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美琴「炎の紋章?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/16(水) 21:09:09.68 ID:nIYSdHeD0
        _____________                   ,ィ!
        └―――‐┐┌‐、 ┌――――‐┘             _ノ` ̄ ̄``'ヽ、
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                    | | ノ|   | | _____    ______  「`  `ヽ、 个  /  ヽ
                    | `'´ |   | |└1 ┌‐、 ヽ └i  ┌‐,=,、_!ノ!    / .,--、 く      !_
                    |  「L.!   ! !  | .L..ノノ   | .└┘.! く | −=  |__| =−  レ'
       ┌――‐┐ |  |     _.| |_ | .|ヽ、ヽ、  !  | ̄`┘,.┐    / | \    l_
        `1 「 ̄| |┌'  `┐ └―┘―‐`' `−'ー―― ̄‐―‐' ヽ、 ./   |   \  /`´___
           | .! i1┴ ┐マ.‐‐‐┐.┌┐i‐、┌┐.i―‐┐i‐‐ii‐‐┐ マ―‐┐┌―――‐テ―――
           | .レ |   .| !. ヽ //! | .!├'、く ! .|   .!└1   | l、 ヽ //! !ー-―'`'´
           | ┌、 |   .| !ヽ. V/ .! | _」 .Lノノ_」 L...,1」 「`...,1 .! |ヽ、V/ .! !
           | | L!  ー― V ‐┘└ ̄ ̄=== ̄ ̄== ̄ ̄=== `=` .'==' '=================
           | |   !1              lニニ''1-┐ィ‐llー┐__lニ''ニl77 lニ'''゚゚.,1__.,.‐,‐_
       ┌'  `−' |               lニ´イ√7-l'l`ノ` ̄lニ ニi-‐‐`!ニ´イ--イ--‐‐'

とある魔術の禁書目録×ニンテンドーDS「ファイアーエムブレム 新・紋章の謎」のクロスSSです
禁書側の登場人物は少なく、FE世界側から見ればイレギュラー的存在という設定です
舞台はアカネイア大陸、時系列でいえば暗黒戦争(新旧・暗黒竜と光の剣または紋章の謎1部終了)が終了し
美琴がアカネイア大陸に飛ばされたところから始まります。 台詞はマイユニットからの輸入が多いですが、マイユニット
と美琴の性格は必ずしも一致しないので、台詞の改変が大いに見られますのでご注意ください。

>>1のタイトルAAは蒼炎の軌跡のAAを使用しています なお、SS初心者であり地の文の説明と描写を
混同していますが申し訳ありません

では始まります
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 21:21:18.05 ID:XuIVJvLAO
未プレイでも読める様に書いとくれや
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 21:25:59.37 ID:alp0DTJp0
俺も未プレイだが・・・期待しているよ
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/16(水) 21:26:10.31 ID:PhNyhiJDP
禁書×紋章二作目か
5 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/16(水) 21:31:54.16 ID:nIYSdHeD0

マルスの持つファルシオンが暗黒竜、メディウスの胸に刺さる。急所を刺した一撃にマルスは
確かな手ごたえを感じた。暗黒竜が自分の死に対して抗うように激しく痙攣するものの、しばらくの
後に動かなくなった。そしてその動かなくなる寸前にこう言い残したのである。

「人の心に闇がある限り我が分身が姿を現すだろう…光に護られしアリティアの王子よ
心せよ…闇は光ある限り永遠に消えはしないのだと…」

暗黒竜メディウスの消滅と共に、ドルーア帝国は再び闇へと消え去った。長きにわたった
アカネイア戦乱もここにようやくの終わりの時を迎えた。暗黒におおわれたこのアカネイア大陸
にも再び光が差しこみ始めた。そしてマルスの長い旅も終えて、世界は再び平和へ動き出した…。

「と、中々ありがちではあるけど王道な話ね。」

そう独り言を言うのは御坂美琴。学園都市のコンビニで立ち読みをする彼女であるが、
この物語に夢中になってしまったのか、最後のページを読み終えた後も一人で感慨にふける。
その顔は形容しがたいものであり、独り言もボツボツと言っていたために他の客から不審者を見る
ような目線で見られるのであった。妄想から現世へ帰還した彼女は慌てるように本を閉じ、
いつものように武蔵野牛乳を買い、店を出るのであった。

「暗黒竜を倒し、平和が戻った世界か…来月に続きが始まるようだけどどんな話になるのかしら?」
6 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/16(水) 22:01:48.23 ID:nIYSdHeD0
コンビニで買った武蔵野牛乳を飲み終え、牛乳を飲むペースに自分自身のことにも関わらず
若干の驚きをし、物語の妄想をしつつ、顔をにやけさせながら常盤台寮へ帰ってきた美琴。
帰っても考えるのはそのことばかりであり、よそ見をしていて人とぶつかるなど以前では考えられ
なかったような出来事まで起こしてしまったのである。同じ部屋の黒子には疲れていらっしゃるの
でしょう。早めにお休みになったらいかがと言われるまでである。

美琴はベッドの中でもやはり今日読んだあの物語のことを考えながら、就寝したのであった。話
によれば就寝する前に強く念じていたことが夢の中でも出てくるらしい。あわよくばと考えていた
のである。でもそれでも夢の中で話の続編を見るのは無理なんだろうなと残念に思ってはいたが。
しかし、翌朝彼女が目を覚ますと異変が起きていることに気付く。

「こ・・・ここはどこ?! 黒子?!」

黒子の名前を呼ぶも返事はない。というよりそもそもベッドがひとつしかないのである。

「どういうことなのよこれは…?」

少し前までは学園都市の常盤台中学生として生をまっとうしていた彼女がベッドで眠り
朝起きたとたんに別の場所にいたのである。慌てるのも無理が無い。何度見ても変わ
らない回りの光景を無意味に何回も確認する。いや、ただ首を回していただけと言っても
良い。しかしここは流石に常盤台のお嬢様。慌てずに冷静になればきっと答えは見つかるはず。
そう考えた彼女はただ見るだけでなく、一から自分の置かれた状況を確認した。

7 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/16(水) 22:46:16.19 ID:nIYSdHeD0
私がいるのは少し小さな家であり、その中の木製のベッドで寝ていたのである。そして窓から外を眺めてみると
街が見えた。美琴はドアを開け、外に出るとそこは大きなお城を中心とした城下町であったのだ。とは言え今
立っている場所は城下町にしては寂れているところであった。それに人気も少ない。何が何だかわからないが
とりあえず行動を起こそう、そう考えた美琴は外を出歩くことにした。

「私の世界でいうならばゴーストタウンといったところね。何故城のすぐそばなのにここは寂れているのかしら?」

そう思ったのには理由がある。歴史の授業で習ったことがあったからだ。大きな城のあるところに城下町といった
栄える都市あり・・・と。それにしては寂れすぎている。人口の集中でも起こり、大きな城があると言えど過去の物
となってしまっているのだろうかと考えていると、そこに弓を持っている、いかにも昔の兵士であるかのような人物が
こちらへやってくる。

「若い女性・・・?どこの方でしょうか?」
「わ、私?!ええっと…」

何者であるかは記憶喪失でないのだから当然わかる。だがなんと言い訳をしたらいいのだろうか。別の世界から
飛ばされてこちらにやってきたでは理由にならず、むしろ怪しい者として連行されてしまう可能性すらある。

「わ、私の名前は御坂美琴。超電磁砲・・・いえ、魔法を扱えるわ」
「女性魔道士ですか?どうしてここへ?」

※美琴は超電磁砲を使え、蹉跌剣や蹴りもありましたのでクラスをどれにするか迷いましたが
やはり魔道士が一番近いのではないかと思い、魔道士に決めました。また魔道士である以上
サンダーやトロン以外にもファイアーを使えるようにしています(エクスカリバーやシェイバーは風の魔法
なので一応使えないようにはしていますが)

「異界」の窓は新・暗黒竜24章外伝の「異界」の塔を無理やり解釈したものです。
8 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/16(水) 22:51:59.32 ID:nIYSdHeD0
しかし、他の言い訳が見つからない。あり得ない話ではあるが、とりあえずそう話をしてみたのだ。
すると意外にも兵士と思われる人物も納得している様子である。よくある話なのかと美琴は尋ねるが

「いいえ、暗黒戦争で起きた最近の話だから、あり得る話かもしれないと思ったのです。それに
学園が集まる学園都市ですか…こちらの世界でいえばカダインに近いのかもしれません。」

その兵士は、暗黒戦争でマルスと呼ばれるアリティア王国の王子と共に戦い、暗黒竜を倒しに
行ったらしい。そこでは「異界」の窓が開き、神竜と呼ばれる竜がマルスに味方をした・・・という。
どこの物語だというのが率直な感想である。現時点では荒唐無稽な話ではあるが。

「ということは、最近来たわけですからここの街については知らないというわけですね?」
「え、ええ。そりゃもちろん。」

この街はアカネイア王国の城下町パレスのノルダという街であり、その暗黒戦争の途中までは
奴隷市場が盛んであったそうである。なので当時は若い女性を見かけると、そいつは奴隷だと
みなされていたのであった。

「まさかと思い、奴隷は解放されたってのにまだ奴隷として苦しんでいる方がいるのか
と思ったわけです。」
「女性一人見て奴隷だと判断するのは大げさなんじゃないの?」
「ノルダという土地はそれぐらい強烈だということです。ところで貴方はこれからどこかに行く
当てがあるのですか?」

行く当てなどない。とりあえず外を出歩けば何か手がかりがみつかるのではないかと思っただけである。


9 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/16(水) 23:05:20.18 ID:nIYSdHeD0
「…特にないけど、その、マルスっていうアリティア王、いえ、アリティアに行ってみたいわ。
同盟軍を率いたぐらいだから顔は広いはず。芋蔓式にたどっていけば私が元の世界に戻る
方法を知っている人が現れるかもしれないわ。」
「そうですか、それではあなたとはここでお別れですね。っとすいません、一つ付け加えて
おきますが、その恰好は魔道士らしくないですね。例外はあるにしろ、魔道士であるからに
はそれらしい恰好をしておくのがいいでしょう。」

確かにこの制服姿はこの昔の世界ではあっていないのだろう。そう美琴は考えると共に制服
着用義務から逃れることができるとも思ったのである。彼による忠告の後に、彼女は北西に
位置するアリティア王国を目指した。彼によればアカネイアには港があり、そこからアリティア
へ向かう船があるのだと。さすがに陸地での移動は面倒であると考えた彼女にとってはまさ
に朗報であった。そして、船に乗って移動しようかと考えていた最中、唐突に思い出すので
ある。アカネイアやアリティアやマルスと言った言葉からもしかしたら私はあの物語の舞台に
来ているのではないだろうか…と。

「夢・・・じゃないのよね?」

自分が物語のプレイヤーになった感じがする。彼女はワクワクしてきたのだ、物語として
読者の立場に立つのではない、これは本物なんだと感じている。そう、彼女のアカネイア
大陸での物語はここから始まったのである。

※第1部から第2部の間のノルダの設定は妄想です。ただ第1部ではマルスが奴隷を
解放するまでは奴隷市場として有名であった土地です。(旧紋章の謎第一部では奴隷
市場と表記されていますが新・暗黒竜では奴隷の文字が消えています。)



10 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/16(水) 23:13:47.70 ID:nIYSdHeD0
区切りが良いので今日はこの辺りまで投下して終わりにします


11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 01:39:26.20 ID:u3qiPnUWo
世界観がかけ離れ過ぎたクロスだねえ
両方知ってるからどうなっていくか期待半分不安半分
頑張ってくれ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/17(木) 07:12:44.20 ID:CHEpY7KAO
またえらいクロスだな、楽しみだ
13 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 14:35:37.29 ID:o0yfQj++0
※マイユニットの台詞を輸入すると書いてありますが、このノルダ〜アリティア間の動きは原作にはありません。
しかし、アリティア騎士入団から始めるとマイユニットの台詞をそのまま入れるだけになってしまい何のために
クロスオーバーさせたのか分からなくなってしまうので、前日編(新・紋章の謎にある1〜8章からなる
チュートリアル要素を含んだもの)ならぬ前・前日編を投下することになりました。

14 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 14:56:44.68 ID:o0yfQj++0
ノルダを出発した美琴は、北西のアリティア王国行きの船に乗るために、港へ向かうのであった。
このアカネイア大陸に来てから少し経つと言うのにもかかわらず、相変わらず慣れない雰囲気
である。周りにはいかにも昔のお城と城下町、それに城下町と言っても日本のそれとは大きな違いで
あり、どちらかと言えば外国にありそうなそれに近いものであった。

「あの兵士によればこの国の東側は海岸線が通ってるから東に向かえばいいって話だったわよね…。」

そんな独り言を呟いてからしばらくの後、確かに美琴は東へ進んでいる。しかし、アカネイア王国の首都
パレスより海岸線までは相当な距離があり現代の学園都市のように駅へは徒歩10分というわけにも
いかないし、海岸まで何キロという看板すらない。これがこの時代かと変な方向で感心するのであった。
実際、彼女がいたところは周りが山に囲まれていたためか、海などなく、せいぜい川が流れているという
状況。起きてから数時間経過した影響か、少しお腹が空いてきたと感じる。だが、美琴は予備の食料
を持っていない、昨日の夕方に武蔵野牛乳を飲んだ以来何も口にしていないのだ。こんなことだったら
ご飯を食べておくべきであったと後悔しながら進んでいくと、何やら光るものを発見する。銀色に光る剣で
あった。

「へぇ、銀色の剣だ。ホント、いかにもって感じになってきたわね。一体誰が使っていたのかしら?」


15 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 15:09:06.39 ID:o0yfQj++0
戦乱中に使われたのだろうか。握る所が多少摩擦で擦れており、剣も刃こぼれがしていた。
正直これを振るって戦うと言うのは無理であると美琴は感じ、初めは使えない代物かとがっかりした。
だがこう考えることもできる。このまま持ち歩いて学園都市に帰ることになれば間違いなくレアもの
扱いされるに違いない。とりあえず、ここに来た印と言う意味で持ちかえろうかと思い、その剣を拾う
ことにした。気分は物語の勇者になったつもりだ。

しかし、本当に田舎である、ここは首都から近いはずなのになんで栄えていないのだろうと思ったの
はまだ現代基準で物を考えているからであろうか。首都○○km圏は通勤圏と呼ばれる現代とは
わけが違うのである。

剣を拾い、そのまま美琴が歩いていると、日が傾いてきたのだろうか。空が徐々に青から橙へと変わ
っていくではないか。やばい、このままでは山に挟まれた未知の土地で野宿することになるかもしれ
ない。そう危機感を感じた美琴は早歩きに転じる。街は出てこないだろうか、いや早く街に行きたい。
そう願っていた。

するとその願いが天に通じたのか、街とは言えなくとも、小さな集落が見える。田舎の集落と言った
感じであるが美琴にとってはまさに天の助け。焦りを抑えきれず、歩くスピードを速めて下っていく。
その集落は確かに寂れていたものの、人がいそうな雰囲気はある。その集落の奥のほうへ美琴が
目をやると、こちらの世界でいう教会らしきものが見えたのだ。

「あの教会…もしかしたら私を助けてくれるかも!」
16 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 17:54:20.63 ID:o0yfQj++0
そしてその教会の門を叩く美琴。しかし反応がない、誰もいないのか?そう思い、目論見が外れため
息をつく彼女であったが、門に鍵がかかっていないことに気付く。不審に思ったものの、中に入ってし
まおうと美琴は中へ入る。すると、中には電気が灯されているがそれにしても少々暗い。やはり誰も
いないのだろうかそう思い、今日は夕食抜きかつ野宿かと絶望感に打ちひしがれそうになっていたが
とある女性に声をかけられる。

「どちら様です?」
「あっ…。」

まずい場面になってしまった。私は許可なしに建物に入っている。ここでは私がレベル5であること
なんか関係ない。レベル5ということで学園都市で違法になるような行為を行いつつも許されてき
た彼女だがここではまずいのでは・・・と一生の終わりを感じた。こうなったら訳を話すしかない。あの
兵士ですら自分の言い訳じみた理由を聞いてもらった。この建物の住人にもわかってもらえるのでは
ないかと感じ前回と殆ど同じような話をしたのである。

「それは中々面白い話ね。まるで物語のよう。」
「はは、そうですよねー」

しかも似たような反応。本当のことであるとは言えども今度は別の言い訳を考えようか、アカネイアより
やってきた旅人言う設定もいいかもしれないと考える美琴であったが、自分の世界に入ってしまったのか
周りのことに気付かずに、御坂さん?と気遣われる始末である。
17 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 17:59:10.65 ID:o0yfQj++0
「でもあり得ないって話ではないわ、むしろ興味深いわ。ところで貴方がここに来た目的は?」

今日、アカネイアの城下町から出発して港を目指していたのだが、夜になってしまったので
たまたま通りかかったこの集落の中で誰か慈善深い人が私を泊めてくれないかと思ったから
と答えたのである。

「ふふ、久々の客人ってわけね。いいわ、今日限りなら用意できるわ。」

神様である。年上の女性かつこちらでいうシスターの姿。これを神様や天使と呼ばずになんと
いうのだろうか。所詮シスターなんてろくなものじゃないと思っていた彼女にとっては価値観を変
えられる瞬間でもあった。

夕食にはパンと牛乳その他があり、美琴にもなじみのあるものであったことが幸いした。遠慮しつ
つも昨日食べられなかった分と今日の移動で消費した分、それを補うような食べっぷりであった。
まるであのシスターのようである。そこに金髪で長い髪の女の子が現れる。年は私と同じぐらいか
少し上と言ったところだろうか。睨まれているのではないかと思ってしまうぐらい強烈な目力を持つ
女の子である。

「エレミヤ様、この人は誰なんです?」
「アカネイアの城下町からやってきたお客様よ。貴方より少々年下の女の子といったところかしら。」
「ふーん、客人ねぇ…。」

何をそんなに怪しんでいるのだろうか、まさか勝手にこの教会に入ってしまったことがばれているのだろうか。

「私は御坂美琴よ。貴方は?」
「クライネ、まぁ今日限りという話なら客人ということにしておいてあげるわ。」
「そこまでにしなさい。ところで貴方はこれからどこへ向かう予定ですか?」

話の振りに内心感謝した美琴である。彼女はエレミヤの質問に対して、アリティア王国へ行こう
と思っていると答えたのである。しかし、更にマルスに会って…と言おうとした瞬間、何かが美琴
を制止したのか言葉を切り、誤魔化すように答えた。
18 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 18:05:56.48 ID:o0yfQj++0
「でもあり得ないって話ではないわ、むしろ興味深いわ。ところで貴方がここに来た目的は?」

今日、アカネイアの城下町から出発して港を目指していたのだが、夜になってしまったので
たまたま通りかかったこの集落の中で誰か慈善深い人が私を泊めてくれないかと思ったから
と答えたのである。

「ふふ、久々の客人ってわけね。いいわ、今日限りなら用意できるわ。」

神様である。年上の女性かつこちらでいうシスターの姿。これを神様や天使と呼ばずにな
んというのだろうか。所詮シスターなんてろくなものじゃないと思っていた彼女にとっては価値
観を変えられる瞬間でもあった。

夕食にはパンと牛乳その他があり、美琴にもなじみのあるものであったことが幸いした。遠慮
しつつも昨日食べられなかった分と今日の移動で消費した分、それを補うような食べっぷりであった。
まるであのシスターのようである。そこに金髪で長い髪の女の子が現れる。年は私と同じぐらいか
少し上と言ったところだろうか。きつい目をしていることから睨まれているのではないかと思い、少し
身が縮む思いであった。

「エレミヤ様、この人は誰なんです?」
「アカネイアの城下町からやってきたお客様よ。貴方より少々年下の女の子といったところかしら。」
「ふーん、客人ねぇ…。」

何をそんなに怪しんでいるのだろうか、まさか勝手にこの教会に入ってしまったことがばれているのだろうか。

「私は御坂美琴よ。貴方は?」
「…クライネ、まぁ今日限りという話なら客人ということにしておいてあげるわ。」
「クライネ、そこまでにしておきなさい。ところで御坂さんと呼べばいいかしら?貴方はこれからどこへ
向かう予定ですか?」

話の振りに内心感謝した美琴である。彼女はエレミヤの質問に対して、アリティア王国へ行こうと思って
いると答えたのである。しかし、更にマルスに会って…と言おうとした瞬間、何かが美琴を制止したのか
言葉を切り、誤魔化すように答えた。
19 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 18:07:34.58 ID:o0yfQj++0
「まぁ、アリティア王国へ行く予定ですか。それならこの教会の「信徒」であるア、いえカタリナと
合流するかもしれませんね。」

カタリナ、その名を持つ少女は気が弱いという欠点を抱えており、気が弱いのを治すために
アリティア王国の騎士へ入団し、立派な女性として帰ってきたいとカタリナはそう言っていると
エレミヤが言ったのである。後からわかるものの、当然エレミヤがとっさについた嘘であり、アリ
ティア王国の騎士へ入団を考えているのも別の理由があっての話である。

「確か船の出発はもうすぐだったはずだわ、明日出るなら早く出たほうがいいんじゃない?」

冷たいような言い方だが、わざわざ忠告してくれることだから彼女の優しさなのだろうと
受け取った美琴はエレミヤにどこで寝ればいいかと問い、彼女の指定する部屋へ向かい
備えてあるベッドに入り、一夜を明かすのであった。そして、寝静まったのを確認すると
クライネはエレミヤに対してこう言ったのである。彼女は私が感じた限り只者ではない。
アリティアへ行くとしたら今後の障害になるのではないかと。

「…問題ないわ。彼女が強そうに見えたとしても私のほうが上。取るに足らない存在よ。
それと、クライネ。貴方がここに来ているということは今日はもう終えたということかしら?」

終えたというのは「教育」のことである。エレミヤによれば「教育」は大事なものであり
今後に関わるらしい。その質問に対し、クライネは、特に問題なく本日は終了しました
と答えるのであった。

翌早朝、美琴はエレミヤより食料を貰い、感謝し、教会を後にしたのであった。クライネの
言うとおりここから港までは速くいけば2〜3日で着くとのこと。船は次々とは出ていなく
次の船が出てしまったらしばらくは来ないから急いだほうがいいと言われているので彼女は
安全に気をつけつつも早歩きで山を下る。港が近づいていることを信じて。

20 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/17(木) 18:12:24.88 ID:o0yfQj++0
今回の説明とお詫び

補完はほぼ捏造です。エレミヤはこの時点で原作では既に鬼畜とも言えるような性格ですが
表面的には優しいシスターであるため、客人に対してはこういう態度もとれるのではないかと考えた
上でこういう性格にしてみました。原作では孤児院となっていますが、シスターの格好をしている
わけですし、「教会」でもいいだろうと考えました。

位置は原作通りです。新・紋章の謎20章をクリアしますとアカネイア帝国の首都パレスの
近くにある山間の孤児院に行くというイベントが発生します。

既にカタリナはマルス暗殺へ向けて行動しており、カタリナという偽名を使うことをエレミヤや
クライネも認識しているため、彼女の名前を呼ぶ際にアイネではなくカタリナと言うことにしました。
また、クライネはいわゆる組織の中では比較的上位に位置していると勝手に認識しているため
「教育」を任されています。原作では10章外伝でローローと呼ばれる戦士達が任務に失敗した
後にそれらの「処理」を任されています。

新・紋章の謎の前日編1章にすらまだ到達しておらず、本編の始まりが遠いですが、
>>1で申し上げた通りマイユニットの代わりに御坂美琴を入れて進めるだけではあまり意味が無いので
このような前・前日編を入れております。

また>>17>>18が全く同じ文であり、二重投稿してしまい申し訳ありませんでした。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/18(金) 00:49:45.05 ID:d1CxWjiAO
ある程度は脳内補正で納得出来る、問題ない

指摘したい箇所があれば、際どい改行具合と
これから先、戦闘があれば[ピーーー]などの伏せ字が入る機会が多くなるだろうゆえ
伏せ字除けに、名前欄に「saga」と入れる事を勧める

これからの展開が楽しみだ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/18(金) 12:21:17.51 ID:+fyXJQxDO
兵種変更は女性の兵種をもっと増やして欲しかったな

勇者とかホースメンとか増やしてほしかった
23 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/21(月) 16:45:50.71 ID:Js2OdeOe0
>>21
改行につきましてももっときっちりやっていきたいと思います。
脳内補完に関してはありがたい限りです。
>>22
確かに女勇者や女ホースメンは欲しかったですね。
24 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/21(月) 22:19:15.80 ID:Js2OdeOe0
エレミヤの「教会」を去った美琴は貰ったパンをかじりながら、早く港に着かないかと考えつつ
早歩きで下っていた。早歩きをしていればいつもよりカロリーの消費が激しくなるものである。
そして、パンで空腹を凌いでいた2日目の朝、彼女には港が見えていた。これでようやく長
旅ともお別れだ。後は、船に乗るだけと考えていた彼女は更にスピードを速めた。

「(ついたわね。丁度無くなったし、彼女の言うとおりだったということかしら?)」

二日分の食料を持っていきなさいと言っていた彼女の姿を思い出したのである。

「(それはそうと、早く船を探さなくてはいけないわね。)」

ここはアカネイアの港町。ワーレンほどではないが、貿易の地点であり、多くの船が止まって
おり人も大勢いる。とは言っても現代にあるような船ではなく、木製でできた船である。行先
が書いていないからか彼女にはどれがどれだか全く分からない。悩んでいるよりは誰かに聞
いたほうが早い、そう感じた美琴は目の先にいたいかにも船の男といったような感じの男に声
をかけてみた。

「アリティア行きの船?上が白くて下が緑の旗をかざしてあるあの船がそうだよ。なんだい?
アリティアへ行くつもりなのか?」

アリティアへ行くつもりなのかという言葉の中に多少の含みがあるのをくみ取った美琴は何が
おかしいのかと思いつつも、アリティアに行くつもりだと答えた。答えを聞いた男は。

「珍しいな。アリティア行きの船にのる人物がいるなんてよ。」

珍しい?どういう意味なのかと疑問が浮かんだ美琴であったが、その男によればこの港に来
て乗船しようとする者は大体がマケドニア帝国行きの船に乗るからそう思ったらしいのである。
もっと何か大きな意味があるのではないかと期待していた美琴であったが、期待外れであった。
25 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/21(月) 22:26:12.95 ID:Js2OdeOe0
「アリティア行きの船ならもうすぐ出発するはずだ、急いだほうがいいんじゃないの?」
「もうすぐ出発ですか?わ、わかったわ。」

美琴は自分が乗る前に出船しないように祈りながら、アリティア行きの船に乗るべく全速力
でダッシュする。ここは平地である分、転ぶ心配は大幅に減る。早歩きどこではなくまさに
神速というのにふさわしかった。該当する船が停泊している場所までたどり着くと、間に合っ
たことにほっと胸をなで下ろし乗船口、船と陸の間に架かっている橋へ向かう。

「おいあんた。あんたもこの船に乗るのか?」
「ええ、そうよ。あっ・・・」

気づいたのである。現代では船に乗るためにはチケットが必要であり、そのチケットも有料で
ある場合が殆どである。当然この時代でも何かを払う必要があるのではないか。しかし彼女
はこの世界で使うお金やそれに相当する物は持ち歩いておらず、あるのは自分の体とパン
が入っていた袋のみ。現実から抗うためにその袋の中を探ってみる。すると、袋の奥底にゴ
ールドが入っているのを確認する。今までジャラジャラと音を出していたのはこれだったのか
と気づいたのであった。

「こ、これでよかったのかしら?!」
「あ、ああ。これがあれば乗れるぜ。さあさあ、出船の時刻はもうすぐだからさっさと乗ってくれ。」

船に乗ってみると、部屋が少数備えられている。彼女は空いていそうな部屋を見つけ、中に
入ることにした。もちろん、部屋と言っても豪勢なものではなく、雨風を凌げるのと冷えを防ぐ
ための毛布らしきものがあるぐらいであった。
26 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/21(月) 23:51:42.63 ID:Js2OdeOe0
「ま、まぁ無いよりはマシね。」
「だ、誰ですか?」

誰もいないという思い込みに反して突然自分以外の声が聞こえたためか、美琴は身構える。
聞いた感じでは女の子と言った感じである。声が聞こえたほうに顔を向けると予想通り一人
の女の子、いや女性というべきなのか、がいたのである。

「ご、ごめんなさい。突然声をあげてしまって。」
「いや、私も悪かったわ。そりゃ狭い部屋で独り言を言えば驚くわよね。何だからここで自己
紹介してもいいかな?私は御坂美琴よ。貴方の名前は?」
「私はカタリナと言います。ミサカミコト…さんですか…。」

ミサカミコト、カタリナがいくら「何でも教会と言う名前の孤児院」育ちだからと言えどもその
ような響きを持つ名前は聞いたことが無い。偽名なのだろうかと一瞬思ったものの、いくら何
でも初対面の相手にそんなことを言えるわけがなく、とっさにこう言ったのである。

「珍しい名前ですね。どこの国の方ですか?」
「アカネイアよ、アカネイアのパレスのあたりから来たの。」

アカネイアのパレスのあたり、別に間違っているわけではない。間違っているのはそこではな
く彼女が学園都市と言うこの世界の人間から見れば未知の世界からやってきたということで
あり、流石に同じ言い訳も飽きた彼女であったのでアカネイアからやってきたととっさに言った
のだ。

「へぇ、アカネイアから来たんですか。と言ってもアカネイアの港でアリティア行きの船に乗っ
ている以上、アリティア出身かアカネイア出身の可能性が高いですよね。」
27 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/22(火) 00:03:46.49 ID:ClF1gK0r0
ここでカタリナと言う名前を聞き、エレミヤが言っていた女性とは彼女のことかと思い出す。
そういえば彼女はアリティア騎士団に入りたかったはずである、どうせ時間も一杯あるしそ
のことを聞いてみようかと思い、彼女は質問したのである。

「アリティア騎士団に入る理由ですか?そうですね、私はこのまま何もせずにこの後を生き
ていけるとは限りません。軍隊に入れば私の魔法も使えますし、軍師としても活躍できるの
ではないかと思ったんです。」
「へぇ、アリティア騎士団ねえ。確かアリティアの王はマルス…いえ、マルス様よね?」
「はい、そうですよ。英雄王と呼ばれている彼が率いる軍隊ですから、それ相応の軍隊なん
だと思います。それに…」

彼女はマルスやアリティアのことについて熱心に語りだす。完全についてはいけないが、彼
女が折角話している最中であり、なおかつ初対面であり、いきなり興味のないそぶりをして
はいけないと思った彼女は付き合うことにした。

「・・・。あっ、すいません。一人でこんなに喋ってしまって。迷惑でしたか?」
「そんなことないわ、新鮮な話もあったし面白かったわ。」

軍師であるからには勉強ができるはずだし、マルスやアリティア王国のことを詳しく知ってい
ても全く不思議ではない。彼女が超能力に関して色々体得しているのと同じであろう。

「カタリナ、そのアリティア騎士団への入団のことなんだけど、誰でも入団できるのかしら?」
「アリティアは騎士団入団に関して家柄や国を特に重要視しているわけではないですから
誰でも入れると思います。ただ、入団には数々の試験を突破しなければならない…と聞いています。」
「試験?」
「はい、私のような魔道士ならば魔道を使い、実技の試験を行うと聞いています。」

実技試験、彼女にとってみれば朗報とも言えるものであった。彼女には超電磁砲と言うこ
ちらでいう電撃魔法が使える。学園都市第三位であったぐらいだから、この大陸でも十分
通用するはず。そう思っていたのである。

「美琴は何を扱うのですか?私と同じ魔道ですか?」
「私は魔道士よ。」
「予想通りですね。」
「そりゃ、私が騎兵や戦士なわけがないしね・・・こういう体格で何ができると言えば
一番適性があるのは魔道じゃないかと思ったわけよ」

こういう体格で言えば一番適性があるのは…と言えば後ろ向きな考えかと受け取られるか
もしれない。しかし、美琴には自信があった。私の電撃はどんな相手にも通じると。一部除いて…だが。

「突然独り言を言われて驚きましたが、アリティア騎士団への入団を目指す者同士と聞い
てなんだか私も気分が舞い上がってきました。美琴、一緒に頑張りましょう。」
「ええ、私も当然そのつもりよ。」
「美琴は騎士団へ入ってなにがしたいんですか?」
「そうね…私は…。」

美琴とカタリナが話を続けている間にも船は着実にアリティアへ向けて動いている。アリ
ティアの地では何が私を待ち受けているのだろうか。美琴は期待と不安をいだきつつ、高
揚した気分に包まれながら、到着を待ち遠しく思っているのであった。そして彼女は部屋を
飛び出し、甲板よりまだ見ぬアリティアを思い浮かべながら、思い切り息を吸い込んだ。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/22(火) 15:03:42.68 ID:sFSLTTRs0
>>4 一作目についてkwsk
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/22(火) 22:55:38.82 ID:0Oe6wSoyo
>>28
新・暗黒竜と光の剣というFCの初代リメイク

ちなみに仲間を犠牲にしないと登場しない隠しキャラが数人いるが新・紋章では犠牲無しでちゃんと仲間になる
30 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/23(水) 01:13:15.08 ID:aaBd7Fb90
書き込んでくれた方、そうでなくても見てくれた方に感謝します。
今回までは完全な捏造でしたが次回よりは原作に近づけた形で送ります。
また、前日編なのですが1〜8章まであり、全部書くのは時間がかかるため、1・2・3・8章のみを対象とします。
前日編8章の次から始まる本編ですが、これは一応全て行うつもりです。長編になり、また果てしなく自己満足であり
その領域を出ませんがよろしくお願いします。

31 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 14:30:02.40 ID:u+UPr+T60
では、本編を投下します
32 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 14:34:47.03 ID:u+UPr+T60
5年の永きにわたり、人々を苦しめた暗黒戦争と呼ばれた戦いがあった。ドルーア帝国の
メディウスが侵略を開始。大陸の盟主たるアカネイア王国、アリティア王国を滅ぼした。
しかし、数年の後、アリティア王子マルスが亡命先のタリス王国より兵を率いて反撃を開
始、タリス王国の王女シーダやオレルアン王国のハーディンやアカネイア王国のニーナ
姫、マケドニア帝国の赤い竜騎士、ミネルバなど、マルスの下には多くの同志が集まった。
ドルーア帝国の侵略に対抗し、ニーナの祖国アカネイア、マルスの祖国アリティアを奪還
し、ドルーア帝国との壮絶な戦いを経て暗黒竜メディウスを倒し、ドルーア帝国は滅亡。
炎の紋章に集いし戦士達は各国へ帰還し、それぞれ復興へ向けて動き始め、平和へと向
かいだしていた…。

ここはアリティア城。何故御坂美琴がこの城へいるのかと言えば、アリティア騎士団へ入団
するために門を叩いたからである。何故入団しようと思ったのか?何もいっぱしの民間人と王
子の間柄では密接な話や人脈を介した元の世界への帰還方法に関する有力な情報を得
ることはできず、アリティア軍に入り、自慢の超電磁砲を扱いエースとなるのが一番良いの
ではないかと思ったからだ。もっとも、入団してエースになろうなど誰もが考えるがとても難
しいことであるのだが。

「大丈夫?」
「はい、大丈夫です。緊張してきました…」

高くそびえたつアリティアの門が威圧感を放ち、門の前に立つカタリナに緊張感を走らせる。
大きな城であるとは船の中で聞いてはいたものの、こんなにも大きいとは想定していなく、思わ
ず立ちすくんでしまったのである。
33 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 14:36:05.00 ID:u+UPr+T60
一方、美琴はというと、既にアカネイアの王宮を眼に入れていたことがあったからか。
「…アカネイアのパレスよりは小さいお城だけどそれでも大きいわね。カタリナ、こんなとこ
ろで立ちすくんで何してるのよ。さっさと入りましょう。」
「そ、そうですね。ごめんなさい。」

「カタリナ以外にも人がいるけど、この人たちも騎士志願者なのかしら?」
「あちらの方もそうですし、向こうの方もおそらくそうなんじゃないかと思います。」

中には騎士志願者達が大勢集まり、剣を持つもの、斧を持つものなど多種多様な武器を
持ち、まるで自らの実力をアピールしているかのようであった。そんな中、一人の男に目が
移った。青い鎧に緑の髪の毛をした剣を持つ青年であった。名前は…。

「目が合ったな。ということでよろしく頼むぜ。俺はルーク、暁の聖騎士になる男だ。」
「暁の聖騎士?やけに仰々しい名前ね」
「いずれそうなるってことだよ、俺の活躍を見てくれよな!」
「は、はぁ…。」

やけにテンションが高く、なれなれしい人物だなと思っているとそこにもう一人の騎士志願者
がやってきた。

「すまない、こいつがとんだ失礼を…。」
「いえいえ、別に大したことじゃないわ。それよりあなたも騎士志願者なの?」
「そうです。私はロディと申します。この騎士試験では小隊を組むということからもしかしたら
同じ隊に配属される可能性もあります。その時はまたよろしくお願いします。」
「小隊制?」
「この試験では個人だけでなく一つの隊としてアリティアの騎士に足り得る人物かどうかを
決めるようです。」
34 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 14:38:24.02 ID:u+UPr+T60
美琴は若干の懸念を浮かべた。しまった…私は団体戦はあまり好きではないと常々思って
いたからだ。しかしその感情とは反対に面白そうだと感じたのもまた事実。

「へぇ、面白そうじゃない。団体戦かぁ」
「美琴は早くもやる気ですね。」
「私達はもうすぐ試験が始まりますのでそれでは。ルーク、行くぞ。」
「はいはい、分かった分かった。じゃあなお二人さん。」

二人が去っていく姿を見ながら、この二人と小隊を組む可能性もあるのかと考えていた二
人であったが美琴が聞いていなかったことがあったのを思い出し、こう質問した。

「私は魔道士、主に雷魔法を扱うけど、貴方は何を扱うのかしら?」
「私も一応魔法で戦うことはできますが、私は軍師志望なのです。」
「軍師?指揮官と似ているの?」
「指揮官とは少し違うかもしれませんが、的確な助言を与え、戦闘を有利に進めていく。
軍師とはそういう仕事をするものです。」
「へぇ・・・。」

中々頭を使いそうな仕事柄だなと思った。そしてもしかしたらこう見えても結構頭がいいの
かなとも思ったのである。

「あっ、もう私達も試験の時間ですよ。行きましょう」
「ええ、私も頑張るからカタリナも頑張りなさいよね。」
35 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 14:45:02.23 ID:u+UPr+T60
試験会場には多数の志願者がいた。その志願者の先にジェイガンが現れた。いかにも歴戦
を潜り抜けてきた大ベテランと言った騎士であり、威厳が距離を離している状態でもよくわかった。

「諸君らはアリティア騎士にならんとして今日、この門を叩いた。アリティア騎士は、有能なら
ば家柄を問わず選ばれる。だがその道は容易ではない。ここにいる者達の中で試験を突破
して騎士になれる者はほんの数名であろう。」

「(数名・・・?へぇ…なかなか難しいってわけ)」

美琴は数名しか突破できないと言うことを聞いた後、すぐに自分の電撃がどれぐらい通用す
るのかを試したい気持ちになり、試したいと言うだけでなく、この電撃一本で私は勝ち残って
みせると拳を握りながら思った。その傍らでカタリナが

「き、緊張しますね。」
「確かにそうね、でも、それでも突破しなければならないわ。貴方もそのつもりでやってきたの
よね?」

当然である。カタリナには突破しなければならない理由があるのである。こんな所で躓くわ
けにはいかない、そのように思っているのは何も美琴だけではない。

「では、諸君らが今日のためにどれだけ己を鍛えてきたか、それを示してもらおう。騎士見習
いは二人一組となれ!これより模擬戦を行う。相手は我々アリティア騎士である!」

「二人一組ですか、美琴、お願いします。私と組んでくれませんか?」
「いいわ。二人で模擬戦での勝利を勝ち取ってアリティア騎士入団の一歩を踏み出そうじゃない。」
「そこの二人。次はお前たちの番だ。私が相手を務める!配置に着け!」

兵士の大きな声が響き渡り、美琴とカタリナが応じる。ここに模擬戦、いや御坂美琴とカタ
リナがアリティア騎士団入団へ一歩を踏み出す重要な戦いが始まったのである。
36 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 14:57:53.70 ID:u+UPr+T60
模擬戦会場、美琴と兵士が対面する。いや、互いの目へ向けて睨みの目線を向けている
といったほうがいいだろうか。そして、美琴の後ろにカタリナがいるのである。

「美琴、相手が使用する武器は槍のようです。」
「そう、相手は槍使いなのね。リーチはそれなりにありそうだけどこちらのそれには及ばないわ。」
「そうですね、私が指示を出すまでもないかもしれませんが遠くからの攻撃が一番有効だと
思います。ただし距離が離れている分外れることもありますが。」

距離が離れているから外れる?そんなことはない。私のサンダー、いや「超電磁砲」はこの
程度の距離など全く関係ない。殆どゼロのようなものである。と言いたかったところであるが
武器の制限が加えられており魔道士は雷の書、つまりサンダーを使うことになっていたので
ある。しかも訓練用になっているのか威力も落ちているとのことである。

「そうね、近づくと相手からの攻撃を受けやすくなるから距離を離したほうがこちらには有利。
威力が落ちたこういう訓練用の魔法はあまり使ったことないけどやるしかないわね。」

「では行くぞ!」
「ええ、私も行くわ!」

戦闘開始である。美琴は先手必勝を考え、サンダーを開始直後に放った。雲を発生させ
雷が相手を襲うが、流石にアリティア騎士、そうそう簡単にはやられてくれない。雷は上から
落ちてくるものであり、銃弾のように一直線に飛ばないために遠距離からの狙撃というのも中
々難しく、かといって近づいて撃とうものなら相手の射程に入り、やられてしまう可能性だって
あるのだ。
37 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 15:14:37.01 ID:u+UPr+T60
「(開始早々サンダーを撃つとはなかなかやる。魔道士でありながら前線向けと言ってもい
いぐらい珍しいタイプだな。だが、本来前線を張る騎士である、私がすぐにやられるわけには
いかん。)」

美琴のサンダーが外れ、今度は兵士による反撃、攻撃が集中していた。

「!」

槍の一撃が美琴を掠めるがギリギリのところで回避。美琴は自らの軽い身を活かし、相手の
槍を回避していく。互いに引けを取らない戦いであったが、美琴は攻撃をかわしつつ相手の
隙ができるのを狙っていた。そして、槍を大振りし、踏み込みすぎた兵士はその瞬間に自分
が犯したミスを察知し、しまったというような後悔にとらわれる。美琴はその隙を見逃さない。
サンダーの魔法を詠唱し、既にあった暗雲より雷撃が兵士を直撃し、戦闘の終了の合図を
告げる。

「終了。そこまでじゃ。この模擬戦、御坂美琴及びカタリナの勝利とする。」
「なんとか勝てたわね。」
「見事じゃ。お前たちは期待できそうだな。」
「やりました、勝利です!…とは言っても私は何もしてないのですが…美琴のおかげです。」

そして模擬戦に勝利した者がとある場所へ集合していた。志願者は大勢いたはずだが、そこ
にいた人数は志願者全体の4分の1にも満たなかった。個人的な鍛錬をしてきたとはいえ相
手は、あのアリティア騎士団員、そう簡単に勝てる相手ではなかったのだろう。

「静かにせよ。模擬戦に勝利した諸君らに対してマルス様よりお言葉がある。ではマルス様…」

ジェイガンが横に移り、後ろよりマルスが登場する。マルスの登場により辺り一帯の空気が
張り詰める。
38 : ◆o8KwdV0LiA :2011/02/24(木) 15:18:25.44 ID:u+UPr+T60
「マルス様はやはり威厳がありますね。前の戦争の英雄と言うのはやはり凄いとしか言いよ
うがありません。マルス様の活躍のお話、私は大好きなんです。美琴はどれぐらいご存じ
ですか?」

正直なところ、美琴はタリス王国より反撃を開始し、アカネイア王国、アリティア王国を奪
還し、ドルーア帝国のメディウスを倒し、世界に平和をもたらした。といったいわば教科書の
文章にそのまま載っているようなことしか知らないのである。確かにこちらの世界に来る前に
物語として読んだことがあるが、どこまで正しいかはわからないからである。

「そうね、それなりには知ってるわ。多分常識として知っている程度には知っていると自分で
は思ってるわ。簡単に言えば前の戦争を終わらせた英雄よね?」
「そうです、ドルーア帝国のメディウスや魔王ガーネフを倒し…」

小さな声で話していたのかもしれないが、ジェイガンの耳には届いていた。マルス様のお話
の最中に私語をするとは何事だと、注意をしたのである。

「アリティアの未来を担う者がこんなにも大勢集まってくれたこと、嬉しく思っている。」

先ほど半分にも満たないとあったものの、それでも相当な人数が残っており、半分にも満た
ないいや、半分にも満たないがまだ大勢いる。考え方の違いであろう。さらにマルスは続け
て述べる。

「戦争は終わり、今は平和な時代だ。でもその平和はただ生きていれば享受できるものじゃ
ない。平和とは僕達、国を治める者が命をかけて守らなければならないものだ。僕一人で
はできることに限界がある。なので、ここに残っている皆はこれから騎士として力をつけて
僕を助けてほしい。」

カタリナはマルスの言葉に感動しているのか目が輝いている。

「騎士を目指して一緒に頑張りましょう、美琴」
「ええ、そうね。何としても合格しないとね。」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 16:25:41.41 ID:6PjSEYxk0
両方とも知っている作品名だけに期待している
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/10(日) 10:28:22.19 ID:0UhLnsJk0
生存報告してください!
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage!orz_res]:2011/05/18(水) 23:23:10.07 ID:JsIvIixW0
まったく来る気配がないな
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