜた事

浜面の体からとめどなく出る赤い液体。
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:26:53.56 ID:vWq3dp/r0
結論から言うと、私は逃げた。

その場から。そして、浜面から。

逃げた。

こわくなったのかもしれない。

何もしゃべらない浜面を見ているのが

うつ伏せで動かなくなってしまった浜面を見ているのが

とても、

こわ……かった……から。
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:28:47.42 ID:vWq3dp/r0
その後も何回か襲撃を受けた。

恐らくあの博士が寄越したんだろうと思う。

その度に能力を開放して蹴散らした。

四六時中命を狙われる生活は、相当のストレスだったけど。

その頃はただ生きているだけで、死んでいるのと何も変わらなかったと思う。

そんな時、薄汚れた路地裏で私はあいつと出会う。

最高で最低な、本当にクソッタレな出会いだった。
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:31:33.70 ID:vWq3dp/r0
『こいつときたら、本当に壊すことでしか生きられないのね』

──、誰よ、アンタ。

『こいつときたらーー! 年上に対する礼儀ってのがなってないわよ!!』

──……フン

『あー、気に入った。その態度が気に入ったわ。あんた、ウチで雇ってあげるわ、感謝しなさい』

──、は?

『あたしの所に来るってんなら、今あんたにちょっかい出してる組織の一つや二つ、潰してあげるわよー? それにアンタ、どこにも行くところ、ないんでしょ?』

──、そうだけど……
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:32:15.49 ID:vWq3dp/r0
『だったら交渉成立ね、あたしは働き手が欲しい、あんたは居場所が欲しい。そうじゃない?』

──……。

『さっそくだけど仕事、お願いしたいのよね。ちょっとしたゴロツキなんだけど、5.6人シメてきてくれない? 方法は任せるから』

──、ち、わかったわよ。

『あーそーそー、アンタのコードネームだけど、しばらく’アイテム’って呼ぶからそのつもりで』

──、アイテム?

『そ、アイテムね。そのうち人数が増えたらそれを組織名にでもしようと思ってるから。それじゃよろしくねーん』
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:34:08.09 ID:vWq3dp/r0
◇ ◇ ◇ ◇


麦野「……という、ワケなのよ」

フレンダ「……」

滝壺「……」

絹旗「……え……?」

フレンダ「え?」

滝壺「……」

フレンダ「えぇえっ?! け、結局。ど、どいう事なの?! 浜面! 死んじゃったのっ?!」
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:41:29.21 ID:vWq3dp/r0
滝壺「死んでたら、いま生きてないよ。フレンダ」

フレンダ「むむむ……、昔死んでたと思った浜面がひょっこり実は生きてましたーって、どこのドラマよそれ」

麦野「ほんとにね。だから最初にアイテムで浜面に会った時は心臓がどうにかなるんじゃないかと思ったくらいなんだから」

絹旗「はぁ……まさか二人の間にそんな超エピソードがあったなんて」

フレンダ「人に歴史アリって訳よ」

滝壺「それで、麦野の悩み事は?」

麦野「そう。それなのよねぇ……」

絹旗「それ、といいますと?」
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:45:04.35 ID:vWq3dp/r0
麦野「それとなく昔の事を聞いてみても私とは会ったこと無いって言うし……」

フレンダ「その浜面と、この浜面が別人だっていうの?」

滝壺「他人のそらに?」

麦野「でも、別人と言うにはあまりに似すぎてるのよね」

絹旗「私としては浜面超サイボーグ説を推しますね」

麦野「それはないわ、ちゃんと心臓がドキドキしてたから」

滝壺「まるで確認したみたい」

麦野「確認したもの、あいつが居眠りしてる最中に」

フレンダ「え?」

絹旗「え?」

滝壺「え?」

麦野「?」
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 14:47:52.45 ID:vWq3dp/r0
麦野「まだ他にもいろいろ確認したわよ、あいつが眠ってる間に──」

フレンダ「あーーーーー!!!!!」

麦野「なによ、もう、フレンダ」

フレンダ「それ以上は、……ストップよ麦野。……刺激が強い」

麦野「そう?」

絹旗「(超鼻血でるとこでした)」

滝壺「……」ボー
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 15:00:52.81 ID:vWq3dp/r0
フレンダ「……ん?」

絹旗「どうしました?」

フレンダ「ねー、むぎの?」

麦野「なに?」

フレンダ「あのさー、さっきの話で一つ質問なんだけど」

麦野「うん」

フレンダ「むぎのが毎晩抱いて寝てるヌイグルミってまさか、そのときの……?」

麦野「フーーーーーー……レ、ン、ダァ…………」

フレンダ「え? え? そうじゃないのっ?! ねぇ?! ねぇむぎのっ!」

麦野「後でお仕置きね」

チーン

フレンダ「なんでっ?!」
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 15:10:04.18 ID:vWq3dp/r0
絹旗「麦野。私からも質問、超いいですか?」

麦野「うん」

絹旗「私は浜面が過去何をやってたか、なんて超知らないですけど。それでもなんとなくそんなに超悪いヤツでは無いと思うんです。バカですけど、超バカですけど」

麦野「バカなのは否定しないわ」

フレンダ「バカを否定されない浜面、バカ面ね」

麦野「……お仕置き追加ね、フレンダ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

フレンダ「なんでっ?!」

滝壺「一言余計」

フレンダ「うぅ……」

絹旗「それで、麦野はどうしたいんですか?」

麦野「私は……」
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 15:11:23.38 ID:vWq3dp/r0
麦野「私、……浜面の事、好き、なんだと思う」

フレンダ「ついに言ったわね、麦野」

絹旗「なんとなく超そんな気はしてましたけど」

滝壺「うん」

麦野「でも……、その。ね? なんとなく、この気持ちそのものに自信が持てないというか……。昔の浜面を勝手に今の浜面に投影してるだけなんじゃないかなって、もし別人だったらどうしよう……って」

フレンダ「そりゃまぁ、何年も前に居なくなってたと思った人がひょっこりでてきたらねぇ」

絹旗「しかもそれが同じ浜面かどうかわからない状況じゃ、超しょうがないですよね」

麦野「……うん」

フレンダ「っだあぁ、それにしてもアノ浜面がねぇ〜……」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 15:19:46.33 ID:vWq3dp/r0
>>375
ちょw
天才現るw

>>376
ですよね。
麦のんマジ麦のん。

>>377
うっひょおおおおおおおおおお!!!

>>378
エロパロにGO
エロ書けなんです、すみません……。

>>379
麦に対する愛だけはヒシヒシと伝わって……
愛ですね愛。

>>381
ロリのんが可愛すぎて過去編ばっかり書いてて物語が進まなかったという(ry
もうちょいで終わります。あとちょっと辛抱してけろ

>>382
偶然の奇跡ですなー。

>>392
うわああああああああああああああ!!!
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 15:24:36.23 ID:F9kl9Svpo
ショタ面とロリのんが可愛すぎる
もうだめ
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 15:33:56.00 ID:3fIqDixUo
あんなに素直だったロリのんが今ではこんなにアレな性格になってしまうとは
暗部の暮らしの悲惨さが伺えるって訳よ
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/23(日) 15:41:21.84 ID:vWq3dp/r0
>>420
むすじめさんここです

>>421
ID:3fIqDixUo
IDにFが入ってるってことはあなたまさか……
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 17:01:32.46 ID:INvBydUto
続きは読みたい。
でも終わって欲しくない。

いいぜ!続きを読めばこのSSが終わるっていうなら、まずはそげぶ。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/23(日) 18:44:05.85 ID:/959ShmZ0
あれ、麦野はちゃんと覚えてるんだな。
メモリーとやらで麦野の記憶がなくなってるという展開だと思ってた。意外意外。
浜面のほうの記憶が問題ってことだがそれは今からの展開のお楽しみね!

おもしろいお!
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 20:11:56.44 ID:pUvE4OaH0
ショタ面をかっさらいたい
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 20:44:53.86 ID:PYWqoCTDO
いつでもいつまでも麦野沈利ちゃんが一番かわいい!!!
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 23:08:13.53 ID:sIYz42wAO
僕は麦野沈利ちゃん!!
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 23:32:49.27 ID:aDqMCrGno
僕も麦野沈利ちゃん!!
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 23:56:37.29 ID:TQvdXjpgo
僕の麦野沈利ちゃん!!
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/23(日) 23:59:25.78 ID:1RTp4yxgo
僕が麦野沈利ちゃん!!
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:01:27.14 ID:97Vpju9vo
僕に麦野沈利ちゃん!!
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:02:57.09 ID:j+K0higgo
僕を麦野沈利ちゃん!!
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:03:02.13 ID:2fMCuo6Po
僕へ麦野沈利ちゃん!!
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:12:39.73 ID:6hSja+OBo
僕で麦野沈利ちゃん!!
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:15:59.96 ID:NlD9vV4no
僕と麦野沈利ちゃん!!
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:33:33.94 ID:IhISL7dio
                                               ∧_∧
                                        ∧  ◯( ´∀` )◯
                                     ∧_( ´∀ \    /
           ∧_∧                  ∧_( ´ (つ.   _/ __ \_
       ∧_( ´∀∧_∧           ∧_( ´⊂   人⌒l(_/    \_)
       ( ´ (つ ⊂( ´∀∧_∧       (´∀( つ ノ ノ し(_)    ∧
  ∧_∧(○  |  ( /   ( ´∀`)     ⊂二、 \ヽ (_ノ、_ノ   僕は、麦野沈利ちゃん!
 ( ´.( ´||し⌒/ ⊂ ノG(   こ ∧_⊂(´∀`⊂(_(__)
⊂  (   | .|,ノ  し     (_,\  (  (´∀` )  / / / 
 〈 〈 .)  (_)            (_ ⊂  (ノ  (ノ  (__)_)
 (__(__)__)             (__)_)
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:46:25.22 ID:TGgvm5EAO
僕に麦野沈利さま!!
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 00:52:31.37 ID:dCZT4GL20
僕と麦野沈利さま!!
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 00:55:19.50 ID:dCZT4GL20
麦野「……あー……、どうすればいいんだろー……」

絹旗「どうするって……」

フレンダ「どうすればいいのかな……」

滝壺「……」

麦野「それを相談しに来たんじゃない」

絹旗「正直チケットの取り方とか聞かれたから、超そっち方向の相談だと思ってたんですけど」

フレンダ「予想の斜め上をはるかに超えてヘビーだったわけよ」

麦野「……やっぱり、私、重いかなあ……?」
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 00:56:13.63 ID:dCZT4GL20
絹旗「うむむ……」

フレンダ「絹旗、例えば私がいきなり’絹旗っ、実は私はあんたの事が、あんたが死ぬ前から好きだった’とか言ってきたらどう思う?」

絹旗「超びびりますよそれ、どんなホラーですか」

フレンダ「そうよねぇ……」

麦野「……むー……」
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 00:58:17.79 ID:U0igygrAO
来たっ
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:01:42.19 ID:dCZT4GL20
フレンダ「でもこれ、考え方によっちゃとってもロマンチックな話じゃない? だって、死に別れた二人が奇跡の再開を果たすのよ? オペラや小説じゃハッピーエンドな訳よ」

絹旗「でもあの浜面がその浜面じゃない可能性もあるんですよね?」

フレンダ「あの浜面とかその浜面とか……浜面のくせにややこしいわね……」

滝壺「……」ボー

フレンダ「そうねー……、でもまあ麦野の話を聞く限り要点は一つよね」

麦野「うん?」

フレンダ「要するに、過去面と今面が同一人物ならすべて丸くおさまるわけよ」

麦野「それはまぁ……そうだけど」

絹旗「過去面に今面って、どんな呼称ですか」

フレンダ「ややこしいからそう呼んだ」

滝壺「真東から電波きてる……」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:11:47.21 ID:dCZT4GL20
フレンダ「過去面が今面だって証明できれば、麦野は後ろめたい気持ちなんてなく今面の事を好きになれるって寸法よ!」

絹旗「でもそれ、どーやって確かめるんですか? 麦野が今面に聞いても超ダメだったんでしょ?」

麦野「そうね、あれは’昔の事を忘れてる’っていうより単純に’知らない’っていう感じだったから……はは、あの時は結構キツかったなぁ……」

フレンダ「あ〜、も〜。そこ! ウジウジしないっ!」

絹旗「過去面が今面だって証明できる何か超良い方法があるんですか? フレンダ」

フレンダ「ふふふ。結局、私に策がある訳よ」

絹旗「へぇ、どんなですか?」
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:13:16.82 ID:dCZT4GL20
フレンダ『はーまづらー』

浜面『なんだ?』

フレンダ『ちょっと後ろ向いてて、あと、目つむってて』

浜面『はぁ? なんで俺がそんな事……』

フレンダ『……ばか、恥ずかしいからに決まってるでしょ……』

浜面『は? はぁああ?! おい、フレンダ何をっ、なんでバニーの衣装なんか持ってッ?!』

フレンダ『浜面のえっち……はやく後ろ向いてよ……』

浜面『わ、わかった! わかったから!』

フレンダ『絶対こっち見ないでよ?』

浜面『お、おう? おう!』

フレンダ『……』

浜面『……』



フレンダ「そこで背後からこの新開発のハンマーで思いっきり今面の頭をぶんなぐるッッッ!!!!」

絹旗「殺人だーーーーーーーっ?!」
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:16:57.20 ID:dCZT4GL20
フレンダ「頭部へのショックを与えて過去の記憶を取り戻す訳よ」

絹旗「どんな理論ですか」


麦野「それ、やってみたけどダメだったわ」


フレンダ「……」

滝壺「……」

絹旗「……」

麦野「なに? 皆黙っちゃって?」

フレンダ「……やったんだ」

絹旗「……超実行済みでしたか」

麦野「ダメよ、その手は効かないわ。何回やっても絶対避けるからアイツ」

フレンダ「今面よ……安らかに……眠れ……」

絹旗「まだ死んでませんってフレンダ」

滝壺「……」ボー
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:20:37.57 ID:dCZT4GL20
絹旗「ゴキブリ並の超回避ですよね、さすが浜面」

フレンダ「浜面じゃないわ絹旗、今面よ」

滝壺「いまづら」

絹旗「……なんだか超めんどくさいですね」

麦野「……はー……」

フレンダ「!」

絹旗「何か良い手、思いつきました?」

フレンダ「これだ……これしかない!」

絹旗「……超いちおう聞いてみますから、言ってみてください」
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:28:12.26 ID:dCZT4GL20
フレンダ『浜面』

チャキ

浜面『なんだフレンダ? 銃なんか構えて刑事ゴッコか?』

フレンダ『うるせーよ。黙りな、浜面仕上クン?』

浜面『あん?』

ガン!

浜面『ぐは……っ?!』

フレンダ『ふん、結局、あんた下っ端のくせに生意気な訳よ』

浜面『フレンダ……何をッ?!』

フレンダ『うるさい!』

ドガッ!

浜面『……っ!』

フレンダ『変態っ! 変態っ! 変態っ!!!』

ドガ バキ ドゴ

フレンダ『あのさー……俺も子供をいたぶる趣味はさすがに持ち合わせてねーんだ。だからもうこれ以上俺に殴らせんなよ、楽に死んどけ』


────、パァン…………。
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:29:00.04 ID:dCZT4GL20
フレンダ「とまぁ、こんな感じで当時を再現すれば何か思い出すんじゃない?」

絹旗「一理ありますね」

麦野「……」

フレンダ「ね? どう? 麦野」

麦野「……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

フレンダ「え? なに? なんで無言で? え? え?」

麦野「ふ、レ、ン、ダぁ……、……アイツを傷つけるのはいくらお前でも容赦しないよ……?」

フレンダ「むぎの! むぎのおちついて! これはあくまで仮定の話であって! きゃー!!!」


────────

────

──


絹旗「おーい、生きてますかー?」

滝壺「ご臨終です」

チーン

フレンダ「生きてる! 生きてるから!」
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/24(月) 01:30:51.64 ID:U0igygrAO
フレンダバカわいいよフレンダ
流石は俺の嫁
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:34:10.04 ID:dCZT4GL20
◇ ◇ ◇ ◇

フレンダ「でも結局、ハッキリしないのは麦野よ」

麦野「……ん?」

フレンダ「過去面と今面のどっちが好きなのさ?」

麦野「どっちって……そんなの選べない……」

フレンダ「仮によ? 過去面と今面が同一人物だとするじゃない? それだったら良いよ、でも違った時に麦野はどうするのさ?」

麦野「……」

フレンダ「麦野は過去面の事が好きだったかもしれない、でもそれは過去面が今面だったらっていう前提のもとでしょ?」

麦野「それは……」

フレンダ「もしさ、過去面と今面が全然関係ない赤の他人で、それでも好きって、浜面の事が好きって麦野は断言できるわけ?」

麦野「……」

絹旗「フレンダ、だから今それを相談して」

フレンダ「絹旗は黙ってて、私は今麦野と話してるんだから」
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:44:59.30 ID:dCZT4GL20
絹旗「なっ」

フレンダ「いいから黙っててよ!」

絹旗「っ」ビクッ

フレンダ「むぎの、よく聞いて」

麦野「……うん?」

フレンダ「仮にこの告白が成功してアイツが麦野と付き合ったとするじゃない?」
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:46:20.89 ID:dCZT4GL20
フレンダ「そりゃ幸せだろうさ、幸せだろうね。見てるコッチが嫌になるくらい幸せになるだろうさ」

麦野「……」

フレンダ「でもある日、ふとした事から過去面と今面が別人だって知ってしまうの」

麦野「……」

フレンダ「しかも最悪な事に、それが浜面に知られてしまうの」

麦野「……」

フレンダ「自分の愛する人が、本当に好きだったのは’自分に良く似た他人だった’なんて事知ったらさ、その時浜面、どんな顔すると思う?」

麦野「どんな……って」

フレンダ「ああもうハッキリしないなあ!」
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:48:38.23 ID:dCZT4GL20
フレンダ「あたしがイライラしてるのはね、麦野」

グイッ

麦野「……え?」

フレンダ「煮え切らない麦野に、じゃない。その煮え切らない麦野に! あたしが浜面を好きって気持ちが! 負けそうだって事に! イライラしてんのよ!」

麦野「……フレ、ンダ?」

フレンダ「むぎの、歯ァ食いしばりな!」

パン
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 01:57:15.91 ID:dCZT4GL20



フレンダ「あたしだってねぇ!」




フレンダ「あたしだって浜面の事が好きだよ! ああそうさ! あのバカの事が好きなんだ!」



455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 02:00:27.57 ID:dCZT4GL20
フレンダ「そりゃ救えない程バカで! 変態で! おっちょこちょいで調子乗りだけどさ! あたしの事……ちゃんと、ちゃんとあたしの事を見ててくれるんだ……」

フレンダ「ファ……ファミレスで困ってたら助けてくれたり……、ちょっとお願いしたらすぐなんでも作ってくれたり……、いろいろ知らない事教えてくれたり……」

フレンダ「ああこの人ならひょっとして! って思ってたけど、けど……けどさ……」

フレンダ「あんな話聞いた後にそんな事言えるわけないじゃない!」

フレンダ「あたしには、昔の浜面の事なんかわかんない! どこで何してたかも知らないし!」

フレンダ「でも……でもさ……」

フレンダ「昔の事なんか関係ないって、これから知っていけばいいって思ってたところなのに……」
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 02:01:18.16 ID:dCZT4GL20
フレンダ「ずるいよ……」

フレンダ「麦野がどれだけ浜面の事思ってるか! 知っちゃったからには何もできないじゃない!」

フレンダ「二人にそんな過去があったなんて事言われたらさ……何もできないじゃない……」

フレンダ「勝てる訳……ないじゃない……」

フレンダ「……ずるいよ、むぎの……」

フレンダ「……ずるい、よ……」
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:01:32.51 ID:GEJfWDbDo
なんやて・・・
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:05:03.67 ID:2fMCuo6Po
僕が居るやないの
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:06:14.30 ID:U0igygrAO

超超展開ですね
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 02:06:27.07 ID:dCZT4GL20
>>424
世界一幸せなそげぶありがとう

>>425
ロシアまで追いかけられてもよければどうぞっ

>>427-438
ひっそり参加させてもらったけどお前ら……最高ですwwww

>>441
下から来るぞ……的な

>>449
フレンダいいですよね
原作?
15巻なんてなかった(ry

>>457
どうなっとるんや……この展開……
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:13:20.86 ID:v8GB2+k/o
支援だァ三下ァ・・・
期待してンだぞ?
(めちゃくちゃ好みなンでほンとに頑張ってくださァァい!支援ですゥゥう!)
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:19:32.35 ID:OR1ACLy+o
フレンダの超展開は読めなんだ!
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 02:25:08.20 ID:dCZT4GL20
>>424>>423安価間違ってたスマソ

>>423
世界一幸せなそげぶありがとう
でもいつも読んでくれてる>>423は幻想じゃないから消えないんだぜ

>>424
そのへん後で書けたら……
グループもはやいこと出してあげないといろいろ忘れそうでコワイ
忘れてたら全力でごめんなさいするしかない。

>>458
ボクぁ落下型ヒロインのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生女教師幼なじみお嬢様金髪黒髪茶髪金髪ロングへアセミロングショートヘアボブ縦ロールストレートツインテールポニーテールお下げ三つ編み二つ縛りウェーブくせっ毛アホ毛セーラーブレザー体操服柔道着弓道着保母さん看護婦さんメイドさん婦警さん巫女さんシスターさん軍人さん秘書さんロリショタツンデレチアガールスチュワーデスウェイトレス白ゴス黒ゴスチャイナドレス病弱アルビノ電波系妄想癖二重人格女王様お姫様ニーソックスガーターベルト男装の麗人メガネ目隠し眼帯包帯スクール水着ワンピース水着ビキニ水着スリングショット水着バカ水着人外幽霊獣耳娘まで あらゆる女性を迎え入れる包容力を持ってるんよ? 
の人ですね? 

……あれ? 金髪蒼眼はいってる……?

>>459
着地点見失いながら目隠しで全力疾走して書いてる感じを楽しんでもらえたら

>>461
アックアさんだけじゃなくて
まさか一方通行さんがこのスレをチェックしてるなんて思わなかった
……という事はまさかあの人も……

>>462
フレンダってほら
周りからいろいろと誤解されやすいんだと思いますよ。
だから実は死んだ事になってるけどそれは誤解で、
……ってな感じで本編に再登場おねがいしますかまちー。
……だめ?
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:29:19.11 ID:ycpJe/ODO
アイテムは浜面の嫁
浜面は俺の嫁
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 02:54:37.75 ID:6ae8jiL0o
>>464
そしてお前は俺の嫁
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 03:31:01.63 ID:vyJJB6reo
滝壺さんは参戦しないの?
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 03:32:14.99 ID:2fMCuo6Po
既に俺の嫁だから参戦する意味がない
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 09:44:16.50 ID:Mj7vmmIAO
2fMC/uo6Po
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 11:06:02.88 ID:wbajKDU80
>>467もげろ
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 13:18:40.55 ID:xoIC2ZSIO
俺も浜面に生まれたかった・・・!
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 13:37:57.42 ID:JJ24pEhKo
ちょっとアンタ!期待してるんだから頑張りなさいよね!
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 17:20:21.32 ID:BgEffPhDO
麦のんの暗部に俺の股間の黒ノ式をぶち込みたい
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 21:20:52.17 ID:DwUo/xOZo
 +  ∧_∧
    (0゚・∀・) + ドキドキ
  oノ∧つ⊂)   ワクワク
  ( (0゚・∀・) +
  ∪(0゚∪ ∪
 +  と__)__)
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:31:15.65 ID:dCZT4GL20
◇ ◇ ◇ ◇

……。

とても懐かしい夢だった気がする。

例えば、昔持っていたはずのわりと大きいクマのヌイグルミがいつの間にか無くなっていた事とか。

例えば、なぜか知らないけれどいつの間にかクローゼットの中に紛れ込んでいたワンピースとか。

無くなっていたものが有ったり、有るはずのものが無くなっていたり。

それから

誰かと一緒に

居た気がする。

そんな夢。

……。
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:34:26.26 ID:dCZT4GL20
あの小さい石ころみたいな、キラキラした謎の部品みたいなもんを拾ってからここ最近、ずっとそんな夢を見ている。

やけにリアルで、まるで自分が経験してきたかのように臨場感のある夢。

どっからどこまでが現実で、どっからどこまでが夢なのか曖昧な世界は、けれどもなぜか温もりに満ちていた。

その夢はきまって一人の女の子と一人の男の子の出会いから始まる。

めちゃくちゃ可愛いけれど、世間知らずというか。そんな女の子。

そんでもって、どこにでもいる普通の男の子。

夢の中で男の子は女の子に振り回されっぱなしで、だけど男の子はそれも案外悪くないと思っている様子だった。

……でも、

夢の終わりにはいつも残酷な結果だけが待っていた。

乾いた音で目が覚める。
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:35:36.43 ID:dCZT4GL20
休日だというのに珍しく早い時間に目が覚めたので、

布団の中にあるはずのリモコンをもぞもぞと探し、旧世代のテレビに向かって

「起きろ」

と信号を送る。

彼はその眠りを妨げられたにも関わらず文句一つすら言わず、命令に忠実に従った。

ニュースや情報系番組が多くを占めるこの時間帯にザッピングを繰り返し、とある戦隊ヒーローの番組が目にとまった。

小さい頃に見たテレビのヒーローに憧れていた俺としては、チャンネルをここで止めるのがジャスティス。

男だったら誰しも大なり小なりヒーロー願望っていうか、

そういうくだらない妄想を抱く時期があると思う。
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:36:47.05 ID:dCZT4GL20
簡単なあらすじはこうだ。

「たった一人の女の子を守るためにテレビのヒーロー達はその身一つで巨大な悪に立ち向かっていく」

いつの時代にもお決まりのパターン。

ヒーロー達は敵の怪物に倒されても倒されてもめげずに立ち向かっていく。

爆薬が炸裂し、耳を劈く破裂音が響き、全てを溶かす閃光が散る。

怪物の攻撃で血を流し、骨が折れても、ヒーロー達のその真っ直ぐな心までは折れない。

何が彼らをそうさせるのか、

彼らの強さは何なのか。

眠い頭で考えてもわからない、

きっとヒーローだけが持っている特別な何かが彼らを駆り立てるんだろう。

そして、放送時間の終わりが近づくと、彼らはお決まりの台詞と必殺技で悪を蹴散らした。

そうしてヒーロー達は一般大衆の中へと帰っていく。
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:38:11.65 ID:dCZT4GL20
ああ自分もこんな風に生きることができたらどんなに良いんだろうか。

小さい頃、確かに持っていた憧れ。

けれどいま、

真っ黒で冷たい学園都市から見上げる空は、くすんで見える。

起き抜けに薄汚れたワンルームの部屋を適当に片付ける。

アイテムの集合時間までの時間をどう潰そうかと考えた挙句、伸びをひとつすると、履き慣れたスニーカーを選んで外に出た。
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:42:38.91 ID:dCZT4GL20
適当に路地裏をプラプラ歩くと

どっかの能力者同士が喧嘩をしていた。

片方はどういう理屈か重力に逆らって垂直の壁を走り、

もう片方はそれを待ち受ける。

壁を蹴って加速をつけたパンチが顔面に届く直前に、

これまたどういう理屈か今まさに殴りかかろうとしていた男の動きがスローモーションになった。

そこまで歩きながらなんとなく見て、興味を無くした俺の両足は別の場所へと向かう。
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:44:53.99 ID:dCZT4GL20
小さい頃、最初はアレを魔法だと思った。

けれど、どうやらそれは魔法ではなく超能力というものらしい。

何がどうなっているのかはわからない。

脳のある部分をいじくってカリキュラムを受ければ俺でも能力が使えるらしい。

というのを聞いた瞬間に頭の中がそれでいっぱいになった。

「学園都市に行きたい」

行った後の事なんか当時はそれほど深く考えちゃいなかった。

きっと自分は超能力者になるだろうし、

きっと自分はか弱い女の子を守るヒーローになるんだろうと思っていた。

だけど現実はそんなに甘くなかった。
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:51:10.26 ID:dCZT4GL20
入学して一番最初の身体検査ではレベル0判定。

それでも最初はクラスの大半もそんなもんだ。

けれど、日が経つにつれ、周りの者も何かしらの能力を扱えるようになっていく。

しだいに俺みたいなレベル0は周囲からおちこぼれの烙印が押されるようになった。

不思議と悔しさみたいなモンは沸いてこなかった。

「ああ、やっぱり自分にはヒーローなんて無理なんだろうな」

ド派手な技で敵を翻弄し、華麗にやっつけ、救うべき誰かを救う。

「やっぱり、自分には無理だったんだ」

わかっていた事じゃないか。

当たり前だ、誰しもがヒーローになれるわけじゃない。

人間、諦める事も肝心なんだってな。
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 21:56:16.20 ID:dCZT4GL20
ふらふら、ふらふら。

倒れる直前のコマみたく、あっちにブレたり、こっちにブレたり。

けれども、まだ倒れたくない。

ふらふら、ふらふら。

力が無い。

その事実だけで路地裏で暴れても虚しさだけが付きまとう。

それから何人かとツルんだけど、

そいつらだって結局同じレベル0っていう輪の中で付き合って、

見下されない同格のクズが欲しかったっていうだけで。

都合のいい話だと思う。

利用して利用された。

クズはクズらしく生きる。
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 22:00:32.96 ID:dCZT4GL20
思い描いた理想とか

守りたかった何かとか

きっと、たぶん

こんな自分にも、おちこぼれる前は何かがあったんだと思う。

むしろ何かがあって欲しかった。

……けれど、思い出せない。

思い出そうにも、……真っ白だ。

真っ白。

何も無い。

残念ながら、本当に自分には何も無い。

ただのクズだった。

ただのクズであるが故に、何回警備員に捕まって留置場に何回ブチ込まれようが、更正の余地なんてあったもんじゃない。
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 22:05:53.57 ID:dCZT4GL20
駒場さんと出会ったのは、それから少ししてからだった。


『お前が浜面仕上か?』

『……誰だ?』

『駒場という者だが……、率直に聞こう。お前、力が欲しくないか?』

『力?』

『そうだ』

『……興味ねーな』

『なぜ?』

『はっ、無能力者の俺が力を得た所でどうなるってんだよ、今更何も変えられないし、変わらねーんだよ』

『ちょっと違うな……』

『何が違うってんだ』

『無能力者でも、適切な力を身に着ける事で能力者とも対等に渡り合える事ができる』

『できねーよ』

『科学を生かせば可能だ』

『はぁ?』

『お前には手先の技術があると聞いている、協力して欲しい』
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 22:11:36.66 ID:dCZT4GL20
『やだね、何で俺がそんなめんどくさい事』

『……俺の友人が殺された』

『……?』

『能力者にだ』

『……』

『……能力者といっても大半はレベル1かレベル2。やつ等のストレスの捌け口として無能力者が襲われている』

『……』

『……俺は、それを救いたい』

『救う、だ?』

『ああ』

『できるのかよ、本当に、そんな事が』

『……できる、俺とお前。……仲間の力があれば』
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 22:13:37.86 ID:dCZT4GL20
『おい』

『……む?』

『だったらよぉ、リーダーはこの浜面仕上様、だよなぁああっ?!』

ドガッ

『……ふむ、良いパンチだが軽いな』

『いっ?!』
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 22:18:05.52 ID:dCZT4GL20
殴っても殴っても倒れない大男。

殴って、蹴って、叩いて、跳ねて。

いつの間にかぶっ倒れて、

気がついたら心配そうに俺の顔を覗き込んでやがった。

『すまん、つい力を入れすぎてしまった』

とか言われた日にはもう笑う事しかできなかった。

『わかったァ、わかったよ。あんたの仲間になる』

『……歓迎する』

『あんた、名前は?』

『……駒場、駒場利徳だ』

『わかったぜ、ボス』

その日俺は、スキルアウトに拾ってもらった。
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/24(月) 22:28:29.42 ID:dCZT4GL20
>>464
やったね素敵なレスがすぐ下に

>>465
お幸せに!

>>466
滝壺さんの活躍は3月発売の新訳で

>>467
なん……だと……

>>468
>>469
良いコンビだ。

>>470
「だったら……アンタを待ってる人はどうするんだよ」
「今までだってそんな風に生きてきたんだろ。俺やディグルヴ達を助けてくれた時のあれは、アンタにとって特別な事だったんじゃない。アンタはずっと、そんな風に生きてきたんだろ!! そういうヤツは絶対に孤独なんかじゃない。アンタが考えていなくたって、アンタの後ろには多くの人達がついてきてる。そういう人達はどうするんだよ!!」
「世界を守って死にました。他人を庇って倒れました。そんなんで納得すると思ってんのかよ!! そんな訳ねえだろ!! アンタが掲げる『戦う理由』ってのは、アンタを待つ人達の泣き顔を見て笑みを作るようなくだらねえモンなのかよ!!」
「……立てよ、ヒーロー」
「立てェェェえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッッッ!!!!!!」

原作のこの台詞で一気に浜面さんに惚れました。

>>471
ありがとう!
ここにゲコ太のストラップ置いておきますね

>>472
ID:BgE ffPhDO

>>473
かわいすぎるw
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/24(月) 22:56:49.76 ID:qabfqHzAO
さて麦のんと日韓戦みるか
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 03:32:07.12 ID:QyE/SbhIO
超楽しみです!
超早く書いて下さい!
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:31:45.76 ID:ZhTHicm10
◇ ◇ ◇ ◇



本名。

内緒。

フレンダって名前もどこかの雑誌モデルが使ってた名前を拝借したものだ。

別に裏の世界では偽名を使うのは不思議な事じゃないし、

現に麦野や絹旗なんかは対外的には原子崩しや窒素装甲の能力名で通ってる。

一部の気が置けない人間にのみ本名を公開する。

例えば、仕事仲間とか。

私は学園都市の能力開発を受けた訳じゃないから能力が使えない。

だからフレンダ。
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:33:59.95 ID:ZhTHicm10
私が暗部なんていうアブノーマルな仕事をしているのは

「結局、まぁ人生楽しめればいいんじゃないかな」

それくらいの認識だ。

楽しめて楽ができたらそれでいい。

暗部は給料だって悪くない、

普通だと一生かかったって稼げない位のお金を手に入れる事だって難しい事じゃない。

せいぜい頑張って稼いで、後はどっか税金の安い外国でのんびりすればいい。

ただし、死ななければ、だけど。
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:34:50.66 ID:ZhTHicm10
自信満々の能力者を嵌めた瞬間に見せるあの絶望に満ちた顔を見るのも嫌いじゃないし。

そもそも私は他人の人生にあまり興味がない。

アイテムのメンバーにしたってある意味普通の友達っていう認識だし、

依頼で殺さなきゃいけなくなった人間の「それまでの人生」というものに興味が希薄だ。

雇い主が良い人間だとか悪い人間だとかそういうのはどうでもいい。

お金が貰えればそれでいいし、依頼を複数人でやらなければいけない以上は協力だってする。

たまーにミスって麦野からお仕置きされる事もあるけど、あはは。

結局、それはまぁ、ご愛嬌って訳よ。
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:36:24.65 ID:ZhTHicm10
思えば生まれた時からナイフを握っていた気がする。

例えばそれは、ただリンゴの皮を剥く為だったかもしれないし。

例えばそれは、ただ、自分の身を守る為だったかもしれないし。

例えばそれは……。

……今となっては、どうでもいい話だ。

本当にどうでもいい。

ただの、ありふれた話。

裏の世界に私と同じ経験をしたコなんて五万と居るに違いない。

私を含めて暗部に居る人間なんて多かれ少なかれ闇を抱えている。
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:44:15.70 ID:ZhTHicm10
私がアイテムに来る前は「5歳の殺し屋」なんてのと一緒に仕事をした事がある。

私は普段、キャンディと魔女っ子アニメが好きなその子のお守りをしたいた。

よく泣くし、よく笑って、誰にでも懐く。

どこにでもいる五歳児だった。

それでもきちんと給料をもらって仕事をこなしていた、

彼女に任されたのは主に「暗殺」

キャンディの中に毒を盛って「おじちゃん、これあげる」と、ターゲットを死に至らしめた事もあるし、

玩具の中に爆弾を仕込んだ事もあった、本人が自覚をもっているかどうかは別として。

そういえばいつも仕事場に人形を持ち込んできてその度に当時のリーダーに怒られてたっけ。

いや、良い大人が5歳児に向かってマジギレよ?

ありえねーっつーの。

結局、どこにも置き場がなくなって私が引き受ける事になったんだけど。

アイテムに配属になってから風の噂で「死んだ」って事を聞いた時は、

「明日は自分が死ぬのかな、にゃはは」

さすがにちょっとだけ強がった。

だって5歳だよ? フツーお父さんお母さん悲しむよ? あ、フツーじゃないから悲しまない? 

いやいや、そんな事ないでしょ……たぶん。
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:45:03.33 ID:ZhTHicm10
私が本名を明かさない原因もそこらへんにある。

どうせいつか消えるなら、

「せめて祝福されて生まれてきたはずの自分」は生きていて欲しい、という事だ。

乙女な願望?

こちとら乙女だっつーの。

偽名のまま死ねば偽名の私だけが死ぬ、それで済む。

本当の私はパパとママの胸の中へ……って?

……あはは、ありえねー。

だって、二人とも私が殺したんだから。
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:50:48.29 ID:ZhTHicm10
パパは酒が切れると暴れだす典型的なドランカー。

ママは金さえ貰えれば1ドルにだって股を開く娼婦。

この国の子供が思い描く「幸せな家庭」なんてものとは無縁の生活だった。

「誰のおかげで生きていけると思ってるんだ」

ご飯を食べるたびに振るわれる暴力、日に日に増えるアザ。

「ごめんね、ごめんね。大丈夫?」

ごめんねが口癖の母親の首筋には他人のキスマーク。

借金取りが来る日には決まって父親はどこかに逃げて

私と母親だけが誰のものともわからない足音に眠れない夜を過ごした。
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:56:03.19 ID:ZhTHicm10
ああ神父さん。

どうすれば私は幸せになれるのでしょうか。

助けを求めに駆け込んだはずの教会で性的暴力を受けた。

おまわりさん。

たすけてください。

破れた服で駆け込んだ法の番人はこの世のものとは思えない最低な笑みで私を辱めた。
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 07:56:57.64 ID:ZhTHicm10
結局、この世はそうなっているのだろう。

自分の置かれた立場がどうとか、どうすれば幸せになれるとか深く考えるヤツがバカなのだ。

だってほら、救いの手を差し伸べてくれるはずの大人はどこにもいない。

軽くていい。

ラクでいい。

あえて苦しい思いをしなくてもいい。

だって、きっと、もっと人生はシンプルなはずなんだ。
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:00:34.06 ID:ZhTHicm10
「あはっ。あははははははは、あはははははははははははははははははははは」

笑いがこぼれる。

……ひどい格好だ。

服は破れてボロボロ。

下着には薄汚れた白い液体。

月明かりに照らされた肌は青黒い。

私は笑った。

笑った。

あはは。

あははは。
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:03:46.24 ID:ZhTHicm10
表通りから2本裏の筋を進んだところに家がある。

どこにでもあるボロアパートだ。

築数十年を経過して木のドアはいつも開きっぱなし。

私はただいまも言わずにリビングに忍び込んだ。

あはははははは。

父親がテレビを見て笑っている。

頬が赤い、既に朝から何杯もの酒を入れているのだろう。

暢気なものだ。

今から殺されるとも知らずに。
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:05:48.44 ID:ZhTHicm10



右手にはナイフ。


例えばそれは、リンゴの皮を剥くときと同じ要領で。


だけどその日、私は明確な殺意をもってパパとママを殺した。


人生はもっとシンプルでいい。


さあ、これで苦労は終わった。


これからはきっと良い事が待っているに違いない。
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:10:37.75 ID:ZhTHicm10
────────

────

──

どうやら私が売られる事が決まったらしい。

買い手は日本という国の何とかっていう富豪だとか。

こんな貧乏な国で子供を買うなんて物好きが居たものだ。

半年世話になった女からは、

「あんた、高い値で売れるらしいから何かご褒美してあげるわ、欲しいもんはある?」

と聞かれたから。火薬をくれ、とびきりいいやつ。

と答えるとにっこり笑って、

「クレイジーね、良いアサシンになるわよ、あんた」

豪快に笑っていた。
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:13:41.65 ID:ZhTHicm10
良い事ってのが何なのかまだわからないけれど

日本に行けば何か良い事があるのだろうか

……でも、どんなクソッタレな生活が待っていたとして

私がすることはシンプルだ。

ラクなように、軽く生きる。

無理はしない、苦しい事は避ける。

シンプルに、シンプルに。

自分ひとりでだって生きていける。

この半年だってなんとかなった

これからだって、きっとそう。

シンプルに、

シンプルに。
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 08:19:46.91 ID:/rBEKoHAO
ヤレンダか
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:22:15.36 ID:ZhTHicm10
>>489
アジアカップは毎回面白すぎると思うんです。
普段Jとかあんまり見ないんですけど代表戦はなぜかいつも見てしまいますね。
10人になってからの逆転勝利とかマンガの世界w

>>490
超楽しみにされてたから
超ちょっとだけだけど超書きましたッッッ
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:24:50.07 ID:ZhTHicm10
>>505
ヤンデレンダってのはどうでしょ?
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 08:25:52.79 ID:uNFiim2Q0
実は俺浜フレが一番好きなんだ…
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 08:32:55.35 ID:ZhTHicm10
>>508
昨日総合に
「たぶんフレンダ→浜面てきな何か。」
で短いというか1レスだけど一つ投下したからどうぞどうぞ
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 10:36:17.05 ID:6mnORMR30
フレンダ可愛い。

けど出番が少ないから難しいんだよな…

あとアイテムは基本的に全員甘えん坊だと思う。
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 11:02:52.69 ID:0y58fG6IO
このフレンダはどこかレヴィに似てる気がする
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 13:32:36.25 ID:fedGWb5Jo
フレンダェ…
俺がフレンダの初めての人になるつもりだったのによぉ!!

ちょっと牧師と警官殺してくるわ
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 13:54:35.31 ID:ZhTHicm10
それから、日本に来た後は一通り日本の事について学ばされてからこの学園都市に投げ込まれた。

私に日本語と殺しを教えてくれた女は

めんどくさそうに私が働きの何パーセントが胴元にいってうんぬんかんぬんという話をした後に、

「じゃ、せいぜい長生きしなさいな」

これまためんどくさそうにプラプラと片手を振って、私でも知ってる高級車で去っていった。
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 13:55:25.44 ID:ZhTHicm10
それからはいくつかの組織を転々とする生活が始まった。

生き残る為には裏切り、寝返り、殺し、なんでもありのバトルロワイヤルみたいな世界が広がってるモンと思ってたらどうやら違うらしい。

いくつかの組織に加入・脱退を繰り返したがどこも基本的に4〜5人でまとまって行動する。

学園都市という特性もあるのだろう、構成する人間の多くは私と同じか少し年上くらいの若いメンバーだった。

皆何かしらの能力者であり、皆何かしらの後ろめたい過去を持っていた。

何かの怪しい実験に携わった者、刑務所から逃げて来た者。ここでは出生が曖昧なくらいで普通だった。
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 13:56:02.26 ID:ZhTHicm10
だから私の髪と青い目が特別目立つ事も無かったし、あらためて質問される事もなかった訳よ。

まぁ聞かれても適当にごまかすんだけどね。

めんどくさいじゃない?

同情なんてして欲しくないし、まぁどいつもこいつも同情なんてしてくれるヤワな相手じゃないんだけどね。

私はフレンダ。

それでいいじゃない。

連中には本名だって教えてやらない。

ただのフレンダ。

謎の女って感じでいいじゃない。

結局、私はそれほど他人を信じる事ができないんだと思う。

だから私はフレンダを名乗る。
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 13:58:50.64 ID:ZhTHicm10
基本的にココでの生活は自由だ、拍子抜けするくらい緩い。

仕事以外の時間は何をするのも自由。

買い物に行くのも良いし、武器を密輸するでも良い。

学校に行っても良いし(実際行ってる人間はいなかったが)株取引で一山当てるも良し。


ある日突然リーダーの元に依頼の電話がかかってきて、仕事が発生する。

仕事は大抵殺し、短い労働時間で嘘みたいな大金が転がり込む。

しかもいつもいつも成功するとは限らない。

酷い時は結成から3時間で組織が壊滅する事もあった。

生きるのはつまらないけれど、死ぬのはもっとつまらないから、仕事をこなしながらいつも逃げる準備だけはしていた。

雲行きが怪しくなると味方を売って生き延びる。

それでも大丈夫だ。

結局、そんな状況まで追い込まれるという事は、もう二度とメンバーと顔を合わせる事は無いという事だから。

乗り込んだ船が沈没しそうならば、そんな沈み行く船からはとっとと逃げてしまえばいい。

結局、それが利口って訳よ。
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 14:00:32.22 ID:ZhTHicm10
けれど参った。

私が関わった組織が立て続けに壊滅してしまった。

それだけならまぁ、いつもみたく新しい配属先を待つだけ……なのだが。

さらに参った事に私を学園都市に送りこんだ派閥まで抗争に巻き込まれて潰されてしまったらしい。

えーっと

つまり

結局、暗殺家業、クビって訳よ。

これにはさすがに参った。

金はあるが一生を生きていけるかと聞かれると圧倒的に足りない。
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 14:08:37.81 ID:ZhTHicm10
さてどうしようと立ち往生していた時に知らない番号から電話がかかってきた

不思議に思いながら通話ボタンを押すと

「あんた、失業中なんですって?」

馴れ馴れしい女の声だった。

「失礼な、これでも立派に働いてる訳よ」

「知ってる、けれど慣れもしないデイトレードなんてするもんじゃないわよ? その株ダメね、明日には300万円の損害が出るわ」

「なんでそんな事知ってるのよ」

「あら? この世界ではね、情報が命なのよ? ね、────ちゃん」

「……っ」

「あらあら? びっくりした? フレンダって呼んだ方が良かったかしら?」
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 14:13:46.46 ID:ZhTHicm10
「あなた……何者……っ?」

「原子崩しからは電話の女って言われてるわ。って、んな事はどうでもいいのよ。それよりフレンダ、この街の暗部の人間が後ろ盾を無くしたままどうするつもりよ? このままじゃあんた飢え死によ?」

「さー? このまま社会に無償奉仕ってのもいいかもしれないわね、せっかく学生の街なんだし普通に学生やるとか?」

「こいつときたらー! 口ごたえだけは超一流ね! いいわ! 気に入った! 無償で殺し? 普通の学生? んな事するんだったら、あたしがあんたを雇ってあげる」

「あたしが? あんたの元で?」

「暗殺のスペシャリストを探してたとこなのよね。うちには爆弾がいるんだけど、どうもあいつはド派手に立ち回る事しかできないみたいでね、任せられる仕事の幅が小さいのよ」

「?」

「会えばわかるわ」


その後に指定された場所で待っていた女が、

学園都市に7人しかいないレベル5の第4位。

原子崩し──、麦野沈利その人だった。

後に絹旗と滝壺が加わって今のアイテムの形になる、少し前の話だ。
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 14:28:49.80 ID:ZhTHicm10
>>510
超電磁砲4巻がなければアイテムに嵌る事も多分なかったし
フレンダかわいいって思うことも多分無かった
原作は無理でも外伝ならまだ出番の可能性が……!

>甘えん坊
なんとなくわかります、多分皆末っ子だと思う。


>>511

麦野「500だ」

「こいつときたらー! そんな金額出せないわよ!」

麦野「だったらアンタのヘソクリ(ポケットマネー)から出すんだな」

「んなもんあるか!」
                                     ・・・・・・ 
麦野「口の利き方に気をつけなよ電話の女(コールガール)こちとらあんた専用のナースコールじゃねーんだ、その自慢のケツをローストされたくなけりゃ500、耳を揃って払いな」

「……300」

麦野「450」

「……ああわかった、わかったよ。400! それ以上は出せない」

麦野「交渉成立だ、まいど」


……てきな感じ?
レヴィはそのまんま麦野が入っても違和感なさそうな気が


>>512
フレンダ、結局どこの国の出身なんでしょうね。
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 14:31:53.45 ID:swGy83Y1o
VIPで初めて見た時はここまで掘り下げるとは思ってもいなかった
こっちに移ってきてくれてホントありがたいわ・・・
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 14:32:57.90 ID:ZhTHicm10
>>513

×めんどくさそうに私が働きの何パーセントが胴元にいってうんぬんかんぬんという話をした後に、

○めんどくさそうに私の働きの何パーセントが胴元にいってうんぬんかんぬんという話をした後に、

でした。
超脳内保管たのんます。
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 14:36:27.49 ID:HqZcwSpMo
ガチSSは素晴らしい支援。
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/25(火) 14:37:17.34 ID:ZhTHicm10
>>521
ぬおー、VIPから来てくれた人でしたか。
あん時は帰ってきて投下しようと思ってたら規制されててなんとか代理をお願いしたはよかったんですけど、続きをどこでやったらいいかわからなくてバタバタしてて申し訳なかです。

あとちょっとお付き合いいただければ最愛、もとい幸いです。
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 17:43:41.03 ID:n/kqLlbAo
VIPから応援してるよ
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 18:08:42.89 ID:ZZsVDRabo
結局、フレンダが一番可愛いって訳よ。
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 19:20:11.18 ID:GVlXZ/IMo
個人的には浜絹>浜麦>>浜レンダ>>>>>>>>>>>>>>>>浜滝なんだな
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 20:13:51.40 ID:40Mzptt8o
あ、そういうのはいいです
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/25(火) 20:54:57.26 ID:n0pvXrWDO
超期待してます
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 01:07:10.95 ID:0+DFvmoAO
駒野がついに決めたか
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/26(水) 13:41:36.94 ID:Bu46zyIwo
続きが気になるってばよ!
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 07:21:25.25 ID:BDi6VSSR0
麦野「新しいのって、あんたね?」

フレンダ「結局、そうみたいね」

麦野「私は麦野、この組織のリーダーだからよろしく」

フレンダ「よろしく麦野、フレンダよ。組織って、他にも何人か居るわけ?」

麦野「下っ端は何人かいるけど、正規メンバーはこれから増える予定」

フレンダ「ふぅん」

麦野「あぁそうそう、フレンダ? 先に言っとくけど、私の機嫌を損ねる様な事したらお仕置きだからね」

フレンダ「へっ?」

麦野「だーかーらー、私の足引っ張んなっつってんの。日本語わかる?」

フレンダ「りょ、了解な訳よ」

麦野「それじゃ、行くわよ」

フレンダ「どこに?」

麦野「仕事」
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 07:37:19.15 ID:BDi6VSSR0
ドカン!

ドガッ!

「ギャハハハ、死ねッ死ね死ねッッ!! ミナゴロシだ!!」

遠くから愉快な声が聞こえる。

あれはおそらく本物だ、人を殺すのをなんとも思っちゃいない、遊びと同じくらいの感覚でソレができる、本物の殺人者のソレだ。

そういう意味ではまぁ、私も同じかもしれないけれど。

「オラオラどうした? 足止めたら死ぬぞ? 止めなくても死ぬけどなァ!!」

それにしても、本当に愉快な声だ。

麦野の能力──原子崩しというらしい──が発動して、それが壁も遮蔽物も関係なく貫通しターゲットの命を根こそぎ奪う。

学園都市は常識では考えられない事が起こるのはある意味日常茶飯事だと思っていたがさすがにこれは……

「なるほど、電話で聞いた通りの爆弾な訳よ」

麦野が能力を開放する毎にガタガタと施設が軋む、大地ごと揺らすっていったいどれだけ高位能力者な訳っ?!

……これは間違って逆らいでもした日には大変な事になるなぁ。
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 07:43:10.25 ID:BDi6VSSR0
そんな事を考えながらピアノ線を使って簡単なトラップを仕掛ける、

誰かがこれを踏むかひっかけるかするとナイフが飛んできてズブっと昇天する仕組みだ。

逃げる時に追われたら目くらまし程度には役に立つだろう、逃走ルートを確保しながら施設の奥へ進む。

今日の仕事は「殲滅」と「目的物の回収」

おそらく放っておいても「殲滅」は麦野が一人でやってしまいそうだから私はさっさと目的物の回収に向かう。

「えぇっと、確か地図ではこの奥の突き当たりの部屋だったわね」

作戦会議の時「あー、めんどくさい事は任せたから」って言われてちょっとびっくりしたけど、

あんたリーダーじゃないのっ?! って。

でも、まぁ。

「初陣だし、名刺代わりにデキル女をアピールするには絶好のチャンスって訳よ」
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 07:53:09.31 ID:BDi6VSSR0
合流地点まで戻るとそこには既に麦野が待機していた。

麦野「首尾は?」

フレンダ「上々」

小型のキャリーバックを見せる。
すると麦野は「うん」と短く頷いて、

麦野「合格ね」

フレンダ「そう」

麦野「実は黙ってたけど採用試験も兼ねてたから、今回の任務」

フレンダ「薄々そんな気がしてた訳よ」

麦野「あら? もっと喜んでいいのよ?」

フレンダ「なぜ?」

麦野「もし’使えない’と判断したら、私があんたを殺すように指示されてたから」
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 07:55:49.91 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「……」

麦野「やだなーもー、フレンダちゅわ〜ん? そんなに硬くなっちゃって、そんなのジョークに決まってるにゃーん?」

フレンダ「え? あ? あぁ、そう、そうなのね? あはは」

麦野「麦野沈利だ、改めてよろしく」

フレンダ「う、うん。むぎの」

麦野「これで本格的なアイテムの旗揚げね」

フレンダ「はふぅ……なんだかお腹空いた訳よ」

麦野「それじゃあ歓迎会も兼ねて、ファミレスでも行こっか」

フレンダ「ふぁ、ファミレスぅ?」

麦野「なによ、嫌ならいいけど?」

フレンダ「い、行く行く。結局、仕事終わったばかりでお腹と背中がくっつきそうな訳よ」
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:07:28.39 ID:BDi6VSSR0
────────

────

──

それからしばらくは二人で仕事をこなした。

麦野が壊して、私が盗む。

あるいはその逆も。

麦野に関して言えば最初は「底知れない怖い人」っていう印象だった。

なんかもう仕事中の目とかヤバイし、言葉遣いも当社比200%くらい凶暴になるし、

キレると手がつけられないし、平気で死ぬだの殺すだの言うし……って、それは私もか。

その後加入してきた絹旗、滝壺との間に誰が言い出した訳でもないけど「さわらぬ麦野にたたりなし」っていう暗黙の了解があったりする。

ってか「怖い」っていうのは今もそれほど変わって無いけど。

それでもずいぶん麦野も丸くなったと思う今日この頃な訳よ。

……あれ?
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:12:38.16 ID:BDi6VSSR0
そういえばいつからだろう?

いつから麦野がちょっと優しくなったかなぁなんて思うようになったんだろ?

いつから……?

う〜ん?


浜面「ほら、レモンティー。持ってきたぞ」

フレンダ「遅い」

浜面「仕方ねぇだろ! ティーパックが切れてて出してもらってたんだからよ!」

フレンダ「ふん、浜面の分際で口ごたえとは100年早い訳よ」

浜面「はぁ〜……なんでこううちの女子はこんなに高圧的なんだよ……」

フレンダ「そんなの当たり前じゃない」

浜面「?」

フレンダ「結局、浜面だからでしょ」

浜面「ものっすごく見下されてる気がするんですがフレンダさん」

フレンダ「うん」

浜面「うんって、うんってオイ、即肯定っ?!」

フレンダ「あ〜も〜、うるさいなぁ、レモンティー冷めちゃうでしょ?」

浜面「それが冷めるのと俺関係ねーじゃねえか!」

フレンダ「はいはい」
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:17:32.48 ID:BDi6VSSR0
浜面「で、他の面子は?」

フレンダ「まだ着てない」

浜面「今日の集合時間って何時だっけ」

フレンダ「3時」

浜面「はぁ……、久々に早く起きたから遊びにいこうとしてたのに」

フレンダ「結局、あんた街中でも目立つから」

浜面「そんだけの理由で俺、連行されてきたのっ?!」

フレンダ「連行って人聞きが悪いわね、私もプラプラしてて暇だったから丁度いいじゃないお互いさー」

浜面「ん……まぁな、そりゃそうだ」

フレンダ「ね?」

浜面「はー……ったくよー、ワガママが多いぜウチは」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:22:37.79 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「で、浜面は何飲んでる訳?」

浜面「ダージリン」

フレンダ「ダージリン?」

浜面「そう書いてた」

フレンダ「結局、渋いのが浜面にはお似合いねー。ピーチティーとか言われたらブン殴ってるトコだったわ」

浜面「ピーチティーと俺に謝れ」

フレンダ「ごめんなさいピーチティーさん」

浜面「俺はっ?!」

フレンダ「100万円くれたら謝ってあげる」

浜面「よろしい、ならば法廷で会おう」

フレンダ「ばかじゃない?」

浜面「おめーだろ!」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:31:23.50 ID:BDi6VSSR0
ズズズ

浜面「……」

ズズズ

フレンダ「……」

浜面「……プハー、あっちー、うめー」

フレンダ「静かに飲めないの?」

浜面「どう飲もうが俺の勝手だろ」

フレンダ「下品に飲まれるとこっちまで不味くなるんだけど」

浜面「フレンダ、お前あれだろ?」

フレンダ「な、なによ」

浜面「スパゲッティ音立てて食べると嫌がるタイプだろ?」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:31:57.39 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「へ?」

浜面「ああ〜、なんでだろうなぁ。同じ麺類でもうどんやラーメンはこう、ズズズっと食べるのが当たり前なのにさぁ。同じ麺類なのにスパゲティだけ音立てて食べちゃだめなのはなんでだろうなぁ?」

フレンダ「知らない、文化の違いじゃない?」

浜面「あのよぉ、日本茶だって音立てて飲むのが普通だぜ? それで冷まして飲みやすくする、これぞ日本人が古来から編み出してきた文化って訳よ。それを文化と言うならばなぜダージリンにその文化を適用してはいけないのかっ!」

フレンダ「う」

浜面「ようするに音立てて飲んだっていいだろ」

ズズズ

フレンダ「な、何よ。屁理屈じゃない、そんなの」

浜面「食事中に屁とか言うなよ」

フレンダ「う」

浜面「……」

フレンダ「ご、ごめん」
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:34:44.81 ID:BDi6VSSR0
浜面「……」

フレンダ「……?」

浜面「……ぶ」

フレンダ「ぶ?」

浜面「ぶわっはっはっは! 何っ?! ちょっと真剣な顔したら黙ってやがんの! ぶわっはっは!!」

フレンダ「……」

浜面「どーでい、普段のツケを返してやったぜ」

フレンダ「コロス」

ヒュン

浜面「どえぇぇええい?! フォークを投げるなっ!」

ヒュン

浜面「死ぬ! 死ぬっておい!」

フレンダ「えぇ〜い、もう死んじゃえ〜!」
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:38:07.81 ID:BDi6VSSR0
浜面「フレンダ落ちつけ、話し合おう、まだ俺たちはわかり合える」

フレンダ「……ハァ……ハァ……」

浜面「な? だからその右手のフォークを仕舞うんだ」

フレンダ「……ハァ……」

浜面「良い子だから、な?」

フレンダ「なによバカにして……私に常識がないと思ってるわね?」

浜面「んな事ねーよ」

フレンダ「結局、そう思ってるからバカにしたんじゃないの?」

浜面「バカにはしてねぇ、ちょっとからかっただけだろ?」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:40:59.80 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「同じじゃない」

浜面「ごめんって」

フレンダ「許してあげない」

浜面「な? このとーり」

フレンダ「……ダージリン」

浜面「は?」

フレンダ「私もダージリン、入れてきて」

浜面「お? おう」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:44:28.82 ID:BDi6VSSR0
浜面「入れてきたぞ」

フレンダ「ありがと」

浜面「どういたしまして」

フレンダ「……あのさー」

浜面「ん?」

フレンダ「私ってさ、やっぱり常識ない風に見えるの?」

浜面「んな事ねーんじゃね?」

フレンダ「どっちよ」

浜面「まぁ、異国の人だなーとは思うけど」
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:46:02.20 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「……そ」

浜面「んだよ、遠い目しちゃってさ。らしくねえな」

フレンダ「はぁ? 浜面のくせに生意気よ」

浜面「そうそう、そうやってる方がフレンダらしいぞ」

フレンダ「浜面ってさ……」

浜面「あん?」

フレンダ「ひょっとして、さ」

浜面「?」

フレンダ「Mなの? 罵られるのがイイの?」

浜面「なんでだよ!」

フレンダ「あはは。結局、そういう反応がキモイのよね」

浜面「……ひでぇ……」
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:49:27.73 ID:BDi6VSSR0
ズズズ

フレンダ「……ん、美味しい」

浜面「そーかよ」

フレンダ「でも外国でこんな飲み方したら顰蹙モンだからね」

浜面「はっ、パスポートも持ってねぇよ」

フレンダ「それじゃあ動物園に帰る時大変よ?」

浜面「俺は日本人だ!」

フレンダ「あはは」

浜面「ったく」
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 08:53:37.80 ID:5Pm+INOyo
がんばれ
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:53:54.50 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「は〜、暇だわ……」

浜面「そういやぁ、フレンダさ」

フレンダ「うん?」

浜面「お前、結局何人な訳?」

フレンダ「地球生まれのサイヤ人」

浜面「なるほど……だから金髪なのか……」

フレンダ「そゆこと」
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:55:30.56 ID:BDi6VSSR0
浜面「お前の戦闘能力は?」

フレンダ「53万」

浜面「それじゃあ地球に転がってる七つの球を拾いにいかねーとな」

フレンダ「そうね、気がむいたら」

浜面「俺が死んだら生き返らせてくれよな」

フレンダ「嫌よ、なんであんたなんか」

浜面「はぁ? こんだけお前らに尽くしてんだろうが」

フレンダ「……ま、たしかに。結局、下僕が居ないと生活が不便になりそうね」

浜面「あ、復活させるけど下僕枠なのね」

フレンダ「な〜に? 不満なワケ?」

浜面「いや、別に」
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 08:59:53.34 ID:BDi6VSSR0
浜面「で、結局どこの出身なんだよ」

フレンダ「そんなに知りたい?」

浜面「……ま、いいや別に」

フレンダ「あ、そ」

浜面「誰だって言いたくない事の一つや二つあるだろ」

フレンダ「ふ〜ん、浜面にもいえない事とかあるの?」

浜面「言えないっつーか何つーか……」

フレンダ「ハッキリしないわね」

浜面「こう見えて色々あんだよ」
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 09:00:59.09 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「チンピラ風情にも色々あるのね」

浜面「なんかよぉ、正直よくわかんねーんだ」

フレンダ「よくわからないって何なのよ」

浜面「思い出そうとしても、こう、モヤモヤしてるというか。記憶にモヤがかかってると言うか」

フレンダ「ふーん」

浜面「なんつーか、んー、わかんねーんだ」

フレンダ「何それ、全然わかんない」

浜面「俺だってわかんねーよ」

フレンダ「あのさー、浜面」

浜面「あん?」

フレンダ「好き」
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 09:06:15.28 ID:BDi6VSSR0
>>523
支援いただきました

>>525
ありがたやありがたや……

>>526
ご期待に添えるべく

>>527
浜滝は原作が一番

>>528
すンませンでしたァ

>>529
超感謝です

>>530
涙出た
本田のPKに全力で詰めてた細貝に萌えたw

>>531
お待たせしました

>>549
こんな朝からありがとですっ
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 09:24:23.67 ID:4/9a/hSSO
otsukare104(乙を担いし者)
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 09:31:37.07 ID:U3XHd8w9o
ふれんだぁああああああああああああ
乙!
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 09:55:06.39 ID:aK+xODrAO

あぁフレンダ、僕のフレンダ

君はなんでそんなに美しいんだい?
君はなんでそんなに可愛らしいんだい?

透き通るような碧眼…
艶やかに輝く金髪…

そんな君を見る度に、僕の薄汚れた心がときめいてしまうんだ
そんな君を見る度に、僕は今ここで生きている事を感じるんだ

あぁフレンダ、僕のフレンダ

この気持ちは恋ではないよ
僕は、君に見返りなんて求めないから

この気持ちは愛ではないよ
僕の、君への思いはもっと愛おしいから

最後のサバ缶を慈しみながら食べる君を
失敗して怒られて落ち込んでしまった君を

ただただ、見守っていたい

そう、これは……きっとこの気持ちは
もっと純粋で、もっと深いものなのさ

あぁフレンダ、僕のフレンダ

あぁフレンダ、僕のプリンス

僕は君の、ぬいぐるみに、なりたい……


(乙に替えて、ポエムを一編添えて)
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 10:01:13.55 ID:KeuqOvhDO
はまづらかわいいよはまづら
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 10:54:13.55 ID:uxo3DBsvo
ゲコ太かわいいよゲコ太
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/27(木) 10:55:49.82 ID:8Ulu/QAq0
 フレンダ……凄絶な過去と、報われない現在と未来……やるせないなあ
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 10:59:26.21 ID:BDi6VSSR0
◇ ◇ ◇ ◇


私を救ってくれた少年は私に関わったばかりに消されてしまった。

あれが裏社会のやり方だという事に、裏社会に入ってから気がついた。

事情を知った人間は例え子供だろうが容赦しない。

非道だと思ったが今はもう自分も他人の事をどうこう言える立場に無い事は理解している。

最低な生活をしていると思った。

けれど、生きる為には仕方ない。

仕方ないと割り切った。

ブチ殺した人間は、両手を超えてからもう数えていない。

依頼のある夜は適当にコンビニのシャケ弁を食べて朝方にヨロヨロと帰ってくる。

依頼の無い日は適当に街を歩いて、持て余した報酬でご飯を食べて服を買う。

一人で。
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 11:04:12.43 ID:aK+xODrAO
再開早いなぁ
これぐらい俺も早く書けたら
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:04:39.35 ID:BDi6VSSR0
原子崩し、この力が一体何の為にあるのか。

能力を植えつけた本人はもう既にこの世を去ってしまった。

私が襲われる事がなくなった、という事は、つまりそういう事なのだろう。

だから、本当の事はわからない。

ただ、わかることは。

この力は何も救わないという事だ。

壊すのみ。

破壊のみ。

ただ、目の前にある障害を薙ぎ払う為に存在する力。

本当に救いたい人すら救えない、……本当に役に立たない力だ。
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:09:04.52 ID:BDi6VSSR0
けれど、

街を歩けば誰かの姿を無意識に探してしまう。

手をつないで歩いてくれた誰かの姿を。

一緒に買い物をしてくれた誰かの姿を。

はまづら。

はまづら、しあげ。

──お〜い、どこいくんだよ。

──似合ってんぞ、その服。

──何やってんだよ、沈利っ。帰るぞっ!

聞こえるのは幻聴。

過去の声ばかり。

幸せだった記憶ばかり。
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:10:22.56 ID:BDi6VSSR0
本当にあの少年は死んでしまったのだろうか。

実は、今もどこかで生きてやしないだろうか。

元気で、今もヒーローを目指しているんじゃないか。

嘘、

嘘。

本当はわかっている。

そんな事は無いと。

一度だけゲームセンターでクレーンゲームをしようと思ったけれど、

なんとなく気が引けてしまってそれ以来あそこには近づいてすらいない。
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:11:18.84 ID:BDi6VSSR0
古びたクマのぬいぐるみがおかえりを言ってくれた気がするのでとりあえず「ただいま」を告げておいた。

これだけは捨てられなかった。

未練がましく、それを持ってベッドに倒れこむ、

……つかれた。

ぬいぐるみをぎゅっと抱く。

少しだけ安心する。


ねえはまづら、今日は新しい子が来たんだよ?

フレンダって言うんだって。

ちょっと嘘っぽい名前だけど、仲良くなれるかなあ。

それとも、仲良くなんてならない方がいいのかな。

私と関わってもロクな事、ないから……。

ねえはまづら。

はまづらだったら、どうするのかなあ。
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:15:28.45 ID:BDi6VSSR0
あー、

だめだ。

なんかだめな感じにだめだ。

私は暗部組織アイテムの麦野沈利だ。

ただの麦野沈利にはもう戻れない。

……もっとも、最初から私は麦野沈利ではないのだけれど。

原子崩し。

その記号が私。

それが私そのもの。

あんな幸せな記憶なんて、

麦野沈利だった記憶なんて、

最初からなかったんだ。

原子崩しで居よう、冷徹非情な原子崩しで居れば苦しまなくて済む。
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:22:20.55 ID:BDi6VSSR0
原子崩しで居ている間は嘘みたいに仕事に打ち込めた。

仕事に打ち込んでいる間は良い、それ以外は何も考えなくて済むから。

学園都市の最底辺、クソッタレが集う場所。

原子崩しにはピッタリ、お似合いだと思った。

これ以上は無い、最高だ。

ただ壊せば良い、破壊すれば良い、それ以外は知らない。知ったこっちゃ無い。

与えられた仕事をこなす、こなす、こなす。

ころす、ころす、ころす。

それ以外は何もしない、電話の女もそれをわかっているのか、ぶつくさ文句を言いながらそういった仕事以外は私には頼まなかった。
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:24:09.49 ID:BDi6VSSR0
こわす、こわす、こわす。

うん。

それが原子崩し。

それでいい。

優しさなんて原子崩しには欠片も必要ない。

麦野沈利ではないのだから。

それでいい。
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:28:51.04 ID:BDi6VSSR0
「なははー、むーぎの。終わったよー」

その点フレンダは、よく働いてくれた。

「結局、私がいなけりゃ麦野を支える人間が居ない訳よ」

最初はちょっと警戒したけど、なんてことはない。

時折見せる悲しそうな目は、何かこの子に深い過去がある事を物語っていたけれど

そんなの暗部組織に属しているのだから当たり前といえば当たり前の事だった。

ましてや女性、何があったのかは想像に難くない。

だけど、この子が言い出さないなら聞かない。

私だって言わない。

けど仕事は速いし、正確。

たまにお仕置きが必要だけど、背中を預けるには申し分なかった。
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:33:27.42 ID:BDi6VSSR0
しばらくは二人でコンビを組んだ。

必然的に、二人で過ごす時間も増えて、会話も増える。

フレンダ「ねー」

麦野「なぁに?」

フレンダ「麦野はさー、彼氏とかいない訳?」

麦野「何を聞くかと思ったらそんな事?」

フレンダ「結局、興味あるもんね」

麦野「くっだらないわねー」

フレンダ「むー?」

麦野「んな事言ってる暇があったら仕事するのよ仕事」

フレンダ「あのさー、ちょっと最近仕事多すぎない? 二人だとオーバーワークだと思うよ」

麦野「だったら追加の要員、頼んでみようかしら」

フレンダ「っだああ。結局、それだと仕事の量は変わらない訳よ……」
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:34:45.59 ID:BDi6VSSR0
麦野「フレンダこそどうなのよ」

フレンダ「私?」

麦野「お気に入りの男でもできたの?」

フレンダ「んにゃ、全然。私麦野が好きだし」

麦野「はいはい、ありがとね」

フレンダ「なはは、冗談なのだー」

麦野「どうだか」

フレンダ「んん、呆れ顔のむぎの……たまらーん!」

麦野「っだあ! 抱きつくな暑苦しい!」
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:39:58.84 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「あのさー」

麦野「何よ」

フレンダ「結局、私たちって冷静に考えるとフツーの恋愛なんてできないと思うのよね」

麦野「フレンダにしては真面目な声色じゃない」

フレンダ「だってよー? 考えても見てよ、普通の男を好きになったとして、デートしてる最中に麦野から電話が掛かってきて’仕事よ’って呼び出されたら行かなくちゃいけないわけでしょ?」

麦野「そうね」

フレンダ「っだー、結局そういう細かいところから男女の仲ってのは崩れていくのよ、だんだん意思の相違が生まれていくって訳よ」

麦野「随分詳しいのね」

フレンダ「私に日本語を教えてくれた人が言ってた」

麦野「へぇ」

フレンダ「だから、私には恋愛はムリかなーって、諦めてる」

麦野「子供のくせに何悟った気になってんのよ」

フレンダ「むー」
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:44:12.70 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「だってほら、せっかくお互い好きになって結ばれたんだから、隠し事はしてほしくないでしょ?」

麦野「そんなもんかしら?」

フレンダ「えー、絶対そうだって。麦野はさ、例えば付き合ったとして男がよ? もし浮気してるの黙ってたらどうする?」

麦野「殺す」

フレンダ「っだああ! そうじゃなくて! 能力禁止!」

麦野「ん……まぁ、嫌な気持ちになるんじゃない?」

フレンダ「そうだよね、だからこんな仕事してる事も隠しちゃだめなのかなーって思うのさ」

麦野「クソ真面目ね、んな事言ったら普通引くわよ?」

フレンダ「なははー、私ってバカだけど、そういうところはキッチリしたいのよ」

麦野「バカだからね」

フレンダ「バカだから」

麦野「バカだからね」

フレンダ「うきー! 二回言うなー!」
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:46:43.23 ID:BDi6VSSR0
麦野「別にさ、言いたくない事は言わなくてもいいんじゃない?」

フレンダ「そうかなあ」

麦野「誰にだって言いたくない事の一つや二つあるでしょ」

フレンダ「それはまぁ……そうだけど」

麦野「好きになった男だって、……つーか、男なんて脳みそ×××みたいなもんだからいまいち信用できないのよね」

フレンダ「うわ〜……ここファミレスだよ? 食事中だよ?」
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:49:42.69 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「ま、私に彼氏が出来たら紹介してあげるって訳よ」

麦野「いらないわよ」

フレンダ「まーまーまー、妬み?」

麦野「ばっか!」

フレンダ「ふふふ、麦野ったら乙女なんだからーもー!」

麦野「フーーーーーー……レンダぁ……、人をおちょくるのも大概にしろよ……」

フレンダ「きゃー! むぎのおちついて! ここファミレス! 公共の場!」
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:51:40.61 ID:BDi6VSSR0
とまぁ。

こんな感じだ。

猫みたいに気まぐれで

何考えてるのかいまいち読めない

けど

一緒に居て飽きない、

バカだけど。

すっごいバカだけど。
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 11:58:12.91 ID:BDi6VSSR0
数年間一人で仕事をこなしてきて、フレンダが加わり、その後絹旗と滝壺が同時期に加入して現在のアイテムの正規メンバーが揃った。

フレンダは優秀なアサシン、たまにポカをやるけど、仕事に関してはプロ、たまにポカをやるけど。

爆薬とナイフを使った近接格闘の熟練度はこの業界探したって稀有な部類だと思う、たまにポカをやるけど。

絹旗は窒素装甲があるから主に前線で出張ってもらってる。

私からするとてんで子供だけど大人になりたくて背伸びをしている感じ、趣味がかわってる。

悪い子じゃないと思うけど、ここに居るって事はこの子も相当の闇を抱えているのだろう。

滝壺は、よくわかんない。よくわかんないけれど、能力追跡(AIMストーカー)という能力の使い手。

居てもらわなきゃ困る、今やアイテムの核だ。

なんだかんだと、良くも悪くも五月蝿い連中が揃ったものだと思う。

女ばかり揃えたのは電話の女の趣味としか思えないが。
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 12:01:17.28 ID:lfGWje3DO
今までみたアイテム作品の中で最高
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:02:45.77 ID:BDi6VSSR0
集まる度にやれ新作の水着がどうだとか、

流行の映画がどうだとか、

昨日のテレビ番組が面白かったとか、

道行く男で誰がカッコイイだとか。

まるで普通の女の子達がする会話を楽しんだ。

ああ、楽しんださ。

私達4人は普通ではない、アブノーマル。

普通への憧れは共通に持っていたらしい。

こんなファミレスを根城にしているのにもそういう理由(だと思う)

仲良し4人組……という訳ではないのだけれど、外から見るとそう見えているかもしれない。

なのに本当は殺し屋集団だって、一体どこの誰が気づくのだろうか。
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:09:23.18 ID:BDi6VSSR0
けれど、基本的にお互いのプライベートにはノータッチを決め込む。

もちろん休日一緒に遊びには行ったりするけれど、だからといってベッタリを決め込むわけではない。

あくまでアイテムあっての、仕事あっての繋がりだと言う事を忘れてはいけない。

と、原子崩しに言い聞かせる。

実際仕事さえ回せれば何をやっても良いのだが、仕事に影響が出る事は避けなければいけない。

と、原子崩しに言い聞かせる。

ま、結局何が言いたいかと言うと。

こんな生活も案外悪くないという事だ。

仕事は順調、一人でやっていた時ならいざ知らず。

私、フレンダ、絹旗、滝壺というカードが揃った今、任務の遂行に特に何か問題があるわけではない。

それに面倒な下見やら後片付けは下部組織に任せておけばいい。

仕事仲間との人間関係も良好。

そうなると出てくるのだ

麦野沈利が。
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:10:39.60 ID:BDi6VSSR0
ねえはまづら。

私、少しくらいなら、楽しんでもいいよね。

ちょっとだけ

ほんのちょっとだけなら

いいよね。

ね?

はまづら。
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:16:28.84 ID:BDi6VSSR0
少なくとも仕事の時間以外は楽しんでもいいんじゃないか

そう考える事にした。

たったこれだけの事が私の中で「驚くべき変化」だった。

そうすると、昔浜面と一緒に行ったスーパーにも行けたし

あの変わったラーメンを売ってる店にも行けたし

ゲーセンにも行くことができたし(4人でだけど)

服装も少し変わった。

「あれ? むぎの、そんな服もってたの?」

何も考えていないようでよく見てるな……滝壺。

「そう、似合う?」

「あー! そういえば第7学区のモールでセールやってるのよ! みんな行く?」

「超行きたいです」

「うん」

「それじゃあミーティングを切り上げていきましょうか」

「結局、ミーティングって言うけど何もやってないじゃない」

「超禁句ですよそれ」

「禁句」
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:23:56.12 ID:BDi6VSSR0
「……で、あの映画のどこが面白かったの?」

「麦野、超わからないんですか? あの映画の楽しみ方が」

「いや、開始5分で飽きてあとの175分が苦痛だったんだけど、新手の拷問?」

「なんだ、超ちゃんと楽しみ方わかってるじゃないですか」

「……絹旗、あんたがわからないわ」

「さー、来週は何を超見ましょうか」

「あんた、毎週きてるの?」

「超基本ですよ麦野」

「……いや、趣味は人それぞれよね、うん」
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:25:48.11 ID:BDi6VSSR0
「滝壺は休日何してるの?」

「……電波を追ったり」

「……」

「日に当たったり」

「……?」

「……水辺に出かけたり」

「ようするに散歩ね?」

「そうとも言う」

「……変わった子ね、本当」
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:28:36.10 ID:BDi6VSSR0
「じゃじゃーん、ここがマイルームな訳よ!」

「意外と綺麗なのね」

「意外ってどういうことむぎの!」

「なんかこう、もっと赤とかピンクとかでごちゃごちゃしてると思った。色の暴力的な意味で」

「色の暴力って、そんな部屋で落ち着けるわけないじゃない。和こそ日本の心よ」

「……フレンダさ、やっぱり国籍日本だろ?」

「きひひっ、内緒内緒♪」
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:30:31.66 ID:BDi6VSSR0
徐々に

本当に徐々に。

周囲からするとくだらない事だと思う。

だけど本当に

階段を一段ずつあがるように

麦野沈利を受け入れる事ができていた。

ねえ、はまづら。

私、毎日

ちょっぴり楽しいかもしれない。
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:31:44.49 ID:BDi6VSSR0



少なくとも



少なくともその日までは。



そんな風に思っていた。



589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:33:30.29 ID:BDi6VSSR0


電話の女からの連絡はいつも突然だ。


「いよー、日ごろの労働、ご苦労ご苦労」

「労う暇があったら給料上げなさいよ、ストライキするわよ?」

「こいつときたらー! あたしだって少ない給料でひーこらいってんだから我慢しなさい!」

「雇い主だったら従業員のケアをするのは当然じゃない?」

「あんたって本当に口が減らないわね……いいわ、探してきてあげる」

「探す?」

「あんたらの小間使いよ、足が欲しいって言ってたでしょ?」

「いや、別に?」

「こいつときたらー!」

仕事の電話かと思って出てみたら「新しく足をつけるから探してくる」勝手な女だ。

まぁいいか。

どうせ使い捨てだ。

それくらいの認識だった。

記憶の片隅に残るか残らないかの些細な出来事。

本当に、些細な出来事だった。
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:35:12.34 ID:BDi6VSSR0


嘘だと思った。

いや

目を疑った?

ちがう

世界を疑った。


だからあの時、電話の女から送られてきた資料を見て息をのんだし、迷わず自分の下につける様に請求した。

「あら? 小間使い、こんなチンピラでいいの? あんたらイケメン様をご所望じゃなかったっけ?」

めずらしく疑問を呈してきたから適当にあしらっておいた。

同姓同名なんて世の中珍しくもない。

だから実際会うまでそんなに期待して……いや、期待はしていた。



浜面仕上なんて珍しい名前、そうそう居てたまるかって。

591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:38:40.00 ID:BDi6VSSR0
電話の女は「オッケー、それじゃあ明日から早速働いてもらうから、自己紹介くらい済ませといてね」いつもの調子で通信を切った。



……浜面、仕上?



上等じゃない。

もし全然検討違いの人物だったら

その場で殺してやろうと思っていた。

わりと真剣に。

麦野沈利の心を弄んだ罪で。
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 12:43:26.68 ID:BDi6VSSR0
だけどその日現れた人物は

「えーっと、あんたがアイテムの麦野さんでいいのか?」

私の記憶に残る浜面仕上の面影を色濃く残していた。

ボサボサの頭、汚い金髪。

チンピラ風のナリ。

だけど輪郭や目じり、声の感じや物腰など

この浜面仕上は私が「はまづら」に感じていた事の多く持ち合わせていた。

「はじめまして、俺は浜面仕上というモンだ、よろしく頼む」

不意に握手を求められ思いっきりその手を跳ね除けた

「な……馴れ馴れしくしないで、あんたはただの下っ端なんだから」

精一杯のつよがりだった。
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 12:52:26.12 ID:BDi6VSSR0
>>555
オリアナ△
アニメのオリアナさんエロすぎて色々とやばかった
主に自分が

>>556
新訳で
「なははー、結局、生きてた訳よ」
っていう展開になっても文句無しですよね!

>>557
今すぐその情熱と才能をもってメジャーデビューすべき

>>558
わりと浜面好きな人居て嬉しい

>>559
ゲコ太見る度になぜか薬局のマスコット思い出すww

>>560
やるせないですね……
何がやるせないってフレ/ンダになっちゃうっていう運命がもうやるせないです

>>562
予定ではもう終わってるはずなのに……
終わる終わる詐欺になって申し訳ない
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 15:40:20.47 ID:dT/uPo6eo
まだまだずっと続いて欲しい
久々に直球の浜麦だし
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 16:18:59.51 ID:j7rYA3tAO
ドルトムントが韓国に敵意を持ったようです
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 17:19:29.35 ID:dbWbftu+o
読みたいのに、受験って訳よ
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 18:10:46.74 ID:aK+xODrAO
俺は受験だけど書いたり読んだりしてるぞ
お陰でセンターは6割切ったがな
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 18:54:12.31 ID:qTp4ON+IO
俺も大学のテストの合間に読んでます。

>>597
まじがんばれ。
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/27(木) 19:06:55.86 ID:heWTmkWzo
>>597
今からでも遅くないがんばれ
俺はセンター英語60点から何とかなった
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 19:28:24.38 ID:JAxNt5PCo
 +   ∧_∧      +      +
    (0゚・∀・) ドキドキ    。
  oノ∧つ⊂)     +
  ( (0゚・∀・) ワクワク     。
  oノ∧つ⊂)     +   +    。
  ( (0゚・∀・) テカテカ     。
  ∪( ∪ ∪            。
    と__)__)
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:08:17.72 ID:BDi6VSSR0
────────

────

──


浜面仕上

能力、無し。
カテゴライズ、無能力。
特技、ピッキング、運転。

有名でも無名でもない普通の高校に在籍。

しかし実際は年に数回登校すれば良い方で

第七学区のスキルアウトに所属

元・リーダー駒場利徳の死後、後任を任されるも、とある任務に失敗。

その後失脚していたところを電話の女に

「捕獲される……ね」
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:09:13.52 ID:BDi6VSSR0
「何よ、あたしの書類にケチつけるわけ?」

「詳しい事がわからないじゃない、これじゃあさ」

「こいつときたらー! なんでそんな下っ端に詳細な履歴書が必要なのさ!」

「なんでって、当たり前でしょ? 一緒に働くんだから、しかも私はリーダーだから下っ端の過去を知るのは当然の権利だと思わない?」

「しるかー! ……あ」

「なに?」

「一個だけそれに書いてない事があったわ、そういえば」

「はやく教えなさい殺すわよ」

「こいつときたらー! あたしはあんたの上司なのよー!」

「いいから早く」
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:10:10.56 ID:BDi6VSSR0
「まーいいわ、バニーが好きなんだって。えらく健康的な趣味ね」

「……は?」

「だからバニーよバニー、何よ? 知らない?」

「それくらい知ってるわよ!」

「ふふん? 気をつけなさいよ、年頃の男は何しでかすかわっかんないんだから〜♪」

「お前……絶対楽しんでるだろ」

「楽しまなきゃこんな仕事してられないってーの」

「いつか……殺す」

「きゃーこわーい」
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:14:33.53 ID:BDi6VSSR0
「とにかく、浜面仕上について早急に調べて頂戴。24時間以内に」

「こいつときたらー! 注文の多い料理店かー!」

「電話回線ハックして寸分違わぬ座標に原子崩しを」

「どえぇ! わかった! わかったから!」

「あら、良い子ね」

「上司を脅す部下なんて信じられない……」

「ふん」

「それにしてもさー、原子崩しさんや?」

「何?」

「随分浜面仕上の肩、持つじゃない? 惚れたの?」

「ばっ……か! てめぇ! 言うに事欠いてそれか! 次に会った時が命日だと思いやがれ!」

「かっかっか! あっかんべーだ」

「あっかんべーって……子供か」
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 23:22:22.03 ID:aK+xODrAO
電話の女が某スレのせいでサテンさんにしか聞こえない
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:25:34.90 ID:BDi6VSSR0
「用事が無いならもう切るわよ」

「用事も何も、もともとそっちから掛けてきたんじゃない、原子崩し」

「うるさい!」

ピ

……結局その後。

電話の女も浜面仕上の件に関してはあまり深く調査できなかったらしい。

登録されているあまりに情報が少なすぎた。

高位能力者であれば書庫に潜り込めばそれなりに情報が揃っているのが相場だが

230万人のうち約6割を占める有象無象の無能力者までをも隅から隅に全てを把握できているわけではないらしい。

というかそもそも無能力者のデータにそれほど価値がないのであまり収集されていない……というのが本音だそうで。

学園都市と言えど把握できていない事もあるんだと落胆の色を隠せなかった。
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:26:45.11 ID:BDi6VSSR0
たかが無能力者一人。

……いや。

うん。

正直に

ありのまま話すならば、

自分は今、おそらく今までにない程、舞い上がっている。

はまづら。

だってはまづらだ。

はまづらとまた、会えたんだから。

ぎゅっと、ぬいぐるみを抱く手に力が入る。

ね?

浜面、あなた、はまづらだよね?

ね?
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:34:17.20 ID:BDi6VSSR0
さっきはそっけない態度とっちゃったけど。

っていうかいきなり握手とかムリ!

緊張してて手に汗滲んでたし!

っかぁ〜……でも手ぇ払いのけたのはマズかったかなぁ……

……やっぱり感じ、悪いよね。

うん、明日にでも謝っておこう。

私の事、覚えてない感じだったけど

お話したら、思い出してくれるよね

きっと。

ね?

ふふ、はーまづらぁ♪
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:37:06.11 ID:BDi6VSSR0
明日はどんな服を着ていこう

ちょっとオシャレしちゃおうかしら

うん。

いいよね。

ちゃんと大人になった私を見てもらいたいし

頑張ってメイクしちゃうんだから
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:38:15.33 ID:BDi6VSSR0
────────

────

──


っとっととと。

あぶないあぶない。

ギリギリまで服選んでたらもうこんな時間

ええい、走れ私。

初日から遅刻とはリーダーの威厳が無くなってしまう。
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:39:14.08 ID:BDi6VSSR0
浜面「はぁ?! ぶっとばすぞクソガキが! お前がやったんだろ!」

絹旗「超言いがかりは辞めてくださいよ」

浜面「俺のステーキ食っただろって言ってんだよ!」

絹旗「はぁ? どこに超ショーコがあるんですか?」

浜面「だったら表出ろよ、女と言えど食い物の恨みは恐ろしいってところを教えてやるぜ」

絹旗「超望むところですね」
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:40:14.67 ID:BDi6VSSR0
麦野「ちょっと、何の騒ぎよ?」

フレンダ「あ、おっはよー。むぎのむぎの。今さー、新入りが絹旗のちょっかいにブチ切れたトコよ」

麦野「へ?」

フレンダ「ふふ……わかる、わかるわよ麦野。新入りに舐められない為にどっちが上かハッキリさせときたい、それがずばり今の麦野の心境でしょう!」

麦野「え? いや……」

フレンダ「でーもだいじょーぶ! もうすでに先手は打たせてもらって訳よ!」

麦野「そ、そう?(よ……よけいなことをぉおおお〜〜〜〜!! フレンダぁあああ〜〜〜〜!!!)」

フレンダ「ま、歓迎会的な意味だし、絹旗にも程ほどに手を抜くように言ってあるから安心安心、そんじゃ高みの見物といきましょー」
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:42:16.53 ID:BDi6VSSR0
絹旗「窒素ぱーんち」

浜面「ぐお」

絹旗「窒素きーっく」

浜面「ぐへ」

絹旗「窒素たーっくる」

浜面「ぼへ」

絹旗「……浜面、超弱いです……」

浜面「む……無念だ……」

ガクッ

絹旗「浜面ぁ! 立つんだ浜面ぁ!」

浜面「燃えたよ……燃え尽きた……」


フレンダ「……なにこの茶番」
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:47:47.71 ID:BDi6VSSR0
浜面「はぁ?! レベル4だぁ?!」

絹旗「えぇそうですけど?」

浜面「そんな相手に最初から勝てるわけねーだろーが!」

絹旗「ふふん? でもタンカ切ってる時の浜面、ちょっとだけ超かっこよかったですよ?」

浜面「そ、そうか?」

フレンダ「結局、デレデレしちゃってキモい訳よ」

浜面「んだとぉ?」

絹旗「浜面、やめといた方がいいですよ。フレンダはナイフと爆薬のスペシャリストです、数秒後には面白死体の出来上がりですよ?」

浜面「アイテムは化け物揃いか……」
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:49:49.12 ID:BDi6VSSR0
絹旗「それからこちらが滝壺さん」

滝壺「よろしく、はまづら」

浜面「おお? ……なんか普通の子だな」

滝壺「普通?」

浜面「おう」

絹旗「彼女の能力はAIMストーカーといって、一度記憶した能力者については銀河系の果てに居ても超発見できる能力です」

浜面「全然普通じゃねえ!」

滝壺「おもしろいね、はまづら」

浜面「え? 急に褒められた」

滝壺「芸人みたい」

浜面「泣いていいか俺」
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:51:52.79 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「で。あたしはフレンダっ、よろしく」

浜面「へいへい」

フレンダ「むー?」

浜面「んだよ」

フレンダ「浜面ってさー」

浜面「あん?」

フレンダ「童貞でしょ?」ボソッ

浜面「は……はああああっ?!」

フレンダ「あ、やっぱり」

浜面「やっぱりってなに!」

フレンダ「きひひっ、弱みはっけーん♪ これからよろしくねーん、はまづらくーん?」

浜面「お……鬼だ……」
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/27(木) 23:56:09.20 ID:BDi6VSSR0
フレンダ「で」

浜面「お、おう?」

フレンダ「此方にお控えしてらっしゃる方がわれらがリーダー、麦野沈利様ってわけよ」

浜面「お、おう。昨日ちょっと挨拶したけどよ、よろしくな」

麦野「あ、うん。よろs──」

フレンダ「言葉遣いがなっとらーーーーん!!!」

バシッ!

浜面「いってぇええええ!! なにすんだよ!」

フレンダ「よろしくお願いします麦野様でしょー!」

浜面「はぁ? なんでだよ!」

フレンダ「はーまづらぁ、あんたはアイテムの何?」

浜面「何ってなんだよ?」

フレンダ「下部組織であたしらの足で下っ端な訳よ」

浜面「雑用係とは聞いていたがこの待遇か……」

フレンダ「きひひっ、立場をわきまえるわけよ♪」
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 23:57:43.93 ID:fcocKJSto
もう正直永遠に続いてほしい・・・
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/27(木) 23:58:25.21 ID:satMBuzyo
そろそろフレンダがフ/レ/ン/ダになる頃
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 00:00:03.96 ID:2i9e0EnAO
このフレンダはブチコロシカクテイされても仕方ないレベル
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:00:31.83 ID:HfQz755w0
浜面「……はぁ、変わったやつ等だなぁ……」

麦野「あの、はまづ──」

絹旗「まぁまぁ、フレンダもはしゃいでるんですよ、超許してあげてください」

浜面「あれがか?」

絹旗「ええそうですよ、あんな超嬉しそうなフレンダ見るの久しぶりですよ」

浜面「ははっ、そうかい」

絹旗「きっと自分より下の人間が入ってくれて超嬉しいんでしょうね、保身的な意味で」

浜面「さらっと毒のある事言うよなお前……」

絹旗「お前じゃないです」

浜面「う?」

絹旗「絹旗最愛、モアイじゃないくてさいあいですから」

浜面「絹旗な」

絹旗「超よろしくおねがいします、せいぜいコキ使ってやりますから超覚悟しといてくださいね」

浜面「へいへい、わかったよ」
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:06:10.16 ID:HfQz755w0
フレンダ「ひざかっくん!」

浜面「ぶへっ?!」

フレンダ「浜面声でか〜い、きも〜い」

浜面「うるせえよ! ああわかったフレンダ! お前は敵だ! 今決めた! 俺が決めた!」

フレンダ「はぁ〜? ケンカ売ってるわけ?」

浜面「上等だぁ! 表でろやこら!」

絹旗「あ〜、はいはい。周りのお客さんに迷惑ですからその辺りに……、ほら、さっきから麦野がすごい顔で睨んでますよ」ボソッ


麦野「……(なによ〜! も〜! みんなして浜面浜面って!!)」

麦野「……(私だって、私だって……)」

麦野「……(浜面と喋りたいんだから〜〜〜!!!)」


フレンダ「……(確かにさっきからブツブツと何か言ってる訳よ)」

浜面「……(こえぇ……)」

フレンダ「……(し、静かにしてた方がよさそうね)」

浜面「……(なぜか知らんが同意見だ、フレンダ)」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:08:28.57 ID:HfQz755w0
滝壺「……」ボー

絹旗「……」

フレンダ「……」

浜面「……」

滝壺「……」ボー

麦野「……(はっ?!)」

滝壺「……」ボー

麦野「……(ひょっとして、今、浜面と話するチャンスっ?!)」

滝壺「北北西から電波きてる……」

麦野「……(よ、よし。いける、息を吸い込んで……)」

スー

ハー

スー

ハー
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:15:43.97 ID:HfQz755w0
麦野「ねぇ、はま──」

浜面「電波?」

滝壺「うん」

浜面「さっきの、AIMなんとかってやつと関係あるのか?」

滝壺「私の能力は他人のAIM拡散力場を捕捉すること」

浜面「お? おう?」

滝壺「私の趣味はAIM拡散力場浴」

浜面「わからんが日光浴みたいなもんか?」

滝壺「そうとも言う」

浜面「変わってんなオイ」

滝壺「はまづらも、やってみる?」

浜面「AIM拡散力場浴なんてもんどうやったらできるんだよ」

滝壺「フォースを感じて……コスモを……、それから──」

浜面「違う作品いっぱい混ざってるっ?!」
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:21:18.42 ID:HfQz755w0
────────

────

──


フレンダ「そんじゃ、もう時間だし今日はそろそろ解散しよっか」

浜面「うお、もうこんな時間か」

絹旗「わりと居ましたね今日は、時間が早く感じましたよ」

滝壺「楽しかった」

フレンダ「さ〜、帰ろう帰ろう」

絹旗「それじゃあお先に失礼します」

滝壺「わたしも」

浜面「んじゃ俺も」

フレンダ「ばいば〜い」
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:25:12.95 ID:HfQz755w0
フレンダ「さ〜、かえろむぎ……」

麦野「フーーーーーーーー……れ、ンだぁ…………………………………………」

フレンダ「ひっ?!」

麦野「フレンダちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん?」

フレンダ「は。はひっ?!」

麦野「フレンダちゃんさあ………………フレンダちゃんよぉ………………」

フレンダ「な、なにむぎの」

麦野「今日はさぁ………………とっても、とーーーーっても気分が良かったんだよ………………、朝からさぁ………………いや、昨日の夜からだっけなァ……」

フレンダ「そう、なんだ」

麦野「せっかくの初日だ、舐められない様にどっちが上か示す………………それも良いだろうけどよぉ………………」

フレンダ「う、うんうん。私ったら結局麦野の右腕だから気を回した訳よ!」

麦野「…………だーーーれがんな事やれっつたよぉ……………………」

フレンダ「え?」
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:26:42.12 ID:HfQz755w0
麦野「だーーーーーーから、………………誰がんな事やれっつたんだよ…………………………」

フレンダ「いや、私が……」

麦野「アァ?!」

フレンダ「ひぃ?! 落ち着いてむぎのはなせばわかる!」

麦野「逃げんなフレンダァ!」

ドッ

フレンダ「逃げない! 逃げないからビーム打たないで! ひぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


────────

────

──


麦野「結局浜面と喋れなかった、くすん」

麦野「あ、明日こそ……!」
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 00:29:22.19 ID:4GlVyGs+o
健気麦のんテラカワユス
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 00:37:17.25 ID:HfQz755w0
>>594
ありがたやありがたや

>>595
香川骨折みたいですね
決勝戦の出場は難しいとか……

>>596
がんばれ超がんばれ
受かるまで読んじゃダメですよ

>>597
いまからこのスレは受験生応援スレになりました

>>598
SS書いてるからってわけじゃないけど
現代文とか論述の試験とか得意になった気がする
でも、たぶん気のせいorz

>>599
迷ったら選択肢3番派だった。

>>600
見る度に進化してる気がw
かわゆすなぁ

>>605
そのスレ、
いつも密かに楽しませてもらってます

>>618
カイジ「生還するんだっ……!終わらない悪夢からっ!」

>>619
まさかのフレンダカルテット
原作より破壊力が……

>>620
フレンダに愛の手を
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 00:37:26.61 ID:rPxlNljg0
浜面とフレンダってアイテムの中で一番馬が合いそう
しかし会ってから死ぬまでの期間が短すぎて…
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/28(金) 01:07:43.49 ID:m6taShEB0
 超乙!!
救われぬむぎのんに救いの手を!!
これって原作準拠になるんだろうか……
メモリーやグループの話もあるからパラレルと思うけど・……
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 10:59:53.11 ID:HfQz755w0
◇ ◇ ◇ ◇


浜面仕上を好きになった理由はいくつかある。

元々恋愛に興味はあったし、っつーかそういうのに憧れる感情もあったし。

でもね

実際、恋愛ってこんなにつまんないもんなのかなーって。

だってさ

浜面を見る度に、なんか、こう

胸が苦しくなってさ。

なはは、苦しい事からは一目散に逃げ出すのが心情の私なのにさ

なんっか、こう。

逃げ出せないんだよね。

この感情からは。
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:00:42.95 ID:HfQz755w0
「いつから?」

いつから浜面の事を好きになったのか

って聞かれても正直なところわかんない。

馬が合うっていうか

ヘタレだけど。

一緒に居て楽しい……というか落ち着けるというか。

ヘタレだけど。

それに、あんなのでも意外と頼りになるのよね。

ヘタレだけど。

素で居れるというか、背伸びしなくてもいい。

……あれ?

これってひょっとしてベタ惚れってヤツなのかな

なはは

浜面の分際で生意気なのよ!

ヘタレのくせに。

あーもー!

モヤモヤする!
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:01:14.08 ID:HfQz755w0
私をモヤモヤさせている理由は実はもう一つある。

麦野だ。

ここ数週間(浜面がきてから)麦野の様子がおかしい。

それは比較的付き合いの浅い絹旗や滝壺なら見落としてもおかしくない程微小な変化だったけど

結局、伊達に何年も麦野と一緒に居てる訳じゃないというか。

ファミレスに居るときにしたって仕事中にしたって浜面の事よく見てるし

荒い言葉遣いに見せかけて敵意は篭ってないし、どっちかというと照れ隠しな様にも思えるし。

浜面が居ない時はいっつも「あのバカ……」とか「はーまづらぁ……」とか上の空だし。

多分、麦野は浜面の事が……?

ブンブン

頭を振る。

いや、そんなわけない。

あの麦野が? あんなチンピラと?

ないない、ありえない。

……って、そのチンピラを好きになっちゃったのはどこの誰なのよ〜〜〜〜〜!!!!!
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:01:49.01 ID:HfQz755w0
あ、来た。

きひひっ

私の心をこんな風にしやがって浜面……ゆるせーん!

というわけで、ちょーっとイタズラしたい気分な訳よ。


滝壺「むぎのは?」

浜面「あと30分くらいしたら来るんじゃね?」

フレンダ「……なーんで麦野が来る時間を浜面は知ってるわけなの?」ニヤニヤ

絹旗「超謎ですね」ニヤニヤ

浜面「な……なんだよお前ら」

フレンダ「さぁねーはーまづらぁ」ニヤニヤ
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:02:28.21 ID:HfQz755w0
絹旗「麦野の家に泊まった事実は認めるんですね?」

……麦野ったら、大胆ね。
こんな野獣と一つ屋根の下なんて襲われても文句言えない訳よ。
それが狙いだったのかな


浜面「あいつはベッドで寝たけど俺は廊下だぜ?! この扱いからわかるだろーが!」

なにそれ。
まるでベッドに誘ってるみたいじゃない。
「いつでも来ていいわよ」って事じゃないの?


浜面「だ……だいたいっ! 麦野は俺の事なんか全然好きでもなんでもねーよ!!」

……ふーん……、
鈍感なんだなぁ、浜面って。
まぁそこも浜面の魅力の一つなんだけど。
とか思ってしまう私も結局麦野の事をとやかく言えないわね。
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:03:23.86 ID:HfQz755w0
絹旗「ファミレスの件といい……きっと超自覚無しなんでしょうね……」
フレンダ「むぎの……不憫……」

と言いながら内心で笑ってる
あー、汚い。
たぶん、いま思いっきり汚い顔で笑ってるな私。


フレンダ「麦野も一緒ってコト」

……私とね。
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 11:10:51.06 ID:Cmd/yBVDO
フレンダが可愛くてしかたない

>>1にはこれが終わったらフレンダ主役のSSを書いてほしい
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 11:14:46.22 ID:Ioup2JNAO
>>638

禿同

もう一度言う
禿同
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:15:33.76 ID:HfQz755w0
────────

────

──



「はぁ……私って一体なんなんだろ……」

ため息ひとつ。

浜面なんかの行動ひとつで一喜一憂しちゃってさ、バカみたい。

いっその事告白でもしてみる?

ははっ

私が浜面に告白?

ありえねーっつーの

だってエロいし変態だしチンピラだし

結局、どう考えても私の美貌とはつりあわないって訳よ!
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:17:18.33 ID:HfQz755w0
「……はぁ」

わかってる。

間違っても自分からは絶対告白なんてできない。

だいたい、そもそもマトモな恋愛ができるとは思わない。

こんな仕事をやっておいて今更幸せを求めてどうするのよ。

そういうのとは別に生きていくって、あの時決めたんじゃないの?

シンプルに

ラクに生きる

それが私じゃないの?
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:18:56.52 ID:HfQz755w0
適当にヘラヘラ笑って生きていければそれでいい。

苦しい事からは逃げ出して

ラクな道を選び続ける、それが私じゃないの?

「……はぁ」

浜面、晩御飯何食べるのかな……。

あいつさー、いっつも何食べてるのかな

インスタントとかで済ませてるんだろうな

うわ、栄養偏ってそう

ふふ、こんな事もあろうかと料理の腕を鍛えていてよか……

「って、ちが〜〜〜〜〜〜〜〜〜う!!!!!」

……なんか、苦しい事ばかり……。

これが恋愛なの?
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:19:47.93 ID:HfQz755w0
だめだ。

意識すればするほど浜面が日常のふとした隙間に入り込んでくる。

たぶん。

これは、理屈じゃない。

……苦しい。

浜面が他の女の子と一緒に居たら、やっぱりちょっと嫌だなぁ……って思うし

もっと浜面の事知りたいなぁ……って思うし

けど、なんか素直になれなくて

あいつの前じゃ、その

からかったりして、気を引こうとしてるけど

な〜んか、空回りなのよね
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:20:42.21 ID:HfQz755w0
あー

違うな

こんなの私じゃないなー

くっそー

浜面めー

ちくしょー

あー

これか

これがたぶんそうなのか

好きっていう感情なのかな

思い描いていたのとは随分違うけれど

……あー

だめだなー私
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:21:21.95 ID:HfQz755w0
結局……告白なんて絶対できない訳よ

こんな私が付き合ってどうするわけ?

幸せ?

幸福?

くだらないくだらない

ありえないありえない。

フレンダを名乗る以上は

そういう感情とはオサラバな訳よ

……でも

あー

もー!!

寝る! 

今日はもう寝るっ!!
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:25:36.57 ID:HfQz755w0






──だからフレンダの気持ちを聞いた時は

──だから麦野の話を聞いた時は


──こいつには絶対負けない

──こいつには……勝てない


──そう思った訳よ

──そう思った。





647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 11:43:07.85 ID:HfQz755w0
>>628
ttp://2d.moe.hm/index/img/index3483.jpg
これ見てクラっときた
スーパー麦のんになる前なのかな

>>630
結局フレ/ンダされるまで
何日間一緒に居たんでしょうね


>>631
あァ、すンませン
完璧パラレルなンで細けェ所は脳内補完しながらだとありがたいですゥ

>>638
フレンダいいですよねフレンダ

>>639
なんかフレンダって書きやすいんですよね
不思議。
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 12:42:50.24 ID:pBJchX6IO
>>646
最初と最後が逆になってるせいで真ん中がどっちがどっちかわからん…にくいな
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 13:14:58.02 ID:z3zxW0yzo
>>648
わざと分かりにくくしてるんだと思ったんだけど、違うのかな?
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 13:15:19.68 ID:a4QZfLbCo
フレかわいいよンダ
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 14:43:03.21 ID:2QzbPGYNo
ゲームのむぎのんは使ってて楽しい
むぎの主役のお話は色々とキテるww

いやしかしむぎのもフレンダも可愛いなぁ
今のままだとホント先が読めないわ・・・
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:07:49.09 ID:HfQz755w0
◇ ◇ ◇ ◇


フレンダ「あのさー、浜面」

浜面「あん?」

フレンダ「好き」

浜面「はぁ?」

フレンダ「だから、好き」

浜面「どうしたんだよ、オマエ」

フレンダ「だから」

浜面「お? おう」

フレンダ「私は、浜面の事が好きなの」

浜面「……本気なのか?」

フレンダ「冗談でこんな事言うと思ったの?」

浜面「いや」

フレンダ「あのさー」

浜面「?」
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:08:43.49 ID:HfQz755w0
フレンダ「でも結局、私ってフェアプレーが好きなのよね」

浜面「お? おう」

フレンダ「だから、ちゃんと選んでね」

浜面「選ぶって?」


麦野「私か、フレンダか、どっちかをって話」


浜面「むっ?! ぎの!?」

フレンダ「あら。随分遅かったじゃない、麦野さん?」

麦野「うるせぇ売女が」

フレンダ「……負けないから」

麦野「……上等だァ」
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:10:44.04 ID:HfQz755w0
────────

────

──


浜面「……という事があったんだが」

絹旗「超知ってますよ」

滝壺「知ってる」

浜面「耳が早くて助かる」

絹旗「はぁ……、それにしても二人ともこんな超三下のどこがいいんだか……」

滝壺「三下」

浜面「泣いていいかな俺」

絹旗「とにかく超しっかりしてください浜面、そんな調子じゃこの先超やっていけませんよ」

滝壺「しっかり」

浜面「って言ってもよ……、どうしたらいいんだ」
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:12:13.77 ID:HfQz755w0
絹旗「どうしたらって」

滝壺「片方を選べば片方が泣く」

絹旗「超女泣かせの浜面ですね」

浜面「なんでこんなコトに……」

絹旗「いいじゃないですか、いっそ両手に花を持ってみては?」

滝壺「一夫多妻」

浜面「できるかんなこと!」

絹旗「超甲斐性無しですもんね」

滝壺「へたれ」

浜面「滝壺さんさっきから地味にひどいです……」
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:16:57.67 ID:HfQz755w0
絹旗「浜面、これだけは超言っときますけど」

浜面「おう?」

絹旗「私は麦野もフレンダの事も超好きです、向こうはどうかわからないですけど、仕事仲間以上に友達だと思ってます」

絹旗「だから、どっちかでも泣かせたら私が超ぶっとばします」

浜面「……結局、どっちを選んでもぶっとばすんじゃねえか」

絹旗「だいたい、そのどっちを選ぶかで悩んでるコト事態が贅沢なんですよ、馬に蹴られて超死んでください」

浜面「……いっそのコト死んでしまいたい」

絹旗「どんだけ超ヘタレなんですか……」

滝壺「大丈夫、どっちを選んでも私と絹旗は、はまづらを応援してる」

浜面「はぁ……」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:18:39.35 ID:HfQz755w0
────────

────

──


浜面「……フレンダ?」

浜面「……麦野?」

浜面「あいつら揃いも揃ってなんだってんだよ」

浜面「……いや、つーかなんで俺……」
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:20:37.29 ID:HfQz755w0
浜面「はぁ……」

土御門「にゃー、色男にため息なんか似合わないぜい?」

浜面「誰だ?」

土御門「グループ……って言えばわかって貰えるかにゃー?」

浜面「暗部っ?!」

土御門「おっと、無駄な抵抗は辞めといた方が身のためだぜい?」

浜面「……何が狙いだ」

土御門「教える必要は無い、ついて来てもらいぜい。大人しくしてれば無事にお家に帰してあげるにゃー」
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/28(金) 15:24:42.65 ID:m6taShEB0
 とうとうグループが来た……
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:27:01.68 ID:HfQz755w0
浜面「……」

土御門「そんなに警戒しないで欲しいにゃー」

浜面「銃を構えながら言われてもな」

土御門「まーまー、いいからいいから。悪いようにはしないぜい」

浜面「ことわ」

土御門「調子に乗るなよ無能力者、これは命令だ。お前の命を奪うのは息をするより容易い、お前は俺に生かされているだぜい?」

浜面「くっ」

土御門「わかったらさっさと歩くにゃー」
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:31:15.94 ID:HfQz755w0
土御門「出せ」

「はい」

ブロロロロロロロロロロロロロロロ……

浜面「どこに向かっている」

土御門「知る必要は無い」

浜面「俺を攫ったところで正規メンバーは動かないぞ」

土御門「んな事はわかってるにゃー、たかが下っ端の為に危険を晒すバカはこの世界に居ない」

浜面「何が目的だ」

土御門「'メモリー'」

浜面「’メモリー’?」

土御門「それとまぁ、あとは慈善事業みたいなもんだが……」

浜面「は?」

土御門「なんでもないにゃー」
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:36:28.91 ID:HfQz755w0
土御門「それにしても今アイテムも随分と荒れてるみたいだにゃー?」

浜面「何の話だ」

土御門「王子様をめぐって二人のお姫様が火花を散らしてるって話だぜい」

浜面「なっ……」

土御門「おや? どうしてそんなことを知っているのかって顔をしてるぜい?」

浜面「まさか……内通者が」

土御門「そのまさかだぜい」

浜面「嘘だろ……」
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:40:26.50 ID:HfQz755w0
土御門「嘘だと思うか?」

浜面「いるのか……誰か、裏切り者が」

土御門「さぁーてね」

浜面「くっ」

土御門「おっと、暴れても無駄だぜい? その縄はちょっと特殊な結び方をしていて、暴れれば暴れるほどキツくなっていくんだにゃー」

浜面「……」

土御門「さっきはたかが下っ端の為に危険を晒すバカはこの世界に居ないって言ったけどにゃー」

浜面「……」

土御門「王子様の為だったら、毒リンゴを食べてくれるお姫様も居るかもしれないしれないぜい」
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:46:12.00 ID:HfQz755w0
浜面「……回りくどい手使いやがって」

土御門「それは俺にとって褒め言葉だぜい」

浜面「……」

土御門「さて、’メモリー’ってのは……コイツか」

キラッ

浜面「それは……っ!」

土御門「その顔だとコレが一体何なのか知らない様子だな」

浜面「……」

土御門「特別に教えてやる、これは──」
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 15:46:19.97 ID:SL71uXHIO
まさかの内通者
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/28(金) 15:55:16.56 ID:HfQz755w0
>>648
>>649
なんかもーバレバレですけどノーヒントで

>>650
かフわレいンいダよ
暗号みたいでワロタw

>>651
格闘ゲームって聞いてたけど専用の話もちゃんとあるんですね
いいなー、欲しいなあ
近所のY電機にはもう売ってなかった……

>>659
やっとにゃーにゃー言う人登場です
長かった……あとちょっと
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 16:24:54.66 ID:B/l/I+0DO
浜面に好意持ってない滝壺って驚くほど可愛くないな
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/28(金) 16:44:12.45 ID:P92jXAP60
>>667
自分は道具だって決め込んでるからフィルターみたいなの貼ってんだろうな、周囲に。
どれだけ仲良くしあっても所詮自分たちは…ってそれ以上に踏み込むことを躊躇しているんじゃないか?
悲しいな
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 19:00:34.97 ID:4GlVyGs+o
>>667
可愛いだろ滝壷
絹旗麦野フレンダの次くらいには
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/28(金) 21:00:21.54 ID:2i9e0EnAO
>>669滝壺「ちょっとおもてでろ」
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 00:11:26.93 ID:hac9OvkAO
いや、現実にいたら一番可愛いのは滝壺だと思うぞ
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 00:37:48.50 ID:PfPsf1ZQo
みんなかわいいよマジで
過去面もカッコイイよ
今面はヘタレ
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 06:23:57.70 ID:wwESUBR30
◇ ◇ ◇ ◇


麦野「……」

フレンダ「……」

絹旗「……」

滝壺「……」

麦野「で、浜面は?」

フレンダ「さー?」

絹旗「遅れるとか休むとか、連絡は超うけてませんけど」

滝壺「知らない」
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 06:25:37.53 ID:wwESUBR30
フレンダ「誰かさんに嫌気が逃げちゃったんじゃない?」

麦野「フレンダ、テメェ。言ってくれるじゃねえか……」

フレンダ「何? 気に入らなければ殺すの?」

麦野「あんだと!」

フレンダ「べっつに〜? 私は殺されてあげてもいいけど、それだと浜面が悲しむかな〜って思っただけ」

麦野「……ちっ」

フレンダ「むぎのさー、いくら浜面が居ないからってそういう態度辞めてくれない? 結局、裏表のある人間って嫌われると思う訳よ」

麦野「アァ?!」

フレンダ「ふん」
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 06:28:34.38 ID:wwESUBR30
麦野「……ちっ。猫被ってんのはお前の方だろーが」

フレンダ「その言葉、そっくりそのままお返しするよ」

麦野「テメェ……人が下手に出てりゃァ付け上がりやがって!!!」

フレンダ「だから、いつでも殺しなさいって言ってるじゃない」

麦野「あぁ殺してやるよ!」

フレンダ「こっちだってね、命かけてんのよ!」

麦野「っ」

フレンダ「絶対……絶対、麦野なんかに負けないから」
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 06:30:40.83 ID:wwESUBR30

絹旗「むむ……空気超最悪ですね滝壺さん」

滝壺「そうかな」

絹旗「超マイペースですね……私はもうさっきからハラハラで……」

滝壺「大丈夫」

絹旗「そうでしょうか……」

滝壺「きっと、うまくいくよ」ニコッ

絹旗「はぁ……、そうだといいですが。それにしても浜面……超遅いですね」

滝壺「そうだね」

絹旗「ったく、どこで超油うってるんだか……」
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 06:36:35.16 ID:wwESUBR30
絹旗「……(ここは私の超出番ですね)」

絹旗「……(ふふふ、昨日映画で超見ましたよ)」

絹旗「……(こんな時はとりあえず話題を別のものに超そらす!)」

絹旗「……(これで超完璧に場の空気も復活です)」
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 06:43:57.22 ID:wwESUBR30
絹旗「そういえば、最近グループの動きが活発だとかって噂、超知りませんか?」

滝壺「グループ?」

絹旗「ええ、’なんとか’っていうデバイスがどうのこうので……」

麦野「’メモリー’でしょ?」

絹旗「耳が超早いですね麦野」

麦野「電話の女から聞いたわ」

フレンダ「結局、その’メモリー’って何な訳?」

絹旗「さあ……そこまではわからないですけど」

麦野「ハエにちょろちょろ動き回られるのは不快ね」

絹旗「どうしますか?」

麦野「狙いが私らに向かない限りは静観でいいでしょ」

フレンダ「メモリーだか何だか知らないけど、学園都市って意味不明な研究ばっかりやってるわね、記憶なんか弄ってどうするつもりよ」
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 06:45:31.88 ID:wwESUBR30
絹旗「まぁまぁ」

滝壺「北北西から電波きてる……」

フレンダ「は〜」

麦野「……」

絹旗「それにしても浜面、超遅いですね」

滝壺「……」ボー

フレンダ「……」

麦野「……」

絹旗「……(あ、あれ? 超失敗ですかっ?!)」

絹旗「……(重い……空気がっ)」
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 07:09:46.87 ID:wwESUBR30
────────

────

──



Prrrrrrrrrrr......

滝壺「むぎの、電話だよ」

Prrrrrrrrrrr......

滝壺「むぎの、電話」

麦野「あーもー、わかってるわよ!」

Prrrrrrrrrrr......

麦野「誰かしら……、わざわざアジトに電話って」

絹旗「浜面じゃないですか?」


ピ

麦野「もしもし?」

『……』

麦野「どちら様?」
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 07:10:34.64 ID:wwESUBR30
『……あー、聞こえてるかにゃー? 麦野沈利は居るか?』

麦野「私よ」

『はー、よかったよかった』

麦野「誰だ? どうしてこの番号を知ってる」

『まーまー、細かい事は気にしちゃいけないぜい』

麦野「……用件は?」

『おたくの下っ端を預かった、返して欲しくば麦野沈利。一人で指定した場所に来い』

麦野「話が見えないわね、うちに他の組織に掻っ攫われるようなバカは居ないけど」

『浜面仕上』

麦野「っ!」

『どうだ、理解したか麦野沈利』
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 07:11:32.40 ID:wwESUBR30
麦野「かっ、下っ端一人の命でこの麦野沈利様を引きずり出せると思ったのか! 私も随分甘く見られたモンだなァ!」

『だったら。ほれ、声を聞かせてやるにゃー』

──む、ぎの!

麦野「はまづらっ?!」

──ダメだ麦野! くるな! くるんじゃ──

『おっとっと、それまでだぜい。余計な事は言ってくれるなよ』

麦野「……ちっ」

『さあどうする麦野沈利』

麦野「……」

『来るのも来ないのも自由ですたい、もちろん来てくれるのであれば相応のもてなしはさせてもらうぜい』

麦野「……浜面は無事なんだろうな……」

『誓って無事だぜい、傷一つ付けちゃいない。俺だってまだ殺されたくないからにゃー』

麦野「……ふん」
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 07:12:14.12 ID:wwESUBR30
『決心は固まったか?』

麦野「あァ……固まったよ……」

『そうか』

麦野「テメェをブチコロス決心がなァ!!」

『血気盛んだな、それは結構な事だが麦野沈利、少しばかり周囲への目配りが足らないんじゃないか?』

麦野「アァ?!」

『無能力者と言えど、組織に属している人間が一人になるタイミングってモンはそうそうやってくるモンじゃない、そいつの行動を教えてくれる誰かでも居ない限りな』

麦野「……何が言いたい」

『何も。ただ、お陰で簡単に事を運ぶ事ができたにゃー、感謝感謝ですたい』
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 07:15:19.28 ID:wwESUBR30
麦野「……そんな手にひっかかるとでも?」

『信じるか信じないかは自由だ』

麦野「ち」

『ただ、……思い当たる節は無いか?』

麦野「ねぇよ!」

『本当に無いか? お前に消えて欲しいと思っている人間……案外身近に居るかもだにゃー』

麦野「……」

『それじゃあ招待状を送っておくぜい、しっかりおめかしをしてくるんだな』

麦野「……テメェの血で染めてやるよ」

ピ
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 07:18:31.95 ID:GD5L1UmTo
毎日楽しみだ。>>1の人柄もいいし何より話が面白い。そして麦のんは可愛いし麦のんは可愛いし最高
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 07:21:58.54 ID:b1e/kxtDO
浜面がかっこよすぎて生きるのがつらい
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 07:27:18.48 ID:wwESUBR30
絹旗「麦野、大声だしてましたけど、一体何だったんですか? 浜面がどうかしたんですか?」

麦野「攫われた、別の組織に」

滝壺「さらわれた?」

麦野「あぁ、返して欲しくば一人で来いだとさ」

フレンダ「そんなの罠よ」

絹旗「確かに、超怪しいですね」

滝壺「わな」

麦野「……私もそう思う」

フレンダ「そうよね」

麦野「ただ……問題は別の所にあるのよね」

絹旗「別?」

麦野「そもそもなんでこの組織は下っ端如きの命でアイテムのリーダーを誘き寄せると思ったのか……冷静に考えればヘンなのよね」
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 07:29:50.48 ID:wwESUBR30
フレンダ「結局、何が言いたいわけ?」

麦野「……どうやら相手はうちの内部事情に詳しいって事、しかも相当ね」

絹旗「それって」

麦野「ユダが居る様ね、この中に」

滝壺「……」

絹旗「超裏切り者……ですか」

フレンダ「……」

麦野「さあ、名乗り出るなら今のウチよ」

滝壺「……」

絹旗「……」

フレンダ「……」

麦野「挙手は無し、……か」
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:00:33.81 ID:wwESUBR30
フレンダ「あのさー」

麦野「何?」

フレンダ「結局、言いがかりは辞めて欲しいのよね」

絹旗「そ、そうですよ。裏切りなんて」

滝壺「裏切り」

フレンダ「仮にアタシらの中の誰かがそんな事したとして、アタシらに一体何のメリットがある訳よ」

絹旗「そ、そうですよ」

麦野「……そうよね、でも正直、疑心暗鬼よ」

絹旗「敵の狙いはそこですよ、内輪で揉めてる間に一気にアイテムを超攻撃するつもりじゃないですか?」

麦野「そうね、……そうも考えられるわね」

滝壺「むぎの?」
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:01:31.86 ID:wwESUBR30
フレンダ「それより浜面はどうするの? 麦野、行くの?」

麦野「行くに決まってる……ただその前に一つハッキリさせておきたい事がある」

フレンダ「な、なによ」

麦野「フレンダ、ちょっと顔貸せや」

フレンダ「何でよ」

麦野「いいから来いっつってんだろ!!」
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 08:04:36.55 ID:yeAxagG5o
むぎのんやめてえええええ
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:12:16.11 ID:wwESUBR30
>>665
書いててハンター×ハンター思い出したのは内緒って事でよろしくおねがいしますw

>>667
原作だと浜滝最高ですよね。

>>668
超電磁砲4巻での「私の場所ここだけだから」発言はちょっぴり悲しかったですね

>>669
>>670
ケンカ、ダメ、ゼッタイ

>>671
ロシア編よかったですよね

>>672
今面に過去面
語呂が良すぎて笑いましたw

>>685
ありがとうございます!
素直に嬉しいです

>>686
22巻のラストの浜面のかっこよさは
かっこいいを超えてずるいと思うんです
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:15:48.75 ID:wwESUBR30
────────

────

──


麦野「……」

フレンダ「なによ、二人きりで話したい事ってさ」

麦野「……」

フレンダ「……」

麦野「……」

フレンダ「……」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:32:24.50 ID:wwESUBR30
麦野「……」

フレンダ「……」

麦野「……」

フレンダ「……」





麦野「そこまでして……」

フレンダ「は?」

麦野「そこまでして……そこまでして浜面が欲しいのっ?!」

695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:33:14.53 ID:wwESUBR30
フレンダ「な、なに言ってるの?」

麦野「あんたでしょ! あんたなんでしょ! あんたが! あんたが……浜面を……アイテムを売ったんでしょ!!」

フレンダ「はっ、何を言うかと思ったらそんな事……」

麦野「そんな事だってっ?!」

フレンダ「言いがかりは辞めて欲しいわ、どこにそんな証拠があるのよ。ほら、出してみなさいよ」

麦野「ぐ……」

フレンダ「あーもー、胸糞悪いなぁ……何の話かと思ったら犯人扱いかよ」

麦野「私が邪魔なんでしょ……だからこんな事……っ! 返してよ! はまづらをかえしてよ!」
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:33:45.33 ID:wwESUBR30
フレンダ「見くびらないでよ!!」

麦野「っ?!」

フレンダ「私はそこまで落ちぶれちゃいないわよ」

麦野「だって、あんたは……」

フレンダ「敵同士だからっていうの? 自分の立場くらいわかってるわよ」

麦野「でも、でも……」

フレンダ「麦野、あんたね、甘えてんじゃないわよ」

麦野「誰が甘えてなんか」

フレンダ「甘えてるじゃない、いつも何でも誰かのせいにしてさ、そうやって逃げてるんだ麦野は」

麦野「そんなこと!」

フレンダ「ないって言えるの?」
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:35:18.46 ID:wwESUBR30
フレンダ「正直さぁ、……イライラするんだよね。浜面浜面ってさ、あんたは何? アイテムのリーダーじゃないの? 私らのリーダーじゃないの? 公私混同してんじゃないわよ」

麦野「……」

フレンダ「そのリーダーが何? ちょっと電話がかかってきて浜面が攫われたって聞いたら真っ先にすることが仲間を疑う? 根性腐ってんじゃない?」

麦野「……フレンダ、言ってくれるじゃない」

フレンダ「そりゃ言うわよ、今まで言えなかった分まで余計に言ってやろうか?」

麦野「……」

フレンダ「都合の悪い事が起きたら全部他人のせいにしてるじゃない?」

麦野「そんな」

フレンダ「だから、否定できるのかっつーの」

麦野「……っ」

フレンダ「挙句浜面が攫われたのは私のせいにしてさ、恥ずかしくないの? それでもリーダーなの?」

麦野「く……」
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:38:30.26 ID:wwESUBR30
フレンダ「ああもうイライラするなぁ……」

麦野「それはこっちもよ」

フレンダ「結局、麦野はどうしたいの?」

麦野「?」

フレンダ「私を殺せば満足? そりゃそうでしょうね、私が居なくなればライバル、居なくなるもんね。やったね麦野、ほら、殺せよ。殺してみろよ、やってみろよ」

麦野「この……言わせておけば、そんなに殺して欲しいのか!!」

フレンダ「殺す? できるの? あんたに」

麦野「舐めてんじゃねぇぞ……フレンダァ……クソガキが……、テメェなんてなぁ……指一本動かさなくても100回ブチ殺せんだよォぉぉぉぉぉッ!!」
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 08:42:16.89 ID:wwESUBR30
フレンダ「ただ、私を殺せば同じだよ」


フレンダ「あの日、麦野から浜面を奪った男と、一緒だよ」


フレンダ「それでもいいなら、やればいい」


フレンダ「ほら、良く狙えよ。殺せよ、殺してみろよ!」


フレンダ「原子崩し!」


フレンダ「私は逃げも隠れもしない!」


フレンダ「ただ……、麦野がそれでも私を殺したいっていうなら……、過去と同じ道をたどるっていうなら。浜面仕上を悲しませるっていうなら!」


フレンダ「まずはふざけたその幻想を、ぶち壊してやるって訳よ!」
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 09:00:32.83 ID:A/S/DRgmo
そげフ...
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 09:05:56.47 ID:wwESUBR30
>>699
ぐあ、やっちまった

×フレンダ「まずはふざけたその幻想を、ぶち壊してやるって訳よ!」
○フレンダ「まずはそのふざけたその幻想を、ぶち壊してやるって訳よ!」

例の如く脳内補完たのんます。
寝ぼけた頭で書くもんじゃないですね……すんません。
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 09:20:09.57 ID:hac9OvkAO
フレンダさんマジパネェッス
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 09:43:39.38 ID:rFv8unoAO
フレンダ△愛してるよ
そんな全身ビームヒステリックババァに構ってないでほら、俺の布団に来てごらん
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:24:23.21 ID:wwESUBR30
タンタンタン。



細い路地を駆ける。

相手は原子崩しの麦野沈利だ、その視界に入る事はつまり死を意味する。

幸いこのアジトがある場所は廃工場に囲まれた場所、隠れる場所ならばいくらでもある。

背後から何度か規則的な爆発音がした、時限式で仕掛けておいた爆弾が炸裂したのだろう。

けれど、これくらいで大人しくなってくれる相手ではない事は痛いほどよくわかっている。

「結局、こうなっちゃった訳よ」

しょんぼりと肩を落とした。
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:29:53.74 ID:wwESUBR30
廃工場の壁に背中を預ける。

耳を澄ませば聞こえてくる、追ってくる足音。

命を狩る死神の足音。

あんなタンカをきってしまったものの、

どう相手を倒すかではなくどう生き残るかを考えるのがやっとだ。

「はぁ……」

ため息が漏れる。


けれど、

今回みたいなケースでなくとも、

私達は遅かれ早かれいずれこういう事態にはなってしまっていたのだろうと思う。

いつまでも仲良し4人組というわけにもいかないだろうし。

なまじ能力があるばかりにお互いが一度険悪なムードになってしまえば、

後は「殺す」だの「殺される」だの、

そういう血なまぐさい争いがやってくるに違いない。

ゴッ! 耳を劈く音が轟く。

ガラスやコンクリートがバラバラになって空から降り注ぐ光景はなかなか拝めるもんじゃない。
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:35:17.84 ID:wwESUBR30
私は自分がああならない為にできるだけ足音を殺して移動する。

今まではその背中に頼もしささえ覚えていた。

『むぎの、たすけて〜』
『もう、何やってんのよフレンダ、ドジね』
『だってぇ〜』
『いいから、後は任せなさい』

今じゃ背中から撃ち殺されても不思議ではない。
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:36:23.42 ID:wwESUBR30
ピアノ線、時限爆弾、起爆ツール……様々なトラップを仕掛けながら走る。

背後でたまに聞こえてくる不規則で巨大な炸裂音が、麦野の恐ろしさを物語っている。

全てを根こそぎ消し去るメルトダウナー。

距離さえ取ってしまえば滝壺とコンビを組んでいない分、精度そのものは大した事はない。

けれど脅威である事は間違いない。

あんなもの一撃でも食らってしまえば下半身と上半身がおさらばしてしまっても不思議じゃないから。

一撃だってくらってやるわけにはいかない。

直後、とびきり大きな音と同時に空に向けて放たれた光が視界に入ってきた。


「まるで子供がダダこねてるみたい……」


短い感想。
それと、ため息ひとつ。


「ああこりゃ本当に死ぬかも、なはは……」
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:41:04.50 ID:wwESUBR30
「そうか、じゃあ死ね」

さあ別の場所に移動しようか、姿勢を低くして走ろう。
そうしようとしたまさにその時
視界を確保しようと上げた顔を一瞬だけ下げると、
誰かの膝が鳩尾にめり込んでいた。
遅れて痛みと恐怖がやってくる、
あまりに突然の事に息ができない。
頭の理解が追いつく前に体が反応して体勢を立て直して距離をとる。

「ケホッ、ケホ! ……む、ぎの」

……いつ?!
どうやって追いついたのっ?!

「簡単なんだよ……かァァァァァアアアアんたんなんだよ、フレンダァ……テメェの子供騙しみてええなトラップが教えてくれたからなぁあぁぁあああ!!!」

目の前の麦野は全身の毛が逆立っているかのような形相で私を見下していた。
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:43:59.84 ID:wwESUBR30
絶望。

次の瞬間私が感じたのはありふれた恐怖でも痛みでもなく、絶望だった。

ああ、これだ。

これが原子崩しなんだ。

そこらの能力者が束になっても勝てる訳がない。

これが学園都市に7人しかいないレベル5の第4位なんだ。

浜面、あんたとんでもない女に惚れられちゃった訳よ。
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:45:12.33 ID:wwESUBR30
「くそっ!」


咄嗟にポケットに隠してあった小型の爆弾を投げる。

当たるとは思わない、致命傷を与えられるとは思わない、

めくらましでも何でも、とにかく一瞬でも時間を稼げればいい。

命懸けで物陰に向かって走る。

振り返るとさっきまでいた場所が「そのまま溶けていた」

背中に薄ら寒いものを感じながら逃げる、逃げる、逃げる。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!! 逃げろ逃げろ!!! もっと私を楽しませろ!!!!!」
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 10:46:49.02 ID:wwESUBR30
……あちゃあ。

麦野、思考が仕事中のソレだよ。

人の命を何とも思っちゃ居ない。

まさに原子崩しそのもの。

生きる爆弾ね……アレは。


「まったく、厄日ね……」


絹旗も滝壺も巻き添えを食わないようにちゃんと避難できたかなぁ。

って、死ぬかもしれない状況で他人の心配してる場合かっつーの。

浜面、無事かな。

ってか、無事よね。

グループも上手い事やってくれるんでしょうね。

ここまで詰めてきといて、最後の最後に「やっぱりダメでしたー」ってのは勘弁願いたい訳よっ!
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:10:19.88 ID:wwESUBR30



私、思うんだけどさ。

結局、ハッピーエンドが物語の基本って訳よ。

きひひっ。


713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:13:37.00 ID:wwESUBR30
>>700
だれうまw

>>702
フレンダ目立ってるよフレンダ

>>703
照準が狂って>> 703されないように注意
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:14:35.51 ID:wwESUBR30
◇ ◇ ◇ ◇


土御門『メモリーは人の記憶を自由自在に操作できるらしい。資料によると過去には子供の記憶の改竄という形で使用された事があるみたいだ』

一方通行『子供だァ?』

土御門『その様だな』

海原『……』

土御門『そうして改竄した記憶は’メモリー’本体の中に保存され、また違う誰かの記憶と入れ替える事が可能……読んで字の如くの記憶媒体、メモリーだにゃー』

結標『……』

一方通行『……』

土御門『あれ? なにこの空気、皆真剣な顔してどうしたんだにゃー?』
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:15:18.69 ID:wwESUBR30
海原『回収って、その’メモリー’とやらの在り処はわかっているんですか?』

土御門『今は浜面仕上という人物が保有しているみたいだにゃー』

一方通行『浜面だァ?』

土御門『なんだ一方通行、知っているのか?』

一方通行『……いや、しらねェな。誰だァそいつ』

土御門『アイテム下部組織に所属している、まぁ、あのかしまし女達の使いっ走りだにゃー』

結標『その使いっ走りがどうしてそんな’メモリー’だなんて大層なシロモノを保有してるのよ』

土御門『どういう経緯で浜面仕上の手に’メモリー’が渡ったかまでは知らないにゃー、俺らの仕事はそいつを回収するだけだぜい』

一方通行『俺ァ、パスだ。今日はもう充分も働いたからなァ。これ以上は残業代をもらわねーとワリにあわねェ』

海原『僕もできれば遠慮願いたいですね』

土御門『二人ともつれないにゃー……、まぁ、正直あんまり俺自身乗り気ではないんだが……付き合いってのもある程度は考えていかないと裏家業もやってけないんだぜい』

一方通行『知るかァ、交渉はお前の役目だろォが』

土御門『にゃー』

海原『ところでその依頼主はどういった方で?』

土御門『第7学区にある研究施設みたいだにゃー』

一方通行『……帰る』
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:16:45.21 ID:wwESUBR30
海原『待ってください、……どちらへ?』

一方通行『帰るンだよォ』

海原『そうですか』

一方通行『俺に何か用かァ?』

海原『いえ、残業代を要求するくせにタダ働きとは随分気前がいいなと思いまして』

一方通行『……お前も同じクチだろーがァ』

海原『ええまぁ』

一方通行『ふン、ついてくるなら勝手にしろ』

海原『それでは、勝手にさせていただきますよ』

結標『二人とも、待ちなさい』

一方通行『おいおい、なンですかァ? 邪魔ァするってンなら……』

結標『はぁ? タクシー役をやってあげるって言ってんのよ』

海原『……珍しく三人の意見が合いましたね』

一方通行『たりめーだろォが』

結標『ええ……そうね、許せないわ……』



一方通行『ガキの敵は社会の敵だァ』
結標『子供の敵は社会の敵よ』
海原『子供の敵は社会の敵ですから』


ヒュウウゥゥゥゥウウウ……


土御門『……、にゃー?』
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 11:20:26.18 ID:TtNEh/uUo
ロリコンだー!
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:21:01.39 ID:wwESUBR30
────────

────

──


土御門『姉さん、事件です』

土御門『飛び込みの仕事をとったらなぜか三人からストライキをくらいました』



土御門『……仕方ない、一人でなんとかするにゃー……』

土御門『しかし、アイテムっつったらあの原子崩しが厄介だにゃー……』

土御門『一人ではどうにもならんぜい』

土御門『どうする……』
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:26:31.55 ID:wwESUBR30
フレンダ『麦野から電話があったって?』

絹旗『ええ』

フレンダ『浜面の事?』

絹旗『超その通りです』

フレンダ『も〜、まどろっこしいわね。結局、私はなんとかして二人をくっつけたいと思う訳よ』

滝壺『賛成』

絹旗『私も超賛成ですが、二人があんなんじゃ全然前に進みませんよ』
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:28:09.14 ID:wwESUBR30
滝壺『どうする?』

絹旗『超どうしましょう……』

フレンダ『どうするのよ』

土御門『どうする……』

滝壺『どうする』

フレンダ『どうしよう……』

土御門『どうする……』

絹旗『……?』

土御門『……?』

フレンダ『……?(あれ、この人どこかで?)』

絹旗『……?(このグラサンと金髪、どこかで)』

滝壺『……』ボー

土御門『あ、アイテム』

フレンダ『あーーー!! 思い出した、グループの土御門な訳よ!』
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:32:23.67 ID:wwESUBR30
絹旗『こんな所で会うとは』

ザッ

土御門『ちょ、ちょっと待つにゃー。こっちは戦う気なんか無いぜい』

フレンダ『……はぁ、こっちも今そんな場合じゃない訳よ』

土御門『……まったくだにゃー』

滝壺『何か悩み事?』

土御門『……ああ』

滝壺『私でよければ、話を聞くよ?』

土御門『いや、そいつはマズイだろ』

滝壺『大丈夫だよ、敵に秘密を握られても私はあなたを応援してる』
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:34:07.24 ID:wwESUBR30
土御門『……』ゾクッ

土御門『……(なんだこの威圧感は)』

土御門『……(くっそ〜、こんな仕事やっぱり請けるんじゃなかったにゃー)』

土御門『もういいやぶっちゃけあんたらのトコの浜面の事なんだけど』

フレンダ『あら?』

絹旗『奇遇ですね』

土御門『にゃー?』

フレンダ『私らも今、その事で悩んでたのよ』

土御門『……にゃー?』
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:37:25.85 ID:wwESUBR30
土御門『……ククク……それにしてもあの第4位がねぇ……』

フレンダ『たぶん、あんたの言うメモリーっての浜面が持ってるよ』

土御門『本当かっ?!』

フレンダ『パズルのピースみたいなやつでしょ?』

土御門『ああ』

フレンダ『……あ、良い事思いついた』

土御門『……奇遇だな、俺もだぜい』

フレンダ『それじゃあ取引というこうじゃないの、グループさん?』

土御門『アイテムってのはなかなかどうして、抜け目がないにゃー』
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:41:21.98 ID:wwESUBR30
フレンダ『それじゃあまぁ、あのバカ二人の為に一芝居打つって訳よ!』

滝壺『おー』

絹旗『なんだか超ワクワクしてきましたよ!』

土御門『じゃあ作戦を考えるぜい』

フレンダ『待って、そろそろ麦野が到着するから、詳しい事は後でいい?』

土御門『ああ』

フレンダ『ふふ。結局、この役者のフレンダさんに全て任せる訳よ!』
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:44:41.84 ID:wwESUBR30
◇ ◇ ◇ ◇

フレンダ「でもまぁ、二人にあんな過去があったなんて予想外だったけど」

フレンダ「土御門の読みどおりなら、さいっこーのハッピーエンドが待ってるはずよね」

キュィィィィイイイイイイイイイイイイン

ドッ

フレンダ「ひああっ?!」

フレンダ「あ、……当たるかと思った……たぶん適当にめちゃくちゃ打ってるんだと思うけど……」

フレンダ「ああもう! 気合で生きてたどり着け! 私!」

フレンダ「麦野! あんたの幻想、ぶっ壊してあげるからね!」
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 11:54:47.73 ID:DIgmsvBco

 +   ∧_∧      +      +
    (0゚・∀・) ドキドキ    。
  oノ∧つ⊂)     +
  ( (0゚・∀・) ワクワク     。
  oノ∧つ⊂)     +   +    。
  ( (0゚・∀・) テカテカ     。
  oノ∧つ⊂)
  ( (0゚-∀・) ワクワク +
  ∪( ∪ ∪            。
    と__)__)
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 11:55:00.21 ID:wwESUBR30
────────

────

──


土御門『それだと’メモリー’の中に眠ってる記憶は浜面仕上のものになるな』

フレンダ『なんで?』

土御門『おそらく一度は麦野沈利に向けて使用されたハズだにゃー、でも’メモリー’にはターゲットの指定が曖昧になるっていう欠陥があるみたいだ』

絹旗『それが何だっていうんですか?』

土御門『おそらく’子供に向けて使用する’くらいの曖昧な指示しか入力できなかったはずですたい、だったら浜面仕上の記憶が奪われたってのも話が通じるにゃー』

フレンダ『過去面はやっぱり今面だった訳ね?』

土御門『それの裏づけもあるぜ?』

滝壺『裏づけ?』

土御門『知り合いにとびきり腕の良い医者が居て、当時の治療記録を見せてもらった。そしたらあったんだ、胸の辺りを拳銃で打ち抜かれた少年の治療記録がな、だいたいの日付もその話と合う』

フレンダ『そんなの治せる医者がいるってのが驚きだわ』

土御門『ここは学園都市、治療技術だって外との比較にはならないにゃー』
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 12:01:05.66 ID:wwESUBR30
土御門『傷口にしたって最初から無かったのと同じくらい綺麗に治るんだぜい?』

フレンダ『へぇ、それじゃあ探しても見つからない訳だ』

土御門『資料によるとそれ以降メモリーに関する研究は凍結していたんだが……最近ある会社がその技術に注目して大きい金が動いているみたいだ』

絹旗『なんていう会社ですか?』

土御門『読めるか?』

絹旗『……、あれ? ここって』

フレンダ『この前、私らが沈めた研究所の?』

土御門『どうやら話が繋がってきたな、おそらくそこに居たんだろうな。当時’メモリー’を使用した研究者が』

フレンダ『あ、そういえばあの時……やけに抵抗してくる研究員が居た訳よ』

土御門『金の成る木を奪われないように必死だったんだろう』

絹旗『で、その時’メモリー’が浜面の手に渡ったと』

土御門『そういう話だろうな』

フレンダ『ふえぇ〜、何よこの偶然』

土御門『皮肉なモノだな、自分の記憶を自分で抱えて、本人はそれを知らないなんて』
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 12:04:23.41 ID:wwESUBR30
フレンダ『それより、あんたは良い訳?』

土御門『にゃー?』

フレンダ『あんたの仕事は、’メモリー’を回収する事じゃないの?』

土御門『回収はさせてもらうさ、それが仕事だからな』

フレンダ『……』

土御門『ただ、おそらくその後’メモリー’が依頼主の手に届く事はないだろう』

滝壺『なぜ?』

土御門『学園都市に7人しか居ないレベル5の第1位に目を付けられて生き残れるはずが無いにゃー……、たった一人を除いてな』
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 12:07:01.25 ID:wwESUBR30
フレンダ『あのさー、協力させといてこんな事を言うのもアレだけど』

土御門『にゃー?』

フレンダ『それでいいの? あんたは』

土御門『だってあいつら……こうでもしないと言う事聞いてくれないんだもん……』

フレンダ『お互い大変ね』

土御門『心中お察しするぜい』
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 12:12:20.27 ID:wwESUBR30
────────

────

──


フレンダ「はぁ……はぁ……っ」

フレンダ「あと、少しっ」

麦野「ど〜こ〜、行くんだ……フレンダぁ……」

フレンダ「くっ、むぎの!」

麦野「ちょろちょろちょろちょろちょろちょろちょろちょろ……、ネズミみたいに逃げやがってよぉォオオオオ!!!」

フレンダ「えへ」

麦野「いい加減堪忍袋の緒が切れてるんだコッチはァアア!!!!」
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 12:14:02.74 ID:rFv8unoAO
こんなの書くのは無粋なんだろうけど、つっちーは暗部モードの時はにゃーにゃー言わないんじゃ…
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 12:16:23.64 ID:wwESUBR30
フレンダ「……あー……」

フレンダ「あとちょっと、あとちょっとなのにさ……」

フレンダ「最後の最後で、私がシクってたらダメよね……」

フレンダ「皆この日の為に……頑張ってきたんだから」

フレンダ「あと、ちょっと……」


麦野「何をブツブツ言ってんだクソアマが!!」


フレンダ「むぎの」

麦野「アァ?!」

フレンダ「これでもくらえーーー!!」

麦野「ちっ、無駄な足掻きを」

フレンダ「必殺! 煙玉っ!!」

麦野「煙幕かっ?! く、前が見えなっ……」
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 12:18:21.22 ID:U1/gnpK/o
暗部モードでも場合によってにゃーにゃー言わなかったっけ?
はまづら攫った時のオンオフがとても上手く感じたけど・・・
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 12:22:17.42 ID:wwESUBR30
◇ ◇ ◇ ◇

海原『殲滅。終わりましたよ、コッチは』

土御門「わかった」

海原『それじゃあ後は手はず通りにお願いしますね』

土御門「感謝する」


◇ ◇ ◇ ◇

土御門『そっちはどうだ?』

絹旗「いつでもいいですよ」

滝壺「おっけい」

土御門『後は主賓だけか』


◇ ◇ ◇ ◇

フレンダ「ひぃぃ〜〜〜!! 死ぬっ! 死ぬっ!」

麦野「待ちやがれ!」
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 12:22:42.15 ID:hac9OvkAO
とりあえずの信用をしたってことだろ
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 12:23:07.57 ID:Q8hVG0XG0
細けェこたァいいンだよォ!
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 12:34:00.16 ID:wwESUBR30
フレンダ「……」

ぴた

麦野「追い詰めたぞ、フレンダァ」

フレンダ「麦野」

麦野「何だァ?! 今更命乞いか?!」

フレンダ「それもいいかもしれないけど、少しだけ話を聞いて欲しい訳よ」

麦野「下らない話だったら3秒で殺す」

フレンダ「麦野が覚えてるはまづらは、最後になんで麦野を庇ったんだと思う?」

麦野「はぁ?」

フレンダ「私、思うんだけど。それって好きだったからだと思うんだよね、好きだから守りたい。愛しいから守りたい、そうだと思うんだよね」

麦野「今その話は関係」

フレンダ「どっこいそれが関係あるのよ」
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 12:36:38.61 ID:wwESUBR30
麦野「一体何の話を」

フレンダ「麦野さあ、過去に囚われるのはもうウンザリでしょ?」

麦野「……?」

フレンダ「いちいち過去を気にして好きな人を好きになれないなんてバカげてると思うのよ」

麦野「はぁ……?」

フレンダ「だからさ」

フレンダ「結局、そんなの気にせず、お互い思いっきり好きになればいいって訳よ!」
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/29(土) 12:39:37.79 ID:bkMNAXXR0
 もうねぇ、フレンダが天使すぎて泣けるんですが……
しかし絹旗と滝壺も共犯だとは思わなんだ
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 12:42:32.55 ID:rFv8unoAO
うん、こんないい場面なのに盛り下げるようなこと書いてすまん
大人しくロムります
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 12:49:13.81 ID:wwESUBR30


フレンダ「結局、二人は運命のイタズラですれ違ってただけなのよ」


フレンダ「でもさ、すれ違いっぱなしってさ、そんなの嫌じゃない?」


フレンダ「だからこのフレンダさんが麦野に思いが通じる魔法を使ってあげる」

743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 12:55:16.44 ID:wwESUBR30
フレンダ「でも。ごめんね麦野。私、麦野に嘘ついてた」

フレンダ「だから、さっき麦野が私にむかって裏切り者って言ったけど、なはは。本当は否定できないのよね」

フレンダ「私さー。浜面の事、好きじゃないんだ」

麦野「……え?」

フレンダ「麦野がなかなか素直になってくれないもんだからさ、危機感を煽るというか、ライバルが居たら燃えてくれるかなーと思って、えへへ」

フレンダ「気持ちを確かめるような事してごめんね? でも伝わった、どんだけ麦野が浜面の事を好きなのか、痛いくらいにわかったよ」

麦野「フレンダ……あんた……」
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 12:58:28.41 ID:wwESUBR30
フレンダ「聞こえてるか浜面っ!」

フレンダ「あんたが守りたかった麦野沈利は、ここに居る!」

フレンダ「あんたにずっと思いを寄せていた麦野沈利は、ここに居る!」

フレンダ「思い出せバカ! 全部ちゃんと思い出せー!!」

フレンダ「そんで約束しろ! ちゃんと麦野を幸せにするって私に約束しろー!」
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:03:18.44 ID:wwESUBR30
土御門「よし、’メモリー’の機能をリセットできた! 気分はどうだ?」

「お? おう」

土御門「……」

「……」

土御門「……だめ、か?」


「いや、全部、思い出したさ……全部な」


絹旗「だったらとっととお姫様の元に行ってあげてください」

「いてぇ! 蹴るんじゃねえよ絹旗!」

絹旗「ほら、麦野、待ってますよ」

滝壺「お幸せに」
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:08:02.89 ID:wwESUBR30
────────

────

──


「……よう」

「結局、遅いのよ、バカ」

「うるせ」

「麦野、泣かせたら殺すから」

「……泣かせねぇよ」

「うん、それ聞いて安心した訳よ。そんじゃお邪魔虫はたいさーーーん、あとは勝手に二人でイチャイチャしててね」
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:12:26.47 ID:wwESUBR30
◇ ◇ ◇ ◇

「沈利」

「……はま、づら?」

「なんつったらいいのか……久しぶりって言えばいいのかな」

「……バカ」

「バカじゃねえよ」

「……バカ」

「……お、おう」

「バカ」

「はまづらのバカバカバカバカバカ、バカ」

「……バカ」
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:16:26.48 ID:wwESUBR30
「えーっとだな……沈利。俺はどうやら’メモリー’ってやつで記憶を消されていてだな」

「そんなの知らない」

「あ、あのー?」

「でも、でもさ」

「うん?」

「浜面。私の知ってるはまづら、なんだよね?」

「お、おう。たぶんな」

ギュウ

「ぐえっ」

「もう離さないから、ゼッタイ」
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:23:27.26 ID:wwESUBR30
────────

────

──


「なかなかオアツイ事になってるにゃー、見てるこっちが恥ずかしいぜい」

「これにて一件落着って訳よ」

「あのバカに事情を説明するのに苦労したぜい、なんせバカだから事情の飲み込みが遅い遅い」

「超バカですからね」

「バカ」

「ま、これで’メモリー’の回収も終了、俺の仕事もここまでって訳だ」

「今回は礼を言っておくわ」

「よせ、馴れ合う気は無い。これはあくまで今回限りのマジックショーだ」

「とか言いながら超楽しんでましたよね」

「うん」

「結局さっき「いけ! 押し倒せ!」とか一人で叫んでた訳よ」

「さーて、帰るにゃー」

「あ、逃げた」

「にげた」

「超逃げましたね」
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:27:51.95 ID:wwESUBR30
「ふぃ〜、疲れた疲れたァ……」

「超お疲れ様です」

「おつかれ」

「アカデミー助演女優賞でも貰いたい気分よ」

「レッドカーペットでも敷きますか?」

「辞めとく辞めとく、じゃあ私たちもせっかくの二人の再会を邪魔しちゃ悪いし帰る訳よ」
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:31:27.79 ID:wwESUBR30
「超久しぶりに温泉でも行きますか?」

「いいね」

「祝杯のビール……の代わりに牛乳で乾杯かー、いいかも」

「それじゃあ超行きますか」

「うん」

「あいたたた……全身の筋肉が悲鳴をあげてるわ……」

「世界の温泉に浸かれば一発で超回復ですよ」

「麦野ったら手加減なしだもんなー、本当に死ぬかと思ったもん、なははは」
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:33:54.67 ID:U1/gnpK/o
フレンダ・・・
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:35:28.36 ID:wwESUBR30
「でも本当、超迫真の演技でしたよ」

「そうかな?」

「そうですよ。なんかもう本当に浜面が好きだぞー、モタモタしてたら私がとっちゃうぞーっていう超オーラみたいなのが滲みでてましたよ」

「にゃははは、でしょでしょー? そこは役者のフレンダさんの本領発揮な訳よ」
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 13:36:18.84 ID:wwESUBR30
「きぬはた」

「はい?」

「耳貸して」

「なんですか?」

「あんまりそれ、言わない方がいいよ」

「え?」

「全部が全部、嘘じゃないと思うから」

「……それって? どういう事ですか?」

「うーん……」

「?」

「きぬはたがもう少し大人になったら、わかるかも」
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:38:02.88 ID:U1/gnpK/o
泣きたい・・・
浜麦が好き・・・だが
うわーー・・・
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:38:54.86 ID:mIYyCpTIO
良い
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:41:48.91 ID:PXCJEwwDO
フレンダ…
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:42:16.82 ID:1IDydoVDO
フレンダー!
フレンダーー!!
フレンダァァァァーーー!!!
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:44:51.17 ID:Q8hVG0XG0
>>1にはぜひとも次回はほのぼの浜フレを書いていただきたい
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:45:15.62 ID:L4CYcih9o
片足くらいはもげてそうだ
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/29(土) 13:46:51.84 ID:bkMNAXXR0
 フレンダ……
麦野と浜面がハッピーエンドになって良かったけど、
フレンダ……
てか絹旗そんなお子茶まだったんかいww
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:47:16.86 ID:g7lOhFL2o
フレンダをわっしわっしィ
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:51:32.01 ID:5+qb6flIO
フレンダあああああああ




この後フレンダは俺がおいしく頂きました。
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:54:43.89 ID:gWvkpWuEo
いいぜ、フレンダが身を引けば全ては丸く収まるんなら
まずはそのフレンダを抱きしめる
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 13:56:08.10 ID:TtNEh/uUo
もしかして : 上半身のみ
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 14:07:11.99 ID:wwESUBR30




「二人ともー! なにしてるのー! 先いっちゃうわよー!」


「超まってくださいよー、フレンダー」



767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 14:12:49.51 ID:wwESUBR30





後日談





768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 14:16:37.05 ID:wwESUBR30
「フレンダー、超映画いきましょうよー」

「えー、嫌よ」

「なんでですか」

「あんたの趣味と私の趣味、合わないから」

「それじゃあフレンダが見たいB級映画でいいですよ」

「B級限定かいっ!」

絹旗はあの日以来、ちょっぴり私に懐くようになった。

なぜかはわからないけれど、滝壺に聞いたら

「大人になりたいんじゃない?」

よくわからない回答を貰った。

結局、絹旗って子供だからねぇ。
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:17:14.79 ID:KCXF4ShIO
フ/レ/'///タ/‘/‘
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 14:22:16.15 ID:wwESUBR30
滝壺は滝壺で変わらずボーっとしてる。

変わった事といえばあのにゃーにゃー言ってる金髪のグラサン男と最近一緒に居る事が多い事くらいだろうか

なんでもあのグラサン男には複雑な恋愛事情(私の周りはこんなのばっかりか)があるらしく、相談に乗ってあげてるそうな

どんな相談なの? って聞いたら

「……血」

と言われた。

謎だ。
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:23:03.52 ID:U1/gnpK/o
>>769
 ̄/ノ/I/ノ/'///タ/‘/‘
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 14:23:09.02 ID:6F6JbzcUo
よし、絹旗は俺が大人にしてやろう
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/01/29(土) 14:25:46.55 ID:wwESUBR30







麦野は、死んだ。







774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:29:42.70 ID:Q1E7rCs1o
!?
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 14:30:31.82 ID:wwESUBR30
つい先週の事だ。

私がそれを知ったのは風呂に入ってる最中だったし

絹旗がそれを知ったのはレンタルDVDを見ている最中だったし

滝壺がそれを知ったのは散歩に出かけている最中だった様だ。

突然の事だった。

あまりに突然すぎて、三人が三人ともその目と耳を疑った。

……ただ

たぶん、きっとそれは起こるべくして起こったのだろう。
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:30:39.03 ID:L4CYcih9o
しずりは
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 14:33:42.06 ID:wwESUBR30
「おーい、コラ。勝手に殺すな、人を」

フニ

「む、むぎの」

「もう麦野じゃねーっつの」

フニフニ

「あ、そうだったね」

フニフニフニフニ

「わかった、わかったからホッペをフニフニするの辞めて欲しい訳よむぎ……っと。でも、浜面……って呼ぶのもおかしいかな」
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 14:34:28.92 ID:n3sAXUVAO
そうゆう事かぁーいwwwwww
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:35:18.86 ID:b8bfBueuo
あせった
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:35:51.76 ID:Q8hVG0XG0
なんだ、麦野からでれのんに転身したとかいう意味だと思ったのに
斜め上を行かれたww
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 14:39:16.83 ID:wwESUBR30
「沈利でいいじゃない」

「あら? でも。結局、それは旦那さん専用だと思う訳よ」

「べ……べつに、あいつだけの名前って訳じゃ」

「きひひっ、赤くなっちゃってか〜わいいっ」

「ふ、フレンダ! もう! からかわないでよっ!」

「そのドレス、とっても似合ってるわよ、むぎ……じゃない、沈利」

「うん……ありがと」
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/29(土) 14:41:37.65 ID:bkMNAXXR0
 あばばばば……あーびっくりしたww
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 14:44:43.87 ID:AF4EY/y6o
一瞬焦ったwwwwwwww
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:46:04.56 ID:XiwPC+5eo
ふぅ……。
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:46:12.42 ID:KCXF4ShIO
むぎ/のん になったのかと・・・
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 14:46:51.18 ID:wwESUBR30
「で、その旦那さんはどこに居る訳よ?」

「さっきトイレに行くって言ったまま」

「結局、そういうところがキモいのよね。いまさら緊張してるのかな?」




「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、オチツカネェ……」

「はうっ?!」

「またトイレいくか……」

「って! さっきから何回トイレいってんだ俺は!」
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 14:47:44.49 ID:wwESUBR30
「あ。ちょうどいい所に。お〜い、浜面ぁー」

「土御門?」

「よ。結婚おめでとさん、神父つれて来たぜよー」

「なんで僕がこんな事を……」

「つべこべ言うな、めでたい場だにゃー」

「ま、まぁ、あの子にゆかりのある人間なら仕方ない……」

「こちらは?」

「いつかお前がファミレスに連れてった女の子の保護者……みたいなもん?」

「ああ! あの時の!」

「まったく、いいかい? これはあくまでその時のカリを返すためであって──」

「あーはいはい、そんじゃ後でな。浜面」
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:49:19.36 ID:sYSMobF2o
ステイルさんじゅうよんさいか
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 14:56:18.37 ID:wwESUBR30
「わ〜! すっごい綺麗な建物だねって! ミサカはミサカははしゃいでみたり」

「行儀よくしてろォ、めでてェ場だァ」

「ん〜、結婚式ってどんなのかなー! って、ミサカはミサカは将来自分が当事者になったつもりで考えてみる!」

「はっ、お前と結婚するなンざァよっぽどの物好きなンだろォよ」

「どうしてあなたは不機嫌になるの? って、ミサカはミサカは疑問を口にしてみる」

「うるせェ」

「ヘンなひと、ってミサカはミサカはあなたの事を罵倒してみる」
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 14:56:39.52 ID:5+qb6flIO
むぎのんが第四位じゃなくて名前で呼んでもらえる日が来るなんて(´;ω;`)ブワッ
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:00:39.78 ID:wwESUBR30
「とうまとうまー! どこに美味しい料理があるのー?」

「っだああ!! インデックス! 披露宴まで待てないのかお前は!」

「ひろーえん? それは美味しいの?」

「披露宴も知らないシスターって……」

「ちょっととうま! 私は美味しいか美味しくないか聞いているんだよ! ちゃんと答えて欲しいかも!」
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:06:33.99 ID:wwESUBR30
「ひゃ〜、結構いっぱい人きてるのね」

チラッ

「そうみたい」

「あんまり見た事ない人も居るみたいだけど」

「土御門に頼んだらこうなったのよ」

「謎の交友範囲ね」

ガチャ

「沈利〜?」

「あ、旦那さんじゃない」

「おうフレンダ、到着してたのか」

「浜面こそ新婦を放っておいてドコ行ってたわけ?」

「う」

「どうせトイレにでも逃げてたんでしょ?」

「なぜそれを」

「見ないでも大体わかるわ」

「エスパーか」
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:09:49.31 ID:wwESUBR30
「そんじゃ私はこれで、絹旗と滝壺待たせてあるから先に行ってるね」

「あ、ちょっと待ってフレンダ」

「ん? なーに沈利?」

「あの、あの時のことなんだけど」

「ストー……プ、それはもうナシ、ね?」

「けど」

「沈利、今幸せ?」

「うん、幸せだよ」

「そっか、ならいいの、私は二人が幸せならそれで」

「でも」

「でもはナシ」

「……うん」

「そんじゃ、楽しみにしてるからね〜ん」
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:11:38.01 ID:g7lOhFL2o
>>770
>血
始まったのか、と思ったww
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:22:13.72 ID:wwESUBR30
それでは、新郎・仕上、新婦・沈利の挙式を行います。


「わぁ……あのドレス、とってもキレイだねってミサカはミサカは感想を述べてみる!」
「確かになァ」
「ミサカもあんなの着れる日がくるのかなぁ……、ってミサカはミサカは自分の願望を包み隠さず明かしてみる」
「……そのウチくるかもなァ」
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:32:36.56 ID:5+qb6flIO
>>770
>「……血」

>と言われた。


土御門ェ……歪みねぇな
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:32:58.55 ID:wwESUBR30
新郎、仕上。

あなたはこの女性を、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、

これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか。

「はい、誓います」
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:34:41.43 ID:wwESUBR30
新婦、沈利。

あなたはこの男性を、その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、

これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか。

「はい、誓います」
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:35:46.53 ID:wwESUBR30
あなた方は自分自身をお互いに捧げますか

「はい、誓います」
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:37:29.97 ID:wwESUBR30
それでは、誓いの口付けを。


「ひゅーひゅー!」
「超似合ってますよ! 二人とも!」
「二人とも、顔真っ赤」
「お前らなぁ……こんな時までちゃかすんじゃねーよ」
「ほら、さっさとキスしちゃう訳よ」



ちゅ

……

…………

……………………
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:38:44.98 ID:wwESUBR30
偉大なる神よ!

この二人に大いなる祝福を与えたまえ!!


「とうまとうま」
「ん?」
「結婚式って、ちょっと、いいかも……」
「そうだなぁ」
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:40:10.82 ID:iSm8z8mn0
http://www.youtube.com/watch?v=Eq4NEHuQ2yI&feature=related

この曲を捧げます
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:48:43.36 ID:wwESUBR30
◇ ◇ ◇ ◇

「そんじゃー、ブーケトスいくわよー」


「ねぇねぇ、ブーケトスってなに? ってミサカはミサカは未知の単語に関心をもってみる」

「あァ? たしかァ……あの花を受け取った人は次に結婚できる……とかだったような」

「ゼッタゼッタイゼッタイ取る! ってミサカはミサカは腕まくりしてみる」
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:49:49.40 ID:wwESUBR30
「とうまとうまー、ブーケって美味しいの?」

「アホか! 花まで食う気ですかインデックス!」

「なんだお花かー」

「インデックス、ブーケトスって知らないのか?」

「なにそれ?」

「あれを取った女性は次に結婚できるらしいぞ?」

「……」

「え?」

「とうま! 私あれとってくるね!」

「お? おう?」
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:50:52.19 ID:wwESUBR30
「ククク……皆さん超狙ってますね……しかし、私には窒素装甲があります」

「AIMストーカーで全員の動きは把握済み」

「どんだけ真剣なのよ、あんた達」

「こっち! こっちに投げてってミサカはミサカはお願いしてみる!」

「こっちに投げて欲しいかも!」

「こっちに超お願いします」

「こっちも」

「あーもー、後ろむいて投げるんだから文句いわない」
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:52:31.02 ID:KCXF4ShIO
インさん・・・カトリックは結婚無理や・・・
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:53:18.03 ID:wwESUBR30
「沈利」

「うん?」

「愛してる」

「バカ」

「知ってる」

「私もよ」

「……おう」

「いちゃいちゃしてないで早く投げてー!」

「うるせー!」

「あははは」
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 15:53:25.39 ID:n3sAXUVAO
こまけぇこたぁいいんだよ!
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:56:16.94 ID:jhsHi8Zoo
インさんはイギリスだからプロテスタントだろ
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 15:56:53.12 ID:wwESUBR30
「そんじゃ、行くわよ〜」


────────

────

──


結局、私はフレンダのままだ。

何も変わらずフレンダのまま。

けど、それはそれでいいんじゃないか。

苦しい事からは逃げて

ラクに

シンプルに生きる。

それがフレンダだから。
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:57:39.67 ID:1ZP0/1z6o
まあそんなこと言い出したらインなんとかさんはブーケトス知ってないとおかしいだろ
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 15:59:22.77 ID:KCXF4ShIO
そういやイギリスは結婚おkなんだっけ・・・
変な話題振ってスマソ
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:01:34.95 ID:wwESUBR30
麦野……じゃなかった、

沈利は浜面が幸せにするだろうし

放っておいても二人は結局納まるところに納まっていたのかもしれない

そんなのわからないけれど。

でも、沈利のあの笑顔で

少し救われた気がした。
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:03:55.96 ID:wwESUBR30
私はいつまでフレンダを続ければいいのかな。

このまま死ぬまで?

ずっとこのまま?

……まぁでも

幸せってヤツがいつやってくるかわからないし、

そいつがやって来た時にでもまた考えればいいか。
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:04:40.58 ID:wwESUBR30
HAPPY ENDは

誰にとってのHAPPYなのだろう。

もしかしたら私がフレンダで無くなる日に

その答えが見つかるのかもしれない
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:05:45.09 ID:wwESUBR30
……だよね?

誰にでもなくぽつりと言葉を漏らすと、

手の中のブーケがそっと笑いかけてくれた気がした。
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:07:14.29 ID:wwESUBR30
以上

フレンダ「私が恋に落ちる前に」

もとい

麦野「私が暗部に落ちる前に」

でした。


お付き合いいただき感謝。
レス返しは後ほどさせていただきます
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:09:19.96 ID:ZWmgeIgIO
乙!!
よかった・・・
/はいなかったんだね・・・
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:10:18.91 ID:PXCJEwwDO
>>1に最大級の乙を
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:14:37.96 ID:6F6JbzcUo
乙である
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:15:42.76 ID:e4ab6Boio
フレンダ・・・
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:16:12.73 ID:sYSMobF2o
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:18:05.69 ID:QppDnJ7s0
綺麗に終わったなー。

ハーレムも好きだけど、安易なハーレムよりよっぽど良い。
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:18:54.63 ID:wwESUBR30
>>691
むぎのんんんんん

>>717
正直最初からこのネタをやりたくて仕方なかったです(笑

>>726
おお……見る度にパワーアップしてますねw
丁度4人いるとこがいいですよね

>>732
ぐあ、申し訳ない……
指摘してくれてありがとです。

>>734
にゃー。
そこらへんうまく脳内補完たのみますw

>>736
そういうことでw

>>737
おっしゃるとおり
細けェ事は(ry

>>740
こういうのって
先生に黙ってちょっと悪いことしてる時の連帯感に似た感じですよね
先生の目を盗んで早弁したり(ry

>>741
うにゃ、いやいや。
サンクスでした。
うちの読者さんは世界一です。

>>752
フレンダ……
フレンダああああああ!!!!
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:19:08.81 ID:2N2fROiIO
イギリスは離婚結婚おっけーな緩い宗派だぞ! なんったって王が離婚したくてキリスト教の宗派作り変えたんだからな!

そんなことより>>1
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:22:03.75 ID:1kz9e/BDO
すっきり終わったなー
いやあ面白かった乙!

>>1の他の作品も読みたい!
もう書かないの?
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:23:13.74 ID:e4ab6Boio
本当に乙でした
VIPから追い続けて良かった
フレンダはしかし色んな人に愛されてるな
中々ハッピーエンドに辿り着く姿を見る事はないのだけれどww

俺も前BAD ENDにしちゃっただけに次フレンダの話書くときはハッピーエンドにしてやりたいけどいい話思いつかないのよね・・・
誰か幸せにしてあげてください
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:25:29.43 ID:UJ+qlIIYo
最高に楽しませて貰った
vipの頃から見守ってた甲斐があったってもんだ

>>1
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/29(土) 16:25:43.18 ID:bkMNAXXR0
 最後のフレンダの即伯が凄く切ない……
フレンダ頑張れ!!!!

 そして>>1には四大天使のテレズマを込められるだけ込めた乙を!!
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:26:36.14 ID:wwESUBR30
>>755
つ ハンカチ
一人で泣く必要なんてないんだぜ!

>>756
その言葉が聞きたくて書いてるようなものです
ありがとです

>>757
フレンダ……あぁぁぁぁぁああああ

>>758
フレンダって結局こういう役回りだと思うんですよね
誰か救ってあげて(ry

>>759
浜フレ……だと……
そういえば昔

浜面「ところでフレンダのフルネームって何?」 
フレンダ「結局、フルネームがフレンダな訳よ」 
浜面「じゃあ、お前の事をフレンダって呼ぶのは、わざわざ浜面仕上って言ってるみたいなもんなのか?」 
フレンダ「そうね」 
浜面「まじか……じゃあ次から略してフレって呼ぶわ」 
フレ「んだ」

っていう、全然笑えないネタを書いた思い出があったYO

>>760
ぎゃあああああ
無傷です
奇跡の無傷です

>>761
作中麦野も言ってましたけど
絹旗って「大人になりたくて背伸びしてる子供」的な感じかなーって
B級映画とか見てるのも
「こんなの見てる私って大人」っていう感じかなーと思いまして

>>762
わっしィわっしィ!
わっしィって何だw

>>763
ああああああ
美味しくいただかれてしまった

>>764
764の優しさで世界が和んだ

>>765
まさかのw
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:32:05.48 ID:wwESUBR30
>>769
もはや原型がw

>>771
と思ったらさらに進化しててワロタw

ここの人みんなノリよすぎですw
読者さん大好きですw

>>772
大人の階段のーぼーるー

>>774
1/100でもあせって頂けたら最愛、もとい幸いw

>>776
沈利っていい名前ですよね

>>778
ミスリード狙いすぎてすみませんw

>>779
最後の花火でした

>>780
デレのんw
麦野→麦のん→スーパー麦のん→スーパーデレのん 
こんな感じでしょうか?

>>782
狙い通りびっくりしていただいてありがとうございますw

>>783
すんませんでしたw
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:35:22.93 ID:jBiXQviIO
あれ、フレンダスレになってる……

ともかく完結乙です!
面白かった!
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:35:55.80 ID:DIgmsvBco
       ∧__,,∧
  ⊂(⌒つ0゚・∀・)つ  オツ!
  ⊂(⌒つ0゚・∀・)つ     GJ!
  ⊂(⌒つ0゚・∀・)つ  カンドウシタ!
  ⊂(⌒つ -∀-)つ ツブレタ・・・
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:36:18.60 ID:wwESUBR30
>>784
賢者モード……だと……

>>785
まさかのむぎ/のん
その発想はなかったw

>>788
ステイル34歳に見えて3回くらい読み返したのは内緒です

>>790
原作でもそんな日が来ればいいですね

>>794
「……血」
まぁ、そういう事ですw

>>796
義理ですからにゃー

>>802
決定
二人の衣装これで決定ですw

>>806
なん……だと……

>>808
やる夫のAAが浮かんでしまうw

>>809
こまけぇ事は(ry
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:38:03.91 ID:O4k2++qAO
フルエンダアアアアアアアアアア

イヤアアアアアアアアアア
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 16:46:42.74 ID:wwESUBR30
>>811
た……確かに
そこは「今はじめて知った」感じで脳内補完おねがいします……

>>812
世界史でどこかの王様が離婚するためにどうのこうの……
って話ありませんでしたっけ?
あれはまた違う宗教だったかな……

>>818
ありがとうございました。
今回/は出ませんでしたね
あれ……?
逆に/しといた方がよかったのかな……

>>819
>>819に最大級のありがとうを

>>820
アックアさん!
ゲームに出番があるらしいですね!
戦場のヴァルキュリア3かどっち買うか迷って私に何か一言お願いします

>>821
いつかきっとフレンダにもHAPPYENDがきますように
まずは原作で再登場を……

>>822
ありがとうございます!
ステイルさんじゅうよんさい!

>>823
まさか自分でもちゃんと最後まで書けるなんて思ってませんでした
というかこんな長いの書いたの久しぶりで肩とか手とか痛くてワロタw

>>825
おお、それってイギリスの話だったんですか
カトリック……プロテスタント……
宗派によって色々違うんですよね

>>826
ありがとうございます
ここって過去の作品とか晒してもいいものかなーと思って控えてました。
「読みたいぜこのやろー」って人がいたら後でこっそり……
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 16:53:25.10 ID:6F6JbzcUo
>>836
両方買えば良いである
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 16:58:17.12 ID:yeAxagG5o
                       ヘ(^o^)ヘ いいぜ
                         |∧  
                     /  /
                 (^o^)/ てめえのSSが
                /(  )    無事完結したってんなら
       (^o^) 三  / / >
 \     (\\ 三
 (/o^)  < \ 三 
 ( /
 / く  まずはその素敵な
       過去作品を教えてくださいお願いします
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 17:00:05.97 ID:wwESUBR30
>>827
「――そうか、死ね」
魂の名作だと思います、リスペクトしてます。

>>828
まず製作速報ってのがある事を教えてくれた人ありがとうです
VIP以外にもSS書ける場所ってあったんですね。
サルは無いわ規制は緩いわ(それでも25秒に何度かひっかかりましたが(笑))読んでる人は温かいわで良い事づくめでした。
>>828読んでいただいてありがとうございます!

>>829
フレンダ……まずは原作で再登場して(ry
乙ありでした!

>>832
あれ……
本当だいつの間にかフレンダが主役に……。
ありがとうございました!

>>833
ありがとうございました!
これからはあなたを顔文字の人とお呼びさせていただきますねw

>>835
ヘェーラロロォールノォーノナーァオオォー……
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 17:08:48.75 ID:Y4hEniFh0
あぁ>>1、僕の>>1

君はなんでそんなにカッコいいんだい?
君はなんでそんなにすばらしいんだい?

歪みなく驚きに満ちた展開…
切なさと感動をもたらす文章…

そんな君を見る度に、この感動を思い出してしまうよ
そんな君を見る度に、また読みたいと思ってしまうんだ

あぁ>>1、僕の>>1

この気持ちは恋ではないよ
僕は、君に見返りなんて求めないから

この気持ちは愛ではないよ
僕の、君への思いはもっと愛おしいから

最後の最後まで書き抜いてくれた君を
褒め称えられて照れてしまった君を

ただただ、見守っていたい

そう、これは……きっとこの気持ちは
もっと純粋で、もっと深いものなのさ

あぁ>>1、僕の>>1

あぁ>>1、僕の>>1

僕は君の、キーボードに、なりたい……


あ、いい忘れたけどフレンダは俺の嫁になって幸せになってるから
>>1乙ッ! 次回策も期待してるぜ
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:09:07.78 ID:TtNEh/uUo
そのうち浜絹も書いてくだされ
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:11:03.15 ID:e4ab6Boio
>>839
読んでいて下さったのかありがとうございます
何気に>>708で一瞬呼ばれたかと思って出てきてしまって良かった・・・のか?ww
また何かアイテムか、アイテム以外かは分かりませんが力作を上げてくれる事を信じて楽しみにしております
ここのフレンダも麦野も滝壺も絹旗も浜面もアイテム以外の子も最高!
お疲れ様でした!
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:13:17.62 ID:GD5L1UmTo
終わるなんて嫌だああああああ!!生き甲斐がァああ亜ああ!!!
乙でした
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:13:31.55 ID:Q8hVG0XG0
超乙乙!
フレンダ可愛い
浜面かっこいい
麦のんが羨ましくてつらい

次回作も楽しみにしてます
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 17:14:07.22 ID:wwESUBR30
>>837
まさかの両方
しかたねぇ、あんたに会う為だ買ってくるぜ

>>838
まさかのAAにワロタw
それじゃあお言葉に甘えて……
・禁書関系
麦野「浜面、好きだよ」
浜面「アイテム的な何か」
浜面「透視能力に目覚めた」>>35以降

・その他
姉「同い年の弟」
幼女「とうもろこし、いる?」
一塁ベース「また、踏むのね」
信号機「交通ルールを守りましょう」
妹「野球的な何か」
妹「野球しようよ」
妹「野球の話だよ」

禁書は実は初心者なのですごめんなさい。
アイテムSSばっかり書いてました。
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:16:32.42 ID:e4ab6Boio
生粋のアイテム好きだなwwwwwwww
流石過ぎて正座で読まざるを得ない
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 17:17:10.77 ID:Y4hEniFh0
透視能力はリアルで見てたぜ、なんか勝った気分
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:21:09.67 ID:Q8hVG0XG0
ああ、調度vipでアイテムSSラッシュが起きてた頃だな
麦野「浜面、好きだよ」
浜面「透視能力に目覚めた」
この二つはリアルタイムで読んだなぁ
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 17:23:40.50 ID:6F6JbzcUo
あんたとうもろこしの人でやんすか
あれはいいものだったでやんす
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/01/29(土) 17:23:58.66 ID:bkMNAXXR0
麦野「浜面、好きだよ」
あれはよかったなあ
全然初心者に見えないんですが……
俺も心理描写上手くならないかなあ
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 17:24:50.90 ID:wwESUBR30
>>840
今すぐその溢れんばかりの才能を持って新人賞に応募すべきw
受験がんばれマジがんばれ

>>841
了解でござる。

>>842
わかる人にわかるように書いたらやっぱりわかっちゃうんですねw
あなたの作品の影響がなければこのSSはなかったです
オマージュにささげます。

>>843
生き甲斐とか言われたら惚れてまうやろー!
ありがとうございました!

>>844
ありがとう!
何か良い事が>>844に起こりますように!
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:29:24.36 ID:vwZzIuXZo

いい作品だった
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/29(土) 17:30:31.10 ID:XS1cuY4SO
>>1 乙!
ほんとにVIPから追いかけててよかった!!
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/01/29(土) 17:37:03.48 ID:wwESUBR30
>>846
22巻で世界の存亡とかそっちのけで浜面パートばっかり追ってたのは内緒です(笑

>>847
アレ、多分作者さんが失踪しちゃった感じでその後誰も書かなかったから
「え? これ書いちゃっていいんですか? コレ書いちゃっていいんですか?」
ってのがアイテムを書くようになったキッカケでしたw。

>>848
アイテムラッシュ、ありましたねぇ。
リアルタイムで読んでたよーとか言われるとめっちゃ恥ずかしいですw
ありがとうございました!

>>849
あっしは便利屋でやしたが……今では立派に畑を預かる身……
今日も美味しい野菜を届けるのがあっしのライフワークですぜ

>>850
実はアレ、>>1を書いた直後に
「あれ……? これ……着地点どこなんだ……?」
と、あれほど絶望に包まれたSSも珍しいです

>>852
ありがとうございます!

>>853
VIPから読んでくれてるとかどんだけストーカーなんですか
一生分ありがとう!
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:41:31.93 ID:wwESUBR30
さて……ちょっと外食してきますね。

稚拙なSSですが最後まで読んでいただいてありがとうございました。
ツイッター晒しときますのでもしこのSSを気に入ってもらえたのなら、
お気軽にフォローしちゃってください。

ttp://twitter.com/nanakoro7

ではまた別のSSで
ノシ
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:51:38.08 ID:hac9OvkAO
続きが見たい気もするが、
ダラダラするよりスパッと終わる方が綺麗だな
>>1乙!!
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 17:56:01.53 ID:2N2fROiIO
とりあえずフォローしといた
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 18:09:25.99 ID:e4ab6Boio
迷う事無く即フォロー
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 18:13:37.06 ID:5+qb6flIO
フォローしといた。

あとぷんたに通報しといた。
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 21:08:45.03 ID:U1/gnpK/o
VIPから見てた!
アックアさんとかセロリを呼んで応援してたよ!ホント良かった!

俺も1みたいな書き手になりたいぜ!

浜麦SSなのにフレンダ好きになっちゃった・・・
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 21:20:11.16 ID:5ZQDlKgmo
>>860が3等分になってるけど>>1
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 22:36:00.58 ID:gWVBxUh0o
むぎのんを幸せにしてくれてありがとう
ホントこれに尽きる
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 22:45:17.40 ID:XttlaERn0
フレンダはどこでもいい子だな!かわいいかった!乙!
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 22:45:19.07 ID:XiwPC+5eo
結局>>1乙って訳よ。
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 22:58:20.93 ID:wwESUBR30
今日はサッカーみます。
日付変わる前に少しだけ

>>856
これ以上は体力が続かなかったという……
何スレも続くSS書いてる人は超人だと思います
スパっとありがとうございました!

>>857
とりあえずあんな感じでいつも面白おかしくちゃらけてますww
生暖かい目で見てやってくださいww

>>858
おお!
即ありがとうです!

>>859
通報……だと……
どうぞどうぞww

>>860
あのアックアさんとかセロリさんが!
なんかレス読んでて楽しかったですww

>>861
そして三等分って内容が三等分かと思ったらまさかのID三等分だったのねww

>>862
続きは各々でおねがいします……なんちゃって
新刊、待ち遠しいですよね。
はやくでないかなあ。

>>863
後半の主役は間違いなくフレンダですね
フレンダ「私が恋に落ちる前に」
とかでSS書けそう……あれ?

>>864
結局、超ア・リ・ガ・ト・ウ・か・く・て・い・ねって訳よ
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/29(土) 23:50:37.52 ID:pJ9L2xiAO
乙面白かったよさあ次は日本代表に期待しよう
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 01:30:36.21 ID:YnQwoO950
フレンダァァァアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーー
フレンダ、、、フレンダッ・・・     フレンダーーーーーーーー
うぁぁぁぁああああああああああああああああああ
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 01:37:33.28 ID:YnQwoO950
フゥ・・・・・・・・・・・・

終わったのを確認してから一気読みしたがフレンダが可愛すぎて錯乱した。
アイテムの完成系SSだね。超乙なんです。
黄泉川と浜面(+駒場)のからみも泣けました。黄泉川にもほれそうです。超乙です。
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 02:12:00.73 ID:ws6c+cbPo
      +   +
        ∧_∧  +
       (0゚・∀・)   オツオツテカテカ
   +.   (0゚∪ ∪ +
     /ヽと__)__)_/ヽ   +
    (0゙   ・   ∀ ・ ) オツオツテカテカ
    (0゙     ∪    ∪     +
  /ヽと____)___)_/ヽ   +   +
 ( 0゙     ・    ∀   ・  ) オツオツデカデカ
 ( 0゙     ∪   ∪     +
 と_______)_____)
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/30(日) 17:27:42.04 ID:AltmaUG10
おつかれ
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/30(日) 22:22:25.90 ID:J2LhAlaAO
なにこの神スレ
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/30(日) 22:40:31.63 ID:QEszg0HIO
今迄読んだ禁書SSで1番面白かった 乙
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 00:31:52.12 ID:1oQg7H4wo
NTRが始まるわけですねわかりません
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 04:08:09.53 ID:VfBof9Z2o
NTRというか浜面麦野の二人をまとめて抱きかかえれそうな位いい女だな此処のフレンダはwwww
さて、>>1の過去作読む作業に入るか
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 07:28:21.07 ID:3n3kw5Z10
>>1 回想から現実の繋ぎとか構成とか文章とか超上手いな、良いもの読ませて貰いました乙



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    . . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::どうして俺が浜面じゃ無いんだ・・・
        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 10:14:49.55 ID:zvsMmrji0
フレンダが天使すぎて呼吸器官に異常をきたす。
俺が浜面だったらここのスレタイも変わってたけど
でもそしたらフレンダのいいところがああこれなんてジレンマ
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 13:31:17.03 ID:2MeWtvDj0
HTML化依頼出してきますね
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 13:41:36.13 ID:2MeWtvDj0
>>866
勝った!
勝った!
やったー!
興奮して本田「学園都市?」っていうノリだけのSS書いてましたすンませン

>>867
フレンダが愛されて泣いた

>>868
ありがとうございます
ちょっとでもお楽しみいただけたら嬉しいです

>>869
最後はピラミッドになっててワロタww
最初から最後までありがとうございましたww

>>870
はい!

>>871
Q. 神はいると思う?         
                 
                  
 いない┐   ┌───わからない
      │ _..-ー''''''l'''''― ..、
     ./   .l,  |     `''-、
   ./     .l  .|       \
   /ゝ、     l. |         ヽ
  ./   .`'-、    l. |           l
 │      ゙''-、 .l,|             l
  |         `'″          |
 │      さっきPK止めてた   ,!
  l                    ./
  .ヽ                  /
   .\              /
     `'-、              /
       `''ー .......... -‐'″


>>872
一番嬉しいです
ありがとうございます!

>>873
なん……だと……

>>874
フレンダいいですよねフレンダ

>>875
いやもー、ただただ思いついたものをそのまま書いてただけで……
推敲とかロクにしてなくてすみません
来世はきっと浜面に生m(ry

>>876
落ち着いて深呼吸ww
次回は
フレンダ「私が恋に落ちる前に」
お楽しみください(笑
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 17:28:00.05 ID:zARP7nPDO
>>878
> 次回は
> フレンダ「私が恋に落ちる前に」
> お楽しみください(笑

いいのかい?ほいほいそんなこと書いちまって
俺は冗談だって本気にする男だぜ?

……期待してるよ?
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 17:35:37.07 ID:d/Eeoh5IO
Q. 神はいると思う?         
                 
                  
 いない┐   ┌───わからない
      │ _..-ー''''''l'''''― ..、
     ./   .l,  |     `''-、
   ./     .l  .|       \
   /ゝ、     l. |         ヽ
  ./   .`'-、    l. |           l
 │      ゙''-、 .l,|             l
  |         `'″          |
 │      さっきSS書いてた   ,!
  l                    ./
  .ヽ                  /
   .\              /
     `'-、              /
       `''ー .......... -‐'″
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 18:12:49.77 ID:YKedz/mxo
> 本田「学園都市?」
あれあんたかwwwwwwwwwwww
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 18:37:38.96 ID:2MeWtvDj0
>>879
お任せください
たぶん、きっと誰かが(ry

しばらくは総合で短いの書いときます
長いのはまたいつか……

>>880
感動したww

>>881
私でしたww

何故かエドモンドとか遊戯王とか言われてわろたww
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 18:46:31.02 ID:fgNCX8g9o
オツ乙!!
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/01/31(月) 22:08:44.76 ID:zvsMmrji0
>>882
結局、それじゃあ俺が悶えて死ぬ訳よ。
でも書いてください書いてもらえないとショックであれこれまたジレンマ?

と、まぁこれぐらい期待してるんでがんばってくださいね心理定規さん
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/01/31(月) 22:55:13.10 ID:rxhvQ1Zdo
本田ェ・・・
面白かったが、色んな意味で上条さん高校と常盤台との対戦は「ねーよwwwwww」っておもたww
せめて同じ「高校」カテゴリの長点上機とかのがって思わないでもないけどさりとて一方さんとか出てきても対処できねぇか・・・
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 03:51:42.52 ID:bSuVNRHAO
次はインテル入ってるの長友で書いてください
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 09:39:29.82 ID:xZNrWNBn0
結局、最高って言葉はこういう場に対して送るべきものだと思う訳よ
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 12:42:45.67 ID:42lvy5nIO
ここ最近麦野のハードル上がりすぎだろ
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 13:26:36.51 ID:edXTGTHDO
麦野SS先駆けの浜面入院と麦恋が基準になってるようなもんだからな

だから結果的にレベルの高いもんが出てくるわけだけど
でもハードルなんて気にせずもっと麦野が見たい訳よ
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 19:01:10.59 ID:I5RQF0EIO
総合眺めてても思うんだけど、むぎのんに限らずアイテムssは数が少ないけど総じて評価が高い。
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/02(水) 21:17:07.88 ID:M6MQuqTSO
昨日から読み始めて、やっとさっき読みきりました(^O^)
すごいよかったです
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 00:38:22.10 ID:O3rgCEego
フッ… l!
  |l| i|li ,      __ _  ニ_,,..,,,,_
 l|!・ω・ :l. __ ̄ ̄ ̄    / ・ω・≡
  !i   ;li    ̄ ̄ ̄    キ     三
  i!| |i      ̄ ̄  ̄  =`'ー-三‐ ―

              /  ;  / ;  ;
          ;  _,/.,,,//  / ヒュンッ
            /・ω・ /
            |  /  i/             こ、これは乙の軌跡じゃないんだからねっ!
           //ー--/´
         : /
         /  /;
    ニ_,,..,,,,,_
    / ・ω・`ヽ  ニ≡            ; .: ダッ
    キ    三    三          人/!  ,  ;
   =`'ー-三‐     ―_____从ノ  レ,  、

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