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垣根「ヒーロー……か」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:09:17.27 ID:VkBivBLn0

・キャラ崩壊あり、特に垣根くンはネジが…
・主なカップリングは垣根×初春 上条×美琴 一方さんハーレム
・基本みんな仲良し(?)
・垣根くン黄泉川宅で一方さんと同居中 ※一方さんとは一つのベッドを日替わり交代で使用し合う仲
・番外個体に打ち止めも居るので黄泉川ハウスは現在中々の大所帯
・シリアス要素多分皆無
・台詞形式進行 地の分は殆ど無いかも

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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:10:02.32 ID:VkBivBLn0


〜早朝・黄泉川家〜


垣根「ぐが〜、ぐぉ〜…」zzz

一方通行「……………」zzz

垣根「ぐがーっ! ……ぐぉ〜」zzz

一方通行「……………!」ピクッ

垣根「ぐがぁ〜………ぐごー!」zzz

一方通行「……………」イラッ

垣根「ぐがぁぁぁ………ぐごっ」zzz

一方通行「…………ッ…」イライラ

垣根「ぐがあああああ!! ぐごおおおおお!!」zzz

一方通行「……………」イライライライライラ

垣根「ぐg」


一方通行「がァァァ!!! イイ加減にしやがれェェェええええええええええ!!!!!」ガバッ
3 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:10:40.00 ID:VkBivBLn0

垣根「………ふも?」パチッ


一方通行「毎朝毎朝、何で俺がオマエのクソ喧しい鼾で目ェ覚まさなきゃなンねェンだゴラァァ!!」

垣根「ふみゅ……」zzz

一方通行「起きやがれェェ!! っつか何ノンキに二度寝カマそォとしてンだオマエはァァ!?」

垣根「うるさいな……余計な雑音は反射反射……ふみゅ」zzz

一方通行「」プチッ

垣根「ふぐぅぅ……」zzz

一方通行「ほォォォ……そォかいそォかい。あくまでそォいう趣向かい。上等じゃねェかよオイ」

垣根「」zzz

一方通行「さっさと起きろっつってンだよこのクソったれのメルヘン坊主がァァあああああ!!!」バッ

垣根「――――ぶわ!? テメェ何すんだ!! 布団返せコラ!! 寒いじゃねえか!!」

一方通行「そのままいっそ凍え死ンでしまえ」

垣根「はぁ? ふざけんな」

一方通行「いやオマエがふざけンな」
4 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:11:15.84 ID:VkBivBLn0

ガチャ

黄泉川「あんたら朝っぱらからうるさいじゃ〜ん……。子供らがビックリするじゃんよー」ネムイ

垣根「あ、黄泉川さんおはよっす」

黄泉川「うぃ、おはよう」

一方通行「ヨミカワァァあああ!! やっぱこいつと一緒の部屋なンて真っ平だ! 断固チェンジを
      要求する! 今すぐにだ!」

黄泉川「はい、却下。っつか今更じゃん」

一方通行「いーや! 今日という今日はもォォ我慢できねェ! だいたい何でこの俺が早起きを余儀
      なくされてンだよ!? 俺は元々朝はゆっくり寝て過ごしてェンだ!!」

黄泉川「いいじゃん。その方が健康的で」

垣根「ぷっ…、ちょっと黄泉川さん。コイツに“健康的”だなんて言葉用いらないでくださいよ〜。
    学園都市一……いや、世界で一番その言葉が似合わねえコイツに……ぷくく」

一方通行「よォし殺す問答無用で殺す遺書書く暇すら与えてやらねェから覚悟しやがれクソ野郎」スクッ

垣根「お? やるか? 朝っぱらから愉快な死体コースがお望みかコラ」ムクリ


ゴンッ ゴンッ
5 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:13:03.58 ID:VkBivBLn0

黄泉川「……さてと、ついでだしあの子らも起こしちまうか…。朝飯用意できたら呼ぶから、それまで
     “大人しく”待ってるじゃんよ〜」ガチャ


垣根「ムカついた……。テメェのせいで朝から怒られた」タンコブ

一方通行「クソったれが。何で俺まで……。俺は被害者だろォがよ」タンコブ



〜朝食〜


全員「――――いただきまーす」

芳川「ふぁ〜あ…」ネムイ

打ち止め「大勢で食べるのってやっぱり最高だね♪ ってミサカはミサカはさりげない話題でカムフラージュ
      しつつピーマンをアナタのお皿へ………イタッ!」ポカッ

一方通行「その作戦の最大の欠点はオマエの口調だボケ。四の五の言ってねェで食えよオラ」

番外個体「あひゃひゃ♪ 最終信号ってホントに緑黄色系ダメだよねぇ〜。そんなんじゃミサカみたいに大きく
      なれないよ?」

打ち止め「うぅ〜……今日も失敗したぁ。ってミサカはミサカはお兄ちゃんに報告してみる」
6 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:13:42.35 ID:VkBivBLn0

垣根「血気盛んだねぇ。いいか打ち止め、ああいうのは将来碌な大人にならねぇ。ピーマンなら俺が食ってy」

一方通行「余計な真似すンな垣根ェ! クソガキ、しっかり成長したかったら好き嫌いしてンじゃねェ。あと、
      碌な大人になれねェのはこォやってすぐ人を甘やかす堕メルヘンの方だ。よく覚えとけ」

打ち止め「はーい……ってミサカはミサカは渋々従いつつ……我慢して食べるっ」パクッ

一方通行「よォし、それで良いンだ。やりゃできンじゃねェかよクソガキ」ナデナデ

打ち止め「えへへー///」

番外個体「ミ、ミサカも実はピーマン食べれるんだよね〜!」

一方通行「…? ふーン、そォ……っつか知ってるし」

番外個体「パクッ モグモグ ……あー、ピーマン美味しいなぁ」チラッ チラッ

一方通行「……何コッチ見てンだ? 頬に何かついてたか?」サワサワ

垣根「お前天性かよ? 番外個体も頭撫でてもらいt」


番外個体「わーーーーー!!! わーーーーーーーーーーっっっ!!!!」


黄泉川「コラ番外個体、食事中に大声はみっともないじゃんよ」
7 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:16:12.29 ID:VkBivBLn0

番外個体「フゥー……フゥー……」

打ち止め「半分はアナタのせいだね。ってミサカはミサカは白い目で睨んでみたり」ジー

一方通行「はァ? 何だそりゃ」


芳川「あなたたち朝から元気ねぇ……。羨ましいわ」ファァ

一方通行「どっちかっつーと俺もオマエ側だ。朝からよくそンなハイテンションでいられるなァ」

番外個体「あなたが低血圧すぎるんじゃん。ってかあなた最近ミサカより隈すごくない? 肌白いから
      余計目立ってるし」

一方通行「このタコの鼾がうるさくて目ェ覚めちまうンだよ。ここンとこずっと最低最悪の寝覚めだわ」

垣根「……そんなに酷いのか?」

打ち止め「ミサカ達の部屋まで聴こえてくるよ。ってミサカはミサカは白状してみる」

黄泉川「確かにちょっとデカイかもね〜。けど私らは普通に寝れるから問題なし、じゃん!」

一方通行「大アリなンだよクソったれ共がァァ!! 隣りで寝てる俺の身にもなりやがれ!!」

番外個体「米粒飛ばすなよ! きったねーな」
8 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:17:16.90 ID:VkBivBLn0

芳川「そんなにキツイなら耳栓すれば良いじゃないの」


一方通行「!!」ソレダ


垣根「……俺はどこぞの忍者犬かよ?」シシマル



〜食後の歯磨き〜


垣根「オイ一方通行! テメェまた俺のワックス勝手に使ったろ!」シャカシャカ

一方通行「使ってねェよっつか歯ブラシ取ってから喋れ馬鹿! 歯磨き粉飛ぶだろォが!!」

番外個体「ちょっと、狭いからもうちょい詰めろよ。手ぇ動かせないじゃん」シャカシャカ

打ち止め「窮屈〜。ってミサカはミサカは不平を漏らしてみたり」シャカシャカ

一方通行「何でいつもオマエらは一緒について来るワケ? 交代で洗面所使えば良いンじゃねェの?
      カルガモじゃあるめェしよォ…」

番外個体「食べた後ってすぐ磨かないと気持ち悪いんだよね」

打ち止め「右に同じ!」
9 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:18:52.38 ID:VkBivBLn0

垣根「君らを挟むと全く鏡が見えないんですが?」

一方通行「同感だクソったれ」

打ち止め「二人はミサカ達の後で磨けば良いんじゃないかな? ってミサカはミサカは提案してみる」

一方物質「やなこった」

番外個体「………なんでさ?」

垣根「お前らと全く同じ理由だからだ畜生」

一方通行「不本意極まりねェが同意ィ」

打ち止め「全員揃った共通点って珍しいかも! ってミサカはミサカは新たな発見に胸を躍らせてみたり!」

一方通行「ここで躍らせてンじゃねェ!! 狭まっ苦しい上に水飛ンでくンだよクソガキィ!!」



―――


垣根「んじゃ、そろそろ出るかな」

一方通行「あン? まァたデートかよ。飽きもせずによくもまァ…」
10 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:21:28.10 ID:VkBivBLn0

垣根「はん、羨ましいかよ? 第一位」ニヤァ

一方通行「馬鹿も程々にしてさっさと行け。この水陸両用メルヘン野郎」

垣根「なんだそれ? さすがにそんな自覚は持ったことねえわ……。んじゃ、行ってくる♪」スタスタ バタン


打ち止め「浮かれ気分絶好調だね。ってミサカはミサカは男の単純な脳の作りに呆れてみる」

一方通行「あれでも俺の次に頭は出来てるハズなンだがなァ……。どっかでネジでも落としたらしい」

番外個体「ねぇ、今日は日曜だしさ。ミサカ達もどっか出かけない?」

打ち止め「ヨミカワたちも出ちゃったしね。ってミサカはミサカは賛成♪」

一方通行「おォ、気ィつけて行ってこい。さて……俺はもォひと眠――――ぶふォ!!??」グイッ

番外個体「オラとっとと出かける準備してこいっつの! ナメた事ほざくと張り倒しちゃうよ?」ギリギリ

一方通行「オマ……馬っ……離……く、首ィ……絞まっ…!」ギブギブ

打ち止め「アナタも一緒に行こうね♪ ってミサカはミサカは悪い事言わないから」

一方通行「わァーった! わかったっての! ………ったく、ジャジャ馬が」ボソッ
11 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:22:59.47 ID:VkBivBLn0

番外個体「なんか言った?」ギロリ

一方通行「さァーて、着替えてくっかなァ〜っと♪」

番外個体「ぶひゃひゃ」

打ち止め「お出かけお出かけおっ出かけ〜〜♪ ってミサカはミサカはルンルン気分で鼻唄を歌ってみたり」



―――


〜道中〜


垣根「…………マジで?」

初春『――――ごめんなさい……。急遽風紀委員に応援要請が入っちゃって……』

垣根「そっか……大変だな。大丈夫なのか? もし迷惑じゃないんなら俺もk――――」

初春『気持ちは嬉しいんですけど、これは風紀委員の仕事なんです。カッキーさんを巻き込む訳には
    いきません』

垣根「………そうか、だよな…」

初春『本当にごめんなさい。この埋め合わせは後日必ずしますから! ……後でまたメールしますね』
12 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:24:18.00 ID:VkBivBLn0

垣根「ああ、待ってるよ。くれぐれも無茶だけはすんじゃねえぞ」

初春『えぇ、わかってますよ。……じゃ、また後で――――』ピッ


垣根「………」ピッ


   「はぁ………これで三度目、か。やっぱ休日って風紀委員の出動率高いんだな…」


   「やっぱそうだよなぁ……。休みの日なんて馬鹿は腐る程群がるし、黄泉川さんも『学生が休みの時
     こそ気は抜けない』とか豪語してたしな」テクテク

   「暇になっちまった……。どーすっか。漫喫は飽きちまったしな〜。上条のヤツはまた補習かな?」ピポパ

   「………」turrrrrr turrrrrrr

   「………出ねえ。こりゃ確定だな」ピッ

   「あーあ、折角の休みだってのに……。また家戻んのも乗らねーしな〜」プラプラ


   「っつか、俺らこの頃スレ違いばっかじゃね?」

   
   「……何でだ?」
13 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:25:37.90 ID:VkBivBLn0

   「かざりん(飾利)と付き合い出してもう三ヶ月。最初の頃はデートも頻繁にしてたよな?」

   「って、そうだ! そん時は冬休みだったから予定も合わせやすかったんだ!」

   「………じゃあ最近は?」

   「まず平日は俺も飾利も学校だから無理だろ? 学校終わってから完全下校時刻までの僅かな間しか
     一緒に居れてねーワケだ」

   「んで、休日はたまた祝日はクズがいかにもクズ染みた事件起こしやがるせいで風紀委員である飾利
     も出勤を余儀なくされる……と」




   「………完全アウトじゃん」




   アノヒトサッキカラナンカブツブツイッテル…

   キミガワルイワネ ハヤクイキマショ


垣根「……っと、やべ。また声に出ちまってたか」オハズカシイ
14 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:26:55.46 ID:VkBivBLn0


   (しっかし……これから春になりゃもっと変な虫も湧いてくるだろぉし。警備員や風紀委員もどんどん
     忙しくなってくるんじゃねえか?)
    
   (きっと今以上に予定も合いにくくなる恐れも……)

   (もし、そうなったら………)



〜〜〜〜〜


初春『ごめんなさい、私……カッキーさんの彼女失格ですね。でも風紀委員の仕事は私の生き甲斐なんです。
    カッキーさんと会えないのはすごく辛いですけど……このままじゃもっと会えなくなると思います……
    だから―――――』


   やめろ…………やめろ……ッ!!


『―――――サヨナラ、しましょう』


〜〜〜〜〜



垣根「―――――うわああああああああああああああああああああああ!!!!!」
15 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:28:17.28 ID:VkBivBLn0

垣根「いやだァァァああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!!」


   「………はっ!?」


ザワザワ ザワザワ


垣根「やっべ……」サァー(←周囲の集中視線攻撃に青ざめる第二位の図)


  「逃げろッ!」ビュン



―――


〜風紀委員第百七十七支部〜


初春「………はぁ……」

黒子「初春、また溜息漏れてますわよ?」

初春「はぁぁぁ……」

黒子「隠そうとする意思は捨てたようですわね」
16 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:29:29.03 ID:VkBivBLn0

初春「あ、白井さん。戻って来てたんですか?」クルッ

黒子「気づくのが遅すぎですの」

初春「どうでした? 何か手掛かりは掴めましたか?」

黒子「……いえ。どうやらかなり念入りな下準備を施した模様ですわね。逃げた車のナンバーも
    偽造でした。ただの強盗だと少々甘く見ておりましたわ」

初春「被害者は三人とも無能力者(レベル0)………。書庫(バンク)にはそれ以上の共通点が
    見受けられませんね。やっぱり“無能力者狩り”でしょうか?」

黒子「容疑者側の意図は定かではありませんが、そう捉えるのが妥当でしょう。いずれにせよ、
    これ以上の被害が出る前に何としても拘束しなければ…っ」

初春「そうですね。もう一度データを洗い直してみます。何か見落としがあるかも……」カタカタ


黒子「………初春」

初春「なんですか?」カタカタ

黒子「肩にチカラが入りすぎてますわ。ちゃんと休憩は挟んでますの?」

初春「も……、もちろんですよ。白井さんこそ外回り捜査で疲れたんじゃないですか? 私なら気に
    しないですから、遠慮なく休んでてください」
17 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:31:16.37 ID:VkBivBLn0

黒子「では、お言葉に甘えますの。………ふぅ、やはり足での調査が一番応えますわね。能力使用は
    限度を超すと脳にきますし…」

初春「ダメですよ〜。いざ拘束! って時にチカラ出なくて返り討ちなんて洒落になってませんから」

黒子「ほほほ、ご心配には及びませんわ」

初春「ふふっ…」

黒子「さて、もう少し休んだらわたくしは周辺の捜査に向かいますわ。初春も無理などせずに程々で
    休むんですのよ? いいですわね?」

初春「……はい」

黒子「…………」パタン


初春「…………」カタカタカタ


   「…………」カタカタカ……タ……



   「……………はぁぁぁぁ……」


18 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:34:20.62 ID:VkBivBLn0

―――


垣根「…………」テクテク

   (どうする? このまま行くと最悪の場合破局の未来が完成しちまう……)

   (しかし、かざりんの意思は尊重してぇ……。見苦しく食い下がるなんて俺の性分じゃねえし)

   (風紀委員でも警備員でもねえどころか、腐りきった暗部の世界でしか味を出せなかったこの俺
     に、果たして何が………)

   (せめて、何かチカラになれねえか……?)

   (幸い俺には“チカラ”があるんだ。あとはソイツをどうやって生かすかが問題だが……)

   
    「……………!」


    (なんだ……? 何かがずっと頭に引っ掛かってやがる……)


    (う〜ん………もう少しで…………う〜ん……)



    「…………ッ!!!」ハッ
19 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:39:08.90 ID:VkBivBLn0

垣根「………そうだ、そうだよ。その手があったじゃねえか」

   「俺達の破局未来をぶち壊す手段が………何で今まで気づかなかったんだ――――――?」

   「ようは街の治安が良くなれば風紀委員も忙しくなくなる」

   「イコールかざりんとのデートも今後は確約される」

   「よし、決めた。決めたぞ―――――」









   「―――――今日から警備員や風紀委員の代わって、俺がこの街の平和を守る!!!!!」ドン










   
   
20 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 18:43:01.00 ID:VkBivBLn0
とりあえず始まり的な
もはや自分でも何がしたいのかよくわかってません
過度な期待は多分地獄を見ます
続きはまた後日
読んでくれた方はありがとうございました
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 18:44:23.53 ID:LDgq2NkFo
乙 期待
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 18:45:40.27 ID:4otjWp+AO
友達になってやンよ?
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/01(火) 18:47:28.70 ID:pjpa2lYF0
乙 かなり期待してる
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 18:57:03.84 ID:2D15XdHAO
乙。超期待
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 19:35:56.91 ID:zKDgu8i5o
俺得スレの予感
26 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/01(火) 19:56:19.18 ID:VkBivBLn0
のっけから誤字訂正
×「―――――今日から警備員や風紀委員の代わって、俺がこの街の平和を守る!!!!!」ドン
○「―――――今日から警備員や風紀委員に代わって、俺がこの街の平和を守る!!!!!」ドン

何やってんだか…

>>22
それ知ってる人は続き感覚で
設定はかなり近いってかほぼ同じです

もちろん「そんなの知らん」って人でも何ら問題ないです
早くもレスくれた方、ありがとうございます
明日までには続き投下しますんで、お待ちを

では
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 20:19:41.65 ID:4otjWp+AO
なるほど期待

あと乙
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 20:41:09.75 ID:x95f89sN0
友達になってやンよの人なの?
あれ読んで帝春にはまった
わくわくするな。期待してます
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/01(火) 20:41:48.13 ID:AT7ng80L0
やばいww 超期待している俺ガイル。

>過度な期待は多分地獄を見ます
それでも垣根なら、それでも垣根なら何とかしてくれるはず・・・。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 02:09:34.46 ID:5I1dMavjo
乙。超期待してまってる
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 12:01:39.57 ID:zo69cUGIO


おもしろいなーと思ったらあなたか

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 17:48:45.61 ID:9isrbVSAO
乙。前回までのやつでなんでかしらんが佐天×一方になってると思ってたらそんなことないのな。
33 : ◆jPpg5.obl6 [saga]:2011/03/02(水) 18:59:30.33 ID:uR+wT9KY0
こんばんは
それでは二回目の投下に参ります
34 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:00:41.06 ID:uR+wT9KY0



〜天下の往来〜


垣根「文字通り、学園都市のヒーローってヤツか……。チヤホヤされてぇ訳じゃねえが、悪くない響きだな」


   「よし、そうと決まれば早速行動開始あるのみ!」

   
   「……………」


   「って何すりゃいいんだ? やべぇ、さっぱりわかんねぇ…」

   「考えてみりゃ今までは血に塗れた生活だったんだよなぁ……。善行の意味も未だに理解しきれねえのは
    この際置いておくか。戦争の影響が薄れてそこそこ平和になったっつっても、小者同士の小競り合いは
    知らねえ内に進んでんだろうから事件なんざ腐るほど起きてる……はず」

   「イヤ、けど風紀委員が暇になってくれなきゃそもそもの意味が無ぇ。確か犯罪犯してるヤツをとっ捕ま
    えるのだけが仕事じゃねえんだったっけ?」

   「こんな事ならかざりんに“風紀委員の仕事情勢”についてもっと詳しく聞いておくんだったな……」


   「早くも壁に衝突ー、ってかぁ?」テクテク
35 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:03:30.72 ID:uR+wT9KY0


上条「――――あれ? 垣根じゃねえか!」

美琴「――――あ、ホントだ。おーい!」フリフリ


垣根「あぁん? ………なんだ、お前らか」


上条「何してんだ? こんな所で」

垣根「暇だからブラついてたんだ。お前こそ、補習だったんじゃねえのかよ?」

上条「ふっふっふ……残念だったな。最近御坂や一方通行のおかげで、今や上条さんの成績はウナギ
    昇りってヤツなんですよ」

垣根「電話出ないと思ったらデート中だったのか。けど一方通行はともかく、中学生に勉強教えて
    もらってるってどうなワケ?」

上条「うっ……それを言われるとツライ…」

美琴「別に私は構わないわよ。それに最近はだいぶ学力ついてきたじゃない。アンタはやればできる
    んだから、もっと自信持ちなさいよ」

上条「そ、そうか……? まぁこうして補習も避けられるようになってきたのは嬉しいけど、あんま
    実感はないな」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 19:04:23.06 ID:nlV0iyrR0
待ってました!!
37 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:05:10.49 ID:uR+wT9KY0

美琴「そーいうトコまで鈍感なのアンタ? 現に補習が無いおかげで私とデ……デート……できるんだ
    から、もっと感謝しなさい!」

上条「ん? 途中よく聞こえなかったぞ?」

美琴「う……うるさいっ!!」ビリビリ

上条「だぁあ!?」サッ

垣根「え? ちょっ!? 俺関係な――――!?」



―― 中略 ――



美琴「うん……まぁ何ていうか、アレね。反省はしてるけど後悔はしてないわ」

上条「」チーン

垣根「おいおい頼むぜ。痴話喧嘩に俺まで巻き添えにすんなよ第三位」

美琴「どうせ効かないんだから良いじゃないの。さすがにそれ分かってないとここまでやんないわ」

垣根「んで、電撃を囮に背後からジャーマンスープレックスか……。見てる分には面白くていいが、
    ここまで来るともはやデスコンボだな」

美琴「こんくらいでくたばるんならコイツはとっくにこの世から消え失せてるっつーの。ホラ、いつ
    までノビてんの? さっさと立ちなさいってば」グイ
38 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:08:14.11 ID:uR+wT9KY0

上条「うぅ……お、“お花畑”が今も霞んでミエル……」ピヨピヨ

美琴「あっ! そう言えばさ、アンタ初春さんとは最近どうなのよ?」

垣根「ッ…! な、何だよ……。アイツ何か言ってたのか?」(上条のアホ! 余計なことを……)

美琴「こないだ会った時、元気なかったから……」

垣根「こないだっていつ?」

美琴「一週間くらい前かしら……。アンタ、あの子に何かしたんじゃないでしょうねぇ?」ジロリ


垣根(あぁ、二回目のドタキャン直後か……。『気にすんな』とは言っておいたんだが、やっぱ気に
    しちまってたのか……。マズイな……、あいつは自分が非だと感じたらそれを引き摺る傾向が
    ある。重ねて今日もキャンセルになったのはかなりマズイ。このままじゃマジでさっきの幻想
    が現実化されかねないぞ!!)


美琴「ちょっとぉ、聞いてる? ってか何ボケッとしてんのよ?」

上条「垣根……?」

垣根「……ん? あぁ悪い。ちょっと考え事してた」

美琴「大丈夫? 初春さんと何かあったの?」
39 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:09:56.86 ID:uR+wT9KY0

垣根「!?」(い、意外と鋭いじゃないの第三位)

上条「何か困ってるんなら話してみろよ」

垣根「いや、そういう訳じゃないんだがな……。まぁコッチにも色々あるんだよ」

美琴「色々…?」

上条「初春さんと喧嘩でもしたのか?」

垣根「喧嘩とは少し違うな……」(どうすっかな。話すべきか否か……)

上条「俺たちで良かったら相談に乗るぜ。なぁ美琴」

美琴「当たり前よ、初春さんは私の友達なんだから。……で、何があったワケ?」

垣根「………あー、実はよ…」


―― 再び中略 ――


上条「――――ふーむ、すれ違い……か」

美琴「確かに黒子も『事件が後を絶たない』って忙しそうにしてたし……。昨日も結局帰って来なかったわ」

垣根「まぁ、まだ学生の身分で言うのも何だが……予定が合っても急な仕事でオジャンになる、ってヤツだ」
40 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:11:55.68 ID:uR+wT9KY0

上条「それも三回続いた上に、これからもっと悪化する恐れあり……か。厳しいな」

美琴「私も手伝ったりできることあればな〜って思うんだけど、黒子が中々許してくんないのよねぇ」ハァ

垣根「やべぇ……。俺、今だけお前の気持ちが手に取るように分かるわ」

美琴「風紀委員としての体裁ってのもあるんでしょうけど……もうちょっと頼ってくれたって良いと思わない?」

上条「二人とも意志が固いからなぁ……。よっぽどの事件じゃないと俺らにまで回って来ないだろ」

美琴「アンタにまで回る必要はないのよ! 首突っ込んで何かあったら私が困るんだから、アンタは平穏に勉学
    に励むの! わかった?」キッ

上条「わ、わかってますって……」タハハ

美琴「そうでなくたって、アンタは事件に巻き込まれやすいんだから……」

垣根「おーおー、愛されてるねぇ上条くぅん? 何だかお腹いっぱいになってきましたよ〜」

上条「か……からかわないでくれます? って、そういう話じゃねえだろ!? 今はお前と初春さんの件だろぉが!」

垣根「チッ、本当に知恵ついてやがるな……」

上条「失礼ですねこん畜生!」

美琴「それで、アンタはどうすんの? 念押して言うけど、初春さん泣かせたらタダじゃ済まさないわよ?」
41 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:14:14.62 ID:uR+wT9KY0

垣根「ふっ、安心しろ。実はちょうど今さっきに名案が浮かんだんだ」

上条「名案って、どんな?」

垣根「ま、つっても具体的に何すんのかはまだ分かってねえんだがな」

美琴「ふうん……。何でもいいけど、初春さん悲しませるような事だけはすんじゃないわよ?」

垣根「しつけえな。わかってるって」


上条「んじゃ、俺らはもう行くけど……お前はどうすんだ?」

垣根「色々考えなきゃいけねえから、ここでお別れだ。デートをの邪魔するほど無粋じゃねえよ」

上条「そっか、じゃあまた何かあったら連絡くれ。俺が言うのも何だけど……まぁ頑張れよ」

美琴「しっかりやんなさいよー」

垣根「へいへい……っと、忘れてた。この事は一方通行には内緒だぞ? いいな?」

上条「……あいつにも相談してなかったのか?」

垣根「できると思うか?」

美琴「……思わないわね」
42 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:15:37.42 ID:uR+wT9KY0

垣根「そういうことだ。あいつに余計な面倒かけたくねぇ。番外個体と打ち止めのお守りで手一杯だろぉし」

美琴「アイツが子守ねぇ……。まぁいいわ。あの子たちにもよろしくね」ヒラヒラ

垣根「おう」ヒラヒラ

上条「んじゃなー」ヒラヒラ

   

垣根「行ったか……。咄嗟の嘘も方便ってヤツだな。一方通行にこんな恥ずかしい相談ができるかっつーの。
    どうせあの若白髪のことだ。『女に振り回されてンのかァ? なっさけねェの。ぎゃはは!』とか
    言われるに決まってる。……冗談じゃねぇ。番外個体や打ち止めのオモチャの分際でそんな事言わ
    れた日にゃ自我崩壊決定だ」


   「それに、今更『デートがドタキャン続き』だなんて………死んでも言えるワケねえだろぉが」


   「………さて」

  
   「とりあえず、適当に事件が起きそうな辺りでもうろついてみるか」スタスタ


43 :ピロシキ ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:17:05.09 ID:uR+wT9KY0

―――


〜大通り〜


一方通行「……っくしゅン!」

打ち止め「可愛いくしゃみだね。ってミサカはミサカはキュンキュンしてみる」

番外個体「寒いの? だらしないな〜。ロシアに比べたらこんなの全然涼しい方じゃん」

一方通行「別に寒かねェよ」(何だ? 何でか知らねェが、今異様にムカッときた……)

番外個体「地下街ってピロシキ売ってんのかな?」

打ち止め「ピロシキ? それって10777号が美味しいって言ってたロシアの食べ物? ってミサカはミサカは
      訊いてみる」

番外個体「それそれ! ホッペ落ちるよマジで」

打ち止め「ミサカも食べてみたーい! ってミサカはミサカは未知なる食べ物に食欲を湧かせてみたり〜♪」

一方通行「あンなの、ただカレーパンと肉まンを混ぜたよォなモンじゃねェか」

番外個体「日本で売られてるヤツと本場のピロシキを一緒にしないでくれる?」

一方通行「ロシアのも食ったが、味自体は大して変わンなかったぞ?」
44 :ピロシキ ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:17:53.18 ID:uR+wT9KY0

番外個体「そりゃあなたのイカレた味覚じゃ違いわかんなくて当然だね」

打ち止め「っていうかアナタ、食べたことあるんだね。ってミサカはミサカは意外な事実をつきとめてみる。
      カレーパンと肉まんも食べたことあるなんて……ってミサカはミサカは戦慄を走らせてみたり」ゾクゾク

一方通行「あァ!? 俺の何がイカレてるってェ!? っつゥかクソガキ、オマエ俺をどこの貴族と勘違い
      してやがる?」

番外個体「強いて言うなら全部イカレてるね。ひゃははっ☆」

一方通行「あァン? オマエさっきから調子扱き過ぎじゃねェのかァ? 小突かれてェの?」

番外個体「冗談は白さだけにしてよ。ミサカ、あなたと違ってドMじゃないから」

一方通行「やっぱ小突かれてェンだろ?」ピキピキ

番外個体「三億倍にして返すけど、それでもいいならどうぞぉ?」

一方通行「ぐゥゥ……」ワナワナ

番外個体「けけけ♪ ほらほらぁ〜、小突いてみなよ第一位さぁぁん?」ニヤァ

一方通行「…………チッ」プイ

打ち止め(あれ? 結局叩かないんだ……。やり返されるのが怖いのかな? ってミサカはミサカは番外個体の
      カカア天下到来に憤りを感じてみたり)


番外個体「ぎゃっは♪」
45 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:19:16.53 ID:uR+wT9KY0

―――


〜公園〜


垣根(はぁぁ……失業したこと家族に言い出せないサラリーマンじゃあるまいし、行くアテがねえ時にとりあえず
    公園来ちまうのはどうよ?)テクテク

  (天気も快晴。事件なんざ起きる気配もねぇ。っつかそーいうのが一々予測できたら警備員も風紀委員も必要
    ねえじゃん。アホか俺は)

  (やっぱ個人で街全体の平和を保とうとするってのは無理があんのかねぇ……。だからこそ“組織”って概念
    も成り立つんだろぉし、所詮一人でやれる事なんてたかが知れてっしなぁ)

  (いくら強大な能力があるっつっても、俺の場合は破壊と殺戮にしか適用されてねえんだよな……。実際この
    能力でどれだけの血飛沫を浴びたか、数えるのも不可能だし)


  (………って、早くも弱音かよ。小一時間前の決意はどうした俺!? 何諦めモード突入してやがるんだ!?)


  (このまま何もしねえでかざりんから別れ話切り出されるのをただ待つのか!? ふざけんじゃねえ!!)

  (考えろ……! 俺の“未元物質”がこの街で有効活用できる術を復活した脳で精一杯考えるんだ!)

  (そうさ、俺のチカラなら街を変えることだって決して不可能じゃねえはずだ!)


  (風紀委員が暇を持て余せるぐらいには秩序を保たねえと……。そう、あくまでもただそれだけのために)
46 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:20:11.42 ID:uR+wT9KY0

  (統括理事会や暗部といった危険度の高い連中には幸い風紀委員が絡むことは殆ど無い。……だとしたら、
    俺のやるべき範囲も自ずと見えてくる)

  (風紀委員はかざりんみたいな学生中心……。つまり普段相手にしてる犯罪グループや活動可能範囲も
    不良学生やそれに関連した場所が主な筈だ)

  (そうか、俺の地位なら風紀委員が出張るまでもなく片をつけるなんざワケねぇ。学生ってカテゴリ
    で俺の上が存在するとしたら、一方通行しか有り得ない!)

  (そうやって地道に草の根を摘んでいけば……!)


  (………だが、問題はそっからなんだよなぁ)

  (どうやって風紀委員より早く事件の情報を掴み、足が着く前に迅速な解決が出来るのか……)

  (かざりんみたいな“情報収集のエキスパート”、言わば“情報網”がコッチにも必要だな)


  (………誰かいねえかな。そういう便利なヤツ)


  





心理定規「………」コホンッ
47 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:22:20.96 ID:uR+wT9KY0

垣根「……………」


心理定規「…………」ワクワク


垣根「……………」


心理定規「…………」ドキドキ





垣根「………やっぱいねえよな。ってか人を当てにしちまったらオシマイだな。うん」




心理定規「………」クスン
48 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:23:21.46 ID:uR+wT9KY0


垣根「ま、とりあえずやってみるか。空から探せば事件のひとつぐらいすぐ見つかるだろ」スック

  
  「…………ん?」


ウエーーン ウエーーン


垣根「小さい子供が泣いてやがる……。迷子にでもなったんか?」

  「どうすっかな……。これから善行しにアチコチ飛び回らなきゃいけねえってのに……」

  「………ああもう! 仕方ねーなぁ!」ツカツカ


  (つくづく甘ちゃんだよなぁ俺ってヤツは……。虫唾が走るぜホント)



幼女「――――うわぁぁ〜ん! ひっく、ひっく……」

垣根「――――よう、どうした? 何泣いてんだ?」

幼女「ひっく……ぐすっ、おじちゃん誰ぇ…?」

垣根「だ、誰がおじちゃんだこのガキ! 俺のどこが………っと、いけねぇいけねぇ。ガキ相手に
    マジギレだなんて大人気ねえな」
49 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:24:29.16 ID:uR+wT9KY0

垣根「ふぅ……。ようお嬢さん。どうして泣いてたんだ? 迷子になっちゃったのかい?」(← 子供の目線まで屈む垣根)

幼女「……フーセン、取れなくなっちゃったの」

垣根「ん? あぁ……木に引っ掛かってるアレか。っつか何だあのキャラ……?」

幼女「ゲコ太ぁぁ……」グスッ

垣根(あー、そういや御坂が好きとか言ってたヤツだな。……しかし見る度に変なカエルだ。お子様
    の趣味ってのはとことん理解できねぇ)

幼女「フーセン、取りたい……」

垣根「……………」(やれやれ……。仕方ねえな、取ってやるか)


   (大気中に引力性物質投入、距離はALのKU地点、範囲はKJMMってトコか……)ギンッ


フワッ


幼女「あっ!? ふ、風船が……!」


垣根「よっ、と」パッ


幼女「ッッ!!?」
50 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:25:31.84 ID:uR+wT9KY0

垣根「ほら、今度はもう離すんじゃねーぞ?」スッ

幼女「あ……あ……」

垣根「ん? どうした? ほれ」スッ

幼女「あ……ありが……とう」パッ

垣根「おう、気にすんな」

幼女「ねぇ……どうやったの?」

垣根「さぁな。俺はただ手を伸ばしただけさ。風さんが運んで来てくれたのかもな」

幼女「………あはっ♪ ありがとう、お兄ちゃん」ニコッ

垣根「そうそう、そうやって笑ってた方が可愛いぜ。お嬢さんよ」

幼女「え…っ///」ドキッ

垣根「じゃあな。俺急いでるからもう行くわ。風船、大事にしろよ」ブァサッ


幼女「――――!!!??」



バサッ バサッ  ビュー……ン



幼女「つ……翼……?」ポカーン
51 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:27:43.48 ID:uR+wT9KY0

―――


〜風紀委員第百七十七支部〜


初春「…………」カタカタカタカタ

  (これで三回連続……。最低ですね、私……。せっかく予定合わせてくれたカッキーさんを
   裏切ってばっかり……)

  (これじゃ愛想尽かされても文句言えないですよねぇ……。はぁぁ)

  (『別れよう』とか言われちゃったら……どうしよう………。会うの恐いなぁ)


  (もしカッキーさんと別れたら……私、立ち直れないかも)


  (はぁぁぁ……。三ヶ月、か……。正念場というか、超えるべき壁……ですね)カタカタカタ


初春「………!」ハッ


  「こ……これって」(←街のライブモニター凝視中)
52 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:29:11.80 ID:uR+wT9KY0

  「目撃情報を元に書庫から割り出したデータと一致してる……」

  「現在地は………第○○学区の××地点!」

  「ッ!? こ……これって……た、大変じゃないですか!!」 
  
  「すぐに白井さんに連絡して出動させなきゃ……!!」



―――


〜上空〜


垣根「………人助けか。邪気のねえ顔を向けられんのもだいぶ慣れたが、どうにもくすぐってぇモン
    があるな」バサッ バサッ

  「風紀委員ってのはそんなくすぐったい感情も麻痺しちまってんのかねぇ…」

  「まぁ、悪くはない気分だ。寧ろ心が和むぜ」

  「なんつーかこう……打ち止めとかと一緒に居る時のような――――ん?」


  「なんだ? 下がやけに盛り上がってやがるな…」


  「……行ってみるか」ギュン
53 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/02(水) 19:32:43.80 ID:uR+wT9KY0
ここまでです
まぁ……あれだ、あまり深く考えないこと推奨です
垣根くンは果たして上条さんを超えられるのか…

次回は明後日を予定しています
それでは
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 19:34:49.80 ID:CxqEkIUy0
乙!
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 19:34:50.31 ID:nlV0iyrR0
乙!
いい帝春だ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 20:48:53.97 ID:lXyRp5Bm0
乙!
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 21:29:12.57 ID:VCGHeeyFo
ていとくんが馬鹿じゃないだと…
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 23:09:35.69 ID:nlV0iyrR0
ていとくんは馬鹿じゃないよ
ただ思考が空回りするだけ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/02(水) 23:31:02.31 ID:fXvxE9+r0
お、密かに楽しみにしていたスレが立ったか。

乙です。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 08:48:27.62 ID:xgdggN+E0
やはり貴方だったか
総合のヤツも面白かったぞ!

>>1は気づいてるか知らんがホライゾーンが早速載せてたので一応教えとく
http://blog-imgs-46-origin.fc2.com/h/o/r/horahorazoon/16034853.jpg

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/03(木) 09:48:00.60 ID:tVlUeab3o
あのシリーズの人か
一方さんと御坂妹はどうなったんだ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 03:43:11.97 ID:iZtVmgilo
根性で前作のまとめを全部読んできた
この一方通行は超根性あるな
期待してる
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 12:59:46.98 ID:LcXhhhCIO
削板「根性と聞いて」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/04(金) 22:31:55.95 ID:5vLQnrZT0
原村「やめろ、カオスになるから来るな」
65 : ◆jPpg5.obl6 [saga]:2011/03/05(土) 00:51:10.75 ID:Z9pk1H5W0
ごめんなさい遅くなりました

あと言い忘れたんですが総合に投下したやつとこの話は特に繋がってません
あれは何と言うか……小ネタみたいなもんです
てかホライゾーンにあった二人の画像が可愛すぎてやばいww

では遅れましたが更新します
66 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 00:52:29.85 ID:Z9pk1H5W0


〜銀行内〜


男1「おい。目的も済んだことだし、早くズラかるぞ! これ以上騒ぎになったら面倒だ」

男2「へへへ。これでしばらくは金に困らねぇ」グヒヒ

男3「オラ、行くぞ。………っと、お前は一応人質だ。一緒に来い」グイ

女職員「ひっ……」

男1「お? なかなか良いの選ぶねぇ〜。こりゃ溜まり場戻ったら退屈しねえな」

女職員「い……いやぁぁ…」ガタガタ

男2「よし、行こうぜ」ダッ


若い女職員を人質に取り、逃亡を計る強盗犯グループ
銃器の脅威と人質の効果で誰も手が出せないでいた



一人を除いては―――――

67 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 00:53:49.02 ID:Z9pk1H5W0


〜銀行外〜


野次馬1「おいおい、やばくねえか?」

野次馬2「風紀委員呼ばないと……。誰か通報したか?」

野次馬3「いや……」


ザワザワ


垣根「銀行強盗……? マジかよ。いきなり規模のデケェ事件に遭遇しちまった」スタン

  「見たところ警備員も風紀委員もまだ来てないな……。ん? おいおい、いきなりチャンス
    到来じゃねえか。こいつはツイてるわ」ツカツカ


野次馬4「お、おいアンタ! どこ行く気だよ!? ソッチは……!」


男1「――――よし、車出すぞ! ………ん?」


垣根「はっは〜、いやいやすげぇ。まさかこんなにすぐ事件と遭遇できるたぁ思わなかったわ」ツカツカ
68 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 00:55:19.37 ID:Z9pk1H5W0


男全員「!?」

男3「な……なんだテメェは!?」

垣根「警備員や風紀委員が来る前に、速攻で片付けなきゃな……。悪い事ぁ言わねぇ。テメェら、地獄を
    味わう前に投降しやがれ」

男1「何だとぉ……?」


野次馬3「や、やべぇよ……。風紀委員はまだか?」

野次馬5「さっき通報したからもうじき来るだろ」

垣根「チッ、まずいな……。早く終わらせて俺もズラからねえと」

男2「そこ退けやコラ! ぶち殺されてえのか!?」


垣根「あぁーもう面倒臭ぇ!! コッチは時間がねえんだよ!! ゴタゴタ抜かしてねえで大人しくとっとと
    絶望しろこのクズどもがァァあああああ!!!」ブァッ




男2・3「―――――ぎゃあああああ!!!」ドゴン
69 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 00:56:54.86 ID:Z9pk1H5W0

男1「」ポカーン


男2「」ピクピク


男3「」ブクブク


野次馬達「」ボーゼン


垣根「ったく、最初っからそーやって泡吹いてりゃ痛い思いしなくてすんだってのに……っつか、こんな
    馬鹿共のおかげで俺とかざりんの時間が割かれてると思うと、だんだんムカッ腹が立ってきたぞ」イライラ

男1「ば……化け物かテメェ」ブルブル

垣根「あん? 今頃気づいたのかよカス。で、どうすんだ? その女解放して自首するか、それとも強制
    睡眠させられてぇか迅速に選べ。今ぁ最高に機嫌悪りぃんだ。これ以上俺をムカつかせんな」

男1「ち、近寄るなぁぁ!! 近づいたらこの女ぶっ殺すぞ!!」スチャ(←ナイフを突きつける)

女職員「ひ……っ!」ゾクッ

垣根「………」ツカツカ

男1「き、聞こえねえのか!? 止まれって言ってんだよ!! こいつがどうなっても……」
70 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 00:58:38.63 ID:Z9pk1H5W0

垣根「ごちゃごちゃうるせえな。そんなナマクラで殺せるんならさっさと殺してみろよ」クイ


グニャ


男1「な……なんだこりゃ!?」

垣根「ナイフの金属部分にちょいと異物を混入してやっただけだ。ゴムに近い硬度だからギミックより使い
    勝手が悪いだろ?」

男1「う……そ……」

垣根「姉ちゃん、死にたくなかったら離れろ」

女職員「ッ!」ダッ

男1「!!」

垣根「テメェみてえな女を盾にする人間が一番ムカつくんだよ……」ゴゴゴ


男1「ひ……ひ……」ガクッ


垣根「だが安心しろ、殺しはしねぇ。そんな価値もねえって意味だがな」ゴゴゴゴゴ


男1「た……たす……け」ブルブル
71 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 00:59:45.26 ID:Z9pk1H5W0






垣根「とりあえず、テメェみてえなクズ野郎はそこで永久に絶望してろ」





72 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:00:52.92 ID:Z9pk1H5W0


〜数分後〜


黒子「――ッ!」ヒュン


野次馬1「あ!」

黒子「ここが通報にあった銀行ですわね! 付近の方々は危険ですので下がってくださいな!」

野次馬2「いや……その……」

黒子「ジャッジメントですの! 一連の傷害容疑及び強盗未遂の現行犯により拘束させて頂きます
    ので大人しく…………って、あら?」




犯人達「」キュー




黒子「………どういう事、ですの?」ポカン
73 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:03:01.92 ID:Z9pk1H5W0

垣根「ふー、何とか風紀委員が来る前に事を収められたか……」テクテク

  「善い事すんのって思ってたより悪くないモンな」

  「これでかざりんとの将来が安泰なら安いモンだぜ」

  「さて、次はどんな不届き者に引導を――――!?」


―――pirrrrr


垣根「お、噂をすればかざりんからか……。メールっつってたのに電話? ひょっとして俺が事件解決
    したから予定空いたのか!? そうに違いねぇ! よっしゃ! まさに一石二鳥じゃねえか!」

  「はいはい、今出るぞーっと」ピッ


  「もしもし、かざ――――」



初春『何やってんですか? カッキーさん……』ゴゴゴゴ



垣根(あれ? 何か声のトーンが……ってか何だこの黒いオーラ……?)
74 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:04:53.18 ID:Z9pk1H5W0

―――


〜喫茶店〜


垣根「………まさか見られてたとは、いやはや…」

初春「モニターにいきなり映ったと思ったらズカズカと中に入っていくんですもん! ビックリしました!」

垣根(しまった……。防犯映像の存在を完全に失念していたとは……)

初春「それで? 何であんな危険な事したんですか?」プンプン

垣根「……もしかしなくても怒ってらっしゃる?」

初春「当たり前ですっ!! ほんとにもう……何考えてんですか!?」プンスカ

垣根「いや……折角通ったんだし、黙って見てるのも気が引けるしよ」

初春「だからって、単独で、しかも人質取られた状態で正面から突入するなんて!」

垣根「ははは、心配してくれるのは嬉しいけど大丈夫さ。なんたって俺は超能力s」


初春「そういう問題じゃありませんっ!!」


垣根「……はい、ごめんなさい」シュン
75 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:07:02.83 ID:Z9pk1H5W0

初春「何度も言ってますけど、街の安全と治安維持は風紀委員の仕事なんです。たとえカッキーさんや御坂
    さんが学園都市の上位能力者でも、無関係な一般人には変わりないんですからね!? わかってるん
    ですか!?」ガミガミ

垣根「ごめんなさいホントごめんなさい割りとマジでごめんなさい」ヘコヘコ

初春「まったくもう……」プクー

  「カッキーさんが強いのは良く知ってます。けど、それでも万が一の事が起こったら……どうすればいい
    んですか……?」

垣根「おっしゃる通りっす……」

初春「はぁぁ……報告書になんて書けばいいんですかぁ?」グデー

垣根「え? ありのままを書けばいいんじゃねえの?」

初春「一般人の協力は極力避けないと上がうるさいんですよ〜。風紀委員の存在意義が薄くなっちゃったら
    援助だって削減しちゃうんですからね」

垣根「裏事情ってヤツか? ……何つーか、現実的なんだな」

初春「経済事情も芳しくないこの時代ですから、学園都市だって絞れるトコから絞らないとやっていけない
    んだと思いますよ」

垣根「………なぁ、飾利」

初春「ふぇ、何ですか?」
76 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:08:23.20 ID:Z9pk1H5W0

垣根「今から俺が言う事は、もしかしたら大爆笑レベルのふざけた話かもしれないんだが……聞いてくれるか?」

初春「……?」

垣根「さっき、銀行強盗をフン縛った時……何とも言えねえ爽快感が生まれたんだ」

初春「ほぉ」

垣根「それで、俺が助けた人質の女がさ、涙混じりで俺に向かって頭下げるワケよ。『ありがとうございます』って
    何度もさ……。まるで命の恩人を見るような目で見られんのなんざ初めてだったよ」

初春「ふぅん」

垣根「こんな俺でも、人の役に立てるんだ。って思ったら……何だか今までに感じた事がないくらいスカッとした
    気持ちになったんだ。不思議なモンだよな。暗部の汚い取引とかにしか能がなかったこのチカラも、ほんの
    少し使い方を変えればたくさんの人に喜ばれる。今更それに気づくなんて笑えるぜ」ハハ




  「だから、俺はこの学園都市に与えられたチカラで学園都市の平和を守りたい。……許してくれるよな?」キリッ




初春「言いたいことはそれだけですか?」ジロリ

垣根「うっ……」タジッ
77 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:09:17.90 ID:Z9pk1H5W0




初春「もう二度と危ない事に首を突っ込まないでください! 今度余計な事したら、一生クチ利きませんから!!」プンスカ


垣根「………御意っす」  


78 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:10:38.67 ID:Z9pk1H5W0

―――


〜地下街〜


一方通行「―――あァ? 垣根の行方だァ?」

黒子「ええ、お兄様でしたら何か知っているかと……」

一方通行「何で俺がアイツの行き先を一々把握してなきゃならねェ? っつゥか誰がお兄様だ」

黒子「これだけのお姉さまフェイスを虜にしている貴方がわたくしのお兄様でないとしたら誰がお兄様ですの!?」

一方通行「知らねェよクソったれが」

番外個体「あひゃひゃひゃ、お兄様だって〜! ちょーウケルんですけどぉぉぉーーー!!」ゲラゲラ

打ち止め「あの人(垣根)って確かデートしてるんじゃなかったかな? ってミサカはミサカは答えてみたり」

黒子「………」ハァハァハァ

一方通行「オイ、目が逝ってンぞ。帰ってこい」ズビシ

黒子「はっ!? わ、わたくしは今何を……?」キョロキョロ

番外個体「あなたっていつもナチュラルな変態さんだよね」
79 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:12:39.47 ID:Z9pk1H5W0

黒子「ッ!? お、大姉さまに罵倒されましたの……」ハァハァ

打ち止め「あ、また壊れたよ。ってミサカはミサカは正直このまま放置した方が無難じゃないのかなって思ってみる」

一方通行「……そォもいかねェだろォが。ったく、いちいち叩かなきゃ直らねェのかよ」ズビシ

黒子「ッ!?」ハッ

番外個体「あ、帰ってきた」

一方通行「昔のテレビかよオマエは」

垣根「“白”井“黒”子なだけに、ってか? さっぶいヤツだな。ギャグセンスの欠片も感じられねぇ」

番外個体「まったくだね。ロシア人もびっくりだわ」サブイ

打ち止め「アナタがギャグ言うなんて似合わないね。ってミサカはミサカは最もな指摘をしてみたり」サブイ

一方通行「ギャグのつもりで言ったンじゃねェよ! っつゥゥかよォォ………ナニさり気なく輪に加わって
      ンだ垣根ェェェ!!! どっから湧いて出やがったァ!?」

黒子「えっ?」クルッ

番外個体「えっ?」クルッ

打ち止め「えっ?」クルッ

垣根「えっ?」クルッ
80 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:15:04.84 ID:Z9pk1H5W0

一方通行「イヤ何オマエまで振り返ってンだよ!? オマエだオマエ、そこのメルヘン! コッチ向けやオラァ!!」

垣根「何だよ、何もねえじゃねえか」ヤレヤレ

一方通行「オマエに向かって言ったンだから何もあるワケねェだろォが!! っつか質問に答えろォォ! 何でオマエ
      がさも当然の如く混じってやがる!?」

垣根「何でって、たまたま通りかかったんだよ。ってかお前らも出掛けてたんだな。思った通り尻に敷かれてるみたい
    で安心したぜ、第一位」プフッ

一方通行「黙れ! それ以上喋るンじゃねェ!! いい加減にしとかねェとマジでぶっ殺すぞ!!」

垣根「おお。案の定、ってか相当ストレス溜まってたみてえだな。いい気味だ」


一方通行「………きひっ」カチッ


垣根「お、やるってのか、上等ぉ。幸いここは地下だ、丁度いいから生き埋めにしてやんよ」ブァサッ


一方通行「ォォォおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ゴォォォ


垣根「がァァあああああああああああああッッ!!!!」ブァァァァァ


黒子「……お二人とも、わたくしに掴まって。ここは危険ですから一時避難しますわ」ヒュン
81 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:16:27.83 ID:Z9pk1H5W0

番外個体「え? ちょ―――」ヒュン

打ち止め「あっ、ミサ―――」ヒュン



垣根「久々に敗北の海に浸からせてやるから覚悟しとけ!!」グァァ


一方通行「オマエに負けたことなンて一度もねェだろォが!! そしてこれからもなァ!!」ゴォォ


垣根「くたばれこの虚弱体質がァァあああああ!!!」ビュン


一方通行「うるせェこのヅラ野郎がァァァあああああ!!!」ギュン



ヅラジャネーヨボケ!!

ナラコノバデキレイナツルッパゲニシテヤンヨォ!!



ドガッ  バキン   ズズ……ン
82 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:17:31.29 ID:Z9pk1H5W0

※ガチバトル開始から十分後


一方通行「――――ッ!? お、おい……ちょっと待てよ。あいつらは!?」

垣根「ああん!? 別の事に気ぃ削がれてんじゃねえぞコラ! ってか何でテメェだけいつも無傷なんだよ!?」ボロボロ

一方通行「俺とオマエの格の差ァ考えりゃあ当然だろ、ってそォじゃねェ! 番外個体と打ち止めがいねェンだよ!」

垣根「えっ? あ、ホントだ……っつか見回してみるとひでえなこりゃ……。完全に廃墟だ」

一方通行「つい頭にきて暴れちまったが、一般人は巻き込ンでねェ筈だ。それよりクソガキ共はどこ行きやがった?」

垣根「知るかよ。多分白井が気ぃ回して避難させたんだろ。それが何か問題あんのか?」

一方通行「あァ、大問題だ。すぐに探しださなきゃ手遅れになるかもしンねェ」

垣根「あー、そういうことね……。大丈夫なんじゃねえの? 番外個体が一緒なんだろ?」

一方通行「あめェよ。アイツは超電磁砲の電撃浴びなれてる強者だぞ? おまけにテレポーターは隙をつくのが上手ェ。
      コソ泥にはうってつけの職業だ」

垣根「にしたって、心配しすぎだろ…」

一方通行「何かあってからじゃ遅せェンだよ! グダグダ言ってねェでオマエも協力しろボケ!」ビュン

垣根「へいへい……っと」ビュン
83 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:19:06.15 ID:Z9pk1H5W0


黒子「」チーン


番外個体「はぁ……はぁ……か、勝った」ボロボロ

打ち止め「おめでとー! ってミサカはミサカは勝者にインタビュー♪ 今回の相手はいかがでしたか〜?」

番外個体「強敵でした。伊達にミサカとレベル一緒じゃないなって思いました。できればもう二度と戦いたく
      ないです」ゾクゾク

打ち止め「このお姉さんも懲りないね。ってミサカはミサカは執念深さに呆れてみたり」


黒子「まだ……まだ………お姉さま果実…を……コンプリートする……まで、わたくし……はぁぁ」ズルズル


番外個体「おっ、まだ息があるみたいだね? ……トドメ刺しとく? 全ミサカ達のためにもこの人はここで
      確実に息の根ぇ止めといた方が無難かもよ」

打ち止め「やめた方がいいかも。なんだかんだ言ってもお姉さまの大事な後輩だし。ってミサカはミサカは器
      の広さを見せつけてみたり」

番外個体「上位個体さま寛大ぃ〜♪」



一方通行「―――――打ち止めァァァあああああ!!!!!  番外個体ォォォおおおおおお!!!!!」ドドドド
84 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:21:24.22 ID:Z9pk1H5W0

番外個体「ん…?」

打ち止め「あっ、あの人だ! おーーい! ってミサカはミサカは手を振ってみたり」

一方通行「無事か!? この変態ツインテレポーターに何かされなかったかァ!?」

打ち止め「大丈夫だよ。番外個体がミサカを代表して天誅を加えてくれたから。ってミサカはミサカは平和
      の素晴らしさを噛みしめてみる」ジーン

番外個体「遅いんだよこの中華人参野郎。ミサカの貞操が終わってたらどう責任取ってくれんのさ」ブスー

一方通行「……まァ、何はともあれ間に合ったみたいで良かったぜ…」ハァ


番外個体「ねぇ、ところでこれ、どうする」コレ(←白井黒子)

一方通行「……その辺のドブ川にでも捨てとけ」

番外個体「りょーかぁぁ〜い、あぎゃひゃひゃひゃ♪」


一方通行「ところで、垣根の馬鹿タレはどこ行ったンだ……? っつーかアイツ花頭と一緒だったンじゃ……」



黒子「…………ぐ……がぎ」デスノ
85 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:23:50.10 ID:Z9pk1H5W0

垣根「ったく、誰がお守りに付き合ってやるかってんだ。人を下僕みてえに従えてんじゃねーよ若白髪野郎め」テクテク

  「こりゃますますかざりんとの件を知られるワケにはいかねえな。バレたらどう考えても分が悪い……」

  (かざりんにああは言われたが……、どうすっかな。『お前に“別れよう”って言われるのが恐いからこれ
    からも首を突っ込ませてもらうぜ!』だなんてさすがに言えねぇ……)


  「やっぱ極秘で動くしかなさそうだな。今度からは衛星カメラにも対策打って抜かりなしにやんねえと」



  「ん? そんな事できるのかって? へっ、俺の未元物質なめんじゃねえよ!」




番外個体「垣根の事はとりあえずもういいじゃん。それよりどっかでお茶しない? ミサカのど渇いた〜」

一方通行「ン…? あァ、そォd」


黒子「よくありませんの!!!」ガバッ


打ち止め「あ、復活した」
86 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:25:40.53 ID:Z9pk1H5W0

番外個体「ホントにタフだねー……ミサカ、呆れてモノが言えないよ」

黒子「この白井黒子、雷耐性でそこいらの凡人には負ける気がしませんわ」フフン

一方通行「……誇るトコじゃねェだろそこは」

黒子「って、話が逸れましたわね。実はその垣根さんの事でお伺いしたいことがありますの」

一方通行「あ? あのクソ馬鹿が遂に何かやらかしたのかァ? しょっぴくってンなら加勢してやっても
      良いぜ」ニヤニヤ

黒子「いえ……何というか」



――― 説明中 ―――



番外個体「ってことは何? 風紀委員が最近追っていたその一連の強盗傷害犯を、垣根が捕まえちゃった
      ってワケ?」

黒子「まだ確定ではございませんが……目撃者の証言からしてほぼ間違いないかと」

一方通行「なンだそれ? あのカスはいつから正義マンなンぞに目覚めやがったンだ……?」
87 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:27:51.70 ID:Z9pk1H5W0

打ち止め「っていうかそれってお手柄だよね? ってミサカはミサカはビックリしすぎて硬直してみたり」

黒子「わたくしとしたことが……ついお伺いする機会を逃してしまいましたわ…」

一方通行「っつかよォ、アイツの彼女は何してたンだ?」

黒子「へ…? 彼女って初春ですの?」

一方通行「おォ、確かあいつらデートしてるンじゃなかったのか?」

番外個体「あっ! そう言えば……」

打ち止め「一緒にいなかったね……。ってミサカはミサカは思い出してみる」


黒子「…………」


  (この方々は存じてないんですのね……。これ以上迂闊に話すと何だかマズイ予感がしますの)


  「ま、まぁとにかく、垣根さんにはわたくしが後日に直接お伺いしますので。では、わたくしはこれで
    失礼させていただきますの」ヒュン
88 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:29:02.59 ID:Z9pk1H5W0

打ち止め「あ、行っちゃった……」

番外個体「………ねぇ、どういう事?」キョトン

一方通行「さァ……、俺に訊くな」






垣根「……そう言や、予想通りの光景でつい輪に入っちまったが……考えてみりゃ一方通行には今日
    デートだって言ってあるんだよな……?」ピタッ






   「……………あれ? よく考えなくてもこれってヤバくね?」
89 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 01:33:10.61 ID:Z9pk1H5W0
>>61
番外個体の登場に相当焦りを感じているようです

とりあえずここまでっす
次回更新も三日以内予定です
ではまた
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 01:42:53.88 ID:ezjZBhsso


いつか番外個体が一緒に住むようになったエピソードも期待してますの!
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 02:08:59.26 ID:giQ7XY1AO
期待してます
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 02:57:11.48 ID:AZDaOINIO
この日常感がたまらん

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 03:02:16.82 ID:GbXsDyI80

帝春いいよ帝春
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 04:36:09.05 ID:cWQ/9L8AO
ていとくんをここまで応援したくなるなんて… 乙!!
95 : ◆jPpg5.obl6 [saga]:2011/03/05(土) 19:52:55.70 ID:Z9pk1H5W0
こんばんは
思ったより早く来てしまいました
キリ良いとこまで書いたので投下します
96 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 19:54:56.71 ID:Z9pk1H5W0

〜その日の夜・黄泉川家〜


ガチャ


垣根「……ただいま〜っす」ソローリ


一方通行「おかえりィ、垣根くゥゥン?」ニヤァ


垣根「な、何だよ。玄関まで出迎えるなんて気色悪いな。何か変なモンでも食ったんじゃねえのか?」

一方通行「オマエこそ、何コソコソしてンだよ? まァいい。ちっと聞きてェ事があン――――」

打ち止め「あーーー! カキネお兄ちゃんやっと帰ってきた! ってミサカはミサカはアナタに飛び
      ついてみたり!」ドンッ

一方通行「おゥ!? ッ……ッてェな! 何でその流れで俺なンだよ!?」

打ち止め「え? じゃあしょうがないからカキネの方にダイブをs」

一方通行「ふざけンなァァ!!」

打ち止め「もーう! ミサカにどうしろっての!? ってミサカはミサカは逆上してみる!」プンスカ
97 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 19:55:42.46 ID:Z9pk1H5W0

垣根「打ち止めの言う通りだ。お前言ってること滅茶苦茶だぞ」

一方通行「行為自体をやめろっつってンだ! 抱きつくにしても速度を調節しやがれこのクソガキ」

打ち止め「じゃ、ゆ〜っくりアナタにミサカはミサカは抱きついてみる」ソロー

一方通行「ふン……」サッ

打ち止め「ほらー! アナタがそうやって避けるからいつもマッハで突っ込むんだよ! ってミサカは
      ミサカはやっぱり横暴なアナタに辟易してみたり!」ムキー

一方通行「うっせェ騒ぐな。脳天どつかれてェのか?」


垣根(打ち止めのお陰で何とか回避できたか……。よし、このまま何もかも忘れてしまえ第一位)


黄泉川「お? 垣根遅かったじゃん。もう夕飯だぞー。早く手ぇ洗ってくるじゃんよ」

垣根「はーい、っと」

黄泉川「一方通行、あんたもじゃん」

一方通行「クソガキを差し置いて俺指名かよ。ったく、オラ打ち止め。いつまでも暴れてねェで
      手ェ洗いに行くぞ」ヒョイ

打ち止め「ミ、ミサカをバッグみたいに担がないでー! ってミサカはミサカは無駄と分かって
      いても抵抗を試みてみたり」バタバタ
98 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 19:56:44.68 ID:Z9pk1H5W0

一方通行「あァくそ、だから暴れンなっつってンだろこのガキ! 落とすぞ?」

打ち止め「ム、それは困る。ってミサカはミサカは全行動を停止してみる」シーン



〜夕食前の一家団らん〜



ミサカハミサカハバシャバシャー

ダカラミズトバスンジャネエッテナンドイヤワカンダコノクソガキガァァァ!!



番外個体「――――あ、垣根帰ってたんだ」

芳川「おかえり。青春を謳歌するのはいいけど、完全下校時刻は守らないとダメよ」

垣根「あんたは俺の母親か」

芳川「みたいなモノでしょ? ここでは」クスッ

垣根「……まぁ、否定はしねえけど」
99 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 19:58:14.33 ID:Z9pk1H5W0

番外個体「ミサカもいつか芳川みたいな聖母系(?)になれるかなぁ…」

垣根「ちょっと前のこの人を見ても同じセリフが吐けたら、俺はお前を尊敬してやる」

番外個体「えっ? 何それ?」

一方通行「今じゃ育児専門の研究職に返り咲いたから良いが、ほンの三ヶ月前までは見るに耐えねェ
      ニート生活満喫してたンだぜ。コイツ」

番外個体「……は? ウソでしょ?」

打ち止め「番外個体はまだ来てなかったから知らないのも無理ないね。ってミサカはミサカはヨシカワ
      の悲惨時代を思い返して涙を浮かべてみる」ジーン

芳川「『休息期間』と言ってもらえないかしら?」

一方通行「にしたってグータラし過ぎなンだよ。聖母の“せ”の字も感じさせねェダラケっぷりだった
      じゃねェか」

垣根「正直、芳川さんが外出してる事にまぁーだ違和感があるな」

番外個体「やば……ちょっと待って。ミサカの中で大事なモノが音を立てて壊れてく……」

一方通行「ソイツこそ正に“幻想”だ。現実ってのはいつも残酷だよなァ……」
100 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 19:59:33.87 ID:Z9pk1H5W0

番外個体「信じられない……」

芳川「悲しいけど事実よ……。何なら“足でテレビのリモコンを操作する方法”でも教えましょうか?」クスクス

番外個体「もうやめてェェええええ!!! イメージが……イメージがァァあああああああ!!!」

一方通行「一つの綺麗な幻想が完膚なきまでに殺されたな」

垣根「分かりたくないのに分かってしまうこの気持ちが少し切ないぜ…」

黄泉川「―――っさ、お待たせ! って、な〜に話してるじゃーん?」

打ち止め「ヨシカワのニート時代について番外個体に教授してたの。ってミサカはミサカは正直に打ち
      明けてみたり」

黄泉川「あー……桔梗。過去は過去じゃん。前を向いて今を明るく生きろ」

芳川「愛穂! あなたまでからかわないでよもう!」ムスッ

一方通行「今更可愛らしく拗ねてンじゃねェよ」

番外個体「う……見たいような見たくないような……ミサカ下手したらショックで寝込んじゃうかも」

打ち止め「その時の記憶、良かったら共有してあげようか? ってミサカはミサカは勧めてみたり」

番外個体「………やめとく。お願いだからこれ以上ミサカの幻想を壊さないで」

一方通行「オマエの中でコイツのイメージが相当狂ってたのは良く分かった。うン、見ない方が賢明だ」
101 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:01:41.12 ID:Z9pk1H5W0

垣根「ま、過去なんて誰でもそんなモンだろ。けどそれ言ったら俺もお前も人の事言えねえぞ?」

一方通行「あァ? ………チッ、まァそれは言えてなくもねェな。オマエにしちゃまともなこと言う
      じゃねェかよ。メルヘンのくせに」

垣根「メルヘン関係ねえだろ。っつかいい加減その呼び方やめろ」

一方通行「はァ? 自覚あるっつったのはどこの誰サマですかねェ?」ニヤニヤ

垣根「ガキかテメェは!」

一方通行「ンだとォ…? 誰がガキだァ!? もォいっぺン言ってみろよコラァ!」

垣根「何度だって言ってやんよバーカバーカ! 子供! 雪ん子! そのまま雪景色と一体化して遭難
    した挙句に死ね! テメェには雪葬がお似合いだ! きっと死体は一生見つかんねえぜ、ははっ!」

番外個体「ぷっひゃ……くくく……」(←笑いを必死で堪える番外個体)

一方通行「…………コロス。さすがに殺す」カチン

垣根「面白れぇ! 子供相手にいささか大人気ないが、その気なら相手になってやるぜ!」ガタッ

一方通行「っこンの野郎がァ……ッ!」ピクピク


黄泉川「はいはいそこまで! ご飯冷めちゃうじゃん。喧嘩なら飯食った後に外でやんな」パンパン


未元通行「………チッ」カタン
102 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:02:50.79 ID:Z9pk1H5W0


〜女風呂〜


番外個体「……」モニュモニュ

打ち止め「なに自分の胸揉んでるの番外個体ー?」

黄泉川「はっはっは、そういう年頃じゃんよ。あんたも大きくなったら分かる」

打ち止め「…? ふーん」

番外個体「目指せ黄泉川! 二年後をお楽しみにね、きゃは♪」

芳川「あら、それは誰のための願望かしら?」

番外個体「!? べべべ、別にあんなヤツのためとかそんなんじゃないからね! ミサカはただ…」アセアセ

打ち止め「………」ペタン

黄泉川「地球が滅ぶ寸前みたいな顔でコッチを見るな打ち止め」

打ち止め「ミサカも大人になったら黄泉川みたいになれるかなぁ…。ってミサカはミサカは…」

芳川「愛穂はハードルが高すぎるんじゃない?」

黄泉川「なんか良くない流れになってきたな……。とりあえずあんたらコッチを見るな!」
103 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:04:05.69 ID:Z9pk1H5W0

番外個体「………」ジー

黄泉川「……な、何よ番外個体」

番外個体「よみかわぁ、お願い! ほんのちょっとでいいから揉ませて!」スッ

黄泉川「!?」ジャン



※お風呂場の監視記録はここまでで途切れました
 尚、四人風呂は流石に狭すぎるんじゃないの!? っていうツッコミはスルーでお願いします



〜就寝〜


垣根「さて、今日は俺がベッドだな!」ゴロン

一方通行「っとに騒がしい野郎だなオマエは。さっさと寝ちまえ鬱陶しい」ゴロゴロ

垣根「そーだな、今日は久々に少し疲れちまったし」ウツラウツラ

一方通行「やっぱ寝ンな! ……話があンの忘れてたわ」
104 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:07:14.89 ID:JiSjmGyV0

垣根「ふぁ? 何だよぉ………。って!?」(激……ヤバ……)


一方通行「オマエさァ、今日花頭とデートしてたンじゃねェの?」


垣根「」ギクッ

一方通行「なーンであンな場所に一人で居たンですかねェ?」

垣根「」タラタラ

一方通行「オイ、こっち向けよ。目ェ逸らしてンじゃねェぞ」

垣根(やっぱそーだよなぁぁ……。くそぉぉ! 俺としたことが大失態だ! どうする? どう乗り切る?)

一方通行「オイ垣根ェ! 聞いてンのかコラ!」

垣根(……しょうがねぇ。“今回だけは”デートが中止になったという事で適当にあしらうか。一回ドタキャン
    されたぐらいなら“女に振り回されてる”ってレッテルは貼られないハズだ! よし、そうしよう!)


   「き、聞いてるよ。実はさぁ、今日はかざりんが急用できちまって中止になったんだ。そんなワケで仕方
     ねーからブラついてたら、たまたまお前らを目撃したんだよ」


  (ふっ、完璧なまでに自然だ……。この頭の回転の速さは自酔してもいいだろう…)
105 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:08:48.18 ID:JiSjmGyV0

一方通行「ふーン、まァそンなのどォだっていいンだがよォ」

垣根「」ガーン

   (いいなら訊くなよ……)orz


一方通行「実はあのツインテールの風紀委員から聞いたンだが、オマエ今日銀行強盗捕まえたりした?」

垣根「へ…?」

一方通行「アイツ、その件でオマエに用があるとか言ってたぞ」

垣根(白井が……? まさか、ってもしかしなくてもバレてる?)

一方通行「何でも目撃者の証言が完璧にオマエと一致してたらしいが、実際どォなンだよ?」

垣根(オー、Shit……。正体分からないようにしとくべきだったぜヒャッハー♪)ヤケクソ

一方通行「……オイ、大丈夫かオマエ? 気持ち悪さが留まりきれてねェぞ」

垣根「ん、あぁそう。まぁ確かに今日“偶然”通りかかってそんな事もしたっけか? あはは」

一方通行「なに白々しく言い回してンだよ……。にしてもよォ、元暗部組織のリーダー様がずいぶン更生
      したじゃねェか」

垣根「だろ? 風紀委員に勤める女の彼氏として当然のことをしたまでだ」
106 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:10:13.46 ID:JiSjmGyV0

一方通行「聞いた話だが、最近あいつらの支部を困らせていた一連の事件の犯人共だったらしいぞ」

垣根「へぇ、そうか……」

  (つまりかざりん達もあのボケ共に悩まされてたって事か。ホントに幸運だったんだな……。今思うと
    信じらんねぇぐらいだ)

一方通行「名乗り出ねェのか? オマエ下手すりゃ表彰されて一躍ヒーローだぜ? 俺は野次飛ばすけど」

垣根「いや、誰が助けたとかなんてどうでもいいじゃないか。皆無事だったんならそれでいいだろ?」

一方通行「………スカしてンじゃねェよこの残念男が。っつかそのセリフ、異常に腹が立つンだけどォ?」

垣根「うん、俺も自分で言ってて殺したくなった。ダメだな、こういうのは本物のヒーロー様が吐く言葉だ」



〜上条宅〜


上条「――――へっくしゅん!! ……なんだ? 今何か変な寒気が…」ブルッ


禁書「とうまとうま! このお土産、すごく美味しいんだよ! 何ていう食べ物なの?」ムシャムシャ

上条「ん? それはな、“鯛焼き”っていう日本の冬には絶対に欠かせない和菓子さ」
107 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:11:27.41 ID:JiSjmGyV0

禁書「最初お魚かな? って思ったらまさかのこしあん攻撃にホッペが転落死しそうかもぉぉ」ホワワーン

上条「美味いだろ? 何たって知る人ぞ知る名店の鯛焼きだからな」

禁書「どこにあるの? 私も今度行きたいかも!」

上条「上条さん行きつけのスーパーの裏で開店してる屋台だよ」

禁書「え? それってタコ焼きとか焼きソバみたいな屋台のこと?」

上条「ああ。値段が高くて普段は中々手がつけられない代物だが、その分味は他とは群を抜いてる。
    だからよーく味わって食えよ」

禁書「……まさか、みことに奢らせたんじゃないよね?」

上条「………」ギクッ

禁書「やっぱりそうなんだ。とうま、今すごーくカッコ悪いんだよ…」ジー

上条「だ、だって美琴が良いって言ったんだもん! それに上条さんだって奢られっぱなしで済ます
    ほど人間腐ってないぞ!? ちゃんとその後ベビーカステラ奢り返しました!」

禁書「……それって、スーパーの隣りにある一箱百円のヤツだよね?」

上条「………うん」
108 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:13:40.14 ID:JiSjmGyV0

禁書「で、この高級感溢れる鯛焼きは一個幾らなのかな?」

上条「………五百円です」

禁書「……………」

上条「……………」


禁書「総合評価すると、やっぱりとうまはカッコ悪いんだね」


上条「うるせぇ畜生!! っつか、俺にも食わせろその鯛焼き!! さっきから一人で食いやがって!!」

禁書「あ! 私から食べ物を取り上げるっていうのがどういう事に繋がるのか分かってるのかな!?」

上条「知るかそんなもん!! お前は一個五百円のありがたみも噛みしめずに何個バクバク食ってんだよ!?」

禁書「一個五百円の高級和菓子なんてとうまには早過ぎるんだよ! 私が残さず平らげるから心配無用かも!」

上条「ざけんじゃねぇ!! あぁもう最後の一つじゃねえか!? それよこせ!」

禁書「いやだぁ! 飢えた狼に渡す食べ物は無いんだよ!!」

上条「迷える子羊に慈愛と施しを与えるのがシスターなんじゃないのかよッ!?」ガシッ  グググ…
109 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:15:07.41 ID:JiSjmGyV0

禁書「そんな欲望に支配された狼には厳然と振舞うのもシスターの使命かもっ!!」グッ  グググ…

上条「何をワケの分からんことを……ッ! ちくしょう……! 腹が減ってチカラが…
    ……こうなったらせめて、せめて尻尾だけでもォォおおおおおおっっ!!!」ググ…

禁書「私はたとえ死んでもこの鯛焼きだけは守るって決めたんだよぉぉ!! 負けられない…っ!」ググ…

上条「わァたァせェェええええええええ………っ!!!」グヌヌ…

禁書「いぃやぁだぁぁああああああああ…っっ!!!」ムムムム…

上条「んぐォォおおおおおおお………!!」ググググ…

禁書「ぐぬおおおおおおおおおおおおお………!!!」ググググ…


スフィンクス「にゃー」トテトテ


アッ タイヤキガオチテル

イタダキ


パクッ



上条禁書「―――――ッッッ!!!!!?????」 

110 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:15:56.41 ID:JiSjmGyV0

スフィンクス「にゃー♪」ゴチソウサマ


上条「………………」

禁書「………………」




〜再び黄泉川家〜


垣根「なぁ、もう寝た?」

一方通行「あァ、寝たから喋りかけンな」

垣根「起きてんじゃん」

一方通行「黙れ、騒ぐと強制的に寝かすぞ?」

垣根「お前、そろそろ身体キツイんじゃねぇ?」

一方通行「何の脈絡もない話題を急に吹っ掛けてくンじゃねェ」

垣根「いや、事もあろうにお前なんかを好いてる御坂の妹に番外個体に打ち止めに……なんつーか、
    そこいらの男が知ったら全力でお前に殺意向けそうな境遇にお前はいつまで甘んじてるのか
    ってワケよ」
111 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:16:57.25 ID:JiSjmGyV0

一方通行「別に甘ンじてなンかいねェ。なるよォになるだけだろ……」

垣根「相変わらず受身姿勢なのね。……気の毒なクローン共だぜったく…」

一方通行「……………」

垣根「番外個体も、すっかり馴染んじまったな。最初はどーなるかと思ったが……」

一方通行「今度は昔話かよ…」

垣根「眠れねえんだ。ちょっとぐらい付き合えよ。たまには良いじゃねえか」

一方通行「さっさと寝ねェと、朝はオマエの鼾がうるせェからすぐ起きちまうンだよ……。けどまァ、
      少しだけなら聞いてやってもイイがな…」

垣根「素直じゃねえな……。まあいいけど、それでな? 俺が思うに、番外個体はお前にあからさま
    な敵意っつか殺意を剥き出しにしてただろ?」

一方通行「ああ……、それがどォした?」

垣根「なんだかんだで番外個体がコッチに来て一ヶ月近く経ったが、初日はかなり酷かったぜ……。
    特に目つきがさ」


一方通行「………」
112 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:18:03.41 ID:JiSjmGyV0

〜〜一ヶ月くらい前〜〜



ピンポーン


一方通行「あン? オイ、誰か来たみてェだぞ」

黄泉川「こんな時間にお客とは珍しいじゃん。はいはーい、今開けますよー」タタタ


ガチャ



番外個体「やっほう。ふーん、ここがあなたの根城かぁ……。んじゃ、とりあえず死んでね。第一位」スチャ



一方通行「」

黄泉川「」

芳川「」

垣根「」

打ち止め「」
113 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:20:08.65 ID:JiSjmGyV0

番外個体「あれ? 第一位だけじゃなくて第二位もいるんだ? ……まぁいいや、んじゃ早速殺すから☆」

一方通行「……いやいやいや待て待て待て待て。どォ考えてもおかしいだろォが。まずその手に持った
      サブマシンガンをしまえ」

黄泉川「銃刀法違反じゃんよ。ハイ没収」ヒョイ

番外個体「あ! ちょっと、何すんだよこのオバサン! 返せっ!」プンスカ

黄泉川「………ほぉう」ピシッ

芳川「あちゃー……それだけは言ったら……」シーラナイ

黄泉川「色々事情はあるんだろうが、教育がなってないみたいだな……。あんた、ちょっとコッチ来な」ガシッ ズルズル

番外個体「やっ!? ちょ! な、なに!? なんなの!?」ズルズル

一方通行「お、おい黄泉川。コイツは…」

黄泉川「心配するな。顔で大体見当はつく。だがな、コイツはその前に触れてはならないものに触れて
     しまった。だからまずは 教 育 的 指 導  じゃん♪」ニヤリ

垣根(あ、あの笑顔はヤバイ……。俺の未元物質がそう告げてる…)


番外個体「ねぇ、そろそろ離してくんないかなぁ? ミサカは一般人にだって容赦しないよ? 第一位
      抹殺の邪魔しようってんなら排除しちゃうよん? コラ、聞いてんのオバサン」ギロリ
114 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:21:09.42 ID:JiSjmGyV0

黄泉川「おーおー、元気じゃんねー。こいつは久々に揉み甲斐がありそうだ」パキポキ(←首鳴らし)


番外個体「な…なんなのコイツ……」ゾクッ


黄泉川「さ、腹を割って話そうか♪」グイッ


番外個体「いやっ……は、離せぇぇ!」ズルズル


イヤァァァ!   ……バタン



打ち止め「あ、別室に消えちゃった…。ってミサカはミサカは中で行われる悲劇から目を背けながら
      実況してみる」

垣根「なぁ、話に全くついていけないんだが……」

一方通行「俺もだっつーの。オイ打ち止め、どォいう事なのか今すぐ説明しろ」

打ち止め「うーん……、ロシアから番外個体がコッチに来る事になったのはネットワーク伝達で認識
      してたんだけど……」

一方通行「で、何でウチなンだよ?」
115 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:22:50.09 ID:JiSjmGyV0

打ち止め「来ても行き場が無いから、ミサカやアナタの側で管轄するって話で纏まってたの。ロシア
      の研究施設じゃ居場所もないし、妹達がアナタに抱く“負の感情”も軽減したからもう
      大丈夫かなぁって……ミサカはミサカは…」

垣根「“負の感情”……?」

芳川「やっぱりあの子も妹達なのね……。にしては随分肉体が成長してた気が…」

一方通行「それについては後で纏めて説明してやる。打ち止め、いいから話を続けろ」

打ち止め「うん、つまり番外個体もアナタに対して無害だと判断したからミサカは『なら家で一緒に
      住もうよー♪』って提案したんだよ。ってミサカはミサカは家族が増える事にワクワク♪」

一方通行「だったらその段階で俺らの耳に入れとけェェ!! っつーかどこが無害だァ!? 第一声
      が『とりあえず死ンでね♪』だぞォ!? ついでに思いっきり銃器向けてきたじゃねェか!
      唐突すぎる展開に思考止まっただろォが!」ズビシ ズビシ

打ち止め「いたい、いたい! うぇ〜ん! ってミサカはミサカは泣き真似で許しを請うてみる」

一方通行「……ったく。で、これからどォすンだよ。っつか黄泉川は平気なのか?」

芳川「あ、覗かない方がいいわよ? 覗いたら多分道連れに会うわ」

垣根「鶴の恩返しですか……。中で一体何してんだよ?」

芳川「彼女なりの“教育的指導”ってヤツよ」ニヤァ

一方通行「……表情から察するに、関わったら碌な事にならねェのは充分理解できた」
116 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:24:12.26 ID:JiSjmGyV0

垣根「……けど、アイツが一方通行に殺意剥き出しなのも良く分かった。追い返すのが妥当なんじゃないか?」

打ち止め「それはダメ! だってそれじゃ番外個体に行き場所が無くなっちゃう…。ってミサカはミサカは
      首を横に振ってみたり!」

垣根「病院は空いてねえのか? 学園都市に居る他の妹達と一緒の方が…」

一方通行「わかってねェな。そもそも一万人いる妹達が何で世界に散らばったのか考えてみやがれ。今学園
      都市にいられる妹達はもォ定員オーバーなンだよ。延命のための調整は通院で何とかなンのか?」

打ち止め「それは大丈夫。ってミサカはミサカは親指を立ててみたり。それに病院生活よりもここで暮らした
      方が絶対楽しいよ! ってミサカはミサカは断言してみる」

一方通行「せめて家主である黄泉川の耳にくらい入れとけよこのクソガキが…」コツン

打ち止め「イテッ!? だ、だって驚かせたかったんだもん……ってミサカはミサカは子供らしい理由を述べ
      てみたり」エグエグ

垣根「でも、あれじゃあなぁ……」チラッ(←番外個体を連れ込んだ黄泉川が入った部屋のドアに注目)

打ち止め「き、きっと初見っていうか久々の対面だから思わず以前の癖が出ちゃっただけだよ! ってミサカ
      はミサカは慌ててフォローに回ってみたり」オロオロ

芳川「時間が解決する、って事ね…」

一方通行「クソガキが番外個体と暮らしてェのは良く分かったが、あとは黄泉川次第だな……。襲撃に怯えて
      夜もオチオチ眠れなくなンのだけは勘弁だぞ?」
117 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:24:52.91 ID:JiSjmGyV0

打ち止め「だ、大丈夫! いざとなったら命令して大人しくさせるから! ってミサカはミサカは上位個体と
      しての威厳を見せつけてみたり!」ドン

一方通行「だったら最初っからそォしろよコラ。銃突きつけられる前によォ?」グリグリ

打ち止め「イテテテテ!! だって突然でビックリしたんだもん! ってミサカはミサカは……痛いぃ!!」

垣根「……やれやれ。何か良く分からんが、また騒がしくなんのか…」

一方通行「そのセリフが吐ける立場かオマエ」

芳川(あなたもでしょうが……)


スッキリした顔の黄泉川と来て早々グッタリした顔の番外個体が部屋から出てきたのはそれから二十分後。
黄泉川は打ち止めからの頼みに「構わないよ。今更一人ぐらい増えても同じじゃん、この子も 充 分 
反省したみたいだし」と了承した。

こうして番外個体もめでたく黄泉川家ファミリーに加入を果たした。番外個体が黄泉川に逆らうことも、
どういう訳か一方通行に対して露骨な殺意を向けることも、この日以降一切なくなった。

ちなみにあの部屋で起きた“教育的指導”の詳細については未だ明かされていない……。


〜〜〜
118 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:25:57.15 ID:JiSjmGyV0

〜回想終了〜


一方通行「……まァ、確かにそォだな。初日は流石に寝つきにくかったが、ソイツもただの杞憂に終わっち
      まったし」

垣根「妹達の負の感情も今じゃだいぶ軽減されてるんだろぉな。番外個体のお前に対する接し方がいい証拠
    ってヤツだ」

一方通行「ケッ、くっだらねェ……」ゴロン

垣根「素直に喜ぶのは………まだ無理か?」

一方通行「あァ無理だ、一生な……。………けど、悪いとは思っちゃいねェ」

垣根「そっか………ったく、この幸福野郎め。テメェみたいな贅沢者はそうそういやしねえぞ?」

一方通行「うるっせンだよ。いいからもォ寝ろ」

垣根「はいはい、おやすみーっと」パチン

一方通行「……ふン」モゾッ



一方通行「クソったれが………」



一日目・終了
119 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:26:57.67 ID:JiSjmGyV0
こんな感じでダラダラした日常が何日か続きます
多分そこまで長い話にはならないと思います
作品と呼べるのかすらも疑わしいですが、それでも見てやってくれたら幸いです
ではここでちょっと有り得ないオマケをひとつ…
120 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:27:44.86 ID:JiSjmGyV0



〜男風呂〜 ※ボツネタ(またの名を書いてる人のくだらない妄想)



一方通行「毎回思うンだけどよォ……、何で俺のお風呂タイムはオマエと一緒なワケ?」チャプン

垣根「いい加減慣れろよ第一位。俺はもう慣れた」ゴシゴシ

一方通行「慣れる事は未来永劫有り得ねェと思ってた時期は確かにあったがよォ、習慣ほど恐ろしい
      ものはこの世にねェな…」

垣根「炊飯器といい残り湯洗濯機活用といい……これも不景気の流れってヤツか」ゴシゴシ ザバァー

一方通行「はァ……イヤだ。この日常に慣れてる自分が何かもォイヤだ……」

垣根「しかしホントに肌白いよなぁお前……。決して羨ましいとは思わねえけど」

一方通行「その流れはもォ飽き飽きなンだよ。特に意識してこォなったワケじゃねェっつってンだろォが」

垣根「ふー、サッパリ♪」

一方通行「ソッチから振っといて鮮やかに流してンじゃねェよ」

垣根「おっ、今のはギャグのつもりか? 湯冷めすっからやめてくれ」

一方通行「そンなに俺をギャグキャラに任命してェのかオマエは? 悪いが期待に応えてやるつもりなンざ
      これっぽっちもねェぞ」
121 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:28:41.45 ID:JiSjmGyV0

垣根「ん、交代」

一方通行「あァ」ザバー

垣根「ふぅ、ええ湯じゃのう」ザブン

一方通行「オヤジ臭ェンだよ」ワシャワシャ

垣根「この瞬間が何より好きなんだよ。水鉄砲飛ばされたくなかったら一々つっこむな」

一方通行「ケッ……やった瞬間がオマエの死亡確定時刻だ」ワシャワシャ

垣根「へいへい……ふはぁ…」カポーン

一方通行「……ッ!」ジャーー

垣根「だから目ぇ瞑りすぎ! シャンプー目に入ったって死にゃしねえんだからいい加減それも慣れろ!」

一方通行「無理なモンは無理なンだよォ! ガタガタうっせェぞ!」ザーー

垣根「あ、リンスは右側のだぞ。ソッチ俺のだって」

一方通行「ァァあ! だから見えねェンだよっ! クソが!」



以上、第一位と第二位の入浴タイムでした
果たして誰得なんだか……
本編(?)では当然勿論二人は 別 々 に入浴してます
お目汚し失礼しました
122 : ◆jPpg5.obl6 [sage saga]:2011/03/05(土) 20:30:04.13 ID:JiSjmGyV0
書き溜め完全に尽きたので次回は少し遅くなりそうです
ので気長に待ってやってください
アニメも随分進んじゃいましたが、まだ未登場のキャラの声が気になる今日この頃
木原くンは正直予想通りでしたw
あと私の個人的予想ではナンバーセブンは関智一
ていとくんは森久保祥太郎辺りがきそう……な気がする

あくまで予想ですが…

では今日はこの辺で失礼します
目を通してくださった方々、ありがとうございました!
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 21:37:18.06 ID:3th0vYfIO
乙です
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 21:53:54.82 ID:VeYW2qxwo
乙、超俺得だし
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/05(土) 22:37:50.86 ID:JS9gKd8Oo
乙!超俺得ですありがとうございますごちそうさまでした!

お礼に、雪景色と一体化するとどうなるか置いていきます
http://portal.nifty.com/2009/01/26/c/2.htm
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/06(日) 19:14:12.03 ID:T2/lXbbi0
>>125
吹いたwwwwwwwwww

森久保ってゾナーの人?
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/07(月) 02:51:46.54 ID:xtajcKfy0
>>125
一方さんなら同化しても気づかないなwwww
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/08(火) 17:30:39.39 ID:4EBDKdZ90

           ミ\                      /彡
           ミ  \                   /  彡
            ミ  \               /  彡
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    ミ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  |  |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄彡
     ミ____        \  |.  .| /        ____彡
           / ̄ ̄\|´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`i|/ ̄ ̄\
          /   / ̄|               || ̄\.   \
        /   /   |〕   帝凍庫クン   .||   ´\   \
       /    │   ..|              ||    |     \
     /    /│    |___________j|    |\.     \
     彡   /  │  ./..|   -―- 、__,        |ト、  | ´\    ミ
      彡/   │ ../ |   '叨¨ヽ   `ー-、  || \ |    \ ミ
            │ / ..|〕   ` ー    /叨¨)  ..||   \|     
    r、       |/   !         ヽ,     || \  \      ,、
     ) `ー''"´ ̄ ̄   / |    `ヽ.___´,      j.| ミ \   ̄` ー‐'´ (_
  とニ二ゝソ____/ 彡..|       `ニ´      i|  ミ |\____(、,二つ
             |  彡...|´ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄`i| ミ |
             \彡 |               .|| ミ/
                       |〕 常識は通用しねぇ  ||
                  |             ..||
                  |___________j|
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 12:29:32.48 ID:/QFH67nDO
>>1は地震大丈夫なのか!?
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/14(月) 21:14:04.56 ID:zFnrLB3q0
まさか被災したんじゃ……
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/15(火) 00:48:45.24 ID:uqILnMB5o
縁起でもない
132 : ◆jPpg5.obl6 [sagg saga]:2011/03/17(木) 20:06:47.59 ID:TtLOX3kZ0
生存報告遅くなって申し訳ございませんでした
色々ありましたが私の方はとりあえず無事です
しかしながらネタが正直詰まってます…
このスレの再開はもう少し時間掛かりそうです
待っててくれている方がもしいたら本当にすみません
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 20:52:33.80 ID:gkl0pN2DO
無事ならそれでいい
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/03/17(木) 21:29:41.55 ID:q6A+CgRAO
>>132
生存報告乙

生きてて良かった
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 03:59:54.22 ID:D/wfW21yo
無事でよっかた
いつまでも待ってるよ
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 00:57:13.44 ID:Rl8MXY8H0
見た事あると思ったら
友達スレでアンチと信者を気にしまくったうえ、話広げすぎて収拾つかなくなったやつか

またグダグダ続くんだろうな
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/03/20(日) 16:34:05.81 ID:kLpNDeY9o
グダグダ続くならそれはそれで楽しみになるし別に構わん
なにも常駐してるのはこのスレだけじゃないし

文句だけ垂れて面白いSSの一つも書けない奴よりはマシさね
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 13:17:21.10 ID:mhXr+Pyio
マダー?
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/20(金) 16:53:15.23 ID:3VqrMmdPo
作者生きてんの?
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 10:33:34.17 ID:SBKPYV+So
書かないなら落とせよ
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