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【まったり】まったりけいおん!SS書いていくスレ【していけよ】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 21:58:16.50 ID:B2IpXBRQ0
このスレは「けいおん!」関係のSSを皆で好きなように書き続けるスレです

話を繋げてもいいし、複数の書き手による別の話同時進行でもおkです

別に一人で書いても良いけどね

読みやすさ重視のため酉を付けること推奨です

次スレは>>950あたりが立ててください

落ちても勝手に立てちゃってね

まったり雑談でもおk。唐突に誰かSS書き始めたら皆飛んで喜びます

ジャンルは問いません。けいおん!ならなんでもありです。カオス歓迎。

(`・ω・´)ここのスレの住人は支援されると俄然、発情したみたいにやる気が出ます!(さるさん的に)

ここに書いたら誰かが勝手にまとめwikiに載せてくれます。

変態レスは自重・荒らしはスルーで


まとめwiki
http://www39.atwiki.jp/k-onvip/
(´・ω・`)SS初めての君もレッツトライ!!<ここまでテンプレ
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/08(火) 22:00:29.72 ID:4JxE+PwAO
(*・A・*)彡ミ(*・∀・*)ゴロン
3 :あずにゃんは思春期 [sage]:2011/02/16(水) 19:38:38.25 ID:+hvR4oTso
唯「どうしたのあずにゃん、澪ちゃんをじっと見つめて」

律「梓のことだから、澪でいやらしいことでも考えてたんじゃないのかー?」

紬「素敵ね!」

澪「律、冗談はよせ、それとムギも乗るな」

梓「ふふん、そんなわけがあるわけがないじゃないですか」

澪「だよな」

梓「今、服を脱がしたところです」

唯「視姦!?」

律「てか、なんで唯はそんな言葉を知ってんだ……」

誰も書かない様子だから一番槍で適当に書いた。
反省はしてない。
>>1 は乙。
4 :いちおつです [sagetarasagasenaiyo]:2011/03/01(火) 10:34:40.62 ID:3VEhQOYN0
唯「私も澪ちゃんを視姦する!」

律「じゃあ私も〜」

澪「いい加減にしろ。練習するぞ。」

梓「澪先輩が全裸でベースを・・・」

紬「待って、リコーダーは早過ぎるわ。」
5 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 22:29:23.84 ID:S4rvjqfWo
唯「ねえ、あずにゃん」

梓「どうしました?」

唯「二人っきりだね」

梓「そうですね、皆さん都合が付かないそうで」

唯「あずにゃんが軽音部に来てから初めてじゃない?」

梓「唯先輩と二人きりなんて」

唯「緊張する?」

梓「やるせないですね」

唯「え、えぇ!?」

梓「嘘です、冗談ですよ」

唯「ぶーぶー」

梓「さ、練習しましょう!」

唯「あ、ちょっと待って!」
6 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 22:32:12.40 ID:S4rvjqfWo
梓「どうしました」

唯「ちょっと相談があるんだけど」

梓「私にですか?」

唯「うん」

梓「どうしてまた」

唯「なんとなく?」

梓「まあいいですけど、どんなことですか、ギターですか?」

唯「人生について聞いてみようと思って」

梓「また大きく出ましたね」

唯「うん」

梓「……それこそ人生経験が豊富な人に聞いた方が」

唯「もぉ、あずにゃんに聞きたいんだよ!」

梓「……はあ、まあいいですけど、手短にお願いしますね」
7 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 22:36:22.58 ID:S4rvjqfWo
唯「あずにゃんってなんで生きてるの?」

梓「え、まさか[ピーーー]と!?」

唯「あ、違った。何のために生きてるの?」

梓「はあ、そんなことを考えたことはありませんね」

唯「じゃあ今考えてみて」

梓「そういうのは夜寝る前と相場は決まっているような気がしますが」

唯「実は最近よく考えててさー」

梓「寝る前に考え事なんてするんですね」

唯「酷いよあずにゃん」

梓「さっきの仕返しです」

唯「私ももう高校二年生でしょー、17年生きてきて、はぁー、これからどうしようかなーって」

梓「受験勉強とかどうですか」

唯「そういう現実的な問題じゃないんだよ!」
8 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 22:42:15.33 ID:S4rvjqfWo
唯「思考って言うかさ、もう、考えって言うのかな、目の前に広がってる問題じゃなくて」

梓「はぁ、無駄に考えるよりは目の前に広がってるモノから片付ける方が無難ですよ」

唯「あずにゃんはリアリストだね……」

梓「そういう性分なんでしょうね、私はあまり深くモノを考えるのは好きじゃないです」

唯「そなの?」

梓「何が起こるか分からない未来に思考を向けるよりかは、今ある現実を全力で生きる方が良いです」

唯「ほむほむ、今の積み重ねが未来って事だね」

梓「今ですかぁ、そんな風には思ってないです」

唯「ふえ?」

梓「今とかそういうのじゃなくて、目の前です、目の前」

唯「目の前……?」

梓「練習したいなとか練習したいなとか、練習したいなとか」

唯「あとでちゃんとやるから!」

梓「……まあ、今のところは信じてあげます」
9 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 22:46:46.12 ID:S4rvjqfWo
唯「あずにゃんは約束は好き?」

梓「いきなりですね、割とどうでもいいです」

唯「待ち合わせとかは?」

梓「ベストを尽くした結果次第ですね」

唯「あんまり、どうしようかなとか考えない?」

梓「そうですね、これからの人生でそんなことを考えるきっかけはあるかも知れませんが」

唯「すごいねー、私はいっつもあれこれ考えているせいで」

梓「失敗すると」

唯「うん」

梓「でも正直、唯先輩は深くモノを考えない人だと思ってました」

唯「よく言われるよぉ」

梓「意外ですね」

唯「あずにゃんはもう少し人の気持ちに対して考えを向けても良いと思うよ……」
10 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 22:51:11.90 ID:S4rvjqfWo
梓「? よく分かりません、私が想像したところで唯先輩の気持ちは変わらないんでしょう?」

唯「そうかもしれないけどー」

梓「まあ、それはともかく話を戻しましょうか」

唯「そうだねー。私はさー、考えちゃうんだ−、これからとか、今までとか」

梓「これからはともかく、今までもですか」

唯「うん、あの時こうすれば良かったとか、ああすれば良かったとか」

梓「面倒くさいですね」

唯「わ、割と普通だと思うけど……」

梓「別に過去に戻ってどうこうできるんなら考えますが」

唯「後悔したりしないの?」

梓「あらゆる事でベストを尽くした結果産まれたのが今の私です」

唯「ほむほむ」
11 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 22:55:54.38 ID:S4rvjqfWo
唯「私は、考えちゃうな−、これからの部活とか私とか」

梓「ちゃんと練習したらいいんじゃないですか、おもに今から」

唯「そういう具体的な話じゃなくてー」

梓「? 具体的以外に何か目標にすることがあるんですか?」

唯「あるよー、夢とか希望とか理想とかー」

梓「甘いですね」

唯「え?」

梓「目標なんて出来ることから決めていって、どんどん刻んで到達可能な目標にするべきですよ」

唯「刻み?」

梓「今から練習する、ちょっと上達する、夕食を食べる、みたいな」

唯「武道館ライブとか!」

梓「今のままでは到達不可能ですね、ビジョンがまるで見えません」

唯「うぐぅ……」
12 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 23:00:27.90 ID:S4rvjqfWo
梓「私たちが悪いバンドだなんて言いませんよ、ただ私たちの練習量で舞台に立てるとしたらそこら中のバンドが夢舞台に立ってますよ」

唯「ふぇー」

梓「まあ、先輩たちが本気で武道館に行きたいと考えているとは私は思えませんけど」

唯「え、本気じゃないの?」

梓「……唯先輩くらいじゃないですか?」

唯「本当に?」

梓「仮に武道館でライブをするとして、どうやったらライブが出来るか知ってますか?」

唯「それはもちろん、CDを出していっぱい売れたらできるよ!」

梓「CDを出す方法は? デビューする方法は? 高校を卒業しても私たちは活動できますか?」

唯「できるよ!」

梓「……それは結構ですが、方法は?」

唯「ムギちゃんを買収する」

梓「それが一番近道だと思いますが、非人道的すぎます」
13 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 23:06:24.90 ID:S4rvjqfWo
唯「と、冗談はともかく、私たちには出来るって気がしない?」

梓「……できませんよ」

唯「あ、今間があったね!」

梓「いえ、こんな自信満々の唯先輩を前にはっきり現実を言うのは憚られました」

唯「凹ませたいんだねあずにゃん」

梓「それで、人生相談はどうしました?」

唯「あ、そうなの、どうして私は今生きてるのかなって」

梓「生きてるのに理由が必要なんですか?」

唯「何のために生きてるかなーって」

梓「はあ、唯先輩なら憂の料理を食べるためとか言ってればいいんじゃないですか」

唯「そういう衝動的なモノじゃなくて」

梓「何かしたいアレがしたいとかないんですか?」

唯「んー、今が続いて欲しい!」

梓「……今ですか」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/21(月) 23:12:38.20 ID:S4rvjqfWo
梓「ナンセンスですね」

唯「えー、今が楽しいから今が続いて欲しいよ?」

梓「いいえ、楽しいという感想を得られてる時点でそれは今ではありません」

唯「ほへ?」

梓「楽しい今などはもう既に過去だということです、今現在というのは何秒後かの未来しかありません」

唯「どういうこと?」

梓「今現在というのは常に進み続けていると言うことです」

唯「んんー?」

梓「楽しい今が続いて欲しいというのは、楽しかった過去が続いて欲しいと願っているんですよ」

唯「あー、うん、それならわかった」

梓「私は生憎と勘弁です、過去にとどまって成長しないなんて」

唯「ずっと楽しくても?」

梓「過去にとどまって永遠に楽しさが続いていく保証はありません」
15 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 23:18:28.66 ID:S4rvjqfWo
梓「嫌なことがあろうとも、苦しくても、未来へと進むべきです」

唯「目の前の未来に?」

梓「あ、楽しい今を続けさせる簡単な方法があるんですが」

唯「なになに!」

梓「練習で汗をかきましょう!」

唯「あずにゃんはそればっかり……」

梓「今現在目の前にある課題をクリアし努力していくのは無難な人生の楽しみかただと思いますが」

唯「ギターを弾くのは楽しいけどー」

梓「いいですか唯先輩、後輩の私がこんな事を言うのは烏滸がましいかもしれませんが」

唯「かなり今更だよ……」

梓「楽しい努力なんてありません、苦労をして頑張らないと成長しません」

唯「あずにゃんがいうと説得力あるよ……」

梓「今、胸を見ませんでした?」
16 :唯「人生相談するよ!」梓「なぜ年下に……」 [sage]:2011/03/21(月) 23:24:42.66 ID:S4rvjqfWo
唯「努力かぁ……わかんないなー」

梓「はい、じゃあ、無難に分かる簡単な努力の方法があります」

唯「……練習?」

梓「はい、練習です」

唯「しなきゃだめ?」

梓「はい」

唯「どうしても?」

梓「ええ、唯先輩は引っ張っていかないとしょうがないみたいですからね」

唯「うぇー!?」

梓「思考なんて出来ないくらい熱中してみましょうか、良い機会ですから」

唯「わー! なんでこうなるのー!」

梓「身から出た錆ですから諦めてください」

完。
17 :梓「ラーメン?」唯「食べに行こうよ!」 [sage]:2011/03/25(金) 21:02:37.52 ID:8y9KWBzJo
梓「二人でですか」

唯「うん、みんなで行こうって言ったんだけど、カウンター席しかないんだぁ」

梓「それは大人数で行くと迷惑になりますね」

唯「だからね、ゆいあずで行けって、りっちゃんが」

梓「(気を利かせてくれたのかな?)」

唯「楽しみだねえ」

梓「どこに行くんですか?」

唯「それはついてからのお楽しみだよ!」

梓「それはそれで構わないんですが、不安なので教えてください」

唯「うーん、じゃあ、一文字だけ と」

梓「と? とが付くここらのお店ですか?」

唯「うん、人気店なんだよ!」
18 :梓「ラーメン?」唯「食べに行こうよ!」 [sage]:2011/03/25(金) 21:07:57.76 ID:8y9KWBzJo
にちようび!

梓「K駅に着きましたが、ここに来るのも久しぶりですね」

唯「人がいっぱいだねえ」

梓「でも、ここの駅前沢山ラーメン屋さんありますよね、場所はちゃんと覚えているんですか?」

唯「もちろんだよ!」

梓「(まあ、これだけたくさんあればハズレを引く確率も少なそう)」

唯「ささ、案内してあげるよ!」

梓「(なんかデートみたいですねっていったら、どんな顔するんだろう)」

唯「おてて繋いでいこうねー」

梓「はい!」
19 :梓「ラーメン?」唯「食べに行こうよ!」 [sage]:2011/03/25(金) 21:10:30.15 ID:8y9KWBzJo
梓「あ、ここですか……」

唯「うん!」

梓「確か、すごく辛いところですよね」

唯「すごく辛いね!」

梓「ここで辛くないメニューを頼むのはありなんでしょうか」

唯「あずにゃんらしくないね!」

梓「いえ、むしろ私のキャラとしては空気を読まずに自分の安全を確保して失笑を」

唯「あずにゃん自虐ってるよ!」

梓「……あ、いけないですね、わかりました、一番辛いので」

唯「やっぱり混乱してるよ!?」
20 :梓「ラーメン?」唯「食べに行こうよ!」 [sage]:2011/03/25(金) 21:14:17.98 ID:8y9KWBzJo
梓「なんとか座れましたね」

唯「ふっふっふ、実は何度か憂と下調べをして食べているのです!」

梓「憂が……唯先輩は食べきれるんですか?」

唯「一回、店員さんがお水を出してくれなくて悶えながらも完食しました!」

梓「では、私もやってやります、唯先輩と同じ目に遭います!」

唯「私と同じ目にはあわなくてもいいよ?」

梓「一番辛いのを更に辛くして食べきってみせます!」

唯「ふふふ、それでこそあずにゃんだよ!」

梓「さあ、どんとこいです!」

唯「それで食券を買うのを忘れて無ければ格好良かったんだけどね」

梓「それはもう忘れてください」
21 :梓「ラーメン?」唯「食べに行こうよ!」 [sage]:2011/03/25(金) 21:19:54.16 ID:8y9KWBzJo
梓「私が冷やし味噌で、唯先輩が北極……」

唯「でもなんで、辛いメニューで北極ラーメンなんだろうね」

梓「北極に行った気分を味わえるんじゃないですかね」

唯「北極って行ったことある?」

梓「行ったことありませんが、帰って来れる気がしません」

唯「大丈夫、冷やし味噌はもっと辛いから」

梓「頭から汗かいてますよ唯先輩」

唯「あずにゃん全身が赤いよ」

梓「やっぱり辛いものを食べているからじゃないですかね」

唯「唇がそろそろ痛いね」

梓「え、もう私感覚がないです」

唯「私ボーカルだけどこんな食べていいのかな」

梓「大丈夫です、唯先輩には期待していません」

唯「どさくさにまぎれて何言ってるのあずにゃん」
22 :梓「ラーメン?」唯「食べに行こうよ!」 [sage]:2011/03/25(金) 21:24:22.21 ID:8y9KWBzJo
梓「やってやるです、やってやるですよぉー!」

唯「ふふ、あずにゃん辛さで壊れてきたね」

梓「いえいえ、この程度大した辛さではありません、もっと辛く、もっと辛く」

唯「箸進んでないよあずにゃん」

梓「ふふ、ちょっと休んだら食べきりますからご安心を」

唯「頑張れ!」

梓「さりげなくスープ飲み始めてる唯先輩まじぱないです」

唯「あずにゃんならできるよ!」

梓「ふ、ふふ、やってやるです!」
23 :梓「ラーメン?」唯「食べに行こうよ!」 :2011/03/25(金) 21:26:27.62 ID:8y9KWBzJo
梓「……正直しぬかと思いました」

唯「だいじょうぶ、辛さで死ぬにはまだ足りないよ!」

梓「スープが目に入ったら死んじゃいそうな気がします」

唯「でも、美味しかったでしょ?」

梓「そうですね、また食べにきたいです」

唯「そうだねー、また二人で来ようね」

梓「はいです!」

終わり。
24 :唯「あずにゃんってさー」梓「どうしました?」 [sage]:2011/03/26(土) 21:53:09.67 ID:dQA/KX9do
唯「笑わないよね」

梓「……そう、ですか?」

唯「なんだか、あんまりにっこり笑顔って言うのを見たこと無いよ」

梓「メールが着て屋上に呼び出されたと思ったらそんなことを言いたかったんですか」

唯「言いたかったのです」

梓「授業は真面目に受けてくださいよ、来年受験生なんですよね」

唯「わき上がる疑問にこの身が耐えられなかったんだよ」

梓「ちなみに、何故私が笑わないと思いました?」

唯「きっと、感情表現が苦手なんだよ」

梓「そうですね、でもクラスではそんなこと言われたこと無いです」

唯「へ?」

梓「軽音部ではなーぜかー、怒ってばっかりなんですよ」
25 :唯「あずにゃんってさー」梓「どうしました?」 [sage]:2011/03/26(土) 21:57:06.62 ID:dQA/KX9do
梓「恥ずかしながら、癇癪は起こしやすい方だと自覚はしていますが」

唯「そうだねえ」

梓「ええ、ですが、軽音部では何故か怒ってばかりいます」

唯「大事なことだから二回言ったんだね」

梓「どうしてでしょうか」

唯「カルシウムが足りないんじゃないかな」

梓「私もそう思って小魚をよく食べるようになりました」

唯「いいことだね!」

梓「さて問題です、ここ一週間私が怒った回数は何回でしょう」

唯「四回かな」

梓「小魚にカルシウムが含まれるか疑問になってきませんか」

唯「なるねぇ」

梓「小魚を食べても効果がないとなると何を採るべきでしょう」

唯「ぎゅ……ううん、あずにゃん牛乳苦手だもんね」

梓「胸見ながら言いましたね?」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 21:58:45.35 ID:G6SwzcjTo
wwktk。
27 :唯「あずにゃんってさー」梓「どうしました?」 [sage]:2011/03/26(土) 22:00:27.24 ID:dQA/KX9do
唯「カルシウムのサプリメントとかどうかな」

梓「すみませんがそろそろ栄養価から話題離れませんか」

唯「いらいらしてる? カルシウムが足りてないよー」

梓「いらいらさせてる自覚はないんですか」

唯「そういうあずにゃんも好きだよ!」

梓「……私以外には嫌われますよその発言」

唯「あずにゃんにしか言わないから大丈夫だよ」

梓「またそういうこという」

唯「それで本題だけど、あずにゃんは笑ってた方が可愛いと思うんだよ」

梓「そうですかね」

唯「にっこりと笑ってみそ、はい、にゃー」

梓「えへ」

唯「目が笑ってない!」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/26(土) 22:04:28.02 ID:dQA/KX9do
梓「そうですね、私が喜ぶようなことをしてくれたら、にっこりしてもいいですよ」

唯「悦ぶ……」

梓「そのニュアンスじゃないです、そのニュアンスでもどんとこいですが」

唯「お菓子分けてあげる!」

梓「少し喜びますね、梓ポイント1です」

唯「にっこり笑うまでは?」

梓「あと残り9です」

唯「えー、じゃあ紅茶を飲ませてあげる」

梓「残り8くらいですね」

唯「あとあと、私が出来ることかぁ……演奏してあげるって言うのは?」

梓「なかなか良いところ突いていますね」

唯「私単独のライブだよ!」

梓「減点です」

唯「さりげなく酷い!」
29 :唯「あずにゃんってさー」梓「どうしました?」 [sage]:2011/03/26(土) 22:07:39.79 ID:dQA/KX9do
梓「“れ”で終わって、“う”で終わる行為をすれば一発なんですが」

唯「れ……う?」

梓「ヒントその1、軽音部では当たり前です」

唯「うーん……」

梓「ヒントその2、それどころか大抵の部活がそうしてます」

唯「んー」

梓「ヒントその3、甲子園に行くにはコレが重要です」

唯「チアガール?」

梓「それは観客にとって重要です」

唯「そうだよねえ、れで始まってうで終わるんだもんね」

梓「ヒントその4、練習です」

唯「うーん、全然分からないよ……」

梓「わざと言ってません?」
30 :唯「あずにゃんってさー」梓「どうしました?」 [sage]:2011/03/26(土) 22:11:29.67 ID:dQA/KX9do
唯「練習以外思いつかないよ……」

梓「最初から分かってたんなら言ってくださいよ……休み時間終わっちゃうじゃないですか」

唯「だいじょうぶ、私のクラスは次の授業自習だから!」

梓「私のクラスは自習じゃないんですけど」

唯「え、そうなの!?」

梓「その発想はなかったみたいな顔で驚かないでください」

唯「そっかぁ、じゃあ、答えを早く!」

梓「今言いましたけど、まあ、正解は練習です」

唯「練習したらあずにゃん笑ってくれるの?」

梓「ええ、気分良く演奏出来たらっていう条件が付きますが」

唯「上手に行かなきゃダメだよね」

梓「そうですね」

唯「私も頑張って演奏するにはある行為が必要なんだけどぉ」

梓「笑いませんよ?」

唯「まだ何も言ってないよ!?」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/03/26(土) 22:16:34.76 ID:dQA/KX9do
梓「いいですか、お願いしている側は唯先輩です、唯先輩が頑張るのが道理です」

唯「そうなの?」

梓「え? あれ、私の笑顔が見たいとかそんな話ではなかったですか?」

唯「違うよ、あずにゃんにっこり笑うこと無いなって言う話だよ」

梓「その理由は練習しないからです、でファイナルアンサーですよね」

唯「うん、でもあずにゃんにっこりしてくれないとこっちのやる気も出ないんだよ」

梓「え、そういう話だったんですか? てか、それ逆ギレじゃあ……」

唯「笑ってあずにゃん! 笑ってくれたら今日頑張って練習するよ!」

梓「仕方ありませんね、そういうことなら仕方ないです、やってみましょう」

唯「はい、あずにゃん、にぱー、だよ、にぱー」

梓「……にぱー」

唯「うん、まあまあだね!」

梓「まあまあ!?」

唯「それじゃあ、私お昼食べてくるね……と、その前にあずにゃんちゅー」

梓「ちゅう!?」
32 :唯「あずにゃんってさー」梓「どうしました?」 :2011/03/26(土) 22:20:15.57 ID:dQA/KX9do
梓「……ほ、本当に頬にちゅうされちゃった、ちゅーって」

梓「……えへへ」

梓「さて、今日も練習頑張りますか!」

終わり。
33 :紬「世の中には痴女が足りないわ」唯「ふぇ」 [sage]:2011/04/01(金) 15:09:16.64 ID:nL+1VBmgo
唯「ふんふふんふふんふふん〜クン♪」

紬「唯ちゃんご機嫌ね」

唯「やっぱり、難しいところが弾けるようになると嬉しいからねー」

紬「梓ちゃんも入って、唯ちゃんも多くの曲を弾けるようになって軽音部も安泰ね」

唯「そうだねー」

紬「ところで唯ちゃん、痴女って知ってる?」

唯「ちじょ? ううん、聞いたこと無いけど」

紬「痴女というのは性戯のヒロインなの」

唯「正義!」

紬「そう、混沌とした時代の中で一段と輝く光よ」

唯「そうなの!? それってどうやったらなれるのかな」

紬「(計画通り……!)」
34 :紬「世の中には痴女が足りないわ」唯「ふぇ」 [sage]:2011/04/01(金) 15:14:25.85 ID:nL+1VBmgo
紬「ところで唯ちゃん、唯ちゃんは漫画って読む?」

唯「うん、憂が買ってくる漫画を読ませて貰うよー」

紬「唯ちゃんは自分じゃ買わないの?」

唯「本やさんて沢山買うものがあるからどれが良いのか迷っちゃって」

紬「じゃあ、買うものは憂ちゃん任せ?」

唯「うん、気になった単行本は自分で買うけど」

紬「へぇ、最近だとどんな本を買ったの?」

唯「えっと、私の青春ラブコメは間違ってないと私の妹と姉が修羅場過ぎると私の妹はこんなに可愛いかな」

紬「(某学館とMFAとメディアアッークスか……)」

紬「面白かった?」

唯「うん、さすがに話題になるだけはあるね!」
35 :紬「世の中には痴女が足りないわ」唯「ふぇ」 [sage]:2011/04/01(金) 15:22:48.95 ID:nL+1VBmgo
紬「ということは、買ってるのは?」

唯「コミックアラライブとまんがタイムキラ☆キラとコミック栗姫だねー」

紬「多彩ね!」

唯「そうなの?」

紬「うん、あんまり同時に買ってる人って聞いたこと無いかも」

唯「憂がこれだけは読んで良いって言うんだ」

紬「ということは、憂ちゃんはもっとコミック誌を買ってるって事ね?」

唯「そうみたい、メガメガミルクとかゼロゼロエックスとかエルオーとか書いてあってよくわかんないけど」

紬「(憂ちゃん隠し場所間違ってるよ! ……いや、隠す気ないのかしら)」

唯「どの漫画も面白いよね」

紬「読んでるの!?」

唯「私漫画を書く才能とか全然無いから憧れちゃうなー」
36 :紬「世の中には痴女が足りないわ」唯「ふぇ」 [sage]:2011/04/01(金) 15:26:23.63 ID:nL+1VBmgo
紬「内容についてはあんまり思うことはないの?」

唯「うん、えっちだなーってくらい」

紬「うん、そこが一番気にするところだと思うわ」

唯「でも、澪ちゃんも読んでるしあずにゃんも読んでるし」

紬「そうなの!?」

唯「りっちゃんだけはどうしてもダメみたい」

紬「あれ? でもどうしてみんなが読んでるの?」

唯「ふっふっふ、この部室に隠してあるのです!」

紬「ここ学校よ!?」

唯「大丈夫、生徒会長さんの許可は貰ってるから」

紬「ね、ねえ、それ、どこにあるのかしら?」

唯「お、やっぱりムギちゃんも興味がおありですかな」

紬「や、あんまり、男の人向けのは興味はないけど……」
37 :紬「世の中には痴女が足りないわ」唯「ふぇ」 [sage]:2011/04/01(金) 15:30:19.20 ID:nL+1VBmgo
唯「大丈夫大丈夫、ワイルドローズも置いてあるし」

紬「それ、成人向けじゃないわよね」

唯「内容は成人向けだから大丈夫だよ」

紬「ところで唯ちゃんは、そういうエッチなのを何歳の頃から読んでいたの?」

唯「小学校一年生の時かな」

紬「それ、早いってレベルじゃないわ!」

唯「そうだねー、あずにゃんや澪ちゃんは中学生の頃からって言ってるしねー」

紬「ど、どうして? 興味とかを持ったの?」

唯「私ダメって言われたり、禁止されてるのを見てるとどうしても気になっちゃうからさー」

紬「はぁ」

唯「エッチなビデオのコーナーとか本に置いてあるところに一番最初に行っちゃうんだー」

紬「それ、興味とかそういう感じじゃないよね」
38 :紬「世の中には痴女が足りないわ」唯「ふぇ」 [sage]:2011/04/01(金) 15:34:35.08 ID:nL+1VBmgo
唯「お父さんとお母さんはラブラブだったから、私たちっていうよりも自分たちがって感じだったし」

紬「(あれ、さりげなくすっごいダークな話を聞いている気がする)」

唯「構って欲しかったんだろうなーって今から考えるとそうだったんじゃないかなって」

紬「でも、エッチな本を買ってたわけじゃないのよね?」

唯「うん、でも昔は立ち読みが出来たし」

紬「そうなの?」

唯「……もしかしたら、テープを外しちゃってたのかも知れないけど」

紬「嫌なお客ね」

唯「そうだねー、今はない本やさんだけど恩返ししたかったなー」

紬「(それが原因なんじゃ……)」

唯「それで痴女だけどさ」

紬「ああ、やっぱり知ってたのね」
39 :紬「世の中には痴女が足りないわ」唯「ふぇ」 [sage]:2011/04/01(金) 15:37:58.78 ID:nL+1VBmgo
唯「ムギちゃんはお嬢様だからそういうのが厳しいと思ってたんだ」

紬「そうね」

唯「だから今までそういう話したこと無かったんだけど、コレなら安心だね」

紬「私も混ぜてくれる?」

唯「うん、でもりっちゃんには言っちゃダメだよ」

紬「どうして?」

唯「りっちゃんは薔薇の人だから」

紬「そんな! 方向性がまるで違うわ!」

唯「でしょ、だからエッチな話するときはりっちゃんを抜いてね?」

紬「分かったわ、約束する」

唯「ところでムギちゃん」

紬「なぁに?」

唯「いくらエッチな本を見てるからってムギちゃんとエッチする気はないからね?」

紬「そんな!」

40 :1レス [sage]:2011/04/17(日) 10:11:23.05 ID:d/QqmenZo
和「唯、誕生日おめでとう」

唯「ありがとう和ちゃん!」

和「今日から唯は35歳ね」

唯「う、うん、そうだね!」

和「プレゼント代わりと言ってはなんだけど、唯に2つ知らせがあるの」

唯「何々?」

和「いい知らせと悪い知らせ、どっちから聞きたい?」

唯「えー、えっと、じゃあいい知らせから」

和「唯、ニート卒業おめでとう」

唯「!? ま、待って、言ったよね、就職決まったって!」

和「日本でのニートの定義は15歳以上35歳未満で社会活動を行っておらず意欲もない者、を指すの」

和「唯はもう35歳だから、無職は無職でもニートではない無職になるわ」

唯「聞いてよ、ちゃんと働いてるって。ねえ、憂も何か言ってよ!」

和「それから悪い知らせ。憂ちゃんは今うちで不動産情報を調べてるわ」

唯「そんなぁ……」
41 :1レス :2011/05/19(木) 19:48:53.16 ID:Aqqr+ASTo
「あ、あずにゃん、リボンが解けてるよ」
 音楽室の長方形のテーブル。
 前にいた唯先輩から声をかけられる。
「あ」
 確かに言われた通り、制服のリボンが解けていた。
「じゃあ、結びなおしますね」
 新学期早々とはいえ、何度も練習をしたから手順は万全だ。
 と、結び直そうとした手を止める暖かな手。
「律先輩?」
 にんまりと、面白いものを見つけましたと言わんばかりの笑顔で、私のリボンを見つめながら、
「まあまて、ここは先輩たちに任せろ」
 その言葉に、ムギ先輩と唯先輩が目を輝かせた。
 三人の姿に澪先輩はため息をついて。
「梓ができるって言ってるんだからいいじゃないか」
 さすがに冷静である。
 しかし、
「とか何とか言っちゃって、本当はできないんだろ?」
 律先輩が意地の悪そうな笑みを浮かべて、澪先輩へ挑発を始める。
 ああ、これは私がいじられる流れだな。
「な、なにを言うんだ! そんなわけない! 梓、じっとしてて、私が結んでやるから」
 律先輩が計画通りと言わんばかりに、唇を上げ、こちらを見た。
 そして蚊帳の外に行った唯先輩たちは唐突にジャンケンを始めた。澪先輩の成功確率が低いと見たのか、それとも仮に成功しても解いてもう一回という流れか。
 後者ならとても面倒くさい流れだな、と思います。
「き、緊張するな」
 白い手が私の胸元に伸びてきて、リボンを手に取る。
 緊張で手が大変にふるえていた。
 普段だったら簡単にできるんだろうけど、こうも硬くなっていると不安が残る。
「あ」
 澪先輩が声を漏らす。
 リボンは見るも無惨なただの固結びになっていた。
 それを見て唯先輩が目を輝かせる。
 どうやらジャンケン勝負は唯先輩の勝利で幕を閉じたらしい。視界の端でしょんぼりしているムギ先輩と目があった。
「ふんす!」
 唯先輩は意味の通らない声を上げ、意気揚々と私のリボンに手を伸ばし、そのまま固まった。
 ゆるゆるとした表情がだんだんと悲しげに歪められて、涙腺が決壊。
「よく考えたら人のリボンを結んであげたことはないよぉ」
 そろそろ棒のように突っ立っているのも疲れたので、自分でさっさと直すことを決意すると、ムギ先輩がそろそろと近づいてきて、リボンをぱぱぱと直す。
 なんて言う早業。
「私、ヒトのリボンを直すのが夢だったの!」
 夢が叶ってよかったですね
42 :1レス :2011/05/19(木) 22:07:10.98 ID:nSi0niQdo
 ある日の放課後。
 澪先輩は一人で詩作に励んでいるようだった。
 ノートを覗くと頭が痛くなりそうだったので、私は椅子に腰掛け、何をしようかと思案した。
「今日は澪先輩一人ですか」
「ん」
 空返事。
 そうか、じゃあ今日はおいしい、じゃなかった。練習をしないと。
「ギターを弾いてもいいですか?」
「ん」
 同じ返事。
 こんなに集中しているのに、どうしてできあがるのがファンシーな詩なのか疑問だったけど、それはそれで私たちのノリに合っているのではないか、と思わないとやっていられない。
「じゃあ、弾きますよー」
「ん」
 何で軽音部なのに楽器を弾く為に許可を得なければいけないんだろうと考えると悲しくなってくるので、無心を心がけながら、ギターの演奏を始める。
「んー」
 澪先輩が何事か唸り始める。
 練習していても聞こえるんだから、相当大きな声なのだろう。
 私は手を止めて澪先輩を眺める。
 機嫌良さそうに私がさっきまで弾いていた曲を鼻歌で奏でていた。
「何がなにやら」
 まあ、機嫌は悪くなさそうなので、練習に戻る。
 今後は唸り声も何も聞こえなかったので、気分よく練習することができた。
 部員がいない方が練習がはかどるってどういうことだと思ったが考えるのをやめた。
43 :1レス :2011/05/20(金) 15:23:47.07 ID:FMxEvbCMo
 いつもの放課後。
 部室に顔を出したときには、もう先輩方はティータイムに励んでいた。
 いったいこの部活は何部なんだろうな、と悲しくなったとき、蛍光灯が一本切れていることに気づいた。
「あれ、蛍光灯切れてますね」
 私がそういうと、なぜだか律先輩が空気読めみたいなかおをした。なぜだろうと思っていると、本当にどこかからだしたのかわからないが、ムギ先輩が蛍光灯を一本取り出してきて、机の上に置いた。
「こんなこともあろうかとって言うのが夢だったの〜」
 本当、夢が叶ってよかったですね。
「でも、蛍光灯があるんなら取り替えないんですか」
「面倒くさいじゃん」
 律先輩が答える。
 澪先輩は聞こえないフリをしている、あの様子から察するに机の上に乗るのが怖いらしい。
 唯先輩は日常生活に置いては無類の不器用である、できれば任せたくない。
 ムギ先輩はきっと替えたくて仕方がない様子だけど、方法がわからないのか黙っている。
 こうなれば私か、またまた律先輩がやるしかない、だから話題をそらせようと必死なのか。
「こういうのは部長の仕事じゃないんですか」
「いやいや、後輩の仕事だろ」
「パシリですか、年功序列反対です」
「いいから若手がやんなよ」
「一つしか変わらないじゃないですか」
「あれ〜あずにゃん、蛍光灯替えて欲しいの?」
 お菓子に夢中だった唯先輩が、今気が付きましたと言わんばかりにこちらをみる。
 そして何気ない顔でひょいと手を伸ばして蛍光灯を手に取り、上履きを脱いでから机の上に乗り切れていた方を持とうとしたのであわてて電気を消す。
 そして危なげない手つきで電灯を取り替えた唯先輩はこちらにVサイン。
 ああ、はい、面倒くさくなくてよかったです。     
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/24(火) 17:34:46.84 ID:dRpzZeCIO
ああ…幸せだな
日常って
45 :2レス :2011/05/28(土) 21:00:57.61 ID:rOKYeSS3o
「思うんだけど」
 唐突に唯先輩が口を開く。
「あずにゃんっていいこだよね」
 そして出た言葉は素っ頓狂な響きを与えた。
 いきなりなんだというのか。
 今日も練習をしたくないのでおべっか作戦に出たのか。
 その判断はしばらく後に持ち越しとなりそうだ。
「ふふ、梓ちゃん、お茶どうぞ」
 ムギ先輩が空になったコップに気が付いてポットを片手に声をかけてくる。
 その動作をぼんやり眺めていると、どう考えてもいい人なのはこちらの人ではないかと思った。
「私よりもムギ先輩の方がいい人ですよ」
「そうだよなー梓は後輩なのに気が利かないしな」
 というのは律先輩。
「部長なのに仕事ができない先輩よりマシです」
「ついでに言えば、後輩にそんなこと言うことしかできない律の方が下だな」
 私のフックに澪先輩がストレートで乗ってきた。
「なにをー」
「律も少しはムギの爪の垢でも煎じて飲めばいいんじゃないのか」
 澪先輩の攻撃はさらに続く。
 どうやら手をゆるめるつもりはないようだ。
「爪の垢?」
 ムギ先輩が自分の手を見つめながらぽつり。
「そうだよりっちゃん、ムギちゃんの指舐めればいいんだよ」
 そんなムギ先輩が喜びそうなことを。
 あー、なんかもう目を輝かせてこっち見てるし。
 てか、こっち見ないでください。
「そうかそうかーって、舐めるかよ!」
「舐めてもいいのよー」
 それにしてもこのムギ先輩ノリノリである。
 そんなにスキンシップが好きなんですか。
「いやいや、舐めないって」
 律先輩ちょっと引いてる。
 私も引いてる。
「唯ちゃんは舐めてくれるわよね!」
「うん!」
 マジですか。
 そして言葉通り、たった人差し指をペロペロと舐める姿はなんて言うか言葉にし辛い気がした。
46 :2レス :2011/05/28(土) 21:01:25.12 ID:rOKYeSS3o
【名前】

 ある日の放課後。
 ムギ先輩が体育座りをしていた。
 ほかの先輩たちの姿はない。
 どうしてこんな面倒くさいことになったのか。
 なぜ音楽室で体育座りをしているのか。
 いろいろな疑問はあったけど、結論としては部室を間違えたことにして帰りたくなった。
「梓ちゃん」
 私がUターンして帰る準備を始めたところで声をかけられた。
 気づいていたんだったら最初からその声をかけづらい姿を改めてくれればいいのに。
「な、なんですか?」
「突然で申し訳ないんだけど、私を名前で呼んで欲しいの!」
 また本当に唐突だ。
 いったいどういうことだ、何に影響されたのか。
 自分が名前が七文字あることに疑問でも思ったのだろうか。
「ムギ先輩じゃだめなんですか」
「つむぎって呼んで欲しいの!」
「はあ」
 面倒なのでさっさと呼んでしまおう。
「紬先輩」
「なあに」
「呼んだだけです」
 しょんぼりした。
 ここは何かお願いことでも決めておけばよかっただろうか。
「あー、今日は紅茶を飲みたい気分だなー」
「そうなの!? じゃあ、入れてくるわ!」
 ノリノリになった。
 その後本当にほかの先輩たちがこなくて、ムギ先輩と二人きりだったけど、なんていうか普段練習するのより数倍疲れたので、今日は帰ったら早く寝ようと思った。  
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/05/29(日) 01:28:24.68 ID:RzZO+xtjo
日常だなあ。乙。
48 :!ninja [sage]:2011/06/01(水) 17:40:34.08 ID:eaYYYZ7Go
 ある日の放課後。
「あずにゃんっていうあだ名に飽きたかも」
 と、不意に唯先輩が言った。
 飽きたも何も私は許容をしていない。
 そんな不満は口から出ることはなかった。
「そうだなー」
 そして律先輩が乗る。
 何も言わないけど楽しそうといわんばかりのムギ先輩も気になる。
 こちらをちらちらと眺めながら言おうかどうしようかと迷っている澪先輩と目が合う。
 ここで何故私のあだ名なのか、と問いかけるようなことはしない。
 至極真っ当な疑問ほど何故か軽音部ではスルーされるし。
「フルネームは中野梓ちゃんだよね」
 確認とばかりに唯先輩が言う。
 驚いたと言わんばかりの澪先輩、もう何も怖くない。
 ふうん、と何食わぬ顔の律先輩。
 ふふふ、といつもの笑顔のムギ先輩。
 唯一の後輩のフルネームくらいは把握しておいてください。
 ちょっと悲しくなった。
「じゃあ、あずにゃんが第一候補としてりっちゃん何かある?」
「中野」
 また適当なあだ名だった。
 あだ名って言うかただの名字の呼び捨てだった。
 なんだかなあって言う空気が部室全体に流れた。
「じゃあ、次、ムギちゃん」
 唯先輩が律先輩の評価をスルーして次の候補を聞いた。
 ツッコミをする価値すらないと言うことなのか、現実は厳しい。
「梓ちゃんだから、ズサちゃん」
「ネオジオンのモビルスーツだね!」
 ぐ、と親指を立てるムギ先輩。
 と、喜んだ顔の唯先輩。 
 名付けられる側の感覚は全くスルーである。
 まったく、なんて時代だ!
「それじゃあ可愛くないだろ」
 澪先輩が真っ当なツッコミをする。
 どちらかといえばさっきの中野と同レベルだった気もするけど今回は横槍が入った。
 律先輩がいじけた。
「梓は可愛いからな、そして、綺麗な黒髪、ブラックプリンセスとかどうだろう」
 自信満々の澪先輩に、部室全体がもういいかなっていう空気を醸し出した。
 何故私がそんな中二病なあだ名を付けられなければならないのか。
 そして、なぜあだ名なのに微妙に呼びづらいのか。
「やっぱりあずにゃんが一番だね」
 唯先輩が場を取りなすように言った。
 一番良いなんてとても言えないけど、ここで一番と言わない限りエンドレスで変なあだ名を付けられそうだったから仕方なく頷いておいた。
49 :2レス [sage]:2011/06/01(水) 17:41:09.31 ID:eaYYYZ7Go
「この前、散歩してた子犬にお手をしてな」
 澪先輩が唐突に口を開いた。
 基本恐がりの澪先輩がずいぶんチャレンジャーだなって思ったら、どうやら知り合いの犬らしい。
「唯は犬っぽいからお手してみないか」
 そして意味の分からないことを言った。
 犬っぽいからお手してくれないか。
 どこが文章として繋がっているのか理解できない。 
「いいよー」
 そして了承する唯先輩。
 何となくつかめた流れではあったんですけどね。
 そしてムギ先輩は楽しそうといわんばかりの視線を向けないでください。
 私は付き合いませんからね。
「よし、じゃあ唯、お手!」
「わん!」
 それにしてもこの唯先輩ノリノリである。
 そしてこの澪先輩の表情はさらにノリノリである。
 全く意味が分からないよ。
「よし、じゃあ、おすわり!」
「わん!」
 澪先輩が調子に乗り始めた。
 そしてムギ先輩と私との距離がさらに近づいた。
 だから付き合わないって。
「じゃ、じゃあ……ちんちん!」
「わ! ……って、できるわけないよぉ!」
「……そ、そうだな……ごめん、唯」
 ムギ先輩はなぜ期待に染まった顔で私を見るんですか。
 そんなに卑猥な単語を私に言って欲しいんですか。
 別に犬相手なんだから卑猥ってワケじゃないですけど。
 どことなく女子高生としては言葉にし辛い台詞じゃないですか。
「律先輩」
「なんだ後輩」
「おすわり!」
「……」
「すみません」
 関わりを持とうとしなかった律先輩に声をかけたところ、全く無反応だったので諦めた。
 だからムギ先輩、そんな風に残念そうな顔で私を見ないでください。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 23:12:31.12 ID:88mNfidSO
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/02(火) 23:37:49.72 ID:hNq03duSO
ぶっちゃけ、このスレ需要あんの?
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/19(金) 02:54:01.28 ID:UjZnHy/jo
15レスくらいのならここで書きたい
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/15(木) 16:36:09.21 ID:Da/Q6urU0
スレタイが分かりにくいと言うか個人スレと思われるからタイトルを下みたいに総合と銘打ったら人来ると思う
テンプレとか考えたけど俺は書き手じゃないから立て直すなら書き手が立てて欲しい

【まったり】「けいおん!SS総合スレ」【していけよ】
けいおん!SS総合スレ


■このスレは「けいおん!」関係のSSを皆で好きなように書き続けるスレです ■
短編長編SSなんでも来い!振るって書き込んでください
また、SS投下の他にけいおん!SSについての雑談、質問等に用いていただいても結構です

[ 過去スレ ]
【まったり】まったりけいおん!SS書いていくスレ【していけよ】(実質Part1)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297169896/
(タイトルが分かり難かったため立て直し)
 
■このスレのルール■

・話を繋げてもいいし、複数の書き手による別の話同時進行でもおkです
・共用スレなので書きながらの投下は禁止です。必ず投下分を書き溜めてから投下すること
 また安価はご遠慮下さい
・けいおん!ならジャンルは問いません。ただし極端な欝展開やエログロ等は注意書きをお願いします
・別の人が投下している際はSS投下及び雑談、質問は控えましょう
・変態レスは自重、荒らしはスルーで、ルールを守れない人等に対しても柔らかい口調で注意すること
>>950を踏んだ人は次スレを立ててください。無理ならヘルプ要請を
 可能な限り次スレを立てる前に「立てる」宣言をしてください。誘導もお願いします
 宣言、スレ立てがしばらくなければ>>970を踏んだ人がお願いします
・認知度アップの為にage推奨です
・書き込み失敗の表示が出ていても書きこめている場合があるからスレを更新して確認しよう

★これからスレを立てる人へ★

個別スレ立ての目安は100レス前後の風潮です。乱立防止の為にも短編はここでしましょう
安価SSやエログロなどの要素が特に多いSSは個別に立てた方がいいでしょう
この板ではスレ落ちは自動では落ちず運営の手による手動です。
使い終わったスレは以下のスレで処理依頼をしましょう。1000に到達したスレは報告の必要はありません

■ HTML化依頼スレッド Part2
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