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ライナ「ん? どこだここ?」霊夢「…………あんた誰よ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/01(火) 11:49:37.37 ID:tfJAHEOI0
 目が覚めたら、ライナ・リュートの世界は一変していた。

 「……んふぁ〜、んぁぁ〜…………あ?」

 気だるい声で目が覚めた場所は、イエットのいつもの酒場でもなく、いつもの宿でもなく、目の前にはそびえ立つは寂れた人気のない見たこともない神社。

 「…………なんだこりゃ?」

 まさか、まだ夢の中なのか? と思いほっぺを少しつねってみようと、とライナは思い、

 「やっぱめんどくさいから起きてからでいいや」

 また寝た。

 そこから3時間ほど経っただろうか、ライナは少し空腹を覚え、体を起こし神社を見上げながら。

 「腹減ったな〜……。……………てか、やっぱこれ夢じゃないんだな……」

 目の前の神社を見て、疲れたサラリーマンのごとく深く重い溜息をこぼしながら今度こそ頬をつねり。

 「あいたたた」と、気の抜けた声が神社周辺に響かせる。
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/01(火) 11:51:49.03 ID:NWlgfA6oo
wktk
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/01(火) 12:11:39.27 ID:tfJAHEOI0
 仕方なしに少しやる気を出し。

「とりあえず、一体全体何がどうなってるか調べなきゃな……はぁ」

 ライナは溜息をついてから、頭をボリボリ掻き、かつて、いや、今ですら忌み嫌われた複写眼(アルファスティグマ)という魔眼で何らかの魔法を使って連れて来られたんじゃないのかと辺りを見ることにする。

 「でもな……今の魔法学に空間転移なんてできるはずが……何かに連れ去られたなら俺が気づくはずだし……やっぱり勇者の遺物関連で飛ば
 
 されたのか?でも何のメリットが……――――ってうおっ! なんだこりゃ!?」

 

 
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/01(火) 12:18:17.56 ID:tfJAHEOI0
お腹すいたから寝る。
とりあえず時系列的に言えばとり伝の努力のタイムリミットイエット消滅前です。
まだライナが好意に素直じゃない頃ですね。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/01(火) 14:36:06.99 ID:tfJAHEOI0
ライナはいつもだるそうに緩んでいる目をこれでもかと見開いた。

 「おいおい、誰だよ……こんなむちゃくちゃなもん張ってんのは……」

 ライナは神社の奥を複写眼で見つめながら、あまりの自然な不自然に呆然としてしまう。

 それも無理もない、何故なら、ライナの全ての魔術の構成を見破りコピーする複写眼は、あまりにも、あまりにも大きな――

 「……こんな大きな結界は、俺でも不眠不休で百年はかかりそうだな……」

 ――人には作れそうにない、あまりにも大きな結界が微動だにせず自然と目の前で展開されていた。

 ライナは結界を呆然と見つめてから、めんどくさそうに言う。
 
 「で、俺にどうしろと? まさかこの結界をやぶれとか? ……とりあえずここに連れてきたやつは何か手掛かりでも置いて行ってくれたら嬉しかったな〜」

 なんて気だるげに、やる気のない声で言い。

 ライナはあくびをして――

 「まぁ一度寝て起きてから考えるか……」

 ――本日三度目の睡眠を開始した。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/01(火) 15:21:36.47 ID:ETJxRWESO
伝勇伝かあ…
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 15:33:49.43 ID:g2Z8y25Zo
期待しちゃう
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/01(火) 15:34:20.41 ID:tfJAHEOI0
 声が聞こえる。

 ……な……いつ……るの……

 そんな途切れ途切れなおぼろげな声がライナの耳に入ってくる。 

(……んぁ? ……うるさいな……またフェリスか? もう少し寝かしてくれないかな……)

 なんて、だるそうに起きる気配を見せないライナは心の中でそんな悪態をうちながら睡眠の続きをする。

 ……たぶんこい……外のやつな……ぜ……いむ……

 (外? また団子か? もう少し寝かせてくれないかな、あぁでも今おなか減ってるんだよな……どうしようかな)

 なんてライナの意識が覚醒に近づいてきたのか、声が鮮明に聞こえてきた。

 「そんなことどうでもいいの!! また私のの仕事が増えるじゃない!! こうなったらこのだるそうな男を始末してカラスの餌にでもしてやろうかしら……」

 「まぁまぁ抑えろって霊夢、こんなところで人を殺したって特なんて一つもないんだぜ?」

 なんて、物騒な声が聞こえてきて。

 「……んふぁ〜……今度は誰だよ人の部屋で物騒な発言しやがって」

 なんて、いつも、いつも、自分の寝ている宿には睡眠の邪魔をする奴らが来るライナは、それと同じか? 

 などと、今自分がどこぞとも分からない場所に置かれている状況を忘れていつも通り、と言うにはいつもフェリスに悲鳴を上げさせられたり、冷や汗をかかされて起こされたりしているのだが、今は一般的にないつも通りで起き上がる。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/01(火) 15:47:16.52 ID:tfJAHEOI0
 いや、全然一般的な目覚めではなかった……。

 今寝ている場所が地面の上、と言うのもあるが、目の前には典型的な魔女の格好をした少女と、
 
 脇の部分があいている巫女服の後ろの神社と一緒にあると異様に綺麗に映える少女がいた。

 脇の空いた巫女、ライナは頭の中でめんどくさく脇巫女と略した少女をゆっくりと見てから眠そうに言う。

 「ん? どこだここ?」

 「…………あんた誰よ」

 そう脇巫女に言われたので頭を掻きながら納得したようにライナは言う。

 「ん? あぁそうか、ここはあそこか……あぁそうか、夢じゃないんだっけ? ……で、お前誰よ?」

 「それは私が聞いたのよ!!」

 脇巫女はそう激怒する。

 脇巫女の隣では典型的な魔女が「まぁまぁ」なんて言って苦笑いで気を抑えようとしている。

 「はぁ……また、なんだ? この異次元空間は……」

 何かを諦めたような本日何度目かの溜息をライナはつき。

 ライナは脇巫女を見て。 

 「で、お前ら誰よ?」

 「だからそれは私が聞きたいのよ!!!」

 なんてまた脇巫女を怒らした。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/01(火) 17:25:04.98 ID:zgk0nuCK0
幻想郷の存在を解析、解除
\(^0^)/
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/01(火) 18:44:00.51 ID:716Lqx5S0
それ大伝wwww
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/01(火) 18:48:26.94 ID:716Lqx5S0
>>10てか実際あれは強すぎるよな、おかしいくらい
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/01(火) 23:40:32.19 ID:tfJAHEOI0
とりあえずこの巫女をこれいじょう怒らせると面倒くさくなりそうだ、と思いとりあえずライナは自分のことを大まかな説明をした。

 「――てことで、俺はライナ・リュートって名前で、シオンバカターレの命令で、一応勇者の遺物を集めさせられているんだ……てうお! 何をそんなに目をキラキラさせているんだよ!?」

 目をキラキラさせているのは特に魔理沙で、目を金にしているのは霊夢。

 「なぁなぁ、ライナ! お前はその勇者の遺物を持っているのか? もし持っていたら見せてほしんだぜ」

 「ねぇねぇ、その勇者の遺物ってのは高く売れるの? もしかしたら香霖堂で高く売れるかしら?」

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 00:28:06.62 ID:AsAAac2b0
 「うぇ! なんなんだよ! てかお前らは誰だよ?」

 そうライナが言うと、典型的な魔女と巫女は言った。

 「私は普通の魔法使いの魔理沙だぜ」

 「博霊神社の巫女の霊夢よ」

 と魔法使いが魔理沙で、巫女が霊夢の二人はそれぞれが自己紹介して。

 「で、どうなんだぜ?」

 「で、どうなのよ?」

 と、ライナに詰め寄る。

 ライナは勇者の遺物のことを簡単にに話したことを後悔した。
 
 (最近寝たり戦ったりしたりしかしてなかったから勇者の遺物のことをつい話しちまったな……) 

 後悔先に立たず、話してしまったことは仕方ない、そう思い内容にはあんまり触れず、本当のことを言う。

 「俺は別に勇者の遺物なんて持ってないぜ……全部壊すか無くしちまったし」

 そう言うと、魔理沙と霊夢は「なーんだ」なんて言いながら興味を無くし霊夢は掃除を始め、魔理沙は神社の縁側でせんべいを食べ始めた。

 「ううう……面倒くさくなくなるのは良いけどそこまで興味なくされると傷つくな……」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 13:12:48.33 ID:AsAAac2b0
いつもと同じくライナの心が傷つけられた。

 そしてこれまた何度目かの溜息をつきライナは立ち上がり、服に付いた土を払ってから面倒くさそうに霊夢に訪ねる。

 「なぁ、……えっと、霊夢だっけ? 一つ聞きたいんだけど――」

 「――ここは幻想郷で貴方はたぶんここの世界の住民じゃないわ」

 霊夢がライナの言葉を遮りそう言った。

 「えっと、色々聞きたいことがあるんだけど、ここの世界の住民じゃないってどういう意味だ?」

 そうライナが言うと、霊夢は、はぁと溜息をつき人差し指を幸せそうにお茶とせんべいを食べている魔理沙の方に向け言う。

 「見て分からない? 今掃除で忙しいのよ、あそこで暇そうに人の家のせんべいを食べてるバカに聞きなさい」

 
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 13:30:02.50 ID:AsAAac2b0
そう言われては仕方ないと、だるそうにいつもの猫背をもっと低くした猫背で魔理沙の方に向かう。

 「なぁ、魔理沙だっけ? ここがどういう場所か教えてくれねぇかな?」

 そういうと、魔理沙はせんべいを加えながら「良いよ」と不敵な笑みで答える。

 「ここはな、幻想郷て場所で、まぁ大雑把に言うと何でもかんでも受け入れる場所だ」

 「ん? どういう意味だそれ?」

 ライナが魔理沙の説明に? を浮かべると。

 魔理沙は苦笑いして。

 「ごめんごめん、大雑把に言いすぎた。えぇとな、まぁ言うなればこうだ」

 魔理沙の説明はこうだった。

 ここは忘れ去られたものが流れ着く場所。

 ここは妖怪や人間が共存する場所。

 そして、ここは誰でも、どんな奴でも受け入れる楽園、だそうだ。

 魔理沙は苦っ笑しながら言う。 

「まぁお前がここに来た理由は紫のせいだと思うけどな」

 「んぁ? 紫? 誰だそりゃ」

 「妖怪だぜ」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 13:42:35.11 ID:AsAAac2b0
 妖怪、と言われてもライナは釈然としない。

 「人外程度なら、俺が気づかないはずないと思うんだけどな……」

 そういうと、魔理沙はまたもくっ笑して。

 「いやいや、それは無理だと思うんだぜ」

 「んぁ? 何でだ? 勇者の遺物でも持ってんのか? その紫ってのは」
 
 しかし、ライナは思う、さっきの霊夢と魔理沙とのやり取りで遺物の存在自体しらなそうだったのだ。

 (いやでも妖怪ならしってそうだな……)
 
 魔理沙はライナの表情を読み取り。

 「あ〜遺物は関係ないぞ? あと紫も勇者の遺物までは知らないと思うんだぜ」

 「ん? ならどうやって俺を連れてきたんだ? まさか物質転移の魔法でで連れてきた、なんてないだろうし」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/02(水) 14:05:53.56 ID:fvFTuWt0o
>>1のIDがなにかいい
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 14:12:22.44 ID:AsAAac2b0
 (いや、でもあれは今の魔法学だと不可能に近いからな、あぁ、でも世界が違うんだっけ? でもどういう意味での世界が違うだ? 

 本当に世界が違うのか、ただ単に外界から遮断されているだけか……、

 ……はぁ、めんどくさいな何で俺はこんなにも考えてるんだろうな、俺ってば一日50時間は寝なきゃいけないのにな、もういいや寝よう)

 「あぁ、何か色々考えた末面倒くさくなったて投げだそうとしている所あれだけど、お前の言う物質転移より便利なものなんだぜ」

 「はぁ? 物質転移より便利? そりゃどういう意味だ?」

 ライナがそう言うと。魔理沙は手の平をこちらに向けて差し出してきた。

 「んぁ? 何だこれ?」

 そう言うと、魔理沙は最初に見せた不敵な笑みで言う。

 「そんなの決まってるだろ」

 手の平をこっちにぐいっとライナに寄せる。 

 「いや金ならないぞ? フェリスに全部没収されてんだから」

 「いやいや、それより良いもの持ってるだろ? ライナは」

 金より良いもの? 勇者の遺物か? いや、もう無いって言ったしな? なら何だ? 身ぐるみよこせと? このローブは確かにローランド

 の魔法騎士のローブだから良いものだけど、別にそんないらんだろ、などど考えて、考えるのが面倒くさくなりライナは普通に聞いた。

 「なんだ? 良いものって?」

 そう聞くと魔理沙は決まってるだろ、なんて顔で言う。

 「何って、魔法の知識に決まってるんだぜ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 14:28:26.26 ID:AsAAac2b0
 魔理沙は続けて言う。

 「ただで、話すのはここまでだ、これ以上の話を聞きたかったらお前の別世界の魔術知識を教えるんだぜ」

 などと、言ってくる。

 ライナは自分のことを魔法使いって言ったけ? と思いあぁローブか……と思いあたらせ溜息をつく。

 そして魔理沙の言い分にライナは納得し頷く。

 「お! 教えてくれるんだ……」

 「面倒くさいし、いやだ」
 
 そんなきっぱり断ったライナは続けて言う。

 「どうせその紫ってのを探せばいいんだろ? 空間転移より便利な魔法を使う大妖怪だ。別の奴に聞いても知ってそうなやつがい

 るだろうし別を当たるよ、ここのどこかに人がいるってことも分かったしな」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 16:04:52.55 ID:AsAAac2b0
 そう勘違いと正論を混ぜライナは言う。

 そのライナの言い分に魔理沙は。

 「えぇ〜いいじゃん魔術くらい教えてくれても減るもんじゃないんだし」

 「お前知識に貪欲そうじゃん……教えるとキリが無さそうなんだよ、だからいやだ」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 16:42:03.49 ID:AsAAac2b0
「そっか」

 「おっ、納得したか。やっぱりそうそうフェリスみたいな女はいないもん「なら、無理やり聞き出すとしようかな」だ………はぁ〜」

 ライナは頭痛のする頭を押さえ溜息をつく。

 「………なんで、俺は合う女合う女俺を不幸にするんだろうな……はぁ」

 ライナは溜息といっしょに相棒の性格最悪女が頭の中に浮かんだ。

 魔理沙は意気揚々と箒を持って縁側から降りると。

 「よし、ライナはスペカを持ってないから今回の勝負はどちらが参ったするかで勝負だ」

 「スペカ? というより本当にやるのかよ!! 俺はこの縁側でゆっくりと眠れたらそれでいいのに……」

 そういうと、魔理沙は。

 「なら勝負の賭けはこうしよう、私が勝ったらライナに魔術を教えてもらう、

そしてライナが勝てば霊夢の神社は、まぁ無理だろうから私の家を好きに使ってくれ、もちろん寝てばかりでもいい」

 それなら損はないだろう、と満面の笑顔で言ってくる。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 16:52:25.10 ID:AsAAac2b0
 しょうがないか、とライナは頭を掻きながら言う。

 「殺し合いはしないんだよな?」

 そうライナが言うと魔理沙は当然といった口調で

 「あぁ、そうしたら私達にメリットなんてないだろ?」

 「そりゃそうか」

 と、ライナは納得し、仕方なく立ち上がり戦闘の準備をする。

 (とりあえず、ここが本当のに世界が違うなら何が起きるか分からないしな、どう出るか……様子見するか)

 などとライナが考えていると空から声が聞こえてきた。

 「おーいライナ、お前は飛ばなくてて良いのか?」

 「…………ん。…………………………はぁ!!!??」

 魔理沙は空を飛んでいた。

 「って何で空を飛んでんだよ!!」

 すると魔理沙から帰ってきた答えは。

 「魔法使いが空飛ばなくてどうするんだよ?」

 という答えが返ってきた。

 しかし、ライナは心の中で「いやいや」などと手を振る、

 (今の魔法学じゃまだ飛行なんてできないはずなんだけどな……こりゃいよいよ別世界ってのが真実味を帯びてきたな……)
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 16:53:31.79 ID:AsAAac2b0
ここまでにしとく、伝勇伝面白いから読んでくれな?
俺のSSじゃないぞ?
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/02(水) 23:54:31.39 ID:AsAAac2b0
 ライナは「面倒くさいばかりだ」と一人ごちたあと考える。

(魔理沙の奴は魔法使いと言っていたしな……あれが魔法であることは間違いないだろうな……なら!)

 ライナは、自分の目に五芒星を浮かべる。

 それの名前は複写眼(アルファスティグマ)、あらゆる魔術の構成を読み取りあらゆる魔術をコピーする魔眼。

 それの名前はライナの居た世界では大量虐殺の化物と呼ばれ、忌み嫌われる、そんな目。

 その目を使い、ライナは魔理沙を見つめる。
 
 (へぇ〜、それがそうなってそうなるのか、なるほど面白い構成だな、あぁなるほどそれを試していなかったな、これは呪文がいらない

 タイプなんだな)

 などと一しきり魔理沙の魔法を見て新しい魔法に少し興奮を覚えながら自分で納得した後見落としが無いかもう一度魔理沙をじっと見る。

 ライナが何をしているのか事情を知らない魔理沙はライナが真剣な表情で自分をじろじろ見ているのに恥ずかしくなったのか。

 「お、おい、そんなにジロジロ見るんじゃないぜ、早く始めようじゃないか」

 などと照れを混じらせ言う。

 ライナは完璧に構成を把握したのか。

 「あぁいいぜ…………よっと!」

 と、フラフラしながらライナは空中を飛ぶ。

 「あぁ、少しバランスを取るのが難しいな、まぁすぐに慣れるか……よしまぁ面倒くさいけど当分の宿を貰うぜ?」

 「そういうのは勝ってから言うもんだ、ぜ!!!」

 笑みを浮かべながら魔理沙はまるでロケットのようにライナの方へ飛び出す。

 「うぇ!? そんなに速いの!? うわわ!!」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/03(木) 00:03:54.82 ID:k8lvpTwN0
訂正


ライナは「面倒くさいことばかりだ」と一人ごちたあと考える。

(魔理沙の奴は魔法使いと言っていたしな……あれが魔法であることは間違いないだろう……なら!)

 ライナは一度目を閉じた後もう一度目を開け、自分の目に五芒星を浮かべる。

 その五芒星の名は複写眼(アルファスティグマ)、あらゆる魔術の構成を読み取りあらゆる魔術をコピーする魔眼。

 それの存在は、ライナの居た世界では持っているだけで大量虐殺の化物と呼ばれ、忌み嫌われる、そんな目。

 その目で、ライナは魔理沙を見つめ構成を読み取る。
 
 (へぇ〜、それがそうなってそうなるのか、なるほど面白い構成だな、あぁなるほどそれを試していなかったな、これは呪文がいらない

 タイプなんだな)

 などと一しきり魔理沙の魔法を見て新しい、自分の代で見ることもないだろうと思っていた魔法に少し興奮を覚えながら、

 その構成に自分で納得した後見落としが無いかもう一度魔理沙をじっと見る。

 ライナが何をしているのか事情を知らない魔理沙は、ライナが真剣な表情で自分をじーと見ているのに恥ずかしくなったのか。

 「お、おい、そんなにジロジロ見るんじゃないぜ、早く始めようじゃないか」

 などと照れを混じらせながら言う。

 そんな魔理沙の気も知らず、ライナは完璧に構成を把握したのか。

 「あぁいいぜ…………よっと!」

 と、フラフラしながらライナは魔理沙の前まで飛ぶ。

 「あぁ、少しバランスを取るのが難しいな、まぁすぐに慣れるか……よしまぁ面倒くさいけど当分の宿を貰うぜ?」

 「おいおい、そういうのは勝ってから言うもんだ、ぜ!!!」

 と笑みを浮かべながら先手必勝、とでもいうかの如く魔理沙はまるでロケットを思わせる速度でライナの方へ飛び出す。

 「うぇ!? そんなに速いの!? うわわ!!」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 02:45:59.24 ID:Xe8gU0eDO
期待
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/03(木) 15:34:22.16 ID:k8lvpTwN0
ライナは把握したばかりの飛行の魔術を使い正面から突っ込んでくる魔理沙を右に高速でよけた。

 しかし、いきなりの攻撃、そして初めての飛行で感覚が掴めなかったのか魔理沙の攻撃が当たらなかったにも拘らず

 ライナは時速200キロの速度でキリ揉み状に20メートルほど吹き飛んでいく

 「…………うげぇ吐きそう……」

 ライナは少し目を回しながら、吐き気とも戦闘を開始した。
 
 (……あぁ、しかしなるほど、これは知覚と魔力、そして身体能力でスピードの強弱を上げられるのか……)

 
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/03(木) 16:55:41.68 ID:k8lvpTwN0
 「よっと」
 
 と、ライナは空中で頭を地面の方に向けながら、

 人差し指で空中に普通の人間には目で捉えきれないほど高速で魔方陣を刻み呪文を詠唱しはじめる。
 
 魔理沙が目を輝かして「おっもしかして魔法か?」と興奮しながら言うのと同時にライナが詠唱する。

 「『求めるは雷鳴>>>・稲光!!』」

 魔理沙がどんな魔法なのか目を奪われている瞬間に稲光が放たれる。
 
 「って雷!? うわわ!!」

 魔理沙がライナの魔法に緊急回避した瞬間にライナがいつの間にか完成させていたもう二つの魔方陣の魔法を詠唱する。
 
 「油断してたから悪いんだぞ? んじゃ一気に決めさせてもらうぞ、

 『始祖の念と堪えぬ雷の囀り』」

 ライナの唱えた魔法は、光の円の中央から灰色のもやを生み出し、それを放って弾けさせ、

 明滅とともに雷光を閃かせて攻撃するという眼つぶしとと攻撃を両方いっぺんに行う魔法だ。

 「っっっ!!!」

 なんとか勘で攻撃は避けた魔理沙、しかし

 「くっ、目が潰された……何も見えない……おいライナ!! 卑怯じゃないか!!」

 「この戦いには俺の寝どこが掛かってるんだ、それによく分からない魔法を使ってくる奴ら相手にそうそう手は抜けないよ、――んじゃとどめに」

 と、ライナは最後の詠唱をする。

 「『光の王が無数の時を編み−ライト・キャンサー』」

 この魔法はライナがネルファ国でコピーした魔法。その魔法の効果とは。

 「うぉっ! なんか体が締め付けられてるんだぜ! おいライナ! 何をしたんだ!?」

 と、まだ目の見えない魔理沙は何が起きているのか分からない不安でライナにどうなってるいるのか聞く。

 「ただの捕縛魔法だよ、まぁ全力を出したらその光の網も破れるんじゃないか? まぁさせないけどね」

 「ほい」とライナは三つほど魔法を完成させる、そして、それはどれも先ほど魔理沙に使った魔法だった。

 「『光の王が無数の時を編み−ライト・キャンサー』『光の王が無数の時を編み−ライト・キャンサー』『光の王が無数の時を編み−ライト・キャンサー』っと、これなら逃げられないだろ?」

 と、4重に光の網を巻かれた魔理沙はまるでみの虫のようになり、バランスがとれず地面に落下していった。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/03(木) 17:06:27.83 ID:k8lvpTwN0
 時間にして五分もかからなかった勝負だった。

 「っと、大丈夫か?」

 途中落下していく魔理沙を空中で拾い、脇に抱えたままライナは魔理沙にそう言った

 「う〜、卑怯なんだぜ。私はもっと正々堂々と勝負したかったんだぜ」

 と、可愛らしくプクッと頬を膨らませて拗ねる魔理沙。

 しかしライナは。
 
 「不意打ちも目つぶしも勝負のうちってことで」

 そんなことライナは詫びれもなく言う。

 魔理沙はそんな言葉にうんざりしながら
 
 「はぁ〜……まともに勝負できなかったっか」

 と溜息をしながら空を見上げるとライナの顔が見えたので腹が立って下を向いた。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 17:08:55.10 ID:5l1MDW/zo
相変らずチートだなぁ
大伝になると更に手が付けられなくなるから困る
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/03(木) 17:10:24.29 ID:k8lvpTwN0
 まぁ、なんだろう、勝負をあっさりさせてしまったけど、
 本物の命をかけてきた元ローランド最強の魔術師のライナが一枚上手だったという意味で、ここはひとつ。
 魔理沙が油断していなかったら多分レベル的にはそんなに変わりませんが、魔理沙が魔法を使うとどんどんライナにパクられるので
 やっぱりライナの方が強くなるかもしれません。
 以上。
 次回は進展あるかもね 
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 17:15:08.05 ID:5l1MDW/zo
乙ん
とりあえずあげとくか
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 18:30:13.29 ID:OgtghIhYo
原作しらんけどアニメがおもしろかった
原作買おうと思ったら多過ぎてワロタ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 19:27:47.16 ID:keiBc4cIO
そうなんだよな
ライナと戦えば戦うほど不利になるんだからチートすぎる
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 20:00:12.68 ID:YUQ5R1NN0
一応>>1です。少しだけ書きます

――――貴方は世界から弾かれたの。――――貴方は世界からも嫌われたのよ。
             ――――貴方は化け物。    ――――世界から、そして自分からも見捨てられた存在なの。

 どこからか、女の声がする。

 そこは暗闇で、何も見えない。

 ライナは口を動かそうとするがまるで動かない、ならば腕を動かそうと右腕を動かそうとするが、やはりまるで動かない。

 女の声は一方的にこちらに話しかけてくる。

 ――――ねぇ寂しがりの悪魔さん、私は貴方を受け入れるわ、そう、この幻想郷だれもを受け入れる。
   ――――だから、そんなに泣かなくてもいいの、ただ受け入れなさい、自分の運命を、自分の場所を。
  
 女が何を言っているのかわからないが、ライナはまるで胸が締め付けられるような思いで、その声を聞く。

 ――――今はまだ、何を言っているのか分からないでしょうけど。
   ――――貴方は、いずれ分かるときがくる、その時、……その時貴方は選択するわ
     ――――だから、その時選択を間違えないように、この幻想郷を、この幻想郷を愛しなさい。

 そこまで言うと、女の声はどんどん遠ざかっていく。

 そこで、声は出ないが、口が動くようになった。

 ライナは、口だけでその女に問う。

 お前は誰だ? と

 何を言っているのかその女には分かったのか、 

 ――――ふふふ、ただの気まぐれの年長者よ、ただ単に、貴方の運命に同情して、そして幻想郷に恋して欲しくなっただけよ

 そう言って、それを最後に、女の声は聞こえなくなった。

 ――――そして、ライナは悪夢とも良い夢とも言えない夢から覚めた。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 20:00:40.64 ID:YUQ5R1NN0
以上です続きは帰ってから書きます。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:50:28.62 ID:ckphvw6AO
まぁ、あれだ。マスパはパクられないから魔翌理沙のアイデンティティーは何とか。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/03(木) 22:45:07.57 ID:k8lvpTwN0
 あれ? マスパって魔法じゃなかったっけ? とりあえず再開します。

 「おい! 大丈夫か!? おい!」

 朝の太陽が窓から差し込む中、魔理沙の心配した声が聞こえてくる。

 その声に、ライナはゆっくりと目を開け、魔理沙の存在を視認する。

 「……んぁ? あぁ魔理沙かどうしたんだ? そんな顔して」 

 そうライナがだるそうな顔で言うと、魔理沙何故かほっ、と息を吐く。

 そして魔理沙は少し怒ったような心配したような声でライナに問う。

 「どうしたもこうしたもないんだぜ……あの後、ライナが私の家に来てからすぐに倒れたんだぞ? あんまり心配させるなよ」

 あの後、と言うとライナが魔理沙に勝った後の話だ。

 あの後ライナが「眠いから連れて行って」と言うので早々に魔理沙はライナを連れていくとになったのだが……。
 
 魔理沙の話を聞いたライナは首を傾げて。

 「んぁ? 倒れた? 何で?」

 「いや何でって言われても私は医者じゃないから分からないんだぜ、それにライナの体なんだから自分で分からないのか?」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/03(木) 23:30:51.79 ID:k8lvpTwN0
 そう言われも、分からないから聞いたんだが……などとライナは思いながら一度考える。

 「…………………………………………………」

 「何か分かったのか?」

 「…………いや、わかんねぇ」

 ライナがそう言うと魔理沙はまた少し真剣な顔で、

 「……急に意識を失うなんて何か病気なんじゃないか? ライナは」

 魔理沙がそう言ってくる。

 しかしライナには思い当たるものが――

 「ん〜俺って別に病気なんて罹ってなんか……あっ」

 思い当たる節はあった。いや、別に病気とは違うのだが、しかし、もしかしたらこれが原因かもしれない、と言うのはあった。

 それは、
 
 (あ〜、もしかしてフェリスがドカドカ俺の頭を殴ったせいで頭の中がおかしくなったんじゃ……)

 「あ〜」

 「何か思い当たる節があったのか?」

 「いや、たぶん違うと思う、そうであって欲しい」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/04(金) 00:21:47.72 ID:wwogd15s0
ライナ・リュートの魔法技術解説
複写眼(アルファ・スティグマ)所持者のため、魔法の構成を読み取ることが出来る。
また、父であるリューラ・リュートルーの才能を受け継ぎ、魔法に対する興味・関心も非常に高い。
そのため、『ローランド最高の魔術師』という異名がついている。(先述のクヲント・クオの一件もあるが)
独自の魔法を作ることもできるが、雲霧やイヤッホなど、いずれも実用性が消して高いわけではない。
ネーミングセンスも決して良いものではない。
しかし、魔法の腕は確かであり、稲光の魔方陣の構成にほころびがあるということで、
魔方陣を省略して、魔法を発動するという芸当もやってのける。
敵が展開している魔方陣に、手を突っ込んで書き換える・奪う、といったこともできる。

ライナ・リュートの複写眼(アルファ・スティグマ)


ライナの複写眼(アルファ・スティグマ)は、通常の複写眼(アルファ・スティグマ)とは違う点がいくつかある。
1つ目は、通常は、一度「暴走」をはじめた複写眼(アルファ・スティグマ)保持者は、死ぬまで周りの人間を殺し続ける。
しかし、ライナの場合は、「暴走」をしても、誰かに眼を閉じてもらえるか、あるいは誰かに強く声をかけられるかで、「暴走」をとめることが出来る。
また、ライナは自分自身で、複写眼(アルファ・スティグマ)の「結晶化」を、気合で打ち消すことが出来た。
2つ目は、エリス家の道場にある「無」を見て感じ取ることができること。
同じ複写眼(アルファ・スティグマ)保持者であるアルアは、この「無」を見て感じ取ることが出来なかった。
3つ目は、「結晶化」によって複写眼(アルファ・スティグマ)が無くなっても、死ななかったこと。
通常、魔眼(神の眼)保持者は、その眼を「結晶化」されることで、眼を失い、そのまま死亡する。
しかし、ライナは死亡しなかった。
これらは、『すべての式を解く者』の力、またはアートファールの呪詛やイルナ・リュートルーによって、
通常の複写眼(アルファ・スティグマ)とは違う性質の、複写眼(アルファ・スティグマ)となった。

うぃきから
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 00:38:24.06 ID:nb5DAuVjo
よくわからんけどすげえ!
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/04(金) 00:58:30.36 ID:yhhUfU9/o
ちょこちょこ進んでるね
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 13:27:18.81 ID:wwogd15s0
ごめんそのまま持って来ただけだから意味わからんようになってた

 ライナの説明

 1 敵が展開している魔方陣に、手を突っ込んで書き換える・奪う、といったことができる。

 2、魔法陣によるが、魔方陣を省略して、魔法を発動するという芸当もやってのける、威力を弱めて攻撃するならどの魔法陣でも応用可能、たぶん。

 3複写眼(アルファ・スティグマ)は暴走すると死ぬまで見境なく周りを虐[ピーーー]る。

 複写眼が暴走するカギは、自分の大切なものが目の前で死んだり自分が回りからの虐待や暴力に耐えきれなくなったとき。

 しかし、ライナの複写眼は別で、、「暴走」をしても、誰かに眼を閉じてもらえるか、あるいは誰かに強く声をかけられるかで、「暴走」をとめることが出来る。

 4魔眼が目から消失すると魔眼保持者は死ぬ    魔眼関連の詳細の続きは原作で
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/04(金) 13:59:24.16 ID:wwogd15s0
「? まぁライナがそう言うなら別にいいけどさ、本当に何でもないのか? 人の家にきていきなりぶっ倒れるって普通じゃないぞ?」

 と、顔は怒っているのだが、声に心配の色を乗せて魔理沙は言う。

 「あぁ、何でもないよ、ただ妙な夢を見ただけだ」

 と、ライナが何でもなくいうと、魔理沙は当然聞き返す。

 「妙な夢?」 

 「ん? あぁ、あんま覚えてないんだけどな、暗闇の中女が話しかけてきた夢だよ、

 確か幻想郷を愛しなさいとか何とか……う〜んあとは何かを受け入れろとか何とか言ってような……」

 あとは覚えてない、と言うと魔理沙は呆れ顔で言う。

 「……どんな夢だよそれ、ライナ、お前変なものでも食べたんじゃないか?」

 「いや、そんな覚え無いんだけどな……」

 とライナは眠そうな目で欠伸をしながら気だるげに頭を掻く。そしてライナは自分の今いる場所を見て

 「あっ、ここベットの上だったのか……なぁ魔理沙、眠いからもう一度寝ていいか?」

 なんて言葉をはくまるで危機感のないライナの姿を見て、心配していた自分が馬鹿らしくなったのか、魔理沙は、ため息をつく。

 「私はこんなのに負けたのか……」

 と言い終わってからもう一度魔理沙はため息をついた。

 そしてライナはもそもそと、おそらく玄関らへんで倒れたであろうライナを魔理沙がベットまで運んできた布団にくるまり、ライナは魔理沙を見て言う。

 「お前ここまで運んでくれたんだろ? 助かったよ、あと心配してくれてありがとうな、嬉しかったよ」

 と眠そうな顔で、しかし笑顔でそう言い終わるとライナはものの2秒ほどで寝息を立て始めた。

 その後、素直な感謝に恥ずかしくなったのか、魔理沙は少し顔を朱色に染め。

 「ま、まぁそこまで悪い奴でもなさそうだし、それに病人だから寝かしといてやるか、か、感謝するんだぜ」

 なんて言ってから、自分の言い訳っぽいセリフに余計恥ずかしくなった魔理沙だった。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 14:00:28.86 ID:+7wrfOzjo
2はちょっと誤解をうむかもだから補足

稲光の場合だと、ローランドで一般的に使われてる稲光の魔方陣には、少しほころびがあって
そこを改善して、使う→省略ということだと思う

つまり省略というよりも、複写眼の能力とライナ本来の魔法センスの複合技と言える
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/04(金) 14:39:59.38 ID:wwogd15s0
ナイス>>46さん

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 17:45:07.21 ID:+oU2PbBAO
ライナってスペカルール好きそうだな。殺し合い回避のルールとか願ったり叶ったりだろ。教えたらすぐ使いこなしそう
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 21:36:41.91 ID:EzXPM21AO
>>39

マスパは魔法だけど、撃つにはミニ八卦炉が必要だったはず。複写眼では物理的な道具まではパクれないから、必然マスパも無理なはず。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 21:39:01.45 ID:EzXPM21AO
>>49

たぶん。間違ってたらすいません。

途中でやめちゃって連投になってしまった。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/04(金) 22:06:47.62 ID:+7wrfOzjo
材料と実物さえあれば作っちまいそうだからこまる
多分めんどくさいって理由だけでやらないと思うけどww
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 12:36:13.08 ID:Lz3CrPzM0
 >>49ナイスだ!! 俺も後でwikiでも見て復習してくる。
 それではちょっとだけですがご勘弁を

 これは、夢だな、とライナにはすぐに分かった。

 それは暗く、赤い世界で誰かの声がする。 

 ――化け物

 それはライナのの過去の夢。

 ――化け物!

 それは、ライナが言われ慣れた言葉。

 ――お前は存在してはいけない化け物だ!!

 あぁそんなのことは知っている、だけど、俺は……

 そこで、世界が歪み、暗くて赤い世界から、ローランドの城に変わる。

 ローランドの執務室、そこでは、何故か、フェリスとシオン、そして……ライナがいた。

 ライナは死ぬ死ぬと言いながらも、笑い、フェリスは何時もの無表情で団子を食べ。シオンはそんな二人を見て微笑む。 

 そんな、幸せな、覚えのない夢を見る。

 何なんだこれは、と思う。

 何なんだこれは、と思う。
 
 覚えがないのに、ライナは懐かしい思いと、悲しくなるような、苦しくなるような、何故か激しく胸を打つ。

 でも、でも、幸せだから、良いか、と思う。
 
 幸せな夢なら見続けていても良いか、と思う。

 でも、また、夢は変わる。また、夢は変わる。しかし、その夢はおかしい。何かがおかしい。

 何か、異物でも混ざっているかのような……そして、夢が変わる。

 そこには何故か、ローランドの軍がいて、シオンがいる。

 そして、そして、シオンが、シオンが手を振り上げ、言った。

 「撃て!! あのローランドの化け物を殺せ!! 」

 なんて、言う。
 
 なんだ、これは、何故シオンは泣きながら俺を殺そうとする? 何故シオンは……

 そこで、夢が、夢が、混ざっていく。混ざっていく。苦しかった。でも、幸せだった日常にも、混ざっていく。

 シオンも、フェリスも、イリスも、キファも、誰もかれもが言う。

 皆、言う。どの夢でも言う変わっていく夢でも言う。

 『お前は存在してはいけない化け物だ』と、皆言う。

 ――――そこで、そこで、ライナは。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 13:00:27.34 ID:Lz3CrPzM0
 「うわああああああああああああああああああああ!!」

 ライナは叫びながら飛び起きた。

 ひどく冷や汗とを流しながら、息使いあらく言う。

 「はぁ、はぁ、はぁ、ゆ、夢かよ……はぁ、なんだ? 幻想郷に来てから夢見が悪くなってるんじゃなのか俺?」

 なんて、顔を悲痛に歪ませながら言う。

 しかし、自分を一旦落ち着かせ、息遣いと心を整える。 

「あ〜中途半端に寝たから頭が痛いな……お腹もすいたし、何かないのか……ん?」

 と、そこでライナの鼻は気付いた。

 自分のベットのすぐ隣の机に少しさめた、でもおいしそうなスープとパンがあったのだ。

 そこには上紙と一緒にこう書かれていた。

 『病人はしばらく大人しくしているんだぜ?』

 と、そう書かれていた。

 その紙を見て、ライナは少し微笑んでから、思う。

 この複写眼を、魔理沙は知ったらどう思うか、と。

 この複写眼を恐れるだろうか、と思う。

 この忌み嫌われた魔眼は、人をいや、この普通じゃない魔眼は、何もかもを殺すかもしれない。

 そんなものを近くに置いといて、恐れないだろうか、と。

 「あ〜さっきの夢のせいかな? ちょっとネガティブになってんな……」

 そう思いながらも、少し暗い顔で、パン食べるライナ。

 いつもそんな暗い顔なんてしていると、フェリスが長剣でぶん殴ってきて全部茶化して、そんなこと忘れさせるんだけどな、

 とライナは思い、くっ笑する。

 「まぁなんだかんだ言っても、あいつは言い相棒だな」

 そう少し、気分を直しながら、ライナはパンを食べた。

 ライナは食べ終わると、家の中を歩き始め思う。

 「すげー散らかりようだな……少しは片づけろよ……」

 なんて、思いながら、そこらへんに散乱している魔導書をを見つけ、拾って真剣に読んでいるとそいつはあらわれた。

 コンコン、と、扉をたたく音がする。

 「んぁ? 誰か来たのか? まぁめんどくさいから良いか」

 と、居留守を決め込もうとしてもコンコンと扉をたたく音がする。

 ライナが無視して本を読んでても、コンコンと扉をたたく音がする。

 五分たってもコンコンと音がする、7分たってもコンコンと音がする、ジュップンタッテモコンコントオトガスルコンコント

 「て、うるせええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

 ライナは勢いよく玄関の扉を開けた。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 13:01:04.89 ID:Lz3CrPzM0
一応ここまで
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 17:56:21.21 ID:RwMV28a3o
おつおつ

アニメの続きが気になるんだけど何巻から読めばいいんだろうか
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 21:19:24.68 ID:Lz3CrPzM0
>>55大伝1巻だね でも最後の仕様が違うから伝勇伝の最終巻から読んでから大伝に移るのがよろし
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 21:24:15.96 ID:wGBv6LQ/o
原作は団子ちゃんが更に可愛いらしいと聞いて
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 21:50:26.70 ID:Lz3CrPzM0
 そこには、金髪の、あまりにも美人な美の女神にでも愛されたかのような美貌の、手に人形を持った少女がそこに居た。

 「っっっっっ!!!!」

 その少女はライナを見て酷く驚き、そして鋭い目つきで、まるで親の仇でも見るかのような目でライナを睨みつける。

 その睨みつけている少女にライナは少し驚いた表情で、「一瞬フェリスかと思った……」なんて呟いてから、

 魔理沙が居ないので仕方なく睨みつけてくる少女に応対する。
 
 「……え〜と、どちら様―――っておわ!?」

 ライナが横に曲げると ヒュン! と、刃物の風を切る音が、ライナの耳のすぐ横を通って行った。

 「何でこの距離で避けれるのよ!!」
 
 と、少女が鬼の様な気迫で言うと、処女はヒュンヒュンと言う音を連れて、連続してライナを攻撃する。

 「って、おわっ! ……おいおい、なんだよいきなり――よっと」

 ライナがうんざりした表情で軽く、少女が攻撃してきている何かを掴むと、何か柔らかいものを掴んだ。

 「ん?」とライナはその掴んだものを確認する、右手握られていたものは、刃物を握った可愛らしい少女の形をした人形があった。

 「……んぁ? 何だこれ? 人形……だよな?」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 21:52:46.65 ID:Lz3CrPzM0
>>57大伝でものすごくデレるから大伝のフェリスはめっさ可愛いよ
 伝勇伝でも可愛いけどね
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 21:55:50.80 ID:Lz3CrPzM0
>>58 上から7行目 ライナが横に曲げると⇒ライナが首を横に曲げると

  そして下から5行目 処女はヒュンヒュンと言う音を連れて⇒少女はヒュンヒュンと言う音を連れて
 
 ……処女
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 22:49:36.62 ID:Lz3CrPzM0
 と、ライナが右手の人形を見ている隙に、またヒュン! と、刃物を持った人形が襲いかかってくる。

 「……だあもう、ここに来てから戦ってばっかの気がするよ……まだ二回目だけど……」

 ライナは急撃してきている金髪の少女に顔をめんどくさそうな顔を向け、攻撃をよけながら言う。

 「なあお前、魔理沙に用があんの? なら今ここには居ないよ? あと、俺は泥棒じゃないからね?」

 なんて気の抜けた声で言うと、少女は……――

 「何で、アンタが魔理沙の予定知ってるのよ!! 何? なんなの!? 貴方は魔理沙の何なの!? 魔理沙の男!? ねぇ ねぇッ! ねぇえええ!! 答えなさいよぉおおおおおおおおおおお!!」

 ――少女は目を、人がしちゃいけないレベルで真っ赤に充血させ、呪詛の念を唱えながら右手で人形の持っていたナイフを持ち、ライナに人形を操りながら攻撃を仕掛けてくる。

 「こぇえええええええええええええええええええええええ!! なんなの!? なんなのこいつ!? 恐ぇよ!! 

 ってか魔理沙はどんな奴と『知り合い』なんだよ!?」

 と、ライナが恐怖を交えて叫ぶと、少女は――

 「はは、あはは、あはははははははははははははは!! あはははははははははははははははははははははははははははははは!!! 
 
 そうね! そうよね!! 私は知り合い程度ね!! 友達ですらないのよね!! 魔理沙には男ができて、私は魔理沙を……
 
 あは、あはは、あはははははは――」

 ――少女は何が琴線に触れたのか……、ついに充血させた目の血管をブチ切れさせ、急に目から血を流し、

 口が裂けてんじゃないかと思わせるくらいつり上げながら笑い出した。

 「恐ぇよ!! ってか俺は何に命狙われてんの!? 殺人鬼!? ってかこいつ本当に人なのか!?」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 22:53:22.21 ID:RwMV28a3o
>>56
伝勇伝の最終巻から読んでみるわ

そしてアリス恐えええww
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 22:56:46.62 ID:FIeTCFhAO
伝勇伝のシリーズって今合計で何冊くらいあるの?
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 23:04:56.71 ID:Lz3CrPzM0
>>63とり伝11 伝伝11 大伝9 落ち伝7? だったと思う
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 23:18:17.86 ID:Lz3CrPzM0
>>62同じ作者で面白いので、巻数が少ないのは「いつか天魔の黒ウサギ」があるから、手を出すならそっちを見てからも良いかも。
あと、とり伝で出てくるキャラが主要キャラになるから、234789巻を読んだ方がいいかも
一番後ろの真面目な奴に書かれているから立ち読みすれば良いくらい。
巻数が多くてきついぜ……てかたは漫画に手を出して、内容を理解してから、小説に一巻に手を出せばいいかも、なかなかに入り込めるから。って小説書いている人が行ってた。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 23:21:41.55 ID:d5M2FzZCo
野暮なようだが突っ込ませてくれ


「琴線に触れる」のは感動感激した時であって激怒激情した時じゃない
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 23:46:43.88 ID:Lz3CrPzM0
 そして、ライナは少女を見て、もう一度恐怖する。

 何故なら、その少女の目にはすでに白目が無かったから、目の中の少女のブルーアイも赤くなり、白目の部分まで赤く、ウサギのような目になっていた。

 そして、そのウサギのように真っ赤な、真っ赤な赤い目を、まるでミサイルの照準を合わせるかのごとくゆっくりと、ゆっくりと、

 ライナに合わせて行く少女。

 「うぇ!?」
 
 ライナは、その少女の目に本能的に恐怖し、正直言うとライナは、今までどんな命のやり取りよりも命の危機を感じ、恐怖していた。

 そして少女は、自分を見てうろたえるライナを見て、ゆっくりと、ゆっくりと――――笑った。

 


 ドゴォン! と家の玄関と壁が破壊され、少女の笑い声が勝負の始まりだった。

 「あはっ♪ あはははははは!!」 

 「や、やばい、あれ確実に俺の命を狙ってやがる……」 

 ライナは顔を青ざめながら思いだす。

 あの時目の前に居た少女は、いきなり詠唱をし始め、放とうとした魔法をよけるために、

 家の天井に向けて高速で書いた魔方陣で稲光(いずち)を放ち、そこに穴を開け覚えたての飛行の魔法で一気に空中に出て避けた次第である。

 「魔理沙に後で怒られっかな」

 なんて思いながらも飛行魔法で一気にその場から逃げだすために一気に適当な方角に飛ぶ。

 しかし、ドカン! と言う音とともに魔理沙の家の屋根が破壊され、家の中から少女がゆっくりと空中へ飛び出してくる。

 「うぇ……、やっぱ簡単にはいかないよね……」

 ライナは嫌な顔をしながら、高速で魔法の森上空を飛びながら逃げる。

 そして、少女は笑いながら。

 「あははははははは!!! 私の名前はアリス!! 今から貴方を殺す者の名前よ!! あはははははは!!」

 こうして、逃走劇が始まった。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/05(土) 23:50:02.71 ID:Lz3CrPzM0
>>66おぉ……指摘ありがとうね。やばい恥ずかしい。日本語不自由でごめんなさい。
日本人なのに日本語不自由でごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
って感じで言えばどれだけ反省しているか分かるでしょうか。
 ってか本当に恥ずかしいなおい。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 00:00:30.15 ID:COqeBIXB0
一旦終わりです。『いつか天魔の黒ウサギ』も面白いからね、まぁ俺は伝勇伝の方が好きなんだが。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:17:43.51 ID:6xZhletjo
おつおつ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 13:22:44.32 ID:COqeBIXB0
 ライナが、高速でもう何キロ出ているのか分からないレベルで後ろのアリスと名乗る少女から逃げる。

 そして後ろのアリスと言う少女は、目を真っ赤にし、その目からつーと一筋の血を流しながら、笑いながら殺す殺すと追いかけてくる。

 ライナは思う。

 「前言撤回だ! フェリスはあんなにも達が悪く―――」

 そこで思い出す、フェリスの数々の、悪道を……。

 睡眠の邪魔して、何日も徹夜させるわ、しかも何日も徹夜させた上で仕事せずそのまま寝たら殺そうとするわ、

飯代くれずに飢え死にさせかけるわあ、仕方なく飢えをしのぐためにしたバイトのバイト代をパクルは、俺の名前で勝手に多額の借金をするわで……。

 「あぁ……タチの悪さでは両方殺しに来ているもんだしあんまり変わんないのね……」

 とライナは溜息をつく。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 13:38:40.65 ID:6xZhletjo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 14:27:17.67 ID:COqeBIXB0
そしてライナは思う。

 (あいつも飛んでるってことは……魔術師ってことだよな? なら)

 と、ライナは目に五芒星、複写眼を浮かべアリスを見る。

 そこには体の周りに魔方陣を纏わせて空に浮いている少女がいた。 

 「あぁ、ってことはやっぱり魔術師か……って、あ? 魔理沙とは術式が違うのか?
 
  ……あぁなるほど、あっちのは安定性に特化しててスピードはそんなに出ないのか……ってことは……」

 と、ライナは不敵に笑い、全力でスピードを上げる。

 「なら、これで追いついてこれないだろう」

 と、同じ飛行魔法でもアリスと魔理沙の術式ではスピードのでかたの構成がが違うことが分かったのか、

 ライナは魔理沙からコピーしたスピードに特化した飛行術式を使ってアリスを離しにかかる。

 「よし、これで大分距離は離れただろう……――ってはぁああああ!? なんで追いついているんだよ!?」
 
 「あははは、何を驚いてるの? 別にそんな驚くことでもないと思うんだけど?」

 と、アリスは涼しげな顔で殺気を孕ませた笑顔で追いかけてきている。

 しかし、ライナの複写眼に間違いなどなかった。

 たしかに魔理沙とアリスとではスピードの出る術式も構成も違うのに、と思いながらアリスの術式をもう一度見てみる。

 「――うぉ!! なんだそりゃ!?」

 とライナの複写眼が映していたのは――

 「……あう、なんでお前と魔理沙の術式が複合した魔法になってんだよ……というよりそれ……」

 ――ライナの目が映していたのは魔理沙とアリスの良いとこ取りした、安定とスピードを合わせ持った術式、

 そして、そして、そんなものより、あまりにも異様だったのは、アリスが纏う殺気の赤と安定の黄色の色をした……。

 「……ありねぇ密度の魔力量だな……」

 そう、ライナでも本気出したうえで複写眼でも使わなければ、扱えないような魔力量だった。

 それだけ少女は、アリスは本気だった。……いや、正直あの赤い目を見れば分かることだが。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 15:01:33.48 ID:COqeBIXB0
 そして、少女は懐からカードを取り出す。

 「んぁ? なんだありゃ、カードか?」

 と、ライナは高速で移動しながら、アリスが懐から取り出したカードを見る。

 そして少女は呪文でも唱えるかのように、カードを掲げ何かを宣言する。

 「『蒼符「博愛のオルレアン人形」』」
 
 そして、少女が、宣言し終えると、アリスは魔術を唱え始める、

 ライナは少女の先ほどの宣言に顔をしかめながら、

 「何の宣言だったんだありゃ? ――ってかあれはやべぇ!?」

 と、ライナは顔をしかめながらも複写眼はアリスの魔術を見ていた。

 それは、下手したらライナの世界の複数人で作る大規模魔法にも劣らないようなドでかい魔力量で練られた魔法術だった。

 そして、あと2秒もあれば完成するアリスの魔術式と構成を複写眼でコピーし、 

 それをアリスが完成させようとする術式に追いつく速度で術式を完成させようとするライナ。

 そして、二人の術式は同時に完成する。 

 アリスは術式を発動させるためにもう一度、ライナは魔法を発動させるために術式を宣言する。

 『蒼符「博愛のオルレアン人形」』
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 15:16:52.35 ID:COqeBIXB0
 そして、二人の周りには、大量の弾幕が生まれて行く。

 弾幕が青→白→赤と色を変えながら増えていき、そして、隙間なく空間が弾幕で埋め尽くされ。

 ――二人とも、逃げ場が無くなった。

 「や、やば……」

 まるで、ライナとアリスの周りが弾幕の牢獄のようになり、どんどん弾幕同士はぶつかり爆発するが、

 しかし、この弾幕は増えて行く弾幕だ、まったく減る傾向が無い。

 ライナは浅はかだった。

 どんな魔法かも知らず、同じ魔法をぶつければ消せなくても威力は殺せるだろうと、同じ魔法を使った結果がこれである。

 もう少し冷静になれば、構成を見てどんな魔法か分かっただろうに。

 ライナは顔を青ざめさせ、後悔するが、しかし、その間にも周りの弾幕はぶつかって爆発しながらも、近づいてくる。

 「あ、あはははははは……って、えぇえええええ!! な、なによこれ!? こんなの聞いてない!! 

 ってか、なんでアンタ私の魔法が使えてんのよ!?」

 などと、今回の殺し合いに発展してしまった原因のアリスが周りの状況を見、冷静になったのかそんなことを言う。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 15:36:46.27 ID:xMVLzzKAo
イイヨイイヨー
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 15:36:55.90 ID:COqeBIXB0
 「お前のせいだろぉおおおおおおおおおおおお!! こんなことになったのお前のせいじゃねぇか!!」

 そう言うとアリスは顔を青ざめさせながらも、ライナに

 「何よ!! 何よ!! 魔理沙にアンタみたいな色情狂みたいな顔した男なんて必要ないわ!! 

 そうよ必要ないわ!! 死ねばいいのよ!!」

 なんて、言ってくるアリスに今さらながらにライナは気付いた。

 「あっお前ってそういう趣味の人なの? ってならなおさら関係ねぇええええええええええええええええ!! 

 違うからな!? 俺と魔理沙そんなんじゃ無いからな!?」

 なんて言うと、アリスが「へ?」なんて言いながら、ライナに聞く。

 「なら、なら何で魔理沙の居ない家に居たのよ!? そんなのおかしいじゃない!?」

 もう、弾幕がすぐ近くにあるのに、何故かケンカする二人はもう、逆に状況が絶望的すぎて逆に吹っ切れてしまったのか余計に喧嘩をする。

 そして、そんな絶望的な状況で、ライナはアリスに反論のすきを与えないように一からどうして魔理沙の家に居たのか説明する。

 一つただ単に賭けに勝った。 一つ、寝床が欲しかった以上。

 と、ライナのその話を聞き、アリスは――

 「………………………」

 ――唖然としてしまう、もう、この状況を作る必要のなさに本当に唖然とする。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 15:52:16.65 ID:xMVLzzKAo
?????
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 16:02:52.98 ID:COqeBIXB0
 そして、ライナは溜息をつきながら、アリスに近づく。

 「な、何よ? 死ぬ前に私に復讐でもするつもりなの?」

 なんて言うアリスにライナは溜息をつきながら。

 「ちげぇよ、脱出する方法が見つかったから出るんだよ」

 とアリスに言う。

 「へ? この状況でどうやって出るのよ?」

 なんて上下左右どこ見ても弾幕がある空間でどうやって出るのかアリスは不思議がると。

 ライナはいつもの眠そうな目を少し真面目な目にして。
 
 「まぁ見てなって」

 と言いながらライナは空中に文字を刻む、それは使用した者の脳の抑制を外し、身体能力を一時的に向上させる魔法。

 「『我・契約文を捧げ・大地に眠る悪意の精獣を宿す』」
 
 その魔法はエスターブールの魔法騎士から奪った高等魔法。

 ただし、効果が切れると、体力を一気に消耗する、反動の大きい魔法でもある。

 そして、ライナはもう二つの魔方陣をもう完成させていた。

 それを見てアリスは、

 「は、早い……何者よ貴方……?」

 なんて、驚きを隠せないでいる。

 そんなアリスを見て、ライナは苦笑しながら、言う。

 「ただの魔法使いだよ、よし、そんじゃいくぞ」

 と言いながらアリスを胸元に抱く

 「きゃっ! な、何をするの――」

 と最後まで言いそうになったが、真剣な表情のライナを見て、つい口を閉じてしまう。
 
 そんなアリスのことなど知らず、ライナは真下に向けて魔法を放つ。

 「『求めるは殲虹(せんこう)>>>・光燐(くうり)』『求めるは殲虹>>>・光燐』」

 これは追尾性能を持つ光線の魔法。

 発動スピードは遅いが、命中精度・威力がともに高いため殺傷能力がとても高い魔法だ。

 それを下に向けて二つの光燐を放つ。

 すると、光燐は弾幕を爆発させながら地面にまで突っ込んでいく。

 そして、ライナはアリスを胸に抱いたまま地面に向けて一気に下降していく。

 エスタブールの魔法で強化されたスピードと、重力に逆らわず下降していくスピードが合わさって、

 ものすごいスピードで下降していく――――が。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 16:04:12.98 ID:COqeBIXB0
>>78どうした?
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 16:07:01.40 ID:MRBTmAjJo
いや、あいだ開いてるけど即興?
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 16:09:51.59 ID:COqeBIXB0
>>81いつもそんな感じです
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 16:14:12.70 ID:MRBTmAjJo
了解、気長に待つ
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 16:15:19.89 ID:COqeBIXB0
>>83ありがとうございます そういうコメントはやる気が出るので嬉しいです。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 16:33:20.26 ID:COqeBIXB0
 「ウゴアッ……!」

 ライナの背中に、またも増殖しだした弾幕が当たる。

 「ッッッ!!」

 だが痛みを無視し、突き進む、もう後戻りなんてできはしないから、前に進む。

 胸に抱えているアリスの無事を確かめ前を向こうとすると。

 ――アリスは叫ぶ。

 「バカ! 前をちゃんと見なさい!!」

 アリスが叫び、その声につられ、ライナは前を見ると突然、ライナのすぐしたに、増殖した弾幕の大群が出現していた。

 「くそっ!」

 ライナはアリスを力強くだくと、少し悲鳴の様なもが聞こえたが無視し、体を丸め、そのまま弾幕の大群にぶつかる。

 「―――――――」

 しかし、ライナはアリスを離さずそのまま下に向けて、力強く落下していく。

 そして、そして、やっと弾幕の嵐から抜けたライナは、落下しながらそのまま気絶した。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 16:37:09.76 ID:COqeBIXB0
 ……ふぅアリスと魔理沙の看病そして永遠邸フラグが立ったところで一旦終了しまう。
 アリス、アリスでございます。アリス可愛いよでございます。皆様アリスをどうかよろしくお願いします。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 16:55:06.85 ID:MRBTmAjJo
おちゅ
もう少しだけ書きだめがあるとうれしい
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 17:04:16.20 ID:wOKUw3AJo
ハーレム無双系になりそうな予感
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 17:06:34.47 ID:QcLe3MzpP
伝勇伝大好きだから超楽しみ
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 17:11:46.44 ID:COqeBIXB0
>>87がんばってみる
>>88なりますん 伝勇伝でもあんまライナ好きになるヒロインいないからね3人だしね
だからハーレムにはならない気がする気がするきもしないでもない
>>89ありがとうございます伝勇伝好きは皆大好きです。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 21:46:27.20 ID:C+0Bg35g0
すべての式を解く者

(´;ω;`)←ライナ

こうですかわかりません
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 22:03:04.53 ID:ygP9LPKNo
すべての式を編む者

(;∀;)←シオン

そしてこうか
93 :38とか49の人 [sage]:2011/02/06(日) 22:09:07.40 ID:LN/SPlrAO
>>64
>>65
ありがとうございます。

>>86
細かい事だけど、永遠邸でなく永遠亭だよ。
たぶん。間違ってたらすいません。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 22:11:40.81 ID:WMaE7tIFo
三人いれば十分だよな
リア充……でもないけど爆発しろ
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/06(日) 23:18:31.47 ID:COqeBIXB0
>>93おぉ……そりゃすまなかった
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 12:31:59.19 ID:NH6AS+7SO
求めるは完結>>>・支援
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:26:54.53 ID:3JEoWo/e0
んじゃ投下開始します。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:27:34.18 ID:3JEoWo/e0
 ――――そこはアカ色の世界。

 赤い天井、紅い床、朱い壁。

 そして、まっすぐに延々と続く、真っ赤な廊下。

 ここはどこだ? と、そうライナは初めに思った。

 そして、周りを見渡す、だけど、何もなくて、ただあるのはアカだけ。

 それにライナはうへーなんて不満な声を出す。

 「おもいっきし目の悪くなりそうな所だな……どこだよここ?」

 なんて言いながら思い出す。

 「そういや俺って、アリスを守ってどうにかなったんだよな? てことはここは地獄か?
 まぁ俺が行く場所なんて地獄しかないよな」

 なんて、ライナは軽い調子で自分の行く場所など地獄しかない、なんて自虐する。

 それはもう、本当にどうしようもなく、ライナが思っていることで、そして地獄があったのなら拒まないであろう。
 
 そして、ライナは苦っ笑したあと、本当にここが何処だかわからなくて、壁なんか触ったりして調べたりしていると。
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:29:07.32 ID:3JEoWo/e0
《奥へ》

 突然、声が降ってきた。

 天から。

 いや、直接頭の中に、堕ってきた。

 それにライナは目を細める。

 しかも、ライナは、今の声をどこかで聞いた覚えがあった。

 それは、あまりにも自分に違和感を与える声で、気分を最悪にさせる声。

 ライナは、その違和感に質問する。

 「おい、てめぇはだれだ?」

 そう、ライナは質問する。

 すると、声が返ってくる。


 《私は神。悪魔。邪神。勇者。化物。貴様らは何て呼ぶ?》


 その言葉を聞き、ライナは、気付きたくもない、思い出したくもないモノを思い出した。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:34:14.27 ID:3JEoWo/e0

 『神。悪魔。邪神。勇者。化物。貴様らは何て呼ぶ? 貴様らは何て呼ぶ? ははははははははははははははははは』
 





 『我を殺す? いま程度の力で、我を殺す?『エレミーオ』ごときの力で我を殺すというのか? 

 地を這うムシケラが我を殺すというのか? ははははははは。消えろ。全て無だ。無為だ。無に帰せ』




 『αは破壊だ。我は何も生み出さない。恵まない。救わない。ただ消すだけ。真っ白に』
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:35:19.25 ID:3JEoWo/e0
 そう、それは、ライナが『複写眼(アルファスティグマ)』を暴走させるたびに振ってくる天からの声で。

 ライナが、呪い続けたあいつの声。

 「てめぇが、『複写眼』なのか?」


 《ふ、ふははははははははは、生贄の分際で我に名を問うというのか?》


 「生贄? それに、その返答からすると、お前は『複写眼』じゃないのか?」

 ライナが言うと、声がまた笑う。


 《は、はは、は……それは我の模造品の名だ。複写、模写、偽造……我の影響で生まれた虚ろな人形共の名》


 その言葉に。

 「……模造品?」

 ライナは思考を巡らせる。

 『複写眼』は偽物……

 とそこで思い出す。

 リルとか言う、ガスタークから来た刺客が行っていた言葉。
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:36:13.19 ID:3JEoWo/e0

 「『複写眼』の化物……いや、『すべての式を解く者』と、呼んだ方がいいか?』

 なんて言っていたことを思い出す。

 すべての式を解くもの……

 ライナの名をそう呼んできた。

 それが何を意味しているのか、まるでからないが……

 それがおそらく、ライナと、そして他の『複写眼』との違い。

 つまり……

 ライナは再び廊下の奥を見つめ、聞いた。

 「ってことは、胃前が『すべての式を解く者』か?」

 だが答えは――
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:40:43.04 ID:3JEoWo/e0
《くく、馬鹿が、それはお前の名は――――っっ、何者だ!?》

 急に、声が焦ったかのように、歪む。

 「あら、すごい。貴方に気付かれないように入るつもりだったんだけど……存外気配には敏感な見たいね?」

 なんて奴の『声』とは対照的に、明るい少女の様な声が、分け入ってきた。

 その声も、どこかで、いや、つい最近、聞いたことのあるような声で。

 「まだ貴方にこの話は早いわ……………それに、この話を、貴方はすでに知っているはずよ? 

 だから、自分で思い出すまで、ここに来ちゃダメ。分かった?」

 なんて、悪いことした子供を怒る母親のように、ライナに「めっ」なんて言いいながら人差し指をライナの額に当てる。

 なんてライナは呆然といや、唖然とした表情で、その指を受け止める。

 何故ライナが唖然としているのか、それは、どこから出てきたのか、急に目の前に現れ、何か、

 穴の様なものから体半分を出している少女がいるからだ。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:42:27.52 ID:3JEoWo/e0
 ライナはもう、混乱に混乱した。

 「えっと……アンタはだれだ?」

 なんて考えがまとまらず、とりあえずそう言うと。

 その少女(?)は言う。

 「あらあら、年上には敬語を使うものよ?」

 なんて少女(?)は今の状況を知ったこっちゃないとと言うようにもう、叔母さんのように言ってくる。 
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:45:06.03 ID:3JEoWo/e0
 そして、『声』は、動揺した声音で言う。
 
 《お前は何者だ!?》

 そして、少女(?)は声に向かい堂々と笑いながら言う。

 「神。悪魔。邪神。勇者。化物。さて、貴方はなんて呼ぶ? どう呼ぶ? あっ! どうせなら大妖怪でも良いわよ? ふふふ……」

 なんて、ひどく、殺気をこめた笑みで、先ほど、『声』言っていたことをまねて、声に向けて微笑む。

 そして少女は殺気をこめて言う。

 「私が目をかけた子を、この子が意識を失った好きに奪おう、なんていい度胸してるわね? ――――貴方、殺すわよ?」

 と、ライナも、感じたことがないほどの殺気を放つ紫は、クルッと踵を返し、ライナい向かい。

 さっきまでの殺気を嘘のように消し、優しく微笑みながら言う。

 「貴方はもう目覚めなさい。これは、私でも解決できること……でも、貴方が解決しなければいけないこと……だから」

 そして少女はゆっくりと言う。

 「今は、貴方に優しくしてくれる人を信じなさい……そうすれば、幻想郷を好きになるわ……

 そして、いずれ何がどうというのが、分かる時が来る。だから今は幻想郷を楽しみなさい」

 と言って。少女は指を振る。

 すると、ライナは体に一瞬の落下を感じ、そして――――
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:53:13.44 ID:3JEoWo/e0
 ――――そしてライナは目が覚めた。

 そこは、目を焼くかのような、強い満月の光が差し込む、障子が開いた自分以外誰もいない畳部屋だった。

 そして、今自分がどの状況に置かれているのかを陰成師、時代の癖か、確かめようとして。
 
 「―――っっっ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」

 全身がひどく痛み、悶絶した。

 そして、仕方なく、いや、ライナにとっては至福の布団の上で、仰向けに寝転がり、月を眺める。

 (たぶん、アリスが医者の所に連れてきてくれたんだろうな)

 なんて、思っていると。

 トントントンと、こちらに向かって静かに誰かが歩いて来る音が聞こえてきた。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 15:57:48.16 ID:3JEoWo/e0
書き溜め投下終了でございます。
とまぁこんな感じで……原作の部分を大いに使いましたが、まぁオリジナルも多めなので簡便な?
>>87の意見を参考にして書き溜めし、一気に放出してみましたがどうでしょうか? 
満足していただけたのなら幸いです。
では、また逢う日まで
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 16:08:57.66 ID:8CqJp9qao
おつおつ
続きが楽しみ
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/07(月) 17:03:10.13 ID:3JEoWo/e0
ちょっと訂正

――――そしてライナは目が覚めた。

 そこは、目を焼くかのような、強い満月の光が差し込む、障子が開いた自分以外誰もいない畳部屋だった。

 そして、今自分がどの状況に置かれているのかを陰成師時代の癖か、確かめようとして。
 
 「―――っっっ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!」

 全身がひどく痛み、悶絶した。

 そして、仕方なく、いや、ライナにとっては至福の布団の上で、仰向けに寝転がり、月を眺める。

 (たぶん、アリスが医者の所に連れてきてくれたんだろうな)

 なんて、自分に巻かれている、包帯の感触と、薬品の臭いで判断し、アリスはどうなっただろう、と思っていると。

 トントントンと、こちらに向かって静かに誰かが歩いて来る音が聞こえてきた。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:28:18.17 ID:S0KlzY++o
少し誤字が目立ってる気がするから投下する前に一回当して読んでみたら?

それはそうと乙b
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 19:29:57.41 ID:JM48jEOd0
>>1です
>>110それはすまなかった。以後気をつける。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 19:44:03.35 ID:JM48jEOd0
「あら? 目が覚めたの? えぇと……ライナ・リュートさん、でしたっけ?」

 と、銀色の髪を月光に照らしながら、まるで、月からお姫様でも降りたかのような、そんな錯覚を覚えるほどの、美人がそこにいた。

 「あんたは誰だ?」

 「あぁ、私の名前は八意永琳よ、この永遠亭で薬剤師、つまり医者をしてるの、よろしくね」

 なんて、見るものが見れば恋にでも落ちてしまいそうな、そんな笑顔でライナに微笑みかける。

 そして、その笑顔に、ライナは夢、とい良いのか、あまりにもリアルな夢に出てきた少女とがかぶる。

 そう、何故か、こう、年上的な意味で。

 「あら? 何を思ったのかな?」

 と、永琳はライナに近づき、傷口をぐりぐりと、ひねる。

 「うぎゃぁああああああああああああああああああああああ!!! し、死ぬから!! マジで死ぬから!!」

 
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 19:46:48.25 ID:JM48jEOd0
>>112下から五行目、、ライナは夢、とい良いのか、⇒ライナは夢、といって良いのか

気をつけるとか良いながらいきなり誤字った・・・・・・
とりあえずこれだけです、すいません
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:01:14.68 ID:uwL9qXEuP
>>113
全く気にするなとは言わないけど
あんま気にせず気楽にやればええよ
楽しみにしてる

そしてすべての式を解くものフラグきたぁぁぁ
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:05:42.98 ID:NLyM/P7AO
乙です
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 18:58:47.67 ID:4C7H+13m0
 そうして、散々ライナは弄られた後、永琳は落ち着いた。

 「もう、貴方は『貴方の中』で『年上を敬え』って言われたでしょ? そういうのは思いもしないのが鉄則よ?」

 「いや、自分で認めてるん……あう……、もう想像もしませんから勘弁してください……」

 と、永琳に心のそこから謝ってから、土下座してから気づいた。

 「あれ? お前……今『貴方の中』って、言わなかったか? やっぱりあれは夢なんかじゃ……」

 「はいはい、そういうのは後。今は健診よ、貴方……本当に死にそうだったのよ? だからお話は検査の後ね?」

 なんて☆でも飛んできそうな表現の古臭いそうな笑顔で可愛く言う。





  とりあえずすいませんがこれだけで。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 19:00:53.03 ID:9kkofj6no
wwktk
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 19:13:28.17 ID:4C7H+13m0
 ――――十分が過ぎた。

 「はい、終わり。もう大丈夫よ」

 と、ポンと背中を叩き包帯を巻きなおした永琳は、満足そうに頷く。

 そして、ライナは軽く叩かれただけだが、凄まじい痛みに悶絶する。

 「〜〜〜〜〜〜っっっ!!」

 そして、永琳はライナが不平を言う前に言葉を発する。

 「で? なにか聞きたいことでもあるんじゃなかった?」

 なんて詫びれもなく笑顔で言う。

 ライナは何で俺は女運が悪いんだろかなんて真剣に悩み始めた。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 20:09:12.85 ID:FmlcewyAO
ん?終了か?
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 20:10:17.76 ID:7xIanO1so
素晴らしいSSを発見してしまった
この世界ならライナ幸せになれるのかなぁ…
東方はそんなに知らないが楽しみ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 02:35:39.78 ID:izsZ6MhA0
そしてライナは、目の前に居る、もうライナにはもう悪魔の笑みにしか見えない、微笑む永琳に聞く。

 「あ〜じゃぁ一つ、何で俺の中って分かったんだ?」

 そう言うと、永琳は当然なんて言いそう顔で。

 「私がどんな薬でも作れる医者だからよ?」

 「いや説明になってねぇええええええええええ。……だから、俺が聞きたいのはそう言うのじゃなくて……」

 と、つい叫ぶだけでも痛む体を押して永琳に突っ込むライナ。

 たぶんもう、彼はフェリスに突っ込むことが日常になってしまい、体が条件反射でそうしてしまったのであろうが、ライナ自身は気付かない。

 そしてライナは「もういいや……」なんて諦め次の話題にシフトする。

 「んじゃ、次に、俺のあれは、やっぱり夢なんかじゃないんだな?」

 と聞く。

 永琳は「えぇ」と返し。

 「貴方の中には魔物がいるわ。……それも、幻想郷を揺るがしかねない、とびっきりのがね。貴方の目もその一部ね?」

 と、永琳はやすやすとライナの目を見破ってくる。

 ライナが、自分を見たのだから予想はしていたが、「何故?」と永琳に聞く。

 「貴方の目も一度検査したわよ。うっすらと五芒星が見えてたわ。あれ、魔眼でしょ? 

 あともう一つ言うならば貴方の中の話を聞いたからかしら? 複写眼だったわね?」

 そう永琳が言うと、ライナは少しだけ鎮痛の面持ちになる。

 また自分が否定されるんじゃないか。また、恐がられるんじゃないか、また化物扱いされるんじゃないじゃないかと、

 化物扱いは慣れてはいるが、それでもライナは恐怖する。

 ――――が永琳の話しは、ライナの考えを見透かしていたのか、淡々とした口調でそれらを肯定し否定する。

 「何に恐怖しているのかは、まぁ貴方の魔眼のことをよく知らないから分からないけど……、

 厄災や破壊をまき散らす程度なら別に問題ないわよ? それくらいの化物ならこの幻想郷にはうじゃうじゃいるもの。

 ……それに、別に化物くらいいじゃない。貴方は良識も常識もありそうだし、そんな化物はお客様としては歓迎よ?」

 と、永琳は言う。

 そして永琳はもう一つ付け足す。

 「あと、幻想郷の主から言うと、幻想郷はいつ何時でも、どんな方でも受け入れるよ。だから安心しなさい? 分かった?」 

 と、永琳は母性溢れる、心のアフターケアまで完璧な、医者の鏡そのものの笑顔でライナに言う。

 ライナは、まあ化物がうじゃうじゃいる、ってのは聞き逃せないことだが、それでも、心は少し救われた。

 だが、根本的には、暴走するとやはり誰かを殺してしまうだろうことから、自分が周りを殺してしまう化物と言う考えは変えられない。

 それに永琳は別にいいと言ったのだが、やはり、変えられない。

 だけど、やはり心は救われただからライナは少し感謝して、

 「ありがとうよ、永琳。アンタには少し、救われ――」

 「それに貴方が厄災をまき散らして私達に迷惑かけるようなら、すぐにぶち殺してあげるわ。

 私達以外にも他の住人もそうするでしょうね」

 「――――こぇえええええええ!! 幻想郷こぇえええええええ!! 帰らせて!! 今すぐローランド帰らせてくれ!! 

 ……でもこんなにイエットから居なくなってたら、帰ってもフェリスに殺されるんじゃ…………」 

 どっちにしろ逃げ場はなかった。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 03:14:03.85 ID:izsZ6MhA0
 それに絶望しながらも、ライナはもう一つ聞く。

 「他にはわかること―――」

 「私はにはこれ以上分からないわよ。貴方の中で起きたこと以上は分からないし、よく分からない話も多かった。

 でも、一つ言うならば、貴方の中に出てきた女は色々知っているみたいね、それに意外にも貴方を気にいってるみたいよ? 

 本当に珍しい事にね。だからあの女の言っていたを素直に聞いて見るのも良いんじゃないかしら」

 そう言って、永琳は、笑顔で言う。

 「もう一つ、気になることがあるんじゃないの?」

 と、含みのある笑顔で言う。

 するとライナは驚き。

 「え? なんで分んの?」
 
 と、ライナは、驚きつつも確かにもう一つ質問を用意していた。

 それは、

 「アリスはどうなったんだ?」

 と、ライナは聞いた。

 すると、永琳は言う。なんかものすごく含みのある笑みで言う。

 「あの子なら貴方を今にも泣きそうな顔で連れてきて『この人を直して!!』なんて言いながら、貴方が『目覚めるまで看病するわ』

 なんて可愛い事言って献身的に貴方の看病をしてたわよ? もちろん無傷。貴方がちゃんと守ったみたいね。 

 あと、あの子数日徹夜していて長く起きていたから、体に悪いし、ついさっき部屋を用意して寝てもらったわ……うふふ」

 なんて永琳は言う。

 それに『数日』なんて言葉がでてきて。

 「なぁ永琳、俺って何日寝てたんだ? もしかして三日とか?」

 とライナは聞くと。

 「いいえ一週間よ。だから貴方は死にかけてたって言ったでしょ? 私じゃなかったら死んでたわよ? 本当にぎりぎりだったんだから」

 なんて言ってきて。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 03:14:48.45 ID:izsZ6MhA0
「うわっ、本当に俺ってば死にかけてたんだな……それに、まぁアリスが元凶だけどアリスには感謝だな」

 なんてライナは今ここに居ないアリスに感謝を言う。

 それを聞き永琳は立ち上がり、

 「今アリスちゃんを呼んで来るわね? お礼なら本人に言いたいでしょ?」

 「いや、寝てるならいい」と言おうとしたライナだが、永琳が、何故か含みのある笑顔で言っている。

 何故か、本当に今にも笑いそうな……。

 それに気付いたライナは、

 「……何かあるのか?」

 なんて勘ぐるが、永琳は「何もないわ」なんて言う純度100%嘘と分かる笑顔で言いアリスを呼びに行く。

 何かあるのなら今すぐにでも逃げ出したいライナだが、しかし体が痛すぎて動く気になれない。

 しかたなく諦めて、ライナは永琳が呼びに行ったアリスを待つことにする。

 しかし、10分たっても来ない。

 20分たっても来ない。

 30分たったころにはライナは待ちくたびれて寝そうになったところで、

 トントントンと、床を歩く音が聞こえてきた。

 それは、まるで緊張したような、フラフラした歩き方で、たびたび止まったり、進んだり、後ろに下がろうとしたりする音だった。

 待ちくたびれたライナは言う。

 「どうしたんだアリス? 来ないのか?」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 03:15:23.53 ID:izsZ6MhA0
寝る
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 06:25:23.18 ID:EUaoR0Wlo
おっつー
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 15:44:53.44 ID:HxF+DNxuo
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 16:40:47.00 ID:izsZ6MhA0
 何故か廊下の少し遠くの方でガタガタッ! なんて音がした。

 「おいおい、大丈夫か? 俺ってば今すごい体痛いから助けになんていけないぞ?」

 なんて気の抜けた声をアリスに投げかけると、はぁなんて溜息が聞こえ、それで決心したのかこちらに淀みなく歩いて来る。

 ライナはトントントンと、床を歩いて来る音を聞きながら、あ〜俺って一週間も飯食ってないんだよな……そういやお腹すいたな……

 なんて気の抜けたことを考えていると、アリスらしき姿が、障子に影で映し出されていた。

 そして、その影は扉の途中で止まる。

 「んぁ? どうしたんだ?」

 なんて気の抜けた言葉を発すると、障子の向こうにいるアリスは一瞬黙ってから話す。

 「……その、大丈夫?」

 なんて言ってきて。

 「ん? 何が?」

 とライナは返す。

「何って……その、怪我の具合よ……」

 「あぁ〜そのことね、まぁ大丈夫なんじゃない? まぁまだ体を動かすだけでそれなりに痛むけど。」

 とライナが言うと、障子の向こうに居るアリスは少し、気配が沈む。

 しかし、ライナはそういうのに鈍感なのか、

 「……ってか、さっきから何でそこに居るんだ? こっちに来ればいいじゃん? 」

 なんて無神経に言うと、向こうのアリスは慌てた。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 16:46:19.48 ID:izsZ6MhA0
「いやいいわよ、えぇと、そのさっきまで寝てたから、その、まだ髪もセットで来てなし、その、服も、ここで貸してもらった着物だしだから」

 なんてアリスが言うがライナはやはり無神経に、

 「別に俺は構わないなぜ? ってあぁそうか、女ってのはそういうの気にするもんだっけ? 律儀だよな〜」

 なんてほざく。正直この相手がフェリスならライナはもう五発は頭をぶん殴られているであろう。

 そして、そのライナの言葉にアリスは溜息をつき、

 「あぁもう、緊張していたのが馬鹿みたい」

 なんて、言いながらライナの前出て。

 ライナを一瞬見て安堵したかのように頬笑み、うなじに色気を感じさせる和服で、カールのかかっていない髪を下ろした姿で現れた。

 それに、ライナは一瞬いつも眠そうな目を本当に一瞬だが開き息を呑んだ。

 「……えぇと、アリスだよな?」

 そうライナが確かめるように言うと、アリスは若干照れたように「そうよ」、とそっけなく返され、

 「……あぁ、そうだよな……」

 ライナは言うことしかできなかった。

 正直、ライナは胸の内を告白すると、金髪で肌の色は薄く、アリスの操っている人形以上に人形らしい容姿をしている姿が、アリスの後ろの月の光と相まって、

 一瞬、あの大地真っ二つで天地震撼、永豪無敵で傍若無人の悪魔超人、を欲しいままにするフェリスより遥かに美しく見えた。

 そしてもう一つ言うと、アリスのほっとした笑みが、本当に綺麗で、目から血を流しがら戦っていた本人か確認してしまったほどだ。

 ライナは一瞬頭を停止させて、ゆっくりと頭を動かしだす。

 「えぇと、アリスは大丈夫だったのか?」

 そうライナはアリスの顔を見て言うと、アリスは一瞬顔を赤らめ。

 「も、もちろんよ、じゃないとこんなにピンピンしてるはずが無いじゃない」

 と顔を下に向けアリスは言う。

 そして、話は終わる。

 「………………」

 「………………」

 (話題がねぇえええええええええ!! いや、正直言うと俺アリスのことあんまり知らねぇし!! なんなんだよこの空気は、

 ってかなんでアリスはそんなに俺に感謝してんの? いや、感謝してんの? 俺気絶する前に何か言ったか?

  ……ってかもう本当になんなの……)

 もうある意味ふわっふわした空気なわけだが、分けの分からないライナにはめちゃくちゃ重い空気で耐えきれない。

 そうして、その空気に耐え、ライナが黙っていると、アリスが口を開く。

 「えっと、その、私を守ってくれた時の貴方は格好よかったわ」

 と、アリスが言う。
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 16:53:51.86 ID:HxF+DNxuo
ニヤニヤ
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 17:06:13.89 ID:izsZ6MhA0
 で、ここで一つ言うならば、このアリスの症状は、これらによってもたらされた、

 『そんなアリスを見て、ライナは苦笑しながら、言う。

 「ただの魔法使いだよ、よし、そんじゃいくぞ」』

 『アリスが叫び、その声につられ、ライナは前を見ると突然、ライナのすぐしたに、増殖した弾幕の大群が出現していた。

 「くそっ!」

 ライナはアリスを力強くだくと、少し悲鳴の様なもが聞こえたが無視し、体を丸め、そのまま弾幕の大群にぶつかる。

 「―――――――」

 しかし、ライナはアリスを離さずそのまま下に向けて、力強く落下していく。

 そして、そして、やっと弾幕の嵐から抜けたライナは、落下しながらそのまま気絶した。』



 そう、これらによって、少し時間を巻き戻すのならこうだ。

 ――――――――――
 ――――――
 ――――
 「馬鹿じゃないの!? なんでそんなにまでなって……そんなの、貴方を襲った。私なんかのために……」

 そうアリスは自分を責めるように言うと、意識を失っていたライナはその声で一瞬目が覚めたのか。

 「……っ、もう、目の前で、誰かが……死ぬのは嫌なんだ……例え、アリス、お前が、俺を殺そうと、していてもだ」

 そうライナは言う。

 それに、その言葉の重みに、内容はしらなくても、でも言葉の重みに、アリスは、顔をゆがめる。

 「馬鹿……。それじゃあ貴方、早死にするわよ……。」

 アリスはやはり、自分を責めながらそう言う。

 「俺みたいな、化け物に、は、ちょうどいい、くらいだ。人を守って死んだ。殺して、死ぬよかマシ、だよ……」

 そう言うライナに、アリスは、

 「馬鹿! 貴方は化物なんかじゃない! 貴方は人間よ!!」

 そう、アリスは、ライナの事情を――目のことを――知らないが、だけど、ライナの言葉の意味を本能で知り、否定する。

 アリスは一筋涙を流し、言う。

 「例え、貴方がどんなのだろうと、私は貴方を否定しないわ。だから、自分を否定しないで!」

 もう、ドラマのようにテンションは絶好調である。

 そして、ライナは少し、笑って。

 「ありがと、うな、アリス。俺、お前のこと、……んーーい、好きだよ……」 

 そう言って、途中声を擦れさせ、ライナは気絶した。

 途中擦れた声は、あんがい、なのだが、

 しかし、それが聞こえなくてストレートに『好き』、と言われたアリスは……。

 いや、アリスも分かっているのだが、ああいう状況だからそ、と分かっているのだが、しかし。

 惚れた。問答無用でライナに惚れた。勢い的には突撃ラブハート。

 守ってもらって、強くて、魔道の知識に富んでいて、そして、もう、死にかけなのにアリスを心配したライナの心の広さにアリスは惚れた。

 その心の広さはフェリスの暴力によって生まれたことをここに言っておこう。

 つまり。

 ―――
 ――――――
 ――――――――――

 ――つまり一目ぼれみたいなものである。
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 17:08:09.42 ID:izsZ6MhA0
>>130一行目で、ここで一つ言うならば、このアリスの症状は、これらによってもたらされた、
 ⇒ここで一つ言うならば、このアリスの恋する乙女的な症状は、これらによってもたらされた

一応終わり。
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 17:45:46.77 ID:HxF+DNxuo
おつおつ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 19:36:33.43 ID:WVKdoaNxP
うおおおおおおおおおおおおおお
やばいこれ最高や!
ライナもアリスも大好きや!
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 21:21:46.43 ID:ZXz4diWio
全てを受け入れる幻想郷にあのライナか、楽しみだ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 22:40:41.33 ID:KG/alNOuo

幻想郷って良いとこなんだな…
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 23:32:53.36 ID:oAekBF+Jo
おつおつ
東方わからんけどおもしろいな
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 23:35:06.31 ID:izsZ6MhA0
>>135そうでもない。超恐いところだ。

紅い館とか地底とか、妖怪の山とか恐いところはいくらでもござります。
特に紅い館。

まぁただもう一つ言うならばライナを救いたくて、俺が優しく書いてしまってるだけです。
あと、一番ある意味恐いスキマがライナを気にいってるからだね。
基本永琳は優しい。
まぁアリスも惚れなかったら冷たいだろうね。
今は比較的良いと人が出てるだけで、それなりに妖怪は恐ろしいものです。
まぁライナはそこらの妖怪より強いけどね。
そのうちフェリスばり、いや以上のドSの妖怪でもだそうかな? 
なんて思ってみたりしてるけどただの空想どまりだね。
出たらライナ死ぬね。社会的にも肉体的にも。
それは眠いから寝ます。お休みなさい。
質問あれば受け付けます。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/09(水) 23:37:52.00 ID:izsZ6MhA0
はい誤字だらけですね? ごめんなさい。
もう俺誤字って名前にしようかな……本編にも字抜けや誤字多いし……
漢字も間違えるし……。
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 00:41:06.29 ID:wVfJePiko
期待
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 22:37:12.66 ID:9sfwJo74o
>>138
こまけぇこたぁいいんだよ
楽しみにしてる
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/10(木) 23:51:07.72 ID:979T0j8q0
では投下します。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/10(木) 23:51:43.88 ID:979T0j8q0
そして時間を巻き戻す。

 「――――えっと、その、私を守ってくれた時の貴方は格好よかったわ」
 
 そうアリスに真っすぐ言われる。

 アリスの好意を真正面から受け、ライナは眠そうな目で、
 
 「……えぇと、俺がか?」

 「えぇ、すごく格好良かった。私、貴方のことが好きになったわ」

 と、アリスは顔を赤らめ、ライナに時期尚早だろうとは思いながらも自分を止められず、勢いで告白をしてしまった。

 アリスは心臓が破裂しそうなほど胸をドキドキさせながら、真っ赤な顔を下に向け、耳まで真っ赤にさせる。

 が、月明りが急に雲に隠れてしまったせいか、夜目の効くライナでも一瞬目の前が暗くなり、アリスの真っ赤な顔が見えなかった。

 だからか、自分をそういう意味で好きになることは無いと思っているライナは、アリスの言葉を友達的な意と受け取め。

 「へぇ、それは良かった。これで魔理沙関係で怒られることもなくなったな。そんじゃ魔理沙としっかりやれよ?」

 と、ライナは勘違いで華麗にスルーする。

 告白をスル―され、アリスは少し残念な表情になり、「でも確かにまだ早かったわよね」なんて、小さく呟く。

 確かに、今告白しても自分を本質的には必要ない、と思っているライナは困った顔するだけだろう。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/10(木) 23:52:38.13 ID:979T0j8q0
そして、ライナはさっきの自分の言葉で魔理沙と言っていて気付いた。

 「……ってそういや、魔理沙の家、ぶっ壊れたけどあれ大丈夫なのか?」

 その言葉にアリスはちょっと悲しそうな顔で苦笑いする。

 「……あっ、うん魔理沙に何してんだって馬鹿!! って怒られちゃったわ」

 そう言い、アリスはもう一度苦笑いする。

 「ただ、魔理沙も貴方のこと心配してたわ。たぶん明日にでもここ(永遠亭)に貴方のお見舞いに来るんじゃないかしら?

 今日も心配そうにして来ていたしね」

 そう聞き、ライナは眠そうで嬉しそうな、でも少し悲しげな目で言う。

 「……へぇ、意外に魔理沙も良い奴だな……俺みたいな化物なんかのために来てくれるなんて……」

 ――そう、呟く。

 そう、口を滑らせてしまう。

 一つ言うと、ライナは正直、体がだるくなっていた。

 怪我で一週間ぶりに起きて、まだ体が全開じゃないのに長い事話しすぎた。

 だからだろうか、自分の中の本心を、ライナは思わず呟いてしまった。
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/10(木) 23:53:24.03 ID:979T0j8q0
それ聞いて、アリスは、目を大きく開く。

 ライナは口を滑らせ、しまったななんて顔になり、自分の目がばれるんじゃないかと怯える。

 そして、アリスはそんなライナに少し悲しい目になって。

 「ライナ、貴方は……化物じゃないわ。」

 そう言う。心をこめて、そう言う。

 そして、アリスは言う。

 「貴方が何物かは、何を抱えているかは知らないけど……でも、貴方みたいに優しい人が、化物なんかであるはずないわ!」

 ライナはその言葉を聞き、少し、嬉しいようなでも、困ったような顔になる。

 そして、アリスは言う。目に少しの涙を浮かべながら。

 「……貴方が、何を抱えているのか、私に教えて? 私は貴方の力になりたい……」

 そして、アリスは一筋涙をこぼす。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/10(木) 23:54:06.88 ID:979T0j8q0
そして自分を叱る。 

 アリスはさっきまでライナと一緒に入れて、そして、勢いで告白して、そんなことで一喜一憂していた自分を叱る。

 何を自分一人で舞いあがっていたんだと叱る。

 告白がまだ早い? 

 当たり前だ。

 まだスタートラインにも立てていないじゃないか、そう思う。 

 自分の好きになった人は、何故か自分を化物と言い、そして、今にも目の前から消えそうな顔になっているじゃないかと。   

 だから、告白するなら、まずはライナを救ってからだ、そう思う。

 だから、もう一度アリスは言う。

 「貴方が、何を抱えているのか、私に教えて? 私は貴方の力になりたいの」

 そうライナの腕を掴んで言う。

 ライナは腕を掴まれ痛かったのか、それとも、その言葉に、泣きそうになったのか、顔をゆがめる。

 ライナは顔を、いつの間に雲から抜け出していた。

 光か輝く、今にも目を焼きそうなほどの光を放つ満月を見ながら、言う。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/10(木) 23:54:53.52 ID:979T0j8q0
「…………分かった。そこまで言うなら、明日話すよ、どうせなら、魔理沙と一緒の方が良いだろ?」

 そう言い、ライナは、

 「だから、俺の話を聞いて、俺から離れるかどうかは自分で決めてくれ」

 そうライナは言う。

 アリスは、うんと頷き。

 「絶対に、貴方を嫌いになって離れたりしないわ」

 それにと付け加える 

 「ここを何処だと思ってるの? 幻想郷よ? 貴方がどんな力を持っていたとしても、貴方を止めれる人間は意外にいるのよ?

 貴方が自分を化物だと思っているのなら。その程度、化物のうちに入らないってことを教えてあげるわ」

 そう、アリスは微笑む。

 そして、「また明日」とアリスは部屋から出て行く。

 それをライナは視線だけで見送り。

 布団に寝転がる。

 アリスの顔を思い出し、そして呟く。

 「あぁ〜自分の意思で複写眼をばらす、なんてことあったけ? 俺も結構勢いで承諾しちゃったな〜」

 そしてライナは目を閉じて、月の光を浴びながら寝た。

 ――――その日の夢は、ローランドでシオンが、雨の中泣きながら剣をふるい自分を殺そうとする夢だった。


147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/10(木) 23:58:41.71 ID:979T0j8q0
 ふう、ごめん書くの遅れた。
 それじゃあ今日の分は終了です。
 スレタイは霊夢なのに、ヒロインが超アリスだが気にするな。
 自分でもビビってるから。

 人間の王、勇者王、英雄王、悪魔王、で、俺、誤字王……ありだねうん。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 00:10:31.32 ID:dXZGVFrsP
良かったなぁライナ…
ライナもアリスも可愛すぎる、乙!
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 00:54:02.66 ID:iKgu+U/0o
霊夢はやっぱりヒロインじゃないんだなw

乙乙〜
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/11(金) 03:26:21.18 ID:eG6s7hqy0
ライナの目覚めは、最悪だった。

 ここ最近、妙に、寝るたびに夢見が良くない。

 何故か、皆が自分を殺しに来たり、見たこともない場所での夢を見る。

 「はぁ〜、何でまたこんな夢ばっかり見るんだよ……」

 溜息をつき不快な気持を吐きだしながら、痛む体で布団から起き上がる。

 起きたばかりで、と言うよりいつでも眠そうな目をこすり思い出す。

 「あ〜そう言えばアリスに目のこと話すんだっけ?」

 ライナは少し暗い気持ちで思う。

 ただ、幻想郷に長い間滞在することになったとしても、いずれここから出るのなら話したって良いんじゃないかとそう思っている。

 どうせ出て、ここの世界に帰ってくる予定もないだろうから、だから、言っても大丈夫だろうと、ライナは思う。 

 ライナは目を、忌まわしき複写眼を瞼の上から触る。

 そして今の考えを頭の隅に置いておき昨日のことを思い出す。

 (この複写眼は、やっぱり普通の複写眼じゃないってのは、昨日の永琳の話で分かった)

 それは、永琳の話によって、夢が本当だったと確定したこと。

 そして、夢の中で言っていた『声』は、自分以外の複写眼は模造品と言っていた。

 なら、それなら、
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/11(金) 03:27:02.91 ID:eG6s7hqy0
「俺のこれは、本当は何なんだ? それに……あの『声』の存在を消せば、俺の複写眼は消えるのか?」

 そう思い、目を瞼の上から触る。

 まだ分からないことは多い、が、夢で言っていた。

 (あの夢で出てきた女は言っていた。俺は、俺の目を知っていると……どういうことなのか分かっているはずと。

 ………………いったいどういう意味よ?)

 しばらく考え、まったく答えに辿りつけなくてめんどくさくなって考えるのをライナはやめた。

 「そんなことより腹が減ったな……この一週間俺ってば何も飯食ってないんだよな……まぁ寝てたしな。

 寝ることは良いんだけどね、でも腹減ったし……腹がへらなかったらもっと寝ていられるんだけどな……」

 なんて怠惰のこと言いながら、

 「飯こねぇかな…………あ〜寝むい」

 また寝た。

 しかし、またも嫌な夢を見る。

 こんどは自分がどこかの誰かと一緒にローランドを抜け出す夢。

 「…………夢見が悪いってレベルじゃねぇな……どうなってんだ、これ?」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 05:32:25.50 ID:3pBIZGSAO
今北そして読んだ

おかしい…伝勇伝面白い好きアッピルはしても東方面白い好きアッピル(アリス好きアッピルとはまた別の話)がされていないとはこれ如何に?
貴公の答次第では支援もするし見なかった事にして金輪際スレを開かない様にもしようと思う
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 07:31:19.05 ID:uV4xu7EIO
>>152
これが東方厨か…

読まなくて良いから消えてくれ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 09:21:01.90 ID:3pBIZGSAO
>>153
攻撃的、暴力的、人種差別的で、個人、団体、組織を誹謗・中傷するようなもの

これに当たる書き込みだから通報しとくね^^
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 09:22:30.90 ID:RACllN4zo
はーいみんなスルー検定だよー
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/11(金) 09:24:52.26 ID:eG6s7hqy0
>>152おぉうすまなかった。決して東方が嫌いなわけじゃない。
 じゃないと舞台幻想郷にしないから。まぁ東方好きアピールするとするなら。
 運命少女も、DIO少女も、昼寝少女も、魔法使いも、Hも、ドSも、褌さんも、しばき棒持った閻魔も、

 ライナと気が合いそうなサボり死神も、犬も、パパラッチも、直死の魔眼上位互換すぎる方も、姫さんも、船長も、

 ネズミの国の使者も、みさえも、カエルモ、うなぎ屋さんも、2Pさんも

 焼き鳥も、頭突きさんも、鬼も、核も、死体運送さんも、小5ロリも、くるくるさんも、カッパも、皆すきだ!!

 ただ、単に伝勇伝アピールが多いのは……DVDが売れなかった悲しさと、2期が望めなそうな悲しさと。

 そして、伝勇伝が好きすぎるだけでござる。

 ということで、東方も随時アピールすることで勘弁願いたい。すいません。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 09:29:23.14 ID:z2y2B9RIO
>>156
マジレスすると>>152は無視して構わないと思う
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/11(金) 09:31:06.65 ID:eG6s7hqy0
>>157そうか、俺にもスル―スキルが足りないな……思っても胸にとどめる。それが大切か
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/11(金) 09:39:19.49 ID:eG6s7hqy0
今日は仕事が忙しそうなので投下は遅れるかも、すいません。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 11:33:15.30 ID:dXZGVFrsP
>>158
全く気にするなとは言わないけど
色々とあんま気にせず気楽に自由にやっておくれ
とにかく楽しみにしてる
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/11(金) 12:19:09.39 ID:E7KraZkAO
伝勇伝おもすれー
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 15:05:24.16 ID:nvqVwep2o
原作大好きなんだけど、正直漫画もアニメもクズだと思う
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 18:16:12.17 ID:v8Wk1tOq0
また荒れそうな事を言う……
完全腐向けリフォーム化アニメとか、原作好きには正直キツかったけどさ

武官弁護士みたいにエターナルにならない事を願うよ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 18:30:55.83 ID:mPwikE8ho
声出して動いてくれただけでも満足した俺はまだまだ原作愛が足りなかったのか……
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 18:36:48.01 ID:fquLPBgIO
というか、ラノベ原作のアニメ化漫画化でクソじゃないほうが珍しいだろ

クソなのが普通だ普通
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 22:18:31.02 ID:iKgu+U/0o
アニメ普通に面白かったけどなー
総集編以外
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/12(土) 19:41:30.80 ID:/VhopnW90
ライナはしばらく考え、一つ、思う。

 思えばあの声の場所も、無理やりにすれば『夢』と仮定できる、なら。

 『この話を、貴方はすでに知っているはずよ?』この夢も、何らかの繋がりがあるのかそう考える。

 「ん〜あとで永琳にでも聞いてみっかな」

 そう言っている、とんとんと足音が聞こえてきた。

 「おっ、ちょうどよく永琳が来たみたいだな―――なぁえいり……」

 ライナの言葉が途中で止まった。

 そして足跡もライナの前で止まった。

 「えっと、誰だお前? ――――――ウサミミ?」

 そうライナが、目の前に立つ、短いスカートをはいた、ウサミミを着けた、コスプレにしか見えない少女に先に口を出す。

 すると、少女はライナに向かい、礼儀正しい態度で言う。

 「私はここで永琳師匠の弟子をやらさせて貰っています、鈴仙 優曇華院 イナバと申し上げます。よろしくお願いします」

 そう自分の自己紹介をした少女は、深々と正座してお辞儀する。

 その礼儀正しさにライナはローランのにと言うよりライナの世界に無い風習に若干ヒク。

 第一印象はこいつ固いな……疲れそうだな……だった。

 しかし、鈴仙のすぐ隣に、お腹に響く良い匂いがたちこめている。

 それは、ローランドには無いような朝ご飯だった。

 でもうまそうだな、と思いながらも、飯はどうせ食べれるとふみ、鈴仙に永琳のこを聞く。

 「えぇと、永琳と話があるんだけど……」

 とライナが言うと、鈴仙は少し申し訳なさそうな顔をし。

 「すいません。今師匠は薬調合中でして……たぶんお昼くらいになると手が空くと思います」

 そう少女は丁寧に言う。

 その鈴仙の本当に申し訳なさそうな顔を見て、ライナはあわてて。

 「あぁ、いいよいいよ、いつでも聞けるし。それよりさ、俺ってばお腹すいちゃったんだよね〜それ朝飯だろ?」

 そう話題を変えることにする。

 すると、思いのほか鈴仙は話に乗ってきた。

 「あっ! 今日の朝ご飯は私が作ったので感想を聞かせてくれたら嬉しいです!! 

 今日は鮭とかおみそ汁とか、おいしくできたと思いますので自信があるんですよ!!」

 そう鈴仙は胸を張って自信満々に笑顔で言う。

 それを見てライナは第一印象とは全く違う印象を抱き。

 (まぁこっちの方がとっつきやすいし良いかな)

 と思った。

 しかし、ライナの顔にそのことが出ていたのか、鈴仙は顔を赤らめ。

 「すいません。料理のことになるとつい……」

 と謝る。
 
 ライナは

「別に良いんじゃねぇか? まぁたまにしかしないけど、俺だって団子作りが趣味だし………………

 あぁなんか、もう俺ナチュラルに団子作りが趣味とか言ってる……」

 暴力悪魔女を思い出し、調教されてんな……と少しへこんだ。
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/12(土) 19:46:32.50 ID:/VhopnW90
 ごめんねぇ……仕事が忙しすぎて帰ったらすぐ寝てしまった。
 毎日更新できなくてごめんね。
 まぁそれはそれとして。
 鈴仙はやはり、敬語を使うおっとりした。趣味の事になるとついお話したくなっちゃう優しい少女が良いと思う。
 鈴仙は弄られ役なんて時代は終わった。鈴仙はやはり優しくてほんわかするのが鈴仙だと思う。
 とまぁ書いたけど、今から描き溜めを作る作業にでも入ろう顔思う。
 ねてしまったら明日、起きてたら今日中に投稿します。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 20:23:20.39 ID:Sv3xo7DjP
>>168
できるペースでゆっくりやってくれ!
俺はこの鈴仙は素晴らしいと思うぞ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 22:41:38.42 ID:iE0AieWco
いい鈴仙だ 
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 22:52:38.78 ID:O+yqZWG4o
東方の原作やったこと無いから元の性格解らんが
とても可愛いと思う
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 22:53:56.43 ID:60Zv8kG9o
ナチュラルに団子作りが趣味って答えてるのに吹いた
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/13(日) 00:50:18.08 ID:G7AB04Fwo
東方二次で原作の性格を気にしたら死ぬ
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 07:12:10.61 ID:Gs6VWcqw0
東方原作や二次主流筋の性格とは大分ずれてるけど
良い感じのキャラ付けで俺徳です。頑張って下さい

鈴仙は生い立ち的にもライナに通じる部分が多いし
(優秀な元兵士、戦いが嫌で戦場放棄し故郷出奔、相手を狂わす魔眼持ち)
きっとお互いを理解しあえる
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 14:13:19.50 ID:LmZKHY2SO
伝勇伝で敬語使うまともなキャラって言ったらフィオルくらいだもんな
ライナは会ったことないし耐性なくても不思議じゃないな
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/13(日) 20:42:15.82 ID:ytvBK5QK0
では、投下いたします。今日も忙しかったから少ないけど勘弁してね。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/13(日) 20:42:55.77 ID:ytvBK5QK0
しかし、そんなライナの心中とは裏腹に、鈴仙は目をキラキラさせた。

 「お団子を作れるんですか!? 私もお菓子はあまり作れないので是非ご教授願いたいのですが!?」

 そう、鈴仙は無邪気に毒気の無い笑顔で、そうライナに教えを請う。

 それを見てライナはめんどくさそうな顔をしながら、しかし鈴仙の顔みて思う。

 (どこかの暴力女にもこの素直さを見習わしたいよ…………いや、あれは素直に殴ってきてんのかねぇ……はぁ)

 そして、そう思いながらライナは言う。

 「めんどくさいからやだ」

 誰かにモノを教える面倒くさい先生になるなど、アルアだけで十分だ。

 そうライナは思いながら断る。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/13(日) 20:45:06.25 ID:ytvBK5QK0
すると、鈴仙は目に見えて、ピンと立っていたウサ耳ごとしょんぼりする。

 「お団子を作れるチャンスだと思ったんですけど残念です……」

 そう言いながら、鈴仙は自分がライナに食事を持ってきたことを思いだし。

 鈴仙は自分の隣に置いてあった盆を手にとり、ライナにそれを向ける。

 「一応これ、朝ご飯です。できれば残さずに食べてくれると嬉しいです……」

 そう言いながら、もう目に見えて分かるほどのションボリした顔、というか耳のままそう言う。

 鈴仙の言葉にライナも、「まぁ残すつもりはないけどね」と言いながら受け取った。

 そして、ライナは先ほどから盆に置いてあった食事の中で、一番気になっていたものを鈴仙に質問する。

 「……なぁ? さっきから気になってたんだけどさ。……これってなんだ?」

 ライナはみそ汁を鈴仙に向け、聞く。 
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/13(日) 20:45:55.54 ID:ytvBK5QK0
それを聞いた鈴仙は、思いがけず「へ?」と調子の外れた声をあげた。

 「いや、これってスープか何かだよな? でも普通のスープとは違う……なんか嗅いだ事のない匂いがするし……」

 そう言われ、鈴仙は。

 「おみそ汁を知らないんですか? 結構普通のお吸い物だと思うのですが……」

 鈴仙はそう戸惑いながら返した。

 そして、ライナがみそ汁を見たことがないのは、世界が違うから普通っちゃ普通なのだが、

 やはりライナも人間、未知の食べ物には意外に手が出せなかった。

 「……へぇ、みそ汁ってんのか……。ここじゃ普通のもんみたいだけど………………うまいの?」

 そうライナは男にとって誰徳の上目遣いでちょっと期待を持って鈴仙に問う。

 鈴仙はその少しの期待を持った瞳のライナに「ふふふ」と優しく笑ってから

 「ここでは普通の食事ですし、不味いってことは無いと思いますよ? お口に会えばとてもおいしいかと思います」

 そうライナのような眠そうな目とはもう全く違う、なんというかいつでも優しそうな瞳でそう言う。

 ライナは鈴仙の言葉を聞き、それじゃ飲んでみるかななんて言ってからずぞぞと音を立てて飲む。

 「どうですか?」

 そう鈴仙は自分の作ったみそ汁の味が、ライナに合うか心配で聞いてみる。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/13(日) 20:48:20.75 ID:ytvBK5QK0
その鈴仙の言葉に、ライナは一度目を閉じて、
  
 「…………おぉ」

 なんて言いながらもう一度みそ汁を飲みライナは

 「……うまいな、これ。いや、本当にすごいよ」

 そのライナの一言で鈴仙はほっとし、笑顔で言う。

 「うれしいです」

 そう本気で嬉しそうに言った。

 そして、そしてライナはこの雰囲気に本気で思った。 

 (あれ? 今までで一番落ち着いた雰囲気じゃねえの? これ)

 あまりの普通にライナは暴力女に、詐欺の姉弟、槍使いの馬鹿に、どこかのアホ王、そしてここに来た非日常、を思い出し。

 そして、普通の幸せに、ライナは泣きそうになった。

 「普通っていいなぁ……」

 言葉にもつい出していた。

 もう、目の前の毒気の無い、にこにこ笑う少女が自分にはあまりにも眩しいライナ。

 「普通って本当にいいな……」

 そうもう一度呟くほど、永遠亭が、と言うより鈴仙が気に入ったライナであった。
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/13(日) 20:50:25.51 ID:ytvBK5QK0
 終わり。なんかほのぼのとした朝だったね。ごめんね。全然話進んでないね。
 では乙。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 21:15:41.47 ID:CKvvhpZno

思えばライナの回りに普通っていうかぶっ飛んでない性格の人って殆ど居なかったもんな……
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 22:33:56.92 ID:erETiN2Qo
和んだ 
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:22:35.21 ID:gF1K6vAXo
良い鈴仙だ
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 00:34:50.29 ID:RrhsacYIO
うどんげうどんげうどんげうどんげ
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/18(金) 20:09:57.94 ID:zffdvS3E0
すまん仕事忙しいのとキャサリンしてた。
次からは速くできるのを心掛けれたらいいな……。
確証はないので……。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/18(金) 20:10:25.22 ID:zffdvS3E0
朝の朝食も普通と言う幸福に包まれ終わり、ライナは満足した。

 まぁライナに幸福なんていつまでも続かないのが原作でもお約束だ。

 ご飯に満足したライナは、鈴仙が朝と晩で毎日二回ずつ薬を塗るのと包帯交換すると言う。

 自分が師匠に変わり面倒を見ろと言われたらしく塗り薬も特殊なものなもので。

 鈴仙が塗らなければいけないらいしく

 ライナも承諾して頼むことにした。

 「……うわぁ、背中、凄い……傷ばかりですね……。弾幕でやられた傷は大部分は師匠が直したはずなので……これは古傷なのでしょうか……」

 そう鈴仙はライナの傷跡を見て、何故か暗くなる。

 その暗い顔を見て、ライナは眠そうな目で、

 「まぁ、ただの戦闘での傷だよ。あとは…………………………………悪魔の仕業とか」  
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/18(金) 20:12:03.69 ID:zffdvS3E0
いつもいつも寝起きに傷をつけられる自分の首元を触り、最後の部分を溜息をつきながら、ぼそっとライナは言った。

 鈴仙は最後の部分が聞こえず「え?」と聞き返す。

 それになんでもないとライナは返す、が鈴仙はその背中の傷を見て、一瞬黙り、ゆっくりと口を開く。

 「…………そうですか? でも、これ、普通の古傷とは違うみたいです…………たぶんこれ、拷問傷ですよね……」

 そう鈴仙は言い。

 それは、ライナが複写眼だというだけで付けられた傷。

 背中についているまるで肉を抉りとられるような傷や、焼かれた後の皮膚、そんな生々しく傷として残っているのを、鈴仙はもう一度見る。 

 そして、あえてそのことにを言わなかった、と言うよりそんなことを言う必要が無かったライナは、驚く。

 「へ? 別に俺、そのことは話してなかったよな?」

 「やっぱりこれは、拷問傷なんですね…………」          

 そう鈴仙は言い。何故か落ち込んだ顔になる。

 「……あん? どうしたんだ? そんな暗い顔して。別に鈴仙が落ち込むもんでもないだろ」

 ライナは鈴仙の暗い顔に深く突っ込まず、別に気にした風もなく、そう言う。
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/18(金) 20:12:44.35 ID:zffdvS3E0
鈴仙も、「はい」と、苦笑いして、

 「すいません。こういうことを聞くのはデリカシーが無かったですね……。本当にスイマセン……」 

 鈴仙のその一言で、ライナは「別にいいよ」と、そう気にした風もなく言って、その鈴仙も何か抱えているのだろうかと思いつつも


 その場を無かったことにする。   

 そして、鈴仙は薬を塗り始め、まずは肩、背中、腰といき、次に正面の腕まで行き。

 「…………なぁ……前は俺が塗るから別に良いぞ?」

 そうライナは言うが、鈴仙は

 「すいません。この薬は少し特殊な薬でして……塗り方にコツがいるんです……なので無理です」

 そう鈴仙はきっぱりと言う。

 ライナは女の子に体を触られるのはあまり気にしない方だが、やはり気になるっちゃ気になる。

 しかも目の前の少女は見た目は自分と同じくらいの年齢だ。

 あんまりというより女の子に興味を持たないようにしようとしているはライナも少しは照れた
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/18(金) 20:13:31.03 ID:zffdvS3E0
「あぁ動かないでください、塗りづらいです……あっ!」

 ぽす、と、鈴仙がライナの胸板に顔を突っ込む。

 「おい、大丈夫か?」

 「あっ! はい! だ、大丈夫です!!」

 なんて、顔を少し赤らめさせながら鈴仙は上目遣いで言う。

 鈴仙の体はライナに寄りかかり、ライナは鈴仙の肩を支えながら、鈴仙の目を見る。

 ……なんて、もうよそから見れば、恋人同士のイチャラブにしか見えないのだが、そこに――

 「……………………ねぇ、何してるの?」

 ――昨日、一緒に居た金髪の少女の声が聞こえてきた。 

 その名は――

 「お、アリスじゃねぇか? もう来たのか? って何をそんなに顔を恐くして……っておわッ!!!」

 ――やっぱりアリス。

 そして、アリスはライナにナイフを持った人形を放った。

 「アンタ、いきなり女の子に手を出してんじゃないわよ!! なに? あんた色情狂なの? 野獣なの? 馬鹿なの!?」

 なんて、アリスは罵詈雑言を放つ、

 「いや、手なんてだしてねぇし!? ってか俺は鈴仙が倒れこんできたから支えただけだぞ!?」

 「嘘よ!? アンタ色情狂で野獣なのよ!? この色情狂!! 変態!! くず!! 触っただけで妊娠させる悪魔!!」

 なんて、言い放つアリス。

 「うぅぅ……こんなところまで来てそんなこと言われるのかよ……全部言われの無い罪だし……」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 01:46:00.67 ID:lnUIYn6p0
 ライナは涙目になった。

 この世の自分への運の周りに対して、本当に泣きそうになった。

 と、まぁそれは置いといて、鈴仙はアリスの言葉に、弱々しくながらも反論する。

 「……あの。私とライナさんはそう言うのじゃないですよ? それにライナさんの言ってたことは本当です!

 私がただバランスを崩しただけで……それを支えてもらっただけです……その……ごえんなさい……」 

 そう、鈴仙はウサミミを前に垂れさせ言う。

 もう、まるで、子ウサギが魔女の焼き肉にでもなる寸前かのように弱々しいく言う。

 それに、その鈴仙の姿に、微妙にアリスは罪悪感を感じたのか、「うっ……」と、一度声を詰まらせる。

 「ま、まぁ……貴女がそう言うのなら……そうなんでしょうね……その、疑って悪かったわね」

 そうアリスはばつが悪そうに鈴仙に言う。

 ちょっと流石に、今のは自分でも簡単にキレ過ぎて駄目だと流石に思ったようだ。

 ちょっとのことで、嫉妬し過ぎたとアリスは思った。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 02:08:16.23 ID:lnUIYn6p0
そしてライナは、鈴仙に心の底から謝っているアリスを見て、小さく呟く。

「……あぁ、俺への謝罪は無いのね……。まぁ慣れてるけど……」

 そう言いながら、さっき急に動いたせいでまた痛めた体を――主に腰――を抑えながら、溜息をつきながらもう一度座り直す。

 そして、アリスが来たってことは、これから目のこととか説明しなきゃいけないんだよな……と若干気持ちを暗くしながら、

 少し現実逃避をするかのようにぼんやりと、木の天井を見ながら左手で腰をさすりながら、右手で頭を掻く。

 「あっ……また腰を痛めてしまったんですね……今、薬を塗りますね」

 と、鈴仙は甲斐甲斐しく薬を片手にライナの後ろに回り込もうとし、薬をひょいっとアリスに取られる。  

 「え?」と、急に薬を取られた鈴仙は、呆然とアリスを見。

 すると、アリスは少し照れた顔をして。

 「流石に私も、何も知らずに馬鹿みたいに怒ったこと、反省してるわ……だから、その、薬くらい私が塗ってあげる」

 そうアリスは照れながらも塗り薬のクリームを手に取り、ライナの背中に塗ろうとする。

 「あっ! アリスさん! 待って!!」

 そう、鈴仙は、何故か緊迫した顔で、大きな声を張り上げ、アリスを止めようとする。

 アリスは「へ?」と言いながらも、もうすでに、ライナの背中に薬を塗っており。

 「ぎゃぁああああああああああああああああああああああああああああ」

 悲鳴が上がった。

 もう、これ以上無い悲鳴が上がった。

 その悲鳴の悲痛さは、ライナが弾幕で体を滅多打ちにされ、苦しそうにうめいてた声より酷い声を永遠亭に響かせた。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 03:59:55.62 ID:bwUdOJVSo
ライナカワイソス・・・
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 04:42:25.12 ID:lnUIYn6p0
「あぁ……その薬は特別な塗り方が必要でして……間違えると傷に凄い激痛が染みわたるんです……」 

 別に体に悪いわけではないんですけどね……と鈴仙は付け加え、ライナのあまりの悲鳴に、鈴仙は少しだけ顔を青ざめさせる。

 何故、鈴仙が顔を青ざめさせるかというと、昔一度、足を怪我したときに、自分で塗って同じ思いをした覚えがあるからだ。

 いや、同じ覚えと言うのは全然違う、ライナの場合背中のは二分の一なのだから、あまりに痛みが違うだろう。  

 「ああ! ちょっと、大丈夫!? ごめん! 私そんな特別なやり方が必要なんて思わなかったから!!」

 とアリスはライナの前ではらはらと慌てふためいている。

 アリスのその顔は、若干泣きそうだ。

 (あぁもう……。なんでこうなるのよ! ライナに謝ろうとしただけなのに……いつもならこんなミスなんてしないのに……)

 アリスはもう、内面も外見も泣きそうだった。

 そんなアリスを置いて、鈴仙は申し訳なさそうにライナに心配げに言う。

 「えぇと、激痛はすぐに引くので、ライナさん。もう少し我慢してください!!」

 「ってまだこの痛み続くのかよぉおおおおおおおお!?」



 ライナは、死んだ方がましな激痛を、2分耐えた。

 激痛に耐えたライナの顔は、青ざめを通り越してもはや土気色だったのは、言わない方がいいだろうか……。 

 ライナは、眠そうな目を死人になりそうな目に変えながら、唇を紫色にして、口を開ける。

 「し、死ぬかと思った…………。主に精神が……」

 「その点では本当にギリギリでした……」

 鈴仙の言ったギリギリという言葉に、ライナは死人一歩手前の目でうんざりした。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 17:03:26.91 ID:QqR66sJ5o
寝落ちか。乙
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:18:14.73 ID:lnUIYn6p0
ちょっと長くなりますので、くぎり区切りで投下します。
どうぞご了承をば
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:21:07.58 ID:lnUIYn6p0
そしてライナが生死の境を一瞬体験し、アリスが涙目になり、鈴仙が慌てたしばらくした後、

 「来てやったぜ〜」 

 そんな意気揚々とした声で、魔理沙がやってきた。

 手には見舞いの品なのか、果物をバスケットに入れて持ってきている。 

 そして、魔理沙はライナのいる部屋に入り、困惑した。

 「おーい見舞いと……なんだ、ライナの説明? をしに貰いに来たぞ……――っておいおい、何でライナは顔が土気色で

 アリスは涙目でうどんげはそんな焦ってるんだぜ…………?」
 
 それについては一番心情的には平気な鈴仙が説明する。

 すると、魔理沙は、はははと笑い。

 「あはははははははライナは本当に運が悪いな。 いきなり幻想郷に飛ばされて、アリスに勘違いで襲われて、なのにアリスを守って死にかけて、

 ここにきてアリスに薬で殺されかけて。……………ってあれ? 死にかけてるの全部アリスのせいじゃないのか?」           

 魔理沙が何でもなくそう言うと、アリスはまたズーンなんて効果音を立てるほど落ち込んだ。

 そんなアリスを見て、魔理沙はまた困惑した。 
 
 「あ、あれ? アリス? どうしてそんなに落ち込んでるんだぜ? 

 アリスなら別に、誰がどうなろうと動揺しないじゃないのか?」
 
 そう、魔理沙は、慌てて無意識に酷い事を言う。

 そうして、そう言っていて、魔理沙は思った。
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:21:37.73 ID:lnUIYn6p0
そしてライナが生死の境を一瞬体験し、アリスが涙目になり、鈴仙が慌てたしばらくした後、

 「来てやったぜ〜」 

 そんな意気揚々とした声で、魔理沙がやってきた。

 手には見舞いの品なのか、果物をバスケットに入れて持ってきている。 

 そして、魔理沙はライナのいる部屋に入り、困惑した。

 「おーい見舞いと……なんだ、ライナの説明? をしに貰いに来たぞ……――っておいおい、何でライナは顔が土気色で

 アリスは涙目でうどんげはそんな焦ってるんだぜ…………?」
 
 それについては一番心情的には平気な鈴仙が説明する。

 すると、魔理沙は、はははと笑い。

 「あはははははははライナは本当に運が悪いな。 いきなり幻想郷に飛ばされて、アリスに勘違いで襲われて、なのにアリスを守って死にかけて、

 ここにきてアリスに薬で殺されかけて。……………ってあれ? 死にかけてるの全部アリスのせいじゃないのか?」           

 魔理沙が何でもなくそう言うと、アリスはまたズーンなんて効果音を立てるほど落ち込んだ。

 そんなアリスを見て、魔理沙はまた困惑した。 
 
 「あ、あれ? アリス? どうしてそんなに落ち込んでるんだぜ? 

 アリスなら別に、誰がどうなろうと動揺しないじゃないのか?」
 
 そう、魔理沙は、慌てて無意識に酷い事を言う。

 そうして、そう言っていて、魔理沙は思った。
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:22:39.15 ID:lnUIYn6p0
そういや今さっきアリスは涙目だったな、と。

 アリスの涙目なんて自分関係でしか見たことないと。

 いや、それ以前に、誰かのためにこんなに一喜一憂するアリスを自分以外で見たことが無い。

 確かにライナを永遠亭に運んだ時のアリスは落ち込んでいた。

 しかし、それは自分に怒られていたからだと思っていた。

 だから、何故か、気になる。

 胸の内がなにかモヤモヤとする。

 「……まぁいいか」

 とりあえず魔理沙は気にしないことにして、なにか、もやもやするものを頭から追い出した。  

 それはたぶん自分に好意を寄せている自分に好意を寄せてくれるアリスを取られた嫉妬だったのかもしれないが。

 それは、きっと、恋愛感情ではないだろうが、しかし、魔理沙は、そんなことに気付かず、いや、もしかしたらあえて気付かず、ライナに話を即した。

 話を即されたライナは、
 
 「ん? あぁ………………………話さなきゃいけない?」

 なんてライナは急に弱気になる。

 そのライナを見て、魔理沙は呆れた顔になり。

 「おいおい、私をここまで呼んでおいて来て早々帰れって言うんじゃないだろうな? それなら流石に私も怒るぜ?」

 「もう、ここまできて、弱気になってんじゃないわよ。ライナの話を聞いて嫌いになったりしないから話しなさい」

 なんて魔理沙が呆れながら、そしてアリスがいつの間に立ち直ったのか、優しい顔で言う。
 
 だから、そう言われたライナは、少し、悲しそうな顔をしながら、

(まぁ約束したしな)

 と自分に言い聞かせ、自分の瞳のことを話すことにした。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:24:13.06 ID:lnUIYn6p0




 ―――――――――――――――――」

 ライナの話は、あまりにも、アリスと魔理沙、そしてその場に偶然と言うより、出て行くタイミングを逃した鈴仙の顔を歪めるのには
 
 十分な内容だった。

 ライナは寂しそうな顔で、まず、大したことのない、いや、魔法使いにとっては大したことのある話を最初に言った。
 
 それは、

 ――――――自分の目は、魔法の構成を読み取り、相手の魔法をコピーできる魔眼だと。

 そうライナが言うと、魔理沙とアリスは驚いた。

 しかし、アリスは、なるほど、と納得する。

 「なるほど、だから貴方は私の魔法を使えたのね」

 そうアリスが言うのでライナ「ああ」と頷く。

 そして続いて魔理沙も思い出したかのように。

 「ライナが使っていたあの飛行魔法、私の作った飛行の魔法と似てると思っていたけど、なるほど、ライナがコピーした魔法だったのか」

 それに対しても、ライナは「ああ」と答える。 

 「へー。それって反則みたいな能力ですね?」

 と感心したように鈴仙が言う。

 そして、アリスが、一つ疑問に思う。

 「? でも、なんでそれだけで自分の事を化物だと思うのよ? 確かに相手の魔法を瞬時にコピーできるのは、

 正直頭おかしいんじゃない? と思うほど凄いけど、何もそんなに忌み嫌うほどの事でもないと思うわよ?

 むしろアドバンテージじゃない?」

 と、そうアリスは言う。
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:25:33.79 ID:lnUIYn6p0
 そのアリスの言葉に、ライナじゃなく、魔理沙が反応した。

 魔理沙はライナに顔を向け。

 「化物? ライナはそんな程度で自分の事を化物なんて思っているのか? そんな程度の反則、この幻想郷にはごろごろいるんだぜ?」

 と魔理沙はまたも呆れながら言う。

 それに、ライナは悲しそうな、寂しそうな、顔で言う。

 「いや、そんな程度じゃないんだなこれが……この目を持っているだけで、俺達は、えっと、まぁ迫害されるんだよ……」   
 
 そして、ライナは言う。

 ――――――この魔眼を持つだけで、自分は、いや魔眼持ちは、虐待されたり、殺されたり、実験体にされたりする存在だと。

 ――――――この魔眼は、人々に、恐怖を与えるものだと。

 そう言う。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:27:42.30 ID:lnUIYn6p0
 それに幻想郷の、あまにりにもそんな迫害の無い、優しい世界に住むアリスと魔理沙は、

 何かを言おうとしたところでライナは遮るように続けて言う。

 それは、あまりにも衝撃的な内容で、二人とも、何も口に出せなくなる内容だった。

 ――――――自分の目は、感情のタガが外れると、簡単に暴走し、大量虐殺を引き起こす、呪いの目だと。

 ――――――この目は、暴走すると、誰でも殺そうとする、しかも、自分の魔眼の効力に当たると、必ず死ぬほどの力を持っていると。

 ――――――そして、自分はすでに二度ほど、目を暴走させた事を、

 ライナは言った。

 ライナは悲しそうな顔でそう言った。

 自分の人生を、普通の人生を歩ませてくれなかった、そんな呪われた魔眼の話を、魔理沙とアリス。

 そして、偶々そこにいた鈴仙に話した。

 『…………………………』

 予想通り、三人は黙ってしまった。

 これで、この三人は、俺のことを恐怖するかもしれない。

 もう、近寄ってこないかもしれない。

 でも、それでいいとも、ライナは思う。

 自分の様な化物には、やはり近寄らない方がいいとも思う。

 いつ暴走するかも分からない瞳をもった自分には近寄らない方がいいと思う。

 だから、早めに幻想郷を離れようと、出る方法を探そうと、ライナは思う。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/19(土) 23:28:18.32 ID:lnUIYn6p0
一旦休憩
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:46:16.05 ID:3QkAFG680
開始
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:46:42.33 ID:3QkAFG680
しかし、ライナのその考えは、三人ともの答えで、否定されることになる。

 「馬鹿なの? その程度…………とは言えないけど、元ライバルの場所に、それくらい強いのは、一人いるから安心しなさい。

 どこかの胡散臭い女の言葉を借りれば、幻想郷はその程度受け入れるわよ」

 とアリスが呆れながら。

 「馬鹿だな。お前はその程度で自分の事を化物なんて言って恐がっていたのか? 化物でも全然いいじゃないか。

 ここ幻想郷は化物の巣窟だぜ? それくらいなら簡単に止めてみせるさんだぜ?」

 そう、魔理沙が、笑いながら。

 「馬鹿ですね。幻想郷に化物ならうじゃうじゃいるじゃないですか? 私の師匠もそれは化も―――いや、なんでもありません。

 壁に耳あり障子に目ありって言いますしね。もし聞かれたら私の人生が終わります…………」

 と、何かに脅えるように鈴仙が言う。

 三者三様ともに、最初に馬鹿とシンクロさせたのは、はたして……とライナも「うぇ」なんて思うが。

 でも、やはり、驚いてしまう。
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:47:26.99 ID:3QkAFG680
自分の複写眼を知り、自分の事を否定しなかったのは、シオンとフェリス以外に誰もいなかったからだ。

 だから、ひどく、ライナは驚く。

 目をキョトンとさせて、拍子抜けしたと言わんばかりに、驚く。

 だから、ライナは言う。

 「えぇと……俺はお前らを殺しちまうかもしれないんだぞ? それは……恐くないのか?」

 そう、ライナは驚きと、寂しさを混ぜた目で言う。

 しかし、三人は言う。

 何を言うんだと言わんばかりに言う。

 「なんでその程度で恐がらなくちゃいけないのよ? そんなのタガが外れなければ恐くないでしょう?

 そんなことより情緒不安定などこかの妹の方が怖いわよ」

 「まぁそう言うなって、あいつも苦労してんだぜ? まぁそれに、いくら神様みたいな能力を持っているって言っても、

 幻想郷には本物の神様がいるんだぜ? その程度じゃ何ともないんだぜ」

 「だから、幻想郷では気楽にいてください。私達はその程度では動じませんよ。それにライナさんは、私達を心配してくれるほどに

 優しいですしね」  

 そう三人は、ライナに簡単に言い放つ。

 まるでライナの話は雑談の一部分でも良いかのように和気あいあいと、簡単に本当に簡単にライナを、

 ライナの寂しさの元凶の目を受け入れてくれた。

 それに、ライナを一番驚かせたのは、三人とも、別にライナが化物だろうとどうってことないと、そう言ってのけたところだ。

 「………………………………………」

 それに、ライナは本当に、本当に泣きそうになる。

 それは、胸を締め付けるほど、嬉しくて。

 自分をすんなり受け入れてくれたのが嬉しくて。

 泣きそうになる。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:48:38.48 ID:3QkAFG680
 











――――――――――――――――そこで、何か、自分の頭に流れ込んできた。グニャリと自分の目の前の景色が変わる。







208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:49:59.92 ID:3QkAFG680
 そこは、酷い、本当に酷い場所で、何故か、魔眼の持ち主と分かる子供達が死んでる場所だった。

 そこで、その中で、金髪の、目が見さえひれ伏さすような美貌を持った、いつも無表情の美少女、フェリスが。

 泣きそうな顔で、自分に怒っていた。

 『……………お前は化物で、私の仲間じゃないのなら……勝手に消えればがいい。相方でも、奴隷でも、茶飲み友達でもないと言うのなら、

 勝手に……好きにするがいい』

 そう、泣きそうな顔で言う。

 そして、フェリスはそのまま剣を、ピンク色の髪をした男に向け、構える。

 ライナにはこの状況が良く分からないが…………何故か、胸が締め付けられる。

 まるで、自分を受け入れてくれた三人と同じように胸が締め付けられる。

 そして、フェリスは言う。

 『……だがライナ、私はそうは思ってやらない。お前が自分のことをどれほど化物だと思ったとしても……私は思ってやらない。

 お前が一人で……一人になって……寂しいと思わないのだとしても……私は、そうは思ってやらない』

 そう、フェリスは言う。

 三人とは、少し違うが、自分を受け入れてくれるその言葉に泣きそうになる。

 すると、フェリスのすぐ目の前に居るピンク色の髪の男は、せせら笑うように言う。
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:51:04.68 ID:3QkAFG680
 

 ――――まるでお伽噺の様で面白いな



 そう笑う。



 ――――しかし、お前は化物だ。



 そう笑う。



 ――――お前は生きているだけで害をなす化物だ



 そう笑う。

 

 男は、ライナが言われ慣れた言葉を言う。

 自分でも分かっていることを、その男は言う。

 自分の血塗られた化物の手では、何処にも届かない。

 だれも救えない……

 そう確かにライナは思う。 
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:52:47.28 ID:3QkAFG680
 そして、それを否定するつもりは、ない。

 生きているだけで人を傷つける化物ならもう、死んだっていい。

 ずっと。

 ずっとそう思っていた。

 自分でもそう認めているのに、フェリスは言う。

 『……だからどうした? こいつが化物だから、どうした? こいつが化物だろうがどうだろうが、私は気にしない」

 そう言う。そう言ってくれる。

 そして男は、やはり笑うように言う。



 ―――――面白い事言うなと、




 ―――――お前が気にしなくても、危険な化物は生かしてはおけないと




 そう言うが、フェリスは、お前の意見などどうでもいいかと言うかのように。

 『知るかそんなこと』

 そう言う。 

 あまりにあっさりとそう言う。



―――――――――――そして、景色が変わる。


211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:54:03.96 ID:3QkAFG680
 そこは、ローランドの城だった。

 そこは、扉の前。

 そこで、ライナと、フェリスと、扉一つ隔てて、シオンがいた。

 シオンは、怒っていた。

 泣きそうな声で、苦しそうな声で怒っていた。

 ライナに、ふざけるなと、勝手に出て行って、勝手にへらへらした顔で戻ってくるなんて、ふざけるなと。

 シオンは怒っていた。

 その中のライナ言う。

 確かに、魔眼保持者を保護してほしいがために、シオンを利用したいがために戻ってきたようなものだと、

 そりゃ怒るよなと、ライナは言う。

 しかし、そうライナが言った途端、扉が、ドン! と殴る音が聞こえる。そして、シオンはいう。


 『……怒るだ? 俺がか? お前に利用されて、俺が怒るだと? おまえ……ほんとにふざけるなよ……俺がお前にムカついてるのは、


 お前のその態度のせいだってなぜわからない?』

 そうシオンは言う。

 そして震える声で、微かに怒りのこもった声で、怒りと悲しみが混じった声で、シオンは言う。


 『……勝手に思い詰めて、勝手に俺の元から出て行きやがって……

 何で思い詰める前に相談しない? 辛いなら辛いって、何で教えてくれない? なにが裏切られ続ける僕たちの、心の闇を知らないだ。

 そんなもん知るか。愚痴があるなら言えよ。泣きたいなら泣けばいいだろうが。それともなんだ?
 
 悩みが話せないくらい、俺らは何でもない他人なのか? 親友じゃ……なかったのか? 答えてみろライナ・リュート!!』


 そう、シオンが叫び。




―――――――――――――――――景色が急に戻る。



212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:55:51.83 ID:3QkAFG680
「…………………っっ!!」

 ライナは、自分の胸が締め付けられるような、そんな思いになる。

 涙が、無意識にポロポロ出る。

 さっきのが、何なのかは、分からない。

 でも、すごく懐かしくて、凄く、嬉しくて。

 涙が出る。もう、溢れ出て。

 涙なんて人前で、見せたくないなと、そう思うけど、でもやっぱり、三人の前で涙が勝手に出る。

 後で魔理沙やアリスに弄られるんじゃないだろうかと、思うも、涙が出る。

 そんなライナを見て、三人は、一瞬驚いて。

 三人とも、優しげに笑う。

 「ふふ、なによ。そんなに嬉しかったの?」

 とアリスがライナの頭をなで。

 「嬉し泣きは良い事だぜ」

 と魔理沙も笑いながらごしごしとライナの頭をなで。

 「…………………………」

 鈴仙も、優しい目で、無言でライナをなでる。
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 00:59:37.47 ID:3QkAFG680
 ライナは頭はほとんどの領域をなでられつくされ。

 困惑するも。

 やはり涙が止まらない。

 夢かどうか分からないが、いや、別に夢でもライナはは嬉しかった。

 フェリスにシオンが自分を受け入れてくれたことが。

 それに、まだ会ったばかりのアリスに魔理沙、鈴仙が、簡単に自分を受け入れてくれる。

 それが、嬉しかった。

 そして、ライナは言う。泣きながら言う。

 「………お、俺は………………」

 ライナは言う。

 「………………俺は………生きてても、いいのかな?」

 その言葉に、三人は、言う。

 「あたりまえよ」

 「とうぜんだぜ」

 「もちろんです」

 そう三人は言う。

 三人とも生きていていいと言う。

 それが嬉しくて。

 ライナも少し、笑った。



 ――――そこでまた何かが流れ込んできて、景色が変わる。




 こんどは、短かった。

 それは、フェリスが、涙を流しながら、

 『……馬鹿が。お前が死んだら…………………………………………寂しいだろうが……………………』

 そう言って。

 

 ――――景色が、すぐに元に戻った。

   
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/02/20(日) 01:02:46.42 ID:3QkAFG680
 終わりです。長かった。
 久々に長く書いた。まぁ面白くなかったらごめんね〜ん。
 あとキャサリンが難しい。最終面が難しい。若本が怖い。
 と、まぁそんなことは置いといて、今回はライナが自分を認めてもらう話でした。
 ライナは何者なのか、今回の話で勘づいた人もいるんじゃないでしょうか?
 では、また今度〜。
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 01:13:58.65 ID:OiF9TwQFo
乙!面白かったぜ!
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 17:51:27.54 ID:d1yI6ebMo
乙!
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2011/02/21(月) 01:09:23.64 ID:Vbqv2acK0
とりあえず今後ライナがいくだろう場所とどうなるかを安価で置いときます。
ちょっと忙しくて放置して人は減っちゃったけどまぁいけるんじね? って気持ちで置いときます。

眠いから今日は無理ですスイマセン

1向日葵畑⇒ライナ死にかける

2紅い屋敷⇒ライナ死にかける

3地底⇒ライナ死にかける

4魔理沙の家⇒ライナ死にかける

5人里⇒ライナ苦しむ

と言う感じになります
たぶん安価もうこれ以降しないと思いますがお願いします

安価>>218
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2011/02/21(月) 01:10:10.06 ID:Vbqv2acK0
ごめん近すぎた、
安価>>221
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:10:29.86 ID:gvF4Ci3Co
ここでまさかの妖怪の山
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:20:05.92 ID:xqR0rSejo
5だけは勘弁
4でめーりんとの絡みが見たい
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:27:29.51 ID:cqNc4WAAo
3
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2011/02/21(月) 02:00:44.59 ID:Vbqv2acK0
もう安価が決まっただと……
では3で行きます。
ちなみに地底にてライナは――ネタばれ禁止――になります。

ちなみに他のはこうなる予定でした。

1向日葵⇒第二のフェリス登場。しかし、第二さんはライナの命などどうでもいいのでフェリスより死亡フラグ高め

2紅い屋敷⇒図書館などに行き魔道の勉強。動かない図書館さんがライナの魔道の理解の早さに感心する、妹様出現

3地底⇒上記のとおり

4魔理沙の家⇒マジックトラップで死にかける

5人里⇒魔眼のことが最悪な形で人々に伝わる。ライナの心がぶっ壊れかける

でした。では、もう少し永遠亭で色々して地底に行きます。
よし寝る。トイレ行きたいがために偶然起きただけだしね。
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 02:14:30.87 ID:ggTgUaRho
5やべえな
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 02:25:34.72 ID:xqR0rSejo
5にならなくて本当によかった
楽しみにしてる
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2011/02/21(月) 17:10:14.60 ID:Vbqv2acK0
ちょっとこれだけ



 その流れ込んできた何かの記憶に、すこし、冷静になったライナは、眉間にしわを寄せる。
   
 「………っっっ。またか……」

 さっきは、何か、懐かしいような、苦しいような、胸が締め付けられるような気分で、ライナは、まともな思考ができなかったのだが。

 しかし、冷静になった今、疑問に思う。

 さっきのもそうだが、この覚えのない記憶はなんだ? 

 そうライナは思いながらも、何故か、その記憶は、無視することのできない力があるような、そんな気がする。

 それに、これだけじゃない、最近みる夢もおかしい気がする。

 自分はそんなに、ローランドに愛着もないし、みても、ロクでもない夢しかみない。

 確かに最近も、寝るたびに、ローランドでの夢をばかりみる。

 いや、ローランドじゃない場所でのもあるが、それもやはり、おかしい。

 それは最悪な夢を、今しがた見た、自分にとって幸せななにかを、強引に自分に何かを見せているような……。

 そしてライナは考える。
 
 まともな思考ができるようになったはずの頭で眉間によけいしわを寄せて考える。

 目の前の少女三人が、急にライナの顔がしかめっ面になったのを、

 何が起こったのか? と、不思議そうな顔で見てくるが、だが、あえて無視して、考える。

 いや、すでに思い当たるものは、一つある。

 それは、ライナはこれが、あの日傘を持った、どこか、

 妖艶さと謎めいた感覚を感じさせる少女が言っていた『もう知っている』ということに繋がるのかもしれないと、考える。
  
 しかし、考えたところで、なにも分からない。

 いや、考えようとしたところで、頭に靄がかかったかのように、思考ができない、いや、させてくれない。

 まるで、なにかの力がかかっているような……。

 「…………くそっ。これは、もしかして何か、魔法が掛かってんのか?」

 そう、三人に聞こえないように、小さくぼそっと、呟く。
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2011/02/22(火) 00:03:52.34 ID:tvThGvJq0
しかしライナは、そう呟きながらも、それは無いなと思う。

 もし魔法が掛かっているのなら、きっとこの忌まわしい魔眼(アルファスティグマ)は反応する。

 この目は、そう言う魔眼だ。

 魔術なら何だって見抜く、読み取る、奪い取る、これはそう言う魔眼だ。

 だから、魔術なら、気付かないはずが無い。

 しかし、なら、なんなんだ? これは、いったいなんなんだ? 魔法じゃなかったら、何故、思考が……考えることができない。

 これが、思考を阻害する魔法じゃないのだとしたら、いったいなんなんだ? 

 こうして、『何かが起きている』というのは考えられる。

 しかし、夢のことや、頭に流れ込んできた何かを、奥深くまで探ろうとしようとすれば、もう、まるで考えられない。

 (…………どうなってるんだよ?)

 そうやって、ライナが黙って考えていると、急にしかめっつらで黙ったのが心配になったのか、

 「ねぇ? どうしたのよ、そんな顔して? 何かあったの?」 

 そうアリスが心配そうに声をかける。 

 それに、ライナはあぁしまったな……なんて考えて、いつもの眠そうな顔で、アリスに言う。

 「いんや、別に何もないよ。ただの勘違いだったみてぇだしな。……だから、あんま心配そうな顔すんなよ、アリス」

 そう、ライナは苦し紛れな言いわけをアリスにする。
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga ]:2011/02/22(火) 00:09:17.14 ID:tvThGvJq0
凄く眠くて全然かけない……。
とりあえずこれだけで勘弁してください
とりあえず
声優の高垣彩陽の光のフィルメントとceuiさんのLast Infernoは凄い衝撃を受けた曲なので
それ聞いて、リラックスしてください。お願いします。
http://www.youtube.com/watch?v=y5NdLRVrqGQ
http://www.youtube.com/watch?v=v8R6jMz2JxE
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 17:24:55.92 ID:d7YwKqgwo
さとりと会ったらライナどうなるんだろうなー
地底編も楽しみだ
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/04(金) 18:49:07.97 ID:mfkis+o8o
俺は待ってるぞー!
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 19:12:25.63 ID:PajzvAJBo
俺も待ってるぞー
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/08(火) 02:51:08.46 ID:8vmveCHRo
追いついてしまった…
これアニメより先の話出る感じ?
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/16(水) 16:13:00.89 ID:l6pTMHRto
>>1は大丈夫なのか?
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/03/18(金) 00:11:13.48 ID:erk17u1l0
しんだか
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 02:27:40.62 ID:LmO3YizDO
まあ気長に待とうや
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/18(金) 04:47:32.16 ID:IV70jUCAO
東方は二割りにも満たず
伝勇伝に至ってはタイトルさえ知らなかった
そんな私が追い付きます
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/03/22(火) 13:18:51.51 ID:OhD8bQjG0
チャレンジャーだな
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/23(水) 14:57:08.58 ID:4IltPe8W0
                        ★

 そんなライナに、アリスは悲しくなる。

 自分の魔眼を、抉り取りたくなるほど嫌悪をまだ、抱いているのも分かる。

 そして自分の魔眼に関わらせたくないのも分かる。

 だけど、だけど一つ分かった。

 ライナは、まだ自分を信頼しきってくれていない。

 まだ、心の奥底ではきっと人間を信用しきれていない。

 あそこまで、自分の複写眼のことを喋っておいて、隠しだてすることなんてこと、無いはずなのに、隠す。

 それは――それはまだライナが、自分の殻を破れないでいること。

 それにアリスは悲しくなる。
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/23(水) 14:57:36.45 ID:4IltPe8W0
――――でも

「……そう」

 そう言ってから一つ間を置く。

 胸が痛い。

 ライナが愛おしい。

 話してくれないのがもどかしい。

 まさか、自分がここまで人を好きになるとは思わなかった。

 ただ、命がけで助けてもらっただけなのに、昨日と今日、ライナと喋っただけなのに、こんなにも愛おしい。

 もしかして、自分は惚れやすいのかな?  
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/23(水) 15:01:11.29 ID:4IltPe8W0
 なんてアリスは思うけど、そんなことより、ライナのことを、隠していることを、知りたい。

 ――――でも 

 「…………じゃあ、話したくなったら話しなさいよ? 私は、話しならいつでも聞いてあげるんだから」

 そう言う事が精いっぱいで、無理やりライナに聞くのはそれはズルなんだと、分かるから。

 だから。

 (私は……ライナにいつか自分の口で、何もかも言わせてやるんだから)

 そう、アリスは決意する。  

 そしてライナは、アリスの言った言葉に、流石にバレてるか、なんて少しバツの悪そうな顔をするが

 「ありがとうな。アリス」

 そう、アリスに優しさに、眠そうな目で、でも優しげに細めた目で、笑いながら言う。 

 「っっっっ」

 それに、アリスは顔を赤くする。

 (うぅ……ずるいわよ……その笑顔………) 

 自分がライナのどこに惚れたかなんて、流石に分かっている。

 気付けないはずがない。 

 自分を守る時に、昨日の夜、暗かったけど、見えた。

 そう、自分の心を奪うのは―― 

 ライナの笑顔なのだ。

 寂しさも入っているが、何よりこの、人に向けた愛情にあふれた笑顔に、自分はやられたのだ。 

 アリスは、顔が熱くなったのか、パタパタと自分の顔を手で仰ぎ、

 「お、お礼を言われるほどじゃないわよ、バカ……」

 そう、ツンデレ気味な言葉と共にライナへの心の暖かさで、話しは優しく終わった。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/23(水) 15:08:03.88 ID:4IltPe8W0
うむ、自分の文章力のなさに危うく投げ出しそうになったぜ。
待ってた人はすいません。新規の人はご視聴ありがとうございます。

え〜実は本当に文章とストーリーの問題で投げ出しそうになったところ。
皆のありがたき言葉に救われて戻ってきました。
ありがとうございます。

あと、ライナの秘密暴露大会2011夏(トラウマ抉りの夏)が一区切りつきました。
これから地底にいくことになりますが……………
更新ペースが遅くなる可能性が大きいです。
仕事が忙しすぎです(マジで)休みが欲しい。週6とかブラックだよこんちくしょう!!
土日の休み全部ないぜ!! 休みてぇええええええええ。
って感じですね。

あともう一度、感謝を、皆さまの暖かい言葉感謝です!!
それではまた会う日まで。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/23(水) 15:08:33.11 ID:4IltPe8W0
上げてなかった……
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 15:50:23.84 ID:rAuc5m7bo
帰ってきたあ!
自分のペースで続けてくだされ
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/24(木) 04:50:13.37 ID:SkGAlCKAO
ついに来たか
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/25(金) 01:08:46.52 ID:wslg1VkZo
待ってるわよ
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/25(金) 22:03:10.52 ID:Z20ngrRro
これ好き
支援
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:49:33.98 ID:bVqyDdoj0
――――三日後

 「あ〜気持ちいいなぁ〜普通っていいな〜。もう帰んなくても良いんじゃないかな……?」

ライナは布団の上で転がり、そう呟く。

 この三日間それなりにライナにとっては『一般的な』普通の日常だった。

 アリスはライナが本格的に目が覚めたことと、ライナの身の上事情を聴き、それなりに自分の中で何かを納得して、

 一旦家に帰ってここ三日間は姿を現していない。

 そして魔理沙は、今はいないが、ライナの心持が二人に向けて軟化、というより感謝を示したせいで、

 それにシメタとでも思ったのか、恩着せがましく毎日ライナに魔法のことを聞きに来ていた。

 それにライナはウンザリするも、魔理沙が粘着質で鬱陶しいのと、それなりに感謝を示しているこで強く出れず、

 仕方なく基本的な稲光の魔方陣と発動方式だけ教えた。   

 とまぁ、ライナは毎日誰かさんに殴られることもなく、なんともなかなかに『一般的』な『普通』の日々だった、が。

 しかし、三日目の今日、この三日間で一番の驚愕をライナは自分の体を見て、気付いていた。

 「しかしすごいな……もう怪我が治ってやがんな……」

 自分の腕や胸をぺしぺし触り、三日前まであった動くだけで激痛の走る傷が、無い事に驚きを隠せないでいる。
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:50:04.72 ID:bVqyDdoj0
(そういえば俺の魔眼のことをアリス達にばらしたあの後、永琳が)

 『貴方がちゃんと目覚めたことだし、それ用に治療法を変えてみましょうか』

 (…………なんて言っていたが)

 ただ単に塗り薬が別のモノに変わっただけの様だったのだが。

 「でも治りが早くなってんな……」

 目が覚めたばかりの夜、確か永琳が『どんな薬でも作れる』って言っていたが。

 あれはあながち嘘じゃないんだろうな、なんてライナは思う。

 しかし、今はそれよりも気になることがある、流石に、ここ三日間は、治療や診察、激痛で動く気にも考える気にもならなかったのだが、

 今は、体が治り、余裕ができたことで考えようという気になってきた、それは

 「ん〜。とりあえず、記憶の問題だよな…………――たぶんあれ、俺の……記憶だよな…………?」 
 
 それは、自分が恥ずかしくも三人の前で泣いた時の話。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:50:47.35 ID:bVqyDdoj0
「うぅ……、なんか思い出すの恥ずかしいな……」

 しかし、そんなことも言っておれずあの時の記憶を掘り起こす。

 あの時、アリス、魔理沙、優曇華の三人に頭を撫でられた時、急に頭の中に浮かんだ光景。

 それは、シオンとフェリスが、ライナのために泣いてくれた情景。

 確かに、あれは情景だった。

 あれは確かに一度、経験したことがあるような、絶対的な感覚。

 頭の中で覚えていなくても、感覚は、体は覚えているような光景。

 しかし、記憶が繋がらないから、本当にそうなのか勘違いじゃないのか、と疑ってしまう。

 ライナは『厄介だな〜』なんて思いながらガシガシと適当に頭を掻き。

 「まぁ、やっぱこういうのは医者の永琳に聞くのが一番だよな……」

 めんどくさいな〜なんてライナは思ったが。

 とりあえず、思い立ったら一度寝てから、が信条みたいなライナでも、流石に気になって仕方ないのか、

 昨日やっと永遠亭を歩きまわれるようになったライナは、一度歩いて診察に行った永琳の部屋へ向かうことにした。
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:51:44.96 ID:bVqyDdoj0
――――永琳の部屋

 永林の部屋の扉の前に立ち、ライナは声をかける。

 「なぁ永琳。相談があるんだけどさ」
  
 「ん〜……何? …………それはついさっき外来診察に新薬開発、大怪我した妖怪への看病で28時間ぶりにやっと寝た私に言うようなこと?」

 と永琳は扉越しにいつものライナに負けず劣らず眠そうな声で不機嫌そうに答えた。

 ライナは――とりあえず俺はその倍以上フェリスやジェルメに寝かせてくれなかった記憶があるぞ、なんて心の中でライナは突っ込むも普通の奴はそんなことにならないよな……。

 なんて、今までの環境の悪さに涙しそうになる。

 だけどまぁ永琳には関係ないしな……なんてライナは思い。

 まぁそう急ぐことでもないだろうからまたあとで来るか、と思い、ライナは永琳に

 「まぁそう言うことなら俺も一度寝てから来るよ、あとででも聞いてくんないかな?」

 そういうと、永琳は眠そうな声で。

 「ん〜。まぁ聞くだけなら聞くからそこでどういうものか教えなさい、簡単なものならすぐ答えれるでしょうし」

 そう永琳は眠そうな声で言った。
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:53:50.63 ID:bVqyDdoj0
ライナはまぁ答えてくれるならいっか、と永琳に本当の記憶かどうか、ということを話す。

 「そういうことね、ん〜……ちょっと待ってなさい」

 そう永琳が言うと、扉越しに部屋の中でガタガタと引き出しを引いたり、何かを開いたりする音が響く。

 暫くそんな音がした後、永琳が困ったように  
  
 「あら〜……材料切らしちゃってるわね……」

 なんて声が聞こえてきた。

 そして、ライナに嫌な予感が走る。

 (あ〜これは……、なんか前に似たような記憶が……確かフェリスが団子を切らしてイライラしてて、

 『団子が切れた!! 今すぐ団子を買ってこい!!』『遅い!! 何をしていたお仕置きだ!!』

 なんて俺をストレス解消道具にしながら無理やり買いに行かされた時に――やばい)

 ライナの中でそんな嫌な予感が胸をいっぱいにする。

 これは厄事だと、そう経験が告げている。
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:54:44.48 ID:bVqyDdoj0
 そう気付いたライナは、自分の部屋に走ろうと――した。

 『した』というのは走り出す前に永琳が扉の向こうから出てきてライナの服の襟元を掴んだから。

 「ねぇ? お願いしたいことがあるんだけど? ライナ〜お願いできる?」

 ライナが逃げられない圧倒的な力で襟をつかみ、

 寝癖で少し乱れた髪と、大きな胸を強調させるワイシャツ一枚の姿に白いパンツ一枚の艶めかしい姿で、

 なにか有無を言わせない笑顔でお願いしてくる。 

 それにライナは欲情も照れもせず、ただ一念に。

 「ふざけんな!何で俺がそんな面倒くさいことしなきゃいけないんだ!?

 俺のモットーは、一に昼寝で二に平穏。三四も昼寝で五も昼寝なんだぁぁああああ!!!」

 「あら? 私はまだ何も言ってないわよ?」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:55:14.50 ID:bVqyDdoj0
そう言われても、永琳が言わんとすることに予想がついているのか、いやだいやだと、子供の様にライナはジタバタする。

 が、全く男のライナの服の襟から女の永琳の手が外れないのは何故だろうか? 

 しかしそれをライナは考えないようにする、何故なら肩手一つで自分を動けなくする存在など想像したくもないからだ。

 「どうっせ!! 俺に何か言いつける気だろうがッ!! 面倒くさい事は嫌いだぁあああ! 

 こんな今までにない平穏、見す見す手放したくはないぃいいい!!」

 そんなライナの悲痛な叫びを聞き、永琳はわざとらしく大きな溜息ついた後、

 ライナの首に腕を回し、胸を押し当てながら首元で囁く。

 「仕方ないわね……じゃぁ貴方の治療費、今にでも払ってもらおうかしら?」

 「へ?」  
 
 ライナは、タダじゃないの? 的な顔で、自分のすぐ首元にある永琳の顔を驚愕でみる。
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:56:11.77 ID:bVqyDdoj0
すると、永琳はふふと笑い。

 「あら? まさか治療費がタダとか思ってたんじゃないでしょうね? まぁ私の医者も仕事もある意味慈善事業みたいなものだけど、

 対価を取らないのは、人を堕落させるものだし、やっぱりそういうのダメでしょ? 

 それにタダほど恐いものは無い、なんていうでしょ?」
 
 「いや、そういうので使う意味じゃないだろ……ってか、は!? 俺を怪我させたのはアリスだろうが!?

 ならアリスに請求しに行けよ!!」

 「女の子に払わせるなんて、ダメな男ね」

 「いや、だからさ…………………………………………はぁ、分かったよいくよ」

 ライナは諦めた。

 どうせこのまま言い合っていても、なんやかんやで押し切られて押し付けられるだけだろうことは目に見えている。

 なら無駄な体力を使わず、さっさと行ってしまうのが吉だ。

 この諦めは、フェリスに苛められているうちに身に付いた悲しい術だ。
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 04:57:30.74 ID:bVqyDdoj0
 早々に素直に諦めたライナに永琳は笑顔になり。

「素直な子は先生好きよ? いいこいいこ」

 と永琳は首元を抱きしめたまま笑顔でライナの頭を撫でる。

 それにライナはジェルメのように厳しくは無いのにジェルメの様に強引な所にウンザリしながら聞く。

 「で、何をすればいいんだよ? さっき言ってた材料の事か?

 なら材料買いに行くとか取りに行くとかか?」

 そうライナが言うと、永琳は笑顔で

 「あら、理解が速くて助かるわ。なら、優曇華に『地底』って場所に連れて行ってもらいなさい。

 言えば分かるでしょうから――あ〜、あと少し待ってなさい」   

 そう永琳は言い、ライナから体を離して、部屋に紙とペンを取りに行き、

 さらさらと素早く紙に書いてライナに渡す。

 「はいこれ材料名ね、場所もそれなりに書いてあるから、分からなくなったら現地の人間に聞きなさい?」      
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 05:00:01.02 ID:bVqyDdoj0
そう永琳は言うと、あくびを一つする。

 「それじゃあ私は寝るわね。不老不死でも流石に眠気には勝てないわ……歳かしら……

 あ! あと、ライナ」

 永琳は思い出したかのようにライナへ呼び掛ける。 

 「んあ?」

 「貴方枯れてるの? 私が手伝ってあげましょうか?」

 どうやら永琳は抱きしめていたのに照れもしないライナに不満を持ってそう言った。

 しかし、ライナには意外にダメージが大きかったらしく。

 「んな!? か、かれ……」 

 ライナは驚愕に眠そうな目を開き、恨みがましく永琳を睨みつける。

 「ふふふ、冗談よ。どうせ貴方のことだから、女の人を好きになるわけにはいかないとか思ってるんでしょ?

 なら枯れてても仕方ないわ」

 「うるせぇよ……」

 ライナは永琳を睨みつけ、永琳は優しく笑うだけ。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/03/27(日) 05:01:19.15 ID:bVqyDdoj0
そして永琳は笑いながら言った。

 「まぁ……夜のお相手は手伝ってあげても、良いわよ? ――な〜んてね、ふふふ」

 なんて永琳はそんな言葉を置いて部屋に戻って言った。

 それにライナは暫く呆然とし。

 「俺も一応興味無いってわけじゃないんだけどな……枯れてんのかな…………」

 と若干落ち込みながらメモを片手に優曇華の所へ向かった。

 そろそろお昼だ。

 ならいるとしたら台所だろうな、とライナは台所へ向かった。 
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/27(日) 05:01:52.44 ID:bVqyDdoj0
ではここまでおやす〜
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/03/27(日) 06:17:20.00 ID:ZqKFzCeAO
乙!
俺の嫁の橋姫は出るのか・・・?
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 11:59:41.67 ID:tObKXzo1o
夜のお相手よろしくお願いします
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 13:52:06.34 ID:D00ajMSEo
おゆ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/28(月) 03:29:38.99 ID:HPvADA3To
乙!
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 01:56:45.01 ID:rHcsRkbP0
それでは投下開始します。
ってか、だれか緋弾のアリアのSS書いてくれねぇ―かな
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 01:57:44.80 ID:rHcsRkbP0
やっぱちょっと待ってください、お腹すいたからコンビニいって来る
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:05:55.49 ID:rHcsRkbP0
―――台所IN優曇華@大忙し

 ライナの予想通り、案の定台所には優曇華がいた。

 そしていそいそと忙しそうに、小さな、複数人(?)の少しやる気のない女の子のウサギたちと一緒に料理を作っている。

 ウサギ、と言っても妖怪なので、二足歩行で見た目は人間だ。

 そう、姿形は人間の顔をした幼女だ。

 それに、指示を飛ばしている一人の少女がいる。

 「あっ! そこ、ちゃんと火に注意してくださいね? 君は、総子から大根取ってきてくれるかな?

 えーと、みそ汁は作ったからあとはおかずだけね。

 ――――きゃっ! 大丈夫!? 火傷したの?」

 なんてウサギたちへの指示と、自分で料理を作るのでてんてこ舞いだ。
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:06:29.76 ID:rHcsRkbP0
だが、ライナには誰かが忙しかろうがどうだろうが、大抵は無視できるスキルがある――例を上げるなら忙しいバイト中に掃除しない、
 
 適当に料理するなどだ――ので気にせず話しかける。

 「なぁ優曇華。地底って所に行きたいんだけどさ、どうやったら行けんの? やっぱ遠いの? 
 
 ……………あーやっぱ、教えてくれなくていいや、そこのウサギとかが代わりに言ってくれるんならそれはそれで――」

 と、ライナが途中でやる気をなくしていると

 「あっ! ライナさん!? お願いしますけどそこの鍋の火加減見てくれませんか!? 

 このこ火傷しちゃったみたいなんで、見てあげなくちゃいけないんですよ」

 と、ライナの言葉を慌てた様子で優曇華が遮り、急いでウサギの手を流水で冷やし、救急箱を取りに台所から出ていく。

 それをライナは無言で見送り。

 一人呟く。

 「えー……俺がすんの? 料理って言ったって俺、団子くらいしか作れないよ? ってか火のもとってどれのよ? みそ汁か?」

 と、ライナは適当にぶつくさ言いながらみそ汁の火のもとを本当にただ見ているだけした。

 薪もくべず、竹筒で火の調節もせず、ただただボーとゆらゆら揺れる火を見ていた。
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:07:22.80 ID:rHcsRkbP0
「あー……。なんかゆらゆら揺れる火を見てたら眠くなってきたな…………寝よ……」

 と、ライナはそのまま立ちながら寝た。

 「―――――!!」

 それに、見た目少女の妖怪ウサギたちはびっくりする。

 ライナが本当に火を見るだけしかしないことと、そしてドンドン火が弱くなり、

 今にも消えそうになっていることと、そして――――ライナのやる気のなさに。

 「――――」

 一人(?)のウサギは、ライナを苦虫を噛み潰したかのように見て、

 一度頷くと、他の複数のウサギたちの顔を見て一度頷き、他の複数のウサギたちも、皆一斉に頷き返した。

 すると、ライナの分までウサギたちはテキパキと動き始める、それは優曇華が指示していた時の倍以上とも言えよう。

 ウサギたちは、それぞれ真剣な顔でライナを一度チラ見し、嫌な顔した後、もっと速く動いていた。

 それはきっと……ライナのダメさを反面教師にして、『自分達はあんなダメ男にならないようにしよう』と言う気概にさせたのはもはや語らずとも良い事であろう。

 そして料理はモノの数分で、出来た。

 
 それは、まさに完璧な役割分担だったと言う。


 そして完成した後、ライナがどうなったかは言うまでもないだろう。
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:07:52.84 ID:rHcsRkbP0


 ―――そして、10分たったであろうとという時に、優曇華が帰ってきた。

 「ごめんなさい、火傷の塗り薬を探すのに手間が掛かってしまいまして……ってすごい! もう出来てるじゃないですか!?
 
 もしかしてライナさんが指示とかしたんですか?」

 なんて優曇華は驚愕の顔を浮かべて、台所を見る。

 それはすでに出来た料理を、ライナとウサギの妖怪たちが盛りつけているところだった。

 「んぁ? それはちが――っていてて……お前ら別にそんな殴ることねぇ―じゃねーか。ってうわっ! ごめん、ごめんって! 
 
 寝たの謝るから脛をけるな!!」

 と、いつの間にか、優曇華の目から見て、ウサギたちと仲良くなっているように見えるライナが、

 料理を盛りつけながら、ライナの腰より低いウサギの妖怪に体中にひっつかれながら脛を蹴られたり、

 頭をぐしゃぐしゃにされたり、と悪戯――と言っていいのか、お仕置き?――されていた。

 「だからごめんって――って俺の服の中に入ってくんな!! 

 ってぎゃぁああああああああああああああああああ腹を噛むなぁあああああああああああああああ」

 という具合に、他のウサギたちもライナを『うささ』なんて笑いながら苛めている姿は何とも微笑ましい事であろうか(優曇華視点)。

 しかし、ライナは腹を噛まれたせいで、怒られて、仕方なしにしぶしぶ盛りつけするために持っていたボールの中に入っているサラダが空に飛んだ。

 そして空中に飛んだサラダは、
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:08:29.70 ID:rHcsRkbP0

 「ぐへっ!」

 べしゃっ! と誰かに当たった。 

 「あ」

 「――――!!」

 「あ!」

 サラダは無情にも、

 「何なんだぜ? 冷たいものがいきなり私の頭の上に………なんだこれ? このネバっとしたドロドロしたの……? ってこの匂い……

 あーん……んく――――やっぱり、ドレッシング?」

 いつも通りライナに魔法の教えを無理やり乞いに来た魔理沙の頭の上に落ちた。

 ……何故ここに魔理沙がいるか……それはここの所毎日、ライナに魔法の教えを乞いながらも、

 昼食を永遠亭で貰いながらも台所でつまみ食いしていたからである。

 そして今日もつまみ食いしに来たようで、それで偶然魔理沙の頭の上に落ちた。

 なんとも不運な、それとも罰か……。

 魔理沙は頭の上に乗っかったのを摘み、じぶんの視界に移るようにすると、

 「ってサラダ!? なんでこんなものが私の上に乗っかってるんだぜ!?」 

 そう驚いて魔理沙が周りを見ると、ライナとライナの体中に纏わりついていたウサギたちは一斉に目を逸らしたという。

 タオルを急いで持ってきた優曇華を除いては、だが。  
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:09:30.97 ID:rHcsRkbP0

 

 昼時。
 
 そうそうにサラダを作り直して昼食を開始した。

 小さな円卓に魔理沙、優曇華、ライナが座る。

 しかしその中で一人、やはりと言うべきか、魔理沙は不機嫌だった。

 「うー……酷い目にあったんだぜ……」

 綺麗なブロンドの髪を、帽子の中からさらけ出した姿で、魔理沙はそう呟いた。

 幸いにもドレッシングやサラダでビショビショになったのは、背の高い帽子だけだったので、

 本当に幸いにも被害は帽子だけで済んだ。

 そしてその帽子は、永遠亭のウサギたちによってただ今洗濯中である。

 だがやはり、魔理沙は不機嫌な様子で、サラダをぶつけた犯人のライナを睨みつける。

 「だからさっきから謝ってんだろ。そんな目で睨むなよ魔理沙」

 とライナはみそ汁を吸いながら詫びれなく言う。

 先ほど魔理沙が犯人を問いただしたところ、ウサギたち(優曇華除く)が一斉にライナを指さしたので、ライナの犯行が早々に
 
 ばれたのである。
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:10:07.15 ID:rHcsRkbP0
 ライナを噛んだウサギももちろん優曇華にちゃんと怒られていたが。

 しかし、そんなみそ汁を吸いながら言うライナに魔理沙は呆れながら

 「今もだけど、あんなダルそうに謝られたら謝られない方がマシなんだぜ……。 

 なんだよ『あ〜……すまんすまん』って、あれで謝った気でいるライナはきっと大物なんだぜ……」

 そう溜息混じりに魔理沙が言うと、ライナは。

 「おっ、そういや忘れてたけど、地底ってどこか分かるか? 優曇華、魔理沙」

 とライナは気にせず箸で魚をつつきながら話をがらっと変えた。

 「やっぱり大物なんだぜ…………」 

 魔理沙は諦めたように溜息をついた。
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:10:55.03 ID:rHcsRkbP0
そして魔理沙は仕方なくライナの話を聞き返してみる。

 「で、なんだって? ライナは地底にいきたいのか?」

 そう魔理沙が言うと、ライナは面倒くさげな顔で言う。

 「あぁそうなんだよ。永琳に薬を頼んだんだけどさ、材料切らしてて地底に行って取ってこいって言われたんだよね。

 しかも治療費の代わりに。ほら、これ」

 と、ライナは永琳にに持ってくるように言われた紙を魔理沙達にみせる。

 すると、魔理沙と、そして優曇華もその紙を覗き込む。

 そして魔理沙と優曇華は絶句した。

 「えっと……これって……」

 「けっこうふざけた材料なんだぜ……」

 「は? 何が?」

 ライナは聞き返すと、優曇華が、苦虫を噛み潰したような顔で、

 「いえ、あの、この材料の一つに、――鬼の角(削りカスでも可)――とか、書いてるんですけど……結構、無茶ですよ?」

 と、優曇華は魔理沙の手元の紙を見ながらそうライナに言った。

 すると、魔理沙もうんうんと頷く。

 「んぁ? ……………………もしかして、鬼っていんの…………? その土地の名産物とか薬とかじゃなくてか……?」

 「あぁ、いるんだぜ」

 と魔理沙と優曇華は頷く。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:12:06.77 ID:rHcsRkbP0
いやいや待て待て!! そんなお伽噺にでも出てきそうな怪物と戦えなんて永琳は言ってんのか!?

 でも、カスなら貰えるんじゃ……」

 と、ライナが突っ込むと優曇華はおずおずと嫌な情報をプラスした。

 「鬼の方々がカスだとしても貰えるとは思えないんですけど……あの種族は角に誇りがありますから……」  

 そう言った。

 そして魔理沙も言う。

 「で、これも無理だと思うんだぜ? この――八咫烏のロックバスターにこいしの涙――っての、どんな最難関クエストだよ!」

 「いや、それも名産品とか薬とかそういうのとかと思ってたんだけどさ……え? それなんなのよ?」
                
 ライナがそう言うと、二人の少女は押し黙った。

 そしてライナは遠い目をする。

 二人がしかも魔理沙までもこんなんなら、無理なんじゃねーの? 

 と疲れたように溜息をつき、諦め半分で仕方なく、地底の案内を魔理沙と優曇華に頼み、一応向かうことにした。
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:12:39.07 ID:rHcsRkbP0
結果、魔理沙は「面白そうだから」という理由と、優曇華は「大変そうだから」という理由で、地底に向かうことになった。

 こうしてある意味初めての、お出かけ兼大変な一日が始まる。  

















 ―――――――――アリスの家

 「…………………………」

 ぺらぺらと、本を捲る音が、静かな部屋に響く。

 ボンッと、本を閉じる音が聞こえ。

 別の本を取る音が聞こえた。

 「ないわね…………………」

 そう、アリスは呟き。

 本を捲る。

 捲り、閉じ、新しい本に手を伸ばす。

 それの繰り返し、
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:13:12.70 ID:rHcsRkbP0
「グラムサイト……は近いけど違うわねってこれ大分似通っているわね……保留っと……

 んー、バロールの魔眼は絶対に違うし……直死なんて魔眼に興味は無いわ……」

 彼女の呼んでいる本、それは

 「魔眼関連……っと、ライナの目が乗っている本はなかなか無いわね……」

 そう、魔眼関連の本だ。 
 
 アリスは呟き、また魔眼関連の本を探す。 

 「ライナの魔眼を……どうにかしてあげられないかしら……」

 と部屋には本の音と一生懸命なアリスの呟きしか聞こえない。

 

 そこに、無粋にも、甲高い、可愛げのある少女の声が割り込んできた。 

 「はーいアリスちゃん? 一生懸命の所で悪いけど、少しお話があるわ」

 それは、空間にスキマを開け、そのスキマから日傘をさした。

 見た目は少女のそれなのに、大人びた妖艶な雰囲気を纏わせた少女がアリスを呼んだ。 
 
 それにアリスは、疲れたように目を伏せ、その少女に目を向ける。

 「こんな所になんの要かしら? 八雲紫さん。もしかしてライナのことで何か教えてくれのかしら?」

 アリスは、突然現れた少女、八雲紫に何も期待していない声でそう聞く。
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:14:22.07 ID:rHcsRkbP0
どうせいつも騒ぎを起こしている異様に頭のいいこの女のことだ、ライナを呼んだのもこいつであろう。

 そして新しいおもちゃにしようとしているんだろう。

 そして私の心を乱すだけで乱して、自分の手のひらの上で踊らそうと企んでるに違いない。

 そうアリスは思って、そう言った。すると、紫は微笑みながら言う。

 「まぁそう言う所かしら?」

 「どうせ、核心は言わないんでしょ?」

 「まぁね、でも、答えは教えてあげても良いわよ?」

 「……答え?」

 「えぇ、答えよ。ほらこれ」

 と、紫は大きな胸の谷間から、一枚のカードを取り出し、アリスに投げる。

 それをアリスは受け取り、怪訝な顔で、カードを睨む。

 「魔術で封印されている……? 何? これ……」

 「答えよ?」

 決まってるじゃない、なんて言いたげな顔でアリスにいった。

 それにアリスは眉間に皺を寄せ。

 「……でも、これ、私の手にかかれば1日もあれば簡単に解呪できるわよ……?」

 「えぇ良いんじゃないかしら? どうせ答えだけだし、貴方には理解できないわ」

 そう紫は嘲笑うように言った。 

 それにアリスはより皺をよた。

 「いいわ……ライナの魔眼へのヒントになるなら……なんだって使おうじゃない」

 そう言って、紫を無視し、解呪に取り掛かる。

 それを紫は満足げに見て。

 悪戯をしかけ、それに成功した少女の笑顔で、スキマに戻った。



   
 紫が仕掛けた悪戯それは…………。











 『優曇華と魔理沙がライナと一緒に地底にデートに行ったわよ』

 の一言だった。 
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 02:15:20.66 ID:rHcsRkbP0
とりあえずここまでです。
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/03/29(火) 03:06:00.36 ID:MYb1ylfAO
乙!

ババァwwwwwwww
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) :2011/03/29(火) 03:36:40.69 ID:15/P4PmAO
乙!
つーか、直視の魔眼www。
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/03/29(火) 04:07:24.04 ID:rHcsRkbP0
グラムサイトはレンタルマギカ 直死は月姫で空の境界
両義さんところの式さんはバロールの魔眼と大差ないんだって

これ終わったら緋弾のアリアのSS書くんだ……
まだまだ時間かかりそうだけど……
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/03/31(木) 23:10:08.15 ID:wd/Oivhn0

しかし、東方の事を全然知らないので誰か少しどんなのか教えてくれないか
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/04/01(金) 06:57:33.00 ID:vxFGjwJZ0
>>280
エイプリルフール直前に質問するとはチャレンジャーさんめ

舞台は大規模戦争で滅亡後の日本
死にかけの少女が今際の際に夢想した願望を
謎の妖怪「八雲 紫」が謎の能力で固定化し
一つの世界として構築したのが「幻想郷」

世界の元となった少女「霊夢」以外の登場人物は
殆ど彼女の空想の産物。「こんな友達が居たらいいな」という願望

後は、幻想郷の存在係数を向上安定させる為に
八雲紫が攫ってきた生贄達
因みに現実世界の霊夢は、死にかけ状態で存在固定されている
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga sage]:2011/04/01(金) 08:41:52.63 ID:DbYdKsIl0
そうだっけッ!? 重っい……
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 10:24:14.72 ID:Aygjgt94o
ヒント:4月馬鹿
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 11:45:40.95 ID:/VZTxrRX0
伝勇伝関係でこんな見つけた
http://ncode.syosetu.com/n1849s/
http://ncode.syosetu.com/n4561l/
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/01(日) 12:19:58.15 ID:OMIYtLRDO
投げだしたっていつまでも待ってるぜ
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2011/05/01(日) 18:11:28.71 ID:Bptu2SBo0
よう、同士
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/07(土) 01:37:25.62 ID:F/u5XbtN0
1来る可能性はもうないのかな…
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/05/09(月) 17:41:46.06 ID:JlY3tZDl0
1じゃないです
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/05/19(木) 08:06:14.22 ID:CjxUj0jao
まだだ!まだ終わらんよ
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/29(日) 12:19:23.84 ID:yam3PzhU0
≫1戻って来ーい
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 20:28:19.47 ID:EDsykaDFo
ちょうど今日で二ヶ月になるのか……
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/09(木) 00:41:54.92 ID:v/HV5jaDO
投げだしたってずっとずっとずっとずっとずっとずっと待ってる
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/10(金) 00:32:44.43 ID:HR+bStuN0
俺もだずっと待ってる
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/20(月) 23:26:51.22 ID:OWmzDbD90
http://ncode.syosetu.com/n1051q/
なかなかこーいうのもいいよ
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 02:15:27.54 ID:D5uR/s2s0
こねー
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 00:08:40.56 ID:Kd2wrHC00
さて、場面を戻してライナはと言うと。
 地底の賑やかな繁華街を歩いていた。

 「へぇ〜結構地底って賑やかなんだな。もう少し暗いイメージがあったんだけどな」

 そうライナが呟くと、魔翌理沙は言う。

 「あ〜確かに最初はそうだろうな。入口が暗いせいもあるんだろうけど……まぁそんなことよりあそこの店で酒でも飲もうぜ!」

 そう魔翌理沙が親指をビシッと、店に向け、酒を呑もうぜと笑顔で言う。
 しかしそれにライナは

 「いや、俺ってば酒はあんま飲めないんだよね。まぁ一応強い方なんだけどさぁ」

 「んじゃ大丈夫だな行こうぜいこうぜ!!」

 と魔翌理沙がライナの右腕を掴み、強引にライナを酒飲み屋に連れて行こうとし、今度は鈴仙がライナの左腕を掴み
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 00:09:20.19 ID:Kd2wrHC00
「だめですよ。お使いが先です。
 これから鬼の人と交渉をしたり、地霊殿の人たちと交渉ないし力づくでOHANASIしに行くんですから、
 我慢してください」

 そう鈴仙は言う。
 すると、魔翌理沙は頬を膨らまし、

 「え〜どうせ交渉なんて成り立たないんだぜ? ならここは景気づけに酒でも飲んで、明日に回した方が……」

 「だめです」

 「ちぇっ、鈴仙は固いんだぜ」

 などと、ライナの腕を掴みながら、傍から見たら二人の美少女がライナを取り合っているようにしか見えない構図になり、
 それに応じて周りの非モテ男な妖怪たちがライナに殺意をたぎらせ、そんな殺意を向けられたライナは。

 「んにゃ、んだよフェリス……。団子ならさっき作っただろうが、まだ足りないなんて言うんじゃ……。
 は? 月見団子? そのための団子を作れ? いや、まぁ別に夜まで時間があるしいいけどさ……」

 などと寝言を吐きながら寝ている。
 
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 00:13:47.05 ID:Kd2wrHC00
どうにも二人に腕を掴まれた辺りから面倒くさくて寝たようだ。
 なんと言うライナらしさであろうか。
 しかし其の寝言を聞いた二人はピクッと反応し。

 「フェリスってだれなんだぜ?」

 「フェリスさんってどちら様なんでしょうか?」

 などと、魔翌理沙と鈴仙は顔を見合わせ、ライナを見る。
 するとライナは、

 「おわっ! 馬鹿! そんなもん近づけん……っておいおいそんなもんで俺を殴ったら俺の頭が割れちゃ……あぁああああ〜〜〜
 




 ――――ぎゃああああってまた殺される夢見た!!」

 とライナは立寝の状態から飛び起きる。
 それに魔翌理沙たちは驚き、ライナの腕を離し離れる。
 そしてライナを見る。
 するとライナは、息をぜいぜいさせながら。

 
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 00:14:30.86 ID:Kd2wrHC00
(なんか、あの泣いてるフェリス見た後から殺される夢を見なくなったってのに、なんでまた殺される夢なんか……。
 いや、あれは日常だったけか? ……はぁ。ちょっと帰るのが億劫だな……)

 なんて、頭を片手で押えながら思う。
 そして魔翌理沙たちは。

 「また殺される夢?」

 「ですか?」

 そう言ってライナを見る。
 それは、どういうこと?
 と、真実を問いかけるような瞳で、それにライナは。

 「あ〜えと、最近夢見が悪いって話だよ。
 別にお前らがきにすることじゃ……」

 と、遮り、魔翌理沙が言う。
 
 「なんかライナ。お前隠してないか?」

 と言い、それにライナは。

 「……うぇ」

 と、呻き。
 そして鈴仙は

 「そういえばこの薬の調合品。とても高価、というよりかは貴重ですけど、もしかしてこれ、ライナさんのためのお使いじゃないですよね?」

 そう鈴仙は核心をついてきて、それにライナは。
 
 「まぁ、ね」

 と、一言つぶやいた。
 そしてそのあと、一つ溜めを作り。

 「まぁ今は腰もすえないし、落ちついて話すべきことだからさ、ここじゃちょっと……」

 話せないとライナが言おうとして魔翌理沙がさらに遮り

 「それじゃあやっぱり酒場に行くんだぜ!」

 そう言いながら魔翌理沙は黒い笑みでライナを引っ張る。
 それにライナは

 「うぇ、マジで。ちょっと鈴仙!? いいのかよ、こんな……」

 と鈴仙もライナの言葉を遮り。

 「仕方ないですね。そう言う事なら腰の据える酒場にでも行って、落ちついて話を聞きましょうか。
 あっ、ちゃんと一室借りますんで、話を聞かれたくないんでしたらそれで安心ですよ?」

 などと、鈴仙も黒い笑みでライナを飲み屋に推していく。
 それにライナは。

 「はぁ……負けたよ」

 そう言って、大人しく飲み屋に連行された。
 もちろん個室とは、カップルや、夫婦などが、ゆっくりと過ごす空間のことであり、この幻想郷では相当に値が張る。
 さて、この金は一体どこから出るのか、それは後のお楽しみ。
 ちなみに、この個室、宿としても機能しており、地底の住人からは連れ込み宿としても有名であると言う事は、鈴仙たちはまだ知らない。 
 なので事情を知らないライナは、また、地底の非モテから美少女を二人も連れ込んだと恨みを買うことになるのだが、ここにアリスが加われば、ライナの運命はいかようになるのかは、正直言って予想できるのだが、さてライナの運命はいかに。
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 00:42:21.72 ID:0ak7Wro3o
キテター(°∀°)ー!
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 01:08:13.40 ID:Kd2wrHC00
TS
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 22:58:46.61 ID:NMAxqmRUo
本当に>>1なのか?
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/24(金) 00:06:57.82 ID:D+wdMI+o0
本当に>>1だったりするんだなこれが。
正直表現の仕方が幾分か変わっている気がするが、そこは勘弁。
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2011/06/24(金) 00:52:49.85 ID:K8CNvmdno
おぉ、待ってたぜ!
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/24(金) 02:11:36.45 ID:4EhV8e0G0
待っていた甲斐があった
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2011/06/24(金) 15:22:45.44 ID:vY5AJ7RN0
かちゃかちゃと、食器が運び込まれる音が聞こえる。
 それは、酒瓶に、そのつまみとなる焼き鳥など、その他もろもろの食事が運び込まれる。

 「おぉ、酒だぜ!!」

 「あんまり飲みすぎちゃだめですよ、魔理沙さん。お酒は少量なら体にいいですけど、飲みすぎは体に悪いですから」

 などと、冷仙は魔理沙に注意し、魔理沙は少しうっとうしそうに

 「あ〜聞こえない聞こえない〜おいしいお酒の邪魔になるお小言は聞こえないんだぜ〜」

 なんて耳を手で伏せ、鈴仙の言葉を受け流す。
 しかし鈴仙は「もう」なんてため息をつくも、どうせこうなるであろうことは予想できていたのでそれ以上は追及しない。
 
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2011/06/24(金) 15:23:18.42 ID:vY5AJ7RN0
それにライナは少し苦笑いし、運びこまれてきたお茶を少しのみ、「おっこのお茶うめぇな」なんてこぼした。
 そこに魔理沙が

 「おいおいライナ〜ここは酒の席なんだぜ? そんな茶なんてちまちま飲んでないで酒飲もうぜ〜」

 なんて、酒を飲みながら、ライナの方に腕を回し、息をはぁ〜と吹きかける。

 「くさっ! ……お前はおっさんかよ……もう少しさぁ……まぁいいやめんどくさくなってきちゃった……」

 それに鈴仙が

 「ライナさん、そこはちゃんと注意してくれないと! それに、魔理沙さん。少し行儀が悪いですよ」

 そう鈴仙が言うと、魔理沙はまたも耳をふさぐ振りをして、

 「あ〜聞こえない〜。酒の席での無用なマナーの注意なんて聞こえない〜」

 なんていい、酒をグビグビと酒瓶に直接口をつけ飲む。

 それにライナは魔理沙の酒豪ぶりにちょっと引くのであった。

 そこで、この宿兼料亭であるこの店を切り盛りしている、狐の妖怪の眷族であろう尻尾を八尾携えた、美女、と言い表す以外表現をするのが難しいほどの美人女将が、狐耳をぴょこぴょこさせ、割烹着姿で笑顔で言う。

 「お兄さん、幻想郷で中々に何有名ないい女二人も連れてるなんて色男だねぇ。
 ふふ、あれが終わったらいつでも温泉に入りな。
 ここは混浴だからね。事後はみんなで入るがいいさ
 布団と処理紙はそこさね」

 と、女将は余計なお世話を、その美貌を毛ほども衰えさせない、むしろ映えさせる男らしい口調でくすくす魅惑的に笑いながら言う。
 それにまともな性教育を受けていなそうな二人の少女は、?と頭に浮かべ―――鈴仙は言葉の言い回しに気づいていないだけ――ライナは女将が何を言いたいのかわかったのか、無言になる。
 
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2011/06/24(金) 15:24:24.68 ID:vY5AJ7RN0
むしろ、冷や汗を流す。
 そしてライナは、

 「あ〜そういうのじゃないからさ、えっと、そういう冗談は……」

 やめて、と、いおうとして狐の妖怪の女将はひとつうなずき。

 「ふふふ、これは余計なお世話を、失礼いたしました。
 ―――それでは私目はここで退室させていただきますね?
 今回は一泊のご宿泊と承っておりますが、それでよろしいですか?」

 「あ〜うん。それであってるよ」

 そうライナが言う。
 もちろん酒に酔っ払って交渉に行き、そこで勝負することになり泥酔状態で戦うわけにはいかないための対処だ。
 女将がもう一度確かめるように聞く。

 「承りました。それでは、三人一部屋、ご一泊ということで。
 では、ごゆるりと」

 と、八尾の狐の妖怪はきびすを返し、部屋から出る。
 それにライナは何も言わない。
 三人一組で少女たちと同室に泊まるという「アレ」なことに気づかない。
 そう、気づかない。

 彼は、少女二人を侍らせている男に見えていることにまるで気づかない。
 そして勘違いされていることにまるで気づかない。
 少女と野郎の同じ部屋。
 それに、魔理沙たちも別に反応しない。
 なぜならライナが襲ってくるなんて微塵も考えていないからだ。
 だから、だから、女将も、長年連れ添った「あれ」なんだろと勘違いされたまま、ライナは女二人と同室で、夜伽に勤しもうとする、他人には少し初心な色男と勘違いされている。 
 別に、別に他人に何を勘違いされたところで別にいいのだが、しかし、これがもう、ね。
 「あれ」を引き起こし、「あれ」になって「荒れる」そう、「あれ」が。
 それと、「あれ」も動き出し、幻想郷に顔写真つきで噂、というか文が流れるようになるのだが、まぁまだ先の話。

 まぁしかしライナも気づかないのは仕方ないともいえる。
 何故なら元の世界の旅の途中、たまにとはいえ金がないとき、フェリスと同室で寝る、ということもあった。
 だからか、気づかなかった。
 そう、これは、ただの事故なのだ。
ただの常識の足りない男の無意識の事故なのだ。
 決して、色男の色男幻想録ではないことここに記す。
 











 あぁ……もげろ
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga]:2011/06/24(金) 15:33:50.02 ID:vY5AJ7RN0
 あれだよね、ひとこと言えるならば、八尾の狐妖怪なんて地底にいるはずがないよね。
 てか中々に大妖怪だね、八尾とか。
 どうせなら天狐とかにしようと思ったんだが、藍の影がアレになるのでやめときました。
 それにしてもいいよね! 男口調の美人って。
 こう、なんか、エロい! いや、微塵もエロくないんだけど。
 こうそそるね。かわいいね。うひゃーだね。
 いつ天のアニメ化がもうすぐだけど、伝勇伝ラジオ見たくラジオに期待が大だ。
 まぁ、なんか伝勇伝と違ってパンツアニメになりそうだがそこはアレだ。
 目をそらして見なかったことにしよう。
 そして大伝勇伝。
 それなりに次回が気になる内容だった。
 あぁ……次巻はまだか…… 





 あと前回言うの忘れてたけど、長いこと放置してごめんね。
 自分の文章力のなさと、ストーリー構成の下手さに泣きを見てたんだ。
 いいわけだけどね。
 お待ちしていた皆さんには多大なご迷惑をおかけいたしました。
 てか待っててくれてありがとう!
 そんなにコレ面白い? って聞きたくなるのだが、聞くのは怖いので書かないでください。
 面白いといわれてもむしろプレッシャーで動けなくなるシャイシャイボーイなので。
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 15:57:57.47 ID:B0iBdYv0o

帰ってきてくれて良かった
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 17:53:36.92 ID:mASFwKxuo
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/25(土) 00:30:52.00 ID:1mxD017W0
修正


むしろ、冷や汗を流す。
 そしてライナは、

 「あ〜そういうのじゃないからさ、えっと、そういう冗談は……」

 やめて、と、いおうとして狐の妖怪の女将はひとつうなずき。

 「ふふふ、これは余計なお世話を、失礼いたしました。
 ―――それでは私目はここで退室させていただきますね?
 今回は一泊のご宿泊と承っておりますが、それでよろしいですか?」

 「あ〜うん。それであってるよ」

 そうライナが言う。
 もちろん酒に酔っ払って交渉に行き、そこで勝負することになり泥酔状態で戦うわけにはいかないための対処だ。
 女将がもう一度確かめるように聞く。

 「承りました。それでは、三人一部屋、ご一泊ということで。
 では、ごゆるりと」

 と、八尾の狐の妖怪はきびすを返し、部屋から出る。
 それにライナは何も言わない。
 三人一組で少女たちと同室に泊まるという「アレ」なことに印象を強く持っていない。
 そう、印象が強くない。

 彼は、少女二人を侍らせている男に見えていることにまるで気づかない、とは言わないが、しかし気にならない。
 そして勘違いされていることに、別にそんなに気にもしない。
 

 少女と野郎の同じ部屋。
 

 それに―――魔理沙たちも別に反応しない。
 なぜならライナが襲ってくるなんて微塵も考えていないからだ。

 だから、だから、女将も、長年連れ添った彼女なんだろと勘違いしたまま、ライナは女二人と同室で、夜伽に勤しもうとする、他人には少し初心な色男と勘違いされている。 
 別に、別に他人に何を勘違いされたところで別にいいのだが、しかし、これがもう、ね。
 「あれ」を引き起こし、「あれ」になって「荒れる」そう、「あれ」が。
 それと、「あれ」も動き出し、幻想郷に顔写真つきで噂、というか文が流れるようになるのだが、まぁまだ先の話。

 まぁしかしライナも気づかないのは仕方ないともいえる。
 何故なら元の世界の旅の途中、たまにとはいえ金がないとき、フェリスと同室で寝るということもあった。
 そして勘違いされると言う事も多々あった。
 だから、慣れているせいで気づかない。
 そう、これは、ただの事故なのだ。
 ただの常識の足りない男の無意識の事故なのだ。
 決して、色男の色男幻想録ではないことここに記す。
 











 あぁ……もげろ
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/25(土) 00:31:37.09 ID:1mxD017W0
いや、勘違いされていることに気付いてないとかあり得ないよね。
そこら変色々馬鹿してたよ
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/25(土) 11:40:55.68 ID:w/LWuWsU0
ってかフツーに面白いしリラックスして書けばいいんじゃねぇ?
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/30(木) 00:07:30.62 ID:PguCqiyr0
「――――して、話してもらおうかな、ライナ?」

 と、魔理沙がお猪口を傾けながら酒に酔った赤い顔で、そう言う。
 それに、ライナも、赤くなった顔で、苦笑いして言う。

 「たく、強引だな〜」

 そうライナが言うと、魔理沙と、あまり酒を飲んでいない鈴仙は、少し笑って、

 「こうでもしないとお前、喋らないだろ?」

 「そうですよ、ライナさんの過去は無理には聞きませんが、夢、と来たからには、医者の出番です
 無理にでも聞きだしますよ?」

 と、言う。
 それにライナは少し笑って、感謝する。
 こんなこと、確かに素面では、言えなかったかもしれないと、そう思う。
 おそらく魔理沙も、最初こそは飲みたかっただけかも知らないが、
 しかし、ライナをここに連れてきたのは、おそらく、重い口を、酒で開きやすくするためなのだろうと、思う。
 その、何気ない、口では言わない優しさに、ライナは感謝する。

 「――――んじゃ、聞いてもらおうかな」

 そう言ってライナは、口を開いた。





 
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/30(木) 00:08:54.92 ID:PguCqiyr0








 そして、その内容を聞いた魔理沙と鈴仙は。

 「うーん、毎日、自分が元の世界で、大事な人間に殺される夢……」

 「それと、見たことも無いはずなのに、どこかで見たような場面、そして、急に消えた悪夢、ですか……」

 そう鈴仙は一つ考え、そして、

 「何か、その夢に心当たりは?」

 そう聞くと、ライナは一つ首を捻り

 「いや、あるような……ないような、感じなんだよね〜。
 一体何なんだろな?」

 そうライナが気の抜けて用に言うと、魔理沙は呆れたように

 「おいおい、ライナ、お前の夢だろう。もうちょっと真面目に考えたらどうだ?」

 「いや、まぁ大事なことだっ手のは分かってんだけどさ、
 どうにも自分の手では解けないんだろうなってことがなんとなく分かるって言うかさ」

 「? どういう意味ですか?」

 そう鈴仙が言うと、ライナは少し考えて、

 「どうにも、自分の根幹に近いって感じがしてさ、どうにもそこに何か細工されてる感じなんだよね〜
 自分でやるにはめんどくさい、ってわけじゃないんだけどさ、どうにも自分で自分の奥は見れないって言うかさ
 見れたとしても細工されてるし」

 ライナが言うと、魔理沙はそう頷いた。

 「あぁ、なんとなくわかるんだぜ」

 「え? どういう意味ですか?」

 そう、鈴仙が言う。
 それに魔理沙は、おちょこの日本酒を一口飲み、
 「ぷはぁ」なんておいしそうに息をつき、

 「なに、自分のことは自分では分からないってことだよ」

 「……へ? 少し、良く分からないんですが……?」

 「はは、出来の悪い医者だな」

 「わ、悪かったですね。どうせ頭の出来なんてそんなに良くないですよ……むぅ」

 と、いつも冷静な鈴仙が頬を膨らます。
 どうやら、少ししか飲んでいないといっても、彼女も酔っているようだ。
 それにライナは苦っ笑し、

 「つまりさ、あれだよ、単純に言っちまえば他人に思われている自分と、自分で思っている自分は違うってことだよ」

 「……つまり?」

 「自分は無意識で助けを叫んでいたとしても、自分では分からない。
 助けてほしいと自分が叫んでいても、実は叫んでいない。
 無意識の中の自分と有意識の中の自分では別を考えている場合があるんだよ」

 そう言うと、魔理沙も続ける。

 「そこは本来、どちらにしても自分だから最終的には自分で気付けるんだけど、
 ライナの場合自力じゃ解けないような、外部からの力がないと解けないような細工がされてるってことだ」

 
 そこまで言われて、鈴仙は気付いた。
 
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/30(木) 00:35:43.81 ID:PguCqiyr0
そして、さっと、顔が青くなる。

 「そ、それって、精神と記憶の根幹に細工がされてるってことじゃないですか!!
 そんなの、不安定すぎます!! そのまま悪夢が続くと、いつか無意識と有意識がぐちゃぐちゃになって、
 精神が不安定になっちゃって、壊れちゃいますよ!?」

 そう鈴仙が言うと、魔理沙もライナも一つ笑い。
 魔理沙が言う。

 「鈴仙、お前は何を聞いていたんだ?
 ついさっき、その部分が緩んだんだって、ライナは言ってたぞ?」

 「え?」

 「ほら、思い出してみろよ、お前、自分で言っていたぜ?
 『急に消えた悪夢』ってな」

 「あ」

 「おそらくその締め付けていた細工が幾つか解けたんだと思うぜ?
 な? ライナ」

 そう言われ、ライナも一つ頷き。

 「たぶんな。
 何か、その悪夢はさ、俺に見せつけるような夢だったんだけど、
 なんでか、フェリスのあの顔を見てから、
 見なくなったんだよな〜
 たぶん封印の一種で、それ見れば解けるもんだったんだろうけど、
 どうにも魔法で封印されてたって感じがしないんだよな〜」

 「だろうな、フェリスってのが、誰かは聞かないけど、まぁ今はいいか、
 おそらく魔法だったら、ライナの魔眼でどうにでもなるんだぜ」

 そう魔理沙が言うと、ライナも、頷く。
 そして二人して悩む。
 それに、鈴仙も

 「薬、でもないんですよね?
 といっても薬だったとしたら、そんな『記憶の操作』なんて、副作用が強すぎる気がしますけど」


 と、そう言った所で、魔理沙とライナは、はッして顔を上げる。
 そして、ライナが呟く。

 「記憶の操作……か」

 「それなら、魔法じゃなくったって、『ここ』の住人ならできるかもな……ちょっと考えすぎてたんだぜ」

 「つっても想像つくのなんていないぜ? 俺、ここに来たばっかだしさ、ここの住人の能力のデタラメさは、ここ数日でお前らに聞かされた妖怪とかの能力ってのしか知らないし、魔理沙、お前詳しいんだろ?」

 「う〜ん、でもさ、そんなことできる奴なんて、限られてくるぜ? 例えば鈴仙の師匠の永琳とか、紫とかさ」

 「うぇ、どっちも関わりになりたくないな〜……」

  と、鈴仙の一言で、事態が好転していく、が。
  その鈴仙は、師匠も犯人に入るかもしれないと言う事にちょっと嫌そうに言う。

 「お師匠様は関係ないと思いますよ? あの方は、医者ですからね。
 人に危害を、加えることは……………………………あまりしないほうです」

 と、鈴仙は反論しようとしたが、そう言えば、師匠は人を平気で死地に追い込んだり、『人体実験の材料が欲しいわ〜』なんて、昔言っていたことを思い出し、やっぱり犯人に数えていいかもしれないと、鈴仙は思った。
 
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/30(木) 00:37:23.80 ID:PguCqiyr0
そしてその一言にライナは顔を引きつらせ、

 「え〜すんのかよ……」

 との一言に、鈴仙は、とりあえずフォローする

 「あ、あんまりしないです!! 祭りごとにするくらいです!
 ほ、ほら、花火と喧嘩と、甚大実験はどこかの花って言うじゃないですか!!」
    
 「いや、俺ってばここの風習とか知らないけど、そんな風習は無いと思う」

 と、言って、鈴仙は「あぅぅ」と口ごもる。

 それに魔理沙は呆れ。
 話を変えた。
 

 「でもまぁ、犯人が分かった所で、今回意味無いよな。
 なんせ今回の依頼で、ライナの記憶が戻るんだろ?」

 

 「何で知ってんだよ……」

 「ここまで話して、分からないって方がどうかしてるだろ……」

 「だよね〜」

 なんて話す。
 そして、魔理沙が

 「まぁ結果を言うと、あんまこの話、今する必要も無かったな」

 「ですね」

 と、鈴仙が肯定する。
 それにライナが、ウンザリしたように

 「お前らが聞いたんだろうよ……」

  そう言ってウンザリしながら日本酒をぐビッと飲んだ。
 そしてライナは

 「あぁもう寝る。なんか久々に真剣に話して意味無いって妙に疲れた……」

 そう言うと、魔理沙が

 「あぁなら私もちょっと疲れたし、酒飲んで眠くなったから寝るんだぜ
 ライナ、布団出してくれ」

 「お前がだせよ」

 「えぇ〜いいじゃんかよ〜出せよ〜出せよ〜」

 「あぁうざい。分かったから俺に纏わりつくな!」

 「流石らいな、分かってる〜」

 といって、ライナは三人分の布団を出して、

 「鈴仙も寝ろよ? どこぞの馬鹿王と違って、徹夜は体に悪いしな」

 と、ライナはどこかのアホターレを思い出し、そう鈴仙に言う。
 それに鈴仙は流石に酔いが回ったのか

 「あっ、スイマセン。私も、流石に眠くなってきていたので、ありがとうございます」

 といって、ライナが布団を布いている隙に、魔理沙と鈴仙は一度部屋から退室し、寝間着に着換えてから部屋に戻ってきて、寝転がる、
 それにライナは、やっと眠れると、布団に入り、

 「へぇ〜ベットじゃなくても意外に気持ちいいもんだな、布団ってのはんじゃ寝ようかねぇ……ふぁ〜」

 と、ライナは寝ると決めた瞬間に、のびた君も真っ青な速度で、寝た。
 そして、今宵の意味の無かった夜は更けていく。 






 この時、ライナが危機を回避できなかったのは、女性陣の寝巻姿に、何の反応も示さなかったのと、魔理沙の寝像の悪さと、フェリスと、口走ったのと、自分の運の無さであろう。
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/06/30(木) 00:38:56.84 ID:PguCqiyr0
うん、今回は短いかな?
でもまぁ、今回は説明かいという名の、登場人物たちにとって意味の無いだろう話でした。
さて、本当に意味の無い話かどうかはこれからです
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 00:40:15.86 ID:u0uSFmVAo
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/30(木) 00:55:50.22 ID:Ht9wWu5a0
1乙ガンバ!
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/04(月) 19:13:20.81 ID:JWSszZ270
まだかこんちくしょう
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/04(月) 22:33:29.72 ID:gI30BIA60
こいにゃー
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 07:54:42.02 ID:DN1nS+7DO
待ってる間に伝勇伝にはまってしまった……これはいいものだ
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 17:51:43.36 ID:kxFhLAkIO
乙、鈴仙と俺も寝たい

伝勇伝のアニメは分かりづらかったし2期は頑張って欲しいよね
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 01:10:51.20 ID:XzKT7n4do
>>325
やったとしても2年くらい先だろうけどな
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/07/09(土) 18:26:42.19 ID:8lj+8Qlv0
 すぐ近くの部屋から、人の声が聞こえる。  
 
 それも、艶のある声と、肉と肉が弾けあう音の協奏劇が聞こえてくる。
 
  もちろん、その音は「アレ」だ。  
 

 ここはもとからそういう宿としても機能している。  なので、そう驚くことでもない。  



 のだが、そのことに気付いていない―――いや、薄々気づいているライナを除いて―――魔翌理沙と鈴仙二人は全く気付いていなかった。
 
 そしてこれからも、おそらく、うんおそらく、きっと、希望的観測的に気付かないであろう。  


 なぜなら、  

 「くかー……んん……」  

 「―――――んごぁ!? ………………くかー」  

 「……あっ、違いますか…………難しいですね……お団子は……」  

  などと、魔翌理沙は着衣が乱れるほどの寝相の悪さで、蹴りがライナの顔面を蹴飛ばしながら爆睡しており。
 
 そのライナは、その蹴りを無意識で受け流しながら頭の上に魔翌理沙の足を置いたまま寝ている。  

 そして最後の鈴仙は、まぁ団子の作り方を知るのを諦めきれていないのか、ライナに教えてもらう夢を見ていた。

 それぞれにそれぞれが酒の力で爆睡している。

  朝まで起きる気配はない――――まぁ、昔は暗殺者とか、最近ではフェリス相手に寝起きを―――性的ではない、決して―――襲われてきたライナを除いてなのだが…………。  

 ――――なので、この周りの気配にも音にも気づくものは誰もいない。

   はずなのだが―――――  


 「な、ななな……」  


 ――――のだがこいつは違った。

  こいつは今気づいた。
 
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/07/09(土) 18:27:25.87 ID:8lj+8Qlv0
そして、顔を赤くして、それから青くして、そして……  

 「あ……ぅ……あぅ」  

 詰まりながら、絞り出すように出した言葉は、  

 「なんで……」

 あまりにも驚きがこもっており  

 「へう……なんで……うぅ……」  

 あまりの絶望と  
 悲しみにあふれており  

 そして、  

 「あ、ははは、あははははは、ははははははははは、ははははははははははははははははははははははははははははははははは  ははははははははははははははははははははははははは」  

 そいつは狂ったように、笑い出した。

  笑う。

 目を、赤く、紅く、朱く染め。  

 まるでライナを襲った時のアリスのように、ウサギのように、染める。  

 
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/07/09(土) 18:28:23.24 ID:8lj+8Qlv0
 その、そいつの名は――――  

 「よくも、よくも抜け駆けしてくれたわねぇええええええええあははははははははははははははははははははははははははははは」


  ―――やっぱりアリスだった。

  そう、怒った時の笑い方が、複写眼の暴走時と似たような『可愛らしい』笑い方をする可愛らしい少女。―――あと、怒りの方向が違うとかそういう可愛らしい特徴を持つ女の子なのだ。   

 そんな少女が、今、ライナと合流する。  

 怒りの矛先は、というより嫉妬の矛先はもちろん魔翌理沙と鈴仙。

  その嫉妬度は、どこかの妖怪を超えたとかなんとか言われるが、確認はとれていない。

 そして、アリスは、そんな状態で、ライナの部屋のふすまを開け、入っていく。   



 そして、さっきの声で起きたライナと目があった。    







寝巻を乱した姿の魔翌理沙をそばに、いつの間に転がってきたのか鈴仙を隣に置いた姿のライナと。  











 「あ、ははは……あはははははは……うぅ……」  







 魔法使いの夜は

 まだまだ夜は始まったばかりだった。  

330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/07/09(土) 18:28:52.57 ID:8lj+8Qlv0




 




 ちなみにライナは  


 『はははははははははははははははははははははははははははははははは』

 
 「な!? 複写眼!?」


   とか何とかで跳ね起きたとか。  















 さらにちなみ八尾の妖狐の女将さんは  



 「あらあら、修羅場かしら? ふふふ若いっていいわね〜」  


 とかなんとかほざいていたという。



















  さらにさらに、周りの客も声に気付いていたそうだが、  声の質があまりにもアレだったので無視したという。



  さわらぬ神に祟りなし、というやつだ。
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/07/09(土) 18:35:10.54 ID:8lj+8Qlv0
>>320-323

待っててくれて、楽しんでくれて感謝!!
あと、遅れてごめんなさい!!
撮りためてたアニメ見てた
あと、アイディアが全くわかなかった。
言い訳だけどね

>>324
はまったのか!?
良かった。
伝勇伝スキー増えてうれしい!!

>>325
あるかな……2期……。
DVDの売り上げが…………

>>326
 だよねーとしか言いようがないねー
 二期、フェリスが超デレるのになー
 超もったいないですね
 蝶もったいないね
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/09(土) 18:36:55.27 ID:AO2dG0rDO
リアルタイム更新ktkr乙です
修羅場ェ……
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/09(土) 20:56:27.75 ID:LnCnTLvd0
キテター!
乙一
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/09(土) 21:37:06.44 ID:l4+++UDZo
乙〜

二期は厳しいと思う
ヴォイスとか稲光とかが厳しいし
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 13:20:10.02 ID:uww7X9YIO
霊夢空気化してるなwww
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 18:42:23.60 ID:B2BTaKUIO


アニメしか見てないけど、これから面白くなりそうだったし2期…
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/07/11(月) 21:58:55.47 ID:9khgMhj+0
 「ひう、うぅ……」

 アリスは、大きな瞳から、大粒の涙を流し、
 それをまるで幼子の様に袖で拭っている。
 そして、今にも泣きそうな顔で、ライナを見つめる。
 それに、ライナは動揺する。

 「え、ちょっと、なんでアリス泣いてんの……? 俺ってばなんかした?
 ってかおい、魔理沙、痛いからばしばし蹴んなよ、お前寝像悪すぎ」

 そう言いながらライナは魔理沙の両足を両手で持ち、元の布団の場所に戻す。
 その行動は、傍から見れば親密さあふれるもので、
 そしてそれにアリスは

 「うぅ……やっぱりそういう関係なんだ………ひっく………うぅ」

 そんなことを呟き、今にでも幼子の様に「うえーん」とでも泣きそうだった。
 それにライナは

 (なんかミルクにも似てんな……)

 あの夜、ライナを見舞いに来たあの夜。
 フェリスとかぶったこの少女は、今度はミルクとかぶった。
 見た目フェリス、性格ミルク。
 フェリス本人よりは大丈夫だろうが、しかしまぁ、厄介であった。
 主に子供っぽい所が、だ。

 
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 16:55:05.93 ID:jq739lcDO
ちくしょう1レスだけとか焦らしやがって!
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/15(金) 18:39:37.69 ID:vCA8RrQB0
焦らしプレイか…
よかろう、甘んじて受けようではないか
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga]:2011/07/19(火) 20:12:44.56 ID:nDV0+7Fz0
                      (、
                     \ミー=ミ..,,_____ __
                         ,..>‐         `` 丶、
                 、___,.. -‐ '"~                   、
               ー…=ァ'"                    \
                   /  . : : :.:.:.:.:     . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ
                / :  : : :.:.:.:.:.:.:{   . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. '
                /,〃: : .:.:.::i : : : /i  .:.:.:.:.:.:.::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:人: : :.:.:.!
               ,/ /: : .:.:.::/| : :.:/イ:.; : :.:.:.i: : :.:‘,:.:.:.:.::Y  ヽ: :.:.:i}
                     /: : .:.:.::/.:i : :/.:八{:: : :.:.ト、: : :.‘,:.:.:.人   ノ: : :.:リ
                /: :.:.:i: :.;:.:.i{:.:价トい}i: : :.:|:.:}\: :‘, : :..:`¨:}: : :..:厶イ
                 / : :.:ノ|: : :.:从 トtッ弌圦: :.:|仏斗riFY: : :!: :j:.:.: ;xn′
.                厶='" |: :.:.:.iハヘ ~¨¨  \{ `¨tッ弌tヘハ:|: :厂}く
                  八{:.:.{k;           ~¨¨   リ:./ 人ハ
.              ,.-──/ハ: :.:.ハ      {        厶イ:.:.い,しへ、
               ,{   (// j乂:.人               .ク: :八:.:j}│   )、
.             <八   \\   ノ八少x、 `丶    イイ.:./  )'^! |    ′ \
          /           \\   ヽ::}个 、   ,.  '" /ハ:/    |│  /     \
        /            \\  }:j从\     / /ん──┘|  /       ヽ
.    /          \     } }ノ   \    /  // ̄ ̄ ̄ ̄ /
.   〃          /\   \ ̄二二ニ><二二ノ /      /             ',
   {                   ̄\  ̄\/ ̄//     /{              }


「んで? しきり直すけどどうしてアリスがこんな所にいんだよ?」

 彼のミルク・カラードに似ているのならば、放置しておけば勝手に立ち直るだろうとライナは、そう聞いた。
 決して、決して面倒くさいからという理由でこの、アリスが何故か訳も分からず泣き、
 魔理沙がもうわざとなんじゃないかな? なんてレベルの寝像の悪さで蹴りを繰りだしてき、鈴仙の以外に寝像の悪いいつの間にか自分の隣に来ていた状況を放置したのではなく、まとめるために、そう、まとめるためにそう聞いた。
 するとアリスは、目を、ウサギのようではなく、普通に赤くし、まるで子供の様に目をこすり、素直に言う。
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/21(木) 01:22:48.41 ID:E40gO1e30
>>1
来た?
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/21(木) 01:24:42.98 ID:E40gO1e30
安価付いてなかったという…
何と初歩的なミスだろうか…
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/23(土) 15:50:25.45 ID:asshFoBJo
ワクワクテカテカ
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 11:17:33.60 ID:kliFv/LDO
一週間か……伝勇伝二週目いくか
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/07(日) 18:56:40.38 ID:IXAA8Hf+0
「そ、その……貴方に……会いたくて……」

 そうアリスが顔を真っ赤に、ぼそぼそと、蚊の羽音の様に小さな声で言う。
 それにライナは当然よく聞こえなく、はぁ? と首を捻り

 「もう一回言ってくんね? よく聞こえなかったんだけど」

 そうライナは、アリスに向かい、少し寝癖でぼさぼさの髪の毛を掻きながら、眠そうにそう言った。
 そんなだらしなく、何も気にしていないかのようなライナに、アリスは、ぷくっ、と頬を膨らませる。
 自分はこんなにもライナのせいで恐がったり緊張したり、泣きそうになったりしてるのに、どうして当の本人はこんなにも呑気なのかと少しムカっとする。
 だから、アリスは、首をプイッとライナから逸らし。

 「……ふん。別にいい」

 「んぁ? どうしてよ? さっきなんか言って……」

 と、そのライナの言葉を遮り。

 「いいの!」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/07(日) 18:58:16.38 ID:IXAA8Hf+0
 そう、断固として答える気がないとアリスは頬を膨らましライナに言う。
 それにライナは困ったような顔に……しておらず、別段困ってなさそうな顔で眠そうに欠伸をしながら。

 「ん、そう? じゃあ俺ってば眠いからここで話も終わりに……」

 「するはずないでしょ!!」

 「え〜」

 「なんでそこで『え〜』なのよ!! こんな少女が夜遅くに訪問してるのにすぐに寝るなんて選択肢が出ること自体おかしいのよ!!」

 そうアリスは、ライナの面倒くさがりように憤慨するも、少しだけ自分のことをアピールする。
 主に、こんな夜遅くに女の子が男に会いに来てるんだから少しは意識しなさいてきな意味で。
 そんな風な思惑を言葉に乗せて、ライナに言うと。
 そのライナは

 「……むにゅ。んぁ……ご、ごめん団子買ってきくるからその剣をしまって……」

 座ったまま首をコクリコクリと、酒が抜けきっていない影響かいつの間にか、船を漕いで悪夢を見ていた。
 もちろんその悪夢は天地爆砕アバンストラッシュな美人の夢であった。
 夢の内容は……いわずもなが。
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/07(日) 19:02:05.99 ID:IXAA8Hf+0
 そんな、自分の話を無視して勝手に意識を落としたライナに、
 アリスは、怒りを通り越してあきれる。

 「本当に……寝るのが好きよね、ライナは……」

 そう言ってアリスは、ライナの顔を見て、そしてなんだかおかしくなってクスっと笑う。
 本気の、自分を助けてくれたライナに、最初は惚れた、けど。
 こうやって、眠るのが大好きな、気持ち良さそう(?)に寝ているライナの方が、好ましく思う。
 幸そうなライナをずっと見ていた。
 其の幸せに、私がそばに居ることも幸せだと思って欲しい。
 そうアリスは思いながら、座ったまま寝ているライナを見て、もう一度笑う。
 
 「ほんと、鈍感、なのかしら? 本当は……気付いてたりして……私の気持ち。
 寝て、気付いてないようなふりをしてるだけだったりしないかしら。
 ……まぁそんなはずないわよね。ライナだもん。
  ……でも、もし、気付いてないふりなら、そうなら、答えられないようなことがあるのかしら……?」 

 そうして、アリスは、ライナの顔見て、ライナの、重たい過去を、聞かされた過去を思い出す。
 あの時、泣いていたライナ。
 自分を受け入れてくれたと言って、泣いたライナ。
 そのライナは、まだ魔眼のことを引きずっているのだろう。
 まだ、魔眼を気にしているのであろう。
 答えられないことがあるのなら、まず、そちらの問題だと思う。
 あの時に解決できたと思っていたけど、やはりそう簡単に心の傷を癒すことができない。
 なら、自分達が……自分がそばにいてあげたい。
 そう、アリスは思う。
 もし、ライナが言う、暴走が起きたとしても、受け入れてあげたい。
 そう思う。
 だから
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/07(日) 19:02:58.15 ID:IXAA8Hf+0
「本当に世話が焼けるわね……。まずは問題解決が先なんて……私の恋路は前途多難ね……」

 そうアリスは溜息をつき。
 少し憂鬱な顔で。

 「問題が解決する間に……私以外にこいつのことが好きな人が出てきたらどうしようかしら……」

 そう、呻くように言った。
 そしてアリスは、

 「もういいわ、私も寝ましょう」

 そういって寝た。

349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/07(日) 19:04:48.44 ID:IXAA8Hf+0










 
 アリスの告白の様な独り言は……

 「あやややや。魔理沙が好きなあのアリスが、まさか男を好きになるとは……。
 こりゃ一面トップ間違いなしね!

 ホント、アリスが魔理沙以外の人間を好きになったって噂をガセって断じなくて良かった」

 ――――そんなある美人記者に聞かれていた。
 そしてそいつはそう言って、背中の漆黒の羽をバサッと広げ空に飛ぶ。

 「文々新聞にご協力いただき感謝です。外からのご来任!
 後日、この射命丸文が、ご訪問いたしますね!」

 そう、アリスにばれないように、その漆黒の翼をはためかせ、
 ウキウキとワクワクを胸に、新しいネタの特大さに笑いを堪えれず、

 「ふふ、ふふふ、ふふふふふふふふふふ」

 幻想郷の空に、気持ちの悪い笑いがこだました。
 










 そして後日。
  
 「んぁ? んだよこれ、文々新聞? 新聞? なんだそりゃ……って……
 んだよこりゃ!?」

 ライナは寝起きは悪い方だ。
 だが、今日は無駄に早く起きた。
 自分以外がまた起きていないような時間帯である。
 そんな時間に起きたライナは、まだねたりねぇな〜と、思いながら、もう一度寝ようとして、
 すぐ布団の上にあるものが置いているあるのに気づいた。
 それがまさしく新聞であった。
 新聞なんてのをはじめているライナは、首を捻りながら新聞を見て、絶句する。
 その内容は 

 ―――――突然外から来た外来人ライナ・リュート。
 彼は来て早々複数の女をはべらせ、次々と自分の虜にしている色男!又は色情狂!!
 彼の股間の餌食になった女は魔理沙、アリス、鈴仙、そしてあの博霊の霊夢という話である。
 この添付されてる写真をご覧いただきたい。
 三人の少女を侍らせている写真だ。
 
と、後はなんか色々書かれているが、もう、なんか物凄いない事ない事書かれていた。
 それにライナは、
 
 「もうなんか俺ってばしんどいから寝る……」

 そうやって現実逃避した。
 夢は誰にも侵入を許さないから。
 夢に逃げ込んだともいえる。
 
 「……ぎゃああああああ……むにゃ……」

 まぁ逃げ場にはならなかったが……。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/07(日) 19:09:07.02 ID:IXAA8Hf+0
        , ― 、
                / / ̄`
             ______{〈 /ノ
         ,   ´`゛"ヽ、`ヾ、
        /-‐ ―- 、  `ヽ ヽ
      /     斗‐`ヽ、 〉  ヽ
     / / ∧   iヽ、 l',  ∨    ',
    ノイ.〈.  l ヽ  ! ,.山ヒ.}/     }  好きよ、ライナ……
     l   {r 、 ',ハi´{ rj|/     〈
     /イ   iヽソ   `¨´'イ     ヽ
      ヽ  ヽ   ′_,  ノイ   /  、 `ヽ
      ノ   ,,>‐- -イノ   /"´!〉`ヽノ
     //i  i∧>‐v"´7,、  / \
    〈{ /ハ .l./ノ>//"´ ,,i/    \_, -‐ァ
          // k'"´         __/
        < ノ  l l         l `ヽ、
      , -―'´ /| |\    <ヽ、_/   ヽ/|\
    /    /| |__|  〉  ,、__〉      ,'./\\
   /    /〈ム   <___/ \    /`ヽ__\\
   `゛"ヽ、/`ソ´ ハ       ____ノ\_____> ハ  / \\
         \_ ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ _メ//    ', `ヽノ.   \|
     ___/ r'´ー―― "´  |/|    __ハ   ̄`ヽ./ 
     \   , -''´           \  ̄ ̄  ヽ   、ヾ
       ヘ/             \     \ヽ,'´
      /                  \   / `´
     /                     \/\


 というわけで今回は何とか区切りをつけました。 
 ってか遅くてスイマセン。
 あとライナのAAが少ない。
 やはり伝勇伝はマイナーか……。クヤシイのうクヤシイのう。
 あと、そろそろあれだね、素材ゲットに行くんだね
 難易度が高いぜ……。
 戦闘シーンとか描写が難しい……。
 ってことでありがとうございました。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/08/07(日) 19:33:45.96 ID:Cob6TfyAO
続ききてた!乙乙!
しかしアリスは本当に可愛いなww
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/07(日) 20:49:35.49 ID:isuQh84xo
俺得なスレ発見!
続き楽しみです
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/07(日) 22:56:48.48 ID:UOOATzrM0
来てた!乙。
ライナソス
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/08(月) 00:25:15.17 ID:Dt2H/IQI0
もし好感度を書くとしたらこんな感じ。



好感度表その1
□を1とし 
■を4とする

―――興味なし

□  顔見知り程度。    

□□  友達程度。

□□□ 親友
 
■  気になるあん畜生

■□で 惚れました


アリス ■□□ 評価 ライナが好きで仕方ない

魔理沙 □□□ 評価 それなりに面白い奴だと思っている

鈴仙  □□□ 評価 ライナの過去に自分の過去を重ねているが、ライナの心の弱さと強さに少し憧れ。

霊夢  ―――――― (特に興味なし)

射命丸 □ (ネタとしか見ておらず)

紫 ??? (不明)

永琳 ??? (ただの患者として見てる?)



と、こんな感じですね。

ずっと前にもうアンケとかしないとかいったけどネタが思いつかない時とか、
いろんな所で偶に出してみようかと。
それで上の好感度に反映されるかも。
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/08(月) 19:54:36.78 ID:Dt2H/IQI0
魔眼のことを話して三日後になる前のその間のライナの日常。

 番外編――日常

 「大変大変。お師匠様と姫様とライナさんとてゐのための昼食を作らなきゃ。

 あっ! あとお洗濯と、寺子屋の子供達の健康診断をしに行く予定もあるんだった!」
 
 もう太陽が真上に差し掛かるころ、鈴仙は忙しなく動き回っていた。
 それは、もはや主婦のそれで、顔も可愛いし、嫁に貰うのならば、
 もうその男は幸せ意外にないだろうと確信させる可愛さと面倒見の良さを持つ、そんな少女だ。
そんな少女に、ある男が話しかける。

 「んぁ? どうしたんだ鈴仙? 忙しそうなだな、偶には俺もなにか手伝おうか?」

 いきなり鈴仙の目の前に現れたのは、いつも眠そうな目をした、長身痩躯のだるそうな男、ライナである。
 ライナは、本当に……ほんっとうぅうううに珍しく、自分から働こうかと言う、こんな暑い夏に、雪でも降るんじゃないかと言う事態である。
 そんなライナの好意に、鈴仙は困った顔をする。

 「あっ、いえ。患者さんにそういうことをさせるわけには……」

 「別にいいよ、俺も偶には働かなきゃな〜とか思ってるからな、
 寝てばっかりいると本当にダメ人間ぽいしね〜」

 と、お前はどの口で言っているとか、ダメ人間が自分はダメ人間じゃないと遠まわしに言ったところで……とかツッコミ所だらけであった。
 
 そして鈴仙はライナの言葉に、なら、と、少し考え。

 「なら、お洗濯でもお願いできますでしょうか? 外に干すだけなので簡単だと思います」

 と鈴仙は本当に慌てたような顔で、そう言い。
 洗濯物の場所をライナに告げ、昼ご飯を作りに行く。

 「んぁ……。えっと、洗濯物は風呂場のそばだっけか? んじゃいくか」

 そう言い、ライナは風呂場に向かう。
 ライナはここにきてよく利用させて貰っている風呂場まで迷いなく歩く。 
 そしてライナは風呂場につき、洗濯物はどこにあるんだ? と探した。

 「ん〜? どこにあるんだ? まさか浴室とかか?」

 とライナは無いとは思いながらも一応浴室に向かい、手を浴室のドアノブに近づけようとして、そのドアは勝手に空いた。

 「あら? 覗きかしら?」

 そこには、長い銀髪をまとめ上げていた永琳がいた。
 そして、素晴らしい笑顔で、手にはいつの間にか、大きな光の弾が構えてあり。
 それを振りかぶりながら

 「光りになりなさい」

 「ぎゃぁああああああああああああああああああ」

 
 ライナの声は永遠亭の空に響いた。
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/09(火) 19:08:04.33 ID:4I13PRlk0
目が覚めた鈴仙は、自分と周りの現状に、戦慄した。


 

                                  /⌒,>
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.                  <ー─-、_ ゙ヽ、       .〈 〈 〈
                 `ヽ__  ヽ、. ',        | //
                    〈   i |   //// .:| / .〉     
         /^l  r i /ニヽ     \ ヽヽ/  レ  '´ i・,.イ ̄ , ‐´
          / /   ! i | |.| |    <ヽ、・',    ヾ └'. ̄二= 
        / /   | .| | U |    /´〃 〃  ヾ 、 ヾ \  
       / ./   | .| `ー'     '´ 7〃 〃 〃   ヾ ヾ_ ヽ  
        / /    .| |          ./ 〃    ∧ト lヽ 、 ヽ ` !
     //       J         /  ,-、/レl/.  -` | -ヽ|\ l 
      "               ./  .| F| |-=。=,  r-。=,レ' ヽ|  
       r-- ―-、         /   l T!    ̄   |  ̄ ! 
       ~.= フ /      /   |.`ー,.     ー-'   ,' 
       ,' /ー"       /   ./'i /\   ̄ ̄ ̄ ,'
       レ           /, __r'   l/'   \   " , 'ヘ 、
               ,, - ''" _|   |     \_/   ! ` 、
   (二ニ      , -'' _ -‐  .|    i       |   |`   \
    __,,、 -‐ ニ ./`<.      |    '、__/「||_ _.|_     ヽ 
 (二~ -― ''" /    \    |  ,-r"r= ( (●)三 _ ニ  =  `', 
        /       '、   |_/ `|-{ {  r-r'  ̄ \|    |    `',
  ○    i        ',     f"ー-= | l   __   | /   ',
       .|         i     !-‐~ ̄l ノノメ.| ̄    ̄|. レ     ',
 O       |           |    /´ ―= '‐'―く.|       |. |     /
        |         |   /   ―---‐r" |       ! |    /


それは、自分の寝ている場所が、ライナの隣、というよりすぐ横、だからというのも大いにあるが
魔理沙もライナのすぐ横に転がり込んでいて、そして何故かアリスもライナのそばで寝ていた。
この状況に、鈴仙は何が何だか分からなくなる。
何がどうなったか、アリスが何故ここにいるのか、そして、なぜ自分は着物を肌蹴させてライナの隣で寝ているのか(注意―――大抵着物で寝ると肌蹴ます)何が何だか分からない。
 
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [saga ]:2011/08/09(火) 19:40:53.93 ID:4I13PRlk0
 そんな、あまりにも可笑しな現状に、鈴仙が頭を悩ましていると、
 鈴仙と同じように着物が肌蹴た魔理沙が起きた。
 魔理沙は、眠気醒めやらぬまま、眠気眼で、寝転んだまま鈴仙に問いかけた。

 「んぅ……ん? ……どうしたんだ……鈴仙……そんな尖がった顔して……
 ふぁ……あっ、だめなんだぜ……やっぱ昨日の『アレ』が……きつくて……」

 と、魔理沙は力尽きたかのように、二度寝をする。
 どうやら相当に眠かったらしく、言葉を切った瞬間に寝息を立てるほどであった。
 だが、魔理沙はある意味深な言葉を残して夢の世界へ旅立った。
 それは、

 「『アレ』って……なんでしょうか……
 あぁ……私そこまでお酒が強くないんで昨日の記憶が……
 ……な、何があったんでしょうか……」

 鈴仙は、其の何かをとりあえず想像して、自分の姿、魔理沙の姿を見、

 「っっ〜〜〜〜〜」

 ナニヲ想像したのか顔を急速に赤面させ、がばっと布団を頭からかぶり、わなわな震える。


 (ななな、なにを……ほ、本当に何をしたのでしょうか!?)
 
 そして、また変に妄想が溢れ返ってくる。
 ライナが服を脱ぎ、そこで、自分と、魔理沙と、アリス三人を相手にライナが……。

 「うわぁ! うわぁ、うわぁああ!! そそそ、そんなことあの優しいライナさんがするはずないじゃないですか!!
 これは、そう、きっと何かの陰謀です、それか、単に私たちの寝相が悪いだけでです!!」

 と、鈴仙は小声で大声を出すという変な技術で、そんな『本当』のことを無意識に言葉でもらしながら、
 とりあえず、変な妄想を振り切った。

 「そそ、そうですよね……? まさかお酒の力とはいえ、そんな暴挙に出るはずないですよね?
 ちょっと深呼吸しましょう。
 …………ふぅ……そうですよ、ちゃんと冷静に考えればそんなことあるはずないじゃないですか。
 私は何を勘違いして―――って、あれ? これは……あの烏天狗の新聞……?」

 
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/11(木) 00:24:39.78 ID:jaUvKcRMo
乙、鈴仙かわいい
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/11(木) 14:35:28.73 ID:x9OOQSgSO
冷戦可愛い
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/08/15(月) 02:52:05.44 ID:aTbpJkDAO
尖るなよ鈴仙wwwwww

さとりに期待
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県) [sage]:2011/08/18(木) 02:53:23.60 ID:ZyZwqFlT0
懐かしのスレを5ヵ月ぶり に見つけたら更新来てた!!!
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/08/25(木) 22:08:14.82 ID:nhrwiIti0
零戦マジ可愛い
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2011/08/26(金) 03:14:59.82 ID:EhNBDWxWo
エルザム・V・ブランシュタインだろ
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2011/08/26(金) 03:15:32.77 ID:EhNBDWxWo
誤爆
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/08/28(日) 14:36:12.24 ID:GBuMze/l0
>>364
なんともまあ素敵な誤爆に俺の股間が濡れた
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/09/20(火) 04:06:31.94 ID:25/pLsLN0
>>1全然来ねーな
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/11(火) 23:44:55.88 ID:4FNjX5BAO
残り1ヶ月か
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/10/21(金) 17:21:36.22 ID:mfZjaopAO
>>1信じてる
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/10/23(日) 20:59:33.95 ID:LuyJ6i7b0
来ることを祈ってる
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/10/31(月) 21:35:55.65 ID:FccMmhZA0
はろうぃーん

いつまでも待ってる
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/02(水) 00:21:25.07 ID:yohw2n+W0
生きてるのはわかるがたまにはこっちに顔出してくれ>>1

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