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美琴「能力者狩りですって?」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 22:31:36.14 ID:yuey9M0DO
黒子「そうですの。お姉様も十分気をつけて下さいまし」
美琴「ふーん…」
いつものファミレス。御坂美琴は退屈そうにその話を聞いていた。
黒子「聞いていますの、お姉様!」
美琴「はいはい」
後輩の白井黒子が煩く言ってくるが、彼女はどこ吹く風といったところか。
黒子「お姉様はこの手の話が出るとすぐに絡まれますから…」
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/
満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/
旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 22:41:36.64 ID:yuey9M0DO
美琴「大体さ、そんなのただの噂なんでしょう?だったら、別に気にする分けないわよ」
黒子「いーえ、ただの噂ではありませんの!」
思わずバンッと勢いよくテーブルを叩く黒子。
黒子「その能力者狩りには私達風紀委員ですら手を焼いてますの!能力者が襲われた現場に急行した時には既に姿をくらましてる、神出鬼没の悪魔ですのよ!!」
美琴「神出鬼没って、そんなオーバーな」
黒子「ですので!お姉様には暗くなる前に是非ともご帰宅なされるようお願いしますの」
美琴「はいはい」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/19(土) 22:43:18.76 ID:lTlnFC1AO
上条とか一方さんが犯人なら支援
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 22:50:14.78 ID:yuey9M0DO
黒子「くれぐれも、この件には首を突っ込まないよう、お願いしますわ!」
美琴「わかってるって」
パタパタと手で顔を扇ぐ美琴。その仕草に、本当にわかってますの、と黒子は疑念を持たざるを得ない。
美琴「あ、そんな事より二人とも来たわよ」
初春「こんにちわー」
佐天「どーもー」
初春飾利と佐天涙子。二人とも彼女たちにとって大切な友人だ。
佐天「ところで、何の話をしてたんです?」
美琴「あー、大した話じゃないんだけどね。二人とも、能力者狩りって知ってる?」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 22:54:03.18 ID:k58fWqSQ0
>>3
それどうみてもあのスレww
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 22:56:26.68 ID:yuey9M0DO
初春「あー、知ってます!今ネットでも話題ですし!」
黒子「ちょっと初春!?」
この話題に食いついた初春を制そうとする黒子。しかし―
佐天「まあまあ、いいじゃないですか?どうせマユツバもんなんだし」
そう言われては立つ瀬のない黒子である。確かに風紀委員でも、確認の取れていない事案なのだからそう言われるとしようがない。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 22:57:17.25 ID:FsObtoGJo
>>5
kwwsk
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 22:57:27.36 ID:DyZaMAQv0
インケンティウス「魔女狩りとかオワコン。時代は能力者狩り」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:02:11.31 ID:yuey9M0DO
美琴「んで、能力者狩りって何の事なの?」
初春「それはですね」
愛用のノートパソコンを取り出す初春。
初春「あった。これです〜」
そして手早く情報を引き出す。それを後ろから覗き込む美琴。
美琴「なになに、正体不明の能力者狩り…。その正体は…?」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:09:38.77 ID:yuey9M0DO
佐天「今、学校でも話題になってますよー。レベルの高い能力者がボコボコにされてるって」
美琴「そうなの?」
佐天「そうですよ?」
思わずオウム返しする佐天。
佐天「能力者がボコボコにされてるんですけど、今だに捕まらないんですよ。最もやられた能力者も色々問題があるらしく、婦女暴行犯とかばっかりらしいですけど?」
美琴「そうなんだ」
ふーん、とうなずく美琴。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:14:43.46 ID:yuey9M0DO
黒子「いけませんわよお姉様!」
そんなそっけない態度の美琴に変化を感じ取った黒子。
黒子「そんな、能力者狩りに興味を持たれては!」
美琴「やだな、黒子。そんな事あるわけないでしょ?」
黒子「どうだか…」
ふぅ、と溜め息をつく黒子。図星であった。
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:21:06.19 ID:yuey9M0DO
黒子「とにかく、お姉様は今日はまっすぐ帰る事!宜しいですわね!!」
美琴「はいはい…」
美琴の態度に今一度念を押す黒子。こういう時の彼女は、悲しい事に今一信用出来ない。
ぷるる…
初春「あっ、呼び出しですね」
黒子「くっ、仕方ありませんわ…」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:29:28.25 ID:yuey9M0DO
呼び出し音に急き立てられながら席を立つ黒子と初春。
黒子「佐天さん、是非ともお姉様が余計な寄り道せずに帰られるか見届けて欲しいんですの」
佐天「はあ」
黒子「頼みますわよー」
初春「白井さん、急ぎましょう!」
バタバタと店から出て行く二人。
佐天「大変ですよね、風紀委員って」
美琴「確かに。でも、あれも青春の一つじゃない」
佐天「そう考えると羨ましい気もしますね」
美琴「そうよねー」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:37:01.94 ID:yuey9M0DO
美琴「さて、この後どうする?」
佐天「ゲーセンでも行きません?この間、新しいのにゲコ太入ってましたよ」
美琴「ウソっ!どこどこ?早く行こっ!」
こうなっては学園都市トップの超能力者も形無しだ。ただの14歳の少女に戻ってしまう。
佐天「待って下さい。そんなに慌てなくてもゲコ太は逃げやしませんよ?」
そんな年上の彼女を可愛いらしく感じてしまう佐天だった。
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:44:39.19 ID:yuey9M0DO
そして、夕方―。
そろそろ学生達が帰宅する時間に御坂美琴と佐天涙子はとある路上裏にいた。
もちろん、二人っきりではない。
しっかりと、不良達に絡まれていた―。
美琴「…あれ?」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:52:56.79 ID:yuey9M0DO
美琴「…何で、私絡まれてるんだろ?」
「知らねーよ」
不良の一人が呆れて言う。
「むしろ、テメーの方が絡んできたんだろうが」
美琴「そうだったけ?」
正確に言えば、そうではない。
佐天が絡まれている女の子をまず助け、更に絡まれ出した佐天を助けるのに入ったのが美琴。かなりややこしい。
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/19(土) 23:58:42.11 ID:yuey9M0DO
「何でも良いから来いよ!」
グイッと強引に美琴と、その後ろに隠れてる佐天を連れさろうとする不良達。しかし―。
バチッ!
「うおっ!?」
突如、不良達は自分の体に走る電撃に怯む。
「テメエ、能力者か!?」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:04:23.56 ID:iUWWVFqDO
美琴「だったら、どうするの?」
挑発的に笑う美琴。大体のスキルアウトなら、これで退散するが―。
「だから、何だ?」
平然としている不良達。美琴は心の中でしまった、と舌打ちした。
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:10:58.00 ID:iUWWVFqDO
こいつらが平然としている理由は二つ。こっちの能力を見くびっているか、それなりの能力者が混じっているか。
大抵は前者なのだが、こういう時に限っては後者なのだ。
一人ならとにかく、今は佐天がいる。このままでは、彼女を守りながら戦う事になりかねない。
美琴「まずったかなぁ…」
いつになく弱気の溜め息をついた。
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:14:59.04 ID:iUWWVFqDO
ジリジリ…
美琴達と不良達との間合いがじわじわと詰まっていく。
そして、その間合いが詰まった瞬間―。
「やー、お待たせ〜」
場違いな少年の努めて呑気な声がした。
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:20:26.72 ID:iUWWVFqDO
「どこ行ってたんだ、探したじゃないか〜」
突如割り込んで来た少年は慣れなれしく美琴と佐天の手を取り、そそくさとその場を立ち去ろうとするが―。
「何、アンタ?」
自分でせっかくのチャンスをブチ壊す美琴であった。
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:29:25.11 ID:iUWWVFqDO
美琴「つーか、一体何時から見てた訳?」
助けに来た少年にあからさまに敵意を向ける美琴。
「しーっ、良いから合わせて!」
往生際の悪い少年がまだ知人の振りをしようとするが、流石に無理がある。
佐天「御坂さん…」
流石に友人の佐天も、美琴のこのミスはフォローしきれない。頭を抱えて溜め息一つでもつきたいところだ。
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:40:01.00 ID:iUWWVFqDO
「おい、何だオメエ」
イラツキを隠さない不良。
「いいからどっか行けよ!!」
一人がいらだちそのままにぶうんと、腕を勢いよく回し少年に殴りかかる。危ないっ、と思わず佐天が目を瞑る。
そして、恐る恐る目を開けると―。
「…なんなんですか、お前らは!?」
少年は不良のパンチを意図も容易く手のひらで受け止めていた―。
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:47:18.05 ID:iUWWVFqDO
少年に受け止められたパンチを外されよろめく不良。
その様子に不良達が一気に緊張の度合いを高めていく。
「…大体気にいらねーんだよ」
少年が不良達に向けて言いはなつ。
「テメーラみたく、女の子相手に何人でかかっていく奴らがよ!!」
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:55:45.80 ID:iUWWVFqDO
最早、不良達の目に美琴と佐天の姿はない。彼らの目には、この不快な雑魚に対するムカつきしか写ってないのだ。
その少年が佐天にチラッ、と合図を送る。
佐天「御坂さん、今のうちにっ」
佐天は美琴の手を引いて逃げようとする。
もしこれがあと数秒早ければ、二人は何事もなく逃げのびただろうに。
少年のまくしたてた台詞がいけなかったのだ。
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 00:57:48.32 ID:WQ39Mf2d0
スレタイみて浜面かと
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:07:57.51 ID:iUWWVFqDO
「お前らも見ただろ、ガサツな性格、ふざけた態度、大体こいつ、まだガキじゃん!?」
プツン
佐天「み、御坂さん?」
美琴「佐天さん?早く逃げてね」ピクピク
佐天「はいいっ」
猛ダッシュで逃げる佐天。
その瞬間、美琴の中で何か切れた。
美琴「私が一番ムカつくのは、お前じゃああああ!!!」
「「んぎゃあああああ!!」」
不良どもを一掃するその威力。
御坂美琴、相変わらずの破壊力であった。
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:18:59.82 ID:iUWWVFqDO
美琴「…やっちゃった」
佐天「…やっちゃいましたね」
美琴「…てへっ♪」
佐天「てへっ、じゃありませんよ!助けに来てくれた人まで巻き込んじゃったじゃないですか!?」
美琴「あの、イラッときたので、つい…」
佐天「つい、じゃありませんよ!?あの人完全に巻き添えになったじゃないですか!!」
美琴「ううっ、悪い事したかなぁ…」
佐天「悪すぎですよ、大悪です!あとで白井さんに言いつけますからね!?」
美琴「それだけは止めて!!」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:26:44.00 ID:iUWWVFqDO
佐天「全く、これで学園都市のレベル5って言うんですから聞いて呆れますよ!!」
美琴「うう、反省してます…」
佐天「私も白井さんじゃないからこんな事言いたくありませんけどねっ、もう少し超能力としての自覚を持って下さい!!」
「そうだ、もっと言ってやれ!」
佐天「大体、…」
美琴「……」
「…何?」
美琴「何で、アンタは無事なんだああああ!!」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:32:40.60 ID:iUWWVFqDO
「おわっ、何しやがる!」
パキィーン!
美琴「…え?」
佐天「今、あの人」
美琴「私の電撃を打ち消した…?」
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:41:16.07 ID:MojaBmSso
1レスの文量を2レス分まとめてもいいんじゃね
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:44:21.03 ID:iUWWVFqDO
「大体、なんなんだよお前は!?人が助けに行けばそれをブチ壊すわ、気にいらねーってなったら電撃飛ばすわ、訳分かんねーよ!?」
美琴「別に、私がアンタに何時助けに来て欲しいって言ったわけ?親切の押し売りならご免被るわね!!」
佐天「ちょっと、御坂さん!?」
「あー、そうですか。そいつは悪うございました!せいぜいテメーは、無能力者なんぞ自分の能力の実験台くらいにしか考えてないんだろうしな!」
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:52:32.65 ID:iUWWVFqDO
「どうせ、お前も自分の能力試したいからって無理にこいつらに絡んで都合のいいアリバイ作ってから実験したんだろ!?あー、良いですよね、能力者様は色々な点で無能力者よりも優遇されて!?」
佐天「……」グッ
バシーィンッ!
「……あ?」
佐天「幾らなんでも言い過ぎですよ!御坂さんは私を助けるために来てくれたんです。あなたの言うような力の使い方をする人じゃない!!」
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:57:34.51 ID:iUWWVFqDO
佐天「助けてくれた事は感謝します。けど、私の友達の悪口は許せない!」
美琴「…佐天さん」
「…あー、そうですか!そいつはどうもすいませんでした!」
佐天「さ、行こ?御坂さん」
美琴「う、うん…」
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 01:59:10.99 ID:nD8aBSnH0
助けた相手に電撃くらわされそうになって、殴りかかってもおかしくないのに
それでも比較的冷静に、でもちょっぴり嫌味を混ぜただけで殴られる上条さんマジ不幸
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:02:29.58 ID:6xHVbRsFo
>「お前らも見ただろ、ガサツな性格、ふざけた態度、大体こいつ、まだガキじゃん!?」
これはいらないな。初対面で失礼すぎる
あと嫌味っていうよりただの言いがかり
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:08:02.57 ID:iUWWVFqDO
美琴「……」テクテク
佐天「…どうしたんです。元気ありませんよ?」
美琴「私、冷静になると、とんでもない事言ったかも…」
佐天「へ?」
美琴「どうしよう…、せっかく助けに来てくれた人にあんな口のききかたするなんて…」
佐天「御坂さん?」
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:12:45.50 ID:iUWWVFqDO
美琴「私、ちょっと言って謝ってくる!」
佐天「ちょっと、御坂さーん!?」
タッタッタ…
佐天「行っちゃった…、って、早く追い掛けないとっ」
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:17:26.32 ID:iUWWVFqDO
再びさっきの路地裏―。
美琴「さっきはここら辺にいたけど…。まだ遠くに行ってなければ!」タッタッタ…
ドカッ、バキッ
美琴「…何だろう、喧嘩?」ソーッ
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:27:32.17 ID:iUWWVFqDO
彼女が見たもの、それは、先ほどの少年と不良の一人との戦いだった。
喧嘩と言うには最早済まされない。
二人の男が命をかけて行う戦争そのものだ。
「ヒイイ、来るなあ!!」
先ほどの不良が、手にした炎の玉を少年めがけて投げつける。
千数百度もの炎の威力を前にしても少年は動じない。美琴の時と同じく、無造作に差し出した右手でその炎を打ち消すだけだ。
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:37:00.65 ID:iUWWVFqDO
いや、最早それは戦いではない。狩る者と狩られる者。狩人と獲物の関係だった。
「ヒイイ」
本来、狩る者であるはずの不良の能力者がパニックに陥りながら炎を乱射する。
辺り一面に火を巻き散らす。しかし、少年は止まらない。悠然と能力者に迫っていく。
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:48:02.88 ID:iUWWVFqDO
炎に巻かれながらも少年は歩みを止めない。さも当然にその道を歩き、淡々と不良に向かっていく。
「来るな、気違いがー!!」
ありったけの力で打ち込んだ炎の塊さえ、まるで水滴を拭うようなさりげなさで無力化する。
不良の能力者が弱いのではない。むしろ彼の能力はレベル4に匹敵するだろう。
ただ、あの少年が強過ぎるのだ。
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 02:55:43.05 ID:iUWWVFqDO
少年が能力者に対して振るう武器はただ一つ。
厚く大きな拳のみだ。
少年が捉えたのは一撃。能力者の腹をえぐる一撃だ。
「あぐっ」
能力者が痛みに耐えかねて膝をおる。口からはびちゃびちゃと漏れる吐捨物。
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:02:59.57 ID:iUWWVFqDO
その光景を見ても少年の目には何の色も現れない。
最初から浮かんでいるのは、圧倒的な怒りの黒だけ。
ひぃひぃと息をする能力者には何の救いも無い。ただ、殴りつけられるだけ。
余りにも能力とか、そういうものではない、本質的な何かが違い過ぎるのだ。
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:12:12.71 ID:iUWWVFqDO
少年が止めの一撃を振るおうとした時、彼は急にその動きを止める。
そして、周りを見回したあと、急にいずこかに駆け出した。
それは、すぐ近くで見ていた美琴でさえ煙にまく速さだった。
こうして、少年は闇に溶け、そして消えた―。
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:22:21.20 ID:iUWWVFqDO
数分後―。
黒子「…また、やられましたわね、能力者狩りに…」
初春「これで、何件目でしょうか…」
黒子「まあ、こいつも能力を使って悪さするだけしか能の無い奴みたいですけど…」
初春「…そういえば、第一発見者は御坂さんらしいですよ?」
黒子「んまあ、お姉様ったらまた!」
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:25:06.19 ID:iUWWVFqDO
佐天「…あの、御坂さん?」
美琴「…何?」
佐天「……いえ、なんでも…」
美琴「…そう」
美琴「…何か、ご免ね」
佐天「い、いえ!そんな事!?」
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:31:59.73 ID:iUWWVFqDO
美琴「…ねぇ、手を繋いでもいいかな?」
佐天「…はい。良いですよ」
美琴「…あったかいね」
佐天「…はい」
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:35:25.23 ID:iUWWVFqDO
これが、二人の最初の出会い―。
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:37:17.04 ID:iUWWVFqDO
取りあえず今日は終わりです。
また書き込みます。
では。
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 03:46:33.19 ID:LXrxcXjmo
スレた上条さんか
面白そうだ
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 04:09:19.47 ID:o10o9olAO
面白そう
期待してるぜぃ!
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 05:37:46.54 ID:r2eYzuVzo
これは期待
乙です!
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 11:36:22.44 ID:K41fvAGAO
こんな作品も待っていたぞ!
ちょっとスキルアウトみたいな上条さんと美琴の話を待っていた…
>>1
乙
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 13:44:51.67 ID:Uio+uXxAO
ホーリーランドかと
クロスじゃなくとも雰囲気再現かと
でも見守る
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/20(日) 17:37:57.38 ID:QMCYXZrDO
乙です!!
また面白いSSが始まって嬉しいです
>>7
美琴黒子佐天初春「貴方たちを全力で倒す!」 vs 上条一方通行「……やってみろ」
多分これだと思うよ
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/20(日) 18:19:46.98 ID:TOsel3ZAO
スレ条さんか
闇条とはまた違う感じで新しいな
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/21(月) 10:39:52.46 ID:L5hoXukDO
数日後、いつものファミレス―
黒子「能力者狩りの傾向が判明しましたの!」
黒子がバンッと、テーブルを勢いよく叩く。
佐天「傾向って、どんなのですか?」
黒子「能力者狩りが襲うターゲットですの!」
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/21(月) 10:45:33.78 ID:L5hoXukDO
黒子「今、判明しているデータに因りますと、何とその七割までが私たち常盤台を狙ったものでありますの!」
佐天「そんなに偏ってるんですか?」
黒子「ですので、今日こそはお姉様はまっすぐ御帰宅を!…お姉様、聞いていらっしゃいますのー?」
美琴「え、うん…」
明らかにに気のない生返事だった。
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/21(月) 10:51:09.11 ID:L5hoXukDO
初春「…御坂さん、ここのところずっとこんな感じですねー」
黒子「確かに、いつものお姉様ではありませんの。もの思いにふけったり、溜め息ばかりつかれたり、黒子は心配でなりませんの…」
黒子「佐天さん、何かご存知ではありませんの?」
佐天「私に聞かれても、ちょっと…」
黒子「そうですの…」
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/21(月) 11:04:15.61 ID:L5hoXukDO
実は佐天にはある程度の当てはついていた。
あの少年との出会い。それが美琴に変化を与えた事は分かっていた。しかし、佐天には何となく黒子たちにその事を話すのが躊躇われたのだ。
佐天「何でかな…」
佐天は思わず、小さな溜め息を漏らした。
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/21(月) 16:15:21.74 ID:LtvjFs7To
終わり?
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:12:23.62 ID:OyQRr0ZDO
黒子「仕方ありませんわねー…」
初春「白井さん、呼び出しです!」
黒子「わかりましたわ、初春!ではお姉様、ご免遊ばせ?」
美琴「うん、気をつけてね」
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:15:32.89 ID:OyQRr0ZDO
黒子「では佐天さん、くれぐれも、お姉様から目を離さないようお願いしますわ」
佐天「まっかせて」
黒子「では参りましょう!」
初春「はい!」
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:20:00.57 ID:OyQRr0ZDO
黒子は現場にテレポートで飛ぶ。風紀委員に入った通報に因ると、襲われたのは常盤台の生徒。
相手は例の能力者狩りかもしれない。
風紀委員達に緊張が走った。
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:23:35.88 ID:OyQRr0ZDO
黒子「風紀委員ですの!」
現場に飛んだ黒子が開口一番に発する警告。
さて、相手がどう出て来るのか。
彼女は息を潜めてあたりを警戒する。
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:29:50.46 ID:OyQRr0ZDO
黒子は、あっ、と声をあげる。
道端に倒れている女子中学生。間違いない、慣れ親しんだ常盤台の制服だ。
黒子「もし、大丈夫ですの!?」
黒子は倒れている生徒に駆け寄り声をかける。
う…、と小さく声をだす彼女。目立った外傷もない。どうやら気を失っていただけのようだ。
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:32:31.32 ID:OyQRr0ZDO
取りあえずの少女の無事にほっと胸を撫で下ろす黒子。
しかし、次の瞬間、彼女の世界は暗転した―。
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:38:07.81 ID:OyQRr0ZDO
「…ろこ、黒子!」
目を開けると、その前には、涙を浮かべた美琴の顔があった。
「え、お姉様!?」
後輩の体をしがみつくように抱きしめた美琴の抱擁に、流石の黒子も驚きを隠さない。
「黒子、大丈夫なの!?どっか、痛くない!?」
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:42:29.63 ID:OyQRr0ZDO
黒子「ええ、特に痛いところはありませんが…」
と、ここでようやく気づいた。
黒子(…これは、ちゃーんす!)
黒子「うっ!お、お姉様!?」
美琴「どうしたの、黒子!?」
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:49:29.22 ID:OyQRr0ZDO
黒子「く、苦しいですの!?」
美琴「ど、どこが苦しいのっ?」
黒子「黒子の、黒子の胸の奥ですの!!」
かばっと起き上がり、
黒子「おねいさまあああっ!!」
見事、美琴の隙をついたが―、
ビリビリビリ!
黒子「んぎゃああああ!!」
やっぱり、迎撃される黒子であった。
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:55:33.45 ID:OyQRr0ZDO
美琴「全く、心配かけんじゃないわよ!」
安心したのか、いつもの口調に戻る美琴。
佐天「ま、あれだけ動ければ、良いんじゃないですか?」
佐天の言葉に、うんうんと相槌を打つ美琴。
黒子「おねいさま〜…」
美琴の制裁にあっさり野望を砕かれた黒子であった。
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 00:57:52.58 ID:OyQRr0ZDO
初春「ところで、白井さん」
初春が同僚に声をかける。
初春「犯人の顔は見えました?」
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 01:04:16.66 ID:OyQRr0ZDO
初春の何でもない発言に部屋の空気が緊張する。
黒子「犯人の顔、ですの?」
うーん、と首をひねり、
黒子「申し訳ありませんが、良くわからなかったですの。ただ」
美琴「ただ?」
黒子「私が倒れる瞬間でしたが、一瞬黒いツンツン頭が見えたような…」
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 01:08:16.11 ID:OyQRr0ZDO
美琴「黒いツンツン頭…」
美琴は黒子の台詞をもう一度繰り返した。
黒子「どうなさいましたの、お姉様?」
美琴「ううん、何でもないの…」
何でもない、という事はない。
美琴の顔は青くなる程に血の気が引いていた。
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 01:17:00.86 ID:OyQRr0ZDO
まさか、アイツが、と美琴の脳裏には先日の少年の顔が浮かんだ。
黒子「お姉様?」
ヨロヨロと、出口に向かう美琴に思わず声をかける黒子。
美琴「ちょっと、外の空気を吸って来る…」
頼りない足取りで部屋を出ようとする美琴。
「何処に行くのかしら?」
美琴を遮って部屋に入って来たのは、黒子と初春の上司、固法だった。
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 01:23:18.42 ID:OyQRr0ZDO
初春「固法先輩!」
固法「調子はどう?」
黒子「体はもう大丈夫ですの。何時でも出動出来ますわ!」
固法「そう、それは良かったわ。でも、無理はしないように」
そう言って固法はようやく笑う。彼女も黒子の容体を気にかけていたからだ。
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 01:30:43.44 ID:OyQRr0ZDO
固法「それに、能力者狩りも捕まったみたいだし、もう少しゆっくりなさい」
わかりました、と固法の言葉に安堵の表情を浮かべる黒子。やっと肩の荷がおりたのだ。
しかし、美琴の顔色は冴えない。いや、先程より悪い。
美琴「あの、犯人に会う事って、出来ますか…?」
固法「それはちょっと難しいわね…。けど、何で?」
美琴「一発ぶん殴ってやりたい…!」
これは、今の彼女の偽らざる気持ちだった。
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 01:36:42.11 ID:OyQRr0ZDO
固法「会う事も、ぶん殴る事も無理よ。だって」
固法「彼女、ICU送りになったから」
美琴「…彼女?男じゃないんですか?」
固法「ええ、犯人は女の子よ。でも― 」
初春「でも?」
固法「彼女も捕まる寸前に誰かに襲われたみたいなのよ」
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 01:42:56.51 ID:OyQRr0ZDO
固法「彼女の顔は被っていたフルフェイスのヘルメットごと顔を殴られたみたいでね。もし、彼女のそばに常盤台の生徒を襲った時のデジカメがなかったら、多分彼女を犯人だとは思わなかったでしょうね…」
佐天「とんでもない奴ですね、そいつ…」
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 02:24:47.04 ID:OyQRr0ZDO
初春「って、事は、そのツンツン頭の人って、白井さんの事を助けてくれたんじゃ…」
黒子「まさか!」
固法「でも、そう考える方が自然じゃない?」
黒子「…確かに」
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 02:27:51.06 ID:OyQRr0ZDO
美琴「だとしたら、お礼した方が良いんじゃない?」
黒子「そうですわね…」
固法「まずは、しっかり怪我を治す事ね」
黒子「はーい、ですの」
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 02:31:28.25 ID:OyQRr0ZDO
能力者狩りが逮捕されて喜ぶ一同。
束の間ではあるが学園都市に平和が戻ったのだった。
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/22(火) 02:33:12.32 ID:OyQRr0ZDO
ここで一端投下を終わります。
飛び飛びになってすいません…。
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 02:35:16.92 ID:iMZ2+Ospo
乙!
続き待ってます!
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 02:46:46.97 ID:kXNljktVo
乙
真相はどうなのかwwktk
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 03:10:39.35 ID:iMZ2+Ospo
フルフェイスのヘルメットごと殴るとか半端ないなw
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 04:35:13.53 ID:jlTi20qbo
超期待です
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 05:31:53.87 ID:E42/jHsAO
何処に行くのかしら?の意味がわからない。
あれなんか意味あんの?
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 05:35:43.03 ID:kXNljktVo
>>89
俺も「美琴疑われてるの?」とか気になったけど何も無いみたいだから
>>1
が
扉を開けたところで鉢合わせ際の言葉をちょっときつく書いちゃっただけだと思ってた
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/22(火) 07:15:09.70 ID:eiLnUcdAO
いくらなんでも一レスの内容が短すぎる
3レスぐらいを一つにまとめてくれないか
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 14:23:07.60 ID:C8tcJdESO
80行まで書けるんだっけ
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 16:24:30.21 ID:6HaGue1IO
どうしてもおね「い」さま
ってのが気になっちゃう
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 23:23:15.47 ID:OyQRr0ZDO
レス、ありがとうございます。
なかなかうまく書けないですみません…。
特に、「何処に行くのかしら?」のくだりはもうちょっと優しい言い方にすれば良かったと反省してます。
それでは、ぼつぼつと投下しますので、よろしければ見てやって下さい。
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 23:30:37.17 ID:OyQRr0ZDO
あの事件から数日、学園都市にはまたいつもの変わらない平和が戻っていた。
いつものファミレスで、四人での他愛ないお喋り。そのなんでもない時間こそが美琴にとって、かけがえのない大切な時間だった。
佐天「それで、出るんですよ、謎の脱ぎ女が!?」
いつもの時間に、なんでもない話題を提供したのは佐天だ。
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 23:36:21.61 ID:OyQRr0ZDO
黒子「何時でも何処でも服を脱ぎ出す女って、それのどこが怪談ですの?」
はぁ、と溜め息をつく黒子。すっかり傷も癒えいつもの調子が戻ってきている。
佐天「でも、居たら怖くありません、脱ぎ女?」
美琴「怖くない。ってか、ただの変質者じゃない!?」
その反応に、えーっと口を尖らす佐天。
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 23:46:49.45 ID:OyQRr0ZDO
初春「でしたら、こんなのはどうです?」
佐天に負けじと、自分のノートパソコンを開き、別の「都市伝説」に話しを移す初春。
佐天「使うだけで能力が上がる、『幻想御手(レベルアッパー)』?」
初春「それに、どんな能力も効かない能力者とか、いかにも学園都市って感じじゃありません?」
佐天「そ、そうだね」
美琴「ま、まぁ、ね」
あははー、と渇いた笑いの佐天と美琴。
能力の効かない能力者に何となく心辺りのある二人。
初春「?」
いまいち訳のわからない初春としては、頭に疑問の花を咲かせるばかりだ。
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/22(火) 23:56:42.31 ID:OyQRr0ZDO
佐天「でも、使うだけで能力が上がるって、凄いよねー」
あははー、と笑いそれとなく話を反らす佐天。
美琴「そ、そうよね。まぁ、便利って言えばそうなるかもね」
そして、佐天の振りに適当に相槌を入れる美琴。
黒子「また、そんな事おっしゃって。能力は本人の努力無しには向上いたしませんの。ね、お姉様?」
その話題に食い付いてくれた黒子がやれやれと言った感じで美琴に言う。
美琴「確かに、そんな便利なものがあれば、今ごろレベル5だらけよねー」
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 00:03:19.59 ID:eRLY+3lDO
佐天「あーあ、やっぱりそうそうおいしい話は転がってないのか」
ガッカリ、と擬音が聞こえてきそうな様子の佐天。
美琴「大丈夫よ。そのうちレベルだって上がってくるって」
佐天「ですかねー…」
黒子「その為にも、ちゃんと勉学にいそしみなさいな、佐天さん?」
二人の高位能力者に言われる佐天。
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 00:09:42.02 ID:eRLY+3lDO
初春「そうです、しっかりして下さい佐天さん!」
佐天「あんたが言うな、初春〜!」
初春「さ、佐天さん、痛い痛い!!」
むぎゅーっと、初春の柔らかいほっぺたを捻りあげる佐天。
美琴「ほらほら、勘弁してあげなさい?」
佐天がはーい、と初春のほっぺたから手を離す。
初春「ひ、ひろいれす、しゃてんしゃん!」
ろれつが回らない初春に思わず笑う一同。そんななんでもない一日の午後であった。
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 00:19:25.65 ID:eRLY+3lDO
ファミレスを出て三人と別れたあと、マンガでも立ち読もうかと、コンビニに入る美琴。
雑誌棚に置いてある一冊の他愛ないタイトルの雑誌の表紙を見て、彼女はなんとなく、気分が落ち込む。
美琴「『学園都市伝説』か…」
タイトル通りの内容である。先程の話と大して代わり映えの無い内容だ。
なんとなく手に取ってページを捲るも、最初の記事に行くまでに棚に戻してしまう。
結局、気分も乗らず、立ち読みもせずにコンビニを出てしまった。
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 00:27:07.67 ID:eRLY+3lDO
そのあとも、どことなく元気が足りない美琴。その原因の一つは、都市伝説の元凶であろう少年のせいであった。
美琴「何でアイツはいつも…」
自分に対する少年の態度にブツブツと文句を言う美琴。
いつも自分が話しかけても、上手くはぐらされるか逃げられるかだ。
そんな風な少年の態度を考えると、いつも以上に溜め息をついてしまうのだ。
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 00:32:17.61 ID:eRLY+3lDO
美琴「今日くらいはなんとか…」
そう密かな決意を固めていると―。
「げ、ビリビリ中学生!?」
美琴「誰がビリビリじゃ!?いい加減に、名前を覚えんかい!!」
少年の顔を見た途端、いつもの自分になる美琴だった。
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 00:43:54.76 ID:eRLY+3lDO
美琴「つか、何やってんのよアンタ、こんなところで?」
心とは裏腹に少年に食ってかかる美琴。
「別に、何でもねーよ」
既に、めんどくさそうに顔を背ける少年。
美琴「何でもないって事は無いでしょ!?」
直も食い下がる美琴に、少年は溜め息ついて向き直り、
「大体、お前もいつも俺の事アンタ呼ばわりすんだろうが!俺には上条当麻と言う、ちゃんとした名前が―「あの〜、そろそろ良いかな?」
口をはさんで来たのはくたびれた感じの女だった。
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 00:58:46.11 ID:eRLY+3lDO
上条「あ、はい」
女に声をかけられた少年の、自分に対してとは明らかに違うデレッとした態度。
美琴「チッ!」
上条の耳につくように、思いっきり舌打ちしてやった。
上条「何だよ、気分わりーな!!」
上条が食ってかかると、
美琴「何よ、アンタの態度の方がムカつくわ!」
美琴も負けじと言い返す。
美琴「何よ!」
上条「何だよ!」
ギャーギャーと、往来で口喧嘩を始める二人。
そんな、ある意味微笑ましい光景をぼんやりと眺めていた女は、
「…暑いな」
服を脱いだ。
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 01:02:56.52 ID:eRLY+3lDO
美琴「はっ?」
上条「はっ?」
美琴・上条「「はいいっ!?」」
二人の声が見事にダブった。
美琴「何なのよこの人!?」
上条「知らねーよ、さっき会ったばかりだし!?」
若い二人の混乱をよそに彼女は服を脱いですっかり寛いでる。
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 01:06:17.80 ID:rnd2wp7AO
脱ぎ女キター!
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 01:11:51.84 ID:eRLY+3lDO
「この炎天下だ…。汗でびっしょりだ…」
そう言われても二人は困る。
美琴「とにかく、服を着て下さーぁい!?」
女が腕にかけたシャツをひったくって、さっさと着ろとばかりに押し付ける。
その様子を見た往来の人は彼女を見てどう思うだろうか?
「ねー、あの人、襲われてるんじゃない?」
「あの娘が脱がしたのかしら…」
誠しやかな周囲の声。
美琴「ご、誤解よぉぉぉ!?」
思わずシャツを握りしめたままダッシュ。その場から逃走した。
が―。
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 01:21:45.36 ID:eRLY+3lDO
美琴「ぶべらっ!?」
いきなり、後ろからタックルもらって地面に突っ伏した。
美琴「いっだだああああ!?」
もろに顔面から地面に突っ込んだ美琴。
美琴「何しやがんだあああ!?」
いきなりタックルかました少年に電撃混じりに怒鳴りつける。
上条「待て」
冷静な少年の声。
「…シャツを持って行かれると困るんだが?」
考えたら、自分が彼女のシャツを持ってたんだっけ。
そして、ついでに突っ込んだのは水溜まりだったりする。
上条「…不幸だ」
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 01:38:07.17 ID:eRLY+3lDO
そして、数分後。何故か美琴は銭湯にいた。
美琴「…あれ?」
美琴「何で、私は銭湯にいるの!?」
「それは、私のシャツともども君達の制服がずぶぬれになってしまったからさ」
いとも平然と話すこの女。名前は木山春実。なんでも、AIM拡散力場の専門家らしい。
アイツに助けて貰った上にズブ濡れにしたのでは悪いと銭湯に引っ張りこんだのだ。
そして、ついでに私も引っ張り込まれたと。
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 01:46:09.87 ID:eRLY+3lDO
木山「でも、良い子じゃないか」
美琴「は?」
木山「あの少年だよ」
木山は美琴の背中を流しながら呟く。
木山「彼は私が困っていたところを助けてくれたんだ」
美琴「困ってたって?」
今度は美琴が木山の背中を流しながら尋ねる。
木山「私が車をどこに置いたか分からなくなった時にな、何人かの男が一緒に探すと言ってくれたんだが」
美琴「はい」
木山「結局、そいつらは、残念な私に興味を持つくらいに女に飢えてたらしい」
美琴「…嫌味ですかね、それ」
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 01:52:59.60 ID:eRLY+3lDO
木山「私を路地裏に連れ込んで乱暴しようとしたところ、」
美琴「アイツが来た、ってところですか?」
木山「ああ。言っては何だが、まさしくヒーローのようだったよ」
美琴「…ただ単に格好つけなだけですよ」
木山「ふふっ、そう言わないでくれたまえ。彼はこんな私を抱えるや否や、猛然とそこから駆け出し、私を救ってくれたのだから」
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:01:51.82 ID:eRLY+3lDO
木山「しかし、何だな、君も」
風呂から上がり、フルーツ牛乳を一本飲みながら言う木山。
木山「随分と彼に対して辛辣じゃないか?」
同じくコーヒー牛乳を飲みながら答える美琴。
美琴「そんな事ありませんよ。ただ、あー言うの見てるとムカつくんですよ。自己犠牲バカって言うか、命知らずって言うか…」
木山「それにしては、随分と彼の事を気にかけてるようだが?」
美琴「んなっ!?」
意外と鋭い突っ込みに、ドキリとする美琴。
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:08:41.24 ID:eRLY+3lDO
木山「あぁ、君は昔流行った、好きな相手には辛く当たる…、」
木山「ツンデレ、だったけ?」
美琴「有り得ねェから!?」
…と、そう言って、その発言を全力否定出来ない自分が悲しい美琴であった。
美琴「クスン」
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:18:10.07 ID:eRLY+3lDO
木山「…君たちには随分世話になったな」
銭湯から出て小一時間、漸く木山の車を探し出した美琴達。
木山「次の機会に何かお礼しないといけないね」
上条「いえいえ、当たり前の事をしたまでの事ですよ?」
美琴「次は車の位置を見失わないでくださいね?」
木山「ああ」
二人に見送られてようやく車を出す木山。
上条「…何か疲れたなぁ」
美琴「…そうね」
考えれば、半日彼女の車探しに付き合ってたのだ。
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:23:04.06 ID:eRLY+3lDO
空はそろそろ茜色に染まる時間だ。
上条「…やべぇ!」
おもむろに走り出す上条。
美琴「待たんかい!」
上条「ぶげらっ!」
先程のお返しである。美琴の美しい片足タックルが上条に見事炸裂した。
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:27:13.92 ID:eRLY+3lDO
美琴「アンタ、何処行くつもりよ!」
勝ち誇り、悠然と見下ろす美琴。
上条「スーパーだよ!特売が始まる時間なんだよ!!」
美琴「…は?」
上条必死の抗議も、お嬢様な美琴にはいまいちピンとこない。
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:30:48.75 ID:eRLY+3lDO
上条「不幸だ…。このままじゃ、間に合わない!」
あまりのうろたえぶりに、美琴は呆れてものも言えない。頭をポリポリ掻きながら、
美琴「良いわよ」
上条「…へ?」
美琴「特売、付き合ってあげる」
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:35:09.33 ID:eRLY+3lDO
上条「…礼は言わねーぞ」
美琴「…んなもので礼を言われるほど、落ちぶれていないわよ」
いまいちコイツの価値判断が理解出来ない美琴である。
上条「それじゃ、行くぞ!」
おもむろにダッシュする上条。
美琴「ちょっと、待ってよ!」
いきなりのダッシュに思わず遅れを取る美琴。
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:37:27.22 ID:eRLY+3lDO
上条「そういやさ」
おもむろに向き直った上条は、美琴に対して思わぬ台詞を発した。
上条「お前ってさ、妹いるの?」
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/23(水) 02:38:07.49 ID:eRLY+3lDO
今日は終わります。
では。
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:39:23.21 ID:/CB8xODYo
美琴の喧嘩腰に張り合う上条さんとか新しいな…期待してる
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 02:47:15.15 ID:bP/jHy2Qo
乙〜
上条さんと美琴が普通に接してるのにちょっと違和感あったかも…
美琴が聞こうともしても上条さんがはぐらかす感じ?
続き楽しみに待ってます!
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 03:24:50.49 ID:4KbKJuVd0
最近再構成系が多いな。
こういう上条さんも新鮮ですね
続き楽しみ!!
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 22:56:58.39 ID:eRLY+3lDO
投下します。
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/23(水) 23:27:49.12 ID:eRLY+3lDO
佐天「…何だか元気ありませんね、二人とも」
美琴「え、そうかな!?」
佐天の言葉にあからさまに動揺する美琴と、
黒子「…わかります?」
覇気の無い声で欠伸をしながら答える黒子。
佐天「今日は久しぶりに四人揃っての買い物ですよ?もっと、パーッと元気良く行きましょうよー」
元気のない二人に発破をかける佐天ではあったが、
黒子「その事ですが―、」
黒子は申し訳なさそうに、
黒子「今日は遠慮させていただきますの」
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/23(水) 23:35:18.88 ID:eRLY+3lDO
佐天「えー!?せっかく楽しみにしてたのに」
ぷーっと、頬を膨らませる佐天。
黒子「いえ、どうしてもやらなければならない用事が出来まして…」
ふぅ、と溜め息をつき、
黒子「この埋め合わせは後日必ずさせていただきますので…」
それでは、と言うと頼りない足取りで三人と別れる黒子。
佐天「…どうしたんですか、白井さん?」
佐天が何処を見るでもなく尋ねると、
初春「もしかして、あの事件の事じゃ…」
初春が厳しい顔つきで呟やいた。
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/23(水) 23:46:41.53 ID:eRLY+3lDO
佐天「『連続虚空爆破事件』?」
美琴「確か、最近頻発している爆破魔事件の事ね」
初春「はい、その事件のせいで、大勢の風紀委員達が負傷しているんです」
美琴「そっか…、それで最近あんなに遅くまで…」
佐天「…なんか意外と熱いんですね、白井さんも」
美琴「まーね…、ああ見えてもあの子、責任感が強いから」
初春「あんまり根を詰め過ぎないといいんですが…」
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/23(水) 23:52:15.40 ID:eRLY+3lDO
佐天「ってか、初春が言うな。アンタも同じ風紀委員でしょうが!?」
初春「そりゃまあ、そうですけど…」
佐天「なら、アンタも白井さんとこ行って来いっ。御坂さんとは私がデートしとくから」
初春「え〜、そんなのズルいですよ佐天さん!」
佐天「ずーるーくなーいー」
初春「ぶー!」
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/23(水) 23:59:31.38 ID:eRLY+3lDO
美琴「ほら、佐天さんも初春さんを苛めない。三人で行きましょ?」
初春「はーい!」
佐天「もう、御坂さんってば!」
美琴「まあ、良いじゃない。せっかくの非番なんだしさ」
美琴「それに、後で黒子の奴にも何か差し入れてやろうかと思うし」
初春「じゃあ、急ぎましょうよ!」
佐天「うーいーはーる!そんなに急いで行くなー!!」
じゃれあう二人を見て、心が和む美琴であった。
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 00:09:34.16 ID:aKFUBEIDO
セブンスミスト―学園都市でも人気の総合施設だ。
佐天「おーい、こっちこっち!」
初春「待って下さいよ、佐天さん〜」
元気良く駆け回る二人を見つめる美琴。
そんなおり、一枚のパジャマが彼女の目に止まる。
美琴「…可愛い」
ちょっと、子供ぽいっかもしれない。でも、ちょっとだけ。合わせるくらいなら―。
美琴が意を決してパジャマを合わせようとしたところ、
「…何してんだ、ビリビリ」
いつものウニ頭の声がした。
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 00:21:06.17 ID:aKFUBEIDO
美琴「な、何でアンタがこんなところにいんのよ!?」
思わず裏返った声で叫ぶ美琴。
上条「俺がこの店に来ちゃいけねーのかよ!?つか、何で喧嘩腰!?」
ここで、はっと気がつく。
美琴「アンタ、もしかして―」
上条はふっ、と笑い、
上条「安心しろ、御坂。お前のおこちゃま趣味は今に始まった事じゃ、ぶべらっ!?」
とりあえず、手にしていた置物を思いっきりぶつけてしまった。カーン、と良い音がした。
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 00:27:12.15 ID:aKFUBEIDO
上条「おごご…」
思わぬものを投げつけられて、悶絶する上条。
「大丈夫、お兄ちゃん?」
てててっ、と心配そうに上条のそばに駆けよってくる女の子。
美琴「…アンタ、妹がいたの?」
上条「いねーよ」
いたた、と痛む頭を擦りながら起き上がる上条。
美琴「って、事は…。まさか、ロリコン!?」
上条「ちげーよ!何処をどうやったらそんな結論が導けんの!?」
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 00:32:43.29 ID:aKFUBEIDO
美琴「ま、まあ、そうよね。アンタがロリコンなわけが…」
何処か、ほっと胸を撫で下ろす美琴。
上条「この子が服買いたいからって言うから、この店に連れて来てやっただけだ」
そこで上条はふむ、と考え、
上条「なんだったら、一緒にこの子の服見てやってくれねーか?」
美琴「は、はぁ!?」
上条からの思わぬ申し入れだった。
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 00:41:35.04 ID:aKFUBEIDO
美琴「ななななんで私が、そんな事!?」
顔を真っ赤にしながら言う美琴に、
上条「いや、だって、俺、男だろ?女の子の着る服なんて全然分からねーし。お前だったら、趣味も精神年齢も近、おごっ!?」
美琴「誰が精神年齢小学生低学年並じゃ!?」
まだそこまで言って無いと思う上条であった。
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:00:45.99 ID:aKFUBEIDO
「大丈夫、お兄ちゃん?」
再び女の子が心配そうに顔を覗き込んでくる。
上条「へーきへーき。それよりも、ちょっとお兄ちゃんトイレ行ってくるから、その間このお姉ちゃんとお洋服見ててくれるかな?」
女の子「えー…」
露骨に嫌な顔をする少女。
上条「そんな事言わないで、すぐに戻って来るからさ」
女の子「…うん」
上条に言われ、渋々ながらも言う事を聞く少女。
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:06:33.46 ID:aKFUBEIDO
上条「よーし、いい子だ。それじゃ、ちょっと行って来るわ」
そう言ってそそくさと、トイレに向かう上条。
美琴「あ、ちょっと!?」
少女と二人、置き去りにされる美琴。
美琴「…仕方ないか」
はぁ、と息をつくと、
美琴「それじゃ、行こうか?」
そっと手を少女に差し出す。
おずおずとする少女に優しく微笑むと、ようやく少女は美琴の手を取った。
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:18:28.77 ID:aKFUBEIDO
それから一時間後―。
上条「不幸だ。貴重な生活費が…」
美琴達三人、プラス女の子を加えて四人にアイスを奢らされている上条がいた。
美琴「何で人のお金で食べるアイスはこんなに美味しいのかしら」
上条「知るか!?」
美琴「アンタのお金だから余計に旨く感じるのかしらねー」
上条「畜生!?」
貧乏学生には手痛い出費であった。
139 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:29:06.88 ID:aKFUBEIDO
上条「おまけに、上条さん思いっきり浮いちゃてるし!?」
確かに辺りを見回しても彼以外に男はいない。ほとんど女子学生だ。
上条「野郎なんて、彼女持ちか、さっきのメガネくんくらいしか見てねーし…」
不幸だ、と溜め息をつく上条。
初春「こんなお店に何買いに来たんでしょうかねー?」
適当に相槌を打ちながら、上条からのアイスを口にする初春。
上条「さあ、ぬいぐるみじゃねーの?何か、カエルのぬいぐるみ、持ってたし」
そうなんですかー、と心底どうでもいい、と言う態度に、自らの不幸っぷりを笑うしかない上条だった。
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:37:49.28 ID:aKFUBEIDO
佐天「ところで、さっきの子、戻って来ませんねー」
これまたアイスを食べながら言う佐天。
美琴「ここ、結構広いから迷子になっちゃったかな?」
と、自分と一緒に、少女が買った服を見ながら言う美琴。
上条「仕方ない、ちょっと見て来るかー」
よっと、席から立ち上がる上条。
美琴「それじゃ、私も行こうかな?」
釣られて立ち上がる美琴。
上条「いや、お前はあの子を待っていてくれ」
はいはいと、ここは引き下がる美琴。
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:42:09.66 ID:aKFUBEIDO
その様子を見てて、初春は
初春「…やっぱり、御坂さんって」
佐天「…そうかなぁ」
二人でひそひそと話し始める。
そんな二人に、
美琴「…聞こえてるわよー?」
とりあえず牽制を入れておくのであった。
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:50:09.82 ID:aKFUBEIDO
プルル…
佐天「初春、電話なってるよ?」
初春「あ、本当だ」
初春「はい、こちら初春ですけどー」
黒子『初春、直ちに避難誘導を手伝いなさい!』
初春「へ?」
黒子『付近で、重力子の増大が観測されましたの!』
初春「それって…」
黒子『ええ、付近に爆弾がありますの!』
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 01:59:32.57 ID:aKFUBEIDO
今日は終わります。
おやすみなさい。
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 02:06:38.13 ID:bKZxujcVo
乙〜
これで寝れる
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 02:09:52.16 ID:5C2njhoeo
乙
いいなあ
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 02:18:46.17 ID:oekInorAO
乙
いい区切りかただー
147 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 03:52:57.24 ID:LNgKeKF/0
さあ来るぜ――――!!!
乙っした!!
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/24(木) 23:20:53.88 ID:aKFUBEIDO
レスをくれる方々、本当にありがとうございます。
凄く励みになります。
それでは投下します。
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 23:28:50.77 ID:aKFUBEIDO
黒子の緊張を帯びた声が電話越しに聞こえる。
黒子『これまで事件の度に風紀委員が巻き込まれて来ましたの。あまりにも事件に巻き込まれる頻度が多過ぎますの』
初春「あの、ひょっとして…」
黒子『そう、犯人は明らかに風紀委員を狙ってますの。そして、今回の標的は、初春、貴方ですの!!』
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 23:33:16.22 ID:aKFUBEIDO
黒子『避難誘導をした後、速やかにその場を離れなさい』
佐天「…どうしたの、初春?」
初春「…佐天さん、御坂さん、聞いて下さい」
初春「―爆弾魔が現れました」
その時、セブンスミストは臨時休業となった。
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 23:37:03.87 ID:YOzRrasuo
投下キタ━(゚∀゚)━!!!!!
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 23:40:53.61 ID:aKFUBEIDO
黒子からの通報後、美琴は初春ら風紀委員と共に避難誘導をする事になる。
さすがに風紀委員である。手際良く学生達を混乱させずに避難させて行く。
そして、数分後には店内には誰も居なくなった。
しかし―
上条「おいっ、あの子見てないか!?」
避難誘導を終え、店の外に出ていた美琴と先に避難していた佐天に、上条が辺りを見回しながら声をかける。
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 23:51:02.66 ID:aKFUBEIDO
美琴「えっ!アンタ、あの子を見に行ったんじゃ!?」
上条「ああ、そうだよ。でも、あの子を探してる間に避難誘導が始まって外に出されちまったんだ!」
佐天「じゃ、じゃあ、まだこの中に…」
佐天の言葉に二人とも顔から血の気が引く。
美琴「ちょっと、店の中見てくる!」
さっ、と店の中に駆け出して行く美琴。
上条「おい、待てよ!」
それに続く上条。
佐天「えっ、と。私は―!?」
駆け出した二人に、自分はどうしたら、と考える佐天。
上条「あの子が店の外にいないか探してみてくれ!」
上条はそれだけ言い残すと、美琴に続いて無人のビルへと走り出した。
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/24(木) 23:59:12.46 ID:aKFUBEIDO
セブンスミスト店内―。
既に学生の全員が避難し、最後は風紀委員だけとなる。
各階の最終確認をし、後は自分達の退避だけとなるが―。
「おねえちゃーん」
向こうからする女の子の声。
見れば、先ほどの女の子だ。
まだ避難していなかったの―!?
初春「大丈夫!?怪我は無い!?」
初春は、ぶんぶんと手を振りながら、にこやかに走りよって来たその子を思わずぎゅっ、と抱きしめた。
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:04:56.92 ID:/okPe3IDO
女の子「うん!平気だよっ!」
屈託のない笑顔に、ほっと胸を撫で下ろす初春。
女の子「そうだ。あのね」
少女は傍らからカエルの人形を取り出し、
女の子「これをおねえちゃんに渡して欲しいって、メガネのお兄ちゃんが―」
女の子がカエルの人形を初春に手渡そうとした時、
ぐしゃり。
カエルの顔が無惨にひしゃげた。
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:11:18.33 ID:/okPe3IDO
まさか、これって―
初春が思う暇なく、カエルの手が、体が、足がひしゃげていく。
初春「―!!」
カエルを投げ捨て、襲って来るだろう衝撃から少女を守るべく、その体を抱きしめる初春。
カエルの体が爆発的に膨張した時―
美琴「―間に合って!」
美琴はレールガンを構えた。
157 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:15:49.94 ID:/okPe3IDO
しかし―
美琴「…しまった!?」
まさか、だった。手からコインを落とすなんて!!
渇いた音を立てるコイン。
膨れ上がるカエル人形。
美琴が間に合わない、と考えた瞬間、膨大な光が辺りを呑みこんだ―
158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:26:25.81 ID:/okPe3IDO
弾ける爆風。飛び散るガラス。学生達の悲鳴が上がる中、少年はそれをチラリとだけ見ると、口の端だけで笑い立ち去った。
路地裏にさしかかった時、込み上げてくる愉悦に遂に耐えられなくなり、そして声を上げて、笑った。
「良いぞ…。どんどん強くなってる…。これなら、アイツらも、邪魔な風紀委員もまとめて!!」
「まとめて、どうするんだ?」
後ろから少年にそう尋ねたのは、ツンツン頭の少年だった。
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:39:59.86 ID:/okPe3IDO
上条「…俺が何言いたいか分かるよな?」
「さぁ、何の事だかさっぱり…」
白々しくシラを切ろうとするが、本人が思う以上に声がうわずってしまっている。
上条「そういやさ」
そそくさと立ち去ろうとする少年に、
上条「さっきの爆弾だけどさ、誰も怪我しなかったらしいな」
「そ、そんな筈ないだろ!?僕の最大出力だぞ!!」
上条「へぇ…」
上条が、薄汚く笑った。
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:44:59.16 ID:/okPe3IDO
上条「僕の?最大出力?」
ニヤニヤ笑う上条に、
「いや、あの爆発じゃ、誰か死んでもっ!」
そう言いながら、カバンから取り出したスプーンを投げつける。スプーンは変形し、あのカエルの様に爆発する。
筈だった。
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:50:50.98 ID:/okPe3IDO
「なっ―!?」
少年は思わず目を疑った。
投げつけたスプーンは爆発もせずに、相手の右手の中に収まったのだ。
「ひっ」
そして少年が更に何かをしようとしたところ、
突然、その目の前が暗くなった。
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 00:54:34.85 ID:/okPe3IDO
それどころか、いつの間にか地面に寝転がっている。
何が起こったのか分からない。
とりあえず、前を見ると、
ツンツン頭の男の蹴りが、目の前に迫っていた。
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 01:01:21.73 ID:/okPe3IDO
這いつくばったままではとても避けられない。
「あっ」
そのまま、顔面を蹴りあげられた。
「ひぃっ」
情けない悲鳴だった。しかし、これが最大限の抵抗となる。
そのまま這いつくばりながら逃げる。あまりにも格好悪い体勢のまま、少年の脳には一つの事を思い出していた。
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 01:09:10.87 ID:/okPe3IDO
どんな能力も効かない能力者―
最低最悪のレベル0―
能力者狩り―
一つの事柄に対するキーワードが頭の中をぐるぐる回る。
上条「おい」
能力者狩りが少年に言う。
上条「救われねーよなぁ、能力者」
少年に対し、上条は淡々と告げた。
165 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 01:22:55.54 ID:/okPe3IDO
上条「お前が何で事件を起こすのか知らねーよ。ただな、やり過ぎなんだよお前は」
少年から上条の表情は読めない。いや、ひょっとすると、何の表情も浮かべて無いのかもしれない。
上条「無差別に人を傷つけ、挙句にガキに爆弾仕込んで、それでもろともあいつら[
ピーーー
]なんて、なっちゃいねーんだよ」
じわり、と距離を詰める上条。
上条「もし、テメーがそうやって人をころそうってなら、そのふざけた幻想ごと―」
上条「―ぶちころす!」
上条の右手が鈍器となって、へたりこみ顎の骨でも折れた様に口から血を流す、少年の顔を打ち抜く。
―筈だった。
166 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 01:34:15.30 ID:/okPe3IDO
「待って!」
ハァハァと息を切らしながら駆けつけた少女が、すんでのところで上条を制する。
「―警備員を呼んだわ」
そう彼女―御坂美琴が告げると、上条はチッと、舌を鳴らし、何処かへと立ち去る。
それを見て、ほっと、胸を撫で下ろした美琴。その彼女に少年があたかも完全な被害者ぶって、とりすがる。
「た、助けて!な、何にもしてないのに、アイツが僕の顔を―」
そのあまりにも自分本位の台詞に、美琴は誰のせいともなく、少年の顔を思いっきり、殴った。
167 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 01:47:29.22 ID:/okPe3IDO
数日後、上条がテクテクと学校からの帰りについていると、
上条「げっ、待ち伏せ!」
美琴「人の顔を見るなり、げっ、はないでしょうが!?」
上条「…そりゃどーも」
うんざりとした様子の上条である。
168 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 01:53:39.71 ID:/okPe3IDO
上条「んで、何の用なんだよ?」
と、面倒くさそうな上条。
その態度に、
美琴「何よ!用でもなくちゃ、いけない訳!?」
つい言い返してしまう美琴である。
上条「おい、ちょっと待て!?」
…ついでに、ちょっぴり電撃も漏れたらしい。
169 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 01:59:31.84 ID:/okPe3IDO
上条「んで、何の用だよ?」
再び上条が聞いてくると、
美琴「…この間の事後報告よ」
少したどたどしい美琴。
上条「ふーん。上条さんも忙しいんですから、手短にお願いしますよ?」
美琴「…忙しいって言ったって、せいぜいスーパーのタイムセールくらいでしょうが」
上条「タイムセール舐めんじゃねええ!!」
美琴「はいはい…」
170 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 02:06:28.63 ID:/okPe3IDO
美琴「この間の犯人、旅介って言って、レベル2の能力者。今は入院してるわ」
上条「あれでレベル2かよ!?」
美琴「さぁ?ファイルにはそう載ってたけど、実のところは、ね」
上条「何だか当てにならねーな」
美琴「私に文句言うな」
171 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 02:10:38.18 ID:/okPe3IDO
美琴「んで、学校で苛められてたみたいでさ」
上条「…それで何で風紀委員狙うんだよ?」
美琴「さぁ?本人が回復してからじゃない。調書取るのは」
上条「全く、何にも分かってねーよなぁ…」
美琴「私に文句言うな!」
172 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 02:17:43.34 ID:/okPe3IDO
美琴「でもさ、何で名乗り出ないのアンタ?事件を解決したり、初春さん達を助けたのはアンタじゃない?」
上条「…誰が助けたなんてどうでも良いだろ?結局みんな助かったんだし」
上条「…それに、レベル0の俺が名乗り出たって、誰も信じちゃくれねーよ」
そう言った上条の顔は少し寂しそうだった。
173 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 02:19:50.63 ID:/okPe3IDO
今日は終わります。今後はオリジナル展開っぽくなりがちかも…。
それでは、おやすみなさい。
174 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 02:29:42.24 ID:c2lr0+cPo
sagaって知ってる?
175 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 02:35:29.78 ID:oi0M0SEQo
乙です!
続き楽しみに待ってます!
176 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 08:12:26.16 ID:JeWeG3GAO
>>174
の言い方がウザい
177 :
sage saga
[sage]:2011/02/25(金) 08:14:50.89 ID:/okPe3IDO
テスト
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 13:54:27.90 ID:c2lr0+cPo
>>177
席にもどってやり直し
179 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/25(金) 16:46:10.45 ID:LrXJtwOAO
斬魄刀
(読ω者)ノ卍≡≡≡田)`⊇゚)・;'
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 17:54:09.87 ID:a7p2Ym+AO
いちおつ
sagaはメール欄に入れるんだよ〜
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 22:46:07.44 ID:/okPe3IDO
指摘ありがとうございます。素人なものでして…。
また、色々な応援のレスありがとうございます。
それでは、投下します。
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:00:17.81 ID:/okPe3IDO
風紀委員第177支部―
白井黒子はまたしても、頭を悩ましていた。
黒子「今度はレベルアッパーですの…」
常盤台襲撃事件に連続虚空爆破事件。それが終わったと思ったら、今度はこれだ。
黒子「学園都市の治安は乱れ切ってますの…」
大きく溜め息をつく黒子。無理もない。彼女は既に、勤務超過状態だ。
初春「何時になったら落ち着くんでしょうかねー…」
初春も元気なく呟く。
目を合わせた二人は再び大きく溜め息をつくのであった。
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:08:52.79 ID:/okPe3IDO
「よーすっ!初春、頑張ってる〜」
二人とは対象的な明るく元気な声。
初春「佐天さん!」
ぱああっ、と初春の顔にようやく明るさが戻る。
「よっ、黒子。頑張ってる?」
その声の主に、
黒子「お姉様〜!」
思わずテレポートで抱きついたら、
がっ!
カバンで簡単に打ち落とされる。
黒子「あがが…。お姉様の愛が熱いですの…」
あくまで黒子はポジティブであった。
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:18:19.99 ID:/okPe3IDO
美琴「全く、隙も油断も無いわね。それよりも、ほら」
美琴と佐天が手にしていたのは、ケーキ店の紙箱。
美琴「差し入れ持って来たから、一緒に食べない?」
それを、空いてるテーブルに置きながら言う美琴。
黒子「まあ、何時もすみませんの。こんなに私めの為にわざわざお姉様の御手を煩わせるなんて!!」
美琴「一々オーバー過ぎんのよアンタは」
黒子の感激ぶりに多少辟易しながら美琴は苦笑した。
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:28:27.87 ID:/okPe3IDO
初春「白井さん、一端休憩入れましょうよ〜」
もう初春の興味はケーキにしか向かっていない。
黒子「そうですわね。ここは一つ休憩を入れましょう」
やったーっ、と小踊りする初春。ようやく仕事からの緊張から開放されて、んーっ、と体をのばす。
黒子「それで、今日のお勧めはどれですの?」
佐天「今日のお勧めはズバリ、チーズケーキ!わざわざ一時間も並んで買って来たんですよ〜」
黒子「そうでしたの。本当にありがとうございますの」
いえいえ、と言う佐天。なるほど、彼女が言う分だけあってひときわ良い匂いがする。
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:32:22.79 ID:/okPe3IDO
初春「お茶入りましたよ〜」
奥からカップにいれたての紅茶を運びながら言う初春。
美琴「それじゃ、いただきましょうか?」
皿に盛られたチーズケーキを横目に美琴が言うと、
佐天「それじゃ、」
「「「いただきまーす」」」
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:41:45.88 ID:/okPe3IDO
初春「このケーキ、美味しい!!」
佐天「でしょでしょ!この間からこれ持って行こうって、御坂さんと言ってたんだ〜」
三人がそれぞれ舌鼓を打つ中、なかなか黒子の手が動かない。
美琴「…どうしたの、黒子?」
心配そうに聞く美琴。
黒子「な、何でもありませんの!まあ、このケーキ、流石はお姉様のチョイス。黒子、口がとろけそうですわ〜」
慌ててケーキを頬張る黒子。そんな空元気を出して自分に気を使う黒子を見て、心が痛んだ。
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/25(金) 23:54:08.93 ID:/okPe3IDO
ケーキを食べ終わり、他愛ない世間話をして幾ばくかたち、
美琴「それじゃ、黒子。そろそろ私達行くわ」
黒子「まぁ、せっかくお越しになったのに何のお構いもなく…」
美琴「良いって。それよりも仕事頑張ってね」
黒子「はいですの!!」
佐天「そんじゃ、初春っ」
初春「はい、佐天さんも気をつけて」
二人が扉を開けようとしたところ、
「白井さん、初春さん、そろそろ行くわ、よ…」
扉を開けて入ってきたのは固法。
美琴「…何処に行くんですか?」
その何時もと違う彼女の雰囲気に、美琴は固法に問いただす。
固法「えーっと…」
入ってくるタイミングを間違えたなあ、と思う固法であった。
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 00:04:25.40 ID:VNmaRJeDO
固法「えーっと、いつもののパトロールだけど…」
目を反らしながら答える固法。美琴の方をチラリ、と見るが、
美琴「ジトー…」
全然その事を信じてない目である。
固法「えーっと…」
固法が何とか言葉をだそうかとした瞬間、
黒子「…実は、大規模な捜索がありますの」
以外にも黒子から言ってきた。
固法「ちょっと、白井さん!?」
風紀委員三人が固まって、ボソボソと密談すると、
固法「分かりました。御坂さん、ご協力お願いできますか?」
固法の方からの意外な申し出である。
美琴「…喜んで」
ニッと、美琴の会心の笑顔であった。
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 00:15:56.32 ID:VNmaRJeDO
古ぼけた工場を囲む様に風紀委員達が展開していく。
レベルアッパーの取引の現場を直接押さえるための、風紀委員各支部連携しての大包囲網だ。
固法「それじゃ、白井さん。行くわよ!」
黒子「はい!」
固法「御坂さんは、いざと言う時のバックアップをこの本部にてお願いします」
美琴「分かりました」
初春「それでは、カウント入ります」
作戦のオペレーターを勤める初春が、作戦開始のカウントを取り始める。
初春「―3、2、1、作戦スタートです」
初春の合図と共に動き出す風紀委員達。そして、待機する美琴。
美琴「…あれ?何か違わない?」
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 00:24:37.79 ID:VNmaRJeDO
ようやく美琴が黒子の意図に気付いた頃、風紀委員達もいよいよ突入の機会を伺っていた。
固法「…3、2、1、」
そのタイミングで勢いよくドアを蹴り破り、一気に内部に突入する。
黒子「風紀委員ですの!」
黒子がたむろする不良達に言い放ったところ―
黒子「…あれ?」
既に壊滅している武装不良集団。
「あれっ、貴方達、超何しに来たんですか?」
突入した風紀委員達が思わず目を疑う人物達がそこにはいた。
「…アイテム!?」
192 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 00:42:48.76 ID:VNmaRJeDO
美琴「アイテムって、何?」
追いついた美琴が黒子に訪ねる。
黒子は緊張した面持ちで―
黒子「気をつけて下さいまし、お姉様。彼女達は―」
初春「あの人達は第167支部所属のグループですよ」
作戦中止のため、初春もここまでやって来ている。
初春「確か、凄い噂ですよ。通った後には、ペンペン草すら生えない、最強最悪の極悪集団だって!!」
あまりの言われ方に思わずズッコケるアイテムの面々であった。
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 00:53:27.48 ID:VNmaRJeDO
「な、何だか酷い言われ方しているわね」
「ううっ、私達、超頑張ってるのに、何で悪名が先行するんでしょうかね…」
初春の辛辣さの前にズーン、と擬音が着きそうなくらいあからさまに落ち込む二人だが、後の一人は違う。
「ハッ、所詮後からノコノコ出てきて残飯喰らう事しかしねーハイエナ共だ。いちいち相手にするんじゃねえ」
そう言って息をまく。
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 01:01:32.28 ID:VNmaRJeDO
固法「ところで、麦野さん?」
麦野「あぁ!?」
固法と同年代くらいの大人びた少女が、明らかにメンチを切りながら言う。
固法「確か、ここに、今日黒キャップをした売人がいた筈だけど…」
麦野「あぁ!?それがどうしたんだよ、この乳豚が!?」
顔と雰囲気に合わない下品な口調とスラング吐きまくりの麦野。
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 01:08:11.77 ID:VNmaRJeDO
「…確かに、居たよね」
「途中で裏口からコソコソ逃げて行ったような…」
固法「…その売人、例のレベルアッパーの卸の一人らしかったのよ」
「「えー!?」」
「そ、それじゃ私達が超暴れまくったせいで…」
「結局逃がしてしまったって訳!?」
固法「…そう言う事ね」
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 01:14:44.13 ID:VNmaRJeDO
固法「内偵入れてまで頑張ってたのに…」
流石の固法も呆れてものも言えない。
美琴「…ねえねえ、黒子?」
黒子「…何ですの、お姉様?」
美琴「この人達って、」
黒子「ええ、お察しの通り」
黒子「バカ、ですわ」
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 01:31:47.51 ID:VNmaRJeDO
麦野「な、何だとテメエ!?」
「ああ!超押さえて下さい麦野!?」
「そうよ、絹旗の言う通りよ!」
麦野「放せー!」ムキー!
美琴「…この人がリーダー?」
黒子「いいえ、リーダーの方なら、ほらあちらに」
「あああ、すいません!うちのバカ共のせいで!!」
黒子が視線をやった先には頭をドラミングの如く地面に叩きつけながら土下座する少年が一人。
浜面仕上―アイテムのリーダー兼お守り兼雑用であった。
「…北北東から電波が来てる」
ピンクのジャージの電波娘が隣にいる。
黒子「あれが滝壺理后。確か、あの殿方の恋人でしたかしら?」
「「「恋人ちゃうわ!! 」」」
三人の声が見事に重なった。
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 01:39:42.49 ID:VNmaRJeDO
麦野「い、今のは違うわよ!?」
絹旗「そ、そうです、超勘違いしないで下さい!?」
「わ、私は麦野一筋だもん!!…多分」
美琴「…モテモテね、アイツ」
黒子「そうですわね、どこかの殿方並ですわねー」
美琴「んなっ!?」
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 01:47:08.51 ID:VNmaRJeDO
固法「そして、フレンダさんと絹旗さん。二人とも大能力者よね」
黒子「ええ、確かに。制圧任務では、数ある風紀委員の中でも最強の呼び名が高いですの」
麦野「なんだ、分かってるじゃない」フフン
美琴「でも、今回みたいな任務にはてんで駄目って訳ねー」
麦野「何だと!?このエグレ胸のド貧乳が!!」ムキー!
フレンダ「あああ、押さえて麦野ぉー!?」
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 01:56:36.89 ID:VNmaRJeDO
麦野「大体、なんなんだテメエは!?このクサレマンコのパイパン野郎が!!」ハアハア!
美琴「アンタこそ何よ!?ヒス年増!!年齢サバ読んでんじゃねーぞ、三十路ババア!!」
麦野「んだと、コラァ!?」
絹旗「あああ、麦野、超落ち着いて!?あなたも麦野を逐一煽らないでくれませんか!?」
美琴「私は煽ってないわよ!そっちか先に喧嘩売って来てるんでしょうが!?」
黒子「…先に言ったのは私達の方ですけどねー」
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 02:05:54.62 ID:VNmaRJeDO
麦野「表出ろテメエ!ギッタギタにしてやるからよ!!」
美琴「上等だよ、クソババア!吐いたツバ飲むんじゃねーぞ!!」
黒子「…これが学園都市の誇る第三位と第四位だなんて…」
固法「って、言ってる場合じゃないわよ!早く止めないと!?」
嵐を呼ぶ大喧嘩。これが学園第三位と第四位の初めての邂逅となる。
「「しぃねぇっー!!!」」
まこと、最悪の出会い方であった。
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 02:06:56.76 ID:VNmaRJeDO
今日は終わります。
では、おやすみなさい。
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 02:09:11.48 ID:BsXk2cvjo
乙〜
続き待ってます!
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 04:39:22.47 ID:iuMad3FAO
これはヒドいwwww
超乙
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 06:39:43.26 ID:Z+ahHuASO
どうしてこうなった
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 10:24:49.79 ID:VNmaRJeDO
ちょっとだけ投下します。
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 10:35:05.26 ID:VNmaRJeDO
翌日、いつものファミレス―
黒子「えー、ではこれより第167支部所属、アイテムとの合同捜査の会議を始めますの…」
黒子が泣きそうなしかめっ面で宣言した。
絹旗「…えっ?」
フレンダ「……」
麦野「……」
美琴「……」
初春「……」
浜面「…どうして、こうなった…」
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 10:42:59.11 ID:VNmaRJeDO
黒子「…それは、ご自分の胸に手を当てて良く考えて下さいまし」
そう言われると、ぐうの音も出ないアイテムの面々。
初春「それで、何で私達なんです?」
もっともな疑問である。
黒子「…それは、まず私達がお姉様に近い人間である事。それに、今回の任務に適切な人物が身近にいる事と言われましたが…」
初春「実際はこの人達のお目附、と言うわけですね…」
はぁ…、と息をつく初春。
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 10:50:20.38 ID:VNmaRJeDO
黒子「ううっ…、これまで頑張ってきましたのに。捜査から外されるなんて…」
さすがに落ち込みを隠せない黒子。
麦野「まあ、そう落ち込まないで」
絹旗「そうですよ。超元気出して下さいよ」
フレンダ「こんな処分、結局朝飯前って訳よ」
アハハ、と笑うアイテムの面々。
流石はアイテム。風紀委員のブルドーザの異名を持つ面の厚さである。
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 10:56:50.63 ID:VNmaRJeDO
「でもさ、合同捜査って言っても何やるんだ?」
全員分のドリンクバーをトレイで持って来ながら浜面が訪ねる。
黒子はふぅ、とひと息つき、
黒子「おとり捜査ですの」
滝壺「おとり捜査?」
黒子「そう、前回失敗した内偵ではなく、今回は囮を出して連中と接触すると言う事ですの」
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:03:29.91 ID:VNmaRJeDO
美琴「でも、その囮って誰がやるの?」
黒子「その事なのですが…」
黒子が一人にチラリ、と目をやる。
佐天「えっ?私ですか!?」
黒子「…ええ。この中でもっとも連中に面が割れてなく、自然に近づけるのは貴方、と言う事になりまして…」
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:17:48.50 ID:XaNA6VmMo
佐天さん一般人なのに……
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:29:24.78 ID:VNmaRJeDO
麦野「…なるほどね」
絹旗「私達じゃ超警戒されちゃいますしね…」
黒子「…お願いできますかしら?」
佐天「ちょっ、ちょっと待って!心の準備が…」
初春「ちょっと待って下さい白井さん!幾ら何でも危険過ぎます!!」
美琴「そうよ!何だったら私が!?」
麦野「そいつは無理ね」
美琴「なんでよ!?」
浜面「そうだよなぁ。常盤台のレールガンって言ったら有名だもんなぁ」
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:36:15.72 ID:VNmaRJeDO
黒子「…お願いできますかしら?」
佐天「…分かりました。お手伝いさせて貰います!」
初春「さ、佐天さん!?」
佐天「大丈夫だって。そんなに危なくないってば。それに、友達が困ってたら助け合うもんでしょ?」
初春「ですけど…」
佐天「心配ないってば!普段、私何の役にも立ってないし、こんな時くらいは力にならないと」
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:47:51.09 ID:VNmaRJeDO
黒子「…ありがとうございます、佐天さん。この上は精一杯サポートさせていただきますの!」
フレンダ「それに、私達もいるんだし、何とかなるんじゃない?」
麦野「ま、せいぜい頑張りなさい。アンタが死なない程度にはサポートしてやるからさ」
佐天「はいっ、よろしくお願いします!」ペコリ
絹旗「…こんなに超素直に頼まれると…」
滝壺「なんだか、照れるね」
浜面「これまでは頭と言えば、下げることばっかだったしなぁ」グスッ
美琴「…アンタの苦労が忍ばれるわね」
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:58:28.23 ID:VNmaRJeDO
絹旗「超頑張りましょう!!」
美琴「そうね、ここは一つ張り切らないとね!」
麦野「私らがついてるんだ、大船に乗ったつもりでいなさい」
佐天「はい!」
こうして佐天涙子を囮にした、合同捜査が決行される事になったのである。
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 11:59:02.51 ID:VNmaRJeDO
一端投下終わります。
では。
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 15:11:08.46 ID:1qqVgxwx0
おつん
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 15:25:49.70 ID:Qx8qAS8Ho
乙!
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 15:29:00.49 ID:OZuliZ//o
ここで大きく原作とは違う展開に来るとは予想外
続きwktk
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/26(土) 17:30:13.68 ID:FbjyidSAO
今のところ禁書SSではこれが一番好きだ
頑張ってくれ
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 17:49:32.68 ID:VNmaRJeDO
また、ちょっとだけ投下します。
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 18:02:09.06 ID:VNmaRJeDO
深夜10時―
学園都市も寝静まろうかと言う時間である。
まだ営業しているファミレスにたむろする、あまり柄の良くない男共。
そんな奴らの前に、少女が一人訪れた。
「あの〜、私…」
男の一人がチラリと目をやると、少女はビクリと身をすくめる。
そして、確認する熊のキーホルダー。
「おっ、来たのか?じゃあ、行くか」
少女がぞろぞろ出てくる男達に伴われて店を出ると、それを見届ける二つの影。
「小鳥が熊に取り付いた。繰り返す、小鳥が熊に取り付いた、オーバー?」
見るからに怪しい下手な変装の二人組。
それは、刑事役をやりたいとせがんだ絹旗とフレンダの二人であった。
224 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 18:34:28.75 ID:VNmaRJeDO
黒子「こちら鳥籠、了解。引き続き、尾行を続けられたし」
二人からの報告を聞き、次の指示をだす黒子。
麦野「…とりあえず、第一段階はクリアね」
初春「この調子で上手くいくといいんですけど…」
さすがに心配そうな初春。
美琴「でも、こんなにすんなり接触出来るなんて…」
黒子「流石は元スキルアウト、というところでしょうか?」
浜面「…何か引っかかる言い方だな、おい」
黒子「いえ、お気に触られたら謝りますの。ただ、素直に貴方の情報収集能力の高さに、驚いたのですの」
225 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 18:43:36.08 ID:VNmaRJeDO
浜面「そ、そうか?」
黒子「ええ、本当ですの」
高飛車な黒子に素直に誉められると、正直、悪い気のしない浜面。
だが、
「「フンッ!」」
ゲシッと足の爪先の両方を踏みつけられる浜面。
浜面「おいたぁ!」
間抜けな悲鳴をピョンピョン飛び跳ねながら上げる浜面。
注意するべきである。多少女の子に褒められたと言って油断すると、嫉妬した二人の気をそこねるのだから。
226 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 18:51:48.54 ID:iuMad3FAO
浜面カワイソス(´・ω・)
227 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 19:02:27.73 ID:VNmaRJeDO
しかし、彼の情報網は確かである。簡単に、「レベルアッパー」の中卸を突き止めたのだから。
さらに接触方法を探り、ここまでこぎつけた手腕には、黒子でさえも認めざるを得ない。
しかし、そんな彼のアイテムでの立ち位置は、あくまで立場の弱いポジションだったりする。
初春「あ、動きがありましたよ!」
モニターとにらめっこしている初春が言う。
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 19:18:27.32 ID:VNmaRJeDO
モニター上に表示された地図上に点滅する赤い光点。
この光点こそが佐天の現在位置を示してくれている。
滝壺「…なんだか人気のないところに移動してるね」
じりじりと、路地裏に向かう佐天の光点。
麦野「こりゃ、そろそろ私達の出番かにゃ〜ん」
麦野が肩をこきこき鳴らす。
浜面「それじゃ、車回すわ」
そそくさと移動の準備にかかる浜面。
黒子「では、私は先行しますの」
初春「追跡中の絹旗さんとフレンダさんとには?」
そうですわね、と暫し案じ、
黒子「この位置での待機をお願いするようにしてくださいの」
地図上の一点を指し示す。
滝壺「…何で?挟み打ちじゃないの」
と、滝壺が疑問を述べる。
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 19:25:08.09 ID:VNmaRJeDO
黒子「今回はあくまで接触が目的。出来る限り戦闘は控えますの」
麦野「…なんだ。派手な捕り物を期待したのに」
いつでも力ずくでの解決を想定する麦野。彼女達がブルドーザーの異名をとる由縁である。
美琴「それじゃ、そろそろ行きますか!」
美琴の台詞と共に、腰をあげ、浜面の回してきた車に乗り込む一同。
そして、黒子はテレポートで先に跳んだ。
230 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 19:26:03.72 ID:VNmaRJeDO
ここで一端終わります。
飛び飛びになってすいません…。
231 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 20:18:21.83 ID:iuMad3FAO
乙です
ブルドーザー 確かにヒドい悪名だww
232 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 22:36:34.35 ID:VNmaRJeDO
飛び飛びですいません…。投下します。
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 22:44:55.72 ID:VNmaRJeDO
夜もふけ、人通りのない街の路地裏。最早、そこを占拠するのは、俗に言うスキルアウト達しかいない。
その中を歳はもいかない少女が下手な変装で路地を覗いているのだ、目立た無いわけがなかった。
絹旗「うにゃん…。超眠いです…」
フレンダ「もうちょっと頑張ってよ、絹旗」
うつらうつら船を漕ぐ絹旗を励ましながら、その相手を見張るフレンダ。
今、彼女達の目の前では事態が進展するところであった。
234 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 22:53:31.97 ID:VNmaRJeDO
「これがレベルアッパーだ」
グループのリーダー格の男が取り出したメモリーを佐天に見せる。
佐天「へ?これがそうなんですか?」
「そうだ。一体どんなのを想像してたんだ?」
男が苦笑する。佐天もサンプルを風紀から見せてもらってたが、いざ本物を見たら、やっぱり拍子抜けしてしまう。
「今回は最初って話だったからな。こいつにしといた方が良いだろう」
男は意外にも人なつっこい笑顔で佐天に喋ってくる。
もし、囮捜査でなかったら、思わず引き込まれそうな人当たりの良さだ。
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 23:04:21.34 ID:VNmaRJeDO
「んで、他に欲しがってる奴らはいないのか?」
非常に親身になる声で男が訪ねてくる。男も元はレベル1で非常に肩身の狭い思いをしてきた。
でも、こいつのおかげでその環境から抜け出せたと誇る様に佐天に語った。
「大体、こいつを使ってレベル上げるのが何が悪いんだ?高位能力者の奴らはあんだけ金かけて能力開発してんのによ」
確かに、大半の高位能力者は大抵がいわゆる良家の子女だ。能力開発についての環境にそもそもの差が着きすぎているのは否めない。
また、彼ら彼女達の大半はそれが当たり前の環境で育ってきた者達だ。彼らスキルアウトの言い分も佐天には十分理解できた。
236 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 23:14:53.04 ID:VNmaRJeDO
佐天「でも、お金はいいんですか、本当に?」
「ああ、初回サービスだ。良いから持ってけって」
男の愛嬌のある笑顔につい合わせて笑う佐天。自分が囮となっている事につい罪悪感を感じてしまうくらいだ。
「そんじゃ、もし効かなくなったら連絡くれ」
そういって、携帯の番号を交換する。
「そんじゃ、また、連絡くれよ?」
そう言った男が佐天に手を差し出す。
…上手くいった。彼女はほっと息をしながら握手する。
男との接触、そして、連絡方法の確保。佐天は極めて重要な仕事をやってのけたのだ。
佐天「ありがとうございました。それじゃー、このへんで」
「…何処にいくんでせうか?」
ひょこりと現れた少年が佐天にふと、聞いてきた。
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 23:24:06.05 ID:VNmaRJeDO
佐天「何処にって、家に―」
帰るんですけど、と言う前に少年が口を開く。
「何やってんだか…」
やれやれと、頭を掻く少年を見て、男は口を開く。
「何だ、テメエ?」
明らかな警戒と、低い声での威嚇。先ほどの愛嬌の良さと打って変わって、佐天が思わず萎縮するほどの変わりようだ。
「いや、別に上条さんはですね」
ごく自然に笑い、そして、何気なく近づくと、
ガシィィィィッ!!
ごく自然に男の顔面を殴り飛ばした。
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 23:32:51.80 ID:VNmaRJeDO
完全に不意を衝かれ、おまけに金槌のような拳だ。成す術もなく、膝から崩れ落ちる男。
上条「よっと」
既に意識を失い、崩れ落ちる男の顔面を、更に空き缶でも踏み潰す様に踏みつける。
グシャッ、という音がした。
上条「全く、こんなもの手を出しちゃ―」
あまりにも自然な暴力に佐天は最早、言葉もでない。
上条「そういや、確かビリビリといた子、だっけか」
上条が世間話をする様に聞いてくるが、佐天は金魚の様に口をパクパクさせるだけだ。声まで出ないのだ。
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 23:43:15.44 ID:VNmaRJeDO
上条「全く、こんなもんに手を出しちゃいけませんよ?あいつは、ああ見えても能力やら意外と気にしないから―」
上条が話していると、ドヤドヤと不良達がやってくる。この異変に気付いたのだ。
上条「やれやれ…」
上条は面倒臭そうに言う。まるで、庭先の掃除でもするかの如く不良達に立ち向かう。
その様子に、腰が抜けて動けない佐天。
そして、もう一人、この異変を伝える人物がいた。
フレンダ「大変よ、麦野!?」
フレンダ「―上条当麻が現れた」
そして、その横では、
絹旗「…うにゃん」
絹旗が寝ていた。
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/26(土) 23:57:09.68 ID:VNmaRJeDO
麦野「…まずいな。浜面、急いで」
浜面「あいよっ」
麦野に促され、浜面がスピードを上げる。
美琴「ねぇ、上条って…」
滝壺「うん、つんつん頭のあいつだよ」
滝壺がいつもの調子で答える。
初春「あの人って、そんなに大変な人なんですか?」
麦野「大変なんてもんじゃない!!」
麦野が思わず声を上げる。
麦野「あ、ごめん…。けど―」
浜面「―能力者狩りって聞いた事あるだろ?」
麦野を遮って喋る浜面。
初春「はい。スキルアウトが関わっていたものから最近の事件まで一応把握してますけど」
浜面「その中で、スキルアウト系の高位能力者ばかりを次々と狩っていった奴がいてな」
浜面「それが、奴だ」
241 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 00:02:44.51 ID:m5jRjIyAO
この上条さんは上条(悪)みたいな強さなのか?
242 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 00:07:31.00 ID:yPFHMBEDO
浜面「風紀委員でもあまり知られていないが、奴は時のレベル5ですら適わないと言われた奴だ」
美琴「そうなの?」
麦野「ああ…、上手く言えないけど、何かあいつは違うんだ」
滝壺「一言で言うと、きれている」
初春「なんですか、それ?」
麦野「普通の逆上とか、そんなのとは全然違う。何か、根本的な何かが違う。そんな感じの奴よ」
初春は相変わらず、理解出来ないと言った風だが、美琴は違う。何度か見たあの時の顔―
美琴「急ぎましょう!」
滝壺「―でないと」
麦野「スキルアウトの方が危ない!」
浜面は、更にアクセルを踏みこんだ。
243 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 00:17:26.68 ID:4l78cEZAO
いいね この臨場感
244 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 00:22:08.54 ID:yPFHMBEDO
その頃、その路地裏では戦闘が始まっていた。
スキルアウト達の何人かは、上条を認識する前に倒される。
なんとか彼を認識し、レベルアッパーのスイッチを入れた者もいるが、能力を発揮する前に更に倒されてしまう。
残りの数人がなんとか能力を使用するが、彼は何ら臆する事ない。虫でも払うように暴風を打ち消し、強化された速度の威力をもろともせずにカウンターをとる。
精神に異常を来すような音波はまるで、涼風のように彼の耳には届かない。
下手に能力を扱った彼らの方が先に気絶出来た連中より不幸だ。
上条からありがたくもない余計な一撃を振る舞われ、地面に沈むのだから。
245 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 00:32:46.51 ID:yPFHMBEDO
上条「これで、おしまいっと」
最後に文字通りのサッカーボールキックで男の顔をガンッと蹴り上げると回りには立っている敵はいなくなる。
とりあえず、一人一人に止めを差しながら、上条はふと佐天の方をみる。
戦闘の余波の為か、あちこちに擦り傷をつけているが、大した事はないらしい。せいぜい、頭を抱えてぶるぶると震えているくらいだ。
上条「おーい、大丈夫かー?」
待ち合わせの知り合いに声をかける様な気安さだが、
バシッ!
佐天は差し出された手を、反射的に払ってしまう。
上条の驚いた顔を見て、佐天は声もなく青ざめるが、
246 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 00:39:35.71 ID:yPFHMBEDO
上条「よーし、怖かったんだなー」
上条は何事もなかった様に佐天の頭をなで、
上条「もう大丈夫だからなー。怖い奴らはみんな伸びちまってますよー」
佐天の体を子供をあやす様にきゅっ、と抱きしめてやった。
その瞬間、
しゃああー…
緊張の糸の切れた佐天の足元に黄色い水溜まりが出来る。
上条「あちゃー…」
失禁であった。
247 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 00:48:40.46 ID:yPFHMBEDO
上条「これじゃ、歩けねーか…」
そう言うと、上条は佐天の腰と足に手を当て、
上条「よっと」
お姫様にする様に抱き抱える。
あまりにも急な事に声も出ない佐天。
上条「ちょっとだるいだろうけど、辛抱なー?」
顔を赤らめたままうなずく佐天。
上条「そいじゃ、とりあえず安全なところまで…」
佐天を抱えたまま、その場を立ち去ろうとすると、
「お待ちなさい」
テレポーターが立ち塞がり、宣言する。
黒子「風紀委員ですの」
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 01:00:03.17 ID:lSxRFSTAO
ここで終わりとかないわ
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:05:34.39 ID:yPFHMBEDO
上条「げっ、白井!?」
黒子はジロリ、と上条を見ると、
黒子「これは、貴方が?」
回りの惨状を指して言う。
上条「ま、まっさかー!?こう見えても自慢じゃないが、上条さん、レベル0ですよ」
黒子「確かに…」
黒子には目の前の頼りなさそうな男が、これを出来るとは考えられなかった。
黒子「で、貴方。これをやった方の顔は見てますの?」
黒子の問いかけに、
上条「いやー、上条さん、ちょっと伸びてしまっていて…」
黒子「…でしょうね」
ふぅ、とため息をつく黒子に、
上条「それではこの辺で…」
コソコソと立ち去ろうとすると、
250 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:08:30.45 ID:4l78cEZAO
なにageてるんだよ…sageを入れてくれ
迷惑だ
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:10:01.46 ID:yPFHMBEDO
黒子「お待ちなさい!」
上条「な、なんでせうか?」
黒子「…佐天さんは置いていきなさい」
上条「ああ、はいはい」
上条は佐天を地面に下ろすと、黒子に彼女の下の替えをよこす様にやんわりと言うと、
上条「じゃ、この辺で…」
今度こそ立ち去ろうとする。が―
「待ちな、風紀委員だ」
次に立ちはだかったのは、麦野であった。
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/27(日) 01:10:48.68 ID:yPFHMBEDO
今日は終わります。
おやすみなさい。
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:14:03.43 ID:4l78cEZAO
>>252
超乙 おやすみ
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:14:09.22 ID:odLvBGKmo
焦らしプレイ乙
この上条さんなんか良いわ
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 01:54:45.65 ID:RG3fFaYMo
乙
上条さんかなり強いがせっかくの作戦がおじゃんにwwwwww
まあ、売人捕まえれると思えばかなあ?
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 09:58:49.07 ID:L+eFYeAAO
佐天さん失禁か……うっ……ふぅ
>>1
乙
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 10:11:45.98 ID:yPFHMBEDO
ちょっとだけ投下します。
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 10:19:17.78 ID:yPFHMBEDO
上条「げっ、下ネタ女!?」
麦野「誰が下ネタ女じゃ!?」
思わず原子崩しを打ち込む麦野。
それをバシッ、と右手で打ち消す上条。
上条「危ねーだろうが!何しやがんだ!?」
上条が抗議の声を上げるが、
麦野「うるせェ、どうせ効かねーだろうが」
と無視し、
麦野「それよりも、」
じりっと身構え、
麦野「暴行の現行犯だ。逮捕する」
そう言って上条に詰め寄る。
259 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 10:32:14.12 ID:yPFHMBEDO
上条「えぇっ!?証拠も無しにそれはひどいんじゃありません!?」
と、当然の不満を言う。
麦野「うるせェ!他の奴らならともかく、私らにそんな言い訳が通じる訳がねえよなあああああ!!」
狂気じみた口調の麦野。しかし、対象的に慎重に両者のエリアを図り迂濶には動かない。
冷や汗と、引きつった笑顔を浮かべじりじりと下がる上条。
その背後に、
美琴「…そうね、一辺くらいはお灸を据えた方が良いのかもね」
もう一人のレベル5が立ち塞がった。
260 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 10:41:37.97 ID:yPFHMBEDO
上条「んげっ!?ビリビリ!?」
美琴「はぁーい」
上条の後ろから気安く、しかし威嚇を込めた挨拶を送ると、
美琴「アンタはいっつもやり過ぎんのよ。それが例え人助けの為だとしても、それじゃ収まんなくるのよ?」
彼女は右手をかざし、そして麦野も右手をかざす。
美琴「だから」
麦野「ここで止めてやんねぇとなああああ!!」
超電磁砲と原子崩しの力が同時に放たれる。
上条「…え?これって、挟み打ち?」
逃げられない。前後から一斉に超能力をぶち込まれた上条だった。
上条「不幸だああああ!!」
261 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 10:46:17.87 ID:4l78cEZAO
右手がもう一本あれば…
262 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 10:51:46.41 ID:yPFHMBEDO
しかし、
美琴「きゃ!」
麦野「きゃっ!」
意外と可愛らしい悲鳴を上げてのけぞる超能力者達。
放たれた能力を、上条が体勢を崩したために、相撃ちの形になったのだ。
麦野「テンメェ、何しやがんだ、この能無し低能力者が!?」
美琴「うっせぇんだよ!そっちこそちゃんと狙いを着けやがれ、この牛乳垂れ流し女!!」
見るに耐えない口喧嘩の二人。
まあまあ、と黒子が割って入るが聞いちゃいない。
ますますヒートアップする能力者達を尻目にその場から何とか逃げだそうとする上条。
しかし、その二人を我に返す電話が一本。
263 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:00:51.82 ID:yPFHMBEDO
麦野「うっせえぞ、滝壺!今取り込み中―」
滝壺『にげてむぎの!』
いつもと違う、緊迫した滝壺の声。
滝壺『そこで今、異変が起こってる』
麦野「あぁ!?」
今一要領を得ない滝壺の台詞に苛立つ麦野。
滝壺『AIM力場が増大し過ぎてる!!』
最後の悲鳴に近い言葉を聞き終える前に、麦野が異変に気付く。
黒子「何ですの、あれは!?」
倒された能力者達から立ち昇る不可解なモヤ。それが形をなし、不可思議な化物へと形成されていった。
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:16:01.08 ID:yPFHMBEDO
美琴「何なのよコイツ!」
驚きを隠さない美琴。
麦野「取りあえず、やるしかねーか!!」
原子崩しを展開する麦野。
美琴「黒子、佐天さんをお願いっ」
黒子「はい、わかりました」
黒子は佐天を抱きしめると、
黒子「お姉様、お気をつけて」
一言言い残しテレポートで飛ぶ。
それにうなずく美琴。
しかし、
麦野「ボサッ、とすんな!!」
原子崩しが美琴に飛びかかろうとした化物を打つ。
ぷくーっ、と風船の様に膨れ上がり破裂する化物。
麦野「これだから―」
その後の台詞を言う前に、麦野の背後でパンッ、と破裂音。
美琴「あんたこそ、背中が留守になってない?」
ニッ、と笑う美琴。
265 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:29:48.84 ID:yPFHMBEDO
麦野「言ってろ、第三位が!」
更に一体の化物を砕き、答える麦野。
美琴「へぇ、やるじゃ―」
軽口を叩こうとしたところ、
美琴「危ない、後ろ!?」
へ?と振り返ろうとした麦野の眼前に迫る化物の腕。潰れた肉玉に牙を生やし、太い腕一本だけと言う異形の怪物。
その化物が壁を背にした麦野の背後から突如現れたのだ。
あ、と呟く間もなく、麦野に剛腕が振りかかる。
だが、
「危ねぇ!!」
とっさに麦野に飛びかかり、彼女を押し倒す影。ぶうん、と化物の腕が空をきる。
「大丈夫か、麦野!?」
覆い被さったまま、聞く浜面。
266 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:39:40.18 ID:yPFHMBEDO
麦野「て、テメエ、さっさとどきやがれ!!」
その体勢の恥ずかしさに礼よりも先に言ってしまう麦野。
しかし、
浜面「ああ、分かっ―」
麦野「どうした!?」
浜面「―右腕が動かねぇ!」
自身の異変に驚く浜面。
麦野「何を言って―」
その瞬間にも迫る化物。
美琴「何イチャついてんだ、あんたらは!?」
その化物を撃墜する美琴。だが―
美琴「きゃっ」
美琴に迫る化物。しかも、でかい。気を取られた一瞬で間合いを潰した怪物が、バカでかい口で美琴を一飲みにしようとする。
麦野「バカ、逃げろ―」
267 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:49:32.39 ID:yPFHMBEDO
麦野に指摘されるまでもない。しかし、足は動かない。
恐怖ですくんでしまったのだ。
美琴「―――」
彼女が何かをとっさに叫んだ時には、怪物の口が間近に迫っていた。
一瞬ではあるが、最大の恐怖が訪れた時―
パアン、と化物が掻き消えた。
美琴「…へ?」
間抜けな声と共に、へなへなと座り込む美琴に、
上条「大丈夫か、御坂!?」
上条が肩に手を掛けて声をかけた。
そして、辺りを見回すと、化物は既にいない。
ふぅー、と息をつく一同。
こうして、真夜中の怪事は幕を閉じたのだった。
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:52:35.64 ID:yPFHMBEDO
ちなみに、
フレンダ「絹旗、起きろー!」
ビシバシ相棒を叩くフレンダ。しかし、
絹旗「…えへへ、もう超食べられませんよぅ」
絹旗は相変わらず夢のなかであった。
269 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:53:22.17 ID:yPFHMBEDO
ここで、一端終わります。
では。
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 11:53:55.29 ID:08LtnAZxo
乙〜
271 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 17:32:25.87 ID:yPFHMBEDO
ちょいとだけ投下。
272 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 17:49:01.52 ID:4l78cEZAO
>>1
はちょっと頑張りすぎじゃね?
273 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 20:46:36.11 ID:yPFHMBEDO
数日後―
黒子「え〜、では第二回合同捜査会議を始めたいと思いますの」
ここは風紀委員177渋谷の一室である。
美琴「まさか、二回目もやる事になるとは…」
滝壺「まったく持って、意外だね」
麦野「まあ、袖触れ合うも多少の縁、って言うしねー」
初春「袖どころか思い切り濃密な関係になりつつありますよねー」
佐天「ってか、何で私がここに居るの!?」
浜面「まぁ、良いじゃねぇか?」
滝壺「ふぁいとだよ、るいこ」
佐天「はーい…」トホホ
274 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 21:01:39.18 ID:gL/s1ZzIO
>>273
>ここは風紀委員177渋谷の一室である。
第三新東京市からどれだけ経てばいいのさ
275 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 22:06:44.38 ID:yPFHMBEDO
訂正
渋谷→支部
276 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 22:28:09.63 ID:yPFHMBEDO
黒子「はーい、お喋りはそのくらいにして下さいまし」
美琴「そういやさー、あの絹旗って子とフレンダって子は?」
浜面「ああ、あいつらなら」
滝壺「廊下でバケツを持って立っているよ」
初春「え〜、どうしてですか?」
麦野「どうしてって、あの子達、この間、見張りをやりきれなかったでしょう?」
佐天「あ〜、それで…」
麦野「全くもう少し、しっかりして欲しいわ」ヤレヤレ
277 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 22:38:06.61 ID:yPFHMBEDO
黒子「おほんっ、それでは先日起こった事をもう一度まとめてみましょう」
佐天「え〜と、まず、私があの人達と接触したんだよね」
黒子「そう、佐天さんと浜面さんの御尽力で事は上手く運んだ、と思った矢先」
滝壺「スキルアウト達が壊滅させられたんだよね?」
佐天「そうそう!いや、すごかったな〜、あのツンツン頭の人」
黒子「まあ、それはおいといて」
美琴「無視するんかい!?」
黒子「だって、説得力がありませんもの。一人や二人ならともかく、あれだけの能力者を一人の、しかもレベル0が片付けるなんて」
初春「そうですよ、説得力ありませんよ、やっぱり」
278 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 22:44:56.43 ID:yPFHMBEDO
美琴「う〜、初春さんまでー…」
麦野「まあ、普通、あの現場を直に見ないと信じられないか」フゥ
美琴「う〜…」シュン
滝壺「そんな顔しないでみこと。そんなみことをわたしは応援している」
美琴「滝壺さん…」ジーン
黒子「あの、そろそろ…」
美琴「ああ、良いわよ。続けて」
黒子「…心無しお姉様からの扱いがぞんざいですの」クスン
279 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 22:52:19.74 ID:yPFHMBEDO
黒子「それでは気を取り直して、その後の話を」
美琴「あっ、そっか」
麦野「あんたは佐天と一緒に飛んだから、詳しく知らないんだ」
黒子「そうですの。私も、あの夜、直に見ましたものの、あまり詳しくないもので…」
美琴「確かに、現実離れしてたもんね」
麦野「そうそう、もし浜面の腕がこんな風になってなかったら、タチの悪い夢でませるもんね」
280 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 23:05:17.35 ID:yPFHMBEDO
初春「そう言えば、腕は大丈夫なんですか、浜面さん?」
浜面「いやー、大丈夫だって言いたいけれど」ポリポリ
浜面「なかなか動いてくれねーんだ、これが」
黒子「そうなんですの?」
浜面「ああ。全く、って訳ではないんだが、ほとんど動かねーんだ」
麦野「医者も不思議がってたしね」
滝壺「はまづら、かわいそう」
浜面「心配すんなって」
滝壺「でも…」
浜面「滝壺が…、そ、それに麦野も居てくれるんだし」
麦野「……ふーん」チッ
浜面「あ、あの麦野?」オロオロ
麦野「別に」
美琴「…大変ね、あいつも」
佐天「ですよねー」
281 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 23:16:09.82 ID:yPFHMBEDO
黒子「まあ、それは良いとして」
浜面「またスルー!?」
黒子「実は、この事件について、今回特別に外部の専門家からアドバイスを頂ける事になりましたの」
美琴「へー、凄いじゃない」
黒子「もうそろそろ来られてもよろしいんですが…」
初春「ちょっと、遅れているようですねー」
滝壺「道に迷ったのかな?」
佐天「まっさかー!」アハハッ
プルル…
美琴「黒子、電話よ?」
黒子「あ、ちょっと失礼…」ピッ
黒子「はい、はい、分かりましたの…」ピッ
麦野「どうしたの?」
黒子「…どうやら、その方が道に迷われたみたいなので迎えに行って来ますの」
麦野「マジでか!?」
282 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 23:21:44.09 ID:yPFHMBEDO
数分後―
黒子「ただいま戻りましたのー」
「やれやれ、道に迷ってしまってね。申し訳ない」
美琴「あーっ、あの時の!?」
麦野「何だ、知り合い?」
「知り合い、と言えばそうなるかもね」
「私は木山春実。今回は、君達のアドバイザーと言う事だ。宜しく頼む」
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 23:42:51.21 ID:yPFHMBEDO
木山「さて、早速で申し訳ないが、話に入らせてもらおう」
木山「先日の君達の事件なんだがね、これまでの事件と違う、特徴的なものなんだよ」
美琴「そうなんですか?」
木山「ああ。まず第一に事件の被害者の多さ、次に搬送された患者の症状、そして最後は、君の腕だ」
浜面「へ?俺の腕ですか?」
木山「ああ。君の腕の症状は非常に興味深い。一度じっくり調べさせて欲しいものだ」
浜面「いやぁ〜」テレテレ
麦野「へー、そんな風に言われて嬉しいんだ?」
滝壺「…そんなはまづらは、応援できない」
浜面「えっ、いや、そういうのじゃないからね!?」
美琴「…ホント、気が抜けない奴ねー」
佐天「ですねー」
284 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/27(日) 23:51:33.42 ID:yPFHMBEDO
黒子「それで、その被害者の多さとは?」
木山「ああ、実はこのような事件はこのところ多発していてね」
佐天「へ〜、そうなんだ」
木山「しかし、これほどの被害者が一度に出たのはほとんどない」
初春「…確かにそうですね」
木山「そして、次に搬送先での患者の様子なんだが」
滝壺「どうなったの?」
木山「未だ意識を取り戻さないグループと意識を取り戻したグループとに別れたんだ」
初春「本当ですか!?」
佐天「わっ、びっくりした」
初春「すみませんっ。でも、これまで意識を取り戻した例って!」
木山「…あるにはある。しかし、集団で一度に取り戻したのは今回が初めてだ」
285 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 00:07:03.33 ID:Ijb1M3HDO
木山「そして最後は、浜面君、君だ」
浜面「…この腕ですか?」
木山「ああ、これまで我々はこの症状についての情報は、ほとんどない。おそらく、我々が把握している中では最初のケースなんだよ」
麦野「他にこう言った奴は?」
木山「…事実、この症状を持っているのはこれらの事件に巻き込まれた者だけだ」
黒子「そして、事件に巻き込まれた者の大半は、未だ意識が戻らない…」
木山「…その通りだ」
286 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 00:15:07.97 ID:Ijb1M3HDO
木山「また、この症状はレベルアッパー使用者のみに現れている訳じゃない」
浜面「って、言うと?」
木山「…これを見て欲しい」ピッ
木山「これは、偶然捉えられた映像なんだが…」
初春「…あの人何やってるんですか?」
黒子「何か叫びながら、ばたついてられますが…」
滝壺「…何もないところに能力を使ったよ?」
麦野「この分だと、コイツのレベルは4クラスね」
木山「…問題は次のシーンだ」
287 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 00:20:40.09 ID:Ijb1M3HDO
佐天「な、何か凄い顔してますね」
初春「こ、このシーンだけ見てると、まるで発狂したみたいですね」
滝壺「…あれ?いきなり動かなくなったよ」
浜面「そのまま、目を見開いたまま倒れやがった…」
木山「…以上だ」
288 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 00:58:56.46 ID:B+LbJAvuo
終わり?
289 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:00:04.89 ID:NGcUtz0AO
知名度をageるためにも「age」みたらいかが?
290 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:01:33.02 ID:NGcUtz0AO
>>288
まさかの寝落ち だと思う
291 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:04:24.91 ID:Ijb1M3HDO
美琴「以上だって言われても…」
麦野「正直、意味が分からないわね…」
ふぅ、とため息をつきながら正直な感想を述べる二人。
木山「確かに、我々も意味が最初は分からなかったがね…」
そう言って、プロジェクターのスイッチを切る。
木山「だが、この少年の症状がレベルアッパー使用者のそれと同じだとしたら、どうする?」
292 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/28(月) 01:17:55.20 ID:Ijb1M3HDO
美琴「…そうなんですか?」
ああ、と木山は答える。
木山「…この少年と同様に、レベルアッパー未使用者にも使用者と同じ症状が現れている者が多数いる」
黒子「その彼らが、このような奇行に及んでいると?」
木山「…その通りだ」
麦野「…ちょっと信じられないわね」
293 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:29:15.85 ID:Ijb1M3HDO
浜面「でもよ、見ようによっちゃだけどさ」
浜面「こいつ、何かに襲われてたりするんじゃねーか?」
と、意外な意見を口にする浜面。
黒子「と、言いますと?」
浜面「ほら、俺達が襲われた奴だよ、あの変なの!!」
木山「ほう、それは興味深いね」
木山の食指が動く。
294 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/28(月) 01:44:12.39 ID:Ijb1M3HDO
浜面「あのそりゃ…」
何となく口ごもる浜面。
美琴「まあ、正直、現実離れし過ぎてる話なんですよ」
ははっ、とごまかす様に笑う美琴。
美琴「信じられます?人が生み出した化物に私達が襲われたって話」
バツが悪そうに言う美琴、であるが―
木山「正確には、『人が生み出した、AIM力場による化物』だろ?」
そう木山は静かに笑う。
295 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 01:51:27.97 ID:Ijb1M3HDO
木山「―何もそいつに襲われたのは、君達が最初じゃない。既に、幾つかの目撃情報もある」
初春「そ、そうなんですか…」
木山の台詞に思わず息を呑む一同。
木山「『ケルベロス』と、私は便宜上呼んでいる。最も、逃げおおせた人間は片手に余るがね…」
296 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/28(月) 01:57:50.93 ID:Ijb1M3HDO
木山「その『ケルベロス』は、決まってレベル3以上の能力者に目撃されている」
麦野「―目撃者は?」
木山「決まっているだろ?」
木山はくしゃっ、と髪を上げ、
木山「食われてるよ、大概」
くくっ、と不気味に笑った。
297 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 02:07:11.25 ID:Ijb1M3HDO
木山「ただ、その『ケルベロス』を映像で捉えた事は未だにない」
美琴「でも、存在はしてる、と?」
木山「ああ、その通りだ」
初春「そして、高位能力者達を襲ってる…?」
まるで、三流のホラーのような話だ。
298 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 02:15:42.73 ID:Ijb1M3HDO
佐天「じゃ、じゃあ、一連の事件も、コイツが引き起こしてるんですか?」
木山「そうだ、と言いたいところだがね。そうとばかりも言えないんだ」
木山「…正直、誰がレベルアッパーを流し、何の意図でケルベロスを生み出してるのか、皆目、検討がつかない」
麦野「それに、そいつらにやられた人間の治療法も分からない、か」
木山「…その通りだ」
299 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 02:22:07.88 ID:Ijb1M3HDO
初春「それに、何故今回だけ、一度に意識を取り直したのか、もですか?」
木山「ああ。当事者なら何か心辺りがあるかと思ってね…」
美琴「残念だけど…」
バツが悪そうに言う美琴。
木山「いや、気にしなくて良い。これは、私達の仕事だからね…」
300 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 02:26:17.03 ID:Ijb1M3HDO
木山「それと、浜面君。君は後で来てくれるかな?その腕の事で話があるんだ」
滝壺「……」
麦野「……」
木山「そちらの二人も一緒に来てもらえると嬉しいのだが?」
浜面「は、はいっ」
良かった、と胸をなで下ろす浜面。
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 02:34:14.77 ID:Ijb1M3HDO
木山「それじゃ、今日は邪魔をしてしまったね…。そろそろお暇間するよ」
黒子「いえ、こちらこそ」
木山「それと、ここに居るみんなは高位能力者が多いようだ。奴には気をつけた方が良い」
そして、最後に気になる一言を残し、去っていった。
木山「御坂君、君の妹さんにも宜しくね」
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/02/28(月) 02:36:15.22 ID:Ijb1M3HDO
今日は終わります。低クオリティの上、文体が定まらずにすみません…。
なんとか精進していきたいと思います。
では、おやすみなさい。
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 02:37:36.17 ID:Uq78v7p6o
乙
すげえ気になる引きだな…
304 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 06:28:37.84 ID:WliHMycWo
乙〜
このまえもチラッと妹達について出てたけどどうなってるんだ?
続き待ってます!
305 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 08:06:57.03 ID:NGcUtz0AO
やばい この
>>1
できるぞ…!
超乙 さて浜面はどうなるんだ…
306 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 11:27:22.07 ID:oFgRXjZj0
木山センセー、場合によってかなり黒いな〜
妹さんの世話になったとかさりげなく…
307 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 11:48:24.75 ID:71yD8d8g0
アイテムと超電磁砲連中がどっちも暗部に所属してないのは案外あるようでないんだよな
そういう意味でも非常に期待してる
308 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 23:33:37.16 ID:Ijb1M3HDO
レスありがとうございます。
ちょっとだけ投下します。
309 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 23:46:59.17 ID:Ijb1M3HDO
日が暮れた。
学生達の姿もまばらになってきたと言うのに、美琴はまだ寮に帰ろうとはしていない。
…ここ数日で随分世界が変わったと、彼女は感じていた。
あのツンツン頭との出会い、そして、つい最近ではケルベロスとあの科学者が名付けた化物との戦いまで。
色々な事が一度に起こった。全く、学園都市の治安はどうなっていますの、と黒子が愚痴をこぼす光景をふと思い出し苦笑する。
全く、自分もあんな化物達と出会うなんて、少し前までは考えもしなかった。
でも、そのおかげで、また愉快な連中と知り合えたのだから、良しとしよう。
310 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/02/28(月) 23:56:09.83 ID:Ijb1M3HDO
そんな事を思いながら、プラプラと夜になる街を足の赴くくままに楽しむ美琴。
そして、辿り着いたのは人気の無いビルの建築現場。
美琴「…もう、良いんじゃない?」
足を止め、背を向けたまま、ゆっくりと告げる。
美琴「あんた、随分前から私の事、付けてたでしょ?」
やんわりと、しかし相手を挑発するような口調。
美琴「…隠れてないで出てきたらどう?せっかく、あんたに付き合ってあげようってのに」
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:04:41.94 ID:Gl8ASAPDO
美琴の言葉のせいだろうか、それともこれ以上の尾行は無意味と感じたのだろうか、影の中から、スッと現れた一枚の影。
美琴「へぇ、ようやく姿を見せてくれたんだ」
ニッ、と笑い、影に語りかける美琴。
わざわざ誘いに乗った甲斐があったとほくそえむ。
美琴「さて、私に何のようかしら、ストーカーさん?」
312 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:11:16.60 ID:Gl8ASAPDO
姿を見せた影。せの姿は頭から足の先まで黒づくめであり、一度暗がりに溶ければ、目ではその姿を追う事は難しいだろう。
それに、頭に被ったフードのせいで、その表情をここから伺い知る事は出来ない。
だが、背格好は分かる。自分とさほど変わらない体格。恐らく、同年代の少女だろう。
313 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:18:39.48 ID:Gl8ASAPDO
「―を開始します」
黒い衣装を身に纏った少女が、ボソボソと美琴の耳に届かないような声で呟く。
美琴「え、なんて言ったの?」
美琴が聞き直した瞬間、今度は彼女の耳にはっきり聞こえる声で、黒ずくめの少女が言った。
「―実験を開始します」
少女の呟きと共に、超能力の力の源泉であるAIM干渉力場が解放されたー
314 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:31:20.12 ID:Gl8ASAPDO
一方、ここは木山の研究室―
あまり広くもなくさっぱりとした部屋に、部屋の主である木山と彼女に誘われた浜面がいた。
…いや、二人だけではない。若い女性と二人一緒だと何をするか分からない、とくっついてきた麦野と滝壺もいる。
木山「…それじゃ、これはどうかな?」
艶っぽい声で訪ねる木山。浜面の右腕にしっとりとした感触が伝わる。
…いや、残念ながら伝わってはいない。
浜面の右腕は感覚を失ったままなのだ。
315 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:43:12.21 ID:Gl8ASAPDO
浜面の視界を遮る薄いカーテンの向こうで、自分の右腕に何がなされているのか、全く分からない。
いや、あの声のトーンだ。きっと、素敵な事が行われているに違いない。
そう思うと、浜面のもう一人の自分が元気になってきて、たまらない。
更に、
麦野「これはどうかにゃ〜ん?」
あの麦野の鼻にかかった甘い鳴き声。子猫のようないたずらっぽい口調が浜面のリビドーを直撃する。
おまけに、
滝壺「これは、どう?」
んしょんしょと、懸命に奉仕する滝壺の声。
三人の美女が自分の右腕に奉仕していると思うと―
浜面「うるああああ!!?」
我慢できすに禁断のカーテンを開いてしまうのだった。
すると―
316 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:49:45.14 ID:Gl8ASAPDO
浜面「…なにやってやがんだああああ!!!?」
声が裏返る程に絶叫する浜面。
そこで、彼が見たものとは―
自分の腕に刻まれた、『スキ』の二文字。
更にハート型に淵取られた文様。
これらが彼女達の愛で刻まれたのならどんなに嬉しかっただろう。
だが、彼の右腕にその愛を刻んでいたのは、待ち針であった。
317 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:52:35.82 ID:9YmTj59DO
KOEEEEE!
318 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 00:58:02.37 ID:zKDgu8i5o
こえええええええええ
319 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 01:02:01.64 ID:Gl8ASAPDO
浜面「いでええええ!?」
腕に刺さった針を慌てて引き抜く。すると、
浜面「ぎゃあああ!!?」
腕から大量出血。
浜面「うぎゃああああ!!?」
チリ取りローラーの如く愉快にころげ回る浜面。
麦野「別に痛くないでしょう?」
至って冷静な麦野の声。
浜面「いや、実際痛くなくても、心と目から痛みが伝わってくるんだよおおおお!!?」
…今回は、人間ローラーと化した浜面に同情したい。
320 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 01:09:18.94 ID:Gl8ASAPDO
浜面「しかも、よく見りゃ、ところどころ焦げてるしいいいい!!?」
木山「ああ、すまない。それは私だ」
しらっ、と言う木山。
浜面「だから、何でだあああ!!?」
最もな抗議の浜面である。
女性三人に奉仕されていたと思っていたら、実は虐待だった。
…この事実に、浜面の心にはマリアナ海溝より深い傷が刻まれたのは言うまでもない。
321 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 01:17:42.68 ID:Gl8ASAPDO
麦野「いや、何でもしていいって言うからさ」
あははっと笑う麦野。
浜面「だからって、待ち針でハートを刻まないで!?」
木山から腕の手当てを受けながら嘆く浜面。
浜面「…ん?ハート?」
と、浜面が肝心なところに気がつくと、
バシューン!
麦野「はーい、余計な詮索はしなーい」
浜面「だったら、やる前に言って!?」
原子崩しによる盛大な照れ隠しであった。
322 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 01:26:12.73 ID:Gl8ASAPDO
木山「しかし、あれだけされても微塵も気づいかないとわね」
呆れた様に言う木山。
浜面「でも、それは人の腕を焙った人間の台詞じゃないよね!?」
もっともである。
木山「いや、でも検査上では全く異常がないのだよ。実際、ここまでの麻痺だとは思わなくてね」
平然と言う木山。やはり、彼女も立派なマッドサイエンティストであった。
滝壺「かわいそうなはまづら」
…さすがの浜面も、今の滝壺は応援出来なかった。
323 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 01:39:35.00 ID:Gl8ASAPDO
木山「君の症状は大体分かった。協力してくれてありがとう」
浜面「…と言うと?」
木山「これで検査は終了だ」
彼女の実験から解放されて、へにゃへにゃと椅子に座る浜面。その顔に笑顔はない。
木山「…どうした?」
麦野「いや、随分と簡単にやめるんだなって」
浜面「いや、全然簡単じゃねーし!?」
浜面の抗議を無視して言葉を繋げる。
木山「…彼の負担も大きいし、それにやる事が多いものでね」
ふーん、と言うと麦野はそれ以上は口を挟まなかった。
324 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 01:47:20.55 ID:Gl8ASAPDO
フレンダ「たっだいまー!ジュース買って来たわよー」
バーン、とドアを開けて入ってくるフレンダ。そして、
絹旗「あれ、もう終わっちゃったんですか?せっかく浜面を超いたぶる機会だったのに」
…この二人に買い物行かして正解だったと、心から思う浜面である。
325 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 01:55:03.22 ID:Gl8ASAPDO
絹旗「そういや、御坂さんって今日は来てるんですか?」
とみんなに訪ねるが一様に首を横にふる。
絹旗「変ですね。超良く似た人を見かけたんですが」
フレンダ「結局、絹旗の見間違えだったって訳よ」
あはは、っとフレンダが笑う。
絹旗「むきー、超黙りやがれーっ」
ぶんぶん窒素パンチを振り回す絹旗。
フレンダ「いやーん、こわーい」
ささっ、と麦野の後ろに隠れるフレンダ。
麦野「ほらほら、遊ばないの」
お姉さんらしく、二人をたしなめる麦野。
326 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 02:00:59.59 ID:Gl8ASAPDO
木山「恐らく、それは彼女の妹さんだよ」
意外なところからの絹旗への助け船である。
木山「彼女の妹さんは時々ここに来てるんだよ」
絹旗「ほら、超見間違えじゃありませんよ」
ふふん、とフレンダに対して勝ち誇る絹旗。
それに対して言い返したフレンダと、またぎゃあぎゃあ騒ぎだす。
その様子を木山は微笑ましげに眺めている。
本当に自然な笑顔だった。
327 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 02:06:55.31 ID:Gl8ASAPDO
今日は終わります。
相変わらず誤字脱字だらけですいません…。
それと、木山先生ですが、かなり重要な人になってます。また、妹達も…。
それでは、おやすみなさい。
328 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 02:15:12.32 ID:gagpqrrQo
乙です
続き待ってます!
329 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/01(火) 02:22:49.48 ID:zKDgu8i5o
また気になるところで…!
330 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/02(水) 10:46:20.51 ID:cgqUCgDAO
まだか
331 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 23:05:38.08 ID:UhFNvabDO
読んでくれている人に感謝な
>>1
です。ぽちぽち投下していきます。
332 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/02(水) 23:21:47.59 ID:UhFNvabDO
美琴「私相手に実験だなんて、随分大きくでるじゃない?」
フフン、と鼻で笑いながら自身の能力を展開する。彼女が放射する磁場が空気を震動させる。
美琴「良いわよ、そのケンカ、買ってあげるわ。でも―」
能力を一点に集中させ、
美琴「ヤケドの一つや二つは覚悟なさい!!」
振り向きざまに対峙する少女に向かい打ち放つ!しかし、
美琴「かわされた!?」
美琴の放った電撃をかいくぐり、一気に懐へと飛び込んでくる。
そして、大きなモーションのパンチを仕掛けてくる!
333 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 23:32:59.23 ID:UhFNvabDO
美琴「くっ」
自身の電撃をかわされ、無防備な体に不意の一撃が振りかかる。
とっさに後ろに飛び、両腕で受け止める。
バシッ、という衝撃音。受けた腕が、痺れる。
更に少女が、たたみかける為に、鋭く踏みこんでくる。
美琴「っ、―この」
それを見た美琴が、
美琴「調子に乗るな!!」
体勢が不十分なまま迎え撃つ!!
334 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/02(水) 23:51:12.51 ID:UhFNvabDO
彼女が生み出した電撃の槍が、飛び込んできた少女の体を打ち抜く。
だが、寸前でその槍を少女は受け止める。
フードを被った少女は、目には見えない楯で電撃を受け止める。
チッ、と舌を鳴らす美琴。
風使いか、それとも、念動力?
動き回りながら考えると共に、目の前に転がるボルトを少女に向けて発射する。
いずれにしても、コイツへの対応でその能力が分かる筈だ。
335 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 00:08:00.97 ID:map7SUWDO
勢いよく放たれたボルトを不可視の力で弾く少女。
やはり念動力使いか。美琴はにわかに確信する。
だが―
美琴「何っ!?」
美琴が驚愕する。少女が放った次の手は、燃え盛る火の玉を打ち出す事だったのだ。
出力はさほどでもない。しかし、火炎が周囲に巻き上たのは爆煙。
モウモウと吹きあげられた粉塵が美琴の視界を奪う。
そして少女は、自身最強の武器である電撃の槍を美琴に向け、放った。
336 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 00:20:28.64 ID:map7SUWDO
だが、次は少女が驚かされる番だ。
少女が放った電撃を飲み込みもろともに、爆煙の中から放たれた雷が少女の腕をかすめる。
かすめた腕の自由が効かない。先ほどの一撃は、かすめただけで少女の右腕を奪っていったのだ。
美琴「残念だけど、これまでね」
周囲が晴れた。そして、同時に学園都市のレベル5は敢然と少女に向け、言い放った。
337 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 00:33:15.11 ID:map7SUWDO
美琴「全く、多重能力者だとはね」
美琴は腰に手を当てたまま、呆れ返って呟く。
理論上、不可能な多重能力。それをやってのける人間が目の前におり、あまつさえ、襲いかかってきたのだから。
美琴「運がいいんだか悪いんだか…」
ぽりぽり頭を掻きながら愚痴る美琴。最近、こんなのばっかりだ。
338 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 00:42:57.61 ID:map7SUWDO
美琴「それじゃ、ちょっとついてきて貰おうかしら?」
美琴はまだ腕が痺れたままの少女に促す。
最早、勝負は決した。彼女が多重能力者であろうと、最大能力はレベル4程度。学園都市最強の一人の自分に相対しと勝てる筈はない。その事は先の一撃で身に染みただろう。
美琴「そんじゃ、行くわよ」
再び少女に声をかける美琴。しかし、相変わらず返事はない。
美琴「あのねぇー…」
はー、と息をつく美琴。負けず嫌いなのか、物分かりが悪いのか、中々こちらに従ってくれない。
339 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 00:54:35.68 ID:map7SUWDO
しかし、美琴は気付く。彼女は負けず嫌いでもなければ物分かりが悪い訳でもない。冷静に自分の状況を把握している。それでいて、美琴の指示に従ってないのだ。
それに気付いた美琴が一気に少女に対し緊張を増やしていく。
美琴「あんた、何を―!?」
少女は美琴の耳には聞こえないが、まるで誰かに報告する様に口を動かしている。
美琴「やめなさい!さもないと―」
美琴が言い終える前だった。少女は何でもない様に向き直ると、美琴に向けて今度は、はっきり聞こえる声で言い放った。
「第834次実験は終了致しました。引き続き、第835 次実験を開始します」
340 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:04:09.42 ID:map7SUWDO
彼女の台詞が終わる。それと同時だろう。少女の体から、靄の様なものが立ち昇る。
美琴「、―これは」
美琴は息を飲んだ。この光景を見たのは初めてではない。そう、あの化物が現れた時と一緒の―
美琴は無意識に唾をゴクリ、と飲みこんだ。
「それでは、実験を開始します」
少女は相変わらず抑揚のない無感情な声で、そう宣告した。
341 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:18:47.06 ID:map7SUWDO
少女が出現させた怪物―木山春実はケルベロスと呼んだ―、そいつはまるで、目の前の少女を威嚇する様に吠える。
頭に不愉快な音が響く。実際は、音などは発していない。代わりに、歪んだ力場のズレが能力者に干渉しているのだ。
その音に、反射的に耳を塞ぐ美琴。本能的な動作に一瞬、迫る脅威に対する反応が鈍る。
美琴「きゃ」
小さい悲鳴と同時に、発生させた磁力で体を移動させる。まるで、スケートの様に、地面を滑る。
342 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:23:51.41 ID:7vVjMoYao
春実じゃなくて春生だろ
という突っ込みは野暮かな?
343 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:30:13.93 ID:map7SUWDO
尚も迫る化物に、高威力の電撃を見舞う。以前の化物ならばこれで四散したが―
不快な悲鳴を上げながら怪物がのけぞる。流石に効かないと言う訳ではない。しかし、前の怪物ならこれで倒す事が出来た。
サイズも姿も強さも、何もかもがまるで違う未知の怪物だ。
強敵ね、と口のなかで呟く。簡単には倒せない。
美琴「だったら、本体はどう!?」
鋭く直進する電撃を、少女に放つ。
344 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:33:38.83 ID:map7SUWDO
>>342
さん。御指摘ありがとうございます。
訂正
春実→春生
345 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:45:44.09 ID:map7SUWDO
美琴の放つ電撃が今度こそ少女を襲う。避けられない直撃コース。
だが、怪物が二人の間に割って入る。主人を守る忠実な僕が、身を呈して主を護る。
くそっ、と舌を鳴らす。規格外の動きをする。元々、実体ではない存在らしい。障害物など考えず真っ直ぐに主人のそばに駆けつけられるのだ。
不快な悲鳴を巻き、傷つきながらも主人を守るケルベロス。
まずは、こいつから何とかしないと―
美琴は、地面をリンクにしながら思考を巡らした。
346 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 01:56:05.62 ID:map7SUWDO
と、突然ガクンとスピードが落ちる。思わず前につんのめる。
美琴「なっ!?」
美琴は自分の目を疑った。地面がドロドロに溶けて靴にへばりついている。
ゴムの様に粘り、身動きが取れない。見れば、地面に手を付けている少女。
まさか、これも彼女が―?
その思考の一瞬、怪物が美琴に襲いかかる。
347 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:04:07.05 ID:map7SUWDO
美琴がへばり着いた靴を脱ぎ捨てる数瞬だけ反応が遅れた。
美琴「―つっ!」
わずかに怪物の爪が足をかする。
実体の無い爪。血も流れず痛みさえもない。そのまま、地面に着地しようとする。
が―
美琴「あつっ!?」
上手く足が着かす、転がってしまう。
違う。足がつかなかったのではない。足が動かないのだ。
348 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:19:59.08 ID:map7SUWDO
片足とはいえ、自由を失った美琴に覆い被さる様に怪物が襲いかかる。
美琴「舐めんな!?」
美琴が立て続けに化物の六本の手足をなぎ払い、無数の触手を焼き払う。
化物の手を、足を、肩を、腹を打ち抜き、遂には顔面すらも焼き抜く。怪物が悲壮な鳴き声と共にたたらを踏んで後退する。
やった―
美琴は、密かにほくそ笑んだ。
しかし、
美琴「…ヤバい、」
怪物は美琴の四肢の自由を奪っていた。
349 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:32:24.25 ID:map7SUWDO
どうする、と考えを張り巡らせる。このままだと―
彼女の懸念よりも、相手の方が早い。
怪物が巨体を踊らせて美琴の小さい体に飛びかかる。
ヤバいヤバいヤバい。
何もできない。
美琴は覚悟しか決める事が出来ない。
巨体が宙を舞った直後、彼女の視界は暗転した。
350 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:41:10.93 ID:map7SUWDO
美琴は恐る恐る目を開く。
…あれ、大丈夫?、っと我ながら間抜けな声。
そして、目の前には良く知る男の姿。
「大丈夫か、ビリビリ!?」
美琴「だから、ビリビリって言うなー!?」
美琴はいつもの調子で、ソイツに返してやった。
351 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:44:32.62 ID:map7SUWDO
今日はここまでです。
全然話が進んでない…。
おまけに、ありきたり…。
こんなものでも何とか応援していただけたら、と願っています。
それでは、おやすみなさい。
352 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:45:42.88 ID:g3cGioGfo
上条さんかっけえ…
353 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 02:50:11.92 ID:5u6KFk9mo
乙!
続き楽しみに待ってます
354 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 11:56:36.31 ID:fjN4+em5o
乙!
相変わらず面白いな
355 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 11:59:04.94 ID:ehbBRxD9o
流石ヒーロー、ピンチになるまで待機していたと言われても不自然じゃないほどに。
356 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 13:25:34.17 ID:lr+1L/vSO
上条さンまじヒーロー
357 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/03(木) 15:24:34.88 ID:IMIBD9QAO
もっとスレ条さんが見たい
358 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 17:01:23.77 ID:qZmW/Smb0
正直、幻想御手編と妹達編をここまでアレンジするって半端ないっす……
てか上条さんと中の人、空気読みすぎてかっこよすぎるんですがww
359 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 22:17:54.12 ID:wkasxVXoo
>>355
柱の影に隠れてる上条さん想像してワロタ
360 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:07:00.02 ID:map7SUWDO
レスありがとうございます。
>>1
です。
それでは投下していきます。
361 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/03(木) 23:14:16.60 ID:map7SUWDO
怪物の前に立ちはだかった少年の一撃が、怪物の巨体をすんでのところで打ち滅ぼす。
「…また、あなたですか」
少女が口調を変えず、しかしいまいましげに吐き捨てる。
「毎度、ご苦労様と言いたいところですが、何時から待ってたんですか、と当たり前の疑問を口にします」
362 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/03(木) 23:20:37.56 ID:XgQ59L6DO
>>359
グァミジョーザン!ナゼェミデルンディス!
363 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:26:08.74 ID:map7SUWDO
「いや、特に待ってなかったけど!?」
ツンツン頭の少年―上条当麻はあっさりと言い切る。
「ほう、ならばあのタイミングで良く出て来られたものです。どっかの物陰で出番を待ちわびるズラ野郎並ですね、とあなたのヒーロー病には正直ドン引きです」
上条「何だよ、ヒーロー病って!?」
「とっくに気付いているのに、自分の活躍の為には他人がピンチになるまでわざわざ待っているあれですよ、とあなたの心の中を代弁します」
364 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:31:09.87 ID:map7SUWDO
上条「何で上条さんが一々他人のピンチをわざわざ待ってから登場するんでしょうか!?」
「だって、そうでもないとあのタイミングはおかしいでしょうと、率直な意見を述べます」
最もな少女の意見に、
美琴「…アンタ」
先ほどの感激も何処へやら、美琴が冷めた視線で上条を見る。
365 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:42:30.74 ID:map7SUWDO
上条「待て、ビリビリ。惑わされんな。俺はお前がピンチになるまでなんか待ってないぞ!?」
美琴「どうだか」
ハッ、と冷めた口調で吐き捨てる美琴。
上条「大体、俺がこんな事する為に待機してる筈がないだろうが!?そんな暇があったらあいつの後ろから得物で殴っとるわ!!」
隙のある相手には平気で闇打ち。これが上条当麻の信条である。
366 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:50:05.47 ID:ylH624dAO
>>358
未読の俺にどうアレンジしてるのかをさらりと教えてくれ。その部分だけ知りたい
367 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/03(木) 23:52:33.65 ID:map7SUWDO
「確かに、あなたらしい行動ではありませんね」
少女は腰に手をやり、
「どうせ、こっちを追ってたら偶々この場面に出くわしたのだろうと、推測します」
隠してある銃を構えると、何の躊躇いもなくトリガーを引く。
45口径が火を吹いた。
368 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 00:04:28.69 ID:FxICnBwDO
上条「おわわわわ!?」
すっとんきょうな声を上げながら転げまわる上条。ヒーローとして颯爽と登場したのに、これはない。
上条「待て待て待って下さい、丸腰の相手にいきなりそれはないんじゃありません!?」
「いえ、現実はこんなものですよ、と世間の厳しさを甘ちゃんに教えてやります」
彼女は幾分楽しげにピストルから弾丸をばら蒔き続ける。
上条「ひょおお!?」
文字通り手も足も出ず、頭を屈めながらひたすら弾を避け続けるだけの上条だった。
369 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 00:15:32.25 ID:FxICnBwDO
カチリ。
少女の銃が空を切る。弾薬が尽きたのだ。
彼女は右手をポケットに突っ込むと、丸い何かを上条に投げつける。
カッ、と光が溢れる。
彼女は自分が放った閃光弾の光に紛れて銃からマガジンを抜く。
そして手元も見ずにマガジンを交換した。
が―
「あんた、私の事を無視し過ぎてない?」
交換したマガジンが上手く装填されていない。これでは銃が使えない。
彼女の思考は残念ながら、そこまでは行きつかなかった。
370 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 00:25:08.11 ID:FxICnBwDO
自分に投げつけられた閃光弾。
その猛烈な光を潜って、上条当麻は前に出た。
これは賭けだった。
もし 、彼女があらゆる犠牲を伴わず、自分を仕留めに来ていたのなら終りだ。
しかし、彼女は寸前に後ろに飛びマガジンを抜いた。弾薬を装填するための時間稼ぎなら―
その可能性に賭け、彼は飛び込んだ。
そして、少女が反射的に展開した電磁の障壁もろとも、その意識を打ち抜いた。
371 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 00:37:36.33 ID:FxICnBwDO
上条の凶器―その右手が少女の顔に躊躇いなく叩きつけられる。
ガアン、と言う鈍い衝撃音が辺りに響く。
少女の体が地面に打ちつけられると同時に上条は後を追う。
そして、彼女の意識の有無に関係なく、そのほっそりとした体の中心を躊躇いなく、踏み抜いた。
ゴリッ、という確かな感触。
容赦ない一撃に、少女の意識はひとたまりもなく失われた。
372 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 00:46:02.46 ID:FxICnBwDO
上条「やれやれ…」
上条はパンパンと埃を払い、部屋掃除でも終わったように佇む。
そして美琴の方に向くと、
上条「助かったよ、ビリビリ。上条さんだけでしたら危ないところでしたよ?」
買い物でも手伝わせた気軽さで声をかける。
そんな彼のたたずまいに、美琴は思わず息を飲んだ。
373 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 01:00:48.52 ID:FxICnBwDO
命掛けの戦いにだというのに、コイツはあんな風に相手と掛け合い、戦いが終わった直後だというのに、もうこんなに落ち着いている。
相手は仮にもレベル4。しかし、あまりにも違う戦力差をもろともせずに打ち破ってのける。
他とは何か違う、レベル5の自分でさえ圧倒的と感じられる力。
そんな畏怖すらも超える感覚を持っても良い筈なのに、
上条「?どうした、ビリビリ」
美琴「だから、ビリビリって言うな!!」
こんな風に口を聞いてしまうのは何でなのか、いまいち自分でも分からなかった。
374 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 01:16:32.22 ID:FxICnBwDO
美琴「そ、そんな事より、そいつのツラよ!フードで何か隠してからに!?」
美琴は、思わず話題を変え、未だピクピクと痙攣している少女を指す。
美琴「今からその生意気なツラを拝んでやろうじゃない!!」
ふんっ、鼻をならしてそう言い切ると、まだ四肢が回復しない美琴は、少女の体を磁場を使ってスルスルッと引き寄せる。
上条「おい、よせ!?」
上条が意外な大声で制止する。
しかし、今の美琴はそんな事は特に気にしない。
美琴「さてと、ちゃんとそのツラ見せやがれ!」
美琴は何のてらいもなく、勢いまかせに彼女のフードを剥いだ。
375 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 01:25:02.85 ID:FxICnBwDO
勢いよく剥がれたフードから覗いた顔。
それを見て思わず絶句した。
美琴「何よ、これ」
よく見知った顔だった。
いや、知っているどころではない。毎日合わせている顔だ。
美琴「何で、どうして!?」
知らずに声が大きくなる。
それは、自分と同じ顔だったから―
376 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 01:32:40.84 ID:FxICnBwDO
ハァッ、ハァッ
息が大きくなってくる。
上条「おい、しっかりしろ!!」
頭がガンガンする。
何なの、一体?
頭の中の混乱が収まらない。
ふと、上条が辺りを見回す。
何かを警戒している?
美琴は痛む頭を押さえながら、周囲に気を巡らせる。
377 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 01:45:57.12 ID:FxICnBwDO
声がする。
「―検体番号9982号の回収に参りました、とミサカは業務的に通告します」
やめて。
上条「テメェら…」
目の前に転がるこいつと同じ声。
その声をした、フードを被った奴らが、4、5人 。こっちを囲む様に立っている。
378 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 01:58:16.97 ID:FxICnBwDO
「あなたは、またしても回収を阻止するつもりですか?とミサカは問いかけます 」
「その様な事をしても無駄であることは分かっているのにと、ミサカは疑問を呈してます」
「それに、あなた一人ならともかく、今のお姉様と一緒に戦うつもりなのかと、ミサカはその無謀さを指摘します」
やめてやめてやめて。
「警備員も迫っています、とミサカはこれ以上の交渉の余地がないことを通告します」
―あたまがいたい。
379 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 02:05:39.05 ID:FxICnBwDO
分かったよ、と上条が歯ぎしりする。
それでは、とフードの少女達が美琴と同じ顔を持つ少女を担ぎ上げる。
少女の一人が上条に何か呟くと、そのまま闇に消える。
サイレンの音が近い。ようやく警備員のお出ましだ。
しかし、美琴はひとつ大きく揺れると、
上条「おい、みさ―」
その声を聞き終える前に、気を失った。
380 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 02:08:09.05 ID:FxICnBwDO
今日はここで終わりです。
ようやく妹達が登場しましたが、相変わらず話が進まない…。
何とか、先に進めるように頑張りたいと思います。
それでは、おやすみなさい。
381 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 02:09:05.91 ID:KCMYsFRxo
乙!
続きが気になる…
382 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 02:15:38.45 ID:V7+4V0pPo
乙
俺の9982号が……
上条さん知ってたんだなあ
どこで知ったんだろ
383 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 02:41:52.66 ID:Vzz/WINAO
乙
気になる引きだ…
384 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 02:55:56.43 ID:Ujnp2i7e0
>>366
幻想御手の時は、それを使った小物?能力者、所謂小ボスばかりとやり合って、
最後に大ボスと幻想猛獣っつーラスボス(このスレで出てくるお化けのもの凄いやつ)と戦う。
勿論アイテムは設定からして違う。
妹達の時は、この少女たちは、学園都市第一位をLv6に昇華させるために行われた、戦闘経験提供の為の撃破標的として第一位に殺されまくり、半分逝ったとこで上条さんが第一位をそげぶ&妹達を救出した。 こんなもんでいいかな……
385 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 02:58:01.58 ID:Ujnp2i7e0
言い忘れてた。乙乙乙!!
上条さんと妹達の最初の遭遇はどんなものだったんだろう。
ここでは対立してるみたいだし、
美琴のリアクションともども事態の推移を見守りたい
386 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/04(金) 15:20:53.67 ID:tioR01ERo
アレンジというより世界観とキャラクターを流用した別の話だよな・・・
まぁ、楽しく読んでる。
387 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 01:23:00.55 ID:nKmcA5QDO
レスありがとうございます。
ちょびっとだけ投下します。
388 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/05(土) 01:46:02.35 ID:nKmcA5QDO
絹旗「ふああ〜、暇ですねぇ。超退屈です」
風紀委員の少女が気だるそうに体を伸ばしている。
フレンダ「何せやることがないもんねー」
年頃の娘とは思えないような欠伸のフレンダ。
美琴「まあ、平和が一番じゃない?」
二人を慰めるように言う美琴。
滝壺「南南東から電波が来てる…」
相変わらずの滝壺。
今現在、彼女達はどうしようもなく暇であった。
389 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 01:53:19.17 ID:nKmcA5QDO
佐天「他のみんなは忙しそうだしねー」
その通りである。
まるで進展まないレベルアッパー事件。
この間起きたビル現場爆発事件と、とにかく風紀委員は多忙であった。たのだが。
絹旗「何で私達は暇なんでしょうか?」
分かりきった疑問を口にする絹旗。
暇で暇でしょうがない。ので、寂しがり屋の彼女は他の退屈そうなメンバーを誘ってお茶をする。
390 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:04:22.93 ID:nKmcA5QDO
日の光をさんさんと浴びながら、こうしてお茶をしている訳だ。
佐天「まあまあ、こうしてのんびりするのも良いじゃない。ね、御坂さん?」
御坂「えっ?」
話を急に振られて驚く美琴。
滝壺「何か、近頃ずっと、ぼーっとしてるね?」
何かあったの、と心配そうな滝壺。
美琴「い、いや、特には…」
もごもごと歯切れが悪い。
フレンダ「まあ、心配ないんじゃない?」
からからと、笑うフレンダ。
391 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:16:53.87 ID:nKmcA5QDO
絹旗「そうですよねぇ。最近ずっとあのツンツン頭と一緒ですもんねぇ」
やれやれと、肩をすくめる絹旗。
フレンダ「あーあ、結局学園都市トップのレベル5っても、只の恋する少女な訳よ」
ふぅ、とため息のフレンダ。
滝壺「大丈夫。そんな、あまりおすすめできない狂犬とつきあうみことをわたしは応援している」
ぐっ、と指を立てて応援する滝壺。
美琴「だーかーら、そんなのじゃないんだってば!!」
顔を赤くして反論する美琴だが、
フレンダ「そういや、此処に来るまでもべったりだったもんねー」
にしし、と笑うフレンダ。
392 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:24:08.86 ID:nKmcA5QDO
確かに、あの事件の後、上条は美琴のそばによくいる。
美琴にとって衝撃的であったあの事件。
しかし、世間では只の事故として処理された。
周りからこっ酷く怒られたものの、事件の真相には誰も触れようとはしない。
せいぜい、学生のビル立ち入りについて、注意を厳しくしただけだ。
あまりにも現実離れした事件だった。ややもすると、彼女自身夢だったと思ってしまう。
393 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:28:30.80 ID:nKmcA5QDO
しかし、上条はあの後から美琴によくついている。
自分を守ってくれているのだろうか?
そう感じると共に、
監視されている。
その様にも感じられた。
何の為に私を監視するのだろうか?
考えれば考えるほど、悩んでしまうのだ。
394 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:34:29.52 ID:nKmcA5QDO
絹旗「むむ、そのため息はまた彼の事を考えてますねー」
超乙女ですね、と囃したてる絹旗に、
美琴「そ、そんな事ないってば!?」
、と幾ら口先で言っても、
滝壺「そんなに顔をあかくしちゃ、意味ないよ?」
美琴「あうう〜」
滝壺に優しく諭される美琴。ぷしゅーっ、と頭から湯気が出そうな感じだ。
395 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:41:05.53 ID:nKmcA5QDO
フレンダ「そーそー、あんだけ毎日一緒に居たら、恋人に間違われて仕方ないって訳よ?」
美琴「こ、恋人!?」
そのフレンダの禁断の一言に、
美琴「ふにゃー」
顔を真っ赤にして伏せてしまう。
くるくると色々な事が頭を回り、
美琴「…ちょっとトイレ」
と、立ち上がってふらふらと歩いて行く。
絹旗「超可愛いですねぇ」
超上から目線の絹旗であった。
396 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:49:12.55 ID:nKmcA5QDO
佐天「そういや、最近浜面さんと麦野さんも一緒ですもんね」
佐天がジュースをズズーっとすすりながら、何気なく言った。のだが…。
ビシィッ!
誰かのコップが割れた。
佐天「えーっと、滝壺、さん?」
恐る恐る聞く佐天。
滝壺「なに、るいこ?」
握り潰したコップが痛い。手を血まみれにしながら言う滝壺。
397 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 02:58:38.77 ID:nKmcA5QDO
佐天「え〜と、私はその、お仕事で一緒にいるという意味であって…」
もしょもしょと、誰のためか、言い訳がましく言う佐天。
絹旗「そ、そうですよね。お仕事だからに超決まってますよね」
ぶるぶる震えながら言う絹旗。しかし、幾ら何でもコップの中身を超こぼし過ぎだ。
フレンダ「そうそう、私は麦野のが心配なわけであって、浜面何か気にしてないって、誰に言い訳してるんだ私ーィ!!」
言ってからブンブン頭を振るフレンダ。本当、誰に言い訳してるか分からない。
398 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 03:14:38.27 ID:nKmcA5QDO
そして最後に
滝壺「大丈夫。わたしはそんなむぎのとはまづらを信頼して、…して、して、あああああ!!」
リズミカルなビートで頭突する滝壺。ガンガンガンと熱いヒートを刻む。おまけに、今の台詞の最後まで言い切ってない。
滝壺「うるああああ!!」
絹旗「どるああああ!!」
フレンダ「だらああああ!!」
佐天「ひいいいい!!」
どうやら、地雷と見せかけた原爆を踏み抜いてしまったらしい。
居残りアイテム三人衆の絶叫を前に、どうする事も出来ない佐天。
「「「どらああああ!!!」」」
三人の魂の共鳴は、更に激しい頭突きビートを刻むのであった。
399 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 03:25:11.97 ID:nKmcA5QDO
佐天「そういや、知ってますか。この辺りに最近御坂さんの偽物が出るって」
何とか話題を変えようとするが、
ギロッ!
擬音つきで睨まれてしまった。
あはは、と笑いジリジリ下がる佐天に、
「すいませーん、とミサカはボールを投げ返して欲しいとお願いしまーす!」
佐天「あいよー」
佐天は足元のボールを投げ返してやる。
「ありがとうございましたー、とミサカは親切な人にお礼を言います」
いえいえ、と手を振った佐天は思わず目を見張った。
何故なら、その顔はまさしく、御坂美琴のものだったから―
400 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 03:25:54.93 ID:nKmcA5QDO
今日は終わります。
それでは、おやすみなさい。
401 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 03:31:23.92 ID:gtvT5uLIo
乙
ちょwwwwミサカww
しかし上条さんの思惑がすげえ気になるな…
402 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/05(土) 03:43:28.51 ID:m5Pjt9VOo
乙!
ようやく寝れる
403 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/03/05(土) 03:58:46.83 ID:zFlLuKma0
乙!!ミサカのノリそれどうしたww
上条さんの思惑か……上琴は二人とも頑張れよ!
しかしアイテムのハーレムっぷりには脱帽
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/11(金) 02:33:15.14 ID:GKsrDLJSO
ああ
405 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/12(土) 00:16:11.14 ID:sAjZefHDO
>>1
です。
久しぶりに投下します。
地震被災者の方にお見舞い申し上げます。
また、犠牲者の方のご冥福をお祈り申し上げます。
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
406 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 00:19:05.52 ID:cgp7CWbDO
待ってた
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 00:22:13.98 ID:sAjZefHDO
美琴「…誰、あんた?」
後ろからしたもう一つの声―御坂美琴が青い顔で、しかし眼光鋭く言い放つ。
「…ッ」
もう一人の御坂美琴は声も出さずに走りだす。
美琴「待ちなさい!」
その後をすぐさま追いかける。
地震情報:
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408 :
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[sage]:2011/03/12(土) 00:27:21.20 ID:sAjZefHDO
もう一人の御坂美琴は先程まで一緒に遊んでいた子供達には目もくれず、一心不乱に逃げ続ける。
美琴「待てっ!待ちなさい!!」
美琴も決して本調子ではない。しかし、必死に追いかける。
もう一人の御坂美琴がビルの隙間の路地裏に逃げ込む。
そして、しばらく走り続け後ろを見ると、
「……」
誰もいない。どうやら撒いたようだ。
地震情報:
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409 :
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[sage]:2011/03/12(土) 00:36:17.65 ID:sAjZefHDO
彼女がほっと一息ついた瞬間、頭上がすーっと暗くなる。
ふと上を見上げた時、彼女の目に飛び込んで来たのは一人の少女の姿だった。
あっ、と思った時には既に遅い。空から襲いかかった美琴の手足はもう一人の自分の背後にのしかかる。
不意を完全についた美琴。あっと言う間に少女の体を押さえ込む。
美琴「観念なさいっ。もう逃げられないから!」
しかし、必死になって抵抗する彼女に不意に助けが現れた。
地震情報:
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410 :
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[sage]:2011/03/12(土) 00:41:26.22 ID:sAjZefHDO
「何をしているの?」
路地裏に突然現れたのは、少女だ。と言っても美琴よりも随分年上だ。
多分、高校生だろうと思われる少女が美琴に淡々と訪ねる。
「もう一度聞くわ。何しているの?」
地震情報:
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411 :
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[sage]:2011/03/12(土) 00:47:27.39 ID:sAjZefHDO
美琴「何だっていいでしょ。あんたには関係ないわ!」
まるで三下の不良の様な口振りの美琴。安い威嚇をする彼女の体の下ではもう一人の美琴が何とか逃げだそうと必死にもがいている。
「そう」
簡単に女子高生が言うと、
パシャリ
美琴「なっ!?」
彼女は取り出した携帯で美琴がのしかかる姿を、シャッターに収めたのだった。
地震情報:
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412 :
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[sage]:2011/03/12(土) 00:53:56.90 ID:sAjZefHDO
美琴「何、写真取ってんだ!?」
ビリビリビリビリ
美琴の体がにわかに帯電する。
「何って、貴方の暴行の証拠だけど?」
あっさりと切って捨てる女子高生。
「もし風紀委員が来たら、重要な証拠になるから」
まずい。
美琴は急に焦りを感じた。
地震情報:
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413 :
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[sage]:2011/03/12(土) 01:00:27.52 ID:sAjZefHDO
彼女が風紀委員に通報でもしたら面倒だ。今のままでは確実に組みしいた少女を取り逃がす事になる。
美琴「…ごめんなさいっ」
美琴は口の中でボソッと呟くと高校生に向かい電撃を走らせる。
弱い電流だ。これで、ちょっとだけ勘弁して―。
美琴は済まないと思いつつ少女を気絶させた。
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414 :
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[sage]:2011/03/12(土) 01:05:57.62 ID:sAjZefHDO
しかし、彼女は倒れなかった。いや、電撃が当たらなかったのだ。
フッと姿が消え、
「危ないわね」
彼女の呟きは美琴の後ろからした。
美琴「なっ!?」
さすがに驚きを隠せなかった。
女子高生は一瞬で美琴の背後に回り込んだのだから。
地震情報:
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415 :
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[sage]:2011/03/12(土) 01:17:39.37 ID:sAjZefHDO
高位の移動能力者―?彼女の不敵な自信の元はこれなんだろうか?しかし、あんなにタイミング良くかわせるものなのか?
美琴は再び電撃を放つ。
しかし、今度は避けもせずに正面から電撃を弾く。
美琴「―なっ!?」
再び驚きの声を上げる。
動きもせずに電撃を弾いたとすれば、空間移動とは別の能力と言う事になる。
美琴はまた頭が痛くなる。
美琴「まさか、あんた、多重能力者?」
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416 :
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[sage]:2011/03/12(土) 01:26:06.34 ID:sAjZefHDO
「正解、と言いたいところだけど、それじゃあ満点とはいかないわ」
やけにもったいぶった言い回しだ。
美琴「あんた一体―」
思わず身を乗り出した時、
ガッ
美琴「きゃっ」
思わず悲鳴を上げる。
地震情報:
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417 :
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[sage]:2011/03/12(土) 01:35:33.73 ID:sAjZefHDO
一瞬の隙をついて組みしいていた女が美琴の体をはねのけ逃げ出したのだ。
美琴「ま、待ちなさい!!」
慌てて追おうとするが、
「お待ちなさい」
もう一人の女が呟く。それに気を取られた隙に少女の姿は消えていた。
地震情報:
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418 :
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[sage]:2011/03/12(土) 01:50:39.28 ID:sAjZefHDO
美琴「あんた、あの子を逃がしたの?」
美琴が殺気を込めた視線で睨みつける。
「普通、女の子があんなふうに襲われてたら助けて上げるものじゃない?ねぇ、―御坂美琴」
美琴「―っ、何で私の名前を!?」
美琴が彼女に掴みかかろうとした時、
バリッ!
美琴「くっ!?」
電撃が放たれる。
地震情報:
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419 :
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[sage]:2011/03/12(土) 01:58:20.20 ID:sAjZefHDO
「それが、年上の人間に物を訪ねる態度?」
彼女は電撃を放ち、いつの間にか美琴から距離を取っている。
美琴「うるさいっ。何で私の事知ってんのに、あの子見て平気なのよ!?」
「…まだ、そういう口の聞き方を」
彼女は目をギョロリ、と動かすと、
ガンッ!
美琴に対しそこらに転がっていたポリバケツを投げつけた。
地震情報:
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420 :
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[sage]:2011/03/12(土) 02:04:17.22 ID:sAjZefHDO
風の能力でコントロールされたポリバケツは狙い外さず美琴の顔面にクリーンヒットする。
美琴「ぶぶぶ」
まともに辺り、思わず鼻の頭を押さえる。
「全く、次に会う時までにはもう少し礼儀を正しておく事ね」
それだけ言い残すと彼女はふっ、と姿を消す。
地震情報:
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421 :
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[sage]:2011/03/12(土) 02:12:08.29 ID:sAjZefHDO
美琴「まっ、待って!?」
美琴が呼び止めるも既に彼女の姿はない。
美琴「…何なのよ、一体」
はぁ、とため息をつく。
自分の事を知っていながらあの子を見ても全く動じないその態度。
更に、幾つもの能力を使う多重能力者。
意味の分からない去り際。
そして、彼女の着ていた制服は、長点上機学園のものだった。
地震情報:
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422 :
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[sage]:2011/03/12(土) 02:16:48.73 ID:sAjZefHDO
今日はここまでです。
ちょっと、予定が狂って投下が不安定になってしまいそうで…。
何とか完結はさせたいと思いますので長い目でお付きあい頂ければと思います。
それでは、おやすみなさい。
地震情報:
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423 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/12(土) 02:32:11.19 ID:sMViOGkAO
待ってるよ。
地震情報:
http://ex14.vip2ch.com/earthquake/
424 :
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[sage]:2011/03/13(日) 20:40:03.70 ID:2zcVax0w0
乙
425 :
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(関西地方)
[sage]:2011/03/20(日) 10:07:22.76 ID:z0LjbNrbo
改変具合がすごいな。一気に読んでしまった
楽しみにしてるよ
426 :
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(東京都)
[sage]:2011/04/05(火) 22:57:36.93 ID:4gEJBZpL0
続きを待っているが…
427 :
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[sage]:2011/04/14(木) 09:36:52.96 ID:Ro7kqs3DO
ずっと待ってる
428 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/17(日) 00:11:59.65 ID:krbWzkXco
もう来そうも無いな
429 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/20(水) 22:31:17.16 ID:zwlCUPRM0
来ないかにゃー・・・・・・
430 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/24(日) 03:50:44.98 ID:tOqwP6kK0
来ることを願い、一回だけageる!
期待してきた奴、すまん!!
431 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/29(金) 02:06:46.86 ID:GhcNfPlg0
結局、来ないのか・・・
スレ条さんは、なかなかに期待だったんだが・・・
432 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/29(金) 03:11:16.20 ID:c3mCY6SZo
俺はまだ信じてる
というかもし
>>1
が学生だったら3月から5月頭までは結構忙しいんじゃね?
433 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/05(木) 00:48:22.56 ID:41ikwLJy0
もう、絶望的、だな・・・
434 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/19(木) 14:43:14.19 ID:gVlvz9yE0
せめて生存報告を……
じゃなきゃ[
禁則事項です
]しちゃうぞ?
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