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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その25 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/06(日) 23:23:08.11 ID:yjJxiF5bo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代…
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である…。


                           ――かもしれない…。

〜前回までのあらすじ〜

朱雀先生の称号を受け継ぎ、魔王を倒す為、旅を続ける召喚士。、
パーティー仲間の強くて頼れる二枚目の戦士、いつも明るく笑顔が
可愛い魔道士。スタイル抜群ツンデレな盗賊との冒険はまだまだ続く。
ゲーデとの戦いにおいてバラバラとなった四人。その行くべき道とは……?

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆専用あぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆前スレ(その24)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/06(日) 23:24:01.52 ID:yjJxiF5bo
◆過去ログ(その1〜23)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
3 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:25:29.06 ID:yjJxiF5bo
〜北の森〜

盗賊「……っ!!」

ザッザッザ…

詩人「手を出せば……君は死ぬ」

盗賊「…!?」

バフォメット「……ファファファ」

盗賊「……どういう意味だ!?それにお前は……」

詩人「…ふっ。私は旅の詩人さ。それよりも君……」

盗賊「……?」

詩人「不思議だね。何故、攻撃されないんだ?」

盗賊「……」

詩人「そうか、君は魔力を持たないのか。珍しいね」

盗賊「…お前はどうなのだ?」

詩人「私か?ふふっ、よーく見てみるがいいさ」

盗賊「!?」
4 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:25:59.92 ID:yjJxiF5bo
改めて詩人の姿をじっくりと見つめる盗賊の顔が徐々に驚きへと変わる。

盗賊「…身体が……透けて…!?」

詩人「これは幻影。あくまで実体ではないのさ」

盗賊「……」

詩人「しかし魔力を持たぬとは、苦労するね」

盗賊「いや、これは一時的なものだ」

詩人「一時的?あぁ、魔力枯渇か。それならば危ういね」

盗賊「…危うい?」

詩人「とにかく、この森から早く出る事をお勧めするよ」

盗賊「……」

詩人「目的があるなら止めはしないが……死ぬよ?」

盗賊「……っ」

詩人「今のうちに森を立ち去るがいい」

盗賊「……」

詩人「……ふっ。忠告はしたよ」
5 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:26:29.31 ID:yjJxiF5bo
スゥッ…ザッザッザ…

盗賊「……」

姿を消す詩人からバフォメットへと目を移す盗賊。

バフォメット「……ファファファ」

盗賊「……っ」

クルッ…タッタッタッタッタ

〜海峡、橋〜

盗賊(結局……戻ってきてしまった……)

ザッザッザ

盗賊(私は……弱いな)

タッタッタッタッタ

盗賊「…ん?」

兵長「盗賊さんっ!どこにいかれておられたのです!?」

衛生兵「心配しましたわよ……っ」

海峡兵「森には近づかない方がいいっすよ。とんでもない魔物がいるって噂ですから」
6 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:27:04.32 ID:yjJxiF5bo
盗賊「……」

海峡兵「……ど、どうしました…?」

そっか……。

衛生兵「さぁ、とにかく海峡へ戻りましょう」

そうだよね……。

兵長「盗賊さんに何かあったら私は…いやっ、皆がし、心配しますよ!」

一人じゃないんだ。私が出来ない事だって沢山ある……。

盗賊「……うん。帰ろう」

自分が力量不足なら、誰かの手を借りてもいいんだ……。

ザッ

詩人「…ふっ」

〜♪

詩人「何か、吹っ切れたみたいだね。まぁそれも一つの形というものさ」

〜♪

詩人「素晴らしき音を奏でるには、一人では難しいという事だね……ふふっ」
7 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:27:30.93 ID:yjJxiF5bo
〜本国、病院〜

魔道士「…………んっ」

ドクター「!!」

魔道士「……ここ……は?」

ドクター「病院です。大丈夫ですか!?」

魔道士「……あ、ドクターさん…っ」

ザッザッザ

天才「おー、気付いたみてぇだな」

魔道士「天才さん…格闘家さん……」

格闘家「無事のようだな」

魔道士「……そうだ…私…っ!」

ガタッ

魔道士「っ!!」

天才「無理すんな。多からずとも魔力は吸われてんだ」

魔道士「ま、魔物は…っ!?」
8 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:27:58.81 ID:yjJxiF5bo
格闘家「大丈夫。始末した」

魔道士「……っ」

ドクター「とにかく、今日1日は安静にしていて下さい」

天才「んじゃ、あとは任せるわ」

格闘家「……では」

スタスタスタ

魔道士「あ、あの……っ!」

天才「あ?」

魔道士「……ありがとう…ございました」

天才「…はーっはっは!」

バタン

ドクター「それでは私も。何かあればすぐに声をかけて下さい」

魔道士「あ…ありがとうございました!」

ドクター「……では」

魔道士「……っ」
9 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:28:27.49 ID:yjJxiF5bo
テクテクテク…

格闘家「…大丈夫ですかね?」

天才「あん?あぁ、問題ねーだろ。夢魔は倒した」

格闘家「…でも、師匠がいて助かりましたね」

天才「……」

格闘家「そうでなくば今頃は……」

天才「…どうだかな」

格闘家「…?」

天才「強い精神力の持ち主だ。自力でも何とかなったかもしれねぇな」

格闘家「……」

天才「それに……」

格闘家「……?」

天才「…まぁいい。今回はご苦労だったな……じゃな」

格闘家「師匠……」

大剣を抱えた男は声を上げて笑いながら、その場を立ち去っていった。
10 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:28:58.68 ID:yjJxiF5bo
〜病室〜

魔道士「……はぁ」

夢の中での出来事が、ふとぼんやり思い浮かぶ。

魔道士(あんまり覚えてないけれど……私、また助けられたんだ……)

モゾッ

魔道士(それよりっ、何で私……病院へ!?)

ガバッ

魔道士「召喚士さん…?戦士さん、盗賊さん……っ」

我に返った矢先、一人でいる現状に困惑する魔道士。

魔道士「そうよ…っ、確か…北で……」

少しずつ当時の記憶が蘇る魔道士。それでも何故、

己がここにいるのか、その解答となるべき記憶は見出せない。

魔道士「明日……すぐに行かなきゃ!」

彼女の目的地は無論、他の者と同様であると思われる、ワークショップである。

バラバラとなった四人の初日が今、終わった。
11 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:29:28.32 ID:yjJxiF5bo
〜次の日〜

コンコン

魔道士「はい、どうぞ」

ドクター「…具合はいかがですか?」

魔道士「はいっ、お陰様で…もう大丈夫ですっ!」

ドクター「それは良かった」

魔道士「あの、本当に色々とありがとうございました」

ドクター「いえ、僕は何もしてません。全てはあの二人のお陰ですよ」

魔道士「天才さんと…格闘家さん」

ドクター「ええ。しかし…夢の中にまで侵食する魔物がいるとは…っ」

魔道士「私も始めてです。天才さん達がいてくれなくてはどうなっていたか……」

ドクター「怖いものですね」

魔道士「ええ……っ」

ドクター「とりあえずもう問題ないとは思いますが、もう1日様子をみますか…?」

魔道士「……えっと」
12 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:30:04.43 ID:yjJxiF5bo


看護士「それでは、お大事に」

魔道士「ありがとうございましたっ」

テクテクテクテク…

魔道士「よーし…まずは、ワークショップに行ってみよっ!」

〜ワークショップ〜

店員「……ふあぁ〜」

ガチャッ!!

店員「……っ!!」

魔道士「はぁはぁ……はぁ……」

店員「……い、いらっしゃいませ…っ」

魔道士「手紙…っ、手紙来てますか!?」

店員「手紙…ですか?」

魔道士「朱雀の…コカトリスの…っ、召喚士さんのパーティーです!」

店員「朱雀…?は、はぁ…少々お待ちを…っ」
13 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:30:30.34 ID:yjJxiF5bo


テクテクテク…

店員「お待たせ致しました。魔道士様宛ての……」

魔道士「来てるっ!!」

一通の伝言を差し出す店員の手から、半ばもぎ取るように魔道士はそれを受け取る。

魔道士「……えへへっ」

カサッ

魔道士「……あ、戦士さんから…っ」

店員(テンション下がった…!?)

魔道士「えっと……」

----

魔道士へ

バーテンの店へ来い!

以上

----
14 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:30:59.08 ID:yjJxiF5bo
魔道士「…………」

店員(すっごい顔してる…!?)

魔道士「ありがとうございました」

店員「あ、はい……」

テクテクテク…パ゚タン

魔道士「とにかく、戦士さんは無事!」

スタスタスタ

魔道士「召喚士さんと…盗賊さんは一緒じゃないのかな…?」

スタスタスタ

魔道士「とにかく……バーテンさんのお店へ行こう、うんっ!」

戦士からの手紙を握り締め、魔道士は一路、バーテンの店へと旅立った。

〜北方司令部〜

騎士長「魔王軍の動きは依然なし」

左翼長「あのゲーデとか言う大将を失ったせいか…?いや、ハナっから……」

テクテクテクテク
15 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:31:28.52 ID:yjJxiF5bo
戦士「…おはよう」

左翼長「おう」

騎士長「しっかり休めたか?」

戦士「んーまぁ」

騎士長「そうか。それならばよし」

左翼長「三人の行方は依然分からん」

戦士「……」

左翼長「夜通し捜索したが、北には居ないかもしれんな」

戦士「……すまねぇ」

左翼長「いや、構わん。魔王軍への警戒も兼ねてだからな」

戦士「大丈夫なのか?」

騎士長「ああ、敵に動きはない」

左翼長「このままだと何事もなく、視察も終わりそうだな」

戦士「……残念そうな物言いだな」

左翼長「…まさか。そこまで不謹慎じゃねぇよ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/06(日) 23:31:47.33 ID:bS6jpWoRo
魔道師さん、そういうのは良くないと思います!
17 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:32:40.10 ID:yjJxiF5bo


戦士「さーて、そろそろ行くわ」

騎士長「もう行くのか?」

戦士「ああ。ジッとしていても見つかるモンじゃねぇし」

左翼長「こっちは任せておけ。動きがあればすぐに連絡する」

戦士「助かる。バーテンさんの店にいるからよ」

左翼長「…おう」

騎士長「そういや親父はどうした?」

戦士「……さぁ、しばらく会ってねぇ。また放浪してんじゃない?」

左翼長「…ったく」

騎士長「アイツの手も借りられりゃ…楽なんだがなぁ」

戦士「もし会ったら伝えておくよ」

騎士長「おう。そうしてくれや」

戦士「そんじゃ、また」

左翼長「ああ、またな」
18 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:33:29.34 ID:yjJxiF5bo


テクテクテク

戦士「……親父…か」

ゴソッ

戦士「…そういや、渡しそびれちまったな」

荷物から取り出した一冊の手帳を、戦士はジッと見つめる。

戦士「帰る家…残しとくべきだったかな…ははっ」

ズシッ

戦士「……しっかし全員分の荷物はしんどいわ…」

テクテクテク

戦士「馬…借りりゃ良かったか……」

肩からぶら下げた盗賊の鞄がふと、目に入る。

戦士「……あいつも…大丈夫かな?」

そしてやたら盗賊を気にする自分自身におかしくなり、戦士は一人で笑った。

戦士「……さーて、泣き言はなしだ!いざ進むのみ!」
19 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:34:05.61 ID:yjJxiF5bo
〜海峡〜

盗賊「……いただきます」

兵長「どうぞどうぞ!」

将軍「……しかし、魔王軍の動きも分からなくなってきたな」

盗賊「…動き?」

兵長「確かに以前と比べると、戦い方が変わっている印象がありますね」

将軍「かつては大挙で押してきたものだが、近頃は……」

兵長「軍団長クラスを筆頭に、少数精鋭ですね」

海峡兵「あちらも手数が少ないのやもしれませんね」

将軍「…そうだな。それに加え、こちらが遅れを取る事が減ったのも要因だな」

盗賊「……」

兵長「確かにそうですね。今まではかなり押されておりましたが…」

海峡兵「技術も進化しておりますし、軍の纏まりも……」

将軍「皆、戦い方がうまくなってきておるのだよ。来るべき時に備えて……な」

盗賊「……」
20 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:34:37.57 ID:yjJxiF5bo


兵長「ワークショップ…ですか?」

盗賊「……ああ」

兵長「この辺りには聞いた事ありませんね。海峡途中の町まで行くしか」

盗賊「……そうか、ありがと」

スタスタスタ

兵長「あ、あの…っ!」

盗賊「……ん?」

兵長「もう…行かれるので?」

盗賊「…ああ。将軍にも世話になったと…伝えてくれ」

兵長「……っ」

盗賊「…互いに…頑張ろう」

ニコッ…スタスタスタ

兵長「……はい」

一宿一飯の礼を述べつつ、盗賊は海峡途中の町へと向かった。
21 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/06(日) 23:37:05.07 ID:yjJxiF5bo
〜最北の宿泊所〜

老人「……すまんのう」

召喚士「いえいえ、このくらいどうって事…ないですよ……っと」

煤を被りながら暖炉の掃除をする召喚士。申し訳なさそうに老人が声を掛ける。

召喚士「…よしっ、終わりました」

老人「ご苦労さん。あとは適当に暇を潰してくれ」

召喚士「…はい」

老人「何か食すか?」

召喚士「いえ、ちょっと外へ」

老人「突風には近づくでないぞ?下手をすれば命を…落としかねん」

召喚士「はい。承知しております」

ザッザッザ

召喚士「…さーて、今日からしっかり魔力を蓄積しておかないとな!」

気合を入れその場へ座り込む召喚士。座禅を組み、ゆっくりと目を閉じる。

召喚士「…………」
22 :sage :2011/02/07(月) 00:47:44.25 ID:BIoGFIul0
新スレ乙!
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 01:19:50.40 ID:sZCNPojAO
>>1おつ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 01:49:42.95 ID:RvpTmfNDO
魔剣士はらめぇぇ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 02:27:39.85 ID:y1tHQFHAO
>>1乙!
>>18の手帳と家って何だっけ?
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 02:51:45.84 ID:Y7U6S+cSO
戦士の故郷で見つけた、親父さんの日記
確か加治屋や鉱山のある町で記憶喪失の親父さんと再開する時に出てきた
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 05:34:45.14 ID:KS8JY0+AO
新スレ&投下乙んつんであります!
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 06:57:12.52 ID:eR0iJCyI0
前スレ賢者がミルキィの20にしか見えない
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 08:49:07.90 ID:shi0cGop0
>>28
同じく20で脳内再生されてる
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 08:54:42.91 ID:ixRy3bYDO
アナゴさんで再生したのは俺だけか
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 12:51:59.11 ID:fxiA9eyAO
同一IDが同一IDじゃなくなってる…な、なにを(ry

中の人とか?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 13:10:31.62 ID:paJuoamu0
>>1
いつもありがと乙
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 17:34:04.03 ID:YAVxaGyAO
このスレで「〜で再生される」はしちゃいかんだろ。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/07(月) 17:59:23.03 ID:4cqPbFj0o
〜海峡途中の町〜

盗賊「……」

テクテクテク

盗賊「…ワークショップ…どこだっけ?」

町人「来たぞっ!」

おじさん「あれが噂の……」

盗賊「…?」

パッカパッカパッカ

盗賊「…国軍の馬車か」

通り過ぎる国軍の馬車。民衆はその馬車に対し冷やかしや罵声を浴びせている。

町人「いよっ、仲間を売って出世した気分はどうよっ!」

おじさん「期待してたんだがなぁ…。所詮アンタも私欲に走ったか」

盗賊「……あれは!?」

パッカパッカパッカ

青年兵「……」
35 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:00:26.78 ID:4cqPbFj0o
パッカパッカパッカ

女剣士「反論すれば良かろう」

青年兵「…したところで火に油を注ぐだけですよ」

女剣士「……」

青年兵「今はこれでいいんです。今は……」

女剣士「…一人で背負うつもりか?」

青年兵「そうではありません。しかし、殿下らに火の粉を飛ばすわけには……」

女剣士「全ては王の為か…。分からんでもない」

青年兵「……僕は決して、一人ではないですから」

女剣士「……」

青年兵「僕が動かずとも、僕より優れた皆が動いてくれております」

女剣士「…大した信頼感だ。それに、大局を見据えておるのか……」

青年兵「偉ぶるつもりはありませんが、己の立場を再認識しましたから」

女剣士「君は強いな」

青年兵「……町を抜けたら北方司令部まで、一気に飛ばして下さい」
36 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:01:04.96 ID:4cqPbFj0o
パッカパッカパッカ

盗賊「……」

町人「全く、殿下まで利用して…不逞な野郎だっ!」

おじさん「新聞じゃ、あんなに強気だったくせになぁ……」

盗賊「……っ」

青年兵の在らぬ噂を繰り返す町の人々。その一声一声を耳にする度、

盗賊は声をあげそうになるが、拳を握り締め、下唇を噛んだ。

盗賊(これは……彼自身と戦いだ。余計な手出しは無用)

クルッ…テクテクテク…

〜ワークショップ〜

盗賊「……やっと見つけた」

カチャッ

店員「いらっしゃい」

盗賊「……手紙を」

店員「この書類、書いて」

盗賊「…はい」

カキカキッ

店員「…それじゃあ、ちょっと待ってて」
37 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:02:58.39 ID:4cqPbFj0o
盗賊「……」

壁に貼られた無数の依頼やパーティー募集の張り紙。

こうした規模の小さな町では、今や盗賊など受け入れてくれようもない、

小さな採取や調査の依頼が多数掲示されている。

盗賊「……」

それを眺めると、ついこの間まで自分達がそれをこなしていた事。

世界の事や他人の事など考える暇もなく、自分達が生きる為に、

旅をしていた事。それが遠い昔のように蘇ってくる。

盗賊「……」

彼女にとってそれは、悪い気はしなかった。むしろ幸せな思い出。

テクテクテクテク

店員「お待たせ。手紙はないけど、伝言なら一件預かってる」

盗賊「!?」

店員「はい、どうぞ」

盗賊「……戦士っ!」
38 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:03:46.41 ID:4cqPbFj0o
----

盗賊へ

バーテンの店へ来い!

以上

----

盗賊「……他は?」

店員「…ない」

盗賊「……そうか」

スクッ…スタスタスタ

盗賊「…どうも」

カチャッ…パタン

盗賊「バーテンの店か。とりあえず、戦士は無事のようだな」

青年兵の件も相俟って曇り顔であった盗賊の表情に、やや笑みがこぼれる。

盗賊「……よしっ!」

再び口を真一文字に結び、盗賊は一人、港町を目指し出発した。
39 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:04:16.83 ID:4cqPbFj0o
〜最北の宿泊所〜

召喚士「…………」

テクテクテク

老人「……」

召喚士「…………」

老人(大した集中力じゃな……っ)

テクテク…ざっざっざ

老人「そろそろ、晩飯にするかの?」

召喚士「……お爺さん」

老人「すまんの。邪魔してしもうたか?」

召喚士「いえ、お構いなく……って、もうこんな時間かぁ……」

老人「ざっと9時間は経過しておるぞ」

召喚士「そんなに……」

老人「いやはや大した集中力じゃよ」

召喚士「すみません…長々と……」
40 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:04:45.16 ID:4cqPbFj0o
〜室内〜

グツグツグツ…

老人「こう言っては何だが、お主が来てくれたお陰で助かったわい」

召喚士「そうですか?」

老人「年十年振りじゃろうな、まともな食事と言える物を口にするのは…」

召喚士「……」

グツグツグツ…

召喚士「あり合わせですが、どうぞ」

老人「……うぅむ、良い香りじゃ」

召喚士「山菜と茸を煮詰めたものです。あと…これを」

老人「魚の干物か?」

召喚士「ええ。非常食として持参してましたから」

老人「それこそ魚なぞ、遠い昔に食したきり。味も忘れてしまったわい…」

召喚士「どうぞ、食べて下さい」

老人「ふむ。頂こうかの」
41 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:05:13.27 ID:4cqPbFj0o
ズズーッ…モグモグモグ

老人「……」

召喚士「どうですか?」

老人「…本来ならば、涙するのだろうが…涙も最早、枯れ果ててしもうた」

召喚士「そんな大げさな……」

老人「いやいや、それ程までに美味よ。ありがとう」

召喚士「……いえっ」

老人はしばし無言となり、夢中で召喚士の作った料理を貪るように食べる。

召喚士「お爺さん、お爺さんはずっと…ここにいらっしゃるんですよね?」

老人「……うむ。そうじゃが?」

召喚士「食事は今まで、どうされていたんですか?」

老人「外にある畑で作物を育て、雑草を食し水で飢えを凌ぎ……」

召喚士「……」

老人「あとはほれ、そこらにおるじゃろ」

召喚士「……っ」
42 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:05:40.02 ID:4cqPbFj0o
振り返る天井の柱に潜む鼠。匂いに釣られてか小さな眼でこちらを見ていた。

老人「人間、窮地に陥ると…遮二無二構ってられぬもの…」

召喚士「……」

老人「鼠だけでない、蜘蛛や昆虫まで、食えるものは何でも食したわい」

召喚士「……そうですか」

老人「お陰で虫なぞ居なくなってしもうたがの」

召喚士「大変…ですね……」

老人「鼠はつがいが居たお陰で、沢山増えてくれて助かっとるよ」

召喚士「…でも、流石に食べたいとは思いませんね……ははっ」

老人「まぁな。外界から見れば、それが普通の事よ」

召喚士「なんとしても脱出して、美味い物食べましょうよ!」

老人「そうじゃのう…。楽しみじゃわい」

召喚士「ええ…っ!」

老人「さて、ご馳走様じゃ。いや、実に美味かったぞ…!」

召喚士「お粗末様です」
43 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:06:15.59 ID:4cqPbFj0o


召喚士「あの、お爺さん」

老人「んー?」

召喚士「お爺さんも召喚士、だったんですよね…?」

老人「……まぁな」

召喚士「かなり、お強かったんですか?」

老人「…うーむ、難しい質問じゃの」

召喚士「……」

老人「強い、弱いというものは、本人には決められぬ事じゃ」

召喚士「……」

老人「ましてや他人が決める事でもない。人間に強弱などありゃあせんよ」

召喚士「……なるほど。仰る通りかもしれません」

老人「お主、強くなりたいのか?何か、焦りのようなものを感じるが……」

召喚士「……まぁ、そうかもしれません」

どこまで話せばいいか分からない。それでも召喚士は自分の思いを伝えた。
44 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:06:43.05 ID:4cqPbFj0o
老人「……成程のう。外界ではそのような事が……っ」

召喚士「五ヵ年計画も、残すところあと2年を切りました」

老人「ワシが若い頃なぞ、パズズ一匹で大騒ぎじゃったがの」

召喚士「……青龍先生……伝説、ですね」

老人「知っておるのか」

召喚士「ええ。稽古を付けて頂いた事もあります」

老人「そうかぁ…。外界も随分と変わったんじゃろうなぁ……」

召喚士「きっと、驚きますよ」

老人「……じゃろうなぁ」

召喚士「……お爺さんは、白虎なんですか?」

老人「ほぉ、分かるか?」

召喚士「クジャタの事とか詳しかったし…そうかなって……」

老人「ほっほっほ。それもそうか」

召喚士「白虎かぁ……」

老人「お主も少なからず、会得しておるんじゃないのか?」
45 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:07:14.24 ID:4cqPbFj0o
召喚士「えぇと……スフィンクスとユニコーン…ですね」

老人「……これまたレアな召喚獣じゃの」

召喚士「そうなんですか?」

老人「ユニコーンは回復召喚獣じゃろ?」

召喚士「え、えぇ……。女性限定ですけど……」

老人「回復召喚獣はどの属性においてもレアじゃからの」

召喚士「なるほど、確かにプリーストも不要になりますしね」

老人「そうじゃ。故に希少価値が高いのじゃよ」

召喚士「……」

老人「もっとも、今は違うのかもしれんがの」

召喚士「確かに……」

老人「それと、スフィンクス……とな」

召喚士「はい。これは西国の方より頂きました」

老人「じゃろうな。本国には存在せぬ召喚獣よ」

召喚士「…なかなか、お詳しそうですね」
46 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:07:52.73 ID:4cqPbFj0o
老人「西方にも何度か足を運んだからの」

召喚士「……」

老人「しかし、西方の召喚術は危険じゃよ」

召喚士「え……?」

老人「スフィンクスなぞはまだ良いが、高等召喚獣ともなるとなぁ」

召喚士「……何か、あるんですか?」

老人「ん、ああ。力が強すぎる…という事じゃ」

召喚士「……」

老人「かつて、こんな文言を聞いた事がある」

召喚士「…?」

老人「……『西より出でし者、主を食らいて主となる』……とな」

召喚士「どういう意味なのです…?」

老人「西、即ち白虎が主、即ち召喚士を食らう…と解釈しておる」

召喚士「……」

老人「まぁ、独自解釈なんでな。本当の意味が隠れておるかもしれんがの」
47 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:08:18.50 ID:4cqPbFj0o
召喚士「主を食らいて……」

老人「ワシは怖くてなぁ。結局、西方の召喚獣は会得せんかったわい」

召喚士「なるほど…。お爺さんのお勧めなんて、ありますか?」

老人「お勧め…?うぅむ、そうじゃのう……」

召喚士「……」

老人「白虎で言えば、フェンリルやスレイプニルあたりが、使い勝手良いかもな」

召喚士「フェンリルは知っていますね。もう一つは…スレイプニル?」

老人「うむ。まぁ割と使い手も少なかったし、珍しい部類かもしれんな」

召喚士「初めて聞きますね。どんな召喚獣なのです?」

老人「獣型の、スピードを生かした攻撃を主とする召喚獣じゃよ」

召喚士「…ユニコーンに近いんですかね」

老人「そうじゃな。それと……」

召喚士「…?」

老人「スレイプニルは昇華型の召喚獣じゃ」

召喚士「昇華型……?」
48 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:08:53.11 ID:4cqPbFj0o
老人「魔力やある一定の条件を達成すると、本当の力が引き出せるのじゃ」

召喚士「そんな事が……可能なんですか!?」

老人「うむ」

召喚士「その…条件とは!?」

老人「ワシは携わった事がないから知らぬよ」

召喚士「……そうですか」

老人「じゃがな、先の話ではないが…下手を打てば己の身とて危うい」

召喚士「……」

老人「白虎はそういう召喚術じゃて。使い手によって、神にも悪魔にもなる」

召喚士「……心得ておきます」

老人「…ま、お主ならば大丈夫じゃろ。強い心を持っておる」

召喚士「……っ」

老人「…ふあぁ、ちと長話すぎたかの…眠くなってしまったわい」

召喚士「あ…っ、すみません。長々と……」

老人「ほっほっほ、構わぬ構わぬ。それではおやすみ」
49 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:09:26.08 ID:4cqPbFj0o
パッカパッカパッカ

東方兵「……到着致しました!」

女剣士「…思ったより、時間を食ったな」

青年兵「ええ。しかし今日中に着いて一安心ですよ」

〜北方司令部〜

ザッザッザッザ…

門兵「……っ」

青年兵「ご苦労様です」

ザッザッザ

門兵「……あ、あれって」

北方兵「あ、あぁ……っ」

〜司令室〜

コンコン…カチャッ

青年兵「失礼致します」

騎士長「おぉ、来たな!」
50 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:09:53.53 ID:4cqPbFj0o
青年兵「遅くなり、申し訳ありません」

左翼長「降雪で足止め食ったか」

青年兵「ご名答です。……左翼は?」

騎士長「明朝、到着予定だ」

青年兵「成程、報告通りで安心しました」

左翼長「……ん?そちらは?」

青年兵「今回、護衛を務めてくれる女剣士殿です」

女剣士「……どうも」

左翼長「…どっかで見た事あるな」

騎士長「あれ?前に一度、北の戦いに参加した事ないか…?」

女剣士「…ああ、そんな事もあったな」

騎士長「やっぱりか!道理で……」

左翼長「部屋は参謀にでも聞いて、適当に使ってくれ」

青年兵「お世話になります」

女剣士「……」
51 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:10:21.38 ID:4cqPbFj0o
クルッ…カツカツカツ

左翼長「おぉっとそうだ、青年兵」

青年兵「…はい」

左翼長「ちょいと残ってくれ」

青年兵「…女剣士さん、下に参謀さんがいると思いますので……」

女剣士「あぁ、勝手にさせて貰うよ」

スタスタスタ

青年兵「それで、何でしょうか?」

左翼長「お前、東方司令部へ立候補したそうじゃねぇか」

青年兵「…ええ」

騎士長「何でまた…。責任でも感じてんのか?」

青年兵「それもないと言えば嘘になりますが……」

左翼長「……まだ、何か狙ってるのか?」

青年兵「私は今、翼をもがれ、檻に入っているも同然の身…」

騎士長「……」
52 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:10:50.63 ID:4cqPbFj0o
青年兵「そのような者が、何か出来るとお思いですか?」

左翼長「…なるほどな。あの野郎、大人しく畑仕事に興じているかと思えば…」

騎士長「しっかしよりにもよって……東でなくとも良かったろうに」

左翼長「全くだ。ウチに来てくれりゃあ頼もしい限りだったのによ」

青年兵「私が東へ行く事でが、今は最も効果的なんです」

騎士長「じゃあ、終えたら次は北に……」

左翼長「それはねぇ」

騎士長「…そうなのか?」

左翼長「次は本国。そん次は……なぁ?」

青年兵「……ご期待に添えるよう、頑張ります」

左翼長「期待してんぜ」

騎士長「さーて。世間話はここらで切り上げて、明日の打ち合わせだ」

左翼長「だな。明日の動向は俺とお前で行く。いいな?」

青年兵「はい。宜しくお願い致します…っ!」

それから数時間。三人は左大臣視察に際する対策に追われた。
53 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:11:28.38 ID:4cqPbFj0o
〜大陸港の町〜

魔道士「寄り道してたらすっかり遅くなっちゃった……」

カチャッ…チリチリン

魔道士「こんばんは〜」

青年「きたああぁぁっ!!」

老人「おぉ…っ、まごうことなき魔道士ちゃんじゃ!」

魔道士「えぇっ!?」

バーテン「おー、やっと来たか」

魔道士「バーテンさん…これは一体……」

バーテン「戦士から連絡貰ってな、今日来るっつーからよ」

そう言いつつバーテンは見せの掲示板を指差す。

魔道士「……『あの魔道士が本日来店!!』…って、ちょっと!!」

バーテン「つー事で早速、厨房お願いします」

魔道士「……も〜っ、仕方ないですねぇ」

バーテン「何だかんだ言いながらやってくれる。そういう所がいい女だよ」
54 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:11:59.32 ID:4cqPbFj0o


魔道士「お待たせしました〜っ。サーモンのムニエルにオムライスですっ!」

幼女「やったーっ!オムライスー!!」

母親「この人、魔道士ちゃんの料理を楽しみにしてたのよ〜」

父親「二人が話すものだから、次回こそはって思ってね」

魔道士「光栄です〜っ。お口に合うかどうか……」

父親「どれ……。んっ、これは美味い!!」

魔道士「ありがとうございます〜っ。えへへっ!」

青年兵「魔道士さん、こちらもいいかな?」

魔道士「はーい!今、伺います〜」

青年兵「実は君に、そ、その……詩を作ってきっ、きました!」

カチャッ…チリンチリン

戦士「おーっす。って、これまたすげぇ繁盛してんなぁ……」

魔道士「戦士さんっ!!」

青年「貴女はそう、まるで女神――」
55 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:12:27.64 ID:4cqPbFj0o
戦士「何が起きてんだ?」

バーテン「見ての通りだよ。お前も手伝え」

戦士「うえっ、勘弁してくれよ。この荷物…一人で担いで来たんだぜ?」

魔道士「あ、そっか。北方司令部へ預けっぱなしでしたもんね……」

戦士「俺以外、いきなり居なくなっちまうもんだから焦ったよ」

魔道士「私も何が何だか……」

カチャッ

盗賊「……!?」

魔道士「盗賊さーんっ!!」

戦士「無事だったか!」

盗賊「……これは…?」

タッタッタ…ギュッ

魔道士「盗賊さんっ、寂しかったですよぉ〜!」

盗賊「……ど、どうも。それより苦しいんですが」

戦士「あとは……召喚士か」
56 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:13:00.13 ID:4cqPbFj0o


青年兵「ご馳走様でした……」

幼女「お姉ちゃん、まったねーっ!」

父親「また是非、食べに来るよ!」

魔道士「お待ちしてまーすっ!ありがとうございまいしたー!」

テクテクテク…パタン

戦士「そんで、何がどうなったんだ?」

盗賊「……よく…分からん」

魔道士「そうなんですよ〜。急に本国へ……」

戦士「本国?」

盗賊「…私は…海峡だった」

戦士「海峡!?」

バーテン「何かしらの作用で、みんなバラバラに飛ばされたって事か…」

魔道士「戦士さんは大丈夫だったんですか…?」

戦士「ん、あぁ。穴に落ちそうになった時、ゲーデにしがみ付いてやった」
57 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:13:27.41 ID:4cqPbFj0o
魔道士「……っ。無茶…しますねぇ」

バーテン「そんでお前だけ、無事だったってわけか」

戦士「無事…だったのかなぁ」

盗賊「…?」

戦士「そんでゲーデと対峙して……」

魔道士「一人でですかっ!?」

戦士「仕方ねーだろ。成り行きでそうなっちまったんだからよ……」

盗賊「…大丈夫だったのか?」

戦士「……まぁな。生かされたっつーか…見逃してくれたっつーか」

盗賊「…そうか」

戦士「お前はどうなんだ?」

盗賊「…海峡で助けられて……あとは特に」

バーテン「身体に異変とか、そういうのはないのか?」

盗賊「…うん。あ、1つ…あるかも」

魔道士「…?」
58 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:13:57.33 ID:4cqPbFj0o
盗賊「…魔力を失った。一時的なものだと…思うけど」

戦士「ゲーデに奪われたから、それかもな」

盗賊「……そうだ、そういえば……」

戦士「…?」

盗賊「…海峡北の森で…人と……」

夢とも現とも未だ分からぬ出来事。盗賊は精一杯の言葉でそれを伝える。

魔道士「……っ」

戦士「本当なのかよ…っ、それ……」

盗賊「……ああ。間違いない…はず」

戦士「その詩人って奴……多分アイツだ」

盗賊「…知っているのか?」

戦士「ほら、前に召喚士の魔力を暴走させたっていう…」

魔道士「伯爵を倒した……」

戦士「そうそう。間違いないと思う。特徴もソックリだ」

盗賊「……」
59 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:14:28.10 ID:4cqPbFj0o
バーテン「それに、確かに見たんだな?」

盗賊「…うん」

バーテン「光ったのは武器か、アクセサリーの類だろう」

盗賊「…だと思う」

バーテン「それに軍服……。内通者に間違いなさそうだな」

魔道士「……」

盗賊「…途中で魔物に遭遇して…追えなかったが」

バーテン「海峡の連中には伝えたのか?」

盗賊「…いや、海峡の者だったらと思い…伝えてない」

バーテン「…いい判断だ。しばらくは軍の奴に話すな」

盗賊「…そのつもりだ」

バーテン「全幅の信頼がおける奴がいれば……」

戦士「…全幅となると一人だな」

盗賊「……ああ」

魔道士「青年兵さんですね…っ!」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:14:55.11 ID:VwPog/Lto
>>54
青年兵wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
61 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:14:57.48 ID:4cqPbFj0o
バーテン「それなら、青年兵にだけは伝えておけ」

魔道士「青龍先生や大軍師さんはどうでしょう?」

戦士「信頼は出来るが、絶対とは言えねぇ」

魔道士「隊長さんや総司令は…?」

バーテン「階級の高すぎる奴は怖いところだな」

魔道士「そっかぁ……」

戦士「隊長か…隊長はアリかもしれねぇな」

バーテン「私情は挟むなよ?」

戦士「抜きにしてもだ。本人は語ったりしねぇけどよ……」

三日月島での出来事を戦士は当然、知っていた。

同じ特殊遊撃の仲間でありながら内通した副隊長。

彼はその裏切り者を非情の決断として、斬り伏せた事を。

戦士「…まぁ、話して動けそうなのは青年兵だろうけどな」

魔道士「それじゃ、今度あった時にお伝えしましょう!」

盗賊「…ああ。文にすると危ういかもしれんからな」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:15:37.35 ID:d0h2Ycalo
青年兵、詩なんて作ってる場合かww
63 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:15:41.33 ID:4cqPbFj0o


戦士「……ふわ〜ぁ。ねっみぃ」

バーテン「少し横になったらどうだ?」

戦士「んー」

盗賊「…召喚士……来ないな」

魔道士「どうしたんでしょう…っ」

盗賊「…魔道士は大丈夫だったのか?」

魔道士「あっ、あの後ですか?」

盗賊「…うん」

魔道士「色々あったみたいですけど…あまり覚えてなくて……」

戦士「何じゃそりゃ」

魔道士「えっと……夢魔、という魔物に襲われて……」

戦士「夢魔?何だそれ?」

バーテン「夢の中に入り込んで生気を吸い取る魔物だよ」

戦士「なにぃ!?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:16:26.36 ID:J25WdQPHo
>>54
青年兵なにやってんだwwwww
65 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:16:45.92 ID:4cqPbFj0o
盗賊「…大丈夫…なのか!?」

魔道士「ええ。もう大丈夫です」

戦士「しっかし、そんな厄介な奴…よく倒せたな」

魔道士「実は……天才さんと格闘家さんに助けて貰いました」

盗賊「……」

魔道士「私は……ずっと意識を失ったままだったんですけれど……」

戦士「……へぇ。どうやって倒すんだ?」

魔道士「さぁ。でも…私の夢の中に入り込んでくれたみたいで…」

戦士「人の夢の中に!?どんな技だよそりゃ……」

バーテン「不可能じゃねぇが……まさか出来るとは驚きだな」

魔道士「天才さんだからでしょうねぇ…」

バーテン「だな。相当の力量を有してない限り、無理だろう」

盗賊「……」

バーテン「普通は肉親者が入り込むか、逆に引っ張り出すんだがな」

魔道士「引っ張り出す?」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/07(月) 18:17:54.33 ID:4cqPbFj0o
>>54
本当だ!!「兵」要りません!青年!!青年です!!
ごめんなさい……
67 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:18:34.25 ID:4cqPbFj0o
バーテン「肉体から精神だけを引っ張り出してどうこうってやつだよ」

魔道士「色々と方法があるんですねぇ……」

バーテン「…ま、無事で何よりだ。夢魔は一晩で食らい尽くすからな」

盗賊「……恐ろしいな」

戦士「一晩ありゃあ、始末できる」

バーテン「どうだかなぁ」

戦士「…?」

バーテン「夢魔は色々と化けて出やがる。例えば……思いを寄せてる相手とか」

戦士「…そうなのか?」

魔道士「し、知りません…っ!!」

盗賊「……」

バーテン「…さーてと、俺もちょっくら仮眠取らせて貰うわ」

戦士「あの野郎、どこで何してやがんだか……」

盗賊「……」

魔道士「召喚士さん……っ」
68 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:19:08.19 ID:4cqPbFj0o
〜次の日〜

ゴオオォォ…

召喚士「……」

老人「おはよう。早いな」

召喚士「おはようございます。何だか目が覚めてしまって……」

老人「ワシも最初は、この音でよく目を覚ましたものじゃ…」

召喚士「……」

老人「慣れとは怖いものよ」

召喚士「……ええ」

老人「…さて、食事にするかの」

召喚士「今日は何をしましょうか?」

老人「そうじゃのう…。特に、する事もないのう」

召喚士「そうなんですか?」

老人「昨日お主が頑張ってくれたお陰で、目に付く事は一通り終わってしまった」

召喚士「……そうでしたか」
69 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:19:34.45 ID:4cqPbFj0o


召喚士「…そういえば、ここは雨とか降るんですか?」

老人「いや、降った試しはない。天候は一切かわらずじゃ」

召喚士「……」

老人「おそらくあの風が原因じゃろうて」

召喚士「…そうか。遥か高く伸びる風の壁で雲が……」

老人「そういう事じゃ」

召喚士「なるほど」

老人「今、季節は冬じゃったか?」

召喚士「ええ」

老人「だとすれば、この辺りは普通なら猛吹雪じゃろうな」

召喚士「…だったら、脱出した後は気を付けないといけませんね」

老人「…ほっほっほ、そうじゃの。さて、ご馳走様じゃ」

召喚士「あ、置いといて下さい。俺、洗いますんで」

老人「…すまんな。本当に助かるよ」
70 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:20:24.73 ID:4cqPbFj0o
〜北方司令部〜

門兵「予め開門しておけーっ!そこにおスペースは馬車用だぞ!」

北方兵「えっと…っ、部屋良し。食事…良し。あとは……」

カツカツカツ

青年兵「慌しいですね」

左翼長「まぁ、一応重鎮が来るわけだしな」

騎士長「司令部の見栄ってモンもあるだろうよ」

青年兵「なるほど……」

門兵「左大臣様の馬車、ご到着ーっ!!」

騎士長「さーて、おいでなすったぜ」

青年兵「行きましょう……!」

左翼長「おう」

騎士長「大軍師の方は大丈夫なのか?」

左翼長「朝一の伝令じゃ、受け入れ態勢は万全だとよ」

騎士長「…へっ、そいつは頼もしい限りだ!」
71 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:20:58.18 ID:4cqPbFj0o
パッカパッカパッカ…ドドォ

参謀「一同、敬礼ーっ!!」

ザザッ…バッ!!

青年兵「……」

ガチャッ…ザッザッザ

左大臣「…出迎え…ご苦労」

参謀「ご苦労様ですっ!」

左大臣「先日の演説ではァ、世話になったなァ」

参謀「……い、いえ…っ」

左秘書官「北方司令殿。此度の視察における資料です」

左翼長「…どうも」

参謀「左大臣様をお部屋へ案内せよっ」

北方兵「はっ!こちらです…っ!」

左大臣「うむ」

ザッザッザッザ…
72 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:21:26.69 ID:4cqPbFj0o
左大臣「……?」

青年兵「……」

左大臣「…よく会うなァ。フッハハハァ」

青年兵「……そのようで」

左大臣「今日はァ、君が案内役かァ?」

青年兵「私と北方司令様でご案内致します」

左大臣「それはそれはァ、ご苦労な事だなァ…!」

ザッザッザッザ…

青年兵「……」

騎士長「…気にする事はねぇ。屯田導入は最早、決定事項なのだからな」

青年兵「……」

騎士長「編制だって、諦めたわけじゃあないんだろ?」

青年兵「……今は…自分の任務を遂行するのみですよ」

クルッ…ザッザッザッザ…

騎士長「…へっ、若いってのは…羨ましいねぇ」
73 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:21:57.29 ID:4cqPbFj0o
〜バーテンの店〜

魔道士「……っ」

盗賊「……」

カチャッ…チリチリン

魔道士「どうでしたっ!?」

戦士「ワークショップにゃ何もなし、だ」

盗賊「……あやつ…はどうしたのだ…っ」

魔道士「召喚士さん…っ、何もなければいいけど……」

戦士「信じて待つしかねぇ。今の俺達にはな……」

バーテン「んで、どうする?ここで待ち続けるか?」

戦士「……そうだなぁ。探すにしても…見当も付かねぇし……」

魔道士「魔法剣士さんも依然、行方不明……っ」

戦士「お前ら二人が生きてたんだ。即死性はない」

バーテン「だな。それに飛ばされた場所から考えると、この世界のどこかにいる」

戦士「ああ。それは間違いねぇはずだ!」
74 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:22:29.80 ID:4cqPbFj0o
三人の願い空しく、その日も召喚士がバーテンの店を訪れる事はなかった。

代わりに、冷たく暗い夜が再び訪れる……。

〜最北の宿泊所〜

老人「……いよいよ…明日じゃな」

召喚士「…はい。今日はかなり、魔力を蓄積出来たと思います」

老人「うむ。明日次第では、丸一日、召喚獣界へ居座るも可能じゃろうて」

召喚士「そうですね。何があるか分かりませんから……」

老人「出来る限りの魔力を蓄えておくに限るな」

召喚士「はい」

老人「手土産になるやもしれんしな」

召喚士「手土産…ですか?」

老人「あちらで手土産に、魔力を吸われるやもしれんぞ?」

召喚士「……なるほど」

老人「……さぁて、明日に備えて寝るとしようかの」

召喚士「そうですね。今日は早く寝ましょうか」
75 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:23:02.08 ID:4cqPbFj0o
〜バーテンの店〜

モゾッ

魔道士「……」

窓から映る月明かり。ほぼ真円を描いたそれは闇を明るく照らし、

眠りに付く魔道士の頬を優しく撫でるようである。

魔道士「召喚士さん……」

思わず口に漏れる召喚士の名。魔道士の心境はその一言で十分に伝わる。

魔道士「……っ」

ゴソッ

魔道士は月明かりを遮るように、布団へと顔を埋め、潜り込む。

その月が真円を描く、つまりは明日を召喚士が心から待っている。

そんな事は当然、彼女の知る由ではなかった。

魔道士「……」

彼女にとってはただ、次の朝が訪れ、召喚士が帰還する。ただただそれのみ。

魔道士が眠りについたと同時に、満月の日へと日付は変わった。
76 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:23:34.33 ID:4cqPbFj0o
〜次の日〜

召喚士「……んっ」

モゾッ

召喚士「…おはようございます」

老人「おはよう。いよいよいじゃな」

召喚士「ええ……うまくいけば良いんですが……」

老人「出来る事は全てした。あとは成る様に成れ、じゃ」

召喚士「…そうですね」

老人「駄目ならまた一ヶ月、ワシとここで生活するだけじゃよ」

召喚士「……っ」

老人「……ほっほ、さぁてと…水でも汲んでくるかの」

召喚士「俺は食事の準備してますね」

老人「うむ」

スタスタスタ

召喚士「……いよいよ、か」
77 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 18:24:17.24 ID:4cqPbFj0o
〜北方司令部〜

参謀「……視察の準備、整いました」

左翼長「ご苦労。騎兵隊は前後を行き、左大臣様を護衛しろ」

騎兵長「はっ!」

騎士長「青年兵、準備はいいか?」

青年兵「はい」

参謀「では、お気を付けて」

左翼長「宜しいですかな?」

左大臣「あァ、いつでもいいぞ」

左翼長「出発っ!目的地は北の村だ!」

ドドォ…パッカパッカパッカ…

参謀「……」

騎士長「お前の兄上は、何を企んでいるんだ?」

参謀「…さぁ。私のような凡夫には見当もつきませんよ」

騎士長「……」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 18:25:37.68 ID:4cqPbFj0o
>>56も青年兵ではなく……青年です
モブキャラの名前とかももう少し考えよう…うん…

てなところで、失礼致します!
ご支援ありがとうございましたー!ノシ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/07(月) 18:27:59.72 ID:7XWbM2/DO
>>1

魔法剣士の存在忘れてた…
老人の正体が気になる
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:30:13.74 ID:VwPog/Lto
乙!

白虎先生じゃないよね?
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:31:02.48 ID:dVPIqMz3o
予想はよそう
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:32:35.88 ID:kzBRp+hlo
俺のじいちゃんだよ
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:34:10.22 ID:0b9aN1awo
はやく魔法剣士パートにはいって朱雀嬢に会いたい
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:39:09.88 ID:ohY2qjgWo
投稿途中にレス挟むやつってなんなんだろうな
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 18:51:00.30 ID:rEQkH6fIO
以前からおそれていたことが…

左翼長の居る北方司令部に左翼の連中を行かせるとは!
>>1は間違わずにこの場面を書ききることができるのか?
楽しみだwww
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 19:11:33.45 ID:KS8JY0+AO
大量投下>>1乙んつん
誤字脱字はこのスレではデフォって事でキニシナイ!
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 22:31:40.26 ID:fj5DBMtDO
1乙〜

気付いてみると、今日俺の誕生日だった…
あと1時間半しかない(´・ω・`)
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:06:58.41 ID:rEQkH6fIO
>>87
誕生日おめ!

それで、そろそろ魔法が使えるようになるのかな?
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:48:14.30 ID:e+rReFLI0
>>87
| 壁 |∀`*)誕生日おめ!
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/07(月) 23:49:38.46 ID:PoLE2F0Zo
〜大陸、港の町〜

ガコッ…カラン

戦士「……」

盗賊「…手伝おうか?」

戦士「いや、これで薪割りも終わりだ」

ガコッ…カラン

戦士「…依然、音沙汰なしか」

盗賊「……うん」

戦士「どうなってんだ。アイツが音信不通だなんて…」

盗賊「…ああ。真っ先に連絡してきそうなものだがな」

戦士「何もなけりゃあいいんだが……」

盗賊「…何もないさ」

戦士「だよな。俺たちは黙って…信じて待つしかないわな」

盗賊「…うん」

戦士「さて、そろそろ中へ戻るとすっか」
91 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:50:10.60 ID:PoLE2F0Zo
キュッキュッ…コトッ

魔道士「…………」

バーテン「気晴らしにどこか行ってきたらどうだ?」

魔道士「…行く所なんて…ないですよ」

バーテン「……そうか」

カチャッ…チリン

戦士「薪割り終わったぜ」

バーテン「ご苦労さん」

盗賊「……」

バーテン「なぁ、三人でどこか行って来たらどうだ?」

戦士「どこかって……こんなときにどこ行くっつーんだよ」

バーテン「…いやな、気晴らしっつーかよ、考え込んでてもしょうがねぇだろ」

戦士「……まぁ、そうだけどよ」

バーテン「どっかねーのか?」

魔道士「…………」
92 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:50:37.38 ID:PoLE2F0Zo
盗賊「……ねぇ、魔道士」

魔道士「はい?」

盗賊「久々に、家に帰ってみたらどうだ?」

魔道士「家に…ですか?」

盗賊「…しばらく帰ってないだろう?」

戦士「そりゃいい。お前だけ両親に久しく会ってないもんな」

魔道士「でもぉ……」

バーテン「近いのか?」

戦士「この先の、大きな街だよな?」

魔道士「……ええっ」

バーテン「それならすぐじゃねぇか。行ってこいよ」

魔道士「……」

バーテン「心配すんなって。どこか逃げるわけでもないんだ」

盗賊「……そうしよ、魔道士」

魔道士「…………」
93 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:51:03.68 ID:PoLE2F0Zo
〜最北の宿泊所〜

召喚士「……ふーっ」

テクテクテクテク

老人「まもなく日没じゃ。準備は良いか?」

召喚士「……いつでも」

老人「よし。今のうちに食事を済ませて、仮眠を取っておけ」

召喚士「分かりました。宜しく…お願いします」

老人「うむ。何が何でも成功させようじゃあないか」

召喚士「……」

老人「お主の為にも……な」

召喚士「……はいっ!」

老人「さぁて、最後の晩餐じゃ。盛大に頼むぞ……ほっほ」

召喚士「限られた食材ですが、頑張ります!」

老人はにこりと笑顔で応え、召喚士もそれに笑顔で返す。

間もなく満月が顔を出し、二人の脱出劇は最後の夜を迎える。
94 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:51:34.29 ID:PoLE2F0Zo
〜大きな街〜

戦士「……なーんか、ここも久々な気がするな」

魔道士「滅多に通りませんからねぇ」

戦士「通っても素通りだしな」

盗賊「……」

戦士「何か、手土産でも買っていくか?」

魔道士「いいですよ〜そんな気を遣わなくても……」

戦士「まぁ、金持ちだもんな」

魔道士「そんな事……っ」

盗賊「…そこだっけ?」

魔道士「はいっ。この角を曲がれば……」

テクテクテク

魔道士「到着〜っ」

戦士「……相変わらずでけぇ家」

盗賊「……うん」
95 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:52:04.95 ID:PoLE2F0Zo
〜魔道士の家〜

使い「ふふんふ〜ん、ふ――っ!!」

魔道士「た、ただいま〜」

使い「お嬢さんっ!?」

魔道士「使いさん…。お元気そうで何より……」

使い「……っ」

ダダダッ

使い「ご主人様っ!!くぁwせdrftgyふj――」

大商家「何だ、騒々しい……」

魔道士「……お父様……っ」

大商家「魔道士……っ!!」

魔道士「……ただいま……帰りました」

大商家「……」

魔道士「…………」

大商家「……中へ、入りなさい」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/07(月) 23:52:32.52 ID:yab8nSTDO
>>87
お前そうやってレス貰いたいだけだろ?
めんどくせえやつだな
でかい面しやがって
とくになにができるわけでもなくのんきに生きていくのか?
ウエステルマン肺吸虫
97 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:52:34.56 ID:PoLE2F0Zo
〜家の中〜

コトッ

盗賊「……どうも」

大商家「…盗賊さんに、戦士くんだったか?」

戦士「魔道士さんには、いつもお世話になってます」

魔道士「こっちこそ二人にはいつも助けられて……」

バサッ

魔道士「……?」

戦士「新聞…すか?」

魔道士母「お父さんたら、貴方達の記事を見る度切り抜いてね……」

大商家「ごほんっ」

魔道士母「……っ」

大商家「活躍はちらほら、耳にもしているよ。がんばっているようじゃないか」

魔道士「な、何とか……」

魔道士母「大事ないようで、とりあえず一安心だわ」
98 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:53:02.00 ID:PoLE2F0Zo
大商家「それで、朱雀先生はどうしたんだ?」

魔道士「今は…別行動中で……」

大商家「そうか……」

魔道士「えっと……何か……?」

大商家「……彼には以前、厳しく当たってしまったからな」

魔道士母「ずぅっと謝りたいんですって」

大商家「ごほごほんっ!」

魔道士母「……っ」

魔道士「お父様……」

大商家「今日は泊まって行くのだろう?」

戦士「いや、そこまでは……」

大商家「旅の話など聞かせてくれないか?……君もいけるのだろう?」

ゴトッ

戦士「……ビンテージすか……っ」

魔道士母「私も、魔道士の話…聞きたいわ」
99 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:53:30.88 ID:PoLE2F0Zo


大商家「やはりそうだったかのか。道理で西国との取引もスムーズに行くと思ったよ」

魔道士「私達だって、まさか王子だったなんて思いませんでしたよ。ねぇ?」

盗賊「…うん……モグモグ」

戦士「西国だけじゃなく、東方や南東国の王族にも会いましたよ」

大商家「何と……っ。それは都合がいいなぁ」

魔道士母「お父さん……魔道士を仕事に使う気ですか?」

大商家「いやいや、そのつもりはないが…話せる話題は広いに越した事はない」

戦士「確かに……」

大商家「お前が家を出ると言った時は、どうなる事かと思ったが……」

魔道士「お父様……っ」

大商家「頑張っているようだな。もう、立派な…一人前として……」

魔道士母「……ええ」

魔道士「……お父様とお母様のお陰です。本当に……」

大商家「……さぁ、しんみりするのは無しだ。食べて飲んで…話を聞かせてくれ。ははっ」
100 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:54:10.58 ID:PoLE2F0Zo


戦士「いやぁ、ご馳走様でした」

魔道士母「こちらこそ、色々なお話が聞けて楽しかったわ」

盗賊「……」

大商家「今日はゆっくり休んでくれ」

魔道士「ありがとうございます」

魔道士母「それじゃ、お休みなさい」

魔道士「はいっ。お休みなさい」

テクテクテクテク…

魔道士母「……立派になっちゃって」

大商家「うまくやっているようで、本当に安心したよ」

魔道士母「そうね……。でも、このままで良いのかしら……」

大商家「我らに何か出来るわけでもない。本人次第だ」

魔道士母「……魔道士」

大商家「案ずるな、彼女は強い娘だ。そういう星の下におるのだよ」
101 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:54:39.76 ID:PoLE2F0Zo
〜魔道士の部屋〜

テクテクテク…ボフッ

魔道士「……はぁ、久々の自室〜」

ゴロゴロ

魔道士「なーんか、やっぱり落ち着くなぁ……」

ガバッ

魔道士「あっ、そうだ!お気に入りの服とか……ウェスト入るかな……?」

テクテクテク…ガチャッ

魔道士「……んっ、な…んとか……入るっ!」

モゾモゾ

魔道士「……へへっ」

鏡に反射する月光。魔道士はふと、窓の外を見つめる。

魔道士「今日は……満月かぁ」

思うばかりはただ一つ。窓に映る溜息交じりの自分の顔を見て苦笑した。

そして、満月の夜の日付けが今、刻まれた……。
102 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:55:09.38 ID:PoLE2F0Zo
〜最北の宿泊所〜

老人「……良いな?」

召喚士「…お願いします」

ベッドへ横たわる召喚士は、大きな呼吸を一つ吐き、目を瞑る。

老人「方角は西。うむ、問題ない」

召喚士「…………」

老人「良いか?ユニコーンの姿を想像して……ゆっくりと呼吸を整えるのじゃ」

召喚士「…すーっ……ふーっ」

老人「…良いぞ。もっと力を抜いて……そうじゃ」

召喚士「……」

老人「良いか?導かれるままに……光を求めよ……」

召喚士(……光を……光……)

スウウゥゥ…

老人「……聞こえるか?……の……声…………――」

召喚士「……」
103 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/07(月) 23:55:47.12 ID:PoLE2F0Zo
ガバッ

召喚士「……!?」

意識が戻り飛び起きる召喚士は、辺りをきょろきょろと見渡す。

そこはお世辞にも綺麗とは言えない小屋とは大きくかけ離れており、

言うなれば楽園のような、緑と心地よい風に包まれた場所であった。

召喚士「……来た……のか!?」

スクッ…ザッザッザ

召喚士「ここが……白虎の世界…?」

ガサッ

召喚士「!?」

――「……お前……っ」

召喚士「……ユニコーン!!」

ユニコーン「……召喚士っ」

召喚士「やっぱり……ここは白虎の世界なんだ…!」

ユニコーン「……」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/07(月) 23:59:10.87 ID:PoLE2F0Zo
>>87
魔道士「お誕生日おめでとうございますっ!えへへ!!」

盗賊「…幾つになっても…誕生日というのは、目出度い事だな」

東方司令「それで、キミはボクより若いのか?何だ男か。それならばどうでもいい」

南方参謀「男ですって!?まぁ…お祝いの…プ・レ・ゼ・ン・ト♪ブチューッ!」

こういうのって、リアルタイムならではって感じでいいですよね
特有のものだと思うのですよ、うん。楽しめて個人的には好きです!
やり過ぎはまぁ、アレですけどね…ははっ

それでは、おやすみなさい!また明日!ノシ
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:03:03.99 ID:1pUmhJJdo

イケメンユニコーンさんがまさかくるとは……
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/08(火) 00:09:38.92 ID:RR8ODukZo
〜オマケ〜

もうじきアレなので、アレの数ランキング
華国とか東方は文化的に分からんので一部を除きハブいてます

【神クラス】
戦士(年上年下問わず、何故かいっぱい貰える)
エリート(こう見えても慕う女性陣多し。特に財界、政界など)
皇太子(言わずもがな)
博士(年上のお姉様から多数の支持がっ!)
盗賊(????)

【トップクラス】
マジシャン(腐っても再来!)
師匠(上に同じく!!)
召喚士(年下からの支持率高め=義理)
青年兵(何だかんだ国軍の女性陣から…)
青龍先生(ほぼ全てが義理ですけれどね)
王子(結局、王族ってモテるみたいですね…ええ)

【それなりクラス】
ジュニア(親父ほど遊んではいないようだ)
隊長(ダンディ年上好きに意外と…)
南方司令(まぁ大半が義理)

【特定の方から貰えればもう大満足】
剣士(嫁&義娘からね)
サモナー(マーメイドはチョコって作れるのか?)
賢者(自分から自分へ……ふぅ)
火忍(姫…姫……姫ええぇぇ!!)
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:13:22.40 ID:R+NtRiuDO
>>1乙です

それから割り込みすみませんでした……白虎の世界に行ってスフィンクスに殴られてきます
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:19:38.60 ID:BxZgbE0Mo
>>1おつ

じゃぁ俺殴りとばされてシクシク泣いてる>>107と契約結ぶわ

行け!>>107
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/08(火) 00:25:47.42 ID:a4Iay5lDO
>>1乙!

白虎の世界って、スフィンクスとユニコーンと今回で三回行った事になるんだよな?
召喚獣の世界って、行く度に違うのか?それとも、四属性とも同じような世界なのかな?
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 00:26:54.32 ID:v/Cw7UFOo
自分で作って、朝早くに登校して自分の下駄箱に入れてたなぁ
そして偶然それを見た女の子が哀れんでチョコくれたよ
良い思い出だ……orz
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:29:49.43 ID:JwhmuhQko
>>96
あきらめんな
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 00:36:43.70 ID:/HecTWcpo
友人と一緒に部員の下駄箱に飲み物置いていったのはいい思い出(ただしレアドリンク多し
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 00:56:11.93 ID:QG4XW2sDO
>>110
これはひどい
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 01:35:18.13 ID:sdSvh3bAO
>>1おつ

召喚子と青年子としてならもっと女の子からチョコもらえそうだな
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 03:03:46.71 ID:UtptvuFDO
このイケメンユニコーンも処女厨だと思うと・・・
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 03:24:16.65 ID:zR4ZClZSO
1おつ!

イケメンユニコーン「過去があるから今の君がある。いいじゃないか…。僕はどんな君でも君を回復するからね^^」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 04:27:59.02 ID:kE9/Pgpv0
>>96
モクズガニ乙
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 06:53:16.15 ID:hC9t0OeIO
縦読み

119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 08:44:55.45 ID:Oobs0FoXo
コンスタンティンって言う映画思い出した
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 11:39:30.22 ID:UO6+8OGIO
昨日は更新量多かったなつくづく>>1乙だ。
それにしても、96が不憫でならない
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 11:48:53.32 ID:L6FzhcZDO
イケメンユニコーン「さあ、回復してやろう!」

テテテーテテーテーテーテ テレレレレー
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 17:33:19.30 ID:QG4XW2sDO
やっとユニコーンの謎がわかるのかwktk

そんな>>1は↓に登場
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 17:36:29.29 ID:Oobs0FoXo
            ∧,,,∧
           ( ´・ω・) <今夜から冷えるのか・・・
       ____(____)__
      / \    旦   __\
     .<\※ \____|\____ヽ
        ヽ\ ※ ※ ※| |====B=|
        \`ー──-.|\|___l__◎..|ヽ
          ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
               \|        |〜
124 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:35:49.88 ID:iO1tzJWRo
召喚士「……」

ユニコーン「……何だ?」

召喚士「…あの…もしかして」

ユニコーン「……」

召喚士「えっと……ユニコーン…だよね?」

ユニコーン「以外に何だと言うのだ」

召喚士「……」

ユニコーン「……」

召喚士(こっちの世界だと性格が戻ってるのか?)

ユニコーン「…それで、何用だ?」

召喚士「…あ、えっと……クジャタに会いに」

ユニコーン「クジャタ?」

召喚士「うん。クジャタに話がしたいんだ」

ユニコーン「……乗れ」

召喚士「……!?」
125 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:36:28.47 ID:iO1tzJWRo


ユニコーン「良いか?飛ばすぞ」

召喚士「お、お願いします……」

ザッ……ドゥンッ!!

召喚士「くぅ…っ!!」

ユニコーン「振り落とされるなよ」

バシュウウゥゥ

ユニコーン「それで、クジャタに何用なのだ?」

召喚士「えっと……」

人間界での出来事を有りのままユニコーンへと伝える召喚士。

自分でも何を言っているか分からない出来事だが、事実は事実である。

ユニコーン「数十年間、召喚し続けているのか……。信じられんな」

召喚士「でも、。実際…そうみたいなんだ」

ユニコーン「…大した召喚士だな。計り知れぬ魔力よ」

召喚士「それが……召喚者は既に他界してるらしくて……」
126 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:37:14.45 ID:iO1tzJWRo
ユニコーン「…成程。それで直々に訪れたわけか」

召喚士「うん。それしか脱出方法は今のところないからね」

ユニコーン「……」

召喚士「あのさ、ユニコーン」

ユニコーン「……?」

召喚士「変な事聞くけど、どうして性格が変わったの?」

ユニコーン「私は私だ。何も変わってはいない」

召喚士「でも、以前とはなんていうか…雰囲気が……」

ユニコーン「それは別のユニコーンへ代わったのだろう」

召喚士「別…?入れ替わったって事?」

ユニコーン「……」

召喚士「それに、鉱山での時…何か言いかけてたよね……?」

ユニコーン「……」

召喚士「それからしばらく、召喚士出来なくなって……」

ユニコーン「……」
127 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:37:44.30 ID:iO1tzJWRo
召喚士「何かあったのかと……」

ユニコーン「……色々あるのさ」

召喚士「あの時は助かったよ。ユニコーンが自分から出てきてくれて」

ユニコーン「……そうか」

召喚士「ずっと、礼が言いたかったんだ」

ユニコーン「…そんなものは無用だ。それ、もう間もなく到着するぞ」

召喚士「……うん」

ドウッ……バシュウウゥゥ

白虎界において召喚士は時間の感覚があやふやであった。

数分とも数時間とも取れるような不思議な経過の中で、

ユニコーンは小高い丘の上でその足を止めた。

ザザァ…ドッ

ユニコーン「……着いたぞ」

召喚士「……ここが…クジャタの」

ユニコーン「…いや、これがクジャタだ」
128 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:38:34.07 ID:iO1tzJWRo
召喚士「へっ!?」

ユニコーン「我らが今、立っているそれこそがクジャタ」

召喚士「山…じゃないの!?」

ユニコーン「クジャタの顔はこの先にある」

召喚士「――っ!?」

ユニコーン「私が案内出来るのはここまでだ。後はお前が……」

シュイイィィン

――「人間か?」

召喚士「!?」

ユニコーン「……失せろ。お前に用ではない」

――「……ケッ。この俺に偉そうな口を利くじゃあないか」

召喚士「あ、あの……」

ユニコーン「放っておけ。お前は早くクジャタの下へ……」

――「クジャタ?あぁ、契約でもしにいくのか?」

召喚士「……」
129 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:39:11.04 ID:iO1tzJWRo
――「あんなヤツぁ放っておいて、俺と契約しねぇかい?」

ユニコーン「……」

――「魔力、腹いっぱい食わせてくれよ!」

ユニコーン「戯れが過ぎるぞ、ケツァルコアトル」

召喚士「……!?」

ケツァルコアトルと呼ばれた、羽毛を携えた蛇のような巨大な召喚獣。

口の両端から漏れる息が渦を巻き、突風のように周囲へと漏れている。

ケツァルコアトル「おい、角野郎。テメェはさっきから何なんだ?」

ユニコーン「召喚士、早く行け」

召喚士「で、でも……」

ユニコーン「いいから行け。こいつは私が話をつけておく」

ケツァルコアトル「おいおい、お前さんはコイツの専属かい?違うよなぁ?」

ユニコーン「彼はクジャタに会わねばならんのだ。時間がない」

召喚士「す、すみません……っ!」

ダッ…タッタッタッタッタ
130 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:39:41.57 ID:iO1tzJWRo
ケツァルコアトル「あーあ、行っちまった……」

ユニコーン「彼の力を欲するならば、後日改めよ」

ケツァルコアトル「俺に指図すんじゃあねぇ」

ユニコーン「事情があると申したであろう」

ケツァルコアトル「クジャタなんぞ役にも立たねぇ召喚獣……」

ユニコーン「……」

ケツァルコアトル「……そうかそうか。そういやそうだったなぁ」

ユニコーン「……」

ケツァルコアトル「道理でお前、人間の肩を持つわけだわな」

ユニコーン「そういうつもりではない」

ケツァルコアトル「そうかよ。じゃあせいぜい大人しくしてろや新参者!」

ドウッ!!…バシュウウゥゥ

吐き捨てるように言葉を浴びせ、ケツァルコアトルは立ち去ってゆく。

ユニコーン「……」

その場に一人残ったユニコーンは、遠目に映る召喚士の背を1人見つめた。
131 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:40:09.16 ID:iO1tzJWRo
〜北の村〜

大軍師「視察、ご苦労様でした」

左大臣「いやはやァ、思ったより時間が掛かってしまったなァ」

大軍師「1日で見回るには、ちと厳しかったですな」

左大臣「あァ。。思ったよりも充実しておったからなァ」

大軍師「まだまだお見せ出来ておらぬ部分もございますぞ?」

左大臣「……フッハハハァ、それはこやつに任せるとする」

左秘書官「左大臣様はご多忙な方。数日の日程はご用意出来ませぬ」

大軍師「存じております。本日はお忙しいところ感謝しておりますよ」

左大臣「なぁに、構わん。して、どうだァ?経済効果はァ?」

左秘書官「国軍の資料を拝見する限り、この手順で進めていけば……」

青年兵「……」

左秘書官「効果は抜群ですね。経済に於いてもです」

左大臣「……だ、そうだァ。良かったなァ」

青年兵「……」
132 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:40:37.28 ID:iO1tzJWRo
左大臣「さて、このまま本国へ戻るとするかァ」

大軍師「泊まってはいかれないので?」

左大臣「忙しいと申したであろう」

左翼長「……」

左大臣「そちらの日程を、もっと調整してくれれば良かったのだァ」

大軍師「ご尤もにて。申し訳ありません……」

左大臣「ではあとは任せるぞ。左翼官らも明日には到着するだろう」

左秘書官「はっ」

左翼長「左大臣様がご帰還だ。護衛は北の港まで同行せよ」

騎兵長「ははっ!!」

ザッザッザ

左秘書官「それでは、私も休ませて頂きます」

大軍師「では、部屋へ案内致しましょう。どうぞこちらです」

ザッザッザッザ…

青年兵「……」

左翼長「…終わったな」
133 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:41:04.58 ID:iO1tzJWRo
青年兵「ええ……」

左翼長「どうした?拍子抜けか?」

青年兵「いえ、何事もなく終了して幸いです」

左翼長「左大臣も屯田については何か企んでる素振りもなかったな」

青年兵「はい」

ザッザッザ

大軍師「屯田の効果は経済的にも大衆的にも受けが良いですからね」

青年兵「お疲れ様でした」

大軍師「こちらこそ。何事もなく終わり、まずは一安心ですね…ふっふ」

左翼長「大衆的ってのは…失業者支援政策って意味合いでか?」

大軍師「そういう事になりますね。効力は時の運ですが」

左翼長「民衆に指示されてる政策を潰すわけにゃならんもんなぁ」

大軍師「……ふっふ」

青年兵「…ところで、今回はどういった御用でしょうか?」

左翼長「…用?」
134 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:41:34.64 ID:iO1tzJWRo
青年兵「ええ。大軍師さん、何か私に用があったのでは?」

大軍師「……ふっふ、鋭いですねぇ」

青年兵「わざわざ東方司令部から呼び出されれば、勘付きますよ」

大軍師「まぁ、議会立案者としての立場もあったのですがね」

青年兵「そうかもしれませんが、それならば本国の方でも良かったはずです」

左翼長「そういう事だったのか……」

青年兵「それに、わざと左大臣の予定が厳しい日程を組まれた」

大軍師「…ほぉ、そこまでお気付きでしたか。これはお見それ致しました」

左翼長「まさか……視察を密会の場に利用したのか…!?」

大軍師「あくまでついでですよ。勘違いなされますな」

左翼長(恐ろしいな……っ。好機とあらばどんな事でも利用する……)

大軍師「……ふっふっふ」

左翼長(それが……大軍師という男か……)

大軍師「さぁ、お二人はこちらへ」

青年兵「はい。ありがとうございます」
135 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:42:01.62 ID:iO1tzJWRo
テクテクテク…パタン

大軍師「では、この家をお使い下さい」

青年兵「なかなか立派ですね」

大軍師「そうですか?まぁ、皆…頑張っておりますから」

青年兵「僕の実家よりしっかりしてますよ…ははっ」

大軍師「青年兵殿なら、建て直せば宜しいのに」

青年兵「一応、仕送りもしてますし、検討したのですが……」

大軍師「断られましたかな?」

青年兵「ええ……まぁ」

左翼長「しっかり親孝行しとけ。気付いた時に親はなし…ってな」

青年兵「そうですね。久々に顔を見せたいと思います」

左翼長「しかし今日は人が少ないな。何かあったのか?」

大軍師「いえ、最北の村も屯田に入りましたので…人手を……」

左翼長「ああ、そういう事か」

大軍師「明日、左秘書官殿が視察に向かいます。宜しければ……」
136 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:42:34.09 ID:iO1tzJWRo
青年兵「そうですね、是非お願い致します」

大軍師「こちらこそ。とは言っても、まだ何も始まっておりませんがね」

左翼長「しかもあの村、何やらいわくつきだからな」

青年兵「……?」

左翼長「白フードの謎の召喚士。書物の盗難事件……」

大軍師「再来のマジシャンも…逝きましたね」

青年兵「……っ」

大軍師「今は魔物もいませんし、特にさしたる警戒も不要でしょう」

左翼長「それならいいけどな」

大軍師「……さて、そろそろ本題へと入りましょうか」

青年兵「…はい」

大軍師「議会以降、両陣営共に動きは停滞しております」

青年兵「ええ」

大軍師「これは互いに、攻め手を欠いているという構図です」

青年兵「その通りです」
137 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:43:01.46 ID:iO1tzJWRo
左翼長「右翼はいざ知らず、左翼にとっては好機なんじゃないのか?」

大軍師「好機ではありますが、虎穴に踏み込む程勇ましい連中ではありませんよ」

左翼長「虎穴…?あぁ、虎子は殿下ってか」

大軍師「内容は別としても、議会で敗北した事は左翼にとって大打撃ですからね」

左翼長「まぁな。再度、議会を起こしても、数で劣る可能性もある」

青年兵「どうでしょうね。今回は僕のせいで、票数も……」

大軍師「厳密に言えば、そうかもしれませんね」

左翼長「北は何ら影響なかったけどな」

大軍師「そうなんですよ。それがポイントです」

青年兵「……?」

大軍師「正直、議会での票数が変わるなど東方司令部ぐらいのもの」

青年兵「…ええ」

大軍師「それが今回、あれだけ票数が移動しました」

青年兵「……」

大軍師「これは左翼にとって、脅威なのです」
138 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:43:31.19 ID:iO1tzJWRo
青年兵「…そう思います」

大軍師「今件でどれだけ票が戻ったのか、左翼も掴めてないのですよ」

左翼長「なるほどな」

大軍師「その上、青年兵殿が東方司令部へ異動しては…ねぇ?」

青年兵「……凄いですね」

大軍師「…何がですかな?」

青年兵「まさか、そこまで見透かされているとは……」

左翼長「するってぇと、お前はその為に東方司令部へ…!?」

青年兵「それだけの為ではありませんけどね」

左翼長「……っ」

大軍師「それに、左翼はかなり無茶もしておりますしね」

左翼長「無茶?」

大軍師「戦士殿の偽者の件ですよ」

左翼長「あれか…っ!!」

大軍師「あれでは魔物と結託したと思われても同然」
139 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:44:01.56 ID:iO1tzJWRo
左翼長「確かにな……」

大軍師「早期に事態が収拾したので、大事にはなりませんでしたが…」

左翼長「それでも、不審に思う輩は少なくないだろうな」

大軍師「ええ。何と言っても事件現場が私邸ですからね」

青年兵「……」

大軍師「つまり、あちらは手を打ちたくとも打てない状況なのですよ」

左翼長「決めてを探してるってわけか」

大軍師「それに加え、イメージアップでしょうね」

左翼長「……今回の視察もそれが目的か」

大軍師「大衆的には……ですがね」

左翼長「そんで、右翼はどうすんだ?」

大軍師「どうしましょうかねぇ」

左翼長「おいおい…随分と悠長な……」

大軍師「目には目を……と、いきましょうか」

青年兵「……?」
140 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:44:38.48 ID:iO1tzJWRo
ぼんやりと満月が薄れ始め、東の空より明るみが帯び始める。

新たなる朝。視界に捉える事こそ出来ぬものの満月は在りし。空高く。

〜白虎界〜

召喚士「はぁ…はぁ…はぁ……っ」

タッタッタッタッタ

時の感覚が薄れ、どれ程走ったのか、微塵ともすすんでいないのか、

その区別も付かぬ召喚士。彼はただただ、丘のような背を走る。

タッタッタッタッタ

その甲斐あってか、ようやく頂きを越え、下りへと差し掛かった。

召喚士「う……おわっ!!」

下りと言ってもそれはもはや崖のような傾斜。召喚士は宙を舞い、

そのままの勢いで塔のように伸びた草原地帯へと落下した。

ボフッ…バフンッ…ドサッ

召喚士「…………っ」

痛みはない。起き上がりながら召喚士はただそう思った。
141 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:46:15.57 ID:iO1tzJWRo
地面や塔のように伸びているもの、それはラグのような、肌触りである。

召喚士「……毛?」

今の召喚士は、人間にとっての微生物や極少な生物のようなもの。

塔のように伸びたそれはクジャタの体毛であったのだ。

召喚士「……」

モフッモフッモフッ…ヒョコッ

召喚士「……ここ、どこなんだろ」

――「何だ貴様は?」

体毛を掻き分けうろついていると、周囲に声が鳴り響いた。

――「何だと聞いておる」

召喚士「クジャタ……ですか?」

――「……如何にも。我に用か?」

召喚士「良かった……!話を…聞いて頂けませんか!?」

クジャタ「……話だと?」

召喚士「はい。今、人間界で起きている出来事について……」
142 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:46:41.73 ID:iO1tzJWRo
クジャタの地鳴りのような声がぴたりと止む。

召喚士「……?」

クジャタ「述べよ」

召喚士「……あっ、はい」

クジャタ「それと貴様、声が小さい。耳元に近寄れ」

召喚士「……えっと、耳元って」

クジャタ「貴様がおるところが耳じゃ。真っ直ぐ進めい」

召喚士「!?」

言われた通り、召喚士は体毛の森を真っ直ぐ進んでゆく。

そしてふと気付く。目の前に広がる景色だと思われていた部分。

それこそがまさに耳そのものであった。

召喚士「――!!」

クジャタ「述べよ」

召喚士「……っ」

ごくりと息を飲み、召喚士はここへ来た目的と経緯をクジャタへ伝えた。
143 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:47:08.04 ID:iO1tzJWRo
〜魔道士の家〜

盗賊「…お邪魔…しました」

魔道士母「もっとゆっくりなされたら良いのに……」

戦士「まだ、ゆっくり出来る状況じゃないもんで。すみません」

魔道士「では、行ってきます」

大商家「此度は久々に顔を見る事が出来て、嬉しかったぞ」

魔道士母「またいつでも帰ってきなさいね…?」

魔道士「…はいっ。ありがとうございます……!」

戦士「…それじゃ、行きますか」

魔道士「はいっ!」

大商家「気を付けてな」

魔道士母「皆様の無事を、祈ってますわ」

盗賊「…失礼…します」

魔道士を先頭に、三人は魔道士の家を後にする。

バーテンの店へ、四人目がいる事を願いながら。
144 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:47:33.37 ID:iO1tzJWRo
ザッザッザ

戦士「……さて、今日でもう…4日目か?」

盗賊「…ぐらいになるな」

戦士「いい加減、戻って来てくれねぇと……」

魔道士「どうしました?」

戦士「あれって…左翼のヤツらか?」

魔道士「……本当だっ」

ザッザッザ…パッカパッカパッカ

左翼官「…ん、あれは……」

政治屋「どうか致しましたか?」

左翼官「…いや。それよりあの屋敷は……?」

政治屋「あぁ、確か大商家ですね」

左翼官「大商家…。あの王宮とも繋がりがあるとかいう豪商か」

政治屋「最近では、あのようなワーカーも抱え込んでおるのでしょうかね」

左翼官「……まぁいい。飛ばしてくれ、視察に間に合わんぞ」
145 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:48:00.98 ID:iO1tzJWRo
〜白虎界〜

クジャタ「…………」

召喚士「事情は…分かって頂けましたか?」

クジャタ「そうか。我を召喚せしめた者は…死んだのか」

召喚士「…ええ」

クジャタ「道理でこれ程までに力が溢れると思ったわ」

召喚士「……」

クジャタ「して、我にどうしろと?」

召喚士「もし解除出来るのならば……」

クジャタ「それは無理だな」

召喚士「……やはり…そうですか」

クジャタ「こちらと人間界では勝手が違う」

召喚士「……」

クジャタ「あくまで母体は我。人間界に於いてはその力の一部を貸すに過ぎん」

召喚士「……そうなれば、手段は……」
146 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:48:33.33 ID:iO1tzJWRo
クジャタ「…貴様に力を貸せ、と?」

召喚士「……解除するには、方法は一つです」

クジャタ「……」

召喚士「あなたを……専属させて頂きたい!」

クジャタ「……」

召喚士「お願いします。あなたの助けが必要なのです!」

クジャタ「我に、貴様の専属となれと申すのか?」

召喚士「それ以外に…あなたを解除する方法はないのです……!」

クジャタ「…ふむ」

召喚士「一時的でも構いません。どうか……」

クジャタ「そこまでしても、必要なのか?」

召喚士「……待っている者がいるんですっ!」

クジャタ「……」

召喚士「俺を待っている者…っ、そして……自由を待っている者が!」

クジャタ「……」
147 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:49:06.93 ID:iO1tzJWRo
召喚士「どうか……っ」

クジャタ「切るぞ」

召喚士「……!?」

クジャタ「貴様がどれ程のものかは知らぬ。知らぬが故に…」

召喚士「……」

クジャタ「我が不要と感じれば、即座に貴様との契約を切る」

召喚士「…構いません」

クジャタ「……ふむ」

召喚士「――っ!?」

ヒュイイィィィィ

召喚士「う…わっ!!」

突如足場が消失し、召喚士の身体は宙へと投げ出された。

召喚士「……っ!!」

クジャタ「案ずるな、死にはせん」

召喚士「で、でもおおぉぉ……っ!!」
148 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:49:45.60 ID:iO1tzJWRo
ドサッ

召喚士「……!?」

かつて見覚えがある。何もない真っ白な部屋。

召喚士「……」

神官の手によりスフィンクスへ会いに行った時と全く同じ。

召喚士「……ここは」

クジャタ「我の家、と言ったところか」

ザッ

召喚士「……クジャタ?」

目の前に佇む牡牛のような、神秘的な召喚獣。

茶色く長い体毛からは、煌びやかな青い燐光を放っている。

クジャタ「時間が限られておるのだろう。さっさと行くが良い」

召喚士「じ、じゃあ……」

クジャタ「我の力、それは気候を自在に操るもの」

召喚士「……っ」
149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:50:14.71 ID:iO1tzJWRo
クジャタ「専属は一時的なものだと思え。良いな?」

召喚士「……ありがとう、クジャタ!」

クジャタ「礼は無用。代わりにたらふく……食ろうてやるわ」

召喚士「……お手柔らかに」

クジャタ「……待て」

召喚士「…?」

クジャタ「まだ、名を聞いていなかったな」

召喚士「……召喚士」

クジャタ「召喚士か。ふむ、覚えておこう」

召喚士「…じゃあ……また!」

クジャタ「……」

タッタッタッタッタ

クジャタ「……我も焼きが回ったか」

スゥッ

クジャタ「それとも……。召喚士か、不思議な人間よ」
150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:50:40.88 ID:iO1tzJWRo
タッタッタッタッタ

召喚士「…くそっ、どこなんだここは?」

タッタッタッタッタ

召喚士「それに、どれだけ走ったのか……」

タッタッタ…

召喚士「……時間は…間に合うのか!?」

ドゥッ…ザッ

ユニコーン「乗れっ!」

召喚士「ユニコーン!!ありがとうっ!!」

ググッ…ドシュウウゥゥ

ユニコーン「それで、クジャタの手は借りられたのか?」

召喚士「うんっ。お陰様で!」

ユニコーン「一気にゲートまで飛ばすぞ。余所見するなよっ」

召喚士「う、うんっ!」

ドウンッ!!
151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:51:06.32 ID:iO1tzJWRo
召喚士「……」

ユニコーン「気になるのか?」

召喚士「……なんだか、やたらこちらを見てるから」

ユニコーン「皆、珍しがっているのさ」

召喚士「…そっか」

ユニコーン「それに使える主は大いに越した事はない」

召喚士「みんな、契約を結ぼうと…?」

ユニコーン「ああ。だが今は気にするな。時間がない」

召喚士「…うん」

ユニコーン「それにクジャタなどという大物を捕まえたのだ」

召喚士「……」

ユニコーン「心移りすれば、クジャタに見放されかねんぞ?」

召喚士「…ははっ、そうだね」

バシュッ

ケツァルコアトル「……ようっ」
152 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:53:04.96 ID:iO1tzJWRo
召喚士「あ、えっと……ケツァルコアトル?」

ケツァルコアトル「クジャタと契約結んだのかぁ?」

ユニコーン「お前と話している暇はないのだ。立ち去れ」

ケツァルコアトル「テメェには話してないだろうが。なぁ、えぇっと…」

召喚士「……召喚士…です」

ケツァルコアトル「召喚士クン。俺と契約結ばないか?」

召喚士「そ…そうですね。また今度……」

ケツァルコアトル「おやおや、冷たいねぇ」

召喚士「ごめんなさい。今はその、急いでいるもので……」

ケツァルコアトル「しゃあねぇ。いいか?忘れるなよ?」

召喚士「……」

ケツァルコアトル「俺の名はケツァルコアトル様だ!待ってるぜ!」

バシュッ

召喚士「……召喚獣も…色々いるんだね」

ユニコーン「ああ、そうだな」
153 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:53:39.40 ID:iO1tzJWRo


ザザァ…ドッ

ユニコーン「……間に合ったな」

召喚士「うん…。はぁ……はぁ…」

ユニコーン「ゲートが半分以上閉じている。人間界は夕方か……」

召喚士「そんなに経って…!?」

ユニコーン「こちらとあちらでは時間の概念が違うからな」

召喚士「そっか……」

ユニコーン「さぁ、早く行くのだ」

召喚士「……ユニコーン」

ユニコーン「…?」

召喚士「その、ありがとう!色々と助けて貰って……」

ユニコーン「……気にするな」

召喚士「それじゃ……また」

ユニコーン「そうだな……会えるといいな」
154 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:54:06.98 ID:iO1tzJWRo
召喚士「え……っ?」

シュイイィィ

召喚士「――っ!?」

シュウウゥゥゥゥ

召喚士「ゲートに…吸い込まれて……っ」

ウウゥゥゥゥ

召喚士「ユニ――」

ガバッ!!

老人「!?」

召喚士「……あっ」

老人「無事じゃったか!?」

召喚士「……お爺さん」

老人「半日以上も寝ておったからの。ちと、心配したわい」

召喚士「…すみません。この通り、大丈夫ですよ」

老人「……それで、どうじゃった?」
155 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:55:13.77 ID:iO1tzJWRo
召喚士「……バッチリです!」

老人「お……おぉ……っ」

召喚士「多分…ですけど……」

老人「よくぞ……よくぞやり遂げた…っ!」

召喚士「色々と手助けあってですけどね…」

老人「では、早速やるか?」

召喚士「はいっ!」

ザッ…テクテクテクテク

老人「とは言え、魔力を消耗しておる。無茶はするでないぞ?」

召喚士「はい。承知してます」

老人「まずは召喚解除じゃな」

召喚士「どうすればいいんでしょう?」

老人「クジャタとは専属契約を結べたのか?」

召喚士「はい。そういう話でしたが…」

老人「ならば今のクジャタは既にお主のものじゃ」
156 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:55:47.61 ID:iO1tzJWRo
召喚士「……つまり?」

老人「召喚を上書きすれば、必然的に今のクジャタは消失する」

召喚士「……なるほど…っ」

ザッザッザ…ザッ

召喚士「早速、やってみます!」

老人「…うむ」

召喚士「……ふーっ」

老人「……」

召喚士「行けっ!クジャタ!!」

シュイイィィン

老人「……おぉ…っ!!」

召喚士「……っ!!」

老人「風の壁が……消え……」

長きに渡り周囲を覆っていた竜巻は、呆気ない程簡単に形を消した。

その下で、一匹の牡牛が佇み、こちらを見つめている。
157 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:56:20.04 ID:iO1tzJWRo
ザッザッザッザ…

召喚士「クジャタ……?」

クジャタ「……」

ゴウッ!!

召喚士「――!?」

老人「ぐ……くぅ…っ!!」

破られた壁に代わるように、二人を猛吹雪が襲いかかる。

召喚士「お爺さんっ!!」

老人「大丈夫じゃ……っ!」

ザザッ

召喚士「外はこれ程までに……っ」

ゴアオオォォォォ

けたたましい音と共に、宿泊所は粉々に吹き飛ばされ、

もはや長年、人が住んだ形跡もなくなった。

召喚士「お爺さん!ひとまず移動しましょう!」
158 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:56:49.32 ID:iO1tzJWRo
老人「う…む……っ」

召喚士「クジャタ!!」

クジャタ「……」

無言のままクジャタは召喚士の意思を汲み取り、身体を発行させる。

キュイイィィ…パアアァァ

召喚士「気候を自在に操るならば……この程度おぉっ!」

ゴオオォォ…オオォォ…ォォ

召喚士「今だ!……行けっ!コカトリス!!」

シュイイィィン

召喚士「コカトリス!」

コカトリス「ここを離れるぞ!急げ!」

老人を肩に担ぎ、コカトリスの背中へ飛び乗る召喚士。

召喚士「持ってくれよ……俺の魔力!」

ゴウッ!!

最北の宿泊所であった場所から、二人は迅速に立ち去った。
159 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:57:21.61 ID:iO1tzJWRo
ドシュウウゥゥ…バタバタッ…バサァ

コカトリス「ひどい吹雪だな…っ、どこなのだここは…!?」

召喚士「北だっていうのは分かるけど……」

コカトリス「……むっ!?」

召喚士「ど、どうしたの!?」

コカトリス「あれは……っ」

上空から背後にうっすらと浮かび上がる、塔か城のようなもの。

召喚士「あれは……っ!?」

コカトリス「……魔王城」

召喚士「――っ!!」

コカトリス「危険すぎる!ただでさえ危うい場所だ!」

召喚士「……!?」

コカトリス「魔力の消費を感じぬか?」

召喚士「確かに…言われてみればいつもより……」

コカトリス「瘴気で魔力を吸われているのだ……魔王にな」
160 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:57:57.33 ID:iO1tzJWRo
召喚士「っ!!」

コカトリス「どこまで行けば良いのだっ!?」

召喚士「とにかく……南へ!!」

コカトリス「かなわんな。低空に入るぞ!」

バシュッ…ドウンッ!!

老人「……っ」

召喚士「お爺さん、大丈夫ですか!?」

老人「勿論じゃ…。ここまで来たら…こんなところでは死ねんわい」

召喚士「……そうですよ…っ!」

ギュオオォォ

コカトリス「なんとか……振り切ったか」

召喚士「……」

コカトリス「魔物に気付かれずに幸運だったな」

召喚士「……うん」

コカトリス「いや、獲物とすら思っていなかったのかもしれんな」
161 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 18:58:23.53 ID:iO1tzJWRo


召喚士「はぁ……はぁっ、はぁっ」

老人「……大丈夫…か?」

召喚士「え、えぇ…っ、。はぁ…はぁ…っ」

コカトリス「限界だな。この辺りで着地するしかあるまい」

シュバアアァァ…バサァ

コカトリス「……ここまでだ」

シュイイィィン

召喚士「……は、ははっ。もう…魔力切れです……」

老人「……」

召喚士「お爺さん…?」

老人「…………」

召喚士「お爺さんっ!?」

老人「……大丈夫。生きておるよ」

召喚士「……良かったぁ…っ」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 18:59:02.82 ID:iO1tzJWRo
ていっ!書き溜め終了&帰宅しますー!
ご支援ありがとうございましたっ!ノシ
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 18:59:51.33 ID:g4ZFSlsJo
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 19:11:10.34 ID:dRuWc0N+o
続きが気になるんですけど
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 19:17:55.90 ID:myR2zbMl0
一乙!
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 19:56:21.77 ID:5/p7duvWo
ドSめ…
乙!
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 20:30:47.80 ID:CTghsU+AO
>>1

そうだね、もうすぐバレンタインだね*^^*
とりあえずプレス機で2Dになってディスプレイの世界に行くから、当日はよろしくね僕の可愛い魔導師ちゃん

ちなみにマカロンがいいな
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 21:39:26.16 ID:5/p7duvWo
>>167
あんたにはマキロンだ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 21:42:21.22 ID:b+jWSrro0
1乙
イケメンユニコーンはかっこいいなぁ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/08(火) 22:16:39.66 ID:zR4ZClZSO
クジャタやら、イケメンユニ様が新参やら、まさかのケツァルコアトルで興奮しまくった!もう1おつ!超おつ!
171 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:48:20.81 ID:RR8ODukZo
ザッ

召喚士「……しかし…ここはどこなんだろ」

老人「……」

召喚士「お爺さん…?」

老人「……」

召喚士「お爺さんっ!?」

老人「……ん、んん」

本当は……途中から分かってたんだ。

召喚士「もうじき…もうじき司令部に着きますからね!」

お爺さんは明らかに元気がなくて……。

老人「……う…む」

でも、絶対に諦めたくなくて……。信じたくなくて……。

召喚士「立てますかっ!?さぁ、頑張りましょう!!」

だから……だから俺……。

召喚士「お爺さんっ!!」
172 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:48:55.73 ID:RR8ODukZo
老人「……む……ぅ」

召喚士「――っ」

老人「大丈夫……大丈夫じゃ」

召喚士「……行けっ!シービショップ!!」

シュイィン

召喚士「魔力…少ないですけど。この程度……」

シービショップ「……分かっておるのじゃろ」

召喚士「…そうだよねっ、元気なんだから……治るわけ……っ」

グッ

召喚士「どこも病んでないんだから……治癒出来るわけないもんね…ははっ!」

老人「……」

召喚士「は……はは……っ」

ガンッ!!…ドスッ!!

召喚士「どうして……どうしてなんだよぉ!!」

岩に打ち付けた拳から、赤く染まった血が流れ出す。
173 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:49:49.36 ID:RR8ODukZo
老人「…良いのじゃ」

召喚士「いいわけないですよっ!!こんなのって……っ」

老人「……良いのじゃよ」

召喚士「……何でっ、だって…昨日まで一緒に……っ」

老人「……」

召喚士「一緒に笑って……食事して……っ」

老人「……ワシはな、きっと君のような者が来るのを……」

召喚士「……っ」

老人「……ずぅっと……待っておったのじゃよ」

召喚士「……くっ!!」

ガサッ…グイッ

老人「……?」

召喚士「まだだっ、まだ終わりじゃない…っ!!」

グッ…ググッ…ザッザッザ…

召喚士「しっかり……捕まっていて下さい…っ!!」
174 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:50:28.22 ID:RR8ODukZo
ガサッ…ザッザッザッザ…

召喚士「…はぁ……はぁはぁ……はぁっ」

老人「……もう良い」

召喚士「くっ!……はぁ……はぁ……」

老人「……置いてゆけ」

召喚士「そんな事っ、出来るわけないでしょ……っ!」

老人「……このままでは……お主も」

召喚士「この程度……っ」

ザザッ…ガサガサッ

召喚士「!?」

老人「……」

召喚士(魔物!?……無理だっ、魔力も無い今……勝てるわけ――)

ガササッ…ドドォ

召喚士「……!?」

斥候長「……ワーカーか…?」
175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:51:06.63 ID:RR8ODukZo


斥候長「事情は分かりました!司令部へ急ぎましょう!」

斥候兵「私の馬を使って下さい!」

召喚士「すみません、助かります!」

斥候長「爺さん、乗れるか?ほらっ」

ググッ

斥候兵「……いいですよっ、飛ばして下さい!」

斥候長「では朱雀先生、私の後を。飛ばしますよ」

召喚士「……はいっ!」

斥候長「お前はすまないが、徒歩で帰還してくれ。任務は中断だ」

選考兵「ははっ!」

召喚士「お爺さん、もうすぐ……助かりますからね!」

老人「……う…む」

召喚士「では、行きましょう!」

斥候長「よしっ!」
176 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:51:36.16 ID:RR8ODukZo
ドドッドドッドドッドドッドドッ

斥候長「思いきり飛ばせば、30分弱で着くはずですっ!」

召喚士「……良かった、聞きましたかお爺さん?」

老人「……夕日が……綺麗じゃのう」

召喚士「……え、ええ…っ」

老人「もう二度と……この目で拝める事はないと…思うておったわ……っ」

召喚士「……これから毎日だって…見る事、出来ますからね」

老人「……そうじゃな」

召喚士「……っ」

ドドッドドッドドッドドッ

斥候長「……具合はどうですか!?」

召喚士「お爺さん!?」

老人「……どうなんじゃろうな……痛みもない」

召喚士「……」

老人「……魔力で延命した……からのう」
177 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:52:03.33 ID:RR8ODukZo
ドドッドドッドドッ

老人「……あれは……月…か?」

召喚士「…ええ、月です」

老人「……美しい。こんなにも……美しいものじゃったか」

召喚士「美しいですよ。自然は…世界はこんなにも……っ」

老人「……良かった」

召喚士「……っ」

老人「再びこの目で……見る事が出来て……」

召喚士「お爺さん……?」

老人「良かった……」

ドドッドドッ

召喚士「お爺さん!?」

ドドッ

召喚士「お爺さんっ!!」

老人「…………」
178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:52:53.82 ID:RR8ODukZo
パッカッカパッカ…ドドォ

召喚士「……言ったじゃないですか……っ」

老人「…………」

召喚士「美味い物……食べるって……」

斥候長「……っ」

召喚士「綺麗になった街並み……見るって……」

老人「…………」

召喚士「みんなに……会ってくれるって、言ったじゃないですかぁ!!」

老人「…………」

召喚士「何で…何でなんだよおおぉぉ!!」

ググッ…ドサッ

召喚士「どうして……っ。どうしてなんだよおぉ!!」

斥候長「……朱雀先生っ」

よろけるように地面へと落ち、うずくまる召喚士の横顔を月明かりが照らす。

馬上では、月光を浴びて老人が安らかに永遠の眠りを迎えた……。
179 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/08(火) 23:58:23.42 ID:RR8ODukZo
……――

老人『……』

――『……やぁ』

老人『兄さん……っ』

兄『やっと、解放されたな』

老人『…ははっ、誰のせいだい?』

兄『…ふっ、そうだな。すまんすまん』

老人『長かったよ。とうに死んでいた命だ』

兄『俺のクジャタは…新たな主を見つけたようだな』

老人「ああ、彼は大したものだ。きっと役に立つさ』

兄『これで胸を張っていけるな』

老人『ああ、行こう』

兄『我らが師、白虎先生も喜ぶさ』

老人『そうだね――』

――……
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/09(水) 00:00:13.65 ID:BMAlCHiDO
じいさん(´;ω;`)

白虎先生じゃなかったんだね
181 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 00:02:46.23 ID:CpVAS0o9o
〜北方司令部〜

騎士長「……っ」

斥候長「……以上であります」

騎士長「ご苦労。下がれ」

斥候長「はっ」

ザッザッザ…

召喚士「…………」

騎士長「召喚士…」

召喚士「……いいんです」

騎士長「何かあったら、司令室にいる」

カツカツカツ…パタン

召喚士「……」

病室のベッドに横たわる老人は、ただ眠っているだけのように見えた。

それが余計に、目の前で呆然と立ち尽くす召喚士の胸を締め付ける。

溢れる涙は留まることを知らず、召喚士は肩を震わせて泣いた……。
182 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 00:07:10.52 ID:CpVAS0o9o
〜最北の村〜

左秘書官「…成程。ここが採掘中の現場ですか」

大軍師「川の水を引き込み、農耕へと活用します」

左秘書官「川沿いの屯田に於いては有用ですね」

大軍師「ええ、しかし土砂災害は酷く、順調とは言えませんね……」

ザッザッザ

青年兵「飽きちゃいましたか?」

左翼長「俺はこういうの、向いてねぇや」

青年兵「先に来たの村へ戻っていてはいかがです?」

左翼長「あっちだって今頃は、左翼官がゴチャゴチャやってんだろ?」

青年兵「…みたいですね」

左翼長「もう夜も深まるし、ぼちぼち終わる頃合いだろ」

青年兵「ですね」

左秘書官「ありがとうございました。こちらは問題ありません」

大軍師「では、いきましょうか」
183 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 00:09:44.63 ID:CpVAS0o9o
ザッザッザ

ヒゲの男「うおぉ…っ!!」

左翼長「どうした!?」

ヒゲの男「いやぁすんません…。土砂が急に崩れてきて……」

青年兵「手伝いましょうか?」

ヒゲの男「ははっ、お構いなく」

ザッザッザ

大軍師「お二人は左秘書官殿と先に戻っていて下さい」

左翼長「大丈夫か?」

大軍師「ええ、けが人などもいないようですし。すぐに行きます」

青年兵「……では」

ザッザッザ

大軍師「大丈夫ですか?」

ヒゲの男「いやぁ先生も手伝う必要ないっすよ」

大軍師「そうはいきませんよ。現場監督ですからね」
184 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 00:12:01.25 ID:CpVAS0o9o
ザザッ…ズザザァ

大軍師「…思ったより、土砂が柔らかいですね」

ヒゲの男「そうなんすよ。こりゃあ春を待った方が……」

ゴトゴトッ…ドシャアアァァ!!

ヒゲの男「あっぶ……!!」

大軍師「落盤か……。岩まであるとは……」

ヒゲの男「……せ、先生っ!!」

大軍師「……?」

ヒゲの男「これ…っ、これ……!!」

大軍師「何です!?」

タッタッタ…ザッ

大軍師「――っ!!」

ヒゲの男「……こ、これって……っ」

大軍師「…すぐに回収して……隠しておきなさいっ!」

ヒゲの男「……っ」
185 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 00:17:05.85 ID:CpVAS0o9o
大軍師「上の連中にも悟られてはいけません。いいですね?」

ヒゲの男「……っ」

大軍師「いいですね!?絶対に洩らしてはなりません!」

ヒゲの男「…は、はい…っ!」

大軍師「これは…まだ知られてはいけない」

ヒゲの男「……」

大軍師「まだ……誰にも……っ」

ヒゲの男「…この布で…いいですかいっ!?」

大軍師「…ええ。北の村の…私の屋敷まで運んで下さい」

ヒゲの男「……はい」

大軍師「やってくれますね……彼……っ」

各地で様々な思惑が動く中、点は徐々にではあるが、線を結び始める。

それは幸か不幸か、運命か宿命か……。



〜第三十五部、完〜
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 00:25:09.40 ID:Q9l26l8O0
いちょつ!
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 00:47:47.64 ID:Y65xOW8DO
>>1乙っす
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 01:33:27.46 ID:YMUXBnvAO
>>1おつ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 01:36:36.53 ID:Xk/57rcAO
>>1乙!
俺の思い出の召喚獣が出てきたー!
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/09(水) 03:19:56.78 ID:yXCqea+AO
>>1

相変わらず面白すぎだぜ
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 07:44:01.48 ID:j6ciMCRSO
エロ本発見したのかな
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/09(水) 08:22:04.45 ID:h72/Al3i0
>>1
行けコカを読むのが朝の日課
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 09:47:23.61 ID:1kGf/K/So
青年子のドキドキ裸婦絵画集か…
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/09(水) 10:22:12.31 ID:tL9AAOy20
魔導士ちゃんのドキドキ妄想日記(マスクドジーニアス×ガイル)かもよ
195 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:13:24.79 ID:Z7DbUmGbo
〜北方司令部〜

騎士長「……挨拶は済んだのか?」

召喚士「……ええ」

騎士長「そうか。案ずるな、こちらで丁重に葬るとしよう」

召喚士「ありがとうございます」

騎士長「……幸せそうな顔だったじゃないか」

召喚士「……」

騎士長「彼はきっと、今日という日を心待ちにしていたのだろう」

召喚士「……」

騎士長「既に死んだ身…。最後に一目、外の世界を拝みたいとな」

召喚士「……都合のいい解釈ですよ」

騎士長「そうかもしれんが、己の責任と感じるも都合の良い解釈だ」

召喚士「……」

騎士長「死人に口なし。自分の行動に自信を持て。お前は間違ってなんかない」

召喚士「……はい」
196 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:13:57.37 ID:Z7DbUmGbo
ザッ

召喚士「あの、荷物は?」

騎士長「戦士が持っていったぞ」

召喚士「戦士が!?それで、戦士は今どこへ…?」

騎士長「バーテンの店で皆を待つと行っていた」

召喚士「皆…?そうか、やはり皆、散り散りに……」

騎士長「昨日届いた奴からの手紙だ。読むか?」

召喚士「…拝借します」

カサッ

騎士長「魔道士、盗賊とは合流したようだ」

召喚士「……よかった」

騎士長「魔法剣士は依然、行方知れずだとさ」

召喚士「……」

騎士長「すぐに行ってやれ。皆…待っている」

召喚士「……はいっ」
197 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:14:27.13 ID:Z7DbUmGbo


召喚士「では、お世話になりました」

騎士長「おう」

召喚士「…左翼長さんや参謀さんは?」

騎士長「左翼長は北の村。左大臣の視察へ青年兵とお供だ」

召喚士「青年兵くんとですか!?」

騎士長「大軍師の依頼でな。参謀はその兄上の命で本国へ行ったよ」

召喚士「……そうでしたか。皆様にも宜しくお伝え下さい」

騎士長「おーう、お前も気を付けてな」

召喚士「はい」

騎士長「……墓が出来たら、また来てやれ」

召喚士「……必ず」

ザッ…

召喚士「では、失礼します」

騎士長「おう」
198 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:14:57.86 ID:Z7DbUmGbo
ザッザッザッザッザ

召喚士「…………」

お爺さんは、はたして幸せだったのだろうか?

召喚士「…………」

脱出出来ても、死んでしまっては何の意味もないじゃないか……。

召喚士「……」

でも、あのまま死ぬまで閉じ込められているより……良かったのか?

召喚士「……」

死人に口なし……か。答えは誰にも分からないよなぁ……。

召喚士「……」

俺が同じ立場なら……どうしただろうか。

召喚士「……」

バシッ

召喚士「女々しいぞっ、召喚士!」

己で叩いた頬が意外にも痛く、召喚士は苦笑した。
199 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:15:28.39 ID:Z7DbUmGbo


召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第三十六部〜
200 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:15:58.12 ID:Z7DbUmGbo
遡る事、数日前……。

〜西方、南の砂漠〜

ジャリッジャリッジャリッ…ザッ

玄武娘「……朱雀嬢ちゃん〜っ、ちょっと休むですの〜」

朱雀嬢「こんな所で休んでいても、仕方ありませんわ」

玄武娘「お腹空いて動けないですの〜」

朱雀嬢「情けない事言わないで欲しいですわっ」

玄武娘「せめて水を〜」

朱雀嬢「先程、ガブ飲みしたのはどこの誰かしらっ!」

玄武娘「……うぅ」

朱雀嬢「……あら?」

ザッザッザ…ザザッ

玄武娘「何ですの!?食糧ですの!?」

朱雀嬢「……いえ、人が倒れていますわ…っ」

玄武娘「えぇーっ!?こんな所で何で……っ!?」

魔法剣士「…………」
201 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:16:30.35 ID:Z7DbUmGbo
ザッザッザ…ジャリッ

朱雀嬢「……男の人ですわ。ワーカーかしら?」

玄武娘「い、生きてますの……?」

ツンツン

魔法剣士「…………」

朱雀嬢「……死んでますわね」

玄武娘「……ひああぁぁ…っ」

朱雀嬢「ご愁傷様…。さて、行きましょ」

玄武娘「こ、こうはなりたくないですの……っ」

ザッザッ

魔法剣士「……う」

玄武娘「!?」

朱雀嬢「どうしたの?」

玄武娘「い…今っ、喋ったですの!」

朱雀嬢「喋った…?まさか……」
202 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:16:58.73 ID:Z7DbUmGbo
ザッザッザ…ツンツン

魔法剣士「……うぅ」

朱雀嬢「ひゃわわわっ!」

玄武娘「ゾゾ、ゾンビですのーっ!」

魔法剣士「……っく、はぁ……はぁ」

モゾッ…ヨロヨロッ

玄武娘「どどどっ、どーするんですのっ!?」

朱雀嬢「し、知らないですわ!よぉし…こうなったら……」

ズンズンズン

朱雀嬢「……かっ、覚悟するですわっ!私達…いえっ」

ズイッ

朱雀嬢「この子が相手になってやるですわっ!」

玄武娘「ええぇぇーっ!?」

魔法剣士「……何だ…お前らは?」

玄武娘「……え、えぇ…っ?」
203 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:17:29.58 ID:Z7DbUmGbo


玄武娘「……どうぞですの」

魔法剣士「何だこれは?」

玄武娘「ウェハースですの。美味しいですのっ!」

魔法剣士「…いや、遠慮しておく。それより水はないか…?」

朱雀嬢「残念ながら。私達も飲みたいくらいですわ……」

魔法剣士「……ここは…どこなのだ?」

朱雀嬢「…さぁ」

玄武娘「知らないですの。私達、迷子ですの……」

魔法剣士「…………」

朱雀嬢「貴方こそ、何故こんな所で行き倒れて…?」

魔法剣士「……さぁ。俺も分からん」

玄武娘「記憶喪失ですの!?」

魔法剣士「そういうわけではないんだが…面倒なのでそれでいい」

朱雀嬢「……はぁ」
204 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:17:56.35 ID:Z7DbUmGbo


朱雀嬢「…へぇ、つまり魔物と戦っている最中に……」

玄武娘「ここへ飛ばされたんですの?」

魔法剣士「そういう事になるな。しかし、ここが西方と分かって安心だ」

朱雀嬢「西方のどの辺りかは分からないけれどね」

玄武娘「困ったですの……」

朱雀嬢「困った?……誰のせいだと思っているのかしらっ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんだってぇ……賛成してたですの〜」

朱雀嬢「この……方向音痴っ!!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんのっ、わからずやーっ!」

魔法剣士「……」

玄武娘「あっ、そうだー!!」

朱雀嬢「――っ!!耳元で大きな声、出さないで欲しいですわ!」

玄武娘「水……水ですのっ!」

朱雀嬢「はい?」
205 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:18:32.91 ID:Z7DbUmGbo


玄武娘「ではでは、参りますの!」

朱雀嬢「いいですわ。少し離れましょ、えぇと……」

魔法剣士「……魔法剣士だ」

朱雀嬢「魔法剣士さんですわね。私は朱雀嬢、宜しくですわ」

玄武娘「むぅーっ……おっと、その前に準備体操ですの」

朱雀嬢「…それで、あれが玄武娘。二人で旅してますわ」

魔法剣士「…二人共…召喚士なのか!?」

朱雀嬢「ほーっほっほ。まずは見ていて下さいですわっ」

玄武娘「よし…っ!おいで、リヴァイアサン!!」

魔法剣士「何っ!?」

シュイイィィン…ゴゴオオォォッ!!

玄武娘「そーれっ、水ですのーっ!!」

ゴゴゴゴゴゴ

朱雀嬢「ば、ばかぁーっ!!多すぎですわよおぉぉーっ!!」
206 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:19:00.05 ID:Z7DbUmGbo
ゴゴゴゴゴゴ

玄武娘「へ……っ?」

魔法剣士「――っ!!」

ザッパアアァァァァン!!

玄武娘「ひゃああぁぁーっ!!」

ドドオオォォォォ…

玄武娘「…ごほごほっ、けほっ!」

魔法剣士「……く…うっ!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんっ!?大丈夫ですの!?」

朱雀嬢「……っ」

玄武娘「はぁ〜良かったぁ!でも、たっくさん水浴び出来ましたの!」

朱雀嬢「…………っ」

ズカズカズカズカ

玄武娘「……へっ?」

ゴチンッ!!
207 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:19:31.09 ID:Z7DbUmGbo


玄武娘「……うぅ」

魔法剣士「…大丈夫か?」

玄武娘「痛いですの…。たんこぶ出来たですの…」

朱雀嬢「自業自得ですわ。全く……」

玄武娘「だってぇ〜、水が……」

朱雀嬢「加減ってものがあるでしょうっ!?」

玄武娘「……うぅっ」

朱雀嬢「…はぁ〜あ。お洋服もびしょ濡れですわ……」

玄武娘「すぐ乾きますの」

朱雀嬢「風邪引いたらどうするのかしら?それにベトベトで…いやですわ」

玄武娘「着替えなんてないですの……」

朱雀嬢「仕方ないですわね。……魔法剣士さん」

魔法剣士「……?」

玄武娘「……ほえ?」
208 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:20:04.45 ID:Z7DbUmGbo


モゾッ…ゴソゴソッ

朱雀嬢「絶対にこっちを見ないで欲しいですわ」

魔法剣士「誰が見るか」

朱雀嬢「あーら、本当かしら…?」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん、気にしすぎですの」

朱雀嬢「殿方の前ですわよ!?普通気にしますわっ」

魔法剣士「…何でガキの裸なんぞに…ブツブツ」

朱雀嬢「大体、貴女はレディの嗜みが出来ていないですわ」

玄武娘「嗜み…ですの?」

ピクッ

朱雀嬢「そうですわっ。いずれは社交界においてそれはもう……」

ゴゴゴゴゴゴ

玄武娘「そんなの面倒ですの……」

チラッ
209 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:20:35.53 ID:Z7DbUmGbo
魔法剣士「――っ!?」

朱雀嬢「あぁーっ!?やっぱり見てるですわっ!!」

玄武娘「変態ですのーっ!!」

魔法剣士「違うっ!!背後を見ろっ!!」

玄武娘「え……っ?」

ズバアアァァッ!!

朱雀嬢「きゃああぁぁーっ!!」

玄武娘「なななっ、何ですのー!?」

魔法剣士「サンドワームだ!下がれっ!!」

ザッ

朱雀嬢「玄武娘っ、召喚いくですわよっ!」

玄武娘「待つですのっ!あと…パンツを履くだけ……」

サンドワーム「グオオオォォーッ!!」

魔法剣士「ちぃっ!」

砂中より巨大な蟲の姿とも言うべきような魔物が、数匹その姿を現す。
210 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:21:01.29 ID:Z7DbUmGbo
サンドワーム「キシャアアァァ」

朱雀嬢「気持ち悪…っ。まだかしら!?」

玄武娘「今……履き終わるですのーっ!」

ザッ

魔法剣士「はぁーっ!」

三人を取り囲むように、砂上と砂中を這うサンドワーム。

その一点めがけ、突破口を開くべく魔法剣士は飛びかかる。

ジャキッ…チャキッ

朱雀嬢「二刀流…!?」

魔法剣士「……魔法剣…三行!!」

ヒュイイィィン…ボウッ!!

朱雀嬢「炎!!」

ガギギィ…

玄武娘「左の剣は……氷ですの!」

魔法剣士「はぁっ!!」
211 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:21:28.69 ID:Z7DbUmGbo
ザシュウゥゥ!!…ズバアアァァ!!

サンドワーム「ギギャアアァァーッ!!」

朱雀嬢「やった!?」

魔法剣士「まだだっ!砂の中へいる限り有効な攻撃は与えられん!」

朱雀嬢「いつまでチンタラしているのっ!?」

玄武娘「パンツの中に…砂が入っちゃって……」

朱雀嬢「――っ」

ザッ

朱雀嬢「出て来い、グリフォン!!」

シュイイィィン

朱雀嬢「魔法剣士さんっ!」

魔法剣士「!?」

朱雀嬢「退がってですわ!」

魔法剣士「……っ」

朱雀嬢「さぁグリフォン!行くですわ!!」
212 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:21:58.94 ID:Z7DbUmGbo
ゴォッ……ドシュウゥゥ

朱雀嬢「突風を……巻き起こせですわっ!!」

サンドワーム「……ッ!?」

ドゴオオォォォォ…ズガアアァァッ!!

魔法剣士「なんという威力か…っ」

朱雀嬢「まだまだ……ですわぁーっ!!」

ギュオオォォッ!!…ズッガアアァァッ!!

グリフォンを中心に舞い上がる砂塵。その両翼から繰り出された竜巻が、

それを一気に宙へと吹き飛ばしているのであった。

朱雀嬢「早く……パンツ履きなさいよぉ!!」

玄武娘「お待たせしましたですのっ!」

ザッ

玄武娘「おいで、リヴァイアサン!!」

シュイイィィン

魔法剣士「こ…れはっ!?」
213 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:22:29.01 ID:Z7DbUmGbo
グリフォンの起こす竜巻が、徐々に水気を帯び始め、

巨大な水流を含んだ竜巻となってサンドワーム達を攻め立てる。

サンドワーム「ギ……イイィィ……!!」

ドボオォッ!!

地面は突風と水に流された影響により、砂は無くなり地肌を見せる。

それと付随するように、サンドワームの群れもその身を宙へと投げ出した。

朱雀嬢「これで……どうかしらっ!」

玄武娘「あとはお願いするですの!」

魔法剣士「……任せろっ!」

ジャキッ

魔法剣士「はああぁぁーっ!!」

ザシュウウゥゥッ!!…ズガアアァァッ!!

サンドワーム「ギイイアアァァァァ!!」

魔法剣士「次ぃ!!」

サンドワーム「グゴアアァァァァーッ!!」
214 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:22:59.24 ID:Z7DbUmGbo
ドシュウウゥゥッ!!……ズザザアァ

魔法剣士「……っ」

ドドッ!!…ドッズウウゥゥンッ

玄武娘「やったですのーっ!」

朱雀嬢「お見事ですわ」

魔法剣士「……」

チャキッ…スタスタスタ

魔法剣士「大したものだな」

朱雀嬢「魔法剣士さんこそ、やるじゃない」

玄武娘「凄いですの!」

魔法剣士「グリフォンにリヴァイアサンか……」

スチャッ

魔法剣士「これ程の召喚士と出会ったのは、彼以来だな」

玄武娘「……彼?」

魔法剣士「……ああ。朱雀先生と呼ばれている男さ」
215 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:23:31.01 ID:Z7DbUmGbo


魔法剣士「…そうか、彼とも知り合いであったか」

玄武娘「はいですの!召喚士さんは凄い方ですの!」

朱雀嬢「そうね…。あの方は尊敬に値するですわ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんは召喚士さん――」

朱雀嬢「何かしらっ!!」

玄武娘「……何でもないですの」

朱雀嬢「とにかくっ、町か村を探しましょ!」

魔法剣士「そうだな。この辺りは魔物も多そうだ」

玄武娘「でもぉ、どこをどう進んだら……」

魔法剣士「空を見れば良かろう」

玄武娘「空……ですの?」

魔法剣士「今は分からんが、夜になれば星の位置で方角は掴める」

玄武娘「お、おぉーっ!凄いですのー!!」

魔法剣士「……冒険者の…基本だろう」
216 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:24:07.02 ID:Z7DbUmGbo


朱雀嬢「だいぶ星が見えてきましたわね」

魔法剣士「ああ。月も満月に近いお陰で…判別が楽だ」

玄武娘「それで、方角は分かりそうですの…?」

魔法剣士「現在位置は分からんが、あっちが北だな」

朱雀嬢「と、いう事は……あちらを目指して進めば……」

魔法剣士「北に出るはずだ」

玄武娘「やったやったですのーっ!!」

魔法剣士「北へ向かえば、町や村も幾つかあるだろう」

朱雀嬢「魔法剣士さんがいて助かりましたわ」

玄武娘「本当ですの!ありがとうですのー!!」

魔法剣士「いや、だらか基本……」

朱雀嬢「貴女は反省しなさいですわっ!」

玄武娘「ずるいですのっ!朱雀嬢ちゃんも同罪ですのー!」

魔法剣士「……何なんだ…一体」
217 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:24:34.12 ID:Z7DbUmGbo
程なくして夜を向かえ、砂漠の空には一面、星が散りばめられた。

玄武娘「綺麗ですの〜」

朱雀嬢「周囲に何もないから、良く見えるんですわね」

魔法剣士「少し冷えてきたな。大丈夫か?」

玄武娘「大丈夫ですの!」

朱雀嬢「これしきの事で挫けてられませんわっ」

魔法剣士「……強いな」

玄武娘「ほえ…?」

魔法剣士「…いや、何でもない」

朱雀嬢「あらっ?あれ……何かしら?」

玄武娘「本当ですの!明かりが見えますの!!」

魔法剣士「村か…?それにしては規模が小さいな……」

玄武娘「ど、どうしますですの!?」

魔法剣士「行くだけ行ってみよう。人間の建造物には間違いない」

朱雀嬢「助けてくれると良いけれど……」
218 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:25:06.84 ID:Z7DbUmGbo


ザッザッザ

朱雀嬢「これは……軍の物かしら?」

魔法剣士「そのようだが、本国の物ではないな」

玄武娘「西の国の…ですの?」

魔法剣士「そのようだな。俺もあまり詳しくは分からんが……」

パッカパッカパッカ…

西国兵「何者かっ!」

玄武娘「ひゃわわっ!」

魔法剣士「旅のワーカーだ。すまん、道に迷ってしまってな」

西国兵「道に…?こんな砂漠でか……?」

魔法剣士「……ああ」

西国兵「仕方ないな。ついて来るがいい」

玄武娘「おぉーっ、何だか…助かりそうですの!」

朱雀嬢「ですわね」
219 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:25:59.20 ID:Z7DbUmGbo
〜西国、西の砦〜

玄武娘「お、おおぉぉ〜っ」

朱雀嬢「きょろきょろしないで欲しいですわっ、田舎者みたいに……」

玄武娘「田舎者ですの。朱雀嬢ちゃんも……」

朱雀嬢「余計なお世話ですわっ!」

玄武娘「ひい…っ」

カツカツカツカツ…コンコン

西国兵「失礼致します。遭難していたワーカーを保護致しました」

親衛隊「入れ」

西国兵「はっ。さぁ、入りたまえ」

魔法剣士「失礼します」

ザッザッザ

親衛隊「……砂漠で遭難とは、これまた面白い話だな」

玄武娘「面白くないですの……。死にそうでしたの〜」

朱雀嬢「助けて頂いてありがとうございます。感謝致しますわ」
220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:26:30.04 ID:Z7DbUmGbo
親衛隊「これはまた、可愛らしいお客様だな」

玄武娘「か、可愛いですの…!?へ、へへへ〜っ」

朱雀嬢「ばかっ!社交辞令ですわっ。ゴニョゴニョ」

親衛隊「私はこの砦を任されている者だ。君達は三人で旅を…?」

魔法剣士「いや、元々は俺一人と彼女ら二人。別行動だ」

親衛隊「…ふむ。砂漠で合流したわけか」

魔法剣士「奇遇な事にな。俺も二人に助けられたクチさ」

玄武娘「そんな事ないですの。こっちこそ助かったですの!」

朱雀嬢「そうですわっ」

親衛隊「…それで、君達は何ゆえ、南の砂漠などに…?」

魔法剣士「俺は、本国の北で魔物と戦闘中であった」

親衛隊「北……?」

魔法剣士「ああ。しかし何らかの…術のようなもので飛ばされたわけだ」

親衛隊「そんな事が在り得るのか……っ」

魔法剣士「信じる信じないは勝手だ。だが、現にこうして…ここにいるのだ」
221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:27:01.79 ID:Z7DbUmGbo
親衛隊「……証明出来るような事でもないし、嘘にしては度が過ぎている」

魔法剣士「……」

親衛隊「ひとまずは信じるしかなさそうだな。それで、二人は…?」

玄武娘「人探しをしてたですの」

親衛隊「人探し…?」

朱雀嬢「ええ。西方にいると聞いて…来たんですわ」

玄武娘「そしたらよく分からないうちに迷子になったですの……」

朱雀嬢「貴女があっちだって言うから…っ!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんだって『あら、きっとそうですわね』って言ったですの!」

親衛隊「痴話喧嘩は後にしてくれ……」

玄武娘「……ごめんなさいですの」

親衛隊「事情は分かった。とりあえず今日はここへ泊まるといい」

魔法剣士「すまない。助かる」

親衛隊「しかし、南の砂漠で魔物に襲われなかったのか?」

魔法剣士「…襲われた」
222 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:27:40.63 ID:Z7DbUmGbo
親衛隊「よく三名で退けられたな」

魔法剣士「……この二人、こう見えてかなりの腕を持っている」

親衛隊「……」

朱雀嬢「買い被りすぎですわよ。まぁもっとも、この子は特別ですけれど」

玄武娘「ほえ…?」

朱雀嬢「何と言っても、かの玄武先生の孫娘ですわっ!」

魔法剣士「玄武…!?あの…伝説のか!?」

親衛隊「西国でも噂には聞いた事がある……っ」

西国兵「そんなに凄いのですか…?」

親衛隊「確か、魔王をも倒したとか……」

魔法剣士「ああ、その通りだ」

西国兵「……っ」

朱雀嬢「そういうわけですわ」

玄武娘「な、なんだか…照れるですの…っ」

魔法剣士(……成程な。それであれ程の…力量というわけか)
223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:28:07.45 ID:Z7DbUmGbo


西国兵「ではこちらが、お二人の部屋となります」

玄武娘「わーいっ!ありがとうですの!!」

朱雀嬢「感謝ですわ」

西国兵「い、いえ…っ」

玄武娘「それじゃ魔法剣士さん、おやすみなさいですのー!」

朱雀嬢「今日は助かりましたわ。また、明日」

魔法剣士「……ああ」

パタン

西国兵「ああしていると、どう見てもただの少女らにしか見えませんが…」

魔法剣士「ああ、俺もだ」

西国兵「本当に…想像もつかないな」

魔法剣士「だが、事実には違いない。俺はこの目で見たぞ」

西国兵「そ、そうですよね…。では、部屋へ案内致します」

魔法剣士「……すまない。感謝する」
224 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:29:01.84 ID:Z7DbUmGbo
〜二人の部屋〜

玄武娘「はあぁ〜!久々の布団ですのー!!」

朱雀嬢「ストーップ!!」

玄武娘「へっ!?」

朱雀嬢「砂まみれの身体ですわ。布団を汚す気?」

玄武娘「そ、そうでしたの……っ」

朱雀嬢「先にお風呂へ入りましょ」

玄武娘「…ですのっ!!」

朱雀嬢「……はぁ、髪もぼさぼさ…っ」

玄武娘「気になるならいっその事、ばっさり切っちゃえばいいですの」

朱雀嬢「…貴女は本当にレディ失格ですわね」

玄武娘「失格!?」

朱雀嬢「…もういいですわ。先に入ってきますわ」

玄武娘「待ってぇ!!私も一緒に入るですのー!!」

朱雀嬢「結構ですわっ!!」
225 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:29:30.80 ID:Z7DbUmGbo
シャアアァァ…ピチョピチョ

朱雀嬢「…………」

玄武娘「ふぇ〜っ、気持ちいいですのー!」

朱雀嬢「ちゃっかり入って……」

玄武娘「別にいいと思うですの!何かまずい事でもあるんですの…?」

朱雀嬢「そういう事じゃなくって、二人で入る必要がないと言う事ですわ」

玄武娘「え〜っ?スキンシップですの!」

朱雀嬢「……はぁ」

玄武娘「お背中流しますのーっ」

朱雀嬢「結構ですわっ!!」

玄武娘「まぁまぁ、そう言わずに〜ですのっ」

モキュモキュ

朱雀嬢「ひゃわっ!く、くすぐったい……ですわっ!あはははっ!」

玄武娘「うふふふ〜っですの〜!」

朱雀嬢「あはっ、はははっ……いい加減に…しろですわっ!!」
226 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:30:00.70 ID:Z7DbUmGbo
ザバアァ

朱雀嬢「…はぁ〜。疲れが癒えますわ〜」

玄武娘「……たんこぶ…増えたですの」

朱雀嬢「何度も言うけれど、自業自得ですわ」

玄武娘「スキンシップ〜」

朱雀嬢「貴女との仲は、もう十分深いですわっ!」

玄武娘「……朱雀嬢…ちゃんっ」

朱雀嬢「…はっ!しまった……ですわ…ごにょごにょ」

玄武娘「私の事……そんな風に思って……」

朱雀嬢「う、五月蝿いですわねっ!二人旅なんだから…と、当然でしょ!?」

玄武娘「朱雀嬢ちゃあぁん!」

朱雀嬢「汚いですわね!離れなさいっ!鼻水が……きゃあぁ!」

玄武娘「朱雀嬢ぢゃああぁぁん……っ!!」

朱雀嬢「たっ、助けてですわああぁぁーっ!!」

そして夜は更けた。
227 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:30:28.81 ID:Z7DbUmGbo
〜次の日〜

魔法剣士「……おはよう」

朱雀嬢「おはようですわ」

玄武娘「……」

魔法剣士「…眠たそうだな」

朱雀嬢「いつもこうですわ。放っておいて頂いて結構ですわ」

玄武娘「……ふひゅっ」

カツカツカツ

親衛隊「…おはよう。よく眠れたかな?」

朱雀嬢「お陰様で助かりましたわ」

親衛隊「それは何より。早速ですまないのだが、ちと力を貸してくれぬか?」

魔法剣士「……何をすれば良いのだ?」

親衛隊「大したものでもない。南の砂漠での経緯を教えて頂きたい」

朱雀嬢「経緯…?」

親衛隊「立ち話もなんだ。中で話そう」
228 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:30:58.52 ID:Z7DbUmGbo
〜会議室〜

親衛隊「南の砂漠には広大すぎる故、我らも知らぬ場所や魔物が多数いる」

魔法剣士「成程。その報告を…だな?」

親衛隊「そういう事だ。察しが良くて助かる」

魔法剣士「俺ら三人が交戦したのはサンドワームの群れ」

親衛隊「群れ…?サンドワームの群れを三人で始末したのか!?」

魔法剣士「…まぁ、結果的に見ればそういう事になるな」

親衛隊「…?」

魔法剣士「実質、この二人でも始末出来たであろう」

朱雀嬢「そんな事ないですわ。魔物には苦戦を強いられましたもの」

親衛隊「二人は他にも…?」

朱雀嬢「何日も彷徨ってましたから」

玄武娘「…あいつが強かったですのー」

朱雀嬢「ようやく目が覚めたみたいですわね」

親衛隊「あいつ…とは?」
229 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:31:28.68 ID:Z7DbUmGbo
玄武娘「サソリのおっきいのとか、あとは……狼みたいのとか……」

親衛隊「……凄いな…っ」

朱雀嬢「どこで何匹倒したとかは分かりませんわ」

玄武娘「そうですの。次から次へと襲ってきて…大変でしたの」

親衛隊「…そうか。分かった、有難う」

玄武娘「いえいえですの〜」

朱雀嬢「お役に立てたのかしら……」

魔法剣士「以上か?」

親衛隊「うむ、十分だ。感謝する」

魔法剣士「…では、行くとするか」

親衛隊「大きな町ならば、このまま真っ直ぐ北へ進むと良い」

魔法剣士「分かった。感謝する」

玄武娘「色々とありがとうございましたですのー!」

朱雀嬢「本当に助かりましたわ」

親衛隊「いやいや。それでは、これからの旅も気を付けてな」
230 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:31:59.20 ID:Z7DbUmGbo


テクテクテク

朱雀嬢「えぇと、確か北へ真っ直ぐですわよね?」

魔法剣士「ああ。ここからなら道沿いに進めば、迷う事もなかろう」

玄武娘「それじゃあ出発ですのー!」

テクテクテク…

魔法剣士「…人探しをしていると言っていたな」

玄武娘「そうですの!」

魔法剣士「友人か?それとも親族か…?」

玄武娘「えぇと……何て言えばいいんですの…っ」

魔法剣士「…?」

朱雀嬢「まぁ、この子にとって大事な人ですわ」

玄武娘「sそっ、そうですの!」

魔法剣士「大事な人か…。見つかるといいな」

玄武娘「はいですのっ!!」
231 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:32:29.98 ID:Z7DbUmGbo
〜西端の町〜

玄武娘「着いたーですのー!!」

朱雀嬢「そうそうっ、この町から南へ向かって…迷子になったんですわ」

魔法剣士「……」

玄武娘「はぁ……。もう南へは危なくて行けないですの」

朱雀嬢「…そうですわね」

魔法剣士「……腹、減ってないか?」

玄武娘「えっ!?減ってるですのー!!」

魔法剣士「食事にしよう。その程度、俺が出してやる」

玄武娘「い、いいんですの!?やったぁーっ!!」

朱雀嬢「……本当に…良いのかしら?」

魔法剣士「…無論だ。何か問題でも…?」

朱雀嬢「…いや、後悔しない事を祈りますわ……」

魔法剣士「後悔…?」

玄武娘「よーしっ、久々に…沢山食べるですのーっ!」
232 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:32:59.32 ID:Z7DbUmGbo
〜食事処〜

カチャカチャッ…パクパク…モグモグ

魔法剣士「…………」

朱雀嬢「……後悔したかしら?」

魔法剣士「…いやっ、それよりも驚きが勝っている」

玄武娘「ん〜っ、美味しいですの〜!あ、これ追加ですの〜!」

魔法剣士「20人分は平らげているぞ……?」

朱雀嬢「彼女の本気は…ここからですわ」

魔法剣士「!?」

朱雀嬢「久々のちゃんとした食事、倍はいきそうですわね」

魔法剣士「…………っ」

玄武娘「はぁ〜幸せ……。あ、すみません!これとこれとこれ追加ですのー!」

スクッ

朱雀嬢「……どこへ?」

魔法剣士「……ワークショップだ。金を下ろしてくる」
233 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:33:28.12 ID:Z7DbUmGbo


玄武娘「……はぁ〜っ。ご馳走様ですの〜」

魔法剣士「いや……満足して貰えたようで何より」

朱雀嬢「魔法剣士さんはこれから、どうなさるの?」

魔法剣士「本国へ戻るさ。ここへ居ても仕方ないからな」

朱雀嬢「それじゃあ私達も本国へ――」

玄武娘「それは駄目ですのっ!!」

朱雀嬢「駄目って……っ、でも手掛かりもないのじゃあやっぱり……」

玄武娘「いるですの!サモナー様は西方のどこかにいるですの!!」

朱雀嬢「それはそうかもしれないけれど……」

魔法剣士「ひとまず、西国辺りまで戻ってはどうだ?」

玄武娘「……」

魔法剣士「人の出入りも多いし、何か情報を得られるやもしれん」

朱雀嬢「そうですわね!ねっ、そうしましょう?玄武娘」

玄武娘「……はいですの」
234 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:33:58.35 ID:Z7DbUmGbo
トボトボトボ

朱雀嬢「大丈夫ですわよ。逃げるわけでもないんだし」

玄武娘「……はいですの」

魔法剣士「その者、生きておるのだろう?」

玄武娘「もちろんですの!」

魔法剣士「ならば会えるさ」

玄武娘「……」

魔法剣士「生きているならば、きっと会える」

朱雀嬢「そうですわね」

魔法剣士「命失わぬ限り、会う事が出来るんだ。焦る事はないだろう」

玄武娘「…はいですの」

朱雀嬢「とりあえず西国で情報収集ですわ」

魔法剣士「それも旅の基本だ。覚えておけ」

玄武娘「はいですの」

魔法剣士「…しかし、よく旅を続けれたものだな」
235 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:34:29.35 ID:Z7DbUmGbo
再び迎える夜。砂漠とは当然打って変わり、西国の街並みは人で溢れ、

賑やかな色を浮かび上がらせていた。

〜西国〜

玄武娘「おぉーっ!凄いですのー!」

魔法剣士「西国は初めてか?」

朱雀嬢「何度か来ているけれ、毎回素通りでしたわ」

玄武娘「そうですの!」

朱雀嬢「それに、夜は初めてですわね」

魔法剣士「この国も最近じゃ、随分と賑やかになったものだ」

玄武娘「昔は違ったんですの……?」

魔法剣士「ああ。つい数年前に魔物の危機から脱したようだ」

朱雀嬢「へぇ、数年でこんなに反映したんですわね」

魔法剣士「大したものだな」

玄武娘「あっ、あれ美味しそうですの〜」

朱雀嬢「さっき食べたばっかりですわ。我慢なさいっ!」
236 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:34:58.57 ID:Z7DbUmGbo


魔法剣士「いいか、ワーカーの基本は情報収集」

朱雀嬢「……ふむふむ」

玄武娘「おぉー、朱雀嬢ちゃん……ちゃんとメモってるですの」

朱雀嬢「……貴女も書いたら?」

玄武娘「書くものないですの。任せるですの」

朱雀嬢「……っ」

魔法剣士「通常は酒場とワークショップが収集の基本として使われる」

朱雀嬢「酒場……っ。ちょっと気が引けますわね……」

魔法剣士「だろうな。ちなみにお前ら、年は幾つだ?」

玄武娘「今年で16ですの」

朱雀嬢「レディに聞くなんて失礼ですわよ。……今年18ですわ」

魔法剣士「…………」

玄武娘「どっ、どうしたんですの…!?」

魔法剣士「い、いや……っ」
237 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:35:29.12 ID:Z7DbUmGbo
朱雀嬢「それで、次は…?」

魔法剣士「あ、あぁ…。その年ならば酒場は難しかろう」

玄武娘「どうすればいいんですの!?」

魔法剣士「ワークショップのみでも、jかなりの情報は集まる」

玄武娘「ほおぉ〜っ」

魔法剣士「特に依頼関係だな。……まぁ百聞は一見に如かずか」

テクテクテク

魔法剣士「ついて来い」

玄武娘「ほえ?」

朱雀嬢「どこへ行くのかしら…?」

魔法剣士「……来れば分かる」

テクテクテク

玄武娘「あっ」

朱雀嬢「行きますわよ」

玄武娘「は、はいですの!」
238 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:36:33.63 ID:Z7DbUmGbo
〜ワークショップ〜

玄武娘「おおぉぉ…っ」

魔法剣士「まさか、初めて来るのか?」

朱雀嬢「私は違いますわ。この子は初めてですわね」

玄武娘「ワークショップ……楽しそうですの……!」

ガチャッ

店員「いらっしゃい」

魔法剣士「すまんな、依頼を見せてくれ」

玄武娘「ほおおぉぉ〜っ」

魔法剣士「壁中に貼られている紙が依頼だ」

玄武娘「凄い量ですの〜!」

魔法剣士「そうだな……例えばこの依頼」

朱雀嬢「西国、北東の森にてヘルハウンドの皮を採取」

魔法剣士「この依頼から、北東にヘルハウンドが生息していると汲み取れる」

朱雀嬢「……成程ですわ」
239 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:37:19.81 ID:Z7DbUmGbo
魔法剣士「そして人数」

玄武娘「えっと、2名〜4名ですの」

魔法剣士「つまり1パーティーを想定している」

朱雀嬢「分かりましたわ。つまりこのヘルハウンドはさほど強くない!」

魔法剣士「そういう事だ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん凄いですの!」

魔法剣士「こうやって依頼を受けずとも、文章を読めば情報を得られるわけだ」

朱雀嬢「ですわね。地理や魔物の生息地はすぐに分かりそうですわ」

魔法剣士「あとはこんな依頼とかだな」

玄武娘「人探しですの……?」

魔法剣士「そうだ。失踪者が地域で固まっているものは魔物の確立が高い」

朱雀嬢「ふむふむ」

魔法剣士「単独ならば自発的なものか……罪人だな」

玄武娘「そうなんですの?」

魔法剣士「お尋ね者として載せているケースもあるが……」
240 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:38:24.98 ID:Z7DbUmGbo
朱雀嬢「これとかそうですわね」

魔法剣士「例えばこれを見てみろ」

玄武娘「国軍の依頼ですの。北に拠点を持つワーカーの捜索?」

魔法剣士「パーティーのリーダーは東方の女。これは間違いなく盗賊団だ」

玄武娘「そうなんですの!?」

魔法剣士「国軍が大々的に盗賊団を捕まえてくれとは言えん」

朱雀嬢「何か理由が…?」

魔法剣士「依頼するという事は、国軍では手に追えないと言っているようなもの」

朱雀嬢「あ……っ」

魔法剣士「それに、盗賊団が北で拠点を構えているなどと公言すれば…」

玄武娘「何かあるんですの?」

魔法剣士「北にまだ見ぬお宝があるという裏付けになってしまう」

玄武娘「そ、その通りですの…っ!」

魔法剣士「そうなれば盗賊連中は北へ押し寄せてくるぞ」

朱雀嬢「たった一つの依頼で…ここまで分かるんですわね……」
241 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:43:57.97 ID:Z7DbUmGbo


魔法剣士「大体言いたい事は分かったか?」

朱雀嬢「ええ、バッチリですわ」

玄武娘「さすが朱雀嬢ちゃんですの!」

朱雀嬢「……」

玄武娘「ひえぇっ、ゲンコツはご勘弁ですの〜」

魔法剣士「……ふっ」

朱雀嬢「あら?今…ちょっと笑いました?」

玄武娘「……?」

魔法剣士「……さて、戻ろうか」

玄武娘「さぁ、ご飯食べるですのー!」

朱雀嬢「貴女…また魔法剣士さんにたかる気?」

玄武娘「じ、じゃあ借りと言う事で……」

魔法剣士「…構わん。全額出してやる」

玄武娘「やったやったですのーっ!!」
242 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:47:37.78 ID:Z7DbUmGbo
魔法剣士「ところで、貯金はないのか?」

朱雀嬢「貯金?」

魔法剣士「依頼は…こなしてないのか?」

朱雀嬢「そんな纏まったお金が入るような事は……」

魔法剣士「…本当に…よく生きてられたな」

玄武娘「……?」

魔法剣士「自分の箱を定期的に見るのも仕事の内だぞ」

玄武娘「箱…ですの?」

魔法剣士「ワークショップの口座や、手紙預かりの総称だ」

朱雀嬢「……そうですわね。しばらく見てないですわね」

玄武娘「早速見てみるですの」

魔法剣士「俺もついでに……おい、手紙と…この二人は口座もだ」

店員「はい。少々お待ち下さい」

玄武娘「ワクワクするですの!」

朱雀嬢「口座はたかがしれてるし、手紙なんて来るはずもないですわ」
243 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 18:50:19.28 ID:Z7DbUmGbo


テクテクテク

店員「お待たせ致しました」

魔法剣士「…手紙?」

玄武娘「おぉーっ、どなたからですの?もしや……くふふっ」

ペシッ

玄武娘「あいたっ!」

魔法剣士「…お前ら宛にも来てるぞ」

朱雀嬢「私達に……?」

カサッ

魔法剣士「…戦士か。大陸港の町で待つ……成程、散り散りになったというわけか」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん、誰からですのー?」

朱雀嬢「ちょっと待つですわっ、そんな急かさ――」

玄武娘「だ、誰ですの……?」

朱雀嬢「……朱雀……先生っ!?」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/09(水) 18:51:22.31 ID:Z7DbUmGbo
こんばんは!今日は朝から雪が降ってビックリでしたね!
お昼は暖かくなって助かりました。風邪引かぬよう気を付けて下さいね!

それでは、ご支援ありがとうございましたーっ、感謝感謝!ノシ
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 18:55:03.19 ID:gA08NyiUo
あああああああああ焦らさないでええええええええええええ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 19:01:15.04 ID:tI1PWS4SO
相変わらずのドSっぷりにゾクゾクするぅ…
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 19:27:04.74 ID:DhTJRHzAO
>>1

疲れすぎたのかな…せっかく久々の定時で帰宅だったのに、乗る電車間違えちゃって結局いつもより帰宅が遅くなっちまいそうだ…

多分もう限界なんだと思う。魔導師ちゃんの居ない三次元で生きていくのは…
ああ、早く膝枕してもらいたい
俺のミミクソごっそりとってもらいたいなぁ
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 19:28:17.42 ID:1DY3wix4o
朱雀嬢でてきて大歓喜なところに>>1のドS切りでしびれちゃう
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/09(水) 19:56:55.85 ID:yhJaXP2l0
ワクワクする〜う
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/09(水) 20:01:07.54 ID:yhJaXP2l0

             __
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                  /´               ヽ
                r──|   l              \
           / ̄ ̄ ̄ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
          /  ̄ ̄  ̄ ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 20:04:55.67 ID:gA08NyiUo
スフィンクスさんなにやってるんすか
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 22:06:28.66 ID:3SqjrFL6o
とうとう玄武娘がきましたかwwww
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 22:27:49.39 ID:NydhUg3Eo
>>236

【あーうん…クラス】
魔道士、東方司令、王女、朱雀嬢、玄武娘、幼女

つまり魔法剣士が絶句した理由は…
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 23:01:13.94 ID:TGV+46qDO
16と18かよ…
ロリだとばかり思ってたのに…
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 23:13:51.38 ID:q1kZcfmIO
朱雀嬢ちゃんが愛おしすぎて胸が苦しい。生きるのが辛い。
一乙
256 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 23:55:12.60 ID:CpVAS0o9o
玄武娘「ふぇっ?召喚士さん…ですの?」

魔法剣士「いつの手紙だ!?」

朱雀嬢「……最近ですわね」

魔法剣士「……俺のとは日付が違うな。別件か」

朱雀嬢「……?」

玄武娘「そ、それで…なんですの!?」

カサッ

朱雀嬢「……召喚獣の事で…会いたいって」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんっ、良かったですの!」

朱雀嬢「……っ」

魔法剣士「彼の仲間と合流するつもりだ。丁度良かったな」

朱雀嬢「……」

玄武娘「そうですの!行くですの朱雀嬢ちゃん」

朱雀嬢「……いいえ、私は遠慮しますわ」

玄武娘「へ……っ?」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/09(水) 23:55:34.28 ID:YMUXBnvAO
クジャタって召喚するだけで一国潰せそうだな
258 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 23:55:48.08 ID:CpVAS0o9o
朱雀嬢「朱雀先生は、私ではなく…召喚獣で用があるんですわ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん……?」

朱雀嬢「それは駄目ですわ。私が納得いきませんもの」

魔法剣士「……」

朱雀嬢「私は……」

魔法剣士「自身が必要とされたいのか?」

朱雀嬢「……っ」

魔法剣士「複雑なものだな…。女心というものは」

朱雀嬢「…それが…レディの嗜みですわ」

玄武娘「朱雀嬢ちゃん……っ」

朱雀嬢「それに……」

魔法剣士「……」

朱雀嬢「それに、今はまだ…会えませんわ」

玄武娘「……」

朱雀嬢「相応しい女になってから、会いに行きますわ」
259 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/09(水) 23:57:19.06 ID:CpVAS0o9o
玄武娘「…そうですのっ!!その意気ですの!!」

魔法剣士「…では、今回は会うつもりはないのだな?」

朱雀嬢「…ええ。あの方に伝えて下さいですわ」

魔法剣士「……分かった」

朱雀嬢「召喚士の事もあります。近いうちに……必ず」

魔法剣士「伝えておく」

玄武娘「何だか……朱雀嬢ちゃん、かっこいいですの…っ」

朱雀嬢「そう?貴女にも叩き込んであげますわ」

玄武娘「ほえ…っ?」

朱雀嬢「……レディの嗜みですわ。さぁ、早速宿へ行きましょっ」

玄武娘「え…えぇーっ!?」

朱雀嬢「今日は寝ずにレクチャーですわ」

玄武娘「いやですのおおぉぉーっ!!」

魔法剣士「……ふっ」

朱雀嬢「……ふふっ、ほーっほっほっほ!」
260 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 00:04:28.86 ID:3o+jxdBxo
〜次の日〜

玄武娘「お世話になりましたですの!」

朱雀嬢「それでは、朱雀先生方に宜しくですわ」

魔法剣士「ああ、伝えておく」

朱雀嬢「……本当に色々と感謝ですわ」

玄武娘「ご馳走様ですの!!」

魔法剣士「…ああ、構わん」

朱雀嬢「それじゃ、また」

魔法剣士「元気でな」

玄武娘「さようならですの〜っ!」

テクテクテクテク…

魔法剣士「…悪くないか、たまにはな」

ザッ…スタスタスタスタ

偶然とはいえ、奇妙な三人の小旅行は終わりを告げた。

ふと数日の出来事を振り返り、鼻で笑う魔法剣士。気分は幾らか晴れていた。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/10(木) 00:11:20.52 ID:3o+jxdBxo
とりあえずキリいいとこまで進めてみましたよ
狙ったつもりはないというか、自分ではキリよく終えたつもりなんですよ>>243とか

>>254
初出から4つ年とってますからね
幼女ですら幼女じゃなくなってしまうぅ

朱雀嬢の人気が徐々に…来てるのか!?来てるのか!?
それでは、おやすみなさい!ノシ

〜オマケ〜

朱雀嬢「まず、レディはおしとやかに!」

玄武娘「朱雀嬢ちゃんも当てはまらないですの」

朱雀嬢「シャラップ!!歩き方はこうっ!こうですわっ!」

クネックネックネッ

玄武娘「何だか気持ち悪いですの」

朱雀嬢「次に殿方のゆ・う・わ・く♪ですわ」

玄武娘「誘惑ですの?」

朱雀嬢「前屈みで上目遣いで両手をキュ……っと!ですわ」

玄武娘「……こう…ですの?」

チマッ…クネクネ

玄武娘「……何が面白いんですの、これ」

朱雀嬢「知りませんわ!本に書いてありましたものっ、間違いないですわ!」

夜は更けた。
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 00:16:31.53 ID:aiTrMwjXo
>>1




魔法剣士「・・・という夢をみたんだ」

戦士「ロリコン」

盗賊「ろりこん」

魔道士「ロリコンさんです」

召喚士「すば・・・ロ、ロリコンですね」

賢者「・・・ふぅ」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 00:37:29.89 ID:qTYG7KlKo
>>1

>>262
やはり賢者は抜群の安定感だな
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 00:50:55.04 ID:CfCUZ00Go
もう4年も立ってるのか
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 01:36:20.76 ID:sRIsCIpDO
>>1
朱雀嬢の召喚獣はじみに期待してたんだがなあ
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 04:09:24.59 ID:7F+ZPwYRo
盗賊ちっとも反省してないのなww
詭弁で恐怖を誤魔化して突っ込むとか自殺杉る
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 09:43:22.64 ID:srs1UxxGo
朱雀嬢がかわいすぎる
召喚士との絡みを期待してしまうぜ
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/10(木) 09:55:42.46 ID:tkuIswPQo
たまにはロリコンもいいよね!
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 12:55:22.26 ID:yxl1EPtAO
漫画で読みてえよおおおおお
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 12:59:51.01 ID:nnAY1nfNo
封嘴のコカトリスという漫画があってだな…
271 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:43:06.98 ID:9u/A9CzNo
〜西の港〜

魔法剣士「……」

受付「はい、確かに。どうぞお乗り下さい」

玄武娘、朱雀嬢と分かれた魔法剣士は、単身西の港へと来ていた。

魔法剣士「……」

テクテクテク

船員「間もなく巡回船は出航致します。次は鉱山の町――」

魔法剣士「……」

ザザーン

巡回船は西の港を発つと、鉱山の町、本国を経由して大陸港の町へと向かう。

将来的には三日月島をも経由する、いわば本国と西国を結ぶ船となるのだ。

更に果てはターミナルから東方へと伸び、まさに世界を巡回する船となる。

今はまだ願望に過ぎぬ人々の夢。いつかそれが実現する日が来るのだろうか。

魔法剣士「……」

全ては彼のような、魔物と戦う者の手に委ねられているのかもしれない。
272 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:43:40.61 ID:9u/A9CzNo
〜大陸、港の町〜

テクテクテク

魔法剣士「…今日は満月か」

ふと夜空を見上げ、明るい光を放つ月を眺める魔法剣士。

魔法剣士「……」

スッ…テクテクテク…

魔法剣士「……ここ…か?」

カチャッ…チリチリン

バーテン「…ん、お客か。いらっしゃい」

魔法剣士「…バーテンの店、というのはここで良かったか?」

バーテン「…ああ。何だ、ファンか?あの子ならいねーぞ」

魔法剣士「……?」

バーテン「違うのか…?んじゃ、何用かね?」

魔法剣士「…これを」

テクテクテク…スッ
273 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:44:06.97 ID:9u/A9CzNo
バーテン「……ほぉ、お前さんが噂の魔法剣士か」

魔法剣士「…ここへ来いと言われたのでな」

バーテン「そうだったか。生憎、今は外出中だ」

魔法剣士「……」

バーテン「また戻って来る。明日まで待っててくれて構わん」

魔法剣士「全員……無事だったのか?」

バーテン「召喚士は知ってるか?」

魔法剣士「ああ」

バーテン「あいつだけまだだ。今のところ連絡もない」

魔法剣士「……そうか」

テクテクテク…ドスッ

バーテン「あまり心配はしてないみてぇだな」

魔法剣士「あいつがくたばるようなタマか?あんたも知ってるんだろう?」

バーテン「…まぁな。何か飲むか?」

魔法剣士「……そうだな、バーボンを…ストレートで」
274 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:44:33.79 ID:9u/A9CzNo
トクトクトクッ…カランッ

バーテン「…ほれ」

魔法剣士「……どうも」

クイッ

バーテン「そんで、お前さんは大丈夫なのか?」

魔法剣士「ああ、まぁな」

バーテン「どこに飛ばされたんだ?」

魔法剣士「…西方だ」

バーテン「そりゃ災難だったな。全員がバラバラってわけか」

魔法剣士「…ほぅ」

バーテン「魔道士は本国、盗賊は海峡…だとよ」

魔法剣士「……まぁ、無事で何よりさ」

バーテン「だな。おかわりいるか?」

魔法剣士「…ああ、頂こう」

やがて日付は変わり、ようやくその刻は訪れた。
275 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:45:00.28 ID:9u/A9CzNo
〜次の日〜

テクテクテク…

戦士「さーて、召喚士…戻ってるかな?」

魔道士「……っ」

盗賊「…きっと…大丈夫さ」

魔道士「…ですよねっ」

カチャッ…チリチリン

魔道士「ただい――」

戦士「ん?誰かいるのか?」

魔道士「召喚士さんっ!?」

ノソッ

魔法剣士「……残念だったな」

魔道士「魔法剣士さんっ!!無事でしたか!!」

魔法剣士「ああ、まぁな」

魔道士「良かったぁ〜!心配しましたよ〜っ」
276 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:45:26.99 ID:9u/A9CzNo
戦士「俺はしなかったけどな…」

盗賊「…?」

戦士「元より一人で旅してんだ。腕前は確かさ」

盗賊「…それもそうだな」

ガチャッ

バーテン「おう、戻ったか。どうだった?」

戦士「楽しかったぜ。……なっ?」

魔道士「…はいっ!」

バーテン「そいつは何よりだ」

魔道士「バーテンさんの助言があったからですよーっ」

盗賊「…それで、召喚士は?」

バーテン「いや、それがまだ――」

カチャッ…チリチリン

魔道士「――っ!!」

召喚士「……た、ただいま」
277 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:46:00.15 ID:9u/A9CzNo
戦士「召喚士っ!!」

盗賊「…無事…だったか!」

魔法剣士「……」

召喚士「良かった。みんなは無事…?」

タッタッタ

魔道士「召喚士さんーっ!!」

召喚士「ま、魔道士さん…っ」

ダキッ

魔道士「心配しましたよ…っ、もうっ!!」

召喚士「す、すみません……っ」

戦士「……大胆になったもんだな」

盗賊「……ああ」

魔道士「良かった……本当に……っ」

召喚士「えっと…改めて、ただいま」

魔道士「……おかえりなさい!えへへっ!」
278 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:46:29.81 ID:9u/A9CzNo


コトッ

召喚士「ありがとうございます。いただきます」

ズズーッ

召喚士「……はぁ〜久々だなぁ。美味しい!」

戦士「感動するほどのコーヒーか?」

バーテン「…おい、こう見えてもかつてはバリスタとだな……」

召喚士「いやぁ、ここ数日…まともな食事も取ってなかったもんで」

盗賊「…何があったのだ?」

魔法剣士「ああ、気になるな。連絡もせずどうしたというのだ?」

召喚士「えっと……」

魔道士「あ、それじゃあ順番に話しましょうよ!」

召喚士「は、はい」

魔道士「それじゃ戦士さん、どうぞ」

戦士「うぇっ!?お、俺からかよ……っ」
279 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:46:59.82 ID:9u/A9CzNo


召喚士「そっか…。じゃあゲーデは……」

戦士「見逃してくれたっつーのかな…」

魔法剣士「……」

戦士「俺が思うに、ゲーデはかつて人間だったんだよ」

盗賊「……人間」

戦士「何か思うところがあって、人間が許せなかった……」

召喚士「だから、魔族化して…人間を…?」

戦士「自発的にしたかどうかは分からんけどな」

バーテン「…悲しい話だな」

戦士「また会う機会があれば……」

召喚士「救いの手を差し伸べられるといいね……」

戦士「…ああ」

魔道士「きっと、助けてあげましょう!」

戦士「…ああ、そうだな」
280 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:47:36.69 ID:9u/A9CzNo


召喚士「……っ」

盗賊「…そういう事だ」

召喚士「国軍の…内通者…っ」

バーテン「一応、その話は伏せておいてくれ」

召喚士「…それが良さそうですね」

戦士「話すなら青年兵兵がいいかと話してたところだ」

召喚士「…うん。青年兵くんなら動いてくれそうだね」

盗賊「…信頼も出来るしな」

召喚士「しかし……」

盗賊「…?」

召喚士「あまり、無茶しないで下さいね」

盗賊「……すまない」

魔道士「そうですよっ。これ以上お肌に生傷増えたらどうするんです!?」

召喚士「…いやっ、まぁ…それも重要な事ですが……」
281 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:48:09.04 ID:9u/A9CzNo
戦士「いいんじゃねーの?」

魔道士「へっ?」

戦士「俺とコイツは命を張る役」

盗賊「……」

戦士「そこにコイツの援護があって……」

魔道士「コイツって言わないで下さいよぉ」

戦士「んで、飛びっきりの切り札と頭脳がいる。それが俺達だろ」

召喚士「き…切り札と頭脳って……」

戦士「でも、それは四人揃っての話だ」

盗賊「……」

戦士「金輪際、一人で無茶するんじゃねぇぞ。いいな?」

盗賊「……はい」

戦士「お前にもしもの事があれば、悲……」

盗賊「……」

戦士「……東方の連中や悲しむ輩が…多数いるからな!」
282 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:48:36.44 ID:9u/A9CzNo
魔道士「……ふふっ」

召喚士「……」

戦士「…何がおかしいんだよ!」

召喚士「い、いやっ別に……」

魔道士「えっと、それじゃ次は私ですね!えっと、まずは――」



魔道士「それで――」



魔道士「結局――」



召喚士「……っ」

魔法剣士「夢魔か……。よくもまぁ倒せたものだな」

召喚士「流石は天才さんですね」

バーテン「そうそう出来る芸当でもないからな」

魔法剣士「口煩いが、相変わらず実力は確かな男だ」
283 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:49:09.20 ID:9u/A9CzNo
魔道士「それで、召喚士さんは何があったんですか?」

盗賊「…連絡も…取れなかったのか?」

召喚士「ええ…っ、実は……」

どこまで話すべきか、召喚士は迷った。

それでも、ありのままを全て、仲間に話すべきだとそう思った。

それは召喚士以外の、彼らにとっても胸を締め付けられるような、そんな想い。

召喚士「……と、いうわけです」

魔道士「…………っ」

盗賊「……そんな事が」

バーテン「……」

戦士「そのジーサンも、最後は幸せだっただろうな」

召喚士「……」

魔法剣士「ああ。最後にその魂は救われたのだからな」

召喚士「……」

召喚士の中で、依然答えが出る事はなかった。
284 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:49:37.10 ID:9u/A9CzNo


戦士「それで、そのクジャタってのは強いのか?」

召喚士「どうなんだろ。気候を操るとしか聞いてないけど……」

戦士「…ははっ、急な雨には大助かりだな」

魔道士「そういう使い方なんですかぁ〜?」

戦士「違うのか?」

召喚士「ははっ。さて、最後は魔法剣士さんですね」

魔法剣士「……朱雀嬢と玄武娘を知っているよな?」

召喚士「!?」

魔道士「な、何でその二人を……っ!?」

戦士「まさか……」

魔法剣士「俺が飛ばされたのは、遥か西方の地だった」

盗賊「……」

召喚士「西方……っ」

魔法剣士「そこで俺は……」
285 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:50:06.77 ID:9u/A9CzNo


戦士「…なるほどな。形としては二人に助けられたってわけか」

魔法剣士「…ああ。まさにその通りだ」

召喚士「……」

魔道士「そっかぁ…。二人も元気にやっているんですね」

盗賊「…そのようだな」

召喚士「…しかし、まさか会ってくれないとはなぁ」

魔道士「気持ちは分かりますよ…。朱雀嬢さんの……」

召喚士「……?」

バーテン「…ははっ、まだまだガキだって事さ。いい年して全く……」

召喚士「…は、はぁ」

バーテン「嬢ちゃんも大変だな」

魔道士「なっ、何がですか!?」

バーテン「いーや何でもねぇさ。どれ、全員揃った事だし…パーっとやるか!」

戦士「いよっ!待ってました!!」
286 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:50:51.93 ID:9u/A9CzNo
テクテクテク…

青年「……貸切っ!?何てこ事だあぁ!!」

老人「やれやれ…。楽しみにしておったのに……」

ワイワイ

戦士「…ん?誰か覗いてんぞ?」

バーテン「ほっとけ。どうせ冷やかしだろう。今日は貸切だ、好きに使え」

魔道士「はーいっ!お待たせしましたー!!」

召喚士「おぉ、いい匂いですね!」

魔道士「たっくさん食べて下さいねーっ!えへへ!」

戦士「そうそう。雑草とか食ってたんだろ?」

召喚士「……よく分かったね」

戦士「しっかしそのジーサンもよく永らえたもんだよな」

召喚士「魔力で延命していたからね……」

魔法剣士「それに、水だけでも摂取していれば生き延びられる」

戦士「そうなのか!?」
287 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:51:23.83 ID:9u/A9CzNo
魔法剣士「ああ。仙人と言われる類はそうして生きているらしい」

戦士「なんだよ…噂話かよ」

バーテン「いや、実際そういう輩もいるみたいだぞ」

召喚士「そうなんですか?」

バーテン「まぁ俺も直に見たわけじゃないけどな。そういう奴もいる」

魔道士「へぇ〜っ、世界は広いですねぇ」

戦士「しかしつまんねぇ生活だな。酒もないんだろ?」

魔道士「そうですよねっ。やっぱり美味しい物食べる方が幸せですよ!」

盗賊「…よし、食べよう!」

召喚士「ですね。いただきます!」

魔道士「魔法剣士さんも遠慮せず、どうぞ!」

魔法剣士「…ああ、頂くとしよう」

召喚士「…そういえば、大丈夫でした?」

魔法剣士「……?」

召喚士「……懐が」
288 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:51:51.74 ID:9u/A9CzNo
魔法剣士「…ああ。だいぶ散財したよ」

召喚士「…でしょうね」

魔法剣士「あの身体のどこへ入るのか…全く理解出来ん」

戦士「…こいつもな」

盗賊「…そんなに食べてない…もん」

バーテン「そんで、四人揃ったところで次はどうするんだ?」

召喚士「朱雀嬢さんが駄目だとすれば…ハーピーは別の人か……」

戦士「いっその事ゴーレム目当てで南へ行くのも手だな」

召喚士「そうだね。ボスさんは南へいるようだし…」

魔道士「それじゃ南方へ行きましょうか!」

盗賊「…同意」

魔道士「魔法剣士さんもどうですか?」

魔法剣士「…いや、遠慮しておく」

戦士「遠慮なんて無用だぞ?」

魔法剣士「俺は北の地から離れるつもりはない」
289 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:52:20.82 ID:9u/A9CzNo
盗賊「……」

魔法剣士「…すまんな」

グビッ…コトッ

召喚士「…いえ、互いに目的がありますもんね」

魔法剣士「……ああ」

戦士「…そういや魔法剣士さん」

魔法剣士「……?」

戦士「少し…表情が柔らかくなったか?」

魔法剣士「……」

魔道士「言われてみれば……」

魔法剣士「…そうか」

魔道士「たまには笑顔もいいですよ!ねっ?」

召喚士「ええ。そうですよね」

魔法剣士「…全てが終われば、笑顔になれるかもしれんな」

召喚士「……頑張りましょう、きっとなれますよ!」
290 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:52:55.43 ID:9u/A9CzNo
〜最北の村〜

ガラガラガラッ

左翼長「遅かったな」

大軍師「いやいや、落盤から思わぬ収穫がありまして」

青年兵「何です?結構な大きさですね」

大軍師「結界石ですよ。これは役に立ちそうです」

ヒゲの男「……」

左翼長「ふぅん。そういやこの辺りは鉱物も盛んなんだっけか?」

大軍師「ええ。いずれは大きな収益へと繋がるでしょう」

左翼長「……さて、あちらさんもお待ちだ。北の村へ戻ろうかね」

大軍師「ええ、そう致しましょう」

ヒゲの男「コイツはあとから運びますんで、先に行ってて下さいや」

大軍師「ええ、お願いしますね」

左秘書官「こちらはいつでも出発出来ますよ」

左翼長「いよーし、それじゃあ北の村へ戻るぞ!」
291 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:53:28.50 ID:9u/A9CzNo
〜北の村〜

パッカパッカパッカ

副官「あっ、戻ってきたようですよ!」

ドドォ…カチャッ

左秘書官「すまないな。すっかり遅くなってしまった」

左翼官「いやいや、こちらも先程…視察を終えたところ」

左秘書官「早速、報告書を纏め上げるとしようか」:

左翼官「ですな」

ザッザッザ

大軍師「ご苦労様です」

左翼官「これは大軍師殿。世話になりますぞ」

大軍師「部屋は左秘書官殿と一緒で宜しかったですかな?」

左秘書官「構いませんよ」

左翼長「それじゃあ俺らはこれで失礼する」

大軍師「お疲れ様でした」
292 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:54:00.22 ID:9u/A9CzNo
青年兵「……私も、東方司令部へ戻ります」

大軍師「此度はありがとうございました」

青年兵「いえ」

ザッザッザ

大軍師「……ボソボソッ」

青年兵「!?」

大軍師「…では、お気を付けて」

ザッザッザッザ

左翼長「…おーい、どうした?行くぞー」

青年兵「は、はい…っ!」

タッタッタッタッタ

左翼官「彼らは帰ったのかな?」

大軍師「護衛の必要はなくなりましたからね」

左秘書官「我らも明日の朝一で本国へ戻るとしよう」

大軍師「畏まりました」
293 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:54:33.20 ID:9u/A9CzNo
左翼官「では」

大軍師「おやすみなさい」

ザッザッザ…

大軍師「……」

ガラガラッ…ガラッ

ヒゲの男「……ふいーっ」

大軍師「思ったより早かったですね」

ヒゲの男「そうすか?んで、どーします?」

大軍師「私の屋敷へ。丁重に地下へ降ろして下さい」

ヒゲの男「了解っす!おーい、誰か手伝え!!」

青年「ういーっす」

タッタッタ…ザッザッザ…

大軍師「…そうか、そういう事でしたか」

ザッザッザ

大軍師「成程、あの方も人が悪い……ふっふっふ」
294 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:54:59.63 ID:9u/A9CzNo
〜空き家〜

左翼官「……」

左秘書官「どうした?」

左翼官「いや、別件なのだがな……」

左秘書官「…?」

左翼官「ここへ来る途中、ちょっと引っ掛かる事があってな」

左秘書官「…右翼か?」

左翼官「まぁ、無関係とは言えないだろう」

左秘書官「どんな案件だ?」

左翼官「実はな――」



左秘書官「……ふむ、さしたる事もなさそうではあるが」

左翼官「そうなんだが、不思議でならんのだ」

左秘書官「…まぁいい。本国へ戻り次第、探ってみよう」

左翼官「…ですな」
295 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:55:47.04 ID:9u/A9CzNo


パッカパッカパッカ

副官「どうなされました?」

青年兵「……いえ」

左翼長「あんまり深く考え込まん方がいい」

青年兵「……」

左翼長「どうせあと1年もせんうちに戦争だ」

青年兵「……」

左翼長「ああだこうだ言ってる暇もなくなるよ」

青年兵「そうですね……」

左翼長「初めて人間側が先手を取る、大規模な戦役だ」

青年兵「……」

左翼長「もっとも、それまでに内部のいざこざは解決するだろうがな」

青年兵「……だと、思いますよ」

左翼長「期待してるぜ」
296 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:56:35.38 ID:9u/A9CzNo
〜北方司令部〜

ガガッ…ドドォ

門兵「ご苦労様です!」

左翼長「おーう。今戻ったぞー」

ザッザッザ

騎士長「視察はどうだった?」

左翼長「何て事はねぇ。左翼様方も大層、お気に召したようだ。なぁ?」

副官「ええ、そうですね」

青年兵「……参謀さんは?」

騎士長「あ?大軍師の命令で本国へ向かったぞ?」

左翼長「聞いてねぇぞ。何か企んでやがるな……」

青年兵「…任せておきましょうか」

左翼長「まぁそうだな。俺らが出張っても、足引っ張るだけだ」

騎士長「青年兵はどうする?今日は泊まっていくか?」

青年兵「いえ、このまま東方司令部へ向かいます」
297 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:57:23.90 ID:9u/A9CzNo
左翼長「あの女は待たなくていいのか?」

青年兵「女剣士さんも、左大臣様の護衛を終えたらそのまま戻るようにと…」

騎士長「かぁー。さっすが、手際がいいねぇ」

青年兵「やめて下さいよ…っ」

副官「謙虚なのですね、青年兵様は」

青年兵「……っ」

ザッ

青年兵「それでは、お世話になりました。失礼致します!」

左翼長「おう。任務ご苦労」

騎士長「またな!」

バッ…ザザッ…ザッザッザ

青年兵「……買い被りすぎだよ…っ」

ザッザッザ

北方兵「あっ、青年兵様!」

青年兵「…?」
298 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/10(木) 18:57:57.78 ID:9u/A9CzNo
魔道兵「本当だ!ご苦労様であります!」

青年兵「…あ、ありがとうございます」

北方兵「青年兵様は、我らが星です!頑張って下さい!」

歩兵「そうそう!アンタの出世が俺らにも火をつけるってモンよ!」

青年兵「皆さん……っ」

北方兵「我ら北方の兵は、青年兵様の味方ですよっ!」

魔道兵「力が必要な時は、いつでも仰って下さい!」

歩兵「右翼のひ弱なヤロー共に負けんなよぉ?」

青年兵「……っ」

僕は、これだけのものを背負っていたんだ……。

ザッザッザッザ

いつまで甘えているつもりなんだ、僕は……。

ザッザッザッザ

もはや、甘えてなんかいられないんだ。やるしか……ないんだ!

青年兵「……頑張れよ、青年兵!」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/10(木) 19:01:04.31 ID:9u/A9CzNo
こんばんは!週末は忙しい……ひぃっ
とりあえずこれにて失礼します!ご支援ありがとうですー!ノシ

>>262
召喚士!?すば…って!すば…って!?

>>270
おぉ!?なんだか面白そうなタイトル!ちょっと気になりますね…
てか、もしかして内容カブってたりとか…ですか!?
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 19:02:37.07 ID:nnAY1nfNo


>>298
>歩兵「右翼のひ弱なヤロー共に負けんなよぉ?」

いつから左翼になったんだろうwwwwww
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/10(木) 19:25:53.07 ID:xHpCq2+yP
バーボンストレートで…カランッ・・・
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 19:26:43.97 ID:QiiQX9NAO
すば…やさの種
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 19:29:40.60 ID:yxl1EPtAO
ワロタwwwwww
今日は絶好調だなwwwwww
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 19:38:41.37 ID:35Bi8a+Zo
>>280
兵気にしすぎ
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 20:12:27.07 ID:UrY7UEKSO
>>300軍人として、右翼のお役人共より活躍してくれ 的な事じゃね
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 20:20:55.45 ID:UE7muuq8o
>>301
やあ (´・ω・`) ようこそ、バーボンハウスへ。 このテキーラはサービスだから、まず 飲んで落ち着いて欲しい。
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/10(木) 20:21:38.90 ID:VA01jemDO
>>300

俺もそう思ったけど、

歩兵「(同じ右翼でありながら、左翼に騙されて青年兵を敵視する)右翼のひ弱なヤロー共に負けんなよぉ?」

って事じゃないか?
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/10(木) 21:53:41.29 ID:Ha4TGMFDO
次回より
青年兵「がんばれよっ!青年兵!!」
が始まりません
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/11(金) 03:25:39.68 ID:vS8fVzsDO
ゴレムス派とピエール派に別れてると思うが俺はゴレムス派だ。
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/11(金) 08:49:33.75 ID:oYDpxwEIO
正座して待ってます
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        /― ― \
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     (___ノ-'-('___)_ノ
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/11(金) 10:25:39.06 ID:oYDpxwEIO
正座して待ってます
         ____
        /― ― \
      /(●)  (●) \
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     (___ノ-'-('___)_ノ
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/11(金) 10:27:14.93 ID:oYDpxwEIO
ごめんなさい
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 10:30:11.98 ID:bz9+8Adzo
正座して待ってます
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314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 11:04:25.52 ID:t/6ZgXv6o
>>313
地味に変えるのやめれw
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 13:10:19.45 ID:RqHAtLhCo
↓この辺で>>1が来ると思ったけど別にそんなことはなかったぜ
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 13:37:19.92 ID:0nWUIxKbo
正座して待ってます
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     (___ノ-'-('___)_ノ

317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 15:15:56.05 ID:MDzsedgyo
正座して待ってます

          / ̄\
         |召喚士|
          \_/
          _|_
        /― ― \
      /(◎)  (◎) \
     /   (__人__)     \
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      \           /
        /         \
       |   ・    ・     )
.     |  |         /  /
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      (YYYヾ  ∩ (YYYヽ |
     (___ノ-'-('___)_ノ
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/11(金) 15:43:56.20 ID:xMbu7zeSo
何だこの流れ…。昨日は色々とすみません

>>298は完全にミステイクですが、
>>305さん、307さん説がカッコイイおでそれで…
なんか…フォローありがとうございます

↓続き
319 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:44:59.89 ID:xMbu7zeSo
〜大陸港の町、次の日〜

魔法剣士「それじゃあ、またな」

魔道士「はいっ!魔法剣士さんもお元気で!」

召喚士「また…会いましょう!」

魔法剣士「ああ」

ザッザッザ

戦士「さーて、俺らも南へ向かうとするか」

盗賊「…そうだな」

バーテン「順当に召喚獣を入手してるみてぇだが、油断するなよ?」

召喚士「はい。もちろんです」

魔道士「それではバーテンさん、お世話になりました!」

バーテン「おう。またな」

戦士「行ってくるぜ!」

召喚士「失礼します」

魔法剣士、そして四人はバーテンの店を離れ、再び冒険へと旅立った。
320 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:46:14.40 ID:xMbu7zeSo
〜東方司令部〜

門兵「ご苦労様です!」

青年兵「ただいま戻りました」

ザッザッザ…

青年兵「……東方先生」

東方参謀「無事、終えてきたようだな」

青年兵「ええ。今回は何事もなく……」

東方参謀「それは何よりだ。女剣士はどうした?」

青年兵「昨日、左大臣様の護衛を終えたはずですが……」

東方参謀「寄り道でもしておるのか…」

青年兵「かもしれませんね。次回からは伝令や文の使い方も教えておきましょう」

東方参謀「…うむ。そうだな」

青年兵「……何か…あったんですか?」

東方参謀「…いや。ほれ、そこの情緒不安定が使い物にならんでな……」

東方司令「…うっ…うっ。ボクは…また大切な者を失ってしまったのか……うっ」
321 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:46:42.37 ID:xMbu7zeSo
〜北の街〜

女剣士(ワーカー時代の金が残っていて良かった…っ)

テクテクテク

女剣士(しかし…良い事を聞いたな。ふふっ)

……――

武器屋『うぅん……東方の得物はウチじゃあ扱えないねぇ…』

女剣士『……そうか』

武器屋『この手の武器は……あの人しかいねぇか』

女剣士『…?』

武器屋『ここより船で南へ行くと、鉱山の町ってのがある』

女剣士『聞いた事はあるな』

武器屋『そこに鍛冶屋って腕のいい職人がいるから、その人なら扱えるぜ!』

女剣士『……おぉ』

武器屋『ちょいと変わり者だが、腕は超一流だ!行ってみるといいぜ』

女剣士『…かたじけない。助かる!』
322 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:47:15.97 ID:xMbu7zeSo
――……

テクテクテク

女剣士「……えぇと」

船員「終点、北の街〜。この巡回船は折り返しターミナル行きと――」

女剣士「あれか……」

テクテクテク…ドンッ

――「いてっ!」

女剣士「……っ!……すまぬ」

ジュニア「…おっと、こちらこそ……ハッハ」

女剣士「……」

テクテクテク…

ジュニア「東方人か?これまた随分…美人な……」

スッ

ジュニア「…おっと、こんな事してる場合じゃねぇや!」

タッタッタッタッタ…
323 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:47:47.87 ID:xMbu7zeSo


船員「出航致します。お立ちのお客様は――」

ザザーン

女剣士「……」

ザザーン

女剣士(再び東方を離れ……良かった)

ザザーン

女剣士(良き師にめぐり合えて、女子でもあれ程強く……)

ザザーン

女剣士(あとは……)

チャキッ

女剣士(……っ)

ザザーン

女剣士(上様…。私は必ずや強く……そして……)

ザザーン
324 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:48:18.00 ID:xMbu7zeSo
〜鉱山の町〜

船員「ご準備が整いました。お降りの方は――」

テクテクテク…ザッ

女剣士「……ここか」

キョロキョロ

女剣士「……あの」

眼鏡「…ん?」

女剣士「鍛冶屋……という者は存じておるか?」

眼鏡「鍛冶屋…?」

女剣士「大層腕の立つ鍛冶職人と聞いたが……」

ワーカー「あぁ、それならこの先真っ直ぐ行って、左奥の店だ」

女剣士「そうか。かたじけない」

テクテクテク…

ワーカー「…さーて休憩も終わりだ。交代に行こうや」

眼鏡「……ああ」
325 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:49:01.88 ID:xMbu7zeSo
〜鍛冶屋の家〜

女剣士「……」

コンコン……カチャッ

おかみ「はいはいっ。いらっしゃい!」

女剣士「…貴女が鍛冶屋…?」

おかみ「…あたしゃただの店番さ。……おーい!」

テクテクテク

鍛冶屋「はいはいはいはいっ」

おかみ「あんたにお客さんだよーっ」

女剣士「始めまして」

鍛冶屋「ややっ。東方の方だねっ!これはこれははるばるどうもどうも!」

女剣士「あの……頼みがあるのですが」

おかみ「仕事かい?徹夜明けだってのに…忙しい時は忙しいもんだねぇ」

女剣士「……都合が悪ければ…日を改めます」

おかみ「構わないよっ。この人は10日くらい寝なくても大丈夫だからさ!あははっ」
326 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:50:29.93 ID:xMbu7zeSo


鍛冶屋「……成る程だね!これはいい代物だ」

女剣士「……」

鍛冶屋「但し、刀剣部分が差し替えられている。わけありかな?」

女剣士「……分かるのか?」

鍛冶屋「まぁ…ね。いや、事情は深く聞かないよ。それでこれをどうすれば…?」

女剣士「……」

スッ

おかみ「鞘…かい?」

鍛冶屋「…成る程。不釣合いな大き目の鞘。つまり……」

グッ…コンコンコン…パカッ

鍛冶屋「……刻印がある。鍛冶師の名だね…えぇと……」

女剣士「……」

鍛冶屋「……分かった、やってみよう。少し時間を貰いたい」

女剣士「……感謝する」
327 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:51:04.40 ID:xMbu7zeSo
〜南方、港街〜

魔道士「到着〜っ」

戦士「なーんかこの街に来ると、ほんとホッとするわ」

召喚士「分かる。原点みたいなものだからね」

盗賊「…これからどうする?」

召喚士「そうですね。まっすぐ東の町へ向かいましょうか」

戦士「南方司令部へは立ち寄らなくていいのか?」

召喚士「特に用もないし、あんまり頻繁に行っても邪魔にならないかな?」

戦士「ま、それもそうか」

魔道士「それじゃ東の町へレッツゴーです!」

戦士「んじゃ、馬車の手配してくっか」

テクテクテク

戦士「えぇと……」

女「…あら、よく会うわね」

戦士「……?」
328 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:51:34.36 ID:xMbu7zeSo
女「ふふっ、覚えてないかしら。残念」

戦士「……え、えっと」

御者「馬車の準備が整いましたよ。どうぞ」

女「気にしないで。それでは、失礼」

テクテクテクテク…

戦士「……どっかで会ったっけか?おっと、馬車馬車……」



召喚士「ごめんね、何だか任せちゃって」

戦士「あー気にすんなって。大した事でもねぇ」

テクテクテク

男「おぉー!!今日はご一同勢ぞろいで!!」

魔道士「へ…っ?」

戦士「…あぁ!アンタこの前の」

男「山あいの町でお会いしましたな!いやぁ〜今日は朱雀先生もご一緒とは……」

召喚士「え、えっと…?」
329 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:52:02.91 ID:xMbu7zeSo
戦士「なんか、前に俺のお陰で助かったんだとさ」

男「あの時は本当に……いくら感謝してもしきれませんよ!」

盗賊「……」

男「しかし朱雀先生のえぇと……」

魔道士「コカトリス…ですか?」

男「そうそう!凄いものですねぇ!大きいし強いし……」

召喚士「ど、どうも……」

男「あれ程の召喚獣、後にも先にも拝見した事はありませにょ!はっははは!」

盗賊「……そろそろ行くぞ。馬車が待ってる」

男「っと、引き止めてしまいましたな!それでは、失礼します」

ザッザッザッザッザ…

魔道士「どこで助けましたっけ?」

戦士「さぁな。長らく旅してるからなぁ……」

盗賊「……行こうか」

召喚士「……ええ」
330 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:53:03.75 ID:xMbu7zeSo
パッカパッカパッカ…

魔道士「でも、助けた方がああやって元気で生活されてると、嬉しいですねっ」

戦士「まぁな。色々やってきた甲斐があったってもんだよ」

召喚士「そうだね」

盗賊「…これからはもっと…大きな戦いになるのだろうな」

召喚士「……そうですね。俺らも覚悟をしなくてはいけませんね」

魔道士「…覚悟ですか?」

戦士「全てにおいてだよ。もちろん最悪の場合の覚悟だ」

魔道士「……っ」

召喚士「もう後戻りは出来ない。とにかく自分の出来る事を精一杯……」

盗賊「…ああ。やるだけさ」

魔道士「……が、頑張ります!」

戦士「そろそろ下準備も色々せにゃならんな」

召喚士「…そうだね」

ふと召喚士はゲーデの言葉を思い出す。それは即ち『運命の道』……。
331 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:53:39.37 ID:xMbu7zeSo
〜東の町〜

戦士「はい、到着っと」

盗賊「……それで…番長とやらはどこに?」

召喚士「確か屯所があるから…そこに出入りしているかと……」

――「あーっ!!」

召喚士「!?」

魔道士「へ?」

タッタッタ

白虎嬢「召喚士さんっ、御機嫌よう〜」

召喚士「白虎嬢さん!」

白虎嬢「皆さんもこんにちは」

魔道士「こんにちはーっ」

白虎嬢「今日はどうなさったんですか?」

召喚士「実は…番長さんに会いに……」

白虎嬢「まぁ、そうでしたか〜」
332 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:54:31.54 ID:xMbu7zeSo
戦士「どこにいるか知ってるかい?」

白虎嬢「この町には居ると思いますけどぉ……」

召喚士「そうですか。ありがとうございます」

白虎嬢「いえいえ〜」

召喚士「あ、そういえば……東方司令部でお父さんに会いましたよ」

白虎嬢「父に……ですか?」

召喚士「ええ。立派な方ですね」

白虎嬢「はぁ……」

魔道士「白虎嬢さんの事も、大変気にかけておられましたよ〜」

白虎嬢「そうですかぁ〜。ふふっ」

召喚士「それでは、失礼します」

盗賊「……では

白虎嬢「はーいっ」

スタスタスタスタ

白虎嬢「……」
333 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:55:08.65 ID:xMbu7zeSo
〜屯所〜

召喚士「……えっと。すいませーん」

元ゴロツキ「…あん?」

召喚士「番長さんて…こちらにいらっしゃいます?」

元ゴロツキ「――っ!!」

召喚士「…あっ、あなたは確か……」

ダダッ…タッタッタッタ…

戦士「…何だ?」

召喚士「さ、さぁ」

魔道士「あっ、帰ってきましたよ」

タッタッタッタッタ

元ゴロツキ「ほらっ、ほらっ!!」

元ボス「……朱雀…先生っ」

召喚士「ボスさん…!」

元ボス「……っ」
334 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:55:34.26 ID:xMbu7zeSo
召喚士「あ、あのぉ……」

元ボス「……」

元ゴロツキ「ほれっ、ボスってば!」

元ボス「――っ!!」

ザッ

元ボス「朱雀先生……俺はアンタに感謝している」

召喚士「……ボスさん」

元ボス「だがな、俺も以前より腕を上げたつもりだ」

召喚士「……」

元ボス「次回の召喚フェスでは……覚悟しておけっ!」

ザッザッザ…

元ゴロツキ「ち、ちょっとぉ…ボス!?」

タッタッタッタッタ

戦士「何だぁ、ありゃ……」

召喚士「……ボスさん」
335 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/11(金) 15:56:57.85 ID:xMbu7zeSo
戦士「つーか、居場所くらい教えろっての」

盗賊「…全くだ」

魔道士「困りましたねぇ……」

テクテクテク

魔道士「あれ…っ、あの人って……」

親衛隊長「レリビ〜レリビ〜♪ふふんふ〜ん」

召喚士「確か……親衛隊長さん!?」

親衛隊長「……?おぉ、ユー達は!」

召喚士「こんにちは!番長さんはご一緒では?」

親衛隊長「番長?彼ならそこのフードショップでイーティングさ」

召喚士「ありがとうございますっ!行きましょう!」

魔道士「はいっ!!」

戦士「サンキューな!」

タッタッタッタッタ

親衛隊長「……ホワット?」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 17:08:27.78 ID:NANKe5iE0
この世界でも彼らの曲は有名なのか?
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 18:36:21.64 ID:DohXHqf0o
彼らは偉大な音楽家だからな・・・
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/11(金) 20:49:47.78 ID:FfN3fSjDO
れりびーwwwwwwチャンチャンチャン
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 03:30:12.92 ID:I8kZ4S1B0
ウィスパザワードォウィズダム♪
340 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/12(土) 11:44:17.88 ID:+yfUFQtdo
〜食事処〜

カチャッ…テクテクテク

召喚士「えぇと……」

魔道士「あっ、いましたよ!」

召喚士「番長さん!」

番長「……?」

テクテクテク

召喚士「こんにちは」

番長「……確か…朱雀先生でごわすか?」

召喚士「ええ、先日はどうも」

番長「今日はまた、何か用でごわすか?」

召喚士「実は…番長さんに折り入って頼みが……」

番長「頼み…?何でごわす?」

召喚士「召喚獣会得に…どうかお力を貸して頂きたいのです」

番長「……ほぅ」
341 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/12(土) 11:44:51.25 ID:+yfUFQtdo
魔道士「お願いします…番長さんっ」

番長「会得とは…何の召喚獣でごわす?」

召喚士「ゴーレムです」

番長「……ゴーレムでごわすか」

召喚士「ダメ…でしょうか?」

番長「……」

召喚士「……」

番長「駄目でごわすね」

召喚士「!?」

戦士「気持ちは分からんでもないが、無理を承知で頼むよ」

番長「いや、やはり駄目でごわすね」

戦士「おいおい、別に私利私欲ってワケじゃねーんだ」

番長「それでも駄目なものは駄目でごわす」

戦士「だからよぉ……」

召喚士「戦士っ」
342 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/12(土) 11:45:21.16 ID:+yfUFQtdo
戦士「……っ」

召喚士「番長さん。あなたの気持ちは分かります」

番長「……モグモグ」

召喚士「どうしてもこの先、戦っていくには…ゴーレムの力が必要なんです」

番長「……モグモグ」

召喚士「どうか……お願いします!」

番長「朱雀先生もしなら分かるはずでごわす」

召喚士「……」

番長「他人への譲渡が、どういう事なのか」

召喚士「……ええ」

番長「ましてやワシより格上の者。出来ぬでごわすよ」

召喚士「……それなら、こういうのはどうです?」

番長「……?」

召喚士「交換条件というのはどうでしょう?」

番長「…交換?」
343 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/12(土) 11:45:50.14 ID:+yfUFQtdo
召喚士「こちらからも一匹、召喚獣を出します」

番長「…ほぉ、ゴーレムに相応しい召喚獣がいるでごわすか?」

召喚士「はい。例えばスフィ……」

番長「……」

召喚士「…ザ、ザントマンなどはどうでしょうか!?」

番長「ザントマン…でごわすか?」

召喚士(スフィンクスは色々とマズイ…っ、ここは仕方ないが……)

番長「……ふぅむ」

召喚士「どうでしょうか…?」

番長「ザントマンは睡眠効果を持つ召喚獣でごわすな?」

召喚士「ええ」

番長「……興味ないでごわすな」

召喚士「……っ」

番長「カトブレパスとゴーレム。補佐系は間に合ってるでごわすよ」

召喚士「……そう…ですか」
344 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/12(土) 11:46:27.78 ID:+yfUFQtdo
番長「まぁそういうわけでごわす。お引取り願うでごわす」

召喚士「……」

戦士「おいアンタ、さっきから聞いてりゃあ……」

召喚士「戦士っ!」

戦士「……ちっ」

召喚士「…分かりました。今日はこれで失礼します」

番長「すまんでごわすな。……モグモグ」

スッ

戦士「お、おい…っ、いいのかよ……っ?」

召喚士「…今日は引き下がろう。これ以上話していてもきっと変わらないよ」

魔道士「……っ」

召喚士「…番長さん、では…また」

盗賊「……」

スタスタスタ

番長「……」
345 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/12(土) 11:46:58.79 ID:+yfUFQtdo


戦士「ったく、あの野郎…っ!」

魔道士「でも、仕方ないですよ……」

召喚士「魔道士の仰る通りです。普通は断って当然です」

戦士「しかしだな……」

盗賊「…それで、どうするつもりだ?」

召喚士「…とにかく、粘り強く交渉するしかないですね…っ」

戦士「だからって、そんなに時間もかけてらんねーぞ?」

召喚士「…それは…分かってるけど」

盗賊「…とりあえず宿をとって…考えよう」

魔道士「そうですね。何か方法はあるはずですよ…っ!」

戦士「…だと、いいけどよ」

召喚士「……」

番長に断られ、失意の四人は、ひとまず宿へと向かい部屋をとった。

然したる策もなく、次の日も交渉の時間を迎える。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 11:54:13.37 ID:mFtO7lZDO
ザントマン涙目wwwwww
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 11:56:00.64 ID:Vj3WtnLFo
今さらだけど、召喚獣ってそれぞれ一匹の設定?
だったら軍とかどうなるの?
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 11:57:44.30 ID:ESUFu/kHo
単純に使える人に見せてもらおうとしてるだけじゃないかな
んで心当たりの人をさがしてると
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 11:59:27.87 ID:F40GuhQTo
召喚士間は殺伐としてるなあ
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 12:20:30.81 ID:C1ESVxAwo
>>347
専属契約してたり、高位の召喚獣は一匹だったりするけど
国軍が使ってるワイバーンとかは何匹もいるはず
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 12:22:20.75 ID:fdu15Vdp0
召喚士が女装して頼んだらゴーレムを喜んで譲ってくれるじゃない?ww
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 12:24:53.85 ID:5UzyOhq1o
”番長が契約している”ゴーレムと契約する形になるのかな?
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 12:29:34.60 ID:xCCMxwvGo
戦士DQNすなぁ
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 12:35:00.35 ID:DyUJVvv3o
召喚士に対する女装してるときとの態度のギャップがあからさまでごわすなあ
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 12:35:41.32 ID:DyUJVvv3o
>>351
遠まわしに書いたのにぶちこわし
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 12:40:15.86 ID:fdu15Vdp0
>>355
スマン、ちょっと吊ってくる
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 13:08:43.38 ID:BaPN57mLo
盗賊に一発で見破られてたしザントマンは使えないと思ってたんだな
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 18:07:20.52 ID:7WPRKfhv0
1乙
確か白虎長もゴーレムもってたよね
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 18:34:42.77 ID:TlZMQNXAO
召喚士が魔物サイドに加われば いいんじゃね?嫌でも攻撃されて国軍の召喚獣コピーしまくれるぞ
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 19:32:06.54 ID:SS5oyTyAO
召喚士が最近魔道士を呼び捨てにしてる…

そんな描写あったっけ?"さん"付けしないで〜的な
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 21:22:45.11 ID:mFtO7lZDO
そんだけ仲が進んだってことだろ嫌でも察してやれよ
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 21:41:02.02 ID:VLn8FaIDO
そんな現実突き付けないでぇぇぇ
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 22:23:39.13 ID:97p+Hi9c0
wiki更新されてたな
これで少しはメジャーになるといいね
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 23:17:21.67 ID:gLPSz2JB0
宣伝乙
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/12(土) 23:18:43.81 ID:BaPN57mLo
一番上にあるのは一番長いから?
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 23:20:20.60 ID:3Fp9lirXo
wikiなんてあったっけ?
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/12(土) 23:46:46.83 ID:i+rYR9C5o
>>365
たしかwikiの更新のしかたこんなかんじでいいかの確認でここつかったんじゃなかったけ?
確認につかっただけあって最初の更新だったし一番上なんだろたぶん
368 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:08:29.30 ID:nbGmHZ49o
〜広場〜

番長「…昨日も言ったはずでごわす」

召喚士「……」

番長「意地を悪くして言っているわけではないでごわす」

召喚士「分かってます」

番長「じゃあ、別の人にでも頼むでごわすな」

召喚士「どうしても……ですか?」

番長「…朱雀先生、魔物を倒す為に必要なのかもしれんでごわすが」

召喚士「……」

番長「召喚士にとって召喚獣は、いわば自分そのもの」

盗賊「……」

番長「それを易々と明かすなど、己を捨てるも同然でごわすよ」

召喚士「……確かに、そう言えるかもしれませんね」

番長「分かって貰えればいいでごわすよ」

召喚士「……」
369 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:09:12.23 ID:nbGmHZ49o


盗賊「…今日も…駄目だったな」

召喚士「ええ……」

スタスタスタ

魔道士「でも、番長さんの考えが…何となく伝わりました」

戦士「そうだなぁ。確かに向こうの言い分も分かる気がするよ」

魔道士「ええ。しっかりと自分を持ってて、ちょっと尊敬しちゃいますね」

召喚士「そうですね。強い意志ですね」

盗賊「…しかし…どうするのだ?」

召喚士「う〜ん……」

戦士「別の召喚士を当たるとするか」

召喚士「そうだね。出来れば知人の方が何かと楽なんだけど…」

戦士「…なま、ひとまず宿へ戻るとすっか」

魔道士「ですね。ご飯食べながら考えましょう」

召喚士「そうしましょうか」
370 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:10:43.05 ID:nbGmHZ49o
〜宿〜

盗賊「……モグモグ」

魔道士「それで、どうしましょうか?」

バサッ

召喚士「ハーピー、ゴーレム以外だと……」

戦士「なんとか番長を説得出来りゃあなぁ……」

魔道士「そうですねぇ」

盗賊「…何か…餌で釣るか?」

戦士「餌?」

盗賊「……好きなもの…とか」

召喚士「あれだけ自分のスタンスを持っていて、靡くとは思えませんよ」

魔道士「そうですよ〜」

盗賊「……だよな」

戦士「まーしゃあない。次なる召――」

魔道士「あぁーっ!!」
371 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:11:41.88 ID:nbGmHZ49o
ビクッ

盗賊「!?」

召喚士「ど、どうしたんです…!?」

魔道士「……ありました」

戦士「はぁ?」

魔道士「ありましたよ…っ。番長さんの……好きなもの」

召喚士「え…っ?」

盗賊「…菓子か?」

スクッ…ツカツカツカ

召喚士「……?」

魔道士「……」

召喚士「あ、あのぉ……?」

ビシッ

魔道士「召喚士さんっ、これしかありません!」

召喚士「……っ!?」
372 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:13:05.27 ID:nbGmHZ49o
〜次の日〜

番長「ふわ〜ぁ」

テクテクテク

番長「……んっ?」

盗賊「……」

魔道士「おはようございます」

番長「…しつこいでごわすね」

スッ…テクテクテク

盗賊「…三顧の礼を尽くした。話だけでも最後に…聞いて欲しい」

番長「……」

魔道士「実は、ゴーレムを求めていたのは、召喚士さんじゃないんですっ」

番長「…?」

盗賊「……」

番長「じゃあ、誰なんでごわすか?」

魔道士「……どうぞ!」
373 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:13:55.88 ID:nbGmHZ49o
スッ…テクテクテクテク

番長「――っ!!」

魔道士「この方が……望んでいるんですっ!」

戦士「……ほれ」

ススッ

番長「……召喚子……さんっ!」

召喚子「……ご、御機嫌ようっ」

番長「何故…!?知り合いでごわすか!?」

戦士「あー、まぁ…たまたま……な」

番長「……っ」

召喚子「あ、あのぉ……」

戦士「それじゃ、あとは二人っきりでごゆっくり〜」

魔道士「失礼しますっ」

召喚士「えっ!?ち、ちょっとぉ……!?」

盗賊(……絶対楽しんでる…絶対)
374 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:14:35.67 ID:nbGmHZ49o


番長「……どうぞでごわす」

コトッ

召喚子「…ありがとう…ございますっ」

番長「いやはははっ!しかし…そうならそうと言って頂ければ…」

召喚子「い、いえ…っ。いきなりはご迷惑かと〜」

番長「迷惑?とんでもない!大歓迎でごわす!」

召喚子「は……ははっ」

番長「それで、ゴーレムを?」

召喚子「そ、そうなんです…。どうしても…手に入れたくて……」

番長「……ふぅむ」

召喚士(やっぱり、こんなのは良くないし…通用しないと思う……)

番長「何か事情があるようでごわすな。いや、理由などは聞きません」

召喚子「……っ」

番長「しかし、いくら召喚子さんの頼みとはいえ…簡単には……」
375 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:16:09.68 ID:nbGmHZ49o
召喚子「で、ですよねぇ……っ」

番長「申し訳ないでごわす……」

召喚子「いえっ、こちらこそ…無理を言って…ごめんなさい」

番長「……」

スクッ

召喚子「それでは、失礼致します…」

テクテクテク

番長「……召喚子さん!!」

召喚子「…?」

番長「待って欲しいでごわす!!」

召喚子「……は、はい」

番長「……一つ、聞いて欲しいでごわす!」

召喚子「なっ、何でしょう…!?」

番長「もし教えたら……いやっ、教える代わりに条件を一つ!」

召喚子「!?」
376 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:17:25.83 ID:nbGmHZ49o
番長「ワシは……召喚フェスに全てを賭けているでごわす」

召喚子「召喚…フェス」

番長「そうでごわす。その為に…手の内を同業者には明かしたくないでごわす」

召喚子「そうだったんですか…っ」

番長「無冠の帝王と呼ばれ…はや……」

召喚子「……」

番長「…だから、もし……もしでごわす!」

召喚子「……は、はいっ」

番長「次の召喚フェスで……ワシが優勝したら……」

召喚子「し、したら……?」

番長「…ワシと……結婚して欲しいでごわす!!」

召喚子「――っ!?」

番長「それが……ゴーレムをお譲りする条件でごわす」

召喚子「け……けけっ、結婚……って」

番長「もちろん、次に優勝する自信は…あるでごわすよ!」

召喚子「……っ」
377 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:18:26.97 ID:nbGmHZ49o
ザッ…スタスタスタ

戦士「話は聞かせて貰った」

召喚子「戦士!?……さんっ」

番長「…全く、聞き耳を立てていたとは…っ」

戦士「すまんすまん。しかし、俺が立会人だ」

召喚子「はぁ!?」

戦士「その条件でいこうじゃねぇか、召喚子さん?」

召喚子「ちょっと……何言って……」

番長「…仕方ないでごわすね。立会人も居る事でごわすし……」

召喚子「い、いやっ……その……」

番長「……ワシは一向に構わんでごわす!!」

召喚子「!!」

戦士「よーし、交渉成立だ。良かったな、召喚子さん!はははっ!」

番長「良かったでごわす!がっはははは!!」

召喚子「――っ」
378 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:20:47.73 ID:nbGmHZ49o


戦士「そんじゃあ、会得が済んだら声掛けてくれな!」

ザッザッザッザ…

召喚士(あとで覚えてろよぉ……っ)

番長「それでは召喚子さん。早速始めるでごわすか」

召喚子「も、もうですか!?」

番長「早いに越した事はないでごわすよ」

召喚子「…まぁ……ありがたいですけど」

番長「まずは召喚するでごわす。見てて下され」

スゥッ

番長「いざっ、ゴーレム!」

シュイイィィン

召喚子「お、大きい……っ」

番長「これがゴーレムでごわす。見た事はあるでごわすよね…?」

召喚子「え、えぇ…っ」
379 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:22:07.29 ID:nbGmHZ49o
番長「こいつの能力はまず一つに防御行動」

召喚子「防御…ですか?」

番長「そうでごわす。オートガードとでも言うべきでごわすか」

召喚子「オートガード……」

番長「一度召喚し、消滅するまでは、主の護衛を最優先するでごわす」

召喚子「……凄いですね」

番長「そうでごわす。こちらの意志とは無関係に、身を守ってくれるでごわす」

召喚子「……忠実なんですね」

番長「無論、ゴーレムが攻撃している場合は不可でごわす」

召喚子「攻撃も出来るんですか…!?」

番長「そうでごわす。第二の能力、それは土行による攻撃でごわす」

召喚子「土……っ」

番長「そうでごわす。物理に土行付加を加える事が可能なんでごわす」

召喚子「なるほど……」

番長「まぁもっとも、攻撃も防御も召喚士の魔力次第でごわすけどね」
380 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:23:25.88 ID:nbGmHZ49o
召喚子「……」

番長「ゴーレムは高等でごわすが、使いこなせてこその高等でごわす」

召喚子「高魔力を以ってすれば、それだけ力を発揮する…」

番長「その通りでごわすよ」

召喚子「使いこなせるかな…か、かしらっ」

番長「召喚子さんならば、問題ないでごわすよ」

召喚子「そ、そうですかねぇ」

番長「あのスフィンクスをあれだけ使いこなしているでごわす。心配ないでごわすよ」

召喚子「そ、そんな事…っ」

番長「しかし、羨ましいでごわすなぁ」

召喚子「…?」

番長「あれほどの召喚獣…一度は、使ってみたいでごわすよ」

召喚子「あっ、それなら……」

番長「…?」

召喚子「ゴーレムのお礼に…スフィンクスを……」
381 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:24:10.11 ID:nbGmHZ49o
番長「本当でごわすかっ!?」

召喚子「ええっ」

番長「それはあり……いや、やはりやめておくでごわすよ」

召喚子「え…っ?」

番長「男子たるもの、女性を守ってこそ漢というもの」

召喚子「……?」

番長「その女性から教えを請うなど…男の恥でごわす」

召喚子「そう…ですか……?」

番長「それに、一度約束を付けての事でごわす」

召喚子「じ、じゃあ…その条件と交換に……」

番長「いーや、立会人もいる事でごわす。男に二言は無いでごわすよ!」

召喚子「……っ」

番長「あれは…西方でごわすな?」

召喚子「……ええ」

番長「いつか、自力で会得してみせるでごわすよ!がはーっはっはっは!」
382 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:25:09.70 ID:nbGmHZ49o


番長「以上でごわす。何か質問などは…?」

召喚子「だ、大丈夫…です」

番長「そうでごわすか」

召喚子「本当にありがとうございました。助かりました」

番長「ん?試しに出さなくていいでごわすか?」

召喚子「だだっ、大丈夫ですよ〜っ」

番長「いやいや、きちんと得られてなくばワシの恥でごわす」

召喚子「……」

番長「さぁ、見せてみるでごわすよっ!」

召喚子「……ボソボソ」

番長「え?聞こえないでごわすよ。おっきな声で呼びかけるでごわす!」

召喚子「……あーっ!!」

番長「えっ!?」

クルッ
383 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:26:04.02 ID:nbGmHZ49o
召喚子「行けっ!ゴーレム!!」

シュイィィン

番長「何かいたでごわ……おぉっ!」

召喚子「出来たぁ〜っ!!」

番長「いやはや、お見事でごわす!流石は召喚子さん…っ!」

召喚子「ありがとうございます〜」

番長「……ところで召喚子さん」

召喚子「…はい?」

番長「流派はどちらでごわすか?」

召喚子「――っ!?」

番長「さっき余所見していて、聞きそびれたでごわす」

召喚子「…え、えっとぉ……そこら辺の……」

番長「ソコラノ流?聞いた事ないでごわすね。師は誰でごわす?」

召喚子「え、えっとぉ……父っ、そう…父です!」

番長「お父様でごわすか。近々、挨拶に伺わねば……」
384 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 03:26:57.52 ID:nbGmHZ49o
召喚子「い、いえっ!それがもう…父は亡くなっておりまして……」

番長「なんと!?」

召喚子「て、天涯孤独なんですよ〜」

番長「それは……辛いでごわすねぇ」

召喚子「い、いえ……っ」

番長「そうだ!良かったら…ここで暮らすと良いでごわすよ!」

召喚子「……あ、あのっ」

番長「そうすれば、ワシや子分が力になれるでごわすよ!」

召喚子「え…えっとぉ……」

番長「そうそうっ!是非、そうするでごわす!」

テクテクテク…ギュッ

召喚子「――っ!!」

番長「むしろ、一緒に暮ら……」

召喚子「今日はありがとうございましたっ!失礼します……っ!」

番長「あっ!?召喚子さんーっ!!」

ダッ…タッタッタッタッタ…
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 03:31:22.17 ID:nbGmHZ49o
こんな遅くにすみません。こんばんは!
大量ご支援ありがとうございます!感謝感謝!

>>336-339
彼らとは何の事でしょうか!?はてさて…

>>347
>>350さんの仰る通りです!

>>351
むむむ…

>>360
本当ですか!?いつの間に親密に…ちっ!
嘘です…単純な付け忘れかと…ごめんなさい…

>>363-367
おぉ!?ありがとうございますー!
起きたら見てみますです!

では、おやすみなさい!ノシ
目がしょんぼりでオマケは割愛…ご勘弁を!
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 03:33:37.33 ID:10P0bb4co
>>1
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 03:47:05.01 ID:9h7mr+ZSO
番長…色んな意味で漢wwwwww
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 07:29:10.21 ID:xX/xedCb0
>>1
良い漢だ、だが不憫だなwwwwww
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 08:56:13.74 ID:hIf49XeIO
戦士さんまじ外道。
男の子純情もてあそびやがって

お仕置きだべ〜展開希望
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 09:42:15.89 ID:H8f9RLfDO
召喚子に戦士がおしおきされるんですね
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 11:07:09.45 ID:22d5nn9wo
召喚士はアレだから流されてやっちゃっても仕方ない気がするが
戦士は他人の信念を尊重出来る漢だと思っていたのに・・・・・・
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 11:25:43.65 ID:tgOjJ4RUo
番長が列海王に(ry
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 14:56:55.30 ID:h2aI93fSO
結局皆こうか!

召喚士の恥<<<<<漢の信念<<<|越えられない壁|<<<面白さ
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 17:56:36.90 ID:m+m2CymDO
ギャグがに勝るもの無しかギャグさえあればあの魔王達も簡単に……?
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/13(日) 21:21:59.96 ID:cwaM+vaUo
両津と部長の出番か
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/13(日) 23:22:44.22 ID:okEkFG5AO
凄いなwwwまだ連載してたとは!
ちょこちょこ見直させてもらいます!
397 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:48:36.95 ID:nbGmHZ49o
〜食事処〜

魔道士「おめでとうございます!」

盗賊「…おめでと」

戦士「おめでとうっ!!」

召喚士「……勘弁してよ…もうっ」

戦士「悪かったよ。でもまぁ、結果オーライだろ」

召喚士「そうかもしれないけど、そういう問題じゃあ…」

魔道士「…ごめんなさい」

召喚士「い、いやっ……えぇと……」

戦士「でもよ、結局あっちもまんざらじゃなかったわけだしなぁ」

盗賊「……」

戦士「信念より下心が上回ってたし……」

召喚士「それとこれとは……」

戦士「まぁいいさ。全てが終わった時に話せば分かってくれるよ」

召喚士「…そ、そうかなぁ」
398 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:49:20.77 ID:nbGmHZ49o
戦士「さーて、これで三匹の召喚獣が手に入ったわけだが…」

召喚士「そうだね。色々とあったけど……」

盗賊「…どうする?」

召喚士「あとは行く先々で機会があればでいいと思います」

戦士「と、なると……」

召喚士「次は皆さんの武具とか……」

魔道士「私は特に大丈夫ですよ〜」

盗賊「…私もだな」

召喚士「じゃあ戦士は?」

戦士「そうだな…。そろそろコイツを完成させにゃあならんか」

ドスッ

召喚士「……ドワーフさんの斧だね」

戦士「ああ。今は炎の盾と化してるが、そもそもは…」

召喚士「五行の鉱石を付加できる斧だもんね」

戦士「…ああ」
399 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:50:00.61 ID:nbGmHZ49o
魔道士「でも、大きな鉱石を探さないといけないんですよねぇ」

召喚士「一箇所に固まっているとも思えないしね」

戦士「鉱石ってーと……」

バサッ

召喚士「ここ、鉱山の町と……大軍師さんの話だと、北方も」

魔道士「南東は火の鉱石を手に入れたから、他はなさそうですね」

召喚士「盗賊さん。東方ではそういったものは?」

盗賊「…聞いた事がないな」

戦士「そうなるとまぁ、俺の方も都度、機会があればって感じか」

魔道士「それじゃ特に、目的地もありませんね」

召喚士「では一度、本国へ戻るとしましょうか」

盗賊「…そうだな。そこで情報を集めよう」

戦士「そんじゃ、今日はパーッとやって……」

魔道士「何でですかっ!」

戦士「召喚獣ゲットの祝いだよ!なぁ?」
400 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:50:52.90 ID:nbGmHZ49o


魔道士「かんぱーい!!」

チィン

魔道士「…はぁ、美味しい〜」

戦士「……結局一番ノリノリじゃねぇか」

召喚士「まぁまぁ…ははっ」

戦士「…しかし、もうノンビリもしてられないわなぁ」

盗賊「…ああ」

魔道士「何だか期限があると、焦っちゃいますよね」

戦士「今までは何も考えずに旅出来たからなぁ」

召喚士「そうだね」

魔道士「無事、終わるといいですね」

戦士「無事って事はないだろうけど…頑張ろうぜ」

盗賊「…ああ」

召喚士「うんっ!頑張ろう!」
401 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:51:30.29 ID:nbGmHZ49o
〜召喚士の部屋〜

ボフッ

召喚士「……はぁ」

ゴロン…バサッ

召喚士(手に入った召喚獣はザントマン、クジャタ、そしてゴーレム…)

ジーッ

召喚士(結局、全部白虎かぁ。何か白虎と縁でもあるのかな…ははっ)

ベッドへ横たわり、地図と師匠の手帳を見つめる召喚士。

召喚士「……仕方ないよな。あとはこれしかない」

バサッ

召喚士「……はぁ〜っ」

ゴロン

召喚士「あと半年……半年以内には……」

静かに目を閉じながら自分へと言い聞かせる召喚士。

気付くと、そのまま深い眠りへと落ちていた……。
402 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:52:02.23 ID:nbGmHZ49o
〜次の日〜

召喚士「おはようございます」

魔道士「おはようございますーっ」

盗賊「……行くか」

召喚士「せっかくなんで、歩いて向かいませんか?」

戦士「構わねーけど、何かあったか?」

召喚士「いや、赤壁の完成具合を見たいなーって」

魔道士「おぉっ!?いいですねーっ!!」

召喚士「盗賊さんと戦士はどうかな?」

盗賊「…構わんぞ」

戦士「いいな。そうしようぜ」

召喚士「良かった。それじゃまずは歩いて赤壁まで……」

魔道士「出発ーっ!!」

戦士「おう!」

盗賊「……おー」
403 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:52:40.29 ID:nbGmHZ49o


戦士「しっかし、結局集まったのは白虎だけだな」

召喚士「うん…。俺も昨晩、思ったよ」

盗賊「…白虎と…縁があるのかもな」

戦士「本当だよな。大人気じゃねぇか」

召喚士「そういえば…白虎界へ行った時も誘われたっけ」

戦士「誘われた?」

召喚士「ケツァルコアトルっていう召喚獣に……」

魔道士「スカウトですか!?大人気じゃないですか〜」

召喚士「そ、そうなんですかね…。ちょっと違うような気も…」

戦士「んで、その…なんたらかんたらってのはどうなんだ?」

召喚士「時間もなかったし、その時は何も……」

盗賊「……」

召喚士「使える白虎召喚士がいればいいんだけどね」

戦士「サモナーさんから貰った資料には載ってないのか?」
404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:53:24.47 ID:nbGmHZ49o
召喚士「うん。サモナーさんの所にもなかったような気がする」

魔道士「確かに、ケツァルコアトルなんて名前は見なかったですねぇ」

盗賊「……ああ」

召喚士「まだまだ未知なる召喚獣も居るという事ですね」

戦士「だなぁ。ま、チャンスがあったら狙ってこうぜ!」

召喚士「うんっ!」

戦士「さーて、赤壁まであとちょいだぞ」

盗賊「…ああ」

魔道士「頑張っていきましょーっ!」

召喚士「ええ!」

北方よりも穏やかな気候に包まれ、四人は談笑を交えながら、

赤壁を目指し、その足を進めていく。そして昼過ぎ。目的地は目前へと見えてきた。

〜赤壁〜

魔道士「……すごっ。もうこんなに出来上がって……っ」

召喚士「……凄いですね」
405 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:54:31.54 ID:nbGmHZ49o
テクテクテクテク

戦士「へぇ、この辺りなんかすっかり砦っぽくなってるなぁ」

召喚士「砦というより、もはや要塞だね」

盗賊「…ん?あれは……?」

ザッザッザ

南方弓長「…あらっ!?よく会うわねぇ」

戦士「おっす。ちょいと赤壁見物にな」

魔道士「こんにちは〜」

南方弓長「なぁに?今度は南で戦闘?」

召喚士「いえいえ、私用ですよ」

南方弓長「あらそう。上に司令いるわよ」

召喚士「ありがとうございます。行ってみましょうか」

魔道士「はいっ!」

戦士「司令も大はしゃぎだろうなぁ…あははっ」

テクテクテクテク
406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:55:19.91 ID:nbGmHZ49o
南方弓長「……?」

盗賊「……」

南方弓長「なぁに?」

盗賊「……いえ」

スッ…テクテクテク…

南方弓長「……?」

〜司令室〜

戦士「…おぉ、すっげぇな」

召喚士「これはかなり強固な作りだね」

魔道士「あっ、南方司令さん!」

テクテクテク

召喚士「こんにちは」

南方司令「おぉ!!よく来たな!!」

戦士「調子はどうです?」

南方司令「見ての通り、順調順調!ハッハハハ!」
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:55:52.95 ID:nbGmHZ49o
魔道士「でも、ほんと凄いですねーっ」

南方司令「だろう?結界石を使った門と城壁…」

盗賊「……」

南方司令「更には研究機関開発の新技術もふんだんに導入予定だ!」

魔道士「おぉーっ!」

南方司令「それより君達はどうしたのだ?また結婚か?」

戦士「んなわけないっしょ」

召喚士「召喚獣集めで南方へ来たんです」

南方司令「そうだったか!」

魔道士「それで、本国へ変える途中に寄って行こうって」

南方司令「成程な。そうだったか」

召喚士「順調そうで何よりです。安心致しました」

南方司令「なんならゆっくりしていってくれて構わんぞ?」

召喚士「いえいえ。俺らもすぐに失礼します」

南方司令「そうか……。おぉ、そうだ」
408 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:56:33.65 ID:nbGmHZ49o
盗賊「…?」

南方司令「本国へ行くと言っていたな」

魔道士「ええ…。それが…何か?」

南方司令「ちょっと頼まれ事をして貰えないかな?」

戦士「…何だ?」

南方司令「難しい事ではない。手紙を渡して欲しいのだ」

召喚士「手紙…ですか?」

南方司令「ああ。本部だから通りがけにでも」

召喚士「全然構いませんよ。お預かりします」

南方司令「いやぁ、手間がはぶけた!助かる!」

ゴソッ

南方司令「えぇとだな…。これを開発の者に回してくれ」

召喚士「開発?」

南方司令「本部ぬいある研究機関の開発局だ。知らんか?」

魔道士「初めて聞きますね」
409 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:57:39.46 ID:nbGmHZ49o
戦士「ああ」

南方司令「鍛冶師とか、武具やら作ってる連中さ」

召喚士「なるほど…。まぁ行けば分かりますよね?」

南方司令「分からなきゃ受付にでも渡せば大丈夫だろう」

戦士「なんかすんのか?」

南方司令「いやな、新しい武器でも作って貰おうかと思ってな」

魔道士「武器…ですか?」

南方司令「私の個人的なものさ」

盗賊「……成程な」

南方司令「手間をかけるが、すまんな」

召喚士「いえ、お構いなく」

南方司令「報酬は後ほど渡す」

召喚士「い、いいですよ…そんな……」

南方司令「それとこれとは別!仕事は仕事だ」

召喚士「は、はぁ……。ありがとうございます」
410 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:59:01.88 ID:nbGmHZ49o


南方司令「じゃあ、頼んだぞ!」

戦士「おう、任せとけ!」

魔道士「それじゃ、お預かりしますねっ」

南方司令「また近いうちにゆっくりと来るがいい!待っているぞ!」

召喚士「はいっ!ありがとうございます!」

盗賊「……では」

スタスタスタスタ

南方弓長「あら、もう帰っちゃうの?」

召喚士「ええ。今日は本当に見学だけですので」

南方弓長「…そっか。またゆっくり遊びに来てね」

魔道士「はいっ、是非!」

戦士「んじゃな。頑張ってな!」

南方弓長「ふふっ、ありがと」

盗賊「…………では」
411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/13(日) 23:59:47.41 ID:nbGmHZ49o


魔道士「だいぶ出来てましたね〜」

召喚士「ええ。完成も近そうですね」

戦士「いずれはあそこを拠点に南で……」

召喚士「…そういう事になるね」

戦士「アンラ・マンユにラーヴァナだったっけか?」

召喚士「うん。しかもそれぞれ…眷属までいるようだし……」

盗賊「…一筋縄では…いかんだろうな」

魔道士「少しでも力になれるといいですね……」

召喚士「ええ。でも、今は今出来る事を一つずつ…こなしていきましょう」

戦士「…だな。どうせ嫌でもブチあたるんだ」

魔道士「下準備はしっかり…ですね…っ」

盗賊「…だな」

召喚士「…さぁ、本国へ向かいましょう」

迫る現実を目の当たりにし、気を引き締めなおした一同は本国へと向かった。
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 00:04:42.75 ID:Xk7exBhQo
今日前このスレで名前が上がってた封嘴のコカトリスという漫画の一巻を読んだんだが予想外のコカトリスだったな
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/14(月) 00:08:48.02 ID:js5uvWbRo
番長は漢ですが軽いです。きっと戦士は見抜いて……
そしてギャグ漫画最強説……

>>396
うおーありがとうございます!!
誤字脱字でフイて頂ければ…orz

それでは、おやすみなさい!ご支援ありがとでした!ノシ

〜オマケ〜

番長「……」

親衛隊長「ヘイ、何気持ち悪いスマイル浮かべてるんです?」

番長「ふっふ。ついに結婚する事になったでごわすよ」

親衛隊長「ホワーット!?番長が……けけけ結婚!?」

番長「そうでごわす。お前とも長い付き合いだったが、ついに…」

親衛隊長「ホワワーット!?ウェディングはいつですかーっ!?」

番長「その時が来たらちゃんと教えるでごわすよ。がっははは!」

親衛隊長「オーマイゴッド……まさかこんなデーが来るとは……」

※チョコの数は親衛隊長の方が多いです。
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/14(月) 06:09:04.72 ID:6hqO/ETIO
そういえば今日はバレンタインデーか

甘党の皇太子はホクホクだな
415 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:13:13.52 ID:6p13LX+Do
〜本国〜

召喚士「さてと、まずは国軍本部へ行って、南方司令の手紙を渡しましょうか」

盗賊「…だな」

着いたその足で国軍本部へと向かう四人。

〜国軍本部〜

戦士「…何だ?」

記者「本当にいらっしゃらないんですか?」

ワーカー「リークされた話は、どこまでが真実なんですかぁ!?」

ザワザワ

魔道士「取材…ですかね?」

召喚士「……」

門兵「ですからっ、私は何も分かりませんって!」

記者「じゃあどなたか、対応出来る方を――」

戦士「ちょいと失礼」

魔道士「通して下さいー」
416 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:13:47.81 ID:6p13LX+Do
ノソッ…テクテクテク

戦士「すっげぇ人だかり…」

盗賊「…迷惑な話だ」

門兵「あっ!これはどうも!!」

召喚士「一体どうしたんです?」

門兵「さぁ…。今朝からずっとあんな調子ですよ」

戦士「アンタも大変だな」

門兵「さぁさぁ、こちらからお入り下さい」

召喚士「失礼します」

記者「…おや!?あなたはもしや、朱雀先生では!?」

召喚士「へ…っ?」

記者「やはりそうですかっ!これはなんというチャンス!!」

魔道士「チャンス…?」

記者「ちょっと宜しいですかっ!?」

召喚士「すみません…。今は、急いでいるもので……」
417 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:14:15.45 ID:6p13LX+Do
記者「では後ほどで構いません。お時間を下さい!」

召喚士「……ど、どうしよう?」

戦士「…何なんだ?」

魔道士「少しくらいならいいんじゃないですか?」

召喚士(……記者の人と仲良くなっておけば…情報も入るかもしれないな)

記者「お時間は取らせません!」

召喚士「…分かりました。あとで来ます」

記者「おぉーっ!ありがとうございます!!」

召喚士「じ、じゃあ後ほど……」

テクテクテクテク

戦士「取材かな?」

召喚士「どうなんだろうね」

盗賊「…面倒な話でなければ良いが」

召喚士「議会の件については何も話す気はありませんから…」

盗賊「…だな」
418 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:14:54.80 ID:6p13LX+Do
テクテクテクテク…

魔道士「えぇっと……開発局は……」

カツカツカツ…

召喚士「あ…っ」

占い師「…?」

魔道士「占い師さんっ!!」

占い師「あらぁ、いらっしゃい!今日はどうしたの?」

召喚士「南方司令から手紙を預かってきまして……」

占い師「南方司令?あんた達もあっちこっち飛び回って…大変ねぇ」

戦士「開発局ってのはどっちだ?」

占い師「開発局?あぁ、南ブロックの方よ。案内するわ」

魔道士「ありがとうございますっ。助かります〜!」

戦士「ところで、外の騒ぎは何なんだ?」

占い師「…あぁ。なんだか内通者がどうのこうのって」

盗賊「!?」
419 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:15:41.87 ID:6p13LX+Do
占い師「ほら、特遊に内通者がいたでしょ?」

召喚士「……三日月島の時の…っ!」

占い師「そうそう。それが今更、漏れたのよ」

召喚士「……っ」

占い師「一部の噂では、誰かがリークしたとかって話」

戦士「そんで、大丈夫なのか!?」

占い師「さぁね〜。大軍師はいないし、特遊は任務でいないし……」

召喚士「何で今頃そんな話が……」

占い師「分からないわ。……ちょっと来て」

盗賊「…?」

カツカツカツ…ザッ

占い師「一部の話じゃ左翼の仕業じゃないかって……」

魔道士「!?」

占い師「あの件は国軍の上層部と現地に居た人間しか知らないはずなのよ」

戦士「…つー事は」
420 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:16:15.27 ID:6p13LX+Do
占い師「そう。その中に内通者がいるんじゃないかって……」

魔道士「……っ」

盗賊「…しかし、今更そんな話…影響あるのか?」

占い師「軍が国民へ隠蔽していた形になっちゃうからね」

召喚士「ええ。あくまで混乱を防ぐ為でしょうけど…仇となりましたね」

占い師「そうなのよ。いっその事明るみに出しておけば良かったわねぇ」

召喚士「……っ」

占い師「まぁ、数日内に対応も終わるでしょ。心配しなくていいわよ」

魔道士「それなら…安心ですけど……」

占い師「さ、開発局はすぐそこよ。行きましょ」

盗賊「…ああ」

カツカツカツカツ…

召喚士「…………」

戦士「どした?……何か、気付いたか?」

召喚士「…いや、あとで話すよ」
421 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:16:56.52 ID:6p13LX+Do
〜開発局〜

占い師「到着〜」

コンコン…ガチャッ

魔道士「わぁっ、広〜い」

戦士「すっげぇな!大規模な鍛冶場ってとこか!」

占い師「奥はもっと凄いわよ。造船所やら――」

――「あっ!!え、えぇーっ!?」

召喚士「…?」

タッタッタッタ

――「何でいるの!?」

戦士「は…?」

魔道士「鍛冶娘さんっ!!」

鍛冶娘「……あっ、えっと…こんにちは」

盗賊「…どうも」

戦士「何でいるのって……まぁ、仕事?」
422 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:17:29.71 ID:6p13LX+Do
鍛冶娘「…ふぅん」

占い師「ねぇ、局長は?」

鍛冶娘「あっ、今日は打ち合わせで西方司令部へ……」

占い師「そう。じゃああなたに渡しておくわ」

鍛冶娘「…?」

召喚士「この手紙を南方司令さんから預かりました」

鍛冶娘「…はぁ」

召喚士「何でも、新しい武器の依頼だとか…」

鍛冶娘「分かりました。局長へ渡しておきます」

召喚士「お願いします」

占い師「さ、これで要件はおしまい。戻りましょ」

戦士「中は見せてくれねーのか?」

占い師「流石に部外者には見せられないわ。色々と秘密が多いから」

戦士「そうか…。ま、仕方ないわな」

魔道士「残念ですね」
423 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:17:57.89 ID:6p13LX+Do
占い師「さ、行きましょ」

魔道士「はいっ!」

占い師「それじゃ頑張ってね!」

鍛冶娘「あっ、はい!」

盗賊「…じゃあ」

召喚士「失礼します」

テクテクテク…ピタッ

戦士「…あ、そうそう」

鍛冶娘「…?」

戦士「鍛冶屋さんとおかみさん、お前の話いつも嬉しそうにしてるぜ」

鍛冶娘「……っ」

戦士「頑張れよ!」

鍛冶娘「……あ、あのさっ」

スタスタスタ

鍛冶娘「……戦士」
424 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:18:24.21 ID:6p13LX+Do
〜司令室〜

ダンッ!!

副司令官「一体どうなっておるのですっ!」

司令官「……」

副司令官「重要機密でないとはいえ、漏洩するなど有り得ぬ話ですぞ!」

司令官「……だねぇ」

副司令官「これは特遊や、ひいては司令の進退問題にすら成りかねぬ……」

司令官「…まぁ、近いうちに対応は取るさ」

副司令官「……っ」

司令官「…君、誰の仕業だと思う?」

副司令官「…検討もつきませぬ。しかし……」

司令官「しかし?」

副司令官「左翼…ですか?」

司令官「…左翼ねぇ」

副司令官「ですが、左翼にとってメリットがありません」
425 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:18:54.08 ID:6p13LX+Do
ピクッ

司令官「……ほぉ」

副司令官「ただでさえ両翼の確執が表面化しているのです」

司令官「……」

副司令官「そこへ火種を投じるなど、彼らにとっては不利……」

司令官「じゃあ、誰の仕業なんだい?」

副司令官「それが分かれば…苦労はしません…っ」

司令官「それもそうだね」

副司令官「…それで、如何にするおつもりで?」

司令官「……仕方ないね。大軍師を呼ぼうか」

副司令官「…かしまりました」

司令官「屯田も進んだ事だろうし、そろそろご帰還願うかな」

副司令官「……」

司令官「じゃあ、任せたよ」

副司令官「……はっ」
426 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:19:55.12 ID:6p13LX+Do
〜応接室〜

戦士「左翼にとって不利?」

召喚士「うん」

魔道士「何故なんですか!?」

召喚士「そもそも内通者の存在なんて、左翼としては明かしたくないはずです」

盗賊「……確かにな」

召喚士「表立って内通者がいるなんて事を謳ってしまえば……」

戦士「左翼が怪しまれるってか?」

召喚士「彼らは保守派だ、戦いを望んでいない」

盗賊「…対して右翼は」

召喚士「ええ、五ヵ年計画もありますし、魔王軍と徹底抗戦を考えています」

戦士「右翼にとっちゃあわざわざ魔王軍と通じる必要はないって事か…」

召喚士「だからこそ不思議なんだ。何故、この情報が今頃になって――」

カチャッ

占い師「お待たせ。呼んできたわよ」
427 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:20:27.17 ID:6p13LX+Do
召喚士「ありがとうございます。お久し振りです」

白虎長「なぁに?どうしたの…?」

召喚士「実は、召喚獣の事でお伺いしたくて……」

白虎長「召喚獣?ええ、答えられる事であれば…」

カツカツカツ…トスッ

召喚士「白虎召喚獣で、ケツァルコアトルってご存じですか?」

白虎長「ケツァル…?聞いた事ないわね……」

召喚士「そうですか」

白虎長「それがどうかしたの?」

召喚士「いえ、ちょっと耳にしたもので。もしご存知ならばと…」

白虎長「そう、ごめんなさいね。聞いた事がないわ」

召喚士「いえいえ、気にしないで下さい」

白虎長「もしかして、召喚獣集めをしているのかしら?」

召喚士「ええ」

白虎長「そうね。私も教えてあげたいのは山々だけど……」
428 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:21:05.58 ID:6p13LX+Do
召喚士「お立場もあるでしょうし、無理しないで下さい」

白虎長「もっとも、朱雀先生に渡せるような召喚獣もいないけどね」

召喚士「そんな事は……」

白虎長「あなたクラスになると、せいぜいベヒーモスぐらいしか実用度はないわ」

召喚士「……」

白虎長「でも、あれは一族の者にしか渡せない門外不出の召喚獣…」

召喚士「……」

白虎長「どうしても使いたかったら、私と結婚でもする?」

召喚士「えつ!?」

魔道士「それは駄目ですよっ!!」

白虎長「冗談に決まってるでしょ」

魔道士「わ、分かってますよ……っ!」

白虎長「ちなみに、今は何か増えた?」

召喚士「そうですね。ザントマンとクジャタと…ゴーレムですね」

白虎長「クジャタ!?」
429 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:21:57.80 ID:6p13LX+Do
召喚士「え、えぇ…っ」

白虎長「よく手に入ったわね…。長年、使い手の居ない希少な召喚獣よ?」

召喚士「色々と……ありまして」

白虎長「…まぁ、事情は聞かないけれど。私も見たのは一度きりかしらね」

召喚士「そうなんですか!?」

白虎長「祖父である初代白虎先生の弟子に使い手がいたわ」

召喚士「……」

白虎長「とても強くて…でも、随分と前に亡くなったと聞いたわ」

召喚士「そうですか……」

白虎長「弟さんも弟子でね、兄弟揃ってとても強かったのよ」

召喚士「兄弟…ですか」

白虎長「ええ。白虎兄弟と言えば、結構有名なワーカーだったみたいよ?」

召喚士「……なるほど」

白虎長「ごめんね。余計な話しちゃったわね」

召喚士「あ、いえいえ。ありがとうございました」
430 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:22:29.51 ID:6p13LX+Do


占い師「次は…講堂?」

召喚士「ええ、すみません…あっちこっち……」

占い師「まぁ、構わないけどね」

スタスタスタ

盗賊「……ねぇ」

占い師「ん?」

盗賊「…その…あれから……どう?」

占い師「ん?あぁ、力の事?」

盗賊は黙って頷く。

占い師「まだダメね。もしかしたら…ずぅっとこのままかもね〜」

戦士「いいのかよ……?」

占い師「あるに越した事はないけど、そればっかりじゃないからね」

戦士「そうか?便利な力だと思うけどな」

占い師「便利…か。確かにそうよね」
431 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:23:20.05 ID:6p13LX+Do
戦士「あ、いや……っ。……悪い」

占い師「いいのよ。力を買われて入隊したわけだし、それを含めての私だもの」

戦士「……」

占い師「でも、何もいい事ばっかりじゃないのよ?」

戦士「……?」

占い師「例えばね、この手袋を外して対象者に触れると……」

盗賊「……」

占い師「その人の未来が私の中に入り込んでくるのよ」

魔道士「へぇ……っ」

占い師「ま、今は力もないから大丈夫だけどね」

スゥッ…トンッ

占い師「え……っ!?」

パアアァァッ!!

戦士「お、おいっ!?」

手袋を外し、戦士の肩に触れた占い師の掌が一瞬光る。
432 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:23:58.19 ID:6p13LX+Do


紅孩児『……ちっ!』

戦士『悪いな!』



鬼丸『これが俺の……役目だろ』

戦士『お前……』



火忍『……おい』

戦士『……何だよ』



戦士父『……!?』

戦士『これで……』



盗賊『……戦士、私は――』

433 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:25:19.93 ID:6p13LX+Do
パキイイィィンッ!!

戦士「お、おいっ!?」

占い師「……っ!!」

戦士「大丈夫か…?」

占い師「え、えぇ……っ」

召喚士「一瞬……光ったようにみえましたけど」

占い師「……」

盗賊「……」

占い師「…いえっ、力は戻ってないわ…っ」

戦士「…?」

占い師「あなたの中にあった、何かが私の中に流れ込んできた……」

戦士「俺の中に…?何だそりゃ……」

占い師「……分からない。でも、普通なら有り得ない……」

戦士「何が何だってんだ……っ」

占い師「……っ」
434 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:26:14.49 ID:6p13LX+Do
召喚士「何か…見えたんですか?」

占い師「…見えたというより、断片的な何かが……」

魔道士「断片的……」

召喚士「……はっ!!」

盗賊「…?」

召喚士「ゲーデの……」

占い師「ゲーデ?」

召喚士「戦士だけ、飛ばされなかったよね!?」

戦士「…ああ。それが何か関係してんのか?」

召喚士「あの時、何か断片的な記憶のようなものが脳裏に……」

魔道士「…私は何にも覚えてないです……っ」

盗賊「……同じく」

召喚士「個人差があるのか?いや、俺もよくは分からないんですけど…」

戦士「そんで、何か…あったか?」

占い師「さっきも言ったけど、断片で何も分からないわ……」
435 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:26:51.62 ID:6p13LX+Do
戦士「そっか」

占い師「ごめんなさいね」

戦士「ん、あぁ…気にしないでくれ。こっちこそ」

召喚士「……」

カツカツカツ

占い師「さ、講堂へ着いたわよ」

魔道士「ここで、どうするんですか?」

召喚士「いますよね?」

占い師「ええ」

魔道士「あっ、もしかして……」

ガチャッ…ギイイィィッ

召喚士「……」

カツカツカツカツ…コツ

召喚士「……お久し振りです。青龍先生」

青龍先生「……ひょっひょ。お主か」
436 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:27:31.74 ID:6p13LX+Do
召喚士「お身体の具合はいかがですか?」

青龍先生「ひょっひょ、もう限界じゃわい」

占い師「もうっ、またそーやって同情を買うんだからっ」

青龍先生「ひょっひょっひょ、相変わらず手厳しいのう」

魔道士「でも、本当に大丈夫ですか?」

青龍先生「若い女子の顔を見ると元気になるんじゃよ」

占い師「はいはい。どーせ私は若くありませんよー」

青龍先生「ひょっひょ、拗ねるでない。それで、何用かな…朱雀先生よ?」

召喚士「先生に一つ、お伺いしたい事がありまして」

青龍先生「…何じゃ?」

召喚士「召喚界へ行く儀式、ご存知ですよね?」

青龍先生「……教えんぞ」

召喚士「え…っ!?」

青龍先生「あれは誰かがやるからこそまだ安全なのじゃ」

召喚士「……」
437 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:28:09.10 ID:6p13LX+Do
青龍先生「己一人で行おうなどと、危険極まりないわい」

召喚士「……」

青龍先生「二人でも危険な行為。お主一人でなどと……死ぬぞ?」

召喚士「……すみません」

青龍先生「もしどうしてもの場合は、儂が儀式をしてやろう」

召喚士「…ありがとうございます」

青龍先生「しかしお主、青龍界に用などあるのか?」

召喚士「……え?」

青龍先生「青龍界に何か用などあるのか、と聞いたのじゃ」

召喚士「青龍界……ですか?」

青龍先生「当たり前じゃろ」

召喚士「そうか……っ。言われてみれば…そうだよ……っ」

戦士「…?」

青龍先生「要件は以上か?」

召喚士「え、あっ……はい!ありがとうございました!」
438 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:28:45.57 ID:6p13LX+Do


魔道士「先生、それではご自愛下さいねっ」

青龍先生「魔道士ちゃんがまた見舞ってくれれば、良くなるわい」

魔道士「それじゃ、また来ますね!えへへっ!」

青龍先生「おう。今度は盗賊ちゃんと二人で来なさいな」

盗賊「……はぁ」

召喚士「では、失礼します」

青龍先生「うむ」

スタスタスタスタ

戦士「さっきの話は何だったんだ?」

召喚士「いや、召喚獣界へ行く為の方法を学ぼうと思ったんだけど…」

戦士「…断わられたってか」

召喚士「うん。それもあるし…属性ごとに違ったのか……」

盗賊「…?」

召喚士「考えてみれば、当たり前なんですけどね…。はは…っ」
439 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:29:46.45 ID:6p13LX+Do
テクテクテク

魔道士「そっかぁ〜。朱雀召喚獣へ会う為には、朱雀界へ……」

戦士「スフィンクスやらに会うには白虎界へって事か」

召喚士「その上で、それぞれの属性ごとに儀式の中身が違うみたいだね」

占い師「召喚術っていうのは、ほんと手間がかかるわねぇ〜」

盗賊「…同意」

占い師「さーて、これで要件は全部おしまい?」

召喚士「ええ。ありがとうございました」

占い師「いーえっ。それじゃ戻りましょ」

魔道士「はいっ!」

戦士「……あー」

占い師「なに?」

戦士「戻ったら、何だか取材だか受けにゃならねーんだよなぁ」

占い師「取材?」

召喚士「ええ。さっき表にいた記者さんに声を掛けられまして……」
440 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:30:41.53 ID:6p13LX+Do
占い師「ついに新聞デビュー!?凄いじゃないっ!!」

召喚士「いや、違いますよ…多分…」

魔道士「あっ!!もしかして……!!」

盗賊「…?」

魔道士「前の…戦士さんの偽者事件の……」

戦士「げっ!!勘弁してくれよ……っ」

占い師「まぁとにかく、余計な事は言わない方が賢明よ?」

召喚士「そのつもりです。変な混乱を招きたくないですから……」

カツカツカツ…

占い師「ここで大丈夫?」

魔道士「はいっ!ありがとうございました!」

召喚士「それでは、失礼します」

盗賊「……元気で」

占い師「…ふふっ、ありがと」

四人は占い師と別れ、本部正門へと向かった。
441 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:31:54.39 ID:6p13LX+Do
テクテクテクテク…

戦士「…まーだあんなにいやがんぜ」

魔道士「凄いですねぇ……」

ザッザッザ

記者「あっ、朱雀先生!!」

召喚士「ど、どうも」

記者「待ってましたよ!!」

召喚士「あのぉ……一体どういった……」

記者「注目度ナンバーワンのワーカーとして是非、記事に!」

盗賊「!?」

記者「ここ最近のご活躍、大変素晴らしい限りです!」

召喚士「い、いやぁ……他にもいらっしゃるかと……」

記者「もしお暇であれば、夜にでも是非是非!!」

召喚士「……は、はは……っ」

かくして召喚士達四人は、何故か新聞の取材を受ける事となったのでした。
442 :入れ忘れた…恥ずかしい… ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 17:32:38.81 ID:6p13LX+Do
〜第三十六部、完〜
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/14(月) 17:34:45.77 ID:LKIzPv+4o
乙!
段々有名になって、召喚士が遠くなっていく・・・
444 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:09:33.09 ID:6p13LX+Do
書家「……ふぅん。朱雀先生ねぇ」

バサッ

書家「しっかし……クソつまんねぇ記事だな」

バサッ…ポイッ

書家「…どーれ、俺がちょちょいと書いてやっか!」

バラバラッ…パシッ

書家「出だしのインパクトがねぇな……」

カキカキッ

書家「……くっく!!こいつぁいい!!」

カキカキカキッ

書家「コカトリスとかけて……くっく!」

カキカキッ

書家「ぶっ!!……くくっ!!これはベストセラー間違いなしだわ!!」

キュッ

書家「タイトルはズバリ……『行けっ!コカトリス』だな!!」
445 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:10:23.83 ID:6p13LX+Do



召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第三十七部〜
446 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:16:27.42 ID:6p13LX+Do
〜本国、夜〜

戦士「…んで、どこだ?」

召喚士「多分この辺りだと思うんだけど……」

魔道士「…あっ、もしかしてあれですかね…!?」

盗賊「……凄いな」

戦士「えっ!?あれって灯台じゃねぇのかよ!?」

召喚士「俺もそう思ってた……」

テクテクテク

記者「お待ちしてましたよ!さぁ、どうぞ!」

魔道士「こ、こんばんは」

記者「さぁ、お入り下さい」

召喚士「これって…レストランだったんですね……」

記者「はい!超高級展望レストランですよ」

戦士「……高そ」

盗賊「…う、うん」
447 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:17:04.47 ID:6p13LX+Do
〜店内〜

カツコツカツコツ…

魔道士「お、おぉ……っ」

召喚士「高そうなシャンデリア……」

盗賊「…すごっ」

魔道士「うわぁ〜!綺麗な夜景……っ!!」

記者「どうです、この眺め!気に入って頂けましたか?」

魔道士「凄いですねっ」

召喚士「ええ…!」

戦士「しっかし……本当にいいのか?」

記者「構いませんよ!取材を受けて頂けるのです!」

盗賊「……」

記者「お会計など気にせず、お好きな物を食して下さい!」

召喚士「……は、はぁ」

戦士「じゃあ、お言葉に甘えて……」
448 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:17:38.12 ID:6p13LX+Do
カラカラカラッ…

ウェイター「飲み物をお持ち致しました」

戦士「来たっ!これ…一度飲んでみたかったんだよなぁ〜」

魔道士「また高そうですね……」

戦士「高いのなんのって、そりゃあもう……」

盗賊「…容赦ないな」

戦士「そういうお前もすげぇの食ってんじゃねぇか!」

盗賊「……うっ」

記者「まぁまぁ、どんどん食べて飲んで下さい!」

召喚士「なんだか本当にすみません……」

記者「いえいえ。それでは早速、本題宜しいですかな?」

召喚士「簡単な事であれば……」

記者「そりゃモチロン!あ、ちょっと待ってくださいね」

魔道士「…?」

記者「おーい!」
449 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:18:10.79 ID:6p13LX+Do
カチャッ…テクテクテク

記者「こっちは絵師。気にせず召し上がってて下さい!」

絵師「勝手に描かせて頂きますんで、お気にせずどうぞ」

魔道士「……何だか見られてると…緊張して…っ」

記者「ではまず、パーティーのリーダーは……」

盗賊「…ん」

戦士「これ」

魔道士「召喚士さんですっ」

三人が発言と同時に召喚士を指差す。

召喚士「……みたいです」

記者「やはり朱雀先生ですか!では、出会いの馴れ初めなどは?」

召喚士「馴れ初め……えぇと、パーティーを募集して…」

記者「それは誰が?」

召喚士「俺…ですかね?」

戦士「みんなワーカーになったんだけど、あぶれててさ」
450 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:18:54.42 ID:6p13LX+Do
記者「今や屈指の実力を持つ皆さんが、最初はあぶれていたと!?」

魔道士「…え、えぇ」

記者「いやーっ、当時の奴ら…勿体無い事をしましたね〜」

召喚士「そ、そうですか?」

記者「これは衝撃の事実……と」

カキカキ…

記者「それで、パーティー結成は確か……」

召喚士「もうじき4年目ですかね」

記者「なんと!?4年でこれだけの功績を……」

戦士「功績っつっても、今は国軍付だけどな」

記者「こちらでざっと計算した感じですと……」

盗賊「…計算?」

記者「ええ、皆さんが一般ワーカーだった場合の功績は……」

スッ

記者「パーティー総計だと4位ですね」
451 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:19:38.08 ID:6p13LX+Do
魔道士「えぇっ!?」

戦士「でもそれって総計だろ?」

記者「ちなみに朱雀先生単独だと……だいたいこんなものかな?」

盗賊「……9位……っ」

召喚士「そ、そんなにですか!?」

記者「そうですよ。戦士さんは12位。盗賊さんが16位で魔道士さんが21位」

戦士「へぇ、結構バラつきがあるんだな」

記者「単独行動を追いきれたわけではありませんが……」

戦士「そっか。個別に倒した敵とかいるもんな…」

召喚士「ど、どこでこんな情報を手に入れるんです…!?」

記者「色々いますよ〜。国軍幹部からワーカー、果ては一般人まで!」

盗賊「……凄いな」

記者「それが記者ってモンですよ!エッヘン!」

戦士「はぁ」

記者「おっと、本題本題!なはははっ!!」
452 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:20:16.18 ID:6p13LX+Do


記者「そうですか〜。父代わりであった先代、朱雀先生が……」

召喚士「……ええ」

記者「そして召喚士さんが、その名を継いだというわけですね!」

召喚士「はい。そういう事になりますね」

記者「……あの、噂では…朱雀先生は全属性の召喚が出来るとか…?」

召喚士「……え、えぇ」

記者「やはり……本当だったのか……っ」

召喚士「自分でも何故だか分かりませんけど…」

記者「生まれ持っての力、というわけですね!」

召喚士「そ、そうなんですかね……」

記者「いやぁ、色々とありがとうございます!」

召喚士「い、いえ…っ」

記者「では、お次は…パーティー屈指の剛の者、戦士さんですね!」

戦士「俺…?」
453 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:21:46.46 ID:6p13LX+Do


記者「…ふむふむ、成程。それで、お父上があの一番槍だとか?」

戦士「ああ。らしいな」

記者「ご自身も知らなかったと…?」

戦士「なーんにも聞かされてなかったぜ」

記者「すると、知らずにワーカーとなり…戦場で再会したわけですね!」

戦士「ん、ああ」

記者「生まれ持っての素質に、己の努力で…今やトップクラスの腕前!」

戦士「ど、どうも」

記者「さぞかし…女性にも多々、迫られるのでは?」

戦士「そんな事はねぇし、興味ないな」

記者「それは意外ですな!……あ、あぁ〜!なーるほど!!」

戦士「な、何だよ…っ」

記者「いえいえ、やっははは!ではお次はその……盗賊さんに!」

盗賊「!?」
454 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:22:18.79 ID:6p13LX+Do


記者「東方の出だそうですが、何ゆえに単身、本国へ?」

盗賊「……まぁ…色々と」

記者「そうですか。女一人で…なかなか出来るものではありませんよ!」

盗賊「……」

記者「東方ではどのような生活を?」

盗賊「……普通に」

記者「家はどういったお仕事を?」

盗賊「……忍…要は盗賊みたいなもの」

記者「成程!それで腕が立つわけですね!」

盗賊「……」

記者「そして無口。いやぁ、見事な職人ぶりだ!」

盗賊「……はぁ」

記者「ありがとうございます。では最後となりましたが…魔道士さん!」

魔道士「は、はいっ!頑張ります!」
455 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:22:46.62 ID:6p13LX+Do


記者「魔道士さんは商家のご出身だそうで」

魔道士「はい」

記者「それがまた何故、魔道士になろうと?」

魔道士「えっと……人の役に立ちたくて……」

記者「なんとなんとっ、偉い!」

魔道士「あ、ありがとうございます」

記者「わざわざ危険な道を進み、今は押しも押されぬ大魔道士!」

魔道士「そ、そんな事ないですよ…っ」

記者「ご両親もさぞ、喜ばれているのでは?」

魔道士「え、ええっ。喜んでくれました!」

記者「でしょう!お父上と言えば、あの大商家さんですからね!」

魔道士「……え、えぇ」

記者「皆さん、素晴らしい人生を歩まれているようですね!素晴らしい!」

魔道士「…へ、へへ……っ」
456 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:23:17.74 ID:6p13LX+Do


記者「じゃああとは四人でお答え下さい」

召喚士「…はい」

記者「今までの旅で、一番強かった敵は何ですか?」

戦士「俺は牛魔王だな。二度と戦いたくねぇ」

魔道士「私はあの……火山の……」

召喚士「タルウィですか…」

魔道士「そうです!とにかく強くて…手も足も……」

記者「盗賊さんは?」

盗賊「……ヤマタノオロチかな」

記者「おぉ!皆さんを一躍有名にしたあの……」

召喚士「一番強かった……」

記者「朱雀先生はどうですっ?」

召喚士「一番強かったのは……ミノタウロスですね」

記者「ミノタウロス…ですか?」
457 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:23:43.71 ID:6p13LX+Do
召喚士「……ええ」

盗賊「……っ」

記者「確かに強いですが、他の方に比べるとランクが落ちるようですが…」

召喚士「もちろん、今の力ならおそらく倒せるでしょう」

記者「……ほうほう」

召喚士「でも、当時の事を思うと…あの時が一番……苦しかったですね」

魔道士「……っ」

召喚士「そういう意味で、一番強かった敵です」

記者「成程〜。私も当時、海峡防衛線は取材した事ありますよ」

魔道士「そうなんですか?」

記者「ええ。確かに国軍の兵もワーカーも少なかったですからねぇ」

戦士「そうそう。召喚隊やらマジシャンのオッサンがいてやっとだったもんな」

記者「五ヵ年計画が始まったばかりでしたからねぇ」

戦士「ああ。ワーカーも兵も人手不足に脆弱で。当然、俺もだけどな……」

召喚士「……」
458 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:24:20.47 ID:6p13LX+Do
記者「しかし今や、各地で功績を残されて…さぞ感謝もされるでしょう?」

召喚士「そんな事は…っ。別にそういった目的が主なわけではないですし」

記者「つい先日も北で大活躍でしたよね!かと思えば西でも……」

召喚士「ど、どうも……」

記者「取材してるとね、結構聞きますよ〜。助けられたって」

魔道士「でも、嬉しいですね。そういうのって」

記者「北の戦いでも助かった商人が随分と感謝してましたよ!」

召喚士「……?」

絵師「記者さん、そろそろお時間が」

記者「おっと、それじゃあ最後に…五ヵ年計画について聞かせて下さい」

召喚士「軍の計画ですから、何か言える立場ではありません」

戦士「ああ。でも、力になれる事は何でもやるつもりだ!」

盗賊「…ああ。本国だけでなく、東方や華国…そして西方の為にも」

魔道士「沢山の人が笑顔で暮らせるよう、頑張りますっ!」

記者「……はい!ありあがとうございました!」
459 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:25:01.53 ID:6p13LX+Do


記者「まだ召し上がられてて構いませんよ?」

召喚士「いえ、俺らも一緒に失礼しますよ」

記者「そうですか、では出ましょうか」

魔道士「本当にご馳走様でした」

記者「いえいえ。こちらこそ有意義な記事が書けそうです!やっははは!」

戦士「ちゃんと書いてくれよ?」

記者「もちろんです!近日、一面で大々的に……」

盗賊「…それは…やだ」

テクテクテク

記者「では、お疲れ様でした!」

絵師「ありがとうございました」

魔道士「こちらこそ。ありがとうございましたっ」

召喚士「それでは、失礼致します」

取材は終わり、一同は高級レストランを後に解散した。
460 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:25:29.85 ID:6p13LX+Do
〜ホテル〜

戦士「へぇ……疲れた……」

召喚士「何だか普段より疲れた気がする…」

盗賊「…全くだな」

戦士「早く休もうぜ。もう寝たいわ、俺」

魔道士「そうしましょっか」

盗賊「…それじゃ、おやすみ」

召喚士「あ、おやすみなさい……」

テクテクテク…

戦士「俺らも部屋に行こうぜ」

召喚士「うん」

テクテクテク…

召喚士「ねぇ、戦士」

戦士「ん〜?」

召喚士「あのさ……ちょっといい?」
461 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:26:15.87 ID:6p13LX+Do
〜ホテルのバー〜

戦士「かんぱーい」

チィン

召喚士「何に乾杯なんだろ。ははっ」

戦士「そうだなぁ…。祝、新聞掲載記念?」

召喚士「戦士はこの前乗ったじゃん」

戦士「犯罪者としてだろ!しかも冤罪で!!」

召喚士「はははっ」

戦士「んで、話ってのは何だ?」

召喚士「あのさ、どうもおかしくない?」

戦士「おかしい?何がだ?」

召喚士「記者さんの話」

戦士「そうか?最初は疑ったけど、胡散臭い感じはしなかったけどなぁ」

召喚士「いやいや、記者さんがじゃなくって…」

戦士「何だよ」
462 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:27:04.55 ID:6p13LX+Do
召喚士「最後に言ってたよね、俺らが各地で大活躍…って」

戦士「…ああ」

召喚士「確かに各地で戦ったりしたけど、最近そうだったかなぁ」

戦士「誇張されてんのかもな」

召喚士「一番不思議なのは、感謝されるって事なんだよね」

戦士「……?」

召喚士「ここ最近、誰か助けたりしたっけ?」

戦士「……言われてみりゃ…記憶にねぇな」

召喚士「南方でも言われたよね」

戦士「…あー言ってたなぁ」

召喚士「でも、全然記憶にないんだよね…」

戦士「……どういう事なんだ?」

召喚士「分からない。でも、勘違いされてるのかも」

戦士「もしくは間接的に助けてた…とかか?」

召喚士「可能性はあるけど、俺達だって分かるものかなぁ」
463 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:27:44.86 ID:6p13LX+Do
カランッ…ゴクゴクッ…コトッ

戦士「……確かにちょっと気になるわな」

召喚士「あのさ、明日新聞社に行ってみない?」

戦士「確認するって事か?」

召喚士「うん。誤解なら解かないといけないしね」

戦士「別に悪い噂じゃねーし、いいんじゃねぇか?」

召喚士「でも、誰か別のワーカーなら……」

戦士「評判を奪っちまってるって形になんのか」

召喚士「うん……」

戦士「そんじゃ…ひとまず明日、記者さんに聞いてみるとしよう」

召喚士「うんっ!そうしよう!」

戦士「さーてと、そろそろ寝るとするか。グッタリだよ…」

召喚士「そうだね。部屋に戻ろうか」

戦士「おう!」

二人はバーを離れ、自室にて就寝の時を得た。
464 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:28:16.89 ID:6p13LX+Do
〜次の日〜

魔道士「おっはようございますー!」

戦士「今日も元気だなぁ」

魔道士「もちろんですよっ!えへへ!」

盗賊「…どこか行くのか?」

召喚士「ちょっと、新聞社へ行ってみませんか?」

魔道士「新聞社ですか…?」

戦士「ああ。ちょいと気になる事があってな」

盗賊「…気になる事?」



魔道士「なるほど……」

盗賊「…言われてみれば…不自然だな」

召喚士「ですよね。なので、記者さんに詳細を訊ねてみようかと」

盗賊「…いいと思うぞ」

魔道士「それじゃ、新聞社へ行きましょうか!」
465 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:28:47.95 ID:6p13LX+Do
〜街道〜

テクテクテク

戦士「んで、新聞社はどこなんだ?」

召喚士「確か…商業地区の……」

タッタッタ…ドンッ

召喚士「!?」

ドササッ

――「ごごごっ、ごめんなさいいぃぃ!!」

召喚士「い、いえ……っ」

――「ひゃあぁ!?書類が…っ!!鬼やばいっす!!」

召喚士「だ、大丈夫ですか?」

魔道士「拾いましょ!」

戦士「盗賊、そっち風で飛んでくぞ!」

盗賊「…任せろっ!」

シュバッ…パシパシパシッ
466 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:29:22.96 ID:6p13LX+Do
盗賊「……ふーっ」

――「う、うおぉ!!鬼かっこいいっす!!」

召喚士「…これで全部ですね」

――「ありがとうございましたぁ!鬼助かりましたよ!!」

召喚士「…あれ?」

――「…?」

召喚士「記者の方…ですか!?」

――「そうっす!新人ですが、女記者と申します!」

召喚士「ど、どうも」

戦士「ちょうどいいや。俺らも新聞社に用があるんだ」

女記者「そうなんですか!?」

戦士「ちょいと案内を頼まれてくれないか?」

女記者「ぜーんぜんオッケーっす!鬼案内しまっす!!」

召喚士「助かります」

女記者「いーえっ、お茶の子さいさいっす!!」
467 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:29:59.13 ID:6p13LX+Do


盗賊「……」

召喚士「……」

女記者「えっとぉ……」

テクテクテク…キョrキョロ

魔道士「あ、あのぉ……」

戦士「まさか、迷子になったんじゃあ……」

女記者「…鬼迷子になったっす!ごごご、ごめんなさいぃ!!」

召喚士「い、いえ…まぁいいですけど」

女記者「案内人がこんなんで…鬼情けないっすよねえぇ!」

戦士「とにかくよ、戻ろうぜ」

盗賊「…あっちか?」

召喚士「ですね。行きましょう」

女記者「ひええぇぇ!もう、本当にごめんなさいぃ!」

戦士「…大丈夫か…これ」
468 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:30:34.24 ID:6p13LX+Do
テクテクテクテク

女記者「あぁっ!!」

戦士「あん?」

女記者「ここっすここっす!ここが新聞社っす!!」

戦士「会った場所の目の前じゃねーか!」

召喚士「とりあえず、無事着いて良かったですね」

女記者「いやぁ、鬼感謝っすよぉ!ありがとうございましたあぁ!」

魔道士「い、いえ…っ」

女記者「では!失礼するっすよ!!」

召喚士「あっ!」

ダダッ…タッタッタ…

魔道士「……行っちゃいましたね」

召喚士「仕方ない…。受付に聞いてみましょうか」

戦士「…しっかし、賑やかな奴だったな」

盗賊「……ああ」
469 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:36:50.28 ID:6p13LX+Do
〜新聞社、受付〜

召喚士「……こんにちはー」

受付嬢「何かご用でしょうか?」

召喚士「あの、記者さんはいらっしゃいますか?」

受付嬢「記者…ですか?あぁ、報道局の……」

召喚士「多分、そうだと思います」

受付嬢「アポイントはございますか?」

召喚士「い、いえ……」

受付嬢「アポイントがないと、ちょっと……」

召喚士「お時間は取らせませんので、何とかなりませんか?」

受付嬢「…うぅん、では確認してみます。少々お待ち下さいませ」

召喚士「すみません」

スクッ…コツコツコツコツ…

戦士「なーんか、随分お堅いところだなぁ」

魔道士「ですねぇ……」
470 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:38:14.55 ID:6p13LX+Do
〜報道局〜

編集長「ばっきゃろーっ!!」

女記者「ひぃっ!!」

編集長「てめぇはまーた遅刻した挙句、ロクなネタもねーじゃねーか!」

女記者「い、いやぁ……鬼大変な目に遭いまして……」

編集長「どーせ道に迷ったとか、そんなんだろぉ!?この方向音痴!!」

女記者「さ、さすが編集長……鬼千里眼……」

編集長「誰でも分かるわ、ばっきゃろー!!」

女記者「ごごごごめんなさいいぃぃ!!」

スタスタスタ

――「ったく、朝っぱらから賑やかなこって」

記者「……書家先輩」

書家「何だ?例の国軍内通者がなんたらってやつか?」

記者「あれは別の者に頼んでますよ!今はこれっ!これっ!」

ガサッ
471 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:40:06.46 ID:6p13LX+Do
書家「……朱雀先生?あぁ、一介のワーカーじゃねぇか」

記者「いやいや!このパーティーは凄いですよ!」

書家「ふーん」

記者「実は前から調査してましてね!機会があればと思ってたんですよ!」

書家「…独占取材、あの朱雀先生を継承した召喚士」

記者「……ってか、酒くさ……っ」

書家「今や実力ナンバーワンとも謳われるパーティーに迫る……か」

記者「どうです!?胸ときめくでしょう?」

ポイッ

書家「つまんね」

記者「ちょっと!?まだ仕上げてないんですからっ!」

書家「もっとよー大衆が目を引く記事を拾ってこいよな」

記者「…お言葉ですけどね先輩」

書家「あん?」

記者「既に新聞社を退職された貴方に、口出しされる筋合いはないですよっ」
472 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/14(月) 18:42:40.98 ID:6p13LX+Do
書家「……くっくっく!そーりゃごもっともだわな」

記者「じゃあ記事を仕上げなければいけないので……」

カチャッ…コツコツコツ

受付嬢「記者さん」

記者「はい?」

受付嬢「受付に召喚士、というワーカーの方がお見えですが……」

記者「召喚士…朱雀先生が!?」

受付上「アポイントもございませんし、お断り――」

記者「行きますっ!」

ダダッ…

受付嬢「あっ……」

書家「やぁやぁ受付嬢ちゃん。俺とランチでもどうだい?」

受付嬢「……勤務中ですので、失礼します」

コツコツコツ

書家「おやおや、ツレないねぇ……くっははは」
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/14(月) 18:54:45.71 ID:6p13LX+Do
鬼疲れちゃったので帰ります!
ご支援ありがとございました!ノシ

>>412
おっふ、FSS買ってたらすっかり忘れてました!読まなきゃ!

>>414
た、確かに…!!

>>443
まぁ所詮はペニスですので……
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 18:55:23.48 ID:xdVO1WHgo


女記者ってナイフ一本で色んな冒険(取材)してそうだなwwwwwwww
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 19:42:54.37 ID:+7sPkWDDO
>>1
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/14(月) 20:04:35.01 ID:+qXZ8IP90
>>474
あれは傑作だったww



女記者…禁書にこんなような喋り方のがいた気が…
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 20:05:17.39 ID:kxUvs98xo
>>474
懐かしいネタだなwwww

1乙!
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 20:22:39.24 ID:87mUHiYAO
>>474
懐かしいwwwwww
あの人もう書かないのかなぁ

>>1乙!
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 21:06:48.71 ID:HOR/2ioSO
俺達の見ている召喚士一行は、下の世界の住人で
人助けしている一行は、上の世界の住人
ライフコッドで上と下の召喚士合体イベントがあるはず
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/14(月) 21:21:09.84 ID:E2hlaUof0
あの人今年になってみてないな
でも雰囲気似ててどっちも好きだ
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/14(月) 21:51:33.24 ID:eVEbviQDO
徐々に内通者が特定されていくのがおもしろいな
今回のでもかなりわかるし
予想はよしますが
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/15(火) 00:00:28.72 ID:W46fzUiTo
凄い雪……明日大丈夫かな……

>>474-480
ごめんなさい。元ネタ全然分からない…
禁書も読んでないので同じく…
やっぱりみんな、考える事は一緒なんですねぇ
女記者は残念ですが……反省

>>481
ありがとうございます!ミスリードにご注意を…ふふふ。なんて

とりあえずオマケだけ…おやすみなさい!ノシ
483 :やべ…日付変わっちゃった…… [sage saga]:2011/02/15(火) 00:01:39.29 ID:W46fzUiTo
〜オマケ〜

テクテクテク

メイド「殿下っ」

皇太子「ん、どうした?」

メイド「あ、あの……これをっ!」

召使い「あっ!ずるーい!私もーっ!」

皇太子「……おぉ、そうかそうか。今日はバレンタインデーであったか」

令嬢「あーら、殿下」

皇太子「これは、見目麗しく……」

令嬢「これ、余ってしまったので……宜しければどうぞっ」

皇太子「おや、私にですか?これはありがたい」

令嬢「べっ、別に貴方の為なんかじゃないんだからっ!」

タッタッタッタッタ

皇太子「……」

テクテクテクテク…カチャッ…パタン
484 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 00:02:35.86 ID:W46fzUiTo
皇太子「……ふー」

ドサドサドサッ

皇太子「今年は外征に演説に、頑張ったからなぁ」

ヒョイヒョイヒョイッ

皇太子「さて、いただきま――」

ガチャッ

皇太子「…………」

エリート「……あっ、失礼しました」

皇太子「……構わん」

エリート「……あのこれ、良かったらどうぞ」

皇太子「ははっ、まさか君にそっちの気があったとはね……」

エリート「違います!貰った物です。こんなには食べ切れませんのでどうぞ!」

皇太子「……い、いいのか?こんなに沢山貰ってしまって」

エリート「ちゃんと歯は磨いて下さいね。では」

皇太子「……よし、来年も頑張るぞ」
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/15(火) 00:03:19.17 ID:W46fzUiTo
〜オマケ2〜

名代「何でしょうか…?」

帝「本国には『ばれんたいんでー』なるものがあるそうだな」

名代「……はぁ」

帝「我が国でも導入してみてはどうか?」

名代「何故です?全く魅力を感じませんが……」

帝「莫迦者っ!交易を開いたのだ、これからは多様な文化が流れてくるのだぞ!?」

名代「上様、お言葉ですが……」

帝「郷に入りては郷に従え――」

名代「ただ、ちょこれーとを食べたいだけなのでは?」

帝「従え……と……」

名代「ちなみにあの行事、女子が殿方にあげるものですぞ?」

帝「した……したが……し……」

名代「では、失礼します」

帝「し……おかし……ちょこ……」
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/15(火) 00:04:00.29 ID:W46fzUiTo
〜オマケ3〜

魔道士「召喚士さんっ!」

召喚士「は、はいっ」

魔道士「今日は何の日だか……知ってます?」

召喚士「えっと……バレンタインデーですか?」

魔道士「ピンポーンですっ!正解〜っ!」

召喚士「ど、どうも」

魔道士「そして、召喚士さんの為に手作りチョコを作っちゃいましたっ///」

召喚士「えっ!?お、俺に……ですか!?」

魔道士「はいっ!食べて…くれます?」

召喚士「もちろんです!喜んで……!!」

魔道士「良かった〜っ。作りすぎちゃって断られるかと思っちゃったぁ」

召喚士「まさか、断りませんよ――」

ドンッ!!

魔道士「はいっ!」
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 00:04:47.82 ID:DCPb5TaVo
乙!

別の作者のSSで女記者のファンタジー物があってね
それの印象が強かったからだと思うよ


にしても、やっぱ皆ファンタジー物のSS好きなんだなぁww
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/15(火) 00:05:00.46 ID:W46fzUiTo
召喚士「…………」

魔道士「今年は気合入れて……等身大コカトリスチョコです///」

召喚士「…………」

魔道士「氷魔法で冷やしてあるので…しばらく解けませんから……」

召喚士「……えっと」

魔道士「食べて……下さいっ///」

召喚士「……い、いただきます」

魔道士「どうぞ!えへへっ!!」

モグモグ…パクパク

魔道士「どうです!?美味しいですかっ!?」

召喚士「ええ、とても……っ」

魔道士「もうっ、全部食べちゃって構いませんよっ!えへへ!」

〜1時間後〜

戦士「……何してんの?」

召喚士「……うっぷ。あと半分……半分……」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/15(火) 00:05:43.89 ID:W46fzUiTo
〜オマケ4〜

南方参謀「いい、あんた達!今日はイベントデーだからしっかりね!」

青年子「何故……まだ働いてるのだろうか……」

召喚子「……うぅっ」

南方参謀「ほらっ、お客様が来たわよっ!いらっしゃいませ〜っ」

東方司令「……」

南方参謀「あら、常連じゃない。今日はバレンタイニベントよぉ〜?」

東方司令「……そ、そうなのか!?いやぁ、ボク…ラッキーだなぁ!」

青年子(絶対知ってた……)

召喚士(間違いなく知ってた……)

南方参謀「今日はお店のコから、特別に……」

青年子「はい、ど…どうぞ」

召喚子「受け取って…頂けますか?」

東方司令「……」

ブシューッ!!…バターンッ!!

南方参謀「きゃあ!チョコ食べてないのに鼻血噴いて倒れたわっ!ドクター呼んでー!」
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 00:14:28.72 ID:TW+gBg020

      γ⌒) )) もらいすぎて食べきれないお
      / ⊃__
   〃/ / ⌒  ⌒\
  γ⌒)( ⌒)  (⌒) \ ∩⌒)
 / _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ
(  <|  |   |r┬(    / / ))
( \ ヽ \ _`ー‐'  /( ⌒)
               / /
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 00:16:54.72 ID:TW+gBg020

                     /´ ̄ ̄ ̄  ̄ ヽ
                    /           \
                       /:::::             \
 _______ +      /:::::::::                 ヽ
 |i:¨ ̄ ,、    ̄¨.: i       |:::::::::::                    |
 |i: /ヘ:\     :i|     _ |::.:. : :     ,,ノ:..:ヾ、       |
 .|i:〈`_、/´_`>.、  :i| ,.r:;'三ヽ:: :: . ー'"´   ,,、  ー‐‐,,     /`、
  |ii~~'、;'´`,'~,;~~~~:i|;イ:;:":::::::::::\;;。(ー一)   (ー一)。;:;:. /::::: ヽ
  |i`::;:':::::;::;:'::::::::::;.:i|`。⌒/7, -──〜 、(___人___,)"⌒;;::/::|:::::〆::\
  |i::::::;:':::::::::::::::::::::::i| ::::://,::::..    " ニニヽ、⌒ij~";_ ィ /:::::::|:::::〃::: : ヽ
─|`ー=====一 | ::::::|_|;;、:::.__y-ニニ'ー-ァ ゚‐─'───┴────── ‐
::::::`ー―――‐一´ ̄~   ̄       ̄
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 01:47:07.54 ID:mZ2AVjEIo
>>491
  あの……落としものですよ?

         .∧__,,∧
        (´・ω・`)
         (つ夢と)
         `u―u´

  あなたのすぐ後ろに落ちていましたよ?
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 09:05:11.35 ID:lmAtnbADO
それは人の手に触れれば消えてしまう、一片の雪にも似た清らかな輝きを放つのであった

         .∧__,,∧
        (´@ω@`)
         (つ儚と )
         `u―u´
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 09:22:00.17 ID:5gObABNAO
他のSSの話題とか出すなよ
作者だっていい気分しないだろ
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 09:44:08.91 ID:O5pkgkIIO
別にここの女記者とは似てもにつかんだろ

昔、女記者って名前の主人公が
ナイフ一本でドラゴン倒したりして取材で活躍する

そんなSSがあっただけじゃん
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 09:47:35.78 ID:QT63fAPTo
他のSSの話題出す

作者が興味引かれる

そのSS読む

書く時間削られる

投下が少なくなる

俺達涙目

かも?
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 09:50:10.09 ID:2qMwmjXDO
まあ違う作者のSSの話はよそでやったほうがいいよ
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 16:29:54.27 ID:hAivTJbDO
控えればいいと思うんですがタイトルだけでも教えてくだしあ(>_<)
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 16:36:27.80 ID:WagI+PZ3o
いい加減空気読めない自己主張ちゃんはスルーしろよ
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/15(火) 17:34:20.32 ID:BoEQwxiAO
>>498
ググれカス
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 19:00:19.09 ID:2qMwmjXDO
復活したみたいだねえ
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/15(火) 21:58:34.17 ID:P8H7AkwAO
今月は復活早かったな
503 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:04:16.08 ID:W46fzUiTo
〜受付〜

タッタッタッタ

記者「朱雀先生!!」

召喚士「記者さん、お忙しいところすみません」

記者「いえいえ!どうしました!?また何かお話下さるとか…?」

召喚士「いや、えっとですね……」

戦士「昨日、取材の時に言ってた人助けの件なんだが…」

記者「人助け?あぁ、それがどうかしましたか?」

召喚士「どうも腑に落ちないんですよね」

記者「どういう意味でしょう?」

召喚士「確かに各地を旅していますが、感謝される程の事は――」

コツコツコツコツ…

受付嬢「……」

記者「ここではなんですから、場所を変えましょう」

召喚士「え、ええ…っ」
504 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:04:52.73 ID:W46fzUiTo
〜喫茶店〜

記者「……成程。身に覚えがない……と?」

召喚士「ええ」

記者「しかしおかしいですね、取材では確かに朱雀先生方だと……」

魔道士「何か、似たようなパーティーと間違えたりしてるのでは?」

記者「似たようなパーティー。いますかね…?」

盗賊「…さぁ」

召喚士「宜しければ、どこでそのお話を聞いたのか教えて頂けませんか?」

記者「ええ。確か、北の街で取材しましたね」

魔道士「北の街……」

記者「はい。旅の商人や地元の名士やらですね」

召喚士「なるほど…。ちなみに取材はいつ頃に?」

記者「結構最近の話ですよ」

戦士「ふぅん」

召喚士「……」
505 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:05:27.07 ID:W46fzUiTo


召喚士「すみません。色々とありがとうございました」

記者「いえいえ!」

戦士「それじゃ北の街に行ってみるか?」

魔道士「そうですね。ちょっと気になりますしね…」

召喚士「ええ」

記者「また、いい話があったら聞かせて下さい!」

召喚士「は、はい」

記者「今、記事も纏めて…近々掲載出来ると思いますので!」

召喚士「ど、どうも」

魔道士「それでは、失礼しますっ」

盗賊「…では」

記者「ええ!お気を付けて!!」

召喚士「記者さんも頑張って下さい」

記者「やははっ!ありがとうございます!!」
506 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:07:13.69 ID:W46fzUiTo
テクテクテクテク

戦士「それじゃ北の街まで真っ直ぐ行くか」

召喚士「そうだね」

戦士「しっかし、改めて考えると…なんつーか……」

魔道士「何がですか?」

戦士「いやだってよ、自分が新聞に載るんだぜ?」

召喚士「でも普段、新聞読んでないよね?」

戦士「いや…そうだけどよ、想像つくか?」

盗賊「……つかんな。お尋ね者なら分かるが」

戦士「お前だって盗賊だったろうが!」

魔道士「確かに不思議な感じですよねぇ」

召喚士「ええ。まぁ、まだ載ったわけではないので…何とも言えませんけどね」

魔道士「楽しみに待ってましょう!」

盗賊「……楽しみじゃない」

召喚士「…は、ははっ」
507 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:08:49.29 ID:W46fzUiTo
〜北の街〜

戦士「まずはどこから当たる?」

召喚士「もちろん基本は……」

戦士「酒場だな」

召喚士「ついでに商業地区も当たってみようか」

戦士「高級住宅街もだな」

召喚士「じゃあ地下闘技場や港もだな」

盗賊「…多すぎるな」

戦士「手分けして当たるとするか」

魔道士「あっ、じゃあ私…地下闘技場行ってみます!」

戦士「……」

魔道士「な、何ですか…っ?」

戦士「いや、別に……」

召喚士「それじゃ手分けして聞き込みしましょう。2時間後に時計台集合で」

盗賊「……了解」
508 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:09:19.70 ID:W46fzUiTo
〜住宅街〜

召喚士「…大きな屋敷ばかりだなぁ」

テクテクテク

召喚士「あの、すみません」

セレブ「はい?」

召喚士「この辺りで名士の方はいらっしゃいますか?」

セレブ「名士ねぇ。ほとんどが別荘だしなぁ」

召喚士「そうですか」

セレブ「そこの丘を上がった所に、由緒ある家柄の名士が住んでるよ」

召喚士「ありがとうございます」

テクテクテク

召喚士「あそこか。行ってみよう」

テクテクテク…ザッザッ

小高い丘を登っていくと、赤い屋根の一際大きな家が見えてくる。

召喚士「…あれかぁ、でか……っ」
509 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:10:15.99 ID:W46fzUiTo
コンコン

従者「……はい」

召喚士「あの、ワーカーの者ですが」

カチャッ

従者「……何でしょうか」

召喚士「こちらのご主人はいらっしゃいますか?」

従者「……何でしょうか」

召喚士「えっと、少しお伺いしたい事がありまして」

従者「……何でしょうか」

召喚士「……以前、朱雀先生に窮地を救われたと伺いまして」

従者「……それで?」

召喚士「その話を伺いたいのです」

従者「……お待ちを」

召喚士「……」

従者は一度、玄関の扉を閉め、しばらくの後、再び顔を出す。
510 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:11:56.90 ID:W46fzUiTo
カチャッ

従者「……どうぞ」

召喚士「失礼します」

スタスタスタ

従者「……ここでお待ち下さい」

召喚士「……」

従者「……どうぞ、お掛け下さい」

召喚士「はい」

スッ

正面に下ろされたカーテンのような布。うっすらと透けて奥が見える。

するとそこへは、一つの人影らしきものが着座をした。

従者「……主人であられる、名士様です」

そう言うと従者は、脇よりカーテンの向こう側へと移動する。

召喚士「……?」

何か小声でやりとりが交わされ、従者が再び召喚士の下へと姿を見せた。
511 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:14:20.83 ID:W46fzUiTo
召喚士「では、先日…本国からの帰路で魔物に襲われて……」

従者「……助けられた、という事のようです」

召喚士「それが、朱雀先生だったと…?」

従者「……そのようです」

召喚士「……」

従者「……以上で、宜しいでしょうか?」

召喚士「あの、最後に一つ」

従者「……何でしょうか?」

召喚士「私の顔に、見覚えはありますか?」

従者「……?」

ススッ…スタスタスタ

従者「……分からない、との事です」

召喚士「あちら側からは一応、見えているのですね。安心しました」

従者「……」

召喚士「それでは失礼致します。どうもありがとうございました」
512 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:15:35.71 ID:W46fzUiTo


召喚士「では、お手間を掛けました」

従者「……いえ」

召喚士「名士さんは、人前にお姿を見せないので?」

従者「……はい。それが何か」

召喚士「い、いえ……では…っ」

テクテクテクテク

従者「……」

召喚士「…不思議な人もいるもんだ」

テクテクテク

召喚士(でもこれで、何となく俺達じゃないって気がしてきた)

テクテクテク

召喚士(あんな方なら一度居合わせば、忘れるはずがない)

テクテクテク…ザッ

召喚士「…あとは…他の情報次第、か」
513 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:16:23.25 ID:W46fzUiTo
〜商業地区〜

戦士「……えぇと」

テクテクテク

戦士「うおっす」

武器屋「どうだい、ウチの武器は?」

戦士「まぁまぁだな。それより聞きたい事があるんだが」

武器屋「何だよ、客じゃねーのか」

戦士「まぁ聞いてくれ。朱雀先生って知ってるかい?」

武器屋「朱雀……あぁ、最近北で名を挙げてるっつーワーカーか」

戦士「……」

武器屋「何でもすげぇ召喚士なんだろ?」

戦士「あ、ああ」

武器屋「それによ、パーティー仲間も全員が一流だって話じゃねぇか」

戦士「……噂になってんのか?」

武器屋「ああ。最近よく耳にするからな」
514 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:17:55.07 ID:W46fzUiTo
戦士「……ほぉ」

武器屋「この前もそこの角にある道具屋のジーサンが助けられたって……」

戦士「サンキュ!」

武器屋「あっ、おい!ほんとに何も買わねーのかよっ!?」

タッタッタッタ…ズザッ

戦士「……ういっす」

道具屋「いらっしゃい」

戦士「え…っと、悪いな。客じゃないんだ」

道具屋「はて、何でしょう?」

戦士「この前、朱雀先生に助けられたんだって?」

道具屋「おぉ、確かに助けられたわい!」

戦士「どんな奴だった?」

道具屋「どんなって……とにかく大きな鳥型の召喚獣を駆使して……」

戦士「コカトリス……!?」

道具屋「あ、そうそう。他にも仲間がおったなぁ」
515 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:21:10.85 ID:W46fzUiTo
戦士「三人か?」

道具屋「そうじゃよ。よく知っておるな」

戦士「……」

道具屋「朱雀先生にファイターが男で……」

戦士「他二人が女か?」

道具屋「そうじゃそうじゃ。魔道士にもう一人はシーフかのぉ……」

戦士(……どういう事だ…?)

道具屋「とにかく、危ない所を助けて貰ったわい」

戦士「場所は?」

道具屋「…?」

戦士「助けて貰った場所は?」

道具屋「この街より北の、西方側に程近い所じゃ」

戦士「……ふぅん」

道具屋「な、何か…あったのかの?」

戦士「いやいやいいんだ、サンキュ!」
516 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:22:21.79 ID:W46fzUiTo


戦士「…どういう事だ?」

スタスタスタ

戦士(聞いた感じ、全く俺達じゃねぇか……)

スタスタスタ

戦士(だが、俺らはそんな所へ行った記憶はねぇ)

スタスタスタ

戦士「……う〜ん」

タッタッタッタッタ

魔道士「戦士さーん!」

戦士「おう、そっちはどうだった?」

魔道士「地下闘技場でも噂になってましたよ!」

戦士「情報は?」

魔道士「目撃者はいないみたいです。でも、街では結構噂になってるみたい」

戦士「……何なんだ一体…っ」
517 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:23:35.87 ID:W46fzUiTo
〜港〜

盗賊「……」

トボトボトボ

盗賊(……声、かけ辛い)

トボトボ…

チンピラ「いよぉネーチャン。葬式帰りかい?」

盗賊「……私服だ」

ヤンキー「ふぅん。なんなら俺っちが流行の服でも買ってやるぜ?」

盗賊「…無用」

チンピラ「じゃあよ、どっか遊びに行こうぜ〜?」

盗賊「…行かない」

ヤンキー「冷たいねぇ……」

ガッ

ヤンキー「黙ってついてくりいいんだよっ」

盗賊「……はぁ」
518 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:25:05.11 ID:W46fzUiTo
グググッ

チンピラ「……ヘッヘ!大人しくしてりゃあ痛い目見ないって!」

ググググッ

ヤンキー「……っ!!」

盗賊「……」

チンピラ「おい、早く連れてけよ」

ヤンキー「ぐ……うぅ!!」

盗賊「…離さんと…このまま手首折るぞ」

パッ…ドサッ

チンピラ「へ……へっ?」

ヤンキー「……くっ!!」

タタッ

チンピラ「お、おいっ!?」

タタッ…タッタッタッタッタ…

盗賊「……」
519 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:27:25.98 ID:W46fzUiTo
――「いやぁ、流石だねぇ。ハッハ!」

盗賊「……!?」

ザッザッザ

ジュニア「よっ!」

盗賊「……ジュニア…さん」

ジュニア「さん付けしなくていいよ。今日は一人か?」

盗賊「…まぁ。後で合流するけど」

ジュニア「そうか。まーた何か、厄介事に巻き込まれてるのかな?」

スッ…ツツーッ

ジュニア「そんな険しい顔してっと、カワイイお顔が台無しよん?ハッハ!」

盗賊「……顎をなぞるな」

ジュニア「……ハッハ!俺も手首へし折られちゃあ敵わんからな!」

盗賊「……」

ジュニア「どうだ最近は?頑張ってんのか?」

盗賊「……」
520 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:28:16.88 ID:W46fzUiTo


ジュニア「ふぅん。なるほどねぇ」

盗賊「……」

ジュニア「別にいいんでないの?良い評判なんだしさ」

盗賊「…しかし、手柄を奪うのは…気が引ける」

ジュニア「……そういやぁ」

盗賊「…?」

ジュニア「西国が北の侵攻にお熱らしいぞ」

盗賊「…北?」

ジュニア「何でも、西高原国の跡地を城砦にするとかで」

盗賊「……」

ジュニア「この辺りのワーカーは、大体そこだろうなぁ」

盗賊「…なるほど」

ジュニア「もしかしたら、何か聞けるかもしれないぜ?」

盗賊「……ありがとう」
521 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:29:00.21 ID:W46fzUiTo


ジュニア「んじゃ、またな」

盗賊「…会わないのか?」

ジュニア「ああ。ヨロシク言っておいてくれ」

盗賊「……」

ジュニア「悪いな。今はそんな気分じゃねーんだわ……ハッハ」

盗賊「…そうか」

ジュニア「俺は鉱山の町にいる。何かあれば、声をかけてくれや!」

盗賊「……うん」

ジュニア「デートのお誘いも大歓迎だぜ?ハッハ!!」

盗賊「……」

ジュニア「そんじゃな」

盗賊「…ありがとう」

ザッ…テクテクテクテク…

盗賊「……」
522 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:30:01.78 ID:W46fzUiTo
〜時計台〜

戦士「おっ、来た来た」

魔道士「どうでしたかっ!?」

召喚士「一応、情報は手に入りましたよ。そちらは?」

魔道士「こっちも少しですねぇ」

戦士「あとは……お、帰ってきたか!」

テクテクテク

盗賊「…お待たせ」

召喚士「さて、ひとまず情報を整理しましょうか」

戦士「時間も時間だし、飯でも食いがてらにすっか!」

魔道士「そうしましょう!」

召喚士「それじゃ移動しましょうか」

盗賊「……ああ」

戦士「この前の所でいいよな?」

魔道士「はいっ!」
523 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:31:04.50 ID:W46fzUiTo
〜食事処〜

戦士「んで、得た情報は?」

魔道士「私は大した情報も特に……」

召喚士「そうですか…」

魔道士「ただ、街でも何だか…噂にはなっているようです」

戦士「て事は、かなり活発的に動いてるって事だよな」

召喚士「やっぱり俺らじゃない可能性が高いね……」

戦士「俺の方は助けて貰ったって言う道具屋のジーサンに会ったぞ」

召喚士「どうだった?」

戦士「あった事もねぇし、やっぱり俺らじゃない線が強いと感じたな」

盗賊「……」

戦士「だが、腑に落ちねぇのは助けたワーカーの連中だ」

魔道士「何かあったんですか?」

戦士「特徴が俺らと完全に一致してんだよ」

召喚士「……?」
524 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:31:56.06 ID:W46fzUiTo
戦士「男二人と女二人のパーティーで……」

盗賊「……」

戦士「でかい鳥を召喚する召喚士に、ファイタータイプの男……」

魔道士「……!?」

戦士「更には女魔道士とシーフタイプの女ときたもんだ」

召喚士「それって…完全に俺らじゃ……」

戦士「そうなんだよ。そこが不思議でしょうがねぇ」

魔道士「一体、何なんでしょうね…っ」

戦士「さぁな。んで、召喚士は?」

召喚士「おそらく記者さんが言っていた地元の名士に会ってきたよ」

盗賊「…それで?」

召喚士「本国から帰ってくる時、魔物に襲われて……」

戦士「助けられたと?」

召喚士「うん。しかもつい最近の話だって」

魔道士「……記憶に…ないですねぇ」
525 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/15(火) 23:33:49.50 ID:W46fzUiTo
戦士「……盗賊は?」

盗賊「…ジュニアに会った」

召喚士「えっ!?」

盗賊「…ただ、すぐ船で鉱山へ戻ったけどな」

戦士「んだよ、顔くらい見せてくれりゃいいのによ」

魔道士「ほんとですよねぇ」

盗賊「…ジュニアが言うには、北が活発だそうだ」

召喚士「北ですか?」

盗賊「…西国が西高原国に…拠点を築くらしいぞ」

戦士「ジーサンが助けられたってのも確か…西方寄りだって言ってたな」

召喚士「……」

魔道士「もしかして……」

召喚士「ええ、そこに何か、ヒントがあるのかもしれませんね」

戦士「…そうと分かりゃあ」

盗賊「……行くしかないな」
526 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 00:17:55.23 ID:XGAlkqiDo
>>490-493
なんてこった…

>>494-500
まぁ構いませんけど、全然話題についていけないです…
漫画かアニメかゲームなら…何とか…

>>501-502
みたいですね!油断してましたww

てなわけで、おやすみなさい!ご支援感謝!ノシ

〜オマケ〜

幼女「はいっ!二人で作ったのー!」

剣士「ボクにかい!?ありがとうー!」

弓使い「……」

剣士「な、なにっ?」

弓使い「食べてみて……あ…」

剣士「…?」

弓使い「食べてみて!あ、あなたっ!」

剣士「!!」

弓使い「いいから、早く食べなさーいっ!」

幼女「えへへへ〜」
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 00:37:52.49 ID:GRyMfx6AO
>>1おつ

偽勇者PTとかダイの大冒険みたいだな
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 00:46:47.74 ID:ZhCGO1dBo
セレブがセフレに見えた死にたい
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 01:20:03.02 ID:FZXvyEsro
1おつおつ

女記者SSはこのスレからお勧めされたような気もするが

>>527
最終戦で“偽物の”偽勇者PTになるんですね
まぁこっちは初めから正義サイドか
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 02:43:51.36 ID:Cvc7mLi10
スレチって分かってるけどあの人には戻ってきて欲しいな
でも後半はアンチが凄く沸いて凹んでたから無理かな
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 04:45:31.78 ID:wntkwk+So
1乙
いつも楽しませてもらってるよ
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 08:39:44.41 ID:HVbn/RgAO
>>1

最近魔導師ちゃんを直視できない…いつからそんなに召還士方面へいってしまったんだ…
俺へのチョコレートはどこへ…
ああ、もう何もわからないこうなりゃもう左翼が勝っちゃえ
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 10:07:24.01 ID:vEmM/NjDO
まぁどうしましょう





スタコラ
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 10:40:21.33 ID:rwXuZE5E0
スレチって前置きしてレスする奴なんなの?
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 12:06:11.69 ID:294+nBTDO
>>529
されてた
こういうのもおもしろかったから読んでみ程度のは今までもあった
宣伝じゃないんだからそれに向けて過剰に反応しているやつがどうなのかって話
スルーしとけば良い話なのに突っ込むオレかっこいいみたいなのが増えてるよな
自分もss書くけど似た傾向の紹介されると参考になって嫌な思いはしないけど
だいたいssのスレが荒れる原因ってスルーできない古参が原因ってのが大半だしな
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 12:21:43.57 ID:tzaPJMhM0
1乙
偽というより、勝手にまわりが勘違いしてるだけかな?
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 12:35:01.51 ID:bVpvPkIGo
古参()とかどうでもいいけどうざいもんはうざいそれだけ
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 12:42:42.68 ID:8/GCZxkIO
のんびり一の投下をまとうぜ

女記者のもにょもにょランキングを早々に期待した私はもう歪んてる
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 15:33:20.57 ID:krxPW8ODO
>>535
反応する奴がいるからやめようって話なんだよ
こういう話している時点で俺もお前も同類なんだよ
この話は終わりにしてだまって続き待とうぜ
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 17:41:06.62 ID:x2Nmxbjao
>>1登場
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 17:53:32.55 ID:zi+oI97No
     |┃三  
     |┃          / ̄ ̄`ヽ :
     |┃         /. i /ヘ\ヽ\:
 ガラッ. |┃        ;| ! |/__.xト、L,_ ト}: な…
     |┃        ; |!ヘ cモリ  lモ!oV   なんなんですか?
     |┃三      ;| !|.ト" rっ ツ|.|、:  またなんですか?
     |┃        ,',ノ 斗ャ fて`Y  トミヽ   なんでまたあたしなんですか?
     |┃       / {トミトv|'´ゝ } ノノ:l }:
     |┃三   :/イ { ゝィVr-ヘト、 ! ハ
     |┃三   .  | !|Y⌒'ミ{ヾ=' | /イ|
     |┃        ヽ人   |!   /\ :    
     |┃          `'┬' トー'´  ヽ :   
542 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:10:46.26 ID:N71qCk69o
〜次の日〜

四人は北の街を出発し、山岳地帯を北西へと進んでいた。

戦士「この辺りも結構、雪が積もってんなぁ」

召喚士「うん。でももうじき暖かくなるから、辛抱だね」

魔道士「早く暖かくなって欲しいですねぇ」

盗賊「…魔道士は痩せてるから寒いんだ」

魔道士「……盗賊さん、どーいう意味ですか?」

盗賊「…もっと太った方が…え?」

魔道士「ど・う・い・う・意味ですかぁ?」

盗賊「……ごめんなさい」

戦士「ほれ、遊んでないでさっさと行くぞー」

魔道士「はーい」

召喚士「そういえば、この辺りって来た事ないなぁ」

魔道士「言われてみればそうですねぇ」

戦士「俺もねぇわ」
543 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:11:14.93 ID:N71qCk69o
召喚士「魔物っているのかな?」

戦士「あんまし依頼でも見ないよな」

盗賊「……でも…今は交戦中なんだろ?」

召喚士「…西高原国が解放されたからかな?」

魔道士「それはあるかもしれないですねぇ」

戦士「あー言われてみりゃ、魔王軍の領土だったもんなぁ」

召喚士「うん……」

戦士「つーかよ、あといくつ山を越えりゃいいんだよ……っ」

魔道士「道もないですからね……」

盗賊「…兎に角…進むしかないな」

召喚士「ですね」

戦士「しゃーねぇか。頑張るとしましょう!」

魔道士「しましょうっ!」

盗賊「…しましょう」

召喚士「ええ。しましょう!」
544 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:11:42.22 ID:N71qCk69o
ほぼ半日以上を費やし、四人は大小複数の山を越え、そして下り、

ようやく西方側と思しき、砂混じりの平地へと辿り着いた。

戦士「はぁ、やっとアップダウンもおしまいか」

召喚士「すっかり暗くなっちゃったね…」

魔道士「どうしましょうか?」

召喚士「えぇと……」

バサッ

召喚士「地図を見る感じ、西高原国まではまだありそうですね」

盗賊「……」

戦士「しゃーねぇ。そこいらで野宿すっか」

魔道士「えぇ〜っ」

戦士「仕方ねーだろ。それとも夜通し、西高原国まで歩くか?」

魔道士「それは…無理です……」

戦士「じゃあ諦めろ」

盗賊「…しかし、ここは見晴らしが良すぎるな」
545 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:12:14.59 ID:N71qCk69o
召喚士「ですね。死角がないのはいい事ですけど」

戦士「もし囲まれたら不利だな」

召喚士「……よし、正面の山を背にしましょうか」

戦士「少し登った方がいいか」

盗賊「…ああ。見張りも楽だ」

魔道士「まだ登るんですか〜?」

戦士「登るったって、大した標高でもないし、中腹までだよ」

魔道士「はぁい……」

召喚士「もう少しの辛抱ですよ、頑張りましょう!」

魔道士「…はいっ。くじけてなんかいられないですよね!」

戦士「そんじゃ登るぞー。盗賊、魔物の気配は?」

盗賊「…特になし」

戦士「……地質が結構柔らかいな。気を付けろよ」

召喚士「うん。戦士こそ気を付けてね」

縦列になり歩けそうな所を進んでいく四人。やがて中腹へと辿り着いた。
546 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:12:41.26 ID:N71qCk69o
ザッザッザ…キョロキョロ

戦士「この辺が良さそうだな」

盗賊「…ああ」

召喚士「柔らかいのは下の方だけで良かったね」

盗賊「…だな」

戦士「……よい…っしょ」

コトッ…ガラガラッ

戦士「魔道士、火を頼む」

魔道士「はいっ、いきますよー」

ドドンッ…ボウッ…パチパチッ

戦士「よっしゃ、飯にしようぜ!」

魔道士「すぐに準備しますねっ」

盗賊「…見張ってるから休め」

召喚士「いや、俺が見張りますよ。盗賊さんこそどうぞ」

盗賊「……すまん」
547 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:13:07.57 ID:N71qCk69o
メラメラッ…パチッ

魔道士「出来ましたよー!」

戦士「おほっ、美味そう〜!」

盗賊「…いただきます」

魔道士「召喚士さんも冷めないうちにどうぞ〜」

召喚士「先に食べてて下さい!見張ってますから!」

魔道士「……っ」

戦士「…熱っ!……はぁ、でも温まるなぁ」

盗賊「…うん」

魔道士「リゾットとハムと温野菜だけですけどね」

戦士「十分だよ!」

カチャカチャッ

盗賊「……?」

魔道士「…よしっ」

テクテクテク
548 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:13:34.78 ID:N71qCk69o
魔道士「召喚士さんっ」

召喚士「…!?」

魔道士「はいっ、冷めちゃいますよ?」

召喚士「…わざわざすみません。ありがとうございます」

魔道士「私もこっちで食ーべよ!」

召喚士「あっ、じゃあ…これどうぞ」

ファサ

魔道士「い、いいですよっ!召喚士さんこそ寒そう……」

召喚士「いえいえ、これで温まりますから!」

カチャッ

召喚士「……んっ、美味しい!」

魔道士「…良かった。えへへ!」

盗賊「……」

戦士「あっちも…熱々ですなぁ」

盗賊「……ですなぁ」
549 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:14:00.51 ID:N71qCk69o
パラッ

戦士「あん……?」

パラパラパラッ

戦士「…ちっ、砂埃かよ……」

カッ!!

盗賊「!?」

戦士「お、おいっ!今何か光っ――」

振ってきた砂埃を払いながら、山の上を見上げる戦士の目に、光が飛び込む。

ズウウゥゥン

召喚士「!?」

魔道士「な、何ですか!?今の揺れ……っ」

戦士「上だ!さっきから砂埃やら何か光ったりやら……」

ズウウゥゥン

召喚士「…行きましょう!!」

盗賊「…ああ!」
550 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:14:35.48 ID:N71qCk69o
タッタッタッタッタ…ザザッ

戦士「なっ!?」

召喚士「あれは……ドラゴン!?」

盗賊「だけではない!地上を見ろっ!」

山の頂上部分は平らな作りとなっており、言わば切り株のような形状。

その上で何者かが無数の魔物と交戦状態に入っている。

戦士「……キマイラか。かなりいるな」

上空には1匹のドラゴン。地上には数匹のキマイラが唸りをあげている。

魔道士「どうしますっ!?」

召喚士「助けに入りましょう!」

戦士「おう!お前は右へ回れ!」

盗賊「了解!」

召喚士「魔道士さんは正面の援護へ!」

魔道士「はいっ!!」

数箇所で攻防が繰り広げられている中、召喚士達はその助太刀に入った。
551 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:15:01.85 ID:N71qCk69o
ダッ!!…タッタッタッタッタ…

戦士「……ちっ」

キマイラ「グガアアァァ!!」

1匹のキマイラが近づく戦士に気付き、急遽襲いかかる。

戦士「どきやがれええぇぇ!!」

グワッ…ザシュウウゥゥ!!

瞬く間に振り下ろされた、雷切の稲妻がキマイラの頭部を襲う。

キマイラ「ギイイィアアァァーッ!!」

3本ある首のうち、鳥の形状をした1本がぽとりと地面へ落ちた。

戦士「……大丈夫か!?」

――「……お、お前っ!?」

戦士「……?」

振り向く戦士の顔がみるみる驚きに変わる。

戦士「……俺…っ!?」

戦士の瞳に飛び込んだその顔は、よく見覚えのある、即ち己の顔そのものだった。
552 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:15:28.60 ID:N71qCk69o
ザザァ…タタタッ

盗賊「……はぁっ!!」

チュインッ!!…サクッ…ザシュッ!!

盗賊の素早い動きに翻弄され、キマイラは攻撃に転じる事は出来ない。

キマイラ「……グ…ウウゥゥ!」

盗賊「……っ!」

ジャラッ……ビュオッ!!

盗賊「雷遁……迅雷!!」

バシッ!!…ガカアアァァッ!!

首を締め付けた鎖を媒介に、激しい電流がキマイラを襲う。

キマイラ「ギギャアアァァーッ!!」

たまらず距離を取り、息を粗くするキマイラ。その隙に盗賊は人影に近づく。

タタッ…ザッ

盗賊「……!!」

その目に飛び込むは、同じ東方の出である小柄な女性であった。
553 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:19:40.54 ID:N71qCk69o
タッタッタ…

魔道士「……!?」

目の前のキマイラが突如、炎に包まれる。

魔道士「魔法!?誰が……」

キマイラ「グガアアァァ!!」

魔道士「効いてない…っ、よぉし!」

炎を掻い潜り疾走するキマイラめがけ、魔道士は杖を突き出す。

魔道士「……いっけぇ!!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

キマイラ「――ッ!?」

大地を蹴るキマイラの足が、氷によりその動きを停止する。

――「……っ!!」

タッタッタ…ザザッ

魔道士「大丈――」

目の前の女魔道士を見つめた途端、魔道士の声が止まった。
554 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:21:56.07 ID:N71qCk69o
タタタッ…ババッ…ズザァ

召喚士「……ドラゴンか」

上空で不気味な咆哮を繰り返すドラゴン。

咆哮を止めると、ドラゴンは岩場の向こうへと急降下する。

召喚士「人影!?……まずいっ!!」

ドラゴン「グカアアァァーッ!!」

地面めがけ降下を続けながら、ドラゴンの口内が赤く燃え盛る。

召喚士「ちぃっ!!」

岩場へと駆け寄る召喚士を余所目に、ドラゴンは口を大きく開いた。

ドラゴン「ゴアアァァ!!」

召喚士「……くそっ!」

ザッ

召喚士「行けっ!コカト――」

コカトリスの召喚と同時に、岩場の影から声が響き渡る。

――「……行けっ、フェニックス」
555 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:23:45.75 ID:N71qCk69o
召喚士「え……っ?」

シュイイィィン…ズドドドドドド…

フェニックス「…………」

急降下を仕掛けたドラゴンが萎縮するのに時間は掛からなかった。

ドラゴン「――ッ!!」

吐き出した火炎の吐息を飲み込むように、フェニックスは上空へ羽ばたく。

召喚士「……!!」

方向を変える事もなく、フェニックスはドラゴンを突き抜け、夜空に輝いている。

ドジュウウゥゥッ!!

ドラゴン「カ……ァ……ッ」

召喚士「……っ」

黒煙を上げ焼け爛れるドラゴンは、かろうじて羽をばたつかせ、上空でもがく。

召喚士「……コカトリス!!」

コカトリス「おう!」

瀕死のドラゴンは石像と化し、地面へ叩きつけられると、粉々に散った……。
556 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:24:45.93 ID:N71qCk69o
ザッザッザ

召喚士「……あなたでしたか」

ザッッザッザ…ザッ

召喚士「……同門さん!」

同門「……やはり貴様か」

テクテクテク

戦士「……お前だったのか…ドッペルゲンガー!」

偽戦士「…よぉ、オリジナル。元気そうじゃねぇか!」

タタッ…スタッ

盗賊「…お前は確か……」

くの一「…いつぞやの…同郷の者か?」

ザッ

魔道士「……ウ、ウィッチちゃん!?」

ウィッチ「魔道士……ちゃん!?」

合計8人。2つのパーティーは中央にて合流した。
557 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:26:23.32 ID:N71qCk69o


戦士「…ようやく、全てが合点いったぜ」

偽戦士「何の話だ?」

魔道士「私達にそっくりなパーティーがいるって……」

ウィッチ「言われてみれば…似ているでございますね」

盗賊「…これで誤解も…解けるな」

くの一「誤解?」

召喚士「ええ。皆さんの功績が俺らのものと勘違いされているんですよ」

同門「……ふん、どうでもいい」

魔道士「よくないですよっ、皆さんの手柄なのに……」

偽戦士「功績があると何かあんのか?貰える金が増えるとかか?」

戦士「直接はねーけど、間接的には有利だぞ?」

召喚士「そうですよ。功績ランクが上がれば大きな依頼も増えますし」

ウィッチ「そうなんでございますか?」

召喚士「依頼主から直に来たりもするようになりますからね」
558 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:27:09.51 ID:N71qCk69o
くの一「ふぅん」

魔道士「ほらっ、それに上位ランカーには毎年報奨が……」

盗賊「…あったな」

偽戦士「マジかよ!?そいつはオイシイな!」

戦士「でも、武器とかそんなんだぜ?」

偽戦士「武器なら願ってもねぇ話だな」

盗賊「…?」

偽戦士「オリジナルのお前と違って、俺はこれしかねぇからよ」

ドスッ

戦士「…ああ、ドワーフの斧か。そういやそうだな」

魔道士「ところで、皆さんはどういった経緯で……?」

ウィッチ「どう…って……」

偽戦士「俺はコイツにナンパされた」

ウィッチ「ちっ、違うでございますわ!てっきり戦士さんかと……」

戦士「あぁ、間違えたわけだ」
559 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:27:58.43 ID:N71qCk69o
ウィッチ「お恥ずかしい限りでございます……」

召喚士「い、いや…間違えても仕方ないかと……」

偽戦士「そんで、その後コイツにナンパされた」

くの一「はぁ!?いい加減な事を言うな!!」

偽戦士「何だよ……」

くの一「貴様に恨みを晴らすべく、探し当てたのだろうがっ!」

戦士「怨み…?あぁー」

偽戦士「恨みって……」

くの一「今更忘れたとは言わせぬぞ、このど変態!」

偽戦士「ど変態ってお前……」

戦士「なぁ…頼むからさ、身を改めてくれよ。俺の為にも……」

召喚士「は、はは…っ」

魔道士「それで、最後に同門さんが仲間に……」

同門「ふざけるな。仲間になった覚えなどない」

盗賊「……」
560 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:31:17.55 ID:N71qCk69o
同門「利害が一致しているから、一時的に共闘しているだけだ」

召喚士「同門さん……」

同門「いずれは離れる。お守りなどごめんだ」

ウィッチ「そ、そうなんでございますか……?」

戦士「ずっとパーティー組んでりゃいいじゃんか」

同門「足手まといだ」

盗賊「……」

召喚士「バランス取れてて、いいと思いますけどね」

同門「……貴様らを見て、余計にそう感じた」

召喚士「……っ」

偽戦士「全く、寂しい事言うなよなぁ」

同門「馴れ馴れしい。触るな」

偽戦士「…へいへい」

魔道士「…似てそうで……似てないですね」

召喚士「え、ええ……」
561 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:31:54.04 ID:N71qCk69o
戦士「しかしよ、各地で大活躍みてぇじゃねーか」

偽戦士「へへっ、まぁな」

召喚士「凄い評判ですよ。北の街とか……」

ウィッチ「ほ、本当でございますか!?」

魔道士「うんっ。でも、私達の話になっちゃってるけど……」

召喚士「それをきちんと正したくて、該当者をさがしてたんですよ」

くの一「ふぅん」

召喚士「会えて良かったですよ。これで誤解を解ける……」

同門「さっきも言ったが、興味はない」

偽戦士「おいおい、俺らの功績…奪われてんだぜ?」

戦士「奪ったつもりはねぇよ。……形的にそうなったまでだ」

召喚士「ワークショップには登録してます?」

ウィッチ「はいでございます。結構、前にですけど……」

戦士「それって、お前個人の登録じゃないの?」

ウィッチ「え…?そうで…ございますけど……」
562 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:32:27.69 ID:N71qCk69o
召喚士「!?」

魔道士「そ、それじゃあ駄目だよっ、ウィッチちゃん!」

ウィッチ「え…っ?」

召喚士「パーティーを組んだのなら、パーティーで申請を上げないと……」

ウィッチ「そ、そうなんでございますかっ!?」

戦士「……はぁ、駄目だなこりゃ」

召喚士「他の皆さんは申請しているんですか?」

くの一「ワークショップには行ったぞ」

盗賊「…登録は?」

くの一「した」

戦士「お前は?」

偽戦士「登録出来るわけねーだろ」

戦士「…それもそうだわな」

召喚士「同門さんは?」

同門「する必要ない」
563 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:32:57.05 ID:N71qCk69o
盗賊「…………」

召喚士「……」

戦士「どうしようもねぇな、このパーティー」

魔道士「ドッペルゲンガーさんは駄目だとしても…同門さんはしないとですよ」

同門「……」

召喚士「そしたら、三人で構わないので、パーティーの申請もして下さい」

ウィッチ「そ、そうするでございます!」

くの一「それで、晴れて功績がつくのか?」

召喚士「はい。……って、今までの依頼は?」

ウィッチ「お金がなくなったら受ける感じでございます」

召喚士「……っ」

魔道士「ほとんどボランティアって事!?」

偽戦士「ははっ、そういう事になるな!」

盗賊「…馬鹿だな」

戦士「……あ、ああ」
564 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:33:29.53 ID:N71qCk69o
召喚士「と、とにかく…きちんと申請した方がいいですよ」

偽戦士「分かった分かった。やっとくよ」

戦士「それから、依頼もこまめに受けろよ」

くの一「…ああ」

召喚士「そうすれば、ちゃんと功績も付きますから」

ウィッチ「はいでございますっ!」

盗賊「……」

同門「……」

戦士「あのさ、ところで…他のワーカーとかはいねぇのか?」

ウィッチ「他のワーカーでございますか?」

戦士「ああ。この辺は今、激戦区なんだろ?」

くの一「もう少し南へ向かえばいるぞ」

偽戦士「俺らは好き勝手暴れてるだけだからな」

盗賊「…なるほど」

召喚士「合流はしないのですか?」
565 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:35:05.33 ID:N71qCk69o
同門「…邪魔なだけだ」

召喚士「……」

戦士「どうする?俺らは行ってみるか?」

魔道士「西国の城西というのも…気になりますね」

召喚士「うぅん…そうですね、ついでだし行くだけ行ってみましょうか」

魔道士「そうしましょう!」

盗賊「…行くか?」

ウィッチ「え、えっとぉ……」

偽戦士「行こうぜ!俺らも……」

同門「勝手に行け」

ザッザッザ…

召喚士「同門さん……」

ウィッチ「ど、どうしましょうでございます!?」

偽戦士「…しゃーねぇ。放っておくわけにゃいかんだろ」

召喚士「……」
566 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:35:59.59 ID:N71qCk69o
ザッザッザ

魔道士「あ、あのぉ……」

偽戦士「行けたら行く!そんじゃな!」

戦士「…頑張れよ」

偽戦士「おう、この顔に恥じぬよう…頑張るわ!」

ザッザッザ…

ウィッチ「そ、それじゃあ……失礼しますでございます!」

魔道士「ウィッチちゃん、またね!」

ウィッチ「魔道士ちゃんも元気で……!」

ペコリ…タッタッタッタ…

盗賊「……」

くの一「…お前」

盗賊「…?」

くの一「……藤蔵の者か?」

盗賊「……何故だ?」
567 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:36:28.72 ID:N71qCk69o
くの一「先程の雷遁、あれは藤蔵のものであった」

盗賊「……ああ、そうだ」

くの一「やはりそうか」

盗賊「…?」

くの一「…いや、何でもない」

ザッザッザ

盗賊「…お前は?」

くの一「……根だよ」

盗賊「…根?」

くの一「じゃあな、花」

ザッザッザ

盗賊「――っ!!」

戦士「…どした?」

盗賊「…あやつ、影の出自だ」

戦士「何!?」
568 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/16(水) 18:37:25.13 ID:N71qCk69o
召喚士「影って確か……」

盗賊「……」

戦士「まぁ、悪い奴ではなさそうだな」

盗賊「…ああ。影が全員、悪というわけでもあるまい」

魔道士「そうですよね…。黒マントからも足を洗ってくれたようですし…」

召喚士「ええ……」

魔道士「というか、行っちゃいましたね……」

盗賊「……」

戦士「あいつらにはあいつらの、俺らには俺らの道がある」

召喚士「うん。またいつか会えるよ」

魔道士「そうですね…。負けないように頑張りましょう!」

盗賊「…そうだな」

山の北側へ去り行く四人と、それを見送り南側へ歩く四人。

久々に旧知の仲と顔を合わせた四人。同じ様な環境にありながら、

また別の道を行く彼らに力を分けて貰い、更に南へと旅立つのであった。
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 18:41:55.72 ID:N71qCk69o
今日はもう限界です…それでは失礼しますー
ご支援ありがとうございました!ノシ
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 18:45:16.65 ID:WiNIctZWo


あの4人かwwwwwwww
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 18:53:35.30 ID:s4iFPkyQo
乙!
なんだよ、知り合いじゃねーかww
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 19:59:18.56 ID:GRyMfx6AO
>>1おつ

同門いるおかげでPTとしてのレベルがかなり高いな
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 20:03:08.16 ID:kipyqPoYo
すげー!
何か感動した
>>1
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/16(水) 20:04:42.62 ID:Hk/nBLEDO
>>1乙!

完全に、くの一の存在を忘れてたぜ。
召喚士が、なんとか同門と仲良くなって、新しい朱雀召喚獣を手に入れられるといいなー
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 20:35:18.46 ID:YbQvRG8c0
>>1乙です

二人まではわかったんだけどなぁ…

くやしい…ビクンビクン
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 20:39:57.99 ID:FnhGf2Xxo
ドッペルと同門までは予想してたけどくノ一とウィッチちゃんかー
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 20:47:16.71 ID:1+sae0XAO
一年近くスレ追ってて今更な感じの質問なんだが

西高原国←コレなんて読むの?
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 20:49:43.45 ID:WiNIctZWo
「にし こうげん こく」って読んでる
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 20:55:55.13 ID:kipyqPoYo
にしたかはらのくに
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 21:00:27.41 ID:vEmM/NjDO
サイコーハラコク
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 22:19:47.63 ID:8/GCZxkIO
にしのたかまがはら
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/16(水) 22:45:32.12 ID:pSRFnHtXo
くのいちってドッペルにおっぱいモミモミされて戦士がビンタされたんだっけ
フェニックスのほうが主人公っぽいと思ったのは内緒でござる
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 23:28:13.47 ID:F0NagFOAO
>>1
まさかこの時の為に召喚士パーティー似を揃えたのか!?
西遊記一行といい、>>1の進化は止まらんなぁ
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:41:24.45 ID:NvP1sSQKo
〜本国、国軍本部〜

近衛兵「ご苦労様です!」

大軍師「どうも」

カツカツカツカツ

大軍師「……おや、こちらにおいでとは珍しいですね」

コンコン…カチャッ

秘書官「両名、お見えになられました」

司令官「…すまないね。わざわざお呼び立てして」

大軍師「いえいえ、構いませんよ」

皇太子「こちらもだ。して、今日は何用かな?」

大軍師「私だけではなく、殿下も呼ばれたとなると……」

司令官「…ん。いよいよ始めようかと思ってね」

皇太子「…そうか」

大軍師「……だが、その前にやるべき事がある」

司令官「…ん、流石だね」
585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:42:29.91 ID:NvP1sSQKo
皇太子「やるべき事?」

司令官「そろそろ、終幕といこうじゃない」

大軍師「内通者を一掃…ですね」

皇太子「……成程」

大軍師「しかし、殿下まで動かれるのは危険かと」

司令官「勿論。殿下に動いて貰うつもりは最初からないよ」

皇太子「……?」

司令官「幾つか確認しておきたい事があってね」

皇太子「何かな?」

司令官「……その前に」

大軍師「……」

司令官「現状だけど、君は把握してる?」

大軍師「……込み入ったところまでは流石に」

司令官「…そう。殿下もいるしいい機会だ、整理しておこうか」

皇太子「すまないな」
586 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:43:01.56 ID:NvP1sSQKo


大軍師「現在、左翼と右翼は緊迫状態にあります」

司令官「それも限界すれすれのね」

皇太子「……」

大軍師「今に始まった事ではありませんが、発端は議会。いや……」

司令官「……」

大軍師「首謀者が特殊遊撃に内通者を送り込んだ辺りからですね」

司令官「そうだね。ま、あの時はすぐに気付けて良かったよ」

大軍師「あの時はあちらも焦りを見せていましたからね」

皇太子「焦り?……あぁ、そうか」

大軍師「そういう事です。何としても外交を阻止したかった」

皇太子「しかし、予め分かっておらねば潜り込ませようもないぞ?」

大軍師「分かっていたのですよ」

皇太子「……まさか」

大軍師「そう、予言です。あの時ばかりは裏目に出ました」
587 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:44:07.32 ID:NvP1sSQKo
皇太子「……っ」

司令官「西方との同盟、手段こそ不明だったけど…時期は分かっていた」

皇太子「そうであったか」

大軍師「当然、同盟ともなれば殿下直々に出向かうは必須」

皇太子「その護衛という事になれば、特遊が動くも当たり前か」

大軍師「マークはしていたのですが……」

皇太子「いや、構わん。それで?」

大軍師「以降、彼らはかなり焦りをみせておりますね」

皇太子「そこで付け入る隙が出来たわけか」

大軍師「ええ。ドッペルゲンガー事件と議会です」

司令官「あの辺りで、首謀者の一人は確実に掴めたよ」

大軍師「とは申しても、以前から可能性は限りなくあったわけですが……」

皇太子「……左大臣か」

司令官「…ん」

皇太子「しかし、左大臣一人が黒幕というわけではあるまい?」
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 00:45:02.47 ID:RgLL8MJJo
この時間に投下だと・・・
589 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:45:20.19 ID:NvP1sSQKo
大軍師「……流石ですね、我らもそう踏んでおります」

皇太子「まさか掴んでいるのか?」

司令官「左大臣を含め、少なくとも三名は首謀者としか考えられるね」

大軍師「一人は国軍内。もう一人は……」

皇太子「……本国か?」

大軍師「もしくは、外部司令部かはたまた……」

司令官「他国か。その一名だけはなかなか尻尾を見せなくてねぇ」

皇太子「魔物の可能性は?」

大軍師「ありますが、それはまた別の扱いです」

皇太子「……」

大軍師「国軍内の内通者はほぼ確定でしょう。そうですね?」

司令官「…ん、そうだね。餌に食いつきつつあるよ」

皇太子「餌……?」

大軍師「ここ最近、新聞を賑わせている事件…ご存知ですか?」

皇太子「ああ。特遊の内通者が……」
590 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:46:57.02 ID:NvP1sSQKo
大軍師「あれをリークしたのは私です」

皇太子「!?」

大軍師「おそらく大抵の者は、左翼の陰謀と考えているでしょう」

皇太子「……っ」

大軍師「しかし、左翼や内通者にとっては違うのです」

司令官「軍内を混乱させるに容易な内容だが、裏を返せば……」

皇太子「内通者の意味を考えれば……そうだな」

大軍師「彼らにとっては大変不利な内容なのですよ」

皇太子「では、国軍内の事においては、任せて良いのだな?」

大軍師「はい。その為に私が呼ばれたのですからね」

司令官「…そういう事だね」

皇太子「すると最後の一人か……」

司令官「そこで殿下をお呼びしたわけだ」

皇太子「王宮内を探れと?」

司令官「…いや、それは大丈夫」
591 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:48:29.00 ID:NvP1sSQKo
皇太子「……?」

司令官「陛下の事だよ」

皇太子「父の?」

司令官「容態はどう?」

皇太子「……魔力での延命も限界が近い。おそらくもって半年」

司令官「……」

皇太子「それが、何かあるのか?」

司令官「奴らはね、狙ってくるよ」

大軍師「後継者問題ですよ」

皇太子「……ああ」

大軍師「陛下崩御と同時に、動くつもりでしょう」

司令官「つまり、陛下が存命な内に、カタをつけなきゃいけないんだ」

皇太子「……時間がないな」

司令官「半年か、仕方ないね。半年以内に内通者を一掃するよ」

大軍師「……なかなか困難を極めますが、材料は揃いつつあります」
592 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 00:49:31.21 ID:NvP1sSQKo
司令官「最後の内通者は今、特遊が調査に当たってる」

皇太子「……そうか」

司令官「さて、そして最後だ」

皇太子「……?」

司令官「君らに伝えておかねばならない事がある」

大軍師「何でしょう?」

司令官「……」

スッ…カチャッ…コトッ

皇太子「…久々に見たな。君の素顔も」

司令官「それはいい。問題はこっちだ」

大軍師「これは…?」

司令官「読んでみろ」

大軍師「…………!?」

皇太子「ば……馬鹿なっ!!」

司令官「これが真実だ。全てはあの日に隠された……真実」
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/17(木) 00:54:32.80 ID:NvP1sSQKo
>>570-576
あざざーす!予想通りな感じでしたかね?

>>577-581
お好きに読んで頂いてかまいませんよ
個人的には「えじぷと」って読んでます。嘘です

>>582-583
構想だけだと師匠死んだ時くらいですかね
肉付けしてようやく出せたって感じっす

では、おやすみなさい!ノシ
てか何でこんな時間まで起きてんだ…
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:17:24.66 ID:FTCUNdKAO
>>1おつ

同門達だってのは予想つかなかったけど、思い返してみればウィッチ以外は最近の章になってから登場してきたしな。それを予想させないようにバラつかせて登場させてったのには恐れ入る
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:32:36.19 ID:7Lvuxa7DO
ドSが本領発揮でござる
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:38:30.15 ID:Fg+1fpS3o

遅くに無理すんなよ
今週はあと二日ある…
俺もだがな…
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:39:36.60 ID:Q1iyUQVDO
>>1乙っす〜

続きが気になるううう
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:42:12.94 ID:pADHqilIo
司令官は被り物を取ると性格が変わるのか
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:53:45.92 ID:J6QYgIZSO
ああああああああああああ!!!
んもう!!!なにこのパラダイス伏線ちりばめ&回収はぁぁぁあああああ!!!
たまらねえ!たまらねえよ!!
なんなんだよこの王道感はよぉおおお!!!

胸熱・ときめき
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 02:06:41.35 ID:4hyJ38Sp0
>>1乙!
司令官のイメージが、シャアの仮面を被った耳無芳一に。
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 13:41:09.16 ID:f786rIHDO
あー、あの伏線やっと回収するのか。
なるほど後継者問題ねぇー
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 13:58:19.68 ID:ywajlKQDO
や、やっと追い付いた……
予想厨が嫌われるのは承知しているが魔道士ちゃんが陰謀に巻き込まれない事を願うのみ
ドキがムネムネで先が気になりますぅ><
603 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:21:37.18 ID:/UeaVr+Zo


大軍師「では、失礼致します」

司令官「……ん」

皇太子「……」

カツカツカツ…

大軍師「あ、そうでした」

司令官「……?」

大軍師「先日、最北の村にて…素晴らしい発見がありましたよ」

スッ

司令官「報告書かな?」

パラッ

司令官「……ふぅん」

大軍師「知る者はごく僅かです。無論、彼らにも言っておりません」

司令官「…そうだね、まだ伏せておいてよ。色々と使えそうだしさ」

大軍師「無論、そのつもりですよ」
604 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:23:43.59 ID:/UeaVr+Zo
カツカツカツ…パタン

大軍師「顔色が優れませんが、大丈夫ですか?」

皇太子「君は強いな」

大軍師「…まさか。こう見えてもかなり動揺しておりますよ」

皇太子「……」

大軍師「それにしても驚きました」

皇太子「私もさ」

大軍師「いえ、まさか殿下がご存知ないとは……」

皇太子「存在は知っていても、誰かまでは知らなかったさ」

大軍師「成程。しかし、言われてみれば納得ですね」

皇太子「…ああ、道理で。全て繋がったよ」

大軍師「しかし、そうともなるとなかなか…面白い話ですねぇ」

皇太子「……私は逆だな。心配で叶わんよ」

大軍師「まぁ、今更言ったところで自重するとは思えませんけれどね……」

皇太子「……っ」
605 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:24:30.16 ID:/UeaVr+Zo
テクテクテクテク…ザッ

大軍師「では、私はこれで」

皇太子「どこか行くのか?」

大軍師「辞令が出たばかりですので、色々と手続きです」

皇太子「成程」

大軍師「それと、新聞社へ行こうかと」

皇太子「……?」

大軍師「前回は弟に頼んだものでして、私も一度、直にお伺いしようかと」

皇太子「そうであったか。多忙だな」

大軍師「まぁ、半年しかありませんからね」

皇太子「……」

大軍師「殿下も何か、お考えのようで」

皇太子「ああ。そろそろこちらも動こうかと考えていてね」

大軍師「……と、いう事は」

皇太子「南東国との同盟だ」
606 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:25:00.78 ID:/UeaVr+Zo
大軍師「……成程」

皇太子「それだけではないな。西方の王とも直に会わねばならんしな」

大軍師「東方との同盟締結も確か……」

皇太子「猶予はあと5ヶ月といったところか」

大軍師「そうなると最早、同盟とは言えませんな」

皇太子「今は同盟さ。しかし半年後には変わっているだろう」

大軍師「本国を仲介に、各国間でも同盟が結ばれ……」

皇太子「そうだ。それは即ち、連合という事になる」

大軍師「そして迎えるは……魔王討伐ですか」

皇太子「…出来過ぎだな。シナリオ通りと言う事か」

大軍師「ふっふ、どうなんでしょうね。私も全て知るわけではありませんので」

皇太子「そうなのか?」

大軍師「ええ。……早く、回復すると良いのですがねぇ」

皇太子「……彼女か?」

大軍師「はい。不可欠な存在ですよ……人類の未来においてね」
607 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:26:25.83 ID:/UeaVr+Zo
〜司令室〜

司令官「……」

占い師「……」

司令官「調子はどう?」

占い師「変わりません」

司令官「…ん。それは残念だね」

占い師「いい加減、私を除隊に――」

司令官「出来ると思う?」

占い師「……っ」

司令官「これ以上、迷惑をかけたくない……とでも言うのかな?」

占い師「…予言の力なき私など、何も残ってはおりません……っ」

司令官「…それもそうだね」

占い師「相変わらず……正直な人」

司令官「……さっきね、話をしたんだ。大軍師がこんな物を置いて行ったよ」

占い師「……?」
608 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:32:15.08 ID:/UeaVr+Zo
スッ

司令官「見てご覧、凄くないかい?」

占い師「……」

カサッ…パラパラッ

占い師「――っ!?」

バサッ!!

占い師「…………っ」

司令官「どう思う?」

占い師「こ……んな…事……っ」

司令官「でもこれ、本当かな。調査してみないとね」

占い師「……」

司令官「極秘事項だから、限られた誰かに頼むしかないけど」

占い師「……私……行きます」

司令官「……ん。そう言ってくれると思ってたよ」

返答の代わりに、占い師は小さく、俯きながら頷いた。
609 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:37:18.28 ID:/UeaVr+Zo
〜西高原国、城跡〜

戦士「しっかし、昨晩はビックリしたな」

魔道士「本当ですよ。まさかあの四人が……」

召喚士「不思議な縁だよね」

戦士「同門がいるってのが、不思議でならねーが……」

召喚士「同門さんにも、色々と思うところがあるんじゃないかな」

盗賊「……」

召喚士「口ではああ言ってたけど、決して嫌なわけじゃなさそうだったし」

魔道士「そうですか?」

戦士「だってよ、あの手の奴は嫌ならとっとと離れてんだろ」

魔道士「……た、確かに」

盗賊「…仲間が…欲しかったのかな」

召喚士「そこまでは分かりませんが、いい事ですよ」

戦士「…おっ、見えてきたぜ!」

魔道士「本当だぁ〜!」
610 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:38:27.77 ID:/UeaVr+Zo
もう間もなく昼を迎えようという頃、四人の目には、

見覚えのある城跡の建造物が飛び込んできた。

盗賊「……懐かしいな」

召喚士「ええ」

戦士「……」

召喚士「戦士?」

戦士「ん、ああ。ちょっくら中入ってみっか」

魔道士「入れて貰えますかね?」

テクテクテク…

戦士「昼休憩かい?ご苦労さん」

スタスタ

西国兵「な、なんだいアンタ?」

戦士「ちょっと通して貰っていいかな?」

西国兵「駄目に決まっているだろ!」

戦士「何だよ、いいじゃねぇか」
611 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:39:18.48 ID:/UeaVr+Zo
西国兵「は?」

魔道士「ちょっと戦士さん、無理言い過ぎですよ〜」

召喚士「すみません。ちょっとここ、思い入れがありまして……」

西国兵「……?」

召喚士「あっ、いえいえ…いいんです!戦士、戻ろう!」

ザッザッザ

西国兵長「どうした?」

西国兵「あっ、隊長!何やら怪しい一味が……」

西国兵長「まさか…ここを寝床にしていた盗賊団か!?」

召喚士「ち、違います!俺らは……」

西国兵長「……おや?」

ザッザッザ…ジーッ

西国兵長「……もしや、あなた方はもしや…!?」

西国兵「ご存知なのですか?」

西国兵長「…間違いない!救世主様ではありませんか!」
612 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:40:06.04 ID:/UeaVr+Zo
盗賊「!?」

召喚士「救世主って……」

西国兵長「この方々は、我が国の危機をお救い下さったのだぞ!?」

西国兵「……!!」

西国兵長「講義で習わなかったのか?」

西国兵「まさかあの……っ!?」

戦士「講義……」

魔道士「何だか、大変な事になっている気が……」

西国兵長「いやぁ、まさかこのような地で会うとは。さぁお入り下さいませ」

召喚士「…ど、どうも」

盗賊「…良かったな」

戦士「良かった…のか?」

西国兵「まさか皆様がそうであったとは…いざ知らず…申し訳ありません」

西国兵長「申し訳ありません。まだ新兵なものでご無礼を……」

召喚士「い、いえ…。気にしないで下さい…」
613 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:41:16.36 ID:/UeaVr+Zo
〜城跡、内部〜

召喚士「へぇ〜。結構改築も進んでいるんですね」

西国兵長「元が元ですからね」

召喚士「かなり強固で…大きな作りですよね」

西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……新品を毟り取り……」

盗賊「……」

西国兵長「同じ西方の民の血が流れたと思うと…無念でなりません」

召喚士「その為にも有用に扱わなければなりませんね」

西国兵長「ええ。陛下も同様のお考えです」

召喚士「そういえば、王子は……」

西国兵長「それが、つい先日までこちらにいらしたのですが……」

魔道士「今はいないんですか?」

西国兵長「ええ。南で魔物が活発に活動し始めまして…」

戦士「大変だなぁ」

西国兵長「普段はそんな事ないんですが、誰かが踏み込んだのかもしれません」
614 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:42:04.09 ID:/UeaVr+Zo
盗賊「…踏み込んだ?」

西国兵長「南の砂漠はサンドワームの棲みかですから」

召喚士「なるほど。そこに人間が立ち入ったと…」

西国兵長「奴らは自分から攻める事はありませんが……」

盗賊「…縄張りへ入れば…容赦しない、か」

魔道士「縄張り?」

盗賊「…えっと、テリトリーって事」

西国兵長「南の砦でワーカーを救助したという話がありますし」

召喚士「その人達か……」

戦士「…?」

召喚士「か……」

西国兵長「な、何か…?」

召喚士「い、いえ…。何でもないです」

盗賊「……魔法剣士達か…ボソッ」

召喚士「…ええ、おそらく……はは…っ」
615 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:42:40.59 ID:/UeaVr+Zo
ザッザッザッザ

西国兵長「こちらですか?」

王宮内の地下へと足を運ぶ召喚士らを、不思議そうな目で見つめる西国兵長。

戦士「そうそう、ここだ。……流石に武器はもうないか」

西国兵長「全て西国へと運んでしまいましたからね」

戦士「そっか…」

西国兵長「もしご必要であれば、手配を致しますが……」

戦士「いやいや、そうじゃねぇんだ。気にしないでくれ!」

西国兵長「……は、はぁ」

魔道士「ここで、ドワーフさんと会ったんですよねぇ……」

召喚士「今にして思えば、。初めて出会った、良い魔物でしたね」

盗賊「…ああ」

ザッザッザ…キュポッ…バシャバシャバシャッ

戦士「…ジーサンよ、あれから俺…強くなったよな」

以前とは異なり閑散とした室内。戦士は手持ちの酒を床へと注いだ。
616 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:44:10.56 ID:/UeaVr+Zo


戦士「ありがとよ。無理言って済まなかったな」

西国兵長「いえ、こちらこそ失礼を致しました」

西国兵「し、失礼致しましたっ!」

魔道士「気にしないで下さい〜。えへへ!」

西国兵「…………」

西国兵長「ほらっ、しっかりと頭を下げろ」

グイッ

西国兵「わ、わぶっ!」

盗賊「……それでは」

召喚士「今度は、城砦が完成した時に来ますよ!」

西国兵長「お待ちしております!」

西国兵「そ、それでは…!!いってらっしゃいませっ!!」

魔道士「…えへへっ!行ってきます!!」

硬い表情で敬礼する西国兵を見て、魔道士も笑顔で敬礼を返した。
617 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 17:49:20.82 ID:/UeaVr+Zo


召喚士「……もう夕方かぁ」

戦士「赤く染まって、いい景色だな」

魔道士「本当ですねっ、砂漠に反射して…赤みが増して……」

盗賊「…綺麗だな」

戦士「……なーんか、ちょっと気合入ったわ」

召喚士「うん。いい出会いもあったしね」

魔道士「そうですね!みんな、頑張ってますもんねっ」

盗賊「…さて、どうしようか」

戦士「魔王討伐までもう1年切ってんだな」

召喚士「そろそろ、最後の準備に取り掛かろっか」

盗賊「…そうだな。猶予は半年程度は欲しい」

魔道士「それじゃ、えっと……どうします?」

召喚士「ますは本国へ戻って、行動開始といきましょう!」

力強い叫び声と掲げた4本の右手。周囲と同様、夕日に染まり赤く色づいていた。



〜第三十七部、完〜
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/17(木) 18:00:54.88 ID:gI0EB0+DO
乙です。
ようやく現行まで追いつきました!頑張って下さい!
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 18:04:17.37 ID:wrCkofMDo


>>613
>西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……新品を毟り取り……」

おのれ、新品をむしり取るとはなんてことを…
中古を代わりに置いて行ったのかな?www
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 18:11:13.02 ID:BDi1gI/ho
>>619
ばかっ!きっと珍品と言おうとしたんだよ!
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 18:11:34.24 ID:Q1iyUQVDO
まて、清らかな乙女のことかもしれん
許すまじ
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/17(木) 19:08:15.05 ID:/UeaVr+Zo
やば……

× 西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……新品を毟り取り……」
○ 西国兵長「西高原国の民を強制的に働かせ……金品を毟り取り……」

またも追い付いて下さった方々が…ありがとうございます!
一体どこから…てか、追い付かれないように頑張らねば…いそいそ↓続き
623 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:08:52.83 ID:/UeaVr+Zo


召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第三十八部〜
624 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:09:23.54 ID:/UeaVr+Zo
〜数日後、本国〜

魔道士「結局、色々と寄り道しちゃいましたね〜」

戦士「まぁな」

召喚士「たまにはいいんじゃないかな?」

魔道士「戦士さんが武具に夢中になってるから〜」

戦士「お前だって香辛料買い漁ってただろ!」

召喚士「ま、まぁまぁ……」

盗賊「…全く」

戦士「人の事言えねーぞ、食い物担当」

盗賊「へ、変な担当を押し付けるなっ!」

召喚士「あはははっ!……ん、何だろ?」

ガヤガヤガヤ…

戦士「街道沿いだな。まさかまた、出兵か?」

召喚士「でも、そんな動きは全然なかったけどなぁ」

魔道士「ちょっと見てみましょうか!」
625 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:09:50.82 ID:/UeaVr+Zo
パッカパッカパッカ…

戦士「ごめんよ、通してくれ」

魔道士「すごい…人だかり…っ」

戦士「なぁ、何の騒ぎだ?」

男「知らんのか?殿下が出発なされるのさ!」

召喚士「出発…?」

男「南東国との同盟に赴くのさ!」

盗賊「!?」

戦士「同盟って……」

召喚士「…ついに、この時が…っ」

男「……?」

魔道士「じゃあこれで、本国と西国と東方と……」

召喚士「全ての国が一丸に……」

男「……あーっ!!」

召喚士「へ…!?」
626 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:10:28.71 ID:/UeaVr+Zo
男「アンタら……っ!!」

戦士「な、何だよ…っ」

ガサッ!!

男「……あ、あの…あのっあのっ」

戦士「新聞か、どれ……ん?新聞?」

盗賊「……まさか」

召喚士「!?」

男「一面にでかでかと載っている…この顔が今、目の前にいぃ!!」

召喚士「い、いや……その……っ」

男「おぉい!巷で噂の朱雀先生がいたぞぉーっ!!」

戦士「うげっ!?」

盗賊「……っ!!」

召喚士「ま、まずい…!逃げましょう!!」

盗賊「ああっ!!」

魔道士「へっ!?きゃあぁ!!」
627 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:10:55.54 ID:/UeaVr+Zo
タッタッタッタッタ…

盗賊「……撒いたか」

戦士「あっぶね……。勘弁してくれよ……」

召喚士「しまったな。まさかもう発行されてるなんて……」

戦士「これでうかうか、買い物も出来ませんな。朱雀センセイ!」

召喚士「やめてよ…っ。戦士だってそうじゃんか」

戦士「召喚士ほどじゃねーだろ。ある意味助かるぜ!はははっ!」

召喚士「もうっ」

盗賊「…しかし、あれでは敵わんぞ」

魔道士「ですね……」

召喚士「……ちょっと、相談しに行きましょうか」

魔道士「どこへです?」

召喚士「まぁ、今更…手遅れな感もありますが……」

盗賊「…新聞社か」

召喚士「ええ」
628 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:11:22.37 ID:/UeaVr+Zo
〜新聞社〜

テクテクテクテク…

受付嬢「……っ!!」

召喚士「あ、あのぉ……」

受付嬢「アポイントはお持ちですかっ!?」

召喚士「い、いえ…っ」

受付嬢「でしたら、本日手続きをなされて……後日……」

ザッ…スタスタスタ

書家「ん?ありゃあ確か……」

召喚士「出来ればその、今日中に……」

書家「いよぉ!」

召喚士「!?」

書家「アンタ、朱雀先生だよなぁ?」

召喚士「え…!?あ、ま…まぁ」

書家「…ふーん」
629 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:11:52.63 ID:/UeaVr+Zo
ジロジロジロ

召喚士「……あのっ」

書家「……もっとゴツイかと思ったが、女装とか似合いそうだな!くっくく!」

召喚士「っ!?」

ガシッ

書家「記者に用か?よし、案内したる。付いて来い!」

受付嬢「ちょっとぉ!?」

書家「怒るとカワイイお顔が台無しよん?くっくっく!」

スタスタスタ

召喚士「あの…肩組むの苦しいんですが……」

書家「…あっそお?じゃあこっちのかわいこちゃん達にしようかね」

魔道士「えっ!?」

召喚士「…いえ、やっぱいいです。組んでて下さい」

書家「…くっくっく!」

召喚士(……酒臭い)
630 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:12:19.42 ID:/UeaVr+Zo
〜報道局〜

テクテクテク

書家「ほれ、入りなっ!」

召喚士「し、失礼します……」

戦士「…この手のノリの親父は利用価値がある。ボソボソッ」

魔道士「え、ええっ。なんとなく分かる気がします…ボソボソ」

書家「おーい、記者ぁ〜」

女記者「鬼外出中っすよ!!」

正面に並ぶ机から手だけがひらひらと顔を出し、返事が聞こえた。

書家「あーん?外出だぁ?」

女記者「すぐ戻ると思うっすよ!!」

書家「編集長は?」

女記者「会議室で鬼会議中っすよおぉ!」

書家「何だよ、どいつもこいつもよ」

呆れ顔で頭を掻きながら、書家はすぐ傍にあるソファーへと寝転ぶ。
631 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:12:46.09 ID:/UeaVr+Zo
ドサッ

書家「まぁ適当にかけて、待っててくれや」

召喚士「はぁ」

盗賊「……」

スッ

書家「……んで、今日は何の用だ?」

召喚士「ちょっと…新聞の事で……」

書家「ああ、見た見た!納得いかねーよなぁ」

召喚士「まぁ……」

書家「あれじゃあ面白みもへったくれもありゃしねぇよ!くっく!」

召喚士「へ…!?」

書家「笑える要素が全くない!あんな記事じゃあ後々の世に残――」

ガチャッ…スタスタスタ

記者「……ただい――朱雀先生!?」

召喚士「記者さん!」
632 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:13:16.18 ID:/UeaVr+Zo


コポコポコポッ…コトッ

魔道士「ありがとうございます〜」

記者「成程、よく似たパーティーの方々がいらしたのですか」

召喚士「ええ。出来れば誤解を解きたいのですが……」

記者「お詫びの掲載をする分には構いませんが…」

盗賊「……ズズーッ」

記者「皆さんの活躍は曲がりなりにも本物ですからね」

女記者「そうそう!いちいち直すなんて鬼面倒――」

戦士「…?」

女記者「ひゃああぁぁ!?」

魔道士「えっ?えっ!?」

女記者「皆さんが朱雀先生だったのですかああぁぁ!?」

記者「知らなかったの!?ってか君…居たの?」

女記者「こ、これは鬼失礼致しましたああぁぁ!!」
633 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:13:43.52 ID:/UeaVr+Zo


女記者「記事の話題が鬼聞こえてきたので……」

書家「くっく!お前、ほんと面白い奴だな!」

記者「そうですか、以前に彼女を助けた経緯が…」

戦士「助けたっつーか、なんつーか……」

女記者「あの時は鬼助かりましたよおぉ!ありがとうございましたああぁぁ!」

戦士「あれから迷子にはなってねぇか?」

女記者「鬼バッチリっすよおぉ!何たって、泊まりこむ事にしましたからあぁ!」

書家「…やっぱお前、ただのバカだろ」

記者「と、とにかく…記事はあのままでいいと思いますよ」

魔道士「でもぉ……」

書家「いーや、俺は変えるべきだと思うぜ。もっと面白く甘美な――」

記者「先輩は黙っていて下さい!」

書家「……へいへい」

召喚士「は……ははは…っ」
634 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:14:21.25 ID:/UeaVr+Zo


記者「とりあえず、お詫びの文章は掲載しておきますね」

召喚士「すみません。お手数をお掛けします」

書家「んじゃ、下まで送るわ」

記者「悪いですよ」

書家「気にすんな。どーせ俺も帰るからよ」

魔道士「それじゃ、失礼しました〜」

女記者「こちらこそ!!また鬼来社して下さいねえぇ!!」

盗賊「…ど、どうも」

記者「また何か、情報があったら取材させて下さいね!」

戦士「……お手柔らかに頼むぜ」

召喚士「それじゃあ、失礼します」

スタスタスタ…

書家「アンタらも大変だねぇ。くっく!」

戦士「…お陰様でな」
635 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:14:55.15 ID:/UeaVr+Zo
召喚士「書家さんも記者なんですか?」

書家「今はフリーだ」

魔道士「フリーですか?」

書家「毎日セコセコ働くんじゃなくて、特ダネをポーンと持ち込むのよ」

戦士「ほぉ」

書家「ま、昔居たコネで出入りさせて貰ってるってワケよ」

魔道士「なるほどですね〜」

ガチャッ

編集長「おっと……」

書家「どーも」

編集長「まーたお前か!何かいいネタでもあんのか?」

書家「くっく!今は……なし!」

編集長「じゃあ帰れ、回れ右!」

書家「言われんでも帰るわい」

編集長「いいからどけっ!お客人の邪魔だ」
636 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:15:22.46 ID:/UeaVr+Zo
テクテクテクテク…

召喚士「あ……っ!!」

大軍師「おや、珍しい所でお会いしますねぇ」

魔道士「大軍師さん!?」

戦士「そっちこそ…どうしたんだよ…っ?」

大軍師「この度、本部へ戻る事になりましてね…」

召喚士「そうだったんですかぁ」

盗賊「…でも、何でここに?」

大軍師「…ふっふ。まぁ色々と…悪巧みですよ」

編集長「知り合いかね?」

大軍師「例の朱雀先生ですよ」

編集長「っ!?……言われてみればその顔!!」

ズイッ

編集長「……しかし新聞より優男だな。あの絵師…クビ!!」

召喚士「!?」
637 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:15:49.62 ID:/UeaVr+Zo


大軍師「では、お願いしますよ」

編集長「検閲次第ですが、こちらこそ色々と助かりましたわ」

大軍師「では、失礼します」

召喚士「それじゃ俺らも一緒に……」

ガシッ

召喚士「!?」

書家「……なぁ」

召喚士「は、はいぃ…?」

書家「アンタらさ、いずれはデカイ事するんだろ?ん?」

召喚士「デカイ事…って」

大軍師「しますよ。彼らは救世主ですからね」

戦士「そのフレーズはもういい」

書家「やっぱりか!じゃあ、ちょっくら頼みがあるんだけどよ?」

盗賊「…頼み?」
638 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:16:16.33 ID:/UeaVr+Zo


魔道士「えぇーっ!?」

戦士「俺らを…か!?」

書家「そうそう!絶対売れるって!ベストセラー間違いなし!」

召喚士「……」

書家「悪い事は書かねーからさっ!なっ?なっ?」

魔道士「ど、どうしましょう……」

召喚士「ちょっとすぐには返答出来ないですよ…っ」

書家「えー!?じゃあ分かった。こうしてくれ」

戦士「あん?」

書家「他の奴には出させないでくれ。出すなら俺が書く!どうだ!?」

戦士「いや、ハナっから出すつもりもねーよ……」

召喚士「う、うん……」

書家「くっく……そりゃ良かった!んじゃまたな!」

魔道士「……さ、さようならー」
639 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:17:18.59 ID:/UeaVr+Zo


大軍師「いやはや、新聞社というのは賑やかな所です」

召喚士「大軍師さんも始めてですか?」

大軍師「先日、初めて訪れましたよ」

魔道士「そうなんですか〜」

大軍師「私の場合、どちらかというと訪ねられる立場なので……」

召喚士「なるほど…」

大軍師「しかし、朱雀先生も一躍、時の人ですねぇ」

召喚士「まさかあんな大々的に載るとは思いませんでしたよ……」

大軍師「良い事ではありませんか。国軍付として我々も有難い話ですよ」

盗賊「……」

大軍師「それで、次はどうなさるおつもりで…?」

召喚士「思うところはありますが、まだ確定ではありません」

大軍師「何か話し難そうな事のようですねぇ」

召喚士「…すみません」
640 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/17(木) 19:17:59.04 ID:/UeaVr+Zo
大軍師「いえ。では私はこちらですので」

召喚士「あ、はいっ」

魔道士「お疲れ様でした!また…!」

テクテクテクテク…

戦士「何だ?話し難そうな事って……」

召喚士「うん。次に行く所をずっと考えてたんだけど…」

盗賊「…どこか…あるのか?」

召喚士「……お腹空いたね。食事でもしながら話そうか」

魔道士「そうしましょっか!」

戦士「だな。ついでにワークショップも回っておくか」

召喚士「うんっ!それじゃ俺は日用品の買い出しに行ってくるよ」

魔道士「私も行きますーっ!」

戦士「そんじゃ俺と盗賊がワークショップだな」

盗賊「…ああ」

召喚士「それじゃ、1時間後にここで!」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/17(木) 19:19:21.84 ID:/UeaVr+Zo
投下中に他部署の人が「鬼やばい」とか「鬼便利!」とか連呼してて焦った…
では失礼致します!ご支援感謝感謝!ノシ
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 19:39:15.29 ID:a7pr2DsAO
鬼乙っす!
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 19:50:21.61 ID:cPExwlrh0
鬼←これは乙じゃなくて地上最強の生物なんだからねっ!
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 19:57:59.19 ID:udiy3VHCo
@鬼読者
A鬼バレてる
B鬼偶然
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 20:05:06.27 ID:Vrh//ADKo
鬼乙
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 20:07:16.80 ID:ywajlKQDO
おつおつ
これは>>1が書家で本を出版するフラグか……
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 20:37:35.38 ID:kUne4fPDO
>>1乙一

しかし、あれだな
まとめから追いついた当初進みが遅くてちょっとイライラしたが……

最近は毎日少しずつ読むのが毎日の活力になってる。

これがいずれは終わる時がくるのが悲しくてしょうがないよ……
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 20:46:07.39 ID:ywajlKQDO
あと975スレ残ってるんだろ?まだまだ安心できるな
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/17(木) 23:16:25.91 ID:E81QrbEDO
あれ?
書家の出番あれだけなん?

あと、北で見つかった物が気になるわ。
占い師が反応したってことは…いや、書き込むのはやめとこう。


とにかく、毎日>>1乙!超乙!鬼乙!
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 00:35:14.09 ID:qSHfF9Q0o
筮竹
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/18(金) 03:28:09.72 ID:NncSuonDO
これは乙じゃなくてポニテなんちゃらかんちゃら
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 06:56:38.29 ID:TGFK5cnZo
おい…なんかキモいのが来たぞ…
          キモ…
   ( メ^ω^)_/\_
クノ*゚ー゚イチ U) (゚、゚ ソン         (^ν^) ……
| U | U| と ノ         /l_l\
 u-u  u-u   u-u          l <........
     `なんだあいつ…

懐かれちゃったよ、どうしよう

うぜぇ…
               お守りなどごめんだ!!           無視しろ無視…
 ∧∧            一人で十分だ!!       
(ω・` )            \(^ν^)/         ( メ^ω^) 付いて来んなよー…
| U                 l_l            (U  ノ
 u-u               / \            u-u
                              クノ*゚ー゚イチ なんなのあいつ…
                               (U  ノ
                                `u-u'

あいつの師匠もぼっち拗らせて死んだんだって〜クスクス


('A`) ・・・・・・ドウモンクン・・・・・・トモダチニナレソウ
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/18(金) 08:16:11.62 ID:avN/P/gS0
泣けるな
同門ぇ…
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/18(金) 08:28:19.60 ID:Wx4XAtXOo
おつー!
他の部署のヤツみてるんじゃね?

「最近面白いSS見つけたんすよww」

「行けっ!クリトr」

>>1「コカトリスだ!」

「何で知ってんすか?」
655 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:12:09.42 ID:YVo5ddWzo
〜郊外、あぜ道〜

テクテクテク

皇太子「……」

右大臣「どうかなされたか?」

皇太子「いや、たまにはのんびりと歩くのも、悪くないものだ」

右大臣「うむ……」

皇太子「しかし、何も右大臣が直々に同行せずとも良かったものを」

右大臣「知己がおってな。南東国へのコンタクトもし易い」

皇太子「そうか」

右大臣「それに、エリートを王宮へ残した方が、色々と都合が良いのでは?」

皇太子「……流石だな。もう把握しているのか」

右大臣「総司令より一報貰ってな」

皇太子「そうであったか」

右大臣「殿下へ、例の件を話した……と」

皇太子「……」
656 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:13:20.27 ID:YVo5ddWzo
ザッザッザッザ

皇太子「他に知る者は?」

右大臣「おらぬ。全て私と陛下……そして……」

皇太子「左大臣は関わってないのだな?」

右大臣「無論」

皇太子「ならば、この件は胸の内に秘めておこうではないか」

右大臣「殿下、私は……」

皇太子「構わぬ。事情が事情故にな……」

右大臣「……」

皇太子「ん?エリートも知らぬという事か?」

右大臣「勿論。あやつの事じゃ、知れば……」

皇太子「そうか。だからお前はエリートに……」

ザッ

皇太子「……おや、偶然…ではなさそうだな」

右大臣「此度の護衛じゃ。二人では心細かろうと想ってな」
657 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:14:12.46 ID:YVo5ddWzo
皇太子「頼もしい限りだね」

ザッザッザ

天才「ちーっす。此度は殿下の護衛が務められて、光栄でありまーす」

皇太子「……はははっ。思ってもいない事を」

天才「しっかし、何とかならんのかその格好はよ」

皇太子「……?どこからどうみても一介のワーカーではないか」

天才「どーこにんな新品高級装備で固めたワーカーがいるんだよ!」

皇太子「……そうか。しまったな」

天才「やれやれ、何のためにカモフラってんだか……」

皇太子「仕方ないな。これは手土産にでもするとして……」

天才「途中の街で適当に揃えろ。見繕ってやる」

皇太子「流石、プロは違うね」

天才「お前がアマちゃんなだけだろ、世間離れ」

右大臣「さてと、ひとまず船で港街まで向かうぞ」

皇太子「うむ、行こうか」
658 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:14:53.99 ID:YVo5ddWzo
〜本国、食事処〜

戦士「東方司令部!?」

魔道士「何か…ありましたっけ?」

盗賊「……まさか」

召喚士「ええ、青年兵くんに例の事を伝えようかと」

魔道士「……っ」

戦士「だがよ、あそこは左翼の巣窟だぞ?ヘタに行けば怪しまれないか?」

召喚士「そうなんだ。だから何かしら理由が欲しいんだよね」

盗賊「……」

戦士「青年兵に伝えるだけじゃなくて、何か理由があればなぁ……」

魔道士「理由ですかぁ……どうしましょう?」

盗賊「…何かあるか?」

召喚士「ないんですよね…それが……」

戦士「それじゃどうしようもねぇな」

召喚士「うん…」
659 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:18:29.03 ID:YVo5ddWzo
魔道士「でも、早く伝えてあげないといけませんよね…?」

戦士「だからよ、その為の口実がないんだろ?」

魔道士「う〜ん……」

召喚士「仕方ない。自力が無理なら……」

盗賊「…他力か?しかしどうやって……」

召喚士「誰かに便乗するか…もしくは……」

盗賊「…頼む、か。…誰が信用出来るのだ?」

戦士「この前も言ったけどよ、隊長は信用出来ると思うけどな」

魔道士「大軍師さんも大丈夫じゃないですか?」

戦士「確かにさっきの様子からすると……」

召喚士「……」

魔道士「召喚士さんは誰かいますか?」

召喚士「国軍ではありませんが…強いて言うならばエリートさんですかね?」

魔道士「なるほど…っ」

召喚士「殿下の側近であるエリートさんなら信用はおけると思いますが…」
660 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:19:11.20 ID:YVo5ddWzo
戦士「あとは?」

盗賊「…司令かな」

魔道士「司令って、総司令さんですか?」

盗賊「…ああ。だが…確信を持てるわけではないな」

召喚士「…?」

盗賊「……とりあえずそんなものか」

戦士「出来れば国軍の人間は避けたいところなんだがな…」

召喚士「あとはうまく口実を作るしかないね」

戦士「だな。明日にでも本部へ行ってみようぜ」

魔道士「はいっ!」

盗賊「…うまく…タイミングが合えばいいな」

召喚士「そうですね…」

戦士「さーて、ぼちぼち宿へ戻るかね」

魔道士「はーいっ!盗賊さん、戻ったらすぐにお風呂ですよーっ!」

盗賊「……!?」
661 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:21:16.16 ID:YVo5ddWzo
〜次の日、国軍本部〜

受付「特殊遊撃隊は現在、任務にて不在ですが……」

戦士「マジかよ……」

召喚士「それでは、大軍師さんは……」

受付「大軍師様は……同じく不在ですね」

盗賊「……」

召喚士「で、では…総司令さんは?」

受付「えぇと……不在です」

魔道士「……」

戦士「おいおい、誰もいねぇのかよ……」

召喚士「参ったな……」

カツカツカツカツ

副司令官「…ん?朱雀先生…か?」

召喚士「副司令さん!」

副司令官「今日はどうした?何か…用か?」
662 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:21:52.05 ID:YVo5ddWzo
〜応接室〜

副司令官「そうか。すまんな……」

召喚士「いえ、皆さんお忙しそうですね」

副司令官「全く、困ったものだ。これでは本部も機能しておらぬも同然」

盗賊「……」

副司令官「それで、何用かな?良ければ伺うが……」

魔道士「え、えっとぉ……」

召喚士「五ヵ年計画の事で、ちょっと確認を…」

副司令官「…そうであったか」

召喚士「俺らもそろそろ、最後の準備に取り掛かろうかと思いまして」

副司令官「昨日の話では、あと半年程で準備を整えると…」

戦士「やっぱそんなもんか」

副司令官「個人的な見解では、半年は厳しいと思うがな」

魔道士「そうなんですか?」

副司令官「内部が混乱しておるというのに、戦争などと言っている場合ではない」
663 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:22:20.39 ID:YVo5ddWzo
召喚士「確かに……」

副司令官「…まぁ、その為に今、あちこちと動き回っているのだがなぁ」

魔道士「大変ですねぇ…」

副司令官「まぁ仕方ない。これも仕事のうちよ」

盗賊「……」

副司令官「国軍付の君らにも、苦労をかけるな」

召喚士「いえ、俺らも出来る限りの協力は致しますので…」

副司令官「うむ。感謝するぞ」

召喚士「頑張ります」

戦士「さーてと、そんじゃ行くか」

召喚士「そうだね。では、俺らはこれで失礼致します」

副司令官「うむ」

盗賊「…では」

テクテクテクテク…

副司令官「……」
664 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:25:49.94 ID:YVo5ddWzo


戦士「しかしこうも不在じゃ話にならんな」

召喚士「エリートさんの所にでも行ってみる?」

魔道士「そうですねぇ」

戦士「確かにあの人なら、青年兵に何かしら用件も作れそう……」

カツカツカツ…

占い師「あら、よく会うわね」

魔道士「占い師さんっ!」

占い師「今日はどうしたの?」

戦士「ちょっとな」

召喚士「隊長さんか大軍師さんに会いたかったんですが……」

占い師「隊長?特遊ならここのところずっといないわね」

盗賊「…そうなのか」

占い師「大軍師なら、朝方から新聞社へ行ったわよ」

魔道士「!?」
665 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:26:19.65 ID:YVo5ddWzo
召喚士「……そうですか、ありがとうございます!」

占い師「へっ?」

戦士「いや、助かったよ!」

占い師「そ、そう……」

盗賊「…どこか…行くのか?」

占い師「うん。大軍師と入れ替わりで北へ行く事になったの」

魔道士「北へですかっ!?」

召喚士「それってまさか……」

占い師「うん、北の村。屯田の監督」

戦士「意外だな。あんたみたいな人でも行くのか……」

占い師「ほら、今は力もないしね」

盗賊「……」

占い師「別に落ち込んでいるわけじゃないのよ?安心して」

盗賊「……ああ」

占い師「いいリフレッシュになるかもしれないしね」
666 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:27:28.62 ID:YVo5ddWzo
戦士「あそこの奴らはみんな、気さくでいい連中だよ」

占い師「本当?それをきいたらますます楽しみになっちゃった」

召喚士「気を付けて下さいね」

占い師「…ありがと。君達もねっ」

魔道士「はいっ!」

占い師「じゃあね」

盗賊「……また」

カツカツカツ…ピタッ

占い師「……あの、さ」

召喚士「…はい?」

占い師「多分また、会うと思うんだけど……」

戦士「……?」

占い師「その時は…よろしくね」

召喚士「え…っ?」

カツカツカツカツカツ…
667 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:28:02.32 ID:YVo5ddWzo
戦士「…何だ?」

魔道士「さ、さぁ……」

盗賊「…どうする?」

召喚士「新聞社へ行ってみましょう」

戦士「だな!大軍師先生なら何かいい手立てがあるかも」

国軍本部を離れ、足早に新聞社へと向かう四人。

その頃、本国より南の地では、新たな出会いを迎えようとしていた。

〜剣士の故郷〜

皇太子「ほぉ、こんな所に村が……」

天才「これだから世を知らぬお坊ちゃんは……」

皇太子「……」

右大臣「仕方なかろう。殿下とてだな――」

天才「分かってるよ、冗談だろうが」

右大臣「……っ」

ザッザッザッザ
668 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:28:33.75 ID:YVo5ddWzo
皇太子「それで、この村には一体……」

右大臣「……」

コンコン……カチャッ

村長「……!?」

右大臣「……」

村長「……其方は?」

右大臣「分からぬか?」

村長「……っ!!」

右大臣「中へ入るぞ?」

村長「……っ」

ザッザッザ…

皇太子「失礼する」

天才「ふぅん。なかなかいい家じゃねーか」

村長「殿下……なのか……っ!?」

驚き立ち尽くす村長を横目に、三人は家の中へと進む。
669 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:29:05.11 ID:YVo5ddWzo


村長「……」

右大臣「すまんな。急な訪問で」

村長「……全くじゃ」

皇太子「申し訳ない」

村長「いえっ、殿下はお気になされず……っ」

天才「んで、このジジイが何だってんだ?」

右大臣「殿下はこれより、南東国を訪問する」

村長「……っ!!」

右大臣「文は出したが、一応繋ぎ役を務めては貰えんだろうか?」

村長「私がか…?」

右大臣「南東国と馴染みがあるのであろう?」

村長「……私より適任者が一人おります」

皇太子「ほう。ご紹介頂けるかな?」

村長「……はい。ご案内致しましょう」
670 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:29:34.15 ID:YVo5ddWzo


ザッザッザッザ

皇太子「この村の者なのか」

右大臣「おぉ、もしや……」

村長「……」

コンコン……カチャッ

弓使い「あら、村長。なぁに?お客様?」

村長「剣士はいるかな?」

弓使い「え、ええ…っ。どうぞ……」

右大臣「失礼する」

ザッザッ…ツカツカツカ

弓使い「あな……け、剣士ーっ、村長がいらっしゃったわよー」

カチャッ…スタスタ

剣士「村長?……お客様かな?」

幼女「こんにちはーっ!」
671 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:29:59.20 ID:YVo5ddWzo
皇太子「これはこれは。こんにちは」

幼女「だぁれ?」

剣士「えっと……?」

右大臣「結婚式以来だな。覚えておるかな?」

剣士「っ!!」

弓使い「あぁっ!た、確か……本国の……」

天才「こう見えても本国の右大臣。んで、こっちの若いのが……」

皇太子「本国第一王子、皇太子と申す」

剣士「――っ!?」

弓使い「嘘おおぉぉ−っ!?」

幼女「えっ、誰〜?」

剣士「……こ、この国の…王子様……っ」

幼女「うそっ!?な、何で…っ!?」

右大臣「ご多忙のところ申し訳ない。まずは話を聞いて貰えるかな?」

皇太子「実は、君に頼みたい事があるのだ」
672 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:30:30.95 ID:YVo5ddWzo


弓使い「……」

幼女「震えてる」

弓使い「しっ!静かにしてなさいっ!」

剣士「……つまり、僕が南東国への橋渡し役を?」

皇太子「うむ。事を円滑に進めたいのでな」

剣士「それは一向に構いませんが、僕で宜しいのでしょうか…?」

右大臣「お主は南東国の要人と面識があるのだろう?」

剣士「え、ええ…」

右大臣「ならばこれほど適任な事はない。頼めるかな?」

剣士「……僕で…宜しければ」

皇太子「助かる。無論ただとは言わぬ。後日、報酬ははずませて貰うぞ」

剣士「い、いえ…そんな……」

天才「いーから貰えるモンは貰っとけ!新婚なんだろ?」

弓使い「え!?あ、まぁ……そうよね!」
673 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:30:59.03 ID:YVo5ddWzo
右大臣「急がせて済まんが、いつから発てる?」

剣士「えぇと、急ぎであれば直ぐにでも」

右大臣「そうか。では、一時間後に出発で宜しいかな?」

剣士「はい。……いいよね?」

弓使い「行ってらっしゃい!!」

幼女「お気を付けて〜っ!」

天才「はーっはっはっは!!いい嫁と娘じゃねーか!!」

剣士「ど、どうも……」

右大臣「ではすまんな。剣士殿を借りるぞ」

村長「うむ」

皇太子「我々は外で待つとしよう」

弓使い「そんな悪いですよっ、どうぞ寛いで……」

皇太子「いやいや、長居も迷惑。お気遣いなく」

スクッ…スタスタスタ

弓使い「あ……っ」
674 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:31:24.26 ID:YVo5ddWzo
パタン

天才「おいジジイ共、俺らも出てるぞ」

右大臣「う、うむ」

村長「それでは頼んだぞ」

剣士「はい」

テクテクテク…パタン

弓使い「……はぁ〜っ、緊張したぁ……」

剣士「びっくりしたね。まさか…殿下が来られるとは……」

幼女「凄いねっ!」

弓使い「それにしても…よく出来た方ねぇ〜」

剣士「流石は皇族だね。オーラというか、雰囲気が全然違うよ」

弓使い「それじゃ、頑張ってきてね!」

剣士「うん、行ってくるよ!」

弓使い「頑張って…稼いできてねっ!!」

剣士「…う、うんっ。よく出来た…嫁だね…ははっ」
675 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:32:04.18 ID:YVo5ddWzo


剣士「お待たせ致しました」

皇太子「では、参ろうか」

剣士「徒歩なのですか!?」

皇太子「ああ。目立ちたくなかったものでな」

剣士「なるほど。それであれば馬を手配しましょう」

天才「あんのか?」

剣士「ええ。村の牧場に数頭おりますので……」

右大臣「ほぉ、そんなものまで」

剣士「南方馬を譲って頂いたので、配合なんかも出来るかなぁ…と」

皇太子「おぉ、名馬の産地になると良いな」

剣士「そうですね。いずれはそういうのも、面白いかもしれませんね」

ザッザッザッザ…

天才「おー、なかなかの馬が揃ってんじゃねぇか!」

剣士「お好きな馬をお選び下さい。準備出来次第、向かいましょう!」
676 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/18(金) 18:32:35.23 ID:YVo5ddWzo
〜本国、新聞社〜

テクテクテクテク

受付嬢「……っ!!」

召喚士「…す、すみません。今日はここで待たせて頂くだけなので」

受付嬢「……ふんっ」

戦士「…何だか、凄い嫌われてるな…ボソボソッ」

魔道士「み、みたいですね……ゴニョゴニョ」

受付嬢に睨まれつつ、四人はしばし出入り口で大軍師を待つ。

魔道士「……あっ」

カツカツカツ…コツ

大軍師「……おや?」

召喚士「大軍師さん」

大軍師「昨日はどうも。今日は如何致しましたか?」

召喚士「えぇ…実はですね……」

ドタバタ…ガッシャーン!!
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 18:33:18.21 ID:YVo5ddWzo
ちょいここまでで抜けます!すみません!
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 18:47:55.26 ID:LRNDXTYDO
>>1乙っす
受付嬢可愛いよ受付嬢
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 23:03:44.01 ID:MEYhKO7Wo
嵐の前か。
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 23:16:26.70 ID:hwBoGF2AO
剣士の人脈がすごいことになってるな
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 00:22:38.30 ID:EZiXwxXd0
剣士のポジションがどんどんよくなってく
最初はその辺のワーカーだったのに
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 00:25:49.65 ID:d21Iq1FAO
裏切り者は剣士
弓使いさんを返せ
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 00:34:34.48 ID:+tfJV4vLo
剣士のステータス
・美人の嫁、可愛い娘持ち
・超名馬である赤兎を乗りこなす
・強敵を屠って来た戦士と互角
・親代わりが国トップ3の友人
・自国の軍トップ4から勧誘
・他国の王の右腕からも勧誘
・魔物たちの頭
・世界各所で活躍中の召喚師らと深い交流
・皇太子と知り合い ←new!!
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 00:36:04.91 ID:Ll++rmYoo
リア充ってレベルじゃねーぞ!
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 00:52:16.36 ID:wUIeu6eDO
>>682
ざまぁwwwwwwwwwwww
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/19(土) 03:02:46.95 ID:4PDs1eADO
つまり幼女ちゃんと結婚したらその人脈にあやかれるわけだな。
ブヒッ
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 03:07:33.72 ID:kdQiYzrAO
剣士、青年兵、召喚士の3人は初登場時から相当出世したよなー
将棋でいうなら2回ぐらい駒がひっくり返ってるレベル
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 03:11:33.97 ID:+tfJV4vLo
元に戻ってんじゃねーか
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/19(土) 08:19:33.96 ID:MtSS8HGMo
>>687
それ、元に戻ってないか?
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 09:49:46.65 ID:qfK0xiKAo
>>683
そんな剣士以上にすごい召喚士のステータスも頼む
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 11:18:08.30 ID:n6OSd955o
皇太子は40歳ぐらいって見た気がするんだが…意外と若いの?
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 18:15:28.05 ID:3gYCWBEv0
そんなに年を食ってたら皇位譲られて皇帝になっちゃうよ
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 18:50:22.87 ID:+tfJV4vLo
>>690
召喚師のステータス
・朱雀系召喚師のトップである朱雀先生を名乗る
・朱雀先生でありがなら青龍、白虎、玄武、おまけに式神まで使える
・召喚フェス二連覇という卓越した召喚スキルを持つ
・数対同時召喚して戦うことができる量の魔翌力を保有
・司令塔としても優秀
・本国の主要機関は大体顔パスできる
・西国の主要機関も顔パス余裕
・東方皇帝の右腕と顔パスで面会できる
・魔物の隠れ里へも顔パスで入れる
・パーティメンバーに英雄の息子、大商家の一人娘、東方の姫
・国軍付きワーカーである
・国軍付きでない場合パーティの功績ランク4位、個人で9位
・「再来」と呼ばれるほどの人物である前朱雀先生を親代わり、師に持つ
・その師から右腕とも呼べるコカトリスを譲り受ける
・さらに青龍先生からも教えを受ける
・皇太子を含む右翼の有力者と大体顔なじみ
・軍部の有力者とも大体顔なじみ
・五ヶ年計画の最重要人物である占い師と顔なじみ
・多くの退役した元軍人や英雄と顔なじみ
・各方面から将来を期待される青年兵と親友
・牛魔王の討伐に貢献
・西方の王族と親しく、寄る度に歓迎の宴を催される
・西方では危機を救った英雄として伝えられる
・南東国では牛魔王の討伐に貢献
・東方と本国との同盟に大きな影響を及ぼす
・東方の皇帝と顔なじみ
・数百年封印するしかなかったヤマタノオロチ討伐に貢献
・不死の伯爵を消滅させる
・世界各地の大きな戦いの多くに参戦、目覚ましい活躍を見せる
・女装が余裕で騙し通せるレベルの完成度
・新聞の一面に大きく掲載される ←new!!
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 19:01:04.33 ID:/mMAQnMAO
>>693召喚士さんマジパねぇ!

でも女装〜の部分はある意味バッドステータスじゃね?
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 19:10:25.84 ID:l5p9I1k+o
ちょうど王子ウザい辺りから読んでなかったんだよな、ログはjaneで取ってたけど
読みなおそうと思うんだけど何スレ目くらいだっけアレ
最初から読むのもアリだけどどうするか……
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 19:12:34.34 ID:x63AI5rJo
>>694
それだけ整った顔立ちと体、綺麗な声してるってことだろ言わせんな恥ずかしい
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 19:31:13.87 ID:D1LONkEvo
次は戦士の凄さを教えてくれ
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 20:16:30.16 ID:hN1qSMaAo
>>693
召喚フェス2連覇?
2回目は結局青年兵に負けたんじゃなかったか。
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 20:19:39.99 ID:+tfJV4vLo
そういやそうだったな……両者ボロボロ程度にしか覚えてなかったぜちょっと読み直してくる
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 22:14:57.71 ID:lGO4ZYvDO
しかもまだ召喚士には出生の秘密が残っているしな!
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 22:29:18.23 ID:aq4GmgRAO
そんなにすごいのに何故か影のうすい召喚士が大好きです

702 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:50:07.93 ID:v+MHk7Xvo
戦士「な、何だぁ!?」

女記者「痛ったあぁ……!!鬼痛たああぁぁ!!」

魔道士「あれって確か…女記者さん…?」

盗賊「…またか」

タッタッタ

召喚士「だ、大丈夫ですか?」

女記者「ああぁぁ!?こ、これは鬼お手数をををを!!」

召喚士「い、いえ…っ。立てますか?」

スタスタスタ

編集長「こりゃ朱雀先生、放っておいて下さい」

召喚士「編集長さん……」

編集長「ばっきゃろーっ!さっさと立たんか!!」

女記者「ひいぃぃ!!鬼すんませんっすううぅぅ!!」

戦士「前途多難どころじゃねぇな……」

魔道士「え、ええ……っ」
703 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:50:57.52 ID:v+MHk7Xvo
編集長「ったく!そんなんで取材が務まると思ってんのかぁ!?」

女記者「ひいいぃぃっ!!お、鬼頑張るっすうぅ!!」

召喚士「どちらか、取材へ行かれるのですか?」

編集長「ええ、ちょーっと東方司令部までね」

召喚士「えっ!?」

魔道士「東方……司令部!?」

編集長「ええ。それが何か?」

戦士「そ、それって……」

召喚士「あ、あのっ!!俺達も一緒に同行出来ませんかね!?」

女記者「へ……っ?」

編集長「同行ですか?」

戦士「あの…っ、ほら!コイツって…方向音痴じゃん?」

召喚士「だ、だから馴染みのある俺らが、案内出来ないかなって……」

編集長「…いやっ、ありがたいがそこまでは流石に……」

召喚士「いやいやっ、是非今後の為にも!色々とっ、もちろん無償で!」
704 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:52:25.34 ID:v+MHk7Xvo
編集長「……」

大軍師「……ほぉ」

編集長「コイツの為に…わざわざねぇ」

女記者「……っ」

大軍師「編集長、これはいい機会ですし、お願いしてみては?」

編集長「いやっ、しかしだなぁ……」

大軍師「朱雀先生方もこう仰っている事ですし、ここは甘えておきましょうよ」

編集長「……うーん」

召喚士「……是非!」

編集長「……まぁ、そこまで言って頂けるのなら」

戦士「いよっしゃあ!」

魔道士「やりましたねっ!!」

編集長「やりました?」

召喚士「いやっ、やりましょう!やってやりましょうっ!ははっ、ははは!」

編集長「…はぁ、気合入ってますね」
705 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:53:30.97 ID:v+MHk7Xvo
女記者「朱雀先生が一緒なんて、鬼心強いっすよおぉ!」

変種長「ばっきゃろーっ!迷惑掛けんじゃねーぞ!」

女記者「は、はひいいぃぃ!!」

戦士「そうと決まれば、すぐに出発の準備だ!」

盗賊「……だな」

大軍師「……朱雀先生、ちょっと宜しいですか?」

召喚士「……はい」

魔道士「じゃあ私達、準備してきますねっ」

召喚士「は、はいっ。すいません」

テクテクテク

召喚士「あ、あの……何か…?」

大軍師「…ふっふ、東方司令部ですか」

召喚士「……」

大軍師「彼……青年兵殿の所ですね」

召喚士「……流石、察しがいいですね」
706 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:55:32.98 ID:v+MHk7Xvo
大軍師「理由なくして訪れられない。……左翼ですか」

召喚士「……」

大軍師「お答えせずとも結構です」

召喚士「……すみません」

大軍師「私に、全幅の信頼を寄せろとは言いません。しかし……」

召喚士「……」

大軍師「彼を男にしてやって下さい」

召喚士「…もちろんです。手柄は全て青年兵くんへ……」

大軍師「それならば結構です。ふふふっ」

召喚士「…いずれ、時が来ればお話します」

大軍師「分かりました。しかし、こちらも動いております」

召喚士「…ええ」

大軍師「…邪魔だけはなさらぬように。それでは……」

スッ…テクテクテクテク…

召喚士「……」
707 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:57:26.78 ID:v+MHk7Xvo


戦士「おーう、話は終わったか?」

召喚士「うん」

盗賊「こちらも手筈は整った。行くとしようか」

召喚士「ええ」

テクテクテク

魔道士「……あっ」

書家「んおっ!?……おぉーっ!!」

タッタッタッタ…ザッ

書家「昨日の件、考えてくれたのか!?」

召喚士「いえ、別件です。流石にそんな早く決められませんよ……」

書家「頼むぜ〜。俺の金…いや、将来がかかってるんだからなっ!くっくっく!」

召喚士「はぁ……」

書家「ま、でかい戦もこれからなんだろ?終わるまで待ってるよ」

召喚士「……期待せずに待ってて下さい」
708 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:58:30.09 ID:v+MHk7Xvo
タッタッタッタ

女記者「鬼お待たせしましたっす!それじゃあぁ、行きましょおおぉぉ!!」

魔道士「行きましょーっ!!」

編集長「先生、本当に宜しくお願いします」

召喚士「ええ。女記者さんは必ず、東方司令部へお連れしますよ!」

女記者「鬼宜しくっす!!」

編集長「ばっきゃろーっ!!甘ったれるな!!」

女記者「ひいいぃぃ!行ってくるっす!!」

魔道士「それでは、失礼しまーす!」

テクテクテクテク

戦士「まずは、船か?」

召喚士「そうだね。本国からターミナル経由が一番簡単だろうね」

盗賊「…だな」

女記者「おおぉぉ…!?鬼楽しみっす!!」

魔道士「さぁ、出発ですっ!えへへ!!」
709 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 22:59:01.11 ID:v+MHk7Xvo


船員「どれでは、出航致します」

ザザーン

女記者「うおおぉぉ!!鬼広いっすううぅぅ!!」

戦士「海は初めてか?」

女記者「いえっ、何度もあるっすよおぉ!」

戦士「……」

召喚士「ターミナルまでしばらくありますから、食事を済ましておきましょうか」

魔道士「そうですね〜」

女記者「おぉっ!?それなら私が鬼奢るっすよおぉ!!」

戦士「いいよ。無理すんな」

女記者「いやいやいやいやいやいや!!鬼お世話になるんすからこのくらい……」

召喚士「でも、それとこれとは別ですよ……」

女記者「いいから鬼任せるっすよおぉ!」

盗賊「……だってさ」
710 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:00:15.04 ID:v+MHk7Xvo


船員「それでは、出航致します」

ザザーン

女記者「うおおぉぉ!!鬼広いっすううぅぅ!!」

戦士「海は初めてか?」

女記者「いえっ、何度もあるっすよおぉ!」

戦士「……」

召喚士「ターミナルまでしばらくありますから、食事を済ましておきましょうか」

魔道士「そうですね〜」

女記者「おぉっ!?それなら私が鬼奢るっすよおぉ!!」

戦士「いいよ。無理すんな」

女記者「いやいやいやいやいやいや!!鬼お世話になるんすからこのくらい……」

召喚士「でも、それとこれとは別ですよ……」

女記者「いいから鬼任せるっすよおぉ!」

盗賊「……だってさ」
711 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:01:19.20 ID:v+MHk7Xvo


戦士「…はぁ〜食った食った」

魔道士「美味しかったですね」

戦士「でもよ、船内食ってのは、どうもボリュームが少なくてなぁ…」

召喚士「女記者さん、本当にありがとうございました」

女記者「鬼気にしないで下さいっす!どうせ領収書切るっすからあぁ!」

戦士「…なんだよ、結局お前の奢りじゃねーじゃんか」

女記者「いやいやっ、会社に出すまでは……鬼奢りっすよぉ!」

ヒラヒラッ

戦士「なんじゃその理論は……」

召喚士「ま、まぁ…ご馳走様って事で。ははっ」

ビュウウゥゥ

魔道士「きゃっ!」

女記者「ああああぁぁぁーっ!!」

ヒラヒラヒラッ
712 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:02:35.15 ID:v+MHk7Xvo
女記者「領収書おおぉぉぉぉ!!」

盗賊「……海の藻屑となったな」

戦士「んな事してっからだよ」

女記者「……うぅ、鬼損失っす……っ」

召喚士「さ、さっきの分は払いますから……」

魔道士「そ、そうですよ…。元気出して下さい……」

女記者「……鬼…ご迷惑かけるっす」

トボトボトボ…

戦士「……元気なくなっちまったな」

盗賊「……うん」

戦士「なーんか、賑やかな奴だけど…しおらしくなるとそれはそれで寂しいな」

召喚士「うん。元気になってくれればいいけど……」

魔道士「私…あとで声かけてみます…っ」

召喚士「すみません、お願いします」

魔道士「はいっ!」
713 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:03:38.89 ID:v+MHk7Xvo
〜南東国、平野〜

ドドッドドッドドッ…

剣士「もう間もなく……華国、東の街へ到着致しますっ!」

皇太子「うむ」

天才「……」

皇太子「どうした?」

天才「……ちょいと止まるぞ」

剣士「……?」

ドドォ…ザザッ

右大臣「何か…あったか?」

天才「……誰かいやがるな」

剣士「!?」

皇太子「しかし、街はあちらではないのかね?」

剣士「え、ええ……っ」

天才「……」
714 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:04:36.29 ID:v+MHk7Xvo
バッ…ドドッドドッドドッ

右大臣「お、おい…っ!」

皇太子「我らも後を追うぞ」

剣士「は、はいっ!」

ドドッドドッドドッ…

天才「……複数いやがるな」

ドドッドドッドドッ…

天才「……こっちか!」

グイッ…ドドッドドッ…

皇太子「待てっ、魔物かもしれんぞ!」

天才「いーや。魔物の感じじゃねぇな、人間だ。それによ……」

チラッ

剣士「……?」

天才「この辺りの魔物は…襲ってきたりはしねぇだろ?」

剣士「……っ!!」
715 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:05:27.64 ID:v+MHk7Xvo
右大臣「だ、誰かいるぞっ!?」

皇太子「むっ……?」

天才「……」

ババッ…ザッザッザッザッザ

右大臣「……っ!?」

皇太子「あれは……っ」

剣士「あ…貴方達は……っ!?」

兄者「……お主、確か先日の」

弟者「あぁん?何だ何だっ!?」

剣士「これは…一体……っ」

弟者「悪りぃな、ちょっと邪魔しねぇでくれや」

剣士「え…っ?」

ザッザッザ

天才「……なんだ、てめぇか」

兄者と弟者、その二人の背後に立つ男へ、天才は声をかける。
716 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:06:09.27 ID:v+MHk7Xvo
右大臣「お……お前は!!」

ザッザッザ

戦士父「……殿下!?」

剣士「…!?」

天才「なーにしてんだよ、こんな所で。道場破りか?」

戦士父「おま……いや、いい」

右大臣「こ、これは一体…何が起きて……」

兄者「すまんが、邪魔をしないで頂けるか?」

剣士「あ、あの……」

弟者「コイツに決闘を申し込まれてな」

右大臣「決闘……!?」

兄者「うむ。……我らのこれを賭けてな」

ドスッ

剣士「武器…ですか?」

兄者「ああ、そうだ」
717 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/19(土) 23:07:35.53 ID:v+MHk7Xvo
天才「……なるほどな」

戦士父「……」

天才「いいぜ、手出しはしねぇ。その代わりだ」

テクテクテク…ドサッ

天才「ここで、見物させて貰うぜ」

戦士父「!?」

天才「いーじゃねぇか。邪魔しねぇって言ってんだろ」

剣士「し、しかし……っ」

天才「いいのか?」

剣士「…?」

天才「こんな一流同士の戦い、そう簡単に見られるもんじゃねーぞ?」

剣士「っ!!」

ザッザッザ…ドスッ

皇太子「それもそうだな。観戦させて貰おう」

剣士「で、殿下まで……っ」
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 23:28:57.65 ID:S3vBnhDLo
>>魔道士「きゃっ!」
これって風で魔道士のスカートが、ってことだよな・・・
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 00:51:36.60 ID:hrvOZhGlo
ゾディアック集めか…
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 00:53:11.40 ID:25eekI4E0
そんなことより変種長とは何者なのか
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 01:26:33.69 ID:WYPr5hSAO
ゾディアックを集める方法が譲ってもらうじゃなくて決闘で手に入れようとするあたりが戦士の父らしいな
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 02:19:25.19 ID:kI6n94lSO
戦士父にしても五虎将軍の兄弟にしろ
生き方と信念が噛み合ってるからこその
「決闘」なんだろうな。
そんな真の漢にしか手にすることを許されない「ゾディアック」

恐ロシア恐ロシア><
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 11:57:56.59 ID:5zPSIr4vo
ゾディアックなんて危ない代物
お願いしただけでホイホイ譲ってくれるわけ無いからな・・・
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 14:42:24.71 ID:g3kk3YHDO
戦士の年齢からしたら戦士父は50代だろうに、とんだ化け物だな
前線で戦えるのなんて普通30代前半までだろう
もしやこの世界の人種はサイヤ人なのかもしれない
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 15:24:48.00 ID:ufzY0Jafo
> 大軍師「彼を男にしてやって下さい」

召喚子ちゃんの出番だそうです
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 16:44:30.88 ID:FywWns3Yo
AVでよくある展開か
727 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:08:29.93 ID:3920g0A6o


戦士父「……」

ザッザッザ

弟者「さーて、まずは俺っちからいくとするかい!」

戦士父「……」

弟者「何でこの蛇矛を狙ってんのか知らねーが……」

チャキッ

弟者「おいそれとくれてやるわけにゃーいかねぇぜ!」

蛇矛と呼ばれる弟者の得物。刀身部分が蛇腹状のようにうねっており、

突きというよりは、鋸のように引っ掻く事を得意とした武器である。

戦士父「……」

言わずもがな、戦士父が狙う理由は、蛇矛がゾディアックの一本であるからだ。

戦士父「……いくぞ」

弟者「……来なっ!!」

戦士父はゆっくりと、手にした二本の長得物を前方へと構えた。
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:09:15.29 ID:3920g0A6o
ズッ…

弟者「……槍の…二刀流だとぉ!?」

兄者「いやっ!それよりも……」

ザッザッザ

兄者「あれは……騎都尉の方天画戟!?」

戦士父「はあぁ!!」

バッ!!……ガイイイィィンッ!!

鈍い金属音が周囲に鳴り響く。

戦士父の右手より繰り出された槍の一撃が、弟者の蛇矛に阻まれ、

更にそれを利用し、弟者は戦士父の槍を軸に宙をくるりと回転する。

弟者「でりゃああぁぁ!!」

蛇矛が空中で激しい突きを無数に繰り出す。

スバババババッ!!…バシュウゥッ!!

それを戦士父は冷静に、その二本の槍において激しい連撃を受け流す。

両者共に決め手のないまま、この攻防は互いに間合いを取り、終了した。
729 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:09:54.09 ID:3920g0A6o
ザザッ

戦士「……」

弟者「…へっ」

右大臣「……全くの…互角だな」

兄者「…いや」

皇太子「……」

兄者「わが弟はまだ、本気を出してはおらん」

右大臣「な、何と……っ」

天才「はーっはっはっはっは!!」

兄者「……何が可笑しい?」

天才「そりゃ、アイツも同じだよ!」

兄者「何……?」

天才「どっちも互いの力量探ってんのさ。たかがしれてらぁ」

兄者「……貴公は侮辱しておるのか?」

天才「……アンタもたかがしれてんなぁ」
730 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:10:29.00 ID:3920g0A6o
スクッ…ザッ

天才「互いの手の内探って戦うなんざ、小物のやる事なんだよ」

兄者「……貴様」

スクッ

天才「おっ、やるかぁ?相手してやるぜ?」

戦士父「手を出さないで頂きたい」

あくまで弟者と対峙しつつも、こちらへ向けて声のみ発する戦士父。

天才「……ほらな、手加減もいいとこだわ」

ザッ…ドスッ

右大臣「ど、どういう…意味だ?」

天才「雑音が耳に入るなんざ、本気出してねぇ証拠だよ」

兄者「……っ」

ドスッ

減らず口を叩きながら再び座り込む天才を見て、

兄者もまた反論を飲み込み、その場に再び座り込んだ。
731 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:11:33.66 ID:3920g0A6o
ザザッ…スススッ

戦士父「……」

弟者「……」

皇太子「彼の言う事は、分からんでもない」

剣士「……?」

皇太子「己に絶対の自信を持ち、真なる強さを持つものであれば……」

戦士父「……はぁっ!!」

弟者「だっりゃああぁぁ!!」

皇太子「……相手の力量など、確かめる必要もない」

剣士「なるほど……」

ガキイイィィンッ!!

皇太子「分からんでもないが、到底…出来るものではない」

剣士「……ええ」

皇太子「それを為しえるからこそ、託され、頂点に立っているのだがな」

剣士「……っ」
732 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:12:37.24 ID:3920g0A6o
天才「ごちゃごちゃうっせーぞ。黙って見てやがれ!」

右大臣「お前な、殿下に向かって……」

皇太子「構わん」

右大臣「……っ」

外野の雑音を他所に、対峙する両者は互いに意識を集中させる。

戦士父「……」

弟者「……」

数合打ち合った末の競り合い。その至近状態において、

二人の視線は互いを見つめ、相手の次の動きを探りあう。

戦士父「……」

弟者「……へっ」

にやりと笑う弟者は重心をそのまま、両腕だけを引き、蛇矛を下げる。

戦士父「!?」

均衡を崩した動作に対し、戦士父は空いた左手の戟を突き出したが、

それに備え弟者は、今度は重心ごと身体を後ろへすっと引いた。
733 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:13:21.74 ID:3920g0A6o
グイッ…ブンッ!!

弟者「甘めぇ!!」

戦士父「ちぃっ!」

空振る戟へ重ねるように、戦士父の右手に握られた槍が薙ぎ払う。

弟者「……っ!!」

それを待ってたと言わんばかりに、弟者の蛇矛ガカウンターで突きを繰り出す。

ボシュッ!!

戦士父「……」

弟者「……」

戦士父の交差した腕へ、赤い血がぽとりぽとりと、数滴垂れ落ちる。

その直後、戦士父の左首筋から鮮血がほとばしる。

ブシュウウゥゥ…

戦士父「……はあぁっ!!」

交差した腕で振り払うように薙ぐと、弟者は跳躍でそれを逃れ間合いを取る。

一呼吸つくと、蛇矛を一振りし、先端へ付いた血を振り払った。
734 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:14:24.67 ID:3920g0A6o
天才「…ほぉ、なかなかのボディバランスだな」

皇太子「うむ。あの身に似合わずかなりの反応速度だ」

剣士「凄い……っ」

ブシュッ…ポタポタッ

弟者「かなり出てるが、まだ続けるかい?」

戦士父「……どうという事もない」

弟者「……言うねぇ!」

戦意を失わない眼前の敵に、間髪入れず追撃を仕掛ける弟者。

天才「いーい、判断だ。休ませる必要はねぇ」

右大臣「お、お前は……どちらの応援をしておるのだ!」

天才「あぁ?どっちが勝って、万が一どっちがおっ死のうと…俺様にゃ関係ねぇ」

右大臣「……っ」

頭上で数回蛇矛を振り回し、弟者の攻撃はそのまま乱れ突きへと移る。

ガインガインガインッ…チュインッ…キィンッ!!

戦士父が二本の得物でそれを防ぐ度、首筋から血飛沫が上がった。
735 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:15:15.84 ID:3920g0A6o
ガインッ…キィン…ギキイイィィンッ!!

兄者「そろそろ止めねば、出血多量で危ういぞ」

天才「アホか」

兄者「……」

天才「ギブアップして初めて敗北だろうが」

剣士「……しかし…っ」

天才「俺らに止められるんなら、初めからこんな勝負は起きてねぇ」

皇太子「……」

天才「そうだろ?ヒゲの旦那よ」

兄者「……ああ、お前の言う通りだな。失言であった」

右大臣「……っ」

ガインッ!!…ガキイィンッ!!…ブシュッ

弟者「おらおらおらぁ!どーしたよ!?そのまま出血多量で死ぬかぁ!?」

戦士父「……確かに……これ以上はマズイな」

弟者「!?」
736 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:16:28.75 ID:3920g0A6o
戦士父「はぁっ!!」

ゴゴゴゴゴゴ

弟者「――っ!!」

兄者「こ、これは……っ!?」

天才「やーっと本気モードかよ。遅せぇっつーの」

兄者「これ程の……威圧とは…っ」

弟者「てんめぇ……」

戦士父「悪いな。身体が鈍ってて……暖まりが遅いんだ」

バチィッ!!

弟者「!?」

蛇矛の乱れ突きを、戦士父は戟を回転させ弾き返す。

刹那の隙に空いた腹部へと、更に槍での一撃がカウンターを放つ。

ボッ!!

弟者「……だっりゃ!!」

その一振りをなんとか側宙で回避する弟者。その目に次なる一撃が飛び込んできた。
737 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:17:58.30 ID:3920g0A6o
戦士父「……ふんっ!!」

弟者「な……っ!?」

ドシュウウゥゥ!!

兄者「投擲だとぉ!?」

天才「やっと必殺技が出たぜ」

グオオォォッ!!……ギギギギイイィィ!!

弟者「……っ!!」

着地前に放たれた槍。弟者は迫るそれをかろうじて蛇矛の刀身で受け止める。

天才「はーっはっはっは!平たい刀身で助かったなぁ」

しかし威力が弱まったわけではない。投擲による一撃で弟者の身体は宙で押され、

後方にて着地せざるを得ない状況を生み出した。

弟者「……くっ!!」

歴戦の猛者である弟者は着地前、既に脳裏で結末を描き出していた。

目の前に走り迫る男の左手から突き出される戟。

着地点に寸分の狂いもなく繰り出されるそれを、回避する手立ては残っていなかった。
738 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:18:42.54 ID:3920g0A6o
オオオォォォォ…

戦士父「…………」

弟者「…………」

ザッ

戦士父「…こちらの勝ちだな」

首筋を押さえながら、地べたへ尻をつける弟者へ戦士父は問いかける。

弟者「……いやぁ、参ったね。まさか俺が負けるとは……っ」

鼻筋すれすれに迫った戟の先端を見つめ、弟者は苦笑で応答する。

スゥッ

弟者「……見事だ。仕方ねぇが…これはくれてやる」

ヒョイッ

戦士父「……有難く」

パシッ…ガクンッ

戦士父「……っ」

首筋を抑えた右掌が真っ赤に染まり、戦士父はその場に膝をついた。
739 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:19:19.77 ID:3920g0A6o
剣士「まずい……っ!!」

皇太子「……っ!」

タタッ…ザッザッザ

弟者「お、おい…っ!?」

戦士父「……大丈夫だ。すまん」

ググッ…

弟者「大丈夫…って、大丈夫じゃねぇだろ……っ」

ザッザッ…ザッザッ…

戦士父「……待たせた」

兄者「……」

戦士父「……さぁ」

ググッ…

右大臣「バ……バカな!?まだやるつもりなのか…っ!?」

戦士父「互いに時間がないのだろう?さぁ…っ!!」

兄者「……」
740 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:20:18.76 ID:3920g0A6o
スッ

戦士父「!?」

兄者「悪いが、手負いの者と仕合う心は持ち合わせておらぬ」

戦士父「……」

兄者「それに、手負いの者に勝利したとて、我が武功に上がらぬ」

ザッザッザ

兄者「むしろ恥として、生涯伝えられる事であろうぞ」

戦士父「……」

兄者「日を改め、必ずや弟の仇を討たせて貰おうではないか」

ザッザッザ

天才「いやぁ、漢だねぇ…ヒゲの旦那!」

戦士父「……?」

ザッザッザ…グイッ

戦士父「…っつ!!」

天才「動くな、ジッとしてろ!」
741 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:21:20.41 ID:3920g0A6o
キュイイィィ…パアアァァ

戦士父「……っ」

天才「…たくっ、無駄な魔力使わせやがって」

戦士父「……」

天才「いいか?あくまで止血と傷口を塞いだだけだ。失った血は戻らん」

ザッザッザ

天才「半日か一日は大人しくしてろよ」

剣士「回復…魔法……!?」

皇太子「ああ、そのようだ」

剣士「な……何者なんです…っ?」

皇太子「おや、君は知らないのか。てっきり知っているものかと思っていた」

剣士「……殿下の近衛…ではなさそうですね」

皇太子「国……」

天才「誰が護衛だコラ。ナンバーワンランカーの天才様だ、覚えとけ!」

剣士「天才……!?あ、あなたが……っ!!」
742 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:22:28.36 ID:3920g0A6o
兄者「剣士殿」

剣士「は、はいっ!」

兄者「もしやと思うが貴公ら、華国へ行かれるのか?」

剣士「ええ、実はですね……」

スッ

皇太子「南東国の将軍とお見受けするが?」

兄者「如何にも。貴公は?」

皇太子「これは失礼。私は本国第一王子、皇太子と申す」

弟者「――っ!?」

兄者「な、なんとっ!本国の……!?」

ズザッ

兄者「これは無礼を……失礼致しました」

皇太子「いやいや、気にしないでくれ」

兄者「……本国の殿下が、何故…華国に?」

皇太子「南東国の陛下と是非、話をと思ってね」
743 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:23:05.01 ID:3920g0A6o
右大臣「文は出したのだが、まだ届いておらぬようだな」

兄者「そうでありましたか」

弟者「話って……なんなんですかい?」

皇太子「以前、南方司令から聞いてね」

右大臣「南東国もわれ等と交友を深めたいと聞いたが……」

兄者「まさか…その為にわざわざご足労を…!?」

皇太子「たまにこうして外へ出ぬと、運動不足でな。ははっ」

兄者「……」

皇太子「もし戻るのであれば、我らを案内頂けないだろうか?」

剣士「僕からもお願い致します」

兄者「……」

弟者「兄者…っ」

兄者「まさかお断りなど出来ようはずがありますまい。それに……」

戦士父「…?」

兄者「某もまだ、為さねばならぬ事がありますので」
744 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:24:28.13 ID:3920g0A6o


ザッ…パッカパッカパッカ…

天才「……傷は?」

戦士父「お陰様で」

天才「ソディアック集めか。んで、成果は?」

戦士父「これで3本目……」

天才「全然増えてねーじゃねぇか」

戦士父「…いや、情報収集に手間取って」

天才「ったく。んで、全部分かったのか?」

戦士父「…いや。手元に3本、華国に残り2本……」

天才「あとは?」

戦士父「魔物が2本。国軍に2本」

天才「…あとは?」

戦士父「……さぁ」

天才「……っ」
745 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 18:25:34.92 ID:3920g0A6o
グイッ…ドンッ

天才「全っ然、じゃねーか!」

戦士父「おい、馬をぶつけるな」

天才「冷静に悟ってんじゃねぇよ」

戦士父「あと1年以上ある」

天才「1年しかねぇんだよ!」

戦士父「……」

天才「……ちっ。東方に1本、西方に1本だ。あとは知らん」

戦士父「…助かる」

天才「……けっ!」

剣士「お二方、少し飛ばしますよ。日が暮れてしまいますので…」

天才「…あぁ、いいぜ」

戦士父「……承知した」

グワッ…ドドッドドッドドッドドッ

間もなく皇太子ら一行は、南東国、東の街へと入国した。
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 19:00:03.76 ID:roIqsZ7DO
>>1乙っす

相変わらず戦士父はかっこいいなあ
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 19:59:01.53 ID:e+Yts1vAo
東方の槍は何となくゾディアックの候補になりそうな槍は想像出来るが
西方のモデル地区で有名な槍がわからん
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 20:05:15.03 ID:gmeyPecm0
よーやく追いついた
ここまで来るのに二日かかったぜ……

応援してまふ
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 20:15:11.12 ID:Lt6bpsmDO
実は俺の股にゾディアックついてんだ。

これ持っていかれたら困るんだけど・・・
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 20:22:43.78 ID:DQplQ27JP
ゾディアックって封印されていて
パーツ全部集まったら相手に勝てるんだっけ
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/20(日) 20:24:53.92 ID:YXxoVBKDO
華国に1本
スグリーヴァ軍に確か2本
国軍に1本
戦士が1本
戦士父が1本

まだ半分しか出てないよね?
てか、ゾディアックだけでも1つの話が出来るだろうに…。
まさか、ここの>>1は本気で1000スレ目指してるんだろうか?

胸熱
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 20:59:13.74 ID:roIqsZ7DO
>>750
相手も倒せるけど自分も死ぬ諸刃の剣。素人にはお薦めできない
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/20(日) 21:00:18.23 ID:VWgh1LKco
>>750
DTの勝利条件だな
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 21:53:20.24 ID:h5MMpfTfo
童貞・・・?
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 22:12:24.74 ID:VWgh1LKco
>>754
遊戯王だよエクゾディアだよ
756 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 23:53:35.75 ID:3920g0A6o
〜ターミナル〜

魔道士「到着ーっ!」

女記者「おおぉぉ!?鬼凄いっすうぅ!!」

召喚士「ここからは馬車で東方司令部へ向かいます」

女記者「鬼お任せしまっすううぅぅ!!」

戦士「…元気になってよかったな」

召喚士「うん、そうだね。魔道士さん、ありがとうございました」

魔道士「えぅっ?私、なんにもしてないですよ?」

戦士「えっ!?じゃあ…盗賊か?」

盗賊「……いや」

魔道士「あの後、声をかけようと思ったんですが…見当たらなくて…」

召喚士「じ、じゃあ…自然に…?」

戦士「…ったく、心配して損したぜ」

女記者「…はれ?皆さん、どうしたっすかあぁ!?」

召喚士「…い、いえっ。それじゃあ行きましょうか」
757 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 23:54:10.35 ID:3920g0A6o
テクテクテク…

召喚士「えぇっと……」

御者「ふふんふ〜ん」

ゴシゴシッ

召喚士「いたっ!御者さーん!」

御者「!?……旦那っ、旦那じゃあごぜぇやせんか!」

召喚士「ど、どうも…。お忙しいところ声をかけてすみません」

御者「いえいえ、丁度洗い終えたところですから!」

召喚士「あの、5人なんですが…東方司令部までお願い出来ますか?」

御者「モッチロンですよ!!」

魔道士「宜しくお願いしますねっ。えへへ!」

女記者「おぉっ!鬼宜しくっすううぅぅ!!」

戦士「ほれ、早く乗れ」

女記者「うっす!鬼失礼しますううぅぅ!!」

盗賊「……元気だなぁ」
758 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 23:54:43.96 ID:3920g0A6o
ガラガラガラッ…パッカパッカパッカ

御者「旦那、新聞見ましたぜ〜!」

召喚士「……っ!?」

御者「あっしもねぇ、旦那を乗せたってんで鼻が高いってもんですよ!」

召喚士「は、はぁ…。どうも……」

御者「見て下さい!この新しいビラ!!」

魔道士「……?」

カサッ

戦士「…えーと。あの朱雀先生も乗った当、馬車……っておいおい!」

御者「いえね、勝手に旦那の名前を使うのも悪いかなぁとは思ったんですけどね」

召喚士「ち、ちょっと……」

御者「あ、いやっ!旦那が駄目だってんならもちろんやめますよ!?」

戦士「…まぁいいんじゃねーか?どうせ召喚士の名前だけだし」

召喚士「ちょっとお!?」

御者「いやぁ〜良かった!旦那っ、ありがとうごぜぇます!!」
759 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 23:56:50.90 ID:3920g0A6o
ドドッドドッドドッ…ドドォ

御者「お待たせしやしたっ!東方司令部です!」

魔道士「ありがとうございましたーっ」

女記者「おおぉぉ!?ここが東方司令部…っ」

魔道士「そうですよ〜」

女記者「おおお鬼でかいっすねええぇぇ!!」

戦士「感動してる場合か」

女記者「へ…っ?」

戦士「取材はいいのか取材は」

女記者「おおぉぉ!?そうっすよおぉ!鬼取材っすよおおぉぉ!!」

戦士「……はぁ」

盗賊「…大丈夫かな?」

召喚士「それじゃ、ありがとうございました」

御者「こちらこそっ!旦那、またお願いしますぜ!」

満面の笑みを浮かべ、御者は東方司令部を後にした。
760 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/20(日) 23:58:45.91 ID:3920g0A6o
テクテクテクテク…

召喚士「こんばんはー」

門兵「……?」

召喚士「本国の新聞社より、取材に来た者なんですが……」

女記者「おおぉぉ……っ、中も鬼広いっすねええぇぇ!!」

戦士「……おい、お前が言わなきゃいかんだろ」

女記者「はえ!?あ、ああぁぁ!!鬼すんんませんっすううぅぅ!!」

門兵「……ちょっと待ってろ」

カツカツ…ザッザッザ…

女記者「……だだ大丈夫っすかねええぇぇ!?」

盗賊「…何が?」

戦士「別に悪い事してるわけでもねーし、アポ取ってんだろ?」

女記者「鬼とってるっすよおぉ!」

戦士「じゃあいいじゃねぇか。何を不安がってんだよ……」

召喚士「はは……っ」
761 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 00:01:04.75 ID:d1TnBB9Co
ザッザッザ…カツカツカツ…

門兵「入っていいぞ」

女記者「おおぉぉ、鬼失礼しまっすううぅぅ!」

テクテクテク

東方兵「君達か。聞いていたより大人数だな」

召喚士「すみません。俺らは道案内の付き添いで……」

東方兵「……?まぁいい、応接室に案内する。ついて来たまえ」

女記者「おおお鬼宜しくっすううぅぅ!!」

カツカツカツカツ…コンコン

東方兵「新聞社の者らを連れてまいりました」

カチャッ

女記者「ははは始めましてええぇぇ!!」

――「……おや?」

召喚士「……東方副司令さん!」

東方副司令「やはり、朱雀先生か……っ!」
762 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 00:02:08.35 ID:d1TnBB9Co
召喚士「なぜ、副司令さんが……?」

東方副司令「取材があると聞きましてね」

召喚士「なるほど。副司令さんがご担当というわけですね」

豆腐副司令「ええ。しかし、なぜ朱雀先生方が…?」

召喚士「実は……」

戦士「コイツ、すんげぇ方向音痴でさぁ」

東方副司令「……案内役を?」

盗賊「……そういう事だ」

女記者「お、鬼宜しくお願いしまっすうううぅぅ!!」

東方副司令「ど、どうも……」

召喚士「それじゃ、俺らは席を外してます」

東方副司令「…ん?同席していてくれて構いませんよ?」

召喚士「いえいえ、お邪魔になりますから」

戦士「そうそうっ!そんじゃ、終わったら声掛けてくれなっ!」

東方副司令「……は、はぁ」
763 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 00:02:55.22 ID:d1TnBB9Co
女記者「そ、それじゃあ早速……鬼取材開始っすよおぉ!?」

東方副司令「は、はい。どうぞ……」

テクテクテク…パタン

戦士「…よーし、時間が作れたぜ」

召喚士「今のうちに青年兵くんを……」

カツカツカツ

――「青年兵がどうしたって?」

盗賊「!?」

魔道士「東方司令……さん…っ!」

東方司令「部外者が司令部内とうろうろと…捨て置けんな」

召喚士「す、すみません……っ」

東方司令「確か…国軍付だったか、まぁいい。それで何の用だ?」

召喚士「青年兵くん、いらっしゃいますか?」

東方司令「青年兵?あぁ、参謀あたりとその辺にでもいるだろう」

召喚士「そうですか。ありがとうございます」
764 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 00:03:56.94 ID:d1TnBB9Co
クルッ…スタスタスタ

東方司令「……待てっ」

召喚士「……っ」

東方司令「…彼に、何の用だ?」

召喚士「いやっ、せっかくなんで…挨拶だけでもと…」

戦士「急に異動んなっちまって、会う機会もなかったからなぁ」

盗賊「…ああ」

東方司令「……ふぅん」

召喚士「それでは、失礼します…っ」

東方司令「あまりうろちょろするなよ」

魔道士「は、はい!気を付けます…っ!」

テクテクテクテク

東方司令「……変な奴らだな」

テクテクテク…

東方司令「……青年兵……まさか、な」
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 00:09:02.29 ID:d1TnBB9Co
>>652>>683>>693
今更ですが、ありがとうございます!

〜オマケ〜

東方司令「……青年兵……まさか、な」

女剣士「まさか何です?」

東方司令「!?……いたのか」

女剣士「だから、まさか何です?」

東方司令「……いや、仲が良いなと思ってな」

女剣士「まさか、兄弟とでも…?」

東方司令「冗談はよせ、似ても似つかわん」

女剣士「それもそうですね……」

東方司令「問題は……どちらが『受け』……なのか」

女剣士「……は?」

東方司令「い…いやっ、何でもない!寝るぞ……っ!」

女剣士「は、はぁ……」
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 00:54:31.06 ID:PNI1B8DDO
↓流石兄弟のAA
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 00:57:44.21 ID:tHL5PKj0o
  /\___/\
/ /    ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |
|   ,;‐=‐ヽ   .:::::|
\  `ニニ´  .:::/      NO THANK YOU
/`ー‐--‐‐―´´\
       .n:n    nn
      nf|||    | | |^!n
      f|.| | ∩  ∩|..| |.|
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      ヽ  ,イ   ヽ  :イ  
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:14:26.60 ID:bCQTYIR4o
>>762
豆腐か…某ホラーゲームの猛者を思い出したw

まあそんなことより乙
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:19:22.19 ID:Qy/pZ11AO
>>1おつ

青年兵は召喚士を尊敬してる感じだし受けは青年兵っぽいが、女装歴は召喚士のほうが上だし…
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:29:06.99 ID:538ng5sDO
豆腐wwwwwwツボったwwwwww腹いてえwwwwww
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:36:42.06 ID:bCGWe/c9o
>>768
ああ
あれかw
豆腐とか、イヌとかだったっけ?
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:41:53.06 ID:7krkFUXO0
>>1乙!
豆腐ワロタww
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 05:38:44.68 ID:xONQDl0SO
口調のせいか女記者がどうしても……


女記者「自分!子供の時から鬼ツイてなかったっすからあああああっ!!」
女記者「ひととおりの乗り物にはひかれ!ひととおりの食べ物にはあたってきたすうううううっ!!」
女記者「んでもって、今回の仕事で失敗したら鬼クビになっちゃうっすよおおおおおっ!!」
召喚士「よ、よく今まで無事に生きてこられましたね………」
戦士「むしろすげえ運いいんじゃねえか?」
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 06:16:47.38 ID:f8CaeLEDO
ゾディアックって全部集まったら合体するんかな
きゅいーんって
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 06:53:15.74 ID:P1Yjdkce0
願いが必ず一つだけ(ry
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 07:10:26.38 ID:QQnK3zp6o
聞き流されるのか
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 07:29:28.54 ID:AXuRCHLDO
>>1先生長期連載お疲れ様であります!!

豆腐はナイフ1本でゾンビをバッタバッタとなぎ倒すアレですか、副司令にまで登り詰めるとは…
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 11:59:59.40 ID:I/JqFYSDO
女記者が逆転裁判のマコくんに見える
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 16:12:12.49 ID:vdnwesTpo
マンコくんに
780 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:09:56.48 ID:Z/Kv9xuUo
〜中庭〜

東方参謀「……ふぅむ」

青年兵「ええ……」

テクテクテク

東方参謀「…むっ?」

青年兵「召喚士さん!」

召喚士「こんばんは」

魔道士「東方参謀さんも、お久し振りです」

青年兵「どうしたんですか、このような所まで……」

召喚士「えっと……」

東方参謀「……ふむ。青年兵、先に戻っておるぞ」

青年兵「え、あ…はい」

テクテクテク…

青年兵「すみません、それで…どうしました?」

召喚士「……うん」
781 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:10:33.65 ID:Z/Kv9xuUo
青年兵「……何やら難しいお話のようですね。場所を変えましょうか」

召喚士「ありがとう」

〜会議室〜

青年兵「…どうぞ」

コトッ

魔道士「ありがとうございますっ」

青年兵「それで、僕に話とは…?」

召喚士「……盗賊さん」

盗賊「……北で…国軍の者を見た」

青年兵「…?」

盗賊「…おそらく…内通者だ」

青年兵「!?」

召喚士「海峡の大橋を北へ渡った所に森があるんだ」

青年兵「え、ええ……」

召喚士「そこには、何か分からない…得たいの知れない魔物が棲んでる」
782 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:11:06.78 ID:Z/Kv9xuUo
青年兵「……報告書で拝見した事はありますね」

召喚士「こちらから踏み入らない限り、攻撃を仕掛けてはこないんだけれど…」

戦士「国軍の奴が単身、踏み入るとは思えねぇ」

青年兵「…まちがいなく一人だったのですか?」

盗賊「…確信は持てぬが、そやつは一人で行動していた」

青年兵「……」

召喚士「察するに、内通者だと思うんだ」

青年兵「…なるほど」

召喚士「うまくいけば、素性が掴めるかもしれないと思って…」

青年兵「そうですね。行動記録や軍内、周囲の人間をあたれば或いは……」

召喚士「ちなみに、この事は誰にも話してにから…」

青年兵「…そうですか」

戦士「軍の内通者だからな。おいそれと話せないさ」

青年兵「そこで……僕を?」

召喚士「うん。他の人が信用ないってわけではないんだけど……」
783 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:12:34.14 ID:Z/Kv9xuUo
戦士「念には念を入れてな」

青年兵「ありがとうございます」

魔道士「…?」

青年兵「僕を信用してくれて、ありがとうございます」

召喚士「青年兵くんが内通者だなんて、想像もつかないよ」

戦士「そうそう!今まで共にやってきた事の説明がつかねーよ」

青年兵「ははっ、それもそうですね」

盗賊「…とにかく…託したぞ」

青年兵「はい」

戦士「やっと、肩の荷が降りたな」

召喚士「うん。でも、俺らも出来る限りのバックアップはしないとだね」

魔道士「そうですよっ、頑張りましょう!」

青年兵「そ、そんな…。申し訳ないですよ」

戦士「今更、みずくさい事言うなって!」

召喚士「そうだよっ!どこまで出来るか分からないけど、出来る事はするからさ!」
784 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:13:05.94 ID:Z/Kv9xuUo
青年兵「……ありがとう…ございます」

コンコン…カチャッ

東方副司令「ここであったか?」

青年兵「副司令様…っ」

戦士「取材、終わったのか?」

東方副司令「いやいや、次は青年兵殿の番でしてな」

青年兵「僕の…?」

東方副司令「うむ。先日の件やら色々と聞きたいそうですよ」

青年兵「……っ」

戦士「ほぉ、アイツ…ちゃんと取材してんだなぁ!」

盗賊「…見直したな」

青年兵「…分かりました。すぎに伺います」

東方副司令「うむ。この奥の、応接室で待っていますよ」

パタン

召喚士「……」
785 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:13:44.40 ID:Z/Kv9xuUo
青年兵「召喚士さん」

召喚士「…?」

青年兵「もしこの先、頼るならば……」

召喚士「……うん」

青年兵「大軍師さんは信用出来ます」

召喚士「……」

青年兵「つい先日、特殊遊撃の内通者が記事になりましたよね?」

召喚士「え、うん……」

青年兵「あれをリークしたのは、大軍師さんです」

魔道士「!?」

召喚士「…やっぱり」

青年兵「ご存知でしたか」

召喚士「最近、大軍師さんがやたらと新聞社に出入りしていたから…」

青年兵「目には目を…。この事だったんですね」

召喚士「……?」
786 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:14:24.31 ID:Z/Kv9xuUo
青年兵「左大臣様の屯田視察の際、大軍師さんと話をしたんです」

戦士「そうだったのか」

青年兵「大軍師さんは、左翼に対し、反撃の芽を摘むつもりです」

戦士「容赦ないな…」

召喚士「それで、新聞社にリークを?

青年兵「先程も述べた通り、目には目を…つまり大衆を動かすつもりのようですね」

召喚士「…なるほど」

青年兵「軍内の構図はほとんど変わっておりませんから」

魔道士「…?」

戦士「右翼優勢って事だろ」

青年兵「ええ」

召喚士「しかも、東方司令部へ青年兵くんが直々に来た…」

戦士「これで奴らもヘタに手出しは出来ねぇって事だ」

青年兵「まぁ、結果的にはそういう事ですね」

盗賊「……?」
787 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:15:06.22 ID:Z/Kv9xuUo
青年兵「僕は、自発的に東方司令部へと来たつもりでしたが…」

召喚士「まさか……大軍師さんの術中だったって事!?」

青年兵「分かりませんけどね。単なる偶然かもしれませんし…ははっ」

召喚士「……」

青年兵「あ、では…そろそろ行ってきます!」

召喚士「うんっ!頑張って!!」

戦士「記者はまぁ、アレだが…グッと堪えてくれ…」

青年兵「……?そ、それでは…!」

カツカツカツ…パタン

戦士「大丈夫かな?」

召喚士「青年兵くんなら…きっとやってくれるよ。内通者を……」

戦士「いや、そっちもだけどさ…」

盗賊「…ああ、青年兵ならきっと…やってくれるよ」

召喚士「……」

盗賊「…明確な…取材回答を」
788 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:15:41.36 ID:Z/Kv9xuUo
〜南東国、東の街〜

パッカパッカパッカパッカ…

右大臣「ここが……南東国か」

剣士「いかがです?」

皇太子「何とも独特の雰囲気があり、心地良いな」

弟者「酒や食事も美味ですぜ!」

皇太子「それは楽しみだな」

兄者「あれが、我らの居城にござる」

右大臣「おぉっ、これは何とも立派な……」

皇太子「街全体を城壁で囲った上に、更に城を城壁で…」

右大臣「二段構えの構造というわけか……」

兄者「さぁ、着きましたぞ」

皇太子「……おぉ」

右大臣「これは凄いものだな……っ」

分厚い鉄のに模られた、一同を睨みつける龍が左右に開いた。
789 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:16:57.93 ID:Z/Kv9xuUo
ゴゴオオォォン…ギイイィィィィ…

皇太子「……」

ザッザッザッザッザ

兄者「…白馬」

白馬騎士「ようこそお越し下さいました。華国大将軍、白馬騎士と申します」

皇太子「これはご丁寧に痛み入る。本国第一王子、皇太子だ」

右大臣「右大臣と申す。陛下側近ならび、右大臣を務めておりまする」

天才「護衛の天才でーす。こちつらは俺の下僕」

グイッ

剣士「!?」

戦士父「……」

白馬騎士「宮殿にて陛下がお待ちです。どうぞ」

皇太子「うむ、失礼するぞ」

弟者「馬はこちらで預かります。おいっ、頼んだぞ!」

門兵「ははっ!」
790 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:19:28.51 ID:Z/Kv9xuUo
カツカツカツカツ

天才「大丈夫か?」

戦士父「……血が足らん」

天才「はーっはっは!ガッツリ食って回復するんだな!」

戦士父「……」

白馬騎士「もう少し早く言ってくれればよいものを」

兄者「すまんすまん。我等とて道中、偶然会ったものでな」

皇太子「すまんな、急な訪問で迷惑をかける」

白馬騎士「いえいえ。皆様のせいでは御座りませぬ」

カツカツカツ…

白馬騎士「こちらです。どうぞ」

ガチャッ…ギイイィィ

皇太子「……」

宮殿最奥部の扉が開くと、中では左右に人々が直立し、

その奥に潜む玉座には、若年と思われる少年がぽつりと腰を据える。
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 18:20:27.91 ID:P1Yjdkce0
ふむ
剣士の居ぬ間に弓使いちゃんをペロペロしておくかね
792 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:20:45.46 ID:Z/Kv9xuUo
カツカツカツ…コツ

皇太子「初めてお目にかかる」

三男「本国の王子であられる皇太子様、ですね」

皇太子「如何にも。貴方が南東国の陛下とお見受けするが」

三男「はい。若輩ながら……。三男、と申します」

白馬騎士「どうぞ」

促されるように、皇太子は三男の横へ用意された玉座へと移る。

兄者「皆様はこちらへ」

右大臣「うむ」

天才「よっこらせ…っと」

側近「此度はわざわざのご足労、誠に恐悦至極……」

白馬騎士「こちらは側近。奥の老文官、若文官を含め国政を務めておりまする」

皇太子「宜しく」

白馬騎士「対して反対側が老将軍に錦将軍」

兄者「我ら兄弟、そして白馬騎士を含め五虎将軍とし、軍務を承っております」
793 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:22:09.42 ID:Z/Kv9xuUo
錦将軍「よろしくお願い致します」

皇太子「うむ。宜しく」

老将軍「これっ、宴の用意を」

まもなく宮仕らが豪華な飲食物を運び込み、室内は鮮やかに彩られる。

若文官「ささ、遠慮なく楽しまれよ」

天才「うっひょう!待ってました!」

戦士父「いただきます」

側近「いきなりの本題で申し訳御座らぬが……」

右大臣「……」

側近「此度のご訪問、その意図とは如何に?」

皇太子「無論、南東国と我ら本国に於いて、親密な関係になりたいと考えての事」

三男「……」

皇太子「決して無理強いというわけではないが、南東国も同様の考えと伺うが?」

三男「……ええ。是非にと考えております」

皇太子「それは良かった」
794 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:22:46.21 ID:Z/Kv9xuUo
右大臣「しかし、そんな簡単に……宜しいのか?」

白馬騎士「ご存知の通り、華国は然したる戦力も持ち合わせてはおりませぬ」

兄者「個々の武には秀でていても、率いる手数が少なくてはな……」

老将軍「その通りじゃ。これでは到底、魔王軍と当たるには乏しいものよ」

白馬騎士「甘えるつもりは無論ありませんが……」

皇太子「本国の力を借りたい、というわけだな?」

三男「その通りです」

皇太子「いや、実に分かりやすくて結構。有難い話だ」

白馬騎士「痛み入ります」

皇太子「既に本国は、西国、東方との同盟を結んでいる」

錦将軍「……おぉ」

皇太子「もしここで、南東国と盟約を取り付ければ……」

天才「世界中の国が一つになるわけだ」

右大臣「そういう事だな」

剣士「凄い……ですね」
795 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:30:13.66 ID:Z/Kv9xuUo
天才「んま、今はただのぶら下がりだけどな」

剣士「…?」

天才「本国以外が結び付いてねぇってことだよ」

剣士「なるほど」

右大臣「その通りだ。本国を仲介として、他の国々も親交を深めねば意味はない」

弟者「西国ってのは気になるなぁ。こことは随分と離れてるんだろ?」

老将軍「若き頃に訪ねた事があるが、砂漠の多い暑い国であったのぉ」

皇太子「西国は今や、素晴らしい国となっておるぞ」

錦将軍「ほぉ」

右大臣「国政の手腕も素晴らしく、軍備も相当に蓄えておる」

天才「あそこも王は少年だったわな」

三男「……そうなのか」

天才「しかもかなりの戦好きで、自分からハナを切るって話だぜ」

兄者「大したものだな……」

皇太子「西国だけではない。東方の王も若年であるぞ」
796 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:31:11.14 ID:Z/Kv9xuUo
若文官「っ!?」

老文官「なんと……っ」

天才「うちだけジジイだわな。はーっはっはっは!」

戦士父「…おい、幾らなんでも口を慎め」

天才「…おい」

戦士父「……」

天才「テメェとは一度、殺り合いてぇと思ってたんだよなぁ……」

戦士父「…やめておく」

天才「はっ!怖気づいたか!」

戦士父「ええ。怪我の身で勝てるとは思えん」

天才「だろうな。ま、怪我してなくても勝てねーけどよ」

戦士父「……ああ、そうだな」

天才「……けっ!」

ドスッ…ゴクゴクゴクッ

戦士父「……」
797 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:31:52.88 ID:Z/Kv9xuUo
側近「では明日、改めて調印などをさせて頂くという事で」

右大臣「畏まった」

三男「……」

白馬騎士「宜しいですな、陛下?」

三男「…え、あ……うむ」

白馬騎士「……どうかなされましたか?」

三男「……いや」

皇太子「何か…問題でもあるか?」

三男「そうではありません。そうではありませんが……」

白馬騎士「……」

三男「実に不甲斐ない。他国の王は同じような年齢で励んでいるというのに」

錦将軍「そんな事はありませんよ!陛下は……」

三男「皆にも苦労をかける。すまぬ」

白馬騎士「……おやめ下され。私とて…怒りますぞ」

三男「……」
798 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:33:02.68 ID:Z/Kv9xuUo
天才「あんだろ。華国にゃあ、ちゃーんと切り札がよ!」

右大臣「切り札……?」

天才「魔物の軍勢だよ」

皇太子「!?」

天才「……なぁ?」

剣士「え、えぇ。まぁ……」

皇太子「魔物の…っ、噂には聞いたが…既に整っているのか」

剣士「はい。ここより更に南の地、彼らは刻を待っております」

皇太子「是非、訪ねてみたいものだな」

右大臣「危険すぎますぞっ!」

皇太子「悪い輩ではないのだろう?それならば良いではないか」

天才「別の危険も絡んでるぜ?」

皇太子「…?」

天才「内通者だ裏切り者だ騒いでるんだろ?そんな中、魔物と接触してみろ」

戦士父「……どんな噂が立つか分からんな」
799 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:34:05.29 ID:Z/Kv9xuUo
天才「そうそう。そーいう事は噂が立ちそうにもない奴にやらせる事だ」

皇太子「だがな、。いずれは本国として顔を合わさねば」

天才「そういうのは国軍に任しとけよ」

右大臣「国軍?奴らが動くのか?」

天才「お前さんらが無理なら、それっきゃねーだろ」

皇太子「……成程」

天才「…さーて、お開きなんだろ。先に寝させて貰うぜ〜」

若文官「へ、部屋はこちらの突き当たりを右に……」

天才「はいよどうも。んじゃ、おやすみ〜!」

テクテクテク…

右大臣「全く…。何とも勝手な男だ」

皇太子「君が連れてきたのであろう?」

右大臣「…うぐっ、それはそうですが……っ」

皇太子「…すまんな。今夜の持て成し、大変感謝するぞ」

白馬騎士「こちらこそ。有難う御座いまする」
800 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:34:58.17 ID:Z/Kv9xuUo


ザワザワッ…テクテクテク

兄者「……戦士父殿」

戦士父「…?」

兄者「傷の具合は如何かな?」

戦士父「明日には大丈夫だろう」

兄者「……相分かった。正門前にて待つ」

戦士父「……」

ザッザッザッザ…

錦将軍「あれが弟者を負かしたって奴か」

老将軍「なぁに、弟者が弱いだけじゃわい。ひょっひょっひょ」

弟者「あぁん!?試してみるかぁ!?」

兄者「……明日、取り戻してやるさ。なぁ…白馬の」

白馬騎士「……」

五人の将軍は去りゆく戦士父の背中を見送った。
801 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:35:34.12 ID:Z/Kv9xuUo
〜東方司令部〜

召喚士「いえっ、申し訳ないですよ……っ」

東方参謀「そうは言ってもな、今から戻っても深夜だぞ?」

青年兵「そうですよ。それに、この辺りには泊まる所もありませんし……」

戦士「でもなぁ……」

魔道士「あの、女記者さんは…?」

青年兵「疲れてしまったみたいで、仮眠をとってますよ」

東方参謀「仮眠というか、あれはもう泊まるつもりのようだがな」

盗賊「…どうする?」

召喚士「うーん……」

東方参謀「遠慮しても仕方ない。ほれっ、早く来い」

グイッ

召喚士「えっ!?」

青年兵「遅くなりましたが、夕食の用意も出来てますから」

魔道士「あ、あのぉ…っ」
802 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:36:13.96 ID:Z/Kv9xuUo
東方参謀「司令直々の命令なんだ。連れて行かねば我らが潰されるわ」

戦士「潰される!?」

東方参謀「耳をだ。あの甲高い大声で怒鳴られては叶わん」

盗賊「……」

青年兵「さぁ、行きましょう」

戦士「…ここまで言われたら、拒否出来ねぇな」

召喚士「……仕方ないね」

テクテクテクテク…カチャッ

東方司令「遅いっ!!」

ダンッ!!

青年兵「っ!!」

東方副司令「まぁまぁ……っ、ここは穏便に……」

東方魔道長「……」

東方参謀「ワシに言うな!こやつらがモタついておるからだっ!」

召喚士「えぇ!?」
803 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:36:46.20 ID:Z/Kv9xuUo
テクテクテク…ストッ

盗賊「……どうも」

女剣士「あれから、数段…腕を上げたようだな」

盗賊「……多分」

女剣士「…ふっ、同郷の出としては頼もしい限りだ」

盗賊「……」

女剣士「…少し、筋肉量も増えたか」

モニモニッ

盗賊「――っ!?」

ガタッ

東方司令「……何をしている?」

女剣士「お、お姉様……っ」

東方司令「どけ」

女剣士「あ、あの……まだ話を」

東方司令「すればしい。但し、真ん中にはボクが座る」
804 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:37:33.50 ID:Z/Kv9xuUo
ドカッ

東方司令「さ、食べよう」

女剣士「……」

盗賊「……」

東方司令「それで、筋肉が何だって?」

ムニムニムニムニッ

盗賊「…あの…それは胸です」

東方司令「…おぉ、それは失礼」

ムニュムニュムニュ

盗賊「……そ、それは……太も……っもぉ」

東方司令「…キミ、感度いいね」

サワサワサワッ

盗賊「……そ、そこ……はぁ」

ダンッ!!

東方参謀「黙って食わんか!!貴様らっ!!」
805 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:38:13.40 ID:Z/Kv9xuUo


戦士「ご馳走さん」

召喚士「ご馳走様でした」

青年兵「入浴時間と部屋はこちらの紙に書いておきました。どうぞ」

召喚士「ありがとう」

戦士「そういや女記者はまだ起きねーのか?」

カラカラカラッ

東方副司令「そのようだね。後で部屋へ食事を持っていくよ」

戦士「すいませんねぇ。面倒かけて……」

東方副司令「ははっ、全然大丈夫ですよ。では失礼」

東方参謀「ワシもひとっ風呂浴びてくるかな」

東方魔道長「……」

召喚士「……」

東方魔道長「……」

カツカツカツカツ…
806 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/21(月) 18:40:32.25 ID:Z/Kv9xuUo
戦士「みんな、悪い奴にゃ見えないんだがな」

召喚士「うん……」

青年兵「召喚士さん、俺らも先に入浴を済ませましょうか」

召喚士「そうだね」

戦士「んじゃ、行くか」

魔道士「行ってらっしゃーい」

東方司令「ボクらも行くぞ」

魔道士「えっ!?お風呂ですか……?」

東方司令「ああ。新調したからな。大人数でも問題ない」

女剣士「女性なんて…ほとんど居ないけど」

魔道士「楽しみ〜っ!早速準備してきます!行きましょ、盗賊さんっ」

盗賊「…えぇ、後でいいよ」

魔道士「駄目ですよ〜」

東方司令「ダメだっ!!」

盗賊「え…えぇっ!?」
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/21(月) 18:42:28.60 ID:Z/Kv9xuUo
ひえぇ、話が全然進まないぃ…!
豆腐ってwwこれはひどいwwww

ごめんなさい……

流石にこれは回収出来ない予感…
それでは失礼します。ご支援ありがとうございますた!ノシ
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 18:43:27.12 ID:9O4LpDl1o


ID:P1Yjdkce0はマナーがなってないな
これだから新参は疎まれる
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 18:50:54.89 ID:Xn+2YFgpo
>>808
自分が好きなキャラクターぺろぺろされたからって
新参とかレッテル貼りやめなよ!よ!
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 18:51:53.41 ID:Xn+2YFgpo
更新乙です

書いたつもりが無かった
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 18:59:14.85 ID:yOKKPSbIO
乙です

マナーうんぬはたぶん投下中のレスをいってんだろ
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 21:07:58.39 ID:u5DNMiFWo
マナーがなってない新参が勝手に押し付けたのに
投下中にレスしたらマナー違反って定着しちゃったの?
何人もの書き手のやる気を削いでいまだ学習しないのね
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 21:11:07.29 ID:HryWUvCdo
別にそんなのどうだっていいだろ
そこだけ抜かして読めばいいのに何をぐだぐだ言ってるんだ
というかすべての責任は王子にある!全部王子が悪い!謝罪を要求する!
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 21:13:08.92 ID:2LwBmHyr0
損害賠償を(ry
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 21:24:13.45 ID:TTffGr+No
        ノ L____
       ⌒ \ / \   
      / (○) (○)\
     /    (__人__)   \  すべての責任は王子にある!
     |       |::::::|     |     全部王子が悪い! 
     \       l;;;;;;l    /l!| !..   .謝罪を要求する!
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       煤@l、E ノ <
               レY^V^ヽl

このAA思い浮かんだ俺はもうダメだな
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 21:34:04.96 ID:fZlzzah0o
結論:王子タヒね
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 21:38:22.30 ID:538ng5sDO
>>1乙っす

俺は悪くぬぇ!俺は悪くぬぇ!王子が悪いんだ!
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 21:59:42.22 ID:u5DNMiFWo
全然関係ないけどフェニックス のAA発見した

      Μ
     ( ・)
    三| |三
      巛

天に昇るフェニックス
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 23:32:53.67 ID:WM75iA0AO
>>818モンスターファームのダックンにしか見えん
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 23:39:43.89 ID:L+0KSHlSO
>>1乙!さすがに豆腐を回収されたらクレームもんでっせwwwwww
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 23:41:32.49 ID:JUz4SIpAO
天才がただのDQNに……
身勝手ってレベルじゃねぇ
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 00:10:41.64 ID:8lLzDljAO
これからは古参ぶるのはよせよ?

ちなみに女記者は俺が鬼ペロペロ。
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 02:30:56.02 ID:xwGfTBem0
>>1乙!
そうか、言われて気付いた。本国以外は全て幼い王なんだな
というか東方司令のセクハラがだんだん過激になってるww

リクエストしてもいいのか分からないけど、いいのであれば
天才がスマートに立ち振る舞う必要がある依頼を受けて、周囲からは無理だと思われるが
あっさりとこなすみたいなおまけを希望します。天才って天才だしどんなことでも天才的にこなせそうな
普段は粗暴な感じでも、紳士的にやろうとさえ思えば天才的にできそうな
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 04:49:53.44 ID:/tMheRqAO
天才がゲシュタルト崩壊した
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 05:02:38.39 ID:pLOCuKyDO
最近母親を人質にとられた青年兵がまで妄想してる
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 05:33:02.00 ID:Ko2oe0q40
女記者の台詞は某珍獣ハンターで再生される
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 07:16:02.27 ID:mCvZks4DO
マナーのない読者も有名税かねぇ
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 07:22:48.90 ID:6XbI/DjIO
>>823
どこの世界のかぶき者ですか?
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 07:42:32.57 ID:wXI8LTeAo
まとめサイトいくと明らかにVIPとノリがかわって普通に気持ち悪いな
でも読んじゃうびくんびくん
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 11:55:00.14 ID:8lLzDljAO
[田島「チ○コ破裂するっ!」]くらい自由にやらせてやれよ
>>1のペースだぜ?
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 12:04:32.44 ID:jUmVYJdAO
自由すぎるwwww何が変換されたんだwwww
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 12:09:50.28 ID:LBo6FtgWo
>>830
元がまったく分かんねぇ
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 12:49:17.81 ID:QO29Dpvmo
[アジフライ王国(キリッのドボドボ王子こと荒巻スカルチノフwww ★]
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 12:51:05.24 ID:wXI8LTeAo
使いこなしすぎてもうなんか気持ち悪い
835 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:10:41.14 ID:ye7R/o9xo
カポーン

東方参謀「……ふううぅぅ〜」

ガラッ…スタスタスタ

戦士「……」

東方参謀「…ほぉ、なかなかの筋肉」

戦士「…?」

東方参謀「どれ、やるかね?」

戦士「……遠慮します」

東方参謀「逃げるか?」

戦士「何をやるんだっ!何をっ!!」

東方参謀「決まっておろう、これをこれ!」

パンパン

戦士「……腕相撲?」

東方参謀「それとも、このワシには勝てぬかのぉ」

ピクッ
836 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:11:10.74 ID:ye7R/o9xo
戦士「……言うじゃねぇか」

スタスタスタ…ドンッ!!

戦士「……来なっ!!」

東方参謀「ゆくぞっ!腕相撲ファイトオオォォ!!」

戦士「レディーッ、ゴオオォォ!!」

東方参謀「ふんぬりゃああぁぁ!!」

戦士「ぬぐぐぐぐおおおぉぉ!!」

ガラッ…スタスタスタ

召喚士「……な、何してんの!?」

青年兵「は、ははは……っ」

ザバァ

召喚士「……はーっ、気持ちいい」

青年兵「……」

召喚士「ど、どうかした?」

青年兵「い、いえ…っ」
837 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:11:41.01 ID:ye7R/o9xo
……――

召喚士「でも、青年兵くんって前髪下ろすと……童顔だよね…っ」

青年兵「召喚士さんこそ……っ」

ススッ

召喚士「青年兵くん……?」

青年兵「髪の毛…サラサラですね」

召喚士「は、恥ずかしいよ……っ」

青年兵「す、すみません……」

召喚士「俺も…触って……いい?」

青年兵「……恥ずかしいけど…召喚士さんなら///」

召喚士「……うん///」

キュッ

青年兵「召喚士さんて……大胆なんですね……っ///」

召喚士「青年兵くんだからだよ……っ///」

――……
838 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:12:12.18 ID:ye7R/o9xo
盗賊「……おい」

バシャッ

東方司令「――!?」

盗賊「……ボーッととして…大丈夫か?のぼせたか?」

東方司令「なっ、何でもない!」

ブクブクブク

東方司令(アホな想像している場合じゃない……っ)

魔道士「はぁ〜。広くて気持ちいい〜っ」

盗賊「…うん」

女剣士「ちょっと贅沢なくらいだな」

東方司令(……稟議で承認が降りず、ボクが私財を投じて作り上げた女湯)

魔道士「盗賊さーんっ!」

盗賊「や、やめんかっ!」

女剣士「…仲…いいな」

東方司令(全ては今日のような日の為ではないかっ!この目に焼き付けねばっ!)
839 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:12:47.29 ID:ye7R/o9xo
〜男湯〜

戦士「……あぁー」

ザブザブザブ…バシャッ

召喚士「腕相撲終わったの?」

戦士「ん、ああ」

召喚士「勝った?」

戦士「結局、勝負付かずで引き分けだ」

召喚士「へぇ、東方参謀さんて強いんだね」

戦士「あれで文官とか……反則だろ」

青年兵「ええ…っ。戦う軍師というか……」

戦士「しかしお前も大変だったな」

青年兵「えっ?」

戦士「取材だよ。あの女記者……」

青年兵「い、いや…っ。まぁ大丈夫…でしたよ。はは…っ」

戦士「……そういう発言には見えん」
840 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:13:13.29 ID:ye7R/o9xo
〜客室〜

女記者「……んんっ」

モゾッ……ノソッ

女記者「…ふあぁ〜っ。鬼仮眠とったっす〜」

コンコン

女記者「……?」

テクテクテク…カチャッ

東方副司令「夕飯をお持ちしましたよ」

女記者「おおぉぉ!?これは鬼感謝っすううぅぅ!!」

ガバッ…ガツガツガツ

東方副司令「は、はは……」

女記者「うーん!!鬼美味いっすねええぇぇ!!」

東方副司令「食べ終わりましたら食器は外に……」

女記者「ご馳走様っすううぅぅ!!鬼満足っすよおぉ!!」

東方副司令「……外に置くまでもなく…持って帰ります」
841 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:13:47.66 ID:ye7R/o9xo
カチャカチャカチャッ

東方副司令「入浴も済まされてはどうです?」

女記者「おおお風呂っすかああぁぁ!?」

東方副司令「部屋のシャワーでも構いませんが、女湯もありますよ」

女記者「いやはやっ!至れり尽くせりで鬼感激っすううぅぅ!!」

東方副司令「今なら他の皆さんも入られている頃かと……」

女記者「行ってくるっすううぅぅ!!」

ダダッ!!

東方副司令「あっ!?」

ポトッ…バラバラッ

東方副司令「……手帳っ、落ちましたよ!」

女記者「!?……鬼危ないっすうぅ!なくしたら大変!!」

タタッ

女記者「鬼感謝っすうぅ!!ありがとうございますううぅぅ!!」

東方副司令「……い、いえっ」
842 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:14:15.87 ID:ye7R/o9xo
〜男湯〜

青年兵「でも…そこまでひどいとは思いませんが……」

戦士「そうかぁ?」

召喚士「俺もそう思うけどなぁ」

戦士「へーへー寛大なお方達ですね」

青年兵「可愛らしい方じゃないですか」

戦士「……ほーっ。少佐殿はああいうのが好みか!」

召喚士「へぇ〜っ」

青年兵「ちちっ、違いますって!!」

戦士「照れるなって!確かに大人しくしてりゃ、悪くない……」

青年兵「だから本当にっ、違うんですって!」

戦士「ふぅん……。でもよ、いねぇのか?」

青年兵「へ……っ?」

戦士「好きな奴とか…気になる奴とかよ」

青年兵「…い、いませんよっ!」
843 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:14:53.59 ID:ye7R/o9xo
戦士「……まさか、既に居るとか…!?」

青年兵「いません!!」

召喚士「でも意外だよね。青年兵くんに彼女いないなんて」

青年兵「何が意外なんですかっ!」

戦士「確かになぁ。見た目も身分も良し」

召喚士「頭もいいし、性格だって……」

青年兵「ボクの事はもういいですからっ!」

召喚士「ご、ごめん」

戦士「ちょっと悪ノリしすぎたか…ははっ!」

青年兵「……お、お二人こそどうなんですかっ!?」

召喚士「!?」

戦士「……っと、そうきたか」

青年兵「僕ばっかりずるいですからね!さぁ、先輩方っ!!」

召喚士「ど、どうって……何も……」

戦士「…ああ、本当に何にもない。ビックリするぐらい何にもない」
844 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:15:43.07 ID:ye7R/o9xo
〜女湯〜

ガララッ

盗賊「!?」

女記者「おおぉぉ!?鬼広いじゃないっすかああぁぁ!!」

東方司令「う、うるせーっ!!」

魔道士「この声は、女記者さんですかっ!?」

女記者「おぉ!?皆さんいらっしゃいますかあぁ!?」

タッタッタ

盗賊「…風呂で走ると危――」

女記者「ひゃああぁぁぁぁ!!」

ツルーン…ズザー

東方司令「……お約束な奴だな」

魔道士「大丈夫ですかっ!?」

盗賊「…た、立てるか?」

女記者「鬼痛いっすううぅぅ……」
845 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:16:24.66 ID:ye7R/o9xo
ググッ……ムニュッ…フニッ

盗賊「っ!!」

魔道士「ひゃっ!?」

女記者「う、ううぅぅ……。鬼強打っすうぅ」

モミモミモミッ

盗賊「…や、やめ……っ!!」

魔道士「ひ、ひああぁぁ!!」

女記者「……ん?この両手の柔いモノは何……」

ドキドキドキドキ

東方司令「……っ」

女記者「左手は鬼豊満な……。でも、右手は鬼平たいっすねえぇ」

フルフルフルッ

魔道士「……っ」

盗賊「…いいから……離せ」

女記者「…おおぉぉ!?これは鬼失礼したっすううぅぅ!!」
846 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:17:23.72 ID:ye7R/o9xo
カポーン

女記者「いやぁ、鬼申し訳ないっす。眼鏡外したら鬼見えなくてえぇ」

盗賊「……」

女記者「それに、鬼平たいなどと…鬼失礼な事を」

魔道士「それはもういいですっ!!」

女剣士「……お姉様?」

東方司令「…大丈夫だ。少しのぼせて鼻血が止まらんだけだから」

トントントン

女剣士「…それはいけませんね。上がり――」

東方司令「ません!!」

女剣士「!?」

盗賊「…でも、派手に転んでいたが大丈夫だったか?」

女記者「大丈夫っすよおおぉぉ!鬼巨乳なんで弾きましたからああぁぁ!!」

盗賊「……自分で言うなよ」

魔道士「……くぅーっ!!」
847 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:18:11.84 ID:ye7R/o9xo
〜男湯〜

戦士「…何か騒がしいか?」

召喚士「そ、そう?」

青年兵「でも、女記者さんて凄いですよね」

戦士「はぁ!?」

召喚士「な、何が…?」

青年兵「ああ見えて、本当に熱心な取材というか……」

召喚士「へぇ〜っ!」

青年兵「一字一句漏らす事なく、書き留めているんですよね」

戦士「アイツがか!?……少し見直したな」

召喚士「俺らも女記者さんの取材は見た事ないからね」

青年兵「皆さんの、馬車での他愛ない会話なんかも書き留めてましたよ」

召喚士「本当に!?」

青年兵「ええ。一字一句までしっかり書き留めていましたよ」

戦士「意外な才能だな……」
848 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:18:40.60 ID:ye7R/o9xo
召喚士「でも、大丈夫かな」

青年兵「…?」

召喚士「落としてなくしたりしなければいいけど……」

戦士「全くだな。ていうか、なくすんだろうなぁ……」

青年兵「や、やめましょうよ…っ。そういう推測は……」

戦士「何にせよ、あとはアイツを連れて帰ればおしまいか」

青年兵「そうなんですか?」

召喚士「え…?」

青年兵「女記者さんは、しばらく滞在するって言ってましたよ?」

戦士「何ぃ!?聞いてねーぞ!」

召喚士「……そうだったんだ」

青年兵「ええ。いやまぁ、僕らは何日いて貰っても構いませんけど……」

戦士「……流石にそういうわけにゃいかんよなぁ」

召喚士「う、うん……。むしろ日帰りぐらいの勢いだったし」

青年兵「はは…っ」
849 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:19:22.67 ID:ye7R/o9xo
〜女湯〜

魔道士「そうなんですかぁ!?」

女記者「そ、そうっすよおぉ!鬼滞在するっすよおおぉぉ」

盗賊「…聞いてない」

魔道士「え、ええ…っ」

東方司令「……べ、別にいつまでいても…構わんぞっ」

魔道士「私達、明日には帰るつもりだったのに〜」

盗賊「…うん。置いて帰るしかないか」

ザブッ…ブクブクブク

東方司令「……っ」

女剣士「…お姉様?」

女記者「鬼お気にせずっすううぅぅ!!」

盗賊「…さて、そろそろ出るか」

魔道士「そうですね、出ましょうか!」

女記者「鬼あがるっすううぅぅ!!」
850 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:19:55.03 ID:ye7R/o9xo
〜男湯〜

戦士「そろそろあがるか。長居しちまったな」

召喚士「そうだね、結構長々と――」

ガチャッ…モワアアァァ

青年兵「……っ!?」

戦士「何だこの湯気っ!?あっちぃ!!」

スタスタスタ…シュウウゥゥ

東方参謀「…ん、まだおったのか?」

戦士「こっちの台詞だ!!」

召喚士「な、何をなさってたんですかっ!?」

東方参謀「…サウナだが?」

召喚士「サ、サウナって……何分入ってたんですか……っ」

東方参謀「馬鹿者っ!サウナは長時間入ってこそであろう!!」

召喚士「ひえっ!」

東方参謀「なってない、本当になってないぞ貴様らっ!!」
851 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:20:22.46 ID:ye7R/o9xo


ムワアアァァ

召喚士「…………」

青年兵「…………」

戦士「何で俺らまで……」

東方参謀「五月蝿い!大人しく腕を組み、目を瞑っておれ!!」

戦士「……っ」

ジリジリジリジリ…

東方参謀「……」

チョンチョン

召喚士「…?」

クイッ

戦士(出るぞ!これ以上付き合ってられっか!)

召喚士(で、でもぉ……)

戦士(放っておけ!それより青年兵が危ない!早く出るぞ!!)
852 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:21:16.17 ID:ye7R/o9xo
ソローッ……ササッ

戦士「……ぶはぁー!!」

召喚士「青年兵くんっ!?大丈夫!?」

青年兵「……は、はひぃ…っ」

戦士「少し冷やしてやった方が良さそうだな」

召喚士「……仕方ないっ」

青年兵「……ふひぇ」

召喚士「行けっ、スキュラ!!」

シュイイィィン…キキイイィィン

召喚士「これで…少しは……」

戦士「なんつー無駄な召喚獣の使い方だ……」

召喚士「でも、こうでもしないと……」

青年兵「……んっ」

召喚士「ほらっ、気付いた!青年兵くんっ!?」

戦士「……マジかよ」
853 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:22:51.05 ID:ye7R/o9xo


魔道士「いいお湯でしたー」

盗賊「…それじゃ、おやすみ」

東方司令「よ、良かったら…ボクの部屋で」

女記者「鬼お疲れ様っしたああぁぁ!!」

東方司令「耳元でうるせーっ!!」

女記者「明日は鬼取材、よろしくっすううぅぅ!!」

東方司令「…ああ、はいはい」

タッタッタ…ポトッ

女剣士「・・・おい、手帳」

女記者「はへっ!?ああぁぁ!鬼危ないっすううぅぅ!!」

パシッ

女記者「鬼感謝っすううぅぅ!!おやすみなさいいぃぃぃぃ!!」

東方司令「大丈夫か?あれ……」

女剣士「……私には…分かりかねます」
854 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:24:24.67 ID:ye7R/o9xo
〜次の日〜

女記者「いやはやっ、鬼お世話になりましたああぁぁ!!」

戦士「…大丈夫か?」

青年兵「司令部にいる間は、僕らがいますんで」

召喚士「うん。よろしく」

戦士「きっかけは意外なところにあるもんだぜ?」

青年兵「何の話ですかっ!!」

盗賊「…それじゃ、行くか」

魔道士「では、失礼します!」

青年兵「ありがとうございました」

召喚士「うん。こちらこそ!」

テクテクテクテク

青年兵「……さぁ、司令部内へ戻りましょう」

女記者「はいっすうぅ!!今日も鬼頑張るっすよおおぉぉ!!」

青年兵「…あははっ。頑張りましょう!」
855 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:25:36.97 ID:ye7R/o9xo
ザッザッザッザ…

戦士「……うまく馬車が来ればいいけどなぁ」

魔道士「まぁ、歩いて行ける所までは行きましょうか!」

召喚士「そうですね」

戦士「……青年兵、うまくやってくれるかな」

召喚士「…戦士、まだそんな事言って……っ」

戦士「そっちじゃねぇよ!本来の目的を忘れたのか!?」

召喚士「……だって、戦士が言うとさぁ」

戦士「どういう意味だっ!」

盗賊「…ふっ」

召喚士「あはははっ」

魔道士「えへへっ!!」

戦士「笑うな!!」

無事、女記者を東方司令部へと連れて行き、更には青年兵へ内通者の件を

伝えた召喚士一行。四人は再び、本国へと戻って行った。
856 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:26:55.33 ID:ye7R/o9xo
〜南東国、東の街〜

戦士父「……」

ザッザッザッザ

戦士父「待たせたな」

兄者「……いや。では、参ろうか」

正門前にて立つ長い髭の大男。右手にはこれまた巨大な大刀を携える。

戦士父「……」

両者は無言のまま、正門前を後にし、街の外れへと移動した。

ザッザッザッザッザ

戦士父(……墓?)

兄者「この辺りで良かろう」

戦士父「……ああ」

ザッ

戦士父と兄者。長得物を手にした二人の男が向かい合い、表情を変える。

その背後には質素な、しかしながら手入れの行き届いた墓が佇んでいた。
857 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:27:41.59 ID:ye7R/o9xo
〜南東国、宮殿〜

皇太子「……おはよう」

若文官「これはお早うございます。よく眠れましたかな?」

皇太子「ああ、お陰様でな」

若文官「それは何より、では朝食の支度など……」

皇太子「今朝は随分と人が少ないな」

老文官「皆、稽古や軍務で出ておりまする」

皇太子「熱心だな。良い事だ」

老文官「本国の方こそ、見かけませぬが……」

皇太子「言われてみればそうだな。……もしや」

老文官「……?」

皇太子「いやいや、何でもない。では朝食を頂くとしようか」

若文官「はっ。ご案内致します」

皇太子「……」

口惜しそうな表情を一瞬見せたが、皇太子は笑顔に戻り文官らの後に続いた。
858 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:29:40.70 ID:ye7R/o9xo
ザザッ…ジャリッ…

戦士父「……」

兄者「…………」

弧を描くように、両者はじりじりと間合いを取り合う。

剣士「……」

ヒュンッ…スタッ

剣士「……天才…さん!?」

天才「なかなかの特等席じゃねーか!」

城壁の上から下で展開されている勝負を眺める剣士と天才。

剣士「……どちらも仕掛けませんね」

天才「ヒゲの旦那は昨日の勝負を見てるからな」

剣士「ええ。戦士父さんの動きを見れば、迂闊に踏み込めませんね」

天才「……だろうな」

剣士「…しかし…似ている……っ」

天才「あん?」
859 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:33:10.27 ID:ye7R/o9xo
剣士「いえ…っ、動きが友人に似ていたので……」

天才「どっちだ?戦士父か?」

剣士「ええ。朱雀先生……ご存知ですか?」

天才「……ああ、そーいう事か。なるほどな」

剣士「……?」

天才「あれな、戦士の親父だぞ」

剣士「…………やはり」

天才「不思議なモンだなぁ。教わらずとも似るんだな!」

剣士「え…っ?」

天才「ほれ、余所見してんな!始まるぞ!」

剣士「……っ」

天才(……それにしても、コイツもコイツだ)

剣士「…………」

天才(……一見で早々、判別のつくようなモンじゃねぇぞ?)

二人の動向を見つめる剣士。その横顔を天才が見た瞬間、金属音が鳴り響く。
860 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:34:28.68 ID:ye7R/o9xo
キィンッ!!

戦士父「……っ!!」

兄者「……!!」

剣士「初手は同時っ!」

天才「しかも互角。とは言っても、互いに挨拶みてぇなモンか」

真っ向から武器を振るい、激しくぶつけ合う二人。

しばらくその態勢で睨みあった後、後方へと飛び、またもや間合いを探り合う。

兄者「……どうした!?最初から全力で来るがいい!!」

戦士父「……」

兄者の言葉に呼応し、戦士父は突き刺した戟を左手で拾い上げた。

剣士「二刀流!いや…っ、二槍流とでも言うべきか……っ」

戦士父「は……あぁ!!」

兄者「……ふんっ!!」

戦士父の右手より十字槍が振り上げられ、そこへ合わせるかのように、

兄者の青龍偃月刀が唸りを上げながら、振り下ろされる。
861 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:37:29.46 ID:ye7R/o9xo
ブオォッ!!……ガッギイイィィンッ!!

戦士父「!?」

兄者「分からぬかぁ!」

バランスを崩しよろける戦士父へ、大刀を振り上げながら兄者が叫ぶ。

兄者「初撃で互角だった貴公が、片手で某と打ち合えるはずもなかろう!」

天才「ま、正論だな」

剣士「でも、おかしくないですか?」

天才「アイツがそんな事も分からず仕掛けるかって話だわな」

剣士「……ええ…っ」

――「そりゃ、兄者だって分かってるさ」

剣士「……弟者さん」

ザッザッザ…ドスッ

弟者「誘ってんだよ。隙を作らせようってな」

天才「はーっはっはっは!」

剣士「……」
862 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:39:02.09 ID:ye7R/o9xo
天才「そりゃ、アイツも同じ考えみてぇだな」

少し間を空け、兄者が青龍偃月刀を勢いよく振り下ろす。

グオッ!!

戦士父「……」

ドズウウゥゥンッ!!

剣士「地面が…っ!凄い一撃だな……っ」

舞い上がる土と岩。その影に両者はすかさず間合いを詰める。

ザザザザッ…ブオンッ!!

兄者「来たっ!!」

岩と岩の間から槍が兄者めがけ一直線に轟音を鳴らし、空を切る。

兄者(この投擲をかわせば…っ、その先に――」

クンッ

兄者「!?」

十字槍は突如軌道を変え、地面へとそのまま突き刺さる。

弟者「しくじったか!?」
863 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:39:53.80 ID:ye7R/o9xo
天才「いんや、狙い通りだな!」

ビイイィィンッ

兄者(何が狙い――)

間髪入れず、躊躇する兄者の元へと、次なる投擲が放たれた。

兄者「――!?」

剣士「二発っ!?」

兄者「かわせ……ないか……っ」

止む無く飛び迫る劇を青龍偃月刀で受け止める兄者。

ザザッ…ザザザッ

兄者「……っ!?」

舞い散る地面すれすれの隙間、無表情の人影が走り寄る。

戦士父「……」

ザザザッ…パシッ

一投目に放った十字槍を地面から引き抜き、そのまま前進を続ける人影。

兄者「ちぃ……っ!!」
864 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:41:37.88 ID:ye7R/o9xo
避けようにも間に合わない。そう判断した兄者は、

たまらず手にした得物を投げ捨て、宙に浮く戟を手に振り下ろした。

ブオンッ!!

戦士父「……勝手が違う得物では、どうしても鈍くなる」

兄者「……っ」

振り下ろした戟は十字槍の先端に絡め取られ、再び宙へと舞う。

ビタァ!!

戦士父「……」

兄者「……お……見事…っ」

首筋で寸止めされた十字槍をちらりと見つめ、兄者は声を振り絞った。

天才「終わったな」

剣士「……な、何が…何だか」

弟者「まさか……あの、兄者が……っ」

兄者「……完敗だ」

戦士父「いい勝負だった。感謝する」
865 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:42:32.70 ID:ye7R/o9xo
スッ…ザッ

兄者「まさか、これ程の使い手が世に居ようとはな……」

戦士父「……まだまだ上へいる」

兄者「……」

戦士父「例えば、あの男とか…な」

兄者「……」

天才「……あん?」

ザッザッザ…スッ

戦士父「……では確かに、頂くぞ」

兄者「…約束は約束だ。仕方あるまい、好きにするがいい」

戦士父「……すまんな」

ザッザッザッザ

戦士父「さて、南東国最後の一本、貴方はどうする?」

兄者「……白馬、いたのか」

白馬騎士「……」
866 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:43:11.36 ID:ye7R/o9xo
ザッザッザ

白馬騎士「とても、勝てそうにはありません」

戦士父「……」

白馬騎士「私のこの、白銀の槍。渡すのは結構ですが……」

戦士父「…何だろうか」

白馬騎士「せめて理由をお聞かせ頂けないでしょうか?」

戦士父「……」

白馬騎士「私利私欲…とは思えませんが、流石に納得出来ませんからね」

戦士父「仰る事、ごもっとも」

ザッザッザ

戦士父「魔王を倒す為、という理由では駄目かな?」

白馬騎士「魔王を……?」

バッ…スタッ…ザッザッザ

天才「ゾディアック…って知ってっか?」

白馬騎士「……いえ、存じませぬ」
867 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:44:56.59 ID:ye7R/o9xo
天才「むかーし昔の大昔、一本の槍がありました」

戦士父「……」

天才「その槍はどこから来たとも知れず、天から降ってきたそうです」

白馬騎士「……」

天才「かつて、この世界を我が物としていた魔王……サタン」

剣士「……サタン」

天才「魔王サタンの元へ、一直線に天から突き刺さりました」

白馬騎士「……っ」

天才「サタンは魔力を半分以上失い、地上を離れました」

弟者「おとぎ話…か?」

天才「しかしその時の威力で、地上の大陸はブチ割れてしまいましたとさ」

兄者「それが……」

天才「あまりの威力に、目を付けた人間達が、こぞって自分の物にしようとした」

剣士「……」

天才「しかし使いこなす事は出来ず、永らくの間、行方不明となった」
868 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:45:51.61 ID:ye7R/o9xo
白馬騎士「……」

天才「ところがだ。ちょいと前に、一人の人間が古代の文献に目を付けた」

戦士父「……」

天才「そいつは、その槍を手に入れて魔物を殲滅しようと考えた」

弟者「……ほぅ」

天才「だが、そいつはとんだ悪党でな。魔物どころか人間も殺し始めた」

兄者「ど、どういう事だ…!?」

天才「自分が地上の王になろうと目論んだんだよ」

剣士「……っ!!」

天才「まぁ、それも未遂で終わったけどな」

白馬騎士「どうなったのです……?」

天才「人間として生きられなくなったそいつは、魔物の所へ去って行った」

剣士「……なんて事を……っ」

天才「元々、魔物を使って色々してたみたいでな」

弟者「そ、それで…?」
869 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:46:35.08 ID:ye7R/o9xo
天才「結局、そんなあぶねぇモンは封印しようって事になってな」

白馬騎士「……まさか」

天才「一人の鍛冶職人が1本の槍を解体し、12本の槍へと分裂させたのさ」

剣士「――っ!!」

兄者「な、なんと……っ!!」

白馬騎士「それが……この……」

天才「そういう事。お前らの持っていた3本の槍、それはゾディアックだ」

戦士父「…まぁ、そういう経緯だ」

白馬騎士「……っ」

天才「柄の部分に紋章が入ってんだろ。あれば本物だ」

スッ

白馬騎士「……紋章……確かに」

弟者「で…でもよっ、あんたらはそんな危ないモンをまた……」

天才「よーやく使い手が現れたのさ。……ここにな!」

戦士父「……」
870 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:47:16.06 ID:ye7R/o9xo
剣士「戦士父…さんが……」

天才「それでも賭けだけどな」

戦士父「ああ。それにそれ以前の問題かもしれんしな」

弟者「それ以前?」

白馬騎士「…再構築の為の、鍛冶職人ですか」

天才「ビンゴ!やるね、アンタ」

兄者「確かにな。元ある1本の姿hwと戻せぬ限り……」

剣士「利用出来ない…ですね」

天才「……ま、なるようになるんじゃねーの?」

戦士父「…気楽に言わんで下さい」

天才「……はーっはっは!さーて、勝負も終わったし戻るかねぇ」

テクテクテク…

戦士父「では、失礼する」

ザッザッザ

剣士「……」
871 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:48:57.54 ID:ye7R/o9xo
白馬騎士「……お待ち下さい」

戦士父「…?」

白馬騎士「…貴方達の意思は分かりました」

ザッザッザ

戦士父「……」

白馬騎士「……」

ズイッ

白馬騎士「……託します。お持ち下さい」

戦士父「……いいのか?」

白馬騎士「半ばおとぎ話で、そのような力があるとは信じられません」

天才「…はーっはっは!そりゃそうだわなっ!」

白馬騎士「しかし、嘘をついているとも思えません」

戦士父「……」

白馬騎士「この槍がお役に立つのでしたら、喜んでお渡し致します」

戦士父「……有難い」
872 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:50:02.05 ID:ye7R/o9xo
パシッ

天才「……これで何本だっけか?」

戦士父「手持ちは5本だ」

天才「かぁ〜。先の長い話だこと……」

ザッザッザ

剣士「あ、あの……っ」

兄者「先に戻っていてくれ。すぐに行く」

剣士「……失礼します!」

タッタッタッタッタ

弟者「…まさか、そんな物だったとはなぁ」

兄者「言い伝え通りの威力とは思えぬが、きっと素晴らしい得物なのだろう」

白馬騎士「ええ。そうでしょうね」

弟者「それが俺らじゃなくて、あの男を選んだわけか……」

兄者「使い手としては悔しい限りだが、実力を見る限り……仕方ない、か」

白馬騎士「ええ。きっと……騎都尉も納得してくれるでしょうね」
873 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/22(火) 18:52:29.61 ID:ye7R/o9xo
ザッザッザッザ

戦士父「そっちはどうなのだ?」

天才「あん?」

戦士父「集まっているのか?」

天才「ああ、もう余裕余裕」

剣士「…?」

天才「つーかよ、こっちは所在が明確なんだから難しくはねーよ」

戦士父「…確かにそうか」

天才「それに、まだ早い。きっかり五年目に仕上げるさ!」

戦士父「……」

天才「んな事より、これから悲願の同盟だろうが!見物に行くぞ!」

剣士「あ、ち…ちょっと…っ!?」

タッタッタッタッタ

南東国にて3本のゾディアックを手に入れた戦士父。

そしていよいよ、本国と南東国間における同盟が結ばれようとしていた。



〜第三十八部、完〜
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 18:55:51.36 ID:ye7R/o9xo
なんだか長くなりそうなので一度切っておきますー
そして王子の人気は未だに安定……

>>818
こ、これは……

>>823
ありがとうございます!リクさえあればやるですよー!

それでは失礼をば!多数のご支援ありがとうございました!ノシ
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 19:42:43.44 ID:zh7e4lkjo
五虎将の計4本(1本は偽戦士ので正規品ではなし)
北の村で戦士から渡された1本。
マーマンとオークの計2本。
国軍の騎士なんとかが1本。
天才の東方と西方にあるという1本ずつと国軍のまだ見ぬ1本。

残り1本が行方不明なのかな?
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 19:44:19.03 ID:LwbBa0XVo
最後の一本は皆の心
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 19:50:10.15 ID:KdlL3sNQP
 ヽ('A`)ノ トキハナテゾディアック!
  (.∩)
  ノω|
   ↑心
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 20:06:12.48 ID:XeauNBGIo

 __[警]
  (  ) ('A`) 
  (  )Vノ )
   | |  | | 
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 20:34:03.38 ID:zh7e4lkjo
十文字槍〜第十二部〜 北方…国軍⇒戦士⇒戦士父
多股の槍〜第十二部〜 北方…国軍⇒戦士⇒オーク
槍〜第十三部〜 華国…白馬騎士⇒戦士父
戟〜第十三部〜 華国…騎都尉⇒戦士(〜第二十三部〜 偽(前)にて偽戦士⇒戦士父)
三叉の鉾〜第十四部〜 火山…マーマン
形状不明〜第二十二部〜 北戦役…騎士団長
青龍偃月刀〜第三十部〜 南方華…兄者⇒戦士父
蛇矛〜第三十部〜 南方華…弟者⇒戦士父
国軍1本(戦士父談)、西方1本(天才談)、東方1本(天才談)

騎都尉はそういや五虎将じゃなかった、錦将軍の槍はゾディアックじゃないのか。
結局1本は行方不明か。
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 20:51:35.06 ID:pemThkq50
>>879
GJ
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 21:18:18.11 ID:BU/rGmQXo
騎士団長の槍と国軍の槍は同一じゃなくて?
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 21:51:31.32 ID:38CICdkSO
議会編の時に タルウィの洞窟の近くにある 南西の砦 だかの 砦長が持ってたよな
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 22:06:57.72 ID:mZg74ScAO
>>1おつ
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 22:17:05.83 ID:t72WqAsFo
>>882
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/855-857
これか
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 22:22:35.76 ID:/tMheRqAO
>>839
秘技!! シビリアアアアァァァンコントロオオオォォオォオオル!!!
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 23:47:48.33 ID:zh7e4lkjo
>>881
戦士父が国軍に2本と言ってる。
1本が騎士団長でもう1本が>>884の南西砦長のトライデントか。
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 00:20:39.02 ID:3SdGajkDO
こういう武器集めとか召喚獣集めとかみたいな話は好きだ
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 00:38:45.39 ID:v/3SbvLro
ついにこの世界の神話が出てきたな
そのまま過去編へ突入なんて
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 02:00:57.18 ID:x3Oq48wS0
>>885
また懐かしいネタをww
890 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:42:09.78 ID:bEqCD9QEo
女記者「えっ、夢っすかあぁ?」

青年兵「ええ」

女記者「うーんと、いつかは鬼すっごいスクープとか取りたいっすねえぇ!!」

青年兵「スクープ…ですか?取材で?」

女記者「そうっすよおぉ!記者としては鬼憧れっすううぅぅ!!」

青年兵「なるほどっ。素敵な夢じゃないですか!」

女記者「そそそそうっすかああぁぁ!?鬼照れるっすねええぇぇ!!」

青年兵「ははっ!お互い頑張りましょう!」

女記者「鬼頑張りましょおおぉぉ!!」

青年兵「さてと、そろそろ……」

チョン

青年兵「あ、すすすみません……っ!」

女記者「ここここちらこそおおぉぉ!鬼すみません!!」

青年兵「そ、それでは…っ、おやすみなさい!」

女記者「おおおおやすみなさいっすううぅぅ!!」
891 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:42:50.76 ID:bEqCD9QEo

召喚士「行けっ!コカトリス!!」

    〜第三十九部〜
892 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:43:21.41 ID:bEqCD9QEo
〜南東国、宮殿〜

側近「どうぞ、お掛け下さいませ」

皇太子「うむ」

広間の中央、長机を挟み、皇太子と三男が顔を見合わせた。

その背後には、それぞれの護衛や重鎮が佇み、室内の空気を重くしている。

白銀騎士「形式上のものですので、ご容赦下さいませ」

場の空気を和らげようと、白馬騎士は口元を緩め声を発した。

皇太子「分かっている。お気遣いなく」

白馬騎士「……ははぁ」

老文官「ではこれより、本国、並びに華国における同盟の――」

テクテクテク

戦士父「……?」

剣士「どうしました?……ボソボソ」

戦士父「…失礼」

剣士「……?」
893 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:44:04.97 ID:bEqCD9QEo
テクテクテクテク

戦士父「…どこへ?」

天才「あぁ?帰るんだよ、かったりぃ」

戦士父「自分で悲願の同盟とか、記念すべきとか……」

天才「もう結んだも同然だろ!十分だよ」

戦士父「だからとて途中退室など……」

天才「あんなクソだるい話、聞いてられっかってんだ」

戦士父「……」

天才「それに、まだやる事があるんでな」

戦士父「……はぁ」

天才「殿下の護衛、代わりに頼んだぜ!はーっはっは!」

戦士父「おいっ!?」

シュバッ

戦士父「……相変わらず…勝手な人だ」

腰に手を当てため息を吐くと、戦士父は広間へと戻って行った。
894 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:44:37.56 ID:bEqCD9QEo


若文官「それでは、調印をお願い致します」

皇太子「……」

スクッ

右大臣「殿下…?」

皇太子「この内容、異議を唱えたいのだが」

ドヨッ

老将軍「……異議じゃと?」

側近「あの…っ、内容に何か問題でも……?」

皇太子「この内容によると、互いに無条件での同盟と相成っている」

白馬騎士「如何にも。それが…何か?」

皇太子「本当に良いのか?」

若文官「……と、申されますと?」

皇太子「これでは南東国にとって、メリットがないように思えるが」

ザワザワッ
895 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:45:05.74 ID:bEqCD9QEo
右大臣「殿下っ、何を申しておるのです!?」

三男「私達は同盟を結ぶ事さえ出来れば、満足ですよ?」

白馬騎士「陛下の仰る通りです。何もそれ以上の事など……」

皇太子「しかし、それでは本国の勝手な都合のようにしか思えぬのだ」

側近「……では、どうしろと仰るのです?」

皇太子「そうだな……」

白馬騎士「……」

皇太子「我が国の技術を譲るというのはどうかな?」

右大臣「――っ!?」

白馬騎士「……軍事…技術という事ですか?」

皇太子「いや、それだけではない」

錦将軍「……っ」

皇太子「鍛冶や建築、必要な技術は包み隠す事なくお伝えしよう」

側近「しかしながら、それでは……っ」

皇太子「……ふむ。ならば交易ルートも切り拓こうではないか」
896 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:45:32.12 ID:bEqCD9QEo
ザワザワザワッ

若文官「……」

皇太子「南東国は海に面しておらぬ分、陸路にはなってしまうが……」

三男「……」

皇太子「南方から街道を引けば、問題はなかろう」

白馬騎士「……何故」

皇太子「ん?」

白馬騎士「何故、そこまで…っ。これでは逆に華国が――」

皇太子「それだけ、この同盟には価値があるという事だ」

白馬騎士「……っ」

三男「本当に宜しいのですね?」

皇太子「うむ。こちらにとっても好都合だ」

三男「……では、お言葉に甘えると致しましょう」

皇太子「うむ」

三男「それと、もう一つ……」
897 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:45:59.67 ID:bEqCD9QEo
皇太子「何かな?」

三男「ここより南の地、山を越えた遥か南の地です」

皇太子「……」

三男「その地を、本国の領土とは扱わないで頂きたいのです」

右大臣「……南東国の領土と、認めろと……?」

三男「そうではありません。誰も、どの国も統括しない地にして頂きたいのです」

皇太子「……成程。相分かった」

三男「ありがとうございます」

老文官「そ、それでは……以上の項目を追記する形で宜しいですかな?」

皇太子「異論はない」

三男「頼みます」

老文官「……では、追記の上で調印をお願い致します」

皇太子「うむ」

三男「はい」

たかが紙切れ一枚。されどそこに、人々の未来が詰まっていた。
898 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:46:30.60 ID:bEqCD9QEo


側近「それでは、以上にて調印式を終了致します」

老文官「それでは会食の手筈を整えます故、今しばしお待ちを……」

ザワザワザワ

弟者「終わった終わった」

兄者「これで、我らの務めも終わりだな」

弟者「……?」

錦将軍「おいおい、武器奪われたくらいでそんな……」

兄者「そうではない。今後は本国主体の戦いとなる」

老将軍「そういう事じゃ。我らの戦い方では魔族にゃあ勝てん」

弟者「んな事ぁねーだろっ!」

兄者「では何故、華国は魔物の手に落ちたのだ?」

弟者「……っ」

老将軍「本国のような、新しい戦い方を持ってせねば…太刀打ちできんのじゃよ」

錦将軍「……ちっ!」
899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:47:03.38 ID:bEqCD9QEo
カツカツカツ…

白馬騎士「しかし、務めが終わり…というわけではありませんよ」

兄者「白馬の……」

白馬騎士「貴方達は個々の武を持っておられる」

弟者「……」

白馬騎士「それは他国にはなき力です」

兄者「…つまり、我らが指南役になれと?」

白馬騎士「一人一人が個々の武を高め、その上で近代戦術が用いられる…」

老将軍「成程のぉ。そうすればその威力は数倍にも増す、というわけじゃな?」

白馬騎士「それだけではありません」

弟者「…?」

白馬騎士「スグリーヴァ様の下に集う魔物達……」

兄者「まさか…っ。魔物らにも指南を…!?」

白馬騎士「彼らは既に、個々の武を有しております」

錦将軍「戦い方させ覚えりゃ、その力は更に……」
900 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:47:32.19 ID:bEqCD9QEo
白馬騎士「ええ。そしてそれを率いるのも我らだと思っております」

弟者「魔物の軍勢を率いるってのか!?」

白馬騎士「おや、不服ですか?」

弟者「……まさか。楽しみでならねぇよ!」

錦将軍「……」

弟者「異形の奴らを従えて戦なんざぁ、想像にも及ばねぇ!」

白馬騎士「貴殿ならそう言ってくれると思ってましたよ」

錦将軍「でも、本当に魔物と……」

白馬騎士「私とて信じられませんよ。未だにね」

錦将軍「……っ」

白馬騎士「しかし、私は信じますよ。あの方が切り拓いてくれた道……」

兄者「……」

白馬騎士「次男様が切り拓いてくれた、新たな道を」

老将軍「……一介の、旅の法師ではなかったかの?」

白馬騎士「……ははっ、そうでしたね」
901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:47:59.60 ID:bEqCD9QEo


皇太子「……天才はどうした?」

戦士父「…去りました」

右大臣「あやつ、勝手な真似を……っ!」

皇太子「まぁ良い。ここまでくれば心配もなかろう」

戦士父「念の為、本国まで私が同行します」

皇太子「すまんな。世話をかける」

戦士父「キミはどうする?」

剣士「はい。折角ですので、華国へ少し滞在してから村へ帰ります」

皇太子「そうか。此度は本当にご苦労であった」

剣士「いえいえっ、結局お力にもなれず……」

右大臣「そのような事はない。大変、助かったぞ」

剣士「……あ、ありがとうございます」

皇太子「さて、皆がお待ちかねだ。我らも行こう」

剣士「はい!」
902 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:48:34.73 ID:bEqCD9QEo
〜東方司令部〜

女記者「ささっ!鬼遠慮せずどうぞおおぉぉ!!」

東方司令「……」

女記者「……どうしたっすかああぁぁ!?」

東方司令「キミさ、ボクの取材じゃないの?」

女記者「そうっすよおおぉぉ!!」

東方司令「何でボクが自発的に喋らなきゃいけないんだよっ!」

女記者「鬼心配なくううぅぅ!!一字一句、鬼書き止めるっすよおぉ!」

東方司令「だからっ、違うだろ!!」

女記者「違くないっすよおぉ!さぁさぁどうぞおおぉぉ!!」

東方司令「……キミ、馬鹿にしてるだろ?」

女記者「鬼真面目っすよおぉぉ!!」

東方司令「…………」

女記者「まずは生い立ちから現在までどうぞおおぉぉ!!」

東方司令「何時間かけるつもりだ!!」
903 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:49:37.53 ID:bEqCD9QEo
〜ターミナル〜

召喚士「いやぁ、助かりました。ありがとうございます」

御者「へへっ!虫の知らせってやつです!」

戦士「本当かよ……?」

御者「実はそろそろじゃないかと、張っていたんですよっ」

盗賊「…!?」

魔道士「そ、そうなんですか…!?」

召喚士「そんないつになるのか分からないのに…わざわざ……」

御者「いえいえっ、日の出とともにですから、そんな時間は……」

戦士「日の出!?何時間待ってたんだよ……っ」

御者「気にしないで下せぇ!旦那らが乗ってくれりゃあ、こっちも鼻が高い!」

召喚士「……はぁ」

戦士「どーせまた、宣伝に使おうって腹だろ」

御者「う…っ。ま、まぁ…持ちつ持たれつって事で!わははっ!」

盗賊「…貪欲だな」
904 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:50:11.06 ID:bEqCD9QEo


船員「まもなく出航致します。お乗りの方は――」

召喚士「本当にありがとうございました」

御者「いえいえ、また宜しくお願いします!」

盗賊「…それじゃ」

スタスタスタ

御者「お気を付けて〜っ!!」

魔道士「はーいっ!ありがとうございますー!」

戦士「これで懸念材料はスッキリしたワケだが……」

召喚士「次はどうしようかね?」

魔道士「召喚獣はもういいんですか?」

召喚士「ええ、今のところは大丈夫…ですかね」

戦士「とりあえず、本国に戻って考えるとしようか」

盗賊「…そうだな」

召喚士「うんっ!」
905 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:51:05.95 ID:bEqCD9QEo
〜南東国、宮殿〜

皇太子「では、此度はまこと…感謝致す」

三男「こちらこそ。もっとゆっくりなされば良いのに……」

皇太子「いやいや、こちらもやらねばならぬ事があるのでな」

若文官「そうですか……」

皇太子「それに、いち早くこの事を皆に伝えたい」

右大臣「そうですな」

白馬騎士「では、落ち着きましたらまた後日、ゆっくりと……」

皇太子「ああ。そうさせて頂こう」

三男「必ずや」

皇太子「うむ。それに落ち着いたら、顔合わせもせねばならんな」

側近「……?」

皇太子「各国の首脳が集まり、一度話し合わねばならん」

三男「楽しみにしております」

皇太子「宜しく頼むぞ」
906 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:52:27.44 ID:bEqCD9QEo
ザッザッザ

皇太子「待たせたな、行こうか」

戦士父「はっ」

右大臣「では剣士殿、我らはこれにて失礼するぞ」

剣士「はい。道中、お気を付けて」

門兵「馬をお連れ致しました!」

皇太子「ご苦労。では参ろうか」

ザザッ

皇太子「ご家族にも宜しく伝えてくれ」

剣士「ありがとうございますっ!」

皇太子「はぁっ!」

グイッ…ドドッドドッドドッ…

白馬騎士「……本国の殿下、器の大きいお方だな」

剣士「白馬騎士さん…。ええ、僕もそう思います」

二人は去りゆく馬が見えなくなるまで、その姿を見送った。
907 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:53:07.37 ID:bEqCD9QEo
〜東方司令部〜

東方司令「……はぁ」

女剣士「お疲れのようですね」

コトッ

東方司令「ありがとう」

女剣士「食べる物もお持ちしますか?」

東方司令「要らない。食欲ない」

女剣士「珍しいですね、お姉様が食欲ないなんて」

東方司令「どういう意味だ。普段だってそんな食べてないだろ」

女剣士「……そういう事にしておきます」

東方司令「キミは食事、済ませたのか?」

女剣士「ええ。入浴も先に失礼致しました」

東方司令「そっか……。ボクももう寝るよ。おやすみ」

テクテクテク

女剣士「……本当に…珍しい」
908 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:53:37.75 ID:bEqCD9QEo
テクテクテクテク

青年兵「……あっ」

女記者「おぉ!?お疲れ様っすうぅ!!鬼警備っすかああぁぁ!?」

青年兵「い、いや……っ。まぁそういう事にしておきます」

女記者「鬼流石っすねええぇぇ!!」

青年兵「ど、どうも。東方司令の取材は終わったのですか?」

女記者「もう鬼バッチリっすよおぉ!!」

青年兵「それは何より。いい記事かけそうですか?」

女記者「うぅん……それは鬼難しい質問っすねえぇ!」

青年兵「!?」

女記者「いやぁ、鬼頑張るっすよおぉ!」

青年兵「え、ええ…っ。頑張りましょう」

女記者「青年兵さんはっ、鬼頑張ってるっすよねえぇ?」

青年兵「ま、まぁ……一応……」

女記者「鬼偉いっすよおぉ!夢のために頑張ってるなんてええぇぇ!」
909 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:54:20.31 ID:bEqCD9QEo
青年兵「あ、ありがとうございます」

女記者「将来は大元帥っすよねえぇぇ!?」

青年兵「いやっ、まぁ…なれたら…ですけどね。ははっ」

女記者「鬼志高いってのはあぁ、良い事っすよおおぉぉ!!」

青年兵「そうですね。手に届く夢より、もっと…遥かな高み……」

女記者「うんうんうんっ!!」

青年兵「でも、全ては一つの想いの為です」

女記者「ほうほうっ!!」

青年兵「人の為に生きろ。……小さい頃から母に言われてきた言葉です」

女記者「おおぉぉ!!良いお母様っすねええぇぇ!!」

青年兵「口煩いだけですよ。はははっ」

女記者「いやいやいやっ、そんな事ないっすよおぉぉ!」

青年兵「でも今は、僕もそう思ってます。本当にその通りだな…って」

女記者「人の為に……なかなか出来る事じゃないっすからねえぇ!」

青年兵「頑張りますよ!……女記者さんは夢、何ですか?」
910 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:55:12.57 ID:bEqCD9QEo
女記者「えっ、夢っすかあぁ?」

青年兵「ええ」

女記者「うーんと、いつかは鬼すっごいスクープとか取りたいっすねえぇ!!」

青年兵「スクープ…ですか?取材で?」

女記者「そうっすよおぉ!記者としては鬼憧れっすううぅぅ!!」

青年兵「なるほどっ。素敵な夢じゃないですか!」

女記者「そそそそうっすかああぁぁ!?鬼照れるっすねええぇぇ!!」

青年兵「ははっ!お互い頑張りましょう!」

女記者「鬼頑張りましょおおぉぉ!!」

青年兵「さてと、そろそろ……」

チョン

青年兵「あ、すすすみません……っ!」

女記者「ここここちらこそおおぉぉ!鬼すみません!!」

青年兵「そ、それでは…っ、おやすみなさい!」

女記者「おおおおやすみなさいっすううぅぅ!!」
911 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:56:02.04 ID:bEqCD9QEo
タッタッタッタッタ

青年兵「……」

触れた指先をじっと見つめると、少し震えていた。

青年兵「……」

別に意識を持ったつもりもなかったけど、昨晩の言葉が頭をよぎった。

戦士『……ほーっ。少佐殿はああいうのが好みか!』

召喚士『へぇ〜っ』

青年兵「……あはは」

見つめた指先を折り曲げると、拳が出来た。震えは止まった。

青年兵「そんな事している場合じゃないだろっ、青年兵!」

……俺、何言ってんだろ。何考えてんだろう。

青年兵「……ばーか」

緩んだ口元を閉めなおし、右足を一歩前へと出した。

ドズウウゥゥンッ!!…グラグラグラッ

青年兵「――っ!?」
912 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:56:38.69 ID:bEqCD9QEo
タッタッタッタッタ

東方兵「火災発生っ!!火災発生ーっ!!」

東方参謀「何事かぁ!?」

当方兵「西地区より火災発生!状況確認中ですっ!!」

東方参謀「……っ!!」

ババッ

東方参謀「魔道兵っ、消化班を作り、即座に西へ回れいっ!!」

魔道兵「ははっ!行くぞーっ!!」

タタタッ…スタッ

女剣士「何が起きているのだ……っ!?」

ドンドンドンッ

女剣士「お姉様ーっ!?」

ガチャッ

東方司令「何事かっ!?」

女剣士「分かりませんっ!爆発音と火の手が……」
913 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:57:18.65 ID:bEqCD9QEo
ゴアオォッ!!…ドドオオォォ…

青年兵「……ぐ……うっ」

パチパチパチッ

青年兵(何が……起きた!?)

グッ

青年兵「痛……っ!!」

炎に包まれた四方。倒れた青年兵は痛みの走る足元を見つめる。

青年兵「……ちぃ……っ」

崩れた天井の破片が突き刺さる左足。

青年兵「……う……あぁーっ!」

ググッ…ブシュッ!!

青年兵「……はぁ……はぁ…はぁ…っ」

カランッ…ヨロヨロッ

青年兵「……誰かーっ!誰かいるかーっ!?」

足を引き摺りながら、青年兵は他に人が居ないか必死で叫んだ。
914 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:57:50.04 ID:bEqCD9QEo
ゴウッ!!…バチバチバチバチッ

崩れた西の塔。その内部で一人の男が笑う。

東方魔道長「……くっくくく!」

パキッ…ザッザッザ

東方魔道長「!!」

ザッザッザ

――「…………」

東方魔道長「ご命令通りに――」

ザッザッザッ……ガシィッ

東方魔道長「――!?」

――「派手にやりすぎなんだよ」

東方魔道長「が……は……っ」

――「……確かに足はつかないが、美しくないんだよ」

東方魔道長「……ごあ……ぁ」

――「……」
915 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:58:16.94 ID:bEqCD9QEo
東方魔道長「……ぐ……ぶ…ぁ」

ガクガクガクッ……ゴキイィ!!

――「……」

ドサッ

東方魔道長「…………」

首の骨をへし折られ、床へ崩れ落ちた東方魔道長が炎に包まれる。

――「……フン」

パキィ

――「……?」

クルッ…ザッザッザッザ

――「……何故、このような所へいる?」

ザッザッザッザッザ

――「見たからには……生かしてはおけないな」

女記者「あ……あぁ……っ!!」

――「……死ね」
916 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 18:58:51.60 ID:bEqCD9QEo


ゴウッ!!

東方参謀「馬鹿者ぉーっ!!早く消化せんかぁー!!」

魔道兵「撃てぇーっ!!」

ドドオオォォン!!…ギキイイィィンッ!!

東方参謀「ええいっ、どけえぇい!!」

キュイイィィ…

右手を握り締め、東方参謀はそれを勢いよく突き出し開く。

東方参謀「かああぁぁーっ!!」

ドオオォォンッ!!…ガギギギギイイィィンッ!!

東方参謀「……爆発っ!!」

ドゴオオォォンッ!!

魔道兵「道が開けたぞっ!!」

東方兵「衛生兵っ、後に続けぇ!」

中央にぽっかりと出来た氷の道。救援の兵らが一斉になだれ込んだ。
917 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 19:00:07.25 ID:bEqCD9QEo
ドガァッ!!…メラメラッ…バチッ

青年兵「……ぐっ」

ズリッ…ズリッ…

青年兵「――!?」

キラッ

青年兵「誰かっ!?……いるのか!?」

――「……ちっ」

タタッ…バッ

青年兵「そっちは危険だぞっ!!」

ガラガラガラッ…ゴウッ!!

青年兵「……っ!!」

窮地であるにも関わらず、青年兵は冷静に現状を把握していた。

青年兵(……何故、逃げる必要がある!?)

前方を走り去る影の正体。その結論を見出すと共に、既に行動は為されていた。

青年兵「出でよっ!ワイバーン!!」
918 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 19:01:28.56 ID:bEqCD9QEo
シュイイィィン

ワイバーン「カアァァーッ!!」

ゴウウゥゥッ!!

ワイバーンの両翼より繰り出される突風が一瞬にして周囲の炎を吹き飛ばす。

青年兵「……」

一瞬、炎の中に垣間見えた、横たわる女性。

青年兵「…………」

炎は再び勢いを取り戻し、景色はまた戻る。

ワイバーン「青年兵っ、ターゲットが――」

ドドオオォォンッ!!…スガアアァァァァッ!!

ワイバーン「なっ――」

ドッゴオオォォンッ!!

青年兵「…………」

一撃の元に消滅するワイバーン。それと同時に膝をつく青年兵。

人影はにやりと笑い、炎の中へと姿を消した……。
919 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/23(水) 19:03:53.71 ID:bEqCD9QEo
タッタッタッタッタ

東方兵「青年兵様っ!!」

青年兵「…………」

東方参謀「無事かっ!?」

魔道兵「撃てぇ!!消化しろーっ!!」

ドドオオォォンッ!!…ギキイイィィンッ!!

青年兵「…………」

東方参謀「衛生兵っ、こやつの足を……」

グイッ

東方参謀「……?」

青年兵「……だって、さっきまで……笑顔だったじゃないか」

東方参謀「青年兵……?」

青年兵「あんなに元気でさ……笑ってたじゃないか……」

東方兵「人が倒れているぞっ!!衛生兵ーっ!!」

青年兵「夢だって……言ってた……じゃ……」
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/23(水) 19:06:25.14 ID:bEqCD9QEo
うわぁ…凄い中途半端になっちまった……
絶対言われるんだろうなこれ。先に謝りますごめんなさい

>>879
ありがとうございます!
国軍は2本。一つは南東、もう一つは騎士団長の槍っす

では、失礼致します!ご支援ありがとうございました!ノシ
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 19:16:59.88 ID:tKKceyieo
またいいところで区切ったなぁ……
乙!
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/23(水) 19:17:35.05 ID:W/9m0m5DO
寸止め>>1
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 20:04:24.25 ID:Bj8/B75DO
>>1先生は焦らしの天才や!!
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 20:11:38.09 ID:cRP2WM6DO
>>1乙!

なんて止め方するんだ・・・
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 20:22:41.84 ID:n9LC8/0AO
>>1

まだ知らないんだ…
俺には寸止めは効かないって事。
止めても余力で結局イっちゃうんだぜ
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 21:38:10.29 ID:8GImv2HAO
このドSめwwww

>>1
927 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:22:23.12 ID:WYQV+q5yo


東方兵「いいぞ、そのまま束で担いでくれっ」

ガラガラッ…ゴトッ

魔道兵「こっち、まだ小火が残ってるからなぁ!」

ザッザッザ…パキッ

東方司令「酷いものだな……」

衛生兵「司令…っ!」

東方司令「状況は?」

東方参謀「西地区及び、塔はほぼ全壊」

女剣士「……っ」

東方司令「他は?」

東方参謀「副司令が確認しておるそうだ」

カラカラカラッ

東方副司令「被害はどうやら、西地区のみのようですね」

東方司令「……そうか」
928 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:23:02.50 ID:WYQV+q5yo
ザッザッザッザ…

東方参謀「……青年兵」

青年兵「…………」

東方司令「…ん?どうした、どこかやられたか?」

東方参謀「…足を少々な。だがそれよりも……」

東方司令「……?」

クイッ

東方副司令「あれは……」

東方参謀「女記者……と言ったか」

東方司令「……っ」

東方参謀「……即死だ。駆けつけた時にはもう…な」

東方司令「……そうか」

東方副司令「何故……っ」

東方参謀「火事のせいではなさそうだ。手を加えた形跡がある」

東方司令「……」
929 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:23:32.67 ID:WYQV+q5yo
ザッザッザッザ…スッ

東方司令「…………」

女剣士「……」

ザザッ…クルッ

東方司令「…キミは、黙祷したのか?」

青年兵「……」

東方司令「青年兵、キミに話しかけているのだが?」

東方副司令「…司令、今はそっと――」

スクッ…ザッザッザッザ

青年兵「……顔を」

衛生兵「し、しかし…っ、火傷や破損が酷く……」

青年兵「顔を」

衛生兵「は、はい……っ」

ファサ…

青年兵「…………」
930 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:24:17.38 ID:WYQV+q5yo
スッ…クルッ…ザッザッザ

東方参謀「……大丈夫か?」

青年兵「ああ、足ですか?それならほら、衛生兵のお陰でこの通り」

プラプラ

東方参謀「そうではない。お前自身――」

青年兵「僕ですか?他には問題ありませんよ」

東方副司令「……っ」

青年兵「……たかが、記者が一人死んだだけではないですか」

女剣士「……」

青年兵「それ以上の何があるっていうんです?」

東方司令「……全員、司令室へ来い」

ザッザッザ

東方副司令「現場はそのまま保存、立ち入り禁止にするように」

東方兵「かしこまりました!」

東方参謀「消火班も完全に鎮火するまで急ぐのだぞ!」
931 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:24:56.93 ID:WYQV+q5yo
〜司令室〜

東方司令「…つまり、何者かを見たというのだな?」

青年兵「はい、間違いありません。それが犯人でしょう」

東方参謀「ただの火事ではないな。故意に引き起こされたものだ」

女剣士「内部の…人間でしょうか?」

東方副司令「それは分かりませんが、人間である事は間違いないですね」

東方参謀「ああ。結界石の壁の……しかも内部だからな」

東方司令「一応聞くが、人型だな?」

青年兵「はい。シルエットからして女性ではないと思います」

東方副司令「か、顔は見ておられないのですか?」

青年兵「……残念ながら。フードのような物も被っていたようですし」

東方司令「損害は?」

東方副司令「人の少ない場所が幸いし、死者は2名。一人は身元確認中です」

東方参謀「あとは…全壊した西の塔に保管してある、内部資料のほぼ全てだな」

青年兵「内部資料……?」
932 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:25:33.45 ID:WYQV+q5yo
東方参謀「うむ。それから軍馬と食料の一部といったところか」

青年兵「……」

東方司令「ところで、東方魔道長はどうした?」

東方副司令「それが、先程から行方不明でして……」

女剣士「まさか……犯人とは……」

東方参謀「もしくは身元不明のどちらかだな」

東方司令「前者なら見つけ次第拘束、無理なら処刑。後者なら丁重に葬れ」

東方副司令「はっ」

東方司令「本部への連絡はこちらで行う。キミ達は復旧作業に注力してくれ」

東方副司令「畏まりました」

東方参謀「ふむ、早速……行くとしようか」

カツカツカツカツ…カラカラカラッ…

東方司令「青年兵、キミはしばらく……」

青年兵「お気遣いなく。本当に大丈夫ですから」

東方司令「……そうか」
933 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:26:00.71 ID:WYQV+q5yo
青年兵「では、失礼します」

カツカツカツ…パタン

女剣士「……大丈夫でしょうか?」

東方司令「本人が大丈夫だと言っているのだ。放っておくしかないだろう」

女剣士「……っ」

カツカツカツカツ…

青年兵「……」

カツカツ…ザッサッザ

東方兵「お疲れ様ですっ!」

青年兵「どうも」

ザッザッザ

東方兵「あ、あのっ……現場は立ち入り禁止……」

青年兵「……」

東方兵「あ、あの……っ」

青年兵「いいから」
934 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 00:26:36.21 ID:WYQV+q5yo
グイッ…ザッザッザ

東方兵「お、怒られても……知りませんよっ」

青年兵「…………」

ザッザッザッザッザ

女記者『うーんと、いつかは鬼すっごいスクープとか取りたいっすねえぇ!!』

ザッザッザ

女記者『そそそそうっすかああぁぁ!?鬼照れるっすねええぇぇ!!』

ザッ…

青年兵「――!!」

ガァンッ!!……ポタポタポタッ

青年兵「うああああぁぁぁぁーっ!!」

ガァン!!…ドガァッ!!…ガスッ…ボタボタッ…ポタッ

青年兵「……う……ぐ…っ」

ドサッ…

両拳から流れる血に大粒の水滴が混じり、青年兵の座る地面へ零れ落ちた。
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 00:30:25.18 ID:WYQV+q5yo
残りレス次第でオマケ挟むか考えるとします!
>>823を予定です!仕事量に余裕があればですが…

それではおやすみなさい!ご支援感謝!ノシ
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 00:34:16.43 ID:X8dVDXIlo
おつ

シクシク
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 01:00:01.61 ID:2MbfN0sDO
>>1乙っす

女記者も簡単に死んじゃったなあ
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 01:02:18.25 ID:Jh/QZUdZo


女記者がDTB並みにあっさり死んでなんか逆に笑えてくるレベル
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 01:29:01.09 ID:CxCjKk950
ああああああ


       ____
    /   \  /\
  /  し (>)  (<)\
  | ∪    (__人__)  J |  ________
.  \  u   `⌒´  / | |          |
   ノ            \ | |          |
       ____
    /  \    ─\   チラッ
  /  し (>)  (●)\
  | ∪    (__人__)  J |  ________
.  \  u   `⌒´  / | |          |
   ノ            \ | |          |
       ____
    /::::::─三三─\
  /:::::::: ( ○)三(○)\
  |::::::::::::::::::::(__人__)::::  |  ________
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   ノ::::::::::::  `ー'´  \ | |          |
       ____
     /:∪::─ニ三─ヾ
   /:::::::: ( ○)三(○)\
  (:::::∪:::::::::: (__人__)::::: i|  ________
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   リ::::::::    `ー'´  ::\  | |          |
       ______
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  (:::||!.:∪::::: (__人__)):::: i|  ________
    ):::::::::::::   |r┬-| li::::/  | |          |
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940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 01:29:13.00 ID:y7zuiWnAO
この呆気ない死にっぷり…
エルフェンリート思い出したわ
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 01:34:13.50 ID:CH6uqCkAO
>>1おつ

この時の青年兵は綺麗なレイプ目をしてそうだな
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 07:59:16.89 ID:D5vMzS38o
死亡フラグ建ってたけど速攻だったなwwww
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 08:12:49.17 ID:GGEV72VAO
>>940

また会えたね!
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 09:42:34.22 ID:eHFMGRQro
女記者・・・はじめはうぜぇと思ったが、いなくなると寂しいな
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 10:20:27.22 ID:I5eZQOiDO
なんという使い捨て…
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 10:26:16.85 ID:Ptkxo2JDO
むしろ思い入れる前に速攻で逝ってもらったほうがナムナム出来るし

ただし鬼巨乳の情報は欲しくなかった…

ともかく>>1鬼乙っすよおおぉぉ!!
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 10:26:58.13 ID:zJxABxMKo


うざかったからすっきりした
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 11:21:03.20 ID:6dNVAifjo
おまけはやぁああああく!!!
師匠達と女記者はやくあわせてあげてえええええええ
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 12:17:03.52 ID:UYCamwJIO
女記者の鬼細かいメモが
きっと何かの役にたってくれるはずっす
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 13:48:54.37 ID:ihUeajTAO
俺がペロペロしたせいなのか…?
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 14:09:17.91 ID:pFC2M8zZo
そうだ、お前のせいだ
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 17:36:35.64 ID:jefxevWSO
お前がわるい
953 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:45:05.43 ID:VUgZ7Dgao


青年兵「…………」

フラッ…テクテク…テク…

青年兵「…?」

東方兵「これはどうする?」

魔道兵「何だ?手帳じゃないのか……?」

ザッザッザ

青年兵「どうしました?」

東方兵「青年兵様…。どうやら遺品か何かのようでして…」

青年兵「……」

東方兵「どう致しましょうか。半焼状態で良好とは言えませんし……」

青年兵「僕が預かりましょう」

魔道兵「宜しいのですか?」

青年兵「ええ。構いませんよ」

東方兵「……では、お願い致します」
954 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:45:34.78 ID:VUgZ7Dgao
スッ

青年兵「確かに」

東方兵「……あ、あの…っ」

青年兵「…?」

東方兵「一体、どうなってしまうのですか…?」

青年兵「何も心配はいりませんよ。今、司令が動いてくれていますから」

魔道兵「俺達は言われた事をやるだけだ。そうだろ?」

東方兵「そ、そうだな。失礼しました…!」

タッタッタッタ…

青年兵「……」

カサッ…パラパラパラッ

青年兵「……」

煤けた手帳をそっと開く。所々消失しているものの、手帳の中には、

女記者が懸命に書きとめた取材の記録が羅列されている。

青年兵「……」
955 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:46:08.11 ID:VUgZ7Dgao
……――

女記者『ほおおぉぉ!?困っている人を助ける為に軍人にいぃ!?』

青年兵『ええ。そうなんですよ』

女記者『鬼素晴らしいっすよおぉ!なかなか出来ないっすよおぉ!?』

青年兵『そ、そうですかね…。でも、大切な事ですよ』

女記者『鬼同感っすうぅ!!』

青年兵『一人でも多くの人を救ってあげたい。本当にそれだけなんです』

女記者『はぁ〜っ、鬼感心するっすねええぇぇ!』

青年兵『女記者さんだって、偉いじゃないですか』

女記者『ええぇぇ!?そんな事は鬼全然ないっすよおぉぉ!』

青年兵『新聞という媒体だって、人助けじゃないですか』

女記者『そ、そういう鬼解釈もあるっすねえぇ!!』

青年兵『手段は違えど、志は同じだと思いますよ。ははっ』

女記者『鬼励みになるっすよおおぉぉ!ありがとうございますううぅぅ!!』

――……
956 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:46:53.93 ID:VUgZ7Dgao
青年兵「…………」

余白をぱらぱらと捲り、最後のページに辿り着く。

そこに記された、女記者最後の取材。それはただ一言。

青年兵「……っ」

記された文面は半焼し欠落しているものの、完全に分からないわけではない。

パタン…ザッザッザ…

おそらくそれはダイイングメッセージ。彼は直感的にそう感じ取る。

青年兵「……」

死の間際、炎に包まれながら必死に書き記した事は筆跡から容易に想像がつく。

青年兵「…………」

普段から常に冷静さを欠かすことなく、怒りを抑えてきた青年兵。

その初めてと言っても過言ではない憤りを、どうして良いのか分からない。

青年兵「――っ!!」

ズガアァンッ!!……パラパラパラッ

青年兵「……必ず……殺してやる」
957 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:47:23.74 ID:VUgZ7Dgao
〜司令室〜

東方副司令「小火も全て消し止められ、鎮火致しました」

東方司令「そっちは?」

東方参謀「刃物を扱った形跡はなかった」

東方司令「……他には?」

東方参謀「爆発直後に出火が起こり、そのしばらく後に閃光を見た者がいる」

東方司令「閃光?」

東方参謀「おそらく魔法だろう。推測するに犯人は魔法……」

カツカツカツ

青年兵「閃光は僕に向けられてのものですよ」

東方参謀「青年兵……っ」

青年兵「僕がワイバーンを召喚し、その閃光にて一撃で葬られました」

東方副司令「なんと……っ」

青年兵「油断していました。彼女に目を奪われていた隙に一撃です」

東方司令「…気にするな。そこで平静を保てていれば、もはや人間ではない」
958 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:48:02.18 ID:VUgZ7Dgao
東方参謀「それで、結論は?」

東方司令「人間の手による犯行。しかしながら犯人、目的は不明」

コンコン

東方司令「何だ」

東方兵「失礼致します。焼死体の件ですが、やはり東方魔道長の可能性が…」

東方司令「…そうか。ご苦労」

東方兵「はっ。失礼します!」

パタン

東方司令「さて、どう見る?」

青年兵「おそらく、女記者さんと同様…口封じに殺されたものかと」

東方参謀「で、あろうな」

青年兵(……妙だな)

東方副司令「まずは内部の人間で失踪者がいないか調査致しましょう」

東方参謀「うむ、そうだな。それから――」

青年兵(何故東方魔道長が……。左翼の仕業ではないのか?)
959 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:48:45.31 ID:VUgZ7Dgao
東方司令「青年兵?」

青年兵「……っ!!」

東方司令「大丈夫か?」

青年兵「え、ええ。失礼致しました」

東方副司令「それで、如何致しましょうか……?」

青年兵「調査の件ですか?」

東方参謀「その話はもう終わったわ馬鹿者。女記者の件だ」

青年兵「……」

東方司令「とりあえず、このままにしておくわけにもいかんだろう」

東方副司令「身内の者が分かれば良いのですが、最悪こちらで火葬……」

青年兵「本国の新聞社にお勤めだったようですし、一度本国へ移送しては?」

東方参謀「本国へか?しかし手間も……」

青年兵「僕が行きますよ。いや、行かせて貰えないでしょうか?」

東方副司令「し、しかしですね……っ」

東方司令「……構わん、行ってこい」
960 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:49:14.81 ID:VUgZ7Dgao
青年兵「ありがとうございます」

東方司令「参謀、遺体を凍結保存しておくように」

東方参謀「うむ。相分かった」

東方副司令「客室の遺品も、すぐに準備させましょう」

東方司令「頼む。青年兵は準備が整い次第、本国へ向かえ」

青年兵「はい」

東方司令「西地区には今晩より警備を配置する。不要な者は立ち入らせるな」

女剣士「…はっ」

東方司令「以上、解散。青年兵はこのまま残れ」

青年兵「はっ」

ゾロゾロゾロ…パタン

東方司令「……キミ、何か知っているんじゃないのか?」

青年兵「……?」

東方司令「もしも、知っているのなら……」

青年兵「すみません」
961 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:49:54.53 ID:VUgZ7Dgao
東方司令「……」

青年兵「今は何も言えません」

東方司令「……それは、司令であるボクにも言えないというのか?」

青年兵「申し上げられません」

東方司令「……」

青年兵「……」

東方司令「分かった、もういい」

青年兵「失礼致します」

クルッ…カツカツカツ…パタン

青年兵「……まぁ、違うとは思うけど」

カツカツカツカツ…

青年兵「…?」

東方副司令「おぉ、丁度良かった」

青年兵「これは…?」

東方副司令「亡き女記者さんの遺品だ」
962 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:50:22.52 ID:VUgZ7Dgao
青年兵「これだけ…ですか?」

東方副司令「そのようですね。この量であれば……」

青年兵「ええ、一緒に運んでしまいますよ」

東方副司令「それでは、一緒に積んでおきます」

青年兵「お願いします」

東方副司令「……身内の方、見つかると良いですね」

青年兵「……ええ」

東方副司令「青年兵殿、君が気に病む必要はありませんよ」

青年兵「……」

東方副司令「貴方に責任がない…とは言いませんが…」

青年兵「……」

東方副司令「私も含め、皆の責任です」

青年兵「……はい」

東方副司令「…それでは、出発の準備を進めてきます」

悲しみに包まれる東方司令部を覆うかのように、夜の闇が訪れた。
963 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:50:53.29 ID:VUgZ7Dgao
〜本国〜

魔道士「すっかり夜になっちゃいましたねぇ」

盗賊「…うん」

召喚士「ワークショップに寄って、そのあと食事にしましょうか」

戦士「おう!」

テクテクテク

召喚士「殿下はもう終えたのかな?」

魔道士「南東国との同盟へ行くって言ってましたよねっ」

召喚士「ええ、何事もなく終えればいいですけど…」

戦士「まぁ、問題ないんじゃねーか?」

召喚士「うん、俺もそう思うけどね」

戦士「これで、世界中が一つになるって事なんだよなぁ」

魔道士「でも、凄くないですかっ!?」

戦士「…?」

魔道士「だって、世界中の王様と、私達…知り合いなんですよっ!?」
964 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:51:47.47 ID:VUgZ7Dgao
〜ワークショップ〜

店員「……はい。少々お待ち下さいませ」

テクテクテク

戦士「言われてみりゃ、そうだわなぁ」

盗賊「…?」

戦士「さっき、魔道士の言ってた話だよ」

魔道士「でしょでしょっ!?」

召喚士「何だか、いいのか悪いのかだよね…ははっ」

戦士「橋渡しに役立ちゃいいけど、利用されそうな気も……」

テクテクテク

店員「お待たせ致しました」

戦士「よっし、これで財布も潤って……」

店員「直接のご依頼が一件入っておりますが、いかが致しますか?」

盗賊「…依頼!?」

召喚士「誰からだろう…?」
965 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:52:29.95 ID:VUgZ7Dgao
カサッ

召喚士「……っ!!」

魔道士「ど、どうしました!?」

召喚士「国軍……本部っ」

盗賊「!!」

召喚士「……総司令からです……っ」

戦士「何ぃ!?」

盗賊「…一体…何がっ」

召喚士「分かりません。とにかく来てくれと……」

戦士「どうする?」

召喚士「…行くしか、ないよね」

魔道士「ですよね…っ」

戦士「善は急げだ。この足で行ってみよう!」

召喚士「うん!」

四人はワークショップを離れ、そのまま国軍本部へと直行した。
966 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:53:13.35 ID:VUgZ7Dgao
〜国軍本部〜

受付「総司令…ですか?」

召喚士「はい」

受付「生憎、不在ですが……っ」

戦士「はぁ!?」

受付「あ、明日には戻ると思いますけれど……」

召喚士「…分かりました。改めさせて頂きます」

受付「申し訳ございません」

テクテクテク

戦士「自分で依頼しといて、不在ってよ……」

召喚士「仕方ないよ、また明日来てみよう」

魔道士「それじゃ、食事にしましょっか!」

召喚士「そうしましょう。宿も近くのホテルで構わないですよね?」

戦士「おうっ!」

盗賊「…任せる」
967 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:54:19.29 ID:VUgZ7Dgao


深夜遅く、その馬車は国軍本部へと到着した。

ドドッイドドッドドッ

門兵「いいぞーっ!!こっちへ回せー!!」

ドドォ…スタッ…ザッッザッザ

門兵「…ご苦労様であります!」

青年兵「積んでいるものを全て、地下へ運んで下さい」

ザッザッ…カツカツカツカツ

青年兵「……」

カツカツ……バンッ

扉を開く先、講堂の中央には一人の老人が座している。

青龍先生「……青年兵か」

青年兵「先生、お話が」

青龍先生「…ふむ、まぁ座りなさい」

青年兵「はい」
968 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:55:25.39 ID:VUgZ7Dgao
カツカツカツカツ

青龍先生「険しい顔じゃな。東方司令部の火災と関係があるのかの?」

青年兵「既に伝令が届いておりましたか」

青龍先生「先程な。それで、どうしたのじゃ?」

青年兵「……これを」

青龍先生「手帳…?焼けた跡が残っておるな」

パラッ

青年兵「この文章、意味が分かりますか?」

青龍先生「東方司令部の……途中で途切れておるのぅ…」

青年兵「あれは魔物に内通する人間の仕業です」

青龍先生「……ふぅむ」

青年兵「僕は数日前、召喚士さんから内通者目撃の話を聞きました」

青龍先生「なんと…っ」

青年兵「北の海峡近く、しかし…素性までは分からないとの事でした」

青龍先生「国軍の者に間違いはないのだな?」
969 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:57:29.95 ID:VUgZ7Dgao
青年兵「軍服を着ていたようなので、それは間違いありません」

青龍先生「そんな人目に付かぬ場所で、成りすます必要もないしのぉ」

青年兵「犯人などその日の行動記録を追えば分かるものです」

青龍先生「東方司令部に内通者がいると…?」

青年兵「いえ、そうとは限りませんが……」

青龍先生「……」

青年兵「あの日あの場所で、何か不都合があったのは確かかと」

青龍先生「成程のぅ。しかし何の為に……」

青年兵「一つ、気になる事が……」

青龍先生「…?」

青年兵「東方魔道長と思われる焼死体が発見されました」

青龍先生「……」

青年兵「彼は、左翼であったと思われます」

青龍先生「…ふむ、それで?」

青年兵「何故…東方魔道長が亡くなったのでしょうか」
970 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:58:17.07 ID:VUgZ7Dgao
青龍先生「魔物と通じておる左翼の仕業であったとするならば……」

青年兵「はい。東方魔道長を巻き添えにする必要はないのではと…」

青龍先生「あくまで狙いは、東方魔道長を始末する事にあった…?」

青年兵「左翼の仕業に見せかけ、そういう手を使う事も出来なくはないです」

青龍先生「司令部を破壊までしてか?」

青年兵「……そうなんですよね。それが不思議で……」

青龍先生「……」

青年兵「でも、どうしても引っ掛かるんです」

青龍先生「……火災の原因は何じゃ?」

青年兵「爆発音が上がり、その後に出火が起きたと聞きます」

青龍先生「爆発音……。十中八九、魔法によるものじゃな」

青年兵「……やはり…そうですか」

青龍先生「犯行は東方魔道長ではないのかのぅ?」

青年兵「…犯行を起こして、己も死を選んだと?」

青龍先生「それは分からぬ」
971 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 17:59:26.06 ID:VUgZ7Dgao
青年兵「ですが、僕が目撃した者は東方魔道長には見えませんでした」

青龍先生「……」

青年兵「それに……武器を使った形跡はないと……」

青龍先生「素手…か?」

青年兵「東方魔道長が西地区を魔法にて火災を起こした」

青龍先生「その上で、当人を素手で殺害した真犯人…」

青年兵「更には、女記者さんまで……っ」

青龍先生「……」

青年兵「そしてワイバーンをも一撃で葬る魔力……」

青龍先生「…ふぅむ。いまいち話が繋がらぬな」

青年兵「東方魔道長でないとすれば、考えられる犯人像は一つ」

青龍先生「腕力のある魔道士か?ひょっひょ、そんな奴おらんわい」

青年兵「……」

青龍先生「ところで、この話は他の者にもしたのか?」

青年兵「…いえ」
972 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:00:05.46 ID:VUgZ7Dgao
青龍先生「何故、儂に話したのじゃ?」

青年兵「……」

青龍先生「誰が内通者か、分かっていらんのじゃろ?」

青年兵「はい…」

青龍先生「軽率すぎやせんか?命を落としかねん」

青年兵「青龍先生」

青龍先生「ん…?」

青年兵「貴方は僕の師であり、僕は貴方の教え子です」

青龍先生「……そうじゃの」

青年兵「そのような方まで信じられなくなっては、人間じゃありませんよ」

青龍先生「……」

青年兵「青龍先生だから話した。それでは理由になりませんか?」

青龍先生「……ひょっひょっひょ。とんだ大馬鹿者じゃ!」

青年兵「……っ」

青龍先生「……じゃが、嬉しい限りよの。ひょっひょ」
973 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:01:01.45 ID:VUgZ7Dgao
ザッ

青龍先生「良いか?儂にはもう、お主を導いてやる程の力は持ち合わせておらぬ」

青年兵「先生…っ」

青龍先生「但しこれだけは言っておくぞ。儂を信じてくれたお主だからこそじゃ」

青年兵「……」

青龍先生「儂は内通者ではない。信じてくれ」

青年兵「もちろんです。先生が内通者なら、僕はもはや誰も信じられません」

青龍先生「ひょっひょ。そこでじゃ、儂が唯一信用出来る者を一人だけ言う」

青年兵「……はい」

青龍先生「…総司令じゃ。彼奴は内通者ではない」

青年兵「…は、はいっ」

青龍先生「もし、この件や内通者に対しては…彼奴に全て話せ。良いな?」

青年兵「…畏まりました」

青龍先生「…ホッとした表情じゃの」

青年兵「国軍のトップが内通者でなくて、一安心しておりますよ」
974 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:02:12.52 ID:VUgZ7Dgao
青龍先生「ひょっひょっひょ!当たり前じゃろ、ほれ…行くがいい」

青年兵「ありがとうございました、先生!」

カツカツ…

青年兵「……先生」

青龍先生「む…?」

青年兵「……生きて下さいね」

青龍先生「何じゃ?儂をさっさと殺したいのか?」

青年兵「……っ」

青龍先生「冗談じゃよ、ひょっひょっひょ!」

青年兵「…では」

カツカツカツカツ…バタン

青龍先生「……察しが良いのも、困ったものじゃ」

カツカツカツカツ

青年兵「……」

秘書官「…おや、青年兵様」
975 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:04:01.31 ID:VUgZ7Dgao
青年兵「司令はいらっしゃいますか?」

秘書官「つい先程戻られたばかりで…今は……」

青年兵「どうも」

秘書官「ちょっとっ!?」

カツカツカツ…バンッ

青年兵「…失礼します」

秘書官「青年兵様っ!!」

青年兵「司令、お話が……」

バサッ…スタスタスタ

司令官「ん、騒がしいな」

青年兵「ご、ご入浴中でしたか…っ。失礼致しました」

司令官「いーよ、今上がったとこだ」

スタスタ…バフッ

司令官「…流石に、レディーは出てってくんない?」

秘書官「し、失礼致しました…っ!!」
976 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:05:11.69 ID:VUgZ7Dgao
司令官「それで、何の用だ?」

フキフキッ

青年兵「――っ!!」

司令官「……?」

青年兵「し、司令……っ」

司令官「あー、これか」

カポッ

司令官「……ん、これでいいかな?」

テクテクテク…ストッ

司令官「…それで、話って何?」

青年兵「あ、あの…ですね……」

司令官「東方司令部の話?」

青年兵「は、はいっ」

司令官「…すまないね。今しがた戻ったばかりでね」

青年兵「これを……」
977 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:05:53.21 ID:VUgZ7Dgao
スッ

司令官「…ん。資料かい?」

青年兵「今回の件において、私が独自に纏めた見解です」

司令官「……ふむ」

パサッ

青年兵「……」

司令官「……この、手帳っての…今はあるの?」

青年兵「…ここに」

スッ

司令官「…これ、誰が知ってるの?」

青年兵「兵卒が…二人ほど」

司令官「…ん、分かった」

青年兵「……」

司令官「ところでさ、何でこれを?」

青年兵「青龍先生に、司令は内通者ではないとご助言を……」
978 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:06:49.38 ID:VUgZ7Dgao
司令官「…そうか、君の先生だっけ?いい判断だね」

青年兵「いかが…思われますか?」

司令官「…ん。大体分かってきたよ」

青年兵「……!!」

司令官「パズルでいうと、最後のピースってやつ?」

青年兵「そ、そうでしたか…っ」

司令官「でも、まだ動くには少ないかな。もっと追い詰めないとね」

青年兵「…司令」

司令官「ん?」

青年兵「お願いがございます!」

司令官「…志願?」

青年兵「……はい」

司令官「…理由がありそうだね。まぁいいよ」

青年兵「あ、ありがとうございます!」

司令官「但し、勝手に動く事は許されない。いいね?」
979 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:07:54.97 ID:VUgZ7Dgao
青年兵「……はい」

司令官「今ね、特遊とか大軍師が動いてるから。もうちょっと待ってて」

青年兵「!?……畏まりました」

司令官「でも、このまま東方司令部へ置いておくのは危険かな」

青年兵「……?」

司令官「悪いんだけどさ、本国に戻ってきてくれる?」

青年兵「…い、いつですか?」

司令官「すぐ」

青年兵「……な、なんとかしてみます」

司令官「頼んだよ」

青年兵「あ、あの……っ。司令、もう一つ…宜しいでしょうか?」

司令官「ん?」

青年兵「亡くなった女記者さんの身内を捜して頂きたく……」

司令官「…ん、いいよ」

青年兵「遺体や遺品類は全て、地下に保管しております」
980 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2011/02/24(木) 18:08:35.34 ID:VUgZ7Dgao
司令官「分かった。やっておくよ」

青年兵「ありがとうございます」

司令官「もう戻るの?」

青年兵「まだあちらで、やる事もありますので」

司令官「…気を付けてね」

青年兵「はっ!失礼致します!」

ザザッ…カツカツカツ

司令官「あ、そうそう」

青年兵「…?」

司令官「今日見た事、きっぱり忘れてね」

青年兵「……む、無論であります…っ」

司令官「ん、頼んだよ」

青年兵「ははっ!」

司令官「あと、この功績で二階級特進だから」

青年兵「ははっ!…………え、えぇ――!?」
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 18:19:55.08 ID:VUgZ7Dgao
とりあえずここまで…結局オマケは駄目でした…
あとスマートな天才ってどんなのだろう…想像付かなくて…
「こんな感じ!」とかあればそれに沿って書かせて頂きます

では、ご支援ありがとうございました!ノシ
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 18:24:28.30 ID:Xp/EUQkDO
>>1
青年兵大佐か
他に大佐って誰いたっけか
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 18:25:55.50 ID:CxCjKk950
この悲しみを怒りにかえて!
たてよ国民!
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 18:33:26.62 ID:pFC2M8zZo
|            おらっしゃあぁぁ!!!
|             ∧ ∧
|            ( ゚Д゚)
└┐ (⌒⌒ヽ    /⊃_O
←┘(  プッ!! ゝ 〜(  /
    丶〜 '´    し∪
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 18:38:56.05 ID:Xp/EUQkDO
そういやおまけで青年兵のかーちゃん登場させてやってください
なんだかんだ言って鼻高々だろうしお願いします
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 18:47:21.77 ID:GBhmaEZeo
大分前にまとめられてた軍の階級一覧持ってる人いたら貼って欲しい
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 19:30:17.55 ID:XiyDDZEAO
最近レス多いけど何かあった?いやいいんだけどさ
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 19:50:01.02 ID:CbfxALNSO
青年兵二階級特進貰いまくりだなwwww
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 21:22:58.00 ID:ihUeajTAO
>>985
いちいち頼むなよ
>>1だってやりたいオマケがあるはずだろ
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 21:40:18.72 ID:YOObqf37o
〜国軍階級〜

大元帥:
元帥:
上級大将:司令官
大将:副司令官
中将:各部司令
少将:騎士団長、青龍先生、将軍
准将:
上級大佐:エリート、左翼長、隊長、大軍師
大佐:白虎長、各部副指令、博士<技術士官>、青年兵←New
中佐:各部参謀、各部魔道長、各拠点長
少佐:占い師、男隊員、女隊員、南方弓長、(バーテン)、(戦士父)
大尉:
中尉:
少尉:各部副官、青龍士官
准尉:
曹長:格闘家
軍曹:ボス
伍長:東方伍長
兵長:
上等兵:
一等兵:
二等兵:

()は現役当時。<技術士官は>通常二階級下

召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その22 より
http://ex14.vip2ch.com/news4gep/kako/1290/12906/1290677469.html/889
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 21:42:08.70 ID:zSkMDHcao
いつか青年兵が大元帥に入る日が来るのか・・・胸熱
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 21:45:55.39 ID:YOObqf37o
>>990のうrl間違ってら。
ごめん。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/889
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 22:05:16.07 ID:6dNVAifjo
青年兵ダークサイドVer
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 22:59:45.89 ID:WYQV+q5yo
〜オマケ〜

女記者「……どどどどこっすかああぁぁ!?ここはああぁぁ!?」

ザッザッザ

女記者「鬼迷子っすううぅぅ!!」

師匠「まーた騒がしいのがきたなぁ」

女記者「おおぉぉ!?どなた様っすかああぁぁ!!」

師匠「女っ!!待ってました!!お嬢ちゃん!!」

女記者「どうもっすううぅぅ!!」

師匠「さぁさぁ、こっちおいで!」

女記者「鬼感謝っすううぅぅ!!てか、ここどこっすかああぁぁ!?」

師匠「あのよー……あの世、なんちゃってー」

女記者「……」

師匠「…………」

女記者「ぶふわははああぁぁ!!は、腹が鬼よじれるっすよおぉ!!」

師匠「……コイツは使えるっ!本物だ!」
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 23:00:19.06 ID:WYQV+q5yo
テクテクテクテク

短髪「……あん?新入りか?」

師匠「おうっ!女記者ちゃん、俺の嫁」

短髪「はあぁ!?」

プリースト「良かった……」

師匠「い、いやっ…違うんだよプリーストちゃんもなんていうかもちろんその…」

騎都尉「五月蝿い」

雷忍「カカカカッ!!」

短髪「まーいいわ。んじゃ、歓迎会といきますか」

師匠「今日こそは…負けん」

騎都尉「……ふっ、返り討ちにしてやる」

短髪「酒飲みファイト、レディー……」

師匠「ゴーッ!!」

騎都尉「……んぐっ、んぐっ」

雷忍「カカッ、相変わらず見事っ!」
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/24(木) 23:01:00.79 ID:WYQV+q5yo
師匠「……ぶはーっ!おげぇーっ!!」

プリースト「こっちのお酒は超強烈なんだから、無理しちゃ駄目よー」

女記者「……ぷっはああぁぁ!!鬼美味いっすねええぇぇ!!」

雷忍「強えぇ!?」

騎都尉「この俺が……負けだと……!?」

プリースト「はーい。お食事も出来ましたよー」

師匠「クラーケンはもう食いたくね――」

クラーケン「あらっ!師匠さんたらわたくしの事を……」

師匠「だあぁ!!何故そうなるっ!!」

クラーケン「おーほほほ!逃がさなくてよぉーっ!」

師匠「げぶぅ!!」

女記者「あはははっ!!賑やかで……鬼楽しい所っすねええぇぇ!!」

短髪「アンタはちょっくら、来るのが早すぎたけど…まぁ楽しくやろうや」

雷忍「いずれ、皆も来ますからな!カカッ!」

女記者「よおおぉぉし!明日から皆さんを……鬼取材するっすよおおぉぉ!!」
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/24(木) 23:05:41.41 ID:WYQV+q5yo
危ない、油断した……埋まってしまうところだった
次回投下は明日、次スレからにしますですね!ノシ

次スレです。その26ですよ。よろしくです!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 23:12:50.84 ID:FFjiq8ZSO
>>1乙! & 3ゲットろぼがしゃーん!
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 23:25:25.67 ID:CbfxALNSO
↑鬼ワロタwwwwwwwwwwww
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 23:32:48.68 ID:lCgJm6CQo
1000なら>>1は俺の嫁
1001 :1001 :Over 1000 Thread
               | ///////i!、\ \ ヽ
   、 ,          |/// / ツ/// /i 1!、 \ ヽ ヽ
  エIIエ ふ イ 大. お  |// //// // /.| ||i;゛、   ヽ ヽ  、
  .Eヨ     | .申 , れ  .|/ /リ{ {{{{// / i | ||i .!ヾ   ヽ `、 ヽ
           ̄    |.//{ Y'''''/ /ノ |.|!||! 、i ヽ    `、 、
  、 ァ .つ | 十    |///| { ,,;;;;i :: |.|ii ii、 i  !    i  i
  ┐用 .う  .レ.cト、   |シ从|.|,,,;;;" ̄~"|.|.ii ヾ、、 ヽ    i  i|
  ~ー‐ 、、    、、  |//i、.|| ii!' ,,, -‐.|.| 乂 \  \   i
  ┼ __  -|―|‐    |i i.i|. r| li!く  ゚ |ト /  i;; \  \  i
  ノ 、__   !_    | ii ||/"| l!`ミニ=ニ||'  /;;;;;: \  `、、_
              { |、{{..(| ll! i!;;;;;;; /|  '、:::...:  \  `ー-
   |-    /       | i!|1ト、|lili! !;;;;;;;/ .!  ii|il= il!   .` ー
  .cト、   /⌒し    |!i从/i∧i! i::::    ili!'__iI!--―'' ナ`-ト
          、、   |/いi|l!∧ ::  ー'''''二 ==--一"ヲ/  ||
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まOし乙 @ 2011/02/24(木) 23:21:22.77 ID:4WhyafeP0
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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その26 @ 2011/02/24(木) 23:03:01.36 ID:WYQV+q5yo
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