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僕「空から姉さんが降って来た」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 12:54:02.72 ID:npxZm1D30







姉「しゅわーっち!」







ストッ
僕「」

ユメでも見てるんだろうか。
いや、紛れもなく夢じゃなく現実なんだけど。

僕「ひひひひひ、人が空から!?何このラノベのテンプレ的な展開!?」
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 12:56:07.17 ID:npxZm1D30
姉「むう、私の弟ながら反応が遅いな……」

僕「は?」

今、なんて?
弟って聞こえたんですが。

姉「は?じゃない。私はお前の姉さんだろ?何言ってるんだ」

いや、何言ってるんだっていうのはこっちの台詞です。
僕はあなたを姉にした覚えはありません。


僕「で、どうしてあなたが僕ん家にいるんです」

姉「どうしてって、そりゃあお前の姉だからだよ」

僕「いや、だからそれはもういいですって。あと勝手に人の買ってきたプリンを開けようとしないでください。ってもう開けてるし」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 12:57:29.43 ID:MLoiLEOSO
くそっ

こんなのでワロタw
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 12:57:36.21 ID:npxZm1D30
姉「いやあ、最近のプリンは進化したものだなあ」モグモグ

僕「もうとりあえず帰ってください、誰なんですかあなたほんと」

姉「だからお前の姉さんなんだって。信じられないなら母さんたちに聞いてみなよ」

それは出来ない。
なぜなら、今現在僕は両親とまったく連絡をとっていない、つまり、縁を切っている状態なのだから。
高校生のときに貯めたお金を使って上京し、今はバイトで生計をたてる一人暮らし。
身よりもいなければ彼女一人だっていない悲しい二十歳の男。

姉「ほーら、できないでしょ」

僕「知ってたんですか」

姉「姉だもん」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:01:11.32 ID:npxZm1D30
僕「第一、本当にあなたが僕の姉だとしても僕に姉がいるなんて一度も聞いた事ないし常識的におかしいでしょ」

姉「常識的におかしいんだよ、私は」

僕「意味わからないです」

姉「そういうもんなんだって、人生は」

シュワッ

僕「何で人生について語りだそうという雰囲気になってるんですか、あと勝手に僕のサイダー飲まないでください」

姉「そう固いこと言うなって」グビグビ

僕「(……このどこからどう見てもおっさんみたいな飲み方……親父にそっくりだ)」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:07:32.90 ID:npxZm1D30
姉「ん?なんだい弟くんよ?姉の色気に惑わされたか?」

僕「色気というかおっさん気に引いてました」

姉「おっさん気……」ガーン

ガサゴソ

僕「ショック受けた振りして買物袋探らないでほんとにもう」

姉「家族は団結すべしっ」グッ

親指立ててドヤ顔されても。
それに家族なんかじゃないのに。というか買物袋探って団結とかおかしいだろ。
一体このおかしな女をどうすれば家から追い出せるのか。

僕「もしかして、お腹減ってるんですか?」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/03/31(木) 13:14:52.86 ID:IqIUCF6AO
期待
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:15:14.84 ID:npxZm1D30
姉「おぉ!」キラーン

食いついた。
しかも凄い勢いで。

姉「もしかして作ってくれるの!?」

僕「ありあわせのものでよければ」

姉「さすが我が弟!」

ギュウッ

って、え!?
抱きつかれてます僕!?

僕「ちょ、あのえっと……」

姉「よっぽど人に抱きつかれ慣れてないんだなあ、だから女の一人も作れないんだよ」

僕「うっ」

姉「我が弟はかなりの奥手と見えるな、なら姉上がお前に調教してやろうか」

僕「く、苦しいんですけどっ、あと離れてほんと!」

姉「ありゃ真っ赤、そんなに照れなくてもいいのに」パッ

僕「うるさいですっ、ていうかこんなことするなら帰ってほんとお願いだから!」

姉「もうしませんお願いしますご飯下さい」

僕「」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/31(木) 13:22:14.15 ID:WKAtAFXu0
これは期待
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:23:44.48 ID:npxZm1D30
途端に態度が変わった。
頭まで下げられるし。何だか対応に困るというかなんというか。

僕「出来るまで大人しくしててくださいね」

一人暮らし歴は結構長いわけだから、それなりに料理スキルは身につけている。
簡単なものくらいならそこらのスーパーで売っているものよりは美味しい自信はある。
さっさと作ってお引取り願おう。

僕「って、早速何してるんですかっ!」

姉「いやあ、テレビのつけ方わかんなくて。いつまで経っても画面が暗いまま」バコンバコン

僕「うわあ、頼むから最新型薄型テレビ叩かないで!ていうか普通にチャンネル回せばいいでしょ!」カチャカチャ!

姉「あ、綺麗に映る」

僕「この切り替えボタン押せばいいだけです!」

姉「いやあ、知らなかった」

僕「いつの時代の人ですかまったく」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:30:05.56 ID:npxZm1D30
姉「悪い悪い」バタバタ

僕「ちょっ」

姉「ん?女の下着も見慣れてないとな?」ニヤッ

僕「そ、それくらい見てますよえぇ!」

姉「見るか?ほれほれ」ズイズイッ

僕「う、うわあ、ご飯!」

姉「」ピタッ

と、止まった。ご飯効果絶大。
しかしこんな人とずっと一緒にいたら僕の心臓は持たない気がする。
僕は溜息をつくと、大人しくなった自称“姉さん”を時々振り返りつつ、とりあえず台所に立ち買物袋から取り出したキャベツを刻み始める。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:38:57.59 ID:npxZm1D30
姉「何作るんだ?」ヒョイッ

暫く静かだったのに、テレビを見飽きたのか突然後ろからかさこそ音がしたかと思うとずいっと後ろから手元を覗き込まれた。
ち、近い。けど変に意識したらこの人の思うツボな気がする、頑張れ僕。

僕「昨日の冷ご飯残ってるので焼き飯でも作ろうかと」トトトトトト

姉「あぁ、母さんお手製のは美味しかったなあ」

僕「えぇ、確かにあれは美味かったです」トトトトトト、

お袋の作る焼き飯は残り物を集めたものとは言え絶品――って、何でこの人が知ってるのか。
適当に言ったことには違いないだろうけど。

姉「ところで何か手伝おうか」

僕「やっと客人らしくなりましたね、招かれざる客ですけど」トトトトト、

姉「私だって女ですから!料理くらいならお手の物だしっ」

僕「別にあなたが料理できないとか否定的なことは一言も言ったつもりないんですけど。まあこういう場合、テンプレ的には料理できない設定でしょうけど」トトトトト、

姉「出来るし出来る!」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:43:28.19 ID:npxZm1D30
僕「じゃあ、はい」

姉「え?」

僕「手始めにこのトマトを刻んで」

姉「お、お安いごようだ!」キラーンッ

僕「はい、無理。あと包丁振り回さないで、危険」

姉「あぁ、悪い悪い。っていうか何が無理!?」

僕「なぜトマト!?とか突っ込まない点で無理でしょ。焼き飯にトマトなんていれません」

姉「いれる!かも知れないだろ!」

僕「いれません」

姉「いーれーる!」

僕「いれない」

姉「いれるいれる!」

僕「いれないですってば」

姉「いれ……っくく!」

僕「!……何笑ってるんですか」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:51:28.90 ID:npxZm1D30
突然笑い始めた自称姉さんに、僕は怪訝な目を向ける。
身体をくの字に曲げて笑う様子を見ていると、なぜか僕まで噴出しそうになってしまう。

姉「いやさあ、だって……久しぶりの姉弟ケンカじゃないか!」

僕「久しぶりって……」

姉「しかもこんなつまらないことでだ?笑えるよほんとっ」

僕「……とりあえず包丁、返してください」

姉「だからできるってばー」

僕「いつまで経ってもご飯作れませんよ」

姉「はい」

渋々僕に包丁を返すも、自称姉さんはまだ笑っている。
一体何がそんなにおかしいのか、嬉しいのか。だけど家の中に自分以外の笑い声が響くのが新鮮で、僕も笑みを浮かべずにはいられなかった。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 13:59:49.86 ID:npxZm1D30
――って、何馴染んでる僕!?

だめだだめだ、不審者のペースに飲み込まれてしまったら。
このままじゃ居座られそうな勢いじゃないか早く追い出してしまわなければ!

僕「もう何もしないでくださいよほんと」

姉「はーい」

僕「って言いながら触ろうとしないで」

姉「ばれたか」

僕「ばれますよ」

いかん、このままでは絶対いかん!
ここは僕の本気を出さねば!

サクサクサクサク!

姉「早ッ、包丁さばきうまっ」

サクサクサクサクザクッ!

僕「っ!?」

姉「なんか赤いのが飛び散ったよ弟くん!」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/03/31(木) 14:02:22.29 ID:Lbr8jmOy0
とりあえず脱いだ
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 14:09:18.98 ID:npxZm1D30
僕「切った!指切った!」

姉「そんなはしゃがないでよ弟くん!」

僕「はしゃぐ違うはしゃぐ違う!」

姉「二回も言わなくても。そのくらいで騒がない、それが男だろう!」

僕「何かっこつけてんですか痛い!」

姉「ほら騒ぐから。ったく仕方ない弟だこと」グイッ

僕「!?」

姉「とりあえず、舐めほきゃなほるでひょ」ペロッ

僕「ちょちょちょ!」カアァッ

姉「弟のキャラ崩壊が酷い模様ですお母さんお父さん」ペロペロ

僕「いや、そんなことより……!」

姉「ほいほい終わり、近親相姦はイケナイもんね」

ペッ、ペッ

僕「……」チーン

姉「ありゃ姉さんに指舐められたくらいで、純真だこと」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 14:16:21.12 ID:npxZm1D30
あぁ、ほんとなんだこれ。ラノベエロゲ全部混ざった感じなのか。
僕はガラガラうがいをしはじめる自称姉さんの姿をぼーっと見ながら思った。
ギャグなのかシリアスなのかはたまたラブコメなのかエロいのか。あぁ、エロはないなたぶん。

ドクドク、ドクドクッ

あぁ、心臓がドキドキしてる。
これってまさか――

僕「血ぃ!血が凄い勢いで流れてる!うわあああああああああああああああああああ!」

姉「……少し噛んでみたのがまずかったか」

僕「何してんの、何してくれてんのあんた!」

姉「いや、我が弟はどれだけの強力な肉体を持っているのかなと」

僕「意味わかんないし!止めて、誰かこの血止めて!」

ドドドドドッ

姉「ほい」

ペタッ

姉「絆創膏発見した」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 14:27:34.88 ID:npxZm1D30
僕「あ」

姉「最初からこうすればよかったな、てへっ」

僕「」

なんという人だ。
僕はこの自称姉さんに明確な殺意を覚えた、気がした。
それより、絆創膏一枚で血が止まるとは、そんな絆創膏が家にあったんだな。
それともこの不審者は未来からか何かの使者だというのか。そんな展開でも僕はもう驚かない、多分。

姉「さあ、血も止まったし我が弟、ご飯作りを続行せよ!」

僕「……うぅ」

姉「呻いても何も出んよ!」

知ってます。

――――― ――

僕「や、やっと出来た……」

姉「よくやったな、我が弟くん!」

本当に。あれから数十分、この自称姉から受ける逆セクハラ紛いの行動とズキズキ痛む指と格闘しながらよく作り上げた自分。
さあ、早く食べてこのおかしな人に出て行ってもらわなければ。

僕「さあ、食べましょう食べましょう!」

姉「うぬっ!」モグモグ

僕「もう食べてるしっ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 14:34:50.75 ID:npxZm1D30
姉「いやはや我が弟にしては上出来、美味しいぞ」バクバクッ

僕「あぁ、そう、それはどうも」ヨイショッ

姉「この胡椒加減も最高だ!」バクバクッ

僕「それより座って食べてください行儀悪い」

姉「あぁ、悪い悪い」ヨッコイショ

僕「でどうして僕の上に座ろうとするんです」

姉「ばれたか」チッ

いや、ばれるでしょそれ。
完璧大人な身体をしているというのに、行動がやけに子どもじみている。
こんな人が姉さんだったら僕は死んでしまいたいくらい恥ずかしい。

僕「一体なんなんですかあなた」

姉「またその質問?言ってるだろ、お前の姉」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 14:49:35.24 ID:npxZm1D30
僕「もういいですからそれは。名前とか、どこの人なのかとか」

姉「名前なんて忘れちゃったよ、でもお前の姉なことは確かだ!」

僕「はあ……」

これ以上何を聞いても無駄だろう、きっと。
僕の姉と最後まで突き通すつもりなのかも知れない。それはそれでもういいと思い始めている僕もなんと順応性の高い男なのか。

僕「もう何でもいいですけど、とりあえず住む場所くらいはあるでしょ?」

姉「ない」

僕「ないってそんなきっぱり……」

姉「でも今日からここが私の住む場所だご馳走様!」

僕「あぁ、はいどうぞ……っていうか何言ってるんですか!」

姉「え?ご馳走様はだめなの?」

僕「そうじゃなくって!あなたがここに住むってどういうことなんです!」

姉「寂しそうな弟を放ってはおけないからね!知ってるよ、寂しくて夜な夜なアレをしてることだって!」

僕「なっ……!」

姉「アレでわかるのか」

僕「しまった」

姉「まあいい、とりあえず、これからは姉さんがいてやるから安心しろ。なんならアレに付き合ってやってもいいぞ」

僕「遠慮します!」

姉「まあそういうことだから私は一眠りしよう疲れたんだ」

僕「え、ちょ、えっ!」

こてっ。
そんな擬音語がつきそうな眠り方。机に突っ伏して眠る姿はあどけない少女そのもの。
いや、見惚れてる場合じゃない。僕はどうすればいいんだっ!?

姉「――と、まあ、こんな感じで僕と自称姉さんの生活は始まったわけだ」

えっ!?
結局そういう展開になっちゃうの!?

/空から姉さんが降って来た、プロローグ的な何か 終.
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 14:53:30.66 ID:npxZm1D30
プロローグ長いのか長くないのか、こんにちは。
完結まで書けたらいいなと思っています。

見てのとおりぐだぐだで更新も遅いですが、一応、毎日書けたらいいとは思っています。
最後までお付き合いいただければ嬉しいです。
それでは昼の更新はここまで。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/03/31(木) 14:58:56.69 ID:WKAtAFXu0
次は何時ごろ?
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/03/31(木) 15:01:09.01 ID:npxZm1D30
>>23
時間帯はわかりませんが、夜頃に
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/03/31(木) 20:35:56.99 ID:ve+1GSOa0
◆/第一章 とりあえず共同生活、みたいな。

チュンチュン、チュンチュン

鳥のさえずり。
眩いばかりの朝日が差し込む部屋に、トーストの少し焦げた匂いが漂って――ていうか、真っ黒に焦げたような匂いが漂ってくる。

目を開けると、まず目に飛び込んできたのは軽やかに動き回る女の人の姿だった。
そこからゆっくり視線を映していくと、凄惨な台所、散らかり放題となっている部屋の様子が。

僕「って、何してんですかあっ!?」

姉「あ、おはよう」

僕「おはようございます……じゃなくって!」

何でまだこの人がいるんだ!?
いや、確かに昨日追い出せずにここに寝かせておいたけど……そういえば僕自身もいつのまにか眠くなってしまったことは覚えてる。それで布団を出そうとしたまま少し畳の上で横になって。
それからの記憶がまったくないってことはそのまま眠ってしまったんだろう。

しかし、この部屋の散らかりようはなんだ!

姉「いやさあ、昨日作ってもらったお礼っていうかなんていうか……」

僕「変なとこで照れないで下さい」

姉「あ、朝ごはん!作ろうとしたんだよ朝ごはん!」

僕「で、その手にある焦げ付いたフライパンはなに」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/03/31(木) 21:33:28.84 ID:R6xi1eBdo
期待
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/03/31(木) 23:06:25.86 ID:stKgdsZ6o
期待
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/01(金) 09:24:40.41 ID:zFXFMfEo0
姉「目玉焼き」

僕「を作ろうとして失敗したんですね」

姉「……」コクコクッ

僕「何で目玉焼きだけでこんなに部屋、荒れるんですか?」

あぁ、顔がひくひくする。
なんだか小さい頃散らかしまくっていた僕に激怒していたお袋の気持ちがわかったような。
今なら素直に「ごめんなさい」と謝れる気がする。

姉「い、いやあ、何かこう、がったんごっとんと!……って電車みたい!ははっ」

乾いた笑いを漏らす自称姉さん。
僕は怒りに身体が震えないようにしながら大きく息を吐いた。落ち着け、落ち着け僕!

僕「とりあえず、通報でもしましょうか」

姉「えっ!?姉を警察に突き出そうっていうの!?」

僕「姉じゃないし」

姉「まだそんなこと言う!薄情だな我が弟は!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/01(金) 09:29:23.36 ID:zFXFMfEo0
僕「薄情で結構です、ていうか我が弟って言わないでくださいよもう」

そうだ、既に昨日の時点で警察に通報するって言っておけばよかったんだ。
お人好しだとはよく言われるが、たまにはちゃんと鬼にならなきゃいけないときだって――

姉「……言っただろう?私には住む家がないんだ」

僕「……それは」

姉「嘘じゃない!本当だ!」

僕「だいたい空から降って来た人の話なんて」

空から降って来た……?
そういえば、この人は本当に何者なんだろうか。僕の姉ではないとして。ただ、家が無いことには頷ける。
自称姉さんはそっと窺うようにして僕の顔を見ている。まるで懇願でもされているようだ。

姉「私はお前の姉さんなんだ、ここにいちゃいけないのか?」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/01(金) 09:35:50.98 ID:zFXFMfEo0
僕「なにも、しないなら……」

自称姉さんの顔が徐々に輝きを取り戻していく。――って……流されかけるな僕よ!
どこの誰かもわからないような女の人をずっと家に置いているわけにはいかないし、だいたい部屋は荒れるわ狭くなるわ僕の心臓は持たないわで大変なことばっかりじゃないか。

姉「それじゃあ!」

僕「やっぱり無理!拒否、却下!」

姉「えっ」

僕「どうしてもだめです、住むなら住むで違う場所に住むべき!」

姉「でも、そんな場所どこにもないし……」

確かに、こんな非常識な人を住まわしてくれるアパートや家は多くは無い。
だが、僕みたいなお人好しだって沢山いるに決まってる。それに、見付からなかったと言って戻ってこられても困るのだ。

僕「僕が一緒に探しますから」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/01(金) 09:45:15.97 ID:zFXFMfEo0
――――― ――

渋々、本当に渋々という感じで頷いた自称姉さんを連れて外に出てみたのはいいが、十分も経たずに彼女は音を上げ始めた。

姉「もう疲れたあ、もうちょっとゆっくり歩けんかね我が弟!」

僕「まだ全然歩いてないじゃないですか!このままじゃ今日中に家を見つけるなんて不可能ですよ!」

姉「いいじゃないか、それでもさー」

僕「よくない!」

姉「えぇ……それにこの服だぼだぼで歩き難いし」

僕「着替えがないからって僕の服勝手に来たのはあなたでしょ!」

姉「あ、我が弟くんの匂いがする」クンクン

僕「ちょっ、何かいでるんですかっ」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/01(金) 09:52:22.21 ID:zFXFMfEo0
姉「いやあ、弟くんの匂いは安心するなあ」

僕「道端に座り込んでまでかぐのやめてくださいっ恥ずかしい!」

「朝っぱらから何やってんだろうねえ、あの人たち」
「まったく、これだから最近の若者は」
「ママー、あの人たち何やってるのー?」「しっ、見ちゃいけません!」
そんな声が聞こえてくるようだ。

僕「歩いてくださいお願いですから!」

姉「お前はよくお願いですからって使うな、まあ姉さんだし弟くんの願いは聞いてやるが」

僕「ならもう一つ、僕より数メートル離れて歩いてください」

姉「それはやだ」

僕「かと言ってどうして腕組むんです」

姉「なんとなく」

くっ……やっぱり無理矢理にでもこの人を追い出して鍵閉めて部屋片付けて布団にもぐりこんで眠っておくんだった!
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 09:57:15.73 ID:6ykVc2Y1o
ワクワク
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/01(金) 09:57:41.30 ID:zFXFMfEo0
短いですがここまで、おはようございます
変なところで終わらせる癖があるようです、自分は
とりあえず今日は自称姉さんの秘密が明かされるとこまで書けたらなあ、エイプリルフール

次は夕方から更新予定です、それでは!
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/04/01(金) 15:50:32.68 ID:+t9XWNxN0
僕「もう……」

頭が痛い。とりあえず何がなんでも早くこの変態自称姉さんから離れねば。
しかし、一体どこをどう当たればいいのやら。

僕「そういえば、お金とか持ってます?」

姉「ううん」

僕「ですよね」

そうだ、お金なんて持ってるわけない、この人が。不動産でも探そうかと思ったがその線は無理だろう。それなら行き会った人たちに「この人を引き取ってもらえませんか」とお願いしてみるとか。テンプレならそれで大金持ちの人が目に留めて引き取ってくれたり――でも結局主人公が迎えに行ったりするわけだ。

僕「……」

姉「……」クルクル

僕「……」

姉「……」クルクル

僕「あーっもう気が散る!人が考え込んでるときに髪の毛で遊ばないで下さい!しかも僕の髪!」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/04/01(金) 15:56:39.99 ID:+t9XWNxN0
姉「お前男にしては髪が長いなあ、もっと切ったほうがいいぞ!」

僕「これが僕のスタイルなんです、ほっといてください」

姉「母さんが見たら悲しむぞ?」

僕「あの人は既にもう悲しんでるから」

姉「……」

何か悪いことでも言っただろうか?
突然自称姉さんは黙り込んでしまった。そういえば、この人の両親はどうしたんだろうか。自称僕の姉なわけだけど、そんなはずはないし……。

僕「あの、何か悪いこと言ったなら謝りますけど……」

姉「お腹減った」

僕「……は?」

姉「いや、お腹減ったなって」

僕「」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/01(金) 16:55:52.90 ID:6ykVc2Y1o
ワクワク
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/04/01(金) 17:15:07.29 ID:+t9XWNxN0
僕の誠意を返して欲しい。
まったくもう……心の中で今日何度目だろうというような溜息を吐いていると、突然、手を引っ張られる。

姉「我が弟、私はあれが食べたい!」

僕「は?」

姉「だから、あれあれ!」

僕「ソフトクリームって……餓鬼ですか」

姉「いいだろ別にー」

僕「ちょ、引っ張らないで下さいよ!」

無理矢理自称姉さんに引っ張られていったのは駅前の商店街のはずれにぽつんとある寂れたソフトクリーム屋さんだった。
ソフトクリーム屋とは言っても味はバニラとチョコとミックス、それから抹茶くらいしかない。
よっぽどの美味しさじゃなければそりゃあ儲からないだろう。

姉「おじさーん、ソフトクリーム2つ!」

僕「えっ、僕の分も!?」

姉「なら二人でわけっこして食べるか?」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/04/01(金) 17:19:32.22 ID:+t9XWNxN0
僕「いや……」

姉「私はやだ!一人で全部食べたい!」

僕「あぁ、そうですか……で、代金は」

姉「もちろんお前だ」キリッ

なんていう人だろう。
完璧なドヤ顔じゃないか。腹が立つのを通り越してあきれ果ててしまう。

店員「いやあ、お二人、カップルかい?」

姉「違いますっ」キリリッ

店員「おや、違ったか。そりゃあ悪い悪い」

姉「カップルより仲のいい姉です!弟です!」

店員「あぁ、姉弟かい!いまどきは仲の悪い奴等が多いんだけどねえ」

姉「私たちは仲がとってもいいんですっ、だからサービス!」

いや、そこでサービスっておかしいだろ。
けれどソフトクリーム屋のおじさんもおじさんで、「あぁいいさ!」とたっぷりバニラのソフトクリームを二つ、僕たちに渡してくれた。いいのか、もうすぐ潰れそうなのに。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/04/01(金) 17:36:44.72 ID:+t9XWNxN0
姉「おじさん、ありがとー」

店員「おうよ!また来てくれなー」

僕たちは店員のおじさんに手を振り(自称姉さんのみだけど)その場を後にする。
ぺろぺろと冷たいソフトクリームを舐めながら隣を歩く自称姉さんは、やっぱりどこか幼い。
何となく、このままこの人を放っておいていいんだろうかという思いに駆られた。

僕「って、何考えてるんだ僕は……」フリフリ

姉「ん、なんだ?エロいことでも考えてたのか?姉が舐める姿を見て!」

僕「いえ、別に」

姉「つれない奴だ」

僕「さっさと食べちゃってくださいよ、今夜は野宿でもするつもりですか」

姉「見付からなかったらお前の家に帰る」

僕「無理です」

姉「そんなはっきりと」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/04/01(金) 17:57:11.55 ID:+t9XWNxN0
僕「だから早く行きますよ」

とは言うものの、正直そんなの見付からない気がするんだけど。
一体どうすればいいのやら。だいたい今の社会、そう簡単に空き家なんてものは見付からないしなあ。

姉「あっ」

僕「えっ」

姉「落とした」

僕「ちょっ、僕の服!」

姉「あーあ」

僕「あーあーじゃないし!」

姉「冷たい」

僕「そりゃそうでしょうとも!」

自称姉さんは至極残念そうに落として服についてしまったソフトクリームを眺め――それから徐に舐めだそうとした。
いや、猫か犬じゃないんだし!

僕「やめてくださいよ汚い!」

姉「でも勿体無い」

僕「わかった、僕の分あげますから!」

姉「おぉ!さすが我が弟!あっ、でも間接キッス……?」

僕「嫌なら返して」

姉「食べます」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage saga]:2011/04/01(金) 18:08:26.14 ID:+t9XWNxN0
はあ、疲れる。とにかく疲れる……。
自称姉さんが着ている服はソフトクリームでベタベタだし。このまま歩くのも変だし。
僕は持っている財布の中身を思い浮かべながら、仕方なく口を開いた。

僕「服買いに行きましょうか」

姉「私はセンスいいからな!お前に似合うものを選んでやるぞ!」

僕「じゃなくって。あなたのを」

姉「私の?」

僕「そんな服装じゃ色々面倒だし」

別にこの人のためじゃなく、僕のため。未来の僕のための投資策。この女がいない将来のためにだ。少し大きい気もするけれど。

姉「行くっ!さすが我が弟!」

僕「いいですからもうちょっと静かにして下さい」

姉「おぉっ!」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/01(金) 21:03:00.09 ID:fOGcYtyIO
ここまで天ぷら中の天ぷら
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/04/09(土) 09:47:07.52 ID:X38a5CtKo
まだかなー
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/04/10(日) 12:01:18.70 ID:nrGyKuyio
俺は書いて欲しい
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