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女「君は、音楽の魔法を信じるかい?」 -
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1 :
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/25(金) 03:04:38.32 ID:WZkAQXDh0
[説明]
※登場人物ごとに視点や文体が切り替わりつつ、物語が進みます。
※展開の予想レスは控えていただけると助かります。
※でも感想レスはガンガン募集です(オリジナル系はほんとにレス付かないので)。
※1は伊坂幸太郎や高田康太郎みたいな話を書きたいと、常々思ってます。
※エントロピーを凌駕しなくても、奇跡も、魔法も、あるんだよ。
それでは、始まります。
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/
少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/
渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/
二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/
佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/
全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
2 :
“女”の(心の)声
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/25(金) 03:05:21.24 ID:WZkAQXDh0
――テステス
――あーあーあー♪
――マイクは良好っと
3 :
“女”の(心の)声
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/25(金) 03:06:01.92 ID:WZkAQXDh0
――どうも皆様はじめまして。突然ですが、すみません
――まことに勝手ながら、この駅“南口”ロータリーでストリートライブを始めさせてもらいます
――お聞きぐるしい部分もあるかもしれませんが、ご容赦ねがいます
ジャラ〜ン♪
――それでは一曲目! スタートっ!!!
4 :
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/25(金) 03:07:11.24 ID:WZkAQXDh0
1 風は“少女”の髪をゆらし、物語を運んできた
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(西日本)
:2011/03/25(金) 03:08:02.13 ID:dYDzsyPEo
wktk
6 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:09:12.29 ID:WZkAQXDh0
「風が出てきたなー」
と私は呟いた。
長い髪がさらさらと揺れて、顔にかかってきたからだ。
あ、皆さんこんばんわ。私は18歳の“少女”です。
時刻は午後8時30分。
本当は予備校なんですが、用事があって抜け出して、
今は駅の“東口”にいます。
7 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:10:11.98 ID:WZkAQXDh0
ちなみに私の予備校はいわゆる落ちこぼれ専用です。
私は試験になったらいっつも失敗。ボッロボロ。
大学受験にも失敗し、浪人が確定しました。
そんなダメダメな私に、基本のキから教えてくれます。
そう、嫌が応にも無理矢理ね。
でもそれがなんの役に立つんでしょうか?
そうしたって、実生活に役に立つことはほとんどないでしょう。
そもそも私は、押し付けられて勉強したり努力する意味がわかりません。
大人たちが勝手に決めたルールに、どうして従わなくちゃいけないんでしょう。
8 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:11:29.12 ID:WZkAQXDh0
私が18年生きていて思うことは、この世界は才能のある大人たちが作って、そして
そんな世界で得られる幸せの量は、個人ごとに埋めがたい格差があるという事です。
テレビを付ければ、私達と同い年の人間が、世界レベルの活躍をしているのが見れます。
そういう特別な人たちは、小さいころから才能を見いだされて、
そして周りの大人たちから、その才能を守られ育てられ、幸せに生きていくんです。
そうして育った人たちは、同じように次の世代の才能を見つけて、次の彼らを幸せに育てていくんです。
でもそれは、選ばれた一握りの人間だけの関わり。
私みたいな落ちこぼれには触れることのないプロセス。
勿論、そういう人たちの頑張りで世の中が発展しているのも確かなんですけど。
だけど……
9 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:12:49.49 ID:WZkAQXDh0
私はもともと特別な才能なんて持っていません。そういう私が人生で苦労するのは納得できます。
でも私は知ったんです。
5年前に、恵まれた境遇と能力をもった人が、
誰にも手を差し伸べられず、暗い暗い、地の底まで転げ落ちて行く様を。
私より2つ年上の“あの人”との出会いは、薄汚れた路地裏でした。
あの人が大けがをして倒れているところを私が見つけ、助けを呼んで病院に運んだんです。
びっくりしましたよ。だってそんなことって滅多にないでしょう。
10 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:14:33.55 ID:WZkAQXDh0
病院へ運ばれたとき、あの人は危篤状態で、もう少し遅れたら死んでいたそうです。
まさに危機一髪というやつですね。
そうして、あの人はそのまま入院して、そこから私との交流が始まりました。
意識を取り戻したあの人は私に、自分を助けてくれたことをすっごく感謝してくれました。
「街中で倒れてる人を、助けようとする人ってそうはいない」
「見て見ぬふりをしてても良かったのに……助けてくれてありがとう」と、そう言って。
その後、私はなんだか心配だったので、あの人と毎日顔を合わせました。
あの人もそんな私に対して、優しい笑顔を投げかけてくれました。
私たちの街には初めて訪れたようなので、街の案内もしましたね。
私は男性とお付き合いしたことはないんですが、ああいうのをデートというのかもしれません。
お互いの身の上なんかも話たりしたんですが、
あの時のあの人は、自分の事をあんまり喋りたがらなかったなぁ。
11 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:15:59.51 ID:WZkAQXDh0
後で分かったことですけど、あの人は当時15歳にして何人もの人間を殺害していたそうなんです。
私の街に来たのも、ある人物を殺害するためだったそうです。
殺人は許しがたい行為ですけど、私はあの人を責める気にはなりません。
実はあの人の家族や親類は、巨大な組織に殺されていました。
その犯人も黒幕も分かっているのに、警察は権力に屈して全く調べなかった……
だから、あの人はたった一人で、法律に逆らってまで家族の敵討ちをしていたんです。
結局、あの人は退院と同時に私の前から姿を消して、それ以来一度も会うことはありませんでした。
だけど、
あの人と別れてからしばらくして、手紙が届き、私たちは文通をするようになりました。
12 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:17:12.50 ID:WZkAQXDh0
手紙によるとあの人は、
追跡者や警察の手から逃れるために、マフィアの世界に入ったそうです。
私に送られてくる手紙も、外部へ流出したりしたら身が危ないらしく、
私も細心の注意を払って手紙を扱っていたのを思い出します。
その手紙を読むと、あの人は私と全然違う、文字通り命がけの毎日を送っているようでした。
本人はこの生き方を選んだことを後悔していないようですが、私は彼が入院している間、
彼と一緒に過ごした間に、彼を“こちら側”に引き止められなかったことを、私は悔やんでいます。
「この手紙のやりとり自体も危険で、“キミ”自身も危ない目に合うかも」
という手紙も送られてきましたが、私はこの文通を辞める気にはなれませんでした。
それは彼を止められなかった後悔と、
彼の手紙から、強がっているけど助けを求めて泣きじゃくる子供のような姿が伝わってきたのと、
なんの取り柄もない私でも、彼の想いを受け止め、なんとか癒してあげたいと願ったからです。
私にできるのは、それくらいしかないから。
そうしていつか、彼をこの手で支えてあげたいと……
13 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:18:40.77 ID:WZkAQXDh0
……ううん。違う。
大層なことを並べなくてもいいや。
手紙のやりとりを続けてた理由は、用意された道を歩かされる退屈な人生を送る私に、
これ以上ない刺激を与えてくれるから。
普通に生きてちゃ、そんな過激な人生を歩む人とお近づきになることなんてないですからね〜。
こんな機会を捨てるだなんでとんでもないですよ。
出来ることなら、パッとしない、なんの変わり映えもしない人生を生きる私も、
そいういうスリリングな世界を生きていきたいと思っていたところに、
ところにっ、とーこーろーにぃぃぃぃぃぃぃ!!!
14 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:19:26.11 ID:WZkAQXDh0
彼から「直接会えないか」という手紙が来たんですよ。
えぇ、私はこのチャンスを逃しません。
なんの才能もない私ですけど、“勇気”と“元気”と“決意”はありますっ!
彼に弟子入りする形で、私は裏社会の住人になるんです。
このまま受からない大学受験の勉強をし続け、しょうもない大学に入ってスイーツ(笑)な生活を送って、
就活に振り回され、三流会社に入ってお茶くみをして、婚活に振り回され続け、さみしい老後を送るくらいなら、
他人から馬鹿だと何だと言われようと、若い自分の脚で生きたいように生きてやるんです!
15 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:20:42.28 ID:WZkAQXDh0
と、いーうーわーけーでっ。
私は駅の“東口”で彼を待ってます。
まだかな〜。
う〜ん。
……待ってるんですが、
……来ませんね。
16 :
“少女”の想い
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/25(金) 03:21:56.46 ID:WZkAQXDh0
あれ?
もしかして……待ち合わせ場所間違えてる、のかも!?
げっ
だとしたら、た、大変だぁ!
う〜む。駅のあちこちを見ていこう。
とりあえずなんか音がしてて、
人の沢山いるっぽい“南口”に行ってみますか!!!
17 :
つづく
:2011/03/25(金) 03:23:43.52 ID:WZkAQXDh0
今日はここまで。次は“男”の話。
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/03/25(金) 03:43:37.47 ID:53I3zug1o
一体何が始まるんです?
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
[sage]:2011/03/25(金) 09:11:32.81 ID:hNXcvcxAO
ハレドラかと思った
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/03/25(金) 09:44:29.82 ID:p9GNrvQh0
なにやら面白そう
期待
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/25(金) 13:46:45.21 ID:eFpMIFXSO
>>1
伊坂幸太郎と高田康太郎という事はゲッサンスレ?
大須賀めぐみや武論尊な要素は出ないの?
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/25(金) 20:53:08.72 ID:GfDEmx2DO
おーなんだか優しげな雰囲気のSSだね
期待
23 :
つづき
[sage]:2011/03/26(土) 00:30:27.26 ID:dIpTMYgx0
読んでくれてる人に本当に感謝です。
以前書いたSSでは全然レスがつかず、心がメタメタに折れました。
しかしレスがあったらあったで手が震えてくるという……
>>18
第三次世界大戦ではないです。
>>19
このSSには登場人物が7人いるんですが、構成の段階では
それぞれをハレドラのキャラが演じてるという設定でした。
>>20
ありがとうございます。
でもこれは僕がオマージュした作者さん・作品の魅力かなと。
>>21
フィッシュストーリーとハレルヤオーバードライブ!のオマージュで
ゲッサンはそれほど関係ないです。
>>22
ありがとうございます。
気に入っていただけると幸いです。
ではでは
24 :
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/26(土) 00:32:39.21 ID:dIpTMYgx0
2 ”男”はスタジオからタクシーに乗り込み、駅へと向かう
25 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:36:14.18 ID:dIpTMYgx0
ギィ
バタンっ!
タクシーの運転手「お客さん、どちらまで?」
似合わないサングラスを掛けた男「駅の、“北口”まで頼むわ」
運「はい。わかりました〜」
男「よろしく」
26 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:39:16.26 ID:dIpTMYgx0
運「……」
男「……」
運「……」
男「……」
運「お客さん、ちょっといいですか?」
男「なんだ?」
運「お客さん見たところ、ギターケース持ってますけど、ミュージシャンの方ですか?」
男「あぁ、そうだけど」
運「おぉ、珍しい。私この仕事初めて20年になりますけど、ミュージシャンの人を乗せたのは初めてですよ」
男「へぇ、そうなんだ」
27 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:41:12.89 ID:dIpTMYgx0
運「私音楽には疎いんですみませんが、お客さんって有名人だったりするんですか?」
男「……そこそこ に有名人かな?」
運「おりこんってやつに載ったりとかもしてる人で?」
男「オリコンは……4年前に25位くらいとったのが最高だったか」
運「おおー、それって凄いことですよね?」
男「なんともいえねぇなぁ。10年やってシングルも10枚出してるけどほぼ圏外だし」
運「……あ、なんかすみません」
男「いや、いいよ。しょぼいギタリストには違いねぇからよ」
28 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:43:45.03 ID:dIpTMYgx0
運「しかしミュージシャンで、ギター弾けるとなるとモテたりしますでしょ!」
男「女性ファンもまぁいるなぁ。学生時代からギターしてるけどそこそこモテてたよ」
運「うんうん。ですよねー」
男「ただ結婚しちまってるし、もうすぐ子供も生まれるからもう関係ねぇわ」
運「お、ご結婚を! しかもお子さんも生まれるんですか。おめでとうございます!」
男「あんがとよオッチャン。……でも手放しに喜べはしねぇんだよなぁ」
運「と、いいますと?」
男「ぶっちゃけ、売れてないからさ。金が、生活費があんまりないんだよ、俺ん家」
運「あー」
29 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:48:24.12 ID:dIpTMYgx0
男「嫁と子供を養ってくには、もう音楽辞めなきゃいけねぇんだよなぁ……」
運「そういえばこの前ニュースで、ミュージシャンの給料が20万行かないっての聞きましたよ」
男「そこそこ有名どころでもそんなんだからなぁ、俺もバイト掛け持ちして糊口をしのいで今までギターやってるよ」
運「私らタクシー運転手も低賃金ですけど、お客さんもたいへんなんですねぇ」
運「お客さんは、バンドしてる方ですか?」
男「幼馴染の友と二人で組んでやってる。俺がボーカル&リードギターで、相方がメインギターと作詞作曲担当。あとコーラス」
運「おぉ〜、歌える人なんですか。あ、その幼馴染の相方の方とは付き合い長いんですか?」
男「……そうだな。幼稚園のころ出会って、それからもうかれこれ25年になるのか」
運「長いですねぇ〜」
男「長い。そして付き合い方も濃いなぁ」
30 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:51:10.76 ID:dIpTMYgx0
男「小坊中坊んときは毎日宿題写させてもらってたし、高校ん時に相方が失恋して、一緒に日本酒一本空けたこともあった」
運「ははは」
男「アイツは女性との付き合い方はど不器用でなぁ。でもそれ以外ではめちゃめちゃ凄げぇんだよ」
運「と言いますと?」
男「勉強もできたし、運動も楽器もなんでもできる。俺はギター馬鹿だけど、相方はベースもピアノもドラムも演れる」
運「凄いですね」
男「そう。作詞や作曲も業界の偉いさんに認められてるし、なによりしっかり働けるんだ」
運「ほぅ、働ける?」
男「俺は働くとなるとコンビニのレジ打ちバイト程度だけど、相方は会計士やデザイン関連の資格持ってて、それでも食ってけるんだよ」
運「資格持ってると便利ですよね〜」
男「あぁしかも人生設計もきちんとできてて、人脈を作るのがうまいし、そこから起業する方法も温めてるらしい」
31 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:53:16.94 ID:dIpTMYgx0
運「起業とは凄い。相方さんは多才な方なんですね」
男「そう。なのに本業の音楽も抜かりなくやる完璧超人だよ、まったく。半端者の俺とは大違いだ」
運「そんな人が身近にいるなら、お客さんお金がないって言ってましたけど安心ですね。その人に雇ってもらえばいい」
男「雇われる? 俺があいつに? それだけはできねぇ」
運「あれ? ダメですか?」
男「起業するのだって結構な博打だよ。音楽より稼げるかも分からない。それに……」
男「俺とあいつは友達だからな。上司と部下の関係にはなりたくない。それは相方も望んじゃいねーよ」
運「う〜む」
男「ただギリギリまで追い詰められたらべつかもな。流石に嫁さんと子供を路頭に迷わすわけにはいかねーから」
運「それはなんとか、避けたいですね」
男「避けたいが……金があったら避けられるんだがなぁ」
運「そうですね。お金があればねぇ……」
32 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:54:54.10 ID:dIpTMYgx0
男「残念ながら、俺は貯金とかあんまりしてこなかったんだよ。相方はそこらもきちんとしてたけど」
運「……その方から借りるってのもやっぱり、」
男「ダメだな。アイツと間で変な貸し借りをすれば曲に響いてくるから」
運「だめですかぁ……」
男「生活費の心配なしに、曲作りに集中する環境を整えたいんだけど……」
運「結局、お金ですか……」
男「うん……」
運「……」
男「オッチャンは金持ってる?」
運「残念ながら私の家計もカツカツですよ」
運「高校生の息子も変な事件に巻き込まれて以来入院してまして、この先どうなるかわかりませんし…」
男「あぁ、そりゃぁ大変だ」
33 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:56:14.42 ID:dIpTMYgx0
運「……お客さんは、その相方さんと出会えて良かったですか」
男「勿論。俺がここまでやってけたのはアイツのおかげだよ。間違いない。感謝してもしたりないくらいだ」
男「俺の人生の功績のかげには、全てアイツの努力があったと言っても間違いじゃない」
運「そうですか」
男「……でもその生活ももうすぐ終わらせる。次の曲出してでバンド解散。相方にべったりの生活とも決別だ」
運「あ、もうすぐ“北口”です」
男「あんがとオッチャン」
運「聞き忘れてた。お客さんのバンド名ってなんですか」
男「俺ら? 【フィッシュストーリー】って名前だよ」
運「【フィッシュストーリー】、日本語で魚の話ですか」
男「……あぁ、そうさ」
34 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 00:59:12.10 ID:dIpTMYgx0
運「と、駅の“北口”到着です。980円になります。領収書もいりますか?」
男「頼むよ。じゃぁ1000円で」
運「はい、20円です。領収書はちょっと待ってくださいね〜」
男「そうだオッチャン。ちょっとこれ貰ってくれないか?」
運「ん? なんですか?」
男「俺らのCD。五枚あげるよ、サイン付きのやつ。もし音楽好きそうな客が来たら渡して宣伝してくれねーか?」
運「ええ、いいですよ。あ、一枚は私が貰っていいですかね? お客さんの曲に興味出てきましたんで」
男「うん、よろしく頼むわ」
運「あ、領収書です」
男「サンキュー」
35 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 01:00:31.58 ID:dIpTMYgx0
ギィ〜
男「じゃぁなオッチャン」
運「ねぇお客さん!」
男「?」
運「お客さんたちが作る最後で最高の曲、私待ってますんで!」
男「……おう!」
運「あなたの、人生すべてを込めた全力の曲、」
運「そんな曲が誰かに届いて…そんな歌が、身近な誰かをしあわせにするといいですね」
男「……俺、頑張るからな、待っててくれ。アバヨ!」ノシ
運「はい、それでは〜」ノシ
ギィ〜
バタン!
ブロロロロロ〜
36 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
:2011/03/26(土) 01:01:18.04 ID:dIpTMYgx0
男「とは言ったものの、最高の曲か」
男「どうしたらできるかねぇ……。金の他にも、何かが足りねーんだよなぁ」
男「ん?」
男「向こうの、“南口”の方でえらい人集まってんな。なんだあれ?」
男「行ってみっか」
37 :
つづく
:2011/03/26(土) 01:02:43.68 ID:dIpTMYgx0
今日はここまで。次は“青年”の話。
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/26(土) 01:22:09.15 ID:ZUNbWAnSO
乙
救いようのないENDを希望
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/03/26(土) 23:56:20.10 ID:5V7Gw55ko
期待
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/03/27(日) 00:29:56.45 ID:L7UEPg3go
タイトルに釣られた
>>38
フィッシュストーリーのキーワードは自分にとっての生き方や正義だし、ハレルヤも普通のボーイミーツガールものだし
救いのない物語にはならないんじゃないか
41 :
38
[sage]:2011/03/27(日) 08:53:44.89 ID:6cvsfF/SO
>>40
でも
>>1
の文章に某魔法少女アニメな臭いが……
42 :
つづき
[sage]:2011/03/28(月) 00:55:08.90 ID:SY06P/910
投下を再開します。
43 :
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 00:56:19.19 ID:SY06P/910
3 孤独な“青年”は、待ち続ける
44 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 00:57:47.38 ID:SY06P/910
時刻は午後9時11分。
駅の改札や出入り口では、家路を急ぐ人の流れで満たされていた。
疲れた顔をして早足で歩くその人は、早く帰って眠りたいと思い、
ヨタヨタと千鳥足で歩くその人は、赤ら顔をして、酒の心地よさに酔っている。
腕を組んで歩くアベックの幸せそうな足取りも、コンコースに響いている。
沢山の足音が交錯し、バラバラと散らばっていく。
みんながみんな、それぞれ違う事を考えながら、歩いてく。
そんな流れの中に逆らうように、1人の“青年”が駅の“西口”で佇んでいた。
45 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 00:58:46.43 ID:SY06P/910
灰色のコートを羽織った、鋭い目つきのこの青年。端的にいえば普通の人間ではない。
普通の定義はままあれど、見た目は変わらないけれど、彼は明らかに違う。
裏社会に生きる暴力の住人。ギャングスター。それが彼だった。
この青年の経歴は面白い。
若干20歳にしてその名前は裏社会に知れ渡っていた。
その理由はいくつかあるが、その一つに彼が裏社会の住人になった独特の経緯がある。
46 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 00:59:36.22 ID:SY06P/910
生まれついて、裏社会の住人だったものは少ない。
この青年も然り。彼はもともと裕福な家庭の出身だった。
経済界や政界にも顔の利く名家で、相当な額の財産を有していた。
しかし、とある抗争に巻き込まれてしまい、家は没落する。
当主にあたる青年の祖父は、敵対する組織に雇われた暴漢に殺される。
両親も不審死し、縁者も行方知れずになるものが多数出た。
そして家の財産の殆どは、どういう訳か、その敵対者たちの手に落ちた。
47 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:00:40.05 ID:SY06P/910
その当時、青年は15歳。
彼の手元にあったのは隠し口座の通帳と印鑑、そして家族の遺骨・遺灰。
ほんの数か月前まで、体温を持ち生きていたはずの大切な家族達が、骨の固まりになる。
もう二度と動かない、じゃりじゃりとした、灰色の石と砂になる。
少年は、廃人になりかねないほどの絶望を味わったが、それでも彼の心は折れなかった。
むしろ復讐を胸に秘め、心を目を、鈍く光るナイフのように、研いでいった。
隠し口座の金を使い殺し屋を雇い、敵対組織の人間を闇に葬り、
同時にナイフや拳銃の使い方を学ぶ。
彼自身も復讐の実行者となり、財産と家族を奪った相手の、どす黒い返り血を浴びて生きた。
そうして一人、また一人と、家族の仇をとる日々を送っていたが……
48 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:01:46.48 ID:SY06P/910
無論、日本は法治国家である。どんな事情があろうと人を傷つけてはならない。
当然青年は警察組織に追われ、年齢からして保護されるはずだった、が、
『なにがあろうと、家族の仇はこの手でとる』
という信念から、彼は裏社会の住人になり、
警察の手の届かない、社会の闇へ深く深く潜り身を隠した。
元々、武器を扱うセンスを持ち合わせていた青年は、
あるマフィアの一員となり、暗殺者として働く。
幹部から与えられる仕事をこなしつつ、家族の仇を追い、警察の手から逃れる。
そんな普通からほど遠い日々が、5年近く続く。
……気付けば、彼の周りには、同じように道を踏み外した仲間が集まっていた。
49 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:02:35.14 ID:SY06P/910
裏社会の人間、いわゆる無法者は社会の決まりは無視するが、仲間同士の結束は強い。
法で守られない無法者が、唯一頼れるものが己の暴力。そして何よりも仲間だからだ。
青年や、彼の仲間にとっても同じである。
どんなにやっかいな事態になろうと、青年は仲間を見捨てず、
どんなに困難な仕事が舞い込んでも、青年はそれを完遂した。
青年はそうすることで、仲間との信頼・絆を強めた。そしてその仲間が、失った家族の代わりと成り始めた。
家族の復讐を忘れることはできない。けれど、それでも仲間たちが、青年の心を確かに支えていた。
50 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:06:15.43 ID:SY06P/910
青年と、青年と年の近い仲間たちは、無法者といえど、
普段は年相応の学生と変わりなく、各自が好きな曲を教え合ったり、
好みの異性のタイプについて語ったり、酒や煙草を嗜んだりもしていた。
仕事では危ない橋を渡ることもあったが、
それでも仲間とのくだらない雑談が、青年の心の栄養だった。
青年にとって、仲間はかけがえのない存在だったのだ。
そして仲間にとっての青年も、同じように。
51 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:07:17.22 ID:SY06P/910
しかし、もちろんそれは青年たちにとっての話だ。
暗殺者と、それにつるむような無法者は、一般人にとっては恐ろしい存在でしかない。
またそれは、別の無法者たちにとっても同様である……
今からちょうど一ヶ月前、
青年とその仲間のアジトに爆弾が届き、炸裂した。
青年は不在だったが、アジトにいた仲間たちはほとんど即死。
爆風で体は粉々に砕け散り、彼岸花のような赤で覆われた、肉塊になりはてた。
爆弾の送り主も、その意図も、不明である。
……突然、家族に次いで仲間も、青年は失った。
52 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:10:06.91 ID:SY06P/910
そうして、
駅“西口”で佇んで、着の身着のままの逃亡生活をするのがこの青年。
ポケットから煙草を取り出し、咥え、ライターで火をつけた。
家族も仲間も、青年にとって唯一無二の存在だったが、
流石にもう、どっちの復讐もする気にはなれなかった。
2回の喪失により、彼の心は折れて、完全に空っぽになっていた。
もはや彼の心の中には、空気より軽い何かしかない。
ただ頭の中まで空っぽではなかった。頭まで真っ白なら、すぐに追跡者に捕えられるだろう。
マフィアの世界では、裏切者や逃亡者が許されることは、決してない……
彼には計画があった。海外への高飛びだ。
生きる残るため、追っ手の届かない世界の果てへ。
1人で逃げていく。
53 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:11:51.83 ID:SY06P/910
青年には家族の遺産や、組織からの報酬のおかげで逃走資金は十分すぎる程にある。
偽造パスポートや滞在ビザも手に入れている。いつでも出国できる。
一度海外へ逃れれば、もう日本には帰らないし帰れないであろう。
誰にも頼らず、後の人生を見知らぬ土地を旅し、追っ手を振り切り、死ぬまで孤独に生きていく。
そう彼は覚悟していた。
54 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:12:50.81 ID:SY06P/910
……だから彼はどうしても、日本を発つ前にしておきたいことがあった。
それは、彼が裏社会に入る直前に、命を助けられ、その後5年間、手紙のやり取りをこっそりと続けていた“少女”に、
どうしてももう一度、ひと目会いたくなってしまったのだ。
家族と、仲間の他に、彼を遠くから支えてくれた、特別な人。
3日前に、その少女への手紙に自身の近況と、『駅の“西口”で会いたい』と書いたのだ。
だから彼はこの駅の“西口”で“少女”を待つため、佇んでいた。
……しかし、その待ち人は来ない。
55 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:16:06.14 ID:SY06P/910
大事な人と会えない。
でも、それでもいいと青年は感じ始めていた。
日陰ものの人間が、簡単に表の人間と出会っていいはずがない。
そして危険人物に近づいて、命を落としたいと思う奇特な人間はいないだろう、と。
ただ彼は待ちながら、少女と出会った日々や、手紙のやり取りを思いだしていた。
少年が少女と交わした会話や手紙はどうでもいいことだった。
天気の話とか、学校の事だとか、ペットがどうのこうの……
けれど、それだけでも青年は救われていた。
無くした筈の日常に触れる感覚が、どうしても忘れられない。
少なくとも、
そんなどうでもいい話をしてくれる少女が、来てくれるかもしれないという希望に、青年は少しの間でも浸りたかったのだ。
56 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/03/28(月) 01:17:42.90 ID:SY06P/910
青年は煙草の煙を吸う。
一秒、二秒……
煙が肺に沁みていく。
そうして、
「ふぅ」と吐き出したシロイケムリは、北風に溶けて運ばれていった。
57 :
つづく
:2011/03/28(月) 01:24:07.46 ID:SY06P/910
今回の投下完了。次は“女”の話。
58 :
訂正
[sage]:2011/03/28(月) 01:31:54.02 ID:SY06P/910
>>55
×少年が少女と交わした会話や手紙はどうでもいいことだった
○青年が少女と交わした会話や手紙はどうでもいいことだった
59 :
40
[sage]:2011/03/28(月) 02:37:39.18 ID:iLG6qp5Do
乙
書き方が群像劇(リアルタイム)だからかラッシュライフやグラスホッパーのが近いな
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/03/29(火) 16:04:19.11 ID:A3l6oaXu0
期待
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/03/29(火) 16:33:42.42 ID:JYM2IfQAO
やった事はないが「街」を思い出した
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage ]:2011/03/29(火) 16:47:27.84 ID:jMqqt6VR0
>>1
乙
期待しているぜ
63 :
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/02(土) 11:08:24.33 ID:gRsM51lf0
4 タバコ交じりの風は、ストリートライブをする“女”とそれを聴く群衆のもとへ
64 :
“女”の(心の)声
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/02(土) 11:09:22.69 ID:gRsM51lf0
ジャラ〜ン♪
――はい、ありがとうございました〜
――いやー、皆さん。こんなつたない私の曲にたくさんの拍手をしてくださって、本当に感謝です
――みなさんの応援で、私、すっごく元気が出ます!
65 :
“女”の(心の)声
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/02(土) 11:10:01.07 ID:gRsM51lf0
――さてさて、私の持ちネタも残り少なくなってきました
――次で私の曲は最後になります
――お忙しい方もいらっしゃると思いますが、聞いて下さると幸いです
――それでは行きます。曲名は【ハレルヤオーバードライブ!】ですっ
ジャ〜ン♪
66 :
つづく
[sage]:2011/04/02(土) 11:12:03.57 ID:gRsM51lf0
[解説・主要人物の設定]
少女:“青年”の恩人。大事な待ち合わせ場所を間違えるアホの子。刺激のある生活と自分の存在意義を求める。
男:売れないバンドマン。嫁がおりもうすぐ子供も産れる。幼馴染とバンドを組んでいる。けっこう貧乏。グラサン装着中。
青年:元殺し屋。家族にも仲間にも死なれる。裏社会から足を洗い日本を出ようとする。その前に“少女”に会いたい。灰色コート。
女:駅前で弾き語り中。人を惹きつけ人を集めるギターと歌声の持ち主。ロマンチスト。実は……
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/02(土) 11:53:29.16 ID:Rkp5IkwSO
乙
女:南口
少女:東口→南口→?
男:北口→南口
青年:西口
という流れか。
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/02(土) 14:15:37.19 ID:ez8EpkODO
428っぽいな
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/04/02(土) 18:48:35.57 ID:hLEaKP8Go
歌は魔法
歌は祈命
歌は死なない
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/02(土) 19:07:44.09 ID:WeGU39oDO
お、ALLで書かれてたやつじゃん
期待w
71 :
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/04(月) 04:50:36.49 ID:5fOLTQwr0
5 女の奏でる音と歌は、青年の心を癒してく
72 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/04(月) 04:51:56.47 ID:5fOLTQwr0
風向きが変わる。
街灯と、月光と、緑・黄・赤のダイナモライトが
地面に女の影を映している。
影の主の口と、指先から奏でる密度の濃いソレは、
同心円状に広がりながら、薄まりながら広まっていく。
ダイナモが赤から緑になれば、誰であろうと「歩き出せ」という命令の合図だが、
今夜はそうはならなかった。
一瞬、もしくはだいぶ長い間、
道行く人々は足を止めている。
73 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/04(月) 04:54:47.85 ID:5fOLTQwr0
南風が吹き始める。
“南口”から青年の居る“西口”まで、
羽のように軽やかなギターの音と心地よい蒸気のような歌声が、空間を包み込むように舞い、流れこんできた。
その羽は、行きかう人々の頬をそっと撫で、その蒸気は熱をおびて、心の奥深くへと集まっていく。
まるで春風のように、あっという間に。
もしかすると
前の壁を這っているムカデや、蛍光灯に群がる虫でさえそう感じているかもしれない、と。
この歌は命の種類さえ飛び越えて、感動を与えている、と。
青年は、そんな感覚におちいった。
74 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/04(月) 04:55:55.63 ID:5fOLTQwr0
事実“南口”の方では、数十人ほどが集まって、女性の奏でるギターと歌声に魅入っている。
青年は“西口で待つ”という約束のため、ここを動くことができないが、
道行く人々は、不思議な引力に惹かれ、歌声の主のもとへ集まっていく。
イライラしてる女性や暗い顔をした老人、泣き顔をした中学生に無表情のサラリーマン。
そんな彼らのジメッとした表情が、奏でられた魔法によって、あっという間に吹き飛んでいく。
どんな孤独も、悲しいことも押し流していく、優しい音の波が、いまここにはある。
青年は、そんな音を聴きながら、自分の身体から翼が生え、地上から1センチ浮き上がるような、
ひと時の幸福感に浸っていた。
75 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/04(月) 04:58:04.54 ID:5fOLTQwr0
が、その気分は一気に吹き飛んだ。
突如、背中に毛虫やクモが入り込んだような、不吉な感触がうごめき始める。
得体のしれないナニが近づいてきた。と、本能がそう告げる。
5年間の殺し合いの生活で、彼の感覚は野生動物以上に研ぎ澄まされていた。
無意識に左胸に忍ばせた拳銃へ手が伸びている。
ふと周りを見回すと、歩いていく“サングラスの男”が目に入った。
青年はこの男を見たことがあった。しかしすぐに誰かは思い出せなかった。
殺し屋の仕事病が発動する。
瞬時に彼の脳裏には、
何百人ものマフィア関係者・警察関係者・葬った人物や敵対者の顔が浮かび、眼球へ迫ってきた。
76 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/04(月) 04:59:21.39 ID:5fOLTQwr0
記憶の糸を辿っていく。
しかし浮かんでくるどの顔とも、“サングラスの男”とは一致しない……。
一呼吸したあと、“サングラスの男”を観察すると、なにやらギターケースを持っている。
そこで青年は気が付いた。
あの“サングラス男”は、青年の仲間たちがファンだったバンドマンであったと。
77 :
“青年”の世界
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/04(月) 05:03:25.78 ID:5fOLTQwr0
“男”は、ギターと歌声のする“南口”へ向かっていく。
“男”の姿は青年に、仲間たちの記憶を蘇らせた。
「へぇ。いい曲だよな」
「あの人たちの新曲早く聞きたいんすよね〜。もう前の曲から一年くらいたちますよ」
「なんか俺らであの人らに出来ることってないもんですかねぇ?」
仲間たちの言葉を思い出し、無意識のうちに、青年は男の後を追いかけた。
78 :
つづく
:2011/04/04(月) 05:04:35.04 ID:5fOLTQwr0
次は“男”からの話。
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/04(月) 08:42:06.83 ID:EDDWfQuDo
乙
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/04(月) 21:33:33.04 ID:WgA20vISO
女←←少女
↑
↑←男←←青年
という感じか
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/04/05(火) 04:03:51.49 ID:wf/f/KjCo
面白いけど少女とか女とか男とか青年とかややこしくて混乱してしまう・・・
まあ仕方ないことではあるが
82 :
つづき
[sage]:2011/04/10(日) 21:46:21.52 ID:oDFh95WA0
>>80
だいたいそんな感じです。
>>81
キャラに名前をつけてみてもいいかなと思ったんですが……う〜む
間があいたけど投下します。
83 :
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:48:15.82 ID:oDFh95WA0
6 男はストリートライブの方へ、そして青年は男を追って、歩いてく
84 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:49:35.15 ID:oDFh95WA0
女「〜♪」
男「おーおー。ストリートだってのに、この人の集まりよう……」
女「〜〜♪」
男「あの女。いい声しててギターも上手い。うん、通行人も思わず立ち止まるわけだわ」
男「ふっ……」
85 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:50:32.39 ID:oDFh95WA0
女「〜〜♪」
男「技術力も凄いけど、なんて無我夢中に、楽しそうにギターを弾いて歌ってんだろ」
男「ギターからも歌声からも、あと表情からしても、『音楽が楽しい』って感情が飛んでくるわ」
男「あぁ……、そうだよ」
男「スランプとか、家族とか、金とか……」
男「俺は、色んなものに追われ過ぎて、楽しくギター弾くっての、すっかり忘れてたぜ」
86 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:52:55.06 ID:oDFh95WA0
女「〜♪」
ジャジャーン♪
パチパチパチパチパチパチパチパチ〜
女「えーとマイクマイク…」
女『はい、お付き合いください、ありがとうございました〜』
パチパチパチパチパチパチパチパチ〜
男(いやいや、いいもん聴かせてもらったよ)
女『これで今日のストリートライブは終了ですが、1つお知らせが……』
女『実は私、バンドもしてるんですが、一ヶ月後にバンドでライブをやるんです』
女『もしよろしければ、そのライブにも来てほしいな〜って思ってます』
女『詳しい内容はその手作りチラシにありますので、ぜひ持って帰ってください!』
男「へぇ」
87 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:54:16.48 ID:oDFh95WA0
女『それでは皆さん。本当に今日はありがとうございました〜』
パチパチパチパチパチパチパチパチ〜
女「ふぃ〜。なんだか今日は調子が良かったぜぃ」
女「さてさて、さっさと撤収しなきゃね〜」
女「お片付け〜♪ お片付け〜♪」
少女「あ、あのっ!」
女「へ?」
男(お?なんだなんだ??)
少女「わたしっ、お姉さんの歌に聞き惚れてました! すっごく感動しましたっ!」
女「えっ、ほんと! いや〜、ありがとーっ!!」
88 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:55:37.43 ID:oDFh95WA0
少女「なんというか、お姉さんの奏でる、音楽の魔法にかかったみたいですっ!」
女「ほほぅ、音楽の魔法ねぇ」
少女「なんていうか、私ってほんと馬鹿だからなんて言っていいか分からないけど……」
女「う、うん!?」
少女「と、とりあえずサインくださいっ///」
女「いーよ。書いたげるね〜」
少女「ぁ、ありがとうございます!」
カキカキカキ
女「……そうだ、サインと一緒にこれもあげよう」
少女「?」
女「ジャジャーン。私たちのライブチケット2枚〜」
男(はは、ファンサービスの良いねーちゃんだなぁ)
89 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:57:30.67 ID:oDFh95WA0
少女「ええっ、ほんとにいいんですか?」
女「うん。私の音楽を好きになってくれた人には、何回でも聞いてもらいたいからね〜」
少女「うわ〜、重ね重ねありがとうございますっ!」
女「2枚あるからさ、彼氏をさそって一緒に来たらどうだい?」
少女「かっ、彼氏なんていませんよ〜///」
女「え〜。こんなカワイイのになぁ……でも、好きな人くらいはいるんじゃない?」
少女「えっ、えへへへへ。まぁ好きな人なら……」
女「でしょでしょ。その人を誘って来なよ。きっと良いデートになると思うよ〜」
少女「……ってああああああああああああああああああああ!」
女「ど、どうしたの!?」
男(!?)
90 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:58:34.24 ID:oDFh95WA0
少女「お姉さんの唄に聴き入ってて、」
少女「今日、この駅で大切な人と待ち合わせしてたの、すっかり忘れてたんですー!」
女「おっとそりゃいかんね。すぐに会いに行かなきゃ」
少女「はい。あの、ライブチケットありがとうですっ。なんとか行きたいと思いますんで〜」ノシノシ
女「うーん。待ってるからね〜」ノシノシ
女「おっと、荷物整理の続き続きと」
男(……微笑ましいやりとりだったなぁ)
男「さて、俺も帰るとすっかね」
青年「あのー」
男「ん、俺か?」
91 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 21:59:22.15 ID:oDFh95WA0
青年「あの、【フィッシュストーリー】の人ですよね?」
男「お。俺の、俺らの事知ってんの?」
青年「はい、ファンです」
男「へぇ、こんなとこでファンと会えるとはねぇ」
男(俺らもまだ捨てたもんじゃねーってことかな)
青年「いま、何してらしたんですか」
男「家に帰る途中で、さっきのストリート聴いてたんだよ」
青年「そうなんですか」
青年「あの、ちょっと質問いいですか?」
男「あぁ、いいぜ」
92 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 22:00:31.09 ID:oDFh95WA0
青年「最近曲出してないみたいですけど、どうしたんすか?」
男「あー、それなぁ……」
青年「なんか、怪我とか、トラブルとかで?」
男「俺らは到って健康だよ。トラブルはまぁ、あるっちゃあるね」
青年「なにか、レコード会社ともめたり、資金的に苦しいとか……」
男「あぁ、当たりだよ。特に金で困ってたりするんだな、これが」
青年「……」
男「まったく、不景気ってのは嫌なもんだよ」
93 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 22:01:04.43 ID:oDFh95WA0
青年「お金で困ってるのなら……」
男「?」
青年「少しですけどこれ、受け取ってくれませんか?」
男「ん、なんだこの紙??」
青年「小切手です。100万ありますから、曲作りの足しにしてください」
男「!!?」
94 :
“男”と誰かの会話
◆ZoaEhxgi7I
[sage]:2011/04/10(日) 22:02:44.00 ID:oDFh95WA0
男「」
青年「あの、どうしました?」
男「いきなり、流石に見ず知らずのファンからそんな大金を貰うのは、ダメだろ……」
青年「受け取ってください。汚いお金じゃないですし、」
青年(家族から相続した分の口座の金だから、渡しても問題はない)
青年(死んだ仲間も、こうするを望んでいると思う)
男「でもよ、」
青年「俺にはそう必要のない金なんです。それに、俺の仲間もあなた達の新曲を待ってるんですよ」
青年(あの世でだけど、きっと)
青年(それにこの逃走資金を使い終えるまでに、俺はきっと死ぬだろうから)
男「……」
男(確かにこれだけあれば嫁さんに旨いもの食わせたり、落ち着いて曲作りにも専念できそうだが)
95 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:14:58.51 ID:oDFh95WA0
ここまで
ちょっと各キャラの位置や状況が分かりにくいかと思ったので付け足しを
>>77
の時
女<♪
…群衆群衆群衆(少女)群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
↑
男<「行ってみよう」
↑
青年<(男についていこう)
96 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:17:57.29 ID:oDFh95WA0
>>84
の時
女<♪
…群衆群衆群衆(少女)群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
男<(この人の集まりよう……)
青年<(……)
97 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:19:06.62 ID:oDFh95WA0
>>85
の時
女<♪
…群衆群衆群衆(少女)群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
男<「すっかり忘れてたぜ」
青年<(……)
98 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:21:58.14 ID:oDFh95WA0
>>86
の時
女<「ありがとうございました」
パチパチパチパチパチパチパチパチ〜
…群衆群衆群衆(少女)群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
…群衆群衆群衆群衆群衆群衆…
男<(いいもん聞かせてもらった)
青年<(……)
99 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:25:02.64 ID:oDFh95WA0
>>87
の時
女<「へ?」
少女<「あのっ、」
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
男<「なんだ?」
青年<(……)
100 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:27:19.58 ID:oDFh95WA0
>>88
の時
女<「カキカキ」
少女<「サインください」
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
男<「ファンサービスいいな」
青年<(……)
101 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:30:08.21 ID:oDFh95WA0
>>89
の時
女<「どしたの?」
少女<「ああああああああああああああ!」
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
男<(!?)
青年<(……なんか声がするけど見えない)
102 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:35:11.74 ID:oDFh95WA0
>>89
の時
女<「待ってるよ〜」
→→→→少女<「ライブ行きま〜す」ダッシュ
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
←群衆 群衆→
男<「ん、俺か?」
青年<「あのー」
103 :
解説
[sage]:2011/04/10(日) 22:37:18.36 ID:oDFh95WA0
こんな感じです
逆にややこしかったらすみません
104 :
つづく
:2011/04/10(日) 22:38:35.68 ID:oDFh95WA0
次は“少女”からの話です。
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/10(日) 22:47:49.88 ID:4x9Zs6USO
図説分かりやすかった
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/11(月) 00:27:21.86 ID:5N28sC/zo
乙
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/04/11(月) 01:14:22.77 ID:JP+v1ZHAO
乙 なんか不思議な魅力がある
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/11(月) 12:27:28.77 ID:WOUztJDSO
展開は読めるんだけどオチがさっぱり……?
めっさ期待
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/17(火) 07:38:13.37 ID:U8ioU9lSO
音楽の魔法を信じたいから来てくれ
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/05/18(水) 00:07:21.44 ID:EWbAYGaAO
俺も信じてるよ
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(広島県)
[sage]:2011/06/11(土) 23:28:00.11 ID:AD5shx6bo
まだカナァ
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(広島県)
[sage]:2011/06/11(土) 23:28:30.09 ID:AD5shx6bo
まだカナァ
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2011/06/23(木) 22:23:20.51 ID:Y8+EPQfY0
そろそろ3ヶ月なわけなんですよね
まだかな
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/12(火) 00:52:36.10 ID:eeRXzyQSO
ついに三ヶ月ルールに引っ掛かったか
楽しみだったんだがな
まだまっつる
45.70 KB
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