このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

一方通行「…………お前なンか、大嫌いだ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/18(金) 22:33:22.70 ID:ulHM7rEJ0

http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1269761886/の続きで垣百合。
↑を読むのがめんどくさい人のための3行あらすじ
「第一位を落としちゃえば簡単に直接交渉権取れるんじゃね?」とか考えた垣根が百合子に猛アタック
だが、次第に百合子に本気になっていく垣根。しかし、上条との仲に嫉妬し百合子を[らめぇぇっ!]しようとしてしまう
その事に百合子はショック受けたけどなんだかんだで両思いだよ、よかったね!

そんなこんなでナチュラルセクハラな垣根とツンデレデレな百合子と、その他愉快なグループ達のSSです
百合子ネタやキャラ崩壊苦手な人は気をつけて
更新ペースはまったりのんびりで行く予定

では、投下始めます
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:34:35.41 ID:ulHM7rEJ0
結標「……で、結局付き合うことになったワケ?」

一方通行「…………………///」コクリ

結標「近頃なーんか様子がおかしいと思ってたら、そんなことになってたのね」

一方通行「お、俺はいつも通りのつもりだったんだけどなァ」アセアセ

結標「ん、いつもよりなんかそわそわっていうか、ウキウキしたオーラがでてたんだもの。女のカンってやつよ」

結標「多分、土御門たちはそこまで気付いてないとは思うけどね」

一方通行「そォかよ……」ホッ

結標「あら、どうしたの?バレちゃまずい事情でもあるわけじゃまいでしょ?」

一方通行「そォいうワケじゃねェけどよォ……なンか、その、恥ずかしくって……///」

結標(彼氏できたせいか、反応がすっかり乙女ね……)

結標「ま、あの二人に知られないほうがいいってのは私も同感だけど」ボソッ

一方通行「ン?なンか言ったか?」

結標「いいえ、なんにも。……でも、私だったら絶対無理ね。未遂とはいえ自分押し倒した男と付き合うなんて」

一方通行「う……でも、アレは垣根だって謝ってくれたし、アイツの事気遣えなかった俺にも悪いとこあったし……」

結標(駄目だわ……この子典型的なDV被害者の思考パターンになってる……)

結標「……念のため聞いておくけど、あなた、あの男になんかされたりしてないわよね?」

一方通行「なンかって?」

結標「たとえば、なじられたりだとか、物投げつけられたりだとか、殴られたりだとか……」

一方通行「アイツがそンな事するわけ無ェよ」ムカッ

結標「そうね、悪かったわ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:35:09.59 ID:ulHM7rEJ0

一方通行「当たり前だろォが……それに、この前一緒に買い物に行った時だって」

結標「あー、はいはい。ノロケ話はいいから」

一方通行「ノロケ話って……///」

結標「ノロケ話以外に何が始まるっていうのよ。どうせデートして、その後どこかのホテル泊っていちゃいちゃしたって話

でしょ?」

一方通行「ホ、ホテルなンて、俺たちまだそンな関係じゃねェし///」

結標「あら、意外ね。垣根ならとっとと手つけてるもんだと思ってたわ」ビックリ

一方通行「垣根はそォいうのしたいのかもしンねェけど、俺が、その、まだちょっと恥ずかしくって……///」

結標「へぇ、大事にされてるんじゃない」ニヤニヤ

一方通行「別にそンなンじゃ……。あっ、やべ、もォ時間じゃねェか!」

結標「あら、何か予定でもあるの?」

一方通行「あァ。垣根に泳ぎ教えてもらう約束してンだ」

結標「……いいわねぇ、ラブラブで」

一方通行「ラブラブじゃねェよ!///」

結標「はいはい、もういいから。……早く行かないと遅刻しちゃうわよ?」

一方通行「それもそォだな。またな、結標!」タッ

結標「またねー」ヒラヒラ

結標「……しっかし、まさか一方通行と垣根帝督が付き合ってるなんて思わなかったわ……」

                            ・・・
結標(本当はグループの他の二人にもバラしちゃいたいけど、アイツに知られると面倒な事になりそうなのよね……)

結標(ま、仮にもスクールのリーダーですもの。気にするのは分かるけど、心配性っていうか、なんていうか……)

結標(あの子のあの幸せそうな様子見てたら、私は大丈夫だと思うんだけどね)

結標(……それにしてもうらやましいわ)

結標「あーあ、どこかに可愛い男の子でも転がってないかしら」ハァ

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:35:44.71 ID:ulHM7rEJ0

<第7学区のプール近く>

一方通行「悪ィ、待ったか?」タタッ

垣根「あぁ、すげぇ待った」

一方通行「あ、ごめン……」シュン

垣根「うそうそ、冗談だっての。俺もさっき来たところだ」

一方通行「からかうンじゃねェよ」ムー

垣根「こんくらいで怒んなよ」

一方通行「怒ってねェ」プイ

垣根「怒ってるじゃねぇか」

一方通行「怒ってねェつってンだろ!」

垣根(これ以上刺激するとマジでキレんな……)

垣根「あっそ、ならいいや。さっさとプール行こうぜ」グイッ

一方通行「あっ、垣根!」ヨロッ

垣根「もうからかったりしねぇから、安心しろ」ギュ

一方通行「……いつもそォ言って、またからかうじゃねェかよ」

垣根「そう言いながら、結局いつもテメェも俺のこと許すんだろ?」

一方通行「……………バカ」

垣根「悪かったな、バカで」

一方通行「脳内花畑。イケメルヘン。万年第二位」

垣根「テメ、言っていい事と悪いことがあんだろが」ムッ

一方通行「はっ、さっきのお返しだ」フフーン

垣根「……OK,分かった。ならいいぜ」ニヤリ

一方通行(何か嫌な予感が……)

垣根「こっちもお返しのお返ししてやるよ」ヒョイ

一方通行「って、うわっ、オマ、なにしてンだよ!///」アセアセ

垣根「何って……お姫様だっこ?」

一方通行「そンなの分かるっての。路上でこンな運び方されて、誰かに見られたら……///」

垣根「路上っても、誰もいねぇじゃん」

一方通行「でも……///」

垣根「どうせだれにも見られねェよ。ほら、しっかりつかまってないと落ちるぞ」

一方通行「う……///」ギュ

一方通行(やっぱりこの運び方恥ずかしい……///)
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:36:14.28 ID:ulHM7rEJ0
<第7学区のプール前>

垣根「はい、到着」ヒョイ

一方通行(誰にも見られて無かったよな……?)ドキドキ

垣根「あ?なにそんなガチガチになってんだよ」

一方通行「う、うるせェ!俺はあの運ばれ方嫌いなンだよ」

垣根「5分も歩いてなかったじゃねぇか……」

一方通行「それでも嫌なものは嫌なンだ」

垣根「なんでだよ」

一方通行「だって……」

垣根「だって?」

一方通行「あれ、オマエとすげェくっつくし、首に手回すから何となく顔も近くなるし、オマエの香水の匂いも体中につく

し///」カァッ

垣根「ふーん、なるほどね。俺に体抱きしめられるし、キスするみたいに顔近くなるし、」

垣根「離した後も服に匂いが付いて俺のこと思い出しちゃうから嫌なんだな。随分可愛い事言うようになったじゃねぇか」

ニヤニヤ

一方通行「誰もそこまで言ってねェ!///」

垣根「ま、そういう事にしといてやるよ」ニヤニヤ

一方通行「『しといてやる』じゃなくて実際そォなンだよ」プイ

垣根「はいはい。じゃ、時間ももったいないし早く着替えようぜ」

一方通行「そういや、このプール全然人いねェな。……大丈夫なのか?いろいろと」

垣根「それについては心配いらねぇ。貸し切りにしただけだからな」

一方通行「貸し切りだァ?」

垣根「あぁ、どうせ小さいプールだからちょっと貸し切ったところで影響も少ないし。このほうがいろいろと気楽だろ?」

一方通行「俺は別にそこまでしなくても……」

垣根「俺が嫌なんだよ。いちいち空いたロッカー探すのとか、シャワー空くまで待つのとか」

一方通行「そン位別に大したことねェだろ」

垣根「『それでも嫌なものは嫌なンだ』」

一方通行「声マネすンな」

垣根「はいはい、スミマセンデシタ」

一方通行「やっぱり反省してねェ……」

垣根「いいからさっさと着替えて来いって。……プール入れば俺の匂いも少しは落ちるぞ?」

一方通行「ばっ……///」

垣根「ま、上がったあとでハグでもしてまたたっぷり付けてやるけどな」

一方通行「う、うるせェ!///」スタスタ

垣根(背中向けても耳見れば赤くなってるの分かるって事、やっぱり気付いてないんだな)
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:36:49.70 ID:ulHM7rEJ0
<プール>

一方通行(一応杖も防水仕様にしといたし、これで滑って転ぶ危険性はないよな?)

一方通行「よし、これで準備はOKっと」スタスタ

一方通行「悪ィ、垣根。待たせたなァ」

垣根「お、おぉ……」ビクッ

垣根(スク水……だと……?マニアックすぎるだろ……)

一方通行「どォしたンだ?」

垣根「……オマエ、なんでスク水なの?」

一方通行「だって、泳ぐっていったらコレだろ?」キョトン

垣根「ま、確かにそう言えばそうだけどな……」

垣根(……やっぱりプール貸し切りにして正解だったな)

垣根(それにしても……)ジー

一方通行「?」

垣根(生で女が来てるの見るなんて小学生以来だけど、案外スク水ってピッタリしたつくりになってるんだな)

垣根(たしかに露出は少ないが、これはこれで悪くない、か……?)

一方通行「何だまって突っ立ってるンだよ。……泳がねェの?」

垣根「あぁ、悪いな。とりあえず水の中入るか」

一方通行「そこの25メートルのでいいよな?」

垣根「ま、泳ぐならそれが一番だろ」

垣根「でも、オマエも大変だよな。杖ついてるのにプール入らなきゃいけないなんてよ」

一方通行「しょォがねェだろ。黄泉川の奴が……」

黄泉川『普段体育さんかしてないんだから、プール位リハビリと思って参加するじゃんよ。サボりは評価ゼロだから、覚悟

するじゃん?』

一方通行「なンてうるせェし……」

垣根「ご愁傷さま。で、オマエはどの程度泳げるんだ?」

一方通行「それは……」

垣根「まさか、顔水につけるのが精いっぱいです、なんて言わないよな?」

一方通行「………………ない」ボソッ

垣根「あ?」

一方通行「顔、水につけるのも怖くてできねェ、つったんだよ!///」

垣根「……マジ?」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:37:33.90 ID:ulHM7rEJ0
一方通行「マジだマジだよマジなンですゥ!こンなンじゃ恥ずかしくて授業出れねェから、オマエにこォやって頼ンだよ!



垣根「なんだよオマエ、カナヅチもレベル5なのか」プッ

一方通行「うるせェ、笑うな!」

垣根「だってそこまでひどいとは思ってなかったし」ププッ

一方通行「そォやって他人に笑われると思ったから、黄泉川や芳川にも頼めなかったンだよ!」

一方通行「オマエまで笑ってンじゃねェ!」

垣根「はいはい。信用裏切って悪かったよ」

垣根「とりあえず、そこに座って見ずに足でもつけとけって。そんくらいならできるだろ?」

一方通行「次笑ったら絶対ぶン殴る」ストン

垣根(文句言いながらも俺の言葉には従うんだな)

垣根(とりあえず俺が先に水の中入って、っと)チャプン

一方通行「肩までなら平気なンだけどなァ……」パシャパシャ

垣根「うわっ、バタ足すんな。水かかるだろ」

一方通行「ン」ピタッ

垣根「ったく……」

垣根「んじゃ、次は水の中入れ」

一方通行「はァい、っと」ジャポン

垣根「そこまでなら平気なんだな」

一方通行「一応なァ」

垣根「でもヘリつかんでなきゃ立てないのか。……そんなんで本当に泳げるのか?」

一方通行「……黄泉川はビート板使えば大丈夫だって言ってた」

垣根「確かにアレ使えば体は浮くからな。つまり、顔さえ水に浸けられれば大丈夫ってことか」

一方通行「ン」

垣根(本当に小学生レベルだな……って言ったら絶対キレるだろうから言わねぇけど)

垣根「でも、シャワーとかなら平気なんだろ?だったら別に水に顔入れるくらい」

一方通行「全然違ェ!」

垣根「人の話遮んな」ムッ

一方通行「でも、だってシャワーとプールじゃ全然違ェじゃねェか!」

一方通行「シャワーは顔下に向けたら息できるけど、プールじゃ無理なンだぞ」

一方通行「しかも眼開けたらシャンプー眼に入った時並みに痛ェし……」ブルブル

垣根(そりゃ、プールには塩素入ってるからな)
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:38:29.88 ID:ulHM7rEJ0
垣根「ようは、息するの我慢して眼開けなければいいだけじゃねぇか」

一方通行「それができたら苦労はしてねェ」

垣根「だから、今から苦労してそれをできるようにするんだろ」

垣根「とりあえず、その手はずして潜れ」

一方通行「はァ?オマエ今の話聞いてたのかよ。だから、俺は……」

垣根「いいから、ほらよ」ヒョイ

一方通行「ふェ、きゃっ!」ドボン

一方通行(やば、この感じ、水の中……っ)

グイ

一方通行(壁につかまって上が……壁が無ェ!)

一方通行(なンで……どォして……クソッ、息がもォ……)

グイグイ

一方通行(ン、体が何かに引っ張られてる……?)

一方通行(コレに縋れば……)ガシッ

一方通行「……っ!」バシャ

一方通行「はァ……はァ……」ゲホッ

垣根「案外もったな、オマエ」

一方通行「垣……根……?」ハァハァ

垣根「……の割には苦しそうだな」

垣根(やっぱりもう少し早く引き上げてやるべきだったか?)

一方通行「なン……で……」ハァハァ

垣根「こういうのが荒療治が一番なんだよ」

一方通行「だからっていきなりあンな事しなくても……っ!」キッ

垣根「そう睨むなよ。あぁでもしなきゃ、オマエ絶対に水に顔つけられないじゃねぇか」

垣根「あと、そんなに腕強く掴むなって。痛いだろ」

一方通行「うるせェ!」パッ

一方通行「って、うわ!」ブクブク

垣根「離すな、とは言ってねぇよ」グイッ

一方通行「ぷはっ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:38:58.77 ID:ulHM7rEJ0
垣根「落ち着いて周り見てみろって。ここ、プールの真ん中なのは分かるよな?」

垣根「だから、一番底が深いってワケ。俺なら足届くけど、オマエじゃ口と鼻は水の中だな」

垣根「安全に息するには俺にしがみついてるしかねぇんだよ、オマエは」ニヤニヤ

一方通行「この野郎……」ギュッ

垣根「ま、俺としてはオマエにそうやって胸押し当てられてるのも悪くはねぇけど」

一方通行「なっ……///」カァァ

垣根「……あ、もしかしてわざと当ててたのか?」

一方通行「そ、そンなわけ無ェだろ!///」

垣根「あっそ。なら、早く泳げるようになってプールサイドに戻るんだな」

垣根「さっきのでオマエの息がどのくらい続くかも分かったし、ヤバそうになったら引き上げてやるから安心しろ」

一方通行「くそ……///」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:39:36.91 ID:ulHM7rEJ0
<数時間後>

一方通行「疲れた……」グター

垣根「水の中ってのは思ったよりも体力使うからな」

垣根「でも、泳げるようになって良かったじゃねぇか。ビート版使ってだけど」

一方通行「最後の一言だけ余計だ」

一方通行「でも、これで黄泉川の授業も安心して受けれるなァ」フゥ

垣根「そりゃ良かったな。ま、オマエも頑張ったしな」ナデナデ

一方通行「うわ、頭撫でんなって///」

垣根「それじゃ、俺も疲れたしさっさと着替えて出るか」

一方通行「ン」

垣根「起き上がれるか?」

一方通行「舐めンな、このくらい平気だ」スクッ

垣根「疲れてんなら運んでやるのに」ニヤニヤ

一方通行「お断りですゥ」

垣根「っと、そうだ。言い忘れてたんだけどさ」

一方通行「なンだ?」

垣根「スク水……てか、女物の水着って胸の部分にパット入ってるんだろ?」

垣根「おまえさ、それ抜いてるだろ」

一方通行「な、なンでオマエがそれを///」ビクリ

一方通行(確かに、胸のサイズと合わねェから抜いてたけど……///)

垣根「別に男と一緒の授業じゃねぇみたいだし?オマエが気にしないって言うなら俺も文句は言わねぇけど」

一方通行「だったら別に……」

垣根「でもさ、一応言っておくけどよ……」プニッ

一方通行「ひゃゥ……っ!」ビクッ

垣根「……乳首、浮いてるぞ」プニプニ

一方通行「やっ、垣っ、やめ…あンっ」ビクビク

垣根「その様子じゃ、やっぱり気付いてなかったのか?てっきり誘われてるのかと思ってたんだけどな」プニプニプニ

一方通行「あっ……そンなわけ、ねェ……っン」

垣根「ま、オマエの胸じゃ、標準サイズは合わなさそうだしな。はずすのも無理はねぇ」

垣根「……なんだったら、俺が標準サイズまで胸でかくしてやろうか?」スッ

一方通行「ふァっ、ちょ、待っ……」

垣根「直接揉めば、オマエの胸も少しは大きくなるだろ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:40:06.00 ID:ulHM7rEJ0
垣根(くそっ、脱がせにくいな。スク水がぴったりしてる上に、水吸って肌に張り付いてやがる)

一方通行「直接って……!」

一方通行(って事は、つまり、その、垣根に俺がまた……)


垣根『胸弄っただけでここまで濡れてる女なんて初めて見た』

垣根『ははっ、他人に犯されてここまで感じるなんて、やっぱり変態なんじゃねぇの?』


一方通行「やだ、や……っ」サアァッ

垣根(なんだ、コイツ。いきなり震えだして……)ピタッ

一方通行「やだ、嫌、いや……」ガタガタ

垣根「おい、一方通行……」

一方通行「嫌……やめ、ろ!」ドンッ

垣根「わっ……」ドン

一方通行「ハァ……ハァ……」

垣根「いってぇ……」

一方通行「あ……ごめ、ン。ごめン、垣根……」ハッ

一方通行「大丈夫か?……ごめン、俺、その、ちょっとびっくりしてて、それで」シュン

垣根「……」

一方通行「その、ごめンなさい。ごめン……俺、着替えてくる」タッ

垣根「…………」

垣根「…………」

垣根「……何だよ、くそっ」

垣根(今絶対ヤれる雰囲気だったじゃねぇか。それをあの女、いきなり震えだしやがって……)

垣根(アイツ、あれは明らかに怯えてたな……。……前のアレがやっぱり原因なのか?)

垣根「はっ……」

垣根(だったら、結局おれの自業自得ってことじゃねぇか。アホくせぇ)

垣根「くそ……」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:40:35.93 ID:ulHM7rEJ0
<プール前>

一方通行「………………」テクテク

一方通行「垣根、絶対怒ってるよな……」ボソ

一方通行(アイツの事だから、もォ帰っちまってるかもしれねェな……)シュン

一方通行(垣根がもォあンな事しねェってのは分かってンのに、なンで突き飛ばしちまったんだろ……)

一方通行(あァいう雰囲気になるといつもこォだ。……あの時、垣根に襲われた時のこと思い出しちまって、それで……)

一方通行(別に、垣根とあァする事が嫌ってわけじゃねェンだけどな……///)

一方通行(キ、キスとかなら平気だし、むしろもっとしてほしいっていうか///)

一方通行(いや、でもやっぱりキスより先は恥ずかしいし、それにまだ早ェ気もするし///)

垣根「おい」

一方通行(って事は結果オーライなのか?でも、垣根はやっぱりあァいう事もシたいンだろうし……)ウーン

垣根「おい」

一方通行(で、でもそれはやっぱりまだ心の準備が///)

垣根「おい、って!」ガシッ

一方通行「うわっ!……垣根?」

垣根「テメェ、俺の事無視するとはいい度胸じゃねぇか」ムッ

一方通行「悪ィ、ちょっと考え事してて……。つゥか、待っててくれてたんだな、オマエ」

垣根「なんだよ、当たり前だろ?」

一方通行「あ、あァ。そォだな……」

一方通行(絶対先に帰ってると思ってた……)

垣根「変な奴……。それにしても暑いな。もう夕方だってのに」

一方通行「天気予報じゃ真夏日つってたぜェ?」

垣根「なんだよソレ。最悪だな」

一方通行「しょォがねェだろ。夏なンだから」

垣根「ったく、やってらんねぇな。アイスでも食って帰るか」

一方通行「それもいいな。………………あのよォ、垣根」

垣根「……何だよ」

一方通行「さっきの事なンだけど……」

垣根「あ?」

一方通行「その、改めて言うけど……。ゴメン、な……」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:41:10.61 ID:ulHM7rEJ0

垣根「…………」

一方通行(やっぱり怒ってンのかな……)シュン

垣根「……おい」

一方通行「…………」ビクッ

一方通行(やっぱり怒ってる……)

垣根「……テメェ、俺の事なんにも分かってねぇな」ギュッ

一方通行「え……?」

一方通行(何だ?俺の事急に抱きしめて……怒ってねェのか?)

垣根「確かに、本当は今すぐにでもテメェの事押し倒して服ひん剥いて裸にして、それから体中撫でまわして突っ込んでア

ンアン鳴かせてぇけどよ」

一方通行「オマ……っ///」カアァッ

垣根「でも、嫌がるテメェと無理にセックスするほど切羽詰まってもいねぇし、ヤる事しか考えてねぇサルでもねぇんだよ



一方通行「サルって……///」

垣根「テメェの覚悟決まるまで待つぐらいの余裕はあるっつの。……分かったか?」

一方通行「あァ……///」

垣根「なら、いい加減アイス食いにいこうぜ?」パッ

一方通行「ン……///」

一方通行(垣根、怒ってねェンだな……。それに、こンな俺の事待っててくれるって……)

一方通行(何だろ、この気持ち……すげェ嬉しい、かも)キュン

一方通行「垣根!」ダキッ

垣根「あん?」

一方通行「ありがとなァ///」

垣根「どーいたしましてー」ナデナデ

垣根(全く、胸に顔うずめたって顔赤いのはバレバレだっての)
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:42:14.92 ID:ulHM7rEJ0

<第七学区>

垣根「やっぱりアイスは黒蜜堂だな」

一方通行「夏限定のライチも良かったなァ」

垣根「西瓜とマンゴーも美味かったしな。オマエは相変わらず黒胡麻とセットでモノトーンだったけど」

一方通行「いいだろ、好きなンだから……。オマエだって相変わらず女みてェなの頼ンでたじゃねェか」

垣根「せっかくだから季節限定の食べたかっただけだ。……着いたな」

一方通行「あァ、そォだな。……今日は寄ってかねェンだろ?」

垣根「そうだな、俺も実はこの後用事あるし。つか、オマエのとこだって今日4人揃うんだろ?行っても座る場所ねぇし」

一方通行「確かにそれもそォだな……」シュン

垣根(この様子は……)

垣根「なに、オマエ俺と別れんのがそんなにさみしーの?」

一方通行「別に、さみしくなんかねェし……」ギュ

垣根(袖引いて俯いてそのセリフじゃ説得力も何もねぇだろ……)

垣根「別に、明後日にはまた会う予定じゃねぇか」

一方通行「そォだな……」

垣根(まだ手は離さない、か……)ハァ

垣根(それなら、話の方向性でも変えるか……)

垣根「……そういえば、俺まだ今日のお礼もらってなかったな」

一方通行「お礼……?」

垣根(やっと顔上げたか)

垣根「そ。泳ぎ教えてやったお礼。おっと、プール出る時のあれは違う事に対する礼だから、カウントしねぇぞ」

一方通行「そ、それは……」

垣根「ほら、俺だってそろそろ行かなきゃ行けねぇんだから、早くしろよ」

一方通行「…………ありがと///」ボソッ

垣根「……そうじゃねぇだろ?」ズイッ

一方通行「え?」

一方通行(垣根の顔が近ェ……///)カァッ

垣根「お礼ってのは、こういう事しねぇと……」チュッ

一方通行「ふっ……///」

一方通行(ここ、エントランス前なのに……///)
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:42:42.03 ID:ulHM7rEJ0

垣根「ン……」レロ

一方通行「…………ァ」クチュリ

一方通行(舌まで入れて……。人が来るかもしれねぇのに///)

一方通行「ふァ……」ピチャピチャ

一方通行(あ……でも、やだ……。力が段々抜けて……)

一方通行「ンンっ……ン……」チュルッ

垣根(そろそろヤバいか……)パッ

一方通行「あ……っ」クタリ

垣根「力、抜けちゃった?」

垣根(……少しやりすぎたか)

一方通行「ン……」ハァ…ハァ…

垣根「歩けねぇなら、俺がまた抱き抱えてやるけど?」

一方通行「そ、それは嫌だ!こォすれば歩けるし!」カチッ

垣根(………………能力まで使うとは、そんなに嫌なのかよ)

垣根「ま、次から『お礼』っていうならこのくらいの事やってもらわねぇとな」

垣根「……オマエさえよけりゃ、本当はそれ以上のコトだってヤってもらっても構わねぇけど」ニヤニヤ

一方通行「ば、馬鹿言ってンじゃねェ!///」

垣根(いつもの調子に戻ったか)

垣根「しょうがねぇな。それは次の機会にとっといてやるよ」

垣根「それじゃあな、一方通行」スタスタ

一方通行「あ……」

一方通行(行っちまった……)

一方通行「垣根の、馬鹿野郎……」ボソッ

一方通行(こンなに赤い顔じゃ、家に入れねェじゃねェか……///)
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:43:23.54 ID:ulHM7rEJ0
<とある路地裏>

ピリリリリ

垣根(携帯か……)チラッ

垣根(この番号はおそらく……)イラッ

垣根「チッ」ピッ

?『やぁ、未元物質。随分とお楽しみのようだったね』

垣根「……やっぱりテメェか」

?『おやおや、機嫌が悪いみたいだね。せっかく君が彼女と別れるのを待っててあげたっていうのに』

垣根(だからこそムカつくんだよ!)

垣根「ハッ、まるで俺たちの事をずっと見ていたような言い草だな」

垣根(監視カメラ……いや、衛星ににでも見られてたのか?それとも、別の何かがあるのか……)

垣根(どっちにしろ、気分が悪いってのには変わりは無いけどな)

垣根「…プライバシーの侵害って言葉、知ってるよな?」

?『「実験動物」にそんなものは無いという事は、知ってるよ。そんなことより仕事だ』

?『そこの角を曲がった所にいつもの車が止めてある。詳細は、中にいる心理定規から聞けばいい』

垣根「……」

?『分かったなら、さっさと乗ってくれ。君を待っていたせいで時間が押してるんだよ』ハァ

垣根「………チッ」スタスタ

?『それじゃ、頼んだよ。「スクール」のリーダー君?』

ブツッ ツーツー

垣根「クソッ……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:44:03.65 ID:ulHM7rEJ0
<黄泉川家>

一方通行「ただいまァ」

打ち止め「おかえりなさーい、ってミサカはミサカはあなたを駆け足で迎えてみたり!」タタッ

芳川「あら、最終信号。家の中で走るのはよくないわ。下の人から苦情がきてしまうもの」テクテク

芳川「それと、お帰りなさい。一方通行」

一方通行「おゥ」

一方通行(ン、靴が一足足りねェなァ)チラッ

一方通行「黄泉川はどォしたンだ?」

芳川「愛穂なら、今日はきっと帰ってこないでしょうね。急に警備員の仕事が入ってしまったの」

打ち止め「せっかく4人でご飯が食べれると思ってたのに……、ってミサカはミサカはしょんぼりしてみたり」

芳川「テロの予告ばかりは、さすがにどうしようもないもの」

打ち止め「それはミサカだって分かってるもん、ってミサカはミサカはいじけてみる」

打ち止め「『反学園都市勢力(アンチスクール)』だっけ?早く捕まればいいのにね、ってミサカはミサカは愚痴ってみたり



一方通行「それは……警備員の頑張りに期待するしかねェだろォな」

一方通行(グループに何も話が来ねェってことは、あまり大きな問題じゃねェって事か?)

一方通行(テロ予告が出てるって話は聞くが、実際にテロが起きた様子はねェし……)

一方通行(大方、タチの悪いガキの悪戯ってとこだろォな。黄泉川も御苦労なこった)ハァ

芳川「ところで、ずいぶん遅かったわね。帰りに彼とどこかでニャンニャンしてきたのかしら?」

一方通行「お、俺は別に何もしてねェ!///」

一方通行(そりゃ、最後にちょっとキスされたけど……///)

打ち止め「ねー、ニャンニャンってどういう事?ってミサカはミサカは尋ねてみる」

芳川「それはね、つまり恋人同士が愛のいとn」

一方通行「芳川ァ!ガキに余計なこと教えようとすンじゃねェ!///」

芳川「いずれは知ることだからいいと思ったのだけど……」

打ち止め「ねー、だからニャンニャンってなぁに、ってミサカはミサカはヨシカワに聞いてみる」

一方通行「クソガキ、オマエは黙ってろ!///」

打ち止め「えー、しょうがないなぁ、だったら他のミサカに聞いてみる、ってミサカはミサカはネットワー……

打ち止め「って痛い!チョップしないで!ってミサカはミサカは自分の頭を庇ってみる!」ガバッ

一方通行「だァから、オマエは余計な事知ろうとすンじゃねェ!」ビシッ

芳川(ふふ、姉妹みたいでほほえましいわね)
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:44:30.95 ID:ulHM7rEJ0

芳川「何もしてないと言うなら、なんでこんなに遅かったのかしら?」

一方通行「別に……ちょっと帰りにアイス食ってただけだ」

打ち止め「えー!いいなー!ってミサカはミサカはお土産に期待してみたり」

一方通行「ンなもンねェよ」

芳川「あら、それは残念ね。キミが帰るまで私たちはお腹をすかせて待っていたというのに」

一方通行「知るかよ、ンな事。だいたい、腹減ったなら何か適当に作って食えばいいだろォが」

芳川「打ち止めに料理させるわけにはいかないでしょう」

一方通行「オマエは作ンねェのかよ」

芳川「私がなにか作れると思う?」

一方通行「…………そォだな、聞いた俺が悪かった。すまン…」

芳川「……そんなに遠い目をしないでくれる?ちょっと傷ついたわ……」ドンヨリ

打ち止め「それはともかく、あなたも今から夕ご飯作るとなると大変でしょ?ってミサカはミサカはあなたに確認してみる



一方通行「そォだなァ……。今から材料買いに行くとなると、遅い時間に飯食う事になっちまうしなァ」

打ち止め「だから、何か出前でもとっちゃおうって話をあなたが帰ってくる前にヨシカワとしてたの、ってミサカはミサカ

は説明してみたり」

芳川「お寿司とピザとラーメンが今のところ候補として挙げられてるのだけど、キミは何がいいのかしら?」

一方通行「……ピザ。肉一杯のってるやつ」

芳川「キミならそう言うと思っていたわ。最終信号、あなたは何が食べたいのかしら?」

打ち止め「うーん、ミサカは何でもいいよ。でも、ピザならマヨコーンがいい!ってミサカはミサカは希望してみる!」

芳川「それなら、ピザに決定ね。えーっと、チラシはどこだったかしら……」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:45:02.30 ID:ulHM7rEJ0
<スクールの車内>

心理定規「ずいぶんと機嫌が悪いのね。一方通行と何かあったの?」

垣根「別に……」

心理定規「だったら、あなたが勝手に拗ねてるだけかな?……あなたの大好きな『エロい事』とやらができてないからなの

?」クスクス

垣根「は?何言ってんだよテメェ」ムカッ

心理定規「あなたの一方通行に対する心の距離が変化してないから、そう思ったんだけど。どうやら図星だったみたいね」

心理定規「すぐに事を済ませて飽きたら捨てちゃうものだと思っていたけど……そんなに彼女の事が大切なのかしら」フフッ

垣根「うっせぇ」イライラ

心理定規「あなたなら、無理矢理にでもシちゃうと思ってたわ。……例え、どれだけ一方通行が嫌がったとしてもね」

垣根「黙れ」

心理定規「でも、本当の事なんでしょう?」

垣根「だったらなんだよ。つか、何でテメェがそれ知ってんだよ」

心理定規「私は精神感応系能力者だよ?心理学は得意分野なの。だからこそ、カウンセラーみたいな事もしてるわけだし」

心理定規「あなたの今までの話と、一方通行の性格。その2つを合わせて考えてみただけ」

垣根「あぁ、そうかよ。それはすごいな。……だが、それ以上くだらねぇ事言うようならその舌を引きちぎる」

心理定規「…………」

心理定規(一方通行と付き合い始めてから、少しは性格も落ち着いたと思ったんだけど……)

心理定規(やっぱり、少しからかい過ぎたかな。これからは気をつけないと)

心理定規「クライアントとのトークも私の仕事の一つだから、それは勘弁してほしいわね」

心理定規「お詫びと言っては何だけど、カウンセラーの端くれとして一言だけ最後に言わせてもらうわ」


心理定規「……彼女、あなたの事を怖がってるみたいよ」


垣根「……は?」

心理定規「正確にはちょっと違うんだけど……どちらにしろ、あなたに以前襲われた事がトラウマになってるんでしょうね



垣根「何だよ……それ」

心理定規「一度植えつけられた恐怖って、なかなか取り除けないものなんだよ?」

心理定規「本人は大丈夫だ、なんて思ってても実はそうじゃない事も多いし」

垣根「…………」

心理定規「だから、あなたの一方通行に対する行動は正解だったの。彼女を無理に押し倒したりしないって事はね」

心理定規「もしそんなことしてたら、彼女の心はきっとズタズタになっていたと思う」

垣根「………チッ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:45:33.85 ID:ulHM7rEJ0

心理定規「あなたの事を完全に信頼出来るようになったら、治るとは思うんだけどね」

垣根「アイツが俺の事信用してねぇって言うのかよ」ムッ

心理定規「全く信用してないわけじゃないと思う。以前見た心の距離を見る限るではね」

心理定規「……きっと、彼女自身も気づいていない不安要素がどこかにあるんじゃないかな」

垣根「…………」

心理定規「きっと、時間が解決してくれるとは思うよ。治療に必要な薬は『愛情』って所かしら」フフッ

キキィッ

心理定規「……どうやら、今日の現場についたみたいね。早く済ませちゃいましょう」スタスタ

垣根「…………」

垣根(アイツが俺の事信用してねぇだと?そんなこと、あるわけねぇじゃねぇか……!)

垣根「………クソッ!」ドカッ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:46:10.11 ID:ulHM7rEJ0
<翌日>

一方通行「ぷはァ……はァ……っン」トン

黄泉川「すごいじゃん、一方……じゃなくて鈴科!」

姫神「ビート板とはいえ。その体で25メートルを泳げるとは思ってなかった」

黄泉川「私も、正直水に顔付けるレベルから教えなきゃダメなんじゃないかとか思ってたじゃんよ」

一方通行「はァ……ンなこと考える位なら見学させろっての」

黄泉川「だって、体に障害があるからって体育を全部見学するってのはさすがにどうかと思うじゃんよ」

黄泉川「先生としては、こうやって体を動かす楽しみも知ってほしかったりするわけじゃん」

吹寄「そうね、水泳や水中ウォーキングはとても有効な健康法よ」

吹寄「最近は忙しいけど、中学までは私も週一で泳ぎに行ってたし」

黄泉川「私も学生時代は水泳部だったじゃんよ」

姫神「私も。小さい時はよくプールに行ってた」

黄泉川「こうやって元気に働けてるのは水泳のおかげじゃん。だから、鈴科もグチグチ言わないで泳ぐじゃんよ」

一方通行「ハァ?それはさすがにこじつけがすぎるだろォが……」

一方通行(いや、待てよ?)ジーッ

姫神「?」ポイン

吹寄「どうしたの、鈴科さん」ボイン

黄泉川「疲れたのか?」ボイィン

一方通行「…………」ペチャン






一方通行「…………俺も水泳頑張ろォかな」ボソッ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:46:39.88 ID:ulHM7rEJ0
<とある教室>

アサショクジヲトルコトニヨリノウニブドウトウガ…

青ピ「だぁーっ、何が悲しくて男教師から保健の授業受けなあかんねん。おまけにテーマが『朝食の必要性』とか……」

青ピ「気温も暑いし、やる気出る要素が一つも見つからんわ。……今頃女子はプールでキャッキャウフフしとるんやろなぁ



青ピ「うなじに張り付く濡れた髪、肌をなぞるように落ちる水滴、体にぴったりとまとわりつくスク水……」

青ピ「ええなぁ、ボクも一緒にプール入りたいわぁ。水着ギャルとキャピキャピしたいわぁ」

青ピ「カミやんもそう思うやろ?」キリッ

上条「ってそこで俺にふってくるのかよ!いや、上条さんも暑くてやる気が出ないって所には同意しますけどね!」

土御門「俺は前半部分にも同意だにゃー。どうせならメイドさんに授業してほしかったぜよ」

上条「オマエはメイドだったら何でもいいんだろ」

土御門「カミやんは全然分かってないぜよ。ただのメイドじゃなくて、この場合は女教師スパルタメイドに……」

上条「いや、ここは赤ぶち眼鏡装備の白衣を着た大人の女性を希望する」

青ピ「赤ぶち眼鏡装備の小萌先生……カミやん、ナイスアイディア!」

土御門「赤ぶち眼鏡か……うちのクラスで言うと鈴科が似合いそうだにゃー」

土御門(こっそり女教師スパルタメイドも発注しとくべきか……いや、でもあいつには他のメイド服のほうが……)ウーム

青ピ「確かに、鈴科さんなら似合いそうやな。そんで短鞭持って罵られたらたまらんわぁ」クネクネ

土御門(むむっ、それも確かに似合いそうぜよ)

コレニヨリネムケヤカラダノダルサガ…

上条「鈴科といえば……あのさ、二人とも今日の放課後とか暇だったりしねぇ?」

青ピ「ボクは空いてるで。カミやん、何かあるん?」

上条「大した事じゃないんだけどさ、今日のタイムセールの買い出し手伝ってほしいんだ」

土御門「いつも通り鈴科に頼めばいいんじゃないか?」

上条「いや、だって鈴科は……なぁ?」

青ピ「そうやなぁ、鈴科さんはもう……。あぁ、ボク悔しくて涙が出てきそうや」グスン

土御門「へ?鈴科に何かあったのかにゃ?」

上条「あれ、土御門知らなかったっけ?」

青ピ「あぁ、あの時は確かツッチーはおらんかったっけ」

土御門「なになに、何があったんぜよ?」

上条「なんと、鈴科に……」

土御門「鈴科に?」ゴクリ

青ピ「彼氏が……彼氏が出来てしまったんや!」

土御門「」

土御門「いやいやいや、……えっ?それ、本当なのか?」

上条「本当、のはず」

土御門「……全然気付かなかったぜよ。で、相手はどんな奴なんだぜい?」

上条「それが……」

教師「おい、上条!聞いてるのか!?」

上条「へっ?」

教師「聞いてなかったんだな?授業は真面目に聞けといつも言ってるだろうが!だからオマエは成績が……」クドクド

上条「何で俺だけ……不幸だ……」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:47:30.02 ID:ulHM7rEJ0
<休み時間>

一方通行「疲れた……帰りてェ……」グター

吹寄「鈴科さん、あの後頑張って泳いでたしね」

姫神「下手したら。私よりも泳いでいたかも」ブォォォ

女子「あ、姫神さん。ドライヤー次貸してもらってもいい?」

姫神「了解」ブォォォ

女子「それと……鈴科さんって確か彼氏いたよね?」

一方通行(彼氏って……垣根の事だよな?///)

一方通行「お、おゥ///」

女子「あのさ、第六学区に最近できたプールのチケットあるんだけど貰ってくれない?」

一方通行「プールのチケット?」

女子「そう、カップル専用チケットなんだけどさ、今週しか使えないんだよね」

女子「私は彼氏に用事があっていけなくなっちゃってさ。勿体ないから使ってほしいのよ」

一方通行「別に構わねェが……こっちもいけねェかもしれねェぞ?」

女子「貰ってくれるだけでありがたいって!はい、これチケットね。バリアフリーが充実してるらしいから、鈴科さんも楽

しめると思うよ!」

一方通行「ありがとよォ」

姫神「乾かし終わった」

女子「それじゃ、ちょっと借りるね」ブォォォ

姫神「そういえば。鈴科さんの彼氏って学校違うけど。どうやって出会ったの?」

女子「やっぱりナンパとか?」ブォォォ

吹寄「そういう出会い方はちょっと感心しないが……そうなの?」

一方通行「そうじゃねェよ。むしろ逆っていうか、喧嘩ふっかけられたっていうか……」

吹寄「け、喧嘩?」

一方通行(あ、やべっ)サーッ

一方通行「そ、そのっ、喧嘩ってのは言い過ぎで、あンまり最初は仲良くなかったってこと言いたかっただけで」アセアセ

吹寄「あぁ、口喧嘩って意味ね。びっくりしたわ」ホッ

一方通行「そ、そォ!そォいう事だから!」アセアセ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:48:02.35 ID:ulHM7rEJ0
姫神「それじゃ。それが付き合うまでに至った経緯は?」

吹寄「そうね、そこが知りたいわ。口論ばかりしてた相手とどうやったら付き合えるの?」ドキドキ

一方通行「それは……アイツの態度がいきなり変わり始めて……///」

姫神「いきなり?何の理由もなく?」

女子「きっと何かきっかけがあるんでしょ?勿体ぶらずに教えてってば」ブォォォ

一方通行「きっかけって言われても……」

一方通行(あれ……なンでだ?)

一方通行「きっかけ……」

一方通行(ンなもン、思い浮かばねェぞ。でも、それならなンでアイツはあンなに仲が悪かった俺に……)

キーンコーンk-ンコーン

姫神「そういえば。次の授業は理科室」

女子「あぅ、やばっ!急いで移動しなきゃ!姫神さんドライヤーありがと!」バタバタ

一方通行「授業変更になった事すっかり忘れてたな。俺も急がねェと」

姫神「教科書。持ってあげる。その方が歩きやすいはず」ヒョイ

一方通行「おォ、いつもありがとな」

姫神「どういたしまして。それより。ひとつお願いが」

一方通行「ン?何だ?」

姫神「プールだけど。もし鈴科さんたちが行けないようなら。私がチケットもらってもいい?」

一方通行「あァ、分かった。行けなさそうだったら後でメールする」

姫神「了解」

姫神(もし。チケットを貰えたら。その時は上条くんと……)チラッ

姫神「あれ……?いない?」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:48:30.87 ID:ulHM7rEJ0

ガラッ

上条「やっとあの先生の説教終わった……」ハァ

土御門「カミやん、お帰りだにゃー」

上条「ただいま。まさか休み時間潰れるとは思わなかったよ不幸だ……」

土御門「まさか職員室に呼び出し食らうとは、俺も思わなかったぜよ。ドンマイだぜい」

上条「それも元はと言えば、オマエのせいじゃねぇか!」

土御門「悪かったって。今度昼飯おごるから許してほしいんだにゃー」

上条「それを言われてしまったら、万年金欠の上条さんは許すしかないのですよ……」

土御門「カミやんも大変だにゃー。そんなことより、さっきの話の続きだぜい。……鈴科の彼氏ってどんな奴ぜよ?」ワクワク

上条「え?そんなの、青ピに聞けば良かったじゃねぇか」

土御門「俺も休み時間になったらすぐ聞いたぜよ。そしたら……」

青ピ「人間は顔だけじゃないんやで!中身も重要なんや!ボクみたいにどんな女性でも受け入れられる男が何でモテへんね

ん!」ウワァン

土御門「この調子だぜい」

上条「あー……これはしょうがないな……」

土御門「で、結局イケメンってことしか分からなかったんだにゃー」

上条「うーん……俺も実際に見たこと無いから良く分からないぞ?」

土御門「何でもいいから、早く教えるんだぜい!」

土御門(次にグループで集まった時に、鈴科をからかってやるぜよ!)

上条「とりあえずむちゃくちゃカッコよくて……」

土御門「へぇー、どんなタイプぜよ?」

上条「えっと、ホストっぽい感じらしいぞ?」

土御門「ホスト風イケメンか……」フムフム

上条「で、噂によるとかなりの高位能力者らしい」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:48:57.64 ID:ulHM7rEJ0
土御門「高位能力者?って事はうちの生徒じゃないってことかにゃ?」

上条「らしいな。もしかしてレベル5だったりして」ハハッ

土御門(レベル5……)

吹寄「コラ、貴様ら!何をぼさっとしている!」

吹寄「次は理科室なんだから、移動しなくちゃダメでしょうが!!」

上条「そういえばそうだった!すっかり忘れてた。教えてくれてありがとな、吹寄!」ニコッ

吹寄「こ、ここ、こら!貴様、何でこんな事位で感謝なんてしてるのよ!普通は教える前に自分で覚えておくものでしょう

が!」バシッ

上条「何で感謝したのに怒られるんだよ!不幸だー!」


土御門(レベル5……イケメン……ホスト風……。まさか……)

土御門(いやいや、でもあいつ等はそこまで仲が良く無かったはずだ)

土御門(だが、万が一という事もある……。一応、アイツに調べさせておくか)ピッ

土御門「あぁ、もしもし。俺だ。少し頼みがあるんだが……」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:50:23.07 ID:ulHM7rEJ0
<同日 学園都市某所>

垣根「ったく、ゴキブリみたいにしぶといよな。潰しても潰してもワラワラ湧いてきやがって」

垣根「いったいいくつアジトを潰してやれば気が済むんだっての」

心理定規「全くもって同感ね」

垣根「しかも上も上だ。建物は壊すな、証拠は残すな、警備員が来る前に全て終わらせろ、なんて面倒臭ぇ条件付けてきや

がって」

心理定規「それは仕方ないんじゃないかな?彼らは警備員にも犯行予告を出しちゃってるし」

垣根「全て未遂に終わらせてるけどな」

心理定規「それでも、もし本当にこんな事が表ざたになったら大変な事になるわ」

心理定規「『学園都市内に一定以上の規模のテロ組織がある』なんて事がね」

垣根「確かに。町中がパニックになるだろうし、理事会も対応が大変になる事は予想できる」

心理定規「えぇ、保護者達もうるさくなるかもしれないし」

垣根「一応学生を『預かっている』立場だからな……連れ戻し運動なんて起きたら上も困るってことか」

心理定規「そういう事ね」

垣根「……どうせアレイスターの奴はアイツらの本拠地なんかとっくに知ってるんだろうな」

垣根「じわじわと追い詰めてくなんて方法、暗部としては効率が悪い」

心理定規「普通は本拠地を一気に叩いて潰すものね。でも、あえてそんななやり方を取るからには、何か理由があるはずよ



垣根「それが、アイツの『計画』を崩す鍵になるかもしれねぇな……」

心理定規「そうね……」

ピリリッ

心理定規「あれ、メール?」

垣根「っと、そうみたいだな」パカッ

垣根「…………ふぅん」ニヤニヤ

心理定規(一方通行からかしら?)ジーッ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:50:50.63 ID:ulHM7rEJ0

心理定規「……そういえば、あなたが言いだした『学園都市第一位を利用してアレイスターとの直接交渉権を得る』って話

だけど」

心理定規「あれって、今のところどうなってるのかしら?」

垣根「あ?」

心理定規「私としては、アレイスターとの直接交渉権が取れればどんな方法でも気にしないわ」

心理定規「第一位を使う事にこだわらなくても、ね」クスクス

垣根「何が言いてぇんだよ」

心理定規「いいえ。ただ、あなたが今どういうつもりで彼女に接してるのが気になっただけよ」

垣根「……テメェの能力使えば、だいたい見当はつくだろ」

心理定規「それもそうね。野暮なことを聞いたわ」フフッ

ピーポーピーポー

心理定規「あら、ようやく警備員のお出ましみたいね。証拠の隠滅は終わった?」

垣根「あぁ。情報は抜き取ったし、死体は全部未元物質で片づけた」

心理定規「ホント、便利な能力だよね」

垣根「俺の未元物質に常識は通じねぇからな」

心理定規(いい加減このセリフも聞きあきたわ……)

垣根「とにかく、早く退散するぞ」

心理定規「そうね」タッ


心理定規(それにしても……『彼ら』もあんまり追い詰められ過ぎて血迷った事しないといいんだけど……)
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:54:43.59 ID:ulHM7rEJ0
<第19学区>

??「教授、ついにあのアジトもやられたようです」

教授「クソッ……ついに残るはここだけになったか」

??「……どうしましょうか?そろそろ一度引いて、再び体勢を整えるべきでは……」

教授「いや、それは駄目だ!今この機会を逃したらアレイスターへとつながる道は閉ざされてしまう!」バンッ

教授(アイツだってこの場所ぐらい気付いてるはずだ……残されてる時間は残り少ない)

教授(ここで逃げたりしてみろ!どうせすぐに暗部の連中が俺を潰しに来る……っ!)ガクガク

教授「まだだ……まだ最後の手が残っている……っ!」

教授(弱体化した第一位……アレイスターの計画の要……一方通行!)

教授「アイツさえ、アイツさえこちらの手中に収めれば……!」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:55:12.01 ID:ulHM7rEJ0
<翌日の放課後>

垣根「まさか水着の一つも持ってねぇとは……」

一方通行「一つも持ってないわけじゃねェよ」

垣根「スク水は水着にはいらねぇだろ」

一方通行「じゃあ俺は普段何を着てプール入ってたんだよ?」

垣根「いや、そういう事じゃなくて……まぁとにかく、スク水でレジャーは禁止、な」

一方通行「俺は別にいいのに……」

一方通行(むしろビキニとかのほうが恥ずかしいだろォが……///)

垣根「俺が困るんだよ。何かの撮影だと思われるだろが」

一方通行「撮影?」キョトン

垣根「……いや、なんでもねぇ」

一方通行「なんでもねェの?」

垣根「そ、ねんでもねぇの。……とにかく、着いたぜ」

一方通行「毎度おなじみセブンスミストってワケですかァ」

垣根「まぁ、ここが一番種類多そうだしな」

一方通行「確かに。それじゃ、とっとと入るか」テクテク

垣根「あぁ」スタスタ

イラッシャイマセー




??「ふぅ。やっと、見つけましたよ。一方通行さん……」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:55:38.46 ID:ulHM7rEJ0
垣根「おぉ、思ってたよりもたくさんあるな」

一方通行「さすがはセブンスミスト……ワンフロアまるまる水着に使うとはな」

垣根「第七学区の学生御用達は伊達じゃねぇってことか」

一方通行「そォいう事だな」

垣根「ま、夏らしくていいんじゃねぇの?」

一方通行「それはいいけどよォ、種類が多すぎてどれにするか悩みどころだな」ウーン

垣根「ま、こういうのは第一印象と勢いだろ。……そうだな、こういうのとかいいんじゃねぇか?スリングショットの白」

一方通行「」

垣根「否定しないって事は気に行ったのか?それなら、とりあえず試着でも……」ニヤニヤ

一方通行「思考停止しただけだっつの!そ、そンな水着キレるワケねェだろォが!///」

垣根「冗談だよ、本気にするな。オマエの体型じゃこのタイプは似合わなそうだしな」

垣根「もうちょっと胸があれば、無理やりにでも着せてたかもしれねぇけど」ニヤニヤ

一方通行「うるせェ。悪かったなァ、貧乳でよォ」ムスッ

垣根「だから、冗談だって。拗ねるなよ。ほら、水着探すぞ」

一方通行「……あァ」

一方通行(やっぱり垣根も、女は胸が大きい方がいいのか……?)

垣根「オマエだと、ここら辺の水着が似合いそうだな」

一方通行「ちょっとデザインがガキっぽくねぇか?」

垣根「それはしょうがないだろ。だって、なぁ……」ジーッ

一方通行「う……」

一方通行(やっぱり、この体型が問題か……)

垣根(あれ、さっきみたいに拗ねるかと思ったけど、反応がねぇな)

垣根「おい、アクセ「やっぱり……」ギュッ

垣根(何だ、いきなり袖掴んで……)

一方通行「やっぱり、オマエももうちょっと胸がある女のほうが好きなのか……?」

垣根(コイツ……)

一方通行「…………」

垣根(俯いて顔が見えねぇじゃねぇか。さっきの冗談本気にしやがって……)ハァ

垣根「おい」

一方通行「…………」

垣根「さっきのは冗談だって言っただろ。……少しは俺の事信用しろっての」

一方通行「………うン」

垣根(……やっぱり、俺の事信用してるじゃねぇか。心理定規め、ふざけた事ぬかしやがって)

垣根「俺はオマエの胸のサイズでも不満はねぇよ。小さい方が感度良いし、自分で大きくする楽しみもあるしな」ニヤニヤ

一方通行「……っ!くだらない事言ってンじゃねェ!///」

垣根「くだらねぇ事を先に言いだしたのはテメェだろうが」

一方通行「う、うるせェよ。いいからとっとと真面目に水着探すの手伝いやがれ」

垣根「だーかーら、俺はさっきから真面目だっての」ヤレヤレ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:56:05.46 ID:ulHM7rEJ0
??「あの二人はさっきから何やってるんですかね。……リア充分解しろ」


店員「あ、あのぉ、何かお探しですか?」

垣根「ん?あぁ、こいつの水着をちょっと。何かおススメのとかある?」

店員「そうですね……。最近ですと、あちらの水着の人気が高くなっていますね」

一方通行「あれかァ?」

垣根「……ちょっとガキっぽくね?最近そういうのが流行りなのか?」

店員「レベル5第三位の御坂美琴さんが着ていた水着なんですよ」

一方通行「…………」

垣根「超電磁砲がこれを?」

店員「はい。背伸びしすぎない等身大の感じがいい、と御坂さんに憧れる方達の間で大人気なんですよ」

垣根(等身大っていうか、むしろ背縮めてねぇか?)

店員「御坂さんもこの店にもよく来られるんですけど、レベル5なのに全く気取る所がないんですよね」

店員「ほんと、尊敬しちゃいます!」キラキラ

垣根「……俺たちが第一位と第二位って事言わない方がよさそうだな」ボソッ

一方通行「……あァ」ボソッ

店員「あ、すいません。勝手にいろいろ語りだしちゃって。それと、さっき何かいいましたか?」

垣根「いや、別に何も」キリッ

店員「そうですか?」キョトン

垣根「それより、他には何かないの?」

店員「これ以外でしたら、あちらのコーナーの水着なんかもお客様には……」

??「あ、あの……っ!」

店員「はい?」クルッ

女生徒「さっき言われてた事、本当ですか?この水着を御坂さんが着ていたって……!」

一方通行(何だ、このガキ……妙な圧迫感がする。この感じ、確かどこかで……)

店員「は、はい。本当です」

女生徒「だったら、ぼ……私にこの水着ください!」

店員「分かりました。色のほうはどれに……」

女生徒「全部ください」

店員「ぜ、全部……?」

女生徒「はい、ここにあるのも在庫も全部ください!」

店員「」

垣根「」

一方通行「」

エット、ホントニゼンブ?
ゼンブデスッタラゼンブデス!






垣根「……気取り直して探すか」

一方通行「……あァ」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:56:50.51 ID:ulHM7rEJ0
垣根「何かいいのあったか?」

一方通行「……」ジーッ

垣根「返事くらいしろって。……その水着が気になんのか?」

一方通行「えっ!?いや、これは……」

垣根「水色に白の水玉……。確かに可愛い系だけど、テメェが着るにはガキ臭くねぇか?」

垣根「まさか、テメェも子供趣味なんじゃ……」ジトー

一方通行「だから、俺が着るんじゃねェよ。ただ、うちのガキに似合いそうだなって思っただけで……」

垣根「親バカ。いつの間にテメェはコブ付きになったんだよ」ハァ

一方通行「そォいう訳じゃねェけど……」

垣根「誰の水着探しに来たんだっけ?」

一方通行「俺の……です」

垣根「だったらガキじゃなくて自分の事考えて探せっつの」

一方通行「そォだな。悪ィ」シュン

垣根(あ、そうだ)ピコーン

垣根「……なんだったら、その水着。テメェが着てみればいいんじゃねぇ?」

一方通行「……はァ?なンでそォなるンだよ」

垣根「もしその水着が似合ってたら、それにすればいいだろ」

一方通行「絶対似合わない気がするけどなァ」

垣根「俺もそう思う」

一方通行「何だよソレ……」

垣根「いいから、とっとと試着してこい」グイグイ

一方通行「うわっ、押すなっての!」ヨロッ

垣根「はいはい」グイッ

一方通行「はい、って全然分かってな……わっ!」トンッ

垣根「それじゃ、着替えたらちゃんと俺にも見せてみろよ」シャッ

一方通行「垣根の奴……」

一方通行(無理矢理試着室に押し込みやがって……)

一方通行「……」チラッ

一方通行(こンなの、絶対俺に似合う訳ねェだろォが……)

一方通行(でも……)チラリ

一方通行「せっかくだから、着てみるか……」

一方通行(似合わなかったら、あいつに見せる前に脱げばいいだけだもンな)



垣根(よし、それじゃあ俺はこの間に、っと……)スタスタ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:57:49.05 ID:ulHM7rEJ0
<十数分後>

垣根「まだ着替え終わんねぇの?」

一方通行「ちょ……っと待て」ガサゴソ

一方通行「一応着替え終わった……けど……」

垣根「あ?だったらとっととカーテン開けろよ」

一方通行「……やっぱ見せなきゃダメかァ?」

垣根「そりゃ、せっかく着替えたんだしな」

一方通行「でも、だってこれ明らかに似合ってねェし……」

垣根「ごちゃごちゃ言わずにおとなしく見せろって」シャッ

一方通行「バっ、おま、勝手にカーテン開けンな!」

垣根「…………」

一方通行「………っ///」

垣根「…………っぷぷ、くはっ」プルプル

一方通行「笑ってンじゃねェよ畜生!」ムキーッ

垣根「だって、おま、それガキっぽすぎて全然似合ってねぇし……ふひっ」

一方通行「だァから!言ったじゃねェかよ、似合ってねェって!」

一方通行「こォなると思ったから見せたくなかったンだよ、このバ垣根!死ね!」ビシッ

垣根「っと、チョップは勘弁。悪かったって、実は意外と似合うかなー、とか思ったんだよ」

一方通行「そォいうギャップは狙ってねェ」

垣根「そ、次はならこっち着てみろよ」

一方通行「白のビキニ……?」

垣根「テメェが着替えてる間に探してみた。こっちなら確実に似合うだろ」

一方通行「そりゃ、今のコレよりはマシだろうけどよォ……」

垣根「だろ?という訳でもう一回着換えろ」シャッ

一方通行「また問答無用かよ!くそ……」ヌギヌギ

一方通行(それにしても、白のビキニだァ?おまけに首の後ろにはでけェリボンも付いてるし……)

一方通行(さっきよりはマシになったとはいえ、こンなのやっぱり俺が似合う訳ねェだろ)

一方通行(こォいうのは、俺みたいな奴なンかよりももっと別の奴の方が……)
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:58:18.72 ID:ulHM7rEJ0

垣根「着替えたか?」

一方通行「あァ、終わっ……」

垣根「それじゃ、開けるぞ」シャッ

一方通行「だから、勝手に開けンな!」

垣根「いいじゃねぇか、どうせ着替え終わってるんだから。それから、肝心の水着のほうは……」ジーッ

一方通行「…………っ」

垣根「…………」ジーッ

一方通行「ど、どォせまた笑うンだろ……?」ジトーッ

垣根「…………いや、笑わねぇ。すげぇ似合ってる」

一方通行「……騙されねェぞ?」

垣根「本当だって。さすが俺の見立てた水着だな。オマエにピッタリだ」ジッ

一方通行「なら、いいけどよォ」

一方通行「あ、あと、そンなにガン見すンな///」カァッ

垣根「あ、わりぃな。あんまりイイもんだからつい見過ぎちまった」

一方通行(イイって……垣根がこォいうの好きなら別にいいけど、でもやっぱり見られ続けンのは恥ずかしい///)

一方通行「……着替えるからな///」

垣根「俺としてはもうちょっとそのままでもいいんだけどな」

一方通行「明日見ればいいだろォが///」

垣根「明日ならガン見しててもいいのか?」

一方通行「そォいう意味じゃねェよ、バカ!」シャッ

垣根「さっきから俺の事バカバカ言い過ぎじゃね?……って、聞いてねぇか」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:58:58.54 ID:ulHM7rEJ0
<夜>

土御門「で、結局一方通行のデート相手は誰だったんだ」

海原「土御門さんの予想通りでした」

土御門「やはり、垣根帝督だったか……」

海原「えぇ。ですが、特に怪しい部分は見られませんでしたね」

海原「普通に、どこにでもいそうなカップルに見えましたよ。リア充分解しろ」

土御門「そうか……」

土御門(リア充云々には触れないでおくにゃー。だがしかし全力で同意するぜよ)

土御門「それでも、相手は第二位だ。油断はできない」

土御門「うちの第一位サマよりもある意味世慣れしてるからな、表面はいくらでも取りつくろえるはずだ」

土御門(これは、やっぱり俺の予想が的中している予感がするぜい)

土御門(スクールがアレイスターとの交渉のために一方通行を利用しようとしている、っていう予感がな……)

土御門「オマエも悪かったな。こんな事をさせてしまって」

海原「構いませんよ。おかげで御坂さんとおそろいの水着いっぱい買えましたし」ニコッ

土御門「」

海原「それでは、僕はこれから水着を堪n……いえ、野暮用があるので帰りますね」ニコニコッ

土御門「」



土御門「…………」

土御門「…………舞夏にも今度スク水メイドを着るようお願いしてみようかにゃー……」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 22:59:34.08 ID:ulHM7rEJ0
<同時刻 某所>

??「教授、もう限界です」

教授「くそっ、もうどうすれば……」

ピリリリリ…

??「何だ……いや、そうか。分かった」

??「教授、どうやら明日一方通行は七学区のプールに行くようです。もし、チャンスがあるとすれば……」

教授「……そうやら、神とやらは私をまだ見捨てなかったらしいな。よし、決行は明日だ」

??「了解です」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 23:00:00.70 ID:ulHM7rEJ0
<翌日>


一方通行(今日の放課後は、昨日買った水着でプールか……)

一方通行(俺も水に慣れてきたし、やっぱり水泳の授業でてよかったかもなァ)ニヤニヤ

姫神「鈴科さん。おはよう」

一方通行「あァ」

姫神「それで。プールの事なんだけど」

一方通行「あ、悪ィ。俺達で行く事になっちまった」

姫神「昨日メールが来ない時点で。そんな気はしていた」

一方通行「ごめンな」

姫神「別に。鈴科さんが謝る事じゃない。私はどうせいつもこう」フフフ…

一方通行「……ごめンな」

姫神「いいの。これが空気ヒロインの役目。ふふふふふ……」

一方通行(姫神が壊れた……)

姫神「ふふふふふふふふふふふふふ……」

上条「あ!いたいた!」

一方通行「あ?」

姫神「ふふふふふふふふ。……あれ。上条君?」

上条「鈴科、土御門が探してたぞ。なんだか、用事あるとか言ってたな」

一方通行「用事?」

一方通行(暗部の関連か?)

一方通行「分かった。行ってくる」

上条「土御門は屋上にいるって」

一方通行「おゥ」スタスタ

姫神「上条君が探していたのは鈴科さん。やっぱり。私は眼中にも無い空気ヒロイン」フフフ…

上条「……あれ、どうしたんだ姫神。おーい、姫神?姫神さーん?」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 23:00:29.37 ID:ulHM7rEJ0

<屋上>

一方通行「わざわざ呼び出すなンざ、よっぽど重要な用事なンだよなァ。土御門」

土御門「おー、わざわざすまないにゃー」

一方通行「くだらねェことならぶっ飛ばすぞ。あと、その口調やめろ。虫唾が走る」

土御門「相変わらず手厳しいな、一方通行」

一方通行「で、何の用だ」

土御門「……彼氏ができたらしいな」

一方通行「な、ンでオマエがそれを……//」

一方通行「つ、つゥか、それが何だよ。別にいいだろ、俺がか、彼氏作ろォが何しよォがよォ」アセアセ

土御門「あぁ、確かに彼氏を作るだけなら問題ない。何股かけようが、年の差があろうが自由だ」

一方通行「……そりゃ、シスコンにショタコンにストーカーが揃ってりゃそォなるわな」

土御門「茶化すな。あと、シスコンは何も悪くないぜよ!」

一方通行「オマエも茶化してンじゃねェか」ハァ

一方通行「で、それだけか?もし、そンな事で俺を呼び出したってンなら……」

土御門「話は最後まで聞くんだな。……確かに、オマエに彼氏が出来ただけなら文句は無い」

土御門「問題なのは、その相手だ」

一方通行「……垣根がどォしたンだよ」

土御門「オマエ、垣根帝督についてはどのくらい知っている?」

一方通行「そりゃ、アイツは未元物質を使う超能力者で、序列は第二位で、それから……」

一方通行(あれ……それ以外は、何だ?もしかして俺、アイツのことそンなに知らないンじゃ……)

土御門「そうか。じゃあ、アイツが俺たちと同じ暗部組織の一つ、スクールのリーダーである事は?」

一方通行「……っ!」ビクッ

土御門「何だ、知らなかったのか」ハァ

一方通行「それが……どォしたンだよ……」ギュッ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 23:00:55.45 ID:ulHM7rEJ0

土御門「いや、付き合ってる割には、この程度も知らなかったのかと思ってな」

一方通行「それ、は……っ」

土御門「じゃあ、スクールが学園都市理事長との直接交渉権を狙っている、という事も知らないんだろうな」

一方通行「だから、それがどォしたってンだよ……っ!」

一方通行「そンなの……そンなの、俺たちだって一緒じゃねェか!」キッ

土御門「確かに、たまたま付き合ってるのが暗部同士だってのなら良かったんだがな」

一方通行「どォいう意味だ?」

土御門「垣根帝督がオマエに近づいたのは、偶然でも運命とやらでもない」

土御門「全部アイツが狙っていた、という事だ。もはや形骸化している学園都市第一位の特権をな」

一方通行「アイツはそンな奴じゃねェ!だって、アイツは……!」

土御門「……学園都市第一位はとんだ恋愛脳になってしまったようだな」ハァ

一方通行「恋愛脳……?」

土御門「思い出せ、一方通行。オマエと垣根帝督との出会いに不審な点は無かったか?」

土御門「急に態度を変えたような事は?ある時期から『偶然』出会う事が多くなったような事は?」

土御門「わざと迫って意識させるような言動はあったか?そういった事について心当たりはあるか?」

土御門「……オマエだって、全く疑問に思わなかったわけじゃないだろう」

一方通行「それ、は……」

一方通行(確かに、アイツが急に優しくなったのがそもそもの始まりだった……)

一方通行(他にも土御門が言う事が当てはまる点はいくつもある……)

一方通行「で、でも……」

土御門「少しでも当てはまる部分があったなら、それはつまりそういう事だ。一方通行」

一方通行「…………」

土御門「……オマエがどうするかは自由だ。俺の忠告を無視するのもな」

土御門「だが、俺が言った事はおそらく事実だ」

一方通行「…………っ」

土御門「……俺だって、オマエが弄ばれて傷つく姿を見たいわけじゃないんだぜい?」ナデナデ

土御門「どうするべきか、冷静になって考えてみるんだにゃー」

一方通行「……………」

土御門(……反応は無し、か。無理もない。急にこんな事を言われたんじゃ混乱するだろうしな)

土御門(だが、俺としても…グループとしても「一方通行」を、「学園都市第一位」をみすみすスクールに渡すわけにはい

かない)

土御門「オマエが傷つかないうちに、早く別れるのが正解だと俺は思うぜよ」

土御門(だから、間違っても垣根についていこうとするなよ、一方通行)

一方通行「…………」

土御門「はぁ……授業までには教室に戻ってくるんだぜい」スタスタ

一方通行「…………」

一方通行「…………」

一方通行「…………でも、垣根はそンな奴じゃねェ……」

一方通行「そンな奴じゃ、ねェよ……」ギュッ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/18(金) 23:02:13.11 ID:ulHM7rEJ0
書きためおしまい
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 02:57:45.67 ID:Qin4FhYso

俺は  お前を  ずっと  待っていた

キュンキュンさせんじゃねーよwwwwww
頑張って百合子を幸せにしてやってくれ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 05:46:09.44 ID:5xPGKHuDO
王道だな
…続けてくれ!
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 07:39:02.31 ID:78H6u5eIO
超期待
だが一言だけ言わせてくれ
何故マンスジのくだりを削った!!
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/02/19(土) 08:49:27.69 ID:U4hmgEAIO
百合子愛してるううううう
百合子を幸せにできるのは垣根だけ?
まずはそのふざけた幻想をぶち[ピーーー]!
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 09:04:42.68 ID:U4hmgEAIO
sage忘れた
ごめんよ百合子
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 15:41:45.46 ID:3uGFUxIAO
期待
胸キュンが止まらねぇ
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 19:04:36.81 ID:xDixVi6/0
前作に続きキュンキュンしまくりだ 乙
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/19(土) 19:46:42.14 ID:sRPBbrqco
うわこんなの立ってたのか
前作好きだった!期待!
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/20(日) 13:26:28.79 ID:qoX2rOklo
前作見てたけど続ききてたのか
乙乙
楽しみにしてる
51 :>>1 [sage saga]:2011/02/21(月) 00:41:27.53 ID:kb1gBw6K0
>>44
悪かった。でも、俺だってちょっと賢者になってみたいときもあるんだ(キリッ

あと、海原の一人称って「自分」だったな!
うっかりミスってしまった
>>36の部分は脳内修正してくれると助かる

それから、乙くれた人たちもありがとうございました
前作読んでくれた人もいるとか、もう、ヤダ、恥ずかしいじゃない///
でも、あの節は支援とかいろいろとありがとうございました
改めてお礼を言わせていただきます

とにかく、短いですがキリがいいので投下始めます
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 00:42:36.78 ID:kb1gBw6K0
<放課後>

垣根「遅かったな」

一方通行「あァ、HRが長引いちまって……」

一方通行(本当は、土御門に言われてた事について考えてたら遅れちまったンだけどな……)

垣根「そうか」

垣根(なに浮かない顔してんだ、コイツ……)

垣根「……おい、今日何かあったのか?」

一方通行「別に……何でもねェよ」プイッ

垣根「ふぅん……」

垣根(何でもねぇわけじゃねぇだろ、その様子なら)

垣根(心理定規が言ってたように、俺の事は信頼してねぇってことかよ)ムッ

一方通行「垣根、どォかしたのか?」

垣根「別に。何でもねぇよ」

垣根(……でも、ここで喧嘩するのも得策じゃねぇ。ここはひとまず我慢するか)

垣根「早く入ろうぜ。時間も勿体ないしな」スタスタ

一方通行「あァ、そォだな……」

土御門『全部アイツが狙っていた、という事だ。もはや形骸化している学園都市第一位の特権をな』

一方通行「…………っ」

一方通行「か、垣根っ!」

垣根「ん?何だ?」クルッ

一方通行「その……あの、オマエは……」

一方通行(オマエは……俺の事を利用しようとしてるのか……?)

一方通行「オマエは……今日、どンな水着持ってきたンだ?」

一方通行(そンなの、聞けるわけねェ……)

垣根「そんな事かよ……」

一方通行「オマエは俺の水着知ってるけど、俺はオマエの知らねェし……」

一方通行(垣根の事は信用してる……そのつもりだ)

一方通行(でも、もし本当に土御門の言う通りだったら、俺は……)

垣根「俺のは……その時までのお楽しみだな」ニヤリ

一方通行「オマエの何か、楽しみになンねェよ」

垣根「自分から聞いてきたくせに」スタスタ

一方通行「うるせェ」スタスタ

一方通行(俺は……どォしたらいいンだよ……)
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 00:43:03.72 ID:kb1gBw6K0
<プール>

垣根「意外と早いな。もっと時間がかかると思ってた」

一方通行「あ?何でだよ」

垣根「だって、オマエ、その体じゃいろいろと不自由だろ」

一方通行「確かにそォだが、もォ慣れたからな。第一、この前の試着の時だって大丈夫だったろォが」

垣根「それもそうか。……っと危ねぇ」グイッ

一方通行「うわっ!」ダキッ

垣根「平日ってもオープンしたばっかだからか人が多いな。……大丈夫か?」

一方通行「あ、あァ……///」

垣根「テメェも、杖ついてんだからちょっとは周りをよく見ろ。そんなんじゃいつか転ぶぞ」

垣根「なんなら、怪我しないようにずっと俺がこうして抱きしめててやろうか?」ニヤニヤ

一方通行「ばっ……」ハッ

一方通行(土御門が言っていた事が本当なら、さっき庇ってくれた事やこの態度だって……)

一方通行(いや、でも、そンな事は……垣根は、そンな奴じゃねェ)

一方通行「……馬鹿な事言ってンじゃねェよ」ドンッ

一方通行「ボサボサしてると置いてくぞ」スタスタ

一方通行(そンな奴じゃねェ、はずだよな……?)

垣根「おい!」

垣根(やっぱり様子がおかしい。いつもなら、赤面して罵倒の一つでもしてくるはず)

垣根「何だってんだよ、クソ……」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 00:44:13.22 ID:kb1gBw6K0
<数十分後>

垣根(やっぱり、変だ)

垣根「おい、前見ろ。ぶつかるぞ」

一方通行「あァ、悪い……」

垣根(何を言ってもどこか上の空だし、いつもみたいな反応はひとつもしてこねぇ)

垣根「クソッ、ムカつくな……」ボソッ

一方通行「…………っ」ビクッ

一方通行「垣根、どォしたンだ……?」

垣根「チッ……」

垣根(聞かれたか……。しょうがねぇ、本当はこういう聞きだし方はしたくなかったんだが……)

垣根「オマエさぁ、やっぱりなんかあったんだろ?」

一方通行「さっきも言っただろ、そンなの無ェって……」

垣根「……嘘ついてんじゃねぇよ」ギロッ

一方通行「嘘………?」ビクッ

垣根「何しても反応鈍いし、何よりちっとも楽しそうじゃねぇ」

垣根「そんな様子見たら、何かあったことぐらいすぐ分かるっつの」

一方通行「…………」

垣根「言ってみろよ。一緒にいる相手がそんなんじゃ、俺の気だって病むからな」

垣根「それとも、俺には言えない事なのか?」

一方通行「そういう訳じゃねェけど……」

垣根「だったら言えよ」

一方通行(…………っ)

一方通行「……オマエが」

垣根「俺が……?」

垣根(俺が、なんだ?)

一方通行「オマエが、暗部のスクールっていう組織のリーダーだって話を聞いた」

一方通行「それから、学園都市理事長との直接交渉権を狙ってるっていう事も」

垣根(何だ、そんな事か)ホッ

垣根「……黙ってたのは悪かった。てっきりテメェも知ってるもんだと思ってたからな」

垣根「でも、そんなのはテメェも同じ……」

一方通行「だったら」

垣根「あ?」

一方通行「だったら……その目的のために俺に近づいたってのは本当なのか?」

垣根「それ、は……」

一方通行「どうなンだよ、垣根……?」

一方通行(きっと、否定してくれるよな……?)ギュッ
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 00:44:47.57 ID:kb1gBw6K0
垣根「それ、は……」

一方通行「どうなンだよ、垣根……?」

一方通行(きっと、否定してくれるよな……?)ギュッ

垣根「それは……」

垣根(……ここは、ごまかすべきか?)

一方通行「…………」ジーッ

垣根「…………」

一方通行「垣根…………」ジーッ

垣根(…………チッ)

垣根「本当、だ……」

一方通行(えっ………?)

一方通行「嘘、だろ……?」

一方通行(頼むから嘘だって……)

垣根「本当だ、って言ったんだよ。……確かに俺は、オマエを利用しようと思ってた」

一方通行「そンな……」

一方通行(やっぱり、土御門の言った通りだったって事かよ……)

垣根「初めはそのつもりだった。でも、よく聞けよ一方通行。俺は……」

一方通行「……もォいい!」

一方通行(誤魔化しの言葉なンて、嘘の言葉なンて聞きたくねェ)

垣根「一方通行?」

一方通行「もォいい。……オマエの言い訳なンか聞きたくねェ」

一方通行(馬鹿みてェ。垣根の言葉に騙されて、まンまと利用されるなンてな)

一方通行(今までの俺に対する態度も、全部俺の反応見て内心では大爆笑してたのかもしンねェ)

一方通行(……結局、本気だったのは俺だけって事かよ……)ジワッ

一方通行「…………オマエなンか大嫌いだ」タッ

一方通行(本当、俺ってただの馬鹿じゃねェか……!)グスッ

垣根「あっ、おい!一方通行!」

垣根(クソっ……アイツ、人の話最後まで聞かないで……)

垣根(泣きながら、走って逃げやがって!)

垣根(心理定規の言ってた『信用できてない』理由ってこれかよ)

垣根(だったら嘘でも言えば良かったのか、ちくしょう)

垣根(いや、違う。そうじゃない、本当に俺がすべきなのは)

垣根「一方通行……」

垣根(あいつの足ならまだそう遠くまで行ってないはず)

垣根(あんな状態で能力を使うとも思えねぇ。だったら今からでも追いかけて誤解を……)

……カラン

垣根(何だ、今の音)キョロキョロ

垣根「あ?」

垣根(あれは、アイツの杖?何で杖だけが……)

垣根「一方……通行……?」

垣根(アイツは、どこだ……!?)
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 00:45:14.89 ID:kb1gBw6K0
<プールの駐車場 とあるバンの内部>

ヒュンッ

一方通行「……っ」ドサッ

一方通行(どこだ、ここ?まさかテレポ……)トンッ ビリビリッ

一方通行「うっ…………」フラッ

一方通行(能…………逃………)バタッ

??「…………」ジッ

ピッ トゥルルル…

??「はい……そうです、教授。成功しました。……えぇ、捕獲成功です」

??「やはり、能力さえ使えなければ第一位といっても無力」

??「……えぇ、プールに入ってからだが濡れてた事も幸いしたのか、スタンガンですぐに気絶しました」

??「……はい、……はい。了解です」

カチャ ツーツー・・・

??「…………よし。では、予定通り19学区に」

?「了解」

ブロロロロ・・・
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/02/21(月) 00:45:42.35 ID:kb1gBw6K0
書きためおしまい
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 01:39:17.22 ID:oOrMRacAO
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 02:58:28.83 ID:TJVZdz1s0
垣根はどう動くか…見物だな
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/21(月) 07:55:38.83 ID:0CqqWPiDO
乙です! 前作みてきた!
しえんえん
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/23(水) 03:40:15.75 ID:mCMmd7+IO
体の濡れてる水着姿の百合子たんを誘拐……だと………
おのれ許すまじ
62 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 18:56:33.52 ID:BwiqKbuy0
乙くれた人たちありがとうございました!

それから、>>55の最初の3行はコピペミス!
分かってたとは思うけど、別に大事だから二回言ったわけじゃないからな!

そんでもって、今回もやっぱり投下するわけだけど、敵役としてオリキャラもどきが出てきます
オリジナルって言ってもモブどまりではあるんだけど、そういうの苦手な人はすいません
原作に丁度いいキャラがいなかったための苦肉の策って事で勘弁してください

では、言い訳はこの辺にして投下始めます
63 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 18:57:04.02 ID:BwiqKbuy0
<学園都市 某所>

ブロロロロ…

結標「全く、今日は小萌に夕飯作ってあげる約束だったのに……」

海原「自分としてはその小萌さんの胃袋を守れただけでも、今日の任務の価値があると思いますけどね」

結標「ちょっと、それはどういう意味かしら?」ムッ

海原「いえ、別に深い意味はありませんよ」ニコッ

結標「なんだか釈然としないわね……」

土御門「雑談はそこまでにしておけ。……これで全員揃ったか」

結標「全員?」

海原「一方通行さんがいませんが……」

土御門「それについては今から話す」

海原「はぁ」

結標(……あの子に何かあったのかしら?)

土御門「それで、今日の任務だが……『誘拐された第一位を救出せよ』との事だ」

海原「誘拐?一方通行が?」

結標「ちょっと、それどういう事よ土御門!」

土御門「だーかーら、それも含めて今から話すから。まずは落ち着け」

結標「う……分かったわよ」

土御門「事の発端は今日の夕方。……第七学区に最近レジャープールが出来たのは知ってるか?」

海原「あぁ、あそこですか」

結標「あれだけCMやってたら嫌でも覚えるわ」

土御門「一方通行は、あそこに『知人』と二人で遊びに行ったらしい」

結標(デートね)

海原(デートですね)

土御門「で、その『知人』とやらが目を離したすきに一方通行が消えたようだ」

結標「消えた……?テレポーターか何かにつかまったのかしら?」

海原「一方通行さんがそうたやすく捕まるとは思えませんが……」

土御門「詳細はオレもよく分からない。なんせ、この話も電話の男から聞いたものだからな」

土御門「だが、能力を使えない状態の一方通行ならテレポートさせられる事は可能性は十分にある」

海原「で、一方通行さんの居場所は分かるんですか?」

土御門「それも電話の男から指示が出ている」

結標「場所が分かってるなら上が対処しなさいよ」ムッ

土御門「それをオレに言うな。大方、表に出たら困る事でもあるんだろう」

土御門「その場所だが、第19学区のとある廃屋……閉鎖された研究所らしい」

土御門「で、一方通行を捕まえた組織だが……うおっ!」グラッ

結標「きゃっ!」グラッ

海原「わわっ!」グラッ

キキィッ
64 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 18:57:38.90 ID:BwiqKbuy0
運転手「す、すみません!」ワタワタ

土御門「どうした!?」

運転手「なんだか、急にエンジンがかからなくなってしまって……。あれ、あれー?」アセアセ

土御門「クソッ……!」

土御門(例の組織の攻撃か!?)

海原「……っ!土御門さん、誰かが車に近づいてきます!」

海原「男と女……一人ずつのようですね」

結標「二人か……。どうするの?」

土御門「武器の所持は?」

海原「見たところはありませんね。というかあれは……」チラッ

土御門「どうした、海原」

海原「……いえ、彼らは一方通行さんを誘拐した組織じゃありません」

土御門「なぜわかる?」

海原「見ればすぐに。大丈夫です、彼らは自分たちを攻撃するつもりはないでしょう」

土御門「だから、どういう意味だ?」

海原「すぐに分かりますよ。……あぁ、でもめんどくさい事になりそうですね」

結標「それって……」

ガチャ

土御門(例の二人か……?)ジッ

結標(うそ、中に来るの?)ドキドキ

??「……よぉ」

結標「えっ……?」

土御門「お前らは……っ!」

??「テメェら、随分と湿気たツラしてんな」

??「こんばんは……いえ、初めましてというべきかしら?」


結標・土御門「「スクール!?」」
65 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 18:58:47.06 ID:BwiqKbuy0
<第19学区 研究所跡>

一方通行「うゥ……ン……っ」パチッ

一方通行(頭が痛ェ……体も、少しだがしびれた感覚がしやがる……)

一方通行「……どこだ……ここ……?」キョロキョロ

一方通行(どうして、俺は……)ハッ

一方通行(そうだ、俺はプールからテレポートされて、それで……!)

一方通行(とにかく、まずは能力を……ってあれ?)ヨジヨジ

一方通行(クソっ、手が縛られてやがる。足は……大丈夫か。まァどっちにしろ立てねェけど)

??「お目覚めかね」

一方通行「……っ!誰だ?」キッ

??「私か?キミに名乗る名前は無いが、そうだな……。便宜上『教授』とでも呼んでくれ」

教授「気付いているとは思うが、キミを誘拐した組織のリーダーだ」

一方通行「組織……?」

一方通行(個人じゃねぇって事か。それにこの年齢……スキルアウトって事も無さそォだ)

一方通行「何が目的だ?」ギロッ

教授「そう睨むな……。目的なら、キミには察しがつくのではないかね?学園都市の第一位なのだろう?」

一方通行(俺を誘拐する目的、だと……?)

一方通行(打ち止めでもなく、わざわざ俺を狙っている。おそらく、妹達関連じゃねェな)

一方通行(それに、この「学園都市」でわざわざ「教授」を名乗るって事は、外部の組織だという線も薄い)

一方通行(という事は、俺の能力や開発方法、その技術を狙ったっていうわけじゃねェ)

一方通行(だったら、学園都市の、スキルアウトではない組織が俺を狙う理由……)

一方通行(……そうかっ)ハッ

一方通行「学園都市理事長との交渉……」キッ

教授「ご名答。さすがだね」パチパチ

一方通行「そりゃどォも。ちっとも嬉しくねェけどな」

教授「別に喜んでもらおうとも思ってないさ」

教授「キミが思う通り、私たちの目的は学園都市理事長、アレイスターとの直接交渉だ」

教授「キミが捕られたとなったらさすがに奴も動かざるを得ないだろうからね」

教授「キミはそのための人質というわけだ」

一方通行「そういう事かよ」

教授「まぁ、その前に暗部組織がキミを救出に来るかもしれないが、それについても対策はしてある」

教授「私たちの目的が済むまで、そこで大人しくしていてくれ」クルッ

一方通行「……チッ」
66 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 18:59:16.36 ID:BwiqKbuy0
一方通行(肌寒いな……)ブルッ

一方通行(そォいや水着のまンまなのか。上着くらいよこせっつの、クソッたれ)

一方通行(窓は……あった。でも、ひび割れてンな。ちょっとの刺激で割れちまいそうだ)

一方通行(おまけに、見えるのは外の景色じゃなくて廊下。どォやら、ここは建物の内部の部屋らしいな)

一方通行(でも風は通ってる。どこかの外に向いた窓が開いているか、もしくは窓ガラス自体ないか……)

一方通行(床も埃っぽいし、ここは廃墟で決まりだな。おまけにしばらくは人の出入りも無かったと見た)

一方通行(……建物の内部とは行っても、外の騒音が一切聞こえてこねェ。静かすぎる)

一方通行(そして、スキルアウトにも目をつけられないような廃墟。ここは第19学区の可能性が高いな)

一方通行(だとしたら、場所の特定には時間がかかる。助けがくるのは遅れそうだな)

一方通行「…………」

一方通行(助け、か……)

一方通行「垣根……」ボソッ

一方通行(……何言ってンだ、俺。アイツが助けに来てくれるわけがねェだろォが)

一方通行(だって、アイツは……)シュン

一方通行(いや、そもそも誰かに助けを求める時点で間違ってる)ブンブン

一方通行(どォにかして自力で逃げるすべを見つけねェと……)
67 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 18:59:59.17 ID:BwiqKbuy0
<グループのキャンピングカー>

垣根「邪魔するぜ」ヒョイ

心理定規「あら、あなた達随分といい車に乗ってるのね」キョロキョロ

土御門「スクールの奴らが何の用だ?」ギロッ

垣根「今から話す。あと、エンジンを止めてた未元物質は取り除いた。10分で19学区に向かえ」

運転手「10分?さすがにそれは厳しいかと……」

垣根「だったらテメェごとこの車潰して自力で行くぞ?」

運転手「ヒィっ!分かりました!」ブロロロロ…

垣根「これでよし。で、要件だが……」

土御門(さて、鬼が出るか蛇が出るか……)

海原「…………」ジッ

結標「…………」ゴクリ

心理定規「……」クスッ



垣根「お前ら……この任務、俺たちに協力しろ」



土御門「……どういう意味だ?一方通行の件は俺たちにのみ指令が来ているはずだが」

垣根「アイツをさらった組織の名前、知っているか?」

土御門「あぁ、知っている。『反学園都市勢力』だったな」

結標「それって!」ハッ

心理定規「そう。ここ1か月程世間を騒がせてる、あの狂言テロ組織よ」

海原「でも、実際に起こしたテロは一つもない。あれは、スキルアウトのイタズラと聞いたことがあります」

心理定規「だから『狂言』なの。でも、あれはスキルアウトのイタズラなんかじゃない」

垣根「あの組織は実在する。ずっとあいつらを相手にしてたのが俺達だからな」

垣根「全く、『アンチスクール』に『スクール』が対処するなんて、まるでセンスの無いジョークだけどな」ハッ

心理定規「彼らが事を起こすまでに私たちが全部片付けてたってわけ。後始末も含めてね」

心理定規「だから、遅れてやってきた警備員にはただのイタズラとしか思えないってカラクリよ」

心理定規「まぁ、実際に模倣犯も何人かいたでしょうけどね」

垣根「で、今回俺たちにやっとその本営を潰せとの指令がきた」

土御門「なるほど、第一位が捕らわれているのがそこってことか」
68 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 19:01:04.38 ID:BwiqKbuy0
垣根「そういう事だ。利害は一致するだろう?」

土御門「確かにな。……だが一つ疑問が残る」

垣根「何だよ」ムッ

土御門「仮にもスクールは『学園都市第二位』を有する勢力だ」

土御門「『一方通行』のいない今の俺達よりも力量は上と見ていいだろう」

土御門「……じゃあ、なぜそのスクールが俺達にわざわざ協力を要請する?」

土御門「なぜ足手まといにしかならない俺達と行動を共にしようとするんだ?」

垣根「それは……」

土御門「一方通行の救出のために俺達の『能力』を必要とする何かがある。違うか?」

垣根「…………チッ。その通りだ」

垣根(思ってたよりも頭が切れるな、コイツ)

心理定規「……数日前、ある少年院から複数のAIMジャマーが盗まれた」

心理定規「警備員はスキルアウトや外部組織の仕業だと考えているようだけど、私たちは奴らが盗んだと思っているわ」

心理定規「今回一方通行を誘拐された事で、奴らにテレポート系の能力者がいる事もはっきりしたし」

結標「高位のテレポーターがいれば、輸送も楽でしょうからね」

心理定規「そういう事よ」

海原「なるほど。AIMジャマーを使われてしまえば、能力があるかどうかなんて関係なくなってしまいますからね」

垣根「……テメェらグループにはここじゃない『外』の方法で能力を使う奴がいるって話を聞いたからな」

垣根「そいつなら、AIMジャマーの効果を受けねぇと思ったわけだ」

土御門「なるほど、そういうわけか……」

垣根「そうだ」
69 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 19:01:30.39 ID:BwiqKbuy0
土御門「…………だったら、逆にこっちがオマエらに協力する理由がなくなるな」

垣根「なっ……!」ガタッ

心理定規(あぁ、せっかくここにくるまで宥めてたのに!)ハラハラ

土御門「みすみす一方通行を奪われるような第二位なんて、頼りになるかどうかも怪しいしな」フン

垣根「テメェ!」

心理定規「ちょっと、落ち着いて!」

土御門「……だが、人数が多いに越したことはない。だけどな」ニヤリ

垣根「何が言いてぇんだよ」

土御門「『協力しろ』とは横柄だと思ってな。手を貸してほしいなら誠意をみせろ」ドンッ

垣根「何……だと……?」

結標(うっわ、八つあたりね)

海原(地味にイラついてたんでしょうね)

土御門「ほら、なんか言ってみたらどうなんだ?」

垣根「クソッ……」

垣根「チッ分かったよ。……頼む、協力してくれ。これでいいのか?」ムスッ

心理定規(あら、意外と素直ね)

垣根(アイツを助けるために手段なんか選んでる場合じゃねぇ)

垣根(足元見られてんのはムカつくけどな)

土御門「最初からそういう態度なら俺たちも喜んで協力したのに」

土御門「まぁいい。今回の任務、俺たちもオマエ達に協力しよう」ニッ

結標「もう、結論出すまでが長いのよ。いいから、さっさと作戦会議でも何でも始めましょ」

海原「お互いの『能力』も把握しないといけませんしね」

心理定規「えぇ、どっかの誰かのせいで無駄な時間を使ったわ」

土御門「えー、俺のせいじゃないぜい?」

土御門(あくまでスクールと対等な関係である、という建前は後々のために必要だからな)

垣根「で、まずは反学園都市勢力についてだが……」

ワイワイガヤガヤ…
70 :>>1 [sage saga]:2011/02/24(木) 19:01:59.43 ID:BwiqKbuy0
<廃墟前>

心理定規「意外と広いのね」

海原「一応この研究所は旧棟、新棟の二つの建物からなっていたようですからね」

結標「で、AIMジャマーが設置されてるのはおそらく新棟のほうって事でいいのよね」

土御門「多分、だけどな。おそらく、一方通行もそこにいるだろう」

垣根「あいつらだって馬鹿じゃねぇ。一方通行に危害を加えてはいないだろう」

垣根(スキルアウトに捕まったらどうなってたか分からねぇけどな)

垣根(俺に対する当てつけかとも思ったが、俺に現時点まで接触が無い時点でその可能性も薄い)

垣根(せっかくの人質に怪我させるなんてマネをするほど愚かなマネはしないはずだ)

垣根「後は作戦通りに動くだけだ」

心理定規「分かったわ」

結標「早く帰りたいし、さっさと済ませちゃいましょ。……それにしても、今日は月が奇麗ね」

海原「全く、任務に当たるには最悪の日ですね」ヤレヤレ

土御門「同意する。こういう日は舞夏と二人で天体観測するのが一番だぜい」

結標「黙りなさいシスコン」

土御門「ショタコンには言われたくないにゃー」

海原「ですね」

結標「うううう、うるさい!だいたい私はショタコンなんかじゃ……!」

ヤーイ、ムスジメノショタコーン ウルサイ、ゼンラデトバスワヨ!

心理定規(………本当にグループと手を組んでよかったのかしら)ハァ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/24(木) 19:02:31.44 ID:BwiqKbuy0
書きためおしまい
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/02/26(土) 17:46:47.55 ID:istzMXK50
乙!グループとスクールの共闘とか胸熱
73 :>>1 [sage saga]:2011/03/02(水) 02:07:06.42 ID:1Jl/LDCI0
乙ありがとうございます。

書きためた分投下しに来ました。
ここまで好き勝手に書いて来て今更時間軸もクソも無いと思うんですけど、
ここのあわきんは手塩戦前、つまり自分のテレポートはできない、という設定にしてます。

えでゃ、投下始めます
74 :>>1 [sage saga]:2011/03/02(水) 02:07:44.29 ID:1Jl/LDCI0
<旧棟 2階>

結標「よし、この部屋はこの位でいいかしら」ゴトッ ガサガサ

結標「あら、あれは……」ピタッ

結標「またペンキ缶かしら?」スタスタ

結標「……やっぱり。何よ、ここ。さっきからペンキばっかり。塗料の開発でもしてたのかしら?」

結標「まぁいいわ。さっさと次の部屋に行きましょ」スタスタ

結標「……それにしても、割に合わないわね。何で私だけ一人なのよ」

結標「マップが古すぎて役に立たないからって、安易に物を転移できないとか……ないわ」

結標「それに、この研究所自体に廃棄しないで残されてる物がいっぱいあるじゃない」

結標「いくら発光能力の研究所で、そこまで危険な物質が無いっていってもね」

結標「こうやって何がどこにあるかを、いちいち把握しなきゃいけないのは疲れるわ」ハァ

結標「まぁ自分の身ぐらい守れるからいいし、土御門達の言う事にも一理あるけど……」



土御門『おそらく、敵は兵力を二つに分けてくる』

土御門『能力者はAIMジャマーのない旧棟、それ以外は新棟といったようにな』

垣根『今までを見る限り、奴らには戦力として使える能力者はあまりいないはずだ』

垣根『その分、一方通行をさらったあのテレポーターとやらが厄介なんだけどな』

土御門『だから結標、旧棟はオマエ一人に任せる』

土御門『テレポーターには超能力者か、同系統の能力者じゃないと対応できない場合もある』

土御門『オマエの実力を信じての采配だ。頼んだぞ』



結標「絶対に割に合わないわ。私に負担かかりすぎじゃないかしら」プンスカ

結標「こうなったら絶対後で土御門に……」

男「いたぞ!侵入者だ!」

男2「くらえ!」ゴウッ

男達「こっちも!」ビュウッ

結標「あら」ヒョイ

結標(うまい具合に壁があって良かったわ。これで取りあえずは凌げそうね)

結標(この攻撃から見て相手は発火能力に風力使い達……どちらもレベル2ってとこかしら)

結標「そんなんじゃ私の足元にも及ばないわ、よっ!」ヒュン

男「ぐぁっ!」グサッ バタリ

男2「どうした……!?」クルッ

男2「コルク抜き……?……一体どこからうあっ!」グサグサッ

男達「ひでぶ!」グサグサグサッ

結標「……よし。倒したわね」スタスタ

結標「全く、一人に気を取られて動きを止めるなんて、狙ってくれって言ってるようなもんじゃない」

結標「テレポーターが仲間にいるのに、テレポーターへの対策を知らなかったのかしら?」

結標「でも、この分なら楽に……」

シンニュウシャハッケン!カカレッ!

結標「ってまた!?」タッ

結標「やっぱり割に合わないわ!後で必ず土御門に埋め合わせさせるんだから!」ヒュンヒュン
75 :>>1 [sage saga]:2011/03/02(水) 02:08:51.32 ID:1Jl/LDCI0
<新棟 1階>

土御門「どうやら、敵はさっきので全部だったようだな」

心理定規「そのようね。倒してきてくれてありがとう」

土御門「あいつらも上にいかせた」

心理定規「そう、良かったわ」

心理定規「じゃあ、案内の続きをお願いね」クルッ

警備兵「はい」スタスタ

土御門「AIMジャマーの影響はないみたいだな」

心理定規「能力をかけたのがAIMジャマーの範囲外だったもの」

土御門「やっぱり、『中から外』は駄目でも、『外から中』は大丈夫だという事か」

心理定規「そうね。それに私の能力は実際には『距離を調節する』時にしか作用しないし」

心理定規「こうやって操作した後なら、私は演算しなくても大丈夫なの」

土御門「本当に、精神操作ってのは便利だな」

心理定規「そうでもないよ?こういう情報収集とか撹乱には向いてるけど、物理的には無力だし」

心理定規「だから、あなたにも護衛として付いてきてもらってるの」

土御門「何事も便利なだけじゃないって事か」

土御門「でも、拷問も何もせずに敵の情報を手に入れられるのは羨ましい」

警備兵「…………」ピピッ ガチャ

心理定規「まぁ、確かにこういう生体認証が必要な時には楽ね」

心理定規「おまけに、絶対的な主従関係を設定しておけば、裏切られる事もないし」

心理定規「もっとも、あなたにはそんな事しないから安心してね?」チラッ

土御門「その言葉、素直に信じられるといいんだけどな」

心理定規「信じてほしいものね。少なくとも今回は」
76 :>>1 [sage saga]:2011/03/02(水) 02:09:31.35 ID:1Jl/LDCI0
警備兵「……こちらです」ピタッ

心理定規「ありがとう。ついでに、この端末のロックも解除してくれるかしら」

警備兵「了解です」カタカタ

心理定規「それが終わったら、隣のもお願いね」

警備兵「了解です」カタカタ

土御門「ん?一台あれば十分じゃないのか?」

心理定規「二台あった方が効率がいいんじゃないかしら?」

心理定規「何も調べるのは、ここの『今の状態』のマップだけじゃないでしょ?」クスッ

土御門(やはり、反学園都市勢力は何かしらの情報を掴んでいるのか……)

土御門(なら、それを狙うのは当然だ。俺達も、……もちろんスクールも)

土御門「……それはお互い様だろう」

心理定規「そうね。一応、私は見つけたデータはあなた達と共有するつもりよ?」

土御門「それなら、俺達もそうせざるを得ないな」ハァ

心理定規「協力って大事よね」フフッ

土御門「あぁ、全くだ」

心理定規(とか言いながら、全く言葉には実感がこもって無いわね)

心理定規(やっぱり、垣根帝督がいながら一方通行を取られた事、少し怒ってるのかな?)ウムム

土御門「こっちはまず良いとして」

心理定規「うん?」

土御門「海原達は上手くいってるといいんだが……」

心理定規「大丈夫でしょ、多分」
77 :>>1 [sage saga]:2011/03/02(水) 02:10:04.15 ID:1Jl/LDCI0
<新棟 3階>

ズダダダダ…

垣根「鉛玉の嵐とは、十分すぎる歓迎だな」

海原「どうやら、ここの方々は客への『礼儀』をわきまえてるようですね」

垣根「1階の奴らが腑抜けすぎんだろ。人質取ってんだから、覚悟ぐらいしとけよな」

海原「それもそうですが……もしかしたら、この事を知らされていなかった可能性もありますね」

垣根「あん?」

海原「彼らは、ただの捨て駒という事ですよ」

海原「能力が使えない状態での、自分達の戦力を図るためのね」

垣根「はっ、俺達のためにわざわざそこまでしてくれるなんてな」

海原「本当に、ありがたいお出迎えでしたね。おっと、次がきますよ」カチャ

垣根「知ってる。準備はいいな?後はさっき言った通りに」

海原「えぇ、了解です。……ばっちり見えますよ」

垣根「そんじゃ、始めるか」ダッ

武装兵1「いたぞ、第二位だ!撃て!」ズダダダ

垣根「おっと、危ねぇ」ヒュン

武装兵1「何か投げ……水風船か?気にするな、撃て!」

武装兵達「はっ!」ズダダダ

垣根「確かに中身は液体だけどな」パンッ

武装兵1「どこを狙っている?射撃は下手なようだな、第二位!……うわっ!」バシャッ

垣根「馬ぁ鹿、撃ったのは水風船だっつの」フン

武装兵2「うわっ、かかっちまった!」アセアセ

武装兵1「何のための防護服だ!ただの水がかかったくらいで気にするな!」ズダダダ

武装兵2「は、はいっ!」ズダダダ

武装兵1「第二位と言えど、今は無能力者と同じ!装備から見て、我々の方が有利だぞ!」

武装兵1「細かい事は気にするな!とにかく撃ちまくれ!」ズダダダ

垣根(無能力者と同じ、か)

垣根「ったく、随分となめられてんな」ヒュン
78 :>>1 [sage saga]:2011/03/02(水) 02:10:43.80 ID:1Jl/LDCI0
武装兵1(今度は何だ?)

トンッ モクモクモク…

武装兵1「煙幕だ!気にするな!ただし、むやみに動くんじゃないぞ!」

武装兵1「あいつは2時の方向のの壁に隠れている!壁ごと撃ち壊せ!」ズガガガ

武装兵達「了解!」ズダダダ

垣根「随分と派手にやってくれるな……」

垣根「それじゃ、後は頼んだぜ」チラッ

海原「えぇ、任せてください」スッ

ピカッ

武装兵2(なんだ、何か今光ったような……)チラッ

武装兵2「って、うわ!」

武装兵1「どうした?」クルッ

武装兵1(くそっ、煙幕のせいで目視できん!)

武装兵2「お、俺の銃がいきなりバラバラに……っ!」

武装兵1「そんなバカなことが……」

武装兵3「俺の……俺の防護服がバラバラにぃっ!」

武装兵4「俺の銃もだっ!なんだよ!何が起きてんだよ!」

武装兵1「オマエらもだと……?」

武装兵3「普通じゃ考えられないぞこんな事ぉ!」

武装兵4「今は誰もが無能力者のはずじゃねぇか!」

武装兵5「まさか……まさか、あいつ実は能力がつかえるんじゃ……!」

武装兵1「そんなわけないだろう!ここにはAIMジャマーがあるんだぞ!」

武装兵2「で、でも実は壊れてるかもしれないだろ!」

武装兵4「俺達は能力者じゃないんだ!壊れてないなんて、判断できないぞ!」

武装兵1「そ、それは……っ!」

武装兵2「あいつ……能力がつかえるんだ……!」

武装兵3「そうだ、そうだよ!あいつ、それを隠してたんだ!」

武装兵1「おい、落ち着けオマエら!」

武装兵3「第二位が本気出したら俺達なんてひとたまりもねぇぞ……」ガタガタ

武装兵4「ひ、ひぃぃ……っ!」ガタガタ

武装兵5「い、嫌だ!まだ、まだ俺は死にたくねぇ!」ダッ

武装兵4「お、俺もだっ!」ダッ

武装兵1「ま、待て!逃げるな!」

武装兵2「あんたの言う事なんて聞いてられるか!」ダッ

武装兵3「待てよ!お、俺も逃げるぞ!」ダッ

武装兵1「逃げるな!逃げるなよ!……あぁ、クソッ!」ダッ
79 :>>1 [sage saga]:2011/03/02(水) 02:11:16.19 ID:1Jl/LDCI0







海原「……成功、ですね」

垣根「そのようだな」

海原「それにしても、なかなか良い案でしたね」

海原「この赤外線発光塗料と、近赤外線モニターで、煙幕の中でもバッチリ見えました」カチャ

海原「おかげで、このトラウィスカルパンテクウトリの槍の狙いが付けやすかったです」

垣根「赤外線は不可視だからな。塗料も一見ただの水に見える」

垣根「あいつ等、自分がピカピカ自己主張してる事に気付いてないはずだぜ」ククッ

垣根「ま、その光だってモニターが無きゃ分からないから、しょうがないけどな」

垣根「それに、あいつ等は俺『達』が能力を使えないと思いこんでる」

垣根「……訓練された兵隊たちが動揺しないのは、あらかじめ何が起こるかを想定しているからだ」

垣根「そんな中、奴らの想定外の不可思議な現象が起こったんだ」

垣根「前提となる思考を根底から覆されて、パニックに陥らない奴はいない」

垣根「で、見事俺の作戦通りの結果になる、ってわけだ」

海原「本当に、まさか偶然見つけたものをここまで生かせるとは。さすがです」

垣根「褒めたってなんにもでないぞ」

海原「ははっ、あなたにそんな事期待してませんよ」ニコッ

垣根「そうかよ……」

海原「それよりその銃、ここでは珍しいタイプですね」チラッ

海原「外の物ですか?」

垣根「あぁ、外型だけな。性能は学園都市仕様にしてある」

垣根「男はやっぱりワルサーだろ」フフン

海原(うわぁ……)

海原「……そんなことより、早く逃げた人達を始末しに行きましょうか」

垣根「俺に指図すんな」

海原「……すいません」

海原(はぁ……御坂さん、何だかこの人めんどくさいです)
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/03/02(水) 02:13:32.54 ID:1Jl/LDCI0
書きためおしまい。

ちょっと2,3週間ほどPCを触れない環境になるので、次の投下はかなり遅くなります
携帯から書きこむかもしれませんが、可能性はかなり低いです。すみません
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 10:36:30.04 ID:5dm0m8IA0
乙!やっぱ暗部の中でもグループとスクールは強いよなー。
次回投下まで全裸待機してるよ!
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 10:58:08.46 ID:1Us0HfJJo
乙!
垣根wwwwwwww
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 23:24:09.57 ID:DmBWEiNf0
>>1は無事なのか
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 14:39:58.63 ID:1V6czII2o
>>1大丈夫かー
85 :>>1 [sage]:2011/03/16(水) 22:13:12.55 ID:XyUZNIbSO
心配してくれた方々、ありがとうございます
被災しましたが、家も家族も無事です
ただ、ちょっと今月に投下するのは厳しそうです
でもまぁ多分4月には投下できると思います
すみませんが、ちょっと待っててもらえると助かります
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 00:04:36.80 ID:l3PcP3/IO
>被災しましたが
なん…だと……
今月いっぱいと言わず落ち着くまでゆっくり休んでてくれ
いつまでも待ってるから大丈夫だ
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 12:27:02.03 ID:Q2vKCwYmo
>>85
よかった
88 :サラエボ :2011/03/19(土) 01:12:14.51 ID:4ii0I9Ye0
頑張ってください
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 01:32:42.65 ID:W4/ZLCEA0
>>1もご家族も無事で良かった…
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 19:04:22.04 ID:9s7L4pdd0

待ってます・・待ってますよ・・・
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 10:52:45.90 ID:UZz3fkOI0
待ってるよ〜
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/28(木) 23:30:48.85 ID:iEw/YJrG0
待ってます…
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/30(土) 08:19:59.53 ID:S8QK5/z+0
待ってる!でもいつでもいいから落ち着いたらよろしく!!
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/05(木) 16:59:47.58 ID:55r4RqXj0
ずっと応援してます
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/05(木) 17:00:23.48 ID:55r4RqXj0
ずっと応援してます
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/05/06(金) 21:30:21.42 ID:f+DvtL2I0
ずーっと待っています。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/05/07(土) 22:21:56.88 ID:zX7bwklao
待ってます!
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/13(金) 00:11:33.44 ID:bMbfLqdXo
>>1
待ってる
99 :>>1 [sage]:2011/05/16(月) 00:37:05.39 ID:XqrfPvuX0
お待たせしてすみませんでした……!
ちょっと4月入ってから上手く時間が取れなくてちょっとしか書けてないんだけど投下しに来ました
3ヶ月ルール?もあるみたいだしな!
では、2レスだけですが失礼します
100 :>>1 [sage saga]:2011/05/16(月) 00:38:04.77 ID:XqrfPvuX0
<新棟 5階>

ドンドン パラララッ…

一方通行「銃声……?」

一方通行(何だ、いきなり……何か起きてンのか?)

一方通行(教授って奴がさっき慌てて出て行ったのもこれが原因なのか?)

パンパンッ …ドカンッ ガラガラ…

一方通行(今度は爆発音まで……)

一方通行「チッ、穏やかじゃねェな……」

一方通行(どうやら、この廃墟で戦闘が起きてるのは間違いねェな)

一方通行(俺という切り札を手にした事がきっかけで起きた内乱か?)

一方通行(それとも、どこか別勢力による襲撃かもしれねェな)

一方通行(何にせよ、もし俺が逃げるとしたらこのタイミングしかねェ)

一方通行「…………」チラッ

一方通行(あのボロそうな窓、もう少しで割れそうだな)

一方通行(さっきの爆発の影響か、ひびが広がってる)

一方通行(さっきみたいな揺れか、直接刺激を与えれば……)

一方通行「……よし」

一方通行(幸い、足は縛られてない。……少し危ねェが、やるしかないな)
101 :>>1 [sage saga]:2011/05/16(月) 00:38:30.80 ID:XqrfPvuX0
<旧棟3階>

結標「……」キョロキョロ

結標「よし、もういないみたいね」

結標(ま、さっきまでに結構な人数倒したものね)

結標(土御門の言ってたテレポーターに会ってないのが気になるけど……)

結標(もしかして、ここじゃ無いとこにいるかしら?)フム

結標「まぁいいわ。念のために、ここにも手榴弾を仕掛けといて……」

…ヒュンッ

結標「……」ピタッ

結標(……手榴弾が、消えた)

ヒュンッ

結標(今度は私の上着まで)

結標(……間違いないわね)

結標「…………こそこそしてないで、出てきたらどうかしら?」

結標「私は、逃げも隠れもしないわよ」ジロッ

結標「…………」

結標「…………」

結標「…………」

スタスタ…

結標「…………」

スタスタスタ…

??「初めまして、座標移動」

結標(……出てきた、か)

結標「あら、名前を知ってて貰えて光栄ね。それとも、上着を盗むくらいだから実は私のストーカーだったりしたのかしら?」

??「まさか。冗談でしょう」

結標「それなら、女性の服を剥ぐのが好きな変態?」

??「上着にこんなに手榴弾を仕込むような人を女性とは言いたくないですね」

結標「あら、失礼ね。それに名前を名乗らないのも無礼だわ」

結標「ま、そんなもの知らなくていいんだけどね」

結標「どうせあなたはここで私に倒されるんだし。ね、テレポーターさん?」ニィッ
102 :>>1 [sage saga]:2011/05/16(月) 00:41:28.95 ID:XqrfPvuX0
こんだけ!
本当にすくなくて申し訳ないです
ちょっと今月は厳しいけど、出来る限り時間見つけてちょいちょい書いていこうと思います
時間はかかっても必ず完結だけはさせるので、長い目で見守っていただければ幸いです

改めてレスくれた方々ありがとうございました
それではまた書きためたら投下しに来ます
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 02:46:24.27 ID:05IwcU8Co
おつ
まってたぜー
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 07:16:31.19 ID:HKmILo2u0
>>1
乙乙!!
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/16(月) 20:42:07.12 ID:5jp1cRD50
>>1
乙!
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/19(木) 18:42:29.79 ID:YnAbg6YF0
待ってました…!
乙!
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/21(土) 00:24:31.15 ID:S79aBxCF0
お疲れ様です!!

続き楽しみにしてます
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/05/21(土) 03:43:22.73 ID:Puh4XTJu0
>>1乙!!!!
舞ってた!!!!
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/05/21(土) 09:19:01.58 ID:55rXlvt30
おっふ来てた!

乙乙、気長に舞ってるよ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/21(土) 20:14:14.95 ID:ID+KGH7y0
来てた!!!!!!!!! 
続きも舞ってる。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/31(火) 01:45:27.65 ID:M0xym/PDO

まってる!
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 23:13:26.28 ID:0Gg+i6mDO
舞ってる!
113 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:42:24.45 ID:0IRN9OtE0
乙ありがとうございました
また少ないですが、続き投下しに来ました

あらかじめ注意しておきますが、今回の投下はオリキャラがかなり出張ってます
そして案の定ことごとく厨二です。
書いてるこっちが黒歴史覚悟なレベルで厨二です
とにかく厨二です

そういうのが苦手な方はすみませんが、とりあえずオリキャラと結標が戦ってんだなぁ、とだけ思っといてください

では、投下始めます
114 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:42:55.05 ID:0IRN9OtE0
??「倒す?誰が、誰を?」ククッ

結標「もちろん、私が、あなたをよ」ムッ

??「ふははっ、それは面白いジョークだ」

結標「ジョーク?どういう意味かしら?」

??「……9月14日、残骸盗難未遂事件」

結標「……っ、それがどうしたのよ……?」

??「座標移動は、とある風紀委員の空間移動に敗北した。」

??「テレポート系で最強の能力を誇ると言われる座標移動が、格下に打ちのめされた」

??「つまり、だ。能力者の勝敗にその能力の強度は関係ない、という事です」

??「こうやって、武器を奪ってしまえば自分を移動できないあなたは何もできない」

結標「それが何だっていうの?今さらそんな話をされた所で、あなたがここで負けることに変わりはない」

結標「それから、私に勝とうとするなら一瞬たりとも気を抜かない事ね」

結標「私の能力に距離なんて意味がない事、分かってるんでしょう?」

結標「あなたが私の武器を奪ったとしても、取り返してしまえば何の意味もないわ」

結標「こんな風に、ね!」ヒュン

結標「ほら、返してもらったわよ。次はどうするつもり?」

??「……っ!」
115 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:43:37.16 ID:0IRN9OtE0
??(コルク抜きか。会話の隙に座標移動するとは抜け目ない)

??(だが、取り返せたのはそれだけのようだな。手榴弾はまだこちらにある)チラッ

??(やはり、目視出来ないものを座標移動するのは難しいのか。それとも、余裕の表れか?)

??(まぁ、全て取り戻された所で、なんの問題もない)ニヤリ

結標「何もできないなら、もう終わりに……」

??「…………」スッ

結標(手を突き出した。どうするつもり?)

??「何もできない?」ヒュンッ

結標「壁……っ?!」

結標(眼の前に急に壁が……!あいつはどこ?!)キョロキョロ

結標(部屋の奥行きが違う。まさか、私が転移された?)

結標(いいえ、そんなはずないわ!だって、テレポーターはテレポーターを転移できない……っ!)

結標(だとしたら、これはまさか……!)

ドガンッ バゴンッ

結標(爆発音?かなり近いわ。だとしたら、やっぱり……!)
116 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:44:05.88 ID:0IRN9OtE0
??「何もできない事はない。何も出来るさ」

??「どの壁を“外して”、どの壁を“持ってきて”も大丈夫なのか」

??「そして、眼の前のこの壁を壊しても、果たしてこのボロい建物は壊れないのか」

??「それをあなたは知らないし、分からないでしょう?」

結標(やっぱり、こいつは壁の向こうにいる!)

??「手榴弾は全て処分した。武器はもうそのコルク抜きだけだ」

??「そして、地の利はこちらにある。……自惚れるなよ、座標移動」ドガッ

結標「……壁を壊して出てくるなんて!」

結標(あいつの手……発条包帯が巻かれてる!)

結標(いつの間に……なんて事は、馬鹿げてる)

結標(いつの間にか取られた上着、武器。そして手の先に出現した壁……)

結標「……あなた、アポート能力者ね」ジリッ

??「ご名答ですね。……能力名は『絶対入手(マジックハンド)』」

絶対入手「あなたを打ち負かした空間移動とは、全く逆の能力だ」

絶対入手「……さて、次はどうする?座標移動」
117 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:44:54.99 ID:0IRN9OtE0
<新棟 5階>

教授「……そうか、未元物質は別行動をとったか」

教授「あぁ、その話なら既に聞いている。……絶対入手は無事に座標移動と接触した」

教授「そうだ、だからそろそろ……。おいっ、聞いているのか?おいっ!」

教授「チッ……こいつも使えん奴だ。いや、使えん奴だった、か……」ピッ

教授(だが、今のところ計画は順調に進んでいる)

教授(能無しの雑魚共を失ったのは痛手ではあるが、あいつらの代わりなどすぐに見つかる)

教授(さて、そろそろこっちも次のステップに……)ガチャ

教授「……第一位、気分はどう……だ……」

シーン

教授「いない……だと?」キョロキョロ

教授「クソっ、まさか誰かが助けに……?」

教授(そんな連絡はきてないぞ!第二位がすでにここに到達したというのか?)キョロキョロ

教授「ん、あれは……」ジッ

教授(割れた室内窓、それにその前に椅子が移動してる……?)
118 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:45:32.79 ID:0IRN9OtE0
教授「まさか!」タタッ

教授(うっすらとだが血の跡がある)

教授「畜生!逃げられた!」ダンッ

教授(うかつだった。どうせ足が動かないからと油断していた!)

教授(まさかこんな所から逃げるとは……!)

教授「だが、まだ終わって無い。私はまだ失敗していない。私はまだ負けていない」ブツブツ

教授「第一位はもとより足が悪い。まだそう遠くには逃げていないはずだ」

ピッ

教授「おい……いや、違う。第一位が逃げだした!」

教授「大丈夫だ、まだ間に合う。……そうだ、第二位達と接触する前に早く確保するんだ!」
119 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:46:05.43 ID:0IRN9OtE0
<新棟 4階>

一方通行「ハァ……ハァ……、っう……」フラフラ

一方通行(くっそ、痛ェ……)

一方通行(やっぱり、窓ガラスをぶち割って逃げるのは無理があったか)

一方通行(でも、あそこから出るにはあァするしか無かった)

一方通行(銃声の響く今なら、ガラスが割れる音もごまかせるし)

一方通行(味方なのかも分からない侵入者なンてのは、あてにできねェしな)

一方通行「ン……?」

アッチダ! モウソコマデキテルゾ! ダッタラコッチニ…
ソウジャナイ、ソッチカラクルハズダ! アァ、クソ、ドッチニイケバ…! トニカク、マズハムコウニイクゾ!

一方通行「……行ったか」コソッ

一方通行(あいつらも、だいぶ情報が混乱しているみてェだな)

一方通行(この拾った杖代わりの箒も、かなりガタがきてるよォだし)チラッ

一方通行(今のうちに早く逃げねェと……)フラフラ…
120 :>>1 [sage saga]:2011/06/05(日) 02:54:45.27 ID:0IRN9OtE0
投了です
少なくて申し訳ない

全部会話文で通したので、もし状況が分からないとことかあったら聞いてください
あと、能力名がダサいのは仕様です。>>1のネーミングセンスなんてこんなもんなんだよ!
オリキャラはもうちょっとだけ出るのですが、見逃していただけると助かります
既存キャラで百合子を誘拐できそうな能力者が浮かばなかったので、無理にアポート能力者だしたらこうなりました

それでは、また書きためたら投下しに来ます
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/06/05(日) 09:55:40.75 ID:4IHxBbKAO
乙!
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 13:30:35.29 ID:OtkBTPwIO
垣百合を見にきたら全然違った!
帰る!
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 00:02:18.19 ID:PSS/J/t10
おつおつ
続き楽しみに待ってるぜ!
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 01:38:02.09 ID:SKTmYHxDO
>>122短気は損気だぜ!

期待!!
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/06/25(土) 03:02:41.03 ID:KrIijxVN0
舞ってる!!舞ってるぞおおお
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 13:54:13.84 ID:OPqfJI8DO
男は黙って全裸待機
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 05:39:04.85 ID:egFD6Y9k0
待ってるー
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 01:32:29.51 ID:o09z9d9SO
まだまだ余裕で全裸待機
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/07(日) 23:26:01.44 ID:g5EFb6IDO
全裸待機に調度良い御日柄ですね
130 :>>1 [sage]:2011/08/11(木) 01:44:11.28 ID:lIRYf3fh0
久々ですが投下します
131 :>>1 [sage]:2011/08/11(木) 01:45:40.74 ID:lIRYf3fh0
<新棟 1階>

結標を筆頭として垣根や海原、一方通行がそれぞれの戦いを繰り広げている中、土御門もまた己の役割を
果たそうと努めていた。うにゃー、などの力の抜けるようなうめき声を上げながら、ではあるが。

土御門「単なるテロリストにしては情報のセキュリティが高すぎるぜい。守護者でも呼びたい気分だにゃー」

心理定規「それだけ重要な情報があるって事じゃない。あと、そのやる気なくすような口調やめて」

土御門「はいはい。スクールのお嬢様は真面目な事で」

土御門は肩をすくめると、再びキーボードをカタカタと鳴らし始めた。
ちなみに彼が探している情報とは、上層部がこのテロリスト達を危険視する理由となる(と予測される)ものである。
これだけ厳重に守られているのだから、彼らの予想はきっと当たっているのだろう。
対して心理定規はというと、何もしていなかった。
正確に言うと彼女は警備兵に指示を出し、彼に端末の操作をさせているのだが、彼女自身がそれに触れる事は無い。
心理定規が探らせているのは、この建物の現在のマップとテロリストの数および配置やその作戦だ。
つまり、土御門が敵の持つ情報を調べているのに対し、彼女は敵自身の情報を探していることになる。

警備兵「……これが現在のマップです」

数分後、警備兵が画面に表示させたのは確かにこの建物の管内図だった。
だが、しかし。

心理定規「これは……」

それを見た心理定規は言葉を詰まらせた。

土御門「ん?どうしたんだ?」

心理定規の様子を見た土御門も画面を横から覗きこむ。
そして、彼女と同じように小さく息を飲んだ。

土御門「どういうことだ?ウィルスか?」

心理定規「そんなはずは無いわ。でも、これって……」

彼らが戸惑う間にも、マップからはまるでジェンガのように次々と壁が消え去っていた。
132 :>>1 [sage]:2011/08/11(木) 01:46:58.88 ID:lIRYf3fh0
<旧棟 3階>

結標(何よ、こいつの戦い方。無茶苦茶じゃない……っ!)

結標淡希は苦戦していた。
本来なら、ただ単に「手元に物を引き寄せる」しかできない能力者など、「物体を自由に移動できる」彼女の敵ではなかっただろう。
だが、今回ばかりは話が違う。

絶対入手「ふん」ヒュッ

結標(くっ……また壁を……!)

そう、壁だ。
空間に唐突に現れるコンクリート壁。
敵対する男の手のひらから、突如「出現」するその壁が問題なのだ。
結標はその能力の有用性と引き換えに、演算に少々手間がかかるという欠点を持つ。
それは本当に些細なものであり、彼女が他の能力者と戦う上では問題にならないレベルの欠点だ。
しかし、今回はその欠点が彼女を追い詰めている。

結標(これのせいで、向こう側がどうなってるかわからなくなる)

物体の元の座標と、転移後の座標。
その正確な情報がテレポート系の能力には必要であり、それが能力発現の精密さにもつながっている。
しかし、この眼前にあられる壁が結標の視界を遮り、その反対側の情報も遮断している。
だから、結標は能力を発現できないし、座標移動を用いて男に対して攻撃できない。
例え能力を使おうとしても、壁の向こうの男を狙ったはずのコルク抜きが何でも無い空間に現れてポトリと落ちる、
なんて間抜けな事になるだけだからだ。
ならば、その壁を座標移動すればいい。そんな意見もあるだろう。
もちろん結標もその案を真っ先に考えた。
だが、彼女は即座にその考えを否定した。
壁の役割というのはいくつかある。
たとえば、風雨を防ぐ事。たとえば、人目を避ける事。たとえば、単なる空間の仕切り。

そして、たとえば建物を支えその強度を保つ事。

あるレベル以上の能力者なら、たかが壁の一枚や二枚ぐらい転移させる事など容易である。
しかし、それをしないのはどの壁を動かしても安全か、そしてどの位置に動かすならば問題が無いのかが分からないからだ。
もし間違った場所に転移をして建物が崩れてしまえば、自身にも被害が及ぶ事は明白だからである。
133 :>>1 [sage]:2011/08/11(木) 01:47:47.06 ID:lIRYf3fh0
その「禁忌」とも呼べる手段を男は何度も平然とやってのけていた。
男は、その理由を「地の利」と呼んでいた。
彼が言うそれは、おそらくこの建物の構造を隅々までよく理解している、という事なのだろう。
だから、迷いなく壁を転移させ、それを壊すことも可能なのだ。
そうしても安全な壁のみを彼は利用している。
だが、結標にはそれが分からない。
もしこの壁を壊したらどうなるのか、それが彼女には予測できない。
もしかしたら、この眼の前にある壁が建物のバランスをギリギリのところで維持しているかもしれないのだ。
動かしても構わないのかが分からない以上、建物を壊すリスクを背負う事はできない。
自身の転移ができない彼女には、その選択肢は選べない。

また、相手が壁を出す前に座標移動を行おうとしても、先ほど述べた演算時間という欠点がその邪魔をする。
そして何もできない結標をあざ笑うかのように、男は発条包帯を巻いた手で壁をぶちぬき、そのまま不意打ちを食らわせるのだ。

結標(一体どうすれば……、きゃぁっ!」

再び壁を破って現れた男を、結標はすんでのところでかわす。
バックステップで男をよけた後、結標がその座標を把握する前に壁が現れ視界をふさぐ。
そのヒットアンドアウェイな攻撃が先ほどから何度も繰り返されていた。

だが、今回は違う。

絶対入手「そう何度も同じ手ばかり使うと思うな」

その言葉と共に男は結標の立つ床板を転移し、打ち壊した。
予想外の攻撃に結標は短い叫び声をあげながら慌てて隣の床へと飛び移った。
だが、その結果として彼女は大きく体制を崩してしまう。
その隙を男が見逃すはずが無かった。

絶対入手「捕まえた」

結標「くっ……!」

男はガシリと結標の腕を掴んだ。
結標は逃げられない。
なぜなら、同じテレポート能力者である絶対座標を転移させる事は出来ないからだ。
結標は逃げ出せない。
なぜなら、彼女は過去のトラウマから自身を転移させる事が出来ないからだ。
だから結標は顔面へと迫る男の右腕を、発条包帯の巻かれたその右腕を黙って見ている事しか出来なかった。
134 :>>1 [sage]:2011/08/11(木) 01:52:01.99 ID:lIRYf3fh0
投了です。
会話形式に限界を感じて地の分つけてみたが、余計に分かりにくくなった気g(ry
考えないで心で感じてもらえると助かります。

そして、乙してくれた方や待っていてくれた方ありがとうございました。
次は9月ごろ投下したいと思います。
……そろそろあわきんの反撃が始まるはず。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/12(金) 02:10:41.08 ID:oA189AEd0
お疲れ様です
楽しみに待ってます
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2011/08/12(金) 10:25:54.51 ID:th4wy4Bb0
きてたあ
wwktkしながら待ってますね
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/13(土) 08:23:04.03 ID:6y/pmxC40
乙です
9月にまた来ます
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/14(日) 18:59:29.66 ID:OE5STLmi0
おお、来てたのか
色んな意味で安心した
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/03(土) 02:46:00.34 ID:r79ZMsXSO
舞ってるよん
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/23(金) 22:06:29.50 ID:MbYQYaKAO
そろそろかな?
待ってる!
141 :>>1 [sage saga]:2011/09/30(金) 16:36:29.19 ID:3A3QP5F+0
ギリギリ9月に間に合いました
といっても、色々あってちょっとしかかけてないのですが
とりあえず投下します
142 :>>1 [sage saga]:2011/09/30(金) 16:38:34.77 ID:3A3QP5F+0
<新棟 3階>

一方通行(くそ、まだ3階かよ……)
 
 一方通行は荒い息をつきながら、廊下の隅にしゃがみこんだ。
 周囲は今のところ騒がしくは無いが、少し耳を澄ませば銃声や足音、そして悲鳴が聞こえてくる。
 一方通行があの部屋から逃げ出したのは、今から15分ほど前だ。
 本来ならばとっくに脱出してもおかしく無い頃だが、杖が無い事や人目を避けなければならなかった事が災いし、
まだそれに至っていない。
 杖代わりの箒も、階段を下りる途中で折れたのも、また一段と彼女の移動速度を遅くさせている。

一方通行(あの教授とかって奴も、そろそろ俺が逃げ出した事に気付くはずだ)

一方通行(こンなところで休ンでる暇は無ェな……)

 そう結論を出した一方通行は、壁に寄りかかり、ゆっくりと立ち上がる。
 そして、また歩き出そうと一歩踏み出した。
 だが、その直後の事だ。

??「こっちだ!ひとまずこっちに逃げろ!」

 バタバタと、背後から騒々しい足音が聞こえてきた。
 その音は次第に大きくなっていく。

一方通行「チッ、こっちに逃げ込むつもりかよ!」

 一方通行は壁をつたいながら必死で歩きだす。
 しかし、走る男達と彼女のどちらが早いかなど考えるまでもない。
 男たちの叫び声や足音はどんどん彼女のいる廊下へと近付いていく。
 今では、その息遣いまでも聞こえるようだった。 
 慌てて振り返る一方通行の眼にはまだ彼らの姿は映っていないが、それも時間の問題だろう。
143 :>>1 [sage saga]:2011/09/30(金) 16:39:35.36 ID:3A3QP5F+0

一方通行(駄目だ、隠れる場所がねェ!早くこの廊下を渡りきらないと見つかっちまう……!)

 そして、一方通行は少しでも早く前に進もうと、壁に沿って手を伸ばした。
 だが、その手が掴んだのは壁ではなく、とある扉のドアノブだ。
 壁よりも掴みやすいそれを握る手に、一方通行は力を込める。
 それを支えに歩こうと、一方通行はグイ、と手首をひねり体の重心を前方に移す。
 それと同時に、ガチャリ、と金属音がした。

一方通行(扉が、開いた?鍵掛かって無かったのか?)

一方通行(……でも、これは好都合だ)

 一方通行はそのまま体重をかけて扉を開けると、そのまま倒れこむように中に入り込む。
 急いで扉を閉めると、数秒もたたないうちに数人の男が部屋の外を通り過ぎて行った。

 周囲が静まり返ったのを確認すると、一方通行は静かに息をついた。

一方通行(危なかった……。危機一髪だったな)

 もし、この部屋の扉が開いていなければ、一方通行の脱走は失敗していただろう。

一方通行(そういや、この部屋って何なンだ?)

 落ち着いてあたりを見回すと、どうやら何らかの研究室のようだった。
 やや埃っぽいものの、比較的清潔感のある内装。何本かのケーブルが床や壁を這い、部屋にある唯一のPCに収束している。
 じゃあ、もうケーブルのもう一端はどこに繋がれているのだろうか、と一方通行はその先を眼で辿る。
 ケーブルは木の枝のように様々な方向へと広がっていたが、それが伸びていく方向は同一だった。
 だが、その先は白いカーテンに遮られており、一方通行が現在いる場所からは確認できない。

一方通行(一体、何があるってンだ?)

 一方通行は、ゆっくりと数メートル先のカーテンのもとへと這っていく。
 たどり着くとゆっくりとカーテンを引き、その中を覗き込んだ。
 そして、一方通行は「それ」を目にした。
 
144 :>>1 [sage saga]:2011/09/30(金) 16:40:59.38 ID:3A3QP5F+0
これだけです
いつもながら少なくて申し訳ない
別スレも始めちゃったのでさらにスローペースになるかもしれませんが、こっちはこっちのペースでやっていこうと思います
気長に待っていただけたら幸いです

またある程度かけたら投下しに来ます
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/06(木) 10:22:16.88 ID:toCmtkk60
>>1
ゆっくりでいいよ、完結さえしてくれれば
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 01:13:56.43 ID:5h/UBkpb0
おつおつ
完結してくれるならいくらでも待つぜ
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/13(木) 21:04:58.10 ID:EHoZ/9Svo
おつ
期待してるから、完結するまでいつまででも待つわ
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関東・甲信越) [sage]:2011/11/08(火) 03:06:15.11 ID:4cXw2QwAO
わたし待つわー
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東海) [sage]:2011/12/07(水) 12:56:18.17 ID:eoWfi7eAO
いつまでも待ーつわ
150 :>>1 [sage]:2011/12/30(金) 14:01:17.98 ID:ciJSfoLSO
ちょっと時間がうまく取れないのですが、書き溜めたら投下予定です
お待たせする事になり、本当にすみません
151 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 19:50:52.97 ID:HYCfuMCT0
きたああああああああ!!
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/07(土) 01:40:30.03 ID:Yigms+/i0
あけおめ
いくらでも待つぜ!!
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 20:20:10.22 ID:sL8hjoCS0
あちこちうろついて良スレ発見!

・・・と思ったら、もう1ヶ月以上も誰も書き込んでいないとは・・・
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/26(日) 22:33:07.07 ID:042tybIMo
続き待ってるんだけどねー
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/04(日) 12:42:22.80 ID:N9OlOU3So
まだぁ
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 09:57:34.00 ID:Ijp37f1DO
まってる
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 12:23:35.01 ID:5AOutzjDO
待ってる
126.24 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)