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唯律澪紬梓「ぽけもん!!!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :ぽけもん :2011/03/20(日) 20:01:12.23 ID:oW0ABdSAO

前スレ

唯「私、平沢唯、12歳!」…カントー編(唯・律)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280701816/l20

澪「ぽ…ぽけもん?」…ホウエン編(澪)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1281682007/l20

紬「ぽけもんよ!」梓「ぽけもんですね」…シンオウ編(紬・梓)
http://ex14.vip2ch.com/test//read.cgi/news4gep/1284198398/l20

紬梓「ぽけもん!」純さわ子「私達もいるわよ!」和「息ぴったり…あ、私もいるわよ」…シンオウ編(紬・梓・純・和・さわ子)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288177724/l20

唯律「ぽけもん!!」…ジョウト編(唯・律)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294926869/l20

唯「ぽけ?」律「もん!」…ジョウト編(唯・律)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295141817/l20

唯律「ぽけもんだぜー!!」澪「ぽけもん…」紬「ぽけもんね〜」梓「ぽけもんです!」…イッシュ編(唯・律・澪・紬・梓)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1296814879/l20

今回はイッシュ編の続きです
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

2 :手持ちポケモン :2011/03/20(日) 20:12:09.68 ID:oW0ABdSAO

☆平沢唯☆
チー太(チラチーノ)…フレンドボールでゲット
ムー太(ムンナ)
ラー太(ヒトモシ)

*ジョウト編までの手持ちは現在不在

〜ジョウト編の手持ち
ブイ太(シャワーズ)
ピッ太(ピクシー)
メリ太(モココ)


☆田井中律☆
モール(モグリュー)…ヘビーボールでゲット
ボルト(ゼブライカ)

*ジョウト編までの手持ちは現在不在

〜ジョウト編の手持ち
ランス(ニドキング)
スカイ(ニョロトノ)
ヒート(ギャロップ)
ウィング(ワタッコ)
3 :手持ちポケモン :2011/03/20(日) 20:16:35.53 ID:oW0ABdSAO

☆秋山澪☆
コロぽん(コロモリ)…スピードボールでゲット

*ジョウト編までの手持ちは現在不在

〜ジョウト編の手持ち
カゲぴょん(リザードン)
ハブりん(ハブネーク)
ベロにゃん(ベロベルト)
サボみん(サボネア)
ドっくん(ドクケイル)
ルンたん(ポワルン)
くらくら(ドククラゲ)


☆琴吹紬☆
リン(レントラー)
レン(ドンファン)
ルカ(オクタン)
ユリ(ユンゲラー)
ネル(ネイティオ)


☆中野梓☆
ミミちゃん(ミミロップ)
さわちゃん(サワムラー)
デビちゃん(デルビル)
トンちゃん(プロトーガ)…『ふたのかせき』を復元
4 :ぽけもん :2011/03/20(日) 20:20:05.51 ID:oW0ABdSAO
今日の投下はありません
今度はEpisode.30です
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/20(日) 20:31:40.81 ID:7Pu17tZb0
スレたて乙です
そうか、むぎのユンゲラーだけなんでユリだと思ってたけどリリィか
6 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:16:48.83 ID:55mRIA3AO
>>5
ユリは、yuri、ユンゲラーの由来のあの人、百合…という三つの意味がありますね。他に似合うやつなかったんで

では投下します
7 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:18:06.65 ID:55mRIA3AO


Episode.30




《サザナミタウン》


シロナ「はあはあ…着いたわ」

ワタル「ここが…?」

シロナ「ええ、私の別荘よ」

ダイゴ「いい別荘ですね。僕もシンオウ地方になら別荘があるけれど」

シロナ「じゃあまずはポケモンの回復を…。
中へ入りましょう」
8 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:20:06.01 ID:55mRIA3AO

ガチャッ

「「なんだってんだよーっ!!!」」

シロナ「…!?」

ワタル「誰かいるのか!?」

「もう、うるさいですよ。クロツグさん」

クロツグ「ぐう…」

シロナ「! カトレアちゃん!」

カトレア「…! シロナさん! それにチャンピオンの方々…」

シロナ「あと…あなたはクロツグさん!?」

クロツグ「む…、シンオウリーグチャンピオン、シロナさんか」
9 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:22:04.95 ID:55mRIA3AO

ダイゴ「シロナさん、お知り合いですか?」

シロナ「ええ…。“フロンティアブレーン”のクロツグさんと、イッシュ四天王のカトレアちゃんよ」

クロツグ「クロツグだ」

カトレア「カトレアです」

ワタル「俺はジョウトリーグチャンピオンのワタルだ」

ダイゴ「ホウエン地方のチャンピオンのダイゴです」

ワタル「……」ジッ

カトレア「…」
10 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:24:10.27 ID:55mRIA3AO

ワタル「カトレア…、どこかで聞いたような…?」

ダイゴ「! そうだ…! スタジアムでの僕たちの試合のスポンサー!!」

カトレア「…」

ワタル「あのNというトレーナーに負けた後、俺たちはレンブという男に散々痛め付けられた!
そいつはあんたと同じ四天王!! あんた、なにか知ってるんじゃないか!?
あんたはあいつらの仲間なんじゃないのか!?」

カトレア「アタクシは…」

シロナ「待って!!」

ワタル「!!」

ダイゴ「シロナさん?」
11 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:26:12.03 ID:55mRIA3AO

シロナ「勘違いしてるわ。私の知るかぎりでは、この子はあの悪い奴らの仲間じゃない!」

ワタル「なんの確証があって…」

シロナ「この別荘…、『私の』と言ったけれど…正確にはこのカトレアちゃんから借りているものなの。
それだけのお金持ち…、スポンサーをしていただけで決め付けるのはおかしいわ」

ワタル「……」

カトレア「…どうやら、あなた方もその悪い奴らと戦う運命にあるようですね」

シロナワタルダイゴ「!!」

カトレア「悪い奴ら…その名を、プラズマ団」

ダイゴ「! 奴らが言っていた組織名!!」
12 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:28:02.52 ID:55mRIA3AO

ワタル「やはりあんたが!!」

クロツグ「まあそうでもないこともない」

ワタル「!」

クロツグ「誤解をされないように私から全て話そう。
…カトレアはプラズマ団だ」

カトレア「……」

ダイゴ「!!」

シロナ「そんな…!」

ワタル「やっぱりか! よくも俺たちを…!」

クロツグ「まあ最後まで聞け。
カトレアはプラズマ団ではあるが、プラズマ団ではないんだ」

ダイゴ「どういうことですか…?」
13 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:30:20.37 ID:55mRIA3AO

クロツグ「カトレアはプラズマ団にスパイとして忍び込んでいるのさ」

ワタルダイゴ「スパイ…!!」

クロツグ「そうだ。プラズマ団の動きを調べるためにな。
…プラズマ団はもう何年も前から計画をしている……」

シロナ「計画って、どんな?」

クロツグ「奴らはポケモンと人間を切り離そうとしているんだ」

ワタル「ポケモンと人間を切り離す…!?」

カトレア「すなわち、『ポケモン解放』です」

シロナ「ポケモン解放…」
14 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:32:05.64 ID:55mRIA3AO

カトレア「先程も言いました。あなた方はプラズマ団と戦う運命にあります。
アタクシたちはともに戦う仲間を探しています…、あなた方のような実力のあるトレーナーを」

ワタル「……」

ダイゴ「……」

シロナ「……」

カトレア「あなた方が決めてください。プラズマ団をどうするのか…。
彼らの計画を阻止するのか、それとも野放しにするのか…」

ワタル「……ふっ」
15 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:34:44.99 ID:55mRIA3AO

ダイゴ「クスッ。愚問だね」

シロナ「ポケモン解放のことはよくは分からないけれど、これから知っていくわ。その上で…」

ワタル「ポケモンを悪用する奴らを放ってはおけない!」

ダイゴ「悪をくじき、正義の味方をする…。
これもチャンピオンの醍醐味だよね。…ダイゴだけに」クスッ

カトレア「じゃあ…」

シロナ「ええ! 戦いましょう! 一緒に!!」

カトレア「はい!」

ワタル「そうと決まったら早速奴らのアジトに…」

ダイゴ「まずは人員の確保が先だと思うけどね」
16 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:37:12.38 ID:55mRIA3AO

クロツグ「増員か…、ふむ……」

シロナ「! それなら私にあてがあるわ!」

ピポパ

カトレア「電話を?」

シロナ「ええ…」

『はい、もしもし』

シロナ「もしもし? シロナよ」

『シ、シロナさん!?』


カトレア「では、アタクシたちも色々当たってみましょうか」

クロツグ「そうだなあ。でも“フロンティアブレーン”は無理だったしなあ…」

17 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:38:12.67 ID:55mRIA3AO

シロナ「…久しぶりね、ゴヨウくん」

ゴヨウ『なぜ私に電話を…?』

シロナ「色々あってね。詳しい話をするには時間がないわ。
単刀直入に用件を言うわね。
心当たりのある実力のあるトレーナーを教えてほしいの」

ゴヨウ『実力のあるトレーナーを…?』

シロナ「ええ、いますぐにね」

ゴヨウ『ふむ、そうですね…。…今、シロナさんはどちらに?』

シロナ「イッシュ地方の“サザナミタウン”よ」

ゴヨウ『…! そうですか、ならちょうどいいです』

シロナ「?」

ゴヨウ『今そちらに実力のあるトレーナーが向かっています。
あなたも知っているトレーナーがね』




18 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:40:52.03 ID:55mRIA3AO
………
……


梓「着きました!
“サザナミタウン”です!」

紬「きれいな砂浜ね〜♪」

梓「輝くような海が人気の、評判高い避暑地だそうですね」

紬「そうだ、梓ちゃん。なんで研究所に戻らずここに来たの?」

梓「ああ、それはですね…」

「梓ちゃん! 紬ちゃん!」

紬梓「!?」
19 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:42:09.26 ID:55mRIA3AO

紬「え…?」

梓「シ、シロナさん!?」

シロナ「あなたたちだったのね! ここに来るトレーナーって!」

紬「ええっと…?」

梓「話が見えませんけど…」

シロナ「とりあえず中へ入って! 話はするから!」

梓「は、はい!」

20 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:44:20.18 ID:55mRIA3AO

ガチャッ

シロナ「さあ、上がって」

梓「お邪魔しま…」

梓「…!」

紬「どうしたの? 梓ちゃん…。
あっ! カトレアさん!?」

カトレア「あなたたちは…」

梓「なぜあなたがここに!?」

シロナ「あれ? カトレアちゃんと知り合いだった?」

紬「はい…」

梓「プラズマ団の…!」
21 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:48:03.74 ID:55mRIA3AO

「なんだかなー、また話をしないと駄目かな」

紬「!」

梓「クロツグさん!」

クロツグ「ちゃんと聞いててくれよ」

………
……


梓「なるほど、スパイ…。そういえば唯先輩も言っていましたね」

紬「…それより、実力のあるトレーナーを探してるって……」
22 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:50:33.06 ID:55mRIA3AO

梓「みなさんはプラズマ団を倒すために集まったんですね」

ワタル「まあ成り行きだがな…」

ダイゴ「あ、僕はダイゴだ」

ワタル「…俺はワタルだ」

梓「私は中野梓です」

紬「琴吹紬です〜♪」

ワタル「それで、この子たちがシロナさんの知っている実力のあるトレーナーですか?」

シロナ「そうよ。前に言ったバトルセンスのある子供たちよ」

梓「あ、いえ…そんな」

紬「ふふ♪」
23 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:52:04.20 ID:55mRIA3AO

クロツグ「ふむ、そうだな。私もこの子たちの実力は知っている。
プラズマ団相手にも十分やっていけるだろう」

カトレア「……そうですね。
梓さん、紬さん。アタクシたちと一緒にプラズマ団と戦ってくれますか?」

紬梓「もちろんです!」

ダイゴ「これでだいぶ戦力も固まったね」

ワタル「チャンピオンにフロンティアブレーン、四天王…、そしてそれらが認めるトレーナー…」

クロツグ「ふ、これで敵なしだな!」

カトレア「頑張りましょう。みなさんで力を合わせて」

ワタル「ああ!」 ダイゴ「はい!」

クロツグ「うむ!」 シロナ「ええ!」

紬梓「はい!!」
24 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:54:08.79 ID:55mRIA3AO

シロナ「あ、そうだ…。梓ちゃん、紬ちゃん」

紬梓「はい?」

シロナ「気になってたんだけど、あなたたちなんで“サザナミタウン”に?」

紬「あっ…、私もさっき聞こうとしてた!
なんでなの? 梓ちゃん」

梓「はい、それはですね。
遺跡を調査するためです!」

紬「遺跡?」

シロナ「! “かいていいせき”ね」

梓「そうです!」
25 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:56:08.54 ID:55mRIA3AO

紬「なあにそれ?」

梓「サザナミ湾の海底に沈む巨大構造物です! 謎の文字が刻まれた石碑なんてものもあるんですよ!」

紬「へえ〜」

シロナ「なるほどね…。梓ちゃんはそこに行きたいのね?」

梓「はい!」

シロナ「じゃあ私もお供するわ」

梓「本当ですか!?」

シロナ「私も学究の徒として一度は行ってみたいと思っていたからね」
26 :ぽけもん :2011/03/22(火) 20:58:07.37 ID:55mRIA3AO

梓「そうなんですか!
あ…、ムギ先輩は…」

紬「当然私も行くわ、梓博士♪」

梓「…!
じゃあ三人で行きましょう!」

シロナ「そうね。
…ワタルくん、ダイゴくん。ちょっと出掛けてくるわね」

ワタル「え? あ、はい」

ダイゴ「クスッ。ごゆっくりとどうぞ」

シロナ「ありがとう!
それでは行きましょうか」

梓「はい!」
27 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:00:19.36 ID:55mRIA3AO

ガチャッ!

シロナ「サザナミ湾はあっちに…」

おとこのこ「うわ〜ん!!」

シロナ「!」

梓「おとこのこが泣いてます!」

タタッ

紬「大丈夫? ぼく」

おとこのこ「うう…」

シロナ「どうしたの? なにがあったのか話してくれると嬉しいな」

おとこのこ「僕のポケモンが盗られたんだ…」

紬梓シロナ「…!!」
28 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:02:25.85 ID:55mRIA3AO

梓「ポケモンが盗られた…!?」

紬「…そんなことするのって……」

ザッザッ

「……ちょっとそこをどいてくれるか」

梓「え? あ、すみません…」サッ

「……」ザッ…

シロナ(…!)

紬「ぼく、その盗んだ人ってどんな…」

シロナ「ま、待って!」

紬梓「?」
29 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:04:09.68 ID:55mRIA3AO

シロナ「あなた!! 私たちを襲ったプラズマ団ね!?」

「……」ピタッ

梓「プラズマ団…!?」

「…お前は、チャンピオンの…」

シロナ「シロナよ。あなたにギタギタにされた、ね」

「……。ここでは暴れるつもりはなかったが、そうもいかないらしいな」

レンブ「そうとも。俺はプラズマ団七賢人、四天王のレンブだ!」

紬梓「…!!」

シロナ「…あなたは逃げて。ここは危険よ。
あなたのポケモンは絶対に取り戻してあげるから!」

おとこのこ「う、うん!」タタッ



30 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:06:03.77 ID:55mRIA3AO
………
……


ガチャッ

ワタル「なんだかやけに外が騒がしいな…」

ワタル「…!!」

ダイゴ「どうしたんだい?
…! あの男は! 僕たちを襲った…レンブ!!」

ワタル「シロナさんたちと対峙している!!」

ダイゴ「加勢しに行こう!」

ワタル「ああ!」
31 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:08:11.81 ID:55mRIA3AO

クロツグ「…カトレアはここにいろ。プラズマ団に今会うのはまずい」

カトレア「…はい」

クロツグ「よし、私も行くぞ!」

ドドドッ!!!!

ワタル「…!」

ダイゴ「なんだ!?」

「行かせないぜッ」

「七賢人様の邪魔をさせるわけにはいかないね」

「あなたたちは私たちがお相手しましょう」

クロツグ「! お前たちは、“ヤグルマのもり”で会ったプラズマ団!!」
32 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:10:11.72 ID:55mRIA3AO

ポッド「ポッドッ!」

デント「デント!」

コーン「コーン!」

ポッドデントコーン「我ら、“ダークトリニティ”!!!」

ダイゴ「ダークトリニティ…!」

ワタル「戦うには頭数は揃ってはいるが…」

クロツグ「ふむ…シロナたちは大丈夫だろう。相手が四天王と言えど、3対1なんだから」

ダイゴ「じゃあ僕たちはこの三人を相手にすれば…」

コーン「ふふ、3対3で戦うつもりですか?
それもいいのですが…」
33 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:12:14.12 ID:55mRIA3AO

ポッド「今回はッ!」ダッ!

ガシッ!

ワタル「…!」

デント「バラバラに戦わせてもらうよ!!」

ガシッ!

ダイゴ「ぐ…!」

クロツグ「ワタル! ダイゴ!」

ガシッ!!

コーン「三人集まると一人が戦いから抜けて助けに行ってしまう恐れがありますからね…。
あなたの相手はこのコーンですよ」

クロツグ「ぬう…」



34 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:14:17.18 ID:55mRIA3AO


シロナ「…二人とも下がって」

紬梓「はい…」

レンブ「……」カチャ

シロナ「トゲキッス!」ボム!

トゲキッス「キーッス!」

レンブ「ナゲキ!」ボム!

ナゲキ「フシュー!」

紬「相手はかくとうタイプ! シロナさんが有利ね!」

梓「はい。でもトゲキッスはノーマルタイプも持ち合わせているので…」
35 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:16:14.49 ID:55mRIA3AO

シロナ「トゲキッス、“ゴッドバード”!!」

トゲキッス「キーッス!!」ギュオッ!

レンブ「受け止めろ、ナゲキ!!」

ナゲキ「フシュー!!」バッ

ドオオオン!!!!!

トゲキッス「キーッス!?」

ナゲキ「フシュー!!」

シロナ「そんな…止められた!?」

レンブ「我が力、見せてやろう」

ナゲキ「フシュー!」
36 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:18:16.78 ID:55mRIA3AO

レンブ「ハアアアア…!!」

梓「あ、あの構えは!!」

レンブ「『剛の奥義』!!!」

ナゲキ「フシュー!!」シュッ!

トゲキッス「!?」

ドガアアアアン!!!!!!!!!!




Episode.30 fin




37 :まとめ :2011/03/22(火) 21:19:35.66 ID:55mRIA3AO

Episode.30
>>7-26 >>27-36
38 :ぽけもん :2011/03/22(火) 21:20:06.72 ID:55mRIA3AO
終わりです
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/22(火) 21:27:10.11 ID:5qr+Sf/DO
乙です
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/23(水) 00:35:12.15 ID:flM8944s0
乙ー!
ダイビングできる子、シロナも紬も梓も持ってな・・・・・・はっ!ぽわぐちょ登場フラグ!
41 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:14:53.77 ID:Xy35WZWAO


Episode.31




《13ばんどうろ》


タッ!

デント「ここまでくればいいだろう」

パッ

ダイゴ「…あなたがプラズマ団か。
無理矢理連れて来るところ、やはり悪い人のようだね」

デント「悪い、ね。僕たちはただ同志のために君たちを引きはがしただけだよ」

ダイゴ「……。そうだね…でも、それが成功に導くとは限らないけど」ボム!

メタグロス「グロー!!」

デント「ヤナップ!」ボム!

ヤナップ「ナップ!」
42 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:17:05.12 ID:Xy35WZWAO

デント「“タネマシンガン”!!」

ヤナップ「ヤナッ!」プッ!

ドドドド!!!

ダイゴ「“リフレクター”だ!」

メタグロス「グロー!!」

キイイン!!!

デント「!」

ダイゴ「“コメットパンチ”!!」

メタグロス「」ブンッ

ドオオオン!!!!!!!
43 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:19:31.11 ID:Xy35WZWAO

ヤナップ「ヤナ〜…」ガクッ

デント「ヤナップ…!」

ダイゴ「ほらね。僕も、ワタルたちもそれなりだから簡単にはやられないよ」

デント「くっ…」

ダイゴ「大誤算だったかい? ダイゴだけにね…。
あっ、ダイゴは僕か。大誤算は僕じゃないけど」クスッ

デント「チッ…」



44 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:21:15.08 ID:Xy35WZWAO

《サザナミタウン》


シュウウ……

トゲキッス「…」

トゲキッス「」ドサッ

シロナ「! トゲキッス…!」

レンブ「……」

ナゲキ「フシュー!」

紬「『剛の奥義』…って……」

梓「……」
45 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:23:24.69 ID:Xy35WZWAO

シロナ「トゲキッス、戻って。ガブリアス、次はあなた…」

梓「待ってください、シロナさん!」

シロナ「!」

梓「私が戦います!」ザンッ!

レンブ「…子供が相手か。だが、加減はせんぞ」

梓「いいですよ、むしろ全力で来て下さい」

シロナ「梓ちゃん! その人の奥義は、私もワタルくんもダイゴくんも負かされた恐ろしい奥義なの!!
そんな相手に挑む気!? 無謀だわ!!」
46 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:27:03.27 ID:Xy35WZWAO

梓「…そうだとしても、私はこの気持ちを抑えられません……。
同胞に会い、戦いたいと思った……」

シロナ「同胞…?」

梓「はい! なぜなら私も『剛の奥義』の使い手なんですから!!」

シロナ「…!!」

梓「さわちゃん!」ボム!

さわちゃん(サワムラー)「ダーイライ!」

レンブ「ふっ…面白い」



47 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:29:23.33 ID:Xy35WZWAO

《14ばんどうろ》


ポッド「バオップ!」

バオップ「バオッ!!」ダッ!

ワタル「ふんっ」シュッ

バオップ「!」キキッ…

ポッド「なにしてんだ? さっさとポケモンを出しなあッ!」

ワタル「…その前に聞いておきたい。お前たちのここにきた目的をな」

ポッド「はンッ! んなもん、誰が教えるかッ。
どうせお前は俺に負けるんだッ! 教えても意味ないだろうがッッ!!」
48 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:31:13.32 ID:Xy35WZWAO

ワタル「…そうか」ボム!

カイリュー「リュー!!」

ポッド「…!」

ワタル「カイリュー、“はかいこうせん”」

カイリュー「リュー!!」カッ!!!

ドオオオン!!!!!!!!

ポッド「」ガクッ

ワタル「…戻れ、カイリュー」シュウウッ

ワタル「結局聞き出せなかったか…。
……ん?」

コロッ……



49 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:33:15.57 ID:Xy35WZWAO

《サザナミタウン》


シロナ「『剛の奥義』…!
そうか、梓ちゃんの師匠はシバさん!」

紬「はい。梓ちゃんは『剛の奥義』を受け継いだんです」

レンブ「…」ピクッ

レンブ(シバ…?)

梓「ちょっと、考え事ですか?
ずいぶんと余裕があるんですね」

レンブ「……ふっ。
ナゲキ! “しめつける”!」

ナゲキ「フシュー!!」ギュウウッ!

梓「自分に…!?」
50 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:35:10.73 ID:Xy35WZWAO

紬「帯をしめて…」

ナゲキ「フシュー!」ゴゴゴ…

シロナ「!? ナゲキの様子がおかしいわ!」

レンブ「ナゲキというポケモンは『帯をしめるとパワーアップする』のだ。
そして…」

ナゲキ「」シュッ!

ドオオオン!!!!!

さわちゃん「テイ!?」ドサアッ!

梓「な、なに!?」
51 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:37:16.83 ID:Xy35WZWAO

レンブ「“しめつける”で受けたダメージを倍にして、攻撃に換えたのさ。…“がまん”でな」

梓「…!」

シロナ「やはり強い…」

紬「でも…、梓ちゃんも強いわ!」

梓「さわちゃん、“とびひざげり”!!」

さわちゃん「ダーイライ!!」ダッ!

レンブ「!」

ギュオッ!

さわちゃん「テイ!!」シュッ!

レンブ「……なんともないただの“とびひざげり”だ。ナゲキ、“あてみなげ”で…」

梓「ただの“とびひざげり”? そう思ってるなら違いますよ」
52 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:39:28.23 ID:Xy35WZWAO

レンブ「…!」

さわちゃん「テイテイテイテイ…!!」ボオオオッ!!!!!

レンブ「摩擦熱…!!」

梓「『剛の奥義』…業火を脚に取り巻き、相手を燃やし尽くせ! “ブレイズキック”!!」

さわちゃん「テイ!!!」ゴオオオッ!!!!!!

ナゲキ「!!」

バアアアン!!!!!!!!!!

シュウウ……

さわちゃん「……」

ナゲキ「…ッ」ジュウッ

レンブ「…見事な“ブレイズキック”だ。私のナゲキにやけどを負わせるとはな」

梓「…どうも」
53 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:41:17.97 ID:Xy35WZWAO

レンブ「流石はシバの弟子だな」

紬シロナ「…!!」

梓「シ、シバ先生を知っているんですか!?」

レンブ「ああ、シバは、かつて共に修業した仲間だ」

梓「…!
シバ先生が言っていました…、『昔、共に修業していた仲間がいた。一人はトウキという男、今はホウエンでジムリーダーをしている。もう一人は幼いながらもトバリシティのジムリーダー、スモモ。そしてあと一人は…』
あなただったんですね…! レンブさん!!」

レンブ「…そうだ」

梓「なんで…あなたのような人がプラズマ団に…」
54 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:43:07.63 ID:Xy35WZWAO

レンブ「……。…どうした? どうやら、ナゲキにやけどを負わせて、お前は勝ち誇っているようだが…」

梓「?」

レンブ「まだバトルは終わってないぞ!
…ナゲキ!」

ナゲキ「フシュー!!」ゴゴゴゴゴゴ……

梓「そんなっ…、やけどで弱くなるどころか、パワーがまた上がってる!?」

レンブ「『剛の奥義』…己の痛手も力の糧にせよ! ナゲキの特性“こんじょう”だ!!」

紬「やけどになったことで、“こんじょう”で逆にパワーが上がってしまったのね…!」

シロナ「まずいわ…!!」
55 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:45:32.17 ID:Xy35WZWAO

ナゲキ「フシュー…!!」ゴゴゴゴゴゴ……

レンブ「“きしかいせい”だ!!!」

ナゲキ「フシュー!!」ギンッ!

ドガアアアアン!!!!!!!!!!

さわちゃん「…ダーイ、ラ、イ……!!」

ドオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!

さわちゃん「」バタッ!

梓「! さわちゃん…!!」

レンブ「……」
56 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:48:39.76 ID:Xy35WZWAO

紬「なんて威力…!」

シロナ「“きしかいせい”は弱っているほど威力が上がる技…。
“こんじょう”だけじゃなく、ここまで攻撃に繋げてるなんて…」

レンブ「『剛の奥義』と一口に言っても、戦法やスタイルは様々…。
私のスタイルは隙のない戦い! 技、特性…すべての行動は、すべて攻撃に繋げる!!」

梓「隙のない…戦い……!!」

レンブ「…ここまでだな。
無意味なバトルだ。ここに用はない」クルッ

レンブ「だが…いい腕をしているな。いずれはシバをも越すやもしれん。
…いい勝負だった」

ザッザッ…

梓「…」

シロナ「…なにか知らないけど、とりあえず無事で良かったのかな?」

紬「そうですね…」
57 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:50:26.20 ID:Xy35WZWAO

梓「……」

梓(なんでレンブさんはプラズマ団に…)

紬「梓ちゃん?」

梓「え?」

紬「大丈夫…?」

梓「あ、はい!
強い相手でしたが、次は負けません!」

紬「うん! 梓ちゃんなら勝てるわ♪」

シロナ「あ…、さっきのおとこのこのポケモンは……」

「それならこれじゃないですか?」カチャ

シロナ「! ワタルくん!?」
58 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:52:18.26 ID:Xy35WZWAO

ワタル「こっちも大変だったんですよ。プラズマ団を相手して…。まあ“はかいこうせん”で余裕でしたがね。
これは俺が戦ったプラズマ団が持っていたモンスターボールだ」

シロナ「よかった…。
でも、なんでワタルくんがプラズマ団と?」

ワタル「俺たちもプラズマ団に出くわしましてね。なるほどね…、奴らはここにポケモン解放をしにきていたのか」

梓「俺たち?」

シロナ「まさか、ダイゴくん…!」

紬「クロツグさんも!?」

「僕たちなら大丈夫だよ」

「なんだかなー。信用してくれよ」

シロナ「! ダイゴくん、クロツグさん!」
59 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:54:10.60 ID:Xy35WZWAO

ダイゴ「バラバラになった時はどうなるかと思ったけど、案外楽勝だったね」

クロツグ「やはり、私たちに敵などいない!
みな無事で戻ってこれたのだ!」

ワタル「…俺たちは別荘に帰るが、シロナさんたちは遺跡へ行くんだろ?」

シロナ「ええ、またね。
ポケモンはちゃんとおとこのこに返すわ」

………
……


《サザナミ湾》


シロナ「遺跡はこの下だけど…」

紬梓「?」

シロナ「…気になることがあるわ」
60 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:56:11.35 ID:Xy35WZWAO

紬「なんですか?」

シロナ「私たちがあのレンブって人に襲われたのは“ライモンシティ”でのことだった。その人がわざわざ“サザナミタウン”にまで来て、ポケモン解放をしていた…。
これがどういうことか分かる?」

梓「ええっと…」

紬「?」

シロナ「……プラズマ団が本格的に動き始めたということよ!」

紬梓「…!!」

梓「プラズマ団が…!」

紬「本格的に動き始めた!?」
61 :ぽけもん :2011/03/24(木) 16:58:22.05 ID:Xy35WZWAO

シロナ「ええ。他の四天王が一緒にいなかったのも、恐らく地域ごとに団員たちが割り振られているんだと思うわ」

紬「地域ごとって…?」

シロナ「イッシュ地方は“ライモンシティ”から東と西に別れる。こちらは東側ね」

紬「唯ちゃんとりっちゃんの方が西側…」

シロナ「……考えてみたの、プラズマ団の行動から」

梓「なにをですか?」

シロナ「プラズマ団の最終的な目的地よ」
62 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:00:06.66 ID:Xy35WZWAO

梓「そんなことがわかるんですか?」

シロナ「うん分かるわ…。
実はあるのよ。“ライモンシティ”から二つに別れた道が、また一つになる場所が!」

梓「!!」

紬「そ、それはどこですか…?」

シロナ「“チャンピオンロード”…いえ、もっと言えば……、
“ポケモンリーグ”!!」

紬梓「“ポケモンリーグ”…!!」
63 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:02:20.34 ID:Xy35WZWAO

梓「そういえば、唯先輩たちも言っていました!
目指すは“ポケモンリーグ”だ、と!」

紬「プラズマ団の狙いは…“ポケモンリーグ”!!」

シロナ「…それを攻め落とすこと?
なんのためにかしら…」

梓「でも待ってください!
“ポケモンリーグ”には四天王とチャンピオンがいますけど、四天王はみなプラズマ団に属しています!! カトレアさんはスパイですけど…」

シロナ「今、“ポケモンリーグ”を守る人はチャンピオンしかいない…!」

紬梓「……!」
64 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:04:37.86 ID:Xy35WZWAO

シロナ「…イッシュのチャンピオンは知っているし、相当の実力者よ。
でも、プラズマ団全員が攻め込んできたら…一人では対処しきれない!」

梓「つまり…、“ポケモンリーグ”を守る人が必要ということですね」

紬「カトレアさんたちの所へ戻る前に結論に至っちゃったわね…」

シロナ「私たちも“ポケモンリーグ”へ行って、プラズマ団から“ポケモンリーグ”を守りましょう!!」

紬梓「はい!!」
65 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:06:05.90 ID:Xy35WZWAO

梓「じゃあ、そのことをカトレアさんたちにも伝えましょう!
私から言い出してアレですけど、遺跡に行ってる場合ではありません!」

シロナ「ううん。遺跡には行くわ」

紬「え…」

梓「な、なんでですか?」

シロナ「本格的に活動を始めたとしても、プラズマ団は何故ここへ四天王にまで向かわせたのかしら? ポケモン解放、ただそれだけのため?」

梓「それは…」

シロナ「なにか秘密があるんじゃないかしら? この“サザナミタウン”に」

紬梓「!」
66 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:08:06.76 ID:Xy35WZWAO

シロナ「ここで一番怪しそうな場所が“かいていいせき”。滅多に人が訪れない所よ。なにかを隠すのなら絶好の場所じゃない?
もしプラズマ団に関しての秘密が隠されているとしたら、行ってみる価値はあると思うわ」

梓「なるほど、そうですね…」

紬「行きましょう、梓ちゃん!
最初から行くつもりだったんだから!」

梓「…はい!」

シロナ「決定ね。じゃあ、みずポケモンを用意して」
67 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:10:05.00 ID:Xy35WZWAO

紬「ルカ!」ボム!

ルカ(オクタン)「オークタン!」

梓「トンちゃん!」ボム!

トンちゃん(プロトーガ)「プロー!」

シロナ「トリトドン!」ボム!

トリトドン「ポワ〜!」グチョグチョグチョグチョ

シロナ「行くわよ、“かいていいせき”!!」




68 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:12:11.14 ID:Xy35WZWAO
………
……


《かいていいせき》


プカ…

梓「ここが“かいていいせき”…」

紬「海に沈んでいる遺跡なんて、すごく神秘的ね」

シロナ「! 見て、二人とも!
なにかあるわ!」

紬「これは…」

梓「…例の石碑ですかね?」
69 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:14:14.69 ID:Xy35WZWAO

シロナ「なにか書いてあるわ。古代の文字……」

梓「読めますか?」

シロナ「…ええ。所々にしか読めないけど…。
『王…、真実、人形…、理想、作った。』
ううん…。よく分からないわ」

梓「なんのことでしょうか?」

紬「うーん…」




70 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:15:02.64 ID:Xy35WZWAO
…………
………
……


《イッシュ地方のどこか》


ザッザッ…

「やあ、準備はできたのかい?
…シルバー」

シルバー「…Nか。
もう準備はできた、あとは出発だけだ」

N「…それで、聞きたいことがあるんだけど」

シルバー「なんだ?」
71 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:17:33.51 ID:Xy35WZWAO

N「なぜ彼女にこだわるのかな?」

シルバー「……。お前も同じだろ。
“真実”は“理想”に“理想”は“真実”に引き寄せられるのさ」

N「そうだね…。彼女たちは僕たちと同じ…、“真実”と“理想”のペアだね。
…でも、一つ違うところがある」

N「彼女たちは二人なんだ」

シルバー「……」

N「…じゃあ、頑張ってね。僕たちは英雄になる。
チャンピオンを倒し、世界に僕たちの強さを示し…、世界を変える」

シルバー「…ああ」




72 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:19:22.91 ID:Xy35WZWAO
…………
………
……


《ネジやま》


「ふう…意外と疲れるのう」

「大丈夫ですか? アデクさん」

アデク「歳はとりたくないものだな、ハチクよ。“セッカシティ”からここまで来るのにも一苦労よ」

ハチク「ですが、そう弱音も吐いていられません。ここ“ネジやま”にプラズマ団の目撃情報があったのですから」

アデク「…しかし見当違いだったか。ここまでプラズマ団どころか、それといったトレーナーさえ見ていないからな」
73 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:21:22.50 ID:Xy35WZWAO

ハチク「…ふむ。私にはこの山のどこかにプラズマ団がいると感じられるのですが…」

アデク「ああ、お前の心眼は頼りにしておる! もう少し探してみようか!」

ハチク「はい。
…そういえば、アデクさん」

アデク「む?」

ハチク「アデクさんはプラズマ団以外にも探しているものがあるようで…」

アデク「! …はっはっは! そんなことまで分かるか!」

ハチク「…」

アデク「まあ今はプラズマ団に集中だ! さあ行くぞ!」

ハチク「…はい」

タッ!




Episode.31 fin




74 :まとめ :2011/03/24(木) 17:22:42.39 ID:Xy35WZWAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73
75 :ぽけもん :2011/03/24(木) 17:24:52.79 ID:Xy35WZWAO
終わりです
ぽわぐt…トリトドンは実際要らなかったけど書き足しときました。確かシンオウ編でシロナさんの手持ちで出てたはず…
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/03/24(木) 18:02:49.15 ID:HnxJqo0DO
乙ですー
77 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:05:07.14 ID:ZZYJ+pIAO


Episode.32




《7ばんどうろ》


唯「ラー太! “はじけるほのお”っ!!」

ラー太「ラー!」ボウッ!

ハトーボー「ハァト!?」

ボワアアッ!!!!!!

ハトーボー「」ドサッ

トレーナー「ハトーボー!!」
78 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:07:13.70 ID:ZZYJ+pIAO

唯「いいよ、ラー太! よくやったよ〜!!」ナデナデ

ラー太「ラー♪」

律「あの蝋の体のどこを撫でてるんだ…。
…と、まあそれはいいとして。
唯、もうすぐ着くぞ」

唯「ふぇ? どこに?」

律「おいおい…言っただろ?
“7ばんどうろ”と“セッカシティ”を結ぶ場所、“ネジやま”だ!」




79 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:09:13.43 ID:ZZYJ+pIAO
………
……


《ネジやま》


唯「ふぇ〜! ここが“ネジやま”かあ!」

律「ここは入口だけどなー。
……ん?」

「とおっ!!!」ダッ!

唯律「…!?」

ドンッ!!!

「ふう…」キョロキョロ

「…ここにもいないか」
80 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:11:02.32 ID:ZZYJ+pIAO

唯「あんな高いところから飛び降りてきたよ〜!?」

律「つーか、あれは…」

唯律「アデクさん!!」

アデク「ぬ…、唯と律か!」

「大丈夫ですか? アデクさん」タタッ

律「!」

アデク「ハチクか。ここにはいないみたいだぞ」

唯「ハチク?」

ハチク「む、君たちは?」
81 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:13:10.86 ID:ZZYJ+pIAO

唯「えっと…平沢唯です!」

律「田井中律です」

ハチク「! そうか、君たちがアロエやアーティが言っていた子たちだな」

唯「アロエさんとアーティさんを知ってるんですか?」

アデク「うむ。ハチクは“セッカシティ”のジムリーダーだ」

唯律「ジムリーダー!」

ハチク「ああ」
82 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:15:10.69 ID:ZZYJ+pIAO

律「…って、ジムリーダーがこんなところで何をして?」

唯「あ、『ここにはいないみたいだぞ』…って」

ハチク「そう、探しているのだ」

アデク「…プラズマ団をな!」

唯律「…!」

律「プラズマ団!」

唯「っていうか、アデクさんはプラズマ団を知ってたんですか!?」

アデク「ああ。お前たちの活躍もな」

律「……。アデクさん、イッシュの四天王は…」

アデク「知っているさ。カトレアはどうとして、ギーマもシキミも…レンブも全員、七賢人になってしまったことはな」

ハチク「……」
83 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:17:14.51 ID:ZZYJ+pIAO

唯「知ってたんですか…」

律「……」

律(十年前から思ってたけど、なんでアデクさんはプラズマ団について詳しいんだろ…?)

アデク「…プラズマ団を探しているというのはな。実はこの“ネジやま”にプラズマ団が現れたと報告があったのさ」

唯「プラズマ団が…」

ハチク「だから、私とアデクさんは“ネジやま”を見回っているのだ」

律「…よし」

ハチク「?」
84 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:19:09.23 ID:ZZYJ+pIAO

律「プラズマ団がいるってんなら、私たちも探します!
なあ、唯!」

唯「うん、りっちゃん! またポケモン解放をしてるのかもしれない!」

アデク「ふ、頼もしいな。では共に進もう。
ここまではいなかったからな。また“セッカシティ”までの道を探してみるか」



………
……


《ネジやま中腹》


アデク「だいぶ進んできたな…」

唯「誰もいなかったね〜」

律「それにしても、プラズマ団はこんな山に来てどうするつもりなんだ?
野生のポケモンを解放なんてしないだろうし…」
85 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:21:27.29 ID:ZZYJ+pIAO

ハチク「…」ピタッ

唯「?」

アデク「どうした、ハチク。まさか…」

ハチク「…誰かが近くにいます」

唯律「!」

アデク「誰か、とは?」

ハチク「明確な悪意を持つ人間……、恐らくプラズマ団でしょう」

律「プラズマ団が近くにいる…!」

アデク「用心しておけ、二人とも」

唯律「はい!」
86 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:23:03.01 ID:ZZYJ+pIAO

ハチク「…?」

ハチク(なんだ? 相手は三人…。だが、悪意を出しているのは一人だけ……、あと二人からは…)

ヒュッ!

ハチク「…!
攻撃がくる!!」

アデク「シュバルゴ!」ボム!

シュバルゴ「シュバー!」

アデク「受け切れ!!」

シュバルゴ「」ギンッ!

唯律「!!」

キキキキイイン!!!!!!

シュバルゴ「…」キッ

律「傷一つついていない!?」

アデク「シュバルゴの特性“シェルアーマー”! すべての攻撃は急所を外したぞ!」
87 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:25:18.19 ID:ZZYJ+pIAO

アデク「さあ姿を現せ、プラズマ団!
さもないと…」

シュバルゴ「…!?」クラッ

アデク「! なに…!」

シュバルゴ「」ガクッ

アデク「シュバルゴが戦闘不能に…! なぜだ!?」

キイイン……

唯「! 今の音…」

律「なにか聴こえたか?」

唯「うん! かすかに聴こえたよ! あれは“いやなおと”!!」

ハチク「“いやなおと”…?」
88 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:27:01.79 ID:ZZYJ+pIAO

アデク「“いやなおと”が出ているのなら、ワシたちは平衡感覚がおかしくなっているはずだが…」

唯「いつかのオタマロと一緒だよ!
この“いやなおと”は人には聴こえない音波で流れているんじゃ…?!」

律「そうか…、ポケモンにしか聴こえないのか!
だから私たちが気づかない間にシュバルゴが弱って、倒れてしまった!」

ハチク「なるほど…」

アデク「むう、戻れシュバルゴ!」シュウウッ

アデク「手強い相手だ!
だが、ワシは負けんぞ!! アギルダー!!」ボム!

アギルダー「ギー!!」
89 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:29:09.65 ID:ZZYJ+pIAO

アデク「“いやなおと”が流れているのならば、それを聴かなければいい話だ!
アギルダー、“むしのさざめき”!!」

アギルダー「…」ヴウウン!!!!

律「なんだ…?」

ハチク「“むしのさざめき”をすることで“いやなおと”を掻き消しているのか」

唯「そっか! 音には音!!」

アデク「…。だがこれで終わるわけではなかろうな」

シュッ!

律「! 死角からの攻撃!!」
90 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:31:21.00 ID:ZZYJ+pIAO

アギルダー「…」シュンッ!

スカッ…

唯「! かわした!? 速いっ!」

アデク「アギルダーは華麗な身のこなしで戦う。まるで忍者のようにな!」

アギルダー「…」シュンッ! シュンッ!

アデク「攻撃は当たらんぞ!
諦めるのだ!!」

チカッ!

アデク「む!? なんだ、この光りは…」

ピカアアッ!!!!!

アギルダー「…!!」
91 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:33:04.31 ID:ZZYJ+pIAO

シュッ!

律「アギルダーの影が何本にも増えたぞ!?」

ハチク「あの技は…“かげうち”!!」

ドガガガッ!!!!!

アギルダー「ギー!!?」

アデク「なにいっ!」

チカッ!

「トゥトゥトゥトゥル!!」バッ

律「危ない! モール!!」ボム!

モール「グリュー!!」
92 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:35:09.20 ID:ZZYJ+pIAO

「トゥトゥトゥトゥル!!」バシャアッ!

モール「グリュー!?」ドサアッ

律「モール!!」

アデク「こいつは…なぞのポケモン、スターミー!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!」

唯「スターミー!?」

律「まさか…」

スタスタ

「フシャー!!」

ハチク「…! ペルシアン、“いやなおと”をしていたのはこやつか!」
93 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:38:02.91 ID:ZZYJ+pIAO

ヌソッ…

「ジペッ!」

律「ジュペッタ! “かげうち”はコイツがしていたのか!」

唯「スターミー、ペルシアン、ジュペッタってことは…」

ザッ…

「フンフフフ…、どうだ? チャンピオンまでも圧倒する力は…」

唯「サキさん!」 律「サキ…!!」

サキ「ねえ? アデク様」

アデク「……サキ…!!」
94 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:40:05.11 ID:ZZYJ+pIAO

ハチク「…!」

律「アデクさん…?」

アデク「……」

唯「知ってるんですか…? サキさんを……」

アデク「…ああ、ちょっとな」

サキ「フンフフフ…」

律「…どれにしろ、戦う他ないみたいだな」

サキ「フンフフフ、我らと戦う気か?」

唯「我ら…?」

サキ「出てこい。澪、ミツル」

澪「……」

ミツル「ひゃはは☆」
95 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:42:11.66 ID:ZZYJ+pIAO

唯律「…!!」

律「澪!!」

澪「……」

ミツル「ひゃはは、こうして“ダークトリニティ《改》”の三人を拝むのは初めてなんじゃねえか?」

唯「……」

律「……」

サキ「それでは…始めるぞ」

澪「デスらん!」ボム!

デスらん(デスマス)「デスー!」

律「!」
96 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:44:27.79 ID:ZZYJ+pIAO

澪「“シャドーボール”!」

デスらん「デスー!!」ビュオッ!

律「くっ…、モール!」

モール「グリュ…」ムクッ

律「“きりさく”だ!」

モール「グリュー!!」シャキンッ

澪「物理攻撃は通用しない!」

デスらん「デスー!」

澪「“あやしいかぜ”!」

デスらん「デスー!!」ビュオオオッ!!!!!!

モール「グリュー!?」

律「モール!!」
97 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:46:04.31 ID:ZZYJ+pIAO

アデク「まずい!! ウルガモス!」ボム!

ウルガモス「モスー!」

バシャアッ!

ウルガモス「…!」

アデク「! “ねっぷう”だ!!」

ウルガモス「モスー!!」ボワアアッ!!!!

パシャア……

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」

サキ「あなたの相手は私ですよ、アデク様」

アデク「ぬ…」
98 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:48:09.64 ID:ZZYJ+pIAO

ダッ!

ミツル「ヒャッハアアア!!!
ノクタス!!」ボム!

ノクタス「ノークタス!」

唯「! ラー太!」ボム!

ラー太「ラー!」

ハチク「…クマシュン!」ボム!

クマシュン「クマー!」

唯「!」

ハチク「あの少年は私たちで相手をしよう」

唯「はい!」


99 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:50:05.90 ID:ZZYJ+pIAO



サキ「スターミー、“ハイドロポンプ”!」

スターミー「」ブシュウウッ!!!!

アデク「ウルガモス! “ぎんいろのかぜ”!!」

ウルガモス「モスー!!」ビュアアッ!!!!

スターミー「…!?」クラッ

スターミー「」バタッ

サキ「フンフフフ、さすがですね」シュウウッ
100 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:52:07.15 ID:ZZYJ+pIAO

サキ「しかしまさかあなたと対立することがあろうとはね。十年前にはとてもそうは思わなかったでしょう」

アデク「……」

ハチク「……」

ハチク(どういうことだ? あのプラズマ団の女とアデクさんが知り合いだと…? しかもなにか深刻な…)

ミツル「よそ見してんじゃねえよ!!
ノクタス!」

ノクタス「ノークタス!!」

ハチク「…!」

唯「危ない!!」
101 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:53:55.07 ID:ZZYJ+pIAO

ハチク「く…、バニリッチ!」ボム!

ハチク「“ふぶき”だ!」

バニリッチ「リニー!!」ビュオオオ!!!!!!

ノクタス「ノークタス!?」

ミツル「チッ…」


102 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:56:12.10 ID:ZZYJ+pIAO



澪「コロぽん、“かぜおこし”!
デスらん、“あやしいかぜ”!」

ビュアアッ!!!!!!

律「く…!」

律「ボルト!!」ボム!

ボルト「ゼブウウ!」

澪「!」

律「“ほうでん”!!」

ボルト「ゼブウウ!!!」ビリリッ!

ピシャアアアアン!!!!!!

コロぽん「コロー!?」

デスらん「デスー!?」
103 :ぽけもん :2011/03/25(金) 20:58:03.13 ID:ZZYJ+pIAO

澪「…ッ!」ビリッ…

律「へへっ、どうだ? 結構効くだろ」

律「これで記憶が戻ったらいいけど…まあそんな簡単にはいかないよな」

澪「……?」

律「私のこと思い出すまで、戦ってやるよ!!」

澪「……何を言っている」

律「…?」

澪「私は記憶を失ってなどいない」

律「え……」
104 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:00:04.02 ID:ZZYJ+pIAO

澪「お前のことも覚えている。田井中律、そうだろ?」

律「…!!」

律(澪が…私のことを覚えていた…!?
私や唯を忘れているってのは私の勘違いだったのか!)

澪「まあどうでもいいことだ! 覚えていてもいなくてもな!!
コロぽん!」

コロぽん「コロ!」ギロッ

ビュアアッ!!!!!

ボルト「…ッ!」ジリッ…

律「ボルト!!」
105 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:02:03.39 ID:ZZYJ+pIAO

律(…いや、待てよ。ならなんで、澪はプラズマ団に……それに私と戦ってるんだ?
なにかがおかしい…!)

澪「すべてはゲーチス様のために!!」

コロぽん「コロー!!」シュッ!

ザキイッ!!!!!

ボルト「…!?」

律「!!」

律(そうか…! ゲーチスはフジさんを操っていたって言ってた!
澪は…ゲーチスに操られている!!)

澪「“シャドーボール”!!」

デスらん「デスー!!」ビュオッ!

律「!」

ドオオオン!!!!!!
106 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:04:19.64 ID:ZZYJ+pIAO

ボルト「ゼブウウ!!?」ドサアッ!

律「ボルト!!」

ボルト「」バタッ

律「…! 戻ってくれ…」シュウウッ

澪「……」

律(…ゲーチスは人は容易に操れるってことも言ってた。でも、そんなに簡単に人を操れるものなのか?
澪はなんで、ゲーチスに操られているんだ…?)

サキ「フンフフフ…」

律「…!」
107 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:06:02.89 ID:ZZYJ+pIAO

サキ「分かるぞ、セッカのジムリーダーよ。お前の考えていることが」

ハチク「なに…?」

サキ「フンフフフ…。ずばり、私とアデク様の関係についてだろう」

ハチク「……!」

サキ「フンフフフ、当たりのようだな」

サキ「いいだろう。隠すことでもない…。
お前たちの前ですべてを話そうか」

唯「!」

律(アデクさんとサキの関係…?)
108 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:08:06.88 ID:ZZYJ+pIAO

サキ「いいですよね、アデク様?」

アデク「……。お前の言う通り、隠すことではない…のかもしれないな」

サキ「フフ、では…。
まず、お前たちは疑問に思わなかったか? 私のアデク様の呼び方について…」

唯「様って…」

サキ「フンフフフ。そう、敬意を払っている。
なぜか? それはだな…まあ簡単に言えば、上下関係にあったからだ」

ハチク「上下関係?」

律「って…」

サキ「まあ私はアデク様の部下で、アデク様は私の上司だったということだ」
109 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:10:01.56 ID:ZZYJ+pIAO

ハチク「部下…、上司…?」

サキ「フンフフフ、つまり……。
アデク様はプラズマ団だったのだ。それも、七賢人の一人だった」

唯律ハチク「!!!」

唯「ア、アデクさんがプラズマ団で七賢人…!?」

律「嘘だろ…?」

ハチク「…!!」

アデク「……」

サキ「フンフフフ、まあ十年前に裏切ったのだがな」
110 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:12:04.22 ID:ZZYJ+pIAO

律「! 十年前…!?」

律(“ホワイトフォレスト”のあの事件…! アデクさんがプラズマ団の思惑を知っていたのは七賢人だったからだったのか!!)

唯「そっか…プラズマ団を裏切った四人って、フジさん、通りすがりのトレーナーさん、アオギリっていう人、そして…アデクさんだったんだ!!」

サキ「裏切った後、まさかこうしてチャンピオンになるとは思いもしませんでしたがね」

アデク「……」

サキ「フンフフフ…、そうだ」チラッ

ダンゴロ「ゴロ〜♪」テクテク

サキ「ペルシアン!」

ペルシアン「ニャー!!」タッ
111 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:14:03.60 ID:ZZYJ+pIAO

シュタッ!

ダンゴロ「?」

ペルシアン「フシャー!!」

ダンゴロ「ゴロー!?」

アデク「! なにをする気だ!?」

サキ「なにをする気か? もちろん、襲っているのですが」

アデク「やめろ! そのダンゴロがなにをした!!」

サキ「フンフフフ、なにを熱くなっているのですか?
プラズマ団成立直後は資金集めのために、野生ポケモンを売買したり…そのためにたくさんの野生ポケモンを襲ったじゃないですか。そして散々に痛め付け、捕獲した。
もちろん、アデク様もそれに貢献していましたよね?」

アデク「ぬ…!」
112 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:16:07.37 ID:ZZYJ+pIAO

サキ「フンフフフ、あなたはプラズマ団に所属していた。
裏切ろうと、その事実は変わらないのです」

サキ「あなたも、我々と同類なのですよ」

アデク「……ッ」

ハチク「……けるなッ」

サキ「うん?」

ハチク「ふざけるなァッ!! アデクさんと貴様たちを一緒にするなッ!!!
それ以上アデクさんを愚弄するなァッッ!!!!」

アデク「…!」

サキ「フンフフフ…。
吠えても、なにも変わらんぞ?」
113 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:18:17.81 ID:ZZYJ+pIAO

ハチク「バニリッチィ!!」

バニリッチ「リニー!!」

サキ「ジュペッタ、“シャドーボール”!!」

ジュペッタ「ジペーッ!!」ビュオッ!

バニリッチ「…!」

ハチク「しまっ…」

唯「ラー太! “シャドーボール”!!」

ラー太「ラー!!」ドギュン!

パアアン!!!!

サキ「相殺したか…!」

ハチク「…!」

唯「アデクさんは悪い人じゃないよ!」

アデク「!」
114 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:20:19.70 ID:ZZYJ+pIAO

唯「プラズマ団を裏切ったのだって、自分が悪いと反省したからだよ!!」

サキ「フンフフフ…。
反省…か。ただ逃げ出したんじゃなくてか?」

アデク「……。ふっ、そうだ…ワシは……恐くなったのだ。自分のしていたことが……」

唯「アデクさん…」

アデク「そしてようやく分かったのだ。自分のしていたことが悪いことだと。そしてプラズマ団を放っておいてはいけないと!!」
115 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:22:04.33 ID:ZZYJ+pIAO

サキ「……。フンフフフ…、まあ野生ポケモンを捕獲していたのは昔の話だ」

ペルシアン「ニャー」スッ…

ダンゴロ「ゴロ…」

サキ「…今は違う目的がある。
我らが王、N様が今“リュウラセンのとう”に向かっている」

唯「Nくんが…」

サキ「そしてシルバー様は“こだいのしろ”へ…」

律「……」

サキ「お二人とも、伝説のドラゴンポケモンを求めて…。
まあお前たちがどうしようと自由だ」
116 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:24:47.93 ID:ZZYJ+pIAO

サキ「伝えることは伝えた…。ではさらばだ。
…行くぞ」

タッ!

ミツル「…」タッ!

澪「……」

律「……」

澪「…」タッ!

ハチク「……。
行ったか、しかし…“リュウラセンのとう”に向かっているとは…?」

唯律「……」

アデク「……」

ハチク「…とりあえずここを抜けましょう。アデクさ…」

アデク「…すまん、ワシは行くところがある」ザッ…

ハチク「アデクさん…」

アデク「…」タッ!

ハチク「……」クルッ

ハチク「それぞれなにか思うことがあるだろうが…今は“セッカシティ”に向かおう」

律「……」

唯「…はい」




Episode.32 fin




117 :まとめ :2011/03/25(金) 21:25:57.33 ID:ZZYJ+pIAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106
118 :ぽけもん :2011/03/25(金) 21:27:29.19 ID:ZZYJ+pIAO
終わりです
何気に澪の手持ちにデスマスが新しく加わっています
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
119 :P名無し [sage]:2011/03/25(金) 22:38:19.12 ID:aN7BlafDO
ずーーーと前の話になりますが、ジョウトの時もシンオウのズイタウンの時も「遺跡」の描写がありませんでしたね。
もしかして「あそこに出てくるポケモン」が気持ち悪くて描写できないのでしょうか?
それなら大丈夫です。俺もそうなのでむしろ助かりました
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/27(日) 17:26:34.48 ID:/d5xFlUSO
ジョウトのぽけもんからしばらく無沙汰ってたらこんなに進んでたとはww
SS速報来るべきだったorz
121 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:21:08.83 ID:4rLQun9AO


Episode.33




《セッカシティ》


ハチク「ここが“セッカシティ”だ」

唯律「……」

ハチク「そうだな…。私は一度ジムに戻る。君たちは“リュウラセンのとう”の様子を見てきてくれ。入りはしなくていい。
そのあとに私のところへ来てくれ」

唯「はい」

律「…わかりました」

ハチク「…」ザッザッ

律「…ふ〜、んじゃあ行くか」

唯「う、うん」

「お、唯と律じゃないか!」

唯律「へ?」
122 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:23:31.23 ID:4rLQun9AO

アララギパパ「私だ、アララギだ!」

唯「アララギ博士!」

律「なんでここに…」

アララギパパ「実はな、“リュウラセンのとう”にプラズマ団が出入りしているという情報が入ってだな。それを確かめに来たところなんだ」

唯律「!」

アララギパパ「しかし、君たちに会うとはな! 少し手伝ってくれないか?」

唯「アララギ博士…」

アララギパパ「む?」

律「その情報、本当ですよ」

アララギパパ「なに!」

唯「私たちもそんなようなことを聞いて“リュウラセンのとう”に向かってたんです!」

アララギパパ「ふむう、そうか…。
ならやはり調査するべきだな。一緒に来てくれるか?」

唯律「はい!」



123 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:25:05.38 ID:4rLQun9AO
………
……


《リュウラセンのとう前》


アララギパパ「ここが“リュウラセンのとう”だ」

唯「たか〜い!」

律「ここにプラズマ団がいるのか」

アララギパパ「私は中を調べるが、君たちはどうする?」

唯「ハチクさんのところへ行かないと…」
124 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:27:36.15 ID:4rLQun9AO

律「…んじゃあ、私が行くよ。唯はアララギ博士と待っててくれ」

唯「うん! わかったよ、りっちゃん!」

律「唯をお願いします、アララギ博士」

アララギパパ「ん、ああ」

律「…」タタッ

アララギパパ「ふむう…」

唯「どうしたんですか?」

アララギパパ「いや…律はもっと元気な子のはずだったが」

唯「?」




125 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:29:28.97 ID:4rLQun9AO
………
……


《セッカジム》


ウィーン…

律「ハチクさーん、迎えにきましたけどー」

ハチク「ああ、君か」

律「ハチクさん!」

ハチク「む、もう一人の子は?」

律「ああ…、“リュウラセンのとう”で待っています。
じゃあ行きま…」

ハチク「…! 待つのだ」

律「!」
126 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:31:06.49 ID:4rLQun9AO

ハチク「……」

律「ど、どうかしました?」

ハチク「こちらに来なさい」

律「あ、はい…?」

スタスタ…

ハチク「ここだ」

律「競技場…って」

ハチク「ジム戦をしようじゃないか」

律「え!? いや…」

ハチク「あの子には悪いが、少し待っていてもらおう」

律「で、でも……」

ハチク「…“ポケモンリーグ”へ行くつもりなのだろう? それならば、私と戦うことは避けられん。
いずれは戦うのだ、今戦ってもよかろう」
127 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:33:12.71 ID:4rLQun9AO

律「……それじゃあ」

ハチク「よし、それでは準備をしなさい」

律「……」

律(まあ唯はアララギ博士といるから、少しくらい待たせても大丈夫だろ。
でも…)

律(サキの話が本当だとしたら…。アデクさんはどこへ行ったのか…アデクさんの気持ちを知りたい…!
それに、澪がゲーチスに操られているんなら、ゲーチスに会わないと!
シルバーも同じように操られているかもしれない!
シルバーは“こだいのしろ”っていうところにいるんだっけ…。そこに行けばゲーチスもいるかな?)

律(そうだ、そのためにも…!)

ハチク「……。形式は2対2の交替戦だ。
では始めるぞ!」

律(こんなバトル、すぐに終わらせてやる!!)
128 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:35:14.06 ID:4rLQun9AO

律「ボルト!」ボム!

ボルト「ゼブウウ!!」

ハチク「バニリッチ!」ボム!

バニリッチ「リニー!!」

律「…」ピッ

ポケモン図鑑『バニリッチ、ひょうせつポケモン
ちいさい こおりの つぶを…』パタンッ

ハチク「!」

律「へえ…、バニリッチか」

ハチク「……」

律「ボルト! “ニトロチャージ”!!」

ボルト「ゼブウウ!!!」ボワアアッ!!!!

律「こおりタイプには、ほのおタイプだ!! いけええ!!!」
129 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:37:07.00 ID:4rLQun9AO

ハチク「…バニリッチ、“あられ”だ!」

バニリッチ「リニー!!」ビュアアッ!

律「意味ないぜ!!」

ボルト「ゼブウウ!!!」ダッ!

ボオオオン!!!!!!!

ボルト「」スタッ

律「よし、これでまずは一体…」

ハチク「倒した…と言いたいのかな?」

律「…!」

バニリッチ「リニー!!」バッ

律「な、なんで…!」
130 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:39:22.24 ID:4rLQun9AO

ハチク「君は実力のあるトレーナーだと、アーティやカミツレから聞いていたのに…、拍子抜けだな」

律「なに…?」

ハチク「バニリッチが無事なのは“ニトロチャージ”を回避したからだが…、
では何故、バニリッチが“ニトロチャージ”を回避できたのか分かるか?」

律「…それ、は……」

ハチク「…バニリッチはな、『こおりの つぶを たくさん つくりだして じぶんの すがたを てきの めから かくすのだ』」

律「“あられ”をして姿をくらましたのか…!
いや、でもそれが分かっているのなら! もう騙されないぜ!!
ボルト!!」

ボルト「ゼブウウ!!」ダッ!
131 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:41:24.74 ID:4rLQun9AO

律「もう一度“ニトロチャージ”だ!!」

ハチク「“ふぶき”!!!」

バニリッチ「リニー!!」ビュオオオ!!!!!!!

ボルト「ゼブウウ!!?」

律「…ッ!
くそッ…、ボルト! もう一度…“ニトロチャージ”で…」

ハチク「解せんな」

律「…!!」

ハチク「何故そんなに勝負を急かすのだ。
考えもなしに特攻しても、今みたいに返り討ちにあうだけだぞ」

律「……」
132 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:43:08.17 ID:4rLQun9AO

ハチク「…先程の“ニトロチャージ”がかわされたのも…、
君はバニリッチを見た時、図鑑を開いた。だが君は急かして途中で閉じたな。図鑑はなにかを言おうとしていたのに、だ。
図鑑は『こおりの つぶを たくさん つくりだして じぶんの すがたを てきの めから かくすのだ。』と言おうとしたのだ」

律「…!」

ハチク「最後まで説明を聞いていれば、なにか対応はできていた。
…君の焦りがそうさせたのだ」

律「…ッ」

ハチク「生半可な気持ちで勝負などするな!!
『ちゃっちゃと済ませちまおう』なんてことを思うな!!!
相手にも、自分のポケモンにも失礼だ!!!!」

律「……だって…」

ハチク「……」
133 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:45:07.09 ID:4rLQun9AO

律「あんたに早く勝たなきゃ…バトルを早く終わらせなくちゃいけなかったんだ!!!
それで、“リュウラセンのとう”や“こだいのしろ”に行ってプラズマ団を!!
サキの言ってた、アデクさんのことも気になる!!
やらなくちゃいけないことがたくさんあるんだよ!!!!」

律「全部…、全部…早くやらなくちゃって…!」

ハチク「……そんなことを言う前にやるべきことがあるだろう!
君のその焦りが生んだ過ちはなんだ!?」

律「……!」

ボルト「ゼブ…」ヨロッ…

律「ボ、ボルト!」タタッ

ボルト「ゼブウ…」

律「ボルト…、ご…ごめんな……。私がしっかりしないせいで……」

ボルト「ゼブウウ…!」ニコッ

律「ボルト…」
134 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:47:41.50 ID:4rLQun9AO

ハチク「…君のゼブライカ、とてもいいポケモンだな。君を信頼してくれている…」

ハチク「ポケモンの期待に応えてやれなくていいのか?」

律「……ボルト、休んでてくれ。よくやってくれた、ごめんな…」シュウッ

律「…」キッ!

律「モール! 頼んだ!!」ボム!

モール「グリュー!!」

ハチク「戻れ、バニリッチ!」シュウウッ

ハチク「フリージオ!!」ボム!

フリージオ「フリー!」

ハチク「さあ来い! 君の本気をぶつけてこい!!」

律「…へへっ」

ハチク「?」
135 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:49:09.36 ID:4rLQun9AO

ピッ

ポケモン図鑑『フリージオ、けっしょうポケモン
ゆきぐもの なかで うまれた。 こおりの けっしょうで できた くさりで えものを つかまえる。』

律「まずはポケモン図鑑だったな」

ハチク「ふっ…なるほど」

律「モール! “きりさく”だ!!」

モール「グリュー!」シャキンッ

ハチク「“しめつける”!!」

フリージオ「フリー!!」シュラッ!

ギュルッ!

モール「グリュ!?」
136 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:51:05.54 ID:4rLQun9AO

ギュウウッ!!!!!

モール「グリュー!!?」ギチギチ…

律「モール!!
…こいつが『鎖で獲物を捕まえる』ってか…!」

ハチク「そのまま“こうそくスピン”!」

フリージオ「フリー!!」ギュオッ!

ギュルルル…!!!!

モール「グリュー!?」

律「ま、まずい! あんな超高速で回転されたら、吹っ飛ばされちまう!!」

律「鎖から抜け出すんだ! モール!」

モール「グ、グリュ…!」ジタバタ
137 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:53:11.25 ID:4rLQun9AO

ハチク「無駄だ。鎖はそう簡単に解けんぞ」

律「く…、いや…!
モール! こっちも“こうそくスピン”だ!!」

モール「グリュ!!」ギュルッ

フリージオ「フリ!?」

モール「グリュー!!!」ギュルルル…!!!!

バチイイン!!!!!!

ハチク「なに!?」

モール「グリュー!」スタッ

フリージオ「フ、フリー…」フラフラ

ハチク「急に逆回転されて、目が回って離してしまったのか」

律「へへっ、どうだ!」
138 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:55:57.75 ID:4rLQun9AO

ハチク「面白い…。それでこそ、アーティやカミツレが認めたトレーナーだ」

ハチク「…なら、こんなものはどうだ?
フリージオ、“ソーラービーム”!!」

フリージオ「フリー…!!」ギュオオオ…

律「! モール、気をつけろ!! “ソーラービーム”が来る…」

フリージオ「…」シュウウッ…

律「…!?」

モール「グ、グリュー?」キョロキョロ

律「消えた…!?」

律(フリージオはどこに…これは何かの技なのか?)
139 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:57:10.29 ID:4rLQun9AO

ハチク「“こおりのつぶて”!!」

ヒュオッ!

律「…!」

ドダダダダダ!!!!!!!

モール「グリュー…!?」

律「ど、どこから攻撃が!?」

ドダアアン!!!

モール「グリュー!!?」ズサアッ

律「…!!」

ハチク「ふふ、『消えた』か…、あながち間違ってはいないが」

ハチク「これはフリージオの能力だ」

律「能力…?」
140 :ぽけもん :2011/03/28(月) 10:59:08.04 ID:4rLQun9AO

ハチク「体温が上がると 水蒸気になり姿を消す、というものだ」

律「…! じゃ、じゃあ…」

ハチク「そう。今、フリージオは水蒸気になっているのだ」

律「本当だ…! よく見たら霧みたいなのが、競技場一面に広がってる…」

律「…ん? きょ、競技場一面に!?」

ハチク「気体である水蒸気は、粒子間の距離は長い!
よって、散らばり…四方八方から攻撃ができる!!」

律「…!!」
141 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:01:10.00 ID:4rLQun9AO

ハチク「“こおりのつぶて”!!」

ヒュオッ!

ドダダダダダ!!!!!!!

モール「グリュー…!?」

律「くそ…!」

律(なにか打開策はないのか…? 気体が相手じゃあ攻撃もできない…)

律(ん…? 気体?)

律「!」

律(そうか!)
142 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:03:06.18 ID:4rLQun9AO

ハチク「…! なにか分かったようだな」

律「はい。氷を水蒸気にするには温度を上げる、逆に…水蒸気を氷にするには温度を下げる!!」

ハチク「よくぞ見抜いたな。
しかし、どうやって温度を下げるのだ? なにも手はないだろう」

律「……いや、ある!」

ハチク「…!」

律「今、フリージオは“ソーラービーム”を放つ寸前で止めて、体に光を集めて体温を上げている!
なら、“ソーラービーム”を放った瞬間…フリージオは元の氷の姿に戻る!!」

ハチク「すばらしい…、それだけのことを今の短時間で見抜くとはな。
だが、そのことを見抜いた、理解したとはそれすなわち! それでは己が負けると理解しているということだ!!」
143 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:05:03.02 ID:4rLQun9AO

ハチク「フリージオが“ソーラービーム”を放つまでに、君のモグリューが倒れないか!!
その保証はできんぞ!!!」

律「へっ、大丈夫だ!」

律「私はモールを信じてる!!」

モール「グリュー!」キッ!

ハチク「いいだろう…。
フリージオ!! “ふぶき”だー!!!」

ヒュウッ…

ビュオオオ!!!!!!!!!!

律「くっ…!!」

モール「グリュー…!!」ジリッ…

ビュアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!

ドオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
144 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:07:05.51 ID:4rLQun9AO

シュウウッ……

律「うっ…、どうなったんだ…? ジム一面、銀世界だ……」

律「モールは…?」

モール「……」カキイッ

律「モール…!」

ヒュウウッ!

ハチク「耐え切れなかったようだな。こおり状態だ」

律「…そんなわけない」

ハチク「!」

律「モール! 頑張ってくれ!!
このバトルの前は、ボルトが戦った! バカな私のせいで負けちまったけど…、でもボルトはしっかり戦ってくれたんだ!!
ボルトの気持ち、頑張り…、お前はそれを背負ってるんだ!!
ボルトはお前を応援してる! 『勝ってくれ』って!!
私もお前を応援してるぞ!! 頑張れ!!! 負けるな!!!」
145 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:09:43.90 ID:4rLQun9AO

律「氷から抜け出してくれー!!!!」

モール「……」カキインッ

ハチク「無駄だ。モグリューは凍ってしまって動かない。
これ以上は戦えな…」

ピカアアッ!!!!!

律ハチク「!!」

ハチク「あの光は…!」

律ハチク「進化!?」

バキイイッ!!!!!

「リュー!!!」ダッ!

ドンッ!!!!!

モール(ドリュウズ)「リュー!!!」

律「ドリュウズだ…! ドリュウズに進化したんだ!!」
146 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:11:17.69 ID:4rLQun9AO

ハチク「この土壇場で進化とは…!」

律「…やれるか? モール」

モール「リュー!!!」

律「よし、いけえっ!!」

モール「リュー!!!」ダッ

ハチク「く…、フリージオ! “ふぶき”だァ!!」

ビュオオオ!!!!!!!

律「“こうそくスピン”!!」

モール「リュー!!!!」ギュルッ

ギュルルル!!!!!!!

バシャバシャ!

ハチク「! 回転して防いだ!?」

律「“ふぶき”は効かないぜ!!」

ハチク「気体の状態では技の威力が、元の状態のときに比べ落ちてしまうのか!
く…、ならば! “ソーラービーム”でダメージを与え、その隙に元の姿に戻り“ふぶき”をすれば…!!」
147 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:13:08.14 ID:4rLQun9AO

ハチク「やむを得ん! フリージオ、“ソーラービーム”だ!!」

フリージオ「」カッ!!!!

律「そうくると思ったぜ」

ハチク「!!」

モール「リュー!!」ザンッ!

フリージオ「フリッ!?」

ハチク「いつの間に懐に…!?」

律「分かっていたんだ、フリージオが固体になって現れる位置が」

ハチク「馬鹿な…! 四方八方に散らばった水蒸気が集まる場所を特定するなど不可能!!」

律「ああ、そうだ。なにもしなければな。
…さっきの“こうそくスピン”だよ」

ハチク「…!! あれは、“ふぶき”を防ぐためだけでなく…、水蒸気を一カ所に集めるためでもあったのか!!」
148 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:15:04.18 ID:4rLQun9AO

律「そういうことだ!!
行くぜ!! “ドリルライナー”!!!!」

モール「リュー!!!」ギュオッ

ドガアアアアン!!!!!!!!

フリージオ「」ガクッ

ハチク「負けた…!」

律「よっしゃあ!!」

ハチク「…一つ聞かせてくれ」

律「はい?」

ハチク「フリージオの特性は“ふゆう”なんだが、なぜ“ドリルライナー”を喰らったのだ?」

律「んーと、なんかよく分からないけど、私のモールの特性…」

律「“かたやぶり”みたいなんですよねー」

ハチク「…!」

ハチク(“かたやぶり”? 普通はドリュウズの特性では有り得ないはずだが…。
………ふっ、まあいいか)
149 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:17:20.32 ID:4rLQun9AO

ハチク「ふ、見事だった。
私に勝った証、“アイシクルバッジ”を授けよう」

律「ありがとうございます!」

律「ボルト、モール、ありがとな!」

モール「リュー!!!」

ボム!

ボルト「ゼブウウ!!」

律「へへ…」

律「……」

律「あとは、アデクさんや澪、シルバーのことだな…」
150 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:19:05.30 ID:4rLQun9AO

ハチク「そのことだが…」

律「?」

ハチク「私は澪という少女やシルバーと呼ばれる少年のことは何も知らない。
だが、アデクさんのことなら知っている」

ハチク「私もアデクさんがプラズマ団だと聞かされて、正直愕然としたよ」

ハチク「だがな、すぐにその驚きは消えた。不安も何も感じなかったさ。まあ、逆にちとあの女に憤慨してしまったがな。
……なぜだか分かるか?」

律「…」

ハチク「それはな、信じていたからさ、アデクさんをな。アデクさんはとても良い人だ。昔は昔…関係はない。君の友達の女の子が私の言いたいことを言ってくれたよ」
151 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:21:09.87 ID:4rLQun9AO

ハチク「…私はな。昔、アデクさんに助けられたのだ」

律「アデクさんに?」

ハチク「ああ。まだ私が若かりし頃…、私は自分の仕事に専念していた。周りもみず、ただただ夢中で日々仕事に取り組んでいたよ…。
だがある時、その日常を壊す出来事が起きた」

ハチク「私は仕事でヘマをしてな、大怪我を負ってしまったのだ。もう仕事は引退するしかなかった…」

律「怪我…」

ハチク「私はとても落ち込んでいた。まだ子供の君に言うことではないが、もう死んでしまいたいとも思ったよ」

ハチク「…そんな時、落ち込んでいる私を見かけ、アデクさんは私に声をかけてくれたのだ。
私はすべて話したよ、怪我のことも。アデクさんは静かに私の話を聞いてくれた…。
そして、すべて話し終えた後にアデクさんは言われた。
『他の人やポケモンと共にあり、その支えによって自分が強くなる……そういう強さもある』と」
152 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:23:08.55 ID:4rLQun9AO

ハチク「なんともない言葉だった。しかし何故か私の心にはその言葉が響いたのだ。
私はその後、ポケモンバトルを鍛え、こうしてジムリーダーをやっている」

ハチク「アデクさんには感謝をしている。
アデクさんのおかげで、今の私が在るのだ」

律「……」

ハチク「アデクさんはな…」

律「信じてるよ」

ハチク「!」

律「私もアデクさんを信じてます!」

ハチク「……ふっ、そうか。
要らぬ世話だったな」

ハチク「さあ行こう、“リュウラセンのとう”へ」

律「あ、そうだ。ハチクさん」

ハチク「…?」




153 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:25:09.37 ID:4rLQun9AO
…………
………
……


《リュウラセンのとう前》


唯「遅いなあ、りっちゃん…」

アララギパパ「なにをしてるんだかなあ」

唯「ん〜。…あ!」

律「ゆーいーっ!」

唯「りっちゃん!
遅いよ〜!!」

律「ごめんごめん」

唯「もう…。あ、ハチクさんも!」

ハチク「ああ」

アララギパパ「お、ハチクさんか。ジムリーダーの」

ハチク「アララギ博士! …なるほど、貴方もプラズマ団について?」

アララギパパ「ああ、ちとな」
154 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:27:20.37 ID:4rLQun9AO

唯「それじゃあ、みんな揃ったことだし! “リュウラセンのとう”に入ろう!」

律「あ、それなんだけど…私は行かないんだ」

唯「ふぇ! どういうこと!?」

ハチク「律がな、私に話したのだ」

唯「?」

ハチク「『ハチクさんは唯と一緒に“リュウラセンのとう”へ行ってください。
私は……』」

律「…“こだいのしろ”へ行く」

唯「!!」

唯「“こだいのしろ”って…」

律「サキの言う通りなら、そこにシルバーがいる。ここ、“リュウラセンのとう”にはN……」

唯「……」

律「私はシルバーの所へ、唯はNの所へ……」

唯「うん、わかった!」

律「!」
155 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:29:22.63 ID:4rLQun9AO

唯「りっちゃんはシルベルくんのことが気になるんだねえ」

律「いや、別に変な意味じゃ…。つかシルバーな!」

唯「わかってるよ。…がんばって!」

律「…ああ! 唯もな!」

唯「うん!」

律「へへ…、じゃあ私は行くよ」

アララギパパ「律!」

律「! はい?」

アララギパパ「いつもの調子に戻ったみたいだな!」

律「…はい! もう大丈夫です!」

アララギパパ「そうか! しっかりやれよ!」

律「はい!」
156 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:31:39.70 ID:4rLQun9AO

ハチク「……」

律「ハチクさん、唯のこと頼みます!」

ハチク「…ああ。
そうだ、律よ。事が終わったら、セッカに戻ってきなさい」

律「分かりました!
…それじゃあ!!」

アララギパパ「じゃあなーっ!」

ハチク「……」

唯「またね、りっちゃあん!!」




157 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:33:39.74 ID:4rLQun9AO
…………
………
……


《8ばんどうろ上空》


バサッバサッ…

N「……」

N「バルジーナ、少しスピードを上げてくれ」

バルジーナ「キョキョォー!!」ビュンッ

N「……」

N「…もうすぐだ。もうすぐ会える……トモダチ、ゼクロムに!」

バサッバサッ……




Episode.33 fin




158 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:34:11.75 ID:4rLQun9AO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157
159 :ぽけもん :2011/03/28(月) 11:37:29.41 ID:4rLQun9AO
終わりです!

>>119
いえ、シンボルは別に嫌いじゃないですよ。ただ遺跡には必要なイベントもないと

>>120
ジョウト編は見たら1月・・・もうそんなに経つのか・・・

読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!!
160 :P名無し [sage]:2011/03/28(月) 14:42:11.78 ID:aE4jlBKDO
>>159
作者さんの周りであのポケモンが気持ち悪いって言ってた人とかいましたか?
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/29(火) 02:39:27.43 ID:yVXVS1HSO
乙でひゅ!
今までの全部読んでこよう
162 :ぽけもん :2011/03/30(水) 23:56:32.57 ID:Uhpoz8tAO


Episode.34




《4ばんどうろ》


ブオオオ!!!

律「んおお…!」

律「一度アイリスと来たんだっけ?
やっぱり砂煙すげえな…」

ブオオオ!!!!!

律「これじゃあ進めないぞ…」

バシャッ!

律「! 野生ポケモンか!?
こんな時に…!」

「ムー!!」ドンッ!
163 :ぽけもん :2011/03/30(水) 23:58:56.53 ID:Uhpoz8tAO

律「こ、こいつは…?」ピッ

ポケモン図鑑『ムーランド、かんだいポケモン
やまや うみで そうなんした ひとを きゅうじょする ことが とくい。 とても かしこい ポケモン。』

律「へ〜、頭いいんだな…って!
感心してる場合じゃないぞ! ポケモンを出して応戦しないと…!」カチャ

「おっと、待ってくれよ」

律「!」

「そのムーランドは私のさ」

律「あんたはシッポウジムリーダーの…」

アロエ「アロエさ。
なにか見かけた顔だと思ったら、あんただったんだね」
164 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:02:29.96 ID:XFGseIlAO

律「どうして、アロエさんがここに?」

アロエ「ある人に頼まれてね、『“こだいのしろ”へ行く手伝いをしてくれ』ってね」

律「ある人?」

アロエ「チャンピオンのアデクさんさ」

律「アデクさん!?」

アロエ「ああ。知り合いだったかい?」

律「はい…」

律(アデクさんも“こだいのしろ”に…)

律「アロエさん! 私も“こだいのしろ”へ行くところだったんです!!」
165 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:04:27.25 ID:XFGseIlAO

アロエ「なんだい、急に大声出して…って、あんたも?
ああ…プラズマ団か」

律「はい、でもこの砂嵐の中、進もうにも進めなくて…」

アロエ「そうだね…。じゃあアデクさんと同じようにムーランドの“すなかき”で……」

アロエ(いや、待ちなよ…確か……)

ヤーコン『律という娘に化石を渡しといたから、会ったら復元しといてやってくれ』

アロエ(って、ヤーコンの奴が言ってたね…。
その化石は………)
166 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:08:54.40 ID:XFGseIlAO

アロエ「あんた、化石を持っているよね?」

律「…え? あ、ああ…ヤーコンのオッサンから貰ったヤツか…」

律「それならここに……」ガサガサ

律「…ほらっ」ジャンッ

アロエ(やはり…この化石か。これなら…)

アロエ「よし、今すぐその化石を復元しよう! 貸しな!」

律「え? あ、はい」スッ

パシッ

律(なんなんだ?)
167 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:12:04.85 ID:XFGseIlAO

アロエ「…」カチャカチャ

律(梓やムギが用意してたような即席の復元装置か?)

アロエ「よし、できた!
あとは化石を設置して……」

スチャッ

ギュオオオ……

アロエ「……」

律「あのー、化石を復元してなにを?」

アロエ「化石から古代のポケモンが生き返るのさ」

律「いやそれは知ってるけど、なんで今?」

アロエ「そりゃあ“こだいのしろ”へ向かうためさ」

律「??」
168 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:14:27.55 ID:XFGseIlAO

アロエ「まあ見ていな…」

ギュオオオ……!!

アロエ「もうそろそろだ…!」

アロエ「化石がポケモンに…!!」

ピカアアッ!!!!!!

「アーケ?」ピョコッ

律「このポケモンは…?」ピッ

ポケモン図鑑『アーケン、さいこどりポケモン
かせきから ふっかつした ポケモン。 あらゆる とりポケモンの そせんと かんがえられている。』
169 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:16:16.94 ID:XFGseIlAO

律「アーケン…」

アロエ「そう! あんたが持っていた、“はねのかせき”から復活したポケモンさ!
つまり、こいつはあんたのポケモンさね!」

律「こいつが…」

アーケン「アーケ?」

律「っと…よろしくな」

アーケン「アーケ!」ニコッ

律「へへっ」

アロエ「さあて…、そいつを復活させたのは他でもない“こだいのしろ”へ向かうためだと言ったけど、まだ十分じゃないね」

律「…? あ、そうか!
こいつで空を飛んで…!」
170 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:19:09.90 ID:XFGseIlAO

アロエ「そうさ。だが今のままじゃあ、子供一人乗せることもままならないだろう。
だから…、ミルホッグ!!」ボム!

ミルホッグ「ミルー!」

律「…!」

アロエ「…私と戦ってレベルを上げ、進化してもらうよ!」

律「…へへっ、上等だな」

律「アーケン、やれるか?」

アーケン「アーケ!」フンスッ

律「やる気満々だな!
…よし! 行くぜ!!」

アーケン「アーケ!!」

アロエ「ふっ……」

ミルホッグ「ミルー!」




171 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:21:26.44 ID:XFGseIlAO
…………
………
……


《セッカシティ》


唯「それで…行かないんですか? “リュウラセンのとう”」

ハチク「……」

アララギパパ「ふむう…どうやら、まだ連中は来とらんようだしなあ」

ハチク「今は様子見、ということだ」

唯「ふぇ〜」

アララギパパ「まあ一応、塔周辺には近づかないように街の人には言っておいたがな」
172 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:23:20.77 ID:XFGseIlAO

唯「でもどうせプラズマ団の人たちが来るなら、塔で待っていた方が…」

ハチク「いや、それはまずい。あちらから塔へ行くことは伝えたのだ。我々がそれを阻止してくることは必至。
だからこそ、我々が塔の中で待機しているのなら、あちらに外から来られ、逆に追い詰められてしまう」

アララギパパ「だから様子見なんだ」

唯「う〜ん、よくわからないよ…」

アララギパパ「とりあえず、奴らが来るまでここで待っていよう。それが今できる最善の行動だ」

唯「はーい」

ハチク「…そうだな。
念のため、ポケモンは回復させておくぞ。いざという時に体力がないと一大事だからな」
173 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:25:04.69 ID:XFGseIlAO

唯「……」

唯(こんなにのんびりしてていいのかなあ…)

アララギパパ「しかし、遅いな…。今日来るとも言っていなかったのだろう?」

ハチク「…まあそうですね」

唯「ちょっと私、外を見てきます!」ガタッ

タタッ

唯「ふう…、プラズマ団はいな……」

バサッバサッ

唯「! あ、あれは…Nくん!?」

唯「じゃ、じゃあもうプラズマ団の人たちが!!」
174 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:27:29.75 ID:XFGseIlAO

唯「い、いけない! 早くアララギ博士とハチクさんを呼びに行かなきゃ!!」タタッ

バサッバサッ…

トッ……

N「着いたね…。
ここまでありがとう、バルジーナ」

バルジーナ「キョキョー!」

N「…さて、君たちもおいでよ」

下っ端たち「はっ!!」

N「今から“リュウラセンのとう”へ向かう!
目的はゼクロム!! 目指すは頂上だ!!!
邪魔をする者は、君たちに頼んだよ!!」

下っ端たち「はっ!! N様!!!!」
175 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:29:38.57 ID:XFGseIlAO

N「待っていてくれ、ゼクロム……。
待っていてくれ、ポケモンたち……。
これでやっと救われる。ポケモンたちも、僕たちの心も……。
やっとこの苦しみから解放されるんだ………」

N「これは、その初めの一歩だ。
世界が救われる、大切なたったの一歩……」ザッ…

N「ツンベアー、チョロネコ、バルジーナ、オタマロ、スワンナ……」

N「一緒に行こう、僕のポケモンたちよ」



………
……


ガチャッ!

唯「たいへ〜ん!!」ダダッ

アララギパパ「ん? どうした?」

唯「プラズマ団が…“リュウラセンのとう”に!!」

ハチク「…!」

アララギパパ「なにぃっ!!」




176 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:31:07.75 ID:XFGseIlAO


《リュウラセンのとう》


下っ端「……」キョロキョロ

ササッ…

アララギパパ「…本当だ! プラズマ団が塔の中でウロチョロと…!」

ハチク「いつの間にこんな…」

アララギパパ「さっきまではいなかったのに…!
…クッ!! 芋ようかんなんて食べてる場合じゃなかった!!!」

唯「…クッ! じゃないですよお!
私も芋ようかん食べたかった!!」

ハチク「そっちかい」
177 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:33:13.43 ID:XFGseIlAO

アララギパパ「どうだ? この際『芋ようかん大作戦』でプラズマ団を一掃するというのは?」

ハチク「なんですか、それ」

アララギパパ「芋ようかんをばらまいて、プラズマ団がそれを拾い食いしてるところをパコーン!! っと」

ハチク「そんな阿呆な作戦、誰が…」

唯「うわあ、プラズマ団の人、ひいふう……十人以上はいるよ〜」

アララギパパ(引っ掛かりそうな人が約一名…!!)

アララギパパ「よし、まずは芋ようかんを撒いてだな…。唯が芋ようかんを食べている隙に……」

ハチク「当初の目的忘れてません?」
178 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:35:11.89 ID:XFGseIlAO

アララギパパ「てぃやっ!!」ブンッ!

バラバラッ

下っ端1「誰かそこにいるのか!?」

アララギパパ(しまった!!)

ハチク(阿呆か!)

唯「わあ〜! 芋ようかんだあ〜!!」ダダッ

下っ端1「誰だ、お前!!」

ハチク「あああああ!」

アララギパパ「」グッ

ハチク「なにガッツポーズしてんですか!!」
179 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:37:12.52 ID:XFGseIlAO

下っ端1「侵入者だー!!」

下っ端2「なにい!」

下っ端3「侵入者だとォ?」

下っ端4「よし、久しぶりに暴れるか!」

下っ端5「N様には任したと言われたからな」

下っ端6「手加減はなしだ!」

下っ端7「覚悟しろよ、侵入者ども」

下っ端8「この数相手にどう出るかなあ?」

下っ端9「まあこれでも、プラズマ団の総戦力の百分の一にも満たないけどな」

下っ端10「プラズマ団下っ端は総勢一万はいるからなあ」

ゾロゾロ……

ハチク(いっぱい出てきたぞ!)
180 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:39:46.59 ID:XFGseIlAO

アララギパパ「ふむう……」

唯「パクパク……ふぐぇ?」

下っ端1「どうする? 侵入者たちよ。
勝ち目がないのは分かってんだろ?」

ハチク「……」カチャ

アララギパパ「ふむ…」カチャ

唯「もぐむぐ…」カチャ

ボム!!!

ハチク「フリージオ、“ふぶき”!!」

アララギパパ「ジャローダ、“グラスミキサー”!!」

唯「ラー太、“はじけるほのお”!!」

ドガアアアアン!!!!!!!!!!!

下っ端たち「」ドサドサッ!

ハチク「さあ、先に進むぞ!」




181 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:41:25.76 ID:XFGseIlAO
…………
………
……


《4ばんどうろ》


アロエ「ミルホッグ、“シャドーボール”!!
ムーランド、“とっしん”!!」

ミルホッグ「ミルー!」ビュワッ

ムーランド「ムー!!」ダダッ

アーケン「アーケ!?」

律「そんな勢いだけの真正面からの攻撃なんざ効かないぜ!!
“アクロバット”!!!」

アーケン「アーケ!!!」ビュンッ!
182 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:43:48.45 ID:XFGseIlAO

ムーランド「…!」

ドガアア!!!!

ムーランド「ムー!!?」ビュオ!

ミルホッグ「ミル!?」

アロエ「しまった! まだ“シャドーボール”は発射されてない!!
今、飛んでくるムーランドにぶつかったら…」

ムーランド「ムー!?」

ドシャッ!!

ミルホッグ「ミルー!?」

カッ!!!!!

ドオオオオオオオオオン!!!!!!!!
183 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:45:07.95 ID:XFGseIlAO

ミルホッグ「」バタッ

ムーランド「」バタッ

アロエ「…!!」

アロエ「二匹とも戦闘不能か…」

ピカッ!!

アロエ「!」

アーケン「アーケ…!」メキメキ…

律「これは…」

アロエ「進化が始まったんだ!!」

ピカアアッ!!!!!

アーケオス「アーケェエ!!」

律「アーケオス…!!」
184 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:47:03.78 ID:XFGseIlAO

アロエ「…!
…ふっ、大したもんだね。こんなにも速く進化させるとは」

律「いやあ、アロエさんのご指導のおかげですよ」

アロエ「…ふっ。なんにしろ、これで行けるね」

律「…はい!」タッ

アーケオス「アーケェエ!!」

アロエ「もう行くのかい?」

律「もうプラズマ団がいるかもだし! アデクさんにも追いつきたい!
ありがとうございました!! アロエさん!!!」

アロエ「ああ! アデクさんによろしく頼んだよ!!」
185 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:49:22.41 ID:XFGseIlAO

アーケオス「アーケェエ!!!」バサッ!

ビュオンッ!!!!!

律「うっおお…!?」

アーケオス「アーケェエ!!!」

律「すげえな…、マサキのピジョットに乗って以来だ。ひこうポケモンで空を飛ぶのは…」

ビュオ!!!

律「…決まりだな、お前の名前は『フォウル』だ!」

フォウル「アーケェエ!!!」

律「行くぜ、フォウル!!
目指すは“こだいのしろ”だぁ!!!」

ビュオオオ!!!!!!!!!




Episode.34 fin




186 :まとめ :2011/03/31(木) 00:50:16.71 ID:XFGseIlAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185
187 :ぽけもん :2011/03/31(木) 00:52:18.28 ID:XFGseIlAO
終わりです
唯のヒトモシに続き、りっちゃんは新しく、アーケオスをゲットしました
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/31(木) 12:53:22.12 ID:rOPt/ihp0
乙!相変わらず律は速攻アタッカー・・・
そしてハチクェ・・・胃が痛いだろうなァ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/03/31(木) 17:25:49.80 ID:0W75LZOAO
やっぱりこの唯アホだろ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 16:45:16.87 ID:BWR4XPODO
拾い食いとかもう末期だな
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/03(日) 00:56:50.58 ID:0wQiXo1ro
でもそんな唯ちゃんが大好きです
192 :ぽけもん :2011/04/03(日) 19:54:46.75 ID:384/ZKRAO


Episode.35




《リゾートデザート》


フォウル「アーケェ!」スタッ

律「着いたのか? ここが“リゾートデザート”…!
この奥に“こだいのしろ”があるんだ!!」

フォウル「アーケェ!」

律「ん? ああ、ありがとうな、フォウル。
……? なんだよ?」

フォウル「アーケェ!」クイクイッ

律「誰かいる…?」
193 :ぽけもん :2011/04/03(日) 19:56:13.88 ID:384/ZKRAO

ザッザッ…

フォウル「アーケ…!!」ジリッ

律「…! アデクさん!」

アデク「! 律!?」

律「やっと追いつきました!」

アデク「そうか…おぬしもプラズマ団を……。
それにしても、そのアーケオスは…」

律「へへ、こいつのおかげでここまで来れたんですよ!」

アデク「なるほどな…」

律「……アデクさん」

アデク「む?」

律「会う前は色々と聞きたいことがあったんだけど、もう聞く必要もないです」

アデク「……」
194 :ぽけもん :2011/04/03(日) 19:58:42.04 ID:384/ZKRAO

アデク「…律よ」

律「はい?」

アデク「前にも聞いたが…、ライモンで会うより前に、わしとおぬし……会ったことがあるか?」

律「……へへっ、ううん! あれが初めてですよ、アデクさんに会ったのは!」

アデク「ふむ、そうか。
…まあ今気にすることでもなかったな。今は……」

律「行きましょう! “こだいのしろ”へ!!」

アデク「うむ!」



195 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:00:07.12 ID:384/ZKRAO
………
……


《こだいのしろ》


律「ここか…」

アデク「む…プラズマ団はいないみたいだな。少なくともここには」

律「そうですね…、奥に行ってみますか」

ザッザッ…

アデク「…むう、やはりいないな」

律「おかしいなあ…」

ズズ……

アデク「…! 律! 下だァ!!」

律「し、した?」

ズズズ……
196 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:02:15.09 ID:384/ZKRAO

律「な、なんだこれ!? アリ地獄!!?」

ズズ……

律「うっ…、足が……!」

アデク「今助けるぞ!!」ダッ

ガシイッ!

アデク「ぬぐっ…!」

律「だ、ダメだ…! 砂が重くて、足が抜けない!!
しかも動けば動くほど、砂に埋もれて……」

ズボッ!

律「…うわあっ!?」シュッ

パッ!

アデク「しまった…!」

ズズズ……

律「うわあぁぁぁ……」



197 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:04:03.15 ID:384/ZKRAO


ドシャッ!

律「うわっ! …っとと……」

律「……あれ? 生きてる……」

律「………はぁ、なんだ…。アリ地獄じゃなかったんだな……」

律「ここは…さっきの所から落ちて、下の階に来たのか?」

律「アデクさんは…まあ大丈夫か。
とりあえずここを動かずに……」

ザッザッ……

律「! アデクさんか?」

ザンッ

「やっと来たか、待ちくたびれたぞ」

律「…!! シルバー!!!」

シルバー「……」




198 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:06:06.73 ID:384/ZKRAO
…………
………
……


《リュウラセンのとう》


タッタッタ……

アララギパパ「随分と上ってきたが…、まだそれらしいのはいないな!」

ハチク「N…と言ったか。そやつが来ているのだろう?」

唯「はい! プラズマ団の王様なの!」

アララギパパ「王様か…。案外、塔の最上階にいたりしてな」

唯「最上階って……何階あるの〜!?」

ハチク「…!」ピタッ

唯「ふぇ!?」キキッ
199 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:08:59.53 ID:384/ZKRAO

アララギパパ「どうした?」

ハチク「…どうやら、そう簡単には行かせてくれないようだ」

ゾロゾロ……

下っ端たち「ククク……」

アララギパパ「…! なんて数だ!! ぱっと見で30はいるぞ!?」

唯「あわわ…」

ハチク「敵と遭遇するたびに、一々三人で相手にしていたら効率が悪いな。ここは分担しよう」

唯「?」
200 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:11:13.10 ID:384/ZKRAO

ハチク「ここは私とアララギ博士が引き受けよう。君はこのまま上を目指しなさい」

唯「!」

ハチク「いいですよね、アララギ博士!」

アララギパパ「ああ、いいとも!」

唯「…」

アララギパパ「なあに、心配はいらないさ! 所詮は下っ端どもだ! 数が多いだけさ!」

ハチク「だが、そうだな。このフロアは四階だ!
塔は七階建て! 最上階にNとやらがいるのならば、まだ先だ!! この上にも下っ端たちが待ち伏せているかもしれない!!」

ハチク「だから、これを持って行け!!」ブンッ

唯「!!」パシッ

唯「モンスターボール!?」

ハチク「私の手持ちの二匹だ!
もし敵に出くわしたら、迷わずボールを投げて、君は先へ進むんだ!!」
201 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:14:10.92 ID:384/ZKRAO

アララギパパ「私の二匹も渡そう!」パシッ

唯「!」

下っ端「おいおい、俺たち無視して話進めてんじゃねえよ?」

アララギパパ「お前たちの相手など、これからいくらでもしてやる」カチャ

ハチク「さあ行け!!」

唯「あ…、ありがとうございますっ!!」

タタッ




―五階―

下っ端たち「侵入者発見だぁーっ!!!」ドダダダダ!!!!!

唯「お願いっ!!」ボム!

クマシュン「クマー!」

バニリッチ「リニー!」


202 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:16:03.29 ID:384/ZKRAO


―六階―

下っ端たち「おらおらぁぁ!!!」ダダダダダ!!!!!!!

唯「ごめんね、頼んだよっ!」ボム!

エンブオー「ブォーッ!!」

ダイケンキ「キィーッ!!」




《リュウラセンのとう最上階》


タッタッ…

唯「はぁはぁ…」

唯「着いた……、最上階…!!」

スタスタ……

唯「…!」

「来たね、待っていたよ」

唯「Nくん…!」

N「……」



203 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:18:25.83 ID:384/ZKRAO
………
……


《こだいのしろ》


律「……」

シルバー「……」

律「…へっ、待ってたのかよ?」

シルバー「ああ。そのためにサキにこのことを伝えるように言ったんだからな」

律「そうか…」カチャ

シルバー「……」カチャ

ボム!!

モール「リュー!!」

リングマ「グマー!!」

律シルバー「“きりさく”だァ!!!」

ガキイイン!!!!!!
204 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:20:03.23 ID:384/ZKRAO

モール「リュー…!」ギギ…

リングマ「グマー…!」ギギギ…

シルバー「…後退しろ、リングマ!」

リングマ「グマー!!」バッ

モール「!」

リングマ「グマー!!」スタッ

モール「……」

シルバー「……ふ」

シルバー「止めにきたのか? 俺が伝説のドラゴンポケモンを捕まえるのを」

律「……」
205 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:22:15.28 ID:384/ZKRAO

シルバー「まあそうだろうな。
ポケモン解放のためにしていることだ、当たり前か」

律「…違う」

シルバー「!」

律「私はお前を止めに来たんじゃない!
唯だって多分…」

律「そもそも私は、“ポケモンリーグ”でお前たちと決着することに決めたんだ!
だから、ここに来たのは…お前の気持ちを確かめるためだ!!」

シルバー「俺の気持ちだと?」

律「お前だって、こんなことをする理由ってもんがあるんだろ?」

律「私が止めにくることが分かってたってことは、自分のしていることが間違ってるって思ってんだろ!?
それでも続ける理由を聞かせてくれよ!!」
206 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:24:02.02 ID:384/ZKRAO

シルバー「……」

シルバー「ああ、あるさ。
ポケモン解放をする理由、そしてチャンピオンを超える理由……揺るぎのない理由が!!」

律「……」

シルバー「誰にでもある、ごく普通の理由さ」

シルバー「俺が動くのは、大切な人のためだ!」

律「大切な人…?」

シルバー「あいつ…、」

シルバー「Nだよ」

律「N…」

シルバー「あいつは俺の“理想”の姿なんだ」

律「…どういう意味だよ?」



207 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:26:05.19 ID:384/ZKRAO


《リュウラセンのとう》


唯「どうしてなの…、どうして人とポケモンを引きはがすようなことをするの!?」

N「前にも言ったよね。人はポケモンをこき使ってるって。
ポケモンは人といてはいけないんだよ。人の下にいてはいけないんだよ。
この世界はポケモンにとって有害だ」

唯「……じゃあ、なんで…」

唯「なんで…Nくんはポケモンを使ってるの……?」

N「……」

唯「やっぱりポケモンといると楽しいんだよ! だから一緒にいるんだよ!!
ポケモンも同じ気持ちだよ!!」

唯「だから、ポケモン解放なんてダメなんだよ!!」
208 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:28:02.35 ID:384/ZKRAO

N「……あくまで作戦遂行のためさ。僕はトレーナーではない」

N「それに、それなりの明確な理由だってある」

N「大切な人のためだよ」

唯「大切な人…?」

N「彼…、」

N「シルバーだよ」

唯「シルバーくん…!」

N「彼は僕の“真実”の姿なのさ」

唯「…どういうこと……?」
209 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:30:26.51 ID:384/ZKRAO

N「…ひとつ、昔話をしようか。
…むかしむかしあるところに、」

――それはそれは大きなお城がありました。そこには一人の少年が住んでいました。

彼の他にも、彼のお父さんや彼に優しいおじさんたちがそこに住んでいました。

彼は物心つく前から、多くのポケモンたちと触れ合いました。彼はポケモンが大好きでした。


ある日、いつものように彼がポケモンと遊んでいると、そこへお父さんがやって来ました。

―――お父さんの顔はとてもとても恐く、怒っているようでした。

お父さんは言いました。

――『来なさい』

彼は連れていかれました。ポケモンを置いて。
210 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:32:19.98 ID:384/ZKRAO

それ以来、彼がポケモンと遊んでいると、度々お父さんは彼をポケモンから離しました。

そして、連れていって言うのです。

――『いけませんよ、……』

彼は何度も言われました。でもなにがいけないのか、全く分かりませんでした。

しかし、そんなことが何度も繰り返され、ようやく彼は考えました。

―――『ぼくはポケモンといちゃいけないのかな……』

彼はポケモンがキライになりました。

次第にポケモンと遊ぶ回数も減っていき、お父さんもなにも言わなくなりました。


彼がもうポケモンと触れ合うことをしなくなった時、お父さんはまた言いました。

――『来なさい』
211 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:34:32.05 ID:384/ZKRAO

連れてこられたのは、真っ白な部屋。

なにもありませんでした――――ただ真ん中にぽつんと立っている人形を除いて。

彼はその人形に触ってみました。すると…

なんと、その人形が動き出したのです!

彼は驚き、手を離しました。しかし人形は動きをやめず、人形は口を動かし、彼に言います。

――『ぼくは、ポケモンすき。ポケモンとあそぶ』

人形はそのままどこかへ行ってしまいました。

お父さんは言います―――『また、遊ぶのか』

彼はお父さんがまた、あの時のように怒っているのかな? と思いました。

―――お父さんは笑っていました。


212 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:36:25.62 ID:384/ZKRAO

N「…どうだったかい?」

唯「……」

N「まあ実際にあった話なんだけどね」

N「『彼』とは、シルバーのことさ」

唯「シルバーくんが…?」

N「『お父さん』とはゲーチスのこと」

唯「! ま、待って! シルバーくんのお父さんは、通りすがりのトレーナーさんじゃあ…!」

N「…いや、サカキはゲーチスにシルバーを育てるように命じられていただけだよ。まだ幼かったシルバーは、サカキを父親と勘違いしたんだ。
シルバーの父親は正真正銘、プラズマ団のゲーチスだよ」

唯「!!」
213 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:38:22.18 ID:384/ZKRAO

N「そして、『人形』とは…」

N「僕、Nだ」

唯「え…!?」

唯「に、人形って……どういう…。
Nくんはこうして……」

N「そうだね、僕はこうやって生きている。人間のように」

N「でもね、それでも僕が人形という事実は変わらない」

唯「…人形って、なに?」

N「…シルバーは僕の“真実”の姿だと言ったよね。
その通りなんだ、彼は僕の“真実”……そして僕は彼の“理想”の姿……」

唯「……、?」
214 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:40:02.40 ID:384/ZKRAO

N「つまり、僕は彼の“理想”から作られた人形……“理想”の人形なんだ」

唯「シルバーくんの理想から…?」

N「さっきの話…、シルバーはポケモンを拒絶した。自分がポケモンといると『いけない』と思ったから」

唯「でもおかしいよ! シルバーくんはポケモンが好きな子だよ? 顔を見ればわかるもん!」

N「まだ物心もついていない頃だよ。忘れることもあるさ。
…まあ、記憶じゃなく心の傷として残っているかもしれないけど」
215 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:42:51.69 ID:384/ZKRAO

N「ゲーチスはね、それを狙っていたのさ」

唯「…狙っていた?」

N「シルバーがポケモンを嫌いになるようにすること。トラウマになるほどにね」

唯「……ひどい」

N「……」

N「でもゲーチスにもそんなことをする理由があったのさ。
ゲーチスの目的は人形……僕を作ること。それには“理想”が必要なんだ、シルバーの“理想”がね」

N「でも赤子同然のシルバーに“理想”なんて欲はない。
だから無理矢理“理想”を持つようにトラウマを刻み付けた……」
216 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:44:23.71 ID:384/ZKRAO

N「そうして、シルバーはある“理想”を持った……持たされた」

『何故、僕はポケモンと居てはならないんだ。こんなにポケモンが好きなのに。……違う、僕だけじゃないんだ。
人がポケモンといることが悪いことなんだ』

N「……そう、シルバーが持たされた“理想”は『人とポケモンが一緒にいることが悪いことだという世界』、そんな世界を“理想”としたんだ」

唯「……!!」

唯「そ、そんな世界なんて…」

N「……」

唯「で、でも待って…!
その“理想”は……」

N「うん、その“理想”で僕は作られたんだ」

唯「…!」

N「僕はシルバーの“理想”で作られ、この世に生まれたと同時に僕が生まれた意味を理解した」

N「僕はシルバーの“理想”を達成するために生まれたんだよ」



217 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:47:04.31 ID:384/ZKRAO
…………
………
……


《こだいのしろ》


律(ゲーチスが…シルバーの父親…!!)

律(Nが、シルバーの“理想”から作られた……!?)

シルバー「すべて“ウバメのもり”でゲーチスに会った時に、伝えられたことだ」

シルバー「俺の“理想”があいつなんだ。あいつと俺は一心同体だ」

律「け…結局、ゲーチスが全部悪いんじゃねえか…!!」
218 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:49:29.65 ID:384/ZKRAO

シルバー「…だが、俺があいつを作ったんだ。俺の“理想”があいつを……!
俺のせいなんだ……!!」

シルバー「…だからこそ、あいつの“理想”を! 叶えさせてやらなきゃいけないんだ!!
そのためなら、俺は……、俺はッ!!」バッ

律「…!」

シルバー「“ライトストーン”…。対となる“ダークストーン”はNが持っている。
…これを手に入れるためにプラズマ団総出で探した、そして見付けたんだ。この“こだいのしろ”でな」

シルバー「二つのストーンとも、元はここにあったらしいな」

ピカアアッ!!!!

律「! ストーンが光って…!?」
219 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:51:05.15 ID:384/ZKRAO

シルバー「石に姿を変えていた伝説のドラゴンポケモンは、今、元の姿に戻る!
“ライトストーン”より、姿を化えし…伝説のポケモン! レシラム!!」

ゴゴゴ………

律「ス、ストーンが……ポケモンに…!!」

カッ!!!!

レシラム「ンバーニンガガッ!」

律「こ、こいつがレシラム…!」

シルバー「はくようポケモン、レシラム。
俺はこいつに選ばれ、英雄になる!!
そして叶えてみせる。Nの“理想”を……!
“真実”の名の下に!!」
220 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:53:30.29 ID:384/ZKRAO

レシラム「ンバーニンガガッ!!!」バッ

律「!」

シルバー「“クロスフレイム”!!!」

レシラム「モエルーワ!!」ボウッ!

ボオオオオオ!!!!!!!

律「やばっ…!」

ダッ!

アデク「ウルガモス! “ねっぷう”!!」

ウルガモス「モスー!!!」ゴアアッ!

シルバー「…!」

ドオオオオオン!!!!!!!!!!!!
221 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:55:04.40 ID:384/ZKRAO

アデク「!?」

ボアアッ!!!!!

アデク「ぬおおっ!?」

ウルガモス「モ、モスー!?」

ドシャアン!!!

律「ア、アデクさん!!」

シルバー「……」

シルバー「今度会う時は“ポケモンリーグ”で、だ」

レシラム「ンバーニンガガッ!!」バサッ!

シュッ!

ギュウウン!!!!!!



222 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:57:05.99 ID:384/ZKRAO
………
……


《リュウラセンのとう》


ピカアアッ!!!!

N「“ライトストーン”と対をなす“ダークストーン”より現れるは…ゼクロム!!」

カッ!!!!

ゼクロム「ババリバリッシュ!」

唯「ゼクロム…!
これが伝説のドラゴンポケモン?」

N「そう。こくいんポケモン、ゼクロムさ」

N「このゼクロムと、シルバーの“ライトストーン”より蘇る、レシラム。二匹に選ばれ、僕たちは英雄になるんだ! そして、シルバーの“理想”を“真実”にしてみせる……!
“理想”の名の下に!!」
223 :ぽけもん :2011/04/03(日) 20:59:19.21 ID:384/ZKRAO

ゼクロム「ババリバリッシュ!!」バッ

唯「!!」

N「“クロスサンダー”!!」

ゼクロム「バリバリダー!!」ビリビリッ

ピシャアアアン!!!!!!

唯「ああっ…!」

ボム!!!

チー太「チラチー!!」

ムー太「ムウウ!!」

ラー太「ラー!!」

唯「み、みんな…!?」

ドシャアアアアン!!!!!!!!!!!!
224 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:01:08.20 ID:384/ZKRAO

チー太「チー…」ドサッ

ムー太「ムウ、ウ…」バタッ

ラー太「ラ…」ガクッ

唯「チー太っ! ムー太っ! ラー太っ!」

N「…僕の考え、理解できるかい?」

唯「……」

N「……それじゃあ、“ポケモンリーグ”で会おう」

ゼクロム「ババリバリッシュ!!」ダッ!

ビュウウン!!!!!!

唯「……」
225 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:03:15.01 ID:384/ZKRAO

タッタッタ…

アララギパパ「唯ーっ!!」

唯「…! アララギ博士! ハチクさん!」

ハチク「Nは…もう行ったか?」

唯「はい…」

アララギパパ「やはりな。プラズマ団の連中が急に退いたから、もしやと思って来てみたが」

ハチク「……」

チー太「チー……」 ムー太「ムウ…」 ラー太「ラー…」

ハチク(この傷…)

ハチク「…Nは伝説のドラゴンポケモンとやらを?」

唯「はい…ゼクロムって言ったかな。もう飛んでいっちゃったけど」
226 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:05:07.30 ID:384/ZKRAO

ハチク「……とりあえず、連絡をしてみよう」

唯「ふぇ? 誰にですか?」

ハチク「アデクさんだ」

唯「アデクさんに?」

ハチク「ああ、実はあの後……“ネジやま”からジムに戻った時に、アデクさんから電話があってな。
『“こだいのしろ”へ向かう。“リュウラセンのとう”は頼んだぞ』とアデクさんはおっしゃったのだ」

唯「アデクさんが…」

ハチク「アデクさんはあの後すぐに、プラズマ団を阻止しようと発ったわけだ」

ハチク(それを知った上で、彼女をジム戦に挑戦させたのだがな)
227 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:07:05.60 ID:384/ZKRAO

ハチク「ふ…君にも心配をかけさせたな」

唯「ううん。アデクさんを信じてたから! りっちゃんもそうだと思います!」

ハチク「…ふ、そうか」

アララギパパ「なんかよく分からんが、アデクは今“こだいのしろ”にいるということだな?」

ハチク「はい。恐らく、律とも会えたことでしょうし。
今電話してみますね」ピッ

アデク『アデクだ』

ハチク「ハチクです。
アデクさん、今は“こだいのしろ”に?」

アデク『ああ、律も一緒だ。
レシラムはプラズマ団のもとへ渡ってしまったようだぞ』
228 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:09:04.05 ID:384/ZKRAO

ハチク「そうですか…、こちらもゼクロムは…。
それで…、今後の話で色々と……」

アデク『うむ、そうだな。おぬしの考えは大体分かるぞ。
“ソウリュウシティ”…だろう?』

ハチク「ええ、その通りです。律にも伝えてください。セッカではなく、ソウリュウと」

アデク『そうか。よし、分かった!
ワシもこれから“ソウリュウシティ”へ向かおう!!』

ハチク「はい。では…」

ピッ

ハチク「……」

唯「?」
229 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:11:23.39 ID:384/ZKRAO

ハチク「…唯よ。先程、ゼクロムとやらと戦ったな?」

唯「あ…はい。でも、戦いっていうより一方的に…」

ハチク「…。なるほどな、君は“ポケモンリーグ”でNたちと決着する気なのだな」

唯「ど、どうしてそれを!?」

ハチク「私の心眼をなめてもらっては困る。
…さて、今の君ではゼクロムには敵わない。そうだな?」

唯「は、はい…」

ハチク「君は強くならなければならない。
そのために修業を…」

アララギパパ「ふむう、待ってくれ。
修業…といっても、プラズマ団はすでに伝説のドラゴンポケモンを所有している。奴らが動くのも時間の問題じゃないか?」
230 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:13:26.02 ID:384/ZKRAO

ハチク「はい、時間がないのです」

唯「でもでも、私とりっちゃんはジムバッジを集めなきゃだし…」

ハチク「そう、それこそ時間がない。
だが、その解決策はある」

唯「なんですか?」

ハチク「すでに律は私とジム戦をして、勝ってバッジを受けとった」

唯「いつの間にっ!」

ハチク「だから、残るバッジはひとつだ」

唯「ええと…?」

ハチク「“ソウリュウシティ”のジムリーダーに君たちを鍛えてもらえばいい。そうして、認めてもらえばバッジも手に入り、実力も高まり万々歳だ」

唯「なるほど!」
231 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:15:10.04 ID:384/ZKRAO

アララギパパ「安直すぎる気がしないでもないな」

ハチク「というわけで、君にはすぐに“ソウリュウシティ”へ向かってほしい」

唯「あれ? でもりっちゃんは?」

ハチク「彼女ならアデクさんと向かっている。それを待つよりも君は先に行ったほうが早いだろう」

唯「そっかあ…。
頑張ります!」フンスッ

アララギパパ「よし、では私たちも同行しようか!」
232 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:17:19.79 ID:384/ZKRAO

ハチク「いえ、申し訳ない。私は少し用がありまして」

アララギパパ「ふむう? まあ仕方ないか…。
では、私が同行しよう」

唯「お願いします!」

アララギパパ「目指せ、“ソウリュウシティ”だー!!」

唯「おー!!」

唯(なんか新鮮な感じ!)フンスッ




Episode.35 fin




233 :まとめ :2011/04/03(日) 21:18:01.37 ID:384/ZKRAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185

Episode.35
>>192-211 >>212-231 >>232
234 :ぽけもん :2011/04/03(日) 21:19:01.82 ID:384/ZKRAO
終わりです
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/03(日) 21:25:06.08 ID:P0lyw78Ko
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/04(月) 02:25:20.84 ID:1pM0SWSyo
乙です
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/06(水) 09:01:33.56 ID:SNgtLpY30
そういえば唯のポケモンはみんな石進化じゃないか…
238 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:03:36.20 ID:JAbSRhYAO


Episode.36




《8ばんどうろ》


ピチャピチャ!

唯「うわあ! 水たまりがいっぱい!」

アララギパパ「見ての通り、雨が降っているからな!
この湿原を進むのだ!」

ムー太「ムウウ♪」ピチャピチャ

唯「ムー太も楽しいんだねえ」
239 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:05:30.51 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「ところで唯よ。
お前はみずポケモンを持っていなかったかな?」

唯「あ、はい」

唯(ブイ太ぁ…)グスッ

アララギパパ「…? この雨の中では戦いにくい。ましてや、ほのおタイプは本来の実力の半分も出せないのだ」

唯「ラー太は外にいるだけで頭の火が消えちゃいそう…」

アララギパパ「そう! だが心配はない。
私のダイケンキがいるからな!」

ダイケンキ「キィーッ!!」

唯「あなたには“リュウラセンのとう”でお世話になったね!
ありがとう、よしよし♪」ナデナデ

ダイケンキ「キイー」テレテレ

アララギパパ「……ふ」
240 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:07:05.67 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「よし、それでは進むぞ!
まずはこの先にある“シリンダーブリッジ”に…」

ピチャッ!

アララギパパ「む!」

マッギョ「マギョー」プカッ

アララギパパ「こいつはマッギョ!
確か、娘の奴が生態情報を欲しがっていたな…」

唯「……アララギ博士?」

アララギパパ「いや、唯! 少し待ってくれ! すぐに技を確かめて…」

マッギョ「マギョー!!」バシャバシャ!

アララギパパ「ぬおお!! これは“マッドショット”だな!!
いいぞ、他には何が…!」
241 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:09:32.77 ID:JAbSRhYAO

マッギョ「マギョー!」スタコラ

アララギパパ「あっ、待て!」

唯「……」

アララギパパ「……唯よ」

唯「は、はい」

アララギパパ「ちょいとだけ待っていてくれ!!」ダダッ!

唯「ああっ! アララギ博士ー!?」

唯「……」

ムー太「ムウウ…」ハア

唯「…」スタッ

ムー太「ムウウ?」
242 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:11:12.79 ID:JAbSRhYAO

唯「ムー太…。私、わからないんだ…」

ムー太「?」

唯「Nくんが言ってた、ポケモン解放…。
Nくんはシルバーくん…大切な人のために、『ポケモン解放が当然の世界』を実現しようとしてる」

唯「もちろん、そんな世界は間違ってるよ。でも、Nくんは自分にとっての正義を貫こうとしてる……それをすべて否定することはよくないことだって思うの」

唯「私、わからないよ。どうしたらいいのか……。
ムー太たちと一緒にいたい…でも、Nくんにだって考えはあるんだよ。私の思いとは違う、考えがあるの」
243 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:13:22.00 ID:JAbSRhYAO

唯「Nくんはポケモンは人にこき使われてるって言ってた。それで、ポケモンたちは可哀相って……」

唯「…ムー太は、私といれて幸せ?」

ムー太「…」

ムー太「ムウウ!!」ムカッ

唯「ム、ムー太…?」

ムー太「ムウウ!!」ドカッ!

唯「きゃ!?」

ムー太「ムウ! ムムウ、ムムムウ!!
ムウーッ!!!」

唯「ムー太……」

ピチャッ!

ムー太「ムウ!?」ビクッ

唯「え…、なに…?」

バッ!!

「ゲロゲーッ!!!」ガシイッ

唯「わっ…」

バシャアン!!!!!

ムー太「ム、ムウウ!?」



244 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:15:02.36 ID:JAbSRhYAO
………
……


《セッカのしつげん》


唯「うう…いたた……」

唯「ここは…?
タウンマップタウンマップ…」

唯「…“セッカのしつげん”?」

「ゲロゲーッ!!」

唯「わあっ!? あ、あなたはさっきの…!」ピッ

ポケモン図鑑『ガマゲロゲ、しんどうポケモン
あたまの コブから しんけいを マヒさせる えきたいを とばす。 しんどうで あいてを くるしめる。』
245 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:17:26.79 ID:JAbSRhYAO

唯「ガマゲロゲ…?」

ガマゲロゲ「ゲロゲーッ!!!」

唯「ひぃ! ごめんなさいごめんなさい!!」

ガマゲロゲ「…」

唯「? あ、あれ…? なにもない…」

ガマゲロゲ「ゲロゲーッ!」クイッ

唯「…?」




ユニラン「ラン…」

フシデ「フシィ…」

バチュル「チュルゥ…」

グッタリ……
246 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:19:06.28 ID:JAbSRhYAO

唯「ど、どうしたの!? このポケモンたち、みんな弱ってる!!」

ガマゲロゲ「ゲロゲー…」

唯「そっか。それで私を?」

ガマゲロゲ「ゲロゲ」サッ

ピトッ

唯「? 木に手を当ててなにを…」

ジュワアッ……

唯「! 木が毒で!?」

唯「…あなたの特性“どくしゅ”?」

ガマゲロゲ「ゲロ」コクッ

唯「看病したくてもできなかったんだね…」

ガマゲロゲ「ゲロー…」シュン
247 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:21:30.79 ID:JAbSRhYAO

唯「大丈夫だよ! 私がいるから!」

ガマゲロゲ「ゲロ…」

唯「えっと、まずは薬を…。
みんなも手伝って!」ボム!

チー太「チラチー!」

ラー太「ラー!」

唯「チー太、“うたう”!」

チー太「〜♪」

ポケモンたち「…」スピー

唯「これで体力も回復しやすいかな?
うん、薬も使って回復させてあげよう! ラー太もお願いっ」

ラー太「ラー!」タタッ
248 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:23:13.32 ID:JAbSRhYAO

唯「ガマゲロゲちゃんも!」

ガマゲロゲ「ゲロ?」

唯「ねむってるから、毒になることはないよ。それにチー太が“しんぴのまもり”をはってくれるから…」

唯「あなたも、この子たちが心配でしょ?」ニコッ

ガマゲロゲ「ゲロ…!」

唯「一緒に頑張ろ!」スッ

ガマゲロゲ「ゲロ?」

唯「握手だよっ。ほら!」

ガシッ

ガマゲロゲ「ゲロ…」オロオロ

ガマゲロゲ「…ゲロ?」ナントモナイ

唯「ね?」

ガマゲロゲ「ゲロォ…!!」パアアッ



249 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:25:16.54 ID:JAbSRhYAO
………
……


唯「…ふうっ。これで大丈夫かな?」

ガマゲロゲ「ゲロー」ホッ…

唯「でもこのポケモンたち…。
ユニラン、フシデ、バチュル……この湿原には住んでないポケモンばっかり…」

ガマゲロゲ「ゲロー?」

唯「なにかおかしいよね…」

ピチャッ!

唯「うわっ!」
250 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:27:17.39 ID:JAbSRhYAO

マッギョ「マギョー」プカッ

唯「この子…」

バシャバシャ!

アララギパパ「ここにいたか、マッギョ!」

唯「アララギ博士!」

アララギパパ「唯!? 待っていろと言ったのに…」

唯「これを見てください!」

アララギパパ「む? 野生のポケモンか…?
いや、しかし何故ここにフシデやらが…」

唯「やっぱりそうなんですか…」
251 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:29:13.70 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「やっぱり、とは?」

唯「この子たち、トレーナーのポケモンなんじゃないかなって」

アララギパパ「なるほど…有り得るな」

ガマゲロゲ「ゲロー…」

唯「大丈夫だよ、ガマゲロゲちゃん!
私がトレーナーさんに返してくるから!」

ガマゲロゲ「ゲロー」コクッ

アララギパパ「うむ。私も協力しよう」

唯「あれ? マッギョは…」

アララギパパ「状況から察するに、こちらを最優先した方がよいだろう」
252 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:31:06.38 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「そうだ…、君のムンナを見かけたが…」

ムー太「ムウウ!」ピョンピョン

唯「ムー太あ!」

ムー太「ムウウ…!」

ダキッ!

唯「よかったあ〜」

ガマゲロゲ「ゲロ…」シュン

唯「あ、ガマゲロゲちゃんは悪くないよ!?
ガマゲロゲちゃんのおかげで、ポケモンたちを無事に返せて、トレーナーさんたちも喜ぶから!」

ガマゲロゲ「ゲロー」
253 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:33:08.57 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「よし、まずは周辺のトレーナーを当たってみようか」

唯「はい! ガマゲロゲちゃん、ありがとうね!」

ガマゲロゲ「ゲロゲー!」

唯「……」


N『君、さっき言ったよね。ポケモンといると楽しい、って…』

N『でも、楽しいのは人間だけなんじゃないのかな』

N『ポケモン自身は、楽しくないのかもしれない…』


唯(トレーナーさんたちに会えたら、ポケモンたちは喜ぶのかな…?)



254 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:35:33.14 ID:JAbSRhYAO
…………
………
……


《8ばんどうろ》


アララギパパ「むう…“シリンダーブリッジ”も近くなってきたな…」

唯「あなたのトレーナーさんはこの近く?」

フシデ「フシフシィ!」

トレーナー「フシデぇ! どこに行ったんだぁい!?」

フシデ「フシィ!」

唯「あの人?」

フシデ「フシフシィ!!」タタッ

トレーナー「フシデ!!」

フシデ「フシィ!」
255 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:37:15.31 ID:JAbSRhYAO

トレーナー「よ、よかった…!」ギュッ

フシデ「フシィ…!」

アララギパパ「うむ、これで三匹とも返せたな!」

トレーナー「あ、あなたたちがフシデを?」

アララギパパ「ふむう…いや、君のフシデは傷ついていてな。回復をさせたのは、この子だよ」

唯「あ…」

トレーナー「ありがとう! 本当にありがとう…!」

唯「う、うん…」

フシデ「フシィ♪」

唯「……」



256 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:39:05.53 ID:JAbSRhYAO
………
……


アララギパパ「さて、そろそろ“シリンダーブリッジ”へ向かうか」

唯「はい」

ムー太「ムウ」

唯「……」ボー

アララギパパ「……?」

アララギパパ(ふむう…)

アララギパパ「唯よ」

唯「はい?」
257 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:42:07.31 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「私はちと“シリンダーブリッジ”を調べるように娘から言われとる。
準備には…えーと、とにかく時間がかかるわけだ。だから先に行っておるぞ!」タタッ

唯「ええ! アララギ博士!?」

ムー太「ムウ…」ポカン

唯「…気を遣わせちゃったのかな?」

ムー太「ムウ?」

唯「…ムー太。さっきの答え、出たよ。
ポケモン解放とか、やっぱり私には難しくてよく分からないよ。でも…、」

唯「湿原のガマゲロゲちゃんは人懐っこくて。
さっきのフシデや…ユニランにバチュルも、トレーナーさんと会えてとても嬉しそうだった。トレーナーさんたちも…」

唯「確かにポケモンたちはモンスターボールに閉じ込められてる……。
でもね、それでも人に反抗しないのはなんでなのかな? 世界中のポケモンたちが人と争わないのはなんで? ポケモンを扱うトレーナーって人たちが存在するのはなんで?」
258 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:45:10.56 ID:JAbSRhYAO

唯「ポケモンたちは、やっぱり…人といれて楽しいんだよ。幸せなんだよ!」

ムー太「ムウ」グイッ

唯「? あ、そっか…。
前言撤回! 私は幸せ。ムー太も幸せ!」

ムー太「ムムウ♪」

唯「……教えてあげなきゃね。Nくんに…」

唯「ポケモンといる幸せを!
ポケモンたちの幸せを!!」

ボム!!

唯「…!」

チー太「チラチー!」

ラー太「ラー♪」

ムー太「ムウウ!」

唯「うん…! 行こう!!」



259 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:48:17.30 ID:JAbSRhYAO
………
……


《シリンダーブリッジ》


唯「“シリンダーブリッジ”…橋の下を地下鉄が通りぬける鋼鉄でできた橋、だって。
地下鉄かあ…」

ボム!

ラー太「ラー!」

唯「? どうしたの、ラー太」

ラー太「ラー」ボウッ

唯「火…、そういえばもう夕方だね」

ラー太「ラー♪」

唯「えへへ、明るいね。ありがと〜」

唯「…ところで、アララギ博士はどこにいるんだろう」
260 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:51:13.98 ID:JAbSRhYAO

ブオンブオン!

唯「! バイクの音?」

「おいおい、ここいらは俺たちの縄張りなのよ。じじいが来るとこじゃねえよ!!」

アララギパパ「く…! 若造が!」

唯「アララギ博士!?」

アララギパパ「! 唯か!」

唯「えっと…なにがあって?」

アララギパパ「見ての通り、暴走族に絡まれておる」

唯「は、はあ」
261 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:54:05.28 ID:JAbSRhYAO

暴走族「なあに俺たちを無視してんだコラァ!」

暴走族2「どうやら仲間を呼んだらしいな。いいだろう、俺たちに盾突こうってんなら…」カチャ

ボム!!

ガントル「ガーッ!」

ドテッコツ「ドテーッ!」

唯「…!」

アララギパパ「ふむう、不良といってもやはりポケモントレーナーか…。
なら…、唯。こちらもポケモンを使って応戦しよう」

唯「はい!」
262 :ぽけもん :2011/04/09(土) 20:57:15.08 ID:JAbSRhYAO

ボム!!

エンブオー「ブオーッ!」

チー太「チラチー!」

暴走族「ガントル、“パワージェム”!」

ガントル「ガーッ!!」ビュオッ

唯「チー太、“スピードスター”!」

チー太「チラチー!!」シュババッ

キキキイイン!!!!

暴走族「チッ…」
263 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:00:13.46 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「唯、下がっておれ!」

エンブオー「ブオーッ!」ダッ

唯「ふぇ!」

アララギパパ「“アームハンマー”!!」

エンブオー「ブオーッ!!」ブンッ

ガントル「…!」

ドガアアアアン!!!!!!!
264 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:03:12.31 ID:JAbSRhYAO

唯「す、すごい!」

暴走族「…チッ」

シュウウッ……

ガントル「……」

アララギパパ「これだけの攻撃、耐えられ…」

アララギパパ「…!?」

ガントル「ガーッ!!」ギラッ

アララギパパ「耐えた…だと!?」

暴走族「ケケケ、甘かったな。
ガントルの特性“がんじょう”だ! どんな攻撃にも一度は耐え切れるのさ!!」

アララギパパ「むう…!」
265 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:06:05.14 ID:JAbSRhYAO

暴走族「それと…、そっちは鈍くなってんなァ?」

エンブオー「ブォ…」

唯「! “アームハンマー”の反動ですばやさが下がっちゃったんだ!」

暴走族「いけ!」

暴走族2「あァ! ドテッコツ、“ばくれつパンチ”!!」

ドテッコツ「ドテーッ!!」ブンッ

暴走族2「“ちからずく”でぶっ潰せッ!!」

エンブオー「ブオッ!?」

ドオオオオオン!!!!!!!!

エンブオー「ォ…」ヨロッ…

バタン!

アララギパパ「エンブオー!」
266 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:09:16.08 ID:JAbSRhYAO

暴走族「ケケケ、これじゃあ終わらねえぜ? …相棒!」カチャ

暴走族2「あァ」カチャ

シュパッ! シュパッ!

唯「?」

アララギパパ「お互いにモンスターボールを交換して…?」

暴走族「そうだ、交換さ」

アララギパパ「!! まさか…!」

暴走族2「いけ! ギガイアス!!」ボム!

ギガイアス「ギガィーッ!!」

暴走族「ローブシン!!」ボム!

ローブシン「オォーッ!!」

唯「! 進化!?」
267 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:12:14.29 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「あの二匹は進化の方法が特殊でな…。交換することで進化するのだ」

唯「交換…!」

暴走族「もう絶望的だな?」

暴走族2「さあ、どう料理してやるか…」

アララギパパ「く…」

「「おい、お前たち。なにやってるんだ?」」

暴走族「…!」

暴走族2「あ、あなたたちは!」

アララギパパ「なんだ…?」

「なんだ、?」ピクッ

唯「?」
268 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:15:03.20 ID:JAbSRhYAO

「なんだかんだと聞かれたら!」

「答えないのが普通だが…」

「「まぁ特別に答えてやろう!」」

「地球の破壊を防ぐため」

「地球の平和を守るため」

「愛と誠実な悪を貫く!」

「キュートでお茶目な敵役」

ヤマト「ヤマト!」

コサブロウ「コサブロウ!」

ヤマト「宇宙を駆けるカントー暴走族の二人には!」

コサブロウ「ショッキングピンク、桃色の明日が待ってるぜ!」

ヤマト「なーんてな」

ラッタ「らっちゅーの」
269 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:18:13.50 ID:JAbSRhYAO

ヤマト・コサブロウ「……」

アララギパパ「ヤ、ヤマトに」

唯「…コサンジ?」

コサブロウ「コサブロウだッ! ちゃんと名乗っているだろうが!!」

アララギパパ「…というより、カントー暴走族とは?」

ヤマト「私たちの族の名前だけど?」

唯「カントー?」

コサブロウ「ふんっ。カントー地方からやって来たのさ!
カントーはすでに征服しているからな!!」

唯「征服って…、カントーに行った時は暴走族なんていなかったような…」
270 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:21:11.61 ID:JAbSRhYAO

ヤマト「……それはいつの話だい?」

唯「えっと…一年前、かな?」

ヤマト・コサブロウ「……」

ヤマト「一年前、か…。そりゃあ私たちのことを聞かないわけだ」

唯「な、なになに?」

コサブロウ「俺たちはな。三年前…カントー征服後、サイクリングロードでいつものようにバイクで走り回ってたんだ。
それでいい気になって、町に出てトレーナーをいびってたら……あの女が現れたんだ!」

アララギパパ「…あの女?」

ヤマト「そいつに私らはやられたのさ!
カントー征服もそれでパア! 暴走族も解散だよ!!」

コサブロウ「あの黒髪ロングのジャリガールめ…!」
271 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:24:09.48 ID:JAbSRhYAO

唯「色々大変だったんだね、ヤマトさんとコサンジさん」

コサブロウ「コサブロウだっつの!」

ヤマト「でもね、それから散り散りになったかつての仲間を再び集め…こうして再結成したのさ!」

アララギパパ「…で。今度はイッシュ地方を征服にきた、と」

コサブロウ「その通りだ!」

ヤマト「…それで? あんたたちは何やってたんだい?」

暴走族「はっ! あの二人が俺たちカントー暴走族の征服した“シリンダーブリッジ”に侵入してきたんで、痛め付けているところでした!!」

ヤマト「なるほどねぇ…」
272 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:27:07.63 ID:JAbSRhYAO

アララギパパ「ふむう…、相手が四人となると……厳しいな」

唯「うう…」

コサブロウ「ハッハッハー! 四人だけだと思うなよォ? こっちは暴走族なのだ! 他にも何人もいるに決まっているだろォ!!」

ヤマト「私たちに対抗するにはそれこそ、そっちも族でくるしか…」

チリンチリン!

ヤマト「…!」

コサブロウ「なんだぁ!?」


「なんだかんだと聞かれたら」

「答えてあげよう明日のため」
273 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:30:06.62 ID:JAbSRhYAO

「Future 白い未来は悪の色」

「Universe 黒い世界に正義の鉄槌」

「「我らこの地にその名を記す」」

ムサシ「情熱の破壊者、ムサシ!」

コジロウ「暗黒の純情、コジロウ!」

「「さあ集え! チャリンコ暴走族の名の下に!」」


コサブロウ「あ゛ー!! お前たちは!!」

ムサシ「ん? …ヤマト!?」

コジロウ「コサンジ!?」

コサブロウ「コサブロウだぁー! いい加減覚えろー!!」

アララギパパ(また変なのが増えたぞ)
274 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:33:05.45 ID:JAbSRhYAO

ムサシ「…カントー暴走族がこんなところに何の用よ?」

ヤマト「それを言うなら、あなたたちチャリンコ暴走族が何故イッシュに?」

コジロウ「えっと…俺たちはホウエン地方から飛ばされて…」

ムサシ「要らんことは言わなくてよろしい!」

ヤマト「ふっ、相変わらずのようね…チェーンのムサシ」

ムサシ「あんたこそね」

コサブロウ「とんだ腐れ縁のようだな…補助輪のコサンジロウ」

コジロウ「無理矢理間違えるなぁーっ!」
275 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:36:06.97 ID:JAbSRhYAO

ヤマト・ムサシ「……」

コサブロウ・コジロウ「……」

ゴゴゴゴゴゴ…………

唯「ひ、火花が散ってるよおっ」

アララギパパ「なにか因縁があるようだな…」

アララギパパ「とりあえず、今のうちに通ろう」

唯「そうですね」

タッタッ…

ヤマト・ムサシ「……」

コサブロウ・コジロウ「……」

暴走族「あの…、奴ら逃げちまいましたけど…」
276 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:39:10.82 ID:JAbSRhYAO

暴走族「あの…聞いてます?」


ヤマト「…なんだかんだと聞かれたら?」

ムサシ「! な、なんだかんだと聞かれたら!」

コサブロウ「答えないのが普通だが!」

コジロウ「こ、答えてあげるが世の情けー!!」


ヤマト「…地球の破壊を防ぐため!」

ムサシ「世界の破壊を防ぐためー!」

コサブロウ「地球の平和を守るため!!」

コジロウ「世界の平和を守るため!!」
277 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:42:22.13 ID:JAbSRhYAO

ヤマト「愛と誠実な悪を貫く!!」

ムサシ「愛と真実の悪を貫く!!!」

コサブロウ「キ、キュートでおちゃめな敵役!!」

コジロウ「ラブリーチャーミーな敵役ぅ!!」


ムサシ「ムサシ!」

ヤマト「ヤマト!」

コジロウ「コジロウ!」

コサブロウ「コサブロウ!」


ムサシ「銀河を駆けるチャリンコ暴走族の二人には!」

ヤマト「宇宙を駆けるカントー暴走族の二人には!」

コジロウ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!!」

コサブロウ「ショッキングピンク、桃色の明日が待ってるぜ!!」
278 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:45:10.56 ID:JAbSRhYAO

ハァハァ………

暴走族「あ、あのー…」

コロコロ……

ムサシ・ヤマト「ん?」

コジロウ・コサブロウ「へ?」

マルマイン「シュゴーッ!!」

四人「マルマイン!!?」

ヤマト「も、もしかして…」

ムサシ「これって…」

コサブロウ「そんな…」

コジロウ「う、嘘でしょ〜!」

ドガーン!!!!!


「「やなカンジー!!」」

「「やなキモチー!!」」

キラァン☆



279 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:48:05.53 ID:JAbSRhYAO
…………
………
……


《ソウリュウシティ》


バサッバサッ…

ウルガモス「モスー!」

フォウル「アーケェ!」

律「…っと」タッ

アデク「ご苦労だったぞ、ウルガモス!」シュウウッ

律「フォウルもサンキューな!」シュウウッ

アデク「…うむ。案外早く着いたものだな」
280 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:51:06.92 ID:JAbSRhYAO

律「フォウルがいなかったら、こうはいかなかったかな……あのオッサンには感謝しないとな」

アデク「ああ、無論。アロエにもな!」

律「はい!」

アデク「…さて、ここへ来たのは他でもない」

律「ソウリュウのジムリーダーに、私と唯を鍛えてもらうんでしたっけ?」

アデク「そうとも! なんせ、ここのジムリーダーは……」

アデク「…む、待てよ! ジムに行く前にアララギと合流せねばな」

律「アララギ博士に?」

アデク「アララギの奴が唯と同行しているのだ。直に来るだろう」

律「そうなんですか」
281 :ぽけもん :2011/04/09(土) 21:54:06.44 ID:JAbSRhYAO

アデク「……」

アデク(伝説のドラゴンポケモン、ゼクロムとレシラム……。
ドラゴンポケモンというのなら、きゃつらに聞いた方が早い。戦うというのなら尚更!)

アデク(ドラゴン使いである、ソウリュウシティジムジムリーダーにな!)


………
……


《ソウリュウジム》


「……」ザッザッ

「よし、今日も頼むぞ。…オノノクス!」ボム!

オノノクス「ノックー!!」
282 :ぽけもん :2011/04/09(土) 22:01:50.78 ID:JAbSRhYAO

「来いッ! “ドラゴンテール”ッッ!!」

オノノクス「ノックーッ!!!」シュッ

ドゴオオオオン!!!!!!!!!!

パラパラ……

オノノクス「ノクー…!」

「…いい攻撃だ。だが、人に止められるとはまだまだだな。
……まあ、毎日こうしてドラゴンポケモンの相手をしていたら馴れるというものか」

シャガ「このシャガに敵などいまい!!」ドン!




Episode.36 fin




283 :まとめ :2011/04/09(土) 22:03:18.14 ID:JAbSRhYAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
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Episode.35
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Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282
284 :ぽけもん :2011/04/09(土) 22:03:47.54 ID:JAbSRhYAO
終わりです
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/09(土) 22:04:46.91 ID:TxbcMnQi0
おつんつん
286 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:20:02.47 ID:J8Y9u6JAO


Episode.37




《9ばんどうろ》


テクテク……

唯「ああ〜! やっとここまで来たよ〜…」

アララギパパ「長い道のりだったな。すっかり夜も明けてしまった」

唯「デパートも閉まってたし…」

アララギパパ「まあこんな朝早くからはやっておらんだろう。
…ふむ、もう少しで着くぞ。“ソウリュウシティ”だ!」

prrr…

アララギパパ「む!」

ピッ

アララギパパ「ん…ああ。ああ、わかった」ピッ

アララギパパ「……」
287 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:22:03.44 ID:J8Y9u6JAO

唯「どうしたんですか?」

アララギパパ「すまん、唯。私はソウリュウまで行けない」

唯「ええ!」

アララギパパ「ちと用があってな…。だがソウリュウはもう目と鼻の先だ! まっすぐ行けば着く!
それじゃあな!」

唯「あ、えっと…ありがとうございましたぁ!」

タッタッタ…

唯「どうしちゃったんだろう? …まあいいや! 早く行ってりっちゃんと合流しよう!」



288 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:24:22.06 ID:J8Y9u6JAO
………
……


《ソウリュウシティ》


唯「ここが“ソウリュウシティ”だねえ」

ザワザワ……

唯「…? なんだろう…人が大勢……」


ザワザワ……

唯「なにかな?」ヒョコッ

「「そうなのです!!!」」

唯「! あの人は…ゲーチスさん!?」
289 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:26:28.18 ID:J8Y9u6JAO

ゲーチス「我らが王、N様とシルバー様は伝説のポケモンと力をあわせ! 新しい理想の国をつくろうとなさっています!
これこそイッシュに伝わる英雄の建国伝説の再現!!」

ゲーチス「ポケモンは人間とは異なり未知の可能性を秘めた生き物なのです。我々が学ぶべきところを数多く持つ存在なのです。
その素晴らしさを認め、我々の支配から解放すべき存在なのです!」

ゲーチス「我々プラズマ団とともに新しい国を!
ポケモンも人もみんなが自由になれる新しい国をつくるため、みなさん、ポケモンを解き放ってください」

ゲーチス「…というところでワタクシ、ゲーチスの話を終わらせていただきます。
ご清聴感謝いたします」

ゲーチス「……」ザッザッ…
290 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:28:03.36 ID:J8Y9u6JAO


おじさん「ポケモンを解放しなくちゃならんのかねえ…」

おにいさん「理想の国か…どんなものなんだろう?」

おとこのこ「プラズマ団のおうさま! 英雄ってカッコイイなー!」


唯「…」

ザッ!

「嘘つきゲーチスめ!」

唯「アデクさん!」

アデク「なにが理想の国だ。なにが力を合わせるだ、解放だ…。
散々、各地方を騒がせたのはどこのどいつだ!!」
291 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:30:24.51 ID:J8Y9u6JAO

唯「……。りっちゃんはどこに?」

アデク「…律なら先にジムへ向かわせた。おぬしも後を追うといい」

唯「? アデクさんはどうするんですか?」

アデク「うむ、わしは用があってな。律にもそう言っておいた。
…では、ジムリーダーによろしくな」

唯「はい!」

アデク「…」ボム!

ウルガモス「モスー!」

タッ!

バサッバサッ……


prrr…

ピッ

アデク「わしだ」

アララギパパ『おお、アデク。アララギだ』

アデク「それで、あのポケモンたちを見つけたと聞いたが」

アララギパパ『あのじいさんから電話があってな…。
今度こそ、完全に姿を現したらしいぞ』

アララギパパ『せんぷうポケモン・トルネロスと、らいげきポケモン・ボルトロスが…!!』



292 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:32:07.13 ID:J8Y9u6JAO
………
……


《ソウリュウジム》


律「…………」

ハッハッ! シュビッシュビッ

ハッハッ! シュビッシュビッ

律「…………」

シャガ「…さあて、そなたもやってみるがいい」

律「無理だよッ!!」

シャガ「む?」

律「こんな…オノノクス、だっけ?
こんなゴツいのと闘り合える訳ないだろ!!」

シャガ「…このシャガは毎日やっていることだが。こんな年寄りにも出来るのだぞ?」

律「私、一応女の子だから! ウッフン!!」

シャガ「……そうか。なら仕方ないな」

律「ふう…」
293 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:34:45.79 ID:J8Y9u6JAO

シャガ「では、このジヘッドと」

ジヘッド「ジヘッ!」

律「だから無理だっつの!!」

シャガ「…何故だ? オノノクスと比べたら、大分マシではないか」

律「そもそも、人とポケモンが戦うこと自体が無理なんだよ!」

シャガ「むう…それはすまなかった……」

律「……」

シャガ「……」グスッ

律「ええ!?」

シャガ「…このシャガが間違っていたのぅ……」ズビッ

律「い、いや! あんたが悪いんじゃなくてな? ただちょっと、発想の違いっつうか…。
ていうか、こっちは教えてもらってる側だし!」アセアセ

シャガ「…」ショボン
294 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:37:36.19 ID:J8Y9u6JAO

律「…はは」

律(どうしたら……)

「はー、シャガさん相手にその口の利き方! なってないわねー」

律「…!」

アイリス「まったく、子供ねっ」

律「ア、アイリス!?」

アイリス「あんた、あれから成長してないのねー」

律「なんだと!?」

アイリス「やーね、そんなムキにならないでよ。子供ね」

律「…なんでアイリスがここにいるんだよ?」

アイリス「ん? 私がなんでここにいるかって?
知りたいの? まあ教えてあげてもいいけどー」

律(うぜえ…)
295 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:40:03.62 ID:J8Y9u6JAO

アイリス「いいでしょ、教えてあげる!
私がソウリュウジムのジムリーダーだからよっ!!」

律「………………………………………………………………は?」

アイリス「な、なによその目……信用してないわね!?」

律「いや、だってよ…。
ジムリーダーはシャガさんのはずだろ? なのにそんなこと言われたらな…」

アイリス「…私よりシャガさんの言うことを信じるのね?」

律「いや……でも、お前がジムリーダーって………………ぷっ」

アイリス「な、何よ何よ! 笑わなくたっていいじゃない!!」ムキー

律「ああ、ゴメンゴメン。つい………………ぷっ」

アイリス「むき〜!!!」
296 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:43:09.36 ID:J8Y9u6JAO

アイリス「…いいわ。なら、私がジムリーダーだって……バトルで分からせてあげるわ!!」

律「へっ、かかってこいよ!」

アイリス「後悔しても知らないわよ!」

アイリス「行きなさい、エモンガ! ドドンがドーン!!」ボム!

エモンガ「エモエモ!」

律「! エモンガか…!」

律「カミツレとのバトルでは、すばやさが厄介だったな…。でもこっちにはフォウルがいるし、大丈…………ん?」

エモンガ「エモエモ!!」バタバタ!

アイリス「ち、ちょっとエモンガ! 暴れちゃダメー!!」

エモンガ「エモエモー!」バタバタ!

アイリス「コラー!!」

律「な、なんだ…?」
297 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:46:25.71 ID:J8Y9u6JAO

エモンガ「エモエモ!」ゲラゲラ

アイリス「…もういいわ、戻りなさい……」シクシク

シュウウッ…

律「…あの、アイリスさん?」

アイリス「…くっ……まだよ!
ドリュウズ! 出てきなさい!!」

律「ドリュウズ…! プラズマ団を一撃で倒したあのドリュウズか!!」

ボム!

ドリュウズ「……」ゴトッ…

律「……………」

アイリス「……………」

ドリュウズ「……」

律「………なにこれ?」ドリル?
298 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:49:29.14 ID:J8Y9u6JAO

アイリス「あの時は単に機嫌が良かっただけだったのね…」ガックシ

ドリュウズ「……」

アイリス「うう…ドリュウズ、戻りなさい……」ハァ

シュウウッ

律「ア、アイリス…もう……」

アイリス「うあー!! まだまだよ!!
キバゴ!」

キバゴ「キバー!」

アイリス「“りゅうのいかり”!!!」

キバゴ「キバー…!!」

カッ!!!!

ドオオオオオン!!!!!!!
299 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:51:24.09 ID:J8Y9u6JAO


プスプス…

アイリス「あはは…」ケホッ

キバゴ「キバ〜…」バタリ

律「自爆かよ…」

アイリス「うう……」

シャガ「やはり、そなたは半人前だな」

アイリス「! シャガさん…」

律(復活した!)

シャガ「これではジムを継がせれんな」

律「やっぱり嘘だったのかよ!」

アイリス「あう…。う、嘘じゃないもん! 次期ジムリーダーだし!」

シャガ「いつになることやら、だな」

アイリス「…うぅ」
300 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:53:01.65 ID:J8Y9u6JAO

シャガ「とりあえず、律よ。稽古の続きをするとしよう」

律「あー…、はい」

ウィーン!

唯「たのもー!!」

シャガ「む」

律「唯!!」

唯「りっちゃん発見! …あれ? アイリスちゃん?」

アイリス「しくしく…」

律「あー、今は触れてやるな」

唯「??」

シャガ「…そなたが?」

唯「平沢唯ですっ」

シャガ「ソウリュウジムジムリーダーのシャガだ」

律「よし、唯も来たことだし!
シャガさん! 稽古を!」

シャガ「ああ、分かっている。
付いてきなさい」



301 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:55:03.45 ID:J8Y9u6JAO
………
……


《9ばんどうろ》


唯「“9ばんどうろ”……」

律「ここへなにしに? …つか、アイリスも来てるし」

アイリス「私が来ちゃいけないわけ!?」

シャガ「実際にここでなにかする訳ではない。この先の、ある場所へ行くのだ」

唯「ある場所?」

シャガ「“しゅぎょうのいわや”という所だ」

律「聞くからに、修業にぴったりな場所みたいだな」

シャガ「察しのとおり、そこでそなたたちを鍛えてやるのだ」

律「“しゅぎょうのいわや”かぁ…」



302 :ぽけもん :2011/04/14(木) 20:58:08.79 ID:J8Y9u6JAO


《しゅぎょうのいわや》


シャガ「ここが“しゅぎょうのいわや”だ」

唯「へえ〜!」

律「この洞窟が…」

アイリス「あなたたち以外にも、多くのトレーナーたちが修業しにくる場所でもあるのよ!
だから、“『しゅぎょう』のいわや”って名前なの!」

シャガ「今はそなたたちの為に、このシャガがここは無人にしておいたがな」

唯「貸し切り…!」

律「すげえな」

シャガ「それ程までに、そなたたちを鍛えることは重要だということだ」

唯律「…!」
303 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:00:36.78 ID:J8Y9u6JAO

シャガ「……修業を始める前に、まずはだな。
そなたたちに教えることは一つ。
ドラゴンポケモンとの戦い方だ!」

唯「ドラゴンポケモンとの戦い方…?」

シャガ「そう。そなたたちの相手をするのは、伝説のドラゴンポケモンだ。ならば、戦い方を知って損はないだろう。
それに、このシャガはドラゴンタイプのエキスパートだ。ドラゴンポケモンに関しては人より詳しい」

律「…確かに……レシラムの力は圧倒的だった……」

唯「ゼクロムも……」

シャガ「……そうだ。だからこそ、この修業がうってつけなのだ」
304 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:03:56.64 ID:J8Y9u6JAO

アイリス「そういえば…あなたたちは実際にドラゴンポケモンと戦ったことはあるの?」

律「ん…そういやぁ……」

唯「イブキさんとは戦ったよね」

律「嫌な思い出が…」ウーン…

アイリス「…ふーん」

シャガ「そうか…どちらにしろ、教えた方がいいな」

唯律「??」

シャガ「一度、このシャガが手合わせをしよう。そなたたちは二人で来なさい」

唯「わかりました!」

律「オッケー!」
305 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:06:40.78 ID:J8Y9u6JAO

シャガ「オノノクス!!」ボム!

オノノクス「ノックー!!!」

唯「オノノクス?」ピッ

ポケモン図鑑『オノノクス、あごオノポケモン
キバゴの最終進化形。やさしい せいかくだが なわばりを あらす ものには ようしゃしない。 てつを きる キバで いどみかかる。』

律「いけ! フォウル!!」ボム!

フォウル「アーケエ!!」

唯「わあっ! 新しいポケモン!?」

律「化石を復元したんだぜー」

唯「いいなあ、りっちゃんばっかり!」

律「唯もこの間、ヒトモシゲットしただろ?」

唯「うん! じゃあラー太、お願い!」ボム!

ラー太「ラー♪」
306 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:08:17.54 ID:J8Y9u6JAO

アイリス「アーケオスとヒトモシね…」

シャガ「それでは始めるか。どこからでも来なさい!」

律「それじゃあ行かせてもらうぜ! フォウル!!」

フォウル「アーケエ!!」バサッ!

律「“アクロバット”だ!!」

フォウル「アーケエエ!!!」ギュオッ

シャガ「むやみに特攻してくるとは…!
オノノクス、返り討ちにしてやれ!」

律「…どうかな?」

シャガ「…!」

アイリス「あれは!?」
307 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:10:48.70 ID:J8Y9u6JAO

フォウル「アーケエ!!」ガシッ

ラー太「ラー!!」

シャガ「ヒトモシを掴んでいるだと!?」

アイリス「違う…下!!」

フォウル「アーケ!」パッ

ラー太「ラー!」スタッ

シャガ「なに!」

律「オノノクスの注意は完全に上に向いてた! 今からじゃあ間に合わないぜ!!」

唯「ラー太、“はじけるほのお”!!」

ラー太「ラー!!!」

ボオオオオオッ!!!!!!

オノノクス「…!!」

律「よっしゃあ!」

唯「やったね、りっちゃん!」
308 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:12:36.82 ID:J8Y9u6JAO

ボオオオオオッ!!!!!!

シャガ「……やはりな」

唯律「…?」

シャガ「教えよう…、ドラゴンポケモンの力を!!」

オノノクス「ノーックーッ!!!」

唯律「!!?」

律「な、なんだ!?」

オノノクス「ノックー…!!」ゴアアアッ!!!!

唯「炎が…オノノクスに取り巻いて…!」

シャガ「“げきりん”だ!!!」

ドガアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!


フォウル「…」バタッ

ラー太「…」バタッ

唯律「……!!」

唯「なに、今の……」

律「なにが起こったんだ…!?」
309 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:14:59.55 ID:J8Y9u6JAO

シャガ「これがドラゴンポケモンの力だ」

シャガ「まずはその反応速度。そのスピードは相手の行動に瞬時に対応できる」

シャガ「次に防御。体は硬い皮膚に守られ、半端な攻撃では微動だにしない」

シャガ「そして最後に、圧倒的なパワーだ!
相手の攻撃を飲み込み、それをも自分のパワーの糧とする!」

律「スピード、防御、パワー、どれをとっても完璧なんて…」

唯「そんな相手をどうやって倒せば…」

シャガ「いや、そう悲観するものでもない。何事にも弱点や隙というものはある。
…オノノクスを見てみろ」
310 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:17:45.54 ID:J8Y9u6JAO

オノノクス「ノック…」フラフラ…

唯「? こんらんしてる…」

律「そうか! さっきの“げきりん”で…!」

シャガ「うむ、“げきりん”は繰り出せばこんらんする恐れがある。
確かに威力の高い技だが…逆に言えば、耐え切れたのなら形勢逆転も有り得るかもしれないのだ」

律「そこは普通のポケモンと同じなんだな…」

シャガ「そう。力の強さというハンディがあるものの、ドラゴンポケモンも他と同じポケモンだ。技や連携…様々な戦術を駆使すれば勝てる!」

シャガ「その点では、先程のアーケオスとヒトモシの連携プレイも悪くなかったぞ」

唯「いやあ、えへへ〜」
311 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:19:06.47 ID:J8Y9u6JAO

シャガ「この修業を通してドラゴンポケモンにも通用する様、そなたたちのポケモンたちのコンビネーションを磨くのだ」

唯律「コンビネーション…!」

シャガ「ゼクロムとレシラムは本当に強い。しかしそなたたちが負けたのは、一人で戦ったからではないか?」

唯律「……」

シャガ「一人では無理なら、二人で戦えばいい……そうだろう?」

唯「二人で…」

律「あっちもNとシルバー、二人だもんな!」

唯「うん、りっちゃん!」

律「ああ、唯!」

律「二人で力を合わせて…」

唯「私たちのコンビネーションで…」

律「Nとシルバーに勝とう!!」
312 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:20:24.32 ID:J8Y9u6JAO

唯「うん! そしてNくんとシルバーくんに、ポケモンたちの本当の幸せを教えてあげるの!」

律「ポケモンたちの本当の幸せだって?」

唯「私たち人間と一緒にいて、ポケモンたちは楽しいってこと! 私たち人間もポケモンといれて楽しいってこと!
『人間とポケモンが一緒にいることが悪い』なんて世界、おかしいよ!」

律「そうか、唯もNに聞いたのか…シルバーのこと…」

唯「うん…りっちゃんも?」

律「ああ。…私は、プラズマ団を許せない。
でも、シルバーが覚悟を決めてしようとしてることなら、それに協力する!」

律「…そうだな。唯の言ったとおり、あいつらに分からせてやろう! 私たちの幸せを!!
あいつらの“理想”と“真実”をひっくり返してやろうぜ!!!」

唯「うん!!」
313 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:22:13.11 ID:J8Y9u6JAO

アイリス「は〜、まったく…こんな洞窟の中で大声で叫ぶなんて、子供ねっ」

アイリス「まあでも、私にできることなら手伝うわよ。私もソウリュウのジムリーダーだもん! …次期だけど」

律「アイリス…」

シャガ「…ふむ。ポケモン解放、か……。奴らの考えも分からんでもないが……それ以外を全てを否定する、そのやり方は許せんな」

シャガ「なんにしても、力をつけなければ何もならん。
…では修業を始めるぞ」

唯律「はい!!」

律「よっし! 私たちのコンビネーションを魅せてやるぜー!!」

唯「おーっ!!」

ワイワイ…


ノソッ……

「……」ジー

「…グルルル………」




Episode.37 fin




314 :まとめ :2011/04/14(木) 21:23:36.13 ID:J8Y9u6JAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
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Episode.32
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Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282

Episode.37
>>286-305 >>306-313
315 :ぽけもん :2011/04/14(木) 21:24:09.91 ID:J8Y9u6JAO
終わりです
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) :2011/04/14(木) 21:53:18.76 ID:2/D9xD2C0
317 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:27:20.98 ID:ZeF6vvGAO


Episode.38




《しゅぎょうのいわや》


モール「リュー!!」

律「モール、地面に向かって“ドリルライナー”だ!」

ギュアアン!

ドゴオオン!!!!!!

モノズ「モノッ…!」グラッ

唯「今だよ、チー太! “アイアンテール”!!」

チー太「チラチー!!」タタッ

シャキンッ!

ドガアアアアン!!!!!!!
318 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:29:08.68 ID:ZeF6vvGAO

モノズ「モノー!?」ドサアッ

モノズ「モノ、モノ…!」スタコラ

唯「…上手くいったね、りっちゃん!」

律「ああ!
まずは相手の足場を崩して、そこで攻撃! パワフルなモールと、身軽なチー太だからこそできるコンビネーションだな!」

唯「りっちゃんのモール、進化したんだねえ」

律「そういう唯のチー太だってな!」

唯「えへへ〜」

律「それにしても、ここはドラゴンポケモンしかいないのか?」

唯「うーん、シャガさんが言ってたよね」
319 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:31:07.78 ID:ZeF6vvGAO


シャガ『本来、この洞窟にドラゴンポケモンは住み着いてはいない。しかし貸し切り前から、ドラゴンポケモンを放っておいた…このシャガがな。
だから今となっては、野生ポケモンはドラゴンポケモンばかりだろう』


唯「って!」

律「勝手に生態系を変えていいのかよ…。まあ修業は捗るけどさ」

唯「そういえば、シャガさんとアイリスちゃんはどこ行ったのかな?」

律「シャガさんはやることがあるって言って、どっか行ったな。
アイリスは……あそこ」

唯「?」


モノズ「モノオッ!」

アイリス「キバゴ、頑張るのよ!」

キバゴ「キバキバ!」
320 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:33:08.55 ID:ZeF6vvGAO

アイリス「“ひっかく”!!」

キバゴ「キバ!」トテチテ…

トテチテ…

キバゴ「キバー!」バリッ

モノズ「…」

ムカッ

モノズ「モノオーッ!!」

キバゴ「キバー!?」

アイリス「あ、あー! キバゴ、“りゅうのいかり”!!」

キバゴ「キ、キバー!!」カッ!

ドガアアアアン!!!!!!!

プスプス……

キバゴ「キバ〜…」バタリ

アイリス「や、やっぱ駄目ね…」ケホッ

モノズ「モノッ」プイッ スタコラ

アイリス「トホホ…」
321 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:35:09.43 ID:ZeF6vvGAO


律「…まっ、そっとしておこう。
修業を再開するかー」

モール「リュー…」クタッ

律「? 疲れたのか、モール?」

唯「りっちゃん、チー太もお疲れみたい」

チー太「チラチー…」ヘタッ

律「んーじゃあ、休憩がてら他のポケモンたちのコンビネーションもどうするか決めるか」

唯「うん!」



律「よし、ここらへんでいいだろ」

モール「リュー」スタッ

チー太「チラチー」スタッ

モール「…リュー?」

チー太「チラチー♪」

ワイワイ
322 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:37:07.29 ID:ZeF6vvGAO

唯「仲良しだねえ♪」

律「この二匹はイッシュで最初にゲットしてから、長い間一緒にいるからなー」

唯「じゃあ順番にいくと…、
ムー太とボルト、ラー太とフォウル…って組み合わせになるのかな?」

律「そうだな。ラー太とフォウルは、オノノクスと戦った時みたいに…いや、もっと工夫させた方がいいか。とりあえずあんな感じで」

唯「ムー太とボルトはどうしよう」

律「うーん…」

トボトボ…

アイリス「はー、疲れた〜…」

律「アイリス」

唯「お疲れ様〜♪」
323 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:39:11.19 ID:ZeF6vvGAO

律「どうなんだ、調子は?」

アイリス「ダメダメね。でもキバゴも頑張ってくれてるから、諦めないわ!」

唯「その意気だよっ!」

キバゴ「キババー!」

アイリス「…頑張ってドラゴンマスターにならなくちゃね! キバゴ!」

唯律「ドラゴンマスター?」

アイリス「ん? ああ…。ドラゴンマスターっていうのは、ドラゴンと心を通わせ、ドラゴンポケモンの特徴を生かして自在に操るドラゴン使いのこと!
私はそれを目指しているの!!」

唯律「へ〜!」

アイリス「でもドラゴンマスターなんて、称号だけで、実際になれたトレーナーなんていないんだけどね。
シャガさんも、あなたたちが戦ったイブキさんも…結局はドラゴン使いってところで止まってるのよ」
324 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:41:07.00 ID:ZeF6vvGAO

アイリス「まあ、私はそのドラゴン使いにもなれてないんだけどねー。あはは」

律「トレーナーにも色々あるんだなー。
ジムリーダーとか…四天王、チャンピオン。今度はドラゴンマスターと来たか」

唯「すごいよねー! そういうのって憧れるよ!」

律「そうだよなー」

アイリス「まっ、夢があることはいいことよ!」

律「夢か…」

唯「私は立派なお姉ちゃんになることだね!」

律(憂ちゃんどうしてるかなぁ…)

唯「りっちゃんは強くなりたいんだよね!」

律「ん…、ああ! 最強のポケモントレーナーになるんだ!!」
325 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:44:03.19 ID:ZeF6vvGAO

アイリス「最強ねえ…高望みすぎない?」

律「夢はでっかくだ!」

唯「胸はちっさくだね、りっちゃん!」

律「うるせえっ!」

アイリス「子供ねえ」

律「…よし! なんかやる気出てきた!
唯、修業再開するぞ!!」

唯「うん! りっちゃん!!」

タタタッ


アイリス「あんなに張り切って。子供ねえ…」

キバゴ「キバキバ」グイッ

アイリス「うんっ、じゃあ私たちも続きしようか!
今度はドリュウズね! …いや、エモンガが先かなあ……」

アイリス「う〜ん…」テクテク
326 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:46:06.87 ID:ZeF6vvGAO

ドンッ!

アイリス「…あだっ」

「グルル……」

アイリス「……ん?」

「「ガァーッ!!!」」

アイリス「キャー!!?」

キバゴ「キバー!?」




ャー……

唯「ん?」

律「どうした、唯ー?」

唯「なにか聞こえたようn…」

アイリス「キャー!!」

キバゴ「キバー!」

ダダダッ!

律「な、なんだ!?」
327 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:48:13.73 ID:ZeF6vvGAO

唯「そ、そんなに慌ててどうしたの? アイリスちゃん」

アイリス「はぁはぁ……、野生の…ポケモンが……」

律「ポケモン?」

「「ガァーッ!!!」」ドタドタ

唯律「!!」

アイリス「あ、あのポケモン!」

「グルル…!」

律「あいつは…」ピッ

ポケモン図鑑『クリムガン、ほらあなポケモン
せまい ほらあなを はしりまわり えものを するどい ツメで ほかく。かおの ひふは いわより かたい。』

唯律「クリムガン…!!」

クリムガン「ガァーッ!!!」
328 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:50:09.29 ID:ZeF6vvGAO

唯「すっごい怒ってるよぅ…」

律「ア、アイリス! なんでこいつはこんなに機嫌が悪いんだよ!!」

アイリス「そ、それは……。私が考えながら歩いてたら、ぶつかっちゃって……その」

律「お前が悪いんじゃん!」

アイリス「し、仕方ないじゃない! 暗がりで周りがよく見えなかったし!」

クリムガン「ガァーッ!!!」

アイリス「ひっ…!」

唯「とりあえず二人とも! このままじゃ危ないよおっ!!」

律「なんとかしないと…!」

クリムガン「ガァーッ!!」ダダッ

キバゴ「キバ…!?」
329 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:53:34.42 ID:ZeF6vvGAO

クリムガン「リムガーッ!!」ブンッ

アイリス「“きりさく”よ! 危ない、キバゴ!!」ダッ

ガバッ!

クリムガン「ガァーッ!」

ザキイッ!!!!!!

アイリス「キャアアッ!!」ドシャアッ

唯「アイリスちゃん!!」

律「アイリス!!」

クリムガン「リムー…!」ギロッ

唯律「…!」

律「ここは戦うしかないな…」カチャ

唯「うん…」カチャ

ボム!!

モール「リュー!!」

チー太「チラチー!!」
330 :ぽけもん :2011/04/19(火) 20:57:33.58 ID:ZeF6vvGAO

律「まずは足場を崩すぜ! “じならし”だー!!」

ドリュウズ「リュー!!」

ドドドド…!!!!!!

クリムガン「…!」バサッ

唯「りっちゃん!」

律「ああ! クリムガンは翼がある。空中に逃げる気なんだろうけど……予想通りだ!!」

唯「チー太! 天井の岩を利用して…“ロックブラスト”!!」

チー太「チラチー!!」ドガッ!

ドゴオオン!!!!!!

クリムガン「ムガッ!?」

唯「下からも上からも来られたら、抵抗もできないよね!」
331 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:00:04.28 ID:ZeF6vvGAO

クリムガン「リームウッ!!」タッ

唯律「…!!」

クリムガン「ムガーッ!!!」

ダダダダ!!!!

唯「壁を走ってる!?」

律「“ロッククライム”だ!!
上下が駄目なら、横だってか!」

クリムガン「ムガーッ!!」ダッ

スタッ!

チー太「チラチー!?」

モール「リュー!?」

律「まずい…!」

クリムガン「リムーッ!!」ブンッ

ドオオオオオン!!!!!!!
332 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:02:22.89 ID:ZeF6vvGAO

シュウウッ……

唯「どうなって……」

律「!? モールとチー太の姿がないぞ!!」

唯「ホントだ…! チー太あ!?」

律「モールう!?」

ボム!!

唯律「!!」

ボルト「ゼブウ…?」キョトン

ムー太「ムウ……?」

唯「ボルトとムー太!?」

律「…! さっきのは“ドラゴンテール”!!
攻撃を当てたら、強制的に相手のポケモンを交替させる技だ!!」

唯「今のが…!」

クリムガン「ムガッ」ニヤリ
333 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:03:38.10 ID:ZeF6vvGAO

律「くそ、私たちには相性の悪い技だな……」

唯「交替させられたら、コンビネーションも崩れちゃうもんね…」

律「とりあえず、今はボルトとムー太でクリムガンを倒すぞ!」

唯「うん!」

律「“じゅうでん”しろ!!」

ボルト「ゼブウウ!!」バリバリ…!

唯「ムー太、“テレキネシス”!!」

ムー太「ムウ!」ウィン!

ボルト「…」フワッ

クリムガン「…!」

唯「これでボルトを動かして…」
334 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:07:47.18 ID:ZeF6vvGAO

ムー太「ムウ!」ウィン

ボルト「ゼブウ!!」ギュオッ

クリムガン「リム!」

ビリビリィ!!!!!

クリムガン「リムー!?」ビリッ

唯「“じゅうでん”してるだけで攻撃ができる!」

律「いいぞ! 効いてる!!」

クリムガン「リムー……」

唯「ムー太、もう一度だよ!」
335 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:10:14.92 ID:ZeF6vvGAO

ムー太「ムウ…!」ウィン……

ボルト「ゼブッ!?」グラッ

ドオオン!!!!!

唯「ああっ!」

ボルト「ゼブウ…」

ムー太「ムウ…」ゼエゼエ

律「あんまり長い時間はできないのか…?」

クリムガン「リムーッ!!」ダッ

唯律「!!」

唯「“ドラゴンテール”が来るよおっ!?」
336 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:11:41.91 ID:ZeF6vvGAO

律「くそ…! また交替させられ…」

律(交替…?)

律「そうか…!
ボルト、“ボルトチェンジ”だ!!」

ボルト「ゼブウウ!!」バリッ

クリムガン「!?」ビリイッ

ボルト「」シュンッ

ボム!

フォウル「アーケエ!!」

唯「交替した!?」

律「勝手にさせられるよりマシだぜ!
そして、すぐにムー太とのコンビネーションに持っていくぞ!!」

唯「うん! “テレキネシス”!」

ムー太「ムウ!」ウィン!
337 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:15:34.13 ID:ZeF6vvGAO

律「“アクロバット”!!」

ドダダダ!!!!!!!

クリムガン「ムガーッ!?」ズザザッ…

律「この狭い洞窟の中じゃ上手く飛び回れないけど、ムー太に手伝ってもらえば自由に動けるのさ!!」

フォウル「アーケエ!!」ドダダダ…

クリムガン「ムガーッ……」ギロリ

フォウル「…ッ!?」クラッ

ムー太「ムウッ?」

フォウル「アーケエ…!!」ドサッ

律「ど、どうしたんだ!? フォウル!!」

フォウル「アーケ……」ザラッ…

律「なんだ? 身体のあちこちに傷が…!
クリムガンが攻撃したようには見えなかったのに!」
338 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:16:28.25 ID:ZeF6vvGAO

クリムガン「ムガーッ!」ザラッ

律「…! あのザラザラした肌!!」

唯「“さめはだ”!?」

律「フォウルがクリムガンの肌に触れる度に、ダメージを受けていたのか…!」

フォウル「アーケエ…」

律「休んでてくれ、フォウル」シュウウッ

唯「りっちゃん!」

律「ああ、唯。物理攻撃が駄目なら、特殊攻撃だ!」
339 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:18:11.00 ID:ZeF6vvGAO

唯「ムー太! “サイコウェーブ”!!」

ムー太「ムウウ!!」ウィン!

クリムガン「ガァーッ!!!」パアアン!

唯ムー太「!?」

律「“ドラゴンクロー”で弾かれた…!
真正面から攻撃しただけじゃあ、防がれる!!」

クリムガン「ガァーッ…!」シャキンッ

律「“つめとぎ”で、さらにパワーアップか…!」
340 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:19:49.23 ID:ZeF6vvGAO

クリムガン「ガァーッ!!!」ブンッ!

唯「“リフレクター”だよ!」

ムー太「ムウウ!!」ウォン!

ガキイイッ!!

クリムガン「…!」ギギ…

唯「りっちゃん! 今のうちに攻撃だよ!」

律「分かった! ボルト!!」ボム!

ボルト「ゼブウウ!!」

律「でも、“さめはだ”や“ドラゴンクロー”で攻撃は…」

唯「うーん……、…そうだ! “スパーク”だけを“サイコキネシス”で動かせればいいんじゃないかな?」

律「そうか! それなら“さめはだ”も効かない!
…でも“ドラゴンクロー”はどうするんだ?」
341 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:22:49.32 ID:ZeF6vvGAO

唯「考えてあるよ!
ムー太、“ひかりのかべ”!」

ムー太「ムウウ!」ウォン ウォン ウォン……

ウォン!!!

クリムガン「ムガッ!?」

律「壁がクリムガンの周りを囲んだ!
…あれに電撃を放てばいいんだな?」

唯「うん! 軌道はムー太が調整するから、思いっきりやって!!」

律「オーケー!
よし…、行くぜ!! “ほうでん”!!!」

ボルト「ゼブウウーッ!!!!」バリバリ!

ムー太「ムウ!」クイッ

ギュイイン!!!!!!
342 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:24:46.43 ID:ZeF6vvGAO

唯「電撃は“ひかりのかべ”に反射して…」

キュアンッ!

唯律「中心のクリムガンに当たる!!」

カッ!!!!

クリムガン「ムガッ…!!」

ドガアアアアン!!!!!!!!!

クリムガン「」バタッ

唯律「やった!!」

律「凄まじい威力だったな!」

唯「ムー太とボルトのコンビネーションは決定だね!」

律「これで、三組すべてのコンビネーションは完成だあ!!」
343 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:26:01.44 ID:ZeF6vvGAO

唯「やったね、りっちゃあん!!」ガバッ

律「ああ、唯い!!」ダキッ

ワイワイ……


アイリス「…ううん……」パチッ

律「アイリス、大丈夫か?」

アイリス「あんた……って! クリムガンは!?」

アイリス「!!」

クリムガン「ムガ……」ビリリ…

アイリス「あれ…、倒れてる……」

律「やりすぎちゃったな…」アハハ…

唯「クリムガンちゃん!」タタッ

クリムガン「……?」
344 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:27:38.05 ID:ZeF6vvGAO

唯「“クラボのみ”、採ってきたよお。お食べ♪」

クリムガン「ムガッ?」キョトン

唯「ビリビリして苦しいと思ってね。誰も悪くないことで、当然あなたも悪くないのに……ごめんね?」

クリムガン「ムガァ…」パクッ

クリムガン「ムガァ!!」シャキッ

唯「元気になったね!」

律「よかったな、クリムガン!
私もごめんな!」

クリムガン「リムリム!」ニコニコ

アイリス「わ、私も…! 元はといえば、私の不注意であなたを怒らせちゃったから……」

クリムガン「リムッ!」コクッ

アイリス「許してくれるの…?
よ、良かった!」パアッ

唯「えへへ〜、仲直りできてよかった!
また友達が増えたね♪」

律「へへっ、そうだな!」

アイリス「ふふっ」

クリムガン「リムーッ♪」


345 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:28:34.73 ID:ZeF6vvGAO


クリムガン「リムー♪」ノシ

唯「ばいばあい!」

律「じゃあなー!」

アイリス「元気でー!!」

クリムガン「リムー♪」ザッザッ…

唯「行っちゃったねえ…」

アイリス「やっぱりドラゴンポケモンはカッコイイし、可愛いわね!」

律「そうだなー。……そういやあ、シャガさんは何してるんだ?」

唯「どこに行ったんだろうねえ」

シャガ「ふむ! クリムガンに勝ったのか!」

唯律「シャガさん!!」

アイリス「いつの間に!」
346 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:31:08.52 ID:ZeF6vvGAO

律「どこに居て……って」

唯「なんでクリムガンのことを?」

シャガ「うむ、実はあのクリムガンはここの主でな。ベリブの実が大好物なのだが、それを食べさせぬようにここらのベリブがなる木々はすべて伐採したんだ」

律「…なんで?」

シャガ「もちろん! そなたたちの修業の為だ!
ベリブの実が食べれなく機嫌が悪いところにトレーナーと出会えば、クリムガンも腹いせに戦うだろうと。クリムガンは強敵だ。倒せればそなたたちの実力はきっと上が……って何故そんなに怖い顔をぬわあああっ」



347 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:32:14.48 ID:ZeF6vvGAO
…………
………
……


《10ばんどうろ》


トレーナー「バッフロン、“アフロブレイク”だ!!」

バッフロン「バッフウッ!!」ドダダッ

律「モール、“ドリルライナー”!!!」

モール「リュー!!」ギュアアン!

バッフロン「…!?」

ドオオオオオン!!!!!!!

バッフロン「」バタッ

トレーナー「ああっ!」
348 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:33:47.28 ID:ZeF6vvGAO

律「よっしゃあ!」

唯「おめでとう、りっちゃん!!」

律「…この先がバッジのチェックゲートか!」

唯「そこを抜けたら、“チャンピオンロード”だね!」

律「“レジェンドバッジ”も貰ったし!」キランッ

律「目指すは“ポケモンリーグ”だあー!!」

唯「おーっ!!」




Episode.38 fin




349 :まとめ :2011/04/19(火) 21:35:14.93 ID:ZeF6vvGAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185

Episode.35
>>192-211 >>212-231 >>232

Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282

Episode.37
>>286-305 >>306-313

Episode.38
>>317-336 >>337-348
350 :ぽけもん :2011/04/19(火) 21:35:45.09 ID:ZeF6vvGAO
終わりです
読んでくださった方、ありがとうございまひゅた!
351 :ぽけもん :2011/04/26(火) 21:53:34.29 ID:K6AA1siAO


Episode.39




《サザナミタウン》


カトレア「皆さん、お揃いでしょうか」

シロナ「ええ」

ワタル「ああ」

ダイゴ「うん」

紬梓「はい」

クロツグ「うむ、全員いるな」

カトレア「…シロナさんの話によると、プラズマ団は“ポケモンリーグ”を狙っていると」

シロナ「ええ。そのために“ポケモンリーグ”を守る人が必要なの」
352 :ぽけもん :2011/04/26(火) 21:54:38.21 ID:K6AA1siAO

ワタル「その役は俺たちということか」

ダイゴ「アデクさんのためでもあるからね。チャンピオンとして、しっかりとやらなくちゃね」

梓「…カトレアさん、今すぐにポケモンリーグへ行くべきなんですか?」

カトレア「そうですね…」

カトレア(ポケモンリーグが狙いだというのは知っていましたが、すでに攻め入る予定だとは……知らされていないのはやはり……)

紬「…?」

梓「カトレアさん、どうかしました?」

カトレア「…! いえ、なんでもありません。
今からポケモンリーグに行きましょう」
353 :ぽけもん :2011/04/26(火) 21:56:21.00 ID:K6AA1siAO

クロツグ「しかし、奴らがもういるんじゃないのか?」

カトレア「それは有り得ません。
ポケモンリーグは挑戦者がきた時のみ、ゲートが開通します。だからプラズマ団は挑戦者が現れるまでは攻め入ることもできません。入っても、中は無人ですし」

紬「でも…、それじゃあ挑戦者が来るまではプラズマ団も動けないわけですし……私たちも同様なんじゃ?」

カトレア「…ふふ、それは彼女らに頑張ってもらいませんと」

紬梓「…!」

カトレア「それに、早いに越したことはないですよ。いずれはプラズマ団が攻めて来るのですから」

ワタル「では行くとするか。みんな、カイリューに乗ってくれ」

カイリュー「リュー!」

カトレア「いいえ、みんなではなく…」

皆「?」



354 :ぽけもん :2011/04/26(火) 21:58:06.72 ID:K6AA1siAO
…………
………
……


《カゴメタウン》


梓「“カゴメタウン”、ですか」

紬「久しぶりの新しい町ね♪」

梓「それにしても…」


カトレア『ポケモンリーグにはアタクシとクロツグさんが先に行きます。そうして次にチャンピオンの皆さん、最後に紬さんと梓さん…の順です』

紬『どうして分かれるんですか?』

カトレア『流石にプラズマ団も警戒していないわけがありませんし、一度に大勢で行くのは薦めませんから』

梓『まあ確かに…』

カトレア『紬さんと梓さんは、この先の“カゴメタウン”、“ビレッジブリッジ”を抜けてポケモンリーグへ向かってください』


梓「…ポケモンリーグに着くまで、どれくらい時間がかかるんでしょうか?」

紬「そうねえ…。でも、頑張って目指すしかないわ!」

梓「では、先へ進みましょう!」


355 :ぽけもん :2011/04/26(火) 21:59:20.52 ID:K6AA1siAO
………
……


《ビレッジブリッジ》


紬「着いたわね、“ビレッジブリッジ”!」

梓「イッシュを開拓した人たちが建設した、イッシュ最古の橋だそうです」

紬「“ビレッジブリッジ”……村、橋…?
どうしてそんな名前なのかしら?」

梓「さあ……。…あっ!」

紬「? どうしたの?」

梓「橋に家が並んでいます!」

紬「家…!?」


356 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:01:01.90 ID:K6AA1siAO


テクテク……

紬「すごい…。本当に人が住む家みたいね」

梓「なぜ橋の上に…」

ラー……

紬梓「!」

ラララー♪

梓「歌声?」

紬「すてきな曲ね♪」

梓「橋の下から聴こえますね」

紬「あ、梓ちゃん!」

梓「はい?」

紬「…」キラキラ

梓「……見に行ってみますか」

紬「イエス!」


357 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:02:14.92 ID:K6AA1siAO


ラララー♪

♪……

おにいさん「…ふう」

パチパチ…

おにいさん「…!」

梓「お上手でした!」

紬「私、路上で歌を聴くのが夢だったの〜♪」

梓「橋の下ですけどね」

おにいさん「君たちは…」

梓「中野梓です!」

紬「琴吹紬です♪」

梓「橋を通っていたら、歌声が聴こえたので見に来てみたんです」
358 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:03:30.73 ID:K6AA1siAO

おにいさん「そうなのか…」

イータ「僕はイータ、プロの歌手を目指してるんだ」

紬「プロの歌手!」

梓「すごいですね!」

イータ「はは、そんなことないよ。
…あ、拍手ありがとうね」

梓「いえ」

紬「本当にお上手でした!」

イータ「はは、ありがとう。
…君たちは“ビレッジブリッジ”に観光かい? ここの人ではなさそうだし」

梓「観光というか……、あ。そうだ…、なんでここは橋に家を建てているんですか?」
359 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:05:17.71 ID:K6AA1siAO

イータ「ああ、それはね。古代の人々が“ビレッジブリッジ”を建設した時、水害を防ぐために橋の上に家を建て暮らし始めて…、それが今も続いているらしいんだよ」

梓「らしい、?」

イータ「僕はここの出身じゃないからね。
シンオウ地方から来たんだよ」

紬「シンオウ地方ですか?」

イータ「そうそう。イッシュには『ミュージカル』もあるし、音楽をするのに相応しいかな? って思って、越してきたんだけどね」

イータ「…そうだ、僕の家に来ないかい?
バンドを組んでいてね。よければ紹介するよ」

梓「バンドを…」

イータ「うん、五人でね」

紬「バンドかあ…」

イータ「…?」

梓「じゃあ、お言葉に甘えて」

イータ「オーケー、それじゃあ行こうか。
僕の家は“カゴメタウン”にあるんだ」


360 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:06:08.00 ID:K6AA1siAO
………
……


《イータの家》


イータ「ただいまー」

おばあさん「お帰り、イータ」

イータ「婆ちゃん」

おばあさん「ん? お客さんかい?」

梓「どうも」

紬「お邪魔します〜♪」

おばあさん「むむう、見たことない顔だねえ。
そうだ。あんたたち、カゴメ昔話を聞いてかないかい?」

紬「カゴメ…」

梓「…昔話?」

イータ「おい、婆ちゃん…」

おばあさん「まあまあ、いいじゃないかい」
361 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:07:04.31 ID:K6AA1siAO

イータ「だってお客さんに迷惑…」

紬「はい! 私聞きたいです!」フンッ

おばあさん「ほらね」

イータ「…はあ」

梓「ムギ先輩……」

紬「お年寄りの話には耳を傾けた方がいいわ! 昔話を聞くのが夢だったの!」

おばあさん「ほっほ、元気がいい娘さんじゃの。
では、話そうかの…」

おばあさん「この町の裏にはものすごーくでっかい穴が開いとるんじゃ。その穴はな、昔々空から大きな隕石が降ってきて出来たそうじゃ。
そしてその隕石の中には世にも恐ろしい化けもんが潜んでおったそうな……」

おばあさん「化けもんは晩になると冷たい風とともに人里に現れては人やポケモンを取って食らうと言われとった……。
じゃから昔のもんは町を塀で囲って化けもんが入って来られんようにしたり、日が暮れたら表に出るのを禁じて家で過ごすことを町の掟にしたようじゃ」
362 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:08:16.99 ID:K6AA1siAO

おばあさん「……………………………。
ま、今じゃこんな話なぞ誰も信じとらん。じゃけどな……今でもカゴメに住んどるもんは晩になったらちゃんと家に帰るんじゃ、不思議じゃろ?」

おばあさん「昔話や古い言い伝えちゅうもんは今の生活に何かしらの影響を与えとるっちゅうことかのう」

梓「化け物、ですか…」

おばあさん「化けもんが住んどるその穴を皆、“ジャイアントホール”と呼んでおるよ」

紬梓「“ジャイアントホール”……」

イータ「婆ちゃん! もう、人を連れて来る度に昔話をするのはやめてくれよ」

おばあさん「ほっほ、この歳になると若者を昔話で怖がらせるのが楽しくなるもんじゃ」

イータ「年寄りが全員そうみたいな言い方するなよ!」

おばあさん「はいはい。それじゃあお嬢ちゃんたち、ゆっくりしていきなさい」

紬梓「は、はい」
363 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:10:32.93 ID:K6AA1siAO

イータ「まったく……ああ、気にしないでくれ。いつもああなんだ。
んじゃ、この部屋にバンドの仲間がいるから」

ガチャ


ダダダダ……ダーン!!!

ポロポロピロロン…

ジャラアアン!

「……ん?」

イータ「やあ、練習中だったか、タウ」

タウ「ちょうど今ひと通り終わったところやけど……その嬢ちゃんたちは?」

イータ「僕がビレッジブリッジで歌っていたところ、聴いてくれてね」

タウ「へえ」

梓「どうも、中野梓といいます」

紬「琴吹紬です♪」
364 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:11:11.44 ID:K6AA1siAO

タウ「わてはタウや。ドラムをやっとる」

「アズサにツムギだネ!」

アルファ「ミーはベースのアルファだヨ! ヨロシク!」

ニュー「…俺はニュー。ギター担当さ」

梓「ギター、ですか」

ニュー「…ん?」

紬「梓ちゃんと一緒ね♪」

イータ「君、ギターを弾けるのかい?」

梓「トレーナーズスクールでバンドを組んでいたんです。軽音楽部で!」

イータ「軽音楽かぁ、…紬ちゃんも?」

紬「はい♪ 皆さんと同じ五人組の!
私はキーボードをやってました!」

「キーボードか、じゃあ私と同じね」

紬「!」
365 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:13:29.23 ID:K6AA1siAO

カパ「キーボードのカパよ。よろしくね」

紬「あなたがキーボードの方ですか! よろしくお願いします♪」

イータ「はは、君たちを見てると昔を思い出すね」

タウ「どうや? わてらの演奏聴いてけーへん?」

梓「はい!」

紬「ぜひ!」

アルファ「グッドですネー! やりマショー!」

イータ「よし、やるか」

タウ「…ワン、ツー!」カッ




梓「いい曲でした!」

紬「うん、うっとりしちゃったわ〜」

イータ「はは、ありがとう」
366 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:14:37.97 ID:K6AA1siAO

梓「聞いたことない曲でしたね。自作ですか?」

カパ「そうよ、作曲したのは私たちではないけどね」

紬梓「?」

コロトック「コロー」

梓「コロトック?」

カパ「コロトックが即興で作るメロディー……それに歌詞をつけているの」

紬「へえ〜♪ コロトックで…」

ニュー「…作曲はコロトック、作詞はTHANKということだ」

梓「THANK?」

イータ「僕らのバンド名だよ」

紬「いい名前ですね!」

タウ「褒めても何もでてけーへんぞ〜」

アルファ「オーウ、そうデシタ〜。話があったのデス」

イータ「ん、なんだ。アルファ」

アルファ「今日の……」


367 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:15:16.27 ID:K6AA1siAO


梓「…ふう」

紬「皆さん、いい人ね♪」

梓「はい! 演奏も素敵でした!」

カパ「嬉しいこと言ってくれるわね」

梓「! カパさん!」

カパ「ふふ、ちょっと話さない?」


………
……


カパ「へえ…ポケモン博士をねえ」

梓「はい! サンヨウの研究所で!」

紬「私はその助手です♪」

カパ「いいわねえ…夢があって」

紬「夢…、カパさんはなんで音楽をやってるんですか?」
368 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:17:10.46 ID:K6AA1siAO

カパ「ううん…音楽やってたあなたたちなら分かると思うけど、楽しいからかな。五人で音楽やるのが」

カパ「それにね、音楽は音で人に思いを伝えられるものだから」

梓「確かに…楽しくなったり、悲しくなったり、曲に合わせて伝わる感情が色々ありますよね」

紬「カパさんが伝えたい思いって?」

カパ「強いて言うなら、“ジャイアントホール”のこと」

紬梓「!!」

カパ「っていう穴があるんだけどね」

梓「聞きました! イータさんのおばあさんに!」

紬「カゴメ昔話っ!」
369 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:18:10.04 ID:K6AA1siAO

カパ「あら、そうだったか。じゃあ大体話は分かってるわね」

梓「はい。ジャイアントホールに化け物が住んでいると」

カパ「そう、昔の人々は化け物を恐れて夜は外を出なくなった。今もそれが続いてる…。でも私はそれが気に入らないのよね」

紬「? なんでですか? 化け物とかは関係なくても、夜は危ないからいいことだと思いますけど」

カパ「うん、そうよね。子供たちにも、カゴメ昔話は夜遊びしないようにする、いい抑制になってるわ。
…でも、私は見たのよ」

紬「…見た?」

カパ「ジャイアントホールの化け物を!」

紬梓「!?」
370 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:19:02.33 ID:K6AA1siAO

梓「そ、それはどういう…」

カパ「いえ、あれは化け物じゃないわ。れっきとしたポケモンだった」

カパ「…私が小さい頃、ちょっとしたことからジャイアントホールに迷い込んじゃったことがあるの。
お母さんともはぐれてしまって…」

梓「! もしかして、カパさんはここの出身ですか?」

カパ「うん、そうよ。言ってなかったか。
…それでね、私が泣いていたら、突然冷たい風が吹いて……」

カパ「すぐに風が止んだと思ったら、私はカゴメタウンにいたの」
371 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:21:34.79 ID:K6AA1siAO

紬「不思議なこともあるのね〜、一件落着♪」

梓「いや、明らかに自然の出来事じゃないでしょう…」

カパ「風が止む前ね、風と風の間にポケモンの姿が見えた…。確かに、そのポケモンが風を吹かせていたの」

カパ「そのポケモンのおかげで、今の私がいる…。
私はね、そのポケモンをジャイアントホールの化け物なんじゃないかって思っているわ」

梓「…化け物が、助けた?」

紬「でも、冷たい風を吹かせた…って、昔話の化け物と共通するところがあるわよね」

紬「本当はその化け物はいい化け物なのかも!」

カパ「…うん、私もそう思う。
だから、町のみんなの誤解を解きたいのよ。あれは化け物じゃないってね」

梓「なるほど…。じゃあそれを音楽で?」

カパ「今度、ジャイアントホールでライブをやるのよ。それを通して、町のみんなにメッセージを届けるつもり」
372 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:22:31.96 ID:K6AA1siAO

紬「ライブ、私たちも行きます!」

カパ「うん、ありがと! じゃあイータたちと打ち合わせしてくるから。また後でね」

タタッ

紬梓「……」

紬「ライブ楽しみね♪」

梓「はい!」

ニュー「…ライブは今日の夕方に始まる」

梓「! ニューさん!」

ニュー「…カパにとって、今回のライブにはとても深い意味がある。
絶対に成功をさせたいのだ」

紬梓「……」

ニュー「…俺もカゴメ出身でな。昔話の真偽は気になっている」

ニュー「…ふ、まあライブ ぜひ楽しみにしていてくれよ」



373 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:23:32.63 ID:K6AA1siAO
………
……


《ジャイアントホール》


ガチャッ、ガチャッ

イータ「よし、準備完了だな」

イータ「みんな! この日のために練習してきたんだ!
絶対に成功させよう!」

タウ「合点や!」

アルファ「オフコース!」

ニュー「…ああ」

カパ「ええ!」

イータ「んじゃあ、まだ時間もあるし。一回通してみるか」


タウ「ワン、ツー!」カッ

〜♪

梓「…やっぱり、いい演奏ですね」

紬「これならカパさんの気持ち、みんなに届くわ♪」
374 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:24:31.80 ID:K6AA1siAO

♪ー……ギリイイ!!

皆「…!?」

タウ「な、なんや? 演奏も掻き消すデッカイ音が!」

ギリリイイ!!!!!!!

イータ「うわあっ! なんだ、この騒音は!?」

アイアント「キシャー!!」ギギギィ…

アルファ「てつアリポケモン、アイアント!?
このノイズは、コイツの“きんぞくおん”デスカー!?」

「ご明察! そして、そのアイアントはこの俺のポケモン!!」

アルファ「ユーは!?」

下っ端「プラズマ団下っ端だあ!!」

紬梓「プラズマ団…!!」

梓「なぜプラズマ団がここに!?」

下っ端「話に聞く、ここの化け物という奴を捕まえにきたのさ!」

カパ「…!」
375 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:25:52.71 ID:K6AA1siAO

下っ端「だからよぉ、ここで騒がれると邪魔なんだよな!!
アイアント!!!」

アイアント「キシャー!!」ダッ

梓「皆さん、下がっていてください!!」

紬「ここは私たちが引き受けます!!」

ボム!!

ミミちゃん(ミミロップ)「ミミロー!」

リン(レントラー)「リン!」

ガキイイッ!!!

アイアント「…!」

下っ端「チッ…」

梓「いつもいつもあなたたちは……それにこんな時にまで…!!」

下っ端「…こんな時だあ? どんな時だよ。……ん、なんだあ? ライブでもやるのかよ」

下っ端「……クク、なるほどなあ」

梓「…?」
376 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:27:19.71 ID:K6AA1siAO

下っ端「演奏できなくなれば、ライブなんてやる必要もなくなるよなァ!!!」

梓「…! まさか!?」

下っ端「アイアントォ!!!」

アイアント「キシャー!!」ダッ

カパ「…!?」

紬「カパさん…っ!!」

下っ端「“いあいぎり”!!!!」

アイアント「キシャー!!」シャキンッ

ニュー「カパ!!!」ダッ

ガバッ

カパ「きゃ…」

ザキイイッ!!!!!!!!

ドオオオ!!!!

パラパラ……

アイアント「キシャシャ」

下っ端「クク…、“いあいぎり”で周囲の木々を倒して、下敷きにしてやったが……死んだか?」

イータ「カパ!! ニュー!!」
377 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:30:11.92 ID:K6AA1siAO

ガサッ!

ニュー「…ぐうっ……」グタッ

イータ「ニュー!!」

カパ「ああっ……! ニュー…!!」

紬「カ、カパさん! 腕を怪我して…!!」

カパ「私は大丈夫…だけど、私を庇って…ニューが……」

ニュー「……ッ」

タウ「とりあえず止血せな!」

アルファ「タオルデス! これで…」

下っ端「クク…これじゃあライブ演奏も台無しだな?」

梓「…ッ!」ギリッ
378 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:31:15.83 ID:K6AA1siAO

梓「…あなたに、分かりますか…」

下っ端「…あ?」

梓「カパさんがどれだけ、このライブをすることを待ち望んでいたのか……。
ニューさん、イータさん、タウさん、アルファさんが…カパさんのために、どれだけ! 日々練習を重ねてきたのか!!」

梓「そうして、やっとこの日が来たのに、あなたに台無しにされて……。
同じ…、バンドを組んでいた人間として! 私にはその悔しさが…痛いほど分かります!!
五人の気持ちが!!」

梓「あなたは、許せません!!!」

下っ端「…クク。アイアント!!」

アイアント「キシャー!!!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ダッ

梓「…はあああああ!!!」
379 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:32:36.45 ID:K6AA1siAO

梓「“きあいパンチ”!!!」

ドガッ…!!!

アイアント「…!?」

ゴッ……

ドオオオオオン!!!!!!!

アイアント「キシャー!?」

下っ端「…げっ!?」

ドゴッ!!!!!

下っ端「ギャー!」ヒュウウッ

キラアン☆


梓「……」

ミミちゃん「ミミロー…」

梓「…ミミちゃん、ありがとう。戻って」シュウウッ
380 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:33:28.39 ID:K6AA1siAO

ニュー「……ッ」グタ…

カパ「ニュー…」

イータ「さあ、カパも手当しなくちゃ…」

カパ「…う、うん」

タウ「…これじゃあ、今日のライブは……」

イータ「……」

アルファ「……」

カパ「だ、大丈夫よ! また今度やれば!」

タウ「カパ……」

紬「カパさん…」

梓「……駄目ですよ」

カパ「え…?」

紬「梓ちゃん?」

梓「駄目ですっ! 町の皆さんの誤解を…早く解きたいんでしょう!?
なら、ここでやめちゃ駄目ですよ!!」
381 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:34:09.27 ID:K6AA1siAO

カパ「……でも、この手じゃ…」

タウ「そうや…。ニューもこの体じゃ、ギターを持つこともままならん…」

梓「私が弾きます」

紬カパ「!!」

タウ「なんやて!?」

イータ「でも梓ちゃん…」

梓「大丈夫ですよ。軽音部をやってたって話、しましたよね?
私はちょうど…いや、そう言っていいかは分かりませんけど……ギターやってましたし!」

イータ「……」

紬「…あ、私はキーボードやってましたから…」

カパ「! …でも、あなたたちにそんな迷惑…」

梓「迷惑だなんて!」
382 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:36:34.77 ID:K6AA1siAO

ヨロッ…

イータ「! ニュー!」

ニュー「……」

イータ「大丈夫か? 起き上がって…」

ニュー「…お願いしようじゃないか。彼女らに」

イータ「!」

カパ「でも! ニュー!」

ニュー「…カパ、お前はいいのか? 人々に伝えたい思いがあるのだろう?」

カパ「……」

カパ「…梓ちゃん、紬ちゃん」

紬梓「はい」

カパ「お願いするわ。どうぞ、よろしく…!」

梓「任せてくださいっ」

紬「絶対に成功させます!
皆さんにカパさんの思い、届けてみせます!」



383 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:37:41.68 ID:K6AA1siAO


ジャラアン……

梓「まだ誰も来ませんね…」

タウ「やっぱし、もうすぐ夜になるし…この時間帯には誰も外に出んのやろか…」

ザワザワ……

イータ「! あれは…」


おじいさん「おお、寒い寒い…」

おにいさん「ここは暖かいな。ひとまずここで休むか。外は寒くて寒くて」

おとこのこ「なにが始まるのー?」

おばさん「ここジャイアントホールじゃないかしら? やだ、もう夕方……でも外はすごく寒いし……」


梓「? そんな急に冷え込むものなんですかね」

アルファ「さっきは全然、ユージュアルな気温でしたが」

紬「とにかく、お客さんが来たことだし。演奏しましょう!」

イータ「よし!」

タウ「ワン、ツー!」カッ



384 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:39:00.70 ID:K6AA1siAO
………
……


〜♪

ジャラアン!

ワアアアアアアア!!!!!

パチパチパチパチ……

おじいさん「いい演奏じゃったのう」

おにいさん「たまには昼以外にも外出するのもいいかもね」

おとこのこ「楽しかったー!」

おばさん「ジャイアントホールも案外いいところねー」

おじいさん「化け物も出てこないしのう。夜もいいかもなあ」


ニュー「…町の人々の考えが少し変わったようだな」

カパ「本来伝えたいことより、ちょっとズレてるような気もするけどね」

ニュー「…これから少しずつ考えがもっと変わっていくさ。そのうち、化け物という空虚な妄想自体もなくなるだろう」

ニュー「変わらないなら、またライブをすればいいのさ」

カパ「そうね…」


385 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:40:47.08 ID:K6AA1siAO


イータ「いい演奏だったよ、二人とも! ありがとう!」

梓「いえ…急だったので、少し間違えちゃいましたし」

紬「私もね〜…」

タウ「まあまあ、大盛況やったし、ええやないか」

アルファ「エクセレントデシタ〜!」

梓「えへへ…」

紬「ふふ♪」

おばあさん「その通りじゃ! やったことに意味があるしのう!」
386 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:42:32.07 ID:K6AA1siAO

イータ「婆ちゃん!? きてたのか!」

おばあさん「まあな。それにしても、お嬢ちゃんたち、よくやってくれたわい」

おばあさん「これでこの町も変わる!
わしとしても万々歳じゃな!」

イータ「? 婆ちゃんがなんで喜んでるんだ?」

おばあさん「わしも昔、ちとな」

イータ「?」

おばあさん「ほっほ、なんでもないわ!」

梓「……」

紬「どうしたの、梓ちゃん」

梓「うーん…カパさんを助けたポケモンって、結局何でしたんでしょうか?」

紬「さあ…」

ヒュウウッ……

梓「ううっ、寒い…」

紬「今日は冷えるわね…」

梓「はい…、くしゅんっ」

ヒュウウウッ…………



387 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:43:27.44 ID:K6AA1siAO
…………
………
……


《翌朝》


イータ「もう行くのかい?」

梓「はい、急がないといけませんから」

タウ「残念やなあ」

アルファ「ベリーサッドデース…」

カパ「ありがとう、二人とも」

梓「はい!」

紬「皆さんの演奏きけてよかったです♪」

ニュー「…お前たちの演奏も中々だったぞ」

紬「ありがとうございます〜♪」

カパ「今度はバンドの五人で来てね!」

梓「はい! また会えたら!!」

紬「さようなら〜!」

カパ「ええ!」



388 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:45:32.30 ID:K6AA1siAO
………
……


《イッシュ地方のどこか》


ゲーチス「……アカギさん、マツブサさん。
もう準備は?」

マツブサ「万端だぜ」

アカギ「ああ、いつでも動ける」

ゲーチス「それでは、この装置に……」

アカギ「…『赤い鎖』」シュラッ

マツブサ「『紅色の珠』…」スッ

ゲーチス「『ルビー』、『サファイア』…!」バッ

カチャ カチャ カチャカチャ

ギュオオオ……

ゲーチス「四つの大きなエネルギーが動かすは、我らの城……!!」

ゲーチス「地より出でよ! プラズマ団の城!
ポケモンリーグを囲め!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!!




Episode.39 fin




389 :まとめ :2011/04/26(火) 22:47:10.35 ID:K6AA1siAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185

Episode.35
>>192-211 >>212-231 >>232

Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282

Episode.37
>>286-305 >>306-313

Episode.38
>>317-336 >>337-348

Episode.39
>>351-370 >>371-388
390 :ぽけもん :2011/04/26(火) 22:47:48.11 ID:K6AA1siAO
終わりです
ありがとうございました
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 23:23:09.52 ID:MZ0zGX5co
392 :ぽけもん :2011/05/01(日) 19:59:31.75 ID:5EZTqtWAO


Episode.40




《チャンピオンロード出口》


ゴゴゴゴゴ………

ゴゴゴ………

…………………………

律「……大丈夫か、唯?」

唯「う、うん。なんだろ、今の地震……。
中にいる時じゃなくてよかったよぉ」

律「なんにしろ、ポケモンリーグはすぐそこ……。
…!?」

唯「どうしたの? りっちゃ…。
……!」

唯「なに、あれ……お城………?」

ゲーチス「プラズマ団の城、つまりNとシルバーの城ですよ」

唯「!」

律「ゲーチス…!」

ゲーチス「ごきげんよう、王に選ばれし者たちよ」

律「…へっ、やっと現れやがったな。
お前には色々と話があるんだ。まあ、まずは………一発ぶん殴る!!」

ダッ!

ゲーチス「……」
393 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:02:43.06 ID:5EZTqtWAO

スカッ…

律「え……」

律「うわあっ!」ドサアッ

唯「りっちゃんっ!」

ゲーチス「…残念でしたね。これはデータで作ったワタクシの分身です」

律「く…ッ」

ゲーチス「トレーナーならポケモンでかかってきなさい」

ゲーチス「…それにそんな余力があるのなら、Nとシルバーと戦って勝つために残しておいた方が賢明でしょう」

律「……Nとシルバーに勝つんじゃない」

律「ゲーチス! Nとシルバーを苦しめてきたお前に……。
お前に勝つ!!」

ゲーチス「ふ…、頼もしい限り。
あなた方が本気でかかることで、英雄の純度も高まる…まあ最もワタクシはそうは思いませんがね」

律「……?」

ゲーチス「では頑張ってください。
王のため、英雄のため………世界の明日のために、ね」スッ……

唯「……」

律「……」

唯「…りっちゃん」

律「……私たちなら大丈夫だよな」

唯「…うん!」

律「へへっ」



394 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:05:31.56 ID:5EZTqtWAO



唯「ここが、ポケモンリーグ…?」

律「…ひでえな。プラズマ団の城から伸びた黒い階段が突き刺さって、リーグ全体がボロボロだ……」

唯「アデクさんやカトレアさんは大丈夫かな…」

律「アデクさんはここにはいないみたいだな…用があるって言ってたし。
…カトレアはわかんねえけど」

唯「じゃあここには私たちしか…」

N「いないよ。僕たちに挑める者はね」

唯律「!!」

N「……待っていたよ。
王の言葉……プラズマ団の城、あの高みから下々に轟かせる。君たちも城に来るんだ。そこですべてを決めよう」

N「ポケモンを完全にするため人々から解き放つか!
それともポケモンと人は共にいるべきなのか……。
僕たちと君たち、どちらの想いが強いのか……それで決まる!」

唯「……」

律「……」

N「これで最後だ。もう次はない。
勝つのは僕たち……」クルッ

N「…最上階で待っているよ」ザッザッ……

律「……シルバーも最上階で待ってるだろうな」

唯「行かなくちゃ! 最後はきっとうまくいくよ!
みんな幸せになれるよ!」

律「…ああ!」



395 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:07:32.48 ID:5EZTqtWAO
………
……


《バッジチェックゲート》


受付「では、バッジの確認を」

紬梓「……」

紬(ど、どうしよう…梓ちゃん……私たちバッジ持ってないわ!)

梓(私に言われても…! でも、カトレアさんたちはもう先に行ってるんですよね?)

紬(カトレアさんは通れたのかしら…四天王だから?)

梓(迂闊でした…)

受付「?」

梓「あ、あの!」

受付「もしかして…」

紬梓「…?」

受付「…カトレア様がいわれていたトレーナーとは、あなた方のことですか?」

紬梓「……!」
396 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:09:54.41 ID:5EZTqtWAO

紬「そ、そうです! 琴吹紬と…」

梓「中野梓です!」

受付「はい、承っております。
では先にお進みください」

ウィーン

紬「は〜…」

梓「なんとか通れましたね…。
ここはチャンピオンロードですか」

紬梓「……」

梓「……ため息が出るほど、道のりが険しそうですね…」

紬「そうね……いち早く行かなくちゃいけないのに…」

梓「でも頑張って登るしかないです!」フンスッ

紬「…! 梓ちゃん、あれを見て!!」

梓「なんです……あ! あれは!?」

紬「お城…! ポケモンリーグを取り囲んでる!!」

梓「プラズマ団の…城……!?」

紬「もうプラズマ団は動いているのね!
これじゃあ、余計に早く行かなきゃ……手段を選んでいられないわ! プラズマ団はポケモンリーグを…!」
397 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:12:44.92 ID:5EZTqtWAO

梓「でも、手段なんて…」

紬「…あるわ」

梓「え…?」

紬「ネル!」ボム!

ネル(ネイティオ)「トゥートゥー」

梓「なるほど…! 空を飛んで?」

紬「ええ。幸い、ここからポケモンリーグまでは空を飛べばすぐに着くみたい。
本来なら、トレーナーらしからぬ行動だけど!」

ネル「トゥートゥー!!」バッ

紬「掴まって、梓ちゃん!」

梓「はい!」

バサッ!



398 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:14:23.95 ID:5EZTqtWAO


スタッ…

紬「着いたわ、ポケモンリーグ!」

梓「ムギ先輩……」

紬「? なあに?」

梓「カトレアさんが、ポケモンリーグが開くまではプラズマ団はポケモンリーグに攻め込んで来ないと言っていたのに……既に攻め込んでいて、ポケモンリーグも開いています」

梓「…ポケモンリーグが開くのは、挑戦者が現れた時だけ……つまり…」

紬「…! まさか、唯ちゃんとりっちゃんが……!」

梓「…」コク

紬「そっか…唯ちゃんとりっちゃん、バッジを全部集め終わったのね」

梓「しかも、多分…もう城に……」

紬「私たちも行きましょう!
私たちにできること、やろう!」

梓「はい! まずはカトレアさんたちと合流して…」
399 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:16:28.42 ID:5EZTqtWAO

ザッザッザッザッ………

紬梓「!!」

ザッザッザッザッザッザッザッザッザッ……………

紬「…!? プラズマ団…?」

梓「でも…あの数……!
百、二百………、千!?」

下っ端「いーや、もっとだ」

紬梓「…!」

ザンッ!

下っ端「我らプラズマ団下っ端、総勢一万人!!」

紬「一万人!?」

梓「そんな…! プラズマ団がここまで団員を揃えてるなんて!!」

下っ端「ククク…ここから先はミネズミ一匹通さないぜ!!!
クイタラン!!」ボム!

クイタラン「クイーッ!!」

紬梓「…!」
400 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:18:41.24 ID:5EZTqtWAO

ドガアッ!!!

下っ端「ククク…」

クイタラン「」バタッ!

下っ端「…!? なんだと!」

「ミネズミ一匹通さない?
なら……」

紬「!」

梓「あなたは…!」

ミルホッグ「ミルー!!」

アロエ「ミルホッグ一匹ならどうだい!」

紬梓「アロエさん!」

下っ端「チッ…!」

梓「なぜアロエさんが!?」

アロエ「はっ、私がいちゃいけないのかい?
ポケモンと人の絆の危機! プラズマ団を止めに来ない方がおかしいよ!」

下っ端「…ジムリーダーか!」
401 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:20:16.29 ID:5EZTqtWAO

アロエ「ここは任せな」

梓「え!?」

紬「でも、相手は一万人も…!」

アロエ「……」

下っ端「そうだァ! ミルホッグ一匹、すぐに追い払って…」

ペンドラー「キシャアア!!」

下っ端「…!?」

ドオオン!!!!!

下っ端「ぐはぁ!?
な、なにィ!! ペンドラー!?」

アロエ「誰が私一人だって言ったんだい?」

「けがれ無きピュアーな心、もとい純情ハートの持ち主とは、このボクのこと……」

アーティ「ヒウンジム!
モスト インセクト アーティスト、アーティ!!」

下っ端「ヒウンのジムリーダー!?」

アーティ「いんや、もちろん僕だけじゃないよぉん?」

ザッ…
402 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:22:14.62 ID:5EZTqtWAO

カミツレ「ライモンジム!
シャイニング ビューティ、カミツレ!!」

ヤーコン「ホドモエジム!
アンダーグラウンド ボス、ヤーコン!!」

フウロ「フキヨセジム!
大空のぶっとびガール、フウロ!!」

ハチク「セッカジム!
アイス・マスク、ハチク!!」

アイリス「ソウリュウジム!
竜の心を知る娘、アイリス!!」

シャガ「同じくソウリュウジム!
スパルタン メイヤー、シャガ!!」

アロエ「…シッポウジム!
ナチュラルボーン ママ、アロエ!!」

「「「我ら、イッシュのジムリーダー!!!」」」

403 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:24:17.05 ID:5EZTqtWAO

紬「イッシュの、ジムリーダー…!?」

梓「サンヨウを除いた…全てのジムリーダー!!」

下っ端「バカな…、何故こんな迅速に……」

アーティ「君たちがポケモンリーグに襲撃するよりだいぶ前に、ハチクさんがジムリーダー全員に集まるように連絡していたんだよぉん」

アイリス「だから、あなたたちがいつ動いても、すぐに対応できたのよ!」

シャガ「…少し遅れた気もするがな」

下っ端「ぐ……」

ヤーコン「フン! さあ、行け! 小娘ども!」

紬梓「!」

ヤーコン「城にあいつらがいるんだろ? 助けに行ってやれ、どうせ二人ではなにも出来んだろうからなぁ!」

カミツレ「あの子たちを助けてくれって素直に言ったらどうかしら?」

ヤーコン「フン! 俺様はいつでも正直だ!」
404 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:29:16.19 ID:5EZTqtWAO

フウロ「行ってあげて! 私たちは大丈夫だからさっ!」

ハチク「チャンスはニドキング……早く行くのだ」

紬梓「………」

紬「…はい!」

梓「ありがとうございます!」

タタッ


アーティ「…今の子たちも同じなんだねえ。
唯くんと律くんのため、ここまで来たんだよ」

アロエ「ああ、博物館のことや…」

ハチク「リュウラセンの塔のこと…」

シャガ「皆、色々と助けられたものだ」

フウロ「…うん」

アイリス「そうね…」

カミツレ「だから、みんな集まった…。
今度は私たちが助ける番よ!」

下っ端「ククク…、なんだァ? その自信はどっから来るんだよ?
この数相手に、十にも満たない人数で勝てると思ってんのかァ!?」

ヤーコン「一万人、だったか?」

ザザザァ!!!!!!

下っ端「! なんだこの音は!?」

ドガアアアア!!!!!!!

ワルビアル「ビァーッ!!!」

下っ端たち「うわあああっ!?」

ヤーコン「…フン!」

アロエ「悪いねえ! そっちは数揃えてるのに、こっちは少人数で大勢を相手にできる実力者揃いでね!!」

シャガ「多勢に無勢、いいではないか。
オノンド!!」ボム!

オノンド「オノー!!」

シャガ「“ドラゴンクロー”!!」

ドガアアーッ!!!!!!!

アーティ「さあ、バトル開始だよぉん!!」




405 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:31:19.48 ID:5EZTqtWAO
………
……


梓「はっはっ……」タッタッ…

紬「もう、大丈夫かしら…?」

梓「はい……何人か追ってきてましたが、なんとか撒けたようです…」

紬「…ここはどこかしら?」

梓「ポケモンリーグの中でしょうか?
カトレアさんたちは……」

「カトレア……他の四天王に会うためには、私を倒さねばならん」

紬「!」

梓「あなたは!」

レンブ「四天王レンブ、お相手致そう…!
友の弟子を倒すのも気が引けるがな」

梓「レンブさん…!」

紬「…カトレアさんはどこにいるんですか!?」
406 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:32:26.96 ID:5EZTqtWAO

レンブ「それを知れるのも勝者だけ…」

レンブ「全てを知りたいのなら、私に勝ってみせろ!」ボム!

コジョンド「コジョー!」

梓「やってやるです!」ボム!

さわちゃん「ダーイライ!」

紬「梓ちゃん!」

梓「ムギ先輩、下がっていてください!」

レンブ「……」

コジョンド「……」

梓「…?」

梓(様子をうかがってる…?)

レンブ「……」

梓「…なにも、してこないなら!
さわちゃん、“まわしげり”!!」

さわちゃん「テイ!」ブンッ
407 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:43:27.86 ID:5EZTqtWAO

紬「柔の奥義、って?」

梓「『剛の奥義』と対をなす、格闘奥義です!
『剛』が己の力のみで相手を捩じ伏せる戦い方なら、
『柔』は相手の力に逆らわず、むしろそれを利用して勝機を導き入れる戦い方!!」

紬「じゃあ今のは…!」

梓「さわちゃんの力を利用されて、逆にこちらが投げ飛ばされた!!」

レンブ「察しのとおり、私は『柔の奥義』を会得している」

梓「でも、あなたは『剛の奥義』を……」

レンブ「ふ、いずれか一つしか会得できないという決まりもあるまい」

梓「…!」

レンブ「同じ修業仲間たちはそれぞれ、『剛』・『柔』、いずれかを教わった」

レンブ「シバは剛、トウキは柔、スモモは剛……。
そして、私は……その両方を会得したのだ」

梓「っ!!」

紬「剛の奥義と柔の奥義…両方を……!!」
408 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:45:08.53 ID:5EZTqtWAO

レンブ「シバの弟子よ、お前はシバに剛の奥義を教わり、それを会得した。
しかし、ならば、柔の奥義を知る由もない」

レンブ「だが私は知っている! お前が使う剛の奥義を!!
故に、お前に勝機はない!!」ボム!

コジョフー「ジョフー!」

梓「!」

梓(どうして二匹目を…?
確かに有利になるけど、手の内をさらしてからじゃあ…)

梓(…柔の奥義は相手が攻撃をして来ないと力を発揮できない。なら、ここは体勢を立て直して……)

さわちゃん「…」ググッ…

レンブ「“ねこだまし”!!」

コジョフー「ジョフー!!」ビッ

バチイイン!

さわちゃん「…!?」ビクッ

梓「なっ…」
409 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:48:03.21 ID:5EZTqtWAO

レンブ「連続で“はっけい”だ!!」

コジョフー「コー……ジョフ、ジョフ、ジョフ!!」

ドダダダ……!!!

さわちゃん「ダーイ、ラ…イ……」

コジョフー「ジョフー!!!」

ドダアアン!!!!!

さわちゃん「テイイイーッ!?」ブオッ

ドザアッ!

梓「…ッ!!」

レンブ「…“じゅうなん”で麻痺にはならなかったか」

梓「剛の奥義!?」

レンブ「二つの格闘を使い分けることはできないと踏んでいたのか? ならば残念だったな」
410 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:49:31.51 ID:5EZTqtWAO

梓「くッ……あああああああ!!!」

さわちゃん「テイッ!!」ブンッ

ギュオッ…!

コジョンド「…」

レンブ「甘い!」

コジョンド「…」スッ…

ガシッ!

さわちゃん「テイ!?」

レンブ「そのまま引き寄せろ!」

ビュオッ!!!

ドガアアアアン!!!!!!

パラパラ……

さわちゃん「ダーイ、ライ…」ガクッ

梓「さわちゃん…!!」

レンブ「“こころのめ”をしていたようだが、柔の奥義の前では何の意味も持たない」

レンブ「『剛』は最攻であり、『柔』は最硬。攻撃は最大の防御であり、防御は最大の攻撃だ!
一切の隙も与えず!! 完膚なきまでに勝利を奪わん!!!」
411 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:50:49.60 ID:5EZTqtWAO

梓「二つの格闘を使いこなすなんて…そんなの、勝ち目が……」

レンブ「…諦めるか、それもいいが。
連れの女子はそんな気はないらしいな」

梓「……?」

紬「ユリ!」ボム!

ユリ(ユンゲラー)「ユン!」

梓「! ムギ先輩!?」

紬「“サイコキネシス”よ!」

ユリ「ユン!!」ウィン!

コジョフー「ジョフ…!」ジリ……

レンブ「む…」

梓「ムギ先ぱ…」

紬「相手が二つの奥義を使うなら、こっちもそれに応対して、二人で行くべきよ」

紬「私たちは二人組なんだから!」

梓「ムギ先輩…」

レンブ「ふ、まあそうなろうと、こちらの勝利に揺らぎはない」

紬「ふふ、お師匠に教わったエスパー技、見せてあげるわ!」



412 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:52:06.48 ID:5EZTqtWAO
………
……


リグレー「リーグゥ?」ピクッ

カトレア「!」

クロツグ「? どうしたあ、カトレア」

カトレア「いえ…リグレーが近くからサイコパワーを感じたようで…」

クロツグ「?」

カトレア「これは、イツキさんの…?」

クロツグ「イツキ、とは?」

カトレア「ジョウト地方の四天王のお方です。
エスパータイプの使い手でして、アタクシも少しお手合わせしたことがあって…」

クロツグ「だが、何故そのイツキさんのエスパーポケモンのサイコパワーがここで感じられるのだ?」
413 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:54:06.18 ID:5EZTqtWAO

カトレア「分かりませんけど、多分イツキさん本人ではないと思います。
正確にはイツキさんのポケモンのサイコパワーに近い…というべきです」

クロツグ「あー…よく分からんが、イツキさんの弟子とかじゃないのか?」

カトレア「そうですね、その可能性は高いです。
確かイツキさんはネイティオがお気に入りで…」

カトレア「…!」

カトレア(そういえば、“ゆめのあとち”で紬さんがネイティオを…そしてユンゲラーも使っていたような……)

クロツグ「また、どうかしたか?」

カトレア「もう…来ているのかもしれません。紬さんと梓さんが」

クロツグ「! なに!」

カトレア「しかも強力なサイコパワーから、プラズマ団と戦闘を行っているかと…」

クロツグ「うむ…、ドクロッグ!」ボム!

ドクロッグ「ロッグ!」

ドクロッグ「……」ブルッ…

クロツグ「…ドクロッグの特性“きけんよち”、それによってドクロッグが危険を感知している。
エスパータイプが近くにいるのは確かなようだな」

カトレア「アタクシの方が確実だと思いますけど」

クロツグ「ハッハッハ! そうだな、すまんすまん」
414 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:56:05.86 ID:5EZTqtWAO

カトレア「もう…。とにかく、アタクシたちも動かなければ。
まずはポケモンリーグにいるプラズマ団を鎮圧しましょう」

クロツグ「よし、了解だ!
だが、どこから行く? チャンピオンロードの付近では大量の下っ端たちが何かと戦闘を繰り広げているが…」

カトレア「行く場所は決まっています。…ここがどこだか分かっていますよね?」

クロツグ「なにを…ポケモンリーグ、だろう?」

カトレア「ポケモンリーグで挑戦者を待ち受ける者たちを誰だか…お忘れですか?」

クロツグ「! そうか、四天王の奴らは城へ行かずにまだここに!! それこそ、城への侵入者を阻むように!!」

カトレア「二人で一々相手どっていては時間がかかります。二手に別れて効率よくいきましょう」

クロツグ「では、私はあちらの部屋に向かおう!」

カトレア「アタクシはその隣の部屋に!」



415 :ぽけもん :2011/05/01(日) 20:58:07.85 ID:5EZTqtWAO



ガガッ……ギイー

ガタン!

カトレア「……」スタスタ

ギーマ「やあ、カトレアさんか。こんなところに何の用ですか?」

ギーマ「それぞれの持ち場について……」

ドガアアッ!!!!

ビュオッ……

ムシャーナ「ムー…!」ギロ

ギーマ「……クク」

ギーマ「聞かされましたよ、ゲーチス様に。
まさかとは思いましたが、ね」

カトレア「…やはりゲーチスは気づいていましたか」

ギーマ「『ゲーチス』、ね…。
元同僚と、争いたくはないけど…しょうがないか」
416 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:00:11.56 ID:5EZTqtWAO

カトレア「同僚? 最初からあなたたちの仲間ではありませんでしたけど?」

ギーマ「クク、だろうね」ボム!

キリキザン「キリャー!!」

カトレア「…ふふっ。普段なら挑戦者を待ち受ける立場なのですが、たまには挑戦というのも新鮮なものでいいですね」

ギーマ「随分と余裕だねえ! 相性の良し悪しくらい分かってるだろう!?」

キリキザン「キリャー!!」ブンッ

ムシャーナ「ムー!!」

ドオオオオオオオオオン!!!!!!!!



417 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:02:07.56 ID:5EZTqtWAO



ヒュウドロロー……

クロツグ「うーん、不気味な部屋だなあ」

ドクロッグ「ログー」

「私の趣味ですよ」

クロツグ「! 誰だ!?」

「そちらから来ておいて、誰だとはありませんよ」

シキミ「どうも。四天王の一人、シキミです」

クロツグ「あんたがここの部屋の主か」

シキミ「はい。今日は来客が多いみたいで。
ポケモンリーグがこんなに賑わうなんてね」

クロツグ「お前たちの思惑通りだろうよ。プラズマ団め!」

シキミ「うふ、そうですね。プラズマ団七賢人として、侵入者を排除しませんと……ね!」
418 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:04:48.13 ID:5EZTqtWAO

ビュンッ!

クロツグ「…むう!」サッ

クロツグ「なんだ…? どこから攻撃が……」

シュッ……

クロツグ「! そこか!
ドクロッグ、“かわらわり”!!」

ドクロッグ「ログー!!」

ドゴオッ!

クロツグ「…どうだ? 少しは効いた…」

ドクロッグ「…?」スカッ……

ドガアッ!!!!!

ドクロッグ「ログー!?」

クロツグ「なにい! 確実にヒットしたはずだぞ!
なのに怯みもせずに反撃を…!?」

シキミ「うふ。この…あなたが言った、不気味な部屋……。
私の趣味と言いましたが、というより…私の専門タイプに関係がありまして」

クロツグ「!」

ゴルーグ「ォー……」

シキミ「私の得意とするタイプはゴーストタイプ!
打撃攻撃は当然、喰らいませんよ!!」

クロツグ「ぬう…!」



419 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:06:27.96 ID:5EZTqtWAO



《プラズマ団の城》


ドガアアア…………

ドオオオ…………………

ダイゴ「外が…随分騒がしいね」

ワタル「ついに始まったか。カトレアたちがプラズマ団と戦っているんだろう」

シロナ「私たちもやることをやらなくちゃね」

ダイゴ「カトレアさんに言われた作戦でしたっけ?」

シロナ「作戦ってほどでもないわ。
ただ、カトレアちゃんとクロツグさんがポケモンリーグ、私たち三人が城内のプラズマ団を抑えるってだけよ」

ワタル「言ってくれますね。俺たちの方が大変じゃないですか」
420 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:08:50.86 ID:5EZTqtWAO

ダイゴ「まさかプラズマ団の城の中がこんなに広いとはね…」

シロナ「…とりあえず、私たちがやることは相手方の幹部クラスの敵を倒すことよ。
そうすれば、道は開けるはず…」

ダイゴ・ワタル「道?」

シロナ「ええ。カトレアちゃんによると、プラズマ団の王と戦うべき者が頂上へ向かっているらしいの」

ワタル「…俺たちはその手助けをしろ、と」

ダイゴ「いいね。それで全てが終わるのならば」

ザッ…

『あっついバトルをッッ!!!』

『グッドテイストなバトルを!』

『清らかなバトルを!』

ワタル「…三つの扉……」

ダイゴ「クス、僕たちもちょうど三人だね」

シロナ「じゃあ一人ずつ、入りましょうか」

ワタル「いいだろう。俺は右の扉に」

ダイゴ「僕は真ん中の扉へ行こう」

シロナ「それじゃあ私は左の扉ね」

シロナ・ダイゴ・ワタル「…………」

ダイゴ「一人になるけど、大丈夫だね?」

ワタル「ふん、心配はいらないだろう。全員が全員、実力を認めている仲だ」

シロナ「…そうね。心配は無用……」

シロナ「私たちはチャンピオンなんだから!」

ダイゴ「クス…」

ワタル「ふっ…」


ダイゴ「はい!」

ワタル「ああ!」




421 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:10:37.18 ID:5EZTqtWAO



タタタッ

律「…だいぶ昇ってきたけど、まだ頂上にはつかないな……」

唯「うん…それに、プラズマ団の人たちをまだ一人も見てないよね」

律「そっちの方がありがたいけどなあ…。
でも、妙には感じるよなあ」

唯「なにか裏がありそうだね!」

律「油断させて、待伏せてたりな!」

「こんなふうにか?」

唯律「…!!」

マツブサ「まったく…もうすぐってところに、群がりやがって」

アカギ「我らの王たちが英雄になる、神聖な儀式を邪魔はさせん」
422 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:12:37.11 ID:5EZTqtWAO

マツブサ「王には悪いが、ゲーチスに言われてるんでなあ!
お前たちを排除しろってな!!」

律「くそ…予想的中かよ!」

唯「戦うしかないよ、りっちゃん!」

律「ああ、ボルト…」カチャ

「“ねっぷう”だ!!」

ブオオオオ!!!!!!!!!

マツブサ「うおっ!」

アカギ「ぬがぁ!」

律「なんだ…?」

マツブサ「クソが!! ヒヒダルマ、“めざめるパワー”で熱風を吹き飛ばせ!!」

ヒヒダルマ「ダールヒッヒー!!」ビュンッ

ビュオオオオオオン!!!!!!!!!!

シュウウ…………
423 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:14:04.59 ID:5EZTqtWAO

マツブサ「姿を現しやがれ! 侵入者ァ!!」

「ふっ…侵入者か。わしもかつては此処にいたのだが……」

アカギ「貴様は!」

マツブサ「てめぇ!!」

唯「あっ…」

律「あんた…!」

アデク「まあ、忘れたい過去ではあるがな」

唯律「アデクさんっ!!」

アカギ「アデク…!」

マツブサ「アデクゥゥ!!!」




Episode.40 fin




424 :まとめ :2011/05/01(日) 21:15:48.36 ID:5EZTqtWAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185

Episode.35
>>192-211 >>212-231 >>232

Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282

Episode.37
>>286-305 >>306-313

Episode.38
>>317-336 >>337-348

Episode.39
>>351-370 >>371-388

Episode.40
>>392-411 >>412-423
425 :ぽけもん :2011/05/01(日) 21:16:27.68 ID:5EZTqtWAO
終わりです
ありがとうございました
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 21:40:35.04 ID:IOy6TX4to
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/01(日) 23:22:24.12 ID:xwA3c9LDO

いよいよ終盤って感じだな
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) :2011/05/02(月) 01:48:44.25 ID:7AIZCpTb0
429 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:35:48.17 ID:7r8tlCaAO


Episode.41




アデク「…」ザンッ

唯「アデクさんっ!」

律「来てくれたんですね!」

アデク「ああ、すまんな。ちと遅くなった」

アカギ「…ふん。森を襲撃され、仲間一人守れずに、挙げ句に戦場を立ち去った臆病者が何の用だ?」

律「……!」

430 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:37:49.87 ID:7r8tlCaAO

アデク「どうとでも言え、わしは臆病者だ」

アデク「あの時、あの少女を止めて、わしが代わりに行けば…いや一緒に助けに行けば……いや、そもそもわしがプラズマ団にもっと早く対処していれば……コクランは死なずに済んだのだ!!」

アデク「わしは卑怯者だ!
あの後、バトル修業に明け暮れた。そしてチャンピオンになった。
わしがもっと早くに力を手に入れていれば…!!」

律「アデクさん…」

アデク「だが臆病者とでも卑怯者とでも……何と言われようとも!!
わしはおぬしたちを倒さねばならん!!」

アデク「力を手に入れるのが遅れたことに後悔したが、力を手に入れたことには後悔はしておらん!!
なぜなら、こうしておぬしたちを…この手で倒すことが出来るのだからな!!!」

マツブサ「……ッ」

アカギ「……」
431 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:40:09.80 ID:7r8tlCaAO

律「アデクさ…」

アデク「おぬしたちは先へ進めえ!」

アデク「行って、Nとシルバーに教えてやれ! ポケモンといることで強くなれる人間がいること、ポケモンも人間と一緒に学び強くなれることを!!
ポケモンと人を切り離しても何も生まれん……、それを教えてやってくれい!!」

唯律「……」

唯「はいっ!」

律「もちろんです!!」

タタッ

アデク「ふん…本来ならわしが戦い、途方もない夢を語る五月蝿い小僧どもを黙らせるほどのポケモンとの絆を見せてやるはずだったがな……」

アデク「だが彼女らに任せようと思ったのだ。理由は分からん…。
子供にこれ程の重大な事を任せようとはな、わしも変わったものだな」

マツブサ「変わったァ? なにも変わってねえよ!
どうせ、あの時と同じように逃げ出すのさ!!」

アデク「…どうだかな」

432 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:42:42.39 ID:7r8tlCaAO

マツブサ「決まってんだろうがよ!
俺たちの持っているあのポケモンたち……忘れてる訳ねえだろうよ!?」

アデク「……」

マツブサ「行けえ!!」

ボム! ボム! ボム!

コバルオン「こふおおおおーっ!」

ビリジオン「ききゅああああーっ!」

テラキオン「ぐるるおおーっ!」

アデク「……ふっ」

ボム! ボム! ボム!

ボルトロス「しゅるばばばーっ!!」

トルネロス「ばりゅるるるるーっ!!」

ランドロス「どろるるるるっ!!」

マツブサ「んなっ…」

アカギ「伝説のポケモン、だと…!?」

アデク「…わしも馬鹿ではないということだ」




433 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:44:27.25 ID:7r8tlCaAO



律「…唯!」

唯「? なに、りっちゃん」

律「ここで戦ってるのは、私たちだけじゃないみたいだ。外を見てみろよ」

唯「…?」

唯「! あれは…」

律「アロエさんたちだ…下っ端の軍勢と戦ってる……」

唯「アデクさんも来てた…」

律「きっと、もっと多くの人たちが戦ってる……」

唯「…止めなきゃね」

律「ああ…」

434 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:47:01.40 ID:7r8tlCaAO

ゲーチス「不可能ですよ」

律「! ゲーチス…」

ゲーチス「ご安心を。今度こそ本物ですよ」

律「……」

唯「Nくんとシルバーくんは…?」

ゲーチス「もうすぐで城の最上階……ですが、あなたたちを行かせるわけにはいきません」

ゲーチス「しかし邪魔者が多い…だから、ワタクシが直々にあなたたちの前に現れたのです」

律「へっ、都合がいいな。これで存分にお前をぶっ潰せるぜ」

ゲーチス「はて? 誰が、ワタクシが戦うと?」

律「は……?」

ゲーチス「あなたたちにとって一番のお相手を用意しました。
さあこちらですよ、…澪さん」

唯「…!」

律「澪…?」

435 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:48:22.45 ID:7r8tlCaAO

ザッ…

澪「……」

唯「澪ちゃん!」

律「澪!」

澪「……」

律「な、んだ…?」

唯「澪ちゃん…?」

澪「……」

律「澪に…何をしやがった、てめぇ!!」

ゲーチス「ふふ…ワタクシの人心掌握術には欠陥がありましてね……」

ゲーチス「例えば、その方の心の闇を利用して操った時、その闇が深すぎた場合……最終的にはその方の心を砕いてしまうのです」

唯律「…!!」

436 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:50:30.10 ID:7r8tlCaAO

ゲーチス「澪さんも、その闇を利用して操った一人……」

唯「じゃあ、澪ちゃんは……」

ゲーチス「心を持たない人形になってしまった、ということですね」

唯「……!」

ゲーチス「もう彼女には何もない。あるのは内に秘めた闇のみ…。
さあ、闇に従い…彼女たちを排除するのです!!」

澪「……」カチャ…

唯「澪、ちゃん…」

ボム!

コロぽん(ココロモリ)「ココロー!!」

バサッ!

ビュオオオオオオ!!!!!!!

唯「うう…!」

律「ぐ…ッ」

ゲーチス「いいですよ、闇に忠実にィ!!」

澪「……」

ビュオオオ!!!!!!

律「く、そ……」

437 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:53:42.02 ID:7r8tlCaAO

律(澪…、どうして……)


(澪……!!)


澪「……“エアカッター”」

コロぽん「…」シュッ!

律「!」

コロぽん「ココロー!!」シャキンッ

唯「りっちゃ…!」

ブンッ!

ザキイイッ!!!!!!

……バタッ

律「…?」

唯「……うっ」

律「唯!?」

唯「りっちゃ…よかった……」

律「バカヤロ…! 私を庇って……」

唯「いたた…大丈夫だよ、軽い傷だし」

律「……っ」

438 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:55:46.62 ID:7r8tlCaAO

澪「また、そうやって」

律「! な、に…?」

澪「なんで、唯ばっかり……」

律「澪…?」

ゲーチス「澪さんの心の闇……その原因はあなたですよ」

律「…! なんだって…?」

ゲーチス「イッシュに飛ばされ、澪さんとあなたたちは離れ離れになりましたね。澪さんは偶然にもワタクシのところに来ました」

ゲーチス「澪さんはあなたたちとはぐれたと知り、あなたたちを探すことにした…あなたたちのことが心配でね。
しかしあなたはどうでしょう? そんな澪さんのことを気にも掛けずに御友人とのうのうと旅をしていた。それを知った澪さんの気持ちはどんなものでしたかねえ」

ゲーチス「澪さんにとって、あなたは昔からのご親友だったはず。ですが、それに裏切られた……。もうそうすれば心は闇に染まり………後はワタクシが声をかければ……」

ゲーチス「掌握完了…」

ゲーチス「澪さんをこんなふうにしたのは、結局はあなたなのです!
あなたの行動が全ての原因なのですよ!!」

439 :ぽけもん :2011/05/07(土) 20:59:07.91 ID:7r8tlCaAO

律「私、が…?」

ゲーチス「そう! あなたが彼女をこうさせたのです! 彼女を人形にしたのはあなたです!!」

律「……ッ!!」

ゲーチス「ならばあなたが罪を償うのは必然!
彼女にここで、排されるので……」

唯「違うよっ!!」

律「…!」

ゲーチス「……は?」

唯「違うもん…」グズッ

律「唯…?」

唯「りっちゃんは澪ちゃんを探してたよ! 一生懸命!
私はちゃんと見てたよ!? 澪ちゃんのために、強くなるって……プラズマ団を倒すって決めてた!!」

唯「りっちゃんはのうのうとイッシュを旅してたわけじゃないよ!!」

ゲーチス「……」

律「唯…」

唯「だから…澪ちゃん……そんな悲しいこと言わないで?
りっちゃんは澪ちゃんを裏切ったりしないよ……」

440 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:01:01.22 ID:7r8tlCaAO

ゲーチス「…ふふ。ふはははははは!!!!
馬鹿なんですか? あいつにもう声は届かない!
人形に何を言っても無駄だー!!!」

唯「……」ズイッ

ゲーチス「はは、…?」

バチンッ…!

ゲーチス「…!?」

ドサアッ!

ゲーチス「な……貴様…!!」

唯「あなた…最低だよ!
Nくんとシルバーくんのこと、澪ちゃんとりっちゃんのこと……そんなに人の心を踏みにじって、楽しいの!?」

ゲーチス「……」

ゲーチス「クク…もちろん、楽しいですよ。
ワタクシは人々が絶望する…その瞬間を見るのが大好きですからね!!」バッ!

441 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:03:21.99 ID:7r8tlCaAO

唯「…!」

ゲーチス「よくもこのワタクシをぶちましたねえ!?」

ブンッ!

唯「きゃ…!」

ガシイッ!!!

唯「!」

ゲーチス「なに…?」

ガシッ……

律「……」ギロ

唯「りっちゃん…!」

ゲーチス「ふ、今更何を? あなたが全ての原因だというのに…」

バチイッ!!!

ゲーチス「…?!」

ドシャアッ!

律「ああ、私が原因だ…。なら、解決するのも私だ!」

唯「りっちゃ…」

律「唯……ありがとな!」ニッ

ダッ!

442 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:05:35.66 ID:7r8tlCaAO

律「澪!」

澪「…!」

律「お前とは、家が近所で…小さい頃から一緒に遊んで、仲良しでさ…。
だからたくさん喧嘩もしてきた! その度に仲直りして……でもこんな壮大なのは初めてだな!」

律「私が澪を裏切ったって? んなわけないだろ! 唯の言うとおりだ!!
それを…勘違いして、さ……よりにもよってゲーチスなんかに………」

律「水臭いじゃねえか!! 私に相談してくれよ! なんなら私に突っ掛かってくれてもよかっただろ!? そんなことで私たちの仲が崩れると思ったのか!?
ふざけんな! 親友だろうが!!」

律「……親友だろ…?
だから! 親友が闇に堕ちかけた時は連れ戻さなきゃな!!
お前をぶん殴ってでもだ!!!」

澪「…コロぽん!」

コロぽん「ココロー!!」

ビュオオオオオオ!!!!!!!!

443 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:06:56.50 ID:7r8tlCaAO

律「う、うおおおおおおおおおおお!!!!」

ダッ!!!!!

澪「…!」

律「目を醒ませ! 澪おおおおお!!!」ブンッ…

バチイイン…!!!!!!

ドシャアアアアアン!!!!!!!!!!!!!

444 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:09:13.10 ID:7r8tlCaAO

律「はぁ…はぁ……」

澪「…… り、つ…」

律「澪…、正気に戻ったのか……?」

澪「り、つ……」

澪「ご…、めん…私……!」

律「へへっ、謝るなよ。親友だろ?」

澪「律……。り、つぅ…!」

澪「りつうう…!!」ガバッ

律「うおっ!?」

澪「りつうう…」ポロポロ

律「いつかの予想通り…ははっ」

唯「澪ちゃん…よかったあ……」

ゲーチス「……ッ!!」

ゲーチス(馬鹿な…ワタクシの掌握術が解けるとは……)

ゲーチス「……」

ゲーチス(チィ……)

ソソクサッ



445 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:12:48.64 ID:7r8tlCaAO



澪「……」ヒック…

律「落ち着いたか?」

澪「う、うん…」

澪「律、私……」

律「ははっ、もういいって!」

タタッ

唯「澪ちゃん、元に戻ったんだね!」

澪「! 唯…」

唯「よかったよぉ、一時はどうなるかって…」

澪「……」

唯「…澪ちゃん?」

446 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:14:01.42 ID:7r8tlCaAO

澪「……唯…」

唯「なあに?」

澪「唯も、私を殴ってくれ!」

唯「ええ!?」

澪「このままじゃ私の気が収まらないんだ!」

唯「で、でも…」

律「はあ…唯に澪を殴れるわけないだろー?」

澪「でもそれじゃ…」

律「人にはそれぞれの愛情表現があるってもんさ。なあ、唯?」

ガバッ

唯「えいっ!」ダキッ

澪「うおっ!?」

ギュウウ…

447 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:17:16.16 ID:7r8tlCaAO

澪「ち、ちょっと…唯……」

唯「澪ちゃん……すっごく心配、したんだよ?」

澪「…ごめん」

唯「でも、澪ちゃんが戻ってきてよかったよ♪」ニコッ

澪「…ありがとうな、唯」

律「へへっ、よかったな唯」

澪「…ありがとう、律」

澪「私は馬鹿だったよ。こんな…」

律「だーから、もういいっての!
さあ、行くぞ!」

唯「うん! プラズマ団を止めないと!」

澪「…ああ!」




448 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:19:14.56 ID:7r8tlCaAO



《レンブの間》


レンブ「はああああああああああ!!!」

コジョフー「ジョフー!!」ギュオッ

さわちゃん「…!?」

ドガアアアア!!!!!!

さわちゃん「テイイイ!?」

梓「また…! さわちゃん!!」

ユリ「ユン!」タッ

キュアア…

さわちゃん「!」

さわちゃん「ダーイライ!」カイフク!

梓「!」

449 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:21:09.53 ID:7r8tlCaAO

紬「“じこさいせい”の応用よ。自分じゃなくて仲間を回復させる技……これじゃあ自己再生じゃないけどね♪」

梓「助かります!」

さわちゃん「ダーイライ!」

梓「さわちゃん、“まわしげり”!」

さわちゃん「テイ!!」ブンッ

レンブ「コジョンド!」

コジョンド「コジョ!」ガシイッ

ブンッ!

さわちゃん「ダーイライ…!?」

ドシャアッ!

レンブ「…何度この手にやられたのだ?
もう無意味なのではないか?」

梓「……っ!」

450 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:23:11.52 ID:7r8tlCaAO

梓「確かに…あなたは強い。二つの格闘を使い分けていることで全く隙がありません」

梓「でも! 負けるわけにはいきません!!」

レンブ「…何故だ? お前が戦う理由とはなんだ?」

梓「あなたたちプラズマ団を止めるために戦っています!
それと、逆にあなたに聞きたいです……あなたと戦った時から思っていました。あなたはどうしてプラズマ団にいるんですか?」

レンブ「……!」

梓「あなた程の実力のある人が、なんでプラズマ団なんかに……」

レンブ「……」

梓「答えてください! …その力があれば、もっと別のこともできたはずなのに!!」

レンブ「…理由などない」

梓「…!」

レンブ「私が此処にいる理由などない。だから此処にいるのだ」

451 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:26:48.44 ID:7r8tlCaAO

紬「…?」

梓「どういう意味ですか…?」

レンブ「この力…確かにこの力があれば何か違うことが出来たかもしれない。だが、私には何も思い付かなかった……特に理由もなく、目的もなく、この力を身につけたのだ」

レンブ「周りからみたら、すごい力なのだろう。だが使い道がなければ、宝の持ち腐れだ。価値は無い。
そんなところに、奴…ゲーチスは私に手を差し延べたのだ」

レンブ「その力の使い方を教えてやる、とな」

レンブ「特に何の気無しにその手をとったよ。そうして今の今まで、プラズマ団に貢献してきた…これからも変わらない。
理由などないのさ、私にはなにもないのだ」

紬「……」

梓「……嘘ですよ」

レンブ「! なに…?」

梓「嘘です! 何の理由もなしに、そんな力を得られるはずがありません!! あなたがその力を手に入れられたのは…例えば、何かを……誰かを守りたかったから!!
そんな気持ちがあったから! 違いますか!?」

レンブ「……!」

452 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:29:08.15 ID:7r8tlCaAO

レンブ「……そう、だ。
私にも、守りたい人がいた…」

梓「……」

レンブ「そもそも、その人を守りたいと思ったのは…あの時からだ」

紬「あの時?」

レンブ「忌ま忌ましい…あの事件……。
私の大切な人の…大切な人を奪った事件だ!!」

梓「奪った…?」

レンブ「…その人は死んでしまったんだ」

紬梓「…!!」

レンブ「そうして、私の大切な人………。
彼女は! 悲しみ、苦しんだ……!!
私はもう苦しむ彼女を見ていられなかったのだ! 彼女の悲しみ苦しみを私が背負うと誓った…!
それからは、私が彼女を守ると決めたのだ!!」

紬「だから…力を手に入れた…?」

レンブ「そうだ…全ては彼女のために……」

453 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:31:10.75 ID:7r8tlCaAO

梓「それならっ! なんでプラズマ団にいるんですか!?
彼女を守るために手に入れた力をなんで、こんなことに!!」

レンブ「仕方がなかったのだ……私だって、プラズマ団など………」

紬「どういう…ことですか? ならなんで…」

レンブ「私が修業から戻った時には…彼女は、プラズマ団に所属していた……」

紬梓「…!!」

梓「プラズマ団に…?」

レンブ「ああ…私は愕然としたよ。何故彼女が……。
先程話した内容とは違うが、私がどうしようもなく、うなだれている時に……ゲーチスが言ったのだ…。
『彼女を一緒にいたいのなら、プラズマ団に所属しなさい』、と」

梓「…ッ! ゲーチス!!
人の心を利用して…許せません!!」

454 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:33:08.41 ID:7r8tlCaAO

紬「…その人って、まだプラズマ団に?」

レンブ「…同じ七賢人としてな」

紬梓「…!?」

紬「まさか…」

梓「カトレアさん、ですか?」

レンブ「…!」

梓「そうなんですね…」

レンブ「そうだ。
…彼女があくまでプラズマ団にいるのなら、私も彼女のためにプラズマ団に貢献するまでだ。彼女のために生きると誓ったのだから!!」

梓「……」

紬「……」

梓「…それは、違いますよ」

レンブ「…なに?」

梓「カトレアさんはプラズマ団ではありません…」

レンブ「…!?」

455 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:35:36.71 ID:7r8tlCaAO

紬「カトレアさんは…プラズマ団を探るためにスパイとしてプラズマ団に所属しているんです!」

レンブ「なん…だと……?
馬鹿な…そんなことが……」

紬「本当です。プラズマ団の計画を阻止するために……」

レンブ「では、私はなにをして……一体なんのために……」

レンブ「く……!」

梓「レンブさん…カトレアさんのためにプラズマ団に入ったのなら、また……」

レンブ「……くそ!」

梓「!」

レンブ「クソオオオオオ!!!!」

レンブ「お前に何が分かる!
プラズマ団に入って、私は散々…どれだけのことをしてきたと思っている!? 全ては彼女の為だったというのに!! なのに…!」

レンブ「彼女が…スパイ……だっただと!? それでは、私のしてきたことはなんだったのだ!?
武人としてのプライドも何もかも捨て、何でもやってきたというのに……」

紬「レンブさん……」

456 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:37:12.32 ID:7r8tlCaAO

レンブ「お前に何が分かる!!!」

ダッ!

コジョフー「ジョフー!!」

紬「…! 梓ちゃ…」

さわちゃん「ダーイライ!」

紬「!」

梓「これで決めます! 全身全霊を懸けて!!」

梓レンブ「はあああああああああ……!!!」

「「はァ!!!!」」

レンブ「“はっけい”!!」

梓「“まわしげり”!!」

さわちゃん「テイ!!」ギュオッ

コジョフー「ジョフ!」スッ…

さわちゃん「!」スカッ

457 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:39:11.87 ID:7r8tlCaAO

ドスッ…

ビリイッ!!!!

さわちゃん「…!?」

レンブ「そのまま押し切れ!!」

コジョフー「ジョフー!!」ブンッ

さわちゃん「…!」

レンブ「終わりだぁッ!!!」

コジョフー「ジョフぅぅ!!!」

梓「さわちゃん! 今だよ!!」

さわちゃん「テイ!!」ギュルッ

レンブ「…!? 伸ばした脚を…何重にも巻いて……!!?」

梓「一気に解いて! “インファイト”!!!」

さわちゃん「」ギュルッ

コジョフー「ジョ…!」

ドダダダダ……!!!

ダアアアン!!!!!!

コジョフー「ジョッフー!?」ズザザアッ!!!

レンブ「……!!!」

458 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:41:45.61 ID:7r8tlCaAO

コジョフー「…、」バタッ

さわちゃん「ダーイライ!」シュタッ

梓「……」

紬「や…やったわ! 梓ちゃん!」

レンブ「負けた…!?
く……彼女のために身につけたこの力も、この程度…だとは………無価値じゃないか…………」

レンブ「くそ…、私はどうすれば……!!」

梓「…無価値じゃないです」

レンブ「!」

梓「程度や結果がどうであれ、あなたはカトレアさんのために頑張ってその力を手に入れたんでしょう? ならそれだけで十分意味があります」

梓「どうすればいいか?
そんなの決まってるじゃないですか……あなたは今まで誰のために頑張ってきたんですか!? 信念もプライドも捨てて…カトレアさんのために頑張ってきたんでしょう!!」

レンブ「……」

紬「梓ちゃん…」

459 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:43:19.66 ID:7r8tlCaAO

レンブ「…ふ、そうだな。今更だった……私には選択肢はない、最初から。
彼女のために生きる……彼女の正義が私の正義だ!!」

レンブ「彼女がスパイだというなら、私もそれに従えばいいのだ!!」

梓「…はい! そうですよ。それでこそ、剛の奥義の使い手です!」

レンブ「……ふ」

レンブ「私が修業の途中……挫折しかけていた時、シバの言葉に励まされた……やはり、あいつの弟子なのだな」

梓「? なにか言いましたか?」

レンブ「…いや」

梓「?」

紬「ふふ♪」

460 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:45:47.79 ID:7r8tlCaAO

レンブ「…そこのパネルを踏めばポケモンリーグの広場に戻れる。広場には私の部屋の他に三つの部屋がある。一つはカトレアの部屋だが、あとの二つはお前たちの敵の部屋だ。
その二つの部屋に行くといい。七賢人を倒せば後で何かと都合がいいだろう」

梓「ありがとうございます!」

紬「…レンブさん!」

レンブ「?」

紬「頑張ってください♪」

レンブ「…ああ」

レンブ「……」

レンブ(カトレアがスパイ…とは。もしや、カトレア…やはりコクラン殿の……)




《ギーマの間》


ドオオオン!!!!!!

キリキザン「キリャー!!」

ムシャーナ「ムー…」ガクリ

カトレア「戻って、ムシャーナ!」パシュッ

ギーマ「…退屈だねえ、もっと楽しませてくれよ」

キリキザン「キリャー…!!」ギロッ

カトレア「……っ」




Episode.41 fin




461 :まとめ :2011/05/07(土) 21:47:03.40 ID:7r8tlCaAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185

Episode.35
>>192-211 >>212-231 >>232

Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282

Episode.37
>>286-305 >>306-313

Episode.38
>>317-336 >>337-348

Episode.39
>>351-370 >>371-388

Episode.40
>>392-411 >>412-423

Episode.41
>>429-448 >>449-460

462 :ぽけもん :2011/05/07(土) 21:47:31.08 ID:7r8tlCaAO
終わりです
ありがとうございました
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 21:50:17.19 ID:U5iN1FYYo
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/05/11(水) 12:37:34.88 ID:tOKYy8590
乙、さぁもう残り少ないな・・・
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/05/11(水) 12:53:33.35 ID:gEvWKUqA0
ずっと付き合って、ここまで読んできて後悔した。
なにこの澪とのくだり。
律探そうとはしてたけど、一生懸命なんか探してなかったじゃん。
ここしばらく、律も唯も澪のことなんか全然気にしてなかったし。
紬や梓にいたっては、澪がプラズマ団に入ったって聞いても全然気にもとめないし。
だいたい、ジョウトまでに、澪がそこまで律に依存してるようなところもなかったし。
せっかく今まで面白かったのに

466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 13:36:59.38 ID:QE/0bmbz0
なら読むなよ
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/05/12(木) 15:35:10.10 ID:/+x2PQDd0
流石澪厨気持ち悪いです^^;
468 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:34:26.95 ID:xIwMwrWAO


Episode.42





カトレア「…ゴチルゼル!」

ギーマ「クク、キリキザン!!」

キリキザン「キリャー!!」シュッ

ボム!

ゴチルゼル「ゴチルゼー!!」

ザキイイッ!!!!!!

ゴチルゼル「チルッ…!?」

カトレア「ゴチルゼル!」
469 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:37:14.72 ID:xIwMwrWAO

ギーマ「ふう…まあこんなところかな」

カトレア「…はい?」

ギーマ「今のは“つじぎり”だけど…それも合わせて、俺のエキスパートタイプは何か知っているよな?」

カトレア「言うまでもないですね。あくタイプ…」

ギーマ「そうそう。それで、エスパータイプの技はあくタイプには効果はない……ダメージすら与えられないんだ。
対して、あくタイプの技はエスパータイプに効果は抜群……これがどういうことか分かるよね?」

カトレア「…アタクシが圧倒的に不利」

ギーマ「その通りィ!! 同じ四天王だ。実力が同等なら、勝負を決めるのはそこだよ」

カトレア「………」
470 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:39:58.19 ID:xIwMwrWAO

カトレア(これは…マズイですね……。ギーマさんの使うタイプがあくタイプだということは、当然存じていたことですが……)

ギーマ「何を考えているんだい? 諦めな、もう無理だよ」

ギーマ「交替だ! レパルダス!!」ボム!

レパルダス「ニャアア!!!」

ギーマ「“つじぎり”!!」

シュッ!

カトレア「…!」

ゴチルゼル「チルッ…!」ダッ

レパルダス「ニャアア!!!」

ガキイイン!!!!!!!

ゴチルゼル「チ、ルッ…」ジリ…

カトレア「ゴチルゼル!?」

ゴチルゼル「チルッ……!」ニコッ

カトレア(! 少しでも、アタクシに考える時間を…!)
471 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:43:01.59 ID:xIwMwrWAO

ギーマ「悪あがきかァ!? どうもならないぜ!?」

レパルダス「ニャアア…!!」

ゴチルゼル「チル…ッ!!」ギギ……

カトレア(考えろ…考えるのです、カトレア! 形勢逆転の方法を!!
相手はあくタイプ…対してこちらは圧倒的不利なエスパータイプ……この局面をどうやって…。……? エスパータイプ…?)

(アタクシはエスパータイプの専門ですが、エスパーの使い方においては同じ四天王でも、ゴヨウさんの方が上手…。
こんな時、ゴヨウさんならどうする……?)

(ゴヨウさんの戦闘スタイルはランクルスをメインで、様々なエスパー技を駆使して相手を倒すもの。
しかし、アタクシの手持ちは…ムシャーナ、ゴチルゼル、リグレーの三匹……ランクルスのパワーには遠く及ば……)

(…! リグレー?
そういえば、ブラックシティの頂点、最強のトレーナーであるゴヨウさんを倒した平沢唯さん……あのバトルであの子のムンナが使った“シンクロノイズ”…、ランクルスの内側の細胞を破壊した……もしかして、そうではなく、ランクルスの脳に“シンクロノイズ”が伝わっていた…!?)
472 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:45:05.21 ID:xIwMwrWAO

(“シンクロノイズ”はランクルスの脳に働きかけ…ムンナの脳波をランクルスの脳に伝えていた…! キーワードは、『脳』…!!)

レパルダス「ニャアアアア!!!」

ドスッ…!

ゴチルゼル「!?」

ゴチルゼル「チルー!?」ズザアアッ!

ゴチルゼル「…チ、ル」ガクッ

パシュッ!

カトレア「ゴチルゼル、よく頑張ってくれました。あなたのおかげで、希望が見えてきました…!」

ギーマ「クク…何を思い付いたかは知らないが、あなたのエスパーポケモンで俺のあくポケモンに勝つのは不可能だよ」

カトレア「ですね……ただし、普通のポケモンバトルにおいてはね」

ギーマ「あん?」
473 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:48:39.02 ID:xIwMwrWAO

カトレア「リグレー!」ボム!

リグレー「リグッ!」

ギーマ「…クハハハハッ!!
リグレーだって? そんなポケモンで………勝てるわけがないだろうがッ!! レパルダス!!!」

レパルダス「ニャオオオ!!」ダダッ

ギーマ「トレーナーごと引き裂いてやりなァ! “つじぎり”だァ!!」

レパルダス「ニャアア!!」シャキンッ

リグレー「……」

カトレア「……」

レパルダス「ニャアア!!」

キイイイイイイン…ー………

レパルダス「…!?」ピタッ
474 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:51:23.11 ID:xIwMwrWAO

ボトッ…

レパルダス「ニャ…アア……」ガクガク

ギーマ「な、なんだ! なにがあった!?」

リグレー「リグゥー…」キイイイイン

ギーマ「!」

カトレア「ブレインポケモン、リグレーはサイコパワーで相手の脳味噌を締め付けて頭痛を起こさせる……でもこれ、相手を倒すのにもっと楽な方法があるんです」

カトレア「相手の脳に直接、サイコパワーを伝えるんですよ」

ギーマ「…!!」

カトレア「リグレーは脳についてのスペシャリスト!
脳に伝ったサイコパワーが何をするかお分かりですよね!!」

レパルダス「グ…ガガ………」ガクガク…

ギーマ「レパッ…」

カトレア「ポケモンを戻しなさい! これ以上はレパルダスが持ちませんよ!!」
475 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:55:41.94 ID:xIwMwrWAO

ギーマ「チッ…!」パシュッ

カトレア「……」

カトレア(まずはこれで一安心ですね…もう彼に対抗策はないはず…)

ドオオオン……!

カトレア「…! 大きな揺れ……広場から!?」

ギーマ「クッ…」ダダッ!

カトレア「あっ…!」

カトレア「しまった……追いかけましょう!」タッ




カトレア「…」タタッ

カトレア「ギーマさんはどこに…」

ドオオオン!!!!!!

カトレア「!」

「うおおっ!?」ドサアアッ!
476 :ぽけもん :2011/05/21(土) 23:58:22.53 ID:xIwMwrWAO

「なんだってんだよー!!」

カトレア「…ってクロツグさん!?」

クロツグ「おお、カトレアか」

カトレア「な、なんでこんなところに寝転がっているのですか?」

クロツグ「別にただ寝転がっているわけじゃないぞ。吹き飛ばされたのだ」

カトレア「吹き飛ば…?」

ザッ!

カトレア「…!」

シキミ「こんなものですか、タワータイクーン」

クロツグ「ぬう、現れたか!」
477 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:02:49.89 ID:MqTajHlAO

クロツグ「今度はさっきみたいには…」

カトレア「って! なに押されているんですか!!
それでもフロンティアブレーンの長、タワータイクーンなのですか!?」

クロツグ「いやぁ…トレーナー戦に慣れてしまって、こんな過激なバトルにはついていけなくてなあ」

カトレア「言い訳しないでくださいっ!」ピシャリッ

クロツグ「ひえぇ…」

ギーマ「あなたも結構ピンチだったけどね」

カトレア「…!」

クロツグ「ほら、カトレアも人の事を言えな…」

カトレア「」ギロッ

クロツグ「ひぃっ!」
478 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:08:09.31 ID:MqTajHlAO

シキミ「…ギーマさん、プランBですか」

ギーマ「ああ。プランB……」

シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」

ギーマ「もろとも排除せよ」

ゴゴゴ………

クロツグ「…!」

カトレア「この揺れは…?」

クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」

シキミ「ゴルーグ!!」

ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!

クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」

カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
479 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:08:59.83 ID:MqTajHlAO

シキミ「…ギーマさん、プランBですか」

ギーマ「ああ。プランB……」

シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」

ギーマ「もろとも排除せよ」

ゴゴゴ………

クロツグ「…!」

カトレア「この揺れは…?」

クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」

シキミ「ゴルーグ!!」

ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!

クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」

カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
480 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:09:30.80 ID:MqTajHlAO

シキミ「…ギーマさん、プランBですか」

ギーマ「ああ。プランB……」

シキミ「広場に侵入者をおびき寄せ」

ギーマ「もろとも排除せよ」

ゴゴゴ………

クロツグ「…!」

カトレア「この揺れは…?」

クロツグ「…あいつだ! 先程まで私の相手をしていた……ゴーレムポケモン、ゴルーグ!
そいつの地面技!!」

シキミ「ゴルーグ!!」

ゴルーグ「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………!!!!!!!!!

クロツグ「“じしん”、“じならし”、“マグニチュード”。一体どれだ!?」

カトレア「ど、どれでも同じですよお!!」
481 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:11:23.54 ID:MqTajHlAO

ゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!

ビキ、バキイイ……

クロツグ「ま、まずい…。地面が、割れ……」

ビギィィン!!!!!!!

カトレア「…!!」ヒュウッ

クロツグ「カトレア…!!」

ヒュオッ!

カトレア「きゃ…」

ヒュウウウッ!!!!!

クロツグ「カトレアァアアアア!!!!」

…ー……

クロツグ「……ぐっ!」

ギーマ「クク…」

シキミ「…まずは一人」ニヤ
482 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:13:04.64 ID:MqTajHlAO

クロツグ「貴様らアアアアアアアア!!!!」

ボム!

ドレディア「レディー!」

クロツグ「“はなびらのまい”!!!」

ドレディア「レディー!!」ビュワアッ

シキミ「……」ボム!

シャンデラ「ラァー!」

ドレディア「レディ…!」

ボウウッ!!!!

ドレディア「」バタッ

クロツグ「…!!」

シキミ「無駄ですよ。…次はあなたです」

クロツグ「……ッ」

ギーマ「キリキザン!」

シキミ「シャンデラ!」

キリキザン「キリャー!!」

シャンデラ「ラァーッ!!」

ズイッ

クロツグ「…!」
483 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:14:32.16 ID:MqTajHlAO

ボオオオオ!!!!!!!!!!

クロツグ「ぐうっ……、……?」

キリキザン「…」

キリキザン「」ドサッ

ギーマ「キリキザン…!?」

クロツグ「? シャンデラの炎じゃない…?」

シキミ「何者ですか!?
キリキザンは倒されましたが、炎技はシャンデラには効きませんよ! 諦めて姿を現し……」

シュン……!

シャンデラ「!?」

シキミ「なっ…“あくのはどう”!?」

ドゴオオン!!!!

シャンデラ「」ガクッ

シキミ「シャンデラ…!」
484 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:18:01.26 ID:MqTajHlAO

タッ!

ヘルガー「ガアアッ!!」

シキミ「ヘル、ガー?」

ギーマ「こんなところに何故…」

ヘルガー「グルルル……!」

クロツグ「このヘルガー……」

「ご無事ですか、カトレアお嬢様」

クロツグ「!」

カトレア「うぅ…ん……」ムニャ…

カトレア「!? う、うそ……、え……?」

「地獄の底から這い上がって参りました。…このコクラン」

コクラン「カトレアお嬢様のそのお命、お護りするために!!」

カトレア「コクラン……っ!!」

クロツグ「コクラン!!」
485 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:20:27.54 ID:MqTajHlAO

コクラン「…お久しぶりです、クロツグ様。…カトレアお嬢様」

カトレア「な、どうしてコクラン…あなた、生きて……」

コクラン「さあ……死に損ないましたね。これも彼女のおかげですか……」

クロツグ「…!」

クロツグ(カトレアとゴヨウから聞いた話だと、コクランを助けるために“ゆめのせかい”へ、ある少女を行かせたらしい…。
それは失敗に終わったらしいが、だが街には変化があった……)

(……失敗してはいなかったのだ。ブラックシティに花が咲いたのだけではない…、コクランは生きていた……未来が、現在が変わった!!)
486 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:22:05.69 ID:MqTajHlAO

カトレア「でも良かった……コクラン、アタクシはとても嬉しいです」

コクラン「ええ、私もまたこの身をもってカトレアお嬢様をお護りできます」

クロツグ「…良かった、良かったな……カトレア!」グスッ

シキミ「……ふっ」

シキミ「二人が三人になったところで!
私たちの勝利は、今更揺らがないんですよ!! 精々無駄な足掻きをするのですね!!」

クロツグ「……じゃあ、試してみるか?」

カトレア「今のアタクシ…いえ、今のアタクシたち……」

コクラン「誰にも負ける気はしませんよ」



487 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:24:43.03 ID:MqTajHlAO
………
……


《プラズマ団の城―上階》


タッタッタ……

唯「ふぇぇ、つかれたぁー」バタァ

律澪「おい」

律「敵地の真ん中で、呑気なもんだな唯はー」

唯「むうー…でも、ここまで団員さんたちを一人も見てないよ?」

律「大方、全員が下の戦いに充てられてるんだろ」
488 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:26:05.42 ID:MqTajHlAO

唯「それじゃあ、ここにいるプラズマ団の人は少ないってこと?」

澪「…確か作戦では七賢人もダークトリニティも、ポケモンリーグか、ここより下の階で待機しているはずだけど…」

唯律「!!」

澪「だから多分…この階やここより上の階に残っているのはゲーチス、ダークトリニティ《改》くらいだと思う」

律「あとNとシルバーか」

唯「さっすが澪ちゃん!」

澪「情報の入手元は褒められたものじゃないけどな…」

澪「……!」

律「? どうした、澪」

澪「いや…この先のホール……」

唯律「…?」
489 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:27:58.60 ID:MqTajHlAO

澪「ダークトリニティ《改》が待機している場所だ…」

唯律「…!!」

澪「……」

唯「澪ちゃん、?」

律「まさか…」

澪「…唯と律は先に最上階を目指してくれ。私は……ケリを着けに行く」

律「澪……」

澪「それにここで奴らを放って、後で追ってこられて足止めを食らうのも困るだろ?」

唯律「………」

律「…よし」

律「頼んだ、澪!」

唯「終わったら、すぐ追いかけてきてね!」

澪「ああ、必ず…」

律「…そうだ、澪!」

澪「ん?」

律「騒ぎが全部収まったら、またバトルしようぜ!」

澪「…うんっ!」



490 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:30:32.58 ID:MqTajHlAO



サキ「……澪か?」

澪「……」

ミツル「ひゃはは」

サキ「フンフフフ、ゲーチス様の術が解けたみたいだな」

澪「……ゲーチスは?」

サキ「フフ、あの小娘どもを追いかけて行かれたさ」

澪「…!」

ザッ!

ミツル「行かせねえZE☆」

ロゼリア「ロゼー!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」

澪「くっ…!」

サキ「…ダークトリニティ《改》。もう解散するハメとなったか」

ミツル「まあ、いつでも補充は利くだろ?」

サキ「フンフフフ、そうだな……まずは、この裏切り者を消すことを優先すべきだよ」

澪「……」カチャ…



491 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:34:27.29 ID:MqTajHlAO
………
……


《ダークトリニティの間》


ガチャ…

ダイゴ「へえ、中々いい部屋だ。草木が生い茂って、建物の中とは思えないね」

「お褒めの言葉どうも」

ダイゴ「! 君は…」

デント「サンヨウシティジムジムリーダー兼、プラズマ団ダークトリニティ……デントだ」

ダイゴ「すごい肩書きだね。僕には大した肩書きなんてないけど、でもこの称号には誇りを持っているよ」

ダイゴ「…ホウエン地方リーグチャンピオン、ダイゴ。大悟をもってお相手するよ! ダイゴだけにね!」カチャ

デント「ふふ、言葉の使い方を間違えているのは否めないけど。しかしそれを掻き消すようなシックなテイストだ! 君の目は!!」カチャ



492 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:36:03.93 ID:MqTajHlAO



ワタル「『あっついバトル』ね…」ガチャ

モアッ……

ワタル「! 〜ッ」

ワタル「なんだこの唸るような熱気は!?」

「ようッ! 待ってたぜ、チャンピオンッ!」

ワタル「お前は…いちいち打つのが面倒臭い語尾を付ける奴!!」

ポッド「ポッドだッ!!」

ワタル「…サザナミタウンの……!」

ポッド「さあ、あっついバトル、おっ始めようぜッッ!!」

ワタル「ふっ…また同じ結果になる! カイリュー!!」ボム!

カイリュー「リュー!!」
493 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:38:06.54 ID:MqTajHlAO

ポッド「この前みたいにはいかねえぜッ!」

ボワッ!

「バーオ!!」

ワタル「! 灼熱の炎の中から現れたコイツは!?」

ポッド「ひのこポケモン、バオッキーだッ!
…バオッキーッッ!!」

バオッキー「バーオッ!!」ゴウッ…!!!!

ワタル「!」

ポッド「バオッキーってポケモンはなッ。体内の炎を燃やし、エネルギーにするんだッ!
今ッ、バオッキーの体温は最高点ッッ!! 体には莫大なエネルギーが溜まっているぜッッッ!!!」

ワタル「ボールに仕舞わず、炎の中に居させたのはこのためか」

ポッド「そうッ! そしてッッ!!
そのエネルギーから繰り出される技ッ、“オーバーヒート”ッッ!!!」

バオッキー「バーオォオオオッ!!!」

ボワアアア!!!!!!
494 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:40:44.46 ID:MqTajHlAO

ゴウウッ…!!!!!!

ワタル「なるほど…腕を上げてきたようだな。だが…、」

ワタル「カイリュー! “はかいこうせん”!!」

カイリュー「リュー!!」カッ

ドギュウウウウウ!!!!!!!

バオッキー「バオー…ッ!?」

ドオオオン!!!!!!!!!!!

ワタル「俺のカイリューには敵わん!!」

バオッキー「…、」バタッ

ポッド「チッ! 戻れッ、バオッキー…ッ!!」パシュッ

ワタル「ふ、もう諦めるか?」

ポッド「まさかッ! 切り札は最後まで取っておくもんなんだよッッ!!
行けッ、テッシードッッ!!」ボム!

テッシード「ジィー!!」
495 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:42:15.59 ID:MqTajHlAO

ワタル「…? ふ、それが切り札か? 笑えないな」

ワタル「切り札とは手持ちで最も強いポケモンのこと! そんなちっぽけなポケモンのことではない!
では強いポケモンとはなにか?」

ワタル「それはドラゴンポケモンだ!! ポケモンで最強はドラゴンポケモンなのだ!!!
カイリュー! “はかいこうせん”!!」

ドオオオオオオッ!!!!!!!

ポッド「ハッ…」

カイリュー「!?」

テッシード「ジィー!!」

ワタル「なに!?」

ポッド「確かになぁ。ドラゴンポケモンは強いよ。だがなぁッ、聞いた話によると、お前のドラゴンポケモンが使う技は“はかいこうせん”。ただそれのみッ!
“はかいこうせん”がどんなポケモンにも効くと思うのかッ!? それで最強を語るな、雑魚がァッ!!!」

テッシード「ジィー!!」ギュルッ!

ワタル「“こうそくスピン”!?
そうか…! “はかいこうせん”のダメージはこれで軽減されたのか!!」
496 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:45:06.54 ID:MqTajHlAO

ポッド「それだけじゃないぜッ? テッシードの特性“てつのトゲ”ッ!
身体のまわりのトゲは触れた相手にダメージを与えるッ!!」

カイリュー「リュー…!?」ズキッ…!

ワタル「! カイリューの身体に大量のトゲが…!?」

ワタル「“こうそくスピン”で飛ばしたのさッ! “とげキャノン”みたいなもんだッッ!!」

カイリュー「リュー…!」フラフラ

ポッド「トドメをささせて貰うぜーッ!! もう一度“こうそくスピン”だッッ!!!」

テッシード「ジィー!!!」ギュルッ

カイリュー「…!!」

グサ グサ グサ!!!!

ポッド「ククッ………あ?」

カイリュー「…?」

ワタル「……ッ」ボタボタ……
497 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:46:12.78 ID:MqTajHlAO

ポッド「な…ッ!!? お前…!!」

ポッド「正気か!? この大量のトゲを人間が受け止めるとはッ!!?」

ワタル「……。悪いが…俺は“はかいこうせん”以外に技を使う気はない。
だからこうして俺自身がガードに回った訳だが……、覚悟は出来ているだろうな?」

ポッド「覚悟、だって…ッ?」

ワタル「…ポケモンバトルとは、その名の通り、ポケモン同士が戦う! だがそれを指示するトレーナーも、いついかなる時もポケモンと共にいるのだ! 共に戦っている!!」

ワタル「つまりポケモンバトルとは、トレーナーとポケモン、両者が共に戦う……共闘するべきものだ!!!
ならばトレーナーもいつ狙われてもおかしくはない!! ……知っているか? 俺の“はかいこうせん”は人に撃つものだ!!!」

ワタル「カイリュー!!」

カイリュー「リュー!」キッ
498 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:47:41.38 ID:MqTajHlAO

ワタル「“はかいこうせん”!!!」

カッ!!!

ポッド「…ッ!!」

ドオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!





ガチャ…

ワタル「…ケホッケホッ。少々暴れすぎたか。部屋が崩壊してしまった」

カイリュー「リュー」テヘッ

ワタル「……」

ズルズル…

ポッド「」グタッ

ワタル「ふん!」ポイッ!

ドサッ!
499 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:49:00.05 ID:MqTajHlAO

ワタル「お前の負けだ! ……チッ、嫌な事を思い出した…。“はかいこうせん”だけを使う俺のスタイル……そのせいでNという子供に負けたんだったな…」


「あの女め……って、いだっ!」

「な、なんだ…ポッド?」

ワタル「…?」クルッ

「あ、あなたは! 確かチャンピオンの…!?」

ワタル「ん? お前は…」

「……」チラ

ポッド「」ガクッ

「…ポッドを倒したようですね、なるほど」

ワタル「ああ、あの三人組の一人か…」

コーン「コーンです! 以後お見知りおきを!!」ボム!

ヒヤッキー「ヒィヤッ!」

ワタル「!」
500 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:50:07.67 ID:MqTajHlAO

コーン「ヒヤッキー、“ねっと…」ドガッ!

コーン「…ぎゃん!?」

バタッ

ガブリアス「ガルル…!」

ワタル「! ガブリアス、ということは!」

シロナ「ふうっ、やっと見つけたわ」

ワタル「シロナさん!」

シロナ「あらワタルくん」

ワタル「見つけた、とは?」

シロナ「そのモンジャラ頭の子がバトルの途中で逃げ出しちゃったから。追いかけてきたのよ」

コーン「う〜ん…ゲーチス様ぁ〜……」

ワタル「俺はこっちの暑苦しい奴を」

ポッド「ゲーチス様…ッ……」ウーン
501 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:50:55.33 ID:MqTajHlAO

シロナ「へえ、ワタルくんも突破したのね」

ワタル「? あれ…ダイゴがいませんけど…」

シロナ「まだのようね…確か、真ん中の部屋へ入ったのかしら?」

ワタル「はい。『グッドテイストなバトルを!』だとか」

シロナ「『グッドテイストなバトル』ね…」



502 :ぽけもん :2011/05/22(日) 00:53:02.02 ID:MqTajHlAO
長いので一旦ここで終わります
ありがとうございました
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮崎県) :2011/05/22(日) 00:55:26.78 ID:6aK/CfXw0
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 03:57:05.93 ID:oQlzwyPDO

ようやく澪のバトルが見られるな
そしてワタルまたやりやがったwwww
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/05/23(月) 13:02:13.42 ID:01TUkAbe0
乙。
最近、某まとめサイトで最初から読み始めて、やっと追いついたよ。
叩かれてるけど>>465の気持ちはちょっと分かるなあ。
2次創作の弊害が出た感じだね。
澪が律に依存してるの書かなくても、当然分かってくれるでしょみたいな。
それは置いといて、面白いので、続きもがんばってください。
506 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:12:14.94 ID:1YaFvK7AO
>>496
>ワタル「“こうそくスピン”で飛ばしたのさッ! “とげキャノン”みたいなもんだッッ!!」
はポッドの台詞でした、すみません

では続き投下していきます
507 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:14:17.83 ID:1YaFvK7AO



《デントの間》


ダイゴ「ナットレイ、“アイアンヘッド”!」

ナットレイ「ナレーイ!」

デント「ヤナッキー、受け止めろ!」

ヤナッキー「ヤナー!」バッ

ガシイイッ!!!!!

ナットレイ「!?」

ダイゴ「“ミサイルばり”で距離をとるんだ!」

ナットレイ「ナ、レーイ!!」ビッ

ババババババ!!!!!!

ヤナッキー「ヤナー!?」

ナットレイ「ナレー!」スッ
508 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:16:12.58 ID:1YaFvK7AO

タッ……

ヤナッキー「……」

ナットレイ「……」

ダイゴ「ナットレイ! からみつけ!」

ナットレイ「ナレーイ!!」シュバッ

ヤナッキー「ヤナッ!?」

シュルル……

デント「! この距離で届くのか!?」

ダイゴ「“パワーウィップ”をお見舞いしてあげるよ!」

ナットレイ「ナレーイ!」シュルル

デント「くっ…、触手をひきちぎれ! ヤナッキー!」

ヤナッキー「ヤナー!!」ガリッ…

ダイゴ「!」
509 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:18:17.53 ID:1YaFvK7AO

ビリイイッ!!!!!!!!

ナットレイ「…、」フラッ…

デント「クハハ! 三本ある触手の一本をなくしてあげたよ!!
どうだい、体のバランスがとれないんじゃないかい? あ、それ以前に痛みで目を開けることもできないか!! クハハハハハ!!!」

ナットレイ「、…」

ダイゴ「ナットレイ…」

デント「今度は残りの二本も跡形もなく、ひきちぎってあげるよ」

ヤナッキー「ヤナー!」ギロッ

ナットレイ「……」

デント「…あれ? 既に一本しかな……」

ドゴオオン!!!!!!!

ヤナッキー「ヤナー!?」

デント「…ッ!!」

ヤナッキー「」バタッ
510 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:20:04.92 ID:1YaFvK7AO

デント「触手…!? まさか…あの痛みで動けるはずが……」

ダイゴ「そうだよね。でも、初めからそれを覚悟していたら? どうだろうね」

デント「な…! 触手をちぎられることを前提として!?」

ダイゴ「まあ後からは何でも言えるけどね。
ナットレイには一つの作戦として伝えていたから、痛みは精神的に軽減されたんだ」

デント「…ッ、」

ダイゴ「だけどこれじゃあナットレイも戦えないね。ありがとう、ナットレイ。戻って休んでてくれ」パシュッ

デント「……肉を切らせて骨を断つ。いいバトルスタイルだけど、外道だね。まさかチャンピオンが作戦でポケモンに重傷を負わせるなんて」

ダイゴ「君の性格を考慮した結果だけど……本当にしてくるとは、やってくれるね」

デント「クハハ! 実は僕たち気が合いそうだね! 同じ外道で!」

ダイゴ「クス…僕、今怒ってるんだけど?」

デント「クク……、いけえ! イシズマイ!!」ボム!

イシズマイ「イーマイマイ!」
511 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:22:04.20 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「イシズマイか。…ボスゴドラ!」ボム!

ボスゴドラ「ガアア!!」

ダイゴ「“メタルクロー”!!」

ボスゴドラ「ガアア!!」ダッ!

デント「いきなり特攻か……ヘビーなスメ〜ルを醸し出しているボスゴドラにはぴったりだけど、でもどうかな?」

イシズマイ「イマー!」キイイン

ボスゴドラ「」ブンッ!

ガキイイッ!!!!!!!

イシズマイ「…」ガチッ

ボスゴドラ「…!?」ボロッ…

ダイゴ「! 耐えられた?」
512 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:24:03.22 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「なら、もう一度だ! 次は“アイアンテール”!!」

ボスゴドラ「ガアアッ!!!」ブオンッ

イシズマイ「イマー!」キイイン

ガギイイン…!

イシズマイ「イマ!」ニヤリ

ダイゴ「! また…!」

デント「“まもる”だよ」

ダイゴ「“まもる”…」

デント「ただし、ただの“まもる”じゃない。“てっぺき”を合わせた、まさに鉄壁の守りさ!!」

イシズマイ「イマイマー!」キイイン
513 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:26:04.98 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「…でもそれだと防戦一方だよね? そちらが勝つことはないと思うけど」

デント「そう思うだろうね。しかし、“てっぺき”で守りを固めたのはガードする他に意味があるんだ。
…イシズマイ、“からをやぶる”!」

イシズマイ「イマーイ!!」シュバッ

ボスゴドラ「…!」

ダイゴ「は、速い!?」

デント「普段は岩の家を被ってるイシズマイだけど、その重りをなくしたんだ! スピードはもちろん上がる!! そしてパワーも倍以上に跳ね上がる…!!」
514 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:28:18.98 ID:1YaFvK7AO

デント「イシズマイ、“シザークロス”!」

イシズマイ「イマイマー!!」シュッ

ザシュウウ!!!!

ボスゴドラ「ガ、ア…!」

ダイゴ「ボスゴドラ! ……“からをやぶる”か。確かにパワーやスピードは上がるけど、ガードは手薄になるんじゃないかな?」

デント「!」

ダイゴ「岩もない状態で受け切れるかな? “アイアンテール”!!」

ボスゴドラ「」ブオンッ

デント「…ッ。イシズマイ、“からにこもる”んだ!」

イシズマイ「イマーイ!」ササッ

ボスゴドラ「!」ガギイン!

デント「ふう、危なかった。鉄壁の守りは持続しているからね。岩を被ってしまえば、今度は絶対の防御を誇るんだ!」
515 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:30:04.87 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「…」

ダイゴ(岩を被ればガードが、岩から抜ければパワーとスピードがそれぞれ上がる……。なるほど、これこそ完璧な戦術といったところかな)

デント「また“からをやぶる”だ!」

イシズマイ「イマイマー!」バッ

デント「“シザークロス”!!」

ダイゴ「…ボスゴドラ!」

ボスゴドラ「ガアアッ!」シュンッ

シュシュシュシュ……

イシズマイ「イマーイ!?」キョロキョロ

デント「“かげぶんしん”!?」
516 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:32:07.90 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「パワーとスピードが上がっても、これらを見破れるかな?」

デント「チィ……! 舐めないでくれよ。イシズマイのスピードは桁違いに上がってるんだ! 順々に攻撃していけば、何れは本物に当たる!!」

イシズマイ「イマイマー!」シャキンッ

ザシュッ ザシュッ ザシュッ…

ダイゴ「……」

デント「クハハ! これで分身も残り少なくなって、本物に攻撃が当たるのも時間の問題……」

ダイゴ「クスッ」

デント「!」

ダイゴ「眼前の敵にだけ、気を集中しちゃいけないよ」

デント「なに…?」

ダイゴ「ボスゴドラ!」

ボスゴドラ「ガアアッ!!」バッ

デント「背後から…! いや……」
517 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:35:08.62 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「そちらが最大の攻撃と防御を持つのなら、どちらかを崩せばいいこと! 崩す隙があるなら、それはイシズマイの攻守の交代の仕方にある!!」

デント「…! 岩が狙いか!!」

ダイゴ「その岩が最大の防御を誇ろうと、それを扱う者がいなければ意味はない! 元はただの岩だよ!!」

ダイゴ「“メタルクロー”!!」

ドガアアアアアン!!!!!!!!

ボスゴドラ「……」

ガキッ………

ボスゴドラ「…!?」

ダイゴ「ば…、そんな! 岩が壊れていない!?」タタッ

ダイゴ「…! なんだこれは!? 先程の岩とは形も大きさも…別物!?」

デント「フフ…すごい、すごいすごいすごいすごい!! まさにグッドテイストなバトルだよ!!!」

デント「まさかここまでやってくれるとはね…。でも残念、やはり勝つのは僕の方みたいだ」
518 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:37:04.09 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「なにをしたんだ!?」

デント「別に? たいていのポケモンは体験する自然の出来事だよ」

イワパレス「イワーッパ!!」

ダイゴ「! 進化したのか!」

デント「そう! イシズマイの岩だったら君のボスゴドラの攻撃で壊れただろうさ。でも、進化したイワパレスの岩なら?」

デント「イワパレスは進化したことで能力が格段にアップしている。もちろん防御のステータスも格段に、ね」

イワパレス「イワーッパ!!」

ボスゴドラ「……ッ」

デント「それと攻撃のステータスも同然にね!!
イワパレス、“がんせきほう”!!!」

イワパレス「イーワパーッ!!!」
519 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:39:03.92 ID:1YaFvK7AO

ゴッ……

ドゴオオオオン!!!!!!!!

ボスゴドラ「ガアア…ッ!!?」

ドシャアア!!!!!!

ボスゴドラ「ガ、アア……」

ガクッ

デント「戦闘不能だね。さあどうする?」

ダイゴ「ありがとう、ボスゴドラ」パシュッ

ダイゴ「……次のポケモンを出す前に聞いておきたいんだけど」

デント「?」

ダイゴ「君は何故戦っているんだい? 理由を聞かせてくれないか」

デント「ふ、何を聞くかと思えば…そんなの決まっている! プラズマ団リーダー、ゲーチス様のためだ!!」
520 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:41:10.49 ID:1YaFvK7AO

デント「ゲーチス様はジムリーダーだった僕たち“ダークトリニティ”に声をおかけなさった! そして話されたのはポケモン解放について。
僕たちは感動したよ…ゲーチス様の理想……素晴らしいと思った! そしてゲーチス様についていこうと決めた!!」

デント「ゲーチス様のために生きて死ぬ! この命はゲーチス様のためだけにある!!
僕が戦う理由はただひとつ! ゲーチス様のためさ!!!」

ダイゴ「……なるほど、ありがとう。君の意思、伝わったよ」

デント「…?」

ダイゴ「意味が分からないという顔をしているね。でも、これは聞いておかなきゃいけなかったんだ」

ダイゴ「…僕たちチャンピオンは、それぞれポケモンバトルでの自分の主義を持ち合わせていてね」

ダイゴ「例えば、ワタルは使う技は“はかいこうせん”のみ。それで相手を捩じ伏せること。
シロナさんの場合は、どんな相手にも全力で立ち向かうこと。それでも子供相手だと、無意識に手加減してしまうみたいだけどね」
521 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:43:08.07 ID:1YaFvK7AO

デント「……君は?」

ダイゴ「僕はね。戦う理由、揺るぎない意志…それらを持ち合わせている相手だけに本気を出すことにしているんだ。
例え僕が勝つことでその意志を砕くことになっても、絶対に手加減はしない。相手に失礼だからね」

ダイゴ「君の戦う理由、揺るぎない意志を聞けてよかった…これで心おきなく戦える……」カチャ

デント「…!」

ダイゴ「メタグロス!」ボム!

メタグロス「グロース!!」

デント「…ハハッ! 本気だって?
こちらはパワーもガードもスピードもパーフェクト!! 今更君になにができる!?」

ダイゴ「メタグロス…」

メタグロス「グロース!」キッ

デント「攻撃する気かい? イワパレスは岩を被った状態だけど?」
522 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:45:03.87 ID:1YaFvK7AO

ダイゴ「さっき、君は僕のバトルスタイルを『肉を切らせて骨を断つ』、と言ったね。
でもそうじゃないよ。そんな生半可なものじゃない、僕のバトルスタイルは」

ダイゴ「あえて言うならね、僕のバトルスタイルは…」

メタグロス「グロース!!」ダッ

ダイゴ「メタグロス、“コメットパンチ”!!」

ブオンッ!

イワパレス「…!?」

ドガアアアアアン!!!!!!!!

パラパラ……

イワパレス「イ、…」ビキッ…

バタッ

デント「!」

ダイゴ「『肉を切り裂き骨も断つ』、その鋼でね。
これが僕の本来のバトルスタイルさ」
523 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:47:03.63 ID:1YaFvK7AO

デント「く……、!?」フラッ…

バタンッ

ダイゴ「おっと、攻撃に巻き込まれたみたいだね。あの衝撃で倒れるのは無理もないよ」

デント「グ、ゥ…! ゲーチス、さ、ま……」ガクッ

ダイゴ「……どんな人間にも自分にとっての正義がある。善人悪人問わずね。僕も、かつて強さを追い求めた一人のトレーナーを知っている……。
それが正しいのかどうかは分からないけど、いいと思うよ。そこに善も悪もない……人と人、互いの正義のぶつかり合いだってある」

ダイゴ「だけどね。その正義を貫くために世界を破滅に追い込んだり、人やポケモンを傷つけたりしてはいけないんだ。
この世界や、人やポケモンに迷惑はかけちゃいけない。正義以前に、最低限のマナーだからね」クスッ

ダイゴ「……さて、シロナさんとワタルは大丈夫かな?
見に行こうか、メタグロス」

メタグロス「グロース!」



524 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:49:04.80 ID:1YaFvK7AO



アデク「……ふう、ふう…」

マツブサ「ククク……」

アカギ「……」スッ…

アカギ「テラキオン、“ストーンエッジ”!」

テラキオン「ぐるるおおーっ!」

ゴゴゴ……

アデク「…!」

ドガアアアアアン!!!!!!!

ボルトロス「しゅるばばばーっ!?」

アデク「ボルトロス…!」

アカギ「ビリジオン、“リーフブレード”!
コバルオン、“メタルクロー”!」

ビリジオン「ききゅああああーっ!」ブンッ

コバルオン「こふおおおおーっ!」シャキンッ

ドオオオオン!!!!!!!!!

トルネロス「ばりゅるるるるーっ!?」

ランドロス「どろるるるるっ!?」

アデク「くう……、トルネロス! ランドロス!」
525 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:52:08.61 ID:1YaFvK7AO

シュウウ………

アカギ「…ふん」

マツブサ「アデクよお、わかんないのか?」

アデク「?」

マツブサ「俺たちはコバルオン、テラキオン、ビリジオンの伝説の三匹で戦い……それに対し、お前はボルトロス、トルネロス、ランドロスのこれまた伝説の三匹で戦っている。
両者に実力の差はほとんどないはずだ。なのに何故、お前の方が押されているのか」

アデク「……」

マツブサ「それはな。使い手だよ」

アデク「…なに?」

マツブサ「いやいや怒るなって。別に使い手としてお前が劣っているわけじゃない。
寧ろ、俺たちの実力は同等だ」
526 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:53:14.62 ID:1YaFvK7AO

マツブサ「だがなあ、よく考えてもみろ。伝説のポケモンってのは普通のポケモンとは勝手が違う。扱うのにはそれなりの、トレーナーとしての実力が必要なんだよ。ポケモンはトレーナーの実力分の力を引き出せる」

マツブサ「つまりな、単純に考えて……俺とアカギの実力分の力をコバルオンたちは引き出せる。同様にボルトロスたちもトレーナーのお前の実力分の力を引き出せる。
両者の違い、わかるか? トレーナーの数だよ」

アデク「!」

マツブサ「三匹を操るのに一人でやれると思ったか? 三匹を使う場合、実力は三つに分散しちまうんだよ!
なら話は簡単だ。トレーナーの数が多い方が、三匹のポケモンを上手く操れる!! お前がどれだけ強いポケモンを使おうと、一人で戦う限り、俺たちに勝つことなんて不可能なんだよ!!!」

アデク「ぬう…ッ!」
527 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:54:49.49 ID:1YaFvK7AO

マツブサ「墓場にも一人で行くんだなァ!! コバルオン、テラキオン、ビリジオン、“せいなるつるぎ”ィイ!!!」

コバルオン「こふおおおおーっ!」

テラキオン「ぐるるおおーっ!」

ビリジオン「ききゅああああーっ!」

キイイイイイイ……!!!!!

アデク「ぐ…、これで終わりか……」

マツブサ「やれええええええ!!!」

ギュアアアアアアッ!!!!!!!!!!

アデク「……く、」

キュイン!

シュワアン……!

アデク「…?」

マツブサ「な、んだと…。攻撃が無効化された…?」

サメハダー「サメハー!」ニヤリ

アカギ「サメハダー?」

ザッザッ……

アカギ「…!」

「トレーナーの数が多い方が三匹を上手く操れる、か……」

「では、三人になったらどうです?」

アデク「おぬしらは…!」



528 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:55:45.39 ID:1YaFvK7AO



《チャンピオンロード付近》


下っ端「ダブラン! “サイコキネシス”!!」

ダブラン「ラーン!!」ウィン!

ワルビアル「ビーッ!!」

ダブラン「…!」

ヤーコン「“かみくだく”!!」

ガギイイッ!!!!!!!

ダブラン「ブラー…!?」

下っ端「くそ…!」

下っ端2「タマゲタケ!」
529 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:56:54.64 ID:1YaFvK7AO

ボコッ…

タマゲタケ「タンマー!」

ヤーコン「!」

下っ端2「ケケッ、気づかなかったか? ご愁傷さ…」

ドオオオ!!!!!!

タマゲタケ「…?!」ボタッ

下っ端2「んなっ…」

ペンドラー「キシャアア!!!」

アーティ「虫なら僕の十八番だよぉん。気づかない訳無いよねぇ」

下っ端2「くぁっ…!」
530 :ぽけもん :2011/05/26(木) 20:59:47.03 ID:1YaFvK7AO

下っ端3「じゃあ空中ならどうだァ!!」

アーティ「!?」

バササッ…

シンボラー「ボォー!!」

下っ端3「そんな虫けら、捻り潰しちまえ!!」

ビュオッ!!!!

下っ端3「? なんだ? 今、頭の上を何かが通り過ぎて…………って、通り過ぎて!?」

ウォーグル「ウォー!!」ビュオオオ!

フウロ「空中戦なら私だよね!
あれから頑張って進化したんだから! ウォーグル、“フリーフォール”!!」

ウォーグル「ウォー!」ガシイッ

シンボラー「!」

ビュオッ!!

ドダアアアアアアン!!!!!!!!!!

シンボラー「」ピクピク…

下っ端3「くぅっ!」

下っ端「つ、強い…これがイッシュのジムリーダーの実力か……!!」

ヤーコン「フン! この調子でバンバン行くぞ。
お前らのな、思い通りにはしねえよ……絶対!!」
531 :ぽけもん :2011/05/26(木) 21:01:05.72 ID:1YaFvK7AO


下っ端4「っざけんなよ! 俺たちの目的、ポケモン解放実現の邪魔はさせねえ!!
ゴビット!」

ゴビット「ォオー!」

アーティ「ハハコモリ、“リーフブレード”!」

ハハコモリ「ハッハー!!」シャキンッ

ゴビット「…!」

ジャキイイン!!!!!!

ゴビット「…っ」ガクッ

アーティ「ポケモン解放か……。プラズマ団の君たちも例外じゃないよね。
君のポケモン、君のために頑張っているんだろ? どうしてそんなポケモンと別れなくちゃいけないんだい?」
532 :ぽけもん :2011/05/26(木) 21:02:10.28 ID:1YaFvK7AO

下っ端5「ママンボウ!!」

ママンボウ「ママー!!」

アロエ「ムーランド、“おんがえし”だよ!」

ムーランド「ムー!!」

ドシャアアアア!!!!!!

下っ端5「…ッ!!」

アロエ「これまでもこれからも、あたしらはポケモンと一緒さ!!
そっちこそ邪魔をするんじゃないよ!」

下っ端6「クッソオオオ!!!!」

ボボボボム!!!!!!

シビシラス「ビーッ!」

コマタナ「ナーッ!」

エルフーン「フ〜ッ!」

モロバレル「バレー!」

メブキジカ「キャウウン!」

マラカッチ「マラカー!」
533 :ぽけもん :2011/05/26(木) 21:03:50.27 ID:1YaFvK7AO

下っ端6「やっちまええええええ!!!」

ピシャアアアア!!!!!!!

ドサッ ドサドサドサッ……

下っ端6「な…に……?」

ゼブライカ「ヒヒーン!!」バリリッ

カミツレ「……しつこいのはあまり好きじゃないの」

エモンガ「エモー!」パチッ☆

アイリス「負けないわ! 絶対絶対絶対!!」

下っ端6「く、そ……」
534 :ぽけもん :2011/05/26(木) 21:04:46.30 ID:1YaFvK7AO

ハチク「…しかし、」

アロエ「まったくキリがないねえ! さすがに一万人は多過ぎだ!」

アーティ「アロエ姐さん、さっきは余裕そうじゃなかったかい」

シャガ「余裕などとそんな問題ではないだろう。敵方の数……それが問題だ」

ヤーコン「フン! 雑魚が一個に集まって、鬱陶しいもんだな」

フウロ「でも大丈夫だよ! こっちもあっちに負けないくらいの人数がいるし!」

皆「?」

フウロ「だって、私たちが見てるこの空の下、みんなが笑ってるんだよ? なら、みんなが繋がってるってこと! 世界中の人たちが私たちの味方だよ!」

皆「……」

皆(これだからぶっとびは…!!)ガーン

フウロ「?」
535 :ぽけもん :2011/05/26(木) 21:06:02.85 ID:1YaFvK7AO

カミツレ「…というより、なにその極論は」

フウロ「…きょくろん? 『あなたが笑ってる空の下、みんなが笑ってる』んだよ!」

カミツレ「……」

アイリス「でもいい言葉ね!」

フウロ「でしょー? さっすがアイリスちゃん、わかってるぅ!」

アイリス「エヘヘー」

キャイキャイ…

カミツレ「……」

カミツレ「……ライモンポケモンつよいもん」ボソッ

アイリス「?」

フウロ「カミツレちゃん、何か言った?」

カミツレ「な、なんでもないっ」プイッ

フウロ「?」
536 :ぽけもん :2011/05/26(木) 21:07:00.55 ID:1YaFvK7AO

アロエ「……んまあ、弱音を吐いちゃいられない状況だしねえ」

アーティ「相手方の残りも少なくなってきたし、頑張ろぉん。アロエ姐さん」

ヤーコン「フン…、あの小娘ども、今頃くたばっているんじゃないか? これじゃあ徒労になりかねねえな」

シャガ・ハチク(なんで唐突に彼女らの話題を…。もう素直になれよ)

カミツレ「大丈夫よ、あの子たちなら」

フウロ「うん!」

アイリス「うん…、大丈夫!」



537 :ぽけもん :2011/05/26(木) 21:09:13.36 ID:1YaFvK7AO
まだまだ長いので、また一旦終わりです
ありがとうございました
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/26(木) 21:16:42.16 ID:TFyxcI5zo
539 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:28:09.48 ID:q14kUltAO
………
……


《プラズマ団の城―最上階》


律「…もうこれ以上、上に進む階段はないみたいだな」

唯「じゃあ…」

律「ああ、この先にNとシルバーがいる! …ゲーチスはわかんねえけど」

唯「この…部屋かな?」

律「……」

唯「…開けるよ?」

ギィ……
540 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:29:24.63 ID:q14kUltAO

タッ!

唯「すごく広い部屋……」

律「!」

N「ようやく来たね。ゲーチスたちが邪魔していたようだけど……君たちなら必ずたどり着くと信じていたよ」

唯「Nくん!」

シルバー「俺とNがそれぞれ“真実”、“理想”の英雄か、お前たちとの戦いで分かる」

律「シルバー!」

シルバー「ここまで舞台装置が整えば人々の心はつかめる。長かった。人とポケモンが離れ離れになる……俺たちの苦しみの日々も終わる!!」

N「僕たちが望むのはポケモンだけの世界……ポケモンは人から解き放たれ、本来の力を取り戻す」

N「……さあ、決着をつけよう。僕たちには覚悟がある! 友達のポケモンたちを傷つけても信念を貫く! ……ここまで来たからには君たちにもあるんだろう?
あるなら僕たちの元に来て見せてほしい! 君たちの覚悟を!!」
541 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:30:19.70 ID:q14kUltAO

唯律「……」

律「行くぞ、唯!」

唯「うん、りっちゃん!」

タッ…タッ……

ザンッ!

唯「……」

律「……」

N「……」

シルバー「……」

N「僕たちと雌雄を決する覚悟でここまで君たちはやってきた……。
真実、理想を求めるため僕たちに挑み玉砕するか、それともここを立ち去りポケモンが人から解き放たれた新しい世界を見守るか。君たちがとる行動はその二つ……」

唯「ううん、そのどちらも違うよ。私たちがすることはただ一つ!」

律「お前たちを倒して、世界を守る! ポケモン解放なんて絶対にさせない!!」
542 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:31:24.17 ID:q14kUltAO

シルバー「…ふっ、だろうな。だからここに来た」

N「いいよ。もう十分君たちの覚悟は見せてもらった。今度はこちらの番だ……おいで、ゼクロム!」

…ィ………!

タッ!

ゼクロム「ババリバリッシュ!」

唯「ゼクロム…!」

シルバー「来い、レシラム!」

……ァ…!

バサッ!

レシラム「ンバーニンガガッ!」

律「レシラム…!」

シルバー「さあ…」

N「最後の戦いを始めようじゃないか」



543 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:32:32.51 ID:q14kUltAO



サキ「! フンフフフ、N様とシルバー様があの小娘たちと戦いを始めたようだ」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」ブシャアッ!

コロぽん「ココロー…!」ジリッ

澪「なんだって…? 唯と律が……!」

サキ「んん? 別に驚くことでもないだろう。そのためにここへ来たのだからな」

澪「でも、相手はゼクロムとレシラム……伝説のポケモン!!」

澪(唯…! 律…!)

ミツル「おおい? 他事考えてる暇はねぇぞ!?」

ロゼリア「ロゼー!」ビュアッ
544 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:33:47.40 ID:q14kUltAO

ミツル「“マジカルリーフ”!」

シュバババ!!!!!

澪「…! コロぽん、“かぜおこし”で払い落として!!」

コロぽん「ココロー!!」ビュオオッ!

ババババ……!!!!

ミツル「チッ…!」

澪(でも、“マジカルリーフ”は必中技。全部は払えない…!)

シュババ!

コロぽん「ココロッ…」

澪「コロぽ…」

シュッ!

澪「!」

ザキイッ!

澪「うぁ…!?」
545 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:34:34.39 ID:q14kUltAO

ミツル「ひゃはは! どうだ? 格下に負ける気持ちはよォ!!」

澪「ぅ…」ヨロッ

ミツル「つーかお前の手持ちは知ってるし、手も知り尽くしてる!
俺たちが負けるはずねえだろうが!!」

澪「…ッ、ミツルくん……」

ミツル「なんだ、その怪訝そうな顔は? 俺がこんなんになってることが疑問でしょうがないってかァ?
まあそりゃそうだな。元々は俺も純真無垢だったよ」

ミツル「だが俺の師匠。あいつが俺の全てを変えた! 通称『強さを追い求める男』、トウカシティジムジムリーダー・センリ!
あいつの弟子になったことで俺もそいつの影響を受けちまった。そして強さを追い求め、チャンピオンまで上り詰めた……だが、」

ミツル「澪さん、あんたに負けてそのままチャンピオンの座からは一日も持たずに引きずりおろされた!
そして、そのあと俺はサキにプラズマ団に入るよう誘われた。まあチャンピオンになる前から、サキとは多少交流があったんだけどな」
546 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:35:53.97 ID:q14kUltAO

澪「じゃあ…」

ミツル「ああ、あんたのせいだ。俺がこんなふうになっちまったのはよ」

澪「…!」

ミツル「それはいいんだよ。だがな、あんたはプラズマ団に入ってきた。それで過去のことは水に流して仲良くしようとしたら……これだ」

澪「……」

ミツル「ひゃはは! 心底ムカついてんだよ、俺はよォ!!」

ロゼリア「ロゼー!」ダッ

澪「くっ…! コロぽん!」

コロぽん「ココロー!」バッ

ガキイイッ…!

澪「“ハートスタンプ”!」

コロぽん「ココロ!!」キュッ…

ドン!!!!

ロゼリア「ロゼ!?」

ミツル「怯むな、ロゼリア! “どくばり”を食らわせてやれ!!」

ロゼリア「ロゼー!」チクッ…
547 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:37:20.42 ID:q14kUltAO

澪「! ロゼリアから離れて、コロぽん!!」

コロぽん「ココロー…!」バササッ…

ミツル「遅え!!」

コロぽん「…!?」ドクン!

澪「!!」

ロゼリア「ロゼッ」ニヤリ

ミツル「ひゃはは! もれなく毒状態だ!!」

コロぽん「コ、ロ…」ジュワアッ…

澪「コロぽん!!」

ミツル「まだまだこれだけじゃないぜ?」

澪「!」

ミツル「その毒は“どくばり”の毒じゃねえ。ロゼリアの“どくのトゲ”で与えた毒だ!!」

澪「…?」

ミツル「ひゃはは。じゃあ何故“どくばり”を撃ったのか、って顔だな。そんなの簡単だ。違う狙いがあるからだよ!」
548 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:38:33.80 ID:q14kUltAO

ググッ……

澪「! 床のタイルの隙間に何か……?」

ギュワン!

コロぽん「…コロ!?」ギュルッ!

ギュウウウ……!!!

コロぽん「ココロー!!?」

澪「“やどりぎのタネ”!?」

ミツル「ひゃはは! そうだ! “どくばり”で種がある所に誘い込んだのさ!!」

コロぽん「ココ、ロー…!?」ギュウウウ……!

澪「コロぽん…! これじゃあ、いずれ体力が……」

澪「…ッ! 戻って、コロぽん!」パシュッ

澪(厄介なのはロゼリアの“どくのトゲ”…。なら!)

ボム!
549 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:39:48.35 ID:q14kUltAO

デスらん(デスマス)「デース!」

ミツル「…デスマスか」

澪「デスらん、“おどろかす”!」

デスらん「デース!」シュッ

ビタアン!

ロゼリア「…!?」ビクッ

ロゼリア「……ロゼ?」ポカン

ミツル「チッ…“ミイラ”か!」

澪「そう。デスマスの特性“ミイラ”、この特性を持つポケモンに触れると触れたポケモンの特性も“ミイラ”になる!
これで“どくのトゲ”は封じた!!」

ミツル「ぐぅ…!」

澪「“シャドーボール”!!」

デスらん「デース!!」ビュワンッ
550 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:45:16.11 ID:q14kUltAO

ミツル「っ…ロゼリア、“リーフストーム”!!」

ロゼリア「ロゼー!!」ビュオオッ

ドオオオオン!!!!!!!!

……………………。

ロゼリア「」バタッ

ミツル「!!」

澪「……」ホッ

デスらん「デース!」

澪「ありがとう、デスらん」

ミツル「…ハッ。なんだ、その勝ち誇った顔は?
まだ俺様は負けてねえぜ!!」ボム!

サーナイト「ナーイ」

澪「サーナイトか。……ん?」

サーナイト「…」ピカアア……

澪「…!」
551 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:48:45.94 ID:q14kUltAO

ミツル「サーナイト、頼んだぜ」

サーナイト「ナーイ」

澪「……。デスらん、お願い」

デスらん「デース」

ミツル「さあて! どう料理してやろうか!?
なあ、サーナイト?」

サーナイト「ナ、イ…」フラフラ

ミツル「…あん? ど、どうした!?」

サーナイト「ナイ…、…」ジュワアッ

ミツル「毒……?」

澪「サーナイトの特性“シンクロ”、だったよね」

ミツル「! まさかデスマスは最初から毒状態だったのか?」

澪「ううん…違う。ロゼリアと戦った時、ロゼリアに攻撃した時に毒になったんだ」
552 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:49:45.19 ID:q14kUltAO

ミツル「“どくのトゲ”で…? でもロゼリアの特性は“ミイラ”になったんじゃ……」

ミツル「! いや、“ミイラ”にしたのは“どくのトゲ”を封じるためじゃない! 寧ろ、毒になることを狙っていた…。サーナイトを“シンクロ”で毒にするために…!!」

澪「サーナイトを倒す目処もたってる。
デスらん、“たたりめ”!」

デスらん「デース!!」ブンッ

バチイッ!

サーナイト「ナーイ…!?」

ドサアッ!!!

ミツル「!! またこの“たたりめ”にやられた…!
クソッ……手持ち最強のサーナイトがやられた…………負けたッ!!」

澪「……ない」

ミツル「…?」

澪「サーナイトはまだ倒れてない!!」
553 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:50:52.29 ID:q14kUltAO

ググッ…

サーナイト「ナ、イ…!」

ミツル「なに…!」

サーナイト「…ナイ!」バンッ

ミツル「馬鹿な!!」

澪「…ミツルくん」

ミツル「!」

澪「何でサーナイトが立ち上がったか分かる?」

ミツル「あ…?」

澪「サーナイトの角が光ってる……これは君の気持ちをキャッチしてるんだ。負けたくない、っていうミツルくんの気持ち……」

澪「サーナイトはトレーナーのために命懸けで戦うポケモンだ。だから立ち上がった。
君のために、君を守るために! だから立ち上がれたんだ!!」

ミツル「ぁ…」

サーナイト「ナイ…!」ブオオオ……!

ミツル「! ブラックホール……?」
554 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:52:14.77 ID:q14kUltAO

澪「まだ、バトルは終わってない。…デスらん!」

デスらん「デース!」

ミツル「……っ! サー…ナイトォッ!!」

サーナイト「ナイ!」ニコッ

ブオオオオオン!!!!!!!

澪「ブラックホールを破壊するんだ! “シャドーボール”!!」

デスらん「デース!!」ビュワンッ

ドドドド!!!!!!

サーナイト「ナイ…!」ブオオオ…!

ミツル「いいぞ、サーナイト…。そのままブラックホールで……」

サーナイト「ナ、イ…っ!」フラッ…

ミツル「…!?」

ブ、ウウ……ウ…、ン………、……

ミツル「ブ、ブラックホールが!!」
555 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:53:23.55 ID:q14kUltAO

デスらん「デース!!」ビュワンッ

サーナイト「…!」

ドオオオオン!!!!!

サーナイト「ナイイイ!?」ドザアアッ

ミツル「サーナイトっ!!」タタッ

澪「…」

サーナイト「…ナイ……」

ミツル「クソ…、ブラックホールでサイコエネルギーを使い果たしちまったのか…!」

ミツル「なんで、俺なんかのために…!!」

澪「信頼してるから」

ミツル「…!」

サーナイト「…、」ピカッ…

ミツル「! 角が…」

澪「…ミツルくん、君が変わってサーナイトは迷ってたんだと思う。ボールから出た時に放ったサーナイトの角の光……少し色褪せていたから」
556 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:54:32.66 ID:q14kUltAO

澪「でも、それでも君を守りたいって。君のために戦うって決心したんだよ」

ミツル「…」

澪「ミツルくん。本当の強さっていうのは、バトルが強いとか…そんなことじゃない。誰かを思い、誰かのために戦えて……誰かを信じられる心なんだ。
君のサーナイトは強い…。だって、こんなにも君を思い、君のために戦えたんだから」

澪「…こんな風になっちゃったけどさ、まだ大丈夫だよ。元に戻ろう。今からでも、やり直せる」

ミツル「……でも、俺……僕は…………」

澪「さっきのだって、サーナイトはほとんど瀕死状態だったのに立ち上がって…それでも君も、サーナイトを信じて戦ったんだよね? なら、ミツルくんも本当の強さを持ってる……大丈夫」

ミツル「……」

サーナイト「ナイ…」ニコッ…

ミツル「…サーナイト……」

ミツル「ごめん、僕……。ロゼリアたちもごめん……。
僕、結局何も分かってなかったんだ……こんなにも強いポケモンたちがいるのに、こんな僕を信じてくれているポケモンたちがいるのに……、僕は…!」
557 :ぽけもん :2011/06/05(日) 20:55:37.69 ID:q14kUltAO

サーナイト「ナイ…、」スッ…

ミツル「!」

サーナイト「ナイ…」ナデナデ

ミツル「サーナイト…」

ボム!!!

ロゼリア「ロゼー」

ノクタス「ノック!」

カクレオン「レオーン」

ミツル「みんな…」

ロゼリア「ロゼロゼ」ポンポン

ミツル「みんな、ありが…」

ガシイッ!!!!

ミツル「!?」
558 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:00:25.71 ID:q14kUltAO

ギギ……

ミツル「ぅぐあ…」ギシッ……

澪「! ミツルくんっ!!」

サキ「フンフフフ…とんだ茶番だったな」

澪「サキ…! ミツルくんを離せ!!」

サキ「フンフフフ、そうはいかないな」

澪「くっ…、デスらん…」

ロゼリア「ロゼー!!」

澪「!」

ノクタス「ノックー!!」

カクレオン「レオーッ!!」

ダッ!

サキ「フンフフフ…」

…バッ!

ロゼリア「…!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!」ブシャアッ!!!

ロゼリア「ロゼー!?」

ノクタス「ノックー!?」

カクレオン「レオーン!?」
559 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:00:58.79 ID:q14kUltAO

ギギ……

ミツル「ぅぐあ…」ギシッ……

澪「! ミツルくんっ!!」

サキ「フンフフフ…とんだ茶番だったな」

澪「サキ…! ミツルくんを離せ!!」

サキ「フンフフフ、そうはいかないな」

澪「くっ…、デスらん…」

ロゼリア「ロゼー!!」

澪「!」

ノクタス「ノックー!!」

カクレオン「レオーッ!!」

ダッ!

サキ「フンフフフ…」

…バッ!

ロゼリア「…!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!」ブシャアッ!!!

ロゼリア「ロゼー!?」

ノクタス「ノックー!?」

カクレオン「レオーン!?」
560 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:01:24.55 ID:q14kUltAO

ギギ……

ミツル「ぅぐあ…」ギシッ……

澪「! ミツルくんっ!!」

サキ「フンフフフ…とんだ茶番だったな」

澪「サキ…! ミツルくんを離せ!!」

サキ「フンフフフ、そうはいかないな」

澪「くっ…、デスらん…」

ロゼリア「ロゼー!!」

澪「!」

ノクタス「ノックー!!」

カクレオン「レオーッ!!」

ダッ!

サキ「フンフフフ…」

…バッ!

ロゼリア「…!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!」ブシャアッ!!!

ロゼリア「ロゼー!?」

ノクタス「ノックー!?」

カクレオン「レオーン!?」
561 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:01:58.93 ID:q14kUltAO

ミツル「み、んな…!」

澪「……っ」ジリッ…

サキ「おっと動くなよ? …まあ人質としての価値はないに等しいが、いないよりマシだろう」

ミツル「ぐ、がぁ…」ギギ…

澪「ミツルくん…!」

サキ「まったく…今日一日でこんなに術が解けてしまうとは」

澪「な、に…?」

サキ「フンフフフ、なんだ。ミツルが自分の意思で動いていたとでも? まあ少しはそうだったとしても、疑問に感じなかったのか?」

サキ「ゲーチス様に術をかけられているのはお前だけではない。ミツルとお前を除いても、プラズマ団員の半数以上は術にかけられているのさ」

澪「…!!」
562 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:03:20.20 ID:q14kUltAO

サキ「…さて、術が解けた以上、コイツはもう用無しな訳だが……」

ミツル「うぐがぁ…」ギギ…

サキ「どうする?」

澪「ぅ……」

サキ「フンフフフ…愚かだな。強さとは、圧倒的な支配力だというのに……。
フフ、さあポケモンを出せ」

澪「……くっ」

ボム!

コロぽん「ココロー!」

タタッ

デスらん「デス…」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」ウィーン!

コロぽん「ココロー!?」

デスらん「デス…!?」

バタッ、バタッ…

澪「コロぽん…デスらん……」

サキ「フンフフフ…、勝った!!」



563 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:04:25.21 ID:q14kUltAO
………
……


N「……」

ゼクロム「……」

律「こ、こいつが…ゼクロム!」

シルバー「……」

レシラム「……」

唯「あれが…レシラム!」

N「行け、僕の友達!」ボム!

……………………。

唯「何を出したんだろう? よく見えない…」

律「…? な、なんだ……この黒い雲……?」

ビリ………ビリ……………

律「! まさか、この雲…!」

…ピシャアアン!!!!!

律「…ッ! ボルト!」ボム!

ボルト「ゼブウウ!!」
564 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:05:21.28 ID:q14kUltAO

バリイイッ!!!!!!

ボルト「ゼブッ…!」ビリリ……

律「危ねぇ…気付くのが遅かったら今頃黒炭だったぜ……」

唯「雷雲…!」

N「へえ、そのゼブライカの特性は“でんきエンジン”だったか」

唯「Nくん! …じゃあさっきの黒い雲は!」

N「察しの通り、ゼクロムの体から生み出された雷雲だよ」

ゼクロム「……」モクモク……

律「体を雲に…! 流石は伝説のポケモンっていったところか!」

律「…だけど、こっちも負けてない! ボルト!!」
565 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:07:20.16 ID:q14kUltAO

ボルト「ゼブウウッ!!」ダダッ

唯「速い!」

律「“でんきエンジン”で素早さが上がったんだ!
いけえ、“ワイルドボルト”!!」

ボルト「ゼブウウ!!!」バリバリッ……

ゼクロム「……」

パチッ…

ゼクロム「バリバリダー!!」

ザアアア…!!!!!

ボルト「ゼブッ…?」

律「雨…!?」

唯「りっちゃん、あれ!」

律「?」

唯「雨雲!!」

律「! 雨雲だって…!?」

N「雷雲だけじゃないよ。雨雲、雷雲…。あらゆる雲を自在に操る、こくいんポケモン・ゼクロム!
そして……」

ザアアア……

ビュウウ………!!!!!
566 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:13:08.40 ID:q14kUltAO

唯「り、りっちゃん! 何かが凄いスピードで向かってきてるよお!」

律「あれは…?」ピッ

ポケモン図鑑『スワンナ、しらとりポケモン
くちばしの こうげきは きょうれつ。 ながい くびを しならせて れんぞくして つきを くりだす。』

スワンナ「スワーッ!!」

N「僕の友達、スワンナ!
この雨の中、君のゼブライカはスワンナの攻撃を避けられるかな?」

ボルト「ゼブッ…」

ビュウウン!!!

スワンナ「スワーッ!」バッ…

N「“ぼうふう”!!」

ビュワアアアア!!!!!!!!!!

ボルト「ゼブウウ!?」ドシャアッ

律「ボルトォ!! くっ……戻れ!」パシュッ

スワンナ「スワーッ!」キッ
567 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:14:17.06 ID:q14kUltAO

律「まずいな……この雨の中、自由に動けるポケモンは手持ちにいないぞ…」

唯「大丈夫、りっちゃん!」

律「! …唯?」

唯「私たちに任せてっ! ムー太!」ボム!

ムー太「ムウウ!」

律「ムー太…? ムー太じゃあ、この雨の中……」

唯「ムー太、上に向かって“サイコウェーブ”! 自分に“テレキネシス”!」

ムー太「ムウウ!」ヴウウン! ウィィン!

バシャアッ……!

律「! 雨が弾かれてる…!?」

唯「うん! “サイコウェーブ”の音波でね!
あと、“テレキネシス”で自分の体を浮かせて雨で滑らないようにしてるの! これはボルトとのコンビネーションから思い付いたんだっ」

律「すごいぞ、唯!」
568 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:15:15.54 ID:q14kUltAO

唯「ムー太、スワンナに“サイコキネシス”!!」

ムー太「ムウウ!!」ウィーン!!!!

スワンナ「スワー!?」

バタアンッ!

N「!」

律「よし、スワンナを倒した!」

唯「ふふん。普段のバトルならあんな可愛いスワンナちゃんを攻撃しない私だけど、今回は世界の命運がかかってるから、そうも言ってられないよね!」

律「普段のバトルでも、結構おかまいなしだと思うけどな」

N「…なるほど。最初はスワンナでもう少し突破できると思っていたけど、やはりそうはいかないみたいだね。
でも、伝説のポケモンはゼクロムだけじゃないよ?」

ムアアアッ…!

律「!? この熱気は……」
569 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:16:13.15 ID:q14kUltAO

レシラム「モエルーワ!!」ボオオオオオ!

唯「レシラムの体からすごい熱が…!」

シルバー「はくようポケモン・レシラム。司るは炎だ!」

ムアアアッ…!!!!

律「…ッ!
…!? さっきまで降っていた雨が止んで、床も干上がった…!!」

唯「なんて高熱!」

ムー太「ムウッ…」フラッ…

唯「ムー太!?」

ムー太「ムウウ…」

律「“サイコウェーブ”の音波でも、この熱は弾けなかったんだ!」

唯「ムー太…、よく頑張ったね♪」

ムー太「ムウウ…」

唯「ありがとう」パシュッ
570 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:17:19.46 ID:q14kUltAO

律「…どうする? この日照りじゃあ、出せるポケモンも限られてくるぞ…」

唯「う〜ん…ラー太なら元気そうだけど、」

バサバサッ!

唯律「?」

ヤミカラス「ヤミー!」

バルジーナ「ジーナァ!」

律「シルバーのヤミカラス! もう一匹はNのポケモンか?」

唯「空中戦…!」

シルバー「ヤミカラス、“つじぎり”!」

N「バルジーナ、“あくのはどう”!」

ヤミカラス「ヤミー!!」ブオンッ

バルジーナ「ジーナァ!!」ビュワンッ

ドオオオオオオン!!!!!!!!!!


律「ケホッ…、くそ! 上からの攻撃なんて防げない!
空中戦っていっても、フォウルしかできないし……」

唯「…あ!」

律「ん? ……あっ」

唯律「コンビネーション!!」
571 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:19:24.94 ID:q14kUltAO

律「そうだった、このために練習したんだよ! いけ、フォウル!!」ボム!

フォウル「アーケエ!」

唯「いって、ラー太!」ボム!

ラー太「ラー!」

ガシイッ!

フォウル「アーケエ!!」ビュンッ

ラー太「ラー!!」

シルバー「! アーケオスがヒトモシを掴んで…?」

N「…そうか。日照りでパワーアップしているヒトモシと空中戦ができるアーケオス……この二匹がタッグを組むことで、今の状況では無敵になるわけだね」

律「練習したコンビネーション技を見せてやるぜ! フォウル、“アクロバット”だ!!」

フォウル「アーケエ!!」ギュオッ

唯「ラー太、“はじけるほのお”!」

ラー太「ラー!!」ボウッ!

フォウル「…、」ボオオッ……!

ゴオオオオ!!!!!!!!!

唯律「バーニング・アクロバット!!!」

ボオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!
572 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:20:38.88 ID:q14kUltAO

ヤミカラス「ヤミー!?」

バルジーナ「バルゥー!?」

ドシャアアッ!

律「よし! いいぞ、すごいパワーだ!」

フォウル「アーケエっ!」

ラー太「ラー♪」

唯「これならゼクロムとレシラムに対抗できるかも!」

Nシルバー「甘い!!」

唯律「…!」

ゼクロム「バリバリダー!!」バリバリッ

レシラム「モエルーワ!!」ゴオオオッ
573 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:22:17.76 ID:q14kUltAO

N「ゼクロム、司るは雷!」

シルバー「レシラム、司るは炎!」

N「全てを震動させるいかずちを!」

シルバー「この世の全てを焼き尽くせ!」

ゼクロム「バリバリダー!!」

レシラム「モエルーワ!!」

バリ…バリ……! ゴオオ…オオオ………!

律「ゼクロムの雷と、レシラムの炎が取り巻いて…」

唯「りっちゃん、これってまさか…!?」

律「ああ…! 交差していた二つのエネルギーが今、ひとつに……!!」

唯律「コンビネーション技…!!!」

ゴゴゴゴゴゴ……!!!!!!!!!!

N「“クロスサンダー”!!」

シルバー「“クロスフレイム”!!」

ゼクロム「バリバリダー!!」ビリビリッ

レシラム「モエルーワ!!」ゴオオオオッ

…カッ!
574 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:23:27.34 ID:q14kUltAO

ドゴオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!

フッ……

フォウル「アーケ、エ……」

ラー太「ラー…、」

バタアンッ!

唯律「…!!」

律「フォウル!!」

唯「ラー太っ!!」

フォウル「ケェ…、」

律「フォウル…!」

ラー太「ラー…」

唯「ラー太…っ!」

シュウウッ……

ゼクロム「…」

レシラム「…」

N「…見事だ。これが、かつて英雄とともにこのイッシュを築き上げた伝説のポケモンの力!!」

シルバー「この力を世界中に見せ付ければ…人々は俺達の言う通りに従い、ポケモンを解放するはず……」

律「!!」
575 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:24:24.87 ID:q14kUltAO

唯「…そ、そんなことさせない!」

N「…」

唯「人とポケモンを切り離しちゃダメ…! そんなの嫌だよ!!」

律「唯…」

唯「ポケモンは、私に色々教えてくれたから……。ポケモンのおかげで、りっちゃんたちとも…。
私、ポケモンが好きだから…。
りっちゃんや澪ちゃん、ムギちゃんやあずにゃん。和ちゃん、純ちゃん、さわちゃん、…それに憂。みんなとポケモンするのが好きだから……、」

唯「私たちから、ポケモンをとらないでっ!!」

律「……」

N「……、」

シルバー「……分かってるんだ、そんなことは」

唯「!」

シルバー「俺だって、人とポケモンを切り離すなんて……ポケモンと離れるなんて………」

シルバー「でも、それ以上に! やらなくちゃならないことがあるんだ。守りたいものがあるんだ!!」

N「……」

唯「…」

ポン…

唯「! りっちゃん…」
576 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:25:43.57 ID:q14kUltAO

律「大丈夫だ、唯。私たちの世界は壊させはしない。Nとシルバーにも幸せになってもらう……、そのために来たんだろ? 踏ん張ろうぜ」

唯「…うんっ」

律「…いけえ、モール!!」ボム!

モール「ドリュウウ!!」

唯「おねがい、チー太っ!」ボム!

チー太「チラチー!!」

N「……ゼクロム」

ゼクロム「バリバリダー!!」

シルバー「レシラム!!」

レシラム「モエルーワ!!」

律「“ドリルライナー”!」

唯「“アイアンテール”!」

モール「ドリュウウ!」ギュイインッ

チー太「チラチー!」シャキンッ

シルバー「受け止めろ!!」

レシラム「モエルーワ!!」バッ

モール「…!」ギュイ……

N「…ゼクロム!」

ゼクロム「バリバリダー!」バッ

チー太「チラチー!?」ガキッ…
577 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:27:12.30 ID:q14kUltAO

シルバー「“あおいほのお”!!」

N「…“らいげき”!!」

レシラム「ンバーニンガガッ!!」

ゼクロム「ババリバリッシュ!!」

ボオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!

ピシャアアアア!!!!!!!!!!!!!!

モール「ドリュウウ……ーッ!!?」

チー太「チ、ラチー……!!」

ダアアアンッ!!!!

モール「…」ジュワアッ

律「! ひどい火傷だ…!」

チー太「チラチー…」パリッ…

唯「こっちは麻痺…!」

シルバー「終わりだ…これで……、」
578 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:29:14.46 ID:q14kUltAO

シルバー「…悪いな。でも、俺も……負けられない! …レシラム!!」

N「……ゼクロム」

レシラム「ンバーニンガガッ!」

ゼクロム「ババリバリッシュ!」

律「く、そ…!!」

唯「…っ!」

シルバー「いけえええっ!!!!」

ゴオオオオーッ!!!!!!

ピシャアアーッ!!!!!!!


…シュンッ!

シルバー「…、?」

「「“サイコブースト”!!」」

「…」タッ!

ギュオオオ……

ゼクロム・レシラム「…!」

バアアアン!!!!!!!!

ゼクロム「バリイイッ!?」グラッ…

レシラム「モエルー!?」ドッ…

ドシャアンッ!!!!!

N「…!」

シルバー「な、に……?」
579 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:31:34.71 ID:q14kUltAO

「……」シュウウ…

律「! あのポケモン…、嘘だろ…?」

唯「デオ、キシス!?」

デオキシス「……」

シルバー「デオキシス…?」

律「なんで、あいつがこんなところにいるんだ!?」

「わしが連れて来たんじゃよ」

唯律「!!」

フジ「久しぶりじゃの。唯くん、律くん」

唯律「フ、フジさん!?」



580 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:35:32.88 ID:q14kUltAO




ミツル「ぐ、ぁがっ……」ギギ…

サキ「フンフフフ…」

澪「…、」

澪(どう、すれば…。もうコロぽんもデスらんも……。どうしたらミツルくんをサキの手から……!)

サキ「フンフフフ、いい加減諦めるんだな。お前にもう勝つ術はない! いやそれ以前に、戦うことすらできないのだ!」

澪「…、」

ミツル「…ぐぅあぁ……」

澪「…ぅ、」

澪「うわああああっ!!!」ダッ!

サキ「フンフフフ、自棄になったか! いいだろう、これで終わらせてやる! …スターミー!!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」

サキ「“サイコキネシス”!!」

スターミー「トゥトゥル!!」ウィーン!

澪「…!!」

澪(もう…だめ……)

ウィーン!!!!!
581 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:38:34.08 ID:q14kUltAO

「「サメハダー、“サイコキネシス”を無に帰しなさい!!」」

サメハダー「サメハー!!」ザッ!

キュイイン!

スターミー「…!?」

澪「……え、?」

サメハダー「サメハー!」

サキ「…サメハダー?」

スタスタ……

「ふふ、アデクも来ていたとはね。やはり同じ穴の狢……考えることも同じのようです。まあ、貴女は昔と何ら変わりはないようですがね。…サキさん?」

サキ「貴様は…!」

「おや、それが上司に対する言葉遣いですか?」

サキ「……元、上司だ」

澪「……お、お前は…」

「久方ぶりですね、澪さん。“めざめのほこら”以来ですか」

澪「アオギリ…!? なんで、お前がここに!!」

アオギリ「ふふ、何と言いましょうか」

アオギリ「…借りを、返しに来ました」




Episode.42 fin




582 :まとめ :2011/06/05(日) 21:41:11.26 ID:q14kUltAO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185

Episode.35
>>192-211 >>212-231 >>232

Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282

Episode.37
>>286-305 >>306-313

Episode.38
>>317-336 >>337-348

Episode.39
>>351-370 >>371-388

Episode.40
>>392-411 >>412-423

Episode.41
>>429-448 >>449-460

Episode.42
>>468-478 >>481-501 >>507-516 >>517-536 >>539-558 >>561-581
583 :ぽけもん :2011/06/05(日) 21:43:30.40 ID:q14kUltAO
長くなりました、42はこれで終わりです
次回で最終章だと思います
ありがとうございました
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/05(日) 23:53:30.91 ID:aYf8wP1ko
投下乙です
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 16:21:13.28 ID:P5X8vDZeo
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/12(日) 11:57:15.59 ID:eGE1KMDz0
乙。
カントウを一人で制覇した澪とムギはいいとして、ほかの3人ってバッジ4個しかないけどいいの?
587 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:06:38.20 ID:czr45I/AO


Last Episode..





―――少し時間は遡り、

《ハナダ洞窟》


シュンッ!

ケーシィ「ケー」

「……」スタッ

「ご苦労様です、ケーシィ」パシュッ

「……」キョロキョロ

「其処此処、瓦礫ばかりですね。今は無きハナダ洞窟の」

「さて…。ヨルノズク!」ボム!

ヨルノズク「ホー」キイイン……

ヨルノズク「!」ピクッ

シュビッ!

ヨルノズク「ホー!」

「そこですか。…サメハダー!」ボム!

サメハダー「サメハー!」

「指定場所半径一メートル以内にある瓦礫を無に帰しなさい!」

サメハダー「サメハー!!」
588 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:08:07.72 ID:czr45I/AO

シュワアン!

ゴト……

「ふ、発見しました」

「……ぅ……ここは………」

「お目覚めですか、フジ博士」

フジ「アオギリ、か? 何故わしは生きている……?」

アオギリ「さてね、単に悪運が強いだけですか」

フジ「普通は死ぬはずじゃが……。それよりアオギリ、お前は何の用じゃ?」

アオギリ「ふふ、少し頼みがありましてね。私たちにしか出来ないこと……」

フジ「……?」



589 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:09:51.53 ID:czr45I/AO



《ハナダ岬―マサキの家》


ピッピッ……

マサキ「もしもし、マユミはんにアズサはん? ああ久しぶりやな。ちょいと聞きたいことがあるんや。あのな……」

マサキ「……………………………」

マサキ「……そうか。いや、おおきにな。ああ…」

ピッ

マサキ「……くっ、あかん!」

カツラ「また、か?」

マサキ「はい…。なんも情報なしや……」

リラ「これでホウエン地方にも……」

マサキ「…ミズキはんやニシキにも聞いてみたんやけど、やっぱりなんも聞き出せへんかった……」

ミナキ「ホウエン、シンオウ、ナナシマ……それらのどこにもいないというのか」

ニャース「澪…」

カツラ「唯くん、律くん……」
590 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:11:00.02 ID:czr45I/AO

ミナキ「いや! それならカントーやジョウトを!」

リラ「いやミナキ、その線は薄い。そんな近場に澪たちがいるとしたら、すぐに私たちの元へ来られるはずだ」

カツラ「…それに、カントーとジョウトは我々全員で隈なく探した」

ミナキ「……、」

ニャース「…ニャー」

マサキ「……っ」

カツラ「…すまないな、マサキくん。君にこんな事を頼んで。カントー・ジョウトを合わせて情報通で唯くんたちの知り合いは君くらいしかいないものだから」

マサキ「かまへんですよ、カツラはん。友達のためや。わいも同じ気持ちやから」

リラ「しかし、大体の地方には連絡をとった。もう他に地方は…」

マサキ「…! いや、可能性は十分ある!」ピッピッ…
591 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:12:36.26 ID:czr45I/AO

リラ「…?」

カツラ「マサキくん、一体どこへ?」

ピッ

『はいはい、もしもし〜?』

マサキ「! 出た…!」

『へ? あ…他地方から……。ええと…、こちらイッシュ地方サンヨウシティ研究所のショウロでーす』

皆「…!!」

カツラ「イッシュ地方だと…!」

ショウロ『あ、あのう…?』

マサキ「ああ、ショウロはん。わざわざ詳しい地名まで言ってもうておおきに」

ショウロ『ん? あれ。その凛々しい声に、コガネ弁……ま、まさか! マサキさん!?』

マサキ「おお、当たりや。流石やな。まあ面識はないけど」

ショウロ『マ、マサキさんが何故私なんかに電話を…!?』アタフタ

マサキ「すまんがあまり時間がないんや。単刀直入に…」

ショウロ『なななな、本物だー! ほ、本物のマサキさんだー!!』アタフタ

マサキ「いやな、ショウロはん。単刀直入に…」

ショウロ『いやあー奇跡は起こるんですね。この前も、マサキさんのご友人方が研究所にいらっしゃいましたし』

マサキ「だからな、ショウロはん。単刀直入に…………ん?」
592 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:13:53.63 ID:czr45I/AO

ショウロ『へ?』

マサキ「い、今なんてゆうた!?」

ショウロ『え、え? 奇跡は起こるんですね、って…』

マサキ「その後や!」

ショウロ『えと…マサキさんのご友人方がいらっしゃいました、って…』

マサキ「!!」(わいはイッシュ地方に知り合いなんておらん。なら、その友人っちゅうのは…)

カツラ「もしや…!」

マサキ「で、そのわいの友人はどんな人やった?」

ショウロ『女の子の二人組で』

マサキ「ああ」

ショウロ『一人は黄色のカチューシャを付けて、もう一人は前髪を片方だけヘアピンで留めていました』

カツラ「…!」

マサキ「ほ、ほんで二人の名前は!?」

ショウロ『平沢唯さんと田井中律さん、って言ってましたけど…』
593 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:15:07.44 ID:czr45I/AO

マサキ・カツラ・ミナキ「……!!」

マサキ「やっぱりや…!」

カツラ「唯くんと律くんは…」

ミナキ「イッシュ地方にいる!!」

リラ「そ、それで! 他にもう一人女の子を見かけなかったか?」

ショウロ『へ? だ、誰?』

リラ「誰でもいい! その二人の少女の他に…」

ニャース「黒髪ロングヘアーのにゃつがいなかったかニャ!?」

ショウロ『さ、さあ? 私が会ったのは二人だけですけど』

リラ「…そう、か」

ニャース「澪はどこへ行ってしまったのニャ…」

ショウロ『…澪。どこかで聞いたような……?』

リラ「!」

ニャース「知っているのかニャ!?」
594 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:16:02.28 ID:czr45I/AO

ショウロ『う〜ん……あ! 思い出しました!
私の同僚がその澪さんと友達で、確か街の外れで見たって…。あ、もちろん、イッシュ地方でですよ?』

ニャース「…!」

リラ「澪も、イッシュ地方に……!」

ミナキ「探している三人ともが遥か遠くのイッシュ地方にいるとは……」

マサキ「……」

マサキ「ショウロはん、貴重な話聞かせてもうておおきにや」

ショウロ『い、いえ! それほどでもっ。マサキさんのお役に立てたら良かったです!』

マサキ「ほんま助かったわ。今度お礼はきっちりさせてもらうさかい」

ショウロ『そ、そんなっ! いいですよ!』

マサキ「いや、それじゃあわいの気が済まへん。…っと、あまり時間がないんやった。また連絡とれたらとるから、今はこれで…」

バアンッ!

「待ちなさい!!」

マサキ「!!」

ショウロ『?』
595 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:18:09.66 ID:czr45I/AO

ニャース「ニャ! おみゃーは!?」

「む、あなたがこんなところにいるとは」

ニャース「それはこっちのセリフニャ! アオギリ!!」

アオギリ「ふ…」

リラ「アオギリ、だと?」

ミナキ「! 青いバンダナ……まさか、こいつが…ホウエン地方で暗躍していた悪の組織の一つ、アクア団の総帥か!?」

アオギリ「その通りです」

リラ「…! 何故アクア団がここに!?」

アオギリ「同じ質問を何回もしないでください」

ニャース「さっさと答えるニャ!!」

アオギリ「まあまあ、まだゲストは全員じゃありませんから」

ニャース「ニャ…?」

ザッ……

フジ「…久しぶりじゃな、カツラくん。ニャース」

ニャース「にゃにゃ!?」

カツラ「フ、フジ…博士!?」
596 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:19:37.08 ID:czr45I/AO

マサキ「あ、あのフジ老人や!」

カツラ「ど、どうして…」

フジ「ほっほ、わしが生きていたことが不満かな?」

カツラ「い、いやそんなはずは…!」

フジ「…カツラくん。今まですまなかったな。わしが間違っていたよ」

カツラ「いえ…。最後にはフジ博士は正気に戻ってくれました。またこうして会えて感激です…」

マサキ「よかったなあ、カツラはん…」グスッ

ニャース「事情は知らにゃいが、にゃーも泣けてきたのニャー」

カツラ「そうだ…、フジ博士。預かっていたものを」スッ

フジ「?」

ボム!

ロコン「コーン」

フジ「! ロコン…」

ロコン「コーン!」タタッ

フジ「……ロコンっ」

ロコン「コーン…」


597 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:20:54.72 ID:czr45I/AO


パンパン!

アオギリ「さて、感動の再会もここまでにして」

ニャース「空気読めニャ!」

アオギリ「そうも言っていられないのですよ、我々も切羽詰まっていますから」

ニャース「ニャ…?」

アオギリ「今の話が本当なら、我々の予想はほとんど正解のようです」

マサキ「今の話、って…唯はんや律はんのことかいな?」

アオギリ「ええ、そうです」

カツラ「君たちの予想とは?」

アオギリ「これです」

ボム!

デオキシス「…」

マサキ「なっ!」

カツラ「馬鹿な! デオキシス!?
私が野生へ逃がしたはずなのに、何故…!」

アオギリ「もちろん、私が捕まえたのですよ」

カツラ「!!」

アオギリ「探すのに苦労しましたが、言葉が通じて助かりました。説得したら捕まってくれましたからね」
598 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:21:44.73 ID:czr45I/AO

カツラ「説得…?」

アオギリ「ええ、内容は『ある悪の組織の野望を阻止したい。それにはお前の力が必要だ』です」

マサキ「ある悪の組織やと?」

アオギリ「プラズマ団、と呼ばれる組織を聞いたことはありませんか?」

皆「……」

アオギリ「ない、みたいですね。それはそうだ。何せ彼らの本拠地はイッシュ地方にあるのですから」

ニャース「イッシュ地方!?」

リラ「!」(先程の話…澪たちはイッシュ地方にいると……。この男の話はそれに繋がる…?)

リラ「く……何が狙いだ!?」

アオギリ「気が短いですね。まだ続きがあります」

アオギリ「そしてプラズマ団を探ることをデオキシスに手伝ってもらいました。デオキシスが持つ高い念視能力で、ね」

アオギリ「そしたら何と言うことでしょう。プラズマ団の本拠地の中に三人の少女の姿が確認されたではありませんか」

リラ「! まさか…!」
599 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:22:55.97 ID:czr45I/AO

アオギリ「後からフジに確認した限りでは、その少女の内二人の名前が分かりました。そしてもう一人の少女は私は存じていました。
三人の少女は…平沢唯、田井中律、秋山澪」

皆「!!」

カツラ「なんと…! 唯くんたちが悪の組織の本拠地に!?」

リラ「…くっ!」ダッ!

ミナキ「ど、どこへ行く! リラ!」

リラ「言うまでもない、イッシュ地方だ! こうしてはいられない…すぐにイッシュ地方へ行かなければ!!」

アオギリ「やめなさい!」

リラ「なに…?」

アオギリ「貴女、どこへ行く気ですか?」

リラ「どこへだと? さっきから何度も…イッシュ地方に決まっているだろう!」

アオギリ「だから、イッシュ地方のどこへ行くのですか?」

リラ「…!」

アオギリ「ふっ、本拠地の場所もまだ分かっていないのに、どこへ行こうとしていたのですかね」

リラ「…っ! じゃあ、直ぐに本拠地の場所を教えろ!!」

アオギリ「ふ……それを教えたところで、貴女に何が出来るというのです? ここからイッシュ地方へたどり着くまでの時間は膨大。間に合いません。どういう因果か知りませんが、三人の少女はプラズマ団と今まさに交戦真っ只中なのですから」
600 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:24:17.51 ID:czr45I/AO

リラ「じゃあ…どうすれば……」

アオギリ「貴方たちに不可能でも、我々には可能です」

ニャース「ニャ…?」

アオギリ「ふ、ニャース。貴方が一番理解しているはずですがね。
私のケーシィ、世界中のどこにでも瞬時に行ける“テレポート”を持っています」

カツラ「“テレポート”…確かにそれを使えばイッシュ地方でもすぐに行ける」

マサキ「いや、そこやない! 問題は行く人間や!!
なんであんたらが行くんや!?」

アオギリ「何か企みがあるとでも言いたげですね。いえ、別に何も」

アオギリ「ですが、いずれにせよ、直ぐにイッシュ地方へ行くことが可能なのは我々しかいません。
それと、我々がイッシュ地方へ行くのはプラズマ団を阻止するため」

マサキ「…じゃあ、何のためにここへ来たんや……?」

アオギリ「ふ、ただやみくもに彼女らを探し回っている貴方たちが哀れだと思いましてね」

マサキ「……くっ、図星や」
601 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:25:40.29 ID:czr45I/AO

アオギリ「では報告は終わりです。それでは…」

カツラ「待ってくれ!」

カツラ「一つ、頼みがあるんだ」

アオギリ「…」

マサキ「カツラはん?」

カツラ「君は悪の組織の総帥だという。そんな君に頼むのは気が引けるが、やむを得ない…」

カツラ「これを、唯くんたちに渡してやってくれ」スッ…

アオギリ「…これは?」

カツラ「彼女たちのモンスターボールだ」

ミナキ「んなっ…」

マサキ「アホな! そないなこと…」

カツラ「…仕方がないんだ。彼らしか瞬時にイッシュ地方へ行くことはできない。それに、唯くんたちが戦っているのなら、少しでも…彼女たちのためになるのなら…」

リラ「…そう、だな。色々と不満はあるが、今は彼らに托そう。…これは澪のモンスターボールだ」スッ…

マサキ「リラはん…」

カツラ「大丈夫だ、マサキくん。フジ博士だっているのだから」

マサキ「…そうやな、大丈夫やな……。じゃあ…頼んだで、あんたら!」

アオギリ「ふふ、もちろん」




602 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:33:47.69 ID:czr45I/AO

……
………

…………
……


アオギリ「……」

澪「借りを返しに来た、だって…?」

アオギリ「まあそれはついでですがね。根本たる目的は…」

サキ「…プラズマ団を潰しに来た、か? フフ」

アオギリ「その通り。流石はサキさん、話が分かりますね」

澪「…? なんで、プラズマ団を潰しに……」

アオギリ「自分のことは自分でケリをつけなければ、ね」

澪「…?」

アオギリ「私はプラズマ団の一員だったのですよ。それも七賢人という高い地位に就いていました」

澪「…!!」

アオギリ「そしてあるとき、アクア団を結成してホウエンを征服するように命を下されました。しかし、やがてすぐに貴女にアクア団滅亡まで追い込まれましたが」

澪「…? でも、アクア団が滅んだからって、それが何でプラズマ団を潰すことに繋がるんだ……?」

アオギリ「それは、貴女が………」

アオギリ「……、」
603 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:35:06.85 ID:czr45I/AO

アオギリ「そ、そんなことはよいのです。それよりも、今は眼前の敵を倒すことに集中しましょう!」

澪「? ……そうだな、今は…」

アオギリ「…貴女、ポケモンは?」

澪「二匹いたんだけど、二匹とも倒されて……今は手持ちは…」

アオギリ「はぁ、案の定ですか」

澪「だから私は戦えないの。協力してくれるのはありがたいんだけど…」

澪「……。協力、してくれるんだよね?」

アオギリ「ええ。理由はどうあれ、プラズマ団は私にとっても敵。敵の敵は味方という奴ですよ」

澪「…なんだかまだよく分からないけど……ありがとう」

アオギリ「……。礼は全てが終わった後ですよ。それに、本来は私達は敵同士なのですから」

澪「…」

アオギリ「それに、貴女にも戦ってもらいますから」

澪「……え…?」



604 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:35:59.08 ID:czr45I/AO




フジ「デオキシス、よくやったぞ」

デオキシス「…」

律「フ、フジさん…?」

唯「そんな…あの時、確かに……」

フジ「ほほ。そんな顔せんでも。幽霊でも何でもないよ。わしはフジ、本人じゃ」

唯「……」

唯「本当に……?」

フジ「ああ」

唯律「…!」

唯「あ、あの時…初めて会った時と同じ……笑顔だ…っ!」

律「唯…っ」

唯「うん、りっちゃん…っ」

唯律「よ、よかった〜っ!!」ヘナヘナ…

フジ「…ほほ。二人とも元気そうで何よりじゃよ」
605 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:37:37.06 ID:czr45I/AO

唯「そうだ、カツラさんには!? ミュウツーちゃんにも会ったんですか!?」

律「ていうか、何でプラズマ団の城に!?」

フジ「ほほ。そんなに質問するものじゃないぞ。それに、答えるのは後じゃよ。彼らを待たせておる…」

N「…」

シルバー「…」

唯律「!!」

律「そうだ…、シルバーたちを止めないと!」

フジ「…」

フジ(わし達の過ちを、彼女達に償わせるのも気が引けるが…じゃが、わしには何もできん……)

唯「で、でも…みんな、やられちゃった……」

律「…ッ、私たちはもう……」

フジ「…いや、心配ない。預かってきたものを渡そう」

カチャ……

唯「…!」

律「これは…」

唯「私たちのモンスターボール!?」
606 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:38:54.36 ID:czr45I/AO

フジ「マサキくん達から預かってきたものじゃよ」

律「! マサキ…! そうか…、あれからカツラさんたちが私たちを探して…」

フジ「そうじゃよ…皆、一生懸命に探してくれておった…」

唯律「……」

フジ「開けてみるといい」


…ボム!

ブイ太「シャワー!」

ピッ太「ピーッ!」

メリ太「モコー!」

ランス「ニドーッ!」

スカイ「トニョーロ!」

ヒート「ヒヒーン!」

ウィング「ワター!」


唯「ああ……、久しぶり、みんな…!」

律「本当に…久しぶりだ……!」

フジ「…このポケモンたちがいれば、まだやれるんじゃないか?」

唯律「……」

唯「りっちゃん…」

律「ああ、唯!」
607 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:40:55.44 ID:czr45I/AO

ザンッ…!

Nシルバー「!!」

唯「これが、本当の最後のバトルだよ…!」

律「N! シルバー!」

Nシルバー「……」

N「…いいだろう」

シルバー「これで本当に全てが終わる!!」

N「ゼクロム!」

シルバー「レシラム!」

フジ「……デオキシス!」

デオキシス「…」シュバッ!

Nシルバー「…!」

フジ「ゼクロムとレシラムはわし達に……」

ゼクロム「…」

レシラム「…」

デオキシス「!」ピタッ

フジ「…、?」

シルバー「二匹とも動かない…?」

N「…! ゼクロムとレシラムは、僕たちが全力でぶつかり合うところを見て、そしてどちらが英雄かを見極めるつもりなんだ!」

シルバー「…! じゃあ…」

N「うん…。ゼクロムとレシラムは、戦いに参加しない」

シルバー「…」

唯律「…!」

唯「それって…」

律「…私とシルバー、唯とNのトレーナー同士のポケモンバトル…!!」



608 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:42:13.87 ID:czr45I/AO




澪「こ、これ…」

アオギリ「リラ、と呼ばれる人物から預かってきた貴女のモンスターボールです」

澪「リラ師匠が…」

澪「…カゲぴょん、みんな…!」

アオギリ「…さて、今は余計な事に時間は省けませんよ。あの少年もそう長くはなさそうですしね」

ミツル「ぐぅ…あ……」ギチギチ…

澪「! ミツルくん…!」

サキ「フンフフフ、こちらとしては時間稼ぎをしたいところだがな。我らの目的…、シルバー様とN様を英雄にするための、ね」

アオギリ「はて。私を相手取るに、時間稼ぎとは……随分と余裕ですね?」

サキ「フンフフフ。人質がこちらにある今、お前たちに何ができるというんだ?」

アオギリ「…おや。しばらく会わないうちに、私の手持ちポケモンをお忘れになりました?」

…シュンッ!

サキ「…!」
609 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:43:33.69 ID:czr45I/AO

ケーシィ「ケー!」

サキ「ケーシィ!? まさか…!」

アオギリ「ケーシィ、“テレポート”!」

ケーシィ「ケー!」ピトッ

ミツル「…!」

シュンッ…!

サキ「しまった…ッ!」

アオギリ「ケーシィの能力で、あの少年には退場してもらいましたよ」

ケーシィ「ケー!」

澪「…ど、どこに飛ばしたんだ…?」

アオギリ「さあ? ケーシィ自身も共に行かない限りは場所は指定されませんよ。
今回ばかりは、前に貴女を飛ばしたように、地方内とはいかないかもしれません」

澪「な…っ!」

アオギリ「しかし海の上など、明らかに危険な所には移動しないはずですので。ご心配なさらず」

澪「そういう問題じゃないんだけど……。…でも」

カチャ…

澪「これで遠慮なしで戦える!」

ボム!

ハブりん「プッププ〜!」
610 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:45:10.98 ID:czr45I/AO

澪「ハブりん、“ポイズンテール”!」

ハブりん「ハーブ、ネーク!!」ビュンッ

サキ「チッ…! スターミー!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」

ガキイイッ!

ハブりん「ハブッ…!」ギチッ…

サキ「“サイコキネシス”!!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!」ウィーン!

ハブりん「ハブ〜ッ!?」

澪「ハブりん!」

ハブりん「」ドシャアッ

サキ「フンフフフ…、人質がいなくなったところで何だ? あんなもの、人質の価値もほとんどないと言っただろう。私は少しでも時間稼ぎが出来れば良かっただけ…。
本来、貴様程度軽く屠れるのよ!!」

澪「……ッ」

アオギリ「いえ、そんなはずはありませんよ」

澪「!」
611 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:46:35.38 ID:czr45I/AO

サキ「…フンフフフ。何を、世迷い言を…」

アオギリ「そうですね。戯れ事…私の愚かな思い込み……いえ、願望ですか。そうでないと困るのですよ。この程度の小悪党、倒してもらわなければ」

アオギリ「この私を倒したのは、貴女なのですから」

澪「……」

アオギリ「まあ貴女だけ戦ったら、私も何をしに来たか分かりませんからね。私も加わりますよ!」ボム!

サメハダー「サメハー!」

サキ「! サメハダーか!」

アオギリ「ふふ…私のサメハダーの能力、忘れたわけではありませんよね?」

サキ「…チッ。スターミー、“10まんボルト”だ!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」バリリッ…

ピシャアアアアン!!!!

サメハダー「……」

アオギリ「サメハダー、無に帰しなさい!」

サメハダー「サメ、ハー!!」バッ

シュワアン!!!

スターミー「…!!」
612 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:47:59.95 ID:czr45I/AO

サキ「怯むな! “シャドーボール”!!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」シュパンッ!

アオギリ「無意味です!!」

サメハダー「サメハー!」

シュワアン!

スターミー「…!」

アオギリ「ふふ、貴女のスターミーでは私のサメハダーには勝てない」

サキ「……スターミーの得意とする技が特殊技だからか?」

アオギリ「!」

サキ「気づかないとでも…いや、忘れていたとでも? そんな愚かではないぞ。このサキは!」

…ザキイイイッ!!!!!!

サメハダー「…!?」

アオギリ「なに…ッ!」

サメハダー「」バタッ

ペルシアン「ニャー!」

アオギリ「ペルシアン…!!」
613 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:49:47.41 ID:czr45I/AO

サキ「フンフフフ、一対一のバトルではないぞ。目前の敵だけでなく、背後にも注意をおくるべきだったな」

アオギリ「…ッ」

サキ「フンフフフ、覚えているぞ。サメハダー以外のお前の手持ちポケモンは、ほとんどが戦闘向きではないということを!」

アオギリ「…」

サキ「ケーシィに“つじぎり”だ、ペルシアン!」

ペルシアン「ニャー!!」シャキンッ

澪「…ベロにゃん、“まきつく”!」

ベロにゃん「ベロベルーン!!」シュルルッ

ガシイッ!

ペルシアン「ニャー!?」

澪「“パワーウィップ”だ!」

ベロにゃん「ベローン!!」ブンッ

バチイイイッ!!!!!

ペルシアン「ニャ…アアッ!?」

サキ「くっ…、ペルシアン!」
614 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:50:44.68 ID:czr45I/AO

澪「…大丈夫か?」

アオギリ「澪さん…」

澪「私も戦ったことがあるからわかる。あなたのポケモンは…」

アオギリ「…」

澪「…それに油断しちゃダメだ。サキと知り合いみたいだけど、昔よりはサキも力をつけてきてるだろうから…」

澪「あなたは下がってて…」

アオギリ「…ふっ。下がる? この私が、何故です?」

澪「え…、だって…?」

アオギリ「ご忠告感謝致しますがね。別にサキさんを舐めてはいませんよ。油断など以っての外です」

澪「え、と…?」

アオギリ「それに、私のポケモンが戦闘向きでない? …馬鹿な。仮にも元アクア団総帥ですよ?」

バサバサッ…

ヨルノズク「ホー」

サキ「! ヨルノズク!?」

アオギリ「ふふ、ご存知ですよね? このヨルノズクの能力を!」
615 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:51:47.99 ID:czr45I/AO

サキ「…心を、読む……!」

アオギリ「そう。貴女の考えは全て見通していたんですよ。故に対策も出来ている…」

アオギリ「いや…。出来ていた、と言うべきですかね」

サキ「出来ていた、…?」

ドオオオオオオン!!!!!!

スターミー「…!?」

ドシャアッ!

サキ「!」

サメハダー「サメハー!!」

サキ「サメハダーだと!? 何故だ、先程戦闘不能にしていたはず!」

アオギリ「ふふ…本当に戦闘不能にしていたのですか?」

サキ「なに…?」

アオギリ「…ヨルノズクです」

サキ「ヨルノズク……?」
616 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:53:00.33 ID:czr45I/AO

アオギリ「ヨルノズクの能力は、先程貴女が言ったとおり。心を読む、というものです。…その応用ですよ」

アオギリ「心を読むのではなく、逆にヨルノズクの心を読ませることも可能なのです。最もヨルノズクの心の声など、人間には理解出来ませんがね」

サキ「! まさか…」

アオギリ「そう…、サメハダーに読ませたのです。そして伝えた内容は……“こらえる”。
つまり、貴女に気づかれずにサメハダーへ指示をしたのですよ」

サキ「く…、サメハダーは“こらえる”をしていた……。だからヒットポイントは尽きていなかった…!」

澪「す、すごい…」

澪(なんて戦法…。アオギリのポケモン達特有の能力…それらがあるからこそ出来る戦法…!)

アオギリ「…まあ、“こらえる”をしていても放てる攻撃の数はせいぜい一、二発……。それでもう戦えなくなるでしょう」

サメハダー「…、」ヨロッ…

バタンッ!

アオギリ「…ご苦労様です、サメハダー」パシュッ

澪「……アオギリ、」

アオギリ「さて、澪さん。誠に残念な事なのですが、私の残りの手持ちポケモンではサキさんには到底敵いません。そこで貴女の出番です」

澪「……」
617 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:55:40.73 ID:czr45I/AO

アオギリ「下がるつもりはない、と言ったばかりですが、ここは貴女に免じて…いえ。貴女を信用して、下がるとしましょう」

アオギリ「…私はサポートに回ります! 貴女はサキを討ちなさい!!
背中は……」

澪「…背中は、任せたよ」

アオギリ「!」

澪「…」ニコッ

アオギリ「ふ……。さあ行きなさい!」

澪「ああ!」カチャ

ダッ!

サキ「…フンフフフ! スターミー、“じこさいせい”!!」

スターミー「トゥ…」キュアッ……

アオギリ「させませんよ! バスラオ!!」ボム!

バスラオ「ラーオ!!」

スターミー「!」

アオギリ「“アクアジェット”!!」

ババババ……バシャアンッ!!!!!!!!

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!!?」

サキ「…スターミー!!」

澪「カゲぴょん!」ボム!

カゲぴょん「ガアアアッ!!」

サキ「…!!」

澪「“きりさく”だ!!」

カゲぴょん「ガ…、アアアッ!!!」シャキンッ

ジャギイイイイイイイイッ!!!!!!!!!!!!!!

サキ「がはっ…!!」

ドダアアアアンッ!
618 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:58:28.55 ID:czr45I/AO

サキ「が…ぁ……」ガクッ

澪「……。カゲぴょん、ありがとう」シュウウッ

アオギリ「……甘いですね、澪さん。貴女はどこまでも」

澪「……」

アオギリ「私の時も、トドメを刺しませんでしたね」

澪「…大丈夫。サキもやり直せる……だって、あなたも変われたんだもの」

アオギリ「…ふ。そうですか」

澪「…」

アオギリ「行くのでしょう? ご友人達の所へ。サキさんは私に任せて、貴女はどうぞ、先へ進んで下さい」

澪「……いいのか?」

アオギリ「ええ。本来なら、上の方をいち早く阻止するべきですし」

澪「…ありがとう」

…タタッ!



アオギリ「……」

…ザッ!

ペルシアン「ニャー!」ギロッ

サキ「はぁはぁ………澪は…行ったようだな」
619 :ぽけもん :2011/06/16(木) 20:59:06.95 ID:czr45I/AO

アオギリ「……貴女は、変われませんか」

サキ「…フ。フンフフフ……何を…。
変われる……いや、変わるはずがない。私は術にかけられているわけではない。心底、ゲーチス様を信仰しているのだからな」

アオギリ「あんな下衆の、どこが良いのですか?」

サキ「…フフ。貴様もかつてはゲーチス様を信仰していたはずだがな。心の底から、な」

アオギリ「…そうですね。やはり私は、なにも変わっていないのかもしれません」

サキ「…人はそんなに簡単には変われないさ。その闇にどっぷりとはまったら、余計にな」

アオギリ「……。ですがね。私は澪さんに負けてから、やはり何かが変わった気がします。勘違いかもしれません。しかし、彼女という存在が…やはり私を変えたのですよ」

サキ「…フンフフフ。あんな小娘、何処にでも転がっているようなただのトレーナーだよ。少し実力があるだけで、一介のトレーナーに過ぎない」

アオギリ「……だからかもしれませんね」

サキ「……」
620 :ぽけもん :2011/06/16(木) 21:00:22.08 ID:czr45I/AO

アオギリ「…サキさん。貴女は彼女の言葉を認めることは出来ませんか」

サキ「フンフフフ、変わるなど有り得ないさ」

アオギリ「そうですか…」

サキ「…フンフフフ!! さて、あの小娘は逃がしたが。せめて貴様だけでも“みちづれ”にしてやる!! …ジュペッタ!!!」

ボム!

ジュペッタ「ジペー!!」

アオギリ「……」

サキ「これで貴様も終わりだァッ!!」

アオギリ「…シズクさん!」

…バッ!

シズク「はっ、総帥・アオギリ!」

ボム!

ペリッパー「ペリー!」

サキ「…!」
621 :ぽけもん :2011/06/16(木) 21:01:33.58 ID:czr45I/AO

シズク「“ハイドロポンプ”!」

バシャアアアアッ!!!!!!

ジュペッタ「ジペー!?」

サキ「仲間が…ッ、」

アオギリ「シズクさん、ご苦労様です」

アオギリ「だから変わったと言ったでしょう。私はもうアクア団でも、ましてやプラズマ団でもありません。
トレーナーですよ。仲間と共に戦い、支え合い生きている…一人のトレーナーです」

アオギリ「…さて。貴女はどうします?
ここで変わるか、それとも最後に醜く散るか」

サキ「…どちらもお断りだな」

ペルシアン「フシャー!!」

アオギリ「……残念です」


………ザシュッ!




622 :ぽけもん :2011/06/16(木) 21:02:23.70 ID:czr45I/AO
一旦ここで切ります
ありがとうございました
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/16(木) 21:03:35.12 ID:L4VstLZfo

熱いな
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 11:31:20.17 ID:9aFtrkaDO
最終章詐欺!?今のが最終章前編の
625 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:16:49.88 ID:2LzUp+1AO
遅れましたー、最終章投下します

あと、今更なんですが>>406>>407の間が抜けてたっぽいです
↓間のやつがこれです



ギュオッ…!

レンブ「……コジョンド!」

コジョンド「コジョー!」クネッ…

さわちゃん「…!」

スカッ……

さわちゃん「!?」グラッ…

ドシャアアンッ!!!

梓「な…!」

レンブ「……」

紬「なに、今の…?」

梓「今のは…まさか……」

梓「…『柔の奥義』!?」
626 :以下、最終章 [sage]:2011/07/06(水) 19:18:12.49 ID:2LzUp+1AO




シルバー「…トレーナー同士のバトル!」

N「僕たちが戦うところを見て、英雄に相応しいのは誰か見極める気なんだね」

ゼクロム「…」

レシラム「…」

唯「…私とNくん、」

律「私とシルバーが戦う…まさに最後の戦い……!!」

フジ(なるほど…。ゼクロムとレシラム、互いに“理想”と“真実”を見極めるべく、自ら戦いから身を引いたか……)

フジ(これでは本当にわしに出来ることはなくなるの。後は彼女ら次第じゃ)スッ……


N「…よし。ここは“理想”と“真実”、“真実”と“理想”…別々で戦おうじゃないか」

律「!」

唯「それって…」
627 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:19:48.98 ID:2LzUp+1AO

N「戦いはそれぞれ別室で行う。
付いてくるんだ。僕は“理想”の英雄になるために、“真実”を打ち砕く…」

唯「…」

タッ…

律「唯!」

唯「! りっちゃん」

律「これで最後の戦いなんだ。頑張ろうぜ。
勝って……本当の、“理想”的で“真実”である世界を教えてやろう!」

唯「……うんっ!」

ザッ!

唯「!」

ゼクロム「…」

唯「…?」

N「…バトルは直で見るみたいだね」

ゼクロム「…」

N「さあ、行こう」



628 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:20:32.56 ID:2LzUp+1AO
………
……


《Nの部屋》


唯「ここがNくんの部屋?」

N「そうだよ」

唯「へえ〜! ここにあるもの全部Nくんのもの?」

N「そうだけど」

唯「このレールも、バスケのゴールも、あの滑り台もっ!?」

N「あ、うん…」

唯「すご〜い! こんなに遊び道具が………ここは天国っ!?」

N「……今から戦いを始めるんだけど」

唯「はっ、そうだった!」
629 :ぽけもん :2011/07/06(水) 19:21:46.24 ID:2LzUp+1AO

N「……」

N「…ふ。その無邪気さが君の“真実”を引き出しているのかな。
でも、この部屋を気に入るとは…“理想”の英雄を目指す僕とは正反対の存在であるはずなんだけど……君は実に興味深い」

唯「…」

N「さて。無駄話はやめて、始めようか……理想と真実の戦いを!」カチャ

唯「!」

ボム!

オタマロ「マロー!」

唯「! その子は…」

N「君と初めてバトルした時に、僕と共に戦ってくれたトモダチ、オタマロ。今回も君に頑張ってもらおう」

オタマロ「マロー!」

唯「相変わらずかわいいね……でも!」カチャ

ボム!

ピッ太「ピッ!」
630 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:22:55.15 ID:2LzUp+1AO

N「! ピクシー、か。初めてみるよ」

唯「うん。今までとはまったく違う手持ちだよ!
あの時は苦戦したけど、今回はそうはいかないよ!」

ピッ太「ピッ!」

N「…そうか。なぜかは知らないけど、一時はそのポケモンとは離れ離れだったんだね」

唯「そうだよ。でもさっきフジさんに渡してもらって、戻ってきたの。ピッ太たちが帰ってきた今、負ける気はしないよ!」

N「…ふふ、そうかな? あの時と違うのは、君だけじゃないよ」

唯「え……」

N「オタマロ、“りんしょう”!」

オタマロ「マロロ〜♪」

唯「また…、“りんしょう”?」

唯「なら! こっちも“りんしょう”だよ、ピッ太!」

ピッ太「ピ〜♪」
631 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:29:01.59 ID:2LzUp+1AO

唯「よし、これでオタマロに大きなダメージを与えられる!」

オタマロ「〜♪」

ピッ太「〜〜♪」

N「いや、それは出来ないよ」

ピッ太「♪、…!?」ガクッ…

唯「! ど、どうしたのピッ太!?」

ピッ太「ピッ…」フラフラ……

唯「こんらん、してる…!?」

N「“ちょうおんぱ”」

唯「!」

N「オタマロは“りんしょう”に紛らせて、“ちょうおんぱ”を発していたのさ。
それを聴いたピクシーは混乱し、威力の上がった“りんしょう”はピクシー自身を苦しめたというわけだよ」

唯「…っ! …ピッ太、戻って」シュウウッ

N「言ったはずだよ。あの時と違うのは君だけじゃない……負ける気がしないのは僕の方も同じさ」

唯「……っ」



632 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:31:30.29 ID:2LzUp+1AO




シルバー「…じゃあ、俺たちも始めるとするか」

レシラム「…」

シルバー「見ていてくれ、レシラム。俺が“真実”の英雄になるに相応しいか、お前が決めろ!」ボム!

キングドラ「グドラァーッ!」

律「唯にああ言った手前、私が負けてちゃ格好がつかないよな」

カチャ…

律「…久しぶり。また私と一緒に戦ってくれ!」ボム!

ウィング「ワタワター!」

シルバー「ワタッコか……キングドラ、“ハイドロポンプ”だ!」

キングドラ「グドラァーッ!!」ブシャアアアアッ!

律「…!」

シルバー「いきなり大技で悪いな。初戦は勝たせてもらう!」
633 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:34:52.56 ID:2LzUp+1AO

律「…へへ」ニヤ

シルバー「?」

律「腕は鈍ってないよな、ウィング?
行くぜ、“ぎんいろのかぜ”!」

ウィング「ワター!」ビュウッ

キングドラ「…!?」

バシャアッ…!

シルバー「外した!?」

律「いや、かわしたんだ! ウィングは風に乗って飛ぶポケモンだ。自分で風を吹かせて自由に動くことができるのさ!」

シルバー「くっ…なら、“あくび”だ!」

キングドラ「ドラッ」ファーア

ウィング「っ!」ファーア…

律「!」

ウィング「…zZZ」

シルバー「ふっ、これで“ぎんいろのかぜ”を封じた! もう攻撃を避けることはできない! キングドラ、“ハイドロポンプ”!!」

キングドラ「グドラァーッ!!」ブシャアアアアッ!!!!!
634 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:42:45.78 ID:2LzUp+1AO

シルバー「残念だったな。強さなんて理想は、そんなものだ」

律「…そうか? じゃあ、この真実……どう受け止める?」

ウィング「…zz」

ブシャアア!!!!

スカッ……

キングドラ「っ!」

シルバー「な…に…ッ!?」

ウィング「…zz」フワッ…

シルバー「確かに寝ているのに…何故避けられた!?」

律「そりゃあ…、さっき言っただろ。ウィングは風に乗る、って」

シルバー「! まさか攻撃の風圧で!?」

律「そうだ。寝ていても関係ないぜ!」

ウィング「…zz」

シルバー「ぐっ…」
635 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:45:42.21 ID:2LzUp+1AO

律「…いくぜ。そろそろだな」

ウィング「…っ!」パチッ!

シルバー「!」

律「“ギガドレイン”だぁ!!」

ウィング「ワターっ!!」ダッ

ピトッ!

キングドラ「…!」

ギュオオオ…!!!!!!

キングドラ「グ、ドラァー!?」

…バタンッ!

シルバー「キングドラ!」

律「戦闘不能だな」

シルバー「…っ、戻れキングドラ!」シュウウッ

律「よくやったぜ、ウィング!」

ウィング「ワター♪」

シルバー「…スピード、か」

律「?」
636 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 19:48:33.45 ID:2LzUp+1AO

シルバー「そのワタッコが長けているのはスピードだな。
風に乗って飛ぶからといって、どんな攻撃も必ず避けられるはずはない……避けるにはスピードも必要なんだ。
だからこそ、スピードに長けているそのワタッコは攻撃を避けられる」

律「…」

シルバー「ならばっ、ワタッコよりも素早いポケモンの攻撃なら避けられない! ニューラ!!」ボム!

ニューラ「ニュー!」

律「! ニューラ…!」

シルバー「ついでに言うと、タイプ相性的にも分が悪いな」

ウィング「ワタ…」

シルバー「“こおりのつぶて”だ!」

ニューラ「ニュー!!」ババババッ!

ウィング「!!」

律「ウィン…」

ドダダダッ!!!!!

ウィング「ワター!?」

律「ウィング…!」

シルバー「予想的中だな。ニューラの攻撃なら当てられる!」

シルバー「ニューラ、“こごえるかぜ”!」

ニューラ「ニュラァアッ!!」
637 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 20:05:58.97 ID:2LzUp+1AO

ビュオオオッ!!!!!

律(! まずい…っ!)

律「ウィングっ! “ぎんいろのかぜ”だ!」

ウィング「ワタッ……、ワター!!」ビュウッ!

シルバー「無駄だ! “こごえるかぜ”で追え!」

ビュオオオッ!!!!!!

ウィング「…!!」

ギュワアンッ!

ウィング「…ワター!?」ドシャアン!

律「ウィング!」

ウィング「ワタ〜…」ガクッ

律「…!」

シルバー「これも予想通りだったな。
風に乗って飛ぶのなら、相手の繰り出す風にも乗ってしまうんだ」

律「…ありがとうウィング、休んでてくれ」シュウウッ
638 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:07:45.98 ID:2LzUp+1AO

シルバー「どうする?」

律「…どうする、って何がだ?」

シルバー「恐らくあんたの残りの手持ちには、ニューラのスピードに敵うポケモンなんていないだろう。
スピードについてこれなきゃ、バトルにならないからな。だから、どうするって聞いているんだ。このまま続けるか、降参するか…」

律「…へっ。何言ってんだ。今さら降参なんてするかよ」

シルバー「だろうな」

律「それにバトルにならない、って…本気で言ってんのか?」

シルバー「……?」

律「ニューラを見てみろよ」

ニューラ「ニュ…」ビリッ…

シルバー「! どうした…!?」

律「ウィングの“わたほうし”だよ」

シルバー「“わたほうし”…? だが…」

律「ああ、ただの“わたほうし”じゃない。ワタッコってポケモンは季節風に流されて世界を一周する……その風と一緒に“ほうし”も流されてくるんだ。麻痺、毒、眠り…状態異常を司る“ほうし”が。
ワタッコの“わたほうし”の正体はそれだ」
639 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:09:17.16 ID:2LzUp+1AO

シルバー「じゃあさっきの“わたほうし”は状態異常にする特殊なものだったのか!」

ニューラ「ニュゥ…」ビリリッ…

シルバー「麻痺、か…。くそ……」

律「これでニューラのスピードは封じたぜ! いけ、スカイ!」ボム!

スカイ「トニョーロ!」

律「“ハイパーボイス”!」

スカイ「トニョーロー!!」グオオオン!

シルバー「! …ニューラ、“こうそくいどう”でかわせ!」

ニューラ「ニュ…」ビリッ!

ニューラ「…ッ!」

グオオオン!!!!

ニューラ「ニュー!?」

シルバー「ニューラ!」

律「いいぜ、スカイ! その調子でガンガン“ハイパーボイス”だ!」

スカイ「トニョーロー!!」グオオオン!
640 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:10:21.61 ID:2LzUp+1AO

ニューラ「ニュー…」ピリピリッ……

シルバー「…っ」

シルバー(このままじゃあ……だが、もう……)

律「…どうしたんだ、シルバー」

シルバー「!」

律「せっかく久しぶりにこうしてバトルしてるんだ。楽しませてくれよ。
今はプラズマ団とか英雄とかは関係ない……トレーナーとトレーナーの真剣勝負だ!」

律「…お前、前に言ってたよな? 『ニューラは手持ちで一番信頼しているポケモン』だって。ならニューラもそうなんじゃないのか? お前を信頼しているんじゃないのか、だからまだ倒れてないんだろ! ニューラが踏ん張ってるのに、トレーナーのお前がそこで諦めるのかよ!?」

シルバー「……!」

ニューラ「…ニュ、ウ……!」

シルバー(ニューラ…)
641 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:17:25.31 ID:2LzUp+1AO

シルバー「……くっ! ニューラ、“ふぶき”だ!!」

ニューラ「!」

シルバー「頑張れ、負けるな!」

ニューラ「…ニュー!」ニコッ

ニューラ「ニュウウウ!!!」ゴオッ…

ビュオオオオオオッ!!!!!

スカイ「…!」

律「“ハイパーボイス”で対抗しろ!」

スカイ「トニョーロ!!」グオオオン!

ドオオオオオオオン!!!!!!!!


……シュウウッ

スタッ

ニューラ「……」

スカイ「……」
642 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:18:25.00 ID:2LzUp+1AO

律「技の威力は互角、か…」

シルバー「なら、トレーナーの判断が勝負を決めるな」

律「!」

シルバー「俺とニューラの絆を見せてやる!」

律「へへ、面白いじゃねえか。私とスカイだって負けないぜ!」

律「スカイ、“ハイドロポンプ”!」

スカイ「トニョーロ!」ブシャアアッ!

シルバー「“つめとぎ”だ!」

ニューラ「ニュー!」シャキンッ

バシャアッ…!

スカイ「ニョロッ!?」

律「弾かれた…!」

シルバー「“つめとぎ”でピカピカになった爪は水をも弾く。そしてそれだけじゃない!」

律「パワーが上がって、技が当たりやすくなるんだったか…」

シルバー「そうだ。そしてその“するどいツメ”が引き起こすのは…!」
643 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:22:07.09 ID:2LzUp+1AO

ニューラ「ニュー!」ダッ!

シルバー「進化だッ!!」

ピカッ!

「マニュー!」

律「あのポケモンは…!」ピッ

ポケモン図鑑『マニューラ、かぎづめポケモン
しんかして さらに ずるがしこくなり ツメで いしに サインをつけて コミュニケーションを はかっている。』

律「マニューラ…!」
644 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:23:12.91 ID:2LzUp+1AO

シルバー「“つじぎり”だぁッ!!」

マニューラ「マニュー!」シャキンッ

律「! スカイっ!」

スカイ「ニョロ…!」

ザキイイッ!!!!!

スカイ「…、」

バタンッ!

律「スカイ…っ。ありがとう、戻ってくれ」シュウウッ

マニューラ「…ッ」ビリッ…

シルバー「! 流石に限界か……いや、よくやってくれた」シュウウッ

律「…」

シルバー「いいな…」

律「え…?」

シルバー「あんたとのバトルは楽しいよ。あんたが言ったみたいに、英雄を決める勝負とか、忘れるくらいにな」

律「シルバー…」
645 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:24:11.07 ID:2LzUp+1AO

律「……一つ、聞かせてくれ」

シルバー「なんだ?」

律「もし、この勝負でお前が負けて英雄になれなかったら…どうするんだ?」

シルバー「……俺は、構わない。人とポケモンが共に暮らす世界を否定する気はない。
…だがNは違う。あいつは幼い俺が勘違いした理想…『人とポケモンが一緒にいることが悪いことだという世界』によって作られた。ここであいつと俺が英雄になれなかったら、あいつは生きる意味を失うんだ…」

シルバー「だから、負けられない」

律「…それが、世界を巻き込むことでもかよ」

シルバー「ああ。あいつのためなら、今の世界だって……ポケモンだって! 全部を捨てる!!」

律「…分かった。サンキューな、答えてくれて」

シルバー「ふっ。…だが今は」

律「へへ…、ああ! このバトルを楽しもうぜ!」

ボム!

ランス「ニドー!」

リングマ「グマー!」
646 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:25:36.07 ID:2LzUp+1AO

律「まずは小技で攻めろ! “みだれづき”だ!」

ランス「ニドー!」

ドドドドドド!!!!!

リングマ「グ、マー…!」ジリッ…

律「今だ! “メガホーン”!!」

ランス「ニドー!!」ギュオッ!

リングマ「…!」

シルバー「角に触れるな! 肩を掴んで押さえろ!!」

リングマ「グマァーッ!!」ガシッ!

ランス「!」

ギチッ…!

ランス「ニドッ…!?」

律「止まった…!」

シルバー「“カウンター”!」

リングマ「グマーッ!!」ブンッ!

ドオオオオオン!!!!!

ランス「ニド…ッ!」

律「ランスっ!」
647 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:27:10.08 ID:2LzUp+1AO

シルバー「一気に畳み掛けろ! “きりさく”!!」

リングマ「グマ!」ジャギンッ

律「ッ! “だいちのちから”だ!」

ランス「ニド…!」ギンッ!

ゴゴゴゴゴゴ………!!!!

リングマ「!」

シルバー「ちっ……後退しろ!」

ゴオオオオオオオン!!!!!!!!!!


シュウウッ……

リングマ「…」ギロッ

ランス「…っ」ゼエゼエ…

律(……、強い…!)

シルバー「…流石だな」

律「…?」

ガクッ!

リングマ「グ、マ…っ」ハアハア…

律「…!」
648 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:32:46.97 ID:2LzUp+1AO

シルバー「“だいちのちから”…完全に避けるのは無理だったか」

律「…へっ」

律「そういえば、最初にお前とバトルした時もこの二匹で戦ったっけ…」

シルバー「……。あれがすべての始まりだったな。出来ればあの頃に戻りたいよ」

シルバー「ふっ、なんてな。
…リングマ! “ばかぢから”!!」

リングマ「グマーッ!!」ゴウッ…

ギュアアアアアアアッ!!!!!

律「“シャドーボール”で跳ね返せ!」

ランス「ニドー!!」ギュンッ!

パアアアン!!!

リングマ「…!?」

シルバー「なに…!」

律「“とっしん”だ!」

ランス「ニドー!」ダッ!

シルバー「“すてみタックル”で迎え撃て!」

リングマ「グマー!」ダッ!

ランス「ニドォーッ!!!」

リングマ「グマァーッ!!」

ズダアアアアアアアンッ!!!!!!!!!!!!

ランス「…」

リングマ「…」

グラッ……

バタアンッ!

律シルバー「…!!」


「「相打ち…!!」」


649 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:33:52.15 ID:2LzUp+1AO

律「…ランス、ありがとう」シュウウッ

シルバー「よくやった、リングマ」シュウウッ

律「…さて、残るはあと一匹か」

シルバー「…」カチャ

…ボム!

ギャラドス「ギャラァ!」

キラアン!

律「…待ってたぞ、赤いギャラドス! やっぱり最後の一匹はそいつか!」

律「頼んだぜ、ヒート!」ボム!

ヒート「ヒヒーン!」

シルバー「…ギャロップ……」

律「シルバー、お前ならこの意味…分かるだろ?」

シルバー「ギャラドスとギャロップ……。共にロケット団に無理やり進化させられたポケモンか」

律「ああ、そうだ。サキに注射をさされてヒートは進化させられた……それで私が落ち込んでいるところを、お前のギャラドスの戦いぶりを見て…立ち直れたんだ」
650 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:35:47.30 ID:2LzUp+1AO

律「今度はこのバトルでお前を救う! ヒートで勝って、救い出してやる! この世界も、お前とNも!!」

シルバー(……っ!)

…ギリッ……!

シルバー「やれる、ものならやってみろ…。水タイプのギャラドスと炎タイプのギャロップじゃあ勝負にもならないぞ」

律「へっ。そんなもの、やってみなくちゃ分からない!」

シルバー「言っていろ! ギャラドス、“ハイドロポンプ”!!」

ギャラドス「ギャラァ!!」ブシャアアアアッ!

ヒート「!!」

バシャアッ!!!!!!

律(しまった…! 水技を正面から受けたら…)

ゴオオオッ!!!!!!!!!

ヒート「ヒヒーン!!!」

律「! ヒート…」

ヒート「ヒヒン!」

律「…そうだよな。今さっきヒートで勝つって言ったのに、なんてことを考えてたんだ、私は……」

律「…よし。いくぜ、ヒート! もう大丈夫だ。お前を信じて……」

ヒート「ヒヒーン!!!」ゴオオオオオオッ!

律「……ヒート?」
651 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:38:21.22 ID:2LzUp+1AO

ヒート「ヒヒン!」

律「…! まさか、新しい技を覚えたのか…?」

ヒート「ヒン!」コクッ

律「…! 私もいない間、技の練習をしてたのか…」

律「……その技を使えば、勝てるのか? ギャラドスに」

ヒート「ヒヒン!」コクッ

律「…分かった。今度こそ言わせてもらうぜ!
信じてるぞ、ヒート!!」

ヒート「ヒヒーン!」ダッ!

律「“れんごく”だぁあああッ!!!」

ヒート「ヒヒーーーンッッ!!!!」

ゴオオオオオオッ!!!!!!!!!!!

シルバー「…面白い」

シルバー「ギャラドス、“はかいこうせん”だぁあああッ!!!」

ギャラドス「ギャラァアアーッ!!!!」カッ!

ドギュウウウウウウッ!!!!!!!!!!!!


ドガアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!!!!!!



652 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:40:11.21 ID:2LzUp+1AO
………
……


《Nの部屋》


唯「ブイ太、おねがい!」ボム!

ブイ太「シャワー!」

N「オタマロ、続いて頼むよ」

オタマロ「マロロ〜」

唯「ブイ太、真上に“ハイドロポンプ”!」

ブイ太「シャワー!」バシャアアッ!

N「なにを…?」

唯「“とける”!」

ブイ太「…」シュンッ…

オタマロ「っ!」

N「消えた…!?」

唯「あわはきポケモン、シャワーズは身体が水分子に似た成分で構成されているの。だから水に溶けて、姿を消すことができるらしいよ! 理屈はよく分からないけどねっ」
653 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:42:03.11 ID:2LzUp+1AO

シュウウ……

N「…」

N「…すごいね。水に溶けて姿を消すなんて……」

N「でも、完全に姿を消してはいない…よね?」

オタマロ「マロロ〜!」

N「オタマロがそう言っているんだ。水タイプのオタマロだからこそ、感じられる何か…。そう、シャワーズは『水に溶けている』!」

N「姿を消しているのではなく、水に姿を変えているだけ。ならば、水を攻撃すればいい!
オタマロ、“ちょうおんぱ”!!」

唯「……!」

オタマロ「マロロ〜!」ウィイン!

…バシャアアンッ!

N「……」

パシャッ……、

N「…!?」

ブイ太(液状)「シャワー!」

「シャワー!」「シャワー!」「シャワー!」

N「分裂した…!?」
654 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:43:26.21 ID:2LzUp+1AO

唯「液体に音で攻撃してもダメージはないからね。むしろ、好都合!」

「シャワー!」「シャワー!」「シャワー!」

オタマロ「マロロ〜!?」オロオロ

N「落ち着くんだ、オタマロ! 所詮は水さ、“バブルこうせん”で蹴散らせ!」

オタマロ「マロー!」ブシャアアッ!

ブクブクブク…

「シャワー!」「シャワー!」「シャワー!」

N「な……、膨張した!?」

唯「ブイ太の特性“ちょすい”で水を取り込んだんだよ!」

N「…! 音波も水も効かないとなると、オタマロは……。いや…」

N「やはり所詮はただの水だ! その状態ではろくな技も出せないはず!」

唯「…うん。確かに液状じゃ技を出せないよ。でもね……特性は?」

N「!」
655 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:44:37.11 ID:2LzUp+1AO

唯「特性はさっきの通り、そのまま効果は続く! ブイ太!」

「シャワー!」「シャワー!」「シャワー!」

オタマロ「マロロ〜!?」

N「オタマロを取り囲んで…」

「シャワー!」「シャワー!」「シャワー!」

バッ!

パシャアアアンッ!!!!!

オタマロ「」ドサッ

N「なにが……っ!」

唯「“ちょすい”でオタマロちゃんの体の水分を吸い取ったの」

N「水分を…?」

N「…ふふ。君の特異な戦術には驚かされるよ」

パシュッ!

N「ありがとう、僕のトモダチ」
656 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:45:47.17 ID:2LzUp+1AO

N「そして、次は君だ! ツンベアー!」ボム!

ツンベアー「ベアー!」

N「水が相手なら凍らせてしまえばいい! “れいとうビーム”だ!!」

ツンベアー「ベアー!!」ビュオオオッ

唯「“10まんボルト”!!」

バリイイッ!!!!!!

ツンベアー「…!?」

N「馬鹿な…、電気技だって!?」

メリ太「モコー!!」

唯「いくよ、メリ太!」

N「交替したのか…!」

メリ太「モコー…!」バリバリッ……

N「…! そのパワー…!!」

唯「メリ太は体に流れる“せいでんき”を利用して電気技を放つの。その威力は膨大だよ!」
657 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:53:03.65 ID:2LzUp+1AO

メリ太「モコー…!!!」バチバチバチイッ!

唯「“ほうでん”!!」

バチイイイッ!!!!!!!

N「…ッ! ツンベアー、氷柱を作ってガードするんだ!」

ツンベアー「ベ、ベアー!」バッ

カキイン!

N「これでツンベアーに攻撃は届かない!!」

唯「そうだね……でも、それはメリ太だけの力ならの話!」

ピチャ…

N「! 水……、そうか! シャワーズの……」

唯「ブイ太の力を借りて、あなたのツンベアーちゃんに届かせる!」

バチバチバチイ…!!!!!

N「水の道にそって…!?」

バチバチバチイイイッ!!!!!!!!

ツンベアー「ベアー!?」

ピシャアアアアアンッ!!!!!!!!!!


ツンベアー「」バタンッ

N「ツンベアー!」
658 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:54:28.57 ID:2LzUp+1AO

唯「メリ太、よくやったよ〜!」スリスリ

メリ太「モコ〜♪」

バチッ!

唯「やっぱし、いだいっ!」

N「く……、戻ってくれツンベアー…」パシュッ

N(どう、すれば……勝てない? 僕は勝てないのか? この子に…)

N(僕が負けたらどうなる? 僕の存在価値が……いや、そんなことのためじゃない。シルバーは僕のために戦ってくれている。なら、簡単だ……)

N「僕は……」

唯「!」

N「シルバーのため、僕は負けるわけにはいかないんだあああッ!!!」ボム!

チョロネコ「ニャー!」ダッ

唯「…メリ太!」

メリ太「モコー!」

N「“つじぎり”!!」

ザキイイッ!!!!!

メリ太「モコ!?」ユラッ…

バタアンッ!

唯「…!」
659 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:55:35.48 ID:2LzUp+1AO

N「……これで、君も残り一匹。まだ勝負は分からない!」

唯「……」

N「……」

唯「…ううん」

N「…?」

唯「…もう、終わりだよ」

バシャアアアアッ!!!!!

N「! なにっ!?」

ブイ太「シャワー!」バッ

N「シャワーズ…!?」

唯「ブイ太、“ハイドロポンプ”!!」

ブイ太「シャワー!!」ブシャアアアアッ

チョロネコ「っ!」

バシャアアアアンッ!!!!!!
660 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:56:41.62 ID:2LzUp+1AO

…ドシャアアッ!

チョロネコ「ニャァ…」ガクッ

N「チョ、ロネコ……」

ブイ太「…」スタッ

唯「言ったでしょ? メリ太の力だけじゃない、って」

N「! あの水はシャワーズ本体だったのか…」

ブイ太「シャワー…」ゼエゼエ

N「電気技を受けて満身創痍といった所だね……その状態で戦えたのか」

N「……僕の負けだ」
661 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:57:27.29 ID:2LzUp+1AO

N「君の真実が僕の理想に勝った……。いや、強さという理想……君は真実と理想、その両方を持っていた…。だから、僕なんかが勝てるはずもなかった、か……」

唯「…そんな立派なものじゃないよ」

N「…」

唯「夢、だよ」

N「……夢?」

唯「うん。誰でも持つことができる…それでいて、その人の真実と理想でもあるもの……それが夢」

N「そんな…夢なんて僕にも……」

N「…いや僕の持っているものは理想であって、夢じゃない……ただの…願望だ……」

唯「……」

N「…夢、か。それなら彼女も持っているんだろうね」

唯「へ…?」

N「田井中律さ。今、勝負が着いたみたいだ。僕はシルバーの気持ちなら離れていても何となく感じ取れる……シルバーが負けたみたいだ」

唯「じゃありっちゃんが…!」

N「ああ。……これで本当に終わりかな」

唯「Nくん…」
662 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:58:19.60 ID:2LzUp+1AO

N「僕とシルバーは英雄になれなかった…。これで僕の存在価値……シルバーの理想……すべてが………崩れ落ちた!!
もう…おしまいだ……」

唯「そんなことない……」

N「え……?」

唯「そんなことないよっ!」

N「…!」

唯「まだ終わってない。
今、Nくんの心には誰が映ってるの? その人の心には誰が映ってるの…?
その人のためにできることは何だったの? 英雄になること、理想を叶えること? …違うよ」

唯「もっと簡単なことだよ! 理想だし願いだし、たった一つの真実!」

N「…ぼ、くは……」

唯「もう一度、言うよ…。夢は誰にでも持てるの」



663 :ぽけもん :2011/07/06(水) 20:59:19.03 ID:2LzUp+1AO
………
……


シュウウッ……

ギャラドス「」ガクッ

シルバー「…! 負けた……?」

律「…」

シルバー「くそ…そんな……これじゃあ、Nは……Nの理想は……」

律「シルバー…」

ザッザッ…

シルバー「!」

N「…シルバー」

シルバー「N…!?」


唯「おっす、りっちゃん!」

律「唯っ! Nもいるってことは…勝ったのか?」

唯「うん」

律「…てか、なんでそんなお気楽なんだ」

唯「りっちゃん、今はね…」

律「ん?」

チラッ

律「…ああ、そうだな。りっちゃんは空気の読める子だぜ!」

唯「えへへ〜」
664 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:00:17.86 ID:2LzUp+1AO


N「……」

シルバー「……」

N「…シルバー、」

N「話があるんだ」

シルバー「…す、すまない。俺は負けた……もう俺達は……」

N「…いいんだ」

シルバー「え…?」

N「僕、気づいたんだ。やっと……」

N「シルバーの理想で作られた僕。生まれた直後は心はそれでいっぱいだった。なにも考えず、感じず…ただその理想だけを心で描いていた……。
そんな僕が、何故ここまでの自我を持ったかは分からない」

N「でも一つだけ、確かなものがあるんだ。彼女に言われて気づいたよ。
僕にとって理想や真実なんてどうでもいい…たった一つの願い、たった一つの…夢。シルバー、君がいればそれでよかったんだよ」

シルバー「…!」

N「生まれた直後に君は傍にいなかった…だから心がどこかポッカリと空いているような感覚がしていた……。君に再会して、何かが変わったんだろう。
そして思ったんだ。僕には君が必要だって。だから君のために戦って、英雄になろうとしていた……」

N「本当に今更だけど、言わせてほしい…。
シルバー、僕は君といつまでも一緒にいたい」
665 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:01:45.09 ID:2LzUp+1AO

シルバー「……」

シルバー「…ふ。突然なにを言い出すかと思ったら……」

シルバー「当たり前だろ」

N「!」

シルバー「俺もお前のために戦っていた…。理由なんていらない。俺達は一心同体なんだからな」

N「…シルバー」

シルバー「…本当に、今更で笑っちまうな。なんでもっと早く気づかなかったんだろうな……」

…ザッ!

シルバー「…?」

レシラム「…」

シルバー「…レシラム?」

ザッ!

ゼクロム「…」

N「ゼクロム…?」

レシラム「モエルーワ!!」

ゼクロム「バリバリダー!!」

シルバー「な、なんだ…?」

N「なにが…」

律「二人の理想と真実を称えてんじゃないのか?」

シルバー「!」

唯「二人のこと、喜んでるのかもねえ」

N「……なんで、僕達は負けたのに…」

律「勝ち負けだけが英雄の基準ってわけじゃないみたいだな」

唯「二人の夢が英雄として十分だったんだよ!」

N「…」

シルバー「…」

ゼクロム「バリバリダー!」

レシラム「モエルーワ!」

律「新しい二人の英雄の誕生だな!」

唯「おめでとう、Nくん! シルバーくん!」
666 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:02:46.12 ID:2LzUp+1AO

N「……」

シルバー「…N」

N「ああ、シルバー…」

バアアアンッ!

「そうはいきませんよ!!!」

唯律「!!」 Nシルバー「!!」

「ふふふ……なんとか間に合いましたね。いや、少し手遅れでしたか」

律「ゲーチス…!!」

ゲーチス「そんなに都合よくハッピーエンドが迎えられると思っていたんですか?」

ゲーチス「Nとシルバー……二人が英雄になることに不満はありません。ですが、そんな英雄になれと誰が言ったんですか?
ワタクシが望んだのは、そんなものではない! 世界のすべてを平伏させ、掌握する絶対的なる真の英雄!!
それがワタクシが望んだものです!!
平和をうたうクソみたいな英雄になれとは言っていません!!!」

ゲーチス「Nとシルバーには何が何でも、真の英雄になってもらわなくてはいけません! ここまでくると……少々強行に話を進めなくてはいけませんね……。全てをやり直すため、Nとシルバーの記憶を消します!!」

ゲーチス「まずはそのために、邪魔なあなたたちを排除する!!!」

唯律「!!」

ゲーチス「ワタクシの“理想”の実現のため、あなたたちには消えてもらいます!!!」
667 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:03:37.60 ID:2LzUp+1AO

唯「……」キッ

ゲーチス「フフフ…なんですか、その目はァ!?」

律「…やってみろよ」

唯「私たちは負けないよ!」

ゲーチス「ククッ…、ハハハハ!!! 本気で言っているのですか!?
こちらの総戦力は、ざっと一万以上!! 対して、あなたたちは二人!! 勝ち目があるわけないでしょう!!!」

ゲーチス「ククク……、今七賢人が下で戦っていますがね。彼らはプラズマ団でもトップクラスの実力を持つ!
直にここへ来ますよ。下の雑魚どもを倒してねェ!!!」

「誰が雑魚だって?」

ゲーチス「…!?」

「ふむ…。それがもしわしのことならば、わしに負けた七賢人の二人はどうなるのかのう」

ゲーチス「き、貴様…ッ」

唯律「アデクさん!!」

アデク「マツブサとアカギなら、わしが倒したぞ」
668 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:04:40.92 ID:2LzUp+1AO

ゲーチス「グ…ッ!!
……い、いや! それが何だと言うのですかッ? あんな老害どもを負かしたところでッ!!」

ゲーチス「七賢人はその二人だけではないのです!! 四天王という実力者が…!!
ギーマ!! シキミ!! レンブ!! カトレア!!
あの四人相手なら、チャンピオンのあなたでも…!!!」

アデク「……」

カツカツ…

ゲーチス「! ほら、来ましたよ? 最初にあなたの相手をするのはどなたでしょうねぇ?」

カツ…

カトレア「イッシュ四天王カトレア、ただいま参上つかまつりました」

律「! カトレア…!」

ゲーチス「フハハハ!! いいタイミングですよ、カトレアさん。
こいつらをエスパーポケモンで殲滅してやりなさい!!」

カトレア「…ふふ」クスッ

ゲーチス「…!!」

カトレア「あなたとあろう者が…アタクシがスパイだと、気づいていないはずがありませんよね?」
669 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:06:00.78 ID:2LzUp+1AO

タタッ!

クロツグ「なんだかなー。カトレアー! 速く走りすぎだぞー!」

アデク「! おぬしは確か、フロンティアブレーンの…。それと……」

アデク「…!?」

律「あ、ああっ!!」

唯「?」

アデク「コクラン!!」 律「コクランさん!?」

コクラン「アデク様、そして律様。久方ぶりでございます」

アデク「な、なぜコクランが…。
というより、律とコクランは知り合いなのか?」

律「あ、いやあ…はは」

コクラン「…ふふ、私めはある女性に助けられましてね」パチッ

律「! …へへっ」

アデク「むう?」

ゲーチス「く…う、まさか……貴様たちだけで七賢人を倒したというのか…!」

「カトレアさんたちだけではありません!」

「私たちも頑張りました〜♪」

唯「あずにゃん!?」 律「ムギ!!」

梓「久しぶりですね。唯先輩、律先輩!」

紬「もうちょっと感動的な再会の仕方がよかったけど…」

梓「まあこんな状況ですしね」

唯「ううん! すごく感動的だよ!! すっっごく!!」パアアッ

律「落ち着けっ」

紬「嬉しいわね〜♪」

梓「元気そうで何よりです」
670 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:07:23.49 ID:2LzUp+1AO

ゲーチス「……馬鹿なッ。我がプラズマ団七賢人が負けただと……!?」

ゲーチス「…ふっ、だが!!
まだまだプラズマ団はこんなものではない!!!
ワタクシには直属の親衛隊があるのです! それはワタクシが呼べばすぐに駆け付ける!!
ダークトリニティ《改》よ!! さあ、ワタクシのところへ来なさい!!!」

―――シーン…

ゲーチス「そ、そんな!!
いつもなら一秒もかからず、まさに一瞬で……」

「無駄だ、サキとミツルくんはもう来ない」

ゲーチス「! み、澪ォオオオ!!!!」

唯「澪ちゃん!」 律「澪!!」

澪「唯! 律!」タタッ

唯「よかったあ〜。一人で残っちゃったから、心配だったんだよ?」

澪「ご、ごめん」

律「まったく…、バカ澪」

澪「な、なにい!」

澪「こんの、バカ律!」

律「ひやあん! おやめになって〜!」

ギャーギャー

律「」

澪「まったく…」

唯「えへへ」

紬「よかったわ、澪ちゃん。もとに戻ったのね♪」

梓「一時はどうなることかと思いました…」
671 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:08:28.96 ID:2LzUp+1AO

澪「はれ? なんでムギと梓が…」

ゲーチス「グ、クク…」

澪「…!」

ゲーチス「有り得ないぞ…、七賢人もダークトリニティ《改》も……!」

澪「…ゲーチス、」

ゲーチス「…フハハハ、なんですか? それで勝ったつもりなんですかァ?
まだ甘いんですよ……プラズマ団は昔から存在していたのです。あなたがプラズマ団に来たのはついこの間……。
あなたが来る前にワタクシの親衛隊を務めていた、ダークトリニティ!!」

ゲーチス「ダークトリニティよ!! どんな方法をとっても構いません! こいつらを排除したら……いえ。
ここへ今すぐにでも駆け付けたら、またワタクシの親衛隊をやらせてあげましょう!!!」

ゲーチス「さあ、早く!! 早く来なさアアい!!!!」

「“はかいこうせん”!」

ドギュウウウウウウッ!!!!!

ゲーチス「ぬおおおっ!?」ドサアッ!

「…ふん。あの三つ子なら、こんなふうにいなしてやったが?」

澪「ワ、ワタルさん!?」

ワタル「ん? 澪?」
672 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:09:48.49 ID:2LzUp+1AO

「あれ、澪ちゃんじゃないか。こんなところで会うなんて、大誤算だね」

ダイゴ「…ダイゴだけにっ」クスッ

澪「ダイゴさんまで!?」

「はあ…。ていうか、ワタルくんは人間に“はかいこうせん”をしちゃ駄目だってあれ程言っておいたはずなんだけど……」

梓「なっ!」

紬「シロナさん!?」

シロナ「あら…なんで梓ちゃんと紬ちゃんが…?」

律「三人とも、知り合いか?」

澪「あ、ああ」

梓「は、はい」

紬「ええ。チャンピオンさんよ♪」

唯律「チャンピオン!?」

律(そういやぁ、いつかのテレビで見たことあるような……)

唯(…ふぇ?)

ゲーチス「チャンピオンズか…!!」

アデク「…ふむ。ゲーチスよ、そろそろ諦めたらどうだ?
四地方のチャンピオン、四天王、フロンティアブレーン、五人の実力あるトレーナー…………降参するには十二分なものだが」

ゲーチス「……ククッ」
673 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:15:55.70 ID:2LzUp+1AO

ゲーチス「ハハハハハハハハッ!!!
これだから貴方達は愚かだというのですよ!! チャンピオン、四天王、ブレーン? それがどうかしましたかねぇッ!?
こちらには総勢一万人ものプラズマ団員がいるのです!! 二十にも満たない人数でそれらに敵うとでも?
結局貴方達に勝ち目はないのですよォッ!!!」

「勝ち目がないのはアンタの方じゃないのかい?」

ゲーチス「!!」

唯律「アロエさん!」

アロエ「…ふう、流石に時間を食っちまったね」

ヤーコン「ふん。だが、一万人と言っても大したことはなかったな」

シャガ「ソウリュウのトレーナー百人と毎日稽古をしている、このシャガにとっては屁でもない」

ゲーチス「ぐ…!」

アーティ「やあ、ゲーチスさん」

ゲーチス「! アーティ…!」

アーティ「プラズマ団の考え…全てを否定する気はなかったけど、実は貴方の野望を叶えるためのポケモン解放だったみたいだね」

カミツレ「全く…醜いことね。自分の野望のためにたくさんの人を騙すなんて…」

フウロ「…プラズマ団員の人達はもう、みんな改心しましたよ」

ゲーチス「! な、に……?」

アイリス「ポケモンと離れたくないみたいね。結局は、プラズマ団員もポケモンを愛していたのよ!」

ゲーチス「あの、下っ端どもめぇええ!!!」
674 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:16:57.60 ID:2LzUp+1AO

ハチク「……、ゲーチス」

ゲーチス「!」

ハチク「七賢人も親衛隊とやらも、一万人の軍勢ももういない。
このままお前が何も変わらないというのなら……」

ハチク「お前は独りだ。…どうする?」

ゲーチス「……、」

ハチク「……」

ゲーチス「……フ、ハハ」

ハチク「!」

ゲーチス「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」

ゲーチス「独り…? 独りで十分ですよ!
どうする、って…ワタクシを誰だと思っているのですか? プラズマ団を作り上げた七賢人、ゲーチス・ハルモニアですよォ!?」

ゲーチス「そのワタクシがこんなところで終わるはずがないのです!!
ギアル、ギギアル、ギギギアル!!
あいつらを蹴散らせぇええ!!!」ボム!

ギアル「ギー!」

ギギアル「ギギー!!」

ギギギアル「ギギギー!!!」
675 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:17:48.47 ID:2LzUp+1AO

アデク「…行くぞ!」

シロナ・ダイゴ・ワタル「はい!!!」

アデク「ウルガモス、“ねっぷう”!」

ウルガモス「モスー!!」

シロナ「ガブリアス、“りゅうせいぐん”!」

ガブリアス「ガブー!!」

ダイゴ「メタグロス、“コメットパンチ”!」

メタグロス「グロース!!」

ワタル「カイリュー、“はかいこうせん”!」

カイリュー「リュー!!」

ドオオオオオオオン!!!!!!!!!!!


バタアンッ!!!

ギアル「」 ギギアル「」 ギギギアル「」
676 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:18:54.62 ID:2LzUp+1AO

ゲーチス「ワタクシは最強でえッ!!!」ボム!

バイバニラ「バニー!」

アーティ「行くよぉん!」

アロエ「“ひっさつまえば”!」

アーティ「“リーフブレード”!」

カミツレ「“ワイルドボルト”!」

ヤーコン「“いわなだれ”!」

フウロ「“ブレイブバード”!」

ハチク「“ふぶき”!」

アイリス「“りゅうのいかり”!」

シャガ「“げきりん”!!」

ドッガアアアアアンッ!!!!!!!!!!!

バイバニラ「」ドシャアアッ
677 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:20:12.31 ID:2LzUp+1AO

ゲーチス「…ワタクシは無敵でええッ!!!」ボム!

デスカーン「グオオーッ!」

カトレア「行きますよっ!」

クロツグ「“はなびらのまい”!!」

コクラン「“かえんほうしゃ”!!」

カトレア「“サイコキネシス”!!」

ゴアアアアアアッ!!!!!!!!!!!

デスカーン「」ガシャアンッ


ゲーチス「…ッ! ワ、タクシは…ぁああああッ!!!」ボム!

サザンドラ「ギャアアーッ!!」
678 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:21:26.53 ID:2LzUp+1AO

…ザッ!

ゲーチス「…!」

律「…終わりだ、ゲーチス!」

紬「リン、“ほうでん”!」

リン「レーンッ!!」

梓「ミミちゃん、“おんがえし”!」

ミミちゃん「ミミロー!!」

澪「カゲぴょん、“だいもんじ”!」

カゲぴょん「グオオー!!」

唯「ブイ太、“ハイドロポンプ”!」

ブイ太「シャワー!!」

律「ヒート、“オーバーヒート”!」

ヒート「ヒヒーン!!」

カッ!

ドゴオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!
679 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:23:59.51 ID:2LzUp+1AO

ゲーチス「馬、鹿なぁあああああああ!!!!」

ドオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!

サザンドラ「」バタッ!

ドシャアアッ!

ゲーチス「がっは…っ……」ガクッ…


シュウウッ……

律「…終わった、のか?」

唯「うん…りっちゃん!」

律「こ、これで世界は…」

アデク「うむ。おぬしたちによって世界は守られた。見事だったぞ。
イッシュのチャンピオンとして、わしから礼を言おう。…ありがとう!」

唯律「…」

律「…へへっ」

唯「えへへ〜」

唯律「……、はい!」




Last Episode..fin




680 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:25:12.96 ID:2LzUp+1AO
エピローグも続けて投下します
681 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:27:25.51 ID:2LzUp+1AO


Epilogue...



アデク「よし、そろそろここを出るとするか。
あと、念のため、国際警察を呼んでおいた。もうすぐ来るだろう」

唯律「国際警察…?」

紬梓「…それって……」

澪「?」

…シュバッ

澪「…?」

シュシュッ タタタッ シュバッ シュババッ

ザッ!

「ほほう、ここがプラズマ団の城だな!」

澪「ひいっ!?」

律「あんたは!」

紬梓「ハンサムさん!!」

ハンサム「む…君達か。何故ここに?
まあいい。今は仕事中だから後にしよう」
682 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:28:44.92 ID:2LzUp+1AO

梓「仕事ってなんですか?」

ハンサム「決まっている。プラズマ団をしょっぴくのさ。…そこに転がっているのがゲーチスというプラズマ団のボスだな」

テクテク……

ハンサム「む!」ピタッ

ハンサム「むむ!?」ジロッ

シルバー「…?」

ハンサム「君は…まさか……」ジロジロ

シルバー「……?」

ハンサム「やっぱり! 赤い髪に、リングマの入っているモンスターボール!
君はウツギ研究所のヒメグマ強奪事件の犯人だな!!」

シルバー「…!!」

ハンサム「こんなところで見つかるとは! ご同行願おう!」ガシッ

N「シ、シルバー!」
683 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:29:25.92 ID:2LzUp+1AO

律(しまった…そういえば、ウツギ研究所にいた警察官はハンサムさんだった!)

唯(り、りっちゃん! どうしよう!)

律(……)

ハンサム「さあ、行くぞ!」

唯「ま、待ってください!」

ハンサム「…む?」

唯「ちょっと待ってください!」

シルバー「…あんた…」

ハンサム「なんだ、邪魔をする気かね。そうなると公務執行妨害で…」

律「…待ってくれ」

ハンサム「む!」

唯「! りっちゃん…」

律「ハンサムさん、そいつを連れていく前に聞きたい」

ハンサム「…なにかね」

律「あんたが連れてるそいつは、本当に犯人なのか?」
684 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:30:17.04 ID:2LzUp+1AO

ハンサム「むむ、なにを? 確かにそのはずだが。
赤い髪でリングマを連れて、名前はシルベルという少年…」

律「…そこだ」

ハンサム「?」

律「そいつの名前はシルベルじゃない……シルバーだ!」

ハンサム「な、なにいいい!!」

ハンサム「ほ、本当か!?」

律「このハンカチが証拠だ」スッ

ハンサム「むむむ…確かに! シルバーと書いてある……シルベルとは到底読めん………」

ハンサム「むむむむむむ…。
すまなかった、シルバー君! どうやら、はやとちりをしてしまったようだ! このとおりだ、許してくれ!!」

シルバー「ぁ、いや…」

ハンサム「この事件は迷宮入りか…。
む〜、まあ今は本来の仕事に戻ろう! それでは私は!」タタッ
685 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:31:37.99 ID:2LzUp+1AO


シルバー「……あんた、」

律「…お節介だったか? でも、やっぱり納得いかなくてな。
シルバー、お前はもう大丈夫だ。警察なんていかなくても…それに、ウツギ博士だって分かってくれる。リングマも、お前に懐いているしな」

シルバー「……そう、だな」

律「……。私たちはもうここから離れるけど、シルバーたちはどうするんだ?」

Nシルバー「…」

N「…そうだね」

シルバー「とりあえず、まずは親父を探す」

唯「通りすがりのトレーナーさん?」

シルバー「ああ。そのあとにトキワのジムを継ぐ。
そして、親父の今までしてきた悪行の罪を、親父と俺とNの三人で償っていくつもりだ」

律「…そっか。頑張れよ、シルバー」

シルバー「ああ」

唯「Nくんも良かったね。二人で…ううん。三人で幸せにね♪」

N「…」コクッ

シルバー「……じゃあ、俺達は…」

律「もう行くのか?」

シルバー「ああ…」スッ…

シルバー「……そうだ」ピタッ

唯律「?」

シルバー「…ありがとう」

唯律「!!」

律「…へへ。ようやく言ってくれたな」

シルバー「?」

唯「待ってたんだよ! ウバメの森の時からっ!」

シルバー「…! ……ふっ、そうか」

N「僕からも、ありがとう」

唯「うんっ」 律「ああ!」

Nシルバー「それじゃあ…!」

律「おう! じゃあなー!」

唯「元気でねーっ!」


686 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:32:16.67 ID:2LzUp+1AO


唯「……行っちゃったね」

律「ああ」

唯「……」 律「……」

律「私たちも帰るか」

唯「うん! 澪ちゃんとムギちゃんとあずにゃんと久しぶりに会えたし、一緒に帰ろう!」

律「そうして、帰ったらみんなでポケモンリーグで……」

律「……」

唯「……」

唯律「ぁあああああっ!!!」

律「そうだ…、ポケモンリーグ!!」

唯「すっかり忘れてた!」

律「い、今から間に合うのか!?」

唯「わ、わからないけど…」

澪「…? どうかしたのか? 唯、律」
687 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:33:17.11 ID:2LzUp+1AO

律「! 澪、ポケモンリーグって……」

アデク「唯に律よ!!」

律「…アデクさん?」

アデク「これから打ち上げをするんだが、一緒にどうだ? ここにいるメンバーで…」

タタッ!

律「す、すみません。アデクさん!」

アデク「むうっ?」

唯「今は時間がないんです〜! また今度ぉ〜!」
タタタッ!


アデク「むう…、なんだ? あんなに急かして……」

澪「さ、さあ…」

梓「……。唯先輩たち、どうしたんですかね」

紬「分からないけど…?」

澪「そそっかしいなぁ…」

紬「ふふ、でもあれでこそ唯ちゃんとりっちゃんよね♪」

梓「そうですねっ」


688 :ぽけもん :2011/07/06(水) 21:34:53.30 ID:2LzUp+1AO


タタタッ!

唯「りっちゃん、澪ちゃんたちは!?」

律「リーグ会場で会えるさ!」

唯「そ、そうだね!」

律「今は…急ぐぞ、唯いいっ!」

唯「うん、りっちゃああんっ!」




おわり


689 :まとめ [sage]:2011/07/06(水) 21:35:56.43 ID:2LzUp+1AO

Episode.30
>>7-26 >>27-36

Episode.31
>>41-60 >>61-73

Episode.32
>>77-96 >>97-106

Episode.33
>>121-140 >>141-157

Episode.34
>>162-181 >>182-185

Episode.35
>>192-211 >>212-231 >>232

Episode.36
>>238-257 >>258-277 >>278-282

Episode.37
>>286-305 >>306-313

Episode.38
>>317-336 >>337-348

Episode.39
>>351-370 >>371-388

Episode.40
>>392-411 >>412-423

Episode.41
>>429-448 >>449-460

Episode.42
>>468-478 >>481-501 >>507-516 >>517-536 >>539-558 >>561-581

Last Episode..
>>587-606 >>607-621 >>626-645 >>646-665 >>666-679

Epilogue...
>>681-688
690 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:37:38.70 ID:2LzUp+1AO
これで終わりです
ここまで見てくださった方、本当にありがとうございました!
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 21:49:48.25 ID:MWaf/xtno
ポケモンリーグ編はなしなのか!?
乙!
692 :ぽけもん [sage]:2011/07/06(水) 21:52:48.47 ID:2LzUp+1AO
ああ、言い忘れました
リーグ編は近日、このスレでやります
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/07/06(水) 22:04:21.94 ID:HYUfduDXo
乙です

694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 07:04:13.72 ID:8GJPUFKDO


シルベル伏線とはwwww
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 13:54:34.05 ID:oAN/VHrDO
初代編から続けてきたこのシリーズ、ついに完結(もうすぐ)お疲れ様でした。いろいろ大変だったと思いますが、すべてのけいおん&ポケモンファンのためにここまでやっていただき、本当にありがとうございました
696 :ぽけもん [sage]:2011/07/14(木) 18:30:49.75 ID:wXQeQHUAO
レスありがとうございます
それでは今回からリーグ編に入ります 投下開始!
697 :リーグ編 :2011/07/14(木) 18:32:01.48 ID:wXQeQHUAO


《ハナダ岬》


マサキ「ポケモンリーグやて?」

律「ああ! いつやるか分かるか!?」

マサキ「まあそれくらいはすぐに分かるけど…」

マサキ「……。明日みたいやな」

唯律「明日!?」

律「あ、あぶね〜。ギリギリ間に合うぜ〜」

唯「やったね、りっちゃん!」

マサキ「…そういや。あんたら、ジムバッジは全部集めたんかいな?」

律「ん、ああ…ジョウトとイッシュのジムバッジをコンプリートしたけど」

マサキ「駄目やん!」

律「……へっ?」

マサキ「今年のポケモンリーグは、カントー・ジョウト・ホウエン・シンオウの四地方合同や! せやから、イッシュ地方のバッジでエントリーはできんで!!」

唯律「ええええ!?」
698 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:33:52.54 ID:wXQeQHUAO

唯「ど、どうしよう!」

マサキ「そうやなぁ…今からなら、ヤマブキのジムも間に合うか…?」

唯「…?」

律「マサキ、カントーのバッジで私たちが持ってないのは、トキワのジムバッジだぞ?」

マサキ「…はれ? でも、モンスターボールと一緒にウバメの森に落ちていたバッジの中に、グリーンバッジもあったで?」スッ

キラアン!

唯「ほ、ホントだ!」

律「な、なんで…?」

唯「でもこれで二人でエントリーできるね!」

律「ああ!」

マサキ「しかし、トキワジムは最近、新任のジムリーダーが入ったそうでな。二人でジムリーダーをやっているそうや。
使うポケモンは二匹のドラゴンポケモンで、そら強いのなんのって噂や……。唯はん達、早めにバッジ貰えて良かったなあ…って、なにニヤついているんや?」

唯「う、ううん」

律「なんでもないよ」

唯(Nくんとシルベルくん……良かったあ)

律(シルバーな)

マサキ「??」

律「んじゃあ、私たちは行ってくるからさ」

唯「応援よろしくね〜」

マサキ「…ああ! お任せあれや!」

唯律「……」

マサキ「な、なんや?」

唯「マサキさん…」

律「なんでお前もさっきからニヤついてるんだ…?」

マサキ「え! …いや、ああ、なんでもあれへんよ?」

唯「…そう?」

マサキ「うんうんっ! 心配せんでもええで!」

唯「そっか」

律「それじゃあ会えたら、会場で会おうぜ」

マサキ「ああ、またな!」

ガチャンッ

マサキ「……」

マサキ「さて、こっちも準備をするとしますか!」



699 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:35:30.83 ID:wXQeQHUAO
………
……


翌日

《ポケモンリーグ会場》


梓「着きましたよ、ムギ先輩!」

紬「ポケモンリーグ! みんな来てるかしら♪」

梓「きっとみなさん来てますよ! 唯先輩と律先輩は不安ですけど…」

紬「ふふっ」

梓「それじゃあ、受付を済ませましょうか」

紬「ええ。…あ、そうだ……梓ちゃん」

梓「はい?」

紬「梓ちゃんは参加用にシンオウのジムバッジを使う?」

梓「でも、あれはムギ先輩のバッジで…」

紬「ううん…梓ちゃんと一緒だったから、全部集められたのよ。逆に言えば、梓ちゃんと一緒じゃなかったら集められなかった……」

梓「ムギ先輩…」

紬「ね、使って?」ニコッ

梓「……はいっ!」

紬「うふふっ♪」

紬「受付へ急ぎましょうっ」タタッ

梓「……」

梓(実はカントーにいる時にシバ先生と修業ついでにジム制覇してたんだけど……)

紬「シャランラシャランラ〜♪ 受付お願いします〜♪」

梓(まあ…)

スッ…

梓「受付お願いしますっ!」バンッ

受付「シンオウ地方のバッジですね。
はい、いいですよー」



700 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:36:56.77 ID:wXQeQHUAO
………
……


受付「受付終了まで残りわずかです。まだ受付が済んでいない方は…」

タタタッ!

受付「!」

唯「ま、間に合ったあ〜!」

律「はあはあ…。まったく、だから急げって言ったのに……」

唯「だって、あんなかわいいコラッタ初めて見たんだもん!」

律「ポケモンに会う度に足止め食らわされる、こっちの身にもなれ!」

唯「なにを〜!」

律「なんだと〜!」

唯「りっちゃんめっ。りっちゃん、りっちゃん、りっちゃん!」ポカポカ!

律「唯めっ! ゆい、ゆい、ゆい!」ポカポカ!

受付「」ポカーン

受付「あ、あのう…受付終了しますよ?」

唯律「ハッ…!」

律「これでお願いします!」スッ

受付「はい、カントー地方とジョウト地方のバッジですね。
それではもうすぐ試合が始まりますので、指定されたブロックにお向かいください」

唯律「はい!」



701 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:39:25.39 ID:wXQeQHUAO




テクテク…

唯「ふえ〜、ここがポケモンリーグの中か〜! すごいねえ!」

律「トレーナーたちの夢、リーグチャンピオン……ここでなれるかもしれないんだ」

唯「最強のトレーナー、りっちゃんの夢への第一歩だねっ!」

律「ああ! 絶対に優勝してやるぜ!」

ワアアアアアアアッ!!!!!!!!!!!!

唯「ふぇ!?」

律「な、なんだあ? この歓声…」

唯「あっちの方……Fブロック?」


澪「カゲぴょん、“ほのおのパンチ”!」

カゲぴょん「グオオーッ!!」ボオッ!

ラフレシア「ラフー!?」

ボオオオオオンッ!

ラフレシア「」バタアンッ

トレーナー「ラフレシアっ!」

審判「ラフレシア戦闘不能! よって勝者、秋山澪!」

澪「や、やった…!」

ワアアアアアアアアッ!!!!


702 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:40:47.09 ID:wXQeQHUAO

律「澪…!」

唯「すごーい、澪ちゃん!」

澪「!」チラッ

澪「…ふふ」

律「! …へへっ」

クルッ!

律「よし。私たちも頑張るぞ、唯!」

唯「うん、りっちゃん!」

律「私はCブロックだそうだ!」

唯「私、Aブロック!」

律「そっか…ブロックは別になるけど、お互い優勝目指して頑張ろうぜ!」

唯「うんっ!」



703 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:42:26.28 ID:wXQeQHUAO



《Hブロック》


梓「ミミちゃん、“とびげり”!」

ミミちゃん「ミミロー!!」シュッ!

ドオオオオン!!!!!

ラッキー「ラキ…」ガクッ

審判「勝者、中野梓!」

梓「やったね、ミミちゃん!」

ミミちゃん「ミミロー!」ピョンッ

梓「このブロックで一位になれば、決勝リーグに進める…。今のところ順調順調♪ ムギ先輩は大丈夫かな…」

梓「確か、ムギ先輩はEブロックのはず…」

電光掲示板《ただ今のEブロックのバトルの勝者は琴吹紬選手》ツラー

梓「ムギ先輩頑張ってるみたいだ! 私たちも負けてられないね!」

ミミちゃん「ミミロー!」フンスッ
704 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:43:47.87 ID:wXQeQHUAO

梓「まずはこのブロックを勝ち抜いて、決勝リーグに……。あと何勝で一位だろう?」

タタッ

梓「あのーすみません」

審判「はい、どうしました?」

梓「Hブロックの中野梓と言います。あと何回勝てば一位になれるか分かりますか?」

審判「中野梓選手ですね。少々お待ちください…」ピッピッ

審判「…はい、出ました。中野選手は現在四勝ですので、次の試合で勝利すればHブロック一位になります」

梓「ありがとうございます!」ペコリ


梓「…よーし! あと一勝だって。次の試合、絶対に勝とう!」

ミミちゃん「ミミロー!」オー!

梓「ブロック最後の相手はどんな人だろう…」

キイイイン……

『あー、あーマイテスマイテス』

梓「? 放送かな…」
705 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:44:32.35 ID:wXQeQHUAO

『Aブロック、Cブロック、Dブロック、Eブロック、Fブロック、Gブロック、Hブロック…。
以上のブロックの選手で、四勝しとる選手は第二試合場に集まってくださいなー』

梓「…? そういえば、私四勝してるって言ってたよね……。行ってみよう」



706 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:45:38.64 ID:wXQeQHUAO



《第二試合場》


梓「ここかな…」

唯「あれ? あずにゃん!」

梓「唯先輩!」

タタタッ

唯「あずにゃんも勝ち残ったんだね!」

梓「はい! …って、まさか唯先輩も…?」

唯「むうっ。私だってやれば出来るんだから!
ちゃんと四勝したよ〜!」プクー

梓「ていうか、受付間に合ったんですね」

唯「そこから!?」(…危なかったけどね)

唯「そうだ、あずにゃん! もうみんな来てるんだよ!」

梓「みんな?」
707 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:47:31.52 ID:wXQeQHUAO

ゾロゾロ

律「よー、梓!」

澪「やっぱり勝ち残ってたか」

紬「流石ね〜、梓ちゃん♪」

梓「律先輩、澪先輩、ムギ先輩!」

梓「みなさんも四勝を?」

律「おう」

澪「それに、私たちだけじゃないよ」

紬「ふふ♪」

梓「?」

ダーッ!

「うあーっ! ちょっとどいてー!!」

梓「は…」

ゴチイイン!!!!!

梓「にゃわ〜!?」ズサアッ!

紬「だ、大丈夫っ! 梓ちゃん!?」

梓「うう〜…いったい……」


「なんだってのよーっ!!!」


梓「……この雑音は!」
708 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:48:48.16 ID:wXQeQHUAO

梓「純!」

唯紬「純ちゃん!」

澪「鈴木さん!」

律「佐々木さん!」

純「雑音ってなによ! ってかなんで唯先輩と梓以外の皆さんまで!? 最後の別人だし!!」

純「はあはあ……」

皆「オオー」パチパチ

梓(三回目にしてやっとツッコんだ。二回目はクロツグさんだったけど)

テクテク

和「あら、相変わらず賑やかね」

梓「! 和先輩!」

唯「和ちゃ〜ん!」ダッ

ギュウッ!

和「ちょ、唯…」

唯「会えて嬉しいよ、和ちゃん!」

和「唯…」

紬「リーグで会うって約束したものね♪」

唯「うんっ!」
709 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:51:02.02 ID:wXQeQHUAO

律「これで全員揃ったな!」

純「はい!」

梓「? あれ…でもむぐっ!?」

律「」ガバッ

梓「りつへんはい、なにひゅるんでふかっ!?」

律「まあまあ」

純「まあまあ」ガシッ

梓「じゅんまへっ!?」

唯「? どうしたんだろ、りっちゃんたち」

和「色々事情があるのよ、色々」

唯「??」

『はいはぁーい、皆はんお揃いのようでー!』

皆「!!」
710 :ぽけもん :2011/07/14(木) 18:57:59.42 ID:wXQeQHUAO

澪「なんだ?」

紬「さっき放送を流してた人?」

唯律「…この声って」

梓「ひってるんへすは?」

律「純ちゃん、いい加減放してやれ」

純「いえっさー!」

梓「ぷはっ」

梓「唯先輩と律先輩…この声聞いたことあるんですか?」

律「んー…聞いたことあるっつーより……な?」

唯「うん、りっちゃん」

梓「??」

『なんやなんや。もう気づいている人もいるようやし、ここらで自己紹介といきましょか』

マサキ『わいはマサキ。この第二試合場で司会を務めさせてもろうとる』

唯「…マサキさん」

律「やっぱりか……。ニヤついてたのはこれかよ」
711 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:03:24.75 ID:wXQeQHUAO

マサキ『まあまあ、そんな気を落とさんといてーな』

紬「マサキさん、っていうと…カントーのポケモン転送プログラム管理者の?」

梓「そういえば、ショウロさんが言ってましたね」

マサキ『そうや、そのマサキや! いや〜ショウロはんには色々と世話になったからな〜。ホンマに今度会って御礼をしなあかんなあ…』

唯律紬梓(顔見ただけで失神しそう…)

律「…つうか、マサキ」

マサキ『なんや? 律はん』

律「私たちはなんでここに集められたんだ?」

マサキ『そんなん決まっとるやろ。
ここで各ブロックの一位を決めるバトルをしてもらうんや』
712 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:04:20.15 ID:wXQeQHUAO

皆「…!!」

律「ここで各ブロックの一位が決まる…」

唯「…はっ! ということは、ここにいるみんなと戦うってこと!?」

澪「いや、みんなブロック違うだろ…」

唯「あ、そっか!」

紬「もしみんなが勝ち残ったら、全員が決勝リーグに進めるのね♪」

梓「いえ! 絶対に全員が決勝リーグに駒を進めましょう!」

和「なんだか熱くなってきたわね」

純「よーし、頑張るぞー!」

梓「純には無理だと思うけどね」

純「な、なにをー!」

梓「ていうか、ジムバッジコンプリートしたこと自体奇跡だよ」

純「ひどい! でも言い返せない!」

和「認めるのね…」

紬「まあまあ♪」
713 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:08:00.12 ID:wXQeQHUAO

マサキ『まあ皆はん頑張ってや』

唯「ちょっと待って、マサキさん!」

マサキ『…』

唯「私たちの対戦相手の人はどこにいるの?」

マサキ『…もう来とる。そもそもこのバトルは彼らが提案したものなんや』

律「彼ら…?」

ザッザッ……

皆「!」
714 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:09:04.34 ID:wXQeQHUAO

「んっふ、しかし七人全員がシードというのもどうなんでしょうね」

「というよりも、四天王である俺達がリーグに出場することがそもそもいけないんじゃないか?」

「ファファファ、そのわりに乗り気だったではないか」

「…うるさい」

「まあまあ。四天王だとかはどうでもいいじゃないですか。
とりあえずこのスイクンブロマイドでも見て落ち着きましょう」

「「お前四天王でもないだろ」」

「な…それを言うなら彼女だって…」

「私はフロンティアブレーンだ。無職のお前と一緒にしないでくれ」

「スイクンハンターだ!」


紬「! イツキさん!?」

イツキ「んっふ、お久しぶりです。紬さん」

梓「シバ先生…!」

シバ「シンオウ以来か。久しぶりだ、梓」

澪「リラ師匠!」

リラ「やあ、澪。先の事件ではどうなることかと思ったけど、無事でよかったよ」

純「キョウ師匠!」

キョウ「ファファファ。一連の流れは見てたが相変わらずそそっかしいな、純」

律「あ…ミナキ」

ミナキ「あ、とはなんだ!?」
715 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:10:02.50 ID:wXQeQHUAO

紬「どうしてイツキさんたちが…」

イツキ「んっふ…僕達だけではありませんよ」

「うぃーす! みんなお揃いねー!」

唯律「さわちゃん!!」

澪紬梓純和「さわ子先生!!!」

さわ子「私も来ちゃったわー。四天王も忙しいのに〜」

梓「先生ってジムリーダーじゃありませんでした?」

さわ子「昇格したのよ♪ 空席が出来た分ね。
ヨスガジムの方は、新任のメリッサさんがやってくれてるのよ」

梓「へー」

純「そういや、私がジムに再挑戦しに行った時には、そのメリッサさんって人がいたなー」
716 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:11:54.28 ID:wXQeQHUAO

紬「すごいわあ。知り合いにまた四天王の人が増えちゃったわね♪ イツキさんたちや、さわ子先生に和ちゃん」

和「…」(…さわ子先生はキクノさんがいなくなったことで空いた席についたのね)

さわ子「そうそう、和ちゃん」

和「…?」

イツキ「あのお方もいらっしゃっていますよ」

和「え…」

カツカツ……

「本当に…」

カツ…!

ゴヨウ「……お久しぶりです、和さん」

和「ゴヨウ、さん…!」
717 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:12:32.97 ID:wXQeQHUAO

唯「あーっ、ゴヨウさんだ!」

ゴヨウ「! 唯さん、律さんも」

律「あれ、ゴヨウじゃん。なんでゴヨウがこんな所にいるんだ?」

唯「ゴヨウさんは和ちゃんのお師匠さんなんだよ!」

律「マジか!」

和「?? どうして唯と律がゴヨウさんを知ってるの…?」

律「色々あってなー。話すと長いぞ」

唯「ゴヨウさんとはイッシュ地方で知り合ったんだ〜」

和「イッシュ地方で?」

梓「私たちも、ゴヨウさんとイッシュ地方で再会しました」

紬「ええ」

和「梓ちゃん、ムギ…?」

梓「“ブラックシティ”、どうですか?」

ゴヨウ「…はい。おかげさまで、時々野生ポケモンが遊びにくるまでになりましたよ」

梓「そうですか…よかったですねっ!」

ゴヨウ「はい!」
718 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:13:59.74 ID:wXQeQHUAO

紬「…ゴヨウさん、和ちゃんに言ってあげてください」

梓「今の貴方なら…大丈夫です!」

ゴヨウ「………、ええ」

和「なんのこと…」

ゴヨウ「和さん」

和「!」

ゴヨウ「あれから一年が経ちました。たった一年ですが、頭を冷やしてきました。少々早かったですね……貴女がポケモンリーグに出場すると聞いていてもたってもいられなくて、ね」

和「ゴヨウさん…」

ゴヨウ「……」

和「……なさい」

ゴヨウ「…?」

和「おかえりなさい、ゴヨウさん」ニコッ

ゴヨウ「…っ!」

ゴヨウ「…た、だいま……。
ただいま、和さん」…ニコッ

梓「……」(よかったですね、和先輩…)


719 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:14:58.76 ID:wXQeQHUAO


澪「リラ師匠、どうしてリーグ会場にいるんですか?」

リラ「ああ…」

純「そうですよ! どうしてなんですか、師匠!」

キョウ「ファファファ。もちろん、お前達の応援……と言いたいところだが…」

純「?」

イツキ「リーグ会場に来る理由なんて、本来はたった一つですよ」

紬「! さっきシードって…」

シバ「察しの通り、俺達はこのポケモンリーグにエントリーしている」

ミナキ「そして各ブロックで四勝した…」

律梓「それって…」

さわ子「ええ。各ブロック、最後の戦いの相手は……私たちよ!」

皆「…!!!」

720 :ぽけもん :2011/07/14(木) 19:16:02.06 ID:wXQeQHUAO
今回はこれで終わりです
ありがとうございました
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 19:20:04.61 ID:1kUXXTu1o

熱くなってきたな
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 01:42:00.03 ID:Z9U51uKDO
新章いきなり熱くていいね
723 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:39:41.80 ID:46F02odAO




マサキ『これより、各ブロックの一位決定戦を開始するでえ!』

マサキ『なお、このバトルは対戦する二人の関係が全て師匠と弟子という…師弟対決や!
各ブロックの対戦カードはこちらや!』

ピピッ

《Aブロック―平沢唯VS山中さわ子》

《Cブロック―田井中律VSミナキ》

《Dブロック―真鍋和VSゴヨウ》

《Eブロック―琴吹紬VSイツキ》

《Fブロック―秋山澪VSリラ》

《Gブロック―鈴木純VSキョウ》

《Hブロック―中野梓VSシバ》


律「なんで私の相手がミナキなんだ……師匠っちゃ師匠だけど」

唯「むしろ、私とさわちゃんって方がおかしいと思う」

さわ子「何言ってるの。唯ちゃんは私の教え子で、私は唯ちゃんの先生でしょー」

梓「それって全員に当て嵌まるんじゃ…」

さわ子「細かいことを気にしてたら大人になれないわよ、梓ちゃん」

梓「なんですかそれ」

純「そうだよ、梓。だからいつまで経ってもお子ちゃまなんだよ、梓は」

梓「純に言われたくないんだけど」

純「なにをーっ!?」

紬「まあまあ♪」
724 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:41:54.28 ID:46F02odAO

マサキ『とりあえず、この対戦カードで行くで。
第一試合はAブロックや。第二はCブロック、第三はDブロック…と順番にやっていくさかい』

マサキ『ほんなら、唯はんとさわ子はん。試合場についてーな』

唯「はい!」 さわ子「ええ」

タタッ…

唯「…」

さわ子「…」

律「頑張れ、唯!」

梓「頑張ってくださ〜い!」

澪「唯、頑張れよー!」

和「応援してるわよ、唯ー!」

純「唯先輩、ファイトー!」

唯「えへへ……うんっ!」

さわ子「なに、みんな唯ちゃんの味方!?」

律「そりゃそうだろ」

梓「相手が先生ですし」

さわ子「ひどいっ!」

紬「唯ちゃーん、さわ子先生ー。頑張ってね〜♪」

さわ子「はうっ…ムギちゃんだけよ、私の味方は……!」ジーン…
725 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:43:34.17 ID:46F02odAO

律「おふざけはいいから早くやろうぜー、さわちゃん」

さわ子「…そうね。唯ちゃん、準備はいいかしら?」

唯「いつでもかかって来い、だよっ!」

マサキ『一応、準備の確認はわいがするんやけど……まあええか』

マサキ『バトルの形式は2対2の交替戦。ほんじゃ、バトル開始やー!』

さわ子「さあ行くわよ! 私の一番手はこの子よ!…ジェーン!!」ボム!

ジェーン(フワライド)「フワ〜」

唯「むっ…」ピッ

ポケモン図鑑『フワライド、ききゅうポケモン
からだの なかで ガスを つくったり はきだしたり することで そらを とぶ たかさを ちょうせつする。』

唯「かわいい〜!」

紬「先生の一番手はフワライドね」

梓「相変わらずのネーミングセンスです」
726 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:45:00.50 ID:46F02odAO

さわ子「梓ちゃんと純ちゃんとは戦ったけど、唯ちゃんはどんなバトルをしてくれるのかしら?」

唯「…ムー太!」ボム!

ムー太「ムウウ!」

律「! ムー太!? ゴーストタイプ相手じゃ苦しいぞ!」

澪「いや、律。ブロックでのバトルでは初めに決めた三体のポケモンの中から二体を選んで戦うから、途中で使用ポケモンを変えられないんだ」

律「っつうことは、相手のタイプに合わせて臨機応変にってことも出来ないのか…!」

さわ子「…ムンナね。イッシュ地方のポケモンだったかしら」

唯「そうだよ、イッシュ地方でゲットしたの!」

ムー太「ムウウ♪」

さわ子「ふふっ、唯ちゃんらしい可愛いポケモンね。でも……手加減はしないわっ!」キッ

唯「!」

さわ子「ジェーン、“シャドーボール”!」

ジェーン「フワーッ!」ビュンッ

ゴアアッ…!

ムー太「ムウウっ!?」

唯「ムー太!」
727 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:47:51.10 ID:46F02odAO

ムー太「ムウ…」ググッ…

さわ子「中々タフのようね……。でも、今度は耐え切れるかしら?
……“シャドーボール”!!」

ジェーン「フワーッ!!」ゴウッ……

澪「まずい…またあの攻撃を喰らったら…!」

律「唯…!!」

さわ子「放ちなさい!」

ジェーン「フワーッ!!!」ビュンッ!

唯「……っ」

唯「弱点をうてるのは、そっちだけじゃない!
ムー太、“チャージビーム”!!」

ムー太「ムウウー!!!」ジジッ…!

さわ子「…!」

ジュアアアアアッ!!!!!!!!!

ジェーン「ッ!?」

ボオオオン!!!!!!

ジェーン「…ッ」バチバチ……

唯「今がチャンスだよ、ムー太! ジェーンちゃんに飛び乗って!」

ムー太「ムウ!」ピョン

ピト!

ジェーン「!」
728 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:49:44.13 ID:46F02odAO

唯「そのままかじっちゃえ!」

ムー太「ムウっ!」ガジッ

ジェーン「…!!」

ビリ…

プシュウウウウウッ!!!!!!!!!!

ムー太「ムウ!?」ドタッ!

唯「ムー太!?」

さわ子「かかったわね…!」

唯「え……?」

ジェーン「」プシューッ!

梓「これは…!」

紬「フワライドの体に穴が開いて、中の空気が漏れてる…」

律「明らかにフワライドの方が不利だろ?」

澪「いや…違う。さわ子先生の狙いはそこにある」

さわ子「唯ちゃん、風船がどうして浮かぶのか知ってる?」

唯「へ? え、えと…空気が入ってるから?」

さわ子「残念、不正解よ。答えは中に空気より軽いガスが入っているから。
私のフワライドも同じ様に……体の中で作ったガスで空を飛ぶわ」
729 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:50:49.29 ID:46F02odAO

唯「ガス……」

さわ子「そう…ヘリウムガスよ!」

唯「ヘリウムガス…? あ、聞いたことあるよ。バラエティとかでよくやってる…吸うと声が変になるやつだ!」

さわ子「うん、でもね、そういうのに使うヘリウムガスには酸素も入れられているのよ。何故だか分かる?」

澪「!!」

梓「ま、まさか…!」

紬「そんな…っ」

和「…まずいわよ、唯!」

律純「えっ、え?」

ジェーン「」プシューッ!

ムー太「ムウッ…!?」ゲホゲホッ

唯「! ど、どうしたのムー太!?」

さわ子「ヘリウムガスだけを吸いつづけると危険なのよ! 酸素が足りなくなって、いずれは窒息するわ!」

唯「…!!」

律純「な、なんだってえ!」
730 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:52:17.40 ID:46F02odAO

梓「このままじゃムンナは…!」

純「でもフワライドだって、ガスを出し続ければしぼんじゃうんじゃない?」

さわ子「それなら心配は要らないわ。ジェーンはガスを体外へ出している今も、体内でガスを生成しているからね」

唯「っ! じゃあ…ガスを作らせなければ…!
ムー太、“さいみんじゅつ”!!」

ムー太「ム…ウウッ!!」ウィーン!

さわ子「……無駄よ」

キイイイン…!

ムー太「…!?」

唯「なに…、この音!?」

さわ子「さっき唯ちゃんが言ったとおり、ヘリウムガスを吸うと声がおかしくなる……“さいみんじゅつ”も同じ。
ヘリウムガスを吸ったムンナが発する音は全て変になり、“さいみんじゅつ”も狂う。普段とは違う音で技を繰り出すのは難しいのよ。エスパー技は特に繊細だからね」

唯「…じゃあ、」

さわ子「音波系統の技はほとんど封じたわ!」

唯「…っ!」

紬「エスパータイプのムンナには致命的だわ…!」
731 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:53:55.25 ID:46F02odAO

和(ヘリウムガスはムンナの周りを取り囲んでいる…何とか唯の周りには届いていないみたいだけど………)

和(このままでは絶対に負けてしまう…! どうするの、唯!)

唯「…」

ムー太「…っ」ハアハア…

さわ子「……」

さわ子「…唯ちゃん、もう諦めなさい」

唯「!」

さわ子「私がやっといてあれだけど、もうあなたに勝ち目はない。それに、負けてしまう所かムンナが……」

唯「…!」

ムー太「ム、ウウ…!」ゲホッ

唯「ムー太…!」

唯(そう、だ…。勝ってりっちゃんたちと戦いたい……でも、ムー太の身になにかあったら……)

唯「ムー太! ごめん…私……」

ムー太「ムウウ!」キッ

唯「……ムー太?」

ムー太「ムウ! ムウムウ、ムウウ!!」

唯「…もしかして……降参するなって?」

ムー太「ムウ!」

唯「でも…ムー太……」

ムー太「ムウムウ!」ポン!

唯「ムー太…」
732 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:55:25.41 ID:46F02odAO

ムー太「ムウ!」ニコッ

唯「……うんっ」

唯「…」キッ!

さわ子「! まさか、唯ちゃん……まだ戦うっていうの?」

唯「私はムー太を信じてるから!」

さわ子「…!」

ムー太「ムウ!」

さわ子「……いいわ。それでこそ、私の教え子よ!
…ジェーン! “だいばくはつ”でガスを撒き散らしなさい!!」

ジェーン「フワ〜…!」ゴゴゴ……

梓「“だいばくはつ”!?」

律「そんなことしたら、フワライドまで倒れちまうぞ!?」

さわ子「いいえ、あくまでガスを撒き散らすためのもの。普通の“だいばくはつ”とは違って、自身は傷つかないわ」

唯「!!」

さわ子「まさに必殺! これでKOよ!!」

唯「そんな…」

ムー太「…」

唯「…ムー太?」

ピカアアアッ!

唯「! ムー太の体が光って…!?」
733 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:57:12.61 ID:46F02odAO

ムー太「ムウウ…!」ピキピキ

ピカアアアッ!!!!!!!

さわ子「これは……進化!?」

マサキ『わいの“つきのいし”がまばゆい光を…』

ピカアアアッ!

ムー太(ムシャーナ)「ムシャー!」

唯「! ムシャーナ…!!」

律「ムシャーナだ!」

澪「この土壇場で進化するなんて…」

さわ子「いいえ…! この土壇場だからこそ、進化しても意味はない!」

ムー太「ムシャー!」

唯「今なら勝てるの…?」

ムー太「ムシャ!」コクッ

唯「うん、分かった! ムー太を信じてる!
ムー太、“チャージビーム”!!」

さわ子「その攻撃が届く前に“だいばくはつ”が決まるわ!」

ムー太「ムシャー!!」バチバチッ…

ジェーン「フワーッ!!」ゴゴゴ……


ドオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!


734 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:58:29.80 ID:46F02odAO

ヒュウッ!

梓「けほけほ!」

律「くそ、試合場全体にヘリウムガスが…」

紬「勝負はどうなったの…?」

…バタンッ!

ジェーン「」ガクッ

さわ子「!!」

唯「間に合った…みたいだね」

ムー太「ムシャ」

さわ子「どうして…?」

さわ子「“だいばくはつ”でヘリウムガスを大量に撒き散らしたはず…なのに、どうしてムシャーナは苦しんですらいないの?」

唯「…簡単だよ」

さわ子「! “だいばくはつ”が失敗した…?」

唯「ううん。ちゃんと“だいばくはつ”は成功して、ムー太の周りはヘリウムガスでいっぱいになった」

さわ子「ならムシャーナは気絶でもしていないとおかしいじゃない…」
735 :ぽけもん :2011/07/18(月) 20:59:08.29 ID:46F02odAO

唯「そうかな? もし、ムー太がヘリウムガスを吸いつづけても平気だったら?」

さわ子「そんなこと…」

唯「有り得るんだよ、さわちゃん」

さわ子「…!」

唯「ムー太の特性“シンクロ”を使ったの」

さわ子「“シンクロ”…?」

唯「うん。ムー太の“シンクロ”は普通とは違う。相手の能力をシンクロできる」

さわ子「能力をシンクロ!?」

梓「そ、そんなこと出来るんですか!?」
736 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:00:18.57 ID:46F02odAO

紬「有り得ない話じゃないかもしれないわ……メタモンだって“へんしん”するし」

梓「そんなの細胞を変化させて…」

紬「じゃあ、どうしてメタモンはそんなことが出来るのかしら?」

梓「それはメタモンの能力で…」

紬「それなら、ムシャーナにもあんな能力があっても不思議ではないじゃない?」

梓「それは……」

梓「でも! 他のムシャーナに同じことは出来ません!」

紬「環境の違い…とか? 色違いっていう個体もいるから」

梓「……」

紬「なんにしろ、私たちはポケモンについてまだまだ知らないことがあるみたい」

梓「また研究することが増えますね…」

紬「ふふ♪」

律(研究者だけあって見るところが違うよなあ)
737 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:01:40.94 ID:46F02odAO

唯「“シンクロ”でジェーンちゃんの能力をムー太がコピーしたんだよ」

唯「ヘリウムガスを作る能力をね!」

さわ子「!!」

さわ子「ヘリウムガスを…? そんな能力、あの状況で何の役に立つって言うの?」

唯「うん…その能力は使わなかった。でもその能力がムー太を守ってくれた」

さわ子「どういうこと…?」

唯「ヘリウムガスを作ることができるなら、自分がガスを吸っても平気ってことだよ」

さわ子「…!」

唯「ヘリウムガスを使って浮かんでるジェーンちゃんが、ヘリウムガスを吸って窒息してたら元も子もないもんね」

さわ子「…なるほどね、どうりで。
ムシャーナになったから倒せるっていうのは、おでこからヘリウムガスを出せるようになったからか。そこでヘリウムガスを生成することも出来るようね」
738 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:02:41.21 ID:46F02odAO

さわ子「……負けたわ」

マサキ『フワライド戦闘不能ーっ!』

律「やったな、唯!」

唯「うんっ!」

澪「唯は決勝リーグ出場決定か」

梓「やりましたね、唯先輩!」

紬「おめでとう♪」

和「どうなることかと思ったけど、無事に勝ててよかったわ」

純「流石ですよ!」

唯「えへへ〜」

マサキ『って待て待て! まだ終わっとらん終わっとらん!』

唯「……へ?」

マサキ『まだお互いに一体ずつしか出しとらんやろ!』

皆「あ……」

唯「ほ、ホントだ!」

マサキ『今更気づくんかい! というかバトルしとった張本人やろ!』

さわ子「…いいえ、終わったわ」

マサキ『はっ?』
739 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:04:58.18 ID:46F02odAO

さわ子「私の負けよ。今のバトルで分かるわ。このまま続けても、私は勝てない…」

唯「さわちゃん…」

さわ子「このバトル、棄権するわ!」

マサキ『な、なんやて!?』

唯「さ、さわちゃん!」

さわ子「……」

マサキ『…ええんやな?』

さわ子「ええ」

マサキ『なら…、第一試合! 勝者…平沢唯!!』

740 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:06:32.78 ID:46F02odAO

唯「…さわちゃん、」

さわ子「いいのよ。私はあくまでみんなが元気でいるか、顔を見に来ただけだから」

さわ子「…唯ちゃん。こんなこと言うのはあれだけど…先生ね、少しあなたが心配だったの。
澪ちゃんとムギちゃんが旅立っても唯ちゃんはまだマサラを発とうとしなかったから…。りっちゃんもだったけどね」

さわ子「でも先生の杞憂だったみたい。
…強くなったわね、唯ちゃん」

唯「…さわちゃん……」

唯「…うんっ!」

さわ子「ふふ♪ おめでとう、唯ちゃん。決勝リーグ頑張って」

唯「当たり前田けんのクラッカーだよ!」エヘン

さわ子「ちょっと違くない?」クス

タタタッ

梓「唯先輩ー! 今度こそおめでとうございます!」

律「やったな、唯!」

澪「唯は決勝リーグ出場決定か」

紬「おめでとう♪」

和「どうなることかと思ったけど、無事に勝ててよかったわ」

純「流石ですよ!」

唯「…無限ループってこわい!」


741 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:08:10.61 ID:46F02odAO

………

ワーワー…


さわ子「…ふふ」

ザッ…

「いやあ、いいバトルでしたね」

さわ子「! リョウ」

さわ子「来てたの?」

リョウ「来ちゃいました。四天王の方も大変なのに」

さわ子「……今、どんな状況?」

リョウ「四人のうち三人も抜けてちゃあね…。オーバさん頭真っ赤にしてましたよ」

さわ子「はあ…」

リョウ「僕はまだいいとして、さわ子さんと和さんは新米だからなあ」

さわ子「あなたも同じようなものでしょ。始末書は覚悟しておいた方がいいわよ」

リョウ「…はぁ」

さわ子「でもまぁ、その代償としてはそれなりだったわねっ」


742 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:13:34.65 ID:46F02odAO

………


マサキ『ほんじゃあ、第二試合始めるでえ!』

唯「次は誰だっけ?」

紬「Aブロックの次だから…」

マサキ『Cブロック! この試合はCブロックの一位を決めるバトルや!
ほんなら、律はんとミナキはんは試合場へ!』

律「おーっし、頑張るぜー!」

ミナキ「ふふ」

律「? なんだよ、ミナキ。気持ち悪いぞ」

ミナキ「失敬だな!」

ミナキ「…ごほん。まっ、でも仕方ないのだよ。
口元が緩くなってしまう理由があってね」

律「…は? おいおい、『君と戦うのが楽しみでつい…、ね』みたいなアホ台詞は勘弁だぜ?」

ミナキ「いやいや、確かにそれもあるけど…違うよ」

律「じゃあ何だよ?」

ミナキ「これを見るがいいさ!」

…ボム!

律「……?」

スタッ!

律「! こいつは…!?」

ミナキ「マイフェアリー・スウィートエンジェル……スイクンだ!!」

スイクン「クルー!!」
743 :ぽけもん :2011/07/18(月) 21:16:22.13 ID:46F02odAO
唯戦おわりで、今回はここまで。結構長引きました
ヘリウムガスについては、こまけぇこたぁ(ry

読んでくださった方はありがとうございました


・・・ムー太最強説
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/18(月) 21:29:46.95 ID:qzPHWGKCo
主人公だしねしょうがないね
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/18(月) 22:38:34.06 ID:2bH02LJRo
ミナキは結局スイクンゲットできないと思ってたらまさかのスイクン
伝説厨爆発しろですね
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 07:40:33.58 ID:TVTWj6DSO
あれBは?
もしかして憂がでてくるのか?
747 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:04:24.40 ID:5XlA6yxAO

唯「スイクンって、あの時の…!?」

律「なんでミナキが…」

ミナキ「ふふ。当然、言うまでもないさ」

澪「相手は伝説のポケモン……相当手強いぞ、律!」

律「大丈夫だ、相手はミナキだし!」

ミナキ「な、なんだその言い草は!? 君が困っていたところを助けたのも私だったんだぞ!」

ミナキ「それに、澪と梓の恩人でもある!」

澪「あ、あの時はありがとうございます」

梓「……、えと?」

ミナキ「覚えられてなーい!」

梓「?」

ミナキ「ごほん! まあいい。
なんにしろ、そう簡単に私に勝てるなんて思わないことだ」

律「…へへ、分かってるさ」

マサキ『両者準備はええな?』

律「おう」 ミナキ「ああ」

マサキ『バトル開始や!!』

律「いけ、ボルト!」ボム!

ミナキ「マルマイン、頼んだぞ!」ボム!

ボルト「ゼブウウッ!」

マルマイン「シュゴーッ!」
748 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:05:50.13 ID:5XlA6yxAO

律「! スイクンじゃあないのか…?」

ミナキ「もちろん。切り札は最後までとっておくものだろう?
…まあ、こいつも中々の強さだがな!」

マルマイン「シュゴーッ!」バリバリッ…

律「!」

ミナキ「“じゅうでん”はバッチリだ!
“スパーク”をおみまいしてやれ!!」

マルマイン「シュゴーッ!!」ビュンッ

ボルト「…っ!」

バチイイッ…!

律「ボルトォ!!」

ボルト「ゼブウウッ!!!」バリリッ!

ミナキ「!」

律「ボルトの特性は“でんきエンジン”。電気技は無意味だぜ」

ミナキ「…そうかな? よく見てみろ!」

ボルト「ゼブッ!?」ヨロッ…

律「! ボルト!?」

ボルト「…ゼブウ、」ビリビリ……

律「電気技が効いてる…? ウソだろ…!」
749 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:08:03.01 ID:5XlA6yxAO

ミナキ「“でんきエンジン”か…。確かに電気技を無効化するどころか、自分の力に変えてしまう特性だ。
だが、電気技が効かないだけで、喰らわない訳ではない」

ミナキ「言ってしまえば、“でんきエンジン”のおかげで電気技から守られている。ならば、それを使えなくすればいい。
例えば…傷つけるとかね」

律「!! よく見たらボルトの全身が傷だらけだ…!」

ミナキ「“ソニックブーム”。この技ならどんなに硬くても傷をつけられる」

律「…!!」

唯「ミナキさん、意外と強い…!」

澪「いや、実際に強いはずだ」

紬「あのスイクンを捕まえたんだものね…」

澪「……」

律「くそ…、これじゃあ電気技を喰らっちまう…」

ボルト「ゼブウ…」

ミナキ「ふふ…、“でんきエンジン”を無くした今、私のマルマインのスピードについてこられるかな?」

マルマイン「シュゴーッ!」ビュンッ

シュシュシュシュ……!

律「く…! こっちだってまだ……」

律「ボルト、“ニトロチャージ”だ!」

ボルト「ゼブウウッ!!」ボオオオッ!

ミナキ「…」

律「これでマルマインのスピードに追いつける! いけえええっ!!」

ボルト「ゼブウウッ!!」ボオオオッ

マルマイン「!」
750 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:10:19.75 ID:5XlA6yxAO

ガキッ…!

ボルト「ッ!?」ユラッ…

バタンッ!

律「…ボルト!?」

ボルト「ゼブウ…」ジリジリ……

律「ボルトの全身が焼け焦げてる…!」

ミナキ「故障しているエンジンのまま炎技を繰り出したら、そりゃあ暴走もするだろうね」

律「…くそ! ボルト、“こうそくいどう”だ!」

ボルト「ゼブウウッ!」ダッ

ミナキ「なに…!」

シュシュシュシュシュシュ…!

マルマイン「シュゴー!?」

ミナキ「マルマインのスピードに追いついただと!?」

律「へっ、もともとはあんたのマルマインに憧れて、スピード重視に鍛えていたんだ!
“ボルトチェンジ”!!」

ボルト「ゼブウウッ!!」

バチイイッ!!!!!!

マルマイン「…っ!」

ミナキ「くう! だが、電気技は効果が今ひとつ! 返り討ちにしてやれ、マルマイン!!」
751 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:12:08.89 ID:5XlA6yxAO

フッ……

ミナキ「!? ゼブライカが消えた…?」

マルマイン「…?」

律「後ろだ!!!」

バッ!

モール「ドリュウウ!」

ミナキ「…! ドリュウズ!?」

律「“ドリルライナー”!!」

ギュアアアアアンッ!!!!!!!!!!!

マルマイン「…ッ!!」

ドザアッ!

マルマイン「」ガクッ

マサキ『マルマイン戦闘不能や!』

律「よっしゃあ!」

唯「やったね、りっちゃん!」

梓「“ボルトチェンジ”は攻撃して他の手持ちポケモンと入れ替わる技! 上手いですっ!」

澪「でも…次に控えているのは、」

ミナキ「そうさ。地面タイプのドリュウズを出したのは、むしろ失敗だったな。
いくぞ、マイヴィンテージ・スイクン!」

スイクン「クルー!!」

律「今度こそスイクンか…!」

ミナキ「私のスイクンに勝てるかな?」
752 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:14:08.37 ID:5XlA6yxAO

律「…戻れ、モール」シュウウッ

ミナキ「……まっ、賢明な判断だな」

律「ボルト、頼む!」ボム!

ボルト「ゼブウウッ!」

律「やってやる! タイプ相性ならこっちが勝ってるんだ!」

律「ボルト、“ワイルドボルト”ォ!!」

ボルト「ゼブウウッ!!」ダッ!

バチバチッ…!

ミナキ「ふふ…果たして、そう簡単にいくかな?」

スイクン「…」ヴン!

ボルト「…!」

マスキッパ「キパー!!」

律「な…!?」

ミナキ「“パワーウィップ”!」

マスキッパ「キパー!!」シュルルッ

ボルト「!」ガシッ

ビタアアンッ!

ボルト「ゼブ…っ!?」ガハッ…!

律「な、んで…マスキッパが!?」

ミナキ「ふふ…“パワーウィップ”だ!」

マスキッパ「キパーッ!!」シュッ

バチイイッ!

ボルト「!?」ゴッ…!

ドシャアッ!

ボルト「」バタッ

マサキ『ゼ、ゼブライカ戦闘不能や!』
753 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:15:22.25 ID:5XlA6yxAO

律「ボルト…!」

紬「どうしてマスキッパが…?」

唯「きっとりっちゃんみたいにポケモンを入れ替える技を使ったんだよ!」

梓「スイクンにそんな技使えましたっけ…」

和「ううん、それは有り得ないわ。だって入れ替えるポケモンがもういないじゃない」

澪「これは2対2のバトル…ミナキさんの手持ちはすでにマルマインが倒されて、あとはスイクンだけ。これ以上はポケモンを使えない」

純「じゃあ反則じゃないですかー!」ブーブー!

ミナキ「ノンノン、反則じゃないさ。今から証明してみせよう。
…マスキッパ!」

マスキッパ「…」ヴン!

スイクン「クルー!」

梓「マスキッパがスイクンに!」

ミナキ「よーく見ていてくれ」

スイクン「…」ヴン…

紬「! スイクンの周りに虹みたいなものが…」

ミナキ「オーロラさ」

梓「オーロラ…!」

ミナキ「オーロラを利用して姿を変えるのさ。言わば幻覚みたいなものだな」
754 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:16:40.52 ID:5XlA6yxAO

ヴン!

ピカチュウ「ピカ!」

唯「かわいい〜!」ダキッ!

ピカチュウ「チャ〜!?」

澪梓和(いつのまにっ!!)

唯「ピカチュウと言えばポケモン界のアイドルだよね!
一度はスリスリしてみたかったんだあ〜。すりすりすりすり♪」

ピカチュウ「チャ〜…」

唯「…?」

唯(あれ…? このピカチュウ、何か変…)

マサキ『コラー!!!』

唯「!」

マサキ『唯はん、試合の邪魔やー!!』

唯「ご、ごめんなさ〜い!」タタッ

マサキ『まったく…。さあ、試合再開やで』

ミナキ「ピカチュウ、元に戻るんだ」

ピカチュウ「ピカ!」ヴン!

スイクン「クルー!」

律「…へへ」

ミナキ「なんだ?」

律「思い付いたぜ。そのオーロラの対処法を!」

ミナキ「なに…?」

律「モール、“すなあらし”!」ボム!

モール「ドリュウウ!」

ビュオオオッ!

スイクン「クルー!?」

ミナキ「む…っ!」
755 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:18:04.39 ID:5XlA6yxAO

律「この砂嵐の中じゃオーロラも作れないだろ!
これで姿を変えることはできないぜ!」

律「しかも! スイクンは水タイプだ。この天気だと、地面タイプのモールと比べたら…スピードは天と地の差だぜ!!」

モール「ドリュ!」ダッ!

スイクン「!」

律「“ドリルライナー”!!」

モール「ドリュウウ!!」ギュアアン!

バシャアアアアンッ!!!!!!!!!!!!

律「やったか…?」

バサバサッ!

ピジョン「ピジョー!」

律「! まさか…スイクンか!?」

ミナキ「そうだ!」

律「オーロラを封じたはずなのに…なんで姿を変えられるんだよ!?」

ミナキ「オーロラは関係ないのさ」

律「…!」

ミナキ「オーロラはただの飾り。うまく君の目を引き付けてくれたよ。なんせ、少しでも気を抜いたらばれてしまうからね。実は“へんしん”で姿を変えていることが…」

律「…。お前、今なんつった?」

ミナキ「え? ……あっ」
756 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:19:48.61 ID:5XlA6yxAO

律「………」

ミナキ「…は、はは。
ピ、ピジョン! 元の姿に…」

律「させるかぁ! モール、“こうそくスピン”で砂を巻き上げろ!!」

モール「ドリュウッ!!」ギュルンッ!

ブアアアアアッ!!!!!!!!!

ピジョン「ピ、ピジョー!?」

ミナキ「あ、ああっ…!」

律「“きりさく”だぁあ!!!」

モール「ドリュウウッ!!」シャキッ

ジャギイイッ!!!!!


…ボテッ!

メタモン「…〜、」ピクピク

梓「あ…」

紬「メタモンだったのね…」

澪「…はは」

唯(ピカチュウちゃんの目が変だったのは、こういうことだったんだね)

マサキ『スイクン改め、メタモン戦闘不能ー!
よって勝者は田井中律ー!!』

唯「おめでとう、りっちゃん!」

梓「律先ぱ…」

律「………どういうことか、説明してくれるよなぁ?」

ミナキ「は、はは…。えっと……」

ミナキ「ごめんなさいでしたーっ!!」ダダッ!

律「待てーい!!」ダッ!
757 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:21:11.79 ID:5XlA6yxAO

ミナキ「落ち着け、話せば分かる!」

律「うるせえ! やっぱり反則じゃねえか!」

ミナキ「なんだと、これも戦術の一つだ! バトルは戦う前から始まっているのだよ!」

律「つーかスイクンは諦めたのか! メタモンを代わりにしてんじゃねえ!」

ミナキ「う、うるさいぞ! 私がスイクンを手に入れるには、もうメタモンに“へんしん”させるしかなかったんだ!
スイクンの姿を拝められれば、それでいいのだー!!」ダダダッ

律「この駄目男がぁーっ!!!」

ミナキ「ギャアーッ!!?」


梓「大丈夫ですかね…ミナキさん」

唯「でもこれで、りっちゃんも決勝リーグ出場決定だね!」

和「次は……私ね」ザッ…

唯紬「頑張って、和ちゃん!」

梓純「頑張ってください!」

澪「応援してるよ、和」

和「ええ」


758 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:22:29.23 ID:5XlA6yxAO

…………

マサキ『第三試合始めるでー!』

マサキ『第三試合ではDブロック一位を決める。
対戦者の二人、和はんとゴヨウはんは試合場についてくれ』

ザッ…

和「…」

ゴヨウ「…」

マサキ『試合始めやー!』

ボム!

紬「二人の出したポケモンは…!?」

エルレイド「レイー!」

ドータクン「オオオン!」

和「…!」

梓「エルレイド対ドータクン! 中々のカードです!」

ゴヨウ「ドータクン、“トリックルーム”!」

ドータクン「オオオン…!」ギュウウン!

シュンッ!

ドータクン「オン!!」バッ

エルレイド「!?」

ゴヨウ「“じんつうりき”です!」

ウィィィン!

エルレイド「レイ…!?」ズサアッ!

和「…っ!」
759 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:24:46.62 ID:5XlA6yxAO

ゴヨウ「“トリックルーム”は素早さの高低を逆転させる技! 素早さが低いほど、スピードは速くなります!」

澪「素早さが低いドータクンには最適な技ってことか!」

紬「ゴヨウさんは和ちゃんの師匠…、和ちゃんの手持ちポケモンを知っているはずよ。
和ちゃんの手持ちにはドータクンよりも素早さが低いポケモンがいないと知っているからこそ、できる戦術…!」

唯「そんな! じゃあ、和ちゃんの戦法も全部バレバレってこと!?」

梓「そうなりますね…。和先輩が戦い方を教わった人がゴヨウさんなんですから…!」

ゴヨウ「貴女のポケモンも戦術もバトルの癖も…すべてお見通しですよ」

和「……エルレイド!」

エルレイド「レイッ!」ダッ!

ゴヨウ「!」

和「“シザークロス”!」

ザギイイッ!

ドータクン「…オオオン!?」

エルレイド「…」スタッ

ゴヨウ「…何故こうも速く反応を?」

和「ゴヨウさんだけじゃありません。私だって見てきました。ゴヨウさんの手持ちポケモン、戦術、バトルの癖…。
だって、ゴヨウさんにバトルを教わったのは私だから!」

ゴヨウ「! ふ…、お見通しなのはお互い同じでしたね」
760 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:26:23.96 ID:5XlA6yxAO

和「エルレイド!」

ゴヨウ「ドータクン!」

エルレイド「レイ!」

ドータクン「オオン!」

和「“サイコカッター”よ!」

エルレイド「レイ!」シャキンッ

ゴヨウ「遅い!」

シュンッ!

ドータクン「オン!!」バッ

エルレイド「エル…!」

ゴヨウ「“シャドーボール”!!」

ドータクン「オン…!」ギュアッ…

和「エルレイド、後退して!」

エルレイド「レイ!」タッ

ドータクン「オン!?」スカッ…

和「そのまま後ろに走り続けるのよ!」

エルレイド「レイー!!」タッタッタ…

ゴヨウ「! バック走? まさか…」

エルレイド「レイー!!」タタタタタ…!

和「“トリックルーム”内では素早さが逆転する…なら、それを利用するわ!
慣れないバック走でなら、普段のスピードより遅く動ける。それでスピードが速くなる!」

エルレイド「レイー!」タッ!

シュンッ!

和「“れんぞくぎり”!」
761 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:27:52.33 ID:5XlA6yxAO

エルレイド「エル!」シャキッ

ドータクン「!!」

ザキッ…!

エルレイド「レイ!!」

ザキイッ!!!

…シャキンッ!

エルレイド「ドォオーッ!!!」

ザキイイイイイッ!!!!!

ドータクン「オオオン…!!?」グラッ…

ゴヨウ「ドータクン…っ!」

和「これでトドメ! もう一度“れんぞくぎり”!!」

エルレイド「レイー!!」シャキンッ!

ゴヨウ「…!!」

ザキイイイイイッ…!


唯「決まった…?」

澪「いや…!」

ドスッ!

エルレイド「…っ!?」

和「!!」

ドータクン「…」ニヤ

ゴヨウ「危なかったですね…」

和「どうして…」

ゴヨウ「“トリックルーム”が解けました」

和「…!」
762 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:33:00.32 ID:5XlA6yxAO

紬「“トリックルーム”が…!」

梓「素早さの高低が元に戻った……」

ゴヨウ「本来ならエルレイドの素早さにドータクンが追いつけるはずはありませんが、エルレイドはバック走をしながら攻撃をしていました…当然隙だらけです」

和「“トリックルーム”に合わせてスピードを遅くしたことが仇になりましたか…」

ゴヨウ「惜しかったですね。この勝負はもらいましたよ!
ドータクン、“ヘビーボンバー”!!」

ドータクン「オオオン!」バッ

和「!」

ドオオオン!!!!!

ゴヨウ「“ヘビーボンバー”は自分の体重が相手より重いほど威力が高くなる技。そのエルレイドにドータクンの体重を支えられますか!?」

ドータクン「オオオン!」

エルレイド「…ッ!」ズシッ…

和「いや…まだ! 体重差はそこまで大きくないわ!」

ゴヨウ「そうですかね?」

ズンッ…!

エルレイド「…ッ!?」ズシイッ…!

和「な…!」
763 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:34:43.11 ID:5XlA6yxAO

ゴヨウ「私のドータクンの特性は体重を二倍にする“ヘヴィメタル”です!
これで体重差は歴然! エルレイドは屈します!!」

ドータクン「ォォオオオオ!!」ググッ!

エルレイド「…ッッ!!!」ズズ…

…ゴシャアアッ!!!!!!!

ゴヨウ「…戦闘不能、ですかね」

シュタッ!

エルレイド「レイー!!」バンッ

ゴヨウ「!? な、に…! 何故エルレイドは立って……、」

ドータクン「オオ…?」フラフラ

ゴヨウ「…体重差で圧倒的に優勢なはずのドータクンがフラついているんですか!?」

和「教えてくれてありがとうございます」

ゴヨウ「! なにを…?」

和「ドータクンの特性が“ヘヴィメタル”だということですよ。おかげで潰されずに済みました」

ゴヨウ「特性…?」チラ

エルレイド「…」ズシ…

ゴヨウ「! …“スキルスワップ”ですか」

和「はい。エルレイドとドータクンの特性を入れ替えました。
ドータクンの特性は“ふくつのこころ”に、エルレイドの特性は“ヘヴィメタル”に」
764 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:36:36.59 ID:5XlA6yxAO

ゴヨウ「エルレイドは体重が二倍となり、ドータクンと体重差が縮まった……だからドータクンの“ヘビーボンバー”は効かなくなりましたか…」

ゴヨウ「良い戦術です。…ですが、それは一時的に優位に立っただけ!
結局はこちらに分があります!」

和「どうしてそう思うんですか?」

ゴヨウ「“スキルスワップ”ですよ」

和「…」

ゴヨウ「互いの特性を入れ替えたことで、先程の状況ではそちらが有利になりましたが、今はこちらが有利です。
エルレイドは二倍になった体重のまま戦わなければなりません。慣れない体重でドータクンと張り合えますかね?」

ドータクン「オオオン!」ギロ

エルレイド「…ッ」ズシ

ゴヨウ「“ジャイロボール”!」

ドータクン「オオ!」ギュル…

ギュウウン!!!!

エルレイド「……」

シュンッ!

ドータクン「…!」

ゴヨウ「消えた!?」

和「真上よっ!」

ダッ!

エルレイド「レイー!」

ゴヨウ「有り得ない…! あの体重で、どこにあんなスピードが…!?」

和「言いましたよね。エルレイドの特性は“ふくつのこころ”…。それでスピードが上がったんです」

ゴヨウ「! 最初のドータクンの“じんつうりき”で怯んで…!!」
765 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:39:15.42 ID:5XlA6yxAO

和「…エルレイド!」

エルレイド「エル!!」シャキンッ

ゴヨウ「くっ……かわしなさい!!」

ドータクン「オオ…」オロオロ

和「“リーフブレード”!!」

エルレイド「レイドォオオオ!!!」

ザキイイイイイッ!!!!!!!!!!

ドータクン「」ドシャアッ!

マサキ『ドータクン、戦闘不能や!』

ゴヨウ「…!」

唯「やったよ和ちゃん!」

澪「いいぞ、和!」

純「この調子でガンガン行っちゃいましょー!」

ゴヨウ「戻りなさい、ドータクン」シュウッ

和「…」

エルレイド「…」シャキンッ

ゴヨウ「…ふふ、実に面白いものですよ」

和「……」

ゴヨウ「テンガン山で戦った時と同じですね。
私のドータクンがやられ、そして…」カチッ

ゴヨウ「このポケモンが貴女を倒す!」

ボム!

ランクルス「クルース!!」

和「あの時の…!」

唯「ぞうふくポケモン、ランクルス! ゴヨウさんの切り札!!」

ゴヨウ「ただ一度を除いて、負けなしの私のランクルスに敵いますかね?」

和「…あの時とは違う! エルレイドだって進化しているし、私も成長しています!
同じ結果にはなりませんよ!」

和「エルレイド! “リーフブレード”!!」

エルレイド「レイーッ!!」シャキッ…

ザギイイッ!!!!!!!


和(決まった…!)

エルレイド「……?」

ランクルス「…」ブク…

ブクブクブクブク!!!!!!

和「え…!?」

ベチャベチャ!

エルレイド「!」ベチャ…
766 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:40:58.17 ID:5XlA6yxAO

和「ランクルスの体の液体が飛び散って…これは……」

ゴヨウ「“サイコキネシス”…!」

ウィィィン!!!!!!

エルレイド「…っ!!?」

ドオオオン!!!!!!!

バタアッ!

エルレイド「」ガクッ

和「エルレイド…っ!」

マサキ『エ、エルレイド戦闘不能や!』

ベチャ…

フラァー……

梓「あれは…なんですか…?」

紬「唯ちゃん、ゴヨウさんと戦ったことがある唯ちゃんには分かるかしら?」

唯「う、ううん…私の時はあんなことしてこなかったよぉ……」

ゴヨウ「…ふふ。そんなに気味の悪いものではないですよ。この浮かんでいるゼリー状の物体は、ランクルスの体の一部です」

和「ランクルスの…?」

ゴヨウ「ほら、ランクルスの体を包んでいた緑色の液体…それが先程のエルレイドの攻撃で分裂したんです」
767 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:43:13.02 ID:5XlA6yxAO

和「分裂…? でもなんでこんな飛び回って…」

ゴヨウ「この液体はランクルスの細胞なんです。
ランクルスはサイコパワーで自身の細胞を自由に操り、行動をします」

ゴヨウ「ならば、細胞である周りの液体も自由自在に動かすことができる。こうやって体から離して空中で泳がしたり、再び体にくっつけたり…ね」

フラァー…

ピトッ!

ランクルス「クルース!」

和「! 元の姿に戻った!」

ゴヨウ「この意味が…分かりますか?」

和「……」

和「…! 攻撃が、届かない…?」

ゴヨウ「ご名答。体の周りに液体がある限り…液体は退かせても、本体のランクルスには攻撃そのものが届きません!
そして、私のランクルスは液体を接着するのが素早く、液体を退かして追撃しようと思っても間に合わない。
これこそ完璧な守り! 貴女にはこの守りは打ち破れない!!」

和「……いいえ。私だって、馬鹿じゃありません。
またゴヨウさんと戦う日が来るのを願い、そしてその時は絶対に勝ってみせると誓いました」

ゴヨウ「……」

和「…そのために捕まえたポケモンがいます。この子で貴方のランクルスを破ってみせるわ!
行って、ゴチルゼル!!」ボム!

ゴチルゼル「ゴチルゼー!」

ゴヨウ「ゴチルゼル…!」
768 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:45:05.38 ID:5XlA6yxAO

和「イッシュ地方まで行くのは大変だったけど、おかげでゴヨウさんに勝てる!」

ゴヨウ「いくら同じイッシュのポケモンだからといっても、強さが同等とは限りませんよ!」

和「そんなの…今から試すわ!」

ゴチルゼル「ゴチ!」キッ

和「“サイコキネシス”!」

ゴチルゼル「チルゼーッ!!」シュパアアッ!

ランクルス「…!」

パアアアアアンッ!!!!!!

ランクルス「クルース!!?」パシャッ…!

ベチャベチャベチャアッ!!!!!!

澪「なんて威力の“サイコキネシス”だ…! ランクルスを包んでいた液体がほとんど飛び散ったぞ!」

ゴヨウ「…そう簡単ではない!」

ランクルス「クルース!!」ウィン!

フラァー……

ピトピトッ!

ランクルス「クルース!」キッ

和「…!」

梓「ランクルスが元に戻って……本当に一瞬でした…!」

ゴヨウ「言ったでしょう。私のランクルスには敵わない、と!」
769 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:46:47.66 ID:5XlA6yxAO

和「いいえ、その液体のトリックが分かりました」

ゴヨウ「!」

澪「トリック…?」

和「通常のランクルスではこんなことはできない。そうですよね?」

ゴヨウ「……気づかれましたか」

和「貴方のランクルスの持ち物は“あやしいおこう”。それでランクルスのサイコパワーを高めて、細胞を自由自在に動かすことを可能にした…」

ゴヨウ「その通りですよ。…どうして分かったのですか?」

和「“おみとおし”…ゴチルゼルの特性です」

ゴヨウ「…なるほど」

ゴヨウ「……しかし、トリックが分かっても“あやしいおこう”を除去はできない!」

和「…ゴチルゼル」

ゴチルゼル「チルゼーッ!!」パアアアッ!

ランクルス「…!」ピクッ

ゴヨウ「これは…“マジックルーム”!?」

和「はい。この空間にいる限り、道具の効果はなくなる!
ゴチルゼル、“サイコキネシス”!!」

ゴチルゼル「チルゼーッ!!」ウィン!

ランクルス「!!」

パシャアアッ!!!!!

ゴヨウ「! しまっ…」
770 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:47:41.27 ID:5XlA6yxAO

梓「ランクルスを守っていた液体がなくなりました! もう液体がランクルスの周りに戻ることもない! 今がチャンスです!!」

和「“サイコショック”よ!」

ゴチルゼル「チルゼーッ!!」シュパアア!

ゴヨウ「…くっ! ランクルス、“サイコキネシス”!!」

ランクルス「ク…ルース!!」ウィン!

ドガアアアアアアン!!!!!!!!!!!!

771 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:49:52.37 ID:5XlA6yxAO

シュウウッ…!

和「……」

ゴチルゼル「……」

ゴヨウ「……、!」

ランクルス「」バタッ

ゴヨウ「お見事…」

マサキ『ランクルス戦闘不能!!
よって勝者は、真鍋和ー!!!』


ゴチルゼル「チル…」フラ…

和「よくやってくれたわ、ゴチルゼル。ありがとう」シュウウッ

ゴヨウ「ランクルス、戻りなさい」パシュッ

和「!」

ゴヨウ「まさか…私のランクルスが敗北するとは……流石は四天王というところでしょうか。
良いバトルでしたよ、和さん」

和「ゴヨウさ…」唯「和ちゃ〜ん!!」

和「! …唯! みんなも…」

唯「おめでとう和ちゃん!」

澪「やっぱりすごいな、和」

梓「おめでとうございます! 和先輩!」

紬「すごかったわ〜♪」

純「新・旧四天王対決となると、レベルが違いますよね〜!」

律「今度は私とバトルしてくれよ、和!」

和「ありがとう、みんな。ていうか律はいつの間に…?」

律「片付けてきた」

ミナキだったもの「」



772 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:51:13.85 ID:5XlA6yxAO

……………

ゴヨウ「…さて、私は一足先に帰りますか。これ以上はこの世界にはいられませんし」ザッ…

「素晴らしいバトルでしたよ、ゴヨウさん」

ゴヨウ「! カトレアさん」

カトレア「あの人が真鍋和さんですか」

ゴヨウ「ええ」

カトレア「…貴方の言った通り、完全なお方ですね」

ゴヨウ「…いえ、彼女は不完全ですよ」

カトレア「え…?」

ゴヨウ「不完全であるから完全…。彼女達から学びました」

カトレア「ゴヨウさん…」

ゴヨウ「…そうだ。コクランさんのこと、おめでとうございます」

カトレア「…はいっ!」ニコッ



773 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:52:35.76 ID:5XlA6yxAO

…………

マサキ『さあて、第四試合を開始するで!
紬はんとイツキはんは競技場についてくれ!』

紬「…」

イツキ「…」

梓「頑張ってください、ムギ先輩!」

唯「ムギちゃん、頑張れ〜!」

律(ムギもバトルでは私たちの先輩だ。どんなバトルをするか楽しみだな!)

マサキ『この第四試合ではEブロックの一位を決めるで!
バトル始めやー!!』

紬「まずはあなたよ!」ボム!

イツキ「行ってください!」ボム!

ネル「トゥートゥー!」

ネイティオ「トゥトゥー!」

紬イツキ「…!!」

774 :ぽけもん :2011/07/25(月) 21:56:24.35 ID:5XlA6yxAO
りっちゃん戦、わちゃん戦終了で今回はここまでです
ミナキにスイクンは持たせませんww
読んでくださった方、ありがとうございます
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 22:08:15.43 ID:Q6lrKO2xo

ミナキ涙目
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 03:55:54.45 ID:Pgkr+fXSO
ちなみにへんしんしたメタモンの目が変なのはアニメのポケモンのカントー編に出てくる一匹のとある所有者のメタモンだけ
それいがいは簡単にメタモンのへんしんは見破れない
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 22:34:35.40 ID:GUFaXppDO
>>1の好きなように書かせてやれよ
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 01:18:04.76 ID:KuLER8YSO
ごめんなさい
779 :ぽけもん [sage]:2011/08/01(月) 21:59:59.42 ID:95/I5OTAO
>>776
イミテだっけ? 何気にジョウト編も出てましたよね あの頃のロケット団は面白かったなぁ…

ピカチュウだけ目が変なのは、懐かしい&本物のピカチュウはこのSSでは出さない。という訳です(出したかもしれん…)
気分を悪くしたならすみません

では投下していきます!
780 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:01:26.83 ID:95/I5OTAO

梓「これは…!」

律「ネイティオ対決!?」

ネル「トゥートゥー!」

ネイティオ「トゥトゥー!」

イツキ「んっふ、これはこれは」

紬「…」

紬(ネルは元はイツキさんのポケモン…勝つ見込みはほとんどないけど、やってみせる!)

紬「ネル、“つばめがえし”!」

ネル「トゥートゥー!」バサッ!

ネイティオ「!」

イツキ「ネイティオ、こちらも“つばめがえし”です!」

ネイティオ「トゥトゥー!」バササッ!

ガキイイイッ!!!!!!

ネル・ネイティオ「……ッ!!」

律「! パワーは互角か…!?」

澪「いや…、ムギのネイティオの方が僅かに勝ってる!」

ネイティオ「…ッ」ズキッ…

イツキ「ネイティオ!」

紬「いいわよ、ネル!」

ネル「トゥートゥー!」
781 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:03:46.33 ID:95/I5OTAO

紬(パワーではこっちが勝ってる! これなら…)

イツキ「…んっふ」

紬「!」

イツキ「いやはや…同じポケモンでも育て方が違うと、こうまで能力に違いができるものですか。紬さんのネイティオは攻撃の方面を重視して育てたようですね」

イツキ「…なら、こんな芸当は出来ないはずだ」

ネイティオ「……」シーン…

紬「……?」

紬(なに…?)

イツキ「さあて…、どこからでもかかってきてください」

紬「で、でも…ネイティオは目を瞑って…」

イツキ「んっふ。どこからでもかかってきてください?」

紬「……それなら、そうさせて貰います! ネル!!」

ネル「トゥートゥー!」バサッ!

紬「“エアスラッシュ”!」

ネル「トゥートゥー!!」ビュンッ!

ギュウウウンッ!!!!

ネイティオ「……」

ネイティオ「…トゥトゥー!!」ギンッ!

紬「…!!」

バササッ!

ネイティオ「トゥトゥー!!」ギュンッ

ネル「…!?」

紬「そんなギリギリでかわすなんて…っ!」
782 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:07:22.53 ID:95/I5OTAO

イツキ「んっふ……“ねっぷう”!」

ネイティオ「トゥトゥー!!」ビュオッ!

ビュウウウウウッ!!!!!!!!

ネル「トゥートゥー!?」ドサアッ!

紬「ネル…っ!!」

ネル「トゥ…」ヨロッ…

イツキ「…んっふ……、『未来予知』……」

イツキ「超能力の一種で、その名の通り、未来を予め知るという能力です。完全な未来を予知するのは、あのナツメさんでも不可能らしいのですが……」

イツキ「僕のネイティオは完全に予知できるのです…未来を!」

紬「…!!」

梓「未来を予知できる!? それじゃあ…!」

和「…ネイティオは知っているんでしょう。この先の未来を…これからムギのネイティオがどんな攻撃をしてくるのかを…!」

イツキ「んっふ。そして…このバトルの勝敗も、ね」

ネイティオ「……」

イツキ「ネイティオの右目は未来を、左目は過去を、それぞれ見据えている!
その右目を通して未来を見よ!!」

ネイティオ「トゥトゥー!!」ギンッ!

紬「…!」

イツキ「…見えたようですね。それでは行きましょうか!」
783 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:09:12.54 ID:95/I5OTAO

ネイティオ「トゥトゥー!」ビュンッ!

律「今度は自分から…!」

紬「ネル、迎え撃って! “サイ……」

イツキ「“さきどり”です!」

ネイティオ「ッ!」カッ!

イツキ「“サイコキネシス”!!!」

ウィン!

ネル「!?」

ボオオオオンッ!!!!!!!

……ビュオッ!

ネル「トゥートゥー!!!」バサッ!

ネイティオ「!」

紬「“あやしいひかり”よ!」

ネル「トゥートゥー!!」キュインッ!

ネイティオ「…!?」クラッ…

ドサッ!

紬「やった…!」

澪「いいぞ! 混乱すれば、未来予知なんてこと出来ない!」

唯「そのまま追撃だよ、ムギちゃん!」

紬「ええ!」
784 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:10:58.24 ID:95/I5OTAO

バサアッ…!

紬「……ッ!?」クルッ

ネイティオ「トゥトゥー!!」バンッ

紬「! 混乱していない!? 確かに“あやしいひかり”を当てたのに…!」

ネル「トゥ〜トゥ〜?」クラクラ…

唯「逆にネルちゃんが混乱してるよ〜!?」

イツキ「僕のネイティオの特性は“マジックミラー”。常時“マジックコート”状態……“あやしいひかり”は跳ね返しますよ!」

紬「“マジックミラー”…!」

イツキ「そろそろフィニッシュです! “ドリルくちばし”!!」

ネイティオ「トゥトゥー!!」ギュインッ

ドギュウウウウッ!!!!!!!!!!

ネル「」ドサッ

マサキ『紬はんのネイティオ戦闘不能やー!!』

唯「ああっ…!」

梓「先手を取られました…ここから一匹で巻き返すのは辛いですね…」

澪「でも、ムギなら大丈夫だ」
785 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:13:11.31 ID:95/I5OTAO

紬「……」

紬「ネル、ありがとう。休んでて」シュウウッ

紬「…次はあなたよ! ルカ!!」ボム!

ルカ「オークタン!!」

イツキ「オクタンですか。…んっふ、ネイティオ!」

ネイティオ「……」

イツキ「その右目で捉えよ! これから起こる出来事をッ!!」

ネイティオ「…ッ!」ギンッ

紬「ルカ、“オクタンほう”!」

ルカ「オークタン!」プシャアッ!

ネイティオ「!?」バシャッ!

イツキ「!」

紬「これで未来が見えなくなったはずです!」

ネイティオ「…っ」タラァ…

イツキ「! 右目が墨で…!」

紬「……このビジョンは見えなかったみたいですね」

イツキ「…!」

紬「ネイティオの右目に未来が映るなら、この未来もすでに見えていたはずです。それなのにルカの攻撃をかわせなかった…」

紬「なぜなら未来を見るにはある儀式を行わなければならなかったから。ある儀式とは、そう…“めいそう”です」

イツキ「…、」

純「あのネイティオ、なんかボーッとしてると思ったらそういうことか」

ナツメ「“めいそう”はサイコパワーを高めるのに使うエスパー技だからね」

梓「…ナツメさん、いつの間にいたんですか?」

ナツメ「“テレポート”」

ケーシィ「ケシシっ!」

唯「久しぶりだね、ケーシィちゃあん! 何度見てもかわいいよ〜!」ダキツキッ!

梓「……はぁ」
786 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:15:40.56 ID:95/I5OTAO

紬「右目が見えない今のネイティオには、もう過去しか見えない。こうなるとおかしなことが起きるわ。右目で未来を、左目で過去を見るなら…現在はどうやって見ているのか……」

イツキ「…んっふ、まさかそこに気づかれるとは」

紬「右目と左目以外の目…つまり、両目! ネイティオは両目で現在を見ている! なら、右目が見えなくなった今…未来どころか現在も見えなくなっているわ!」

紬「過去に囚われた者の末路は…敗北よ! ルカ、“だいもんじ”!!」

ルカ「オークタァン!!!」ボオオッ

ゴアアアアアアッ!!!!!!!!!!

ネイティオ「トゥトゥー!!?」ボウウッ…!

ドオオオン!

ネイティオ「」ガクッ

マサキ『ネイティオ戦闘不能やー!』

イツキ「…んっふ。ここまで来ると小手先の戦法は通用しませんか。フーディン!」ボム!

フーディン「フーッ!」

イツキ「ここからは超能力バトルです! …フーディン!!」

フーディン「フーッ!」ダッ!

紬「ふふ♪ …ルカ!」

ルカ「オークタン!」ダッ!

紬イツキ「ふんもっふ!!」

ボオオオオンッ!!!!!!
787 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:17:36.86 ID:95/I5OTAO

唯「面白い名前の技だね!」

ナツメ「あれはイツキ独特の叫び声だから」

律「ないないあれはない」

澪(いいな……)

シュウウッ…!

フーディン「フン!」スタッ

ルカ「オク!」シュタッ

イツキ「最初の頃とは比べものにならないほどの威力……僕のフーディンと同等までになるとは、嬉しい限りです」

紬「えへへ…」テレテレ

イツキ「ですがこれは本気の勝負! 全力で行かせて貰います!!」

紬「望むところです!」

イツキ「んっふ…、フーディン!」

フーディン「フーッ!」ダッ!

紬「!」

イツキ「“サイケこうせん”!!」

フーディン「フーッ!!」ウイイン!

ルカ「…っ!」ジリッ…

紬「踏ん張って、ルカ!」

ルカ「オーク…タン!!」ググッ…

フーディン「…!」

紬「“しおふき”よ!」

バシャアアッ!

フーディン「フーッ!?」ドサアッ!

イツキ「! “きゅうばん”を使って、耐え抜きましたか…!」
788 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:19:31.77 ID:95/I5OTAO

紬「“すてみタックル”!!」

ルカ「オークタン!!」ダダッ!

フーディン「!」

イツキ「オクタンとは思えない速さ……いいでしょう。受け止めるのです!」

ドガアンッ!!!!

ルカ「オークタン…!!」

フーディン「フーッ…!!」ギチギチ…!

イツキ(フーディンは接近戦を得意としない……組み合えばパワーで押し負ける…ッ!)

イツキ「フーディン、“かみなりパンチ”でオクタンを振りほどいて…」

スカッ…!

フーディン「…!?」ドタッ!

イツキ「! オクタンは…!?」

ナツメ「…後ろよ、イツキ!」

ルカ「オークタン!!」バッ

イツキ「“かげぶんしん”…! フーディンと組み合っていたのは、分身でしたか!」

紬「この一撃にすべてを懸けます!!」

ルカ「オクー…ッ!!」

イツキ「く…!!」

紬「ふーんもっふッ!!!」

ルカ「オクーッッ!!!」ビュンッ!

オオオオオ…!!!!

イツキ「“きあいだま”で撃ち落とせ!!」

フーディン「フーッ!!!」ギュオッ!

パアアアン…!

梓「相殺した…!!」
789 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:21:49.23 ID:95/I5OTAO

イツキ「んっふ、危ないところでした…」

イツキ「とりあえずこれで仕切り直し…」

イツキ「て…!?」

ビュンッ! ビュンッ!

紬「…ごめんなさい、イツキさん。『この一撃にすべてを懸ける』って言ったけど、間違いです」

紬「一撃じゃありませんでした」

ビュオオオ…!!!!!

イツキ「こ、の技は……“ロックブラスト”!!?」

フーディン「…ッ!!!」

イツキ「く…っ! この数は受けきれない…!!」

ドドドドドドドド……………ドオオオン!!!!!!!!!!!!!

パラ……

バタアン!

フーディン「」ガクッ

マサキ『フーディン戦闘不能や! よって勝者は琴吹紬ー!!』

紬「……っ!」

タタッ!

唯「おめでとう、ムギちゃあん!」

律「いや〜、熱いバトルだったな!」

和「いいバトルだったわ」

澪「おめでとう、ムギ!」

純「おめでとうございます!」

梓「あそこから巻き返すとは…見事でした、ムギ先輩!」

紬「ふふ…ありがとう♪」



790 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:22:40.12 ID:95/I5OTAO

………


フーディン「…、」

イツキ「ご苦労様です、フーディン」パシュッ

ナツメ「強くなっていたわね、彼女」

イツキ「ナツメさん…」

イツキ「はは、負けてしまいましたよ」

イツキ「これは、キョウさんとシバさんも油断なりませんね」

ナツメ「あのね…彼女がギンガ団の事件の後、貴方と別れる時に言っていたこと……」

イツキ「? それがどうかしましたか?」

ナツメ「私が見たところ、彼女ね……」



791 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:24:03.93 ID:95/I5OTAO

…………


マサキ『んじゃあ、そろそろ第五試合始めるでー!』

律「なんでそんなに急ぐ必要があるんだよ?」

マサキ『時間がないんや! この試合はあくまで各ブロックの一位決定戦やさかい、決勝リーグ始めるには早う終わらせんとな!』

律「そんなもんなのか…」

律「……」

律(決勝リーグに出場が決定したのは…唯、和、ムギ、それと私。これから澪や梓、純ちゃんが仮に出場決定するとして…)

律(決勝リーグではこの中の誰かと戦うことになるのか…)

マサキ『ちゅうわけで第五試合始めるさかい、澪はんとリラはんは準備してくれ!』

律「!」

律(…考えても仕方ない。今はこの試合を見届ける!)

マサキ『第五試合ではFブロックの一位を決める! バトル開始や!!』

澪「…!」

リラ「行くぞ、澪!」ボム!

カビゴン「カンビ!」ドシンッ
792 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:25:36.74 ID:95/I5OTAO

唯「? あのカビゴンって…」

ミナキ「フフフ、そうだ! 唯と律、二人と初めて会った時に捕まえたカビゴンだよ。私がリラに譲ったのさ」

唯「へえ〜!」

梓(復活してる)

律「いいのかよ。そんなに簡単にあげちゃって。カビゴンって珍しいポケモンじゃないのか?」

ミナキ「フフ、スイクンの魅力の前では…」

律「もういい、大体分かったから」

紬「澪ちゃんの出すポケモンは…!?」

澪「…よし。ルンたん!」ボム!

ルンたん「るんたん♪」

和「ポワルンね…」

ミナキ「また珍しいポケモンだな」

梓(自然に混じってるなあ)

リラ「ポワルン、か。澪にお似合いな可愛いポケモンだよ」

澪「そ、そんなことは…」

リラ「それに反して、潜在能力は高いものだと思える…」

リラ「…ねッ!」

カビゴン「カンビ!!」ダッ!

ルンたん「!」

リラ「“のしかかり”だ!」

ドシャアアアアンッ!

澪「……ッ!」
793 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:27:34.59 ID:95/I5OTAO

リラ「ふふ、ポケモンバトルの世界では体の大きさの差も勝負の決め手の一つとなるが…決して体の大きな方が有利というわけではない。小さな方は小回りが利くからな」

リラ「しかし、逆に言えばその体を捕らえてしまえば、簡単に勝利をもぎ取ることができる!」

和「あの巨体にのしかかられたら、ひとたまりもないわ…!」

カビゴン「カンビ!」

ノソッ…

カビゴン「カンビ?」

澪「…“ウェザーボール”!」

ドゴオオオッ…!!!!!

カビゴン「……ッ!!?」

カビゴン「カビ…ッ!」ドシャアアッ

リラ「! な…!?」

ルンたん「るんたーん!」バッ

澪「…確かに、ルンたんは体が小さいです。でも、だからって自分より大きな相手には素早さで対抗するとは限らない」

澪「ポケモンの数だけの戦い方があるんです。例えばポワルンは、『小さい体を守るために大自然の大きなパワーを使えるようになった』…!」

ピカアッ!

カビゴン「…カビ?」

リラ「なんだ…? いきなり暑く……いや、これは!」
794 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:29:44.06 ID:95/I5OTAO

ルンたん「るんた〜ん!」ピカアッ!

リラ「“にほんばれ”か!」

澪「“ウェザーボール”!」

ドギュウンッ!

カビゴン「カビー!?」ボワアアッ

リラ「く…! てんきポケモン、ポワルン。特性は天気によって姿を変える“てんきや”! “ウェザーボール”も天気によって、タイプや威力が変わってくる技!」

澪「今度は“あまごい”だ!」

ルンたん「るんー!」ザアアアッ

カビゴン「カビ!?」

澪「“ウェザーボール”!!」

バシャアアアアッ!

カビゴン「カビ…!?」

リラ「水技に…!」

カキカキイッ…!

カビゴン「! カ、カビッ!?」ビクッ

リラ「怯むな、カビゴン! ただの“あられ”だ………“あられ”!?」

ルンたん「るんた〜ん!」ドギュウンッ

カキイイッ!!!!!

カビゴン「カ、…ビィ……!?」

リラ「…! 氷の“ウェザーボール”!!」

シュウウッ…!

ルンたん「るんたん!」

カビゴン「…カビっ」
795 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:35:48.89 ID:95/I5OTAO

リラ「…おかしい。いくら天気を操る能力を持っているといっても、ここまで自在に操れるとは……」

澪「はい。よくは分からないけど、この子が天気研究所のポワルンだからかもしれません」

リラ「天気研究所…! なるほど、それなら合点がいくな。むしろ、まだ隠された能力を持っていても不思議ではない」

澪「…その通り、まだありますよ。ルンたん!」

ルンたん「る〜ん!」カッ!

ピカアッ! ザアアアッ! カキカキン!

リラ「晴れ、雨、霰……まさか!」

澪「はい! 私のルンたんは三つの天気を同時に操ることが出来るんです!!」

リラ「…!!」

澪「今一斉に放つ! 晴れ・雨・霰……炎・水・氷!!」

澪「三位一体の“ウェザーボール”!!!」

ルンたん「るんたーん!!!」ドギュンッ!

ボワアシュウウゴアアアッ!!!!!!!!!

カビゴン「カビ…!」

ゴアアアアーッ!!!!!!!!!!!

ドオオオン!!!!

…ドシャッ!

カビゴン「」ボテ…

マサキ『カビゴン戦闘不能ー!!』
796 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:37:12.16 ID:95/I5OTAO

律「なんて威力だ…!」

梓「さすが澪先輩です!」

リラ「なるほど…。天気を操る力……元々備わっている能力、つまり『才能』というわけか」

ルンたん「るんたん♪」

リラ「本当に強くなったものだな、澪。師として嬉しいよ」

澪「はい、私も師匠と戦うことができて嬉しいです!」

リラ「ふふ、でもどうかな? 澪のポワルンの才能も素晴らしいものだが…」

ボム!

ライコウ「ギャオオッ!」ドンッ

澪「!?」

リラ「いかずちポケモン・ライコウ…こいつの『才能』も伊達じゃない」

ミナキ「ライコウ…! まさか、リラも伝説のポケモンを持っていたとは!!」

律「も、ってなんだ。お前はちげーから」

唯「エンテイちゃん元気かなぁ〜」

リラ「安心しろ、澪。ミナキとは違って、このライコウは本物さ」

ライコウ「ギャオオッ!」
797 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:39:40.28 ID:95/I5OTAO

澪「…ライコウ……!」

リラ「ふふ。ポワルンが天気を操る才能を持つなら、ライコウはそうだな……天気を掌握する才能を持つ!!」

モクモク……

ルンたん「るん…?」ピクッ

澪「! 雲…? ルンたんに“あまごい”を指示していないのに……」

リラ「これはライコウによって作り出された雨雲だよ」

澪「ライコウによって…!?」

リラ「雷とともに落ちてきたというライコウ。その背中の毛は雨雲! つまりライコウは雨雲を背負っているんだ」

澪「もしかして…?」

リラ「そう! ライコウは自身の雨雲を使い、どんな時でも雷を出すことができる。…ライコウ、“かみなり”!!」

ライコウ「ギャオオッ!!!」

ピシャアアアアンッ!!!!

ルンたん「るんたーん!?」

リラ「タワータイクーン、このリラが司るは『才能(アビリティー)』! そのバトルスタイルは、ポケモンの才能を余すことなく発揮させるというものだ!!」
798 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:42:00.46 ID:95/I5OTAO

ゴロゴロ……

澪「くっ…、ルンたん、“にほんばれ”で……」

ルンたん「るんた…」

リラ「無駄だ。ライコウの雨雲がある限り、天気は変えられない」

リラ「しかしそれ以前に、ポワルンに技を出す体力が残っているかな?」

ルンたん「」ガクリッ

マサキ『ポワルン戦闘不能や!!』

澪「ルンたん…!」

リラ「ふふ」

ライコウ「ギャオオッ!」

律「…なんてパワーなんだ、ライコウ!」

梓「はい…。“かみなり”もそうですけど、てんきポケモン・ポワルンを圧倒する…天気を掌握する力も桁違いです!」

リラ「…なんてことはないさ」

リラ「強者はそもそも強いから強者なのだ。人はそれを、『才能』と呼ぶ」

紬「才能…!」
799 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:44:02.54 ID:95/I5OTAO

リラ「フッ、本当の強さに理由などない……前にも教えたね? 澪」

澪「……」

カチャ…

澪「戻って、ルンたん」シュウウッ

澪(あと出せるのは一匹…。エントリーしたポケモンの中だから、カゲぴょん、くらくら…の二匹か)

澪(相性的にはどちらも不利だけど……ライコウは前に一緒に戦ったことがあるから、強さは知ってる。多分…カゲぴょんでも勝てない………)

リラ「ふふ、どうした、澪。どんなポケモンでもライコウには勝てないよ」

澪(……いや、待てよ。くらくらは元々はミナキさんのポケモンだ。律はああいうけど…ミナキさんは相当の実力者だ。ううん、律も実はそれを分かってる)

澪(私はくらくらの才能をまだ知らない。でも、私はくらくらを信じる! くらくらの才能を…!)

澪「行ってくれ、くらくら!」ボム!

くらくら「ドク〜ッ!」

律梓紬和「…!!」

梓「ドククラゲ!?」

さわ子「ライコウに水タイプのドククラゲなんて…」

律「澪らしくないな……ってか、さわちゃんいつの間に?」

さわ子「自分の試合終わってからずっといたわよ!」

マサキ『ピカチュウとか相手ならまだ分かるけど…ライコウ相手やで……?』

和「司会のマサキさんまで…」

唯「大丈夫だよ、澪ちゃんなら! 何か策があるんだよ、きっと!」

純「そうですよ!」

律「こ、この二人は…っ!」
800 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:45:14.57 ID:95/I5OTAO

ミナキ「これは………フフ。ハハハハハハハハッ!!!」

律「ど、どうしたんだミナキ。ついに頭おかしくなったか?」

ミナキ「いやあ……つい、ね」

律「は?」

ミナキ「フフ、勝つかもよ…彼女」

くらくら「ドクーッ!」

澪「……」

リラ「…どうしたんだい、澪? 冗談だとしても笑えないな。間違えたのなら、今からでもポケモンを替えるのを許そう」

マサキ『んな勝手に…!』

リラ「……」

澪「…替えません! 私はくらくらでライコウに勝ちます!!」

リラ「…分かった。澪の気持ちも決意もドククラゲへの信頼も……だがッ!」

リラ「それでも越えられない壁があるということを教えてあげるよ! ライコウ、“かみなり”!!」

ライコウ「ギャオオッ!!」

ピシャアアアアンッ!!!!!!

澪「…ッ!」
801 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:47:58.67 ID:95/I5OTAO

律「どういうことだよ、ミナキ」

ミナキ「ん?」

律「澪が勝つ、って」

ミナキ「フフ、実はね、あのドククラゲは私のポケモンなんだ」

梓「ミナキさんの?」

ミナキ「ああ。それで、澪に譲る前は、スイクン捕獲のために育てていたんだよ」

梓「ドククラゲを対スイクン用に…?」

ミナキ「細かいことを言うとそうではない。スイクンはエンテイとライコウとよく一緒にいるみたいだからね、エンテイとライコウと戦うことになるかもしれないから、エンテイ・ライコウ相手に必要なポケモンがドククラゲなのさ」

律「エンテイはまだ分かるけどさ、ドククラゲがライコウを相手どれるのか?」

梓「というより、地面タイプを用意すればいいんじゃ…」

ミナキ「いやいや。スイクン達の逃げ足から考えたら、なるべく少数でいった方がいい。数が多いとスイクン達が逃げる隙も多くなってしまうからね。それにドククラゲは素早さも高い」

律「それで、ライコウにはどうする気だったんだ?」

ミナキ「ドククラゲの体にコーティングをしたんだ。“やわらかいすな”を主成分にした特製のスプレーでね」

律梓「…!」

ピシャアアアアンッ!!!!!!

くらくら「ドクーッ!!」ドンッ

ライコウ「…!?」

リラ「馬鹿な……効いていない!?」

澪「くらくら…っ!」
802 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:50:17.18 ID:95/I5OTAO

ミナキ「…つまり、だ。あのドククラゲに電気技は通用しない」

リラ「…“でんじほう”だ! ライコウ!!」

ライコウ「ギャオオッ!!」ビリリッ…

バチイイイイイッ!!!!!!!

くらくら「……」

キイイン…!

くらくら「ドクーッ!!」

リラ「! そんな…!」

澪「…いきますよ、師匠」

リラ「!」

澪「“どくづき”だーっ!!」

くらくら「ドクーッ!!!」ブンッ!

ライコウ「……ッ!!?」ゴシャッ…

ドガアンッ!!!!

ライコウ「ギャオゥ……、」ガクッ

マサキ『ラ、ライコウ戦闘不能! よって勝者、秋山澪!!』

唯「やった〜、澪ちゃん!」

澪「…やった!」
803 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:52:03.16 ID:95/I5OTAO

リラ「…ライコウ、よくやってくれた」パシュッ

リラ「そうか…。そのドククラゲはミナキのポケモンだったのか」

ミナキ「フフ、師弟の両方が私のポケモンを持っているとはね」

リラ「ミナキ…」

澪「ミナキさんのドククラゲ、強かったです。これが、くらくらの才能なんだね…」

くらくら「ドクー」

ミナキ「いいや、才能ではない。ドククラゲはね、このコーティングのため、“やわらかいすな”を入手しようと山に篭って地面タイプを相手にしていた……言わば『努力』の結晶だよ、この能力は」

リラ「ふっ、『努力』か……。弟子というものは師を越えるものであるが…まさか主義においても、このリラを越すとはな」

リラ「この二年間で、立派になったね」

澪「リラ師匠……」

リラ「ここまできたら優勝するんだぞ、澪」

澪「はいっっ!!」

律「…へへ、そうはいくかよ!」

澪「! 律…」

紬「優勝を目指しているのは澪ちゃんだけじゃないわ!」

和「ええ」

唯「和ちゃん、優勝するのは私だよ!」

梓「唯先輩には難しいんじゃ?」

唯「あずにゃんひどいっ!」ガーン
804 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:53:11.48 ID:95/I5OTAO

紬「ふふ♪」

律「なんにしても、まずはおめでとうな、澪!」

澪「うん!」

和「おめでとう、澪」

梓「おめでとうございます!」

紬「おめでとう♪」

澪「ありがとうな、みんな」

唯「? あずにゃん、あずにゃん。純ちゃんは?」

梓「…あれ? そういえば……」

紬「どこ行ったのかしら?」

澪「そこになにかあるけど…」

唯「はっ…! あれは、“ピッピにんぎょう”!! どうしてここに!?」

和「さあ?」

唯「これ欲しかったの〜! おー、よしよしよし…」

さわ子「本当にどこへ行ったのかしらね、純ちゃん」

律「だから、さわちゃんいつの間にっ」

さわ子「最初からいたわよっ!!」



805 :ぽけもん :2011/08/01(月) 22:55:37.94 ID:95/I5OTAO

……………


キョウ「ファファファ、『変わり身の術』という所か…」

純「へっへーん、ちょっとは忍者っぽくなったでしょ? アンズさんに最近教わったんですよ!」

キョウ「アンズか…」

純「これで忍者のタ・マ・ゴ、なんて言わせませんよ!」

キョウ「ファファファ、どうだろうな?」

純「え〜! まだ〜!?」

キョウ「お誂え向きに今度は私達の試合だ。そこで忍の極意を見せよう」

キョウ「もし私に勝てたら、お前を忍者と認めよう」

純「やったー! 本当ですか!?」

キョウ「忍に二言はないさ」

純「わーい! それじゃあ、競技場で待ってます!」ドロロン!

キョウ「……」

…シュタッ!

アンズ「父上、いいのでござるか? あんな約束をして」

キョウ「構わんよ。私は勝つ」

アンズ「しかし…純殿は腕を上げているでござる。たとえ父上でも…」

キョウ「ファファファ、お前が純のことをそんなふうに言うなど珍しいな」

アンズ「……」

キョウ「まあ、見ていろ。純に、忍者とはどういうものか…今一度教えてやろう」
806 :ぽけもん :2011/08/01(月) 23:00:17.22 ID:95/I5OTAO
ムギちゃん戦、澪戦おわりです
ルンたんとくらくらが活躍できてよかった…日の目を見ることはもうないかと思ってた

読んでくださった方はありがとうございました!
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/01(月) 23:18:59.36 ID:CeR/6T+go
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/01(月) 23:22:13.29 ID:FNFyZ6OJo
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/02(火) 10:29:15.34 ID:BMC4vSSSO

ピカチュウなんとか出して欲しいです
Bリーグトップがピカチュウ持ってるとかさ……

無茶なお願いすいませんでした……
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 08:52:12.01 ID:MK8BxDvr0
お願いとかやめろよ
811 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:05:25.89 ID:d+WB/PBAO

………


マサキ『では第六試合や! 第六試合ではGブロックの一位を決定する。純はんとキョウはんは準備してーな』

ドロロン!

純「ほっ!」スタッ

梓「純、どこ行ってたの?」

純「ふふん、ちょっとねー」

紬「頑張ってね、純ちゃん」

純「はい!」タタッ

キョウ「…ファファファ」スタッ

マサキ『準備はええな? バトル開始や!』

純「エヌターク!」ボム!

エヌターク「ストライー!」

キョウ「ベトベトン!」ボム!

ベトベトン「ベートベトーン!」

アンズ「…」シュタッ

アンズ(ベトベトン……。父上、あれをやるつもりでござるか)
812 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:07:00.55 ID:d+WB/PBAO

純「先手必勝! エヌターク、“きりさく”!」

エヌターク「ストライーッ!」シャキッ

ベトベトン「!」

ザキイイイイッ!!!!!

純「これは効くでしょ!」

キョウ「ファファファ、どうかな?」

ベトベトン「ベートベトーン!」ドロオ…

エヌターク「ッ!?」グニッ……

純「な…!」

キョウ「ベトベトンのボディの弾力は物理攻撃を受け付けないぞ!」

キョウ「ベトベトン、のしかかってやれ!」

ベトベトン「ベートベトーン!!」バッ!

純「エ、エヌターク、“こうそくいどう”!」

エヌターク「ストライ…!」シュバッ!

ベトベトン「…!」スカッ

エヌターク「ストライ…」

純「か、間一髪……」
813 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:11:01.45 ID:d+WB/PBAO

キョウ「ファファファ、かわしたか。しかし、それも一時的な安堵感に過ぎない」

エヌターク「…ッ!?」ジュワアッ…

純「! エヌターク!?」

キョウ「ベトベトンの体に触ると毒に侵される。熱を出し、寝込んでしまうほどの『猛毒』だ!」

エヌターク「ストラ、イ…!」ゲホゲホ

純「エヌターク…っ!」

和「すごいわ…。あんなに容易く相手を猛毒の餌食にするなんて…」

さわ子「流石は毒タイプのスペシャリスト、ってところね…」

律「キョウってあんなに強かったのか……」

シュタッ!

アンズ「それは父上が『忍の極意』を使っているからでござろう」

律「! あんたは…?」

アンズ「キョウの娘、現・セキチクシティジムジムリーダーのアンズでござる」

紬「キョウさんの娘さん…!」
814 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:12:43.05 ID:d+WB/PBAO

梓「…忍の極意。純がキョウさんから教わっていたという…」

アンズ「うむ、父上が今使ったものが忍の極意の一つ…『どくどく』でござる!」

アンズ「猛毒の餌食となった者は、徐々に毒に体力を奪われ、やがて倒れる。まさに必殺!」

梓「毒…ですか。それなら、純も負けてないと思いますよ」

アンズ「なに?」

純「エヌターク、いったん戻って!」シュウウッ

キョウ「むっ!」

純「ラプンーソ、出番だよ!」ボム!

ラプンーソ「エンー!!」

キョウ「エンペルト…!」

純「へっへーん、師匠とあろうものがタイプ相性を忘れるわけないですよねぇ?」
815 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:14:10.95 ID:d+WB/PBAO

梓「弟子は師に似る…、いやこれは逆か」

アンズ「毒タイプのベトベトンの技は鋼タイプのエンペルトには効かない、という寸法でござるな」

梓「? わざわざ説明することでもないかと思いますけど…」

アンズ「いや、そうでもないでござる」

キョウ「…ベトベトン!」

ベトベトン「ベートベトーン!」ジュワジュワ…

純「…?」

キョウ「先程の『猛毒』とベトベトンのヘドロを合成しているんだ」

純「…、ラプンーソには毒は効きませんよ? もちろん、猛毒もね!」

キョウ「ああ、分かっているさ。だが…猛毒と猛毒を一つにしてできた、『劇毒』ならどうだ!?」

ベトベトン「ベトーン!!」ビュバッ

ラプンーソ「…!」ビチャッ!

純「!」

ラプンーソ「エ、ン…!?」ジュワアッ…

純「そ、そんなっ!?」

澪「エンペルトに毒が効いてる…!?」
816 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:16:21.35 ID:d+WB/PBAO

梓「ありえませんよ、こんなこと! どうして…」

アンズ「無理な話ではない。前例としては、スピアーの“ダブルニードル”の毒が鋼タイプを毒状態にしたことがあるという話もあるでござる」

さわ子「でも、噂や伝説の類でしょう?」

アンズ「そうでござるな。否定は出来ん。しかし、不可能を可能とする…それが忍術でござる!」

キョウ「ファファファ、その通り。実際に忍の極意には、鋼を毒で侵す術もある」

キョウ「常識にとらわれていては、忍者にはなれんぞ。忍者自体が非常識な生き物なのだからな」

純「……っ」

ラプンーソ「エン……」ゼエゼエ

アンズ「これで純殿のポケモンは全て毒状態、しかもストライクは先の戦いで消耗しているでござる」

さわ子「…それにキョウさんの二匹のうち一匹は明かされていない。まずいわね……」

梓(純……!)

純「…まだよッ! ラプンーソ、“ハイドロポンプ”!!」

ラプンーソ「エ、ンー!!!」バシャアッ!

ベトベトン「…!?」バシャアアアア!

キョウ「む…!」

純「とりあえず、ベトベトンは倒さないとね! まだ攻撃をする余力もある!」
817 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:18:33.21 ID:d+WB/PBAO

キョウ「…ファファファ」

純「!」

キョウ「純よ、肝心なことを忘れているよ。忍者の意義は隠れることぞ。ヘドロで形成されているベトベトンに、水をかけたらどうなるか……」

ベトベトン「ベート…」ヌチャァ…

純「! 水に溶けて…!?」

キョウ「忍法『ベトベとんの術』!」

ベトベトン「ベートベトーン!!」

…バチャアッ!

紬「競技場がベトベトン水(仮)でいっぱいに…!」

キョウ「ファファファ! 純、お前がベトベトンの毒に対抗してエンペルトを出し、いずれ水技をしてくるということは実は読めていた! そうしてこの術を成功させるまで簡単だったな! 我が術中にハマったな。この術からはそう易々と抜けられんぞ!」

ラプンーソ「エンー…!」バチャバチャ

純「ラプンーソ、気をつけて! このヘドロのどこにベトベトンがいるか分からな……」

バシャアッ!!!!

ベトベトン「ベートベトーン!!」

純「…!」

キョウ「残念! このヘドロ自体がベトベトンだ!!」
818 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:20:12.91 ID:d+WB/PBAO

キョウ「劇毒で衰弱しきっている中、もう普通の毒でも効くはずだ。“ヘドロこうげき”、“ヘドロばくだん”、“どくづき”……好きなものを喰らえいッ!!」

ベトベトン「ベートベトーン!!」ブオッ…

ラプンーソ「…っ!」

カキイイイイイッ!!!!!!

純「…ふふ」ニヤ

キョウ「なん…だとォ!!?」

ベトベトン「…!?」カキイイッ

キョウ「ベトベトンが凍っている!?」

純「ふっふっふ…」

キョウ「なにをした!?」

純「師匠が教えてくれたんでしょ? 水と氷のコンビネーション…」

キョウ「! 合成技…!」

純「“ハイドロポンプ”と“ふぶき”の合成技! 見事でしょ?」

キョウ「いやしかし…。競技場全体に広がる面積の水を凍らせるなどという芸当を、劇毒に侵されているエンペルトにできるはずが……」

純「まあできないでしょうね。毒状態だったなら」

キョウ「なに!」
819 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:22:12.58 ID:d+WB/PBAO

純「“ラムのみ”です。これで回復したんですよ!」

キョウ「“ラムのみ”…!」

アンズ「やはり、持たせていたでござるか…!」

梓「え…?」

アンズ「純殿はここに来るまでバトルフロンティアに挑戦していたのでござる。バトルフロンティアで戦い慣れているから、ポケモンに道具を持たせて当然でござる」

和(私も挑戦したことがあるから分かるわ)

純「ちなみにエヌタークには“モモンのみ”を持たせてます!」

キョウ「ぐぅ…!」

純「よーし、行くよ! ラプンーソ、“かわらわり”ーっ!!」

ラプンーソ「エンー!!」ブンッ

ガギイイッ!!!!!!

ベトベトン「ベートベトーン!?」ガシャン!

マサキ『ベトベトン戦闘不能や!』

純「よっしゃー!」

ラプンーソ「エンー!」

キョウ「ぬう…! まだまだァ!!」

キョウ「きええい! ゴルバット!!」ボム!

ゴルバット「キシャー!」

純「ラプンーソ戻って!」シュウウッ

純「エヌターク!」ボム!

エヌターク「ストライー!」
820 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:28:28.34 ID:d+WB/PBAO

キョウ「“つばさでうつ”!」

純「“シザークロス”!」

ゴルバット「キシャー!!」

エヌターク「ストライー!!」

ザキイイイイッ!!!!!!!

…ボトッ!

ゴルバット「〜、」バタンッ

キョウ「っ!」

エヌターク「ストライ…」スタッ

マサキ『ゴルバット戦闘不能! よって勝者は鈴木純!!』

唯「おおっ!」

紬「純ちゃんの勝ちね!」

律「まったく、ヒヤヒヤしたぜ〜」

澪「おめでとう、純ちゃん」

純「ありがとうございます、澪先輩!」

梓「純がバトルフロンティアに挑戦してたなんてね」クス

純「む」

和「ブレーンの人達は倒せたのかしら?」

純「あはは…タワーとキャッスルはブレーン不在でしたけど、ステージのケイトさんは倒せましたよ。ネジキさんには敵わなかったです〜」

和「そう…」

紬「和ちゃんはネジキさんに勝ったって聞いたけど…」

純「へー! すごいですね!」

和「…うん。あと、ゴヨウさんもね」



821 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:34:12.41 ID:d+WB/PBAO

………


シュタッ

アンズ「…父上」

キョウ「ファファファ、まさか負けるとはな」

キョウ「お前は最初から純の作戦を知っていたのか?」

アンズ「作戦…というか、持ち物に関しては」

キョウ「ファファファ、そうか」

アンズ「それで、純殿を忍者として認めるというのはどうするでござる?」

キョウ「まあ、約束は守らんとな。…まずは下忍からだが」

アンズ「ふふ…。大丈夫でござる。純殿なら立派な忍者になるでござろう」

キョウ「ファファファ、……そうだな」

アンズ「……いよいよ、次の試合が最後になるでござるな」

キョウ「ああ、しかも奴だ」

キョウ「私も手を抜いたつもりはないが、奴は相手が愛弟子だろうと一切手加減せずに本気で向かうだろう。そんな男だ」

アンズ「……」

キョウ「奴こそが真のトレーナーと呼ばれるべき存在。カントー・ジョウト四天王、格闘家…シバ!!」



822 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:36:02.69 ID:d+WB/PBAO

………


シバ「……」

…スクッ

シバ「やっと俺の出番か」

梓「…!」

シバ「さあ梓、競技場に着け」

梓「シバ先生……」

梓「……、」ギリッ…

ギュッ!

梓「はいっ!」

タタッ

マサキ『はは…、それゆうんはわいなんやけどなぁ〜。まっ、ええか』

マサキ『第七試合! Hブロックの一位を決める試合や!』

マサキ『準備はバッチリやな、梓はん、シバはん。……では始めッ!』

シバ「ウー! ハー! エビワラー!!」ボム!

エビワラー「シェイ!」

梓「ミミちゃん!」ボム!

ミミちゃん「ミミロー!」

シバ「! ミミロップか…」
823 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:37:58.25 ID:d+WB/PBAO

梓「距離を詰めて! “とびはねる”!」

ミミちゃん「ミミロー!」ピョン!

エビワラー「!」

梓「“ピヨピヨパンチ”!!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ブンッ

シバ「受け止めろォ!」

エビワラー「シェイ!」

ガチイイッ!!!

梓「…!」

シバ「エビワラー相手に接近戦で、しかもパンチで挑もうなど無謀も無謀!」

エビワラー「シェイ…」ギュルッ

シバ「“マッハパンチ”!」

パアアアアンッ!!!!

ミミちゃん「…ッ!?」

ドシャアッ!

梓「ミミちゃんっ!」

シバ「このエビワラーは左利き。今の右ストレートはみねうちだ」

ミミちゃん「…、」ヨロヨロ…

シバ「だがまあ、それでも立っていられるのがやっとか。エビワラーのパンチのスピードは新幹線よりも速いと言われるからな」
824 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:38:59.02 ID:d+WB/PBAO

シバ「そして…」

ミミちゃん「…ッ!」ジクッ…

シバ「そのスピードはかすっただけで相手をやけどにする」

エビワラー「シェイ!」ボウッ

ミミちゃん「ミミ…、」

梓「! “マッハパンチ”と同時に“ほのおのパンチ”も打ち込んでいたんですか…!」

シバ「そうだ」

律「つ、強い…!」

紬「あの梓ちゃんが押されっぱなしなんて…」

「それもそうだろう。シバは俺達、修業メンバーの中で一番の実力者だった」

紬「! あなたは…レンブさん!?」

レンブ「……」
825 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:40:25.75 ID:d+WB/PBAO

トウキ「俺もいるぜ〜」

澪「トウキさん!」

スモモ「わっ、私もですっ!」

紬「スモモちゃん!」

トウキ「親友とその弟子の戦いと聞いて来たんだけど、やってるねー」

レンブ「シバの奴も本気だな」

スモモ「っていうか、レンブさんは捕まっていたんじゃ…?」

レンブ「釈放された」

スモモ「はやっ!!」

レンブ「保釈だがな。…誰があんな額の金を出してくれたのかは知らんが」

スモモ「ほしゃく…?」グー!

紬「? お腹すいてるの?」

スモモ「え、あっ、ち…違いますよ! お腹なんてすいていません! かれこれ三日間、きのみ一個しか食べていないわけじゃないですから!」

紬「そ、そう?」

スモモ「はいっ! 今は試合を見ましょう!」グー!
826 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:43:41.64 ID:d+WB/PBAO

梓「ミミちゃん…“かみなりパンチ”!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ブオッ

バチイイッ!!!!

エビワラー「…」ギロッ

ミミちゃん「!」

シバ「いいパンチだ。だが、ミミロップにそのパンチを教えたのは俺のエビワラー。通用しないぞ!」

梓「…っ!」

シバ「“れいとうパンチ”! “ほのおのパンチ”! “かみなりパンチ”!」

エビワラー「シェイ、シェイ、シェーイ!!!」

ドガアアアッ!!!!!

ミミちゃん「ミ、ミイッ…!!?」

梓「ミミちゃ…!」

シバ「“れんぞくパンチ”!!」

エビワラー「シェイ!!」シュッ!

シバ「左ジャブ、右ストレート! 右ジャブ、左ストレート!!」

エビワラー「シェーイ!!」

バギイイッ…!

ミミちゃん「…〜ッ!」ビリビリ…

梓「ぐっ…」

シバ「…どうだ? エビワラーにはプロボクサーの魂が乗り移っていると言われるが、今の左ストレートはそのボクサーの必殺技だ。通称、『カミソリ・パンチ』!」

梓「カミソリ・パンチ…」
827 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:50:08.25 ID:d+WB/PBAO

トウキ「おいおい、こりゃヤバいんじゃねえか?」

スモモ「そうですね…」

レンブ「しかし、あのラッシュを受けてもまだ倒れないとは…あなどれんな、あのミミロップは…」

ミミちゃん「…、」ハアハア

梓「……」

シバ「……」

エビワラー「……」

梓「…どうしたんですか? 仕掛けて来ないんですね」

シバ「ふっ、エビワラーを見てみろ」

エビワラー「…」フウフウ…

梓「?」

シバ「エビワラーは3分戦うと一休みするのさ。試合合間の休憩みたいなものだ。まあこちらに合わせる必要はないが」

梓「いえ…。これは戦闘(ケンカ)ではなく、試合(スポーツ)ですから」

シバ「…ふっ」

梓(…と言ってみたものの、余裕がないのは事実。このままだとミミちゃんは……次のポケモンを出してもエビワラーの勢いに圧倒されて…………負ける…っ!)

梓(どうすれば…)

ミミちゃん「ミ、ミロー…」ヨロッ…

梓「!」

ミミちゃん「ミミロー♪」

梓「…!」
828 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:52:09.77 ID:d+WB/PBAO

梓「……ありがとう、ミミちゃん」ナデナデ

ミミちゃん「ミミ〜」

梓(そうだよ、ミミちゃんとエビワラーは本来力の差はないはず! なのにミミちゃんが押されているのは、トレーナーの実力の差のせい…!)

梓(シバ先生は己の体を鍛えて自分自身でバトルのシミュレーションをしてる……シバ先生と私じゃあ、力のぶつかり合いになるバトルにおいて力の差が出てくるのは当然! ならどうすればいいか……シバ先生は格闘家、私はポケモン博士………)

梓(私にあってシバ先生にないものは……『知識』! 『分析力』!!)

シバ「……何か掴めたようだな」

梓「はい」

シバ「ならば休憩は終わりだ! エビワラー!!」

エビワラー「シェイ!」

梓「ミミちゃん!」

ミミちゃん「ミミロー!」

梓「“かみなりパンチ”!」

ミミちゃん「ミミ!」ブンッ

シバ「またパンチか? 何度やっても変わらないぞ! エビワラー、“カウンター”!!」
829 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:53:33.88 ID:d+WB/PBAO

エビワラー「シェイ!」ブンッ!

ミミちゃん「…」スッ…

エビワラー「…シェイ!?」スカッ

シバ「!」

梓「ミミロップの足の動きはしなやか! パンチの速さはエビワラーに劣りますが、足の速さならこちらが上です!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ダッ

シバ「…カミソリ・パンチ!!」

エビワラー「シェイ!!」シュッ!

ミミちゃん「…!」

ドガアンッ!!!!

ミミちゃん「…ミミロー!?」

梓「…!」

シバ「ふっ、足の速さで負けようが関係ない。ミミロップはこちらに向かって来るのだから、パンチの速さで勝っているエビワラーが有利だ」

シバ「エビワラーに近付くことすら叶うまい」

梓「……っ」

シバ「だからと言って近付かないのなら、こちらが近付くまで! エビワラー、カミソリ・パンチ!!」

エビワラー「シェーイ!!」ダッ!

ブンッ!

ミミちゃん「ミミ…っ!」
830 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:54:55.31 ID:d+WB/PBAO

梓「…この瞬間を、」

梓「待っていましたっ!」

ミミちゃん「ミミ!」キッ

梓「“すりかえ”!」

ミミちゃん「ミミロー!」ウバイッ

エビワラー「シェイ!?」トラレッ

シバ「なんだと!?」

ミミちゃん「ミミロー!」スチャッ

和「ミミロップが自分の持ち物とエビワラーのグローブをすり替えた!?」

梓「ちなみにミミちゃんの持ち物は、私のヘアゴムです!」

シバ「髪下ろしていたのか!!」

律「いや、気づけよ!」ビシッ

唯「グローブつけてるミミロップちゃんかわいい〜! 髪下ろしあずにゃんもねっ」

純「ていうか、エビワラーの素手がモロに…」

紬「見ちゃダメよ、純ちゃんっ!」ギュウ♪

純「きゃあーっ!?」

澪「ミエナイキコエナイ…」

さわ子「カオスね」

梓「ヘアゴムは休憩中に渡したんですけどね。とにかく、これでパンチは封じました!」
831 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:56:28.80 ID:d+WB/PBAO

シバ「ボクサーの魂であるグローブを取られてはパンチが出来ない……しまった…!」

エビワラー「シェイ…」

梓「今がチャンスです! ミミちゃん、“おんがえし”!!」

ミミちゃん「ミミロー!!」

ドオオオオンッ!!!!!!

エビワラー「…ッ!」

シバ「ぐう…! これほどの威力の“おんがえし”……流石に相当懐いているな! ………だがッ!!」

エビワラー「シェイ!」スチャッ

梓「! 何故グローブが!?」

律「違う…、あれはグローブじゃないぞ!」

和「となると、あれは…」

シバ「ヘアゴムを薄く引き伸ばした、即席グローブだ」ドーン!

梓「なぁ〜〜!?」

スモモ「はは…無理矢理ですね」

シバ「残念だったな、梓。エビワラーのパンチは復活したぞ!」

梓「そんなことよりゴム伸びちゃいますっ! ちぎれます!!」

シバ「…梓よ、これは真剣勝負だ。それに自分でヘアゴムを渡したのだ。覚悟は出来ているはずだろう?」

梓「……、」
832 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:58:07.52 ID:d+WB/PBAO

梓(元々、あのヘアゴムは戦闘用に作ったものだから丈夫なんだけど……それが仇になったかも)

エビワラー「シェイ!」ガチッ

梓(ちぎれたら、ちぎれたでいいかもしれないけど…そう上手くはいかないか)

梓「ミミちゃん!」

ミミちゃん「ミミ!」ブンッ

シバ「む! エビワラー、受け止めろ!」

エビワラー「シェイ!」

ガシッ…!

ミミちゃん「っ!」

シバ「…どうした? こうして何度も止められただろう」

梓「…ええ、そうですね。でも見てください……二匹の状況を!」

シバ「? …! なに!?」

エビワラー「シェイ…!」ガチッ…

ミミちゃん「ミミィ…!」ガチッ…

シバ「…互いの左腕がぶつかり合い……背中のガードが手薄に!?」

梓「ミミちゃん、そこだよ! 右ストレート!!」

シバ「…ッ!!」
833 :ぽけもん :2011/08/08(月) 20:59:55.51 ID:d+WB/PBAO

ミミちゃん「ミミロー!!」

ドゴオッッ!!!!!!

エビワラー「シェイー!?」ドサアッ!

シバ「エビワラーッ!」

スモモ「決まりました…!」

レンブ「…まだだな」

エビワラー「…、」ムクッ……

梓「っ!」

シバ「今のは見事だったな。だが、ボクサーの魂を宿すエビワラーはこんなことでは屈しない!!」

梓「……ッ!」

シバ「万策尽きたか? なら勝たせてもらう!」

梓「…、」

梓(確かに私のミミちゃんはエビワラーのパンチを完全に再現することはできない……例えば、唯先輩のムシャーナのようには……)

梓(でも……!)

エビワラー「…ッ!?」バタリッ

シバ「! エビワラー!?」

エビワラー「シェ、イ…」ジュワアッ…

シバ「…毒!?」

梓「純、使わせてもらったよ!」

純「へっ?」

キョウ「ファファファ、なるほどな。右ストレートと共に“どくどく”も打ち込んでいたようぞ」

シバ「“どくどく”…!」
834 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:01:32.21 ID:d+WB/PBAO

梓「“てつのこぶし”を持つエビワラーには出来ないパンチです!」

アンズ「鉄……鋼は毒や猛毒を受け付けない。先の戦いをヒントにしたでござるか」

シバ「…っ!」

エビワラー「シェイ…」

シバ「エビワラーに出来ないパンチ…! く、そんなものがあるとはな……不覚ッ」

エビワラー「…ワラワラッ!」キッ

シバ「ああ、エビワラー! こうなってはこちらもいっそう引き下がるわけにはいくまい!」

シバ「根性を見せろ、エビワラー! “からげんき”!!」

エビワラー「シェーイ…!!」ギンッ!

シバ「“バレットパンチ”!!」

エビワラー「シェーイ!!」

ドダダダダ!!!!!

ミミちゃん「ミミ…っ!」

梓「ミミちゃんっ! 後退して、“とびはねる”!」

ミミちゃん「ミミロー!」スッ…

エビワラー「…!?」フラッ……

ミミちゃん「ミミ!」ピョン!

梓「“とびげり”!!」

ドダアアン!!!!

エビワラー「ワッラァア!?」

シバ「…!?」

ミミちゃん「…」スタッ

シバ「…その、動きは……ッ!」
835 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:02:32.50 ID:d+WB/PBAO

トウキ「おいおい…エビワラーの力を利用して……ありゃあ、まるで『柔の奥義』じゃねえか。シバに教わっていたのか?」

スモモ「そんなはずは…。シバさんは『剛の奥義』の使い手ですし」

レンブ「…俺だ」

トウキ・スモモ「!?」

トウキ「な…! レンブ、お前が彼女に教えたのか!?」

レンブ「否。彼女は見ただけだ」

スモモ「み、見た…?」

レンブ「俺との戦いで見て覚えたのだろう…」

レンブ(いや、それだけではない。先程の“どくどく”も見て……覚えた!)

シバ「『柔の奥義』だと…!!」

梓「モドキですけどね」

シバ「…ッ」

梓(…先輩達は自分達の師匠を越えられた。私にも…今なら越えられる!)
836 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:04:36.28 ID:d+WB/PBAO

梓(ミミちゃんの『才能』を活かし、『機転』を利かせて、それでも教えてもらった『技』で!!)

梓「はぁああああ…!! “スカイアッパー”!!!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ダッ

シバ「…面白い! こちらも“スカイアッパー”!!」

エビワラー「シェイ!」ダッ

ゴオオオッ…!!!!

ミミちゃん「ミミローォッ!!!」

エビワラー「シェーッイ!!!」

ドギャアアアアアッ!!!!!!!!!!!

ビリビリッ……

ミミちゃん・エビワラー「……っ!」

…ドシャアンッ!

梓シバ「……」

パラパラ……

梓シバ「…!!」

ミミちゃん・エビワラー「」ガクッ

マサキ『り、両者戦闘不能ーッ!!』

梓「…戻って、ミミちゃん!」シュウウッ

梓「よく頑張ってくれたね、ありがとう」

シバ「エビワラー、よくやった」パシュッ
837 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:05:31.21 ID:d+WB/PBAO

梓シバ「……」

シバ「ふっ」

梓「ふふ…」

ボム!

カイリキー「リーキィッ!」バンッ

トウキ「! カイリキー…、シバの手持ちで最強のポケモンじゃねえか!」

スモモ「それほど本気ってことですよ…」グー

シバ「ここまできたら、出し惜しみする必要もないッ!」

梓(嬉しいです! シバ先生が本気で戦ってくれている…! 私も!)

ボム!

トンちゃん「プロプロー!」
838 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:07:11.24 ID:d+WB/PBAO

シバ「コイツは…?」

梓「私の新しい友達、プロトーガのトンちゃんです!」

和「イッシュ地方でポケモンを捕まえたのは私だけじゃないってことね」

トンちゃん「プロプロー!」

シバ「…見たところ、バトルは初めてのようだな」

梓「はい」

シバ「カイリキー!」

カイリキー「リキィッ」

シバ「“バレットパンチ”!」

ドダダダ!!!!!

トンちゃん「プロ…!?」メキッ…

ドオオオオンッ!

シバ「カイリキーは二秒間に千発のパンチを繰り出す。そのスーパーパワフルなパンチを喰らった者は地平線まで吹っ飛んでしまうという……」

シバ「そのプロトーガは耐えられたかな?」

トンちゃん「…プロ、」

シバ「…!」

トンちゃん「プロプロー!」バンッ

梓「トンちゃんの守りを甘く見ないでほしいですね」

カイリキー「グァ…!」ビリッ…

シバ「! “てっぺき”をしていたか!」
839 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:08:43.30 ID:d+WB/PBAO

梓「そして守りだけじゃありません! 次は攻めに転じます!」

梓「“アクアジェット”!!」

トンちゃん「プローッ!!」バシャアッ!

ドオオオッ!!!!

カイリキー「…ッ!!」

シバ「くう…! だがその小さな体ではそのうち押し返されるぞ!」

カイリキー「リーキィッ!!」ググ…!

トンちゃん「プロ…っ!」

紬「ああ…!」

シバ「気張れカイリキー! 押し切れーッ!!」

カイリキー「リーキィッ!!!」ググッ!

トンちゃん「…!?」

ドダアアン!!!!!

トンちゃん「プロー!?」

シバ「いいぞ!」

トンちゃん「…、」ググッ…

シバ「なに…! まだ立ち上がることが出来るのか!?」

梓「よく“がまん”したね、トンちゃん…」

トンちゃん「プロー!」

シバ「“がまん”…!?」

梓「そうです。トンちゃんはぶつかり合いの時にカイリキーから受けている攻撃を“がまん”でエネルギーに変えていました。それはすなわち…」

梓「進化のエネルギー!!」

トンちゃん「プロー!!」メキッ!
840 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:10:41.47 ID:d+WB/PBAO

ピカアアッ!!!!

トンちゃん(アバゴーラ)「バゴーラァ!!」

シバ「進化しただって!?」

梓「“アクアジェット”!」

トンちゃん「ゴーラァ!!」バシャアッ!

ドゴオッッ!!!!!!

カイリキー「リ、っキィ…!?」

シバ「プロトーガの時とは比べものにならないパワー…!」

梓「アバゴーラは、はりてでタンカーの船底に穴を開けるパワーの持ち主です! 今度はそう簡単にパワー負けしませんよ!」

シバ「ぐ…!」

スモモ「すごいすごい! あのカイリキー相手に引けをとらないパワー!」

トウキ「ひゅうっ♪ どちらも『剛』の使い手だ。凄まじいパワーのぶつかり合いだよ!」

レンブ「……いや、それだけじゃない」

スモモ・トウキ「へ?」

シバ「…カイリキー、“クロスチョップ”を当ててやれー!」

カイリキー「リーキィッ!!」ギュオッ!

トンちゃん「…!」

ゴシャッ!!!

シバ「クリーンヒットだ!」
841 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:13:40.79 ID:d+WB/PBAO

レンブ「違う、シバァ!!」

シバ「…!?」

カイリキー「ガァ、アアッ!?」ガクッ…

シバ「カイリキー!?」

シバ(アバゴーラの甲羅にやられたか…!)

レンブ「…っ!!」

レンブ(最攻にして最硬。攻撃は最大の防御で、防御は最大の攻撃! あれこそが…俺の求めていた格闘……!!)

レンブ「言うなれば、剛と柔の混合……いや、剛と柔の中間、『中の奥義』!」

梓「今の攻撃に“がまん”で反撃です!」

トンちゃん「ゴーラァ!!」

カッ!


トンちゃんのがまんが解かれた!


ドオオオオオッ!!!!!!!

カイリキー「リーキィッ!!?」

ドシャアンッ!

カイリキー「」バタッ

マサキ『カイリキー戦闘不能! よって勝者、中野梓ー!』

シバ「…」パシュッ

シバ(剛のように真っ向から攻めるのでなく、柔のように相手の力を利用して相手を負かすのではなく、)

(相手の攻撃を自ら受け止めることでダメージを与え、その隙に攻撃を加え勝つ!)

シバ「『中の奥義』か…」

梓「?」ナカノ?
842 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:15:38.60 ID:d+WB/PBAO

シバ「ここまで格闘を極めて…本当にもったいないものだな。そして、俺が教えることもなくなった……寂しいものだ」

梓「…いいえ」

シバ「!」

梓「そんなことないですよ。私はシバ先生の弟子なんですから!」

シバ「…ふっ、そうだな。……研究、頑張るんだぞ」

梓「はいっ!」

シバ「……」ザッザッ…

梓(シバ先生……)

唯「あ〜ずにゃん♪」

梓「! 唯先輩っ!」

律「お疲れさん!」

澪「おめでとう、梓」

紬「これでみんな決勝リーグ進出決定ね〜♪」

純「…緊張してきた」

和「ふふ」

マサキ『いや〜、皆はん、いいバトルやったで〜』

律「マサキ!」

マサキ『師弟バトルっちゅうんは燃えるもんやな〜。わいも手に汗握ったで〜』

マサキ『まっ、とにもかくにもこれで決勝リーグ進出者が全員決まったワケや!』

唯「全員…? そういえば、Bブロックの一位って…」バチンッ!

唯「ぁいだいっ!」

唯「りっちゃん、なにするの! 久しぶりに叩かれたよっ」

律「いやあ、色々とな」

唯「??」
843 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:18:07.21 ID:d+WB/PBAO

梓「そうです、マサキさん。決勝リーグの対戦カードは決まっているんですか?」

マサキ『決まってるでー。っちゅうより、なんでA、B、C……なんてブロック名にしたと思っとるんや?』

梓「! まさか…」

マサキ『対戦は、A対B、C対D、E対F、G対H……っちゅう風にやっていくさかい』

皆「…!!」

唯「じゃあ…」

律「…」 和「…」

紬「…」 澪「…」

純「…」 梓「…」

マサキ『決勝リーグは明日の朝、第一試合場でやるから、時間になったら集まってくれ。ほなな』



844 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:19:12.02 ID:d+WB/PBAO

…………


唯「ふうっ。もう夜になっちゃったね〜」

律「バトルしてる時は時間の感覚がなくなるなー」

唯律「……」

律「…唯はどう思う?」

唯「? なにが?」

律「澪やムギ、梓、和、純ちゃん……みんなと戦うことだよ」

唯「う〜ん…」

律「…」

唯「確かに仲良しのみんなと戦うのはちょっと思うことがあると思う。でもね…、みんな、優勝を目指してここに来てる。仲良しだからこそ、お互いに全力で戦うのが友達なんじゃないかな?」

律「…そっか。そうだよな!」

唯「うんっ!」

律「ありがとう、唯。おかげでモヤモヤも吹っ飛んだぜ!」

唯「頑張ろう、明日の試合!」

律「おっしゃ! 目指すは優勝!」

唯律「おーっ!」



845 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:22:46.27 ID:d+WB/PBAO

……………

翌朝、
《第一試合場》


マサキ『さぁーて、ポケモンリーグ決勝リーグ・準々決勝! ただ今から始まりますでー!』

ワアアアアアアッ!!!!!!

紬「すごい人ね〜」

梓「みんな、私達のバトルを見に来ているんですよね…」

澪「あわわわ……ひ、ひとがいっぱい…」

唯「澪ちゃんが強制ひらがなモードに!?」

律「まずいぞ!」

和「澪、まずは素数を数えるのよ」

律「だめだー! そんなこと言ったら、この世の素数すべてを言うまで戻って来ないぞ!」

紬「だ、大丈夫よ澪ちゃん。トレーナーズスクール最後のライブに比べたら、こんな人数へっちゃらよ!」

澪「そ、そうかな…」

梓「そうです!」

澪「そうだよな…、へっちゃらだ!」

唯「澪ちゃんが緊張を乗り越えた!」

澪「もうなにも恐くないっ!」

純「……」

純(…むしろ私の方がそういうの慣れてないーっ!)ドキドキ

ポン!

純「!」

和「…私もよ」ドキドキ

純「うそーん!?」
846 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:25:29.23 ID:d+WB/PBAO

マサキ『それでは、早速試合の方を始めていきたいと思います! 第一試合、Aブロック一位・Bブロック一位のお二人は競技場についてください!』

唯「よーっし、頑張るよー!」フンスッ

律「行ってこい、唯!」

唯「うんっ!」

スタスタ

唯(…結局、相手は誰なんだろう?)

スタスタ…

唯「!」

梓「あれは…!」

律「……」

「決勝リーグ・準々決勝、相手は私だよ」

憂「…お姉ちゃん」

唯「う、憂っ!? 」
847 :ぽけもん :2011/08/08(月) 21:27:24.87 ID:d+WB/PBAO
純戦 梓戦おわり
シジマさんは我流なので来ません
読んでくださった方、ありがとうございました
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/09(火) 23:08:30.50 ID:yfwzAZVSO
849 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:04:47.25 ID:W3MMNYTAO

憂「…」

唯「どうして憂が…」

律「私が呼んだのさ」

唯「! りっちゃん?」

律「ジョウト地方を旅してる時に連絡したんだ」

憂「律さんが『ポケモンを持って旅をしないか?』って」

唯「ど、どうして? それに家のことは…」

唯父「それなら大丈夫さ!」

唯「お、お父さん! お母さん!」

唯母「シルフ社は一旦解散することになったの」

唯「む、無職!?」

唯父「心配するな。今度はトキワで働くことになったんだよ」

唯母「お母さんはポケモンセンター、お父さんはフレンドリーショップでね」

唯父「ママと同じ会社で働けなくなって残念だけどねっ」

唯母「うふふ、あなたったら…」

キャピキャピ

唯「ふぇ〜…」

憂「ということだから、毎日家に帰れるようになったんだって」
850 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:07:13.61 ID:W3MMNYTAO

唯父「だから何も気にせずにバトルしなさい!」

唯「え、えーと…」

律「…唯」

唯「!」

律「お前の旅の目的はなんだった?」

唯「立派なお姉ちゃんになること…」

律「だったらまずは憂ちゃんを越えてみせろ! お前がこの旅で得たものを憂ちゃんにぶつけてやるんだ!」

唯「…うんっ、りっちゃん!」

憂「いくよ、お姉ちゃん!」カチャ

唯「いくよ、憂!」カチャ

マサキ『って、待て待てえ! 何勝手に始めようとしとるんや。これは正式な試合で、コトブキテレビも来とるねんで!?』ガサッ!

マサキ『うおっ!?』

ガチャアンッ!

さわ子『それでは試合開始ぃー!』

マサキ『あんた何しとるんや!』

さわ子『いいじゃない! 今までの少ない出番をこれで補おうとしても無駄よ!』

マサキ『実際あんたの方が出番少ないやろ!』

さわ子『なんですって〜!?』

マサキ『ギャーッ!!』

リョウ『はは…、三対三の交替戦、試合開始です』
851 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:08:52.30 ID:W3MMNYTAO

ボム!

ブイ太「シャワー!」

ぶらら「ブラー!」

唯憂「!!」

梓「あれは…」

紬「イーブイ対決ね!」

ミナキ「シャワーズとブラッキーか…」

まいこはん「あんれまぁ、あの子達が持っていたんどすなあ」

ミナキ「げっ、師匠!?」ヒサビサ!

まいこはん「げっ、とはなんどす? ミナキはん」

ミナキ「あはは…」

まいこはん「…まっ、ええどすー」

ミナキ「……それで、あのシャワーズとブラッキーが?」

まいこはん「そうどすー。オーキド博士に譲った二匹のイーブイどす」

ミナキ「ほう…」

まいこはん「二匹ともかわいくたくましく育ってくれたみたいで良かったどすなぁー」

ミナキ(姉妹である二人の手に行くとは、何と言う運命…!)
852 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:12:26.74 ID:W3MMNYTAO

唯「ブイ太、“ハイドロポンプ”!」

ブイ太「シャワーっ!」バシャアッ

憂「ぶらら、“あくのはどう”!」

ぶらら「ブラーっ!」ギュアンッ

ドオオオオオオッ!!!!!!!

梓「…っ、二匹ともすごい威力です…!」

紬「すごいわ、憂ちゃん…!」

澪「ああ……いくらトレーナーズスクールに通っていたからって、一年であれだけの実力がつくなんて…」

「まっ、私が認めた実力のあるトレーナーだからね」

梓「貴方はクロツグさん!」

クロツグ「久しぶりだな、梓ちゃん。紬ちゃんも」

紬「お久しぶりです〜♪」ペコリ
853 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:20:28.55 ID:W3MMNYTAO

純「って、お父さん!?」

クロツグ「おっ、純か!」

純「今までどこに行って…っていうか、どうしてここに!?」

クロツグ「なんだかなー。お父さんも子供じゃないんだから、少しくらいいなくなったってそんなに心配することもないだろう?」

純「そうだけどさ…」

クロツグ「あの時はちょっと用があったのさ。たった今帰ってきたところだよ」

純「…どうでもいいけど、たまには家にも顔出しなよ? お母さんだって寂しくないわけないんだからさ」

クロツグ「はは、純に言われるとは参ったなあ。…大丈夫だ。このリーグが終わったら一回帰るつもりだからな。その時は家族水入らずで過ごそう」ナデナデ

純「…えへへっ」

アンズ「その点では純殿は早く帰れるでござろうな」

純「な、どういう意味よ!?」

アンズ「そういう意味でござる」

純「なにそれ〜!? てか空気読めー!!」

純アンズ「む〜!」バチバチッ…

紬「まあまあ♪」

クロツグ「ははっ」

梓「というか、バトルの最中なんですけど…」
854 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:31:08.48 ID:W3MMNYTAO

ブイ太・ぶらら「…」スタッ

憂(ぶららは真っ直ぐなぶつかり合いは得意じゃない)

憂「ぶらら、“すなかけ”!」

ぶらら「ブラー!」ブアッ

バシャッ!

ブイ太「!」ジャリッ…

唯「ブイ太っ! …命中率を下げようとしてるんだね。でも無駄だよ!」

ブイ太「…、」ブルブル

憂「…?」

唯「ブイ太の全身のヒレが小刻みに震えてる…。それは雨が降る、しるし! “あまごい”!!」

ブイ太「シャワー!」

ザアアアアアッ!!!!!

憂「! 雨で砂を洗い流すつもりだね…!」

唯「うん! そして、水を自在に操る力を持つブイ太にとって、雨は味方!」

憂「…ぶらら、“つきのひかり”!」

ぶらら「ブラッ!」ピカッ!

唯「…!?」
855 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:51:11.14 ID:W3MMNYTAO

サーッ……

梓「辺りが暗くなって………って、月!?」

律「室内に月って……。星もたくさん…」

憂「“つきのひかり”の応用だよ。雨もやんで、ぶららに有利なフィールドになった…!」

憂「“しっぺがえし”!」

ぶらら「ブラー!!」ダッ

ブイ太「!」

ドンッ!!!!

ブイ太「…っ!」ガチッ…

ぶらら「…」ググッ…

唯「“ハイドロポンプ”!」

バシャアアアッ!!!!!

ぶらら「ブラ…ッ」ドシャアンッ!

唯「…よしっ!」

唯「ブイ太、今撒き散らした水に“とける”!」

ブイ太「…」シュウウ……

紬「本当に水に溶けて見えなくなったわ…」

和「競技場一面に“ハイドロポンプ”の水が残っているから、どこに潜んでいるかも分からないでしょうね」

和(でも……このフィールドがブラッキーを味方する…!)
856 :ぽけもん :2011/08/17(水) 21:56:06.51 ID:W3MMNYTAO

ぶらら「…、」キョロキョロ

憂「どこから出てくるかな…?」

唯「…」

ブクッ……

唯「“ハイドロポンプ”!!」

バシャアアアッ!!!!!!

ぶらら「…!」

憂「真下…!?」

ドオオオオン!!!!!

ぶらら「…っ」ヨロッ…

唯「ふふ、もうぶららの体力はほとんど…」

ぶらら「……」キラアッ!

唯「! な、に…?」

憂「“つきのひかり”の本来の効果、体力回復だよ!」

和「やっぱりね…」

澪「? 何がやっぱりなんだ?」

和「“つきのひかり”は回復技だけど、今はそれがフィールドを包んでいる……どういうことか分かるわよね?」

澪「…! まさか……あの月がある限り、ブラッキーは常に体力を回復することができるのか!?」

憂「そうです。これが私のぶららの戦法! “つきのひかり”がその力を発揮すれば、私達に負けはない!」ドンッ

唯「……!!」
857 :ぽけもん :2011/08/17(水) 22:24:06.51 ID:W3MMNYTAO

律「そんな…こんなの、本当に勝ち目がないじゃねえか!」

純「憂はフロンティアでは、あの戦法でルーレットゴッデスのダリアさんに勝ったんです。あれを攻略するのは不可能ですよ」

唯「……っ!」

ピチャ…

憂「そして、水たまりに逃げても…この月がある限り、無駄だよ!」

ピカアアアッ!!!!!

ブイ太「!」

憂「夜空いっぱいに広がる星…それらがすべて攻撃に変わる! “スピードスター”!!」

カッ!

ドドドドドドド……!!!!

ドガアアアアアアンッ!!!!!!!!!!

シュウウッ……

ぶらら「……」

憂「これで逃げ場はもうないはず…」

憂「!」

唯「ケホケホ…、なんとか間に合ってよかったよ…」

ピッ太「ピーッ!」

憂「ピクシー!?」

ミナキ「交替したか。うまい! これで形勢を立て直したな!」

まいこはん「シャワーズとブラッキーの対決はもう少し見ていたかったもんやけどなあ」
858 :ぽけもん :2011/08/17(水) 22:29:51.71 ID:W3MMNYTAO

憂「でも優勢なのはこっち! ぶらら、“だましうち”!」

ぶらら「ブラーッ!」シュバッ

ピッ太「!?」

ドガアッ…!

ピッ太「…ピッ!」ケロッ

憂「うそ! “だましうち”で死角を狙って攻撃したのに、全然効いてない!?」

ピッ太「ピッ!」つバトン

憂「あれは……、“バトンタッチ”!?」

唯「うん、ブイ太の“とける”をピッ太が受け継いだの。ピッ太はブイ太みたいに水に溶けられないから、代わりに防御がぐーんと上がったみたい」

ピッ太「ピッ!」エヘンッ

律「すごいぞ、唯! たまたまだったにしても!」

唯「ひどいよ、りっちゃん!」ガーン!

唯「まあ、“バトンタッチ”がそんな効果だってことは知らなかったけどさ…」ゴニョゴニョ

憂「……」

憂(違う……。運も実力の内というけど、あの言葉の真意は、運がいい人は『運を引き寄せるだけの実力がある』ってこと。つまり、これはお姉ちゃんの実力!)
859 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:13:47.72 ID:12V9fiHAO

唯「おーし、もっと行くよ! ピッ太!」

ピッ太「ピーッ!」ピョーン

梓「すごいジャンプ力です!」

唯「こう見えても、背中の翼を使って飛ぶようにスキップできるんだ!」

紬「このまま月に届きそうな勢いよ!」

憂「! まさか…!」

唯「月の光を浴びて進化するというピッ太は、多分ぶららより月に関連性があって、月をよく知ってる!」

唯「ピッ太なら分かるよね? 月の『急所』が!」

ピッ太「ピッ!」コクッ

唯「“コメットパンチ”!!」

ピッ太「ピーッ!!!」ギュオッ…

ドゴオオオオオオッ!!!!!!!

憂「惑星を破壊する…“コメットパンチ”……!」

ぶらら「…!」

ヒュウウ………!

憂「崩れた月の破片が…!?」

唯「“ちきゅうなげ”ならぬ、“つきなだれ”ってね!」

ドダアアアアンッ!!!!!

ぶらら「…、」シュウウッ……

バタッ!

さわ子『ブラッキー戦闘不能よー! これで唯ちゃんが少し有利になったわね!』

マサキ『余計なこと言わんでええ!』
860 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:35:52.69 ID:12V9fiHAO

憂「ぶらら、ありがとう」シュウウッ

憂「…やっぱりお姉ちゃんは強いね」

唯「えへへ…」

憂「でも負けないよ! ぷりり!」ボム!

ぷりり「プクリーン!」

澪「憂ちゃんの二匹目はプクリンか」

律「こりゃまた厳しいかもな…」

憂「ぷりり、“のしかかり”だよ!」

ぷりり「プクリーッ!」バッ

ドシーンッ!

ピッ太「…ッ!」ズシッ…

唯「ピッ太、なんとか返して…」

ピッ太「ピ〜…」スリスリ

唯「ピ、ピッ太?」

憂「ぷりりの毛皮は気持ちいいから、中々離れられないよ。ピッ太はぷりりの毛皮の虜になっちゃったね」

ピッ太「ピ〜…」スリスリ

憂「息を吸い込んで突き飛ばして!」

ぷりり「プクリー!」スウッ…

ピッ太「ピ!?」

ボウウウン!!!!
861 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:37:14.76 ID:12V9fiHAO

ピッ太「ピ〜ッ!?」ヒュウウー…

唯「ピッ太あ!」

憂「“ハイパーボイス”!」

ぷりり「プっクリー!!!」

ドオオオオオオンッ!!!!!!

バタアン!

ピッ太「ピ…、」

マサキ『ピクシー戦闘不能や!』

唯「戻ってピッ太!」シュウウッ

唯「……。ブイ太、もう一度おねがい!」ボム!

ブイ太「シャワー!」

憂「…!」

憂(そっか…。お姉ちゃんも同じ考えなんだね)

唯(これは三対三のバトル。お互いに残りは二匹。そのうち、今出ているブイ太とぷりりは先の戦いで体力が減ってる…)

唯憂(なら、三匹目に全てを託す!)
862 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:38:55.76 ID:12V9fiHAO

唯「ブイ太、“みずのはどう”!」

ブイ太「シャワー!」

バシャアッ!

ぷりり「プクゥ…」

唯(メリ太の電撃が通るように、フィールドに水を撒いておくよ!)

唯(気になるのは憂の三匹目…)

憂「ぷりり、“でんげきは”!」

ぷりり「プクリー!!」

バチイイッ!!!!

ブイ太「シャワー!?」

唯「ブイ太っ!」

律「効果は抜群だ、これは痛いぞ!」

憂「“ハイパーボイス”!」

ぷりり「プクリーン!!」

ドガアアッ!!!!!

ブイ太「…ッ!」ビリビリ…

唯「ブイ太、頑張って! “アクアテール”!」

ブイ太「シャ…ワーッ!」ダッ!

ぷりり「!」

ゴシャッ…!

ブイ太「…」ぷりり「…」

ブイ太・ぷりり「」バタアンッ

さわ子『両者同時に戦闘不能! 互いに残り一匹となりましたー!』
863 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:41:08.53 ID:12V9fiHAO

澪「最後は一騎打ちか!」

紬「相性が重要になってくるわね…」

唯「メリ太!」ボム!

メリ太「モコー!」

憂「最後はあなただよ!」ボム!

バチャッ!

唯「!」

唯(ブイ太の作った水溜まりに“ダイビング”をした…?)

唯「水タイプなら…“ほうでん”だよ!」

メリ太「モコー!!」バチバチィッ…!

ピシャアアッ!!!!!

シーン……

メリ太「……」

プカー

唯「!」

憂「ウヌヌ、“れいとうパンチ”!」

バッ!

ドゴオオッ!!!!

メリ太「〜っ!?」

唯「そんな!?」
864 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:43:16.39 ID:12V9fiHAO

バチャッ!

ウヌヌ「……」ヌソッ…

唯「! ヌオー!」

梓「水・地面タイプのポケモン! 電気技は効きません!」

紬「モココには圧倒的に不利な相手よ!」

唯「う…」

メリ太「モコ、」ジリッ…

憂(わたげポケモン・モココはゴムのような皮膚を持つ。皮膚を狙っても攻撃を弾かれちゃうかもしれない…だから狙うのは)

憂「綿毛の部分! ウヌヌ、“マッドショット”!!」

ウヌヌ「ヌオー!!」

ブシャッ!

メリ太「モコ!?」

唯「! いけないっ!」

唯「“シグナルビーム”で反撃だよ!」

メリ太「モコー!!」ビュオオッ

憂「ウヌヌ、“ダイビング”!」

ウヌヌ「ヌオ!」バシャッ

メリ太「!」

憂「背後に回って“マッドショット”!」
865 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:48:19.16 ID:12V9fiHAO

ウヌヌ「ヌオー!」

ドシャアッ!!!!

メリ太「モコーッ!?」

唯「メリ太…!」

メリ太「モコ…!?」ズシッ……

唯「メリ太!?」

ミナキ「“マッドショット”で素早さが下がったか。これで攻撃を上手く避けられなくなる…いい作戦だ」

唯「次の攻撃を喰らったら…!」

メリ太「モコ……」

憂「お終いだよ、お姉ちゃん! “どろばくだん”!!」

ウヌヌ「ヌオーッ!!!」ブシュッ

バシャアアアアアッ!!!!!

メリ太「……!」

唯「っ! 一か八か……、“わたほーうし”っ!」

メリ太「モコ!」キッ

モコモコモコモコモコモコ…!

ウヌヌ「…!?」

憂「綿で前が見えない…!」

憂「“みずでっぽう”で綿を撃ち落として!」

ウヌヌ「ヌオー!!」バシャアッ
866 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:49:49.01 ID:12V9fiHAO

シュウウッ……

メリ太「……」

憂「! モココの綿毛がなくなってる…?」

メリ太「モココー!」ピカアッ!

憂「進化!?」

メリ太(デンリュウ)「リュウウ!」

澪「綿毛がなくなって、完全な姿が出来上がったんだ!」

唯「行くよ、メリ太。“シグナルビーム”!」

メリ太「リュウウ!!」ビュオオッ

憂「! “れいとうビーム”!」

ウヌヌ「ヌオー!!」ビュオオッ

ドオオオオオオン!

メリ太「…」

ウヌヌ「…」

唯「やっぱりメリ太は電気技だね」

憂「…電気技はウヌヌに効かないんだよ?」

唯「知ってるよ。でもメリ太は電気技を通して、絶対に勝ってくれる!」

唯「メリ太、“ひみつのちから”!」

メリ太「リュウウー!!」ダダッ
867 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:50:43.64 ID:12V9fiHAO

憂「! で、電気技っていうのはフェイク!?」

唯「ううん、電気技で決めるのは本当だよ!」

憂「…どちらにしても、“ダイビング”で……」

ウヌヌ「ヌオ…」オロオロ

憂「ウヌヌ?」

モコモコ…

憂「! 綿毛が水分を吸って、水溜まりが干からびてる!?」

メリ太「リュウウー!」ドガッ!

ウヌヌ「…っ!」

憂「これくらいじゃ倒れないよ…!」
868 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:52:21.01 ID:12V9fiHAO

唯「ううん、倒すことが目的じゃない。“ひみつのちから”の追加効果、麻痺!」

ウヌヌ「ヌオ…っ!」ビリッ!

唯「これは地面タイプに電気を流せる数少ない方法。この電流を通して、メリ太の電気技を喰らわせる!」

憂「まさか…っ!」

唯「“10まんボルト”!!」

メリ太「リュウウウウウッ!!!!」バチバチイッ!

ピッシャアアアアアアンッ!!!!!!!!!!!!!!!

ウヌヌ「ヌ…オオオオ!!?」

ドガアアアンッ!!!!!

ウヌヌ「」ドサッ

マサキ『ヌオー戦闘不能や! よって勝者は…』

さわ子『平沢唯ちゃんよーっ!』 マサキ『おい!』

憂「ああ…」スタッ

ウヌヌ「ヌオ〜…」

憂「ウヌヌ、よく頑張ったね」シュウウッ
869 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:55:02.88 ID:12V9fiHAO

唯「か、勝ったんだ…」

メリ太「リュウウ!」

唯「やったね、メリ太!」

唯「…って。今さら『メリ太』なんて子供っぽいかな? ……そうだね、これからは『リュウ太』でよろしくねっ!」

リュウ太「リュウウ♪」

ザッ…

憂「お姉ちゃん」

唯「! 憂」

憂「負けちゃった…」

憂「お姉ちゃん、旅に出てからたくましくなったね」

唯「えへへ、そうかな…」

憂「律さんから聞いたよ。お姉ちゃん、立派なお姉ちゃんになるために旅に出たんだって」

唯「う、うん。私なれたかな…?」

憂「おバカさんだね、お姉ちゃんは」

唯「ふぇ?」

憂「昔からお姉ちゃんは立派なお姉ちゃんだよ。私が野生ポケモンに襲われた時も一生懸命守ってくれたし、私がトキワの森で迷子になった時も軽音部のみなさんに呼び掛けて探しに来てくれた…」

唯「そんなこともあったかな…」エヘヘ…

憂「ふふ。ありがとう、お姉ちゃん!」

唯「…うんっ」
870 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:56:07.61 ID:12V9fiHAO

唯父「唯おめでとう!」

唯母「憂は残念だったわね♪」

唯「お父さん、お母さん」

唯母「二人ともかっこよかったよ♪」

唯父「うん!」

唯憂「えへへ……」

唯父「軽音部のライブで演奏してた唯はかっこよかったが、ポケモンをやっている唯もかっこいいな!」

唯「えへへぇ〜」

唯父「……」

唯「? どうしたの、お父さん」

唯父「…唯」

唯父「後悔、しているか?」

唯「え…?」
871 :ぽけもん :2011/08/18(木) 02:58:28.03 ID:12V9fiHAO

唯父「お前は立派なお姉ちゃんになるためにポケモンを連れて旅に出かけた。だが今ここでその目的を達成した。それどころか、元より立派なお姉ちゃんだったんだ」

唯父「…話を聞けば、この旅の中何度も危険な目に遭ったそうじゃないか。なんとか今こうして無事でいるが……そもそも旅に出なければ危険な目には遭わなかった」

唯父「旅の目的が達成するまでもなかったと知った今、旅に出たことを後悔しているか?」

唯「……」

唯「…ううん、後悔なんて……。確かに危険な目には遭ったよ? でもそれがきっかけで分かったこともあるんだ。ポケモンたちの思い、人と人との繋がり、そして人とポケモンの絆…」

唯「この旅で色んな人やポケモンに出会って、私も成長できたと思う。それに何より、この二年間楽しかった!」

唯「こうしてみんなとポケモンバトルをできるのも旅のおかげ…」

唯「後悔なんてしてるわけないよっ!」

憂「お姉ちゃん…」

唯母「ふふっ♪」

唯父「それでこそ、パパの娘だ!」

唯母「あら。ママの、とは言ってくれないの?」

唯父「ふふ、もちろん。ママのおかげでこんな立派で可愛く育ったんだよ」

唯母「うふふ、パパのおかげよ〜」

キャッキャウフフ

唯憂(仲良しだなあ)


憂「お姉ちゃん、優勝目指して頑張ってね!」

唯「もちろんだよ!」フンスッ

憂「ふふ」

唯「えへへ…」
872 :ぽけもん :2011/08/18(木) 03:01:02.74 ID:12V9fiHAO
とりあえず、唯憂戦おわりです
唯は進化前が意外と多かったな
父母は一応原作基準

読んでくださった方はありがとうございました
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/18(木) 09:25:03.73 ID:rgUptrrao
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/08/30(火) 00:39:18.48 ID:BqZgITVL0
続きマダー
875 :ぽけもん [sage]:2011/08/30(火) 23:45:00.00 ID:Bl+PtaQAO
すみません、一気に投下しようかと思いましたが予定より遅くなりました
残りの準々決勝のバトル、すべて投下します
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
876 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:46:05.74 ID:Bl+PtaQAO

………………


さわ子『それでは決勝リーグ第二試合、CブロックとDブロックの一位の二人は位置についてねー!』

マサキ(もう慣れた……)

ザンッ!

律「……」 和「……」

律「相手は和か…。一度は戦ってみたい、って言ったけどこんなに早く戦うことになるとはな」

和「私は曲がりなりにも四天王……そう簡単には負けないわよ?」

律「へっ、四天王か。相手にとって不足なしだ!」

さわ子『両者準備はいいわね? それでは試合開始!!』

律「いけえ、ヒート!」ボム!

ヒート「ヒヒーン!」

唯「出た! りっちゃんの一番手はヒート!」

律「やっぱり最初はお前じゃないとな」

ヒート「ヒヒン!」

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877 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:47:28.25 ID:Bl+PtaQAO

和「ブーピッグ、出番よ!」ボム!

ブーピッグ「ブピブピ!」

律「ヒート、“かえんほうしゃ”!」

ヒート「ヒヒーン!!」

ボオオオオオオオッ!!!!!!

ブーピッグ「ブピ…!」

和「“サイコウェーブ”!」

ブーピッグ「ブピー!」

シュロロロロ!!!!

ヒート「っ!?」

律「!」

和「ブーピッグの特性“あついしぼう”は熱を通さないわ」

ブーピッグ「ブピー!」フンッ

梓「それに和先輩はエスパータイプのエキスパート。ただ力で押しても勝てません!」

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878 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:48:53.35 ID:Bl+PtaQAO

律「……」

ヒート「ヒヒン…」

和「今度はこちらから行くわよ。ブーピッグ…、」

ブーピッグ「ブピ……?」フラッ……

和「!」

ブーピッグ「ブ、ブピ……」フラフラ…

和「どうしたの、ブーピッグ?」

ボオオオオ…!

和(! この熱気は…ギャロップの炎……?)

律「なあ和、『マッチ売りの少女』の話は知ってるか?」

律「マッチを売る貧しい少女の話だ。その少女はあまりのひもじさに売り物のマッチをすった。そしたら炎の中に幻を見たんだってさ」

律「この炎も同じだ。幻を見せるなんて大層なものじゃないけどな。…エスパー技を使えるのはエスパーポケモンだけじゃないってことさ!」

ブーピッグ「ブピ…」バタッ

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879 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:50:45.30 ID:Bl+PtaQAO

ブーピッグ「ZZz…」

和「“さいみんじゅつ”…!」

律「さらに、ヒートの攻撃手段は炎技だけじゃない! 進化して立派になった角も武器の一つだぜ!」

律「“メガホーン”!!」

ヒート「ヒヒーンッ!!」ギュンッ

ズドオオオオオッ!!!!!

ブーピッグ「」ドサッ

マサキ『ブーピッグ戦闘不能や!』

和「戻って、ブーピッグ」シュウウッ

和「…やるわね、律」

律「四天王に褒められるとは光栄だな」

和「ふふ。…次はあなたよ!」ボム!

エルレイド「レイー!」

律「エルレイドか…。またヒートの炎で、とはいかないな」

和「そうね。何せ、エルレイドの得意とするのは接近戦」

律「力比べってか。いいぜ! ヒート、“メガホーン”!」

ヒート「ヒヒーン!」ダッ

エルレイド「!」

ガキイイイ…!

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880 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:52:30.96 ID:Bl+PtaQAO

ヒート「…!」

エルレイド「…」ニヤ

律「止められた!?」

和「“サイコカッター”よ!」

エルレイド「レイーッ!!」シュッ

ザキイイイイッ!!!!!!

ヒート「…ッ!!?」

ドサアアッ!

梓「エルレイドはエスパーと格闘の複合タイプです」

紬「エスパータイプでありながら、接近戦が得意なんて!」

ヒート「ヒヒ…、」

律「一旦交替だ。戻れヒート!」シュウウッ

律(エルレイドの物理攻撃に有利に戦えるのはこいつしかいない!)

律「ウィング、君に決めた!」ボム!

ウィング「ワタワター!」

和「エルレイドはタイプ相性も覆すわ! “サイコカッター”!」

エルレイド「レイーッ!」ビュンッ

ウィング「!」

ヒュオッ…

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881 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:54:34.40 ID:Bl+PtaQAO

エルレイド「…!?」

和「外した!? いや、かわされた!」

律「ウィングを相手する人はみんなそんな顔をするよ」

律「ウィング、“ぎんいろのかぜ”!」

ウィング「ワタワター!」ビュオオッ

律「ワタッコは風に乗って空を飛ぶ! 攻撃の風圧で無意識のうちに避けられるのさ!」

和「…!」

律「“ギガドレイン”!」

ウィング「ワター!」ピトッ

エルレイド「!」

ジュウウウ…!

エルレイド「レイッ…!?」

和「っ! エルレイド、“サイコカッター”…」

律「“ぎんいろのかぜ”!」

ビュオオッ!!!!

和「逃げられた! …いや、“しんくうは”!」

エルレイド「レイーッ!!」ブンッ

和「連続で“しんくうは”よ!」

ヒュン ヒュン ヒュン

ウィング「ワタ!?」

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882 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:56:21.86 ID:Bl+PtaQAO

ヒュン!

ザシュ…!

ウィング「…っ!」

梓「掠った!」

和「連続攻撃には弱いみたいね」

律「……っ!」

律(前にもカポエラーの“トリプルキック”で攻撃を当てられたことがあるけど……、ウィングの弱点をこの短時間で見抜くなんてな…)

律「…っ、連続攻撃には連続攻撃だ! “タネマシンガン”!!」

ウィング「ワターっ!」シュプププッ

和「エルレイド!」

エルレイド「エルレイ!」シュバッ

キキキキイイン!!!!

ウィング「ワタ!?」

律「全部弾かれた!?」

エルレイド「レイッ」シャキンッ

和「エルレイドの肘の刀は伸縮自在よ。種の攻撃なんてすべて受け切れるわ」

律「く…!」

和「今度はこの刀を攻撃に使用する! エルレイド、“リーフブレード”!」

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883 :ぽけもん :2011/08/30(火) 23:58:32.77 ID:Bl+PtaQAO

エルレイド「エルレーイ!」シュバッ

ウィング「…!」

ビシバシビシバシ!

ウィング「ワター!?」

律「伸縮自在の刀を上手く使った攻撃の雨…! なんて激しいラッシュだ!」

和「守るものが明らかになったとき、エルレイドは肘を伸ばし本物の刀のように変化させて激しく戦うと言われているのよ。エルレイドが守るのは、私の勝利!」

エルレイド「エルレーイッ!」

ビシバシビシバシ!

ウィング「ワタァ…!」

和「トドメよ! “インファイト”!!」

エルレイド「エル…レイ……ドオオオオッ!!!」

ドダダダダダダダ!!!!!

ウィング「ワ、ワタ…っ」

ダアアアンッ!!!!

ウィング「ワタァーッ!?」

ドシャアンッ!

ウィング「」ガクッ

律「ウィングっ!」

マサキ『ワタッコ戦闘不能……』

さわ子『待って!』

マサキ『なんや?』

和「…!」

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884 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:00:08.42 ID:hx0kDaVAO

律「……へへ」

エルレイド「…ッ!」バタッ

和「エルレイド!?」

エルレイド「レイ……!」ジュウウウ……

和「…“やどりぎのタネ”?」

律「そうだよ」

和「いつの間にこんな…」

律「利害は表裏一体ってな。そりゃあ伸縮自在の刀も例外じゃない。激しい戦いの中じゃ、案外隙が生まれるもんだぜ?」

エルレイド「」ガクリ

マサキ『ワタッコ・エルレイド、両者戦闘不能や!』

律「よくやったな、ウィング!」シュウウッ

和「エルレイド、ありがとう」シュウウッ

律「ヒート、もう一度頑張ってくれ!」ボム!

ヒート「ヒヒーン!」

律「来い、和! 最後のポケモンは何だ!?」

和「…私の最後の一匹は一筋縄ではいかないわよ」

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885 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:01:44.63 ID:hx0kDaVAO

和「オーベム!」ボム!

オーベム「オォォム」

律「オーベム…?」ピッ

ポケモン図鑑『オーベム、ブレインポケモン。サイコパワーで あいての のうみそを あやつり きおくする えいぞうを ちがう ものに かきかえてしまう』

律「……」

律「ど、どういうことだ…?」

ヒート「ヒヒン?」

律「まあいっか。ヒート、気をつけろよ! “フレアドライブ”だ!」

ヒート「ヒヒーン…!」ボオオオオッ

ダッ!

和「オーベム、“サイコキネシス”…!」

オーベム「オォォム…!」ウイイイン!

律「かまわず突っ込め!」

ヒート「ヒヒーン!!」

オーベム「……」

ヒート「ヒヒーン!!」ダダダダ

オーベム「……」ユラァ……

ヒート「…!?」


スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」バンッ


ヒート「ヒヒーン!?」

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886 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:03:16.65 ID:hx0kDaVAO

ドシャアッ!!!!

律「っ!?」

ヒート「ヒ…ヒン……」バタッ

律「何だ…? どうしてヒートは倒れてるんだ……」

オーベム「……」

和「まんまと掛かったみたいね、オーベムが作る映像に」

律「映像…?」

和「さっき図鑑が言った通りよ。オーベムはサイコパワーで相手の脳を弄られる。それでギャロップの脳にこの状況とは違う映像を送ったのよ」

律「! それじゃあ、今ヒートにはオーベムは見えていない!?」

ヒート「ヒヒン…」

スターミー「…」ギロッ

和「“サイコキネシス”!」

スターミー「トゥトゥトゥトゥル!」ウイイイン!

ヒート「…ッ!」

ドサアアッ!

律「ヒート…!」

ヒート「」バタッ

マサキ『ギャロップ戦闘不能や!』

律「戻れヒート!」シュウウッ

律「…よく頑張ったな」

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887 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:04:51.78 ID:hx0kDaVAO

オーベム「オォォム」

律「……」

律(脳に映像を送り出すことができるオーベムか。あいつに対抗するにはどのポケモンでいけばいいんだ?)カチャ……

和「無理よ。どんなポケモンでもオーベムのサイコパワーから逃れることは出来ないわ」

澪「脳に映像を送られて何もできずに終わりってことか…」

律「! クソっ! それじゃあどうすれば…!」

律(! 待てよ…)

カチャ…

律「こいつなら大丈夫かもしれない…」

律「………いや、大丈夫だ!」ボム!

フォウル「アーケエ!」

律「フォウル、お前を信じる!」

梓「あのポケモンはトンちゃん……アバゴーラと同じ古代ポケモン、さいこどりポケモン・アーケオス!」

唯「確かヤーコンさんに“はねのカセキ”を貰ったんだよね!」

和「すべての鳥の祖先と言われるアーケンの進化形のアーケオスでも、オーベムのサイコパワーは回避できないわよ」

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888 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:06:45.68 ID:hx0kDaVAO

和「“サイコキネシス”!」

オーベム「オォォム!」ウイイイン!

フォウル「…!」


ハッサム「ハッサム!!」


フォウル「アーケ……」

律「フォウル!」

フォウル「アーケエエ!!」ギンッ

和「! そんな…まさか効いていない!?」

律「フォウルには敵を必ず狩ってみせる、という本能が備わっているんだ」

和「本能?」

律「ああ、それは並大抵のものじゃない。化石ポケモンだからこそ持っている、太古から染み付いている本能だ!」

律「今更、サイコパワーなんかじゃあ止められないぜ!」

フォウル「アーケエエ!!」ダッ

和「! 飛ぶのでなく、走って……!?」

律「アーケオスは飛ぶより走る方が速い! 獲物を素早く狩るために必要な速さを走ることで身につけたんだ。そして、その速さに比例するのがこのパワーだ!」

律「“もろはのずつき”!!」

フォウル「アーケエエ!!!」ギュンッ

オーベム「…!!」

ドギャアアアアアアッ!!!!!!!!!!!

オーベム「…っ………!」

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889 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:08:15.74 ID:hx0kDaVAO

ドシャアアアアッ!!!!!

オーベム「……、」ガクリ

マサキ『オーベム戦闘不能や! よって勝者は……………あっ』

マサキ『ち、ちょっとさわ子はん。あとは頼んださかい!』ダッ

さわ子『え、ええ!? ………………し、勝者りっちゃん!』

和「…戻ってオーベム」シュウウッ

律「いいバトルだったぜ、和!」

和「ええ。律、このまま優勝目指してね?」

律「おうよ! 言われずもがな、だぜ!」

マサキ「お〜い、和は〜ん!」タタタ

律「! マサキ?」

和「何か用ですか?」

マサキ「いや、ちょっとお願いがあってな」

和「?」




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890 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:13:18.55 ID:hx0kDaVAO

………………


さわ子『次は第三試合ね! EブロックとFブロック一位の二人は準備をしておくように!』

紬「よぉーし!」

澪「…」

紬「澪ちゃんと戦うのね…」

澪「バトル経験は互角、いい勝負にしようムギ」

紬「もちろんよ」

さわ子『ではバトル開始よ!』

ボム!

リン(レントラー)「レーン!」

くらくら「ドククラー!」

紬「!」

律「一見、レントラーが有利に見えるけど…」

ミナキ「あのドククラゲは私が譲ったドククラゲだ」

澪「電気技は効かない!」

リン「グルル…!」

紬「…リン、“こおりのキバ”よ!」

リン「レーンッ!!」コオッ!

ガキイイッ!!!!!

くらくら「!?」

澪「!」

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891 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:15:53.71 ID:hx0kDaVAO

紬「レントラーの武器は電気技以外にも色々あるわ。まずはこの牙!」

リン「レンーッ!」ガジガジ…

くらくら「クラ…」

紬「澪ちゃんのドククラゲが地面タイプを持つのなら、氷技は等倍になるはずよね」

くらくら「クラ…!」

ミナキ「地面タイプを持つことで電気タイプに対抗出来るようになったが、逆に水タイプの耐性をなくしてしまった……そこを突いてきたのか」

律「そこは考えなかったのか?」

ミナキ「まあ、対ライコウを前提としていたからな」

紬「まだまだレントラーの力はこんなものじゃない。次は鋭い爪! “れんぞくぎり”よ!」

リン「レン!」ザキッ

リン「レンッ!」ザキイッ

ザギイイイッ ザギイイイイイッ……

リン「レーンッ!!!」

ザギイイイイイイッ!!!!!!!!!!!

くらくら「クラぁああああ!?」

梓「五回すべてが決まりました…!」

紬「最後は長い尻尾よ! “アイアンテール”!!」

リン「レンーッ!!」ブオッ

メキイイイイイッ……!

くらくら「クラ、ぁ…!!?」

澪「くらくら…っ!」

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892 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:17:54.99 ID:hx0kDaVAO

くらくら「」ドシャアン!

紬「戦闘不能ね」

澪「…いや、くらくらの瀕死は無駄じゃない」

リン「…、」ヨロ…

バタン!

紬「え……?」

さわ子『両者戦闘不能よ!』

紬「どうして……」

ジャリ……

紬「! この砂は…」

澪「くらくらの肌についている“やわらかいすな”だよ」

紬「肌に……? もしかして、リンが攻撃する度にこの砂がリンを傷つけてダメージを負わせていたの?」

澪「そう、言わば“さめはだ”みたいなもの。レントラーがくらくらにダメージを負わせるほどレントラーもその分ダメージを負っていたんだ」

紬「でも、それでもリンが倒れるほどのダメージは負わせられないはず……」

澪「それは……ドククラゲのタイプ、水・地面ともうひとつ」

紬「! 毒……! 砂に毒が混じっていたのね!」

紬「……やるわね、澪ちゃん」

澪「ムギも。面白いバトルだよ」

紬「ふふ♪」

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893 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:19:48.95 ID:hx0kDaVAO

澪「…二戦目だ! デスらん!」ボム!

デスらん「デスー!」

リラ「! イッシュで捕まえた新しいポケモンか!」

純「みんな新しいポケモン持ってるんだねー」

紬「デスマスか…。ここからはさっきみたいにはいかないわ! レン!」ボム!

レン(ドンファン)「バオオオ!」

イツキ「んっふ。紬さん、やるつもりですね」

ナツメ「そのようね」

梓「! イツキさん、ナツメさん」

澪「“シャドーボール”だ!」

デスらん「デスー!!」

紬「ふふ…」

レン「バオオオー!!」ギュルンッ!

デスらん「!」

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894 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:22:44.73 ID:hx0kDaVAO

レン「バオオオ!!」ゴロゴロ!

澪「“ころがる”!? かわされたか!」

イツキ「あれはただの“ころがる”ではありません。僕が教えた超能力のひとつです」

レン「」ギュルンッ!

澪「! 方向転換した!?」

紬「まっが〜れ!!」

ギュオンッ!

デスらん「…!?」

レン「バオオオオオ!!」

ドガアアアン!!!!!

デスらん「デスー!?」

純「あれがムギ先輩の超能力か! かっこいいー!」

イツキ「しかしおかしなことがあるんです」

梓純「おかしなこと?」

イツキ「あの超能力はドンファンを動かす念力を出すエスパーポケモンが不可欠なんです。紬さんの場合はユンゲラー。今回は公式な試合ですのでユンゲラーはこの場に出せません。なのに超能力を使えている……これはどういうことでしょうか」

梓「どうって……」

ナツメ「ユンゲラーはモンスターボールの中にいるわ。ユンゲラーは紬を通してドンファンに念力を伝えているのよ」

純「そんなことできるんですか?」

イツキ「出来ますよ。以前の紬さんなら不可能でしょうが、今の紬さんなら出来ます」

梓「それってどういう…?」

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895 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:24:45.10 ID:hx0kDaVAO

イツキ「紬さんは超能力者になりましたから」

梓純「…!!」

イツキ「『もっともっと特訓して、私自身が超能力者になります!』と彼女は言っていました。……んっふ、本当になれたんですね」

ナツメ「彼女は珍しいタイプの超能力者ね。努力で超能力を身につけたのは、世界中を探しても恐らく彼女ただ一人よ」

梓(ムギ先輩……私の研究を手伝っている間もずっと超能力の練習をしていたんですね。今思えば、前に“ゆめのあとち”で澪先輩を見かけたと言っていたのはムンナを探していたからだけじゃなくて、そこで特訓をしていたからだったんだ…)

紬「んふふ、澪ちゃん。超能力を見せてあげるわ!」

澪「…っ!」

梓(笑い方が変なのはイツキさんの影響ですよね…)

紬「まっが〜れ!!」

レン「バオオオオオーッ!!」ギュオンッ

デスらん「デス…っ!」

ドガンッ!

デスらん「デスー!?」

紬「次は下から! あっが〜れ!!」

レン「バオオオ!!」ブオッ

デスらん「!」

ドガアアアン!!!!!

デスらん「……、ッ!」

ドシャアンッ!

澪「! デスらん!」

律「なんて猛攻だ…!」

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896 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:26:23.95 ID:hx0kDaVAO

紬「まだまだ! 今度は倒れているところを上から……さっが〜れ!!」

レン「バオオオオオーッ!!!」ビュオオッ

澪「…!」

デスらん「デス…、」

唯「あんな攻撃うけたらひとたまりもないよおっ!」

レン「バオオオオオッ!!」ギュオオッ

澪「……デスらん!」

デスらん「デスー!!」カパッ

紬「! 棺桶!?」

梓「デスマスの進化形・デスカーンの棺桶です!」

律「じゃあ進化したのか?」

梓「いえ…違いますね。あれはデスマスのマスクが棺桶に変異したように見えます」

律「そんなことあるのか?」

梓「わかりませんけど…」

澪「私はポケモンの進化はポケモン自身がするかどうか自分で判断させてる。デスらんは十分進化するレベルに達してるけど、デスらん自身が進化を望んでないんだと思う」

リラ「デスマスのその気持ちと進化するレベルに到達したことが混ざり合った結果、進化形であるデスカーンの棺桶だけがデスマスにくっついたというわけか」

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897 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:28:56.33 ID:hx0kDaVAO

紬「ポケモンって本当に奥が深いのね…!」

澪「デスらん、ドンファンを棺桶に収納だ!」

デスらん「デスー!!」シュウウッ……

レン「バオオオ!?」

カポンッ!

紬「レンっ!」

澪「この棺桶はドロボウをこらしめるためにも使う。棺桶に入ったら最後、瀕死は確実だ!」

デスらん「デス」カポンッ

ドサッ!

レン「バオオオ〜……」

さわ子『ドンファン戦闘不能よ!』

紬「レンありがとう、ゆっくり休んで!」シュウウッ

紬「ルカ、お願い!」ボム!

ルカ「オークタン!」

澪「! 先の戦いでも活躍していたオクタンか!」

紬「今回はこんなこともできるわ! ふんもっふ!!」

ルカ「オークタン!」ビュオオッ

澪「甘い! デスらんの棺桶が収納できるのはポケモンだけじゃない、ポケモンの技だって閉じ込めることができる!」

デスらん「デスー!」カパッ

シュウウッ!

紬「!」

唯「本当に入っちゃった!」

律「何でもアリかよ!」

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898 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:30:31.96 ID:hx0kDaVAO

澪「その技を倍にして返すんだ!」

デスらん「デスー!!」カポンッ

紬「ふふふ」

ドガアアアン!!!!!!!

澪「!?」

デスらん「デス、……」ドタアンッ

澪「な…っ、爆発した……?」

紬「言ったでしょう、前回とは違うって。技に起爆するように念を込めたの」

澪「…!」

ナツメ「……あんなことも可能なんてやるわね」

さわ子『デスマス戦闘不能!』

澪「デスらん、よくやってくれた」シュウウッ

澪「……」

澪(エスパー、か…。念力によって、下手をすると人間やポケモンの心まで掌握してしまう力……)

ギリッ……

澪「コロぽん、頑張ってくれ」ボム!

コロぽん「ココロー!」

律「!」

唯「り、りっちゃん…」

律「ああ…。デスマスとココロモリってことは澪のやつ……」

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899 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:31:21.55 ID:hx0kDaVAO

澪(…そう。私はゲーチスに心を掌握され、過ちを犯してしまった。唯と律はああ言ってくれるけど、私はまだ自分を許しきれていない。いや何より許せないのは知らぬ間にコロぽんとデスらんを捕まえていたことだ)

澪(このバトルでそのケジメをつける。ゲーチスに操られている間にゲットしたコロぽんとデスらんで勝って、その絆を確かめる!)

コロぽん「ココロー!」

澪「デスらんはやられちゃったけど頑張ってね。コロぽん……ごめんね」

コロぽん「コロ……」

コロぽん「……コロッ!」ギンッ

紬「……」

紬「…行くわよ、澪ちゃん」

澪「ああ」

紬「ルカ!」

ルカ「オークタン!」

澪「コロぽん!」

コロぽん「ココロー!」

紬「ふんもっふ!!」

ルカ「オークターン!!」ビュオオッ

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900 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:33:51.88 ID:hx0kDaVAO

コロぽん「…」シュッ…!

ルカ「…!?」

紬「姿が見えなく…!」

シュバッ!

コロぽん「ココロー!」バンッ

ルカ「!!」

紬「いつの間に!」

澪「“スピードボール”で捕まえたんだ、素早さは天下一品だ!」

コロぽん「ココローッ!」シャキンッ!

澪(コロぽん、デスらん……ゲーチスの企みで私たちが出会ったんだとしても、そんなこと関係ない。私はお前たちに会えてよかった。こうして友達になれたんだ!)

澪「“エアスラッシュ”!!」

コロぽん「ココローッ!!!」

ザギイイイイイイイイッ!!!!!!!!!!!!!

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901 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:43:34.13 ID:hx0kDaVAO

コロぽん「……」

ルカ「……」

ルカ「」ドサッ

さわ子『オクタン戦闘不能! よって勝者は澪ちゃんよー!!』

澪「コロぽん、デスらん……ありがとう」

紬「優勝したかったけど、負けちゃった。…おめでとう澪ちゃん」スッ

澪「ムギ、ありがとう」ガシッ

紬「ふふ♪」




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902 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:44:45.39 ID:hx0kDaVAO

……………………


さわ子『これで準々決勝は最後になるわね。第四試合、GブロックとHブロックの一位は……』

マサキ『ちょ、ちょい待ちいー!』タタッ

さわ子『あら、帰ってきたの?』

マサキ『ああ。これまでおおきにな、さわ子はん』

さわ子『構わないわ』

和「ただいまー」

唯「おかえりー和ちゃん」

マサキ『では改めまして、第四試合の方を始めようかと思います。純はんと梓はんは競技場へ!』

純梓「はい!」

マサキ『ちなみに準決勝ではマルチバトルになるから、そこんとこよろしくな』

澪「えっ」

律「き、聞いてないぞマサキ!」

唯「じゃあ私とりっちゃんと澪ちゃんの内誰かが組んで、残りの一人は純ちゃんかあずにゃんと組むってこと?」

マサキ『そや。決勝戦ではタッグを組んだ相手とのバトルっちゅう形になるけどな』

唯「ややこしいね…」

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903 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:46:26.70 ID:hx0kDaVAO

マサキ『とにかく、まずはこの試合や! ではバトル始め!!』

純「いけー、ドルアゲス!」ボム!

梓「デビちゃん、お願い!」ボム!

ドルアゲス「マーネネ!」

デビちゃん「ワオーン!」

純「げっ…、そのデルビルは……」

梓「デビちゃん、“あくのはどう”!」

デビちゃん「ワォオオン!!」ギュオオッ

ドガアアアンッ!

ドルアゲス「マネ〜!?」

ドシャアアッ!

ドルアゲス「マネ……、」ガクッ

マサキ『マネネ戦闘不能や!』

律「はええ!」

紬「あはは…」

純「戻ってドルアゲス!」シュウウッ

梓「…純、何も変わってないね」

純「く…っ。ど、どうかな? 私もこれまで何もしてないことはないから!」

梓「何をしてたの?」

純「へっへーん、新しいポケモンをゲットしたのはやっぱり梓たちだけじゃないってことさ!」

純「いっけ〜! ギガンテフ!」ボム!

ギガンテフ(ゴルーグ)「ォオオオオ!!」

梓「! ゴルーグ!?」

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904 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:48:04.88 ID:hx0kDaVAO

キョウ「あんなポケモンを持っているとは初耳だが」

アンズ「実は純殿もイッシュ地方へ足を運んでいたんでござるよ」

梓「…でもタイプ相性ではこっちが有利だよ! デビちゃん、“あくのはどう”!」

デビちゃん「ウオオーン!!」ドギュウウッ

ドオオオン!

ギガンテフ「……」

ギガンテフ「ォオオオオー!!」

純「へっちゃらへっちゃら!」

梓「そんな……っ」

梓「な、なら!」キッ

梓「さわ子先生!!」

さわ子『へ?』ワタシ?

梓「歌ってください!」

さわ子『え…でも……』

マサキ『ほい』つマイク

さわ子『GYAAAAAAOOOOOOOOO!!!!』

マサキ『!?』

さわ子:甘い言葉にご用心wow あんまそんなの慣れてない

かなり警戒注意報wow だけどどうやら裏がない

デビちゃん「…!」ピクッ

梓「よし!」

純「な、なに…?」

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905 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:49:39.50 ID:hx0kDaVAO

計算してgetの予定 振り回されfail!

でも恋に落ちちゃ負けって嘘さ ホントは負けじゃない

シンプルすぎるほど 自分に正直な欲望

愛の未来をCHOーDIEEEEEEEE!!!!!

デビちゃん「ワオーン!!!!」

ゾロゾロ……

ギガンテフ「!」

デルビル達「グルル……」

純「え…何この大群!」

梓「今のデビちゃんの雄叫びで仲間が集まってきたんだ!」

純「そんなのアリ!?」

梓「さわ子先生、お疲れさまでした! いっくよー、“ふくろだたき”!!」

デビちゃん「ワオーン!」ダッ

デルビル達「ワオオオン!!!」ダダダッ

ドガガガガガガ!!!!!!!

ダアアアン!!!!!!

ギガンテフ「…ッ!!」

シュウウッ……

梓「まあ代償に戦闘不能になっちゃうけどね」

デビちゃん「」バタン

マサキ『デルビル戦闘不能や!』

梓「ありがとうデビちゃん」シュウウッ

梓「さあ純も次のポケモンを出しなよ」

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906 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:50:51.19 ID:hx0kDaVAO

純「…危なかった〜」

梓「え……?」

ギガンテフ「……」ギロッ

梓「! あの攻撃を受けても倒れてない!?」

純「新戦力・ギガンテフを舐めないでよ!」

梓「……っ!」

律「何だかんだで強いなー、純ちゃん」

和「勝敗の行方がわからなくなったわね」

純「今度は私から言わせてもらうよ。次のポケモンを出しなよ、梓!」ドンッ

梓「く、悔しい…。さわちゃん、あの鼻明かしてあげて!」

さわ子『ど、どうやって?』

梓「だから、さわ子先生じゃないですよ!」

ボム!

さわちゃん「ダーイライ!」

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907 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:52:56.81 ID:hx0kDaVAO

梓「“まわしげり”!」

さわちゃん「テーイ!!」ブンッ

純「“そらをとぶ”!」

ギガンテフ「ォオオオオ!!」ドギュウウン!

さわちゃん「テイ!?」スカッ

梓「あの巨体が空を飛ぶなんて…!」

純「大空のぶっとびゴルーグってね! それとサワムラーの格闘技はギガンテフに効かないからヤバいんじゃない?」

純「そのまま“とっしん”だー!!」

ギガンテフ「ォオオオオーッ!!」ドギュウン!

梓「効かないなら…効くようにするまで!」

さわちゃん「ダーイライ!」キッ

梓「『剛の奥義』、その目で相手の急所を見極めろ! “みやぶる”!!」

さわちゃん「テイ!」ブンッ

ギガンテフ「!」

ドガアアア…ッ!

ギガンテフ「ォオオ……」

バタアンッ!

マサキ『ゴルーグ戦闘不能や!』

純「戻って!」シュウウッ

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908 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:55:00.85 ID:hx0kDaVAO

梓「これでまた私が有利だね」

純「数のことで言ってる? じゃあ、おあいにくさま!」ボム!

ラプンーソ「エンー!」

純「私のラプンーソなら数なんて関係ない!」

梓「さわちゃん、いったん交代!」シュウウッ

梓「ミミちゃん!」ボム!

ミミちゃん「ミミロー!」

梓「“おんがえし”!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ダッ

ラプンーソ「…」フワッ……

ミミちゃん「ミミロ…!?」スカッ

梓「…っ!」

純「どう? ラプンーソの持ち物は“ふうせん”。木を隠すなら森の中…、ギガンテフが空を飛んで、ラプンーソまで空を飛ぶとは思わなかったでしょ?」

梓「…さっきとは違う! ミミちゃんには立派な脚力がある! “とびはねる”!!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ピョンッ

梓「“ふうせん”に“とびげり”!」

ミミちゃん「ミミロー!!」ブンッ

ドゴッ………!

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909 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:56:34.54 ID:hx0kDaVAO

梓「“ふうせん”を割ればラプンーソは地に落ちる!」

ミミちゃん「……?」

ラプンーソ「…」ニヤリ

純「チッチッチ……『隠すこと』が忍なんだよ」

カキイッ!

梓「! “ふうせん”の幾つかが凍ってる!?」

純「凍らせたものを混ぜておいたんだ! これを使って、“アイスボール”!!」

ラプンーソ「エンーッ!!」ブンッ

ドガアアアン!

ミミちゃん「」バタン!

純「覚えない技も使うことを可能にするのが忍!」

マサキ『ミミロップ戦闘不能ー!』

梓「ミミちゃんありがとう、休んでて!」シュウウッ

梓「もう一度お願い、さわちゃん!」ボム!

さわちゃん「ダーイライ!」

梓「……」

さわちゃん「……」

ラプンーソ「……」

純「……?」

純「どしたの、かかってこないの?」

梓「…ふふ、忍者ね」

純「ん?」

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910 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:57:42.59 ID:hx0kDaVAO

梓「すごいよね。ほんの少し前まではこんなことになるなんて思いもしなかったよ」

梓「ムギ先輩は超能力者、和先輩は四天王、純は忍者。私は格闘家……ポケモン博士」

和「梓ちゃん…」

梓「修業……したもんね。シンオウ地方の危機、ギンガ団に立ち向かうために…勝つために!」

紬「梓ちゃん…」

純「梓…」

梓「ねえ、純」

純「なあに?」

梓「このバトル、お互い一撃だけの勝負にしない?」

純「一度きりの勝負ってわけか。面白いじゃん、いいよ」

キョウ「ファファファ、格闘家と忍者の一騎打ち……これも運命だな」

シバ「ふ……」

梓「よーし、じゃあいくよ!」

純「おう!」

さわちゃん「ダーイライ!」ダッ!

梓「“ブレイズキック”!!」

さわちゃん「テイテイ……テーッイ!!!」ブンッ!

ジュワアッ!!!!!

ラプンーソ「!?」

純「凍った“ふうせん”ごと……!」

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911 :ぽけもん :2011/08/31(水) 00:59:31.52 ID:hx0kDaVAO

さわちゃん「テイテイテイテイテーイ!!」ジュワアッ!

純「負け、るかぁあああ!! “ドリルくちばし”ーっ!!!」

ラプンーソ「エンーッ!!!」ギュアアン!

さわちゃん「…っ!」ズキッ…

純「う、ぉおおおおおおおおおお!!!!」

梓「はぁああああああああああああ!!!!」

ドオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!

ドタアンッ!

純梓「…!」

ラプンーソ「」 さわちゃん「」

マサキ『エンペルト・サワムラー、両者戦闘不能や! よってこの勝負は引き分けー!! …って引き分け!?』

純「あ〜、また勝負つかなかったー!」

梓「うーん。また純と引き分けるとは…」

純「む、何か不満?」

梓「ううん…。楽しかったよ、純!」ニコッ

純「え………えと、…ううっ//」

純「あ、当たり前じゃ〜ん!…」

梓「そういえば、引き分けの時はどうするんですか?」クルッ

マサキ『そうやなぁ……』

純「うおーいっ!?」

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912 :ぽけもん :2011/08/31(水) 01:00:38.48 ID:hx0kDaVAO

マサキ『三人で準決勝は厳しいし……今更シードっちゅうのも〜』

ナツメ「なら…これはどう?」

マサキ『ん?』

梓「ナツメさん?」

ナツメ「はい、これを」スッ

澪「?」

律「なんだあ?」

唯「スプーンだねえ」

紬「! 『運命のスプーンまげ』…!」

ナツメ「ええ、これは運命のタッグパートナーを決めるのに相応しい方法。準決勝でやるつもりだったマルチバトルの組み合わせをこれで決めたらどうかしら?」

マサキ『確かに……これなら準決勝を………っておい! もし一人の方が勝ったら、実質決勝戦になるやんけ!?』

ナツメ「細かいことは気にしないことよ」

マサキ『〜〜っ……!』

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913 :ぽけもん :2011/08/31(水) 01:01:26.53 ID:hx0kDaVAO

さわ子『別にそれでいいんじゃない? この場合を想定しなかったのが悪いんだし』

リョウ『僕もいいと思います』

マサキ『しょうがないなあ…』

ナツメ「では決まりね」

ナツメ「スプーンが曲がり、向き合ったらパートナーに決定よ」

唯「……」

律「……」

澪「……」


…パキンッ!


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914 :ぽけもん :2011/08/31(水) 01:02:58.56 ID:hx0kDaVAO
準々決勝終わりです
次の投下で終わりだと思います
読んでくださった方、ありがとうございました
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915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/31(水) 06:26:40.09 ID:5pOp2JCSO
今さらかもしんないが、なんでもありだな……
最近のポケモン事情知らないからなんともいえないが………
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916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/08/31(水) 10:09:29.63 ID:r7Nev4iAO
確かに俺ルール多すぎてついて行けないって感じ
まあ乙
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917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/31(水) 18:19:48.34 ID:BAulQ/JCo
ポケスペ読んでりゃついていけるぞ!

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/03(土) 16:14:43.43 ID:ET1ydvMDO
俺流がもはやポケスペを越えてます
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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919 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:08:33.84 ID:XgKq/T/AO

……………………


マサキ『それでは準決勝あるいは決勝戦になるかもしれない、この競技場では第五試合目となる試合を始めていきたいと思います!』

マサキ『唯はんと律はんと澪はんは前へ!』

唯「……」 律「……」 澪「……」

ザンッ!

マサキ『組み合わせは唯はんと律はん対澪はん、という形になりました! なお二対一ということなので、六対六のシングルバトルで試合を行っていきます』

唯「まずは私からいくよ、りっちゃん」

律「頑張れよ唯!」

唯「うん、りっちゃん!」
920 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:10:52.62 ID:XgKq/T/AO

マサキ『試合始めやー!!』

唯「カモン、チー太!」ボム!

チー太「チラチー!」

澪「ドっくん、頼んだ!」ボム!

ドっくん「ドクケー!」

マサキ『唯選手の一番手はチラチーノ、澪選手はドクケイルや!』

さわ子『二匹の共通点と言えば……スピードかしら?』

リョウ『いわゆるスピード対決ですね』

唯「チー太、“スイープビンタ”!」

チー太「チラチー!」タタッ

マサキ『先に攻撃に出たのはチラチーノや!』

チー太「チラチーっ!」バチイッ

ドっくん「…ッ!」

バチバチイッ!!!!!

マサキ『激しい攻撃! ドクケイル逃げられへん!』

バチイインッ!!!!!

ドっくん「ドクケー!?」

ドシャアッ!

澪「ドっくんっ!」

ドっくん「ドクケ…、」

唯「その調子だよ、チー太!」

チー太「チラチー!」

ドっくん「…、」

マサキ『澪選手、反撃の余地なしか!?』

パラパラ……

唯「?」

マサキ『なんや? 競技場に何かが降って……』

律「…! 気をつけろ、唯! それは……っ!!」


《ドクケイル、どくがポケモン。はばたくと こまかい こなが まいあがる。すいこむと プロレスラーも ねこむ もうどくだ。》


唯「…!!」

マサキ『な、なんと! ドクケイルが羽から出す“どくのこな”!! あの攻撃の中もずっと降り注いでいたんや!!』

澪「利害は表裏一体だったよな、律」

律「…!」
921 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:13:33.50 ID:XgKq/T/AO

和「連続攻撃の中では必ず隙が生まれる…!」

梓「というより、実況のせいで私たちの出番がないです!」

紬「まあまあまあ」

パラパラ…

チー太「チラチー…」オドオド

マサキ『猛毒の粉がチラチーノに襲い掛かるー!!』

ピト……

チー太「!」

チラチーノの頭部に粉が付着した。

だが……、

チー太「チラチー!」ヘッチャラ!

澪「なに…!」

律「毒になっていない!?」

唯「そっちがポケモンの特徴でくるなら、こっちもだよ!」


《チラチーノ、スカーフポケモン。しろい たいもうは はだざわりが ばつぐん。ほこりや せいでんきを まったく よせつけないのだ。》


澪「その体毛がチラチーノを粉から守ったのか!」

唯「そうだよ! それと、この粉を利用させてもらう!」

チー太「チラチー!」シュバッ

チラチーノは自分の体に巻いているスカーフで毒の粉をかき集め、それをドクケイルに、

唯「“なげつける”!」

チー太「チラチー!!」

ドっくん「!?」

ボフンッ!

ドクケイルの回りに毒の粉が飛び散る。

澪「うっ……前が見えなく………」

唯「ドクケイルに毒は効かないけど、めくらましにはなるでしょ?」

澪(でもドっくんにはレーダーがある!)

ドっくん「ドクケー…!」

唯「そんなドクケイルちゃんにこれ!」

チー太「チラチー!」

ピカアアッ!

チラチーノの手元には八つのバッジが。

唯「今日は光源大サービスでジムバッジ全部で、“フラーッシュ”!!」

律「なんでチャンスをやるんだよ!?」

唯「違うよ、りっちゃん!」

律「え…?」

ドっくん「ドクケー!!」バサバサッ!

マサキ『おっと、ドクケイルがチラチーノの方へ物凄い勢いで向かっていきます!』

律「だから言っただろー!?」
922 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:15:12.63 ID:XgKq/T/AO

ドっくん「ドクケー!」バサバサッ!

ピトッ

律「な……」

マサキ『ドクケイル、チラチーノの頭に留まったー!?』

律「な、なんで?」

唯「ドクケイルって立派なレーダーを持つけど、それと同じように明かりに引き寄せられる習性も持つの」

律「習性…!」

ドっくん「ドク〜♪」

唯「ただひとつ、レーダーを封じる方法がこれだったんだ。…ごめんね、“スイープビンタ”!」

チー太「チラチー!!」

バチイインッ!!!!

ドっくん「」バタン

ドっくんはたおれた!

マサキ『ドクケイル戦闘不能ー!!』

澪「っ…、ドっくん戻って」シュウウッ

律「いいぞ、唯!」

唯「うふふ〜♪」

律「でもあんまり調子には乗るなよ?」

唯「えへへへ…♪」

律「おい」

唯「そうじゃないんだ〜。やっと澪ちゃんと戦えて嬉しいの〜」

唯「りっちゃんだけ戦うなんて不公平だもんねっ」
923 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:16:34.14 ID:XgKq/T/AO

律「ヒワダタウンでのことか?」

唯「うん!」

律「まあこの後、私も戦うんだけどな」

唯「ああっ!」ガーン!

律「今更かいっ!」

澪「…ふふ、唯らしいな。私も嬉しいよ。決勝戦で二人と戦えて……」

澪「全力で行く!」

ボム!

ベロにゃん「ベロ〜ン!」

マサキ『澪選手の二番手はベロベルトや!』

唯「!」

澪「ベロにゃん、いくぞ!」

ベロにゃん「ベロ〜ン!」

律「…へっ。決勝戦だあ? 勝利宣言かよ澪。唯、負けるなよおっ!」

唯「うん!」

唯「チー太、走って!」

チー太「チラチー!」ダダッ

澪「っ!」

マサキ『こ、これはあっ!』

チー太「チラチラチラチラ……!!」ダダダダ

ベロにゃん「ベ、ベロ?」
924 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:18:15.05 ID:XgKq/T/AO

チラチーノがベロベルトの周囲を走る。そうして引き起こすものは、

ブワアッ!!!!

ベロにゃん「ベロ〜!?」

澪「!」

マサキ『砂埃やあっ!! チラチーノ、得意のスピードを活かした作戦!』

唯「チー太はきれい好きっていうことも考えた作戦だよ!」

ブワアッ…!

ベロにゃん「ベロ……っ」

澪「…っ、まためくらましか! でもベロにゃんを“フラッシュ”でおびき寄せることはできないぞ!」

唯「ううん、今回はこっちから向かっていくよ! この砂埃の中でも、肌触り抜群の体毛を持つチー太なら自由に動けるからね!」

チー太「チラチ!」タッ!

唯「“アイアンテール”!!」

チラチーノが硬化した尻尾を振り下ろす。

チー太「チラチー!!」ブンッ


ピシイイッ!!!!!!


瞬間、何かが巻き付く音が鳴り響いた。それは“アイアンテール”のものではない。

チラチーノ「チラチ……!?」ギチギチ…

チラチーノの体に何かが巻き付いている。

律「あれは…!」
925 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:19:29.93 ID:XgKq/T/AO

唯「ピンク色の…舌!?」

澪「そう、ベロベルトの舌だ」

さわ子『ベロベルトの長い舌を砂埃に潜ませていたのね。唯ちゃんの作戦を逆手にとったんだわ』

マサキ『策士、策に溺れるとはこのことやな…』

唯「チ、チー太、振りほどいて!」

チー太「チィ…っ!」ギチギチ……

チー太は身動きがとれない!

唯「チー太…!」

澪「自慢のその体毛でもベロにゃんの舌は抜けられないよ。すでに唾液でべとべとだ」

チー太「チラチィ…!」ベタァ……

澪「そしてベロにゃんの唾液は相手を痺れさせる。これで絶対に逃げられない!」

唯「…っ!」

澪「“パワーウィップ”だ!」

ベロにゃん「ベロ〜ン!!」ブンッ

チー太「ッ!?」

ドシャアン!!!!

チー太「」ガクリ

チー太はたおれた!

マサキ『チラチーノ戦闘不能ー!!』

唯「チー太…、ありがとう!」シュウウッ
926 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:21:13.89 ID:XgKq/T/AO

律「次は何でいくんだ?」

唯「そうだね……うん、決めた! それじゃあムー太!」ボム!

ムー太「ムシャー!」

さわ子『私とのバトルで大活躍したムシャーナね』

マサキ『わいの“つきのいし”……』

澪「“シンクロ”か、厄介な特性だけど……」

ベロにゃん「ベロ〜ン!」シュルシュル……

唯「?」

ベロベルトがその長い舌をシュルシュルと巻いていく。
舌の長さはざっと三メートル、それは幾重にも巻かれ螺旋状になる。

律「なんだあれ?」

唯「ネジ…?」

澪「ベロにゃん、少したたくだけでいい。“たたきつける”!」

ベロにゃん「ベロ〜ン!」シュバッ

パチン!

ムー太「ムシャ?」キョトン

ベロベルトの攻撃を受けたムシャーナは微動だにしない。

唯「??」

澪「なにをしているのか分からないみたいだな」

唯「えっと…?」

澪「でもこれから分かるよ」

フッ、と空気を切る音がする。

ムー太「…!」
927 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:22:45.97 ID:XgKq/T/AO

ドオオオン!!!!!

ムー太「ッ!!?」

瞬間、何かがムー太を攻撃した。

唯「…え!?」

攻撃はそれで終わらない。

フッ!

ムー太「!」

二撃。

三撃、四撃、五撃、……次々とムシャーナに襲い掛かる謎の攻撃。

唯「なにが起きてるの!?」

マサキ『何や!? ベロベルトがムシャーナを叩いたあと、謎の攻撃がムシャーナを襲っとる!』

攻撃はまだ続いている。

律「どういうことだ!?」

梓「あの舌に秘密があるんじゃあ…!」

律「! 確かに怪しいのはあれだ!」

澪「そう、ベロにゃんの螺旋状になった舌がこの攻撃をしたんだ」

澪「螺旋状にしたのは意味がある。螺旋状になることで連続攻撃を可能とした」

唯「意味が分からないよ…?」

澪「螺旋状に巻いたことで舌が幾層にも重なって、簡単に言えば出来た層の分だけ攻撃が加えられるってわけだ」

層と層の間、各層の厚さは約十センチメートル。

律「それだと攻撃の数は……」

梓「十回は下りません!」
928 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:24:38.31 ID:XgKq/T/AO

マサキ『いや、それだけやない。ムシャーナは舌がないからあれを真似することも出来へん。ムシャーナの“シンクロ”は使われへん!』

リョウ『…それ以前にあの攻撃を耐えられるかどうかですね』

最後の攻撃がムシャーナに迫る。

ムー太「…!」

ドンッ…!

ムー太「ムシャ…っ!?」

ムシャーナはその場に倒れ込んだ。

ムー太「ム〜……」

ムー太はたおれた!

マサキ『ムシャーナ戦闘不能ーッ! 澪選手のベロベルト、すでに二匹を倒しています! 唯選手はこの勢いを止められるか!?』

唯「ムー太、休んでて!」シュウウッ

律「唯!」

唯「大丈夫だよ、りっちゃん」

カチャ……

唯(触られたら負ける……それならブイ太もピッ太もダメ……。リュウ太の“せいでんき”はベロベルトちゃんも唾液の麻痺を持ってるから効かない……)

唯「ここは任せたよ、ラー太!」ボム!

ラー太「ラー!」

マサキ『唯選手の三匹目はヒトモシです!』

澪「ヒトモシね…。ベロにゃん、今度もその舌を使って連続攻撃だ!」

ベロにゃん「ベロ〜ン!」シュバッ

唯(かかった…!)
929 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:26:35.51 ID:XgKq/T/AO

澪「ふふ、甘いな唯」

唯「…!」

澪「ヒトモシの特性“ほのおのからだ”でやけどを負わせようとしてるな。でもベロにゃんの狙うところはそこだ!」

舌が軌道を変える。舌の向かう先はヒトモシの蝋の部分だ。

澪「火が付いていないそこが、“ほのおのからだ”の効果が発揮しない唯一のウィークポイントだ!!」

ベロにゃん「ベロ〜ン!!」

長い舌がヒトモシに突き刺さる。

ラー太「…!?」

ドオオオン!!!!!!

澪「……チェックメイトだ」

唯「そうかな?」

澪「…!?」

ベロベルトの舌はヒトモシを確かに攻撃したが、それだけだった。ヒトモシを後から襲う連続攻撃がまったく起こらない。

それどころか、ベロベルトの螺旋状を為した舌がその形を崩していた。

ベロにゃん「ベロ〜!?」

澪「そんな…!」

唯「“ほのおのからだ”は本来の目的を隠すためのカモフラージュだったんだ」

澪「本来の目的?」

唯「うん。澪ちゃんは舌を螺旋状に巻いたら連続攻撃ができるって言ったけど、あれにはちょっぴりウソがあるよね」

澪「…! まさか……」
930 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:31:56.20 ID:XgKq/T/AO

螺旋状に巻いた舌。舌が幾層にも重なったその形は各層を順々に攻撃が伝わることによって、一回の攻撃で層の数だけの攻撃が出来る。

しかし、順々に伝わる攻撃に柔らかい舌が耐えられるだろうか。連続攻撃を可能とするには舌の硬度を強化する必要がある。

唯「舌を硬くしていたのは唾液だね」

唯「麻痺の成分を持つ唾液で舌に“かなしばり”をかけてた…」

澪「…その唾液が“ほのおのからだ”で乾いたのか」

唯「うん!」

澪「でも、あの長い舌に付いた大量の唾液を乾かすパワーがヒトモシにあるようには……」

唯「ふふ、ラー太を見て?」

ラー太「ラー!」ゴオオオッ

澪「! さっきより頭の炎が大きくなってる…?」

唯「ラー太は相手の生命エネルギーを吸い取るの。そして吸い取ったらそのエネルギーを変換して……」

ピカアアッ!

ヒトモシの体が光に包まれた。

ヒトモシがその姿を化えていく。

ラー太(ランプラー)「ラー!!」

澪「! 進化…!」

律「おお!」

唯「やったね、ラー太!」

ラー太「ラー……」ムズムズ

唯「どうしたの?」

マサキ『…なんや、嫌な予感が……』

やみのいし(ピカアアッ

マサキ『またかいなぁあああ!?』

ラー太(シャンデラ)「デラー!」

唯「二段階進化!?」

律「あれは……」ピッ

ポケモン図鑑『シャンデラ、いざないポケモン。ヒトモシの最終進化形。シャンデラの ほのおに つつまれると たましいが すいとられ もやされる。 ぬけがらの からだ だけが のこる。』
931 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:37:44.93 ID:XgKq/T/AO

唯「よーし! これは予想外だったけど、いくよラー太!」

ラー太「デラー!」ボウッ

唯「“はじけるほのお”!!」

ラー太「デラーッ!!」ボオオオッ

シャンデラが放った炎の塊は螺旋状の舌が崩れたことによりできた『穴』を通り抜け、ベロベルトの口へ届き、

ベロにゃん「っ!」

真っ赤に弾けた。

バアアアアアアンッ!!!!!!

澪「ベロにゃんっ!」

ベロにゃん「」ドサッ

ベロにゃんはたおれた!

さわ子『ベロベルト戦闘不能ー!!』

マサキ『わいの“やみのいし”が……』グス

澪「ベロにゃん……よくやってくれた」シュウウッ

唯「これでお互い三匹目だね!」

ラー太「デラー♪」

澪(シャンデラに対抗できるポケモンは……)カチャ……


「その必要はないのニャ!」


澪「…!」
932 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:38:55.37 ID:XgKq/T/AO

律「その声は!?」

「『その声は!?』と聞かれたら答えてあげるが世の情け!」

スタッ

「世界の破壊を防ぐため、世界の平和を守るため、愛と真実の正義を貫く! ラブリーチャーミーな子猫ちゃん!」

「ニャ……」唯「ニャースちゃん!」

澪「ニャース!?」 律「ニャース!」

ニャース「にゃにゃー!?」

ニャース「先に名前を言うニャー!!」

律「ていうかニャース、何か見ないと思ったら…」

澪「何をしてたんだ?」

ニャース「よくぞ聞いてくれたニャ!」 唯「よーしよし、ニャースちゃん」ナデナデ

ニャース「離れるニャー!!」

ギャーギャー

ニャース「……まったく」

律「で、なんだよ」

ニャース「ニャーはおみゃー達がいなくなった後、リラ達と一緒におみゃー達を捜していたのにゃ。イッシュにいて見つかったと聞いた時にはすぐに行こうとしたのにゃが……」

ニャース「……」タタッ

澪「!」

ニャースは競技場に立った。目の前にはシャンデラが向かい合い立っている。

澪「! ニャース、お前……」

ニャース「ニャーは今まで修業をしていたのニャ。また澪と一緒に戦うために!」

澪「ニャース……」

ニャース「ここはニャーに任せるニャ!」

澪「うん…、頼んだニャース!」
933 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:44:45.46 ID:XgKq/T/AO

唯「澪ちゃんの三匹目はニャースちゃんだね」

ニャース「ニャ。手加減は不要なのニャ」

唯「もちろんだよ」

ラー太「デラー!」キッ

さわ子『バトル再開よ!』

唯「“かえんほうしゃ”!」

ラー太「デラー!!」ボオオオッ

ニャース「!」

澪「大丈夫か、ニャース!」

ニャース「ニャー! これくらいの炎なら……」サッ

澪「え!?」

ニャースは懐からホースを出した。

ニャース「喰らえニャ、“みずでっぽう”ー!!」

ブシャアアアアアッ!!!!!!!

ラー太「デラ〜!?」

唯「ええ〜!!」

マサキ『ホースを使って“みずでっぽう”! これはセコい!! しかしシャンデラは怯んでおります!! ……っちゅうか、そのホース、リーグのヤツやろ!?』

ニャース「にゃはは! セコい、卑怯、元ロケット団のニャーにとっては褒め言葉なのニャー!」

ブシャアアッ!

ラー太「デラ……っ!」

ニャース「…にゃが、今はもうロケット団じゃにゃい。最後は正々堂々と真正面からいくニャ!」シャキンッ

ダッ!

ラー太「!」

ジャキイイイイイイ!!!!!!!!!!!

ニャース「必殺“つじぎり”ニャ!」チャキン

ドタアン!

ラー太「ラ〜……」

ラー太はたおれた!

マサキ『シャンデラ戦闘不能やー!』

唯「ラー太、よく頑張ったね」シュウウッ
934 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:46:37.83 ID:XgKq/T/AO

マサキ『これで唯選手の三匹が戦闘不能になり、この後のバトルは律選手に引き継がれます!』

唯「ごめんね、りっちゃん」

律「気にすることないさ。唯は精一杯やってくれた。あとは私に任せろ!」

唯「頑張ってりっちゃん!」

ザンッ!

律「…」

澪「…」

律「何も言うことはないぜ。まずはそのバカ猫をたたきのめす!」

ニャース「にゃんて言い草なのニャ!」

律「出番だ、ヒート!」ボム!

ヒート「ヒヒーン!」

マサキ『律選手、ギャロップを繰り出しました!』

澪「ニャース、続けて頼む!」

ニャース「任せるニャ。相手が炎タイプにゃら、ホースで……」

律「させるか! “フレアドライブ”!!」

ヒート「ヒヒーン!」ダッ

ニャース「にゃにゃ!?」

澪「危ないぞニャース!」

ニャース「待つニャ、慌てるニャ……」

ニャースはホースを掴むが、

…プスッ

ニャース「ぁ……」

ブシャアアアアアッ!!!!!!

ニャース「にゃにゃー!? 爪を立ててしまったのニャ〜!!」

澪「このおバカー!!」

ブシュウッ!

ニャース「にゃにゃあ! 目が!?」

澪「ニ、ニャース! 前!!」

ニャース「な、なんニャ?」

ゴオオオッ!!!!!

ヒート「ヒヒーン!!」ダダダダ!

ニャース「にゃんですとー!?」
935 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:49:07.67 ID:XgKq/T/AO

ドオオオン!!!!

ニャース「ニャハー!?」ビタアン!

バタリッ!

ニャース「やにゃカンジ…〜……」

ニャースはたおれた!

マサキ『さあて、澪選手の次のポケモンは!?』

澪「いけ、サボみん!」ボム!

サボみん「サボネー!」

ニャース「ニャーの扱い!」

律「! サボネア…」

澪「“ミサイルばり”だ!」

サボみん「サーボネー!!」シュババン!

数十もの針がギャロップに目掛けて飛んで来る。

律「ヒート!」

ヒート「ヒヒーン!!」ボオオオッ

パチパチ……

サボみん「サボ!?」

炎に弾かれ、針の攻撃が防がれた。

澪「!」

律「前にもサボネアとこのヒートが戦ったよな。でもあの頃とは違う、ヒートはポニータから進化した! そしてレベルも格段に上がったんだ!」

律「あの頃のように簡単にやれるとは思うなよ、澪!」

澪「ふふっ、思ってないよ最初からな」

澪「唯にも手加減はしなかった。もちろん律にも手加減なしだ!」
936 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:51:30.71 ID:XgKq/T/AO

サボみん「サボネ!」

ヒート「ヒヒーン!」

澪「“ニードルアーム”!」

律「“メガホーン”!」

サボみん「サボネー!!」ダッ

ヒート「ヒヒーン!!」ダッ

ドオオオン!!!!!!!!

マサキ『両者激突ー!!』

マサキ『互いに一歩も譲りません! ……、いや!?』

サボみん「サボ!」ブンッ

ヒート「!」

サボネアが左腕を大きく振り上げる。

先に撃った“ニードルアーム”は右腕で放ったものだ。

澪「角が一本しかないギャロップでは太刀打ちできない!」

マサキ『サボネア、両腕で“ニードルアーム”だー!』

サボみん「サーボネーッ!!」ブオオッ……!

サボネアとギャロップの距離はほとんどゼロに近い。ギャロップにサボネアの攻撃を避けるだけの時間はない。しかしむしろこの場合、ゼロ距離において有利なのはギャロップであった。

ボウウッ!

サボみん「サボ!?」

澪「なに!」
937 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:53:33.43 ID:XgKq/T/AO

マサキ『おっとぉ!? サボネア、発火したー!!』

律「ヒートに近づくと火傷するぜ?」

マサキ『ゼロ距離からの“おにび”! これは効いているー!!』

サボみん「サボネ〜!?」ダダダダ!

マサキ『というよりサボネア、火を消すのに必死です!』

澪「サ、サボみん!」

サボみん「サボネ〜!!」ダダダダ!

ニャース「にゃにゃー! こっちに来るニャ〜!!」

ダキツキ!

サボみん「サボネ〜!」ウワンウワン!

ニャース「痛いし、熱いのニャ〜!!」

マサキ『サボネア戦意喪失! ギャロップの勝利です!』

澪「戻って、サボみん!」シュウウッ

澪「ハブりん!」ボム!

ハブりん「プッププ〜!」

律「!」

澪「“くろいきり”だ!」

ハブりん「プッププ〜!」ブワアッ!

モクモク……

律「くそ……“かえんほうしゃ”で煙を吹き飛ばすんだ!」

ヒート「ヒヒーン!!」ビュオオオ!
938 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:56:01.37 ID:XgKq/T/AO

ギャロップが炎で黒煙を吹き飛ばすが、すでにハブネークはギャロップの目の前まで来ていた。

ハブりん「ハーブネーッ!!」ギロッ

ヒート「!」

澪「“くろいきり”は近づくための囮だ! “ポイズンテール”!!」

ハブりん「プッププ〜!」ビュンッ

グサッ…!

ヒート「」バタンッ

マサキ『ギャロップ戦闘不能や!』

律「ヒート、ここまでよくやってくれたぜ。ゆっくり休んでてくれ!」シュウウッ

律「ここは……スカイだ!」ボム!

スカイ「トニョーロ!」

澪「! ニョロトノに進化したのか」

律「ああ! 成長したのはヒートだけじゃないからな!」

澪「でもそれが勝利に結び付くとは限らないぞ!」

ハブりん「ハーブネー!!」ダッ!

ハブネークがニョロトノに向かって体を伸ばす。

律「! 気をつけろ、スカイ! あの長い尻尾に巻き付かれたら、ちょっとやそっとじゃ抜け出せないぞ!!」

スカイ「トニョーロ!」キッ
939 :ぽけもん :2011/09/07(水) 20:58:13.31 ID:XgKq/T/AO

律「向かってくる尻尾をはたけ!」

ハブりん「ハブネー!!」ブオンッ

ニョロトノは横から向かってきたハブネークの尾を軽く受け流す。しかしそれはハブネークの尾ではない。

剣のように鋭いハブネークの尾はニョロトノの背後にあった。

スカイ「トニョーロ…!?」

澪「今受け流したのはハブりんの胴だ!」

律「! 尻尾の先を向かわせたってことは巻き付くためじゃない!?」

澪「さっき見せたばっかりだろ。ハブりんの得意技は巻き付くことよりむしろ、その鋭い尻尾の先で攻撃することだ! “ポイズンテール”!!」

ハブりん「プッププ〜!!」ビュンッ

ドゴオオン!!!!!!

スカイ「トニョ…っ!!」

スカイは攻撃に耐えられず、背中から後ろへ倒れる。そこを狙い、ハブネークは今度こそ自分の胴をニョロトノへ向かわせる。

律「! 結局、全部この状況へ誘うためだったのかよ…!」
940 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:00:09.99 ID:XgKq/T/AO

澪「“まきつく”だ!!」

ハブりん「プッププ〜!!」ガシイッ!

スカイ「トニョーロ!?」

ギチギチ…!

スカイ「トニョー……ロ…………!!」

澪「もっと締め付けるんだ!」

ハブりん「ハブッ!」ガチイッ!

スカイ「っ!?」

律「まずい…! 腹から声を振り絞れ、“ハイパーボイス”!!」

スカイ「トニョーロぉおお!!!」

ボエエエエ!!!!!!

ハブりん「プッププ〜!?」

あまりの大音量にハブネークは身体に入れていた力を緩めてしまう。

澪「しまった!」

スカイ「トニョーロ!」スタッ

律「間一髪脱出したぜ!」

澪「でもその場しのぎにしか過ぎないぞ」

律「どうだろうな?」

グオオオオオオン!!!!

澪「!?」

ハブりん「プッププ〜!?」
941 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:02:57.99 ID:XgKq/T/AO

轟音。先程のニョロトノが発したハイパーボイスが競技場に響き渡る。

澪「反響してるのか……!」

ビリビリッ……!

マサキ『この轟音…! こっちにも激しく伝わっとる……!!』

ハブりん「プップ…プ……」グラッ……

澪「っ、…平衡感覚が……」

ハブりん「…、」バタンッ

マサキ『ハブネーク、ここで力尽きたかー!?』

律「? なんかおかしいぞ…」

チョロチョロとハブネークの口のあたりで何かが動いている。

律「あれは!?」

ハブりん「ハブ〜…!」チョロチョロ

ハブネークが動かしているのは舌だ。それは蛇にとって、五感よりも頼りになるセンサー。

澪「バランスを崩したのも好都合。こうして地面を這うことで、より正確に相手の居場所を特定できる」

澪「この轟音の中でもしっかり攻撃を命中させられる! “ポイズンテール”だ!!」

ハブりん「ハブネーッ!!!」シュバッ

スカイ「…ッ!!」

ハブネークは尾の先の刃を容赦なくニョロトノの喉元に突き付ける。

しかし、そこで止まった。

澪「? どうしたんだ、ハブり……」

ハブりん「」バタアンッ

ハブりんはたおれた!

澪「…っ!?」
942 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:05:02.58 ID:XgKq/T/AO

律「…へへっ、ギリギリだったぜ……」

律「“ハイパーボイス”に紛らせて正解、正解。……まあこっちもやられちまうけどな」

スカイ「」ドサッ

スカイはたおれた!

澪「! “ほろびのうた”か!」

律「そうだ。決まれば即瀕死になるまさに必殺技。でもポケモンを交替されたら効果なしになっちまう。どうやって決めようと考えてたけど、澪の真似をしたら上手くいったみたいだな」

澪「“ハイパーボイス”で私の注意を逸らしたのか」

マサキ『両者戦闘不能ー! これにより、両選手とも残りポケモンは一匹となりました! バトルは大詰め、最後はどんなバトルを繰り広げてくれるのでしょうか!?』

律「スカイ、頑張ったな。ありがとう」シュウウッ

澪「ありがとう、ハブりん。休んでて」シュウウッ

律「スカイが自分を犠牲にしてまで引き分けに持っていってくれたんだ。絶対に勝つ!」

澪「私も負けない。ここまで戦ってくれたポケモンたちのためにも! 優勝するんだ!」

律「澪、最後は…」

澪「手持ち最強のポケモンで勝負する、だろ?」

律「…へへっ」

澪「ふふっ」
943 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:06:02.20 ID:XgKq/T/AO

律「いくぜ、澪!」 澪「来い、律!」

唯「負けるな、りっちゃ〜ん!」

紬「澪ちゃんファイト〜♪」

梓「二人とも頑張ってくださ〜い!」

律「いっけええ! ランス!!」

澪「いけええっ! カゲぴょん!!」


ボム!

二つのモンスターボールが光を放つ。そして二匹のポケモンが現れる。

二匹がぶつかり合い、最後の戦いが始まった――――――――



944 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:11:41.55 ID:XgKq/T/AO

……………………


澪「遅いな、唯と律…」

紬「どうしたのかしら?」

梓「さあ…バトルでもしていたりして」

澪「まったく表彰式なのに…」

梓「あの二人は変わりませんねっ」

紬「ふふ、そうね♪」

律「うおーい!」タッタッ

澪「やっときたか…。遅いぞー!」

唯律「はあはあ…」

唯「ごめんごめん…」

律「ちょっとな…」

和「どうしたの、その服…」

唯「うわっ、泥だらけだ!」

律「しまった〜!」

和「そんなんじゃ表彰台上がれないわよ…」

唯「ど、どうしよう!」

律「替えの服なんて用意してないぞー!?」

トントン

律「なんだよ、忙しいから後に…」

さわ子「……」

律「……」

さわ子「これ着る?」ピラッ

律「絶対に嫌です!!」
945 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:12:44.64 ID:XgKq/T/AO

さわ子「でも服ないんでしょ?」

律「うっ…」

唯「りっちゃん、仕方ないよ。覚悟を決めるんだ」ポン…

律「お前も着るんだぞ!?」

唯「えへへ〜、それなら大丈夫だよ。みんなで着れば!」

律「! そうだな…、確かにみんなで着れば恐くない。ジム挑戦、みんなで挑めば恐くない……」

唯律「」ジロッ

澪「ひっ!?」

澪「な、なんで私を見るんだ!」

唯「なんでって…ねえ?」

律「うんうん」

澪「の、和ぁ〜!」

澪「あいつらは絶対におかしい!」

和「……そうね」
946 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:13:52.32 ID:XgKq/T/AO

和「この際ムギと梓ちゃんも着て、五人で演奏してみたらどうかしら?」

梓「ええっ!」

律「ミニライブか! いいな!」

紬「やろおやろおー♪」

唯「和ちゃん、いい提案だよ!」

梓「ち、ちょっと待ってください!」

唯「?」

律「なんだよ、梓」

梓「え、えーと……こ、これ先輩たちが一年の時のライブの衣装ですよね? 私の分はないから、無理です、やめましょう! はい、この話おわり!」

トントン

梓「何ですか、今忙しいから後に…」

さわ子「……」

梓「……」

さわ子「梓ちゃんの分、用意しておいたからー!」ピラッ

梓「なああああっ!」
947 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:15:10.63 ID:XgKq/T/AO

唯「かわいい〜!」

律「これなら私たちの衣装にも合うな!」

紬「やったわね、梓ちゃん♪」

梓「えと、あのその……あっ、」

梓「み、澪先輩! やっぱり反対ですよね!?」

澪「………いいな」

梓「えっ」

澪「ポケモンリーグでライブ……これは武道館ライブよりすごいことかもしれない!」キラキラ

梓「ぬああああああっ!」

律「諦めろ、こうなった澪は誰にも止められない。ハピナスでもパルシェンでも止められない」

梓「はあぁ…」

和「じゃあみんな、舞台に上がって」

唯「うん。…でもなんで和ちゃんが?」

和「マサキさんに頼まれたのよ。表彰する役をね」

唯「なんか生徒会みたいだね」

和「ふふ、そうね」
948 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:16:20.82 ID:XgKq/T/AO

唯「じゃあ頑張るよ!」

和「いってらっしゃい」

唯「うんっ、いってきます!」タッ

和「……ふふ。変わらないわね、あの子は」

「今日は随分と色々な顔が見られますね」

和「ゴヨウさん…、確か帰ったんじゃ……」

ゴヨウ「いえ…留まる理由が出来ましたよ。せっかくだから、聴いていこうと思ってね」

和「そうですか…。私は音楽のことはよく分からないけど……いい演奏をしますよ、彼女たち」

ゴヨウ「それは楽しみです」

949 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:19:44.72 ID:XgKq/T/AO

……………


ジャラアンッ

紬「梓ちゃん、今回はちゃんと五人で演奏できるわね。放課後ティータイムとして♪」

梓「ふふ、そうですねっ」

澪「?」

律「んじゃ準備いいかー?」

澪「ああ」紬「ええ♪」梓「はい!」

唯「ではみなさん、聴いてください!」


『ふわふわ時間っ!』


君を見てるといつもハートDOKI☆DOKI♪


ユレルオモイハマシュマロミタイニフワフワー……

………………

……………

…………

………
……

「ん…、ああ……ここは……」

「…起きたか」

「! 貴方は…センリ師匠!?」

センリ「久しぶりだな、ミツルよ」

ミツル「お久しぶりです…」

センリ「早速だが、ここは空の柱という所だ」

ミツル「空の柱…?」

センリ「私はここにいた伝説のポケモンを使い、力を手に入れようとした。だが失敗に終わった…」

ミツル「……」

センリ「お前がどうしてここにいるのかは分からんが、ある程度の事情は知っている。…弟子は師に似るとは言ったものだな」

ミツル「……僕は、」

センリ「ああ、分かっている。悪に手を染めた者同士…。私が言えた義理ではないが…師は弟子を正しい道へ導くものだ」

センリ「この汚れた手でどこまで出来るかは分からない。しかし、手に入れてみようじゃないか。本当の力ってやつを…!」

スッ…

ミツル「師匠……」

センリ「…」

ミツル「…」

…ガシッ!

ミツル「はい、師匠!」



950 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:21:00.54 ID:XgKq/T/AO

イツモガンバール……


《ルネシティ》



ダイゴ「ううーん…」

ミクリ「どうした、ダイゴ」

ダイゴ「時差ボケかな。まあいいや」

ミクリ「それで、私に用とは?」

ダイゴ「この間イッシュ地方に行ったんだけど、そこであるものを見つけてね」

ミクリ「…あるもの?」

ダイゴ「これだよ」

ゴト…

ミクリ「これは…紅色の珠!?」

ダイゴ「そう。二年前のアクア団マグマ団が起こした事件の軸となったものだよ。ホウエン中を捜しても見つからないから諦めていたけど……まさかイッシュにあるとはね」

ミクリ「…なるほど。持てば伝説のポケモンを自由に操ることができるという紅色の珠か……」

ダイゴ「今日来たのは、この珠の封印をお願いしに来たんだ」

ミクリ「封印、ね……目覚めの祠にかい?」

ダイゴ「ああ」

ミクリ「よし、分かった。あそこなら誰も立ち入れないから、盗まれる心配もない」

ダイゴ「頼んだよ」

ミクリ「もちろんだ。私を誰だと思っているんだ?」

ダイゴ「くすっ、そうだね。……そういえば」

ミクリ「ん?」

ダイゴ「ミクリ、何気に今回が初登場だよね。いかにも前から出てました的な風にいるけど」

ミクリ「うっ…」

ミクリ「仕方なかったんだ……アダン師匠に出番とられるし、君がチャンピオンを辞任した時に新しくチャンピオンになったのは私じゃなかったし、救いのみくるネタもモミにとられるわで………まさに大誤算!!」

ダイゴ「ダイゴだけにね」



951 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:22:14.74 ID:XgKq/T/AO

ズットミテテモキヅカナイヨネー……


《マサラタウン》

聡「オーキド博士ー!」

オーキド「おお、聡くん。よく来たな」

聡「博士が呼んだんじゃないですかー。何ですか、用って」

オーキド「ふむ。ヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメ、ピジョン、バタフリー、君の手持ちの調整が終わったんじゃ」

聡「じ、じゃあ…!」

オーキド「ああ、存分と次の旅を楽しんできなさい!」

聡「やったー!」

オーキド「ほっほ。オレンジ諸島へ行く、と前から言っていたな?」

聡「はい、今から行ってきます!」

オーキド「いってらっしゃい。気をつけて行くんじゃぞ」

聡「はい!」

聡「じゃあ、行こうぜピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピッカー!」

聡「マサラタウンにサヨナラバイバイ♪」



952 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:23:38.62 ID:XgKq/T/AO

ユメノナカナラ……


《いかりのみずうみ》


ハリー「さあ!」

リョウ「あのドラゴン使いもいなくなった!」

ケン「逃げるなら今だぜ!」

「“はかいこうせん”!!」

ドガアアアアアアンッ!!!!!!

三人「ぎゃあああっ!!?」ドシャアッ!

「野暮用で席を外していたが…」

ケン「お、おお…お前はっ!」

ハリー「れれ例のドラゴン使い、ジョウト地方リーグチャンピオン・ワタル!!」

ワタル「ロケット団共、迎えに来てやったぞ」

リョウ「はわわ…」ガクブル

ケン「む、迎えにきた…とは、なな何の事なのだ?」

ワタル「ふん……お前達!」

ザッ!

「「はっ、ワタル様!!」」

三人「!!?」

「ゲヘッゲヘ、久しぶりなんだなー。ハリー、ケン、リョウ」

「三中隊長とも、変わりはないみたいじゃん?」

ハリー「! あ、貴方達は…!?」

リョウ「オウカ大隊長!!」

ケン「チャクラ大隊長!!」

オウカ「ゲヘッゲヘ」

チャクラ「きひひ」
953 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:24:45.33 ID:XgKq/T/AO

ハリー「ご無事だったんですね、お二方!」

リョウ「よ、よかったぁー!」

ケン「お二人がいれば、もう何も恐くありませんよ!」

オウカ・チャクラ「……」

三人「……?」

ケン「…えっと?」

リョウ「そ、そういやあ…さっき、『ワタル様』って……」

ハリー「オ、オウカ大隊長!?」

オウカ「…んー。まあ、そういうことなんだな」

ハリー「そういうことって…」

チャクラ「僕とオウカはワタル様の下につくことに決めましたからー!」

三人「えええええ!!?」

ケン「そ、そんな馬鹿なっ! 何故!?」

オウカ「オデ達は改心したんだなー」キラキラ

チャクラ「金儲けとか、世界征服とか、そんな悪い事はしちゃ駄目じゃん!」キラキラ

ケン(い…一体なにが、お二人をこんなにしたんだ…?)

ジャリッ…

「あなた達がロケット団中隊長ね」

ハリー「! 誰だ!?」
954 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:26:06.62 ID:XgKq/T/AO

カリン「私はカリン。ジョウト四天王の一人よ」

ケン「四天王が何の用だ?」

チャクラ「やい、テメエら! カリン様になんて事を! 言葉遣いに気をつけるじゃん!?」

三人(えぇー!?)

オウカ「…実はオデ達は、このカリン様のお言葉により改心したんだな」

ケン「なんと!」

チャクラ「そうだ、カリン様! この馬鹿トリオにもあのお言葉を!」

カリン「え、ええ?」

オウカ「ゲヘゲヘ、カリン様のお言葉を聞けばこいつらも改心するかも。ぜひ、お願いしますなんだなー」

カリン「ま、また…あの時の…? で、でも……」

ワタル「…ふ。いいじゃないか、カリン。減るものじゃないしな」

カリン「ワタルまで……。わ、分かったわ。しょうがないね…」

カリン「あなた達、よく聞きなさい!!」

三人「……!」

カリン「つよいポケモン、よわいポケモン、そんなのひとのかって。ほんとうにつよいトレーナーなら、すきなポケモンでかてるようにがんばるべき」

ハリー「……!!」ジーン

ケン「ああっ…!」ジーン!

リョウ「なんて…素晴らしい言葉なんだ……っ!」ジジーン!!
955 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:27:20.38 ID:XgKq/T/AO

「「「一生付いていきます、カリン様ァアア!!!」」」

カリン「オウカとチャクラの時もこんなだったけど……って!?」

ハリー「カリン様ーっ!」ダダッ

リョウ「胴上げだ、胴上げー!!」

カリン「ええ!?」ガシッ

ケン「ばんざーい!!」

チャクラ「カリン様ばんざいじゃ〜ん!!!」

オウカ「なんだなー!」

カリン「ちょ、ちょっと…あなた達、下ろしなさいっ!?」ワタワタ…

「「「「「カリン様、万歳ッッ!!!!」」」」」

キャー!!?

ワタル「……ふっ」



956 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:28:57.67 ID:XgKq/T/AO

フタリノキョリチヂメラレルノニナ……


《ポケモン警察署》


ゲーチス「く……! こんなことになったのも、すべてあの小娘どものせいだ………!!」

コンコン!

ゲーチス「!」

ハンサム「ゲーチス、少し話をしようか」

ゲーチス「はっ、また貴方ですか。別に話すことなどありませんよ。ワタクシはプラズマ団を組織して、英雄を再び世界に出現させるために伝説ポケモン・ゼクロムとレシラムを蘇らせただけです」

ハンサム「本当か?」

ゲーチス「ええ」

ハンサム「嘘つきゲーチスめ」

ゲーチス「! なに……?」

ハンサム「もう調べはついている。七賢人であるシキミ・ギーマ、両容疑者が洗いざらい吐いてくれたからな」

ゲーチス「あの馬鹿どもがァッ……!!」

ハンサム「逮捕状も出ている。ゲーチス・ハルモニア、二年前のカントー地方ロケット団事件・ホウエン地方アクア団マグマ団事件・シンオウ地方ギンガ団事件、一年前のジョウト地方ロケット団事件、そしてイッシュ地方プラズマ団事件首謀の容疑で逮捕する!」

ガチャアン!

ゲーチス「…ッ!」

ハンサム「これだけの大罪だ。もう一生太陽を拝めるとは思うな」

ゲーチス「……」

ハンサム「…だがな。お前のその図太い信念は目を見張るほどだ。今度は間違えずに正しい方向へ……」

ゲーチス「フハハ、国際警察コードネーム・ハンサム……ワタクシを捕まえたことは称賛してさしあげますが、ワタクシは変わるつもりはありません。次こそは何としてもプラズマ団の………いえ、ワタクシの目的を果たしてみせます!」

ハンサム「ほう……やれるものならやってみろ」
957 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:29:54.10 ID:XgKq/T/AO

ザッザッ

警察官「おい、さっさと歩け!」

ゲーチス「ん?」

デント「あっ」 ポッド「ゲーチス様じゃッ」 コーン「ないですか!」

ゲーチス「貴方達も捕まっていたんですか…」

デント「いやあ、僕達だけでどうしようかと思っていましたけど…」

コーン「ゲーチス様がいらっしゃるなら話は別!」

ポッド「プラズマ団復興も夢じゃないぜッ!!」

ゲーチス「………。まあ、復興しても貴方達を親衛隊にする気は毛頭ありませんが」

三人「ええぇえええ!?」

デント「どうしてですかゲーチス様〜!」

ポッド「俺達頑張っているのに〜ッ!」

コーン「ゲーチス様を最も信仰しているのも我々だというのに〜!」

ゲーチス「うるさいですよ、ダークトリニティ!!」

三人「はひいっ!」



958 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:31:32.85 ID:XgKq/T/AO

アアカミサマオネガイ…フタリダケノ……


《トキワジム》


シルバー「……」 N「……」

ワイワイ!

シルバー「どうしてこんなことになっているんだ…」

N「賑やかだね」

アデク「はっはっは! いいではないか。せっかくだから、ここで打ち上げだ!」

ハチク「おい、小僧!」

シルバー「…えっ?」

ハチク「お前も一緒に飲まんか!」

シルバー「俺まだ未成ね…」

ハチク「しゃらくせえ! 俺の酒が飲めねえって言うのか!?」

シルバー「ち、近寄るな、酒臭い〜!!」ジタバタ

N「はは…」

アデク「皆、酒が回っておるのう!」

N(シルバーには悪いけど、ここは退散しようか)ソロリ…

ガシッ!

N「!?」

フウロ「え〜ぬクンっ。どこに行くのかな〜?」

N「君はフキヨセジムリーダーのフウr…」

フウロ「御託はいひのよー。フウロお姉さんと楽しいことしましょ〜!?」

N「ちょっ、ま…!」

アイリス「子供ねえ…」

カミツレ「ライモンでポケモンつよいもーん!」
959 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:32:44.80 ID:XgKq/T/AO

ヤーコン「…ふん! 騒がしい限りだな」

アロエ「まっ、浮かれるのも無理ないじゃない?」

アーティ「そうだよねぇん。本当はみんなピュア〜で子供っぽい心の持ち主だったんだねぇん?」

アロエ「黙ってろ酔っ払い」

アーティ「これは酔って言ってるんじゃないけど!?」

「…あらあら、なんか私だけ場違いみたいね」

アロエ「あんたは…シロナさん?」

シロナ「ええ、アロエさんですよね」

アロエ「そうさ。いやあ、知っていてもらえて光栄だよ」

シロナ「トレーナーであり、研究者でもある人は少ないから」

アロエ「ははっ、私は研究者としては未熟だけどね」

シロナ「そうでもないですよ。ジムが博物館の中にあるだなんてイレギュラーは貴女だけでしょうし」

アロエ「そう言って貰えると有り難いねえ」

シロナ「……!」

アロエ「…どうかしたのかい?」

シロナ「い…いえ、何も」

アロエ「?」

シロナ(何か視線を感じる…?)


960 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:37:25.26 ID:XgKq/T/AO

……


アデク「…さて、」

アデク「出てきてもらおうか! アカギ、マツブサ!」

アデク「……」

ザンッ!

アカギ「ふん…」

マツブサ「ばれていたか」

アデク「まだ捕まっていなかったのか」

マツブサ「…はんッ。ヒヒダルマ!」ボム!

アカギ「ジバコイル!」ボム!

ヒヒダルマ「ダルヒッヒ!」

ジバコイル「ジーッ!」

アデク「…ッ!」

マツブサ「“ほのおのパンチ”だ!」

ヒヒダルマ「ダルヒッヒ!」ゴウッ!

「スピアー!!」

スピアー「スピーッ!」バッ!

マツブサ「…なに!?」
961 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:38:44.89 ID:XgKq/T/AO

「“ダブルニードル”!」

ザシュザシュッ!!!!

ヒヒダルマ「ダルヒッヒ!?」ドサアッ

マツブサ「ヒヒダルマ!」

アカギ「……サカキ、か」

サカキ「…」ザッ!

マツブサ「くくっ、七賢人勢揃いかよ?」

サカキ「このメンバーで喧嘩をするのも久しぶりだな」

アカギ「…ふん」

アデク「………」

マツブサ「あァ? なんだよ、アデク。テメエ…俺達を倒して、警察に突き出すつもりなんだろ?」

アデク「ああ」

マツブサ「なら、なんでポケモンを出さねえ?」

アデク「……おぬし達には警察に行ってもらう。だが今は祝いの席だ」

アデク「おっと、野暮なことは言うな。敵味方関係なく、今だけは一緒に楽しもうではないか」
962 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:40:24.52 ID:XgKq/T/AO

アカギ「…」

マツブサ「その考え…相変わらず甘ちゃんだぜ」

アカギ「…だが、まあ」

マツブサ「今は…俺達も乗ってやるかな」

アデク「そうこなくてはなっ!」

マツブサ「……まなかったな」

アデク「む?」

マツブサ「なんでもねえよ」

アデク「そうか? では酒を持ってくるから少し待っていてくれ」

サカキ「いや、私はいい」

アデク「!」

サカキ「私も付き合いたいところだが…」

ギャーギャーワーワー!

サカキ「…まだ顔向けはできない」

アデク「サカキ……」

サカキ「いつかシルバーの…いやシルバーとNの父親と、胸を張って言えるようになるまでは会うわけにはいかない」

サカキ「心配するな。警察には行くさ。このパーティが終わったら、アカギとマツブサと一緒にな」ザッ…
963 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:42:08.39 ID:XgKq/T/AO

アデク「…サカキ……」

サカキ「じゃあな」

「親父ッ!!」

サカキ「…っ!」

サカキ「シ、シルバー…」

シルバー「……」

シルバー「…ごめん。俺は親父の事を疑ってた。俺の事なんて、ちっとも考えていないって思ってた…」

サカキ「…いいさ。私も足掻いたが、結局はお前のためにしてやろうとしても何も出来なかったんだ」

シルバー「…俺は、」

シルバー「俺は信じてるから」

サカキ「!」

シルバー「親父の事、俺は信じてる! いつか必ず…三人で暮らそう!」

サカキ「シル、バー…! ……っ、立派になったなシルバー………。ああっ、三人で暮らそう…いつか必ず……!」

シルバー「じゃあな、親父!」

サカキ「またな、我が息子よ!」


シロナ(…視線はあの三人のものだったのね……ハンカチハンカチ………)グス

シロナ(でもおかしいわね。まだ視線を感じるような…)

コソッ

アララギパパ(私も結構頑張ってたのに、何故呼んでくれなかったんだアデクぅ〜!)グスグス



964 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:43:42.08 ID:XgKq/T/AO

モウイッカイ!


純「いや〜何回聴いてもいい曲だねー!」

クロツグ「そうだな〜」

純「って、お父さんは聴いたことないでしょ」

クロツグ「何を言う。毎年学祭のライブでしっかりと聴いていたぞ」

アンズ「負けた純殿には到底奏でられない素晴らしさでござるよ」

純「なんだってー!?」テカマケテナイシ!

アンズ「なんだとはなんでござる!」

純「なんでござるとは何よー!」

純アンズ「む〜!!」バチバチ…!

キョウ「まあまあ二人とも」シュバッ!

純アンズ「ふんっ!」プイッ

純アンズ「……」

純「…えへへ」

アンズ「……ふっ」

キョウ「ファファファ、まったく…」


965 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:45:09.45 ID:XgKq/T/AO

憂「わあ〜、あれお姉ちゃんだよー!」

唯父「はは、トレーナーズスクールに通ってた時は毎年見てただろー」

唯母「でも久しぶりね。唯の演奏を聴くのは」

唯父「ああ…。やっぱり上手いなあ唯」

唯父「ママに似たんだなあ?」

唯母「唯はいい子に育ったし、パパ似よお〜♪」

キャッキャウフフ

憂(仲良しだなあ)

ザッ…

「お楽しみのところ悪いのですが、少しよろしいですかな?」

父母「?」

憂「! クロツグさん」

クロツグ「お父さんとお母さんに話があるのですが…、憂ちゃんも一緒がいいかな」

憂「? 何の話ですか?」

クロツグ「この前話した、憂ちゃんがフロンティアブレーンになってみないかという話さ」



966 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:46:07.18 ID:XgKq/T/AO

アアカミサマオネガイ…イチドダケノ……


《ハナダ洞窟》


ザッ…

フジ「…」

アオギリ「見事に崩壊していますね」

カツラ「あれだけのことがあったんだ。仕方がないだろうな」

フジ「我ながら、馬鹿なことをしたものだ」

カツラ「…」

アオギリ「…まあ、あれも元凶はゲーチスなんですがね」

フジ「わしの心の弱さのせいでもあるさ」

カツラ「……というより、アオギリ…だったか。何故君がここに?」

アオギリ「ふ…。さて、ね」

アオギリ「私も同じものとして、弔いをしにきたというところですかね」
967 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:47:36.41 ID:XgKq/T/AO

…ボム!

デオキシス「…」スタッ

カツラ「! デオキシス…」

ピッ…

カツラ「む、ポケギアが…」

ピピッ

『ヨカッタ』

カツラ「…デオキシス、か?」

デオキシス「…」コクッ

『アア、ワタシダ。ネンシノウリョクニヨッテ、コノタンマツヲトオシテ、コトバヲツタエテイル』

カツラ「ふふ、不思議なものだな。昔はポケモンと会話するにはどうすればいいか、という研究もしたものだが……ポケモン自らの力によってそれが出来るとはな」

『……ケンキュウ、カ』

『ワタシハ、ケンキュウニヨッテウミダサレタノダッタナ』

カツラ「…」

『イヤ、ダガウマレテヨカッタ。オマエタチニデアエタ』

『ヤセイニカエッテカラ、フタタビニンゲンノテニモドッテキタノモ、ソレガリユウダ』

カツラ「…デオキシス」


968 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:49:15.53 ID:XgKq/T/AO

………

ザッザッ…

フジ「ふう…少し歩きすぎたかの。カツラくん達も置いてきてしまったし」

フジ「……」

フジ「ここだけ崩れとらんかったようじゃの、ミュウツー」

ミュウツー「……フジ博士、か」

フジ「久しぶりじゃの」

ミュウツー「ああ、本当に久しぶりだ」

フジ「お前にも、色々と迷惑をかけたようじゃな」

ミュウツー「いや」

フジ「……」

ミュウツー「……」

フジ「…ミュウツーよ」

ミュウツー「なんだ?」

フジ「本当に今更で、わしが言える立場ではないのかもしれんが……」

フジ「…わしは」

ミュウツー「世界平和、か」

フジ「!」

ミュウツー「あの事件以来、私もそのために色々としてきたつもりだが…やはりお前がいないと始まらないようだ」

フジ「……」

ミュウツー「一緒に夢を叶えようじゃないか。フジ博士の夢を」

フジ「ミュウツー…」

フジ「……」

ミュウツー「……」

フジ「わしからも…言っておこう」


フジ「争いを、研究で…お前の力で終わらせることがわしの夢じゃ!」


フジ「…手伝ってくれるか?」

ミュウツー「ふっ…」

ミュウツー「もちろんだ」

フジ「…ありがとう、ミュウツー」
969 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:50:10.16 ID:XgKq/T/AO

ジャリ…

アオギリ「では此処をその夢の拠点にしましょうか」

フジ・ミュウツー「!」

カツラ「フジ博士の夢の達成、私達も協力させて貰いますよ」

デオキシス「…」コクッ

フジ「アオギリ…カツラくん…デオキシス……」

ミュウツー「さあ、フジ博士。此処から始まる…いや、始めようじゃないか」

フジ「ミュウツー……」

フジ「……」

フジ「ああ…っ!」



970 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:51:14.82 ID:XgKq/T/AO

……………

………



ポケットモンスター、縮めてポケモン。

この星の不思議な不思議な生き物。
その数は、100、200、300、400、500、600、700……いや、それ以上かもしれない。

ポケモンの数だけの出会いがあり、ポケモンの数だけのドラマがあり、

そして、ポケモンの数だけの冒険がある。



「人とポケモンは互いに支え合い、共に生きている…」カキカキ

「……今日も晴れやかな天気です! …っと!」

『DIARY・・・yui』

971 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:52:27.87 ID:XgKq/T/AO

唯「ふうっ! 今日の分は終わり〜!」ウーン!

唯「日記も書けたし、久しぶりに大好きなテレビ番組『ぽけもん』でも見ーよおっ!」

「おーい、唯ー!」

唯「! りっちゃん!」

律「もうすぐ表彰式始まるぞ! なにやってんだ?」

唯「ごめんごめん、そうでした!」エヘヘ

唯「今行くよ〜!」タタッ

唯「おまたせぇ〜♪」

律「まったく…。ほら、行くぞ!」

唯「うん! あ…そうだ、りっちゃん!」

律「ん?」

唯「ふんすっ!」

律「…?」

カチャ…

律「あ、そうか…!」カチャ!

唯「えへへ…」カチャ!

唯「ブイ太!」 律「ランス!」

「「いっけえっ!!」」

…ボム!


972 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:54:09.89 ID:XgKq/T/AO

……………………………………………………………………

フワフワターイム フワフワターイム…

ダダッ ジャラッ ジャアアアン!

…ワアアアアッ!!!!!


律「よっし、もう一曲いくか!」

澪「え、でも……」

梓「いいじゃないですか!」

紬「やろおやろおーっ!」

澪「おいおい…」

唯「じゃあ、次の曲は……」

和「ちょっと、唯! もう表彰式に移らないとっ!」

唯「ええ!?」

澪「ど…どうする?」

律「もういっちゃえー!」ダダン!

澪「ええー…」

梓「はいですっ!」

唯紬「おーっし!」フンスッ

和「まったくもう…」ハア…

唯「えへへ…」
973 :ぽけもん :2011/09/07(水) 21:55:00.16 ID:XgKq/T/AO

律「んじゃ、行くぞ!」ワンツー!

唯「…せーの!」


唯律澪紬梓「ぽけもんだいすきー!!!」




おわり



974 :ぽけもん :2011/09/07(水) 22:03:52.97 ID:XgKq/T/AO
手持ちポケモン

☆平沢唯☆
ブイ太/シャワーズ
ピッ太/ピクシー
リュウ太/デンリュウ (旧:メリ太)
チー太/チラチーノ (フレンドボールでゲット)
ムー太/ムシャーナ
ラー太/シャンデラ

☆田井中律☆
ランス/ニドキング
スカイ/ニョロトノ
ヒート/ギャロップ
ウィング/ワタッコ
モール/ドリュウズ (ヘビーボールでゲット)
ボルト/ゼブライカ
フォウル/アーケオス

☆秋山澪☆
カゲぴょん/リザードン
ハブりん/ハブネーク
ベロにゃん/ベロベルト
サボみん/サボネア
ドっくん/ドクケイル
ルンたん/ポワルン
くらくら/ドククラゲ
コロぽん/ココロモリ (スピードボールでゲット)
デスらん/デスマス

☆琴吹紬☆
リン/レントラー
レン/ドンファン
ルカ/オクタン
ユリ/ユンゲラー
ネル/ネイティオ

☆中野梓☆
ミミちゃん/ミミロップ
さわちゃん/サワムラー
デビちゃん/デルビル
トンちゃん/アバゴーラ
975 :ぽけもん :2011/09/07(水) 22:06:04.09 ID:XgKq/T/AO

☆鈴木純☆
ラプンーソ/エンペルト
ドルアゲス/マネネ
エヌターク/ストライク
ギガンテフ/ゴルーグ

☆真鍋和☆
ブーピッグ
エルレイド
ゴチルゼル
オーベム

☆平沢憂☆
ぶらら/ブラッキー
ぷりり/プクリン
うぬぬ/ヌオー

☆山中さわ子☆
マリア/ムウマージ
マーシー/ゲンガー
ジェーン/フワライド
976 :ぽけもん :2011/09/07(水) 22:09:09.26 ID:XgKq/T/AO
これで終わりです
ジョウトらへんからグダグダになりましたが、無事に終わってよかった!
一年かかりましたが、最後までお付き合いいただいた方、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございまひゅた!
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 22:14:23.84 ID:0MPI8nkFo
乙でひゅ!でひゅ!
途中から読んでたけどよかったよ
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/08(木) 18:42:10.93 ID:i3f6jr+H0
とうとう終わってしまったか…長いこと乙でした
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