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もしも『とある魔術の禁書目録のヒロインがインデックスじゃなかったら』 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :文才無いマン :2011/02/03(木) 20:27:44.41 ID:/kUl8Fhy0
とある魔術第一話のシーンでベランダに引っかかってたのがインデックスじゃなかったら・・・・

もしもベランダに居たのがインデックスじゃなくて違和感なさそうなのは?

@ アンジェレネ

A アニューゼ

B ルチア

なぜかシスター三人組になったが・・・・

この中でどれが代わりになるだろう・・・・・
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 20:32:38.37 ID:evtIrbRAO
アニェーゼな
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:35:38.46 ID:2onnPIdco
アニューゼって書いてる時点で期待できない
4 :文才無いマン :2011/02/03(木) 20:41:53.23 ID:/kUl8Fhy0
まちがったーーーー!・・・・ごめんなさい
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:43:38.48 ID:7/bEM3Tuo
オルソラ一択なわけだけど
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:43:38.66 ID:g297oDWUo
書くつもりあるならせめて誰がいい?とか聞くべきだとおもうの
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 20:46:34.19 ID:evtIrbRAO
俺もオルソラ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 20:54:34.08 ID:a0SS5yito
もしも〜だったら っていわれるとドリフ大爆笑を思い出す
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:11:27.75 ID:AU3nUyPHo
ヴェント一択
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/03(木) 21:15:47.27 ID:gZ0BDLI80
 「引っかかっているのが」ってのがなあ・・・・・・
何らかの追われてる要素があるんだろうからオルソラかな?
 上条さんと最初に出会う魔術サイドの人間ってんならヴぇントも良さそうだけど
 とにかく沢山意見が来るようにageるよ?
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:19:06.71 ID:F7UqaGtho
雑談したいだけなら他所でやれ。ここにスレ立てんな。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:19:26.10 ID:YEq5a/q70
■■さんくらいじゃね?
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:32:24.11 ID:gTWNOFPxo
オルソラ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:35:49.14 ID:2onnPIdco
とりあえず置いときますね

〜末尾で分かる人物像〜


・末尾o
専ブラからの書き込み。
使用者層は新参者〜古参者と広く、ローカルルールを理解している人が多い。
ただし、iPhoneなどのスマートフォンユーザーに注意。


・末尾(A・D・S)O
携帯電話からの書き込み。
A→au、D→docomo、S→SoftBank。
全体的に年若き人が多いのが特徴。
AOユーザーには要注意。
よく立てられる、いわゆる糞スレはAOユーザーに多い。


・末尾0
IEなどに代表されるブラウザからの書き込み。
言葉は悪いが、9割方クソ野郎で、
@sageない
Aルールを知らない
B空気が(を)読め(ま)ない
の三重苦。
その大半が小中生である。


〜番外編:wを多用する人〜
ニコ厨、小中生(場合によっては高校生)に多く、大抵のやつがつまらない。
議論になると^^や、^^;、(ワラ といった低俗な煽りを語尾に付ける傾向がある。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 21:47:45.30 ID:kWoVP6Hco
てめぇら五和さん忘れてんじゃねーぞ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/03(木) 23:16:40.72 ID:v9EGUcw8P
末尾Iとかなかったっけか
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 00:28:43.08 ID:j4kkg+S0o
>>14
初めて知った
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 00:34:16.30 ID:7C1JXerDO
オルソラだろうな
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/04(金) 00:43:21.11 ID:TELLI/S+0
そんなことより、このスレどうすんの。
>>1が言う間違えたってのが間違ってスレ立てたってことならHTML化依頼スレにいってこいよ。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 01:33:49.73 ID:sRcbXydVo
>>19 間違えたはアニューゼのことだろどうみても
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 01:37:53.76 ID:iUGfZE6go
それにしても書かないなら削除対象
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/04(金) 01:47:40.11 ID:TELLI/S+0
>>20
ああ、それもそうだな。
なんにしても>>1はどういう方針でこれ立てたのかが分からんのだが。
誰をヒロインに据えるか決めて貰ってから書く感じ?
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 02:28:16.71 ID:+MliIBGLo
>>14
的確すぎて困る
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 18:38:10.82 ID:WfjirVPvo
>>14
的確すぎて吹いた
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/04(金) 23:30:33.09 ID:eRiQ0KjVo
このスレは乗っ取りに期待
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 15:18:19.13 ID:QMHepuako
私、上条当麻はもう「とある魔術の禁書目録」の世界を二周して今回が三周目である。
一周目は魔術シナリオを踏破し幾度となく死にかけたが、無事トゥルーエンドを迎える事とあいなった。
二周目は暗部シナリオを選択し、アイテムという組織で半ばハーレムと浮かれていたが、実際は雑務(パシリ)に忙殺され、戦闘でもほとんど役に立たなかったものの、最後に漸く一方通行や土御門と合流し敵・黒幕である学園都市統括理事アレイスター・クロウリーを撃破するという大立ち回りを演じた。
知識や経験は引き継ぐことができるのでもはや俺ほどこの「とある世界」に詳しいやつもいないだろう。
そして、この状態となって初めて隠しシナリオたる学園ラブコメシナリオが解放されたので選択してみた。
このシナリオを辿る為に俺は不良に絡まれる女子中学生を華麗にスルーし、ベランダに引っ掛かったシスターを隣のベランダに移し、勉学に身をやつしている。
というのも、学園ラブコメと銘打っているのだからある程度自由に使える資金を用意しておく必要があるだろうし、"あの二人"との接触は強イベント後の√固定であることを俺は既に学んでいるわけで…………。
しかし、姫神は転校イベントが起こりうるか今持ってなお怪しいし、となれば風斬氷華か吹寄制理√がまず最初の攻略対象となるだろう。
だが、このシナリオの強制イベントがジャッジメント加入であることを俺はまだ知らなかった。

みたいなの誰か書いてくれよ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/05(土) 23:40:00.12 ID:5bEmZNU/0
ふむふむ。
吹寄制理:メインヒロイン。毎朝起こしに来てくれる世話焼き委員長系同級生(実は委員長じゃない)
雲川芹亜:ロングで頭脳明晰で頼れるキレイな謎多き先輩
月詠小萌:ロリ系先生
黄泉川愛穂:巨乳先生 → 放課後ジャッジメント√ → 黒子・初春√
風斬氷華:学園都市の七不思議的な激レア
土御門舞夏:街で出会う謎なメイド見習い(攻略不能キャラ)
御坂美琴:街で出会うたびに、なぜか攻撃してくる意味不明中学生
絹旗最愛:映画館で出会える超女子中学生
土御門元春・青ピー:親友√
魔術系登場人物無し。インなんとかさんは、土御門が保護。■■さんは転校イベント無し。

よし、頑張れ。お前には超期待している。 >>26
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:13:45.64 ID:ldkSNoWEo
じゃぁ、誰かが乗っ取るまで、面白くないかもしれないけど、小ネタを投下する。

上条さんの同棲相手が○○だったら〜姫神編〜

設定は、8月下旬頃。原作と違って。イベントは姫神(2巻)、インデックス(1巻)、美琴(3巻)の順番。
姫神を救って、インデックスを救うことになった。だから、同棲相手は姫神ということ。
ついで、9月から、転校に伴い、女子寮に引っ越しになるから、その間の若い高校生の爛れた同棲生活の話。
呼称は、原作は上条君だが、当麻君に変更。恋人関係だから名前の方が良いと思って。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:22:02.23 ID:ldkSNoWEo
--

“ゴロゴロゴロ”

「あ。雷」

大きな雷が鳴った。もうじき雨が降るだろう。
それまでに洗濯物を取り込まなくてはいけない。
幸いにして、雨は降ってきていない。

「良い天気でよかった」

洗濯物の乾きが良い。さわるととても熱い。
空を見上げたら、入道雲がそびえ立っていた。
たぶん今日も激しい夕立が降って、当麻君は濡れながら帰ってくると思う。

「お風呂と。タオルを用意しておこう」

雨が降り始めた。土砂降りである。
今頃、彼は『不幸だぁ』と言いながら走っていそう。
彼の口癖は不幸である。そして、程度の大小はあるが、不幸に遭う。

では、今の不幸があるとしたら、なんだろうか。

…まさか、妊娠?
ちゃんと、避妊はしている。問題はないはずだ。だが、何かにつけて騒動に巻き込まれる彼だし…。
不幸ではないが…、学生の身で子持ちになるのはある意味不幸だか…。

「でも。それはそれで嬉しい」

思わず、口に出てしまう。誰かに聞かせたいというわけでもないのに。

“ガチャ”

「ただいま。秋沙。タオルとってくれないか?」
「おかえり。当麻君。これがタオル。それとお風呂沸かしている」

当麻君が帰ってきた。やはり、濡れていた。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:26:09.26 ID:ldkSNoWEo
-深夜-

当麻君は横で寝ている。そして、私はケルト十字を破壊しないよう今は外している。
だから、今は当麻君の右腕を抱いている。…裸で。
思い出すと恥ずかしいが、激しく互いに互いを求め合った。

だけどこの生活も明日まで。私は女子寮に編入することになった。
一ヶ月程度の生活だったけど、爛れた生活だったと思う。
私も当麻君も人様には言えない事をしていた。

…でも、嫌じゃなかった。
本当はこのままが良いと思っている自分がいる。
彼から離れたくない。そう思う。
でも、普通の生活を送ることとは違うこと。

「世の中って。理不尽」

思わず、そうつぶやいてしまった。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:32:24.01 ID:ldkSNoWEo
--
以上です。
姫神だと、平坦な日常の幸せが似合いそうだなぁと、
それだと落ちがないので、今の幸せを失うことに対する小さな反発を混ぜて書きました。それでも落ちが弱いような気がしますが。

SSは書き慣れていないので、お見苦しい点があったかと思いますが、ご容赦のほどお願いします。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 00:43:17.11 ID:k3IMZPCfo
良いね乙
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 18:01:34.21 ID:ldkSNoWEo
とりあえず、このプロットを元に書いていたのですが、投げ出しました。
>>1の話題に合うかなとおもうので、プロットを投下してみます。
一巻、二巻、幻想御手を錬り直しで、若干時系列を操作しています。
ちなみにヒロインはルチアです。

インデックスを追うイギリス(ねーちん、ステイル)とローマ(アニェーゼ部隊)。
ルチアはインデックスの位置を捕捉し、ある河川敷に追い込む。
そこには、いつものように交戦していた上条と御坂がいた。
そこで、ルチアは御坂の電撃に巻き込まれ、気絶してしまう。
上条と御坂は、ルチアを介抱する。
目を醒ましたルチアはインデックスの行方を尋ねてくる。
「わからない」と答えたので、ルチアは礼を言って去っていく。
そこに、隠れていたインデックスが現れ、御飯頂戴と言ってくる。
で、御坂は、余計なもの(インデックス)がいるとはいえ、
上条と親しくなる良い機会ということで、その話に乗り、3人で食事する。
御坂と別れ、上条とインデックスの2人になった所でルチアが襲撃をしかけてくる。
とりあえず、撃破したものの、気絶しているのを放置するのは忍びず、
インデックスと共に自宅に連れ込むことになる。
その夜、ステイルに勘違いさせるためにアンジェレネが家に派遣される。
ついで、インデックスがローマに渡ったと勘違いしたステイルが襲撃してくるが、原作通りに倒される。
この騒動の中、ルチアとアンジェレネは去り、上条とインデックスは小萌先生の家に逃避する。
それから、アニェーゼが上条に対してのみ事情を説明するために現れ、対峙し、その最中、ねーちんが現れる。
ねーちんの登場で、アニェーゼは退き、ねーちんと上条が対峙する。
上条は、原作通りにねーちんに倒され寝込む。
一方、ローマはねーちんが来ていることにより、方針を転換。
イギリス清教とねーちん、ステイルの間に楔を打つため、
アニェーゼはインデックスの記憶消去の事実を伝える。
その後は原作通り、首輪を破壊することに成功するが、記憶を失ってしまう。
そこに、様子をうかがっていたアウレオルスが現れて、インデックスをさらっていった。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 18:07:54.39 ID:ldkSNoWEo
アニェーゼ部隊はアウレオルスを拘束することを上から命じられ、
ねーちん、ステイルはインデックスを保護するためアウレオルスを追う、
この2組織は利害一致したため一時共闘することになった。
そのころ上条は記憶喪失となり、病院に入院していた。
そこには上条の看病ということで、ルチアとアンジェレネが派遣されていた。
偶然、ルチアは、冥土帰しと上条が話していた記憶喪失の会話を聞いてしまい、
上条にこの事を伝えたところ、記憶喪失を隠すことに協力して欲しいと言われ、応諾する。
それから、病院でレベルアッパー騒動に巻き込まれた御坂(佐天の見舞いで来ていた)と会い、事情を知る。
そして御坂は木山を追う。(この辺は超電磁砲と同じ流れ)
更にそれを追う上条達。上条達が御坂と合流したときは既にAIMバーストは発露していた。
AIMバーストに対峙する上条、御坂、ルチア、アンジェレネ。
だが、AIMバーストは上条に影響され、自我を構成し、更にアレイスターの介入により、天使化(ヒューズ化)する。
AIMバーストは上条に反応し、上条は右手での攻撃が有効であることに気付く。
そこで上条は、ルチア、アンジェレネに対し木山を守るよう指示を出し、御坂と2人で戦うことにする。
途中、木山はワクチンを流布させるもののAIMバーストは弱体化できなかった。
それでも、上条と御坂はAIMバーストの核を破壊し、消滅には成功する。
だが、レベルアッパーの使用者は、アレイスターの介入の影響により意識が戻ることはなかった。
※途中、上条の右手で影響を取り除こうとしますが、冥土帰しに“脳への影響の危険性”を理由に止められます。

AIMバーストの天使との類似性、ワクチンの魔術的類似性に気付いたルチアは、
それをインデックスに見てもらうことを提案した。
時を経ずして、アウレオルスの潜伏先を見付ける。
アウレオルスの目的は、インデックスの完全な記憶消去であった。
魔導図書館として役割を失えば、追われる前提はなくなる。
それを知ったねーちんとステイルはアウレオルスを攻撃をできない。
アウレオルスとの力の差を見せつけられたアニェーゼらは傍観に徹する。
が、インデックスは記憶消去を拒否し、アウレオルスはそれに折れ、記憶消去を取りやめる。
そこでアニェーゼがアウレオルスを不意打ちで攻撃し、拘束に成功する。
そして、アウレオルスはローマに送還されるということになった。
また、アニェーゼは上条の実力を買い、スカウトするが、断られる。
また、インデックスの詠唱とワクチンの和音により、AIMバーストの影響をとり除く事に成功した。

…その後、ルチアとアンジェレネが連絡員と言うことで、上条さん宅に住み込みます。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 18:16:01.07 ID:ldkSNoWEo
・一応、メインヒロインはルチアなので記憶喪失を知っているのは彼女のみです。
・姫神さんは…。まぁ、姫神さんです。設定として、アウレオルス戦で救出され、
 一時的に同居することにはなりますが…
・インデックスさんは、イギリスに帰ってもらうのが筋かもしれませんが、
 同居させた方が話の展開は面白いかも知れません。
 ただ、これ以上、上条さんの住まいと家計を苦しめるのは心苦しいです。
・ちなみに、アウレオルスはテッラさんに利用されます。
 つまり、神の処刑+黄金錬成を使うテッラさんがラスボスです

※とりあえず、この後は、ほとんどプロットは作っていませんが、下記のような感じを想定しています。
・閑話で、隠していたエロ本が捨てられるという話(オリスト)
・3巻相当にルチアを混ぜた話、
・その続きとして、LV6シフトに利用される美琴の話(オリスト)
・閑話で、迷子になったアンジェレネと駒場の話(オリスト)
・法の書編で、イギリス清教が出てこない+土御門が参戦、ルチア+アンジェレネと袂を分かつ話
・閑話でその続きの、上条とオルソラが逃避行している間の学園都市にいるヒロイン達の話(オリスト)
・アニェーゼ達を救うイタリア編
・テッラ戦(オリスト)



自分でも良くここまで妄想したと思うのですが、
とりあえず使うことはないので、SSを作られる際の元ネタにでも使っちまってください。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 21:37:16.20 ID:NGP0DRJw0
>>28
天才だ。関わった時期が少しずれるだけで、■■さんが秋沙になるなんて・・・
じゃあ、頑張れ。お前には超期待している。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:59:37.59 ID:xnSep9rb0
 ていうか是非書いちまってください!!
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 22:01:58.32 ID:mk4zBtL/o
なにか、乗っ取る気はないのですが、期待されているのは恐縮ですが、
近々、ルチアとアンジェレネの小ネタを
もし、筆が進めば、オルソラの短編でも投下します。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 08:47:24.32 ID:ks3EcroAO
マダー?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:16:32.39 ID:E3seTS0mo
上琴に投下していたり、登場ランキングのデータを作っていたり、
その他諸々で、完成が遅れました
とりあえず、予告していた小ネタです。


上条さんの同棲相手が○○だったら〜アンジェレネ編〜

 デレて、甘えまくる年下の少女。呼称は「当麻」。インデックスに少し似せました。
 設定は、アニェーゼ部隊が何かの事件で動いていたが、何かの拍子で上条さんに助けられ、匿われ、
 それでずるずると時間が経過したということです。特に、時期設定はしていません。
 また、姫神を出しているので、その辺のイベントが通過した後と考えてください。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:19:17.11 ID:E3seTS0mo
-朝- 

「〜♪」

とある朝、上条当麻は朝食を作っていた。

「もう、7時半か…」

アンジェレネと同居を初めて、はや数ヶ月。
最初はとある事件で匿っただけであったが、
その事件が終わってもずるずると、同居生活をしていた。

「アンジェレネ、おい朝だぞ」

アンジェレネに声を掛ける。だが、そのアンジェレネは寝ていた。
確か彼女は上条よりも早く寝たはずだが、いまだ夢心地であった
だが、上条には学校がある。このまま寝かせたままにはできないのである。
起こそうとベットに近づいたら、アンジェレネが寝言を漏らした。

「当麻、ありがとう。大好きですよ」

寝言とはいえ、好きだとか言われると、恥ずかしいものである。
上条はその気恥ずかしさを誤魔化すため、
寝言を聞いていない事にして、先に朝食の用意をすまそうと踵を返した。

「だからね。当麻。次はあれが食べたい」

余計な一言である。上条には、先程の寝言が食べ物をたかるために言った言葉にしか聞こえず、
抱いていた幸福な気持ちが全て吹っ飛んでしまった。
もはや、慈悲など無い。叩き起こそうと思い立った。

「おいこら、アンジェレネ。起きやがれ」
「うんにゃぁ。当麻がまわるぅぅ」

別に特別なことはしていない。ただ、単純に体を揺さぶっただけである。
夢は主観である。夢の中で他人がまわるとなるとよっぽどのことである。
そのため、上条は夢の中の自分がどうしてまわっているのかは少し気になった。
とはいえ、今はそんな些細ことよりも起こすことが重要である。

「てめ、まだ起きないのか。こら、起きやがれ」
「…ん。おはよぅ、ございますぅ。当麻」

これが、上条家のいつもの日常の開始であった。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:20:49.45 ID:E3seTS0mo
---
朝食後、上条は時計で時間を確認し、玄関へ向かった。
学校に向かうためである。

「じゃぁ、行ってくるから、後は頼むな」

靴と鞄を確認する上条当麻。
不幸であるが故、忘れ物がないか確認する癖が付いたのである。
それでも忘れ物があることは多々あるが…

ふと、上条は裾を掴まれることに気付いた。

「どうした?」

いつもアンジェレネは、居間でテレビを見ながら見送りの挨拶をするのだが、
珍しく、玄関まで来ていたのである。

「いってらっしゃい。のキスは?」

意外な言葉を掛けられた。

「馬鹿か、恋人でもないのにそんなことするか」
「ぶー、恋人ですよ」
「はいはい」

とは言え、軽く聞き流す。
アンジェレネの思惑とは別として、上条の認識としては、漫画の真似をしている、そんな認識であった。

「これで満足か」

上条は額にキスをした。だが、年長者の洒落た行動程度にしか考えていないため、額にキスをしても、全く動じていない。

「ここが良かったですけど…」

アンジェレネは人差し指で唇をおさえていう。

「でも、うれしいです。いってらっしゃい」

微笑みながら送り出す。上条は背を向けて、手を振りながら玄関を出たのであった。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:24:14.25 ID:E3seTS0mo
-昼-
午前中の授業が終わり、昼食の時間になった。
昼食は、学園都市という性格もあり、生徒達は食堂を利用するものが多い。
対して、上条は同居人がいることもあって、弁当持参が多い。
だが、今日は自宅に弁当を忘れたのであった。

「あぁ、くそ、弁当忘れた。不幸だ」
「上条君。弁当。忘れた?」

弁当を忘れたことを小耳に挟んだのか、クラスメイトの姫神が話しかけてきた。

「そうなんだよ。はぁ、今日も夜まで飯抜きか…」

うなだれながら上条は姫神につぶやいた。
その様子をみて、姫神は少し口元がつり上がった。

「…私の弁当。食べる?」

そう語る姫神。彼女はここは好感度をあげるチャンスと考えたのである。

「いいのか? 姫神?」
「半分なら。良い」

上条は天を仰いで、食事にありつけた幸せに酔いしれていた。
その横で姫神は小さくガッツポーズをした。
表情には見せていないが、してやったりと思っている。

「うう、姫神ありがとう。この恩は百倍にして、返すからな」
「全部、食べて良い」

本心は同じ弁当を分け合おうかと考えていたが、
上条の言った百倍って言葉に釣られて、全部と漏らしてしまった。

「本当か?ありがとう姫神」

上条は、そんなこんなのやりとりをしていると、外が少し騒がしいことにふと気付いた。

「姫神。なんか騒がしくないか?」
「何かあったみたい」

上条や姫神の居るところからは死角だから確認できないが、よく見ると人が集っているようであった。

「あ、当麻。ここにいたんですね」
「あ、アンジェレネ!」

何故か、アンジェレネがそこにいた。そして、一瞬の静寂があった。

「流石、上条さんだ。とうとう少女にまで…」
「外人、ソバカス、少女。…くそ。天はなにゆえ、上条当麻を作りたもうたのだ」
「知っているか。上条さんに殴られると、上条さんみたいになれるらしいぞ」
「それは本当か?」
「噂によると、その中に一桁の嫁を貰った男がいるらしいぞ」
「まじか?犯罪じゃないかそれ」

外野が、色々言う。一桁の嫁…、はて誰のことか、と上条は考えたが、思い付かない。
まぁ、その噂は、冷蔵庫とか工場長とか揶揄されている人が嫌がらせで流したのだろうが、
所詮は噂に過ぎないだろう、本当かどうか確かめたくないがきっとそうだろう。

「どうする、校門で待ち伏せるか?」
「いや、寮の前が良いんじゃないか?上条さん、逃げ足だけはLV5あるし」

上条はその噂の主は誰かと思いにふけっていたが、気付いたら襲撃計画が立てられていた。
どいつもこいつもロリコンばかりである。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:29:41.40 ID:E3seTS0mo
「て、違ぁぁぁう」
「違うって。何が?」

心の叫びを口に出したら、姫神に冷静に突っ込まれた。
実は現実逃避したかったが、冷静に突っ込まれると次の行動に困る。

「当麻?」

加えて、アンジェレネがきょとんとした顔で上条を見ている。
姫神の突っ込みのため、何をして良いか困惑していたが、話を進める意外の選択肢はなかったので、とりあえず、アンジェレネに話しかけた。

「ちょっと待て。お前、どうしてここに」

またもや、外野が静まりかえった。

「ちょっと聞いた? 『お前』ですって」
「そこまで親しい仲なの?」
「やっぱ。上条さん、っぱねぇす。これからお兄様と呼ぶッす」

…外野は悪のりしていた。
が、当事者たる上条はネタなのか、本気なのかよくわからない。
特にお兄様と呼ばれてことは、ネタであることを祈っていた。

と、アンジェレネは、持ってきた鞄から、弁当を取り出した。

「はい、当麻。お弁当ですよ」
「あ、ありがとう、って。どうしてここに?」
「舞夏に教えて貰いました」

土御門舞夏の兄、元春は上条のクラスメイトである。
確かに、聞けば学校の場所はわかる。
ふと、姫神が口を開いた。

「アンジェレネ“ちゃん”。こんにちは」
「秋沙“お姉さん”。こんにちは」

“ちゃん”と“お姉さん”を強調して言い合う。非常に刺々しい。
互いに警戒している証左である。
けれど、警戒している理由である上条当麻は全く気付いていないのだが、

「えらいと思う。学校まで弁当持ってくるなんて」
「そんなの当たり前ですよ。そうですよね。当麻」

上条としては、2人の差し障りない(上条が思うところであるが)会話よりも外野の話が気になっていた。

「呼び捨てよ。呼び捨て。ねぇ聞いた」
「フフフ、今宵の月は赤いだろうな…」
「うわ、落ち着け。言ってることがおかしいぞ」

俺が何か悪いことしたのかよと、うなだれながら思う。
そして、もはや、普通の学生生活が送れないことを知り、嘆くしかなかった。

「ははは…」
「どうしたんですか、当麻?」
「…何でもないよ。何でも…」

アンジェレネが問いかける。
だが、悪意がない分、責めることが出来ない。

「不幸だ」
「?」

結局、不幸という言葉でかたづけるしかないのである。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:30:20.75 ID:E3seTS0mo
--

「じゃぁ、帰りますから。当麻」
「あ、あぁ、気をつけて帰れよ」

アンジェレネは帰って行った。それを乾いた笑いをしながら見送っていると、青ピが話しかけてきた

「かみやん。誰や、あの子は?お弁当を届けるなんて、普通の関係じゃ考えられないよね」
「えぇい、引っ付くな。青ピ。気色悪い」

アンジェレネが学校に来たことも初めてであったことからも分かるように、青ピは彼女のことを知らなかった。
そう問いかけるのも当然である。

「気持ちは分からないでもないが、条例は守るんだにゃー。
モザイクかけられて、『彼は良い奴だったんですが』って言いたくないにゃー」
「…(てめぇ、俺の事情を知って、その言い方はないだろう)」
「…(それはそれ、これはこれだなにゃー)」

対して、土御門元春は事情を知っている。まぁ、それを知っての言動である。
友達甲斐のある奴である。

「上条君の百倍の。お礼」
「どうした、姫神?」
「なんでもない」

一方、好感度を上げたかった姫神はこう言うしかなかった。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:31:29.19 ID:E3seTS0mo
-夜-

「最近、よく甘えてくるようになったな。アンジェレネ」
「だって当麻ってカッコイイですから」

本心なのかも知れないが、上条にはお世辞にしか聞こえない
だから上条はこう答えた。

「わかった。わかった。で、何が食べたいんだ?」
「もので釣ろうだなんて、私は引っかかりませんよ」

むっとした顔でアンジェレネがそう言い返すと、
上条は悪巧みをしているような表情をした。

「生活費に余裕があるから、明日、ファミレスでも行こうとおもったんだが」
「いきますいきます。絶対に行きます」
「じゃぁ、行くか」

やはり子供だなぁと、温かい目を向けながら思った。
が、上条も詰めが甘い。そんな目をすると、何を考えたのか一目瞭然である。
だから、もてあそばれたと気付いたアンジェレネはこう言い返した。

「お礼にキスしてあげますよ」
「え。」

驚いた顔を見せる上条。ずいずいと、距離を縮めるアンジェレネ。

「うわっ。やめろ、恥ずかしい」

可愛い妹程度にしかみていないとは言え、迫られると思考が停止してしまう。
と、アンジェレネは顔を5センチ程度近付けた所で、上条を睨んだ。

「からかう当麻がいけないんですよ」

もはや、お手上げだった。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:33:07.48 ID:E3seTS0mo
-就寝後-
上条はアンジェレネにベットを譲り、そのベットの横に布団を引いてそこで寝ている。

「ふふ、よく寝ていますね。子ども扱いするな。この野郎」

つまり、同じ部屋で寝ている。だが、まさにそれが子供扱いされている証拠である。
アンジェレネはそれが癪なため、上条の鼻を塞いだ。

「むぐぐ…」

そして、苦しみ始めた。だが、上条は思いもよらぬ寝言を言った。

「うう、苦しい。やめろビリビリ。俺に何の恨みがあるんだ」

一番の恋敵、御坂美琴である。

その様子を見て、この前、その御坂嬢とあった時を思い出した。
御坂は、いつものように上条に突っかかっていた。
上条は嫌そうにしていたが、その御坂の行動がアンジェレネには好意の裏返しにしかみえなかった。
そして、時折みせる乙女な顔。ベタ惚れといって過言では無いだろう。

「はぁ」

溜息をするアンジェレネ。
上条が自分を「女」として見てくれない。それが悔しいのである。

ふと、他のライバルを考えてみた。
まず、五和。住んでいる場所はロンドン。どんなに積極的になろうとも遠すぎる。
次に、姫神。性格からか微妙に積極的になれない。これも良しとする。
…。

他のライバルのことを考えてもやはり、潜在的な、いや一番の敵は御坂美琴だと言うことに気付かされる。
今は照れていることも多い。だが、突っかかる事からも分かるように積極的である。
その思いに整理ができて、落ち着けるようになれば、上条もその思いに応えてしまうであろう。

だが、上条は今のところ、御坂を女と言うより、友達として見ている。
けれど、近いうちに、御坂の方が「女」として見られるようになる。
そう思えてならない。

アンジェレネは、自分の生まれの遅さを恨んだ。
だが、それで現実がかえられるなら、いくらでも恨んでいただろう。

ならば、その逆を行うのである。子供っぽいって言われても良い。
年下の利を最大限利用するつもりなのである。

大事な妹を経て、いずれは恋人の座を得る。長い計画である。
そう、上条が「甘えるようになった」と言っていた。
確かにその通りである。意識して甘えるようにしているからである。

「私が『女』になるまで他の女の誑かされちゃだめですよ。当麻」

唇に向かってキスをした。
他の女には負けないと誓いながら
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 02:40:17.57 ID:E3seTS0mo

以上です。

口調に苦労しました。おかしかったら脳内補完してください。お願いします。
実の所、後で出すルチア編が先に作っており、その対称として作っております。

彼女は公式の設定が少ない方ですの(というかフラグすらも怪しいので)で、色々加味しています。
とはいっても、若干インデックスを意識はしています。
ただ、上条さん側からは女としての好意はなく、仲間や保護者意識という、好意の一方通行。
だから、好意をもらうべく努力する。そんな感じを意識しています。というか、私の趣味です。
(この件に関しては別に考慮した元ネタはありますが)

で、遅れた理由ですが、前述以外も元々モノローク調(夜までは上条視点、就寝後はアンジェレネ視点)で作っていたのですが、
物足りないと言うことで、大幅な改修を加えました。
作り替えと言うことで、読みにくい点があるかと思いますが、ご容赦お願いします。
また、前述でルチア編が先とありますが、今回の方の改修が先になりましたので、こちらを先に投下しています。
ルチア編も同じような改修後投下します。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/10(木) 23:56:23.06 ID:CxUpPY9AO
良かったよ
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 22:54:13.60 ID:Bz57QoVDO
大丈夫?
生存報告だけでもしてほしいんだが
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 01:08:41.92 ID:odpna2bao
上条さんの同棲相手が○○だったら〜ルチア編〜

最近、非常に忙しくて、完成が遅れました
とりあえず、予告していた小ネタです。

設定は、アニェーゼ部隊が何かの事件で動いていたが、何かの拍子で上条さんに助けられ、匿われ、
それでずるずると時間が経過したということです。特に、時期設定はしていません。
途中、姫神を出しているので、その辺のイベントが通過した後と考えてください。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 01:16:36.32 ID:odpna2bao
-朝-

“リリリリ…”

早朝、うるさく鳴る目覚まし時計に起こされた。
少し寒くなったので暖かい布団から出るのが煩わしい。
とはいえ、今日も学校があるので、このまま惰眠を貪るわけにはいかない。

「ふわぁぁぁぁ。」
「おはようございます」
「うん。おはよ。って、またか…」

怠い体を布団から起こしたら、ルチアが台所で朝食を作っていた。
上条にとっては、もはや見慣れた光景であるが、別に恋人とか男と女の関係ではない。
少なくとも上条はそう思っている。

では、なぜ彼女がいるかというと、少し前、ふとした事件があり、
その事件で匿うことになり、その事件が終わったあともずるずると同居が続けていた。
ただそれだけである。

そんなこんなで、ルチアと同居を続けており、宿を貸している立場なのだが、家事は分担しようと決めている。
そう、取り決めでは、朝食が上条で夕食がルチアという割り当てだ。
だが、このように上条が寝ている間に朝食を作ってしまう事が多々あるのである。

「朝は俺が作るっていっただろ?」
「お疲れのようでしたから、私が作りました。」

自分の当番だと主張したら、即座に反論された。
寝ぼけた頭で、その理由が正しいか考える。
しかし、その結論が出る前にルチアは言葉を続けた。

「…学業が疎かになっては本末転倒です。明日から私が作ります」
「いや、それは悪い」

ルチアには、家計がきついから、バイトにも出てもらっている。
しかも、家事までほぼ全てをこなしてもらっていて、凄く気まずい。
奨学金が出ているとはいえ、これじゃまるでヒモである。
そう、朝食を上条が作るという取り決めは、最後の抵抗なのである。

「弁当も用意しましたので、お持ちになってください」
「ははは…」

弁当が出てきた。ダメ出しである。
上条は苦笑いで現実逃避するしかないなと思いつつ、何も考えたくなかったので、
とりあえずはいつも通りの行動をなぞろうと、顔を洗いに洗面台に向かったのである。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 01:19:59.46 ID:odpna2bao
-夜遅く-
補習もなく、今日はまっすぐ帰ることができると考えていたら、ある少女に出会った。御坂美琴である。
いつものように、勝負を挑まれ、あしらったら怒られ、追い掛けられ…。
気付いたら、日付変更線を超えていた。

「まずい。」

自宅の扉の前で、遅く帰ったことをどう誤魔化そうかと考えていた。

ルチアは嫌と言うほど、規則正しい。ギャルゲの学級委員長かよっていうくらいである。
だから、こんな夜遅くに帰ったことがばれたら、烈火の如く怒る。
というか、何回か怒られている。

だが、男と同居状態が正しいのか、というのは疑問である。
ここに思い至らないのが上条当麻であるが。

とりあえず、今回は既に帰っていた事にしようと思い至った。
これのどこが誤魔化すのかは理解できないが、本人は誤魔化せると考えている。

「よしこれで良いか」

上条は、鍵を音を立てずに開けることに成功した。
そろーりと、玄関のドアを開けると、眼前にはルチアが立っていた。
俗に言う仁王立ちである。

「何か、後ろめたいことがあるのですか?あなたは」
「げ、ルチア」

鋭い目でにらめ付けてくるルチアに対し、上条は思わず言ってしまった。

「人の顔を見るなり『げ』とはなんですか?『げ』とは」
「いや、そのぉ、説教が始まるかなと…」
「自分が悪いと分かっていて、さけるというのはどういう了見でしょうか?上条当麻さん」

上条は、もはやどうにもならないと思い、バカ正直に答えてしまった。
それが火に油を注ぐ行為であることに気付いたときには遅かった。
たぶん、一時間では説教は止まらないだろう、そう考えた。

「はぁ、今、何時だと思っているのですか?」
「ええっと、その1時?」

お伺いを立てるように答える。これ以上怒らせたくないからである。

「1時じゃありません。あなたは学生です。学業を疎かにして、どうするのですか?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ビリビリに追いかけ回されて、その…」
「ビリビリって、あの中学生ですか?少女をこんな時間まで連れ回して、あなたは…」

とりあえず、言い訳をする。だが、その言い訳が不味かった。御坂のことを話すと更に語気が増した。
余談であるが、御坂は町中で上条とともにルチアから説教をくらったこともあり、苦手である。

「あなたは人の話を聞いているのですか?」
「…ごめんなさい」

今日は寝る時間あるだろうか…。眠い頭を抱えながら、上条は説教をまじめに聞き続けなくてはならなかった。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 01:28:23.51 ID:odpna2bao
-町中にて-
翌日、寝不足の頭を抱えながら、帰路についていた。
昨夜のルチアの説教は二時間にわたり、結局3時間程度しか眠れなかった。
しかも、こういう日に限って、急遽、課外授業が入り、睡眠学習ができなかった。
だから、今日は早く帰って、寝ようと思ったが、それは許されなかった。

「あ…」

上条の視線の先に、男に絡まれ、嫌がっている女の子がいたからである。
そして、上条の足は自然とそちらに進む。

(眠い。早く寝たい。学園都市って、何でこんなに治安が悪いのだろう。
いつものことだが、どうしてこうも事件に巻き込まれやすいんだろうか?
神様が、俺に不幸を与えるために俺の周りを操作してるんじゃないか?)

上条はため息をしながら、そのようなことを考えていた。

「だけどな、見過ごす訳にはいかねんだよ」

上条は、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
そして、気合いを入れ直した。そう、助ける女の子は目の前にいる。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 01:31:08.45 ID:odpna2bao
------------------
上条は、病院独特の刺激臭に意識を取り戻した。
その刺激臭は何度も嗅いでおり、どこか懐かしい感じもした。
そこで上条は、今自分が病院で寝ていることに気付いたのであった。

「ははは、生きてるな」
「目が覚めましたか?」

自嘲気味に笑うと、ルチアの声が聞こえた。
気になり目を開けると、ベット横のパイプ椅子にルチアが座っていた。

「あれ、私服か?」
「あなたが修道服で外を歩くなと言っていませんでしたか?」
「あ、いや、そうだったな」

修道服は、本来地味とはいえ、学園都市では非常に目立つ。
だから、外を歩くときは洋服に着替えてもらっていた。
上条はまだ、冴えない頭を動かすと、ルチアがこちらを睨んでいた事に気付いた。

「全く…」

ルチアに睨まれ、怯む上条。その状態が30秒ほど続いた。
その静寂を断ち切るが如く、ルチアが口を開いた

「全く、あなたは何を考えているのですか?
だいたい事件が起こる度に首を突っ込んで
自分の命を大事にしないのですか?」

あきれたように言う。
上条は、怒られるのは分かってはいたが、その内容に少し頭に来た。

「見捨てるなんて、出来るわけないだろう」

続けて言葉を紡ごうとしたが、ルチアの形相を見て二の句が継げなかった。
ちょうちんフグとは言わないが、怒りで頬がふくれている。
本当に怒っているようだが、少しかわいらしくもある。

「そのくらい分かっています。私もそうやって助けられましたから。
ですが、私も戦えるのはしっていますよね?私に相談をするとか、そういうことは考えないのですか?
いつもそうです。独りよがりで戦って、少しは私を信用してくれてもいいじゃないですか?
病院に呼び出されるときの私の気持ちは分かっているのですか?」

凄い剣幕だった。上条は自分の非を否定したかったが、言い返しきれなかった。

「いや、その…。ごめんなさい」
「もう、いいです。これ以上叱っても体に障るだけです。これからはきちんと相談してください」
「はい。ごめんなさい」

上条はちょっと、拍子抜けした。もう少し怒られるかと思ったからである。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 01:56:10.39 ID:odpna2bao
“コンコン”

「上条君。起きてる?」

ドアのノックとともに、姫神の声が聞こえた。

「あぁ、姫神か。今、起きたところだ」

姫神の声を聞いて、ルチアは座っていた椅子から立ち上がった。

「ご学友が来られましたし、私は席をはずします」
「お、おい。ルチア」
「いえ、邪魔になると悪いですから…」
「ルチア。ちょっと待て」

ルチアは病室に入ってきた姫神に会釈をして、そのまま病室から出て行った。

「ルチアさん。行ってしまったけど」
「呼び止めても、行っちまったし…」

何か、気をつかわせたようで言葉が続かず、微妙な沈黙が続いた。

「上条君。このイス。借りても良い?」
「あぁ。どうぞ」

この沈黙を続けるわけにもいかず、姫神は椅子を借りたいと申し出、それから脇にあったパイプイスを取って座った。
そして、上条に話しかけた。

「あなたも。相変わらずと思う」
「相変わらず?」
「あなたは彼女にお礼をいうべき。入院の手続きや学校への連絡まで。全て彼女がしてくれた」
「そうか」
「たぶん。入院してから。ずっと看病していたと思う」
「そうだな、お礼を言わないとな」

窓から外を眺めながら、上条はルチアの支えを強く感じていた。
先ほど怒らせてしまったのも、自分が無神経すぎたなと自省していた。
そして、上条はお礼と謝罪をちゃんと言うべきだなと思った。

…と同時に、姫神の言葉に少し引っかかった。

「…ちょっと待った。『ずっと』って、言ったよな。今、確か」
「ええ。言った」
「今、何月何日?」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 02:07:56.24 ID:odpna2bao
「ふう」

ルチアは病室を出て大きな溜息をした。
ふと、病院の無機質な天井を見上げ、上条のことを考え始めた。

(まったく、あの人はいつも無茶ばかり…。いつも、電話が掛かってきて、「病院に搬送された」と…今回は、確か土御門元春からでした。)

上条が魔術師や超能力者と戦っているのは知っている。ルチアも何度か一緒に戦っている。
だが、足手まといになることも度々あり、最近は全て終わった後に病院への搬送を聞かされることが多い。

(あのときはそう、夕食を作っているときでしたね…。
夕食…ですか、そういえば、冷えてもあまり味が落ちない料理ばかり作っている気がします。)

「…ふふ、おかしな話ですね」

ルチアはいつも遅く帰っても大丈夫のように準備している。
本当は遅く帰ることはいけないことであるのに。

門限を破ったり、夜遅くまで町中にいるのは褒められた行為ではない。
不真面目な態度も、好きになれない。
正直、上条の行為は子供の我が儘だとルチアは考えている。

けれど、その我が儘を貫いて、常に結果を残した。自分の身を削った上であるが
そして、今のルチアもその結果の一つ…。彼女はその事を理解している。

だが、そのような彼の行動は常に死と隣り合わせである。
そして、何も知らないまま、彼の死を知るのは嫌なのである。
…だから、例え上条が戦いの中で死ぬとしても、その横で全力で戦いたいと思っている。

(ああ、そうでしたか、だから、いつも彼を叱っていたのですね。私も一緒に戦いたいという意志を誤魔化して…。)

と、我を取り戻した。よこしまな気持ちを混ぜて、叱ってはいけないと考えているからである。

「疲れていますね。こんな事を考えるなんて、馬鹿馬鹿しい。こんなの私らしくもない。」

(…彼の家に住み始めて、どのくらい過ぎたでしょうか?最初は匿って貰って…
しかし、もう、隠れる必要はなくなった。シスター・アニェーゼやシスター・アンジェレネの元に帰ることも出来る。
でも、彼が…、上条当麻が今回みたいによく入院するので、心配で帰れない。)

「ふふ…」

よく解らないが、少し恥ずかしかった。
と、目の前にカエル顔の医者が立っていた。

「彼は起きた?」
「あ、はい。先程、目を覚ましました」

そう答えるルチア。だが、カエル顔の医者は目を細めてルチアを観察する。

「君は無理しすぎだよ」

その様に言われて、ルチアは驚いた。

「彼が入院してから、ほとんど寝てないんだろ。化粧で誤魔化しても僕にはわかる。
ここで体をこわされたら僕の立つ瀬がないから、とりあえず無理にでも休んで貰うよ。いいね」

瞬く間に踏み込まれ、急に肩を叩かれ、力が抜けていく。

「わ、私は…、う、何を」
「力を抜くツボを押しただけ。体には害はないよ。しかし、無理していることに頭が理解していないようだね」

足がふらつき、倒れそうになる。カエル顔の医者は倒れかけたルチアを支える。

「全く、強情だね。彼に心配かけたくないって顔に出てるよ。大丈夫、彼にはうまく言っておくよ」

その事を聞いて、ルチアは寝息を立てた。安心したからである。そして、横に現れた少女に彼女を預けた。

「10032号。彼女の面倒は頼むよ。それと、彼女は大事な“客人”だ。いいね」
「ふふ、とミサカはあの人の看病が出来なくなったあなたを見ながらほくそ笑んで言います」

-おわり-
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/17(木) 02:12:37.64 ID:odpna2bao
以上です。

あまり公式設定が微妙に少ないので、いろいろと加味しています。
まず、ルチアは真面目そうなので、家事やバイトなど、色々してもらっています。
それと、エロい事はしていません。敬虔という設定ですので。
恩なのか、義理なのか、好意なのか、その辺がごっちゃになっている状態です。
まぁ、これの対称として作ったのが先のアンジェレネ編です。

それと、色々、エピソードを入れたかったのですが
この落ちに繋げきれなかったので、棄却しました

黒子にも言えることですが、話の軸を正義にした場合、
ルチアみたいなキャラは上条さんとぶつけたら、良い味を出すんじゃないかなと思います。
正義と正義の対立とか、そんな感じで
個人的にルチアを押しているのはそれが理由です。

あと、予告しているオルソラの短編は、正直、時間の関係で完成するかわかりません。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 02:16:43.81 ID:NJxIaUqfo
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/03/19(土) 20:57:24.21 ID:TQDFaIiu0
このスレ見るの楽しい
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/20(日) 04:07:00.41 ID:ZkOv06GAO
まぁ……あれだ
ルチア可愛い
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/03/26(土) 21:36:49.81 ID:Iv4H5uOz0
続き希望!
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/03/26(土) 21:37:43.62 ID:Iv4H5uOz0
すまん、あげちゃった
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 00:49:00.64 ID:afSLlK+e0
しえん
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/27(日) 12:59:32.21 ID:Y0SVw9QX0
ありゃ?書いてくれてたのかい!!
全力で支援砲撃だ!!!
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/27(日) 13:23:18.12 ID:t0JV8AVZ0
魔術サイドだけではなく
科学サイドも希望します。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/03/27(日) 16:29:49.34 ID:TZfRZJXS0
良スレ発見
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 18:08:07.11 ID:qrgdjU3DO
次が楽しみ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/03/29(火) 20:32:42.96 ID:xbCMOtrl0
次はアニェーゼか!!
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 00:54:36.60 ID:1Mf5PgwZo
予告していたオルソラの短編です。
先に報告していた通り、時間がなかったのでかなり作りは荒いです。
タイトルはこんな感じですが、中身はそこまで軽くないです。

〜オルソラさんが遊びに来た〜
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 00:56:14.91 ID:1Mf5PgwZo
とある昼下がり、この物語は一つの会話から始まった。
喧騒わめく町中で、一人の男が携帯電話に呼び出された。

「土御門元春よな?」
「…あぁ、何の用だ?」
「この前の騒動でオルソラが何をしたか知っているよな?」

オルソラ=アクィナス…、少し前、ある騒動があり、もめ事を起こしていた。
それは彼女自身の信念に基づいた行動であったが、結果としてある魔術勢力との対立を生じさせていた。

「…」

土御門元春はこの問いの答えに少し窮した。別にその騒動の顛末を知らないわけではない。
何故この男がこの問いを尋ねてきたのを考え、
その結論を元に出した、自分がすべき今後の動きを導き出しつつあった。

「おい、聞いているな?」
「あ、すまない。オルソラのことは聞いている」

ただ、その結論は彼らが取り得る最善の手であるが、土御門にとっては最悪の手であった。
そう、別な答えであってほしいという願望が、今の沈黙を生んだのである。
だから、あえて自分の出した結論を聞いた。

「オルソラを逃亡の手助けをしたのはお前で間違いではないのか?」
「察しの通りよな」

出てきたのは最悪の答えだった。

「中立地帯に運んだよな」
「…そうか」
「用件はそれだけよな」

電話は途切れた。電話の相手の男、建宮斎字は学園都市が何たるかはおおよそ察している。
そして、この土御門元春がどのような立場にいるかも完全ではないが理解している。

「中立地帯じゃないだろう。食わせ物め」

空を見上げながら、大きく溜息をした。情報を整理するための少し間が欲しかったからである。

「まったく、お人好しはこれだから困る」

土御門はまるで自分に言いかけるようにつぶやいた。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 00:58:11.17 ID:1Mf5PgwZo
夕刻。右手にレジ袋、左手にマイバック。ツンツン頭の少年は学校帰りに買い出しを済ませていた。

「いやー。こういう日もあるもんだ。上条さん。感激」

珍しく、騒動に巻き込まれることもなく、自宅に着けたのであった。

「ただいま。インデックス。いるか?」
「おかえり、とうま」
「あら、おかえりでございますか」

上条は玄関を開けるなり、違和感を感じた。何か、おかしい。普段いない人物がいたのである。
なぜだろう、騒動の種に見える。上条はそう思いながら、買い物袋とマイバックを玄関横に置いた。
そして、目をつぶり、大きく深呼吸して、再度確認した。

…やはりいる。

「ちょっと幻覚が見えた気が…」
「あらあら幻覚が見えるのですか、お疲れなのでしょう。今日はお早めに休まられてはいかがでしょうか」

いまだ幸福の余韻に浸りたかった上条はこの事実を幻覚って事にしようとしたが、上手に返され、現実に戻された。

「…ちょっとまて、どうしてお前がここにいる。オルソラ!」
「お疲れですので、今日は私がご飯をお作りいたしましょう」
「それは悪いな。じゃなくて、どうしてここにいるんだぁぁぁ」

一瞬、オルソラの料理につられてしまった。確かにオルソラの手料理はおいしい。
とはいえ、今は現状をつかむことが重要である。料理はそれからで良い。

「何の目的でここにいるんだ?お前はロンドンにいるはずだろ」
「それはですね。逃げてきたのでございますよ」

逃げてきた。そう聞いて、上条はふざけたことをしている場合ではないと理解した。
まずは、オルソラから状況を聞こうとそう考えたのであった。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:00:47.83 ID:1Mf5PgwZo
「すごいスペクタクルだな」

上条が帰宅してからおおよそ一時間が過ぎ、オルソラのイギリスからの脱出譚が終了した。
端的に言えば、追われる身になったので逃亡したが、安全な場所というと上条の家しか無く、そこへ来たとのことだった。
しかし、状況は分かったが、どうも腑に落ちない。いくら何でも逃亡劇がうまくいきすぎである。

(あいつなら少しは状況を知っているかもしれんな。)

そう思った上条は三人で囲んでいるちゃぶ台から立ち上がり、玄関の方に向かった。

「インデックス、オルソラ、ちょっと出掛けてくる」
「とうま、どこ行くの?」

インデックスが行き先を聞いてくる。

「状況をきれいに整理できないから、外でちょっと頭を冷やしてくる」

上条は二人を残し、やる意気がないように玄関の扉を開け、ふらふら歩き、
そして、インデックスがついてきていないことを確認して走って非常階段の所に行く。
インデックスにある人物の正体を臭わせないためである。

(なんだろう、演技が自然と出るな。ははは…。)

自嘲である。それをおくびにもだしてはいないのだが。

上条当麻は特殊な能力があるとはいえ、ただの学生だった。
それが、いつの間にか劇団員顔負けの演技をするようになった。
科学に魔術、世界の闇に順応している証拠とも言えよう。
が、そのことは、記憶が無くなったことも相まって、
まるで演技している自分が本当の自分のように錯覚するようになってきたのである。

ふと気持ちを現実に戻すと既に非常階段に辿り着いていた。
そこで携帯電話を取り出し、その人物に電話をかけた。

「おい土御門。何で電話をかけたか。分かっているよな?」
「せわしいな。かみやん。そんなんだから、いつも不幸に巻き込まれるんぜよ」
「そんなことはどうでも良い。分かっているんだろ」

相変わらず、柳のように質問をかわそうとする。
だが、当事者たる上条にとってはすぐにでも解決したい問題であり、
おのずと口調がきつくなる。

「わかったわかった。オルソラの事だろ」
「事情は聞いたが、いったいどういう事だよ」

上条は、学園都市の闇に通じて、かつ魔術師にも通じている土御門なら
客観的事実を把握しており、なおかつ的確な助言をもらえると見ていた。

「かみやんが焦る気持ちも分かるが、今は急ぐ時ではないにゃー」
「どういうことだ?」

結論から言い始める土御門。だが、この問題を急いで解決したい上条は、その答えに若干困惑した。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:01:53.93 ID:1Mf5PgwZo
「まぁ、最後まで話を聞け。イギリス清教と学園都市が手を結んでいるのは知っているな」
「あぁ。」
「で、その要人の最たる一人がかみやん。お前だ。そこまでは分かるな」

土御門は一つ一つ状況を語り始める。

「要人というのはどうもわからんが、どうもそうらしいな」

上条も自分を巡って、何度か紛争が起きており、自分が世界の要人であることを身にしみて感じている。

「それでだ。罪人が逃げ込むなら、手の出せない要人の所がよい。つまり、かみやんの元が一番安全ということだ」
「罪人って、オルソラは間違ったことはしてないだろう」
「良かれ悪かれ、立場によって罪業は大きく異なる。かみやん、オルソラに情がわくのは分かるが、そこの点は理解してくれ」
「…すまん」

上条当麻はインデックスや美琴の件からもわかるように、自分の身近な人に凄く甘い人間である。
今回のオルソラに肩入れしてしまうのもその性分である。
が、同時に長い時間科学と魔術の諍いに関与してきた。
世の中が正義、非正義で語ることができないことをわかりつつあった

「とりあえずだ、そういう理由でネセサリウスは様子見ということになった」
「そうか」

上条はほっとした。今はまだ狙われていない。対策を練る時間があるのである。

「だが、もしかみやんの元を離れるとなると、追っ手が出る可能性もある」
「…」

つまり、そういうことなのだ。上条の管理下に置けば手に出せないということを利用したのである。

「前回の事もあるだろう、恐らくは天草式あたりが知恵をだしたんだろうな」
「…そうか。天草式には感謝しなくちゃならないな」

たとえ、利用されても守れたのだからそれで良い。そう考えた。
と、今後の方針が定まったところで、上条はオルソラから聞いた話で疑問を抱いたことを尋ねた。

「でもよ。ここの警備もいい加減だよな。魔術側の人間を簡単に通すなんて」
「…。まぁ、穴は無いこともない。それに色々あったからな、人材不足といったところか」

事実、昨今の騒動で、人材不足が露呈しており、警備が甘くなっている。
だが、実際はオルソラの逃亡には、アレイスターが暗躍しており、なおかつ天草式もそれに乗せられていた。
そして、それを知る土御門はそう答えるしかなかった。

「とりあえず、かみやん。動きがあったらまた連絡する。それまではこっちのことは気にしなくても良い」
「わかった」
「他に聞きたいこと…、『おう、兄貴、晩ご飯出来たぞ』じゃぁ、切るぞ。」

電話口から、舞夏の声が聞こえる。土御門元春は自宅に居たようであった。

(…家にいたのかよ。電話代が無駄だったじゃねーか。不幸だ。)

そう思いながら、上条は携帯を閉じたのであった。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:03:50.23 ID:1Mf5PgwZo
土御門から事情を聞いた上条は、一息付けて自宅に戻った。
そして、ちゃぶ台を三人で囲み、今後のどうするかについてに話し合うことになった。

「とりあえず、事情はわかった。匿うことも問題はない」

上条としてはここに異論はない。
オルソラとの縁もあるが、上条の性格からして頼られて見捨てるということはできない。

「とうま」
「言いたいことはよくわかる。だが、待て」

インデックスが顔を膨らませ、抗議してくる。
嫉妬である。だが、嫉妬と考えてもらう方がまだ良い。
上条は食事の量が減る心配から来る苛立ち程度にしか考えてはおらず、
インデックスにとって、二重に辛いところでのある。

「で、他に頼るところはないんだろう?」
「はい、建宮さんがここなら安全だと」

(土御門の言う通りか)

まさに世界の暗部がどうも我が身を狙って、デタントになりかけている、客観的な証言である。

「不幸だ…」

おもわず、口に出してまう。この件に関しては、どうしようもないからである。
まぁ、その為にインデックスが自分の保護下にあっても、本格的に手出しはされないのということもあるが。

「不幸ですか…」

不幸と言われ、少し表情が暗くなった。迷惑ではないかと思ったからである。
上条はそれを見て、慌てて言葉を続けた。

「そうじゃない。このどうしようもない俺の境遇に頼らなくちゃいけないことだ」

言い訳のようにも聞こえるが、自分の不幸で他人が巻き込まれるのは避けたいと思っており、
不幸と言って、悲しい顔をされるのは非常に辛いところがある。

「とうま。つまり、オルソラといっしょに住むと言いたいんだね?」

だが、その慌てようを見て、インデックスは上条を睨んでくる。

「仕方ないだろう?他にやりようがない。オルソラを追い出すのか?」
「ううう…」
「というわけだ、オルソラ。今後どうなるかはわからないが、この家にいくらでも住んでくれ」

唸るインデックスを脇目に結論を上条はオルソラに伝える。

「本当にありがとうございます」

深くお辞儀をするオルソラ。暗かった表情に光がともり、上条はほっとする。
対して、インデックスは頭では納得しているが、どうも不満である。
なまじ、頭が良いだけに納得しなきゃならないことが分かるからである。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:04:50.76 ID:1Mf5PgwZo
「しかし、身を隠すってことだが、その修道服は目立つよな」
「はぁ、そうでございますか?」
「学園都市にも教会があるとはいえ、敵さんに私がここにいますよ。って言っているもんだしな」

木を隠すなら森ということわざがあるように、俗に言うスパイは敵地に身を隠す場合はその地に溶け込む事が必要である。
加えて、目立ってはならない。怪しい活動をしているのに、目立っては足が付きやすくなるからである。
だから、美人局みたいな例外はあるが、工作活動を行うに際して、怪しい服装や美形や長身はあり得ないのである。

閑話休題。とりあえず、日本でシスターの格好をしていれば目立つ。
シスターの格好で日常を過ごすのは避けたいところである。

「ねぇとうま。わたしの服も」
「今更だが、充分目立っていると思うぞ。気付いていなかったのか?」
「う…」

基本シスターの服は地味である。むしろ、その目的で作られている。
だから白いシスター服なんてまずないのである。
というか、上条の知り合いのシスターさんは黒が基調である。

まぁ、歩く教会が破壊されたので、別にこの修道服を着続ける必要はない。
というか、身を隠すなら、こんな目立つ服を着ないべきであるが、
そんなことするとますます存在が希薄になるということを理解しているのかも知れない。

なんてことを上条は上の空で考えていたが、オルソラが持ってきたバックからある服を出した。

「どうでございますか、この服は?」
「まぁ、なんてことでしょう。エロメイド服」

おもわず、素っ頓狂な声が出てしまう。
加えて、微妙に冷や汗が出る。かの聖人の恐怖が吹き出たのである。

「流行の服だと聞きましたが?」
「オルソラ、頼むからその系統の服はやめてくれ。トラウマが…」

トラウマはともかく、このメイド服の方がシスター服より目立ってしまうので本末転倒である。

「困りましたね。私はこちらしか用意していないのですが…」

…私服はないのかよ、と上条は疑問に思いつつ、ここ(学園都市)で購入する以外に方法はないなと結論づけた。

「そうだな、誰かに見繕ってもらうか?」

上条はそうつぶやきつつ、横に坐るインデックスを見た。

「…」
「どうしたの、とうま?」

上条当麻は正真正銘の男である。女性物の服なんて知らないのである。
インデックスに頼もうかと思ったが、思いとどまった。
上条当麻はインデックスに服を買い与えたことはあるが、基本女性向けの服の値段なんて知らないのである。
だから、インデックスに頼むとなると、余分に渡す必要がある。
だが、インデックスに金を渡したら、確かに服は買ってくるだろうが、おつりは全て胃袋に消える事になると予測した。
ただでさえ、家計は火の車なのに、余計な出費は控えたいのである。
まぁ、増えた同居人に金を借りるなりすればいいのだが、そこに至らないのが上条当麻という人間なのである。

(インデックスに頼むとしても、お目付役がいるよな。誰が良いかな。小萌先生か?御坂か?あ、)

「舞夏にたのむか」

そう思い、上条は据え置きの電話の受話器を持ち上げた。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:06:51.42 ID:1Mf5PgwZo
「土御門、舞夏にかわってくれ」
「おい、かみやん。舞夏になんのようだ?」
「“インデックスの友達がイギリスから来てるんだけどさ”、服装が場違いでさ、似合う服を舞夏に選んでもらおうかとおもってな」
「“なるほどにゃぁ。つっと、舞夏に頼むってことは女の子かにゃぁ”」

土御門はこの状況を知っている。オルソラと土御門は面識があるかは知らないが、声は互いに知っている。
舞夏に事の次第を勘ぐられたくないということなのである。
(つまり、話を合わせろと言っているか。)

「“かみやん、なんで黙る”」
「あまり他人には晒したくないというか…、なんというか…」
「ほう、その言い様だとかみやんの独占欲が出てきたか」

少し間をおいて、返事が返ってくる。

「なるほどにゃぁ。シスター服は飽きたんだにゃ?」
「そんなんじゃねーよ」
「まったく、かみやんは奥が深い。舞夏、かみやんが頼みたいことがあるんだにゃー」

少しして、舞夏が電話口に出た。

「舞夏。ちょっと頼みたいことがあるんだが」
「おう、なんだ?」
「かくかくしかじかで…」

上条当麻は舞夏に事情を話す。

「同棲相手の服を使えばいいじゃないか?」
「あいつの服は無理だな」
「ほう、なるほど。つまり、幼女体型ではないと」

(幼女体型…、どこでそんな言葉を覚えるんだ?というか、インデックスは幼女なのか?)
そんな疑問を思いながら、言葉を続ける。

「まぁ、そうだな、少なくとも幼女体型じゃないな。スタイルは良いぞ?」

そんな感じで、話が進んでいった。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:07:56.94 ID:1Mf5PgwZo
「というわけで、明日は頼みます。舞夏様」
「わかったぞー」

ピっ。携帯のオンフックボタンを押し、通話を終了させる。

「じゃぁ、インデッ…」

上条の背後から殺気を感じられた。
振り返ると、インデックスが怒気をこめて、対して、オルソラが頬を赤く染めていた。
深く考えていなかったが、先程の通話は聞こえていたのである。

「ねぇ、とうま。誰が幼女体型かな?」
「え…と、それはですね。言葉のあやといいますか…」
「じゃぁ、オルソラよりも女っぽい?」
「…」

答えられない上条当麻であった。
この後、いつものように折檻を受けたのは言うまでもない。
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:10:25.41 ID:1Mf5PgwZo
次の日、上条は、いつも通り、買い物袋を抱えて、家路に入った。
と、寮の前で、土御門舞夏に出会った。
いつも通り、清掃ロボットに乗っている。

「おう、上条当麻。今帰って来たか」
「舞夏。いやぁ、助かったよ」
「で、誰なんだ?あの美人は?」
「インデックスの知り合いだよ」

土御門元春のこともあるので、無難な回答をした。

「ほう。そういうことにしておいてやるよ」
「なにがそういうことだ?」

何か疑われるようなことを言ったのかと、上条は心の中で自問したが、
舞夏が疑問に思ったのは、オルソラが服を選んでいた時、
その場にいない誰かを意識していたからである。

「こほん。私も時間がないから、手短く話そう」

舞夏は話題を中断するため、わざと咳き込んだ。

「上条当麻。喜べ」
「なにをだ」
「君の趣味にあわせたぞ」

上条はすっかり忘れていたが、土御門舞夏はあの土御門元春の義妹である。

(俺の趣味…。バニーさんか?)

そう思いつつ、舞夏に問いただす。

「舞夏。普通の服だよね」
「私を誰だと思っている」
「…」

舞夏は何かを企んでいるような笑みを浮かべていたが、
上条は、服を見繕ってもらったという負い目があるので、そこまでの抗議が出来なかったのである。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:12:07.94 ID:1Mf5PgwZo
土御門舞夏はそのまま去っていった。
上条当麻は、不安を抱きながら、自宅に向かい、玄関を開けたのであった。

「ただいま」
「おかえり。とうま」
「あ、今お戻りでございますか?」

と、インデックスとオルソラが自宅にいた。

「こ、これは」

オルソラの服装は、普通のセーターに長いスカート。家庭的な服装であった。

「これが一般的な服装と言われたのですが、似合いますか?」
「地味だね。ね、地味だよね。ね、とうま。とうま?」
「あ、あぁ」

インデックスは地味という言葉をやたら使う。
どうやら、インデックスはシスター服だと、上条当麻の目がそちらに向くと思っているらしい。
同時に、上条当麻は内面ほっとした。舞夏は当麻の趣味に合わせると言ったから、とんでもないものを用意したと思ったのである。

(疑った俺を許してくれ。)

そう心の底から思う上条当麻であったが、

(やばい、これは破壊力が高すぎる。まだ、あのメイド服や修道服のほうがましだ。)

体のラインが強調されない服なのに、強調されている胸や尻。

(俺もこんな趣味があるとは知らなかったが、よくわかったな。これでエプロンをされたら確実に理性が飛ぶ)

以前、五和も私服にエプロンという格好をしたが、あれは若い女性の服装の上のエプロンであって
こんな若奥さんな地味な服装ではなかった。

まぁ、エロスというのは禁忌があった方が興奮しやすいという話がある。
真逆、つまりエロスから遠い程、エロスを感じる。
つまり、下手なエロいコスチュームよりも地味な普段着の方にエロスを感じるのである。
このようにエロスとは奥深い物なのである。
閑話休題。

「とうま、聞いている?」

もはや、理性が飛びかけて、インデックスの言葉が届かない。

「夕食の準備をいたしましょう」

(私服エプロン。私服エプロン。私服エプロン…)

ぷつんっ。何かが切れる音がした。

「オルソラぁぁ」
「とうまぁぁぁ」
「あぁ、だめでございますよ。こんな所で…きゃああ」

嫌がるオルソラに、迫る上条。で、噛みつくインデックス。いつものことである。
ただ、オルソラが“こんな所で”って言ったのは、まぁ、そのままの意味だろう。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:12:56.81 ID:1Mf5PgwZo
それから少しして、上条当麻はインデックスとオルソラに向けて土下座をしていた。

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
「インデックスさんもいるのですから、もう少し落ち着いていただかないと…」

なんか、妙な含みがありそうな気がするが、もうひたすら、謝るしかない。

「とうまの鬼畜。ヘンタイ」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

しかし、上条は思った。どうしてインデックスに謝る必要があるのだろうと。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:14:26.56 ID:1Mf5PgwZo
これはこのような言葉で始まった。

「ここでの生活にも慣れてもらわなくてはならない」
「はぁ、そうでございますか」

上条としては家事その他を全て自分で行っても良いが、学生である以上、それに回す時間は限られる。
だから、そういうことは、してもらえるならしてほしいのである。
それで、スーパーに来ていた。
ちなみにインデックスはかなみんを見るとかで、付いてこなかった。

とりあえず、買い物の仕方などをオルソラにレクチャーする予定であったが、例によって騒動の種が降りかかった。

「ねぇ、だれこの人」
「げ、ビリビリ」

現状で、一番合いたくない人物、御坂美琴である。
あまり人のことは言えないが、どうも御坂はお節介が過ぎる性格をしている。
もし、オルソラの事情に感づいてしまったら、巻き込む可能性が高い。
上条としては魔術側の事情は危険であるため、あまり関わらせたくないのである。

「あんた、私の名前知っているのにどうしてビリビリいうのかしら?」
「いや、それはですね。長年の癖と言いますか?」
「長年って、まだ一年もたっていないでしょうが」

短い付き合いではあるが、互いの複雑な事情を知り合っている仲ではある。
下手な腐れ縁よりも濃い関係と言えよう。

「あら、こちらの方はどなたでしょうか?」

と、オルソラが美琴のことを尋ねてくる。

「ええっとですね。学園都市第三位のビリビリでして…」
「はぁ、ビリビリさんでございますか。変わった名前でございますね」
「だから、勘違いしたでしょうがぁぁぁ」

美琴が叫ぶとともに電撃が上条に降り注ぐ。
まぁ、例によって右手に打ち消されるのだが。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:18:50.01 ID:1Mf5PgwZo
「はぁはぁ、とりあえず、客人がいるんだ。電撃はやめてくれ」
「そ、それもそうね。で、誰?」

御坂美琴という人は一応、それなりに常識というものは知っていた。
このように初対面の人に『誰?』のように、失礼ともとらえられる言い方は基本しない。
そのような彼女がこういう態度になった理由は、上条が目の前にいたということもあるが、
上条に親しくしている女が何者かが気になったということ、
特にあの乳と尻は敵だと、心の奥底で認識したからである。

「えーとだな。その」
「えーと?その?」

美琴は一言一句反応してくる。しかも、疑いの目を向けていることが如実にわかる。

(なんて説明したら良いんだ?御坂には魔術側のことは伝えれねーし。)

上条当麻は真面目に悩んでいるが、大事なことに気付いていない。
一緒にいる女のことを尋ねられて、答えに悩むと言うことは
男女の仲と言うことを想定してしまうのが一般的である。
 
「まぁ、いいじゃないか。そんな細かいこと」
「細かくなんかないわよ」

この男、国家紛争レベルのことなので、茶を濁したい気持ちは分かるがその答えはダメだろ。

「御坂。ここは俺の顔に免じて、聞かないでおいてくれ。頼む」

非常に真面目な顔である。アニメ超電磁砲4話のあの”キリッ”の顔である。
しかも、美琴にとっては非常に効果的である。
しかし、客観的に見て言動は下衆である。

「え…と、その、分かったわよ。仕方ないわね」

やはり、効果抜群である。
上条の真剣なまなざしに、美琴は顔を真っ赤にして目をそらし、そうつぶやいた。

「そっか、わかってくれたか。じゃぁな、御坂」
「え、えぇ」

上条はオルソラとともにを押しながら去っていく。
だが、上条は大きなミスをした。
ごまかすならここで抱きしめるなりして、更に彼女を舞い上がらせ続けねばならない。

「って、違ぁぁう」

だから、そくさま美琴は我を取り戻し、そう叫んだのである。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:20:17.87 ID:1Mf5PgwZo
「学園都市に観光に来たのですが、当麻さんに案内を頼んでいるのでございますよ」
「へ、へぇ」

とりあえず、美琴はオルソラから話を聞いている。
オルソラのペースに惑わされて、うまい具合に話を逸らしているので、
美琴に魔術側のことは漏れていないと、上条は思っている。
ただ、

「へー。私に一言も言わずにベネチア観光か。良いご身分わね」

と、罰ゲームを忘れていたことがばれた。
更に、話は続く。

「旅行でベネチアに来た当麻さんに道案内をしてからのご縁でございまして…」
「でも、観光でスーパーに行く?」
「文化の違いが分かって楽しいでございますよ」

流石である。天然が入っているとは言え、饒舌である。
伝道というのもある意味詐欺師みたいだな、と考えてしまう。

「呼び止めて悪かったな。御坂。俺たち行くから、じゃぁな」

そもそも、呼び止めたのは美琴である。
上条は、美琴が呼び止めたことにして、別れようと画策したのである。
とはいえ、美琴はそう簡単に食い下がらない。

「私も一緒に行く」
「はぁ、なんで。お前まで」
「この女の人に変なことをしないか。見張る」

美琴は、知らない女と二人きりにさせたくないという思いから、思わず本音が出てしまった。

「変なことというのはいったい何でございましょうか?」
「そ、そんなこと言えるわけないじゃない」

前言撤回、オルソラはただの天然である。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:21:52.00 ID:1Mf5PgwZo
結局、御坂美琴は二人に付いていくことにした。
ふと、上条の前に缶が転がってきた。

「あ、あぶな…」

美琴が注意するも、時既に遅し、上条はギャグマンガのように転んでしまった。

「いてて、不幸だ」
「はぁ、なんで足もとを疎かにしてるのよ。ほら、つかまり…」

美琴は呆れて、目をそらして溜息をついた。
そして、上条を引き上げるべく、手を伸ばしたのだが、

「は?」

既にオルソラが上条に対して、膝枕をしていた。
その動作と瞳には母性と慈愛があふれているようである。

「えっと、これはちょっと」
「体を打ったのですから、すぐに動いては駄目でございますよ」
「その上条さん的には嬉しいのですが、人前でこれは恥ずかしいですし、せめてベンチの上で」

さばさばしている性格の美琴であるが、
オルソラの下心がない大胆な行動を羨ましく見ている。
しかも、上条は照れながらも喜んでいるようなのである。

「な、あんたこんな所でなにやってんのよ」

今の美琴にとって、今すぐにでも膝枕をやめさせたいのだが、
下心(嫉妬)のためのということを意識してしまい、
上条の体を案じている(と思う)オルソラの行動をそれ以上咎められないのである。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:24:11.26 ID:1Mf5PgwZo
それから、近くのベンチに移った。
上条は少し休んで席を外した。お礼にジュースを買って来るためである。
そのベンチに美琴とオルソラ、二人が待たされた。

「ねぇ、あんたはあいつのことをどう思っているのよ?」
「あいつとはどなたのことでございますか?」

固まってしまった。オルソラには一から十まで説明する必要はないが、丁寧に説明する必要がある。

「…当麻のこと」

ボソッとつぶやいたように小さな声で言う。正直、意識して名前を呼ぶことはほとんど無かった。
だから非常に恥ずかしい。

「愛していますよ」

その言葉は、照れてもなく、軽くもない。一言にまとめるなら全幅の信頼というべきであろうか。

「あんた、そんなこと良く堂々といえるわね。恥ずかしくないの?」

もはや、やっかみである。言った直後、自己嫌悪も出てきた。

「あの人への思いは恥ずべき事なのでございましょうか?」

美琴は、ごめんって言いかけたが、こう返されてしまった。これに対して美琴はこれしか答えられなかった。

「は、恥ずかしい事じゃない」

そう、それが美琴が答えられる限界である。一人の男への信頼、思いの深さ、全て劣っているように感じられ、気が滅入ってしまった。
と、落ち込んだ美琴を見て、オルソラは言葉を続けてきた。

「ですが、私もヤキモキしてしまうことがありますでございますよ」

え、と美琴は項垂れていた頭を上げ、オルソラの方を向く。オルソラの顔は微笑んでいた。

「あ、いや。その…」

…二人にこれ以上の言葉は続かなかった。続けることはできなかったのである。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:25:16.73 ID:1Mf5PgwZo
それから、美琴は上条とオルソラと別れ、ひとり夕暮れの道を歩いていた。
今日あったことを考えていた。
ある女と知り合い、落ち込み、励まされた。

「そうよね。私は私のことしか考えていなかったわね」

惚れた相手といるとき、冷静になることは難しい。
美琴のように舞い上がってると尚更である。
自分自身に精一杯で、相手のことを考えられない。

そこから、一歩進み出すには、何が必要か…。
たぶん、今日あった女はライバルであることは間違いない。ただ、彼女のおかげで…

「よし。明日からがんばるぞ」

がんばる勇気をもらえたと思う。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:32:34.66 ID:1Mf5PgwZo
美琴と分かれたあと、上条とオルソラは自宅に帰るため川の土手を歩いていた。
ふと、オルソラが口を開いた

「学園都市も同じでございますね」
「同じ?」
「豊かさの多寡はございますが、人々の思いは科学と魔術で大きく違うことはないのではないかと思います」

魔術と科学、相反する存在である。魔術側にいたオルソラにとって、科学側は多少は知っているとはいえ、未知なる世界であった。
オルソラは伝道師であった。そういう役職柄、人の内面をよく見てきた。
その彼女が言うのだろう。信憑性が高いと思う。

「私がいた世界もここも争いは絶えることはございません。それは人の思いがぶつかり合うからではないでしょうか…。」

すこし、寂しそうに夕日を見つめながら語っていた。

「一つ、お尋ねしたいことがございます」
「うん、なんだ?」
「どうして、私を助けたのでございますか?」

いつもニコニコしているような彼女であるが、どこか不安げな表情が見えた。

「仲間…だからかな」
「そうで…、ございますか」

上条の返答に対して、オルソラは落胆したように答えた。

「どうかしたか?」
「いえ、なんでもございません」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:34:40.88 ID:1Mf5PgwZo
まるで、説教のような事を言った。それは、自分に対する言い訳であった。
人を愛する想い。それが争いを招く。それに身を投じて良いのだろうか。そういうことだった。

そして、そういう心理的ブレーキがあったため、自分への思いを聞きたいが、
聞けた質問は自分を助けた理由。それ以上のことは聞くことはできなかった。

けれど、帰ってきた答えは、

『仲間』

上条当麻については知っているから、その答えに期待はしていなかった。
でも、心の奥底でどこか、期待をしていたようであった。
そこに落胆し、争いを望んだ自分に対する自己嫌悪。

と、少し足下がふらついてしまった。

「大丈夫か?」
「いえ、大丈夫でございます」
「大丈夫じゃないだろ。今転びそうになったんだし」

と、上条はオルソラの前でしゃがんだ。

「何をなさっているのでしょうか?」
「おんぶ」

どうして落ち込んでいるときに、優しくするのだろうか、とオルソラは思った。

「ほら、上条さんは頑丈だから大丈夫ですよ」

だが、断る理由もないので、身を任せることにした。
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:35:58.18 ID:1Mf5PgwZo
「なぁ、オルソラ」
「はい、なんでございましょう」

おんぶをしてもらって、少しして上条は口を開いた。

「この前の騒動だけどさ、俺がオルソラと同じ立場なら、俺も同じ事をしたと思う」
「…どうしてでございますか?」

今はこれ以上、言葉をかけられたくなかったが、その理由が気になり、おそるおそる聞き返した。

「みんなには怒られるかもしれないけど、俺はそれが正しいと思うからさ」

法の書の時もそうだった。彼は自分の信念で助けに来たのである。
後から聞いたが、自分の周りの全てを敵に回してでも助けようと考えたらしい。

そこで、思い出した。彼に好意を抱いたのは、彼の信念からだったということを。
もし、自分を助けた理由が自分に好意を抱いたからだとしたら、彼に好意を抱いていたとは思えない。
だから、助けた理由に好意を求めその答えに落胆したこと自体がおかしかったことに、オルソラは気付いた。

「もう少し甘えてもよろしいでしょうか?」
「やっぱり疲れていたんだな」

相変わらず真意は伝わらないが、これはこれで良いのではないかと思う。
オルソラは言葉に甘えて、更に首に腕を絡めて、体重を上条にゆだねる。
上条はオルソラのことをなんとも思っていないようである。
けれど、今はこの幸せをかみしめたかったのである。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:37:37.64 ID:1Mf5PgwZo
「ふう」

上条は寮の屋上で一息ついていた。オルソラもこの生活に慣れてきたのか、1人で行動できるようになった。

「悪くないよなぁ」

家族が一人増えたような生活。生活費が増えて更に家計を圧迫しているが、正直悪くないと思っている。
このまま何事もなければ良いのだが、オルソラを匿うことはあくまで一時的な処置に過ぎず、
いずれはこの生活も終焉を迎えることは分かっていた。

TRRRRRR

と、一人余韻に浸っていると、携帯が鳴った。
宛先を確認して上条は携帯を取り出した。

「土御門か」
「かみやん。まずいことになった」
「どうした」

上条は友人のその一言に頭を切り換えた。

「ネセサリウスが動いた」
「なんだと。どういうことだ?いや違う。誰が来る?」

その理由は今はいらない。

「アニェーゼだ」
「アニェーゼだと。どういうことだ?」
「俺も詳しくはわからん。だが、どうも独断で動いているらしい。しかも、既にオルソラを捕らえたみたいだ」
「なんだと」
「…時間がないから一つだけ聞く。かみやん。どうしたい?」

少し間を取る。状況を整理するためである。だが、結論は既に出ていた。

「全力で止める」

堅い意志が伝わる声で言った。

「決意は固いか?」

土御門は低い声で問い返してくる。

「あぁ」
「お前一人で止めろ」
「はぁ?」

情報を伝えるだけ伝えて、手伝えないと。上条は土御門に問い返そうとした。

「言いたいことは解るが、俺にはすることがある」

そう答える土御門。そう言われて、上条は土御門が何をするかを理解した。

「もみ消しか」
「そうだ。学園都市にこの事を悟られないようにする。だから、手伝えられない」
「あぁ、わかった」
「場所は、廃ビルだ。今からその位置情報を送る」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:39:30.29 ID:1Mf5PgwZo
携帯の通話を切った土御門はある人物の前に立っていた。

「アレイスター。これで良いのか?」
「あぁ、黒子は黒子らしく、裏舞台を整えようじゃないか。土御門」
「ちっ」

アレイスターを睨み付ける土御門元春。このアニェーゼの件も掌で踊らされているのである。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:42:50.34 ID:1Mf5PgwZo
上条当麻は自宅へ駆け戻り、勢いよく玄関を開けた。

「インデックス。オルソラは?」

上条は家に着くなり、そう言った。
土御門の情報を疑うわけではない。こちらの状況を知りたかったのである。

「オルソラなら買い物に行ったよ」

テレビを見ながら振り返りざまで言う。
最悪の答えである。土御門の情報と照合させるなら、恐らく買い物最中に連れ去られたりしたのであろう。

「くそ」

上条は壁を叩く。
上条の表情は、風斬を助けたときのそれに酷似していた。

「とうま。どうしたの?」
「ネセサリウスからの追っ手が来た」

インデックスは立ち上がって、上条の方に向かう。

「じゃぁ、いこうよ。とうま」
「インデックス?」
「とうま。オルソラを助けに行くんだよね」

インデックスは上条の言動から、その状況を理解した。
そして、その問いかけに、上条は無言でうなずいた。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:56:50.41 ID:1Mf5PgwZo
上条はインデックスと一緒に町中を駆ける。駆けながら、今回の事情を伝える。

「にしても、誰も出てこないな?」
「そうだね。何かを企んでいるのかも?」

上条とインデックスは、アニェーゼ達が上条達の追跡があると確実に読んでいるとみている。
ならば、なんらかの迎撃があるはずである。だが、それがない。そこに違和感を感じるのである。
そう疑問に思いながら、土御門から貰った情報を元に、道を進む。

「ここを右だ。この公園を突き抜ける」
「とうま、この公園。なにかおかしい」
「魔術師か?」
「うん。そうかも。多分人払いを…」

左で走るインデックスが『魔術師』と言う単語を発したためを振り返った。
その直後、人の気配を感じた。

「早かったですね。少年」
「誰だ!、って、ルチア、アンジェレネ!」

ルチアとアンジェレネが公園の中にいた。おそらく足止めである。

「お久しぶりですね」

ルチアとアンジェレネ。見知った顔である。
互いのこともある程度は知っている。ならば、伝える言葉は僅かで良い。

「俺たちが何をしに来たかは、知っているな?」
「はい」
「邪魔するなら、無理にでも通るぞ」

一応は馴れ合った仲であるが、時間がない。
上条は、あえて敵愾心が激しく伝わる言い方をした。

「どうぞ、ここを通り下さい」
「はい?」

上条は驚いた。敵であると思ったルチア達が素通りさせてくれるからである。

「シスター・オルソラを討つとは奇縁ですが、シスター・アニェーゼの為にも討ってほしくありません」
「よく解らないが、お前達はアニェーゼを止めたいと」
「そうです」

オルソラを討つつもりはないと、だがそこで一つの疑問が出てくる。

「アニェーゼを止めたいなら、お前達はどうして止めなかった?」
「私達では無理です。シスター・アニェーゼを止められるのはおそらくはあなただけですから」

淡々とルチアは答える。

「どういうことだ?」
「話は後で聞きます。今は時間がありません」

上条はここでその理由を聞きたがったが、時間がないのは事実である。
訴える言葉とその顔に嘘は見られない。ここはルチアを信じようと思った。

「わかったぜ、後で話を聞かせろよ」

無言で頷く。

「じゃぁ、とうまいくよ」
「あなたが行くと面倒なことになりますから、ここで足止めさせていただきます。
もともと人払いをしたのは少年以外の人間を通さない事が目的ですから」
「それについては、拒否するよ」

ルチアの申し出に拒否するインデックス。

「ルチア?」

自分を通過させて、インデックスを足止めする。
罠かとおもったが、その表情に裏は見えない。

「大丈夫です。足止めするだけですから。邪魔しないよう縛りはしますが、危害は加えません」
「いや、しかし…」
「急いで下さい。シスター・アニェーゼは本気です。シスター・オルソラを殺害しようとしています」
「あ、あぁ」

語気を荒げて言うルチア。そんな彼女に気圧されて、おもわず曖昧な返事がでてしまう。

「インデックス。すまんが、先に行く」
「とうま…」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:57:49.46 ID:1Mf5PgwZo
上条が走っていったあと、公園でインデックスとルチア・アンジェレネが対峙した。

「私に魔術を使っても無意味だと分かっているよね」

増長しているように聞こえるが、心理戦である。かつて実力差を思い出させることによって、動揺を誘おうとしていた。
ところが、ルチアは動揺をしていない。

「はい、ですから、あの少年の真似を致します」
「とうまの?」
「力技です」

足を半開きにし、構える。

「ま、魔術師は魔術師らしく戦うべきだよ」

逆に肉弾戦と聞いて、インデックスは動揺を隠すことができない。
インデックスは対魔術戦は無論のこと、類似している超能力戦に対してもある程度の適応はある。
が、肉弾戦は非常に不利なのである。ある意味、上条当麻とそっくりである。

「あなたには、禁書目録に驕らない事を忠告しておきますよ。
大規模な魔術を使えようとも、十万三千冊の魔導書を使いこなそうとも結果が伴わなければ無意味です。
逆に魔術を知らなくても、結果が伴えば意味があるのですよ」

つまり、勝つためには何でもするって宣言である。

「それに、あなたも謙遜しなくて結構ですよ。あなたの強さは充分に身にしみていますから…」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:59:20.18 ID:1Mf5PgwZo
(結構あるな。)

廃ビルを駆け上がる上条。エレベータが使えれば良いのだが、廃ビルのため電気は通っておらず、階段を駆け上がるしかないのである。
学園都市は意外にも廃ビルが多い。
科学側の最高技術が集う場所であるため、技術の新陳代謝が激しく、それに伴う研究室や実験場の新造や放棄も多い。
また、研究室や実験場もカスタマイズするのが基本で、そのため汎用性がすこぶる低くく空きテナントとしては使われにくいのである。
だから、建築物は耐用年度が余っていても放棄することが多い。

(…たぶん、屋上だよな。)

屋上の扉を蹴破る。
そこには、気絶しているオルソラと、彼女に対して杖を構えている三つ編みのシスターがいた。

「アニェーゼ。どういうことだ。これは」

アニェーゼは上条の方を振り向く。
一瞬、驚きと嬉しさが交じったような顔を見せ、
そして目を伏せ、感情のこもらない顔を見せた。

「来ちまいましたか」
「どういうことかと聞いている」
「見ての通り、罪人のオルソラを処刑するところですよ」

淡々と語る口調、まるで害虫駆除と同じく、作業のように語る。

「そんなことして何になる?」
「それは私の台詞ですよ。あなたは何も分かっていない。彼女がしでかしたことは科学側と魔術側の全面対決に繋がりかねない。
あなたもそれは分かっているはずです」
「つっ」

図星である。上条はそのあたりのことを土御門から聞いている。

「だから、彼女を殺して、火種を摘み取っちまうんですよ」
「だが、お前はそれで良いのか?」
「オルソラを[ピーーー]だけで、戦いが回避できるんです」

アニェーゼの答えに、少しの間を置いた。
アニェーゼの表情から真意を探るためである。
だが、アニェーゼの表情は冷たいままである。
それを確認して上条は口を開いた。

「…だからといって納得できるわけ…」
「ねーですよ。私もそう思いますよ。あなたの気持ちはよくわかりますよ。だけど、これが幕を引かせる一番良い方法なんですよ」

一人を犠牲にして、多くの犠牲を回避できるなら、その一人を殺めることも一つの正義であろう。
アニェーゼも上条もその理屈は分かる。だが、理不尽さに歯がゆいのも分かるのである。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 01:59:56.82 ID:1Mf5PgwZo
「邪魔するなら…」

と、アニェーゼはそう言いながら、蓮の杖を大きく振り飾る。
だが、上条はそれが何かは知っている。そして、拳を構え、アニェーゼの方に駆けた。

「二番煎じは通じるかよ」

だが、それに対してアニェーゼはその蓮の杖を大きく振り落とた。
そして、上条の近くで穴があき、それに釣られて床が大きく割れる。

「ですから、こちらに来ちまわないようにします」

上条は床の破壊とともに階下に落とされる。
廃ビルのため、メンテナンスはされておらず、壁や床を壊しやすい。
そう、廃ビルを選んだのは、このためである。

「いてて、二番煎じが通じないのはお互い様か…」

体の痛みを確認しつつ、起き上がろうとしたところ、声をかけられた。

「よく聞いて下さい」

アニェーゼに呼ばれて、階下から顔を上げる。
アニェーゼは穴の開いた屋上から、階下の上条を見下ろしていた。
その表情に少し寂しそうな感情がこもっているように伺える。

「…」

説得を試みようと思ったが、
そのような顔を向けられ上条は何も言えなかった。
そして、アニェーゼは目を閉じて、一息置いて語る。

「私はあなたを愛しています」
「んなっ」

驚いた。状況が状況である。あり得ない台詞である。
だがこんな状況の告白だからこそ、冗談ではない本気の告白ということが理解できた。
そして言葉を続ける。

「だから、嫌っちまって下さい。こんな非道をする私を」
「…」

上条は絶句した。いくら鈍感な上条でも気付いた。決別なのだということに。
アニェーゼは上条をじっと見て、その目に彼の姿を焼き付けるように、そして踵を返した。

「アニェーゼっ」

アニェーゼが動いたことに気付いた上条は呼ぶ止める。
声をかけられたアニェーゼは一瞬、動きが留まったが、すぐに去っていった。

「くそ」

周りを見る。階上にいく階段は先程の攻撃で破壊されている。

「どうやって上ればいいんだ?」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:04:23.88 ID:1Mf5PgwZo
「けほっ」

咳のして、目を醒ますオルソラ。周りの様子を見て、自分の置かれている状況を理解した。

「目をさましましたか。シスター・オルソラ」
「あなたは…。そうですか。あなたがネセサリウスからの」
「違います。これは私の独断です。私達が犠牲になれば、世界は平和になります」

アニェーゼはじっとオルソラを見つめる。

「シスター・オルソラ…。せめての苦しまないように殺します」
「…そんなことはさせません。あなたのためにも…」

”あなた”と聞いて一瞬、蓮の杖を止めたが、
改めて薙ぎ、オルソラの腹にあたり、横に飛ばされる。

「ぐふっ」

オルソラの口から血が出る。

「シスター・オルソラ。ごめんなさい。許されるとは思いません。ですが、死んで逃れようとは思いません。私が生きている限りその罪科に苦しみ続けます」

懐からビンを取り出す。錠剤が入っている。意識がない状態で服用させ、[ピーーー]のであろう。

「謝るぐらいなら、最初からするなよ」

アニェーゼの背後に上条は立っていた。
上条は階上に戻ってきたである。

だが、アニェーゼは振り向けなかった。
戻ってきたこと、そして、自分の非道を止めようとしていることに対して
彼女は内心嬉しく、表情が緩んでしまったからである。

「ここでシスター・オルソラを生かしちまえば、どうなるかは分かっているんですよね」

だが、無理して淡々という。

「とりあえずはな」
「なら、見逃してくれませんか?」
「断る」
「ふふ」

アニェーゼは振り返り、悲愴な顔で自嘲するように笑い出した。

「何がおかしい」
「あなたがどういう答えを出すか分かっていたのに、問いかけた私がですよ」

一息置いて言葉を続ける。

「こんなことなら、好きにならなければよかったと思っていますよ」

そして、杖を構え、上条の方を振り返り、こういった。

「決着です」
「あぁ。お前がオルソラを殺して、いや自分を犠牲にして世界を平和にさせるというのなら、その幻想をぶち[ピーーー]」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:05:34.53 ID:1Mf5PgwZo
アニェーゼは上条を直接狙わない。右手に塞がれてしまうからである。
だから、床を破壊することによって、上条の足場を乱し、そこを蓮の杖で薙ぎ払うような攻撃を繰り返していた。
が、上条もおおよそどこに攻撃するかは分かっていた。アニェーゼの動きから判断できるのである。

(全く当たらない)

アニェーゼも内心驚いている。以前の戦いではほとんど防げていなかったのに対し、今回は全て動きを読まれているからである。
けれど、上条は近付けない。回避は攻撃ではないからである。
ともに決定打を打てず、消耗戦の様相を呈し始めた。
そして、この状況にアニェーゼも少し焦りだした。

「これならどうですか?」

刹那、落下する貯水槽が少年を襲う。屋上にある貯水槽を破壊したのである。

「っ」

攻撃方法を見誤った。いや、違う。上条のまえに障害物を置き、退かせるようにするはずだった。
上条もそれはわかるはず。だが、それを無視してまで、突進してきたのである。

蓮の杖をまわし、衝撃を与え落下する貯水槽の方向を変えようとする。
しかし、貯水槽の重量は予想以上に重く、落下の方向をほとんど変えることはできない。
そして、上条は落下する貯水槽に巻き込まれてしまった。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:06:49.57 ID:1Mf5PgwZo
アニェーゼは尻餅をついた。今のに巻き込まれればただではすまない。
ところが、そのようにはならなかった。

「へへ、どうした」

目の前に上条当麻がいる。愛する人の射程範囲である。

アニェーゼは射程範囲に入れないような戦法に専念した。
石でも投げない限り、上条当麻の射程範囲は腕の長さに限られるからである。
そう、上条当麻を近付けさえしなければ、一方的に攻撃ができる。
だが、アニェーゼは上条当麻を[ピーーー]つもりはない。否、殺したくないのである。
ならば、上条当麻が命を張った戦い方をすれば、アニェーゼはそれを止めるであろう。
それが敗因である。

「どうして、無理に突っ込んできたのですか?命が惜しくないのですか?」
「お前なら止めてくれるのだろう」
「わ、私を試したんですか?」
「あぁ、そうだ。そうでもしないと…」

上条は近づく。腰が抜けてしまった所為もあるが、動かない。
動きたくないのである。

「…捕まえられないだろう?」

上条は蓮の杖を捕まえた。
蓮の杖を媒体に魔術を繰り出しているなら、蓮の杖を右手でつかめば、魔術は発動しない。

「だから、どうして…。邪魔しないで下さい」
「邪魔してやるよ。お前が自分を犠牲にするならな」

と、上条は左手を上げる。
殴られると思い、アニェーゼは怯えて目をつぶったが、挙げられた手はその頭にのせられた。
そして、アニェーゼはつぶった目を開け、上条に問いかけた。

「…私を嫌いにならないのですか?」
「嫌いになるわけねーだろ」
「どうして、どうして、嫌いになってくれないのですか…」
「オルソラを殺そうとしたのは許せないけど、みんなを救おうとしてお前なりに考えた結果だろ」
「ですが、どうやってこの状態を落ち着かせるのですか」
「どうにかしてやるよ」

アニェーゼは限界間近であった。もう、泣き崩れそうである。

「あてはあるのですか?」
「まぁ、どうにかなるだろう」
「あなたは卑怯です。私は、私はどうすればいいのですか?」

上条の胸板で泣き崩れるアニェーゼ。上条は少し困惑気味である。
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:08:23.44 ID:1Mf5PgwZo
と、どこからともなく、土御門元春が現れた

「よっと。見せつけてくれるな。かみやん」
「って、土御門。お前、いつから見てた」
「うーん『よく聞いて下さい』の所からかにゃ?」
「な」

アニェーゼ、顔が真っ赤である

「土御門、見ていたなら助けろよな」
「怒るな、かみやん。俺が出て行ってもゴタゴタするのは分かっていたにゃ」

アニェーゼはその台詞に少し殺意が芽生えた。分かっていたが、見透かされていたのである。

「で、土御門、上手くいったのか?」
「安心しろ。全部、大丈夫ぜよ。学園都市もイギリスも手打ちしたみたいだ」
「よかったぜ。アニェーゼ。これで問題は…」
「喜ぶのは待て。どうにかなるが、アニェーゼ次第だぜ」

上条の口を遮るように言う。

「お、おい。まさか…」
「覚悟は出来ています」

諦めたような言い方をした。ここまでのことをしたのである。ただではすまないのは理解している。

「安心しろ。用意したのはかみやんが求めた解決方法ぜよ」

ニヤリと口元を歪めて言う。

「よかったな。アニェーゼ」
「ちょっと、やめて下さい」

アニェーゼを抱きしめながら、喜ぶ上条である。
アニェーゼは外面を気にして、そんなことを言っているが、顔は真っ赤である。

「悪いが、喜ぶのは解決方法を選んでからにしてくれ」
「あ、あぁ、悪い」

上条はアニェーゼを離した。アニェーゼは少し悲しい顔をした。
土御門は助け船を出した形であるが、一瞬だけアニェーゼから睨まれてしまった。

「二つほど解決方法がある。かみやんが選べ。どちらが良い?」
「そうだな。最善案を…」

そう上条は答えた。

「簡単なことだ。アニェーゼ部隊もオルソラも手が出せない所に置けばいい」
「そんな方法があるのか?」
「まぁ。現状維持だがな」
「現状維持?」
「つまり、アニェーゼ部隊とオルソラをカミやんが囲えば良いのだ」
「は?」

アニェーゼは、口をあけてぽかんとしている。流石に意味は分かっている。

「それが最善案?」
「鬼畜なかみやんが、イギリスから自分の好みの女を呼び寄せて侍らせたってな」

ケタケタ笑いながら語る土御門である。

「おい、土御門。ふざけてんじゃねぇぞ」
「この案はふざけているように見えて、一番の最善案だにゃー。
よく考えてみろ。オルソラの罪状や、アニェーゼを部隊ごと呼んだのも、すべてはかみやんの陰謀にしてしまえば、
オルソラやアニェーゼにはなんも罪もない。かみやんだけが悪くなる、丸く収まる。覚悟は決めたんだろ?」

「確かにそう言ったよ。でもよ、そう言う意味じゃねぇよ」
「戦争を起こす気はないんだろ」
「…」
「かみやんが乗り気なら、手配しても良い」
「不本意だが仕方ない」

上条は苦渋の決断という表情をしている。自分の境遇を利用する、つまり、問題の先送りに過ぎないからである。
対してアニェーゼは少し不機嫌な顔をしたが、上条の表情を見るなり、目を伏せた。
上条の真意を悟ったからである。
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:09:40.54 ID:1Mf5PgwZo
「あ、それとな。オルソラとアニェーゼ、あと10人くらいエロい意味で手をだすにゃ」
「は?」

上条とアニェーゼ。ともに口をあんぐりと開けていた。

「…実際に手を出さないとばれるだろうな」
「…マジ?」
「可能性は高い。かみやんの立場からして、常に監視されている」

全く冗談に聞こえない。

「だから、下手な行動はこの嘘を見抜かれてしまう。ならば、実際にその通りに演技してしまうのが良いだろう」

冷静に聞くとあほらしいことだが、かなりまじめに言っている。

「流石にそれは…」
「たしかに世間的にまずいだろうな。この鬼畜、女たらし。」

土御門はそうからかう。

「あと、刺されないようにする必要があるにゃー。かみやんが死んだら元も子もないにゃー」
「それを上条さん一人で…」
「うん。死なないようにがんばるにゃー」
「すまん。それ無理」
「だろうにゃ。かみやんが犠牲になるだけでよかったんだが、死なないとなるとちと無理があるか」

少し、本気だったらしい。それを察した上条は空笑いをした。

「じゃ、次の案だ」
「そちらで頼む」
「“大人”の落としどころになるが、いいんだな?」
「ああ」
「俺に任しておけ」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:10:45.69 ID:1Mf5PgwZo
数日後、寮の屋上に上条と土御門はいた。土御門に事の結末を聞くためである。

「なるほどな、学園都市に教会を建てて、そこに匿ったのか。よく魔術側の人間が科学側に匿われるなんて…」
「世の中、科学側と魔術側で綺麗に分けられているということでもないんだにゃー」
「お前みたいなやつもいるしな」
「そうだが…」

土御門は急に口調変えた、

「手打ちしたとは言え、今回の件でイギリスと学園都市の間に溝が出来た。かみやんのせいでな」
「お前、俺を責めているのか?」
「そうだ。最初から、オルソラをイギリス側に引き渡せば、問題はなかった」
「おい、土御門」

土御門に食ってかかる上条。だが土御門は淡々と話を進める。

「俺は、当事者たるかみやんに任せた。これがその結果だ」

土御門は空を見上げた。空の更に奥を見通そうとしているようにも見える。

「俺を責めているのか」
「半分はな」
「半分?」
「もう半分は、かみやんに聞きたいことがある」
「聞きたいこと?」

上条は少し驚いた顔をした。責められると思ったからである。
そして土御門は空を見上げていた顔を上条の方に向けこう語った。

「もう一度聞く。覚悟は出来ているか?」

上条は少し、考えてこう言った。

「…ああ」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:12:21.15 ID:1Mf5PgwZo
余談

アニェーゼは凄く困惑していた。もともと、上条当麻に格好良く告白して二度と会わぬつもりだったが、
結果として、告白した本人とは疎遠にならず、しかも地理的に距離が近くなっているのである。
ぶっちゃけ。格好悪いのである。
とは言え、立場も軽くなったので、よく上条宅に遊びに来ているとか。
まぁ、勢いとはいえ、告白してしまったので、その状況に甘んじて少年に甘えており、その少年も満更ではない。
が、どうも、その告白を受け入れてはないようである。
何故か、上条当麻の周りの女性が不機嫌なのである(アニェーゼを除く。)。
そう、本能が告白を受け入れては大事になると訴えているのである。流石、上条の血脈である。
魔術側と科学側の全面戦争の前に、上条当麻を巡る全面戦争が起きそうである。
ちなみにこの事をどっかのニートを極めたような人がプランに加えようとして、
「それは流石に趣味が悪いぞ」
と、胡散臭いグラサンの少年に言われたとか。

どうでもいい話だが、夕飯時に白いシスターを連れた少年が新しく建てられた教会へ、
よく入っているのが見かけられた。貧乏は大変なのである。
希に、「そんなにシスターがいいのか」という女性の叫び声とともに
雷が落ちているが、まぁ、いつものことである。
ちなみにその女性がシスター服を注文したとか。

また、ロンドンで「最大主教を殴って、私も学園都市に亡命する」と言い放った少女がいたとか。
恋は盲目とはよくいったものである。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/03/30(水) 02:22:16.55 ID:1Mf5PgwZo
以上です。

こちらが、予告していたオルソラの短編です。
先に報告していた通り、時間がなかったのでかなり作りは荒いです。
アンジェレネが出ていたのに、台詞がまったくないとか
各キャラの口調が乱れていたりとか

実は今回の話はロシア編の前にプロットを作っており、その後の設定と矛盾があるかもしれません。
そしてオルソラが犯した罪は、ロシア編で上条さんを勝手に手伝ったという設定でした。
んで、書き上げたのはその辺が終了した後、だからその辺を無かったことにしました。
今回の話で、その辺がぼやけているのはそういう理由です。

あと、オルソラの口調と会話は結構難しかったですね。その辺の設定を無視しているところもあります。
インデックスがあまり活躍していないのは、インデックスを動かしにくいからです。
美琴さんは、良いところはなかったと思う方はいるかもしれませんが、
オルソラ・アニェがメインということもあり、オルソラを見ての成長したってことです。

んで、アニェーゼ編を希望されてた方がおられましたが、
一応、草稿のレベルではできています。

ですが、自分の都合で、今日からGWの期間しかPCを扱える環境にありませんので、それまで投稿および作成は不可能です。
とりあえず、それまでこのスレが残っていれば、作成を続行するつもりです。
あとはスレの住人の皆様にお委ねします。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/03/31(木) 02:08:53.05 ID:c8tV1leAO

ローマ組はみんな可愛いよ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/03/31(木) 10:16:18.90 ID:wUr93kSj0
そりゃ口調はところどころあれだけど
凄い完成度だと思うよ。
オルソラもアニェーゼも最高だった!!
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/04(水) 21:24:51.48 ID:wuS/Ek/ro
ご無沙汰しております。投下している者です。
予告していたSSですが、作成の時間がなくて作成できませんでした。
申し訳ございません。

あと、今後、私的なことでかなり忙しくなるので、投下もままならなくなりそうです。
ですので、このスレはスレの住人の皆様にお委ねします。
いままでありがとうございました。
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/04(水) 21:49:24.83 ID:NUkgnlYMo
周りに投げるんじゃなくてhtml化依頼出せよ
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