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律「悪気はないという相手」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/01(金) 18:10:37.72 ID:fEp2Uk9j0
私は昨日テレビで見た見よう見まねのティロ・フィナーレがあまりにも

面白いくらいきまってしまって驚いてるのが建前上。

冷静のようでいて、全く冷静なんかじゃないのが本音。

澪は澪で無表情で、なんだか怖いくらいだ。

だからここはぜひとも本音と建前をうまく使い分けたい。
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/01(金) 18:12:41.35 ID:fEp2Uk9j0
小学生の頃の2人なら、きっとすぐに笑い転げられてただろう。

でも、今はお互いに無言で、身動きひとつせず、というか

私は、どうすればいいのかわからないんだ。

そうだな・・・。

ある意味、「成長」ということの悲しい側面を目の当たりにしてる気分だ。

幼さの代わりに私は、欲望を手に入れたようだ。うんうん。たんたん。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/01(金) 18:15:51.19 ID:fEp2Uk9j0
これはある意味私にとってはチャンスなのだが

いかんせん、私はこの状況を先へ進める言葉も保つような言葉ももってない。

そろそろなにかアクションを起こさなければおかしい時間が経過しているよな。

唯たち、遅いな・・・・
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/01(金) 18:17:53.31 ID:fEp2Uk9j0

「澪」



それにしても澪はどうしてなにも言わないのだろうか


「ん」


昔は表情を見れば、澪が何を考えているかだいたいの見当をつけることができた



「痛くなかったか?その、なんだかすまんな・・・・」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/01(金) 18:20:49.46 ID:fEp2Uk9j0

「いいよ、別に」



ほら、まただ

その顔、やめろよ

「いや〜まさかあんなにきれいに技が決まるとは。私ってば、次期魔法少女の才能があるのかもわからんね!名前考えて変身の練習を夢の中でしておかなきゃ!!」



澪は、口をいくぶんか堅く結んだだけで、なにも言わない。

私、スベったじゃん。
澪が澪じゃないから、ただの空回りになってんじゃん。
魔女化するじゃん。
いつもみたいに殴るでもマミられてでもなんでもいいから、リアクションしてよ。

てか、この体制がまず普通じゃないか。
そろそろ、このまま覆いかぶさりたいくらいだけどたちあがらないと。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/01(金) 18:24:07.30 ID:fEp2Uk9j0


「まぁ・・・・とりあえずそろそろ、どくな」


一人で会話を続けなければならない辛さ、誰か、知ってくれ



「よっこいしょー」イチ



今、「イチ」を読んだそのタイミングだ。そのタイミング。

そのタイミングで、私の頬に温かいものが触った。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2011/04/01(金) 18:28:45.09 ID:fEp2Uk9j0
それが澪の指であることは視覚情報として既に私の中に入っているが

うん。皮膚感覚ってのは・・・・反則だよ。

こんなふうに触られたら、アニメみたいにありえないくらいいきなり汗がしたたりおちるだろーが。

次に起こったことはきっとムギがこの部室に仕込んでいる隠しカメラの映像を

ぜひとも後で自分でもしっかりと部長権力発揮して見ておきたいくらいのあまりにも一瞬だったのだが

効果音をつけるとしたら



ガシッ !? グラッ ボインっ ばよえ〜ん だ。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 18:36:16.19 ID:fEp2Uk9j0
もう一度いう。



ガシッ !? グラッ ボインっ ばよえ〜ん だ。



唯たち、今、くるんじゃないぞ。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 18:39:03.82 ID:fEp2Uk9j0


唯とムギと梓はなぜか待てども待てども全然来なくって。

やはりというか、それが自然というか。

律は待つことに飽きて遊びだした、私で。

いかにも企んでるって感じの顔をしながら私に近づいてきて
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 18:44:06.97 ID:fEp2Uk9j0
「ティロ」



「へ」ガシットネ



「フィナァアアアアアアアアアアアアアアアアアレっーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 18:48:50.48 ID:fEp2Uk9j0
おいおい、・・・・ったく。

おまえまさかのマミさん派かよ。ハハハ

5人中唯一の必殺技保持者、巴マミ。

お前がほれるのもわからんでもないが、私は圧倒的にほむほむ派だ。

つーか。

どんだけ気合いれてんだよ。いきなり意味わかんないし。

私の首を飛ばしたいならその前にお前がどっか飛んでいけ、バカ律。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 18:50:56.52 ID:fEp2Uk9j0
とまあ、律は私を床に押し倒した。



殴るまでのセリフはこんなもんかな、と

いつものように頭の中に思い浮かんできたのだけど

私はそれを発することができなかった。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 18:54:48.37 ID:fEp2Uk9j0
ぬうううう・・・・・・顔が、ちかい。

いつもの見慣れた律の顔だけど、この角度からというのは、初めてだ。

目をはなせない。

私は色んな律を知ってるって思っていたけど、まだ知らないことがあるということに少し驚く。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 18:57:21.29 ID:fEp2Uk9j0
でも、ちょっと考えてみたらそれはしかるべきことだ。

昔は並んでいた肩も、今では私のほうがちょっと高い。

いつまでも、同じ角度では見ていることはできない。

「澪のほうが背が高くなったね」と言ったときの律の顔を思い出した。

似つかわしくない、ちょっと寂しげな顔。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:00:42.30 ID:fEp2Uk9j0
「澪」


名前を呼ばれた


「ん」


向き合ってる状態で名前を呼ばれるってのはなかなか


「痛くなかったか?その、なんだかすまんな・・・・」


恥ずかしいもんがあるな・・・・照れる・・・・


「いいよ、別に」


顔に出さないようにしないと
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:05:51.90 ID:fEp2Uk9j0
「いや〜まさかあんなにきれいに技が決まるとは。
私ってば、次期魔法少女の才能があるのかもわからんね!
名前考えて変身の練習を夢の中でしておかなきゃ!!」



夢の中で練習って・・・

律、練習しても意味ないんだよ。だって、魔法少女はいずれ・・・。

律はどんな願いを願って魔法少女になるんだろう・・・・・

きっと必殺技の名前とか、考えるんだろうな、律は。
そうだな・・・たとえば
デコフリャッシュ、あ、噛んだ。

自分の中で思っただけだけど心なしか口の中がいたい。

怒られそうだからいうのは止めとくか。ふふ。

デコフラッシュ・・・ふふ。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:07:42.55 ID:fEp2Uk9j0
ちょっと、不機嫌そうなのは、私がさっきから何も言わないからかなぁ。

それにしても、この角度の律、かわいいな・・・・


「まぁ・・・とりあえずそろそろ、どくな」


なに!?こらこら、どくなどくな。


もうちょっとだけ、この角度を・・・


「よっこいしょー」


あ、律のほっぺた
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:09:55.51 ID:fEp2Uk9j0
あったかい



このままひっぱってしまおう。

さっきの技のお返しだ。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:13:22.17 ID:fEp2Uk9j0

「ちょっと・・・・2人とも、いいかしら?」


2年生の教室に唯先輩を迎えにいった私と、

HRが終わってから私が来るまでに一体何をしていたんだ、と

投げかけたくなるくらいに急いで通学バックに教科書やらなんやらを詰め込んでいる唯先輩に

ムギ先輩は近づいてきながらニッコリそう言った。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:18:33.23 ID:fEp2Uk9j0
隙がないこの先輩は、アニメでは私とあまり接する場面が少ない。


1回1期をみただけでは、けいおん部の財布係りとたくあんのイメージしかない。

2期をではちょっとは触れ合う機会もあったけど、心の距離はそれほど縮まってはいない気がする。

されども、ムギ先輩は嫌いというわけではない。

断じて、それはない。

私は原作のムギ先輩のほうが好きだ。

もっと具体的にいうと、同じおっとりぽわぽわでもたれ目のムギ先輩のが好きだ。

あれ?なに言ってんだ、私。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:22:29.05 ID:fEp2Uk9j0
「うん?ムギちゃん、どうしたの〜?あ、ムギちゃんも一緒に部室いこうよ〜。
今日、なんかりっちゃん1人でさっさと行っちゃったしさ」


「ムギ先輩も一緒に行きましょう。唯先輩は早く準備をしてください」


私がそういうと、ワタワタと準備の続きをする唯先輩・・・

くはっ!!今日もかわいいなぁ〜〜
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:55:55.67 ID:fEp2Uk9j0
「あ、えっとね、そうじゃないの。けいおん関係のことではあるんだけど・・・。
ちょっと2人とも私と一緒に来てほしいの」



ほえ〜という声が聞こえそうな顔をした唯先輩と、
相変わらずニコニコしたムギ先輩、その後ろを歩く私。

私と唯先輩はムギ先輩に連れられて、とある空き教室に連れてこられた。

ムギ先輩はなにごともなく教室の扉を開けて

入って、と私たちに入室を諭した。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 19:58:18.23 ID:fEp2Uk9j0
「ここって、勝手に入っていいんですか?」


「ちゃんとあらかじめ生徒会に届けは出してあるから心配しなくても大丈夫よ、梓ちゃん」


「は、はぁ・・・」

大丈夫って言われても、全然不安なんですけど。
この人、何するつもりなんだろう。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:01:42.04 ID:fEp2Uk9j0
「ム、ムギちゃん!!!」ハイハイハイ


元気よく先輩が右手を掲げた。


きっと授業中にはこんなに元気よく手を挙げる先輩は見ることはできないだろう。


一緒に授業を受ける機会はないが、簡単に想像がつきます、はい。


「なにかしら、唯ちゃん」


「お菓子はあるとですか!!!!」


「ふふ。ちゃんとあるわよ。さ、入って」


うひゃ〜〜といいながら、唯先輩は教室に入り、私もその後におずおずと続いた。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:05:13.87 ID:fEp2Uk9j0
教室はそこに生徒がおらず、少し机の配置や数が違うだけで

私たちが普段使っている教室となんら大差はない。

勝手がわかっているぶん、教室の静けさに逆に違和感を覚える。



「机はまぁ、ここにあるのを使いましょう」


教室の隅っこにあった4つの机を規則正しく並べてムギ先輩は私たちを席に座らせた。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:08:50.89 ID:fEp2Uk9j0
こんな空き教室まで借りて、一体ムギ先輩はなにを考えているのか。

私の思っていることは顔に出ていたのだろうか、ムギ先輩は

「そんなに心配しなくても、変なことはしないから大丈夫よ」と言った。

いや、十分、心配です。

ムギ先輩が率先して行動するってことは結構すごいことなんだって、私はそう思ってます。

とりあえず、横でさっきから、おかしおかし、聞こえてくるんで

唯先輩にお菓子を至急お願いします。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:12:45.74 ID:fEp2Uk9j0
これが私たちのペースといわんばかりに

ムギ先輩は私たちにお菓子をまず出してくれた。


唯先輩はおいしそうに今日のお菓子であるマドレーヌをほおばっている。

そういう顔されると、こっちも自然と顔が緩むってもんだ。

いやはや、この人は存在が罪だよ、罪。

そんな私たちをやはりニコニコしながら見ているムギ先輩もいつもとかわらない。




お菓子をたいらげ、唯先輩がようやくおとなしくなった頃、ムギ先輩は口を開いた。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:16:24.62 ID:fEp2Uk9j0
「今日は2人にちょっとこれを見てもらいたいと思って」

そう言って、ムギ先輩はバックから何かをとりだして

机の上においた。

「あれ?これって・・・・」

「DSと、それと・・・・PSP・・・・ですか?」


「そうよ」

「学校にこんなものもってきてムギちゃんいけないんだ〜〜」

「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ」

まぁ多いなっ!!
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:20:31.90 ID:fEp2Uk9j0
「でも、ムギ先輩がゲーム機もってるなんてめずらしいですね」

「ふふっ」

ニコっと笑ってムギ先輩はDSを私に、PSPを唯先輩に渡そうとしたが、

唯先輩が「DSがいい」といったので、私がPSP,唯先輩がDSを受け取った。

PSPのずっしりとした重さを感じながら、PSPを見る。

外見的には普通のPSPと変わりはないけど、ムギ先輩のことだからきっと何かあるに違いない。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:24:57.26 ID:fEp2Uk9j0
「これ、ソフトがささってるけど、なのソフト?」

「唯ちゃん、めずらしくするどいわね」

ムギ先輩なにげにひどい。そして唯先輩、照れないでください。

ほめてるようでほめてないですから。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 20:28:23.75 ID:w4ggNfXDO
はやいのはいいんだけど、1レスの文少なくね?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:28:29.48 ID:fEp2Uk9j0
「たしかに、私の方にもすでになにかソフトが入ってますね」

PSPはソフトってよりディスクかな、と思いながらそれを取り出してみると、
何も表示のされていない真っ白なものが差し込まれてる。

DSにも同様に何も表示のないソフトが差し込まれていた。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:32:31.37 ID:fEp2Uk9j0
「それは私が頼んで特別に琴吹グループに極秘に作らせたソフトなの」ニッコリ

・・・・・。

なんだかとても嫌な予感がしたのは、たぶん、気のせいではないな。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:37:32.48 ID:fEp2Uk9j0
「このソフトを使えば、盗撮した動画をリアルタイムでゲーム機器で見ることができるの!!」


うわっ・・・・。ムギ先輩、会社の金使ってなにしくさってんですか。


「えっ!?動画をこれで見られるの!?すごいね!!」


唯先輩、すいません。ちょっとだまってて。


場合によってはうちら2人かなりやばいっすよ?


なんだか、すんごい嫌な予感が塵も積もって山になってんですけど。



「ふふ、唯ちゃんありがとう。PSPのほうは動画を録画していつでも見ることができるわ。DSのほうも今はまだ動画を見ることしかできないけど、これからちょっと改良して、上下の画面でそれぞれ録画ができるようにするつもりなの。まぁ、今2人が持っているのは試作品ね」



「つまり、今のところDSが視聴用で、PSPが録画兼再生用ってところですか?」


「そんなところね。PSPの容量を大きくしてあるから、最大2ヶ月くらいはデータを保存することができるの」


・・・・なんか、つっこみが追いつかない。


そんなことサラッといわれても。


これがムギ先輩の本気なのか・・・・?


そして、私の中の野生の勘が更にヤヴァイ。盗撮?何を!?


まず、どこにカメラつけてんだ・・・・。まさか・・・・。


いや、まさかな・・・・ハハハ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:41:10.55 ID:fEp2Uk9j0
「そのまさかよ、梓ちゃん」


「!?」



「え?今あずにゃんなんか言った?」



「いえ、言ってません(ムギ先輩、心の中・・・読んだ?)」



「隠しカメラは私たち、放課後ティータイムの活動場所、音楽室に仕掛けてます」テヘッ


「」


ダメだ、驚きを現実が上回った。笑えねぇ・・・マジか・・・・吐き気が・・・・さすがの唯先輩も状況を把握したか?
青ざめて、苦笑ってる・・・こっち見んな・・・・



で、でも、いつからしかけてるんだろう・・・・。あれはたしか2週間くらい前だから、場合によっちゃセー



「ちなみに1ヶ月前から仕掛けてます」イエイッ!



梓「オワターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」ヒャヒャウ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:46:11.94 ID:fEp2Uk9j0
「・・・・・・・・・・・」


―――カチっ




「あずにゃん・・・?」



私はPSPの電源を入れた。



数秒待つと、画面にはパソコンの画面のようなものが表示され、左上にアイコンのようなものが1つあった。



横で画面を見ていた唯先輩が「ふひゃ」と声をあげた。



たしかに、それくらいの驚きの声をあげたくなるのもたしかだ。





アイコンの名前が―――――――[梓唯 ○月×日]




これは・・・・・。もう頭がグワングワンする。頭から血の気が引く。



唯先輩は、横で顔を真っ赤にしてる。




間違いない。これはあの日の日付で、間違いない。



恥ずかしいなんてもんじゃないが、私はふとよからぬことを思ってしまった。



これはもしかして、あの日の唯がもう一度見られるってことでは・・・・



結構あの時テンパってて、詳しく覚えてないんだよね。





見たい・・・ゴクリッ




いや、「見たい」のではない。「見る」んだ。



私には・・・・・これを見る義務がある・・・・・!!!



後になって思えば思うほど、どこかおかしいテンションと妙な使命感で



私は、そのアイコンを選択した。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:50:14.58 ID:fEp2Uk9j0
最初の感想ってのは、人って温かいんだな、ってもんだった。

とくに、胸が。まぁ、それはきっと澪だからだろうけど。

これが唯だったら・・・きっとお菓子くさそうだし、憂ちゃんがあとで怖そうだし、

私はこんなに次の行動に悩んでなんかいない。

最後に澪に抱きついた(この場合は抱きつかれた?)のはたしか

中学生の卒業式のときだから・・・1年半ぶりくらいにはなるのかな?

こういうときに冷静になる頭を真空パックしてテストのときにでも解凍したいもんだね。



澪に腕をひっぱられて、いきなりだったから完全に覆いかぶさるようになった・・・・っと。

よし、状況は把握した。どうする、私。

もし、この澪のこの行動が私の悪ふざけの延長線上のものだったら

私は、こいつをぶっとばさなきゃならん。

もちろん、建前:悪ふざけの延長線上 本音:純情の踏みにじり で、だ。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 20:54:43.90 ID:fEp2Uk9j0
「りつ」

「なんだよ」

「いきなりひっぱるんじゃねぇよ。びっくりするだろ」

「ごめん」

「・・・・わかってるならいいんだよ・・・・別に・・・・わかってるなら・・・・さ・・・・」



顔がさっきよりももっと近いのに澪の顔を見ていられないのは

自分自身への苛立ちのせいだ。

手を伸ばせば触れられるのに、この手は伸ばせないのは、

今掴めたとしても澪はいつか私から離れていくからだ。

この気持ちを気づかせないように今まで振舞ってきたから

全部いまさらなんだ。

でも、気づかれて今のこの関係が変わってしまっても

私はいやなんだ。

もう、なんなんだ・・・・なんなんだよ、私は。




「ごめん、律」

「なにが?」

「一応、あやまったからな・・・・」

「えっ・・・・ちょ・・・・」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 21:00:27.94 ID:fEp2Uk9j0
澪は、私を逆に押し倒してそのままキスをしてきた。

どういうこっちゃ。てか、力強いな、おまえ。いやいやいやいや。


プハッ


「ちょ!!? え?え?///なにこれ?ドッキリ?え?み、みおっ?ふあっ!?」


「」



またキスしてきた。

澪はキスしたまま、私のカチューシャをはずす。



すんごい、心臓がドキドキする。

え?澪が私に・・・?なんで?

ちょ、これながいって・・・・い、いきがくるっしい・・・・・

呼吸ってどうやんの?

つか、こいつホントに力強いんだけど!?


プハッ



「・・・・・ふぅ・・・・りつ・・・・・」


「・・・・・・・」



な、なんだ。この状況は、なんだ。

澪は、一体なに考えてんだ。

いきなりキスって・・・・。

こいつ、こんなやつだったっけ?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 21:06:27.12 ID:fEp2Uk9j0
私が無言でいると、澪は無言で私のリボンをほどいてきた。

そしてそのまま


「」


その手はボタンをはずし始めて


「ちょ///・・・・・・」



「・・・・・ん?」



「ちょっと、まったぁぁぁぁぁぁああああ!!!!///」



「・・・・・」



私は、ボタンに手をかけたままの澪の手をそのままつかんだ。

一緒にいるためではなく、これ以上先へ進まないために。

頬から耳までがすごく熱い。

きっと、私は顔が真っ赤だ。

今の澪みたいに。



「そ、そのさ・・・えっと・・・・わ、私たち・・・・友達じゃなかったのか?」


「友達だよ」


「友達同士って・・・・キ、キス・・・・するのか?///」


「・・・・・しないと思う・・・・」


「・・・・・じゃあ、なんで?]


自分で言ってて、腹がたつセリフだな。

もう、わかってるくせに、私はそれを澪に言わせたいんだ・・・・。

思ってた以上に、嫌なやつだ。

嬉しいのに、本当は、嬉しいのにな。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 21:13:40.54 ID:kzMEEz3SO
視点が急に代わりすぎて分かり辛い。

適当に罫線いれた方がいいですよ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 21:19:09.65 ID:fEp2Uk9j0
澪は、黙ってしまった。

ボタンにかけた手には既に力はなく、澪の手を握っている私の手はほとんどその役割を失っている。

視線も私からそらしている。

さっきの澪、私の知らない顔をした。

私の知ってる澪がしない行動をした。

変な気分だ。嬉しいような、悲しいような。

この気持ち、経験したことあるな。



ん・・・・そうだ、思い出した。

澪が、私よりも背が高くなったのに私が気づいたときだ。

あのときもこんな気持ちだった。

私はあのときまで知らなかったんだ。

肩を並べてるときはきづかなかったんだ。

自分が知ってる澪以外にも、いろんな澪がいるってことにも、

この自分の中にある気持ちにも。



だから、きっと、私が知らない顔を澪をするって、悲しいことじゃないんだ。うん。

それに、幸いなことに私は今のこの澪の顔を知ってる。

自分の行動を、悔いているときの顔だ。

いろんな澪がいるんだ・・・。

時間とともに幼さは抜けるけど、それは失うだけじゃないんだ。

その欠けて空いた隙間の分だけ、色んなものがその隙間をうめるんだ。

澪自身も知らない間に。そして、もちろん、私が知らない間に。

それは、・・・・私にも言えることなんじゃないだろうか・・・?

いろんな澪がいるなら、いろんな田井中律もいておかしくはない。

田井中律、お前はどうしたい?

お前の好きな奴は、目の前で泣きそうで、なんとかしてやりたくなる顔をしてる。

お前はどうしたい?
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 21:19:42.31 ID:w4ggNfXDO
2スレ同時進行またはそれぞれ分けたほうが……

いやなんでもない続けてください
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 21:26:05.02 ID:fEp2Uk9j0
>>41 >>43 正直読みにくいのはわざとなんです 

すいません
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/01(金) 21:29:22.01 ID:D3KVpVgUo
よいよ続けて
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 21:30:12.39 ID:w4ggNfXDO
>>44
成る程そういうことか
考えたねぇ
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 21:33:07.16 ID:fEp2Uk9j0
「・・・・り」

「みお」

名前を呼ばれてハッとした澪と目があう。

頬が赤く染まっているのが私のせいであるのはとてつもなく、うれしい。

「いろいろ言いたいことがあるかもしれないけど、ちょっと、私の話をきいてくれないか?」

つとめて明るく言ってみる。まぁ、それでも私の耳はきっと赤いままなんだろうけど。

「う、うん・・・・」

緊張するな・・・・。のどがカラカラだ。

「私、いままで澪に嘘ついてきたんだ」

「嘘?」

「うん・・・・。」

「ど、どんな・・・・?」

「私は、中学校の後半から澪のこと友達って思ってないんだ」

「それって・・・」


澪の言葉をさえぎるように、言葉を発する。


「でも、それはいけないことなんだって思ってた」

気分は、犯行を告白する犯罪者?

「澪はもてるから、中学生のときはたくさん告白されて大変だったよな」

「・・・・・」

「友達ってことでさ、告白相手に断りの返事した後に、『相手を傷つけた』って言っていつも泣く澪を慰めてたり、
上級生から恋愛関係でいじめられる澪の味方になってたけど・・・・」




「私、違うんだ。全然、そんなんじゃないんだ・・・・」


「りつ・・・・」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 21:55:34.10 ID:fEp2Uk9j0
「正直、告白を澪が断るとき、いつも嬉しかったんだ。『私の澪のままなんだな』って」

「きっと、私が自分の気持ちを隠していれば、ずっと2人のままでいられるんだって思ったし、この気持ちをいったことで2人の関係は壊れちゃうんだって、・・・・そう思ってた」


「そ、そんなこと・・・・ないに決まってるだろ・・・・」


「ん。そうかも。でも、隠し続けても、いつか澪は他の誰かと一緒になるかもとも、思ってた」


あぁ、・・・・・・汚いな、汚い心だな。他人に、澪でさえ、自分の心をさらけ出すってこんなに怖いのか。


「・・・・」


でも、今言わないと、私は一生自分にひきこもりそうだ。


「たぶんさ、きっと違うんだ。私、そういう風に思う自分がすんごいいやだし、そういうのはきっとただの思い込みなんだ。決め付けちゃダメなんだ」


「周りがどうとか、澪がどう思うかとか、そういうことじゃなくて」

「まず自分で自分の気持ちに向き合わなきゃ、澪と一緒に居るにしても、いつか澪と離れることになったとしても、私に出口はないんだって、そう思った、いや、きっとそう思ってた、ほんとはわかってた」



「まぁ、・・・・まさか澪からキっ、キスされるとは思ってなかったんだけど・・・///」


「そっ、それは・・・・あ、あやまっただろ!!!////」


「いや、あやまったからってしていいことと悪いことがあると思うけど・・・」

「・・・・うっ///」



「えっと・・・・まぁ・・・その、だから、1度しか言えないし、すんごい緊張してるから声は震えるかもしれないんだけど」


「う、うん」


「言わせてほしいんだ」


澪ともっと近づきたいから、澪が傍で笑うとうれしいから


「澪が大好きなんだ。他の誰にも渡したくない」


「・・・・りつ」


「・・・・ん?」


「・・・・ありがとう、いままでごめんね」


「・・・・・うん」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:02:24.40 ID:fEp2Uk9j0
ありがとう、と、ごめんね、かぁと私は思う。

どんな気持ちがこもってるのかなんて私にはわからない。

思いは言葉を超えられない時がたまにあるから、

私が澪の気持ちをわからなくても不思議ではないけど。

今はどうにかして、それを知りたいと思った。

謝ったからしていいってもんじゃないけどさ、

可能性があると確信してから行動をした私には、素直に澪はすごいと思えた。

怖がりで、泣き虫の澪じゃない澪も全然、大好きだ。


「澪」


「ん?」


「そっちへ行ってもいいか?」


お互いのいろんな側面を知っていって、少し驚いたり、戸惑ったりしながら

このまま2人で居られる2人でいよう。

変わっていくけど、変わらないでいよう。


「当たり前だろ」


うん、ほら、大丈夫だ。

だって、顔を赤くして微笑む澪の顔、私はすごく嬉しい。


もういろんなこと気にしなくていいんだ。


ずっと澪の手を固定するだけだった手をギュっと握り締めたら、澪もそれに答えるように握り返してきた。


顔をゆっくり近づけてみる。


「りつ」

「な、なに?」


「ずっと大好きだ」



心が、震えるね。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:12:08.58 ID:fEp2Uk9j0


「ちょっとまったあずにゃん!!!!」

「うわ!?びっくりした!いきなり耳元で大きな声ださないでくださいよ!!!」

「ご、ごめん。それよりこれつけて!!」

「ん?」

唯先輩は私にイヤホンを差し出した。

澪フォンみたいな贅沢品ではなく、普通の、本当に普通のイヤホンだ。

「え?これ、音あるんですか?」

私は動画を見ることしか考えていなかったし、

隠しカメラってことだからてっきり音はないんだと思っていたんだけど。

私が尋ねると、ムギ先輩は返答のかわりにただニッコリと笑っただけだった。

こ、この人は・・・・・。

その笑顔を見て、唯先輩からイヤホンを大人しく受け取った。

両耳に装着しようとしたところ

「ちがうよ、あずにゃん!!!」

そう言うと、唯は私に左耳用だけを渡して、自身は右耳用を装着した。

こ、・・・・これはこれで、異議なし!!!!!

準備が整ったところで、2人で動画を見たのだけど・・・・・

キャハハでウフフな音声が聞こえてきた瞬間のイヤホンのありがたさと言ったら

もうね、ムギ先輩、この動画どうするつもりなんすか?フハハって感じでね。

隣で唯はそうそうに顔を真っ赤にしてダウンしていて、

動画と隣の唯とどっちを見ようかって

悩むほどだったんだけど。




「どうだったかしら?」

イヤホンを外す私に

シレッとしたいつもの態度で聞いてくるムギ先輩。

「えぇ、・・・・・まぁ・・・・・」

まさか、ヤッてる場面撮られて見せられて

「どうだったかしら」って感想を聞かれることになるとは2週間前の私は露知らず。

てか、「どうだったかしら」って何の感想聞いてるんだろう。

私はともかく、かわいそうなのは唯だよね。ドンマイ。後で慰めとこう。

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:20:14.83 ID:fEp2Uk9j0
「フフ。楽しんでくれたなら良かった」

いや、楽しかったとか、一言も言ってないんですけど。

「あずにゃん・・・・顔、にやけっぱなしだよ・・・・」


しまったぁぁぁぁっぁああああああ!!
うわあああああああああああああああああっはっはっはwwwwwwwwwwwwwwww
唯、かわいかったんだからしかたないじゃあああああああああああああっはっはっはwwwwwwwwww
顔に出ていたとは・・・・・不覚!!


「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ。それより、この動画を見た後で気になることってなにかないかしら?」

「?」

「今、私たち、3人この教室にいるわ」

「そうだね」

「そうですね」

「ここにいない人がいるわよね」

「りっちゃんと」

「澪先輩ですね?」


ムギ先輩はクスっと笑った。

いや、その笑い方は悪役ですよ、先輩。

ブラックブラック

「DSには、なにが映し出されるかしら・・・?」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:26:27.49 ID:fEp2Uk9j0
私と唯は、唯側の机の上においたDSに目をやる。

部室視聴用DS。

「もしかして・・・・・」

ゴクリ

「・・・・リアルタイム?」

Gokuri

「どうかしら。りっちゃんと澪ちゃんは唯ちゃんたちほど進んでないから。あと、梓ちゃん唾飲み込みすぎ」

「そ、そうなんですか・・・てか、唾飲み込みすぎなのは素直に認めます、すいません」

「え?なになに?どういうこと?教えてあずにゃん」

顔のほてりがとれないまま、唯が私に説明を求めたかわいいな

「てか、え?説明いるの?」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:31:15.67 ID:fEp2Uk9j0
「なぁ?みお」

「ん?」

「とりあえず抱きしめてみたんだがこれからどうしよう」

「え?いや・・・どうしようと言われましても///」

「ここ部室だし」

「ですよね」

「みんなそろそろ来るかもしれないし」

「・・・ですよね」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:34:47.93 ID:fEp2Uk9j0
「じれったいぃぃぃぃぃいいいいいいいいい」ムギュウウウウウウウ

「や、やっぱ見るのやめない?かわいそうだよ。ね?あずにゃん?」

「」ジー

「あずにゃん?」

「えっ?あ、っは、はい。そうですね(見入ってた)」

「唯ちゃん!!!」

「え?な、なに?(ムギちゃんこわい・・・・)」

「空気よんで!!!!」

「Σ(゚д゚;)」ガーーン

「え?私空気よめてない?」オロオロ

「・・・・・そ、そんなことないですよ(たしかに唯は空気読めてないよな)」

「唯ちゃん、今私たちは歴史的瞬間に立ち会っているのよ」

「歴史的・・・・瞬間?」

「そう。わが部の部長と副部長という幼馴染がようやくお互いの心を通わせ合ったの!!!!!!」

「(ムギ先輩今日どうしたんだろう・・・・・)」

「私たち、部員にはそれを見守り、何回も見守り、これでもか!ってくらい見守る義務があるわ」

「(見守りすぎだし、見守るってつまり「盗撮」じゃん)」

「ムギちゃん・・・・・私・・・・」

「間違ってたよ」デーン

「(落ちた♪)」ウヒョ〜イ

「(落ちた)」ハァ

「じゃあ、さっそくみんなで2人を見守ろう!!」キリッ

「ふふ♪その意気よ、唯ちゃん」ラクショウラクショウ

「それにしても梓ちゃんはしっかりと見守ってるわね」

「で、ですね」ハハハ

「(この見え方からしてカメラは棚周辺にでも仕掛けてんのかな?)」ジー
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:38:07.75 ID:fEp2Uk9j0
「りつは・・・・こういうことするの、いやか?」

「いや、いやっていうか・・・・」

「ここ部室だろ?」

「いやか?」

「いや、いやじゃないけどさ・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「りつぅ」

「な、なんだ?」

「・・・さっきからなんだか・・・身体があつくて・・・・」

「へ!?///」

「と、とりあえず、ここ、部室だから(絶賛発情中?)そういうのは、ダ、ダメだ(たしかに、澪色っぽいな)」

「おっかしいなぁ・・・・」

「なにが?」

「いや、今日さ、ムギに『身体の調子がよくなる』っていう栄養剤もらったんだけど」

「ほう(・・・・ん?)」

「身体の調子がいいっていうか」

「なんかこう・・・りつを見てるとムラムラするというか・・・・」

「え?い、いや、そんないきなりムラムラするといわれましても///」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:41:05.48 ID:fEp2Uk9j0
「み、みおちゃんが大胆!?」ドキドキ

「・・・・ムギ先輩」

「ん?なにかしら梓ちゃん」ニッコリ

「何か盛りましたね?」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:49:30.95 ID:fEp2Uk9j0



ハァハァハァハァハァ・・・・・・

のどが焼けるように熱く、体温の上昇とともに呼吸が荒くなって肺が痛い。
ついでに身体の関節も痛い。運動不足を実感する。
汗も噴出してきたかもしれないような気がするが
今はそんなことにかまってられなかった。
転ばないように一歩一歩、力をこめながら全速力で廊下を走る。

とにかく、今はすこしでも早く部室へ急ぐことだけを考えながら私は走った。
後ろからはムギ先輩の声が聞こえ続けてる。

「ま、まちなさいってば!!!」

待てといわれて待つやつは19世紀にも20世紀にもましてや紀元前にすら居ないです。

そんなありきたりなことを考えながら
でも、呼吸をすることでいっぱいいっぱいで、声に発することはしないで
私は走った。

いつかのさわこ先生の華麗な走りのデジャブのように
階段を駆け上がり、部室の前へとついた。

ムギ先輩はまだ着ていない。
意外と持久力はないのかもしれないな。
息を整えながらそんなことを思った。

さて。ここへ着たのはいいけど
私はいったいどうすればいいのだろうか。
音楽室の扉を開けてしまえば、そこにはさっき見たような光景が
今度はカメラ越しでなく私のまん前で滞りなく行われていることになる。
どんな顔して入ればいいんだ。

ムギ先輩が澪先輩に廃ポーションだかなんだか媚薬的なものを盛ったことに気づいた私は、
考えもなしにわけもわからない怒りの衝動にまかせて部室へと走ってきてしまったわけだけど・・・・。

いやいやいや、考えてる時間も躊躇している時間もないっての。
もうすぐムギ先輩が来てしまう・・・・。
映像を見ておいてすっごく今さらだけど、私さえ犠牲になれば・・・・
2人は、たぶんおそらくいいえけっしてひょっとするとそこまで恥ずかしい思いをしなくてすむ・・・・・か?すむのか?
よくわからなくなってきた・・・・・私に見られるのだって十分はずかしいだろ・・・・でも、もうここまできてしまった。


ええええい、ままよ!!!!!

私は意を決して部室の扉をあけた。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 22:56:54.67 ID:fEp2Uk9j0
「せ、せんぱい・・・・!!!」







「よう!梓」


「あ、やっと来たか。お・・・遅かったじゃないか」







あれ?





部室には律先輩と澪先輩の2人が確かにいた。
だけど・・・・。

2人は私の予想のように行為を催してはおらず
いつものように席に腰掛けて、少し戸惑い気味に私に挨拶を返した。

なんだ?これ?あれ?

「いきなり扉あけたらびっくりするだろ?」

いつものように私に話しかける律先輩。

「え?・・・あれ?」

「ん?どうした?」

「え、いや、その・・・・あれ?」

「・・・・っん?」

ちょっと、息はあらっぽい感じはするけど平然とする澪先輩。


あれ?なんだこれ。
どういうこと・・・・?

おそるおそる、息を整えながら尋ねてみる。

「せんぱいたち・・・・今までなにしてたんですか・・・・?」

「え!?な、っなにって・・・・」

「みんなこないから2人でしゃべくってたけど・・・・な?澪」

「あ、あぁ・・・う、うん。そうだな、りつ」


律先輩と澪先輩はそういいながら2人で苦笑いをした。
うん。そのあわてようからして、「なにか」はたしかにあったんだ。
さっき見ていたようなこと、してたんだ。
澪先輩・・・顔・・・ほてりすぎやん・・・
でも、どうして今2人は・・・・・
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 23:03:12.45 ID:fEp2Uk9j0
状況がわからず頭の中がこんがらがってる私の肩に「ポン」っと触れる感触があった。
振り向くと、そこには例のたくあん先輩が。

「あ、あずさちゃん・・・・あ、あし・・・・早いわね・・・・」

ゼイゼイいいながら、ムギ先輩はそういった。


「よう!ムギ!!!遅かったな」

「ホ、ン、ト・・・・っだよ。今日は、ハァ・・・なんでみんな来るの遅いんだよゥ!!ハァ」


うはっ!澪先輩いろっぽいっ!!!効き目継続中ですか!!!!

私の肩に右手を置きながら肩で息をするムギ先輩に律先輩と澪先輩は声をかけるけど、
私と同様、「どういうこと?」というような顔をしている。
きっとムギ先輩も私と同様、もっときまづいような雰囲気を想像していたに違いない。

しかし、現実はまったく違い、澪先輩も律先輩も少しとまどい気味、なおかつ澪先輩は少しあえぎ気味だけど、
普段とさしては変わらないような対応を私たちにかえした。


私とムギ先輩の頭の上にでっかいはてなマークが浮かんでいるころ

「も〜〜〜〜!!!!2人ともバックわすれてるよ〜〜〜〜!!!!」

そういいながら、唯が3人分の通学バックをすんごく必死に持って現れた。


あ、バックのことすっかり忘れてた、と思うやいなや
私の身体はいつものように優しい体温に包まれる。
少し、汗がひいた身体にはその体温が心地よいよ、唯

って、まどろんでる場合じゃなかった。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 23:16:12.14 ID:fEp2Uk9j0
「よ〜っす、唯!!」

「あ、りっちゃん!よ〜〜っす!」

私のことは抱きしめたまま唯が返す。

「唯も今日は遅かったな?どうしたんだ?」

「ちょっと用事があってね〜〜なはは〜〜」テヘペロ

「で、っも、なんで唯は3つもバック持って・・・んだ?ハァ」

「あ、これはね、あずにゃんのとムギちゃんのと私のだよ〜〜〜」

「いや、だから、なんで唯が3人分のバックもってるのかって聞いてるんだけど」

見当違いの返答に律先輩がちょっと笑いながらたずねる。

「あ、これ?ちょっと3人で用事を先生に頼まれてたから」

「3人で?めずらしいな」

「うん。さわちゃんにちょっとね」

「そうっっっっつ!!!!!!なのか・・・・・ハァ」

唯のとっさのアドリブに、私はおどろいた。
でも、それは私だけじゃなくて、ムギ先輩もだったみたいだ。

「あの媚薬・・・結構効き目すごいのに・・・澪ちゃん、堪えるなんて・・・すごい・・・」ムギュン

あぁ・・・そっちですか・・・・ごめんなさい。驚いてること全然違ってた。
それでも、私と唯先輩の横で床にヘタリこむムギ先輩の頭の上に私はさきほど同様にはてなマークを見た気がした。

「唯もきたし、ムギ、お茶いれてくれよ」

「あ、う、うん・・・・」

律先輩に頼まれてようやくムギ先輩は息を整えながらたちあがってお茶の用意をし始めた。

「りつぅうううん!!!!なに言ってんだよ。みんなやっとそろったんだかぁら先に練習す・・・・るぞ!!!!ハァ」

「え〜〜〜!?いいじゃんいいじゃん。私ちょっとおなかすいちゃったし、
今日は誰かさんのせいでなんだか疲れちゃったからお茶飲んでのんびりした〜〜いな、ね?み お しゃん♪」

「んな!?///ハァ」

律先輩がからかって、というか、この場合ではむしろ澪先輩のフォローなのだろうけど
いつものように澪先輩をからかい、澪先輩が赤面する。
いや、赤面したのは全然、律先輩がからかったせいだけじゃないだろうけど。
りつぅうううん!!!!って!!!!澪先輩、もういいから休め!!!
私も、唯にあずさぁあああああああぁあああああああああああってあんな色っぽい声で言われたい!!!!
てか・・・・やっぱ、なにか、あったんだよね・・・?

そんな2人の様子を見ている私の耳元でボソッとつぶやいた。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 23:21:51.17 ID:fEp2Uk9j0
「あずにゃんとムギちゃんが走ってっちゃった後にね『今から部室行くね』って」

そうだったのか・・・・。
きっと、澪先輩と律先輩はそのメールを読んで慌てふためきながら
いろいろ、整えたんだな・・・・。
澪先輩はほんと、ドンマイな仕上がりだけど。
でも、だから、私がここにきたときは、少し戸惑いながらもいつも通りを装うことができたわけか・・・。


「そうだったんですか・・・」

メールか。それはちょっと思いつかなかった。

「うん」

そういって、唯は私を抱きしめる腕に力を入れた。

少し、苦しい。

「だって、いやじゃん。なんだか2人の素直な気持ちを踏みにじってる感じで」

「そうですね・・・・・」

興味本位で見てしまってた私にはちょっといたい言葉だ。

「どんなに仲良しでもさ、人にはきっと知られたくない場面とかあるだろうし。
『その人とだけ』って場面ってあるでしょ?もちろん、私とあずにゃんにもさ」

「・・・・はい」

「そういうの、もちろん見たい気持ち、私にも確かにあるんだけどさ、でもやっぱ・・・・」

そういいかけて、唯は私の顔をしっかりと覗き込む。

自分の顔が、唯の目に映ってるのがわかる。


「うん。自分に置き換えたとき、私はあずにゃんとのそういうの、誰にもみられたくないもん。
見られたとしても、あずにゃんにだけ見ててほしい。あずにゃんにだけ、覚えててほしい」

そういい終わると、不意にやさしく微笑みかけられる。

その顔にドキッとする。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/01(金) 23:27:12.89 ID:l3VNXViFo
このムギはクズだな
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 23:28:36.46 ID:fEp2Uk9j0
この人は、と私は思う。
いつもは私の方がしっかりしているのに。
この人は、たまに私が思っている以上に人にあったかくて
私が思っている以上に大切なこと忘れていなくて。
だから、私が思っている以上に、私はこの人が大好きだ。

「だから、もうこんなことしちゃダメだよ?」

そういいながら、唯は私の頭を優しくなでる。

「はい・・・・」

私も悪かったな・・・。ちょっと反省する。
でも、なでられながら私は思う。







一番悪いの、ムギ先輩じゃね?と。




2人とも、お茶が入ったわよ、という声で
何事もなかったかのようにふりむくムギ先輩。
彼女の辞書に「悪気」という言葉はあるのだろうか。
あと、今度媚薬ください。

うっは〜〜、といいながら私をほっぽって立ち上がる唯先輩。
さっきお菓子たくさん食べたじゃないですか。
てか、お菓子>私 ですか。
やっぱ、ムギ先輩、今度媚薬ください。

さっさとお菓子をほおばる律先輩。
さっきはごちそうさまです。

その様子にあきれながらもやさしく微笑む澪先輩。
媚薬の効果は切れましたか?

「こら、そんなに1人でほおばるんじゃない、りつぅううん・・・ハァ」

あ、まだ切れてないですね。残念。

位置は把握してるからこの後カメラ撤去しなきゃ、
そのカメラのことでムギ先輩を揺さぶって、やっぱ媚薬もらおう。
そう思いながら、私もまたお茶をご馳走になることにした。



64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/01(金) 23:33:42.18 ID:w4ggNfXDO
……え?
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 23:56:03.71 ID:fEp2Uk9j0
意外と短かったし、まとまってないし、汚いし・・・
せっかく落とされないようにss速報で書いたんだけどもったいね

もう1つ投下する
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/01(金) 23:58:47.26 ID:fEp2Uk9j0
梓「はい、これ今日の分」純「はいよー」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:00:44.07 ID:5DBrwr8x0
純「さんきゅーきりのー」

梓「きりの言うなや」ポカッ

純「あて」

純「今日渡してくるってことは昨日はちゃんと練習できたんだね!」スリスリ


梓「うん、まぁ、最初はちょっとだらけたけどね…」フッ

純「けいおん部は相変わらずっすなぁ〜」

梓「ほっとけ」

純「これで何曲目だっけ?」

梓「えぇっと…ごはん、ホッチキス、ぴゅあぴゅあ、ふわふわ、…ふでぺん……U&I…あとは…」

純「カレーか」

梓「あぁ、そうだカレーだ」

純「てことは、これで8曲目かぁ」ホゥ

梓「…今のところどれがいい?」

純「今のところ…うーん、やっぱ、ふわふわ、かな。あと、ぴゅあぴゅあもいいね」

梓「そっかぁ」

純「ちなみにぴゅあぴゅあするならボーカルは梓だからー」

梓「あ、ぴゅあぴゅあ却下で」

純「却下はやっ」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:01:25.21 ID:5DBrwr8x0
純「さんきゅーきりのー」

梓「きりの言うなや」ポカッ

純「あて」

純「今日渡してくるってことは昨日はちゃんと練習できたんだね!」スリスリ


梓「うん、まぁ、最初はちょっとだらけたけどね…」フッ

純「けいおん部は相変わらずっすなぁ〜」

梓「ほっとけ」

純「これで何曲目だっけ?」

梓「えぇっと…ごはん、ホッチキス、ぴゅあぴゅあ、ふわふわ、…ふでぺん……U&I…あとは…」

純「カレーか」

梓「あぁ、そうだカレーだ」

純「てことは、これで8曲目かぁ」ホゥ

梓「…今のところどれがいい?」

純「今のところ…うーん、やっぱ、ふわふわ、かな。あと、ぴゅあぴゅあもいいね」

梓「そっかぁ」

純「ちなみにぴゅあぴゅあするならボーカルは梓だからー」

梓「あ、ぴゅあぴゅあ却下で」

純「却下はやっ」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:02:02.59 ID:5DBrwr8x0
梓「あ、あと今回から新曲だから」

純「新曲!?さすがに新曲は無理があると鈴木さんはそう思いまーす」シュビシッ

梓「まぁ、一応候補ってことで…」

純「えぇ…まじか…歌詞カード、てか楽譜ってないの?」

梓「私のパートのなら今あるけど…」ガサゴソ

純「あ、それでいいからかしといて」

梓「まぁ、耳でさらったり、コード進行の確認とかもちょっとはしてみて、はい」スッ

純「ありゃりゃーす」

梓「あ、楽譜汚さないでね」

純「うわっ、そんなこと言われたら私、汚しそうだわ」

梓「おいおい…」

純「冗談冗談っ!じゃあ、また感想はメールするわ」

梓「うん、わかった」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:02:57.95 ID:5DBrwr8x0
=鈴木宅=

純「新曲かぁ…」ガクフトリダシ

楽譜「汚すなよ?」

純「ん?なんだ、このラクガキの多さは・・・なんか文字隅っこに書いてあるし」


あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!!


純「・・・あずさ・・・・・・これ自分で書いたわけじゃないよね・・・・?」

純「見なかったことにしよう!えーーっと、なになに?曲名は…」

純「…ほ、ほぬぇ……すっ、す、うぇ、すっうぃ、すぅおうぇ………」

純「なんて読むの!?」ガビーン

純「ほっ、はっ、はぬっ、はぬにぃー、すっうぇっ…と…!!!!!!」

純「おぉっ!!はにーすうぇっと、てぃーたいむかぁ!!!!」ウンウン

純「…どういう意味?」

純「はにーは、あれか!だーりんとかはにーのはにーかな」ウンウン

純「で…うっえと…は、たしか…゙汗"だっけ?」

純「はにーの汗のてぃーたいむ…?」

純「どゆことよ?…えっ…これ……だーりんどこ行ったよ?」

純「うーん」

純「あッ!!」ピーン

純「はにーって、あのはにーじゃなくて・・・甘いって意味っぽい意味のハニーかも!!」ナルホドナルホド

純「てことは…」

純「甘い汗のてぃーたいむ…」

純「……」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:03:44.24 ID:5DBrwr8x0
純「まってまって、なんかあった、なんかあったよ!?…甘い汗、あせ、アセ…」

純「あぁっ!?ポカリスウェット!!!!」

純「そうだよっ!!これ、ポカリスウェットの歌だ、きっと!!!」

純「律先輩よくポカリ飲んでそうだし、ごはんの歌があるんだからポカリの歌があってもおかしくないよ!!!ホントおかしくない!!!」

純「やっべー、私、解読できちゃったよ、天才じゃん〜♪」

純「よし!私の脳フル回転中なことだし、さっそく聴いてみよう!!!」ガサゴソ

純「梓から押しつけられた澪フォンそうちゃっく!」スチャ

純「あ、ボーカルは澪先輩かな?……でも、ポカリの歌だし、唯先輩とか?」


再生ボタン「押すなら押しなさいよ、さあっ!」ポチッ

♪〜

純「お……ギターかっけー、さっすが梓やでー」

純「……そろそろ歌くるか…?澪先輩、唯先輩…どっちだ〜♪」ざわ…

純「……えっ……」ざわざわ…

純「…え、え?え!?…」

純「だ、だれ!?これだれ…!?」

純「…っえ?ボカロ…!?なんかすんごいムキシツな…」

純「え…まっ、まって!!もう1回最初から聴こう、うん、おちつけ、おちつくんだ私!!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:04:38.94 ID:5DBrwr8x0
2回目


純「イントロ…よし、歌くる…」

純「…え………まじで誰だよ?」

マッカッロッンッ♪〜

純「んァァあ!!?」ビクッ

純「ちょっとまて、この声きいたこと…ある…かも…」

純「……えっと……あれだあれ、なんか……きいろいイメージが……こう、酸っぱいイメージがくるよ…」


サビ


純「」

純「むぎゅぅぅぅぅううううううううううううううう」

純「うわ!!うっっわ!!ぜんっぜんっっわかんなかったぁっっっっあ!!!」

純「これ、ムギ先輩だ…ムギ先輩だよ、これっ!!!」ウワワワワワ

純「へぇ・・・びっくりしたけど、ムギ先輩歌うまいなぁ・・・」

純「あ、この間奏すきかも」

純「てか、いつポカリでてくるんだろう・・・ココアは出てきたけど・・・・もう2番入った・・・」

純「・・・・ふん・・・ふん・・えっ・・・・」楽譜ジッ

純「・・・・あーびっくりした『ガレット駐車場』が『彼と駐車場』に聴こえた」

純「しかも、さっきの『ココア』も『午後は』だったのか・・・」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:05:19.26 ID:5DBrwr8x0
35回目

純「・・・・ふん・・・ふん・・えっ・・・・」

純「ちょ!?今の合いの手のとこもっかい!!!」

〜ハーニスイトティータイム〜

純「うわあああああああああああああああああああああああああああああ」

純「宇和あああああああああああああああああああああああああああああ」

純「くぁswwでrfgthゆきおp@;p;」

純「こぉれぇっっ!!!!」

純「っぜんっぜんポカリスウェットじゃねーし!!!!」

純「ハニースウィートティータイムって言ってるよ!!!!」

純「はずい!私の脳みそはずい!!!はずい!!やばい!!!はずい!!!!」

純「てか、早く気づこう?早く気づこうよ!!私!!!もう何回聴いたよ!?この曲!!!!」

純「なにが甘い汗のてぃーたいむだよ!?あ〜っもぉ!!!1時間前ぐらいの私滅びろ!!滅びれろ!!バロス!!!」ジタバタジタバタ



純「はぁ・・・」グッタリ

純「一人でさわぎつかれたわ・・・メールしよっ・・・」カチカチ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:06:02.30 ID:5DBrwr8x0
=中野宅=

ケータイ「あいつは・・・ラララ」

梓「あ、純だ」ポチポチ


From 純
sub あずにゃんにゃん!あずにゃんにゃん!!

ポカリが飲めなくなった


梓「」

梓「しまった・・・・唯先輩のラクガキ消し忘れてた・・・」ガックシ

梓「最悪だわ・・・くそ・・・純のやつめぇ・・・・」

梓「でも、ポカリが飲めなくなったってなんだ?」

梓「曲の感想ないし・・・」

梓「・・・・」ポチポチポチ


=鈴木宅=

ケータイ「だっけっどっ〜1人じゃ〜いられないぃぃ♪」

純「お、梓か・・・」カチカチ

From あwずwにゃんwww
sub 憂にいいつけるよ?

ポカリとか関係ないから曲の感想教えてよ


純「何を憂にいいつけるんだ・・・?」

純「ポカリは関係あるんだなぁ〜これが!」クスクス

純「まぁ、いいや、寝よっ!!」パタン
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:10:08.36 ID:5DBrwr8x0
梓「はい、これ今回の分」純「ほいさー」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:10:52.22 ID:5DBrwr8x0
純「さんきゅーきりのー」

梓「だから、きりの言うなや」ポカッ

純「あて」

純「でも、梓よりも桐乃の方があってるよね?」スリスリ

梓「なんの話?」

純「なかの話」

梓「?」

純「まーまー、中野のはなし〜なんちゃって〜〜」テヘッ

梓「まぁ、・・・いいか」ガサゴソ

純「スルーだけはやめないか?な?な?この『ぺろ』的な手の位置をこの後どうしたらいい?」

梓「はいこれ」かみっぺら

純「お!・・・・お?」

純「これはなんですか?」ワッツ?

梓「聞く前にちゃんと見ようよ・・・」ユビサシ

純「・・・歌詞?」

純「・・・きれいな字だね。みたことない字だなぁ」

梓「これ、今回の曲の歌詞。澪先輩に頼んだらくれたから」

純「・・・み、みみみみおせんぱぁああいぃの直筆!?」パネェ

梓「みたいだね。忙しそうだったからコピーでいいって言ったんだけど・・・新しく書いてくれたみたい」

純「なんて優しいんだよ・・・優しすぎるだろうよ・・・」ウッ

梓「ほんとにね。こんな純ごときに」

純「うん、今、梓に純ブラスターツイストをおみまいしようなんていう腐った感情なんて一瞬にして浄化してしまうくらいに澪先輩への感謝の気持ちが溢れてるけど後でおぼえとけよ?」

梓「はいはい、わかったから」シッ、シッ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:11:47.12 ID:5DBrwr8x0
純「さて、さっそく歌詞を澪先輩の字で拝もうとしましょうか!!」

梓「・・・・・」

純「なになに〜〜ふむ・・・ふむ・・・・」

純「・・・・・」ムズッ

純「・・・・あずさ・・・・この歌詞ってさ・・・・」

梓「歌詞自体は、1学期ぐらいにできてたんだよね」

純「・・・・どうりで見覚えが・・・・澪ワールドのリミッター解除ですか・・・」ムズッムズッ

梓「今回、この曲の完成が遅れたのはムギ先輩がこの歌詞にあった曲をなかなか作れなくって・・・」

純「逆にこれにメロディーつけるってそうとう難しいと思うんだけど・・・」

梓「でも、それをムギ先輩はやってのけちゃったんだよね」

純「おぉ!ムギ先輩は本当にすごいなぁ〜〜」

梓「うん。正直、これはムギ先輩の功績としかいえないかもしれないような曲だよ」

梓「自信作の9曲目、入りのベースもかっこよくできてるよ」

純「OK!心して聴く!!感想はまたメールで!!!」

梓「うん、わかった。あ、聴き終わったら憂にまわしといて」

純「はーい」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:12:26.02 ID:5DBrwr8x0
=鈴木宅=

純「梓が『そんな990円のイヤホンで音楽なんてきかないで、HTTの曲きくならこれかすから』って言って私のお気に入りの990円イヤホンをののしったあげくに押し付けてきた澪フォンそーちゃぁ〜っく!」スチャ

純「でも、実際聞き比べると重低音の音の聞こえが全然違うくてグゥの音もでないんですけどね!」グヘヘ

純「さてと」カシトリダシ

純「・・・それにしても字、きれいだなぁ〜〜」

純「ボールペン習字でも始めてみようかな」ムムム

純「いや、3日でどうせあきるだろうな、そして梓にあきれられる未来が手に取るようにみえるよ」


再生ボタン「問題なのは結果じゃなくて、その過程だと思うのよ」ポチッ


♪〜


純「おほほ〜〜〜!!!このベースはかっこいい!!!どれ!!!もう1回!!!!」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:13:48.38 ID:5DBrwr8x0
2回目

純「やっべーーー!!!!もっかい!!」ピャーー


・・
・・・

純「おおぅ!!??最初のベース聞いてるだけで10分経ってるよ!!曲1回も通して聴いてない!」ガビーン

純「いかんいかん!!あまりの見たままの歌詞の甘さに聴く前から私の本能が澪ワールドからの避難勧告っ!!」

純「でも、ベースしかり、イントロ聴くだけでもけっこう以外とそうとうかっこいい曲だよね?」

純「これにこの歌詞がつくのか・・・」カサッ

歌詞「ぜひともその髪をチョコレートまみれにしてみたいものですなっ!」

純「わ・・・・ざ・・・よめね」

純「ムギ先輩・・・私はあなたの作曲の才能と梓の、あの梓の、あ の あ ず さ の『自信作』って言葉を信じてみますっ!!!」

右手・・・スッ

純「私のこの曲に対するくだらない先入観を」

純「ぶ ち こ わ る」カッ

再生ボタン「いいところで噛まないのっ!」ポチッ

♪〜

純「ひてて・・・噛んじゃった・・・一人で居るときのボケはつらいものがあるね・・・」

純「お・・・歌・・・はじま・・・った・・・」

純「・・・・」

純「・・・・」

純「・・・・わざんぼんって読むのか・・・」

純「・・・・」

純「これは・・・やばいわ・・・」

純「なんというか・・・・うん・・・・・」

純「・・・・・・・・・」

サビ

純「澪先輩かわぇええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

純「い、いじらいしいっ!!いじらしいよっ!!」

純「なんかもう。。。あぁ〜〜〜キュンキュンするよ!!!キュンキュンする!!!」

純「そいでもって頭と腕がむずむずする!!!かゆいかゆい!!!」ガシガシガシガシ

純「しかも、サビの歌詞なんかエロイな・・・これ、澪先輩、わざとなのかな?」カミボサッ

純「いや、あの先輩のことだ・・・これ、素で書いたんだろうなぁ〜〜」

純「ってことは、この歌詞を『エロイ』と思ってしまう自分の脳みそのほうがやばいってことなのかなぁ・・・」

純「いや、でも・・・これは・・・・ムギ先輩・・・律先輩あたり意味わかってそうだけど・・・唯先輩・・・は、まぁ、いいか」

純「味見したくなったらいってとか・・・言っても味見とかさせてくれないくせに」

純「むしろムギ先輩とか、知っててあえてこの歌詞のままにしてるような意思を感じ取れるような・・・」

純「そう考えると、ムギ先輩がすんごいこの曲の作曲をがんばったの、すんごいうなずけちゃうな、わたし」ウンウン
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:14:42.52 ID:5DBrwr8x0
純「2番は・・・ちょっと・・・歌詞の意味がわかりませんな・・・」

純「マヌカハニーってなんだろう・・・」

純「・・・・あ、はにー・・・・」

純「今、つい最近の黒歴史が頭をよぎったけどそのまま通り過ぎたことにしよう」

純「今のとこ声かけるよていはないのかー」

純「澪先輩の歌詞ってたまにストーカーっぽいなぁ・・・大丈夫かなぁ・・・・」

純「今夜もシアワセだって」クハァ!!!

純「聴いてるこっちの耳がシアワセだっつーーの!!!」ジタバタジタバタ


トッダッナッノオックノ〜

純「」

純「はぁ〜〜〜もうやばいやばいやばい」

純「生きてることを後悔しそうなくらいかわいい・・・」

純「澪ワールドを殺さずにこんなに生かすなんて・・・・ちょっと本当にこの曲はムギ先輩乙!としかいいようがないな」

純「この曲として聴けば、というかもうこの歌詞のためのこのメロディーとしか考えられないな、これは」ウンウン

純「ベースラインもかっこいいし・・・するならこの曲したいなぁ・・・」

純「でも、私こんな甘ったるい歌詞歌えないし、梓も歌わないだろうから」

純「この曲するとしたら、ボーカルは憂かな・・・」イメージイメージ

憂『ほっぺがオチルヨ〜♪』

純「あ、余裕でかわいいわ」

純「これはもうはなぢもんだね!!誰も文句言わないでしょ!!はい、決定決定」

純「よし・・・えっと・・・メモ紙・・・メモ紙・・・」

純「ねぇな・・・」

純「しかたない・・・歌詞の紙の下にちっさくうすーーーく、書いておくか」

純「ういへ、この曲を・・・するなら・・・ボーカルはういで!!」カキカキ

純「よし!!おk!!よく、目をこらさないとこれはさすがの憂でも見えないだろう!!!」

純「さて、あとは梓にめるめる」カチカチ
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 00:16:17.15 ID:5DBrwr8x0
=中野宅=

ケータイ「純ジュワ〜〜」

梓「ん?今日ははやいな・・・ダメだったかな?」ポチポチ


From 純
sub けいおん部の澪先輩がこんなにかわいいわけがない!

ムギ先輩ってもうプロでいいと思うてかプロ
ほっぺってか、むしろ目からうろこが落ちた気分だよ!!!
この曲するならボーカルは憂以外認めん!

梓「・・・歌詞が甘いってことかな?てか、気に入ったってことでいいんだよね?これは・・・」

梓「ムギ先輩のすごさはたしかにプロなのはうなずける」

梓「・・・憂がこの曲を歌う・・・いいかもしんない・・・」

梓「たまに純はいいこというなぁ」ポチポチ


=鈴木宅=


ケータイ「は〜〜〜ぴぃにゅうにゃぁ〜〜♪」

純「お、きたきた」カチカチ


From あwずwにゃんwww
sub もぐよ?
憂への説得はまかせたよ
私は憂に勝てる気がまるでしない
言いだしっぺは純ってことで


純「なにこれこわい」

純「梓は一体なんの話をしているんだろう・・・」

純「え?憂ってなにかあるの・・・・?てか、もぐよ?って・・・なにをもぐ気なの・・・?」

純「まぁ、いいや、深く考えないで今日はもう、ねちゃおう!!寝てしまおう!!!」

純「・・・・・」

純「こわいから、曲ききながら耳がシアワセのままに寝よう」



というわけで、寝よう。おやすみなさい。
見ててくれた人、いたらありがとう。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県) [sage]:2011/04/02(土) 06:51:38.44 ID:eij8cfyZ0
おもしろい
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/02(土) 11:17:14.27 ID:5DBrwr8x0
>>82 ありがとう 
純が好きなときに書いた話なんだけど、まだ続きあるから
いつか別にスレたてすることにするよ
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/02(土) 14:33:32.67 ID:eKn2/11DO
>>83
いやここで書けよ
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