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紬「超特急ヴェガ?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:45:51.73 ID:RC6p1yPRo

カラン カラ〜ン♪ カランカラ〜ン♪ 

「大当たり〜!」

梅雨が明け、夏の模様を映し始めた商店街

その福引場で店員の声と鐘の音が鳴り響く

「わぁ・・・」

嬉しそうに少女が微笑む

店員「おめでとうお嬢さん! 特賞の超特急ヴェガの乗車券だぁ〜!」

「超特急ヴェガ?」

店員「そうです! 超豪華特急列車ヴェガです!」

「・・・」

店員「?」

「私、三等が欲しいのですけれど、交換できませんか・・・?」

店員「えぇっ!? 『人生踏んだり蹴ったりゲーム』の方がいいと言うんですかっ!?」

「私、友達みんなとテレビゲームするのが夢なんです〜」

とニコニコ顔の少女。その天真爛漫な笑顔に店員も一瞬だけ和んでしまう
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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715300281/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715263679/

今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715262444/

誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715258363/

A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715180413/

真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/

愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:48:20.30 ID:RC6p1yPRo

店員「いや、いやいやいや! いいですかお嬢さん? 今や話題沸騰中のこの乗車券。
   稚内から鹿児島の最終駅まで日本を縦断する夢のような列車の乗車券なんですよ?!」

「・・・」チラッ

困り顔で三等を見つめる少女

店員「・・・分かった!じゃあこうしよう。今の今まで一枚とも出なかったこの乗車券
   五枚全部君に差し上げよう! これなら友達と行けるでしょ?」

「まぁ、よろしいんですか?」

少女に笑顔が戻る

店員「でもこれ申し込み期限が明後日までだから注意してね」

「はい!ありがとうございますっ!」ペコリ

店員「いい旅を!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:49:01.24 ID:RC6p1yPRo
「お〜い!むぎ〜!」

紬「あっ、りっちゃん!」

律「な〜にしてたんだ? なんか嬉しそうだけど?」

紬「みてみてこれ! 福引で当たっちゃった〜♪」

律「ん〜? なになに・・・超特急ヴェガ!!? マジでっ!?」

紬「うふふ」

律「おぉ〜 いいなぁ〜」

紬「それでね、五枚あるからみんなで行こうと思って!」

律「・・・?」

紬「放課後ティータイムのみんなでヴェガに乗ろう!」フンス!

律「・・・ッ」ダキッ

紬「り、りっちゃん!」

律「むぎ・・・愛してる」

「な、なにしてるんですか!?二人とも!?」

「あ〜私も私も〜」ダキッ

「ちょっ唯先輩まで! 注目集めてますから! ここ離れますよ!」グイグイ

唯「お〜」ジタバタ
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:50:07.09 ID:RC6p1yPRo

律「いやぁ〜わりぃわりぃ・・・つい、ね?」

紬「うふふ」

唯「もぉ〜、あずにゃん!」プンス

梓「なんでそこで怒るんですか、意味不明です。 それはそうとあそこで何を?」

律「聞いて驚け〜! むぎの強運により、私たち放課後ティータイムがヴェガに乗車する事になった!」

唯「おぉ〜!」

梓「えぇ! あの商店街の福引ですか!? あ、でも一枚のハズじゃ・・・?」

紬「あら、あずさちゃんよく知ってるのね」

梓「うっ(10回引いたけど三等以外はティッシュだったのは黙っていよう・・・)」

紬「店員さんがおまけしてくれたの〜」ニコニコ

律「それは強運とよんでいいのだろうか・・・」

唯「澪ちゃんには教えてあげたの〜?」

紬「明日部室でみんなに教えてあげようと思っていたの。りっちゃん、澪ちゃんに伝えておいてくれる?」

律「いやいや〜、こういうのは本人から伝えるべきだと思うぜ?」

唯「うんうん!」

梓「そうですね」

紬「そうね、分かったわ!」

唯「今電話したらどうかな?」

紬「かけてみる!」ピッピッピッポ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:50:43.31 ID:RC6p1yPRo
trrrrrr

『もしもし、むぎ?』

紬「あ、澪ちゃん? あのね・・・」

律「澪は帰って勉強するって言ってたからなぁ」

唯「受験生だもんね!」

梓「唯先輩もですよ・・・」

紬「・・・と、言う訳なの〜。一緒に乗ろう?」

バタンバタンッ ツーツー

紬「切れちゃった・・・」ションボリ

律「ったく、な〜にやってんだか」ピッピッピッポ

trrrrrrrr

澪『は、はい・・・』イテテ

律「びっくりして椅子から転げ落ちただろ〜」ニヤニヤ

澪『お、落ちてない!』

唯「お〜 さすがりっちゃん!」

梓「伊達に幼なじみしてませんね・・・。あ、律先輩、申し込み明後日までだと伝えてください」

律「おっけ。 でさぁ〜、申し込みが明後日までなんだよ〜・・・。うん・・・。
  そうだな。じゃあ明日みんなで話し合うか。うん・・・じゃあ明日な」プツッ

唯「そうだね〜それじゃあ、明日部室で確認しよう!」

梓「はい、そうですね!」キラキラ

紬「みんなと旅行できるなんて夢見たい」パアア

律「よ〜し、それじゃあ各自情報収集のち、スケジュール確認を怠らない事!」

紬唯梓「「「 了解! 」」」ビシッ

律「よし、解 散 ッ!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:51:09.28 ID:RC6p1yPRo

―――琴吹低

コンコン

「お嬢様よろしいでしょうか」

紬「どうぞ」

ガチャ

斉藤「お勉強の最中に失礼します」

紬「ひと段落付いたところだから平気よ、何かしら?」

斉藤「緊急の事ですのでよくお聞きください・・・。先ほど旦那様が・・・」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:51:51.05 ID:RC6p1yPRo

律「ぎっくりごしぃ!?」

紬「・・・そうなの、だから今年のフィンランドは延期になってしまって・・・」ションボリ

澪「ぎっくり腰はかなり辛いらしい・・・お大事にな」

紬「うん。ありがとう・・・」ションボリ

バンッ

唯「さぁ、今日も一生懸命駄弁るぞー!」

梓「もっとやる気を出してください!こんにちは、先輩方・・・どうしたんですか?」

唯「おや、空気が重たいね」

紬「ううん。なんでもないのよ」ニコ

澪「まぁ、私らが心配してもどうしようもないからな」

律「そだな。よーし、これより超豪華特別急行列車ヴェガ会議を始めるっ!」

唯「まってました!」

紬「おー!」

梓「はい!」キラキラ

澪「練習にもこれぐらいの気合を」

律「それでは、まずヴェガについてだがー」

梓「はい! それについては私から説明します」ズバッ

唯「おー、いつになく熱心だねあずにゃん」

律「おし、任せたぞ!」

紬「がんばってー」

梓「コホン。 8月1日から8月15日をかけて夢の超特急ヴェガは日本を縦断していきます。
  稚内を出発後、順に札幌 青森 仙台 東京 松本 金沢 名古屋 京都 大阪 広島 博多
  と各都市を24時間停車。最終日には鹿児島の駅に到着します」

澪「ふむふむ」

梓「ヴェガの概要ですが、動力車を先頭に寝台車・シャワー室のある売店車・客車1号車・2号車・3号車・4号車・食堂車・娯楽車・
  と続き、最後尾・展望車となります。」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:52:33.77 ID:RC6p1yPRo

律(すげぇ、カンペも使わずに)

梓「観光地への足だけではなく旅の宿となる寝台車、いつでも使えるシャワー室があるのは有難いですね」

唯「はい!質問です」

梓「どうぞ」

唯「おやつは幾らまで持っていけるのですかっ」

梓「好きにしてください。あと、各都市の中間地点の駅にて30分の休憩停車駅があるそうです」

唯「」グスン

紬「紅茶をどうぞ」スッ

唯「ありがとー♪」ズズーッ

梓「以上です」

澪「すごい、よくここまで調べたな」

梓「せ、せっかくの乗車ですからね。調べすぎって事はないと思います」

律「じゃあ話進めるぞー、みんな何日目から乗るのか発表してくれー」

紬梓「「 えっ? 」」

澪「ん?」

律「いや、どの都市からヴェガに乗り込むのかをだな」

紬「稚内からじゃないの?」アセアセ

梓「はい、私もそう思ってました」

唯「私は稚内からは乗れないよ〜。だって親戚との行事があるもん」

律「唯のように各自予定があるだろうから、途中から乗り込むものだと思ってたんだけど・・・」

梓「はい、私は東京で一度降りて、京都からまた乗ろうかと・・・」

紬「えっ! 降りちゃうの?」

梓「は、はい・・・。一応予定が入ってまして・・・」スイマセン

律「てか、一度降りてまた乗る事なんてできるのか?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:53:26.77 ID:RC6p1yPRo

梓「はいっ、ちゃんと確認の問い合わせしました」キリ

律「そ、そっか」

唯「私は、青森から乗って大阪まで行きます!」フンス!

紬「唯ちゃん大阪で降りちゃうの?」

唯「うん〜、憂と相談したらこの日に降りないとその次の日の予定に間に合わなくなるかもって・・・」テヘ

律「あー、むぎには悪いんだが、私は仙台から広島までなんだ」

紬「・・・」チラッ

澪「ご、ごめん、私も仙台から大阪までで降りちゃうんだ・・・」

紬「・・・」ションボリ

律「つか、毎年予定ギッシリのむぎが珍し」フガッ

澪「ば、ばかっ お父さんの事があるから追及はするなよっ」ヒソヒソ

律「あ、あぁそうだった・・・ごめんごめん」ヒソヒソ

唯「という事は、むぎちゃんは日本縦断達成できるんだね!」

梓「羨ましいですっ」キラキラ

紬「うん。私頑張ってみるっ」フンス!

律「んー。まぁ、こんなもんかなぁ」

澪「そうだな。まだあと一ヶ月くらいあるから、準備はまだ間に合う」

唯「たっのしみ〜♪ たっのしみ〜♪」

梓「はい!楽しみです!」ウキウキ

律「なんか、梓が一番喜んでいるように見えるんだが・・・気のせいか?」

澪「会議が終わったなら練しゅ」

唯「ちょいとむぎちゃんや、紅茶のおかわりをいただけないかね」エヘン

紬「は〜い、みんなの分もいれるね〜」シャランラ

澪「・・・」

梓「いつもの流れに戻っちゃいましたね」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:53:58.38 ID:RC6p1yPRo

――――・・・



               8月1日


日本最北端の駅に一つの列車が佇む

先頭車両を覆いつくす人々。関係者によるセレモニーが開催されていた


「あずさちゃ〜ん」

梓「むぎ先輩!・・・よかった」ホッ

紬「ごめんね〜、ちょっと遅れちゃった」

梓「いえ、まだ発車するには余裕ありますよ。大丈夫です」

紬「それにしてもすごい人ねぇ」

梓「はい。それだけ注目されていますからね」

紬「あっ、そうだ。あずさちゃん」ガサゴソ

梓「どうしたんですか?」

紬「記念撮影をしましょう」

梓「それ、澪先輩のカメラですよね」

紬「澪ちゃんがね、『せっかく日本縦断するんなら、記録にでも撮ってみたらどうだ?』だって」

梓「それはいいですね!さすが澪先輩」

紬「それじゃあどうやって撮ろうかしら」

梓「!」ピコン

梓「むぎ先輩!こっちです」テッテッテ

紬「最後尾ね、さすがに人居ないから丁度いいわね」テクテク

梓「私撮りますよ」

紬「一緒に写らないの?」

梓「もう少しで発車ですし、なによりむぎ先輩の記録ですから」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:54:38.68 ID:RC6p1yPRo

紬「そう・・・? それじゃあお願いね」

梓「はい。 それじゃあ、ヴェガの顔と一緒にして・・・」カシャ

紬「ありがとう〜、あずさちゃん」

梓「いえいえ。それじゃあ乗車しましょうか」

紬「えぇ・・・そうね」ゴクリ

梓「・・・乗らないんですか?」

紬「あずさちゃんからどうぞ」

梓「いえいえ。先ずは先輩から」

「すいません。ちょっと通ります」ヒョイ

紬「あ、ごめんなさい」

梓「邪魔になるだけですから、二人同時に乗りましょうか・・・」

紬「・・・そうね」

梓「せーっの」

紬「よいしょ」

梓「・・・」ジーン

紬「・・・」

梓「ついに、超特急ヴェガに乗り込みましたね」ウルウル

紬「そうね〜・・・」

梓「私、乗車手続きしてきますけど、むぎ先輩はどうしますか?」

紬「一度部屋へ行ってからにするわ」

梓「分かりました。それでは後で」

紬「うん」

梓「・・・」テクテク

紬(なんだろう・・・乗った瞬間に胸がトクンって)

「お〜い、お〜い、ちょっと待ってー!」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:55:06.36 ID:RC6p1yPRo

紬「?」 

「お〜い、そこの美少女〜!」

prrrrrrrrrr

紬「あら?発車のベルだわ・・・あの人、もう間に合わないんじゃ」

「手ぇ伸ばして〜」タッタッタ

紬「え? 私!? こ、こうっ!?」

「掴んだら思いっきり引っ張って!」タッタッタ

紬「う、うん分かった!」

「よしっ」

ガシッ

紬「えいっ」

「とりゃー!」

ドサドサッ 

プシュー  

ガタン ゴトン ガタンゴトン

紬「あいたた」

「ふぅ、ふぅ、危ない危ないヤバかったー!」

紬「あ、あの・・・」

「いやぁ〜もう駄目かと思ったけどおかげで助かった! 凄い引きだったよ」アハハ

紬「その・・・どいてくれると助かるんですが」

「ん? あぁごめんねぇ〜 いつまでも押倒してて よいしょ」

紬「いえ、大丈夫です」

「そうだ、恩人さんの名前教えてよ! 私の名前は山口星奈、よろしく!」

紬「そんな、恩人だなんて・・・ 私は琴吹紬といいます。 こちらこそよろしくお願いします、山口さん」

星奈「ストップ!」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:55:33.04 ID:RC6p1yPRo

紬「!」ビクッ

星奈「私を呼ぶときは名前で!ちゃんもさんもつけちゃダメ!」

紬「はぁ・・・」

星奈「言ってみて!」

紬「せ、せいな・・・さん・・・」

星奈「ん〜、まぁいいか。それじゃあ私は部屋へ行くよ。助けてくれてありがとう。みかけたら声かけてね〜」フリフリ

紬「・・・」ポカーン

紬(圧倒されてしまったわ。凄く元気な人・・・。りっちゃん三人分ね)

紬「そうだわ、私も部屋に行かなきゃ」


14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:55:59.19 ID:RC6p1yPRo

―――――・・・

紬「よしっと、これで大体片付いたわね」

コンコン

紬「はぁーい。あずさちゃんかしら」

ガチャ

「失礼します。乗車証の確認をさせて頂きます。」

紬「は、はいどうぞ」

「ありがとうございました。
 私、当特急『ヴェガ』の車掌を務めさせていただきます。美弥 澪(れい)と申します
 ご用の際は、気軽にお申し付け下さい。では、良い旅をお楽しみ下さい」

紬「はい、ありがとうございます」

バタン

紬「あの人が車掌さんなのね・・・とっても綺麗な人」

コンコン

紬「あら?はぁーい」

ガチャ

梓「むぎ先輩、支度終わりましたか?」ヒョコ

紬「あら、あずさちゃん」

梓「終わったのなら早速列車を見て周りませんか!?」ウキウキ

紬「今終わった所よ、それじゃあ行きましょうか」

梓「はい!行くですっ」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:56:25.52 ID:RC6p1yPRo

紬「あずさちゃん、車掌さんに会った?」

梓「はい。乗車証の確認してもらいました。とってもスタイル良くて綺麗な人ですよね」

紬「えぇ。車掌が女性の方だとは思わなかったわ」

梓「そうだ、むぎ先輩はこの乗車証のマークの由来知ってますか?」

紬「知ってるわ。夏の大三角の一つ琴座からきてるのよね」

梓「そうです、さすがむぎ先輩。α星のヴェガからこのデザインになったそうです」

紬「素敵ね〜。私、このバッチ気に入っちゃった♪」

梓「それなら失くす事はなさそうですね。 これは乗車券の代わりのようなものですからね」

紬「ふふ、そうね。大事にしないと」ニコニコ

梓「では売店&シャワー室から行きましょう!」

紬「えぇ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:56:51.40 ID:RC6p1yPRo

「いらっしゃいませぇ〜」

梓「ちょっとお聞きしてよろしいでしょうか」

「はい。よろしいですよ〜」

梓「・・・。シャワー室の利用方法を教えて下さい」

「シャワー室ですね。こちらで利用券をお求め頂いてからのご使用となります
 夜の12時以降は使用できなくなるので気をつけてくださいね〜」

梓「そうですか、ありがとうございました」ペコリ

「いえいえ〜、困ったことがありましたらいつでもお気軽に声をかけてくださいね〜」

梓「ということだそうです。むぎ先輩」

「あ、そういえばお客さん?」

梓「は、はい?」

「いえ、なんでもないです〜」

梓「? なんだかぽわぽわした店員さんですね」

紬「うふふ。そうね〜」

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:57:17.41 ID:RC6p1yPRo


梓「次は客車ですね」

紬「わぁ〜、座り心地よさそうな座席が並んでるのね〜」

梓「ここは一号車なので座席の色が青になってます。
  車両毎に座席の色が違いますから自分が今どこにいるのか迷わないですね」

紬「えぇ。通行は一つだけど、これならどこに自分がどこに居るのかすぐ分かるわね」




梓「次は二号車」

紬「ここの座席は緑色なのね」

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:57:49.98 ID:RC6p1yPRo

紬「あ、星奈さん。今車内を探索しているんです」

星奈「ふーん、私は展望車見てきたとこ、すっごかったよ!」

梓「むぎ先輩・・・この人は・・・」クイクイ

紬「あ、紹介するわね。こちら先ほど知り合った山口星奈さん」

星奈「よろしくー」

紬「私と同じ学校に通う後輩のあずさちゃんです」

梓「ど、どうも、中野梓です・・・」ペコリ

星奈「くぅ〜 かわいいなぁ〜」

梓「!」ササッ

星奈「ちょっと〜 紬ちゃんの後ろに隠れなくたっていいじゃない〜」

梓「す、すいません。なんとなく身の危険を・・・」

星奈「あっはっは、それにしても後輩と旅をするなんて仲がいいんだね」

紬「えぇ。あずさちゃんとは部活仲間なの」

梓「は、はい。むぎ先輩と放課後に練習を・・・」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:58:18.96 ID:RC6p1yPRo

星奈「ん? むぎ・・・?」

紬「私、みんなからむぎって呼ばれてます」ニコ

星奈「そっか、じゃあ私もそう呼んでいいかな?」

紬「えぇ、どうぞ」ニコニコ

星奈「へへっ、サーンキュ♪ あ、私まだ車掌さんに乗車証みせてなかったや・・・」

紬「あらあら」クスクス

梓「・・・」

星奈「それじゃあね、むぎちゃん、梓ちゃん」フリフリ

紬「えぇ、それじゃ」フリフリ

梓「は、はい失礼します」

・・・

梓「な、なんか壮快な人ですね」

紬「私も最初圧倒されちゃった〜」

梓「なんていうか、唯先輩と律先輩を足して律先輩の成分を濃くしたような」

紬「まぁ、それは新しい表現ね」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:58:45.48 ID:RC6p1yPRo

梓「ここは三号車。座席は黄色になってますね」

紬「そうね〜」

星奈「よっ!紬ちゃん、なにしてんのー?」

梓「そして二階建ての四号車」

紬「ここの座席は赤なのね」

「あ、あのぉ」

紬「はい、私になにか・・・?」

「あの・・・車掌さんを・・・」

紬「はい、何ですか?」

「わ、私・・・桜井真美と申しますが」

紬「私は、琴吹紬と申します」

梓「中野梓です」

真美「よ、よろしくお願いします」ペコリ

紬「」ペコリ

梓「」ペコリ

真美「車掌さんをみかけませんでしたでしょうか」

紬「個室を回って乗車証を確認していましたよ」

真美「そうですか・・・ じゃあそっちを当たってみます。あ、ありがとうございました」ペコリ

スタスタ

梓「・・・。なんだかおとなしそうな人でしたね」

紬「えぇ・・・。スケッチブックを持っていたけど、絵を描くのかしら?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:59:13.81 ID:RC6p1yPRo

梓「客車を抜けると食堂車です」

紬「結構広いのね。ビックリしちゃった」

梓「本格的な厨房が備えられていて、一流のコックが調理しているそうです」

紬「まぁ、お食事が楽しみね」



梓「メダル用のゲームマシンやUFOキャッチャーが置いてある娯楽車です」

紬「わぁ・・・。りっちゃんと一緒にやったUFOキャッチャーがあるのね〜。もう一度取ってもらおうかしら」ルンルン

梓「スロットにポーカー、ブラックジャックまでありますよ。 色々あるんですね」




梓「最後尾の展望車です」

紬「ここはもう一つの顔の部分に当たるのね」

梓「そうです。先ほど撮影した部分になります」

紬「星奈さんがすごいと言った理由が分かったわね〜」

梓「はい。サロンのような空間です。テレビやピアノまでありますよ」

紬「天井と壁面がガラス張りで、のんびり景色を見て過ごすにはとてもいい所ね」

梓「観葉植物も備えてありますから、憩いの場って感じです」

紬「でも、夏の日差しがキツくないかしら?」

梓「紫外線カットの窓ガラスですし、空調も調整されていますから、苦にはならないようですよ」

紬「至れり尽くせりね」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 00:59:41.24 ID:RC6p1yPRo


「いらっしゃいませ、お食事ですか?」

紬「はい」

「それではこちらのお席へどうぞ」

梓「私は喉が渇いているので、オレンジジュースだけでいいです」

紬「あら、そうなの?私はカニ御膳を・・・」

「かしこまりました。少々おまちくださいませ」

梓「えっ? カニ御膳なんてメニューに・・・あった」

紬「私お昼まだだったの。北海道といったらカニよね」

梓「そ、そうですね・・・」




紬「結構ボリュームあったわね〜」

梓「よくカニを丸々一杯食べきりましたね」

紬「ふふ。きちんと頂かないとバチがあたるから。あずさちゃんもつまんでくれればよかったのに」

梓「いえ、私は札幌でラーメンを食べるんです!」メラメラ

紬「あらあら、とても楽しみにしてるのね」

梓「はい!本場の味を楽しみたいと思います!」

紬「うふふ、札幌に着くのが楽しみね〜」

梓「楽しみです! あ、むぎ先輩、外見て下さい」

紬「あら、なにか見えるのかしら」

梓「いえ、そうじゃないんですけど、建物が目立ってきましたから旭川駅に到着するのではないかと」

紬「そういわれてみればそうね。今まで緑の強い車窓の景色だったものね」

梓「30分の停車ですけど、降りてみましょうか?」

紬「そうね」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:00:19.12 ID:RC6p1yPRo

紬「ん〜・・・」ノビノビ

梓「やはり駅内ですから特に変化はないですね」

紬「そうね。 あら?あそこにいるのは・・・」

梓「確か・・・、桜井真美さん・・・ですよね」

紬「あそこから何か見えるのかしら」

梓「描写できるような風景ではないと思いますが・・・ ちょっと気になりますね」

紬「ちょっと声を掛けてみましょうか」





紬「なにか見えるのですか?」

真美「えっ、あっ、琴吹さん・・・」

梓「モチーフを探しているんですか?」

真美「そ、そういう訳ではないんです。ただ、遠く離れていくなぁ・・・と思いまして」

梓「?」

真美「な、なんでもないです。それでは失礼します」ソソクサ

紬「あ・・・」

梓「乗っちゃいましたね」

紬「なんだか遠い目をしていたわね」

梓「どうしたんでしょうか」




prrrrrrrr

梓「あっ、発車の時間ですよ、むぎ先輩」

紬「えぇ、分かったわ」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:01:01.96 ID:RC6p1yPRo
梓「二号車気に入っちゃいました」ルンルン

紬「ふふ。そうだ、あずさちゃん、私売店に行って来るけどなにか飲みたいものあるかしら」

梓「あ、わたしが行きます!」ガタッ

紬「いいのよ、あずさちゃんは座ってて。オレンジジュースでいい?」

梓「はい、お願いします」

紬「はいは〜い」テクテク

梓「はぁ、いつも気が利いてて優しいし、むぎ先輩には敵わないな・・・」

星奈「おっ、梓ちゃん1人でなにしてんの?」ムシャムシャ

梓「!」ビクッ

星奈「取って喰うわけじゃないんだから、警戒しないでよ」

梓「す、すいません。なぜか身構えてしまって」

星奈「ふ〜ん? 少しおしゃべりしようよ、ココ座っていい?」

梓「むぎ先輩が席外していますから・・・」

星奈「本当に仲がいいねぇ・・・ こうすればいいんだよ」エイッ

クルッ

梓「椅子回転できるんですね」

星奈「そゆこと。どっこいしょっと。 食べる?」ムシャムシャ

梓「いえ、いいです」

星奈「売店で最後の一袋だったんだよ〜札幌まで手に入らないポテチだよ〜いいの〜?」

梓「そう言われると・・・」

星奈「どうぞ」ムシャムシャ

梓「いただきます」パリパリ

星奈「むぎちゃんは?」

梓「今、売店へ、ってなに味なんですかっこれ」

星奈「北海道限定カニ味だけど」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:01:34.30 ID:RC6p1yPRo
梓「く、口に合わないです」

星奈「そう? 意外と癖になる味だよ?」

梓「うぅ〜」

星奈「あはは、ところで二人ともどこまで行くの?」

梓「私は東京までで、むぎ先輩は終点まで行くそうです」

星奈「へ〜すごいね。私は松本までだから、倍以上かぁ」

梓「星奈さんは松本へなにしにいかれるんですか?」

星奈「ん? ん〜ちょっと知り合いに、会いにね・・・」

梓「? ・・・そうですか」

星奈「私の自慢話を聞かせてあげよう」ニヤリ

梓「どうしたんですか、いきなり」

星奈「ふっふっふ。何を隠そう、このワタクシ商店街の福引でヴェガの乗車券を当てたんだよ〜ん」ブィ

梓「・・・へー、スゴイデスネ」

星奈「あれ?驚かないの?」

梓「いえ、凄いじゃないですか」ニヤニヤ

星奈「こりゃ、なにかあるなら言いなさい」グリグリ

梓「っ!やめてください、離してください!」

星奈「いいや、話すまで離さないよ」グリグリ

梓「話します、話しますから!」ジタバタ

紬「あらあら、二人とももう仲良しさんなのね〜」

星奈「おっす、いやねちょっと教育を」

梓(これだ。唯先輩の人懐っこさと律先輩の絡みを警戒してたんだ)

紬「はいどうぞ、あずさちゃん」

梓「あ、ありがとうございます」フゥ

星奈「それで、驚かない理由とやらを説明してもらおうかな?」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:02:00.85 ID:RC6p1yPRo
紬「?」

梓「えぇと、星奈さんがヴェガに乗れた理由がですね」ブフッ

星奈「こりゃ!まだ教育が足りないようね〜」ワキワキ

梓「っ! 福引で乗車券を当てたからだそうです!」

紬「あらあら」ウフフ

星奈「?」

紬「私も福引で当てたのよ〜」

星奈「あぁ〜、なるほど梓ちゃんのリアクションの意味が分かったわ〜。お互い強運の持ち主だね」

梓「うっ」

星奈「どうしたの梓ちゃん?」

梓「な、なんでもないです」

星奈「私の町がヴェガの始発駅だからさ、記念として一枚寄付されたんだ」

紬「それを引き当てたのね、すごいわ〜」

梓「店員さんに五枚もおまけさせてくれるむぎ先輩の方がすごいと思います」

星奈「なんと! う〜む、それは強運とよんでいいのだろうか・・・」

紬「」クスッ

梓「」ブフッ

星奈「どうしたの二人とも」

紬「いえ、なんでもないわ」

梓「なんでもないです」

星奈「? まあいいけど、ポテチ食べてたら喉渇いちゃった。そいじゃまたね〜」

紬「ごきげんよう〜」

梓「はい、失礼します」

紬「・・・今の話で気になる事が」

梓「私もです」

紬梓「「 どうして私たちの街に五枚も? 」」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:02:26.98 ID:RC6p1yPRo

梓「〜♪」

紬「あずさちゃん何読んでるの?」

梓「札幌のガイドブックです。売店で購入できますよ」

紬「観光名所を下調べしてるのね」

梓「はい! 食べ物もいいですが、私時計台と羊が丘展望台が楽しみなんです!」

紬「まぁ、いいわね〜」

梓「むぎ先輩、よかったら一緒に周りませんか?」

紬「ごめんなさいね。そうしたい所だけど、小樽の方へ用事があって札幌ではあまり周れないみたいなの」

梓「そうですか・・・。用事があるならしょうがない・・・ですよね・・・」ズドーン

紬「でも、用事は明日だけで済ませられるから、到着したら一緒に周りましょうか」

梓「本当ですか」パアア

紬「夕方に到着だからあまり遠出はできないけどね」

梓「それじゃあ、ラーメン横丁とTV塔はどうでしょう」ルンルン

紬「あずさちゃんは本場の味を楽しみにしてたものね」

梓「とっても楽しみです!」キラキラ
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:02:59.43 ID:RC6p1yPRo

紬(あら、あれは・・・)

梓「〜♪」

紬「あずさちゃん、ちょっと席外すわね」

梓「は、はい」

紬「・・・」テクテク





ポンポロポロポロ♪

紬(あら、だれかピアノを弾いているのね)

真美「・・・」ウットリ

紬「いい曲ですね」

真美「あ、琴吹さん・・・」

紬「隣よろしいですか?」

真美「は、はいどうぞ・・・」

紬「ピアノを弾いている方はお知り合い?」

真美「い、いいえ、違います。 けど、なんだか素敵な音を奏でるので、聞き入っていました」

紬「えぇ、本当に素敵な空間を演出していますね」

真美「私、クラシックが大好きなんです。自然の音と近いような気がして」

紬「そうですね、私もそう思います」

真美「ドビュッシーは私のお気に入りでもあるんです」

紬「この曲は亜麻色の髪の乙女ですね・・・」

真美「はい・・・」ウットリ

紬「桜井さんもピアノをお弾きになるのですか?」

真美「いえ、私は絵を描く事だけで精一杯ですので。琴吹さんはピアノなされるんですか?」

紬「4歳の頃から弾いています。最初に習った曲がアラベスクで、私もドビュッシーは大好きです」ニコニコ

真美「そうなんですか・・・。いつ聞いても素敵な旋律で、聞いていると時が経つのを忘れてしまいます」

紬「弾き手としてはこれ以上無いほめ言葉ですね、今度私も弾かせてもらおうかしら」

真美「そ、その時は私もご一緒させていただけますか?」

紬「えぇ、もちろん」ニコニコ

ガタンゴトン ガタン

真美「あ、札幌に到着するみたいですね。わ、私降りる仕度がありますので」

紬「それではまた」

真美「し、失礼します」テクテク
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:04:14.92 ID:RC6p1yPRo

梓「むぎ先輩! 札幌に到着しますよ!」

紬「はいは〜い」

梓「すぐに降りられるんですか?」ウズウズ

紬「一度部屋に寄ってもいいかしら」

梓「は、はい。どうぞ」

紬「うふふ。すぐ済むからちょっとだけ待っててね」

梓「それじゃ、お先に駅のホームへ降りてますね」

紬「は〜い」テクテク
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:04:57.18 ID:RC6p1yPRo

ガタンゴトン ガタンゴトン

プシュー

梓「よっ」ピョン

スタッ

梓「着いた、札幌!」

車掌「行かれる場所はお決まりですか?」

梓「あ、車掌さん。はい、今日はラーメン横丁と大通り公園にあるTV塔へ行ってきます」

車掌「そうですか、それでは気をつけて行ってらっしゃいませ」ペコリ

梓「は、はい。行ってきます」ペコリ

スタスタ

梓「乗客のお見送りまでしてくれるのかぁ」

紬「あずさちゃん、お待たせ」

梓「それじゃ、出発するです!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:05:24.51 ID:RC6p1yPRo

紬「あずさちゃん、もしかすると行きたいお店を決めている?」

梓「観光ガイドにも紹介されているお店が何件かありましたけど・・・決めてないです」

紬「あら、そうなの?」

梓「その場で惹かれたお店に入ってみようと」

紬「通なのね」

梓「むぎ先輩、そんな決め方でいいですか?」

紬「いいわね、私そういうお店探し憧れてたの〜」

梓「むっ」ピキーン

紬「あのお店ね?」

梓「はい、おいしそうな雰囲気が漂っています」キリ

紬「それじゃあ入りましょうか」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:05:51.52 ID:RC6p1yPRo

梓「むぎ先輩・・・、すいませんでした」

紬「麺は伸びてて、スープは油でギトギトだったわね・・・」

梓「うぅ・・・がっかりです・・・」ションボリ

紬「・・・。あずさちゃん、散歩がてら違うお店探してみましょうか」

梓「・・・いいんですか?」

紬「えぇ、あずさちゃんこそ大丈夫?」

梓「お昼は軽く食べただけなので、正直食べ足りないぐらいです」

紬「それなら行きましょう」

梓「はい!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:06:28.52 ID:RC6p1yPRo

梓「今度はむぎ先輩が決めてくれますか?」

紬「あら、いいの?」

梓「もちろんです!」

紬「それじゃ・・・。あら」

真美「こ、こんばんは・・・」

梓「こんばんは」

紬「桜井さん、お1人ですか?」

真美「い、いえ・・・それが・・・」

星奈「わっ!」

梓「にゃっ」ビクッ

紬「きゃっ」

星奈「へっへっへ〜大成功〜♪やったね真美ちゃん!」

真美「せ、星奈さん・・・」

梓「ひどいです!」

紬「びっくりしたわ〜」

星奈「ちょうど二人が見えたからさ、驚かしてやろうとおもって」ニンマリ

梓「もうっ!」プンスカ

真美「星奈さん、用事があったんじゃないですか?」

星奈「あ、そうそう。カメラのシャッターをお願いしようと思ってたんだ」ウッカリ

紬「いいですよ」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) :2011/04/05(火) 01:07:04.07 ID:RC6p1yPRo

梓「むぎ先輩はお人よしすぎます」プンス

星奈「梓ちゃんも、こっちへおいでよ〜」

梓「いいです」ムス

真美「無理強いは・・・」

星奈「ほいほ〜い、それじゃむぎちゃんお願いね」

紬「は〜い、行きますよ〜」

真美「せ、星奈さん、くっつきすぎじゃないですか?」

星奈「おなじ列車にのったよしみだからいいの〜」

紬「」パシャパシャパシャパシャ

星奈「む、むぎちゃん・・・そんなに撮らなくてもいいよ・・・」

真美「あ、ありがとうございました」

梓「・・・」

星奈「梓ちゃんも機嫌直してよ〜」

梓「知らないです」

紬「そうだ。あずさちゃん、私たちのカメラでも一枚撮りましょう」

真美「そ、それじゃ私がシャッター押しますね」

梓「いえ、私が押します」

星奈「おっ、ちょうどいい所に・・・まって、アイツに頼もう。お〜い!」

「・・・ん?なんだ、星奈か」

星奈「カメラのシャッターを押してくれない?」

「あぁ、いいよ」

梓「むぎ先輩、この人は?」ヒソヒソ

紬「私もしらないわ」ヒソヒソ

星奈「くっくっく、修治ぃ〜、アンタ二人に顔覚えてもらってないよ〜」

修治「べつにいいんだよ!はい、並んで並んで〜」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:07:29.88 ID:RC6p1yPRo

真美「よろしくお願いします」

紬「お願いしますね」

梓「・・・」

星奈「はい、ち〜ず!」

修治「お前が合図取るなよ、やりにくい!」

星奈「それは失礼しました」

梓「ブフッ」

星奈「修治早く撮って!」

修治「? ・・・はい、チーズ!」カシャ

紬「ありがとうございました」

修治「いえいえ、お安い御用ですよ。あ、俺の名前は鳥羽修治、よろしく」

紬「琴吹紬と申します」

梓「中野梓です」

修治「はい、カメラ。それじゃあまた、列車で」

真美「修治さん、ありがとうございました」

星奈「ありがとね〜。 それじゃあ私たちも行こっか? 真美ちゃん」

真美「そうですね。そ、それではお二人とも・・・」

紬「えぇ、また後で」

梓「陽が落ちてきましたので、気をつけてくださいね」

星奈「あいよ、まったね〜」フリフリ

紬「・・・あずさちゃん、リベンジと行きましょう!」

梓「はい!」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:07:57.19 ID:RC6p1yPRo

「へい、らっしゃい。ご注文をどうぞ!」

紬「みそラーメンを一つお願いします〜」

梓「あ、私もみそで。トッピングにコーンとバターを」

「はいよっ」

紬「あら、そんなこともできるの?」

梓「はい、お品書きに表示されていますよ」

紬「本当だわ〜、こんなことも出来たのね」

梓「むぎ先輩もトッピングしますか?今なら間に合いますよ」

紬「そうね〜、うん!してみたい!」キラキラ

梓「それじゃ、店員さん呼びますね。 すいませーん!」

店員「はいよっ」

紬「単品みそのトッピングの追加お願いします」

店員「はいよっ、なにを追加しましょうか」

紬「メンマとホタテの貝柱を!」

店員「はいよっ」

梓「また渋いところを攻めてきましたね」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:08:24.90 ID:RC6p1yPRo

店員「はいよっ、お待ちっ!」ドン

紬「それではいただきます」

梓「いただきます」

紬「・・・うーん、これは・・・」

梓「腰のある麺、そしてコクがあるのに後味がすっきりとして少しもしつこくない・・・」

紬「おいしい〜!」

梓「はい!こんなに美味しいラーメン生まれて初めてです!」

紬「ホント、来てよかったわ〜」

梓「〜♪」ズズズ

紬「うふふ」

梓「・・・?」

紬「おいしそうに食べるなぁと思って」ニコニコ

梓「あまりにおいしいので夢中になってしまいました」エヘヘ

紬「よかったわ」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:08:51.20 ID:RC6p1yPRo

紬「ここが大通り公園なのね」

梓「そうです。雑誌で見るよりずいぶん広く感じます」

紬「冬はここで雪祭りが開催されるのよね」

梓「そうです。TVでよく見かけますよね、寒そうだけどみんな楽しそうなのが印象的です」

紬「次は雪祭りに合わせてきましょうか。あっ、あずさちゃん見て、焼きとうもろこしの屋台があるわ」

梓「本当ですね。いい匂いがします」

紬「あずさちゃん、TV塔の展望台に昇ってみない?」

梓「私も昇ってみたいと思ってました!」

紬「それじゃ行きましょ〜!」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:09:18.01 ID:RC6p1yPRo
紬「いい眺めねぇ〜」

梓「はい、360度見渡せるなんて凄いです」

紬「街の灯りがとってもキレイ・・・」ウットリ

梓「これだけの灯りの下に人がいるんだと思うと、なんだか不思議な感じがしますね」

「おっ、詩人だね〜」

梓「!」ビクッ

真美「またお会いしましたね」

紬「あら、桜井さんに星奈さん」

星奈「梓ちゃんが男だったらむぎちゃんを落とせたかもねぇ〜」ニヤニヤ

梓「うぅ、雰囲気に流されてつい言葉に出ちゃいました・・・」

紬「うふふ」

真美「本当にキレイですね・・・」

星奈「確かに、こりゃいい眺めだわ」

・・・・・・

・・・

星奈「そんじゃ、列車に戻りますか」

真美「そうですね、いい時間ですし」

梓「はい。それでいいですよね、むぎ先輩」

紬「・・・」

梓「むぎ先輩?」

紬「え?なぁに?」

星奈「夜景に見惚れていたな〜」

真美「列車に戻りませんか?」

紬「そうね、戻りましょうか」

梓「あんまり遅くなるといけませんからね」

星奈「変なヤツが近寄ってきたら、星奈ちゃんの鉄拳をお見舞いしてやるのだー!」

真美「心強いです」

梓「頼もしいですね」

紬「うふふ」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:09:57.29 ID:RC6p1yPRo
 
梓「あっ、車掌さん」

車掌「みなさんお戻りになられたんですね。札幌の観光はどうでしたか?」

星奈「私と真美ちゃんは先ず、羊が丘展望台へ行ってきました〜」

真美「羊がたくさんいてとても可愛かったです。
   景色がよかったので、明日もう一度行ってみたいと思います」

車掌「ふふ、スケッチするにはいい場所ですよね。琴吹さんはどちらへ?」

紬「あずさちゃんと一緒にラーメン横丁へ行ってきました」

梓「とてもおいしかったです!」

車掌「いいお店に巡り会えたようでなによりです」ニコニコ

星奈「明日はゆっくり周ってみようかな〜」

梓「夕方から3ヶ所も移動したんですよね、すごいです」

星奈「おだててもなにもでないよ〜ん」

梓「そんなんじゃありません!」

車掌「みなさん、明日の札幌発車時刻は16:00となっておりますので、ご注意してくださいね」

真美「は、はい、大丈夫です」

梓「むぎ先輩、間に合いますよね?」

紬「えぇ、3時には札幌に戻れると思うわ」

星奈「おっ、遠出するの?」

紬「えぇ、小樽へ行ってきます」

真美「お忙しいんですね」

星奈「梓ちゃん、1人で寂しいなら星奈さんと一緒に周るかい?」

梓「1人で平気です!」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:10:23.22 ID:RC6p1yPRo

星奈「あらら、振られちゃったか。それじゃ、私は部屋へ戻ろうかな。またね〜」

真美「わ、私もこれで・・・」

車掌「おやすみなさいませ」

紬「おやすみ〜」

梓「おやすみなさいです」

車掌「それでは、私も仕事に戻りますのでこれで失礼します」ペコリ

紬「はい、お疲れさまです」ペコリ

梓「それでは、また明日」ペコリ

紬「あずさちゃん、今日はとっても楽しかったわ。ありがとうね」

梓「私も楽しかったです!一日がすごく充実していました。むぎ先輩のおかげです」

紬「そう言って貰えると嬉しいわ〜」

梓「まだまだ旅は始まったばかりです、がんばっていきましょうむぎ先輩!」

紬「おーっ!」



1日目終了--------
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:10:53.93 ID:RC6p1yPRo

               8月2日


梓「行ってらっしゃいです」

紬「行ってきま〜す」フリフリ



紬「え〜と、小樽方面は・・・」

ドンッ

「きゃっ」

紬「あらあら」

「あいたたた・・・」

紬「ごめんなさいね、大丈夫?」

「だ、だいじょうぶです・・・。お、お姉さん、東京行きの列車はどれですかっ」オロオロ

紬「私観光客だから、よく知らないの。ごめんなさい」

「い、いえ・・・ど、どうしよう乗り遅れちゃう・・・」オロオロ

紬「落ち着いて。駅員さんに聞きにいきましょう?」

「は、はい・・・」

紬「すいませ〜ん」

駅員「はい、なんでしょう」

紬「東京行きの列車は何番ホームでしょうか」

駅員「東京行きですね。6番ホームになります」

紬「ありがとうございました」

「ありがとうございます」

紬「もう大丈夫?」

「は、はい!お姉さんもありがとうございました!」

紬「いえいえ。それより急いだほうがいいんじゃない?」

「そ、そうですね!それではっ」タッタッタ

紬「元気な子だったわね」

紬「・・・」

紬「すいませ〜ん」

駅員「はい、まだ何か?」

紬「小樽行きは何番でしょうか?」ニコニコ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:11:23.52 ID:RC6p1yPRo
――――小樽

紬(用事は一通り済んだわね。急いで札幌に戻りましょう)


――――札幌

紬「えぇと、ヴェガは・・・」

「あれぇ! お姉さんだー!」

紬「?」

「お姉さーん!」タッタッタ

紬「あれ?東京へ向かったはずじゃ・・・?」

「えへへ、勘違いしてたみたいで私が乗る列車じゃなかったの」

紬「あらあら、そうなの」

「改めて御礼を言わせてくださいっ。助けてくれてありがとうございました!」ペコリ

紬「いえいえ。私はなんにもしてないわ」

「焦っていた私に優しくしてくれたのがとっても嬉しかったの!」

紬「あれくらいお安い御用よ」ニコニコ

「わぁ・・・優しいですね・・・。お兄ちゃんもこれくらい優しさがあればいいのになぁ」

紬「お兄さんと一緒なの?」

「うん!朝に久しぶりに再会して、おしゃべりしてたから遅れちゃったの!」

紬「?」

「あ、お兄ちゃんと言っても、幼なじみで本当のお兄ちゃんじゃないんだけどね!」

紬「あぁ、そういうことね」

「もっとレディに優しくするべきだと思うな〜。昔はあんなに優しかったのに」プンスカ

紬「あらあら」

「あっ、いっけな〜い!今度こそ発車しちゃう〜!」

紬「うふふ。急いだ方がいいみたいね」

「はい!バイバーイお姉さーん」

紬「ごきげんよう〜」フリフリ

タッタッタ

紬「嵐が過ぎ去ったかのようね〜。・・・私も急がなくちゃ」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:11:50.24 ID:RC6p1yPRo

「むぎせんぱ〜い」

紬「あら、あずさちゃん」

梓「急いでくださ〜い。もう間も無く出発ですよ〜」

紬「は〜い」パタパタ

梓「なかなか来ないから心配しました」

紬「ふぅ・・・。ごめんなさいね、なんとか間に合ったわね」

prrrrrrrrrrrrrr

梓「・・・札幌とはこれでお別れですね」

紬「そうね。観光は楽しかった?」

梓「はい!後で話聞いてください!」

紬「えぇ、もちろん」ニコニコ

梓「それでは出発です!」

プシュー 

ガタン ゴトンガタンゴトン
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:12:26.70 ID:RC6p1yPRo

「あれぇ?お姉さん!?」

紬「あら・・・?」

梓「?」

「お姉さんもこの列車に乗ってたんだー!」ワーイ

紬「あらあら、この列車だったのね」

「うん、お姉さんに会わなかったら勢いであの列車に乗っちゃってたかもしれないよ!」

紬「あわてんぼうさんなのね」

「えへへっ、お兄ちゃんと同じ事言われちゃった」

梓「むぎ先輩、この子は・・・」

紬「えーと・・・」

「あ、自己紹介まだだったね! 私の名前は七尾つばさっていいます。お姉さん、よろしく!」

紬「つばさちゃんね。私の名前は琴吹紬っていいます」

梓「中野梓です」

つばさ「よろしく〜。えへへー。お姉さんと一緒に旅ができるなんて嬉しーなー!」

紬「うふふ、私もつばさちゃんと一緒に旅が出来るなんて嬉しいわ」

つばさ「ホント!? わーい!お兄ちゃんと一緒でお姉さんとも一緒だなんて!」

梓「・・・」

紬「駅で話していたお兄さんもこの列車に乗ってるの?」

つばさ「そうなの! 札幌で別れてしばらく会えないと思ってたのに、すぐ再会できるなんておもってなかったよ」

紬「そうなの。よかったわね〜」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:12:53.66 ID:RC6p1yPRo

つばさ「うん!」

梓「・・・」

修治「つばさ、あんまり騒ぐな」

つばさ「あ、お兄ちゃん」

紬「・・・?」

梓「・・・?」

修治「すいません、お騒がせしたみたいで・・・」

つばさ「ふーんだ、子供扱いしないでよね」

梓「鳥羽さんの妹さんですか?」

修治「うーん、兄代わりというか、兄のようなもの?です」

つばさ「本当のお兄ちゃんは東京にいるの!今度結婚するからお祝いしに行くんだ!」

紬「まぁ、それはおめでたいわね〜」

つばさ「でもね。まだお兄ちゃんと同じ18だよ?18!まだ早すぎると思うんだけどねぇ・・・」

梓「自分達が責任を持てるなら早すぎることはないと思います」

つばさ「うーん、そうなのかなー」

修治「中学生にはまだ難しいかもな」ニヤニヤ

つばさ「なによっ!お兄ちゃんだってまだ彼女いないじゃない!」

修治「」グサッ

つばさ「ふーんだ」テクテク

紬「あらあら」

梓「隣の車両に行ってしまいましたね」

修治「ハァ・・・小さい頃はもっと素直だったのにな・・・」

紬「幼なじみだそうですね」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) :2011/04/05(火) 01:13:20.23 ID:RC6p1yPRo

修治「え、えぇ。つばさが引越して以来会ってなかったんですが、偶然札幌駅で再会したんです」

梓「へぇ・・・」

修治「8年ぶりに会って大人しくなってるかと思いきや、ますますおてんばになってしまって」

紬「本当の兄妹みたいですよ」クスクス

梓「大変ですね」

修治「まぁ、幼なじみに会えたのは嬉しかったですから。面倒くらいみてやろうかと」

「わぁーすっごく絵が上手なんですね!」

修治「・・・。それでは、これで」

スタスタ

紬「えぇ、それでは」

梓「兄妹かぁ・・・」

紬「あずさちゃんもお兄さんが欲しかった?」

梓「うーん、よく分からないです。自分に兄がいたら、なんてちょっと想像つかないです」

紬「そうねぇ、私もお兄さんがいたら、なんて想像つかないわ」

梓「兄がいれば楽しかったかもしれないと思うときもあります」

紬「・・・」

梓「でも私には4人姉のような存在がいますから」

紬「まぁ」キラキラ

梓「あ・・・」カァ

紬「うふふ。ありがとうあずさちゃん」

梓「い、いえ・・・。む、むぎ先輩、食堂車へ行きませんか?少し喉が渇いちゃいました」

紬「そうね、そうしましょうか」ニコニコ
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:13:51.00 ID:RC6p1yPRo

――――食堂車

紬「はい、あずさちゃんにプレゼント。五つの中から一つ選んでね」

梓「キレイなガラス細工ですね。にわとり、うま、いぬ、ねこ、ぶた・・・」

紬「小樽で見つけたの。好きなものどうぞ〜」ニコニコ

梓「・・・これは心理テストかなにかですか?」

紬「そ、そんなことないわよ?」

梓(めずらしく目が泳いでるな・・・。これってきぐるみのヤツだよね・・・。)

紬「さ、遠慮しないで〜」ワクワク

梓(う〜ん、担当した動物を選べばいいのかな・・・それとも・・・)

紬「・・・」ウキウキ

梓「それじゃ、ねこを頂きます」

紬「まぁ」ポッ

梓「・・・えーと?」

紬「あのね、購入したお店の情報なんだけど、特定の人を動物の種類に当てはめて、
  用意したたくさんの動物の中から選んでもらうの」

梓「するとどうなるのですか?」

紬「その当てはめた動物が異性なら意中の人、同性なら敬愛する人になるらしいわ」

梓「そうなんですか・・・促進販売でよくありそうな手ですね」

紬「・・・しょぼん」

梓「あ、あぁ、でもよく当たってますよ!私むぎ先輩尊敬していますから」

紬「ありがとう〜」

梓「これって部員募集した時のきぐるみを当てはめたんですよね?自分のヤツを選んだらどうなるんですか?」

紬「・・・盲点だったわ」

梓(自分が一番!って事になるのかな・・・。よかった、ねこを選んで)
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:14:17.85 ID:RC6p1yPRo

紬「それで、札幌観光の話を聞かせてくれるかしら?」ニコニコ

梓「はい。むぎ先輩と別れた後、羊が丘展望台へ行ってみたんです」

紬「あら、そうなの」

梓「桜井さんが居て、スケッチしていました」

紬「昨日そう言ってたわね」

梓「はい、知らない仲ではないので思い切って声を掛けてみたんですが・・・」

・・・・・・

・・・

「こんにちは、桜井さん」

真美「・・・」カリカリ

「・・・桜井さん?」

真美「・・・」シャッシャ

「・・・」

真美「・・・」カリカリ

「わぁ〜、羊が可愛いです」

真美「・・・」シャッシャ

「桜井さん、絵が上手なんですね」

真美「・・・」シャッシャ

「・・・」ションボリ

真美「・・・ふぅ。あ、中野さん・・・。こ、こんにちは」ペコリ

「・・・ひょっとして、私に気付いていませんでした?」

真美「えっ、・・・いつからいらしていたんですか?」アセアセ

・・・

・・・・・・
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:14:45.18 ID:RC6p1yPRo

紬「うふふ、絵の事になると周りが見えなくなるのね」

梓「はい、そう言ってました。なんだか可愛い人だなと思いました」

紬「それだけ熱心になれるものがあるっていいわね〜」

梓「私たちにもあるじゃないですか」キリ

紬「そうね」ニコニコ

梓「桜井さんと別れた後、時計台へ行きました」

紬「あら、そういえば私時計台へ行ったことなかったわね」

梓「そうなんですか、一緒に行けたらよかったです」

紬「そうね〜」ザンネン

梓「むぎ先輩は時計台が日本三大がっかり名所の一つ、という事をご存知ですか?」

紬「あら、知らなかったわ。あずさちゃんもがっかりしちゃったの?」

梓「最初はそうだったのですが・・・」

・・・・・・

・・・
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:15:14.07 ID:RC6p1yPRo

「・・・」ガッカリ

星奈「お〜お〜、ガッカリした顔してますな〜」

「!」ビクッ

星奈「あっはっは、最初はみんなそうなるよね〜」

「・・・中から出てきたって事は資料見学してたのですか?」

星奈「そうだよ〜ん」

「そうですか・・・」

星奈「・・・確かにこじんまりしてるけどさ、良く見てよ。時計を」

「・・・?」ジー

星奈「この建物が出来てから一度も変えてないんだってさ」

「はい・・・」

星奈「約130年間時を刻んでいるってこと」

「・・・!」

星奈「落ちた?」

「? 何を言ってるんですか」

星奈「梓ちゃんが私に心を奪われたかな、と」

「もぅ、せっかく感動してたのに!」プクー

星奈「あっはっは、ごめんごめん」

「・・・でも、周りはどれだけ変わっても、ここだけは変わらない。それって凄い事ですね」

星奈「そうだね・・・。これからも変わらないでいて欲しいな〜。なんてね」

・・・

・・・・・・
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:15:43.64 ID:RC6p1yPRo

紬「ロマンティックね〜」

梓「資料見学してもう一度時計台を見渡したら、違って見えました」

紬「貴重な体験ね」

梓「はい、とても楽しい観光地めぐりでした」キラキラ

紬「よかったわね」ニコニコ

梓「星奈さんの余計な一言が無ければ更に良かったんですけどね」フッ

星奈「私がなんだって?」

梓「!」ビクッ

星奈「私の悪口が聞こえた気がするんだけど?」ピョンピョン

梓「気のせいですっ、私の髪で遊ばないでください!」

紬「あらあら」ウフフ

つばさ「あーっ、お姉ちゃん!」

紬「あら、つばさちゃんも一緒?」

つばさ「うん、星奈さん達と食事をとりに。 お姉ちゃんの隣に座っていいかな!?」

梓「お姉ちゃんって・・・」ムッ

修治「こらこら、4人のテーブルに5人座れる訳ないだろ」

つばさ「えー、だってー」

修治「だってじゃない」

星奈「そうだよ、つばさちゃん。スポンサーの機嫌を損ねたらいけないよ」

修治「えっ!?」

紬「あらあら、急に賑やかになったわね」ニコニコ

梓「・・・」

修治「ほら、別の席にいくぞ」

つばさ「うー、じゃあねお姉ちゃん」

紬「えぇ、また後でね」

星奈「やっきにく〜♪やっきにく〜♪」

修治「少しは遠慮してくれよ・・・」スタスタ

梓「・・・ゴクゴク」プハ-

紬「オレンジジュースのおかわりでいいかしら?」

梓「い、いえ。それより展望車へ移動しませんか?」

紬「そうね。すこし混んできたものね」

梓「は、はい」

紬「それではみなさんごゆっくり〜」

星奈「はいよ〜」

修治「じゃあね」

つばさ「ばいば〜い」

梓「」ペコリ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:16:10.79 ID:RC6p1yPRo

紬「この列車の食堂車はすごいわね」

梓「私もびっくりしました」

紬「テーブルに鉄板を備え付けられるなんてね」

梓「豪華と云われるだけありますよね」

紬「この展望車ものんびりできていいわね〜」

梓「はい、景色を眺めながらのんびりできるなんて贅沢ですよね」

紬「あら・・・?」

梓「? どうしたんですか、むぎ先輩」

紬「デジャヴかしら・・・」

梓「・・・たしか、一度も体験したことがないはずなのに、実際に体験したかのような感覚ですよね」

紬「えぇ・・・」

梓「それとも予知夢ですかね?」

紬「そうなのかしら、なんだか懐かしい気分になったの」

梓「夕日が差し込んでいますからね。オレンジの雰囲気がそうさせるのかもしれません」

紬「うふふ、きっとそうね」

梓「あっ、むぎ先輩!見て下さい羊蹄山ですよ!」

紬「まぁ、素敵ね〜」

梓「なんだか幻想的です」

紬「夕方の色合いがなんだか切ない気分になるね〜」

梓「いい時間帯に展望車に来れてよかったです」

紬「そうね〜」ニコニコ

梓「・・・」ノンビリ

紬「・・・」マッタリ

梓「・・・ふぁ」

紬「可愛い欠伸ね」

梓「っ! 少しだけ気が緩んでしまいました」エヘヘ

紬「疲れているのなら、仮眠をとったらどうかしら」

梓「いえ、大丈夫です・・・」

紬「そう?」

梓「はい、まだまだ大丈夫・・・です・・・ふぁ・・・」

紬「・・・」

梓「」ウトウト

紬「・・・」

梓「」スヤスヤ

紬「うふふ」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:16:37.99 ID:RC6p1yPRo

ガタン・・・ゴトン・・・ガタン

プシュー

梓「はっ!」

紬「あら、おはよう。あずさちゃん」

梓「あれっ、私寝ちゃってましたか!?」

紬「えぇ」ニコニコ

梓「うぅ・・・。あれ、この上着・・・むぎ先輩のじゃ」

紬「冷房効いているから風邪を引くといけないと思って」

梓「あ、ありがとうございます」

紬「いえいえ〜」

梓「あれ、停車してる・・・」

紬「函館駅に到着したわ。降りてみる?」

梓「はいっ」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:17:19.61 ID:RC6p1yPRo

紬「ん〜・・・」ノビノビ

梓「もう北海道ともお別れですね」

紬「そうね、青函トンネルを抜けると本州へ入るのよね」

梓「なんかあっという間に北海道を駆け抜けたような気がします」シミジミ

紬「あら、あずさちゃんもう感傷的になってるの?」

梓「そ、そうなのでしょうか」

紬「うふふ、まだまだ旅はこれからよ」

梓「そうですね・・・、まだ助走程度ですよね!」

紬「そうそう、どんどん突き進んでいきましょー」

梓「おーっ!」

真美「あのぉ・・・」

紬「あら、桜井さん」

梓「・・・」カァ

紬「あずさちゃん顔赤くしてどうしたの?」

梓「い、いえ、なんでもないです、夕陽のせいですっ」

紬「そう・・・? なにかしら桜井さん」

梓(腕を振り上げてたの見られたよね・・・。でも言ってみたい台詞をいえた・・・)

真美「すいません、カメラのシャッターが押せないので見てもらえませんか?」

紬「はい、いいですよ」

梓「落としたりとかしました?」

真美「家から今まで一度も取り出していないので、それは大丈夫かと」

紬「うーん・・・」

梓「あっ」

真美「なにか分かりましたか?」

梓「レンズのふたが着いたままですよ」

紬「え・・・あらホント」

真美「わ、私ったら・・・」アワワ

梓「写真撮るのでしたら、私がシャッター押しましょうか?」

真美「よ、よろしいんですか?」

梓「えぇ、せっかくだからむぎ先輩も一緒に」

紬「よろしいかしら?」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:19:26.95 ID:RC6p1yPRo

真美「えぇ、ぜひ」ニコニコ

梓「それでは、函館の看板も一緒に・・・はい、チーズ」カシャ

真美「ありがとうございます」

梓「いえいえ。かなり年季の入ったカメラですね」

真美「父のお下がりなので」

紬「仲がよろしいのですね」

真美「そ、そうでしょうか、普通だと思いますが・・・」

梓「大事にされていた物みたいですから、いい贈り物だと思います」

真美「そうですね。私も大事にしないと」

紬「桜井さんはどちらまで行かれるんですか?」

真美「私は東京へ、絵の勉強をしに・・・」

梓「転校・・・ではないですよね?」

真美「はい。私の絵を評価してくださった大学の先生からお誘いを受けまして・・・」

紬「まぁ」

真美「その先生、私の好きな画家でしたので思い切って行く事にしました」

梓「という事は特待生ですか・・・すごいです」

真美「い、いえ・・・そんな、私の絵なんてまだまだで・・・」

紬「何度か拝見させてもらいましたけど、素敵な絵だと思いますよ」

真美「そ、そんな・・・あ、ありがとうございます。それでは私はこれで・・・」

梓「はい」

紬「それでは」

梓「・・・桜井さん、声を掛けてくれましたね」

紬「あら、あずさちゃんも気付いた?」

梓「はい、なかなか声を掛けてもらえなかったので、ちょっと気になってました」

紬「うふふ、私も同じよ。なんだか嬉しいわ」

梓「もっと桜井さんとお話したいです」

紬「東京まで時間あるから、きっとたくさんおしゃべりできるわ」

梓「そうですね!」

prrrrrrrr

紬「さ、行きましょ〜!」

梓「おーっ!」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:21:20.80 ID:RC6p1yPRo

「ヒマなの!退屈なの!ねぇねぇ、なんか持ってないー?」

梓「む、むぎ先輩3号車へ行きませんか」

紬「?」

「あ、お姉ちゃん!」タッタッタ

梓「・・・」

紬「あら、つばさちゃん」

つばさ「お姉ちゃんもヒマだったら一緒に遊ばない?」

修治「こら、琴吹さん達の都合も考えろ」

梓「・・・」

つばさ「だって、外の景色は一面真っ暗なんだよ。することって限られるじゃない」

紬「えぇ、いいわよ。なにしましょうか?」

つばさ「わーい!それじゃ、娯楽車行こーよ! 中野さんも行きましょうよ!」

梓「え、はい。行きます」

修治「やれやれだ」

紬「いつも元気いっぱいね〜」ニコニコ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:22:21.30 ID:RC6p1yPRo

――――娯楽車

「いらっしゃいませ。遊んでいかれますか?」

つばさ「はい、店員さん、みんなで遊べるゲームありますか?」

店員「はい、それならこちらのダービーゲームはどうでしょうか」

梓「馬ですか」

つばさ「これはどうかな、お兄ちゃん」

修治「いいんじゃない?」

紬「これはどういうゲームなのかしら」

梓「競馬みたいなものだと思います。一位になれそうな馬にコインを掛けて
  その馬が勝てば配当分を貰う・・・というルールみたいですよ」

つばさ「じゃ、私はアイワールドギブユウエニシングにしよーと」

修治「なんだその名前・・・俺はテガタクカチマスにする」

紬「ふむふむ、それなら私はアンデスタックにするわ」

梓「ワタシノミチヲユクで」

つばさ「それでは、スタート!」パーン

修治「・・・すいません。無理やり付き合わせてしまって」

紬「いえ。つばさちゃんの言うとおり、トンネルの中で景色を楽しめませんもの。
  あずさちゃんも楽しんでいるようですし」

梓「こいっ、こいっ」

修治「・・・これからもつばさと遊んでやってください。今寂しいんだと思いますから」

紬「はい・・・ ?」

つばさ「お兄ちゃん、お姉ちゃんなにしてんの!ゴールしちゃうよ!?」

梓「むぎ先輩!ワタシノミチヲユクの騎手が落馬しました!これおかしいですよ!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:23:26.24 ID:RC6p1yPRo

紬「あらあら、リアルを追求した結果なのね」

梓「そんなリアル追求しないで欲しいですっ!とんだじゃじゃ馬です!」

修治「あははは」

つばさ「ゴール! 一位は・・・アンデスタック!!」

修治「配当は・・・×255!?」

梓「むぎ先輩・・・何枚掛けました?」

紬「え〜と20枚かしら」

つばさ「えーと20×255だから・・・」ウーン

修治「5100枚・・・」

ジャラジャラジャラジャラ

紬「あらあら・・・」

つばさ「わーすごーい!」

修治「おぉ・・・」

梓「こんなに消化できるんでしょうか」

紬「4人で分けても一人約1300枚ね」

真美「・・・どうしたんですか、みなさん」

つばさ「あ、桜井さん!今ねみんなでゲームしてた所なの!」

梓「むぎ先輩、桜井さんにも」

紬「そうね、もしよろしければご一緒しませんか?」

真美「い、いえ・・・。私ゲームやったこと無くて・・・。すぐ負けてしまいそうです・・・」

修治「だからこそだよ」

真美「え?えっ?」オロオロ

梓「どうぞ」ドサッ

真美「こ、こんなに・・・?」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:24:27.59 ID:RC6p1yPRo

・・・・・・

・・・

修治「もうそろそろ無くなるな」

梓「結構あっという間になくなるものですね」

真美「・・・私、少し目が痛いです」

つばさ「大丈夫?車掌さんから目薬借りてこようか?」

真美「あ、それなら一緒に・・・」

つばさ「うん! お兄ちゃん、私たち車掌室に行ってくるね」

修治「おう」

紬「つばさちゃん、優しいのね」

修治「あいつ、根は優しいヤツなんですよ。普段騒がしいからよく勘違いされがちですが」

梓「・・・」

紬「そうなんですか?」

修治「初対面の子には大概うっとおしがられてましたね。小さい頃の話ですけど」

梓「・・・」

紬「先ほどの、『寂しい』というのと繋がっているのですか?」

修治「ん?あぁ、それとは少し違うと思います。アイツ友達は昔から多いですから。
   えと、ん〜、つばさの実の兄が結婚する事はご存知ですか?」

紬「東京で挙式をするとか・・・」

梓「」コクン
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/04/05(火) 01:25:07.56 ID:i4EtaMgMo
>>7以外の駅にも止まるのか
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:25:10.22 ID:RC6p1yPRo

修治「えぇ、俺の推測なんですが、それに関しているのではないかと」

紬「そういう事でしたか」

梓「・・・」

修治「あ、ごめんなさい。どうこうして欲しい訳ではなくて・・・」

紬「えぇ、もうお友達ですもの、心配いりませんよ〜」

修治「そう言ってくれると」

星奈「おや、みんなどうしたの」

梓「星奈さん・・・」

星奈「なるほど、負けが込んでるからそんな顔してるんだね。よーし、ギャンブルに強い星奈さんに任せなさい」

ピッピッピ チャラララッチャラー

ジャラジャラジャラ

紬「あらあら」

星奈「どうだい、7が揃うところなんて初めてみたでしょ〜!」ブイ

梓「ふぅ・・・」

修治「星奈・・・おめぇってやつぁ・・・」

星奈「あれ・・・?」
63 :>>61 都市はそれだけです [sage]:2011/04/05(火) 01:26:42.82 ID:RC6p1yPRo

店員「いらっしゃいませぇ」

紬「この青森観光ガイドをください」

店員「はいどうぞ〜」

紬「これで青森の観光はバッチリね!」

店員「あ、そういえばお客さん?」

紬「はい・・・?」

店員「真美さんとぉ・・・。仲良しですよねぇ」

紬「はい〜」ニコニコ

店員「羨ましいです〜」

紬「うふふ」

店員「また来て下さいね〜」

紬「はい、それでは〜」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:27:14.43 ID:RC6p1yPRo

紬「あら、あずさちゃんも目が疲れたのかしら?」

梓「は、はい・・・」グググ

ピチョン

梓「ッ〜!」キタァァ

紬「刺激の強い目薬のようね。はい、ティッシュ」

梓「ありがとうございます・・・。七尾さんがこの目薬を貸してくれました」

紬「そうなの。あらつばさちゃんは?」

梓「星奈さん達と青森での観光を計画中です」

紬「うふふ、それじゃあ私たちも計画を練りましょうか」

梓「はい!むぎ先輩は青森での用事はありますか?」

紬「いいえ、何も無いわよ。よかったら一緒に観光しましょう?」

梓「はい、もちろんです!」キラキラ

紬「よかったわ。あずさちゃんどこか行きたいところある?」

梓「そうですね、津軽鉄道とたっぴさきへ行きたいです」

紬「あら、この字たっぴさき(竜飛岬)と読むのね」

梓「そのまま読んだだけですよ?」

紬「私はたっぴみさきと読んでいたの」

梓「そ、そうなんですか」

紬「話が逸れたわね、それなら明日朝出発でどうかしら?」

梓「そうですね、青森到着時刻は20:00ですので遠出は無理ですから」

紬「そうね〜。今日は新町通りへご飯食べにいきましょう」

梓「はい!」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:27:57.97 ID:RC6p1yPRo

梓「もう青森駅に到着ですね」

紬「今駅のホームに入ったわね〜」

梓「楽しみです」ウズウズ

紬「うふふ」

梓「あ、あれっ?」ゴシゴシ

紬「どうしたのあずさちゃん? まだ目が疲れているのかしら?」

梓「いま、ホームに・・・ギターを持った・・・。いえ、なんでもないです」

紬「?」

梓「見間違いだと思います・・・。それより出かける準備しましょう、むぎ先輩」

紬「えぇ、そうね」ニコニコ

梓「それでは、私先にホームへ降りてます」

紬「分かったわ」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:31:24.15 ID:RC6p1yPRo

ガタンゴトン ガタン  

プシュー


タッタッタ

「えっさほいっさ」

梓「よっ」ピョン

シュタッ

梓「青森に到ちゃ」

「あっずにゃ〜んっ!」ガバッ

梓「うわっ!ゆ、唯先輩!?」

唯「あ〜ずにゃ〜ん」スリスリ

梓「明日乗車するはずじゃ・・・ってこんな所でひっつかないでください!」

唯「我慢できなくて、一日早く来たんだよ〜」スリスリ

梓「もぅ、唯先輩ー!」グググ

唯「あ、あずにゃん成分を・・・補給させて・・・」ムググ

紬「あら、唯ちゃん?」

唯「むぎちゃーん!」

梓「やっと離してくれた・・・」フゥ

紬「まぁ、早めに来れたのね〜」

唯「そうなんだ〜、私も早くヴェガに乗りたかったんだよ〜」

梓「唯先輩・・・ギー太連れてきたんですね」

唯「うん!今回は長い時間離れ離れになるからね!寂しくなりそうだから連れてきたんだよ!」

紬「うふふ。そうだ唯ちゃん、私たちこれから新町通りへ行くの、一緒に行きましょ?」

唯「もちろん行きます!」

梓「荷物とギー太は置いていった方がいいですよ・・・」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:33:10.35 ID:RC6p1yPRo

唯「あ、そだね」ウッカリ

紬「乗車手続きが先ね、車掌さんを探してきましょう」

梓「それなら私が行きます」

唯「頼んだよ!あずにゃん!」

梓「唯先輩も来て下さい」

唯「はいよー!」

紬「荷物は私が見ているからね」

唯「お願いね〜」

スタスタ

紬「ギー太は置いていかないのね〜」

星奈「おいっす」

つばさ「お姉ちゃんなにしてるの?」

真美「どうも」

紬「あら、みなさんお揃いで・・・どちらへ行かれるのかしら?」

星奈「新町通りだよ〜ん」

つばさ「今ねぶた祭りやってるんだって!お姉ちゃんも行こうよ!」

紬「そうなの〜。でもごめんなさい、あずさちゃん達を待ってるので今動けないの」

真美「そうですか・・・」

つばさ「そっかー」ションボリ

星奈「達・・・?」

紬「後で紹介しますね」ニコニコ

星奈「むぎちゃんの友達かな? 楽しみにしてるよ」

真美「それでは」

紬「行ってらっしゃい」フリフリ

つばさ「行ってきまーす!」フリフリ

紬「ねぶた祭り・・・。二人とも興味あるかしら」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:34:43.64 ID:RC6p1yPRo

唯「うぉお、まさにでっかいどー!」

紬「ホントね〜」

梓「いや、違いますよ・・・」

唯「直で見るとこんなに大きいんだね〜、カッコイイよ〜あずにゃん」

梓「はい、何年も積み重なってこの形が出来上がったのでしょうね」

紬「歴史を感じるわ〜」

唯「おぉー、次のヤツもすっごいよ!」

紬「まぁ〜、キレイね〜」

梓「よっ・・・はっ・・・」ピョンピョン

唯「どうしたのあずにゃん?」

梓「この人ごみだと、私の身長では見えづらいです・・・」ピョンピョン

紬「それは大変」

唯「そうだ、肩車してあげよう!」

梓「えっ?」

唯「私は毎日ギー太を背負っているんだから、あずにゃんの一人や二人どうってことないよ」

梓「え゛っ」

紬「あらあらまぁまぁ」

唯「さ、カムオンだよ!あずにゃん!」ササッ

梓「ゑ゛ッ」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:35:37.76 ID:RC6p1yPRo

紬「唯ちゃん男らしいわ〜」

梓「い、いいですよ!私もう高校二年生ですよ!? 恥ずかしいです!」

唯「え〜、そう?」ブー

梓「ほ、ほら!もう山車も行っちゃいましたから!」

紬「あっ、でも次の山車が来たわよ」

唯「ささっ、私の肩に乗っかってごらんよ」サァサァ

梓「うぅ〜、むぎ先輩〜」

紬「唯ちゃん、少し離れてからなら見えるんじゃないかしら」

唯「そうかな〜?」

梓「そうですよ!これだけ大きいのなら少し離れても迫力はありますよ!」

唯「そだね〜、それじゃ少し離れてみよ〜か」

梓「・・・ホッ」

紬「ここはどうかしら?人も少ないし」

唯「おぉ、絶景ポイントですなぁ」

梓「はい、全体的に見えていい感じです」

紬「よかったわね〜」

梓「ホントによかったです・・・」

星奈「あっ、やっぱりむぎちゃんだ!」

梓「!」

紬「あら、星奈さん・・・一人なんですか?」

星奈「それがねぇ、この人ごみでしょ?はぐれてしまって〜」アハハ

唯「おぉー、見てみてあずにゃん!あの山車可愛い〜」

梓「どこが可愛いんですか・・・」

星奈「あず・・・にゃん・・・?」

梓「!」シマッタ

唯「ん?」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:36:38.62 ID:RC6p1yPRo

紬「あ、唯ちゃん、こちらは山口星奈さん。星奈さん、こちらは私達と同じ学校に通う」

唯「平沢唯です!むぎちゃん達と一緒に部活動を勤しんでいます!」

星奈「そうなんだ、楽しそうな部活だね〜。ところでどうしてあずにゃんと呼ばれているの?」

唯「ねこみたいで可愛いからだよ!」

梓「そ、そんな断言しないでください・・・」

星奈「確かにね。他人には懐かないけど、心許せる人の前で寝ちゃうような習性はまさにネコだよね〜」

梓「そんなことないと・・・見られてたんですか!?」

紬「うふふ」

星奈「可愛い寝顔だったにゃ〜」

梓「うぅ・・・」フカク

唯「あずにゃんがお世話になってるそうで・・・これからもよろしくお願いします」ペコリ

星奈「いえいえ、これからもお世話させてもらいます」ペコリ

梓「二倍になった・・・」ウワァ

つばさ「おーい、星奈さーん!」

紬「あら」

星奈「あっ、おーい!こっちこっち〜」

梓「みつかってよかったですね」

真美「急に居なくなるからびっくりしました・・・」

星奈「いや〜、ごめんごめん」アハハ

つばさ「やっぱりお姉ちゃん達も来てたんだ!お兄ちゃんもみつけたよ!」

修治「どうも」

紬「あらあら、みんな揃ったのね〜」ニコニコ

唯「あずにゃん、あずにゃん・・・」

梓「はい・・・?」

唯「この人達もヴェガの乗車さんなの?」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:38:39.50 ID:RC6p1yPRo

梓「はい、そうです。七尾さん、桜井さん、鳥羽さんです」

つばさ「七尾つばさでーす!」

真美「さ、桜井真美と申します」ペコリ

修治「鳥羽修治といいます、よろしく」

唯「平沢唯です。これからヴェガに乗車します、よろしくお願いします!」

星奈「よーし、一通り紹介が済んだ所で記念撮影と行きましょ〜!」

つばさ「さんせーい!」

紬「いいわね〜」

唯「おぉ、いいですな」

梓「それじゃ、私がシャッターを」

星奈「任せたよ修治!」

紬「これでお願します」

唯「あっ、それ澪ちゃんのだ」

修治「はいよー」

真美「お、お願します」

梓「いや、でも・・・」

つばさ「いいのいいの!中野さんも並ぼうよ!」

星奈「つばさちゃん、このポーズでいこうよ」

つばさ「わぁ!それすっごくいいよ星奈さん!」

真美「私はこのへんで・・・」

唯「イェイ」ダブルピース

紬「いぇ〜い」

梓「・・・」ピース

修治「・・・。山車をバックに・・・はい、チ−ズ!」カシャ

星奈「サンキュ」

紬「ありがとうございます」

修治「いえいえ、はいカメラ」

つばさ「お兄ちゃん、あそこでたこ焼き売ってるよ〜」

修治「お前焼きそば食べたばかりだろ」

紬「どこですかっ」キラン

修治「?」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:39:33.37 ID:RC6p1yPRo

紬「焼きそばはどこで売ってましたかっ?」キラキラ

つばさ「えーとあっちだったかな?」

真美「一緒に行きましょうか?」

紬「お願します!」フンス!

修治「気をつけてな、つばさ」

つばさ「うん!」

梓「わ、私も行きま」

ドンッ

「あら、ごめんなさ〜い」

梓「いえ・・・こちらこそ、すいませんでした」

唯「もう姿がみえなくなっちゃった」

星奈「またはぐれちゃったけど大丈夫かな」

修治「桜井さんと琴吹さんがいるから大丈夫だろ。それじゃ、俺もこれで失礼します」

星奈「うん。またね」

梓「それでは」

唯「またね〜」

星奈「・・・むぎちゃん、目の色が変わったけどどうしたの?」

唯「夏フェスで食べるの楽しみにしていたんだけど、目前で売り切れちゃったんだ〜」

梓「楽しみにしていただけにかなりがっかりしてましたからね」

星奈「ふふ、なんだか可愛い人だな〜」ホノボノ

唯「うん、むぎちゃんは可愛いよ〜、気立てもいいし、淹れてくれるお茶はおいしいし」

梓「唯先輩それだと、ただのメイドさん扱いですよ」

唯「むぎちゃんのお茶はおいしいだけじゃないんだよ!私達を包むまったりタイムには必需品なのです!」

星奈「それなら、販売機の紅茶でもいいんじゃないの?」

唯「それがね〜、むぎちゃんが居ないときに自販機の紅茶を飲んだんだけどちょっと違ったんだ〜」

梓「あ、それなんとなく分かります」

星奈「ほぅ」

唯「だからむぎちゃんのお茶がないと放課後ティータイムは成り立たないのです!」キリ

梓「」ウンウン

星奈「部活だよね・・・?」

梓「も、もちろんそれは活動の一部ですよ、ちゃんとした活動もしてます!」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:40:26.71 ID:RC6p1yPRo

星奈「ふ〜ん・・・おっと、人が増えて来たねぇ」

唯「まだ祭りは始まったばかりだよ!」

梓「これからどうしましょうか・・・」

pipipipipi

梓「あ、むぎ先輩からです・・・はい、もしもし」

唯「おぉ〜、あの顔かっこいい〜」

星奈「いやいや〜、あっちの山車の方がかっこいいよ〜」

梓「そうですか、それは残念でしたね・・・。はい、・・・分かりました、では」プツッ

唯「あー、あれも可愛い〜」

星奈「お〜、ほんとうだ」

梓「もう打ち解けてる・・・。あの、お二方よろしいですか・・・?」

唯「ん?どうしたの」

星奈「どしたのん?」

梓「むぎ先輩が、『新町通りのお店は混んでいるから食堂車で食事しませんか?』との事です」

唯「そだね。そうしようか」

星奈「そんじゃ私もそうしようかな〜」

梓「七尾さんと桜井さんもそうするそうですよ」

唯「・・・すこし名残惜しいなぁ」

梓「存分に堪能したじゃないですか」

唯「うん、楽しかった」

星奈「それじゃ戻ろっか」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:41:03.45 ID:RC6p1yPRo

唯「はぁ〜、美味しかった〜」

紬「えぇ、食堂車の味は逸品ね」

梓「ふぅ・・・」

唯「あずにゃんお疲れの様子ですな〜」

梓「唯先輩と星奈さんが騒がしくするからですよ」

唯「え〜」

紬「うふふ、とても賑やかな食事だったわ〜」

梓「私もむぎ先輩の席が良かったです」

唯「あずにゃんのいけずぅ〜」ツンツン

梓「なんですかそれは・・・」

紬「ふぁ・・・。なんだか眠くなってきちゃった・・・」

梓「朝から動きっぱなしでしたからね、早めに眠ってはどうですか?」

紬「そうね〜。今日は少しだけ勉強して眠ります〜、おやすみ〜」

スタスタ

梓「おやすみなさいです」

唯「おやすみ〜。私も明日に備えて練習を少しだけにしようかな〜」

梓「・・・唯先輩、勉強しないんですか?」

唯「・・・ぴぃ〜ぷぅ〜♪」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:41:48.04 ID:RC6p1yPRo

梓「顔を逸らして口笛吹いても誤魔化せませんよ」

唯「だってぇ、せっかくのヴェガだよ?ギー太と思い出を作りたいんだよ〜」グスグス

梓「その気持ちは分かりますけど」

唯「大丈夫だよ!りっちゃんもやってないはずだもん」

梓「それを大丈夫とはいいませんよ・・・」

車掌「あら、お二人ともどうなされたんですか?」

唯「車掌さん・・・、あずにゃんが、あずにゃんがとても厳しいのです」

梓「後々困るのは唯先輩ですよ?」

車掌「どうやら平沢さんの方に分が悪そうですね」

唯「・・・分かりました。私も少しだけ勉強します」

梓「ギー太を預かりましょうか?」

唯「それだけはっ」

梓「・・・冗談ですよ」

車掌「クスクス」

唯「車掌さんあずにゃん、おやすみ〜」

梓「おやすみなさいです」

車掌「おやすみなさい」


2日目終了--------
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/05(火) 01:42:38.59 ID:EexYz4dxo
車内で弾いていいのか?
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:44:15.26 ID:RC6p1yPRo
今日はこの辺で打ち止めします
朝ちょろっと投下して21時から投下します

東北地方のいちはやい復興を願っています
読んで下さった方ありがとうございます
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 01:44:46.11 ID:RC6p1yPRo
>>76
ぴぃ〜ぷぅ〜♪
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 01:58:28.97 ID:mvWa0k/SO
最初から、こっちの方がよかったね
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 03:18:51.68 ID:oyf2y2u2o

ヴァガは知らないけど俺好みの話
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 08:58:48.63 ID:RC6p1yPRo

             8月3日


コンコン

紬「・・・」

コンコン

紬「まだ寝ているのかしら・・・」

コンコン

梓「むぎ先輩おはようございます」

紬「おはようあずさちゃん」

梓「唯先輩まだ起きないのですか?」

紬「そうなの」

梓「まさか・・・」

ガチャ

唯「おはよう〜・・・むぎちゃん」ボケー

紬「おはよう唯ちゃん。もうそろそろ出かける時間なんだけど・・・」

唯「えっ、もうそんな時間なのっ? ・・・えへへ、昨日勉強の合間に練習しちゃって」

梓「・・・」

紬「あらあら」

唯「やりだしたら止まらなくて・・・、あずにゃんには内緒だよ?」シー

梓「唯先輩・・・私はココですよ・・・」

唯「あずにゃん! ・・・・・・てへっ☆」ウィンク

梓「ゆ〜い〜せ〜ん〜ぱ〜い〜」ゴゴゴ

唯「ごめんなさい! ちゃんと勉強もします! 今すぐ準備しますので5分だけ時間をください!」

梓「もぅ・・・」

紬「私たち先にホームへ降りてるわね」

唯「了解です」ビシッ
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 08:59:14.71 ID:RC6p1yPRo

紬「あずさちゃん面倒見いいのね〜」

梓「いいえ、そういう訳ではないです。憂に頼まれましたから」

紬「そういう事だったの〜」

唯「お ま た せ !」

紬「出発しましょうか」

梓「はい!」

唯「それでどこ行くの?」

梓「昨日食堂車で話したじゃないですか」

紬「先ずは竜飛岬からいきましょう」

唯「その後に津軽鉄道だったね。しゅっぱ〜つ!」

紬「おー」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:00:04.46 ID:RC6p1yPRo
―――――竜飛崎

紬「結構風が強いわね〜」

唯「あずにゃん、飛ばされないように気をつけてね」

梓「それはないです・・・」

紬「風車がきれいに並んでいるわ〜」

梓「私こんなにたくさんの風車を見たの初めてです」

唯「わたしも〜」

紬「たくさんの風車の回すなんて、風の力って凄いわね〜」

唯「あずにゃん、飛ばされないように」

梓「だからそれは」

ビュウウウウウウウ

梓「っとっと・・・」グラグラ

紬「あずさちゃん」ガシッ

唯「あずにゃん」ガシッ

梓「・・・飛ばされないですから、両腕を離して下さいませんか?」

唯「両腕に花だよ!」

紬「ホントね〜」ニコニコ

梓「私も花に入ると思うんですが・・・」

唯「それにしても地元の人達は大変だね、こんなに風が強くちゃ」

紬「そうね〜、でも逆転の発想で風を利用するなんてすごいわ」

梓「逞しいですよね」

唯「ここに立つとさ、とても遠いところへ来たような気がしない?」

梓「この先が海だからでしょうか」

紬「ちょっと寂しい感じもするわね」

梓「今は昼だからいいですけど、夕方に来ると哀愁漂う気がします」

唯「私達がいるよ!」ガシッ

紬「そうよ!」ガシッ

梓「いや、あの、歩きにくいので・・・」

唯「よーし、次の観光地へ行くぞー」

紬「おーっ」

梓「あの・・・」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:01:09.81 ID:RC6p1yPRo

チリンチリン

唯「涼しい〜」

紬「外は暑いけど電車の中はいい感じね〜」

梓「・・・」マッタリ

唯「このまま電車に揺られてどこまでも行こうか〜」ノンビリ

紬「いいわね〜」マッタリ

梓「だ、だめですよ!」

唯「冗談だよ〜」

梓「唯先輩が言うと冗談に聞こえません」

唯「え〜。でもこのまま風鈴電車に揺られるのっていいと思わない〜?」

紬「いいわね〜」マッタリ

梓「風情があっていいと思いますけど」

唯「でもさ、秋になったらどうするのかな?秋に風鈴が鳴ってたら寒そうだよ」

紬「9月からは鈴虫列車に変わるそうよ〜。ガイドに書いてあったわ」

唯「それじゃあ、梅雨にはカエル、春にはウグイスが乗ってるのかな?」

梓「そんな訳ないじゃないですか」

紬「賑やかになるわね〜」

唯「冬には何を乗せよう」

紬「そうね〜」

梓「うさぎとか・・・?」

唯「うさぎは鳴かないよ〜、狼はどうかな?」

紬「オォーン」

梓「それを列車で聞いてどうするんですか」

唯「それじゃ熊?」

紬「グルルルル」

梓「冬眠してますよ。なんで戦闘態勢時の声なんですか」

クスクス アノコタチカワイー

梓「せ、先輩方次で降りましょう・・・」

紬「そ、そうね」

唯「もうちょっとのんびりしようよ〜」

チリンチリン
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:01:35.73 ID:RC6p1yPRo

紬「ちょっと照れちゃったわ」テレ

梓「すこしはしゃいでしまいましたね」

唯「もうすぐ夕方だけど、どうしよっか〜」

紬「私もう一度新町通りへ行ってみたいの」

唯「あ、私も〜」

梓「私はベイブリッジへ行ってみます」

唯「一緒に行かないの?」

梓「日本としては有数の規模の橋だそうです。興味があるので」

紬「別行動ね」

唯「あずにゃん一人で大丈夫?」

梓「大丈夫です!」キリ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:02:40.55 ID:RC6p1yPRo

唯「ねぶた祭り絶賛開催中!・・・だから人が多いね〜」

紬「そうね〜、今夜も賑やかになるわね、きっと」

唯「むぎちゃん、何か用事があるの?」

紬「そうじゃないけど、私こんなに人が集まることあまり来ないから、もう一度味わいたかったの」

唯「そっか〜、それなら今度みんなで地元の祭りにでも行こうよ!きっと楽し〜よ〜」

紬「まぁ、それは楽しみだわ〜!」

唯「へへ〜、また楽しみが一つ増えちゃった〜」ルンルン

紬「ふふ、ありがとう」

唯「いえいえ〜、あっ・・・むぎちゃん、あれ真美ちゃんじゃない?」

紬「あら本当だわ、困った顔してるけどどうしたのかしら」

唯「お〜い、真美ちゃ〜ん!」

真美「あっ」ホッ

紬「道に迷いましたか?」

真美「い、いえ、私人ごみが苦手なので・・・少し心細かったです」

唯「それならどうして新町通りにきたの〜?」

真美「絵の具を切らしてしまったので、買出しに来たのですが、画材屋が見つからなくて・・・」

紬「それなら一緒に探しましょう?」

唯「そうだね、その方が早いよ」

真美「いいんですか?」

紬「もちろん!」

唯「もちろんだよ!」

真美「あ、ありがとうございます。もう諦めていた所なので助かります」

唯「真美ちゃんはいつもスケッチブックを持ってるけど、どんな絵を描くの?」

真美「なんでも描きますけど、人物画が多いですね」

紬「展望車で何度か描いてますよね」

真美「あ、勝手にモチーフにしちゃってすいませんでした。琴吹さん・・・」ペコリ

紬「いえいえ、その後絵を見せてくれたので問題無いですよ」

唯「えっ、むぎちゃんモデルになったの?」

真美「私が勝手に・・・。その、琴吹さんと中野さんの間にある優しい雰囲気が描きたくなったので、つい」

紬「気になさらないで〜」

真美「そう言ってくれると助かります。ちゃんと仕上げて差し上げますので・・・」

唯「あずにゃんも?いいなぁ〜」

紬「あずさちゃん眠ってたから。唯ちゃん、びっくりさせたいからこの事内緒ね」

唯「むぎちゃんも悪よのぅ」イッヒッヒ

紬「うふふ」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:03:16.64 ID:RC6p1yPRo

真美「みなさん仲がよろしくて羨ましいです」クスクス

唯「今度私もモデルにしてくれないかなっ?」

真美「い、いいのですか?」

唯「いやかな・・・?」

真美「いえ、ぜ、是非!」

唯「わーい!」

紬「桜井さん、このお店はどうですか?」

真美「は、はい」

唯「入ってみよう!」

真美「わぁ・・・こんなに画材があるなんて!」パァァ

紬「よかったですね」

真美「はい、少し見て回ります! わぁ〜」キラキラ

唯「嬉しそうだね」

紬「あんなに生き生きした桜井さんみたの初めて」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:03:55.40 ID:RC6p1yPRo

星奈「おや、こんな所でなにしてんの?」

唯「あ、星奈ちゃん!」

紬「桜井さんを待ってるの〜」

星奈「そうなんだ。あ、あのさ唯ちゃん?ちゃん付けはやめてくれないかな〜?」

唯「じゃあ、星ちゃん!」

星奈「別の呼び方を希望!」

唯「スターちゃん」

星奈「ノー!」

唯「星奈っち」

星奈「ダメ!」

唯「すぇいぬぁ」

星奈「じゃあそれで」

唯「すぇいぬぁはぬぁにすぃてとぁの〜」

星奈「あっはっは! 私の負けだわ〜」

紬「うふふ」

星奈「それで、唯は今なんて言ったの?」

唯「星奈ちゃんはなにしてたの〜」

星奈「ちゃん付けは変えないのか・・・。ベイブリッジ見てきたとこだよ」

紬「あずさちゃん居ませんでした?」

星奈「梓ちゃん?見てないな〜、行き違いになったかな?」

紬「そうですか」

唯「ベイブリッジはどうだった〜?」

星奈「カップルが多くて居心地悪かったかな〜」

紬「あずさちゃん一人で大丈夫かしら」

星奈「つばさちゃんと修治もベイブリッジに行くと行っていたから会うかもね」

唯「私も行けばよかったかな〜」

紬「もう時間ないわね・・・」

星奈「そろそろ列車に向かった方がいいね。大丈夫だよあの子しっかりしてるし」

唯「そうだね」

真美「お、おまたせしました! あ、星奈さんもいらしてたんですね」

星奈「おいっーす」

紬「買い揃えることができてよかったですね」

真美「はい、二人ともありがとうございました」ペコリ

唯「いいよ〜お礼なんて〜」エヘヘ

星奈「列車に戻ろっか」

紬「えぇ」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:05:08.88 ID:RC6p1yPRo

唯「青森楽しかった〜!」

星奈「楽しかったー!」

車掌「お帰りなさいませ。青森の観光は楽しめたようですね」ニコニコ

紬「車掌さん、あずさちゃん戻ってますか?」

車掌「中野さんですか?いえ、まだお戻りになっていませんが・・・」

真美「そろそろ出発時刻ですけど・・・」

唯「大丈夫だよ〜むぎちゃん」

紬「えぇ・・・」

車掌「噂をすれば・・・ですね」

星奈「やっぱり三人一緒だ」

つばさ「やっほー!」

唯「やっほー」

梓「ただいまです、むぎ先輩」

紬「えぇ、おかえりなさい」

星奈「姉妹かっ!」

真美「ふふふ、本当の姉妹みたいですね」

梓「?」

修治「どうしたの?」

唯「むぎちゃんが心配してたんだよ〜」

梓「遅れてすいませんでした」

紬「ううん、なんとなく気になっただけよ。気にしないで〜」

車掌「それではみなさん、もう間も無く発車致しますのでご乗車下さい」

つばさ「はーい!」

星奈「ささ、乗り込めー」

真美「ふふ」

唯「ヴェガが走るよあずにゃん!」ワクワク

梓「いいから早く乗ってください」

唯「ちぇー」

紬「うふふ」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:05:44.38 ID:RC6p1yPRo

修治「俺で最後だな」ヨシ

唯「あずにゃん!展望車行こうよ!」

梓「真っ先にですか?もっとゆっくり行きませんか?」

修治「展望車はずっとついてくるから大丈夫だよ」

唯「そうだけど〜」ウズウズ

キャァ

紬「?」

修治「どうしたの琴吹さん?」

紬「今声が・・・?」

修治「ん?・・・あっ、危ない!」

紬「え・・・あ!」

「た、たすけて・・・」

唯「生首っ!」

梓「ドアに挟まっているんですよ!」

修治「俺がドアをこじ開けるからみんなはこの子を引っ張って!」

紬「はいっ」

梓「はい!」

修治「せーっの!」

唯「よいしょっー!」

ガラッ

「きゃああああ」

ドサドサドサッ

プシュー  

ガタンゴトン ガタンゴトン

修治「ふぅ〜。なんとか走るまでに間に合ったな・・・」

梓「び、びっくりしました」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:06:10.47 ID:RC6p1yPRo

つばさ「梓さんどうかしたのー?」

星奈「なにごとー?」

「た、助けてくれてありがとうございました」

唯「発車直前にこの子がドアに挟まっててさ、危なかったよ〜」

「め、めがねが・・・」

紬「これですよね、はいどうぞ」

「あ、ありがとうございます」

唯「あー、荷物が散らばっちゃったね〜」

星奈「拾うの手伝うよ、あっ、修治は向こう行ってて!」

修治「なんでだよ」

つばさ「お兄ちゃん!」

修治「へいへい」

梓「つばさ、これもケースに入れて」

つばさ「はーい」

唯「おたま、お鍋に枕?」

「みなさん、手伝ってくれてありがとうございます・・・」

紬「これで全部ね・・・」

星奈「修治にこの子の下着まで拾わせる訳にはいかないからね〜」

つばさ「お兄ちゃんはデリカシーに欠けるよ!」プンスカ

「今日はラッキーだわ・・・」

つばさ「え!?」

星奈「えっ!?」

梓「え・・・」

紬「まぁ・・・」

唯「え〜、どうして?」

「だって・・・列車に乗れたもの・・・」

星奈「なんか凄い子が乗ってきたなぁ・・・」

梓「そうですね・・・」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:06:54.49 ID:RC6p1yPRo

「松浦愛といいます。よろしくお願します」

唯「よろしく〜」

愛「みなさん、先ほどは危ないところを助けていてありがとうございました」ペコリ

紬「いえいえ」

修治「どういたしまして」

梓「どうしてラッキーなんですか?」

愛「私、いつもなら乗り遅れてしまうんです。でも今日は乗ることができたので」

星奈「ポジティブだね」

梓「それはちょっと違うような気がしますけど」

唯「いつも乗れないの?」

愛「はい、私なにかと運が悪くて、財布はよく落とすし、買いたい物はいつも売り切れ
  電話の三回に一回は無言電話なんです」

紬「まぁ・・・」

星奈「怪我とかなかった?」

愛「はい、大丈夫です。あれくらいいつもの事ですから」ニコニコ

修治「あれが日常茶飯事なのか・・・壮絶だな・・・」

つばさ「お兄ちゃ〜ん、車掌さん連れてきたよ〜」

車掌「松浦愛さんですね? 乗車証の確認をさせていただきます」

愛「は、はい」

紬「それじゃ、私達はお暇しましょうか」

梓「そうですね」

つばさ「お姉ちゃん達行っちゃうの?」

唯「私もう少しここにいたいな〜」

梓「松浦さんの手続きの邪魔になるじゃないですか」

つばさ「そっか」

唯「そうだね」

星奈「修治、愛ちゃんの案内ちゃんとするんだよ〜!」

修治「えっ?俺?」

つばさ「お兄ちゃん後でね〜」

紬「それでは」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:07:22.75 ID:RC6p1yPRo

梓「それでは問題です」

紬「じゃじゃん!」

梓「先ほど、松浦愛さんと話をした客車は何号車でしょう」

唯「う〜ん、座席が黄色だったから・・・3号車!」

梓「正解です」

紬「」パチパチ

唯「やった!」

梓「では次です。ここの客車は何号車でしょう」

唯「緑だから・・・、1号車!?」

梓「不正解です。連続解答とはなりませんでした」

紬「2号車よ、唯ちゃん」

唯「あ〜、そっちだったか〜」アウチ

梓「残念でした。ギー太は没収です」

唯「そ、そんなぁ〜」

紬「ひょっとして、あずさちゃん、ギター弾きたいのかしら?」

梓「うっ」ギク

唯「なんだ〜それならそうと言ってくれればいいのにぃ〜」

梓「そ、それはその・・・」モジモジ

紬「うふふ、なんだか私も鍵盤に触りたくなってきたわ」

梓「それなら展望車へ行きませんか?ピアノもありますし、そこでならギターの練習しても大丈夫かと」

唯「いいですな〜。それならギー太連れてくるよ!」ガタ

梓「ヴェガで練習できるなんて・・・」ワクワク

紬「車掌さんの許可がいるかしら?」

梓「そうですね、あ」

紬「どうしたの?」

つばさ「お姉ちゃ〜ん、梓さ〜ん」

梓「つばさその格好どうしたの」

紬「あらあらまぁまぁ」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:08:08.64 ID:RC6p1yPRo

つばさ「えへへ、東京のお兄ちゃんの挙式で着るドレスなんだ〜似合ってる?」

梓「うん、似合ってるよ」

紬「えぇ、とってもキレイよ」

つばさ「えっへへ〜、嬉しい〜」テレ

梓「でも、どうして今着てるの?」

つばさ「これから食堂車でお兄ちゃんとデートなんだぁ」ルンルン

紬「嬉しそうね〜」ニコニコ

梓「待たせるの悪いから早く行った方がいいよ?」

つばさ「そうだね、行ってきま〜す」タッタッタ

紬「あら? そう言えば・・・」

梓「どうしたんですか?」

紬「つばさちゃんとあずさちゃんの雰囲気変わったなぁと思って」

梓「あ、はい。ベイブリッジで名前で呼んでくれって頼まれまして」

紬「なんだかいい友達が出来たみたいね」

梓「そう、見えますか?」

紬「えぇ」

梓「わ、私車掌さんに展望車の使用許可取ってきますね!」ガタ

紬「うふふ、お願いね〜」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:08:41.83 ID:RC6p1yPRo

梓「えーと、動力車かな?」

「にゃー!」

ドテッ

梓「?」

「ふぇーん」

梓(あ、売店の店員さんだ・・・派手に転んだな)

「ぐすっ」

梓「大丈夫ですか?」

「えっ?」

梓「立てますか?」

「大丈夫です〜。これから気をつけます〜。それでは〜」

梓「なんだか子供みたいな人だな・・・」

唯「あずにゃん、どうしたの〜」

梓「あ、唯先輩。車掌さんみませんでしたか?」

唯「ううん。見てないよ〜。それよりね今可愛い人とすれ違ったよ〜」

梓「その人売店の店員さんですよ」

唯「そうなんだ〜、なんか楽しいよねこの列車」

梓「そうですね。唯先輩はむぎ先輩と先に展望車へ行っててください」

唯「おっけ〜」テクテク

梓「楽しい・・・か、乗って間もないのに。すごいな唯先輩」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:09:26.86 ID:RC6p1yPRo

梓「むぎ先輩〜許可下りましたよ〜」

紬「ありがとう、あずさちゃん」

「ようっ、君があずさか!」

梓「うわっ、びっくりしたぁ!」

「ガッハッハ」

唯「この人は食堂車の一流コックさんだよ〜」

紬「食堂車の味は逸品です〜」

コック「おぅ、嬉しい事を言ってくれるな。ガッハッハ」

唯「ガッハッハ〜」

星奈「ガッハッハ」

梓「でもどうしてコックさんがここに?」

コック「わしぁこの列車の設備系統も管理していてな、ギターの音を拾う機械を弄ろうと来たわけだ」

梓「アンプがあるんですか?」

コック「いや、ちょっと違うんだが、まぁ見ててくれ」ゴソゴソ

真美「すごいですよね、展望車の設備」

梓「あ、桜井さん・・・すいません。コックさんの存在が強烈すぎて気付かなかったです」

真美「ふふ、いいですよ。私は琴吹さんにご招待されたんです」

紬「約束だったものね」

星奈「梓ちゃん・・・私もいるんだけど・・・?」

梓「気付いてましたよ」

星奈「私の存在も強烈だというのか、このやろっ!」

梓「もぅ星奈さん、離してください!」ジタバタ

コック「よし、唯、鳴らしてみてくれ」

唯「あいよ〜」

ギュィイィン

唯梓星奈「「「 おぉー 」」」

紬「ヴェガで演奏できるなんて素敵ね」

真美「すごいですね」

コック「他のお客さんに迷惑かけるといけないからな、2,3曲軽めの曲で我慢してくれ」

紬「はい、ありがとうございます」

唯「ありがとう〜コックさん。また食べに行くね〜」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:09:58.76 ID:RC6p1yPRo

コック「いつでも来なさい。終わったら車掌に連絡頼むぞー」

スタスタ

梓「車掌さんが手配してくれたんですね」

紬「えぇ、そうみたいね」

梓「唯先輩」

唯「なにかな?」

梓「いや、その、心苦しいですけど、ギー太を」

唯「ついにこの時が来てしまったんだね・・・」

梓「そんな大げさな」

唯「私たち最後の曲です聴いて下さい・・・」

チャララーララ チャラララララー

星奈「おぉー!唯かっこいいぞー」パチパチ

真美「」パチパチ

唯「えっへっへ〜。はい、あずにゃん・・・。ギー太を・・・ギー太をよろしく・・・!」

梓「そんな顔されると弾きづらくなるじゃないですか」

紬「あずさちゃん、なにを演奏しましょうか?」

唯「夜に合わせてジャズはどうかな〜。あずにゃんのジャズ聴いてみたいと思ってたんだ〜」

梓「ジャズとなると、澪先輩が居ないと・・・」

紬「そうねぇ」

星奈「・・・」シーン

梓「それに私たちジャズなんてやったことないじゃないですか、唯先輩」

唯「あ、そだね」

真美「リクエストいいですか?」

梓「はい」

真美「ドビュッシーのアラベスクを・・・」

紬「あずさちゃん、それでいいかしら?」

梓「はい、練習用で何度か弾いてますから大丈夫です」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:10:57.14 ID:RC6p1yPRo

真美「あ、ありがとうございます」

唯「えっ、ギターでクラシック!?」

梓「はい。指を動かす練習に最適ですよ」

唯「ふむふむ。今度教えてね、あずにゃん!」

梓(唯先輩がやる気を・・・)ジーン

紬「私がリードするわね」

星奈(なんだか取り残されているような気分・・・)ションボリ

梓「了解です、むぎ先輩。星奈さんもリクエストありますか?」

星奈「えっ、えーと、キラキラ星・・・を・・・」

唯「おぉ」キラキラ

梓「はい、分かりました」

唯「はい、はい!ロシア民謡の一週間をお願いします!」

梓「それではいきます。むぎ先輩お願します」

紬「」コクン

唯「」ガーン

星奈「元気だしなって」ヨシヨシ

ポン ポロロ ポロ ポロ ポン ポロ ポロロン

ジャン ジャラン

星奈「おぉ・・・」

真美「・・・」ウットリ

梓(むぎ先輩のクラシック・・・)

紬「・・・」

―――♪
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:11:38.04 ID:RC6p1yPRo

唯「・・・」ウトウト

ポン ポン ポン ポンポロロン

ジャ ジャ ジャ

真美「・・・」ウットリ

唯「」スヤスヤ

星奈「・・・」

紬「」チラッ

梓「」コクン

ポロロロロン

ジャララン

星奈「・・・」

真美「・・・」

唯「」スヤスヤ

パチパチパチパチ

星奈「え・・・」

真美「あら」

唯「ぅん?」

紬「まぁ」

梓「ちょっと照れますね」

「素敵な演奏でしたよー」パチパチ

「ええモン聞かせてもろうた」パチパチ

「よかったですねぇ、おじいさん」パチパチ

星奈「いつの間にか観客が」

真美「素敵でした」パチパチ

唯「よかったよー」パチパチ

梓「唯先輩寝てたじゃないですか!」

紬「うふふ」

唯「いやぁ、むぎちゃんの演奏聴いていたら急に眠気が」エヘヘ

真美「自然の中にいるような気分でしたね」

紬「まぁ、ありがとう〜」ニコニコ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:12:27.18 ID:RC6p1yPRo

梓「むぎ先輩のクラシック初めて聴きました」

紬「そうね〜弾く機会がなかったものね」

愛「みなさんが演奏していたんですね」

星奈「お、愛ちゃんも一緒に聴こうよ」

唯「おいでおいで〜」

愛「で、でも・・・」

真美「ど、どうぞ」

紬「よかったら聞いていってください」

愛「そ、それじゃあ・・・」

梓「次にいきましょう、むぎ先輩」

紬「えぇ、分かったわ。今度はあずさちゃんのリードでいいかしら?」

梓「了解です」

星奈「リクエストした私が言うのもなんだけど、キラキラ星なんかでよかったのかなぁ・・・」

唯「私も大好きだから大丈夫だよ〜」

梓「では・・・」

デン

ガタン

梓「あれ・・・?」

真美「停電・・・ですね」

星奈「ありゃりゃ」

紬「あらあら」

唯「なんとっ」

愛「・・・」

梓「ヴェガの走行には問題なさそうですね」ホッ
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:12:56.95 ID:RC6p1yPRo

唯「しばらく待ってたら戻るよ〜」

愛「やっぱり私のせいなんだと思います・・・」

星奈「ん?」

真美「え?」

愛「私の運の悪さは筋金入りなんです・・・」ガタ

唯「あ、電気点いていないんだから歩いたらあぶないよ〜」

愛「私が出て行けば電気も回復するはずですから」

テッテッテ

ドンッ

愛「きゃっ」

修治「おっと、・・・愛ちゃん?」

つばさ「どうしたのお兄ちゃん?」

紬「・・・」

ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン

梓(あ、ピアノソロ・・・。ギターは控えたほうがいいな・・・)

星奈(いいテンポで聴きやすい)

真美「・・・」ウットリ

つばさ「暗くて見えない・・・誰が弾いているのかな」

修治「しーっ」

つばさ「ご、ごめんなさい・・・」

愛「・・・」

唯「おぉ〜」

星奈「どうしたの?」

唯「星空がキレイだよ〜」

真美「ホントですね・・・」

つばさ「あ、星奈さん達がいる」

修治「愛ちゃん、俺らもみんなのところに行こうか」

愛「はい・・・」

ポン ポン ポンポンポロロポン

梓(みんな空を見ているのに、むぎ先輩は演奏を・・・)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:13:27.65 ID:RC6p1yPRo

唯「なんだか贅沢〜」

星奈「そうでんな〜」

真美「・・・」ウットリ

ポロン ポロ ポロロン ポン  ポン・・・・・・

梓「・・・」パチパチ

星奈「むぎちゃんすごーい!」パチパチ

真美「素晴らしかったです」パチパチ

紬「ありがとう〜」ニコニコ

つばさ「お姉ちゃんが弾いてたんだー!すごくよかったよー!」

修治「・・・」パチパチパチ

唯「私はとても感動しました!」パチパチ!

愛「・・・素敵な演奏でした」パチパチ

ガタン

梓「あ、点いた」

車掌「申し訳ありません、電気系統のトラブルで一時的に送電されない状態にありました
   お怪我なさった方はいませんか?」

唯「みんな平気だよ、車掌さん!」

「また、機会があったら聴かせてくださいなお嬢さん」

「いい演奏でしたよー」

紬「は、はい・・・ありがとうございます〜」テレ
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:13:54.06 ID:RC6p1yPRo

店員「いらっしゃいませぇ」

梓「この仙台観光ガイドをください」

店員「はいどうぞ〜」

梓「これで青森の観光はバッチリです!」

店員「あ、そういえばお客さん?」

梓「はい・・・?」

店員「星奈さんとぉ・・・。すっごく仲良しですよねぇ」

梓「そう・・・見えますか?」

店員「はい〜」

梓「そうですか、それではこれで・・・」

店員「また来て下さいね〜」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:14:37.83 ID:RC6p1yPRo

梓「盛岡駅に到着ですね」

紬「ん〜・・・」ノビノビ

唯「私も真似しよ〜、ん〜・・・」ノビノビ

梓「いつの間にか演奏会になってましたね」

紬「うふふ、そうね〜。でもあずさちゃんと演奏出来て楽しかったわ〜」

梓「はい、私もです!」

唯「今度は私も参加します!」フンス!

梓「ぜひ部室でもやりましょう!」

紬「いいわね〜」

唯「それにしてもこの停車駅は人がいないんだね〜」

梓「降りているのは私たちぐらいですね」

紬「もう夜も遅いから」

唯「もう10時かぁ、こんな時間に家に居ないなんて変な感じだよ」

梓「そういえばそうですね」

紬「普段なら寝る準備をして、くつろいでいる時間ね〜」

唯「私はゴロゴロしながらテレビ見てるかな〜」

梓「ギターの練習してますね・・・」

紬「そんなバラバラな時間を過ごしていた私たちが、今は一緒の時間の中に居るのね〜」

梓「・・・」

唯「なんだか貴重な時間に思えてきた!なにかしようよ!」

梓「なにをするんですか?」

唯「そうだな〜、うーん。・・・なにしようか?」

紬「トランプはどうかしら〜」

唯「それだよ!」

prrrrrrrrrrrrrr

梓「あ、出発しますよ」

紬「乗りましょ〜」

唯「アディオース、もりおか〜」

梓「人じゃないんですから・・・」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:15:26.58 ID:RC6p1yPRo

―――――展望車

星奈「・・・」ボー

梓「星奈さん・・・?」

星奈「あぁ、梓ちゃんか・・・、テレビ一緒に見る?」

梓「い、いえ。あの・・・先輩達とトランプするんですけど、星奈さんも一緒にどうですか?」

星奈「・・・」ボー

梓「・・・星奈さん?」

星奈「あ、ごめん。なにかな〜?」

唯「あずにゃ〜ん!トランプ無かったからUNO持って来たよ〜」

紬「厨房からティーポットとティーカップかりてきちゃった〜」

星奈「・・・なにが始まるのかな!? 私も混ぜてよー!」

唯「あ、星奈ちゃんもUNOやろうよ〜」

紬「えぇ、人数が増えてもいいようにカップ五つ借りてきたわ〜」

梓「よく貸してくれましたね」

紬「夜はお客さんが少ないから構わないそうよ」

星奈「なるほど。・・・唯、私がカード配るよ!」

唯「まかせた!」

星奈「」シュッシュッシュ バラバラバラ

唯「おぉ、プロのような手つきだ」

紬「見事な手さばきね〜」

星奈「ふっふっふ、私の数少ない特技の一つだよ」エヘン

梓「・・・」

紬「はい、みんな紅茶をどうぞ〜」

唯「ありがとーむぎちゃん!」

梓「ありがとうございます」

星奈「こ、これが噂の・・・」

紬「?」

唯「そうだよ、私たちついに口にすることができるんだよ星奈ちゃん・・・!」

星奈「・・・わ、私緊張してきた・・・!」

梓「ふぅ・・・。やっぱりむぎ先輩の入れてくれる紅茶はおいしいです」

紬「ありがとう〜」

星奈「あ、おいしい・・・」

唯「〜♪」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:15:59.55 ID:RC6p1yPRo

紬「ごめんなさいね、この時間帯だからお茶請けは無い方がいいと思って用意してないの〜」

梓「そうですね。こんな時間に食べちゃうと後々やっかいですよね」

唯「私太らないから大丈夫だよ〜」

星奈「・・・」

紬「・・・」

梓「・・・」

唯「ん?」

星奈「さぁー、カード配り終わったよー。誰から引く〜?」

梓「それじゃ、私から時計回りでどうですか」

紬「そうね〜」

唯「UNO大会スタート!」

梓(今はいつもと変わらないよね・・・。さっきは眠たかっただけなのかな?)
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:16:48.90 ID:RC6p1yPRo


唯「あずにゃん!ストップだよ!」ビシッ

梓「唯先輩、よく見て下さい。私まだ二枚もってますよ」

星奈「あっはっは、焦らない焦らない〜」

唯「だってぇ、私まだ12枚も持ってるんだよ〜」アセアセ

紬「私はこれで上がりね」バサッ

唯「え〜、むぎちゃんももう上がりなのー?」

梓「残るは私と唯先輩ですね・・・」

星奈「はい、ここで提案! 私唯と組んでいいかな?」

紬「あずさちゃん、どう?」

梓「望むところです!」

唯「星奈ちゃん、どうしよ〜」

星奈「なるほどなるほど・・・」

梓「・・・」

星奈「これとこれ出して」

唯「でも、後々使えると思うよ〜」

星奈「今使わないと負けるよ?」

唯「分かった。二枚置きます」バサッ(10)

梓「取ります・・・」ペラッ

星奈「これとこれ」

唯「うん」バサッ(8)

梓「ウノ・・・」バサッ

唯「!」

紬「・・・」ハラハラ

唯「スキップ!」(7)

梓「・・・」

星奈「これ」

唯「あいよ」バサッ(6)

紬「・・・」

梓「・・・」ペラッ

唯「ホッ」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:17:39.02 ID:RC6p1yPRo

星奈「これとこれ」

唯「はいよっ」バサッ(4)

梓「・・・」ペラッ

唯「ほぉ・・・」ニマニマ

紬「・・・」ワクワク

唯「これとこれだね」バサッ

星奈「あ、違」

梓「・・・」ペラッ

唯「よし、ウーッノ!wildで指定は赤!」バサッ

星奈「・・・」

梓「wild緑」バサッ

唯「あ・・・」ペラッ

梓「スキップ、スキップ、ウノ。これを出して上がりです・・・」フゥ

星奈「あぁー」

梓「危なかったです」

唯「あ〜ん、負けちゃった〜」

星奈「唯〜、勝利を確信してニヤニヤしてたでしょー」

唯「勝てると思ったら口が勝手に・・・」

紬「唯ちゃん惜しかったわね〜」

唯「あと一歩だったんだよー」ガックリ

梓「それでは、一位の星奈さん。罰ゲームの内容を発表して下さい」

星奈「うっしっし。それじゃあね〜」ルンルン

唯「お手柔らかに頼んます!」

真美「みなさんこちらにいらしたんですね」

紬「あら、桜井さん。ご用があったのですか?」

真美「いえ、そうじゃないんです。なんとなく話がしたいなぁ、と思いまして・・・」

梓「それなら一緒にUNOしませんか?」

星奈「次のゲームの前にやる事あるよ〜」

唯「逃げも隠れもいたしません!」

修治「なにしてるの?」

星奈「ッ!」

梓「UNOです。鳥羽さんもどうですか?」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:18:05.42 ID:RC6p1yPRo

星奈「わ、私!用事を思い出しちゃった! ちょっと席外すね!」

修治「せ、星奈・・・」

紬「?」

唯「罰ゲームは〜?」

星奈「あ〜、デコピンで。真美ちゃん、私の変わりにやっといてね!」

タッタッタ

真美「えっ?えっ!?」

紬「どうしたのかしら・・・」

梓「行っちゃいましたね」

修治「・・・」

唯「さぁ、どうぞ!真美ちゃん!」

真美「え、え〜と。よ、よろしいんですか?」

唯「罰ゲームだもん、構わないよ!」

真美「そ、それでは恐縮ですが・・・」

ペチ

唯「・・・優しいね〜、真美ちゃん〜」

梓「それでは」

ビシッ

唯「あうっ!」

紬「ごめんね、唯ちゃん」

ビシ

唯「あたた・・・」

修治「俺ちょっと」

梓「すいません、私売店へ行ってきます」

紬「オレンジジュースの方がよかった?」

梓「いえ、果物でもあればみんなで摘もうかと」

紬「菓子類よりいいかもしれないわね」

梓「行ってきます」

テッテッテ

修治「・・・」

唯「真美ちゃん、UNOのルールはね・・・」

真美「はい」

紬「紅茶冷めちゃってるわね・・・」

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:18:53.57 ID:RC6p1yPRo

―――――1号車

梓(・・・いた)

星奈「・・・」

梓(来たのはいいけど、どう話かけよう・・・)

星奈「梓ちゃん・・・?」

梓「!」

星奈「どうしたの?」

梓「あ、えーと。売店に用があって・・・」

星奈「そう・・・。売店車は隣だよ」

梓「は、はい・・・」

星奈「・・・行かないの?」

梓「行きますけど・・・、その、星奈さん、用事終わったんですか?」

星奈「まぁね〜」

梓「だったらみんなの所へ・・・」

星奈「一人にして欲しいと言っても連れて行くの?」

梓「そ、それは・・・」

星奈「くっくっく、アイツといい梓ちゃんといい。お節介が多いな〜」

梓「・・・」

星奈「あ、悪い意味で言ったんじゃないからね?」

梓「・・・」

星奈「そうだな。それじゃ、アイツと同じ方法で諦めてもらうか」

梓「?」

星奈「私自身の問題で他人を巻き込みたくなくてさ。アイツが話せとしつこいから、この方法で諦めてもらったの」

梓「方法?」

星奈「うん、梓ちゃんそこ座って」

梓「は、はい・・・」

星奈「このコインの表がこっち。裏がこっちね」

梓「娯楽車のコインとは違いますね。なにをするんですか?」

星奈「コイントスだよ」

梓「?」

星奈「梓ちゃんが私の運に勝てたら素直に従うよ。でも・・・」

梓「負け・・・たら・・・?」

星奈「私の問題は放って置いて、これからも楽しく旅を続けよう。それだけ」

梓「そんな大事なことゲームで決めるんですか!?」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:19:20.00 ID:RC6p1yPRo

星奈「そうだよ、私はいつもこの方法で人生の選択を決めてきたんだ。いくよ〜」

ピンッ

シュルルルルルルル

紬「表」パシッ

梓「むぎ先輩・・・」

紬「もっと楽しく旅をするためにも聴かせてくださいませんか?」

星奈「・・・それはコインを見てからだよ」

紬「どうかしら?」

星奈「・・・」

梓「・・・」

星奈「・・・まいったな、私の強運より上に行くなんて・・・」

紬「私の勝ちね?」

梓「・・・」

星奈「分かったよ、今はもう遅いから明日のお昼に仙台の定禅寺通りに来て」

紬「えぇ、分かりました」

梓「・・・」

星奈「修治とは二人で話したいから、むぎちゃんと梓ちゃんの二人で来てね」

梓「はい」

星奈「それじゃ、明日ね・・・」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:19:53.07 ID:RC6p1yPRo



梓「むぎ先輩・・・どうしてここへ?」

紬「紅茶の葉を買いに売店へ通りがかっただけなの」

梓「そうなんですか。でも、よくコインの表を引き当てましたね。私自信なかったです」

紬「あれが表で合ってたのね〜」

梓「もしかしてどっちが表か知らなかったんですか?」

紬「えぇ。二人の話を途中からしか聞いてないの」

梓「・・・」

紬「星奈さんの事放っておけない、と思ったら無意識にコインを掴んでいたの」

梓「敵わないなぁ・・・」ボソッ

紬「急いで売店へ行かなきゃ」

梓「唯先輩達が待ってますもんね」



113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:20:33.37 ID:RC6p1yPRo

唯「真美ちゃん覚えるのはやーい!」

真美「私カードゲームは好きなんです」

修治「どうでした?」

梓「私はなにもできませんでしたけど、むぎ先輩がいれば星奈さんと話できそうです」

修治「果物があったかどうか聞いたんですけど・・・」

梓「あ・・・」

修治「・・・でも、ありがとうございます。俺一人じゃどうにもならなかったかも知れません」

梓「でしゃばった形になってすいません・・・」

修治「いえ、本当に助かります」

唯「あずにゃんや、むぎちゃんはどうしたのかね」

真美「クスクス」

梓「厨房へ行って果物を切ってもらってます。紅茶の淹れ直しも」

唯「果物なにがあったのー?」

梓「ヒントは青森です」

修治「りんご」

唯「ごりら」

真美「ら、らっぱ?」

愛「・・・パイナップル」

梓「なんでしりとりが始まってるんですか、って愛さん居たんですか!?」

愛「はい・・・すいません・・・」

梓「いや、その、ごめんなさい・・・」

唯「あずにゃん元気だね〜」

修治「この中で一番若いからね」

梓「みなさんより一つだけしか違わないじゃないですか。そういえばつばさは居ないんですね」

修治「あー、あいつは・・・」

つばさ「みなさんおまたせー!お姉ちゃんの特性紅茶だよ〜」

紬「あらあら、こぼさないように気をつけてね」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:21:31.65 ID:RC6p1yPRo

真美「噂をすれば・・・ですね」

つばさ「あれぇ、星奈さん居ないのー?」

愛「そういえば・・・」

修治「疲れてるんじゃないかね」

真美「こんなにはやく寝るなんて相当疲れてるんですね」

唯「修治くん、ケンカでもしたんじゃないのー?」ニヤニヤ

梓(変な所で鋭いなぁ)

修治「まぁ、そんな所かな?」

つばさ「早く仲直りしなよ〜」

紬「まぁまぁまぁまぁ、みなさん紅茶でもどうぞ〜」

愛「あ、ありがとうございます」

紬「りんごもありますよ〜」

唯「りんご、りんご!あっぷる!あぷふぇる!」

梓「おいしいです!」シャクシャク

紬「旬には少し早かったけど」

真美「この紅茶、りんごの香りがします」

紬「ちょっとだけ入れてみました」ニコニコ

唯「そうだ、いい事思いついちゃった〜。あずにゃん耳をかして」

梓「?」

唯「こういうのはどうかな?」ヒソヒソ 

梓「それは面白いかもしれませんね。次は仙台ですし」

唯「でしょ〜」

紬「あらあら、なぁに〜」

梓「あのですね」ヒソヒソ

紬「おぉ〜」

つばさ「なになに?」

紬「あのねぇ〜」ヒソヒソ

つばさ「ほぉ〜」

唯「なになに、教えて教えて〜」

つばさ「んっとね〜」ヒソヒソ

唯「そ、それは名案だよつばさちゃん!」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:22:13.39 ID:RC6p1yPRo

梓「コントですね。満足しましたか?」

唯「うん!」

愛「クスクス」

真美「ふふ」

車掌「楽しんでいるところ申し訳ありません」

紬「あ、車掌さん」

車掌「仙台への到着時刻は0時となっております。到着時以降も展望車を利用なされる場合
   一度私へ連絡していただきますよう、お願いします」

紬「はい、分かりました〜」

車掌「それではごゆっくり、おくつろぎくださいませ」

修治「・・・」

梓「今度は星奈さんも一緒に遊びましょう」

修治「うん、ありがとう。俺はこれで失礼するよ」

梓「そうですか、それではまた明日」

修治「うん。紅茶ごちそうさま」

紬「いえいえ〜」

真美「唯さん、UNOしませんか?」

つばさ「わたしもやるー!」

愛「わ、わたしも参加したいです」

唯「よーし、第二回UNO大会始まり〜!」



3日目終了--------
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:23:17.33 ID:RC6p1yPRo

8月4日



(うぅ〜ん、やっぱり律と一緒に来ればよかったかも・・・)

「お1人ですかァ?」

澪「ヒッ」

「そんな怖がンなくてもよくね?」ヘラヘラ

澪「ナ、ナンデショウカ・・・」

「なんかデッケェ荷物だけど、大変でしょ、お持ちしますよ?」ヘラヘラ

澪「イ、イイデス・・・」ガクガク

「オレ知ってンぜ、それギターっていうんっしょ?」ヘラヘラ

澪「チ、チガイマス」ビクビク

「そンなことより、今から遊びに行かね? 楽しい場所知ってんだよ」ヘラヘラ

澪「イ、イイデス」ブルブル

「え、オッケ? ノリいいね〜 そんじゃ行こっか?」ヘラヘラ

「あんたバカァ?」

「あァ?」

澪「ヒァッ」

「あんたみたいなチャラい奴と、こんな可愛い子が釣りあうわけないじゃん」

チャラ男「ンだとぉ?」

「ソーですねぇ〜、どう見ても嫌がっていましたヨ。押してダメなら引いてみよ。ですワ」

「エレナ・・・それ違う・・・」

チャラ男「なんだてめぇら、やんのかコラ」ビキビキ

エレナ「オー、カヨワイ女性に暴力ですか、サムライ男児ともあろう方が、かっこ悪いネ」

澪「アワワ」オロオロ

チャラ男「サムライ魂見せてやろうか? あぁ!?」

エレナ「ショウガナイですネー。小麦 アレを披露するネ!」

小麦「オッケー」ガサゴソ

チャラ男「厚い板切れなんぞ出しやがって、それで俺を殴るってか?」ニヤニヤ
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:24:55.24 ID:RC6p1yPRo

エレナ「いいですか、小麦? しっかり持つですヨ?」

小麦「大丈夫だよ、さぁ来い!」

チャラ男「板割かよ・・・女のお前が割れるわけ」

エレナ「スゥー、・・・ハッ」セイッ

小麦「ッ!」グッ

バキッ

「「 おぉ〜 」」 パチパチ

澪「す、すごい・・・割れた」

エレナ「小麦、ダイジョウブですカ?」

小麦「うん、大丈夫。 手が痺れちゃったけどね」

「金髪のネーちゃん、カッコよかったぞー!」ガヤガヤ

「次はなにをしてくれるのー?」ガヤガヤ

小麦「あらら、いつの間にかギャラリーが・・・そうだエレナ! ここで店を開こうよ!」

エレナ「それはGood Idea! さっそく出店するヨ」

澪「あ、あの・・・」

小麦「ん・・・?」

澪「た、助けてくれてありがとうございました」ペコリ

エレナ「くるしゅーないネ!」

小麦「あれ、あの男は・・・?」

澪「走ってどこかへ・・・」

小麦「ふ〜ん、まぁあたしらもここで店を開けてラッキーだからお互い様だよ〜!」

エレナ「さ〜、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! いいブツが手に入りましたヨー」

客「それじゃあこれ下さい」クスクス

エレナ「おー、サンキューです。 クククおぬしもワルよのぅ」

客「いやいや悪くない悪くない」ワハハ

澪「でも、どうして急に露店を?」

小麦「エレナは今世界を旅している途中なんだ。それでお金に困ったらお店を開いて稼いでるの!」

エレナ「そうデース。しっかり稼がなければ、その日の食事もままなりませんカラ」

澪「す、すごいな・・・。それじゃあ、えーと」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:25:32.17 ID:RC6p1yPRo

小麦「あ、私の名前? 私は伊東小麦! それでこっちはエレナ・ユーリ・ノーディス」

エレナ「よろしくですワ」

澪「わ、私は秋山澪と言います。 それじゃあ伊東さんも世界旅行中なんですか?」

小麦「そーなの! 出会ったのはこの街なんだけど、私もついていくのー」

エレナ「ささっ、こちらの品をお納めくださいマセ」

客「あはは」

澪「大繁盛ですね」クスクス

小麦「エレナの言葉遣いがウケてるんだよね。教えたの私だけどー」

澪「それじゃあ私もお礼とは言えませんが一つください」

エレナ「オー、ミオさん。有難うございますネ」

小麦「んー、そうだなー。澪さんのイメージだとこの蒼のペンダントはどうかな?」

澪「・・・・・・キレイ・・・」

エレナ「それが気に入ったなら着けてみてはいかが?」

スチャ

澪「ど、どうですか・・・?」

小麦「おぉー とっても似合ってるよ!」

澪「あ、ありがとう・・・」カァ

エレナ「えぇ、とっても映えますワ」

澪「そ、それじゃあお金を」

エレナ「友達特価にしますネ」

澪「と、ともだち・・・ でも悪いですから」

エレナ「ノンノン。とあるお国では、一度会えば皆兄弟という言葉がありますネ」

小麦「そういうこと〜。はい、お釣り」

澪「はぁ・・・」

エレナ「さぁ、小麦! しっかり稼ぐネ!」

小麦「はいよぉ!」

澪「それじゃ、私もう行きます。あ、あの、本当に助けていただいてありがとうございました!」ペコリ

エレナ「see you〜」

小麦「バイバイ〜 もう変な男にひっかかっちゃダメだよ〜」フリフリ

澪(ちょっと恥ずかしいからペンダントは服の内側に入れておこう。
  よし、はやくみんなと合流しよう!)

119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:26:52.40 ID:RC6p1yPRo

車掌「ご乗車ありがとうございます。私、当特急ヴェガの車掌を務めさせていただきます美弥澪(れい)と申します」

澪「わ、私は秋山澪(みお)と申します。よ、よろしくお願します」

車掌「こちらが乗車証となります。駅員が確認できるよう、目立つ場所にお付けください」

澪「はい」

車掌「・・・。平沢唯さんのお知り合いの方ですか?」

澪「は、はい。そうです」

車掌「やっぱり」ウフフ

澪「どうして分かったのですか?」

車掌「平沢さんも楽器をお持ちで乗車なさいましたから」

澪「唯も持ってきたのか・・・」

車掌「それでは、ヴェガでの旅をお楽しみください」ペコリ

澪「あ、すいません。お聞きしたいことが・・・」

車掌「なんでしょう?」

澪「唯達がどこへ行ったかご存知ですか?」

車掌「達というのは、琴吹さんと中野さんも含まれますか?」

澪「は、はい」

車掌「平沢さんは塩釜魚市場へ行って、松島へ行くと仰ってました。今の時間ですと
   松島にいると思われます。琴吹さんと中野さんの行き先は存知かねます。申し訳ありません」

澪「そうですか、助かりました。ありがとうございます」ペコリ

車掌「いえ。それでは失礼致します」

澪「綺麗な人だなぁ・・・。とりあえず松島に行ってみるか」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:27:47.65 ID:RC6p1yPRo

―――――松島


唯「うぅ・・・気持ち悪い・・・」

真美「大丈夫ですか?はい、お水です」

唯「あ、ありがとう・・・真美ちゃん・・・」ゴクゴク

つばさ「もー、試食コーナーの刺身たくさん食べるからだよー」

唯「だってぇ、おいしかったんだもん」

真美「昨日の夜は1時まで遊んでいましたから、寝不足もあると思いますよ」

つばさ「私も少し寝不足かもー」

唯「・・・うぅ〜ん」

真美「このままでは乗船出来ないですね」

つばさ「キレイな景色が広がってるねー! 早く船にのりたいな〜」ウズウズ

唯「先に乗ってきてもいいんだよ〜」

つばさ「ううん。唯さんと乗るよ!だから今はゆっくり休んで!」

真美「そうですね。ちょうどお昼で日差しも厳しいですから、少しこの木陰で休んでいきましょう」

唯「ありがと〜」

つばさ「夏の日差しが厳しいけど、ここは風があって涼しいね〜」

真美「はい、そうですね・・・」

唯「愛ちゃんも一緒に来ればよかったのにね〜」

つばさ「お兄ちゃんも一人でどっか行っちゃうし!」

真美「・・・。一人で観光したい時もありますよ」

唯「私はみんなと一緒の方が楽しいけどな〜」

つばさ「わたしもー!」

真美「そうですね」ウフフ

唯「おかげで大分回復してきたよ!よーし松島旋廻するぞー!」

つばさ「するぞーっ!」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:29:26.59 ID:RC6p1yPRo

―――――定禅寺通り

星奈「おまたせ〜」

紬「私たちも今来たところですよ」

梓「はい」

星奈「そっか、ならよかった。喫茶店にでも入ろうよ」

紬「えぇ」

梓「・・・」

カランカラン

「いらっしゃいませ。三名様ですね。こちらのお席へどうぞ」

星奈「人が多いね〜」

梓「七夕祭りが行われていますから、その影響だと思います」

紬「あら、そうなの〜」

星奈「そっか」

「ご注文は何になさいますか?」

星奈「私はアイスティー。二人は?」

紬「私もアイスティーで」

梓「私はオレンジで」

「かしこまりました少々おまちください」

紬「・・・」

梓「・・・」

星奈「・・・改めて言うけどさ、私の問題なんて忘れて旅を楽しもうよ。その方が楽だよ?」

紬「私も改めて申し上げます。もっと旅を楽しむ為にも話を聞かせてくださいませんか?」

梓「・・・」

星奈「むぎちゃんは意外と頑固だね〜」

梓「そうですね・・・」

紬「そうかしら?」

星奈「他人の揉め事に首を突っ込んで、その話を聞かせろなんて中々できないよ。あ、嫌味じゃないからね?」

梓「はい」

紬「えぇ、分かってます」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:30:17.66 ID:RC6p1yPRo

「おまたせしました、オレンジジュースにアイスティーになります。ごゆっくりどうぞ」

星奈「ふぅ・・・。私んちさ母子家庭なんだ。母、私、弟、妹で暮らしてんの」

梓「・・・」

星奈「父さんは6年前、私たちを捨てて家を出て行った・・・」

紬「・・・」

星奈「酷いよね〜、妹も弟もまだ小さかったのに
   母さん一人で私達を育ててくれて、妹弟もいい子でそれなりに楽しく暮らしていたんだよ」

紬「・・・」

星奈「それなのに最近母さん宛に一通の手紙が来たんだ。『私たちに会いたい』って」

梓「!」

星奈「名前を見たら案の定父さんだった・・・。好き勝手に生きてたくせに急に父親顔で『会いたい』だもん。
   母さんの苦労を知らずによくそんな事が言えるなと腹が立ったよ」

紬「・・・」

星奈「もう何がなんだか分からなくてさ、父さんに文句の一つや二つ言わないと気がすまなくなって、
   私達を捨てた理由を知りたくて、手紙の住所を頼りにヴェガに乗りこんだって訳」

梓「・・・」

星奈「それで、盛岡駅に到着した時に母さんから電話が掛かってきてさ『親の問題だから子供は気にしなくていい。帰って来い』って、
   母さんと口論してるところをアイツ、修治に聞かれてさ、電話切った後に修治が『なにかあった?』って聞いてきて、
   この話、人に話したことないから私も混乱しちゃってさ、放っておいてと突き放しちゃったの」

紬「そんな事が・・・」

星奈「うん・・・」

梓「・・・今の口調だと、鳥羽さんを突き放したことに後悔とか」

星奈「してます・・・」コポコポ

紬「・・・」

星奈「修治には謝りたいんだけど、中々素直になれなくてね・・・」

紬「私たちに話してくれたように鳥羽さんにも話してみては・・・?」

星奈「うーん・・・、一度タイミングを外しちゃって、それ以来気まずくてさ・・・」

梓「・・・」

星奈「聞いてくれてありがとう。家庭の話を友達にも話した事ないからさ〜おかげでスッキリしたし、気持ちの整理もできたよ」

梓「星奈さんのお友達も話してくれるの待ってると思いますよ」

星奈「梓ちゃんなまいき〜」ニヤニヤ

梓「す、すいません・・・」

星奈「ううん。私梓ちゃんのそういう所好きだよ〜」

梓「うぅ」モジモジ

紬「あらあら」ウフフ
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:31:56.24 ID:RC6p1yPRo

星奈「・・・そうだね〜、色々と心配かけさせてるかも・・・」

梓「松本で降りるってそういう事だったんですね」

星奈「そう、父さん松本にいるらしい。飛行機じゃなくて列車を選んだあたり私らしいかな」

紬「そんなことないです。気持ちの整理は必要だと思いますよ」

星奈「ん。さんきゅっ。それじゃ、私はこれで。よかったら七夕祭り一緒に行こうよ」

梓「はい!」

紬「そうですね」

星奈「ここは私が払っていくね。話聞いてくれてありがとう。それじゃ夜に定禅寺通りね」

梓「はい、ごちそうさまでした」

紬「えぇ、分かりました」

星奈「じゃあね〜」

スタスタ

梓「いつもの星奈さんに戻りましたね」

紬「ずっとつっかえていたみたいね〜」

梓「星奈さんは星奈さんですよね」

紬「星奈さんと鳥羽さんの件どうにかできないかしら?」

梓「唯先輩の提案が功を奏しそうですね」

紬「そうね、さすが唯ちゃんね〜」

梓「ただ自分が弾きたいだけかもしれませんけど」ボソッ

紬「あずさちゃん、私って頑固かしら?」

梓「気にしていたんですね。去年の学園祭の時、律先輩の代わりは居ないって譲らなかったじゃないですか」

紬「そ、そんな事もあったわね〜」

梓「私これからも一生忘れないと思いますよ。あの学園祭の事」キリ

紬「もぅ〜恥ずかしいわ〜」テレッ
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:33:41.67 ID:RC6p1yPRo

「松島湾には大小260の島々が点在しその美しい景観は松尾芭蕉をはじめとする多くの文人に称賛されてきました」

唯「あー!あの岩の形DEATH DEVILのさわちゃんみたい〜」

真美「?」

つばさ「あー!あそこは担任の怒った顔にそっくりー!」

唯「色んな形があっておもしろーい!景色もいいし!!」

真美「松島や あぁ松島や 松島やで有名になるだけありますよね」

つばさ「あれ?でもその俳句は芭蕉さんじゃないよねー?」

真美「えぇ、違うそうですね。松尾芭蕉は一句もできなかったと記されています」

唯「こんなにキレイな景色なのに、芭蕉さんは勉強不足ですなぁ」イッヒッヒ

つばさ「ほんとですなぁ」イッヒッヒ

真美「まぁ」クスクス

唯「あー、ウミネコ可愛い〜」

つばさ「にゃーにゃー猫みたい」

真美「人懐っこいですね」

唯「SEAあずにゃんだね!」

つばさ「?」

真美「?」

唯「SEAあずにゃーん、たい焼きあるよ〜」ホレホレ

つばさ「梓さんにお土産だったんじゃ・・・?」

真美「いいのですか?」

唯「また買えばいいよ〜」

つばさ「それじゃ私も。たい焼きだよ〜ウミネコちゃーん、キャーかわいいー」

真美「そろそろ港に着きますね」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:35:07.41 ID:RC6p1yPRo

梓「ちっぽけな私です。寺は高いです」

紬「あら、どうしたの?」

梓「いえ、階段があまりにも多くて・・・」

紬「そうね〜約1000段あるそうよ〜」

梓「努力と根性が信条!やってやるです!行きましょうむぎ先輩!」フンシュ!

紬「えぇ、今日は暑いから水分補給忘れずにね」


―――――山寺


梓「ふぅ・・・ふぅ・・・」

紬「お疲れ様〜お水どうぞ」

梓「あ、ありがとうございます。息も切らさずに昇りきるなんてすごいです」フゥ

紬「頑張った甲斐があったわ、はら見て〜景色がきれい」

梓「わぁ・・・ほんとだきれい・・・」

紬「名前の通りね山寺なんて」

梓「そうですね、昔の人はよくこんな高いところに建てたものです。凄いです」

紬「せっかくだからお参りしていきましょうか」

梓「そうですね。それじゃお賽銭を・・・」

チャリンチャリーン

カランカラン

パンパンッ

紬「・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」チラッ

梓「・・・」

紬「・・・」

梓「よし」

紬「・・・行きましょうか」

梓「はい」

紬「あずさちゃん真剣だったけど、なにをお願いしたのかしら」

梓「む、むぎ先輩の旅の無事を・・・」

紬「まぁ、ありがとう〜」

梓「い、いえ。むぎ先輩は?」

紬「みんなで楽しく旅ができますように」

梓「むぎ先輩らしいです」

紬「そうかしら?」

梓「はい!」

紬「陽も傾いてきたわね、そろそろ定禅寺通りへ行きましょうか」

梓「そうですね。それなら唯先輩にも連絡してみます」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:36:02.89 ID:RC6p1yPRo

―――――青葉城址


唯「青葉城はどこですかっ!」キョロキョロ

つばさ「唯さん、それだよ!」

唯「・・・」

真美「石垣が残ってるだけですね」

唯「見えます・・・。私には見えます・・・立派な青葉城が・・・」

つばさ「唯さんスゴーイ!」

真美「想像力が豊かなんですね」クスクス

唯「つばさちゃんが今立っている所に伊達政宗がいます」

つばさ「ヒヤッ」

真美「まぁ、本当ですか?」

唯「いたような気がします」

つばさ「もぅー、唯さーん」プー

唯「えへへ、ごめんごめん〜」エヘヘ

真美「立派なお城を見るのもいいですけど、こうやって想像して楽しむのもいいですね」

つばさ「うん、そうだね!」

唯「真美ちゃん、つばさちゃん!仙台が一望できるよ!」

つばさ「うっわー!いい眺め〜」

真美「緑に囲まれていい所ですね」

唯「セミの声も『夏!』って感じでいいね〜」

つばさ「わー、唯さんって詩人みたい〜」

唯「一句できました。正宗や ああ正宗や 正宗や」エヘン

つばさ「アハハ!それパクリだよ唯さん〜!」

真美「クスクス」

唯「えへへ〜」

pipipipipi

唯「あ、あずにゃんからだ・・・」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:37:31.89 ID:RC6p1yPRo
 

澪「二年の時のクラス替えを思い出すな・・・。寂しい・・・」テクテク

「きゃっ」

スッテーン

澪(大丈夫かなあの子、派手に転んだけど・・・)

「あいたたた」

澪「だ、大丈夫ですか?怪我はありませんか?」

「は、はい。大丈夫です」

澪(どうしてこんな所にバナナの皮が・・・)

「ありがとうございます・・・あ」

澪「?」

「ヴェガに乗ってらっしゃるんですか?」

澪「そうですけど・・・?」

「ヴェガの乗車証が見えたので」

澪「あ、なるほど。あなたも着けてますね」

「は、はい。私、松浦愛と申します」

澪「わ、私の名前は」

「澪ちゃーん!」タッタッタ

澪「え?あ、唯・・・」ホッ

唯「わー、澪ちゃんも来たんだぁー!」ワーイ

愛「唯さん・・・」

唯「愛ちゃんここに居たんだね!」

愛「はい・・・」

つばさ「唯さーん!」

真美「急に走り出すからびっくりしました」フゥ

唯「えっへへー、ごめ〜ん。みんな紹介するね、私たちと同じ学校に通う秋山澪ちゃんです!」

澪「よ、よろしく・・・」

つばさ「七尾つばさでーす!わぁーキレイな人!」

澪「・・・」カァ

真美「桜井真美と言います。こちらこそよろしくお願します」ペコリ

澪「・・・」ペコリ
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:38:57.45 ID:RC6p1yPRo

唯「澪ちゃんも一緒に観光したかったなぁ〜」

澪「一度松島へ行ったんだけど見当たらなかったんだぞ」

つばさ「その後私たち青葉城址に行ったからすれ違ったのかも」

澪「な、なるほど・・・」

「みおせんぱーい」タッタッタ

澪「あ、梓・・・」

梓「仙台に到着してたんですね!」

澪「あぁ、昼前にな」

唯「あっずにゃ〜ん」ダキッ

梓「ちょっ、唯先輩!人が多いんですから控えてください!」

唯「今日のあずにゃん成分を補給させて〜」スリスリ

澪「ふふっ、相変わらずだな」

愛「あ、星奈さん・・・」

星奈「よっ、愛ちゃん。みんな揃ってるね〜。あ、新メンバー?」

澪「あ、秋山澪です・・・」

星奈「山口星奈だよ〜ん、よっろしく〜」

紬「澪ちゃんも定禅寺通りに来てたのね」

澪「むぎ・・・。みんなを探して観光名所歩いていたんだけど、諦めてヴェガに戻ったら
  車掌さんがここへ行ってはどうかって言われてさ」

つばさ「さすが車掌さん〜憧れる〜!」

梓「将来は車掌さんになるのもいいかもね、つばさ」

つばさ「もぅ〜梓さん、照れるじゃないですか〜」テヘヘ

星奈「今の褒め言葉なの?」

紬「車掌さん綺麗な方ですから」

真美「なるほど」

唯「連絡してくれればいいのに〜」

澪「みんなを・・・驚かせようと思って・・・」

星奈「・・・ほぅ」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:40:16.39 ID:RC6p1yPRo

唯「みんなで観て回ろ〜」

つばさ「はーい!お姉ちゃん一緒に行こうよ!」ギュッ

紬「いいわよ〜」

梓「つばさ、右腕にしがみ付いてたらむぎ先輩が歩きにくいよ」

つばさ「えー、そうなのお姉ちゃん?」

紬「大丈夫よ〜」ニコニコ

つばさ「わーい!それならこのままでいいよねー!」

梓「む・・・。それなら・・・」ギュッ

紬「あら、あずさちゃん・・・?」

梓「むぎ先輩、わたしも・・・いいですか・・・?」

唯「きゅるるるりん!」

星奈「ほうほう」キラリン

澪「みんなテンション高いなぁ・・・」

真美「そうですね」クスクス

愛「楽しそうです」

澪(伊東さん達も来てるかな・・・)キョロキョロ

星奈「どうしたの澪ちゃん、七夕の飾りは上だよ?」

澪「あ、いえ、友達がいるかな・・・と」

唯「りっちゃんも来てるの!?」

澪「違うよ、律は明日の朝乗るって言ってたから」

星奈「りっちゃんてのは学校の知り合い?」

澪「はい、そうです」

星奈「あー、福引の五枚だからあと一人いるのかぁ」

澪「むぎのおかげです」

真美「福引・・・?」

愛「?」

星奈「むぎちゃんがね、商店街の福引で大当たりしてヴェガの乗車券をゲットしたんだって」

真美「まぁ・・・」

愛「羨ましいです・・・」

星奈「負けるのも当然か」アハハ

澪「?」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:41:25.91 ID:RC6p1yPRo

つばさ「あー、あの飾りキレイだよお姉ちゃん!」

紬「くらげみたいで可愛いわね〜」

梓「むぎ先輩!あの飾りもかっこいいですよ!」

紬「火消しの纏みたいでカッコイイわ〜」

星奈「むぎちゃんモテモテだな〜」

澪「ちょっとリアクションを間違えてますけど」

愛「火消しの纏ってなんですか?」

真美「江戸時代の消防組織の看板みたいなものですよ。纏を掲げて現場へ駆けつけるんです」

星奈「真美ちゃんて物知りだね〜」

真美「いえ、そんなこと・・・。ちなみに昔の消防は水が使えない場所では建物を破壊して」ウンチク

愛「なるほど・・・」

星奈「うーん、真美ちゃんまでテンション高いのかぁ」

澪「そうなんですか?」

星奈「饒舌になっているからね。って、同い年なんだし敬語使わなくていいよ〜」

澪「が、頑張ってみます」

唯「」ポツーン

星奈「あっはっは、頑張るもんでもないっしょー」

澪「私、人見知りしてしまうので・・・」モジモジ

星奈「くぅ、可愛いのぅ」

澪「そ、そんな・・・」

星奈「そうだ。聞きたいんだけどさ、むぎちゃんって妹か弟いるの?」

澪「・・・いえ、一人っ子だよな、唯?」

唯「あ・・・ありがとう、澪ちゃん・・・」シクシク

澪「ど、どうしたんだ一体」

唯「真っ暗な世界の中で温かい手を差し伸べてくれた。それは澪ちゃんアナタでした!」

澪「?」

星奈「?」

唯「こんなに人が居るのに孤独を感じたのは初めてだよ〜」ウェーン

澪「・・・いつ会話に入ってくるのか待ってたんだけどな」

星奈「ごめんね、唯」

唯「ありがとうございます!ありがとうございます!」

澪「そんな大げさな・・・」

星奈「くっくっく」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:42:09.11 ID:RC6p1yPRo

つばさ「おーい、星奈さーん!唯さーん!澪さーん!」

澪「?」

つばさ「ここで写真取りましょうよ〜!」

唯「おっけ〜!」

星奈「お、元気になった」

つばさ「はい、お兄ちゃんよろしく〜」

修治「はいはい・・・みんな並んで〜」

星奈「・・・」

修治「なにやってるんだよ、星奈も早く並んで」

星奈「う、うん・・・」モジモジ

梓「・・・」

澪「梓・・・、むぎにしがみ付いたままでいいのか・・・?」

梓「はい」

澪「ホントに?」

梓「yes」

澪「時間は戻らないんだよ?」

梓「どんと来いです」

澪「うん、分かった。もう止め無い」

紬「あらあら」ウフフ

澪(後で絶対後悔するな・・・)

修治「じゃいくよ〜」

真美「はい」

愛「お願します」

つばさ「いぇ〜い」ブイ

唯「フンス!」ダブルピース

星奈「・・・」ブイ

澪「・・・」

修治「はい、チーズ!」カシャ
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:43:21.38 ID:RC6p1yPRo


車掌「みなさん、おかえりなさいませ」

つばさ「たっだいま〜」

真美「只今戻りました」

愛「た、ただいま」

修治「・・・」

星奈「・・・」モジモジ

紬「ただいま〜」

唯「今帰ったぞ〜」

梓「・・・」ズドーン

澪「た、ただいまです・・・」

唯「あ、あずにゃん、ツッコミを・・・。一家の大黒柱かっ!って言ってほしいよ」オロオロ

真美「それでは私はこれで・・・」

愛「私も失礼します。おやすみなさい・・・」

修治「みんな、明日ね」

紬「おやすみ〜」

星奈「ふぅ・・・」

つばさ「どうしたの星奈さん?」

星奈「ううん!な、なんでもないよ!」

紬「あまりお話できませんでしたね」

星奈「あー、うん・・・」

澪「?」

車掌「中野さんもお疲れのようですし、早めにお休みになったほうが良いのではないですか?」

梓「・・・」ズドーン

唯「あっずにゃん!」ダキッ

梓「・・・」ズドーン

唯「反応がないねぇ」スリスリ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:44:32.45 ID:RC6p1yPRo

星奈「こりゃ、煽らない」

車掌「どうなさいましたか?」

澪「過去の自分を戒めたいみたいです」

梓「澪先輩!カメラ貸してください!加工してお返しします!」

唯「おぉ、復活した」

澪「私のカメラはフィルム式だからそれは出来ないよ」

紬「甘えてくるあずさちゃんも可愛かったわ〜」ポッ

梓「はぅ」ボンッ

唯「おぉ、澪ちゃんのように頭から蒸気が!」

車掌「なるほど」クスクス

星奈「あ、そうだ。さっきの質問の続きだけどさ、むぎちゃんに妹か弟はいるの?」

紬「いえ、私は一人っ子よ?」

つばさ「でもお姉ちゃんのような雰囲気持ってるよ〜」

澪「そうなんですか?」

星奈「うん・・・なんとなくそう感じただけだから、気にしないで」

紬「?」

唯「あ、そだ。車掌さん朝にお願いした件なんですけど・・・」ゴクリ

車掌「えぇ。明日の朝には乗せることができるみたいです」ニコニコ

星奈「?」

唯「わーい!」ヒャッホウ

つばさ「あぁ、あれだね!」

梓「あれですね」

紬「あれね!」

澪「?」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:45:15.58 ID:RC6p1yPRo

澪「ここに来るまでに熱も冷めてしまったんだろう」

星奈「あー、確かにらしくなかったからねぇ」

梓「・・・」ブツブツ

唯「え?タイムマシン?」

澪「無いぞ」

紬「時間旅行もいいわね〜」

梓「・・・」ブツブツ

唯「無いなら作る?」

つばさ「期待していいのかな!?」

星奈「なになに?」

つばさ「へへへ、内緒だよ〜ん」

星奈「えー、教えてよ〜ん」

紬「うふふ」

つばさ「あ、そうだ。みなさんにご挨拶を」

梓「?」

つばさ「明日はおじさんの所に泊まるから、水戸で降りまーす!」

唯「えー」

紬「そうだったわね・・・」

梓「水戸で降りちゃうの・・・?」

つばさ「うん!あ、でも見送りはいけるからお別れは東京だよ」

梓「・・・」

星奈「そっか・・・」

つばさ「お兄ちゃんも挙式に参加するから水戸で一時降りるよ、星奈さん注意してね!」

紬「あら、そうなの?」

つばさ「うん、幼なじみだからね〜、お兄ちゃんも出席してくれたら勝お兄ちゃんも喜んでくれると思うんだ〜」

唯「自分の兄が結婚するなんて想像できないな〜」

澪「そりゃ、居ないからな」

つばさ「勝お兄ちゃんまだ18だよ?18!やっぱり早すぎるよ〜」

梓「そう、かもね・・・」

紬(あら?)
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:46:13.66 ID:RC6p1yPRo
つばさ「そういう訳だから、私の旅も水戸でお終い!みなさん、仲良くしてくれてありがとうございました」ペコリ

星奈「こっちこそありがとうだよ」

唯「私も楽しかったよ!」

紬「いえいえ」

澪「今日会ったばかりだけど、楽しかったよ七夕祭り」

つばさ「えへへ、私も楽しかったです。それじゃ、また明日!お休みなさ〜い」

紬「えぇ、また明日〜」

梓「おやすみ・・・」

車掌「それでは私も仕事がありますのでこれで」

唯「車掌さんよろしくお願します!」

車掌「えぇ、期待していいと思いますよ」

紬「まぁ」キラキラ

梓「お疲れ様でした・・・」

星奈「お疲れ様でーす。私も部屋に戻るわ、じゃ〜ね〜」

唯「おやすみ〜」

澪「お、おやすみなさい」

梓「むぎ先輩、私分かりました。つばさが寂しそうにしてる理由」

唯「?」

澪「つばさちゃんが?」

紬「聞いていいかしら?」

梓「はい。兄を取られた気がしているんだと思います」

紬「・・・」

梓「私や星奈さん唯先輩と接するときの態度と、鳥羽さんとむぎ先輩に接する態度が
  全然違いますよね。むぎ先輩にそうするように実の兄にもそのように甘えていたんだと思います」

澪「ふむ・・・。態度が違うのは私も感じたな」

唯「?」

梓「自分の兄が遠くへ行ってしまったように感じているんだと思います」

紬「それで寂しそうにしている時があったのね」

梓「むぎ先輩も知っていたんですか?」

紬「えぇ、4人でゲームをしたときから注意してみていたわ」

梓「鳥羽さんも言っていましたね」

唯「よし、それじゃあ明日つばさちゃんと星奈ちゃんを励す事ができればいいんだね!」フンス!

澪「励ますって何をするんだ?」

唯「ライブだよ!」


4日目終了--------
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 09:48:17.80 ID:RC6p1yPRo
>>79
全くですね

続きは夜に投下します
読んでくれた方ありがとうございました!
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 10:14:33.34 ID:1VGkapaDo
東北本線じゃなくえ常磐線いくのか
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 10:19:32.85 ID:KrL1hcNCo
澪は合流に携帯を使えばよかったと思う
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:08:10.56 ID:RC6p1yPRo

8月5日

紬「・・・」

梓「・・・」

唯「・・・」

澪「・・・」

星奈「ん?どうしたのさ、そろいも揃って。もう出発するよ、乗らないの?」

紬「そ、そんな・・・」

梓「残念ですけど・・・」

唯「こんな事になるなんて・・・」

澪「バカ律!なにしてるんだッ!」ドン

星奈「んー? 状況が掴めないんだけど」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:09:42.21 ID:RC6p1yPRo

「やっべぇ!!」

ダダダダダッ

prrrrrrrrrrrrr

紬「もう時間よ!」オロオロ

「その列車待ったぁぁあああ」

ズサーッ

唯「コーナーから姿を現したのは!りっちゃん、りっちゃんです!!」

澪「急げー!!」

律「うぉぉおおおおおお」ダダダダダダダ

星奈「あー、彼女が最後の一枚の子かぁ・・・。みんな先に乗ってて」

梓「はい」

紬「でも、りっちゃんが」アセアセ

唯「星奈ちゃん、策があるんだね?」

澪「みんな、乗るぞ!」

紬「お、おぉー!」

唯「って、星奈ちゃんも乗ってるじゃん」

星奈「私も乗り遅れるでしょー。こうするの」

紬「あの時と一緒ね!?」

梓「?」

星奈「そういう事。おーい!この手に掴まれー!」

律「うぉぉおおおおおお」ダダダダダッ

澪「あともうちょっと!」

ガシッ

星奈「! よいしょーッ!」ブオン!

律「おぉおぉおぉぉ」

プシュー 

ガンッ

律「あいたぁっ」 
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:10:10.96 ID:RC6p1yPRo

ガタンゴトン ガタンゴトン

澪「はぁ・・・」

紬「よかったぁ・・・」

唯「もぅ、りっちゃんー」

律「えっへへ、ごめんごめん」イタタタ

紬「りっちゃん、おでこぶつけたけど大丈夫?」

律「大丈夫だよむぎ、ありがと」

梓「心配かけさせないで下さいよ〜」

律「中野、お前一番最初に乗り込んでたよな・・・」

梓「ナンノコトデスカ?」

律「みんな焦ってたけど、お前だけしれーっと乗車し た よ な 」

梓「目の錯覚です」キッパリ

律「こんのォ!」ギシギシ

梓「いたたったた、ギブ!ギブです!律先輩!」

星奈「まぁまぁ」

律「助けてくれたこの人に免じて許してやろう!」

梓「もぅ」イタタ

澪「律!お前が乗り遅れるから悪いんだぞ!」

律「ふーんだ」ツーン

紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁまぁ」

唯「7回!更新!」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:10:37.61 ID:RC6p1yPRo

律「すっげぇ!」

澪「私も最初見たとき驚いたよ」

唯「すごいよね〜この展望車〜」

律「あ、あれ・・・?」ゴシゴシ

澪「見間違いじゃないぞ・・・私も驚いた」

唯「ふっふ〜ん♪」

律「いや、ピアノはまだ分かるんだが・・・」

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:12:21.65 ID:RC6p1yPRo

つばさ「・・・」

梓「つばさ、隣いい?」

つばさ「あ、梓さん。どうぞ〜」

梓「今日のお昼には東京に着くから、あと1時間半で水戸だね・・・」

つばさ「うん・・・。札幌からあっという間だったよ〜」

梓「つばさ、今の気持ちのまま結婚式に参加して勝さんを祝福できる?」

つばさ「ど、どうしたの急に? もちろんだよ!私のお兄ちゃんだもん!」

梓「じゃあ、どうしてそんな顔してるの?」

つばさ「そ、それは・・・」

梓「・・・寂しいんじゃないの?」

つばさ「な、なによっ!知った風な口聞かないでよ!」

梓「ごめん。でもね、鳥羽さんやむぎ先輩を兄代わりにしているつばさは二人に対して失礼だと思うよ?」

つばさ「っ!」

梓「昨日、私もむぎ先輩に甘えてみてなんとなく分かっちゃった。私に姉がいたらこんな感じなのかなぁって」

つばさ「・・・」

梓「甘えられる人が居るって幸せなことなんだなぁって」

つばさ「だ・・・だって、・・・だって、勝お兄ちゃんが・・・」

梓「うん・・・」

つばさ「いつも・・・私を見ていてくれた勝お兄ちゃんが・・・居なくなっちゃうと思ったら、悲しくなってきて」

梓「うん」

つばさ「嫌なんだもん・・・いなくなっちゃうの嫌なんだもん」グスッ 
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:13:15.72 ID:RC6p1yPRo

梓「いなくならないよ。いつまでも勝さんはつばさのお兄ちゃんだよ」ナデナデ

つばさ「・・・ほんと?」グスッ

梓「うん。保証するよ。こんな可愛い妹をほったらかしにして、自分だけ幸せになろうなんて人はいないよ」

つばさ「・・・」グスッ

梓「だから、つばさも大好きなお兄ちゃんを祝福してあげようね」ナデナデ

つばさ「・・・うん」

梓「それじゃあ、30分後に展望車に来て」

つばさ「唯さんが言っていたライブ・・・?」

梓「うん、つばさにも聞いてほしいからさ」

つばさ「うん」

梓「色々キツイ言い方してごめんね」

つばさ「ううん。私の気持ちを掬い上げてくれたんだよね」

梓「そう言ってくれると私も嬉しいかな」

つばさ「今は気持ちの整理をしなくちゃね・・・」

梓「あ、顔洗って来なよ?涙で可愛い顔が台無しだよ」

つばさ「梓さん、そんな事いう人でした?」

梓「つばさの前だけだよ、それじゃ後でね」

つばさ「うん!」

・・・

つばさ「勝お兄ちゃんのためにも・・・」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:14:11.38 ID:RC6p1yPRo

ダン ダンッ スタダンダダンッ

澪「おい、律!」

律「いやぁ〜悪い悪い、つい叩いてしまった」

コック「まだ時間じゃねぇから抑えておけデコちゃん」

律「へい! ってデコちゃんて・・・」

澪「ス、スイマセン!」ガクガク

唯「澪ちゃん、コックさんは悪い人じゃないから大丈夫だよ〜」

コック「ガッハッハ」

唯「ガッハッハ〜」

律「唯は誰にでも馴染むの早いよな〜」

コック「嬢ちゃん達良い楽器使ってるじゃないか」

澪「ア、アリガトウゴザイマス」

唯「ギー太はみんなで買ったようなもんだからね〜、私の大切な人なんだ〜」ムフフ

律「人じゃないけどな」

唯「でも澪ちゃんがエリザベスを連れてきたのは驚いた〜」ビックリ

律「ギー太連れてきたお前がいうな」

澪「だって、律が持っていくのかって聞くから・・・」

律「聞いただけだも〜ん」

澪「なっ!?」

唯「まぁまぁ」

コック「よし、ロングの君、ちょっと鳴らしてくれ」

澪「ろ、ロング・・・は、はい」

デーン

律澪「「 おぉー 」」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:15:02.92 ID:RC6p1yPRo

車掌「準備のほうはできましたか?」

澪「あ、車掌さん」

唯「車掌さん!ありがとうございます!」オジギッ

律「ドラムまで用意してくれて、ありがとうございます!」

車掌「いえいえ。しかし、ギターの方がアコースティックギターになってしまいました。申し訳ありません」

唯「いえいえいえいえ、ここまでしてくれたのに悪いことなんて一つもありません!」

澪「そうです。ありがとうございます」

車掌「みなさんにいい旅を提供するのが私どもの務めですので」

律「おぉ」

コック「そういうこった。唯、鳴らしてみてくれ」

唯「あいよ〜」

ギュィイィン

コック「次はマイクだ」

唯『コホン。マイクテス、マイクテス。え〜本日は晴天ですか?』

律「見りゃ分かるだろ?」

唯『晴天でした〜』エヘヘ

コック「こんなもんだな」

唯「音は抑えてあるんだね〜」

澪「場所せまいし、防音設備がないからな」

車掌「えぇ、早朝ですので今回は控えめに調整させてもらいます。それと要望なんですが」

律「なんでしょう?」

車掌「前回好評でしたのでクラシックの演奏を必須で一曲お願します」

澪「前回?」

唯「おっけ〜、むぎちゃんのオンステージだね」

車掌「展望車の貸切状態となりますので使用時間は15分程度となります」

律「はーい!」

車掌「提案なのですが、クラシックの演奏だけでも車内放送で流してもよろしいでしょうか?」

律「ほぉ」

澪「それならむぎに確認とらないとな」

車掌「かしこまりました。後ほど琴吹さんご本人に確認させていただきます。それでは開始時間は9時でよろしいですか?」

律「オッケーだぜっ!」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:15:29.99 ID:RC6p1yPRo

車掌「それでは私はこれで失礼します。みなさん頑張ってくださいね」グッ

唯「はい!」グッ

梓「はい!」グッ

律「最後のグッってやつ可愛かったな」

澪「あぁ・・・。って梓いつの間に!?」

律「コックさん、一つ聞きたいんだけどさぁ」

コック「あぁ、なんだ?」

律「このドラムも含めてなんだけど、車掌さんが上司・・・でいいのかな?その人に承諾を取って準備してくれたって事だよね?」

コック「あぁ、さすがにこのイベントを車掌の独断だけでは実行できないからな。上に許可をとったんだ」

澪「よ、よく許可が下りましたね」ビクビク

コック「そうだな、だが列車を日本縦断させようって連中なんだ。試しの企画でもやってみる価値はあると判断したんだろうよ」

梓「そうだったのですか」

コック「もちろん他の客のリアクションが不評ならこれで終わりだがな」

澪「うぅ・・・」ガチガチ

唯「澪ちゃん、大丈夫だよ〜むぎちゃんの演奏すごかったんだから!」

梓「車掌さんとコックさんに感謝しないといけませんね」

コック「感謝なんぞいらん。乗客が旅を楽しんでくれればそれでいい」

唯「おぉ」ビリビリ

律「しびれるぜ」ビリビリ

コック「梓、最後にアコギの調整だ」

梓「はい!」

律「てか、今までどこへ行ってたんだよ〜」

梓「野暮用ですよ」

律「ふ〜ん」

澪「むぎは・・・?」

唯「ん〜? むぎちゃんならみんなを呼びに行ってるんじゃないかな〜」

コック「鳴らしてくれ」

梓「はい」

デン デ デン

コック「どうだ?」

梓「いい感じです」

律「みんな?」

唯「友達みんなだよ〜」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:16:20.99 ID:RC6p1yPRo

澪「あぁ、あのメンバーか」

律「前回の演奏会ってなんだ?」

梓「私とむぎ先輩でドビュッシーのアラベスクを演奏したんです。その後にむぎ先輩のソロでキラキラ星を」

コック「わしも聴きたかったぞ」

唯「うむ。素晴らしかったぞ」

澪「真似するなっ」ビクビク

律「へぇ〜、色々なことしてたんだな〜」

梓「・・・そう、ですね」

澪「私もむぎのアラベスク聴きたかったなぁ・・・」

律「アスパラ・・・?」

澪「どんな聴覚してんだよ」

梓「・・・」

唯「・・・あずにゃん?」

梓「えっ・・・なんですか?」

澪「急に静かになったから・・・どうした?」

律「怖気付いたかぁ」

梓「そんなんじゃないですよ!ただ・・・、始発から今までたくさんの事があったんだなぁって思って」

コック「・・・」

唯「あずにゃんはずっとむぎちゃんと一緒だったもんね〜」

梓「えへへ、私も東京で降りるから少し感傷的になったみたいです」

コック「旅は人生の縮図って言ってな。目的地に着いたらそこが人生の終着地点みたいなもんになったりするんだ。
    旅の途中で出会った景色、人達をみんな大切に胸にしまってけ」

梓「はい!」

唯「うん!」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:16:51.57 ID:RC6p1yPRo

澪「・・・」

律「・・・」

コック「ガッハッハ、説教染みていかんな。演奏聴けないのは残念だが、頑張ってくれよ」

唯「任せて!」フンス!

梓「張り切って行きます!」

律「んー・・・前半がイマイチ理解できなかったんだが・・・。唯と梓は分かってるみたいなんだよなぁ」

澪「私達はこれから分かるんじゃないか?」

律「そうなんかねぇ。あの二人、特に梓を見てると自信ないなぁ」

澪「あぁ、確かに。一回り大きくなったような気がする・・・」

梓「どうしたんですか?」

律「べーつに」

澪「なんでもないよ」

唯「あずにゃんは可愛いなってさ」

律「言ってねえよ!」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:18:00.46 ID:RC6p1yPRo

唯「ふぃ〜、やはりむぎちゃんのお茶はおちつくのぅ〜」ノンビリ

律「あぁ、まったくだ〜」マッタリ

紬「5人でお茶なんて久しぶりね〜」

澪「そうだな〜・・・って!」

梓「あと五分で開始時間ですよ!」

澪「曲目決めてないんだぞっ!?」

梓「みなさん!打ち合わせしましょう!」

紬「澪ちゃん一曲目私だから大丈夫よ〜」

唯「むぎちゃんのピアノソロの後はどうしようか〜」ノンビリ

律「そうだな〜、わたしの恋はホッチキスはどうだ〜?」マッタリ

紬「いいわね〜」

澪「す、すこしは慌てろよ!」アワワ

梓「はい!二曲目は翼をくださいでどうでしょう!?」

唯「そだね〜」

律「よーし、曲順を確認するぞ!一曲目むぎのピアノソロ。二曲目は翼をください。三曲目はわたしの恋はホッチキスでいいな!」

澪「お、おう」

唯「おっけ〜」

梓「はい!」

紬「よぉ〜し!」フンス!

唯「むぎちゃん曲名は?」

紬「車掌さんのリクエストでピアノソナタ第15番k.545よ」

唯「おぉ〜」キラキラ

梓「車掌さんらしいリクエストですね」

澪「朝に相応しいかもな」

律「あー、あの曲な!」

澪「ヴォルフガングを知ってるのか?意外だなぁ」ニヤニヤ

律「も、もちろん。ヴォルブガンクだろ?ちょいマイナーだけどな〜」

唯「ヴォルフガングだよりっちゃん。それにモーツァルトはメジャー級のメジャーだよ〜」

律「え・・・」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:18:36.39 ID:RC6p1yPRo

澪「えっ?」

唯「私モーツァルト大好きだよ!」フンス!

梓「意外です・・・」

律「あ、いつの間にかむぎスタンバってる」

テッテッテ

つばさ「やっほー、みなさーん!」

真美「お、おはようございます」

愛「わ、わたしもよろしいんでしょうか・・・」

星奈「まだ始まってないよね!?」

修治「間に合ったみたいだな」

星奈「修治が差し入れにあれこれ迷うからだよ」

修治「人のせいにするのかよ?」

梓(なんとかうまくいったみたい・・・)

つばさ「えへへ」

梓(・・・良かった)
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:19:21.95 ID:RC6p1yPRo

ポン  ポン ポン ポン ポロロポロン

――♪

ジャン ジャッ ジャン――・・・

紬「・・・」フゥ

つばさ「素敵ー!」パチパチパチ

星奈「・・・」パチパチパチ

愛「すごいです・・・」パチパチパチ

澪「これがむぎのクラシック・・・」パチパチパチ

修治「・・・」パチパチパチ

紬「うふふ、みんなありがとう〜」

律「おーし、それじゃ放課後ティータイム、スタンバーイ!」

唯「よぉーし」

澪「うん」

梓「はい!」

律「唯、サクッと行こうぜ!」

唯「うん、分かった」

澪「・・・よし」

梓「okです」

紬「おっけ〜」

唯『それでは二曲目です。翼をください!』

律「ワンツースリーフォー!」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:19:50.33 ID:RC6p1yPRo

紬『いま私の願いごとが
   かなうならば翼がほしい』

唯『この背中に鳥のように
   白い翼つけてください』

紬唯『この大空に翼をひろげ
    飛んで行きたいよ

   悲しみのない自由な空へ
    翼はためかせ 行きたい』

律『いま富とか名誉ならば
   いらないけど翼がほしい』
 
澪『子どものとき夢みたこと
   今も同じ夢に見ている』
  
律澪『この大空に翼をひろげ
    飛んで行きたいよ

   悲しみのない自由な空へ
    翼はためかせ 行きたい』

梓『この大空に翼をひろげ
   飛んで行きたいよ
  悲しみのない自由な空へ
   翼はためかせ』  

唯梓『この大空に翼をひろげ
    飛んで行きたいよ』

   悲しみのない自由な空へ
    翼はためかせ 行きたい』
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:20:44.73 ID:RC6p1yPRo

ギュィィイィン・・・

律「うっしゃー!」

星奈「」ポカーン

つばさ「すごいすごーい!」

修治「すげぇ・・・」

澪「・・・なかなかだ」

愛「・・・」パチパチパチ

律「唯、時間あるからメンバー紹介しとこうぜ!」

唯『みなさんこんにちは!私たち桜が丘高校けいおん部です!』

星奈「えっ、バンド部じゃなかったの!?」

唯『軽い音楽と書いてけいおんだよ〜。私ギターとボーカルの平沢唯です!よろしく!』

真美「素敵な声でしたよ」

星奈「ゆいー!」

唯『でっへっへ。次は部長の、りっちゃん!』

律『どうも!ドラムの田井中律です。辞書の最初の頁の言葉が大好き!』

唯「その心は!」

律『あこがれています!ズバリ愛!!』ビシッ

唯「うぉー、りっちゃん!」

つばさ「おぉ〜」

修治「これは・・・」

愛「まぁ・・・」

澪「おい・・・」

律「次は澪だぞ。むぎの演奏で車内放送終わってるんだから大丈夫だって。それに旅の恥は掻き捨てってな」ウシシ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:21:13.08 ID:RC6p1yPRo

―――――厨房

『ズバリ愛!!』

コック「若ぇなぁ・・・。しかしいい演奏するじゃないか」


―――――1号車

『ズバリ愛!!』

車掌「まぁ・・・」クスクス

「車掌さん!この演奏どこでやってるの!?」

「これは是非生で聴きたいですワ」

車掌「展望車ですよ」ニコニコ
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:24:13.93 ID:RC6p1yPRo

梓「なんとなく嫌な予感が・・・」

紬「うふふ、りっちゃんたら」

澪『演奏を聴いてくれてあ、ありがとぅ・・・』

唯「澪ちゃん、名前!」

澪『べ、ベースの秋山みぉです・・・』

星奈「か、かわいい・・・」

愛「可愛らしい方ですね」

梓『ギターの中野梓です』

つばさ「あずささーん!」

星奈「あずさー!」

唯「おぉ、黄色い声援が! 最後はむぎちゃん」

紬『琴吹紬です。キーボード担当です』

星奈「むぎちゃーん!」

真美「琴吹さーん!」

唯「おぉ、真美ちゃんまで・・・むぎちゃーん!」ヒャッホー

つばさ「つむぎさーん!」

律「唯、次行こうぜ」ダンダン

唯『次は私たちのオリジナル曲です。わたしの恋はホッチキス!』
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:25:22.78 ID:RC6p1yPRo

唯『なんでなんだろ気になる夜 キミへの

  この思い 便せんにね書いてみるよ』

―♪


澪『どうしようかな読み返すの はずかしい

  あれこれと 便せんにね書いたくせに』


「オーgirls bandデスネー!」

「エレナ・・・自己紹介の時に気付こうよ・・・」


澪「!」

律「澪!」

唯『 気持ちごとゴミ箱行きじゃなんだか

   この胸がせつないから持ってようかな 』

澪『 今の気持ちをあらわす辞書にもない言葉さがすよ 』

澪唯『 ワクワクしちゃう 計画とかグダグダすぎる
    展開とかぜんぶホッチキスで とじちゃおー 』


エレナ「もしかして、あそこにおわすのはミオさんじゃないですカ?」

小麦「ホントだ! ちゃんと撮ってる?エレナ!?」

エレナ「バッチリですワ」


澪『 もう針がないから買わなくちゃ ララ☆また明日 』


梓(澪先輩がポカするなんて・・・どうしたんだろ)

澪(唯に助けられたな・・・。それにしてもエレナさん達もヴェガに乗車してるなんて)


唯『 キラキラひかる願い事もグチャグチャへたる 悩み事もそーだホッチキスで とじちゃおー 』

唯澪『 はじまりだけは 軽いノリで しらないうちに あつくなって 』

唯『 もう針がなんだか通らない ララ☆また明日 』
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:27:44.00 ID:RC6p1yPRo

紬「ふぅ・・・」

律「あずさー、アコギでも全然いけるな!」

梓「いっぱいいっぱいですよ・・・」

星奈「カッコよかったぞー!」

真美「素敵でした〜」

愛「よかったです」

修治「すごくよかった」

エレナ「ブラボォー」

小麦「かっこよかったよ〜澪ちゃん!」

澪「あ、ありがとう!」

律「誰?」

澪「仙台でちょっとな」

唯「が、外国人さんだ・・・シランプリー」

梓「優しいですね」

星奈「アンコール!」

つばさ「アンコール!」

真美「ア、アンコール」

唯「おぉ・・・」

澪「ありがたいけど」

紬「もう15分経ったものね」

エレナ「アンコール!」

小麦「アンコール!」

車掌「あらあら・・・」

唯(・・・アンコールに答えてもいいかな?)

車掌「・・・」コクリ

唯『! アンコールに答えて次の曲!カレーのちライス!』

紬「!」

梓「えぇっ!?」

澪「お、おい・・・」

律「ワン、ツー、ワンツースリーフォー!」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:31:04.58 ID:RC6p1yPRo

紬「みんなごめんねぇ」ションボリ

梓「いえ、むぎ先輩が悪い訳じゃないですよ」

律「ったくー、なんの為にふわふわ時間を外したと思ってるんだよー」

唯「ご、ごめんなさい・・・」

澪「アンコールがグダグダになってしまったな・・・」

律「まったくぅ」

澪「お前も走ってただろ!」

律「・・・そうかしら?」ウフ

澪「ごまかすなっ」

車掌「皆様お疲れさまです」

唯「車掌さん、アンコールオッケーしてくれてありがとう〜」

車掌「いえいえ、すごくいい雰囲気でしたのでそれを終わらせるのはもったいないと思いましたから」ウフフ

コック「ガッハッハ、いい演奏だったじゃないか!」

澪「!」ビクッ

唯「あ、コックさん」

律「まぁ、翼とホッチキスは上出来だったんじゃないか〜」

梓「ピアノのアレンジが凄くよかったですよ!むぎ先輩!」

紬「ありがとう〜」

コック「あずさもアレンジだったんじゃないのか?」

梓「は、はい。そうです」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:31:30.36 ID:RC6p1yPRo

コック「中々よかったぞ」

梓「あ、ありがとうございます!」

律「ん・・・? コックさんがなんで演奏を知ってんだ?」

車掌「あ、ごめんなさい。二曲目が翼をくださいでしたのでそのまま放送させていただきました」

梓「誰でも知っている曲ですからね」

コック「そういう事だ」

律「ふ〜ん。っていつまで固まってるんだ澪」

澪「」

コック「ドラム解体するぞ」

律「降ろしちゃうのか?」

コック「あぁ、場所取ってるからな。次の水戸で降ろすんだ」

梓「もうそろそろ到着ですね。私見送りに行くので失礼しますっ」

紬「あずさちゃん、私も行くわ」

唯「私も〜」

律「おぅ。・・・おーい、みお〜帰ってこ〜い」

澪「あ、あぁ。なんだ律?」

コック「おい、デコちゃん。ホッチキスなんたらの時の出だし、少し弱かったんじゃないのか」

律「わたしの恋はホッチキスだよ。しょうがないだろ〜朝だし、準備も・・・って、え?」

コック「どうした?」

律「も、もしかして・・・ホッチキスも・・・」ガクガク

澪「掻き捨てじゃないのか?」

律「」

車掌「料理長・・・」ハァ

コック「なんだぁ?」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:32:06.25 ID:RC6p1yPRo

梓「忘れ物ない?」

つばさ「うん!荷物はお兄ちゃんが持ってくれてるし、大丈夫」

梓「みんなにちゃんと挨拶した?」

つばさ「うん!ライブが終わった後にお別れの挨拶済ましたよ!」

梓「知らない人について行かないようにね?」

つばさ「お兄ちゃんがいるから大丈夫!」

梓「それから・・・」

唯「あずにゃん、お姉さんというよりお母さんですなぁ」

梓「あぅ」

星奈「あっはっは」

紬「うふふ」

修治「あはは」

つばさ「えへへ」

梓「・・・」

つばさ「東京でお見送りするからまだお別れじゃないよ」

梓「そうだね」

修治「行くか」

つばさ「うん! 行ってきま〜す!」

紬「行ってらっしゃ〜い」

星奈「気をつけるんだよ〜」

唯「お兄さんによろしく〜」

梓「・・・」

紬「行っちゃったわね・・・」

星奈「うん」

唯「これからつばさちゃんはヴェガに居ないんだね、寂しいな〜」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:32:36.45 ID:RC6p1yPRo

梓「そうですね・・・」

星奈「元気そうな乗客二人が増えたじゃん」

紬「エレナさんと小麦さんね」

唯「むぎむぎコンビだね」

星奈「あっはっは、なんだそれ」

梓「・・・」

紬「あずさちゃん・・・」

星奈「あ、そうだ!お礼を兼ねて放課後ティータイムにごちそうするよ!」

梓「?」

星奈「私を元気付けるために企画してくれたんでしょ?とっても嬉しいからさ、そのお礼」

唯「おぉ、太っ腹ですな」

星奈「太っ腹はやめて・・・」

梓「ブフッ」

紬「うふふ」

星奈「私先に行ってるからさ、出発したら澪ちゃんと律を連れて食堂車に来てね〜」

梓「はい」

唯「あいよー」

紬「は〜い」

梓「ん〜・・・」ノビノビ

唯「あ、むぎちゃんのマネだ」

紬「私も、ん〜・・・」ノビノビ

梓「体を伸ばすの気持ち良いですね」

唯「そうだね〜、ん〜・・・っと」

紬「そうね〜」

prrrrrrrrrrr

唯「さぁ、東京へいざ行かん!」ビシッ
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:33:18.38 ID:RC6p1yPRo

律「私もご馳走になっていいのか?」

星奈「うん、唯がライブを発案してくれたらしいじゃん」

唯「えっへっへ〜」

澪「私たち演奏しかしてないですよ?」

星奈「いいのいいの〜。なんでも好きなの頼んでよ」

唯「おぉ〜りっちゃんこれ見てよ!ジャンボパフェっていうのがあるよ!」

律「おぉすげぇ!さすが超豪華特急列車ヴェガ!」

澪「お、おい・・・」

星奈「いいっていいって、澪ちゃんも好きなの頼んで〜」

唯「ジャンボパフェ一つお願します!」

律「私もー!」

星奈「チャレンジャーだね〜。50cmあるけど大丈夫〜?」

澪「ご、50・・・」

唯「おいどん、これぐらいけますたい」

律「パフェは飲み物ですたい」

星奈「くっくっく、澪ちゃんもジャンボにする?」

澪「わ、私はレモンティーで」

星奈「おっけ〜、店員さんに注文してくるね〜」

唯律「「 ごっつぁんです! 」」

律「稽古は本場所の如く」

唯「本場所は稽古の如くッス」

澪「ププッ」

律唯「「 どすこぉーい、どすこぉーい 」」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:34:04.98 ID:RC6p1yPRo

梓「なにしてるんですかね、あの二人・・・」

紬「どすこぉい、どすこぉい」

梓「むぎ先輩まで・・・」

星奈「おまたせ、あっちの席は注文したけど、こっちは話が終わってからね」

梓「話・・・ですか?」

星奈「うん。二人にはちゃんと話しておかなきゃね」

紬「いい報告が聞けそうね〜」ニコニコ

星奈「あ、うん。朝ヴェガが発車してみんなと別れた後に母さんに電話したんだ」

梓「・・・」

星奈「ちゃんと自分の気持ちをね、言ってみた。父さんに会ってどうしたいのか」

紬「・・・」

星奈「そしたら母さん『自分の気が済む様にしてみなさい。どんな結果になってもあなたは私の子供だから』
   って言ってくれた。母さん勘違いしてたみたいでさ、私が父さんと一緒に暮らすと思ってたみたい」

梓「・・・」

星奈「『私が母さんを裏切るわけ無いでしょ』って言ったら『ありがとう』だって」

紬「・・・」

星奈「父さんがいなくて寂しかったんじゃないかずっと不安だったんだって。そしたらちょっと泣けてきてさ」グスッ

梓「星奈さん・・・」

星奈「電話切った後ちょっと泣いちゃって、それを通りかかった修治に見られちゃった」

紬「まぁ・・・」

星奈「そしたらさ、アイツ何も見てませんって顔で通り過ぎようとしたんだよ」

梓「・・・」

星奈「なんか可笑しくて笑ったら、気まずかった気分が吹き飛んでさ、ちゃんと修治とも話できて以前のような関係に戻れたよ」

紬「そうだったんですか」ホッ

星奈「うん、おかげでライブもみんなで楽しめた。むぎちゃん達にはとても感謝してる。ありがとう」

梓「よかったです」

紬「えぇ、本当に・・・」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:36:21.39 ID:RC6p1yPRo

星奈「という事で報告終わり! ささ、二人ともなに注文する?」

梓「あの・・・一つ質問が・・・」

星奈「なに?」

梓「あの、その、せ、星奈さんは鳥羽さんの事・・・」モジモジ

星奈「?」

梓「えぇと、その・・・」モジモジ

星奈「? なぁに?私が修治をなんだって?」

梓「す、好きなのではないれしょうか?」カァ

紬(噛んだわ〜)

星奈「ブフッ・・・」

梓「・・・?」

星奈「私が修治を!? アッハッハ!それ面白いよ梓ちゃん!」

梓「あれ・・・?」

紬「あらあら」

星奈「ヒッヒッヒ、お腹が痛い・・・アッハッハ!」ゲラゲラ

梓「む・・・」プクー

星奈「ご、ごめんごめん。でも、あり得ないよそんなの〜。
・・・まぁ、タイミングが違えばそうなってたかも知れないけどね」

紬「まぁ、そうなの?」

星奈「うん・・・。あの時、UNOの後に追っかけてきたのが梓ちゃんじゃなくて修治だったらそんな関係になってた・・・ブフッ」

梓「もぅ」

星奈「ごめんごめん。機嫌直してよ〜梓ちゃん」

梓「知りません」ムス

星奈「なんでも頼んでいいからさ」

梓「・・・」ムスー

紬「うふふ、なんだか懐かしいわ〜」

星奈「?」

梓「?」

紬「ほら、ラーメン横丁でも似たようなやりとりしたじゃない?」

星奈「そういわれてみれば・・・」

梓「ふふ、そうですね」

紬「なんだか遠い昔のような気分ね〜」

星奈「そうだね、4日前の話なのにね」

紬「それ以上一緒にいる感覚がするわ〜」

梓「・・・」ペラッ

星奈「私達が思い出に耽っているのに、キミはなにをしてるのかにゃ?」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:37:20.47 ID:RC6p1yPRo

梓「一番高いやつを・・・。あ、もうカニ御膳終了してますね」

紬「でも新しく牛タンがあるわ」

梓「いいですね。私牛タンにします」

星奈「値段で決めないでよね。まだお昼まで1時間以上あるよ?」

梓「朝食はパン一枚でしたから、食べられると思います」ブイ

星奈「いや、ブイってされてもね。別にいいんだけど。むぎちゃんは?」

紬「アイスティーを」

星奈「食べないの?」

紬「お昼は浅草で取ろうと思ってて。私浅草のもんじゃ焼きを食べるのが夢だったの〜」

星奈「なるほど。それじゃ、私も浅草で一緒に食べようかな?」

紬「えぇ、ぜひ」

梓「そ、それなら私も」

星奈「牛タン食べた後に食べられるかなぁ?」

梓「じゃ、じゃあキャンセル」

星奈「この機会を逃すと食べられないかもよ〜」

梓「うぅ・・・」
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:37:55.13 ID:RC6p1yPRo

星奈「アハハ、むぎちゃん、浅草へは夕方でいいかな?」

紬「えぇ、そうしましょう」ニコニコ

梓「ホッ・・・」

星奈「ふふ」

梓「?」

星奈「なんでもない。むぎちゃんアイスティーでいいの?」

紬「えぇ、今はお腹すいてないの」

星奈「おっけ、注文してくるよ。そうだ」ガタ

紬「どうしたんですか?」

星奈「梓ちゃんさ、どうして私が修治に矢印が向いてるなんて思ったの?」

梓「なんていうか・・・その、星奈さんが少女のような態度だったので」

星奈「あ、あぁ。いやぁ、修治と気まずくてさ、どう接したらいいか分かんなくて、
   こういう気まずい思いしたこと初めてだったから、恥ずかしいっていう部分もあったんだよね」アハハ

紬「あらあら」

梓「星奈さんって意外とウヴですよね」ボソッ

星奈「・・・」スタスタ

梓「?」

星奈「梓ちゃんやっぱりなまいき〜」ワシャワシャ

梓「! やめてください星奈さんっ!髪が乱れますっ!」

星奈「教育がまだまだ必要なようじゃのぅ〜」ワシャワシャ

梓「もうっ、やめてくださいー!」

紬「あらあら」ウフフ
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:39:02.41 ID:RC6p1yPRo

唯「まだかな〜、まだかな〜♪」ワクワク

律「あっちの席盛り上がってんなぁ」

澪「梓が、唯や律とじゃれあってる時と同じ表情してるなんて」

律「そうなのか?」

澪「あぁ、なんか意外だ・・・」

唯「星奈ちゃんいい人だよ〜?」

律「いや、それはなんとなく分かるけどさ」

澪「レアなんじゃないかと思って」

唯「ん〜?」

「おまたせしました。ジャンボパフェ二つにレモンティーでございま〜す」

律「キタキタ!ってデカッ!!」

唯「デカッ!」

澪「ちゃんと食べろよな」

律「くぅ〜生きててよかった〜」キラキラ

唯「おぉ〜、苺にメロン、さくらんぼ〜、キウィ、グレープフルーツ、りんごうさぎ!」キラキラ

澪「幸せそうだな唯は」

律唯「「 いっただっきま〜す 」」

パクッ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:39:34.92 ID:RC6p1yPRo

唯律「「 これすっごくおいし〜 」」

澪「よかったな」

唯「はぁ〜、ジャンボパフェがとまらないよ!」パクパク

澪「・・・」

律「うんめぇ!」

唯「ライブを頑張った私たちにご褒美だよね、りっちゃん!」

律「うんうん、やってよかったなぁ唯!」

澪「・・・」

唯「しあわせ〜」モグモグ

律「このこめかみを刺激する冷たさがたまんねぇ〜!」

澪「いちごパフェが止まらないの歌詞をなぞっただけじゃないか・・・」

唯「あぁ!どうしようりっちゃん。ほっぺたが落ちちゃった〜」

律「しょうがねぇな〜拾ってやるよ〜」ムニムニ

唯「ありがと〜」

澪「おかしなテンションになってきたな」

唯「おいしぃ〜」モグモグ

律「ふぅ〜。おいどんちょっと食べきる自信が無くなってきたですたい、澪どんも少し食べてはどうですたい」

澪「言葉がおかしいぞ。じゃあちょっとだけ」ペロリ

律「どうだ?」

澪「おいしい・・・」

律「どんどん食べていいぞ〜」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:40:21.33 ID:RC6p1yPRo

紬「ごちそうさま〜」

梓「ごちそうさまです」

澪「ご、ごちそうさま」

星奈「あいよ〜。よく一人で食べきれたね〜」

澪「律の分は私と半分半分でしたけど」

唯「へへへ、とてもおいしかったよ〜。ごちそうさま」ゲフ

律「ごちそうさまー!」

星奈「いえいえ〜、それじゃまったね〜」フリフリ

澪「・・・しかし驚いたな。列車で鉄板焼きをするなんて」

律「あぁ、目を疑ったぜ」

梓「私達も最初見たとき驚きましたよね」

紬「えぇそうね〜。星奈さんが利用してたわね」

唯「なんでもござれな食堂車だね」

紬「みんなで客車へ行きましょうか?」

澪「そうだな」

唯「そだね〜、のんびりしよ〜」

律「おー」

梓「あ、私売店車へ行って東京の観光ガイド買ってきます」テッテッテ

紬「行ってらっしゃ〜い」

律「東京かぁ・・・なんかあっという間だな」

澪「うん」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:41:03.85 ID:RC6p1yPRo


律「おぉ、2号車の座席は緑か!」

澪「4号車は赤、3号車は黄色だったな」

真美「あの琴吹さん・・・ちょっといいですか?相談したいことがあるんですけど・・・」

紬「あら、桜井さん。はい、なにかしら」

律「おっ、真美ちゃんどうしたー?」

真美「学校へ入学するまでに人物画を描くという課題がでているんです」

紬「人物画っていうと・・・『隣の友達の顔を描いてみよう』みたいなアレかしら?」

唯「小学校の頃よくやったよね〜」

真美「えぇ、それです・・・それで、誰を描こうかと思って」

紬「それなら、見栄えする人はどうかしら。桜井さんは、今までどういう人を描いたの?」

真美「お父さんと、お母さんとおばあちゃん・・・家族しか描いたことないんです」

澪「ふむふむ」

紬「なるほど・・・、家族の顔なら見慣れていますよね。やっぱり、絵に描くのはそういう方がいいのね?」

真美「というより、私は人見知りするから気心の知れた人の方が。そ、それでお願いがあるんですけど・・・」

紬「はい」

真美「モ、モデルになってくれませんか?」

唯「おぉ〜むぎちゃんがモデルか〜」

律「いいんじゃないか?むぎなら見栄えするからな」

真美「いえ、あの・・・みなさんを描きたいのですが・・・」

紬「なるほど〜」

澪「・・・」ボンッ

律「おぉ、澪が恥ずかしさのあまり頭から蒸気が・・・」

真美「その、演奏してる時の楽しそうな雰囲気がいいなと思いまして」

紬「まぁ〜」

唯「よぉ〜し、ギー太取ってくる!」フンス!

律「まぁ、待て」

真美「みなさんが団欒しているところを描きたいのですが・・・」

唯「らんらん? スキップしている所を描くの?」

紬「だんらんよ、唯ちゃん」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:42:20.05 ID:RC6p1yPRo

澪「親しい人同士で集まって楽しい時間を過ごす事・・・だ」

律「ほぅ」

真美「いかがでしょうか・・・」

唯「おっけー!」

澪「あっさりと!」

真美「ダメ・・・でしょうか」

澪「も、もちろんいいですよ!よ、よろしくお願します!」

律「テンパってるけど、大丈夫か・・・」

紬「それならどこで描きましょう・・・?」

真美「そうですね、5人が座れる場所は・・・」

律「展望車が空いてるか見てくるよ」

唯「それなら私はここで待ってるよ!」

律「おまえも来いっ」グイッ

唯「あ〜れ〜」ズルズル

真美「みなさんありがとうございます」

紬「いえいえ〜」

澪「・・・」

真美「前に描かせてもらった時の絵を仕上げている時とてもやりがいがあって、
   雰囲気をどう表現するのかが楽しくて・・・もう一度描きたいと思っていたんです」

澪「前?」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:42:45.84 ID:RC6p1yPRo

紬「札幌から函館の間を走っているときに私たち二人を桜井さんに描いてもらったの」

澪「へぇ・・・」

真美「東京に着いた時にでもお渡しますね」ニコニコ

紬「桜井さんは東京まででしたね・・・」

真美「えぇ・・・私、琴吹さんと中野さんにはとても感謝してます」

澪「?」

梓「おまたせしました」

紬「あずさちゃん、なにかあったの?」

梓「店員さんとお喋りしてました。店員さんの名前根岸ちひろさんって言います」

澪「そ、そうなのか」

梓「根岸さんよく観察してますよ。誰と誰が仲がいいのか把握してました」

真美「そうみたいですね」

紬「面白い情報ね〜」

梓「何に活かされるのか分からないですけど」

澪「色々とアドバイスできるから貴重な存在かもな」

紬「そうね〜、あ、りっちゃんどうだった?」

律「いや〜、空いてなかったよ」

唯「うん、ここでいいんじゃないかな」

梓「?」

紬「そうね、どうかしら、桜井さん?」

真美「私はどこでも」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:43:23.60 ID:RC6p1yPRo

澪「き、緊張するな・・・」

紬「絵のモデルになるなんてそうそうないものね〜」

澪「そうだな、むぎはあるのか?」

紬「うん、何度か」

澪「そういや、最初の合宿の別荘にむぎの肖像画があったな」

紬「覚えててくれたのね」

澪「あぁ、両親も一緒に描かれていた絵もあったな・・・。っておまえたちなにしてるんだ?」

唯「りっちゃん、もっとつめてぇ」ギュウギュウ

梓「ゆ、唯先輩押さないでください」ギュウギュウ

律「これ以上は無理っ」ギュウギュウ

澪「まぁ、二人用の椅子に三人座ろうとしてるからな」

紬「展望車は空いていなかったから、しょうがないわよね」

唯「あずにゃん、ちょっと立ってて」

梓「は、はい・・・」ガタ

律「・・・?」

唯「さぁ、どうぞ」ポンポン

梓「えっ、膝の上に座れって事ですかっ?」

律「それは名案だ」

紬「あらあらまぁまぁ」

澪「おいおい・・・」

唯「おいでっ、あずにゃん!」ポンポン!

梓「・・・むぎ先輩、澪先輩、間失礼します」ストッ

唯「えぇ〜・・・」ガーン

律「なんで普通に座れているんだよっ」

梓「どうしてでしょうね」ニヤニヤ

律「このやろっ」ムニ

梓「ふにゅっ」

律「私と唯がふくよかだと言いたいのか!」ムニー

梓「ふぁうぇへふふぁふぁい!」

唯「ダメだよりっちゃん、あずにゃんをそんな風に扱っちゃ!」

梓「うぅ〜」

律「なんだよ〜、唯は悔しくないのかよっ」

唯「あずにゃんはきっと私たちの所へ戻ってくるよ、信じて待とうよ・・・」ウルウル
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:44:15.79 ID:RC6p1yPRo

律「・・・そうだな、アイツはきっと私たちの所へ帰ってくるよな」シミジミ

澪「また三文芝居が始まった・・・」

紬「うふふ」

梓「・・・」ガタ

唯「さぁ、おいで! あずにゃん!」ポンポン

梓「・・・」

紬「おいで、あずさちゃん!」ポンポン

澪律「「 むぎまでっ!? 」」

梓「!」グラッ

澪「おぉ、むぎの方へ少し傾いた」

唯「えぇ〜・・・」ガーン

律「梓を取り巻く愛憎劇に今終止符がっ!」

澪「へんなナレーション入れるなっ」バシッ

律「あいたぁっ」

真美「クスクス」

澪「あっ」

唯「忘れてた〜」

律「ごめんごめん、真美ちゃん」

真美「いえいえ、そのままの空気を描きたいと思っていましたから」クスクス

梓「でも、課題なのに・・・」

真美「いえいえ! 私が描きたいのは人の顔ではなく、その人の持つ雰囲気といいましょうか
   みなさんの持つ穏やかな時間を描きたいので、謝らないでください」アセアセ

唯「・・・そのままおしゃべりしててもいいの?」

真美「えぇ。その方が私も助かります」

律「そういってくれるんなら・・・」

澪「そうだな、安心したよ」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:45:12.94 ID:RC6p1yPRo

紬「それじゃ、お茶にしましょうか〜」

梓「むぎ先輩!いつの間に用意したんですか!?」
  
紬「うふふ。先ほど厨房でお湯を頂いたの〜」

律「あぁ、魔法瓶に淹れてあったのか」

唯「ティータイム!ティータイム!」

澪「のんびりするには丁度いいな」

紬「はいどうぞ、桜井さん」

真美「わ、私の分まで用意していただいて・・・ありがとうございます」ペコリ

梓「札幌の白い恋人、仙台の萩の月をお茶請けにどうぞ」

唯「おぉ! 名前は知ってたけど食べたこと無いお菓子ばっかりだよ!」

律「うめぇ!」モグモグ

澪「他の乗客にも迷惑かかるからしずかにな」

梓「さっきジャンボパフェ食べたばかりなのに、よく食べられますね・・・」

唯「甘いものは別腹だよ、あずにゃん!」

梓「パフェも甘いもののはずですよ・・・」

真美「・・・おいしい」

唯「むぎちゃんの淹れた紅茶は絶品なのです」

律「ふっふ〜ん」

澪「なんでおまえが威張ってるんだよ」

紬「うふふ、ありがとう」

唯律「「 ほ〜げ〜 」」

梓「練習が無いから思う存分のんびりしてますね」

澪「あっても存分にのんびりしてるけどな」

梓「それもそうですね」

紬「ほ〜げ〜」

真美「・・・」カリカリ
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:45:59.86 ID:RC6p1yPRo

梓「あ、むぎ先輩、あのガラス細工渡してはどうですか」

紬「そうね」ガサゴソ

律「お、なんだなんだ」

澪「ガラス細工?」

唯「プレゼントくれるの?」ルンルン

紬「さ、みんな好きなの取って〜♪」

澪「おぉ、キレイだな」

律「あ、このラインナップはきぐるみのヤツじゃん」

唯「にわとりいただき〜」サッ

澪「それなら私はうまかな」

律「そのまんまじゃつまんねーから、みお〜いぬと交換しようぜ〜」

澪「うん」

唯「私はこれが気に入りました!」

梓「ぶたが残りましたね・・・」ションボリ

紬「残り物には福があるというから、私はぶたでよかったわ」ニコニコ

梓「むぎ先輩・・・」

澪「はい、律」

律「お、うまかっこいいじゃん」

澪「いぬの方がかわいいぞ」

唯「あずにゃんはねこ持ってるの?」

梓「はい、真っ先に選びました」キリ

澪「? そうか。むぎありがとうな」

律「さーんきゅ」

唯「ありがとうっ」

紬「いえいえ〜」

梓「唯先輩・・・」ボソッ

真美「あのぉ〜・・・」

律「ん?どうしたの?」

真美「一応、下書きは終えたのでお礼をと思いまして」

紬「まぁ!」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:46:34.47 ID:RC6p1yPRo

唯「出来たのっ?見せて見せて!」

澪「おい、唯・・・」

律「本当は自分も見たいくせに〜」

澪「そうだけど・・・」

真美「これから仕上げてくるので少し待っててもらえますか?」

梓「はい!」

紬「えぇ」

真美「みなさん、協力してくれてありがとうございました」ペコリ

律「いえいえ〜」

唯「なんのこれしき〜」

澪「なにもしてませんけど」

真美「それでは・・・」

スタスタ

梓「・・・」

紬「・・・」

梓「もうそろそろ東京ですね・・・」

紬「・・・そうね」

唯「あっずにゃん!」ダキッ

梓「な、なんですかっ」

唯「東京でどこ観光するか決めた〜?」

梓「ま、まだですが・・・」

唯「それなら決めようよ〜」

梓「ふふ、そうですね・・・」

紬「私も混ぜて〜」

律「おぉ、梓いいモン持ってるじゃん!」

梓「観光ガイドです。売店で購入できますよ。観光地へのアクセス方法もあって便利です」

澪「へぇ〜」

律「いいのがあるぜ!その名も後楽園遊園地!」

唯「みんなで行こうよ!」

紬「いいわね〜」

澪「やれやれ・・・」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:47:19.18 ID:RC6p1yPRo

エレナ「ハァ〜イ、みなさん。ごきげん麗シュウ〜」

唯「ハロー」キリ

律「おいーっす」

澪「あ、エレナさん。伊東さんは一緒じゃないんですか?」

エレナ「小麦は今部屋にこもって新聞を制作していますネ」

紬「新聞ですか?」

エレナ「エェ、そうですワ。先ほどの演奏を記事にすると張り切っていましたカラ」

梓「わ、私たちの演奏を記事にするんですか?」

エレナ「ハイ、小麦は学校で新聞部に所属していますカラ心配ないですヨ〜」

律「いやいや、そうじゃなくてだな。私たちの事を勝手に記事にされると困るんだけど」

澪「・・・」

エレナ「オー!ごめんなさいネ。ショウニンを取るのが遅れてしまいました」

唯「いえいえ、お気になさらず」キリ

澪「しゃ、写真とか載せますか?」

エレナ「今回は私のビデオカメラから抽出できませんから、載せることは出来ないですネ」

澪「そうですか、それなら問題ないと思います」

律「澪!?」

澪「車内放送で流れたんだから、今更記事にした所で気にする事ないだろ?」

唯「そうですね、澪さん」キリ

律「そ、そりゃそうだけど」

エレナ「よろしいのですカ?」

梓「私も問題ありません」

紬「そうね〜」

律「・・・」

澪「律・・・?」

律「あー、もう分かったよ!煮るなり焼くなり好きにしろぃ!」

澪「部長の許可が下りたので大丈夫です」

エレナ「本当に申し訳ないネ」

澪「気にしないでください」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:47:49.87 ID:RC6p1yPRo

紬「どんな記事になるのか楽しみね〜」

唯「ふっふっふ。ついに私達が新聞の一面に躍り出る日が来たんだよ、みんな!」

エレナ「発行部数一部ですけどネ」

唯「えぇー」ガーン

律「わ、私の心配を返せー!」

梓「そうじゃないかと思ってました」

澪「エ、エレナさん、さっきから気になってたんですけど。そのカメラ録画してないですよね」

エレナ「ハイ、構えているだけで回してないネ」

唯「な〜んだ、私意識してたのにぃ〜」ガッカリ

律「変な口調とやたらすました顔をしてたのはそういう理由か」

唯「みんな録画されてない事に気付いてたの!?」

梓「カメラの赤いランプ点いてないですから、気付いてました」

澪「あぁ、不安はあったけど」

紬「えぇ」

律「うん」

唯「私そんな事知らなかったよ・・・」

澪「いつも持ってるんですか?」

エレナ「エェ、このカメラで世界中を撮る事が私の夢ネ!」

律「おぉ」

梓「すごいです・・・」

エレナ「ユイさん、撮りましょうカ〜?」

唯「・・・ちょ、ちょっと待ってて。あずにゃん私の髪型おかしくない?」

梓「はい、鏡をどうぞ」

唯「よしよし。お、オッケーだよ」キリ

紬「うふふ」

エレナ「カメラまわしますヨ〜。3,2,1,スタート!」

唯「・・・ほ、ほったいもいじるなー?」キリ

梓「カメラに時間聞いてどうするんですか!」

律「グフッ」

澪「ププッ」

エレナ「只今の時刻は11時55分ですヨ」

梓「答えるんですかっ!?」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:48:44.18 ID:RC6p1yPRo

紬「あらあら」

エレナ「オー!間も無く東京ですネ。ワタクシ小麦の所へ行きますワ。・・・それと部長サン」

律「なに?」

エレナ「許可してくれてアリガトネ。それではグッバーイ!」

唯「グッバーイ!」

梓「感化されないでください」

律「・・・」

紬「私達も降りる仕度しましょうか」

唯「イエース」

梓「そうですね」

唯「アズニャン、ヒアウィーゴー」

律「みお〜」

澪「なんだ?」

律「新聞の件だけどさ。写真使ってたとしても記事にする事賛成にまわってたんじゃないのか?」

澪「そ、それは・・・。た、多分」

律「ふ〜ん」

澪「なに?」

律「いや・・・べつに〜」

澪「先に行くぞ?」

律「人見知りのおまえが珍しいなと思ってさ」ボソッ

紬「うふふ」

律「あ、聞こえた?」

紬「えぇ。私も澪ちゃんが記事をすんなり受け入れたからびっくりしてたの」

律「出会ったばかりで気を許せるなんて、仙台でなにがあったんだ〜?」

紬「気になる?」

律「へへ、ちょっとだけな。私らも観光の準備しとこうぜ」

紬「そうね〜」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:49:37.08 ID:RC6p1yPRo

ガタンゴトン ガタン ゴトン  

プシュー

「よっ」ピョン

シュタッ

「ビバ!東京!!」

梓「それはイタリア語です。それにちょっと意味が分かりませんよ唯先輩」

唯「え〜、そんな気分なんだよ!」

律「辿り着いて『万歳!東京!!』って、いつから憧れていたんだよ。ほら、唯がどいてくれないと私達が降りられないだろ?」

唯「すいやせんね〜、えへへ」

澪「凍狂・・・」ビクビク

紬「大丈夫よ澪ちゃん」

澪「そ、そうだよな・・・」ビクビク

律「しゃーない。私たちから離れるなよ澪?」

澪「う、うん」

梓「あ・・・」

紬「・・・」

唯「どうしたの、あずにゃん?」

律「・・・あそこにいるのは車掌さんと・・・真美ちゃんだな」

梓「・・・」タッタッタ

紬「まって、あずさちゃん」タッタッタ

唯「あ、そっか。まって〜」

律「どうしたんだ?」

澪「桜井さんヴェガを降りるんだよ」

律「だから荷物も持ってるのか」

澪「私達も行くぞ」

律「おぅ!」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:52:08.13 ID:RC6p1yPRo

車掌「忘れ物はございませんか?」

真美「は、はい。・・・これ、乗車証です」

車掌「はい。確かに」

紬「桜井さーん」

梓「桜井さん!」

唯「真美ちゃーん!」

真美「あ、みなさん・・・まだ観光に出ていなくて良かったです」

紬「まだ、挨拶していませんもの」

梓「そうです」

唯「お別れの挨拶してないよ〜」

真美「そうでしたね。私も渡さなきゃいけないものがありました」

車掌「・・・」

澪「・・・」

律「・・・ふぅ」

唯「りっちゃん運動不足ですなぁ」

律「息切れしたんじゃないぞ。一息だ一息入れただけだ」

真美「こ、これが課題に協力してくれた絵です」

紬「まぁ〜」

律「どれどれ〜、おぉ!」

澪「こんな風なのか私たち・・・」

梓「わぁ・・・」キラキラ

唯「私、絵の事なんて全然分からないけど、凄く好きだよこの絵!」

紬「私も・・・」

車掌「みなさんの雰囲気がよく描かれていると思います」

真美「あ、ありがとうございます。これで自信をもって学校へ通えると思います」

紬「力になれたようでよかったです」

律「この絵いいなぁ、部室に飾りたい・・・」

澪「提出するものだぞ」

真美「す、すいません・・・」

唯「真美ちゃん・・・例のブツを・・・」イッヒッヒ

梓「?」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:52:50.39 ID:RC6p1yPRo

真美「は、はい。琴吹さん、どうぞ」

紬「まぁ」パァァ

梓「あ、あれ・・・、これって」アワワ

唯「おぉ〜」

車掌「妹のうたた寝を見守る姉、その二人を優しく包むオレンジの光・・・。文字通り絵になりますね」

真美「・・・」テレテレ

律「これは・・・展望車・・・だよな」

澪「これが札幌と函館の間に描いた絵なんだな」

紬「そうなの。あずさちゃんごめんね。黙ってて」

梓「む、むぎ先輩・・・」

律「へぇ〜」

唯「あずにゃんの寝顔可愛い〜」

梓「寝ていた所を写真で撮られるよりはいいですけど、ちょっと恥ずかしいですね」テレッ

真美「す、すいません」

梓「い、いえ。この絵好き・・・です」

律「いいなこの絵も。なんか暖かい感じだ」

澪「写真より伝わってくるものがあるな」

真美「そう言ってくださると嬉しいです」

唯「額縁に入れて部室に飾って置くよ〜」

梓「だ、ダメですよ!」アセアセ

紬「ありがとう、桜井さん。いい旅の思い出が出来ました」

真美「い、いえ。お礼を言うのはこっちです。・・・わ、私。東京へ引越しが決まってから不安でいっぱいでした」

車掌「・・・」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:53:18.19 ID:RC6p1yPRo

真美「稚内からヴェガに乗車して、どんどん地元から離れる度に不安で押しつぶされそうだったんです」

梓「・・・」

真美「羊が丘展望台でスケッチしても思うように描けなくて、東京へ行く意味を失いかけていたんです」

唯「真美ちゃん・・・」

真美「展望車で二人を見かけた時、この瞬間を絵にしたいって思えたんです」

澪「・・・」

真美「もっと巧く表現したい、もっともっと絵の事を知りたいって・・・思えたんです・・・」

律「・・・」

真美「この絵に出会えなかったら今の私はいません。だからお礼を言うのは私なんです」

紬「・・・」

真美「琴吹さんに出会えてよかったです。ありがとうございました」

紬「・・・はい」

唯「うぅ・・・」ボロボロ

梓「なんで唯先輩が泣いてるんですか。ハンカチ使って下さい・・・」

唯「ありがと、あずにゃん・・・」ビィィイイ

梓「鼻かんだ・・・、お約束ですよね」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 21:54:04.71 ID:RC6p1yPRo

律「なにやってんだよ、いい話なのに・・・」

澪「ふふっ・・・」グスッ

真美「クスクス」

車掌「・・・」

梓「桜井さんとたくさん話が出来てよかったです」

真美「わ、私もです。ありがとう中野さん」

唯「真美ちゃんと・・・観光回れて・・・楽しかったよ」グスッ

真美「唯さんとの観光巡りはとても楽しかったです。ありがとうございました」

紬「桜井さん」

真美「はい」

紬「私、忘れません。桜井さんと出会えたこの旅を」

真美「はい!」

車掌「・・・」

真美「お世話になりました」

車掌「当特急ヴェガへのご乗車誠にありがとうございました」

真美「それでは、私はこれで・・・。みなさんこれから先も気をつけてくださいね」

紬「えぇ・・・」

梓「桜井さんお元気で」

澪「元気でね」

律「頑張ってな!」

唯「真美ちゃん元気でね」

真美「はい、みなさんもお元気で。・・・さようなら」

紬「さようなら・・・」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/05(火) 21:55:28.39 ID:yesgrtAQo
元ネタ知らないけどいい話だな
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 22:55:21.43 ID:RC6p1yPRo

律「むぎと真美ちゃんが笑顔で別れたんだからさ、唯も笑顔出そうぜ」

唯「ぅっ・・・うぅ・・・」ボロボロ

紬「唯ちゃん、元気だして」

唯「だって・・・『さようなら』って言葉が・・・こんな・・・に重いなん・・・って思わなかったん・・・だもん」グスッ

梓「唯先輩・・・」

澪「うっ・・・」グスッ

律「澪まで〜、真美ちゃんの門出でもあったんだぜ?悲しんでいたらダメだっ!遊園地行ってパァーッと遊ぶぞー」

紬「そうね、りっちゃん!」

梓「そうですね」

律「ほら〜、あと二人の声が聞こえないぞ〜」

澪「うん、もう大丈夫」

唯「うん・・・」

律「あー、唯はこのままでは外あるけないな。梓、悪いけど唯と一緒に洗面所行って来てくれないか?」

梓「はい、唯先輩行きましょう」

唯「うん」

トボトボ

律「・・・ふぅ」

澪「なんだ、律もか」

律「へへっ、唯の言葉でちょっと危なかった」

紬「りっちゃん・・・」

澪「はい、ハンカチ。二人が戻ってくる前に拭いとけ」

律「イラねーやい!」

紬「ふふ」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 22:57:13.78 ID:RC6p1yPRo

澪「・・・むぎは強いな。桜井さんとは一番仲がよかったのに・・・」

紬「みんなが居てくれるからよ・・・。支えてもらってるもの」

律「へへっ、よーし!一番最初はジェットコースターだな!」

澪「嫌だっ!」

律「ちっ、勢いでオー!と言わせることができると思ったのに」

紬「それならスカイフラワーはどうかしら」

澪「安心できる名前だな。怖くない?」

紬「えぇ、高さ60mくらい上がるけど大丈夫よね?」

澪「だ、大丈夫」グッ

律「じゃあさ、ヴィーナスラグーンはどうだ?」

澪「うん、それも平気そうだ」

紬「いいの?メリーゴーランドよ?」

澪「律っ!」

律「じゃ何がいいんだよ〜」

澪「か、観覧車とか」

律「へぃへぃ」

澪「聞いといてその反応はないだろっ」

紬「まぁまぁまぁ」

梓「おまたせしました」

律「おぅ、唯は・・・」

唯「おまたせ!」

律「うん、大分スッキリしたみたいだな」

梓「顔を洗ったら気持ちを切り替えられたみたいです」

紬「よかったわ」

澪「うん・・・」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 22:58:20.84 ID:RC6p1yPRo

律「けっこう混んでるなぁ」

梓「夏休みですからね」

唯「人が多いね〜」

「きゃあ!」

スッテーン

澪「あ・・・」

「いたたたた」

紬「まぁまぁ、大丈夫ですか?」

唯「愛ちゃんではないか」

愛「あ、みなさん・・・見られてしまいましたね」ハズカシイ

律「だいじょぶか?」

愛「へ、平気です」

澪「もしよかったらさ、愛さんも一緒に遊園地行かない?」

紬「どうですか?」

唯「行こうよ〜」

愛「い、いえ。たまたま通りがかっただけですので、遠慮します・・・」

梓「そうですか、残念です」

愛「そ、それでは・・・」ペコリ

スタスタ

紬「・・・」

唯「青森から一緒だけどあまりお喋りできないね〜」

律「そうなのか?」

梓「そうですね。どことなく距離を置かれているような気がします」

律「ふ〜ん・・・」

澪「あ・・・」

律「今度は何を見つけたんだ澪」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 22:59:12.92 ID:RC6p1yPRo

唯「おぉ〜、エレナちゃんと小麦ちゃんが露店を開いてる!」

紬「あらあら面白そう〜」

澪「ちょっと見てくるか」

律「そうだな」

唯「お〜い、エレナちゃーん」

エレナ「アラ、みなさん!遊園地に来ていたのですカ?」

律「そうだけど・・・いいのか?エレナ達、こんな所に露店を開いても」

小麦「だって、あたし達ここでお金稼がないと乗り物にのるお金が無いんだもん」

梓「そうなんですか・・・」

唯「!」ピコン

エレナ「ここは人通りが多いですからすぐにお金が溜まるネ」

小麦「そういう事〜」ルンルン

唯「りっちゃん、私あれやりたい!」

律「あれってなんだよ」

澪「嫌な予感が・・・」

唯「サクラだよ!」

律「それいいな、いっちょやるか!」

唯「うん!」

小麦「なになにー?」

唯「コホン。あーりっちゃんみてみてーこれかわいいー」

律「あー、ほんとうだー。ゆいにぴったりだー」

澪「私たちは離れていようか・・・」

梓「そうですね・・・」

紬「・・・」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:00:04.08 ID:RC6p1yPRo

エレナ「オー!可愛いお二人にはこれがお似合いですワ」

唯「おー、これはすてきだ」

律「でもこんなにいいしょうひんだからきっとたかいんだろうなー」

小麦「ところがなんと〜、このお値段です!」

唯「わー、りっちゃん。このねだんならかったほうがいいよねー」ワァ

律「そうだなー、いまかわないとそんだなー」ウンウン

クスクス  ナンダナンダ

紬「人が集まってきたわ・・・」

梓「唯先輩達って凄い集客力があるんじゃないですかね」

澪「あんな棒読みでもいいのか・・・」

「これくださいー」ガヤガヤ

エレナ「毎度どうもネー」

「わぁ、キレイー」ガヤガヤ

小麦「お釣りでーす!」

唯「りっちゃん、これもいいよー」

律「いろいろあるんだなー。いいみせだー」

梓「まだやってますよ」

澪「あぁ・・・、あれ?」

紬「ゆいちゃーん、これなんてどうかしらー」

唯「むぎちゃん、それすてきだよー」

律「あぁ、むぎがみにつけたら、くじゃくからほうおうにれべるあっぷだーなー」

紬「うれしーわー、ありがとー」

梓「えぇ!?」

澪「やりたかったのかむぎ・・・」
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:01:11.97 ID:RC6p1yPRo

小麦「はいどうぞ!」

澪「あ、ありがとう・・・でも・・・」

梓「私たちなにもしてませんよ?」

エレナ「気にする事ないネ!」

小麦「ハンバーガーだけどね!」

律「面白かったな唯!」ムグムグ

唯「うん、一度やってみたかったんだよ」モグモグ

紬「うんうん」ムグムグ

澪「食べながら話すな」

梓「唯先輩、私のサラダも食べて下さい」

唯「ンー?」モグモグ

梓「朝から食生活が偏ってますよ」

唯「ウン」モグモグ

小麦「梓ちゃんすごーい!意思が通じているんだね!」

エレナ「いい師弟愛ですワー」

律「フンフンフン」ムグムグ

澪「この二人が師匠と弟子だとよく分かったな? でいいのか」

律「ウンウン」ムグムグ
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:01:40.33 ID:RC6p1yPRo

小麦「エレナは日本語間違えただけだよ」

エレナ「ですが、なんとなくそう感じましたヨ〜」

紬「フン〜」モグモグ

梓「すごいわ〜。ですかね」

紬「ウムウム」ムグムグ

澪「私たちが食べられないな」

梓「ふふ、そうですね」

律「・・・ゴクリ。私たち食べ終えたぞ」

唯「うん・・・ごちそうさま〜」

小麦「いえいえ〜。手伝ってくれたお礼だよ〜」

エレナ「エェ、当分お店開かなくても大丈夫ネ」

澪「フンフン」ムグムグ

梓「ウンウン」モグモグ

律「梓、可愛いよ」

唯「澪先輩も美しいですよ」

澪梓「「 ・・・ゴクリ 」」

澪梓「「 そんな事言ってないだろ(ません)!! 」」

小麦「あはははっ」

エレナ「今のバッチリビデオに収めましたヨ〜」

紬「モグモグ」モグモグ
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:02:21.41 ID:RC6p1yPRo

小麦「さぁー!どれから乗ろうか!?」

唯「私あれ!あれ乗りたい!!」

律「いいな!」

澪「・・・」

エレナ「みなさん、フリーパス買わなかったのですカ?」

梓「はい、長居できませんから」

紬「3つか4つ乗れたらいいわね〜」

小麦「エレナー!あれに乗ろうよ〜」

エレナ「いいですネー!さっそく並ぶネ!」

澪「ジェ、ジェットコースター・・・」

律「私と唯は行くけどどうする〜?」

梓「私はパスです」

紬「わたしも〜」

澪「・・・」

律「そうか、それじゃ後でなー!澪、むぎから離れるなよ〜」

澪「う、うん」

唯「行ってきまーす!」

紬「行ってらっしゃ〜い」

梓「元気ですよねあの方達。私たちはあれに乗りませんか?」

紬「ビッグ・オーね」

澪「・・・」

梓「電話で予約しておきましたから早めに乗れるはずです」キリ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:03:09.63 ID:RC6p1yPRo

唯「サイッコーだねりっちゃん!」

律「あぁ、もういっぺん乗りたいぜ」

エレナ「それなら次はアレなんてどうですカー?」

小麦「いいねー!」

澪(・・・楽しそう・・・・・・)

唯「あれ〜、澪ちゃん達ずっとそこに居たの〜?」

梓「いえ、観覧車に乗ってきましたよ」

小麦「早かったんだね〜」

紬「あずさちゃんのおかげね」

梓「えへへ」

エレナ「部長サン!アレに乗りますカ?」

小麦「乗ろうよ〜」

律「ん〜でも、澪がなぁ」

澪「わ、私も乗る!」

紬「まぁ・・・」

唯「大丈夫〜?結構迫力あると思うよ〜?」

澪「だ、大丈夫!」

律「あれはフリーフォールと言ってだな、ゆっくり上昇して頂上に着いたら自由落下する乗り物なんだぞ」

小麦「ここのアトラクションの中では一番の迫力だと思うよ」

澪「うぅ・・・」

律「やめとけって」

澪「うぅん・・・、乗りたい」

梓「澪先輩・・・?」

律「泣いても知らねーぞ」

澪「うん」

紬「澪ちゃん・・・」

エレナ「それでは行きまショー!」

小麦「ゴー!」

唯「あずにゃん・・・澪ちゃんどうしたの?」

梓「観覧車でなにか考えていたみたいですけど・・・よく分かりません」

唯「そうなんだ、大丈夫かな〜」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:06:45.39 ID:RC6p1yPRo

律「引き返すなら今だぞ」

澪「ううん、乗る」

律「どうしたんだ急に、 なんでいきなりコレに乗るんだよ。徐々にレベルを上げていけばいいだろ?」

澪「・・・演奏する前にコックさんが言った事覚えてる?私たちが理解できなかった言葉」

律「あ、あぁ。確か『旅は人生の縮図』とかなんとか」

澪「『目的地が人生の終着地点になったりする』」

律「・・・」

澪「桜井さんと別れた後の唯を見て思った。
  律と別れる事になったら私はその悲しみは乗り越えられないって」

律「でも真美ちゃんと唯が過ごした時間と、私たちが過ごした時間は同じじゃないだろ?」

澪「あの時の唯を見ても?」

律「そ、それは・・・」

唯「どうしたの〜?」

澪「なんでもないよ」

律「あとどれくらいで乗れそう?」

唯「あともうちょっとだよ〜」

エレナ「オー!ユイさんあれ見て下さーい!」

小麦「すっごーい!」

唯「おぉ〜」

澪「・・・唯はもう乗り越えてるんだ」

律「・・・」

澪「コックさんの言葉の意味を理解できれば・・・桜井さんや唯たちみたいに強くなれると思う」

律「それが今、遊園地のアトラクションに乗る事と関係があるのかよ?」

澪「ないかもしれない」

律「・・・」

澪「けど、今日をきっかけにしたいんだ」

律「・・・そうか」

澪「うん」

律「・・・」

「次の列の方どうぞ〜」

唯「私たちの番だよ!」

律「おぅ!」

エレナ「サァー落ちるヨー!」

小麦「あたしの心臓がバクバクしてるよー!」バクバク

唯「私もー!」バクバク
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:07:23.84 ID:RC6p1yPRo

澪「・・・」ガチガチ

ギュ

律「ほら、手握っててやるから」

澪「律・・・」

唯「澪ちゃん!」ギュ

澪「唯・・・」

律「おし、行くぜぃ!」

唯「おー!」

澪「うん・・・!」

「失礼します」

唯「はいよ」

ガチャ

澪「・・・」

律「・・・」

スゥーーーーー

小麦「おー!どんどん上がって行くよー」

澪「・・・」ガチガチ

律「私と唯が隣にいるだろ?」

唯「そうだよ澪ちゃん、下にもむぎちゃんとあずにゃんがいるよ!」

律「ゆ、唯!」

澪「ヒァッ」

律「やっべ、下見て固まってしまった」

澪「」

エレナ「ミオさんン、前を見てみるネー」

小麦「絶景だよー、澪ちゃん!」

唯「おぉ〜」

律「・・・」

澪「え・・・あ・・・」

律「いい景色だ」

澪「・・・うん」

エレナ「イッキマスヨー!!」

ガタン

唯「おっ」

澪「ひっ」

フワッ

澪「きゃぁぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:08:31.67 ID:RC6p1yPRo

フワッ

シュー

「だ、大丈夫ですか!?」

律「大丈夫か澪?」

澪「フフ・・・フフフ」

唯「澪ちゃん・・・?」

澪「フフフフフ」

小麦「どうしたの〜?」

エレナ「ミオさん・・・?」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:08:59.37 ID:RC6p1yPRo

澪「スーーッゴク楽しかったぁ!!」キラキラ

律「あー」

唯「よかったね澪ちゃん!」

エレナ「さ、ツムギさん達の所へ行きましょー」

澪「フワッってなったらスーッってなったよ!」キラキラ

律「はいはい、よかったねー」

小麦「気持ちよかったね〜」

澪「うん!うん!楽しいっ!!」キラキラ

唯「すごいテンションだね〜」

律「なんか余計なものを乗り越えちゃったな」

ガシッ

澪「律っ!」キラキラ

律「いや、待て。まずはむぎと合流してからだ」

澪「そうか、そうだな!」キラキラ

紬「あら?」

梓「ハイな澪先輩が・・・」

澪「梓も乗ろう!」キラキラ

梓「えっ?」

澪「みんなでもう一回乗ろう!」キラキラ

律「・・・テンション下げておくか」

唯「どうするの?」

律「澪〜、あそこにお化け屋敷あるぜ〜入らないか〜」ウシシ

澪「ううん、行かない!」キラキラ

律「笑顔で断られたぁ!」

紬「そんなに楽しいのかしら?」ウズウズ

梓「むぎ先輩乗るんですか!?」

エレナ「みんなで乗るのも悪くないですネー」

小麦「いいねぇ〜」

澪「じゃ、行こうかっ!」キラキラ

紬「よ、よぉーし!」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:10:28.11 ID:RC6p1yPRo

澪「じゃあ・・・」

エレナ「グッナーイ!」

小麦「まったね〜」

唯「グンナーイ!」

紬「ごきげんよう〜」

律「またな〜」

梓「・・・」

澪「・・・」

唯「浅草寺に星奈ちゃんがいるんだよね?」

紬「えぇ、そうよ〜」

梓「むぎ先輩、アトラクションに強いですね・・・」

紬「そうかしら?」

梓「私ちょっとやられました・・・」

紬「あらあら、大丈夫?」

梓「はい・・・」フゥ

紬「星奈さんと合流したらお店に入れるから頑張って!」ファイト!

梓「はい!」

澪「・・・」

律「さっきまでのテンションはどうしたんだよ〜」

澪「あぁ、うん・・・」

唯「疲れちゃった?」

澪「うん・・・疲れた。テンション高めってしんどいな・・・律と唯はすごいよ」

律「そうだろそうだろ〜」

唯「えぇー、私は別に高めではないんだけどなぁ〜」

梓「星奈さん居ませんね・・・」キョロキョロ

紬「本当ね、遅れるのかしら」

「おーい!」

唯「あ、いた〜」

星奈「ごめんごめん。電車が混んでてさ〜」

梓「電車は混んでても時間通りに到着するじゃないですか!」

星奈「あっはっは、ナイスツッコミ〜」イェイ

紬「私たちも今来たところよ」

律「お腹空いたから早く入ろうぜ〜」

星奈「小麦に教えてもらった店が近くにあるからさ、そこ入ろうよ」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:11:45.50 ID:RC6p1yPRo

澪「伊東さんがですか?」

星奈「情報集めるの得意みたいだよ」

唯「新聞部だってエレナさんが言ってたね」

梓「へぇ〜。意外ですね」

律「確かに」

澪「でも、あの二人はいいコンビだよな」

紬「二人とも元気だったわね〜」

星奈「エレナと小麦も一緒だったの?」

澪「はい、後楽園遊園地行って来ました」

星奈「詳しい話は後にして、まだ敬語なんだね〜」

澪「あ、ご、ごめんなさ・・・ごめん!」

律「どんな謝り方だよ」

星奈「あはは、あ、ここだよ〜ん」

唯「おぉ、ここですか。どれどれ・・・」

コンコン

梓「ノックはいいですから、早く開けてください唯先輩」

ガラガラッ

律「たのもぉー!!」

梓「道場破りじゃないんですから普通に入りましょうよ」

星奈「店長さーん、とりあえずグラタン6つ!」

梓「もんじゃ焼き食べましょうよ!とりあえずって何ですかっ!」

店長「元気な子達が来たわねぇ・・・さ、ここへどうぞ〜」

紬「あずさちゃん元気になったね」

梓「3倍以上な気がする・・・」ウワァァ

澪「梓も大変だな」

梓「澪先輩、後はよろしくお願します」

澪「?」

律「明日ヴェガを降りるんだっけ?」

梓「はい」

澪「そういう事か・・・」

星奈「そっか・・・」

店長「さぁ、なににする?」

律「お勧めは何ですか?」

店長「ミックスだよ!」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:12:58.92 ID:RC6p1yPRo

唯「じゃあカレーで!」

梓「・・・話の流れを考えてください」

律「私はミックス、みんなは?」

澪「私もミックスで」

紬「私も〜」

梓「私もそれで」

星奈「私もカレーで」

店長「面白いねアンタたち、ドリンクサービスしとくよ!」

唯律星奈「「「 ごっつぁんです!! 」」」

紬「ご、ごっつぁん」

店長「あいよ〜!」

紬「・・・」ションボリ

星奈「む、むぎちゃん・・・」キュルリン

梓「おぉ・・・」

律「むぎはもうちょっと練習が必要だな〜」

唯「そうだね〜」

紬「わ、私頑張る!」フンス!

澪「唯と律は演奏の練習もしような」

律「星奈は到着してからどこ行ってたんだよ〜」

唯「そうだよ〜どこ行ってたんだい?」

梓「話の切り替えはやいな〜」

星奈「私は中華街へ行ってきたよ〜ん」

律「何食べた!?」

星奈「いやぁ、結構値段が張っていたからさぁ、肉まんだけ食べてきた。けど、すっごくおいしかった」

グゥ〜

唯「あ・・・お腹が鳴っちゃった」

澪「もう少しだから」

星奈「都庁へ行って〜、臨海副都心へ行ってきた!」

紬「たくさん移動したのね〜」

星奈「だからお腹がペコペコ」アハハ

梓「どうでした?」

星奈「建物が大きかったよ!その代わり空は低いけどね」

梓「東京の建物は何かと大きいですよね。そういえば北海道の空は高かったです」

紬「そうね〜広くて高かったわ」

梓「・・・」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:14:16.41 ID:RC6p1yPRo

店長「はいよー、ミックスもんじゃ4つにカレーもんじゃ2つ!」

律「キタキタ〜」

唯「おぉ〜、コーンスープかと思った」

律「夏にコーンスープ出す店って・・・」

澪「容器がそんな風に見えるからな」

星奈「焼くぞ〜」

紬「おぉ〜」

ジュ-

唯「鉄板一つだからみんなの合わせて大きいもんじゃにしようよ!」

律「カレー同士二人でやってろ」

星奈「よしやるか!」

店長「やめとくれ。ひっくり返すの大変なんだよ?はいソフトドリンク」

澪「あ、ありがとうございます」

店長「いいえ〜、ごゆっくり〜」

星奈「じゃ、やめておこうか」

唯「そうだね」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:14:52.95 ID:RC6p1yPRo
ジュージュー

律「いい匂いだ〜」

澪「あぁ」

紬「・・・」ワクワク

梓「・・・」

唯「あずにゃん・・・」

梓「なんですか?」

唯「猫はネギ食べたらいけないんだよ?」

梓「知ってますよ?」

唯「・・・」

梓「?」

星奈「このもんじゃにはネギが入ってるから、梓ちゃんは食べられないねって事」

梓「にゃっ!?」

唯「分かってくれたんだね、星奈ちゃん!」

星奈「ちょっと苦しかったけどね〜」

律「すげぇ苦しかったぞ今の・・・」

ジュージュー

澪「そろそろいいんじゃないか?」

紬「わぁ〜」パァァ

星奈「いただきます!」

紬「いただきま〜す!」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:15:40.52 ID:RC6p1yPRo

―――――ヴェガ

星奈「あっはっは!フリーフォール二回乗った後にメリーゴーランド!」

澪「・・・」

梓「・・・」

星奈「最ッ高ーだよそれ!アッハッハ!」

律「だよな〜」ウシシ

紬「5人とも楽しそうにメリーゴーランドに乗っていたわ〜」

梓「楽しんでたのはエレナさんと小麦さんと唯先輩だけです・・・。澪先輩は途中で素に戻ってましたから」

澪「勢いって怖いな・・・」

律「事態を招いたのは澪のテンションのせいだぞ」

澪「うん・・・」

星奈「梓ちゃんはなんで乗ったのさ」

梓「むぎ先輩も乗ると思ってたんです」

星奈「くっくっく」

梓「澪先輩に引っ張られて、後ろ見たらむぎ先輩が乗って無いんですよ。びっくりしました」

律「振り向いたときの梓の表情すごかったな」

紬「定員ちょうどで私は乗れなかったの・・・。ごめんね」

梓「い、いえ・・・」

星奈「あっはっは!ダメだ笑いが止まらない!」

梓「むー・・・」プクー

澪「疲れたけど・・・楽しかった」

律「確かにいい経験になったな」

タッタッタッタ

唯「車掌さんが12時までならおっけーだって〜」

律「おぅ、お疲れ。唯」

紬「おつかれさま〜」

唯「大丈夫!食後の軽い運動にちょうどいいよ!」ブイ

澪「今8時だから3時間ぐらいだな。展望車に移動するか」

紬「そうね〜、私厨房へお湯いただいてから行くから先行ってて」

唯「おっけ〜」

律「梓と星奈〜、私たち先に行ってるぞ〜」

スタスタ
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:17:07.91 ID:RC6p1yPRo
星奈「ごめんって!」

梓「知りません・・・って、誰も居ないですね・・・」

星奈「あれ?ホントだ・・・先に展望車に行ったのかな」

梓「そのようですね。私たちも行きましょう」

星奈「そうだね〜。・・・あのさ、一つ聞きたいんだけど」

梓「なんですか?」

星奈「いつもあんな調子なの?」

梓「なにがですか?」

星奈「5人揃うといつもあんな調子なのかなぁって」

梓「いつもはもう少し落ち着いているんですけどね。旅の途中だから気分が高まっているのかもしれません」

星奈「そうか〜。なんか楽しそうな部活じゃない」

梓「はい。けいおん部に入って良かったです」ウンウン

星奈「そうかそうか〜。いい先輩たちに囲まれて幸せだにゃ〜」

梓「そうかもしれませんね」

星奈「そこは『私幸せです』って言った方が素直で可愛いの!」ワシャワシャ

梓「もぅ、止めてください!」

紬「あら?二人ともなにしてるの?」

星奈「ちょっと教育をね」

梓「髪の毛が乱れたじゃないですか・・・」

星奈「・・・浅草に行く前にさ、父さんに電話したよ」

梓「!」

紬「・・・」

星奈「最初はお互い黙ってたけど、明日会いに行くって伝えたら『分かった』だって」

梓「・・・」

紬「そうですか」

星奈「だからもぅ今から心臓ドキドキしてんの」アハハ

梓「いきなりどうしたんですか」

星奈「明日でお別れなんでしょ?」

梓「!」

星奈「二人には迷惑・・・じゃなかった。お世話になったから、そのお礼をね」

紬「いえいえ」

星奈「二人のおかげで素直になれたよ。ありがとう」

梓「・・・」

星奈「ほ、ほら、早く展望車で遊ぼうよ!先に行ってるよ〜ん」

タッタッタ
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:18:27.53 ID:RC6p1yPRo

紬「はいは〜い」

梓「むぎ先輩・・・」

紬「なぁに?」

梓「私・・・」

紬「・・・」

梓「私・・・唯先輩のように強くなれるでしょうか・・・」

紬「・・・」

梓「自信・・・ないです・・・」

紬「・・・つばさちゃんとも別れるものね」

梓「・・・」

紬「私たちはずっとあずさちゃんと一緒よ」

ギュ

梓「・・・はい」

唯「お〜い、むぎにゃ〜ん」

律「なんだよそれ」

唯「むぎちゃんとあずにゃんを足して割った言葉だよ!」

星奈「くっくっく、なんだそりゃ」

澪「なにしてるんだ〜、はやくこーい」

紬「さぁあずさちゃん、行きましょう」

梓「は、はい!」

律「むぎと梓はなんで手を繋いでるんだ?」

唯「私も〜」

ギュ

星奈「いや、え・・・?」

澪「脈絡の無いことするなっ」

梓「むぎ先輩、ピアノリクエストしていいですか・・・?」

紬「えぇ、アラベスクでいいかしら?」ニコニコ

梓「はい!」


5日目終了--------
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:25:56.44 ID:RC6p1yPRo

8月6日



律「なんでまた浅草に来てるんだよ私たちは!」

澪「昨日唯が言ってただろ」

唯「参拝しなきゃバチが当たるよ!」

紬「そうね!」フンス!

梓「私とむぎ先輩は山寺でも参拝したんですけどね・・・」

紬「あずさちゃん。日本にはたくさんの神様がいらっしゃるから、大丈夫よ」ニコニコ

梓「そ、そうですね」

律「どういう理屈だそれ」

唯「ほらほら、りっちゃんも賽銭準備する!」

律「へいへい。・・・って小銭がねぇ!」シマッタ

澪「札か・・・景気がいいな」

律「ちょっと両替してくる」

梓「並びなおしたら乗り遅れますよ?」

律「く・・・!」

唯「神様もきっと喜んでくれるよ」

律「神様はお金の額で歓天喜地しねぇよ」

唯「かんてん・・・おいしい・・・?」

澪「おい受験生・・・」

紬「かんてんきち。天を仰いで喜んだり地にうつむいて喜ぶ事よ」

唯「神様が天を見てたらなんか変だよ〜」

梓「そうですね。天は異次元を指してますから、天に居る神様が更に異次元を仰ぐのは変ですよね」

律「いや、神前で変だとか言ってんなよ・・・」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:28:28.13 ID:RC6p1yPRo

澪「ほら、私たちの番だぞ」

チャリーンチャリーン

律「くぅ・・・」

ヒラヒラ

ジャラジャラ

パンパン

律(ヴェガの乗客みんなの旅が無事に終えますようにっ!)

澪(みんなの旅が安全に終えますように・・・)

紬(みんなが無事に旅を終えますように)

唯(みんなと楽しく旅が出来ますように!)

梓(先輩方の旅の安全と・・・)

澪「よし、行こうか」

律「・・・よし!」

紬「えぇ」

唯「あいよ!」

梓「はい」

澪「みんなは・・・って聞かなくても分かるような気がする」

律「受験に失敗しませんようにだろ?」

澪「違うだろ」

唯「しまった!」

梓「乗り遅れますよ?」

紬「これから頑張りましょ唯ちゃん」

唯「イエッサ!」ビシッ
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:29:47.40 ID:RC6p1yPRo

梓「あ・・・」

愛「みなさん・・・」

律「おー、愛ちゃんも参拝しにきたのー?」

愛「い、いえ・・・私は人ごみに流されてしまって」

澪「そうですか、それなら一緒にヴェガに戻りましょう」

唯「戻ろう〜」

愛「は、はい」

「おっとっと!」

ドンッ

律「・・・痛っ!」

愛「・・・!」

澪「り、律!」

唯「りっちゃん!」

「あ、ごめんなさい!大丈夫ですか・・・って律?」

梓「せ、星奈さん?」

澪「ほら、律つかまれ」

ギュ

律「おぅ、サンキュー」

星奈「ごめん律・・・。大丈夫?」

紬「りっちゃん大丈夫?」

律「あー、星奈か〜だいじょうぶ。ちょっと転んだだけだからさ」

愛「・・・」ホッ

星奈「昨日唯が参拝しようって言ってたでしょ?私もお願い事があったからさ」

梓「昨日言ってた事ですか?」

星奈「そういう事」

唯「それなら一緒に行けばよかったのに〜」

梓「そうです!」

星奈「ちょっと個人的な願い事なんでね・・・。律、本当にごめんね」

律「いいって、気にするなよ」

愛「・・・」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:31:49.86 ID:RC6p1yPRo

澪「雷門の所にいるのって・・・」

律「金髪とメガネのコンビと言ったら・・・」

エレナ「オー、みなさんお久しゅうでござるヨ!」

小麦「やっほー!」

律「って、なんで露店開いてんだよ?」

唯「しばらく開かなくていいんじゃないの?」

エレナ「今は時間を潰しているだけネ」

澪「そっか、今戻っても中途半端に時間残るな」

紬「そうね〜」

小麦「そういう事〜」

愛「あ・・・」

修治「お、・・・みんな揃ってなにしてんの?」

エレナ「オーお代官様ネ!」

小麦「みんな〜、修治君がお代払ってくれるって〜」

星奈「なににしよっかな〜ルンルン」

唯「わー!これかっわいい〜」

律「唯はこれがいいんじゃないか?」

澪「お、おい・・・」

紬「うふふ」

修治「そ、そうだ!せっかくだから、みんなで記念撮影撮らないか?」

梓「・・・」

小麦「あ、いいじゃない賛成賛成!」

星奈「修治もいいところに気がつくじゃん!」

唯「撮ろう撮ろう〜」

修治「・・・よし」

梓「・・・やりますね」

修治「な、なんの事かな?」

梓「どうしたんですか、そのバンソーコ」

修治「さっき転んじゃってね・・・。さ、中野さんも並んで並んで」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:32:22.60 ID:RC6p1yPRo

愛「あの、私もよろしいですか・・・?」

修治「もちろんだよ」

紬「このカメラでお願します」ニコニコ

修治「おっけー」

律「あ、私もカメラ持ってこればよかった」

澪「持ってきてたのか?」

律「あぁ、ヴェガに忘れた」

エレナ「修治サーン。よろしくお願しますネー」

梓「・・・」ブイ

紬「・・・」イエイ

唯「いえーい」ダブルピース

星奈「可愛くとってよー」

修治「はいよ。・・・はい、チーズ!」カシャ

小麦「あー!!」

澪「どうしたの伊東さん?」

星奈「分かった。目をつむっちゃったんでしょ〜あれってマヌケだよね〜」

唯「あるよね〜」

小麦「ちっがーう!ハトがアクセ咥えて飛んでいったのー!」

愛「私のせいなんじゃ・・・」

エレナ「それは一大事件ですワ。追うネ!」タッタッタ

星奈「なに?おっもしろそ〜!私も〜」タッタッタ

律「よっしゃ!」タッタッタ

澪「発車時間に間に合わせろよー!」

律「あいよー!」

梓「大丈夫ですかね」

澪「エレナさんと伊東さんがいるから大丈夫だろ」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:33:13.54 ID:RC6p1yPRo

梓「あれ?」

唯「ん?」

梓「唯先輩も追いかけると思ってました・・・」

唯「やだな〜、私そんなに子供じゃないよ〜」モォー

修治「遊びで追いかけて行った3人は子供なんだな・・・」

澪「・・・むぎっ!?」

紬「はい?」

澪「い、いや。なんでもない・・・」

紬「?」

唯「愛ちゃんも追いかけていったのかぁ」

修治「・・・」

梓「先にヴェガに戻りましょうか・・・いい時間です」

澪「まだ充分に余裕あるぞ?」

修治「そういえば、みんなを見送るってつばさが張り切っていたな・・・」

紬「急いでいきましょう」

梓「そうですね!」

唯「よぉーし!」

澪「エンジンがかかったみたいな反応だな」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:34:37.52 ID:RC6p1yPRo

ガヤガヤ

唯「なにかのイベントをやってるみたいだね〜」

梓「結構な人だかりですね」

紬「なにかしら?」

「みんな〜っ!きてくれてありがとね!」

唯「あ!」キラキラ

「私、飯山みらいは今日からヴェガの一日車掌になっちゃうんだ!」

澪「あー、あのアイドルの・・・」

修治「テレビでよく見かけるよね」

みらい「みらいは、車掌さんのお仕事ってあんまり、よくわからないけど、でもでも、やるからにはガンバッちゃうよ!」

梓「よくわからないのに車掌するなんて、車掌さんに失礼なんじゃないですかねっ!」プンスカ

澪「まぁまぁ」

唯「みらいちゃんだ〜」キラキラ

みらい「だからみらいのこと応援してね〜〜〜!」

俺ら「「「  みらいちゃーん!!! 」」」

みらい「みんなありがと〜!」

澪「警察署長なら聞いたことあるけど、車掌になるのは珍しいな」

修治「一日ですむのかな・・・」

みらい「あのねっ!みらいが車掌になる感想なんか聞いてみようとおもうんだけど・・・そうだなぁ」

唯「みっらいちゃーん!」

みらい「あっ、それじゃ、そこの元気なお姉さん!!」

唯「?」

紬「?」

みらい「キミ〜、どこをみているの!みらいはキミを指しているのだっ」

唯「わ、わたし!?」

梓「タイミング的に狙ってたような気がしないでもないですね」

みらい「あはははは!やっぱり驚いてる!みらいが指名したんだから喜んでくれてもいいんじゃない?」

修治「・・・」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:37:13.20 ID:RC6p1yPRo

唯「光栄だよ〜!」

みらい「アイドルに指名されるなんて滅多にないことだもんね〜」キャハ

唯「その通りだね〜」エヘヘ

俺「」ギロッ

澪「ヒアッ」

紬「澪ちゃん私たちは先に行ってましょうか」

澪「う、うん・・・」ビクビク

梓「私も降りる準備がありますので、鳥羽さん唯先輩の事お願いします」

修治「う、うん・・・」

みらい「それじゃ、お姉さんのお名前から教えてくれる?」

唯「唯だよ〜」

みらい「それじゃ唯くんはみらいが車掌さんになったらどんな事を期待する?」

唯「みんなが楽しくなれるようにしてほしいな!」

みらい「・・・」

修治「・・・?」

みらい「あははは、当然の事を言ってくれるね!」

唯「えへへ〜」

修治「いや、褒めてはいない・・・」

みらい「もしかして唯くんはヴェガに乗ってるの?」

唯「そうだよ〜、青森から乗車してます!」フンス!

みらい「そうか、それじゃよろしく頼むぞ旅の仲間よ!なんてね」キャハハ

唯「よろしく〜!」

みらい「それじゃ他の人にも聞いてみようかな、ありがとね〜」

唯「あいよ〜」

修治「周りの目がキツかった・・・行こうか平沢さん・・・」

唯「あれ?みんなは・・・?」

修治「先に行ったよ」

唯「そっか〜」

修治「飯山みらいのファンなの?」

唯「そうだよ!前にTVに出てた時ファンになったんだ〜」

修治「へぇ〜」

唯「あ、そだ・・・つばさちゃんは?」

修治「つばさならヴェガにいると思うけど・・・」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:44:15.07 ID:RC6p1yPRo


梓「それではよろしくお願します」

車掌「かしこまりました」

「我がままを聞いてくれて、ありがとうございます」

車掌「いえいえ。ですが、この事は内密にお願します」

梓「はい、分かりました」

「分かりました」

車掌「私とみなさんだけの秘密ですよ」ウィンク

梓「は、はい!ありがとうございます!」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:45:02.30 ID:RC6p1yPRo

つばさ「あー!おそーい!」

梓「ごめんね、つばさ」

律「どこ行ってたんだよ梓〜」

梓「車掌さんに挨拶してきました」

澪「そうか・・・」

紬「唯ちゃんはどこかしら?」

つばさ「唯さん来ないの・・・?」

梓「すぐ来るよ」

星奈「最後の挨拶をすっぽかす訳ないよ」

つばさ「そうだよね」エヘヘ

唯「おまたせしました〜」

澪「あれ、駅の売店に行くって言ってなかった?」

唯「は、はい、行ってきました!」

澪「やけに早いな・・・」

梓「・・・」

紬「・・・?」

つばさ「それではみなさん、お兄ちゃんをよろしくお願します」ペコリ

修治「なんで俺がお前によろしくされないといけないんだよ」

つばさ「お兄ちゃん!どこ行ってたの!」

修治「平沢さんにアドバイスを・・・って早いな、もうここにいるんだ?」

唯「は、はい」

つばさ「ん〜?」ジロジロ

唯「?」

梓「ど、どうしたのつばさ?」

澪「なんか変だな・・・」

律「いつも変だろ唯は」

唯「そんな事ないですよ。意外としっかりしてます」

紬「・・・そういう事ね」クスクス

つばさ「本当に唯さん?」ジロジロ

唯「そ、そうだよ、つばささん」

律「この感じどこかで・・・」

星奈「デジャヴ?」

澪「いや、デジャヴではなく・・・」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/05(火) 23:46:24.28 ID:RC6p1yPRo

「おぉーい、つばさちゃーん」

つばさ「あ、唯さーん!」

唯「・・・あれ!?私がいる!?」

「お姉ちゃん・・・久しぶりだね」

澪「お姉ちゃん!?」

律「も、もしかして憂ちゃん!?」

紬「うふふ」

星奈「ドッペル?」

修治「そんな現象なのか?」

唯「ういー!!」ダキッ

憂「お、お姉ちゃん・・・苦しい」

梓「プクク」

律「そこで肩を震わせている君。ちょいと聞きたい事があるんだがいいかね?」

梓「な、なんでしょうか?」

律「これは君が仕組んだ事なのかね?」

梓「そ、そうです・・・」

律「・・・グッジョブだ!」グー!

澪「梓一人で計画してたのか?」

梓「私たちがヴェガに乗る事を憂に話したら、とても羨ましがってたので・・・」

憂「はい!梓ちゃんが東京で降りるから代わりに乗ってはどうかと誘われました」

唯「あずにゃん偉い!」

つばさ「梓さんすごーい!」

梓「その褒め方は・・・」

澪「でもよく許可できたな」

梓「稚内で車掌さんに申請して、青森で許可が下りました」

修治「なるほど、青森までに中野さんを見極めたって事か」

星奈「いい子だと判断したわけね」

梓「な、なんですかそれは」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:41:29.78 ID:iZsL9/27o

律「しかし、車掌さんも思い切ったことするよな〜」

憂「車掌さんには先ほどお礼を申し上げました」

唯「私も後からお礼を言わなきゃ」

憂「そうだね、私も一緒に行くよ」

梓「そういえば鳥羽さん、唯先輩に何のアドバイスをしてたんですか?」

修治「あー・・・」チラッ

つばさ「なに、お兄ちゃん?」

唯「じゃじゃーん!つばさちゃんにプレゼントです!」

紬「まぁ〜」

梓「?」

つばさ「唯さんから?嬉しい〜!」

唯「はい、どうぞ」

つばさ「ありがとう唯さん!これ開けていいかな!?」

唯「どうぞー」

修治「・・・」

つばさ「あ、リボン・・・」

梓「・・・」

つばさ「お兄ちゃん・・・」

修治「昔約束した時、結ったよな・・・」

つばさ「覚えててくれたの!?」

唯「修治くんがつばさちゃんに結ったリボンの話、聞いたよ〜」

紬「まぁ、素敵ね〜」

澪「ほぅ」

律「詳しく聞かせてもらおうか」キラン

星奈「うむ」メモメモ

修治「星奈、メモに取らなくていいから。あー、昔俺とつばさが別れる時に・・・」

つばさ「引越しが決まった日に、私が駄々をこねたの。『行きたくない、ずっとここにいる』って」

梓「・・・」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:42:49.99 ID:iZsL9/27o

つばさ「そしたらお兄ちゃんがリボンを結ってくれて、『また会う日が来ますように』っておまじない掛けしてくれたの」

澪「・・・」ジーン

修治「・・・」

つばさ「それを信じることが出来たから、引越し先でも頑張れたんだ」

憂「素敵な話ですね」

律「・・・今回も願掛けするって事?」

つばさ「そうなの?」

唯「そうです!」

梓「いいですね。むぎ先輩が適任かと」

紬「私でいいのかしら?」

修治「もちろん」

澪「そうだな」

つばさ「えへへ〜、お願いします紬さん!」

紬「うん、任せて!」フンス!

星奈「いい話だよね〜」

律「あぁ。しかも再会してるからな」

澪「うん、良かった」

梓「・・・はい」

憂「感動しました」

唯「それを聞いたらこれしかないと閃いたのです!」

律「ナイスアシストだぜ唯!」

唯「やったぜりっちゃん!」

つばさ(・・・いつか・・・)

紬「これでどうかしら」

憂「似合ってますよ」

唯「うん、可愛い!」

律「いいんじゃないか〜」

修治「うん」

星奈「可愛いよつばさちゃん」

つばさ「えへへ。ありがとう、紬さん!」

紬「いいえ〜」ニコニコ

梓「よかったね、つばさ」

つばさ「うん!」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:47:03.91 ID:iZsL9/27o

澪「・・・そろそろ時間だな」

星奈「・・・」コソコソ

紬「・・・?」

梓「憂、その乗車証失くさないでね」

憂「うん。梓ちゃん、お姉ちゃんの事ありがとう」

梓「なんにもできなかったけどね」

紬「うふふ、そんな事ないわ」

唯「そうだよ、よくやってくれたよ!」

律「それをあなたが言うとややこしい事になるんだけど」

修治「あはは」

つばさ「唯さんってば〜」

唯「でへへ」

紬「あずさちゃん忘れ物ないかしら?」

梓「はい!」

澪「気をつけて帰るんだぞ」

梓「はい、大丈夫です!」

律「私の事忘れないでね・・・」ウフ

梓「京都からまた乗車するじゃないですか。学校でも会いますよ」

唯「あずにゃん!」ダキッ

梓「唯先輩!?」

唯「あずにゃん成分を貯めさせて〜」スリスリ

梓「なんですかそれっ!離して下さいっ!」グググ

唯「あ〜ず〜にゃ〜ん」ムググ

梓「あれ・・・?」

憂「?」

律「どうしたぁ?」ニヤニヤ

梓「星奈さんは」

「わっ」

梓「もぅ、なにやってるんですか」

律「ちぇー、驚かないのかよ」

星奈「ちぇー」

梓「慣れましたよ」フッ

澪「ふふ」

紬「・・・」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:48:33.68 ID:iZsL9/27o

星奈「最初は私に怯えてむぎちゃんの後ろへ隠れたんだよね〜」

澪「へぇ〜」

唯「あずにゃんらしいや!」

律「へへ、まったくだぜ!」

梓「なんですかそのキャラは!」

星奈「くっくっく、いつの間にか警戒しなくなったね〜」

梓「あ、そう・・・ですね」

憂「・・・」

星奈「色々楽しかったよ」

つばさ「楽しかった!」

修治「うん」

梓「・・・っ」

紬「そろそろ時間よ〜」

修治「それじゃ、京都で・・・」

梓「はい・・・」

つばさ「バイバイお兄ちゃん!」

修治「またな、つばさ」

澪「じゃあね、つばさちゃん」

つばさ「はい、演奏素敵でしたよ澪さん!」

澪「ありがと・・・」テレ

律「短い時間だったけど」

つばさ「ドラムかっこよかったです!」

律「へへっ、ありがと。じゃあね」

憂「よく私がお姉ちゃんじゃないって気付きましたね」

つばさ「う〜ん、雰囲気が違ったから・・・かな?」

憂「雰囲気ですか?」

つばさ「うん!唯さんは暖かい雰囲気、憂さんはポカポカした雰囲気。あれ、逆かな?」

梓「ふふ、なにそれ」

憂「ありがとうつばささん。梓ちゃんまたね」

梓「後はよろしくね」

憂「うん」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:50:54.13 ID:iZsL9/27o

唯「つばさちゃん・・・」

つばさ「そんな顔しないで唯さん!私みなさんの事忘れないよ!」

唯「・・・うん、私もつばさちゃんの事忘れないよ。元気でね・・・!」

つばさ「はい!ありがとー!唯さん!!」

星奈「それじゃ、私はここでお別れだね」

つばさ「星奈さん・・・」

梓「まだ・・・乗ってなかったんですか。駆け込み乗車は危険なんですよ?」

紬「あずさちゃん・・・」

星奈「あはは、始発の話聞いたのか〜。二人とも元気でね!」

つばさ「うん!元気なのが私の取り得だから!」

星奈「一時期は心配したけど、もう大丈夫みたいだね」

つばさ「えへへ、梓さんのおかげです」

梓「・・・っ・・・」

つばさ「紬さん、一つお願いがあるんですけど・・・いいですか?」

紬「なにかしら?」

つばさ「その、抱きついても・・・いいですか・・・?」モジモジ

紬「えぇ」ニコニコ

つばさ「わーい!」ダキッ

紬「・・・」チラッ

梓「わ、私はいいですよ」

星奈「あの時みたいに甘えたらいいのに〜」

梓「しませんよ!」

紬「・・・」ションボリ

つばさ「・・・ありがとう紬さん・・・優しくしてくれて・・・。とても嬉しかった」ギュウ

紬「つばさちゃん・・・元気でね・・・」ナデナデ

つばさ「はい!」

星奈「もういいのかい?」

つばさ「うん!」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:51:47.51 ID:iZsL9/27o

prrrrrrrrrrrrr

紬「京都でね、あずさちゃん」

星奈「じゃあね、つばさちゃん。梓ちゃん」

梓「早く乗ってください。乗り遅れ・・・ますよ!」

星奈「まったく、最後までなまいき〜」ワシャワシャ

梓「・・・もぅ、止めて・・・くださいよ・・・」

星奈「・・・っ」ワシャワシャ

梓「星奈・・・さん・・・?」

星奈「っ・・・それじゃあね〜」

梓「ぁ・・・」

星奈「梓ちゃん。これ受け取って!」

ピンッ

シュルルルルル

梓「な、なんですか?」

パシッ

星奈「星奈さんのラッキーコインだよ〜ん!」

梓「え・・・あ・・・」

星奈「よっ」

プシュー

星奈「」ブイッ
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:52:27.99 ID:iZsL9/27o

ガタン ゴトン 

梓「・・・星奈さん!」

ガタン ゴトン

梓「わ、私、最後の言葉言ってないのに・・・・・・」

ガタンゴトンガタンゴトン 

つばさ「梓さん・・・」

梓「最後なのに・・・もう会えないのに・・・私・・・」

つばさ「・・・」

梓「・・・言えな・・・かった・・・・・・」

つばさ「ううん。梓さん。それ・・・」

梓「・・・?」

つばさ「それ星奈さんが大切にしてたコインだよ」

梓「あ・・・あの時の・・・」

つばさ「ずっと使ってたけど、もう必要なくなったって言ってた」

梓「・・・」

つばさ「紬さんと・・・梓さんのおかげだって・・・」

梓「・・・っ・・・・・・」

つばさ「星奈さんらしい・・・別れだ・・・と思うな・・・」グスッ

梓「ぅ・・・っ・・・」ボロボロ

つばさ「あず・・・ささぁん・・・わたしずっと・・・我慢してたのにぃ・・・」ボロボロ

梓「ごめ・・・んね・・・つばさ・・・少しだけ・・・」ボロボロ

つばさ「・・・ぅん・・・」ボロボロ

梓「・・・星奈さ・・・ん・・・さよう・・・なら」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:54:28.07 ID:iZsL9/27o

梓「・・・」

つばさ「・・・」

梓「ふふ」

つばさ「えへへ」

梓「ごめんね、情けないところ見せちゃって」

つばさ「ううん。私も思いっきり泣いたらスッキリしたよ」

梓「そっか」

つばさ「うん、家に着いたら絶対泣くってリボン結ってる時から思ってたもん」

梓「私は泣くつもりなかったんだけどね」

つばさ「えへへ」

梓「つばさはこれから北海道へ?」

つばさ「うん、この後にでる列車に乗って帰るよ。家族も心配してるだろうからね」

梓「そうなんだ」

つばさ「この列車で帰るんだよね。気をつけてね」

梓「うん。つばさも」

つばさ「・・・うん」

梓「・・・」

つばさ「・・・」

梓「勝さんの結婚式どうだった?」

つばさ「勝お兄ちゃんは普通だったけど、花嫁さんがキレイだったよ!」

梓「そうなんだ」

つばさ「えへへ、お義姉さんが優しい人で良かったよ!」

梓「ふふ、単純だなぁ」

つばさ「そんな事ないもーん!」

梓「そんな事あると思うけど」

つばさ「えへへ」

梓「ふふ」

つばさ「・・・」

梓「・・・」

つばさ「大切な人がたくさん出来た旅だったよ!ありがとう梓さん!」

梓「こっちこそありがとう。楽しい旅が出来たよ」

prrrrrrrr

つばさ「あ、発車しちゃうよ」

梓「うん」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:55:18.06 ID:iZsL9/27o

つばさ「・・・」

梓「それじゃ、さような」

つばさ「ううん、違うよ。またね。だよ」

梓「え・・・」

つばさ「ほら、紬さんが結ってくれたリボンがあるもん」

梓「そうだね」

つばさ「うん!」

梓「それじゃ、また、どこかで」

つばさ「またね!梓さん!」

プシュー

ガタン ゴトン ガタンゴトン

梓(ふふ、まだ手を振ってる)

梓(つばさ・・・またね・・・)

・・・

この席か・・・

なんか座り心地悪いかも・・・

ヴェガの座席は良かったなぁ・・・

2号車に行けばむぎ先輩が必ず居てくれて

4号車には唯先輩がボケーと座ってて

律先輩と澪先輩はどの客車を気に入るんだろ

1号車は澪先輩で3号車が律先輩かな

憂も4号車が気に入るのかな

・・・くだらない事考えてるなぁ

一人で見る車窓の景色がつまらないせいだよね・・・

桜井さんとたくさん話ができたのは本当に嬉しかったなぁ・・・

つばさとは最初馴染めないと思ってたけど・・・知れば知るほどいい子で・・・

星奈さんは唯先輩と律先輩のような人で・・・一緒に居て楽しかった・・・

梓「・・・・・ッ・・・」

・・・・・・

・・・

梓「・・・・・・京都に早くこないかな・・・ヴェガ・・・」



――――――――
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:01:54.26 ID:iZsL9/27o

――――――――


律「あんな別れ方でよかったのかよ?」

星奈「あはは〜、いや〜、私湿っぽいの苦手でさ〜」

律「梓のヤツ、泣きそうな顔してたぞ最後」ムス

星奈「う・・・」

澪「星奈さん、梓に渡したのって?」

星奈「あれは・・・私がいつも物事を決める大事な時に使ってたコインだよ」

紬「あの時の?」

星奈「そう。むぎちゃんに掴まれたコイン。裏と表、それぞれに進路を決めて表示された方を選択してきたの」

憂「・・・」

律「大事な事をそんな決め方していいのかよ?」

星奈「私結構強運でさ、今までそれに従ってきたけど悪いほうには転がらなかったのよ」アハハ

澪「それを梓に・・・?」

星奈「うん・・・。でも・・・もう必要ないからさ。これからは自分で決めて、喜んだり後悔したいんだ。・・・なんてね」

紬「・・・あずさちゃんも、星奈さんがコインを手放したその意味を理解すると思うわ」

憂「私もそう思います。けいおん部のみなさん以外の人とあんな顔する梓ちゃんみたの初めてですから・・・」

澪「そうだな」

星奈「そう言ってくれると嬉しいな。・・・ごめんね、律」

律「な、なんで私に謝るんだよっ」

澪「かわいい後輩を守りたいもんな」ニヤリ

律「ち、ちがうわぃ!」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:02:51.52 ID:iZsL9/27o

唯「・・・」

紬「・・・唯ちゃん」

憂「お姉ちゃん・・・」

唯「・・・すぅー、はぁ〜」

星奈「な、なにしてるのかな唯は?」

唯「・・・うん、大丈夫」

紬「・・・」

唯「・・・どうしたの?」

律「いや・・・」

澪「その・・・」

紬「えぇと・・・」

星奈「つばさと別れたばかりだけど、大丈夫なの?」

唯「うっ・・・」グス

澪「あっ」

星奈「あ、ご、ごめん唯!」

憂「大丈夫だよお姉ちゃん、紬さんがおまじないかけてくれたじゃない」

唯「う、うん。そうだね・・・」

紬「いつかまた会えるわ」

唯「・・・うん!そうだよね!」

澪「ホッ」

律「星奈のアホーッ」

星奈「ごめん・・・」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:03:25.50 ID:iZsL9/27o

星奈「・・・しかし」ジロジロ

憂「な、なんでしょうか?」

星奈「見れば見るほど唯に似てるけど、本当は双子なんじゃないの?」

憂「紹介が遅れました。私平沢唯の妹、憂です。お姉ちゃんがお世話になっています」ペコリ

星奈「い、いえいえ。こちらこそ」ペコリ

律「こんな所にいてもしょうがないから移動しようぜ〜」

唯「はい!私4号車へ行きたいです!」

紬「唯ちゃんは4号車が気に入ったのね」

澪「私は1号車が好きだな」

律「私は3号車ー!」

紬「あずさちゃんは2号車だったわ」

憂「どうしてみなさんバラバラなんですか?」

唯「見れば分かるよ〜、ヴェガを案内するようい〜」

星奈「元気になってよかった〜」

澪「ふふ、やれやれだ」

律「私らも唯に続くか」

星奈「私降りる準備するから、また後でね〜」

律「おう」

澪「次は松本か・・・」

紬「早いわ〜」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:04:52.75 ID:iZsL9/27o

憂「客車毎に座席の色が違うんだね」

唯「そうそう、次が4号車だよ〜」

律「青、緑、黄色で次が赤」

澪「あ・・・他の客もいるからしずかに」

紬「・・・あら?」

「どうしよう・・・」

紬(見かけない方ね・・・何してるのかしら・・・)

「乗っちゃった・・・」

紬「あの・・・どうかなされました?」

「えっ?」

紬「えぇと、入り口のドアから外を眺めているからどうしたのかな、と。座席へ行かないのですか?」

「私、間違えて乗っちゃったんです」

紬「それで困っていたのね」

「えぇ・・・この列車、次どこに停まるのかしら」

紬「車掌さんに聞いてみたらどうでしょう?」

「そうですね・・・」

紬「たぶん、車掌室に居ると思いますけど、案内しましょうか?」

「すみません、おねがいします」

・・・・・・

・・・

車掌「あら?どうなされたのですか?」

紬「車掌さん、この方間違えて乗ってしまわれたみたいです」

「・・・あの、私キップを持っていないのに乗ってしまって・・・」

車掌「列車を間違えてしまったのですね?」

「えっ、えぇ・・・本当にすみません」

車掌「・・・わかりました。とりあえず、お名前を教えてもらえますか?」

「は、はい千歳さとみといいます」

車掌「千歳さんですね。じゃあ4号車の空席でお待ち下さい。連絡を入れて次の駅の停車時間を調べてまいりますから」

さとみ「すみません、ご迷惑をおかけします」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:06:23.34 ID:iZsL9/27o

唯「むぎちゃーん、どこ行ってたの〜」

律「急に居なくなるからびっくりしたぜ〜」

紬「ごめんねみんな」

澪「あ、そちらの方は・・・?」

さとみ「ち、千歳さとみといいます」

憂「東京から乗っていらしたのですか?」

紬「そうなの」

さとみ「で、でも次で降りますから」

唯「ん〜?どういう事?」

紬「列車を間違えてしまったらしいの」

律「そそっかしいのぅ〜」

澪「初対面の人に失礼だろっ」

紬「私たち向こうの席に座ってるわね」

律「おっけ〜」

唯「え〜」

憂「お、お姉ちゃん・・・」

澪「じゃあ、むぎ後でな」

紬「えぇ」

さとみ「・・・」

紬「こちらでいいかしら?」

さとみ「はい・・・。グループで旅行してるのですか?」

紬「はい、学校の部活仲間です」ニコニコ

さとみ「うらやましいな・・・そういうの」ボソッ

紬「・・・?」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:08:04.51 ID:iZsL9/27o

さとみ「ごめんなさい、迷惑かけっぱなしで・・・えっと、むぎさん・・・でいいですか?」

紬「えぇ」ニコニコ

さとみ「ごめんなさいせっかくの旅行中なのに変なことに巻き込んでしまって・・・」

紬「いいえ、発車したばかりですから時間を持て余していました」

さとみ「むぎさんはどこまで行くんですか?」

紬「この列車が行くところまでです!」

さとみ「こ、この列車って日本縦断する列車でしょ?じゃあ・・・」

紬「そういう事です!」フンス!!

さとみ「そ、そうなんですか・・・」

紬「でも、気が向いたら途中で降りちゃってもいいかな〜と・・・」

さとみ「・・・あてのない旅ね、憧れるなそういうの」

紬「やろうと思えば誰にでも出来ると思いますけど・・・」

さとみ「そうかな・・・そんなことないと思うけど」

紬「それでしたら、いっそこのまま旅に出ちゃうのはどうかしら」

さとみ「え!?」

紬「新鮮な体験ばかりで楽しいですよ」ニコニコ

律「そうそう!親の目もないし!」

紬「りっちゃん」

さとみ「ふふ、楽しそうですね」

澪「こーら、話の邪魔をしない」グイッ

律「あ〜れ〜」ズルズル

さとみ「ふふ、本当にいいかもしれませんね。あっ」

紬「どうしました?」

さとみ「今、私の家の周りを通ったの。電車からみたらこんな風に見えるんだ・・・」

紬「不思議な感じがしますよね」

さとみ「えぇ・・・なんか、家から離れていくとドキドキする」

紬「きっと、旅に出たいのですよ」キリ

唯「あ、むぎちゃん、今のあずにゃんみたいだったよ〜」

紬「うふふ」

さとみ「あず・・・?」

澪「こーら、話の邪魔をしない」グイッ

唯「あ〜れ〜」ズルズル
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:10:04.60 ID:iZsL9/27o

さとみ「・・・旅に出たい・・・のかな・・・」

紬「この旅は私にたくさんの出会いをくれました」

さとみ「・・・」

紬「とても大切なものが見つかるかもしれませんよ」ニコ

憂「私もさっそく見つけましたよ!それはつむぎちゃんです!」

紬「唯ちゃん、髪を結ってもヘアピンを取らなきゃすぐ分かるわ」

唯「あ・・・」

律「しまった!」

澪「こぉらぁあ、いい加減にしろー!」ゴスッ

律「あいたぁ!」

澪「まったく・・・」グイッ

唯「あ〜れ〜」ズルズル

律「なんで私だけ・・・」グス

さとみ「うふふ、本当にたのしそう」

紬「楽しいのは保証しますよ」ニコニコ

さとみ「ふふ・・・ねぇ、むぎさんはどうして旅に出たの?」

紬「えっ・・・旅に出た理由・・・ですか・・・」

車掌『お客様の千歳様、準備が出来ましたので車掌室にお越し下さい』

さとみ「あっ・・・私、行かなくちゃ。ごめんなさい変な質問しちゃって
    気にしないで楽しい旅を続けて下さい。それじゃ」

紬「はい、千歳さんも気をつけて・・・」

さとみ「ありがとう・・・」

紬「・・・」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:11:37.96 ID:iZsL9/27o

唯「むぎちゃーん、こっちにきて〜」

紬「な〜に?」

修治「はいこれ」ペラ

紬「あら・・・?」

律「なにー?」

憂「・・・?」

紬「新聞ね」

澪「伊東さんが書いたやつ?」

唯「どうして修治くんがもってるのー?」

修治「小麦に頼まれたんだ。『コンビ二で2部コピーしたから軽音部のみんなに一枚渡して、一枚売店に貼って』って」

憂「新聞?」

唯「私たちね〜演奏したんだよ!走る列車の中で!」

律「私は写真付きでも構わなかったけどな〜」

澪「あの時と言ってる事が違うだろ」

紬「ふふ、小麦さんの記事面白いわよ。読んでみて憂ちゃん」

憂「あ、はい・・・」フムフム

唯「どれどれ〜」

律「読み終わったら私に!」

澪「私も読みたい・・・」

憂「演奏時の内容が巧く表現されてて、記事を書いた方の印象が伝わってきます」

修治「うん、小麦の意外な才能の一つだね」

澪「へぇ〜」

憂「自己紹介まで詳しく書かれてますよ」フムフム

律「! それは読んじゃダメだ!」

憂「あ・・・、律さんごめんなさい・・・読んじゃいました」

律「・・・」カァァ

澪「なかなか捨てられないみたいだな」ププ
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:13:38.70 ID:iZsL9/27o

唯「ふむふむ『部長の自己紹介が衝撃的だ“辞書の最初の頁の言葉が大好き!あこがれています!ズバリ愛!!”』」

律「音読するなぁ!」

唯「『エネルギー溢れる人物だが、意外と乙女な一面もあるようだ』」

澪「ププッ」

紬「うふふ」

修治「あは・・・は・・・」

律「あー、よかった。写真載ってなくて」フゥ

澪「さっきと言ってる事ちがうだろっ!」

「あの・・・」

修治「あ・・・」

律「?」

唯「あ!」キラキラ

「東京のイベントでお会いした方ですよね・・・」

憂「?」

修治「もしかしてアイドルのえぇと・・・」

唯「みらいちゃん!」キラキラ

憂「えっ・・・?」

澪「え・・・?」

みらい「はい。飯山みらいです」

唯「うい!私芸能人に顔を覚えてもらったよ!」

憂「あの飯山みらいさんですか?」

みらい「はい・・・そうです」

律「だ、誰だ・・・?」ヒソヒソ

澪「アイドルの飯山みらいだよ。知ってるだろ?」ヒソヒソ

律「私の知ってる飯山みらいは、もっとはっちゃけた印象なんだけど?」ヒソヒソ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:14:47.09 ID:iZsL9/27o

澪「確かに。東京駅のイベントとは雰囲気が全然違うな」ヒソヒソ

みらい「唯さん、先ほどはすいませんでした。初めて会った方なのに失礼な口の利き方をしてしまって」

紬「・・・」

唯「いいよ〜、あれはイベント中の事なんだし〜」

憂「・・・」

みらい「そう言って頂けると助かります。本当にすいませんでした」ペコリ

唯「あれ?みらいちゃんは一日車掌の仕事中じゃないの?車掌の仕事はどうしたの〜?」

みらい「今は休憩時間なんです」ニコ

澪(か、かわいい・・・)

律「そうだよな〜、本物の車掌さんみたいにずっと働くわけ無いもんな」

修治「まぁ、そうだよね」

唯「そうなの?」

みらい「えぇ・・・本当はそんなんじゃいけないんですけど・・・仕事上どうしてもこうなってしまうんです」

紬「イベントで見かけた時と雰囲気が違いますね?」

修治「まるで、別人みたいだ・・・」

澪「・・・」ウンウン

憂「・・・」

みらい「そうですよね・・・。唯さんはどちらの私がいいと思います?」

唯「ん〜・・・、私は両方のみらいちゃん好きだよ〜?」

みらい「・・・!」

律「結構真面目な質問だぞ唯〜」

唯「えー、みんなに元気を与えるステージ上のみらいちゃん。今の素直な感じがするみらいちゃん。どっちも好きだもん」

みらい「そんなこと初めて言われました・・・」

憂「お姉ちゃんはみらいさんのファンですから」

律「私は今のみらいがいいな!」

澪「私も・・・」

修治「・・・」ウンウン

紬「うふふ」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:16:05.25 ID:iZsL9/27o

みらい「良かった。分かる人には分かるんだ・・・」

唯「? なんの話〜?」

みらい「い、いえ。なんでもないです」

「んっふふふふふふふ・・・」

律「な、なんだ・・・」

修治「この気持ちの悪い笑い声は・・・」

「ずいぶん楽しんでいるようだね・・・みらい」

みらい「あっ・・・」

律「な、なんだおまえは・・・」

「僕は、みらいのマネージャーをしている望月将人。ファンならファンらしく節度を持って欲しいんだよ」

唯「?」

律「・・・」ムカッ

修治「・・・」ムカッ

将人「言ってる意味ぐらい分かるだろ?」

唯「ん〜?」

将人「さぁ、休憩時間は終わりだ。行くぞみらい」

みらい「はい・・・私仕事がありますのでこれで失礼します」

澪「・・・」

律「なんだアイツ」

修治「・・・」

唯「ど、どうしたのみんな・・・?」オロオロ

憂「なんでもないよ、気にしないで」

紬「あ、そうだわ。松本の観光ガイド買わなきゃ」

修治「あ、俺も売店にこの新聞をもって行くんだった・・・。じゃあね」

スタスタ
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:16:52.99 ID:iZsL9/27o

律「それじゃ、私たちはどうしようか」

澪「むぎ、観光ガイドって売店でいいんだよね?」

紬「えぇ、そうよ」

澪「買いに行こうよ律」

律「そうだな」

紬「あら、いいの?」

澪「うん、むぎは座ってて」

律「行ってくる」

唯「うん・・・。そうだ!車掌さんにお礼を言わなきゃ!」

紬「そうね。今なら大丈夫だと思うわ」

唯「そんじゃ行って来ます」

憂「私も行くよ」

唯「一人でいいよ〜、ういは座ってて〜」

憂「・・・分かった」

唯「ではっ」

紬「うふふ、行ってらっしゃ〜い」

憂「・・・」

紬「松本ね・・・」

憂「あの、紬さん」

紬「なにかしら〜」

憂「お姉ちゃんは大丈夫でしょうか?」

紬「?」

憂「その・・・つばささんと別れた時のお姉ちゃんを見たら少し不安になってしまって」

紬「ふふ、憂ちゃんが思っている以上に唯ちゃんは強いわ〜」

憂「そ、そうなんですか?」

紬「えぇ、私も助けられてるもの」

憂「お姉ちゃんが・・・」

紬「心配いらないわ」

憂「それを聞いて安心しました。・・・もう一ついいですか?」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:17:37.10 ID:iZsL9/27o

紬「なぁに?」

憂「星奈さんってどういう人なんでしょうか?」

紬「気になる?」

憂「は、はい」

紬「それなら百聞は一見にしかず・・・ね」

憂「え・・・」

星奈「よっ、むぎちゃん」

憂「あ・・・」

紬「荷物の整理は終わりました?」

星奈「うん、大した量じゃないからね〜。ここ座っていい?」

憂「はい、どうぞ」

星奈「しっつれい〜」ドサッ

紬「・・・」

星奈「ふむふむ」ジロジロ

憂「あ、あの・・・?」

星奈「むぎちゃん」

紬「はい」

星奈「どうしてむぎちゃんの周りには可愛い子が集まるの?」

憂「そ、そんな・・・」モジモジ

紬「どうしてかしら?」クスクス
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:21:28.42 ID:iZsL9/27o

律「観光ガイドねぇ・・・」

澪「あぁ、梓の勧めだから買っておいて損はないと思うぞ?」

律「そうだなぁ」

キャアア

澪「?」

律「な、なんだ?誰かこっちにくるぞ」

ダダダダダ

愛「あっ!」

澪「愛さん!なんて格好をっ!」カァァ

律「おぉ、タオル一枚とは・・・」

愛「ご、ごめんなさい!」

ダダダダダ・・・

澪「行ってしまった・・・」

律「シャワー室でなんかあったのかな」

車掌「あら秋山さんに田井中さん」

修治「・・・」

澪「しゃ、車掌さん」

律「と、え〜と、鳥羽修治さんだっけ?どうしたの?」

車掌「シャワー室の設備にトラブルがありましたので修理の為に来たのですが」

修治「・・・」カァァ

澪「?」

律「?」

車掌「使用禁止の張り紙が剥がれてしまったために、松浦さんが使用してしまったみたいなのです」

澪「・・・」

車掌「蛇口が壊れて水が止まらなくなり、松浦さんの悲鳴を聞いて駆けつけた鳥羽さんが水を止めてくれたのですが・・・」

修治「いや、その・・・」カァァ

律「鳥羽さ・・・あ〜もぅ、修治でいいや。修治はさっきからなんで顔が赤いんだよ?」

修治「愛ちゃんと話をしているときに・・・その・・・タオルが・・・」カァァ

澪「・・・?」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:22:35.88 ID:iZsL9/27o

律「あ〜、そういう事か」

車掌「困っている鳥羽さんが私にご相談なされたという形です」

律「なるほどねぇ」

澪「・・・」

修治「悪いことしちゃったな」

律「まぁ、不可抗力なんだろ?しょうがないって。愛ちゃんはショックだっただろうけど」

修治「だよなぁ・・・」ハァ

車掌「私はこれから料理長を呼んでシャワー室を修理しなければいけませんので、
   松浦さんの件は田井中さんと秋山さんにお願いしてもよろしいでしょうか?」

澪「わ、私達がですか?」

車掌「えぇ、年の近い方の方が松浦さんも話しやすいでしょうから」

律「いいよ〜。車掌さんにはお世話になってるから全然おっけーだ」

車掌「そう言ってくださると助かります。それでは私はこれで」

修治「迷惑をかけてすまない」

律「いいっていいって〜。行くぞ澪」

澪「あ、あぁ・・・」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:24:16.17 ID:iZsL9/27o

澪「なぁ・・・、さっきの話どうして鳥羽さんは・・・」

律「見ちゃったんだろ」

澪「なにを?」

律「愛ちゃんの裸を」

澪「ハ、ハダッ!」ボンッ

律「これから愛ちゃんを励まそうって人が恥ずかしがってどうすんだよぉ」

澪「だ、だって・・・」プシュー

律「お、愛ちゃんの部屋はここだな・・・」

コンコン

「はい・・・」

律「愛ちゃん?ちょっと話しあるんだけどいいかな?」

澪「私もいるけど・・・」

「どちらさまですか?」

律「あ、ごめん・・・。私だよん!」

澪「いや、名前を言えよ。澪と律だけどいいかな?」

「ちょ、ちょっと待ってください・・・」

ガチャ

律「よっ」

愛「先ほどはお見苦しい所をお見せしてしまい、すいませんでした・・・」

澪「き、気にしないで」プシュー

律「お、頑張ってるな澪」

愛「中へどうぞ」

律「ごめんね、押しかけて」

バタン

愛「いえ、それでお話とは?」

律「さっきの件なんだけどさ、修治のヤツも悪気は無かったんだから許してやってよ」

澪「お、おい・・・もっと慎重に話を」

愛「いえ、修治さんに対して怒ったりはしていません。むしろ助けて下さったことに感謝してるぐらいです」

澪「そ、そうなのか」

律「なーんだ、それじゃ私たちがでしゃばる必要も無かったのか〜」

愛「・・・」

澪「・・・」

律「じゃぁ、私たちはこれで失礼するよ」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:26:15.95 ID:iZsL9/27o

澪「まって、律」

律「ん?」

愛「・・・」

澪「せっかくだから、愛さんが今考えていること話してみない?」

愛「え・・・?」

律「・・・?」

澪「なんだか行き詰った顔してるからさ」

愛「そ、そんな事」

律「言われてみれば・・・。眉間に皺寄せちゃって、どうしたのん?」

愛「・・・」

澪「無理にとは言わないからさ、話したくなったら」

愛「あ、あのっ!」

律「ん?」

愛「は、話を聞いてくれますか?」

澪「うん」

律「箱舟に乗ったつもりで話してみろ!」ドンッ

澪「どこへ行くんだよその舟は」

愛「クスッ」

律「ウシシ」

澪「まったく・・・」

愛「・・・」

澪「さっきの件だけの話じゃないよね?」

愛「はい・・・。私みなさんに申し訳なくて・・・」

律「・・・?」

愛「私、生まれつき運が悪いんです。なにかと悪いことばかり起こってしまって・・・」

澪「・・・」

愛「私一人が被害に合うのなら我慢できるのですが、私のせいで周りに迷惑をかけてしまうのが嫌なんです」

律「・・・」

愛「・・・」

澪「誰かがそう言ったの?迷惑だって」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:27:22.17 ID:iZsL9/27o

愛「いえ、みなさん優しいですから・・・」

律「それだったら・・・」

愛「・・・」

キキーッ

澪「おっと」

愛「きゃっ」

律「おっとっとっと」

ツルッ ガンッ

律「あいたぁ!」

澪「律っ!」

律「大丈夫大丈夫・・・」イテテ

澪「ほっ・・・。しかし、いきなり急ブレーキするなんて・・・」

愛「・・・」

律「またおでこぶつけた・・・」

澪「動くなよ、バンソーコ貼ってやるから・・・」

愛「こうなってしまうんです・・・」

律「いや、今のはしょうがないよ」

澪「あぁ、運動神経の低い律が悪い」

律「なんだとぉ!」

愛「・・・」

澪「愛さん・・・」

愛「ごめんなさい」

律「愛ちゃんのせいじゃ」

愛「すいません。一人にしてくれますか・・・?」

澪「わ、分かった・・・」

ガチャ

律「それじゃあね」

愛「話を聞いてくれてありがとうございました」ペコリ

澪「・・・」

バタン

律「・・・行くか」

澪「あぁ・・・」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:28:04.17 ID:iZsL9/27o

律「あの急ブレーキはタイミング悪かったなぁ」

澪「・・・」

律「なぁ、愛ちゃんってそんなに運が悪いのか?」

澪「あ、あぁ。何度も変なものを踏んで転んでいるところ見ているけど・・・」

律「ふーん」

澪「・・・」

律「いい子なんだけど、気にしすぎだよなぁ」

澪「いい子だから・・・だろ」

律「そっか・・・」

澪「売店行くぞ」

律「なにしに?」

澪「松本の観光ガイドを買いにだっ!」

律「あぁ、そうだったそうだった」ウッカリ

ちひろ「いらっしゃいませ〜」

律「おいしいお菓子ありますか?」

澪「違うだろ。松本の観光ガイド一つください」

ちひろ「観光ガイドですね〜、はいどうぞ〜」

律「よし、これで松本は完璧だな!」

ちひろ「あ、そういえばお客さん〜」

澪「は、はい?」

ちひろ「エレナさん達とぉ、とっても仲良しさんですよねぇ」

澪「そ、そう見えますか?」

ちひろ「はい〜」

澪「そ、そうですか。それでは・・・」

ちひろ「また来て下さいね〜」

澪「・・・梓の言ってた通りなのかな?」

律「ん?」

澪「なんでもない」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:29:43.64 ID:iZsL9/27o

――――――展望車

律「それでは!第354回観光地巡り会議を開催します!」

紬「わ〜」パチパチ

唯「まってました!」パチパチ

澪「・・・」

律「・・・」

憂「え、え〜と・・・」

澪「松本への到着は夕方になるな」

紬「そうね〜、あまりたくさん回れないわね」

律「・・・」シーン

唯「ういはどこへ行きたい!?」

憂「お、お姉ちゃんに合わせるよ」

澪「おっ、旧開智学校は行ってみたいな」

律「なんだよ!ツッコミくれよ!!」

澪「なんのだよ」

律「345回も会議して無いだろ!ってさぁ!」

唯「あれ? 354回じゃなかったっけ?」

律「唯も気付いてたんじゃないかよー!」

澪「ボケが中途半端なんだよ」

星奈「まぁ、気に病むな」ポンポン

律「ちくしょー、ってなんで星奈までいるんだよ!次で降りるんだろ!?」

星奈「むぎちゃんの最後のお茶を堪能したいんだも〜ん」ルンルン

紬「うふふ、さぁみんなもどうぞ〜」

憂「ありがとうございます」

律「ふーんだ。みんなはどこ行きたいですかー」

澪「投げやりになったな」

唯「はい!私は浅間温泉に行きたいです!」

紬「いいわね〜」

憂「みなさんの旅の疲れを癒せますね」

星奈「くぅ、いい子やね〜」

唯「そうでしょ!」エヘン
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:31:33.31 ID:iZsL9/27o

律「じゃー、温泉へはいつ行きますかー」

澪「悪かったから、機嫌直して?」

星奈「ほら、売店で買ったポテチあげるから」

律「ふーんだ、私はお菓子でなんか釣られませーん」ムシャムシャ

澪「食べてるじゃないか」

律「うめぇ!なにこの味!」

澪「機嫌も直った」

星奈「中華街の名物豚まん味だよ〜ん」

唯「おいし〜い」パリパリ

星奈「でしょ?」

澪「私も一つ・・・」パリパリ

紬「私も〜」ムシャムシャ

星奈「どう?」

澪紬「「 ・・・ 」」

憂「評価が極端に別れましたね・・・」

律「品評会してる場合じゃねぇ。それで温泉へはいつ行こうか」

唯「朝なんてどうかな?」

澪「入るなら夜がいいんじゃないのか?」

律「ふむ・・・」

唯「夜だと景色見れないよ〜?」

星奈「・・・」ムシャムシャ

澪「そうだな、観光ガイドにも北アルプスを眺めながら入る温泉は贅沢と書かれているからな」

律「それじゃ、温泉は明日の朝に決定と」

憂「浅間温泉ですね」

唯「到着直後はどこへ行こう?」

紬「はい!私松本城へ行ってみたいの」

唯「いいですね!私も行きたいです!」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 01:31:51.34 ID:KbQpf15/o
梓がいなくなると寂しいな
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:32:34.10 ID:iZsL9/27o

星奈「・・・」ズズー

律「ほほぅ。それはなぜかね?」

唯「はい。それは仙台の青葉城を幻覚でしか見られなかったからです!」

星奈「ブフッ!!」

律「女の子がお茶を吹くなよ・・・」

唯「星奈ちゃん大丈夫?」

憂「ハンカチ使ってください」

星奈「だ、大丈夫、自分の使うから・・・」ゲホゲホ

紬「星奈さんおかわりどうぞ」

星奈「さ、サンキュー」

澪「で、私も理解できないんだけど?」

唯「石しかなくて・・・こうだったんじゃないかなぁと」

憂「想像したんだね」

律「あぁ、そういう事か。私もびっくりしたぞ」

星奈「その割には落ち着いてたじゃん?」

澪「まぁ、慣れ・・・です」

律「他に案も無いようだし、いいんじゃないのか?」

澪「旧開智学校・・・」

紬「温泉から出た後に行きましょう澪ちゃん」

澪「うん!」キラキラ

星奈(かわいいな・・・)

律「旧開智学校の後に時間があったら上高地へ行くか」

唯「そうだね〜」

憂「はい」

律「それでは、これで観光地巡り会議を終了する!」

星奈「何回目の会議だっけ?」

律「知らぬ!」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:34:28.61 ID:iZsL9/27o

小麦「おや?澪ちゃん一人でなにしてんのー?」

澪「あ、伊東さん」

小麦「やだなぁ、名前で呼んでくれていいよ〜。同い年なんだし」

澪「そ、そう?」

小麦「うん。そうして欲しいな〜」

澪「わ、分かったよ小麦・・・」

小麦「うん!」

澪「・・・」テレ

小麦「それでなにしてたの?」

澪「特に用事も無くフラフラとしてただけだよ」

小麦「みんなは〜?」

澪「各自自由時間みたいなものかな?」

小麦「そっか〜」

澪「エレナさんと一緒じゃないの?」

小麦「エレナは今ビデオの編集してるの。邪魔しちゃいけないから私も一人でウロウロしてるんだよ」

澪「編集の邪魔?」

小麦「そうなの〜。私って機械と相性悪いからさ〜触らないほうがいいんだよね〜」

澪「扱いになれてないとか?」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:35:43.41 ID:iZsL9/27o

小麦「うーん、そうじゃないんだけどね。私が触ると半分消えちゃうの」

澪「そ、それは大変だね」

小麦「ほんと〜。画面の上半分が消えちゃって大変だったよ〜」

澪「え、半分って録画時間の半分じゃないの?」

小麦「違うの。映像の上半分なの。どうしてあんな風になっちゃたんだろ〜」

澪「それはこっちが聞きたいよ」

小麦「へへへ」

澪「あ、ごめん・・・」

小麦「ううん。今みたいに話してくれると嬉しいな」

澪「そ、そう?」

小麦「うん!」

澪「・・・小麦はエレナさんと付き合い長いの?」

小麦「ううん、出会ったのは7月の終わりごろだよ」

澪「えっ!じゃあ1週間とちょっと!?」

小麦「うん。そうだよ〜」

澪「数年来の付き合いがあるようにみえたからびっくりした・・・」

小麦「仙台で露店開いててさ、なにしてるのかな〜って話しかけたら」

澪「ウマがあったと・・・」

小麦「そういう事〜」

澪「す、すごいな・・・」

小麦「褒めてくれてありがと!・・・それじゃエレナも編集終わっただろうから戻ってみるね〜バイバイ〜」

澪「うん」

澪(数日であれだけの信頼関係が築けるのか・・・。余程ウマが合うんだろうな・・・)

澪「・・・律はどこへ行ったかな」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:37:19.80 ID:iZsL9/27o



律「へ、へっくしょん!」

コック「お?風邪か?」

律「いや、違うと思う・・・」

コック「そうか、栄養満点のスープでも作ってやろうかと思ったがいらないな」

律「それは魅力的だけどさ、メニューにあるハンバーグのレシピを教えてくれよ!」

コック「ダメだ」

律「ちぇー」

コック「味は盗むもんだぜ、デコちゃん」

律「むむむ・・・」

コック「分かったらさっさと行きな。これでも忙しいんだからな」

律「絶対諦めないかんな!」オボエテロ

コック「いつでもはじき返してやるよ」

律「むー」

店員「どうしたんですか、料理長?」

コック「いや、なんでもない。これ仕上がったぞ、もってけ羽田」

羽田「は、はい!」

255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:38:46.53 ID:iZsL9/27o

―――――高崎駅

紬「ん〜・・・」ノビノビ

憂「二時間しか移動してませんけど、とても充実してますね」

紬「そうね、毎日が新鮮で楽しいわ〜」

憂「お姉ちゃんも楽しそうに旅が出来てるみたいでよかったです」

紬「憂ちゃんには驚かされた〜」

憂「驚かせてごめんなさい。でも、紬さんにはバレちゃってましたよね?」

紬「あずさちゃんの様子と口調が変だったから、もしかして・・・って」

憂「そうですか・・・。それじゃ、紬さんには教えておきますね。・・・耳を貸してもらえますか?」

紬「なぁに?」

憂「ごにょごにょ」

紬「まぁ」キラキラ

澪「どうしたんだ二人とも楽しそうだけど・・・?」

紬「なんでもな〜い」

憂「は、はい」

澪「んー?」

愛「・・・あ」

澪「あ、愛さん・・・」

愛「澪さん!先ほどはすいませんでした!」

紬「?」

澪「い、いや・・・それよりもう大丈夫?」

愛「は、はい。律さんにも謝りたいのですが・・・」

澪「・・・律ならあそこでキョロキョロしてるよ」

紬「あら、なにしてるの?」

澪「さぁ・・・」

愛「私行ってきます!」

テッテッテ

澪「あ、愛さん!空き缶があるから気を!」

愛「きゃっ」

スッテーン

憂「だ、大丈夫ですか!?」

愛「だ・・・大丈夫です」イテテ
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:40:31.07 ID:iZsL9/27o

律「な、何やってんだよ?」

澪「律こそ、なに探してるんだ?」

律「いや、唯が・・・」

憂「お姉ちゃんがどうかしたんですか?」

律「唯がかくれんぼしようと言い出してさ・・・」

紬「まぁ」

愛「あと、10分もしないうちに出発しますけど・・・」

律「うん・・・」

澪「なんだろうなこの嫌な感じは・・・」

律「うん・・・さっきから私も嫌な予感がしてならない」

憂「そ、それはどういう・・・」

紬「み、みんなで探せばすぐ見つかるんじゃないかしら」

律「そ、そうだな」

愛「わ、わたしも探してみます」

澪「お、お願い・・・」

・・・・・・

・・・

律「ゆ〜い〜!」

澪「出てこ〜い!」

憂「おねえちゃ〜ん!」

紬「唯ちゃ〜ん!」

愛「ど、どうしましょう!もう発車しますよ・・・!」

憂「わ、私電話かけてみます!」ピッポ

trrrrrrrrrr

prrrrrrrrrrrrr

律「やっべぇ!発車のベル鳴ったぞ!」

澪「みんな、落ち着こう」

紬「そ、そうね!」

愛「は、はい!すぅ〜はぁ〜」

澪「憂ちゃん・・・出ないの・・・?」

rrrrrrrプツッ

憂「切れた・・・」サァー
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 01:42:06.04 ID:FpzLbFX7o
高崎線経由だったのか
てっきり中央本線かとばかり
そういえばこの頃は長野新幹線は開通してなかったっけ
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 01:44:35.34 ID:njbxaYA2o
峠の釜飯くる?
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:44:53.89 ID:iZsL9/27o

律「私はここに残るからみんな先に乗れ!」

澪「なっ!」

憂「わ、わたしも!」

律「いいから!」

澪「後から追いかけて来いよ!」

律「あぁ、唯と一緒に松本へ行く!」

紬「うん!」

星奈「なにしてんの?」

紬「唯ちゃんが見つからないの!」

星奈「唯なら4号車にいるよ?」

律澪紬憂愛「「「「「 え 」」」」」

プシュー

ガタン ゴトン ガタンゴトン
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:50:54.20 ID:iZsL9/27o
梓が降りて、いよいよカオス状態です・・・
一応鍵なんで降りてもらいました

線路に縁の無い沖縄人ですので路線はよく分かりませんww


今日はここまでにします
読んで下さった方ありがとうございました!
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 01:57:05.64 ID:njbxaYA2o

みんないい人でぽわぽわする
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 05:09:45.33 ID:jDwse24IO
いい感じだなー
チケット5枚の謎は未だ気になるけど
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:04:50.58 ID:iZsL9/27o

唯「」スヤスヤ

律「・・・」

澪「・・・」

紬「あらまぁ」

憂「お姉ちゃん・・・」

愛「ホッ」

星奈「高崎の販売機の裏で寝てたからさ、乗せておいたんだよ」

律「寝てたぁ?」

星奈「う、うん・・・。人間の足が見えたからびっくりしてさ、覗いたら唯だった」

紬「星奈さんに見つけてもらってよかったわ」

澪「そのままだったら置いてけぼりだったもんな・・・」

憂「それは高崎に着いてから何分後ですか・・・?」

星奈「ん〜?10分くらいかな・・・?」

律「私とかくれんぼ始めたのが到着5分後くらいだな」

星奈「くっくっく。かくれんぼしてたのか」

愛「外を探しても見つからない訳ですね・・・」

律「あぁ・・・」

唯「ん〜・・・」ムニャムニャ

澪「よだれ・・・」

紬「あらあら」

憂「お姉ちゃんったら・・・」フキフキ

律「・・・そろそろこの眠り姫を起こしてもいいのではなかろうか」

澪「うむ」

愛「もう少し寝かせてあげても・・・」

憂「・・・」

律「ほら、起きろ唯」

唯「ん・・・?あ、りっちゃん・・・見つかっちゃったぁ」

星奈「ブフッ」

律「こらぁああ!」ムニ

唯「ほぁ!?」

澪「これはしょうがないな」ウンウン

唯「ほぉひはほ?!」

律「どおしたの、じゃねぇ!」ムニムニ

唯「ほへんははい、ほへんははい!」

律「ったく・・・」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:06:22.01 ID:iZsL9/27o

憂「お姉ちゃん販売機の裏で寝てたんだって・・・」

唯「・・・ハッ」

愛「星奈さんが運んでくれたそうです・・・」

星奈「あっはっは!」

唯「あの場所、風が気持ちよくて・・・」

律「そのまま寝てたら置いてけぼりだったんだぞ」ムニムニ

唯「ほはひほほほ」

律「もうこんなことしないと約束しろ!」

唯「はい、約束します!」

星奈「まぁ、運が良かったと思うよ〜」

紬「ありがとう・・・星奈さん」

憂「ありがとうございます」ペコリ

律「ありがと」

澪「ありがとう・・・」

愛「ありがとうございます」

星奈「い、いやぁ〜・・・あははっは。照れちゃうナー・・・」

憂「お姉ちゃん、ちゃんと反省してね」

紬「みんなすごく心配したのよ?」

唯「はい・・・」

律「迷惑かけるのはいいけどさ、心配かけるな」

愛「!」

澪(律・・・)

星奈「ま、まぁ。みんな許してあげてよ」

唯「ううん、星奈ちゃん。みんなに心配かけてしまったのは悪いことだもん。みなさん、心配かけてごめんなさい!」

律「許す!」

紬「うん」

澪「うん・・・」

憂「よかったねお姉ちゃん」

唯「うん!もう心配かけません!」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:06:49.23 ID:iZsL9/27o

愛「・・・」

唯「愛ちゃん・・・怒ってる?」

愛「え、いえ!と、とんでもないです!」

律「・・・」

唯「ごめんなさい」

愛「え、・・・はい」

澪「・・・」

律「よぉーっし、みんなで娯楽車で遊ぼうぜー!」

紬「いいわねぇ〜」

憂「娯楽車?」

唯「ういはまだ遊んだことなかったよね〜行こう行こう!」

律「レッツゴー!」

紬「ゴォー!」

唯「レッツゴーゴー!」

澪「し、静かにしろよ・・・」

憂「ふふ」

星奈「いいよねぇあの子達・・・」

愛「・・・」

星奈「ちゃんと叱って許せる関係だもん」

愛「・・・はい」

律「二人とも早くこーい」

愛「は、はい!」

星奈「よっしゃ、最後に私の腕前を披露してやりますかね」コキコキ

愛「・・・」
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:11:05.43 ID:iZsL9/27o

律「なんで星奈ばっかり揃うんだよー!」

星奈「ふふーん♪」

ジャラジャラジャラ

律「あー、もうメダル無いや」

星奈「少し分けようか?」

律「要らぬ!」

唯「武士は食わねど爪楊枝・・・だね!」

紬「惜しい!」

澪「意味は間違いだけど・・・」

憂「敵に塩を送る・・・かな?」

澪「断ったけどな」

愛「星奈さんが上杉謙信ですね」

律「なにぃ!? 私が武田信玄だと申すか小娘!」

唯「あはは、似てる似てる!」

律「唯さんはどこをみて仰ってるのかな〜?」

星奈「なるほどね・・・」ジー

律「見るなぁ!」

澪「前髪下ろせばいいじゃないか」

律「そだな」バサッ

唯星奈「「 前髪長っ! 」」

律「もぅ、なんなんだよ〜」シクシク

憂「ふふ」

愛「クスクス」

律「へへっ」

エレナ「みなサン、楽しそうですね〜」ジー

唯「あ、エレナさんも小麦さんも一緒にどうですか?」キリ

星奈「どうしたの唯は?」

澪「カメラを意識しています」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:12:03.08 ID:iZsL9/27o

エレナ「小麦行きますヨ〜」

小麦「レポーターの伊東小麦でーす、只今娯楽車に来ています!」

律「お、なんか始まった」

小麦「楽しい設備が整えられていますね〜。それではインタビューしてみましょう!」

澪「」ササッ

律「・・・」

唯「−☆」ウィンク

小麦「そうですね〜、そこのお嬢さん!」

紬「なんでしょう〜」

唯「おぉ・・・」

小麦「列車の旅はどうですか?」

星奈「娯楽車関係無いじゃん!」

紬「とても楽しく過ごせています〜」ウフフ

小麦「楽しさが伝わってきますね〜。こっちも楽しくなります。どこまで行かれるのですか?」

紬「行ける所まで行ってみようかと〜」ニコニコ

澪「動じないむぎはすごいな・・・」コソコソ

小麦「それは凄いですねー!ぜひ頑張ってください!」

紬「ありがとう〜」

小麦「ぽわぽわした人ですね〜。周りの空気が穏やかでした!次の方へいきましょう!」

唯「・・・コホン、アー、アー」

愛「唯さんはどうしたんでしょうか・・・」

律「声の調整をして準備しているだけです」

小麦「そこのお嬢さん!」

憂「は、はい」

唯「おぉ・・・」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:13:12.66 ID:iZsL9/27o

小麦「次は松本ですけど、どちらへ行かれますか〜?」

憂「到着したら松本城へ行こうと思っています」

澪「憂ちゃんも動じてない・・・」コソコソ

小麦「そこで問題です!」ジャジャン

星奈「レポーターが問題出すんだね・・・」

小麦「松本城と言えば誰っ!?」

憂「はい、おがさ」

唯「その質問には私がお答えしましょう」ズイッ

憂「お、お姉ちゃん・・・」

小麦「それではどうぞー」

唯「答えはりっちゃんです!」

律「なんでだよ!」

唯「ヒントはおでこです・・・」フフ

小麦「ん〜?」

愛「クスクス」

星奈「武田信玄とな!?」

小麦「城主を言ってくれなきゃだめだよ〜」

エレナ「アッハッハ〜、小麦〜続けるネ!」

紬「うふふ。あら・・・?」

テッテッテ

澪「むぎ?どこへ・・・」

小麦「次はロングヘアーのアナタですっ!」

澪「ハイッ!」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:14:41.09 ID:iZsL9/27o

さとみ「・・・うん・・・うん。分かってる。ちゃんと連絡するから」

紬(電話中ね・・・)

さとみ「・・・うん。じゃあね」

紬「・・・」

さとみ「! むぎさん!いつからそこに!?」

紬「驚かせてごめんなさい。高崎駅で降りると思っていたから・・・」

さとみ「えぇ・・・、そのはずだったんだけど・・・思い切って旅に出る事にしたの」

紬「まぁ!」

さとみ「お金は、貯金を下ろせばなんとかなるし・・・親も話せば分かってくれたし・・・」

紬「よかったですね」

さとみ「えぇ。改めまして、千歳さとみと言います。よろしく」

紬「琴吹紬と申します。こちらこそよろしく〜」

さとみ「つ、つむぎさんですか?むぎというのは・・・」

紬「はい、私みんなからむぎって呼ばれてます」ニコニコ

さとみ「ご、ごめんなさい。初対面の人に馴れ馴れしくしてしまって」

紬「いえいえ、そのままでお呼んで下さい千歳さん」

さとみ「あ、ありがとう・・・私も名前がいいかな・・・苗字だと学校の先生に呼ばれているみたいで・・・」

紬「さとみさんでいいかしら」

さとみ「えぇ」ニコ

紬「でも、どうして乗ることに決めたの?」

さとみ「それは・・・この列車に乗ったから・・・かな」

紬「そうですか」

さとみ「あ、そうだ!私まだ列車の事よく知らないの、案内お願いできませんか?」

紬「えぇと、ちょっと待ってて下さい・・・」

テッテッテ

さとみ「・・・?」

テッテッテ

紬「それじゃあ売店車から行きましょうか」

さとみ「どうしたんですか?」

紬「いえいえ〜、邪魔しちゃいけないから行きましょ〜」

さとみ「・・・?」


270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:16:42.62 ID:iZsL9/27o

律「ほら深呼吸」

澪「う、うん・・・すぅー、はぁ」

律「よし、落ち着いたな?」

澪「う、うん」

エレナ「小麦ーカメラ回すネ!」

星奈「よし、TAKE5、行ってみよー!」

小麦「はい、それではこちらの方にインタビューしてみましょう!」

澪「はい、よろしくお願いします」

律「お、いいんじゃないか?」

小麦「澪さんはどこまで行かれるのですか?」

澪「大阪まれ行きたいと思っています」

唯(噛んだ・・・)

小麦「楽しみにしている都市はどこですか?」

澪「金沢です。兼六園に行きたいと徒然思っていました」

律(常々だろ・・・二回)

小麦「過ぎ去った都市で思い出深い場所はありますか?」

澪「仙台からここまで全部がいい思い出です。強いてあげるなら東京でしゅ。東京です!」

星奈(言い直したけど・・・三回)

小麦「東京で何がありましたか?」

澪「苦手を克服できた事が嬉しかったでし・・・嬉しかったでしゅ!・・・です」

憂(自信を持ってください澪さん!・・・四回)

小麦「どのように克服したのでしょうか?」

テッテッテ

澪「友達の強さを見習って・・・私も頑張ろうっと思いまちた」

紬(澪ちゃんのインタビューのじゃましちゃ悪いわね。噛んだわ〜)

テッテッテ

愛(あれ、今紬さんがドアの向こうにいたような・・・五回)
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:17:15.23 ID:iZsL9/27o

小麦「最後に・・・あなたにとってこのヴェガとはなんでしょう!?」

澪「みんなを楽園へ運ぶteleportationですっ!」

唯「?」

憂「?」

愛「?」

エレナ「?」

小麦「? ありがとうございました!」

律「最後でテンパってしまったか・・・」

星奈「ハイカットー!」

唯「どうでしたか、星奈監督!」

星奈「まだ荒削りだが・・・いいもん持ってるんじゃないかな?」フフン

律「最後の言葉の意味はなんでしょう?」

星奈「ふむ・・・なかなか深い言葉だったねぇ・・・それは・・・」

愛「そ、それは・・・」

憂「それは・・・」

星奈「キミの心で見つけるんだよ〜ん」

律「はい、撤収ー」

小麦「お疲れ様でしたー」

エレナ「セイナさーん、今のはイタダケマセーン」

星奈「だって・・・分かるわけないじゃん」

律「本人も分かってないだろうしな・・・」

澪「・・・」プシュー

唯「あれ?むぎちゃんは?」

愛「さっきドアからこちらを伺っていましたよ?」

律「どうしたんだろ?私様子見てくるよ・・・唯、澪を頼んだ」

唯「了解です!」ビシッ

澪「あはは・・・今の・・・後世まで残るんだな・・・」アハハ


272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:18:58.78 ID:iZsL9/27o


紬「先ほど車掌さんと話したのが動力車。次に寝台車と来て、ここが売店車になります」

さとみ「なるほど、シャワー室も兼ねているのね」

紬「えぇ」

さとみ「思っていたよりも、ずっときれい・・・」

「タァ〜ラタラリ〜」

さとみ「きゃっ」

紬「きゃっ」

コック「おっとぉ、これは失礼〜」

さとみ「・・・」

ちひろ「料理長ダメですよぉ〜、そんな格好で歩いては」

紬「・・・」

コック「当列車のシャワールームはコックもギンギンのシャワーです。是非ご利用下さい」

ちひろ「営業してごまかそうとしてますね〜。二人ともまだ顔を塞いだままでいてくださいね〜」

コック「それではごゆっくりとおくつろぎください・・・」

律「おらぁ!」

バシィィン

コック「おぅ、デコちゃんじゃねえか」

律「背中叩いたのにビクともしねぇ・・・」

コック「俺の後ろを取るとはやるな」

律「タオル一枚でうろついてんじゃねぇ! こっちはうら若き女子高校生なんだぞ!」

コック「しょうがねぇじゃねぇか、着替え持ってこない部下が悪い」

律「そんなの知ったこっちゃねぇ!車掌さん呼ぶぞ!」

コック「む・・・それは面倒だな」

スタスタ

紬「りっちゃん、コックさんはもういない・・・?」

律「あぁ、二人共もうこっち見ても平気だぜ」

さとみ「ハァ・・・びっくりしたぁ・・・急に裸で出てくるんだもん」

紬「私もびっくりしたわ・・・」

ちひろ「二人ともごめんなさいね〜」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:19:30.95 ID:iZsL9/27o

さとみ「あ、いえ・・・」

紬「いえ・・・」

律「まったく・・・。あれ?降りるんじゃなかったの?」

さとみ「あ、はい。私これからヴェガに乗ることにしました」

律「ふ〜ん、それでむぎは案内してたって事?」

紬「えぇ、そうなの」

律「そっか、私は田井中律!よろしく、さとみ!」

さとみ「・・・よ、よろしく」

律「そんじゃ、私は車掌さんに告げ口してこよーっと」ウシシ

ちひろ「それには及びませんよ〜」

律「えっ?」

紬「?」

ちひろ「もう連絡しましたので〜」

さとみ「・・・」

律「仕事早いな・・・。じゃあ車掌さんに怒られている所みてこよ〜っと」ウシシ

紬「りっちゃん」

律「な、なんだよ〜」

紬「私も行きます」

さとみ「えっ!」

律「止められるのかと思った・・・。それじゃ行くぜ」

紬「おぉ〜」

さとみ「・・・」

ちひろ「一緒に行ったほうがいいですよ〜」

さとみ「あ、はい」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:20:44.27 ID:iZsL9/27o


星奈「おっ、どうした?」

律「コックさんが車掌さんに怒られる所を見物しにね」ウシシ

星奈「むぎちゃんも?」

紬「いぇ〜す」

星奈「あなたも?」

さとみ「え、あ、はい・・・」

星奈「くっくっく。あんたもこれから忙しくなるよ」

さとみ「・・・?」

星奈「忙しい分楽しめるかもね」

さとみ「はぁ・・・」

律「はやくこぉ〜い」

紬「こぉ〜い」

星奈「私は遠慮しとくよ」

律「えぇ〜」

紬「えぇ〜」

星奈「それじゃ、バトンタッチだ」ポンポン

さとみ「?」

星奈「それじゃあね〜」フリフリ

紬「・・・?」

律「行くぞ〜」

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:21:15.84 ID:iZsL9/27o


澪「なにしてんだ?」

律「うっ、最大の敵が・・・!」

澪「なにか企んでるな?」

さとみ「企んでますね・・・」

律「さとみっ!」

さとみ「あっ・・・ごめんなさい」

澪「ほぅ・・・」

紬「私たちの猛攻もここまでね・・・」

律「後でエレナに見せてもらおうかな」

澪「何を言ってるんだ?」

律「娯楽車でのインタビュー・・・」

澪「はぅっ」ボンッ

さとみ「・・・」

律「よし行くぞ」

紬「りっちゃんも悪ですのぅ」

律「お主こそぅ」

さとみ「いいのですか?固まったままですけど・・・」

律「他の人が介抱してくれるから大丈夫だ」

276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:22:18.43 ID:iZsL9/27o


唯「どうしたの?」

律「なんだ唯か・・・これから食堂車に」

憂「食堂車ですか?一緒に行こうよお姉ちゃん」

唯「そうですな」

紬「伏兵がいたのね」

さとみ「えぇと・・・?」

律「憂ちゃんには関わらせたくないな。なんとなく」

紬「・・・そうね」

憂「行かないのですか?」

律「えーっとだな」

唯「ん〜?」

「だーれだ!」

唯「おぉ!誰ですか!?」

「声聞いて分からないかな〜唯くん?」

唯「その声はみらいちゃん!」

みらい「正解!」

唯「いきなり目隠しされたからびっくりしたよ〜」

みらい「はっはっは、声だけで当てるなんて、君はみらいのファンとして合格だよ!」

唯「ありがと〜」

憂「よかったね、お姉ちゃん」

みらい「こんな所でなにをしているのかな?」

唯「えぇとね・・・あれ?」

憂「みなさんどこへ行ったのでしょうか・・・?」

277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:23:39.92 ID:iZsL9/27o


さとみ「あの子ってアイドルの・・・」

律「あぁ、飯山みらいだ」

紬「さっき会ったのは唯ちゃんと憂ちゃんです。姉妹なの」

さとみ「あぁ、道理でそっくりだと思いました」

律「よし、食堂車に着いたはいいけど、どこだ?」キョロキョロ

さとみ「けっこう広い食堂車ですね・・・」

紬「えぇ、味も逸品ですよ」

車掌「あら、みなさんお食事ですか?」

律「え、あ・・・はい」

車掌「羽田さん」

羽田「はーい。あ、いらっしゃいませぇ、こちらへどうぞ〜」

車掌「それでは失礼します」

紬「あらら?」

さとみ「一足遅かったみたいですね」ホッ

律「ちぇー」

羽田「もしかして、車掌が怒っているところを見たかったですか?」

紬「うふふ、少しだけ興味がありました」

律「どんなでした?」

羽田「普段穏やかな人が怒ると怖いってこういう事なんだなぁ〜と思いました」

さとみ「・・・そうなんですか」

律「くぅ・・・」

紬「しょうがないわね、りっちゃん。飲み物でも飲みましょう」

さとみ「そ、そうですよ。しょうがないですよ」

羽田「クスクス。本当に面白い方たちですね、話で聞いたとおり」

律「え・・・」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:24:20.61 ID:iZsL9/27o

紬「話・・・ですか?」

羽田「えぇ。お客さん達の間でも、私たち従業員の中でも軽音部のみなさんは有名ですよ」

さとみ「け、軽音部・・・?」

律「あぁ、演奏したからか・・・びっくりした」

紬「そうね〜、新聞にも載ったものね」

さとみ「演奏!?新聞!?」

羽田「あ、私の名前は羽田けさみっていいます」

律「あぁ、私は・・・」

けさみ「律さんに紬さん・・・あなたは?」

さとみ「千歳さとみといいます」

けさみ「よろしく〜、私たち同い年だよ〜」

律「へぇ〜」

紬「バイトなんですか?」

けさみ「そうなの〜、楽しそうだから応募したんだけど・・・受かっちゃった」

コック「コラ羽田ァ!さっさと注文を聞かんかァ!」

けさみ「は、はい!ご、ご注文は何になさいますか?」

律「おぉ・・・怖ぇ・・・、それじゃコーラ一つ」

紬「私はアイスティーを」

さとみ「私もアイスティーで」

けさみ「かしこまりました。ちょっと待っててくださいね」

律「店員さんとまで仲良くなるって凄いな」

紬「常連です」

さとみ「はぁ・・・」

紬「どうしました?」

さとみ「いえ・・・売店車から食堂車まで渡っただけなのに、たくさんの事が起きたから・・・」

律「ははは、まぁ、車内にはこのように色んな人がいるってことで」

さとみ「うふふ、・・・でもこのくらい変わった事があった方が楽しいかも」

紬「そうね〜」ニコニコ

澪「こら・・・」ドン
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:25:39.71 ID:iZsL9/27o

律「あ・・・」

澪「置いていくなんて酷いじゃないか」

律「誰に起こしてもらった?」

澪「鳥羽さんに・・・って話を変えるな!」

律「ごめんって、けさみさ〜ん!」

けさみ「はーい」

律「レモンティー追加で」

けさみ「かしこまりました〜」

律「奢るから許して?」

澪「しょうがないな・・・」

紬「ごめんね澪ちゃん」

さとみ「ごめんなさい・・・」

澪「い、いえ。悪いのは律だけですから」

律「そうです。ってコラ!」

澪「わ、私は秋山澪といいます。よろしく・・・」

さとみ「千歳さとみです。こちらこそよろしく」

澪「千歳さんはどこまで行かれるのですか?」

さとみ「特に決めてないの。名前で呼んでください、同い年ですよね?」

澪「は、はい。高校三年生です」

さとみ「一緒ですね」

澪「そ、それじゃさとみ・・・さん」

さとみ「はい」ニコニコ

澪「・・・」テレ
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:26:38.86 ID:iZsL9/27o

紬「分かったわ、りっちゃん」

律「よし、気を抜くなよ?」

澪「なにしてんだ?」

律「むぎがノリツッコミを覚えたいと言うからさ、その指導をしてた」

さとみ「はぁ・・・」

けさみ「おまたせ〜アイスティー2つにコーラ、レモンティーです」

律「お、キタキタ。むぎ、爪楊枝とって」

紬「! そうね、これでかきまぜるのね。ってなんでやねーん」

澪「」ホワァーン

けさみ「」ホワァ-ン

さとみ「」ホワァーン

律「・・・恐るべし」

紬「だ、ダメだった?」アセアセ

律「いや、おっけーだ」


281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:28:53.46 ID:iZsL9/27o

さとみ「ふむふむ、なるほど」

澪「いいのか?」

律「あぁ、いつまでも恥ずかしがっていられないからな」キリ

紬「かっこいいわ、りっちゃん」

さとみ「・・・あ」

律「やっぱり読まないで!」

澪「かっこ悪いぞ、律」

紬「大丈夫よ、りっちゃん・・・。うん、大丈夫よ」

律「フォロー出来てないぞー!」

さとみ「みなさんの演奏聞いてみたかったです」

澪「無かった事にしてくれてるな」

律「それはそれで・・・」

紬「演奏とても楽しかったわ〜」ニコニコ

澪「あぁ、あれは楽しかった」

さとみ「有名にもなりますよね」

律「嘘みたいな話だから現実味が無いけどさ、こうやってモノが残ってると本当にやったんだって実感が沸くよな」

紬「えぇ」

澪「そうだな」

さとみ「・・・」

憂「こちらにいらしてたんですね」

唯「あ、やっぱりここにいた〜」

律「おぅ、って席は4人までだから3:3に分かれるか」

澪「そうだな」ガタ

唯「ちょいとお待ち!」デデン

紬「どうしたの唯ちゃん?」

唯「へい、ウェイトレスさん!」パチン

さとみ「キレイに指が鳴りましたね」

澪「私出来ない・・・」スカッ

紬「私も〜」スカッ

けさみ「なんでしょう〜?」

唯「椅子を二つ隣の席からお借りしてもよろしいですかな?」キリ
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:29:44.80 ID:iZsL9/27o

憂「お、お姉ちゃん・・・」

律「ゆ、唯!」

けさみ「そうですね〜・・・確認を取ってまいりますので少々お待ち下さい〜」

さとみ「いいのかしら・・・」

憂「無理を言っちゃダメだよ〜」

唯「大丈夫だよ」フフン

律「どこからその自信は出て来るんだよ」

けさみ「出来ないみたいです」キッパリ

唯「えぇ〜」ガッカリ

さとみ「ですよね・・・」

澪「そうだよな、通行の邪魔にもなるし」

けさみ「でも奥の席ならOKだそうです」

律「い、いいの・・・?」

憂「す、すいません・・・」

けさみ「いいえ〜、空いている時間帯でもありますから。予備の椅子運ぶの手伝ってくれますか?」

唯「ありがと〜」

紬「それなら私が取ってくるわ」

憂「い、いえ。私が・・・」

紬「いいのよ、座ってて〜」シャランラ

律「むぎは力持ちだからな」

さとみ「そうなんですか?」

唯「そうだよ〜」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:30:12.21 ID:iZsL9/27o

憂「もぅ、お姉ちゃんったら」

唯「えへへ。そうだ、今度むぎちゃんに御返しをしよう!」

律「そうだな、この列車に乗れたのもむぎのおかげだもんな」

澪「どうするんだ?」

唯「それを今から決めます!」フンス!

憂「そうだなぁ・・・」ウーン

さとみ「もしかして、むぎさんって琴吹グループの親族の方ですか?」

律「さぁ・・・?」

さとみ「さぁ・・・って」

唯「私たち、むぎちゃんがお金持ちだって事しか知らないよ〜」

澪「そういえばそうだな・・・」

さとみ「そうなんですか・・・」

憂「御返し・・・」ウーン

唯「むぎちゃんはむぎちゃんだから」

さとみ「・・・!」

紬「私がどうしたの〜?」

律「むぎは可愛いなってさ」

澪唯「「 ・・・ 」」シーン

さとみ「・・・?」

憂「・・・」ウーン

紬「まぁ」ポッ

律「おいっ!」

澪「どうした?席移動するぞ」

唯「りっちゃんてば、本人の前で・・・」ニヤニヤ

さとみ「どういう流れなの・・・」

紬「ありがとう〜りっちゃん」

律「い、いや・・・。望んでいた流れにならなかったな・・・」ボソッ

けさみ「みなさん各自でコップを持って下さいね〜」

憂「やっぱり腹話術・・・?」


284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:32:26.71 ID:iZsL9/27o

唯「さとみちゃんは松本でどこ行くか決めた〜?」

さとみ「到着したら上高地へ行ってみようかと思ってるの」

唯「そっか〜、私たちは明日回る予定だから残念だよ」

さとみ「ふふ、そうね」

律「もうそろそろ着くな〜」

憂「そうですね」

紬「・・・」

さとみ「そうだ、みなさんは寝台車でよく眠れてます?」

律「私はしっかり眠れた〜」

澪「わ、私はまだ慣れないな・・・」

唯「ぐっすりと!」

紬「私もよく眠れていると思うわ」

さとみ「私、列車で寝るのは初めてなんだけど、ちゃんと眠れるかな」

憂「・・・」ウンウン

紬「枕が変わると眠れない・・・?」

さとみ「そういうんじゃないけど、ベッドから転げ落ちないかなって」

澪「寝相の悪い律でも落ちてないですから、大丈夫ですよ」

律「そうそう」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:33:35.11 ID:iZsL9/27o

さとみ「ふふ、そうなんだ」

唯「憂も心配しなくて大丈夫だよ〜」

憂「そうかな?」

律「そうそう、って誰の寝相が悪いだこらぁ!」

澪「時間差か・・・」

唯「う〜い〜、眠れなかったら私の部屋へおいで〜」

憂「う、うん・・・」

ガタンゴトン ガタン

さとみ「あ、減速した・・・」

紬「・・・」

律「それじゃ、降りる準備すっか〜」

澪「そうだな」

唯「うん・・・」

さとみ「それじゃ、私先に行ってるね」ガタ

紬「えぇ・・・」

律「じゃあね〜」

さとみ「楽しかったわ、またね」

澪「うん」

唯「・・・」

律「・・・」

紬「・・・」

憂「・・・?」

ガタン ゴトン ガタン

プシュー

憂「松本駅に着きましたね」

唯「そうだね・・・」

律「だぁー!みんな立て、降りるぞ!」

澪「う、うん」

紬「・・・星奈さんを見送りましょうか」

唯「・・・うん!」


286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:34:40.98 ID:iZsL9/27o


憂「よっ」ピョン

シュタ

律「松本まで来たかぁ!」

唯「遠くまで来たね!」

澪「そうだな」

憂「みなさん、疲れていませんか?」

紬「まだまだ大丈夫よ!」フンス!

唯「私も大丈夫!」フンス!

澪「私も大丈夫だな」

律「みなさん若いですね!」

憂「律さんは疲れました?」

律「いや、大丈夫だぜ〜」ブイ

紬「・・・」キョロキョロ

唯「いないね〜」

律「居ないな・・・のんびりしてんのかね?」

紬「わ、私星奈さんの部屋へ行ってくる」

澪「待ってたらくるんじゃないの?」

紬「う、うん・・・そうだけど。行ってみるね」

タッタッタ

憂「どうしたのでしょうか?」

澪「なにかあった?律」

律「ん〜?さとみと食堂車へ行くときに会ったけど・・・特になにもなかったけどなぁ」

唯「すぐ来るんじゃないかな〜」


287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:35:21.71 ID:iZsL9/27o


紬「・・・」

コンコン

紬「星奈さん・・・?」

・・・

紬「・・・」

コンコン

・・・

紬「?」

車掌「どうかなされたのですか?」

紬「あ、車掌さん・・・星奈さんを探しているんですけど・・・」

車掌「!」

紬「?」

車掌「・・・申し上げにくいのですが。山口さんは先ほど降りていかれましたよ」

紬「えっ・・・」

車掌「ご存じなかったのですね・・・」

紬「そんな・・・」

車掌「・・・」

紬「・・・」

車掌「私はこれから部屋のチェックがありますので・・・」

紬「・・・はい」

車掌「あまりお気を落とさないでくださいね」

紬「・・・・・・・・・はい」

288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:36:30.01 ID:iZsL9/27o

唯「どうだった〜・・・むぎ・・・ちゃん?」

紬「・・・」

澪「むぎ・・・?」

律「・・・どうした?」

憂「・・・?」

紬「降りたって・・・」

律「・・・!」

紬「星奈さん・・・もう降りたって・・・」

澪「えっ!?」

唯「そんなぁ・・・」

憂「お姉ちゃん・・・」

律「星奈がこんな別れ方するなんて・・・」

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「・・・」

律「ウソだろ・・・」

憂「律さん・・・」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:37:49.02 ID:iZsL9/27o


タッタッタ

車掌「琴吹さん!」

紬「車掌さん・・・」

車掌「これ、山口さんの部屋に落ちてました・・・」

唯「え・・・」

澪「・・・手紙?」

紬「『明日行くから』・・・?」

律「どういう意味だ・・・?」

車掌「『明日見送りに行くから』ではないでしょうか」

紬「!」

唯「!」

憂「・・・ホッ」

律「ったく、星奈のヤツ!」

澪「まだ別れじゃないみたいだな」ホッ

車掌「少し慌てていたようでしたから、その文字が精一杯だったのではないでしょうか」

紬「よかった・・・」

唯「びっくりしたぁ〜」

律「あぁ、あんな別れだったら許さなかったぞ」

澪「・・・安心した」

車掌「それでは私はこれで」

紬「ありがとうございます、車掌さん」

唯「ありがとう〜」

車掌「・・・いえ」ニコ

紬「・・・」

律「車掌さん走ってきてくれたのか・・・」

澪「・・・あぁ」

憂「・・・」

澪「・・・それじゃ、行くか」

憂「松本城ですね」

紬「えぇ」

唯「うん」

290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:39:03.02 ID:iZsL9/27o

澪「松本城が夕陽に染まっててキレイだ・・・」

憂「絵の具で塗ったようですね・・・」

澪「あぁ、巧い表現だね」

憂「えへへ」

律「ふむ」

唯「おぉ、まるで燃えているみたいだ」

紬「松本城がやる気を出しているのね」

唯「うん。やーるぞー!って言ってるみたい」

紬「うふふ」

律「ふむ・・・」

澪「どうした、律?」

唯「どうしたのりっちゃん?」

律「いや、別に・・・。同じもの見てるのにこうも見方が変わるのか・・・」ボソッ

憂「窓が少ないんですね、中は暑そう」

唯「本当だ、昔の人は大変だね〜」

律「あれ、壁に小さな穴があるけど何だ・・・?」

澪「鉄砲や弓矢を構える穴だよ」

唯「松本城は実戦用に作られたお城なんだよ〜」

律「ふ〜ん、詳しいのな」

紬「観光ガイドに書いてあるわ」

憂「あそこから敵を狙っていたんですね」

律「この位置は狙われやすいかもな、近づこうにも堀に囲まれているし・・・」

澪「よく考えて造られているんだな」

ジャボン

唯「おっ、堀で鯉がはねましたよ!りっちゃん隊員!」

律「よぉ〜し」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:40:14.37 ID:iZsL9/27o

澪「なにしてるんだ?」

律「いや、今夜のメインディッシュに・・・」

澪「や め ろ」

律「冗談だよ〜」

紬「鯉は半日から1日キレイな水に入れておかないと泥臭いそうよ」

唯「それじゃ今夜のメニューには間に合わないね」

憂「間に合っても捕っちゃダメだよお姉ちゃん・・・」

「こら、ワシの草履はどこじゃ?」

律「ん?」

澪「あっ」ササッ

唯「みらいちゃん」キラキラ

紬「撮影中なのね」

みらい「ワシの草履はどこじゃと聞いておる」

唯「?」

みらい「もぅ、松本城に来たら織田信長の真似をしなくちゃダメだよ〜」

憂「・・・」

唯「織田信長・・・?」

みらい「そう、観光地でモノマネをする。これがみらいの歴史勉強法なのだ!」

律「いや・・・」

唯「それは違いますよ・・・みらいちゃん」フフフ

みらい「なにぃ〜、この信長に意見するとな?」

唯「織田信長は関係ないよみらいちゃん、松本城は小笠原さんですよ!」ズバッ

律「顔見知りかよ」

みらい「うぐっ・・・」

AD「みらいちゃん、スマイル!」

みらい「ふふふ、よく気付いたね!勉強になったでしょ?みらいに感謝しなさい!・・・そ、それじゃーねー!」

唯「まったね〜」フリフリ

AD「ま、まってよみらいちゃーん!」

紬「大勢で移動していくわね〜」

憂「TV番組の撮影って大変でしょうね」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:44:44.66 ID:iZsL9/27o

律「しかし、みらいはアホの子だったのか・・・」

唯「もぅ、失礼だよ!りっちゃん」プンスカ

律「あー、ごめんごめん。・・・ところで織田信長といえばどこの城?」

唯「安土城だよ?」

律「即答か・・・」

紬「澪ちゃん、もうスタッフの人たちは居ないわよ」

澪「ほ、ほんとうに・・・?」

律「あぁ、だからむぎの後ろから出て来ーい」

澪「・・・はぁ」

憂「急に押し寄せてきましたから、私もびっくりしました」

律「そうだな。・・・私はアイドルの時のみらいはちょっと苦手だな」

唯「そうなの?」

律「うん、なんか周りをめちゃくちゃにしてるじゃん?」

憂「でも、それはTV撮影のせいなんじゃ・・・」

澪「・・・」

律「まぁ、そうなんだろうけど。見てる人は楽しいかもしんないけどさ、
  巻き込まれた当事者たちはそれで納得できるのかなって・・・」

唯「・・・」ションボリ

律「で、でも素のみらいは私好きだぜ!?素直だし、可愛いし!」

澪「そうだな、確かに可愛かった」

唯「でも・・・りっちゃんの言ってる事分かる気がする・・・」

憂「・・・」

紬「どういう事?」

唯「アイドルの時のみらいちゃんが起こした事を、素直な時のみらいちゃんが謝るなんて変だもん」

憂「お姉ちゃん・・・」

唯「無理してないかなぁ・・・」

澪「・・・本当に好きなんだな飯山みらいの事」

唯「えへへ」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:45:44.38 ID:iZsL9/27o

律「問題。織田信長は『鳴かぬなら殺してしまえホトトギス』ですが、『鳴かせてみせよう』は誰?」

唯「フフフ、片腹痛いとはこの事ですよりっちゃん・・・」フフフ

律「やっぱり簡単すぎたか」アハハ

唯「徳川家康ですよ」ズバリ

紬「惜しい!」

澪「いや、二択だし・・・」

唯「あれ・・・?」

憂「お姉ちゃん、さっきみらいちゃんが言った草履がヒントだよ」

唯「あ!豊臣秀吉だ!」ウッカリ

律「なんだ、うっかり間違えたのかびっくりした」

澪「私は『鳴くまでまとう』がいいな」

紬「私『鳴かせてみせよう』が好き〜」

唯「『殺してしまえ』は酷いよね〜」ブー

律「織田さんの性格を現しているからな」

澪「悩み事 とじてしまおう ホッチキス」ボソッ
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:46:12.21 ID:iZsL9/27o

唯「うまい!」

紬「おぉー」

澪「聞こえた!?」アセアセ

憂「はい」

律「どこが巧いんだよ・・・3つしか被ってないじゃん」

澪「じゃあ律言ってみてよ」

律「なっ!?」

唯「ふむふむ」キラキラ

紬「りっちゃん!」キラキラ

憂「・・・」キラキラ

律「泣かないで キミの笑顔に ボールペン・・・」カァ

唯「おぉ!」

紬「いいわぁ・・・」

澪「負けたな・・・」フッ

憂「手紙に込めた想いですね。深いです」

律「くっ・・・いっそ笑われたほうが・・・」

グゥー

紬「あら」

唯「鳴いたよね 私のお腹の 子猫ちゃん 字余り」

憂「意味が分からないよお姉ちゃん・・・」

澪「そろそろご飯食べに行くか」

律「そうだな・・・食べ終わったらヴェガに戻って休むか」

憂「はい」

唯「待っててね 幸せくれる ご飯だよ!」

295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:48:01.92 ID:iZsL9/27o

コンコン

澪「私だけど」

「はーい」

ガチャ

律「どしたぁ?」

澪「今日は何も無いのかなって」

律「んー?むぎは何してんの?」

澪「勉強してるみたいだけど・・・」

律「ふーん、とりあえず入りたまえ」

澪「うん」

バタン

澪「邪魔した?」

律「いや、本叩いてたとこ」

澪「そっか」

律「どうした?」

澪「特に用は無いんだけどな」

律「・・・」

澪「昨日、一昨日とこの時間は展望車で遊んでいたからさ」

律「寂しいのね?」

澪「部屋に戻る」

律「ごめんごめん」

澪「・・・」

律「澪は勉強しないのかよ?」

澪「うん・・・手につかなくてさ」

律「ふーん」

澪「って、律もしないのか?」

律「実は私も手につかなくて」ウフ

澪「そーですか」ハイハイ

律「なんだよー」

澪「私が言いたいのはさ・・・」

律「私たち、朝からずっと一緒にいるもんな。急に一人になったらちょっと落ち着かないよな」

澪「・・・うん」

律「まだ寝るには早いかもな・・・。じゃあ、列車歩いてみるかー」

澪「今から?」

律「誰かいるかもしれないぜ?」

澪「そうだな」
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:49:16.18 ID:iZsL9/27o

―――――1号車

律「お、いたいた」

澪「え・・・?」

エレナ「部長サンとミオさんじゃないですカ」

律「なにしてんの?」

エレナ「シー。小麦が寝ていますネ」

小麦「」スヤスヤ

澪「どうしてここで寝てるんですか?」

エレナ「さっきまで小麦と今日のレポートを纏めていたネ」

律「疲れて寝ちゃったのか・・・」

エレナ「そのようですワ。個室に運びたいので手伝ってくれますカ?」

澪「は、はい」

小麦「・・・」ムニャムニャ

エレナ「私は体を持ち上げますから足をお願しますネ」

澪「はい」

律「私がやるよ」

澪「う、うん」

エレナ「せーっノ」

律「よいしょ」

澪「あ、危ない」

ガンッ

小麦「ん・・・」

律「だ、大丈夫か?」

エレナ「小麦〜?」

小麦「」スヤスヤ

エレナ「ダイジョウブみたいですネ」

澪「頭ぶつけたのに起きないなんて・・・」

エレナ「小麦は転んでもタダでは起きないネ」

律「それ間違えてるぞー」

エレナ「オー、そうなんですカ?」
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:49:52.80 ID:iZsL9/27o

・・・・・・

・・・


澪「エレナさん・・・この部屋ですよね・・・?」

エレナ「そうデス。ミオさん、この鍵で開けてくだサイ」

澪「はい・・・」

ガチャ

律「お邪魔しまーす」

エレナ「そのままベッドへお願いしますネ」

律「よいしょ・・・っと」

エレナ「ソォーっと」

澪「よく寝ていますね」

エレナ「小麦はなんにでも全力ですカラ」

小麦「」スヤスヤ

律「はは、なんか犬みたいだな」

澪「・・・ふふ」

エレナ「それではお二人サン、私も寝ますネ」

澪「はい、お休みなさい」

律「おやすみ〜」

エレナ「運んでくれてありがとネ。それではgood night」

バタン

澪「なんか、不思議な二人だ」

律「あぁ、お互い信頼してるんだろうな」

澪「うん・・・」

律「そんじゃまた移動してみるか」

澪「そうだな」

298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:50:47.93 ID:iZsL9/27o

―――――2号車

愛「あ・・・」

律「愛ちゃんじゃないか、なにしてんの?」

愛「少し散歩していました・・・」

澪「・・・少し顔色悪いけど大丈夫?」

律「あ、本当だ」

愛「だ、大丈夫です・・・」フラフラ

律「いやいや、フラフラしてるじゃん。部屋まで送るよ」

澪「うん」

愛「す、すいません・・・」

・・・・・・

・・・

愛「ご迷惑をおかけしました」

律「なんのなんの気にすんなって」

澪「気にしないで」

愛「そ、それではお休みなさい」

律「お休み〜」

澪「おやすみ・・・」

バタン

律「また寝台車に戻ってきたわけだが・・・」

澪「ふふ、そうだな」

律「部屋に戻る?」

澪「ううん、せっかくだから展望車まで行ってみたい」

律「そうだな」

澪「いい?」

律「オッケーだ!」

299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:51:39.32 ID:iZsL9/27o

―――――4号車

憂「律さんと澪さん・・・どうしたんですか?」

律「私たちはお散歩」

澪「憂ちゃんは?」

憂「食堂車でくつろいでいました」

律「こんな時間でもやってんだ?」

憂「はい。いつお客さんが来てもいいように・・・と一応開いているみたいですよ」

澪「へぇ〜。あれ?唯と一緒じゃないの?」

憂「お姉ちゃんは部屋で練習しています」

律「私と一緒だ」ニンマリ

澪「・・・私は二人が心配だ」

憂「ちゃ、ちゃんと勉強もやってるみたいですよ」

律「私もちゃんとやってるぞー」

澪「この旅が終わったらみんなで勉強会開かないとな」

憂「よろしくお願します」

律「よろしく」

澪「まったく」フゥ

憂「お二人はこれからどちらへ?」

律「んー、適当に展望車に行ってみようかな・・・と」

憂「そうですか、それでは私はこれで」

澪「おやすみ憂ちゃん」

憂「はい、おやすみなさい」

300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:53:09.79 ID:iZsL9/27o

―――――食堂車

けさみ「いらっしゃいませ〜、お食事ですか?」

律「いえ、ちょっと様子を見に来ただけです」

けさみ「そうですか・・・」

律「忙しかった?」

けさみ「うん、停車中は乗客さん以外の人も入ってくるからね〜」

澪「え?」

律「ここ乗車証持って無くても利用できるの?」

けさみ「そうですよ〜。停車駅限定ですけどね」

律「ほぅ・・・」

けさみ「料理長のアイディアなんです」

澪「コックさんの・・・」

コック「そういう事だ」

澪「!」ビクッ

律「あ、コックさん。お疲れ様でーす」

コック「おう、デコちゃんにロングじゃないか。なにしてるんだ?」

けさみ「料理長〜名前で呼んでくださいよ〜」

コック「ガハハ!忘れた!」

律「ひっでぇ!」

けさみ「ひど〜い」

澪「」

コック「確か・・・ドラムの田井中律にベースの秋山澪でよかったか?」

けさみ「なんだ覚えているじゃないですか」

律「なんで忘れたフリなんかしたんだよ!」

澪「」

コック「記憶から探すのが面倒だったんだ」

律「えぇー」

コック「楽器で繋げたら名前が出てきたというだけだ」

けさみ「なんですかそれは」

コック「羽田もうあがっていいぞ」

けさみ「チーフは?」

コック「あいつはもう少しいてもらうがな」

律「チーフ?」

コック「会った事なかったか?」

けさみ「泣きボクロが特徴的な人ですよ」

律「んー?」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:54:04.60 ID:iZsL9/27o
コック「そうか、まぁいずれ会えるだろ。それじゃあな」

けさみ「お疲れさまでーす」

澪「」

律「そろそろ戻ってこ〜い」

澪「あ、あぁ律か・・・」

けさみ「さっきね、唯さんの妹さんとお話してたんだよ〜」

律「憂ちゃんと?」

けさみ「うん、可愛かったなぁ〜」

澪「姉想いのしっかりした子ですよ」

けさみ「そうなんだ、ふふ」

律「どしたー?」

けさみ「何か悩んでいるみたいだから、私声かけんだけどさ」

澪「?」

けさみ「紬さんの御返しどうしようか悩んでいたんだって」

律「あぁ、あの話か」

澪「そうだったな」

けさみ「なんか可愛くってさ〜」

律「あぁ、分かる」

澪「うんうん」

けさみ「それで憂ちゃんにアイスをサービスで出したんだけどさ」

律「ずるい!」

澪「明日ご馳走するから我慢してくれ。それでどうしました」

けさみ「アイスをじっとみてて『寝台車に持っていけませんか?』だって」

律「はぅ」キュルルルリン

澪「おぉ・・・」

けさみ「唯さんにと思ったんだろうね〜。明日唯さんにもサービスするからって事で」

律「納得したのか〜、可愛いのぅ〜」

けさみ「食べてる時の表情がまた唯さんそっくりでさ、ここのアルバイト受かって良かったと思ったよ」

律「あはは」

澪「ふふ」

けさみ「こういう事があるから止められないんだよね〜」

律「ほぅ」

けさみ「あ、ごめんね〜一人で喋っちゃって・・・それじゃおやすみ〜」フリフリ

澪「おやすみ・・・」フリフリ

律「おやすみ〜」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:55:28.82 ID:iZsL9/27o

―――――娯楽車

店員「いらっしゃいませ、遊んで行かれますか?」

律「いえいえ、覗きに来ただけですよ」

店員「そうですか・・・」

澪「て、店員さんもこんな時間まで大変ですね」

店員「そうでもないですよ。遊びにいらしてくれるお客さんがいますから・・・ほら」

律「・・・みらい?」

澪「なんのゲームしてるんだろ?」

店員「金魚すくいゲームですね。苦戦しているようなので私がアドバイスしようか迷っていた所です」

みらい「・・・」ハァ

律「・・・しょうがないなぁ」

澪「アドバイスするのか?」

律「あんな顔してたら放っておけないしな」

店員「お願します」ニコニコ

澪「・・・」

みらい「また失敗・・・」

律「どれ、貸してみんさい!」

みらい「あっ、田井中さん・・・」

律「律でいいよ。お姉さんが手本を見せてしんぜよう」

澪「そんなに腕よかったか?」

律「見てなー!そりゃー!」スババッ

澪「勢いだけじゃないか」

テレッテレー

律「あれ・・・」

みらい「ふふ、それでも私より点数高いですよ」

律「ふふん」

澪「すごいすごい」

律「じゃー澪やってみろよー」

澪「わ、私はいいよ!」

店員「それでは私が・・・」ズイ

みらい「え・・・」

律「どうぞー」

店員「えいっ、えいっ」スバババッ

澪「おぉ」

律「な・・・」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:56:25.33 ID:iZsL9/27o

テレッテレー

みらい「すごい・・・高得点です」

澪「亀3匹も獲った・・・」

店員「お客さんたちの動きをみていたらコツをつかめたみたいです」フフフ

律「ずるいぞー!」

みらい「え・・・それじゃこのゲームは・・・」

店員「今が初めてですね」

澪「すごいすごい!」

律「ぐ・・・。て、手本はこんなもんでいいかな。さ、みらいやってみたまえ」

澪「なんで師匠風吹かしているんだよ」

みらい「は、はい・・・」

スバ ババッ

店員「さすがですね、飲み込みが早い」

澪「青は藍より出でて藍より青し・・・だな」

律「わ、私だって努力すれば・・・」

テレッテレー

みらい「どうでしょうか・・・」

店員「私より点数が高いですね」

律「うむ。みらい・・・君に教えることはもう無い!」

みらい「あ、ありがとうございます」

澪「ゲーム好きなの?」

みらい「そんなに好きでは・・・ただ、事務所の方針でこういうものには慣れておけと言われているので・・・」

澪「そうなのか・・・」

みらい「・・・あの、ありがとうございました。それでは失礼します」ペコリ

律「うむ」

澪「それじゃあね」

店員「みらいさん気がまぎれたみたいですね」

澪「そうなんですか?」

店員「えぇ、少し笑顔が戻ってましたから」

律「・・・」

店員「それでは機材の電源を落としますが・・・よろしいでしょうか?」

澪「は、はい」

店員「それではおやすみなさい」ペコリ

律「おやすみなさい」

澪「お、おやすみなさい・・・」
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:59:31.28 ID:iZsL9/27o

―――――展望車

紬「そうなんですか」ウフフ

修治「あはは」

車掌「えぇ」ニコニコ

律「な、なんでむぎがここに居るんだ!?」

紬「あっ、りっちゃんに澪ちゃん」

修治「おいっす」

車掌「こんばんは」

澪「車掌さんと鳥羽さんも・・・どうしたんですか?」

車掌「少しだけお喋りをしていました」

紬「そうなの〜」

律「むぎは部屋で勉強してたんじゃ・・・?」

紬「手につかなくて」

澪「むぎもか・・・」

修治「みんな勉強やってるのか、偉いな」

律「修治も受験生だろ、勉強しないのかよ?」

修治「・・・あ!UFOだ!」

紬「え、どこどこ!?」

律「どこだっ!?」

車掌「あらあら」

澪「・・・」

修治「・・・」コソコソ

唯「おや、修治くん?」

さとみ「あら?」

修治「あ・・・」

律「おい・・・どこにUFOが・・・ってどこ行くんだよっ!?」

紬「・・・」キョロキョロ

澪「むぎ・・・もう移動したんじゃないかな・・・」

唯「もぉー、みんなで遊ぶんなら声かけてよ〜!」

さとみ「私は散歩してたんだけど・・・」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 10:01:11.96 ID:iZsL9/27o

車掌「あらあら・・・あ、そうだ・・・」

スタスタ

律「私たちを騙した罪は重いぜ〜、私コーラね」

修治「えー」

澪「お、おい律」

唯「私アップルティー!」

さとみ「注文していいのかな・・・」

律「いいっていいって〜♪」

修治「・・・しょうがないな・・・あ!UMAだ!」

紬「どこどこ!?」

修治「・・・」コソコソ

憂「どうしたんですか?鳥羽さん」

修治「な・・・」

律「・・・って駅にいる訳ないよな・・・ってどこ行くんだこらぁー!」

唯「ヒュウマ?」

さとみ「ユーマよ唯ちゃん。未確認動物のことね」

澪「むぎ・・・もういないんじゃないかな・・・」

紬「そうなの・・・」ションボリ

律「ガッカリしたむぎを見てどう思う?」

修治「良心が痛みます」

律「そうだろ?」

修治「はい、嘘ついてごめんなさい」

律「いいっていいって〜、コーラね」

澪「律っ!」

修治「いや、いいよ。エレナの店でアクセサリー買うより安あがりだし」アハハ

憂「お姉ちゃん鍵かけてなかったよ」

唯「な、なんと」

さとみ(どっちが姉なの・・・)

車掌「みなさんよろしいでしょうか?」

店員「・・・みなさん元気ですね」

紬「あら?」
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 10:02:07.81 ID:iZsL9/27o

律「どうしたのー?」

澪「?」

唯「おぉ、いい香り〜」

憂「ほんとだ」

車掌「紅茶をお持ちいたしましたので、よろしければどうぞ」

さとみ「いいのでしょうか?」

紬「あらあら」

車掌「えぇ、三人にはご迷惑をおかけしましたので。そのお詫びも兼ねて」

律「あぁ、あん時の」

店員「はい、どうぞ・・・」

修治「え、俺たちも・・・?」

唯「いいの?」

店員「えぇ、もちろん」

憂「・・・ありがとうござます」

律「あ、泣きぼくろの人だ」

澪「こらっ」ゴスッ

律「あいたぁ!」

澪「人を指差すな!」

律「ごめんなしゃい」

店員「いいですよー、私、成田その子といいます。よろしくね」

紬「いつもありがとうございます」

その子「いえいえ、いつでもどうぞ」ニコニコ

澪「むぎが紅茶を用意する時はいつも・・・?」

紬「そうよ、その子さんに頂いてるの〜」

律「そうだったのか・・・」

唯「う〜ん、美味しいですな」マッタリ

憂「そうだね」ノンビリ

さとみ「ほんと・・・」マッタリ

修治「・・・」ズズーッ

律「貸し一つな〜」ルンルン

修治「・・・はい」
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 10:03:18.76 ID:iZsL9/27o

ガチャ

紬「みんなおやすみ〜」

唯「むぎちゃんおやすみ〜」

憂「おやすみなさい」

律「おやすみ」

澪「明日ね」

バタン

ガチャ

唯「それでは私もこれにて失礼つかまつる」ビシッ

憂「うん、おやすみお姉ちゃん」

律「あぁ」

澪「おやすみ」

バタン

ガチャ

憂「律さん、澪さん。今日はとても楽しい一日でした」

律「それはよかった」ウンウン

澪「おやすみ憂ちゃん」

憂「はい、それではまた明日」

バタン

律「さすがに眠くなってきたなぁ・・・ふぁ〜」

澪「そうだな」

ガチャ

律「それじゃ私も寝るわ・・・おやすみ〜」

澪「あ、律」

律「ん?」

澪「あ、ありがとな」

律「いいって〜、また明日〜」

バタン

ガチャ

澪「みんなおやすみ・・・」

バタン


6日目終了--------
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/06(水) 16:33:08.65 ID:JHGsbnQSO
もう六日
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 20:46:35.61 ID:iZsL9/27o
もうって言ってくれるのは嬉しいけど、まだ1/6消費したくらいなんだよね
だれるかもしれないけど、全部投下しますので!!!
チケット五枚はアレです。ご都合主義です。意味はありません


これから一日が濃くなっていきます
付き合ってくれてる人ありがとうございますです
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 20:47:16.96 ID:iZsL9/27o

8月7日



コンコン

澪「・・・」

・・・

澪「・・・?」

コンコン

・・・

澪「あれ・・・?」

紬「おはよう澪ちゃん、どうしたの?」

澪「おはようむぎ、返事が無くてさ・・・」

紬「唯ちゃんまた練習に没頭してたのかしら?」

澪「前にもあったの?」

紬「うふふ、青森でね」

澪「そうか・・・」

コンコン

ガチャ

唯「おはよー、・・・澪ちゃんとむぎちゃん私の部屋の前でなにしてるの?」

澪「なんで憂ちゃんの部屋から出てくるんだ?」

唯「でっへっへ〜」

憂「おはようございます」

紬「おはよう憂ちゃん」

澪「おはよう」

憂「昨日みなさんと別れてからお姉ちゃんが部屋に来て・・・」

唯「おしゃべりしてたんだけど、そのまま寝ちゃった〜」エヘヘ

澪「そうか・・・。・・・朝ごはん食べに行こう」

紬「りっちゃんは?」

澪「あぁ、準備してるよ。みんなも準備が出来たら食堂車に来て」

唯「了解です!」
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/04/06(水) 20:49:28.21 ID:RM2kw9aKo
キター
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:30:35.77 ID:iZsL9/27o


紬「もぐもぐ」ボリボリ

唯「もぐもぐ」ボリボリ

律「そんなにおいしいか・・・?」

唯「うん!りっちゃん食べないならちょうだい!」

律「どうぞ・・・」

唯「ありがとう〜もぐもぐ」ボリボリ

澪「たしかにご飯には合うけどさ・・・」

憂「紬さん、私のもよかったらどうぞ」

紬「ありがと〜。もぐもぐ」ボリボリ

律「・・・」

唯「食べないと風邪ひいちゃうよ?」

律「今夏だし・・・。ってどういう理屈なのさ?」

憂「乳酸発酵と大根の辛み成分が反応してできるβ−カルボリン化合物の抗菌作用のおかげです」

律「そ、そうか・・・」

澪「カンペも無しに・・・」

律「澪だけ洋風ですな〜」

澪「い、いいだろ別に!」

律「悪いとは言ってませ〜ん」

紬「もぐもぐ」

唯「ごちそうさまぁ〜、あー美味しかった!」

憂「ごちそうさまでした」

律「それで、どこに行くんだっけ?」

澪「おい、会議長・・・」

唯「浅間温泉だよ〜」

律「よし、それじゃあ食べ終わって30分後にホームに集合な」

憂「はい」

澪「うん」

唯「今日もいい天気だね〜、絶好の観光日和だよ」

紬「もぐもぐ」コクン

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:31:23.93 ID:iZsL9/27o

ガラガラ

律「おっ、誰も居ないぞ」

唯「私たちの貸切だね!」

澪「だからといって騒ぐのはダメだぞ」

律「よっしゃー!」テッテッテ

澪「あ、こらっ」

唯「わーい!」テッテッテ

憂「走ると危ないよ!」

紬「滑って転んだら大変よ〜」

律「そうだな、私たちは子供じゃないんだから」

唯「そうだねりっちゃん!」

澪「まず体を洗ってからだ」

律「よし」

ゴシゴシ

唯「ほい」

ゴシゴシ

憂「次に頭を洗いましょう」

律「・・・っ」

ゴシゴシ

唯「・・・」

ゴシゴシ

紬「最後にお湯をかけて泡を流して、それから温泉へつかりましょう」

ザバァ

律「よっしゃー!」

ザバァ

唯「わーい!」

澪「子供だな・・・」

憂「はやく浸かりたくてウズウズしてましたね」

紬「うふふ」

律「唯、慎重にな・・・」ソォー

唯「ぉ・・・おぉ・・・」チャプン

律唯「「 ごくらくごくらく〜 」」ホワワーン

澪「・・・すごい幸せそうだな」

憂「は、はい・・・」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:32:02.95 ID:iZsL9/27o

紬「私たちも入りましょうか」

律「朝風呂なんてどうかと思ったけど・・・」

唯「いいですなぁ〜」

澪「あぁ・・・」

憂「いい気持ちです」

紬「・・・えぇ」

律唯紬「「「 ほ〜げ〜 」」」

ガラガラ

律「あ、他のお客さんも来たからしずかにしようか」

唯「了解」

憂「・・・」

紬「私、風呂上りにアレやってみたいの」

澪「・・・?」

律「あぁ、アレな」

唯「風呂上りの楽しみの一つだよね」

澪「アレってなんだ?」

憂「腰に手を当てて飲むヤツですね」

紬「そうよ。ちゃんと販売機があったわ」キラン

律「はは、抜かり無いな」

唯「おぉ、楽しみだよ!」

澪「あぁ・・・アレ・・・な・・・?」

「えーと・・・」

唯「あ・・・」

律「どうした?」

唯「ねぇねぇ、りっちゃん・・・」ヒソヒソ

律「ん?」

唯「今入ってきた人さぁ・・・」ヒソヒソ

澪「こら、人を見てこそこそ話してたら失礼だぞ」ヒソヒソ

唯「だってぇ・・・」

「あ、ここでいいのかしら?」

憂「はい」

紬「うふふ」

「気持ちいいわね」

憂「効能は向こうの看板に書かれていますよ」

律「知り合い?」

「私よ律」

律「え?」
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:34:32.37 ID:iZsL9/27o

唯「あーっ!!」

「メガネを掛けていないから気付かなかったのね・・・」

律「いやいやいや!ここにいるはずがないから気付かなかったんだよ!」

「確かにそうね・・・」

澪「ん?」

紬「澪ちゃん、和ちゃんよ」

澪「和がどうしたって?」

律「事態を飲み込めてないのが一人・・・」

唯「わぁー!いつ来たの!?」

和「松本に到着したのはさっきね。憂に連絡が行ったと思うけど・・・」

憂「お姉ちゃんをびっくりさせたくて・・・黙っててすいません」

紬「みんなごめんね〜」

律「むぎも一枚かんでいたのか・・・」

唯「びっくりしたよ〜、和ちゃんに似ている人が入ってきたと思ったら本人なんだもん!」

澪「あー、和ね・・・のどかっ!?」

和「そうよ、私よ澪」

澪「ど、どうしてここに!?」

和「憂と連絡をとったからよ?」

律「あー、澪は今混乱してるから、どうして松本に来たのかを簡潔に頼む」

和「憂の変わりにヴェガに乗るからよ」

澪「あ、あれ・・・ここ松本だよな・・・?」キョロキョロ

律「ほら、澪あれが北アルプスだ」

唯「えー!うい降りちゃうの!?」

憂「うん、ごめんねお姉ちゃん」

澪「このメンツだと遠い場所に来たって実感が薄れてしまったよ」

律「あぁ、分かるぞ」

和「ごめんね、唯。私も息抜きがしたかったのよ」

律「・・・壮大な息抜きだな」

和「あなた達には負けるわよ」

紬唯澪律「「「「 う・・・ 」」」」グサッ

和「唯、勉強やってるわよね?」

唯「も、もちろんだよ!」

憂(あ、嘘ついてる)

和「そう、まぁいいわ。律は」

律「聞こえませーーーーーん!!」

バシャバシャ

和「ちょっ、律!」ワプ
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:35:58.46 ID:iZsL9/27o

律「今は旅の途中だからいいんだよーーーー!」

バシャバシャ

唯「わ、わたしも!」

バシャバシャ

和「ちょっと、唯まで!」

澪「ここはプールじゃ」ゴボゴボ

律「うるさーい!澪も温泉を飲んでしまえ!」

バシャバシャ

唯「おもしろーい!」

バシャバシャ

澪「や、やめろ!」

和「こ、この!」

バシャバシャ

律「うぉ、反撃が来たぞ唯!負けるな!」

唯「がってんでぃ!」

バシャバシャ

憂「・・・隣失礼します」

紬「えぇ」

憂「みなさん楽しそう・・・」

紬「勉強も大事だけど、この時間も大切よね」

和「そういう事にしとくわ・・・。目にしみるわね・・・」

澪「ここの成分はちょっと刺激が強いからな・・・」

バシャバシャ

律「うりゃりゃりゃ!」

唯「負けるか!」

バシャバシャ

紬「二人とも目をつむっているのね」

澪「それが災いして見方同士でかけあってるのか」

バシャバシャ

律「澪なかなかしぶといな!」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:37:03.43 ID:iZsL9/27o

唯「和ちゃんもやるね!」

バシャバシャ

和「ここ、いい所ね」

澪「うん・・・景色も綺麗だし・・・贅沢な時間だ」

紬「疲れもとれて気持ちいいわ〜」

憂「のんびりできていいですね」

ガラガラ

エレナ「オー!水しぶきですワ!忍者がいますネ!」

小麦「ホントだすごーい!」

澪「あ・・・」

エレナ「私たちも参戦するネ!」

小麦「よーし!」

バシャバシャ

律「い、勢いがましたぞ!?」

唯「負けないぞー!」

バシャバシャ

紬「気付いてないみたいね・・・」

憂「夢中になってます」

さとみ「どうなってるのよ〜」

愛「これは・・・」

みらい「あ・・・みなさん」

紬「この場所ならゆっくりできますよ〜」

さとみ「むぎさんも浅間へ来てたんですね」

愛「・・・お邪魔します」

澪「どうぞ」

憂「みなさんも浅間へいらしてたんですね」

みらい「はい。偶然会ったのでみんなで入ろうって事になりました」

和「ここから見てたら面白いわよ」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:38:01.36 ID:iZsL9/27o

澪「和・・・」

バシャバシャ

唯「りっちゃん隊員!私腕が疲れてきました!」

律「負けるなー!和に我等の意思を伝えるのだー!」

唯「は、はい!もうちょっとがんばります!」

小麦「いくよ、エレナ!」

エレナ「エェ!」

エレナ小麦「「 水遁の術! 」」

ザッブーン

律「ゴボゴボ」

唯「ゴボゴボ」

紬「まぁ!」

澪「おぉ」

和「どうやったのかしら」

さとみ「後で教えてもらおうかな」

愛「使い道がないと思いますが・・・」

憂「お姉ちゃんと律さん大丈夫かな・・・」ハラハラ

みらい「あ、起き上がりましたよ」

律「だ、大丈夫か唯・・・」ゴホゴホ

唯「う、うん大丈夫」ゴホゴホ

律「我々は敗北してしまった・・・」

唯「さすが生徒会長だよ・・・」

和「二人ともちゃんと勉強するのよ?」

律唯「「 はーい・・・ 」」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 21:41:48.44 ID:QjOQpk0co
このやり取りワロタ
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/06(水) 21:43:44.41 ID:3Nbh1HsZo
唯律がいい意味でアホだww
和ちゃんはある意味さすが
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:06:32.61 ID:iZsL9/27o



律「あー・・・、疲れを取りに来たはずなのに・・・」

澪「背筋伸ばさないとだらしなく見られるぞ」

律「いやぁ〜・・・、つかれちった」

愛「大丈夫ですか?」

律「だいじょうぶだよ〜」

澪「唯は元気だぞ」










小麦「・・・と、いう訳でここ浅間温泉は『松本の奥座敷』と呼ばれています」

エレナ「・・・」ジー

唯「大切なお客様を案内する場所とされていました。殿様も入っていたようです。
  そう思うと歴史の重みがありますね」キリ

エレナ「オッケーデース。二人の解説バッチリでしたワ」

紬「二人のレポート良かったわよ〜。お疲れさま〜」

小麦「おつかれー!それにしても、唯ちゃんよく短時間で覚えられたね!すごいよー!」

唯「でへへ〜、でも次の事覚えたら今覚えたの忘れちゃうよ〜」

小麦「あはは、それ私もなんだ〜。すぐこぼれていっちゃうの!」

唯「そうそう!」

紬「あらあら」

322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:07:52.39 ID:iZsL9/27o

憂「ふふ」

みらい「ふふ、唯さん大活躍ですね」

和「なるほど、みんな楽しくやっているのね」

憂「はい、私も安心して帰れます」

みらい「帰られるんですか?」

憂「はい、お姉ちゃんをよろしくお願します。みらいさん」ペコリ

みらい「い、いえ・・・こちらこそよろしくお願します」ペコリ

和「あら?あなたアイドルの飯山みらい・・・?」

みらい「は、はい・・・」

和「TVの時と雰囲気が違うから気がつかなかったわ・・・」

みらい「そうですよね・・・。オフの時の私だと街を歩いていても気付かれないみたいです・・・」

憂「そうなんですか・・・」

みらい「ふふっ、こんなの『飯山みらい』じゃないって思うのかもしれませんね」

和「・・・」

憂「そうですか・・・?」

みらい「え・・・」

和「唯はどっちのみらいでも、一人の『飯山みらい』として見てたんじゃないかしら?」

憂「はい」

みらい「・・・」

和「あなたが出演している番組を私たち三人で見たのよね・・・憂?」

憂「そうだよ、覚えていたんだね」

和「今思い出したんだけど。確か・・・その時にあなたのファンになったと思うわ」

みらい「・・・」

憂「ふふ、そうです。お姉ちゃん目をキラキラさせていましたから」

和「そうだったわね」
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:08:41.25 ID:iZsL9/27o

みらい「その時の『飯山みらい』はどっちの『飯山みらい』でしたか・・・?」

和「今の『飯山みらい』よ・・・」

みらい「・・・」

和「少しややこしいわね」

憂「ここにいる『素直な飯山みらい』だよね、和ちゃん」

和「えぇ、あの時TVのあなたの真似をしてテーブルの上のものをひっくり返したのよね」

憂「そうです」クスクス

みらい「・・・」

和「そんなに前の話じゃないような・・・」

憂「えぇと」

みらい「1年と2ヶ月前・・・」

和「よく覚えているのね」

みらい「はい・・・『アイドルの飯山みらい』が生まれた日でもありますから」

和「どういう事・・・?」

みらい「今の事務所に移籍した日・・・です」

憂「・・・」

和「・・・?」

唯「おぉーい!3人ともこっちに来て〜!」

憂「?」

和「どうしたのかしら?」

みらい「・・・?」

憂「行きましょう」
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:09:54.22 ID:iZsL9/27o

修治「北アルプスも入れたいな・・・」

律「そうだな〜、それだとあっちか?」

修治「この人数だともっと広い所がいいな・・・」

唯「そうだね〜、あっちはどうかな」

紬「そうね」

修治「じゃあ並んで〜」

律「よっろしく〜」

澪「私のカメラだけでいいのか?」

律「ん?あぁ、私は自分で撮りたいからさ」

澪「ふ〜ん」

修治「愛ちゃん、もっと寄ってー」

愛「は、はい・・・」

小麦「みんな入ってる〜?」

修治「田井中さんももっと詰めて」

律「は、はいよー」

エレナ「どうですカ?」

修治「よし、大丈夫。いくよー、はい、チーズ!」カシャ

さとみ「ありがとう修治くん」

みらい「ありがとうございます」

修治「これぐらいいいよ」

律「あのさ・・・田井中さんはやめてくんない?」

修治「じゃあ律ちゃん?」

澪「りつちゃん」ブフッ

律「痒いからダメだ」

修治「律さん」

律「先輩かっ!」

修治「律?」

律「それでいいからさ」

修治「分かった」

紬「ありがとうございます」

修治「いえいえ、はいカメラ」

和「私も入ってよかったの・・・?」

憂「私も・・・」

唯「ヴェガの乗客だから大丈夫だよ〜」

紬「そうよ〜」
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:11:16.42 ID:iZsL9/27o

律「おっ、打ち水してるぜ〜」

澪「夏の風物詩だな」

愛「今日も暑くなりそうですね」

律「唯〜水を掛けられないように注意しろよ〜」ニヤリ

唯「私そんなにドジじゃないもん!」

紬「あらあら・・・あっ」

バシャッ

律「・・・」

「あっ!ご、ごめんなさい!今タオル持ってきます!」

タッタッタ

澪「言った本人が掛けられたのか・・・」

愛「あ・・・」

律「大丈夫、今日も暑くなるから丁度いいよ」キラリ

修治「ん?どうしたの?」

愛「律さんが水をかけられてしまって・・・」

エレナ「水もシタタルいい乙女ですネ」

修治「ほら、律ハンカチ使えよ・・・」

紬「りっちゃんハンカチ使って・・・」

小麦「おぉーっと!どっちのハンカチを使うのかー!」

修治「琴吹さんのを・・・」

紬「鳥羽さんのを・・・」

小麦「お互い譲ってしまったー!」

律「小麦〜!」

小麦「えへへー、一度実況をやってみたかったんだ〜」

修治「じゃあ、はい」

紬「はい」

小麦「また二人同時に出してしまったー!」

修治「・・・」

紬「・・・」

小麦「おぉっと、今度はひっこみづらい様子だー!」

唯「じゃあ私も・・・はい」

律「なんでだ!」

澪「はい」

律「おいっ!」
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:12:52.32 ID:iZsL9/27o

小麦「唯ちゃんと澪ちゃんも差し出された4っつのハンカチ・・・どれをとるのか見ものですね〜。撮ってるエレナ?」

エレナ「バッチリですワ」

律「なんなんだこれ・・・!」

唯「愛ちゃんと憂も出して」ヒソヒソ

憂「わ、分かった」ヒソヒソ

愛「え・・・!」

憂「どうぞ律さん使ってください」

愛「ど、どうぞ・・・」

律「えぇー!」

「あ、あの・・・タオル・・・」

和「もうちょっと待っててもらえますか?」

さとみ「えっ!?」

みらい「いいのでしょうか?」

修治「俺が引くべきなんだろうけど・・・」

律「じゃあ引けよ」

修治「男には引くに引けない時がある」

律「それは今じゃないだろ!」

紬「りっちゃん!」

律「な、なに・・・?」

紬「わたし、選ばれなかったとしても後悔しない!」

律「断りづらくなったよ!」

唯「りっちゃんと過ごした時間は忘れないよ!」

律「そうか」

唯「・・・」ションボリ

律「こんな状況にしたの唯だかんな!」

澪「りつ・・・」

律「な、なんだよ・・・」

澪「うぅん、私信じてるから」キラキラ

律「ちょっとテンション上がってるのか・・・?」
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:13:44.74 ID:iZsL9/27o

憂「律さん・・・お姉ちゃんの後に使って下さい!」

律「え・・・憂ちゃんノリでやってんの?」

憂「はい、半分は・・・」

律「半分本気なの!?」

愛「わ、わたしのせいだと・・・」

律「いや・・・この状況は唯のせいなんだが・・・」

愛「使って下さい!」

律「・・・ちょっと重いかなぁ」アハハ

和「早く受け取らないと風邪ひくわよ」

律「和・・・って、タオルあるじゃん!」

エレナ「逃げはイケマセーン!」

さとみ「どういう結末を迎えるのか・・・」ゴクリ

みらい「演技の勉強になります」

律「くぅ・・・他人事だと思いやがって・・・あ、そうだよ。借りなくても」ゴソゴソ

ガシッ

澪「自分の使うのはナシだぞ」ニコニコ

律「くっ・・・」

小麦「さぁ!誰を選ぶのか!」

修治「はい、どうぞ」

紬「さっ、りっちゃん」

唯「りっちゃん!」キラキラ

澪「はい」

憂「どうぞ」

愛「よろしかったら・・・」

律「だぁーーー!!!」

ババババババッ

小麦「全員のを取ったー!!」

さとみ「偉いわ律さん」

みらい「はい」ウンウン
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:14:51.04 ID:iZsL9/27o

和「はい、律」

ファサ

律「あ、あぁ・・・って結局タオル使うのかよっ!」

ゴシゴシ

和「憂が言ってたように、みんな半分くらい使って欲しかったのかもね・・・」

律「なんだよそれ・・・」

ゴシゴシ

和「さぁ・・・」

律「和、自分でやるからいいよ」

和「そう?」

律「あぁ、ありがと」

修治「みんなどこへ行くの?」

唯「旧開智学校だよ〜」

修治「エレナと愛ちゃんも?」

エレナ「そうですワ」

愛「はい」

修治「それじゃ俺も行くかな」

小麦「一人の観光は寂しいですからね〜」ニヤニヤ

修治「ち、違うわぃ」

紬「大移動ね〜」

憂「そうですね」

唯「ムーだね私たち」

澪「ヌーだろ・・・」

さとみ「ふふ」

みらい「クスクス」

唯「みらいちゃんも行けるの?」

みらい「はい、お昼までオフなんです」

唯「やった!」

憂「よかったねお姉ちゃん」

律「今は放ったらかしかよ」

和「寂しいの?」

律「違うっつの」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:15:45.18 ID:iZsL9/27o

―――――旧開智学校

律「」パシャッパシャッ

修治「建物しか撮らないの?」

律「ん?あぁ、記念写真はむぎが撮ってるし」

修治「ふ〜ん」

紬「わぁ〜、白と黒の色合いがキレイね〜」

憂「本当に・・・」

さとみ「えぇ、いいわねこんな学校に通えたら・・・」

紬「そうね〜」

律「おぉーい、早く入ろうぜー!」

紬「は〜い」

唯「おぉ、中はこうなってるのですね!」

澪「日本に居るのに日本じゃないみたいだ・・・」

みらい「ほんとですね・・・」

さとみ「ね、これ見て」

修治「んー?『義正』『初江』」

律「そばに明治の年号と日付もあるな・・・」

唯「なにかな〜?」

さとみ「多分二人は恋人同士だったんじゃないかな?」

憂「わぁ」キラキラ

和「いいわね・・・こういうのが残ってるなんて」

愛「二人は結婚できたのでしょうか・・・?」

小麦「う〜む、明治はお見合いや親同士の約束なんかで結婚してた時代だからね〜」
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:17:09.41 ID:iZsL9/27o

律「結ばれぬ愛だったのか・・・」ガックリ

さとみ「きっと2人は離れ離れになってもずっと想いあっていようって誓ったんだわ」

唯「おぉ、ロマンティック!」バシーン

和「なによそのポーズは・・・」

紬「その2人の孫がここで出会ってたりして・・・ね」ニコニコ

律「おぉ、ファンタスティック!」バシーン

エレナ「2人ともキマッテますワ〜」ジー

修治「うむ、ヒーローと間違えてしまいそうだ」

律「・・・」カァ

澪「恥ずかしいならやるなよ・・・」

律「そうだな・・・」

愛「ここは、教室が開放されているんですね」

唯「! いいこと思いついちゃった〜♪」ルンルン
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:21:25.93 ID:iZsL9/27o

唯「さぁ、みんな座るザマス」キリ

律「なんだ?」

唯「これから授業を始めるザマス」キリ

澪「どうしたんだ?」

唯「私語は厳禁ザマス」キリ

憂「座ってもいいのでしょうか・・・?」

小麦「いいみたいだよ〜」

律「しょうがない、付き合ってやるか・・・って!」

澪「むぎもう座ってる!」

紬「うふふ」

さとみ「なにしてるの?」

みらい「・・・?」

修治「え・・・」

唯「さぁ、みなさんも座るザマス」クイクイ

和「私のメガネ・・・」

愛「足元気をつけてくださいね・・・」

和「あ、ありがと・・・」

唯「みなさん座りましたザマスね」キリ

憂「は、はい」

紬「・・・」ワクワク

みらい「これから何を・・・?」

唯「せっかく学校に来たのですから、勉強をしますザマス。カメラが来ていますがお気になさらず」キリ

エレナ「・・・」フリフリ

唯「それでは教科書の34頁を開くザマス」キリ

律「普通に喋ってくれ」

唯「うん、分かった」

澪「切り替え早いな」

小麦「はい先生ー!私たち教科書持ってませーん!」

唯「もぅ、みんなここに何しに来たの〜?」ブー

律「観光しにだよ」

さとみ「さっそくグダグダね・・・」
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:23:11.53 ID:iZsL9/27o

修治「号令はしないのですか?」

唯「そうですね・・・まずは生徒会長を決めましょう」

澪「学級委員でいいんじゃないのか?」

律「いいんじゃないか?委員だけに」

澪「・・・」

愛「クスクス」

みらい「クスクス」

唯「そうですね・・・それじゃあ私が決めます」

和「・・・」

さとみ「あ・・・」

唯「和ちゃんは今メガネかけていないから、さとみちゃん!」

さとみ「・・・」フゥ

唯「・・・と見せかけて憂!」

憂「私?」

さとみ「・・・」

唯「・・・とみせかけて澪ちゃん!」

澪「えっ!?」

修治「そのフェイントに意味はあるのか・・・」

澪「そ、それじゃ授業お願しま」

唯「ちがうよ〜、起立、礼、着席だよ〜」

澪「え・・・、き、きりーつ!」

ガタガタ

唯「今なんて言ったの〜?」

澪「? きりーつ・・・?」

小麦「・・・?」

唯「きを取って下さい」

澪「りーつ」

律「うわ、くだらねぇ」

紬「唯ちゃん・・・これがやりたかったのね」

澪「」ヘナヘナ

律「先生ー、秋山さんがやる気を失くしましたー」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:24:14.40 ID:iZsL9/27o

唯「ごめんね澪ちゃん〜。じゃあ憂お願い」

憂「はい。起立」

ガタガタ

憂「礼」

ズバッ

憂「着席」

ガタガタ

唯「おぉ」キラキラ

律「いや、感動してないで授業してくれ」

愛「どんな授業するのでしょうか・・・」

律「どうせ音楽だよ」

唯「さて・・・どうしよっか?」

さとみ「行き当たりばったりだったのね・・・」

小麦「先生の得意な科目はなんですか?」

唯「音楽です」キリ

みらい「専攻はなにを・・・?」

唯「カ、カスタネットです!」

紬「・・・」

律「今までの2年間を失くしたのかお前は・・・」

さとみ「クスクス」

唯「カスタネットって意外と難しいんだよ。こうやって・・・うんた」

律「はいはい、分かったから唯はもうどいてろ」ポイッ

唯「あー」ヒュー

憂「お姉ちゃんこっち座って」ポンポン

唯「あい・・・」

修治「授業の内容は?」

律「え?私!?」

愛「楽しみです」

澪「どうせ唯と同じ音楽だよ」

律「む・・・」カチーン

小麦「火が点いたね〜」

律「・・・むぅ」シュウ

憂「消化されましたね・・・」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:25:49.46 ID:iZsL9/27o

和「唯、そろそろメガネ返して」

唯「はい、ありがと和ちゃん」

紬「はい!私やりたいです!」ビシッ

さとみ「えっ!?」

律「しょうがないなぁ〜、むぎに任命しようじゃないか」

紬「光栄です」フンス!

唯「和ちゃんもう一回貸して」

和「え・・・」

みらい「楽しみですね」

唯「はい、むぎちゃん」

紬「ありがと〜」スチャ

修治「メガネかけなきゃ教壇に立てないルールか」

紬「それでは相対性理論について述べるザマス」

唯「」ピキーン

小麦「」ピキーン

澪「」ピキーン

律「おぉ、数名凍ったな」

和「唯が思考停止したのは分かるけど、どうして澪まで凍るのよ」

憂「紬さんの口調にびっくりしたのではないでしょうか・・・」

さとみ「わ、わたしもびっくりした・・・」

紬「移動している物体は止まっている物体よりゆっくり時間が進むという理論なの〜・・・ザマス」

律「」ピキーン

みらい「」ピキーン

愛「勉強になります」

修治「あ、愛ちゃんやるな・・・」

愛「SF小説ではよく出てくる理論ですから」ニコニコ

和「そうね・・・」

紬「という事で光の速さは誰が観測しても常に一定なのね」

修治「くっ・・・」

和「抗ってるのね・・・」

エレナ「・・・」ジー

紬「光速で移動できる宇宙船に乗って10年旅をして、地球へ帰ってくると70年の時間が経っているの」

さとみ「浦島効果ね」

憂「昔話ではそういうお話多いですよね」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:27:12.66 ID:iZsL9/27o

修治「聞いたことあるな」

紬「そうなの、時間にまつわるおとぎ話は大抵そうじゃないかと推察されているわね」

和「もういいんじゃない?」

紬「特異点・・・あら?」

修治「みんなついていけないみたいだ・・・俺も危ない」

さとみ「ほ、他の授業ならみんな回復すると思いますよ」

紬「・・・そうね・・・それじゃ南国の話を一つ」

澪「・・・あ、口調が戻ってる」

和「おかえり、澪」

紬「私が聞いた話によるとね、とある国ではお茶・・・飲み物が日本で言う縁側に用意されているの」

唯「お茶!?」

律「ティータイム!?」

さとみ「おかえり唯ちゃん、律さん」

愛「用意されている・・・?家の主人が居なくても勝手に飲んでもいいのですか?」

紬「えぇ、急須のような入れ物に入ったお茶とコップとお茶請けのような食べ物もあるから、自由にお使い下さいって事ね」

みらい「いいですね・・・」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:28:01.03 ID:iZsL9/27o

小麦「ふむふむ」

憂「あ・・・おかえりなさい」

修治「どうしてそんな習慣があるの?」

紬「南国の暑い気候ともなると水分補給を頻繁にしなくちゃいけないでしょ?その為なの」

唯「おぉ、いいですな」

律「暑いとやってられないもんな〜」

紬「えぇ、だから暑い時はのんびりお茶でも飲んで、涼しくなったらまた働きましょう。という風習らしいわ」

エレナ「・・・フムフム」ジー

さとみ「おもしろ〜い」

澪「あぁ、いいな、そういうの」

紬「うふふ」

唯「むぎちゃん、それどこで知ったの〜?」

紬「あれ・・・?いつどこで知ったのかしら?」ハテサテ

和「インターネットで拾った情報じゃない?」

さとみ「なるほど」

修治「印象に残った情報でも得た方法は忘れちゃうよね」

みらい「そうですね・・・」

律「よぉーし、授業はもう終わりだ!」

紬「そうね〜、憂ちゃんお願い」

憂「はい。起立」

ガタガタ

憂「気をつけ、礼」

ズバッ

紬「まぁ」キラキラ

エレナ「バッチリ撮れましたヨー」グー
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:29:34.31 ID:iZsL9/27o

唯「おー!」

エレナ「そうデスカ、それなら私たちはこれで別れるネ」

澪「え・・・」

小麦「じゃあ、列車でね〜バイバーイ」フリフリ

紬「またね〜」フリフリ

みらい「私も仕事がありますので、これで失礼します」

唯「うん、まったね〜」

愛「私もこれで・・・」

修治「俺も・・・みんな後でね」

律「じゃ、列車でな〜」

和「上高地へ行くの?」

紬「そうなの〜」

澪「まだ時間あるから大丈夫」

唯「うん、大正池に行ってみたいんだ〜」

和「私、松本城へ行ってみるわ」

憂「和さん一緒に行かないの?」

和「松本城の方が興味あるのよ」

さとみ「それなら私も一緒に行っていいですか?」

和「えぇ、いいわよ」

律「唯はどうするんだ?」

唯「むむむ・・・」

澪「和とはいつでも一緒だろ?」

和「いつもじゃないわよ」

唯「か・・・」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:30:46.81 ID:iZsL9/27o
>>337
ごめんミスった
これ無しで・・・
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:31:34.96 ID:iZsL9/27o

さとみ「楽しかった〜」

みらい「私もです」ニコ

愛「はい」

修治「前半はコントだったけどね・・・」

律「よーし、続いて上高地へ行くぞー!」

唯「おー!」

エレナ「そうデスカ、それなら私たちはこれで別れるネ」

澪「え・・・」

小麦「じゃあ、列車でね〜バイバーイ」フリフリ

紬「またね〜」フリフリ

みらい「私も仕事がありますので、これで失礼します」

唯「うん、まったね〜」

愛「私もこれで・・・」

修治「俺も・・・みんな後でね」

律「じゃ、列車でな〜」

和「上高地へ行くの?」

紬「そうなの〜」

澪「まだ時間あるから大丈夫」

唯「うん、大正池に行ってみたいんだ〜」

和「私、松本城へ行ってみるわ」

憂「和さん一緒に行かないの?」

和「松本城の方が興味あるのよ」

さとみ「それなら私も一緒に行っていいですか?」

和「えぇ、いいわよ」

律「唯はどうするんだ?」

唯「むむむ・・・」

澪「和とはいつでも一緒だろ?」

和「いつもじゃないわよ」

唯「か・・・」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:32:05.10 ID:iZsL9/27o

紬「か・・・?」

唯「上高地へ行きます!」

和「そう、それじゃ気をつけてね」

律「和とさとみも列車の時間間違えるなよー」

さとみ「えぇ、分かったわ。それじゃ」

憂「後でね」

澪「律、あの二人に限ってそれはないだろ・・・」

律「いや、京都で迷ったじゃないか・・・」

唯「大丈夫だよ!」

憂「はい!」

律「そ、そうだな・・・」

紬「・・・」

澪「急に人が減ると・・・」

唯「寂しいよね」

紬「私たちも列車に間に合わなくなるわよ〜」

律「そだぞー、はいしゅっぱーつ!」

憂「おー!」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:34:05.36 ID:iZsL9/27o

律「そういやさ、駅に停車してた列車に」

澪「あぁ、あったな」

唯「なにが?」

律紬澪「「「 特急あずさが 」」」

唯「あずにゃんが!?」

憂「特急が付いてたよ、お姉ちゃん・・・」

律「このガイドを読んでいたらふと思い出した」

澪「なになに『大正4年に、焼岳が噴火してそのときにせき止められた梓川から、この池が出来た』」フムフム

憂「だから大正池なんですね」

紬「あずさちゃん今どうしてるのかしら・・・」

憂「用事があると言っていましたから」

唯「いつでも一緒にいるよ・・・あずにゃん」シミジミ

律「この池の下には当時の家が沈んでいるのかもしれないんだな」

澪「そ、そうか・・・」ガクガク

紬「今は観光名所になってるけど・・・」

憂「住んでいた人にはちょっとかわいそうな気がしますね」

唯「きっとお魚の棲家になってるよ〜」

澪「そうだな・・・それだとちょっと覗いてみたいかも」

憂「そうですね」

紬「・・・」

唯「・・・」

律「・・・そろそろ時間だな」

紬「そうね・・・」

唯「・・・」

澪「・・・」

憂「私も帰らなきゃ・・・」

唯「そうだね」

澪「うん、そうだな」

律「よし、駅に戻るぞ〜」

紬「・・・うん」

342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:35:06.21 ID:iZsL9/27o


憂「はい、和ちゃん。乗車証」

和「えぇ」

車掌「確認致しました」

憂「車掌さん、ありがとうございました」

和「私たちの我がままを快く受けてくださり、とても感謝しています」

車掌「そんなに固くなさらないでください、楽しんでくださればそれで充分です」ニコニコ

和「そう言っていただけると・・・」

憂「車掌さん、姉をよろしくお願します」ペコリ

車掌「はい、私どもにお任せ下さい」

和「・・・」

車掌「平沢憂さん、気をつけてお帰り下さいね」

憂「はい!とても楽しかったです。本音を言うともう少し乗っていたかったです」エヘヘ

和「憂・・・」

車掌「ふふ、私どもにはこれ以上のないのお言葉です。それでは失礼します」

憂「はい、お世話になりました」

343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:36:37.41 ID:iZsL9/27o

唯「・・・」

憂「・・・」

律「それじゃ、またね憂ちゃん」

憂「はい、また」

澪「気をつけてね」

憂「はい、みなさんもお気をつけて」

紬「一緒に観光できて楽しかったわ」

憂「はい、私もです!」

和「憂、ごめんね・・・」

憂「ううん、お姉ちゃんと少しでも旅ができて楽しかったよ。後はよろしくね和さん」

和「えぇ、任せて」

prrrrrrrrr

唯「うい、大丈夫?」

憂「うん、お父さんとお母さんが迎えに来てくれるから。安心して」

唯「そっか・・・」

憂「それでは、みなさん無事に帰ってきてくださいね」

律「任せとけー」

澪「あぁ、大丈夫」

紬「えぇ」

唯「じゃあね・・・」

和「お土産持って行くわ・・・」

憂「うん!」

タッタッタ

「じゃあねー、憂ちゃ〜ん!」

憂「あ・・・」ニコ

プシュー

憂「」ペコリ

ガタン ゴトン ガタンゴトン

「ふぅ〜危ない危ないヤバかった〜」

紬「・・・」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:38:10.66 ID:iZsL9/27o

律「あのぉ〜どちらさまですかぁ?」

澪「・・・」

「一日会わないだけで忘れちゃったのかなぁ〜?」

唯「・・・」ムス

律「記憶にございませんですな〜」

「あれれ?みんな怒ってるの?」

紬「さぁ・・・どうでしょうか」ムス

「むぎちゃんも!?」

和「あなたが山口星奈さんね」

星奈「えっ?」

唯「どうして星奈ちゃんの名前知ってるの?」

星奈「あなたは・・・?」

和「私は真鍋和。この子たちと同級生よ。・・・昨日梓に会ったのよ」

澪「梓と?」

律「どういう事だ?」

和「私が学校の用事を済ませているとき、けいおん部の部室からギターの音が聞こえたの」

星奈「・・・」

和「本当は私、ヴェガに乗るの断ろうと思ってて・・・」

唯「そうだったの・・・?」

和「えぇ、それを梓に伝えようと扉を開いたら・・・梓が一人でギター抱えて座っていたわ」

紬「あずさちゃん・・・」

和「夕日が差し込んでて幻想的だったわね・・・」

律「寂しそうじゃなかった?」

和「寂しそうというより・・・私の顔をみるなり嬉しそうにしてたわよ?」

澪「え?」

和「話し相手になってくれって・・・座らされたわ」

星奈「・・・」

和「珍しくたくさん喋っていたわね。道中の話、札幌、青森、仙台・・・東京」

律「へぇ・・・」

和「あなたの名前もたくさん出てきたわ・・・」

星奈「梓ちゃん・・・」

和「それを聞いたら乗ってみたくなってね・・・」

唯「そうだったのか〜」

紬「よかった・・・」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:38:53.75 ID:iZsL9/27o

澪「うん・・・」

律「そうだな」

星奈「うん、よかった・・・ちょっと気がかりだったからね・・・」

和「それから、これを星奈さんに渡してくれって・・・受け取って」

星奈「うん・・・これは?」

澪「梓が使っていたピック・・・」

律「・・・そっか」

星奈「へへっ、可愛いところあんじゃん」

唯「あずにゃんは全部可愛いよ〜!」

星奈「・・・そうだね〜」

和「渡せないかもしれないけどいいのか、と聞いたら『渡せるかもしれないからお願します』だって」

唯「おぉ、あずにゃんかっこいい!」

和「ふふ、妙に大人びていたわね」

星奈「そっか、ありがとう和」

和「私は運んで渡しただけ・・・、大した事してないわ」

唯「でも、和ちゃんが来てくれたから渡せたんだよ」

紬「そうね」

律「あぁ」

星奈「うん」

澪「そうだな」

和「ど、どうしたのよみんな・・・」

星奈「へへっ、みんなありがとう」

律「それで、だ。これはこれ、それはそれ・・・だよなぁ」

和「・・・?」

紬「そうね・・・」ムス

澪「・・・」

唯「ほんとだよ〜」ムス

星奈「あれれ?機嫌直ってくれないの?」

律「・・・」ツーン

星奈「えーと・・・和理由を教えてくれない?」

和「私は今朝来たばかりだから詳しくは知らないわね・・・」

紬「・・・」ムス

唯「・・・」ムス

律「・・・」ツーン

星奈「えーと・・・」アセアセ

澪「・・・ブフッ」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:40:04.68 ID:iZsL9/27o

和「澪・・・?」

澪「フフッフフフ、・・・らしくないよみんな」

紬「・・・ふふ」

唯「・・・へへへ」

律「・・・だな」

星奈「・・・えーと」

紬「うふふ」

唯「あははは」

律「へへっ」

澪「ふふっ」

和「・・・?」

星奈「え・・・」オロオロ

紬「ごめんね、星奈さん・・・」

唯「ごめんね〜」

律「なんか・・・星奈の顔みたら拗ねてしまった」

和「そういう事ね」

星奈「・・・」

澪「ふふ、でもあんな別れ方されたらびっくりしますよ」

紬「黙って降りたと思ってショックだったから・・・」

唯「そうだよ〜」

星奈「ごめ〜ん・・・手紙読んでくれたでしょ?」

律「あぁ、床に落ちていた手紙をな!」

星奈「あれ?車掌さんに渡したハズなんだけどな・・・?」

唯「手紙の言葉も足りないよ〜」

律「そうだぞー」

星奈「あはは・・・急いでたから気付かなかったや・・・」アハハ

紬「でも良かった・・・また会えて」

澪「うん・・・」

星奈「・・・なんかごめんね」

唯「ちゃんと別れを言えるから安心したよ〜」

和「・・・」
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:42:01.82 ID:iZsL9/27o

星奈「父さんと急に会うことになってさ・・・急がなきゃ間に合わなかったんだ」

紬「そうだったの・・・」

星奈「うん、全部はき出したよ。言いたい事も全部言った。ひどい言葉もかけてしまった」

澪「・・・」

星奈「それでも黙って聞いてくれた。ヴェガに乗らなかったら、そこで怒って帰ってたかもしれない」

律「・・・」

星奈「でも・・・冷静になって考える事ができた」

紬「・・・」

律「?」

星奈「あとでむぎちゃんから聞いてね」

紬「いいの?」

星奈「うん。もう大丈夫・・・とはまだ言えないけどさ、時間をかけて話あっていくよ」

紬「・・・」

唯「・・・」

澪「・・・」

星奈「みんなのおかげだよ〜ん。ありがとね!」

律「ご、ごめんな星奈・・・私たちそんな理由だと知らないで・・・拗ねたりなんかして」

紬「・・・ごめんなさい」

唯「ごめんね・・・」

星奈「・・・だ、抱きしめていいですか!?」ワキワキ

律「はぁ!?」

星奈「だって・・・だって・・・みんなすっごく可愛かったんだもん!」

律「子供をあやす親父かあんたは」

澪「ブフッ」

和「ふふ」

紬「うふふ」

唯「さ、かも〜ん」

星奈「いいの!?」

律「いいのかっ!?」

澪「ふふ、なにしてんだよ」

和「・・・そろそろ」

星奈「へへっ、みんなサンキュー」

紬「・・・」
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:43:26.49 ID:iZsL9/27o

星奈「和、ピックありがと。大事にするって伝えておいて!」

和「えぇ、分かったわ」

律「星奈ー」

星奈「どした?」

律「最後はハイタッチで別れようぜ」

星奈「お!いいねぇ」

律「・・・元気でな」

星奈「律も元気で」

パァン

律「へへ、じゃあな!」

星奈「うん、ありがと律!」

澪「せ、星奈・・・さん」

星奈「敬語直らなかったね〜」

澪「ご、ごめ・・・ごめん」

星奈「あっはっは、いいよ〜そのままの澪ちゃんでいこうよ」

澪「う、うん・・・。星奈さんと一緒にいて楽しかった」

星奈「うん、私も。楽しい時間だった」

澪「あ、あの・・・私もハイタッチ・・・したい・・・」

星奈「抱きしめても」ワキワキ

律「やめんか!」バシッ

星奈「あいたぁ!」

律「まったく」

星奈「わざわざ降りてきたのか・・・」

律「手つきがヤラシイんだよ!」

星奈「あはは、ごめんね澪ちゃん」

澪「ううん、それじゃあ」

星奈「うん」

パンッ

澪「ありがとう、星奈さん」

星奈「こっちこそありがとう。じゃあね」

律「乗るぞ澪」

澪「うん」
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:45:10.90 ID:iZsL9/27o

唯「わ、私も!」

星奈「よぉーし」

スカッ

唯「あれ?」

星奈「も、もう一度・・・」

スカッ

星奈「えぇー」

唯「・・・」ションボリ

星奈「じゃあ握手でお別れ」

唯「うん!」

ギュ

星奈「演奏の事嬉しかったよ」

唯「わ、私・・・星奈ちゃんと一緒に・・・いられて・・・」グスッ

星奈「ダメ」

唯「!」

星奈「笑顔で別れようよ・・・ね?」

唯「う、うん・・・」

星奈「唯ちゃんにはいつも笑ってて欲しいな〜、なんてね」

唯「えへへ、ありがとう」

星奈「よし。それじゃあ、バイバイ!」

唯「う、うん。とっても楽しかったよ。・・・バイバイ」グスッ

星奈「・・・」

紬「・・・」
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:46:32.58 ID:iZsL9/27o

星奈「あはは、無理強いはよくないか・・・うつっちゃいそうでヤバいんだよねぇ・・・」

紬「星奈さん・・・」

星奈「むぎちゃんはハイタッチと握手どっち?」

紬「両方・・・」

星奈「くっくっく、いつも予想の斜め上にいくよね」

紬「・・・そう?」

星奈「うん・・・。あ、良い意味で言ったんだよ?」

紬「・・・」

星奈「じゃ、ハイタッチから」

パァン

星奈「おぉ〜」

紬「・・・」

星奈「それじゃ、元気でね」

ギュ

紬「・・・」

星奈「・・・」

紬「・・・」

星奈「・・・どうして何も言ってくれないの?」

紬「あ・・・」

星奈「私は梓ちゃんも含めてみんなと出会えて、本当によかった」

紬「・・・っ」

星奈「飛行機を選ばないで・・・、ヴェガを選んで本当によかった」

紬「・・・うん」

ギュ

星奈「離してくれないとヴェガに乗れないよ?」

紬「・・・う・・・ん」
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:47:28.61 ID:iZsL9/27o

prrrrrrrrrr

星奈「・・・」

紬「・・・」

ギュゥ

星奈「しょうがないな〜、おいでむぎちゃん」

テクテク

紬「星奈・・・さん?」

律「なんだ?乗るのか?」

星奈「そんな訳ないでしょー?・・・律手伸ばして」

律「う、うん?」

星奈「左手だよ、むぎちゃんを引っ張ってあげて」

律「あ、うん」

星奈「むぎちゃん、手を握るのは私じゃないよ」

紬「あ・・・」

星奈「固っ!握力すごいな!」

律「むぎ・・・行くよ」

ギュッ

澪「むぎ・・・」

唯「むぎちゃん」

星奈「よし・・・はい、乗った乗った!」グイグイ

紬「せ、星奈さん・・・」

星奈「むぎちゃん、バイバイ!」

プシュー

星奈「」ブイッ

ガタン ゴトン ガタンゴトン 

和「梓が懐く理由が分かったわ・・・」

律「なんだよ・・・今の別れ方・・・っ」

澪「あはは・・・変・・・だよな」グスッ

唯「ぅ・・・うん・・・でも・・・っ・・・星奈ちゃん・・・らしかった」グスッ

紬「星奈さん・・・さようなら・・・」

352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:54:05.68 ID:iZsL9/27o

―――――展望車

修治「そっか・・・」

紬「えぇ、だから心配いらないわ」

修治「うん、ありがと」

律「いいって事よ・・・って、なんで修治が関わってるんだよ?」

紬「色々あったのよ〜」

律「い・・・色々?」

唯「りっちゃん・・・聞くだけ野暮ってもんですぜ」フッ

律「えぇい!さっきまで泣いてたやつに言われたくねぇ!」ムニー

唯「ふぁいえふぁいほん!」

澪「さっきまでのしんみりモードはどこへ行ったんだよ・・・」

律「・・・で?星奈となにがあったんだ?」

修治「ちょっとギクシャクしてただけだよ」

律「あっそ」

修治「興味ないのになぜ聞いた!?」

澪「私も詳しく知らなかったな・・・演奏のお礼ってそういう意味だったのか・・・」

紬「えぇ・・・」

唯「・・・」

修治「・・・」

律「・・・」

修治律「「 あのさっ 」」

唯「?」

修治「・・・どうぞ」

律「いや、そっちが早かったから・・・どうぞ」

修治「いや、俺のは大した用事でもないから・・・」

律「私だってそんな大した案でもないぞ・・・」

紬「案?」

澪「沈んだ空気をなんとかしたい・・・だな」
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:55:02.66 ID:iZsL9/27o

唯「おぉ、さすが澪ちゃん」

修治「なるほど」

律「なっ・・・修治はなんて言いかけたんだよ?」

修治「ご、娯楽車で・・・ごにょごにょ」

律「娯楽車まで言っておいて尻すぼみすんなよ・・・」

修治「娯楽車で・・・面白い人を見かけたんだよ」

律「・・・おまえ最近アホみたいだぞ」

修治「見つけたらダメなのかよ」

律「そんな報告いらねーよ!」

ギャーギャー

澪「二人放っておいて私らだけで行こうか」

唯「そうだね〜」

紬「行きましょう」

和「終わったようね・・・」

唯「あ、和ちゃんどこ行ってたの?」

和「立ち入った話になりそうだから席を外したのよ」

唯「そうなんだ」

紬「和ちゃんも娯楽車行かない?」

和「娯楽車?面白そうね」

澪「おぉ、乗り気だ・・・」

ギャーギャー

和「そこで騒いでいる二人はいいのかしら?」

唯「寂しさ紛らわせているだけだよ、そっとしておこうよ〜」

澪「そういう事」

紬「うふふ、行きましょ〜」

テクテク

修治「・・・引っ込みづらかったからしょうがないだろ」

律「あのおかげで私が・・・恥を・・・・ハックシュン!」

修治「・・・?」

律「・・・は、ハックシュン!」

修治「・・・大丈夫か?顔赤いぞ・・・?」

律「なんか・・・急に寒気が・・・」ブルブル

修治「ちょっと待ってろ、車掌さん呼んでくるから」
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:56:59.94 ID:iZsL9/27o

和「割と簡単ね」

唯「和ちゃんすごーい!」

和「唯にあげるわ」

唯「ありがたき幸せ」

和「ふふ、なによそれ」

澪「どうした?」

唯「みてみて澪ちゃん!ナマズ人形!」

澪「え・・・」

紬「まぁ、可愛いわ〜」

澪「え・・・?」

和「私は・・・そこまで褒められないわね」

澪「・・・」ホッ

紬「あっちのキツネも」

修治「・・・」イソイソ

タッタッタ

紬「?」

唯「あれ?修治くん?」

和「私たちに気付かず行ったわね」
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:58:03.11 ID:iZsL9/27o

澪「律となにかあったのかな?・・・ちょっと見てくる」

律「・・・なにしてんだ〜?」フラフラ

澪「あ・・・」

紬「りっちゃん、顔真っ赤よ?」

和「どうしたのよ・・・」

澪「・・・」スッ

律「澪の手はヒンヤリ冷たくていい感じだ〜」ボケー

澪「風邪ひいたな・・・」

唯「なんと!」

紬「唯ちゃん!私の後ろに!」

唯「はいよ!」ササッ

律「なんだよ〜人を病原菌みたいに〜」

澪「みたい、じゃなく・・・そのものだぞ」

和「そこまでじゃないわよ」

修治「・・・なんでここに居るんだよ、じっとしてろって」

車掌「あらあら、大変。個室へお運びします。さ、田井中さん」

律「ありがと・・・」ボケー

澪「わ、私も行きます」

紬「・・・」

唯「大丈夫かなりっちゃん・・・」

和「・・・」

修治「・・・うーん」
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:59:23.59 ID:iZsL9/27o

ピピピ

律「・・・」スー

車掌「38.4℃・・・ですね」

澪「そうですか・・・」

車掌「水とタオルを用意してまいります」

澪「ありがとうございます」

ガチャ

車掌「あら・・・、どうぞ中へ」

和「失礼するわね」

澪「和・・・?」

和「タオルと水持ってきたわ」

律「・・・唯は・・・?」

和「むぎと一緒よ」

律「部屋に入れないでくれよ・・・」

澪「あぁ・・・」

和「えぇ、大丈夫よ」

律「ちょっとだけ寝る・・・」モゾモゾ

澪「和、私がやるよ」

和「任せたわ・・・なにかあったら呼んでちょうだい」

澪「うん、ありがと」

車掌「それでは後ほど・・・」

澪「車掌さんもありがとうございます」

車掌「いえ・・・それでは」

バタン
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:00:39.91 ID:iZsL9/27o

紬「・・・どうだった?」

唯「・・・」

和「澪が看病してくれるから平気よ」

唯「そっか〜」ホッ

車掌「お聞きしてもよろしいでしょうか」

和「なんでしょう・・・?」

車掌「平沢さんの件はどういう意味でしょうか?」

和「・・・去年の学園祭直前に律が風邪をひいて・・・見舞いに行った唯にうつしてしまった。という前例がありますので」

唯「あの時はみんなに迷惑かけちゃって・・・同じ轍は踏みません!」フンス!

紬「偉いわ唯ちゃん」

車掌「なるほど」クスクス

唯「でへへ」

車掌「不謹慎ですね。失礼致しました」

紬「いえいえ」

和「・・・」

車掌「私も田井中さんの回復に専念いたしますので、なんなりと仰せ付けください」

唯「いつもありがとうございます!」

紬「ありがとうございます」

車掌「後ほど様子を伺いに参りますので、私はこれで失礼します」

和「はい」

唯「温泉でハシャギすぎちゃったかなぁ」

紬「その後に水も被ってしまったから・・・」

和「運が悪いとしか言えないわね・・・」

唯「そういえば、なんだかりっちゃんだけ悪い事が起きているような・・・?」

紬「唯ちゃん、気のせいよ・・・」

和「そうよね。・・・ここにいてもしょうがないから移動しましょ」

唯「そだね〜」

紬「・・・」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:02:00.30 ID:iZsL9/27o

みらい「やっほー!元気してる?みらいだよー!」

唯「あ、みらいちゃん」

みらい「おやおや元気が無いぞー!」

唯「ううん、元気だよ!」

和「・・・」

みらい「そっか!・・・ところでこの服どうかな・・・?」

唯「車掌服だよね、似合ってて可愛いよ〜」

みらい「そっかな〜、子供っぽいって言われたんだけど・・・」

紬「可愛いわよ〜」

みらい「そっかー!やっぱりそう思うよね!みらいは何を着ても似合うのだ!」イェイ

唯「うんうん!」

みらい「そんなみらいを応援してねー!」

唯「はいよー!」

AD「ハイ、カットー!」

みらい「あ、はい・・・」

AD「みらいちゃん次いくよ〜」

みらい「みなさん・・・お騒がせしました・・・」

和「いいのよ撮影中だったんでしょ?」

みらい「はい・・・そういっていただけると・・・。あの、唯さん・・・?」

唯「うん?」

みらい「どうしたのかな、と思って・・・」

唯「えぇと・・・」

将人「みらい!何をしている!スタッフを待たせるな!」

みらい「は、はいマネージャー!それでは失礼します」ペコリ

唯「うん、頑張ってね〜」

紬「唯ちゃんの変化にすぐ気付いたのね」

和「みらいの察知能力が高いのか、唯があからさまなのか・・・」

唯「ん〜?」

359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:03:16.34 ID:iZsL9/27o

和「ここは座席が赤なのね・・・」

紬「えぇ」

唯「」スヤスヤ

和「立て続けにたくさんの事があったから、さすがに疲れたみたいね」

紬「うふふ、そうね」

和「むぎは・・・?」

紬「え・・・?」

和「むぎは大丈夫?」

紬「大丈夫よ」

和「・・・そう、私はいいけど、この子たちの前では・・・」

紬「・・・えぇ」

さとみ「あら?」

紬「あら」

さとみ「ふふ、可愛い寝顔ね・・・あっ!」

和「しずかに・・・」

唯「う・・・ん・・・」

さとみ「あ、ごめんなさい・・・」

唯「」スヤスヤ

紬「・・・どうしたの?」

さとみ「唯ちゃんの持ってる人形」キラキラ

和「ナマズ人形?」

さとみ「それ、どこで・・・?」キラキラ

紬「娯楽車の景品ですよ?」

さとみ「そうなんだ・・・私、ゲーム苦手だからなぁ・・・」ションボリ

和「とってあげましょうか?」

さとみ「ぜひっ!」キラキラ

和「それじゃ、ちょっと行ってくるわね」

紬「えぇ、唯ちゃんは任せて」

テクテク

唯「」スヤスヤ

紬「・・・」

唯「ゲル状ってなぁにぃ」ムニャムニャ

紬「まぁ・・・そんな台詞が出る夢って・・・気になる・・・」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:04:54.09 ID:iZsL9/27o

さとみ「ありがとう、和さん」キラキラ

和「いいわよこれくらい・・・。そんなに好きなの?」

さとみ「これ今学校じゃ流行っているのよ?」

和「へ、へぇ・・・」

さとみ「あら」

和「むぎも疲れていたのね」

紬「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

和「気を抜きすぎよ二人とも・・・」

さとみ「私も座っていいかな?」

和「どうぞ」

さとみ「ふふ、不思議な人ですよね」

和「どっち?」

さとみ「5人・・・いや和さん入れて6人か」

和「私も入るのね」

さとみ「もちろん」クスクス

小麦「やっほー!」

エレナ「なにをしてるデスカ?」

和さとみ「「 シー 」」

小麦「おっと」

エレナ「オー・・・、可愛い寝顔撮っちゃいますネ」

和「ちょっと、ダメよ」

さとみ「口がニヤけてますよ?」

和「目は怒っているでしょ?」

エレナ「ショウニンthanksネ〜」ジー

小麦「プクク」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:05:32.27 ID:iZsL9/27o

唯「う・・・ん・・・」

紬「・・・ん・・・」

和「・・・」

さとみ「・・・」

小麦「・・・」

エレナ「・・・」

唯「さんかく・・・」ムニャムニャ

紬「じょうぎでも・・・」ムニャムニャ

和「共有してるのかしら」

小麦「ぐふっ」ダダダ

さとみ「堪え切れなくなったのね・・・」

エレナ「貴重な映像頂戴したネ。それでワ〜」

和「えぇ・・・」

さとみ「・・・」ニコニコ

和「そんなに嬉しいの?それ・・・」

さとみ「それもあるけど・・・」

和「?」

さとみ「楽しいな、と思って」

和「そうね、色んな所へいけるものね」

さとみ「えぇ、私を知らない人とたくさん話ができるのも楽しいわ」

和「・・・?初対面の人の方が話しやすいって事?」

紬「」スヤスヤ

さとみ「ううん、そうじゃなくて・・・特別視しないって事・・・」

和「よく分からないわね・・・」

さとみ「あ、ごめんなさい・・・変な話しちゃって・・・」

和「別に謝ることじゃないわ」

さとみ「・・・」

唯「」スヤスヤ
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:06:33.69 ID:iZsL9/27o

和「特別視されるのが嫌っていうなら・・・」

さとみ「・・・?」

和「・・・むぎを見てるといいわ」

紬「」スヤスヤ

さとみ「むぎさん・・・を?」

和「えぇ」

さとみ「ふむ・・・」ジー

紬「」スヤスヤ

唯「・・・う〜ん」モゾモゾ

ズル

和「あ・・・」

ゴン

紬「・・・いたっ」

唯「・・・たっ」

さとみ「頭を・・・」

和「おはよう二人とも」

唯「・・・?朝?」

さとみ「これは夕日よ」

紬「あいたた」ヒリヒリ

和「唯がズレてむぎの頭にぶつけたのよ」

唯「・・・ごめんねむぎちゃん」

紬「いいぇ、おかげで目が覚めたわ・・・ふぁ」

さとみ「どんな夢を見ていたか覚えてる?」

紬「・・・澪ちゃんが出てきたような・・・?」

唯「りっちゃんが・・・?」

和「・・・それで?」

紬「面積を測ってた・・・?」

唯「三角関数を解いてた・・・?」

和「一応繋がっているのね」

さとみ「えっ!?」
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:07:52.52 ID:iZsL9/27o

和「ところで、むぎは金沢でどこへ行くか決めた?」

紬「ううん、まだなの〜」

唯「澪ちゃんが兼六園に行きたいと言ってたよ」

さとみ「日本三大名園の一つね」

唯「あ、でもりっちゃんの事もあるから・・・」

和「そうね、様子見って所かしら」

さとみ「? 律さんがどうかしたんですか?」

紬「風邪をひいてしまったの」

さとみ「そうなんですか・・・」

唯「今澪ちゃんが看病してるんだ」

さとみ「・・・よし、私売店行ってくるね」ガタ

和「どうしたのよ、急に」

さとみ「お見舞いにフルーツでもあれば・・・と思って。それじゃ」

スタスタ

紬「気を使わせてしまったかしら」

和「いいんじゃない?自分で考えて決めた事よ」

唯「和ちゃん、さとみちゃんと仲良くなるの早いね」

紬「私もそう思った」

和「そう?」

唯「うん!」

和「なんで嬉しそうなのよ」

唯「いえいえ、深い意味はないのですよ」

紬「うふふ」

和「・・・まぁいいわ」

唯「むぎちゃんは次の金沢で折り返し地点になるよね!」

紬「そういわれてみればそうね〜」

和「今までの旅はどうだった?」

唯「ご感想をどうぞ」

紬「そうね・・・」
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:09:43.87 ID:iZsL9/27o

和「・・・」

唯「・・・」

紬「・・・・・・」

和「・・・?」

唯「むぎ・・・ちゃん?」

紬「・・・過ぎ去った場所も、きっとこれから出会う人も」

和「・・・」

紬「たくさんの大切なものを、みんなと一つ一つ結ぶために」

唯「・・・」

紬「行動していると実感できるから・・・とても楽しいわ」ニコ

和「そう・・・」

唯「・・・」ジーン

紬「ふふ、なんてね」

和「・・・杞憂だったみたいね」

紬「え?」

和「ちょっと疲れた顔してたから・・・少し気になってたのよ」

紬「・・・」

唯「むぎちゃん!」

ギュッ

紬「な、なぁに?」

唯「私はとても感動しました!」ウルウル

紬「うふふ、恥ずかしいわ〜」テレ

和「ふふ」

唯「こうしちゃいられないよ、私売店で観光ガイド買ってくる!」

テッテッテ

紬「あらあら」

和「・・・むぎ、少し案内してくれないかしら?」

紬「えぇ、行きましょう〜」
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:11:02.37 ID:iZsL9/27o

唯「金沢の観光ガイドを一つくださいな」

ちひろ「はい、どうぞ〜」

唯「よし、これで金沢は完璧だよ!」フンス!

ちひろ「そうですね〜。あ、そういえばお客さん?」

唯「ん〜?」

ちひろ「みらいさんとぉ〜」

唯「みらいちゃんと?」

ちひろ「すっごく仲良しさんですよね〜」

唯「そう見えますかな」キリ

ちひろ「はい〜」

唯「でっへっへ〜」

ちひろ「あ、そうだ。これ田井中さんに使ってください〜」

唯「え、これ・・・」

ちひろ「はい、おでこに貼るやつですよ〜」

唯「いいの?」

ちひろ「はやく元気になってほしいですから〜」

唯「わー、ありがとー!」

テッテッテ

ちひろ「またいらしてくださいね〜」
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:12:22.53 ID:iZsL9/27o

唯「・・・りっちゃん大丈夫かなぁ」

ガチャ

澪「・・・」

バタン

唯「あ、澪ちゃん」

澪「唯・・・」

唯「澪ちゃん、これ売店のちひろちゃんが使って下さいって」

澪「あ、あぁ。あとでお礼言わなきゃな」

唯「りっちゃんどう?」

澪「少し熱が高いままかな。今車掌さんが看てくれてる。気分転換してきてくださいってさ」

唯「そっか〜」

澪「これ、後で渡そうな」

唯「うん・・・」

澪「そんなに心配しなくていいよ。車掌さんも咳はないからすぐ治まるだろうって」

唯「そっか」

ガタンゴトン ガタン

澪「糸魚川駅に着いたみたいだな」

唯「うん、降りてみようよ」

澪「そうだな」

プシュー

唯「ほいっ」ピョン

シュタッ

澪「よっ」ピョン

シュタッ

唯「糸魚川!」

澪「夕陽がキレイだ・・・」

唯「ほんとだ〜」

修治「よっと」

唯「おや修治くんも降りたんだね」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:13:48.29 ID:iZsL9/27o

修治「夕陽が美しくてね」キリ

澪「・・・」オロオロ

唯「・・・」

修治「ノーリアクションが一番堪えるんだよ?」

澪「そ、そうですね。キレイですね」アセアセ

唯「ほんとだ〜」

澪「唯・・・同じリアクションしなくても・・・」

修治「・・・ま、まぁいいや。それじゃね」

唯「うん、バイバーイ」ブンブンッ

修治「いや、駅の売店行くだけだから・・・」

タッタッタ

澪「また明日。みたいなノリだったな」

唯「修治くんどうして駅の売店に行くんだろ?」

澪「さぁ・・・」

愛「あ、あの・・・」

唯「おや、愛ちゃんではないか」

澪「どうしたの?」

愛「は、はい・・・あのですね」ソワソワ

唯「愛ちゃん落ち着こうよ!」

澪「そうだな、まずは深呼吸だ」

愛「は、はい・・・すぅー、はぁー」

唯「よし。なんの用ですかな?」

愛「は、はい。カ、カメラのシャッターを押してほしいんです」

澪「いいよ」

愛「あ、ありがとうございます」

唯「これぐらいお安い御用だよ〜」

澪「うん」

愛「は、はい。これでお願します」

唯「おっけ〜」

澪「私が撮るよ」

愛「は、はい」

澪「それじゃ、いくよ。はい、チーズ」カシャ

愛「わぁ・・・なにも無くてよかった」
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:15:04.29 ID:iZsL9/27o

唯「どういう事?」

愛「私が写真を撮ると必ず三脚が倒れたりスカートがめくれたりするんです」

澪「そ、そうなんだ・・・」

愛「はい、三枚に一枚は心霊写真だったり・・・」

澪「」

唯「それはスゴイ確率だね〜」

愛「はい、だから今回はなにもなくてよかった・・・澪さん?」

澪「」

唯「澪ちゃんは怖いものが苦手なんだ〜」

愛「そ、そうですか・・・すいません」

唯「大丈夫だよ〜。しばらくしていれば元にもどるよ〜」

澪「」

愛「はぁ・・・そうなんですか・・・」

唯「あ、和ちゃんとむぎちゃん」

和「唯たちも降りてたのね」

紬「澪ちゃんはどうしたの?」

愛「私の写真をとったばっかりに・・・」

唯「心霊写真かもしれないんだって」

和「よく分からないけど、大体分かったわ」

紬「そうね〜」

澪「」

さとみ「みんな状況を飲み込むのが早いわよね・・・」

愛「あ、さとみさん」

唯「さとみちゃんも降りたんだね」

さとみ「えぇ、夕陽がキレイだったから」

紬「私たちもそうなの」

和「そうね中々みられない美しさね」

唯「みんなで同じものをみて、気持ちを共有するなんていい事だよね」

愛「はい・・・」
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:17:06.49 ID:iZsL9/27o

さとみ「みんなしずかに・・・」

紬「・・・?」

さとみ「耳をすますと・・・」

澪「ヒッ!」

チリンチリーン

さとみ「虫の声が・・・」

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル

和「幽霊の声じゃなくて虫の声よ、澪」

紬「ほんとね・・・」

唯「ほんとだ〜」

澪「ほ・・・ほんと?」

愛「はい」

さとみ「誰に聞いて欲しくて鳴いているんだろ・・・」

チリンチリーン

和「哲学的な問いね」

愛「私たちにでしょうか・・・?」

唯「他の虫に知らせるためだよ!」

澪「寂しくて鳴いているのかも・・・」

紬「この子はトランペット担当ね」

唯「なるほど、吹奏楽部ですな。これから演奏会を」

和「変な流れにしないでちょうだい」

さとみ「ふふ、でもこれを明日聞くのは別の人なのよね・・・」

愛「私たちは明日違う場所にいますから・・・」

さとみ「ここの空気を吸えるのは今だけ」

唯「そう考えるととっても大切な時間に思えるね!」

紬「そうね〜。今のうちに思いっきり吸っておきましょうか」

さとみ「うーーーーーん、と」ノビノビ

唯「おぉ、気持ち良さそう!私もやる!」

紬「私も!」

澪「そうだな」

唯紬「「 うーーーーーん、と 」」ノビノビ

澪「うーーーん、うん?」

さとみ「シー」ササッ

愛「?」

和(おちゃめな所もあるのね)
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:18:30.29 ID:iZsL9/27o

唯「あれ!?さとみちゃんがいないよ!!」

紬「あらほんと〜」

澪「かくれんぼ・・・かな」

愛「そうみたいですね」

ガサガサッ

唯「フフフ、私の推理によれば・・・さとみちゃんはそこにいます!」ビシッ

ガサッ

「にゃーん」

唯「・・・」シーン

和「ネコになったのね」

紬「あらあら大変」

愛「怪奇現象ですね」

澪「大丈夫。可愛いから大丈夫」

唯「・・・」

和「どうするのよ唯?」

「にゃん?」

唯「連れていきます」ダキッ

さとみ「ちょっと待ったー!」

唯「な、なんと!?」

紬「さとみさんが二人!?」

澪「むぎ・・・わざとやってるんだよな?」

さとみ「そんなわけないでしょ!私はここに隠れていたのよ!」

愛「そうですよね」

和「ちゃんと探してあげなさいよ・・・」

「にゃーん」ゴロゴロ

唯「さとみちゃん可愛い〜♪」ゴロゴロ

紬「ネコじゃらしですよ〜」フリフリ

さとみ「・・・」

和「そのうち慣れるわ」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:19:40.77 ID:iZsL9/27o

愛「あ・・・」

修治「みんなどうしたの?そろそろ出発だよ?」

さとみ「修治くんこそどうしたの?」

修治「駅の売店で買い物・・・はい、秋山さん」

澪「え?」

修治「律にお見舞い」

愛「・・・?」

澪「は、はい・・・わざわざありがとうございます」

さとみ「売店車には無かったの?」

修治「うん、売り切れてたからさ」

和「さとみも買いに行ったのよね?」

さとみ「うん・・・その時はまだ果物類残ってたけどな」

澪「もう一度お礼を。さとみさん、桃ありがとうございました」

さとみ「いえいえ、律さんには早く元気になって欲しいですから」ニコ

愛「律さんが・・・どうかしたんですか・・・?」

修治「あ・・・うん。風邪をひいてね・・・」

愛「!」

澪「気をつかわなくていいからね、愛さん?」

愛「わ、私失礼します」

テッテッテ

和「・・・?」

修治「・・・」

澪「・・・」
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:20:16.42 ID:iZsL9/27o

「ふふ、マヤも喜んでいるみたい」

マヤ「にゃんにゃん」

唯「ほれほれほれ〜」

紬「こっちよ〜マヤちゃ〜ん」

和「こっちはこっちで何をしているの?」

「動物病院に行った帰りなんですけど、かごから抜け出してしまって・・・」

さとみ「だから駅内にネコがいたんですね」

「はい。遊んでもらって嬉しそうです」ニコニコ

唯「こっちだよ〜マヤちゃん」

マヤ「にゃん」

紬「こっちですよ〜」

マヤ「にゃにゃん」

「二人ともネコの扱いに慣れているみたい・・・」

澪「あぁ・・・はい。いつも一緒にいますから」

和「いい得て妙ね」

さとみ「?」

修治「そろそろ時間だよ」

「さぁマヤ、みなさんにお別れしましょうね」

マヤ「にゃーん」

唯「はぅ」

紬「うぅ」

澪「さ、乗るぞ」

さとみ「乗りましょ」

prrrrrrrrrrr

和「行くわよ」

紬「バイバイ、マヤちゃん」

唯「バイバーイ」

マヤ「にゃん」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:25:46.37 ID:iZsL9/27o


けさみ「澪さ〜ん」

澪「えっ?あ、食堂車の・・・」

けさみ「料理長がこれを渡せば分かるって・・・」

澪「あ・・・律にですか?」

けさみ「はい」

澪「あ、ありがとうございます」

けさみ「いえいえ、はやく元気になってくださいとお伝え下さい」

澪「は、はい分かりました」

けさみ「ではでは〜」

タッタッタ

澪「温かいうちにとどけるか・・・」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:27:47.37 ID:iZsL9/27o

コンコン

「はい」

澪(あれ・・・?)

ガチャ

愛「あ・・・澪さん・・・」

澪「邪魔するね」

愛「は、はい」

バタン

澪「車掌さんは?」

愛「私と入れ替わりになりました」

澪「そっか」

愛「律さんにですか?」

澪「そうなんだけど・・・」

律「」スー

澪「寝てるみたいだな」

愛「はい・・・」

澪「後で温めなおしてもらうか・・・」

愛「・・・」

澪「りんご・・・愛さんが?」

愛「はい・・・」

澪「ありがと」

愛「・・・」

澪「愛さん、律は私が看ているから・・・」

愛「いいえ・・・私のせいですから」

澪「そんなこと・・・」
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:29:45.51 ID:iZsL9/27o

愛「私が近くにいたから転ばせてしまうし、水もかけられてしまうんです」

澪「・・・」

愛「そのせいで楽しい旅行の途中にも風邪をひかせてしまって・・・」

律「」スー

愛「申し訳なくて・・・」

澪「・・・」

愛「・・・わたしなんて・・・いなければ」

澪「愛さん」

愛「!」ビクッ

澪「それを聞いたら誰が傷つくか分かる?」

愛「・・・」

澪「愛さんを笑わせようとしてた律だよ」

律「」スー

愛「・・・っ」

澪「私も・・・悲しくなった・・・」

愛「・・・ご、ごめ・・・っ・・・なさ・・・」

澪「・・・」

愛「で、でも・・・わたしっ・・・迷惑・・・っかけて・・・」

澪「・・・」

愛「心配も・・・っ・・・かけて・・・」

澪「・・・」

愛「いつ・・・も・・・誰かに・・・っ・・・嫌な・・・思いを・・・っ」グスッ

澪「『迷惑かけるのはいいけど心配かけるな』・・・」

愛「・・・」グスッ

澪「律はああいったけどさ、本当はどっちもかけていいんだと思う」

愛「・・・」

澪「迷惑かけても、心配かけても、いいんじゃないかな」

愛「・・・」

澪「だって、私たち友達だから」

律「」スー

愛「・・・ぅ・・・っ・・・」ボロボロ

澪「ね?」

愛「・・・はい、・・・ありがとう・・・澪さん・・・」グスッ

澪「私も律に心配かけているから・・・」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:31:01.95 ID:iZsL9/27o

愛「・・・」

澪「迷惑かけられているけど」

愛「・・・ふふ」グスッ

澪「ふふ」

愛「でも・・・どうして律さんは・・・」

澪「・・・律は・・・周りを楽しませることを最優先にするヤツだから・・・」

愛「不思議な人です・・・私顔洗ってきます・・・」

澪「うん」

ガチャ

愛「・・・が羨ましいです」

バタン

律「」クンクン

澪「・・・?」

律「いい匂い」

ガバッ

澪「犬か。・・・急に体起こすと辛くないか?」

律「ちょっとだけな・・・誰かいたの?」

澪「愛さんが看ててくれたんだぞ」

律「そっか・・・気にしてなかった?」

澪「早く元気になってくださいって」

律「そうか・・・」

澪「・・・」

律「それ・・・なに?」

澪「コックさんが作ってくれたおかゆとスープ。食べる?」

律「食べる」

澪「ちょっとまって、そっちもっていくから」

律「・・・」ボケー
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:32:37.06 ID:iZsL9/27o

澪「後で食べてもいいんだぞ?」

律「温かいうちに食べたい」

澪「・・・はい、どうぞ」

律「あーん」

澪「なんのマネだ?」

律「食べさせて」

澪「・・・恥ずかしくないのか?」

律「ぜーんぜん」

澪「うわ・・・熱で思考回路おかしくなってるぞ」

律「あー」

澪「ほ、ほら・・・」

律「ん・・・もぐもぐ」

澪「どう?」

律「・・・うめぇ」

澪「そうか・・・」

律「料理長すげぇな」

澪「そうだな、はい」

律「ん・・・もぐもぐ」

澪「なんか・・・」

律「ん?」

澪「恥ずかしくなってきたんだけど・・・」

律「そうか?」

コンコン

澪「ほら」

律「ん・・・もぐもぐ」

ガチャ

澪「はい」

律「あー」

紬「りっちゃ・・・まぁ」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:33:29.70 ID:iZsL9/27o

律「ん・・・もぐもぐ。うめぇ」

澪「スープ飲む?」

律「飲む」

澪「はい」

律「ん・・・これ前に言ってたやつかな」

紬「・・・」キラキラキラキラ

澪「前?ほら」

律「ん・・・栄養満点のスープってやつ」

澪「コックさんにお礼言わないとな。はい」

律「ん・・・ぐふっ、げほっげほっ」

澪「こら、ゆっくり飲まないから・・・」

律「む、むぎ・・・」

澪「えっ!?」

紬「うふふ」キラキラキラキラキラキラ

バタン

澪「ちょっ、むぎ!!」

律「あー・・・」

澪「ど、どうしよう!?」

律「・・・任せる」ズズー

澪「な、なんて言えばいいんだよ」

律「適当に・・・よろしく」モグモグ

澪「食欲はあるんだな・・・」

律「あー、お腹いっぱいもう寝ー・・・ちゃお・・・」

379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:41:02.75 ID:iZsL9/27o

紬「うふふ」キラキラキラキラ

唯「むぎちゃん、りっちゃんどうだったー?」

和「・・・?」

紬「うふふ」キラキラキラキラ

唯「中でなにかあったんだね!?」

和「どうしたのよ?」

紬「うふふ」キラキラキラキラ

唯「私見てみるよ!」

和「唯はダメよ」

唯「そんなぁ」

紬「うふふ」

和「・・・」

ガチャ

紬「和ちゃんそぉーっとね。そぉーっと」ヒソヒソ

和「そぉー・・・っと」

ソォー

紬和「「 あ 」」

澪「なにしてるんだ?」ドドン

ソォー

バタン

紬「あ、そうだわ私ギターの練習しなくちゃ」

唯「持ってたの!?」

和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」

唯「どこの生徒会行くの!?」

スタスタスタスタ

唯「なんで早足なのー!?」
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:41:48.66 ID:iZsL9/27o

ガチャ

澪「まったく・・・」

律「みおー・・・」

澪「ん?」

律「ありがと」

澪「・・・うん、おやすみ」

バタン

澪「・・・」

唯「澪ちゃん!何があったの!?」

澪「聞かないでくれ・・・」

唯「うわ〜ん、気になる〜!」

澪「・・・はぁ」

唯「・・・りっちゃんどうだった?」

澪「あぁ、全部食べたし、薬も飲んで寝たからすぐ元気になるよ」

唯「そっか〜、よかった〜」ホッ

澪「・・・心配かけて、かけられて。・・・だよな」

唯「・・・?」

澪「なんでもない。しばらくはそっと寝かせておこうな」

唯「はいよ!」
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:07:39.42 ID:IS6QcV1yo

紬「私は行ける所まで行ってみようと思ってます〜」

みらい「そうなんだ!キミの好奇心はすごいね!これからもそのままのキミでいてくれたまえ!」

紬「ありがと〜」

「カットー!」

唯「むぎちゃんどうしたの?」

和「みらいの撮影に協力してるのよ」

澪「」ササッ

和「どうしたのよ?」

澪「わ、私ここで座っているから・・・」

和「そうね。私も座って撮影が終わるの待ってるわ」

将人「・・・」イライラ

「うーん・・・」

みらい「どうでしたか・・・?」

「お嬢さんはいいんだけどねぇ・・・」

みらい「は、はい・・・」

将人「今まで作り上げた『飯山みらい』はどうした・・・」

みらい「はい・・・。新しい要素を取り入れてみよう・・・と思って・・・」

将人「勝手なことはするな!おいディレクター次だ!」

D「そうだな、じゃあ次は・・・」

みらい「紬さん・・・ありがとうございました」ペコリ

紬「あまりお役に立てなかったわね・・・」

みらい「いえ・・・協力してくれて嬉しいです」

紬「そう・・・?」

みらい「はい・・・」ニコ

唯「・・・」

D「お、君・・・いいかな?」

唯「わたし?」

みらい「協力してくれますか・・・?」

唯「みらいちゃんの為なら頑張るよ!」フンス!

将人「・・・」

和「・・・」

D「とりあえず、カメラを向けただけのリハーサルだから、録画してないから緊張しないでね」

唯「え〜、なんだ・・・」ガッカリ

D「いや、本番のつもりで頑張れって意味でもあるんだが・・・。それじゃリハーサルいくぞ!」

みらい「はい!よろしくお願します!」

唯「よぉーし!」フンス!
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:08:22.78 ID:IS6QcV1yo

紬「隣失礼するね」

和「えぇ・・・」

紬「ヴェガでの撮影も終わりそうなんだけど、なかなかうまくいかないんだって・・・」

和「そうみたいね・・・」

澪「私は空気・・・私は空気・・・私は」

紬「澪ちゃんはどうしたの?」

澪「私は酸素・・・私は空・・・」

和「気配を消そうとしてるのね」

澪「私は鳥・・・私は自由になるの・・・」

紬「あら・・・」

澪「・・・うん、今のはいいな」メモメモ

和「創作活動にシフトチェンジしたのね」

紬「唯ちゃんどうかしら?」

和「・・・少し気になるわね」
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:09:12.29 ID:IS6QcV1yo

唯「すっごく楽しいんだよ〜、車掌さんは優しいし、食堂車の料理はおいしいし、店員さんもいい人達だし!」

みらい「そっか!ヴェガは宣伝通りの夢のような列車なんだね!」

唯「そうなんだよー!私ヴェガに乗ってよかったな〜♪」

みらい「・・・うん!私もそう思うよ!」

将人「・・・」イライラ

D「カットー」

みらい「どうでしたか・・・?」

D「うーん・・・彼女の方は面白くてTV的にもいいんだけどね・・・」

みらい「私・・・ですか・・・?」

将人「みらい、素人に合わせてどうする」

みらい「唯さんのコメントをそのまま活かした展開で話を進めてみました。それを濁すような事はしたくなかったです」

唯「みらいちゃん・・・」

将人「みらい・・・ッ!」

D「まぁまぁ、マネージャーさんも落ち着いて・・・」

みらい「ダメでしょうか・・・」

将人「それで通用すると思っているのか・・・?」イライラ

みらい「・・・はい」

将人「・・・」

D「ふぅ・・・一旦休憩にしよう・・・。撮影はその後だ・・・お嬢さん方協力してくれてありがとう」

唯「ううん」

みらい「ありがとうございました」ペコリ

将人「みらい、来い。話がある」

みらい「はい・・・。それでは失礼します唯さん」

唯「み、みらいちゃん・・・大丈夫?」

みらい「・・・はい、大丈夫ですよ」ニコ

紬「・・・」

和「・・・」

将人「俺を待たせるな」

みらい「は、はい!」
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:10:37.02 ID:IS6QcV1yo

和「・・・強いわね」

紬「えぇ・・・」

車掌「乗車されてから芯が太くなったような気がします」

和「車掌さんもみていらしたんですか?」

車掌「はい・・・一日車掌を許可しましたけど、他の乗客へ迷惑行為をされている点がありまして困っていた所です」

紬「そうなんですか・・・」

唯「・・・」ションボリ

車掌「平沢さん」

唯「ん・・・?」

車掌「先ほどのコメントとても嬉しく思いました。ありがとうございます」ペコリ

和「唯らしいコメントだったわ」

紬「えぇ」

唯「・・・うん」

和「唯・・・」

紬「今のみらいちゃんなら頑張れるわ」

車掌「私もそう思いますよ」

唯「・・・そう・・・かな?」

和「えぇ、だからファンである唯がそんな顔してたら、みらいも頑張れなくなるわよ」

唯「・・・うん、そうだね。分かったよ!」

車掌「・・・それでは私はこれで失礼します」

紬「はい」
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:11:40.02 ID:IS6QcV1yo

澪「・・・できたっ」

和「・・・早いわね」

唯「なにができたの〜」

澪「歌詞が出来たんだ」

紬「聞かせて〜」

澪「ちょっと恥ずかしいな・・・コホン」

和「短時間で出来た歌詞・・・興味深いわね」

唯「・・・」ワクワク

澪「私は小鳥 籠の中の小鳥 大空を羽ばたく夢をみているの」

紬「・・・」

澪「キラメク世界を あなたと一緒にto flap・・・」

唯「おぉ」キラキラ

澪「見つめていて 私はどこまでも行ける」

和「・・・」

澪「あなたは教えてくれた 空は自由だって」

紬「まぁ」キラキラ

澪「氷菓子のような 甘くて切ない この青い空へ溶けていくの」

唯「・・・」キラキラ

澪「・・・どう・・・かな?」

紬「すごくよかったわ〜」

和「・・・ふむ」

澪「・・・ダメ?」

和「部外者の私が意見するつもりはないけど・・・律の意見も聞いたらどう?」

唯「そうだね〜」

澪「・・・そうだな、分かった」

和「そうよ、ブレーキは必要よ」

唯「タイトルは?」

澪「『私のBlue Bird』なんだけど・・・」

和「・・・」
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:12:09.15 ID:IS6QcV1yo

澪「ありがとうございました」

唯「ありがとー!」

その子「いえいえ。・・・あ、全部食べられたみたいですね」

澪「はい。食欲はあるみたいなので、安静にしていれば回復できると思います」

その子「よかった・・・。だそうですよ料理長」

コック「おう」

唯「コックさんありがとね〜」

澪「あ、ありがとうございます」

コック「気にすんな。早く元気になれと伝えてくれ」

唯「はいよ〜!」

澪「は、はい」

その子「ふふ、それでは失礼しますね」
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:21:59.36 ID:IS6QcV1yo

紬「・・・あら」

ヒョイ

紬「これは・・・ノート?」

和「どうしたの?」

紬「ノートを拾ったのだけど、名前が書かれていないの・・・」

和「貸して」

紬「うん・・・」

和「失礼して」

ペラペラ

紬「あ・・・」

和「持ち主のヒントが書かれているかも・・・あ」

紬「どうしたの?」

和「これ日記だわ・・・」

紬「え・・・」

「あっ!それは!」

紬「さとみさん?」

さとみ「返して!」

バシッ

和「あ」

さとみ「ひどいわ・・・人の日記を勝手に読むなんて・・・」

タッタッタ

紬「・・・まって!」

タッタッタ

和「・・・」

さとみ「・・・」

紬「ごめんなさい・・・名前が書かれていないから、確認しようとしただけなの」

さとみ「・・・」

紬「多分・・・重要な部分は読んでいない・・・と思うわ」

さとみ「・・・」
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:22:56.40 ID:IS6QcV1yo

紬「ごめんなさい・・・」

さとみ「・・・日記を落とした私不注意なのに」

紬「・・・」

さとみ「私こそごめんなさい・・・つい、カッとなちゃって」

紬「いえ・・・日記を読まれたら誰だって」

和「・・・『知らない人しかいない場所へ』」

さとみ「!」ビクッ

紬「和ちゃん・・・?」

さとみ「重要なところは読んでいない・・・って」

和「読んだのは私よ・・・むぎは関係ないわ。ごめんなさい」

紬「・・・」

さとみ「それならどうして・・・謝ったの・・・?」

紬「・・・それは・・・日記と聞いて少し興味をもったから」

さとみ「・・・」

和「・・・」

紬「・・・」

さとみ「・・・ふふっ」

和「ふふ」

紬「・・・?」

さとみ「ふふふ・・・それは思ってても言わないほうがいいのに」

和「ふふ、そうね」

紬「えぇと・・・」アセアセ

さとみ「和さんもよ・・・その部分を言わなければ波風たてずに済むのに」

和「・・・特別視の意味を理解したからよ」

紬「・・・?」

さとみ「・・・そう」

和「えぇ」

紬「・・・」オロオロ

さとみ「日記は小学校からの習慣で今でも毎日つけてるの・・・」

紬「・・・」

和「・・・」
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:23:37.13 ID:IS6QcV1yo

さとみ「でも・・・書くことは似たような事ばかり・・・。学校で目新しい事も無くて書いててもしょうがない気がするの」

紬「でも・・・」

さとみ「・・・?」

紬「その日記にはたくさんの出来事が書けるんじゃないかしら?」

和「・・・」

さとみ「そう・・・ね。それじゃ用事を思い出したから」

紬「・・・本当にごめんなさい」

和「ごめんね」

さとみ「ううん、気にしないで。拾ってくれたのが二人でよかったと思うから」

紬「・・・」ホッ

さとみ「それじゃ、また」

和「えぇ、またね」

紬「和ちゃん、特別視って?」

和「・・・今は知らないままでいいわ。あなたはあなたのままでいてちょうだい」

紬「・・・?」

和「それがあの子の為になる」

紬「・・・今のままと変わらずに接しればいいのね?」

和「そうよ」

紬「分かったわ!」フンス!
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:24:52.27 ID:IS6QcV1yo

紬「あら・・・愛さん、りっちゃんのお見舞い?」

愛「あ・・・紬さん。よかった」

紬「中に入らないの?」

愛「私が入って迷惑かけるのも嫌ですので・・・これを渡してもらえますか?」

紬「これは・・・お守り?」

愛「はい。健康祈願のお守りです。律さんに持っててほしくて」

紬「分かったわ」

愛「お願します」

スタスタ

紬「・・・」

コンコン

・・・

ガチャ

紬「りっちゃん?失礼するわね」

律「」スー

紬(タオル取り替えましょうか)

律「」スー

紬「・・・」

律「う・・・ん?」

紬「あ、ごめんね。起こしちゃった?」

律「むぎ・・・?」

ガバッ

紬「起きても大丈夫・・・?」

律「あぁ・・・ふぁあ・・・・・・今何時・・・?」

紬「えぇと、7時になるところね」

律「そっか・・・」ボケー

紬「体温測る?」

律「・・・うん」

紬「はい」

律「さんきゅ」

紬「愛さんがこれ渡してくれって」

律「・・・ん?お守り?」

紬「そうよ」

律「・・・心配かけたかな」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:25:20.16 ID:IS6QcV1yo

紬「みんな心配してるわ」

律「うん・・・。金沢の観光どこ行くか決めた?」

紬「ううん、まだよ」

律「明日には回復させるから・・・決めといて」

紬「どこか行きたいところある?」

律「んー・・・兼六園と能登半島」

紬「ふふ、分かったわ」

ピピピピ

律「・・・37.8℃か」

紬「さ、横になって」

律「ん・・・」モゾモゾ

紬「タオル変えるね」

律「ありがと・・・」

紬「いえいえ〜」

律「さっきから気になってるんだけどさ」

紬「なぁに?」

律「あのたくさんの果物はなに?」

紬「みんな心配してるのよ〜」

律「だれから・・・?」

紬「えぇと、桃はさとみさん。バナナはエレナさんと小麦さん。りんごは愛さん。みらいちゃんがマンゴー」

律「パイナップルが修治か・・・」

紬「ご名答よ」

律「なんでそれを選んだ・・・アイツ・・・」

紬「変かしら?」

律「存在感がなぁ・・・貸し2つだな・・・」

紬「貸し?」

律「なんでもない・・・」

紬「タオル冷たくない?」

律「あぁ・・・いい感じだ・・・」ボケー

紬「おやすみ」

律「・・・お・・・やす・・・み・・・」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 00:26:22.56 ID:Hou11y/Ro
>>388
紬「・・・それは・・・日記と聞いて少し興味をもったから」
は紬じゃなくて和かな?
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 00:28:11.17 ID:Hou11y/Ro
ごめん勘違い
>>392は忘れて
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:28:40.46 ID:IS6QcV1yo

エレナ「ミオさん、小麦を見なかったデスカ?」

澪「こ、小麦?見てないけど・・・」

エレナ「小麦はドンドン先へ行ってしまうので・・・すぐ見失ってしまうネ」

澪「ふふ、二人とも仲がいいよね・・・ずっと二人で旅を続けるんだよね?」

エレナ「いえ・・・小麦も高校三年生・・・私と一緒にいてもいいのカト・・・」

澪「えっ?」

エレナ「オー、今のは小麦にはナイショヨ?」

澪「エレナ・・・さん?」

エレナ「それじゃ、ワタクシは個室をみてくるネ、バーイ!」

スタスタ

唯「澪ちゃーん」

澪「唯・・・どこへ行っていたんだ?」

唯「娯楽車にいたんだよ〜。小麦ちゃんと遊んでた」

小麦「そういう事〜」

澪「あ、小麦・・・エレナさんが探してたよ」

小麦「え?どうしたんだろ・・・」

澪「個室へ行ったよ」

小麦「うん、ありがとー!」

テッテッテ

唯「小麦ちゃんはいつも元気だね〜」

澪「そう・・・だな・・・」

唯「そだ、和ちゃんとむぎちゃんが展望車にいるからおいでよ〜、どこ行くか決めよう!」

澪「うん・・・」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:30:02.71 ID:IS6QcV1yo

澪「さて、どこへ行こうか」

唯「和ちゃんどこか行きたいところある?」

和「そうね・・・どこがあるのかしら」

唯「観光地をどこへ巡ろうかとお悩みのあなたに朗報です!」

紬「じゃじゃーん」

唯「金沢観光ガイドをどうぞ!」

和「ありがと・・・そうね、片町に興味あるわね」

澪(和はスルースキル高いよな)

紬「それじゃ、明日のお昼辺りがいいかしら?」

和「そうだ・・・みんなに言ってなかったわね」

澪「?」

唯「なに〜?」

和「私明日の朝一で帰るのよ」

紬「まぁ!」

唯「ど、どうして!?」

和「明日中に仕上げないといけない仕事があってね」

澪「そうだったのか・・・」ガッカリ

紬「・・・」ションボリ

唯「ガーン」ガーン

和「それ口にしたらかっこ悪いわよ、唯」

唯「どうしても明日でなくちゃダメなの!?」

和「・・・本当は今日中に仕上げるつもりだったけど、ヴェガに乗ったからね」

澪「本当は、乗るの断るつもりだったんだよな」

和「えぇ、そういう事だから次で降りるわ」

唯「そんな、あっさりと!」

和「これでも名残惜しいのよ?」

唯「・・・」ションボリ

和「そんなに落ち込む必要もないわ」

唯「え・・・?」

紬「・・・それじゃ、到着して片町へ行きましょうか」

和「でも・・・私たちだけで夜歩くのも不安よね」

澪「そうだな・・・到着時刻は8時だから」

唯「うーむ・・・」

車掌「そうですねぇ」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:32:12.30 ID:IS6QcV1yo

紬「でも和ちゃんの要望にも答えたいし・・・」

澪「うむ・・・って」

和「車掌さんはいい案ありませんか?」

車掌「無くはないのですが・・・」

唯「聞かせて!」

紬「うんうん」

澪(居たんですか!? って言いづらくなったな・・・順応性も高いよな)

車掌「男性の方が居れば・・・」

和「なるほど・・・」

唯「都合も考えないとね」

澪「・・・?」

車掌「噂をすれば・・・」

修治「・・・みんなで難しい顔してどーしたの?」

和「金沢到着直後の予定は空いてるかしら?」

修治「え?俺?・・・決めてないけど・・・」

車掌「よろしくおねがいしますね」

唯「よし。それじゃ、明日はどうしよっか」

紬「りっちゃんが兼六園と能登半島へ行きたいって言ってたわ」

和「意外ね、武家屋敷に行くと思ってたわ・・・」

車掌「ふふ、そうですね」

唯「わたしも〜」アハハ

修治「話進んでるみたいだけど、俺理解できてないよ!?」

澪「到着後に片町に行きたいそうなので、和たちの護衛をお願いします」

修治「あ、あぁ・・・そういう事ね。秋山さん行かないの?」

澪「わ、私は律を看てます・・・」

修治「そっか・・・貸しもあるからいいかな」

澪「貸し?」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:32:57.43 ID:IS6QcV1yo

唯「澪ちゃんは兼六園だよね?」

澪「え?」

紬「明日の朝、輪島の朝市へ行って、そのまま能登半島へ」

唯「その後武家屋敷か兼六園に別れようって事になったんだよ」

澪「あ、私は兼六園で」

紬「私は武家屋敷へ!」

唯「私も武家屋敷へ!」

澪「それで決まりだな」

修治「到着したらホームに降りてるから声掛けてね、じゃねー」

唯「よろしく〜」

澪「・・・あれっ?車掌さんは?」

和「さっき出て行ったわよ?」

澪(観察力も鋭いし・・・唯と一緒にいたら身につくスキルなのかな)

紬「どうしたの澪ちゃん?」

澪「いや・・・唯はすごいなと思って・・・」

唯「でっへっへ」テレテレ

紬「そうなんだ・・・」

和「何か悟ったのね・・・」

398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:34:31.13 ID:IS6QcV1yo


みらい「みなさんここにいたんですね」

和「あら、仕事は終わったの?」

みらい「はい、後は金沢駅で収録して今回の仕事は終わりです」ニコ

澪「そっか、お疲れさま」

紬「おつかれさま〜」

みらい「・・・まだまだ元気ですよ。これくらいの仕事量は慣れていますから」ニコニコ

唯「・・・」

和「そう・・・唯の隣空いてるから座ったら?」

唯「どうぞどうぞ」ポンポン

みらい「失礼します」

澪「一日車掌どうだった?」

みらい「楽しかったです。唯さんやみなさんと仲良くなれましたから」ニコ

紬「まぁ」

唯「でっへっへ」テレ

みらい「ふふ」

和「金沢で降りるの?」

みらい「次の仕事が名古屋であるのでそこまで休暇を兼ねて乗らせてもらいます」

唯「そっか〜嬉しいよ!」

みらい「ふふ、私もです。・・・ところで律さんの様子はどうですか?」

紬「今ゆっくり休んでいる所よ。明日には治すって言ってたわ」

澪「マンゴーありがと」

みらい「律さんには早く元気になって欲しいですから」

唯「りっちゃん愛されてますなぁ」

澪「・・・そうだな」
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:35:09.83 ID:IS6QcV1yo

紬「外暗くなってきたわね」

みらい「本当ですね」

唯「あ、三日月だ」

和「キレイね・・・」

澪「儚げだけどキレイに輝いているな」

唯「フフ、あの月は光り輝く君のようだね。みらいちゃん」キリ

みらい「ふふ、ありがとうございます」

唯「星さえ脇役に回してしまう罪な輝きだよ」キリ

みらい「あ、・・・コホン。・・・それなら唯さんは太陽ね」

ポンポロポンポロポロ

唯「そうかな?」キリ

みらい「いつも私を照らしてくれる大切な存在よ」ニコ

唯「フフ、君には参ったよ」キリ

ポロロンポンポロポン

澪「な、なんだこの空気・・・」

和「ピアノで演出までして・・・」

みらい「ふふふ」

唯「アハハ」キリ
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:36:12.00 ID:IS6QcV1yo

澪「・・・それで、今のはなんなんだ?」

和「説明が欲しいわね」

唯「えー、知らないのぉ?みらいちゃんが出ていたドラマなのにぃ」

みらい「ふふ、ちょっとした役でしたから」

ポンポンポロポロポロポロ

澪「でもよく台詞を覚えていたな」

唯「憂と練習したんだよ!」

和「そ、そうなんだ・・・」

ポンポロポロロン・・・

みらい「・・・」

唯「この曲なんて言う曲?」

澪「たしか・・・月の・・・」

紬「ドビュッシーの月の光よ〜」

和「へぇ・・・むぎのクラシック初めて聴いたわ」

紬「うふふ、たまにここで弾かせてもらってるの」

唯「えっ?そうだったの?」

紬「一日一曲だけね」

澪「呼んでほしかった・・・」

唯「そうだよ〜」

和「もっと聴きたかったわね」

紬「うふふ、ありがとう〜。また弾かせてもらうわ」

みらい「」ウトウト

唯「おや?」

和「・・・寝かせてあげましょう」

澪「・・・」

紬「かけるもの借りてくるわね」

スタスタ

和「やっぱりカラ元気だったのね・・・」

唯「うん・・・」

和「15歳が社会に出て頑張っているんだもの、心身的に疲れるわよ。・・・凄いわこの子」

みらい「」スヤスヤ

唯「・・・うん」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:37:34.65 ID:IS6QcV1yo

紬「〜♪」ペラ

和「・・・」フムフム

澪「・・・」カキカキ

唯「・・・」ボケー

みらい「・・・ぅん?」

紬「あら」

和「・・・起きちゃったわね」

澪「・・・そうみたいだな」

唯「みらいちゃん?」

みらい「・・・あっ、ごめんなさい唯さん」バッ

唯「いえいえ〜」

みらい「もたれてしまって・・・。私寝ていたんですね」

和「えぇ、可愛い寝顔だったわ」

紬「そうね〜」

唯「むふふ」

和「なによその笑いは」

唯「可愛かったなぁ〜」

みらい「その・・・、えと・・・」テレ

澪「たしかに・・・」

みらい「あ、このタオルケット」

唯「むぎちゃんが車掌さんから借りてきたんだよ〜」

みらい「そうですか・・・ありがとうございます、紬さん」

紬「いえいえ〜」
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:38:01.69 ID:IS6QcV1yo

みらい「なんだか気が抜けたというか・・・のんびりできたというか」

澪「安心できた?」

みらい「は、はい」

和「・・・それはよかったわ」

みらい「・・・」モジモジ

唯「あ、そろそろ金沢到着だね」

澪「そうだな、今ホームに入った」

みらい「すいません、私が寝ていたから・・・」

和「私は演奏の記事を呼んでいたから平気よ」

澪「わ、わたしも平気だ」

紬「会話がなくてものんびり時間を共有できたわ」

唯「そうだね〜、いい時間だったよ!」

みらい「・・・」

ガタンゴトン ガタン

紬「さて、観光の準備をしましょうか」

和「そうね」

澪「私は律の所へ行ってくるから、みんな楽しんできて」

唯「りっちゃんの事は任せたよ!」

澪「うん」

みらい「・・・みなさんどちらへ?」

唯「片町っていう所だよ」

みらい「そうですか」

紬「一緒に行きますか?」

みらい「あ、いえ・・・スケジュール確認がありますので・・・残念ですけど」

和「そう・・・」

みらい「・・・それでは」

澪「うん、じゃあね」

唯「じゃあね〜」

プシュー

紬「着いたのね」
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:38:57.07 ID:IS6QcV1yo


「ヴェガはこれで合ってるのよね・・・」

和「よっ」ピョン

シュタッ

「あ、いたいた」

和「金沢ね」

紬「ここまで来たのね〜」

和「長旅お疲れさま」

唯「まだまだこれからだよむぎちゃん!」

紬「そうよね!」フンス!

和「さて・・・」キョロキョロ

唯「修治くんどこかな〜」キョロキョロ

澪「みんな、私も行くよ」

紬「あら?」

澪「律が『みんなと行って来い』って」

和「律らしいわね」

唯「そだね」

「お前らが来るのを待っていたァアア!」

澪「ヒァッ」
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:41:37.04 ID:IS6QcV1yo

唯「あっ!さわちゃ〜ん」

紬「さわ子先生〜」キラキラ

さわ子「あまり驚かないのね・・・」ガッカリ

和「山中先生、明日乗車のはずじゃ・・・?」

さわ子「この日のために頑張って来たのよ。褒めて?」

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル

唯「わーい、さわちゃんと観光できるー!」

紬「私も嬉しいわ〜」

さわ子「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、もっと驚いてくれた方が・・・」

澪「な、なんだ、さわ子先生か・・・さわ子先生っ!?」

和「乗車証一つしかないですけど・・・」

さわ子「今日はビジネスホテルに泊まるから気にしないで」

唯「え〜、ヴェガに泊まらないの〜」ブー

紬「しょうがないわ唯ちゃん」

和「車掌さんに迷惑かけてはダメよ」

修治(そろそろ声掛けてもいいかな・・・)

車掌「あら、観光へは行かれないのですか?」

さわ子「車掌さんですか・・・?」

車掌「はい、ヴェガの車掌を務めさせていただきます、美弥澪と申します。山中さわ子さんでよろしいですか?」

さわ子「はい、そうです」

車掌「中野さんからお話は伺っています。よろしくおねがいします」

さわ子「よろしくお願します。この子達がお世話になっているそうで」

車掌「いえ、乗客皆様の旅をより一層楽しませてくれていますので。こちらとしては感謝しているぐらいですよ」ニコニコ

唯「えへへ」テレテレ

紬「えへへ」テレ

澪「えへへ」テレ

和「・・・」

さわ子「そうですか・・・」

車掌「えぇ」ニコニコ

さわ子「そういえば、りっちゃんはどうしたの?」

唯「りっちゃん風邪で寝込んでいるんだよ」

さわ子「あらあら、災難ね〜」

修治(そろそろいいかな・・・)
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 00:42:33.52 ID:RF3PPyFCo
えへへの澪可愛いww
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:43:21.50 ID:IS6QcV1yo

さわ子「それにしても・・・」ジロジロ

車掌「な、なにか・・・?」

さわ子「車掌服もいいねぇ」ジー

車掌「え、えぇと・・・」

唯「そーだ!車掌さんも片町へ行こうよ!」

紬「それはいいアイディアね!」

澪「お、おい・・・」

和「困らせてはダメよ」

車掌「すいません・・・ヴェガの点検等もございますので・・・」

さわ子「そう・・・残念ねぇ」

コック「2時間くらいなら俺がヴェガを見ててやるよ」

澪「!」ビクッ

唯「澪ちゃん、コックさんは見た目怖いけどいい人なんだよ〜」

和「後ろから声を掛けられると誰でもびっくりするわよ・・・」

コック「ガッハッハすまねぇな!・・・美弥、遠慮せずに羽伸ばして来い」

車掌「ですが・・・」

コック「たまにはいいだろ。後は任せとけ」

スタスタ

唯「おぉ、かっこいい!」

さわ子「決定ね・・・」

車掌「ではお言葉に甘えて・・・着替えてまいりますので少々お待ち下さい」

紬「わぁ・・・」キラキラ

澪「・・・思いがけない展開だな」

修治「あ、あの・・・」

和「・・・」

さわ子「夜に歩いても店や博物館は閉まってるんじゃないの?」

唯「あ・・・」

紬「あ・・・」
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:44:01.24 ID:IS6QcV1yo

和「みんなと金沢の町を歩くってだけでいいのよ、私は」

澪「・・・そうだな」

さわ子「・・・ふむ」

美弥「おまたせしました」

唯「着替えはやっ!」

修治「髪長っ!」

和「やっと会話に参加できたわね・・・」

美弥「うふふ、待たせてはいけませんので」

紬「まぁ・・・」

澪「あの車掌帽子にそれだけの量の髪を納めていたんですか・・・?」

美弥「そうです。コツをつかめば誰にでもできると思いますよ」

修治「すげぇや」

唯「まったくだぜ」

さわ子「・・・ところでこの子は?」

修治「話しかけるタイミングをつかみ損ねていた鳥羽修治です」キリ

さわ子「・・・そう、よろしくね」

修治「なんだろう・・・この虚しさ」

唯「りっちゃんがいないからツッコミがいないんだよ」

和「打って響かせてくれる存在は貴重よね」

修治「うんうん」

紬「それじゃ、行きましょうか〜」
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:45:45.31 ID:IS6QcV1yo

さわ子「あなたたちご飯は食べたの?」

唯「食堂車で食べたよ〜」

和「えぇ、美味しかったわ」

美弥「ふふ、料理長が聞いたら喜びますね」

さわ子「さっきの方?」

紬「そうです。味は逸品ですよ〜」

澪「はは、絶賛だなむぎ」

「みなさんっ、こっちに居たんですね!」

唯「みらいちゃん!」

修治「大丈夫なのか?マネージャーに怒られるんじゃ・・・」

みらい「抜け出して来ちゃいました」

和「肝が座ったアイドルね」

さわ子「アイドル・・・?」

美弥「えぇ、一日車掌を務めた飯山みらいさんです」

みらい「あれ・・・?」

さわ子「この子たちの担任の山中さわ子よ。よろしく」

みらい「は、はい。よろしくお願します」ペコリ

さわ子「本当にあの『飯山みらい』?」

唯「そうだよ〜、あの飯山みらいちゃんだよ!」

みらい「唯さん・・・」

さわ子「ふーん、車掌服着てたの・・・?」ジロジロ

みらい「え・・・」

さわ子「ふむふむ」ジー

和「なるほど、ストッパーがいないとこんな感じになるのね」

澪「あ、あぁ、律の事か・・・」

紬「うふふ」

唯「もぉ〜さわちゃん〜」

さわ子「あら、ごめんなさいね。それじゃ行きましょうか」

美弥「ふふ、そうですね」

修治「・・・なんだろうこの疎外感」
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:47:32.55 ID:IS6QcV1yo

「なんだあの集団・・・」

「先頭のツートップレベル高くね?」

「あぁ、メガネの人と髪の長い人な!おい、Aお前行って来いよ」

A「いやBお前が行ってこいって」

B「いや、Cがいつもの手で行ってこいよ!」

C「自信ねーよ!Dお前が行け」

D「待て、後ろの子たちもヤバくね?E声掛けて来いって!」

E「聖域だろあれ!汚れた俺らじゃダメだって!Fお前クリスチャンだろ!行け!」

F「カンケーねーよ!Gお前の手品で興味引いて来い」

G「ネタ仕込んでねーよ!Hお前の歌唱力でなんとかしろ」

H「ごえ゛ががれ゛で・・・Iがん゛ばれ゛」

I「任せろ」

修治「あ・・・誰かくる」

和「え・・・?」

修治「あ・・・引き返した」

和「・・・?」

修治(それにしても周りの目が痛いなぁ・・・)

ギロギロ

修治(俺が悪いのかな・・・)

唯「どうしたの?」

みらい「どうしたんですか?」

修治「いや・・・なんでも、あっ」

紬「どうしました?」

修治「みんな隠れてて」

将人「ちっ、夜に出歩くとは・・・」イライラ

和「! あっちよ」

澪「うんっ」ササッ

みらい「あっ、マネージャー」

唯「みらいちゃん早く」

みらい「は、はい」

修治「みんな隠れててね」

紬「分かった」ハラハラ

タッタッタ

唯「修治くんどうするんだろ」
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:48:37.59 ID:IS6QcV1yo

修治「車掌さん」ヒソヒソ

美弥「えぇ、分かってます。山中さんは私に任せてください」ヒソヒソ

修治「はい」

さわ子「どうしたのよ?」

美弥「山中さん・・・片町は」

さわ子「え・・・?」

将人「ちっ、なんで貴様がここを歩いている?」

修治「どこで何をしようと俺の勝手だろ?」

将人「ふん・・・みらいはどこだ?」

修治「え・・・?」

将人「隠すと後で後悔させるぞ・・・」

修治「・・・」

将人「さぁ、言え」

修治「みらいちゃんが来てるの?」

将人「・・・」

修治「そうかぁ、みらいちゃんも片町に来ていたのかぁ」フヒヒ

将人「ふん、そんなわけないだろ。みらいは個室にいる」

修治「ちぇ」

将人「・・・ふんっ」

スタスタ

美弥「・・・という訳で香林坊と呼ばれるようになりました」

さわ子「なるほど」

美弥「どうやらうまくいったみたいですね」

修治「車掌さんに気付かないなんて・・・芸能界のマネージャーとしてどうなんだ」

美弥「服装と髪型が違いますから」ウフフ

さわ子「・・・?」

唯「修治くーん」

修治「・・・もういいよ〜」
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:49:33.27 ID:IS6QcV1yo

タッタッタ

紬「スリルあって面白かった〜」

澪「うん!」キラキラ

さわ子「あら」

和「澪まで楽しんでいたの?」

唯「今の澪ちゃんはジェットコースターにも乗れます!」

さわ子和「「 えっ!? 」」

澪「みんなで隠れて楽しかった!」キラキラ

紬「うふふ」

ワイワイ

みらい「すいません、ご迷惑をおかけして・・・」

修治「みんな楽しんでいるみたいだから、気にしないで」

みらい「・・・」

修治「ほら、皆笑っているでしょ?それでいいじゃん」

みらい「そういっていただけると・・・」

「み、みらいちゃん・・・?」

修治「ん?」

「ほ、本物のみらいちゃんだよね・・・?」

修治「だ、だれだ・・・?」

みらい「ファンの方だと思います・・・」

オタクA「み、みらいちゃん・・・」

修治「ちょっと下がってみらいちゃん」

みらい「・・・え?」

オタクA「な、なんでお前がみらいちゃんのそばにいるんだよ・・・」

修治「あ・・・と、ご、ごめん」

オタクA「謝って済んだら警察は要らないんだよぉ、待っててね今助けるから・・・」

修治「そ、その棒切れでどうするつもりだよ・・・」

オタクA「・・・うるさいなぁ」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:51:05.04 ID:IS6QcV1yo

修治「マジかよ・・・幸いみんなは気付いていないな・・・。よし、走るよみらいちゃん!」

ガシッ

みらい「は、はい!」

オタクA「み、みらいちゃんを離せー!」

ブンッ

修治「あ、あぶなっ」

オタクA「みらいちゃんは僕が守るんだぁー」ブンッ

ガンッ

修治「・・・ってー」ズキズキ

みらい「!」

和「修治!?」

唯「修治くん!?」

オタクA「お、おまえが悪いんだからなー!」

ドスドスドス

修治「あのヤロー・・・みらいちゃんの前で暴力振るいやがって・・・それでもファンかよ」

紬「だ、大丈夫ですか!?」

みらい「腕を・・・」ガクガク

美弥「見せてください」

修治「・・・大丈夫ですよ。相手をビビらせる為に大げさに痛がっただけだから」

さわ子「ちゃんと見せなさい」

修治「ほ、本当に大丈夫ですって。ほら」ブンブン

澪「・・・ホッ」

さわ子「無茶しないでよねぇ・・・」
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:51:37.67 ID:IS6QcV1yo

修治「みらいちゃん・・・俺大丈夫だから気にしないで?」

みらい「ぁ・・・」ガクガク

修治「相手もあまり力入ってなかったみたいでさ、腫れもしない程度だから」

みらい「で、でも・・・」ガクガク

修治「あー・・・と」

唯「みらいちゃん・・・」ダキッ

みらい「ぁ・・・」

唯「大丈夫だよ〜」ナデナデ

みらい「・・・」

さわ子「・・・」

美弥「・・・」

唯「だいじょう〜ぶ、だいじょう〜ぶ」ナデナデ

みらい「・・・はい」

澪「・・・」ホッ

紬「・・・よかった」

和「えぇ」

修治「よかった・・・俺のせいでトラウマになったらどうしようかと」

さわ子「だったらあれくらい避けなさいよね〜」

修治「次みらいちゃんと歩く時はそうします」キリ

和「アイドルと歩くなんて、もうないわよ?」

修治「ですよね〜」アハハ

澪「ブフッ」

紬「うふふ」

美弥「ふふ」

みらい「・・・ありがとう、修治さん、唯さん」

修治「問題無し」

唯「そうだよ〜」ギュウ

澪「いつまで抱きついている気だ」グイ

唯「あ〜れ〜」ズルズル

美弥「・・・本当に大丈夫ですか?」

修治「はい、エレナに受け流しを習ってましたから」

澪「エレナさんに?」

修治「知らなかった?エレナ、空手の有段者だよ?」

澪紬和唯「「「「 えぇ!? 」」」」
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:53:37.74 ID:IS6QcV1yo

さわ子「・・・どちら様?」

美弥「世界を旅している方です。護身用で学んだとか・・・」

修治「そういう事」

澪「あー・・・出会ったとき板を割ってたな」

唯「そんな衝撃的な出会いだったの!?」

和「明日降りるのがもったいなくなってきたわね・・・」

紬「うふふ」

みらい「・・・ふふ」

美弥「・・・」ジーン

さわ子「それじゃ、もうあなたたちは戻りなさい」

唯「えー!」ブー

紬「むー」

さわ子「そんな抵抗してもダメよ。もういい時間だから、担任としてはこれ以上黙認できないわ」

美弥「そうですね」

和「そうね、ヴェガに戻りましょうか」

澪「そうだな・・・」

みらい「はい」

美弥「それでは戻りましょう」

さわ子「おっと、車掌・・・美弥ちゃんはこっち」

美弥「えぇと?」

さわ子「私お腹空いているのよ、付き合ってくれないかしら?後1時間くらいは大丈夫でしょ?」

美弥「ですが・・・」

さわ子「鳥羽修治くん・・・」

修治「はい?」

さわ子「その子たちを・・・世露死苦」

修治「は、はい!」

唯「どうしたの修治くん?」

修治「寒気が・・・」ブルブル
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:54:40.32 ID:IS6QcV1yo

紬「戻りましょうか」

唯「そだね〜」

澪「鳥羽さん・・・エレナさんに教わったきっかけって?」

修治「あぁ、朝早くに駅のホームで形をやっててさ、見てたら俺もやってみたくなって」

和「面白い事やってたのね」

みらい「すごいですね、エレナさん」

澪「夢だって言っていたから・・・」

紬「叶えるために努力しているのね・・・」

唯「私たちも努力しているよ!」

修治「・・・?」

唯「これ! ジャジャーン、ギュイーン!」

和「エアギターの練習ね」

唯「ギターだよ!?」

みらい「ふふ、唯さんの演奏聴きたいです」

唯「あ、じゃあヴェガに着いたら!」

澪「今日のところは記事で我慢しててね」

唯「・・・」ションボリ

みらい「記事ですか?」

紬「さっき和ちゃんが読んでいた新聞よ」

和「よく表現されていて面白かったわ」

ワイワイガヤガヤ

さわ子「・・・」

美弥「・・・」

さわ子「・・・二人ともいい子ね〜」

美弥「はい。今回のヴェガの乗客はとても恵まれています」

さわ子「エレナって子も気になるわね。あの子たちの今まで旅を聞かせてもらおうかしら」

美弥「ふふ、1時間で足りるかどうか」

さわ子「充分よ・・・それじゃ行きましょ」

美弥「はい」
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:56:12.80 ID:IS6QcV1yo


―――――展望車

紬「今日はこれ飲んだら寝ましょうか」

澪「そうだな」

唯「りっちゃんも気になるからね」

和「えぇ」

唯「さわちゃんたちどこへ行ったのかな〜」

澪「もうちょっと一緒に歩きたかったな」

紬「そうね〜」

和「・・・」

唯「みらいちゃんたちも一緒にティータイムを味わえばいいのにぃ」

澪「もういい時間だからな・・・」

紬「・・・」

和「・・・」

紬「和ちゃん・・・?」

和「え・・・?」

紬「ぼんやりしていたから・・・」

和「・・・今日あったことを思い返していたのよ」

唯「温泉で和ちゃんが入ってきたときはびっくりしたよ〜」

澪「本当にびっくりした」

和「憂はなかなかの策士よね」

紬「私は憂ちゃんに教えて貰っていたの」

唯「さわちゃんが乗る事も?」

紬「えぇ」

澪「なるほど・・・だからあまり驚いていなかったのか」

紬「うふふ」

和「・・・みんな体にだけは気をつけてね」

澪「うん」

紬「分かったわ」

唯「うん!」

和「それじゃ、明日に備えましょうか」

紬「そうね」




7日目終了--------
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:00:09.03 ID:IS6QcV1yo

8月8日




紬(・・・午前・・・二時七分・・・?)

紬(なんだか・・・いい夢・・・見て・・・たわ・・・)

紬(・・・続き・・・見られる・・・か・・・しら・・・)

・・・・・・

・・・

ジリリリリリリリリ

カチッ

紬「・・・ふぁ」

コンコン

斉藤「私です」

紬「・・・なにかしら」

斉藤「時間です」

紬「分かったわ・・・すぐ用意するから待ってて」

斉藤「はい」

紬「・・・少し聞いてて欲しいの」

斉藤「なんでしょうか・・・?」

紬「楽しい夢を見ていたわ・・・」

斉藤「・・・」

紬「放課後ティータイムのみんなで日本縦断の旅に出る夢・・・」

斉藤「そうですか・・・」

紬「とても楽しかった・・・」

斉藤「そのようで・・・」

紬「うふふ」

コンコン

紬「はい?」

ガチャ

紬「どうしたの?斉藤・・・」

斉藤「む・・・むぎちゃん?」

紬「・・・?」
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:00:49.36 ID:IS6QcV1yo

澪「どうした?」

唯「むぎちゃんが私の事をさいとうって呼ぶんだよ・・・」

澪「えっ・・・」

紬「どーしたの〜さいと〜」ボケー

唯「・・・ほら」

澪「寝惚けているのか・・・」

紬「とてもたのしいゆめだったのよ〜」ポケー

唯「どんな夢?」

紬「みんなでにほんじゅーだんするゆめ〜」ボケボケ

澪「こんなむぎ初めて見た」キラキラ

唯「か、かわいい」キラキラ

律「なにやってんだよ・・・」

唯「あ、りっちゃん。体は平気?」

律「おかげさまでな!」イエイ

紬「そうなの〜りっちゃんがかぜをひいてしまってね〜」ボケー

律「げんじつ!だ!」ムニー

澪「あっ・・・」

紬「いふぁいふぁほ・・・はっ」

律「おはようむぎ」

紬「あれ、りっちゃん・・・もう平気なの?」

律「あぁ、看病してくれたおかげだ。サンキュー」

紬「いえいえ。よかったわ」

律「車掌さんにお礼言ってくる。その後に食堂車行くから、みんな先に行ってて」

澪「あぁ、分かった」

唯「おっけ〜」

紬「二人とも先に行ってて〜、用意できたらすぐ行くわ」

唯「うん・・・」

バタン

澪「もうちょっとみていたかったな」

唯「そだね」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:02:29.56 ID:IS6QcV1yo

律「あ、車掌さんここにいたんだ」

車掌「田井中さん・・・お体の調子はどうですか?」

律「バッチリです!」

車掌「そうですか。でも病み上がりですから気をつけてくださいね」

律「はーい」

車掌「ふふ」

律「外で点検してたんですか?」

車掌「そうです。・・・ちょっと、空模様が気になりますね」

律「一雨降りそうだ〜」

車掌「予報では、昼には晴れると言っていましたが・・・」

律「ま、なんとかなるっしょ!」

車掌「そう・・・ですね・・・」

律「車掌さん、ありがとうございました!」

車掌「いえいえ、元気になられてなによりです」

律「へへっ、それじゃね」

車掌「あまり無理なさらないでくださいね」

律「はーい!」

車掌「ふふ」

ピカッ

車掌「・・・」

ゴロゴロゴロゴロ

車掌「振り出してきましたね・・・」

ザーーー
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:03:59.74 ID:IS6QcV1yo


けさみ「いらっしゃいませぇ〜」

律「おはようございまーっす」

けさみ「元気になられたみたいですね」

律「おかげさまで!」ブイ

けさみ「よかったです」ブイ

律「料理長は?」

けさみ「あそこにいますよ」

律「あ、いたいた。料理長ー、おかゆとスープありがとー」

コック「おぅ」

けさみ「ププッ」

律「頑固親父みたいだな」ウシシ

けさみ「なにになさいますか?」

律「いつものやつで」キリ

けさみ「かしこまりました。みなさんお待ちかねですよ〜」

唯「りっちゃーん」フリフリ

澪「こら・・・他の乗客もいるんだから」

唯「えへへ」

律「あそこの席・・・もう私らの指定席になってない?」

けさみ「そうですね〜」ニコニコ

コック「ほら、もってけ」

けさみ「は、はい!」

律「ま、いっか」

スタスタ
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:05:11.85 ID:IS6QcV1yo

唯「ささっ、どうぞ」

律「あ、あぁ」

「・・・」ペラ

律(新聞読んでいるのか・・・さすが和)

紬「元気になってよかった」

澪「まったくだ」

律「ご迷惑をおかけしました」

唯「私はなんにもしてないけどね〜」

律「そうだな」

唯「えぇ〜、私も元気になりますようにって念を飛ばしてたんだよ〜?」

「それだと悪化するわよ」ペラ

唯「あっそっか〜」

律「えっ、誰!?和の声じゃないぞ!?」

澪「あ、知らないのか・・・」ニヤニヤ

律「新聞で顔が見えないんだけど・・・てっきり和だと・・・」

紬「覚えて・・・ないの・・・?」

律「え・・・?」

澪「そうか・・・」

唯「りっちゃんがそんな人だったなんて・・・」

「フフフ」

律「ま、まて・・・本当に分からん」

澪「ひどいな・・・」

紬「りっちゃん・・・」

唯「失望したよ・・・」

律「ぇ」

「ワ タ シ ヨ !」バサッ

律「さ、さゎちゃんっ!?」
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:06:00.19 ID:IS6QcV1yo

澪「こ、声が裏返った」ブフッ

さわ子「もぅ・・・失礼ね〜」

紬「」プクク

唯「」プクク

律「な、なんでさわちゃんがここにいるんだよ!」

さわ子「これよ、このリアクションが欲しかったよ〜」キラキラ

唯「和ちゃんと入れ替えだよ〜」

律「え、和は・・・?」

澪「朝一で帰ったらしい」

紬「見送りたかったわね」

さわ子「起こすの悪いからって言ってたわ」

唯「和ちゃんらしいや」

律「あ、あぁ・・・そっか、そういう事か・・・」

澪「さわ子先生、和を見送りました?」

さわ子「えぇ、車掌さんとね。みんなによろしくって」

紬「そうなの・・・」

唯「そっか・・・」

律「急に現れて急に去って行ったな」

澪「まるで妖精みたいだな・・・」

律「・・・」シーン

さわ子「・・・どういう意味?」ヒソヒソ

紬「分かりません」ヒソヒソ

唯「澪ちゃん、どういう意味?」

律「聞いたよこの子!」

澪「ち、ちがっ!そういう映画を観たんだ!」

さわ子「映画の話だったのね」

紬「見たのかと・・・」

唯「なーんだ」

律「・・・どんな期待をしていたんだよ」

澪「大人になってもまだ見えていた人がいてなっ!」

律「あー、はいはい」

さわ子「お昼まで雨らしいわよ」

唯「えぇー、朝市大丈夫かなぁ」

紬「昨日まで晴れが続いていたんだけど・・・」

澪「突然見えなくなるんだけど、本当は近くにいたんだよっ!」

律「うん、いい話だよねー」

けさみ「みなさん今日も元気ですね〜、お待ちどうさま〜」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:08:46.59 ID:IS6QcV1yo

ザーーーーー

澪「・・・」カリカリ

紬「・・・」カリカリ

さわ子「・・・」フムフム

唯「う〜ん、さとみちゃんこれ教えて〜」

さとみ「あ、これはね・・・こうやれば・・・」

唯「おぉ・・・そうか。わかったよ、ありがと!」

さとみ「いえいえ」ニコニコ

律「・・・」

紬「・・・?」

澪「・・・」カリカリ

愛「律さん・・・?」

律「だぁーーー!!」

さわ子「あら、わからない所あった?」

唯「周りに聞けばいいんだよ〜」

律「そうじゃねえ!」

澪「限界がきたか」

律「なんで展望車で勉強会なんか開いているんだよっ!!」

愛「お、おちつきましょう」

律「落ち着いていられるか!」

愛「」ガーン

さわ子「うるさいわねぇ、集中しなきゃ身につかないわよ?」

律「観光行こうぜ!」

さわ子「今大雨降ってるじゃない」

律「観光地に着いたら止むかもしれないだろ」

紬「りっちゃん、今9時だから余裕あるわ」

唯「そうだよ〜」

さとみ「朝に勉強するのはいい事なのよ?」

律「みんなどうしたんだよ!?なんで金沢にきてまで勉強していられるんだよ!」

唯「言われてみれば・・・」

律「な?勉強なんてやめて観こ」

さわ子「田井中さん、座りなさい」

律「・・・はい」

澪「・・・」カリカリ

唯「・・・」カリカリ
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:10:35.37 ID:IS6QcV1yo

さわ子「りっちゃんが騒いだから30分延長ね」

唯「りっちゃん〜!」

律「・・・みんな、ごめん」

さとみ「どうして私まで・・・」

愛「捕まってしまいましたね」

さわ子「千歳さとみ・・・教師の間では結構有名な名前よ?」

さとみ「!」ビクッ

律「え、どんな風に有名なんだ!?」

唯「教えてさわちゃん!」

紬「うんうん!」

さとみ「ぁ・・・」

さわ子「東京に生徒の模範となる優等生がいるってね・・・」

さとみ「・・・」ハァ

律「なーんだ」

唯「もっとインパクトがあるのかと思ったよ〜」

紬「そうね〜」

さとみ「えっ?」

澪「いや、結構凄いことなんだけどな・・・」

愛「インパクトですか?」

律「そうだな・・・枯れない木を遺伝子組み換えで作ったとか」

愛「す、すごいですね」

澪「唯はどんな期待をしてた・・・?」

唯「東京で一番のエアギターが出来る」

澪「・・・そうか。そればっかだな唯は」

さわ子「むぎちゃんは?」

紬「過去へ行ける装置を開発」キリ

さとみ「世界で有名になるわよ!」

律「最近それ関係のネタ多いよな、むぎ」

澪「時間関係のな」

唯「どしたの〜」

紬「寝る前に読んでる本が面白くて〜」

愛「あ、読んでくれたんですね」

紬「えぇ。今日で読み終えるから、明日お返しますね」

愛「ふふ、なんだか嬉しいです」

律「なんだ、むぎに本を貸してたの?」

愛「はい」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:11:09.16 ID:IS6QcV1yo

ワイワイ

さとみ「もう・・・」

さわ子「この子たちはこんな反応よ」

さとみ「あ・・・」

さわ子「有名なんて大げさに言ったけど、2割は本当よ?」

さとみ「・・・」

さわ子「ふふ、じっくり悩みなさい」

さとみ「・・・どうして」

さわ子「真鍋・・・和ちゃんが気にしていたからよ」

さとみ「・・・そう・・・ですか」

ワイワイ

唯「見て愛ちゃん、このニワトリのガラス細工」

愛「綺麗ですね〜」

唯「チキンちゃんって言うんだ」

澪「改名したほうがいいぞ」

さわ子「ほら、勉強に集中する」

唯「えー、もう集中できないよぉ」

律「そうだぜ〜」

さわ子「朝市」

澪「さぁ、やるぞ」

紬「そうね!」

律「・・・」カリカリ

唯「・・・」カリカリ

愛「すごい統率力ですね・・・」

さとみ「そ、そうね・・・」
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:12:36.42 ID:IS6QcV1yo

ザーーーーー

愛「・・・」

律「・・・」カリカリ

愛「・・・」フゥ

律「・・・分かんねぇ、愛ちゃんここ教え・・・」

愛「・・・は、はい?」

律「どした?」

澪「・・・」カリカリ

愛「雨止みそうにないですね」

澪「・・・?」

さとみ「・・・」カリカリ

唯「」ウトウト

紬「わっ!」

唯「おぉ!」ビクッ

さわ子「・・・」ペラ

律「そのうち止むよ」

愛「・・・」

澪「・・・」

唯「・・・」カリカリ

紬「・・・」カリカリ

愛「・・・」フゥ

律「そうだな、・・・そりゃ!」ブンッ

澪「・・・なにしたんだ?」

愛「・・・?」

さわ子「・・・」ペラ

律「お天道様に私の想いを投げた」ブイ

紬「・・・なるほど」フムフム

澪「投げてどうするんだ?」

律「顔をひょっこり出すかもしれないだろ『お、やってるね』って」

澪「屋台じゃないんだから。それで、何を投げたんだ?」

律「えーと・・・」

澪「適当か」ヤレヤレ

律「あ・・・愛だ」
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:13:43.17 ID:IS6QcV1yo

澪「・・・まだ熱が残っているんじゃないか?」

律「・・・」

紬「私も・・・えいっ!」ポイッ

澪「・・・むぎは何を投げたんだ?」

紬「りっちゃんの愛です!」グッ

律「勝手に投げないでくれませんか!?」

さわ子「・・・」

さとみ「・・・」

唯「私も・・・えいっ!」ポイッ

さわ子「唯ちゃんは何を投げたのよ?」

唯「私のやる気です!」

さわ子「アタック!」バシッ

唯「えぇー、さわちゃん、なんてことを・・・」

さわ子「これはあなたが持ってなさい」

唯「さわちゃんが言うなら・・・」シブシブ

愛「クスクス」

さとみ「・・・先生らしくない先生ね」

さわ子「何か言ったかしら?」

さとみ「いえ、なんでもありません」

さわ子「・・・そう?ま、いいわみんな集中してね」ペラ

律「さっきから何読んでいるんだよ」

さわ子「金沢の観光ガイドよ」

律「鬼だな」

さわ子「なんとでもおっしゃい。あなたたちの為なら何にでもなるわ」

さとみ「おぉ〜」

愛「・・・生徒想いな先生ですね」

さわ子「ふふ、あなたたち見所あるわね」

唯「山中さわ子」ボソッ

さわ子「どういう意味よ」
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:14:40.52 ID:IS6QcV1yo

修治「みんななにしてんのー?」

さわ子「・・・あら、あなたもどう?」

紬「・・・」カリカリ

唯「・・・うーむ」

さとみ「・・・」カリカリ

修治「んー?すう・・・が・・・く」

律「ここ空いてるから座りたまえ」

修治「あ、そうだ!田舎の友達に白菜を送らなきゃいけないんだった、・・・じゃね」

さわ子「・・・座りなさい」

修治「はい」

律「なんだよ、白菜って」

修治「自分でも分からん。俺書くもの持ってない」

愛「・・・どうぞ」

修治「あ、ありがと・・・ノートも」

律「はいどうぞ」

修治「あなた やさしい」

律「やさしい あたりまえ」

澪「なんでカタコト・・・」

唯「」ウトウト

紬「・・・アイス」

唯「おぉ!」

紬「・・・」カリカリ

律「・・・」カリカリ

さわ子「・・・修治くん、そこ間違えてるわよ」

律「・・・プッ」

修治「・・・えぇと」

さとみ「こうすれば・・・」

修治「・・・あ、なるほど。で、こうなるのか」スラスラ

さわ子「やればできるじゃない」

律「なにぃ!修治はそんなキャラじゃないだろ!」

唯「うんうん」

修治「どんなキャラを設定してたんだよ」

律「分かりません、律さん教えてください。みたいな」

唯「うんうん」

修治「HAHAHA!」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:16:01.20 ID:IS6QcV1yo

さわ子「そろそろ集中しなさい」

律修治「「 はい 」」

唯「・・・」カリカリ

みらい「・・・みなさんなにを」

律唯修治「「「 まぁ、座りたまえ 」」」

みらい「え・・・、はい」

澪「巻き添えを増やそうとしてるな」

唯「みらいちゃんまだ習ってないよ?」

さわ子「唯ちゃんが復習がてら教えてあげなさい」

唯「がってんです!」

みらい「よろしくお願します」

唯「どんとまかしぇんしゃい」ドン

みらい「えぇと・・・」

唯「こうやって・・・こうだよ」

みらい「・・・なるほど」スラスラ

紬「飲み込み早いのね〜」

律「そうだな」

澪「ゲームも上手かったな。師匠越えあっという間だった」

さとみ「へぇ・・・」

律「・・・そう・・・だな」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:17:44.38 ID:IS6QcV1yo


唯「あれ・・・?」ハテサテ

みらい「そこは・・・こうじゃないですか?」

唯「あ、なるほど」スラスラ

みらい「唯さん・・・このガラス細工綺麗ですね」

唯「うーん・・・ん?チキンちゃんだよ」

みらい「可愛い・・・」

唯「可愛いでしょー。みらいちゃん、ここは?」

みらい「えーとですね」

さわ子「あらら」

修治「!」

将人「・・・ここにいたかみらい」

みらい「マ、マネージャー」

修治「あー、喉渇いたなぁ」

さわ子「そうね、むぎちゃん紅茶淹れてきてくれないかしら」

紬「はーい」ガタ

さわ子「澪ちゃんと松浦さんもお願いね」

澪「は、はい」ガタ

愛「・・・はい」ガタ

スタスタ

ザーーーー---

さとみ「・・・」

律「・・・」

唯「・・・」

将人「ふん・・・みらい行くぞ」

みらい「・・・お昼まで休暇のはずです」

さわ子「勉強の最中ですが」

将人「そんなの後でいい」

さわ子「今学べることを後回しにすると苦労しますよ?」

将人「今必要ない。誰だあなたは」

さわ子「この子たちの担任をしている、山中さわ子と申します」

将人「余計な事を吹き込まないでくれるか?」

律「・・・」ムッ
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 01:18:42.96 ID:F3jtWqO+o
最終的にけいおんキャラ×修治になるの? それ読まないから
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:19:33.22 ID:IS6QcV1yo

唯「・・・」

さわ子「みらいちゃんの視野を広げるためには必要だと思いますが」

さとみ「・・・」

将人「ふんっ、そんな事はどうでもいい。みらいどうするんだ?」

みらい「・・・」

さわ子「自分がしたい方を選んでくれていいわよ」

唯「さわちゃん・・・」

修治「・・・」

みらい「私は・・・」

将人「ククク、教え子にあだ名で呼ばれるとは笑わせる。それでも教師か」

律「てめぇ!」

さわ子「りっちゃん」

律「・・・」ムスッ

さわ子「私はこの子たちから愛称として受け取っています」

さとみ「・・・!」

将人「くだらない時間だ。みらい、俺の言うとおりにすれば間違いはないんだ。分かるだろ」

みらい「・・・」

唯「・・・」

修治「そんなんでうまくいくのかよ」

将人「何も知らないガキがッみらいはうちの商品なんだよ!社会のルールに口を出すな!」

修治「お前らが決めたルールだろ、押し付けるなよ」

将人「貴様ッ!」グイッ

修治「なんだ・・・やるのかよ?」ジロ

律「修治!」

みらい「やめてください!」

将人「ふんっ」

修治「・・・」ドスッ

みらい「私、決めました。ここに残ります」

将人「それでいいんだな・・・」

みらい「はい」

将人「くだらない連中に影響されやがって」

さわ子「テメェ、今なんつった!?」

さとみ「!」ビクッ
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 01:19:48.46 ID:F3jtWqO+o
>>431
なんか抜けてた それなら読まないから
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:22:06.28 ID:IS6QcV1yo

律「さ、さわちゃん」

さわ子「なんつったって聞いているんだよ」

将人「なんだ・・・?手を出すつもりか?」

さわ子「教え子を侮辱するんじゃねえ」ギロッ

さとみ「・・・」

将人「ふん、みらい・・・せいぜい後悔しないように頑張るんだな」

みらい「後悔しません」

将人「ククク、これは面白い・・・アーッハッハッハ」

唯「・・・」

さわ子「はっ、私ったら・・・」

律「さわちゃん・・・ロックだったぜ」グー

さとみ「・・・さわ子先生ってカッコいいですね」

律「昔ヤンキーだったからな」

さわ子「ヤンキーじゃないわよ。さとみちゃんもう一度言って?」

さとみ「え・・・カッコいいですね・・・」

さわ子「そこじゃないわ」

さとみ「さわ子先生って・・・?」

さわ子「もう一度」

さとみ「さわ子・・・先生」

さわ子「もう一度」キラキラ

律「いいかげんにしろ」ビシッ

さわ子「だって、他校の子にそう呼ばれるって滅多にないのよ?」

律「はいはい、そうですか」

修治「アイツ笑いながら降りて行ったぞ」

みらい「・・・ふふ、そうですね」

唯「・・・」

律「ところで、あのマネージャーが言ってたことが気になるんだけど?」

みらい「もうマネージャーじゃなくなった。という事です」

さとみ「もしかして・・・」

みらい「はい、事務所クビになりました」ニコ

唯「!」

修治「え、なんで!?」

みらい「最近の私の言動について忠告を受けていたんです」

唯「・・・」

みらい「言うとおりにしないヤツはいらないって」
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:23:07.81 ID:IS6QcV1yo

さわ子「・・・」

律「でも、それなら事務所としてもダメージが大きいだろ」

みらい「だからです。私の行動を抑えるためにも多少の犠牲は厭わないと・・・」

唯「そ・・・んな・・・」ボロボロ

さとみ「唯ちゃん・・・」

唯「ひど・・・いよぉ・・・みらいちゃんは・・・みらいちゃん・・・なのに・・・」ボロボロ

修治「・・・」

唯「みらいちゃん・・・頑張っ・・・ている・・・のに・・・」ボロボロ

みらい「唯さん・・・」

さわ子「・・・」

唯「・・・ちゃんと・・・みらいちゃんを・・・見てれば・・・分かるのに・・・」ボロボロ

みらい「はい、唯さんが私を見ていてくれました」

唯「っ・・・」ボロボロ

みらい「私を応援してくれたから頑張れたんです」

唯「・・・」グスッ

みらい「これからも応援・・・してくれますか?」

唯「え・・・?」グスッ

修治「引退しないって事?」

みらい「はいっ!」

律「すごいな・・・」

さとみ「・・・うん」

さわ子「・・・」

みらい「私の夢を潰されたくありませんから」

唯「うん・・・応援するよ!」

みらい「ありがとうございます。唯さん」ニコ

さわ子「水をさすようで悪いんだけど、フリーのアイドルを使ってくれる所なんてないわよ?」

みらい「そ、それは・・・」

さわ子「あの事務所も邪魔をしてくるでしょうね・・・」

律「今言わなくても・・・」

さわ子「大事なことよ」

律「うっ」

修治「・・・」

さとみ「・・・」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:23:39.00 ID:IS6QcV1yo

みらい「そうですね・・・、オーディションに片っ端から」

さわ子「所属していた事務所って結構大きいんでしょ?それは期待薄いわよ」

さとみ「厳しい状況ですね」

みらい「・・・」

さわ子「・・・」

唯「・・・」

みらい「前の事務所にいた頃と同じような事をしてみます」

唯「え・・・」

みらい「デパートの屋上でライブとか・・・手作りCDを手渡しで販売する・・・とか」

さわ子「・・・」

みらい「なんだか懐かしいです」ニコニコ

修治「強いな・・・」

律「あぁ・・・」

紬「ごめんね〜遅くなっちゃった」

愛「遅くなりました・・・」

澪「律と唯にアイスだぞ」

律「え、どして?」

澪「一昨日、憂ちゃんとの事忘れた?」

唯「うい!?」

律「けさみさんと約束してたんだよ」

唯「・・・おぉ」

澪「律のもサービスだってさ」

さわ子「いいなぁ〜」

さとみ「えっ!?」

さわ子「私だって甘いもの食べたいわよぉ」

紬「そう思って売店でアイス買ってきました」キラン

さわ子「さすがむぎちゃん!」ルンルン

律「さっきまでの空気が吹っ飛んだな・・・」

修治「そうだな・・・」

みらい「ふふ、救われます」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:28:52.95 ID:IS6QcV1yo

律「うめぇ〜、勉強の合間の紅茶は格別だぜ〜」

唯「・・・うん」

律「唯は応援するって決めたんだろ?落ち込んでるヒマないぞ」

唯「そうだね」

澪「?」

さわ子「おいしいわ〜」

愛「おいしいです」

さとみ「・・・うん、おいしい」

紬「うふふ、ありがとうございます」

修治「すいませんでした・・・山中・・・さん」

さわ子「どうしたのよ?」

修治「俺が煽ってしまったから・・・」

さわ子「謝るのは私じゃないでしょ」

修治「・・・」

さわ子「ふふ、あなたはまだ若いんだからあれでいいのよ」

みらい「・・・」

さわ子「あのマネ・・・元マネが言っていたことも一理あるわよ」

修治「・・・!」

みらい「判断を誤ったという事ですか・・・?」

さわ子「そのやり方で今までの『アイドル飯山みらい』が存在したのも事実でしょ」

みらい「はい」

さわ子「それを振り切ったんだからこれから大変よ」

みらい「・・・はい」

修治「キツイな・・・」

さわ子「当然じゃない、その道を選んだのはみらいちゃんよ」

みらい「・・・」

さわ子「だから例え失敗しても後悔はないと思うわ」

みらい「はい!」

修治「・・・先生みたいだ」

さわ子「宿題出しましょうか?」

修治「とんでもない!」

みらい「唯さんが応援してくれる限り・・・頑張れます」

修治「俺も微力ながら応援するよ」

さわ子「あの子たちもね」
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:30:34.37 ID:IS6QcV1yo

澪「・・・お、律の愛が届いたみたいだな」

紬「まぁ・・・本当ね」

律「見たか!私の愛の力を!」

さとみ「律さん・・・恥ずかしげもなく・・・」

律「もぅいいやー!アハハー」

澪「病み上がりのハイテンションは危ないな」

愛「だ、大丈夫でしょうか・・・」

さわ子「なによ・・・愛って」

修治「秋山さん、記事持ってる?」

澪「え?・・・どうぞ」

修治「サンキュー、これです」

さわ子「なになに・・・?」

みらい「昨日言ってた記事ですね」

律「・・・」

さわ子「・・・若さって罪よね」

律「・・・修治・・・貸し3つな」

修治「増えてる!?」

紬「まぁ・・・」

さわ子「・・・みらいちゃん、手作りCDって?」

みらい「・・・え?」

さわ子「前の事務所で活動していた頃の話よ」

みらい「私を担当してくれたプロデューサーがいて、その方と一緒に活動していました」

さわ子「歌詞と作曲は?」

みらい「プロデューサーと私の共同で・・・」

さわ子「・・・ふむ」

唯「あの時の曲?」

さとみ「あの時?」

みらい「私がTV出演した時ですね」

唯「うんうん、そうだよ」

みらい「そうですよ、その時の曲です」

澪「唯覚えているのか?」

唯「もちろんですたい」

さわ子「歌詞書いてくれない?」

律「ん?」
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:31:58.76 ID:IS6QcV1yo

みらい「は、はい・・・」カリカリ

紬「・・・?」

唯「私あの曲が一番好きなんだよ〜」

みらい「ふふ、あまり売れませんでしたけど」カリカリ

唯「私今でもよく聞いてるよ!」

みらい「・・・嬉しいです。・・・どうぞさわ子先生」

さわ子「・・・え?」

みらい「ど、どうぞ・・・」

さわ子「誰に渡すの?」

みらい「さ、さわ子先生に・・・」

さわ子「うふふ」キラキラ

律「そんなに嬉しいのかよ」

さとみ「・・・」

さわ子「・・・ふむふむ」

澪「どうしたんだ?」

律「さぁ・・・」

さわ子「・・・むぎちゃんこれ・・・」

紬「え?・・・はい。お借りします」

さとみ「・・・?」

さわ子「それ・・・ホッチキスでアレンジできない?」

律「な、何をする気ださわちゃん!?」

唯「なになに、どうするの!?」

愛「なにが起こっているんでしょうか」

修治「分からない・・・」

紬「うーん・・・バラード・・・ですか?」
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:32:31.56 ID:IS6QcV1yo

さわ子「さすがむぎちゃん」

みらい「・・・?」

愛「・・・?」

さとみ「どうしてむぎさんに・・・?」

澪「むぎが作曲してるからだよ」

さとみ「・・・え」

さわ子「ふっふっふ」

律「ど、どうした?」

唯「さわちゃん・・・?」

さわ子「みらいちゃんは私がプロデュースするわ!」ビシッ

律澪唯「「「 えぇー!! 」」」

みらい「!」

紬「あらあら」
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:50:27.23 ID:IS6QcV1yo


唯「輪島に到着!」

澪「陽が差し込んできてよかった」

愛「あ、天使のはしごですよ・・・」

唯「天使には羽があるから梯子なんていらないよぉ〜」ヤダナァ

紬「雲の切れ間から降り注ぐ光の事よ」

唯「なんと!」

澪「たしかに天使が降りてきそうだ」

紬「神々しいわね〜」





律「・・・」

さわ子「あの子たち朝市にきて空を眺めているわよ」

さとみ「ふふ」

律「いきなり『観光行くぞ』ってどうしたんだよ」

さわ子「もう勉強どころじゃないでしょ?」

律「そりゃそうだけどさ・・・」

みらい「・・・私もご一緒していいのでしょうか?」

修治「武家屋敷に・・・」

さわ子「今はあの子たちと一緒にいなさい」

みらい「・・・」

修治「・・・俺は?」

さわ子「謝るくらいなら手伝いなさい」

修治「・・・はい」

律「プロデュースはどうするんだよ」

さわ子「そうねぇ・・・もうちょっと待ってて」

律「?」
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:51:41.78 ID:IS6QcV1yo

紬「みてみて〜お魚がいるわよ〜」

唯「おいしそう」ジュルリ

澪「刺身で食べたいな」

「嬢ちゃんたち見る目あるじゃないか、安くするよ!」

唯「いくらですか?」

「1000円でどうだ?」

律「もう一声!」

「800円だ」

紬「も、もう」

澪「・・・もう一声」

「しょうがねぇ、500円だ!!」

紬「・・・」ションボリ

澪「あ、ごめんむぎ・・・」

紬「気にしないでぇ・・・」ションボリ

律「あーあ・・・」

唯「よし買った!」

さわ子「ちょっと待って!」

「お?」

さわ子「買ってどうするのよ?」

唯「コックさんに料理してもらう!」フンス!

さわ子「あのねぇ」

律「迷惑かもな」

澪「そうだな」

「か、買わないのかい!?」

紬「買いたいのですけど、これから能登半島まで行かなきゃならないので」

「なんだ、それならしょうがないな」

さわ子「ごめんなさいね」

「いいって事よ。魚持って観光なんてできないからな」

律「・・・いい人だぁ」

澪「あぁ・・・是非とも買って食べたいな」

「せっかくの魚が傷んではもったいないからな。気にするな」

コック「お?みんな来ていたのか」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:53:20.41 ID:IS6QcV1yo

澪「あ・・・」

律「料理長・・・買出し?」

コック「そうだ。いい食材が手に入りそうだ」

唯「・・・うーん」

コック「どうしたんだ唯は」

律「食べたいんだってさ」

コック「これだけの品は滅多にお目にかかれないからな。見る目あるじゃねぇか」

「お、兄ちゃんもいい目をしてるじゃねーか!安くしとくよ!」

コック「兄ちゃんて歳でもないがな・・・。それじゃあ・・・」

さわ子「・・・あら?みらいちゃんたちは?」

紬「漆塗りを見てるみたいですよ」

律「あ、ほんとだ・・・」

澪「楽しそうだな・・・よかった」

紬「えぇ」

唯「・・・うーん」

律「はは、ギー太と出会ったときを思い出すな」

コック「・・・どうして買わないんだ?」

律「これから能登半島いくからさ、魚が傷んでしまうんだよ」

コック「そりゃそうだな」

唯「・・・」ジュルリ

コック「しょうがない・・・持って行ってやるよ」

さわ子「あらあら」

唯「おぉ、コックさん!いつの間に!?」

コック「20分まえからだ」

唯「そっかー」

律「私たちが来てそんなに経ってねぇぞ」

コック「ほら、持って行くからさっさと買っちまいな」

「買ってくかい嬢ちゃん?」

唯「買ってくよ!」

「じゃあ、1000円からだ」

律「え・・・」

「まぁ儀式みたいなもんだ」

修治「ノリがいいな」

みらい「楽しそうですねみなさん」
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:54:15.29 ID:IS6QcV1yo

澪「よし・・・むぎ、チャンスだぞ」

さとみ「チャンス?」

律「まぁ、みてなって〜」

唯「もう一声!」

「700円だ!」

愛「も、もう一声」

「しょうがねぇな、600円だ」

紬「も、もう」

修治「もう一声!」

紬「ぁ・・・」

律「おらぁ!」バシッ

修治「いたっ!」

紬「・・・」ションボリ

「500円だな」

唯「ありがと〜」

コック「一匹で足りないだろ」

さわ子「え・・・?」

コック「人数分買っちまいな、料理してやるよ」

律「マジか・・・」

コック「その分の料理代は頂くがな」
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:54:52.87 ID:IS6QcV1yo

唯「ありがと〜!」

「お、まだ買ってくかい?」

澪「は、はい!」

さわ子「それじゃあ、それとそれとこれとあれを」

「はいよぉー」

唯「よぉーし」

「それじゃあ勝負と行くかい?」

澪「は、はい!」

律「みんな邪魔するなよ!」

修治「はい・・・」

さとみ「分かったわ」

みらい「はい!」

愛「・・・大丈夫です」

紬「・・・」ゴクリ

「3000円からだ!」

律「やっす!」

さわ子「4匹なのに・・・」

紬「もう一声〜!」
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:55:57.20 ID:IS6QcV1yo

紬「一匹おまけしてくれたわ〜」キラキラ

律「安くなった上に・・・おまけまで。すげぇ・・・」

コック「ディナーでいいか?」

澪「は、はい!」

さわ子「重くないですか?」

コック「この為に鍛えているんだ、任せとけ」

唯「おぉ」

コック「じゃあな」

律「列車でな〜」

さとみ「・・・」ジー

紬「? なにかしらさとみさん?」

さとみ「い、いえ。なにも・・・」

紬「・・・?」

さわ子「ふふ」

唯「みらいちゃん何買ったの〜?」

みらい「見てください、鳥の柄が入った漆塗りのキーホルダーです」

唯「おぉー・・・ん?」

みらい「どうしました?」

唯「これ・・・鶏だよ?」

みらい「え!?」

唯「おっちょこちょいだなぁ、みらいちゃんは」

みらい「そうですね・・・ふふ」

愛「仲良しさんですね」

澪「そうだな」

律「よぉーっし!太陽も出てきたことだし能登半島へいっくぞー!」

紬「おぉー!」
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:56:48.23 ID:IS6QcV1yo

さわ子「はい・・・そうです。・・・少しお待ち下さい」

律「さわちゃん誰に電話してんだ?」

唯「誰だろ?」

さわ子「澪ちゃん、午前と午後どっちがいい?」

澪「え・・・、午前・・・?」

さわ子「それでは午前で・・・そうですか、分かりました。よろしくお願します」

紬「さわ子先生・・・?」

さわ子「もうちょっと待っててね。最後に確認して決定だから」

律「うーん?」

愛「恋路海岸というものがこの先に・・・」

さとみ「穴場スポットらしいわね」

修治「へぇ・・・」

律「あ、なんだあのモニュメント!」

さわ子「ハート型ね・・・乙女だわ〜」

律「鐘だな、鳴らしてみようぜー!」

修治「乙女だな〜」

律「修治は砂浜に埋まってろ!」

修治「満ちたらどうするんだよ!」

律「魚と戯れてろ」

修治「恐ろしいよほんと・・・」

澪「もうむぎがスタンバってる!」

唯「私も鐘を鳴らす〜!」テッテッテ

愛「みなさん・・・鐘を鳴らす意味を分かっているのでしょうか・・・」

さとみ「分かってないわね・・・」

みらい「意味・・・ですか?」

修治「・・・?」

さとみ「あの鐘を二人で鳴らすと恋が成就するんだって」

さわ子「よし!」テッテッテ

修治「二人でって言ったのに・・・」

律「せーっの!」

紬「えいっ!」

唯「そいやさ!」

澪「えい!」

さわ子「よいしょ」

カラーンカラーン
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:57:20.98 ID:IS6QcV1yo

律「バンザーイ!」

唯紬「「ばんざーい!」」

修治「あれはあれで何かが成就するんだろうな」

さとみ「ふふ、そうね」

みらい「そうですね」

愛「・・・」

エレナ「ミナサンなにしてますカ?」

小麦「みんなこんな所でなにしてんのー?」

澪「あ、エレナさんと小麦も来てたんだ」

エレナ「能登半島はキレイな所と聞いてるネ撮っておきたかったヨ!」

小麦「そういう事ー!」

澪「そっか。じゃ一緒に行こう」

エレナ「もちろんですネ」

律「二人ともお見舞いありがとな」

エレナ「部長サンが元気になってよかったヨ」

小麦「うんうん!」
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:58:17.19 ID:IS6QcV1yo

愛「日本海が広く見えますね・・・水平線まで真っ青できれい・・・」

修治「本当だ・・・白い砂浜と対照的で」

唯「おまちになって〜」キャッキャ

律「捕まえてごらんなさ〜い」ウフフ

みらい「最近のドラマではみない演出ですね」

澪「なんか頭痛くなってきた」

さわ子「いまいち絵にならないわねぇ」

唯「そ〜れ」バシャ

律「きゃ、冷た〜い」

修治「エレナ、撮ってる?」

エレナ「バッチリですワ」

小麦「プクク。あの二人面白いんだ」

紬「・・・」ウズウズ

澪「むぎ、今回は抑えてもらうぞ」

紬「え・・・うん」

唯「みてみて、りっちゃ・・・律夫さん」

律「なんだい唯子」

唯「この貝殻・・・」

律「唯子・・・君の方が素敵さ」

唯「身が入ってないわ・・・」

律「そりゃ殻だからね」

唯「どんな味がしたのかしら」

律「はは、食いしん坊だなぁ」コツン

唯「あいた」テヘ

律「あはは」

唯「えへへ」

律「って、あいつらなにしてんだー?」

唯「行ってみよう」
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:59:09.23 ID:IS6QcV1yo

テッテッテ

修治「愛ちゃんもっと寄って」

愛「は、はい」

律「記念写真撮るなら呼べよ!」

唯「そだよ〜」ブー

澪「邪魔しちゃ悪いかな、と思って」

律「・・・」

澪「性別が変わったのはどうしてだ?」

律「唯が私の役を男に変更したからだよ」

澪「そっか」

エレナ「いいドラマが撮れましたヨ」

さわ子「見ていて恥ずかしい画だったわ」

小麦「あ、新しい人だ」

さわ子「この子たちの担任をしている、山中さわ子です。よろしくね」

小麦「こっちは私の相棒のエレナ・ユーリ・ノーディス。私は伊東小麦です。よろしくおねがいします。さわ子先生」

エレナ「よろしくですワ、サワコ先生」

さわ子「まぁ、いい子たちね」キラキラ

澪「・・・」

さとみ「ふふ、7人ね」

紬「・・・何がですか?」

さとみ「むぎさんを含めた不思議な人たちが・・・よ」

修治「じゃ、いくよー」

紬「・・・」イエイ

唯「いえーい」ダブルピース

律「・・・」ブイ

澪「・・・」

さわ子「・・・」

修治「はい、チーズ!」カシャ
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 02:00:00.29 ID:IS6QcV1yo

さとみ「ありがとう修治くん」

みらい「ありがとうございます」

修治「いえいえ、はい、カメラ」

紬「ありがとう〜」

エレナ「オー!小麦、時間ですワ!」

小麦「え!?急がなきゃ!じゃーねーみんなー!」

澪「あ、うん」

唯「じゃ〜ね〜」

さわ子「慌しいわねぇ」

修治「片町でバイトするんだってさ」

律「元気だなぁ」

澪「バイト・・・」

さとみ「それじゃ私も失礼するわね」

愛「わたしも・・・」

紬「列車でね〜」

律「バイバイ」

修治「俺も片町に行ってみるかな・・・」

さわ子「気をつけなさいよ」

修治「はーい。じゃねー」

律「じゃあな」

みらい「・・・私、駅に戻ってみます」

唯「どうして〜?」

みらい「一日車掌の最後の収録に穴を開けてしまったので・・・スタッフに謝りたいんです」

唯「じゃあ、私も行くよ!」

紬「そうね、とりあえずみんなで駅に戻りましょうか〜」

さわ子「っと、駅に着いたら電話しなくちゃね」

紬「・・・誰に電話するんですか?」

さわ子「梓ちゃんよ」
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 02:13:38.94 ID:IS6QcV1yo
今日はここで打ち止めにします

テーマは悩みなんで、恋愛まで発展するヒマはないと思っています
修治と星奈のフラグをへし折ったのが梓ですけど、そのポジションに梓が入るのはつまらんなと思います

ただ、修治を含めた登場人物みんなが旅を楽しんでくれたらいいなぁと・・・

読んで下さった方ありがとうございました!
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/07(木) 02:18:46.05 ID:DLa36igFo

このまままったりゆっくりでいいと思います
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:33:40.37 ID:hhitb21Ro

―――――平沢邸

「・・・もぐもぐ」

梓「8・・・」

「あ、ごめん食べ過ぎた?」

梓「別にいいけど・・・」

「そう・・・?」

憂「これも食べて〜、お姉ちゃんが買った雷おこしだよ」

「うまいうまい」モグモグ

梓「食べすぎだよ、純」

純「おいしいからいいの」

梓「はぁ〜」ゴロン

憂「どうしたの梓ちゃん?」

梓「ひま・・・」

純「予定はどうしたよ」モグモグ

梓「早めに終わってしまったから・・・」

憂「ふふ」

純「どうした憂?」

憂「ううん、なんでもない」

梓「・・・」ゴロゴロ

純「梓、だらしなくない?」

梓「・・・そうかな」ゴロゴロ

憂「あ、純ちゃんTVのボリューム上げてくれる?」

純「はいよ」ピッピッ

『突撃芸能レポーターの高橋まどかでーす!』

憂「梓ちゃんヴェガの特集してるよ」

梓「!」ガバッ

純「お?」

まどか『えー、今日は一日車掌を務めた今泉千秋さんにインタビューしてみましょう』

憂「え・・・」

梓「?」

純「あれ?梓、東京でイベントしてたの飯山みらいじゃなかったっけ?」

梓「う、うん。そうだけど・・・」

憂「どうして・・・?」

千秋『みんなよろしくぅ〜!千秋だよぉ〜!」

梓「誰だろ・・・?」
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:34:44.40 ID:hhitb21Ro

純「どこにでもいそうな感じだなぁ」モグモグ

憂「・・・」

まどか『千秋さん客間に向かってメッセージをどうぞ』

千秋『みんな〜、私の為に応援してくれてありがと〜』

純「してないけどね」モグモグ

まどか『それではスタジオにおかえししま〜す』

純「えっ、もう?」

憂「お姉ちゃん・・・大丈夫かな・・・」

純「今の子を映しただけじゃん」モグモグ

梓「憂・・・?」

憂「なにかあったんじゃないかな・・・」

梓「唯先輩は飯山みらいのファンだったね」

純「ふーん」

梓「憂、大丈夫だよ。唯先輩にはむぎ先輩たちがいるんだから」

憂「うん・・・」

pipipipipipi

梓「あ、ちょっとごめん。・・・はい、もしもし」

純「ヴェガねぇ・・・」モグモグ

憂「・・・」

純「・・・」

梓「純、チャンネル変えて」

純「え・・・うん」ピッ

梓「他のチャンネルでもヴェガの生放送やってるかも」

純「うん・・・」ピッピッピ

憂「あ・・・」

梓「変えました・・・はい・・・?」

純「誰からー?」

梓「さわ子先生から・・・そのまま見てろって・・・」

純「・・・?」

憂「あっ!お姉ちゃん!」
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:35:18.57 ID:hhitb21Ro

梓「え!?」

純「どこどこ!?」

憂「ちょっとだけだけど、紬さんと映ったよ!」

純「も、もう一回映せ!」ガタガタ

憂「ふふ、TV揺すってもしょうがないよ〜」

梓「・・・はい、元気出たみたいです。・・・ふふ、そうですか」

純「そこじゃない!」

憂「純ちゃん見えないよ〜」

梓「え・・・?むぎ先輩と唯先輩だけみたいですけど」

純「・・・」ジー

憂「もう一回映らないかなぁ」

梓「・・・用件はこれだけですか?」

レポータ『車掌さんに聞いてみましょう』

憂「あっ」

車掌『はい、私たちも最後まで努めさせていただきます』

純「ほぅ」

梓「えっ!?」

純「梓うるさーい」

梓「またですか!?」

純「・・・?」

レポータ『・・・という事ですか?』

車掌『Non』

レポータ『乗客の為の設備・・・という事ですか?』

車掌『Oui』
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:36:12.66 ID:hhitb21Ro

レポータ『ど、どうしてフランス語で答えたんですか?』

車掌『うふふ、ジョークですよ』

憂「?」

レポータ『冗談のきく車掌さんですね〜、それでは最後にメッセージを』

車掌『みなさんのご乗車を心よりお待ちしています』

純「・・・ん?ちょっと変じゃない今のコメント・・・」

憂「・・・車掌さん」

ピッ

純「梓、電話終わった?」

梓「う、うん・・・」ソワソワ

純「どうした?」

梓「ジャズ研の部室にギターとベースあるよね?」

純「う、うん・・・」

憂「梓ちゃん?」

梓「まだ、昼前だから・・・」ブツブツ

純「・・・?」

梓「憂と純も協力して」

純「話が見えないんだけど・・・」

梓「ちょっとでも練習しておきたいから」

憂「練習・・・?」

梓「ライブの!!」
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:37:16.54 ID:hhitb21Ro

―――――金沢駅

さわ子「むぎちゃんの言うとおり、憂ちゃん元気になったみたいよ」

紬「そうですか、よかったぁ〜」

律「・・・なんで私は映らなかったんだよ」ガッカリ

澪「映らないほうが幸せだってこともあるんじゃないかな」

律「そうですねー」

唯「みらいちゃん、私頑張るからね!」

紬「私も!」

律「私だってー」

澪「うん」

みらい「みなさん・・・ありがとうございます」ペコリ

律「でも、練習しなくてもいいのかよ?」

さわ子「あなたたちに演奏の技術を求めていないわ」

澪「」ガーン

紬「」ガーン

さわ子「あ、そうじゃなくて・・・。今はみらいちゃんとの絆を強くしろってこと」

唯「絆!」

みらい「・・・絆ですね!」

さわ子「そ、そうよ」

律「ちょっと恥ずかしかったりして」

さわ子「そ、そんなわけないじゃない。ほら観光に行くわよ」

唯「お腹空いたよ〜」

紬「みてみて唯ちゃん」

澪「んー?」

将人「んっふっふっふっふ」

律「うわぁ・・・」

みらい「マネージャー・・・」

さわ子「・・・」

将人「みらい、紹介するよ。これからお前の変わりに一日車掌を努める今泉千秋だ」

千秋「どうも〜、千秋でぇ〜す」
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:38:08.89 ID:hhitb21Ro

みらい「はい、見ていましたから。知ってます」

将人「残念だなぁ・・・。今までの分はお蔵入りだよ・・・みらい」

千秋「なぁにぃ〜この子だっさ〜い。私がこれから頑張るから見ててね〜」

将人「ふっ、そういう事だ。ヴェガで邪魔をして絶望させないでくれよ?」

さわ子「・・・」

みらい「・・・」

唯「みらいちゃんみらいちゃん」

みらい「え?」

唯「観光ガイドに載ってるんだけど、ハントンライスっていう名物料理があるんだって」

澪「みんなで行こう」

紬「おいしいと評判よ〜」

律「あぁ、腹減った・・・」

将人「くっ・・・」

千秋「なぁにぃ〜この子たち・・・だっさ」

さわ子「ァ?」

千秋「い、行くわよマネージャー」

将人「・・・指を咥えてみていろ・・・んっふっふっふ」

みらい「・・・」

唯「ご飯・・・ご飯が私を呼んでる〜!」

澪「お、おちつけ」

唯「行くよみんな!ついておいで!」カモン!

紬「そっちじゃないわよ唯ちゃん」

さわ子「あなたたち大物になるわよ」

みらい「ふふ、そうですね」

律「最優先はお昼ご飯だからな」

さわ子「ライブにも意識持っててほしいんだけど・・・」

澪「・・・なにかあったのか?」

律「なんでもない。行こうぜ」
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:39:31.82 ID:hhitb21Ro

ザァーーー

律「うわっ!降りだした!」タッタッタ

澪「あっちの軒下だ律!」タッタッタ

律「あぁ!」

澪「・・・」フゥ

律「ひゃー、びっくりした」

澪「はい、ハンカチ」

律「サンキュー」

澪「そのまま乗せとけ」

律「そだな」

ザァーーー

澪「・・・」

律「・・・」

澪「通り雨だな」

律「そうだな・・・向こうの空には天使のはしごがかかってるし」

澪「・・・ぷっ」

律「なんだよぉー」

澪「律の口から天使だって・・・」ププッ

律「・・・ふーんだ」

澪「ふふ、悪い悪い・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

ザァーーー

律「・・・こんな時間を過ごすの久しぶりに感じる」

澪「・・・昨日は?」

律「あれは看病だからノーカウント」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・そうだな」

律「・・・」

澪「・・・いつも必ずむぎか唯が一緒にいたもんな」

律「・・・うん」

澪「どうした、熱出てきた?」

律「いや、しんみりしただけだよ。本気で心配されると困る」

澪「ふふっ、そうか」
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:40:14.77 ID:hhitb21Ro
愛(話かけづらくなったな・・・ずっとここにいたんだけど)

律「唯の事気付いた?」

澪「うん。元気になって、勢いが増した気がする」

律「あぁ、やれる事がみつかって吹っ切れたみたいだ」

澪「うん・・・負けてらんないな」

律「よーしいっちょやりますか!」

澪「うん!」

愛「あ、あの・・・」

律「え・・・?どこからか声が・・・」

澪「お、驚かそうとしたって無駄だぞ」ビクビク

律「空耳か?」

愛「ここにいます・・・」

澪「ヒァッ」ブルブル

律「なんだ、愛ちゃんか。いつからいたの?」

愛「二人がここに入ってくる前からです・・・」

律「あ、死角になってて見えなかったのか」

愛「・・・はい」

律「ほら、澪・・・愛ちゃんだって」

澪「聞こえない聞こえ・・・え?」

愛「驚かせてすいません・・・」

澪「な、なんだ愛さんか・・・コホン」

律「・・・」スッ

澪「ヒアァ手首!」

愛「・・・」

律「あ、ごめんごめん」

澪「」ガクガク

愛「律さん・・・」

律「あ・・・ごめん!澪!私だよ!」

澪「え・・・」

律「私の手首だよ〜」

澪「律っ!」

ゴスッ

律「あいたぁっ」

愛「あ・・・」

澪「まったく・・・」

律「てへへ」
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:41:19.14 ID:hhitb21Ro

愛「二人とも仲がよろしいんですね」クスクス

律「私たち幼なじみだから」

澪「腐れ縁だ!」

愛「・・・羨ましいです」

律「・・・」ジー

澪「・・・律?」

愛「な、なんですか?」

律「なんとなくだけどさ、愛ちゃん私たちになにか隠してない?」

澪「え?」

愛「そんな事ないですよ」

律「・・・ふーん、ならいいけどさ」

澪「・・・?」

愛「お二人はどこへ行かれるんですか?」

澪「この近くにある兼六園だよ」

律「愛ちゃんもここにいるってことは兼六園に行くんだろ?一緒にいこうぜー」

愛「は、はい!」
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:42:49.34 ID:hhitb21Ro

澪「のどかな日本風景だな・・・時折聞こえるセミの声がなんだか心地よくて・・・」シミジミ

律「・・・」

澪「来てよかったぁ」ウルウル

愛「どこの景色を切り取っても絵葉書になりそうな風景ですね」

律「・・・」

澪「うんうん、さすが愛さんいい事言うな」

愛「こういう自然が残った場所はいいですよね」

澪「あぁ・・・いいなここは」

律「・・・うちの庭もこんな風にしてもらおうかなぁ」

澪「あ、見て愛さん、池がきれいだよ」

愛「澄んでて美しいですね」

律「こんな風景をみながら食べる朝ごはんは格別だろうなぁ」

澪「うるさいぞ律」

律「なんだよぉー、私には私の楽しみ方があるんだよっ」ムス

愛「け、けんかはダメですよ」オロオロ

澪「けんかじゃないよ、注意しただけだから」

律「そうそう、澪は優等生だから」

澪「なんだよそれは」ムッ

律「そうだろ?」

愛「あ、あの・・・」オロオロ

澪「あー、ごめんね。じゃれあってただけだから」

律「そうそう、昔ながらのスキンシップだから」

愛「・・・ホッ」

澪「律が変なこと言うから」

律「澪だってムキになるからだぞ」

澪「私は楽しみだったから満喫したかったの」

律「私だって楽しみだったんだっ」

愛「ぁ・・・」ションボリ

澪「なんでこうなるんだ」

律「・・・きれいな景色に申し訳ないな」

澪「・・・うん」

愛「・・・」
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:43:50.71 ID:hhitb21Ro

律「ジョギングしたくなるな」

澪「どうぞ」

律「ちょっくら行ってくる」

タッタッタ

澪「何秒で戻ってくると思う?」

愛「え・・・?」

澪「30秒もかからないよ」

愛「・・・はぁ」

スタスタ

律「・・・」

澪「どうした?」

律「満足した」

愛「ぷっ」

澪「全然走ってないだろ」ププッ

愛「ふふっ」

律「・・・へへっ」

愛「あははは」

律「愛ちゃん笑いすぎ〜」

愛「ご、ごめんなさい・・・ふふ・・・」

澪「・・・あ、あの灯篭」

律「よく雑誌とかで見かけるヤツだな」

愛「そうですね。足が二股になっている灯篭」

律「背景とのバランスが計算されているのかな・・・?」

澪「日本庭園は自然の良さを活かすために造られているそうだぞ」

律「日本の美!だな」

愛「そうですね・・・。あら?日本三大名園のうち、兼六園と偕楽園ともう一つどこでしたっけ?

澪「・・・律分かる?」

律「後楽園!!」

澪「おぉ」

愛「あ、そうです。岡山県の後楽園」

律「え・・・?」
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:44:22.34 ID:hhitb21Ro

澪「・・・」

愛「すごいです律さん・・・私すっかり忘れていました」

律「そ、そうだろ〜」

澪「もしかして・・・ボケた?」

律「えー・・・と」

澪「東京で遊んだ後楽園と間違える訳無いよな、うん」

律「・・・」アセアセ

愛「・・・そうなんですか?」

律「ぴぃ〜ぷぅ〜」

澪「唯の真似してるってことは図星か・・・」

律「なんだよぉー」

澪「知らないなら知らないって言えばいいのに」

律「ボケだって必要だろ?」

澪「それが正解してしまったから中途半端になってるだろ」

律「これは事故だ」

澪「自分が怪我してどうするんだよ」

愛「ふふっ、やはりお二人が羨ましいです」

律「・・・」

澪「・・・」

愛「二人はずっと仲良く一緒にいて欲しいです」

律「・・・ちょっと」

澪「は、恥ずかしいな・・・」

愛「ふふ」
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:45:44.22 ID:hhitb21Ro

律「今度は片町か・・・」

澪「昨日来れなかっただろ?」

律「まぁな」

澪「・・・」キョロキョロ

律「エレナと小麦を探しているんだろ?」

澪「えーと」

律「そう言えばいいのにぃ」ニヤリ

澪「いや・・・その」

律「適当に探してみるか」

澪「・・・うん」

律「愛ちゃんもこればよかったのにな」

澪「他に行きたいところがあるみたいだからしょうがないよ」

律「そう・・・だな。・・・あれって」

澪「・・・あ」

律「・・・唯か」

唯「・・・」

澪「喫茶店覗いてどうしたんだ?」

唯「あ、澪ちゃんとりっちゃん。片町に来てたんだね」

律「唯こそ武家屋敷に行くって言ってなかったか?」

唯「うん〜、そうなんだけどね〜」

律「ん?」

澪「あ、エレナさんだ」

唯「うん。バイト先ここだったんだよ」

律「どうして中に入らないんだ?」

唯「それがね・・・追い出されちゃった」

澪「要領が得ないな?」

唯「中に入れば分かるよ〜。私ここで待ってるから」

澪「そうか、律入ってみよう」

律「そうだな」

唯「よろしくね〜」

澪「どうしたんだ唯は」

律「さっぱり分からない」

カランカラン

紬「いらっしゃいませ〜」

律澪「「 えっ!? 」」
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:47:39.06 ID:hhitb21Ro

紬「あ、りっちゃんと澪ちゃん」ウキウキ

律「・・・どうなってる!?」

紬「ごめんね、今忙しくて・・・こちらの席へどうぞ〜」

澪「あ、あぁ・・・」

エレナ「いらっしゃいマセー!」

澪「エレナさんも接客してるのか・・・」

紬「うふふ、ご注文はお決まりですか〜」

律「あ、えー・・・と」アセアセ

澪「えぇっと」アセアセ

紬「コーラとレモンティーでよろしいでしょうか?」

律「あ、あぁそれで」

澪「う、うん」

紬「かしこまりました〜。少々お待ち下さいませ〜」

テッテッテ

澪「・・・状況が把握できない」

律「そうだな・・・あ、唯がこっちみてる」

唯「」フリフリ

澪「・・・」フリフリ

エレナ「どうぞお麦茶でゴザイマス」

「私が頼んだのは冷麦よ!」

エレナ「ですから、冷えた麦茶ですネ」

「まぁ、私をバカにしているの?」

エレナ「エート?」

紬「まって、エレナさん。冷麦は麺類よ」

エレナ「間違えました。カタジケナイデス」

「・・・外国の方?・・・日本に来てどのくらい?」

エレナ「かれこれ2ヶ月になりますワ」

「2ヶ月でそれだけ喋れるの?すごいわね」

エレナ「恐れ入るネ」

紬「はい、エレナさん」

エレナ「これが冷麦ですネ?」

「ふふ、そうよ」

エレナ「お待ちシマシタ!」

「ありがとう」

エレナ「ごゆっくりドウゾー!」
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:48:08.05 ID:hhitb21Ro

律「・・・なるほど、エレナのフォローにむぎが入っているのか」

「えぇ、そうです」

澪「あ・・・あなたは?」

「ホールのチーフをしているものです。コーラとレモンティーお持ちしました」

律「どうも」

チーフ「・・・最初平沢さんという方がフォローに入ってくださったんですが・・・」

澪「・・・なるほど」

律「余計混乱した・・・と?」

チーフ「・・・はい」

澪「想像できるな」

唯「」フリフリ

律「・・・」フリフリ

チーフ「・・・従業員室で待っててもいいのに」

律「忙しそうだから遠慮したのかな?」

澪「・・・そうみたいだな」

チーフ「エレナさんは集客力あって、そのエレナさんを琴吹さんが上手くフォローしてくれるので」

律「うまく回転してる・・・と」

チーフ「そういう事ですね。それではごゆっくりどうぞ」

澪「は、はい」

エレナ「ご注文はこぶ茶でよろしいデスネ?」

「え!?」

紬「紅茶じゃないかしら」

「そ、そうです紅茶です・・・」

エレナ「オーソーリー。紅茶でよろしいですネ?」

「こぶ茶ってあるんですか?」

紬「ありますよ〜」ニコニコ

「変更して、こぶ茶をお願します」

エレナ「紅茶ですネ?」

紬「こぶ茶よ、エレナさん」

エレナ「かしこまりマシタ」

律「むぎの冷静な判断は武器だな」

澪「・・・あ、本当にこぶ茶がある」
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:49:39.71 ID:hhitb21Ro


エレナ「本当にアリガトね。ツムギさん」

紬「いえいえ〜、楽しかったわ〜」キラキラ

律「確かに楽しそうだったな」

唯「あ、修治くんと小麦ちゃんだ」

小麦「やっほー!」

修治「みんな・・・どうしたの?」

エレナ「ミナサンが協力してくれたネ」

律「修治こそどうしたんだよ」

小麦「私のフォローしてくれたんだよー」

澪「・・・」

エレナ「小麦、ワタクシと働く場所逆だったデショ?」

小麦「そうなのー!私一人じゃ働かせてくれなかったよー」

修治「働けてよかったじゃん、それよか観光行こうぜ」

唯「行こう行こう!」

澪「小麦はどこでバイトを?」

小麦「工事現場だよ〜。ヘルメット被ってね」

律「・・・ほぅ」

小麦「でも〜、ほとんど修治くんに手伝ってもらっちゃってね〜」

エレナ「ワタクシもユイさんとツムギさんが居てくれなかったら、給料もらえませんデシタワ」

澪「・・・似たもの同士というか」

律「・・・なんというか」

紬「うふふ」
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:50:57.30 ID:hhitb21Ro

―――――武家屋敷

さとみ「・・・」キョロキョロ

澪「あ、さとみさんだ」

紬「誰か探しているのかしら」

律「・・・驚かせてやろうか」イッヒッヒ

唯「ダメだよりっちゃん」ウッヒッヒ

律「・・・じゃ、行くぞぉ・・・って」

紬「・・・抜き足差し足忍び足」ジリジリ

澪「むぎが行くんかい!」

さとみ「・・・どこへ行ったのかしら」

紬「わーっ」

さとみ「あ、むぎさん・・・」ホッ

紬「・・・」シーン

律「甘いなむぎは」

唯「うんうん」

澪「誰か探しているんですか?」

さとみ「・・・さっきまで一緒にいたさわ子先生とみらいちゃんを」

唯「ここ迷路みたいになってるから迷ったんだね」

さとみ「そうね。敵の襲撃にそなえた造りだそうよ」

澪「・・・行き止まりが多かったからな」

律「あの二人は駅の近くの公園で発声練習するって言ってたけど?」

さとみ「・・・そうなんだけど、さわ子先生がやりすぎはいけないからって
    唯ちゃんたちのいるここに来たらしいの」

澪「同じ轍は踏まないようにしたのか」

律「そうか」

さとみ「轍?」

唯「みらいちゃんの声嗄れてないよねっ!?」

さとみ「それは大丈夫よ」

律「よかった・・・。それより、むぎはどこへ行った?」

澪「あれ?」

唯「どこへ行ったんだろ」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:52:00.90 ID:hhitb21Ro

紬「うふふ、みんな気付いていないわね」



澪「隠れてるのか?」

律「一人で先に行ったのかな?」

唯「今度はむぎちゃんが迷子かぁ」



紬「・・・今度こそっ!」フンス!

さわ子「・・・」

みらい「あっ、つむ」フガッ

さわ子「しー・・・」

みらい「・・・?」

紬「息を潜めて・・・」ウズウズ

みらい「・・・」

さわ子「・・・」

紬「獲物を・・・がぶりっ」ウズウズ

みらい「・・・」

さわ子(そろそろいいかしら)



さとみ「探しにいきましょうか?」

唯「うーん」

澪「ひょっとして・・・」

律「あぁ、多分な」

さとみ「・・・?」

紬「きゃっ!」

澪「!」ビクッ

さとみ「え!?」

唯「むぎちゃん!?」タッタッタ

律「あっちか」タッタッタ
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:52:41.43 ID:hhitb21Ro

紬「あ、唯ちゃん!」ササッ

唯「おぉ」

律「さわちゃんが驚かせたのか?」

さわ子「ごめんね〜。なんか可愛くて」エヘ

みらい「」サァー

律「なんでみらいまで青ざめてるんだよ」

みらい「・・・い、いえ。なんでもないですよ」ドキドキ

さとみ「・・・なにを見たのかしら」

澪「」ビクビク

紬「」ビクビク

唯「」ホワーン

さわ子「どうして澪ちゃんが怖がるのよ〜」

澪「だ、だって・・・むぎが怯えているから」オドオド

律「とりあえず、むぎに隠れてないで出て来い」

澪「う、うん・・・」

唯「むぎちゃん、さわちゃんだよ〜」

紬「・・・さ、さわちゃん?」

さわ子「そうよ〜、ごめんね」

紬「・・・びっくりした」ホッ

さとみ「おぉ・・・」

律「どうしてエレナがいないんだ!レア映像だったのに!」

唯「私の後ろに隠れるむぎちゃん・・・」ホワーン

さとみ「むぎさん隠れてたの?」

紬「みんなを驚かせようと・・・」

澪「やっぱり」

律「そうだったか」

唯「・・・」ホワーン

みらい「・・・そうだったんですか」

紬「・・・はぁ」

律「やりすぎだぞさわちゃん」

さわ子「えへ」キラ
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:54:02.49 ID:hhitb21Ro

修治「えっほえっほ」コキコキ

エレナ「いい町並みですネー、これなら何時間撮っていても飽きないネ」

小麦「修治くん頑張ってねー!」

修治「か、勘弁してくれー!」コキコキ

唯「・・・どうして自転車こいでるんだろ?」

律「・・・さぁ?」

エレナ「オー、角から姿を現したのはニンジャですネ」

唯「分身の術!」ドロン

律「一号!」ササッ

紬「二号っ!」ササッ

澪「・・・」

さとみ「・・・さ、三号・・・」カァ

律「ほら、澪」ヒソヒソ

澪「えぇー・・・、よ、四号・・・」カァ

小麦「あっはは、みんなノリがいいんだー!」

エレナ「部下を引き連れた頭領が現れましたネ」

さわ子「だれが頭領よ!」

みらい「クスクス」

修治「えっほえっほ」コキコキ

律「・・・」

修治「聞けよ!」

律「・・・あぁ、・・・そうだな」

修治「えっほえっほ」コキコキ

唯「・・・」

修治「いやね、エレナのカメラのバッテリーが切れてさ」コキコキ

さわ子「語りだしたわね」

修治「小麦が携帯していた、この折り畳み式発電自転車でさ」コキコキ

小麦「城への侵入を防ぐためにここらへんの道はやたら曲がりくねって作られています」

澪「・・・なるほど」

紬「ふむふむ」

エレナ「・・・」ジー
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:55:54.26 ID:hhitb21Ro

修治「・・・観光地で自転車こいで・・・みんなにスルーされて・・・俺はなにをしているんだろ」コキコキ

さとみ「・・・大変ね」

みらい「・・・はい」

修治「・・・ありがと」コキコキ

小麦「という訳で、武家屋敷は今も形を残しているのです!」

エレナ「オッケーですワ」

さわ子「記事もそうだったけど、中々面白い表現するわね」

小麦「えっへへ〜、ありがとー」

律「うんうん、たいしたもんだ」

唯「よかよか」ウンウン

澪「・・・」

修治「えっほえっほ」コキコキ

律「・・・」

さとみ「・・・」

唯「・・・」

修治「あれ・・・?急にしずかになって、どうしたの?」コキコキ

紬「えぇと」

律「撮影終わったのにいつまで頑張るのかなぁと」

修治「言えよ!」

エレナ「お疲れサマネ」

小麦「ありがとー修治くん!」

みらい「おつかれさまです」

修治「あぁ、いいけど・・・」

エレナ「さー、小麦!兼六園へ急いで行くネ!」

小麦「行こー!」

紬「あらあら、もう夕方よ?」

澪「発車までに間に合う?」

エレナ「飛ばせば平気ですワ」
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:56:38.72 ID:hhitb21Ro

小麦「急いでいこうよエレナ!」

エレナ「ガッテン!」

澪「あ・・・」

修治「俺も行くの?」

小麦「充電されてるから大丈夫だよ、たくさんこいでくれたおかげだよー」

エレナ「サンキューですネ」

修治「そっか」

律「澪も行ってこいよ」

澪「え・・・?」

律「行きたいんだろ?」

澪「う、うん行ってくる」

小麦「澪ちゃんも行くの?」

エレナ「走りますヨ」

澪「う、うん!」

タッタッタ

さわ子「忙しない子たちねぇ」

唯「でも楽しそうだよ〜」

律「そうだな」

修治「じゃ、俺先に戻る。今日は体力使いすぎたぁ」

さわ子「あらあら、背中伸ばさないとだらしないわよ」

修治「は、はい」ビシッ

唯「さわちゃん修治くんの先生みたい〜」

みらい「ふふ、そうですね」
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:57:12.41 ID:hhitb21Ro

紬「りっちゃん、澪ちゃんと兼六園に行ったんじゃ?」

律「あー・・・まぁ、色々あってな。もう一回行ってもいいじゃん?」

紬「そうね」

さとみ「・・・?」

みらい「さわ子先生・・・もう一度練習をしたいのですが・・・」

さわ子「毎日やってるヴォイストレーニングは終わってるんでしょ?」

みらい「は、はい」

さわ子「ならいいわよ。公園でもやったから」

みらい「で、でも」

さわ子「もぉ、練習の虫ねこの子」

唯「りっちゃんも見習わなきゃね!」

律「・・・反射!」

唯「うぉ、おでこに反射して言葉が返ってきた!」

さとみ「・・・朝からずっと元気よねぇ」

紬「うふふ」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:59:18.81 ID:hhitb21Ro

―――――ヴェガ

さわ子「みらいちゃんはこのままヴェガに乗れるのよね?」

みらい「車掌さんに確認を取りました」

律「そっか!よかったよかった!」

唯「よかったよ!」

律「そろそろライブの詳細を教えてくれよ」

唯「そうだそうだ!」

紬「そうね〜」

さわ子「・・・発車したら展望車に集合って事で」

みらい「・・・」

律「分かった」

紬「でもどうして今まで教えてくれなかったのですか?」

さわ子「観光を楽しめなくなるでしょ?」

唯「なるほど〜」

律「え・・・どういう事?」

さわ子「そのままの意味よ」

「あ!!先生もヴェガに乗るんですねー!?感激〜!!」

律「え?」

唯「ん?」

みらい「あ・・・」

紬「?」

さわ子「・・・うわ」

「嬉しいです〜!きっと、これも運命・・・」キラキラ

唯「り、りっちゃん!?」

律「いや、この子のおでこをみて人を見間違えないでくれ」

さわ子「あ、あなたも乗るのね・・・」

「はい〜、特急ヴェガで福岡まで!」

さわ子「そ、そうなんだ。じゃ、みんな!後で集合よ!」

タッタッタ

唯「どうしたんだろ?」

紬「慌てていたわ」

「みなさんが、先生の教え子なんですね?」

律「あ、あぁ・・・そうだけど・・・」

「私、加古川秋子といいます。よろしくお願します」

唯「よろしく〜」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 08:59:51.07 ID:hhitb21Ro

紬「どうして教え子だと・・・?」

秋子「はい!みらいさんと一緒にいるときに色々聞かせてもらいました!!」

みらい「・・・はい」

律「・・・なんと?」

秋子「私は生徒達と旅の途中だから・・・と」

唯「そうだよ〜」

秋子「それでは、荷物の整理がありますので失礼しますね!」

タッタッタ

紬「・・・」

律「テンション高いな・・・」

唯「そだね」

紬「さわ子先生に憧れている風でしたけど・・・」

みらい「公園で秋子さんが蜂に追われているところをさわ子先生が助けたんです」

律「・・・ふむ」

紬「なるほど〜」

唯「押しが強い子みたいだね!」

律「あぁ、さわちゃん困ってた気がするけどな・・・」

車掌「あら、みなさんそろそろ発車しますよ?」

唯「はーい、よいしょー」

紬「よいしょー」
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:00:18.36 ID:hhitb21Ro

みらい「車掌さんありがとうございます」

車掌「乗車証の件ですか?」

みらい「・・・はい」

律「・・・」

車掌「事務所側ではなく飯山みらいさんにお渡しした。それだけの事ですよ」ニコ

みらい「・・・っ、・・・ありがとうございます」ペコリ

車掌「ライブ・・・頑張って下さいね!」グッ

みらい「・・・はいっ!」

律「やるぜー!」

車掌「ふふ」

律「さ、乗るぞみらい!」

みらい「はいっ!」

「・・・ヴェガはこれでいいの?」

車掌「はい」

「・・・乗車証」

車掌「確認致しました」

「・・・」

スタスタ

車掌「・・・」

タッタッタ

澪「・・・ふぅ、間に合ったか」

小麦「もぉ〜、エレナが動かないからだよ〜」

エレナ「小麦も見惚れていましたネ〜」

小麦「えっへへー」

エレナ「さぁミオさん乗車するネ」

澪「ふふ、はい」

車掌「お帰りなさいませ」ニコニコ

小麦「たっだいま〜」

エレナ「タダイマ戻ったネ」

澪「た、ただいま」

車掌「・・・」

ザーーーーーーーーーー

車掌「降りだしてきましたか」

ザーーーーーーーーーー

車掌「・・・確認よし」

ザーーーーーーー

車掌「・・・気を引き締めて参りましょう」
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:01:15.75 ID:hhitb21Ro

prrrrrrrrrrrrrrrrrrr

唯「発車だよむぎちゃん!」

紬「金沢も楽しかったね〜」

唯「うん、はぁ〜次は名古屋か〜。どんな場所が待ってるんだろ〜」

紬「楽しみね〜」

律「なにやってんだ?展望車行くぞ?」

唯「そだね!」

紬「分かったわ」

唯「あれ、みらいちゃんは?」

律「さわちゃんが連れて行った」

唯「ど、どこへ?」

律「売店車」

プシュー

紬「発車ね」

ガタン ゴトン ガタンゴトン

481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:02:40.61 ID:hhitb21Ro

律「遅い・・・」

唯「・・・」

律「まさか、約束を破るつもりかっ!?」

唯「落ち着きましょうや」

紬「そうね、5分過ぎただけよ」

律「我らの世界で時間を守れないヤツがどんな目にあうか、知らないわけではないだろう!?」

唯「ブツが手に入らなければあっしらも後がないんでやんす」

紬「えぇと・・・そうよ。後がないのよ」

律「・・・焦れってえ!」

唯「焦りは禁物ッス」

紬「・・・唯ちゃん語尾は統一した方がいいと思うの」

唯「どっちがいいかな」

律「ッスがいいな」

唯「分かった。次むぎちゃんッス」

紬「えぇと・・・焦ってボロが出たら水の泡よ」

律「・・・そうだな、頭を冷やすか」

唯「・・・来たッス」

紬「取引開始ね」

澪「こんな所にいたのか」

律「まぁ、座りな」

澪「あ、あぁ」

唯「さぁ、例のブツを出すッス」

澪「兼六園の土産屋で買ったいちご大福だけど・・・今食べる?」

唯「う、うまそうッス」キラキラ

澪「なんだよその語尾」

紬「・・・時間に遅れてきたのはなぜ?」

澪「? 兼六園でのんびりしすぎたから・・・だよ」

律「こっちのブツの確認はしないのか?」

澪「なにか買ってきたのか?」

律「ふふ、見せられねぇなぁ」

唯「そうッスね」ヒッヒッヒ

澪「? どうしてだよ」

律「お前がここで亡き者になるからだー!」
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:03:57.06 ID:hhitb21Ro

紬「やめて!」

唯「ま、まさか裏切るつもりッスか!?」

澪「え・・・?」

紬「この人は・・・この人は」

律「・・・ふんっ、親子の絆ってやつか」

澪「は?」

唯「・・・二人で仲良くやるッスよ」シクシク

律「・・・じゃあな」

唯「いちご大福はもらっていくッス」

紬「娘よっ」ダキッ

澪「む、むぎ!?」

パチパチパチ

「いいもん見せてもろおたわい」パチパチ

「よかったですねぇおじいさん」

「面白かったわよ〜」パチパチ

唯「えへへへ」

律「ありがとー」

紬「うふふ」

澪「説 明 し ろ」ゴゴゴ

律「ただのヒマつぶしだ」

唯「さわちゃん来ないんだもん」

紬「面白かったわ〜」

律「むぎが澪を庇ったりするからびっくりしたぜー」

唯「あはは、ほんとほんと〜」

紬「りっちゃんだって親子設定にしたじゃない〜」

律「親子しか思いつかなかったんだよ〜」

唯「難しかったけどなんとかなるもんッスね」

澪「」シュー

唯「あぁ!澪ちゃんが石化したッス!」

紬「あらあら、ふざけすぎたかしら」

律「いや、気が抜けただけだろ」

唯「いちご大福開けていいかな?」

紬「ディナーの後がいいんじゃない?」

唯「そうだね!」
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:05:10.62 ID:hhitb21Ro

さわ子「あ、いたいた」

律「やっときたか」

唯「おっそ〜い!」

さわ子「ごめんね〜、秋子ちゃんに捕まってて」

紬「さっき会った・・・?」

律「なんか大変そうだな」

さわ子「ちょっとね・・・」ハハ

唯「疲れてるね〜」

さわ子「澪ちゃんはどうしたのよ」

律「そろそろ起きろ」ムニー

澪「・・・は」

律「ったく、世話のかかる」

澪「誰のせいだよ!」

唯「私たちです!」

澪「・・・はぁ」

紬「ごめんね〜」

澪「謝らなくていいけどさ・・・」ハハ

律「つかれてるな」

パンパン

さわ子「はい、お遊びはおしまいよ」

唯「おぉ、顧問のようだよ」

さわ子「ちょっとひっかかるけど、まぁいいわ。どこまで話したかしら?」

紬「えーと、みらいちゃんが書いた歌詞をホッチキスのアレンジにのせてライブで演奏する」

唯「・・・あれ、これくらいだね」

澪「ホッチキスをバラードにアレンジするんだよな」

律「あれ?ライブする事しか知らないんだな私ら」

さわ子「よしよし」

律「よくないだろ、練習はどうするんだよ」

さわ子「待って、順番に話すわ」

紬「・・・」
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:07:22.09 ID:hhitb21Ro

さわ子「ライブ会場は名古屋城」

唯「名古屋だね!」

澪「あ、明日!?」

さわ子「ステージ完備だからキーボード、ドラムの心配無用」

唯「むぎちゃんとりっちゃんは大丈夫なんだね!」

律「ステージで演奏するのかよ!?」

さわ子「アマ中心のバンドが多数参加するゲリラライブだから、飛び入り参加オッケー!」

唯「観客の前で演奏するんだね!」

紬「ゲリラライブですか!?」

さわ子「明日の午前に演奏よ♪」

唯「よぉーし!」グッ

さわ子「曲目は三曲よ。以上」

澪「よし、みんな落ち着こうか・・・」

紬「そうね・・・月でも眺めて落ち着きましょう」

ザーーーーーーー

律「雨降ってるぞ」

紬「あら、りっちゃんには見えないの?」

律「え?」

紬「ほら・・・」

律「あれはガラスに反射した照明だ!むぎがおかしくなった!」

紬「うふふ、キレイね〜」

澪「あはは、本当だ〜」

ザーーーーーー

律「澪まで現実逃避したぞ」

唯「・・・」グッ

律「一人だけ闘志を燃やしてるし」
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:07:58.10 ID:hhitb21Ro

さわ子「・・・」ペラッ

律「混乱を招いた張本人が新聞なんか読んでるんじゃねえ!」バシッ

さわ子「あぁ、他地方の新聞は貴重なのよ!?」

律「今はどうでもいい!」

紬「みてみて〜、お月様が追いかけてくるわ〜」ウフフ

澪「ホントだ〜、寂しがり屋なんだな〜」アハハ

律「みらいはどうしたんだよ?」

さわ子「練習したいとうるさいからシャワー室に閉じ込めてきた」ペラッ

律「読むなっ!」バシッ

さわ子「あぁ、ひどい!」

唯「みんな・・・お願いがあるんだ・・・」

紬「・・・?」

律「?」

唯「私・・・みらいちゃんに元気をあげたいんだ」

紬「・・・」

唯「みらいちゃんと一緒にいたけど・・・ずっと不安そうで・・・」

澪「・・・」

唯「でも・・・アイドルだから泣き顔は見せられなくて」

律「・・・」

唯「今までずっと、ずっと一人で頑張って来たんだと思う」

さわ子「・・・」

唯「だから・・・ライブでこれからも頑張れるだけの元気・・・ううん、勇気をあげたい」


・・・

コック「なんだ?そこで何を」

車掌「お静かに」

コック「?」

・・・
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:09:10.65 ID:hhitb21Ro
唯「だから・・・みんなの力を」

律「あー、貸してなんていうなよ?」

澪「わ、私だってみんなと演奏したい」

紬「うん!」

さわ子「・・・」

唯「あ、ありがと・・・」グスッ

律「まだ始めてもいないのに泣くなよ〜」

唯「う、うんそうだね!」


・・・

コック「10分後に食堂車に来るように伝えてくれ」

車掌「・・・分かりました」

・・・


律「・・・それで、だ。圧倒的に練習量が少ないんだがどうカバーするんだよ」

唯「そうだよさわちゃん」

さわ子「絆よ!」キラキラ

律「」ポンポン

さわ子「その丸めた新聞紙でどうするつもりよ」

律「叩く」

さわ子「最後まで聞きなさいな。当然技術で競う事なんてできないわ」

澪「・・・はい」

さわ子「一つ聞くけど、あなたたち仙台出発後の演奏では練習をしてたのかしら?」

紬「あずさちゃんと私で一度演奏したくらいですけど」

律「梓はアコギだったよな」

紬「うん」

さわ子「それだけでこの記事に書かれているような内容の演奏が出来れば問題ないわ・・・多分」

律「言い切れよ」

澪「小麦が書いた・・・」

さわ子「この記事がウソや大げさに書かれているなら・・・」

澪「それはありません」

律「・・・」

さわ子「でしょうね」

紬「でもホッチキスのバラードなんてやったこと無いから・・・」

さわ子「そこは唯ちゃんに頑張ってもらうわ」

唯「私?」
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:10:50.17 ID:hhitb21Ro

さわ子「みらいちゃんのオリジナル曲を何度も聴いているのよね?」

唯「うん!」

さわ子「その一曲だけは唯ちゃんが澪ちゃんを引っ張ってあげて」

律「なるほど」

澪「・・・」

さわ子「澪ちゃんがついていければ全体は纏まるわ」

唯「分かった!」

さわ子「あら」

紬「唯ちゃんやる気ね!」

唯「やーるぞー!」

律「まぁ待て。いくつか教えてよさわちゃん」

さわ子「なにかしら」

律「そのゲリラライブって?」

さわ子「2年間隔で突発的に行われるライブよ」

澪「私たちアマというより素人の部類なんじゃ・・・」

さわ子「そのレベルで素人と言ったら嫌味になるわよ」

唯「おぉ!」

紬「お墨付きね!」

さわ子「プロは出来るだけ参加させないようにしてるらしいわ」

律「どして?」

さわ子「人が集まってくるからよ」

律「人が集まらないとライブにならないじゃん」

さわ子「人が集まるようになったらゲリラライブの開催なんて難しくなるじゃない」

澪「・・・確かに」

さわ子「そのかわり・・・演奏に不備があれば・・・」

紬「・・・」ゴクリ

さわ子「閑古鳥が鳴くわよー!」ギャアアア

澪「」ガクガク

律「こ、怖ぇ・・・」

唯「私たちだって負けないよ、オーラがあるもん!」

律「それ夏フェスでも言ってたな」

さわ子「夏フェスといえば、前回はKAMA☆KIRIも参加したライブなのよね〜」

澪「おぉ!」

律「左のギターがいるバンドかぁ」
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:12:51.54 ID:hhitb21Ro

さわ子「中規模とまではいかないけど、小規模でもないわ」

紬「私たちの他にどれだけのバンドが集まるんですか?」

さわ子「そうねぇ、午前で3、午後で5ね」

律「それは多いのか少ないのかどっち?」

さわ子「多いわよ、突発でこれだけ集めるんだもの」

澪「午後は少ないですよね?」

さわ子「3時で終わりだからよ」

唯「どうしてこのライブを知ってるの?」

さわ子「ふふふ、私の情報網を甘く見ないことね」

澪「さすがさわ子先生」

さわ子「なんちゃってね。会場は今朝、車掌さんに教えてもらったのよ。私は名古屋としか知らなかったわ」

律「さすが車掌さん」

さわ子「飛び入りも受け入れてくれるから今回は空いててよかったわね」

紬「そうですね〜」

律「いや、いいのかどうか判断しづらいぞ」

さわ子「まだ3回の開催だけど、プロを目指す人たちには登竜門になってるみたいよ」

律「マスコミなんかも来るのかよ?」

澪「」ボンッ

さわ子「その手の関係者は来るかもしれないけど、商業的な理由の撮影は厳禁なのよ」

紬「どうしてですか?」

さわ子「ルックスだけで拾われたら先行き未確定じゃない」

律「さわちゃん結構ドライだな」

さわ子「でも、一般人の撮影ならオッケーなのよ」フフ

澪「ど、どうしてですか」

さわ子「口コミで広げるためよ」

唯「おぉ」

さわ子「本物の音楽を売り込むには絶大よ」

唯「だからさわちゃんはこのライブイベントを選んだんだね!」

紬「なるほどぉ!」

さわ子「そのとおりよ唯ちゃん!」キラン

律「どういう事?」

唯「だって、みらいちゃんをプロリュースして私たちが演奏できる場所はそこだけだもん」

澪(噛んだな)

律「デュースな、プロデュース」

さわ子「流してあげなさいよ」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:14:04.36 ID:hhitb21Ro

律「あ、ごめん。なるほどなぁ、さわちゃん考えてるんだな」

さわ子「運がいいわよあなたたち。今回の会場が松本とか仙台だったらこの企画終わりよ」

唯「それは・・・」チラッ

澪「あぁ・・・」チラッ

律「うん・・・」チラッ

紬「・・・?」

さわ子「そうだったわね」

澪「開催場所は毎回違うって事ですか・・・」

さわ子「そういう事。私は観客として参加する予定だったけどね」

律「しっかし、このヴェガといいゲリラライブといい、面白い企画するヤツって結構いるんだなぁ」

紬「それは神のみぞ知る、ね!」

さわ子「あなたたちの演奏は技術より上まってるものがあるでしょ」

澪「・・・梓も入部した時言ってたっけ」

さわ子「・・・という事だから技術より仲間の信頼関係の方が優先って事。分かった?みらいちゃん」

唯「え?」

みらい「は、はい・・・」

さわ子「ごめんね長々と待たせちゃって」

みらい「いえ・・・」

律「あれ、シャワー室でボイトレしてたんじゃ?」

みらい「シャワー浴びながら練習してたんで・・・のぼせちゃって」

さわ子「いい判断よ」キラン
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:14:41.18 ID:hhitb21Ro

紬「いつからそこに・・・?」

みらい「えぇと・・・10分前から・・・」

さわ子「私が気付いたの5分くらい前ね」

律「・・・でもさすがに私らも練習しなくちゃまずくないか?」

さわ子「それもそうね」

みらい「あの・・・よろしくお願します!」ペコリ

澪「私たち自身のためでもあるんだ」

紬「そうよ〜、私たちがやりたいからやるの」

律「そだぜ〜、気楽に行こう気楽にさ〜」

さわ子「それはちょっとお気楽すぎるわね〜」

唯「よぉーし、みんなやるぞぉー!」

紬澪律「「「 おぉー!! 」」」

唯「ほら、みらいちゃんも〜」

みらい「お、おー!」

さわ子「どうして隠れてたのよ」

みらい「大事な話をしてましたので・・・」

唯「よぉーし、さっそくギー太を」

みらい「あ、コックさんからの伝言で食堂車に来てくれとのことです」

唯「待っててね、ギー太」

律「うわー、切り替え早いなー」

澪「朝市の魚かぁ」

さわ子「楽しみね〜」ルンルン

紬「そうですね〜」ランラン
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:16:29.08 ID:hhitb21Ro

コック「七輪で焼いてみた」

律「マジかよっ!?」

さわ子「それじゃ、みんな」

律唯「「 いっただきまーす! 」」

紬澪さわ子「「「 いただきます 」」」

みらい「い、いただきます」

律「うんめぇ!」キラキラ

唯「おいしぃ!」キラキラ

紬「しあわせ〜」キラキラ

澪「おいしい!」キラキラ

さわ子「・・・ヴェガって楽園だったのね」

みらい「おいしいです」

コック「ガッハッハ、そうかそうか」

スタスタ

律「七輪で焼いただけあって、この香りがたまらん!」

さわ子「りっちゃん表現が薄いわよ」

唯「そうだよ〜」

律「ではどうぞ」

さわ子「極上の香りが調味料の役割を担っているのね〜」

律「・・・次、唯」

唯「すごくいい香りが」

律「・・・フッ」

唯「鼻で笑った!」

さわ子「ダメね〜」

澪「料理の前で遊ぶのは失礼じゃないか?」

律唯さわ子「「「 ごめんなさい 」」」

紬「〜♪」モグモグ

みらい「ふふ」

千秋「私は今食堂車に来ていまーす」

みらい「!」

律「マジかよ・・・」

さわ子「関係ないわ食事を楽しみましょう」

澪「そうだな」

唯「カメラ来ているのに澪ちゃんが落ち着いてる!」
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:17:48.13 ID:hhitb21Ro

澪「当然だ」

律「手が震えているぞ」

澪「武者震いだ」

律「誰と戦うんだよ」

千秋「あらぁ〜、そこにいるのは飯山みらいさんじゃないですかぁ〜」

みらい「・・・」

唯「・・・」

さわ子「食事中ですので取材拒否させてもらいます」

紬「・・・」

千秋「なぁに〜この貧相な料理は〜魚焼きとご飯と味噌汁〜だっさぁ〜い」

律「さわちゃん止めるなよ」

さわ子「止めないわよ」

律「・・・」ガタ


D「これは面白いぞ、おいカメラ、ちゃんと撮ってるか?」

カメラ「バッチリ」



将人「んっふっふ」

千秋「なぁに〜?貧相なものを食べている人は態度まで下品になるのぉ?」

律「料理した事あるの?」

千秋「こんな簡単なメニュー誰だってできるわぁ」

律「シンプルな料理も難しいんだけど」

千秋「ぷぷっ、みらい、あんたこんなのと付き合ってるの?だっさ〜い」

みらい「はい、私の大切なお友達です」

千秋「ダサいもの同士仲良くやってなさいよ・・・ぷぷっ」

みらい「悪く言わないでください」

千秋「ふふ、なぁに〜怒ったのぉ〜?」

みらい「友達を貶されたら誰だって嫌な気分になります!」

千秋「魚食べたら〜?カルシウム不足よぉ?」

みらい「・・・」

千秋「私が作ってあげましょうかぁ〜」キャハハ

律「はは、この料理をバカにしたあんたが?」

千秋「このくらい簡単よぉ〜」

律「無知は喋らないほうが利口に見えるよ?」

千秋「どういう意味よぉ!」

律「今の理解できたんなら頭はそこそこかな。底だけど」
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:19:12.04 ID:hhitb21Ro

千秋「なにこいつぅ!超ムカつくゥ!!」

律「態度が下品だよ、貧相なものを食べているんじゃない?」

千秋「わ、私はぁ、こんな質素なものじゃなく、もっと手の込んだものを食べているのぉ」

律「私が言ったアドバイスは忘れたの?」

千秋「はぁ!?」

律「無知は喋らないほうが」

千秋「このぉ!」ブンッ

みらい「律さん!」

ガシッ

コック「そこまでだ」

千秋「なによぉあんたは・・・手を離しなさいよぉ」

コック「ここの料理長だ」

千秋「ディレクターこの映像撮って〜」

D「・・・」

千秋「カメラ回しなさいよぉ!」

車掌「ヴェガでの撮影はこれ以降禁止とさせていただきます。撮った映像の使用も禁止です」

D「なっ、契約違反だぞ!?」

車掌「飯山みらいの一日車掌という項目で契約しました。契約違反を行ったのはあなた方です」

D「ぐっ」

車掌「尚、次の岐阜駅で降りていただくか、名古屋まで個室待機かのどちらかを選んでいただきますので」

D「そんな対処で俺らの気が済むと思っているのか?」

車掌「乗客みなさんの旅の安全を第一とさせていただきます」

D「上に報告させてもらう」

車掌「どうぞ」

D「いくぞ」

千秋「なによそれ〜!」

律「目障りだよ」

千秋「〜!!」

将人「行くぞ千秋」

千秋「ふんっ」

みらい「まって下さい、マネー・・・望月さん」

将人「なんだ」

みらい「書類を必ず揃えてください」

将人「名古屋で渡してやる。それまで待ってろ」

スタスタ
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:20:25.85 ID:hhitb21Ro

律「・・・ふぅ」

澪「律・・・キレてたな」

律「料理バカにされた挙句、みらいまでバカにしたからな」

さわ子「上出来よ」

唯「教師がそんな事言っていいのかな」

さわ子「ダメよ」

律「自分で言ってるし」

紬「ふふ」

みらい「律さんありがとう」

律「なーんにもしてねーよ」

唯「りっちゃんカッコよかった!」

紬「うん!」

律「私は怒ったら怖いのです」エヘン

澪「・・・一番怖かったのは車掌さんだな」

律「・・・うん、怖かった」

紬「・・・そうね」

唯「・・・うん」

さわ子「あなたたちが冷え込んでどうするのよ」

コック「みんなすまねぇな」

みらい「あ・・・」

唯「コックさん悪くないよ!」

澪「うんうん」

コック「料理冷えちまったな・・・作り直すから時間を置いてまた来てくれねぇか」

律「もったいねぇよ!」

紬「バチが当たるわ〜」

コック「でもなぁ」

澪「食べます!」

唯「いただきますって宣言したもん」

さわ子「ちょっとズレたわよ今」

みらい「私もいただきたいです」

コック「そうか・・・ちょっとまっててくれ」

律「?」
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:21:30.79 ID:hhitb21Ro

さわ子「みらいちゃん書類って?」

みらい「私が事務所を辞めたという証明書・・・みたいなものです」

唯「そっか」

澪「活動しづらくなるからな」

けさみ「お待たせ〜」

律「ん?」

けさみ「せめて豚汁だけは取り替えさせてください」

さわ子「あら、ありがと」

みらい「ありがとうございます」

けさみ「律さんカッコよかったですよ」

律「・・・」カァ

澪「なぜそこで赤くなる」

律「は、恥ずかしい」

唯「今の澪ちゃんっぽい!」

けさみ「失礼しました〜」

さわ子「改めて、いただきましょうか」

律「・・・」ズズー

澪「温かいな」

律「入れなおしたからな」

唯「そうじゃなくて〜」

みらい「ふふ」
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:22:20.32 ID:hhitb21Ro

コック「失礼、ちと早いがフクラギの刺身だ」

紬「まぁ」キラキラ

唯「おいしそー」キラキラ

律「いいのかよ?」

コック「お礼だ」

律「お礼?」

コック「食事代はいらないからな。ゆっくりしていってくれ」

スタスタ

律「なんだ?」

さわ子「それに気付かないなんて、りっちゃんは料理人とは呼べないわねぇ」

澪「そうだな」

紬「なるほどぉ〜」

唯「どういう事?」ヒソヒソ

みらい「恐らく、コックさんは律さんが料理を貶されてに怒ってくれた事に対するお礼だと・・・」

唯「も、もう一回言って」

みらい「えぇと・・・律さんが」

さわ子「冷めるわよ」

唯「そうだよ、みらいちゃん」モグモグ

みらい「・・・ずるいですよ、唯さん」

唯「えへへ」

みらい「ふふ」

律「うめぇ!」
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:23:32.46 ID:hhitb21Ro


律「ふぅ〜食った食ったお腹いっぱい!」

唯「あとは寝るだけだね〜」

澪「おぉい!!」

唯「冗談だよぉ〜」

律「これから猛特訓だ!」

唯「おぉー!」

澪「部室でのノリは止めてくれ・・・心臓に悪い」

唯「えっへへ〜」

律「よし、むぎたちがアレンジ作曲している間は・・・」

澪「間は・・・?」

唯「自主練?」

律「澪の部屋に集合」

澪「どうして?」

律「澪の隣部屋は唯と私だろ?音出しても平気だから」

唯「なるほどぉ」

澪「そうか、じゃ待ってるから」

律「おう」

唯「ギー太!ギー太!!」

「頑張れよ姉ちゃんたち」

「応援してるわよ」

澪「は、はい・・・?」

律「なんの応援だ?」

唯「さぁ・・・?」

律「先に行ってて、売店行ってくる」

唯「おっけ〜」
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:24:42.62 ID:hhitb21Ro

ちひろ「いらっしゃいませ〜」

律「名古屋の観光ガイドを一つ」

ちひろ「はいどうぞ〜」

律「よーし」

ちひろ「あ、そういえばお客さん?」

律「?」

ちひろ「愛さんとぉ、すっごく仲良しさんですよねぇ」

律「そう見えます?」

ちひろ「はい〜」

律「それが何か・・・?」

ちひろ「力になってあげてくださいね〜」

律「どういう意味ですか?」

ちひろ「私はよく分からないんですけどぉ」

律「?」

ちひろ「あ、そうそう。この記事みましたかぁ?」

律「展望車で演奏した時の記事なら持ってますけど・・・?」

ちひろ「いえ〜、新しい記事ですぅ」

律「見せてください」

ちひろ「どうぞ〜」

律「な!?」

ちひろ「書いたのは小麦さんで〜、貼ったのは修治さんですよぉ〜」

律「な、なんで小麦が知ってるんだよ・・・」

ちひろ「そこまでは分からないです〜」

律「借りていいですか?」

ちひろ「すぐ返してくれるなら・・・一枚しかないですのでぇ」

律「分かりました。それではっ!」

テッテッテ

ちひろ「ありがとうございました〜」
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:25:47.03 ID:hhitb21Ro

コンコン

澪「律?どうぞ」

ガチャ

律「こ、これ読んでくれ」

バタン

唯「ん〜?名古屋観光ガイドブック?」

澪「律っ!」

律「違う違うこの新聞だよ」

澪「・・・小麦が書いたの?」

律「あぁ、新しくな」

『放課後ティータイムが名古屋城でライブ!』

律「・・・どこで嗅ぎつけたんだ・・・」

澪「そうだよな・・・私たちも金沢出発してから聞いたんだけど」

唯「おぉ、宣伝してくれたんだね!」

律「さっき声をかけられたのはそのせいだったんだよ」

澪「なるほど」

唯「おぉ、乗客のみなさんも応援してくれるんだね!」

律「これは思ってた以上に・・・」

澪「あぁ、気を引き締めていかないとな」

唯「気合入った!」フンス!

律「じゃ、返してくる」

ガチャ

澪「くれないの?」

律「これ一枚しかないんだってさ」

唯「りっちゃん売店車になにしにいったの?」

律「観光ガイド買いに」

澪「律っ!」

バタン
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:26:33.45 ID:hhitb21Ro


修治「午前の何時からは分からないのか?」

律「あぁ、そういや聞いてねーな」

修治「大丈夫なのか?」

律「こっちはこっちで色々あるんだよ」

修治「なにか手伝える事は?」

律「そうだな・・・演奏のアドバイス・・・は期待できないから、観客の顔でもしててくれ」

修治「練習を聞いているだけでいいんだな」

律「そういう事」

修治「それだけしか出来ないのか。みんなを集めようか?」

律「そうだな。ヒマな人だけでいいぞ。無理して来させなくても」

修治「無理にあわせる人なんていないだろ」

律「そっか?」

修治「うん・・・多分な」

律「頼りになるんだかならないんだか・・・」

修治「みんなに声掛けてみるよ」

律「頼んだ、じゃな」

修治「あぁ」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:27:03.14 ID:hhitb21Ro


さわ子「こんなものかしら?」

紬「そうですね」

みらい「いいと思います」

紬「私みんなを呼んできます」ガタ

さわ子「私も行くわ、みらいちゃん待っててね」

みらい「は、はい」

502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:27:46.00 ID:hhitb21Ro

紬「さわ子先生も待っててよかったのに」

さわ子「私もヴェガを歩きたいのよ」

紬「ふふ、そうですか」

「・・・」

さわ子「あら、すれ違うわね」

紬「はい」

ドンッ

紬「あ、ごめんなさい」

「・・・」

スタスタ

さわ子「気付かなかったみたいね」

紬「あら?写真と手帳が落ちてます」

さわ子「今の子が落としたのかしら?」

紬「生徒手帳・・・?」

さわ子「幼い子が二人写ってるわね」

紬「きたかみ・・・みどり・・・?」

「返して」

紬「?」

さわ子「落としたのあなた?」

「それ、返して」

紬「は、はい」

バシッ

「・・・」

さわ子「ひったくる事ないじゃない」ブー

紬「あの・・・私琴吹紬と申します」

「・・・」

スタスタ

さわ子「あらあら、気にせず行っちゃったわね」

紬「・・・」

さわ子「行くわよむぎちゃん」

紬「はーい」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:28:12.66 ID:hhitb21Ro

さとみ「あ、こんばんは」

さわ子「あら、一人でどうしたの?」

さとみ「外を眺めていたんです・・・面白くって」

紬「なにか見えるの?」

さとみ「そうじゃないけど・・・私の知らない風景を、私の知らない人が暮らしていると想像してるの」

さわ子「・・・」

紬「面白いわね〜」

さとみ「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ」

さわ子「さとみちゃんヒマでしょ?」

さとみ「え?えぇ・・・観光ガイドを見るくらいですね」

さわ子「じゃあ展望車いらっしゃいな」

さとみ「?」

さわ子「じゃ後で。行くわよむぎちゃん」

紬「は、はい。それじゃ後で」

さとみ「う、うん・・・?」
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:29:01.29 ID:hhitb21Ro


秋子「あ!ここにいたんですね〜、探してたんですよ〜!」

さわ子「うっ・・・」

紬「・・・?」

秋子「観光ガイド買ったんです!一緒にみませんか?」

さわ子「ご、ごめんなさいね。今忙しいのよ」

秋子「そう・・・ですか」ガッカリ

紬「よろしかったら」フガッ

さわ子「今はダメよ。大事な時なんだから」

紬「?」

修治「あ、ここにいたんだ?これから展ぼ」

さわ子「」シュパッ

修治(切れ味の鋭い視線!命に関わる!?)

秋子「どうしたんですか〜?」

さわ子「なんでもないわ。この子、鳥羽修治というの、あとよろしくね」

修治「え!?」

さわ子「」シュパッ

秋子「修治さんですね?私は加古川秋子と申します」ペコリ

修治「よろしく、俺はただの放浪少年さ」キラン

秋子「そうですか、あれ、先生がいない?」

修治「そんな事より放浪する事について語らないか?」

秋子「えー、興味ありません。先生はどこへ?」

修治「先生はいま放浪少女となって・・・」
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:30:03.64 ID:hhitb21Ro

さわ子「・・・ふぅ」

紬「どうしたんですか?」

さわ子「悪い子じゃないんだけど、今は関わってはダメよ」

紬「・・・そうなんですか」

さわ子「あら」

愛「あ・・・」

さわ子「もし時間が空いていたら」

愛「す、すいません。失礼します」

テッテッテ

紬「愛さんどうしたのかしら?」

さわ子「? ・・・まぁいいわ行くわよむぎちゃん」

紬「はーい」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:30:59.56 ID:hhitb21Ro

エレナ「オー、頭領サンとツムギさんですネ」ジー

さわ子「誰が頭領よ!」

エレナ「違いマシタカ?」

さわ子「全然違うわよ」

紬「ボスよ」

エレナ「オー、しっくりきましたね。BOSS」

さわ子「むぎちゃん?」

紬「ごめんなさい・・・つい」

エレナ「BOSSとツムギさんはどうしたデスカ?」

さわ子「どうして名前で呼んでくれないのよ」

エレナ「ミナサンのトップに君臨する人ですから、敬わないといけませんネ。世界のルールデス」

さわ子「なるほど、それでいいわ」キラキラ

紬「あら」

さわ子「エレナさんも展望車にいらしてね。予行演習しますので」

エレナ「オーケーBOSS」

さわ子「うふふ」

507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:32:12.43 ID:hhitb21Ro

さわ子「許可してしまったわぁ」

紬「いいと思いますよボ・・・先生」

さわ子「楽しんでるわねぇ」

紬「うふふ」

さわ子「いいわ、部屋はどこかしら?」

紬「こっちです」

コンコン

「誰だっ」

紬「私よ」

「合言葉を言え」

紬「分かったわ」

「粗大ゴミは」

紬「持ってかれてない」

「入れ」

さわ子「いつ決めたのよ・・・」

ガチャ

律「どうしたむぎ?」

紬「曲完成したから展望車に集まって〜」

唯「おっけ〜」

澪「合言葉いつ決めたんだよ・・・」

律「適当だっ」

唯「そうだっ」

紬「そうよっ」

さわ子「楽しんでいるのねぇ」
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:33:25.80 ID:hhitb21Ro

―――――展望車

さわ子「むぎちゃんは?」

澪「さっきまでいたんだけど・・・」

唯「紅茶淹れにいったのかな」

ピンポンパンポーン

律「車内放送か・・・珍しいな」

『みなさんこんばんわ〜』

さとみ「むぎさん!?」

さわ子「ふふ、車掌さんの仕業ね」

紬『私たちの都合で大変申し訳ないのですが、しばらく展望車を利用させていただきます〜』

唯「ずる〜い〜!」

澪「度胸あるなぁ」

紬『ライブの練習ですが、もしよろしかったら見学にいらしてくださいね〜。それでは失礼しま〜す』

プツッ

澪「」プシュー

律「澪・・・恥ずかしがっていられないんだぜ・・・」

唯「わ、私も車内放送してくるよ!」

さわ子「一度きりよ」グイッ

唯「そ〜んな〜」ジタバタ

さとみ「唯ちゃんに緊張という文字はないのかな」

みらい「・・・見習わなくちゃいけませんね」

509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:34:07.41 ID:hhitb21Ro


紬「ありがとうございました」

車掌「いえいえ。私も皆さんに伝えることがありますので、展望車へ参りましょう」

紬「伝えることですか?」

車掌「はい」





紬「あ、あれは・・・」

「・・・」

紬(ぶつからないように・・・)

ドンッ

紬「あっ、ご、ごめんなさい」

「・・・」

紬「うふふ、二度目ですね。ぶつかるの」

「・・・」

紬「北上緑さんですよね?私は琴吹紬と」

緑「知ってるわ」

紬「え?」

緑「・・・」

紬「・・・」

緑「用がないのなら行くから・・・じゃ」

スタスタ

紬「あ・・・」

車掌(わざとぶつかった・・・?)
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:35:37.30 ID:hhitb21Ro

ギュィイイン

「「 おぉー 」」

澪「人が・・・多い・・・」ガクガク

律「あーぁ、私は本だけかぁ」

さわ子「辛抱してねりっちゃん」

律「みんなが音を出してる横でぺちぺちするのは寂しいぜぇ」

さわ子「腐らない腐らない」

律「腐ってねーよー」ブー

唯「では次行きます!」

「おぉ!」

チャララーララチャラララララー

「聞いたことあるよ、お姉ちゃん!」

「私も〜」

唯「えへへ、それじゃあ次はキラキラ星を弾いてあげるね」

「うん、お願い!」

さとみ「子供に大人気ねぇ」

律「感性が近いからな」

さとみ「感性?」

さわ子「あの子見たもの聴いたものを鋭く捉える能力がズバ抜けているのよ」

みらい「なるほど」

ジャンジャンジョンジャン

「あ、間違えたー!」

「間違えたー!」

唯「えへへ、失敗失敗〜」

さわ子「・・・多分ね」

律「・・・多分な」

さとみ「・・・そうなんだ」

車掌「皆さんよろしいでしょうか?」

紬「みんな集まって〜」

唯「みんなごめんね、これからお姉ちゃん練習するんだ。つまらなくなったらお母さんのところに戻っていいからね」

「わかったー!」

「はーい!」

唯「・・・じゃね!」

さわ子「保母さんもありかも・・・」
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:36:35.34 ID:hhitb21Ro

澪「どうした?」

紬「車掌さんがみんなに伝えたいことがあるんだって」

車掌「先ほどは皆さんに不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした」

律「いや、車掌さん悪くないじゃん」

車掌「私の監督不行き届きです。ですから私の責任になります」

みらい「・・・」

車掌「飯山さんの撮影ではあまり苦情が起らなかったのですが、変わられてからは上の方にも苦情がいってたみたいです」

澪「みらいは撮影の後、ちゃんとフォローしてたもんな」

唯「うんうん」

みらい「それでも私の言動で・・・」

律「まぁまぁ」

車掌「それで・・・ここからはオフレコでお願します」

唯「吹き替えだね」

紬「それはアフレコよ唯ちゃん」

車掌「上から、乗客の信頼を挽回しろ・・・と」

さわ子「あらあら」

澪「・・・」

車掌「そこで私はみなさんへの協力を第一と考えました」

唯「なんと!」

澪「なんと・・・」

さわ子「車内放送もそういう意味だったのね」

車掌「はい、そうです」

律「私が言うのもなんだけどさ、私らでいいのか・・・いいのですか?」

車掌「えぇ、前回の演奏の評判も上々でしたので」

紬「まぁ」

律「一個だけお願いが」

車掌「ドラムは次の駅、岐阜駅で乗せることができますよ」

律「仕事はやっ! 早いですねっ!」

車掌「どうして言いなおすのでしょうか?」

律「いえ・・・意味はありません」

澪「ププッ」

車掌「そうですか・・・私に出来ることがありましたらなんなりと」
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:37:49.63 ID:hhitb21Ro

紬「いつも気にかけてくれてありがとうございます」

唯「うん、ありがと〜!」

車掌「いえ、車掌として当然の努めです」

唯「おぉ」ビリビリ

律「しびれるぜ」ビリビリ

車掌「それでは、岐阜駅発車後に料理長にセッティングしてもらいますので」

さわ子「はい、ありがとうございます」

車掌「それでは後ほど」

さわ子「それじゃ、今はみらいちゃん、むぎちゃん、澪ちゃん唯ちゃんの四人で練習ね」

唯「おぉー!」

みらい「はい!」メラメラ

澪「やる気だなみらい」

みらい「私も負けていられません」

唯「おぉ」

さわ子「この子ずっとこんな調子だったのよ」

澪「根性あるよな」

紬「そうね〜」

律「ちぇ〜・・・」イジイジ

さわ子「いじけない、いじけない」

さとみ「会議終わった?」

紬「えぇ」

さとみ「子供たちが待ってるわよ」

「ゆいちゃーんはやくー」

「こらっ、わがまま言わないのっ」

「だってぇ」

唯「よぉーし!」
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:38:21.82 ID:hhitb21Ro

ガタンゴトン ガタン ゴトン

プシュー

律「急げー、急ぐんだ!」

修治「おうっ」

コック「走ると危ないぞ」

律「私もはやく練習したいんだよ!」ウズウズ

コック「気持ちは分かるが、怪我したら元も子もないぞ」

修治「あ、あれじゃないか?」

律「よっしゃー!」

修治「待てって」

タッタッタ

コック「人の話を聞かないな」

スタスタ

律「これだろ!?」

「は、はい・・・?」

ヒョイ

修治「借りてくぜ!」

タッタッタ

「あっこら!」

コック「大丈夫だ」

「あ、乗客の方でしたか」

コック「そういう事だ」
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:39:09.73 ID:hhitb21Ro
ザーーーー

紬「ん〜」ノビノビ

澪「ん〜・・・と」ノビノビ

さとみ「雨止まないね」

紬「そうね、どんどん強くなるみたい」

澪「明日晴れるといいな」

さとみ「あの曲はアレンジなの?」

紬「えぇ、そうよ」

さとみ「オリジナルも聞いてみたいかも」

紬「そうねぇ・・・」

澪「うーん、それじゃ後でやってみるか」

さとみ「ありがとー!」

澪「ベースとなる曲を弾いておいて損はないと思うんだ」

紬「でもやりすぎると・・・」

澪「そうだな、ショートで一回だな」

「えぇーん、お母さーん」ウェーン

紬「?」

緑「ほらほら泣かないで、一緒に探してあげるから」

澪「迷子かな?」

紬「北上さん・・・」

さとみ「知り合い?」

紬「え、えぇ・・・金沢から乗車してきたみたい」

迷子「ほ、ほんと・・・?」グスッ

緑「えぇ、だから泣かないで」

紬(優しい表情・・・)

緑「さ、行きましょうか・・・」

迷子「う、うん・・・」

紬「あ、あの・・・」

緑「! なに・・・?」ジロッ

澪「ヒァッ」

さとみ「・・・大丈夫よ澪さん。多分いい人だから」ヒソヒソ

紬「私も手伝いましょうか?」

緑「・・・」

スタスタ

紬「あ、待って!」

テッテッテ
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:40:24.76 ID:hhitb21Ro

ザーーーー

「ありがとうございました。助かりました」

迷子「おねーちゃん、ありがと・・・じゃあね」

緑「・・・」

さとみ「よかったわね」

澪「見つかってよかった」

紬「・・・」

緑「あの子・・・寂しかったのよ」

澪「?」

緑「誰もいないところで一人で・・・」

さとみ「そうね・・・」

緑「・・・子供なら泣いてもしょうがないわ」

紬「北上さん・・・?」

緑「・・・別に」

さとみ「・・・でも北上さんって優しいのね」

澪「・・・私も勘違いして」

緑「バカみたい・・・」

スタスタ

さとみ「」ピキーン

澪「」ピキーン

紬「あらあら」

唯「むぎちゃーん、集まって〜」

紬「ちょっと待って〜」

テッテッテ

唯「どうしたの?」

紬「二人ともフリーズして・・・」

唯「よし、髪型を改造しよう」

紬「そんなことしたら・・・ダメよ〜」ウフフ

唯「澪ちゃんはツインにしてさとみちゃんはポニーでいこう」

紬「了解よ!」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:41:35.80 ID:hhitb21Ro

prrrrrrrrrrrr

紬「二人とも起きて〜」

澪「あ、出発か」

さとみ「怖い夢を見ていたわ」

唯「さ、乗るよ〜」

澪「あ、あぁ」

さとみ「なんだか頭が・・・」

紬「さぁさぁ」

さとみ「う、うん」

プシュー

ガタン ゴトンガタン 

さわ子「イメチェン?」

さとみ「えっ?」

澪「ん?」

律「ふーん、似合ってるんじゃないか?」

みらい「はい、可愛いです」

さとみ「な、なに・・・?」

澪「?」

さとみ「あっ!」

紬「ダメっ、そのままそのまま」

さとみ「むぎさんがやったの!?」

紬「うふふ」

唯「私もやりました!」

さとみ「・・・もぅ」
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:45:02.99 ID:hhitb21Ro

澪「似合ってるよ、さとみさん」

さとみ「・・・澪さんもね」

澪「えっ!あっ!?」

さとみ「直すからね」

澪「私も」

紬「あらー」

さわ子「ダメよ!」

ガシッ

さとみ澪「「 うっ 」」

さわ子「名古屋までそのままでいなさい!」

さとみ澪「「 ハァ・・・ 」」

ダンダンダダダダン

コック「どうだ?」

律「バッチリ!」

コック「そうか」

律「これって水戸で降ろしたやつ?」

コック「よく分かったな」

律「へへ、いい巡り合わせだ」

コック「・・・なるほど」

律「ほら、遊んでいないで練習するぞ」

澪「部室でもその調子でいてほしいな」

唯「やぁーるぞー!」

紬「おぉー!」

さわ子「それじゃ、アレンジいってみよう」
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:46:27.33 ID:hhitb21Ro

―――――♪


ジャン

パチパチパチパチ

唯「ありがとー」フリフリ

紬「さわ子先生どうでしたか?」

さわ子「唯ちゃんはいいけど、澪ちゃんがね・・・」

澪「うぅ・・・」

律「緊張してんのか」

澪「それもあるけど・・・。律じゃなくて私なんですか?」

さわ子「りっちゃん走っちゃうじゃない」

律「そうです!」

澪「はい・・・」

さわ子「澪ちゃんがりっちゃんをしっかり引っ張るのよ」

澪「・・・はい」

唯「走っちゃうりっちゃんをしっかり引っ張って頑張ってみっおちゃん!」

紬「小さい『っ』をたくさん使ったのね〜」

さとみ「めちゃくちゃよ・・・」

みらい「ふふ」

さわ子「もう一回いってみましょう」

みらい「はい!」メラメラ

さわ子「みらいちゃんはここで座ってなさい」

みらい「」ガーン

さわ子「あからさまに落ち込まないの、聴くのも勉強よ」

みらい「はい!」メラメラ

さわ子「唯ちゃん、いつでもどうぞ」

唯「はいよー!」
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:47:32.48 ID:hhitb21Ro

―――――♪



ジャン

パチパチパチ

唯「セーンキュー」

さわ子「うーん・・・」

澪「・・・うぅ」

修治「先生は納得してないみたいだな」

さとみ「難しいのね」

コック「まぁな、ドラムもベースを意識しすぎてイマイチ乗れてない」

さとみ「ベースが澪さんですよね」

修治「そうだよ」

さとみ「大丈夫かな・・・」

コック「あいつらはまだ若い、どうなるか予想つかん」

修治「・・・なんか羨ましい」

さとみ「・・・うん」

さわ子「ま、いいわ。焦らずいきましょう、休憩よ」

律「そうだな〜」

澪「・・・はい」

唯「大丈夫だよ!私たち出来るもん!」

紬「そうよ!」

車掌「山中さん・・・よろしいでしょうか?」

さわ子「あら、車掌さん?なにかしら」

車掌「・・・こちらへ」

さわ子「・・・?」

スタスタ

律「・・・?どうしたんだ」

澪「さぁ・・・?」

みらい「おつかれさまです」

さとみ「おつかれ〜」
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:48:47.85 ID:hhitb21Ro

修治「差し入れの飲み物だ受け取れぃ!」

紬「まぁ、ありがと〜」

律「気が利くな、貸しは減らないけど」

修治「こんなんで減らせると思ってねーよ」チッ

律「舌打ちしたじゃんか」

さとみ「ふふ」

唯「こうやってこう」

ジャジャン

みらい「そうですね『仮面を脱ぎ捨て〜』はその方がいいと思います」

澪「・・・」

律「しっかし、この歌詞・・・今のみらいを書いたようにしかみえないな」

紬「私もそう思ったわ〜」

修治「今の事務所に入る前の歌詞なのにな・・・」

さとみ「不思議な話よね〜」

律「『仮面を脱ぎ捨て 素顔の自分に出会うの 私は恐れを知らない』」

澪「プロデューサーと書いたって言ってたよな」

紬「見越していたのかしら」

律「・・・巡りあわせ・・・かな」

さわ子「りっちゃん、澪ちゃんちょっと」

澪「・・・はい」

律「なに?」

さわ子「車掌さんについていって」

車掌「車掌室までお願します」

紬「・・・?」

澪「は、はい」

律「わ、分かった」

車掌「・・・」

スタスタ

修治「空気が張り詰めていたけど・・・」

さとみ「なにか・・・?」

さわ子「気にしなくていいわ・・・むぎちゃんと唯ちゃんでなにか演奏しててちょうだい」

唯「おっけ〜」

紬「なにを弾きましょうか?」

さとみ「そうねぇ・・・他にもオリジナルってあるの?」

修治「・・・・・・雨止まないな・・・」

ザーーーーー
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:50:55.63 ID:hhitb21Ro

車掌「時間がない所、誠に申し訳ありません」

澪「いえ・・・」

律「いいけど・・・」

車掌「松浦愛さんの件で少々困ったことになりまして」

澪「愛さんの?」

律「!」

車掌「先ほどご家族の方から連絡が入りました」

澪「・・・?」

律「家出・・・ですか?」

車掌「・・・はい。そのようです」

澪「律知ってたのか!?」

律「何かを隠しているような様子だったから・・・家族からって聞いて、妙に納得した・・・」

車掌「・・・名古屋に到着次第、警察に引き取ってもらいます」

澪「そんな!」

律「当然だな・・・」

澪「・・・律!」

律「家出だぞ・・・どれだけ周りに心配かけてると思っているんだよ」

澪「で、でもっ」

車掌「・・・ですが、私は明日の朝までやらなきゃいけない仕事がありますので・・・」

律「え?」

車掌「警察へ連絡するのは明日の朝になります」

澪「・・・それって」

車掌「明日の朝、松浦さんがご自分で降りていただければ、こちら側の言う事はありません」

律「澪、行くぞ」

ガチャ

澪「うんっ」

車掌「お願します」

律「ありがとう、車掌さん」

バタン
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:52:45.78 ID:hhitb21Ro

律「ちょっと待って澪」

澪「急がないと時間が」

律「落ち着けって、聞きたいことがあるんだけどさ」

澪「・・・なに?」

律「愛ちゃん・・・私が風邪ひいた時どんなだった?」

澪「そ、それは・・・」

律「見たこと聞いたこと、正直に言って」

澪「・・・律にばっかり迷惑かけているから、・・・その」

律「・・・」

澪「・・・・・・・・・泣いてた・・・・・・」

律「それで・・・?」

澪「・・・・・・・・・・自分なんか・・・・・・・・・いなければいいって」

律「・・・っ」

ガンッ

澪「・・・モノにあたるな」

律「・・・」

澪「落ち着け」

律「落ち着いてるよ」

澪「・・・」

コンコン

「・・・はい」

律「愛ちゃん、中に入れてくれる?」

「!」

律「開けてくれないなら勝手に開けるよ?」

澪「お、おい」

ガチャ

愛「どうぞ・・・」

律「・・・」

澪「邪魔するね」

バタン

愛「・・・」
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:54:18.60 ID:hhitb21Ro

律「さっき会ったときどうして逃げるように去ったの?」

愛「・・・え?」

律「さすがに私たちに合わせる顔が無いと思った?」

愛「!」ビクッ

澪「・・・」

律「悪いことをしているとやっと実感できた?」

澪「おい、律」

愛「私・・・」

律「逃げたな・・・愛ちゃん」

澪「律ッ!」

愛「・・・」

律「家族、友達からの信用を裏切って、新しい場所で」

澪「黙れ律ッ!」

律「自分だけで笑って過ごせると思ったのか?」

澪「・・・いい加減にしろよ、許さないぞ」

律「なんだよっ!誰かが言わないとずっとこのままだろ!」

澪「言葉を選べって言ってるんだよ!」

律「どうせ私は不器用だよっ」

愛「・・・さ・・・い」

澪「そんな事言ってるんじゃないだろ!愛さんの境遇を考えろと言っているんだっ!」

律「なにが一番不幸なのかを知らないから教えているんじゃないかっ!」

愛「・・・ん・・・なさ・・・い」

澪「あ・・・」

律「・・・」

愛「・・・ごめ・・・ん・・・なさ・・・い」

澪「・・・」

律「・・・」
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:55:40.54 ID:hhitb21Ro

愛「私が・・・っ・・・・・・・・お二人・・・に・・・嫌な思いまで・・・っ・・・させて・・・」ボロボロ

澪「・・・」

愛「ケンカまで・・・させてっ・・・しまって・・・・・・もう・・・・・・嫌で・・・・・・す」ボロボロ

律「・・・」

愛「・・・こんな・・・自・・・分・・・・・・もう・・・っ・・・え・・・て・・・」ボロボロ

律「・・・っ」

ギュウ

愛「・・・!」

律「バカだよ愛ちゃん・・・っ」

澪「・・・・・・・・・うん・・・」

愛「・・・・・・でも・・・」グスッ

澪「愛さんと・・・っ・・・兼六園に行かなかったら・・・律とケンカしたままで・・・三人の思い出作れなかった」グスッ

愛「・・・っ」グスッ

律「むぎや唯だって・・・愛ちゃんといたから楽しめた事がいっぱいあるんだ」

澪「・・・うん」

愛「・・・」

律「・・・だから、愛ちゃんはいていいんだ」

ギュウ

澪「うん・・・っ」ボロボロ

愛「・・・」

律「なんで澪が泣いてるんだよー」

澪「・・・だって・・・止まらない・・・んだもん」ボロボロ

愛「わ・・・わたし・・・みなさんに・・・酷いことしてたんですね・・・」

律「・・・」

愛「私の不幸でみなさんに・・・迷惑かけて・・・それが悔しくて・・・申し訳なくて・・・」

澪「・・・」

愛「『気にするな』と言われる度、心の中では『いやな目にあった』と思っているんじゃないかと疑って」

律「・・・バカッ」

ビシッ

愛「いたっ」

律「それはすごく失礼な事なんだぞ」

愛「・・・・・・・・・はい」
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:57:07.68 ID:hhitb21Ro

澪「・・・」

律「・・・」

愛「・・・・・・私・・・降ります」

律「うん」

愛「帰ってたくさん謝ります」

澪「すっごく怒られるな」

愛「はい・・・許してくれるか分かりませんが、謝ろうと思います」

律「きっと大変だぞ」

愛「頑張ります・・・自分で蒔いた種ですけど・・・」

澪「・・・うん」

律「あぁ、早く電話でもして安心させてあげて」

愛「・・・はい」

律「・・・よし」

澪「・・・」

ガチャ

律「じゃあね」

澪「・・・じゃ」

愛「律さん、澪さん。本当にありがとうございました」

律「へへっ、気にすんなって」

澪「うん」

律「じゃ、後でな〜!」

愛「?」

バタン

澪「後で?」

律「このまま降りちゃうのもったいないだろ」ウシシ

澪「・・・そうか」

律「うん」

澪「あ、あのさ、律・・・さっきは」

律「さぁー練習練習〜」

スタスタ

澪「言わせろよ」

律「何をー?」

澪「・・・なんでもない」
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:58:34.86 ID:hhitb21Ro

ポンポンポンポン

ジャンジャンジャンジャン

唯「き〜ら〜き〜ら〜ひ〜かる〜」

「「 お〜そ〜ら〜のほ〜し〜よ〜 」」

律「なんだよこれは・・・」

さとみ「お遊戯会ね」

みらい「楽しいですよ」

さわ子「あら、澪ちゃんは?」

律「顔洗ってる」

さわ子「・・・そう。うまくいったようね」

律「分かる?」

さわ子「顔に出てるわよ」

修治「・・・」

さとみ「・・・」

唯「み〜ん〜な〜のう〜たが〜」

「「 と〜ど〜くと〜い〜い〜な〜 」」

澪「なんだこれは・・・」

ジャンジャン

ポンポン

唯「あ、りっちゃん澪ちゃん!」

紬「もういいの?」

律「あぁ」

澪「うん」

さわ子「それじゃ続きをするわよ」

律「よっしゃー!」

唯「みんなごめんね〜、これから練習するんだ」

「分かった、じゃあね〜」

「わたし、きいてるもん」

唯「えへへ」

さわ子「唯ちゃんの進路これでいいんじゃないかしら」
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 09:59:43.85 ID:hhitb21Ro

修治「ちょっと用事が・・・」

さわ子「来るとき差し入れ期待してるわ」

修治「・・・はい」

スタスタ

澪「さて・・・と」

唯「澪ちゃん・・・?」

澪「ん?」

紬「なにかあったの・・・?」

澪「何も無いよ」

みらい「?」

さわ子「それじゃあねえ」

紬「あ、はい!さわ子先生!」ズバッ

さわ子「あら、むぎちゃんなぁに?」

紬「ホッチキスのオリジナルを弾いてみてはどうでしょうか!」

さわ子「いいわね」

さとみ「やった」キラキラ

澪「唯・・・全部歌っていい?」

唯「え? うん」

澪「律、ついてこいよ」

律「オッケ」

紬「まぁ」

さわ子「若いっていいわぁ〜」

カンカンカンカン

ダンダンダダンダンダダンダン

澪『なんでなんだろ気になる夜 キミへの

  この思い 便せんにね書いてみるよ

  もしかして気まぐれかもしれない それなのに

  枚数だけ 増えていくよ』


車掌「助かりました」

さわ子「私の教え子よ当然よ〜」

車掌「ふふ」


澪『悩み事もホッチキスでとじちゃおー

  はじまりだけは 軽いノリで しらないうちにあつくなって

  もう針がなんだか通らない ララ☆また明日』
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:00:53.97 ID:hhitb21Ro

律「さて、どこへ行こうか」

澪「はい、長島スパーランドへ行きます!」ズバッ

紬「決定事項なのね〜」

唯「練習は〜?」

さわ子「みんな、今の唯ちゃんの言葉記憶しておきなさいよ」

澪「そうですね・・・」

さとみ「なんとなくひどい事言ってない?」

唯「もぉ〜」ブー

律「楽しみがあった方が頑張れるだろ?」

唯「そうだけど〜」ブー

さわ子「梓ちゃんも明日いるのよ?」

唯「東山動植物園に行きたいです!」ズバッ

みらい「リズムギターの方ですね」

さとみ「まだ会ったことないな〜」

唯「すーーーーーーーーーー」

澪「?」

唯「ーーーーーっごく可愛いんだよ!」

律「えらい溜めたな・・・」

紬「うふふ、早く乗りたくてウズウズしてるかも〜」

さわ子「明日の朝一でくるから、その後にアレンジ曲2,3回合わせて名古屋城よ」

唯律「「 ラジャッ 」」

さわ子「そういう事だから・・・」

澪「練習しましょう」

さわ子「ライブ終わったら地下街へきしめん食べに行きましょう」

澪「」ズルッ

さとみ「」ズルッ

律「古典的なズッコケですなぁ」ニヤニヤ

澪「・・・うるさい」

さとみ「・・・予想できなかったわ」

みらい「ふふ」

さわ子「染まってきたわねぇ」

さとみ「うぅ」
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:01:58.78 ID:hhitb21Ro

律「私らの演奏って何番なんだ?」

唯「そーだよ」

さわ子「・・・番よ」

澪「すいません、聞き取れませんでした」

さわ子「ごにょ番よ」

紬「?」

律「口ごもるって事は」

みらい「もしかして・・・」

さわ子「1番よ!」

澪「」ピキーン

さとみ「あらら」

律「予想していたけど・・・さすがになぁ」

唯「1番・・・」グッ

紬「・・・」グッ

エレナ「静かな闘志が燃えていますネ」ジー

律「あ、エレナ・・・。小麦は?」

エレナ「小麦ですカ?小麦は調査してますヨ」

さわ子「調査?」

エレナ「そうデース、名古屋城ライブの前評判調査ですネ!」

律「あー、追い討ちとなるか栄養剤となるのか・・・」

紬「後者だと思う!」

唯「その根拠は!?」

さとみ「ふむふむ」

紬「楽しいからよ〜」ニコニコ

さわ子「なるほど」

律「まーな、楽しいし」

唯「それに勝るものはないよ!」

エレナ「イイデスネー!いい記憶になるヨ」

澪「・・・そうだな」

小麦「みんなー聞いて聞いて!なんと期待している人が98%だよ〜」

紬「まぁ」

澪「おぉ」

さわ子「へぇ〜」

小麦「一人だけ『興味ない』って人がいたんだ〜」

さとみ「もしかして・・・」

澪「」ガクガク

律「なんで震えてるんだよ?」
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:04:18.18 ID:hhitb21Ro

小麦「応援メッセージだよ〜、読んでね〜」

澪「・・・」

『わたしと恋とホッチキス大好きです』

律「はは、間違えてるじゃん」

『ドラムの人かっこいいです』

紬「りっちゃんこれ!」

律「お〜、分かってる人っているんだなぁ〜」

小麦「それ、修治くんだよ」

律「ネタかよ!!!」

エレナ「いい反応ですワ」ジー

『ベースの人の声好きだな〜』

澪「て、照れるな・・・」

『応援行きますね〜、ライブ楽しみ〜』

紬「まぁ」

小麦「それ食堂車のウェイトレスさん」

律「けさみさんっぽいな、来てくれるのか!」

『ドラムの人に憧れます』

紬「りっちゃん!」

律「あー・・・同じネタを二度使うとは・・・」

小麦「それ女の子だよ」

律「よーしよしよし」

唯「私への応援メッセージはないの〜?」

『唯ちゃんかわいい』

唯「よーしよし」

エレナ「・・・」ジー

澪「後はほとんどピアノ関連だな」

紬「えへへ」テレ

さわ子「終わった〜?」

律「なんだよぉ〜、楽しんでいるのに」

さわ子「そろそろ名前決めるわよ」
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:05:47.48 ID:hhitb21Ro

律「その前に、演奏開始時間は何時から?」

さわ子「10時よ」

律「小麦、よろしくー」

小麦「おっけ〜」

テッテッテ

澪「なに?」

律「宣伝の記事に時間書いてなかったから」

澪「そうだったな」

紬「宣伝?」

唯「売店に貼ってあるよ〜」

紬「後で見てくる!」

さわ子「話続けるわよ、私たち三人で考えたんだけど・・・」

さとみ「さわ子先生の一言で終わったけどね」

みらい「鶴でした」

律「ほぅ・・・どんな!?」

唯「わくわく」

さわ子「シンデレラエクスプレスよ!」

律「さて・・・真面目に考えるか」

紬「そうね」

澪「放課後ティータイム+ストロベリーはどう?」

律「さわちゃんと大差ないじゃないか」

澪「ダメ?」

唯「みらいちゃん・・・だから」

紬「フューチャー・・・」

律「それだ!」

紬「フューチャー放課後ティータイム?」

澪「放課後ティータイムフューチャー?」

唯「HTTFだよ!」

紬「いいわね!」

律「よし!一日限りのグループHTTF結成だー!」

澪紬唯「「「 おぉー!!! 」」」

さわ子「あ、あのぉ」
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:07:05.70 ID:hhitb21Ro

律「一日限りってのが魅力的だよなぁ」

澪「幻のような意味もあっていいな!」

唯「みらいちゃん!HTTFに決定だよ!」

みらい「いい名前だと思います」

紬「うふふ」

さわ子「・・・」

さとみ「ちょ、ちょっとみんな・・・」

さわ子「いいのよ、さとみちゃん・・・フフフ」

律「」ゾクッ

唯「どうしたの、りっちゃん」

律「い、いや・・・寒気が」ブルブル

澪「今風邪ひかれると困るぞ」

紬「そうよ!」ダキッ

唯「そうだよ!」ダキッ

律「あっつい!」バッ

紬「あーれー」

唯「あ〜れ〜」

澪「あはは・・・」

律「でも、なんだったんだ今の・・・」ハテサテ

澪「そうだ、歌詞書いたんだけど見てくれない?」ガサガサ

律「ん?『私のBlue Bird』・・・」フムフム

澪「・・・どうかな?」

律「却下」

澪「」ガーン

みらい「どうしてですか?」

律「勢いで書いてるだろ〜、澪らしさが薄い」

唯「そうなのか〜」

紬「さすがりっちゃん〜」

みらい「・・・なるほど」

澪「・・・そうか」ションボリ

律「あまり痒くもなかったしな」

澪「どういう意味だ!」

律「・・・えへ」ウィンク

澪「ごまかすなっ!」
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:07:57.71 ID:hhitb21Ro

エレナ「ソレはいいideaデスワ!」

さわ子「しーっ」

さとみ「教えないんですか?」

さわ子「フフフ、いいのよ」

紬「エレナさん、どうしたの?」

エレナ「オー、明日の件でチョット」

さわ子「ダメよ」

エレナ「Sir BOSS」

さわ子「サーじゃなのよ?」

さとみ「ふふ」

澪「なんだろ?」

唯「名古屋に着く前にもう一度練習しようよ!」

さわ子「そうね、それじゃいくわよ」

律「よっしゃー」
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:10:26.46 ID:hhitb21Ro

ジャジャッジャン

唯「どうかな!?」

さわ子「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

さわ子「バッチリよ!」

紬「わぁ」キラキラ

みらい「・・・」ホッ

さとみ「よかったですよ」ウンウン

エレナ「素晴らしかったデスワ」パチパチ

さわ子「明日梓ちゃんと合わせるから早めに起きてね」

唯「了解です!」ビシッ

律「気合入ってるなぁ」

みらい「・・・」メラメラ

紬「気合入ってるわね、みらいちゃん!」

みらい「はいっ!」

律「お、もう名古屋に到着だな」

澪「そうだな」

唯「今ホームに入ったね!」

さわ子「あっという間ねぇ」

さとみ「移動時間が短く感じました」

ガタンゴトン ガタン

紬「あっ、・・・いい事思いついちゃった!」

律「ん?どうした?」

紬「うふふ」

澪「・・・どうしたむぎ?」

紬「前夜祭しない?」

律「よしやろー!!」

唯「やろうー!」

さわ子「いいじゃない」

エレナ「どうするデスカ?」

澪「お茶会みたいなものかな」

エレナ「イイデスネー、ワタクシ小麦を呼んで参りますネ」

澪「うん」
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:11:10.11 ID:hhitb21Ro

ガタンゴトン 

ガタン ゴトン

プシュー

紬「それじゃ、私紅茶淹れてくるわね〜」

スタスタ

さとみ「むぎさん・・・?」

律「・・・みんなからのお見舞いの品をお茶請けにっすかな」

澪「いいのか?」

律「みんなで食べたほうがおいしいだろ?」

さわ子「へぇ〜」

律「な、なんだよ」

さわ子「独り占めしないなんて・・・成長したのね」ウルウル

律「さわちゃんには食べさせない」

さわ子「えぇ〜・・・」

律「ちょっと取ってくる」

澪「・・・私も行く」

律「・・・うん」

スタスタ

さとみ「・・・?」

唯「もう12時まわってるね」

みらい「・・・そうですね。私にとっては激動の一日でした」

さわ子「明日も激動の一日になるわよ」

唯「そうだよー!」
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:12:20.77 ID:hhitb21Ro

―――――寝台車

バタン

愛「これでよしっと」

澪「愛さん?」

律「どうしたんだよその荷物」

愛「あ、律さん、澪さん」ホッ

澪「今・・・降りるの?」

愛「はい」

律「・・・」

澪「でも・・・」

愛「・・・家に電話しました」

律「・・・」

澪「どう・・・だった?」

愛「すごく怒鳴られました」

律「・・・」

澪「・・・そうか」

愛「友達にも・・・電話したら・・・泣かれました」

律「・・・」

澪「・・・」

愛「はやく・・・謝りたくて・・・」

律「・・・」

澪「この時間でどうやって帰るの?」

愛「・・・車掌さんが・・・深夜バスの乗車券を手配してくれて・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

愛「これからお二人に挨拶しに行くところでした」

律「・・・」

澪「みんなには・・・?」

愛「・・・やはり・・・合わせる顔がなくて・・・すいません」

律「・・・」

澪「・・・私たちに挨拶する理由って?」

愛「お二人にはご迷惑をおかけしたので・・・」
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:13:00.74 ID:hhitb21Ro

律「・・・」

澪「・・・それだけの理由?」

愛「・・・」

律「愛ちゃんさ、もっと自分を好きになってあげなよ」

愛「!」

澪「律・・・」

律「私愛ちゃんの事好きだぜ!」ニカッ

澪「・・・私もだ」

愛「・・・ぅ・・・っ」グスッ

律「だから迷惑かけたって理由だけで挨拶しにこれたら嫌だ!」

澪「うん、嫌だ」

愛「・・・はい・・・本当は・・・お二人にお会いしたかったから・・・です」グスッ

律「最初っからそう言えばいいのに・・・ったく!」

ワシャワシャ

澪「うん」

愛「・・・はい」

律「・・・車掌さん何か言ってた?」

愛「律さんと澪さんにだけは挨拶を・・・と」

澪「・・・」

律「なるほど。・・・よいしょ」

愛「・・・?」

澪「愛さんの荷物もってどうするんだ?」

ガチャ

律「部屋に戻す!」

愛「で、でも・・・」

澪「深夜バス手配してるんだろ?」

愛「は、はい・・・」

バタン

律「あー、あれ多分車掌さんのウソだから」

愛澪「「 えっ? 」」
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:14:04.60 ID:hhitb21Ro

車掌「うふふ、バレちゃいましたね」

愛「あ・・・」

澪「どういう意味・・・ですか?」

律「私らなら・・・」

車掌「はい、お二人なら松浦さんを留める事ができると思っていましたので」

愛「あ・・・」

澪「そうか・・・、こんな時間だもんな」

律「ちぇー、車掌さんにはかなわないぜー」

車掌「ふふ、さぁ展望車へ参りましょうか」

律「あ、ちょっと待って」

ガチャ

バタン

愛「車掌さん・・・ひょっとして・・・」

車掌「はい?」

愛「私が家出・・・」

車掌「そうだ、秋山さん」

澪「は、はい?」

車掌「明日のライブ演奏時間はどのくらいでしょうか?」

愛「・・・」

澪「えーと、15分くらいですね」

車掌「そうですか・・・ギリギリでしょうか」ウーン

澪「?」

ガチャ

律「おっまたせー。はい愛ちゃんこれ持って!」

バタン

愛「な、なんですか?」

律「パイナップル。これをお見舞いに持ってくるアホゥがいてさ〜」

愛「ふふ」

律「ほら行くぞー」

澪「あ、あぁ・・・」

車掌「まずは食堂車ですね」
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:14:58.32 ID:hhitb21Ro

唯「ギター! ジャジャーン、ギュイイン」

小麦「おぉー!」

さとみ「本物のギターもってエアギターするなんて・・・」

さわ子「深く考えちゃだめよ」

律「なにやってんだ?」

エレナ「日本の伝統芸能!一発芸ですネ」

修治「そんな伝統ないぞ・・・とは言い切れない」

唯「それじゃ、次さわちゃん!」

澪「賑やかだな・・・」

さわ子「そうねぇ、またもみじでも見せましょうか・・・」

みらい「もみじ・・・ですか?」

律「やめろぉー!」

ガシッ

さわ子「なによぉ」

律「一応修治もいるんだから・・・気をつけろよ!」

修治「え?」

さわ子「・・・しょうがないわねぇ、唯ちゃんギター貸して」

唯「はい、どうぞ」

さとみ「さわ子先生ギターを弾けるんですか?」

さわ子「ふふ、見てなさいよ」

チャリラリラーラリラータリラー

小麦「すごーい!」

修治「すげぇ・・・」

さとみ「すごい・・・」

さわ子「まだまだぁ!」

チャラリラチャリラー

律「で、出た歯ギター・・・」

唯「ギ、ギー太が・・・」グスグス

エレナ「これは貴重デスネ!」

修治「お見事ー!」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:16:16.00 ID:hhitb21Ro

紬「おまちどおさま〜」

律「・・・なんで外から入ってくるんだ」

紬「みんな何してるの?」

澪「あぁ、一発芸だよ。今さわ子先生が」

さわ子「次澪ちゃん!」

澪「え!?」

小麦「澪ちゃんがんばれー」

さとみ「がんばって〜」

澪「・・・じゃあ、左手の親指を切り離します」

律「・・・」

澪「」スィー

エレナ「オー!エキサイティング!!」

修治「いや、見慣れた芸」

ドスッ

修治「なにすんだよ!」

律「空気読めアホ!」

澪「次は・・・」

紬「はい!」ビシッ

澪「むぎ!」

さとみ「ふふ」

紬「マンボウの真似をします」

澪「えっ!?」

さわ子「チャレンジャーねぇ」

紬「こうやって」

律「やめーぃ!」

ガシッ

紬「り、りっちゃん?」

みらい「マンボウ・・・?」

律「な、なにもなかったんだ・・・」

紬「第二弾!エアギター行きます!」

さわ子「さっき唯ちゃんがやったわよ」

小麦「・・・?」

紬「いきます。じゃじゃーん!」

ジャジャーン
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:17:57.96 ID:hhitb21Ro

唯「えぇーっ!?」

澪「えー!?」

さわ子「どうなってるのよ」

エレナ「オー!本物のギター音が聞こえてくるようですネ」

さとみ「本物の音よ!」

紬「じゃじゃじゃじゃじゃーん」

ティララーリチャーリラタリララー

小麦「すごーい!紬ちゃーん!」

律「どうなってんだよ!むぎっ!?」

澪「この音は・・・?」

さわ子「びっくりしたわぁ」

紬「続いて第三弾!」

みらい「まだ魅せてくれるんですね」

愛「お待たせしました」

車掌「フルーツの盛り合わせです」

紬「変身します! 愛さんと車掌さん、この布で私を隠してもらえますか?」

愛「は、はい・・・」

車掌「ふふ、分かりました」

紬「ちゃらららららーん」

律「すげぇなむぎ!」

エレナ「マジシャンツムギですネ!」

さとみ「・・・」ワクワク

唯「わくわく」

紬「はい、準備できました。愛さん、車掌さん3,2,1で布を下ろしてくださいね」

愛「はい」

車掌「了解です」

紬「・・・では。3」

唯「2!」

律澪修治「「「 1! 」」」

バサッ

梓「私ですっ!」ジャジャーン

唯「あずにゃん!?」

澪「梓!?」

律「梓!!」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:19:48.62 ID:hhitb21Ro

さわ子「ほほぅ」

修治「おぉ・・・」

さとみ「びっくりした」

みらい「す、すごいです」

唯「あっずにゃーん!」ダキッ

梓「ゆ、唯先輩!」

唯「あ〜ず〜にゃ〜ん」スリスリ

澪「ムスタングの音だったのか」

さわ子「驚かせてくれるじゃない」

梓「離してくださいっ」

みらい「ふふ」

愛「お久しぶりですね」

車掌「ようこそ」

梓「はい、お久しぶりです。またお世話になります」

唯「あ〜ず〜にゃ」ムググ

梓「いい加減に離してください」グググ

紬「うふふ」

さとみ「むぎさん・・・手が込んでるわね」

エレナ「素晴らしいマジックでしたワ」

紬「停車する前にあずさちゃんが見えたの〜」

律「だから一度降りたのか」

澪「・・・なるほど」

梓「明日まで待ちきれないから来ちゃいました!」

唯「でかしたよっ」

梓(来るっ!)サッ

唯「あーずにゃん!」ダキッ

みらい「! ゆ、唯さん・・・」

唯「あれ!?みらいちゃんになった!」

小麦「あはは」

修治「中野さん動きはやっ!」

さわ子「車掌さん、今から間に合うかしら?」

車掌「おそらく無理かと・・・」

さわ子「そうよねぇ」
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:20:37.95 ID:hhitb21Ro

さとみ「どうしたんですか?」

さわ子「私が寝る場所がね」

梓「あ・・・すいません・・・」

車掌「ふふ、ヴェガでお泊りください。相部屋になりますが」

律「いいの?」

車掌「もちろんダメです。・・・規定では」

さわ子「ありがと」

律「よーし、放課後ティータイムでジャンケンするぞー」

澪「よし」

紬「よぉーし!」

唯「望むところだよ!」

梓「はい!」

エレナ「面白いですネ。ミナサン」

小麦「楽しいよねー」

みらい「ふふ、本当ですね」

さとみ「えぇ」

修治「うむ」

愛「・・・はい」

さわ子「私を勝ち取るのはだれかしら〜」ルンルン

律「あぁー!負けたー!」

唯「・・・という事でりっちゃんの部屋に決まりました」

さわ子「・・・」ゴゴゴ

律唯「「 じょ、冗談だよ〜 」」

澪「」ガクガク

修治「こ、怖ぇ・・・」

紬「さわ子先生は私の部屋です!」

さわ子「・・・よろしくね」

梓「わ、私がむぎ先輩の部屋でも・・・」

さわ子「いいわよ、ゆっくり休みなさいな」

梓「・・・」

律「なに落ち込んでいるんだよ」ニヤニヤ

梓「ち、違いますっ」

愛「あ、あの・・・紅茶が冷めてしまいますよ」

紬「あ、忘れてた〜」
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:21:57.95 ID:hhitb21Ro

律「フルーツもどーぞ」

さとみ「桃もある」

律「へへ、みんなで食べよーぜ」

みらい「いただきます」

エレナ「マンゴーいけますネ!」

小麦「パイナップルおいしー」

修治「ふふん」

律「え?なんで威張ってるの?」

修治「俺が厳選したから」

律「かさばってたなぁ・・・邪魔だったなぁ」

愛「ふふ」

修治「えぇー・・・」

律「パイナップルは悪くないよ」モグモグ

修治「ベストチョイスだろ・・・『は』ってなんだよ!」

梓「・・・」

紬「はい、あずさちゃん紅茶どうぞ」

梓「あ、ありがとうございます」

さとみ「むぎさんの紅茶おいしいわ」

みらい「はい」

小麦「おいしーよ!紬ちゃん!」

エレナ「オイシイですワ!!」

紬「うふふ、ありがと〜。あ、そうだ」ガタ

梓「・・・」ムシャムシャ

律「・・・それで貸しが減ったと思ってます?」

修治「そういうものじゃないの?」

さとみ「貸しって?」

律「修治が私に貸しがあるって話」

さわ子「それじゃ、一つ減らしてもいいんじゃない?」

修治「お、さわ子先生が援護してくれた!」

律「どぉして」

さわ子「この子金沢の片町で頑張ってたのよ?」

梓「・・・」ムシャムシャ

澪「梓、バナナもっとあるよ」

梓「あ、はい。いただきます」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:24:16.70 ID:hhitb21Ro

みらい「あの時はありがとうございました」

修治「いえいえ、なんのなんの」キリ

愛「・・・?」

律「ふむ・・・」

澪「どうするんだ?」

律「分かった。一つ減らして3つにしてやろう」

修治「ありがたきシアワ・・・変動無し!?」

唯「あの時ぐらいの頑張りじゃないと減らないのか〜」

さわ子「がんばりなさいな」

修治「・・・あは・・・は」

梓「・・・」ジー

修治「? 中野さんどうしたの?」

梓「鳥羽さん・・・キャラ変わってませんか?」

愛「ふふっ」

修治「そ、そう?」

唯「修治くんネコ被ってたんだよ!」

さわ子「そうなの?」

律「そうです」

修治「・・・」

梓「むぎ先輩はどこへ行ったんですか?」

さとみ「さわ子先生の布団借りてくるって言ってたわ」

さわ子「気が利く子ねぇ」

律「車掌さんもいつの間にかいないし」

エレナ「日本の紅茶はワサビ抜きでいいですワ〜」

小麦「へ〜外国ではワサビ入ってるんだ」

澪「そんな訳ない」

みらい「ワビサビと言いたかったんじゃないでしょうか」

エレナ「ソーデスワ」

小麦「なーんだ」

唯「なんだ〜」

澪「使い方も間違ってるんだけど」

紬「さわ子先生、準備できましたよ〜」

さわ子「あら、ありがとむぎちゃん」

梓「それで、誰のための演奏なんですか?」

唯「みらいちゃんだよっ!」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:25:56.34 ID:hhitb21Ro
梓「なるほど・・・。明日は一日中停車していますから演奏しやすいですね」

律「ん?」

修治「どういう事?」

梓「展望車・・・ここで演奏するんですよね?前みたいに」

紬「あら・・・」

澪「さ、さわ子先生・・・?」

梓「?」

さわ子「連絡するの忘れてたわ☆」ウィンク

律「こらっ!」

スパーン

さとみ「教師を叩いた!」

さわ子「だってぇ〜、練習見てるのでいっぱいいっぱいだったんだもん〜。とりあえずその丸めた新聞紙おきなさいよ」

梓「ど、どういう事ですか?」アセアセ

紬「あのね・・・明日の10時に名古屋城のゲリラライブステージで3曲演奏するの。一曲はホッチキスのバラードアレンジよ」

修治「簡潔且つストレートな情報」

梓「な・・・!?」

唯「やるよー!」

みらい「よ、よろしくお願いしますっ!」

梓「れ、練習時間が・・・」アワワ

さわ子「絆でカバーよ」キラン

律「・・・」

スパーン

さとみ「また叩いた!」

澪「よく考えたら・・・」ブルブル

律「そうだよな・・・勢いでなんとかなると思ってたけど・・・」

梓「だ、大丈夫なんでしょうか・・・」

紬「大丈夫よ!」

唯「そうだよ!私みんなと演奏で一つになるのがとっても楽しいんだもん!」

小麦「おぉ」

エレナ「名言ですネ」

さわ子「ふふ、あなたたちならやってくれると信じていたわ」ズズー

律「・・・」スッ

さわ子「3度も受けないわよっ」

律「・・・」ピタッ

さわ子「白刃取りっ!・・・あら?」

律「・・・」ブン

スパーン
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:26:59.47 ID:hhitb21Ro

さとみ「・・・おいしいわ」ズズー

修治「勉強になるな」メモメモ

愛「教師に使ってはだめですよ」

澪「もう夜だから、音を出して練習できないな」

梓「ど、どうするんですか!?」

さわ子「朝の通勤ラッシュ時に練習すればいいじゃない」

紬「注目の的ね〜」

唯「ふふ、会社に向かうみなさんを癒して差し上げますぜ!」

みらい「癒しましょう!」

律「唯に染まってきてないか?」

梓「・・・」

車掌「エレナさん、カメラ起動できますか?」

エレナ「出来ますヨー」

車掌「では、寝台車まで来てもらえますか?3分後にベースとドラムを鳴らしてみてください」

澪「は、はい」

律「普通でいいの?」

車掌「できれば抑え目で・・・」

律「オッケー」

さわ子「検証するのね」

紬「私も行きます」

車掌「では・・・」

紬「行ってきまーす」
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:27:49.34 ID:hhitb21Ro

梓「・・・」

小麦「面白くなってきた!」

さとみ「私外から聞いてみる」

愛「わ、私も」

修治「俺も行くわ」

テッテッテ

唯「ふんす!」

律「澪、スタンバーイ」

澪「うん」

さわ子「あと20秒くらいね」

梓「みなさん協力してくれるんですね」

みらい「応援してくださいます。本当にありがたいです」シミジミ

梓「印象が変わったよみらい」

みらい「そ、そうですか・・・」

梓「うん・・・」

さわ子「いいわよ二人とも、10秒くらい鳴らして」

ダンダンスタタタダン

デンデンデデーンデン

澪「律、抑え目だって」

律「こ、これくらい?」

小麦「結構音出してるよね」

さわ子「そうねぇ・・・もういいわよ」

律「うし」

澪「どうかな」

梓「外のみなさんを呼んできます」

テッテッテ
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:28:56.29 ID:hhitb21Ro

紬『行ってきまーす』

律「そこから撮ったのか」

車掌『・・・』ガチャガチャ

エレナ『何をしてますカ?』

車掌『娯楽車から寝台車まで封鎖します』

紬『なるほどぉ〜』

修治「ここのシーン見る必要あるの?」

律「・・・」

ドスッ

修治「っ!」

エレナ『夜の列車内はしずかで雰囲気ありますネ』

紬『あっ、エレナさん。あっちを映してください』

車掌『どうしたんですか』

紬『人の顔が・・・』

澪「ヒアッ」ガクガク

さとみ「きゃっ」ブルブル

唯「あはは、さとみちゃんも怖がりなんだね〜」

紬「うふふ」

エレナ『こんばんハ〜』

梓「挨拶してる・・・」

車掌『ふふ、ガラスに反射した私たちですよ』

紬『あら、ほんと〜』

澪「オカルトは嫌いだ」

さとみ「私も・・・」

愛「ビデオ映像ですから、雰囲気ありますよね・・・」

みらい「そうですね、番組でみる投稿映像みたいです」

エレナ『ツムギさんは子供っぽい所がありますネ』

紬『そうかしら?』

紬「そうなの?」

律澪唯梓「「「「 うんうん 」」」」

さわ子「満場一致ね」

紬「あらまぁ・・・」
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:30:21.20 ID:hhitb21Ro

紬『あっ、あっちに光るものがっ!』ウキウキ

テッテッテ

エレナ『無鉄砲で可愛いですワ』

車掌『ふふ、それを言うなら無邪気ですよ』

梓「これは保存版ですね」

唯「異議なし」

紬「・・・」カァ

紬『車掌さん、キーホルダーが落ちてました』

車掌『これは・・・見覚えがありますので持ち主に御返ししますね』

紬『おねがいします』

修治「なかなか寝台車に辿り着かな」

さわ子「・・・」

ゴスッ

修治「っ〜!」

紬『あっ、クマのぬいぐるみ発見』ウキウキ

車掌『お預かりします』ニコニコ

紬『はい』

エレナ『ツムギさん楽しそうデスネー』

紬『うふふ、夜の学校に忍び込んだみたいで』ルンルン

車掌『ここは必ず誰かが居る場所ですからね』

律「もう練習とかどうでもよくなってきたな」

澪「気持ちは分かるけど・・・」

さとみ「・・・」

けさみ『あ・・・』

けさみ「あ・・・」

紬『けさみさんどちらへ?』

けさみ『展望車へ様子をみに行こうかと』

車掌『戸締りしましたので、外から出入りしてくださいね』

紬『一緒に行きましょう』

けさみ『はーい!』

唯「けさみちゃんが仲間に加わった!」

律「ゲームみたいだな」

さわ子「ようやく寝台車ね」

車掌『そろそろ時間です・・・』
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 10:31:27.46 ID:hhitb21Ro

けさみ『・・・どうなるんですか?』

紬『おしずかに・・・』

けさみ『・・・』コクン

・・・

エレナ『聞こえませんネ』

車掌『はい、そのようですね』

紬『という事は・・・』

紬「練習ができるわ!」

さとみ「外からもあまり響いてなかったから大丈夫・・・」

唯「よーし」グッ

梓「やってやるです!」

車掌「ですが無理はなさらないでくださいね」

さわ子「私が見てるから大丈夫よ」

車掌「そうですね。それでは、こちらが展望車、これが寝台車のカギになります」

さわ子「分かったわ」

車掌「それでは私は仕事がありますのでこれで・・・。おやすみなさいませ」

律「おっやすみ〜」

紬「おやすみなさい〜」

けさみ「お疲れさまで〜す」

唯「けさみちゃんは疲れていないの?」

けさみ「元気元気!」

澪「・・・よし、やるか!」

みらい「はい!」

愛「みなさん頑張ってくださいね」

さわ子「それじゃスタート!」


8日目終了--------
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:17:48.25 ID:hhitb21Ro
>>453
そういってくれるとありがたいっす
それでは9日目
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:19:08.28 ID:hhitb21Ro

8月9日




愛「律さん・・・本当にありがとうございました」

律「いいけどさ、みんなに挨拶しなくていいのかよー」

愛「はい、みなさんにはこれからライブがありますから。寝かせてあげたいです」

律「そっか」

愛「澪さんには・・・」

律「大丈夫だ、もう澪は怒ったりしないよ。納得するって」

愛「・・・そうだと嬉しいです」

律「・・・」

愛「律さんといると・・・いつも晴れた気分になれました」

律「へへっ」

愛「わ、わたしも・・・憧れていいですか?」

律「あー・・・あれね」

愛「はい」

律「い、いいんじゃないかなー」

愛「ありがとうございます」

律「このお守り・・・、ありがとな」

愛「・・・いえ」

律「はい、返すよ。ご利益あったみたいだぜー」

愛「それ、律さんが持っててください」

律「え?」

愛「残りの旅路を守ってくれるように・・・です」

律「そっか・・・、分かった。ありがと」

愛「・・・」
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:20:52.61 ID:hhitb21Ro

律「・・・愛ちゃんとめぐり会えてよかったよ」

愛「・・・っ」

律「風邪ひいたらみんなが心配してくれてさ」

愛「・・・」

律「転んだときは誰かが、手を差し伸べてくれるんだ」

愛「・・・」

律「水かけられたとき、むぎと修治がハンカチ差し出してくれたし」

愛「あ、あれは・・・」

律「まぁ、その後に遊びもあったけどさ。それも嬉しいし楽しいじゃん」ニカッ

愛「・・・はい」

律「それを断るのも断られるのも寂しいよ」

愛「・・・」

律「だから迷惑かけるのも心配かけるのも友達だから」

愛「・・・っ」

律「それでオッケーだ!」

愛「・・・」

律「愛ちゃんの不幸が私に災いしたとしても、それに気付かせてくれたのは・・・
  他ならぬ愛ちゃん自身だから・・・・・・あえて本当によかった」

愛「・・・っ」グスッ

律「なんつって」ウシシ

愛「・・・」

律「・・・」

愛「私・・・自分を好きになろうと思います」

律「うん」

愛「人を好きになる自分を・・・好きになりたいと思います」

律「・・・愛ちゃんっ!」ダキッ

愛「り、律さん!?」

律「愛ちゃんみたいないい子が幸せになれないハズがないから!」

愛「・・・っ」

律「絶対に幸せになれるから!頑張って幸せになってよ!」

愛「・・・はい」

律「・・・よしっ!」

愛「・・・」グスッ

律「へへ、愛ちゃんをこれ以上不幸にしたら私が神様に説教してやるよ!」

愛「ふふ・・・心強いです」グスッ
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:22:02.81 ID:hhitb21Ro

prrrrrrrrrrrrrrrrrr

律「それじゃ、元気でな!」

愛「はい・・・みなさんによろしくお伝えください」

律「・・・うん」

愛「・・・」

律「・・・」

愛「・・・」

律「・・・?」

愛「扉・・・閉まりませんね」

『東京行き急行列車、只今電気系統のトラブルにより運転を見合わせています。
 もうしばらくそのままでお待ち下さい』

愛「あ・・・」

律「へへ、ラッキーだな」

愛「・・・はい」

紬「まって〜」

テッテッテ

律「あ、むぎ・・・」

愛「紬さん・・・」

紬「ふぅ、よかった」

律「どうして・・・?」

紬「車掌さんから聞いたの。はい、借りてた本。お返しします」

愛「読み終えました?」

紬「えぇと・・・」

律「昨日寝るまで練習してたからなぁ」

愛「ふふ、それ差し上げます」

紬「いいの?」

愛「はい、私何度も読んでいますので」

紬「そうなんですか。それじゃ大切にしますね」

愛「はい!」ニコ

律「・・・!」

愛「律さん・・・説教する必要ないみたいです」

律「え?」

愛「私・・・気付きましたから」

紬「・・・?」
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:22:51.77 ID:hhitb21Ro

愛「最後までみなさんの練習を聞いてて思ったんです
  こんなに素敵な仲間がいるなんて、律さんは幸せそうだなって」

律「・・・」

愛「でも、私の本を大切にしてくれると言った紬さんの言葉で気付けました」

律「え・・・?」

愛「私にも大切な仲間が待っていてくれてるんです」

紬「・・・」

律「そっか!」

愛「だから・・・私幸せなんです」ニコニコ

律「・・・っ」

紬「愛さん・・・」

『大変長らくお待たせしました、東京行き間も無く発車します』

律「そ、それじゃあ元気でな!」

紬「元気でね愛さん」

律「ほ、ほら行くぞむぎ!」

紬「り、りっちゃん?」

愛「ありがとうございました、お元気で!」

律「じゃーなー!」

紬「バイバイ、愛さん!」
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:23:45.32 ID:hhitb21Ro


律「最後・・・笑ってくれた・・・」

紬「りっちゃん・・・」

律「本当に、幸せそうに・・・笑ってく・・・・・・れたぁ」グスッ

紬「・・・うん」

律「あ・・・ありが・・・と・・・むぎ」グスッ

紬「愛さんに笑顔を出させたとしたら、りっちゃんよ」

律「・・・ぅ・・・っ・・・」ボロボロ

紬「いつも愛さんを気にかけていたものね」

律「・・・あ・・・あり・・・がと・・・っ」ボロボロ

紬「・・・っ」

律「へへ、すっごく嬉しかったから・・・堪えきれなかった」グスッ

紬「・・・」

律「私が泣いた事・・・みんなには内緒・・・な」グスッ

紬「ふふ、分かったわ」

律「みんなを叩き起こすぞー!」

タッタッタ

紬「まって〜」

タッタッタ

律「100%幸せになれ!」
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:25:29.02 ID:hhitb21Ro

コンコン

「はい」

ガチャ

紬「あずさちゃん起きてる?」

梓「バッチリ覚めてます!」

紬「それじゃ、食堂車行きましょう?」

梓「そうですね。自分の部屋なんですから、ノックしなくてもいいのに・・・」

紬「ふふ、そうね〜」

律「なんでむぎの部屋に梓がいるんだよ?」ヒョコ

梓「先生をベッドで寝かせたほうがいいと思って」

紬「優しいのね」

律「本音は?」

梓「むぎ先輩とお話したかったからですよ!」

紬「あらあら」ウフフ

律「意外と素直だな・・・私さわちゃん起こしてくるよ」

紬「お願いね〜」

バタン

律「えーと・・・ここか」

コンコン

・・・

律「えぇー・・・まだ寝てるのかよ」

澪「どうした?」

律「あぁ、澪か・・・さわちゃんが起きなくてな」

コンコン

澪「なんで梓の部屋・・・?」

律「梓はむぎと仲良く眠ってたらしい」

唯「な、なんですと!?」

律「あ・・・」

唯「真偽を確かめてくるよ!」

テッテッテ

律「テンション高いな〜」

澪「・・・」

コンコン

律「開けるぞ、さわちゃん!?」
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:26:45.76 ID:hhitb21Ro

澪「・・・りつ?」

律「ん、なに?」

澪「なにかあった・・・?」

律「・・・・・・愛ちゃん降りたよ」

澪「・・・そっか」

律「うん」

澪「・・・私も挨拶したかったのにな」

律「ごめんな」

澪「いいよ・・・律がちゃんとお別れしてくれたんだろ?」

律「そうだぞ!」

澪「・・・まだ、目が赤いよ」

律「うそっ!?」

澪「うそだ」

律「謀ったな小娘!」

澪「出た、武田信玄」

律「へへっ」

澪「ふふっ」

ガチャ

さわ子「うるさいわねぇ・・・青春なら河川敷でやりなさいよぉ」

律「やっと起きたか・・・」

さわ子「今何時ぃ?」

澪「7時になりますけど」

さわ子「あと3時間寝かせてよ・・・ふぁ」

澪「間に合わないっ!」

さわ子「早寝はしても早起きはNO NO NO」

律「惰眠貪ってるだけじゃねーか!」

唯「あずにゃん、次は私と一緒に寝ようよ!」

梓「まだ曇ってますね」

紬「雨降らないといいけど・・・」

梓(来るっ)サッ

唯「あ〜ず〜にゃん!」ダキッ

梓「し、しまった」

唯「うっへっへ」スリスリ

梓「朝から・・・」

紬「うふふ」

さわ子「目が覚めたわ。先に行っててちょうだい」

律澪「「 はい 」」
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:28:33.59 ID:hhitb21Ro

さわ子「そう・・・」

律「・・・」

唯「・・・」ションボリ

澪「愛さんは予定があったんだからしょうがないよ」

唯「うん・・・」

梓「唯先輩・・・」

律「そんな顔してたら愛ちゃんも悲しくなるぞ」

唯「・・・うん」

さわ子「あらら」

梓「昨日の愛さんをみて気付いたんですけど・・・」

唯「?」

梓「青森で会ったときより・・・なんていうか、顔つきが変わったというか」

律「そうなのか?」

梓「はい。失礼ですが、最初は不自然な笑顔だったんですけど、昨日は真剣に笑ってました」

唯「真剣に・・・」

紬「真剣・・・に・・・」

梓「変なこと言ってすいません」

唯「そっか。そうだったら・・・嬉しい・・・な」

律「あぁ」

澪「・・・とっても嬉しい」

紬「・・・うん」

さわ子「なるほど・・・ね」

梓「・・・」

律「むぎ、読み終わったら貸してな」
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:29:11.36 ID:hhitb21Ro

紬「もちろん!・・・というより、りっちゃんが持ってたほうがいいわ」

律「私が・・・?」

紬「えぇ、大事にしてくれたら喜ぶと思うの」

律「そっか・・・」

澪「・・・愛さんの本?」

律「そうだぞ」

唯「どんな内容!?」

紬「えっとね・・・未来を変えられた主人公が・・・」

さわ子「あ! さっさと食事済まして練習行くわよ!」

律「そうだった!」

唯「むぎちゃん後でね!」

紬「そうね!」

さわ子「成功させるわよ!」

律唯紬「「「 イエス、ボス!! 」」」

さわ子「あのねぇ・・・」

梓「ボス・・・?」

澪「エレナさんがそう呼んでるんだ」プクク
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:29:44.44 ID:hhitb21Ro

律「名古屋城!!」

唯「in HTTF!!」

梓「逆ですよ」

唯「HTTF IN!!」

梓「もういいです」

紬「in 名古屋城よ唯ちゃん」

唯「そ、そうか!!」

梓「通勤ラッシュで注目されていましたね」

澪「恥ずかしかった・・・」

律「はは、これからステージに立つんだ。あれもいい練習になった」

紬「そうね〜」

澪「あれ、みらいとさわ子先生はどこへ行った?」

紬「先にステージに行ったのかしら?」

唯「こうしちゃいられない!みんな行くよ!」

タッタッタ

律「待てって!」

澪「しょうがないな」

紬「うふふ」

梓「私も!」

タッタッタ

「あ、行っちゃった」

「皆さん元気ですねー」

「ふふ、緊張なんてないみたいね」
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:54:19.99 ID:hhitb21Ro

さわ子「フフフ、似合うわよみらいちゃん」

みらい「この衣装・・・どこで・・・」

さわ子「貸衣装よ!」グー

みらい「・・・」

さわ子「小麦ちゃんの情報収集力は絶大ね〜」

みらい「わ、私一曲だけですよ?」

さわ子「あら、そんなの関係無いわ」

みらい「・・・」

唯「うぉーー!みらいちゃん可愛いー!!」

みらい「あ、みなさん」

紬「可愛いわ〜」

澪「うんうん」

律「さすがアイドルだな着こなしが違うぜ」

梓「・・・スタイルいいなぁ」ボソッ

さわ子「フフフ」

唯「ん?どうしたのさわちゃん?」

律「」ゾクッ

さわ子「あなたたちも着るのよ!」

澪「」ピキーン

唯「やったー!」

紬「まぁまぁまぁ」

律「いやいやいやいや、嫌だ!!」

さわ子「昨日私を無視した罰よ!」

梓「で、でもサイズは・・・」

さわ子「ふふふ、私が把握していないと思って?」

律「なんで把握してんだよ!」

さわ子「うるさい、早く着替えなさい」ギロ

律「・・・ぐっ」
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:55:11.13 ID:hhitb21Ro

さわ子「さぁ・・・着るのよ」ジリ

律「いくら私でも・・・これはキツイ」ジリ

さわ子「そんなことないわ・・・」ジリ

律「・・・精神的にもキツイんだよ」ジリ

さわ子「・・・フフフ」ジリ

律「なにがおかしい・・・?」ジリ

さわ子「あなただけよ。着てないのは」

律「なっ!?」

唯「むぎちゃん可愛い〜」

紬「唯ちゃんも可愛いわ〜」

梓「変じゃない?」

みらい「似合ってますよ」

澪「」

律「いつの間に!って梓まで乗り気!?」

梓「車掌服着てみたかったので・・・」テレ

唯「私赤だよりっちゃん!」

紬「澪ちゃんは青で、私は車掌さんと同じ色」

梓「私は緑です」

さわ子「さぁ、りっちゃんは黄色よ!着なきゃステージに上がれないわ!」

唯「りっちゃん、私たちは一つだよ!」

律「私一人が反乱因子みたいになってるっ・・・」

紬「さぁ、行きましょう」ガシッ

律「むぎっ!?」

みらい「こっちですよ」ガシッ

律「み、みらいまでっ!?」

ズルズル

さわ子「偉いわ」キラキラ
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:56:12.68 ID:hhitb21Ro

「そろそろ準備してもらえますか?」

さわ子「はーい、揃い次第上がります」

梓「澪先輩、澪先輩」ユサユサ

澪「! ・・・梓!なんて格好を!」

梓「えぇと・・・似合ってますよ」

澪「?」

律「・・・うぅ」モジモジ

唯「りっちゃん!」キラキラ

さわ子「似合うじゃない」

澪「あはは、なんだよ律着たのか!」

律「澪・・・鏡見てみろよ」

紬「こっちよ!」

澪「ん?かが・・・み・・・」プシュー

さわ子「上がる前に・・・みらいちゃん、スタッフにアンコールOKなのか聞いてきてくれる?」

みらい「は、はい」

テッテッテ

さわ子「今回のプロデュースの目的を話しておくわ」

唯「みらいちゃんは聞かないの?」

さわ子「あの子自身が気付かなきゃダメだからよ」

律「ほら、澪目を覚ませ」

澪「あ、あぁ」

さわ子「目的は事務所からのスカウト」

梓「・・・」

さわ子「見に来た関係者は間違いなく声を掛けるでしょうね」

律「それなら・・・私らの意味って?」

さわ子「あなたたち芸能界に興味あるの?」

澪「・・・え」

律「・・・ん〜」

梓「・・・」

紬「唯ちゃんはどう?」
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:57:03.94 ID:hhitb21Ro

唯「ないよ?」

律「はは、即答」

唯「ういや和ちゃんと学校にいたいもん」

紬「そうよね〜」

さわ子「あの子一人が選ばれなきゃいけないの。HTTFとしてじゃなく、『素直の飯山みらい』としてね
その為には今までの『アイドル飯山みらい』の名前が大きすぎるのよ」

唯「・・・」

さわ子「飯山みらいが居るバンドなんてどの事務所が欲しがる素材よ」

律「・・・」

さわ子「たとえ売れなくても、言い方が悪いけど使い捨てされてお終い。目の当たりにしたわよね?」

唯「うん」

さわ子「そんな世界だから、唯ちゃんやあなたたちがその世界を望まない限りあの子は拒否し続けるわ」

紬「・・・」

さわ子「・・・。だから『素直の飯山みらい』一人を欲しがる。そんな事務所に見つけてもらうの」

澪「・・・」

さわ子「あの子は今までも一人で努力して一人で昇っていったのよ。あのマネージャーはきっかけにしか過ぎないわ」

梓「そうなんですか・・・?」

さわ子「そっか、梓ちゃん昨夜の食堂車にいなかったのよね。代わりのアイドルの事知ってるかしら?」

梓「は、はい・・・」

さわ子「一悶着あってね。事務所の方針が正しければあれで上手くいって、あの子の一日車掌が放送されるはずでしょ?」

澪「な、なるほど」

さわ子「始まりは二人三脚でも、途中でそれじゃいけないと矯正された。だから悪い意味の真面目な子になったのよね〜」

律「・・・!」

さわ子「誰かと一緒に昇っていかないとその内くたびれるわよ」

唯「だから、みらいちゃん一人を見つけてもらって、その事務所に託すんだね!」

さわ子「そう、マスコミを通さずに口コミだけでね。その方が確実だと考えたからこのステージを選んだのよ」

唯「そっか!」

律「この演奏でそれを見抜いてくれる人がいるのかな?」

さわ子「さぁ・・・。そこは飯山みらいの運次第ね」

唯「・・・」

さわ子「努力だけでも実力だけでも足りないの。もう一つ絶対的な運が欲しいのよ」

唯「運だね・・・」

さわ子(みらいちゃんにあのマネージャーがついたのが運だとしても、
    ヴェガに乗ってこの子たちに出会ったのも運だと信じるわ)

紬「?」
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:58:31.34 ID:hhitb21Ro

さわ子「演奏を成功させたその後は・・・」

紬「・・・神のみぞ知る」

さわ子「そういう事。さぁ行ってらっしゃい!」

唯「ふんす!!」

梓「なんだか燃えてきました」

澪「・・・よし!」

紬「・・・」グッ

律「うーっし!」

タッタッタ

みらい「・・・・・・さわ子先生」

さわ子「あら・・・やっぱり聞かれていたのね」

みらい「はい・・・」

さわ子「さぁ、舞台袖で待機よ」

みらい「・・・」
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 20:59:27.69 ID:hhitb21Ro

ガヤガヤ

律「おぉー、ヴェガのみんなが来てくれてるぞ」

梓「本当ですね」

澪「ほ、本当だ」

紬「えっほえっほ」タッタッタ

唯「みんな早くチューニングしようよ」タッタッタ

律「あ・・・」

「「 オォーー! 」」

唯「なんと!?」

「唯ちゃん可愛いー!」

唯「でっへっへありがと〜」

「おねえちゃーん!」

唯「こ、この声は!うい!?」

憂「がんばってー!」

唯「おぉ・・・100人力だよ!」

紬「ふんふん」ポンポンポン

「むぎー!」

紬「・・・こ、この声は・・・和ちゃん!?」

和「頑張れー!」

紬「よ、よぉし!」フンス!

律「おぉ、二人共来てくれたのか」

澪「私たちもいくぞ律!」

タッタッタ

律「ちぇー」

梓「もしかして・・・」

「「 澪ちゃーん! 」」

澪「!」ビクッ

「澪せんぱーい!」

梓「やっぱり」

澪「じゅ、純!?」

純「ファイトー!」

律「マジかよ・・・」

梓「・・・」

さわ子「まって、梓ちゃん。忘れ物よ」
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:00:42.70 ID:hhitb21Ro

スチャ

梓「?」

さわ子「行ってらっしゃい」

梓「はい・・・ ?」

テクテク

「「 かわいいー 」」

梓「にゃ!?」

律「さ、さわちゃんネコミミ用意してたんか」

さわ子「もちろんよ」キリ

律「車掌服きたネコミミってなんだよ」

さわ子「ほら、りっちゃんも行きなさい」

ドンッ

律「お、押すなよっ!」

「「 オォーー! 」」

律「」ピシッ

さわ子「意外にりっちゃんがフリーズしたわね」

みらい「ど、どうしましょう」オロオロ

さわ子「うーん」

「律さーん!」

律「え?」

修治「馬子にも衣装ー!」

さとみ「失礼よ!」

小麦「そうだよー!」

エレナ「とってもキュートですワ」

秋子「キャー!!」

律「あれ?気のせい・・・か」

澪「ほら、準備しろ」

律「あ、あぁ・・・。そうだよな、もう帰ったもんな」

澪「見て・・・りつ・・・」

律「ん?・・・あ」

澪「天使の梯子だ」

律「あぁ・・・」

澪「・・・」

律「今日も暑くなるぜー!」
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:01:22.25 ID:hhitb21Ro

唯「みなさんよろしいかな?」

紬「いいよ〜」

梓「おっけーです」

律「おっけー!」

澪「うん」

唯『みなさんこんにちはー!放課後ティータイムです!』

「「 オォー! 」」

唯『ヴェガの乗客のみなさん、来てくれてありがとー!』

さとみ「唯ちゃーん!」

和「さとみがこんな声出すなんて意外ね」

さとみ「ふふ、おかげさまで」

唯『ではさっそく! ふわふわ時間!!』

律「ワンツー!」
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:02:03.60 ID:hhitb21Ro

ジャガジャガジャガジャガジャガ

唯『 キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI
   揺れる思いはマシュマロみたいでふわ☆ふわ
   いつもがんばるキミの横顔 ずっとみてても気づかないよね
   夢の中なら二人の距離縮められるのにな 』

修治「おぉ、すげぇ!!」

小麦「いいねこの曲!」

唯澪『 あぁカミサマお願い 二人だけのDream Timeください☆
    お気に入りのうさちゃん抱いて今夜もオヤスミ♪ 』

唯『 ふわふわ時間 』

澪『 ふわふわ時間 』

・・・・・・

さわ子「いい出だしねぇ〜」

みらい「はい・・・」

さわ子「どうしたの?」

みらい「い、いえ・・・」

・・・・・・


唯『 もすこし勇気ふるって 自然に話せば
   何かが変わるのかな? そんな気するけど 』


唯『 だけどそれが一番難しいのよ 話のきっかけとかどうしよ
   てか段取り考えてる時点で全然自然じゃないよね
   あぁもういいや寝ちゃおう寝ちゃおう寝ちゃおーっ!  』


紬律梓『『『 そう寝ちゃおう! 』』』


唯澪『 あぁカミサマお願い 一度だけのMiracle Timeください!
    もしすんなり話せればその後は・・・どうにかなるよね 』


ジャンジャンジャンジャンジャンジャン


唯『 ふわふわ時間! 』

憂純和「「「 ふわふわターイム! 」」」

唯『! ふわふわ時間っ!!』

さとみエレナ小麦「「「 ふわふわターイム! 」」」

唯『ふわふわ時間ーっ!!!』

「「「「 ふわふわターイム!! 」」」」


ジャジャジャジャッジャーン

572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:02:54.93 ID:hhitb21Ro

パチパチパチパチパチパチ

「唯ちゃーん!!」

「澪さーん!」

唯『みんなありがとー!』

律「やっべぇ!テンション上がってきた!」

紬「うふふ」

唯「次だよ澪ちゃん!」

澪『では次の曲です ぴゅあぴゅあはーと』

律「ワンツースリー!」
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:03:22.16 ID:hhitb21Ro

澪『 頭の中 想いでいっぱい あふれそうなのちょっと心配
   とりあえずヘッドホンでふさごう♪ 』 
 
唯『Don't stop the music!』

澪『 欲しいものは欲しいって言うの したいことはしたいって言うの
   だけど言えない言葉もあるの 』

唯『Can't stop my heartbeat!』

澪『いきなり! チャンス到来 ぐうぜん同じ帰り道
  wow! ふくらむ 胸の風船 急に足が 宙に浮くの
  上昇気流にのって 』

澪唯『 飛んでいっちゃえ! キミのもとへ わたしのぴゅあぴゅあはーと
    受け止めてくれるなら 怖くはないの 
    この気持ちが 大気圏 越えたとき
    キミは見えなくなってた 道の向こう側 あい☆Don't mind』
  

・・・・・・

さわ子「澪ちゃん頑張っているわねぇ」

みらい「・・・」

さわ子「どうしたのよ、この規模以上のステージなら何度も経験したでしょ?」

みらい「・・・みなさんのステージに私が立っていいのかと」

さわ子「あの子たちだけの、じゃないわよ。そこにあなたも入っているのよ?」

みらい「・・・」

・・・・・・

澪『Ah ボリュームをあげて ほら ときめき探すよ
  またこの場所で何度でも 会えそうな気がするよ』

澪唯『飛んでいっちゃえ! キミのもとへ わたしのぴゅあぴゅあはーと
   受け止めてくれるなら 怖くはないの
   この気持ちが 大気圏 こえたとき 
   キミは見えなくなってた 道の向こう側 あい☆Don't mind』


ジャーン ドコドタン
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:04:14.75 ID:hhitb21Ro

パチパチパチパチパチパチ

「紬さーん!」

「律さーーん!!」

純「梓ー!!」

憂「梓ちゃーん!」

和「名前覚えてもらってるのね」

さとみ「むぎさんのキーボードが映えますね〜」

憂「次はいよいよみらいちゃんの出番だよ!」

純「私よく知らないからなぁ」

修治「いい子だよ」

純(誰?)

エレナ「とってもいい子ですワ」

小麦「唯ちゃんと仲がいいよねー」

秋子「そうなんですか?」

修治「うん・・・あ」

さとみ「どうしたの?」

修治「この場所に相応しくないヤツが・・・」




「あっ、こらっ!ピノっ!」

ピノ「ピピッ」

ピョンピョン
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:05:48.47 ID:hhitb21Ro

唯『それでは次の曲、今日限りのバンドHTTFが演奏します。ヴォーカルカモーン!』

みらい「・・・」トボトボ

律「みらい?」

みらい「・・・」

唯「・・・どうしたの?」

澪「・・・?」

ピョンピョン

紬「あら?リス?」

ピノ「ピピッ」

ピョン

紬「あら、あなた人懐っこいのね〜」

梓「・・・」

みらい「・・・」

ザワザワ

澪「・・・どうした?」

みらい「・・・」

梓「みらい、このコインこっちが表ね」

みらい「?」

律「あ、それ・・・」

ピンッ

シュルルルルルルルル

パシッ

梓「どっち?」

みらい「・・・・・・・・・う・・・ら?」

梓「・・・・・・正解。きっとうまくいくよ」

澪「・・・」コクリ

みらい「・・・はい!」

唯『みなさん、おまたせしました。・・・あぁっ!むぎちゃんの肩にリスちゃんが乗ってる〜!』

ワハハ ホントダー
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:06:37.96 ID:hhitb21Ro

純「梓今なにを・・・?

憂「お、お姉ちゃん・・・」

和「ウケてるからいいんじゃない?」

さとみ「さすがね、唯ちゃん」

「す、すいません。あの子私の友達なんです」

秋子「リスちゃんですか?」

「は、はい・・・」

紬「うふふ」

唯『あ〜、いいなぁ〜、リスちゃん私の肩にカモーン』ポンポン

ピノ「ピピ?」

みらい「ふふ」

律「よし、もう大丈夫だな」

梓「行くです」

唯「みらいちゃん大丈夫?」

みらい「はい!」

唯「・・・」

みらい『みなさんこんにちは。飯山みらいです』

「「 えっ!? 」」ザワザワ

さわ子「あらあら」

律「名前は伏せるんじゃなかったのかよ」

唯「みらいちゃん・・・」

クルッ

みらい「みなさんごめんなさい。でも私、みなさんの前では自分を偽りたくありません」

梓「・・・」

唯「それじゃ、みんな行くよ!」
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:07:52.05 ID:hhitb21Ro

みらい『ノン・トロッポ』

ポンポンポロポロ

みらい『 心を映し出す 丸い月 赤くやんなり浮かぶ 誰にも知られず
     私を形作るすべてが 涙をもっていると 誰にも言えずに  』

唯(みらいちゃん・・・)

みらい『 それでも明日は満ちている この先にずっと わたしは自分に偽りはしない 』


みらい『 仮面を脱ぎ捨て 素顔の自分に出会うの 私は恐れを知らない
     過去には縛られずに 背を向け サヨナラと進む 私の軌跡 』
     

・・・・・・

修治「・・・」

将人「」カシャ

修治「アイツ・・・」

将人「・・・」

スタスタ

修治「どこまでも足を引っ張る気だな・・・」

緑「・・・」

修治「うーん・・・」

緑「・・・」

修治「うわっ、北上さんいたの!?」

緑「? あなた・・・誰?」

修治「えぇー」ガーン

・・・・・・


みらい『 私は自分を愛してゆきたい
     新しい私に「おはよう」と言った 
     あの日の真っ赤な月など忘れて
     このまま 幸せ 思う数 私 素直になれる』

紬(みらいちゃん・・・)
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:08:34.23 ID:hhitb21Ro

・・・・・・

美弥「どうやら間に合ったようですね」

けさみ「ラッキー♪」

憂「あ、車掌さん・・・」

美弥「ふふ、今は美弥とお呼び下さい」

純「あ、TVに出てましたよね」

美弥「はい」ニコニコ

和「・・・」

・・・・・・


みらい『 いつしか手を振る 昔の私に あなたも私も 恐れを知らない
     過去には縛られずに 背を向け サヨナラと 歩く 私の軌跡
     サヨナラ 』

ジャ ジャジャン

唯「・・・ふぃ〜」

澪「終わった・・・な」

律「あぁ・・・心地いい曲だった」

梓「・・・先輩方、すごいです。感動してしまいました」

紬「ふふ、私も感動したわ〜」


パチパチパチパチパチパチ

「よかったぞー、みらいちゃーん!」

「いい曲だったわよー!」

みらい「・・・」ペコリ


さわ子「どうやら無事終わったようね」

「プロは厳禁なんですけど?」ジロ

さわ子「あの子、今はアマよ」

「・・・?」
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:09:09.01 ID:hhitb21Ro

紬「あら」

ピノ「ピピッ」

ピョンピョン

紬「主人の所に帰ったのね」

「「 アンコール! 」」

さとみ「アンコール!!」

エレナ「アンコール!」

小麦「アンコールッ!!」

けさみ「アンコールー!」

美弥「アンコール」

唯「あーっ!車掌さんとけさみちゃんが来てるよー!」

律「あっ!本当だ!」

澪「娯楽車の店員さんも来てるな」

紬「あらあら、しのぶさんまで来てくれたのね〜」

梓「しのぶさんですか・・・?」

律「いや待て、アンコールはいいのか?」

みらい「はい、観客の反応があれば答えていいそうです」

しのぶ「アンコール!」

「ア、アンコール!」

ピノ「ピピッ」

修治「アンコールッ!」

秋子「アンコールー!!」

緑「・・・」シーン

憂「アンコール!」

純「アンコール!!」

和「アンコール」
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:09:38.40 ID:hhitb21Ro

紬「それならリベンジといきましょー!」

梓「カレーですね!」

律「その後にボールペンも入れようぜ」

澪「メドレーなんてやったことないだろ」

唯「なんとかなるよ〜。みらいちゃん大丈夫だよね?」

みらい「え、えぇと」

唯「一度聞かせたから大丈夫!」

律「おいおい」

みらい「だ、大丈夫です。今の状況は私の夢と合致していますから、頑張ってついていきます」

梓「夢・・・?」

みらい「わたしの夢は・・・。私を応援してくれる全ての人を」

唯みらい「「 楽しませることができる。そんな人に成ること 」」

澪「唯・・・」

みらい「今は私たちですね」ニコニコ

紬「ホッチキス、ボールペン、カレーのメドレーね!」

律「うっしゃー!」

唯「さ、行くよみんな!」

紬律澪梓みらい「「「「「  おぉー! 」」」」」


―――――♪
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:10:34.53 ID:hhitb21Ro

美弥「素敵なライブでしたね」

しのぶ「サイッコー!」

けさみ「楽しかった〜」

和「楽しんでくれたみたいね」

けさみ「もっちろ〜ん」

しのぶ「あんなに盛り上がるとは思わなかったわ〜」

憂「はい!」

美弥「平沢さん・・・メッセージ届いたようですね」

憂「はい、・・・あい言葉は」

美弥憂「「 『Oui』 」」

美弥「ですね」

憂「ふふ」

純「あ、そういう意味か〜。なるほどねー」

美弥「みなさんご帰宅の予定は?」

和「夕方には帰ろうかと・・・」

憂「はい」

美弥「ご予定がなければヴェガで一泊なさいませんか?」

純「?」

和「でも、乗車証が・・・」

美弥「明日の朝の出発までにお降りいただければ問題はございません」

憂「じゅ、純ちゃんは明日予定あるの!?」

純「どうしたの? ヒマだけど・・・」

憂「和ちゃんは!?」

和「落ち着いて。『ちゃん』になってるわよ」

憂「あっ」

純「?」

和「私も明日の午後まで予定は無いわ」

美弥「それでは、準備してまいりますので私どもはこれで失礼します」

憂「ありがとうございます!」

けさみ「じゃあね〜」

しのぶ「みんなによろしくね〜」

和「それでは後ほど」

憂「お姉ちゃんと名古屋で観光できる!」キラキラ
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:11:52.89 ID:hhitb21Ro

和「よかったわね」

純「こんなテンションの憂を見れただけでも来てよかった」

さとみ「和さーん!」タッタッタ

和「元気そうね」

さとみ「たった一日じゃない!」

和「・・・なにか変化でもあった?」

さとみ「ふふ、和さんが言った意味分かったわ」

和「そう、よかったわ」

エレナ「オー!美女が揃ってますワ」

小麦「おぉ〜!」

純「・・・」

憂「あ、みなさん。またお会いできて嬉しいです」

秋子「みなさん先生の教え子なんですか〜?」

和「この中では私だけ・・・だけど」

秋子「わ〜、羨ましいです〜」キラキラ

和「えぇと・・・」タジタジ

純「知らない人がぞろぞろと・・・」

タッタッタ

「う〜い〜!」

「和ちゃ〜ん」

「純〜!」

憂「あ、お姉ちゃん!」

エレナ「本日の主役たちが登場ネ!」

唯「う〜い〜!」ダキッ

憂「お、お姉ちゃんってば」

紬「和ちゃんも来てくれたのね!」

和「えぇ、憂に誘われてね」

梓「純、どうしてきたの?」

純「歓迎してよ!」

さわ子「なんで着替えちゃうのよ〜」ブー

律「外を歩けないからだっ!」

澪「あぁ・・・あの衣装で演奏してたなんて・・・」

みらい「みなさん似合ってましたよ」

さわ子「記念に残しておきましょうよ〜」ブー
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:12:32.74 ID:hhitb21Ro

律「お、みんな揃ってるな!」

小麦「澪ちゃんお疲れ〜」

澪「来てくれてありがと・・・」テレ

エレナ「オツカレサマー!」

唯「夏だけにね!」

梓「グフッ」

澪「ププッ」

紬「プクク」

律「ステージのテンションがまだ残ってるな〜」

唯「もぉ〜大変だようい〜」

憂「どうしたの・・・?」

唯「私たち〜スカウトされちゃった〜」モジモジ

憂「え・・・」

和「本当なの・・・?」

さわ子「まぁね〜」

純「遠くへ行っちゃうんですか、澪先輩!?」

澪「え?」

律「憂ちゃんが心配してるだろ、唯!」

憂「お、おねえちゃん・・・?」ウルウル

唯「ごめんねうい!もちろん断ったよ!」

憂「え・・・?」

唯「みらいちゃんだけならいいけど、私たちもって言うから断っちゃった」

さとみ「大物よねぇ」

小麦「すごーい」

みらい「安心してくださいね、憂さん」

憂「・・・ホッ」

和「びっくりさせないでちょうだい」ホッ

唯「えへへ、ごめんね〜」

律「あ、あそこでナンパしてるのは修治か?」

さとみ「え?」

唯「なんと!?」

紬「北上さんよ、りっちゃん」

律「え・・・、ヴェガの乗客?」

さとみ「そうよ」

澪「・・・」ゴクリ
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:13:32.53 ID:hhitb21Ro

緑「・・・それで?」

修治「俺もヴェガに乗ってるんだってば!」

緑「・・・別に、どうでもいわ」

修治「」ガーン

律「なんか、可哀相になってきた」ウルウル

緑「・・・」

紬「北上さんもライブ見てくれました?」

緑「・・・」

紬「ダメ・・・でした?」

緑「・・・別に」

紬「うふふ」

律「どうしてむぎは喜んでるの?」

さわ子「難しい子ねぇ」

梓「後で聞いてみましょう」

修治「みんな揃ってるから記念写真とろーぜー」

秋子「いいですね〜!!」

修治「琴吹さーん、カーメラー貸ーしてー」

律「やる気だせっ」バシッ

修治「いった!」

律「よし、気合入ったな」

紬「お願しますね」

修治「オッケ。あ、律!」

律「んー?」

修治「サンキューな」

律「うわ、叩かれてお礼言ってる!むぎ離れろ!」

紬「?」

修治「ちがう!」

律「へへ、分かってるって。貸し減らしておいてやるよ!」

修治「・・・・・・貸し作ったの俺の方なのに」

唯「はい!私が指揮します!」

修治「え、なにを?」

唯「みんながキレイに枠に収まるように・・・です!」
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:14:28.00 ID:hhitb21Ro

純「へぇ〜海外を旅してるんですか」

エレナ「そうですワ」エヘン

小麦「楽しそうだよね〜」

澪「・・・」

唯「あーそこのキミたち。もうちょっと右によってくれないかな」

澪「こっち?」

唯「違うよ反対だよ〜」

澪「唯からみて右か・・・ややこしいな」

さとみ「ふふ、そうなんだ」

和「だから今日一日は名古屋にいるわ」

唯「キミたちは右によってくれたまえ」

和「えっと・・・唯からみて右よね・・・」

唯「反対だよ〜」

和「今度は私たちからみて右なのね・・・」

紬「車掌さんたち戻ったのね〜」ガッカリ

憂「はい、みなさんによろしく・・・と」

律「そっか・・・一緒に撮りたかったな」

みらい「そうですね・・・少し残念です」

唯「あーキミたち」

律「私たちからみて、どっちへ行けばいいんだ?」

唯「動かないでくれたまえ」

律「・・・」

秋子「ここですね!」

さわ子「指揮者のせいで混乱してるわね」

修治「よろしいでしょうか?」

唯「うむ、こんなもんかな」ウンウン

憂「お姉ちゃんは映らないの?」

唯「あっ」ウッカリ

テッテッテ

唯「いえーい!」
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:15:14.75 ID:hhitb21Ro

修治「あ、すいません。指揮者さん、さわ子先生の隣に行ってください」

唯「はいよー!」

テッテッテ

唯「あれー?さわちゃんどこー?」

さわ子「ここよー!」

唯「あ、いたいた」

テッテッテ

唯「いえい」

修治「すいません、指揮者さん、もうちょっと内側に」

唯「こ、こうかな」グイグイ

さわ子「唯ちゃん入れ替わりましょう」

唯「はいよー」

律「・・・」イライラ

唯「いえーい」

修治「すいません、ちょっと屈んでもらえますか?」

唯「もぉーだれー?」

修治「指揮者さんあなたです」

ジリジリ

梓「・・・日差しが熱い」

唯「ど、どうかな」ブルブル

修治「指揮者さんだけブレますよ?」

唯「注文多いよぉー!」モォー

律「指揮者ーっ!!」

唯「うわっ、怒られた」

緑「こっち・・・」グイグイ

唯「お、お?」

緑「・・・どう?」

修治「オッケー、みんないくよ!ハイチーズ!」カシャ

澪「長かった・・・」

唯「これだけの人数がいるんだからしょうがないよ」

一同「」イラッ
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:17:32.43 ID:hhitb21Ro

律「・・・みんな解散したし。私らはどうしよっか?」

澪「長島スパーランドへ急ぎましょう」ズバッ

純「澪先輩はメリーゴーランドが似合いますね」

梓「そう?」

純「うん、白馬にまたがった王子様」キラキラ

澪「いや、時代はジェットコースターだよ!」キラキラ

純「え!?」

さわ子「そういう話だったわね」

和「澪のテンションが高い所みてみたいわ」

唯「さわちゃん帰らないのー?」

さわ子「明日の昼まで休みよ〜」

紬「やった!」

さわ子「ふふ、今月はもう休みがないのよね・・・」シクシク

みらい「あ・・・」

さわ子「気にしないの、これでも楽しめてるんだから」

憂「みなさんどこへ行かれるんですか?」

唯「あずにゃんと東山動植物園だよ!」

梓「初耳ですよ?」
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:20:18.91 ID:hhitb21Ro

澪「私はスパーランド」キラキラ

律「あー・・・」

和「まだ昼前だから・・・ご飯たべながら決めない?」

紬「そうね〜」

さわ子「それじゃ、まずは地下街からね」

みらい「あ、あの・・・唯さんにお願いが・・・」

唯「なにかな?」

みらい「あ、あの・・・ヴェガでマネ・・・望月さんが書類を揃えて待ってると思うので・・・」

律「あぁ、そうだったな」

唯「うん、行くよ!」

さわ子「そうね」

和「・・・」

みらい「面倒かけてすいません」

唯「ううん、頼ってくれて嬉しいよ!」

憂「・・・」

さわ子「そうねぇ・・・私と、唯ちゃんと」

律「私も行くぜ!」

澪「だ、大丈夫か?」

律「もうケンカ腰になったりしないよ。みらいを守ってやるさ」キラン

澪「・・・」

さわ子「私たち4人は一度ヴェガに戻るからみんな先に食べてて」

和「どうする?」

憂「えぇと」

純「私は合わせるよ?」

紬「みんなと食べたい!」フンス!

梓「そうですね」

紬「それならみんなで名古屋港に行ってみない?」

憂「名古屋港・・・」

和「いいわね」

純「あー、金のシャチホコ船があるそうですね」

梓「へー、面白そう」

澪「決定だな」

紬「という事で、一度名古屋港へ行って地下街へ向かいますね」

さわ子「そう・・・分かったわ」
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:21:28.32 ID:hhitb21Ro

―――――名古屋港

和「澪・・・」

澪「ん?」

和「あのマネージャーの所に行ったのよね」

澪「・・・うん」

和「唯と律は大丈夫なの?」

澪「・・・」

純「?」

憂「大丈夫ですよ」

和「・・・?」

憂「お姉ちゃんが頼もしくなっていましたから」ニコ

澪「・・・うん。律も・・・ちょっとだけ頼もしくなってるから」

和「・・・そうね」

純「よく分からないけど・・・」

梓「・・・」

紬「みんなきてきてー!」

和「ふふ、相変わらずね」

澪「そうだな」

梓「どうしたんですかー!」

タッタッタ

和「私たちも観光を楽しみましょうか」

憂「そうですね」

タッタッタ

澪「どうしたむぎ?」

紬「あ、あれを見て!」

純「金のシャチホコ船!」

梓「変な船ですね」

憂「わぁ〜面白〜い」

秋子「みなさんもいらしてたんですね〜」

紬「あ、秋子さんも来てらしたんですね」

秋子「みなさんの演奏素敵でしたよ!」

澪「あ、ありがとう・・・」テレ

紬「まぁ、ありがとう〜」

梓「あ、ありがとうございます」テレ
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:22:17.72 ID:hhitb21Ro

和「海風が気持ちいいわね」

秋子「そうですね〜いい風が吹いてます」

純「あの船が風情を壊してるような」

憂「ふふ」

秋子「こういう風って海を渡ってきたのでしょうか?」

紬「そうね〜、ずっと遠くからやってきたのかもしれないですね〜」

梓「遠くから・・・」

和「一秒毎変化する風・・・」

澪「ふむふむ」メモメモ

和「創作意欲が沸いたようね」

秋子「なんだか素敵ですね。こうやって私たちがその風を感じているなんて・・・」

紬「そうですね。この風は今だけ受ける事ができるのよね」

和「そう考えると悠久の時の流れを感じるわね」

澪「刹那的な時間だけど、想いを廻る時間は永劫・・・だな」

純「・・・」

梓「・・・」

憂「・・・」

純「なにか言ってよ梓」ヒソヒソ

梓「純こそ、気の効いた台詞言ってみてよ」ヒソヒソ

純「む、無理!」ヒソヒソ

梓「わ、私だって無理だよ!」ヒソヒソ

純「そ、そうだ憂なら」

梓「そうだね」

憂「あの金シャチの船に乗ったら竜宮城まで連れてってくれそうですよね」

澪「・・・そうだな。地図に載ってない所へ行けそうだ」

紬「うふふ、乗ってみるのもいいわね〜」

秋子「楽しそう〜!」

和「乗ってる時間無いわよ」

純梓「「 ・・・ 」」
 
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:23:30.50 ID:hhitb21Ro

将人「」カタカタ

みらい「お話があります」

将人「・・・やっときたか」

唯「・・・」

みらい「ホームへ一度降りてください」

将人「どうしてだ?」

みらい「大事な話だからです」

将人「ふん・・・」

車掌「あら・・・?」

将人「おい車掌、このパソコンを見ておけ」

車掌「かしこまりました」
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:24:36.28 ID:hhitb21Ro

修治「これやるよ」

律「なんだよいきなり」

修治「思い出という名のアルバムを増やせばいいのだよ」キリ

律「そうだな!サンキュー!」

修治「新しいリアクションだな・・・」

さわ子「どうしてヴェガにいるのよ」

修治「気になったから・・・」

さわ子「?」

みらい「修治さん?」

唯「修治くん?」

将人「なんだお前らは」

修治「ボディーガード」フフン

将人「くだらん。話を始めろ」

みらい「書類を渡してください」

将人「・・・」スッ

みらい「・・・」パラパラッ

さわ子「・・・」

みらい「・・・」

将人「安心しろ。それでお前はもう、うちの事務所とは無関係だ」

唯「・・・」ホッ

みらい「・・・そうですね」

将人「用は済んだな?」

修治「・・・」

みらい「まだです。カメラを渡してください」

将人「なんだ?」

みらい「HTTFの写真です」

律「どういう事だよ!?」

修治「・・・」

将人「んっふっふ。さすがだ・・・ほらよ」

みらい「・・・!」

さわ子「・・・見せて」

みらい「・・・はい」

唯「あっ!」

律「マジだな・・・。これでどうするつもりだ?」
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:26:17.08 ID:hhitb21Ro

将人「最後に一儲けさせてもらうんだよ」

さわ子「商業的使用は禁止よ」

将人「そんな規定いちいち守ってたら商売できないだろ。所詮素人だな」

修治「許されると思ってんのかよ」

将人「貴様らは甘いんだよ。この業界の事知らなさ過ぎる。んっふっふ」

律「なにがおかしいんだよ!」

将人「無知は恥だな」

みらい「やめてください!」

将人「HTTFか・・・これだけのルックスだ・・・さぞや情報を求めるだろうなぁ」

唯「!」

将人「喜べみらい・・・次の事務所は俺が提供してやるよ」

みらい「・・・ッ!」

律「このデータは壊させてもらうよ」

パキッ

さわ子「・・・」

修治「・・・」

律「・・・カメラのデータも消去しておいたから」

唯「りっちゃん・・・」

将人「・・・んっふっふ」

律「なにがおかしいんだよ」

将人「無知は恥だと言ったよな」

修治「・・・!」

律「・・・どういう意味だよ」

将人「そのメモリーカードだけだと思ったのか」

さわ子「他にもあるのね」

将人「そういう事だ。んっふっふ」

唯「・・・」

将人「みらい・・・俺に頭を下げて捨てられるまでうちの事務所にいるか・・・」

みらい「・・・!」

将人「事務所を辞めてお前を助けてくれた5人の情報が漏れるか・・・どっちか選べ」

唯「ひどいよっ!」

律「どこまで邪魔するんだよ!」

修治「・・・」

さわ子「裏目に出たわね・・・」

みらい「・・・わ、わたしは」
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:27:19.42 ID:hhitb21Ro

唯「・・・みらいちゃん」

みらい「ごめんなさい・・・・・・こんな事に巻き込んでしまって・・・」

唯「ううん、私たちなら大丈夫だから・・・自分自身を・・・さわちゃんを信じて」

さわ子「・・・!」

みらい「・・・で、でも!」

将人「プライバシーがどれだけ大事かよく知っているよな・・・みらい」

みらい「・・・」

将人「アイドルはそれに振り回されるのも仕事のうちだ」

みらい「・・・っ」

将人「だが、他の5人はどうかな・・・?」

みらい「・・・っ!」

将人「おまえと同じステージに立ったせいで、5人の人生が振り回されるんだ」

みらい「・・・っ!!」

将人「その書類を破れば楽になるんだぞ。5人も普通に暮らせる」

みらい「・・・っ!!!」

将人「今までのように使われるか、助けてくれた5人を見捨てるか・・・選べ」

みらい「わ、わたし・・・は・・・っ!」

唯「だいじょうぶだよ」ギュウ

みらい「あ・・・」

修治「・・・何もできないけど、俺はみんなの見方だ」

律「私がみんなを守る」

さわ子「それは私の台詞よ」

将人「どうするんだ」

みらい「わたしは・・・・・・・・・」

将人「・・・」

みらい「・・・事務所を・・・・・・・・・辞めます」

将人「絶望したよ・・・みらい・・・」
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:28:05.56 ID:hhitb21Ro

「あの・・・ごめんなさいっ!」

車掌「申し訳ありません」

将人「あ?」

律「小麦・・・?」

小麦「あの・・・インターネットしようと触ったら画面が・・・」

将人「貸せっ!」

小麦「うぅ」

将人「な、なんだこれは・・・画面が・・・おい、車掌!」

車掌「ヴェガの備品だと勘違いされたようで・・・」

将人「見ていろと言っただろ!」

車掌「少し離れていました。申し訳ありません。修復作業なさいますか?」

将人「さっさとしろっ!」

車掌「少々お待ち下さい」カタカタ

律「ちぇっ」

さわ子「ハードディスクは無傷なのね」

修治「・・・」

唯「私たちならだいじょうぶだよ、みらいちゃん」

みらい「・・・・・・はい・・・っ」

車掌「ではエンターキーをどうぞ」

将人「・・・」

車掌「データについては保証しかねますがよろしいですね?」

将人「なに!?」ターン

小麦「・・・」

将人「ま、まさか」カタカタ

律「・・・?」

さわ子「?」

将人「消えてる・・・どういう事だ!」

車掌「データについては保証しかねます。申し訳ございません」

将人「どうしてさっき入れた画像が消えているのか聞いているんだよ!」

車掌「分かりかねます。申し訳ございません」

唯「それって・・・」

さわ子「もしかして・・・」

将人「くっ!!」

律「はぁ・・・よかった」
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:29:29.90 ID:hhitb21Ro

将人「・・・みらい、お前が思っているほど・・・甘くないぞ」

スタスタ

みらい「・・・はい」

さわ子「みらいちゃんの運はまだまだ捨てたもんじゃないわね」

律「あぁ・・・」

車掌「・・・ふぅ」

小麦「・・・はぁ」

修治「よかったぁ」

律「どうした?」

修治「小麦、うまくいったな」

小麦「もぉ〜、ヒヤヒヤしたよ〜」

さわ子「どういう事?」

修治「小麦の電磁体質を利用しました」

小麦「そういう事〜」

唯「どういう事〜?」

小麦「あたし機械と相性が悪いんだよね〜。機械類に触ったら、どういうわけかおかしくなっちゃうんだ〜」

みらい「?」

小麦「前なんて、エレナの映像の上半分が消えちゃったの」

律「どんな体質だよ・・・」

小麦「分かんないよ〜、でもこの体質でみんなのお役に立てたんだから嬉しいな」

さわ子「・・・」

車掌「ふふ」

小麦「じゃ、私行くね。修治くん今晩のご飯奢ってね〜」

修治「あぁ、なんでも頼んでいいぜー!」

小麦「エレナの分もだからね!じゃねー!」

修治「ありがとなー!」

律「・・・もう少し詳しく」

修治「そうだな。俺、アイツがライブの写真を撮ってる所みたんだよ」

さわ子「ふむ」

修治「それで、またみらいちゃんの足をひっぱるだろうなと思ってさ」

唯「ほぃほぃ」

修治「カードを折ってもパソコンや他の記憶媒体に移されてたら困るから」

律「ふむふむ、小麦の体質を活用したと」

修治「そう・・・だけど。車掌さんが手伝ってくれるかどうかは運任せだった」

さわ子「そうよねぇ、知ってて客のデータを削除するなんて出来ないものね」
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:31:03.87 ID:hhitb21Ro

修治「車掌さんを利用したみたいになってすいませんでした」

車掌「これっきりにしてくださいね」

修治「はい」

さわ子「でも、ピンポイントでファイル削除なんて出来ないでしょ」

車掌「そこは・・・内緒ですよ?」シー

唯「車掌さーん!」ダキッ

ボインッ

車掌「平沢さん!?」

唯「ありがとー!」

車掌「いえいえ、私もお役に立てて嬉しいです」

修治「さっき渡したカードの方を折っただろ?」

律「あぁ、そこは理解できたから」

さわ子「あの画像は残ってるという事ね」

みらい「・・・」

修治「これでみらいちゃんは足かせが無くなったな!」キラン

律「やるな!」

修治「えっへん」

コック「やるじゃねぇか!」バシッ

修治「いってぇーーー!!!」

コック「力ずくでなんとかしようと思ってたんだがな」

車掌「それは私がさせません・・・」
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:31:55.94 ID:hhitb21Ro

律「料理長聞いていたのか」

修治「・・・」ヒリヒリ

コック「ガッハッハ、律の台詞もなかなかかっこよかったぞ」

律「ちぇー、私はなにも出来なかったっつーの」ブー

さわ子「もおー」ブー

コック「ガッハッハ、修治、小麦とエレナにご馳走してやるから連れて来い」

スタスタ

修治「やった!財布が軽くならずにすんだ!」ヒャッホウ

律「あーぁ、かっこ悪いヤツ」

修治「どういえばいいんだよ」

律「逆に俺が料理長にご馳走してやるよ!」

修治「意味が分からん」

みらい「ふふ」

さわ子「締まらないわねぇ」

唯「あはは」

車掌「うふふ。・・・それでは私も仕事に戻ります」

緑「・・・」

車掌「あら?」

緑「・・・」

スタスタ

車掌「?」

律「車掌さーん、本当にありがとー!」
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:32:45.21 ID:hhitb21Ro

車掌「さて・・・」

緑「・・・ちょっといい?」

車掌「はい。落し物ですか?」

緑「・・・どうして」

車掌「・・・?」

緑「・・・どうして自分の立場を危うくする事ができるの?」

車掌「・・・」

緑「・・・大切なお客様・・・だから?」

車掌「・・・そうです」

緑「・・・それ・・・だけ?」

車掌「いつでも笑顔でいて欲しい方たちがいるから・・・ですよ」ニコ

緑「・・・・・・・・・理解できないわ」

車掌「ふふ、そうですね。今の発言も車掌失格ですね」

緑「・・・・・・邪魔したわ」

スタスタ

車掌「一緒にいれば分かると思いますよ・・・」
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:33:29.70 ID:hhitb21Ro

pipipipipi

律「あ、むぎからだ。はい、もしもし?」

修治「じゃあ、観光に戻るかな・・・」

唯「ありがと、修治くん!」

みらい「ありがとうございました」

修治「なんのこれしき」キリ

律「貸し一つ減らしてやるよ。 あ、こっちの話・・・それで?」

修治「マジで!? よっしゃー・・・」グッ

スタスタ

さわ子「ガッツポーズのまま歩いていったわね」

唯「よかったね、みらいちゃん!」

みらい「はい・・・みなさんに助けられてばっかりです」

さわ子「ステージ横で私が言ったこと覚えてるでしょ?」

みらい「・・・はい」

ピッ

律「むぎたちも楽しんでいるみたいだぞー」

さわ子「りっちゃん、さっきの画像見せて?」

律「あ、うん。ちょっと待ってて」

唯「りっちゃんのカメラとあのマネーなんとかの人のカメラ一緒なんだね」

律「そういう事。修治は私のカメラの機種知ってたからな」

さわ子「なるほど」

律「はい、さわちゃん」

さわ子「ありがと。・・・キレイに撮れてるわね」

唯「うんうん」

律「どうするこれ、消す?」

さわ子「唯ちゃんに任せるわ」

唯「残す!」

みらい「唯さん・・・」

唯「だって・・・画像の私たちに罪は無いんだもん」

律「・・・深いな」
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:34:20.66 ID:hhitb21Ro

さわ子「そう・・・。それじゃ地下街へ行きましょうか」

唯「うん!」

律「そうだな」

みらい「・・・」

さわ子「みらいちゃん、行くわよ?」

みらい「私・・・、一人で考えたい事があるので・・・」

唯「え、行かないの・・・?」

みらい「・・・はい。今日はありがとうございました!」

さわ子「・・・・・・・・・降りるの?」

唯「えっ!?」

みらい「それも含めて考えたいんです・・・」

律「・・・そうか」

唯「だったら私も・・・!」

みらい「唯さん、憂さんと和さんが待ってますよ」

唯「で、でも!」

みらい「黙って降りたりしません。必ず唯さんには挨拶しますから」

唯「ほんと・・・?」

みらい「はいっ!ですからみなさんの所へ行ってください」

唯「・・・」

みらい「宣言します。私は唯さんを裏切ることは絶対にしません」

さわ子「それなら大丈夫ね」

律「あぁ、じゃあ後でなみらい!」

みらい「はい!」

唯「うん・・・後でね!」

みらい「はい、楽しんできてください!」
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:34:54.41 ID:hhitb21Ro


店員「お飲み物は、アイスティー3つ、オレンジジュース2つ、コーラ、レモンティー、ウーロン茶ですね」

さわ子「えぇ。みんな、なに食べるのよ?」

律「天むす!」

唯「わたしも天むす〜!」

憂「味噌カツをお願します」

梓「台湾ラーメンを」キリ

澪「え、えぇと」アセアセ

和「落ち着いて。私はきしめんにするわ」

さわ子「私もきしめんで」

純「エビフライか手羽先・・・どっちにするかな」

澪「み、味噌煮込みうどんを」

純「くー、手羽先をお願します!」

店員「はい」

「・・・ぶしを」

「かしこまりました」

紬(あら、そんな食べ物あるのね〜)

さわ子「むぎちゃんは?」

紬「うなぎのひまつぶしを〜」

和さわ子梓憂純「「「「「 ん!? 」」」」」

澪「?」

唯「和ちゃんどうしたの〜?」

和「聞き間違いかしら」

憂「そうみたいですね」

店員「えぇと?」

紬「あら? うなぎのひまつぶしを一つ〜」

律「プフッ」

純「女の子が水を噴いてはダメですよ、はいティッシュ」

律「さ、さんきゅ」

店員「あ、はい。うなぎのごにょぶしですね。かしこまりました」

梓「あの店員さん逃げましたね」

和「そうね・・・」

紬「・・・どうしたの?」

さわ子「指摘してあげなさいよ」ヒソヒソ

律「さわちゃん教師だろ!」ヒソヒソ
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:36:30.88 ID:hhitb21Ro

憂「あ、あの・・・紬さん・・・」

律さわ子「「 おぉ、頑張れ! 」」

紬「なにかしら〜」ニコニコ

憂「な、なんでもないです」

紬「・・・?」

律「だよなぁ〜」

和「由々しき問題よこれは・・・」

澪「・・・どうしたんだ?」

唯「?」

律「気づいてないし・・・」

梓「指摘したらどうなるんですか・・・?」

さわ子「こうなるわ・・・」

・・・・・・・・・

・・・

さわ子「むぎちゃん!うなぎは暇つぶしなんてしないのよ!」ビシッ

紬「そ、そんな!」ガタ

律「あぁ、あいつらは深海で一生懸命泳いでて忙しいんだぜ・・・」

紬「そ、そんな〜」シクシク

タッタッタ

・・・

・・・・・・・・・

梓「そんな訳ないです」

さわ子「むー」ブー

律「やんわり指摘してやればいいんだよ」

和「するとどうなるのよ」

律「こうなる」

・・・・・・・・・

・・・

律「私たちがいつも放課後にしてることだよな!」

唯「その心は!」

律「人生の暇つぶしだぜ!」キラン

紬「そうね〜」

・・・
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:37:24.24 ID:hhitb21Ro

・・・・・・・・・

梓「気づいてないじゃないですか」

律「あれ・・・?」

唯「みんななにしてんのかな?」

澪「・・・さぁ?」

さわ子「お気楽ねぇ」

純「憂なら大丈夫かと」

律「さっき言えなかったじゃないか」

純「遠まわしに言えばいいんですよ。きっとこうなります」

・・・・・・・・・

・・・

憂「紬さん・・・うなぎは夜行性なんですよ」

紬「へぇ〜」

憂「体温調節が出来る為、淡水でも海水でも生きられるんです」

紬「ふむふむ」

憂「蛇行型と呼ばれる泳ぎ方で、蛇のように泳ぎます」

紬「遊泳速度は遅いのね」

憂「はい、川と海を行き来する以外にも地上を這って移動するなど」

・・・

・・・・・・・・・

梓「いつ本題に入るの」

純「あれ?」

憂「私そんなにうなぎについて詳しくないよ?」

純「そうだっけ?」

憂「そうだよ」

律「うーん、中々手ごわいな・・・」

和「そうね・・・神妙な面持ちで言えばいいんじゃないかしら」

さわ子「和ちゃん、それできるの?」

和「いいえ、澪経由でいえば・・・こうなるはず」

・・・・・・・・・
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:38:26.35 ID:hhitb21Ro

・・・

澪「じつはな・・・むぎ・・・」

紬「み、澪ちゃん・・・?」

澪「さっき・・・むぎはとんでもない間違いをしてしまったんだ」

紬「間違い・・・?」

澪「あぁ・・・そのせいでみんなが困ってる」

紬「わ、私ったら・・・」

澪「・・・」

紬「澪ちゃん教えて、私は何の間違いを・・・?」

澪「そ、それは・・・」ゴクリ

紬「・・・」ゴクリ

澪「・・・」ガクガク

紬「え・・・?」

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル

・・・

・・・・・・・・・

梓「雰囲気にのまれて自滅しましたね」

和「あれ・・・?」

さわ子「梓ちゃんいってみなさいよ」

純「そうだそうだ!」

梓「わ、私がですか?」

律「さっきからツッコミだけだろ」

梓「そうですね・・・やはり和先輩が知的にいってみましょう」

和「そうね・・・梓が日頃私をどう思ってるのか興味あるわ」

梓「うっ」

憂「どうなるのかな」

梓「た、多分こうなる・・・といいな」

・・・・・・・・・
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:39:20.10 ID:hhitb21Ro

・・・

和「むぎ・・・」スチャ

紬「和ちゃん・・・メガネを外しても私が見えるの?」

和「こんなの飾りよ」

紬「貸して・・・」スチャ

和「度数入れてないのよ」

紬「あら、本当・・・」

和「ふふ、うなぎの」

・・・

・・・・・・・・・

和「ちょっとまって」

梓「・・・」

律「うまく行きそうだったぞ」

さわ子「そうね」

和「度数のくだりいるの?」

純「いるといえばいるような・・・」

梓「いらないといえばいらないですよね」

律「・・・」

和「自分で言ったわね」

憂「甘えていきましょう」

梓「・・・?」

さわ子「どう甘えるのよ?」

憂「こうします」

・・・・・・・・・

・・・

梓「むーぎ先輩!」

紬「あら、どうしたの?」

梓「このメロンフロート二人で食べませんか?」

紬「いいわね、半分こしましょう」

梓「ストロー二つで」

紬「あらあら、まるで恋人同士ね〜」

・・・
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:40:22.81 ID:hhitb21Ro

・・・・・・・・・

律「痒っ!」

さわ子「憂・・・ちゃん?」

純「もしかして・・・」

憂「ち、違うよ憧れてるだけだよ!」

和「憧れているのね」

律「あれ?」

梓「むぎ先輩!」

唯「おや?」

紬「どうしたの?」

梓「このメロンフロート」

さわ子律憂和純「「「「「 ・・・ 」」」」」ジー

梓「はっ!」

澪「メロンフロートか・・・おいしそうだな」

唯「あずにゃん一緒に食べようよ〜。もちろんストローは」

紬「二つね〜」

梓「澪先輩と食べて下さい。忙しいんです」

唯澪「「 えぇー・・・ 」」

さわ子律憂和純「「「「「 ・・・ 」」」」」ジー

梓「コホン・・・。うなぎの話出てないよ!」

さわ子律憂和純「「「「「 ・・・ 」」」」」ジー

梓「ひぃ〜ふぅ〜」

律「まぁ、いいだろ」

さわ子「そうね」

和「口笛吹けてないもんね」

純憂「「 ・・・ 」」ジー

梓「・・・」アセアセ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:41:15.11 ID:hhitb21Ro

唯「むぎちゃん・・・このメニューにうなぎのひまつぶしなんてないよ?」

紬「え?」

律和さわ子「「「 えっ!? 」」」

澪「あ、本当だ。正しくはうなぎのひつまぶし・・・だな」フフ

唯「あはは、むぎちゃんおっちょこちょいだな〜」

紬「そ、そんな・・・」ガタ

純「あ・・・」

律「む、むぎ・・・?」

紬「わ・・・わたし・・・っ」

梓「むぎ先輩?」

紬「っ・・・っ・・・」

さわ子「むぎちゃん?」

憂「紬さん・・・!」

和「あら・・・」

紬「っ・・・ハックション!」

律「」ズルッ

純「」ズルッ

紬「私ったら恥ずかしいわ〜。お手洗い行ってきま〜す」

タッタッタ

唯「もうドリンク来てるよ〜」

澪「なにしてるんだ?」

律「いや・・・なんでもない」

さわ子「ニアピン賞で私の勝ちね」

和「そのようですね・・・」

梓「予想を・・・」

憂「上回る結果になったね」

純「うん・・・」

店員「おまたせしました〜」
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:50:02.35 ID:hhitb21Ro

律「はー食った食った〜」

憂「おいしかったです」

純「うん、おいしかった」

紬「おいしかったわ、ひつま・・・あ、危ない危ない」アセアセ

梓「その土地の料理食べると気分が違いますよね」

澪「そうだな、旅をしていると実感するよ」

さわ子「支払いは私に任せなさい!」

唯「おぉー!」

和「ごちそうさまです」

律「いよっ、さわちゃん!」

さわ子「ふふ、もっといいなさい」

紬「さわちゃん大好き〜」

唯「担任!」

梓「ボス!」

和「えぇと」

澪「女神!」

純「えーと・・・魔女!」

憂「んーと・・・学校の王女!」

律「太っ腹!」

「ふくよか!」

さわ子「ちょっと待って!」

「「「 ・・・ 」」」シーン

さわ子「不敬な呼び名はまぁ、よしとしましょう」

和「よしなんですね・・・」

さわ子「容姿を悪くいう子がいたわよ!」

「「「 ・・・ 」」」シーン
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:51:16.41 ID:hhitb21Ro

さわ子「名乗り出なさい」

澪「どうせ律だろ」

律「な!?」

さわ子「犯人はジェットコースター5回連続の刑よ」

澪「私がやりました!」ズバッ

唯「なんてことを・・・」

さわ子「澪ちゃんじゃないわね」

澪「」ガーン

さわ子「個室の割り当て、私と一緒になるわよ」

紬「はい!私がやりました」ズバッ

梓「なんと・・・」

さわ子「むぎちゃんでもないわね」

紬「」ガーン

さわ子「唯ちゃんと別の個室になるわよ」

梓「はいっ!」ズバッ

さわ子「梓ちゃんでもないと」

梓「」ガーン

唯「どういう意味なの・・・」ガーン

さわ子「ふむ、唯ちゃんでもない」

和「私がやりました」ズバ

憂「和さん!?」
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:51:53.01 ID:hhitb21Ro

さわ子「時間がもったいないと感じたのね、容疑から外れたわ」

和「」ガーン

純「私じゃないですよ!」

さわ子「でしょうね」

純「もっと絡んでくれても・・・」ガーン

さわ子「純ちゃんも外れて残るは・・・」

憂「・・・」

律「・・・」

さわ子「ふふ、やっぱりあなただったのね修治くん」

憂「え・・・?」

律「えっ!?」

さわ子「ウソよ」

憂「・・・?」

律「・・・ぐ」

さわ子「犯人はあなたよ!田井中律!!」ビシッ

澪「なんだやっぱりか」

紬「ジェットコースター5回乗って」

唯「さわちゃんと一緒の部屋で」

梓「唯先輩とは別の部屋・・・」

和「それ言う必要ないわよ」

純「さて、出ましょう」

憂「二人置いていいのでしょうか」

澪「いいのいいの」

さわ子「だれがふくよかよぉー!」ギリギリ

律「ごめんなひゃいごめんなひゃい」

唯「見事なヘッドロックですね」

紬「そうですね。ギリギリと音が出ていますね」

梓「自業自得ですね」
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:58:35.35 ID:hhitb21Ro

唯「あづい・・・」

憂「お姉ちゃんがんばって」

梓「動植物園に行きたいっていったの唯先輩ですよ?」

唯「だ、だって・・・太陽が本気で活動してるんだもん・・・」

紬「あ、あっちにアイス販売してるわ〜」

和「いいタイミングね」

梓「あ、あれ?」

和「憂と唯はあっちよ」

梓「早いな・・・しょうがないですね、ちょっと行って来ます」

紬「は〜い」

タッタッタ

さとみ「あら、むぎさんと和さんも来てたんだ」

和「あと唯と憂・・・梓もね」

さとみ「ふふ、みんな仲がいいのね」

紬「うふふ」

ジリジリ

さとみ「お昼すぎて今が一番暑い時間帯なのよね」

和「動物たちもバテるわよね」

紬「シロクマとペンギンはどう?」

さとみ「氷をあげてるみたいだけど・・・」

紬「溶けちゃうわよね」

和「焼け石に水ね」

さとみ「ふふ、的を射た表現ね。そうだ!コアラ見た!?」

紬「どこですか!?」

さとみ「あっちよ!」

和「待ってむぎ。多分唯も行きたいハズだから」

紬「そ、そうね」ウズウズ

さとみ「コアラは逃げないから大丈夫よ」

紬「ど、どうだった?」

さとみ「コアラ?ずっと木にしがみ付いてて動かなかったけど、とっても可愛かったわ」

紬「うずうず」ウズウズ
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:59:36.12 ID:hhitb21Ro

和「声に出てるわよ。後で唯と一緒に行くから、先に行ってていいわ」

タッタッタ

さとみ「ま、まって」

タッタッタ

和「しょうがないわね・・・」

ジリジリ

和「確かにこの日差しは・・・」

ジリジリ

和(遅いわね・・・)

タッタッタ

憂「・・・あれ、紬さんは?」

和「コアラ見に走って行ったわ」

憂「是非見に行きましょう。はい和ちゃんアイス」

和「うん、ありがと」

憂「いえいえ」

和「・・・」

憂「・・・」

ジリジリ

和「・・・」

憂「・・・」

和「・・・唯と梓は?」

憂「あっちの日陰で休んでるよ」

和「早く言ってね?」

憂「えへへ」

和「行くわよ」

憂「はーい」
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:00:39.44 ID:hhitb21Ro

唯「いい風が吹きますな〜」ノンビリ

梓「そうですね〜」マッタリ

和「動物はもういいの?」

唯「私たちも動物なんだよ、和ちゃん」

梓「哲学的ですね〜」

憂「梓ちゃんまで」ニコニコ

和「・・・はぁ」

憂「少しのんびりしましょう、和さん」

和「・・・そうね」

サヤサヤ

和「いい風が流れるわね」

梓「はい〜」

憂「いいですね、ここ」

サヤサヤ

唯「優しい風が吹き抜けると笑顔になるよね〜」

和「いい事言うわね」

梓「〜♪」

憂「ふふ」

唯「・・・」

和「・・・」ノンビリ

梓「・・・ふぁ」

憂「・・・」マッタリ

サヤサヤ

唯「ところでむぎちゃんは〜?」

和「さとみと一緒にコアラを見に行ったわ」

梓「さとみさんも来てたんですね〜」

憂「コアラ可愛いですよね」

和「・・・」

サヤサヤ

唯「コアラ・・・?」

和「さて・・・と。憂」

憂「うん」

梓「〜♪」マッタリ

唯「コアラ!!行くよみんな!」

和「そうね。行きましょ」

憂「あっちですよね」

梓「いきなりですか!二人とも対応できてる!?」
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:18:17.87 ID:hhitb21Ro

紬「あれ、欲しい!」

さとみ「いけません」

紬「う〜ん」

さとみ「悩んでも飼えないものは飼えないの」

紬「・・・」ションボリ

さとみ「・・・ふぅ、しょうがないわね」

梓「飼うんですか!?」

紬「うふふ」

さとみ「冗談よ」

和「・・・」

唯「あれ欲しい!」

憂「しょうがないな〜」

さとみ「我がまま通じた!」

和「ダメよ」

紬「ピシャリ」

唯「や〜だ〜欲〜し〜い〜」グズグズ

梓「駄々こねはじめた・・・」
 
憂「あ、コアラ起きたよお姉ちゃん!」

唯「おぉ!」

さとみ「ユーカリの葉食べてる!可愛い〜!」

紬「まぁ〜」

和「可愛いわね」

唯「さとみちゃんはコアラ好きなの?」

さとみ「うん!すっごく可愛いもの!あ、でも一番好きなのはキリンかな?」

憂「キリンですか?」

さとみ「そう。小さい頃『キリンさんになりたーい』って駄々をこねたらしいわ」

紬「可愛いわね〜」

さとみ「ふふっ、小さかったから遠くまで見渡せるキリンが珍しかったのよ」

梓「キリンに憧れる気持ち分かります!」

さとみ「そう?」

梓「私もちっぽけですから、空に近いキリンが羨ましいですっ」キラキラ

さとみ「そんな事ないわよ、ギター弾いてる梓ちゃんは大きくみえたわ」

梓「そ、そうでしょうか・・・」

さとみ「えぇ」ニコニコ

梓「えへへ」テレ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:19:49.69 ID:hhitb21Ro

和「・・・へぇ」

紬「うふふ」

唯「ふむふむ」

憂「・・・」

梓「唯先輩は何になりたかったんですか?」

唯「私はね〜、ザリガニ?」

和「ザリガニになりたくて集めたの?」

唯「うーん・・・」

さとみ「集めた?」

和「唯と私が保育園にいるときの話なんだけど、唯がザリガニを私の家の浴槽に集めた事があったのよ」

さとみ「へぇ・・・」

和「2.30匹ぐらいね」

さとみ「うっ」

憂「お姉ちゃん夢中になったら一直線だから」

梓「ちょっとズレたまま一直線に走った結果ですので気にしないでください」

さとみ「そ、そうね・・・」

梓「むぎ先輩はなにになりたかったですか?」

唯「えー、私ザリガニになりたいで話終わったよ〜」

和「しょうがないわよ」

紬「そうねぇ、カバさんかしら」

憂「カバ・・・?」

紬「えぇ、大きくて強くて優しくて」

さとみ「ふふっ」

梓「なるほど」

紬「あと・・・キツ」

唯「あー!」

和「どうしたのよ」

唯「そのカバさんの餌やり体験時間今だよ!」

憂「あ、本当だパンフレットに書かれてるね」

タッタッタ

さとみ「まってむぎさん!」

タッタッタ

梓「待ってくださーい!」

唯「行くようい!」

憂「うん!」

和「忙しいわね」
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:20:33.27 ID:hhitb21Ro

紬「えーいっ!」ブン

シューーーーーゥ

「ンガァ」

「入りましたぁー!」

さとみ「おぉー!」

和「飼育員の人もノリがいいわね」

飼育員「それではお姉さんに拍手〜!」

パチパチパチパチ

紬「うふふ」

梓「すごい企画ですね・・・カバの口にキャベツ丸々一個放り込むなんて・・・」

唯「いいなぁ〜」

憂「お姉ちゃんは難しいと思うよ」

さとみ「そうねぇ、相当な腕力が無いと・・・むぎさん凄いわよ!」

紬「ちょっと自信が無かったんだけど、カバさんが誘導してくれたわ〜」

和「そんなに動いてなかったように見えたけどね」

唯「それじゃ、この後どうしよっか〜」

紬「長島スパーランドへ向かうにはまだ余裕があるわね〜」

さとみ「スパーランドへ行くの?」

紬「えぇ、先にさわ子先生たちが行ってるんだけど」

憂「たくさん乗るみたいですから、私たちはゆっくり行こうと思いまして」

さとみ「ふふ、そうなんだ」

和「さとみもどう?」

唯「一緒に行こうよ〜!」

さとみ「そうね、喜んでお供させていただくわ」

紬「やった!」

唯「ひゃっほう!」

憂「ふふ、お姉ちゃんったら」

紬「あら、あずさちゃんは?」

唯「あずにゃん?」

和「案内板みてるわ」

さとみ「どうしたのかしら?」

憂「梓ちゃーん」

梓「・・・ん?」

紬「みたい動物でもいるの?」

梓「いえ・・・、植物園エリアにも行ってみたいと思いまして」
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:21:28.84 ID:hhitb21Ro

さとみ「いいわね!」

和「行きましょうか」

唯「フラワーキャット!」

憂「えぇと」

梓「では行きましょう」

紬「唯ちゃん、キャッツの方がいいと思うわ」

唯「そうだね!」

紬唯「「 フラワーキャッツ! 」」

憂「え、えぇと・・・」
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:22:34.70 ID:hhitb21Ro

唯「もぉー、和ちゃんまで〜」ブー

紬「しょうがないわ、ゆっくりいきましょう」

憂「おいつくよ」

唯「3人ともヒドイんだから」ブー

紬「まぁ、キレイな花」ウットリ

唯「ラベンダーだね」

憂「ミソハギだよ・・・お姉ちゃん・・・」

唯「本当だ!」

緑「・・・」

紬「じゃ、これは?」

唯「ウイボウだよ」

憂「ハマボウだよ。幼い男の子扱いされた気分になったよ」

緑「・・・」

唯「あ、あれは?」

紬「ヒントはあずさちゃんね」

唯「ネコ・・・?」

憂「イ、イヌエンジュ・・・」

緑「・・・」

スタスタ

唯「話しかけて!?」

緑「・・・?」

紬「北上さんも来てたのね〜」

緑「・・・なにか用?」

憂「・・・」

唯「だってぇ、無視して通り過ぎて行かれるのは寂しいもん」

緑「・・・別に、どうでもいいわ」

憂「」ピキーン

紬「ここで会うって事は北上さんも動物が好きなんですか?」

緑「・・・紬さんは?」

紬「動物って無邪気で可愛いわ〜」

唯「可愛いよ〜」

緑「・・・・・・そうね。動物って正直だから」

唯「そっか、緑ちゃんも動物が好きなんだね〜、それでここに来たの〜?」

緑「・・・まさか、なんとなく来ただけ。観光地なんて適当に歩いているだけよ」

紬「なるほど〜、それも旅の楽しみのひとつよね」
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:23:11.93 ID:hhitb21Ro

緑「楽しくて・・・旅行しているわけじゃないわ」

唯「え、どういう事?」

緑「・・・」

紬「・・・?」

憂「・・・はっ」

緑「・・・きれいな花ね」

唯「そうだね〜」

緑「・・・これ、珍しい花ね」

憂「そうですね。北上さんはお花に詳しいんですね」

緑「・・・別に」

憂「」ピキーン

紬「この花たちは愛情をもらって育っているのね〜」

唯「そうか!だからこんなに美し・・・beautifulなんだね!」

緑「放っておいても育つ花はあるわ」

紬「そうね〜、生命力の強い花もあるわよね〜」

唯「和ちゃんたちに放っておかれた私たちみたいにね!」

憂「・・・はっ」

緑「・・・・・・でも、放っておいたら育たない花も多いわ、強い花ばかりじゃないもの」

唯「少し環境が違っただけで枯れてしまう花もあるからね」

緑「放っておかれて、誰も見てくれないのに・・・それでも育って」

紬「・・・」

緑「そんな花って美しい花を咲かせられると思う?」

憂「不可能ではないと思います・・・」

緑「でも、土が悪ければすぐにしおれて枯れてしまうかもしれないわ」

唯「・・・」

緑「だけど、誰もそんなこと気にしない・・・」

紬「・・・」

唯「?」

緑「・・・・・・何でもないわ、ひとりごとだと思って・・・」

紬「私も聞いていいかしら?」

緑「何?」

紬「人を拒む絶壁に咲いた花ってどう思います?」

憂「・・・!」

緑「・・・・・・よく分からないわね」

紬「どんなに人の目を引いても誰も近づくことができないってことです」
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:23:49.75 ID:hhitb21Ro

唯「花の方から近付いてくれたらいいのになぁ〜」

憂「お姉ちゃん・・・」

緑「・・・・・・花は、動けないわ」

紬「地道に絶壁を登るしかないのね。時々、花を見上げながら」

唯「人は動けるからね〜」

憂「・・・!」

緑「おかしなこと言うのね」

紬唯「「 ひとりごとだと思って欲しいな〜 」」

緑「真似しないでほしいわね」

紬「ごめんなさい」

唯「ごめんなさい」

緑「・・・・・・そろそろ列車に戻るわ」

紬「これからも・・・一緒に観光できたらいいですね」

唯「イヤ・・・かな?」

緑「・・・・・・気分次第ね」

スタスタ

紬「思ったより話ができたわね〜」

唯「そだね〜」

憂「紬さん・・・」

紬「なにかしら?」

憂「絶壁の花を北上さんに例えたのですか・・・?」

唯「そうだったの!?」

紬「うふふ」

和「見てたわよ」

梓「声かけられなかったです」

さとみ「憂ちゃん根性あるわよね・・・」

憂「?」

622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:24:52.72 ID:hhitb21Ro

澪「スピード感が最高だ・・・」フルフル

さわ子「私はもういいわ」グッタリ

律「た、助かった・・・」グッタリ

純「3回連続でもキツイですよね・・・」グッタリ

澪「ダメだぞ、律はあと2回だ!」キラキラ

律「連続はキツイって・・・他のも乗ったんだぞ・・・」グッタリ

澪「しょうがないな、フリーフォールで気分転換といこう」キラキラ

律「・・・・・・それだったらいいかな」

さわ子「いってらっしゃい」

純「わ、私は・・・」

さわ子「行ってきていいわよ、ここで待ってるから」

澪「さぁ行こう!」キラキラ

純「は、はい!」

タッタッタ

さわ子「・・・」

律「私ここにいるんだけど・・・」

さわ子「どうでもいいのかしら」

律「休むかな・・・」

タッタッタ

澪「こら!」

律「・・・行ってきます」

さわ子「はーい」

タッタッタ

「次なに乗る〜」

「弘子が決めていいよ」

さわ子「私も連続で乗る必要なかったのよねぇ・・・」

弘子「そうだな〜。ゆうくんは?」

ゆう「弘子と一緒ならなんでもいいよ」

さわ子「・・・」イライラ

弘子「やだ〜」

ゆう「フフ、じゃあお化け屋敷にしよう」

さわ子「いらいら」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:26:31.43 ID:hhitb21Ro

「お隣よろしいですか・・・?」

さわ子「・・・どうぞ」

「・・・」

さわ子「・・・」

「・・・」

さわ子「みらいちゃん・・・考えはまとまった?」

みらい「・・・はい」

さわ子「そう・・・」

みらい「・・・」

さわ子「・・・・・・どうするの?」

みらい「・・・」

さわ子「・・・」

みらい「大阪までいってみたいと思います」

さわ子「・・・・・・理由を聞いていいかしら?」

みらい「・・・・・・・・・唯さんと」

さわ子「・・・」

みらい「・・・・・・みなさんと・・・一緒にいたいから・・・・・・です」

さわ子「どうして一緒にいたいの?」

みらい「それは・・・分かりません。でもそうしたい理由があるはずなんです」

さわ子「・・・」

みらい「・・・もう少しで見つけられそうなんです」

さわ子「一緒にいたい理由が?」

みらい「・・・はい」

さわ子「・・・」

みらい「甘いでしょうか・・・」

さわ子「・・・どうでしょうね」

みらい「・・・」

さわ子「・・・」

みらい「・・・」

さわ子「あなたの人生よ。転ぶのも走るのもあなたの自由よ」

みらい「・・・自由って結構厳しいですね」

さわ子「当たり前じゃない。柵の中にいる羊が、柵を越えたらどうなるのか誰でも予想つくわ。全て自分に返ってくるんだから」

みらい「はい」

さわ子「その分言葉通りの自由が手に入るのよ」
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:27:14.87 ID:hhitb21Ro

みらい「はい、私頑張ります!」

さわ子「頑張りなさい」

みらい「ふふっ」

さわ子「・・・? どうしたのよ」

みらい「い、いえなんでもありません」

さわ子「隠し事は許さないわよぉ〜」

みらい「な、なんでもないですよっ!」

さわ子「ほれほれ、白状しなさい」ワキワキ

みらい「え、えぇと・・・あ」

さわ子「ごまかされないわよぉー!」ワキワキ

和「やめなさい」

スパーン

さとみ「教師を叩いた!」

唯「しかも和ちゃんが!」

さわ子「え!?」

梓「途中までいい話だったのに・・・」

憂「・・・そうだね」

和「そんな山中先生みたくありません」

さわ子「・・・はい、ごめんなさい」

紬「ボス・・・」

さわ子「むぎちゃんそれ気に入ってるの?」

紬「うふふ」

唯「みらいちゃん・・・」

みらい「唯さん・・・大阪までよろしくお願します」

唯「〜っ!」パァァ

憂「よかったね、お姉ちゃん」

唯「うん!」

和「嬉しそうね」

唯「あずにゃん!」ダキッ

梓「な、なんでこっちに来るんですか!」

唯「嬉しいから!」

梓「い、意味が分かりません!」ジタバタ

唯「あ〜ず〜にゃ〜ん」スリスリ

みらい「ふふ」

紬「うふふ、あら?」
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:28:26.96 ID:hhitb21Ro

澪「やぁ!みんな!」キラキラ

さとみ「わ・・・クールな澪さんが・・・」

律「お、さとみも来たのかー」

純「・・・」グッタリ

憂「純ちゃん大丈夫?」

純「澪先輩すごいよ・・・」

和「そのようね・・・」

澪「さぁ、次はどれにしようか!」キラキラ

律「私は回復したからジェットコースターでもいいぜ〜」

澪「いいや、スペースショットだな!」キラキラ

さわ子「あらら」

紬「まぁまぁ」

エレナ「オー!ミオさんがまたハイテンションですワー!」ジー

小麦「本当だー!」

澪「エレナさんと小麦!」パァァ

律「輝きが増した!」

修治「おぉ、これはすごいテンションだ」

和「3人とも一緒だったのね」

修治「地下街で捕まってね」

紬「あらあら」

さとみ「地下街って迷路みたいよね〜」

梓「夜に行ったら、シャッターで閉じ込められるくらいまで迷いそうです」

さとみ「ふふっ、そこまで迷わないわよ〜」

澪「みんな!スペースショットへ行くよ!」キラキラ

エレナ「オーケーですワ!」

小麦「ゴー!」

唯「あ〜ず〜にゃ〜ん」スリスリ

梓「むぎ先輩も行くんですか?」

紬「行きます!」フンス!

純「私も行く!」

憂「だ、大丈夫なの?」

純「負けてられない! 憧れの先輩放つ光に近づきたい!」

澪「アハハ」パァァ

和「確かに光放ってるわね」
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:29:57.10 ID:hhitb21Ro

さとみ「よ、よし!」グッ

修治「さとみちゃんも行くの?」

さとみ「い、行くわ!」

紬「行きましょ〜」

律「よっしゃー!」

みらい「さわ子先生・・・一緒にいたい理由分かりました」

さわ子「・・・」

みらい「私の夢に近づけそうなんです」

さわ子「夢・・・?」

唯みらい「「 私を応援してくれる全ての人を楽しませることができる。そんな人になること 」」

和「それって・・・」

憂「お姉ちゃんがみらいちゃんのファンになったきっかけの言葉だよね」

唯「そうだよ〜」エヘヘ

さわ子「そう・・・。でも険しいわよ〜」

みらい「・・・」

紬「おいで〜」

澪「・・・」ウズウズ

タッタッタ

律「待ちきれなくなって走った!」

さとみ「はやい!」

さわ子「行ってきなさい」

みらい「は、はい!」

唯「みんなまって〜!」

梓「ま、待ってください!」

タッタッタ
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:30:39.86 ID:hhitb21Ro

さわ子「あら、和ちゃんは行かないの?」

和「はい。憂が走っていったのは予想外ですけど」

さわ子「あら、私も行けばよかったかしら」

和「次は私も乗ってみようかな」

さわ子「まだ時間はあるわ・・・」

和「そう・・・ですね」

さわ子「あの子たちのお守りから開放されるのね〜」

和「寂しいってニュアンスが含まれてますね」

さわ子「だって寂しいもの」

和「ふふっ」

修治「俺も残ってるんですよ?」

さわ子和「「 あら 」」

修治「いたの? ですね。大丈夫ですよ。打たれ強くなりましたから」

和さわ子「「 いたの? 」」

修治「」グサッ

さわ子和「「 冗談よ 」」

修治「お見事・・・!」グッタリ
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:31:17.10 ID:hhitb21Ro

澪「これはな、グルグルと回ってピタッて止まるんだぞ」

律「分かんねーよ」

憂「頂上で座席が下を向いて止まるんですよね」

澪「さすが憂ちゃんだ」キラキラ

律「私が理解できなかったみたいじゃないかー」

梓「アトラクション強いね憂。スペースショットも大丈夫だったでしょ」

憂「うん。自分でも分からなかったよ」

さとみ「・・・」

紬「さとみさん大丈夫?」

さとみ「まだ慣れないわね。心臓がドキドキしてるわ」

憂「私もドキドキしてますよ〜」

唯「うい〜、大丈夫だよ。あずにゃんがついてるから」

梓「そこは姉として自分を持ち上げてくださいよ」

さとみ「梓ちゃんよろしく」

憂「よろしくね」

梓「えぇと・・・」

「次の方どうぞ〜」

澪「さぁ、行こうか」キラキラ

律「よーし」
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:32:07.60 ID:hhitb21Ro

紬「行くわよ〜」

さとみ「うぅ・・・でもこのドキドキが楽しい」

憂「そうですよね、いい緊張感です」

梓「・・・なるほど」

「はい、ここまでです」

唯「そんな!!」

憂「お、お姉ちゃん・・・」

唯「う〜い〜」ウルウル

憂「お姉ちゃん!」ウルウル

「えっと・・・」

梓「引き裂かれた姉妹みたいな演出しなくていいから」

憂「ふふ、一度やってみたかったの」

さとみ「・・・ハァ、私だけ緊張してるみたいで情けないなぁ」

紬「そんなことないわ・・・私の手首で脈を測ってみて」

さとみ「・・・」

ドックンドックン

さとみ「正常じゃないの!」

紬「そう?」

律「はは、私らは正常だな」

澪「・・・」キラキラ

律「いや、違うか」

唯「み〜ん〜な〜!」
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:33:51.51 ID:hhitb21Ro

修治「平沢さんだけ一緒に乗れないみたいだな」

エレナ「ザンネンですネ〜」

さわ子「今日花火開催日なのよね」

純「そうなんですか?」

和「えぇ」

みらい「晴れてよかったですね」

さわ子「あの子たち知らないのよね?」

小麦「そうみたいだね〜」

和「なにか企んでますか?」

さわ子「観覧車でドカーンよ」

修治「観覧車をドカーン!?」

ゴスッ

修治「いって!」

さわ子「犯行予告じゃないのよ」

エレナ「観覧車で花火をケンブツするのデスネ!?」

和「なるほど、それはいいですね」

純「絶景ですよ!」

みらい「でもあと2時間もありますけど、隠し通せますか?」

さわ子「ふふふ、大丈夫よ」キラン

小麦「おぉ!その作戦とは!?」

さわ子「これから花火という単語は使っちゃダメよ」

修治「使うと・・・どうなりますか?」

さわ子「一人で観覧車に乗せるわ・・・」ギャアアアア

和「」ゾクッ

エレナ「oh...」

修治「すげぇ・・・周りは家族やカップルだらけなのに・・・」

純「居心地悪っ!」

小麦「夜空を彩るいくつもの大輪・・・それを閉鎖された空間で一人で眺める・・・」

みらい「」ブルブル

さわ子「我ながら恐ろしい事を考えたものだわ・・・」

和「この空気だと修治が危ないわね」

修治「え!?そんな空気になってるの!?」
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:35:24.73 ID:hhitb21Ro

純「あー・・・」ウンウン

エレナ「・・・」フッ

小麦「・・・私じゃ修治くんを救えないよ」

みらい「・・・残念です」

さわ子「頑張ってね」

ポンポン

修治「え・・・あ、はい・・・やいや!納得させないでくださいよ!」

さわ子「面白そうだったのに」

修治「あぶねー」ヒヤヒヤ

純「あはは」

エレナ「アッハッハ」

和「でもあっち側からその単語が出たら・・・?」

さわ子「そうね・・・その子にも乗ってもらいましょうか」イッヒッヒ

修治「恐ろしい・・・」

みらい「唯さんたちはこの罰すら知らないのに・・・」

和「あ、澪が走ってこっちにくる」

さわ子「それじゃ、澪ちゃんが私たちに話しかけた瞬間からスタートよ」

エレナ小麦「「 sir BOSS 」」ビシッ

さわ子「サーじゃないって言ってるでしょ?」

澪「みんなっ!おまたせ!」キラキラ

和「うーん」

澪「どうした和?」キラキラ

純「慣れませんよね」

さわ子「そうねぇ」

エレナ「ハイテンションミオさんは私好きデスヨー?」

澪「あはは、ありがとう」キラキラ

純「爽やか!」

澪「それより次はホワイトサイクロンに乗ろうよ!」キラキラ

修治「ここの看板アトラクションだからね」

澪「そうそう。小麦パンフレット見せて?」キラキラ

みらい「!」

さわ子「出来るだけ隠しなさいよ」ヒソヒソ

小麦「は、はい・・・」ヒソヒソ

和「・・・」

小麦「ど、どうぞ」
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:36:18.71 ID:hhitb21Ro

澪「あ、こっちか!・・・あれ?」

純「」ギクッ

澪「8時から花」

タッタッタ

紬「澪ちゃーん、ちょっと待ってー!」

澪「ん?」

さわ子「隠れてない所あったわよ」ヒソヒソ

小麦「あわわ」ヒヤヒヤ

修治「他人事なのに・・・この緊張感」

みらい「見てるほうはハラハラしますね」

紬「唯ちゃんがいま乗ってるからもうちょっと待って」

澪「あはは、置いていったりしないさ」キラキラ

エレナ「心臓に悪いですワ」

澪「えぇと、なんだっけ?」キラキラ

修治「ホワイトハリケーンに乗るんだよね」

澪「ホワイトサイクロンだよ鳥羽さん。そう、ホワイトサイクロンに乗るんだ」キラキラ

和「うまいわね」

純「誘導したわけですね」

小麦「・・・」ガサガサ

紬「・・・?」

唯「うわ〜ん」シクシク

憂「お姉ちゃん元気出して」

律「しょうがねぇな〜」

さわ子「そんなに怖かったの?」

さとみ「いえ・・・」

唯「ひとりで乗るの寂しかったよ〜」シクシク

修治「スリルより寂しさが勝ったのか」

紬「次はみんなでのるから安心して唯ちゃん」

純「そうですよ」

唯「つぎ・・・?」

みらい「ホワイトサイクロンですよね・・・澪さ・・・ん?」

澪「・・・ぞ〜!」

律「もうあんな所にいる・・・」

梓「有名なアトラクションですよね」

エレナ「そうですワ」

さわ子「行きましょうか」

小麦「行こう行こう〜!」
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:37:35.07 ID:hhitb21Ro

「ねぇねぇ、お母さん・・・」クイクイ

母「なぁに?」

「8時までに観覧車に乗れるかなぁ?」

母「この分だと大丈夫よ」ウフフ

「よかったぁ」

唯「8時からなにかあるのかなぁ?」

憂「そうみたいだね」

さわ子「」ギクッ

純「ここにきて・・・」

澪「サイクロンと呼ばれるだけあったな!」キラキラ

律「メリーゴーランドにすればよかったかな」

澪「あはは、それじゃ次乗ろうか!」キラキラ

小麦「後楽園でも乗ったもんねー!」

エレナ「いいデスネー!」

紬「あずさちゃんも乗る?」

梓「みなさんが乗るなら乗ります!」フンシュ!

さとみ「みんなで乗れば恥かしくないわね」

みらい「そ、そうですね」

和「・・・」

唯「ねぇねぇ、和ちゃん。8時からなにがあるのかなぁ?」

和「花」

紬「ハックション!」

憂「紬さん、寒いですか?」

紬「鼻がむずむずしただけ・・・クシュンっ」

唯「そうだ、花と言えば動植物園であずにゃんに似た花があったんだよ〜」

梓「似てたとは・・・?」

唯「花の名前がネコエンジュっていってね」

憂「イヌエンジュだよ」

梓「・・・」

和「あ、危なかった・・・」サァー

さわ子「助けられたわね」

さとみ「?」

純「早く乗りたい!」ソワソワ

みらい「そ、そうですね!」ソワソワ
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:38:39.83 ID:hhitb21Ro

「さぁーどうぞー!」

エレナ「さぁ、早く乗るネ!」

律「な、なんで焦ってるんだよ?」

澪「楽しもうじゃないか!」キラキラ

小麦「さぁー乗った乗った!」

純「よしっ!」

「扉閉めますので気をつけてくださいね」

バタン

「次どうぞー!」

唯「乗るよみらいちゃん、うい、にゃん!」

憂「うん!」

みらい「はい!」

梓「鳴き声・・・」

「指を挟まないように気をつけてくださいね」

バタン

「さぁ、どうぞー」

和「ようやく乗れるのね」

さわ子「長かったわ・・・」

紬「?」

さとみ「?」

「ごゆっくりどうぞ〜」

バタン

・・・

エレナ「フゥ〜」

小麦「よかった〜」

律「ん?」

純「もういいんじゃないですかね?」

澪「なに?」キラキラ

エレナ「まだダメですヨ」

純「そ、そうですね」

小麦「あと4分くらいだね」
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:39:38.38 ID:hhitb21Ro

・・・

みらい「あと2分」

梓「ん?」

唯「みてみて!どんどん上がっていくよー!」

憂「アトラクションのイルミネーションがキレイだね」

梓「わぁ〜」パァァ

みらい「ふふ、・・・よかった」

・・・

さわ子「あと10秒!!」

和「テンション上がってきたわ」

さとみ「その落ち着きで!?」

紬「クールでホットなテンションはいつもハイよ」

和「そういう事」

さとみ「・・・分からない」

さわ子「8時!」

シュルルルルルルル

律「お!?」

澪「きたきた!」キラキラ

シュルルルルルルル

唯「おぉ!!」

憂「わぁ」

梓「!」

シュルルルルルルル

紬「たーまやー!」

さとみ「まだ咲いてないわ!」

ドドォーン

ドーン

ドドドドォーン

澪「・・・」ウットリ

律「これかぁ、隠してたのは」

純「そうです」

エレナ「アナウンスの時はみんな慌てましたネ〜」

小麦「そうだね〜」

律「さわちゃんが体を張って私たちの注目を集めてたもんな」
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:40:32.54 ID:hhitb21Ro

・・・

みらい「さわ子先生には色々な事を教えてもらいました」

唯「アレにはびっくりしたよ〜」

梓「・・・はい」

憂「忘れられないよね」

・・・

さわ子「この時のためよ!」

紬「おぉー、かっこいいさわちゃん!」

さとみ「な、なるほどぉ」

和「それにしても・・・」

・・・

小麦「あれ、カメラは?」

エレナ「預けましたネ」

純「結局予想通りの結末でしたねー」

小麦「あっはっは」

エレナ「アッハッハ〜」

澪「どうしたの?」

律「あぁ、アイツ遠慮してたもんな」

・・・

みらい「・・・残念です」

梓「しょうがないよ」

憂「ちょっとかわいそうな気も」

唯「おぉー!今のキレイ!!」

・・・

さわ子「彼見所あるわよ」

和「えぇ・・・」

紬「?」

さとみ「・・・?」
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:41:06.08 ID:hhitb21Ro

律梓さわ子「「「 一人で居心地悪そうだなぁ(ねぇ) 」」」


ドーン

ドドォーン

「「 おぉー! 」」

弘子「キレイ・・・」

「たーまやー」

修治「・・・これは」

ドォーン

ドドーン

「「 わぁー! 」」

ゆう「キミの方がキレイだよ」

「ふふ、た〜まや〜」

修治「・・・・・・キツイ」グッタリ
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:42:24.50 ID:hhitb21Ro

―――――展望車

律「よぉーし、みんな飲み物もったなー?」

唯「持ったよ〜」

梓「持ちました」

澪「・・・うん」

紬「持ったよ〜」

みらい「は、はい」

さとみ「わ、わたしもいいのかな」

さわ子「遠慮しないの」

純「持ちましたー!」

憂「はーい」

和「えぇ」

律「そっちはー?」

エレナ「持ってますヨ!」

小麦「うん」モグモグ

ちひろ「小麦さんまだ食べてはいけませんよ〜」

秋子「はーい!」

修治「・・・おぅ」グッタリ

律「それじゃー、カンパーイ!!」

一同「「「 カンパーイ! 」」」

唯「みんなで大宴会だね!」

律「そうだな!」

紬「この手羽先おいし〜」

澪「本当だ!」

梓「わ、私も!」

純「こ、これは!」

憂「エビフライおいしいね純ちゃん」

さわ子「名古屋コーチンの串刺しもおいしいわ」モグモグ

和「名古屋名物揃ってますね・・・」

車掌「ふふ、喜んでいただけて嬉しいです」

紬「あ、車掌さん。展望車貸切にしてくれてありがとうございます」

律「料理までいいのか・・・いいのですか?」

コック「あぁ、ライブ成功したからな。他の乗客も楽しめたみたいだ」

さわ子「でも、それだけじゃない」
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:43:14.56 ID:hhitb21Ro

車掌「それが大きかったみたいです。上に報告した所、手厚くお礼をして差し上げろと・・・」

律「上の連中分かってんじゃん!」

澪「こら!」

コック「そういうこった。昼の件もあるしな」

律「あれは小麦と修治が・・・」

コック「小麦たちが・・・だ」

さわ子「ふーん・・・」

けさみ「女の子にこんなの持たせないでくださいよぉ〜」

その子「そうですよ」

律「あ、ウェイトレスさんその2」

澪「こら!人を記号で呼ぶな!」バシッ

その子「ひどいですね」

澪「す、すいません」

律「ご、ごめんなさい」

その子「私も混ぜてもらっていいですか?」

律「え、あ・・・どうぞ!」

澪「う、うん!」

その子「ふふ、ありがとう」

けさみ「ずるい〜!」

コック「羽田はライブに参加したからな」

けさみ「・・・」ムー

コック「重くないのか?」

けさみ「あ、みなさん失礼しますね」

ドン

唯「おぉ!お頭つきだよ!」

和「鯛ね・・・」

コック「じゃあな」

スタスタ

律「ありがとー!」

純「ここまでしてもらっていいのかな・・・」

さとみ「わたしなんてライブで騒いだだけよ」

秋子「わ、わたしもですよ〜」

車掌「ライブを盛り上げてくれましたよ」

紬「みんなの声援があったおかげで頑張れたの!」
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:43:53.25 ID:hhitb21Ro

律「そうだな」

澪「うん」

梓「そうです」

唯「もぐもぐ」ウンウン

和「・・・そう」

純「じゃ、遠慮なく!」

ヒョイ

梓「あ、わたしの天むす!」

純「へへ〜」モグモグ

紬「はい、あずさちゃんひまつ・・・つ・・・まぶしよ」

梓「ありがとうございます」

律「そんなに言いにくいか?」

澪「慣れたらそうでもないけど・・・な」

修治「・・・」グッタリ

律「・・・しょうがないな」

澪「ん?」

律「なにくたびれてんだよ!」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:44:37.33 ID:hhitb21Ro

修治「あぁ・・・さっきの花火大会でな・・・フッ」

律「これ食べて元気出せ」

修治「ん、生姜飴?」

律「私が風邪ひたとき車掌さんがくれたんだよ。元気出るぜー」

修治「いや、身体的じゃなくて・・・だな」

律「いいからくえ」

修治「あぁ、・・・苦」

律「それ食べてろ」ウシシ

修治「料理に手が出せない!」

その子「これおいしいですよ」

ちひろ「これもどうぞ〜」

修治「あ、ありがとう・・・」コロコロ

梓「ひどい事しますね」

律「いいって、元気出てるだろ?」

さとみ「ふふ、そうね」

澪「あの状況じゃダメージも受けるよな・・・」

純「」ゾクッ

憂「」ゾクッ

律「おぉ、自分と入れ替えたら凄く怖くなった・・・」

澪「」ブルブル

さわ子「むぎちゃん、これもおいしいわよ」

紬「ほんと〜。なんていう料理なんですか?」

さわ子「どて煮っていうらしいわ」

律「料理長なんでも作れるな・・・」

みらい「おいしい・・・」

憂「お姉ちゃん、鯛のお刺身どう?」

唯「うまい!」
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:45:10.02 ID:hhitb21Ro



さわ子「あの御もてなしの理由はそれだけじゃないわよね?」

車掌「えぇ、実はTV局と飯山みらいさんが所属していた事務所で良くない噂が立っていまして・・・」

さわ子「よくない噂?」

車掌「詳しくは存じませんが・・・。その件にみなさんを巻き込んでしまったのでそのお詫びという形なんです」

さわ子「・・・」

車掌「詳しく話せないので心苦しいですが・・・」

さわ子「いいえ、あの子たちの思い出になるならそれに越した事ないわ。ありがと」

車掌「・・・」ホッ

さわ子「じゃあ小麦ちゃんと修治くんの手柄はかなり大きいのね」

車掌「はい。みなさんの情報が漏れると私たちがTV局に許可を出した事に責任になりますから」

さわ子「・・・みんなを守ってくれて・・・。感謝するわ」

車掌「いえ、当然の事です」
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:46:53.98 ID:hhitb21Ro

澪『あっはっは、ダメだな律は〜』キラキラ

律『・・・ちょっと疲れただけだよ!』

和『ホワイトサイクロン・・・人類が生み出した芸術ね』

唯『おぉ!和ちゃんのテンションがあがってる!』

純『そうなの?』

憂『うん!』

さとみ「やっぱり普通にみえるんだけどなぁ・・・」

エレナ「私も、見分けがつきませんネ」

ちひろ「すこ〜しだけ頬が緩んでませんか〜?」

律「ん〜?」

和「ちょっと、恥かしいんだけど」

澪「ものすごく恥かしい・・・」

さわ子「撮った映像がすぐにTVで見られるなんていいわね」

車掌「乗客の方の要望がありましたので」

紬「なるほど〜」

純「2.3時間前の事なのに・・・なんだろ・・・」

憂「変な感じだね〜」

小麦『そんじゃ、次はなに乗ろうか!?』

エレナ『小麦のテンションも上がってますワ』

さわ子『A.ロックンロールはどう?』キラン

澪『どういう乗り物!?』

律『グルグル回るヤツだ』

澪『じゃあダメだ!』キラキラ

さわ子『』ガーン

梓『その情報だけで判断できるんですね』

修治『ジャンボバイキングは?』

澪『どんな乗り物!?』

修治『160人で乗る海賊船』

律『ちゃんと説明しろよ』

澪『行こうか!』キラキラ
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:47:23.52 ID:hhitb21Ro

さわ子『感覚で決めてるわねこの子』

紬『でも好きそうなのを判別できてます』

純『すご・・・』

澪『行くよ!』

タッタッタ

さとみ『わ、また走って行った』

律『どこからそのエネルギーは沸いてくるんだよっ』

秋子「元気ですね〜」

その子「楽しそう」

澪「もういいだろ、や〜め〜ろ〜」ジタバタ

律「私らはそれに振り回されたんだからな。我慢しろ」ガシ

小麦「あはは」

みらい「ふふ」

さとみ「・・・」スッ

梓「・・・?」

さとみ「・・・」テクテク

和「・・・」

紬『大きな乗り物ね〜』
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:48:23.36 ID:hhitb21Ro

さとみ「・・・ふぅ〜」

梓「・・・どう・・・したんですか?」

さとみ「あら、梓ちゃん・・・ちょっと熱を冷ましにね」

梓「そう・・・ですか・・・」

さとみ「梓ちゃんこそどうしたの?」

梓「えぇと・・・」

さとみ「こっち風が気持ちいいわよ〜。どうぞ座って」ポンポン

梓「は、はい・・・」

チョコン

さとみ「みんないい人たちね〜」

梓「はい」

さとみ「・・・もぅ。どうして硬くなるの?」

梓「昨日あったばっかりですから」

さとみ「ふふっ、それじゃあ・・・どうして話しかけてくれたの?」

梓「・・・分かりません」

さとみ「ふふっ、9人全員ね」

梓「?」

さとみ「なんでもない」

サヤサヤ

梓「・・・昼の動植物園と同じ風のような気がします」

さとみ「そうなんだ」

梓「・・・」

さとみ「・・・ふぅ」

和「どうしたのよ?」

梓「あ・・・」

さとみ「和さんもどう?」ポンポン

和「そうね・・・中はみんなが騒いで熱気がすごいから。涼んでいこうかしら」

梓「みなさんはしゃいでますよね」

さとみ「楽しくていいな」

和「私たち明日の朝帰るからね。その分も楽しんでおかないとね」

梓「あ・・・そっか」

さとみ「そうね。楽しい時間はあっという間よね・・・」

和「・・・」
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:51:04.41 ID:hhitb21Ro

さとみ「和さんが言った言葉の意味を私なりに考えたんだけど・・・聞いてくれる?」

梓「?」

和「えぇ」

さとみ「『特別視されるのが嫌なら、むぎさんを見ているといい』・・・」

梓「むぎ先輩・・・?」

和「・・・」

さとみ「私ね優等生というレッテルを貼られていると思ったの
    学級委員長に選ばれるのはいつも私。『千歳さとみ』に任せれば大丈夫」

和「・・・」

さとみ「そう言ってくれるのが嬉しかったから、もっともっと頑張ったの」

梓「・・・」

さとみ「・・・でも、いつの間にか優等生の私が一人歩きしてて・・・本当の私はどこなんだろ〜っていっつも思ってた」

梓「・・・」

さとみ「それで、駅のホームでヴェガをみつけて、気がついたら飛び乗ってた」

和「へぇ・・・」

さとみ「最初に声をかけてくれたのがむぎさんじゃなかったら、乗り続けなかったな・・・」

梓「そうだったんですか・・・」

さとみ「話が逸れてしまったわね。それで和さんの言葉を聞いて、むぎさんを見てた」

和「・・・」

さとみ「むぎさんは自分でどんどん踏み込んでいってる」

梓「・・・そうですね」

さとみ「作曲もして、一発芸にも積極的で、ふふっ、カバさんの餌やりをしたくて一生懸命走って」

和「・・・えぇ」

紬「・・・」テレッ

さとみ「そんなむぎさんを見てると・・・今まで殻を作って守ってたのは私なんだなって」

梓「・・・守ってた?」

さとみ「えぇ・・・殻を破る事で、周りの目が変わってしまうのが怖くて・・・それでもそこが心地いいから動きたくなくて」

和「・・・」

さとみ「そのくせ、優等生と言われる度にそんなの私じゃないって心の中で叫んで」

紬「・・・」

さとみ「私・・・あの場所から逃げてただけなのよね」

和「知らない人しかいない場所・・・」

さとみ「・・・そう。そこへ行けば自分が出せると思ってたの」

梓「で、でも・・・」

さとみ「でも・・・このままじゃどこへ行っても同じよね」
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:51:44.36 ID:hhitb21Ro

梓「ち、違います」

さとみ「?」

紬「この旅はどうですか?」

和「むぎ・・・」

梓「むぎ先輩・・・」

さとみ「とーっても楽しいっ!」

紬「そう・・・よかったわ〜」ニコニコ

さとみ「ふふ、みんなといると、とても楽しくて・・・自分を素直に出せてる気がしたわ」

紬「そういう事よね?あずさちゃん」

梓「は、はい!」

さとみ「?」

和「ふふ、そうね」

梓「さとみさんは楽しい人です!だから・・・そんなさとみさんなら・・・」

紬「同じ場所でも、変わっていくと思うわ」ニコニコ

さとみ「!」

和「・・・」

さとみ「和さんの言葉の意味。分かったなんて言ったけど・・・分かってなかったのね。
    線をひいて人が近づいてこれないようにしていたのは私だったのよ」

和「・・・」

さとみ「あーぁ、たった3日間でここまで私を分かってくれる人に出会えたのにな〜」

紬「?」

和「今話したのは・・・」

さとみ「うん・・・時間切れだから。さっき学校から連絡があって明日戻らなくちゃいけなくなったの」

梓「え・・・」
    
紬「・・・」

さとみ「和さんがまた来てくれて本当に良かった。じゃなかったら梓ちゃんともここでお話できなかった」

梓「・・・」

さとみ「むぎさんとも・・・」

和「・・・そう」

さとみ「そういう事だから私も明日で降りる。旅に出た理由が悪いけど」

梓「道中が楽しかったなら」

さとみ「そう、それでよかったのよ・・・きっと」
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:52:53.86 ID:hhitb21Ro

和「・・・」

紬「・・・」ションボリ

さとみ「むぎさんに聞きたいことがあるの」

紬「・・・?」

さとみ「むぎさんが旅に出た理由ってなにかな?」

梓「・・・?」

和「?」

紬「旅に出た・・・理由・・・」

さとみ「・・・そ、そんなに深く考えないで!ただ聞いてみたかっただけだから」

梓「・・・」

和「・・・」

紬「私は・・・さとみさんが言うような理由はないの」

さとみ「・・・?」

紬「私はみんなと旅行がしたいからヴェガに乗っただけ」

さとみ「・・・そっか」

梓「不思議ですね・・・」

紬「?」

和「・・・?」

梓「・・・いつからか旅と呼ぶようになっていました」

さとみ「・・・そうね、不思議・・・」

紬「不思議ね」

梓「どうしてですかね」ハテサテ

さとみ「梓ちゃんにも聞きたいことが」

梓「はい・・・?」

さとみ「どうして話しかけてくれたの・・・?」

梓「そ、それは・・・なんとなくあの人に似ていると思ったからです」

さとみ「あの人・・・?」

紬「・・・なるほどぉ」

和「なるほどね」

さとみ「だ、だれ・・・?私の知ってる人?」
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:54:03.67 ID:hhitb21Ro

律「今は笑ってるぞ」

澪「・・・うん」

さわ子「覗き見するなんていけない子たちね」

純「本当ですよ」

小麦「そういいながら2人とも見てるじゃん」

エレナ「小麦もデスネ」

憂「エレナさんもですよ〜」

唯「ういは見ないの?」

憂「お姉ちゃん、ダメだよ!」メッ

唯「はーい」

修治「・・・」

律「やっば!」

澪「こっちくる!」

さわ子「ビデオ再生!」

秋子「はーい!」

ピッ

純「・・・」

小麦「・・・」

エレナ「・・・」

和「まだ見てたのね」

さとみ「あら?」

澪『あっはっは、ダメだな律は〜』キラキラ

律『・・・ちょっと疲れただけだよ!』

和『ホワイトサイクロン・・・人類が生み出した芸術ね』

唯『おぉ!和ちゃんのテンションがあがってる!』

紬「さっきと同じシーンを見ているの?」

律「そうだよー」

澪「何回見ても飽きないなぁ」

さわ子「秋子ちゃん」

秋子「えーと・・・」

修治「メリーゴーランドの所がいいんじゃないかな?」

秋子「はーい!」

ピッピッ

律「修治、ナイス!」

梓「ナイスって・・・?」
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:55:22.95 ID:hhitb21Ro

澪「バ、バカ!」

和「・・・ふ〜ん」

憂「ここ面白いですよ!」

唯「うん〜」

律『澪はメリーゴーランドに乗るといっつもテンション下がるのな』

澪『あぁ、うん』

純『カッコいいですよ澪先輩』キラキラ

さわ子『なんで私も乗るのよ〜』

修治『いいじゃないですか・・・楽しい・・・ですよ・・・』グッタリ

エレナ『楽しくなさそうですネ〜』

唯『単調だなぁ』

憂『お姉ちゃん交換する?』

紬『うふふ』

梓『楽しいですね、むぎ先輩』キラキラ

律『二人乗りか』

澪『あぁ、二人は楽しそうだな・・・特に梓が・・・』

さわ子『むぎちゃんよく落ちないわねぇ』

紬『コツがあって〜』

唯『う〜い〜、やっぱりこれも単調だよぉ〜』

憂『そうだよねぇ』

エレナ『そろそろ小麦地点ですワ』

純『今度こそ!』

梓『さっきは鳥羽さんがとりましたよね』

修治『おいしかったぜ』

澪『みんな落とすなよ』

エレナ『来たネ』

小麦『そーれ!』

ヒュー

律『あーん』パクッ

純『食べられたか・・・』

律『うまいな・・・なにこれ・・・』モグモグ
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:56:29.56 ID:hhitb21Ro

エレナ『鯉の餌ですワ』

律修治『『 ゲホッゲホッ 』』

梓『よかった・・・』

純『ほんとに・・・』

澪『汚しちゃダメだぞ・・・』

紬『覇気も無くなったのねぇ』

律「馬鹿だな〜私ら」アハハ

さわ子「このあと係員に怒られたのよ〜」

純「当然だと思います」

修治「あーぁ・・・」

さとみ「はじめて見たかのような感想ね」

律「」ギクッ

和「わ、私・・・律に聞いて欲しい事があってみんなに相談してたんだけど・・・聞こえちゃったかな・・・」

唯「和ちゃん?」

律「いや、聞こえなかったぞ!?なんてい・・・った・・・」

澪「バカ律・・・」

さわ子「今のはしょうがないわ」

さとみ「覗き見してたのね〜」

律「いや、違う・・・エレナと小麦も弁解しろ・・・いないし・・・」

秋子「さっき出て行きましたよ〜」

唯「忍者みたいだったよ!」

憂「お姉ちゃん見てたの?」

唯「うん」

純「気づかなかった・・・」

紬「えいっ」

ポコッ

律「った・・・ん?」

さわ子「ボール?」

さとみ「いいもの持ってるわね」

紬「うふふ、車掌さんに貸してもらったの」

澪「枕投げの代わり・・・?」

梓「えいっ」

ポコッ

純「った・・・梓?」
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:57:48.98 ID:hhitb21Ro

梓「ふっふ〜ん」

律「このっ」

ポコッ

唯「いった・・・もぉー!えいっ」

澪「なんで私に・・・」サッ

律「甘い」

ポコッ

澪「っ・・・仲間じゃないのか!」

律「今日の敵は明日も敵だ!」

修治「そのまんまだな」

さわ子「若いわねぇ」

秋子「先生も参加しないんですか?」

さわ子「ここで見守ってるわ」

修治「俺も」

秋子「じゃあ、私も」

みらい「後片付け終わっ」ポコッ

さとみ「あらら、無害な人に当ててしまったわ」

純「私ら有害ですか。えいっ」

さとみ「ふふっ、テニス部員の動体視力を甘く見ないことね」サッ

純「くー!文化部負けるな!」

律澪唯紬「「「「 おぉー!! 」」」」

さとみ「あれ?ちょっと、一斉に投げるのはダメよっ!」

梓「助太刀します」

唯「あずにゃん、お前もか!えいっ」

梓「甘いですよ」サッ

ポコッ

さとみ「うっ」

梓「あっ・・・」

さとみ「なるほど、スパイだったのね」

梓「ち、違いますよ!」

さとみ「直接成敗!」

ワシャワシャ

梓「じ、事故ですよっ!」
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:59:03.89 ID:hhitb21Ro

澪「今のうちだな。えいっ」

ポコッ

律「っ・・・。フッ・・・なるほど・・・」ジリ

澪「先ほどの裏切り忘れたわけじゃないよな」ジリ

律「裏切り・・・?ここは戦場だぜ?」ジリ

澪「ふっ、そうだったな」ジリ

紬「えいっ」

ポコポコッ

律澪「「 うっ 」」

和「・・・」サッ

ヒュー

和「・・・」バシッ

純「真鍋先輩に当たらない・・・」

みらい「・・・みなさんなにしてるんですか?」コソコソ

憂「枕投げです」

さわ子「そう。ボールに変えてね」

修治「嫌な予感がしてきた・・・移動しよう」コソコソ

秋子「先生・・・あれみてください」

さわ子「え?・・・あ」

憂「小麦さんがボールを供給していたんですね」

みらい「エレナさんは撮影してます」

さわ子「みらいちゃん行きなさいよ」

憂「あ・・・」コソコソ

秋子「あ・・・」コソコソ

みらい「ど、どうしてですか?」

さわ子「夢を叶えるためよ」

みらい「! そうですね!」ガタ

さわ子「いきなり立ったりしたら!」

みらい「あ・・・」

律「撃てー!」
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:00:13.54 ID:hhitb21Ro

純「そりゃー!」

澪「えいっ」

唯「それっそれっ」

ポコポコ

みらい「え、った」

さわ子「この子に手出しさせないわ」ドドン

純「やぁっ」

ポコッ

さわ子「うっ」

ポコポコポコポコッ

律「へへーんだ」

和「撃ち方やめ・・・」

さわ子「フフフ」

みらい「さわ子・・・先生・・・?」

紬「遊びはおしまいね!」

澪「片付けよう!」

唯「そだね」

梓「はい」

さとみ「ふふ、楽しかったわ」

純「そうですね。最後に楽しめました」

さわ子「何も無かった事にしていいと思ってるの?」ゴゴゴ

律「悪かったって〜」

さわ子「謝って許されると思ったら大間違いよ?」

紬澪梓さとみ純「「「「「 ごめんなさい 」」」」」

さわ子「大間違いって言ったでしょぉおー!」

和「和をもって貴しとなす、ですよ」

憂「キレイに纏めたね」

655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:01:40.50 ID:hhitb21Ro


さわ子「みんな集まったわね」

律「もう寝る時間だぞ〜」

澪「何を・・・?」

さわ子「隣の売店車に移動するわよ」

紬「?」

純「一体なにを始めるんだろ」

梓「さぁ・・・?」

唯「ギター・・・いや、勉強の時間だったのに・・・」

憂「ギー太をもってそれ言っても説得力ないよお姉ちゃん」

和「・・・」

ちひろ「あら〜?みなさんまだ起きてたんですね〜」

澪「ちひろさんもまだお仕事ですか・・・?」

ちひろ「はい〜。明日の準備するの忘れてましたから」

しのぶ「まったく・・・」

律「あ、娯楽車の・・・」

しのぶ「神岡しのぶです。この人に付き合ってあげてるの」

ちひろ「ごめんねしのぶちゃん」

紬「まぁ、大変ですね」

しのぶ「いいですよ。いつもの事ですから」

さわ子「ちひろちゃん、紙あります?」

ちひろ「これでいいですか〜?」

さわ子「それで結構です。ありがとう」

唯「さわちゃんなにしてんの〜」

さわ子「個室はむぎちゃんの部屋、梓ちゃん、唯ちゃん、澪ちゃん、りっちゃんの5部屋と」カキカキ

紬「?」

さわ子「1〜4を二枚づつ」カキカキ

和「部屋の割り当てをシャッフルするって事ですか?」

さわ子「その通り。それで5が一枚ね」
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:02:43.67 ID:hhitb21Ro

澪「私たちもシャッフルするのか」フムフム

唯「おぉ、面白い!」

さわ子「この紙をしゃかしゃか」シャカシャカ

憂「なるほど」

さわ子「今更なんだけど、どうして唯ちゃんはギター持ってるのよ」シャカシャカ

唯「? ギターの練習するからだよ?」

和「勉強しなさいよ」

さわ子「そうじゃなくて、どうしてヴェガに持ち込んでいるのよ」シャカシャカ

唯律澪梓「「「「 いまさらーっ!? 」」」」

純「そういえばそうですね」

紬「あらあら」

しのぶ「ふふっ」

ちひろ「本当ですね〜」

唯「私の愛おしい人だからです」ギュ

憂「お姉ちゃんったら・・・」ニコニコ

さわ子「澪ちゃんは・・・?」

澪「り、律が聞いたからです」

さわ子「そう・・・。ライブを二回も開いたからなにか意味があるのかと思ったわ。はい一枚づつ引いて」

紬「意味・・・」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:03:39.48 ID:hhitb21Ro

純「なんだかドキドキする」ヒョイ

梓「う、うん」ヒョイ

律「5は嫌だな・・・」ヒョイ

唯「寂しいよね〜」ヒョイ

和「・・・そうね」ヒョイ

澪「5以外で・・・」ヒョイ

憂「・・・5以外でお願します!」ヒョイ

紬「・・・意味・・・・・・」ウーム

さわ子「最後はむぎちゃんよ」

紬「あ、はい」ヒョイ

さわ子「さぁ開いて」

唯「」ガーン

純「3」

梓「2」

律「3」

澪「1」

和「4」

憂「4」

紬「1」

さわ子「2・・・私と梓ちゃんね」

梓「はい」

憂「和さんとだ!」

和「よろしく」

紬「澪ちゃんとね」

澪「うん」

律「よろしく小次郎さん」

純「佐々木で!ちがっ、鈴木です!」

唯「」ガーン
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:06:40.34 ID:hhitb21Ro

和「電気消すわよ」

憂「はーい」

カチッ

和「・・・」

憂「・・・」

和「・・・車掌さんからのメッセージよく読み取ったわね」

憂「純ちゃんが、コメントがおかしいって・・・それで気付けたんだよ」

和「・・・そうなんだ。おかげで楽しめたわ。ありがとう」

憂「ううん。私も楽しかったよ・・・」

和「・・・」

憂「・・・」

和「唯、くるかもね・・・」

憂「ふふ、そうだね」

和「・・・3人は狭いわよ?」

憂「・・・私が移る?」

和「なんとかなるでしょ」

憂「・・・そうだね」

和「見違えたわね」

憂「お姉ちゃん?」

和「そう・・・唯が」

憂「うん・・・」

和「いい旅をしてるのね」

憂「そうだね・・・」
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:07:07.34 ID:hhitb21Ro

和「あと・・・」

憂「ふふっ」

和「・・・なに?」

憂「和ちゃん、よくしゃべるなぁって・・・」

和「・・・」

憂「あ、ごめんなさい」

和「違うわ。確かにそうね・・・」

憂「怒ってない?」

和「どうして?」

憂「ううん。ならいいんだ」

和「・・・そう」

憂「・・・」

和「・・・」

憂「・・・」

和「・・・」

憂和「「 来ない(わ)ね 」」

憂「ふふっ」

和「ふふ」
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:07:56.01 ID:hhitb21Ro

律「消すぞー」

純「はーい」

律「よし」モゾモゾ

純「いや、消してくださいよ」

カチッ

律「おつかれ」

純「無駄な手間だと思いません?」モゾモゾ

律「くかー」

純「うわ・・・くかーって寝息初めて聞いた」

律「・・・」

純「・・・」

律「りこぴーん」

純「ブフッ」

律「しずかにしてくれない?」

純「ひどい・・・」

律「・・・」

純「・・・」

律「りこぴんぴん」

純「・・・」

律「ザーサイ」

純「ブフッ」

律「あのな佐々木・・・」

純「なにがしたいんですか・・・鈴木です」

律「・・・」

純「・・・」

律「なにがしたいのか分からない鈴木です」

純「くっつけないでください」

律「・・・」

純「・・・・・・」

律「・・・・・・」

純「あれ?」

律「・・・ん?」

純「ネタぎれですか?」
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:11:28.65 ID:hhitb21Ro

律「眠りの妨げになってるんだぞ?」

純「・・・」

律「まったく」

純「・・・ひどい」

律「・・・」

純「・・・」

律「ザーサイ二つ」

純「ブフッ」

律「そうか・・・そんなに私とおしゃべりしたいのか」

純「・・・」

律「・・・」

純「・・・」

律「ザサーイ」

純「・・・ッ」

律「ふむ・・・」

純「・・・」フゥ

律「ザーサ」

純「ザーサイから離れてくださいよ」

律「・・・」

純「・・・」

律「・・・」

純「・・・・・・」

律「」ウトウト

純「・・・律先輩」

律「ぅん、ん?」

純「あ、すいません。起こしちゃいました?」

律「眠りに落ちる所だったけど。何?」

純「・・・少し話していいですか?」

律「いいぞー・・・、ふぁ」

純「ちょっとだけ・・・律先輩はどこから乗車したんですか?」

律「仙台から」

純「列車の旅行ってどうですか?」

律「・・・すっごい楽しい」

純「・・・」

律「乗ったそうそうドラム叩いたんだぜ」

純「・・・」
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:12:06.57 ID:hhitb21Ro

律「東京で梓が一旦降りて代わりに憂ちゃんが乗ってきて、松本で降りて、和が乗って」

純「・・・」

律「金沢で降りて、さわちゃんが乗ってきて・・・名古屋でみんな乗った」

純「・・・」

律「そして今日、ライブまでしたんだ」

純「・・・」

律「乗客のみんなとも仲良くなれた。これで楽しくないわけが・・・あれ?」

純「聞いてますよ」

律「・・・」

純「・・・・・・」

律「つまんなかった?」

純「いえ・・・なるほどーと思いました」

律「・・・」

純「梓も憂も真鍋先輩も楽しそうにヴェガの話をしていて」

律「・・・」

純「それで、今日一日みなさんと一緒にいたことを思いなおしていたら」

律「・・・」

純「なるほどーって」

律「そっか」

純「はい」

律「寝るのがもったいねーってなるよな」

純「さっき眠りかけてましたよね」

律「はは、さすがに体がなぁ」

純「そうですね。それなのにベッド譲ってもらってすいません」

律「いいって・・・」

純「・・・」

律「おやすみ・・・」

純「はい・・・おやすみなさい」

律「・・・」

純「・・・」ゴロン

律「」ウトウト

純「・・・」ジー

律「」スヤスヤ

純「・・・」

律「」スヤスヤ

純「なるほどなー」ボソッ
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:13:23.99 ID:hhitb21Ro

梓「消しますよ?」

さわ子「ちょっとまって」モゾモゾ

梓「・・・」

さわ子「いいわよー」

カチッ

梓「・・・ふぁ」

さわ子「・・・」

梓「唯先輩寂しがってますかね」

さわ子「多分・・・ね」

梓「ですよね」

さわ子「・・・」

梓「・・・」モゾモゾ

さわ子「気になるの?」

梓「・・・はい」

さわ子「様子見に行く?」

梓「いいですよ。ギターの練習してそうですから」

さわ子「そうよねぇ」

梓「・・・」

さわ子「本音は?」

梓「行きたいです」

さわ子「ほぅ」

梓「でも他の乗客にも迷惑かかりそうで」

さわ子「じゃ、そっとしておきましょう」

梓「・・・」モゾモゾ

さわ子「素直なのかそうでないのか分からない子ねぇ」

梓「うっ」

さわ子「来たら部屋に入れたらいいじゃない」

梓「そうですね」

さわ子「・・・」

梓「・・・」

さわ子「さとみちゃん、悩みの事言ってた?」

梓「知ってたんですか?」

さわ子「ちゃんとは知らないわ」

梓「・・・」

さわ子「・・・誰かにそれを言ったのならそれでいいのよ」
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:14:30.20 ID:hhitb21Ro

梓「・・・でも、時間切れで明日の朝降りちゃうそうです」

さわ子「そう・・・」

梓「・・・」

さわ子「自分で決めたんならしょうがないわ」

梓「・・・」

さわ子「・・・」

梓「・・・」モゾモゾ

さわ子「納得してないみたいねぇ」

梓「うぅ」

さわ子「・・・どうしてそんなに気にかけるのよ」

梓「さとみさんがいい人だから・・・です」

さわ子「昨日会ったばかりじゃない」

梓「私たちの曲を楽しんでくれた人です」キリ

さわ子「あら・・・」

梓「冗談です」

さわ子「あらら」

梓「むぎ先輩たちとの接し方をみればそうなんじゃないかって」

さわ子「・・・」

梓「・・・」

さわ子「来て正解だったわ」

梓「え?」

さわ子「あなたたちの成長ぶりを間近でみられたもの。これ以上の」

梓「・・・?」

さわ子「なんでもない・・・忘れて」

梓「これ以上のなんですか?」

さわ子「寝るわよ」

梓「気になって眠れません」

さわ子「読み取りなさいよ」

梓「・・・」

さわ子「・・・」

梓「読み取れませんでした」

さわ子「古いデータじゃないんだから」

梓「・・・」

さわ子「・・・ふぁ」
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:15:23.70 ID:hhitb21Ro

梓「さわ子先生」

さわ子「教えないわよ」

梓「いえ、どうしてみらいのプロデュースしたんですか?」

さわ子「・・・」

梓「・・・」

さわ子「・・・そうね。梓ちゃんはヴェガの乗車証を貸してくれたから・・・教えてあげるわ」

梓「・・・」

さわ子「私の生徒が傷つけられたからよ」

梓「・・・!」

さわ子「許せないと思ったけど・・・」

梓「けど・・・?」

さわ子「あの子は・・・あの子たちは自分で立ちあがったわ」

梓「・・・」

さわ子「それ見てたら、そんなのどうでもよくなって、応援したくなったって訳」

梓「・・・」

さわ子「らしくないわね。今のも忘れてちょうだい」

梓「・・・はい」

さわ子「・・・やけに聞き分けいいわね」

梓「先生ですから」

さわ子「・・・」

梓「おやすみなさい」

さわ子「そうね・・・もう一つだけ教えておくわ」

梓「・・・?」

さわ子「さとみちゃんはむぎちゃんがなんとかするみたいよ」

梓「なんとか・・・?」

さわ子「それは知らないけど、さっき何か考えていたわね」

梓「・・・気付かなかったです」

さわ子「・・・その時、むぎちゃんと手助けしてあげなさい」

梓「?」

さわ子「とても楽しかったわ。ありがとね梓ちゃん」

梓「・・・!」

さわ子「おやすみ」
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:17:02.45 ID:hhitb21Ro

紬「消しま〜す」

唯「はいよー」

カチッ

紬「おやすみなさ〜い」

澪「おやすみ・・・」

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「・・・」モゾモゾ

紬「・・・」

澪「唯・・・狭くないか?」

唯「ううん、澪ちゃんあったかいよ?」

紬「まぁ・・・」

澪「今、夏の夜なんだけど」

唯「そうだね」

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「寝ちゃうの?」

紬「さっきまでお喋りしてたじゃない」

澪「そうだぞ」

唯「そだね」

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「ガスの元栓閉めたっけ?」

紬「コックさんを信じましょう」

澪「・・・」

唯「戸締りは大丈夫かな?」

紬「車掌さんのセキュリティは完璧よ」

澪「・・・」

唯「花火キレイだったね」

紬「観覧車から観るなんて素敵だったわぁ」

澪「・・・」

唯「夜景もキレイだったよね〜」

紬「そうそう、目の前には花火、その下に広がる街灯も綺麗で」
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:17:59.20 ID:hhitb21Ro

澪「唯ちょっと来て」グイッ

唯「あ〜れ〜」

ガチャ

紬「どこ行くの?」

澪「専門家に頼んでくる」

バタン

唯「専門家って?」

澪「・・・」

コンコン

「あ、来た」

澪「私だけど」

「澪?」

ガチャ

唯「おいっすー」

澪「お願い」

和「連れてこられるなんて予想外だったわ」

憂「ほんとだね」

澪「むぎが眠れそうに無いから」

和「それはいけないわね」

唯「お邪魔します」

澪「よろしく」

憂「はーい」

和「おやすみ」

澪「おやすみ」

バタン

澪「・・・はっ」

シー・・・ン

澪「・・・」

スタスタスタスタ

ガチャ

バタン

澪「・・・」モゾモゾ

紬「どうしたの?」

澪「な、なんでもない」ガクガク
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:18:58.57 ID:hhitb21Ro

紬「・・・」

澪「・・・」フゥ

紬「・・・」ジー

澪「・・・ふぁ」

紬「・・・・・・ふぁ」

澪「・・・」

紬「・・・」

澪「ん?」

紬「ん?」

澪「・・・?」

紬「・・・」ジー

澪「ど、どうした?」

紬「・・・・・・澪ちゃん変わったなぁ、と思って」

澪「わ、わたしが?」

紬「・・・うん」

澪「そう、かな・・・」

紬「うん」

澪「多分・・・」

紬「・・・?」

澪「私が変わったんじゃなくて・・・みんなが変わっていってるんだよ」

紬「・・・」

澪「私は・・・まだ・・・律に、みんなに手を引っ張ってもらってるだけだ」モゾモゾ

紬「ホッチキスのアレンジ・・・は?」

澪「あれは・・・」

紬「・・・」

澪「正直、自信がない・・・」

紬「さわ子先生は」

澪「ああ言ってくれたけど・・・私は」

紬「・・・」

澪「私はただ・・・」

紬「・・・」

澪「エレナさんと小麦がお互いを引っ張りあっているのを羨ましく思って・・・」

紬「・・・」

澪「私も律を引っ張りたいって、ただそれだけなんだ」

紬「・・・」
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:20:14.60 ID:hhitb21Ro

澪「律が抑えていただけなら、それは引っ張っていたんじゃないから」

紬「・・・そう」

澪「みんなの横を歩いているつもりだけど・・・」

紬「・・・」

澪「それでもみんなが先へ行ってしまうから・・・」

紬「・・・」

澪「みんなの視野が変化しただけで・・・」

紬「・・・」

澪「わたしは・・・なにも変わってないんだ」モゾモゾ

紬「・・・」

澪「梓も、唯も、律も、むぎも・・・先にいるんだ。私も・・・追いつきたい」

紬「わたしも・・・?」

澪「うん・・・。さとみさんとホームで話しているの見てて」

紬「あの時?」

澪「あ、ごめん」

紬「ううん」

澪「・・・話は聞こえなかったけど、さとみさんと私たちを繋いでいるのはむぎなんだと思った」

紬「繋いで・・・」

澪「変わっていくならみんなと・・・」

紬「・・・」

澪「・・・同じ景色をみんなと見ていきたい・・・な」
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:20:57.94 ID:hhitb21Ro

紬「うん。わたしももっと、もっとみんなと見ていきたい」

澪「・・・」

紬「・・・」

澪「・・・ふふっ、嬉しい」

紬「・・・?」

澪「むぎとこんな話できるなんてな」

紬「わたしも」

澪「ありがとう、むぎ」

紬「・・・やっぱり変わったわ」

澪「そう・・・?」

紬「えぇ」

澪「そう、だと・・・いいな」

紬「・・・」

澪「今日改めて思ったよ」

紬「・・・?」

澪「音楽やっててよかった。・・・って」

紬「・・・うん」

澪「・・・おやすみ」

紬「おやすみ」

澪「・・・」

紬「・・・」
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:21:59.83 ID:hhitb21Ro

***「---、---?」

「ここ、どこですか?」

***「--、----」

「そうですか」

***「----、-ーー-?」

「わたしは―――」








紬「・・・」

澪「」スヤスヤ

紬(・・・夢?)

澪「バ・・・つ」ムニャムニャ

紬「仲良しね」ウフフ

澪「」スヤスヤ

紬「・・・ふぁ」

澪「」スヤスヤ

紬(・・・・・・おやすみ)




9日目終了--------
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:01:21.50 ID:tjiZjvIao

8月10日





さわ子「はい、梓ちゃん。乗車証」

梓「はい」

車掌「確認いたしました」

憂「車掌さん、お世話になりました」

和「お世話になりました」

さわ子「世話になったわね。ありがとう」

純「お世話になりました!」

車掌「平沢憂さん、真鍋和さん、山中さわ子さん、鈴木純さん」

梓「・・・」

車掌「当特急ヴェガへのご乗車、誠にありがとうございました」

純「こちらこそ、ありがとうございました」ペコリ

憂「楽しく過ごせました」

和「はい、感謝しています」

さわ子「あの子たちの事・・・よろしくね」

車掌「はい、お任せ下さい。お気をつけてお帰り下さいね」ニコ

さわ子「えぇ。みんなを見送りに行くわよ」

純「車掌さんバイバイ!」

憂「・・・さようなら」

和「お元気で・・・」

さわ子「じゃあね、美弥ちゃん」

車掌「はい、みなさん。お元気で」

梓「・・・」

さとみ「・・・私も名残惜しいかも」

梓「あ・・・」

673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:02:22.36 ID:tjiZjvIao

和「ほら、唯を見送るんだから、そんな顔しないの」

憂「・・・うん」

さわ子「姉妹ね〜」

純「・・・いかん」

唯「あれ、あずにゃんは〜?」

さわ子「美弥ちゃんと話してるんじゃない?」

律「ふ〜ん」

修治「・・・」

秋子「せ、先生〜」ウルウル

さわ子「うっ」

秋子「私寂しいです〜」シクシク

さわ子「あ、あなたには私よりもっといい先生と出会えるわ」

秋子「先生よりいい先生はいないですぅ〜」シクシク

みらい「・・・」ウンウン

さわ子「・・・あは、は」

律「複雑な顔だな〜」

修治「あ、動かないで秋子ちゃん」

紬「?」

秋子「どうしたんですか〜?」シクシク

修治「背中にかまきりが・・・」

澪「!」キラン

律「昆虫の方だぞ」

秋子「は、はは、は、早くとってくださーい!」

修治「うん・・・」ヒョイ

唯「おぉ、カマキリだぜ!」

さわ子「懐かしいわね」

秋子「きゃああああああ」

タッタッタ

さわ子「どうしたの?」

秋子「わ、私虫とかダメなんです〜!」

修治「虫だけにむ」

「「「 ・・・ 」」」ジト

修治「無休で働くコンビニは便利だよね」

律「黙ってろ」バシッ

修治「・・・すいません」
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:04:04.84 ID:tjiZjvIao

秋子「先生〜!みなさ〜ん!さよーなら〜!」

さわ子「えぇ、楽しかったわ。じゃあね秋子ちゃん」

憂「さようなら」

和「じゃあね」

純「バイバーイ」

修治「いてててて!コイツ挟みやがった!」

紬「大丈夫ですか?」

唯「おぉ、本気だね」

律「おまえも先に乗ってろよ・・・」

修治「そ、そうだな・・・。みんな元気でね」

憂「はい!」

和「修治も気をつけてね」

さわ子「あなたも元気でね」

純「・・・名前覚えてないけど、さようなら!」

修治「鳥羽修治です!じゃあね!」

タッタッタ

秋子「きゃあああああ」

ドタバタ

純「あはは」

さわ子「修治くんらしい最後ね〜」

和「そうですね」

澪「ふふっ」

紬「うふふ」

唯「しょうがないな〜」モォー

律「・・・やれやれ」

みらい「・・・さわ子先生・・・ありがとうございました」

さわ子「ごめんね、ここで降りちゃうけど」

みらい「いいえ、私の背中を押してくれて。とても感謝しています」

さわ子「・・・」

唯「だいじょーぶ!私がみらいちゃんのマネージャーになるから」ドン

澪「マ、マネージャー?」

律「頼りね〜」

和「そんな事・・・・・・・・・・・・」

唯「最後まで言ってほしいよ!?」
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:05:18.17 ID:tjiZjvIao

みらい「頼もしいですよ」ニコニコ

唯「えっへん」

さわ子「マネージャーなら新聞読んでるわよね」

唯「ニュースペーパー?」

さわ子「そうよ」

律「どうしたー?」

みらい「あ・・・」

さわ子「みらいちゃんはさすがに知ってるわね」

みらい「はい・・・」

さわ子「これよ」ガサッ

憂「あ・・・」

澪「トップ一面か」

『飯山みらい解雇!事務所とのトラブルが原因か!』

純「おぉ、飯山みらいってここにいる飯山みらいだよね?」

唯「そうだよ〜」

純「新聞の一面に載っている人が目の前にいるなんて・・・」

紬「あ、そうね〜」

和「変な気分よね」

さわ子「徐々に話題になる予定だったんだけどね・・・」

律「でも、いづれこうなる事だったんだろ?気にしててもしょうがね〜」

紬「そうそう、しょうがねえ〜」

唯「しょうががね〜」

澪「ププッ」

律「笑うところじゃねえ!唯、修治レベルだぞ今の」

唯「な、なんと!」

さわ子「あのねぇ、問題なのは下の方の記事なの」

紬「下・・・ですか」

『HTTFで再活動!?謎に包まれたグループで活動しているとの噂!!』

和「放課後ティータイムの名は出てないわね」

律「あー、ヒヤヒヤした〜」

紬「ヒヤした〜」

唯「アツカンで!」

憂「ダメだよ、お姉ちゃん」メッ

さとみ「・・・」

梓「・・・」

澪「意味が分からない・・・」
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:06:14.65 ID:tjiZjvIao

みらい「・・・」

さわ子「気にするだけ無駄なのかしら」

純「そうみたいですね」

さわ子「みらいちゃんと一緒にいる時は気をつけなさいよ?」

唯「はい!」ビシッ

みらい「すいません・・・」

さわ子「この子たちが選んだ事でもあるんだから気にしないの」

律「そうだぜ〜」グー

紬「そうだぜー」グー

梓「そうだ・・・ぜ」グ

唯「そうだべー」グー

澪「・・・だぜ」グゥ

さわ子「・・・頑張りなさい」

みらい「はい!」

さとみ「いい先生ね」

さわ子「そろそろ時間よ」

純「みなさん、学校でお会いしましょー!」

憂「くれぐれもお体には気をつけて」

和「待ってるからね」

さわ子「最後まで頑張りなさいよ」

紬梓唯澪律「「「「「 はいっ!! 」」」」」

さとみ「楽しかったわ、みんな元気でね」

律澪唯「「「 えっ!? 」」」

和「言ってなかったのね」

さとみ「あれ・・・?言ってなかったの、梓ちゃん」

梓「言ってませんよ?」

さとみ「私はやとちりしてた?」

さわ子「そうみたいねぇ」

紬「さ、さとみさん!」
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:07:30.83 ID:tjiZjvIao

prrrrrrrrrrrrr

みらい「あ・・・」

唯「え〜さとみちゃ〜ん!」ジタバタ

律「後でむぎに詳しく聞くぞ」

澪「そうだな・・・」

唯「え〜」ジタバタ

梓「・・・」

さとみ「慌しくなっちゃって」

紬「さ、さとみさん!あのっ!」

さとみ「え?」

紬「わ、私さとみさんは逃げてきたって言ったけど、そんな事ないと思うの!」

さとみ「ど、どうしたの急に」

紬「だって、逃げてきた人は学校と連絡とったりしないはずなの!」

さとみ「むぎさん時間が」

紬「旅に出た理由が悪くても、旅に出た意味を見つければいいと思うの!」

さとみ「!」

澪「むぎ!」

紬「見つけてない私が言うのも変だけど!」

梓「旅と呼ぶようになった理由を探しましょう!」
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:08:18.40 ID:tjiZjvIao

さとみ「もぅ!」

ガシッ

さとみ「早くっ!」

紬「さ、さとみさん!?」

さわ子「りっちゃん!」

ポーン

律「あ、あぶなっ!」

澪「あわわわ」

ドスッ

唯「捕まって!」

梓「どうぞです!」

さとみ「うん!」

ガシッ

紬「わっ、わっ!」

プシュー

さとみ「・・・・・・乗っちゃった・・・」

ガタン ゴトン ガタンゴトンガタン

紬「あ・・・ご、ごめんなさい」

さとみ「本当はずっと迷ってたの・・・このままいこうかって・・・」

紬「で、でも・・・」

さとみ「うん・・・今日学校を休むから推薦入学もダメになるわね」

梓「!」

紬「あ!」

さとみ「無断欠席で家にもいないんだから、大騒ぎだろうな・・・」

澪「・・・」

さとみ「その頃わたしは遠い空の下・・・」

紬梓「「 私が変な事言ったから・・・ 」」
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:09:31.87 ID:tjiZjvIao

さとみ「でも・・・」

律「?」

さとみ「一度してみたかった・・・こういう事」

唯「悪い子ですな〜」

さとみ「ふふっ、そうね。むぎさんと梓ちゃんのせいだからね〜」

紬梓「「 ごめんなさい 」」

さとみ「でも、一緒に見つけてね。旅に出た意味と、旅と呼ぶようになった理由を」

紬梓「「 は、はい! 」」

さとみ「それじゃ、私は車掌さんの所へ行って手続きしてくるから」

律「はい、荷物・・・破壊力あったぞ〜」

さとみ「ありがと。・・・また後で」

みらい「・・・ドラマを、見ているようでした・・・」

唯「うんうん!」

澪「そうだな」

律「さわちゃん・・・こうなる事分かってたのかな」

みらい「恐らく・・・」

梓「む、むぎ先輩・・・」

紬「あ、あずさちゃん・・・」

紬梓「「 ぷぷっ 」」

梓「あははは」

紬「うふふふ」

唯「・・・あは、はは」

律「意味も無く笑おうとするなよ」

唯「だって〜」

澪「ふふっ」

みらい「ふふ」

紬「新しく旅が始まった気分ね!」

梓「はいっ!」

680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:10:08.83 ID:tjiZjvIao

さわ子「なるほど梓ちゃんの言った通りね」

純「はい」

憂和「「 座り心地が悪い 」」

さわ子「そうなのよ」

純「そうです」

和「私と憂は一度経験してるから」

憂「うん!」

さわ子「・・・そうだったわね」

純「梓いいな〜」

憂「また言ってる〜」

純「羨ましいんだもん。乗客のみんなも店員さんたちも車掌さんもいい人だったから〜」

和「そうね・・・」

さわ子「わたし到着まで寝てるわ。よろしくね和ちゃん」

和「はい」

さわ子(・・・さすがに疲れたわね)

純「あのさ、ライブで梓が」

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

憂「お姉ちゃんと和さんとで話してたんだ〜」

純「へ〜」

さわ子「・・・ん」

和「あ、先生そろそろ着きますよ」

さわ子「・・・そう・・・あっという間ね」

憂「後で学校に行っていいですか?」

さわ子「部室にくるの・・・?」

純「はい」

憂「はい!」

和「私も後で顔だすわ」

さわ子「しょうがないわねぇ」


――――――――
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:12:16.94 ID:tjiZjvIao


ちひろ「いらっしゃいませ〜」

紬「京都の観光ガイドくださ〜い」

ちひろ「はい、どうぞ〜」

梓「よしっ!これで京都の観光はバッチリです!」グッ

律「そんなに気合入れるのか」

ちひろ「あ、そういえばお客さん〜?」

紬梓「「 はい? 」」

ちひろ「さとみさんとぉ〜」

澪「?」

ちひろ「すっごく仲良しですよね〜」

紬「うふふ」

ちひろ「羨ましいな〜」

梓「そうですか」

ちひろ「はい〜。それでは〜」

紬「ありがと〜」

律「じゃ、唯とみらいのいる展望車にでもいくか」

澪「そうだな。そこで京都の観光」

「きゃああああああああああああ」

梓「え!?」

律「叫び声?」

紬「動力車よ!」

タッタッタ

梓「ま、まってください!」

澪「聞こえない聞こえない」

律「朝っぱらから出ないって、今の声車掌さんだから・・・車掌さん!?」

682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:13:05.49 ID:tjiZjvIao

紬「なにかあったんですか?」

車掌「ね、ね、ねずみが・・・」ガクガク

紬「ネズミ?」

車掌「そ、そ、そこに・・・!」ブルブル

紬「・・・でてらっしゃい〜」キョロキョロ

車掌「私ねずみだけはダメなんです・・・」ガクガク

梓「おぉ」

紬「あ、いました・・・でも・・・」

車掌「そっとね、そぉーっと」

紬「そぉー・・・」

「ピノ?」

ピノ「ピピッ」

シュッ

紬「きゃっ・・・あ、あなたは」

梓「ライブの時に・・・」

律「むぎの肩に乗ってたリス・・・?」

車掌澪「「 え・・・? 」」ブルブル

「度々すいません・・・その子わたしの友達なんです」

紬「え・・・あっ」

ピョン

「ほら、ピノも謝って」

ピノ「ピピッ」

澪「本当に謝ってるみたいだ・・・」

「すいません・・・私岩泉風音と申します。あの、お名前は・・・?」

紬「わたしは琴吹紬といいます」

風音「紬さん・・・ですね。えぇとなにかお詫びをしないと・・・」

紬「お詫びなんて・・・いいですよ」

風音「でも・・・ライブでもお邪魔してしまって・・・」

紬「驚いただけよ、気にしないで〜」

律「だそうだぞ」
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:13:36.78 ID:tjiZjvIao

風音「あ・・・」

車掌「コ、コホン」

風音「車掌さん・・・すいませんでした」

車掌「わたしはよろしいですけれど、他の乗客のみなさんにご迷惑をかけないでくださいね」

風音「はい・・・本当にすいませんでした」

車掌「それでは私はこれで・・・」

スタスタ

風音「もぅ・・・ダメじゃない勝手に歩き回ったら」

ピノ「ピピッ」

梓「か、かわいい」

紬「昨日のライブにもいらしてたんですね」

風音「は、はい。みなさんの演奏とてもよかったです」

澪「あ、ありがとう」

律「へへっ、嬉しいね〜」

紬「ふふ、そうね」

風音「それでは、私はこれで・・・」

梓「はい・・・」

ピノ「ピピッ」
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:14:43.68 ID:tjiZjvIao

律「動物と旅行するってのも面白いかもな」

澪「そうだな。憧れる」

梓「憧れるんですか」

紬「可愛かったわピノちゃん」

「ゆいちゃーん、つぎなにをひいてくれるの〜?」

唯「よぉーし!もしもしかめよいくよ〜!」

「わー!」

唯「饒舌に変えてあげるよギー太!」

梓「弾けるんですね」

律「練習してたんかな」

「すいません、唯さんの邪魔をしてしまってるみたいで」

澪「いえいえ、唯も楽しんでいるみたいですから」

「あの子ったら唯さんのファンになったみたいで」

紬「まぁ〜」

「私たち次の京都で降りるので、あの子も最後に遊んでもらってとても嬉しそうです」

「ゆいちゃんすごーい!」

唯「へっへーん」ジャンジャン

梓「子供相手に得意げになってますね」

律「あぁ」

「ふふ、そこがいいと思います。憧れが強くなりますから」

デンデデデデドロデデン

「あ、間違えたー」

唯「でっへっへ」

みらい「・・・」フムフム

律「・・・で、みらいはそこで何を読んでいるんだ?」

みらい「仕事を探しています」メラメラ

澪「すごいやる気だ・・・!」

梓「・・・燃えてますね」

紬「内容は?」

みらい「雑誌のモデルに応募してみようと・・・」

澪「はぅ」ボンッ

みらい「?」

律「自分が雑誌のモデルになったところを想像しただけなんだ、気にしないで」
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:15:40.49 ID:tjiZjvIao

みらい「『花』と『ファッション』の雑誌モデルを募集してるんですけど、どっちが私に合うと思います?」

律紬梓「「「 花 」」」

みらい「ふふ、花に囲まれて仕事できたら楽しいだろうな・・・」

紬「マネージャーに相談してきたらどうかしら?」

みらい「そうですね!」

テッテッテ

律「すげぇな・・・。あの記事をみたらへこみそうなのに・・・」

梓「そうですね、マイナス要素で有名になってるのに・・・根性あります」

紬「・・・そうね」

テッテッテ

みらい「唯さんも『花』だそうです」

澪「そ、そうか・・・なにが?」

律「みらいに合いそうな雑誌のモデルだよ」

澪「そうだな、花が似合ってるよ。うん」

みらい「みなさんがそう仰るなら応募してきます!」

テッテッテ

梓「行動力もありますね」

澪「・・・」

緑「・・・」

紬「あ、北上さ」

緑「・・・」クルッ

スタスタ

澪「」ピキーン

律「あはは、出て行った」

紬「・・・」ションボリ

梓「む、むぎ先輩!京都の観光先を決めませんかっ?」

律「私たちは二度目だけどな」

紬「そうね・・・!」

律「ほら、澪も考えるぞ」

澪「あ、あぁ」

「じゃーねー」フリフリ

唯「またねー」フリフリ

「ありがとうございました」

唯「いえいえ〜」

澪「楽しそうだな」

唯「楽しかったよ!」
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:16:48.06 ID:tjiZjvIao

律「・・・」

梓「金閣寺いいですよね!」

紬「そうね〜」

澪「どうせなら銀閣寺に」

梓「」ガーン

律「みお〜・・・」

澪「ん?金閣寺がいいのか?」

律「いや、そうじゃなくて。そのペンダント・・・いつ買ったんだ?」

澪「あ、これは・・・」

小麦「私たちが出会ったときに買ってくれたんだよ〜!」

澪「び、びっくりした」

小麦「えっへへ〜」

律「仙台で?」

小麦「そうだよ。そのペンダントさぁ、もう入手困難なんだよね〜」

澪「そうなのか・・・」

唯「おぉ、レアペンダントですな!」

紬「似合ってるわ〜」

澪「あ、ありがと」テレ

梓「今まで着けてなかったですよね」

澪「え、と願掛け・・・みたいなものかな」

紬「澪ちゃん・・・」

律「ほほぅ・・・聞かせてもらおうか」ニヤリ

小麦「聞かせて聞かせて〜」

澪「だ、ダメだ!」

唯「え〜」ブー

澪「人に言ってしまうと叶わなくなるんだぞっ!」

小麦「そうだね、うん!」

律「もうちょっと喰らい付けよ〜」

梓「小麦さんは展望車へなにしにきたんですか?」

小麦「面白いネタを探している最中だよ〜」

律「忙しいな〜」

小麦「足で稼がなくっちゃね!と、いう事でバイバーイ」

唯「バイバーイ!」

紬「本当に忙しそうね〜」
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:17:28.96 ID:tjiZjvIao

律「で、なんだっけ?銀閣寺でいいのか?」

梓「」ガーン

唯「そうだね、金閣寺行ったもんね〜」

梓「」ガーン

紬「来年憂ちゃんたちと・・・」

梓「先輩たちと行きたいです・・・」ションボリ

紬「行きましょう!」

唯「がってんです!」

律「夕方な!」

澪「そうだな!」

梓「わぁ」パァァ

律「到着時間は12時だから・・・」

紬「4時間くらいどうしましょうか」

唯「あ、みらいちゃん・・・」

みらい「・・・」ションボリ

唯「ど、どうしたの?」

みらい「・・・それが」

澪「もしかして」

みらい「・・・はい。ダメでした」

律「ん〜、そっか」

紬「まぁ・・・」

梓「理由は?」

みらい「・・・事務所に所属していないから・・・です」

唯「むむむ・・・む?」ヒョイ

律「どうした?その雑誌になにかあるのか?」

唯「映画雑誌だよりっちゃん!」

律「おぉ、仕事があるかもしれないな!」

梓「じゃあ、私もCD雑誌を見てみます」

澪「・・・そうだな、募集要項にいいのがあるのかもしれない」

みらい「・・・」

紬「・・・」

律「お、この俳優さん」

唯「りっちゃん」

律「はい」
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:18:22.23 ID:tjiZjvIao

梓「バンドの要員募集はあるんですけどね」

澪「うん・・・オーディションはないのかな」

梓「そうですね・・・」

みらい「私・・・以前お世話になったプロデューサーに連絡してみます」

テッテッテ

紬「みらいちゃん・・・」

律「あ、唯・・・白澤監督って知ってるか?」

唯「知らない」

澪「映画興味ないのか・・・」

梓「日本を代表する映画監督ですよね・・・?」

律「あぁ・・・、その白澤が次の停車駅、草津駅の近くで撮影してるらしい」

唯「チャンスだね、りっちゃん!」

律「え・・・?」

紬「どういう事?」

唯「みらいちゃんを主役にしてもらう!」

梓「落ち着いて下さい」

澪「でもエキストラで使ってくれるかも・・・」

唯「そうだよ!」

律「草津駅で降りて行くのか?」

唯「そうです!」フンス!

梓「でも・・・唯先輩だけでは・・・」

紬「・・・」

澪「・・・うん」

律「足手まと・・・ゴホン」

唯「足で窓を開けたらダメ!」メッ

澪「テンションがうなぎのぼりだな」

紬「うなぎのひつまぶし・・・よし!」グッ

梓「・・・なにがなんだか」
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:19:27.25 ID:tjiZjvIao

律「う〜ん・・・唯一人じゃな〜」

澪「はいっ!」ズバッ

律「う〜ん、人が集まる所だからな〜」

澪「」ボンッ

梓「手を上げたまま固まってしまいましたね」

律「・・・」チラッ

梓「わ、わたしですか!?」

律「・・・だよなぁ」

梓「誰も何も言ってませんよ!?」

紬「・・・あら」

テッテッテ

律「アイツに頼むのもなぁ・・・」

唯「困ったときの修治くんだね!?」

律「いや・・・、うーん」


690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:20:05.82 ID:tjiZjvIao

さとみ「むぎ・・・さ・・・ ?」

紬「・・・どうしたの?」

みらい「・・・みなさんに申し訳なくて」

紬「どうして?」

みらい「観光先の事で楽しめる時なのに・・・それを奪っちゃって」

紬「・・・」

みらい「仕事を諦めて・・・このままみなさんと旅を楽しめたらって・・・」

さとみ「・・・!」

紬「・・・」

みらい「・・・もし、私がそう言い出したら紬さんはどうします?」

紬「・・・」

みらい「・・・」

紬「みらいちゃんがそうしたいのなら大歓迎よ〜」

さとみ「・・・」

紬「でも、それって今まで自分に嘘をついてきたのと同じ事じゃないかしら?」

みらい「・・・!」

紬「『アイドル飯山みらい』という決められた役を与えられてただけ・・・よね」

みらい「・・・」

紬「これからはみらいちゃんが好きなように演じられるわ。それは無限大よ〜」

みらい「好きなように・・・」

さとみ「・・・」

紬「・・・唯ちゃんが・・・ファンのみんなが、みらいちゃんの戻ってくるのを待ってるわ」

みらい「・・・!」

さとみ「・・・」

紬「みらいちゃんを応援してくれる人たちが・・・わたしもね」ニコ

みらい「・・・はい」

さとみ「・・・」

紬「ダメだったの・・・?」

みらい「はい・・・事務所の関係で・・・色々と問題があるって・・・」

紬「だいじょうぶ?顔色悪いわ」

みらい「心配してくれてありがとうございます。少し頭冷やしてきます」

トボトボ

さとみ「私に気付かず行ったわね」

紬「・・・さとみさん」
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:22:24.75 ID:tjiZjvIao

さとみ「アイドル飯山みらい・・・か。そこまで行き詰っているなんて思ってなかったわ」

紬「とっても不安なんだと思う・・・」

梓「そうですよね」

さとみ「そうかぁ・・・うわっびっくりした」

梓「むぎ先輩が戻ってこないから様子を見に来ました」

紬「ふふ」

さとみ「意外だったわ」

梓「そうですね。私もよく知りませんでした」

紬「・・・」

さとみ「私の悩みなんて・・・ちっぽけね・・・」

梓「違いますよ」

さとみ「・・・?」

紬「?」

梓「さわ子先生からの伝言です」

さとみ「さわ子先生の?」

梓「『人の悩みは計れるものじゃないから、比べる必要はないのよ』と」

さとみ「そう・・・、見透かされているわね〜」

紬「うふふ」

さとみ「・・・いいなぁ」

紬「さとみさんもみんなのところに行かない?」

梓「そうですよ」

さとみ「そうね、お邪魔するわ」

紬「先に行ってて〜、私は食堂車へ行ってきま〜す」

さとみ「?」

梓「行きましょう」
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:23:15.63 ID:tjiZjvIao

紬「みんなティータイムにしましょ〜」シャランラ

律「お、いいな!」

唯「名古屋で買ったういろうがあるよ〜」

梓「用意がいいですね」

澪「待ってたんじゃないのか」

みらい「あ・・・」

紬「うふふ」

みらい「さっきはすいませんでした」ペコリ

紬「気にしないで〜」

梓「・・・」

さとみ「それじゃあね、1338年室町幕府を開いたのは誰か?」

紬「・・・勉強?」

みらい「クロスワードパズルです」ニコ

紬「息抜きも必要よね」

みらい「・・・はい!」

唯「足利・・・」

澪「・・・」

律「足利・・・?」ゴクリ

梓「・・・」ゴクリ

紬「足利・・・!?」

唯「足利さん」

律「何人いると思ってるんだよ」

唯「いっぱいいるから悪いんだよ!」

律「悪くねえ!」

みらい「ふふ」

唯「みらいちゃん答えてよ〜!」

みらい「え・・・えーと・・・足利・・・」

梓「足利・・・?」

みらい「あしかが・・・よ」チラッ

紬「・・・」フルフル

みらい「尊氏です」

唯「あー、そっちか!」

澪「ふむ・・・」
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:24:03.80 ID:tjiZjvIao

さとみ「正解。ややこしいわよね〜」

律「そうだな」

梓「ずるいです」ジー

紬「あずさちゃん、紅茶どうぞ〜」

梓「いただきます」パァァ

紬「室町幕府は京都にあったから、京都観光の前知識としてはいいわね〜」

梓「そうですね。知識を持って観るとまた違ってみえますからね」

澪「今の説得力あるな」

唯「うんうん」

さとみ「でも、次の問題忘れちゃったの」

律「よっしゃ次は私が答えるぜ」

さとみ「応仁の乱が起った時の室町幕府八代目将軍は誰か?」

律「澪、右手見せて」

澪「?」スッ

ポン

律「パス!」

澪「なっ!」

梓「・・・」ジー

唯「りっちゃん、いいの?あずにゃんの目が呆れてるけど」

律「わーかったよ・・・えーと、応仁の乱というのがひっかけだろ?」

澪「なぞなぞじゃないんだぞ」

律「・・・足利・・・よし・・・ま」チラッ

紬「みらいちゃんもどうぞ〜」

みらい「ありがとうございます」

梓「・・・」

唯「よしま・・・?」

さとみ「・・・?」

律「まてよ・・・足利よし・・・み」チラッ

紬「・・・」ウンウン

律「足利義満!」バシーン

紬「さすがコックさん。いい水を使用しているわ〜」ウンウン

律「え・・・」

みらい「違いがあるんですか?」

紬「紅茶は水が重要なのよ〜」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:24:35.56 ID:tjiZjvIao

さとみ「・・・義満でした?」ハテサテ

梓「義政が正解ですね」

さとみ「あっ、そっか!」

律「・・・」シーン

澪「声を高らかに答えたのに・・・」

唯「りっちゃん」ププッ

律「おまえだって間違えたろー!」

唯「答えてないから間違えてないもん!」

律「なんだよそりゃ!」

ギャーギャー

梓「ういろうおいしいですね」モグモグ

澪「そうだな・・・。あ」

ピョン

ピノ「ピピッ」

紬「あら、ピノちゃん?」

ピョン

澪「あっ」

ピノ「ピッ」

さとみ「澪さんの肩に・・・」

風音「ピノってばまた!」

紬「あらあら」

澪「おぉ」キラキラ

梓「わ、わたしの肩にも乗っていいんですよ!」

ピノ「ピピッ」

風音「本当にすいません・・・」

澪「気にしないで下さい」キラキラ

梓「おいで!」ポンポン

ピノ「ピッ」

風音「ピノってば・・・みなさんに懐いてしまったみたいで・・・」

唯「りっちゃん、ケンカしている場合じゃないよ!」

律「・・・ん?」

唯「お、おいでリスちゃん!」ポンポン

梓「だ、ダメですよぉ!」

唯「あずにゃんにはトンちゃんがいるでしょぉ!」

梓「そんなの今関係ないじゃないですか!」
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:25:12.13 ID:tjiZjvIao

澪「あはは」キラキラ

さとみ「澪さん幸せそうね」

紬「風音さんもどう・・・?」

風音「いえ・・・せっかくですけど、すぐに部屋へ戻りますので」

律「忙しそうだね?」

風音「え、えぇと」

澪「なんで私たちに懐いてくれたんだろ」キラキラ

ピノ「ピピッ」

紬「どうしてかしら」

風音「動物って本能的に敵か見方かを見分けるっていいますから」

みらい「うんうん」

律「へぇ〜」ズズー

紬「私たちは見方よ!」

唯「そうだよっ、おいでリスちゃん!」ポンポン

梓「私は名前覚えてますよ、ピノちゃん!」ポンポン

唯「ずるいよ、あずにゃん!」

ピノ「ピピッ」

ピョン

唯梓「「 あっ 」」

みらい「あ・・・、こっちにきてしまいましたね」

梓唯「「 」」ガーン

さとみ「ふふっ」

澪「可愛いなぁ」キラキラ

律「・・・よかったね」

風音「ほら、こっちおいで」

ピノ「ピピッ」

風音「あ、こら」

ピョンピョン

修治「うわっ」

風音「ピ、ピノ!」

唯梓「「 えぇー 」」ガーン

修治「ま、前がみえない・・・!」

風音「ご、ごめんなさい修治さん」

修治「なんだ、またピノか」

ピノ「ピピッ」

律「そいつは敵だぞ!」
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:26:14.72 ID:tjiZjvIao

唯「そうだー!」

ピノ「ピピッ」

修治「フフ、俺は地球の見方だよ」キラリ

澪「・・・」オロオロ

律「ういろううめぇ!」

さとみ「おいしいわね」

紬「そうね〜」

唯「もっとあるよ〜」

みらい「えぇと・・・」オロオロ

梓「・・・」

修治「慣れっこですから、ほら主人のもとへ帰りなー」

風音「はぁ・・・。もうピノってば」

ピノ「ピピッ」

風音「それでは私はこれで・・・」

唯「ピノちゃんまたね〜」

紬「またね〜」

律「で?」

修治「・・・うん。これ、小麦の書いた名古屋のライブ告知の記事」

梓「あ・・・こんな記事あったんですね。ありがとうございます」

修治「持っていたほうがいいと思ってさ」

律「・・・?」

紬「どういう事ですか?」

修治「・・・みらいちゃん絡みの意味」

みらい「あ・・・」

さとみ「・・・?」

唯「そっか、ありがと修治くん」

修治「うん・・・、あとさ聞きたいんだけど」

澪「はい・・・?」

修治「展望車のライブ記事は全部で3枚だよね?」

澪「小麦さんが一枚、売店車が一枚、私が持ってるこれで最後です」

梓「・・・あ、あの時の記事があったんですか?」

律「あぁ、梓はまだみてないのか」

修治「おっけ〜、ちひろさんに言っておくよ、じゃね〜」フリフリ

梓「あ、あの・・・どうして・・・」
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:27:17.42 ID:tjiZjvIao

修治「ん?」

さとみ「どうしてそこまでしてくれるのか・・・?」

修治「ふふ・・・聞きたいかい?」

律「いや、別に」

修治「車掌さんとさわ子先生に頼まれたからさ! 言わせろよ!」

律「言っただろ!」

紬「車掌さんにもですか?」

修治「うん・・・それにHTTFの・・・ファ、ファンだからね」カァ

唯「・・・」シーン

律「・・・」シーン

みらい澪「「 あ、ありが 」」

修治「う、うるさーい!」

タッタッタ

みらい澪「「 」」ガーン

梓「本当にキャラが違いますよね」

律「東京出た辺りから変になったよな」

唯「そういえばそうだね」

さとみ「キーワードは東京ね!」

紬「沈黙が雑音なのね!」キラン

梓「子供の頃、それで中々寝付けなかった事ありますよね」

律「あー、あったな」
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:28:04.91 ID:tjiZjvIao

澪「え、今はないの・・・?」

唯「うー・・・ん・・・」

みらい「ない・・・ような気がしないでも・・・」

さとみ「あるような気がしない・・・わね」

紬「そう・・・ね・・・」

梓「ない・・・ともいえなくもない・・・ですね・・・」

澪「はっきり言ってくれてもいいんだぞー!」

タッタッタ

律「あーぁ」

唯「もぉーりっちゃん」

律「いやいや、私何も言ってないし」

唯「無言の否定って言ってね」

律「うるさいっ!」ムニー

唯「ふぁにふぉふひゅ」

梓「ひどいですっ!」

タッタッタ

律さとみ「「 いやいや・・・ 」」

唯「りっちゃんの男前!」

タッタッタ

みらい「いったいなにが・・・」

紬「あらあら」

律「まぁ、いいや。草津駅まで自由時間って事にすっか」

紬「そうね〜」

さとみ「梓ちゃは・・・なんだったの・・・」

律「ただのノリだと思うぞ」

紬「それかピノちゃんの所へ行ったのかも〜」

律「あ、そうだ。むぎ、私と唯とみらいで一旦草津で降りるからなー」
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:29:04.67 ID:tjiZjvIao

秋子「・・・」グスッ

澪「えぇと・・・」アセアセ

秋子「あ、澪さん・・・」グスッ

澪「ど、どうしたんですか・・・?」

秋子「この漫画を読んでいたんですけど・・・ヒロインが可哀相で可哀相で〜」シクシク

澪「ま、漫画・・・」

秋子「はい・・・二人とも理解しあえないまま別れちゃうんです〜」シクシク

澪「それは悲しいですね・・・」

秋子「・・・悲しすぎます〜」シクシク

澪「・・・その巻で終わりなんですか?」

秋子「いえ、まだ続きがあるはずです」

澪「だ、大丈夫だと思いますよ。また出会えると思います」

秋子「そうですか〜?」

澪「は、はい」

秋子「それじゃあ続きが売店にないか見てきます・・・それでは」

澪「・・・それでは」

スタスタ

澪「ふぅ・・・」

梓「どうしました?」

澪「ちょっと大変・・・かも」

梓「・・・そうみたいですね」

澪「・・・」

梓「座って休みませんか?」

澪「そうだな・・・って、みんなは?」

梓「展望車でくつろいでいると思います」

澪「そうか・・・」

ドサッ

梓「・・・私はピ・・・ちょっと歩き回ろうかと」

チョコン

澪「・・・」

梓「走るヴェガは久しぶりですから・・・」

澪「そうか・・・」

梓「・・・?」
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:29:35.80 ID:tjiZjvIao

エレナ「オー、二人ともどうしましたカ?」ジー

澪「あ、エレナさん・・・」

梓「くつろいでいる所です」

エレナ「ミオさんそれハ・・・」

澪「はい。仙台で買ったペンダントです」

エレナ「ヤッパリ似合いますネー」

梓「はい、蒼く輝いてて綺麗です」

澪「あ、ありがと」テレ

エレナ「素敵ネ」

澪「・・・」テレテレ

梓「・・・エレナさんは世界を旅しているんですよね?」

エレナ「そうですヨー」

梓「旅のいい所ってなんでしょうか・・・?」

澪「・・・」

エレナ「ワタクシは、過去の思い出と、今の景色と、未来の期待が一度に得られるところがよいデスネ」

梓「・・・!」

澪「さすがに実感がこもっていますね・・・」

エレナ「ミオさんはどう思いますカ?」

澪「え!? えぇと・・・」

梓「聞かせてください!」キラキラ

エレナ「フムフム」

澪「わ、私はみんなと旅をしてるから・・・エレナさんほど内容が薄いと思うけど・・・」

エレナ「そんな事ナイですネ。ミオさんの今までの経験がそうだとは思えませんワ」

澪「・・・そうですか?」

エレナ「もちろんですワ」

澪「旅を続けていると成長していけるような気がする・・・かな」

エレナ「ワタクシと同意見ですワ」

梓「成長・・・」

澪「・・・?」

梓「な、なんでもないですよ」
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:30:32.17 ID:tjiZjvIao

唯「車掌さんが踊ってる!?」

車掌「・・・!・・・!!」

唯「おぉ・・・」

「しゃしょうさんそっち!」

車掌「は、はい!えいっ」

唯「ん?」

「あぁ、おしい!」

車掌「素手で捕まえるのは難しいですね・・・」フゥ

唯「車掌さんどおしたの〜?」

車掌「あ、平沢さん」

「あ、ゆいさん」

唯「やぁやぁ、どうしたのかね?」

「ぼくの虫かごからちょうちょがにげちゃったの」

車掌「捕まえようとしてるのですが、なかなか・・・」

唯「心をしずかにするのです」

「どうやって?」

唯「心の中に空を思い描きます」

「わかった・・・」

車掌「・・・はい」

唯「すぅーはぁー」

「すぅはぁー」

車掌「・・・」スゥ

唯「その心を保ちながら蝶々に近づき捕獲」

スポッ

「すごーい!」

車掌「まぁ」

唯「おぉ」

「ありがとー」

車掌「ありがとうございます」

「じゃねー」

テッテッテ

唯「バイバイー」

車掌「ふふっ、助かりました」

唯「いえいえ〜。最初車掌さんが踊ってるからびっくりしたよ〜」

車掌「変な所をみられてしまいましたね。それでは」

唯「はーい」
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:32:59.14 ID:tjiZjvIao

―――――草津駅

プシュー

修治「よっと」シュタッ

タッタッタ

律「なんだ・・・?」

みらい「向こうになにかあるのでしょうか?」
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:33:41.30 ID:tjiZjvIao

修治「ここなら大丈夫だろ」

「・・・」

修治「ほら、行けって!」

「・・・」

修治「ジョルノ・・・お前はこれから一人で生きていかなきゃ行けないんだぞ」

ジョルノ「・・・」

修治「ほら」ブンッ

ジョルノ「・・・」ハサミ!

修治「・・・っ!」

ジョルノ「・・・」

修治「このやろッ!」ブンブンッ

ジョルノ「・・・」ギュウウウウウ

修治「振り落とされまいと必死か!」ブンブンッ

ジョルノ「・・・」ギュウウウウウウ

修治「・・・っ」

ジョルノ「・・・」

修治「悪かった」

ジョルノ「・・・」バサバサッ

修治「・・・ったく」

律「・・・撮れた?」

エレナ「バッチリですワ」

修治「っ!?」

梓「プクク」

みらい「あ、梓さん・・・笑っちゃダメ・・・ですっ」プクク

梓「みらいだって・・・」プクク

修治「・・・」サァー

律「カマキリに名前までつけるなんて・・・いいヤツだったんだな」

唯「どうしたの〜?」

エレナ「こちらをご覧クダサイ」

修治『ジョルノ・・・お前はこれから一人で生きていかなきゃ行けないんだぞ』

唯「おぉ」

梓「地球の見方ですからね」

修治「それ以上・・・みたら・・・ダメダ・・・」ヘナヘナ

修治『振り落とされまいと必死か!』ブンブンッ

律「昆虫と戦う人間の貴重な映像です」
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:34:27.72 ID:tjiZjvIao

エレナ「世界に広めますワ」

修治『悪かった』

律「人間が敗北した瞬間である」

梓みらい「「 ブフッ 」」

唯「修治くん・・・」

修治「もぅ・・・お嫁に行けない・・・」シクシク

律「はいはい」

梓みらい「「 プックク 」」

唯「りっちゃん・・・」チラッ

律「あぁ・・・」チラッ

修治「な、なんだよ・・・」

唯「・・・ごにょごにょ」

律「・・・ごにょごにょ」

修治「・・・こっちみながらヒソヒソと京都の話するなよ。せめて俺の陰口にしてくれ」

みらい「ブフッ」

律「・・・みらいがリラックスできたみたいだ・・・ナイスだぞ」

修治「リラックス・・・?」

唯「そうだよ!これから映画撮影現場に行ってきます!」

みらい「・・・そうです!」

梓「・・・応援してるから」

エレナ「頑張ってクダサイ」

みらい「はい!」メラメラ

修治「ここの近くでやってるの・・・?」

唯「そうなのです!」

律「じゃ、京都でな!」

梓「はい!」

唯「行ってきます!」

紬「唯ちゃん、待って〜」

澪「唯ー!」

「ゆいちゃーん!」

唯「あ、四葉ちゃん?」

よつば「ゆいちゃん、わたしきょうとでおりるから・・・おかあさんがおわかれしてきなさいって」

唯「・・・そっか」
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:35:16.09 ID:tjiZjvIao

紬「・・・」

エレナ「・・・」

よつば「ゆいちゃん、たのしかったよー。ありがとー」

唯「・・・うん!私も四葉ちゃんとお話できて楽しかったよ。四葉ちゃん元気でね」

よつば「うん!わたしもおおきくなったらぎたーやるんだ!」

唯「えっへっへ〜」

よつば「ゆいちゃん、ばいばーい!」

唯「バイバイ!」

タッタッタ

「お別れできた?」

よつば「うん!」

唯「・・・」

律「ほら行くぞみらい、唯・・・」

みらい「はい」

唯「うん」

梓「唯先輩・・・」

紬「行ってらっしゃい」

澪「頑張ってな」

修治「・・・応援してるぜ!」

エレナ「ファイトですワ」

みらい「行ってきます!」

唯「・・・」トボトボ

澪「唯・・・」

エレナ「ユイさんはステキな人ですワ」

紬「・・・はい」

エレナ「一つ一つの出会いをとっても大切にしてマスヨ」

澪「・・・」

エレナ「寂しい別れもきちんと受け止めていますネ」

梓「はい、凄い人です。私、唯先輩を尊敬してます」

修治「ほぅ・・・」

紬「まぁ〜」

澪「・・・うん」

梓「・・・」カァ

紬「ヴェガに戻りましょうか」
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:36:24.26 ID:tjiZjvIao

エレナ「小麦ー!」

タッタッタ

修治「やめろー!」

タッタッタ

澪「元気だな〜」

梓「今日も日差しが強くていいですね」

紬「ん〜・・・!」ノビノビ

澪「・・・〜っと!」ノビノビ

紬「あら?」

風音「あ、紬さん」

澪「ど、どうしたんだ、その小鳥・・・」

風音「怪我したみたいで・・・」

梓「どこかにぶつけちゃったのかな」

紬「大変!」

澪「ど、どうしよう」

梓「車掌さんに救急セットを」

風音「でも時間が・・・」

紬「な、なにか他に方法はないかな!?」

風音「・・・そうですね」

澪「応急処置ができれば・・・」

風音「・・・そうだ、私のハンカチで」

ビリビリ

紬「ご、ごめんなさい。なにもできなくて・・・」

風音「紬さんが悪いんじゃないですよ・・・こうやって」

梓「手馴れてますね」

澪「う、うん」

風音「この小鳥は獣医さんに見てもらいましょう。駅員さんに頼めば大丈夫だと」

紬「そ、そうね!」

澪「・・・よかった」

梓「・・・ホッ」
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:37:03.81 ID:tjiZjvIao

風音「・・・。それじゃ私駅員さんの所へ行ってきます」

タッタッタ

紬「風音さん優しいわね」

澪「あぁ、あんなに真剣になってたからな」

梓「・・・動物が好きなんですね」

紬「えぇ・・・」

澪「・・・」

梓「・・・」

タッタッタ

風音「あ、みなさん・・・」

紬「・・・どうでした?」

風音「はい・・・快く引き受けてくれました」

澪「そっか・・・。じゃ、乗ろうか」

梓「そうですね」

風音「・・・」

紬「あら? そろそろ発車しますよ?」

風音「みなさん優しいんですね」

紬「風音さんも優しいわ」

風音「みなさんのような人たちが」

prrrrrrrrrrrrrrrrr

紬「なにか言いましたか?」

風音「い、いいえ」

紬「?」

梓「むぎ先輩!京都ですよ!」

澪「あぁ、楽しみだ」

紬「しゅっぱ〜つ!」
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:37:41.11 ID:tjiZjvIao

梓「標高848メートル杉木立のならぶ山中に延暦寺の建物が散在している」

澪「よさそうだな」

紬「ケーブルカーやロープウェーもあるわ。面白そう〜」

梓「でも夕方には間に合いませんよね」

澪「そうだな・・・明日の朝はどうだ?」

紬「賛成〜」

梓「いいんじゃないでしょうか」

澪「明日は比叡山だな」

紬「楽しみ〜」

ピョン

梓(来たっ!)

澪「あ、ピノ・・・」

紬「あらあら風音さんと一緒じゃないのね」

ピノ「ピピッ」

梓「私は大木、私は青空、私は草原、私は海、私は」ブツブツ

澪「どうしたんだ・・・」

紬「自然と同化しようとしてるのね」

ピノ「ピピッ?」

風音「度々すいません・・・」

澪「気にしないでください」

紬「えぇ、私たちも楽しいわ」

風音「・・・そういってくれると、助かります」

梓「私は岩、私は土石流、私はマグマ」ブツブツ

澪「内部に潜って行くな・・・地球そのものだな」

ピノ「ピピッ」

紬「風音さんは登山なさるの?」

風音「あ、はい・・・。この服装ですね」

紬「えぇ、とても着こなしてるから」

風音「山が私を呼んでると思ったらすぐにでも登っちゃいます」ニコ

紬「いいわねぇ〜」キラキラ

風音「ちょっとキザですね・・・」

梓「私は大気圏、私は衛星」ブツブツ

澪「衛星は打ち上げるものだな」
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:38:46.22 ID:tjiZjvIao

ピノ「ピッ」

風音「ほら、ピノ部屋に戻るわよ」

ピョン

紬「忙しいのね」

風音「は、はい。それでは」

スタスタ

梓「私は」

澪「中野梓」

梓「はっ!」

紬「唯ちゃんならそこでネコだと言っていたわね」

澪「そうだな・・・」

梓「よかった澪先輩で・・・。あれ!ピノはどこですか!?」

紬「部屋に戻ったわ〜」

梓「・・・」ションボリ

澪「・・・梓、娯楽車で遊んでくるか」

梓「・・・そうですね」

澪「むぎは行かないの?」

紬「私はここにいるわ〜」

澪「分かった」

梓「少し遊んできます」

紬「行ってらっしゃ〜い」フリフリ

スタスタ

紬(・・・京都まで来たのね)

ガタンゴトン

紬「・・・」

ガタンゴトン

紬「・・・ふぁ」

さとみ「眠いの・・・?」

紬「・・・うん、少しだけ」

さとみ「座るわね」

紬「どうぞ〜」

さとみ「・・・唯ちゃんと律さんがいないとしずかね〜」

紬「そうね・・・」
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:39:19.22 ID:tjiZjvIao

さとみ「・・・」

紬「・・・」

さとみ「少しぐらいなら眠っててもいいわよ?」

紬「そう?」

さとみ「眠れる姫を騎士が守るわよ」ニコニコ

紬「それじゃ、少しだけ・・・」

さとみ「えぇ・・・観光ガイド読んでるから気にしないで」

紬「あり・・・がと・・・」ウトウト

さとみ「・・・」フムフム

紬「」ウトウト

さとみ「・・・」ペラッ

紬「」スヤスヤ

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

梓『それじゃ、さようなら』

唯『じゃあね、バイバイ』

澪『さよならだ』

律『元気でな』

『・・・っ!』

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

紬「っ!」

さとみ「・・・」フムフム

紬「・・・」ドキドキ

さとみ「あ、起きた?」

紬「・・・」ドキドキ

さとみ「どうしたの?」

よつば「つむぎおねえちゃんどうぞ」

紬「え・・・?」

よつば「いちごのあめだまー」
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:41:09.69 ID:tjiZjvIao

紬「あ、ありがとう・・・」

よつば「おねえちゃんもどうぞ」

さとみ「ありがと」ニコニコ

よつば「くふふ、どういたしまして〜」

テッテッテ

紬「・・・どのくらい寝てました?」

さとみ「・・・そんなに長く寝てないけど」

スタスタ

梓「やっぱり飴玉はいちご味がいいですね」コロコロ

澪「あ、あぁそうだな」

紬「あ・・・」ホッ

梓「私たち四葉ちゃんから飴玉をもらいましたよ」コロコロ

澪「・・・むぎ?」

さとみ「・・・」

紬「・・・え?」

梓「私の顔になにかついてますか?」

澪「なんか嬉しそうに見つめてるから・・・。どうした?」

紬「ううん。なんでもないわ〜」ニコニコ

さとみ「・・・」

梓「? さとみさん?」

澪「なにか・・・?」

さとみ「私たちも飴玉もらったのよ」

紬「そうなの。おいしいわ〜」コロコロ

梓「・・・」

澪「・・・」
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:42:33.05 ID:tjiZjvIao

さとみ「二人はどこへ行ってたの?」

澪「娯楽車へ・・・。梓がすごかった」

梓「7が全部揃いましたからね・・・。ラッキーです」

紬「コイン全部使い終わったの?」

梓「いえ、預ける事ができるみたいですよ」

澪「使い切れない枚数だったからな」

さとみ「使い切る必要ないわよね」

紬梓「「 あると思ってました 」」

澪「?」

梓「ふふっ」

紬「うふふ」

さとみ「・・・私変な事言ったかな」

澪「いや・・・」

pipipipipi

さとみ「あ・・・、ごめんちょっと席外すね」

テッテッテ

澪「電話か・・・。家からかな?」

梓「本当は降りるはずでしたからね」

紬「・・・」

秋子「みなさんここにいたんですね〜!」

澪「あ・・・」

秋子「娯楽車へ行きませんか〜?」ウキウキ

梓「私たち行って来たばかりですから・・・」

秋子「そうですか」ションボリ

紬「それなら」

小麦「私らだけで行こうよ秋子ちゃん」

秋子「そうですね〜」

修治「そうだぜ!」

梓「あ、いたんですね。見えなかっただけですよ。存在がどうのこうのじゃありません」

修治「・・・うん」

澪「エレナさんは?」

小麦「網戸とか撮ってるからそっとしておいた!」

澪「あ、網戸・・・」

小麦「エレナはたまに変なの撮ってるから。じゃあねえ〜」
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:43:53.51 ID:tjiZjvIao

澪「わ、わたしも行くよ!」

小麦「行こう行こう!」

修治「中野さんたちは?」

紬「ここにいます」

梓「あ、澪先輩、さっきのコイン使っていいですよ」

澪「遠慮なく使わせてもらうな」

スタスタ

梓「妙な組み合わせですね」

紬「うふふ、そうね〜」

梓「・・・」

紬「〜♪」

梓「・・・なにかありました?」

紬「え?」

梓「なんといいますか・・・」

紬「そうね〜。飴玉をもらって再確認した事があるの」

梓「四葉ちゃんの飴玉ですか?」

紬「えぇ・・・。エレナさんが言った通り、唯ちゃんは素敵な人なんだって」

梓「・・・そうですか」

紬「えぇ」

梓「・・・」

さとみ「おかしな組み合わせだったわね〜」

紬「うふふ」

梓「・・・」

さとみ「・・・」

紬「浮かない顔してますね」

さとみ「あ、うん・・・。弟からだったの」

梓「それで・・・どうかしましたか?」ソワソワ

さとみ「特に変わりはないんだけど・・・ただ」

紬「ただ・・・?」

さとみ「父が不機嫌な顔してるんだって」

梓「あー・・・」
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:44:21.31 ID:tjiZjvIao

紬「あら・・・」

さとみ「・・・」

梓「父親が心配するのは当然ですよね!」アセアセ

紬「そうよね!」アセアセ

さとみ「そうね。気にしててもしょうがないか」

梓「京都へ想いを巡らせましょう」

紬「さとみさんはどこへ行くか決めましたか?」

さとみ「清水寺と金閣寺は必ず行こうと思ってるの」

梓「あ、それなら夕方に私たちと金閣寺へ行きませんか?」

紬「ぜひ〜」

さとみ「そうね、そうしようかな」

梓「よーしよし」

紬「うふふ」

さとみ「二人は修学旅行どこへ行ったの?」

梓「私たちの学校は3年生になって行きますから、むぎ先輩だけです」

さとみ「そうなんだ」

紬「京都へ」キラン

さとみ「なるほど、それじゃ梓ちゃんはちょうどいいわね。先輩たちといけるから」

梓「はい!」キラキラ

紬「うれしいわ〜」

さとみ「私の学校は修学旅行なんてないから・・・羨ましい」

梓「そうなんですか・・・残念ですね」

紬「友達と行けないのは寂しいですね」

さとみ「うん・・・でも、変わりといっちゃなんだけど、ヴェガに乗れたから・・・」

梓「そうですね、これからですよ」キラキラ

さとみ「そうね!」

紬「私たちと修学旅行ね!」

梓「そうです!」

さとみ「ふふっ、それはいいわね」

紬「そうだ、食堂車行かない?」

梓「そうですね、行きましょう」

さとみ「えぇ」

715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:45:16.00 ID:tjiZjvIao

梓「さとみさんと食堂車行くの初めてですね」

さとみ「そうね〜、最初は私と律さんとむぎさんで食堂車へ向かったのよね」

紬「そうだったわね〜」

梓「休憩しにですか?」

さとみ「違うの、どうして向かったと思う?」

梓「?」

スタスタ

紬「あ・・・」

緑「・・・」

紬(写真みてる・・・のかな?)

緑「・・・なに?」

紬「えぇと・・・」

緑「・・・」

紬「外の景色・・・なにか面白いものでも見えます?」

緑「別に・・・」プイ

紬「・・・」

緑「・・・?」

紬「・・・」

緑「いつまでそこに突っ立ってるの?」

紬「あ、それじゃあこれで・・・」

緑「座ればって事」

紬(あずさちゃんたち・・・どうしよう)

緑「・・・」

紬「じゃあ、失礼して・・・」

緑「・・・」

紬「・・・」

緑「・・・」

紬「あ、あの・・・」

緑「・・・なに?」

紬「さっき大切そうに写真をみつめていましたけど・・・」

緑「・・・」

紬「えぇと・・・」
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:46:55.75 ID:tjiZjvIao

さとみ「そうそう、私あの時バトンを渡されたのよ」

梓「へぇ〜、誰にですか?」

さとみ「名前は聞いてないわね・・・。なんのバトンかも分からないわ」クスクス

梓「へぇ・・・」

さとみ「忙しくなるだろうけど、楽しめるよって・・・その通りだからビックリしてるのよ〜」

梓「・・・」

さとみ「・・・?」

梓「むぎ先輩・・・ひょっとして・・・あれ?」

さとみ「どうしたの?」

梓「むぎ先輩がいない・・・」

さとみ「あれ?」

梓「もぅ・・・急にいなくなるから不安になるんですよね」

さとみ「ふふっ、金沢でもあったわよ」

梓「・・・」

さとみ「戻ればいいのよ。『びっくり』じゃなくて『不安』なの?」

梓「・・・いえ、言葉のあやです」

さとみ「そう・・・?」

梓「あ、いた・・・むぎせん」

さとみ「待って」

梓「・・・え?」

さとみ「こっちの席から様子をみましょう」

梓「?」
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:47:55.36 ID:tjiZjvIao

紬「えぇと・・・」

緑「別に・・・どうでもいいでしょ」ガタ

紬「あ・・・」

緑「・・・」

スタスタ

紬「・・・あら?」

ヒョイ

紬(これは・・・北上さんが見つめていた写真・・・?幼い子が二人笑顔で・・・片方は北上さんね・・・)

紬「ま、まって」

緑「・・・?」

紬「あの・・・これ」

緑「それっ!」

バシッ

紬「!」


梓「!」

さとみ「ちょっと行って来るわね」



緑「ど、どうして・・・!」

紬「あ、あの・・・席に忘れていたから・・・」

さとみ「ひったくる事ないでしょ?」

緑「・・・」

紬「さとみさん・・・」

さとみ「その写真になにか想い入れでも?」

緑「か、関係ないでしょっ?」

紬「・・・」ションボリ

さとみ「大事なものを届けてくれたんだから、お礼くらい言ってもいいと思うわ」

緑「・・・」
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:48:29.39 ID:tjiZjvIao

紬「・・・」

さとみ「・・・」

緑「ありがと・・・」ボソッ

紬「え・・・?」

緑「ありがとうって言ったのよ。私がお礼を言うのがおかしい?」

紬「・・・いいえ」ニコ

さとみ「・・・」

緑「ふん・・・」

紬「あ・・・」

緑「・・・まだ、なにか?」

さとみ「うん、あるわ」

緑「・・・なに?」

紬「?」

さとみ「北上さんの右手に・・・」

緑「・・・手?」

ポン

緑「?」

さとみ「バトンタッチ」

紬「さとみさん・・・?」

緑「・・・よく分からないわね」

スタスタ

さとみ「怖かった・・・」

紬「さとみさん・・・今のは・・・?」

さとみ「なんでもないわ、食堂車へ行きましょ」

紬「・・・?」

梓「・・・やっぱりそうだ」
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:49:29.04 ID:tjiZjvIao

梓「車掌さんが怒ったところ!?」

さとみ「そう、見に行こうなんて言うからビックリしちゃった」

紬「うふふ」

梓「それで・・・見られたんですか?」

さとみ「ううん。直後だったらしくて見ずにすんだわ」

紬「そのあと、ここで休んだのよね〜」

梓「・・・」

さとみ「そうそう。今私たちが座っている席も唯ちゃんの手柄?により確保されたのよ」

けさみ「そうなんですよ〜。唯ちゃんが椅子を借りたいっていうから〜」

梓「あ・・・」

けさみ「お待たせ〜。オレンジに、アイスティー、ミルクティーでーす」

紬「ありがと〜」

梓「ここの席に座るってそういう事だったんですね」

けさみ「いつの間にか指定席になったんだよね〜」

さとみ「ふふっ、そうね」

けさみ「それではごゆっくり〜」

テッテッテ

梓「私が帰りの列車に乗ってる間にそんな事が・・・」

紬「・・・」

さとみ「梓ちゃんと入れ替わりになったのね」

梓「不思議な気分です」

紬「そうね〜」

澪「やっぱりむぎたちだったか・・・」

さとみ「・・・ふふっ」

紬「あの時の再現ね」

澪「あの時?」

さとみ「初めて食堂車にきた時の話。娯楽車はもういいの?」

澪「うん、小麦が触った機械が調子悪くなってさ・・・店員・・・しのぶさんが直してる」

紬「あらあら」

梓「コイン使い切りました?」

澪「中途半端に残ったかな」
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:49:57.67 ID:tjiZjvIao

けさみ「澪さん、ご注文はレモンティーでいいですか?」

澪「お願します」

けさみ「かしこまりました〜」

テッテッテ

梓「おぉ」

澪「ん?」

さとみ「常連さんの貫禄よね」

澪「え?」

紬「私も今度いつものやつって言ってみようかしら」

梓「言ってみたい台詞ですよね」

さとみ「そうよね〜」

澪「?」

紬「もうそろそろ京都ね〜」

さとみ「あっという間ね」

澪「また京都にくるなんてな・・・」

梓「嬉しいです!」キラキラ

紬「私も〜」

さとみ「滅多に味わえない経験よね」

澪「今回は梓と思い出を増やすか」

梓「澪先輩・・・」キラキラ
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:50:59.64 ID:tjiZjvIao

ガタンゴトン ガタン  ゴトン

プシュー

梓「よっ」ピョン

スタッ

梓「京都!」

紬「あずさちゃん!」

澪「中に戻るんだ!」

車掌「中野さん!」

梓「? どうしたんですか?」

紬「あぶないあぶない」

車掌「・・・もうしばらくお待ち下さい」

澪「ホームにマスコミが来ててな」

紬「みらいちゃんと私たちを待ってるみたいなの」

梓「え!?」

さとみ「大変そうね・・・」

修治「ヴェガから脱出できればいいんですよね?」

車掌「そうですね。みなさんの顔は知られていませんので」

紬「うふふ、怪盗みたいね」

梓「ちょっと危険な状況ですよ?」

澪「そ、そうだな」ブルブル

車掌「お二方協力してくれますか?」
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:51:29.97 ID:tjiZjvIao

修治「もちろん!」

さとみ「もちろんです!」

梓「ありがとうございます」

澪「あ、ありがとう・・・」

紬「ありがとう〜」

修治「・・・貸しもあるからね〜」アハハ

さとみ「律儀よねぇ〜」

修治「じゃ、俺は変装セット見繕ってくる」

紬「よろしくね〜」

タッタッタ

さとみ「私はどうしようかな」

車掌「駅長に話を通してありますので、なにか役に立てるものを借りてきてくれますか?」

さとみ「了解しました」

タッタッタ

梓「お願します」

澪「映るのは嫌だ」ブルブル
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:51:58.43 ID:tjiZjvIao

―――――職員室

ガチャ

純「山中先生!」

さわ子「あらあら、鈴木さん。ここは職員室よ?おしずかにね」

純「あ、はい・・・すいません」

憂「山中先生はニュースサイトご覧になりましたか?」

さわ子「いいえ、まだ見ていませんが・・・?」

純「えぇと・・・」

憂「・・・少しお話があるのですが」

さわ子「・・・ちょっとまっててね。鍵を・・・」

スタスタ

さわ子「情報室へ行ってきます。少し空けますがよろしいですか?」

「えぇ、大丈夫ですよ」

さわ子「・・・それでは、行きましょうか」

純「は、はい」

憂「失礼しました」ペコリ

バタン

さわ子「それで、どうしたのよ?」

純「飯山みらいの件で!」

憂「私はまだ見てませんが、HTTFの動画が流れているそうなんです」

タッタッタ

憂「あ・・・」

純「せ、先生が廊下を走った!」

和「・・・どうしたのよ?」

純「真鍋先輩も来てください」

憂「お姉ちゃんが・・・」

和「え・・・?」
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:52:27.95 ID:tjiZjvIao

さわ子「・・・」カチッカチッ

純「失礼しまーす」

憂「見つかりました?」

和「・・・」

さわ子「あったわ・・・」

純「おぉ、再生回数2000も回ってる!」


みらい『 心を映し出す 丸い月 赤くやんなり浮かぶ 誰にも知られず
     私を形作るすべてが 涙をもっていると 誰にも言えずに  』


憂「・・・」ハラハラ

さわ子「注目度をよみ誤ったわ・・・」

和「・・・」

純「先輩方の顔は映ってない・・・?」

憂「え・・・?」

さわ子「・・・」

和「・・・」

純「曲と飯山みらいはバッチリなんですけど、どういう訳か先輩方は映ってませんね」

さわ子「・・・はぁ、焦った」ヘナヘナ

憂「よかった〜」ホッ

和「・・・この曲だけなのね」

憂「純ちゃん見てなかったの?」

純「私が見たのは音が悪くて手ぶれがひどいヤツだった。記事も読んでみてください」

さわ子「記事・・・?ニュースサイトがどうのこうの言ってたわね」カチッカチッ

憂「・・・あ」

『謎のグループHTTFの動画流れる!』

『事務所とTV局に不正行為!?』
 
純「さっき見た時より大げさになってる・・・」

さわ子(美弥ちゃんが言っていたのはこれだったのね)

和「山中先生、動画が投稿された時間分かりますか?」

さわ子「ちょっと待っててね」

憂「・・・」

純「えぇと・・・8月9日の10時に演奏開始でしたよね」

和「そうよ」

さわ子「8月9日の・・・13時に投稿されているわ」

憂「3時間で・・・」
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:53:45.60 ID:tjiZjvIao

純「え・・・という事は・・・どういう事?」

和「・・・意図的に撮影して流した・・・と」

さわ子「あの子たちに危害がないような計らい・・・」

憂「誰が・・・?」

純「・・・」

和「・・・」

さわ子「・・・」

憂「なんでしょうか、この感覚」

和「ちょっとスッキリしないですね」

さわ子「・・・悪意は感じないけどね」

純「・・・あ、山中先生テレビつけていいですか?」

さわ子「いいわよ」

憂「なにかあるの?」

純「テレビ欄くらい見なきゃダメだよ、憂」

和「あまりいい台詞じゃないわね」

ピッ

修治『えぇ、いい曲でしたよ』キリ

さわ子「・・・」ポカーン

憂「鳥羽さん!?」

和「な、なぜ・・・?」

純「まさかの・・・鳥羽なんとかさん・・・」

『どのような曲でしたか?』

修治『そうですね・・・山の中にいるような・・・』

さわ子「・・・」

修治『のどかな気分になりました』

和「・・・」

修治『純っ粋な気持ちで聞くと幸せな気持ちになれると思います』

純「・・・」

『そうですか・・・』

修治『Oui』

憂「ブフッ」

和「憂が噴出すなんて・・・やるわね修治」

さわ子「完全に遊んでるわねこの子」

純「でも感想としては当たっているかも・・・」
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:55:00.37 ID:tjiZjvIao

『HTTFのメンバーについて詳しく聞かせてもらえますか?』

修治『ギター二人にベース一人、ドラム一人』

純「ちょっと・・・」

憂「・・・」

修治『キーボード二人でボーカルの飯山みらいですね』

さわ子「なるほど」

和「・・・バレない嘘ですね」

憂「ふむふむ」

純「紬先輩の他にいました?」

さわ子「いたわよ〜」

修治『飯山みらいですか?草津駅で白澤監督の映画がどうとかで降りましたよ』

純「マジで!?」

憂「どうしたの、純ちゃん」

和「有名な監督よ」

さわ子「あらら、思いのほか順調なのね」

『よろしいですか?』

さとみ『え、あ、はい』

さわ子「・・・あら」

和「・・・さとみまで」

純「あ、さとみさんも映った!」

憂「すごーい」

さとみ『はい。いい子でしたよ』

純「あ、あの金髪の人エレナさんだ!」

憂「いま・・・メガネかけた澪さんが映ったような」

和「いたわね。梓と同じ髪型だったわ」

さわ子「他の四人はまだ!?」

純「帽子とサングラス!」

和「とても怪しいわね・・・」

憂「梓ちゃん・・・雰囲気で分かったよ」

さわ子「どうして列車からナマズのきぐるみがでてくるのよ・・・」

さとみ『きゃー!』ダキッ

『それではスタジオにお返しします』

和「さとみはナマズ人形が大好きだったわね」

純「へ、へぇ・・・」
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:56:00.50 ID:tjiZjvIao

憂「可愛いきぐるみでしたね」

さわ子「そ、そうね・・・」

和「・・・みらいは順調だけど」

さわ子「さとみちゃんはまずいわね・・・」

純「?」

和「飯山みらいが目的でもすこし派手じゃないですか?」

さわ子「ヴェガの話題性もあるし・・・みらいちゃんは今や時の人よ」

憂「どういう事ですか?」

純「前の事務所とテレビ局との不正疑惑で話題になってるって事ですかね」

さわ子「疑惑が出る直前に解雇、解雇されたにも関わらず謎のグループで活動」

和「その謎のグループは情報が掴めないからどんどん話題だけが一人歩きしている・・・と」

純「今、鳥羽なんとかさんが偽の情報を流しましたから・・・」

さわ子「HTTF、放課後ティータイムは霧の中へ潜っていってる訳ね」

和「そこへ白澤監督の映画・・・」

憂「なるほど」

さわ子「でもねぇ・・・」

和「危険ですよね・・・」

憂「お姉ちゃん・・・」

純「うーむ」

pipipipipipipi

憂「あ、お姉ちゃんからだ・・・。はい」

さわ子「なにかあったのかしら?」

和「・・・?」

純「・・・」

憂「あ、そうなんだ・・・よかった〜。・・・ううん、学校だよ。今隣にいるよ〜。待ってて。どうぞ山中先生」

さわ子「ん・・・?唯ちゃんどうしたの?」

『もしもし、さわちゃん?・・・聞いて驚いてよ!』

さわ子「なによ〜、もったいぶらないで早くいいなさいよ」

『みらいちゃんの所属事務所決定しました〜!』

さわ子「本当なの!?すごいじゃない!」

憂「みらいちゃんの事務所決まったんだって」

純「おぉ!」

和「それはいい知らせね」
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:56:30.56 ID:tjiZjvIao

さわ子「今どこにいるの?みらいちゃんは草津駅でしょ?」

『みらいちゃんはプロリュー・・・デューサーさんと撮影現場に向かったよ〜。私たちは京都へ向かっている所〜』

さわ子「・・・そう。安心したわ。それじゃね」ホッ

プツッ

さわ子「はい、憂ちゃん」

憂「よかったですね」ルンルン

和「さっきの動画ってもしかして・・・」

さわ子「・・・多分ね」

純「?」

さわ子「・・・これでみんなの情報は事務所が守ってくれるでしょ」

和「そうですね」

憂「・・・はい」

純「そっか〜」

さわ子「・・・」

和「・・・」

憂「・・・」

純「・・・」

さわ子「さて、仕事に戻りますかね」

和「私も生徒会に行かなくちゃいけないわ」

純「・・・」

憂「・・・」

和「・・・」

さわ子「憂ちゃん、お茶の用意しといてね!」

憂「はい!」
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:57:27.55 ID:tjiZjvIao

紬「ふぅ〜、暑かった〜」サラサラ

さとみ「むぎさん脱いじゃうの・・・?」

梓「我慢してください」

さとみ「可愛かったのに〜」ブー

澪「むぎ、私の肩使っていいよ」

紬「ありがと〜、よいしょっと」

梓「・・・澪先輩」

澪「どうした?」

梓「私の肩使っていいですよ」

紬「澪ちゃん一人では私を支えられないって事・・・?」ションボリ

梓「ち、違いますよっ」

さとみ「むぎさんと澪さんを支えたいって事」

澪「・・・そうか。じゃ失礼して」

チョコン

梓「・・・」キリ

さとみ「それじゃ、これ返してくるから」ギュウ

紬「ありがと〜」

澪「それじゃ、金閣寺で」

梓「ありがとうございました」

さとみ「いえいえ〜」キラキラ

紬「さとみさん、すっごく嬉しそう」

澪「ナマズ人形好きみたいだからな」

梓「最初はどうかと思いましたけど」

紬「二人とも変装したままなの?」

澪「う、うん・・・」

梓「私はこのままでいきます」キリ

紬「あずさちゃん気に入ったのね」

澪「夕方までどこへ行こうか・・・」

エレナ「みなサンお揃いですネ〜」

小麦「二人足りないよエレナ・・・」

澪「あ、小麦とエレナさんはどこへ?」

エレナ「映画村ですワ」

小麦「時代劇の撮影してるかもしれないんだ、エレナ張り切っちゃって」

澪「わ、私も行っていいかな」
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:58:03.31 ID:tjiZjvIao

エレナ「もちろんですワ」

小麦「行こう行こう!」

紬「それなら夕方に金閣寺ね〜」

梓「そこで集合ですね」

澪「分かった」

エレナ「行きますワヨー!」

小麦「最近元気すぎるよエレナってば・・・」

澪「あはは」

スタスタ

紬「私たちはどうしましょうか」

梓「むぎ先輩・・・は・・・」

紬「どうしたのあずさちゃん?」

梓「いえ、食堂車で話をしたせいか・・・むぎ先輩と二人で観光するの懐かしいな、と」

紬「そういえばそうね〜」

梓「懐かしいのと新鮮な気持ちと」

紬「うふふ」

よつば「あ、つむぎおねーちゃーん!」

「こんにちは〜」

紬「あら・・・」

梓「あ・・・」

よつば「バイバイだねー」

「それでは、ごきげんよう」

紬「はい、さようなら。四葉ちゃん元気でね〜」フリフリ

梓「バイバイ!」フリフリ

よつば「じゃーねー!」フリフリ

紬「・・・」

梓「行っちゃいましたね・・・」

紬「・・・うん」

梓「むぎ先輩はどこか行きたい所ありますか?」

紬「そうね〜。銀閣寺かしら?」

梓「どうしてですか?」

紬「金閣寺は金だったから・・・もしかして?」

梓「そうですね。確認しに行きましょうか」

紬「行きましょー」

スタスタ
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:58:41.78 ID:tjiZjvIao

「バス乗り場どっち?」

紬「?」

梓「?」

「バス乗り場」

紬「あ、北上さん」

梓「バス乗り場・・・ですか」キョロキョロ

緑「知らないならいいの・・・じゃ」

紬「あ、あっちじゃないかしら?」

梓「そうです」

緑「そう・・・」

紬「・・・」

梓「・・・?」

緑「これ・・・」

紬「乗車証?」

梓「あ、さっききぐるみ脱いだとき外れたんですよ、むぎ先輩」

緑「・・・」

紬「あ、ありがとうございます」

梓「・・・」

緑「・・・じゃ」

スタスタ

紬「よかった〜」ホッ

梓「・・・それを渡すために声をかけてくれたんですかね」

紬「ふふ、そうかも」

梓「・・・」

紬「さぁ、行きましょう〜」ニコニコ
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:59:09.89 ID:tjiZjvIao

―――――銀閣寺

梓「いぶし銀!?」

紬「うまい喩えね〜」

梓「いいですね、自然と調和しています」

紬「そうね。金閣寺のような華やかさはないけど、落ち着かせる風景ね」

梓「おぉ、境内が広いです」キラキラ

紬「素敵な庭園ね」

梓「さすが国宝とされるだけありますよね。ここだけ時間が止まっているみたいです」

紬「大事に守られているのね〜」

梓「あの砂の波紋もよかったですよね」

紬「銀沙灘ね。近世以降に造られたものじゃないかと云われているわ」

梓「だからですかね。あそこだけ異質な空間にも感じられました」

紬「そうね〜。過去の建物なのに現代的な芸術が混ざってたようだったものね」

梓「銀閣寺・・・面白い場所ですね」

紬「うふふ」
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:00:23.34 ID:tjiZjvIao

―――――京都駅

律「しつけえな〜」

唯「お兄さんたちしつこいよ!」ビシッ

「京都案内してやるって〜」

「清水寺からダイビングしたつもりでさ〜」

唯「説明求む!」

律「あぁ、説明はいいや。修治より寒いから・・・」

「あぁ〜、人が優しくしてりゃ〜」

寒い男「京都の盆地よりへこむぜ〜」

律「・・・」ビュウウウ

唯「意味分かんないよ!」


修治「・・・なにやってんだよ」

「・・・」スッ

修治「ん?」


寒い男「いいじゃん行こうずぇ〜」

「ビリケンさんに挨拶しなきゃな〜」

「それは大阪だろ、アホ」

律「え?」

唯「ん?」

アホ「あぁ!?ってでかっ!」

寒い男「京都タワーかよっ」

「類は友を呼ぶんだね〜」

寒い男改めアホ2「んだとぉ!」

律「おぉ」キラキラ

唯「りっちゃん!?」

修治「惚れたな」

唯「修治くんどうしたの!?」

修治「平沢さんテンション高いね・・・?」

アホ「あんま調子乗ってると烏丸通りだぞ!?」

アホ2「鴨川でバーベキューにすんぞ!?」

「これ以上京都を汚すこと言ってるとひねるぞ!?」ビキビキ

バカバカ2「「 すいませんでした 」」

タッタッタ
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:01:38.70 ID:tjiZjvIao

修治「おぉ」

律「かっこいいー」キラキラ

唯「かっこいい!」

「あはは、もう大丈夫みたいだね」

律「あ、姉御と呼んでいいですか」キラキラ

「は?」

修治「惚れこんだみたいです」

唯「助かりました!姉御!!」

姉御「いや・・・まぁいいか。これっきりだろうし」

律「助かりましたッス!」

唯「オス!」

修治「・・・」

姉御「・・・」

秋子「姉御さま〜!」

姉御「え!?」

修治「秋子ちゃんもみてたの?」

秋子「はい〜。かっこよかったです〜」キラキラ

律「感謝してるッス」

唯「そうッス」

姉御「うわぁ・・・」

修治「面白い・・・」プクク

姉御「じゃ、じゃあね」

タッタッタ

秋子「まって〜、姉御さま〜」

タッタッタ

修治「さわ子先生の次はあの人か・・・」
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:05:47.95 ID:tjiZjvIao

律「じゃ、行くか」

唯「金閣寺!」

修治「・・・」

律「修治はどうしてここに?」

修治「適当に歩いていただけ・・・」

唯「駅前を?」

修治「あー・・・うん。俺も金閣寺に行っていいかな?」

唯「もちろんだよ!カムオーン!」

律「しゃあねえな」

修治「よっしゃ行くべさ!」

唯「行くべー!」

律「うるさいの追加」
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:06:32.85 ID:tjiZjvIao

―――――草津

「ごゆっくりどうぞ〜」

唯「どうして喫茶店に入ったの?」

みらい「降りる前に電話があって、ここで待っていろ・・・と」

律「誰から・・・?」

みらい「前の事務所で一緒に活動していたプロデューサーです」

唯「・・・どうして今頃?」

みらい「お話があるそうで・・・。近くにきているそうです」

律「ふ〜ん・・・。これはいい感じに流れてきてるのかな・・・」

唯「ど、どんな人!?」

みらい「とても厳しくて・・・とても気配りができて・・・とても優しい人・・・です」

律「ほぅ・・・」キラン

唯「どんな活動してたの?」

みらい「一緒にボイトレしたり・・・。ダンスのレッスンしたり・・・。お仕事もほとんど一緒でした」

律「歌詞書いたのもその人だよな」

みらい「はい、そうです」

唯「・・・ふむふむ」

みらい「芝居の稽古もつけてくれて、厳しかったですけど・・・その人のおかげでとても充実していました」

律「・・・恋する乙女みたいだな」ニヤニヤ

唯「まったくですな〜」ニヤニヤ

みらい「・・・」

「おまたせ・・・みらい」

みらい「お久しぶりです」ガタ

「そのままでいいわ」

唯「女の人じゃん!」

律「なんだよ〜」

みらい「ふふっ」

「どうしたの?」

みらい「なんでもありません」クスクス

「・・・。初めまして、私はこういう者です」スッ

律「あ、名詞までくれて・・・。秋月さんですね」

唯「初めまして・・・私はこういう者です」スッ

律「それはこの店のアンケート用紙だろ」

みらい「ブフッ」

秋月「・・・」
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:07:42.96 ID:tjiZjvIao

唯「他になかったんだもん」

律「無理しなくてもいいんだよ。私ら高校生なんだから」

唯「それで・・・お話の続きを聞かせてもらいませんか?」

律「始まってすらねえよ」

みらい「ふふ」

秋月「楽しそうに笑うようになったわね」

みらい「え・・・?」

秋月「時間がないから単刀直入に言うわ。うちに戻ってきなさい、みらい」

律「・・・」

唯「おぉ・・・」

みらい「えぇと・・・」

秋月「・・・どうかしら?」

みらい「・・・」

律「一つお聞きしたいのですが、いいですか?」

秋月「なんでしょうか?」

律「どうして事務所を移籍させたんですか?」

唯「・・・」

秋月「・・・」

律「あなたの事信頼してたみたいです・・・」

秋月「・・・」

唯「・・・」

みらい「・・・」

律「どうしてですか?」

秋月(・・・なるほど、あの曲が生まれた理由が分かった・・・)

唯「・・・」

みらい「・・・」
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:08:35.83 ID:tjiZjvIao

秋月「・・・飯山みらいは私が担当した初めての子でした」

律「・・・」

秋月「これだけの素材を埋めてしまうんじゃないかって。不安もあって・・・」

みらい「・・・」

秋月「それでも一緒に活動していましたから・・・頑張るつもりでした」

唯「それなら・・・どう・・・して」

秋月「移籍の話が上がったとき、みらいに運が転がり込んできたと思いました
   この業界は運を掴めないと上へはあがれません」

唯「実力や努力だけでは・・・」

秋月「そういう事です」

みらい「・・・」

律「なるほど・・・」

秋月「TVで頑張っているみらいをみて、これでよかったと納得させていました」

みらい「・・・」

律「自分を偽っていたのに?」

秋月「人を楽しませる嘘・ハッタリはアイドル、いえ芸を持つ人たちには必要な事だと考えています」

唯「・・・」

秋月「解雇されたと聞いても、うちの事務所が・・・私がみらいを受け入れる資格なんてないと思っていました」

律「それならどうして?」

秋月「昨日、名古屋城に私もいました」

みらい「えっ?」

唯「・・・」

秋月「あの曲を聴いて後悔しました」

律「後悔・・・?」

秋月「えぇ・・・、自信を持って支えてあげればよかったと、手放すべきじゃなかった・・・と」

みらい「・・・」

唯「・・・気づくの遅いよ〜」ブー

律「そうだぜ〜」ブー

秋月「・・・」

みらい「唯さんは・・・この話に反対ですか?」
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:09:12.89 ID:tjiZjvIao

唯「ううん。秋月さんなら人を傷つけさせる嘘をつかせないと思うから・・・」

律「うむ」

秋月「・・・」ホッ

唯「秋月さん、みらいちゃんをよろしくお願いします」

みらい「・・・っ」

律「唯・・・」

秋月「はい、任されました」ニコ

唯「やった、やったよりっちゃん!」

律「あぁ、やったな唯!」

みらい「・・・っ」

秋月「そうと決まったら行くわよ、みらい」

唯「え?」

律「ど、どこへ?」

みらい「・・・」

秋月「ここの近くで白澤監督の撮影があるので・・・って、あなたたちもしかして」

唯「私たちも行くよ!」フンス!

律「そうだぜ、その為にここで降りたんだからな」

みらい「・・・」

秋月「申し訳ないけど遠慮して下さい」

律「ど、どうしてだよ!」

秋月「放課後ティータイムにはまだ謎でいて欲しいので」

唯「謎・・・?」

みらい「・・・話題を作るためですね」

秋月「そういう事。撮影現場にマスコミがいれば危ないですから」

律「マスコミ?」

秋月「ネットの動画サイトにHTTFの動画流しておきました」

唯「・・・」

秋月「安心して下さい、みらいと曲しか拾っていませんから」

みらい「・・・」

秋月「もしみなさんが、うちからデビューするっていうのなら話は別ですけど」

唯「我慢します!」

律「はは・・・」
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:09:45.18 ID:tjiZjvIao

秋月「それじゃ、私たちはこれで失礼します」

唯「うん・・・。頑張ってねみらいちゃん!」

律「あぁ、私たち応援してるからな!」

みらい「唯さん・・・律さん・・・っ」

秋月「・・・」

みらい「み・・・っ・・・みな・・・っさんにはっ・・・」

秋月「ダメよ、みらい」

みらい「・・・っ!」

秋月「・・・」

みらい「・・・・・・後でヴェガに・・・行きますね」

唯「うん!」

律「じゃあ後でな!」

秋月「お世話になりました」

みらい「それでは」

唯「うん」

律「・・・」

唯「・・・」

律「意外とあっさり物事がすすんだな・・・」

唯「そうだね〜。京都に行こうかりっちゃん!」

律「そうだな!」
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:10:36.59 ID:tjiZjvIao

律「って訳だ!」

唯「やったよ!」ブイッ

梓「よかったです!」

澪「あぁ、よかった」

紬「えぇ・・・よかったわ」

さとみ「うん」

修治「・・・」

唯「あずにゃんの帽子姿かわいいよ〜!」

律「澪までメガネかけて・・・どうしたんだよ?」

澪「ちょっとな」

紬「ちょっとね〜」

律「まぁ、いいけども」

唯「さぁ、金閣寺だよあずにゃん!」

梓「は、はい!」

澪「ゆ、唯」

律「みお」

澪「・・・?」

律「・・・」フルフル

澪「・・・」コクリ

紬「・・・」

さとみ「・・・」

修治「・・・」

唯「みんななにやってるのー!」

梓「一緒にみましょー!」

律「よっしゃ、行くか!」

澪「あぁ!」

紬「そうね!」

さとみ「そういえば私も初めてみるのよね!」ワクワク

修治「ふむ」
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:11:22.90 ID:tjiZjvIao

唯「あずにゃん、さとみちゃん、ここを越えると金閣寺が見えるんだよ」

梓「・・・」ゴクリ

さとみ「・・・」ゴクリ

修治「どんな反応するのやら」

律「見ものだ」ウシシ

梓「さ、さとみさん用意はいいですか?」

さとみ「えぇ・・・出来てるわ」

梓「3,2,1で飛び出しましょう」

さとみ「了解よ」

律「3」

紬「2」

澪「1」

唯「ゴー!」

タッタッタ

梓さとみ「「 あ、意外とこじんまりしてますね 」」

修治「なんてこった・・・」

唯「水面に映った金閣寺も見てよー!」

律「まったく・・・。私たちはもっと感動したんだぞっ」

紬「金閣寺ってな〜」

梓「おぉ」

澪「また出た!」

紬「昭和25年に燃やされてもうて、いまあるんは新しく建てられたもんなんやって」

さとみ「流暢ね」

紬「お釈迦様のお骨を奉った舎利殿の金閣は有名やさかい」

修治「ふむふむ」

紬「金閣寺って呼ばれるようになったけど、ほんまは鹿苑寺っていうらしいわ」

律「・・・くっ」

澪「律の関西弁はよくなかったからな」

紬「ゆっくり金閣寺を楽しんでいっておくれやす」

梓「は、はい!」キラキラ

唯「す、すごいよ!一言一句そのままだよむぎちゃん!」キラキラ

紬「そ、そうなの?」

唯「うん!」

さとみ「それはそれですごいわね」
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:12:35.47 ID:tjiZjvIao

律「なぁ、あの金箔どのくらいの量なんだろうなー」

修治「そうだなぁ・・・東京ドーム10個分くらいかな?」

澪「勉強になる話だったのに・・・」

律「そんなに多くないだろ〜」

修治「うーん。じゃあ銭湯の浴槽56杯分」

律「極端だが・・・そんなもんか」

梓「・・・」

さとみ「いい時間に来たのね私たち」

紬「前に来たときはお昼だったよね〜」

澪「お昼は修学旅行生とか多そうだから、いいタイミングだな」

梓「斜陽が反射してさらに輝いて見えますね」

唯「ま、眩しい!」

律「・・・」

さとみ「それは律さんよ唯ちゃん」

修治「あの金箔剥がせないかな?」

唯「ダメだよ!」

律「記念にいいんじゃねーか!?」

修治「よし、剥がしに行くぞ野郎どもー!」

「「「 ・・・ 」」」シーン

律「謝れ」

修治「すいませんでした!女性に対して失礼極まりなかったです!!」

さとみ「本当よ!」プンスカ
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:13:18.52 ID:tjiZjvIao

唯「剥がしに行くよ、みんな!」

紬律梓「「「 おぉー! 」」」

タッタッタ

澪「どうやってだ」

さとみ「元気よく走って行ったわね」

修治「・・・」フゥ

さとみ「修治くんって不器用よね」

澪「そうだな」

修治「・・・。 俺も剥がしに行って来る!」

タッタッタ

さとみ「・・・」

澪「唯・・・」

さとみ「一生懸命耐えてるって感じね」

澪「私も支えてあげなきゃ」

さとみ「そうね、私たちも行きましょう」

澪「・・・うん」
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:13:57.74 ID:tjiZjvIao

律「お茶を飲む前にお茶請けを食べたほうがいいんだぜ〜」

梓「へぇ〜」

律「その方がお茶の渋みが味わえるからな〜」

梓「へぇ〜」

律「・・・」

梓「・・・」

律「って、むぎに教えてもらった」

梓「ですよね〜」

律「中野ォー!」

梓「」ササッ

唯「ダメだよりっちゃん。女性はおしとやかに、だよ」シンナリ

律「・・・ぐっ」

梓「・・・」ジー

澪「ほら、遊んでないで行くぞ」

紬「舞妓さんを探しましょ〜」

さとみ「もう日が暮れたけど・・・」

修治「居るんかねぇ・・・」

小麦「おーい!」

澪「あっ」

エレナ「ミナサンも祇園に来てたんですネ!」

秋子「わぁ〜偶然〜!」

律「姉御は!?」

秋子「見失っちゃいました〜」

律「そっかぁ」

澪「姉御?」

風音「あ、みなさん」

ピョン

風音「あ、こら!」

ピョンピョン

律「お、おぉ!」

唯「ななっ!」

梓「そ、そんな!」

ピノ「ピピッ!」

澪「律の肩に乗るなんて・・・」

さとみ「ピノちゃんは分かってるのよ」
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:14:59.24 ID:tjiZjvIao

紬「見方だと判断したのね」

修治「・・・はは」

律「後でみんなにアイス奢るの忘れてないだろうな?」キラキラ

修治「は、はい」

風音「もう・・・」

律「気にしないでいいからさ」キラキラ

澪「嬉しそうだな」

紬「あ、鳥羽さん・・・お願します」

修治「はいよ。じゃ、みんな並んで〜」

エレナ「記念撮影ですネ!」

小麦「並ぼう並ぼう!」

修治「はい、チー」

緑「・・・?」

さとみ「ちょっとま」

修治「−ズ!」カシャ

澪「い、今撮った!?」

エレナ「オー、私ヨソミしていましたヨ」

秋子「私変な顔していたかも〜」

梓「ピ、ピノ!」

唯「ピノちゃん!」

ピノ「ピピ?」

紬「二人は撮影にすら気づいていないのね〜」

小麦「もー!いきなり撮るなんてひどいよ〜!」

風音「私はいいと思うな今の・・・」

修治「そうそう何気ないアングルがいい表情だったりするんだよ」

律「人事だと思いやがって・・・」

紬「北上さんもいらしてたのね〜」

緑「たまたま通りがかっただけよ・・・じゃ」

紬「列車で〜」フリフリ

澪「・・・あれ?」

さとみ「少し柔らかくなったわね」ニコニコ

澪「そう、か・・・」

修治「もうそろそろ引き揚げたかな・・・」

律「なにが?」

修治「マスコミが」
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:15:28.79 ID:tjiZjvIao

律「?」

澪「そうだな・・・ヴェガに戻ろうか」

エレナ「そうですネ」

秋子「はーい」

風音「律さんから離れない・・・」

律「・・・」キラキラ

ピノ「ピピッ」

梓「ピノ!」

唯「・・・」

紬「戻りましょ、唯ちゃん」

唯「そだね!」

748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:16:02.80 ID:tjiZjvIao

秋月「時間よ」

みらい「もう少しだけ」

秋月「・・・」

みらい「・・・」

秋月「テレビで頑張り続けていたらあの子たちも納得してくれるわ」

みらい「で、でも」

秋月「・・・遅れるわけにはいかないのよ」

みらい「・・・・・・はい」

・・・・・・・・・

修治「ここで待ってて」

タッタッタ

唯「よろしくー!」

律「そんな事になってたのか」

紬「今はもういないと思うけど・・・」

律「珍しく私らについてくると思ったらそういう事か」

唯「用心してくれてたんだね〜」

さとみ「なるほど」

澪「いたら大変だ」ブルブル

梓「私は変装完璧です」キリ

唯「あずにゃん、夜にサングラスは変だよ」

梓「そうですか?」

澪「今のうちに髪型を変えておこう・・・」

紬「ポニーにしましょう」

さとみ「わたしも手伝うわ」

澪「え、あぁ・・・お願い」

紬「〜♪」

律「私はどう変えようかな〜」

唯「カチューシャ外せばいいんだよ」

律「そっか」スチャ

梓「・・・」

唯「・・・」

律「・・・」スチャ

唯「どうして付けるの?」

律「リアクションが無いからだよ!」
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:16:53.88 ID:tjiZjvIao

紬「はい、出来ました〜」

さとみ「いいなぁ、澪さんなんにでも似合ってて・・・」

澪「そ、そんな・・・」テレ

梓「着物似合いそうですよね」

律「十二単で『わらわの言う事が聞けぬのか』とか言いそう」

澪「なにを言っているんだ?」

ダダダダダダ

唯「お、修治くんが」

梓「凄い勢いで来ますね」

律「どうしたんだ?」

さとみ「?」

修治「平沢さん付いて来て!」

唯「どうしたの!?」

修治「みらいちゃんがさっき降りたって!」

唯「え!?」

律「行くぞ唯!」

紬「どこへ行ったか分かるんですか!?」

修治「駐車場かもって!」

ダダダダダダ

梓「は、はやい!」

さとみ「さすが男の子ね!」
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:17:38.53 ID:tjiZjvIao

秋月「乗って」

みらい「・・・はい」

修治「待って!」

みらい「あっ!」

秋月「・・・?」

修治「待って・・・もう少しで・・・っはぁ・・・平沢さんが来るから・・・、まだ車に乗らないで」ゼェゼェ

みらい「唯さん・・・」

秋月「・・・」

修治「っはぁ・・・はぁ・・・疲れた・・・」

みらい「・・・」

修治「間に合ってよかった・・・飲み物かってこよ」

みらい「・・・ありがとう修治さん」

修治「・・・お礼を言うのは俺にじゃないよ」

スタスタ

みらい「・・・」

秋月「少しだけね」

みらい「・・・はい」

唯「みらいちゃーん!」

タッタッタ

みらい「あ・・・」ホッ

唯「よかった〜。間に合って〜」

みらい「あ、あの・・・」

唯「ごめんね〜、戻ってくるの遅くて〜」

みらい「わ、わたしの都合です・・・っ」

唯「えへへ」
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:18:09.03 ID:tjiZjvIao


秋月「ごめんなさいね」

律「そんなに急いでいるんですか?」

秋月「えぇ。アイドルとして名前が売れていても女優としては新人ですから」

紬「と、いう事は・・・」

秋月「えぇ、出演する事になりました。ちょい役ですけど」

澪「す、すごい」

梓「・・・」

修治「ゴクゴク・・・うめえ」プハー

さとみ「・・・おつかれさま」

修治「うん・・・ゴクゴク」プハー

梓「かっこつければいいのに・・・」

律「それは無理な注文だ」
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:19:31.33 ID:tjiZjvIao

唯「どうだった〜?」

みらい「おかげさまで、出演する事になりました」ニコ

唯「す、すごいよみらいちゃん!」

みらい「ちょっとした役ですけど。・・・自分が好きなように自分を演じられたんです」

唯「自分が好きなように・・・?」

みらい「はい!」

唯「それ素敵な事だよ!」

みらい「紬さんが教えてくれました」ニコ

唯「そっか〜、さすがむぎちゃん」

みらい「さわ子先生にもたくさん教わりました」

唯「私たちの先生だもん!」

みらい「律さんにも、澪さんにも、梓さんにも助けて頂いて・・・」

唯「私の仲間だもん!」

みらい「唯・・・っ・・・さんには・・・感謝しきれない・・・っ・・・くらい」

唯「みらいちゃんのファンだもん!」

みらい「・・・ぅ・・・っ・・・演技以外で・・・泣いて・・・いけな・・・っ・・・のに」グスッ

唯「ずっと頑張ってたもんね」

みらい「・・・ぅっ・・・っ」ボロボロ

唯「偉いよ、みらいちゃん」

みらい「あ・・・っ・・・ありが・・・っ・・・」グスッ

唯「えっへへ〜、みらいちゃんの役に立てたかな」

みらい「もっ・・・もちろんです。私の大恩人ですっ」グスッ

唯「嬉しいよ〜」エヘヘ

みらい「唯さんに負けないように、私っ・・・頑張ります!」

唯「うんっ!」

秋月「・・・」

みらい「本当にお世話になりました」

唯「ううん。一緒にいられて、すっごく楽しかったよ!」

みらい「私もです!」

秋月「・・・それじゃ、行きましょうか」

律「これから草津へ?」

秋月「はい。そうです」
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:20:26.02 ID:tjiZjvIao

澪「列車で行かないんですか?」

みらい「少し不便な所なので・・・。車、なんです」

秋月「任せなさい」

みらい「・・・」ブルブル

唯「どうして震えてるの?」

みらい「少し荒っぽいのです」

紬「うふふ」

梓「そうなんだ」

さとみ「ふふっ、気をつけてね」

秋月「みらいは変わったわ・・・こんな事言わなかったのに」

律「唯のせいだな」

澪「そうだな」

梓「そうですね」

さとみ「なるほど」

唯「もぉー!」プンス!

みらい「唯さんのおかげです」

紬「そうよね〜」

唯「でっへっへ」

みらい「それではみなさん・・・・・・」

梓「私も唯先輩と一緒に応援してるよ」

みらい「ありがとうございます」

澪「名古屋城でのライブ・・・一生忘れない」

みらい「私もです。最高のステージでした」

律「なーにやってんだ、修治も挨拶しろよー」

修治「あ、えと・・・」

みらい「修治さんにもたくさん助けていただいて・・・」

修治「あ、あぁ・・・」

律「今になって口ベタになるのかー」

梓「しょうがないですね」

唯「もぉ〜」

修治「・・・うん。俺は誰かの為になんて考えてないんだ。ただ・・・」

澪「ただ・・・?」

さとみ「ただ・・・?」ワクワク

紬「・・・」ワクワク

修治「期待しないで・・・。ただ・・・」

律「引っ張りすぎ」
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:21:23.19 ID:tjiZjvIao

みらい「ふふ」

修治「ただ、みんなで楽しく旅がしたいだけなんだ」カァ

唯「それって、誰かのためになってるんだよ〜」

修治「う・・・」プシュー

みらい「楽しかったです」ニコ

修治「ど、どういたしましてー!」

タッタッタ

みらい「・・・」ペコリ

梓「逃げましたね」

律「みらい・・・元気でな」

澪「無かった事にしたっ!」

みらい「はい。律さんには背中を押してもらって・・・とても頼りになりました」

律「へへっ、楽しかったよ」

みらい「忘れられない思い出がたくさん出来ました」

さとみ「なにもしてあげられなかったけど・・・。元気でね」

みらい「ふふっ、一緒に色々な場所観光したじゃないですか」

さとみ「そうね、楽しかった」

紬「・・・それじゃ、元気でね」

みらい「紅茶とってもおいしかったです」

紬「嬉しいわ〜」

みらい「・・・とっても」

唯「むぎちゃん、これ・・・いいかな?」

紬「それは唯ちゃんのものよ」

唯「うん、ありがとー」

梓「あ、それは・・・」

唯「はい、みらいちゃん」

みらい「ガラス細工の・・・チキンちゃんですよね。いいんですか?」

唯「うん!」

澪「むぎが小樽で買ったヤツ・・・」

紬「そうなの」

みらい「大事なものなんじゃ・・・」

唯「みらいちゃんこれみて欲しがってたでしょ〜?」

みらい「買いに行こうと思ってただけですよ・・・?」

唯「小樽にしかないんだよ?」
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:21:53.66 ID:tjiZjvIao

律「それを渡す意味も分からんけどな」

梓「確か・・・それを選ぶと敬愛する人っていう話でしたよね」

律「へー」

澪「なるほどな」

律「・・・なんだよ」

澪「なんでもない」

紬「うふふ」

みらい「ありがとうございます・・・。私のと交換しましょう」

唯「あ、輪島の・・・。ありがと〜」

みらい「大事にしますね」

唯「うん!」

秋月「そろそろいくわよ」

みらい「はい。・・・HTTFが復活できれば・・・いいなと思ってます」

梓「そうだね」

律「気が向いたらな〜」

澪「大物だなぁ」

紬「うふふ」

みらい「・・・」

唯「・・・」

みらい「・・・太陽が照らし続けてくれる限り・・・私はわたしでいられるの」

唯「あ・・・。そうか・・・それじゃずっと照らしててあげ・・・えと、ずっと光を送り続けるよ」

みらい「・・・ありがとう」

唯「月があるから太陽も認められるんだ」

みらい「そうね・・・。それじゃあ・・・わたしは行くわ」

唯「うん」

みらい「・・・」

唯「じゃあね!みらいちゃん!」

みらい「はい!ありがとうございました!」
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:22:50.16 ID:tjiZjvIao

さとみ「行ったわね〜」

律「これからが正念場なのに」

澪「それなのに笑顔を崩さなかったな」

さとみ「・・・負けてらんないな〜」

律「お、なんかあるのか?」

澪「探るなっ」ビシッ

律「あいたぁ」

さとみ「ふふっ、みんなが眩しいわ」

澪「前髪下ろしたほうがいいぞ、律」

律「そうだな。って何度目だよこのネタ」

さとみ「前髪後ろに持っていったらどうかしら」

澪「それでは意味がないよ」

律「じゃあどうすんだよー」

さとみ「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

さとみ澪「「 無いかな 」」

律「ぐっ・・・」
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:23:50.73 ID:tjiZjvIao

唯「・・・」ボー

梓「・・・」

紬「・・・」

唯「へへ、やっぱり慣れないや〜」

梓「唯先輩・・・」

唯「四葉ちゃんと別れるときは、大丈夫だったんだけどな〜」

紬「ううん。大丈夫そうな顔してなかったわ」

唯「そっか〜」

梓「はい。唯先輩は唯先輩ですから」

唯「えへへ」

紬「別れに慣れない唯ちゃんが、私は好きよ」

唯「! むぎちゃぁん」

ガバッ

紬「唯ちゃん・・・」

唯「今までの・・・別れも頑張っ・・・てきたけど・・・っ」グスッ

梓「・・・」

唯「やっぱり・・・寂しい・・・よぉ・・・」グスッ

紬「うん・・・」

唯「もう・・・会えない・・・なんて・・・っ・・・さびしい・・・よ・・・」ボロボロ

紬「うん」
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:24:19.34 ID:tjiZjvIao

ギュウ

唯「こんなに・・・辛い・・・なんて・・・っ・・・思わなかった・・・っ」ボロボロ

梓「・・・」

唯「もっと、お喋りしたい・・・もっと時間が・・・ほしいよ・・・」ボロボロ

紬「・・・うん」

梓「・・・っ」グスッ

唯「でもでも・・・」グスッ

紬「・・・」

唯「わたし、ヴェガに・・・乗ってよかった・・・よ」グスッ

紬「うん」

唯「たくさんの・・・っ・・・人と出会えて・・・よかった・・・」グスッ

梓「・・・」

唯「あり・・・がと・・・う、むぎ・・・ちゃん」グスッ

紬「・・・っ」

唯「へへ、むぎちゃんに甘えちゃった」

梓「・・・しょうがないですね」

紬「ふふ」
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:25:00.26 ID:tjiZjvIao

澪「・・・」

さとみ「・・・」

律「・・・よぉーし・・・っ・・・ご飯食べにいくべー」

スタスタ

さとみ「・・・そうね。食堂車?」

律「ん〜、せっかくだから外で名物食べようぜー」

さとみ「賛成〜」

澪「・・・」

梓「ご飯ですね」

律「なに食べる?」

唯「どこ行くの!?」

さとみ「まだ決めてないんだけどね〜」

澪「・・・また先を行かれた、な」

紬「・・・澪ちゃんも一緒にいるわ」

澪「うん・・・」

唯「澪ちゃ〜ん、なに食べよっか〜?」

澪「そうだな・・・」

さとみ「梓ちゃんは決まった?」

梓「京都ラーメンを食べます」キリ

紬「私は、にしんそば〜」

唯「生八ツ橋」

澪「食べろよな」

唯「冗談です!」

律「じゃ、私は湯豆腐にしよっかな〜」

さとみ「・・・私もにしんそばにしよう」

澪「京野菜が食べたい!」

唯「わたしもあずにゃんと一緒でいいや」

梓「唯先輩、そんな心構えで食べたら後悔しますよ」

唯「そうなんだ!?」

律「・・・」
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:26:05.60 ID:tjiZjvIao

さとみ「おいしかったわね〜」

紬「おいしかった〜」

さとみ「みんなで食べるご飯っておいしいのね」

紬「そうよ〜。ご飯は笑顔でいただかなくっちゃ〜」

さとみ「友達とこんな風にくだけて食べた事なかったから・・・余計に美味しく感じたの」

紬「ふふっ、嬉しいわ」

さとみ「・・・わたし」

紬「・・・?」

さとみ「唯ちゃんの言葉を聞いてて分かった事があるんだ」

紬「分かったこと?」

さとみ「うん・・・旅に出た意味・・・かな・・・」

紬「もう見つけたの?」

さとみ「とっても近くにあったわ」

紬「・・・そうなの」

さとみ「みんなに聞いて欲しいな」

紬「それを言ったら、帰っちゃうの・・・?」

さとみ「旅と呼ぶようになった理由が見つかってないわ」

紬「そうね〜」

さとみ「どうして嬉しそうなのよ〜」

紬「そんな顔してた?」

さとみ「えぇ」
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:27:26.72 ID:tjiZjvIao

律「すっげえうめえの、湯豆腐」

唯「あずにゃん、おいしかったね!」

梓「はい!」

澪「京野菜おいしかった〜」

律「湯豆腐うまかった〜」

唯「ラーメンに乗ってた野菜も京野菜なの?」

梓「そうですよ、ネギが甘くてしゃきしゃきで・・・」

グゥー

唯「私じゃないよ?ご飯食べたばっかりだもん」

梓「ですよね。私でもありません」

澪「・・・」

律「心温まる湯豆腐だったな〜」

澪「食堂車で何か食べる?」

律「・・・うん」

修治「やっときたか。・・・待ってたぜ」

律「な、なにかあったのか?深刻な顔して・・・」

梓「どうしたんですか・・・」

修治「アイスが溶けちゃった」

唯「え〜!」

澪「どうして今買ったんだ・・・」

修治「これ律の分な」

律「・・・アホ?」

唯「修治くん、脈絡の無い事するよね」

澪「・・・」

修治「冗談だよ・・・」

澪「捨てたらダメだ」

修治「捨てないよ・・・食堂車の冷蔵庫借りる」

律「・・・アホ?」

修治「これはネタです。マスコミいなくなったから大丈夫だよ」

唯「マスコミ?」

澪「あ、もう9時か・・・」

梓「そうですよね。こんな時間まではいませんよね」

修治「・・・さとみちゃんは?」

律「・・・アホ?」

修治「壊れた再生機か・・・」
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:28:17.18 ID:tjiZjvIao

梓「むぎ先輩ともうそろそろ着くと思いますが・・・どうしてですか?」

修治「んー・・・。車掌さんに聞いたんだけど、学校関係者が探してるんだと」

梓「!」

律「・・・どういう事だ?」

修治「俺とさとみちゃん、昼の生放送に出たからさ・・・。そのせいかも」

澪「あの時の?」

唯「テレビに出たの?」

修治「マスコミが来ててさ、インタビューを受けたんだよ」

梓「私たちから注目を逸らせるため・・・です」

澪「・・・私たちのせい・・・かな?」

修治「それは本人に聞いてみよう」

律「あ、来たか・・・」

紬「ヴェガに戻らないの?」

さとみ「・・・みんなに聞いて欲しい事があるんだけど」

唯「なに〜?」

梓「あ、あの」

「千歳!」

さとみ「せ、先生、どうして!?」

唯「先生?」

先生「この馬鹿者がっ!」

バシィン

さとみ「っ!」

紬梓「「 っ! 」」

唯「!」

律「ちょ、ちょっと!いきなり叩くなんて!」

先生「部外者は黙っててもらおうか!」

澪「部外者・・・」

さとみ「・・・」
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:29:27.98 ID:tjiZjvIao

先生「無断欠席したと思ったらテレビなんぞに出やがって・・・。自覚が足りんのか!」

さとみ「すいませんでした・・・」

先生「まったく!どれだけの人に迷惑をかけたと思ってる!」

さとみ「はい・・・」

先生「校長先生が直々に頼んでくれたおかげで推薦枠はまだ残ってる。明日の朝会うんだ!」

さとみ「・・・」

先生「私からもお願いしてやるから。分かったな!」

梓「そんな・・・一方的な・・・」

紬「・・・」

先生「さ、帰るぞ!」

梓「ちょっと待ってください!」

紬「ま、まだ話したい事が」

さとみ「いいの、今までごめんなさい。・・・私帰る事にする」

律「・・・」

唯「そんな・・・」

澪「・・・」

梓「で、でも・・・」

紬「理由を・・・見つけてないわ・・・」

さとみ「うん・・・延長時間が過ぎちゃったの・・・ね。こんな最後でごめんなさい」

梓「い、意味は見つけたんですか!?」

さとみ「うん・・・見つけたと思ったんだけど・・・それを話したかったんだけどね」

紬「あ・・・」

先生「もう、その辺でいいだろ」

さとみ「みんなは旅を続けてください・・・そして」

唯「や、やだ」

さとみ「さようなら」

スタスタ
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:30:27.04 ID:tjiZjvIao

律「・・・」

澪「・・・」

唯「やだ・・・よ」

梓「唯先輩・・・」

紬「・・・」

唯「こんな別れ方・・・嫌だよ・・・」

紬「!」

タッタッタ

紬「まって!」

さとみ「むぎさん?」

紬「こんな旅の終わり方はダメだと思うの!一生後悔すると思う!」

先生「おい、キミ!」

さとみ「わ、わたしは!」

紬「まだ終わらせられない」

ガシッ

梓「行きましょう、さとみさん!」

さとみ「あ、梓・・・ちゃん」

紬「行きましょう!」

さとみ「うん!」

タッタッタ

先生「待ちなさい!」
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:30:56.37 ID:tjiZjvIao

「やっべー、遅刻遅刻!」

ドンッ

「うわっ」

先生「おっと」

ガンッ

「っつ〜!!」

先生「だ、大丈夫かね?」

唯「だ、大丈夫!?修」フガッ

澪「・・・」

唯「みふぉふぁん?」

澪「私たちと鳥羽さんが知り合いだってバレちゃダメだ」ヒソヒソ

唯「わ、分かった」ヒソヒソ

律「大丈夫ですかぁ〜」

「痛い痛い痛いマジで痛い!」

先生「頭ぶつけたようけど、救急車呼ぶか?」

律「あー、アイスがあるー。これで冷やせばいいんじゃないかな〜」

「それは・・・溶けて・・・」

ピタッ

律「はい、どうですか〜」

「痛い・・・けど治まってきたかなぁ」

先生「キミ名前は?」

「え?えぇと・・・大丈夫ですから気にしないでください」

律「何かあってからじゃ困るのはあなたですよ?」

「ぐっ・・・。ジョルノといいます」

律「グフッ」

先生「ハーフなのかね?」

ジョルノ「父がイタリアの人と再婚しまして・・・」

先生「本当にすまなかったね・・・立てるかい?」

ジョルノ「・・・もうしばらく横になったほうがいいかな?」

律「うん」

ジョルノ「分かりました」
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:31:47.54 ID:tjiZjvIao

梓「あ、あれ?追って来ませんね」

さとみ「・・・ふぅ」

紬「そうね・・・」

さとみ「梓ちゃん・・・ありがと」

梓「あ、ごめんなさい」バッ

さとみ「梓ちゃんが男の人だったら落ちてるわね」

紬「かっこよかったわ〜」

梓「うぅ」

さとみ「手を引っ張って走るなんて・・・中々出来ないわよ」

紬「うんうん」ウンウン

梓「・・・」ボンッ

さとみ「あらら」

紬「あらあら」

梓「・・・」プシュー

さとみ「ふふっ」

紬「うふふ」

梓「・・・」シュー

さとみ「・・・」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「こんな私を見つけるために旅に出たのだと思うの」
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:32:14.68 ID:tjiZjvIao

紬「・・・自分を見つける為?」

さとみ「・・・そう。今日の朝、名古屋で乗車して、日記を読み返してたの」

梓「日記ですか?」

さとみ「そう。和さんとむぎさんに拾ってもらった日記」

紬「あの時の・・・」

さとみ「読んでて驚いたわ。こんな私がいるのかって」

梓「・・・?」

さとみ「日記を読まれて怒っている私、ライブで盛り上がっている私、先生から逃げる私」

紬「・・・」

さとみ「修治くんに笑わされて楽しんでいる私、さわ子先生に感銘を受ける私、
    梓ちゃんとの会話で気づかされる事が増えたと驚く私、純ちゃんに対抗意識を燃やす私」

梓「・・・」

さとみ「和さんと打ち解けて弾む私、律さんに振り回されて喜んでいる私、澪さんに憧れつつ可愛いと和む私」

紬「・・・」

さとみ「憂ちゃんの献身的な心に癒される私、唯ちゃんの純粋さに心が動かされる私」

梓「・・・」

さとみ「どれを読んでいても私じゃない私がいたの。その中心にいたのはむぎさん・・・」

紬「・・・!」

さとみ「たくさんの私を繋いでいるのがむぎさんだったの」

梓「むぎ先輩が・・・」

さとみ「むぎさんと出会って、そんな私と出会う事が・・・私の旅の意味」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「・・・」

梓「・・・旅行じゃなく、旅と呼ぶ理由分かりました」
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:33:08.01 ID:tjiZjvIao

さとみ「そっか〜。なるほどなぁ〜」

紬「見つけちゃった〜」

梓「見つけちゃいましたね〜」

さとみ「見つけてしまったわね〜」

紬梓さとみ「「「 ププッ 」」」

紬「うふふ」

梓「あはは」

さとみ「ふふっ、変なの〜」

紬「到着場所なのに」

梓「終わってしまったのに」

さとみ「スッキリして気持ちが飛んで行った気分ね〜」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「うん、よかった。辿り着けた!」
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:33:40.43 ID:tjiZjvIao

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「さ、戻りましょうか。今なら東京へ帰れるわ」

紬「やっぱり・・・」

梓「帰っちゃうんですね・・・」

さとみ「そういう約束だから、ね」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「むぎさんが日記を書くとしたらどんな内容になるのかしら」

紬「私が・・・?」

梓「そうですね・・・」

さとみ「毎日が大きく進化してるんじゃない?」

紬「大きく・・・?」

梓「強く・・・」

さとみ「どんどん強く大きく?」

紬「フォルテシモなDiary・・・ね」キラン
770 :>>768 の前 [sage]:2011/04/08(金) 01:36:18.17 ID:tjiZjvIao


さとみ「え・・・?」

紬「・・・?」

梓「唯先輩が受けた寂しい事も、さとみさんが見つけた楽しい事も・・・、時間が過ぎれば忘却の彼方です」

紬「そう・・・ね・・・」

さとみ「・・・」

梓「それはとても切なくて、苦しくて、大切だから取り戻したくて・・・」

紬「・・・」

梓「だから人は、新しい時間を見つける為に・・・、旅をするんです」

紬「時間は・・・、人、場所に変わりえる・・・のよね」

梓「はい!」
771 :>>779の続き [sage]:2011/04/08(金) 01:37:07.00 ID:tjiZjvIao
さとみ「答えは過去、旅の途中にあったのよ」キリ

紬「・・・」

梓「そうですか」

さとみ「えぇと、・・・はい」

紬「わ、私も旅に出た意味を探してみる!」フンス!

梓「・・・」

さとみ「是非聞いてみたいわね。・・・?どうしたのかしら」

紬「鳥羽さんがベンチに寝かされているのね」

梓「遊んでいるんですかね」

さとみ「でも先生もいるし・・・」

紬「ん〜?」

澪「あっ」

先生「千歳・・・」

さとみ「ご迷惑をお掛けしました」

先生「帰る事に決めたんだな」

さとみ「はい」

澪「そっか・・・」

唯「さとみちゃん・・・」

律「うん。寂しくなるけど、しょうがないな」

ジョルノ「・・・もう大丈夫ですから、行きます」

先生「何かあったら連絡してくれよ」

ジョルノ「は、はい。それでは」

スタコラサッサ

先生「気をつけるんだぞジョルノ君」

梓唯律「「「 ブフッ 」」」

さとみ「?」

先生「切符を渡しておくから、荷物を持ったらきなさい。時間はあまりないぞ」

さとみ「はい」

スタスタ

さとみ「ふぅ・・・」

澪「ジョルノって?」

律「エレナに見せてもらおうぜ〜」

唯「そうだよ、さとみちゃんまだみてないもん!」

梓「急ぎましょう!」

紬「?」

さとみ「気になる!」
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:37:42.22 ID:tjiZjvIao


修治「そういうのよくないよ」

律「静かにしろジョルノ」

ジョルノ「くっ・・・」

エレナ「再生するネ」

ピッ

修治『ジョルノ・・・お前はこれから一人で生きていかなきゃ行けないんだぞ』

律「ジョルノはお前だ」

さとみ「クスクス」

澪「これは・・・」

紬「あらあら」

ジョルノ「こんなに引っ張られるなんて思ってないぞ」

梓「しょうがないですよ」

唯「そうだね。しょうがないよ」

修治『悪かった』

律「和解した瞬間である」

澪梓さとみ「「「 ブフッ 」」」

エレナ「以上ですワ」

小麦「何度みても面白いよ〜」

ジョルノ「一度でいいよ・・・」

唯「もったいないよ・・・ジョル冶くん」

ジョル冶「混ぜないで」

律「もう外国行ってしまえよ」

さとみ「そ、そうね」ブルブル

澪「な、名前だけで暮らしていけそうだ・・・」ブルブル

紬「そうよっ!」

修治「行かないよ!」

エレナ「残念ですワ」

小麦「行けばいいのに」

梓「止めませんよ」

修治「もう一度繰り返す。行かないよ!」

さとみ「・・・ふぅ。最後まで楽しめたわ。ありがとう」

小麦律「「 いえいえ 」」

修治「・・・」
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:38:13.79 ID:tjiZjvIao

車掌「千歳さとみさん」

さとみ「あ、車掌さん」

車掌「当特急ヴェガへのご乗車誠にありがとうございました」

さとみ「こちらこそ、突然の乗車を快く受けてくださって感謝しています。ありがとうございました」

車掌「いえ・・・」

さとみ「乗車証を・・・お返しします」

車掌「はい、確かに」

エレナ「寂しくなりますワ」

小麦「うん・・・」

さとみ「二人とも元気で・・・。あなたたちには元気をたくさんもらったわ」

エレナ「そういってくれると嬉しいですワ」

小麦「うん!」

さとみ「ありがとう」

澪「・・・」

さとみ「むぎさん・・・、これ和さんが取った景品だけど・・・」

紬「いいの?」

さとみ「うん、大事にしてね」

紬「大切にする!」

梓「・・・ここでいいんですか?」

さとみ「自分の足でヴェガから離れて行きたいの」

梓「そう・・・ですか・・・」

唯「さとみちゃん・・・」

さとみ「急でごめんね、唯ちゃん・・・」

唯「・・・二人も降りちゃうなんて」

さとみ「私にもそんな顔してくれるのね・・・ありがとう」

唯「さびしいよ・・・」

さとみ「みんながいるじゃない、大丈夫!」

澪「げ、元気で・・・ね」

さとみ「うん!ベースとってもかっこよかった。忘れないわ」

澪「あ、ありがとう」

さとみ「むぎさんに髪型変えられた事、少し恥ずかしかったけど楽しかったわ」

澪「うん!」
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:38:45.51 ID:tjiZjvIao

律「・・・」

さとみ「・・・」

律「じゃあな」スッ

さとみ「・・・宣誓?」

律「ハイタッチだよっ」

さとみ「あ、あぁ。そうね、分かったわ」

パァン

律「へへっ、元気でなっ」

さとみ「うん!」

修治「じゃ、俺も」スッ

さとみ「ありがとう、修治くん!」

パァン

修治「名前で呼んでくれたぁ」ウルウル

さとみ「空気は読むわよ〜」

エレナ「ワタクシもハイタッチですワ」

小麦「私もー!」

さとみ「ふふっ」

パンパァン

澪「わ、私も!」

さとみ「もぅ・・・ちょっと恥ずかしくなってきたんだけど」

パァン

唯「じゃ・・・っあ・・・ね!」

さとみ「唯ちゃんはいつまでもそのままでいて欲しいな」

パァン

梓「さようならです!」

さとみ「少しなまいきだけど、とっても可愛い子」

パァン

紬「よし、こぉーい!」

さとみ「不思議な人ね〜」

パァン

車掌「・・・」スッ

さとみ「・・・素敵な・・・旅・・・でした・・・っ」

パァン

さとみ「っ・・・みんな、バイバイっ!」

タッタッタ
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:39:12.66 ID:tjiZjvIao

梓「・・・」

律「行ってしまったな」

紬「うん」

澪「あぁ・・・」

唯「・・・」

エレナ「・・・小麦ー!明日の準備しますヨー」

小麦「・・・うん!」

修治「律、売店のアイスでいい?」

律「あぁ、いいぜ〜」

修治「じゃ、駅の売店で買ってくるわ」

スタスタ

律「おいしいヤツな〜」

修治「はいよ〜」

車掌「なんですか?」

律「私らの事、野郎扱いした罰です」ウシシ

車掌「まぁ」クスクス

律「変に律儀だよな〜」

車掌「そうですね・・・。それでは私はこれで・・・」

律「はーい」

唯「ぅ・・・っ・・・」グスッ

梓「・・・っ」

澪「・・・」

紬「・・・」

唯「あずにゃぁん」

ダキッ

梓「・・・っ・・・」グスッ

唯「・・・っ」グスッ

梓「・・・とくべつ、・・・ですよ?」グスッ

唯「・・・ぅ・・・ん」グスッ

ギュウ

律「やれやれ」

澪「・・・」

紬「・・・」

律「どうすっか〜」

澪「展望車でくつろぐか」

紬「・・・うん」
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:40:32.32 ID:tjiZjvIao


修治「みたらし団子入りカキ氷と宇治金時アイスどっち?」

唯「カキ氷アイス!」

律「アイスくれ!」

澪「アイスで」

梓「カキ氷!」

紬「カキ氷を〜」

修治「はい二つ、はい、はい、はい、はい。秋子ちゃんは?」

秋子「私もいいんですか〜?」

修治「余るから食べてくれると助かる」

秋子「私もアイスで!」

修治「どうぞ」

秋子「ありがとうございます〜!」

唯「おいしいよ!」

律「サンキュー」

澪「本当だ、おいしい」

梓「カキ氷も美味しいです」

紬「ほんと〜」

修治「で、なにやってるの?」

唯「あずにゃんがもってきたゲームだよ〜」

紬「私みんなとゲームやってみたかったの〜」キラキラ

秋子「変わったゲームですよね〜!」

律「確かに・・・」シャリシャリ

澪「ゲーム機まであったんだな」シャリシャリ

唯「誰も遊んでなかったんだよ」シャリシャリ

秋子「時間がありませんからね」シャリシャリ

修治「・・・説明書みせて」

梓「どうぞ」シャリシャリ

修治「『人生踏んだり蹴ったりゲーム』・・・か」

律「あー、100万の出費で200万の借金と5億の損害か・・・」

紬「踏んだり蹴ったりね〜」
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:41:00.89 ID:tjiZjvIao

修治「一兆円の所持金でゴールに着くまでに0を目指すゲームです・・・」

澪「あ、2億の絵を買ったのに8億の値段だった・・・騙されたのか」

秋子「あ〜!4億の島を買ったら木星の島でした〜!」

修治「なるほど・・・楽しいのこれ?」

梓「奇想天外で、ある意味」

修治「・・・へぇ」

唯「南極の氷を一個2000万で買ったら偽物だったよ〜。600個も注文したのに〜」

紬「あら〜、1000円で購入したCDがレアもので50億で売れたわ〜」

律「なんだそれは・・・」

修治「確かに奇想天外だな・・・」

梓「100分の1でいい事があるんです」

修治「所持金0を目指すからいい事でもない・・・と」

梓「そうです」

修治「中野さんはやらないの?」

梓「見てるほうが面白いんです」

修治「そっか」

律「あー、従業員にストライキされた!ジョルノ店長やべえ!」

澪「あ・・・バードフェザー社長が平社員に・・・」

秋子「あー、修治さんが宇宙に放流されちゃいました」

唯「ジョル冶くんが深海でひとりぼっちになちゃったよ」

紬「石油掘り当ててしまったわ〜、あずさ首相」

梓「よかった・・・」
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:41:29.73 ID:tjiZjvIao

修治「一番怖いのは秋子ちゃんのイベントかな」

梓「そうですね・・・運がよければ星に引き寄せられますから」

律「あーぁ、囚人ジョルノになっちゃった」

修治「どうして?」

律「脱獄しようとしたから」

修治「パラドックスだなぁ」

澪「バードフェザーが立候補したけど、投票0だって」

修治「スタッフ票すら入らないなんて・・・」

秋子「なかなか引き寄せられませんね〜」

修治「彗星でも流れていればいいのにね」

唯「サメと友達になったよ!」

修治「ひとりぼっちじゃなくなった」

紬「地球の大統領になったわ〜」

梓「世界を平和にしましょう!」

修治「・・・ふむ」

ワイワイ

修治「・・・元気そうだ」

梓「・・・秋子さんが場を明るくしてくれます」

修治「なるほど。・・・じゃね」

梓「遊んでいかないんですか?」

修治「お腹すいたから、ご飯食べてくる・・・またね〜」

スタスタ

梓「?」

律「あはは、400億の裏金で出所したのに200万の不正でまた収監だ!」
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:42:09.16 ID:tjiZjvIao

コンコン

唯「はいはい〜」

「私ですけど」

唯「おや?」

ガチャ

唯「あずにゃんや、どうしたのかね?」

梓「少しお話しませんか?」

唯「もちろんだよ!どうぞどうぞ」

梓「失礼します」



コンコン

澪「はい?」

「開けなさい」

澪「・・・」

ガチャ

「家宅捜索にきました」

澪「間に合ってます」

バタン

澪「なにがしたいんだ・・・」

コンコン

澪「はい?」

「宅配便でーす」

ガチャ

澪「・・・」

「ここに判子を」

澪「・・・」

ポン

「人のおでこになにを」

バタン

澪「・・・次はどうするんだろ」

コンコン

澪「誰ですか?」

「通りすがりのものです」

澪「通りすがりの人がこの部屋に何用でしょう?」

「この部屋から秋刀魚の焼いた香りが・・・」

澪「部屋違いです」
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:42:43.74 ID:tjiZjvIao

「・・・」

澪「・・・」

コンコン

澪「はい?」

「山」

澪「田」

「そこは中だろ」

澪「じゃあ中」

「さ」

澪「し」

「そこはわだろ」

澪「わ」

「子」

ガチャ

澪「入れ」

「やっとか・・・」

澪「なにがしたいんだよ、律」

律「ヒマだったから遊びにきました」

澪「・・・」

バタン

律「お、片付いてるな」

澪「明日降りるからな」

律「さっすがみおだー」

澪「・・・」

律「お・・・」

澪「・・・?」

律「ベース・・・持って来て良かったな」

澪「うん、よかった」

律「感謝しろよ」ウシシ

澪「・・・うん」

律「え!?」

澪「驚くなら言うなよ」

律「いや・・・」

澪「私も感傷的になるんだ」

律「そ、そうか」
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:43:38.01 ID:tjiZjvIao

澪「・・・」

律「・・・どうした?」

澪「・・・うん・・・あっという間だったからな」

律「そうだな〜」

澪「限られた時間だから惜しくなるのかな」

律「今日の澪は詩人だな〜」

澪「そうみたいだ」

律「あらら」

澪「あ、あのさ」

律「ん?」

澪「ホッチキスのアレンジ・・・律は私に合わせてくれたの?」

律「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「どうして黙る」

律「澪はどう思うんだよ?」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・自信がない」

律「じゃあ教えない」

澪「大事な事なんだけど」

律「大事な事だからだよ」

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

律「そんな事聞くなんて・・・焦ってんのか?」

澪「・・・うん」

律「そっか」

澪「・・・・・・うん」

律「そのペンダントになにを願掛けたのか知らないけどさ」

澪「あ・・・」

ギュ

律「それを、自分を信じろよ」

澪「・・・」
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:44:07.22 ID:tjiZjvIao

律「私は信じてるぜ」

澪「自分自身を?」

律「みお自信を、だ」

澪「・・・・・・また」

律「?」

澪「先へ行ってしまう」

律「どこに?」

澪「ううん。なんでもない」

律「?」

ガサゴソ

澪「?」

律「隣は唯の部屋だよな」

澪「・・・うん」

ガサゴソ

律「こんな時間になやってんだー?」

ガチャ

澪「まって、私も行く」

バタン

律「・・・」

コンコン

「は〜い」

澪「むぎ?」

ガチャ

紬「あら、りっちゃんと澪ちゃん」

梓「どうしたんですか、唯先輩に用事ですか?」

唯「どおしたの〜?」

律「そっちこそどうしたんだよ」

梓「唯先輩の部屋が散らかっていたので・・・片付けを」

紬「唯ちゃんと話をしたくて来たんだけど・・・あずさちゃんが片付けしてたから手伝ってたの」

澪「・・・なにやってんだか」

ドン

澪「押すなよ、律っ」

律「・・・」

バタン

唯「せまっ!」

紬「あらあら」

梓「あの・・・身動き出来ないです」
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:44:36.30 ID:tjiZjvIao

澪「なにがしたいんだ・・・」

律「こういう事だぞー」

澪「?」

律「まだ一緒にいるんだから、焦らなくていいよ」

唯「?」

梓「焦る?」

紬「・・・」

澪「・・・そう、だな」

ガチャ

律「個室に5人はさすがに狭いな」

澪「当たり前だ」

紬「続きは明日にしましょうか」

梓「そうですね」

唯「そだね」

律「じゃ、明日な〜」

澪「おやすみ、みんな」

スタスタ

唯「おやすみ〜」
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:45:21.53 ID:tjiZjvIao

紬「おやすみなさ〜い」

梓「それじゃ唯先輩」

唯「えぇ〜、一緒に寝るんじゃないの〜?」

梓「誰もそんな事言ってませんよ」

唯「えぇ〜・・・」

バタン

「しくしく」シクシク

紬「・・・」

梓「・・・」

「・・・」

ジャーン

梓「・・・はぁ」

紬「よろしくね、あずさちゃん」

梓「むぎ先輩は話しないんですか?」

紬「そうね〜」

梓「・・・」

紬「少しだけ・・・」

梓「はい!」

コンコン

「だれ〜?」

梓「・・・コホン」

ガチャ

唯「ささ、どうぞ」

梓「遅いんですから、練習したらダメですよ」

紬「お邪魔するわね〜」



10日目終了--------
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:48:39.79 ID:tjiZjvIao
大事な所でミスった・・・

終盤に入ります
1000で収まるかな・・・

ではおやすみなさいです
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 02:34:23.89 ID:eBcVHnBio
元はギャルゲーかー、しかしけいおんキャラが違和感無いわ。
すごくイイ出会いと別れの作品になってると思う。
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 09:51:29.70 ID:VOamOZUzo
元ネタはお嬢様特急という13年前のゲームです
シナリオは花田十輝が書いています
けいおん二期の26話がお気に入りで書いてみました

正直読んでくれている人がいないと思って半ばやけ気味で投下してましたw
夜に続き投下します

読んでくれている方ありがとうございます!!
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/08(金) 09:59:53.08 ID:Y/qPbnRgo
投下が早いからレスしにくいだけで読んでるよ
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:34:23.24 ID:VOamOZUzo
それじゃまったり投下します
べ、べつにレスが欲しい訳じゃ

11日目です
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:35:45.65 ID:VOamOZUzo

8月11日



***「あなた---を----」

「・・・むずかしいです」




紬「・・・」

梓「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

紬「・・・結局唯ちゃんの部屋で寝たのね・・・」

梓「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

紬「・・・ふぁ」
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:36:26.21 ID:VOamOZUzo


『それを、自分を信じろよ』

澪「・・・うん」

スチャ

澪「・・・」

ギュ

プチッ

澪「え・・・」

792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:36:56.72 ID:VOamOZUzo

ガチャ

澪「・・・」

バタン

澪「・・・はぁ」

紬「おはよう、澪ちゃん」

澪「あ、むぎ・・・おはよう・・・」

紬「・・・どうしたの?」

澪「なんでもない・・・」

紬「あら、ペンダントは?」

澪「これ・・・取れちゃった」

紬「あら・・・」

澪「・・・」

紬「貸して?」

澪「・・・どうするの?」

紬「直します!」

澪「でも・・・」

バシッ

紬「だいじょーぶ!」

テッテッテ

澪「奪い取った・・・」

紬「先に食堂車行ってて〜!」

律「・・・どうした・・・ふぁ〜」

澪「ペンダント壊れたんだけど・・・」

律「え・・・」

澪「むぎが直すと言って走って行った」

律「そっか・・・。朝から元気だな・・・」

澪「・・・接続部分が取れたから、どうにもならないと思うんだけどな」

律「どうにかなるかもしれないから、むぎが走ったんだろ・・・ふぁ」

澪「・・・」
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:37:23.87 ID:VOamOZUzo

律「あ、ごめん。揚げ足取りみたいな事言って・・・」

澪「ううん」

タッタッタ

律「あれ?もう直ったのか・・・」

紬「澪ちゃん、ブレスレットになるかもしれないけど、いい!?」

澪「え、あ、うん」

紬「分かった!」

タッタッタ

澪「・・・」

律「車掌さんに相談してんのかな?」

澪「・・・そうかも」

タッタッタ

律「元気だなぁ」
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:38:16.40 ID:VOamOZUzo


車掌「10時に開きますから・・・12時の出発まで間に合うかどうか・・・」

紬「京都から大阪に送る事は・・・」

車掌「できますよ」ニコ

紬「よ、よし!」

車掌「あ・・・」

紬「澪ちゃんに確認してきます!」

ゴンッ

紬「〜っ!」

澪「〜っ!!」

車掌「だ、大丈夫ですか?」

律「なにやってんだよ・・・」

紬「澪ちゃん・・・?」ヒリヒリ

澪「むぎ・・・」ヒリヒリ

紬「ごめんね、澪ちゃん・・・大丈夫?」

澪「あ、あぁ・・・」

車掌「・・・」ホッ

律「よかったな」

澪「うん・・・。車掌さん、お店を教えてください」

車掌「少々お待ちください」

紬「唯ちゃんとあずさちゃん起こしてくるわね〜」シャランラ

律「・・・私も行くよ」

紬「?」

律「食堂車で待ってるからな〜」

澪「うん・・・」
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:40:19.97 ID:VOamOZUzo

紬「どうしたのりっちゃん」

律「ん〜、もうちょっとで澪が進化しそうだからな〜」

紬「そうなの?」

律「なんつって〜」

紬「うふふ」

スタスタ

律「むぎ、梓の部屋ここだぞ?」

紬「唯ちゃんの部屋にいるのよ〜」

律「?」

コンコン

「・・・」

紬「まだ寝ているのね〜」

律「なるほどぉ〜」

ガサゴソ

紬「カメラを出してどうするの?」

律「まぁ、いいからいいから」ウシシ

コンコン

「・・・はっ!」

「ん〜・・・」

「ちょっ、離してください!」

「ん〜、あずにゃん・・・どうしてここに!?」

「いいから、離してくださいー」

律「なにやってんだ」

紬「うふふ」

コンコン

「むぎ先輩ですか?」

紬「そうよ〜」

「・・・」

「どうして開けないの、あずにゃん」

「律先輩いますか?」

紬「えぇと・・・」

律「いない、いない」ヒソヒソ
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:41:19.68 ID:VOamOZUzo

「りっちゃんがいたらダメなの?」

「ダメじゃないですけど、激写ー!とか言って撮られそうです」

「しそうだよね〜」

紬「なるほど」

律「ぐっ、開けろー!」

ガチャガチャ

「暴挙にでましたね」

「いたんだ、りっちゃん」

律「いたら悪いかコンニャロー!」

小麦「朝からうるさいよー」ボケー

エレナ「元気な証拠ですワ」

律「こ、小麦の頭が・・・!」

「ど、どうしたの!?」

「喰い付かないでください」

小麦「ん〜?」ボケー

紬「アフロになってるわ〜」

エレナ「そうですネ」

ガチャ

唯「ど、どこ!?」

パシャ

律「なんで顔にタオル巻いてんだよー」

梓「バレバレですよ」

唯「アフロじゃないじゃん!」

紬「うふふ」

小麦「アフロしないよ〜」ボケー

エレナ「小麦は、低血圧ですネ」

パシャ

律「それはそれで面白い格好なんだよ、梓」ウシシ

梓「しまった!」

バタン

唯「ちょっとあずにゃんー!私の部屋だよー?」

ドンドン

「あ、すいません」
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:42:27.05 ID:VOamOZUzo

澪「なにしてんの・・・」

紬「あ、澪ちゃんどうだった?」

澪「うん、後で行って来るよ」

紬「そう、よかったわ」

エレナ「カメラ持って来るの忘れマシタ」

紬「うふふ」

修治「騒がしいですね」

律「おはよ」

小麦「おはよ〜」ボケー

修治「みんなおはよー。エレナ、今日は無し?」

エレナ「小麦と寝坊してしまいマシテ」

修治「そっか・・・」

澪「この前言ってた空手?」

修治「そう・・・ふぁ」

エレナ「今日に限って寝坊ですカラ〜」

澪「じゃあ、今からでも!」

律「外、結構人いるぞ?」

エレナ「そうですネ」

澪「あ・・・そっか」

小麦「みんなのこれからの予定は〜?」ボケー

紬「ごはん食べた後に・・・」

澪「ペンダントの修理に・・・」

小麦「え?」

エレナ「目が覚めましたネ。ペンダント壊れましたカ?」

澪「うん、ブレスレットにしてもらおうと思っていたところ。・・・ほら」

小麦「ほんとだ〜。エレナ・・・」

エレナ「任せるでゴザルヨ」

小麦「澪ちゃん、借りるね〜」

エレナ「早速修理ですワ」

修治「すげえな」

紬「ほんとね〜」
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:43:18.72 ID:VOamOZUzo

澪「あ、ありがと・・・」

小麦「ご飯食べ終わった頃にもっていくよ〜」

エレナ「先に行くとイイネ」

テッテッテ

修治「散歩でもしてくるか・・・。じゃね」

律「あぁ・・・。なんかバタバタしてんな」

紬「進化できた?」

律「もうちょっと・・・だな」

澪「なに?」

律「なんでもなーい」

紬「あら、唯ちゃんたちは?」

澪「梓はこそこそと出て行ったけど」

律「・・・」

紬「唯ちゃんは中ね」

コンコン

「先に行ってて〜」

紬「は〜い」

澪「梓も後でくるかな。先に行ってようか」

律「そうだな」
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:44:41.49 ID:VOamOZUzo

けさみ「いつものでいいですか〜?」

律「よろしくー」

紬「えぇ」

澪「はい」

けさみ「唯さんと梓さんはどうします?」

律「後で来るから、今のうちに注文とっておいてください。いつものでオッケー」

けさみ「かしこまりました〜」

紬「今日は、比叡山よ!」

律「そうなのか?」

紬「いぇ〜す」

澪「むぎ、さっきは」

梓「おまたせしました」

律「普通かよ」

梓「変化を求めないでください」

紬「昨日が特別だったのよね〜」

梓「そうです」

澪(後でいいか・・・)

梓「律先輩、カメラ汚れてますよ。貸してください」

律「はいはい。カメラのデータを消そうという作戦ですね」

梓「・・・」

紬「守りは堅いわ、あずさちゃん」

澪「律は賢いからな・・・。山で一番」

律「猿か!」

梓「律先輩、今日もかっこいいです」

律「ふふっ・・・梓も見る目があるじゃないか」サラサラ

梓「カメラ貸してください」

律「私はアホか!」

紬「りっちゃん」

律「お、なんだ?むぎ」

紬「・・・」

律「作戦無かった!」

澪「・・・」

律「澪も乗れよ!」
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:46:03.99 ID:VOamOZUzo

梓「うーん。律先輩が私にカメラを渡す方法・・・」

律「それを口にしたら渡す確率低くなるだろ」

唯「りっちゃんは色気より食い気だよ、あずにゃん」

律「もう渡さねえ」

唯「へへ、旦那。これがお冷です」

律「一杯で充分だぞ」

紬「これが割り箸です」

律「食べ物よこせ!」

澪「これがカメラです」

律「いつの間に!」

梓「っ!」サッ

唯「っ!!」サッ

紬「うふふ」

律「むぎ・・・、それ私のだぞー」

梓「むぎ先輩・・・なんでも一つだけ願い事を叶えます」

唯「よく分からないけど。参加してます」

澪「どうしてむぎが取ったんだ・・・」

紬「一枚だけ消すのは?」

律「うむ、いいだろう」

梓「むぎ先輩、指が滑ったりして二枚削除していいんですよ」

澪「梓・・・」

紬「りっちゃん、他の写真みてもいい?」

律「いいぞ〜」

唯「私もみせて〜」

梓「どれどれ」

ピッ

ピッ

紬梓「「 あ・・・ 」」

律「ん?」

澪「どうした?」

唯「名古屋城のライブ写真だよ〜」

律「あ、さわちゃん私のカード持って行ったのか・・・」

澪「私にも見せて」

紬「はい、どうぞ」
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 21:47:36.85 ID:VOamOZUzo

梓「ちょっと照れますね」

澪「こんな表情で演奏してたのか・・・」

律「本気で楽しんでたからな〜」

紬「そうね〜」

梓「はい」

唯「楽しかったね〜」

澪「うん、楽しかった」

律「・・・」

唯「・・・」

紬「・・・」

梓「次は私が見る番です」

律「そうはいくかっ」

澪「あ・・・」

梓「・・・」

唯「あずにゃん、後でバナナ買って来ようよ」

律「絶対、消さないからなー」

梓「唯先輩っ!」

唯「えぇ〜」

けさみ「お、おまたせしました」

その子「なかなか割り込めなかったので・・・」

律「すいません、うちの子たちが」

唯「すいやせんね〜えへへ」

梓「後でカメラ獲ります」

律「物騒だぞ、梓」

澪「・・・」

紬「澪ちゃん・・・」
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:10:46.99 ID:VOamOZUzo

修治「・・・」モグモグ

唯「修治くん?」

梓「どうしたんですか?」

修治「うん」モグモグ

律「そうかー!」

澪「通じたんだ・・・」

修治「・・・ごくごく」

紬「どうして外で食べてるの?」

修治「・・・っ」ゴクリ

律「そうだな・・・」

修治「なにを理解した!?」

唯「どうしたの?」

修治「エレナが探してたよ。秋山さんに渡すからと」

澪「ほ、本当?」

修治「うん。出来たって、はしゃいでた」

紬「もうできたのね〜」

律「仕事はやいな」

修治「外で食べると爽やかな気分になるから」

梓「陰鬱だったんですか?」

修治「・・・うん」

律「どうせ怖い夢みたとかだろ」

修治「・・・違うよ」

紬「どうしたんですか?」

唯「どうしたの?」

修治「・・・」

澪「なにかあった?」

修治「・・・」アセアセ

律「・・・」ジー

修治「・・・」タラタラ

梓「冷や汗かいてますよね」
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:11:53.93 ID:VOamOZUzo

修治「ご、ごめんなさい」

唯「どうして謝るの〜?」

律「・・・」ジー

修治「・・・そんなに心配されるとは思ってなくて」

律「おらぁ!」バシッ

修治「いったぁ!」

紬「・・・」

唯「・・・」

梓「・・・」

澪「・・・あ」

エレナ「オー!ミオさん、グッドタイミングですワ」

小麦「あ、いたいた〜!」

エレナ「これでどうデスカ?」

キラキラ

澪「わぁ・・・」

小麦「商売品で一つ売れないのがあってさぁ〜、それを改造したの!」

唯「おぉ、かっこいいよ小麦ちゃん!」

小麦「えっへへ〜、エレナと培った技術だよ〜」

エレナ「そうですワ」

澪「・・・」

小麦「あれ?ブレスレットは嫌だった?」

エレナ「イヤリングがヨカッタですカ?」

澪「ううん。嬉しいよ・・・。ありがとう」

ギュッ

小麦「そ、そんなに喜んでくれると・・・」

エレナ「嬉しい反面トマドイますワ」

律「特別な物だったからさ」

紬「えぇ・・・」

小麦「えっへへ〜」

エレナ「・・・」

唯「・・・」

梓「・・・」

修治「・・・」モグモグ

小麦「修治くんまだ食べてるの〜?」

エレナ「行きますワ!」
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:12:58.23 ID:VOamOZUzo

修治「うん」モグモグ

律「どこ行くんだ?」

小麦「比叡山!」

澪「一緒に行こう!」

律「・・・!」

紬「りっちゃんさん嬉しそう〜」コノコノ

律「むぎさんこそ〜」コノコノ

梓「どうしたんでしょうか」

唯「分からないけど、みんなで行こう〜!」

エレナ「旅は道連れ世は情けネエですネ」

澪「世は情けだよエレナさん」

エレナ「ソーなんですカ?」

修治「・・・」モグモグ

律「さ、行こうぜー!」

唯「ゴーゴー!」

紬「ごぉー!」

梓「行きましょうー!」

小麦「賑やかだね〜」

エレナ「旅はこうでなくちゃいけませんネ」

澪「よしっ!」グッ

修治「ちょ、ちょっとまって置いてかないで!」
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:14:47.69 ID:VOamOZUzo

―――――比叡山

シャワシャワシャワシャワ

梓「セミの声すごいですね・・・」

唯「う、うるさいくらいだよ〜」

律「おぉー!立派な建物だぜー!」

紬「ほんと〜!」

修治「これこれ、落ち着きなさい」

小麦「わ〜!お参りしていこうよー!」

律「よっしゃー!」

紬「行きましょー!」

唯「いいよね!」

修治「一番に鈴鳴らす!」

タッタッタ

律「きったねえ!」

小麦「ずるいよー!」

唯「ずるい〜!」

紬「うふふ」

タッタッタ

エレナ「しょうがないですネ〜小麦は」

梓「先輩方元気ですね」

エレナ「ミナサン楽しくていい人たちですワ」

梓「むぎ先輩はそういう人です」キリ

澪「り、律も唯もいいヤツですよ」

エレナ「アッハッハ、それは分かりますヨ〜」

澪「・・・」

エレナ「本当に困ったとき、助けてくれる。そんな人は中々いませんヨ」
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:15:17.37 ID:VOamOZUzo

梓「そうなんですか?」

エレナ「世界中を旅してきましたけど、そんな人にめぐりあう機会は無かったネ」

澪「・・・」

エレナ「しかし、仙台で小麦が声をかけてきてくれてワタクシの世界が変わったヨ」

澪「・・・!」

エレナ「金沢でも、ワタクシのバイトのフォローをしてくれたツムギさんにはとても助けられたネ」

梓「・・・そんな事が」

エレナ「日本に来て、とてもヨカッタですワ」

澪「うん、私もエレナさんに会えてよかった」

梓「私もです」

エレナ「ワタクシもミナサンに出会えて嬉しいヨ!」

唯「あずにゃーん!」

梓「どうしたんですかー!」

紬「風音さんがいるわ〜!」

梓「行くです!」

タッタッタ

澪「しょうがないな・・・」

エレナ「日本は居心地が良くて、夢を諦めてしまいそうになりますワ」

澪「エレナさん・・・?」

エレナ「サァ、ワタクシたちも行きますネ!」

澪「う、うん」
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:16:47.79 ID:VOamOZUzo

ピノ「ピピッ」

風音「遊んできていいのよ?」

ピノ「ピッ」

風音「どうしたのかしら、いつもならすぐ遊びにいくのに・・・」

唯「どうしたんだろ?」

紬「甘えているように見えるわ〜」

律「怖がってんじゃないか?」

風音「怖いの?」

ピノ「ピピッ」

風音「神様がいる所だから、遊べない・・・そうです」

唯「な、なんと!」

紬「そうね〜、お寺だからよね」

梓「ピノの言葉分かるんですか?」

風音「なんとなく・・・ですけど」

唯「す、すごい!意志の疎通だよ!」

律「すっげえ!」

梓「おぉ」

風音「でも、よく分かりましたね。甘えているのと怖がっているのと」

律「私もなんとなく、なんだけどな」

紬「私も〜」

風音「そうですか。優しいんですね。ピノが懐くはずです」

律「いやいや」エヘヘ

紬「そんな〜」エヘヘ

唯梓「「 ・・・ 」」

風音「ここ、ちょっと寒くありませんか?」

紬「そうかしら?」

律「暑いよ」

風音「なんだか背中がゾクゾクしてて」

梓「あ、歴史がありますからね」

澪「みんな、ここでなにを」

風音「そうですね、織田信長が行った事がありますからね」

律「幽霊とかいるかもな」

澪「ヒァッ」
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:17:40.11 ID:VOamOZUzo

律「あ、タイミング悪いヤツだなー」

風音「どうしたんですか?」

唯「澪ちゃん、昔の事だからもういないよ」

紬「そうよ、澪ちゃん」

澪「ほ、ほんと?」

律「そうだぞー、もう思い遺すことはなくなって成仏したんだ」

澪「そ、そっか。なんだ・・・」

律「多分な」

澪「ヒァッ」

唯「もぉー、りっちゃん〜」

律「あー、ごめんごめん」

ピョン

梓「あ・・・」

ピノ「ピピッ」

唯「おぉ、澪ちゃんの肩に・・・」

澪「あ・・・ピノ」

ピノ「ピッ」

風音「ふふっ」

紬「元気付けているようね〜」

修治「おぉ、本当だ」

唯「どこ行ってたの〜?」

修治「中涼しいよ。行ってみたらいいよ、中に小麦とエレナもいるから」

紬「行きましょう〜」

梓「そうですね、涼んでいきましょう」

唯「アイスは無いの?」

修治「残念だけど・・・」

澪「あっはっは」キラキラ

律「一転して嬉しそうだな」
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:18:41.32 ID:VOamOZUzo

修治「秋山さーんっ」

澪「?」

修治「しーっ」

澪「??」

修治「こっちきて」ヒソヒソ

澪「・・・?」

テッテッテ

修治「みんなは?」

澪「自由時間としてバラバラで行動してるよ」

修治「チャンス」

澪「なにが・・・?」

修治「付いてきて」

タッタッタ

澪「?」

タッタッタ
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:19:20.93 ID:VOamOZUzo

澪「ここは?」

修治「人があまり近づかない場所だよ」

澪「・・・?」

修治「・・・」

澪「どうしたの鳥羽さん?」

修治「勝負!」ビシ

澪「え!?」

小麦「やあっ!」

ドカッ

修治「あいたぁ!」

エレナ「しょうがないですネ」ヤレヤレ

澪「小麦とエレナさん・・・?」

小麦「今日できなかった組み手やるんだよ〜」

エレナ「そうですワ」

澪「ど、どうして私を呼んだの?」

修治「あれ?興味あると思ったんだけど・・・」

小麦「なーんだ、修治くんの思い違いか」

エレナ「修治サン読みはアテになりませんネ」

澪「・・・」

修治「ま、いいじゃん。さ・・・今日の分やろう」

エレナ「そうですネ」

小麦「頑張って〜。澪ちゃんも見ていきなよ。面白いよ」

澪「う、うん・・・」

「・・・」




修治「よろしくお願します・・・」

エレナ「・・・ありがとネ」

修治「なっ! まだ終わってない!」

エレナ「そうですネ。行きますワ」

修治「っ・・・」

シュッ

エレナ「・・・ッ」

バッ
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:20:33.63 ID:VOamOZUzo


澪「す、すごい」

小麦「修治くん学校で運動系の部活やってるみたいでさ、飲み込みはやいんだ〜」

澪「そ、そうなんだ・・・」

小麦「エレナは全部寸止め。修治くんは当てるつもりで挑んでいるんだよ」

澪「あ、危ないよ!」

小麦「当たればね〜。エレナの強さ知ってるから本気なわけだし」

澪「で、でも」

小麦「エレナは遊びでやってないよ。真剣に修治くんと向き合ってる」

澪「・・・!」

小麦「だから、二人を信用して見ていられるんだ〜」

澪「・・・」

「・・・」





修治「・・・っ」

ザッ

エレナ「・・・ッ!」

シュッ

修治「!」

バシュッ

エレナ「・・・」

修治「あぶね・・・」

エレナ「避けましたワ」

修治「・・・ッ!」

シュッ

エレナ「・・・!」

812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:21:10.50 ID:VOamOZUzo


小麦「でもね・・・」

澪「・・・?」

小麦「二人とも私になにか隠しているようでさぁ」

澪「隠している?」

小麦「うん・・・。気のせいかな」

澪「・・・」

「・・・」




エレナ「そろそろ、終わりですワ」

修治「っ・・・」

エレナ「そんな顔しないネ」

修治「行くよっ」

バシュッ

エレナ「・・・!」

修治「・・・ッ!!」

バッ

シュッ

エレナ「ッ!」

バシィン

エレナ「お見事ですワ」

修治「気を抜いた・・・!」

エレナ「イイエ」
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:21:56.01 ID:VOamOZUzo

澪「あっ!」

小麦「すごいエレナにガードさせた!」

澪「・・・」

小麦「すごいすごい!」

エレナ「小麦ー!ワタクシたちの飲み物買ってきてくれませんカー?」

小麦「おっけー!」

タッタッタ

修治「・・・」ムス

エレナ「ワタクシは本気でしたヨ?」

修治「小麦をみただろ・・・」

エレナ「アッハッハー、バレましたワ」

修治「ちぇー」

澪「カッコよかった・・・」

エレナ「恐れいるヨ」

「・・・で、なんで澪だけ呼んだんだよ?」

修治「げっ!」

澪「り、律・・・」

エレナ「オー」

修治「律に見られたくなかったからだよ」

律「なんでだよ」

修治「・・・茶かされる」

澪「律は」

律「バーカ!」

修治「ぐっ」

エレナ「修治サン」

修治「ん?」

ダキッ

澪「!」

律「!」

修治「エ、エレナ!?」
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:22:52.44 ID:VOamOZUzo

エレナ「・・・ありがとう」ボソッ

修治「・・・」

エレナ「照れてますネ!」

修治「な!?」

澪「真っ赤」

律「真っ赤っ赤」

修治「や、やめろー!」

タッタッタ

エレナ「恥ずかしがり屋ですワ」

律「・・・仙台からずっとやってんの?」

エレナ「ワタクシハ毎日、修治サンは東京からですネ」

律「東京ね・・・」

澪「・・・」

小麦「あれ、修治くんは?」

律「もがいて走っていった」

小麦「なんだそれ」

澪「ププッ」

エレナ「アッハッハ」

小麦「はい、エレナ」

シュー

エレナ「サンキューデース」

パシッ

澪「みんなの所に戻ろうか」

律「そうすっか!」

小麦「いい時間だもんね〜」

エレナ「そうですネ」
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:23:51.78 ID:VOamOZUzo


律「よーし!お参りすんぞー!」

梓「さっきお参りしたのでは?」

修治「無しになった」

紬「鳥羽さんだけお参りしたのよ〜」

澪「そうだったのか」

小麦「よぉーし。奮発して10円だっ!」

エレナ「オォー!小麦の本気が伺えますネ」

唯「わ、私も本気出すよー!」

風音「5円でいいんじゃないでしょうか・・・」

律「その通りだな」

澪「じゃ、投げるぞ」

チャリーンチャリン

パンパン

小麦「・・・」

エレナ「・・・」

風音「・・・」

紬(みんなの旅が無事終えますように)

梓(みなさんが無事に旅をおえますように)

唯(むぎちゃんとあずにゃんとりっちゃんの旅が無事に終えますように)

澪(むぎと梓と律の旅が無事に終えますように・・・)

律(みんなの旅が無事に終えますように!)

816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:24:47.86 ID:VOamOZUzo

―――――ヴェガ

「ハァッ・・・ハァッ・・・少し詰めすぎましたわね・・・」

梓(・・・重そうだなぁ・・・どうしようかな。手伝いたいけど)

「よいっしょ・・・よいっしょ・・・ふぅ」

梓「あ、あの・・・」

「なにかしら?」

梓「手伝いましょうか?」

「まぁ、ご親切に・・・。それではこの小さいほうをお願いできます?」

梓「はい。ヴェガに乗るんですか?」

「そうですわ。あなたも乗りますの?」

梓「はい。乗客・・・!」

「乗客でしたのね。助かりましたわ」

梓(重い!何が入って・・・!?)

ポン

梓「?」

紬「私に任せて」キラン

梓「むぎ先輩」

「?」

紬「よいしょ」

ヒョイ

梓「・・・すごい」

紬「しゃらんらしゃらんら〜」

スタスタ

「・・・」
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:25:56.41 ID:VOamOZUzo

「手伝ってくれてありがとう」

紬「いえいえ〜」

梓「私は何もしてませんけど」

紬「そんな事ないわ〜」

梓「いえ・・・持てませんでしたから・・・」

「・・・」

修治「どうしたの二人とも・・・律が探してたよ」

梓「大阪の観光場所を決めたいとか、そんな理由です。後回しでいいです」

紬「観光場所を決めるのは大事よ。あずさちゃん」

梓「ですよね!」キラキラ

律「・・・ほぅ」

梓「・・・あ、唯先輩探さないと」

唯「あずにゃん!?」

梓「・・・」

唯「私を探していたんだよね!?」

梓「・・・」

律「梓は私らに観光先任せていいんだよな?」

紬「あらあら」

梓「・・・澪先輩に聞いてきます」

律「なにをだよ」

梓「大阪でどこに行きたいのか」

澪「ん?どうした?」

唯「あ〜ず〜にゃん」ダキッ

梓「・・・」

澪「こんな所で集まってたら邪魔だろ?移動するぞ」

律「どこにいこうっかな〜」

スタスタ

唯「どこ行こう〜」スリスリ

梓「暑いですからっ、離してください!私にも選ぶ権利を持ちたいです!」

紬「うふふ」

「・・・ふむ」

修治「あの・・・こちらの方は」

梓「あ、すいません」

唯「ん〜?」

紬「すいません」
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:27:11.86 ID:VOamOZUzo

「・・・ま、まぁいいですわ」

修治「?」

「さ、ボーイさん。この荷物を部屋まで運んでくださる?」

修治「へ?ボーイって俺の事?」

「他に誰がいまして?」

修治「・・・知り合い?」

梓「先ほど初めてお会いしました。こちらから乗車するそうですよ」

修治「そうなんだ・・・、馴染んでいるからそうなのかと」

紬「うふふ」

唯「あ〜ず〜にゃ〜ん」スリスリ

梓「会話に参加してくださいっ!離れてくださいっ!」

修治「誰ですかあなたは、いきなり人をボーイ扱いして」

「まぁ、人に名前を聞くときは自分から名乗るのが礼儀じゃありませんこと?」

修治「た、確かに。鳥羽修治と申します」

「・・・ふむ」

唯「平沢唯ですっ!」

梓「中野あず」

「ごめんよごめんよちょっとごめんよぉー!」

修治「あ、ああ危ない」

ドンッ

「ぎゃっ!」

ドサドサドサッ

「あー・・・ぁ、派手にやっちまったなぁ。荷物積め過ぎちゃったか・・・大丈夫だった?」

紬「拾うの手伝います」

梓「は、はい」

「ありがとー、恩に着るよ〜」

唯「あぁー!」

「ん?」

唯「姉御ぉー!」

姉御「げっ・・・あんたは・・・」

律「ん!?」キラン

澪「なんだその表情は」

姉御「げげっ、あんたまで・・・」

律「姉御ォーー!」キラキラ
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:28:33.11 ID:VOamOZUzo

紬「あねご?」

梓「今は無視してさっさと拾いましょう」

紬「そ、そうね」

姉御「あ、あのね。私には津山菜々子っていう名前があるんだよ」

「な、なんですってー!!」

菜々子「ん?そういやぶつけてしまった人がいたっけ。ごめんごめん大丈夫だった?」

「早くどかしなさい!この乱暴、暴力、超々ガサツ女!」

修治「え?」

律「な、なんだ・・・?」

澪「こ、怖い」ブルブル

菜々子「なんだって!?この口の悪さ・・・あんたもしかして!?」

「久しぶりですわね、菜々子さん」

菜々子「あぁ・・・出来れば一生会いたくなかったけどな・・・」

「再びあなたとこうして出会ってしまうなんて・・・あー縁起悪い」

菜々子「フン!相変わらす口と性格の悪さは銀河一だね!」

「そっちこそ!乱暴ぶりにますます磨きをおかけになって・・・アフリカでゴリラと同棲でもしてらしたのかしら?」

菜々子「なんだって!?」

「なんですの!?」

修治「そ、その辺にしておいたほうが・・・」

菜々子「引っ込んでろ!」ガォオ

「引っ込んでなさい!」ガァア

修治「」ピキーン

澪「」ピキーン

紬「これで最後ね」

梓「そうです」

律「動じないのか、視野に入ってないのか・・・」

唯「二人ともすごいよね」

「あら・・・」

菜々子「ありがとね、ふたりとも」

紬「いえいえ〜」

梓「どういたしまして」

「自己紹介がまだでしたわね。私の名前は鹿島静花。静花とお呼びください」キリ

菜々子「本性晒した後で気取っても手遅れなんだよ」
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:30:37.33 ID:VOamOZUzo

静花「うるさいですわよ。餌の時間にはまだ早いですわ」

菜々子「あんたにねだるぐらいなら逃げ出すに決まってるだろ」

静花「自分がゴリラだとお認めになられて・・・。オホホホ、精進なさったのね〜」

菜々子「あぁ!?」

静花「なんですの!?」

律「またか・・・」

紬「・・・」オロオロ

梓「避難しましょうか」

唯「澪ちゃん、澪ちゃん」ユッサユッサ

澪「」

静花「・・・ふむ」

菜々子「私はこれで失礼するよ。こんなヤツの相手してたらこっちまで性格が悪くなってしまう」

静花「それはこっちの台詞ですわ。よろしくない再会でしたわ」

菜々子「こっちのセリフだっつの・・・せっかくヴェガで働く事になったっていうのに・・・」

静花「・・・ふんっ」

スタスタ

律「姉御の名前菜々子っていうのかー」

唯「やったね、りっちゃん!」

梓「二人ともどうしたんですか?」

澪「」

紬「・・・?」

pipipipipipi

修治「あ、電話だ」

ピッ

修治「はいはい〜。よっと」

梓「もうすぐ出発ですよ?」

修治「分かった。・・・うん。そう」

タッタッタ

紬「・・・」

律「さて・・・」

唯「4号車へ行こう!」

澪「・・・そうだな」

梓「ですね」

紬「・・・京都はどうだった?あずさちゃん」

梓「とっても思い出深い場所になりました」

紬「うふふ、そうね〜」
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:32:11.88 ID:VOamOZUzo

prrrrrrrrrrrrrrrr

律「落ち着いて発車するのって、中々ないよな」

澪「そうだな、いっつもバタバタしてた」

梓「これが普通なんですよね」

唯「そうだね〜」

紬「・・・」

律「梓、狭くないか?」

梓「大丈夫ですよ?」

澪「ふむ」

唯「私とむぎちゃんの間においでよ」

梓「大丈夫ですって」

唯「固いこと言わないの」

梓「言ってないです」

プシュー

ガタン ゴトン

唯「ついに走り出したね〜」

律「・・・そうだな〜」

澪「うん・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」

唯「澪ちゃん、私たちは夕方に帰るんだよね」

紬「!」

澪「そうだぞ、忘れるなよ」

梓「・・・そうですよね」

律「なんだ、寂しいのか〜?」

梓「はい」

律「え!?」

唯「あずにゃんが素直で私も嬉しい」

澪「なんだそれは」

紬「・・・私、観光ガイド買ってくるね」ガタ

梓「それなら私が・・・」

律「まぁまぁ、私らと待ってようぜ〜」

唯「そうだよ〜」

梓「え、はい・・・」

澪「ここで待ってるな」

紬「うん」

スタスタ
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:33:18.64 ID:VOamOZUzo

緑「・・・」キョロキョロ

紬「なにか探しているの?」

緑「別に・・・」

紬「よかったら探しましょうか?」

緑「・・・」

紬「なにを落としました?」

緑「キーホルダーよ・・・」

紬「・・・キーホルダー」

緑「さっき、売店で買って落としたの・・・。見つからないからもういいわ」

キラン

紬「あ、あった」

ヒョイ

緑「・・・」

紬「はいどうぞ」

緑「・・・」

紬「そのキャラクター好きなんですか?」

緑「別に・・・」

紬「・・・」

緑「・・・」

紬「・・・」

緑「お金を崩したかっただけ。それだけだから」

紬「そうですか・・・」

緑「ありがと・・・」

紬「え・・・」

緑「・・・それじゃ」

スタスタ

紬「それでは〜」ニコニコ
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:34:08.69 ID:VOamOZUzo


風音「あ、ちょうどいいところに・・・」

ピノ「ピッ」

紬「どうしたの?」

風音「ピノを預かっててもらえませんか?」

紬「えぇ、いいわよ〜」

風音「ありがとうございます。さ、ピノ」

ピョン

ピノ「ピピッ」

紬「でも、どうして?」

風音「お昼をとりに食堂車へ。走り回っちゃうので・・・」

紬「なるほどぉ〜」

風音「いい子にしていてね?」

ピノ「ピッ」

風音「助かります。それでは後で迎えにいきますので」

紬「ごゆっくり〜」

スタスタ

824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:35:18.13 ID:VOamOZUzo

秋子「きゃ〜、可愛い〜!」

紬「あ・・・」

秋子「こんにちはピノちゃん」

ピノ「ピピッ」

秋子「きゃー!」

紬「うふふ」

秋子「どちらへ行かれるんですか〜」

紬「売店へ行ってきます」

秋子「それなら私もついていっていいですか?買いたいものがあるので」

紬「えぇ、もちろん」ニコニコ

秋子「それではいきましょ」

紬「大阪での観光先は決まりましたか?」

秋子「え〜と、アメリカ村と海遊館に行ってみようとかと!あと通天閣!!」

紬「まぁ、いいわ〜」

秋子「楽しみです〜。あー!」

菜々子「えー、ジュースとお菓子お弁当いかがですか〜」

秋子「姉御さまー!」

紬「あねご?」

菜々子「げげげっ!あんたまで・・・」

秋子「きゃー!」

菜々子「今仕事中だから勘弁してくれ」

秋子「私博多まで行くんです〜!」キラキラ

菜々子「聞いちゃいないねこの子」

ピノ「ピピッ」

紬「えぇと」

菜々子「私の名前は津山菜々子。食堂車と車内販売のアルバイトをする事になったんだ。よろしく」

紬「よろしくお願します」

ピノ「ピッ」

菜々子「可愛い同伴者だね〜」

秋子「それからそれから、料理が得意で〜、裁縫も少しできるんですよ〜!」

紬「秋子さん・・・売店車は・・・」

菜々子「あー、放っておいていいんじゃないかな。私が適当に言っておくからさ」

紬「で、でも・・・」

菜々子「へへっ、優しいんだな。気に入ったよ」

紬「?」

菜々子「気にしないで、さぁ、行った行った」

秋子「それから〜、好きな映画はやっぱりラブロマンスが好きで〜!」

紬「そ、それでは・・・」ペコリ

ピノ「ピピッ」
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:36:18.36 ID:VOamOZUzo

ちひろ「いらっしゃいませ〜」

紬「大阪の観光ガイドください」

ちひろ「どうぞ〜」

ピノ「ピピッ」

ちひろ「まぁ〜」

紬「ありがとうございます」

ちひろ「あ、そういえばお客さん?」

紬「はい・・・?」

ちひろ「・・・」

紬「・・・」

ちひろ「いえ、なんでもないです〜」

紬「?」

ちひろ「またいらしてくださいね〜」

ピノ「ピピッ」
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:37:13.27 ID:VOamOZUzo


紬「あれ・・・」

ピノ「ピピ?」

紬「みんなどこへ・・・」

修治「あ、いたいた」

紬「鳥羽さん・・・」

修治「展望車に来て」

紬「え?」

ピノ「ピピッ」

修治「困った事になってしまってさ・・・」アハハ

紬「?」
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:43:18.24 ID:VOamOZUzo

静花「オーッホッホッホ!」

菜々子「・・・ちっ」

静花「やはりそちらの世界へ足を踏み入れたのですね、菜々子さん!」

菜々子「違うっての、姉として敬ってくれてそう呼んでるんだよ!」

唯「そうだそうだー!」

律「そうだぞー!」

静花「まぁ〜、すっかり懐柔されてしまって・・・。酷い事なさいますのね」ヨヨヨ

菜々子「相変わらず口の減らない・・・」

律「姉御!応援してるッス!」

静花「従順ですのね・・・。開放してあげなさいな」

菜々子「あのなぁ!」

静花「まぁ、堅気に手を出しますの?警察呼びますわよ」

菜々子「おまえってやつはぁ!」

梓「どうしてこんな事に・・・」

澪「分からない・・・」

静花「さ、お二人は大和撫子同士ですから。私が面倒を見て差し上げますわ」

梓澪「「 はぁ・・・ 」」

唯「あずにゃんは大和撫子じゃないよ!」

律「そうだぞー!」

梓「なっ!?」

澪「・・・」

修治「こうなってしまってさ・・・」

ピノ「ピピッ」

紬「うん・・・?」

静花「来ましたわね。紬さん」

紬「?」

梓「・・・?」

菜々子「どういう事だよ?」

静花「勝負ですわ、菜々子さん」

律澪梓唯紬「「「「「 勝負? 」」」」」

静花「そうです。人としてどちらが敬われるか・・・ですわ」

菜々子「へー、面白いじゃないか」

律「じゃーこっちの勝ちだぜー!」

唯「そうだー!」

静花「と、言いますと?」
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:43:47.87 ID:VOamOZUzo

律「私は菜々子さんを姉御として見ているからだぜー!」

唯「うんうん、私たちを助けてくれたんだよ!」

紬「なるほど〜」

澪「そういう事か」

菜々子「出来レースだったわけだ」ニヤリ

静花「まぁ〜!」

菜々子「そっちはあまり乗り気じゃないみたいだしな〜」

律「よっしゃー!」

唯「あずにゃーん!こっちおいでー!」

梓「いえ、こっちでいいです」

律「な、なにぃ!」

梓「静花さんのスタイルに憧れます」キラキラ

静花「見る目ありますわ、梓さん」フフフ

菜々子「ぐっ・・・」

唯「そ、そんな〜」

律「澪は!?」

澪「こっちでいいかな」

律「大阪で降りるからどうでもいいって顔だなー!」

静花「そうなんですの?」

澪唯「「 はい 」」

菜々子「唯も降りるのか。なるほど・・・。ちょうどいいじゃないか」

静花「紬さんをどちらに傾けるのか・・・が勝負です」

菜々子「いいだろう」

紬「え!?」

静花「では・・・負けたほうは、勝ったほうのいう事を何でも聞く・・・というのはいかがかしら?」

菜々子「面白い。受けてたとうじゃない!」

静花「逃げ出さないように」

菜々子「誰が!」

静花「オーッホッホッホ」

スタスタ

菜々子「相変わらず・・・」イライラ
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:44:25.60 ID:VOamOZUzo

律「頑張りましょうぜ、姉御!」

菜々子「いや、慕ってくれるのは嬉しいんだけどさ律。その呼び名は変えて欲しいなぁ」

唯「じゃあ姉貴!」

菜々子「名前で」

律「菜々子さん」ブー

唯「菜々子ねえや」

菜々子「唯、もう少し変えてみようか」

唯「菜々子姫」

修治「ブフッ」

菜々子「・・・」

ギリギリ

修治「すいやふぇん」

菜々子「唯はなんでもいいや。じゃあねあんたたち」

スタスタ

澪「・・・大変な事に巻き込まれたな、梓」

梓「そうですね」

唯「あずにゃん!」

梓「不可抗力です」

ピノ「ピピッ」

紬「そうね、大阪の観光先でも決めましょうか〜」

唯「そう言ったの!?」
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:45:46.26 ID:VOamOZUzo

唯「うへへ」キラキラ

ピノ「ピピッ」

梓「ピノっ!」

律「がっつくと近寄ってこなくなるぞ」

梓「うっ」

紬「ゆっくり待ちましょ」

唯「さぁ、どこへ行こ〜?」ルンルン

澪「その気持ち・・・分かる」

律「確かに、嬉しいよな。小動物が肩に乗ってくれると」

ピノ「ピッ」

澪「夕方の6時まで観光できるよ」

律「到着時刻が2時だから・・・」

梓「唯先輩と澪先輩が行きたい所を優先してはどうでしょう」

紬「そうね〜」

唯「さすがあずにゃんだよ」ルンルン

紬「澪ちゃん行きたいところある?」

澪「そうだな、梅田空中庭園かな」

唯「私も目をつけていました」キラン

律「到着してから行くか」

梓「その後はどうします?」

澪「海遊館に行ってみたいけど・・・」

唯「時間足りるかな」

ピノ「ピピッ」

唯「そうだよね、よし行こう!」

梓「信頼関係が生まれてる・・・」

律「適当に合わせてそうだけど、なんだろうな」

澪「納得しそうな雰囲気だな」

唯「みててよ。ピノちゃん、りっちゃんのところへ!」

ピノ「ピピッ」

ピョン

紬「まぁ」

澪「私のところに来たんだけど」キラキラ

唯「あら」
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:46:32.97 ID:VOamOZUzo

律「じゃ、今度は澪が指示してみよう」

梓「・・・澪先輩」キラキラ

澪「ピノ、梓のところへ行ってくれないか?」

ピノ「ピッ」

ピョン

律「今度は私か」キラキラ

梓「・・・」ムス

紬「名前を覚えていないのかしら」

唯「そうかもしんないね。りっちゃんの番だよ」

律「ピノで遊ぶのはもういいだろ」キラキラ

梓「えー!」

唯「梅田空中庭園と海遊館で決定だね」

紬「分かったわ」

澪「そのまま駅に戻って・・・」

唯「うん・・・そだね」

澪「・・・楽しかったな」

ギュ

紬「・・・」

唯「とーっても!」

律「そうだな〜」

梓「こんな旅になるなんて思ってなかったです」

ピノ「ピピッ」

律「そうか、嬉しいこというじゃん」

澪「なんだって?」

律「私らに会えて楽しかったって」

唯「うんうん」

梓「ほんとですか?」ジト
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:47:14.11 ID:VOamOZUzo

風音「そうみたいですよ」

梓「」ガーン

紬「あら、もういいの?」

風音「はい、ピノがお世話になりました。ピノ、おいで」

ピノ「ピッ」

ピョン

風音「紬さん、ありがとうございました。それでは失礼します」

紬「いえいえ〜」

ピノ「ピピッ」

スタスタ

唯「あずにゃんは時間があるから大丈夫だよ〜」

紬「そうよ〜、ピノちゃんも分かってくれるわ」

梓「そうだといいです」ションボリ

紬「唯ちゃん、片付け終わった?」

唯「いっけね〜」テヘ

澪「おいおい・・・」

唯「整理してくるよ!」ガタ

梓「手伝います」

紬「私も手伝うわ」

唯「ありがと〜」

律「まだだったのか・・・」

澪「・・・」
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:48:23.66 ID:VOamOZUzo

澪「小麦が見えないけど、どうしたんだろ」

律「そういやそうだな・・・」

澪「・・・」

律「気になるなら行ってみたらいいじゃん。個室にさ」

澪「・・・そうだな」

静花「あら、二人ともまだここにいらしたのね」

律「・・・うっ」

静花「どうして呻きますの?」

律「うっ・・・どん食べたいなぁ・・・」

澪「鳥羽さんみたいだぞ・・・?」

律「なんだと!」プンスカ

澪「いや・・・怒るところじゃないだろ」

静花「うどんを好むのですか・・・見所ありますわね・・・」

澪「静花さんはどうしたんですか?」

静花「散歩ですわ。ここ、気に入りましたの」

律「・・・展望車落ち着きますよね〜」

静花「ええ・・・」

澪「静花さんに聞きたい事があるんですけど」

律「あ、私も」

静花「まぁ、なにかしら?何でもお答えしましてよ」キリ

澪「菜々子さんと仲が悪いみたいですけど」

律「どうしてかなって・・・」

静花「なんですってぇ!?」ガァアア

澪「ヒァッ」

律「おぉ・・・」

静花「コホン。失礼・・・」

律「そこまで嫌う理由って・・・」

静花「・・・通う高校が一緒だっただけですわ」

澪「え・・・」

静花「・・・私は、高校入学と共にとある殿方に心を奪われてしまいました」

律「語りだした・・・」

静花「進級し、桜舞いちる校庭で、告白しようとその殿方を呼び出したのです」

澪「・・・」ワクワク

律「ふむふむ」
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:49:31.09 ID:VOamOZUzo

静花「ところが!その場所にはなぜか、なぜか菜々子さんもいたんです!」

澪「・・・」

律「あらら」

静花「私たち、同じ殿方に恋をしていたのです・・・」

澪「・・・」

静花「結果は・・・結果は!キーーーー!思い出しただけではらわたが煮えくり返りますわ!」

澪「・・・どうなったんですか?」

律「菜々子さんが・・・?」

静花「二人とも玉砕してしまったんです!」

澪「・・・」

律「・・・」

静花「告白そっちのけでケンカを始めてしまい・・・気づいた時には殿方はいなくなっていました・・・」

澪「あー・・・」

律「あーらら」

静花「それからというもの・・・体育祭では闘いあい」

澪「競い合うが正しいのでは・・・」

律「そのまんまの意味なんだと思うぞ」

静花「学園祭では舞台の主役を競い合い」

澪「そこで使うんですね」

律「・・・周りが可哀相かも」

静花「高校三年間一緒のクラスでしたの。事ある毎にケンカをしていました・・・。思い出しただけで腹が立ってきましたわ」イライラ

澪「・・・」ビクビク

律「・・・」

静花「菜々子さんの『な』を聞くだけで全身に鳥肌が立ってしまうんです」

澪「・・・そんな事が」

律「今までそれを繰り返してきたんですねぇ・・・」

静花「そうですわ!卒業して3年経った今、また会う事になろうとは!」

澪「・・・運命のいたずらですね」

律「いたずらで済むのかこれ・・・」

静花「時に神は残酷なことをなさいますわ・・・」ハァ

澪「なるほど・・・」

律「不思議な縁ですね・・・」アハハ

静花「・・・そうですわね」

澪「・・・?」
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:50:17.92 ID:VOamOZUzo

律「・・・」

静花「・・・というわけで、今回の勝負、絶対に負けられませんの」ゴゴゴ

澪「・・・嫌な予感が」

律「・・・」

静花「さ、澪さん。なにか困った事でもありましたらなんなりと仰ってください」

澪「え、えぇと」

律「・・・」コソコソ

澪「・・・おい」

ガシッ

律「な、なに?」

澪「どこへ行くんだ?」ニコ

律「ドラムの練習に、だよ」ニコ

澪「練習熱心だなぁ」ニコニコ

律「当然じゃないかぁ」ニコニコ

静花「ドラム?バンドを組んでいますの?」

澪「はい・・・学校の部活で」

律「そうなんです。だから私はこれで」

ガシッ

澪「ヴェガにドラムなんてあったかなぁ」

律「あったような気がするんだよなぁ」

静花「・・・ふむ。部活仲間でヴェガに乗っていますのね?」

澪「さっき紹介したメンバーがそうです」

律「・・・」コソコソ

ガシッ

澪「諦めろ」

律「諦める事を知らないのが私、田井中律です」

澪「一人にしないで」

律「・・・分かった」

静花「担当を教えてくださるかしら?」

澪「え・・・えぇと」

律「小麦が書いた記事を読ませればいいだろ」

澪「いいのか?」

律「あぁ・・・かま・・・構わない」シクシク

静花「記事?」
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:51:01.85 ID:VOamOZUzo

澪「これを読んでくれれば、おおよそ把握できると思います」ガサ

律「私の自己紹介は飛ばしてください」

澪「諦めろ」

律「・・・」

静花「・・・ふむふむ」

菜々子「なにやってんだい・・・げっ」

澪「・・・」コソコソ

律「・・・おい」

ガシッ

澪「ベースのチューニングしなくちゃいけないんだ」

律「諦めろ」

菜々子「へぇ〜、文字が読めるようになったんだな。凄い凄い」

静花「うるさいですわよ。しずかになさい」

菜々子「知能は進化したみたいだな〜」

静花「人類は文字を読むとき、想像を張り巡らせることができるんですのよ」

菜々子「私が人類じゃないってのかい!?」

澪「二人で逃げようよ」

律「あ、そうだな」

澪「・・・」コソコソ

律「・・・」コソコソ

静花「お待ちになって、澪さん」

ガシッ

菜々子「待ちな、律」

ガシッ

澪律「「 ・・・ 」」
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:52:43.30 ID:VOamOZUzo


唯「よいしょっとー!」

ギュウギュウ

パチンッ

唯「よーし、終わった〜」

梓「なんとか収まりましたね」

紬「そうね〜」

唯「この部屋で眠ることはもうないんだね〜」

梓「・・・そうですね」

紬「・・・うん」

唯「・・・?」

梓「律先輩たちの所へ行きましょう」

紬「そうね」

唯「よし、そうしよう〜」

838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:54:18.43 ID:VOamOZUzo

―――――2号車

静花「なるほど。もう少し詳しく」

澪「えぇと・・・」

梓「どうしたんですか?」

静花「情報収集ですわ」キリ

紬「そうなんですか」

澪「梓もここに座るといいよ」

ポンポン

梓「・・・はい」

唯「りっちゃんは〜?」

澪「菜々子さんと食堂車へ」

静花「さ、次は名古屋ですわ」

澪「えぇと、そこでは・・・」

梓「ライブをしました」キリ

静花「まぁ、活動的ですのね」

唯「行こっかむぎちゃん」

紬「いいのかな」

唯「りっちゃんが気になるよ〜」

紬「そ、そうね」

スタスタ

静花「ふむふむ」

梓「夜には長島スパーランドへ」

澪「あの、これを聞いてどうするんですか・・・?」

静花「へっ? そ、それはその・・・」

小麦「やっほー!」

梓「京都では銀閣寺に」ペラペラ

澪「あ、小麦・・・今まで見かけなかったけど、どうした?」

小麦「エレナと編集してたんだ〜。私見てるだけで退屈だから出てきたの」

澪「ふふ、そうだったな」

静花「なるほど、それは使えますわ」メモメモ

梓「比叡山でお参りをして」ペラペラ

澪「よく喋るな梓・・・」

小麦「あはは、体験した事を伝えたいんじゃないかな〜。私そういうの分かるよ〜」
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:55:31.32 ID:VOamOZUzo

澪「記事を書いたりするのはそういう理由なの?」

小麦「うん!エレナのレポーター役をやってて、とっても楽しかったからね〜」

澪「そっか。いいねそういうの」

小麦「澪ちゃんも持ってるじゃない」

澪「うん、そうだな」

小麦「この旅がずっと続けばいいよね〜」

澪「わ、私次で降りちゃうんだ」

小麦「あ、そうだったね。さびしいな」ションボリ

澪「うん、私もだ」

小麦「えっへへ〜」

澪「ふふっ」

梓「青森では・・・」

静花「も、もうよろしいですわ」

梓「そうですか?」

静花「えぇ、またの機会にでも聞かせてくださいな」ガタ

梓「は、はい」

澪「あ、終わってた」

小麦「うん?」

静花「それではごきげんよう〜」

スタスタ

梓「・・・真剣に聞いてくれましたよ.。聞き上手っていうんですかね」

澪「勝負のネタ探しなのかな」

小麦「それじゃ、あたしとお話しよーよ!」

ドサッ

澪「そうだな」

梓「いいですね」

小麦「みんなは大阪着いたらどこ行くの?」
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:56:34.95 ID:VOamOZUzo

―――――食堂車

律「いいの?ご馳走になって」

菜々子「あぁ、料理の練習も兼ねてるから遠慮しないで」

律「やった!」

菜々子「変な事に巻き込んじゃってるからさ」

律「勝負の話?」

菜々子「そう、それ」

律「今は二人に振り回されているほうがいいかもしれない」

菜々子「どういう事?」

律「うーんと、澪も笑うようになったって事」

菜々子「髪の長い子だよね?」

律「そうそう」

菜々子「へぇ〜、あんたいい子だね」

律「私は部長ですから、みんなの事を見るのは当然です!」

菜々子「へへっ、気に入ったよ」

律「それに・・・」

菜々子「冷めちゃうよ、はやく食べなっ!」

律「いっただっきまーす。・・・うめえ!」

菜々子「あはは、ありがと」

律「料理長に負けない味だぜ〜」

菜々子「それは褒めすぎ」

律「このハンバーグなんて料理長と同じくらいおいしいぜ」

菜々子「いやいや、似せる事はできても、同じなんて今の私には無理だよ」

律「・・・マジで?」

菜々子「マジで」

コック「ほぅ・・・似せる事は出来るのか、津山」

菜々子「げっ」

律「だって、おいしいぞ」

菜々子「じゃ、じゃあ律、ゆっくりしていけな」

サササッ

律「ごっちゃんでーす」
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:57:25.83 ID:VOamOZUzo

コック「まったく・・・」

律「料理長〜」

コック「なんだ?」

律「菜々子さんの料理人としての腕って、こんなにすごかったの?」

コック「まぁ、勉強中ではあるらしいが。それなりに・・・だな」

律「ふーん」

コック「ハンバーグのレシピはもういいのか?」

律「うん・・・欲しいけど、私にはこの味を出すの難しいな」

コック「ガッハッハ、無理と言わないだけ偉いぞ」

律「ちぇー」

スタスタ

律「・・・それなりに凄いって事なのか?」

唯「あー!りっちゃんずるい〜!」

紬「どうしたの〜?」

律「菜々子さんが作ってくれたー」

唯「わ、わたしも食べたいよ!」

律「はい、あーん」

唯「あーん」パクッ

紬「あらあら」

律「どうだ?」

唯「おいひぃ」

律「だろー?」

紬「まぁまぁ」

律「そろそろ大阪だな」

唯「・・・」モグモグ

紬「そうね。食べ終わったら澪ちゃんとあずさちゃんの所へ行きましょう」

律「うんうん」モグモグ

唯「うん」モグモグ
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:58:28.67 ID:VOamOZUzo


修治「マスコミは次の駅に集まってます?」

車掌「大阪駅には来ていないみたいですよ」

修治「へぇ〜、もうヴェガに乗ってないと思っているのかな?」

車掌「恐らく」

修治「意外とあっさりしてんな〜」

車掌「・・・今、大衆が求めている情報は彼女一人だという事でしょうか」

修治「・・・そっか、なら大丈夫ですね」

車掌「ですがご用心なさってくださいね」

修治「了解です」ビシッ

車掌「ふふ、助かります」

843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 22:59:24.45 ID:VOamOZUzo

ガタンゴトン ガタン ゴトン

プシュー

澪「よっ」ピョン

唯「ほいっ」ピョン

シュタ

澪唯「「 大阪着いたっ!! 」」

修治「・・・」キョロキョロ

律「どうした?」

修治「いや・・・」

菜々子「邪魔だぞ修治」

修治「・・・」ササッ

菜々子「挙動不審なヤツ」

律「仕事休みなんですか?姉御・・・もとい菜々子さん」

菜々子「あぁ、夕方までね」

唯「それじゃ後で挨拶にいくよっ!」

澪「はい」

菜々子「そっか・・・。それじゃ後でね」

スタスタ

梓「澪先輩!」

紬「唯ちゃん!」

車掌「田井中さん!」

澪唯律「「「 ん? 」」」

修治「・・・え」

「すいません、ちょっとよろしいですか?」

澪「!」

唯「なに〜?」

律「げ・・・」

「放課後ティータイムというグループをご存知ですか?」

澪唯律「「「 えっ 」」」

修治「あー、俺がお答えしますよ〜!」ズイッ

「なんですか?」

修治「グループ名間違えてますし・・・」

「いえ、有力な情報筋ですから」

修治「・・・ガセ情報ですよ。本当の名前は」
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:01:24.01 ID:VOamOZUzo

静花「なにをしていますの!?行きますわよみなさん!」

紬「行きましょ〜!」

梓「行くです!」

修治「あ、はーい。行くぞ」

律「お、おぉ」

唯「はいよ〜」

澪「う、うん!」

タッタッタ

「本当のグループ名は!?」

修治「放課後ティータイムでいいじゃないですか」

「ちょ、ちょっと!」

修治「それじゃこれで」

「ま、まってください!」

修治「まだなにか?はやく行かないと怒られるんですけど」イライラ

「正式名称を!」

修治「事務所側から秘密にしてくれと言われているんですけど・・・」

「じ、事務所!?デビューするという事ですか!?」

修治「いや、そっちじゃなく・・・」

小麦「その情報を掴んだだけでもいいんじゃないの〜?」

「・・・ご本人は?」

修治「大阪で下車するって言ってたから・・・準備してるのかもしれませんね」イライラ

小麦「それか、もう降りてるかも、ホットティータイムのメンバー」

修治「バ、バカッ!」
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:02:21.20 ID:VOamOZUzo

小麦「あっ!」

「! それでは!」

タッタッタ

修治「・・・はぁ」

小麦「あーぁ、右往左往してるね、信憑性ないから当然か〜」

修治「助かったよ小麦」

小麦「あの記者が書く記事なら誰も信用しないんじゃないかな」

修治「しかし焦った・・・」

車掌「申し訳ございません。到着直前に怪しい人がいると連絡が入りましたが」

修治「そう伝えておきます」

小麦「にゃはは、修治くんもペテン師だね〜」

修治「あのね・・・『正式名称』を言った小麦が言わないでね」

小麦「えっへへ〜」

修治「・・・小麦」

小麦「なぁに〜?」

修治「・・・」

小麦「?」

車掌「・・・」

修治「・・・・・・じゃあ・・・な」

小麦「また後でね〜」フリフリ

修治「・・・うん」

車掌「いってらっしゃいませ」
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:02:51.33 ID:VOamOZUzo

律「ビックリしたぜ・・・」

唯「うっかり、私たちです!って言いそうになったよ〜」エヘヘ

梓「」ゾクッ

紬「大丈夫よ、あずさちゃん。言ってないから」

澪「鳥羽さんが割り込んで来てくれて助かったな・・・」

静花「・・・ふむ」

律「いやぁ、静花さんが怒っている風に演じてくれたから助かったー」

梓「そうですね。助かりました」

唯「ありがと〜」

紬「ありがとうございます」

静花「まぁ、好奇な目で見られる辛さは分かりますから」

紬「?」

修治「まだいたのか。はやく移動したほうがいいよ」

律「そうだな、よし放課後ティータイ」

修治「おぉいっ!」

律「なんだよー」

唯「どうしたの〜」

修治「せっかくごまかしてきたんだから、ここを離れてからにしようぜ!」

澪「そ、そうだな」

静花「駅前は危険ですわね」

梓「さっさと梅田空中庭園に行きましょう」

紬「そうしましょう〜」
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:04:04.61 ID:VOamOZUzo

梓「どうして静花さんまで一緒に来るんですか?」

静花「さきほどの輩がいたら、疑われるのはあなたがたですわ」

律「そうだぞ!」

唯「そうだよあずにゃん」

澪「お前たちは菜々子さん派じゃなかったのか・・・」

紬「うふふ」

修治「・・・」

律「あなたはなぜ?」

修治「高い所が好きなんだ」

律「あぁ、バカとなんとかは高い所が好きっていうからな」

修治「・・・」

唯「ひどいよりっちゃん!」

律「お、修治の肩をもつのか〜?」

修治「平沢さん・・・」ウルウル

澪「わぁ、高〜い」キラキラ

紬「ほんとね〜」

梓「空が近いです」キラキラ

唯「3人の悪口は許しません!」

律「すいませんでしたぁ」

修治「・・・」シクシク

静花「ふふ、賑やかですわ」

菜々子「・・・」

静花「・・・はぁ、幸せな空間を壊す悪魔が・・・」

菜々子「誰が悪魔だよ」

静花「あちらに鏡がございましてよ」

菜々子「確認しろってか!」

修治「まぁまぁ、みんなの最後の観光ですので。穏便に」

静花「・・・」

紬「風音さんもいらしてたのね〜」

風音「はい・・・」

ピノ「ピピッ」

律「あはは、みんな大集合だぜー」キラキラ

梓「・・・どうしてピノは私のところに来ないの?」
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:05:47.01 ID:VOamOZUzo

唯「ピノちゃんおいでっ!」

ピノ「ピッ」

ピョン

唯「あれま」

澪「ここは地上40階の2つの高層ビルの頂上部を連結した空中庭園なんだ」キラキラ

風音「遊んでもらってうれしそうです」ニコニコ

紬「うふふ、よかったわ〜」

静花「・・・」

菜々子「・・・そうだな」

秋子「きゃー!姉御さまー!」

菜々子「うわぁ・・・」

修治「みんな揃ったから記念撮影でもしない?」

唯「そうだね!」

紬「お願します」

修治「おっけー」

静花「はい、並んで並んでー」

律「はいよー」

梓「はい」

菜々子「どーして私がこんなに離れるんだよー」

静花「あなた身長が高すぎますのよ、遠近法を活用したまでですわ」

菜々子「くっ・・・釈然としないな」

秋子「私もいますから平気ですよー!」

澪「ピノと一緒にか。いいな!」キラキラ

ピノ「ピピッ」

風音「ふふ」

唯「さぁーどうぞ」ブイ

紬「いぇ〜い」

梓「・・・」ブイ

律「イエーイ!」

修治「はい、チーズ!」カシャ

緑「?」

修治「あ、北上さんも来てたんだ・・・」

緑「フラッシュの方向に気を取られたわ・・・」

紬「入りました!?」

修治「え、北上さんの事?ちゃんんと入ったよ」

静花「・・・」
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:06:27.93 ID:VOamOZUzo

菜々子「さーて、ヴェガに戻ろうかな」

律「お勤めご苦労様です!」

唯「お疲れ様です!」

菜々子「やめて、違う意味に取られるから」

静花「あまり変わりませんわ」

菜々子「全然違うだろ!」

修治「お供しやす。姉御」

菜々子「・・・」

ギリギリ

修治「すいやふぇん」

秋子「それでは私もこれで失礼しますね!」

紬「えぇ、それでは〜」

静花「わたしも失礼しますわ。ごきげんよう」

梓「はい、それでは」

ピノ「ピピッ」

風音「ほら、行くよピノ」

澪「中々離れてくれないな」キラキラ

唯「おいでピノちゃん」

ピノ「ピッ」

ピョン

唯「おぉ」キラキラ

梓「風音さんが困るじゃないですか」

律「風音はどこ行くんだー?」

風音「海遊館に行こうかと」

唯「それならcome with we!だよ」

紬「北上さんは・・・」

澪「さっき歩いていったな」

律「はは、マイペースだな」

唯「それじゃ、放課後ティータイム最後の観光地へ行ーくぞー!」

紬「おぉー!」
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:07:47.34 ID:VOamOZUzo

―――――海遊館

風音「世界最大級の水族館らしいですよ」

唯「わくわくだよ!」

律「結構大きいんだなー!」

澪「この中にジンベイザメがいるから当然といえば当然だけど」

梓「5m近くあるそうですからね、ビックリです」

紬「うんうん」

ピノ「ピッ」

唯「でも大丈夫かな、ピノちゃん・・人が多いけど」

風音「そうですね・・・」

ピノ「ピピッ」

律「よし、じっとしてるんだぞ」

澪「ぬいぐるみと思うだろうな」

風音「そう・・・ですね」

梓「そうです、入りましょう!」

紬「うんうん」

唯「むぎちゃん・・・?」
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:08:42.78 ID:VOamOZUzo

紬「・・・いたっ!」

律「あれマンボウだ・・・」

澪「あっちの大きいほうはいいのかむぎ・・・」

梓「ジンベイザメよりマンボウなんですね」

唯「おぉー!でっかいどー!」

梓「・・・」

風音「海の中にいるみたいですね」

ピノ「ピッ」

唯「そうだね〜、おいしそうな魚がいっぱいだよ〜」

梓「食物としてみるんですか」

風音「海の生物って面白いですね。私山で育ったから、海は新鮮です」

唯「そうなんだ〜、ここにきたら海が好きになるね!」

風音「はい・・・」

紬「山もいいわね〜」

風音「私の住んでいた所は田舎ですけど、自然が多くてよかったです」

律「それにしても人が多いな」

風音「そうですね・・・子供が多いです」

紬「にぎやかね〜」

梓「ちょっとうるさいですね。はしゃぐ気持ちは分かりますけど」

澪「分かるんだ・・・」

梓「童心に戻るって意味です。そうです」

律「自分に言い聞かせてるみたいだぞ」

ピノ「ピピッ」

紬「あっ、うなぎよ」

風音「にょろにょろしてる」

唯「10人前くらいかな」

律「そうだな・・・」ジュル

紬「うな重が?」

唯「そうだよ」ジュル

梓「お腹空いたんですか?」

澪「さっきたこ焼き食べただろ・・・」

風音「ふふ、みなさんといるととても楽しいです」

ピノ「ピッ」

唯「でっへっへ」
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:09:55.53 ID:VOamOZUzo

ドン

澪「おっと」

律「人が増えてきたな」

唯「あずにゃーん」

梓「ここですよ〜」

ギュ

唯「離れないように手をつなごう」

梓「そうですね」

律「・・・もう少し眺める?」

風音「私は戻ります。待ってると思うので」

紬「?」

風音「え、えぇと。なんでもないです。それじゃ行きましょピノ」

ピノ「ピッ」

唯「じゃーねー」

澪「じゃあね」

ドンッ

紬「っとっとぉー」

澪「むぎっ」

ギュ

紬「ありがとー」

澪「い、いや・・・」

唯「あずにゃん、かめだよ」

梓「そうですね・・・。優雅に泳いで気持ち良さそうです」

律「・・・」

紬「澪ちゃん、あっちにマンボウよ」

澪「さっきも見たよ」

律「・・・もう少しのんびりしていくか」
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:11:04.37 ID:VOamOZUzo

―――――ヴェガ

紬「・・・」

唯「車掌さん・・・」

澪「・・・どうぞ」

車掌「はい。お二人の乗車証、確かに受け取りました」

紬「・・・」

唯「・・・」

澪「・・・」

車掌「・・・」

紬「・・・」

唯「・・・っ」

澪「それでは・・・」

ダダダッ

修治「秋山さん!」

澪「鳥羽・・・さん・・・?」

唯「修治くん?」

紬「?」

修治「ごめんっ!!」

澪「ど、どうして謝るんだ?」

修治「・・・これを持って、改札口に行って」

澪「?」

唯「手紙・・・?」

紬「どういう・・・事・・・?」

修治「エレナと小麦が・・・大喧嘩してる」

澪「!」

バシッ

タッタッタ

紬「待って澪ちゃん!」

タッタッタ

修治「ごめん・・・」

唯「ま、まって」

車掌「平沢さん」

唯「え?」
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:11:52.41 ID:VOamOZUzo


澪「・・・りつ」

律「澪・・・?」

澪「・・・っ!」

タッタッタ

梓「澪先輩っ!?」

律「どこ行くんだよ!」

タッタッタ

紬「・・・っ!」

律「む、むぎ?」

梓「ど、どうしたんですか!?」

紬「唯・・・ちゃんを・・・っ・・・待ってて」

律「え?」

紬「・・・っ」

タッタッタ

梓「二人とも走っていきましたね・・・、どうしたんでしょうか」

律「・・・あの紙はさっき修治が持ってたやつか?」
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:12:37.76 ID:VOamOZUzo

小麦「・・・そんなの酷いよ!どうしてそういう事いうの!?」

エレナ「仕方ないネ!これ以上、小麦をついてこさせるわけにはいかないヨ!」

小麦「あたしが行ってどうしていけないの!」

澪「どうしたんだ二人とも!」

エレナ「あ・・・」

小麦「澪ちゃん!あのね、エレナが・・・エレナがここでもう別れようって言うの!」

澪「え・・・」

小麦「まだ、あたし一緒に旅行したいのに!」

エレナ「小麦は分かってないネ!海外に行くっていうのは日本とは全然ちがうヨ」

澪「・・・!」

紬「・・・」

エレナ「今までみたいに何とかなるものではないネ!」

小麦「やだやだやだっ!あたし絶対やだもん!」

澪「小麦・・・」

紬「・・・」

エレナ「・・・」

小麦「〜っ!」

澪「何とかいってあげてよ・・・エレナ」

エレナ「ではハッキリ言うネ!これ以上ついてこられても足手まといですネッ!
    だから、おとなしくここに残って欲しいヨ・・・!」

紬「エ、エレナさん!」

澪「エレナっ!」

小麦「そんな・・・そうなの?やっぱりあたしみたいじゃダメなの?それでも
   ・・・・・・それでもあたし今まで・・・・・・」

ダダダッ

澪「小麦!」

エレナ「ミオさん・・・それを小麦にお願しますワ」

ダダダッ

紬「エレナさん、待って!」

タッタッタ

澪「・・・っ」

『それを、自分を信じろよ』

ギュッ

澪「・・・」
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:17:00.29 ID:VOamOZUzo

律「唯・・・」

梓「なにがあったんですか?」

唯「うん・・・」

修治「・・・」

律「・・・」

唯「エレナちゃんと小麦ちゃんがここで降りるって・・・」

修治「・・・」

唯「二人はここで別れるって・・・」

梓「え・・・」

律「・・・」

梓「・・・二人は・・・これからも一緒にいるものだと・・・」

唯「・・・うん」

修治「・・・」

律「なんで澪なんだよ、修治」

梓「律せん・・・ぱ・・・い?」

修治「・・・あの二人をよく見てたから」

唯「・・・」

律「そうじゃねえ!なんでお前が行かないで、澪に行かせたかって事だよ!」

梓「っ!」ビクッ

修治「俺じゃ・・・。俺には資格が無いからだよ」

唯「資格・・・?」

律「なんだよそれ」

修治「俺は・・・エレナがここで、小麦と別れようとしている事知ってたから」

梓「・・・」

唯「・・・」

律「だから澪に手紙持たせたのか・・・」

修治「・・・うん。俺の声より・・・秋山さんの声の方が届くと思ったから」

律「・・・」

修治「平沢さんにも迷惑かけた・・・ごめん」

唯「ううん。大事な事だから迷惑だと思ってないよ」

梓「・・・」

律「・・・だから、比叡山で澪を呼んだのか・・・」

修治「・・・」

唯「・・・」

律「怒鳴って・・・悪かった」

修治「いや、俺にはあの二人を繋げたまま別れさせる事ができないと思った」

梓「・・・」

唯「澪ちゃん・・・なら・・・?」

修治「・・・うん。・・・でも、エレナの頼みを秋山さんに押し付けた」
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:18:51.59 ID:VOamOZUzo

澪「小麦っ!」

小麦「み、み・・・お・・・ちゃん・・・っ・・・う、うぅっ・・・」ボロボロ

澪「・・・」

小麦「ひどいよ・・・こんな大事な事・・・勝手に決めて・・・あたしにもちゃんと言って欲しかったのに」グスッ

澪「・・・エレナも辛かったと思うよ」

小麦「ぅん・・・ごめんね・・・っ・・・ごめ・・・っ」ボロボロ

澪「ううん・・・。エレナがあんな事言うなんて、きっと理由があるんだよ」

小麦「っ・・・」グスッ

澪「エレナから手紙を預かってきたんだ」

小麦「手・・・紙?エレナからの手紙!?見せて!」グスッ

澪「・・・」

小麦「『小麦へ ごめんなさいでございます』」

恐らく今は小麦を傷つけてしまったネ
でも、こうしなければ小麦はいつまでもついてきてしまうと思ったヨ
小麦も高校三年生

今は旅を続けていてもいつかは自分の生活に戻る日が来る
ワタクシも世界のあらゆるところを見て廻るという自分の夢で精一杯ネ
小麦と一緒にいたいのはヤマヤマですが、旅をするのはワタクシの夢
小麦には自分の夢を見つけて欲しいヨ

小麦も自分の目的を見つけて頑張るネ

きっとまた、どこかで再会するネ
                  エレナ・ユーリ・ノーディス

小麦「エレナ・・・」

澪「小麦、エレナを一人で行かせよう」

小麦「でも、でも・・・!」

澪「小麦は・・・エレナの事好きだよな」

小麦「・・・うん」

澪「・・・だったら、エレナの気持ちを大切にしなきゃダメだ」

小麦「エレナの・・・気持ち・・・」

澪「・・・エレナが小麦を想ってくれてるように、小麦もそれに応えてあげようよ」

小麦「・・・うん」

澪「・・・」

小麦「うん、・・・分かったよ」

澪「・・・それじゃあ、見送りに行こう」

小麦「え・・・?」

澪「・・・」

ピッピッポ

小麦「どうするの・・・?」

trrr

澪「・・・・・・・・・もしもし、むぎ?」
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:23:41.06 ID:VOamOZUzo

―――――空港

エレナ「こんな所にまで付き合ってもらって・・・申し訳ないネ」

紬「気にしないで」

エレナ「ワタクシ、小麦を突き放す自信がなかったネ」

紬「・・・」

エレナ「ですが、ツムギさんとミオさんの顔をみて自分を奮い起こしましたヨ」

紬「私たちですか?」

エレナ「えぇ、二人・・・イエ、五人は・・・とてもカタイ結束で結ばれていますネ」

紬「・・・」

エレナ「そうでなければ、あの音楽は生まれないヨ。小麦とワタクシもそんな結束を結びたいネ」

紬「・・・」

エレナ「ミナサンと出会えて良かったですワ」

紬「・・・」

エレナ「思い残す事はないヨ!」ガタ

紬「ま、まって・・・」

エレナ「もう時間ネ、乗り遅れてしまうヨ・・・」

紬「・・・」

エレナ「ツムギさんの紅茶・・・温かかったですワ」

紬「・・・っ」

エレナ「みんなでノンビリオシャベリ、楽しかったデスネ」

紬「・・・エレナさん」

エレナ「・・・大切なものをたくさん貰ったヨ・・・ありがとう」

紬「エレナさん・・・っ」

小麦「エレナーーー!!!」

ダダダッ

エレナ「小麦!?」

ガバッ

小麦「エレナー!ごめんね、あたし、あたし、エレナがあんなにあたしの事
   考えてくれてるなんて思ってなかった!」

エレナ「小麦・・・ワタクシの方こそゴメンナサイ・・・」

ギュウ

小麦「これから海外に出るんだよね・・・?」

エレナ「ソウですワ」

小麦「間に合ってよかった・・・!」

エレナ「・・・ウン」

ギュウウ
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:24:22.64 ID:VOamOZUzo

紬「よかった・・・」

澪「・・・」

エレナ「ミオさん、修治サンに伝えてくれますカ?」

澪「え?」

エレナ「嫌な役を押し付けてしまってゴメンナサイ・・・ト」

澪「・・・うん」

小麦「やっぱり修治くんも隠してたんだ」

エレナ「ワタクシのワガママですワ」

紬「・・・」

澪「・・・」

小麦「エレナ・・・元気でね・・・」

エレナ「小麦も・・・」

小麦「あたし、夢見つけるから!」

エレナ「応援してるネ」

小麦「・・・うん!」

エレナ「時間が無いから行くヨ」

小麦「・・・うん」

エレナ「ミナサンにヨロシク」

紬「えぇ・・・、エレナさんもお元気で」

澪「楽しかっ・・・た・・・」

エレナ「おかげでこれからも頑張れるヨ」ニコ

小麦「それじゃあね、エレナ。体に気をつけてね」

エレナ「エェ、小麦も」

小麦「・・・」

エレナ「グッバーイ」

タッタッタ

小麦「エレナー!さようならー!!」

澪「さようならーー!」

紬「さようなら・・・」
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:26:07.71 ID:VOamOZUzo

―――――大阪駅

澪「これから仙台へ?」

小麦「うん、そうだよ。色々とありがとね・・・」

澪「ううん・・・」

紬「・・・」

小麦「あたしねー、学校で無視されてるんだー」

澪「え?」

紬「!」

小麦「イジメじゃないけど、なんだこいつーって。うるさいなーって」

澪「小麦がっ?」

小麦「うん、そうだよ。あたしが!」

紬「・・・」

小麦「こんな性格だからしょうがないなーとか思いつつ、少し寂しかったんだー」

澪「小麦・・・」

小麦「でもね、仙台でエレナを見つけて、声をかけて、エレナが世界で旅をしているって話を聞いてね」

澪「・・・」

小麦「世界はとっても面白いんだぞーって、小麦、お前の目でもっとよく見てみろーって」

紬「・・・!」

小麦「そう教えてくれた気がしたんだー」

澪「!」

小麦「それから毎日が楽しくってさ〜」

紬「二人の出会いは必然だったのかもしれないね・・・」

小麦「!」

澪「・・・うん」

小麦「・・・・・・あたし、夢見つかったかもしれない」

紬「・・・夢?」

小麦「テレビレポーター!」

澪「うん・・・っ・・・似合ってるよ!」

紬「うんっ!」

小麦「えっへへ〜、ありがと、あ・・・」
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:27:37.75 ID:VOamOZUzo

律「駅に着いたなら教えろよ!」

唯「そうだよー!」

梓「そうです!」

小麦「あれ、見送りしてくれんのー?」

律「あたりまえだろー!」

唯「見送りするのは当然だよ!」

梓「もちろんです!」

紬「うふふ」

澪「・・・っ」

修治「・・・」

小麦「修治くん、ありがとね・・・あたしの為に・・・」

修治「俺は・・・なにも出来なかったよ」

小麦「ううん、エレナと一緒に考えてくれたんでしょ?嬉しかったよ」

修治「・・・っ・・・うん」

澪「・・・」

律「そんな急に帰らなくてもいいんじゃないのか」

唯「もうちょっと・・・・・・」

梓「はい・・・」

小麦「ううん、あたし、目的も見つかったから今すぐにでも頑張りたいんだ〜」

紬「・・・目的?」

小麦「そう!エレナにあたしのレポートが届くように、だよー!」

澪「・・・っ」

小麦「そろそろ時間だね〜」

修治「気をつけてな・・・」

小麦「ありがとー、たくさん助けてくれたよね、修治くん」

修治「楽しかったからいいんだよー!」

律「じゃあな・・・、楽しかったぜー」

小麦「あたしも〜」

唯「元気・・・で・・・・・・ね」

小麦「唯ちゃんの歌声あたし好きだよ〜」

梓「お気をつけて」

小麦「同じ身長同士頑張ろうね!」

梓「にゃ!?」

紬「記事を書いてくれて・・・、とても嬉しかったわ」

小麦「えっへっへ〜、ネタに困らなかったよ〜。放課後ティータイムは」

紬「うふふ」
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:29:05.00 ID:VOamOZUzo

prrrrrrrrrrrrrrrr

小麦「じゃあね〜」フリフリ

澪「こ、小麦!」

小麦「?」

澪「エレナも・・・っ」

『仙台で小麦が声をかけてきてくれて、ワタクシの世界が変わったヨ』

小麦「エレナも・・・?」

澪「小麦が声をかけてきてくれて世界が変わったって、言ってた!」

小麦「!」

澪「だから・・・二人はどれだけ時間が流れても、どれだけ距離が離れても、繋がってるっ!」

小麦「・・・っ・・・もぅ・・・」グスッ

澪「ずっとだ!」

小麦「えっへへ・・・、っ・・・さよなら!」

プシュー

澪「あ・・・ありがっ・・・ありがとう小麦!」

小麦「」フリフリ

ガタン

ゴトン ガタンゴトンガタンゴトン

律「・・・」

紬「・・・」

唯「・・・っ」

梓「・・・」

澪「・・・」
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:30:39.07 ID:VOamOZUzo


修治「さーて、ご飯たべてこよーっと」

律「わざとらしいな・・・もうちょっと自然にできないのか」

修治「どうやるんだよ」

律「は、腹がへった・・・」フルフル

梓「大丈夫ですか?」

律「それは空腹に対して?そんな事してて?」

修治「両方心配してんだよ」

律「おらぁ!」バシッ

唯「・・・私気になることがあるんだよ!」

梓「私もです」

律「気になる事?」

唯梓「「 どうしてあずにゃん(私)の身長を知ってたのか 」」

唯「だよ」

梓「です」

律「あぁー、確かに・・・」

修治「・・・フッ」

梓「鼻で笑いました!?」

律「おらぁ!」バシッ

修治「いって!二回叩くな、縮む!」

梓「・・・フッ」

修治「あれ、今鼻で・・・」

唯「そんな事いいから、早く答えを言うといいよ!」

修治「さわ子先生と密談してただけだよ」

律「なるほどぉ」

梓「納得です」

唯「なーんだ・・・ちぇー」

修治「なにを期待してたのかな?」

律「さ、行こうぜー」

梓「お腹空きました」

唯「そうだねー」

修治「むむ・・・」
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:32:59.87 ID:VOamOZUzo

澪「・・・」

紬「私たちも行きましょうか」

澪「うん・・・」

ギュ

紬「澪ちゃん・・・?」

澪「ごめん・・・ちょ・・・っ・・・とだけ・・・」

紬「・・・」

澪「手を・・・っ・・・握ってて・・・」

紬「うん・・・」

澪「・・・あの二人は・・・っ・・・凄かった・・・」

紬「・・・うん」

澪「お互いを・・・信頼して・・・支えあって・・・どこまでも・・・突き進んでいるんだ・・・」

紬「うん」

澪「・・・わ、わたしには・・・耐えられない・・・よ・・・」グスッ

紬「・・・」

澪「そんな・・・人と別れるなんて・・・!」グスッ

紬「さっき澪ちゃんは言ったわ」

澪「・・・?」

紬「『どれだけ時間が流れても、どれだけ距離が離れても繋がっている』って」

澪「それは・・・あの二人だから・・・」グスッ

紬「私たちも同じ」

ギュ

澪「・・・っ」
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:34:09.94 ID:VOamOZUzo

紬「時間と距離が私たち隔てようとしても、わたしはいつもみんなを想ってるわ」ニコ

澪「〜っ!」

ギュウ

紬「・・・だから」

澪「・・・ぅん・・・っ・・・いつも・・・ありがと・・・むぎ」グスッ

紬「え・・・?」

澪「このブレスレットも・・・」グスッ

紬「それはエレナさんと小麦さんが」

澪「ううん、私のために走ってくれた・・・」グスッ

紬「・・・」

澪「みんなと一緒に歩けないと・・・怯えていたわたしを・・・気にしてくれてた・・・」グスッ

紬「・・・」

澪「みんなで・・・一緒にいられるっ・・・じ・・・かんが・・・とっても愛おしいと・・・教えてくれた」グスッ

紬「・・・っ」

澪「それを失う事が・・・怖いと・・・動けない・・・わたしを・・・っ・・・むかえにっ・・・きてくれた・・・」ボロボロ

紬「・・・」

澪「あ・・・りが・・・っ・・・・・・あり・・・がと・・・ありがとお・・・むぎ・・・っ」ボロボロ

紬「・・・っ!」

澪「・・・もう・・・すこ・・・しだけ・・・・・・おねがい」ボロボロ

紬「・・・っ・・・うん」

ギュウ
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:35:24.37 ID:VOamOZUzo

梓「・・・」

律「・・・」

唯「・・・っ」グスッ

梓「・・・凄い・・・です」

律「あぁ・・・」

唯「うん・・・っ」グスッ

梓「・・・敵わないなぁ・・・・・・」ボソッ

律「・・・よし、ご飯だな!」

唯「おぅよ!」

梓「あ、その前に澪先輩に今後の事話しましょう」

律「おっとそうだな」

唯「大事な事だよ」ウンウン

梓「唯先輩は大丈夫なんですよね?」

唯「そうだよ〜、明日ヴェガを見送ってからでも平気だす!」

律「そうだす!」

梓「そうですか・・・」

唯「修治くんはどこへ行ったの?」

律「しらねー、壁にボールぶつけて一人で楽しんでいるんじゃないのか?」

梓「なんですかそれは」

唯「不憫な子・・・」ウルウル

律「そうだな・・・。あまりにも悲惨な光景だからバッティングぐらいは引き受けてやるか」

梓「わたしは記録係します」

唯「わたしは応援してるよ」

澪「わたしは・・・ボール拾いでもするかなっ」グスッ

紬「私はボール投げるわね」

律「修治いらねえ・・・」

梓「いえ、澪先輩にボール拾いさせるのは嫌ですから。交換させましょう」

唯「澪ちゃんはなにすればいいの?」

澪「・・・そもそもなんの話なんだ?」
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:36:38.79 ID:VOamOZUzo

紬「野球じゃないの?」

修治「なに?」

律「修治いらねえって話」

修治「・・・今、第4397df星が爆発した!」

唯「どうしてー?」

修治「俺の怒りでだー!」

梓「なんてことをするんですか」

澪「ふふ、誰かが困る事するなんてな」

紬「あらあら」

律「第4397df星に関わる全てに謝れ」

修治「すいませんねー」ツーン

唯「神様にケンカ売ってる!」

修治「神様関わってた!?」

律「これ以上話膨らまないから、ヴェガに戻ろうぜ」

修治「そうそう、平沢さんと秋山さんに話があるって車掌さんが呼んでるよ」

梓「そのような大事な話は、早めに言ってくれると私たちも助かります」

修治「丁寧な忠告ありがとうございます。そしてすいませんでした」

澪「・・・後の事考えてなかったな」

唯「そうだよね。急だったし」

律「・・・しょうがないよな」

紬「二人とも大丈夫なの?」

唯「ういに連絡した!」

澪「さっき電話したけど、怒られた」

律「大丈夫かよ」

澪「うん・・・。大事な事だったと言ったら納得してくれた」

律「そっか」
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 23:37:29.88 ID:VOamOZUzo

澪「律もいるから、一応安心してるみたいだ」

律「ふっふ〜ん」

梓「信頼されてるんですね」

修治「そうだね」

律「・・・」

バシッ

修治「いった!なんで!?」

律「なんとなくだ」

修治「心の声が聞かれたのかと思った・・・あーびっくりしたぁ」

唯「・・・」

澪「・・・」

紬「・・・?」

梓「・・・」

律「・・・」

修治「心の中では悪いこと言ってたんだぜー・・・」

紬「あぁー・・・なるほどぉー」

ドゴッ

修治「いった、律!今のは痛いぞ!」

律「は?」

修治「え?」

唯「りっちゃんじゃないの?」

律「ん?」

修治「え?違うのか」

澪「なんだこのミステリー」

梓「むぎ先輩に変な事教えないでください」ボソッ

紬「?」
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:07:51.94 ID:w42l6+ooo

車掌「明日のお昼、12時5分発の特急でよろしいでしょうか?」

唯「ありがとうございます!」

澪「は、はい!」

車掌「それでは手続きしてまいります。個室はご用意できませんが」

唯「はい、乗車証お返ししましたからね!」

車掌「相部屋でお願します」

唯「ありがとー車掌さん!」ダキッ

ボインッ

車掌「ひ、平沢さん」

澪「最後まで面倒・・・いえ、お心遣いに感謝します、ありがとうございます」ペコリ

車掌「いえいえ。それと・・・これ、なんですが」

梓「DVDですか?」

唯「映画?」

律「そんな訳ないだろ」

紬「もしかして・・・」

澪「もしかして、エレナの記憶ですか?」

律「記憶?」

車掌「はい」ニコ

唯「おぉー!」

梓「わ!わわ!!」

紬「おち・・・おちつつつきつつき」

律「むぎもおちつけ」

澪「ありがとうございます」

車掌「先ほどは渡せる状況ではなかったので・・・」

澪「・・・・・・嬉しい」

律「あぁ・・・」

唯「どどどどうししいししいいし」

梓「落ち着いてください」

紬「仙台からの記録!」

梓「お!おちつつつきつつき」

律「なんだこのテンションは」

澪「律も震えてるぞ」

律「当然だ!」

車掌「ふふっ、みなさん。お食事をきちんと、とられてくださいね」

唯「展望車いくよー!」

テッテッテ

澪「こらー!」
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:08:46.81 ID:w42l6+ooo

唯「・・・」モグモグ

梓「・・・」モグモグ

紬「・・・」モグモグ

律「・・・」モグモグ

澪「・・・」モグモグ

その子「あの一角が怖いですね」

コック「なんだあれは」

菜々子「ひたすら噛んでるな・・・。なんの儀式だよ」

唯「・・・」パクッ

梓「・・・」パクッ

紬「・・・」パクッ

律「・・・」パクッ

澪「・・・」パクッ

唯「・・・」モグモグ

梓「・・・」モグモグ

紬「・・・」モグモグ

律「・・・」モグモグ

澪「・・・」モグモグ

コック「あれはいかんな。津山、水足して乱して来い」

菜々子「えぇー・・・。あれ異様な光景なんですけど」

コック「それじゃ、成田行ってこい」

その子「お願します菜々子さん」

菜々子「くっ・・・、新人の弱みか・・・。行ってきます」

スタスタ

菜々子「声をかければいいんだよな・・・」

唯「・・・」モグモグ

梓「・・・」モグモグ

紬「・・・」モグモグ

律「・・・」モグモグ

澪「・・・」モグモク

菜々子「水お注ぎしまー・・・す」

唯「ありがと〜」

梓「ありがとうございます」

紬「ありがとうございます〜」

律「ありがたいッス」

澪「あ、ありがとうございます」

菜々子「ふぅ・・・。よかったた、普通にもどったね」
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:09:46.13 ID:w42l6+ooo

トクトクトクトク

唯「・・・」パクッ

梓「・・・」パクッ

紬「・・・」パクッ

律「・・・」パクッ

澪「・・・」パクッ

唯「・・・」モグモグ

梓「・・・」モグモグ

紬「・・・」モグモグ

律「・・・」モグモグ

澪「・・・」モグモグ

スタスタスタスタ

菜々子「無理です」

コック「うーむ。いかんな」

その子「いらっしゃいませ〜」

菜々子「逃げた・・・」
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:10:48.50 ID:w42l6+ooo

唯「それじゃあ再生ー!」

紬「わー!」パチパチ

梓「・・・」ワクワク

律「・・・なんだか緊張するな」

澪「・・・」

ピッ

 『え〜、私たちは今、夢の超豪華特急ヴェガに乗車していま〜す
  乗車して早々、我々は展望車でライブが行われているとの情報を得ました〜!』

 『小麦ー、前フリ長いですワ』

 『え〜、大事な事なんだよ〜?』


澪「ふふっ」


 『それでは、どうぞ〜』


唯「あ、澪ちゃんだ!」


 澪『どうしようかな読み返すの はずかしい
 
   あれこれと 便せんにね書いたくせに』


 『オーgirls bandデスネー!』

 『エレナ・・・自己紹介の時に気付こうよ・・・』


 澪『!』


梓「驚いてたんですね」

澪「うん・・・そして、とっても嬉しかったんだ。だから歌詞が吹っ飛んだ」

紬「唯ちゃんのフォローはよかったわ」

唯「でっへっへ」

律「・・・なるほどな」

 澪『 今の気持ちをあらわす辞書にもない言葉さがすよ 』

 澪唯『 ワクワクしちゃう 計画とかグダグダすぎる
     展開とかぜんぶホッチキスで とじちゃおー 』

 澪『 もう針がないから買わなくちゃ ララ☆また明日 』
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:11:30.80 ID:w42l6+ooo


 『ヤッホー、エレナさーん!」

 梓『あ、初めまして中野梓といいます』

 『オー、ギター弾いていましたネ』

 『かっこよかったよ〜!』

 『うんうん、梓さんかっこよかった!』

 梓『あ、ありがとうございます』

 修治『・・・』

 『私次で降りるから、エレナさんたちとはバイバイだね!』

梓「・・・」

唯「おぉー」

律「一人おかしいヤツいたな」

澪「そうだな」

紬「うふふ」







 『こ、こんにちは・・・』

 『オー!画家サンではないですカ!』

 『そ、そんな・・・。あ、あの・・・琴吹さんをみかけませんでしたか?』

 『コトブキサン・・・?』

 『えぇと・・・先ほどのライブでピアノを演奏していらした方です』

 『オーそれなら、2号車でみなさんと一緒にいましたヨ』

 『そうですか・・・ありがとうございます』
 
 『気にする事ナイネ』

紬「・・・」

梓「この後、私たちがモデルになったんですよね・・・」

律「うん」

澪「・・・私たちお喋りしかしていないのにな」

唯「そうだったね〜」
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:12:22.94 ID:w42l6+ooo


 唯『・・・ほ、ほったいもいじるなー?』キリ

 梓『カメラに時間聞いてどうするんですか!』

 律『グフッ』

 澪『ププッ』

 『只今の時刻は11時55分ですヨ』

 梓『答えるんですかっ!?』

律「梓元気だなー」

梓「・・・」

澪「ふふっ」

唯「懐かしいな〜」

紬「そうね〜」

875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:12:50.54 ID:w42l6+ooo


 律『梓、可愛いよ』

 唯『澪先輩も美しいですよ』

 澪梓『『 ・・・ゴクリ 』』

 澪梓『『 そんな事言ってないだろ(ません)!! 』』

 『あはははっ』

唯「あははは、おっかしー!」

澪「・・・」

梓「・・・」

律「なーにやってんだかな〜」

紬「この後色んなアトラクションに乗ったのよね〜」
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:13:21.61 ID:w42l6+ooo


 澪『さぁ、次へ行くぞ!』キラキラ

 律『ちょっと待てって』

 梓『次は何に乗るんですか?』

 紬『そうね〜』

 唯『メリーゴーランドだよっ!』

 『おぉー!いいね、行こう行こう!』

 『グッドですワ』

 澪『あはは、それもいいな』キラキラ

律「きっかけになったみたいだな」

澪「・・・うん」

梓「?」

唯「この日の澪ちゃんはすごく楽しそうだったな〜」

紬「楽しかった〜」
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:13:56.72 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」

紬「ここからは東京出発した後ね」

唯「あずにゃん一度降りたもんね」

 『ハーイ、ミナサンお元気ですカ〜?』

 『元気だっよ〜ん』

 紬『元気で〜す』

 『オー、ユイさん髪を束ねたんですカ?』

 憂『初めまして、私平沢唯の妹の平沢憂です。お姉ちゃんがお世話になっています』ペコリ

 『Cute Sisterですワ。間違えてしまいまして、ごめんあそばセ』

 『憂ちゃん、髪下ろしたままでいこうよ』

 憂『えぇと・・・』

 紬『唯ちゃんが戻ってくるまで・・・ね?』

 『さっすがむぎちゃん』
 
 『どうなるのですカ?』

 『唯になるんだよ〜ん!』

 憂『くすくす』

 『ん?どうしたの?』

 憂『いえ、梓ちゃんの言ってた通りの人だと思って』クスクス

 紬『うふふ』

 『なんて言ってたのさ?』

 憂『お姉ちゃんと律さんを合わせたような人だと』

 『ほほぅ』ジー

梓「!」ビクッ

 『ワタクシを睨んでもショウガナイですワ』

梓「ビックリした・・・」ドキドキ

紬「わたしも・・・」ドキドキ

 『褒め言葉として受け取っておくかな〜』

 紬『これ以上無いほめ言葉よ〜』

 『そうなの?』

 憂『はい!』

唯律「「 そうなの? 」」

梓「し、知りません!」

澪「その反応が答えだな」

紬「そうね〜」ニコニコ
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:14:30.59 ID:w42l6+ooo

 澪『みんなを楽園へ運ぶteleportationですっ!』

律「どういう意味なのか聞かせてもらおうか?」

澪「分かりませんっ!」

律「だよな・・・テンパっていたもんな」
 
 澪『あはは・・・今の・・・後世まで残るんだな・・・』アハハ

澪「続き撮ってたんだ・・・」

唯「そうだよ〜」

 『ミオさん、インタビューの内容よかったですヨ〜』

 『そうそう、友達の強さを見習うってトコ、あたし感動しちゃった〜』

 唯『うんうん、私も〜』

 澪『・・・』プシュー

 『耳に届いてないねこりゃ。良い話だったから気にする事ないよ〜』

 澪『・・・そ、そう?』

 『くぅ〜、可愛い〜!』

梓「・・・」ボー

紬「・・・」

律「相変わらずだな」

澪「過去の映像なのにな・・・」

唯「・・・・・・そうだね」
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:15:04.43 ID:w42l6+ooo

 紬『用意はいい!?』

 唯『おっけ〜』

 律『フルーツ牛乳全員持ったな?』

 澪『うん』

 和『私もやるのね』

 憂『持ちました』

 『よ、よし』

 『も、持ちました・・・』

 紬『それでは、腰に手を当てまして、いただきまーす』

梓「これは・・・?」

紬「浅間温泉から出た後よ〜」

唯「むぎちゃんが風呂上りに飲もうって」

澪「律が、絶対変な事言うと思ってたからさ」

律「・・・」

 紬『・・・ごくごく』

 唯『・・・ごくごく』

 律『・・・』ニヤニヤ

 澪『・・・』ジー

 和『・・・ごくごく』

 憂『・・・ごくごく』

 『・・・ごくごく』

 『・・・ごくごく』

 律『海を』フガッ

 澪『・・・しずかにしてろっ』

 紬『・・・ぷはぁ』

 唯『・・・ぷはぁー、うまい!』

 和『・・・定番になるだけあるわね』

 憂『・・・おいしい〜』

 『・・・うん、おいしい!』

 『・・・お、おいしい・・・』
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:15:33.55 ID:w42l6+ooo

 唯『りっちゃん飲まないの〜?』

 律『飲むぞ・・・乗り遅れただけだ。ほら澪も飲もうぜ』
 
 澪『そうだな・・・』

 律『・・・ごくごく』

 澪『・・・空飛ぶザーサイ』

 律『ブフッ!』

 『ちょ、ちょっと律さん!』

 唯『りっちゃん汚いー!』

 澪『・・・ごくごく』

 律『・・・やられた・・・・・・』

 澪『・・・うん、おいしいな!』プハー

 紬『そうよね〜』

 『アッハッハ〜』

唯「澪ちゃんに助けられたんだね私たち」

梓「恐ろしい事しますね。律先輩」

律「してねえ!」

澪「守った」キリ

紬「危なかったのね・・・」
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:16:09.32 ID:w42l6+ooo

 『・・・と、いう訳でここ浅間温泉は『松本の奥座敷』と呼ばれています』

 唯『大切なお客様を案内する場所とされていました。殿様も入っていたようです。
   そう思うと歴史の重みがありますね』キリ

唯「この後りっちゃんに、思いもよらぬ出来事がっ!」

梓「い、いったいなにが・・・」ゴクリ

澪「水をかけられただけ、なんだけどな」

 『唯ちゃんと澪ちゃんも差し出された4っつのハンカチ・・・どれをとるのか見ものですね〜』

梓「なにやってるんですか」

紬「ハンカチ争奪戦よ〜」

律「私一人参戦のな」

唯「面白かった〜」

澪「・・・」

 修治『はい、どうぞ』

 紬『さっ、りっちゃん』

 唯『りっちゃん!』キラキラ

 澪『はい』

 憂『どうぞ』

 『よろしかったら・・・』

 律『だぁーーー!!!』

 ババババババッ

 『全員のを取ったー!!』

 『偉いわ律さん』

 『はい』ウンウン

 和『はい、律』

 ファサ

 律『あ、あぁ・・・って結局タオル使うのかよっ!』

 ゴシゴシ

 和『憂が言ってたように、みんな半分くらい使って欲しかったのかもね・・・』

 律『なんだよそれ・・・』

唯「あれ、和ちゃんに髪拭いてもらってるりっちゃん可愛い?」

梓「聞かないでください」

律「そこまで撮ってたのか・・・」

澪「できるだけ撮っておきたいって言ってたから・・・」

紬「・・・意外な所で貴重な映像が撮れるものね」

澪「・・・うん。それは分かる」
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:16:41.21 ID:w42l6+ooo

 唯『さぁ、みんな座るザマス』キリ

 律『なんだ?』

 唯『これから授業を始めるザマス』キリ

 澪『どうしたんだ?』

 唯『私語は厳禁ザマス』キリ

梓「・・・これは授業を始めるんですか?」

澪「うん・・・グダグダだったけどな」

唯「ちゃんとできてたもん!」

律「むぎがな!」

紬「教壇に立つの楽しかったわ〜」

梓「むぎ先輩も? 早送りしましょうか」

律「ものの数分だ、待て」

唯「あず・・・にゃん・・・」シクシク

 澪『え・・・、き、きりーつ!』

 ガタガタ

 唯『今なんて言ったの〜?」

 澪『? きりーつ・・・?』

 唯『きを取って下さい』

 澪『りーつ』

 律『うわ、くだらねぇ』

梓「・・・ふぁ」

律「・・・・・・ふぁ」

唯「ちょっとー!」プンスカ

 唯『和ちゃんもう一回貸して』

 和『え・・・』

 『楽しみですね』

 唯『はい、むぎちゃん』

 紬『ありがと〜』スチャ

 修治『メガネかけなきゃ教壇に立てないルールか』

 紬『それでは相対性理論について述べるザマス』

梓「いいですね」キラキラ

紬「和ちゃんのメガネには魔法が」アセアセ

澪「そ、そうなんだ」

律「なんの魔法だよ」

唯「帰ったら貸してもらおう」
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:17:15.67 ID:w42l6+ooo


修治「どうしたんですか?」

菜々子「うーん、中に入りづらい・・・」

修治「あ、なるほど」

菜々子「くつろごうかと思ったけど、遠慮しておくか」

スタスタ

修治「・・・」







唯「おや」

紬「まぁ」

 唯『う・・・ん・・・』

 紬『・・・ん・・・』

 和『・・・』

 唯『さんかく・・・』ムニャムニャ

 紬『じょうぎでも・・・』ムニャムニャ

 和『共有してるのかしら』

澪「共有してた?」

唯「えーと・・・」

紬「わたしの夢は澪ちゃんがりっちゃんのオデコの面積を測ってたの」

唯「私はりっちゃんが澪ちゃんの宿題の三角関数を解いてる夢を」

律「なるほど、一応繋がっているわけか」

梓「二人が出てきただけじゃないですか」
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:18:20.18 ID:w42l6+ooo

 和『あら、また会ったわね』

 紬『カメラ回しているんですか?』

 『エェ、消す事はいつでも出来ますから、たくさん撮っておくネ』

 和『どのくらいの景色を撮ってきたの?』

 紬『知りたいです!』

 『そうですネ〜、たくさんとしか言いようが無いですワ』

 和『その表現だと相当な量なんでしょうね』

 『テープが増えるほど ワタクシの中の風景も増えていくヨ』

 紬『おぉー』キラキラ

律「言葉一つ一つに重みがあるな」

澪「うん・・・」

唯「・・・うん」

 『部長サンの姿が見えませんガ・・・』

 和『律は今、風邪ひいちゃってね・・・』
 
 紬『今は澪ちゃんが看病しています』

 『それなら、後でお見舞いいくネ』

 和『嬉しいわ、ありがと』

 紬『ありがと〜』

律「・・・ふむ」

澪「照れてる」

梓「風邪ひいてたんですね」

紬「みんな心配してくれたのよね」

唯「うんうん」
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:18:48.43 ID:w42l6+ooo

 『オー!ミオさんじゃないですカ!』

 澪『』ササッ

 『アッハハ、カメラ回しているのバレちゃいましたネ』

 澪『・・・』ジー

 『このまま撮っていてもイイデスネー』

 澪『』ササッ

 『座席に隠れていても、ワタクシがそこへ回れば撮られてしまいますヨー』

 澪『・・・ちょっと恥ずかしい・・・』

 『展望車で演奏してるミオさんはカッコよかったデスヨ』

 澪『あ、あの時はみんなといるから・・・』

 『大丈夫ネ。今のミオさんもとっても可愛いネ』

 澪『』プシュー

 『ワタクシは旅の記憶を撮り続けたいとオモッテイマスヨ』

 澪『記憶・・・?記録じゃなくて・・・?』

 『そうともイイマスネー』

 澪『・・・私も写真撮るの好きだから・・・なんとなく分かる・・・かも』

 『そうですカ?ミオさんもワタクシの大切な記憶に残しておきたいと思っているヨ』

 澪『・・・』

 『だから、出てきて欲しいヨ』

 澪『・・・う、うん・・・分かった』モジモジ

 『コレガ大和撫子ですネ!』

 澪『』プシュー

 『奥ゆかしい日本の女性デスワ』

 澪『』シュー

澪「・・・っ」

紬「・・・」

律「記録じゃなくて記憶って言ったのはそういう事だったのか」

唯「なるほどー」

梓「・・・」
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:19:18.25 ID:w42l6+ooo

 紬『こっち席あいてますよ〜』

 『いいのー?』

 澪『どうぞ』

 唯『どうぞどうぞ』

 『お言葉に甘えるネ』

 和『どうしてこの席だけ6人も座れるのよ?』

 紬『それはですね〜』

 唯『フッフッフ〜』

 けさみ『唯さんが無理を言ったからですよ〜』

 『無理言ったんだ、唯ちゃん』

 唯『言いました』エヘン

 和『ご迷惑をお掛けして、すいません・・・』

 澪『保護者だな・・・』

 けさみ『いえいえ〜、ブイ!』

律「はは、カメラにピースしたぞこのウェイトレス」

唯「けさみちゃんノリいいよね〜」

紬「いつも気さくに話しかけてくれるのよ〜」

梓「店員さんとも仲良くなってたんですね」

澪「うん・・・」

紬「・・・紅茶淹れてくるね」

梓「あ、それじゃ止めましょう」

律「そうだな」
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:19:48.45 ID:w42l6+ooo

唯「むぎちゃん、再生していい〜?」

紬「いいよ〜」

ピッ

梓「やっぱり、むぎ先輩の紅茶はおいしいです」ズズー

 唯『おまちになって〜』キャッキャ

 律『捕まえてごらんなさ〜い』ウフフ

 唯『そ〜れ』バシャ

 律『きゃ、冷た〜い』

梓「ゴホッ、ゴホッ」

唯「だいじょうぶ〜?」サスリサスリ

梓「・・・な、なんとか」

律「むせさせた張本人が背中をさするなんて、変な光景だけどな」

澪「それを突っ込んでるお前も変だけどな」

紬「変な循環ね〜」
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:20:18.23 ID:w42l6+ooo

 『オー、角から姿を現したのはニンジャですネ』

 唯『分身の術!』ドロン

 律『一号!』ササッ

 紬『二号っ!』ササッ

 澪『・・・』

 『・・・さ、三号・・・』カァ

 律『ほら、澪』ツンツン

 澪『えぇー・・・、よ、四号・・・』カァ

 『あっはは、みんなノリがいいんだー!』

 『部下を引き連れた頭領が現れましたネ』

 さわ子『だれが頭領よ!』

律「さわちゃんの初登場がこれなのか・・・」プクク

唯「さわちゃん」プクク

澪「ポジションは当たってるからな」

梓「そうですね」

紬「・・・」
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:20:46.21 ID:w42l6+ooo

律「あ、兼六園か」

澪「梓、早送りしていいよ」

梓「?」

唯「どうして?」

紬「どういう・・・」

 『やはり部長サンがいると、ミナサン元気ですネ』

 『あ、それあたしも思ったよ!』

 澪『騒がしいだけですよ』

 『イイエー。ユイさんもミオさんもツムギさんも一つになりますネ』

 『そうそう、あ、梓ちゃんもじゃないかな』

 『ソウデスネ。展望車の演奏はよかったデスヨ』

 澪『はは、なんか照れくさいな』

 『どうしてミオさんがテレますカ?』

 『律さんの相棒だもんね!』

 『ナルホドー、冴えてマスヨー』

 『えっへっへ』

 澪『・・・』テレテレ

紬「まぁ」キラキラ

唯「なるほどぉ」

梓「・・・あぁ、なるほど」

澪「・・・」

律「こそばゆいんだけどもー」テレ
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:21:21.96 ID:w42l6+ooo

 『あ、ごんばんは』

 『こんばんはですワ』

 さわ子『こんばんは』キラキラ

 『オー、頭領の雰囲気が変わってますヨ。どうしましたカ?』

 さわ子『ここカットね』

 『さわ子先生。練習を・・・』

 さわ子『シャワー室で発声練習でもしてきなさいな』

 『分かりました!』メラメラ

 さわ子『ちゃんとお湯を出して練習するのよ』

 『はい』
 
 テッテッテ

 さわ子『しょうがない子ねぇ・・・』

 『練習熱心なのはいい事だと思いますワ』

 さわ子『うちの子たちにも見習わせたいわねぇ』

律紬澪唯「「「「 うっ 」」」」

梓「・・・」

 さわ子『さ、撮り直しお願いね』

 『いいですワ』

 さわ子『こんばんは、私山中さわ子と申します』

 『・・・』

 さわ子『桜が丘高校の教師をしています。教え子たちの引率としてこの列車に乗りました』

 『・・・』

律「編集されてないぞー、さわちゃーん」
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:23:14.49 ID:w42l6+ooo

 車掌『あら』

 『こんばんハ〜』

 車掌『ふふっ、ごんばんは』

 修治『展望車で練習するから顔出してってさ』

 『オーケーですワ』

 車掌『人を集めたほうがいいのでしょうか?』

 修治『そうですね。人が多いほうが慣れやすいと言ってました』

 車掌『!』ピコーン

律「なにか閃いた表情したぞ」

梓「どうしたんでしょうか」

紬「うふふ」

澪「むぎ、知ってるのか?」

唯「教えて教えて〜」

紬「車内放送よ〜」

唯「あー、そうか〜」

梓「車内放送?」
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:23:51.20 ID:w42l6+ooo

 『オー、頭領サンとツムギさんですネ』

 さわ子『誰が頭領よ!』

 エレナ『違いマシタカ?』

 さわ子『全然違うわよ』

 紬『ボスよ』

 『オー、しっくりきましたネ。BOSS』

澪「言い始めたのむぎだったのか・・・」

紬「うふふ」

唯「そうだったのか〜」
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:24:24.02 ID:w42l6+ooo

 さわ子「シンデレラエクスプレスよ!」

 律『さて・・・真面目に考えるか』

 紬『そうね』

 澪『放課後ティータイム+ストロベリーはどう?』

 律『さわちゃんと大差ないじゃないか』

 澪『ダメ?』

梓「HTTFの名前を決めているんですね」

律「そうだぜ、てかこの時さわちゃんを無視しなければあの衣装着なくて済んだのか」

澪「さわちゃんの相手しろよりつー!」

紬「澪ちゃん、届かないわ」

唯「・・・そうだよ、りっちゃんはもう届かない所にいるんだよ。澪ちゃん」

律「あれー、キミたちとの距離を感じたぞー」
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:24:56.93 ID:w42l6+ooo


 『キタカミさんですネー!』

 緑『・・・』

 紬『あ、北上さんも展望車で練習を見て行きませんか?』

 緑『・・・』

 『北上さんは音楽嫌い〜?』

 緑『別に・・・』

 『じゃあ、紬ちゃんたちのバンドにも興味ないー?』

 緑『・・・』

 紬『・・・?』

 『・・・なるほど〜』ニヤリ

 緑『・・・ふん』

 スタスタ

 『今のはブンセキですカ?』

 『そのと〜り!さっき調査した時に思った事があったんだ〜』

 紬『分析?』

 『別に・・・と反応示したら、少しでも興味あるって事。無反応はそのまんまの意味だよ〜』

 『ナルホドー!』

 紬『・・・?』

 『感情を出さない無口な人だけど、質問を巧く使えばどう思ってるのかは答えてくれるんだよ〜』

 紬『それじゃ・・・私たちのバンドには興味ないのね・・・』ションボリ

 『アッハッハ〜、まだ演奏聴いてないからショウガナイネ』

 『そうそう!これから興味もってもらえばいいんだよ〜!』

 紬『な、なるほどー!私たち頑張ってみる!』

 『その意気ですワ』

澪「観察力するどいな」

律「あ、あぁ・・・」

梓「ライブ後のむぎ先輩の質問はこういう意味だったんですね」

紬「そう。少なからず興味は持ってくれたみたいね〜」ニコニコ

唯「もっと聞いて欲しかったな〜」
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:25:39.46 ID:w42l6+ooo

 紬『・・・では。3』

 唯『2!』

 律澪修治『『『 1! 』』』

 バサッ

 梓『私ですっ!』ジャジャーン

 唯『あずにゃん!?』

 澪『梓!?』

 律『梓!!』

 さわ子『ほほぅ』

唯「あずにゃんが現れた時はびっくりしたよ〜」

梓「むぎ先輩が手品をするから、と」

紬「丁度一発芸大会が始まっていたからよかったわ〜」

律「前夜祭はあるけど、練習風景はないのな」

澪「そうだな・・・」
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:26:10.28 ID:w42l6+ooo

梓「あれ?」

澪「名古屋城のライブは撮ってないのか・・・」

律「まぁ、しょうがないなー」

 さわ子『あの子たち知らないのよね?』

 『そうみたいだね〜』

 和『なにか企んでますか?』

 さわ子『観覧車でドカーンよ』

 修治『観覧車をドカーン!?』

 ゴスッ

 修治『いって!』

 さわ子『犯行予告じゃないのよ』

 『観覧車で花火をケンブツするのデスネ!?』

紬「後で聞いて背中がヒヤリとしたわ〜」

唯「ほんとだよ、一人で観覧車に乗せるなんて・・・」シクシク

梓「想像して寂しくならないでください」
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:26:46.52 ID:w42l6+ooo

 ドーン

 ドドォーン

 紬『さぁ、花火と夜景とイルミネーションをご堪能あれ〜』

 『あれ、むぎさん・・・?』

 さわ子『どうしてむぎちゃんがカメラ持ってるのよ』

 和『・・・』

 紬『預かりました』

 『私たちより外映した方がいいんじゃない?』

 さわ子『この企画は私のアイディアよ?そこんところ』

 和『むぎ、大きいの連発でくるわ』

 紬『よしきたー』

 ドドーン

 ドーン

 ドドドドドォーン

 『キレイ・・・』ウットリ

 和『いい景色だわ』ウットリ

 紬『・・・』

 さわ子『・・・ま、いいか』
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:27:20.89 ID:w42l6+ooo

 ドーン

 ドドーン

 紬『あのね・・・』

 和『・・・?』

 さわ子『・・・』

 『むぎさん?』

 紬『梓ちゃんが言ってたんだけど・・・』

梓「・・・?」

律「・・・」

澪「・・・」

唯「・・・?」

紬「あ・・・」

 紬『これだけの灯りの下に人がいると想ったら不思議な気がするんだって』

 『・・・』

 和『へぇ・・・』

 さわ子『・・・』

 『家の灯りの数だけそれぞれ生活があるのよね』

 紬『・・・うん』

 ドーン

 ドドーン

 ドォーン

澪「へぇ・・・」

律「なるほど・・・」

唯「ぅ・・・っ・・・ひっく・・・」シクシク

梓「どうして泣くんですか」

紬「うふふ」
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:27:54.12 ID:w42l6+ooo

 一同『『『 カンパーイ! 』』』

 唯『みんなで大宴会だね!』

 律『そうだな!』

 紬『この手羽先おいし〜』
 
 澪『本当だ!』

 梓『わ、私も!』

 純『こ、これは!』

 憂『エビフライおいしいね純ちゃん』

 さわ子『名古屋コーチンの串刺しもおいしいわ』モグモグ

 和『名古屋名物揃ってますね・・・』

 『もぐもぐ』

澪「食べながら撮ってる・・・」

唯「おいしそう・・・」ジュルリ

梓「・・・さっき食べたじゃないですか」

律「料理長の腕は本物だからなー」

紬「うんうん」
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:28:27.93 ID:w42l6+ooo

紬「枕投げ大会改め、ボール投げ大会ね〜」

律「この後、さわちゃんが暴れるんだよなぁ」

 さわ子『大間違いって言ったでしょぉおー!』

 和『和をもって貴しとなす、ですよ』

 憂『キレイに纏めたね』

 さわ子『纏まってないわよぉおー!!」

 シュンッ シュンッ シュンッ

 律『あ、って!』ポコポコッ

 和『落ち着いて・・・くださいっ』サッ

 澪『った』ポコッ

 『さ、さわ子先生、落ち着いて』サッ

 さわ子『・・・補充ッ!』

 秋子『どうぞ〜』

 唯『あー!秋子ちゃんずるいー!』

 さわ子『そりゃっ!』

 唯『甘いよさわちゃん!』ポコッ

 梓『当たりましたよ』

 シュン シュンッ

 紬『きゃっ』

 純『私が紬先輩を守』

 ポコッ

 律『・・・それは私の役目・・・だぜっ』

 バタン

 紬『り、りっちゃん!』

 純『律先輩!』

 さわ子『許さないわよっ』

 シュンッ

 ポコッ

 律『って・・・』

 和『死人に鞭ね・・・』

 澪『』ブルブル
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:28:59.21 ID:w42l6+ooo

 さわ子『補充ッ!』

 秋子『どうぞ!』

 さわ子『そりゃそりゃ!』

 梓『我を忘れている・・・』

 修治『みんなは俺が守るぜ!』バシーン

 『修治くん!』

 澪『鳥羽さんっ!』

 梓『私たちの盾になってくれるんですねっ』

 紬『いまのうちよみんな!』

 修治『ふふっ・・・』ポコッポコッ

 律『そうだな・・・今のうちに』

 純『鳥羽さんに当てろー!』

 紬『えいっ』ポイッ

 澪『それっ』ポイッ

 梓『とりゃ』ポイッ

 唯『このうらみはらさでおくべきかー』ポイッ

 和『うらみあったのっ?』ポイッ

 憂『ないけどっ』ポイッ

 純『とりあえずっ』ポイッ

 『私も投げとくっ』ポイッ  
  
 律『おりゃーーー!』ブンッ

 ポコポコポコポコポコポコポコポコ バシッ

 修治『もうやだ・・・』シクシク

 秋子『先生は投げないんですか〜?』

 さわ子『・・・さすがにねぇ』

梓「鳥羽さんに対する扱いひどいですよね」

紬「そ、そうね」

唯「う、うん」

律「悪いと思うから悪いんだぞー」

澪「悪いことしたんだけど・・・」
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:29:33.11 ID:w42l6+ooo

 澪『はい。仙台で買ったペンダントです』

 『ヤッパリ似合いますネー』

 梓『はい、蒼く輝いてて綺麗です』

 澪『あ、ありがと』テレ

澪「あ・・・」

ギュ

 梓『旅のいい所ってなんでしょうか・・・?』

 澪『・・・』

 『ワタクシは、過去の思い出と、今の景色と、未来の期待が一度に得られるところがよいデスネ』

紬「おー」

唯「おぉー」

律「おおぉー」

梓「・・・」

 『そんな事ナイですネ。ミオさんの今までの経験は薄いとは思えませんワ』

 澪「・・・そうですか?』

 『もちろんですワ』

 澪「旅を続けていると成長していけるような気がする・・・かな』

 『ワタクシと同意見ですワ』

澪「・・・」
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:30:09.63 ID:w42l6+ooo

梓「」ウトウト

紬「」ウトウト

 『さぁ、列車に戻りまショー』

 『比叡山よかったねえ〜』

 風音『そうですね。京都はいいところでした』

 唯『うんうん』

 梓『・・・次は大阪ですね』

 紬『もう後半戦ね・・・』

 律『そっかー』

 澪『・・・』

 『旅が続く限り旅は終わらないネ』

 『お〜』

 修治『名言っぽいけど、そのまんま』

 ドカッ

 修治『いってっ!なにすんだ!』

 『修治くんが悪いこというからだよー!』

 律『そうだぞ、ちょっとこの寺で鍛えなおしてもらって来い!』

 唯『そうだよ〜。修治くんはちょっと精神的に幼いよ』

 梓『でも、どうして山の上に寺なんて建てたんでしょうね』

 澪『山の上だからだよ』キリ

 風音『なるほど・・・』

 ピノ『ピピッ』

 紬『・・・うんうん』

唯「眠くなってきちゃった・・・」

澪「部屋戻る?」

唯「ううん、最後までみるよ」

律「そうか・・・」
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:31:02.39 ID:w42l6+ooo

梓「」スヤスヤ

紬「」スヤスヤ

律「はは、仲良く寄り添って寝てるな」

唯「うん」

澪「あ・・・もう日付かわってたのか・・・」

 梓『なるほど、いいですね』

 『オー、なにをしてますカ?』

 澪『ちょっとむぎを待ってて』

 律『一緒に大阪観光決めようぜ〜』

 『エト、これから編集作業に入るヨ、ごめんなさいネ』

 唯『それじゃ、しょうがないね〜』

 静花『まったく、菜々子さんときたら』プンスカ

 梓『どうかしたんですか?』

 静花『あら、あなたは先ほど手伝ってくれた・・・、中野梓さんでしたわね』

 梓『は、はい・・・』

 律『私は田井中律!』

 澪『秋山澪です』

 唯『平沢唯!』

 唯律『『放課後ティータイムです!』』

 梓『むぎ先輩がいないじゃないですか!』プンスカ

 澪『まぁまぁ』

 静花『ふむ・・・。仲がよろしいんですのね』

 菜々子『年下相手に迷惑かけてんじゃないよ』

 律『姉御〜!』

 澪『だから、なんなんだそれは』

 唯『姉御は姉御なんだよ!』

 静花『あなたたち、ちょっと来ていただけますか?』

 律澪唯梓『『『『 え? 』』』』

 菜々子『相変わらず傲慢女だね』

 『ワタクシワこれで失礼するヨ・・・ミナサングッバーイ・・・』

 澪『あ・・・』

律「この後アレに巻き込まれたんだよなぁ」

澪「あ・・・はは・・・」

唯「でも面白かったからいいいよね〜」
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:31:43.30 ID:w42l6+ooo

梓「」スヤスヤ

紬「」スヤスヤ

車掌「みなさん、よろしいでしょうか?」

律「あ、ごめん車掌さん・・・もう見終わったから・・・」

澪「すいません・・・今消しま」

 唯『みなさんこんにちはー!放課後ティータイムです!』

 『『 オォー! 』』

 唯『ヴェガの乗客のみなさん、来てくれてありがとー!』

律「あ・・・」

唯「撮ってたんだね・・・」

澪「・・・」

車掌「今晩はこちらでおやすみください」

澪「いいんですか?」

律「・・・」

車掌「えぇ、まだ終わってないみたいですから」

唯「車掌さん・・・ありがとうー」

車掌「あとでかけるものお持ちしますね」

スタスタ

律「最後はみんなで寝るか」

唯「うん!」

澪「まだ終わってない・・・か」

 唯『 キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI
    揺れる思いはマシュマロみたいでふわ☆ふわ
    いつもがんばるキミの横顔 ずっとみてても気づかないよね
    夢の中なら二人の距離縮められるのにな 』
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:32:28.46 ID:w42l6+ooo

 唯『みなさん、おまたせしました。・・・あぁっ!むぎちゃんの肩にリスちゃんが乗ってる〜!』

ファサ

紬「う・・・ん・・・」

静花「あら、起こしてしまいましたわね」

紬「静・・・花・・・さん?」

律「・・・私らだけじゃなんだからって、付き合ってくれるんだってさ」

菜々子「そういう事」

ファサ

梓「」スヤスヤ

 『ノン・トロッポ』

  ポンポンポロポロ

 『 心を映し出す 丸い月 赤くやんなり浮かぶ 誰にも知られず
     私を形作るすべてが 涙をもっていると 誰にも言えずに  』

紬「あ・・・名古屋のライブ・・・」

唯「うん、撮っててくれたみたい」

澪「・・・」

菜々子「・・・」

静花「・・・」

 『 私は自分を愛してゆきたい
   新しい私に「おはよう」と言った 
   あの日の真っ赤な月など忘れて
   このまま 幸せ 思う数 私 素直になれる』

菜々子「いい曲だな」

静花「そうですわね」

澪「・・・」

紬「・・・」

律「・・・」

唯「・・・っ」グスッ

梓「ん・・・」

 『 いつしか手を振る 昔の私に あなたも私も 恐れを知らない
   過去には縛られずに 背を向け サヨナラと 歩く 私の軌跡
   サヨナラ 』

 ジャ ジャジャン

澪「・・・終わった、な」

唯「終わったね・・・」
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:33:09.28 ID:w42l6+ooo

律「どうだった、みお?」

澪「え?」

紬「・・・」

梓「・・・」

律「今の演奏だよ、私が抑えてると思ったのかー?」

澪「・・・っ・・・ううん、みんな・・・で」グスッ

紬「・・・」

澪「みんなと、走ってるような気がした!」グスッ

律「へへっ、そういう事だ!」

紬「うんっ!」

唯「そうだよ!」

梓「そうです!」

紬「あずさちゃん、起きちゃったの?」

梓「最後まで見たです!」

律「寝てたぞ!」

唯「あ〜、終わっちゃった〜!」

澪「あぁ・・・、終わったな・・・」

紬「・・・」

静花「終わってませんわよ?」

紬「え?」

菜々子「画面だよ」

律「あ・・・」

 唯『それじゃあね〜、アンコールにお答えしまして、ホッチキス、ボールペン、カレーのメドレ〜で行きます!』

 憂『わたしの恋はホッチキス』

 和『ふでぺん〜ボールペン〜』

 純『カレーのちライスー!!』

 秋子『きゃー!」

 風音『曲調が一変しましたね・・・!』

律「ちぇー、楽しそうに演奏しやがってー」

澪「ははっ、本当だな」

紬「うふふ」

唯「本当だよね〜」

梓「・・・はい」
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:33:40.17 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」ジー

紬「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

澪「」スヤスヤ

律「」スヤスヤ

静花「」スヤスヤ

菜々子「」スヤスヤ

梓「・・・」スッ

スタスタ

菜々子「・・・ん?」
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:34:27.19 ID:w42l6+ooo

梓「・・・ん〜」ノビノビ

シーン

梓「夜の人気の無いホームって・・・怖いかも」

菜々子「だったらどうして外に出るのさ」

梓「あ、すいません・・・、起こしちゃいましたか?」

菜々子「それはいいんだけどさ・・・ふぁ」

梓「・・・」

菜々子「どうしたの?」

梓「・・・・・・・・・外の空気を吸いたくなったので・・・」

菜々子「・・・」

梓「菜々子さんはどうして・・・?」

菜々子「どうして付き合ってるのかって?」

梓「は、はい」

菜々子「車掌と修治に頼まれたからだよ」

梓「鳥羽さんも・・・ですか?」

菜々子「あぁ、点数稼ぐチャンスだってさ」

梓「あの勝負の・・・」

菜々子「アイツ口巧いけど、不器用すぎるな。素直に心配だからって言えばいいんだよ」

梓「・・・そうですね」

菜々子「知ってたんだ?」

梓「一応長い旅仲間ですから」

菜々子「へへっ、そっか」

梓「・・・」

菜々子「・・・」

梓「・・・」

菜々子「そんな顔して、どうしたんだ?」

静花「やはり菜々子さんはダメですわね」

梓「あ・・・」

菜々子「ダメとは・・・?」フルフル

静花「聞き出すにはやり方がございましてよ。休戦中ですわ、拳を解しなさいな」

菜々子「ケンカ売っといて・・・。どうして起きてきたのさ」イライラ

静花「あなたの足音で起きない地球人はいませんわ」

菜々子「じゃあ私がジャンプしたらどうなるってんだよ・・・」ワナワナ
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:35:04.67 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」

静花「続きは明日ですわ」

菜々子「・・・しょうがない」 

梓「・・・」

静花「・・・」

菜々子「・・・」

梓「・・・」

静花「・・・」

菜々子「・・・」

梓「・・・」

静花「・・・」

菜々子「おい、ダメじゃない方」

静花「な、なんですの?」

菜々子「待ってても切り出してこないじゃないか」

静花「しずかになさい」

梓「・・・」

菜々子「・・・」

静花「・・・」

梓「・・・・・・」

菜々子「あ、あのさ梓?」

静花「ど、どうなさいまして?」

梓「・・・」

律「むぎの事だろ・・・?」

静花「え・・・?」

菜々子「律・・・?」

梓「・・・」

律「・・・」

静花「そうなんですの?」

梓「・・・はい」

菜々子「どういう事さ?」

律「・・・」

梓「それは・・・その・・・」

静花「・・・」

律「梓はどこまで行くんだっけ?」

菜々子「?」

梓「・・・広島で降ります」

静花「・・・そうなんですか」
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:35:41.56 ID:w42l6+ooo

菜々子「紬ちゃんは?」

律「最後まで行くって言ってたけど・・・」

梓「・・・」

静花「心配ですの?」

梓「・・・」

菜々子「それなら私たちがいるから・・・」

律「多分、梓が心配してるのは・・・」

梓「・・・」

静花「・・・」

律「・・・」

梓「・・・」

菜々子「あー、もう。今日会った私らじゃ頼りにならないかもしれないけどさ、言ってみろって」

静花「・・・」

律「そうだな、私も梓がどこまで考えているのか分かってないや」

梓「・・・はい」

菜々子「・・・」

静花「・・・」

律「・・・」

梓「不安なんです」

「・・・!」

静花「不安?」

梓「・・・はい。むぎ先輩、たまにいたずらで隠れたりするじゃないですか」

律「う、うん。あるな・・・」

静花「・・・」

菜々子「・・・」

梓「突然いなくなったりするから・・・ビックリするんです・・・」

静花「・・・」

梓「部室で見るむぎ先輩の笑顔はとても幼くて、安心するんですが」

菜々子「・・・」

梓「最近はその笑顔がとても儚げで・・・、むぎ先輩がどこか遠くへ行っちゃうみたいです」

静花「・・・」

律「・・・」

菜々子「・・・律もそう思うのか」

律「・・・私はちょっと違ったかな」
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:36:16.42 ID:w42l6+ooo

梓「・・・」

静花「・・・」

菜々子「ちょっと?」

律「名古屋のライブ映像がありましたよね?」

静花「えぇ・・・」

律「そのライブに向けて練習してた時は演奏に打ち込めていたから、気にならなかったんだけど」

梓「・・・」

律「名古屋でさわちゃんたちが降りて、京都と大阪で立て続けに別れがあって」

静花「・・・」

律「それから、梓とは違うけど違和感っていうか・・・なんていうか」

「・・・」スッ

菜々子「・・・ふむ」

静花「・・・」

梓「律先輩は広島に到着次第降りるんですか?」

律「あぁ・・・、そのつもり」

梓「そうですか・・・」

静花「・・・」

菜々子「どうするんだよ静花?」

静花「なにがですの?」

菜々子「これから勝負であの子に関わるのは、この子たちにも失礼になるんだぞ」

静花「あら、あなたお遊びでしたの〜?」

菜々子「あのなぁ」

静花「安心なさいなお二人さん、私がきっちり面倒みてさしあげますわ」

菜々子「おまえってやつは」

律「・・・賑やかなほうが笑っていられていいかもな」

梓「・・・・・・そうですね」

静花「ほらごらんなさい。菜々子さんあなた、まだ進化途中ですわよ」

菜々子「明日、覚えておけよ・・・」ワナワナ
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:36:48.64 ID:w42l6+ooo

澪「・・・」

唯「むぎ・・・ちゃ・・・」ムニャムニャ

紬「・・・ず・・・っと」ホロリ

澪「そんな顔似合わないぞ、むぎ」フキフキ

紬「・・・ふ・・・ふ」ムニャムニャ

澪「・・・・・・今度は笑ってる」

唯「」スヤスヤ

紬「・・・・・・し・・・ま・・・」ムニャムニャ

澪「・・・?」

律「起きてたのか」ヒソヒソ

梓「どうしたんですか?」ヒソヒソ

澪「・・・目が覚めて、な」

律「とっとと寝ようぜ」ヒソヒソ

梓「そうです・・・」ヒソヒソ

澪「・・・う、うん」

唯「」スヤスヤ

紬「」スヤスヤ

律「・・・ふぁ」

梓「・・・」

澪「・・・」

律「」ウトウト

梓「・・・」

澪「・・・」

律「」スヤスヤ

澪「あの二人は・・・?」

梓「小競り合いしてます」

澪「そ、そっか」

律「」スヤスヤ

唯「」スヤスヤ

紬「」スヤスヤ

梓「・・・寝付けないです」

澪「・・・うん」

梓「そうだ・・・」

ピッ

  『え〜、私たちは今、夢の超豪華特急列車ヴェガに乗車していま〜す』

澪「・・・眩しくない?」
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:37:29.25 ID:w42l6+ooo

梓「誰かが起きたらすぐ消します」キリ

澪「・・・うん」

ピッピッ

 紬『それでは相対性理論について述べるザマス』

梓「よし・・・」

澪「そこ見たいだけなんじゃないのか・・」

 紬『という事で光の速さは誰が観測しても常に一定なの〜」

梓「・・・」フムフム

澪「・・・」

 紬『光速で移動できる宇宙船に乗って10年旅をして、地球へ帰ってくると70年の時間が経っているのね』

 『浦島効果ね』

 憂『昔話ではそういうお話多いですよね』

 修治『聞いたことあるな』

梓「」ウトウト

澪「まるで絵本を読み聞かせた子供だな・・・」
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:38:18.84 ID:w42l6+ooo

菜々子「・・・まったく」ブツブツ

澪「あ、静花さんは・・・」

菜々子「私が寝るまで外にいるんだと、バーカだね」

澪「あ、はは」

梓「」スヤスヤ

 紬『・・・そうね・・・それじゃ南国の話を一つ』

 澪『・・・あ、口調が戻ってる』

 和『おかえり、澪』

菜々子「ありゃ、まだみてんのか」

澪「あ、もう消します」

菜々子「気にしないで、見ててもいいよ?」

澪「・・・いえ」

 紬『・・・飲み物が日本で言う縁側に用意されているの』

 唯『お茶!?』

 律『ティータイム!?』

プツッ

澪「・・・」

菜々子「・・・」

澪「・・・」

菜々子「面白い事やってたんだね」ヒソヒソ

澪「はい・・・、とても・・・楽しくて、とても・・・」

菜々子「・・・」

澪「・・・たの・・・しか・・・た」

菜々子「はは、二回言ってるよ」

澪「」ウトウト

菜々子「・・・おやすみ」

澪「」スヤスヤ




11日目終了--------
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 00:40:27.93 ID:w42l6+ooo
唯と澪の旅が終わります

続きは明日の夜に
おやすみなさいませ
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 00:50:57.13 ID:yaKUb2/ro

楽しいな
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/09(土) 04:30:02.59 ID:iW+QrguWo
どうしよう凄くいい話なんだが
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:32:53.21 ID:w42l6+ooo
嬉しいザマス
読んでくれている方ありがとう!


ネタバレになりますが、修治の『本当の意味での旅』は終わっています
では12日目です
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:33:20.81 ID:w42l6+ooo

8月12日





カンカンカン!

唯「ん〜?」ボケー

律「・・・なんだ・・・?」ボケー

静花「・・・うるさいですわね」ボケー

修治「朝だー!」

カンカンカン!

ゴスッ

修治「いでっ!」

菜々子「勝手にフライパン使ってんじゃないよ!」

修治「いつつ・・・、けさみさんに断ったよ?」

菜々子「料理長に断れよ・・・な?」ギロ

修治「・・・はい」

菜々子「こい」グイッ

修治「あの・・・どこへ・・・?」ズルズル

菜々子「怒られるか、皿洗いかのどっちかだ」

修治「後者でお願します」ズルズル

律「・・・」

唯「・・・」

静花「・・・」

澪「」スヤスヤ

梓「」スヤスヤ

紬「」スヤスヤ

律「・・・」

唯「なにか言ってあげなよ、りっちゃん」

律「・・・」

唯「ノーコメント!?」

静花「ほら、起きなさい。朝ですわよ」

紬「・・・ぅ・・・ん?」

921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:34:16.32 ID:w42l6+ooo

―――――食堂車

緑「・・・」

紬「北上さーん、ここ空いてますよ〜」

唯「緑ちゃんおいでよ〜」

緑「・・・」

スタ

律「はは、違う席座ったな」

紬「・・・」ションボリ

唯「落ち着いて食べたいんだよ」

澪「ここはうるさいからな」

梓「そうですね」

唯「静花さんは〜?」

律「後で来るってさ」

梓「・・・」

澪「そうだ、むぎ・・・」

紬「なぁに?」

澪「昨日見た夢って覚えてる?」

紬「えーと・・・」

律「どうしたんだ?」

澪「いや・・・」

紬「覚えてないわ〜」

澪「そっか、ならいいんだ。気にしないで」

紬「?」

修治「やぁ、おはよう北上さん」

緑「・・・」シーン

律「こっち空いてるぞ〜」

修治「邪魔するぜー。怒られたうえに皿洗いまでさせられたよ」

唯「当然だす!」

梓「北上さんに無視されましたね」

修治「無視はされてない・・・と思う」

澪「どういう事?」

修治「こっちみたから」

紬「うふふ」

律「それでいいのか・・・」
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:35:46.10 ID:w42l6+ooo

菜々子「なにか食べるのか?」

修治「えぇと・・・」ペラペラ

唯「修治くんと同席するの始めてだね〜」

律「そういやそうだな」

修治「そうだね・・・。コーヒーをブラックで」

律「ほぅ」

修治「やっぱりアップルティーを」

梓「背伸びしたい気持ち・・・分かります」

菜々子「はいよ、もう勝手に持ち出すなよ」

スタスタ

修治「すいません・・・」

紬「食べないの?」

修治「みんなを起こす前に軽く食べたからさ」

律「うるさかったぞ、あれ」

梓「あれ、ですか?」

修治「フライパンでカンカン鳴らしたかったんだよね〜」

唯「うるさかったよ!」

静花「まったくですわ」

紬「あ・・・静花さん」

菜々子「満席だからあの緑って子と同席な」

静花「承知してますわ」

修治「あ、じゃあ俺が行きます」ガタ

静花「よろしいの?」

修治「一人だけ飲み物ってのもあれなんで・・・」

スタスタ

律「ほぅ・・・、気を利かせるじゃないかー」

澪「・・・」

静花「お邪魔します」

紬「どうぞ〜」ニコニコ
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:36:43.49 ID:w42l6+ooo

菜々子「お好み焼きですね?」

静花「朝からそんな重たいもの食べられませんわ」

梓「ブフッ」

菜々子「ジャンボパフェがお勧めですが」

唯「おいしいよ〜」

律「あぁ、うまかったー」

紬「・・・」

静花「じゃあ、サンドイッチを」

澪「スルーだ」

菜々子「はいよ」

静花「無愛想なウェイトレスですこと」

紬「静・・・花・・・さんは・・・」

静花「なにかしら?」

紬「?」

律「こっちみてハテナ顔されても困るぞー」

唯「質問忘れちゃったんだね・・・あるよね・・・」

けさみ「はいおまたせ〜」

唯「おぉ、今日は豪華だよ!」

澪「ほんとだ・・・」

けさみ「料理長が長旅お疲れ様〜と」

梓「アイスのサービスですね」

静花「私に構わず召し上がりなさいな」

律「そんじゃ」

紬律澪梓「「「「 いただきまーす 」」」」

律「・・・もぐもぐ」

紬「静・・・花さんは今日どちらへ?」

静花「どうして私の名を溜めますの?」

紬「分かりませんっ!」

梓「力強く濁しましたね」

澪「・・・」

静花「まぁ、いいですわ。異人館へ行ってみようと思ってますの」

梓「異人館ですか」

静花「そうですわ、エキゾチックな雰囲気が私を惹き付けます」

律「海老反リックな雰囲気ってなんだ?」

澪「自分で答えを見つけろ」
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:37:45.75 ID:w42l6+ooo

唯「・・・もぐもぐ」

梓「もぐもぐ」

紬「私たちも異人館へ行かない?」

律「いいぞ〜」

唯「はいっ!私は万博記念公園へ行って太陽をみたいのです!」ズバッ

菜々子「それじゃ、売店のちひろさんも行くだろうから一緒に観光したらいいよ」

紬「おぉ〜」キラキラ

菜々子「・・・どうぞ」

静花「ありがとう、ウェイターさん」

菜々子「辛し入れておけばよかったね・・・」ブツブツ

スタスタ

律「姉御恐ろしいな」

澪「サンドイッチに辛し・・・」

静花「律さん、私側にまわってもよろしくてよ」

律「あは・・・は・・・」
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:38:36.61 ID:w42l6+ooo

静花「待たせてしまいましたわね」

紬「さぁ、行きましょー」

梓律「「 あれ? 」」

唯「どうしたの?」

澪「・・・?」

律「まぁ」

梓「いいです」

唯「ん〜?」

澪「・・・」

律「ちひろさんとは現地でいいんだよな」

唯「そうだす!」

紬「唯ちゃん、それ気に入ったの?」

唯「うん」

梓「そこは・・・うん、なんですね」

静花「・・・元気ですわねー。私菜々子さんのせいで寝付けませんでしたわ」

紬「どうしたんですか?」

澪「夜遅くまで映像みていたからな」

梓「はい。むぎ先輩の教鞭はよかったです」キラキラ

律「・・・そうか」

静花「行きますわよー」

紬「は〜い」

唯「延長だね澪ちゃん!」

澪「そうだな、楽しもう!」

律「・・・だな」

梓「そうです!」

唯「違うよ、あずにゃん」

梓「・・・」

唯「そうだす!だよ。いちにの、さんはい!」

梓「促されても言いませんよ?」
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:40:19.78 ID:w42l6+ooo

―――――異人館

唯「あー、緑ちゃんもここに来てたんだ〜」

緑「・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

静花「・・・」

律「誰か喋れよ!」

緑「列車の中でも歩き回っているみたいだけど、観光地でもそうなのね」

律「あ、そっちが喋るんだー」

紬「そうです!」

梓「せっかくの旅ですからね、色々と景色をみておきたいです」

緑「・・・別に、旅なんて日ごろの気分転換になればいいだけよ」

唯「そうだね〜、ここみたいに普段とは違った場所にくるのもいいよね〜」

静花「美しい町並みに加えて眺めも良くて・・・」

澪「憧れますね」キラキラ

律「乙女スイッチ入ったかー」

静花「古い町並みでありながら、どこか新しくてそれでいて懐かしい」

緑「・・・」

静花「神戸という所はそんな街ですわ」

澪「うんうん!」
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:40:58.85 ID:w42l6+ooo

梓「共感しているみたいですね」

紬「西洋風な家が並んでいるわね〜」

唯「異国情緒があるっていうんだよ、りっちゃん」

律「う、うん。どうして私に言った?」

緑「異国情緒というよりおとぎの国ね・・・」

紬「なるほど〜」

唯「海も見えていい景色ですな〜」

律「そうでんな〜」

紬「あっちにガラス細工のお土産屋さんがあるから行きませんか?」

緑「・・・・・・そうね」

紬「行きましょう〜」

唯「行こう行こう〜」

スタスタ

静花「・・・」

梓「・・・」

律「・・・」

澪「・・・行かないのか?」

律「あ、あぁ」

梓「・・・いつもと変わりませんね・・・。気のせいだったのでしょうか?」

律「・・・うーん、分からん」
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:41:41.12 ID:w42l6+ooo

澪「これいいな!ママ・・・マイ母に買っていこう」

律「マイ母ってなんだ」

唯「これ可愛いよ〜、ういに買っていこ〜」

梓「純に買って行こうかな」

緑「・・・」

唯「あ、これも可愛い〜。和ちゃんに買うのです」

梓「それ指揮者のタクトですよ?」

静花「可愛い・・・ですのね・・・」

紬「・・・」

緑「どうしたの・・・?」

紬「え・・・?」

緑「・・・」

律「誰もさわちゃんに買わないのかよー」

唯「りっちゃんが買ってあげなよ〜」

澪「そうだな、言いだしっぺが・・・」

梓「そんな流れで購入していいのでしょうか・・・?」

律唯澪梓「「「「 ・・・ 」」」」ゴクリ

律「み、みんなで選ぼうぜー」

唯「そうだよー」

澪「だ、だよなー」

梓「そうですよー」

静花「・・・慕われているのか分かりませんわね」

律「ほら、むぎも選ぶぞ!」

紬「う、うん!」

緑「・・・」

静花「・・・あなたは買いませんの?」

緑「・・・どうでもいいわ。じゃ」

スタスタ

静花「・・・?」
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:43:04.55 ID:w42l6+ooo

―――――太陽の塔

唯「ちひろちゃーん!」

ちひろ「唯さ〜ん」

澪「お待たせしました」

ちひろ「今来たところですよ〜」

律「そっか、よかった」

梓「いつの間にか北上さんがいなくなってましたね」

紬「・・・そうね」

梓「・・・」

ちひろ「どうかなさったんですか〜?」

唯「緑ちゃん私たちを置いてどこかへ行っちゃったんだよ!」

律「びっくりだよ!」

澪「一人で観光したかったんじゃないか?」

梓「・・・そうかもしれませんね」

紬「静花さんも来れたらよかったわね〜」

ちひろ「忙しいんでしょうね〜」

律「あ!見ろ唯!あれが太陽だー!」

唯「おぉ、りっちゃん!サンサンと輝いてるよー!」

澪「それは太陽だからな。直視するなよ」

梓「塔には興味ないのかな・・・」

紬「太陽の塔は変な形ね」

ちひろ「意味があるんでしょうね〜」

唯「ふふ、あの形をしている意味が分かるかな諸君」フフ

律「・・・分かるのか唯!」

澪「裏側回ってみようか」

梓「そうですね」

紬「裏?」

ちひろ「表は有名ですけど、裏はどうなっているんですか〜?」

澪「・・・」アワワ

梓「黒い太陽ですかね」

紬「そうね・・・」

ちひろ「なにか意味があるんでしょうね〜」

澪「・・・見てない見てない」ブツブツ

梓「私たちには分からない世界ですね」

紬「そうね〜」
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:44:30.78 ID:w42l6+ooo

ちひろ「みなさん、お昼には早いですけど、サンドイッチどうですか〜?」

澪「あ、それサンドイッチだったんですね」

紬「それじゃ、私も紅茶を〜」

梓「それ水筒だったんですか!?」

ちひろ「ベンチに座りましょう〜」

澪「・・・あの二人どうなったんだ?」

梓「まだなにか騒いでいますけど・・・」

紬「りっちゃーん、唯ちゃーん」

唯「カンガルーだね!」

律「さすが唯だぜー!って理解できねえー!」

唯「むぎちゃんが呼んでるよ」

律「そうだな・・・、私らを置いていくなんて・・・」

唯「何か食べてる!」

律「なんだとー!」

テッテッテ

澪「もぐもぐ」

梓「もぐもぐ」

ちひろ「ごくごく」

紬「さ、どうぞ〜」

律「あ、ありがと」

唯「・・・もぐもぐ」

律「のんびりしてんな〜」
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:46:26.07 ID:w42l6+ooo

澪「おいしいよちひろさん」

梓「はい、おいしいです」

紬「えぇ、おいしいわ」

唯「うまい!」

律「うむ、合格だ」

澪「・・・試験だったのか」

ちひろ「よかった〜。喜んでもらえて〜」

唯「料理上手なんだね!」

ちひろ「これくらいしか出来ませんけど〜」

唯「私はケーキを作れます!」フフン

ちひろ「すごいですね〜」

澪「ケーキに苺乗せただけじゃなかったか?」

唯「ういが作れます!」フフン

ちひろ「憂さんもすごいですね〜」

律「褒め上手なのかな」

梓「そのまま感情に出るんでしょうね」

ちひろ「あ、そろそろ出発ですね〜」

紬「・・・」

唯「あ〜、ついにこの時が来ちゃったよ。澪ちゃん!」

澪「・・・そうだな」

梓「ヴェガに戻りましょう」

律「・・・あぁ」
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:47:33.81 ID:w42l6+ooo

―――――ヴェガ

紬「・・・」

車掌「平沢唯さん」

唯「はい」

車掌「秋山澪さん」

澪「はい」

車掌「当特急ヴェガへのご乗車、誠にありがとうございました」

唯澪「「 ありがとうございました! 」」

紬「・・・」

梓「・・・」

律「・・・」

車掌「どうか、お気をつけてお帰りください」

唯「澪ちゃんがいるから大丈夫です!」

澪「・・・はい」

梓「その台詞で心配になります」

律「・・・まったくー」

紬「・・・」

菜々子「じゃ、元気でな」

澪「はい、短い間でしたけどお世話になりました」

唯「菜々子ねえたんも気をつけて!」

修治「ブフッ」

菜々子「あのなぁ唯・・・」

ギリギリ

修治「ごふぇんなふぁい」

秋子「寂しくなります〜」

唯「秋子ちゃん、いっつも私たちの気分を明るくしてくれたよね、ありがとう」

澪「うん、おかげでとても助けられたよ」

秋子「そんなことないです〜」

風音「ほら、ピノ挨拶してきて」

ピノ「ピピッ」

ピョン

唯「ピノちゃん、バイバイ」

ピノ「ピッ」

静花「・・・意志の疎通ができてますのね」
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:48:45.66 ID:w42l6+ooo

ピノ「ピピッ」

澪「バイバイ」

ピノ「ピッ」

ピョン

風音「それでは、お二人ともお元気で」

唯「うん!風音ちゃんも元気でね!」

澪「ピノといつまでも仲良くな」

風音「はい」ニコ

紬「・・・」

静花「帰れば会えますのよ」

紬「!」

梓「・・・」

律「・・・」

澪「・・・」

唯「むぎちゃん!帰ったら部室で演奏しよう!」

律「おぉ、いいなそれ!」

澪「そうだな、憂ちゃん、和、さわ子先生、純も呼んでみんなで集まろう」

梓「いいですね!」

唯「あー!それ言っちゃダメだよー!!」

澪「え・・・?」

唯「ういと和ちゃんで密かに計画してたんだよー!むぎちゃんにありがとうをこめて〜」

律「全部言っちゃったよ」

紬「うふふ、ありがとう〜」

唯「いえいえ〜」

梓「まだこの旅は終わっていませんよ?」

律「演奏が始まってもいないのにな」

車掌「そろそろ時間ですので、乗り遅れには注意してくださいね」

菜々子「それじゃ先に乗り込むか・・・」グイッ

修治「俺挨拶してないー!」ズルズル

菜々子「そうか・・・」

修治「・・・コホン。平沢さん」キリ

唯「ん?」

修治「秋山さん」キリ

澪「な、なに?」
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:51:14.33 ID:w42l6+ooo

修治「楽しかったぜー!」グー

唯「こっちもだっぜー!」グー

澪「うん、楽しかった!」

修治「それでは、ごきげんよう」キリ

菜々子「それじゃ、乗り込むか・・・」グイッ

修治「バイバイー」ズルズル

律「なんだそりゃー」

唯「バイバーイ!」

澪「じゃあな」

静花「修治さんは菜々子さんの僕ですわね。気の毒に・・・」

秋子「さようなら〜!」

風音「さようなら」

ピノ「ピピッ」

唯「三人とも元気でねー!」

澪「さよなら」

静花「後は私どもに・・・コホン。私にお任せくださいな」

唯「よく分からないけど、お願します!」

澪「・・・」

静花「菜々子さんなんてポイですわー!オーッホッホッホ」

律「あはは・・・」

梓「・・・はは」

紬「唯ちゃん、澪ちゃん、気をつけて帰ってね」

唯「むぎちゃんも体にだけは気をつけてね!」

澪「・・・うん、気をつけてな」

律「じゃあ帰ったら連絡するよ」

梓「私もです!」

唯「うん!待ってるね〜」

澪「あぁ・・・」

紬「それじゃあね、二人とも!」

澪「あ、待ってむぎ・・・。右手を出して」
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:51:48.62 ID:w42l6+ooo

紬「・・・こう?」

スチャ

澪「ブレスレット・・・持ってて」

紬「これ・・・でも・・・」

澪「待ってるからさ、預かってて欲しい」

紬「うん・・・分かった」

ギュ

唯「それじゃ、わたしも〜。これ預かっててください!」

紬「あ・・・、キーホルダー」

唯「えへへ〜」

紬「分かった!」

prrrrrrrrrrr

梓「さ、行きましょう、むぎ先輩!」

紬「よいしょー!」

菜々子「じゃあな!」

静花「それでは」

澪「・・・むぎを・・・よろしくお願します」ペコリ

菜々子「・・・任せときなって」

静花「・・・もちろんですわ」

唯「みんなー、またねー!」

律「じゃーなー」

梓「またです!」

紬「またね〜」

澪「・・・」

プシュー
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:52:56.09 ID:w42l6+ooo

ガタン ゴトン

ガタンゴトンガタンゴトン

梓「・・・」

律「さて、最後の道中だー!」

紬「まずは観光ガイドね!」キラン

梓「・・・」

律「買いにいこうぜー」

紬「よしきたー!」

テッテッテ

菜々子「・・・」

静花「・・・」

梓「・・・」

菜々子「釈然としないなー・・・」

静花「なにがですの?」

梓「・・・」

菜々子「どうして澪はお前を見てたんだよ?」

静花「・・・」

梓「・・・」

菜々子「梓、なにか知ってる?」

静花「私が頼りにされているからに決まってるではありませんか・・・」
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:53:25.77 ID:w42l6+ooo

梓「え・・・」

菜々子「それはないね!」

静花「オーッホッホッホ、それでは罰ゲームを発表いたしますわ」

梓「もう勝負はついたんですか!?」

菜々子「なに言ってんだよ!どうせ変なこと吹き込んだんだろ!」

静花「あら〜、そんな言い訳を用意しているなんて、あなたらしくありませんわね」

菜々子「なんだってぇ・・・」ジロ

梓「・・・むぎせんぱ〜い、まってくださーい」

スタス

静花「お待ちになって」

ガシッ

梓「・・・な、なんですか?」

静花「お話があります」

梓「話・・・ですか・・・?」

菜々子「話ぃ?」

静花「あら、お聞きになりたいんですの?それなら頭を下げて私のいう事を聞いてくださるのなら・・・」

菜々子「それは敗北っていうんだよ。誰が聞くか!ふんっ」

ズンズン

梓「・・・」

静花「相変わらず女性としての色気を失っていますわね」

梓「あの・・・、話というのは」

静花「ここじゃなんですから、展望車へ」
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:54:11.44 ID:w42l6+ooo

紬「あら・・・?」

律「どしたー?」

ゴソゴソ

紬「ぬいぐるみが・・・」

律「ぬいぐるみ?」

ゴソゴソ

紬「動いてる?」

律「ん?・・・クマのぬいぐるみか・・・」

ゴソゴソ

紬「よいしょ」

「・・・」モゾモゾ

律「やけにリアルだな・・・」

紬「暖かいわ・・・。も、もしかして・・・」

風音「あっ!」

律「ん?風音?」

風音「ゴ、ゴロウ!」

紬「ゴロウ・・・?」

ピノ「ピピッ」

律「なんだ、どうしたー?」

風音「あ、あの、えぇと」オロオロ

「・・・グァ」モゾモゾ

紬「あらあら、やっぱりこの子本物のクマの子なのね」

律「・・・は?」

風音「あ、あの・・・お話があるのですが・・・。よろしいでしょうか」

ピノ「ピッ」
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:55:10.63 ID:w42l6+ooo

ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン

梓「この曲は・・・」

静花「ジムノぺディですわね」

梓「弾いているのは北上さん・・・?」

緑「・・・」

ポン ポン ポン ポン

静花「・・・」

梓「上手ですね」

緑「・・・」

静花「・・・邪魔するのもなんですから、そこへ座りましょう」

梓「はい・・・」

静花「・・・」

梓「・・・それで、お話とは?」

静花「・・・紬さんの事ですわ」

梓「・・・」

静花「あの・・・子は、別れに戸惑いを感じていますわね」

梓「戸惑いですか・・・」

静花「えぇ、先ほどの唯さん、澪さんと別れるときですら、二度と会えなくる。そんな表情をしてました」

梓「・・・」

静花「あなた方は帰れば、会える・・・そうですわね?」

梓「はい、そうです。帰って約束をすれば、絶対に会えます」

静花「・・・そういう事ですわ」

梓「え、えぇと?」

静花「んもぅ、鈍いですわね」

梓「はぁ・・・」

静花「北海道から乗っていらしたんですのね?」

梓「はい、むぎ先輩はそうです」

静花「今までの出会いと別れを繰り返してきて、今それに戸惑いが出てきてるという事ですわ」

梓「・・・!」

静花「時間が経てばゆっくり受け止める事もできるでしょう」

梓「むぎ先輩は・・・今までの別れを受けてめていない・・・?」

静花「それは違うと思います。そんなに弱い子ではないでしょう?」

梓「・・・」

静花「・・・まぁ、これから先は広島、博多、最終駅で終わりですから、そこまで心配する必要もないと思いますが」

梓「・・・」
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:56:27.39 ID:w42l6+ooo

静花「・・・」

梓「そう、でしょうか・・・」

静花「・・・?」

梓「・・・私が言った、儚い笑顔になる理由は分かりました・・・けど」

静花「・・・」

梓「それから今までの幼い笑顔に戻す方法が分かってません」

静花「・・・なるほど」

梓「・・・」

緑「戻す必要なんてあるの?」

梓「え・・・」

静花「この子たちがそれを望んでいるのなら、それが重要だと思いますわ」

緑「・・・そう。口をはさんで悪かったわ・・・」

スタスタ

梓「・・・」

静花「気にする事ないですわ・・・。あの方も思い当たる節があるのでしょう」

梓「・・・はい」

静花「言い換えれば、紬さんはそれだけいい出会いをしてきたとも言えます」

梓「・・・そうです。さびしくない別れは一つもありませんでした」

静花「・・・そう、ですか」

梓「・・・でも、どうして律先輩ではなく私に・・・?」

静花「ヴェガで一番最初に出会ったのがあなただったから、・・・ですわ」

梓「そうですか、ありがとうございました。むぎ先輩の所へ行ってきます」

静花「えぇ・・・。限りある時間を大切に」

梓「はい!」

テッテッテ

静花「・・・」
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:57:43.39 ID:w42l6+ooo

―――――風音の個室

律「・・・小熊ね」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

風音「えぇと、なにから話せばいいのか」

紬「焦らないでいいですよ、こうなったらとことん付き合います」

風音「・・・ありがとう」

ピノ「ピピッ」

律「・・・私も付き合うぜー、広島までだけど」

風音「・・・はい」

紬「・・・」

風音「それでは、ゴロウと出会った時の話から・・・」

ゴロウ「・・・」ガサゴソ

風音「私たち家族が住んでいた所は自然が豊かな、小さな田舎だったんです」

紬「・・・」フムフム

風音「でも・・・、色んな会社が開発だといいながら次々と自然を壊していったんです」

律「・・・」

風音「ゴルフ場とかレジャー施設に変えてしまったんです。ゴロウと出会ったのはそんなときでした・・・
   母熊がワナにかかって・・・。ゴロウはその側で衰弱していたんです」

律「母熊は・・・」

風音「手遅れでした。でも・・・ゴロウはなんとか持ち直したんです」

ゴロウ「・・・」ガサゴソ

風音「私たち一家は自然と動物が大好きですから、ゴロウが一人で生活していけるまで面倒を見ることにしたんです」

紬「そうだったのね・・・」

風音「私たちはすごく仲がよくて、姉弟だって言われるくらいだったんです」

律「懐いてるもんな・・・」

風音「ですが、状況が変わって、私の家も開発で取り壊される事になって、街に引っ越す事になったんです」

紬「・・・」

風音「ゴロウを自然に帰そうと思っています」

律「・・・」

風音「だけど・・・私の住んでいた所はもう住みやすい場所ではないし・・・」

紬「ヴェガに乗ったのは・・・」

律「ゴロウが住みやすい山を探すため・・・?」

ゴロウ「・・・」

風音「はい・・・。引っ越す先は、ゴロウにとっていい環境ではありませんから」

紬「・・・風音さんは、それでいいの?」
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 22:59:16.90 ID:w42l6+ooo

律「むぎ・・・?」

風音「・・・まだ自然に帰すのは・・・不安ですが・・・これからは・・・オリに入れるしか・・・ないですから」

紬「・・・本当は・・・嫌なのね」

律「・・・」

風音「はい・・・。だけど、これしか・・・方法がないんです」グスッ

紬「・・・ゴロウちゃんにとって一番いい方法を選んだのよね」

風音「でも・・・、結局捨てる事になったんです・・・。面倒がみきれないから・・・」グスッ

律「・・・」

ゴロウ「・・・」

紬「そんな事ないわ、きっと分かってくれると思う。風音さんの気持ちを」

律「そうだな・・・」

ピノ「ピピッ」

風音「・・・ありがとう」

紬「それに、私誰にも言わないから!」

律「そうだな、黙っているよ」

風音「ほ、ほんとうですか・・・?」

紬「もちろん!」ニコ

律「当然!」

風音「・・・」

ピノ「ピピッ」

ゴロウ「・・・」

風音「・・・ピノが・・・みなさんを見方だと判断したのは正しかったみたいですね」

ピノ「ピピッ」

紬「うふふ、嬉しいわ〜」

律「ん?それだと信用してないみたいだぞー?」

風音「い、いいえ。信用してます。でも・・・不安でした・・・」

紬「不安・・・?」

風音「はい・・・、ゴロウを見たら態度が変わってしまうんじゃないかって・・・」

紬「そうね、驚いた」

律「あぁ、ビックリしたぜー、小熊だもんな」

ゴロウ「ガァ・・・」

風音「ふふっ」

紬「本当に姉弟みたいに仲がいいのね・・・」

律「・・・私次で降りるからなぁ・・・、ちょっと心配だな・・・」

紬「・・・うん」

風音「・・・?」

律「男手があったほうがこの先便利・・・頼りに・・・いや、便利でいいか」

紬「あらら」

風音「男手・・・?」
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:01:16.20 ID:w42l6+ooo


修治「〜♪」

スタスタ

律「よし、こっちに来る」

ゴロウ「・・・」

紬「ゴロウちゃん連れ出して・・・どうするの、りっちゃん」

風音「あ、あの・・・」オロオロ

律「こそこそしてる方が逆に怪しいからさ、ぬいぐるみだと思って扱おう」

ピノ「ピピッ」

律「大丈夫だって。修治をテストするんだよ。風音を安心させる為にもさ」

紬「なるほど〜」

風音「で、でも・・・」オロオロ



梓「鳥羽さん、むぎ先輩みませんでしたか?」

修治「琴吹さん・・・?みてないなぁ」

梓「そうですか・・・。どこへ行ったんだろ・・・」

修治「車掌さんに聞いてみた?」

梓「はい・・・。存じないと言われました。個室と車両全て歩いてみたんですけど・・・」

修治「うーむ・・・」

梓「もう一度展望車から歩いてきます。それでは」

テッテッテ



紬「あずさちゃん・・・」

律「梓は後だむぎ。まずはテストから」

風音「ど、どうするんですか?」オロオロ

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

律「風音、ゴロウをここに置いて」

風音「は、はい・・・」

紬「大丈夫?」

律「今、修治がここに来る以外誰もいないから大丈夫だ」

風音「・・・」オロオロ

ピノ「ピッ」

律「ではテスト開始。みんな隠れるぞー」

944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:02:16.13 ID:w42l6+ooo


修治「ん?クマのぬいぐるみか」

ヒョイ

修治「車掌さんに届ける・・・か?」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

修治「なんだろうこの重量感とリアルな動き・・・」

ゴロウ「ガァ・・・」

修治「クマ・・・か。そうか・・・。よし、怒らせないようにゆっくり降ろして」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

修治「・・・」

ゴロン






律「なにやってんだアイツ・・・」

紬「ゴロウちゃんを元へ戻した後、横になった・・・」

風音「もしかして・・・」


945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:02:48.81 ID:w42l6+ooo

ゴロウ「・・・」チョンチョン

修治「・・・」

ゴロウ「・・・」バシバシ

修治「・・・っ」

律「どうした?」

修治「・・・シー」

紬「床冷たくないですか?」

修治「・・・話しかけないでー」ヒソヒソ

風音「あの・・・ひょっとして死んだふり・・・?」

律「えっ!?」

紬「なるほど〜」

修治「分かってるなら・・・ん?」

風音「ゴロウ・・・大丈夫みたいだね」

ゴロウ「・・・」

ピノ「ピピッ」

律「うわぁー、死んだふりってー、小熊に対してー」

紬「・・・」

風音「ごめんなさい、この子私の友達なんです」

修治「・・・その小熊が?」

風音「・・・はい」

修治「・・・そうか、友好範囲広いんだね・・・」

律紬「「 ププッ 」」

風音「あ、あの・・・」

ピノ「ピピッ」

修治「・・・他言無用でお願いな」

律「それはもったいない!」

紬「そうね〜」

風音「えぇと・・・私、部屋に連れて行きますので」

ゴロウ「・・・」

律「あぁ、説明は私らでやっとくよ〜」

風音「お願いします」

タッタッタ

紬「私あずさちゃんの所行ってくるから、りっちゃんお願いね〜」

テッテッテ

律「おっけ〜」

修治「なにが・・・いったい・・・」
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:03:49.60 ID:w42l6+ooo

梓「・・・あ、むぎ先輩」ホッ

紬「ごめんね、風音さんとお話してたの〜」

梓「・・・いえ、いいんです」

紬「・・・どうしたの?」

梓「えっ?」

紬「なんだか落ち着かない顔してたわ」

梓「あ、・・・いえ、・・・えぇと」

秋子「あ、ここにいたんですね〜」

紬「どうしたんですか?」

秋子「用はありませんけど、お話したいな〜って」

梓「・・・」

紬「そうですか」ニコニコ

秋子「広島に着いたらどこへ行くか決めました?」

紬「えーと」

梓「・・・」ジー

紬「まだ決めていないんです。秋子さんはどちらへ?」

秋子「中央通りと弥山、厳島神社にお好み村!」

紬「お好み村?」

梓「・・・」ジー

秋子「はい〜!お好み村でソバ入りお好み焼きを食べるんです〜!」

紬「まぁ」キラキラ 

梓「・・・」

秋子「梓さんはどこへ行かれるんですか〜?」

梓「え!?」

紬「・・・?」

秋子「観光場所ですよー!」

梓「あ、えぇと・・・」

紬「あずさちゃん、体の調子が悪いの?さっきから様子がおかしいわ」

梓「い、いえ・・・。あの・・・私も広島で降りるので・・・」

秋子「そうですか、一緒に観光したかったです」ションボリ

紬「そうだったわね・・・」ションボリ

梓「う・・・」
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:04:36.31 ID:w42l6+ooo

車掌「到着してすぐ降りられますか?」

梓「あ・・・」

紬「・・・」

秋子「帰ってから予定でもあるんですか〜?」

梓「す、すぐにはないです・・・」

車掌「・・・」

紬「・・・」

秋子「それなら明日の朝でいいじゃないですか〜!」

梓「えぇと・・・」

車掌「そうですね」

紬「ど、どうするの?」ゴクリ

梓「・・・」

秋子「じゃ決定〜!みんなでお好み村へ行きましょう〜!」

梓「なにも言ってませんよ!?」

紬「・・・」

車掌「こちらとしては問題ありませんが・・・」

梓「でも・・・私たちばかり待遇よくしてもらっては・・・」

秋子「そんなのいいからいいから〜」

紬「・・・」

車掌「・・・」コクリ

梓「あ・・・。それじゃお言葉に甘えて・・・」

紬「まぁ」キラキラ

秋子「きゃ〜!それじゃ姉御さまも誘ってきますね〜!」

タッタッタ

梓「強引ですね・・・」

車掌「田井中さんはどうでしょう?」

紬「りっちゃんに聞いてきますっ!」

タッタッタ

梓「・・・」

車掌「心配ですか?」

梓「はい・・・」

車掌「・・・」
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:06:25.42 ID:w42l6+ooo

紬「りっちゃーん」

律「どういう意味だコラァ!」

ギリギリ

修治「ちがっ・・・首絞まって・・・」

紬「あらあら、仲良しね〜」

律「!」ビクッ

修治「本気で絞めたな・・・」ゲホゲホ

律「なんでもないぜー」

紬「?」

修治「どう言っても悪く取るじゃんかー」

律「うっさい!」

紬「どうしたの?」

修治「・・・」

律「風音の事だ」

紬「・・・どうなったの?」

修治「協力するにはする・・・けどさ」

律「・・・」

紬「けど・・・?」

修治「重要なときだけだ」キリ

律「かっこつけやがって」

紬「・・・どういう事?」

修治「ふざけは無しにして・・・。ゴロウが野生に戻るなら俺は抱き上げない方がいいと思うんだ」

律「・・・」

修治「人間に慣れたら自然に戻ったとき生きていくのが困難になるから」

紬「・・・」

修治「風音さんや琴吹さんのようないい人たちばかりじゃないでしょ」

律「まぁな・・・」

修治「だから、俺が関わるのは最低限の事だけね」

紬「・・・うん」

修治「困ったらなんでも言ってくれ」キラン

律「はいはい。よろしくー」

修治「・・・」ションボリ

紬「でも、ありがとう」

律「ありがとな」

修治「・・・うん。話聞いたけど、風音さん辛そうだな」
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:07:30.30 ID:w42l6+ooo

紬「・・・」

律「あぁ・・・、つらそうな顔で話してくれたよ」

修治「・・・そっか」

紬「あずさちゃんにも話しては・・・?」

律「話くらいならいいんじゃないか?」

修治「うん、好奇心だけで近づくのが良くないって意味だからね」

紬「・・・そうね!」

律「・・・うむ」

修治「それじゃ、そん時は声かけてね〜」フリフリ

スタスタ

紬「ありがと〜」

律「・・・」

紬「・・・」

律「・・・?」

紬「鳥羽さんってりっちゃんに似てるよね」

律「ッ!?」

紬「・・・?」

律「」

梓「すごいショックだったみたいですね」

紬「あらあら」

律「」

梓「どっちかっていうと唯先輩かと思いますけど」
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:08:29.60 ID:w42l6+ooo

律「あー、すまん。私は到着次第降りるわ」

紬「そうなの・・・」ズドーン

梓「そうですか・・・」

車掌「分かりました。では中野さん、手配の方はおまかせください」

梓「ありがとうございます」

車掌「いえ・・・、それでは失礼します」

スタスタ

律「明日の朝に用事が入っててさ、ごめんな」

紬「ううん、気にしないで〜」ニコ

梓(また・・・)

律「・・・」

紬「どうしたの?」

梓「・・・」

律「いや、なんでもない」

紬「りっちゃん、風音さんの事教えてはどう?」

梓「・・・」

律「あぁ・・・。梓?」

紬「あずさちゃん?」

梓「え・・・?」

律「・・・」

紬「やっぱりどこか調子が悪いんじゃ・・・」

梓「いえ、大丈夫ですよ」

律(大丈夫って顔してないぞ)

紬「・・・」

梓「それで、なにを教えてくれるんですか?」

律「実はな・・・。風音の事なんだが・・・」

紬「・・・」

梓「は、はい・・・」

律(梓の空気がむぎにも移ったかぁ・・・。こういう時、唯がいたらな・・・)

秋子「あ〜、ここにいたんですね〜!」

紬「あ・・・」

秋子「姉御さまが律さんを呼んでましたよ〜!」

律「え、私?」

秋子「はい!ささ、行きましょう!」

グイッ

律「ちょっと、待ってー!」

梓「むぎ先輩、私たちもいきましょう」

紬「そうね」
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:10:40.45 ID:w42l6+ooo

菜々子「律、次で降りるの?」

律「うん、到着したらすぐにねー」

菜々子「そっか、寂しくなるね」

律「姉御にそう言ってもらえて光栄ッス!」

菜々子「はは、なにか作ってやるよ。なにがいい?」

律「おぉ」キラキラ

梓「ではお好み焼きで」

律「ちょいと中野さんや、勝手に決めないでくれます?」

菜々子「丁度いいじゃん、私ら広島のお好み焼き食べにいくからさ。律は行かないんでしょ?」

律「あ、うん・・・」

菜々子「じゃ、席で待ってて」

律「ありがとー!」

梓「よかったですね」ニコニコ

律「あぁ、ありがとねー!」ギリギリ

梓「な、なんでお礼をいいながら・・・。痛いですっ!」ジタバタ

律「ふーん」ツーン

静花「どうして私を誘わなかったのですか!」

秋子「姉御さまが言うなって〜!」

静花「あのゴリラ女・・・」ワナワナ

紬「・・・」

梓「いつの間にか静花さんまで・・・」

律「あぁ・・・」

けさみ「コーラ、アイスティー、レモンティー、紅茶とオレンジジュースで〜す」

紬「紅茶?」

静花「私ですわ」

けさみ「はいどうぞ。中野さんには料理長からアイスのサービスですよ〜」

梓「なんか気を使わせてしまったみたいで。すいません」

けさみ「いえいえ〜、長旅お疲れ様でした〜」

テッテッテ

律「遠慮したらバチがあたるぞ?」

梓「しませんよ」パクッ

紬「紅茶あったのね〜」

静花「珍しいですの?」

紬「今まで気づきませんでした」

静花「・・・そ、そうですか」

秋子「・・・」

律「・・・?」
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:11:58.15 ID:w42l6+ooo

梓「おいしいです」ウルウル

律「秋子ちゃん?どうしてしずかなの?」

秋子「いえ・・・」

菜々子「律ー。テーブルで焼く?・・・はぁ」

静花「お客に対して無礼極まりないですわね。もっと励みなさい」

菜々子「どうする?」

梓「・・・」パクッ

律「みんな、ここで焼いていい?」

秋子「いいですよ〜!」

紬「どうぞどうぞ」

静花「いいですわよ。ねだったりしませんから安心なさいな」

律「それじゃ、姉御ここでお願します」

梓「私の意見はいいんですか?」

律「・・・いい?」

梓「そうですね〜」

律「お願します」

菜々子「はいよ」

スタスタ

梓「ねだりますよっ!」プクー

律「いいよ〜。お好み村で食べられるならな」ウシシ

梓「菜々子さんの料理ですか・・・」

律「あ、本気で食べる気だな・・・」

紬「うふふ」

静花「まぁ、どこぞの秘境で修行なさったそうですから」

秋子「そうなんですか〜?」

菜々子「そんなわけないだろ。ちょっと待っててね。よいしょ」

ガタン

律「おぉ」キラキラ

梓「鉄板に変えるんですね」

紬「すご〜い」

菜々子「これでよしっと」

静花「さすが腕力に定評がありますわね」

菜々子「あ り が と よ」

秋子「かっこいいです〜!」
953 :静花さん不謹慎ですよ [sage]:2011/04/09(土) 23:13:16.34 ID:w42l6+ooo

菜々子「お客も少ないからさ、私が焼いていい?」

律「ぜひっ!」

菜々子「おっけ〜」

ジュー

梓「これは広島風なんですか?」

菜々子「いいや、大阪風だな。私の生まれ育った街だからね〜」

律「あれ、京都じゃないの?」

菜々子「どうして?」

律「初めて会ったとき、京都を馬鹿にされて怒っていたから」

菜々子「あ〜・・・」

静花「私の街、京都を守るなんてたまには・・・いえ、地球を滅ぼしたいのですか!?」

菜々子「気まぐれだよっ。いい事したら悪いことが起るみたいに言うなっ!」

紬「・・・」

律「・・・」ワクワク

梓「・・・」ソワソワ

秋子「一人前にしては量が多くありません?」

菜々子「みんなつまむかと思って多くしてみたんだけど」

静花「地震ですわ」

菜々子「列車だから揺れているんだよ。私の善意で天変地異が起ったように言うなっ!」
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:13:46.46 ID:w42l6+ooo

ジュー

菜々子「さぁできたよ。召し上がれ〜」

律「いただきまーす!」

梓「いい匂いです」

紬「ほんと〜」

秋子「さすが姉御さまです〜!」

菜々子「へへっ、ごゆっくり〜」

スタスタ

律「うめえ!」

梓「おいしいです!」

紬「よかったわね〜」

静花「誰にでも取り得はあるという事ですわ」

菜々子「一言多いんだよお前は!」

秋子「あら・・・?」

菜々子「かつおぶし持ってきたから適当にまぶして。じゃね」

スタスタ

静花「・・・料理に関しては煩いですから、あの方は」

律「うるさいのは」フガッ

紬「だめっ」

律「分ーかってるよ」

梓「おいしいですね」モグモグ

律「どうして私より食べているのかなー?」
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:15:17.36 ID:w42l6+ooo

梓「よっ」ピョン

シュタ

梓「岡山です!」

律「ついにここまで来たかー!」

紬「ん〜・・・」ノビノビ

梓「あっという間でしたね、律先輩!」

律「あぁ、びっくりするぐらいの時間の速さだぜー」

紬「楽しい時間の流れは計れないわね〜」

梓「次はいよいよ広島ですよ」

律「仙台から乗って来たんだよな〜」

紬「駆け込み乗車だったね」

梓「危ないですよ」

律「しょうがないだろ〜、ヴェガの場所が分からなかったんだから」

紬「どうして澪ちゃんと来なかったの?」

梓「澪先輩はちゃんと前日にきてましたよ」

律「どういうわけか澪が一人で先に行くって聞かなかったからさ・・・」

紬「・・・そうなの」

梓「・・・予感でもあったんですかね」

律「お互い引き寄せられたのかもな」

紬「うん、そうなんだと思う」

梓「たまにいい事いいますよね、律先輩」

律「・・・」

グリグリ

梓「無言ですか!離してください!」ジタバタ

紬「・・・」
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:17:09.71 ID:w42l6+ooo

風音「あ、あのっ!」

律「どうした?」

梓「・・・?」

風音「ゴロウを見ませんでしたか!?」

紬「どうしたの・・・?」

風音「ゴロウったら部屋のドアの開け方覚えちゃったみたいで・・・、
   どこかへ行ってしまったんです」オロオロ

律「なにぃー!」

梓「誰ですか?」

紬「こ、小熊よあずさちゃん!」

梓「小熊?」

風音「ど、どうしよう」オロオロ

修治「ここで降りたとしてもそんなに遠くへ行ってないと思うんだ」

風音「そ、そうですね」

律「修治も探してたんか」

修治「そうです」

梓「・・・?」

修治「俺はヴェガの先頭辺りまで探してくるから」

タッタッタ

風音「お願します!」

紬「それじゃ、私たちは」

律「ふむ・・・、梓と私は車内を探すか」

梓「・・・わ、分かりました」

紬「風音さんは私と展望車方向を探しましょう」

風音「は、はい」

律「絶対乗り遅れるなよ!」

紬「分かった!」

タッタッタ

律「梓行くぞ、他の乗客に見つかったら厄介だ」

梓「はい!」
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:18:44.26 ID:w42l6+ooo

風音「ゴロウ・・・」

紬「・・・」

風音「・・・どこ行ったの・・・・・・」

紬「みんなで探しているからすぐ見つかるわ」

風音「は、はい・・・」

紬「・・・」キョロキョロ

風音「・・・」

ガサゴソ

紬「・・・?」

風音「・・・ゴロウ」

紬「風音さん、あれ!」

風音「あっゴロウ!!」

紬「線路に降りて」

風音「・・・っ!」

ザッ

紬「風音さん・・・!」

ザッザッザ

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

風音「ゴロウ!」

ギュウ

紬「・・・」

ゴロウ「・・・グァ」

風音「もぅ・・・」

紬「怪我は無い?」

風音「・・・はい、大丈夫みたいです」

紬「良かった・・・。つかまって」

風音「は、はい」

紬「よいしょ」

グイッ

風音「・・・っ!」

紬「・・・ふぅ、よかった〜」

風音「紬さん力強いですね」
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:19:10.76 ID:w42l6+ooo

紬「うふふ」

風音「ほら、ゴロウもお礼を言って」

prrrrrrrrrrrrrr

紬「大変!早く乗らなくちゃ!走って!」

タッタッタ

風音「は、はい!」

タッタッタ

風音「あ・・・」

修治「・・・」コクリ

紬「私たちもはやく!」

風音「はい!」

プシュー

ガタン ゴトン ガタンゴトン

紬「はぁ〜、よかった間に合って」

風音「・・・すいません、迷惑かけっぱなしで・・・」

紬「ううん。協力するって言ったわ」

風音「・・・っ!」

紬「さて、ここ展望車から個室までが勝負よ」キラン

風音「・・・そうですね」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:20:05.01 ID:w42l6+ooo

しのぶ「いらっしゃいませ、遊んでいかれますか?」

紬「ええと、後でまたきます」

しのぶ「そうですか。・・・あら?」

風音「!」ギクッ

しのぶ「それは・・・クマの人形ですか?」

紬「あ、あの・・・」

梓「しのぶさん、ゲームしたいので預けたコインをお願します」

しのぶ「はい、少々お待ちください」

スタスタ

梓「今です!」

紬「あずさちゃんありがと〜」

風音「ありがとうございます」

ゴロウ「・・・」
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:20:36.68 ID:w42l6+ooo

紬「やっと四号車まできたわね・・・」

風音「人が来ます・・・っ!」

紬「ど、どうしよう」

緑「そのまま行けば大丈夫よ」

紬「え・・・?」

緑「人形として扱えば疑われないって事」

風音「し、知ってたんですか・・・?」

緑「何度か外に連れ出してるでしょ・・・」

風音「・・・」

ゴロウ「・・・」

紬「行きましょう・・・」ゴクリ

風音「・・・はい」ゴクリ

「・・・」スタスタ

紬「・・・」トボトボ

風音「・・・」トボトボ

「・・・」スィー

紬「・・・」ホッ

風音「・・・」ホッ

紬「ありがと・・・あら?」

風音「いませんね・・・」

ゴロウ「・・・ガァ」モゾモゾ
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:22:02.22 ID:w42l6+ooo

紬「個室が遠いわ・・・」

風音「・・・はい」

紬「!」

風音「食堂車のコックさん!?」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

風音「動かないで」ヒソヒソ

コック「ん?どうした?」

紬「い、いえ・・・なんでも〜」

風音「ないですよ?」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

コック「おい、それ・・・」

修治「ごめんなさい料理長!」

コック「ん?」

修治「正直に言います。中華鍋を持ち出してそれに砂を入れて筋トレしてましたー!」

コック「よし、よく言った。来い」グイッ

修治「お手柔らかに・・・」ズルズル

コック「皿洗いだけで済ませてやる」

修治「やった!」

紬「・・・ふぅ」

風音「修治さんに悪いことを・・・」

律「気にすんなって、喜んでいたからさ」

紬「喜んでいたの?」

律「やった!って言ってただろ?」

風音「それは違うんじゃ・・・」

ゴロウ「・・・」

風音「もぅ・・・今ごろ大人しくして!」

紬「うふふ」

律「さ、あとは1号車と売店車だ!」

風音「・・・」

紬「このまま行きましょー」
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:25:28.46 ID:w42l6+ooo


車掌「あら?」

紬「・・・」

風音「・・・」

律「・・・」

ゴロウ「・・・」

車掌「それはクマのぬいぐるみですか?」

紬「は、はい、そうです」

風音「・・・」ウンウン

律「・・・」

車掌「私クマのぬいぐるみ大好きなんです。抱かせてくれませんか?」ウキウキ

紬「え、えぇと・・・」

風音「あ、あの・・・」

律「車掌さんに相談したい事があるんですが・・・」

車掌「はい。よろしいですよ」

律「・・・ここじゃなんですから」

車掌「車掌室でよろしいですか?」

律「はい・・・」

紬「りっちゃん・・・?」

律「ちょっと話してくる・・・後でなー」

スタスタ

風音「律さん・・・私のために?」

紬「そうだと思ったんだけど・・・雰囲気が・・・」

ゴロウ「・・・ガァ」モゾモゾ
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:26:40.16 ID:w42l6+ooo


風音「本当に・・・ありがとう・・・」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

紬「いえいえ〜」

風音「それでは後ほど・・・」

紬「うん、後でね」

風音「はい」

バタン

紬「・・・」
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:27:58.57 ID:w42l6+ooo

車掌「どうぞお掛けください」

律「・・・はい」

車掌「・・・」

律「・・・むぎの事なんですけど」

車掌「はい」

律「・・・むぎは何に耐えているんでしょうか」

車掌「・・・」

律「・・・たまに、らしくない表情するんです」

車掌「田井中さん」

律「は、はい」

車掌「自然に話をしてくれて構わないですよ」

律「あ・・・」

車掌「・・・」

律「うん・・・ありがと。梓もそれに気づいてて・・・私も広島で降りるから」

車掌「不安ですか?」

律「うん・・・」

車掌「唯さんと澪さんも、今の律さんと同じ顔なされていましたね」

律「え・・・唯も・・・?」

車掌「はい。気づかないフリをしていたのか、安心していたのかは分かりませんが」

律「そうか・・・だから部室で演奏しようって言いだしたのか・・・秘密だって言ってたくせに」

車掌「・・・」

律「澪は分かるけど・・・、意外だ」

車掌「唯さんはそういう所敏感に察知していらっしゃいましたよ」

律「・・・私らの方が付き合い長いのに」

車掌「私も色々な乗客をみてきましたから」

律「そっか・・・」

車掌「私どもに・・・、いえ乗客みなさんを信じてもらえないでしょうか」

律「え・・・?」

車掌「菜々子さん、静花さん、秋子さん、風音さん、緑さんです」

律「・・・!」

車掌「みなさん、紬さんに惹き寄せられた方ばかりだと思いますよ」

律「・・・うん、そうだな・・・分かった!」

車掌「ありがとうございます」
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:28:25.95 ID:w42l6+ooo

ガチャ

律「ありがとー!」

車掌「いえいえ」

バタン

紬「・・・」

律「あ、むぎ・・・」

紬「りっちゃん・・・」

律「・・・」

紬「・・・」

律「・・・やっぱりむぎはすげえな」

ギュ

紬「えっ?」

律「さ、梓の所行こうぜー!」

グイグイ

紬「り、りっちゃん」

966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:29:27.53 ID:w42l6+ooo

ジャラジャラジャラ

梓「うーん・・・」

ピッ

しのぶ「4よりHiかLowか」

梓「Low」

タララッター

しのぶ「正解」

梓「・・・」

しのぶ「次はQよりHiかLowか」

梓「Hi」

タララッター

しのぶ「すごいですね」

梓「・・・」

しのぶ「次は7」

梓「・・・Hi」

タララッター

しのぶ「・・・ついてますね」

梓「スリルが味わえませんね」

律「贅沢だぞー」

紬「すごいわ、あずさちゃん!」

梓「あ、どうでしたか?」

紬「大丈夫よ〜」

梓「そうですか、よかったです」
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:30:26.13 ID:w42l6+ooo

しのぶ「中野さんすごいですよ、今まで外していません」

律「すごいなー、どうしたんだよ」

梓「・・・いつもなら喜べるんですけど」

紬「・・・嬉しくないの?」

律「お、勝者の余裕か?」

しのぶ「・・・」

梓「・・・律先輩続きやります?」

紬「えーと、次で勝てば倍の2000枚ね」

律「なんでそんな大舞台を私に託すんだよっ」

梓「・・・いえ」

しのぶ「勝負師の血が騒ぎませんか?」

紬「騒がない?」

律「そんな血流れてねえ!」

梓「そうですか。えと、5よりLowで」

タララッター

しのぶ「正解」

梓「変な勝ち方ばっかりするんです、この運は逆に・・・怖いです」

紬「怖い?」

梓「・・・はい、最初はこのラッキーコインのおかげだと思ったんですけど」

紬「・・・?」

律「よし、やってやるよー!」

しのぶ「次勝てば4000枚ですよ!」

紬「頑張って!」

梓「・・・KよりHiかLowか」

律「なんだこれ楽勝〜」

ピッ

しのぶ「あ、ドローです」

律「・・・」

紬「次はジョーカーよりっちゃん!」

梓「ジョーカーより上はAだけです」
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:31:24.07 ID:w42l6+ooo

律「じゃあLowだろ」

しのぶ「よろしいですね?」

律「そういうプレッシャーは・・・」

梓「・・・私はHiです」

紬「私も」

しのぶ「ノーコメントで」

律「・・・私が意見に左右されてしまいそうだー!」

梓「・・・」

律「ぐっ・・・HiとみせかけてLowだ!」

ピッ

しのぶ「A」

梓「残念です」

律「なっ!?」

紬「あらあら」

梓「先輩方続けますか?」

律「いや、いい・・・」

紬「私もいいわ〜」

梓「それじゃ止めましょう」

しのぶ「帳簿のコインはどうなさいますか?」

梓「むぎ先輩ゲームします?」

紬「一緒に遊べる人がいないわ」

梓「そうですか・・・。それならしのぶさん、帳消しでお願します」

しのぶ「はい、かしこまりました」

律「ちなみに何枚あったんですか?」

しのぶ「5万枚です」

律「えー!」

梓「少しもったいないですね。お世話になりました」

しのぶ「いえいえ、楽しんでいただければなによりです」ニコ
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:31:54.60 ID:w42l6+ooo

ちひろ「いらっしゃいませ〜」

紬「広島の観光ガイドをお願します」

ちひろ「はい、どうぞ」

紬「ありがとうございます」

ちひろ「・・・あ、そういえばお客さん?」

紬「はい?」

ちひろ「・・・」

紬「?」

ちひろ「みなさんと仲良しさんですよね〜」

紬「そ、そう見えますか?」

ちひろ「はい〜」

紬「・・・それでは」

ちひろ「また来て下さいね〜」
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:33:05.36 ID:w42l6+ooo

―――――3号車

律「私はもう車掌さんたちと乗客みんなを信用したから、安心したぜ」

梓「・・・そうですか」

律「梓は明日の朝までにみんなを見る時間があるんだからさ、じっくりむぎと一緒に過ごせばいいさ」

梓「・・・はい」

律「・・・よし」

梓「・・・」

律「だからその顔はもう無しだ」ムニー

梓「ひょ、りふせんふぁい!」ジタバタ

紬「あらあら、どうしたの?」

律「いや、ちょっと教育をね」

梓「・・・まったく、どこまで似るんですか」ブツブツ

紬「うふふ」

律「お、広島の観光ガイド買ったのか〜、見せて!」

梓「律先輩帰るじゃないですか」

紬「・・・」

律「こういうのをみて旅気分を味わうのもまた一興です」フフン

梓「そうですね。でも私たちは」

律「なにー!」

サッ

梓「むぎ先輩、どこへ行きましょうか」

紬「そうね」

律「回避能力が鍛えられたようだな」

梓「おかげさまで・・・」

紬「何処か行きたい所ある?」

梓「私が決めていいんですか?」

紬「えぇ、もちろん」ニコニコ

梓「むぎ先輩」キラキラ

律「・・・」

紬「夜にお好み村へ行くのよね?」

梓「そうです」

律「・・・」

紬「4時に到着だから・・・」

梓「その界隈ですね」

紬「そうね」
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:34:36.97 ID:w42l6+ooo

梓「厳島神社はどうですか?夕方の神社もいいですね」

紬「おぉー、それはいいわね〜。あ、でも、お土産買うなら中央通りよ?」

梓「あ、忘れてました」

紬「うーん」

梓「うーん」

律「駅で買えばいいんじゃないの?」

紬梓「「 選んでいる時が楽しいの(です) 」」

律「あ、そう・・・」

静花「律さん、横にずれていただけます?」

紬「あ、静・・・花さん・・・」

律「ど、どうぞ」

梓「どうしたんですか?」

静花「菜々子さんが車内販売で通りますから、あの女の本性をさらけ出しますわ」

紬「あらあら」

律「そこまでするんですか・・・」

梓「なんか必死ですね・・・」

静花「フフフ、さぁいらっしゃい菜々子さん・・・」

ガラガラ

菜々子「えー、まいど、大阪名物たこ焼きはいかがですかー!」

律「さっきお好み焼き食べたからいいや」

梓「そうですね」

静花「店員さん冷凍みかんをくださいな」

菜々子「残念でした売り切れで〜す」

静花「まぁ・・・」

菜々子「あんたに売る冷凍みかんはございませ〜ん」

静花「なんたる屈辱・・・」ワナワナ

梓「冷凍みかんあったんですか?」

菜々子「あぁ、さっきまでな。結構売れるんだよ」ニヤニヤ

紬「食べたかったですね・・・」

静花「そうですわね・・・」
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:35:52.90 ID:w42l6+ooo

菜々子「汚ねえ・・・、今の私の台詞が嫌味になっただろ静花!」

静花「今のが嫌味以外でどう受け取れとおっしゃるの!?」

菜々子「もうちょっと待っててな、紬ちゃん」

紬「用意できるんですか?」

菜々子「あぁ、今冷凍中だからさ」

紬「ありがとうございます〜」

菜々子「いえいえ」ニコニコ

静花「そうですか・・・。しょうがないですわね」

菜々子「はぁ?あんたに売るものは無いって言っただろ、耳掃除してこいよ!」

静花「どうですか律さん?」

律「え?」

静花「底意地の悪さが露呈されましたわ」

梓「ちょっとずるいですよ」

静花「な、なんですって!?」

菜々子「あんたの策略が裏目に出たみたいだね〜。株が暴落だよ!あっはっは」

ガラガラ

静花「きぃーーー!うまくいきませんわ!」

梓「当然だと思います」

律「うんうん」

静花「改めて参りますわ・・・。まってなさいよ菜々子さん、いつかギャフンと言わせて見せますわ」

スタスタ

紬「うふふ」

律「どうして笑ってるんだ、むぎ?」

梓「・・・?」

紬「だって、楽しそうだったから〜」

律「そ、そう見えたのか・・・」

紬「えぇ〜」

梓「・・・」
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:38:56.04 ID:w42l6+ooo

紬「もぐもぐ」シャクシャク

梓「夏といったら冷凍みかんと言っても過言ではないですね」

律「うん」シャクシャク

紬「おいしい〜」

梓「はい」シャクシャク

律「うめえー!」

風音「あ、みなさん・・・」

ピノ「ピピッ」

紬「風音さんも座ってはいかが?」

梓「お喋りしましょう」

風音「それでは失礼します」

律「冷凍みかん食べる?」

風音「それでは一つだけ」

紬「どうぞ」

風音「いただきます」シャクシャク

ピノ「ピッ」

風音「冷凍されてるからダメだよ」

梓「残念だねピノ」

律「あれ、がっつかないのか?」

梓「いいんです。来ないものは来ないで、それで納得します」

ピノ「ピピッ」

紬「立派よあずさちゃん!」

律「なにがだ」

風音「先ほどは助けていただいて・・・」

紬「いえいえ〜」

梓「うん」シャクシャク

律「いいって事よー」

ピノ「ピピッ」

風音「ありがとう・・・」
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:39:50.35 ID:w42l6+ooo

修治「おっ、まったりしてんね」

律「皿洗い終わったのか?」

修治「うん・・・、あまりなかったからさ」

梓「どうぞ」

修治「ありがと」シャクシャク

風音「修治さんにも助けていただいて・・・」

修治「冷凍みかんっておいしいな! いいよー、気にしないで。もう一個ちょうだい」

律「残念でした、もうありませ〜ん」

紬「あ、菜々子さんのマネね!」

風音「クスクス」

修治「菜々子さん?」

梓「さっき車内販売で売ってましたよ」

律「売り切れだぞ」

修治「買って・・・え!?」

風音「売り切れだそうですよ」

修治「それは?」

律「がっつくな!」

紬「ピノちゃんのために解凍してます」

ピノ「ピピッ」

修治「ちょっと行って来る」

タッタッタ

梓「売り切れって言ったのに・・・」

律「冷凍させようとしてんだろ・・・。凍らせるみかんが無いって言ってたのにな」

紬「骨折り損ね」

風音「クスクス」

梓「あ、風音さんは到着後どこへ行くか決めました?」

風音「いえ・・・、まだ決めてません」

紬「それなら一緒にお好み村へ行かない?」

律「お好み焼き食べてきな!」

風音「そうですね・・・。ご一緒します」

紬「やった!」

梓「よかったです」
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:41:04.70 ID:w42l6+ooo

風音「北上さんにもゴロウの事知られていましたね」

紬「そうね、ビックリしたわ」

律「へー」

風音「助言をくれて助かりました」

ピノ「ピピッ」

梓「そうなんですか・・・。そういえばピアノを弾いていましたね」

紬「聞きたかったわ」

律「なに弾いてたんだ?」

梓「ジムノペディを・・・上手でしたよ。柔らかくて」

紬「ジムノペディ・・・」

律「へぇ・・・意外だな」

風音「優しい人だと思いますよ」

ピノ「ピピッ」

紬「うん、そう思う」

梓「そうですね、いい音を奏でる人ですから」

律「ほぅ・・・」

風音「音楽に携わっている人が言うんですから、間違いなさそうです」

紬「弾き手によって・・・音は変わりま・・・?」

梓「変わり・・・?」

律「・・・なにを言いかけたんだむぎ?」

風音「?」

紬「今の台詞・・・どこかで・・・?」

梓「?」

律「苦悩してるな・・・、よく分からないけど」

風音「あ、そろそろ広島に到着ですよ」

紬「うーん・・・」

梓「律先輩は荷物の整理どうですか?」

律「バッチリだぜー!」ブイ

風音「それじゃ、後で見送りにいきますね」

ピノ「ピピッ」

律「サンキュー!」

ガタンゴトンガタンゴトン
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:42:27.29 ID:w42l6+ooo

―――――平沢邸

ガチャ

唯「ただいま帰ったよ!」

トテトテ

憂「あ、お姉ちゃんおかえり〜」

唯「だたいまーういー!」

憂「お姉ちゃん疲れてない?」

唯「大丈夫です!」

憂「すぐ出かけるんだけど・・・」

唯「分かったよ!」

憂「・・・。和ちゃんにも挨拶してきたらどうかな」

唯「そうだね。ついでにお土産もっていくよ!」

憂「うん、はやく戻ってきてね」

唯「了解です!」

バタン

唯「えっほ、えっほ」

タッタッタ
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:43:33.43 ID:w42l6+ooo

ピンポーン

唯「・・・」

ガチャ

和「あら、今帰ったの?」

唯「うん」

和「・・・ちょっとまっててね」

唯「・・・」

和「外で話しましょう」

唯「・・・うん」

バタン

和「どうしたの?」

唯「はい、お土産」

和「ありがと・・・、開けていい?」

唯「どうぞ〜」

和「どうぞ・・・って、これ憂にじゃないの?」

唯「え?」

和「名前書いてあるじゃない」

唯「間違えちゃった〜」

和「・・・」

唯「えへへ・・・」

和「・・・」

唯「・・・」

和「・・・どうだった?」

唯「楽しかったよ〜・・・」

和「そう・・・。無事に帰ってきてくれてよかった」

唯「・・・っ・・・うん」

憂「お姉ちゃん、間違えて持っていったでしょ〜」

唯「うい・・・」

憂「荷物運ぼうとしたらこぼれたから・・・」

唯「ありがと〜」

憂「はい、どうぞ」

唯「うん、はいどうぞ」

和「ありがと、はいどうぞ」

唯「うん、はいどうぞ」

憂「私にもあるの?ありがとー!」
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/09(土) 23:44:32.51 ID:w42l6+ooo

和「形状が違うのにどうして名前書いたのよ」

唯「さわちゃんのと間違えないようにする為です!」

憂「でも他になかったよ?」

唯「むぎちゃんが持ってるからです!」

和「開けるわね・・・」

ガサガサ

和「これは・・・?」

唯「指揮者のタクトだよ。キレイだよね〜」

和「そ、そうね」

憂「私も開けていいかな」

唯「どうぞ」

ガサガサ

憂「アコーディオン・・・」

唯「ふんす!」

憂「キレイなガラス細工だね。ありがとう、おねえちゃん」キラキラ

和「ありがと・・・」

唯「和ちゃん喜んでない!?」

和「タクトといえば聞こえはいいけど・・・ガラス細工のタクトって・・・変よね」

唯「ひどい!?」

和「気持ちが嬉しいわ」

唯「そうかな」

和「えぇ」

憂(元気になった・・・かな)

唯「・・・」

和「・・・」

憂「・・・」

和「唯、明日勉強しない?」

唯「え・・・?」

和「その時にでも話の続きを聞かせて」

唯「うん!」

憂「そろそろ行こうか、お姉ちゃん」

唯「そだね、じゃあね和ちゃん」

和「あ、まって唯」

唯「ん?」

和「おかえり」

唯「う・・・んっ・・・ただいま!」
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 00:07:01.70 ID:15W5YCWMo

―――――澪の部屋

ガチャ

バタン

澪「・・・」

ゴト

澪「荷物の整理は帰ってきてからだな」

スタスタ

澪「・・・はぁ」

ゴロン

澪(・・・『ヴェガを見送る気持ち』・・・か。確かに変な感じだったな)

澪「・・・」

澪(そろそろ・・・でかける・・・じゅん・・・び・・・)

澪「」ウトウト

pipipipipipipipipi

澪「!」

ピッ

澪「・・・もしもし」

『あ、もしもし澪ちゃん?』

澪「どうした、唯?」

唯『あのね〜、明日和ちゃんと勉強するんだけど、澪ちゃんもどうかなーって』

澪「明日は都合が悪いな・・・」

唯『そっか〜、残念だよ』

澪「・・・」

唯『さっきね〜和ちゃんとういに異人館で買ったお土産を渡したんだ〜』

澪「そっか・・・、和の反応はどうだった?」

唯『・・・あんまり喜んでくれなかったよ』

澪「ガラス細工の指揮棒だからな。反応しにくいかも」

唯『えへへ〜、そうだよね』
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 00:07:29.18 ID:15W5YCWMo

澪「・・・唯は疲れてないのか?」

唯『帰りの列車で眠っていたから、大丈夫だよ』

澪「そっか」

唯『澪ちゃんは疲れたの?』

澪「あぁ、少しだけな」

唯『ゆっくり休んでね』

澪「・・・うん。今もベッドで横になってる所」

唯『自分の部屋ってかなり落ち着くよね』

澪「・・・そうだな。落ち着きすぎて眠ってしましそうだった」

唯『・・・そっか』

澪「・・・」

唯『・・・』

澪「明日何時まで勉強するの?」

唯『え〜と、ね。夕方?』

澪「分かった。顔出せるように頑張るよ」

唯『ほんとー!?やったよ!』

澪「はは、・・・じゃあな」

唯『うん・・・、またね〜』

プツッ

澪「・・・」

澪(日常に戻ってきたんだな・・・)

澪「そうだ・・・」

ガバッ

澪「むぎからもらった小樽の・・・」

ガサゴソ

澪「・・・」

コト

澪「・・・」ナデナデ

澪(出かける準備・・・するか・・・)

ガチャ

バタン
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 00:11:43.61 ID:15W5YCWMo
紬「最終駅へ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1302361807/

続きはこっちへいきます

ラストスパートかけたいけど・・・眠い!
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/04/10(日) 01:11:52.41 ID:UV4twwHMo
____   r っ    ________   _ __
| .__ | __| |__  |____  ,____|  ,! / | l´      く`ヽ ___| ̄|__   r‐―― ̄└‐――┐
| | | | | __  __ |  r┐ ___| |___ r┐  / / | |  /\   ヽ冫L_  _  |   | ┌─────┐ |
| |_| | _| |_| |_| |_  | | | r┐ r┐ | | | /  |   | レ'´ /  く`ヽ,__| |_| |_ !┘| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|‐┘
| r┐| |___  __|. | | | 二 二 | | |く_/l |   |  , ‐'´     ∨|__  ___| r‐、 ̄| | ̄ ̄
| |_.| |   /  ヽ    | | | |__| |__| | | |   | |  | |   __    /`〉  /  \      │ | |   ̄ ̄|
|   | / /\ \.   | |└------┘| |   | |  | |__| |  / /  / /\ `- 、_ 丿 \| | ̄ ̄
 ̄ ̄ く_/   \ `フ |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |   | |  |____丿く / <´ /   `- 、_// ノ\  `ー―--┐
           `´ `‐' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐'     ̄          `  `´          `ー'    `ー───-′
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 07:15:39.36 ID:mvpdt5ZDO
決定しとるがな
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 18:53:21.44 ID:t2ZyOjcIO
やっと追いついた…と思ったら次スレか
投下スピードが速くて追いつけねぇ
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 21:47:57.88 ID:15W5YCWMo
そうだったのか
量が量だからポンポン投下したんだけど・・・裏目か
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/10(日) 23:08:27.41 ID:t2ZyOjcIO
>>985
全然問題ない
これぐらいのペースでいいよ
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/10(日) 23:29:42.52 ID:15W5YCWMo
ok
なんかじゃねの調子がわるい
二十投稿しちゃった
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