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シャロ「T2ガイアメモリ……?」 (探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW) - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:10:55.62 ID:pfV6d0Mbo
シャロ「ってなんですかー」

アンリエット「……」
ネロ「……」
エリー「……」

小林「……あの、シャーロック? それを今からアンリエットさんが説明してくれる所だから……」

シャロ「あっそうでした! そーそー」

アンリエット「……コホン。続けます」

アンリエット「まずガイアメモリとは、《地球の記憶》と呼ばれる地球上で起きたありとあらゆる事象・現象を再現するプログラムが収納された生体感応端
       末の総称で、人体に挿す事により内包されたデータが肉体に作用し、使用者をドーパントと呼ばれる怪人態へと変質させます。そしてT2ガイ
       アメモリとは従来のガイアメモリの中から厳選され純正化された26種のメモリを指します。これは特別な処置を施さずとも使用可能なもので
       すが、その分だけ人体への負担が大きく、並の人間では逆にメモリに意識を乗っ取られ、立ち所に凶暴化し暴れ出してしまうという危険性を――」ペラペラ

小林「あ、アンリエットさん!」

アンリエット「――なんでしょう?」

小林「彼女達にあまり難しい話は……ご覧の有様ですから……」

ネロ「地球の記憶うぅ?」

エリー「生体……かんのうっ……///」

シャロ「ドパーンと!」

アンリエット「……」
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:12:32.92 ID:pfV6d0Mbo
アンリエット「……要するに、使うと怪物へと変身してしまう悪魔の道具という事です」

小林「(あ、説明を諦めた……)」

ネロ「怪物!?」

シャロ「なまらおっかないですー!」

エリー「でら怖い……です」

小林「(しかも、よっぽどストレートに伝わってるし……)」

アンリエット「詳しい資料はこちらに。小林さん、後で必ず目を通しておいて下さいね」

小林「あ、はい」

小林「……それで、アンリエットさん」

アンリエット「なんでしょう?」

小林「僕達をここへ集めた理由……もう、聞かせて貰えますよね?」

アンリエット「……」

アンリエット「ふふっ……流石ですね小林さん。名探偵は察しが良くて助かりますわ」

小林「いえ、僕は……」

アンリエット「ご謙遜なさらずに。では、お言葉に甘えて本題に入るとしましょう」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:13:33.77 ID:pfV6d0Mbo
アンリエット「シャーロック・シェリンフォード」

シャロ「あ、はーい!」

アンリエット「譲崎ネロ」

ネロ「ほーい」

アンリエット「エルキュール・バートン」

エリー「は、はい……っ///」

アンリエット「シャーロック・シェリンフォード」ジー

シャロ「はいっ!」

アンリエット「……シャーロック・シェリンフォード」ジーー

シャロ「はい?」コクビッ

アンリエット「ああ……シャーロックぅ……」ジュルリ

小林「あ、あの。アンリエットさん?」

アンリエット「っ!?」

アンリエット「し、失礼。わたくしとしたことが、つい……」グシグシ

小林「はぁ……」

小林「(つい……つい、何だ?)」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:16:39.95 ID:pfV6d0Mbo
アンリエット「ご、ごほんっ。以上、ミルキィホー……あら?」キョロキョロ「シャーロック、コーデリアはどうしたのですか? 思えば姿が見えませんが……」

シャロ「ムショですー」

アンリエット「そうですか、それは大変ですね。では改めて――以上、ミルキィホームズ。そして、その指導役である小林オペラさん」

小林「は、はい」

アンリエット「あなた達に、ホームズ探偵学院よりT2ガイアメモリの捜索を依頼します」

ネロ「はぁ!?」

シャロ「あたしたちが!?」

エリー「ガイア……メモリを……?」

小林「ど、どういう事です!? 回収って、まさか……」

アンリエット「……そのまさかです」

アンリエット「二日前……某所よりT2ガイアメモリを輸送していたヘリが、このヨコハマ上空を通過中に何者かの襲撃に遭いました」

アンリエット「ヘリは炎上し大破……その際に26本のメモリの殆どが街へとばらまかれ、今日まで行方知れずとなっています」

小林「(ん……?)」

アンリエット「そして昨日、然る人物――事情により名前は伏せます――から、このホームズ探偵学院に依頼がありました」

アンリエット「『この偵都ヨコハマに飛散した26本すべてのT2ガイアメモリを回収して欲しい』……と」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:18:06.04 ID:pfV6d0Mbo
ネロ「ねぇねぇアンリエットさん、ちょっと良い?」

アンリエット「なんですか?」

ネロ「事情は分かったけどさぁ……その依頼って、学院に直接来たんでしょ?」

シャロ「あ、そっか。あたしたち、その依頼をまた依頼されちゃってるんですね」

エリー「つまり……孫請け、ですか……?」

アンリエット「有り体に言えばそうなります」

ネロ「えぇ〜……? なんだかなあ、それって僕らがやんなきゃダメなわけ? 学院への依頼なら会長が請ければいーだけの話じゃん。ひとりだけズルしようとしてない?」

小林「こ、こらこら。ネロ、そんな言い方――」

アンリエット「――わたくしも、出来ることなら自分で、自分一人で片付けたくはあります。ですが、それは出来なくなりました」ギリッ

小林「え? どういう意味です?」

アンリエット「間の悪いことに今朝、IDOからの召集命令がありました。わたくしはそれに応じ、イギリスへ赴かなければなりません」

シャロ「ええーっ!? アンリエットさん、いなくなっちゃうんですか!?」

アンリエット「ええ。ほんの数日とはいえ、このタイミングに重なったことは、不運としか言い様がありませんわ……」

小林「(ん……?)」

ネロ「でも、じゃあ尚更どーすんのさ! そのドーパントとか言う奴らと戦うことになるかもしれないんでしょ?それも僕たちだけで?」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:20:06.74 ID:pfV6d0Mbo
アンリエット「それなら手は打っています。小林さん、皆さんも、これを」スッ

小林「そのケースは……?」

アンリエット「――そもそもガイアメモリとは、この偵都から遠く離れた街の裏社会に流通しているものです」パチン

アンリエット「今回の依頼を請け、わたくしはすぐにその街のある人物へコンタクトを取りました」パチン

エリー「ある、人物……?」

アンリエット「素性は伏せさせて貰います。そして事情を説明し、これら一式を借り受けて来たのです」

シャロ「これ……ってなんですかー」

アンリエット「……」
小林「……」
ネロ「……」
エリー「……」

アンリエット「……目には目を、歯には歯を、ガイアメモリには……」ガチャ

アンリエット「ガイアメモリです」

「「「「……」」」」

「「「「ええーっ!?」」」」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 23:20:43.29 ID:7xwdPk6J0
ミルキィホームズVSNever!?
コレは期待
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:21:25.28 ID:pfV6d0Mbo
エリー「こ、ここ、これが……ガイア、メモリ……?」

シャロ「ふわぁー、すっごくキレイですー!」

ネロ「へぇ〜……中にはメカが詰まってるね。おっきなUSBメモリみたいだ」

小林「アンリエットさん! 危険な筈のガイアメモリが、どうしてここに?」

アンリエット「目には目を、と言いました。それに、このメモリにT2ほどの危険性はありません。ですが、これを使えば――」

小林「これ――って、この、赤い機械の事ですか? これは一体……」

アンリエット「それはあなたにお渡しします、小林さん。そのドライバーを介してメモリを使用すれば、メモリの毒素が身を蝕むことはありません」

小林「僕ですか?」

アンリエット「ええ、是非ともあなたに。どうしても避けられない非常事態にのみ、これを使って下さい」

小林「はぁ……それで、使い方は……?」

アンリエット「その時がくれば分かりますよ。それを腰に装着さえすれば……あとはどうとでもなりますわ」

小林「そ、そんなアバウトな……」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:22:28.67 ID:pfV6d0Mbo
アンリエット「そして、ミルキィホームズの皆さん」

シャロ「はいっ、こちらミルキィホームズです!」キリッ

アンリエット「(ああ、可愛い……)……あなた達にもガイアメモリを渡しておきます。これはType1……いわば旧式ではありますが、その中でも取り分け強力なものです」

ネロ「六本あるね」

アンリエット「ええ。その右半分……こちらの三本から、一人一本ずつ、それぞれ選んで下さい」

シャロ「どれでもいいんですか?」

アンリエット「ええ、直感のままに選びなさい。人とメモリは惹かれ合うもの……きっと皆さんの力になりますわ」

シャロ「わーい、選びまーす! えーっとえとえとうんとねーえっとえっとそそそそ……」ムムム

ネロ「んー、ど・れ・に・しよっかなーぁ。エリーは?」

エリー「わ、私は……ふたりが選んだ後で……」

ネロ「そ? じゃあ僕はこれー♪」

シャロ「あれっ、ネロは緑にするの? 黄色だと思ってたのに」

ネロ「うん。実は今、青りんご味のグミがマイブームでさ〜。ジーッと見てたらこれが結構美味しそうで……」ジュベロッ

小林「ちょっ!?」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:24:00.19 ID:pfV6d0Mbo
ネロ「あぐあぐあむちゅぱ……うえ、かたいー」ムグムグ

小林「そりゃお菓子じゃないからね!? お腹を壊す……というか、借り物らしいんだからそんな事したら駄目だよ!」

ネロ「ぺろぺろ……あっ! ほうひてひゃめてると、なんらかすこひづつ甘みが……」チュパチュパ

シャロ「ほんとですか!? じゃああたしはこっちのバナナ色ー♪ あの時食べひょこねたのが今れも夢に見るほろ悔ひかったんれふー」レルレル

アンリエット「(ああっシャーロック! そんなっ……そんな淫らな舌遣いでっ!?)」

小林「シャーロックまで!? ああもう、本当に食い意地が張ってるんだから……え、エルキュール、一緒に二人を止め――」

エリー「い、いちご味っ……///」チロチロ

小林「エルキュール!?」

エリー「ひゃあっ……!? あ、こ、小林さんっ……これはその、違うんですっ……///」チュパペチャレチャレロジュポッ

小林「言い訳の割に本腰入れて舐め始めてるよね!? ちょっと、アンリエットさんも黙ってないで手伝っ――」

アンリエット「シャーロック、シャーロックうううううっ……! わたくしも、わたくしにもその舌技ををををををををっ……!」ガクガクガクガク

小林「会長ぉーーーーーッ!!!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:24:46.73 ID:pfV6d0Mbo
アンリエット「取り乱しました」キリッ

小林「……」ジトー

アンリエット「こ、こほんっ。そ、それで、シャーロック。メモリは選びましたか?」

シャーロック「はーいっ」

アンリエット「よろしい。では、残りのメモリは小林さんに……」

小林「え、僕が? 三本ともですか?」

アンリエット「ええ、そうした方が都合が良いので」

ネロ「えーっ!? なんで小林ばっかりひとりで一杯持つのさ!」

小林「なんでって言われても……アンリエットさんがそうしろって言うんだから」

ネロ「ズルいズルいズールーいー! 僕のガイアメモリ僕のガイアメモリ〜!」

シャロ「あわわ、ネロが薬物中毒者みたいになってますー」

エリー「禁断……症状……っ///」

小林「はは……参ったな」

ネロ「僕のメモリぃいいいいい! メモリよこせ小林いいいいいイ゛イ゛イ゛!」

小林「いや本当に怖っ!?」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:26:03.77 ID:pfV6d0Mbo
アンリエット「では最後に、今回の依頼の要点を纏めます――」

アンリエット「ひとつ。根本的な目的は、偵都ヨコハマに散らばるT2ガイアメモリ26本の捜索」タカ!

アンリエット「ふたつ。基本的な実務は、未使用のメモリの迅速な回収」トラ!

アンリエット「みっつ。例外的な措置は、メモリが誤って使用された場合、そのドーパントとの戦闘」バッタ!

アンリエット「――以上、細かいことは、最初に渡した資料を読んで頂ければ大体は分かるかと」タットッバッタトバタットッバッ!

小林「あの……今、どこからともなく聞こえてきた……歌(?)は、一体……」

アンリエット「歌は気にしないで下さい」キリッ

小林「……分かりました」

アンリエット「それでは……シャーロック、皆さんも……どうか気をつけて。絶対に全員揃って、無事に依頼を成し遂げて下さいね」

シャロ「アンリエットさん……! はいっ、あたしたちミルキィホームズが力を合わせて、必ずアンリエットさんの期待にバシッと答えちゃいますっ!」ニパッ

ネロ「へへ。じゃー行こっか?」ニッ

エリー「行きましょう……」ニコッ

「「「ミルキィホームズ−コーデリア+小林オペラ、出動!!!」」」

小林「ちょちょっ、キミ達! 三人一緒はさすがに引っ張りすぎっとっとっとぉおわぁああああああっ!?」

ズドドドドドドドドド...
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:27:21.59 ID:pfV6d0Mbo
◇ ◆ ◇

「……」

ミルキィホームズと小林オペラが去った後、アンリエット・ミステールは一人、旧校舎の屋根の上に立っていた。

「さて……」

呟きながら、髪にじゃれつく夜風を優しく愛でる。
その手には、何かが握られていた。

「……」

それは、USBメモリに酷似した形状の端末――そう。それは、ガイアメモリ。
アンリエットはそこからの街の景色を一望し、にぃと唇を笑みの形に歪めた。
その微笑みに覚悟と決意を乗せて、彼女は唄う。

「さぁ、地獄を楽しみましょう……!」

◆ ◇ ◆
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:28:24.33 ID:pfV6d0Mbo

〜メインOP♪W-B-X~W-Boiled Extreme~(各自、お手持ちのCD・DVD等でご視聴下さい)〜

探偵オペラ ミルキィホームズ。それは――

トイズと呼ばれる不思議な能力を持った四人の探偵のタマゴ達と、
彼女達を正しい方向へ導く、トイズを失った名探偵・小林オペラが、
仮面ライダーとなってガイアメモリ犯罪に挑む、謎と戦いの物語である!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/17(木) 23:30:49.29 ID:pfV6d0Mbo
『探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW』! 最初に言っておくみっつの事は――

ひとつ! 当SSは所謂クロスオーバーの一種です。そう言った類のモノが苦手な方は、ここでUターンするのが賢明です!

ふたつ! どちらかの一方、或いは両方の元ネタも知らない方は、以下のページを参考に脳内補完補間を推奨します!
 仮面ライダーW(公式) ttp://www.tv-asahi.co.jp/double/
 仮面ライダーW(wiki) ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%AE%E9%9D%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BCW

 探偵オペラ ミルキィホームズ(公式) ttp://milky-holmes.com/index.html
 探偵オペラ ミルキィホームズ(wiki) ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9_%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%82%A3%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%BA

そして、みっつ! 俺の作業速度はかーなーり……遅い!
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/17(木) 23:38:41.07 ID:7xwdPk6J0
会長がエターナルか・・・・・・
乙!!
期待してます!!
17 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/17(木) 23:40:13.43 ID:pfV6d0Mbo
ついさっきVIPでスレ立てしたのだけれど、さるってた間に見事にdatの海に沈んでいったのでこちらに移民
書き溜めはもう少しあるけど、ちょっと傷心なうって感じなので今日はここまで……

酉はまあ一応、本人確認用で


>>7
物語の流れとしてはゲーム版ミルキィの流れに沿ってAtoZのイベントをこなす感じデス
基本的に登場人物はミルキィホームズ側からのみの登場になる……予定
期待に添えず不甲斐ない、ありえない、たまらない!
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/17(木) 23:54:54.39 ID:i3LDhfbxo
ライダーは解らないがミルキィホームズは大好きなので期待
ミルキィホームズSSよ、もっとふえろ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/17(木) 23:55:30.59 ID:i3LDhfbxo
ライダーは解らないがミルキィホームズは大好きなので期待
ミルキィホームズSSよ、もっとふえろ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/17(木) 23:56:20.69 ID:i3LDhfbxo
ライダーは解らないがミルキィホームズは大好きなので期待
ミルキィホームズSSよ、もっとふえろ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/17(木) 23:58:07.20 ID:i3LDhfbxo
Janeめ、調子わりいぞ!3重って恥ずかしいじゃないか
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 07:29:09.27 ID:ESBndKbh0
ミルホ作品は大概小林先生がハブられるからこれには期待せざるを得ないぜ…

まどかアギトと言い見るスレ増えて俺ウハウハ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/03/18(金) 09:39:42.83 ID:SOQTHVuAO
乙〜次回を楽しみにしてる

メモリの色からして
シャロ=L
ネロ=C
エリー=H
小林=左側
かな

デリア嬢は…F?ww

個人的にはAを誰がやるのか気になる所
24 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/18(金) 10:59:04.17 ID:OZfZBw8Ko
                 〜豆ミル知識ィ その1〜

                     | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
                     |         .|         ∧  ∧
      ------\         |         .|         ------ \
    /  / \  \        |______|        /  .| |   \
    / . /   \  \    __|______|__    /__ | |___\
   ./  /     \  |      | /\/   \       |  / W∨W \ |
   /  /ィェァ「ィェァ  |\ |      / /ィェァ「ィェァ | .\      |  .|ィェァ「ィェァ  | |
  / /   |ヽ   |  |       / |   |ヽ(二)| /       | .|   |ヽ   | |
  / /|   レ   |  |       | |   レ   |/        | .|   レ   |/
 // |.  -=- ./   |        |. |  -=-  ./          \  -=-  /
    .| \.,___,/|  ./          .| \.,___,/|          .| \.,___,/|
    .| \:::::::/..| /          .| \:::::::/ .|         . .| \:::::::/ .|


「コーデリアは?」「ベントされた」「いつ戻る?」「戻らない!」
>>23の通り、初期稿ではデリアさんをファングに充てようかと思ったけど、
本家Wの設定を尊重した結果、ムショにぶち込む事にしました



意外と反響があって傷ついた心がビーストばりの超回復を見せたので、加筆修正の済んだ一区切りまで投下しておきまっしゅ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2011/03/18(金) 10:59:37.62 ID:OZfZBw8Ko
――ミルキィ探偵事務所

小林「………………」

小林「(――僕は小林オペラ。私立探偵だ)」

小林「(ある事件でトイズを失い、一度は探偵の道を諦めかけた僕だけれど……)」

小林「(またある出来事が切っ掛けで、再び探偵を目指す事を決意した)」

小林「(探偵の基礎を学び直す為、そしてトイズを取り戻す為にイギリスに渡ってしばらくが経ち……」

小林「(トイズ復活の手がかりが日本にある事を知り、一時的に帰国した僕を迎えてくれたのは、かつての教え子であるミルキィホームズ−1だった)」

小林「(聞けば彼女達も、僕の不在の間にトイズが無くなったり蘇ったりまた無くなったりまた蘇ったりまたまた無くなったりと、かなり波乱の日々を送っていたらしい)」

小林「(そして僕は、現在は一応またまたトイズが蘇っているらしいみんな−1の指導役に返り咲き、彼女達のサポートをしながらトイズ復活に関する情報を集めている)」

小林「(……今回の依頼・T2ガイアメモリ捜索は、そんな折に舞い込んだ一陣の風……)」

小林「(ミルキィ−1のみんなと挑む久しぶりの大事件に、気を引き締めて取り組もう――と、僕は思っていた……のだけれど……)」

〜OP♪雨上がりのミライ(各自、お手持ちのCD・PSP等でご視聴下さい)〜

《Wの開幕/探偵は二人で一人! じゃない!?》
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:00:14.78 ID:OZfZBw8Ko
ネロ「小林小林ー。ねぇ小林、こーばやしってばー。小林ぃ〜」

小林「……っと、なんだいネロ? どうかした?」

ネロ「そこの袋とってー。ほらそこの……そぉそれそれ! お菓子が入ってるやつ」

小林「(袋……これ、かな?)ああ、分かっ――て重!? ね、ネロ? これ……中身は本当にお菓子?」

ネロ「そだよ? 業務用グミ(青りんご味)。ねぇ早くこっちー」

小林「あ、ああ……(グミの業務用ってなんだ……?)」

ネロ「さんきゅー。えっへへ、僕のグミ、僕のグミ〜♪」

小林「(……ネロは以前よりも子供っぽくなり、食欲に磨きが掛かっているようだ……)」

小林「……あ、そうだ。ネロ」

ネロ「もぎゅもぎゅ……んあ、なに?」モッキュモッキュ

小林「このメモリに関してなんだけど……キミのトイズで何か分かる事はないかな?」

ネロ「もぎゅっんくっ。そうだねー……僕も一応、自分のメモリで試してみたけど、セキュリティがすごく堅くて中まで入り込めないんだよ」

小林「そうか……分かった。ありがとう」

ネロ「んぃー」モッキュモッキュモッキュ

小林「(ネロのダイレクトハックも寄せ付けないプロテクト……やはり、かなり凄い物のようだ。……普通にスイッチを押す分には、)」

カチッ \ジョォカァァァ!/

小林「(……ただ野太い声でメモリの名前を叫ぶだけの装置なのになぁ……)」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:00:48.82 ID:OZfZBw8Ko
シャロ「じゃんっさがしてまーすよー、もーくーげーきーしょーおげーん♪」キュッキュッ

小林「シャーロック」

シャロ「あ、小林先生」

小林「事務所の掃除お疲れ様。……って、本来は寝泊りに使ってる僕の仕事なのに……不精でごめんね」

シャロ「いえいえ。あたしは好きですよー、掃除ー」

小林「ハハ、そう言ってくれると有り難いよ。お礼にコーヒーでも淹れるから、もう座ってて?」

シャロ「わ、ありがとうございます! でもあと少しで終わりますから、最後までやっちゃいますね!」

小林「そう? じゃあお願いしようかな」

シャロ「はいっ、お任せあれ!」

小林「(シャーロックは以前と変わらず、素直で真面目ないい子だ。ただ……)」

シャロ「らん、らんらら・らんらんらん↑♪ らん、らんらら・らんらんらん↓♪ らん、らんらら・らんらんらん→ らんらら・らんらんらん・らん→♪ 
    らんらんらんらん・らららららん↑♪ らんらんらんらん・らららららん↑♪ らんらんらんらら・らんらんらんっ♪ らんらら・らんらんらん・らんっ♪ らんらららんらんらー↑ん♪」キュキュッ

小林「(鼻歌のチョイスが……なんというか、精神を不安定にさせるというか……妙にイラッとさせるというか……)」

シャロ「みっんなっ元っ気かーながわー♪ ぼっくっはっ元っ気だっよこはまっ♪」キュッキュキュー

小林「」イラッ☆
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:01:30.24 ID:OZfZBw8Ko
小林「エルキュール」

エリー「小林さん……///」

小林「コーヒー淹れたけど、キミもどう?」

エリー「あ、いただきます……ありがとうございます」

小林「うん。と――砂糖とミルクは?」

エリー「えと……お砂糖はふたつ、お願いします……それと、ミルク……ミルク、は……///」

小林「エルキュール?」

エリー「小林さん……ミルクは……小林さんに入れてもらってもいいですか……?」

小林「え、僕? いやまぁ、構わないけど……じゃあ、丁度いい所で止めてね」トプトプ

エリー「……っ、はああああああ……/// こ、小林さんの(手から)ミルクが……私の(コーヒーの)中に……あんなにっ……//////」

小林「え、エルキュール? まだかな、そろそろコーヒーというよりカフェオレ……いやもう、これは牛乳に近いんだけど……」トプトプ

エリー「え? ぁ、はわぁっ!? だ、ダメです小林さん……! そんなにたくさん、私、壊れちゃううううううっ……/////////」

小林「……はい、どうぞ。コーヒー風味の牛乳」

小林「(エルキュールは………………お年頃だ)」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:01:58.72 ID:OZfZBw8Ko
小林「(ちなみにコーデリアは刑務所だ)」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:02:28.36 ID:OZfZBw8Ko
小林「さて……みんな、ちょっと聞いてくれ」

シャロ「はーいっ」
ネロ「呼んだ?」
エリー「何か、御用でしょうか……?」

小林「僕と、キミ達ミルキィホームズ−1は、アンリエットさんからの依頼を請けたわけだけれど……今後の方針についての意見を募りたい。まずは……シャーロック!」

シャロ「はい! 頑張りましょう!」キリッ

小林「うん、頑張ろうね。でも今は、抱負じゃなくて方針が聞きたいんだけど……何かあるかな?」

シャロ「だから頑張るんです! そうじゃなかったら、まず頑張るのを頑張るところから頑張りましょう!」

小林「………………うん、頑張ろうね」

小林「次は……ネロ!」

ネロ「これ食べるまで待っててー」モシュモシュ

小林「よし! エルキュール!」

エリー「えと……その……まず、街で聞き込みをするべきだと……思います……」

小林「結婚してくれ!!」

エリー「は、えっ、えええぇぇぇぇぇぇっっっ……!?///」

ネロ「……小林ぃ?」ギロリ

小林「あ! いやその、なんだ……ごめんエルキュール! あまりにも真っ当な意見に感動して、つい……」

エリー「い、いえ……気にして、ません……から。むしろ、嬉しかった……ですっ……///」

小林「よし!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:02:59.14 ID:OZfZBw8Ko
小林「コーデリア!」

シャロ「ムショですー」

小林「よし!」

小林「エルキュールの言う通り、僕達にはまだ情報が不足している。今は足を使う場面だと、僕は思う」

小林「アンリエットさんの話だけでも、ガイアメモリが危険なものだと分かる……」

小林「それがこの偵都ヨコハマに散らばってるなんて状況は、一刻も早く終わりにすべきだ!」

小林「さぁ行こう、この街が地獄に変わる前に――シャーロック!」

シャロ「まだですー」

小林「よしっ! ネロ!」

ネロ「これ食べるまで待っててー」モシェモシェ

小林「ぃよし! エルキュール!」

エリー「子供は……いっぱい欲しいです……///」

小林「よぉし! コーデリア!」

シャロ「ムショですー」

小林「ぅよしッ! うわあああああああああああああああああああああああああああッ!!!」ダッッ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:03:25.59 ID:OZfZBw8Ko
――ヨコハマ市街

小林「はあっ、はあっ、はあっ……!」

小林「(思わず叫び声を上げながら事務所を飛び出して来てしまった……)」

小林「(僕が日本を離れている間、彼女たちにもいろんな事があった……とは聞いていたけど……)」

小林「(まさかあそこまでダメダメになっていたとは……)」

小林「(その影響か、アンリエットさんだってゲーム版と比べてまるで別人のように冷たくなっていたし……)」

小林「(帰国してから今日まで、大きな事件がなかったから見て見ぬ振りをしてきたけど……)」

小林「(大丈夫なのか……? 僕は、今のミルキィホームズ−1と上手く付き合っていけるのか……?)」

小林「………………」

小林「(……しっかりしろ、小林オペラ!)」

小林「(今はウジウジと悩み続けるよりも、事件解決の為に動くべきだ!)」

小林「……よし! 僕一人でも聞き込みは出来る。とにかく今は情報を集めないと――」

???「キャアアアアアアアアアアアアア!!!」

小林「――!? 悲鳴……あっちか!!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:03:52.91 ID:OZfZBw8Ko
怪人「キキキッ……!」

女性「いやあっ……来ないでぇ!!」

小林「あっ!?」

小林「(なんだあれは……鳥、いや、鳥人間……鳥の化物!? まさかあれが……ドーパント!?)」

ドーパント「キエエエエエエエエエッ!」

小林「くっ、やめろおおおおおっ!!」ドンッ!

ドーパント「ギッ!?」ドテッ

小林「タックルなのに当たった!? いやそんな事を言ってる場合じゃないか。そこの貴女、逃げて!」

女性「あ……あ……」

小林「早く!!!」

女性「ひっ……はいっ!!」ダッ

小林「ふぅ……」

ドーパント「キィィィィィ……!」

小林「くっ……!(まずい……周りはパニックで、この怪物の狙いは今、僕に向いている……ヘタに逃げ回れば、被害が拡がるばかりだ)」

小林「(立ち向かうしか……戦うしか、ない……!)」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:04:25.53 ID:OZfZBw8Ko
小林「(アンリエットさんから受け取った力……このドライバーを、使う……!)」スチャッ

小林「!」バシュッ、シューン、ガチャ!「(腰に巻きついて……ベルトになった? そしてドライバーのこのスロット……ここにメモリを入れるんだな)」

カチッ \ジョォカァァァ!/ ジャキィン!

小林「(そして――!)」

小林「………………」

小林「(――そして、どうするんだ……? 全然わからないや)」

ドーパント「キエエエエエエッ!!」ブンッ

小林「うわあっ!?」ヒョイッ

小林「(まずい! このままじゃいずれ捕まって……やられる!)」

小林「どうすれば……」

???(『小林!』)

小林「っ!?」

小林「(今の声は……)」

???(『小林っ聞こえてる!?』)

小林「ネロ!?」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:05:02.11 ID:OZfZBw8Ko
ネロ(『わっホントに通じた! なんか変な感じ……』)

シャロ(『せんせー、シャロですよー!』)

エリー(『あのあのあの……私も、繋がって……ますっ///』)

小林「シャーロック、エルキュールも!? どこから声が――近くにいるのかい!?」バッ

ネロ(『んーん。今○×交差点なう!』)

小林「○×交差点なうって……もしかして、ここに向かって来ているのか!? どうしてこの場所が……?」ダッ

シャロ(『事務所のテレビで昼ドラ見てたら、臨時ニュースが入ったんです!』)

エリー(『街中で……鳥の怪物が暴れてるって……』)

ネロ(『で、飛び出して来たんだけど……走ってる途中、僕らの腰に小林が渡されたドライバーと同じものが浮かび上がってきて、』)

シャロ(『そしたら急に、先生の声があたしたちの頭にも聞こえてきたんです!』)

小林「僕の声……? 思考がリンクした、という事か……!?」ガッ

ネロ(『どうもそうみたいだよ。僕もビックリしちゃった。……まさか小林が脳内で僕にあんなコトやそんなコトを……』)

小林「ええええっ!? 待ってくれ、僕は何も!」ピョインッ

エリー(『あのあのあのっ……私は、もっと激しくしてくださっても……平気ですから……///』)

小林「完全に違う電波を受信してるからねそれ!?」ゴロンッ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:05:34.89 ID:OZfZBw8Ko
ドーパント「ギイイイイアアアアアアアア!!」ブオンッ

バキィッ!
小林「う、があっ!」ズザアッ!

ネロ(『小林っ、大丈夫!?』)

小林「良くない状況だ……暴れているのはどうやらドーパントで間違いないらしい。けど僕のドライバーが上手く作動しないんだ……」

小林「(ん……?)」

小林「(作動しないドライバー……二つのスロット……同じベルトがみんなの元にも現れた……六本のメモリ……彼女たちには右半分……僕の三本は、左半分……!)」

小林「そうか……そういう事か!」

ドーパント「キエエイ!」ブォンッ!

小林「くっ!」ガッ ギリギリギリ……


小林「 キ ミ 達 ぃ !!!!!」


(『『『はい!?』』』)

小林「誰でもいい、ドライバーの右スロットにメモリを挿すんだ! 急 げ !!!」

(『『『ええ!!??』』』)

小林「 早 く !!!!!」

(『『『了解っー!!!』』』)
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/18(金) 11:06:09.43 ID:OZfZBw8Ko
――同時刻 ヨコハマ市街・○×交差点付近

ネロ「ぼぼ、僕がやるっ! えーい小林ってば、また変なスイッチ入ってるなぁもおーっ」

カチッ \サイクロン!/ ジャキィン!

ネロ「ホラ挿したよ、小林ーっ!」
シュウウウン...

エリー「あっ……!?」

シャロ「メモリが消えちゃいました! って、ネロ――!?」

ネロ「   」フラッ

「「ネロ!?」」

――ヨコハマ市街・事件現場

...シュウウウン
小林「(よし! 予想通り、右スロットにメモリが出現した!)これを――」ジャキィン!

バード「ギシャアアアアアアアアッ――」グワッ

小林「――開けば!」ガシャン!


\サイクロン!/\ジョォカァァァ!/ デーデレデーデレデレデレデーン・ジャッジャッジャン!

38 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/18(金) 11:09:30.57 ID:OZfZBw8Ko

                 | \   / |
                 |  ヽ /   |
              ___\_∨_/___
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     /\::::::::::/                /  ll::::l|  /― 、   
    /  /\/\__________ /ヽ‐´ `l´  〉`ヽ ヽ
   /  /    /     //_|_|__|_|ノ、ヽ へ、_|_|_ヽ、  /|`‐´、  |   |
   |   |   |/|   | |/ ヽl  .V  \|、/. |/ | /` ' / フ ー.' /  |
   ハ   \___|.  | .彡三三ミ    彡三三ミ'// /|/___/  /
    \     \_|◯  //////   〇//、___/  今日はここまでですー!
      `ー―┐|  \    ァ〜ー―‐ヽ  Z´ |  | ヽ
         /..|  ||. ̄l ̄l____/ ̄ /.  |  |  \
         /  |   |ヽ |: : : : :ll::::::::ll: : : : :|.、  |  |   |
      〃/`ゝ-|.  |`ヽハ:_/`┬´\_/ ハ / /__/、ヽ
    /  /   l  \ |ー―\: : /|\: /  ̄/,/   〉 ヽ´ `
   〆 ヽ|   ハ      ハ     |o   /  '    /  /´`
>− Y/`ヽ\   Y      Y   . |o  /     /  /⌒ ) `ヽ ̄\
    |`ヽ、_ _ヽヽ ハ   ,ン´ `ーァ,-l、, /―― 、__| ,--´、 ヽ    |   )
ー―‐\__シ  ヽ‐、,-彡,´ `ー´ヽ〜/^ー‐`-、ヽミ、´ ´、 l/ー― ´――´
        `ヽ‐´`てここ―イ´_,ン 〜ヽ‐‐`ー‐ `‐``

次から戦闘パート
VIPではセリフと効果音のみだったけど、せっかくなんで地の文を差し込んでみます
ほら、ゲーム版ミルキィも犯人追跡パートだけ別ゲーだったし、よいのではないか?

>>18-21
応援される気持ちが、3倍になった!(龍騎風)

>>22
小林先生とミルキィがキャッキャウフフするSSがもっと増えればいいのにね
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 11:26:34.67 ID:ESBndKbh0
チラッと見たら来てりゅーーーー!?しかも良い所でえええ、この焦らし屋さん!乙!

ていうかコーデリアさんずっとムショかよ…
でもアニメ風だと問題なく感じてしまうのが恐ろしい…ファングも出していいんじゃよ?(チラッ

いやぁそれにしても小林先生は良いものだwwww
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/18(金) 12:43:24.75 ID:ZzZuldL60
乙!!
応援してます!!
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/18(金) 15:25:06.63 ID:GytVH4L2o
俺の恥ずかしい3重投稿も>>1の力になったのなら嬉しいぜ!
42 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/19(土) 02:26:02.12 ID:r7NDOP5ro
〜AAで振り返るコーデリア・グラウカの栄光シリーズ@〜

         ____
       , -'゙´      `゙'- ,
     /     、 ,  ,    \
   ./   ,、\,>| ./ \__    ゙、
    j   j/丁/ レ'  __\   ヽ
    {  .{ '゙☆ .)    ( .☆ヽ  .j亅
   X  |` ̄´ ----   ̄ i /_/j
  ,-┘.\゙     {  }   ,.-i゙ .゙j-ェ-,
 ´'---.、 ヽ.、 .└-┘ _,.-`┐゚┌''゙´
    (x゙ヽ、  ☆   ☆_/ (`'´ヽ、
     ゙'っ丿┐      .i\ `☆ .)
          .冫  x    i .`´)_/
     _,.-'´    .☆    \
     \  ┌''゙´ ̄ ̄´゙'- ,_ \
      \ \       `ヽ、\
        `゙゙´            ` ̄

(シリーズAの予定はありません)

今回から戦闘パート突入。地の文が入ります
読み難い、読み易い、ここをこうした方が良い、等のご意見ご感想をお待ちしております
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:27:34.05 ID:r7NDOP5ro
 ――風。

ドーパント「ギシャッ、ギアアアアアアア!?」

 ドーパントさえも寄せ付けない強風が、突如その場に吹き荒れる。
 一際鋭い音を鳴らしてそれが霧散した時、そこに立っていた小林オペラの姿は、まったく別のものへと“変身”していた。

???「うッ…………こ、この姿は!?」

 両手を見る。
 右手が緑で、左手が黒。さらに見下ろせば、同じように左右二色に別れた自分の身体。
 しかし、自分自身の“変身”にだけ驚いている場合ではなかった。

シャロ(『先生! 小林先生!』)

???「シャーロック?」

シャロ(『大変です、ネロが! ネロが突然倒れて!』)

???「ええっ!?」

エリー(『全然……起きてくれなくて……!』)

???「そんな……!」

 小林は二人の言葉に、最悪の事態をイメージする。
 未知数であるメモリの力を無闇に信じすぎた? 自分の考えた手順に間違いがあった?――いくつかの後悔が頭をよぎる。

???「くっ……ネロー!!」

 堪らずに叫ぶ。と、


???『呼んだ?』


???「――え?」

 聞こえた声は、声の主は、

(『『ネロ!?』』)
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:29:14.17 ID:r7NDOP5ro
 小林が聞いたのは、確かにネロの声だった。
 しかしそれは、テレパシーのような他の二人の声とは違い、直接自分の耳に届いた。
 それも、まるで彼女がすぐ隣にいるように。

???『ごめんごめん、ちょっと今頭の中がぐっちゃぐちゃで……』

???「ぐっちゃぐちゃって……ネロ、一体何がどうなってるんだ!? キミは無事なのか!?」

???『ん、僕は全然平気。なんかね、ドライバーにメモリを挿したら意識も一緒に転送されちゃったみたい』

???「転送? どういう事だ……キミは何故それが理解出来るんだい?」

???『ヤだなぁ小林。僕のトイズが何か、忘れちゃったわけじゃないよね?』ピコン!

 ネロの言葉に呼応してか、右半身に不思議な感覚が芽生えた。
 電流が走るような痺れ。この感覚は、そしてネロの言葉の意味は――

???「!」

???「ダイレクト……ハック……」

???『そ。この姿になった瞬間、僕の中のトイズが一気にパワーアップしたのを感じたんだ』

???『そしたらこのドライバーや、メモリに関する情報が一気に頭の中に流れこんで来て、ちょっと混乱しちゃったけど……』

???「混乱って……平気なのかい?」

???『今はもう大丈夫。いきなり全部は理解出来ないけど、データを整理して検索出来るようにしておいたよ』

???「そうか……それで、この姿は一体?」

???『うん、それは僕も一番に閲覧した。これは、ドーパントと戦う為の力を最大限に発揮する姿。その名も――』

 サイクロン。ジョーカー。
 二本のメモリに刻まれたメモリー。
 その中で最も濃く、深く、刻まれた名前。
 それは――

???『――ダブル。仮面ライダーW!』
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:29:55.21 ID:r7NDOP5ro
W(小林)「仮面、ライダー……W」

W(ネロ)『さ、細かい話は後だよ小林。戦い方はだいたいわかったから、今は目の前のドーパントを!』

W(小林)「あ、ああ!」

 ちょうどその時、風圧で地面に倒れていたドーパントが起き上がった。
 鉤爪のような手を振りかぶり、小林とネロ――Wに襲いかかる。

ドーパント「キョゲーーーーーーーーーーーっ!」

W(小林)「、くっ!」

 大振りの一撃を受け止めた。今までとは比べ物にならないほど低減された衝撃に、小林は驚く。
 そして腹の底から湧き上がる高揚感が、小林の心を奮わせる。
 止めた鉤爪を跳ね上げ、Wの反撃が始まる。

W(小林)「はあっ! せい! だぁあッ!」

ドーパント「キョゲっ!?」

 一、二――三発目は、今までの仕返しのように力任せの前蹴り。ドーパントが地を転がる。

W(小林)「す、凄いパワーだ……身体の奥から、どんどん力が溢れてくる……」

W(ネロ)『うん、僕も感じる……小林と僕は今、二人で一人なんだ!』

W(小林)「二人で一人の仮面ライダー……W、か……」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:31:43.07 ID:r7NDOP5ro
ドーパント「グヌヌ……キョキョーーーーーーーーーーーッ!」

 だがドーパントも一方的にやられたままではいない。
 怒りの色濃い鳴き声と共に、その背中に一対の大きな羽が広がった。

W(小林)「なっ!?」

 突然の変貌に驚愕するW。その右目にトイズ発動のエフェクトが現れたかと思うと、次はネロが声を上げる。

W(ネロ)『――データを閲覧したよ! 敵のメモリはバード。バードドーパントは飛行能力を持ってるんだ!』

W(小林)「それは厄介だな……何か対策は!?」

W(ネロ)『そっちはまだ検索中――小林、前っ!』

 半身からの警告に、慌てて意識を戦いに戻す。
 寸前にまで迫るバードの鉤爪――!

バード「キィーーーーーーーーーー!」
W(小林)「うわあっ!」

 初撃をどうにか回避する。しかし安心したのも束の間、バードは空中で即座に反転し、Wの背後を急襲する。

バード「キキィーーーーーーーーーー!」

W(小林)「ぐあっ!」

 背中の外装から火花が飛び散る。痛みを堪えて振り返るが、バードは既に距離を取り、旋回飛行を始めていた。

W(ネロ)『大丈夫、小林!?』

W(小林)「ああ。でもまずいな……相手がヒットアンドアウェイに切り替えてきた。このままじゃ嬲り殺しだ!」

W(ネロ)『待ってて、今バード相手に最適な戦法を検索してるから!』

 そう言って、Wの右目がまた輝きを放つ。
 戦略はネロに任せ、小林は不慣れながらも戦闘に徹する事にして周囲を警戒する。
 そんな緊迫する状況の中、聞き覚えのある声が響く。

???「せんせ〜!」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:32:54.78 ID:r7NDOP5ro
W「シャーロック?」『シャロ?』

シャロ「小林先生〜! どこですか〜!」

W(小林)「おーい! シャーロック、ここだ!」

 手を上げ声を上げ、走ってきたシャロにアピールする。
 その声が届いたのか、振り向いたシャロの安心したような笑顔――が、凍る。

シャロ「あ、先生――じゃないです!? どどどどちらさまですかぁ!?」

エリー「ひぅ……っ!?」

 シャロと、その後ろに続いて来たエリーが一様に恐怖の表情を見せた。
 意外なリアクションに驚くW。の、右手――ネロが、ハッと気付いたように仮面に覆われた顔を触る。

W(小林)「ええっ!?」 (ネロ)『うわぁ。あー、ま、結構スゴいカッコだしねぇ……わかんないか』

 その言葉に、小林も遅れて事態を把握した。慌てて釈明する。

W(小林)「シャーロック、僕だよ! 小林オペラだ!」

シャロ「せ、先生!? 本当に小林先生なんですか?」

エリー「こ、小林さん……!?」

 Wの元に駆け寄る二人。
 エリーは、力なく動かないネロを背負っていた。

W(ネロ)『お、エリーさっすが〜。僕の身体、運んできてくれたんだ。ありがと』

エリー「ね、ネロ……なの?」

シャロ「そんな……先生とネロが、半分こ怪人になっちゃったーーー! ってなんでですかー」

W(小林)「いや今は一人ノリツッコミなんてしてる場合じゃ――危ない!」

シャロ「きゃあっ!?」
エリー「きゃっ……!」

 咄嗟の判断で二人を突き飛ばす。次の瞬間には、その場所をバードが通過した。

バード「キェェェェェェイ!」

W(小林)「く、ぐあっ!?」

シャロ「先生!」
エリー「小林さん!?」

 ギリギリのところで鉤爪が接触したか、胸の辺りで火花が散り、Wが地面を転がった。
 間一髪でその間合いから外れた二人の悲鳴のような声が重なる。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:33:52.56 ID:r7NDOP5ro
W(ネロ)『小林っ! くそっ、早く検索を……、……っ! これだ、あったよ小林、対抗手段!』

W(小林)「なんだって、それは本当かい!?」

W(ネロ)『今がウソつくタイミングかよ――シャロ、シャローっ!』

 Wが右手でシャロを手招きする。

シャロ「あ、はい! えと……今のはネロですか?」

W(ネロ)『そだよ、右半分が僕。シャロ、シャロもメモリ持って来てるよね?』

シャロ「あ、はい!」カチッ \ルナァ!/「わ、押しちゃった!」

W(ネロ)『押しちゃって良いんだよ。僕がメモリを抜くから、シャロは自分のドライバーにそれを挿して!』ガコッ キュゥゥゥン...

シャロ「え、え、こうですかぁ?」ジャキィン! シュゥゥゥン...「わわ、あたしのも消えちゃった!」

 消えたルナメモリは、Wが装着するドライバーの空いた右スロットに出現した。
 それを改めて装填する。

W(ネロ)『よし。小林! 最初と同じように挿し込んでドライバーを開いて!』

W(小林)「……わかった、キミを信じよう!」ガシャン!

 悩むだけの時間はなかった。ダブルドライバーに手をかけ、Wの字を描くように展開させる。

\ルナァ!/\ジョォカァァァ!/ ファ〜ァン・ジャッジャッジャン!
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:34:55.96 ID:r7NDOP5ro
シャロ「っ、はらほろひれはれ〜……」
ネロ「っ! ただいま僕の身体ー!」

 電子音声が二本のメモリの名を叫び、Wの右半身の色が緑から黄色へと移り変わる。
 そしてサイクロンとルナを交換したのと同じように、シャロが倒れ、ネロが起き上がった。

エリー「し、シャロっ!?」
W(小林)「ネロ!?」 (シャロ)『あたしの身体ー!?』 (小林)「わっ、シャーロック!?」

ネロ「お、成功みたいだね〜」

W(小林)「ネロ、これは一体どうい――」 (シャロ)『うわーん! あたしの身体が死んじゃったよぉ〜!』 (小林)「ちょ、シャーロック、落ち着いて……!」

 常識外の出来事に気が動転した様子のシャロ――即ち、自分の意思でなく動く右半身に狼狽するW。
 先程までその立場にあったネロは、そんな二人とは対照的に落ち着いた様子で説明する。

ネロ「どうもこうも、さっきまでの僕とシャロの役割が入れ替わっただけだよ。今のWは小林とシャロの二人で一人ってワケ」

W(小林)「そ、そんな仕組みだったのか……」

エリー「あ、み、みなさん! またドーパントがっ……!」

バード「キッキッキィーーーーーーーン!」

W(小林)「くっ!」 (シャロ)『ひゃー!』

 エリーが声を張り上げてくれたお陰で、四度目の突進も紙一重で回避した。
 しかし左右ぎこちなく動くWに、ネロがアドバイスを投げかける。

ネロ「小林! 検索の結果、その姿が対バードには最適っぽいよ!」

W(小林)「これが? どういう風に?」

ネロ「……さぁ? そこまでは分かんないや」

W(小林)「ええええっ……でも、やるしかないか……シャーロック!」

W(シャロ)『はいっ、やってやるです!』

エリー「それは……違うキャラ……///」

ネロ「そーそー。がんばれー小林、シャロー」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:35:47.75 ID:r7NDOP5ro
 ネロの適当な応援を背に、Wが戦闘態勢を取る。
 バードは空中に大きく弧を描き、またも鉤爪での攻撃を試みる。

バード「キョーーーーーーーーーーーン!」

W(小林)「とにかくアイツを掴まえて引きずり降ろさないと……」

バード「キョンキョン!」

W(小林)「くっ!」

 ギリギリまで引き付け、スウェーでやり過ごす。
 攻撃に失敗し、そのまま飛び去ろうとするバードへ、Wは手を伸ばす。

W(小林)「逃がすか――!」

 以下、図解。

 \。/
( 0|0)ニニニニニニニニニニニニニニつ ビヨーン      三方

ネロ「!」
エリー「!?」

W「『   』」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/19(土) 02:36:45.76 ID:r7NDOP5ro
 ここで先述の表現を訂正したい。

 × Wは手を伸ばす。
 ○ Wの腕が伸びた。

ネロ「こ、小林の腕が――」

エリー「伸び――」

 誰も予想だにしなかったショッキングな現象に、一同は一様に絶句する。
 しかし、叫ばずにはいられない者も、いる。

W(小林)「――うわあああああああああああああああああああ!?」
W(シャロ)『――ぎにゃあああああああああああああああああ!?』

 この異常事態の当事者達だ。

W(小林)「うわわわっ、なにこれ、僕の――腕!? 腕だよねこれ、これすっごい伸びてるけど腕だよね!?」ニニニニニニニニニニニニニニつ ビヨーン...

W(シャロ)『うわあああああん! うで! うでがぁ! あ゛だじの゛う゛でがあああああ゛〜〜〜!』ニニニニニニニニニニニニニニつ ビヨーン...

W(小林)「いや僕のだけどね!? 半ば信じ難いけどこれ僕の腕だからね!? うっわあ手が10メートル以上先にある……! 腕がダルっダルンだ……!」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(シャロ)『うわーん腕の感覚がないですー! ズルルって伸びてからピクリとも動かないよぉおじーーーーーちゃーーーーーーーーーーん!』ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(小林)「ちょ、やめてシャーロック擬音やめて! ネロ、ネロ! この後はどうすれば――」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

 もはや半狂乱のWがネロへ助け舟を求める。
 右腕ダルっダルンのWの視界が捉えたのは、俯き、肩を震わせるネロの姿。
 この光景の余りのおぞましさに怯えさせてしまったか――と小林が思ったのも、束の間。


ネロ「――ぷーぁっはっははははははははwwwwwうでwwwうでがwwwwのwwびwwwwwてwwwwwるwwwwwww」


W「『くずうううううううううううううううううううううううう!!!』」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 02:39:56.01 ID:/GoxkX5G0
勢いとはいえ、小林がネロをクズ呼ばわりしたwwww
53 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/19(土) 02:43:08.62 ID:r7NDOP5ro

    /    /                        }
   /    /                  _______/
   /     {               >' ´               \
  /      |          /             _ _〉
.  {      ヘ        /          ,.-‐ T:::::ヽ:::::ヽ
  l       ヘ      /       >--‐' ´\::::::ヽ::::::::l::::::::::.
  ヽ      \    /      /::ヽ :::::| ー‐‐ヽ:::l::::::/::l::::::::l
   ヽ       \  /     /\:::::ヽヽl ,z==孑'l:::/:::/:::l:::/
   ヽ        \/__/--―'\:::.\ヘ>:::ノ V::l/:::/レ'
     \      /l::::::|\|,z==孑"   ̄   ̄    Vl/|
       ー--― ' ::::::l::::::l∠ヘ>::::ノ           }:::::::l   クズじゃねーよ
       |::::::::::::::l\::::ヽ:::::\   ̄ '''             /:::::::l
         l:::::::::::::l  \:::\_\           /`   /::::::::/
       l/l::::::::::ヽ__ヾ\|:::ヽ ̄ u        /|:::::::/
           l::::::::l::::::::::::\:::::::::\  ____/  l:::::/
         l/l::::l::::::::/l::::::\:::::::::ヽ   /         l::/
          |/ l::::::/ l:::::/l__\__:::::\/         8、
               l/  レ’ ̄ ̄   ̄ Ooノ)     )ノ
           / \\______ ̄ヽ___
             /l   丶―――――──  、 \
        /::::'                  \ /
       /::::::::::::.                     \
         l:::::::::::::::::.                     ヘ
       l::::::::::::::::::::.                    ハ

様子見という名の体の良い出し惜しみで次回へ続く
貴重な書き溜め分なんで、せいぜい焦らされて下さい
今回は元々セリフと効果音だけだったものに、それだけでは分かりにくいと思われる箇所に描写を差し込んだだけというパターン
これで読み難くなければ、以後の戦闘パートはもうちょっとポエムる可能性もアリ
SSという土俵の上で書く以上はなるべくライトに、という意識は持っておこうと思います

ミルキィSSの発展を願って、おやすミルキィ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 02:50:46.23 ID:/GoxkX5G0
面白かった
>>1乙!!
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) :2011/03/19(土) 03:24:23.88 ID:9H/CN7pX0

小林先生は依頼人に対してフラグを立てまくるといいよ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/03/19(土) 04:32:04.31 ID:ofMEjvEAO
乙!
そういえば、アクセルはどうすんだよ。G4達、女性にやらせんのはキツくないか。かといって残りのめがねにやらせんのもなぁ〜。
そのままダブルから照井がでてきても面白いけどさ。
「風都署から来た、照井竜だ。」という感じで。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 13:10:42.15 ID:xUZ7I0tW0

設定が原作準拠ってことはヒロインはネロになるのか?

最終形態的に考えて
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 18:39:21.98 ID:/GoxkX5G0
>>56
それだと「馬鹿な! 何故、左達と・・・Wと同じメモリをお前たちが持っている!」
ってなりそうだな
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) :2011/03/19(土) 21:29:55.21 ID:/FrgI94i0
コーデリアさんだそうず
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/19(土) 23:36:46.74 ID:sjIUT4YQo
でもやっぱり心配ゴム用なんです(^ω^)ニニニニニつビヨーン
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/03/19(土) 23:55:25.21 ID:ofMEjvEAO
というか、このメモリとドライバー作ったのって、絶対フィリップだろ。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 02:07:49.22 ID:mufbiRtd0
これもうドーパント逃げてるだろとっくにwwww
63 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/20(日) 02:14:33.51 ID:DCvzei/fo

   .|          /        l  /         \          |
   l         /         |_ |         / \        l
    .|        / \     \ l .| /     /     \      ./
    l       /    `.>、    /´ i _.... <´.ヽ       \    /
    ヽ    /       / />--ーー‐-- 、`゙'i  i\- 、    \  / 
     ヽ、 ノ      , -/ / ´          \l  | .l_ `丶、   ` ´
            ./ ./ / i   .:i :l   ::. i:.   .|  l l `\ \  
           /  /l/| .| .| ::| :l|::i : :、!: |i:. /: l  |/|   ヽ  i   自分の立てたスレで、皆が
           l ./ |! .| ::i ::! :::l /:|::..l::| l:i丶:、l:: |  l:/!    .l .|    
           | |  ! ! :|ヽ|:´|ヾ ヽ\!! ' |/ |`!  |     | l    ミルキィやWについて雑談する……
           ヽ:::\ ヽ:lヽl .i z==    ==s ,.|  l     / /
            \:::丶---:| .:! i !' ' '' _ , '' '!i' ,.l  .|---‐/'::/       長い間の夢でした!!
              ` ‐--- l .::|ヽj. ..... _ ... ノィ-| ::l―― '
                 /.| :::l  ヽ    ノ  l ::| `i
                 l .l :::|  r`―┐´   | ::l .|
                 r!.| ::l:‐r;;|   |;‐r‐::l ::| /i

こんばんは。小林先生のセリフ回し以上に自分のキャラクターに迷ったので、今後はザックリした敬語で行かせて貰います

本日分の投下の前に、これまでに出た疑問にサクッとお答え
今後のネタバレに抵触する場合はサクッとスルーーー

>アクセル
物語中盤から登場予定です。中の人はバリツ。もといヒミツ

>ヒロイン
ネロですー

>コーデリアさん
ムショですー

>メモリとドライバー
何を隠そうこのダブルドライバー及び6メモリ、実際に翔太郎とフィリップの物という設定なんだヨコハマ〜
メモリの本人認証的なアレはフィリッ八が一晩でどうにかしてくれました
この物語中の風都は、赤かったり青かったりする死なない人が一人で死ぬ気で死守してます。でも死なない
まあ風都のドーパント犯罪は最終回以降なら減少の一途だと思うし、問題ないんじゃないカナガワ?

ザッとこんな所でしょうか
それではお待ちかねボウリングター……投下タイムです
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:15:27.92 ID:DCvzei/fo
ネロ「みてみてみてみてエリーwwwwwあれwwwwwホラ見てよアレなに小林の腕がビヨーンってwwwwwビヨーンっつってwwwぷっひゃーwwwきんもーっ☆wwwwwww」

エリー「え、ええと……そのっ……」

W(シャロ)『ね、ネローっ!! ひどいですむごいですえぐいですぅ! あたしたちがこんなことになってるのに指さして大笑いしてー!』ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

ネロ「ごっめwwwでも、でもぉwwwwwっ……ぷwくwぅっ……やっぱ無理ーっwwwwwwwコポォwwwwwwww」

W(小林)「ネロェ……まさかこうなる事を知っててわざと!?」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

ネロ「いwwwいやwwwwそれはホントに知らなかったwwwwほんとほんと、僕……wwwwウソなんてついてなぶぇっへっへっへはぁーーーーーーーーーーーんwwwwwwww」

W(小林)「……エルキュール」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

エリー「は、はいっ!?」

 突然の指名に肩を竦めるエリー。
 名前を呼ばれた事そのものよりも、名前を呼ぶ声の驚くほどの冷たさに、だ。
 Wの右手、ダルっダルンになった腕の先……かろうじて動く手が示す。

W(小林)「……」ニニニニニニニニニニニニニニq クイッ

 殺れ、と。

エリー「は、はいっ!」ピコン!「えいっ///」コキャッ

ネロ「はぐぉ!?」

 Wの腕に負けず劣らずのグロテスクな事態になったネロへ、Wが冷たい声のまま呼びかける。

W(小林)「ネロ」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

ネロ「は、はいぃ……」クビガ...

W(小林)「本当に何も知らなかった?」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

ネロ「ほ、本当ですぅ……僕は、バードにはルナが有効って記憶を閲覧しただけなんですぅ……」モドラナイ...

W(小林)「ふむ……まあそこだけは信じておこうか……」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:15:57.36 ID:DCvzei/fo
 不慮の事故で深手を負ったネロをエリーに運ばせたタイミングで、コントの時間は終わりを告げる。

W(シャロ)『せ、先生! またドーパントがこっちに飛んで来ます!』ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(小林)「なんだって!? くっ……せめてこの腕が自由に動かせれば……、待てよ……?」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(小林)「(伸びた腕……空を飛ぶ敵……動きを止めて、引きずり下ろすには……)……そうか!わかったぞ!」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(小林)「シャーロック!」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(シャロ)『えぁ、はいっ!』ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(小林)「トイズだ! サイコキネシスで伸びた腕を操れ!」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(シャロ)『ぇ、えぇーっ!? せ、先生、今のあたしのトイズじゃそんな細かい動きは……』ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(小林)「出来る! キミのトイズもネロのように、Wの力でパワーアップしている筈だ。それに――」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(シャロ)『それに?』ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...


W(小林)「――僕は信じている。キミと、キミだけが起こせる奇跡を!」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...


W(シャロ)『っ!』ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

 風切音が強く、近くなる。
 見ればバードは、今度は両手の鉤爪を剥き出しに突っ込んで来ている。

バード「キョンシーーーーーーーーーー!」

W(小林)「来るぞ! 突進をかわした隙に捕縛するんだ、シャーロック!」ニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(シャロ)『――、はいっ!』ピコン! ニニニニニニニニニニニニニニつ)) ピクッ

 Wの右目にトイズの光が宿る。ダルっダルンの腕も僅かに反応を見せた。バードが迫る。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:17:40.87 ID:DCvzei/fo
バード「キョカキョク!」

W(小林)「くっ――」

 ――回避。そして――

カイヒッ「――今だ!」 (シャロ)『えーい!』

 以下、図解。

 \。/
( 0|0)
│ | |ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニつ方 ガシッ
  w

バード「キムッ!?」

W(小林)「――そのまま一気に!」 (シャロ)『てりゃああああああああああっ!』

 高く遠く、離れた位置で捕まえたバードを、遠心力まで利用したフルスイングで壁へ――叩きつける!

バード「キギィイイイイイッ!!?」

 コンクリートの壁に蜘蛛の巣状のヒビを作り、バードの身体が深くめり込んだ。

W(シャロ)『ぁ……やった、やりましたーっ!』ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(小林)「よしっ、いいぞシャーロック! まあ……腕は余計に伸びてダルっダルンなんだけど……本当、どうしようコレ」ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

 もはや目視も叶わない距離に横たわる自分の右手を偲んでいると、またもネロの助言が入る。首は治ったらしい。

ネロ「小林!」

W(小林)「ネロ?」ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

ネロ「また僕に代わろ。たぶん腕はそれで戻るから」カチッ \サイクロン!/

W(小林)「え、本当かい? 変わっても尚ダルっダルンだったりしない?」ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

ネロ「うん多分。それってルナメモリの効果だから、ルナを使ってなければ元に戻ると思うけど」ジャキィン!

W(小林)「そうだと良いけど……じゃあシャーロック、キミのトイズのお陰で助かったよ。あとは任せて」ガコッ キュゥゥゥン... ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

W(シャロ)『はい! ネロ、先生、お願いしますね!』ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニつ ダルーン...

ネロ「あいよー」シュゥゥゥン...

 ルナメモリを引き抜くと、そこにはすぐにサイクロンメモリが出現した。
 三度メモリを装填し、ドライバーを展開する。

W(小林)「よし……行くぞ、ネロ!」ガシャン!

\サイクロン!/\ジョォカァァァ!/ デーデレデーデレデレデレデーンジャッジャッジャン!
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:18:19.57 ID:DCvzei/fo
 三度目の電子音声。右半身は黄色からまた緑へ。それに伴って、掃除機のコードを巻き取るように右手が元の長さへ縮んでいく。

W(小林)「も、戻った! よかった……」

 心から安心していると、壁から剥がれたバードが地面に落下した。
 先の一撃がかなりのダメージを与えたらしく、満身創痍の様子だった。

バード「キ……キィ……!」

W(ネロ)『もうフラフラみたいだね。キメるなら今だよ、小林』

W(小林)「ああ。でもどうやって?」

W(ネロ)『ふっふっふ。それも検索済みだよん♪ 必殺技だよ、必☆殺☆技』

W(小林)「必☆殺☆技?」

W(ネロ)『そっ。ヒーローのお約束だね。とりあえずそっちのジョーカーメモリをそのまま引きぬいて?』

W(小林)「ああ、こう?」キュゥゥゥン...

W(ネロ)『そそ。右手にちょーだい。んで、これをベルトの右側についてるスロットに入れる、と』ジャキィン!

\ジョォカァァァ! マキシマムドライブ!/

 力強い電子音声が烈風を呼ぶ。
 風はWの足元に絡まり、その身体を軽々と、高々と持ち上げる。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:19:53.67 ID:DCvzei/fo
W(小林)「うわっ! なんだ、身体が宙に!?」

W(ネロ)『心配しなーい。僕がちゃんと制御してるからさ』

 ネロの言葉通り、Wの身体はバードの直線上、斜め上方の位置をキープして浮かんでいる。

W(ネロ)『よーしトドメだ。小林、これは左右の呼吸が合わないと成功しないんだってさ』

W(小林)「呼吸?」

W(ネロ)『うん。だからタイミングを合わせる為に同時に技の名前を叫ぼうよ!』

W(小林)「な、名前? を……え、叫ぶの?」

W(ネロ)『ちょっとー恥ずかしがってる場合じゃないでしょ。それが一番勢いが出ていいんだってば』

W(小林)「ぐ……背に腹は代えられないか……分かった、その名前は?」

W(ネロ)『えーっと……ジョーカーエクストリーム、だってさ』

W(小林)「ジョーカーエクストリーム……それはどんな技なんだい?」

W(ネロ)『んー? わかんない。必殺技の手順と名前までしか閲覧出来ないんだもん』

W(小林)「おいおい……大丈夫なんだろうね?」

W(ネロ)『もー小林の心配性ー。へーきだって、ヒーローの必殺技なんだからかっちょいーのに決まってんじゃんか』

W(小林)「だといいんだけど……」

W(ネロ)『さ、そろそろ行くよ! 3,2,1,で一緒にね、さあ!』バシンッ

 右腰にマキシマムスロットを強く叩く。全身に漲る力が極限に達する――!

W(小林)「分かった、3!」 (ネロ)『2!』 「『1――』」

W「『ジョーカーエクストリーム!!!』」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 02:21:13.24 ID:mufbiRtd0
あ、これは・・・
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:21:26.35 ID:DCvzei/fo
.              ,.、
      ___γ'__,\
       ̄ ̄i'ーァ‐-く丶     !?
         ',/ゞ、.:.:.冫\
         ヽ、 ゙i!´>、_,〉
           `ー-≦=-'`ー-,、            ,                       __
             ,ノ'´   __,/ 冫、         |!                     /´.:::.ヽ
            ,.-rt'、,.-‐='_,.-‐'i:::/ヽ      /^ヾ`:|lト、                   ,j、.:::::::.冫
         /  } Vバー'≧=-‐'´_,./\__   ,' : : : \,'、.:ヽ       _         く ヽ.:./
          !_,.-' i! ,l:',:::::::::,'≧=-'-r'=-'二ヽ、: : : : :ヾー'!    ,.-r'´、:.`ヽ      /:.`ヾ冫   
         ヽ三ニ'=':::',::::::,':,.-‐'´く[l_三二,ト、: : : : :丶':`ー-‐'.:::::.ヽ、ヾ=-〉‐-、 ,./.::::::./
          Y´::::::::::::|`ー--=.,/´:/´ ,ア¨ ̄_ン\ー-、: : `ー-、ミ`ー-‐';ヽ=-'.::::::::::.`.::::::::./      !?
             |::::::::::::::,'     !:::,':::::/,.-‐'´    \ノ: : : : : : ヽ、二三ソ、::::::::::::::::::::,ン
          ,j_,::::::::::,'     `i:::::,'´  ,.-‐====-、:ヽ : : : : : : : j'=-‐'.::::::r‐、¨ ̄´
  r‐-、__,.-≦三ミヽ:/      `ー'-、:/ ,.-====‐-ゞ丶: : : : : : :\ヽr'二m]、
 i'_,ミ:::j:::i! l!::::::ソ::ン_,ン          ヽ/   ,-===―-ヽー、: : : : : ヾヽ=‐'.::::.ヽ、
  ゙ー-'―'‐'‐'¨ ̄               \  ,'  ,___丶`ヽ: : : : `ヽ.:::::::::::/'=ー-.、
                          丶、/´_,三三二ニヽ  `ヽ: : : :`ヾ.::/::::::::::::::::::.`ヽ、
                             `ヽ_三三,.=-―\  `'ー.,: : `' 、.:::::::::::::::::::',:::.`:.、
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                                   `ヽ、   i! ̄ヽ、        ¨'ー-.,_.:::::::::::::::::::: : \
                                      `'ー-、l|  r'´ ̄`ヽ         ¨'-._.:::::::::::::i! ̄ヽ、
                                         `ヽ|  r'´r-'¨`ヽ         `'ー-、:l|  r'´`ヽ
                                           `ー'、::j! _aj            `ヽi:r'´,r'´¨ヽ
                                               ヾ≦=-'´              `'、j!_,aj
                                                                    ヾ=-'´
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:23:04.55 ID:DCvzei/fo
シャロ「   」

エリー「   」

W(ネロ)『   』

W(小林)「   」

バード「   」

W「『 う 』」


W「『 う わ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ 』」



                                                    キュドーン!>  バー
                                                       キュドーン!> ド
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:23:58.09 ID:DCvzei/fo
……

…………

………………

シャロ「犯人確保ですー!」

エリー「が、ガイアメモリ……確保しましたっ……!」

シャロ「わ、そっか! アンリエットさんのお話の通りなら、そのメモリが真犯人さんなんですよね!」

エリー「うん……その人は、メモリに操られただけだから……」

シャロ「さすがエリーさん! 罪を憎んで人を憎まず、ですね! うわぁー、あたしたち今、すっごく探偵らしくないですか!?」

エリー「うんっ……私も嬉しい……お疲れ様、シャロ///」ニコッ

シャロ「はいっ!」ニパッ

エリー「………………、それで……」チラ

シャロ「はい……それで……」チラ



小林「半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い……」ガクガク
ネロ「半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い半分こ怖い……」ブルブル



シャロ「……どうしましょう?」

エリー「もうしばらく……そっとしておいてあげよう……?」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:26:08.72 ID:DCvzei/fo
【HOUKOKUSHO】

……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......

Koushite,"TEITO YOKOHAMA"shijouhatsu no"DO-PANTO"hanzai ha ichiou no kaiketsu wo mita.

Shikashi,koreha"T2GaiaMemory"wo meguru arasoi no honno joshou ni suginai.

Konkai no jiken no hottan to natta"BIRD"no memori.sono shiyousha ha,tantei demo kaitou demo nai,ippanjin dattanoda.

"DO-PANTO"ni henshin shiteita toki no kioku ga issai nai toiu sono kyoujutsu ga,jitai no shinkokusa wo monogatatteiru.

"BIRD DO-PANTO"ga machi ni ataeta higai ha ookii.

Korekara,nokori 25hon mono"T2GaiaMemory"wo atsumeru ni atari,ittai dorehodo no konnan ga machiuketeiru ka...

Yudan ha kinmotsu da."Milky Holmes-1"no minna tomodomo,ki wo hikishimete jiken ni nzomu bekidato saininshiki saserareta ikken datta.
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:27:58.88 ID:DCvzei/fo
――ミルキィ探偵事務所

ネロ「小林ー? なに書いてんの?」

小林「ん? ああ、これはHOUKOKUSHOだよ」カタカタ

ネロ「HOUKOKUSHO?」

小林「うん、アンリエットさんが帰ってきた時に渡そうと思ってね。僕自身の情報整理にも役立つし」カタカタカタカタ...ッターン!

ネロ「ふーん。まぁそんなのどーでもいいからさ、小林も一緒に行かない?」

小林「一緒に? って……どこへ?」

ネロ「コーデリアの面会」

小林「またかい? ついこの間も、まだ面会は出来ないって断られたばかりじゃないか」

ネロ「分かってるけどさぁ。シャロが行くって聞かないんだよー。エリーもそっち側だし。ま、行くだけ行ってダメだったらどっかでご飯でも食べて帰ろーよ」

小林「おいおい……読めたぞネロ。キミの本命はむしろそっちだろう?」

ネロ「あ、バレた?」テヘペロ

小林「まったく、大した食欲だよ……最初に言っておくけど、あまり高価なものは奢れないからね」

ネロ「やったー! 小林大好きー! そうと決まったら早く行こっ! シャロとエリーと、ついでに檻の中でコーデリアも待ってるよー!」トテチテトテチテ

小林「っ、調子がいいなあ……本当に。分かった分かった、すぐ行くから!」タタタッ...
                                                         『探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW』
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:33:31.30 ID:DCvzei/fo
       /┼+/                \+/⌒\\
.       /┼┼/                       ヘ|   ハ_/⌒',
      /┼┼ {                    〉  Y⌒Y /
      {┼+,, -─ ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` ―- |  弋_ノ {
        \/                     ヘ   }   |
       ∧__,, -─ ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` ─- ,,__|\/\/ 
       /:::::::::::::::::ー┼┼―|-::::::::::|-―┼┼―/::::::L_∧_/
.      /::::::::/:::::::::ハ::::| |:::/ lハ:::::::::|ヽ:::::::| |:::::/|/:::::}::::::::ハ
      |::|::::/:::::::::/ ,z======、ヘ::::::| ,,z======、 |::::::|:::::/:::}
      |::|::::|::::::::::| 《 弋;;;;歹  ヘ::;  弋;;;;歹 》/::::/::::/:::::|
.      V|:::|::::::::::|ヘ   ̄ ̄    \   ̄ ̄ ∠::/::::/:::::/      
.       ヽ|\:::::|::ハ           ,        /:::/:::::/
         \|:::人              //::::ハ/     おーわーりーだーよー
           レヘ::::\      (_)     /∧::::/
              |人:::|`> ..     ,. < |:::/ レ'
          __, -‐ヘ::|  \i `¨´ i/  |:/‐- ,__
.       /  ヘヘ   8, ,/\_/\,  8  .//  \
.        /    ヘヘ  |ノ /   /|_|ヘ  ヘ |ノ //   ∧
.        /      ヘヘ  /   / /  ', ヘ  ヘ  //     ∧

という事で、これにて第1話、《Wの開幕/探偵は二人で一人! じゃない!?》終了です
大体こういう感じで今後も進行していきますんで、肩の力を抜いて、話半分にお楽しみいただければ、と

じゃあ明日……というか今日は、大体の地域でスーパーヒーロータイムやるっぽいんで、該当地域の諸君は見逃さないように!
ちなみに明日……というか今日に限れば、オーズよりゴーカイジャーの方が楽しみです!

では、改めておやすミルキィ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 02:36:32.18 ID:DCvzei/fo
あ、ひとつレス忘れ

>>62
シーッ!
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 03:01:22.93 ID:mufbiRtd0
>>73
Wの原作で翔太郎が事件の終わりに書いてる報告書か
「タイプライター+ローマ字」とはまた細かいな
でも、嫌いじゃないわ!!

乙!!


p.s.

実はルナよりトリガーのメモリとドーパントの方が好きだったりします
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/20(日) 03:15:34.58 ID:mufbiRtd0
p.s.のp.s.

最後の行なんですが、

×jiken ni nzomu →事件 に んぞむ
○jiken ni nozomu→事件 に のぞむ

だと思います
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/20(日) 07:29:53.06 ID:DCvzei/fo
おはようございます。我ながら惚れ惚れする人間目覚まし具合です

>>78
アッ……
た、タイプミスとか本当にハーフボイルドだなこぉばやしくぅぅぅぅぅぅぅぅん!
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/21(月) 05:23:51.99 ID:+xlmaO+DO
乙期待
81 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/21(月) 16:32:17.35 ID:IeQ01JCzo
こんにちワン
昨夜、続きを投下しようと思ってたら寝てました。不覚
今夜か、でなければ明日の昼頃には2話に入りたいと思いマウス
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/21(月) 17:26:22.61 ID:0mLBXHj1o
りょうか\インビジブル!/
83 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/22(火) 03:07:53.85 ID:IXusJhSgo
こんばんワニ
毎度AAを選ぶのも大変なので省エネモードです

いつもまえがき・あとがきで喋り過ぎてる気がするので、気が付いた時ぐらいは簡潔に
では、『探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW』第2話、始まります
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2011/03/22(火) 03:08:28.95 ID:IXusJhSgo
――???

???「――やはり……」

???「この街にも仮面ライダーが生まれましたか……」

???「しかも早速ドーパントと交戦し、結果、T2をひとつ手に入れた……」

???「……まあ良いでしょう、それも想定の範囲内です」

???「どの道、仮面ライダー如き惰弱な存在に私のシナリオは崩せない……」

???「私の意のままに動く三枚の手札と……」

???「この力があれば……」

カチッ \エターナル!/

???「……ふふふ」

???「さて、次はどのカードを切るとしましょうか……」

???「どれも魅力的ではありますが、ここはやはり……」

???「ふふふ……」

???「さぁ、地獄を楽しみましょう……」

〜OP♪雨上がりのミライ(各自、お手持ちのCD・PSP等でご視聴下さい)〜
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:09:09.22 ID:IXusJhSgo
Count the Memories! ミルキィホームズの現在所持するメモリは?

A:
B:バード
C:
D:
E:
F:
G:
H:
I:
J:
K:
L:
M:
N:
O:
P:
Q:
R:
S:
T:
U:
V:
W:
X:
Y:
Z:
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:09:42.64 ID:IXusJhSgo
《Lが魅せる幻夢/本能でダウト》

小林「………………」

小林「(バードの事件から二日が経った)」

小林「(T2ガイアメモリ捜索の依頼に関連する初めての事件。初めての変身。初めての戦闘を経験し、僕達は事の重大さを実感した)」

小林「(昨日今日と、僕はミルキィホームズ−1のみんなと街に出て、T2ガイアメモリの目撃情報を集めるべく奔走した。……した、ものの……)」

小林「(結果は芳しくなく、昨日に引き続き今日も徒労に終わってしまった)」

小林「(日が傾き始めた頃を見計らって、僕達は合流し、一度事務所に戻る事にした)」

――ホームズ探偵学院・廊下

シャロ「はふぅ。今日も疲れましたね〜」テクテク

エリー「いっぱい……歩きました……」テクテク

ネロ「あーあ、もうちょっとで捕まえられたのになぁ〜……ツチノコ」テクテク

小林「キミだけ何をやってたんだ!?」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:10:11.11 ID:IXusJhSgo
ネロ「ヤだなぁ、嘘に決まってるじゃん。ちゃんとメモリ捜ししてたってば」

小林「本当だろうね……? この街にとっても一大事なんだ、真面目に頼むよ?」

ネロ「りょーかいりょーかーい」

小林「まったく……」

ネロ「あー、それにしてもクタクタだよぉ……あ゛ーっ、シャワー浴びてご飯食べてふかふかのベッドで寝ーたーいー! 僕のベッド僕のベッド〜!」

小林「恐ろしく欲望に忠実だね……ふかふかのベッドって、あの天蓋付きの奴かい?」

シャロ「(あの……?)」ピクッ

ネロ「そそ。前に来た時見たでしょ? アレが気ん持ちイイんだぁ〜♪ 昼まで余裕で寝ちゃうねっ」

エリー「(前に……?)」ピクッ

小林「おいおい、それは寝過ぎだよ……でも、確かにアレは気持ちが良さそうだ。少し羨ましいよ」

ネロ「そういえば小林って事務所に住んでるんだよね? どこで寝てるの?」

小林「え、ソファだけど?」

ネロ「ソファ!? えーなにそれ、身体痛くならない?」

小林「まあ、少しね。だいぶ慣れたけど、今でもたまに転げ落ちて目が覚めるのは困り物かな」

ネロ「ふーん……、……じゃあさぁ」ニヤリ
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:10:42.78 ID:IXusJhSgo
ススス...ピトッ
小林「お、おいおい……ネロ?」

ネロ「じゃあ……僕と一緒に寝る?」

小林「いっ!?」

「「!?」」

ネロ「あのベッドなら二人ぐらい余裕で入るし、ふかふかのふわふわだよ? どぉ?」

小林「ど、どうって……」

ネロ「僕と一緒じゃあ……いや?」コクビッ

小林「ッ、ば、ばばばバカを言うなよネロ、これはいやとかいやじゃないとかいやらしいとか以前にだね……!」ワタワタ

ネロ「ぷっ」

小林「へ?」

ネロ「あははははははっ! 小林ってばまーたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまたまた騙されてるー! おっかしー! かーわーいーいー♪」ケタケタ

小林「なッ……キミって奴はまた……!」

ネロ「えっへへ〜、ごめんごめん。でも、寝苦しかったらいつでも来ていいよ?」

小林「いや来ないよ! こんな前フリされて来れたら大したものだよ!」

ネロ「だっよねー♪」

小林「まったく……。…………ん……?」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:11:39.43 ID:IXusJhSgo
シャロ「……」
エリー「……」

小林「えっと……どうしたんだい?ふたりとも……特にシャーロック、すごい表情(
                  ___
                  \:.:.、:.ヽ,r─- 、
              ,  -‐   ̄ ̄\x:.:./
                        ヽ`iヽ、
         /                   !:.┼:.:.、
           /                } ┼:.:.\
        /    ,∠ ‐──‐- 、      |:.:.:┼ - ヽ
        {  /              \ , .:^ヽ┼┼:.:.:. l
        〉´   ____      /:.:.:.:.:.:.}- /ヽ }
        し一' : へ{: : : : :` へ 、_i:.:.:.:.ヽ〃^i:.:.:.:.:.! |
       /: : : : : :/ V{   ハ: ハ:. .;.{:.:.:.:.:.:弋ノソ:.:.:.:レ'
      / ィ  | ,,r´ヾ、 ヽ ,f´`ヾトく.:.ヽ:.:, イ ト、:.:.:.:./
         {  ,iV! ” }   \{ ” } レ'ヽ:.:._ノ |:.:\/ヽ、
       人/} `‐-' ,   `-‐´  } ,  /  !:.:.:.;ゝ、 ',
       /   {    ,ァ─-.    i レ /i /ノ⌒   }  |
        | / i、   ,____}    U |V レ!     ,i  }
        ! ト、 | ` i 、.___    __,. -=|   |__  // ノ
        ヽ;.:.:`|   !_ノ:.:.:.:,}   h   |   |;.:. ̄:.:.//
        `ー!   |  ̄ ̄>-<  ̄ ̄}    |  ̄ ̄
     ___/l   |' ̄/ ニニヽ.─-|    ト,
)になってるよ?」

シャロ「しぇ……しぇんしぇい……」

小林「おいおい、本当に大丈夫? ゲーム版でテンパった時みたいな発音だ」

エリー「こ、小林さんっ……///」

小林「エルキュール?」

エリー「その、あの……小林さんは……//////」

シャロ「ネロの部屋に行ったこと、あるんですか……?」

「「え?」」キョトン

「「……」」ゴクリ

小林「あるかないかで言えば、あるけど……。なぁ、ネロ?」

「「!!」」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:12:16.27 ID:IXusJhSgo
ネロ「うん。ゲームしに来たよね」

「「!?」」

エリー「げ、ゲーム……?」

小林「ああ。ネロが新しく買ったTVゲームの遊び相手が欲しいって言うから、以前お邪魔させてもらったんだよ」

エリー「そ、そうだったんですか……///」ホッ

シャロ「ネ〜ロ〜? ひとりだけ先生と遊ぶなんてズルいじゃないですかぁ! あたしたちも呼んでくれればよかったのにー!」プンスコ

ネロ「ゴッメ〜ン。そのゲームふたり用だったんだ〜」ニヤニヤ

シャロ「ぷ〜〜〜〜〜〜〜ッ」グヌヌ

小林「まあまあシャーロック。ネロも、次からは意地悪しないで、二人にも遊ばせてやるんだよ?」

「「「はぁ!?」」」

小林「え?なに、どうかした? 三人揃ってさっきのシャーロックみたいな表情になってるけど……?」

「「「はぁ……」」」

小林「え? え?」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:12:51.74 ID:IXusJhSgo
……

…………

………………

小林「ふぅ……やっと事務所の前だ」

ネロ「なんかずいぶん長い間廊下を歩いてた気がするね」

シャロ「エノシマみたいでしたね!」

エリー「どこが……?」

小林「ははは……、ん? これは……」

シャロ「どうかしたんですか?」

小林「扉の脇にこんなものが……」ヒョイ

エリー「箱……?」

ネロ「其の匣には、人がみつしりと詰まつてゐた……」

シャロ「ギャヤヤア〜ヤヤアアアアアアア〜!!!」
エリー「きゃああああああああああああっ!!!」

小林「いや匣じゃなくて。とにかく、一度事務所に入ろうか」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:13:29.43 ID:IXusJhSgo
――ミルキィ探偵事務所

小林「さて、どうやらこれは宅配便みたいだ。送り主は……アンリエットさん?」

シャロ「えっ、アンリエットさんからあたしたちへのプレゼントですか!?」

ネロ「ハムの差し入れとか!?」

エリー「パワーアップアイテム、とか……?」

小林「いやいやいや……どうだろうね。とりあえず開けてみようか」ガサゴソ「これは……?」

シャロ「携帯電話と、」

ネロ「腕時計と、」

エリー「カメラ……?」

小林「! その下に入っていたこれは、ガイアメモリ……!?」

ネロ「ちょい待ち。でも微妙に僕らのとカタチが違くない?」

小林「ああ、確かに違う。マークのデザインもアルファベットじゃない、これは動物か……?」

ネロ「ちょっと貸してくれる? 中身を読めるか試してみるから」ピコン!

小林「そうだね、よろしく頼む」

ネロ「………………」

ネロ「……おっけー。これはWにならなくてもトイズが通用したよ。みんなみんな、説明するから聞いてー」チョイチョイ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:13:58.79 ID:IXusJhSgo
(説明中。勤勉な読者諸兄はwiki等でご確認下さい)

小林「なるほど……これらのガジェットを自律行動させるギジメモリ、か。探偵業務にはうってつけってわけだね」

シャロ「あ、先生! 見てください、箱の底に封筒が入ってます!」

小林「え? 本当だ、どれどれ……中は手紙か。『渡し忘れていた物を送ります。これも皆さんの助けになる筈でしょう』……」

シャロ「わぁーありがとうアンリエットさん! これは役に立ちそうですー」

ネロ「あれ、手紙の他にも何か入ってない?」

エリー「これは……写真?」ピラッ

「「「「………………」」」」

小林「アンリエットさんと……」

シャロ「知らないバンダナのおじさんが……」

ネロ「肩を組んで映ってる……」

エリー「隅に、『チベットにて』って……」

「「「「(これはいらない……)」」」」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/22(火) 03:15:07.41 ID:IXusJhSgo
小林「と、ともあれ、このガジェットはありがたく使わせてもらおう。携帯は人数分あるみたいだけど……」

ネロ「あとの二つは小林が持ってていーんじゃない?」

小林「え、僕が?」

ネロ「だって今この中でトイズ使えないのって小林だけでしょ? 護身用に持っといて損はないじゃん?」

小林「……ハハ。まあ、その通りかな。それでいいかい? シャーロック、エルキュール」

シャロ「はい!」
エリー「はい///」

小林「よし、じゃあそういう事で。この箱は片付けてしまおうか」ゴソゴソ

ネロ「あれ、小林。その箱……」

小林「え?」

ネロ「やっぱりだ、箱の裏になんかひっついてる」

小林「! 本当だ……手紙と写真以外にもまだ何か? でもなんで箱の裏に……」

シャロ「とにかく見てみましょうよ!」

小林「ああ、そうだね……」ペラ「っ! こ、これは――!」

「「「?」」」

「「「!」」」

シャロ「え? え!?」

エリー「こ、これって……」

ネロ「小林……」

小林「ああ、これは……」


小林「怪盗からの……予告状だ……!」


95 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/22(火) 03:19:29.02 ID:IXusJhSgo

   /: : : : /くヽ: : :./>: : : : : :i: : : : : : :ヽヽ ∨,ヘ:ヽ
.  |: : : : ::|: :.\\/: : : : : : :|: : : : : : :i: |: ヽ//\>:|        
.  |: : : : ::|: :/ > \: : : : : : :|: : : : : :ヽ|::|: : }: :|: : ::i:',        
   ',: : : : :|:j ー: :/`ー': : : : :|,:イ: : : : : : j`|tー: ::|: : :ヽヽ      
   i: : : : /: : : :{: : : : :/|,イ}:ハ: : : : : /7_,ィV: : |: : : :ヽゝ     
   |: : ∠: : :: j:|: : : ;イ|::/ムィ ヽ\/ テ:} リ/: j: : : : ::\    
   |: : :/: : : ::ハ: |: : |〃テ:::}     辷ソっnノリ丶_: :_:>   
   /::/: : : :/: : Vヽ: |{{ 辷ソっ   、:::n:::{ | |::|ヽ>      
.  /<:_:.-/:/|/ n{nn::::::::   r っ { | } } }: ヽ        
 /: : :/: :/: : : : :/ / / j ∩      イ| !   |: : :|         き、今日は、ここまで……ですっ///
/::/: : : :ム_: :_ :{ { { {7 ト  ─:´:/  /: :ノリ            
::/: : : : /    \、    ヽ' \::::::{    イ/         
: : : : //         \ヽ   `ヽミ}::::::ヽ   |  }         
: : /  {  ー──  }:ハー    |ノ彡 |    |ニノ         
/   |       ...─-}|    | /´|    |ニ|        
ー、__|     //r‐ ニ|    | }   |   | |        

(結局貼った)

着々と書き溜めてある分が食い潰されていきます
現在は2話戦闘パートの加筆修正に作業が集中してるのでストーリー事態が滞っています。追いついたらと思うと超怖い

ちなみに>>91のシャロのこの世のものとは思えない絶叫は、
PSP版ミルキィの魔剣エピソードでのシャロの悲鳴を可能な限り耳コピしたものです
まだPSP版を持っていないミルキアン諸兄はこれを機に(?)是非購入のご検討を

それじゃあおやすミルキィ
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 11:51:07.95 ID:sBWLbc0C0
乙!

L…幻夢……T2ルナメモリと見た!!
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/22(火) 13:13:51.34 ID:61Qz9amzo
98 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/23(水) 01:59:45.84 ID:t11X+FdNo
ばんワニ。投下の直前直後は緊張で胃に穴が空きそうです
2話は結構長いのでちょっと小分けになるかもしれないですけど、とりあえず今日の分を投下しまうま
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:01:12.42 ID:t11X+FdNo
トゥエンティ『ボンソワール、マドモワゼル。
       永らく僕に逢えず、浮かない顔をしているであろう諸君らに、朗報を届けよう!
       この僕・怪盗トゥエンティの次なる舞台が開幕する!
       今宵零時! イン・ザ・ミッドナイト! また幾度目かの奇跡をご覧に入れよう!
       ステージは、僕と諸君らとの思い出の場所……ランドマークタワー最上階!

       主演:怪盗トゥエンティ!
       助演:怪盗トゥエンティ!
       友情出演:怪盗トゥエンティ!

       原作:怪盗トゥエンティ!

       プロデュース:怪盗トゥエンティ!

       脚本:怪盗トゥエンティ!

       監督:怪盗トゥエンティ!
       アクション監督:怪盗トゥエンティ!

       声の出演:怪盗トゥエンティ!
       スーツアクター:怪盗トゥエンティ!

       OPテーマ:怪盗トゥエンティ!
       EDテーマ:怪盗トゥエンティ!
       音楽:怪盗トゥエンティ!

       キャメラ:怪盗トゥエンティ!
       照明:怪盗トゥエンティ!
       特撮:怪盗トゥエンティ!
       絵コンテ:なかの★陽!
       衣装:怪盗トゥエンティ!
       メイク:怪盗トゥエンティ!
       音響:怪盗トゥエンティ!

       お弁当の手配:怪盗トゥエンティ!

       そして、僕に奪われる幸運なプレシャス! その名は――『天上からの目薬』!
       嗚呼、そこにRomanはあるのだろうか……乞うご期待!』
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:02:06.93 ID:t11X+FdNo
小林「(……そんな悪趣味極まりないボイスメッセージカードが、僕達の事務所に届けられた)」

小林「(僕はすぐさま警察に……というかG4に……というか神津に連絡を取ったが、こんな時に限って電話が通じなかった)」

小林「(普段はあちらから山のようにメールを寄越してくるのに……と愚痴っても仕方がないので、改めて警察へ通報した)」

小林「(今回、予告状が届いたのは僕達の事務所のみだったらしく、電話に応じた警察官は受話器越しにも分かるほど狼狽し、すぐに警備・警戒の為の警官を動員すると言っていた)」

小林「(僕とミルキィ−1のみんなも一旦解散し、身支度を整えてから、犯行予告のあった場所であるランドマークタワーへと向かった)」

小林「(現在、午後10時50分……予告された時刻・零時まで、あと一時間強……)」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:02:45.92 ID:t11X+FdNo
――ランドマークタワー・EVホール

ネロ「あ〜ぁしんどい。メモリ捜しだけでも大変だってのに、その上トゥ↑エンティだなんて……」

小林「ははは……まあこっちが探偵の本業みたいなものだし、怪盗帝国から直々のご指名ともなれば、無視は出来ないよ」

ネロ「そりゃそおだけどぉ……僕もう疲れたー」

小林「ボヤかないボヤかない。疲れてるのは誰だって一緒なんだから。ねえエルキュール?」

エリー「私は……平気です……」

小林「よし。ネロ?」

ネロ「分かった分かった。わかりましたよー」

小林「よし。コーデリア?」

ネロ「ムショだよ」

小林「よし! シャーロ――」

シャロ「……はああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ………………」ドンヨリ

小林「――シャーロック……どうしたのかな? そんな、露骨に落ち込んで……」

シャロ「あ、先生。……はぁ〜〜〜……」ドドンヨリ

小林「あの、あまり人の顔を見ながら溜め息をついて欲しくないんだけど……」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:03:40.87 ID:t11X+FdNo
シャロ「だって……怪盗事件ならこころちゃんに会えると思って楽しみにしてたのに、いないじゃないですかぁ〜……しょぼーん」ショボーン

小林「小衣ちゃん? ああ……そう言えば確かに、今日はG4の姿がないね」

シャロ「はい、ガッカリです……」

小林「神津とも連絡が取れなかったし、もしかしたらG4総出で別件に当たっているのかもしれないね」

ネロ「別にいーじゃん明智なんてさ。いっつも僕たちに意地悪してくるし。「捜査の邪魔よ!」なんて、そりゃこっちのセリフだっつーの」

小林「おいおい……」

ネロ「なんだよーホントのコトでしょ? 今日だって、現場にスンナリ入れたのは明智の邪魔がなかったからだし。ねっエリー?」

小林「こら、エルキュールに陰口の同意なんて――」

エリー「うん……私も……明智さん……うるさくて……苦手……」

小林「えっ」

ネロ「えっ」

エリー「……えっ……?」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:04:16.96 ID:t11X+FdNo
チョイチョイ、チョイチョイ
ネロ「ちょ、ちょっと小林、こっちこっち!」ヒソヒソ

コソコソ
ネロ「なにあれ、エリーがあんなこと言うなんて」ヒソヒソ
小林「ああ、僕も驚いた……エルキュールらしくないな……」ヒソヒソ
ネロ「あーいや、でも仕方ないかなあ……まだM字開脚の恨みとかもあるだろうし」ヒソヒソ
小林「えっ何それ僕知らない」ヒソヒソ
ネロ「小林は知らなくていいよ」ヒソヒソ
コソコソ

エリー「……? あの……何か……?」

ネロ「いや、なんでもないなんでもない! ねっ小林?」

小林「あ、ああ。なんでもない。気にしてくれなくていいよ、エルキュール」

エリー「……はい……」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:05:13.66 ID:t11X+FdNo
シャロ「あうー、ココロちゃ〜ん……」ショボボーン

ネロ「って、まーだ言ってるし。そんなに明智のことが好きなのかよシャロー」

シャロ「大好きに決まってるじゃないですか! こころちゃんは小さくて飛び級でかわいくて成績優秀なんですよ! かわいくて成績優秀な ネロ「言わせねーよ!?」

小林「まあまあ……シャーロックの言いたい事も分からないでもないよ」

シャロ「ぇ、ほんとですか!?」

小林「シャーロックはミルキィの中じゃ末っ子みたいなものだからね。自分より年下の小衣ちゃんが可愛くて仕方ない……そんな所かな?」

シャロ「――!」

シャロ「そうなんですっ!!」ズイッ

小林「わっ!?」

シャロ「お人形さんみたいにちっちゃいのにいっつも元気なのがもー可愛くて! 本当に妹が出来たみたいで嬉しいなーなんて思っちゃって! だから! あたしは! こころちゃんが! 大好きなんですっ!!」ズズイッ

小林「は、ハハ、分かる分かる……少し賑やか過ぎるかもしれないけど、あんな妹なら僕も欲しいかな」

「「!?」」

小林「え?」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:06:16.03 ID:t11X+FdNo
「「………………」」

小林「あの、二人とも? ど、どうしたのかな……?」

ネロ「そんな……小林が、明智みたいな口の悪い幼女を妹にしたがるようなヘンタイでシスコンでマゾヒストだったなんて……」ワナワナ

小林「え、ちょっ!?」

シャロ「先生はこころちゃんにののしられて悦ぶ変態さん……かわいそうすぎて、なんて言ってあげるべきか……」フルフル

小林「何も言わなくて良いから! 僕はそんな特殊性癖じゃないから何の気遣いも要らないから!」

ネロ「なに言ってんだよシャロ!」

「「ネロ?」」

ネロ「考えてもみなよ。明智不在の今、溢れるリビドーを抑えきれなくなった小林が、一体どうなるか……」

シャロ「……っ! まさか……!?」

ネロ「そう。道行く幼女に見境なく「ちっちゃいねぇキミぃ。僕の妹にならない? そして僕を罵ってくれない?(CV:三森すずこ)」って声をかけるに決まってる!!」

小林「決まってないよ!?」

シャロ「あたしのセリフ〜!」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:07:05.61 ID:t11X+FdNo
ネロ「だからそうなる前に僕たちでなんとかしないと! 小林のために!」

シャロ「!」

シャロ「そう……そうだよね。あたしたちはミルキィホームズ! いつも先生に助けられてる分、あたしたちがなんとかしないと! 先生のために!」

ネロ「そう、小林のために!」

小林「いやちょっと待て、待ってくれ二人とも。今、明らかにおかしな方向に話が進んでるから! 一旦落ち着こう? ね?」

シャロ「先生!」

小林「は、はい!?」

シャロ「……先生の、えーっと、ばか! まぬけ! んと……おたんこなす!」

小林「……」

シャロ「あとあと、あんぽんたん! お前の母ちゃんでべそ! ……ぅー、それとーーー………………お兄ちゃん!」

小林「(早速雲行きがあやしく……というか、お兄ちゃんは罵倒語なのか?)」

シャロ「イケメン豚野郎のお兄ちゃん先生め! ひざまずいて足をおなめにゃ!」

小林「(もうわけがわからない……)」

シャロ「あれーおかしいなぁー。先生、興奮しないんですか?」

小林「うん……生憎……」

シャロ「『お前なんだか』、『トランプとか武器にして戦いそうな顔だよな(笑)』」

小林「貴様ッ!」クワッ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:07:39.60 ID:t11X+FdNo
ネロ「何やってんだよシャロ! ちょっと代わって!」ドンッ

シャロ「あう゛っ」ヨロッ

ネロ「小林!」

小林「は、はい」

ネロ「バカ! ブヮーカ! ヴァーカ!」

小林「(こっちはこっちでボキャブラリーが貧困すぎる……)」

ネロ「どうだ!」

小林「いや、どうとか訊かれても……」

ネロ「ぐぬぬ……ぁ、そうだ! だったら――……」

小林「……ネロ?」

ネロ「………………鈍感」ポソッ

小林「っ!?」グサッ!
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:08:09.84 ID:t11X+FdNo
ガクッ
小林「な、なんだ? 身に覚えはないのに、やたらと胸の奥に突き刺さる……!」

ネロ「にぶちん。女ったらし……」ポソッ

小林「ぐうっ、ぁあっ!?」グサッグササッ!

ネロ「いぢわる……いぢめっ子ぉ」

小林「こ、これは罵倒のようで罵倒でない……なのに何故、ここまで心が揺さぶられるんだっ……!?」ガクガク

ネロ「やさおとこ。すけこまし。おもわせぶり。声がえろい」

小林「ああっ、身に覚えはない、覚えはないのにぃいッ」ビクビクッ

ネロ「どう、興奮した!?」

小林「い、いや……ひどく動揺させられはしたけど、別に興奮は……」ガクガク

ネロ「『お前なんだか』、『トランプとか武器にして戦いそうな顔だよな(笑)』」

小林「貴様ッ!」クワッ
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:08:54.40 ID:t11X+FdNo
シャロ「はい、エリーさんの番ですっ!」

エリー「え……私……ですか……?」

ネロ「そうだそうだ、エリーも言ってやれー!」

小林「こらこらこら、勘違いの暴走にエルキュールまで巻き込まないでくれよ。エルキュール? これは二人の悪ふざけだから、キミまで付き合う事は無――」


エリー「……この×××××」


小林「」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:09:32.10 ID:t11X+FdNo
……

…………

………………

――ビル街

小林「……」

小林「(気がつけば……)」

小林「(気がつけば、僕は薄暗い場所でうずくまっていた)」

小林「(どこをどう通ったかなんて覚えていないけど、ここが地上の、ビルとビルの隙間らしい事だけは周囲の景色から理解出来た)」

小林「(……僕は、どうして今ここにいるのだろう?)」

小林「(なにか……何かとてもショッキングな出来事があった、ような……)」

小林「(……、……ダメだ、思い出せない……)」

ネロ「お〜い、小林〜!」テッテッテ

シャロ「せんせー!」トテテテテ

小林「キミ達……」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:10:21.69 ID:t11X+FdNo
ネロ「もー、探したよ〜」

シャロ「先生! あの……さっきはゴメンナサイでした!」ペコッ

小林「え?」

ネロ「僕からもゴメン……ちょっと調子に乗りすぎたよ」

シャロ「あたしたち、先生に悦んで欲しかっただけなんです……」

小林「ネロ……シャーロック……」

小林「(字が違う……)」

シャロ「でも気が付いたんです! あたしたちが間違ってたんだって!」

小林「ああ、やっと分かってくれたんだね……」ホッ

シャロ「はいっ、先生は言葉責めよりも身体をいじめられた方が嬉しいんですよね!」

小林「」ピシッ

ネロ「そうならそうって先に言えよなー小林! だいじょーぶ、今度は上手くやるよ!」

シャロ「はいっ! ペロ王子から貰ったムチとロウソクが火を噴きます! やってやるですー!」ピョンピョン

小林「キ……」

小林「 キ ミ 達 ぃ !!!!!」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:10:48.25 ID:t11X+FdNo
……

…………

………………

シャロ「ず、ずびばぜんでじだ……」ガクガク

ネロ「は、反省してましゅ……」ブルブル

小林「まったく……あれ、ところでエルキュールは?」

ネロ「ああ、エリーなら最上階に残ってるよ?」

小林「残った? エルキュール一人で?」

シャロ「はい。あたしたちは一緒に先生を探しに行きましょうって言ったんですけど……」

ネロ「なんかボーっとしててさ。やっと気が付いたと思ったら、「私は行きません」ーって」

小林「エルキュールが……」

小林「(ん……?)」

ネロ「どうする? ここに呼ぶ?」

小林「そうだな……どこにしても一度合流した方が良いだろうね。頼むよ」

ネロ「おっけー。ぴ、ぽ、ぱっと」カチカチ
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:11:17.64 ID:t11X+FdNo
ネロ「……」prrrrr...prrrrr...

「「……」」

ネロ「……」prrrrr...prrピッ「……ダメだ、全然出ないや」

小林「え、電話にも?」

シャロ「建物の中だし、電源を切ってるんでしょうか?」

ネロ「いや、呼び出しはしてたからマナーモードとかじゃない?」

小林「(ん……?)」

パタン

ネロ「……」

ネロ「……あのさぁ小林。エリーと言えば、なんだけど」

小林「ん?」

ネロ「今日のエリーさ、なんか様子がおかしくない?」

小林「……!」

小林「……どうしてそう思ったんだい?」

ネロ「いや……ハッキリとは言えないんだけど、わかんないけどわかるんだよ。なんか、……違うな、って」

小林「……」

小林「……シャーロック、キミはどうだい?」

シャロ「へ、あたしですか?」

小林「ああ。キミはエルキュールを見て、何か思うところがあったかい? 思った事を、思ったまま聞かせて欲しい」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:12:09.97 ID:t11X+FdNo
シャロ「あたしは……」

シャロ「……」

シャロ「……あたしも、ネロとおんなじです、先生。今日のエリーさん、ちょっとだけいつもと違います。今日の……っていうか、ここに来てから、っていうか……」

ネロ「そうそう! ここに来てからだよね、たぶん!」

小林「(ここに、来てから……)」

シャロ「エリーさん、どうしちゃったんでしょう? 高いところが怖いとか?」

ネロ「いや、前に来たときは平気そうだったし、それはないでしょ。お腹が減ってるんじゃない?」

シャロ「えー? そんなネロじゃないんだから〜」

ネロ「なんだとー!」

小林「……」

ネロ「、小林? どったの?」

シャロ「先生?」

小林「少し……気になる事があってね」

「「?」」

小林「もし……もしも、僕の推理が正しければ――」


ゴーーーン...ゴーーーン...ゴーーーン...


「「「!?」」」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/23(水) 02:13:45.39 ID:t11X+FdNo

ネロ「ぅわ、いきなり何!?」

シャロ「とんでもうるさいです! 耳が、ミミガー!」

小林「これは……!?」

小林「(この、鐘の音は……まさか……!?)」

ネロ「小林! この音、ランドマークタワーからだよ!」

小林「何だって!?」

シャロ「本当です、ビルの上の方から聞こえます!」

小林「じゃあこれは、館内放送を外に流しているだけ……? でも、どうしてこんな時間、に……、……時間!?」バッ

小林「(11時50分!? もうすぐ予告の時間じゃないか!)」

小林「一体、いつの間にこんなにも時間が経っていたんだ……!?」

ネロ「いや、小林が展示室を飛び出してからもう結構時間経ってるから。僕たち、けっこーーーー探したから」

小林「……」

ネロ「……」

小林「……」

小林「と、とにかくっ! 急ぐぞ、宝を守るんだ!」

シャロ「はい!」
ネロ「おっけー!」

「「「ミルキィホームズ−エルキュール−コーデリア+小林オペラ、出動!!!」」」タッタッタッタ...
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 02:15:02.23 ID:SkvC3/ico
蝶ヶ崎くんのCVは森嶋秀太に決定か
117 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/23(水) 02:15:11.94 ID:t11X+FdNo
我ながら思ったより多かったでござるの巻
現在絶賛修正作業中の戦闘パートはこの次の次の投下分からになります
ので次回は明日の夜中にでも投下出来ますが、戦闘パートは少し遅れるかもしれません、と予め言っておきますねっと
そりではおやすミルキィ
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 02:18:25.19 ID:BKZjA8opo

>>105はNKMMKMSNか
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 03:05:52.28 ID:zsJwaChi0

作者はサンホラーだったのかww
そう思うとトゥエンティのCVがじまんぐになっても大して違和感が無いような気がしてきた
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/23(水) 10:02:24.72 ID:9SbnjC4X0
【絵コンテ:なかの★陽】に吹いたwwww
そしていつもと様子が違うエルキュール…………やはり、ルナメモリ(向こうはT2)同士、何か惹かれるものがあるのか…………?

乙!!
121 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/24(木) 01:46:12.01 ID:81y9X4AZo
ワニ。
今日は投下の前に、SS速報にある他のミルキィSSを勝手にご紹介

小衣「ミルキィホームズを訴える」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297595649/

シャロ「あたしたちは!」 インデックス「ミルキィホームズ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300427937/

コーデリア「お花畑が見えなくなった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1299399394/

小林オペラ「きゃあ じぶんごろし!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300582615/

自分で見つけた分はこれだけですが、他にもあったら是非是非是非是非教えてください
今はまどかマギカが勢力を伸ばしていますが、ミルキィSSも負けじと増え……ればいいなぁ

では改めて投下。今日はいわゆる解決編です

さあ画面の前の皆も小林先生と一緒に謎を解いてみよう!
122 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/24(木) 01:47:10.75 ID:81y9X4AZo
――ランドマークタワー・1階エントランス

ザワザワ...ガヤガヤ...

警官1「どうした、まだ動かないのか!?」

警官2「それが、ボタンを押しても何の反応も……!」

警官3「故障!? こんな時に……!」

警官4「こうなったら階段を使うしかない。全員、非常階段に向かえ!」

ダダダダダダダ...

ネロ「ねえ。あれって、下を固めてた警察の連中?」

シャロ「エレベーターが止まってるみたいです!」

小林「だからと言って、あの大人数で狭い階段を駆け上るなんて無茶だ……悪いけど、僕達だけ先に行かせてもらおう。ネロ!」

ネロ「あいさー!」ピコン!

ピンポーン♪ ウィーン...

小林「よし、乗り込め!」

ネロ「上へまいりまーす♪」ウィーン...

ギューーーーーーーーーーーーーーーーン!
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:47:45.89 ID:81y9X4AZo
――ランドマークタワー・EVホール

ピンポーン♪ ウィーン...

ネロ「ほい到着!」

シャロ「ぅげぷ。ぎぼぢわる、ぃ、DEATH……」フラフラ

小林「!」

小林「これは……!」

ネロ「警備の人たちがみんな、やられてる……!?」

シャロ「大丈夫ですか!?」

ネロ「ちょっと、しっかり!」

警察5「う、うぅ……!」

小林「気を失ってるだけのようだ……」

小林「!」

小林「展示室への扉が開いている……!」

「「えっ!?」」

小林「まさか、もう『天上からの目薬』は――」

???「みなさん……」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:48:19.59 ID:81y9X4AZo
小林「え?」

小林「――!」

ネロ「エリー!」
シャロ「エリーさん!」

エリー「……」

小林「エルキュール……どうして展示室の奥からキミが?」

エリー「それは……怪盗トゥエンティと……戦っていたから……です……」

ネロ「えっ!?」

シャロ「大丈夫だったんですかエリーさん!? トゥエンティは!?」

エリー「私は……大丈夫です……けど……トゥエンティは……宝を持って……上へ……逃げました……」

ネロ「上!? でも、僕達は姿を見なかったよ?」

シャロ「もしかしたら、エレベーターが着く直前に階段で逃げたのかも!」

小林「(ん……?)」

エリー「早く……追いかけましょう……」

シャロ「はい、急ぎましょう!」

小林「……」

ネロ「小林? どうしたの?」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:48:50.28 ID:81y9X4AZo
小林「……」

シャロ「先生?」

小林「……、エルキュール」

エリー「? はい……」

小林「キミに訊きたい事が幾つかある」

エリー「……なんでしょう……」

ネロ「ちょっと小林、なに言ってんのさ! 早くしないとトゥエンティが!」

シャロ「そうです、逃げちゃいますよ!」

小林「焦る必要はない」

「「えっ?」」

小林「ついて来てくれ」クルッ スタスタスタ...

ネロ「あっ、ちょっと!」ダッ

シャロ「先生!? そっちは展示室ですよ!」タタッ

エリー「……」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:49:49.73 ID:81y9X4AZo
――ランドマークタワー・特別展示室

「「!」」

ネロ「こ、これって……」

シャロ「うそ……なんでですか……?」

小林「ああ。なぜ……」

小林「なぜ、『天上からの目薬』がまだここにあるんだろうね――エルキュール?」

エリー「……」

小林「……答えられないのかい?」

エリー「……」

ネロ「エリー……?」

シャロ「エリーさん?」

小林「……」

小林「……『エルキュール・バートン。その性格は根暗で内向的」

シャロ「せ、先生?」

小林「言葉数は少なく会話のテンポも遅い。優柔不断で、自分の意思をハッキリと伝える事も出来ない』――」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:50:53.75 ID:81y9X4AZo
ネロ「ちょっと! エリーになんてこと言うんだよ小林!!」

小林「――それが、"ある人物"がエルキュールに対して抱いているイメージ、って所かな」

「「えっ?」」

エリー「……」

小林「……今日、事務所に予告状が届き、僕達はこのランドマークタワーに集まった」

小林「そしてそれを境にエルキュール、キミの言動にはいくつかの不自然な点が見受けられるようになった」

小林「僕はそれらに対して違和感を覚え……その疑問は今、疑念となっている」

エリー「……」

小林「……改めて、キミに訊きたい事が幾つかある」

小林「僕の疑念が懸念だと言うのなら……キミがキミを潔白だと言うのなら……それをキミ自らが証明してくれ、エルキュール」

エリー「……分かりました……」

―― 疑 問 点 開 示 ――
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:51:26.01 ID:81y9X4AZo
小林「まずひとつ。ここを飛び出した僕をシャーロックとネロが追いかけて来たが、キミは1人で残った」

小林「何故?」

エリー「それは……私ひとりでも……宝を……守ろうと……思ったから……」

小林「違うな」

小林「僕の知るエルキュールは、チームの和を何よりも大事に思っていた」

小林「自分だけで勝手に別行動を取るなんて事は、絶対にしない筈だ」

エリー「……」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:52:00.96 ID:81y9X4AZo
小林「ふたつ。少し前、ネロはキミに連絡を取ろうと電話をした。しかしキミからの反応はなかった……」

小林「何故だい?」

エリー「それは……展示室では……PDAを……マナーモードにしていた……から……」

小林「それはどうかな」

エリー「どういう……意味ですか……?」

小林「ネロ、もう一度エルキュールに電話をかけてみてくれないか」

ネロ「え? うん、いいけど……」カチカチ prrrrr...prrrrr...

「「「「……」」」」

小林「……どうだい、エルキュール? 着信は来たかな?」

エリー「……はい……さっきは……マナーモードで……気付かなかっただけ……でした……」スッ

「「あっ!」」

エリー「え……?」

小林「エルキュール。それはミルキィホームズの結成時にアンリエットさんから貰ったPDAだね?」

エリー「はい……それが……何か……」

小林「ネロはそのPDAではなく、今日の夕方に届いたばかりの、このスタッグフォンに電話をかけたんだ」

エリー「……!?」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:52:35.11 ID:81y9X4AZo
ネロ「エリー……」

エリー「……」

小林「みっつ目だ、エルキュール。キミは怪盗トゥエンティと交戦し、宝を奪われたと言った」

小林「そして……『上へ逃げた』、と」

小林「何故だろうね? キミは、この階の最奥……特別展示室から出てきたのに」

エリー「それは……」

小林「……」

シャロ「エリーさん……」

ネロ「……エリー」

エリー「……」

エリー「……こんなの……おかしい……です……」

小林「……」

エリー「いつもと……少し……違う……だけで……たった……それだけで……私を……疑うなんて……。……仲間……なのに……」

エリー「……ひどい……」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 01:53:53.24 ID:81y9X4AZo
小林「……」

小林「……確かに、これらの疑問点のひとつひとつは、取るに足りない些細なものだ」

小林「けれど、それで充分さ」

エリー「……?」

小林「僕達は知っている。本当のエルキュール・バートンを」

小林「彼女の会話のテンポが遅く感じるのは、思慮深く、正しい言葉を使おうという気持ちの現われ」

小林「彼女が優柔不断に見えるのは、友達思いで、人を傷つけまいとする優しさの証だ」

小林「そんな彼女を知っている僕達にとって、」

小林「長くの時間を共に過ごした僕達にとって、」

小林「多くの事件へ共に挑んだ僕達にとって、」


小林「そのどれもは、重要なファクターに匹敵する!!!」


エリー「……!」

小林「今日この時に限り、僕は探偵でなく、一人の人間・小林オペラとして、本能で断言する!」


小林「キミは――エルキュールじゃない!!!」


エリー「!!!」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:20:01.38 ID:81y9X4AZo
小林「僕だけじゃない……」

小林「シャーロック! ネロ!!」

「「!」」

小林「今なら、キミ達の疑問も確信へと変わっている筈だよ」

小林「それがこの事件を解決へと導く最後の鍵だ!」

小林「さぁ、聞かせてくれ! キミ達が感じたものを!」

―― 暴 露 開 始 ――
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:20:27.35 ID:81y9X4AZo
小林「ネロ!」

ネロ「うん!」

ネロ「エリー。ここに来てすぐのこと、覚えてる?」

ネロ「僕がいつもみたいに明智の悪口を言って、エリーはそれに同意した」

ネロ「……そんなのおかしいよ」

ネロ「僕の知ってるエリーは、人の陰口を叩くような子じゃない!」

ネロ「いくら明智がいけすかない奴でも、エリーはそんなこと言わない!」

シャロ「その通りです! そんなネロじゃあるまいし!」

ネロ「どーゆー意味だよ!?」

ネロ「……ともかく、これが僕の感じた違和感の正体だ!」

エリー「……!」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:20:54.16 ID:81y9X4AZo
小林「よし!」

小林「シャーロック!」

シャロ「はいっ!」

シャロ「エリーさん、あたしたちが先生を罵ってた時のことを思い出してください!」

シャロ「あたしとネロが先生をボロクソに言って、その最後にエリーさんは言いました。×××××って!」

シャロ「でもその時、エリーさんのお顔はぜんぜん赤くなってなかったんです!」

シャロ「その時だけじゃありません」

シャロ「思い返してみると、ここに来てからのエリーさんは一度も赤面してないんです!」

シャロ「エリーさんは恥ずかしがり屋さんで、あたしの髪よりピンク色の脳細胞をした人です!」

シャロ「何もなくても顔を赤くするようなド淫乱なエリーさんが、こともあろうにあんなセリフを素面で言ってのける……」

シャロ「これが、あたしが変だと思った違和感の正体です!」

エリー「……!」

小林「……………………………………………………」
ネロ「……………………………………………………」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:21:40.60 ID:81y9X4AZo
小林「ご、ゴホンっ!」

小林「よし!」

小林「コーデリア!」

シャロ「ムショですー」

エリー「……」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:22:20.14 ID:81y9X4AZo
小林「よし!」

小林「エルキュール!!」

エリー「!!」

小林「以上の事を踏まえ、僕はこう推理した!」

小林「今日の夕方、事務所に戻るまでのエルキュールと、ここランドマークタワーに集まってからのエルキュールは別人!」

小林「恐らくは一度解散した際に、本物のエルキュールを何らかの手段で無力化・あるいは拘束し、PDAを奪った……その直前、僕達の手元にこのスタッグフォンが届けられた事も知らずに」

小林「さらにランドマークタワーでは僕を現場から遠ざけ、自分だけが『天上からの目薬』のある最上階に残った」

小林「そして予定の時刻が迫り、護衛に当たっていた警察を昏倒させ、特別展示室へ向かった」

小林「零時直前に鳴った鐘はフェイク……己に課したルールを美学とし、何よりも重んじる怪盗が、予定を前倒すなんてありえない……」

小林「鐘の音に焦って駆けつけた僕達を屋上へ誘導し、自分は改めて確実に『天上からの目薬』を手に入れるつもりだったんだろう」

小林「そう……それが今、犯行を予告した零時ジャスト!」

小林「だが僕達はここにいる! 『天上からの目薬』も無事だ!」

小林「負けを認めろ、エルキュール……いや――」


小林「怪盗トゥエンティ!!!」


エリー「!!!」

―― 暴 露 完 了 ! ――
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:22:48.38 ID:81y9X4AZo
シャロ「うそ……エリーさんが……」

ネロ「口調に違和感があったのは、キャラを掴み切れてないからじゃなかったんだ……」 小林「おいやめろ」

エリー「……」

小林「……」

シャロ「……」

ネロ「……」

エリー「……、フ」

エリー「フフフ……」

「「「!」」」

エリー「アーーーーーーーーーーッハッハッハッハッハッハァーーーーーーーーーーン!!!」

エリー「そう!」

エリー「僕は怪盗帝国のスリーカード! アルセーヌ様の忠実なる下僕! 堂々たる同志! 美しすぎるドーベルマン!」

エリー「怪盗! トゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

エリー「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」

エリー「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…………ッ」

エリー「ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ」

エリー「ッエェンティッ!!!!!!」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:23:25.08 ID:81y9X4AZo
エリー「お久しヴりだね、レディース・エン・ミスターオペラ!」

小林「トゥエンティ……! 本物のエルキュールはどこだ!」

エリー「あは〜ン! この美しい僕を前に、他の女の話とは……相も変わらず罪作りだね、ミスター?」

小林「質問に答えろ!」

エリー「美しい僕を見ろーッ!」

ネロ「ちょっ、こらトゥエンティ! エリーの姿でなんて格好しようとしてんだ!」

エリー「A・han?」

シャロ「そそそそうですよ! そんなエリーさんがしそうでしないけど実はちょっとしてそうなポーズ、やめてください!」

エリー「……」

シャロ「……」
ネロ「……」
小林「……」

エリー「乳首が勃ってきたよ」

「「「やめろ!!!」」」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:23:58.30 ID:81y9X4AZo
エリー「いけない子猫ちゃん達だ……こんな所で僕を裸にしようなんて」モゾモゾ

ネロ「こ、コラー! やーめーろ!」

シャロ「あわわわわわ……このままじゃ、エリーさんの柔肌があらわに!」

ネロ「どうしよう、小林!」
シャロ「どうしましょう、先生!」

小林「ゴクリ……」ゴクリ...

「「目潰しッ!」」グシャーッ

小林「ぐわァーッ!!!」ツブシッ

ネロ「バカ! 小林のムッツリスケベ! ったく、そんなにおっぱいがいいのかよ……。………………僕だって、まだまだきっともっとちょっとくらい大きく……」ブツブツ

ポロッガシャッ

ネロ「ん? 小林のポケットから何か……」ヒョイ

ネロ「!」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:24:30.17 ID:81y9X4AZo
ネロ「これは……! そうだ、これならいけるかも……シャロ!」

シャロ「はひ!?」ビクッ

ネロ「ルナメモリ貸して!」

シャロ「え? え?」オロオロ

ネロ「はやく! 本物のエリーがお嫁にいけなくなる前に!」

シャロ「は、はいぃ!」カチッ \ルナァ!/「ネロ!」ポイッ

ネロ「さんきゅー!」パシッ「これをこっちに……」ジャキィン!

\ルナァ! マキシマムドライブ!/ シャキーン パタパタパタ

シャロ「わっ! カメラが……コウモリさんになっちゃったー! ってなんでですか〜?」

小林「うぅ……やっと視界が元に戻ってきた……」グシグシ

ネロ「シャロ、目を閉じろーっ!」ギュッ

シャロ「えっ、はい!」ギュッ

小林「え?」キョトン

 パ シ ャ ー ッ !

小林「ぐわァーッ!!!」マブシッ
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:25:10.11 ID:81y9X4AZo
シャロ「わっ、目を閉じててもまぶしーです!」

ネロ「うへぇ、強烈だなぁ〜……」

ネロ「でも、だからこそ――」

エリー「ぐっ……!?」

ネロ「――効果は抜群、だよね」ニッ

エリー「くぅ……なんだ、この光はァ! 身体が、僕の華麗なる変身が、維持できナッシン……グっ!?」

エリー「うぅああああああああああああああッ!」ミュミュミュミュ...ポロンッ

シャロ「あっ、エリーさんが……トゥエンティになっちゃったー! ってなぁんでですかぁー」

ネロ「いや逆だから。トゥエンティがエリーになってたのが戻っただけだから」

ネロ「ってちょっと待ってよ、今あいつの身体から飛び出したのって……」

トゥエンティ「オゥ……ノォォォォォォウ! なんという失態……! チェンジ・アゲイン!」バッ

ネロ「!」

ネロ「シャロ、トイズであれを!」

シャロ「はいっ!」ピコン!

フワッ スカッ

トゥエンティ「!?」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:25:49.04 ID:81y9X4AZo
パシッ
シャロ「やりましたー!」

ネロ「やっぱり……これはT2ガイアメモリだ!」

シャロ「Gのメモリ……名前は……げね?」

ネロ「Gene。遺伝子って意味だよ」

ネロ「遺伝子……そっか、トゥエンティは今回、トイズを使ってない」

ネロ「メモリの力で遺伝子を操作して、エリーそのものになってたんだ!」

シャロ「なるほどー! ネロすごい! まるで先生みたいですー!」

ネロ「え、そう? そんなにかっこよかった?」エヘヘ「っと、そんなことより……」ジロ

トゥエンティ「……」

ネロ「怪盗がガイアメモリをねぇ……ちょっと見損なっちゃったかな。美学とかなんとか言っちゃって、こんなのに頼るんだ、お前?」

トゥエンティ「……」

シャロ「さぁ、メモリは取り上げました! 怪盗トゥエンティ、神妙にお縄についちゃってください!」

ネロ「おいおい、そりゃ警察のセリフでしょ」

トゥエンティ「フッ……」

トゥエンティ「ここは美しい僕のステージとしては不釣合いだね」

「「?」」

トゥエンティ「アーディオス!」ダッ

「「あっ!」」

シャロ「逃げました!」タッ

ネロ「今度こそ上だね。ほら小林、追いかけるよ!」グイッ

小林「キミ達、最近ちょっと僕の扱いがぞんざい過ぎやしないかな……?」ヨロロッ
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:26:39.70 ID:81y9X4AZo
――ランドマークタワー・屋上

タタタタタッ...

小林「そこまでだ!」

トゥエンティ「……!」ピタッ

小林「そこまでだ、トゥエンティ。お前が使っていた(らしい)メモリはこちらが押さえた。この状況で、お前が逃げ延びる可能性はゼロに等しい」

トゥエンティ「あは……♪」

小林「何がおかしい?」

トゥエンティ「た・し・か・に? 今ここはまーさーに絶体絶命の舞台!」

トゥエンティ「しかァし、そんな状況をファンタスティックに! エキゾチックに! ドラマティーーーックに! 覆してしまう逆転劇こそが、そう! 今宵の僕に相応しい最上のステージさっ!」

トゥエンティ「と、なれば……お色直しが必要だね」スッ

「「「!」」」

小林「それは……!」

トゥエンティ「エレス・コレクート……セニョールオペラ」カチッ


\ルナァ!/


144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:27:07.29 ID:81y9X4AZo
ネロ「うそ……あれも、T2……?」

小林「もう一本隠し持っていたのか……!」

シャロ「しかも、あたしと同じルナです!」

トゥエンティ「おぉっと、一緒にしないでくれたまへ。別格さ……強さも、そして――美しさもッ!」バッ

小林「!」ハッ

小林「シャーロック!」

シャロ「はいっ!」ピコン!

フワッ

ネロ「やった! トゥエンティのヤツ、二度も同じ手でメモリを奪われるとかバっカでやんの!」プススー

小林「メモリをこっちに引き寄せるんだ!」

シャロ「はい!」グググ

スイーッ......ピタッ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:27:41.56 ID:81y9X4AZo
シャロ「えっ!?」

ネロ「ちょっと何やってんだよシャロ、早く早く!」

シャロ「ち、ちがうの! 引っ張ってるのに、動かないんですぅ!」グヌヌ

小林「なんだって!?」

トゥエンティ「フフフ……」

小林「!」

トゥエンティ「そんなちっぽけなトイズで美しい僕と! 美しい僕のメモリとを引き離すなんて無理☆無理!」

グググ...

シャロ「そんな……メモリが、逆に引っ張られてます! 止められません!」

トゥエンティ「そォう!」クワッ!

トゥエンティ「美しい僕が選んだメモリ! 僕を選んだ美しい僕のメモリ! 僕達を結ぶ、甘く、深く、熱ゥい関係の名は、まさしく――!」


トゥエンティ「――運命!」トスッ フィィィン...!


「「「!」」」

トゥエンティ「あぁ、来たぁ……! 来たきたキたキタ、キターーーーーーーーーーーーッ!!!」ミュミュミュミュ...

ルナ「変☆身☆完☆了……月光に冴える、美しすぎるドーベルマン!」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/24(木) 02:28:33.42 ID:81y9X4AZo
小林「なんてことだ……」

ネロ「ただのドーパントでも大変だってのに、その上トゥ↑エンティだなんて……」

シャロ「でも、このまま放っておけないです!」

小林「ああ、シャーロックの言う通りだ。奴はここで食い止める……僕が!」スチャッ バシュッ、シューン、ガチャ!

フィィィィン、ガチャ!
ネロ「ちょっと小林? そこは、僕達が、って言うところ。でしょ!」カチッ \サイクロン!/ 

小林「……ああ、そうだったね」

小林「行くぞ、ネロ!」カチッ \ジョォカァァァ!/

「「変身!」」

ジャキィン! シュウウウン...シュウウウン ジャキィン! ジャキィン! ガシャン!


\サイクロン!/\ジョォカァァァ!/ デーデレデーデレデレデレデーン・ジャッジャッジャン!


ネロ「   」フラッ

シャロ「わわっ、ネロ!」ピコン!

ネロ「   」ピタッ

W(ネロ)『ナイスシャロ。僕の身体、頼むよ』

シャロ「わかりました! がんばってください、ふたりとも!」

W(小林)「ああ、キミは安全な所に隠れていてくれ。――行くぞ、トゥエンティ!」ダッ

ルナ「キャモォン!」
147 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/24(木) 02:32:34.23 ID:81y9X4AZo
>>131>>132の間で時間がやけに開いてますが………………寝てました。マジ油断大敵
眠くて頭が回らないので今日はこのへんで。何か言うべき事を思い出せたら日中にでも別にレスしマウス

ではおやすミルキィ
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 08:30:18.16 ID:dULX1vGAo
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/24(木) 13:14:47.99 ID:yi4b4ddo0
まさかのT2ジーンメモリに驚愕、そして美しい僕のメモリで吹いたwwww
よく考えたら、トゥエンティが自分以外を美しいって言うのってアルセーヌを除けば滅多にないですよね
(抱き枕への呼び方は美しい「僕」なので抱き枕自体が好きなわけではない……はず)
彼にとってまさにT2ルナメモリは『運命のガイアメモリ』なのだと思いました

>>1乙!!
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/03/24(木) 13:43:10.69 ID:PGoQuwy/o
>>1
相変わらずコーデリアさんの天丼っぷりに吹いた
151 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/26(土) 02:25:10.17 ID:4Wejrr0Zo
一日音信不通でごめんなサイ。普通にサボってましたテヘペロ

今もゴリゴリ戦闘パートの直しの最中ですが、まあ出来た所から出来た分だけ投下していけば今夜中には2話も終わる気がします
ので、のんびり付き合って頂ければ幸い


と、その前に返すべきレスをいくつか

>>116>>118-120
こうしてミルキィやW以外に仕込んだネタが通じるのはなんか嬉しいですね
ところでこのSSはミルキィとW、どちらに需要を見出されているのでしょうか。たぶんミルキィだとは思いますけど

>>149
アニメ5話かそこらでは美しいキミと言ってた気もします。どのみち自分の事なんですけどね


じゃあぼちぼち投下して行きまする
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:26:50.54 ID:4Wejrr0Zo
 銀のマフラーをなびかせ、勢い良く駆け出すW。
 対するルナは、自分を抱き締めるように身をくねらせる。

ルナ「んんんんんんんん……イェス、ムチオブラブッ!」ビシュッ!

W「『!?』」

 ふざけたセリフと共に広げられた両腕。その中心から放たれた「ソレ」がWをしたたかに打つ。

W(小林)「ぐあっ!」 (ネロ)『小林っ!』

 胸部に強烈な衝撃。火花が飛び散る。
 一方で「ソレ」は、まるでテープの逆回しのようにルナの胸元へと戻る。

ルナ「はあああああああっ……ムチ・オブ・ラブ!」ビシュッ!

 続け様にもう一撃。「ソレ」による素早い追撃がWを襲う。

W(小林)「くっ、この!」

 先の一撃によろめきながらも、苦し紛れに放った蹴りが「ソレ」を偶然に捉え打ち返した。
 「ソレ」は一瞬だけ宙をさまよったが、すぐにコントロールを取り戻し、ルナの元へ帰った。
 その一部始終を見て、Wは「ソレ」の正体を知った。

W(小林)「こ、この攻撃は……!」 (ネロ)『うそ、これって、まさか……』

 唸るW。
 にわかには信じ難いが、それは紛れもない事実だった。

(小林)「ああ、奴の攻撃方法は……これは――」

 「ソレ」は――


W「『乳首!!』」


シャロ「ってなんでですかーぁ……」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:29:48.88 ID:4Wejrr0Zo
 シャロの呆れ声を背に、Wは乳首をこねくり回すルナと対峙する。

W(小林)「ルナの変幻自在な能力を乳首に限定させるとは……」

W(ネロ)『でもその分あの乳首の攻撃力と応用力はすごいよ、気をつけて!』

ルナ「あははんは〜ん♪ ルナティックなパゥワーが、ここに、そう! ここにっ! ビンッビンに溜まって来ただろォウッ!?」ビシュンッ!

W(ネロ)『左右同時攻撃!?』 (小林)「なんて奔放な乳首だ! くっ!」

  不意に伸びる乳首! それを間一髪のジャンプで回避した――筈だった。が、

ルナ「伸びーる伸びィーーるノンストオオオオオオオオオオオオオップ!!」グニャアッ

 直線的な動きをしていた乳首が突如としてその軌道を、歪める――!

W(小林)「なっ――うわあっ!?」

シャロ「先生っ!」

 しなる乳首の一撃をまともに受け、ビルの屋上を転がるW。

W(小林)「くっ……さすがは怪盗帝国のスリーカード、口だけじゃなく乳首まで達者だ……ネロ、何か対抗策は?」

W(ネロ)『もち検索済み♪ 小林、左側のメモリをメタルに替えて!』

W(小林)「僕の側を? 分かった!」カチッ \メェタルゥ!/ ガコッ キュゥゥゥン... ジャキィン! ガシャン!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:30:51.68 ID:4Wejrr0Zo
\サイクロン!/\メェタルゥ!/ デーデレデーデレデレデレデーン・デデデンカンッデッデデン!

 Wの左半身が黒から銀へと変わる。
 その背にはマフラーに加え、短く縮められた鋼鉄の棒が出現した。

W(小林)「こ、これは……!」

 それを手に取った。鋼鉄の棒――メタルシャフトの両端が展開し、その尺を急激に伸ばす。

シャロ「わぁ! 長い棒ですー!」

W(小林)「そうか、これならあのやんちゃな乳首を弾いて懐に潜り込める!」

W(ネロ)『そーゆーこと。やっちゃえ小林!』

W(小林)「よし――」

 意気込んでシャフトを構える。が、

ルナ「ちゃんと僕を見ろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」ビシュッ

 無視された事に憤ったルナの自己主張の激しい乳首が、的確にシャフトを握る手を叩いた。
 不意の衝撃に、思わず力が緩んで、

W(小林)「――あっ」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:32:43.94 ID:4Wejrr0Zo
 ポロリと。

『「えっ」』

 ヒューーー……、と。
 間抜けな風切音をさせ、シャフトは奈落へと消える。耳を澄ませば、最後にカランカランという乾いた音が聞こえた。

W(ネロ)『ってうおおおおーーーーーい!? 何やってんだよ小林、メタルシャフト落ちてっちゃったじゃんか!』

W(小林)「い、いやだって、あんなに手癖の悪い乳首だとは思わなかったから――」

W(ネロ)『言い訳すんなヴァーカ! 小林のグズ! かませ犬! 犬なら犬らしくワンッって鳴けよ!』

W(小林)「酷い言われようだ!?」

シャロ「あうぅー、ここからじゃ地面なんて見えないから持ち上げられないですー!」

 ぎゃあぎゃあ騒ぐWとシャロ。ヤケクソ気味にネロが次の指示をだす。

W(ネロ)『〜ッああもぉ! だったらもう一度サイクロンジョーカーに戻ろ! 動きが軽くなるだけマシでしょ!』

W(小林)「あ、ああ、分かった……」

\サイクロン!/\ジョォカァァァ!/ デーデレデーデレデレデレデーン・ジャッジャッジャン!

 サイクロンメタルからサイクロンジョーカーへ戻る。
 そこに容赦なくルナの乳首が襲いかかる。
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:34:41.59 ID:4Wejrr0Zo
ルナ「強くてイケメン好きトゥエンティっ!」ビシッ!

W(小林)「くっ!」バッ!

ルナ「強くてイケメン好きトゥエンティっ!」バシッ!

W(小林)「ぐっ!」ガッ!

 時に避け、時に蹴り、なんとか乳首の猛攻を凌ぐ。
 しかしガイアメモリで強化された乳首は鋭く、速く、且つ驚くべき柔軟さで次から次へと繰り出される。
 変幻自在の乳首に翻弄されながらも、Wは懸命に考えを巡らせる。

W(ネロ)『どーすんのさ小林! こんなのいつまでも凌ぎきれない、このままじゃ嬲り殺しだよ!』

W(小林)「分かってる! しかし、なにか打開策がない事には……」

シャロ「先生! あたしがネロと替われば……!」

W(小林)「いや、個人的にルナジョーカーはちょっと……」

W(ネロ)『それにあいつの乳首はふたつあるんだ、不慣れなルナジョーカーじゃどうしても手数で負けちゃうよ!』

W(小林)「くっ、万事休すか――」バキイッ!「――ぐあぁアッ!?」ブワッ

 乱舞する乳首が遂にWを真芯に捉え、大きく吹き飛ばした。
 ビルの柵に激突したWは、尚も立ち上がろうとするが、上手く力が入らない。
 その場に尻餅を付き、仮面の奥で歯噛みする小林。

W(小林)「(ここまでなのか……!?)」

 その時だった。


???(『――小林さん……』)


157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:36:31.85 ID:4Wejrr0Zo
「『「!」』」

W(ネロ)『今の声って』

シャロ「まさか」

W(小林)「エルキュール!?」

エリー(『ぁ、はい……///』)

 その声は、ダブルドライバーを介して頭に直接聞こえたものだった。
 それはつまり、声の主がWのメモリを持つ本物のエリーであるという証明も兼ねている。

W(ネロ)『エリー、無事だったんだぁ……!』

シャロ「よかったですー!」

エリー(『うん……心配かけて、ごめんなさい……/// 小林さん、も、あのあのあの……///』)

W(小林)「大丈夫、事情は全部分かってる。……エルキュール……無事で良かった、本当に」

エリー(『……はいっ……///』)

 かなりの危機的状況に置かれているにも関わらず、和やかな雰囲気がその場に生まれた。
 それが項を奏したのか、ネロがある事を閃いた。

W(ネロ)『そうだ小林! 思いついたよ、打開策!』

W(小林)「え、本当かい!?」

W(ネロ)『うん。エリーと替わるんだ! エリー、お願いしていい?』

エリー(『わ、私が……?』)
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:39:13.49 ID:4Wejrr0Zo
 突然の提案に面食らった様子のエリー。ネロは至って真面目に話を続ける。

W(ネロ)『そう。エリーのメモリとトイズなら、トゥエンティの乳首に対抗出来ると思うんだ! だからお願い!』

エリー(『………………えっ!? ち、ちち、ちく……!?///』)

シャロ「あたしからもお願いします、エリーさん! エリーさんの力で、トゥエンティの乳首をけちょんけちょんにしてやりましょう!」

エリー(『あ、ぁ、あのあのあのっ……/// ち、ちく…………び…………って。あの、ちくび………?///』)

 事件現場にいないエリーは、先程から平然と繰り返される単語にひどく動揺する。
 彼女にもう少しだけ勇気があれば、「それはひょっとしてギャグで言っているのか?」と言えただろう。
 しかし他の三人の声音は真剣そのもの。結局、そのどこにも反論の余地を見出す事は出来なかった。

W(小林)「エルキュール」

 でも、

エリー(『は、はい……』)

 反論なんて必要なかった。

W(小林)「僕からも頼む。今、キミの力が欲しいんだ」

 ――その言葉が、エリーの心に火を点けた。

エリー(『……!』)

エリー(『……』)

エリー(『……分かり、ました……』)

W「『!』」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:41:14.69 ID:4Wejrr0Zo
 考えに考えた末の結果であろう言葉は、静かに、しかし炎のような熱を感じさせた。
 その"熱"が、ダブルドライバーを通してWにも伝わる。

エリー(『たぶん、今……私のせいで、みんなが危ない目に遭ってるから……だから、』)

エリー(『私がみんなを助けたい……』)


エリー(『小林さんの力に……なりたい、です……!』)


W(小林)「エルキュール……」

 仮面の奥で破顔する小林。ネロも苦笑する。

W(ネロ)『おっけーおっけー。そんじゃ、後はよろしくね。エリー、小林!』ガコッ キュゥゥゥン...

W(小林)「よし……行くよ! エルキュール!!」

エリー(『はいっ!』)

 ダブルドライバーの空いた右スロットに、赤いメモリが転送された
 Wはそれを――ヒートメモリを装填し、展開する!

...シュウウウン ジャキィン! ガシャン!

\ヒート!/\ジョォカァァァ!/ ジャララージャラララージャラーン・ジャッジャッジャン!
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:44:07.83 ID:4Wejrr0Zo
 勇ましい電子音声に続き、Wの右半身が緑から赤へと鮮やかに塗り替わった。
 赤と黒のW。仮面ライダーW・ヒートジョーカーが爆現したのだ。

ネロ「っ!」ガバッ

シャロ「あ、ネロおはよー」

ネロ「おはよー。じゃなくて! 小林は?」

シャロ「大丈夫です! ほら、今は先生とエリーさんが二人で一人の仮面ライダーになれました!」

ネロ「よしっ! やっちゃえ、ふたりともー!」

 シャロとネロの声援を背に受け、Wは拳を握り締める。

W(小林)「ああ。行けるね? エルキュール」

W(エリー)『はい……これが、W……すごく、あったかい……///』

 二人は心を一つに前を見据える。
 視線の先では、今の今まで無視され続けていたルナが地団駄を踏んでいた。

ルナ「ムっっっキィーーーッ! チミ達っ! いつまで僕を無視するつもりどぅわあああああああああああっ!」ビシュビシュン!

W(小林)「来るぞ!」 (エリー)『はいっ!』

 左右同時に牙を剥く乳首!
 Wは拳闘主体のスタイルでそれを迎え撃つ。

W(小林)「ふっ、はッ! はあッ!」

 左の乳首を屈んでかわし、右の乳首を受け流し、もう一度振りかかる左乳首を拳で弾いた。

シャロ「わあっ! 先生もエリーさんもすごい、すごいですー! でも……」

ルナ「で・も! 避けてばかりじゃ僕は捕まえられナッシン!」

 シャロの懸念、ルナの発言の通り、攻撃速度は拳より乳首が上。拳より乳首が上だ。
 多少の距離は詰められても、やはりその先へはなかなか進めず、乳首は次第に苛烈さを増す。

W(エリー)『ううっ……!』 (小林)「耐えてくれエルキュール! 一瞬のチャンスまで、どうにか凌ぐ!」

 そんなWの思惑には気付かないルナは、上機嫌に乳首を縮める。
 何の偶然か、それはちょうどルナジョーカーの腕が戻る時のように、掃除機のコードを巻き取るような動きだった。

ルナ「あ・は〜ん♪ 仮面ライダーとやらも期待していた程ではないようだねェ……お遊びはここまでにしようか」グググ...
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:49:57.98 ID:4Wejrr0Zo
 乳首陥没。
 恐らく、一層の速さと鋭さを併せ持つ攻撃の予備動作だろう。

W(小林)(『来る……エルキュール、僕が合図をしたら、トイズを使うんだ』) エリー(『はい……わかり、ました……!』)

 そして、待望の瞬間が、訪れる――

ルナ「これにてフィッナーレ! 天まで届け、僕のT! K! Bーーーーーーーーーーッッッ!!!」

  石礫のように、弓矢のように、弾丸のように、超高速で放たれた乳首! それを――

W(小林)「今だ、エルキュール!」

W(エリー)『はいっっ!』ピコン!

 ――ガキィンッ!

ルナ「Oh!?」

「「!」」

 強力な一撃に宙を舞ったのはWではない。乳首だった。
 攻撃をしかけた乳首の方が、ロープを宙に放ったようにだらしなく滞空している。
 それを成したのは、右目に光を宿したW――エリーのトイズ・トライアセンドだった。

ネロ「やった! ドンピシャのガードで乳首の裏をかいた!」

シャロ「すごい、格ゲーみたいです! 乳首がひるんでます! チャンスですー!」

 外野の解説の通り、乳首はコントロールを失った状態にある。
 W――小林が、お得意の洞察力でそれを見抜き、こちらもまたお得意の判断力でエリーに指示を下す。

W(小林)「さあ、今だエルキュール――あの無防備な乳首を掴むんだ!」

W(エリー)『――え、っ……ふぇぇぇええええええっ……!?///』

 名探偵小林オペラ。
 彼の辞書にデリカシーという文字は、ない。
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:53:54.29 ID:4Wejrr0Zo
W(小林)「早く! あの乳首が自由に動かせないこの一瞬しかないんだ! エルキュール!!」

W(エリー)『あ、あうあうあう……/// えっ……えぇーーーーーーいっ!//////』

 泣きそうになりながらも、エリーはWの右手を操作して、ルナの乳首を左右まとめて――掴んだ。

ルナ「おフン!?」ビクッ

W(エリー)『う、ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……///』

 そのまま――トイズ発動状態のまま、万力のような力で乳首を締め上げる。
 ギチギチと、乳首からしてはいけない音がする。

ルナ「あ、あァオ!? や、やめたまへっ! 僕の、僕の可愛いTKBが鬱血してしまうではないキャッ!」ガクガクガク

W(小林)「いいぞエルキュール! そのまま、メモリの力を開放するんだ!」

W(エリー)『はいっ!』

 決して乳首から手を離さず力を込める。その強い意思がメモリに作用して、

ルナ「ッッッッッアッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッツァイッッッ!!!」

 燃えた。

シャロ「やりましたぁ! 先生の右手が真っ赤に燃えてるです! 乳首を掴めと轟き叫んでるですー!」

ネロ「すごいっちゃすごいけど、それより絵面がキッツいなぁ……」

 ネロの冷めた目に映るのは、左右二色の戦士が燃え盛る手で怪人の乳首を握り締めている光景だ。悪夢である。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 02:59:05.82 ID:4Wejrr0Zo
W(小林)「ふんっ……!」

W(エリー)『うぅぅうううっ……///』

 左手で強く、右手で熱く、ルナの乳首を責める攻める。

ルナ「痛い! 熱い! 痛ァい! でも、嫌いじゃない、嫌いじゃないわ!!!」ガクガクガクガクガクガクガクガク

シャロ「見てネロ、トゥエンティがあぶら汗かいてます!」

ネロ「ドーパントの身体だと余計にシュールだなぁ……」

W(小林)「エルキュール! 呼吸を合わせて一気に行くぞ!」 (エリー)『は、はいっ///』グググッ... (小林)「せー、のっ、」

W「『それっ!!』」ブゥンッ!

ルナ「フライ・ハーーーーーーーーーーーーーーーーーイッ!?」ギュオッッッッ

 ガイアメモリによって底上げされたトイズが発揮する力は凄まじく、ルナはあっという間に超高空へ到達する。
 そうすれば、後はまた下へと落ちるだけだ。

シャロ「そっか、あれならトゥエンティは絶対に避けられないです!」

ネロ「だねっ! いっけー小林、エリーっ!」

 重力に捕らわれたルナを見据え、Wは燃え盛る拳を構えた。
 左手を天に、照準を合わせるように。
 右手を地に、弓矢を引き絞るように。
 二人の意思が、炎をより大きく、より熱くする。

W(小林)「はあああああああ……!」

 ルナが射程圏内に落ちて来る。

W(小林)「これで終わ――」


???「シリーッ!」


164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 03:01:01.13 ID:4Wejrr0Zo
「「!?」」

W「『!?』」 (小林)「な、がッ!?」 (エリー)『小林さん!』

 横薙ぎの衝撃。視界からルナが消え失せる――違う。Wが、ルナの落下線上から、逸れたのだ。
 そこへルナが猛スピードで墜落する。


ルナ「ダイブ・イン・ザ・ビィイイイイイイルヂイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!」

 ――ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
 壮絶な衝突音と振動、そして粉塵が舞い上がる。

シャロ「ぎゃわあ!?」

ネロ「うわっ! すごい衝撃……! っ小林、エリー!」

W(小林)「くッ……僕達は平気だ、問題ない! でも、いったい何が起きたんだ……?」

W(エリー)『あのあのあの……トゥエンティに集中している横から、何かが突っ込んできて……突っ込まれ、て……っ///』

W(小林)「何か……新手か!?」

 咄嗟にもうもうと立ち込める土煙へ顔を向ける。

ネロ「すごい土煙……」

シャロ「あっ、煙の中に誰かいます! それもふたり!」

「『「!」』」

???「シーリシリシリシリシリ……」

W(小林)「ドーパントがまた一体……!」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 03:07:27.49 ID:4Wejrr0Zo
 闖入者は、青い体色のドーパントだった。
 背には長い布を垂らし、手には奇怪な模様の剣を握っている。
 そしてそのドーパントは、ルナを庇うようにWの前に立ちはだかっていた。

ルナ「アウチチチ……。アフんハーン♪ この美しい僕を窮地から救うとは、僕には及ばずともなッかッなッかッのッ! 美しさだねぇ、キミ?」

 調子の良いのルナの言葉に、青いドーパントが振り返る。

ドーパント「シリッ!」

ルナ「キミ?」

ドーパント「シリッ!」

ルナ「シリ?」

ドーパント「シリー!」

ルナ「Oh Yeah!!」

 コンタクトに成功したらしかった。

ルナ「命の恩人がそこまで言うなら、今日の所は退散するとしようか!」

シャロ「なんて言ってたんですかー!?」

 シャロのツッコミも右から左へ聞き流し、ルナはじりじりと後ずさり、屋上の端へ行く。

ルナ「それでは……さらばだミスターオペラ。さァらばだミキホゥムズッ! また会う日まで、アッリーーーーーーーーーーーーーーーーーヴェデルチッ」ダッ

「「『「あっ!?」』」」

 ひらりと華麗な動作でルナがビルから飛び降りる。
 地上70階の、超高層ビルから。

W(小林)「待て、逃がすかっ!」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 03:14:56.54 ID:OgmzgSTAo
尻彦…
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 03:29:20.88 ID:4Wejrr0Zo
 だがそこへ、ドーパントの剣が振り下ろされる。

ドーパント「シリィ!」ブオンッ!

W(小林)「くっ!? 邪魔をするつもりか……!」

 闇雲に繰り出される斬撃を紙一重でかわしていると、後ろからネロの声が飛んでくる。

ネロ「小林! もっかいメタルだよ! その婿養子みたいな顔したドーパントの武器はやっかいだ!」

W(小林)「ああ、今度こそ決めよう!」ガコッ キュゥゥゥン... ジャキィン! ガシャン!

\ヒート!/\メェタルゥ!/ ジャララージャラララージャラーン・デデデンカンッデッデデン!

 再びWの左側が黒から銀、ジョーカーからメタルへと変わる。
 これによりWは、素早き技の戦士・サイクロンメタルから、熱き闘士・ヒートメタルへの変身を果たした。

???「シリッ!」ブォン!

W(小林)「!」シャキン!「ふん!」ガキッ!

 ドーパントの一太刀を、咄嗟に引き抜いたシャフトで受け止めた。
 そしてそのまま、次はWのターンだ。

W(小林)「ふん! はっ! せっ!」フォンッ フォンッ ガキッ!

 棒と剣。彼我のリーチの差が、戦局をWの有利へ傾ける。
 初めてまともに扱うメタルシャフトも、まるで自分の手足のように自在に動かす事が出来た。
 それはメタルメモリに刻まれた闘士の記憶が、歴戦の記録が小林を突き動かしているのだろう。
 軽やかなシャフト捌きでドーパントを翻弄し、本命の一撃を見事にヒットさせる。

ドーパント「シ、シリッ、シリリー!」ドガッ!
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 03:39:03.30 ID:4Wejrr0Zo
 大きくよろめくドーパント。それでも剣を振りかざして攻めに傾倒する。
 だが、そんな稚拙な剣はWには届かない。

???「シリ!」ブンッ「シ、リィ!」ブォンッ「シーリッ!」ブゥンッ!
W(小林)「ふっ」スッ     「はっ」バッ     「ッ!」ガキン!「ふんっ!」グイッ

 大振りの一撃を真っ向から受け止め、そのまま抑えこむ。
 動きを止められたドーパントに、Wは間近から灼熱の鉄拳を――

W「『だああああああああッッッ!』」ガツンッ!!!

 ――叩き込む

 強烈な一撃で吹き飛ぶドーパント。
 Wはシャフトを振り回し、大きく見得を切る。

W(小林)「はああっ……!」キリッ

ネロ「やったーカッコイイー!」

シャロ「今度はいたずらな乳首もないから安心ですね!」

 大はしゃぎのネロとシャロ。
 小林もこれが好機だと感じ、戦いを終局へと運ぼうとする。

W(小林)「エルキュール、一気に行くよ。僕と呼吸を合わせて」

W(エリー)「はい……///」

 シャフトを構え直し、W――小林とエリーが静かに呼吸を揃える。
 鋭い風が吹く高所で、エリーの呼吸がやけに大きく、小林に伝わる。

W(エリー)「ぁ、んっ……ふぅぅう……っう、は、んんっ……///」

W(小林)「……」

W(小林)「すごく合わせづらい!!!」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 03:57:32.12 ID:4Wejrr0Zo
ネロ「何やってんだ小林ー! マジメにやれー!」

W(小林)「そ、そんなこと言われても……!」

 当然とも言えるネロからの野次に、しかし小林は困り果てた様子を見せた。
 その情け無さが気に入らなかったのか、ますます厳しくネロが怒鳴る。

ネロ「合わせるのは呼吸じゃなくて息! ふたり揃って同じことを叫べばいいだけだろー!」

W(小林)「そ、そうか。そうだね。じゃあ、エルキュール、大丈夫かい?」

W(エリー)『がんばり、ます……///』

W(小林)「よし……」キュゥゥゥン...ジャキィン!

\メェタルゥ! マキシマムドライブ!/

 展開状態のドライバーからメタルメモリを引き抜き、シャフトのスロットへ装填する。
 シャフトの両端から炎が吹き出し、立ち所に猛り狂う業火となった。

W(小林)「はあああああああああ……っ!!」

 ほんの僅かでも気を抜けば、逆にシャフトに振り回されてしまいそうになる。
 Wは必死に踏ん張り、力を調節してドーパントに狙いを定める。

ドーパント「シリィ……」ヨロッ

 先の一撃でダウンしていたドーパントが立ち上がった。
 これが絶好のタイミングだ――Wは、一層勢いを増す炎のシャフトを高く掲げた。

W(小林)「行くぞ、エルキュール!」 (エリー)『はいっ!』

 そして――
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 03:58:07.30 ID:4Wejrr0Zo
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           r' /_ _,.-‐'ヽ            r-、   _,,..-''¨_,,..-''¨           `'ー―-、,. - ―'´
           〈>,'.:.:.ヽ-、,‐'!            ノ-、_ン''¨_,,..-''¨
           ',:.ゞ-‐'ヽ,r='-、γ⌒>、_ _,,..-''¨r‐、,r‐''´    <メタルブランディング!
            ヾヽ_,ノ'´'ー' 《`Y´_,.-≦, _,.-'゙'ー'´       <メタルブランディング!
         ,.-‐-、,≧='!、  ,ィ'!,,.-''〈^^^'ン
         / ソ'´i:::::,イ!l_,,..-''¨,,..-''¨ト==〈
      ,.-、_〉':::::::_,l..-''¨_,,..-''¨'7  .:',  冫
       〈,-mn..-''¨_,,..≦::::i!ヽ_,イ  ,-=:ゝー'
   _,,..-''¨ゞ、_0-'¨  `;::/l!、__,j-'´   !
 r'¨__,,..-''¨ ̄      _ヽ:i!斤'ァ=-―-|
  ¨           fa'f';j,.-―-'ヽ
               `鬥=a'´ ,.--―',
                  `'t'《i!  /_,.--―',
                  |:::ヾ ,'/     ',
                 !::::::', i,!  ,-‐、 i
                  |: :::::ヾ|  /三=ヽ|
171 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/26(土) 04:05:35.76 ID:4Wejrr0Zo
乳首の書き過ぎで体調を崩しました
>>168でエリーのカギカッコ修正も忘れてしまったのもきっとその所為です
なので今夜はここまでで勘弁して下さい
続き……2話ラストは明日の日中にでも出来れば、と

ご意見ご感想など、超お待ちしております

それではおやすミルキィ。……ムニャムニャ……モウ乳首ハ書キタクナイヨゥ……
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 04:06:30.23 ID:OgmzgSTAo
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 07:26:36.07 ID:V7zA+8GJ0
トゥエンティにかかれば、よい子達のストレッチ体操も大変な事にwwww
そしてエリー…………言動がエロい、すごくエロい!!
だ が そ れ が い い(ルナはまず両手を伸ばす事から。そうすれば乳首の回数も減るはず)
>>1乙!!





追伸
T2ナスカ……今話はT2祭りですね
しかも「尻彦」ネタで鳴き声がえらい事にwwww

追伸2
申し訳ないですが、需要はどちらかというとミルキィではありません

両方です!!
174 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/26(土) 16:19:00.29 ID:4Wejrr0Zo
乳首が陥没しました
これは恐らく作中で一生分をゆうに超えるであろう数の乳首という単語を打ち込んだ所為だと思います
うそです

そういえば>>167にもミスがありました
×素早き技の戦士・サイクロンメタル
○素早き技の戦士・サイクロンジョーカー
でした
やっぱり眠気と闘いながらのアヘ顔リアルタイム投下なんてするもんじゃないですね。反省ー☆


じゃあ2話ラスト行きます
175 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/26(土) 16:20:42.96 ID:4Wejrr0Zo
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

ドーパント「ごああああっ!」ゴロゴロゴロゴロ...

カシャンッ

W(小林)「よし、メモリが排出された!」

シャロ「やりましたー!」

W(エリー)『ヤり、ました……///』

ネロ「ほい、メモリも確保ー」ヒョイッ「っと、種類は……N。ナスカのメモリだね」

男「う、うぅ……」ボロッ

W(小林)「この男……トゥエンティを庇うように現れた。怪盗帝国の一味という事なのか……?」

ネロ「さあ? その辺は警察のお仕事じゃない? なんだかんだしてる間に、そろそろ下にいた警官隊もここに来るんじゃないかな」

W(小林)「ああそうか、そうだね……じゃあ僕達は早くここから逃げよう」

シャロ「そうです、とっととズラかりましょう! ……ってなんでですか!? ここにいたらこころちゃんと会えるかもしれないんですよ!」

W(小林)「だからだよ」

シャロ「ふぇ?」

W(小林)「ガイアメモリ……いや、仮面ライダーの存在は、まだ警察に知られたくないんだ。アンリエットさんも、そう思って僕達探偵に依頼を託したんだろうしね」

ネロ「そっか、警察に仕切られて僕らの動きが制限されても困るしね」

W(小林)「そういうことさ」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:22:53.33 ID:4Wejrr0Zo
シャロ「しょんなぁ〜……こころちゃ〜ん……」ションボリ

ネロ「まーた言ってら……」

W(小林)「ハハハ……」

W(エリー)『……』

W(エリー)『……あの……///』

W(小林)「ん?」

ネロ「エリー? どうしたの?」

W(エリー)『あの、あのっ……、……改めて、ごめんなさい……。……私の、せいで……迷惑をかけてしまって……』

ネロ「エリー……」

W(エリー)『もし、私の姿をしたトゥエンティが……みんなに危害を加えていたら、って、思うと……私っ……///』グスッ

W(小林)「……ねぇ、エルキュール?」
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:24:20.45 ID:4Wejrr0Zo
W(エリー)『? はい……』

W(小林)「キミは今どこにいるんだい?」

W(エリー)『えっと……私の部屋、です……部屋を出ようとした所で、眠らされて……/// 目が覚めたら、また部屋の中で、縛られてて……///』

W(小林)「そうか……ケガは?」

W(エリー)『ありま、せん……縄も、トイズで千切りましたから……』

W(小林)「なら良かった。じゃあエルキュール、ひとつお願いをしてもいいかい?」

W(エリー)『お願い、ですか……?』

W(小林)「ああ」

W(小林)『僕達は今から事務所に戻るから。キミはそこで僕達を待って、帰ってきたら……コーヒーを淹れて欲しい』

W(エリー)「………………はい……?」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:28:10.07 ID:4Wejrr0Zo
W(小林)「今、一番の心配事はキミの安否だったけれど、それは問題なかった」

W(小林)「僕にケガはないし、シャーロックもネロも同じだ」

W(小林)「トゥエンティこそ逃がしてしまったけれど、メモリを一本回収する事が出来たし、『天上からの目薬』も無事に守り切れた」

W(小林)「だから、もうそれだけでいいんだよ、エルキュール」


W(小林)「あとは僕達を出迎えてくれるキミの笑顔と、キミが心を込めて淹れてくれたコーヒーさえあれば、それで充分さ」


W(エリー)『……!』

W(エリー)『……っ』

W(エリー)『はいっ……///』
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:29:07.88 ID:4Wejrr0Zo
……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......

【HOUKOKUSHO】

"Kaitou Twenty"ha"DO-PANTO"datta.

Sono jijitsu ga shimesu mondai no ne no hukasa ha,bokutachi no souzou wo haruka ni koeteita.

"Kaitou Twenty"...sunawachi,"Kaitou Teikoku".

"T2GaiaMemory"wo meguru arasoi ni,yatsura made kainyuu suru to naru to...kongo mo saranaru konnan ga yosou sareru.

Tadadesae,konkai ha taisetsu na nakama de aru "Hercule"ni kiki ga oyonda.

Igo,kanojo ha mochiron,hoka no hutari ni mo kiken no nai you,imamade ijou no kakugo to koudou ga hitsuyou to naru darou...
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:29:49.93 ID:4Wejrr0Zo
――ミルキィ探偵事務所

カタカタ...
小林「……よし、っと」ッターン!

エリー「小林さん……///」

小林「うん?」

エリー「コーヒーのおかわりは……いかがですか……///」

小林「ああ、もらうよ」

コポコポコポ...
エリー「どうぞ……///」

小林「ありがとう」ズズズ...「ふぅ……」

エリー「あの……どうでしょう……?」

小林「うん。とっても美味しいよ、エルキュール。はじめてとは思えない出来だ」

エリー「ぁ……/// 小林さんの見様見真似、ですけど……/// 私の……はじめてをそんなに味わってもらえて……うれしい、ですっ……///」

小林「うん。………………うん」ズズー

小林「(深くは考えないようにしよう……)」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:32:03.94 ID:4Wejrr0Zo
小林「(時刻は夜中の一時を過ぎた……けれど、僕達は揃って事務所にいる)」

小林「(こうしてみんなでエルキュールの淹れてくれたコーヒーを飲んで、ようやく人心地がついた……)」

小林「(僕を含め、ここにいる誰もが濃密な一日を終えてクタクタの筈だ……だけど、)」

ネロ「エリー! エリーもこっち来なよー!」ワイワイ

シャロ「エリーさん早く早くぅ! コーヒーが冷めちゃいますー!」キャッキャ

エリー「あっ、うん……待ってて、すぐイく……///」

小林「(事件解決の達成感と高揚感……そして彼女達に関しては、飲み慣れないブラックコーヒーのカフェインがおかしな具合に作用しているのか、どうにもテンションが高い)」

小林「(にしても、コーヒーで乾杯って……、)あ、そうだ。エルキュール、ちょっといいかな?」

エリー「ぁ、はい……/// なんでしょう……?」

小林「うん……、……こうして見る分にはどこも異常はなさそうだけど……事件の後だ、念の為にいくつか確認しておきたくてね」

エリー「確認、ですか……?」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:32:43.76 ID:4Wejrr0Zo
小林「ああ。まず、キミの名前と、年齢は?」

エリー「え、エルキュール・バートン……です/// 歳は、16歳、です……///」

小林「よし。趣味は?」

エリー「えと……読書……です///」

小林「よし。ヒミツのシュミは?」

エリー「ぁ、その……/// 詩を書くこと……ですっ……///」

小林「よし! お風呂ではどこから洗う?」

エリー「ぇ、えええっ……!?///」

小林「おや? 答えられないのかい? キミは本物のエルキュールだろう? それとも……」ジトォ

エリー「あ、ぁう……/// その、あのっ…………みみのうら、から……//////」

小林「よぉしっ! エルキュール!」

エリー「は、ひゃいっ!?」

小林「僕を罵ってくれ!」

エリー「」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:34:15.74 ID:4Wejrr0Zo
小林「どうしたんだエルキュール、出来ないのかい?」

エリー「      ……ぇぇぇえとえとあのあのあの、そのっ……/// な、なんで、の、ののしっ……て///」

小林「トゥエンティがキミに化けていた時、僕はキミの姿をしたトゥエンティに罵られた」

小林「後でシャーロックが気付いたんだけど、その時のエルキュール(偽)は顔を赤らめていなかったんだ」

小林「平然と、素知らぬ顔で、僕に面と向かって、言ったんだ」


小林「――×××××、ってね」


エリー「!?///」

小林「さぁ、キミが本物のエルキュールだと言うなら聞かせてくれ!」

小林「リンゴのように真っ赤なその頬で! 僕を見つめて熱く潤んだその瞳で! 緊張にわななくその唇で! 羞恥に震えるその声で!」

小林「×××××と僕を罵ってくれぇ! エルキュール!」

エリー「え、ぁ、う……そ、その、あの、わ、わた、私っ……///」

小林「どうしたんだエルキュール! 早く僕を罵ってくれ! 罵って、僕を(安心的な意味で)ヨロコばせてくれぇ!」

エリー「ぅ、お、×……××……ぁぅ、っ……×……」

エリー「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ//////////////////////////////」プルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプルプル..............................ピコン!
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:36:28.61 ID:4Wejrr0Zo


エリー「 い や あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ っ !!!!!!!!!!」ブォッ


 ゴ ォ ウ ッ


小林「へ――」


 ゴ シ ュ ッ


185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/26(土) 16:39:17.46 ID:4Wejrr0Zo
エリー「ごごご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ……///」ダーーーッ

シャロ「ああっ、エリーさーん! 待ってくださいよ、どこいくんですかぁー!?」タタッ

小林「」

ネロ「小林ェ……なにやってるんだってばよ」ジトー

小林「」

ネロ「……小林?」ツンツン

小林「フ、」ピクッ

小林「フフ、フヘ、フハヘヘヘッ」ビクンビクン

小林「エルキュール……。……(が、本物で)良かったぁ……(本当に)良かったよぉ、エルキュールぅ……うへ、フヒヒ、ヌフフフコポォ……」ビグッビグッ

ネロ「」

ネロ「……」

ネロ「……あちゃー……小林、本当にマゾだったかぁ……」


                                                         『探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW』
186 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/26(土) 16:57:40.83 ID:4Wejrr0Zo

           /..:..:..:..:..:,'.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:ー-:\
.          /:「l.:..:..:..:..:/.:..:..:..:..:..:..:..:.:!:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..\
        /.==}.l==..:..:..|:.:.i:..:..:..:..:..:..:..|:..:..:..:..:..:..,、:..:.,、:..:..:..ヽ
         ,.:':..:..:..l_i/.:..:..:.,'|:.:.|:..:..:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:..:..:..:.ヘ∨/:>-、|
    _/..:..:..:..:./.:..:..:../ハ:/}:.:.:.:.:.:.:.:、:/l:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ノ∧∨ / \
    ` フ.:..:..:..:./.:.:.ム七¨li´|:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:l:.:.:.:.:.:|.:.:.:/`ヽ / ヽ
    <.:..:..:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:./  i |:.:.:l:.:.:.:.:/ |:.:/lト.:.:.:,'.:.:人⌒∨_/ i
     `ー‐z.:.:|:.:.:.:..ィf坏ト、.W八:.:/‐-j:/ |:.:.:./.:.:.l:.:.:\ \_. j
       ノ.:.:.j/Vヽl 代::r'j    :/f圻えト、:.:.:/.:.:.八:.:.:.:.ハ、  〈
        '´ ̄|:.:.:.:..ハ 乂り     j.:::r'゚ 外.:.:.:.:.:.|:.\:.:.:.l   '.    トイズ使って物理で殴ります……エルキュール・バートンですっ……///
           |:l:.:.:.:∧ 、、、  ,    弋ぅ少´.:.:/.:.:.:|:.:.:.:丶:i    ゚,
           j:ハ:.:.:|:圦   、 _   、、、 /:.:./:.:.:.人:.>─}    '.
          八:.:|.:.v‐‐、       /::/.::/^7´   l     V
          /.:∧j:/  '⌒> -- ‐/::/.:/ , ' /    .:     '.
           /.:.,'.:.:.:.}   '⌒ヽ /  /r<  / /     ハ     ゚.
        ,.:':.:./:.:/.ヘ    ⌒〉.′  /    .! {  :.   /:∧      :
      /.:.:.:.:._/  /ヽ   / .|へ_/     l l  入  l:::l ゙.      i
     /.:.:.:.:r‐'  /    ノ-、j==/     l l    }ヘj:::l ∧       !
   /.:.:.:.:.:.:.}. /      ィ´ ̄.>ーv、ー‐─‐ j     j.:.:∨  j       |
  /.:.:.:.:.:.:.:.://    / .}   l:::::::l   ̄ ̄ ̄´   /.:.:.:.:\       ノ

はい、以上で『探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW』第2話、《Lが魅せる幻夢/本能でダウト》は終了です

次は第3話となりますが、とうとう書き溜めも弾切れ寸前。序盤までしかストックがありません
ので、今後の戦闘パートなんかは地の文ありきの新規書き下ろしとなります
何が言いたいかと言うと……増えます。伸びます。濃くなります。という事です
まあ、元々これがミルキィの日常系SSだったなら、需要の読み違いも甚だしいのですが、
仮面ライダーとクロスしている以上はバトル展開は避けては通れないものだと納得して頂きたいです
戦闘パート以外は今まで通り会話主体で進めていくので、まあ一粒で二度美味しいぐらいのポジティブシンキングでよろしくお願いします

思った事を文章にまとめるのが死ぬ程苦手なので、今日はこの辺りで止めておきます
また1日ばかり日が開くかもしれませんし、開かないかもしれません。ご了承下さい

それでは今日はこんな時間なので、さよなライオン!
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 17:17:33.82 ID:OgmzgSTAo
\乙カレイド!/
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/26(土) 23:52:41.81 ID:3tKNsMUb0
乙!!
エルキュールエロ可愛いよエルキュール
189 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/29(火) 02:31:56.53 ID:j79nRcVxo
思ったよりダラけてしまいました
それでは本日の投下分より第3話に突入です
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:33:48.08 ID:j79nRcVxo
――???

???「……」

???「トゥエンティが敗れましたか……」

???「ふふふ……、……流石、流石ですね仮面ライダー。いえ……、――」

???「――小林オペラ……」

???「そう、そうでなくては楽しめない……さぁ、次はどのカードを――」

???「……」

???「――ここは、敢えて「見」に徹するのも戦術の内……でしょうかね」

???「仮面ライダー……小林オペラとミルキィホームズがどこまでやれるのか、見せて貰いましょう……」

???「さぁ、楽しい地獄はまだまだ続きますよ……」

〜OP♪雨上がりのミライ(公式HP内の製品情報の項からムービーが視聴出来ます。是非一度視聴して、さっさと買って下さい)〜
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:34:25.98 ID:j79nRcVxo
Count the Memories! ミルキィホームズの現在所持するメモリは?

A:
B:バード
C:
D:
E:
F:
G:ジーン
H:
I:
J:
K:
L:
M:
N:ナスカ
O:
P:
Q:
R:
S:
T:
U:
V:
W:
X:
Y:
Z:
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:36:25.95 ID:j79nRcVxo
《Sを追跡せよ/ミルキィ・ホラー・ショー》

小林「………………」

小林「(……早いもので、トゥエンティとの戦いからもう一週間が経っていた)」

小林「(あれからも根強い聞き込み捜査を続けた結果、運良く二本のT2ガイアメモリを未使用の状態で確保する事が出来た)」

小林「(そして今日も街で得た情報を頼りに、メモリらしきものを見かけたという場所まで来ているわけだけれど……)」

――河原

     ガサガサ   バサッ     ゴソゴソ
         ザワ...    ザワ... ムシャムシャ
       ザッ     ガサ  ザッ
   ペロペロ    ザッ ガサゴソ      ザリザリ
        ザッ      ザザザ...

ガサガサ
シャロ「!」

シャロ「ありましたぁー!」

「「!」」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:36:29.48 ID:KLAK34x7o
待ってたよっこはまー
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:38:15.61 ID:j79nRcVxo
ネロ「ちょっとシャロ、それほんとー?」ガサガサ

小林「どこだい、シャーロック!」ガサガサ

シャロ「ここですー! これです、ホントにあったんです! ほらっ」ジャン!

小林「これは……確かにガイアメモリだ」

シャロ「ですよね、ねっ? えーとえと、イニシャルはO……お、せ……あにあ?」

ネロ「いや違うでしょ……OCEAN。オーシャンのメモリだね」

シャロ「おーーーしゃん! うみ! 海ですかぁ……すごそうなメモリですー!」キャッキャ

ネロ「ちょっとシャロぉ? はしゃぐのはいいけど、間違っても自分に挿したりすんなよなー」

シャロ「はっ、それもそうでした……! じゃあ先生、これお願いします……!」オソルオソル

小林「うん、僕が預かっておくよ。お手柄だったね、シャーロック」ナデナデ

シャロ「ぁ……はいっ!」ニパーッ

ネロ「………………ちぇー。僕だって、メモリだと思って見つけたのが酢昆布の空箱じゃなけりゃ今頃……」ブツクサ

小林「うん? ネロ、何か言ったかい?」

ネロ「……なんでもっ!」プイッ

小林「……?」ハテナ
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:39:12.47 ID:j79nRcVxo
小林「さて……これが目撃情報にあったメモリなら、この辺りの捜索はこれでお終い、かな?」

シャロ「問☆題☆解☆決! ですねっ」

ネロ「ふんぁ〜……ずっと中腰で疲れたよ」トントン

小林「はは、みんなお疲れ様。エルキュールも……あれ?」キョロキョロ「二人とも。エルキュールは……?」

ネロ「エリー? いないの?」キョロキョロ

シャロ「わ、そういえばそうですね。どこへ行ったんでしょう?」キョロキョロ

小林「うーん……こう背の高い草ばかりだと見渡しても分からないな。皆で捜して、合流できたら土手へ上がろう」

シャロ「はーい」
ネロ「ほーい」

     ザッ     ザッ    ガサガサ    エリーサーン
      エリー  ザッ   ザッ    ザザザ
        ザッ コーデリア!  ザワ          
   エルキュールー      ガサッ       ザリ バサッ     ムショデスー
        ザワザワ      ゴソゴソ       ジャリッ

ガサガサ
小林「いないな……」

小林「!」

小林「(あの草むらから少しだけ見えているのは……エルキュールの髪、かな?)」ザッザッザッ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:40:13.71 ID:r18qmbDd0
>酢昆布の空箱

ライアー・ドーパントの時のネタか、こういった小ネタが大好きです
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:40:55.08 ID:j79nRcVxo
ガサガサ
小林「(ああ、間違いなさそうだ。あの自信なさげに丸まった背中はエルキュールのものだ)」ザッザッ

ガサガサ
小林「(でも、あんな所でしゃがみこんで何をしているんだろう? シャーロックの声が聞こえなかったのかな?)」ザッザッ

ガサガサ
小林「(メモリ捜し……にしては、動きが少ないな。一箇所にじっとしている……)」ザッザッ

ガサガサ
小林「おー……(っと、急に後ろから声なんか掛けたら、驚いて転んでしまうかもしれない)」ザッザッ

ガサガサ
小林「(少し回りこんで、視界の端から……ん?)」ザッザッ

ガサガサ
小林「(エルキュールの……足元、に、何か……落ちている?)」ザッザッ

ガサガサ
小林「(何だろう……? もうちょっと近づけば分かるかもしれない……)」ザッザッ

ガサガサ...
小林「(よし、この位置からなら……)」ヒョイッ

小林「!!!」

エリー「ふ、ふわぁ……///」ガンミ

小林「(え、エルキュールがお宝本に夢中になってる……!)」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:42:49.00 ID:j79nRcVxo
エリー「ぅわぁ……す、すごい……っ///」ドキドキ

小林「…………!!」

小林「(お、落ち着け! 小林オペラ!)」

小林「(エルキュールの目に余るお年頃ぶりは以前からの事じゃないか!)」ウン

小林「(そんな彼女が、高度情報化社会に生きる現代っ子の彼女が、あんな古き良きアナログな情報媒体に心惹かれるのは自明の理……)」ウンウン

小林「(しかもエルキュールは大の本好き。雨にぬれてゴワゴワになった表紙を慈しむように撫でる様子が目に浮かぶようだ……!)」グヌヌ

小林「(だから――!)」

小林「……」

小林「(………………だから、と、言っても……)」チラッ

エリー「ひぅっ!/// こ、こんなのっ……///」カブリツキ

小林「(………………見過ぎじゃないだろうか)」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:44:12.52 ID:j79nRcVxo
小林「(さっきのシャーロックの大声にも、死角とは言えここまで近付いている僕にも気付く様子がない……)」

エリー「つ、つぎのページ……次の、ページ……っっっ///」クワッ

小林「(しかもページをめくる手が止まらない……いつから読んでいるのか分からないが、もう読み終わりそうじゃないか……)」

小林「……」

小林「(どう声をかけたものか……)」

小林「(なにより承知しておくべきは、エルキュールがお年頃、いわゆる思春期だという事……)」

小林「(それも只の思春期じゃない……同世代の女の子よりもずっと、そういった事への知識と関心の強い、生え抜きの思春期という事……)」

小林「(そんな彼女の性への興味を、決して咎めたりしてはいけない……)」

小林「(彼女の性欲を肯定すべきなんだ……)」

小林「(僕に出来る事、すべき事。それは、エロい彼女を許容する事)」

小林「(優しく、包容力を持って、努めて紳士的に……エロいエルキュールを認める事)」

小林「(エロいエルキュール……エロエルキュール……エロくてキュートな……エロキュール……)」

小林「(……よし!)」スッ
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:45:29.49 ID:j79nRcVxo
小林「エロキュール」キリッ

エリー「っ!?///」

小林「エロキュールはそこが気になるのかい?」キリリッ

エリー「ぇあ、あの、うそ、小林さん、なんで、いつの間にっ……///」オタオタ

小林「どれ」ヒョイ

エリー「あっ///」

小林「ふむ……」ペラ「これは……!」

エリー「ち、ちがっ、ちがうんです……! これは、私、こんなっ……///」オロオロ

小林「このページ……エロキュールはどちらで興奮してたんだい?」

エリー「ぇ、ええええっ!?///」

小林「右のページ……『悶絶!文学少女インク責め』と、左のページ……『社会の罠!いけないティッシュ配り』。どっちだい?」

エリー「そ、そんなのっ……/// どっち、だなんて、わたし……っ///」プルプル

小林「ああ、どっちも? ハハ、エロキュールはいやしんぼだなあ」

エリー「違っ……///」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:48:12.58 ID:j79nRcVxo
小林「おっと、これじゃあせっかくキミが見つけたものを僕が横取りしたみたいだね。ゴメンゴメン」

エリー「あう、ぁぅ……///」ワナワナ

小林「はい、返すよ」ポン「……エロキュール。世間の目はこういったものに必ずしも好意的ではないけれど、それがキミの好奇心を阻むものであってはならない」

小林「人と性欲とは、元より切り離して考える事の出来ない、強く結びついたもの同士……」

小林「それを無理に引き離そうとして、溝を広げるのは利口じゃない」

小林「自然体でそれを受け入れ、自分は自分なりの方法で隙間を埋める事が大事なんだ……」

小林「その手段……媒体が、どんなものでも、僕はエロキュールを差別もしない。軽蔑もしない」

小林「これはキミだけの宝物さ……エロキュール、」


小林「一生懸命、励むんだよ?」キリッ


エリー「」

エリー「ぅ」グスッ

エリー「ぅ、ぅぅううう、ひ、ぐ、」プルプル

小林「エロキュール?」

エリー「ぃ、」

エリー「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ//////////////////////////////」ダット!
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:49:45.73 ID:j79nRcVxo
小林「ああっ、エロキュール!?」

ガサガサ
ネロ「ちょっと小林? なに今の、すごい勢いで土手を駆け上って行ったのって、ひょっとしてエリー?」

小林「あ、ああ……」

シャロ「エリーさん、一体どうしたんですか? あんなに大声を出して走るなんて、珍しいです」

小林「分からない……エロキュールを見つけて、二人で一緒にこれを読んでいたら、突然……」コレ

ネロ「? これ、って……!」

シャロ「これって――!」

      お  宝  本  !
           /
      Ο¬ ΟL  ,  Ο
.     ト-'  ー'´ V V/V
     ∨|    .    |  ┤

ネロ「――じゃないか! ななな、エリーになんてモン見せてんだよ小林ぃ!」

小林「なんてモンって……こんなモンだけど……」ピラ

ネロ「〜〜〜〜〜ッ!」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:51:18.56 ID:r18qmbDd0
やばい、一瞬本気で小林に殺意が沸いた
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:51:48.15 ID:j79nRcVxo
小林「なあネロ、エロキュールは何が気に入らなかったんだと思う? このページかな?」ペラッ

ネロ「ちょ! そんなのっ、見せないでよぉ……!」タジ

小林「それともこっち?」ペラッ

ネロ「っ……///」プイ

小林「ネロ? ちゃんと見てくれないと。ほら、これとか」ペラッ

ネロ「うぅ……///」ププイ

小林「ネロ! どうしたんだ、ちゃんと僕を見てくれ! 僕と、僕の持ってるお宝本を見るんだ! 早 く !!!!!」クワッ

ネロ「うぅ゛うううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ/// 小林……小林のぉ……」プルプルプル

小林「ネロ?」

ネロ「小林の……ヴァアアアアアアアアアアアアアアアアカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!」ブォンッ

 ゴ キ ャ ッ

小林「はぐぉ!?」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:53:50.10 ID:j79nRcVxo
ネロ「小林のえっちバカ痴漢ヘンタイ! 死んじゃええええええええええええええっ!!!」ダット

小林「ね、ネロ……待っ……」プルプル

ズドドドドドドドドドドドドド...

小林「ネロ……エロキュール……どうして……」

シャロ「……」

小林「シャーロック……キミはどう思う? 何故ネロとエロキュールが行ってしまったのか……」

シャロ「……」スッ

小林「シャーロック?」

シャロ「……」ヒョイ

小林「? 落ちていた段ボールを拾って……」

シャロ「よいしょ、よいしょ」ヨジ...ヨジ...

小林「土手を登って……」

シャロ「よいしょっ」

シャロ「わぁーい♪」ズザーッ

小林「ああ、草スキーか。懐かしいなぁ、僕も子供の頃は良くやったよ。でも、今それがなんの――」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:54:27.67 ID:j79nRcVxo


          /         `ヽ| | \
         /             |┼┼`ヽ
        /|  ,  -―――- 、  r― !、_┼\
   _r、_   ,レ '´            ヽ::::::i´  〉 ̄ヽ
   > ' ノヽ/ ,. -‐――‐,-r 、     <:ヽ:/'-i'、::::::::/ _ r.i゙ ノ┐
  ヾi./.;;/::ヽ/   / / / |   > 、   \ノ,/ ヽニ>'´、:ヽ  'ノ
  <´i:::/::::::// i l /!/  ヽ  /ヽノヽ` ゙iー.i' | l\/:::::::::i::::l〉'`
  r' |:/::::::::!i.|  ヽ! ,z==  \! =z !、ノ|  .| l |/::::::::::::|::::|ヽ
  ヽl:i::::::::::::::>、!、| ヾ´,,  / ̄ヽ  ,,`ヾ/l  l'´::::::::::::::::::::l::::レ       空気読め♪
  i´|:l::::::::::::/   l ''   l    l  ''  |  lヽ::::::::::::::::::::::;!:イ
   \!::::::::::l   .∧    ヽ   ノ   ,. l  l:|::l::::::::::::::/ | l
    ヽ:::::::|   l::r―-、    ̄ _ ,/:::l /::l:::|:::::::/  ノ ./
     ヾヽ!|  .|:::|   / ̄ヽ   `ヽ:| /::::|::l/ー―' _ノ
      \|、 l::/   l!   .ノ r‐   /::::/::| ̄ ̄ ̄
        ヽlヾ>、__>=r'ノ   ̄|::::::::/:::/
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:55:58.91 ID:j79nRcVxo
小林「」

シャロ「待ってよーネロー、エリーさーん」トテチテトテチテ

小林「……」ガクッ

小林「シャーロック……ネロ……エロキュール……」

小林「……コーデリア……」                                                        ムショデスー>

小林「くっ……」

小林「僕は……何をしてしまったんだ……?」

小林「何を間違えたと言うんだ……」

小林「やはりトイズもない僕に、お年頃の女の子の扱いなんて……」

ザッ...ザッ...

小林「……、ん……? 何の音――!?」バッ

???「ジュベロオオオーッ!」ブンッ

ドゴッ!
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:56:46.12 ID:r18qmbDd0
こころちゃんの滑り台ネタですね、分かります
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:56:50.21 ID:j79nRcVxo
ゴロンッ
小林「くっ……お前は!?」

ドーパント「ジューベロベロベロ……ジューベロベロベロ……」ジリ...

小林「ドーパント……!」

ドーパント「ジュベベベベベ……」ジュベロッ

小林「!」

小林「(16ビートの過激な舌なめずり……! 恐らくかなりのペロリストだ……!)」ゴクリ

小林「……、お前も怪盗帝国の一味か……?」

ドーパント「ベロ……? ジュベーロ!」グワッ

小林「くっ!」ガッ!「う、わっ!?」ブォッ

ゴロゴロゴロ...
小林「話し合いは無駄か……とにかく、このままじゃやられる!」スチャッ
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/29(火) 02:57:50.35 ID:j79nRcVxo
小林「ネロ!」

小林「……」

小林「…………」

小林「………………あれ……?」

ドーパント「ジュベッ!」ブンッ

小林「うわっ!」バッ「ネロ? どうしたんだ、ネロ!」

ネロ(『………………』)ツーン

小林「えええちょっと、今はそんなヘソを曲げている場合じゃ……! な、なら、エルキュール!」

エリー(『………………///』)ツ、ツーン

小林「そんな、エルキュールまで!?」

ドーパント「ジューベロー!」ブンブンブンッ

小林「わ、たっ、くっ!」タタッ「こうなったら選り好みは出来ないか……! ルナジョーカーだ、シャーロック!」

シャロ(『まだですー』)

小林「何が!?」

ドーパント「ベロベロベロベロベロオオオオオ!」グワッ

小林「な、しまっ――」
211 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/29(火) 03:01:00.38 ID:j79nRcVxo
続く!
書き溜めが遂に底を尽きたので、今後は投下ペースがガクンと落ちると思います
今までのようにいくらか書き貯めて投下するか、書き上がった端からポイポイ投下するか、その辺も考えておきます

小林先生はミルキィに無自覚なセクハラをしてる時が一番輝いてると思います。おやすミルキィ
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 03:03:48.92 ID:r18qmbDd0
乙!!
小林が>>204でトゥエンティ化したww
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) :2011/03/29(火) 03:41:27.60 ID:15/P4PmAO
乙!
そんな、小林はクレイドールエクストリームにメモリブレイクされろ(笑)。
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 03:53:02.60 ID:KLAK34x7o
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/03/29(火) 19:26:31.10 ID:Eu0IKWRAO
乙乙
216 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/30(水) 04:23:31.82 ID:l9idLBSho
短めに区切りがついたのでズバッと投下
新規書き下ろしの戦闘パートのプレビュー的なものになります
217 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/30(水) 04:23:59.04 ID:l9idLBSho
 ――銃声。

ドーパント「ベッ!?」

小林「!?」

 それも一つではない。立て続けに十にも届こうかという轟音の束が、ドーパントの背中を激しく叩く。
 不意の衝撃に蹈鞴を踏むドーパント――そこへ二度目の銃撃。重ねて三度。

ドーパント「ジュッ! ベッ! ベロッ!?」

 着弾の度にドーパントの身体が跳ねる。
 今度こそ耐え切れず、遂には前のめりに地面に倒れ込んだ。

小林「なんだ、銃撃――!? 一体どこから……」

 小林は慌てて周囲を見渡す。
 ドーパントは背後から攻撃を受けた。ならば必然、銃撃手は小林の前方のどこかに――

小林「ッ!」

 ――いた。
 土手の上、太陽を背に立つ細い人影。
 そのシルエットに、小林は見覚えがあった。

小林「あれ、は……」


小林「W……!?」


218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/30(水) 04:24:44.17 ID:l9idLBSho
 その名を口にしてすぐ、小林は自分で自分の言葉を否定する。
 この偵都のWは自分だ、自分達だ。他にはいない。
 驚愕に見開いた目を凝らし、Wと見紛うたその存在を観察する。

???「……」

 黒と銀を基調とした左右対称のカラーリング以外は、確かにWとよく似ていた。
 しかし、当然ながら相違点も散見される。
 まず目に付くのは頭部だ。
 額に稲妻状の印を刻んだその顔はまるで――

小林「骸骨……?」

???「……」キュゥゥゥン...ジャキィン!

\スカル! マキシマムドライブ!/

小林「!」

 骸骨の戦士がおもむろに腰に――もう一つの相違点、Wのそれと形状の違うドライバーに手を触れた。
 ダブルドライバーがメモリスロットを二つ備えているのに対し、そのドライバーは右側の一つのみ。
 そこに装填されていたメモリを引き抜き、手にしていた銃に装填する。
 メモリが叫んだ名は――スカル。

ドーパント「ベロ……ベロ……ッ!」

 今更のようにドーパントが立ち上がった。
 その様子に、最早戦意は感じられない。
 骸骨から、そして小林からも逃げようと動き出す――寸前に。

???「……」カチッ

 ――ダンダンダンダンダンッッッ!
 マキシマムドライブによって増幅されたエネルギー弾の連射が、吸い込まれるようにドーパントに命中する。

???「アアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」

 悲鳴と爆炎が河原に広がる。
 そして黒煙から吐き出されたのは、一人の男と、一本のメモリだった。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/30(水) 04:25:15.77 ID:l9idLBSho
小林「!」

小林「メモリが――」

バッ

小林「ッ!」

スタッ
???「……」

小林「……っ」ゴクリ

???「……」ヒョイ

小林「!」

小林「ま、待て!」

???「……」

小林「……」

小林「結果的にか、助けてくれた事には……感謝する。けれど――」

小林「――そのメモリをどうするつもりだ……? それの危険性を知っているのか?」

???「……」

小林「何故そのドライバーを持っている? 何故メモリを使ってドーパントと戦っている?」

???「……」

小林「お前の目的は何だ?」

小林「正体は……誰だ?」

???「……」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/30(水) 04:26:03.23 ID:l9idLBSho
???「……」クルッ

小林「!」

???「……」ダッ

小林「なっ、待て!」バッ

タタタタッ...

小林「(速い! とても追い付けない……! なら――)くっ!」シュッ

ピタッ ピピピッ

???「……」

タッタッタッタッタ...
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/30(水) 04:26:43.66 ID:l9idLBSho
小林「……」

ネロ(『お〜い、小林〜?』)

小林「ネロ?」

ネロ(『あ、生きてた! よかったー、もしかしたら結構ヤバかったのかなって、今更みんなで心配になっちゃってさぁ』)

小林「……」

ネロ(『あれ、小林? どしたの? ……もしかして……超怒ってらっしゃる?』)

シャロ(『えっ!? ひょっとして、またお仕置きですかぁ!?』)

エリー(『お、お仕置き……///』)

小林「……キミ達」

(『『『は、はいぃ!』』』)

小林「これからそちらに迎えを寄越すから、僕と合流しよう」

(『『『……はいぃ?』』』)

小林「詳しい話は直接会ってからだ。ドライバーはもう外すよ」チャッ

ネロ(『あっちょっと小ば――』)プツッ
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/03/30(水) 04:27:09.77 ID:l9idLBSho
小林「……」スッ

ジャキィン! \スタッグ/ ウィーンガシャン

小林「ミルキィのみんなの所へ。見つけたら戻って来てくれ」

ブーーーーーーーーーーン...

小林「さて……」

小林「(上手く機能してくれよ……)」カチカチ

ピッ ピピピッ

小林「――!」

小林「よし、反応アリだ……」

小林「スタッグフォンにスパイダーショック……確かに役に立ちましたよ、アンリエットさん」

小林「……」

小林「……どうやら、今日も長い一日になりそうだ……」
223 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/30(水) 04:38:23.74 ID:l9idLBSho
続く!短い!

ところで、このスレを無事に書き終える事が出来たら、次はミルキィ単独のSSを書こうと思ってます
漠然としたプロットが出来ていたり、タイトルだけ思いついていたりと差はありますが、試しにここで列挙してみます
「コレ読んでみたい!」とかのご希望がありましたら聞かせて貰えると、次にどれから取り掛かるかの指針になりますので
以下タイトル列挙

・ネロ「おはようございます、小林先生!」小林「!?」
・シャロ「コーデリアさんが死んじゃう!」
・小林「ミルキィホームズのみんなが動物に……!?」
・名探偵だよ!シャーロック・シェリンフォードちゃん! シャロ「はーい!」
・小林「ミルキィホームズの薄い本が出てる……」
・ミルキィホームズ+小林オペラ+遠山咲−シャーロック−ネロ−エリー−コーデリア「「……は?」」
・シャロ「事務所が燃えてます……」

タイトルは予告なく変更される場合がありマス。我ながらひどい
では、なるべく意見が集まると有り難いなぁと寝言を口走りながらおやすミルキィ
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/03/30(水) 05:57:38.85 ID:efI6YR7AO
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/30(水) 08:34:57.41 ID:w7YJuKeIO
乙カレー
エリーかわいいよエリー
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 10:52:45.15 ID:xC3HtM6T0
乙!!
さて、T2スカルなのか、それとも……

>・ミルキィホームズ+小林オペラ+遠山咲−シャロ−ネロ−エリー−コーデリア

小林と咲の話になるんだろうか………なんという俺得
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/30(水) 11:06:00.26 ID:O5h5jdfqo

この3つが気になる
>・小林「ミルキィホームズの薄い本が出てる……」
>・ミルキィホームズ+小林オペラ+遠山咲−シャーロック−ネロ−エリー−コーデリア「「……は?」」
>・シャロ「事務所が燃えてます……」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/30(水) 12:04:45.39 ID:v/MLyVd9o

俺が最初立てたときは全くなかったミルキィスレが、こうやってどんどん増えるなんて胸熱
俺がSS内で宣伝した甲斐があったというもの(効果があったかはともかく)

・ミルキィホームズ+小林オペラ+遠山咲−シャロ−ネロ−エリー−コーデリア「「……は?」」
とりあえずこれが一番気になる。SSで咲書いてから、なんかお気に入りになってんだよね
229 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/03/31(木) 01:57:47.53 ID:9tskEFX2o
咲ちゃん人気過ぎワロタ
まあゲームアニメコミック通して咲ちゃんの可愛さは異常だもんね。仕方ないよね
俺だってネロがいなかったらどうなっていたことか

この時点で名前の挙がったネタをちょこっと解説

>・ミルキィホームズ+小林オペラ+遠山咲−シャーロック−ネロ−エリー−コーデリア「「……は?」」
いわゆるひとつの小林×咲SS
咲ちゃんがなんやかんやで探偵学院に転入して、なんやかんやでミルキィホームズに編入されて、小林先生となんやかんやあるお話
プロットと呼べる程の筋は通ってないけど結構書けそうな気がしてます

>・小林「ミルキィホームズの薄い本が出てる……」
タイトルオチ
小林先生の妄想のトイズが暴走するような感じですけど詳しくは何も浮かんでおりませぬ

>・シャロ「事務所が燃えてます……」
アンリエット会長のいつものヒステリーで火を点けられたミルキィ探偵事務所
しかし会長は忘れていた。そこは事務所であると同時に、小林オペラのねぐらだったのだ!
住処を追われた小林先生がミルキィの部屋を毎晩取っ換え引っ換え廻る、心温まるヒモ・ストーリー
書けと言われたら今すぐ書けそうな気がしてます

あ、こんなスレの本筋から外れた事を長々と書いておいてなんなんですが、今夜は投下出来るか微妙です☆(ゝω・)vキャピ
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 02:01:44.70 ID:zDq+R61Wo
全部面白そうじゃなイカ…
231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/03/31(木) 14:38:38.23 ID:7AppqCkT0
下から二番目で
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/03/31(木) 17:09:12.63 ID:nLVq/9sKo
>>229
>書けと言われたら今すぐ書けそうな気がしてます

さあいますぐ立てて同時進行だ
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/03/31(木) 21:58:27.40 ID:7AppqCkT0
>>232
読みたいのはわかるがまあ落ち着け
234 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/01(金) 03:47:38.89 ID:vx9sshoGo
うひー、お待たせしました
とりあえずキリのいいところまで投下します。あまり動きのないパートですけど堪忍
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:48:13.84 ID:vx9sshoGo
……

…………

………………

――外国人墓地近辺

小林「……」

...ブーーーーーーーーーーン

小林「!」パシッ

ネロ「小林〜!」タッタッタ

シャロ「せんせ〜!」テッテッテ

エリー「はあっ……は、ぁ……っは……///」フラフラ

小林「みんな。お疲れ様、早かったね」

ネロ「ま、そこまで遠くに行ってなかったしね〜」フィー

シャロ「で、でも先生、急にどうしたんですか? また集まろうだなんて」ハーハー

エリー「何か、あっ、たんですか……?」ヒィヒィ

小林「ああ、実は――」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:49:37.38 ID:vx9sshoGo
カクカクシカジカ

「「「ええっ!?」」」

ネロ「黒いWが!?」

シャロ「ドーパントを倒して!?」

エリー「メモリを、奪った……!?」

小林「ああ」

シャロ「それって、あたしたち以外にもメモリを集めてる人がいる……ってことですか!?」

小林「そういう事になるね」

エリー「でも……何の為……に?」

小林「分からない」

小林「ただ、奴はこちらの質問にも応じず、メモリを持って逃げ去った」

小林「その事から、奴の狙いは最初からドーパント――T2ガイアメモリにあったと推測される」

小林「つまり、僕は助けられたのではなく、その狩場に偶然居合わせただけだった……」

小林「奴が僕達の味方である可能性は低いと言えるね」

「「「……」」」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:50:42.67 ID:vx9sshoGo
ネロ「ところで小林。その黒いW、使ってたメモリはスカル……だっけ?」

小林「ああ。マキシマムドライブの音声を聞いたし、間違いないと思う」

ネロ「ふーん……じゃあ仮面ライダースカル、ってわけだね」

小林「仮面、ライダー?」

ネロ「違うの? ドライバーとメモリを使って変身して、ドーパントと戦う。そこだけ見れば僕達と同じじゃん」

小林「……」

小林「確かに……違うと言い切れるファクターは無いかもしれない」

小林「……何かが引っかかるけれど……ただ、便宜上の名前は必要だね。奴をスカルと呼ぶ事には僕も賛成だ」

ネロ「ん。で、今はそのスカルを追っかけてるってわけ?」

小林「ああ」

ネロ「だったらこんな所で立ち話してていいの? もうとっくに見失ってるでしょ」

小林「それなら大丈夫。これがあるからね」スッ

シャロ「あっ、それってアンリエットさんからもらった……」

小林「そう、スパイダーショックさ。スカルの背中にこれの発信機を貼り付けた」

ネロ「へ〜」

シャロ「さすが先生!」

小林「反応はこの先で止まっているが……今からそこに向かう」

小林「みんな、着いてきてくれ」

「「「はい!」」」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:51:20.24 ID:vx9sshoGo
――洋館

ザッザッザッザッ...

小林「ここだ……」

「「「!」」」

ネロ「ちょっと、ここって……」

シャロ「も、もしかして……」

エリー「まさかまさか、ほ、本当にっ……」

小林「ああ……」


小林「怪盗ストーンリバーと初めて戦った、あの洋館だ……」


ネロ「!」

ネロ「小林、あれ見て」

小林「あれ?」

ネロ「あれだよあれ、玄関のとこの」

小林「玄関――」

小林「!」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:52:29.58 ID:vx9sshoGo
タタッ
小林「これは、発信機……」

小林「(インジケータの傍に貼りつけられている……)」

小林「(探知に気付かれていた? いつから?)……」

ネロ「どうする? 小林」

小林「え?」

ネロ「なーんか、いかにも罠っぽいって僕は思うんだけど?」

小林「……ああ、確かに怪しい。追跡を撒く為なら、もっと適当に、分かりづらい場所に発信機を捨てる筈」

小林「それを、一目で分かる位置に貼り付けたという事は……」

ネロ「……誘われてる、ってこと?」

小林「ああ」

小林「……」

小林「シャーロック、エルキュール」

「「!」」

小林「これから、またこの洋館の中に入る事になるんだけど……」

シャロ「あわわわわわわわわ」ガクガクガクガク
エリー「ぁゎゎゎゎゎゎゎゎ///」ブルブルブルブル

小林「……うん。だよね。そうだろうね。分かってたけどね」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:53:10.76 ID:vx9sshoGo
小林「じゃあ、ネロ」

ネロ「んぁ?」

小林「僕と一緒に来てくれるかい?」

ネロ「へ?」

「「!?」」

小林「今の時刻は午後3時過ぎ……日が落ちるにはまだ早いけれど、これからどれだけの時間が掛かるかも分からない」

小林「シャーロックとエルキュールもこの有様だし、ここはグループを分けて行動するべきだ」

小林「つまり、二人はここで待機。僕とネロが洋館の調査をする」

小林「もし中で何かあって、日が暮れるまでに僕達が戻らなかったら、二人には一度ここを離れ、警察を呼んでもらう」

小林「それでどうかな?」

シャロ「そ、そりは……そにょ……」ゴニョゴニョ

エリー「そ、それだと……あの……///」ゴショゴショ

ネロ「……」

ネロ「――」

ネロ「♪」ニヤッ

ネロ「いーよ♪」

「「!」」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:54:28.02 ID:vx9sshoGo
小林「本当かい?」

ネロ「ほんとほんと。まーあー……」チラッ

ネロ「僕的にはぁー? 探索なんてぇー、ぶっちゃけぇーめんどくさいけどさぁーあー?」ニヤニヤ

ネロ「シャロもぉーエリーもぉー、怖いみたいだしぃー、しょおがないよねえー?」ニヤニヤ

ネロ「本当はぁーみんなでぇー行動した方がぁーいいと思うけどねぇー?」ニヤニヤ

ネロ「でぇーもぉー……怖いんなら仕方ないよ、ねー☆」ニヤニヤ

シャロ「う、うー!」グヌヌ

エリー「うぅ〜……!」グヌヌ

ネロ「そう言ってくれると助かる。じゃあ早速――」

シャロ「あ、あの、先生!」シュビッ

小林「――っと!? な、なんだいシャーロック?」

シャロ「あ、あたし……、……大丈夫です! 中まで着いて行きます!」ワナワナ

小林「え?」

エリー「ぁ、あのあのあのっ……/// 私、も……!」ビクビク

小林「……ありがとう二人とも。でも無理はしないで? 気持ちだけで充分だから」ニコッ

「「ち、違――」」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:55:32.41 ID:vx9sshoGo
小林「でも、考えて見ればこの中にはスカルがいるかも知れない」

小林場合によっては、奴と戦う事も充分に有り得る」

小林「その時、暗く狭い屋内でキミ達を庇いながら戦うのは、とても難しい」

小林「だったら、今言ったように役割を分担するのが一番効率的なんだ」

小林「怖いのに無理をせず、キミ達はキミ達に出来る事をやって欲しいんだ」

「「うっ……」」

シャロ「そ、そんなこと言われたらぁ……」ショボン

エリー「反論……出来ませんっ……///」ショボボン

パンパン
ネロ「はいはい、話はまとまった? 行くなら早くしよ。急ぐんでしょ?」

小林「ああ、そうだね。じゃあ二人とも、後はよろしく」

「「うぅ〜〜〜!」」グヌヌ

ネロ「さっ! それじゃあ僕と小林、二人っきりのデートにしゅっぱーつ!」オー!

「「「!!?」」」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/01(金) 03:56:13.52 ID:vx9sshoGo
小林「ちょ、デート!?」

ネロ「え、違うの?」

小林「違うだろう!? 話を聞いていたのかい? これは調査――」

ネロ「とか言っちゃって〜。僕だけを誘って、連れてってくれるんでしょ? デートじゃん」

小林「だから話を聞いていたのかい!? 僕はただ、この状況から最も適任者を選んだだけで――」

ネロ「はいはいはいはい、照れなくていーから♪」

小林「だから――」

ネロ「それじゃあ納涼☆肝試しデートのはじまりはじまり〜♪」

小林「ちょ――」

ネロ「ミルキィホームズ−シャーロック−エルキュール−コーデリア+小林オペラ、出動〜♪」ズルズルズル

小林「少しは話を聞いてくれぇぇぇぇぇぇ……」ズルズルズルズル...

「「ううぅぅ〜〜〜〜〜〜!!」」グヌヌヌヌ...
244 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/01(金) 04:00:14.08 ID:vx9sshoGo
続く! >>242の二つ目のセリフの 「 忘れた! 面目ない!
次回、遂にメインヒロイン・ネロが牙を剥く……気がする

次のSSについてのご意見レス、どうもありがとうございました
とりあえず咲ちゃんSSとヒモSSの二つの進行を前向きに検討したいと思います

予定は未定の精神を忘れず、今夜はここでおやすミルキィ
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 04:14:42.71 ID:qYPJGZ+Fo
乙だよっ こはま〜
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/04/01(金) 16:31:55.68 ID:nLeE0w9to
すごく面白いものを見つけてしまった
247 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/03(日) 01:51:55.33 ID:qzqIjba7o
ぎょうむれんらくー
次の投下は今日明日……明後日?ぐらいにはしたいですね。ただの希望ですが
あと、ヒモSSの触りだけ書いてみたりしてますけど、コーデリアさん書いた事ないんでセリフ回しに四苦八苦しております
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 02:14:23.30 ID:wshiYt2mo
249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/04/04(月) 00:15:04.09 ID:COPuJqL+0
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [sage]:2011/04/04(月) 00:15:41.70 ID:COPuJqL+0
上げスマン
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 20:58:41.18 ID:3SBOfZZDO
マダカナー
252 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/07(木) 05:08:36.97 ID:Q+SNRtLyo
オマタセー
いやはや、怠けすぎて面目ねーです。大した尺はないですけどテキパキ投下しますですよ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:09:12.30 ID:Q+SNRtLyo
――洋館・1F廊下

カツ...カツ...
カツ...カツ...

ネロ「でさ〜、その時のコーデリアったら面白いんだよ。「やめてっ乱暴しないで! 私は無実よ! いやっ! アイアムノットギルティイイーーーーーーッ↑(声真似。激似)」ってさぁ」ケラケラ

小林「……」

ネロ「って……小林?」

小林「……」

ネロ「……」ムー「小林!」

小林「わ!」ビクッ

ネロ「……」ジトー

小林「ネロ……どうかした?」

ネロ「どうかした? じゃなくってさぁ……ちゃんと人の話聞いてんのかー?」ジトー

小林「ごめん。何だって?」

ネロ「べっつにぃ〜……大した話じゃないけどさあ……」ハァ

小林「ゴメン……」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 05:10:01.30 ID:z8qz0N2Vo
待っていたよっ こはまー
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:10:42.19 ID:Q+SNRtLyo
ネロ「……」ジー

小林「……」

ネロ「……」フゥ「……そんなに気になる? 二人のこと」

小林「ええ……!?」

ネロ「はぁ……」

小林「ど、どうして分かったんだい!? トイズ? いや、さわってないよね!?」アセアセ

ネロ「そういう顔してる……バレバレ」

小林「う……」ギクリ

ネロ「もー、二手に分かれて動こうって言ったのは小林じゃん。どうすんの? 一回戻る?」

小林「い、いや……その必要はないよ。うん。二人なら大丈夫さ。けど……」

ネロ「けど?」

小林「けどなぁやっぱりなぁ心配だなぁだってほら二人はか弱い女の子だ
   から幽霊や妖怪なんてものは万が一にも出ないとしてもこんなに人
   気のない所なんだから近くに質の悪い連中の溜まり場がある可能性
   もあらずんば人に非ずってこともあるし他にも危険な虫や動物がいた
   ら大変だよもし刺されたり噛まれたりしてたらどうしようああ僕
   が待機を命じたばっかりに二人が危ない目に遭うかもしれないしそ
   れにシャーロックもエルキュールも素直な良い子だから外で日が沈
   むまでか或いは日が沈んでからもギリギリまで僕達を待っていてく
   れていたら二人は夜になってから灯りもなく道も分かりづらい暗い
   森の中を開けた場所まで歩かなくてはならないしそれにこの辺りは
   外国人墓地の近くだから作り話の怪談なんかでも震え上がる程の怖
   がりであるあの子達だけで動きまわるなんて不可能に等しいとなる
   と彼女達に残された選択肢はああなんてことだ僕達との合流を望む
   かもしれないじゃないかでも駄目だそれは駄目だシャーロックエル
   キュール昼間でも薄暗いこの洋館は夜になれば完全な暗闇になって
   しまうのにそこにキミ達が入ってきて合流しようなんて無理に決ま
   っているのにさっきは言う事を聞いてくれた二人が僕の不在の状況
   でもその約束を頑なに守り続けるとは断言出来ないしああああああ
   ああああ僕は一体どうし」ウダウダウダウダウダウダウダベツニタテヨミトカナイデス

ネロ「小林」

小林「あ、はい」

ネロ「ウザい」

小林「ウザ……!?」ガーン
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:11:48.04 ID:Q+SNRtLyo
ネロ「過保護すぎ。シャロもエリーも、もう子供じゃないんだよ」

小林「それは……そうだけど……」

ネロ「そーれーに。僕も二人もれっきとした探偵の卵なんだよ?」

ネロ「探偵を志す者なら、いかなる状況でも自分で判断し、いかなる危険にも自分で対処するべし」キリッ

ネロ「メータンテー小林オペラ大先生は教え子にそんな基礎中の基礎も教えられてないんですか〜?」アーン?

小林「う……」タジ

ネロ「……」フゥ...

ネロ「なんてね。いじわる言ってゴメン」

小林「え?」

ネロ「二人が心配なのは分かるよ。僕も同じ」

ネロ「小林が優しすぎるから、ついからかっちゃった」

小林「優しすぎる、って……僕が? そんな事はないと思うけど……」

ネロ「そう? ………………、そうかもね」

小林「?」

ネロ「さーて、とっ。こんなトコさっさと出て、みんなで一緒にご飯でも食べにいこーよ」ニヘ

小林「ネロ……、……ああ、そうだね」

ネロ「あ、もちろん小林のおごりでね♪」

小林「ええ!?」

ネロ「えっへへ〜。そうと決まれば僕もやる気出てきたよー! 行こ行こ!」グイグイ

小林「わ、ちょっ、ネロ!?」ドテドテ

ネロ「……」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:12:30.18 ID:Q+SNRtLyo
……

…………

………………

ガチャ

――洋館・1F廊下

小林「この部屋にも異常はなかったか……」

ネロ「前に来た時のまんまだったね」

小林「これで1階は全部見て回った……かな」

ネロ「うん、あとは2階? 前みたいにマネキンが並んでたりして〜」ニヤリ

小林「おいおい、笑えない冗談はやめてくれよ……」

ネロ「えへ。とりあえず上いこっか?」

小林「ああ」

カツ...カツ...
カツ...カツ...

小林「ところでネロ」

ネロ「なに?」

小林「キミって本当にこういうの平気なんだね。感心するよ」

ネロ「……、」ピクッ
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:13:07.88 ID:Q+SNRtLyo
カツ...カツ...
 カツ...カツ...

小林「(? 歩調が……)ネロ?」

ネロ「どうして」

小林「え?」

ネロ「どうしてそう思ったの?」

小林「どうして、って……訊き返されてもなぁ……」

小林「怖がる素振りも見せずに扉を開けたり、物陰を覗き込んだりしていたから……じゃ、ダメかい?」

小林「あと、そもそも一緒について来てくれた事だけでも、そう思うに足るファクターだと思うけど?」

小林「いや、これは比較対象がシャーロックとエルキュールだからかな。ハハ……」

ネロ「ふーん……」

ネロ「……」

カツ...カツ...
 カツ... カツ...ピタッ

ピタッ
小林「、ネロ? どう――」

キュッ...

小林「!」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:13:46.05 ID:Q+SNRtLyo
小林「(服の裾を掴まれた?)」ハッ「(いや、それよりこの手――)」

ネロ「――」

小林「(震えてる……)」

ネロ「……」

小林「ネロ……?」

ネロ「振り返らないで」

小林「え?」

ネロ「いいから、そのまま。そのままで聞いて……いや、聞かないで」

小林「??? あの、よく意味が……」

ネロ「いいからっ、これから僕がしゃべるのは全部ひとりごと。ひとりごと、だから……気にしないで……、……聞こえない振り、しててよ」

小林「……」

ネロ「……」


ネロ「……怖い、って言ったら、どうするのかな」


小林「――!」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:14:22.15 ID:Q+SNRtLyo
ネロ「僕も怖いって言ったら……小林はどうするのかな」

ネロ「本当は怖い。怖くて怖くてたまらない。怖くて泣きそう。だけど、――」

ネロ「――だけど、シャロもエリーも怖がってる。あんなに素直に正直に、二人で抱き合って震えちゃって……」

ネロ「僕も同じか、きっとそれ以上に怖い筈なのに、二人を見てると、なんだろう、我慢しなくちゃ、って思っちゃう」

ネロ「僕はシャロみたいに子供っぽくない……って自分では思ってるし、エリーみたいに女の子らしくない」

ネロ「なら、我慢するのは僕だ、……って、思っちゃう」

ネロ「そうしないと、同じように怖がってるシャロとエリーをもっと怖い目に遭わせちゃう」

ネロ「そうしないと、小林が一人で危険な事をしないといけなくなっちゃう」

ネロ「それは……やだ」

ネロ「だから、僕が我慢すれば、それでいいなら……」

ネロ「……」

ネロ「……小林は、シャロとエリーのことをすごく心配してる」

ネロ「それは単に、二人が怖がりだって知ってるから?」

ネロ「それとも――」

ネロ「――シャロがシャロで、エリーがエリー……だから?」

ネロ「だったら」

ネロ「もし僕が……僕も本当は怖い、って、言えたら」


ネロ「僕のことも、大切にしてくれるのかな」


ネロ「……なんて、ね」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:14:56.54 ID:Q+SNRtLyo
小林「……」

ネロ「……」

小林「……ネロ――」

ネロ「っ!」ビクッ「……はいっ、ひとりごとおしまい!」パッ

小林「えっ、」

ネロ「ほら、次は2階でしょ? 早くしないと日が暮れちゃう」テクテク

小林「……」

ネロ「……もお、なーにしてんの小林ー、置いて――」

小林「僕は!」

ネロ「ッ」ピタッ

小林「僕は……キミを誤解していた、のか……?」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:15:51.91 ID:Q+SNRtLyo
ネロ「……」

小林「ネロ……僕の知る譲崎ネロは――」

小林「お菓子に目がなくて、奔放でイタズラ好きの、ちょっとだけ不真面目な、ミルキィホームズの問題児」

小林「けど、大事な場面では誰よりも冷静沈着で聞き分けのいい子――だと、そう思っていた」

小林「僕は、そのイメージに甘えていたのかもしれない」

小林「でも、それが僕の誤った認識だったなら――

小林「本当に困った時はネロを頼れば間違いはない、と。勝手に決め付けていたのは僕の落ち度だ」

小林「その結果、キミが僕のシャーロックやエルキュールへの態度に贔屓を感じてしまったのなら……本当に済まない」

小林「……」

小林「今の僕にとって……キミ達ミルキィホームズは何よりも大事な、かけがえのない存在だ」

小林「その中に差別なんてない、上下なんてない。僕はキミ達と、可能な限り平等で、対等に接したいと思っている」

小林「だから今、キミがこうして僕に本心を打ち明けてくれた事を、僕はとても嬉しく思っている」

小林「そうしてくれたなら、今後キミに無理を強いなくて済む。キミを二人と同じ位置に置ける」


小林「キミを大切に出来る」


小林「……キミも怖かったんだね?」

小林「なら、今からでも引き返そう。キミはシャーロック達と合流して、あとは僕一人で調査をする」

ネロ「……小林」

小林「何も言わなくて良い」

小林「ありがとう、ネロ。さあ、暗くなる前に外へ――」


ネロ「今の話ウソなんだけど」


小林「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:17:02.19 ID:Q+SNRtLyo
小林「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」

ネロ「ちょっと、レス跨いでまで驚くほどのこと?」

小林「お、驚くほどの事だろう!? ええちょ、、嘘……って、えええええええええ!?」

ネロ「うっさいなー……大体さ、常識的に考えてわかんない? ウブなネンネじゃあるまいしさぁ、僕が怖がるとか……ハッ、ねーよ(笑)」ハン

小林「鼻で笑われた!? いや待ってくれ。それじゃ、さっきの言葉は、何から何まで、嘘……!?」

ネロ「って言ったじゃん。てゆーかひとりごとだし。盗み聞きとかやめてよねー。ひくわー」ヤレヤレ

小林「な……ご……!」ワナワナ

ネロ「ほらほら、か弱いシャロちゃんエリーちゃんが泣いちゃいますからねー。さっさと行きましょうねー」テクテク

小林「お……おおおお……が……ま……!」ガクッ

ネロ「……」テクテク

ネロ「……」テクテク

ネロ「……」テクテク

ピタッ

ネロ「……」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/07(木) 05:18:08.93 ID:Q+SNRtLyo


ネロ「………………………………く、暗くてよかったぁ……」///△///


265 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/07(木) 05:22:12.56 ID:Q+SNRtLyo
続く!
この約一週間、どうすればネロの可愛さを大勢に知らしめる事が出来るかばかりを考えていました
結果として、もうなんかネロが小林先生と喋ってるだけで(俺的には)萌える事に気付いたので、なんかこんなんなりました。だが私は謝らない

本物のネロの可愛さを味わいたい人はPSPソフト・探偵オペラ ミルキィホームズを買ってくれよーこはまー(宣伝)

これからも当スレは遅筆☆クオリティで進行してゆきますので、ご理解とご協力とささやかな応援のお声なんかを是非お願いします
ではおやすミルキィ
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 05:39:09.14 ID:z8qz0N2Vo

クッ…俺は平乃さん一筋だというのに…
ネロに…なびく…訳が……
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/04/07(木) 10:09:56.89 ID:A978IdGAO
ネロの可愛さは異常
ゲームでも可愛かった
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 12:22:06.18 ID:1T9zhZLzo
乙ネロまじネロネロ
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 22:46:39.19 ID:e1AhXSQc0
大丈夫、俺の中では咲がダントツで一位だ

今回の>>264でネロが3位まで食い込んできたが
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [saga]:2011/04/07(木) 23:03:49.98 ID:Q+SNRtLyo
>>269
とりあえず2位に食い込ませたいものですが、誰をムショにぶちこみゃいいですか?
271 : ◆ss34b122A2 [saga sage]:2011/04/07(木) 23:04:22.04 ID:Q+SNRtLyo
オッフ……度々名前欄で事故る……専ブラ使ってるのにのにのに……
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 23:20:23.71 ID:e1AhXSQc0
>>270
エリーまでムショにぶち込んでエロエロな尋問をすると申すか>>1

詳しい描写をぜひお願いします
273 :ヴァンガい編 [saga]:2011/04/08(金) 03:15:53.03 ID:m+hXXsIho
小林「さぁ、聞かせてくれ! エルキュールの罪状を!」

―― 暴 露 開 始 ――

小林「小衣ちゃん!」

小衣「小衣ちゃんゆーなボケ!」

小衣「そこのエロ女は美術館って公共の場でツイスターゲームやりながらのアヘ顔M字開脚なんぞしくさりやがったのよ!」

小衣「これは見過ごせないポイントだわ!」

小林「よし!」

エリー「あ、ぁ、ア、アヘ顔なんてしてませんっ……///」

小林「咲くん!」

咲「うぃー」

咲「あたしさぁ、こないだこの子にPC貸てやったんだよね〜」

咲「で、返してもらって履歴見たら〜……エロサイトばっかだったんだよね〜」

咲「このポイントは見過せなう〜」

小林「よし!」

エリー「み、見てませんっ、見てません……!///」

小林「平乃くん!」

平乃「はい」

平乃「私の出番が本編にないと聞いたんですが本当ですか?」

平乃「本当ならこれは見過ごせないポイントだと思います」

小林「本当だよ」

平乃「えっ」

小林「えっ」

エリー「えっ」

小林「よし!」

小泉「ちょっ」

小林「次子くん!」

次子「あいよっ!」

次子「前に小衣がミルキィホームズをしょっぴいた時、帰りはあたしがパトカーで送ったんだけどさ」

次子「エルキュール、やたらバックって言葉に反応してたんだよ」

次子「これってやっぱ、ちょっと見過ごせないポイントなんだよな〜……」

小林「よし!」

エリー「反応なんてしてません……/// 気のせい、です……っ///」

小林「付け加えるなら、エルキュールは声からしてエロい!」

小林「以上の事を踏まえ、僕が導きだした結論は――」


小林「エルキュールはエロキュールという事だあ!!!!!」


―― 暴 露 完 了 ! ――


エリー「………………って、な、なんでですかぁ……っ///」
274 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/08(金) 03:16:28.15 ID:m+hXXsIho
……どうしてこうなった?
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 08:57:11.00 ID:pVXp0ZUto

どんなに不遇でも、俺は平なんとかさんを愛しているよ
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 18:10:50.69 ID:SQn67diio
俺に質問をするな
277 :>>269です [sage]:2011/04/08(金) 19:36:23.95 ID:Fbx7/be/0
乙、エルキュール可愛いよエロキュール
>>1本当にありがとう…………これで俺の中のベスト3は不動の物となった(ニヤリ
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 23:29:16.28 ID:REAgDFrho
小林さんの声も結構エr・・・
279 : ◆ss34b122A2 [saga sage]:2011/04/10(日) 00:49:29.04 ID:7OdRl1Nmo
こんばんY

ダメ元でTSUTAYAに行ったら、なんと一本だけWリターンズが残ってたので颯爽レンタルしてきました
これでライダー熱を上げて今後のモチベーションにしたいと思います

チラシの裏乙!
280 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/10(日) 17:12:26.41 ID:7OdRl1Nmo
こんな時間に颯爽登場
アクセル効果かどうかはさておき、ある程度書けたので投下しま
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/10(日) 17:13:22.44 ID:7OdRl1Nmo
――洋館・2F廊下

カッカッカッ...
ネロ「ほ、っと……」スタ

小林「おーい、ネロ! 一人で先に行ったらあぶないよ!」

ネロ「う、うるさいなー、別にへーきだし!」

ネロ「(……まだ少し、恥ずかしーし……)」

カッカッカッ...

ネロ「(ぅ、もう上がってきてる……)」

ネロ「!」ピーン

ネロ「(そうだ、いつもみたいにイタズラしてペースを取り戻そ)」ウン

ネロ「(そうと決まれば……)」コソコソ

カッカッカッ...
小林「……あれ、ネロ? どこにいるんだい?」キョロキョロ

小林「暗くて何も見えない……おーい、ネロー!」

ネロ「(しめしめ、後ろにいる僕に気付いてないな〜)」コソッ

ネロ「(後ろから大声で脅かしたら、腰とか抜かしちゃったりして……♪)」ヒヒヒ

ネロ「(よぉし、そーっと……そーっと……)」ヌキアシ...サシアシ...

小林「参ったな……こうも暗くちゃ……」

ネロ「(よし、今――)」コッ「(――あっ、つま先が床に――!)」

小林「! 誰だっ!」バッ


ムニッ


ネロ「!?!!!???!」
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/10(日) 17:14:10.46 ID:7OdRl1Nmo
小林「?」

ネロ「(ちょ、ちょちょちょちょちょ――っ!? 手、こばやし、の、て、手が、む、むむむむねむね、む、むねに……っ!?)」アワワワワワワ

小林「これはなんだ……? 壁、じゃないな……」ペタペタ

ネロ「(は、這い回っ――)ぅあ、ちょ、やっ……///」ピクンッ

小林「えっ?」

ネロ「〜〜〜っ(ぅぅ、なんか変な声でちゃった……)」

小林「ああ、ひょっとしてネロ? そんな所にいたのか」

ネロ「う、ぅー………………、うん」

小林「? どうかしたのかい、ネロ? 何か言いたげだね」

ネロ「べ、べつに……」

小林「そう? あ、ところでネロ」

ネロ「なにさー……」


小林「どうして僕の後ろで 背 中 な ん て 向けていたんだい?」


ネロ「」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/10(日) 17:15:26.68 ID:7OdRl1Nmo
小林「キミは僕に先行して階段を登り、2階へ上がった」図解:【←ネロ】階段【←小林】

小林「だったら、後に続いた僕の進行方向にいるべきなのに、キミは階段を登り切った僕の後方にいた」図解:【←小林】廊下【ネロ】

小林「それならキミは僕と同じ方向を向いているのが自然だ。だがキミは僕と背中同士が向き合う形で立っていた……」図解:【←小林】【ネロ→】

小林「そう、これは重要なファ――」


ネロ「死ねーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」ブォンッ!


小林「エンッ!!!」ビダーン!

ネロ「何がッ」ゴッ「重要なッ」ガッ「ファクターだッ!」ドゴッ

小林「ちょっ! 待っ、痛っ!」

ネロ「そりゃッ」ドガッ「僕はッ」バギッ「女の子ッ」ゴキッ「女の子ッ」ボキッ「してる方じゃッ」ボギッ「ないよッ!」コキャッ

小林「やめっ、も、キツ……」ガクガクガク

ネロ「自覚ッ」グシャッ「くらいッ」メショッ「あるッ」ブシュッ「けどッ!」モジャッ

小林「……! ……! ……!」ビクンビクンビクンッ

ネロ「だからってッ」グチャッ「背中ってなんだッ」グチュッ「背中ってッ!」ズチャッ

小林「」

ネロ「僕だってッ」ベチョッ「僕だってッ」ヌチャッ「僕だってッ!」ネチョッ「ちょっとはッ」ズチュッ「育ってッ」グチョ「るっつーッ」ビチャッ「のッ!!!」メメタァ

小林「」

ネロ「もうっ、小林のバカ! デリカシーゼロ男! とりあえずバットショット寄越せ!」バッ

ジャキィン! \バット/ シャキーン

ネロ「フォトライトで廊下を照らして!」

ペカー

ネロ「ありがと♪ そのまま僕の上を飛んでてね」

パタパタパタ...

小林「」

ネロ「いつまで寝てんだグズ! とっとと起きて調査続けるぞ!」クワッ

ズンズンズン...

小林「」ヘンジガナイ、タダノコバヤシダッタナニカノヨウダ
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/10(日) 17:16:51.13 ID:7OdRl1Nmo
……

…………

………………

――洋館・2F大部屋

ガチャ

小林「ここも異常なし、か」キリッ

ネロ「……」ジトー

小林「どうかしたかい、ネロ?」キリッ

ネロ「……べっつに……」

小林「さて、これで2Fの部屋も全部見て回った事になるけど……」

ネロ「結局、どこにもおかしな所もなかったし、怪しい奴もいなかったね」

小林「ああ……」

ネロ「……あのさ。そもそもスカルは本当にここに逃げ込んだのかな?」

小林「というと?」

ネロ「実はスカルは逃走中、偶然この洋館の前を通りがかった」

ネロ「そこで、僕達の注意を逸らす為に、発信機をわざと目立つ場所に貼っただけ……だったりするかもよ」

小林「ふむ……その可能性もゼロじゃあないね」

ネロ「だとしたら本当に骨折り損のくたびれ儲けだね〜……どうする? 今日はもう諦める?」

小林「いや、まだ終わりじゃない」

ネロ「へ?」

小林「忘れてないかい、ネロ? この洋館にはもう一箇所、探すべき場所がある事を」

ネロ「それって……」

小林「そう――」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/10(日) 17:17:37.61 ID:7OdRl1Nmo
――洋館・地下迷路

小林「――この洋館には、この地下迷路が残っているのさ」

ネロ「あ゛〜……あったね、そういえば」

小林「スカルがここの存在まで知っているかどうかは分からないけれど、調べてみる価値はあると思う」

ネロ「そうは言ってもさぁ、この迷路結構広いじゃん……隅々まで調べようと思っても出来ないって」

小林「それは確かに……よし、ならとりあえず、以前魔剣が隠されていた所を目指そう」

ネロ「はぁ〜……ま、それが妥当かな」

小林「じゃあ行こうか」

……

…………

………………

――洋館・地下迷路・奥

ザッ
小林「ここだ……」

ネロ「当たり前だけど、魔剣はもうないね」

小林「壁や床を調べてみよう。どこかに仕掛けがあるかもしれない」

ネロ「ほーい」
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/10(日) 17:19:14.35 ID:7OdRl1Nmo
ゴソゴソ...

小林「……」

ネロ「……」

ゴソゴソ...

ネロ「!」

ネロ「小林、小林! ちょっとこっち来て!」カムカム

小林「何か見つかったのかい、ネロ?」

ネロ「ここ。見てよ」

小林「!」

小林「これは……」

ネロ「どう? 匂うでしょ、これ」

小林「ああ、確かに匂う」

小林「迷路内の壁はどこも土埃がこびりついているのに、この部分にだけ点々と汚れていない箇所がある」

小林「これは、指の跡だ……」

ネロ「手のひらを壁につくならまだしも、指だけって……やっぱおかしいよね」

小林「ああ、押してみよう。何が起こるか分からないから気をつけて」

ネロ「うん」
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/10(日) 17:20:01.67 ID:7OdRl1Nmo
ズッ...

「「……」」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ...!

「「!」」

ゴゴゴゴゴ...ズズゥーーーン...!

ネロ「これは……」

小林「更に下へ続く、階段……!?」

ネロ「地下のまた地下ってこと? どんだけ深いのさ……」

小林「奥は……カーブになっていてよく見えないな……」

ネロ「どうする、小林?」

小林「どうするも何も……流石にこれは見過ごせない。降りてみよう」

ネロ「だよね。ここまで来たらとことんまで付き合うよ」

小林「ありがとう。それじゃあ行こう、出来る限り慎重に……ね」

ネロ「おっけー」

カツ...カツ...
288 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/10(日) 17:21:22.24 ID:7OdRl1Nmo
続く!ずっとネロのターンも続く!
探索エピソードとは言え、実のない移動フェイズばっかりで面目ねッス
次回分は短くなるかもと言っておきましょう
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2011/04/10(日) 17:26:28.23 ID:+Qt2cPHFo
おつおつ
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 19:10:03.94 ID:pTuiAVUVo
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 19:28:44.84 ID:6CQTMY0w0
乙!
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 00:40:04.12 ID:+o8mZWbDO
もう小林先生に女装させたらいいんじゃないかな(AAry
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) :2011/04/11(月) 01:54:09.25 ID:NzCteN090
俺のネロたんが小林におっぱいを触られただと
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/11(月) 20:59:56.21 ID:BwF29nVDO
小林先生の失われたトイズはテクニシャンのトイズだったのかながわ・・・
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 20:22:05.28 ID:IfXm9y8U0
支援
296 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/15(金) 04:17:43.62 ID:sQCRrIySo
気を抜くとすぐこれだから俺って奴ァ……投下しますよー
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/15(金) 04:18:45.27 ID:sQCRrIySo
――洋館・地下階段

カツ...カツ...

小林「……」

ネロ「……」

小林「ネロ」

ネロ「何?」

小林「手を繋ごうか」

ネロ「ぅええ!?」ビクウッ

小林「えっ?」ビクッ

ネロ「な、急に、ちょ、なに!? なんで!? ふ、ふたりっきりだからか! 暗いからか! 調子のんなよヴァーカ!」

小林「いや、罵倒される意味は全く分からないけれど……キミの言う通り、暗いからだよ」

ネロ「へ?」

小林「歩いてみて分かったけど、この段差は均一じゃない。つまずきでもしたら大変だからね。さぁ」スッ つ

ネロ「……あ、そ。そゆことね……うん、分かった。小林が転んだら大変だもんね、ね……」スッ つ
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/15(金) 04:19:31.49 ID:sQCRrIySo
小林「おいおい、心配なのはキミの方だって……まあいいけど」ギュッ

ネロ「ぁ……」ドキッ

小林「さあ、進もう」

ネロ「う、うん……」ドキドキ

ネロ「(うー……なに意識してんだろ僕……コーデリアが感染ったかなぁ……)」//△//

……

…………

………………

カツ...カツ...

小林「!」

小林「ネロ、扉がある」

ネロ「本当だ……出口かな?」

小林「恐らくはね。そして同時に、何らかの部屋か、あるいは施設への入口である可能性も高い」

ネロ「……」ゴクリ

小林「開けるよ――」ガチャッ

キィ――
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/15(金) 04:20:47.62 ID:sQCRrIySo
――地下トンネル

「「!!」」

小林「こ、これは……トンネル……!?」

ネロ「うそ……なんで洋館の地下にこんなものが通ってるわけ? 小林!」

小林「それは僕にも分からない……、……けど、かなり長いトンネルだ。どこまで続いているのか見当もつかない……」

小林「……」

小林「(壁には等間隔で灯りが設置されているし、僕達が開けたドアも真新しいもののようだった……)」

小林「(現在進行形で利用されているという事か……)」

ネロ「ねえ、どうするの小林? まさか、この先まで進もうなんて言わないよね?」

小林「いや、流石にこれ以上は危険だ。一度引き返して、必要なら警察の協力を仰ごう」

ネロ「だよね。なら早く――」


???「――そうは行かない」


「「!?」」
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/15(金) 04:21:39.83 ID:sQCRrIySo
シュタッ

「「!」」

小林「お前は……!」

???「……」

ネロ「怪盗……ストーンリバー……!」

ストーンリバー「いかにも……」

ストーンリバー「私はアルセーヌ様の忠実なる刃……怪盗ストーンリバー」

小林「お前が何故ここにいる!?」

ストーンリバー「それはこちらの台詞だ、小林オペラ……そしてミルキィホームズ」

ストーンリバー「貴様達、どうやってここを嗅ぎ付けた? 見た所二人だけのようだが、他の連中はどこにいる?」

ネロ「うっさい! まずこっちの質問に答えろよ!」

ストーンリバー「断る。答えるだけ時間の無駄だからな」

小林「何?」

ストーンリバー「私がアルセーヌ様より仰せつかった任務はこの場の守護。及び、侵入者の排除――」スッ

「「!」」

小林「それは……!」

ストーンリバー「ほう、これも知っているか。ますます優秀だな」カチッ

\メェタルゥ!/
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/15(金) 04:22:36.95 ID:sQCRrIySo
小林「――!」

ネロ「メタルって……また僕らと同じメモリ!?」

ストーンリバー「往くぞ――変身! ライドTHEドーパント!」トスッ フィィィン...!

ミュミュミュミュ...

メタル「ふぅううーっ……!」コォォォォ

ネロ「なーにがTHEだカッコつけやがって!」

小林「トゥエンティの次はストーンリバーがドーパントに……」

ネロ「どうする小林? スカル探しがいつの間にか、毎度おなじみ怪盗帝国とのケンカになっちゃったけど」

小林「……相手が誰であろうと、メモリの悪用を見過ごす訳にはいかないさ」スチャッ「それに、奴がスカルとメタルを含めた複数本のメモリを所持している可能性もある」バシュッ、シューン、ガチャ!

フィィィィン、ガチャ!
ネロ「いや、それは考えすぎだと思うけど……ま、いいか。見過ごせないのは同感だしね」

メタル「む? 貴様達、そのベルトは……」

ネロ「なんだよ、今ごろ気付いたの?」スッ

小林「僕達は二人で一人の探偵」スッ「そして――」カチッ \ジョォカァァァ!/

ネロ「二人で一人の仮面ライダー、ってね!」カチッ \サイクロン!/

バッ

「「変身!」」
302 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/15(金) 04:23:37.99 ID:sQCRrIySo
続く! 次回から(いろんな意味で)ドキドキハラハラの戦闘パート!
気が付けば晴れて300レス突破ですが、果たして1000までに収まるのか、コレ……?

とりあえずおやすミルキィ
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 04:45:23.77 ID:tbEKETnDO
来てたー!!!
乙乙
ナニ握った手でネロのおてて握るとか汚いさすが小林汚い
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/15(金) 05:31:34.93 ID:/XE3aPp3o

このスレの影響で買ったゲーム版をクリアした直後だから…
洋館とストーンリバーという組み合わせだけで笑える

うん、たしかにゲーム版はネロが可愛かった
アニメでのクズ成分は殆ど1300さんに移動していた
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/18(月) 20:16:27.04 ID:C1M2i+0DO
しえーん
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/18(月) 23:35:46.88 ID:nIqZdo1p0
>>304

1300さんって?
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/18(月) 23:44:56.01 ID:g0dORSp5o
>>306

               /::i _
  _     __, -,.レ ' ゙ ̄    ゙̄_'-、 /::j
 ,' \   i:::::::/´ ,   '´ {::::::::::,メ;-''' ̄ '、 , '゙´ )
 ` - ヽ   ヽ;/    /     ヾ:::ゝ ( ⌒   } ´ ̄
         〉|     イ   /   /,ヾ;::;;イゝ   /
  ,- 、   i:::|   |/ \ /| , +'-ヶ_,,,_j/, ./   つ
  `'ヾ.   ¬、 ,ハ x、   レ'´_,x lノ| l | ' У ̄>   <あんた私のIQも覚えてないなんて、小衣侮辱罪が適用されるわよ
       _く ヽ|j | _,ゝ   く.   | _.|,,/ ∠、
         ゝ ゝゞ-//r〜〜〜,`//,'z ヽ\z ∠
         ヽ´( ^ノ ̄>┬┬+''´ヽ^_ノ  ゙ヽぅ´
          ̄\,,,, `'^ヽ'´__ , -'´
            /っ   Ψ ヽ
           ,く、_      _, ゝ
           ゙-v xエ工工エツ
             | /  l  j
             lエj   lエj
308 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/19(火) 02:08:56.26 ID:aGbhcGE4o
                   ,'⌒,ー、           _ ,,..  X
                 〈∨⌒ /\__,,..  -‐ '' " _,,. ‐''´
          〈\   _,,r'" 〉 // //     . ‐''"
           ,ゝ `く/ /  〉 /  ∧_,. r ''"
- - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / /  . {'⌒) ∠二二> -  - - - - - -
  _,.. ‐''"  _,,,.. -{(⌒)、  r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
 '-‐ '' "  _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐'   ;;    ‐ -‐   _- ちょっとエロパロ板行ってくる
 - ‐_+      ;'"  ,;'' ,''   ,;゙ ‐-  ー_- ‐
______,''___,;;"_;;__,,___________
///////////////////////

309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/22(金) 18:04:44.47 ID:yA1CKizDO
続きはまだかーながわー?
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/25(月) 20:28:23.35 ID:yxiHVXN7o
ネロのエロパロがあったな。
……まさか!?
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 20:49:34.59 ID:TFhUw/MO0
>>310
ソレどこだ!?
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/25(月) 21:38:11.95 ID:yxiHVXN7o
エロパロ板。ミルキィで検索。
313 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/26(火) 05:46:49.64 ID:Om6OCfzDo
                     i|     .i
                     | |     .||
              _______,| .|_,,___!.|、
    __          \  /|/// / |i!' ゙゙゙̄',''
    ゙' - , _ ̄ ゙" ''' '' ─;-/_, ./  /__゙., -;;:''______________
       "''.‐- ,,, /  ./;:/ノ,.  / / \______,,,,,,  --‐‐‐'゙
 - - -  - - -  -'!i, /;;'./ ̄) /;';/.,/'゙- -  -  - - - - - -
             ゙‐-./:::: / /--゙           +
   ‐ - ; . -‐ _ ‐ ./::::;/./   ;;    ‐ -‐ _-       ただいまー
      ;  .   .  /⌒ /       +
     +  .‐  . '  /  ./      ;  -  ; ‐   _-
      ,        |./     ‐   ゙
    _______゙_________________
    ///////////////////////

ネロパロ板にとってもネロネロなお話がありましたね(^ω^) 
え?俺じゃないよ!仮に俺だとしても俺という名の紳士だよ!!!

で、こっちが一週間以上ご無沙汰しちゃって申し訳ない
あんまり書き進んでないけど、まあ遅滞の利息分ぐらいは……って事で僅かながら投下
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/26(火) 05:48:50.59 ID:Om6OCfzDo
\サイクロン!/\ジョォカァァァ!/ デーデレデーデレデレデレデーン・ジャッジャッジャン!

 ガイアウィスパーと、それに続くメロディ。そして突風。
 それら全てが鳴り止むより早く、メタルドーパントが地を蹴って駆ける。

「『!』」

メタル「ストーンリバー、参る!!」

 叫ぶメタルの手には鉄剣。無骨なフォルムの刀身が、坑内の灯りを鈍く跳ね返している。

メタル「はああッ――!」

W(小林)「――!」

 肉薄するメタルを前に、W――小林の思考が爆発的に展開する。
 ――前方のメタル。振り上げられた剣。上段からの一太刀と予想される。
 Wに変身した自分。その隣には今にも倒れそうなネロの身体があった。
 それら全てのファクターを瞬く間に繋ぎ合わせ、最善の一手を紡ぐ――

W(小林)「くっ!」

 まず、傾ぐネロの手を掴み、引き寄せ、抱き留めた。

W(ネロ)『ちょっ!』

 何か言いたげなネロの声が頭に響いたが、気になどしていられない。
 今はただ、目前にまで迫った脅威を乗り切る事のみに専念する――!

メタル「おおッ!」

 風を裂く一刀――左に跳んで避ける。それを追うメタルが――

メタル「せいッ!」

 続けて横薙ぎの一撃――これをスウェーで回避。刹那の空白が生じる。そして――

メタル「――ッ」

W(小林)「っ――」

 ――返す刀で踏み込み両断を狙う。ネロを庇って身を低く屈める。
 続け様に袈裟斬りを仕掛ける。その体勢のまま器用にバックステップ。
 振り抜いた格好から転じての刺突。跳び上がって頭上を越え背後を取る。
 身を翻す勢いを加えた一閃。すかさず放った蹴りが剣の軌道を逸らす。
 体勢を崩したメタル。その隙に鋼の胸板を蹴り飛ばし、大きく背後へ跳ぶ――
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/26(火) 05:49:40.37 ID:Om6OCfzDo
W(小林)「――はぁっ、はッ……はあっ……!」

 距離を取り、呑んでばかりだった息をようやく吐き出す。
 荒い呼吸を繰り返しながら、それでもメタルからは視線を逸らさず――そこに、

???(『先生、小林先生!』)

 声が聞こえた。外からではなく、内から。

W(小林)「シャーロック?」

???(『あのあのあの……シャロだけでは、ありません……///』)

W(小林)「エルキュール」

シャロ(『先生! 外で待ってたら急にベルトが出てきたんですけど、これってもしかして……』)

W(小林)「……ああ。察しの通り、相手はドーパント……しかも変身したのはストーンリバーだ」

(『『ええっ!?』』)

エリー(『そんな……また怪盗帝国が……』)

シャロ(『あ、あたしたちもすぐ応援に――』)

W(小林)「――いや、来ては駄目だ」

(『『えっ?』』)

W(小林)「僕達は今、屋敷の地下深い場所にいる……誘導もなしにキミ達がここに辿り着くのは難しい」

W(小林)「だからこの場合は、安全な場所から確実にメモリチェンジに応じてくれる事が重要なんだ」
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/26(火) 05:51:04.65 ID:Om6OCfzDo
シャロ(『先生、そんなぁ……』)

エリー(『……わかりました』)

シャロ(『エリーさん!?』)

エリー(『私たちはここで待ってます……だから、』)

W(小林)「……」

エリー(『だから……かならず帰ってきてください、小林さん……』)

W(小林)「……ああ、約束するよ。必ず無事に戻る。だからキミ達はそこで待っていて、シャーロック、エルキュール」

シャロ(『……はいっ!』)

エリー(『はい……///』)

 最後に少しだけ安心したような二人の声を届け、ドライバーは沈黙する。
 その様子を見計らい、メタルが意図的に足音を立てた。

メタル「――相談事は終わったか?」

W(小林)「ああ。……余裕のつもりか? これだけ隙があるのにかかって来ないとは」

メタル「つもりではない、事実だ。私の初手を凌いだ事に対する評価でもある。……相変わらず逃げ足だけは達者だな、小林オペラ」

W(小林)「怪盗に褒められても嬉しくないな」

メタル「フ、だろうな」

 素っ気ない返事にメタルがくつくつと笑う。
 感情の見えない、非有機的な面相とのギャップが不気味さを際立てる。

メタル「ならば次は本気で往くぞ。貴様もいい加減、その荷物を置いたらどうだ」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/26(火) 05:51:55.20 ID:Om6OCfzDo
W(小林)「荷物?」

 メタルの指摘に何の事だと首を傾げるWの右目が、チカチカと明滅した。

W(ネロ)『……あのー、小林?』

W(小林)「ネロ?」

W(ネロ)『あのー……ね? そろそろ降ろしてくれると、助かるん、だけど……』

W(小林)「え?」

 おずおずと呟くネロの意識に引っ張られ、Wの首がかくんと下に折れる。そこには――

W(小林)「――ぁ。あぁそうか、キミの身体を抱えたままだったね」

W(ネロ)『う、うん……』

W(小林)「ごめん、キツく抱き過ぎていたかい? 痛かった?」

W(ネロ)『いや、意識はこっちに転送されてるし、感覚はないから平気だけ、ど……』

W(小林)「本当に? その割にはこっちのネロの顔がやけに赤」 (ネロ)『ぃ、いいから早く降ろせー!!』 (小林)「いっ!? わ、わかったわかった! 今降ろすから!」

 突然騒ぎ出したネロに面食らいながらも、その身体をトンネルの壁にもたれさせる。
 倒れたりしないよう姿勢が安定したのを確認して、Wは改めてメタルに向き直った。
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/04/26(火) 05:53:31.34 ID:Om6OCfzDo
メタル「今度こそ用意はいいな」

W(ネロ)『いーや、ちょっとタンマ!』

メタル「何?」

W(ネロ)『そっちだけ武器持ちって、いくらなんでも不公平でしょ。こっちも同じ条件でやらせてもらうよ』

メタル「……成る程。認めよう」

W(ネロ)『ぬぁんでお前が上から目線なんだっつーの! 小林、メタルで行くよ』 (小林)「ああ」カチッ \メェタルゥ!/

\サイクロン!/\メェタルゥ!/ デーデレデーデレデレデレデーン・デデデンカンッデッデデン!

 Wの左半身が銀の煌きを纏い、出現したメタルシャフトを抜き放つ。
 両端を展開させた鋼鉄の旋風棍を上段に構え、いよいよメタルと対峙する。

W「……」

メタル「ようやく準備が整ったようだな。では次は貴様の手番だ。好きに打って来い」

W(ネロ)『はぁ!? なんだよヨユーぶって、人をバカにするのも大概にしろよな!』

W(小林)「ネロ。怒りでペースを乱しては駄目だ。相手があの調子なら、その傲慢さを後悔させてやればいいだけの話だろう?」

メタル「ほぅ……」

 柄にもなく挑発的な小林の言葉に、メタルが反応を示す。

メタル「面白い事を言う。私を後悔させられるだけの実力があるなら、是非とも見せて欲しいものだな」

W(小林)「言われなくとも、」

 そしてWは、シャフトを握り締め――

W(小林)「そのつもりだ!」

 ――駆けた!
319 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/04/26(火) 05:56:33.50 ID:Om6OCfzDo
続く! バトってると描写が濃くなる代償に進行スピードが……

ところで、このSSを読んでPSP版ミルキィを買ってくれた人がいるらしくてマジ歓喜
このスレはミルキィの普及、PSP版の宣伝、小林×ネロの浸透の為だけに存在すると言っても過言ではない

ともあれまた次回、なるなるべくべく早めに進めたいですな。おやすミルキィ
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 14:50:19.45 ID:fxl7TDTPo

PSP版+コミックスも買ったよっ こはまー
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 18:17:31.11 ID:97QUhzTs0

俺という名の紳士って>>1以外に誰がいるwwww
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 19:06:59.05 ID:ewi7e/1zo
バトル仕様の小林さんカッケー乙
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/06(金) 18:50:56.30 ID:+C+CQ+ZDO
支援タ
324 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/05/08(日) 03:42:51.87 ID:taVRcPwTo
へいお待ち
せめて週一ペースぐらいで行きたいものですが、なかなかうまくゆきませぬな
では微量ながら投下開始
325 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/05/08(日) 03:44:02.84 ID:taVRcPwTo
W(小林)「だッ!」

メタル「むん!」

 鉄と鉄とが真っ向から衝突し、残響音が狭い坑内を駆け抜けた。
 衝撃が両者の間に空白を生む。それを一瞬で詰め、また激しく打ち合う。

W(小林)「はああぁーーーっ!!」

メタル「何度来ようと――」

 Wの猛進をいとも容易く往なすメタル。
 Wはバランスを崩し、蹈鞴を踏む――が、即座に体勢を立て直し、メタルへ向き直り、攻撃を遣り直す。
 繰り出すのは、サイクロンの速度とメタルの硬度が織り成す旋風棒術。
 それを用い果敢に攻め立てるWだが、受けるメタルは最低限の体捌きと剣捌きでそのことごとくを凌ぐ。
 剣の間合いではやはりメタルが圧倒的に有利か――それでもWは攻撃の手を休めない。
 熾烈な応酬が目にも留まらぬスピードで行われる。二人の戦士が得物を交える度、激しく火花が散った。
 互いに一歩も譲らぬ攻防――しかし、その実メタルへの有効打は殆ど無いに等しく、Wは体力を消耗するばかりだ――

メタル「ふんっ!」

 振り下ろされるシャフトの一撃を絶妙な位置で阻み、そのまま弾き返す。

W(小林)「くっ! ……やァあッ!」

 反動でよろめくWだったが、またシャフトを構え、駆け、また幾度目かの激突を果たす。
 甲高い接触音。そのまま連打には発展させず、鍔競り合いへと持ち込む。

W(小林)「ぐっ……!」

メタル「フ……」

 金属同士が擦れ合って放つ悲鳴を間近に聞きながら、Wは眼前のメタルに問いかける。
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/08(日) 03:44:46.91 ID:taVRcPwTo
W(小林)「この強さ……ストーンリバー、やはりお前がスカルなのか!?」

メタル「スカル? 何の話……っだ!」

 押し迫るシャフトを跳ね除け、がら空きになった胴に強烈な前蹴りを叩き込む。
 意趣返しのつもりか、それはメタルの攻勢に歯止めをかけた一撃に似ていた。
 後ずさるWへ切っ先を突きつけ、メタルは高らかに宣言する。

メタル「私は怪盗ストーンリバー! アルセーヌ様より賜りしメタルメモリに選ばれた、怪盗帝国のスリーカード!! それ以外の何者でもない!!!」

W(小林)「アルセーヌだと……!?」 (ネロ)『それって、やっぱり黒幕はアルセーヌってこと?」

メタル「愚問だな。この私がアルセーヌ様以外の指図など受けるものか」

W(ネロ)『ふーん……じゃあ何? そんな姿でこんな所に引き篭もってるのも、そのアルセーヌ様のご命令……ってわけ?』

 ネロが放った一言に、メタルが反応を示す。

メタル「……何だと?」

W(小林)「ネロの言う通りだ……ストーンリバー。主であるアルセーヌに忠義立てするのは分かる。けれど、」

メタル「……」

W(小林)「お前自身の怪盗としての在り方はどうした? お前にだって、自分に課したルールがあるだろう? それを――」


メタル「黙れッ!!!」


W「『!?』」
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/08(日) 03:46:55.95 ID:taVRcPwTo
 Wの言葉を突然の怒声が遮る。
 声の主であるメタルは怒気も顕わに、手中の剣へ目を落とす。

メタル「……確かに、私とてまずは一人の怪盗……ならば必然、私には私の美学がある、信念がある、矜持がある! ――しかし!!」

 刀身に映るのは、異形の怪物へと“変身”した自分自身。
 それを振り払うように――或いは、目を背けるように、鉄剣を天に掲げた。

メタル「それがアルセーヌ様の御為ならば……私の意地など、犬にでも喰わせてやるッ!!!」

 叫び終えるや否や、メタルが疾走する。
 そこに先程までの沈着さはなく、内から湧き上がる激情が垣間見られた。

W「『――!』」

 緊張のW――咄嗟にネロがトイズを発動し、最善手を検索する。

W(メタル)『――検索完了。小林! あいつの間合いに付き合ってやる必要はないよ!』 (小林)「間合い……そうか、分かった!」

 ネロが叫び、小林が応える。
 この状況で求められるメモリとは何か。残り4本のメモリから、消去法でその存在へ行き当たる。

W(小林)「これだ!」カチッ \トリガァー!/

\サイクロン!/\トリガァー!/ デーデレデーデレデレデレデーン・ベンベンベンベンベーベン!

 電子音声に次いで、Wが半分だけ“変身”する。
 銀から青へ。同時に、手にしていたメタルシャフトが忽然と掻き消え、左胸に青と黄色のカラーリングの銃が出現した。
 その銃――トリガーマグナムを抜き放ち、正面に構える。

メタル「な――」

 その銃口は、今まさに寸前にまで迫っていたメタルの腹に押し付けられる形となっていた。

W(小林)「――食らえッ!」
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/08(日) 03:48:34.42 ID:taVRcPwTo
 零距離でマグナムが炸裂する。
 風を纏ったエネルギー弾が、余さずメタルの身体に叩き込まれた。

メタル「くぅおおおッ……!?」

 メタルの巨躯が宙を舞う。大きく開く彼我の距離。
 これなら剣は届かない――好機とばかりに続けて引き金を引く。が、

W(小林)「、うわっ!?」 (ネロ)『小林!?』

 放たれた風の弾丸はまっすぐには飛ばず、まるで出鱈目にばら蒔かれた。
 反動で跳ね上がった腕を抑え、驚いた様子でマグナムを見るW。

W(ネロ)『大丈夫?』

W(小林)「問題ない。ただ、両手で構えないと狙い通りには撃てそうにないな……」

W(ネロ)『気を付けてよね。ここの壁、結構もろいみたいだからさ』 (小林)「え――?」

 ネロの言葉を確かめるように、Wは視線を上げる。
 前方には第一射のダメージに唸るメタル。そしてその周囲の床や壁は、第二射が原因と思われる形跡だけが残されいた。

W(小林)「――」 (ネロ)『……小林?』

 不意に黙り込んだ半身へ、気遣わしげに声をかけるネロ。しかし、深く思考に没頭する小林には届かない。
 考える、考える。あるがままの現状から正しいファクターを見つけ出し、活かせ。小林オペラは考える。

小林「――、!」

 そして、至る――それと同時に、

メタル「飛び道具とは無粋な真似を……小林オペラっ!!」

 幽鬼の如く立ち上がったメタルが、再三の攻撃を仕掛けてくる。
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/08(日) 03:49:41.29 ID:taVRcPwTo
W(小林)「、――バットショット!」

メタル「なッ――くっ!?」

 Wの呼び掛けに応じ、トンネルの天井近くを周回飛行していたバットショットがメタルを襲う。
 カメラが変形したその小さな機体が宙空で何度も翻り、メタルの行く手を阻んだ。

W(小林)「もうひとつ、おまけだ」ジャキィン! \スタッグ/

 更にWは、取り出した携帯電話型ガジェットにギジメモリを装填。
 ライブモードへ変形したスタッグフォンもメタルへと突進する。

メタル「ぬぅ、猪口才なッ……!」

 飛び回る二体のガジェットがメタルを翻弄する。
 その様子を見てWはドライバーを閉じ、サイクロンメモリを引き抜く。

キュゥゥゥン...
W(ネロ)『ってちょっと小林? どうするつもりなの?』 (小林)「すぐに分かるさ――エルキュール!」

エリー(『は、はい……!』)

 呼び掛けに即応するエリー。間もなく右スロットにはヒートメモリが転送された。そして――

\ヒート!/\トリガァー!/ ジャララージャラララージャラーン・ベンベンベンベンベーベン!

 ――メモリチェンジ。左が青。右が赤。熱き銃撃手・ヒートトリガーが発現する。
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/08(日) 03:56:55.84 ID:taVRcPwTo
W(小林)「よし……ネロ、こっちへ!」

ネロ「へっ?」

W(小林)「いいから、早く!」

 起き上がったばかりのネロをWが呼ぶ。
 理解が追いつかずに首を傾げたネロだが、とりあえず小走りでWの傍に移動する。
 Wはそんな彼女を――ぎゅっと抱き締めた。

ネロ「………………、ぇ?」
W(エリー)『……えっ///』

 頭の中と外から似たようなリアクションが聞こえた。
 
ネロ「――ちょちょちょ、な、ちょっと!? こばや、そんな、急に何!? 何する気!?」
エリー「ぁゎゎゎゎゎゎ/// こ、小林さん……突然そんな、大胆すぎますっ……///」

 続く言葉もよく似ていた。しかしWはそれを意に介さない。
 極めて合理的な判断と選択をしているのだという自覚の下、Wは冷静に――トリガーマグナムを天井に構えた。

ネロ「!?」
W(エリー)「!?」

 その行為に驚いたのは彼女達だけではない。
 対面でガジェット相手に立ち回っていたメタルの目にも、その光景が意味する未来が映った。

メタル「貴様、まさか――!?」

 最後まで聞いてやる必要はなかった。
 W――小林オペラは、仮面の奥で不敵に笑み、

W(小林)「そう。そのまさかだ……ストーンリバー!」

 引き金を、引いた。

メタル「な――」

W(エリー)『きゃ――』

ネロ「ちょ――」

W(小林)「――」

 三者四様の声を、崩落の爆音が呑み込んだ。
331 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/05/08(日) 03:58:12.02 ID:taVRcPwTo
続く! 最後の>>330はたった今書き上げました。なんという見切り発車
次回か次々回でこの3話は完結予定ですが、そしたらそろそろ並行してもう1スレぐらい立てたいな〜

などと意味不明な供述をしつつのおやすミルキィ
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 06:08:55.40 ID:gnww7gcyo
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/08(日) 11:45:34.18 ID:uGL4zUiO0
乙!
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/14(土) 17:43:50.17 ID:0GsWskUDO
ぉっ
335 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/05/16(月) 02:00:30.58 ID:iQuErPJdo
ぎょうむれんらくー
気が付けば一週間が経過しました今日この頃、どっこい先週は色々と忙しくてまだ1レス分も書けてねーです
挙句に同時進行で新SSの設定も詰めてるので筆の進まないこと進まないこと
ので、次回投下分は今まで以上に気長にお待ちくだされば幸い

以上、定期レス乞食タイムでした。おやすミルキィ
336 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/05/27(金) 05:25:53.34 ID:IWkFai9jo
SSを書く上で一番気を付けているのは、ネロのセリフで「うん」のすぐ後に「小林」と続けないこと。どうも僕です
やっとある程度まとまったので投下ですよー。相も変わらぬグダ長なのはご愛嬌。ではでは
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:27:03.39 ID:IWkFai9jo
――洋館

 一方その頃、夕暮れ迫る森の中でシャロは、

シャロ「あっ、あの雲かまぼこみたーい」

 現実逃避をしていた。

シャロ「………………あうー。せんせぇー、ネロぉー、エリーさぁーん……」

 小林とネロが洋館に入り早一時間。
 一緒に待っていたエリーも、今はWに変身していて意識がない。
 風にざわめく木々。闇を帯び始めた館。シャロの恐怖心を煽りに煽るそんなシチュエーションの真っ只中を、

 ――ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!


シャロ「ぎやあ!?」

 轟音が貫いた。

シャロ「ななななんですかなんでですかなにごとでわきゃあ!?」

 それに伴う揺れに足を取られる。
 慌てて起き上がり、音源はどこか、 震源はどこかと首を振り回す。
 その視線はやがて、自然とある場所へ集中する。
 ある場所――すなわち目の前の洋館に目を留めた瞬間、
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:28:02.03 ID:IWkFai9jo
 ――ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!

シャロ「ぎゃやーあ!?」

 その屋根の一部が派手に吹き飛んだ。

シャロ「ぽ、ポルターガイストです!」

 更に、穴の開いた屋根から数発の火球が花火のように舞い上がった。

シャロ「ひひひ人魂ですー!」

 更に更に、ガタガタと騒がしい音が館の中から聞こえる。駆けまわる。

シャロ「ラップ音ですー!? いやあああああああああああっおじーーーーーーーーーーちゃーーーーーーーーーーん!!!」

 もはや怪奇現象のバーゲンセール状態だった。
 極めつけに、ラップ音(?)はどうやらシャロの方――洋館の入口を目指しているらしい。

シャロ「あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」

 次第に近づき大きくなる音。可哀想なまでに震え上がるシャロ。
 そしてとうとう、その大きな扉が――バタン!

シャロ「ぎゃ――」 W(小林)「ぷはあっ!」 「――あ、あ、あれ……?」
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:29:03.00 ID:IWkFai9jo
 扉を開けたのはWだった。
 シャロには見覚えのない赤と青の姿。小脇にはネロを抱えていた。

シャロ「せ、先生!? ネロも!」

 慌てて駆け寄るシャロ。

W(エリー)『あの……私も、います……///』

ネロ「げほげほ……やぁシャロ、久しぶり〜」

W(小林)「シャーロック。怪我はなかったかい?」

シャロ「あ、はい。あたしは怪我とか全然……先生たちこそ大丈夫なんですか? あんなに大きな爆発だったのに……」

ネロ「あー、僕らならへーき。だってあの爆発は小林が……」

W(小林)「ちょっ――」

シャロ「ええっ!? これ、先生がやらかしたんですかぁ!?」

W(小林)「え゛、っと、いやその……た、確かにやったのは僕……なんだけど、まさかここまで……」

 ちらり。揃って洋館の方を見遣る。
 火球が貫通した床と天井と屋根から火の手が回り、今や屋敷全体が轟々と炎に包まれていた。

ネロ「あーあー……どぉすんのさ、これ?」

W(小林)「どうって……」

W(エリー)『どうしましょう……』
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:30:40.09 ID:IWkFai9jo
 思案に暮れる一同。その最中、あ、とシャロが声を上げる。

シャロ「そういえば先生、ストーンリバーはどうしたんですか? 地下で戦ってたんですよね?」

W(小林)「ああ、奴なら今頃は瓦礫の下敷きだろう。ドーパントのままなら命の危険までは――」


???「誰が瓦礫の下敷きだと?」


「「「『!?』」」」

 突然の声。そして、

???「――」

 突然の影。

ネロ「!」

 それに真っ先に気付いたのはネロだった。
 Wの死角から急接近してくるソレの狙いは――

ネロ「シャロ、あぶないっ!」

シャロ「え、きゃっ!?」

 Wの背後で、一瞬の内に幾つかの声と音が入り乱れる。
 突然の事に驚いて振り返ると、そこには尻餅をついたシャロがいた。

W(小林)「シャーロック!」

シャロ「いたたぁ……」

 シャロ、だけが。

W(小林)「――、え?」 (エリー)『ぁ、のあのあのっ……小林さん、あれ……!』

 その光景の意味を理解するよりも早く、エリーが声を上げた。
 声が指す先には――

ネロ「離せよ、離せったら!」

 ネロと、


メタル「そう言われて素直に離す馬鹿は居まい」


 ネロの腕を掴む、メタルドーパントの姿があった。
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:32:09.28 ID:IWkFai9jo
W(小林)「ネロ――!!」

メタル「動くな、小林オペラ」

W(小林)「ッ!」

 血相を変えて駆け出そうとしたWだったが、その一声には従わざるをえなかった。
 メタルが、所々のヒビ割れた鉄剣をネロの喉元に突きつけていたからだ。

W(エリー)『ネロ……!』

シャロ「ネロを離してください!」

 叫ぶシャロの瞳に光が宿る。
 両手を前に翳し、彼女固有のトイズ・サイコキネシスが発動する。が――

メタル「フン……」

 メタルは小揺るぎもしない。余裕の表情で立ったままだ。

メタル「無駄だ。不意打ちでもない限り、貴様の脆弱なトイズが通用するものか」

シャロ「そんなぁ……」

W(小林)「くっ、ネロ……」

 メタルは片手でネロの腕を締め付けている。
 非力な少女と屈強なドーパント。握力・腕力・膂力――どの切り口からもネロの自力による脱出は望めない。
 掴まれた腕の痛みに顔をしかめながら、ネロはまっすぐにWを見つめる。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:33:44.83 ID:IWkFai9jo
ネロ「シャロ、エリー……、…………小林……」

 その声音は弱々しく、その場景は痛々しい。
 何故か、それがWの心を甚だしく騒がせた。
 大きな怒りを滲ませ、メタルを睨みつける。

W(小林)「ストーンリバー……! いつの間に、いったいどこから……」

メタル「どこからでも……」

 不敵な笑みをこぼす。

メタル「闇は我が支配下……すべてを静寂に包む褥……」

メタル「そして闇と光は対の存在……光の裏には闇がある……」

メタル「この盛大な篝火には感謝しているぞ、小林オペラ」

W(小林)「!」

W(小林)「まさか、爆発に紛れて森伝いに……!?」

メタル「そういうことだ」

 間延びした空気を仕切り直すように、メタルは辺りを睥睨した。

メタル「さて、戯れはここまでだ」

 そして、鋭い視線がWを射通す。

メタル「――変身を解除しろ。小林オペラ」

W(小林)「!」

メタル「言うまでもないが、拒否は認めん。尤も、」

 剛直な腕が、強くネロの腕を引いた。

ネロ「あッ」

W(小林)「!」

メタル「こいつの命が惜しくないのなら、話は別だがな」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:35:15.60 ID:IWkFai9jo
シャロ「せ、先生……」

W(エリー)『小林さん……』

W(小林)「………………」

 小林は考える。
 ネロを見捨てる――それは有り得ない。候補にすらならない。棄却。
 要求に従う――それも利口とは言い難い。嬲り殺しが関の山だ。棄却。
 ストーンリバーを倒す。ネロも救う。他に選択肢はない。
 それがネロを、引いてはシャロやエリーをも守る為の最善策だ。
 しかし――

W(小林)「………………」

 その実現は困難を極める。だからこそ小林は考える、考える、考える。

メタル「どうした? 沈黙は拒否と同義に採るが」

 だが、悠長に理を尽くす時間は与えられていない。
 獰猛に煌めく鉄剣は、今もネロを捉えているのだから。

W(小林)「………………」

 決断を迫られる。
 やがてWは、静かにその左手をドライバーに触れた。
 フン、とメタルが鼻を鳴らしたのが聞こえる。

ネロ「小林!」

 静止の意味合いでネロが叫ぶが、目と鼻の先の刃が二の句を押し止める。
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:37:44.39 ID:IWkFai9jo
W(小林)(『みんな、騒がずに聞いてくれ』)

「「『!』」」

 不意に、頭の中に声が響いた。

W(エリー)(『小林さん……?』)

シャロ(『先生?』)

 それは勿論、まだドライバーを装着したままのネロにも届く。

ネロ(『……、小林?』)

W(小林)(『シャーロック。僕の合図と同時にメモリチェンジだ。タイミングを逃さないよう、集中して』)

シャロ(『ぇ、ええっ、でも、先生……』)

W(エリー)(『ね、ネロが……ネロはどう、するんですか……?』)

W(小林)(『………………』)

W(小林)「……ネロ」

ネロ「!」

 Wは、直接声に出してネロの名前を呼んだ。
 視線が交差する。
 そこでネロは、仮面の裏に隠された小林の表情を、確かに見た。

W(小林)「僕を、信じてくれるね?」

 だから――

ネロ「……、うんっ」

 何も怖くない。
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:40:30.73 ID:IWkFai9jo
メタル「――茶番は終わりと言った筈だッ!」

 その瞬間、とうとう我慢の限界を迎えたメタルが剣を振り上げた。

W(小林)「!」

 それに応じ、Wもトリガーマグナムを抜き放つ。

W(小林)「シャーロックっ!!!」

シャロ「はいぃ!!!」

 叫び終わるよりも早く、ドライバーは閉じられ、引き金は引かれ、ヒートメモリは抜かれていた。
 空いたスロットにルナメモリが転送される。計算通りだ。しかしもう一方、メタルの剣を狙って撃った火球は――

W(エリー)『ああっ!!』

 エリーが大声を上げる。サイクロントリガー以上に反動の大きいヒートトリガーの銃撃は、小林の計算の僅か外を行き、思い通りの弾道を描いてはくれなかった。
 この短時間で組み上げた脆すぎる作戦。ほぼ脊髄反射での片手撃ち。いかにトリガーメモリが使用者の射撃能力を高めても、限界があったのだ。
 このままでは火球はメタルに中らず、振り降ろされる剣も止められず、ネロは――

W(小林)「ッ――ネロ!!!」

 絶望を孕んだ絶叫が、夕闇の森に木霊した。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:41:58.44 ID:IWkFai9jo
メタル「ぐォオッ……!」

W(小林)「!?」

 Wは我が目を疑った。
 苦悶に呻くメタル。その足元には鉄剣。銃撃が――中った?

W(小林)「――」

 いや、今は事の真偽などどうでもいい。
 この千載一遇のチャンスを逃す訳にはいかない――ドライバーを展開する。

\ルナァ!/\トリガァー!/ ファ〜ァン・ベンベンベンベンベーベン!

 Wの半身が金に染まる。

W(小林)「ネロ! こっちへ!!」

 叫び引き金を引く。右の体色と同じ黄金色のエネルギー弾が銃口を飛び出した。

ネロ「!」

 慌てて走りだすネロ。しかし――

メタル「させるかァ!」

 その背後からメタルが食い下がる。
 またネロの腕を掴み、その走るコースを強引に変える――弾道の、直線上に。
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:43:54.16 ID:IWkFai9jo
ネロ「――」

 一瞬。
 ほんの一瞬だけ、ネロは恐怖を覚えた。
 しかし、それはすぐに解消される。
 何故か? ――何故なら、ネロは見たからだ。
 光弾の彼方、自信と確信を得たヒーローの姿を。そして――

W(小林)「――シャーロック!」 (シャロ)『はいっ!』


 ――大切な仲間が起こした奇跡が、その弾道を大きく捩じ曲げる様を!


メタル「馬――鹿な、ガッ!?」

 大きく弧を描き、光弾がメタルを叩く。
 衝撃でネロから手が離れる。
 転がるメタルを尻目に、ネロは一気にWの元へ駆け寄る。

ネロ「こばやしっ!」

W(小林)「ネロ!」

 飛びついて来たネロを抱き留めるW――神秘の右半身に銃撃手の左半身。仮面ライダーW・ルナトリガー。

W(小林)「すまないネロ。怖い思いをさせて……」

ネロ「……なに言ってるのさ。全然へーきだったよ」

 その言葉にはいつもの気丈さが戻っていた。
 それが嬉しくて、Wは誰にも気付かれないよう、仮面の中だけで微笑んだ。
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:46:21.72 ID:IWkFai9jo
メタル「ぬ――ゥウおおオォォおッッ……!」

「「!」」

 慟哭に釣られて視線を動かす――撃たれた脇腹からしゅうしゅうと煙を上げ、メタルがこちらを睨んでいる。

W(小林)「ネロ。エルキュールの所へ」

ネロ「うんっ……」

 小走りでWから離れる。視界の端でエリーと抱き合う姿を確認し――Wはマグナムを空に向けて発砲した。

W(小林)「シャーロック」 (シャロ)『はい!』

 右目にトイズが灯る。上へ放たれた10にも上る光弾を更なる光が包み、次の瞬間には意思を持ったように自在に軌道を変化させた。
 それらは全体で球を描くように周回したかと思うと、一気に加速してメタル目掛けて降り注ぐ。

メタル「ぐああああッッ!!!」

 高攻撃力を誇るトリガーの銃撃に、シャロのトイズが抜群のコントロールを付加させる。
 それを回避する術など、満身創痍のメタルには残されていなかった。
 折れた剣を杖に、必死に立つメタルドーパント。その対面には、どこまでも静かに――静か過ぎるほど静かに立つW。

W(小林)「シャーロック、一気に決めよう。マキシマムだ」

 淡々とした言葉だった。淀みない動作でトリガーメモリをマグナムへ装填する。

W(シャロ)「え? あ、はい!」

 反応が遅れたシャロも慌てて意識を集中させる。
 呼吸を揃え、挙動を重ね、両手でトリガーマグナムをしっかり包み持つ。

W「『はぁぁぁ……!』」

 銃口には極大のエネルギーが殺到している。
 それはもう、ただ炸裂の瞬間を待望するのみだ。

メタル「おのれ……おのれ小林オペラあああああああああッッッ!!!」

 メタルの怒号を聴いても尚、Wは冷徹な所作を一貫したまま――力を開放する。
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 05:48:14.33 ID:IWkFai9jo


            '‐.、      _ _    , -'´
              \ヽ- , '´ | | |` , ‐'/
               /`>`、∧ ´/、' ,
               .l l´   .l | |   'l.:l
                    l l    | | |    l.:l
                    |. ゝ-‐'´| | |`ー-‐'l‐l      「トリガー! フル、バースト!」
                l    | | |.:.:.:.:/|二|       『トリガー! フル、バースト!』
                .l     .| | |.:.:.:/ |■|
                 ',_  .| | /\ |_|
       __         |` ー- / | |/  /     _ ,-‐‐-、
     , r'/ /  / , -──‐-- 、/  / l   ll ` ' ー- ヘ \\ `ヽ、    
    /__/ /  /T´       , .|/|/| |___||.:.:.:.:.:.:.:.:/ゝ \`ー─゛l
   /´ ̄ ,/  / | ____, r´  | / /  ̄ ̄/' ´ ̄ ̄|.:.:.:.:\ `ー─‐|
  |, r' ´  , /  ヽ,      /´| / /.ー‐一/ , -─┤.:.:.:.:.:.:\.:.:_ノ
  ',   r' ´     l` 'ー-- '   |/ /    /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽノ
   ゝ/        |      /二l´``ヽィヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
   /  ─- 、  /      //`ヽ ` ヽ,.:.:.:ヽ.:ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:,-‐.:.:.:l
   ,'   /  ー, ─/ ̄` | | 'ニ二` `ー-.:.:.:.:.:.:ヘ_.:.:.:.:, -‐'´\ \|
   |   |    /  \   .| |´二`゙ー-、.:.:.:.:.:.:.:.:.:l  \.:.:\.:.:.:.:|.:.:.:.|
   |   .l   .l     \ .l l´`ヽ、l´ ̄|──| ̄`l /.:.:.:.:|.:.:.:.|.:.:.:.|
   ゝ   \  \     \ゝ, -‐'´|  |   |   .|ー 、.:.:./.:.:./.:.:.:/
     `ー──---───, r'´   .|  |   |   .|  `ヽ、-‐一'
350 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/05/27(金) 05:50:17.37 ID:IWkFai9jo
3話バトルフェイズしゅーりょー!でも続く!あと1回!
シナリオ的には割と消化試合なバトルだったのでおもっクソ趣味に走りました。だが私は謝らない
あとはHOUKOKUSHOのターンで3話は円満終了です。次は、次こそは早め早めに……

ではおやすミルキィ
351 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/05/27(金) 05:52:29.75 ID:IWkFai9jo
あっと書き忘れ

日頃より読者の皆々様方の暖かいご声援、誠に有難う御座います
今後とも一層の精進を約束して参りますので、どうか変わらぬご愛顧を宜しくお願い申し上げます

徹夜明けのテンションなので日本語がおかしくても気にしないでくだちぃ。では改めておやすミルキィ
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/27(金) 07:09:55.68 ID:pSKuVpwOo
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/31(火) 19:40:12.06 ID:GfoNsmFDO
人質とかストーンリバーさんマジ小者
354 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/06/07(火) 04:43:50.97 ID:IEVSS/iuo
次こそは早めにと言ったな。あれは嘘だ
3話ラストパート投下します
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:45:03.33 ID:IEVSS/iuo
……

…………

………………

――外国人墓地近辺

タッタッタッタッタ...

小林「……よし。ここまで来れば……」

シャロ「よ、横っ腹が痛いですぅ……」ゼェゼェ

エリー「も、ぅ、限界っ……///」ハァハァ

ネロ「……」フゥ

ピーポーピーポーピーポー...

シャロ「あっ、消防車です!」

エリー「洋館の方に……」

小林「本当だ。でも、思ったよりずっと早い」

エリー「もしかして……煙を見た誰かが先に……?」

小林「かもしれない。何にせよ、急いで現場を離れたのは正解だったかな」
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:45:59.20 ID:IEVSS/iuo
シャロ「でも、良かったんですか? 先生」

小林「え?」

エリー「ストーンリバーに……逃げられてしまいました……」

小林「ああ……仕方ないさ。あの爆発と炎の中に姿を眩まされたら、流石に追いかけるのは難しい」

小林「奴が落としたメタルメモリを回収できただけでも、収穫と考えよう」

シャロ「はーい」
エリー「はい……」

小林「よし。……ん?」

ネロ「……」ボーッ

小林「ネロ?」

ネロ「ぇ、あ、っと、なに? 小林」

小林「大丈夫かい? 気分が優れないようだけど……」

ネロ「や、やだなー小林、なに言ってんのさ? だいじょぶだいじょぶー」ブンブン

小林「ネロ……」

ネロ「さっ、シャロもエリーも、早く事務所に帰ろ? こんな所に長居は無よ――」スッ

ペタンッ
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:46:31.00 ID:IEVSS/iuo
ネロ「――は、れ?」シリモチ

シャロ「ネロ!?」タタッ

エリー「大丈夫……?」タッ

ネロ「あ、あはは……ごめんごめん。ちょっと足がもつれ、ちゃって」

小林「……ネロ」

ネロ「急に走ったからかな。最近運動不足だったもんなー。こりゃ僕もエリーのこと笑ってらんないね。探偵は足が基本って言うし、これからはジョギングぐらい――」

小林「ネロ」

ネロ「………………なにさ、小林」

小林「そういう事はちゃんと立ってから言ったらどうだい?」

ネロ「う゛」ギクリ

小林「立てる?」

ネロ「……無理かも」

小林「そうか。じゃあどうする?」

ネロ「? どう、って」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:48:15.11 ID:IEVSS/iuo
小林「キミがどうしたいのか。僕はどうすればいいのか。キミから僕に聞かせてくれ」

ネロ「う……」タジッ

小林「さぁ、我慢しないで、遠慮もナシだ」

ネロ「………………ぅー……」

小林「ネロ?」

ネロ「っ……、………………ほんとに、言っていいの?」

小林「勿論さ」

ネロ「……」

ネロ「じゃあ………………、」


ネロ「おんぶ、してほしい……って、ゆうのは……だめ?」


小林「――とんでもない。それくらい、お安い御用さ」ニコッ
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:50:16.69 ID:IEVSS/iuo
【HOUKOKUSHO】

……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......

"SKULL"tono souguu.Nazo no tonneru.Soshite"Kaitou Stoneriver".

Koredake no dekigoto ga wazuka 1nichi no aida ni okita toha,bokujishin niwaka niha shinjigatai.

Toku ni ano tonneru.Ano saki niha,ittai nani ga arunoka...imada nazo ha yamadumi da.

Izure,"T2GaiaMemory"no nazo ni semaru toki ga otozureru darou.

Daga,amari yuuchou ni kamaete ha irarenai.Nazenara,

……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......……......
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:50:58.33 ID:IEVSS/iuo
カタカタカタ...
小林「……」

小林「(何故なら……)」

コンコン

小林「!」

コンコン

小林「(こんな夜中に……誰だろう?)」

コンコン、コンコン

小林「はいはい、今開け」ガチャ「ます、って、」

ネロ「……えへ」

小林「ネロ?」

ネロ「こんばんは、小林」

小林「ああ、こんばんは……えっと、どうしたんだい? 何か忘れ物?」

ネロ「うん、まあ……忘れ物とゆうか、言い忘れとゆうか……」ゴニョゴニョ

小林「?」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:52:02.07 ID:IEVSS/iuo
ネロ「……」モジモジ

小林「?? あの――」

ネロ「ちょっと黙ってて!!」クワッ

小林「は、はい!」

ネロ「すーーーっ……、はあああっ……」

小林「……???」

ネロ「………………………………………………、ありがと、って、言ってなかったから」

小林「えっ?」

ネロ「だ、だからっ! そのー……今日はいろいろ助けてくれて、ありがとう。それと、迷惑もかけちゃって……ごめんなさいっ」ペコッ

小林「ちょ、迷惑なんて……謝るなら僕の方だ。キミに万一の事があったらと思うと……怪我がなくて本当に安心したよ」

ネロ「ん、ほんとにありがとね。それと……」

小林「それと?」


ネロ「………………かっこよかったよ、小林」ニヘ


362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:53:40.80 ID:IEVSS/iuo
小林「――!」

ネロ「小林?」

小林「ぇ、あ、いや、その、なんだ……ほら、助けたと言っても、僕だけじゃ……」アタフタ

ネロ「? もちろん、シャロとエリーにもお礼は言ったよ」

小林「ああ、そうじゃなくて……」

ネロ「?」ハテー

小林「……いや、なんでもない。それより、用件はそれだけ?」

ネロ「ぁ、うん」

小林「なら今日はもう帰って、ゆっくり休んだ方が良い。送るよ?」

ネロ「いいよ別に。同じ学院の敷地内だしさ。小林、まだ仕事残ってるでしょ?」

小林「それは、まあ……」

ネロ「だったら気にしないで。じゃあね、おやすみーっ」タッ

小林「あっ……お、おやすみ!」

ネロ「また明日〜……!」タッタッタ...
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:54:58.54 ID:IEVSS/iuo
パタン

小林「……」

小林「(……そう、僕だけじゃない)」

小林「(僕だけじゃ、あの時ネロを救えなかった)」

小林「(あの時――)」

――・――・――・――・――・――

W(小林)「ッ――ネロ!!!」

メタル「ぐォオッ……!」

W(小林)「!?」

――・――・――・――・――・――

小林「(――あの時、誰かがストーンリバーの剣を弾いてくれなかったら、今頃……)」

小林「……」

小林「(あの時、微かに聞こえた銃声。あれは……)」

小林「……スカル……」

小林「(お前は一体何者なんだ?)」

小林「(何が、目的なんだ……?)」
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 04:57:24.67 ID:IEVSS/iuo
ダダダダダダダ...

小林「……、ん?」

バタンッ!

ネロ「小林っ!」

小林「わっ!?」

ネロ「大変だよ小林!」

小林「ネロ!?」

ネロ「いま外にカブトムシが!」

小林「カブトムシ?」

ネロ「カブトムシ! しかも見たことないやつ! ひょっとしたら超稀少な種類かも!」

小林「超稀少って……そんなに珍しいカブトムシがどうしてこの辺りに?」

ネロ「理由なんてどうでもいーじゃん! ねっ、捕まえにいこ?」

小林「ええっ、今から!?」

ネロ「今行かないでどーすんのさ! 一緒にカブトムシ見ようよー! おねがいっ!」

小林「いや、だからまだ仕事が……さっきはキミも気を利かせてくれたのに……」

ネロ「さっきはさっき、今は今! ホラはーやーく! カブトムシが逃げちゃうー!」グイグイ

小林「わ、ちょ、ちょっ……ネロおおおおおおおおおおおおっ!?」

ダダダダダダダ...
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/07(火) 05:12:33.51 ID:IEVSS/iuo
◇ ◆ ◇

そうして、騒々しく校舎を飛び出す二つの人影。
そして、その様子を空から見つめる、一つの機影。
それこそが、ネロが目撃したというカブトムシ――正確には、カブトムシを模して造られたガジェット――だった。
羽音に似た駆動音をさせながら、両目に内蔵された高性能カメラで、校庭を駆け回る譲崎ネロと小林オペラの姿を追う。
一挙手一投足を見逃すまいと、観察するように、あるいは、監視するように。
やがて、当人達には終ぞ気付かれないまま、カブトムシ型ガジェットは静かに飛び去って行った。
その行く先は――

◆ ◇ ◆

ヨコハマ警察署。
夕陽の射し込むロビーの中心に、その少女はいた。
険しい表情で、備え付けの大きなテレビを睨む。
映っているのは夕方のニュース番組で、つい先程起きたばかりの火災事件を報道していた。
画面の中のコメンテーターが言う。

「事故の規模からも、単なる放火とは言い難いでしょうな。十中八九、この爆破にはトイズが――つまり、怪盗、もしくは探偵が関わっているでしょう」

コメンテーターは、それが得意の論法なのか、そのまま警察組織の批判へと話を移していった。
なぜ怪盗の犯行を未然に防げないのか。探偵を警察の管理下に置くことは出来ないのか。
警察では怪盗事件に対応しきれない。ならば、いっそ警察の立ち位置を探偵に譲ってはどうか――
とうに語り尽くされたような事をしたり顔でのたまう初老のコメンテーターに、少女は苛立ちを覚えた。

「ッたく……どいつもこいつも探偵探偵探偵……バっカじゃないの!」

憤りのままに床を蹴りつけた。大きな音がロビーに響き渡る。
辺りの署員が一斉に訝しげな視線を向ける中で、少女は堂々と言い切った。

「だから嫌いなのよ、この街は!」

――そして、その少女の手には、赤いガイアメモリが握られていた。

                                                         『探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW』
366 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/06/07(火) 05:21:01.29 ID:IEVSS/iuo

     ヽ...               ヽ        /           \
      \.:.:.:              l      /  V           |
        \.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:        ヽ    /   .:.:.|           |
          \_.:.:.:.:.:.:        |    /   .:.:.:.:|          /
             斗.:.:.:.:        |  /    .:.:.:.:ヽ         /
              ヽ.:.:.:.:       ∨ !     .:.:.:.:.:/、       /
               \.:.:.:.     ヽ _|_/    .:/   \    /
              /::::::>- __ / ヽ   /:::::::\   \ /
            /:::::::::::/-      l_ ノ-  \ __::::::::\
           /::::::l:::::::::|     , -::::::`::::\    |::::::|::::∨
          /::::::::::::!::::::::|  , -'::::::::::::::::::::::::::::\   |:::::::|:::::∨
      .:::::::::/:::::::::::::,'::::::::|_/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\|:::::::|:::::::`|_   
    /::::://:!:::::::::::,'::::::::|::::::::::::::::::/l::::::::::::::|:::::::::::::::::l:::|:::::::|::::::::::|::::::\
   /:::::::/  l::::|:::::l::::|:::::::::|::::::∧::::::/ l::::::::::::::ト、_:::::::::::|;;|::::::::|::::::::::|ヽ:::::::i   
  /:::::::/   |:::l::::::l:::|:::::::::|:l_-t-l+::/ l::/l::::::::/|:::/|"'-、ノ;;|::::::::|::::::|:::| i:::::::l
  |:::::::l   丶l::::::::::|:::::::::|:|::/ ヽ::l レノ::::::/ .|:/ ノ::::/ |:::|:::::::|::::/l::l  |::::::::|  Q.ルナトリガーのメイン回なのにあたしの出番少なくないですかぁ〜?
  l:::::::l     丶:::::|:::::::::| ------- /:::::/  -----/::/:::::::|::::/l:|  /::::::/
  ヽ:::::::l      ヽ::|:::::::::|  エエ  //   エエ //|::::::::|/ j /:::::::/
   \:::::\      |:::::::::|`               / |::::::::|_, -'::::::/
    \_::::------ |:::::::::ト _     / ` ´l      ノ |::::::::|::::::::::/
       ヽ::::::::::::::::|:::::::::| >    l,    ノ    イ /::::::::/ ̄

A.少ないです
でもそれは次回ちゃんと出番があるから! たぶん!

てなわけで『探偵オペラ ミルキィホームズ×仮面ライダーW』第3話、《Sを追跡せよ/ミルキィ・ホラー・ショー》はめでたく終了です
スレをさかのぼると、この回だけで2ヶ月を費やしてる事が判明しました。マジかよ
まあ書き溜めナシだとこんなもんですかね。自分、遅筆ですゆえ

さて、全6話+αを予定しております当SS。つまり今回がちょうど折り返しとなります
クライマックスに向けて、次回はようやくあのキャラと愉快な仲間たちも登場です
シリアスパート、バトルパートでも盛り上げられるよう精進したいですね

そろそろ本気が出せたらいいのに! おやすミルキィ
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/07(火) 06:19:53.01 ID:T6+CVR2Yo

相変わらずネロの破壊力が高いな
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/06/08(水) 12:30:42.53 ID:nEfGpCUYo
カブトムシ••••••まさかついに「アイツ」のターンか!?
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/06/08(水) 12:31:17.22 ID:nEfGpCUYo
カブトムシ••••••まさかついに「アイツ」のターンか!?
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/06/08(水) 12:33:30.36 ID:nEfGpCUYo
カブトムシ••••••まさかついに「アイツ」のターンか!?
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 12:34:05.06 ID:Ht2nlmdIO
カブトムシ••••••まさかついに「アイツ」のターンか!?
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 12:34:44.48 ID:Ht2nlmdIO
カブトムシ••••••まさかついに「アイツ」のターンか!?
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 12:36:59.94 ID:Ht2nlmdIO
エラーの馬鹿野郎!連投とか恥ずかしすぎるだろおい
374 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/06/08(水) 12:50:37.86 ID:/vAmvSrco
フフフ……エラーが出ても更新すると大体書き込めてるのだよワトスンくん……!
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 13:49:33.65 ID:I//tBMRIO
続きは••••••続きはまだなのか••••••
376 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/06/11(土) 02:32:10.45 ID:9ykA6zWFo
コーデリア「教官!私、半人前に帽子は似合わないっていつも言ってますよね!」
小林「ひどい!!」

とか

小林「ムラムラするねぇ」
MH「「「「!!?」」」」

とか下らないネタばかり浮かんでは消えてるのでまだですー
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 16:20:11.75 ID:mtQC3JKIO
まだかなーまだかなー
俺の欲望がマキシマムドライブ
378 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/06/17(金) 05:49:25.64 ID:nqkshUumo
●<その欲望、解放しろ

と、ワンコイン怪人が何か言ってたので、ちょっと欲望を解き放って参りました。仕上げはこのスレで
新章冒頭の為かなり短いですけどご容赦を
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/17(金) 05:50:36.18 ID:nqkshUumo
――???

???「……」

???「まさかトゥエンティに続き、ストーンリバーまでもが……」

???「仮面ライダー……期待以上にやってくれますね……」

???「……」

???「しかし腑に落ちないのは、何故あの地下トンネルが発見されたのか、という事……」

???「流石は名探偵――と片付けるには、不可解な点が多い……」

???「……」

???「……どうやら、私のしつらえた舞台にネズミが紛れ込んでいるようですね」

???「ならば、次は攻めに転じるとしましょうか……」

???「ふふふ……今度のカードは過激ですよ、小林オペラ」

???「さぁ、地獄がどんどん楽しくなってきましたね……」

〜OP♪雨上がりのミライ(多くは言いません。買え)〜
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/17(金) 05:51:53.10 ID:nqkshUumo
Count the Memories! ミルキィホームズの現在所持するメモリは?

A:
B:バード
C:
D:
E:
F:
G:ジーン
H:
I:
J:
K:キー
L:
M:メタル
N:ナスカ
O:オーシャン
P:
Q:
R:
S:
T:
U:
V:
W:
X:
Y:イェスタディ
Z:
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/17(金) 05:53:23.01 ID:nqkshUumo
《Rに火をつけて/アクセル捜査せん☆》

 足音が迫っていた。
 数は二つ。前方から一直線に向かってWへ向かって来る。

W(小林)「くっ……!」

 必死に身を捩るWだったが、完全に凍結してしまった両足は地面に根付いて離れそうにない。
 取りこぼしたメタルシャフトも、今の立ち位置からは手の届かない場所に転がっている。

W(エリー)『こ、小林さん……!』

 右半身に宿るエリーの声にも緊張が色濃く出ている。
 ヒートメモリが発揮出来る熱量では、Wを戒める氷は溶かせなかった。

???「ヒヒヒ……どうした仮面ライダー?」

???「早く逃げねぇと、オレ様が粉々にしちまうぜェ?」

 足音の主達――並び歩く二体のドーパントが口々に言う。
 一体は全身に冷気を帯びた怪人・アイスエイジドーパント。
 もう一体は、まさしく筋肉の塊と言える超人・ヴァイオレンスドーパント。
 二体は下卑た笑いを浮かべ、わざと勿体振るようにWへにじり寄る。

W(小林)「まずい……このままじゃ、やられる……!」

 氷漬けのW。迫るドーパント。
 絶体絶命の状況に追い込まれながらも、Wは今日の出来事を回想していた。
 この場この時、どうしてこうなってしまったのか、それを改めて理解する為に――
382 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/06/17(金) 05:57:53.52 ID:nqkshUumo
続く! 短い!
いきなりシリアス調ではじまりましたけど次回投下分からはまたいつもの掛け合い調に戻りますのでご心配なく

ところで、恥ずかしげもなく宣伝しちゃいます
以前このスレで話題にしたミルキィのみの新スレ。アレ、立てました。二つ
たぶんスレ一覧を見るとこのスレと仲良く並んでると思います。今現在は並んでます
どれも手を抜かず頑張って行きますので、3スレ共々に応援の方を宜しくお願いします! という厚かましいお願いでした

では、3スレ同時更新で精も根も尽き果てたのでおやすミルキィ
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 06:58:59.38 ID:WtM+mx2no
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/06/20(月) 11:11:49.32 ID:R9UFOtqTo
このスレで興味を持ってPSPのミルキィ買っちゃったんだぜ
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/02(土) 18:31:53.39 ID:9t6pmqCq0
楽しみなんだがマダー?
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/03(日) 21:34:01.24 ID:OR2zMmIJ0
早く書いてくれびーむ!
じょろろろろー
387 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/07/03(日) 23:52:18.37 ID:wQ3Rf33Io
びびびびび
ごめんなさいね、新しく立ち上げたスレの方をちょっと優先的に構ってあげないとなんでね
このスレが一番お兄さんなんで少し割を食っちゃうけど、小慣れてきたら順番に投下して行きたいですねねねね
388 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/07/12(火) 16:16:40.97 ID:xrPLR/g6o
こんにちミルキィ
お待たせし過ぎて申し訳なうので、クソ暑い真昼間からレッツ投下
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:18:31.33 ID:xrPLR/g6o
………………

…………

……

――ミルキィ探偵事務所

シャロ「それでーくさくってですねー」

エリー「う、うん……」

ネロ「確かににおうよね。これって――」

ガチャ

小林「た、ただいま……」

ネロ「あ、おかえりーこばや――小林!?」ギョッ

シャロ「先生!?」
エリー「小林さん……!?」

小林「――」ズタッ

シャロ「どどっ、どうしたんですかぁ!? ボロボロじゃないですか!!」

ネロ「服もビリビリだし……まるで誰かに無理矢理破られたみたいじゃん」

エリー「ら、ランボー……///」

小林「ちょ、ちょっと色々あってね……説明の前に、着替えたいから少し外に出ててくれるかな?」
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:19:11.68 ID:xrPLR/g6o
ゴソゴソ...モゾモゾ...

    _,. .ィ.._
    ,':::::::::::::::〈
   }::::::::::::::::::}  /
   ヘ::::::::::::,从  もういいよ!
 _,,...}:::::::{゙'   \   
f´:::::::::::::::::::ヽ、  
:::::::::::::::::::::::::::::}

ガチャ

小林「お待たせ」

ネロ「ん。で……いったい何があったわけ? ちゃんと話してもらうからね」

小林「うん」

小林「あれは、僕が街で聞き込みをしている最中の事だった……」

………………

…………

……

――中華街

小林「心当たりはありません、か……分かりました、ありがとうございます」

テクテク...

小林「(今日はまだ目撃情報ゼロ……モノも小さいし、仕方ないと言えば仕方ないけど……)」

小林「(スカル――僕達以外にメモリを集める者の存在が判明した以上、あまり悠長にも構えていられない)」

小林「これからのメモリ捜しも、かなり難航しそうだな……」

???「なにが〜?」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:19:56.74 ID:xrPLR/g6o
小林「え?」

小林「!」

咲「ちょりーっす」

小林「咲くん……どうも」

咲「ども〜」

咲「で、なにが〜?」

小林「え? えっと、なにが〜って……何が?」

咲「いま言ってたっしょ? 難航なうーって」

小林「あ、あー、その事? ……なうーなんて言ったかな……」

小林「(マズいな……顔見知りとはいえ、咲くんは警察の人間……Wやメモリの事は伏せておこう)」

小林「さ、捜し物だよ。依頼でね。情報不足で捜査は難航中……という訳さ」

咲「ふ〜ん……」

小林「そんな事より。咲くんこそ仕事中かい? 一人?」

咲「そだけど……なに、ナンパ〜?」ニヤリ

小林「違うよ!?」

咲「照れなくてもいいって〜」ニヤニヤ

小林「だから違うって!」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:20:23.99 ID:xrPLR/g6o
咲「そんなムキになんないでよ〜。ジョーダンだって、ジョーダン」ヘラヘラ

小林「まったく……!」

咲「ホントは仕事なう」

小林「仕事? なにか事件でも?」

咲「まーねー」ポチポチ「これ」スッ

小林「どれどれ……」

小林「『中華街周辺で若い女性に「キミはそこが気になるのかい?」という声かけ事案発生』……」

小林「……」

咲「……」

小林「物騒だねぇ」

咲「だね〜」

咲「で、アンタは何やってたの?」

小林「中華街周辺で若い女性に「キミはそこが気になるのかい?」という聞き込み調査をしていたよ」

咲「ほい御用」ガション

小林「手錠!?」
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:21:19.01 ID:xrPLR/g6o
咲「14時30分犯人確保。お給料アップの予感なう〜」

小林「ちょちょっ……! 待ってくれ咲くん! どうして僕がこんな!?」

咲「……それはひょっとしてギャグで言ってるなう?」

小林「言ってなう! えらくマジだよ!」

咲「え〜……どっちかっつーとギャグで言ってくれてた方が良かったんだけど〜」

小林「なんでさ!? とにかくこの手錠を外してくれ! 誤解なんだ!」

咲「5回? 通報は6回あったよ? 嘘の証言は刑期延びるよ〜」

小林「実☆刑☆確☆定!? これは冤罪だよ!」

咲「冤罪〜? じゃあ訊くけど、なんで立ち止まってる人ばっかに声かけたの?」

小林「それは歩いている人を呼び止めるより話を聞き易いからだよ!」

咲「その相手が若い女性ばっかなのは?」

小林「男性より女声の方が噂話に敏感だからさ!」

小林「どちらも探偵として当然の理屈だ! 僕は潔白だよ!」

咲「……」

小林「……」

咲「……などと意味不明の供述をしており、動機は未だ不明――」ポチポチ

小林「調書を取るのをやめてくれ!!!」
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:21:48.10 ID:xrPLR/g6o
咲「うっさいな〜……じゃあ交換条件でどぉ?」

小林「交換条件?」

咲「あたしの出す条件を呑んでくれたら、今日の所は見逃したげる〜」

小林「………………な、内容は……?」

咲「今からここであたしにファッションチェックを受ける事〜」

小林「えぇ……何その条件……」

咲「イヤなら続きは署の方で――」

小林「謹んで受けさせて頂きます」キリッ

咲「おっけ〜。そんじゃ、咲ちゃんのファションチェーック。なう」

ジロジロ...ジロジロ...ジロジロ...

小林「う……なんて不躾な視線……」

咲「……」ジー...

小林「……」タジッ

咲「……なう」ボソッ

小林「?」

咲「……が、……なう」ボソボソ

小林「咲くん……?」

咲「セクシーさが足りなう」

小林「え――」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:22:33.40 ID:xrPLR/g6o


咲「 セ ク シ ー さ が 足 り な う !」


小林「!?」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:23:18.24 ID:xrPLR/g6o
……

…………

………………

小林「そして、ファッションお化けと化した咲くんに「セクシーさが足りなう! セクシーさが足りなう!」と服をビリビリに破かれた僕は、あわや全裸という所で命からがら逃げ出して来た――という訳だよ」

シャロ「……」

ネロ「……」

エリー「……」

小林「……えっと、何かな、この沈黙は……」

ネロ「何って……話が無茶苦茶すぎてリアクションに困ってるんだよ」

「「――」」コクコク

小林「無茶苦茶すぎてって言われても、事実だからなぁ……」

ネロ「事実だからなぁって言われても、無茶苦茶すぎるんだってば……」

シャロ「バリツは石橋より木梨ですね!」

エリー「じ、事実は小説より奇なり……///」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:23:48.07 ID:xrPLR/g6o
小林「ともかく。僕があんなはしたない格好をしていたのには、そういう事情があったんだよ」

シャロ「ほへー、大変でしたねぇ」

小林「まったくね。立場上の相性もあるけど、G4の子達にはいつも押されっぱなしだよ」

ネロ「小林って押しに弱いもんねー」

小林「キミがそれを言うのかい!?」

ネロ「えへへー♪」

エリー「……」

エリー「あっ……///」

小林「?」

エリー「ね、ネロ……」クイクイ

ネロ「エリー? なに、どしたの」

エリー「G4といえば、私たちも……この前……」

ネロ「え?」

ネロ「……」

ネロ「あっ!」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 16:24:48.37 ID:xrPLR/g6o
小林「キミ達もG4絡みで何かあったのかい?」

ネロ「まーね。大した事じゃないけど」

小林「いや、仮にそうでも、小さな事の積み重ねが一つの重要なファクターになる事だってある」

小林「とりあえず話してみてくれないか?」

ネロ「ほーい」
エリー「は、はい……」

ネロ「あれは――」

小林「あっ、ちょっと待った!」

ネロ「ぅえ!? ちょ、何さもー、とめないでよー」

小林「……」ゴホン

ネロ「小林?」

エリー「……?」

小林「――」スゥー...

小林「さぁ、聞かせてくれ! キミ達が見つけ出したものを!」

小林「ネロ! エルキュール!!」

「「……」」

小林「 ネ ロ !! エ ル キ ュ ー ル !!!」

ネロ「……はいはい」
エリー「……はい……」
399 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/07/12(火) 16:27:02.61 ID:xrPLR/g6o
続く!
本当はもう少しキリのいい所まで書くつもりでしたけど、思いの外長くなりそうなので一区切り
なので次の投下もここを予定してます。その前に咲ちゃんスレに少し書くかも。予定は未定! 予定は未定!

やっぱりネロちゃんが一番かわいいようへへ
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/12(火) 18:57:24.20 ID:kDlmwoIU0
久しぶりの投下乙
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 20:14:54.41 ID:OxssbRbZo

そうか、こっちはデリアさんがムショだったな
402 : ◆ss34b122A2 [saga も、もう少し待ってね……]:2011/07/29(金) 05:58:08.77 ID:wHHJMYXLo
小林「チャチャチャチャッチャッチャラッチャ〜♪」ピコピコ

コーデリア「あら? 教官、何をされているんですか?」

小林「コーデリア。PSPソフト『探偵オペラ ミルキィホームズ』だよ」

コーデリア「ああ、私達と教官との出会いをゲーム化したものですね」

小林「うん。画面に潜む重要なファクターを捜し、Quick Command Animationで怪盗帝国に挑むADVだね」

コーデリア「ミルキィホームズ結成直後……あの頃は色々と新鮮な体験ばかりで、とても楽しかったです」

小林「おいおい、キミ達はまだ探偵の卵だよ? これからもっとたくさんの体験が待っているさ」

コーデリア「そうですね。でも、今はまだ……き、教官に、傍にいて欲しい、ですっ……」ポッ

小林「もちろんさ。キミ達が立派な探偵になるまでは、僕も精一杯サポートするよ」

コーデリア「教官……」ジーン

小林「――」ニコッ

コーデリア「そ、そういえば! ゲームにはちょっとした恋愛要素も入っているんですよね? よね!?」

小林「そうだね。各話の会話パートの選択肢次第でルートが確定するよ」

コーデリア「きょっ、教官は! 今、誰ルートをやってるんですか!?」

小林「ネロルートだけど」

PSP<ボクハモウオトナダヨ!

コーデリア「ってなんでですかあああああああああああああああああああああ」

――ムショ

コーデリア「ああああああああああああああああ夢だったわ!!!!!!!!」

403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 07:10:32.54 ID:JChXHuLNo

ゲーム版はコーデリアルートがお花畑で素晴らしい
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 02:36:03.98 ID:0l/SRgFEo
もし小林先生がそのまま捕まってたらデリアさんに会ってたかもしれないのか
405 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/03(水) 17:19:39.08 ID:RN1dDri/o
もしかしたら今夜あたり投下できそう……か〜もがわ〜?
余談ですけどまどマギのSS書きたい

>>404
コーデリア「そんな! ふたりきりじゃなくて! みんなとも一緒じゃないと!」
コーデリア「もちろん教官の檻は別ですから!」
406 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:32:56.31 ID:Hg4ED/GQo
珍しく有言実行!遅いけど
寝落ちに怯えながら投下します
407 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:33:32.28 ID:Hg4ED/GQo
ネロ「あれは、僕がエリーと二人でメモリを捜してた時の事だった……」

………………

…………

……

――中華街

ゴソゴソ

ネロ「ここにもないな〜……エリー、そっちは?」

エリー「ダメ……こっちもぜんぜん……」

ネロ「そっか……」グー「ぅ、おなかすいたぁ……」ハァ

エリー「もうお昼だもんね……私も……///」エルキュールルル...

ネロ「帽子の中になんかあったっけ……」ゴソゴソ「ちくわしか持ってねぇ。エリー食べる?」

エリー「あ、ありがと……///」

ハムハムハムハム...

ネロ「メモリ、みつかんないね」ゴクン

エリー「うん……」シュコーシュコー

ネロ「あーもー、こんなに探してるんだから出てこいよな! 僕のメモリ僕のメモリー!」ジタバタ

エリー「あの、べつに、ネロのメモリじゃ……///」

???「あっれえ? ミルキィホームズ?」
408 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:33:58.46 ID:Hg4ED/GQo
「「え?」」

「「!」」

次子「ぃよっ」

エリー「銭形さん……こ、こんにちは」

次子「おう、こんにちは」

ネロ「G4がこんなとこで何してんの?」

次子「パトロールだよパトロール。っても今はG1だけどなー」

ネロ「明智のバカと遠山は?」

次子「小衣たちは……ちょいとヤボ用でね。今は別行動してんだ」

エリー「や、イボイボ……///」

ネロ「ふーん……?」

次子「まあまあ、それは置いといてさ! そっちこそ浮かない顔してたけど、なんか困り事?」

エリー「あっ……いえ、その……///」

ネロ「べ、別に大したことじゃないよ! えーとえとえと……」アセッ
409 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:34:45.33 ID:Hg4ED/GQo
キュゥゥゥ〜〜〜...

次子「?」

エリー「///」

ネロ「!」

ネロ「そう、エリーがおなか空かしちゃって! もう歩けないーって言うから、どうしようって考えてたんだよ!」

エリー「ぇぇぇ……///」

次子「なーんだそういう事かぁ。確かにもう昼時だもんなあ」

ネロ「(よしっ、うまく誤魔化せた!)」

エリー「(ぅぅぅ……///)」

次子「そんじゃ折角だし、なんか旨いもんでも食べに行くか?」

ネロ「おいしいもの!?」ジュルッ

エリー「ぁっ……でも、今は、持ち合わせが……」

次子「気にすんなって! ここはおねーさんが奢ったげよう!」ドンッ
410 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:35:19.61 ID:Hg4ED/GQo
エリー「えっ……!?」

ネロ「奢り〜……? なにそれ、どういう風の吹き回し?」ジトー

次子「おいおい、そんな勘繰りなさんなって。別に魂胆とかないからさ」

ネロ「ホント? 代価として何か要求したりしないの? エリーの身体とか」

エリー「ふえっ!?///」

次子「だから違うってーのに……まぁいいや。そんなに理由が欲しけりゃ、買収って事でどうよ?」

ネロ「はぁ?」

エリー「ば、」

「「言わせねぇよ!?」」

エリー「ま、まだナニも言ってませんっ///」

次子「コホンっ。えー、まあ、あれだ。ミルキィホームズにゃウチの小衣が迷惑かけてるじゃんか」

ネロ「うん」キッパリ

エリー「ね、ネロ……」オロオロ

次子「はは、気ぃ遣わなくていーって。事実だしな」

次子「でも、アイツって天邪鬼だからさ。本当はアンタらと仲良くしたいと思ってんだよ」

「「(そうかな……)」」
411 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:35:57.85 ID:Hg4ED/GQo
次子「だから! ここらでメシでも奢ってご機嫌取って、これからも小衣と仲良くしてやってくださいってお願いしたい訳よ」

ネロ「ふーん……」

エリー「銭形さん……」

次子「なっ、いいだろ? ついでにお互いの近況なんか話しながらさ、楽しくご飯食べようよ」

ネロ「…………、ま、そっちがどーーーしてもって言うんなら……ね、エリー?」

エリー「うん……私は、いいと思う……」

次子「じゃ、どーーーしてもって事で! 頼むよ、な?」

ネロ「……オッケー。奢られてやるからありがたく思ってよね」

エリー「ご、ごちそうになります……」

次子「うっし、決まりだな!」ニッ

……

…………

………………

ネロ「ってゆーことが」

エリー「ありました……」

小林「……」

エリー「小林さん……?」

ネロ「どうしたー小林ー? ちゃんと聴いてんのかー?」フリフリ
412 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:36:29.59 ID:Hg4ED/GQo
小林「……」

小林「(次子くん……)」プルプル

小林「(なんて、なんて人間が出来ているんだ……!)」グッ

「「?」」

小林「(空腹の二人を食事へ誘うさりげなさ……)」

小林「(それでも遠慮される事を見越して「買収」なんて言葉を選ぶ心遣い……)」

小林「(理不尽に多く見舞われる僕の傍に一番いて欲しいタイプだ……)」

小林「(その包容力……深い優しさ……)」

小林「(僕……次子くんのようになりたい……)」

小林「(いや、むしろ――)」

ネロ「おーい、こーばーやーしー?」

エリー「お、おーい……///」

小林「――」

小林「次子くんは僕の嫁。異論は認めない」キリッ

ネロ「はあっ!!?」
エリー「ぇぇぇ……っ///」
413 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:37:02.66 ID:Hg4ED/GQo
小林「はっ!?」

ネロ「……」ジトー

エリー「……」ジトー

小林「し、しまった、つい本音が――じゃなくて! き、キミ達……その、なんだ……」

ネロ「……そっかー。小林は銭形みたいなのをお嫁さんにしたいのかー。ふぅーーーーーーん……」

小林「ち、違! や、まるで違うわけでもないんだけど――いやいやいや! とにかくこれは、こ、言葉のあやで!」

ネロ「ねーエリー。やっぱ男ってボヨヨンが好きなのかなー?」

エリー「え、ええっ……!? わ、私に訊かないで……///」

ネロ「だってエリー意外とおっきいじゃん。ほーれほーれ」ポヨヨンポヨヨン

エリー「ひゃあああっ///」ビクンビクン

ネロ「推理とかいいからマジで。ちょっとだけだから、なう? なう?」ポヨヨヨヨヨヨヨ

エリー「そ、それはキャラがちがっ、あっ、ぁああっ……///」ガクガクガク

小林「あああ……二人の世界に入ってて言葉が届きそうにない……!」

小林「(いや、むしろ追求されないだけラッキーか……このまま話を進めよう……)」

小林「ええと、数日前に次子くんがネロとエルキュールに接触したのは確か……と」

ネロ「あ!? 銭形のボヨヨンに接触したいって!? なに言ってんだこのHENTAI!!」

小林「言ってないよ!? 断片的な情報で噛み付くのはやめてくれないか!!」
414 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:37:44.79 ID:Hg4ED/GQo
小林「……さ、さて。気を取り直して、次に行くとしようか」

小林「ゴホン」

小林「コーデリア!」

シャロ「……」

小林「よ――あ、あれっ!?」ズルッ

ネロ「どうしたの?」

小林「い、いや……コーデリアは?」

シャロ「……」

ネロ「はあ? なに言ってんのさ。コーデリアなら――あれ?」

小林「ね?」

エリー「あ、あの……あの……」オロオロ

シャロ「……」

小林「コーデリア! コーデリア!?」

ネロ「ちょっとーどこだよーコーデリアー。出てきなってー」

シャロ「……」

エリー「ぁ、あうううう……///」

エリー「……」

エリー「む、ムショですー……///」

小林「よぉしッ!」
415 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:38:17.56 ID:Hg4ED/GQo
小林「シャーロック!」

シャロ「……」ムスッ

小林「あ、あれ……? シャー、ロック……?」

シャロ「……なんですか?」

小林「え? あ、いや………………さ、さぁ、聞かせてくれ! キミが見つけ出したものを!!」

小林「シャーロック!!!」

シャロ「別に……」

小林「えっ」

シャロ「特にないです」

小林「えぇー……」

シャロ「……」ブスッ

小林「ど、どうしたんだいシャーロック……? いつものキミらしくない……らしくなさすぎるよ。一体何が……」

シャロ「……」

シャロ「……だけ……ゃんに……って……よ……」ボソッ

小林「え?」

シャロ「――!」クワッ


シャロ「 あ た し だ け こ こ ろ ち ゃ ん に 会 っ て な い ん で す よ !!!!!」


416 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:38:46.03 ID:Hg4ED/GQo
小林「――」キーン

ネロ「――」キーン

エリー「――」キーン

シャロ「なんですか? なんでですか!? なんでなんですかぁ!! どうしてあたしだけG4の誰とも会ってないんですかぁ!? ねえ! なんで!? 先生!!」

小林「えっ!? っと……僕に言われても……」タジッ

シャロ「あたしだってこころちゃんと会いたいです! こころちゃんとお洋服ビリビリーって破きあいっこしたいですー!」

エリー「そ、それは……どうかと……///」

シャロ「こころちゃんと一緒にご飯食べたいですー! 夜景の見えるレストランで焼き芋片手に「こころちゃんの瞳を……買収☆」ってやりたいですー!」

ネロ「なに言ってんだコイツ」

シャロ「思い返すと仮面ライダーになってから一度も会えてない気がします! ヒーローの力があたしとこころちゃんを引き裂いたんです! チキショー! やめてやる! ヒーローなんてやめ……て……え!? 見……てる? PDAの待受に設定してた写真(隠し撮り)のこころちゃんがあたしを見てる? 写真(隠し撮り)のこころちゃんがあたしを見てるぞ! こころちゃんがあたしを見て」

ネロ「言わせねーよ!!!」

シャロ「あぅ……ぅぅ〜……会いたいよぉ、こころちゃあん……」メソメソ

エリー「シャロ……」

ネロ「……ちょっと、可哀想かもね」

小林「……」
417 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:39:23.75 ID:Hg4ED/GQo
小林「シャーロック」

シャロ「ぅう……なんですかぁ?」グスッ

小林「小衣くんとはメモリ集めを始めて以来会っていない……間違いないかい?」

シャロ「はい、間違いありません……それまでは3日に10回は会ってましたから」

ネロ「多ッ」

小林「……」

エリー「……小林さん……?」

小林「……シャーロック」

シャロ「はい?」

小林「それは重要なファクターだ」

「「「えっ?」」」

ネロ「ちょっと、どういうこと?」

小林「よく考えてごらん。僕達が体験した出来事には、ある共通点が含まれているんだ」

シャロ「きょうつうてん?」

エリー「た、体験……///」
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga 今更本編投下中の酉外し損ねに気付いた……死にたい……]:2011/08/04(木) 02:40:34.19 ID:Hg4ED/GQo
小林「僕は咲くんに狼藉を働かれた」

小林「ネロとエルキュールは次子くんに食事をご馳走になった」

小林「そしてシャーロックは、何週間もの間小衣くんと会えていない」

小林「分からないかい? これらの出来事に潜むキーワードが……」

「「「……」」」

「「「あっ!」」」

小林「そう! キーワードは「G4」!」

小林「小衣くん、咲くん、次子くんの行動にはそれぞれ不可解な点が多い!」

小林「小衣くんがシャーロックと会わないのはおかしいし、次子くんがネロとエルキュールに食事を奢るのも珍しい、そして咲くんが僕の衣服を引き千切った動機は未だになんかよくわからない!」

小林「つまり、これらの背景には何か明確な目的がある筈!」

小林「その目的とは――!」

「「「も、目的とは――!」」」ゴクリ

小林「なんだろう?」

「「「どて〜!!!!!」」」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:41:07.68 ID:Hg4ED/GQo
小林「ぜんぜん分からないや……」

シャロ「小林先生〜!」
ネロ「小林〜!」
エリー「小林さんっ……!」

小林「だ、だって! G4である事以上の共通点が見つからないんだ……! せめてもっと重要なファクターがあれば……」 

ネロ「言い訳してんじゃないよこのダメダメ小林!」

小林「うっ!」

エリー「ら、らめらめぇ……っ///」

小林「ううっ!」

シャロ「本当にダメダメな人にダメダメーって言っちゃいけないんですよ、ねー☆」

小林「うぐぅ……!」

小林「――」

小林「テレビでも見ようか」

「「「(逃げた……)」」」
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:41:35.53 ID:Hg4ED/GQo
小林「さ〜て……世界情勢は……っと……」

ピッ

ニュースキャスター「番組の途中ですが、ここで臨時ニュースです」

「「「「?」」」」

ニュースキャスター「たった今、ヨコハマ市内のテーマパーク・ていとえんで正体不明の……怪人!?」

「「「「!」」」」

ニュースキャスター「し、失礼しました。怪人です。謎の怪人が現れ、園内で暴れている模様です」

ニュースキャスター「警察では、来場者から近隣住民までを対象に避難を促すと共に、怪人の確保に当たる見通しです」

ニュースキャスター「また、現場には特別措置として対怪盗組織であるGea――」

ピッ

小林「――」

ネロ「小林、これって……」

エリー「まさかまさか……」

小林「ああ……ドーパントだ」

シャロ「大変! すぐにいかなくっちゃ!」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:42:24.82 ID:Hg4ED/GQo
小林「……」

シャロ「先生?」

エリー「……?」

ネロ「どうしたのさ、行かないの?」

小林「いや、もちろん行くさ。けど……」

シャロ「でも?」

小林「……、行くのは僕一人だ。キミ達はここにいてくれ」

「「「えっ!?」」」

小林「……」

ネロ「ちょっと、どういうことだよそれ!?」

シャロ「あたしたちも行きます!」

エリー「街の人を……助けなくちゃ……!」

小林「避難誘導は警察がやってくれている。僕だけが現場に行ってもWにはなれるし、なんの問題もない筈だ」

ネロ「問題あるよ! 小林ひとりじゃ危ないじゃんか!」

小林「危ないのはキミ達の方だろうっ!!」

「「「――!」」」
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:44:02.35 ID:Hg4ED/GQo
小林「戦闘が始まれば、キミ達の内一人は必ず無防備になる。万が一にでもそこを狙われたら……」

小林「キミ達を危険な目に遭わせたくないんだ……頼む、今回だけでも僕の言う事を聞いてくれ……」

ネロ「小林……」

シャロ「……」

エリー「……」

小林「――」

ネロ「……わかった。行きなよ」

小林「!」

シャロ「ネロ!?」

ネロ「小林の頑固さは知ってるでしょ? 今は事件解決が最優先……とりあえず今は言う通りにしとこ」

シャロ「でもぉ……」

エリー「シャロ……私も、ネロに賛成……」

シャロ「エリーさん……」

シャロ「……わかりました。行ってください、先生」

小林「ありがとう、シャーロック。ネロとエルキュールも」

ネロ「ん。がんばってね!」

シャロ「先生、負けないでください!」

エリー「必ず、帰って、きて……!」

小林「ああ!」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:44:40.95 ID:Hg4ED/GQo
……

…………

………………

 そうして事務所を飛び出した小林は単身ドーパントへ挑み、現在の窮状に至った。
 ていとえんに出現した怪人――ドーパントは二体。それが誤算だった。
 Wとしては初となる一対二の構図に、予想以上に苦戦を強いられたのだ。
 ヴァイオレンスの強靭な肉体に打撃を阻まれ、アイスエイジの強力な凍結能力にはヒートさえ敵わなかった。
 そして全身を凍らされたWは、処刑を待つ罪人のようにただ立ち尽くすのみだった。

ヴァイオレンス「さァて……これでお終いだな!」

W(小林)「くっ……!」

 鉄球状の右手を振りかざすヴァイオレンス。
 万事休す――しかし、その時。

アイスエイジ「……ン?」

 奇妙な音が聞こえた。

W(小林)「これは……」

 それは、重く、鈍く、甲高い音。
 まるで、とても重い金属のようなものが引き摺られているような音。
 ゆっくり、ゆっくりと近付いてくる。

ヴァイオレンス「何だァ?」

 音が大きくなるに連れ、別の音も混ざり始める。
 音――ではない。
 声だ。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:46:26.11 ID:Hg4ED/GQo
???「――んぎ――ぬ――ぅ――!」

 それは、若く、幼く、甲高い声。
 まるで、とても重い金属のようなものを引き摺っているような声。
 ゆっくり、ゆっくりと近付いてくる。

W(小林)「――」

 そして、その音と声の主は、陽炎の彼方からやって来た。

W(小林)「!」

 最初にそれを見たのはWだった。
 間近に迫る二体のドーパント。
 その向こうから、人影が姿を見せる。

W(小林)「あれは……!?」

 人目を引く金の髪。
 驚くほど小さな背丈。
 特徴的なブルーの制服。
 両手で引き摺る鋼鉄の剣。
 ゴリゴリと地面を削る切っ先。

???「ふんぎぎぎぎぎぎぎぎぎぐぬぬぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……!!!」

 とても重い鋼鉄の剣を引き摺るその少女は――

W(小林)「小衣くん!?」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:47:17.00 ID:Hg4ED/GQo
シャロ(『えっこころちゃん!?』)
ネロ(『明智ぃ!?』)
W(エリー)『えぇぇ……!?///』

 驚くWを他所に、少女――明智小衣は振り返った二体のドーパントと睨み合う。

ヴァイオレンス「誰だァお前?」

アイスエイジ「ガキがこんな所で何してやがる!」

小衣「うっさいボケ! アホの分際で小衣に質問すんな!」

 気丈に言い放つ小衣は、剣を持つ両手に力を込めて持ち上げ、

小衣「どっ……っせえええええええええええい!!!」

 ――ズンッッッ! 地面へ突き立てた。

小衣「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、……ッ!」

 息も絶え絶えの小衣が次に取り出したのは、左右からハンドルが突き出た、奇妙な形状のドライバーだ。
 小衣がそれを腰に宛てがうと、両端からベルトが射出され、しっかりと固定される。

小衣「……」スッ

 そして、小衣が最後に手にしたのは――

カチッ\アクセル!/

W「『!』」

 真紅のメモリ。刻まれた銘はACCEL。
 それを真っ直ぐに構え、小さな少女は異形の怪人を前に、勇ましい声を上げる。
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/04(木) 02:47:46.19 ID:Hg4ED/GQo



小衣「変んん……ちィンッ!!!」


427 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/08/04(木) 02:50:12.02 ID:Hg4ED/GQo
続く。存外に長くなりました。こんぐらい書いたら向こう一ヶ月ぐらい書かなくても平気な錯覚に陥っちゃいますね!
では次回、

杏子「あたしが結婚してやんよ!」
ほむら「美樹さやかがトゥルーENDへの鍵……?」
まどか「杏子ちゃんはわたしの嫁になるのだ〜♪」

の3本でお会いしましょう。                                                                                        ※嘘です
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 05:38:02.62 ID:9Nw6WYeAo

咲ちゃんも次子さんも小衣ちゃんも出たしG4もようやく全員登場か
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 08:34:22.61 ID:/mm1F0GKo

ひらッピー知ってるよ
この世界の私は「概念」と化しているんだっていうこと
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/19(金) 21:23:04.43 ID:7At6Y+ZDO
次子さんマジ天使
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/20(土) 12:07:52.29 ID:XaaKC+kMo
ミルキィ2期来たな
小林先生が出るのか気になるところだ
432 : ◆ss34b122A2 [saga]:2011/09/02(金) 02:13:35.25 ID:euhh76Udo
おお……本当に一ヶ月書いてないとかヒくわ……
とりあえずネロちゃん誕生日おめでとう次子さん誕生日おめでとう
ネロちゃん咲ちゃん次子さんの順で好きです。4位はゲーデリアさんです
ただの生存報告です。一応
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/03(土) 01:17:28.63 ID:/ecPlGyUo

期待して待ってる
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/10(月) 17:32:06.75 ID:eTEnGE8Do
待ってるYO
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県) [sage]:2011/11/24(木) 05:07:46.61 ID:OdaEkjqlo
おちちゃうぞ
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