一方通行「打ち止めが反抗期なンだが」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/21(月) 01:16:57.01 ID:BX+EUQ6h0

作品傾向
打ち止めがツンツンツンデレだけど影薄い。
ジャンルとしてはアクション活劇になるはず。
某大型投稿サイトで別作品を連載しているので文体が似るかもです。

しばらくしたら投下する。するったらする。

あと地の文が入るので嫌な人は退避。
「俺の一方さンは親馬鹿なンかじゃねェ！」って人もブラウザバック。

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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旅にでんちう ＠ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず ＠ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 ＠ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 ＠ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい　　安部菜々編 ＠ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 ＠ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ？」 ＠ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する！」 ＠ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/21(月) 01:18:18.52 ID:kZvZBLM/0

乙

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]：2011/03/21(月) 01:18:46.25 ID:b/rz193a0

投下しろ。しろったらしろ。

4 ：１◇620b77a5 [sage]：2011/03/21(月) 01:41:42.25 ID:BX+EUQ6h0

「やべェってマジやべェって。どォしようかホント」

「へー」

「…………」

「あ、ごめんなさい。超相談乗ります。なんで机の下で足蹴るの超やめて下さい」

学園都市には伝説がある。

それらは多種多様であり、原型の数もさることながら一番の特徴はどれもが科学の最先端を突っ走る学園都市らしからぬ、オカルトチックなものが多いということ。
無論語り部によって話の細かい部分は変動するが。

そんな中に、最近になって一つ追加されたものがある。

『常盤台中学のある少女に危害を加えると高位の能力者が報復に来る』

これは都市伝説というよりは警告に近い。

詰まるところ――この噂は本当だった。

「でもさぁ一方通行。それってアンタにも責任があるんじゃないの？」

「知らねェよ。まるで心当たりがねェ」

全国有数のチェーン店数を誇るとあるファミレス。窓際の席を麗しい美少女とオーラ的にしょぼくれた美形の青年が占めていたら誰だって目を留める。

事実、窓際ゆえに彼らは店外からも視線を集めていた。

その注目の集団の中でも際立って目立つのは、白髪赤目の青年。
今年で二十歳となる彼――学園都市第一位『一方通行』はガツンと机にヘッドバットをかます。

そして憂鬱そうに告げた。



「打ち止めが反抗期なンだが。俺何かしたか？」



相対する美少女軍団（二名）――麦野沈利と絹旗最愛はそのローテンションが感染したかのようにため息をついた。

5 ：１◇620b77a5 ：2011/03/21(月) 01:54:08.09 ID:BX+EUQ6h0

相談相手は上条ってのがセオリーなんだろうけど、俺の文章にそんな常識は通用しねえ！

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/03/21(月) 01:58:47.64 ID:IwvH45g/o

とっとと書け太郎

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/21(月) 02:03:47.30 ID:DocZ+TCq0

フレメアを連れた浜面なら一方通行のいい相談相手になるんじゃね？

つーか書き溜めしてあんの？

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]：2011/03/21(月) 02:04:59.90 ID:v3+4LhHWo

名前欄が気になって仕方ない

9 ：１◇620b77a5 [sage]：2011/03/21(月) 02:19:55.41 ID:BX+EUQ6h0

『アイテム』と一方通行の縁は第三次世界大戦終了後に始まった。

某世紀末帝王ＨＡＭＡＤＵＲＡが滝壺一直線となってしまったため、暇を持て余していた彼女らは自らの美貌を生かし（こうやって文章に起こすとバカっぽいが）適当な男を釣って金をせしめるというなんとも小悪党な趣味に熱中したいた。

そんな時、標的として狙われた一人の男――要するに一方通行その人だが――を釣ろうとした時からこの三人で駄弁る会が定期的に開かれている。

ちなみに初対面の際どんな感じだったかというと。

『あっ、あのっ』
『あァ？』
『その……今、時間とかあります？』
『悪ィ俺今からそろばん教室だから』
『ちっと待てやコラ』

明らかに面倒くさそうだったのを無理やり連行して軽食を奢らせ、アドレスを適当に交換して今に至る。

端的に言ってしまえば暇つぶしの道具だ。無論一方通行もそれは了解している。

「ていうかさァ、前は俺の作ったメシ喜んで食ってくれたのに最近は俺が作ったって聞いただけで食欲をなくすワケ。『アナタの作ったご飯なんか気持ち悪すぎてミサカはミサカは吐きそう……ホント気分悪いから近づかないで……』だってさ」

「で、結局食べてくれてんの？」

「俺がいなくなった後に、だけどな」

（超ツンデレじゃないですか）
（さすがミサカ遺伝子。その内照れ隠しに電撃撃つのがデフォになるわね）

10 ：１◇620b77a5 [sage]：2011/03/21(月) 02:20:30.83 ID:BX+EUQ6h0

二人の心境など察することなく白い父親気取りのバカは思い出しただけで欝になったのか悲鳴を上げてヘッドバットを再開した。

麦野が注文したアイスティーが揺れ、絹旗のホットココアが零れ落ちる。カップをひょいと持ち上げると二人はさっさとそれを飲み干した。

「机に超ヒビが入ってますよ」

「痛ェ」

「でしょうね。額切れてるし。血が出てるし」

呆れたと言わんばかりにため息をつき、麦野はポケットティッシュを取り出すと一枚手にとって一方通行の額に優しく当てた。

なんだか面白くない光景に絹旗はムッとする。

「まああの子だってもう中二でしょ？　反抗期なんて耐えてればすぐ終わるもんよ」

「経験者かオマエは」

「――って漫画に書いてあった」
「ダメじゃねェか」

落胆する一方通行を捨て置き、麦野はそそくさと店を出ようとする。

やはり以前まで家族として過ごしていた大切な少女に拒否されるのは辛いのだろうな、と絹旗も思わず同情しながら席を立ち。

「テメェら会計はどォするおつもりで？」

ガシリと第一位の白い手に腕を掴まれた。食い逃げ、よくない。

「さすが第一位。鋭い観察眼ですね」

「誰でも気づくわボケ」

一瞬ドキリとするもの、絹旗はすぐさま頼れる仲間の麦のんへと振り向いた。

彼女なら自分を救って食い逃げの共犯として逃亡の手助けをしてくれるだろうと期待をこめて。


しかし現実は無情である。


『ごめん見たいドラマの再放送があるから★』

丸文字で書きなぐられたレシートの裏紙がドアにはくっつけられていた。しかも★付き。☆ではなく★だ。ここ重要。

「麦野ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！？」

「はァい可愛い可愛い絹旗ちゃンに問題でェす。今一方通行は何をしようとしているでしょォ？」

言葉と同時振り上げられる細腕。その手で掴んでいるのは絹旗が先ほど購入したＢ級映画『逃走野郎Ｆチーム』なるものの当日チケット。

テーブルの上に置かれているのは一方通行セレクトのオリジナルブレンドコーヒー、すなわちついたら最後絶対染み落ちないぜと言わんばかりの泥沼……！

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！　それだけは、それだけはッッ！！」

「正解者には苦ァいアツアツお風呂を♪」






数分後、黒ずんだチケットを抱きしめて半泣きの絹旗とご満悦の白い最強の姿があったとか。

11 ：１◇620b77a5 ：2011/03/21(月) 02:22:30.81 ID:BX+EUQ6h0

今回はここまでです。
ちなみに名前欄は適当。書き溜めは少しだけ。

投稿は少し時間を置くのでカンベン。大丈夫、打ち止めきっと次回には出番くる。

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/21(月) 02:33:18.55 ID:E039e4dDO

支援です

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/03/21(月) 02:43:37.81 ID:QgBmq3Fio

トリップ(名前欄の◆〜〜っていう奴)の付け方
名前欄に「#1234」みたいに、#と半角英数で好きな文字列を入力すると、書き込み時に自動で別の文字列に変換される
パスワードみたいな物で本人確認に便利

あとついでにメール欄に「saga」でフィルター解除(SS速報では特定の単語が自動変換されるフィルターがついている)
ちなみに本文書き込み時はsageない方が人が集まりやすい

お節介かもだけど一応

乙
読んでるぜい

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/21(月) 08:51:55.46 ID:V87SGLoIO

期待してるぜ！

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]：2011/03/21(月) 09:48:15.45 ID:9AePwSPAO

支援

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/03/21(月) 10:30:40.86 ID:GjUytUexo

窒素通行も原子通行も好きな俺だが、
期待させてもらっても宜しいか……？

乙

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/21(月) 12:42:34.31 ID:hw1M9PqU0

「」の前に名前を入れないとSSでは目が疲れる

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/21(月) 12:53:42.22 ID:ivEsHDpIO

それは別に個人差だろ

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2011/03/21(月) 16:09:27.97 ID:a2ttGmrEo

この組み合わせはいいな
機体しちゃう

乙

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/03/21(月) 17:41:18.39 ID:QJb2rvw00

乙
何これツンデレ打ち止めとか俺得

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]：2011/03/21(月) 18:29:05.06 ID:BV3/fVr90

期待支援だぜ

22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) ：2011/03/22(火) 00:13:35.18 ID:r+raCmfy0

保守

23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]：2011/03/22(火) 00:25:23.94 ID:OhD8bQjG0

たまに「ン」になってない所があるな

24 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/22(火) 00:29:48.26 ID:DEWCY0LR0

勿論通行止めなんだろうな？な？

25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/22(火) 02:15:23.95 ID:b/SGAvtIO

原子通行と窒素通行とか俺得すぎるだろ

26 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/03/22(火) 18:36:16.72 ID:afFr128Do

原子通行にしとけ

27 ：１♯1215 [saga]：2011/03/22(火) 21:31:11.85 ID:AQb/bGLX0

少ししてから投下。

>>13
サンクス。初心者だからその辺はミスを指摘してくれると助かる。

>>23
やべぇ見直したらマジだったｗｗ
これからは誤字確認をもっとしなければ・・・orz

28 ：１ ◆S801T3Lhtw [saga]：2011/03/22(火) 21:40:29.42 ID:AQb/bGLX0

端的に言えば一方通行は親馬鹿である。

打ち止めが一人で買い物に出かけると後ろをコソコソと付け回すし男に声をかけられたら問答無用で抹殺する。例えそれが単なるクラスメイトであってもだ。

無論『魔法少女にならないかい？』と怪しげな勧誘をしてきた白い獣は八つ裂きにして成層圏へと射出した。打ち止めの死亡フラグを折るのも彼の立派な役目なのだ。

要は日々ストーキングにいそしんでいるだけである。仕事は基本的に一ヶ月単位のノルマを数時間で終わらせ、余った時間を打ち止めの保護観察に費やす。


「これについてどォ思う？」

「凄く……ストーカーです……」

29 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/22(火) 21:45:48.15 ID:AQb/bGLX0

率直な感想が絹旗の口からこぼれた。

「ストーカーじゃねェ。単なる守護者だ」

「うわこの人自覚がまるでないですよ。超痛々しいパターンです」

カプチーノをすすりながら絹旗は重々しく息を吐く。こうして一方通行の相談に乗るのは初めてではない。

下手すれば警備員（アンチスキル）に通報されかねない彼の狼藉にブレーキをかけるのはいつも彼女の役目だ。

もう高校生となった彼女だが、いまだに浮いた話がないのはひとえにそのせいである。無論男子から視線を集める外見は誇っているがそれをまったく活かそうとしない。つか生かす機会がねぇ。

「ていうか今日もまた待ち伏せですか？」

「違ェな、危険な通学路で安全を確保すンだよ」

そんなことをするのはアナタだけです、とは口に出さない。出しても無駄であることは重々承知している。

「ハッハァ！　ターゲットが来やがったぜェ！」

「超五月蝿いです！　静かにしないとバレますって！」

思わず窒素パンチをかましたくなるのを抑え、絹旗はげんなりとした表情で顔を上げた。

……ちなみに二人は今現在、常盤台中学の正門から少し離れた地点に停車した乗用車の中に居た。軽ワゴン車である。

「よし、追うぞ」

「ああ……超着々と犯罪者への道を爆走しちゃってますよ……」

絹旗のショボイ小言は耳にも入れず、一方通行はキーを回しエンジンを噴かすとアクセルペダルを踏み込む。友人らと談笑しながら帰路につく打ち止めの後方20メートルをキープしながら、怪しげな紺色のワゴン車はそっと進み出した。

30 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/22(火) 21:52:47.90 ID:AQb/bGLX0

「でもねー、そこでなんと黄泉川がさー」

楽しそうに駄弁る打ち止めの姿を双眼鏡越しに確認しつつ、絹旗は半ばヤケクソ気味に一方通行へ状況報告を行う。

「対象の安全を超確認。友人のモブ子Ａ並びにＢと楽しそうに下校しています」

「イイねェ、友人と下校なンざちゃンと青春してンじゃねェか！」

「うわマジに超ハイテンションになっちゃってますよ。ていうか顔キモイです」

ヒャッハー！　と狭苦しいワゴン車の中ではしゃぎまくる一方通行に絶対零度の視線を突き刺す絹旗。

保護観察対象の打ち止めは友人らと実に楽しそう。守る側であるはずの一方通行も実に楽しそう。ていうかコイツが一番楽しんでんだろ。

「家族の成長見守ることの何が悪いんですかァ！？　いや打ち止めはもう家族という枠組みには囚われねェ……まさにマイスウィートエンジェル！　テメェが喧嘩売るってンなら絶賛大奉仕特価で買い取ってやるぜェ！？」

「あーいいですよ超いいですよ上等ですよ！　やってやろうじゃないですかッ！」

バン！！　とワゴン車の扉が両側ともに弾け飛んだ。絹旗は窒素装甲を身にまとったまま車から飛び出し、瞬時にチョーカーのスイッチを切り替えた一方通行もまた運転席のシートを踏み台に車外で跳躍した。

超能力者ｖｓ大能力者。

高位の能力者同士の戦いになれば周囲へ被害が及ぶのは免れない。一方通行は場所を変えようと周囲を見回し。





「……オイ、打ち止めがいねェぞ」
「えっ」





マイスウィートエンジェルの姿が消失していることを、一方通行の眼球は確かに確認した。

31 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/22(火) 22:04:06.17 ID:AQb/bGLX0

「まったく、あの人はホントに過保護なんだよってミサカはミサカはぼやいてみる」

一方通行のマイスウィートエンジェルがどこへいったかといえば、すぐそこの路地裏に逃げ込んでいた。

アホ毛はどことなくしょげ、

『なぁお嬢さんお嬢さん、知ってるか、雨ってのは神様のナミダなんだぜ』

と言わんばかりのアンニュイな雰囲気をかもし出している。

「あーあーあーあーあーあーあー！！　一方通行のバーーーカ！　いつまでも保護者面しちゃってさ！　ミサカが求めてるのはッ……」///

急に口をつぐみ、彼女は赤面した。自分が何を言おうとしているかを理解した。本当に、自分は何を言おうとしているのだか。

ああもうとミサカは手で顔を覆う。

どれもこれも一方通行が悪いのだ。彼が過保護すぎるから。『手のかかる子供』としてしか自分を見てくれないから。

「バーカ。一方通行の、バーか」

小石を蹴飛ばす。それは正面の薄汚い壁にぶつかりあらぬ方向へ弾けた。打ち止めはそれを目で追い。

その石は人の足元に落ちた。

視線を上げる。ニット帽にマスクとメガネ。不審者三種の神器が揃いも揃ってしまった見事に痛々しいデザインの、小太りな男が荒い息でそこにはいた。



――暗転。意識が真っ逆さまに堕ちる。

32 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/22(火) 22:08:00.95 ID:AQb/bGLX0

救世主は未だ、『悲劇』に気づかない。

33 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/22(火) 22:09:49.63 ID:AQb/bGLX0

今日のところはこれにて引き下がってやるぜ。
つか一番最初にパスワードを晒してしまったorz
違うパス考えるので時間食った。スマン。

一応言っとくけど欝展開なんて俺に求めるなよ！？

34 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/22(火) 22:14:26.27 ID:mxO5G92G0

十分すぎるぜｇｊ
次回もｗｗｋｔｋしてる

35 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/03/22(火) 22:23:21.16 ID:ClK74cjAO

>>33
まあ酉は本人確認くらいしか意味ないからそんなに気に病むこともない
乙です

36 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/22(火) 22:37:04.56 ID:BgMeU+s30

QBさんｶﾜｲｿｽ

37 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/03/22(火) 22:44:25.04 ID:QCGSSBabo

打ち止めァ…ピンチじゃないですか。過保護とは言えない
一方通行さんが楽しそうで何よりです
乙

38 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]：2011/03/22(火) 23:08:53.40 ID:M8Xh5okj0

これは期待せざるをえない

39 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/22(火) 23:20:35.54 ID:XvIBHCqIO

いいぞいいぞとてもいいぞ

乙

40 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/23(水) 05:06:16.25 ID:X9zI2Scn0

俺得展開な予感
打ち止めが可愛すぎて死にたい

41 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]：2011/03/23(水) 06:48:34.07 ID:QNzRVpSAO

うわあああああ打ち止めぇぇぇぇぇぇ

42 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/03/23(水) 09:46:05.51 ID:gGsHYkOco

>>41
ラストオーダーぁぁぁぁぁぁぁぁ
じゃね？

流石にそこまでいくと、サスケェ……ネタも無理あるし

43 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/03/25(金) 22:21:34.04 ID:4dOsmj6AO

常盤台の正門って学舎の園にあるんじゃ…

44 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/27(日) 21:05:40.93 ID:o8gawhd30

もう少ししたら投下します。

あんまり事態が進展してねえけど気にすんなよ！？

45 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/27(日) 21:17:24.92 ID:o8gawhd30

一方通行は激怒した。

かのメロスも比じゃないぐらい激怒した。

「dhkg:stria殺jpgih殺:0u7殺殺y9th」

「超落ち着いてください。なんだか言葉の中に同じ単語が複数含まれている気がします」

「:fdh殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺gdinvmxd,jtyi5p973-2i-47tfl,age49y6m@5g」

「いや寄せればいいってもんじゃありませんから」

黒い翼を引きずり路地裏を駆け抜ける影が二つ。破砕されたワゴン車はそのまま捨て置き、一方通行と絹旗は打ち止めを探すべく彼女が消えた近辺を徹底的に捜索していた。

路地裏にて女の子をナンパしていたり恐喝していたりする不良たちを、軽く三分の十五殺しにして五回転生させたりした。その後彼らや被害にあっていた少女らに聞き込みをしてみたが成果はナシ。

自称守護者たる一方通行さンはもう我慢の限界のようで。

「チッ、こうなりゃ奥の手だ……」

「？？」

このまましらみつぶしに探しても埒が明かない――そう判断し、一方通行は携帯電話を取り出す。

pipipiと機械的な音声がいくつか響いた後、そのケータイを耳に押し付けた。

46 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/27(日) 21:25:25.66 ID:o8gawhd30

『トゥルルルルルルル。トゥルルルルルルルルル』

「……………………」

『トゥルルルルルルル。トゥルルルルルルルッル。ガチャ。ただいまこの電話は電源が切られているか、電波の届かない所に――』

「無様な三文芝居晒してる暇があるならさっさと出ろや花」

『花ではありません。ビューティフルフラワーＥＸです』

「オマエもう病院行けよ。ンで花摘出してもらえよ」

『困ります！　これは私の本体ですよ！？』

「ネタに対応しすぎだろオイ」

初春飾利は受話器の向こうで憤慨した。
さすがに口頭で電話機の待機コールを再現するのは無理があったらしい。というか一方通行とてさすがにそれぐらいの聞き分けはつく。

『でー、なんですか？　私は今知り合いと連絡つかなくてイラついてるんですけどー』

「黙れ花。調べてほしいことがあるだけだ」

『……はぁ、私をこんなにこき使うのは貴方と白井さんぐらいですよ』

「それだけ信用されてるってことだろォが。で、調べてほしいことだが――」

そこで彼は言葉を切り。


「最近発生した誘拐事件で、被害者が女子学生に絞られているのをピックアップしろ。未解決のヤツだ」

47 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/27(日) 21:47:46.67 ID:o8gawhd30

それから数十秒。

『ヒットしました。女子中学生に狙いを絞った連続誘拐事件があります』

「詳しく話せ」

初春は電話越しに頷くと、事務的な口調で詳細を並べていく。

『はい、今までの被害者は3名。全員が殴る蹴るの暴行を加えられた後性的暴行を受け屋外に放置されています――ッ、ホントどうしようもない事件ですね……』

「…………そォか。悪ィこと聞いちまったな」

すまない。そう謝罪しながら一方通行は自身の感情をくまなく把握した。

発熱する頭脳を、沸騰する思考を、隅から隅まで抑え込む。暴発するのはもっと後でいい。

『あ、けど、もう犯人は目星がついてるそうですよ？　えっと、もう警備員（スキルアウト）が向かってるって――』

そこで一方通行は通話を切る。

「絹旗ァ……アレだアレェ、アレ持ってこい！！」

「はぁ……その話し方は色々とマズイ気もしますが、分かりました。アレですね」

ため息をついて自分も携帯電話でどこかと連絡を取り出す絹旗。苦労をするポジションについてしまっている人というのは、なんともかわいそうなものである。

なんにしても、話題に上がっているアレなるものが届くまでの時間。『守護者（笑）』たる一方通行が何もしないわけがない。

「――さァて絹旗ちゃン。一つナゾナゾです」

「何ですか？」

「マイスィートエンジェル……打ち止めに手ェ出したやつはどうなるでしょォ？」

「超スクラップ」
「せいかァい♪」

48 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/27(日) 21:48:14.88 ID:o8gawhd30

暗闇の中に少女が一人。

タオルで目隠しをされ四肢を荷造り用の紐で縛られた彼女は黙り込んでいた。意識ははっきりとしている。

猿ぐつわを噛まされている彼女はひたすらに思考する。ひたすらに思う。




――誰か、助けて――

49 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/27(日) 21:49:29.06 ID:o8gawhd30

今日はここまで。
次回で事件解決の予定です。
打ち止めのデレが見られるかどうかは俺次第だ！

窒素通行は俺のジャスティス。本編に影響するかどうかは分かんないですが。

50 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/03/27(日) 21:53:14.80 ID:ddsMLpRRo

警備員はアンチスキル
スキルアウトは武装無能力者集団
だでね

51 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/27(日) 22:26:39.42 ID:TxmPW7z1o

アンチスキルとスキルアウトってたまに間違えられるよね
立ち位置は正反対なのにｗｗ

52 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県) [sage]：2011/03/27(日) 22:36:16.95 ID:YUhTVAXy0

スキルアウトが向かってんのかよｗｗｗｗｗｗｗｗちんたらしてる暇ないだろｗｗｗｗｗｗ

53 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/03/27(日) 22:47:56.30 ID:o8gawhd30

>>50-52
はいキタコレ天然ミス＼(^o^)／

（アンチスキル）と脳内変換してくれ

54 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/03/27(日) 23:37:17.53 ID:P7PyDwap0

よくあるよな､スキルアウトとアンチスキルの間違い

55 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/03/27(日) 23:42:00.41 ID:/Fwu0hYwo

オリアナとオルソラ並に間違われるな

56 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/03/27(日) 23:51:35.34 ID:j2YVA2Huo

スキル＝能力者
スキルアウト＝能力者からドロップアウトした落ちこぼれ
アンチスキル＝能力者の暴動などに対抗する警備員

57 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/03/28(月) 20:07:27.74 ID:dc1f3yBGo

初春さん有能だなぁと感心しつつ、連絡つかない知り合い誰だろと気になったり
やっぱ黒春さん良いなぁ…初春さん可愛いよ初春さん

58 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/02(土) 21:09:50.71 ID:h7fh+bjB0

しばらくしたら投下します。

59 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/02(土) 21:27:06.36 ID:h7fh+bjB0

男たちは薄暗い部屋の中にいた。

「ぎゃはは、今度はかなりの大物拾ってきたなオイ！」

「うっわメッチャ可愛いｗｗやべえもう勃ってきたｗｗ」

「つか怯えすぎだろｗｗ」

そこには縄で縛られた少女が一人。

目隠しをされており彼女は周囲の状況を確認することはかなわない。

それでも自分が今現在とても追い詰められていることだけははっきりと分かる。

だから彼女は助けを求めることしかできない。頼りになる人を頭の中に思い浮かべて必死に嗚咽を飲み込む。


しかし彼女は知っているのだろうか。


――『一方通行「打ち止めが反抗期なンだが」』――


スレタイからして明らかにギャグ調のこのスレ。
そんな中で今少女を取り囲んでいる男たちのマイウェポンが暴発するだろうかいやそれはない（反語風）。

「で、どうする？　今ヤスがもう一人連れてくるって言ってるけど」

「マジかよ、この子だけでも十分大物だぜ？」

下品な笑いを浮かべながら、男たちはケータイで通話している男……ヤスというらしいが、彼に連絡を取っていた。

が、しかし。

彼らは気づいてるのだろうか。少女への暴行。それはつまるところ、少女たちを愛する者たちの怒りを存分に買っているということ。


その溜まりに溜まった怒りがこの日ついに、一斉に弾け飛ぶこととなった。


「あり？」

パリン、なんて音がしたと同時、部屋の電気が落ちた。

60 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/02(土) 21:40:26.17 ID:h7fh+bjB0

というよりは電球が弾けた。外部からの衝撃を受けたように電球が壊れている。

「あぁ？」

男たちが不思議そうな声を上げた瞬間。



ピン、と音がして男たちの一人が耳につけていたピアスが床に落ちた。



ピン。ピン。ピン。

音がする。音が響く。音が繰り返される。
それらはピアスなどの金属が床に落ちる音。それらは何かが窓ガラスに小さな穴を開ける音。

それらは確かにその場を切り裂く鋼の弾丸の音。死神が放つそれはその場の空気を凝結させる。

「え、あ？」

音が途切れた。数秒の沈黙の後飛び込んできたのは死神そのものだった。





「見ィィィィィィつけたぜェ、可愛い可愛い天使ちゃン？」





彼らが最後に見たのは腕を振りかぶる白い最強の姿だった。

61 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/02(土) 22:07:49.21 ID:h7fh+bjB0

「はン。楽勝だったな」

手にしたライフル『メタルイーターＭ５』を投げ捨てる。

絹旗に言って取り寄せてもらったのはこれだった。かつて暗部だった知り合いから借り受けたという。

「もうちっとで警備員（アンチスキル）も来る。大丈夫だぜお嬢さン」
（これで打ち止めの高感度も大幅アップだぜヒャッハー！）

見事に本音を隠して後ろを振り返る一方通行。暗闇の中少女の姿は見えないが、マイスィートエンジェル打ち止めの無事を確認すべく人影に手を伸ばす。

「大丈夫だ。俺がキッチリ守ってやるからな」

「んっ……」

「あァ、口塞がれてんのか」

すぐさま彼は猿ぐつわを引きちぎる。こンな可愛い少女に乱暴な真似をするンじゃありませン。とばかりにため息をつく。

「あ、ありがとうございます！」

「おォおォ気にするな。これぐらい朝飯前――――――――ン？」

ふと違和感。打ち止めは自分に敬語なんて使ったか？

バタン！　と部屋の扉が蹴り破られた。室内に差す光が一方通行の目を焼いた。

「あ、一方通行！？　ここで何してるじゃん！？」

「黄泉川ァ！？」

中に踏み込んできた女性を見て白モヤシは慌てて少女の顔を確認した。


長い黒髪。パッチリした目。幼さの抜けた顔つき。白い花を象った髪飾り。


「佐天さんっ！」
「う、初春！？」

一方通行はあぎゃはと笑った。

いや、笑えねェからね一方通行クン。

思う。回想する。さっき自分なんて言いましたっけ？


『見ィィィィィィつけたぜェ、可愛い可愛い天使ちゃン？』
『もうちっとで警備員（アンチスキル）も来る。大丈夫だぜお嬢さン』
『大丈夫だ。俺がキッチリ守ってやるからな』


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！」

自らの厨二病っぷりにその場で転げまわる彼を、黄泉川は不思議そうに見ていた。

62 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/04/02(土) 22:15:11.51 ID:UCSVlAWH0

打ち止めはどこに...

63 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/02(土) 22:18:11.49 ID:zjaO/GI8o

ヤスが連れてくるんだろ

64 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/02(土) 23:40:18.57 ID:h7fh+bjB0

「本当にありがとうございました……」

「ＨＡＨＡＨＡ、気にすることはないぞアッハッハッハ」

キャラ崩壊する一方通行は男たちのアジトとなっていた廃墟の外にいた。

彼にひたすらに頭を下げる少女の名は佐天涙子。他でもない初春飾利の親友であり、つい先ほどまで連絡の取れなかった親友だ。

事の顛末はこうである。

男たちがアジトに連れ込んだ少女は佐天だった。一方通行は初春から得たデータと絹旗から受け取った『メタルイーターＭ５』を持ってアジトに突入し男らを蹴散らした。

ならば天使ちゃンこと打ち止めはどこかというと――

「ほら打ち止め、一方通行はアンタを心配しての行動だったじゃんよ」

「ふんっ……」

パトカーの中にいた。

彼女は先日の能力検査（システムスキャン）で見事レベル４の判定を受けた彼女にたかが一人の運動不足な男を打ち伏せるなど容易い。気絶から回復した後、おぶられていたところを電撃電撃また電撃。

ヤス　が　パトカー　の　なかに　いるぞ

黄泉川「ほら、さっさと動機を喋るじゃん」

へんじ　が　ない　ただの　しかばねの　ようだ

上のような状態にある。立派な危篤だが誰も助けねえ。これが俗に言う孤立無援か。

「でも、本当にありがとうございました」

「……オマエを助けるためじゃなかった。礼を言われる筋合いはねェ」

キャラを取り戻した一方通行がツンデレる。それを見て打ち止めは面白くなさそうに顔を背けた。

（ふーん。ミサカを助けに来たくせにさっきからその子に構ってばかりじゃんってミサカはミサカは当然の不満を漏らしてみる）

「あの、お名前は……？」

「一方通行」

「いっぽうつうこう？」
「違ェアクセラレータだ。誰が漢字読みしろっつったコラ」
「ていうか佐天さんどうやって漢字表記を把握したんですか……」

（ふーん、随分スムーズにトークを進めるのね、ってミサカはミサカはなんとなく憤りを覚えてみる）

「つゥか花。打ち止めはどこだ」

「はいはいユアスウィートエンジェルちゃんですね。あ、佐天さんも事情聴取があるので来てくだちい」
「なんでガンツになってるのよ初春」
「どうせＺガンのことをＨガンって言ってるクチだろォ？」

「なんで分かったんですか……」
『呼ん（ン）でたのかよ』

（やっと話題に出たと思ったらミサカは放置ー？　ってミサカはミサカはありえない対応にあの人への不満を積もらせまーす）

「やっぱ計ちゃンが至高だろ」
「君からは……生きる力（笑）を感じるよｗｗ」
「鈴木さんディスってんじゃないわよ初春。ちなみに私も玄野派です！」

（これ見よがしに共通点アピールしちゃって、露骨すぎるんだよってミサカはミサカは無知な女子学生にアドバイス。っていうかどうせこの話限りのモブキャラでしょ？）

「……山崎さンが……復活……だと？」
「ぬらいひょんが最強？　時代はダヴィデ像ですよ」
「ガンツソードって作れないのかな……」

（…………イライライライライライライライライラ）

オイオイ打ち止め姐さん。カルシウムが足りてないんじゃないんですかい？　だから胸も残念なままなｎ







「あれ？　なンか地の文消えた？」

65 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/02(土) 23:52:05.81 ID:s5BHwmdh0

>>1は星になったのだ……

66 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/03(日) 00:10:55.13 ID:HchITiWc0

「あ、あのっ！」

佐天が何か決心したように声を上げた。
そのなにやら鬼気迫る様子に一方通行は怪訝そうに彼女を見る。

「あン？　どォした」

「えっと、その……」

ポケットから携帯電話を取り出し、しばしモジモジとした後。

「わ、私とっ！」


「はいはいそこまで、ってミサカは青筋をひくつかせながら割り込んでみる」


ＫＹが来た。

「まったくもう、アナタはミサカを待たせすぎなのよ、ってミサカはミサカは苛立ちを隠さずにアナタの足を思いっきり踏んづける」

「あァ？　反射」

「演算能力没シュート」

「t:sryjmbs:pyhu@」

打ち止めさん横暴です。なんて誰も言えない。

「な、何してるんですか！？　一方通行さん大変なことになってますよ！？」

「ふーん、当然の罰だもんってミサカはミサｋ」
「いくらなんでも横暴よ！」
「何よ、知り合ってまだ一時間も経ってないくせに！　ってミｓ」
「それでも酷すぎる！」

罵り合いは続く。
一方通行の軽い体はその場に捨て置かれヒートアップする二人。仕方なしに彼を運び出し健気に看病（？）するのは――――

67 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/03(日) 00:11:55.24 ID:HchITiWc0

――無論マリアナ海溝より深い優しさと慈しみを持つ初春飾利その人だった」

『嘘だッ！！』

68 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/03(日) 00:13:18.69 ID:HchITiWc0

とりあえず今日はここまで。
途中でネットの接続が不調になって恐ろしい投下速度になった。スマン。

ああそれとスレタイで通行止めオンリーだと判断した野郎共へ




ず　っ　と　こ　の　ノ　リ　だ　よ

69 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/03(日) 00:18:55.31 ID:qqrhpxOm0

それはそれで俺得
乙

70 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]：2011/04/03(日) 00:24:37.80 ID:3tZSZvDq0

犯人はヤス

71 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/03(日) 00:28:07.04 ID:ATkxKtULo

いや、犯人は俺。じゃなくて俺得でもある
乙

72 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]：2011/04/03(日) 00:42:26.80 ID:jwcr+IVKo

乙
この軽いノリ…とてもいい

モアイちゃんは…？

73 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]：2011/04/03(日) 01:18:51.35 ID:A+XnZRfO0

心が洗われるようだ・・・

74 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]：2011/04/03(日) 03:09:14.01 ID:FFse0/TKo

打ち止め「スチールたわしでガシガシって感じでねってミサカはミサカの心情を的確に表してみる…

75 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/04(月) 21:54:20.91 ID:yHc9dX+l0

乙

これ何年かたった後の話かな？

76 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/07(木) 17:23:18.53 ID:sYyzEpODO

人間味の感じられない台詞に、
臭くて気持ち悪い地の文

糞以下だな

77 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/07(木) 19:26:35.37 ID:cpITg3TSO

確かに、ギャグにしてももう少し入れる所と入れない所をしっかり分けた方がいい
三人称なのに文が崩れ過ぎだし、人物の発言もメタが多過ぎな上に無理にギャグ入れようとしてるように感じた。
中学生あたりが書く文章みたい

78 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/04/07(木) 23:23:04.37 ID:Q2Nc2HGTo

俺はこのままでいいと思う。一方さん親バカ+シリアスとか、逆にギャグだな。

79 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/08(金) 02:06:21.07 ID:5ObzU0lRo

俺もこのやり方で良いと思うな。分かりやすくて俺は笑ったし、好きだ
聞いてもいないのに妙な擁護かもしれんが
出来ればこのまま行って欲しいというのが俺の個人的な意見

80 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:20:43.58 ID:+V/4mcxk0

レスが意外に増えててビビった。

>>76-79
色んな意見サンクス。
地の文の遊びはその場のノリだから増えたり減ったりしちまうので勘弁。

しばらくしたら投下します。

81 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:32:43.49 ID:+V/4mcxk0

（チッ……くっだらねェ）

闇夜を裂く白が一つ。
かつて学園都市の暗闇を打ち払った青年が悠々と道路を歩いていた。
すでに時刻が時刻であるため人気はない。いや彼の人気（にんき）が時刻に合わせて変動しているわけではないが。

（ハン、それにしてもイヤなトコを通っちまったな）

空を見上げる。いや、夜空と同化するように黒い巨大な影が一つ。


窓のないビル。


中には誰もいない。かつて自らの大切なものを守ろうとした少年少女たちによって内部は徹底的に破壊され、ここを居城としていた魔術師もまた――――

「あァ、マジにロクでもねェ場所だ」

そこには希望はなかった。光は差さなかった。

まるで幽霊でもでてきそうなこのビルには、中で最重要機密実験が行われていただの、実はこのビルこそが『虚数学区』だの、根も葉もない噂が集中している。

「オマエもそォ思うだろ？　なァ、クソ面ァァ」
「違ェ浜面だ」

アスファルトを踏みつける足音が一つ。レベル０、浜面仕上がそこにいつの間にかいた。

82 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:36:01.38 ID:+V/4mcxk0

「にしても第一位が何してたんだ？　まさか思い出に浸ってたとかか？」
「ンなワケあるか。ここで回想するなンざ俺はどんなマゾだよ。テメェこそ何してンだ、ついに嫁さンに愛想つかされちまったかァ？」

愉快そうにケラケラと笑う一方通行。

そんな彼に浜面は無表情で告げた。

83 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:36:55.05 ID:+V/4mcxk0

「……さっきそこで騒ぎがあったな。連続誘拐事件の犯人が逮捕されたらしい。
　未遂だけど、被害者の中に俺の知ってる顔があってな。

　お前、さ。



『また』守り損ねただろ」

84 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:40:33.37 ID:+V/4mcxk0

刹那、浜面の頬を何かが掠めた。

銃弾とさして変わらない速度で射出された石ころだった。

「次は外さねェぞ」

「……そう、か」

一方通行は振り向きもしない。

「もう取り零さねェ。俺は『打ち止め』を守り抜く。それだけだ」

「……そう、だな」

場に沈黙が降りた。

その空気がどこか居心地悪く、一方通行は振り向く。

「大体テメェはこンな時間にこンなトコで何をブフォッ」

そして見た。浜面を。

今現在浜面仕上は――――

85 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:42:29.80 ID:+V/4mcxk0

ゴ ス ロ リ 着 用 状 態 だった。

86 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:46:02.12 ID:+V/4mcxk0

「笑うなッ！」

「ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」
（訳：イヤ無理だろその注文）

「べ、別にゴスロリが好きなワケじゃねえぞっ！？　ホントだからなっ！？」

「ｗｗｗｗゴボッｗｗｗｗｗ」
（訳：言い訳とか見苦しいぜェ浜面くゥゥゥゥゥン）

浜面が大げさなアクションでツッコム度、フリフリの衣装が揺れる。

歳月と数々の死線を経て鍛え上げられた肉体。広い肩幅、太い体のライン。

「見れば見るほど味が出てくンな。そして笑いが止まらなブフォッ」

「何度も何度も笑ってんじゃねえぞテメェェェェェ」

「吸引力の変わらない、ただ一つのコスプレ(キリッ」

「ああああああああああああああチクショウ何一つ言い返せない自分が悔しい！」

頭を抱えて蹲る浜面。そんな彼の姿をケータイのカメラ機能を使って撮りまくる一方通行。

先ほどまでのシリアスムードは一体何処へ行ったのだろうか。

「ほらほらこっち向いて！　素のままの君を曝け出して！」

「テメェ！　何俺の素が女装癖持ちみてえに言ってんだ！」

「今なら誰もいないぜェ？　普段溜まりまくってるストレスを発散するチャンスだ！　ほらァ、言っちまえよォ！」

「う、うぅぅぅぅ……」

「ハリーハリーハリー！」

「は、は……浜面仕上、高校生ですっ☆」

ご丁寧に某超銀河シンデレラのポージング付き。思わず、キャピッなんて擬音が脳内に響く。

画面を凝視していた一方通行は、やっぱり噴き出した。

「これビデオ撮影なンですけどォｗｗｗｗｗｗｗ」
「テメェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ！！！」

87 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]：2011/04/11(月) 22:47:53.35 ID:VkNpLicAO

なんだこのシリアスブレイカーｗｗｗｗｗｗ

88 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:48:56.63 ID:+V/4mcxk0

「ねー初春ー」

「何ですか佐天さーん」

夜中だからか、人通りはもう少ない。警備員の詰め所に向かうパトカーの中、佐天は隣に座る親友に話しかけた。

「あの人、ひょっとして知り合い？」

「あー……」

あの人。そう言われて思い浮かぶのは、先ほど見事な救出劇をやってのけた白い親馬鹿ヤロー。

正直対物ライフルを使った意味があったのかは分からないが、言語機能を取り戻した彼が言うには『そっちの方がカッコイイじゃン(キリッ』とのことだった。

ちなみに直後その場の人々の意思を汲み取ったのか、打ち止めが演算能力没シュートアゲインをしたのは想像に難くない。

「まあ命の恩人ってトコですかね」

「マジ？」

「マジです」

思い出すのは自分に背を向ける彼。相対する翼を顕現させる青年に烈風を叩き付けたその姿はまさにヒーローそのもので。

89 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:50:28.88 ID:+V/4mcxk0

「あ、あのさぁ……」

回想から帰還すれば、初春の眼前には収穫前のリンゴがあった。特大だ。そして熟れ過ぎだ。真っ赤だった。

「その場のテンションで連絡先貰っちゃったけど、メールしていいのかな？」

「別にいいんじゃありませんか？　私も時々メール付き合ってもらいますし」

「え、ウソ」

「ホントです。眠れない日とか」

じゃ、じゃあ……と何か期待するような声色の少女に、思わず初春はため息をつく。頭の上の花飾りがカラフルなだけにシュールな対比図だった。

「その年で一目ぼれですか……」

「なっ！？」

リンゴは本当に熟れ過ぎだ。いい加減見てるほうが熱くなってくるほどに赤い――自分にもあんな時期があったのだろうかと思う。いや、彼女と自分は同い年のはずだ。こんなに達観しているのはおかしい。

内心実年齢と人生経験のギャップに葛藤する初春に向かって、まだ中々収穫してもらえない佐天はムキになって反論した。

「べ、別にいいじゃない！　まだ私だってピッチピチの女子高生よ！？」

「ピッチピチ（笑）」

「ああもうそこだけ抜き取ったらホントに私ただの年増よね！？　少しは自重してよ黒春！　あっ間違った初春」

運転手がすこし煩そうに眉を引くつかせているのを尻目に、二人の口論はヒートアップしていく。

そこで佐天は何とか反撃の糸口を掴むために口を開いた。

「大体、そういう初春はどうなのよ？　一目ぼれした経験とか」

「私はいいんです」

「なっ」

開き直りやがったこの女という驚きより、親友がいつの間にか、その名前の通り春を迎えていたことがショックだった。
軽く思考が麻痺する佐天から視線をそらし、窓の外に流れる景色を見やって初春は小さく呟く。

脳裏に浮かぶのは過去の最強の後姿と先ほど佐天を引きずって表に出てきた最強の姿。

変わらないなあ、なんてやっぱり達観した考えが巡る。





「まだ中一だったから無問題（モーマンタイ）ですよ、ヒーローさん」

90 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/11(月) 22:52:50.07 ID:+V/4mcxk0

以上で投下終了。

シリアス短ぇ……

91 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/11(月) 23:16:05.91 ID:DlqJE9r00

浜面で腹筋死んだｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
てかなにこれハーレム？

92 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/12(火) 00:29:11.58 ID:JNt6rsY8o

初春さん素敵です初春さん
しかし浜面に何が…まぁ十中八九アイテムの所為なんでしょうね
乙！

93 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/13(水) 01:44:24.09 ID:oF04WPKko

http://i.imgur.com/8DMVJ.jpg

94 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/04/14(木) 01:42:55.61 ID:Ch8Ms2FJo

>>93
悶えたｗｗｗｗｗｗ

95 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/04/14(木) 02:39:46.74 ID:ESvNxPD3o

>>93
何これ可愛い

96 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/14(木) 03:05:34.73 ID:Vw/14BwHo

>>93
描いた本人からの支援ならともかく、Pixiv2次絵の無断転載はやめろよ

97 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/14(木) 20:45:10.06 ID:U/VeFRKro

拾いもんだったがpixivだったか

ごめんよ

98 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [sage]：2011/04/14(木) 21:48:45.82 ID:OQFcz3vAo

>>97
どこからの拾い物だろうが同じだろ…他人の創作物の無断転載はやめとけ

99 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/15(金) 14:59:39.47 ID:jUrynOeLo

>>98
そんなカリカリすることでもねーだろ、ネットに晒してる時点でどっか出回るかもしれないって作者も思ってるだろうし

100 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/15(金) 15:13:11.45 ID:TMlP+aOAo

本人が反省してるのに横からワケの分からん開き直り乱入

101 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/04/15(金) 16:04:14.52 ID:s9/IUyEAo

よし、ここで元URLを貼れば解決だな。
どっかで見た気がすると思ったらやっぱりpixivだったか。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=17152191

102 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]：2011/04/15(金) 17:39:04.49 ID:wFWDL1DBo

自力で探すとか教えてくれってスレならともかく…

103 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/04/18(月) 01:58:44.07 ID:ECIEpLWro

なんだこの流れ。

そんなことより続きはまだかにゃー。
まぁこのくらいじゃ待つうちには入らんと思うけど。

104 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/04/29(金) 00:35:25.50 ID:D2cBog/C0

ｿﾜｿﾜ…ﾏﾀﾞｶﾅ…ｿﾜｿﾜ…

105 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/29(金) 23:08:57.74 ID:1fA83LC90

俺「よし、久々の投下ＤＡＺＥ！」

俺「ん？　レス数伸びやばくね？　コレキタくね！？ｗｗ」

↓

俺「（´・ω・｀）」

どんな話題でレスしてんだよオイｗｗｗｗ

ここにきて計画性のなさが足引っ張ってるね！書き溜め尽きたおｗｗ

とにかくしばらくしたら投下

106 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/29(金) 23:12:06.45 ID:pz/dAOBfo

待ってた甲斐があった

107 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/29(金) 23:52:53.91 ID:1fA83LC90

「よし、また初春が大貧民ね」

「も〜〜。二人とも少しは手加減してくださいよぉ〜」

「誰がするか、ンな事」


誰がどう見ても豪華な、というか豪華すぎるとあるマンションの一室。

誰がどう見ても美人な女性が二人と、白髪の親馬鹿野郎がそこではトランプに興じていた。

「うし、トランプ飽きた」

「私もですー」

「うぅー！　二人とも勝ちまくってるからってぇー！」

悲鳴を上げる初春を捨て置き、一方通行はやれやれと窓の外を見る。

高層マンションの上からでも、金髪の男（ゴスロリ着用）が巨大なバイクで警備員と公道でハリウッド映画張りのチェイスを繰り広げているのがしっかりと見えた。


そして――バイクの行く先に黄泉川家があることもしっかりと確認した。


「ごめンちょっとゴミ掃除してくる」

「「は？」」

窓を開ける。地上との距離は測るのも馬鹿馬鹿しい。首のチョーカーに手をかけて、一方通行は教育的に非常によろしくないＨＡＭＡＤＵＲＡなる物体を排除すべく実に迅速に行動を開始した。

108 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/30(土) 00:09:57.36 ID:yTcHpN4v0

馬鹿面、もとい浜面には別に女装癖などない。

「はいはい反射反射」

そんな投げやり感極まりない言葉とともに警備員たちのトラックは吹き飛んだ。

大型バイク――『ドラゴンライダー』を改造し駆動鎧なしでも扱える程度にオミットしたものだ――を降り、浜面（ゴスロリ）は息をつく。

「アブねえ……マジで今回ばかりは捕まると思った」

「前回はバニーだったかァ？」

「いやスク水だった」

なんだか会話がおかしい気がしないでもないが、まあ『夜な夜な現れる変態コスプレ金髪男』なる都市伝説が囁かれている辺りから察してあげてほしい。

汗をぬぐう浜面（ゴスロリ）。夜の学園都市はまだ明るく、多くの人々が道路のど真ん中に佇む一方通行と浜面を見ていた。

「いっそ次はアレとかどォだ？　ＪＢ」

「ジャパンバニーだとッッ！？」

「違ェ、ジューンブライドだっつゥの」

「要するにウェディングドレスじゃねえか！　無理だよ、逃走できねえ！」

「ていうかジャパンバニーって何だよ、なンでもかンでもバニーに繋げるオマエの豊かな妄想力には毎回ドン引きだな」

うわァマジ引くわーと顔を引きつらせる一方通行。

その時、慌てて弁解しようとした浜面の視界に何かが映りこんだ。

「――――――――――ッッッ！！？」

「あァ？」

絶句する浜面。何か一点を見て口をパクパクと開けている。訝しげに一方通行もそちらを見ると。

（あれ？　なンかこの家見覚えが…………ッ！？）





普通に黄泉川家だった。

窓から見覚えのあるアホ毛少女がじっとこちらを見ていた。

彼女の口が動く。第一位の目は愛しい愛しい少女の唇の動きを自動的に言語化する。




『そんなヘンタイさんが知り合いにいただなんて、さすが。アナタ自身もヘンタイか・く・て・い・ね……死ねばいいのに』




「＼(^o^)／」

「一方通行？　え？　どうしたの急に両手を突き上げて。は？　人生オワタ？　何言ってんだお前……え、上のアレ何？　太陽？　へ、何、プラズマ？　は、え、ちょっ、『地球消し飛ばす』ってお前そこのサイヤ人、え――――――――――――――」

109 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/30(土) 00:20:50.73 ID:yTcHpN4v0

一つ厨二っぽい言い方をすれば、それは『等価交換の法則』である。

概要を説明しよう。


浜面「滝壺、今日はどんな格好をしよっか？」

滝壺「……はまづらが好きなのでいいけど」

浜面「じゃ、これなんてどうだ？」

滝壺「ミニスカメイド……いいけど、はまづら」

浜面「ん？」


滝壺「コレ着て街歩けるの？」


浜面「大丈夫、慣れた」






「イヤイヤイヤイヤ慣れちゃダメでしょォがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ！！！！！」






一方通行が全力でツッコムのも無理はなかった。

というか、この『コスプレプレイをした後浜面もそのコスプレをして町を歩く』なんてアホアホなシステムを考案したのは一方通行だ。

すべての戦いが終わった後、滝壺と気づけばメル友と化していた一方通行（ちなみにメールの話題はワイドショーの内容だったりする）が面白半分で提案。


そして採用。


正直一方通行もこの件に関しては浜面に謝る気だった。そして滝壺にこの案は撤廃させようと。

代価として体晶3年分（帝蔵庫製）も用意した。




そしていざ交渉と浜面家に向かう途中、第七学区のど真ん中でバニースーツの浜面を直視した瞬間、一方通行の中で大切な何かが崩れ落ちた。









「オマエがそんな格好をするからァァァァァァァァァァァァ！！！」

「八つ当たりにもほどがあるぞオイ！？」

「いや正論だァこの変態！！」

一台のバイクと一つの人影が学園都市の大通りを疾走する。

なんというか、ひどく非生産的な光景ではある。

まあけど。

今日も学園都市は平和だ。

110 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/30(土) 00:22:02.24 ID:yTcHpN4v0

「――あァ？　ンだこれ。新装備？　おィおィ、ンなもンこの私に預けちゃっていいのォ？　悪用してくれって言ってるよォなもンじゃン……ま、存分に使わせてもらうけどな♪」















その平和が明日まで続くかどうかは、不明であるが。

111 ：１ ◆rF/tDeRmBKi/ [saga]：2011/04/30(土) 00:25:15.43 ID:yTcHpN4v0

以上で導入部、まあプロローグは終了です。

ここから一方通行の世界を救う旅が始まるわけです。ええ、すいません嘘です。

とりあえずは今後の予定というかキャラの設定を。


浜面→滝壺と同居中。等価交換については大して苦になっていない様子。その分夜はハッスルしてんのか。

心理掌握→次回登場。

最後の人→シリアスを作ってくれるなんてプロットはそげぶされました。

ていうか『そこのサイヤ人』じゃなくて『どこのサイヤ人』ですねちくせう

112 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/30(土) 05:56:57.93 ID:muuEN7Cbo

浜面が浜面で最低だな

113 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]：2011/04/30(土) 11:48:17.14 ID:gTvikf7uo

乙

114 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/30(土) 11:56:31.76 ID:QANgi3qvo

浜面はアホだなぁ。でも自分の欲望に素直なアホ俺は嫌いじゃないぜ(キリッ
ラストに出てきたのは黒夜か？
心理掌握登場するみたいですし、次回も楽しみにしてます
乙！

115 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/05/18(水) 00:06:00.14 ID:uPhFz09l0

続きが待ち遠しいぜ…！

116 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/05/30(月) 23:21:12.97 ID:Uy/9Ars10

待つわ

117 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/06/08(水) 21:31:25.03 ID:XIaoemxSo

いつまでも待ーつーわ

118 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/07/22(金) 07:47:17.75 ID:NogmtMg80

気がつけばもう七月か