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とある魔術の上条当麻くん - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:49:47.46 ID:QW00j60AO


上条「あれ? 俺布団干したっけ」

ガラッ

上条「な、なんだこれ……」

 ベランダに出た上条、その目の前に現れたのは、

インデックス「…………」

ステイル「…………」

神裂「…………」

 日干しされている男女合わせて三人であった。

上条「え? 何この状況」

インデックス「ォ、――――――」

上条「お?」

インデックス「おなかへった」

上条「…………は?」

ステイル「お腹が減ったと言っているんだ」

神裂「何か食べ物を頂けると嬉しいのですが……」

上条「えー……」
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/07/15(火) 00:39:16.20 ID:qbAcbrETo
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猫饅頭 @ 2025/07/14(月) 19:14:21.34 ID:1knELuPaO
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(安価&コンマ)コードギアス・・・ @ 2025/07/13(日) 22:27:49.60 ID:9f2ER2kw0
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KU-RU-KU-RU Cruller!Neo @ 2025/07/13(日) 21:55:45.76 ID:YIcI6tEGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752411332/

ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
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今日の疑問手 @ 2025/07/13(日) 19:07:12.02 ID:ZqmtXqZ3o
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旅にでんちう @ 2025/07/13(日) 13:03:56.58 ID:cdEpW45FO
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:50:17.53 ID:QW00j60AO


 上条当麻。

 一見するとただのツンツン頭の高校生だが、この学園都市においては異なる。
彼の右手は『幻想殺し』と言われ、それが異能の力であるならば無効にしてしまう。
学園都市という場所では、彼の存在は二三〇万分の一の『天災』と言えよう。


 その右手は今――、


インデックス「がつがつ、もぐもぐ、おかわりなんだよ!」

ステイル「んぐんぐ、ちょっと味が、んぐっ、薄いんじゃないかな?」

神裂「そうですか? 私はこれくらいが、もぐもぐ、丁度いいかと」

料理を作っていた。

上条「お前ら少しは遠慮というものを……」

インデックス「はーやーくー!」

上条「だー! わかったからちょっと待ってろ!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:50:54.62 ID:QW00j60AO


インデックス「けぷ、それなりに美味しかったんだよ」

ステイル「そうだね、それなりに美味しかったね」

上条「殴っていいか?」

神裂「二人とも、きちんとお礼は言わないといけませんよ」

インステ「はーい」

上条「……で、お前達はいったい何なの?」

インデックス「そういえば自己紹介がまだだったね。
        私はインデックス、見ての通り教会の者です」

ステイル「僕はステイル=マグヌス、僕も見ての通り教会の者だ」

神裂「私は神裂火織、私も見ての通り教会の……何ですかその目は」

上条「いや、お前は見ての通りって無理があるだろ」

神裂「なっ……! これにはきちんと意味があるのです! 二人とも、何か言ってやって下さい!」

ステイル「うん、確かに無理があるね」

インデックス「ちょっとアレな人にしか見えないんだよ」

上条「だよな」

神裂「うう……」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:53:03.29 ID:QW00j60AO


上条「ところで、インデックスって本名なのか? 明らかに偽名みたいなんだが」

インデックス「むむっ、失礼な事を言わないでくれるかな。私は禁書目録と呼ばれて、
        この頭の中に一〇万三〇〇〇冊の魔道書とか色々所蔵されているんだよ!」

神裂「あっ、口元にご飯粒がついていますよ」

インデックス「えっ、どこどこ?」

神裂「ここです……よし、取れました」

インデックス「ありがとう。という訳でわかったかな?」

上条「へー、良くわかんないけどスゴいんだな」

ステイル「君……良くわかんないけどってのはどういう事だい? この子がどれだけ大切な存在か分かっているのか!?」

上条「えっ、いや、そんないきなり言われても……あと魔道書? 何だそれ?」

神裂「魔道書というのは私達、魔術師にとって重要な物なのです」

上条「はあ……ん? 魔術師?」

ステイル「あっ」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:53:33.23 ID:QW00j60AO


上条「お前達……魔術師さん?」

インデックス「……バレてしまっては仕方が無いんだよ」

ステイル「厄介な事になったね」

上条「自分で言ったんじゃ……まあいいや。しかし、魔術師……ねえ」

神裂「何か言いたそうですね」

上条「ええっと……正直、魔術師(笑)って感じだ」

ステイル「君……僕達を馬鹿にしているのかい!?」

上条「いやいや、馬鹿にはしてないのでございますの事よ。ただ……魔術師(笑)」

インデックス「どう考えても馬鹿にしているようにしか見えないんだよ!」

上条「だから馬鹿にしてないって、魔術師さん(笑)」

インデックス「むっきー!」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:54:15.96 ID:QW00j60AO


神裂「確かに、いきなり魔術師と言っても信じては貰えないでしょうね」

インデックス「むー……どうにかしてこの人に魔術はあるって事を証明したいんだよ!」

ステイル「ならば僕がやろう」

上条「トランプとか使う?」

ステイル「冗談はここまでにして貰おうか。……うんぬんかんぬん……イノケンティウス!」ボンッ

上条「うおっ!?」

イノケン「がおー!」

インデックス「……ちっちゃいんだよ」

ステイル「あっ、ルーンを貼るの忘れてた……」

※実際のステイルとは異なります
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/04/12(火) 16:55:34.81 ID:LVRPofIh0
面白そう期待
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:56:03.09 ID:QW00j60AO


上条「おおっ! 何も無い所からぬいぐるみが……って、やっぱり魔術師とか嘘だろ」

ステイル「ぐぬぬ……良く見てみろ! イノケンティウスから炎が出てるじゃないか!」

イノケン「うがー!」ボォッ

上条「あー、ライターにもなるのかコレ。しかも動いてるし、良く出来てるな」

神裂「ちょっと可愛いですね、コレ」

ステイル「……君までそんな事を」

上条「電池何本使ってんだろ。ちょっとどんなものか触らせてくれよ」

ステイル「あっ、物凄く熱いはずだから触ると」

上条「どれどれ……っ!」バキン

インデックス「……消えちゃったんだよ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:56:29.43 ID:QW00j60AO


ステイル「イノケンティウスが……。なっ、何をしたんだ!?」

上条「あれ? 右手で消えたって事はまさか……。
    なるほど、魔術師って本当に存在したんだな」

インデックス「右手が何か関係あるの? 説明して欲しいかも」

上条「ああ、この右手は『幻想殺し』と言って、
    それが異能の力なら何でも打ち消してしまうんだ」

神裂「本当に何でも打ち消せるのですか?」

上条「今のところは、な」

ステイル「どれ」ボォッ

上条「うおっ!?」バキン

インステ神「おおー」パチパチ

上条「危ねえだろがっ!」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:57:35.28 ID:QW00j60AO


上条「という訳でこの右手で消えた物=異能の図式が成り立ち、
    さすがに学園都市と言ってもこんな物作り出す能力は無いので、
    魔術というモノを信じざるを得ないのでした」

インデックス「誰に向かって話してるの?」

上条「まあそれは良いんだよ。しかし、その魔術師が何でこんな学園都市なんて場違いな所に居るんだ?」

インデックス「……実は、悪い魔術師に追われていたんだよ」

上条「悪い魔術師……さっき言ってた膨大な魔道書、それを狙った奴って所かな」

ステイル「なかなか鋭いね。この子を悪用しようとする者は確かに存在する」

上条「で、その悪い魔術師ってのはどこに居るんだ?」

インステ神「……あっ」

上条「どうしたんだよ」

インデックス「こ、この二人が悪い魔術師なんだよ!」

上条「……はあ?」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:59:22.31 ID:QW00j60AO


上条「いやいや、お前達仲良さそうに飯食ってたじゃないか」

ステイル(はっ! 一緒にご飯を食べるのが楽しくてつい和んでしまった……)

神裂(まずいですね……私達はあくまでも悪い魔術師。……ステイル!)

ステイル(ああ、わかっているよ。……いくぞ!)

ステイル「ハッハッハ! バレてしまっては仕方ないね。その通り!
      僕達は禁書目録を悪いことに使おうとする悪い魔術師さ!」

神裂「そ、そうです! 大人しくその子を渡してもらいましょうか!」

インデックス「ううう……大ピンチなんだよ!」

上条「…………」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 16:59:48.95 ID:QW00j60AO


ステイル「どうした! 怖じ気づいたのか!? 今だったら許してやらない事も無いぞ!」

神裂「私達は悪い魔術師です! 命を奪うのも容易いのですよ!」

上条「…………」

インデックス「な、何で黙ってるの!? 黙ってないで助けてよ!」

上条「えっ、助けて欲しいの?」

インデックス「こんな可愛い+か弱い女の子の危機を見過ごすなんて有り得ないんだよ!」

上条「自分で言うなよ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 17:00:57.07 ID:QW00j60AO


上条「あー……面倒くさいけど助ければいいんだな?」

インデックス「……君に地獄の底までついてくる覚悟はある?」

上条「は?」

インデックス「私を助けるのはとても大変だと思うんだよ……それでも、私を助けてくれる?」チラッ

上条「いや、そこまで言われたら傍観させてもらうけど」

インデックス「……こほん。私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」チラッ

上条「えっと、だから」

インデックス「ついてきてくれる?」チラッ
ステイル「…………」チラッ 神裂「…………」チラッ

上条「魔術師って……うざいな」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 17:01:25.33 ID:QW00j60AO


上条「地獄の底とか良くわかんないけど、仕方ないから助けてやろう」

ステイル「フッ……ならば君には消えて貰おう!」

上条「いや、ちょっと待てって」

インデックス「どうしたの?」

上条「おい、そこの悪い魔術師とやら」

神裂「何ですか? 私達は悪い魔術師ですから気が短いのですが」

上条「無理すんなって……。お前達、このシスターと知り合いか何かだろ。それもかなり親しい間柄だ」

ステイル「な、何を言っているんだい!? そんな訳が!」

上条「シスター、お前口にソース付いてるぞ」

インデックス「えっ、どこどこ?」ゴシゴシ

神裂「ああっ、服で拭ってはいけません! はい、ハンカチです」

インデックス「ありがとう! ……取れた?」

ステイル「うん、バッチリだ……ハッ!」

上条「うん、どっからどう見ても仲良し三人組って感じだな」

神裂「し、しまった!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 17:02:36.53 ID:QW00j60AO


ステイル「……なかなかやるね、君」

インデックス「じゃあ、あなた達は悪い魔術師ではなかったの?」

神裂「……そういう事になりますね」

上条「やっぱりな。でも、何でそんな面倒くさい事したんだ?」

ステイル「それは……この子を守るためだ」

インデックス「私を守るため……?」

上条「守るために狙う、か。どうやら深い事情があるみたいだな」

神裂「……どうしましょう、ステイル」

ステイル「……どうせやる事は変わらないんだ。いいだろう、君にこの子の秘密を教えてやる」

上条(別に知りたいなんて一言も言ってないんだが……いや、どうせ結局聞かされる事になるんだ。
    ここは黙って耳を傾けよう)
16 :人物紹介 [saga]:2011/04/12(火) 17:04:03.83 ID:QW00j60AO


上条当麻
ツンツン頭の不幸少年。料理は作るのも食べるのも好き。

インデックス
銀髪のシスターさん。食べるの大好き。
っていうか食べ過ぎ。

ステイル=マグヌス
赤髪の神父さん。食事しているインデックスを見るのが好き。

神裂火織
露出癖の疑いのある女性。作るのも好きです。

ペンデックス
インデックスさんのピンチに現れるイキな奴。食欲旺盛では無さそう。

イノケンティウス
やる時はやります。でもこのままだとマスコット的なものになりそう。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 17:04:58.01 ID:Y9pldR9Mo
支援
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/12(火) 17:14:18.51 ID:QW00j60AO
あっさりと少ない書きためが消えました
ここで一応注意書きみたいなものを

・緩い感じで進んでいきます
・キャラが崩壊しています
・矛盾、間違いは意図した物もあれば、単純なミスってのももちろんありますのでご容赦ください
・本編→小ネタ→本編→小ネタという感じで進みます
・人物紹介はマンガのページの横にあるあのイメージです

適当更新、至らない所がたくさんあると思いますが良かったら見てやってください

また明日か明後日に投下してとりあえず第一巻の内容は終わると思います
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/04/12(火) 17:17:28.69 ID:y4MyvOXXo
支援
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/04/12(火) 17:20:11.41 ID:wnIi6fNAO
緩いなーww
この緩さのまま原作を追っていってほしい
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 17:44:41.85 ID:h0DcXHXDO
インデックスちゃん、一方通行さんなんたらって宣伝してたやつか
楽しみ紫煙
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/12(火) 17:49:00.64 ID:+qaNJjIK0
このゆるいふいんき嫌いじゃない
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:46:26.05 ID:QW00j60AO


ステイル「禁書目録と呼ばれる彼女が、どこに膨大な量の書物を所蔵しているかは聞いたね」

上条「頭の中にってさっきは言ってたけど、そんな事出来るのか?」

神裂「ええ、それはこの子が完全記憶能力を持っているからこそ成し得る事が出来るのです」

上条「完全記憶能力……見たものは何でも忘れないってやつか」

インデックス「だからどんなに魔道書や邪教本が多くても、私の頭の中に所蔵出来るんだよ」

上条「へえ……あれ? ちょっと待てよ」

ステイル「どうしたんだい?」

上条「お前、完全記憶能力があるならコイツらの事も覚えているはずだろ。
    なのに何で悪い魔術師だー、って事になったんだ?」

インデックス「…………」 神裂「…………」 ステイル「…………」

上条「あっ……もしかして、聞いちゃまずかったか?」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:47:04.63 ID:QW00j60AO


インデックス「……実はね、私にはここ一年の記憶しか無いんだよ」

上条「ここ一年しかって……お前、記憶喪失なのか?」

インデックス「うん、完全記憶能力を持っているのに記憶喪失ってのも変な話だけどね」

上条「いったいどういう……」

ステイル「それについては僕が説明しよう」

神裂「……ステイル!」

ステイル「全てを話すと言ったじゃないか。君、今から言う事を受け止める覚悟はあるかい?」

上条(これは……NOと言える雰囲気じゃないな。
    っていうか飯作ってやっただけなのになんでこんな事に)

ステイル「……沈黙は肯定と受け取るよ」

上条(……残念ながら聞くしか無いみたいだ)
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:48:38.15 ID:QW00j60AO


ステイル「彼女は完全記憶能力という便利なモノを持っている。
      しかし、これは同時に厄介なモノでもあるんだ」

上条「ふむふむ」

ステイル「一〇三〇〇〇冊というのは決して少ない量ではない。
      さらに彼女はその記憶力のせいで外の景色、関係ない人の顔などの不必要な情報まで記憶してしまう」

上条「ほうほう、それで?」

ステイル「つまり、彼女の頭の中はその全てが記憶されてしまいパンパンになってしまうんだ」

上条(パンパン……)

ステイル「そしてその限界を迎えた時、彼女は……死ぬ」

上条「へー……って、えええ!? 死んじゃうのか!?」

神裂「……ええ」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:50:14.30 ID:QW00j60AO


上条「ヤバいじゃん! お前死んじゃうじゃん!」

神裂「お、落ち着いてください!」

上条「いや、関係ないし適当にスルーすればいっかって思ってたけど予想以上に危ないじゃん!」

ステイル「わかってくれて何よりだ。あと、とりあえず落ち着け」

上条「おい! お前どうすんの!? 死んじゃうよ!?」

インデックス「…………」

上条(あっ……そうか。さっきコイツ、地獄がどうとか言ってたし、キチンとわかってるんだよな)

上条「……悪い、お前の気持ちも考えず騒いじゃってごめんな」

インデックス「…………ど」

上条「ど?」

インデックス「ど、どうしよう!! 私死んじゃうの!? まだお腹いっぱい食べて無いのに!?
        嫌だよ! 死にたくない!! 最後の晩餐があんなしょぼい料理だなんて絶対嫌!!!
        せめてステーキ! あと日本で有名なサシーミ!! それと甘いパフェを所望するんだよ!!!」

上条「……魔術師って、いったい」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:50:45.32 ID:QW00j60AO


上条「……うん、なんか落ち着いた」

ステイル「そうかい。では続きを インデックス「嫌だあああ! 死にたくない!! ステーキオアサシーミ!!! ステーキオアサシーミ!!!」

神裂「落ち着いて! 落ち着いて!」

上条「そっちも大変だな」

ステイル「ああ……もっと大変な人の相手をしているからこれくらいは」

上条「これ以上……って相当酷いな」

ステイル「相当酷いよ」

―――

ローラ「へっくしょい! 誰か噂をしたりけるか」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:51:35.97 ID:QW00j60AO


上条「さて、続きを聞こうか」

ステイル「ああ、でも彼女はキチンと生きている。それは何故かわかるかい?」

上条「完全記憶能力……記憶でパンパン……でも記憶喪失……まさか!」

ステイル「そう、周期的に彼女の記憶を消しているんだ。それで何とか彼女は生き続ける事が出来ている」

上条「記憶を消すなんて出来るのか?」

ステイル「僕達は魔術師だ、それ位どうと言う事は無い。……ただ」

上条「ただ?」

ステイル「自分が親しくしていた友人の記憶を消す、というのは正直……辛い」

上条「……そっか」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:53:00.58 ID:QW00j60AO


ステイル「僕も本当は仲良くしたい。しかし、そうなってしまうと……」

上条「記憶を消す時、ためらってしまう。しかしそうしないと死んでしまう……」

ステイル「ああ、これが全てだ。本来、部外者に話すべきではないのだけど、今日の僕はおしゃべりが過ぎたみたいだ」

上条「いや、話してくれてありがとう。……何か、俺に出来る事は無いのか?」

ステイル「はっきり言わせて貰うが、無い。気持ちだけ受け取っておくよ」

インデックス「……そういう事だったんだね」

上条「お前……」

インデックス「ねえ、私とあなた達は……『ともだち』だったのかな?」

ステイル「……この写真を見てくれるかい?」

上条「……! ああ、間違い無い。これは、親友って感じだな」

神裂「……ええ」

インデックス「…………そっか」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/12(火) 18:54:52.39 ID:QW00j60AO


上条「……ごめんな、辛い事や悲しい事を思い出させるような感じになっちまって」

インデックス「ううん、私も何も知らずに記憶を失うより、こっちの方が嬉しいんだよ」

ステイル「……僕にもっと力があれば」

神裂「ステイル……あなただけが悪いのではありません。私も……」

インデックス「二人とも、そんな悲しい顔しないで欲しいかも。
        私の事を思ってくれてるんだったら、私はそれだけで満足なんだよ!」

ステイル「……っ!」

上条「……そんないい笑顔しやがって」

神裂「……ごめんなさい、本当にごめんなさい」

インデックス「泣かないで……大丈夫、私は大丈夫だから」

上条「……クソッ、こんな事があっていいのかよ! 誰か、誰か何とかしてくれ……!」

ガラッ

??「話は全て聞かせて貰ったのですよー」

ステイル「!? 誰だ!」

上条「こ、この声は!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/12(火) 18:56:17.29 ID:QW00j60AO
何か少ないなと思ったら書きためが少しだけ残っていました
今度こそまた次回
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/12(火) 19:06:42.44 ID:phwNYKKuo
??は誰なんだ一体!?
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 19:16:33.16 ID:ojuK0wRdo
わかった、土御門だなっ!?
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/04/12(火) 19:18:55.65 ID:QOL3XmL8o
この口調はテッラだな、間違いない
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/04/12(火) 20:02:58.14 ID:RSEqCaGA0
あなたのめすどれい、こもえちゃんだな。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/12(火) 20:32:51.36 ID:Rb0xIt+bo
ステイルがゆるいのは珍しいな
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/04/12(火) 20:36:37.65 ID:SPjQcZAo0
テッラだな

現実的に考えて
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/12(火) 21:32:24.35 ID:hSKv+OM5o
ここでテッラが出てきたら本当に吹いちゃう
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/04/12(火) 22:33:02.39 ID:wIBtOfMU0
ビアージオ「話は全て聞かせて貰ったのですよー」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/04/12(火) 23:00:14.86 ID:okOJjN+DO
風紀委員「ですのー」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/12(火) 23:07:14.83 ID:IGhEJiuAO
何か見た記憶があるよーなーとか思ったんだが


涼宮ハルヒちゃんか
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 00:45:19.70 ID:En941Rk/o
※全て上条の部屋で起こっているイベントです
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/04/13(水) 00:58:18.29 ID:9R1ENRfa0
小萌
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/13(水) 01:03:23.49 ID:dtizmeluo
「なんかそげぶしてそげぶすればいいと思いました」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/13(水) 01:38:33.26 ID:8B27j/7v0
テッラだな…
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/04/13(水) 02:20:15.82 ID:bFsYgC3Z0
テッラさん大人気だな
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 04:01:40.24 ID:2ecg5dnIO
なんかDVDのオマケアニメみたいだなw
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 09:00:07.39 ID:gS9gY5xSO
いや、テッラでしょ…
49 :※本編とは関係ありません [saga]:2011/04/13(水) 09:39:42.31 ID:WOKJafHAO


上条「お、お前は……イン○ルスの板倉!」

テッラ「異教徒の猿、くだらないジョークは控えた方が身のためですねー」

上条「冗談だって、テッラは相変わらずだなー」

テッラ「そっちこそ、相変わらずですねー」

ステイル「……これは誰だい?」

上条「ああ、コイツはサホーノ=テッラって言って、よく一緒に遊びに行ったりするんだ」

テッラ「初めましてー」

インデックス「ねえ、もしかして……『左方の』テッラ?」

テッラ「おや、よくご存知で。さすがは禁書目録ですねー」

上条「なんだよ、知り合いか?」

インデックス「左方のテッラ……『神の右席』の一人で強力な魔術の使い手なんだよ!」

上条「ええっ!? テッラって魔術師だったのか!?」

テッラ「魔術師と一言では言えませんが、まあそんな感じですねー。
     ついでに言うとアックアとヴェントとフィアンマも一緒です」

上条「コーホーノ=アックアと、ゼンポーノ=ヴェントと、ウホーノ=フィアンマが?」

インデックス「神の右席全員と知り合いなの!?」

テッラ「しかし、また大変な事になってますねー」

上条「ああ……誰か助けてくれないかって嘆いていた所だ」
50 :※本編とは関係ありません [saga]:2011/04/13(水) 09:41:00.10 ID:WOKJafHAO


??「それなら俺様達に任せて貰おうか!」

上条「その声は!」

ヴェント「前方のヴェント!」

アックア「後方のアックア!」

テッラ「左方のテッラ!」

フィアンマ「右方のフィアンマ!」

フィアンマ「四人合わせて!」

四人「神の右席!(ですねー)(である)」

上条「フィアンマ、お前達、魔術師だったんだな」

フィアンマ「ああ、今まで黙っていて悪かった。だが、その分働かせて貰おう」

神裂「ど、どういう事ですか?」

アックア「我ら『神の右席』にかかれば禁書目録の一人や二人、救い出す事など楽勝である」

ステイル「……しかし、そっちはローマ正教のようだが」

ヴェント「ハッ、そんなの関係ないわよ。困っている人は見過ごせない、何故なら私達は!」

四人「神の右席!(ですねー)(である)」

上条「意味はわかんないけど頼もしいな」

フィアンマ「ああ、禁書目録の知識、そして神の右席の力を合わせてこの問題……必ず解決するぞ!」

七人「おー!」


――七人の戦いが今、始まらない。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:43:29.68 ID:WOKJafHAO
なんか伸びてると思ったら>>32さんのおかげだったんですね
上のは続きません、でもこっちの方が面白いかもしれない……

という訳で寝る前に少し投下します
52 :こっちが本編 [saga]:2011/04/13(水) 09:45:58.79 ID:WOKJafHAO


上条「小萌先生!」

小萌「上条ちゃん、今日は補習という事を忘れていませんか?」

上条「あっ」

小萌「いつまで経っても来ないから、心配になって迎えに来たのですよー」

ステイル「この子は、妹さんかい?」

神裂「それにしては似ていませんね」

上条「ああ、その人は妹じゃなくて俺の担任の先生だよ」

インデックス「……日本では小学生も先生になれるの?」

小萌「わ、私は大人です! ちゃんとした教師なのですよ!」

インステ神「うっそっだー」

小萌「むむむ、ならばこれを見なさい!」

上条「免許証ですよ」

インステ神「……!? にじゅうもがふが 小萌「それ以上はNGですよー」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:46:26.66 ID:WOKJafHAO


ステイル「……やはり学園都市というのは不思議な場所だね」

インデックス「私の知識でもこの秘密は解明出来ないんだよ」

小萌「失礼なのですよ! ところで上条ちゃん、また何やら巻き込まれたようですね」

上条「はい……小萌先生、全部聞いちゃったんですか?」

小萌「ええ、バッチリと。魔術云々はこの際どうでもいいですが、
    どうしても気になる所があります」

神裂「気になる所……ですか?」

小萌「完全記憶能力で頭がパンパンになって死んでしまう、間違い無いですね?」

ステイル「……その通りだ」

小萌「はっきり言いましょう、そんな事有り得ませーん」

上インステ神「えっ?」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:46:56.95 ID:WOKJafHAO


神裂「ど、どういう事ですか!?」

小萌「人間の頭はそんなヤワじゃないのですよー。完全記憶能力は確かに存在しますが、
    たかが一年くらいでパンクなんてしないのです」

インデックス「本当なの!?」

小萌「私は先生なのですよ。先生の言う事は信じましょう!」

ステイル「しかし、彼女は一〇万三〇〇〇冊の書物を!」

小萌「もう一度言いますよー」


     ……人間舐めんな


上インステ神「!?」

小萌「わかりましたかー?」

上インステ神「は、はいっ!」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:49:09.17 ID:WOKJafHAO


神裂「あなたの言う事を信じますが、まだ問題はあります」

ステイル「実際、彼女は一年経つと苦しみだす……それはどうすれば良いんだ?」

小萌「私は脳に関してや人体の事については助言出来ます。さて、それ以外は誰のお仕事ですかー?」

神裂「……! 私達、魔術師の出番ですね!」

小萌「そして上条ちゃん。もし、このシスターちゃんが不思議な力によって苦しめられていたら、どうします?」

上条「……この右手を使って、救い出せる?」

ステイル「僕達に出来る事は、ちゃんとあったんだね……感謝するよ」

小萌「ふふふ、私は何も言ってませんよー」

上インステ神「せ、先生!」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:49:38.13 ID:WOKJafHAO


インデックス「ありがとうなんだよ! えーっと、こもえ!」

小萌「いえいえ。では上条ちゃん、行きますよー」

上条「へ? 行くってどこに?」

小萌「学校に決まっているじゃないですかー」

上条「ええ!? この状況で行くんですか!?」

小萌「上条ちゃんに今出来る事はありません。学校に行っている間に、
    この二人に調べておいて貰えばいいと思うのですよ」

ステイル「ああ、僕達に任せてくれ!」

上条「おお、やる気十分って感じだな」

神裂「どうぞ安心して行ってください」

上条「そうか……じゃあ行ってくるよ」

インデックス「あっ、ちょっと待って!」

上条「ん、なんだ?」

インデックス「えっと……名前、教えてくれるかな?」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:50:11.86 ID:WOKJafHAO


上条「ああ、そういえば名前を言ってなかったな。俺は、上条当麻。
    改めてよろしくな、インデックス」

インデックス「とうま、か。うん! いってらっしゃい、とうま!」

上条「行ってきまーす」


 これが二人の出会いだった。
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:50:40.23 ID:WOKJafHAO


ステイル「さて……早速だけど調べさせて貰うよ」

インデックス「うん、私も魔道書から役に立ちそうな情報を探すんだよ」

神裂「では、『歩く教会』をまず脱いで貰えますか? 邪魔になってしまうかもしれないので」

インデックス「そうだね、じゃあ脱ぐけど……」

ステイル「ん? どうしたんだい?」

神裂「……ステイル」

ステイル「何かな? さあ、早く脱ぎなよ」

イン神「……さっさと出てけ!」バキッ

ステイル「ごめんなさーい!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:52:33.64 ID:WOKJafHAO


学校

上条(あいつら、上手くやってるかなあ……)

青髪ピアス「カミやん、外眺めちゃってどうしたん?」

上条「ん? 別に何でもねえよ」

青髪ピアス「……ハッ! 外で女子テニス部がヒラヒラでチラチラやないの!」

上条「いや、見てないって」

青髪ピアス「ズルいでカミやん! 席変わってー!」

上条「はいはい」ガタッ

青髪ピアス「うっひょー! 天国やー!」

上条「センセー、学級委員様が外の女子テニス部のヒラヒラに夢中になってまーす」

青髪ピアス「なっ!?」

小萌「ふふふ、いい度胸ですね?」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:53:19.92 ID:WOKJafHAO


街中 完全下校時刻

上条「すっかり遅くなっちまったな」

デーン

美琴「ちょっとアンタ! 待ちなさいよ!」

上条「はあ……ビリビリか」

美琴「その呼び方はやめなさい! 私には御坂美琴という名前があるのよ」

上条「はいはい、何か用ですかー?」

美琴「アンタに用っていったら一つしか無いわよ」

上条「えっと、逆ナン?」

美琴「ちっがーう! さあ勝負!」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:54:06.77 ID:WOKJafHAO


 御坂美琴。

 学園都市において能力者は六段階で評価されるのだが、彼女はその最高段階である「超能力者」の一人である。
超電磁砲と呼ばれる彼女は電撃使いの頂点に君臨し、その力で残虐非道の所業を繰り返す。
いつしか誰もが彼女を怖れ、年に一度は酒と女を捧げなければ災厄が訪れるという伝承まで生み出す程であった。
そんな彼女は実は動物委員でもあり、夏休みでも学校の動物の世話を甲斐甲斐しくするのである。
彼女のこのギャップにみんなはもうメロメロ(笑)だ!


上条「以上説明終わり」

美琴「誰に説明してんのよ! っていうか全然違うから!」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:54:34.42 ID:WOKJafHAO


美琴「それに私は動物委員じゃ……無いわよ」

上条(別にそれだけ改めて否定しなくても良いのに)

美琴「本当はね、動物委員になりたかったんだ。でも、私の体から電磁波が出てるみたいで動物達はそれを嫌がるのよ。
    だから、ただ私には遠くから見守ったりエサを用意する事しか出来なかった。
    他の子が楽しそうにウサギの世話したり撫でたりしてて羨ましいなー、なんて思ったり……って、何言わせるんだゴルァ!!」ビリビリ

上条「……なんなんだよ」バキン
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:57:18.48 ID:WOKJafHAO


上条「……もう帰ってもいい?」

美琴「ダメよ。どうしても勝負しないっていうなら、無理やりその気にさせてあげる、わっ!」

 美琴が床を踏みつけたと思うと、周りの人の携帯がバギン! と凄まじい音を立てたり、
警備ロボがガー、ビー、と怪しい音を鳴らしたりしている。

美琴「ふふん、どう? 腑抜けた頭はおはようございますしたかし――もがふが!」

上条「バカか! お前、周りの電化製品がとんでもない事に!」

美琴「もがふがはが!(鼻に! 鼻に指が!)」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:57:54.16 ID:WOKJafHAO


警備ロボ「――メッセージ、メッセージ。電気攻撃の可能性大。
      ただちに迎撃システムに移行、周囲の機体に集合をかけます」

上条「……な、なんかヤバそう?」

美琴「はがふがむが!(離して! 鼻が! 鼻が!)」

警備ロボ「――合計六体の機体を確認。これより特別プログラムを実行します」

上条「特別プログラム……?」

警備ロボ「――――合体――――」

上条「な、ななな!? ロボが変形してさらに合体しだしたあ!?」

 普段は監視の役割しかない警備ロボだが、学園都市の有事には変形、
そして合体ロボとなり、悪の手先に鉄槌を下すのだ。

究極警備ロボ「――完成」

上条「ちょっとカッコいいかも……って言ってる場合じゃない! 逃げろおおお!!」

※実際の警備ロボットとは異なります
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:58:30.13 ID:WOKJafHAO


上条「なんとか逃げれたみたいだ……」

美琴「……鼻痛い」

上条「なあ、もう帰っていいよな? っていうか帰ります、むしろ帰れ」

美琴「ダメだってば」

上条「えー……じゃあもうお前の勝ちでいいよー。降参です、白旗です」

美琴「がっ……! ちょっとアンタ! マジメにやりなさいよ!」

上条(……ほんっとに面倒くさいな。ちょっとビビらしてやるか)

上条「じゃあ、マジメにやっても良いんかよ?」

美琴「……っ!」

上条(よしよし、これでビビって大人しく帰るだろう)

美琴「やっとやる気になったのね! さあ勝負!」

上条「……もうやだ」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/13(水) 09:59:01.00 ID:WOKJafHAO


戻って男子寮

ガチャ

上条「ただいまー……はあ?」

 玄関のドアを開けた上条が見たものは、赤い髪した神父が何故か白い白衣を着てたり、
銀髪のシスターが見覚えのあるワイシャツをぶかぶかながらも着ているという異様な光景であった。

ステイル「はい、口を大きく開けてー」

インデックス「あーん」

ステイル「よし、ちょっと奥も見るよ。ライトをくれるかい?」

神裂「はい、どうぞ」

ステイル「ほうほう、なるほどね」

上条「……何やってんの?」

ステイル「うん? 『お医者さんごっこ』だけど?」
67 :人物紹介 [saga sage]:2011/04/13(水) 10:07:38.60 ID:WOKJafHAO

上条当麻
まだ一回も叫んでませんがかなり不幸な目にあってます。

月詠小萌
見た目は子供、頭脳は大人を体現するびっくり先生。

青髪ピアス
米どころ出身。最近たこ焼き機を買うか真剣に悩んでいる。

御坂美琴
勝ち気なビリビリ短髪女。実は結構大変な目にあってます。

神の右席
登場するのはもっとずっと先だったりする。
全身ピアス、板倉、ムキムキ、空中分解という愉快なメンバーです。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/13(水) 10:09:13.95 ID:WOKJafHAO
なかなか進みませんが次で一巻終了……?
gdgdなのはご容赦ください
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 10:23:59.72 ID:yqG4gpwz0
なんでこのタイミングで神の右席の紹介した!?wwwwww
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/13(水) 10:24:10.29 ID:JmFj/hN4o

神の右席方もおもしろいな
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/13(水) 10:30:27.52 ID:k9yCDu8C0
>>67
gj
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/13(水) 18:55:15.87 ID:dtizmeluo
ステイルが可愛い
ステイルが可愛い
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/13(水) 20:50:28.77 ID:BGN7shKIO
神の右席ww
上条さんはどこで知り合ったんだよw
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:39:40.39 ID:RkI5x/wAO


インデックス「とうま、おかえりなさい」

上条「ああ……で、何か分かったのか?」

ステイル「うん、ちょっとこれを見てくれるかい?」

上条「インデックスの口の中? どれどれ……」

インデックス「はひ? ふひはへほはっは?(なに? 虫歯でもあった?)」

ステイル「口の奥に……そう、喉の方だ。何か見えるだろ?」

上条「なんだこれ? 良くわかんねえ文字みたいなのがあるな」

インデックス「ははー? はひふいはうほ?(まだー? 噛みついちゃうよ?)」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:40:07.84 ID:RkI5x/wAO


ステイル「それは魔術が施された何かに間違いない」

上条「これが何か関係あるのか?」

ステイル「ああ、これについて僕達は色々考察してみたんだ」

神裂「あの先生は一年で限界を迎える事は無いと言っていました。では何故この子が一年周期で苦しむのか」

インデックス「へー、ははー?(ねー、まだー?)」

ステイル「それにこの口の中の紋章は関係しているのでは無いか、ってね」

上条「死ぬような魔術……そんな事する必要あるのか?」

インデックス「ははー? はははほー?(まだー? まだなのー?)」

上条「うん、今数少ない真面目な場面だからちょっと黙ってような」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:40:34.47 ID:RkI5x/wAO


ステイル「禁書目録は世界を動かす程の存在だ。反乱を恐れて、というのは十分考えられる」

上条「なるほど。これを考えたヤツは相当酷いヤツだな」

ステイル「多分、相当酷いよ」

上条「心当たりでもあるのか?」

神裂「推測の域を出ませんが、おそらくは……」

ステイル「ああ、忌々しい顔が目に浮かぶよ……」

―――

ローラ「へっくしょい! また噂されたりけるか?」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:41:08.63 ID:RkI5x/wAO


インデックス「はあっ……口開けすぎて顎がハズれるかと思ったんだよ」

上条「まあ、とりあえずいい方向に進んでいるみたいで良かったよ」

ステイル「しかし、まだ問題は解決されていない」

神裂「どうやってこれを解除すべきなのか……」

ステイル「見た所、かなり複雑な魔術が施されているみたいだからね」

上条「おいおい、何か忘れて無いか?」

インデックス「晩ご飯のおかず?」

上条「違うって」

ステイル「僕はパエリアがいいな」

神裂「私は久しぶりに里芋が食べたいなー、なんて」

上条「真面目にやらせて貰えませんか?」

インデックス「私はハンバーグとステーキとビーフシチュー!」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:43:19.87 ID:RkI5x/wAO


上条「ご飯はきちんと後で用意するから、今は真面目にやろう」

インステ「はーい」

神裂「私も手伝いますよ」

上条「さて、複雑な魔術と言ってたが、異能の力には変わりないんだな?」

ステイル「まあそうだね」

上条「だったら、ほれ」

インデックス「? 右手がどうしたの?」

上条「いや、だから……ほら」

神裂「腕相撲ですか? 私、結構強いですよ」

上条「違うって」

ステイル「じゃんけんかい?」

上条「……グダグダにも程がある」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:44:22.16 ID:RkI5x/wAO


上条「もういいや……俺の右手は異能の力なら何でも打ち消す『幻想殺し』です。
    これを使えば、複雑な魔術だろうがなんだろうがぶち壊せるはずだ」

インステ神「おー」パチパチ

上条「という訳でさっそ ステイル「いや待てよ、本当にそれで解決するのかな?」

神裂「無闇に壊してこの子に影響は無いのでしょうか?」

インデックス「私の頭の中にもその右手に類似したものは無いんだよ」

ステイル「そもそも魔術を無効化するには詠唱を阻害するか、術者自身にダメージを与えるか、結界を展開する等が必要なはずだ」

神裂「しかし彼の右手はそれすらも必要としない、まさに悪魔のような右手と言えましょう」

インデックス「その右手は本当にただ無効化しているだけなのかな? そもそもその右手の役割とは?」

ステイル「はっ! 無効化というのは実は間違っていて術式を塗り替えているのでは!?」

神裂「ですがそうすると彼も魔術師という事に!」

インデックス「むむむ! 謎は深まるばかりなんだよ!」

上条「……何で急に真面目になるんだよー」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:45:00.23 ID:RkI5x/wAO


ステイル「まあ、現時点ではその右手に頼るしか無いんだけどね」

上条「おい、さっきのやり取り要らなかっただろ」

ステイル「いや、僕も魔術師として少しは真面目な所も見せたくてね」

上条「はあ……じゃあ今度こそ……って」

神裂「あっ、少し爪が伸びてますよ」

インデックス「えっ、本当に? 爪切りある?」

神裂「ありますよ。さあ、手を出してください。よいしょ、よいしょ」パチン パチン

インデックス「ありがとうなんだよ!」

ステイル「深爪には気をつけてね」

上条「いい加減に始めようぜ、魔術師!」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:47:21.46 ID:RkI5x/wAO


上条「なんだろう、大事な決め台詞をどうでもいい事に使ってしまった気が」

ステイル「何をゴチャゴチャ言ってるんだい。さっさと始めるよ」

上条「もういいや、流されよう」

神裂「万が一のために、準備はしておきましょう」

ステイル「そうだね。ちょっとルーンを展開させて貰うよ」ブワッ

上条「壁紙剥がさないようにしてくれよー」

ステイル「そして、うんぬんかんぬん……魔女狩りの王!」

イノケン「UGAAAAAAA!!」

上条「うわっ! 何こいつ!」

ステイル「君が右手で消したイノケンティウスさ。僕も本気でいかせて貰うよ」

上条(もし賃貸だったら絶対敷金返って来ないだろうな……)
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:47:53.77 ID:RkI5x/wAO


上条「よし……インデックス、始めてもいいか?」

インデックス「うん、よろしくお願いするんだよ。……あっ」

上条「ん、どうした?」

インデックス「とうま……(口の)中に指入れられるのなんて初めてだから……優しく、してね?」

上条「……お、おお」

ステイル「……イノケンティウス!」

イノケン「UGAAAAAA!!」ボオッ

上条「あぶねっ!」バキン

ステイル「チッ」

上条「何すんだよ!」

ステイル「いや、何かムカついた」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:48:22.74 ID:RkI5x/wAO


上条「じゃあ、今度こそ。インデックス、口開けて」

インデックス「あーん」

上条「失礼しますよ……っと」

ステイル「どうだい? 何とかなりそうかな?」

上条「うーん……もう少し手を伸ばせば届くんだ」

神裂「もっと、ガッ! と、やっちゃえば良いんじゃないですか?」

上条「よーし、オラァ!」ガボッ

インデックス「あうっ!」

上条「それ! よし! どうだ!」

インデックス「ういっ! あおっ! ぐえっ!」

ステイル「物凄く辛そうだね……」

神裂「我慢です、我慢ですよ」

インデックス(く、苦しいんだよ……)
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:50:51.15 ID:RkI5x/wAO


上条「ええい、これでどうだっ!」

パチン

インデックス「……っ!」バタン

上条「い、インデックス!?」

ステイル「くっ……! やはり駄目だったのか!?」

神裂「いえ……この気は!」

??「…………」ムクッ

上条「あっ、良かった。無事だった……っ!? 眼が、赤い?」

ステイル「あの眼の中にあるのは、魔法陣? いったい何が起きているんだ!」

神裂「……来ます!」

??「――警告、禁書目録の『首輪』に損傷を確認。再生――不可」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:51:38.47 ID:RkI5x/wAO


上条「お前、インデックス……だよな?」

??「はい、私は『必要悪の教会』所属の魔道書図書館、禁書目録に間違いありません」

ステイル「強大な魔力を感じる……気をつけろ!」

上条「でも、それにしては雰囲気変わりすぎじゃないか?」

??「ええ、私は禁書目録の危機や緊急時のみ起動する『自動書記』です」

上条「よ、『自動書記』?」

??「はい、気軽によっちゃん、ペンちゃん、ペンデックス、好きな呼び方でお呼び下さい」

上条「……へ?」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:52:07.74 ID:RkI5x/wAO


神裂「何か変な流れになってきましたね……」

上条「えっと、ペンデックス、でいいのか?」

ペンデックス「はい、とうまさん」

上条「とうまさん……まあいいや。お前はいったい何者なんだ?」

ペンデックス「先ほども言ったように、私は禁書目録を守るために存在しています。
        魔術から生み出された緊急時の人格と考えて頂いても結構です」

上条「はあ……で、今はその緊急時ってやつなのか?」

ペンデックス「はい、『首輪』が損傷を受けた事により、緊急時と判断致しました」

上条「なるほど。『首輪』ってのは重要なんだな」

ペンデックス「『首輪』には、禁書目録を一年に一度、
        記憶を消去しないと狂死してしまう体質にするという効果があります」

ステイル「……何だって?」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:53:08.26 ID:RkI5x/wAO


ペンデックス「その霊装を足枷として、禁書目録に施したのだと思われます」

神裂「何て酷い事を……」

ペンデックス「そして私は、『首輪』に損傷を与えた者や書庫への侵入者を敵性と見なし、
        一〇万三〇〇〇冊の知識をもって最適な方法で迎撃、そして排除しなければなりません」

ステイル「くっ……やはり戦わなければならないのか!」

上条「そうなのか……ペンデックス」

ペンデックス「はい、本来はそうなるのですが、今回は事情が異なります」

上条「事情が異なる?」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:55:04.39 ID:RkI5x/wAO


ペンデックス「あなた達は確かに『首輪』に損傷を与えたのですが、その行動の理由はこの子を救うためですよね」

神裂「ま、まあ、そうですね」

ペンデックス「さらにあなた達は魔道書が目的という訳でもありません。違いありませんね?」

ステイル「ああ、その通りだ」

ペンデックス「以上の事から、あなた達は禁書目録に危害を加える者ではない、と私は判断致しました。
        つまり、今私があなた達を攻撃する事は無いという事です」

上条「じゃあ、俺達は戦わずにインデックスを救う事が出来るっていうのか?」

ペンデックス「そういう事になります」

上条「何か思っていたのと違う……」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:55:43.61 ID:RkI5x/wAO


神裂「私達がこんな事を言うのも変ですが、良いのですか?
    あなたは先ほど、『首輪』を守る為にも存在していると言っていたのに、自らそれに反する事になりますが」

ペンデックス「ええ、その通りです。しかし、私はこの子を誰よりも近くで見てきました。
        私の意識はありませんが、この子が色々辛い思いや苦しい思いをしてきたというのは十分理解しています」

上条「辛い思いや苦しい思い……」

ペンデックス「はい、記憶が消される瞬間、一年ごとに訪れる別れ。それでも、この子はいつも笑顔でした」

ステイル「…………」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:56:09.29 ID:RkI5x/wAO


ペンデックス「その悲しい笑顔を無くすために、あなた達はこの場に居るのですよね?」

上条「ああ……俺達は、インデックスを救いたい」

ペンデックス「それならば、私が阻害する理由はありません。
        私もこの子が辛い思いをするのは……もう見たくないのです」

ステイル「何か上手く行き過ぎている気もするね……」

神裂「まあ、たまには良いんじゃないですか?」

ペンデックス「という訳で、さあ、『首輪』を破壊してください」

上条「もう一つだけ聞いていいか」

ペンデックス「はい、何ですか?」

上条「『首輪』を破壊した後、お前も一緒に消えたりしないよな?」

ペンデックス「……それに関しては心配要りません。何も気にせずやるべき事を為してください」

上条「本当に大丈夫?」

ペンデックス「大丈夫ですってば」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:57:51.11 ID:RkI5x/wAO


上条「それでは、失礼しま……」

ペンデックス「あっ、最後に一つお願いがあるのですが良いですか?」

ステイル「ああ、僕達に出来る事なら協力するよ」

ペンデックス「では、とうまさん。私をベランダまで運んでくれませんか」

上条「外に出たいのか?」

ペンデックス「はい、あと右手で触れないようにお願いします」

上条「はいはい……ちょっと腕を体に回すぞー」ギュッ

ペンデックス「……っ!」

上条「よい……しょっと。はい、ベランダに到着しましたよー」

ペンデックス「ありがとうございます。危ないのでちょっと離れてください」

上条「危ないって……何をすり気だ?」

ペンデックス「せっかく起きてこれたので、ストレス解消です」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:58:22.20 ID:RkI5x/wAO


神裂「ストレス解消……?」

ペンデックス「では……『聖ジョージの聖域』発動!」

バギン!

上条「うわっ! 何だこれ!?」

ステイル「これは、魔術!? 魔術が使えたのか……あの嘘吐きめ!」

ペンデックス「からの……空に向けて、はあっ!」

ゴッ!

神裂「……ど、『竜王の殺息』ってそんな」

上条「空に向かって光の柱が伸びている……ひょっとすると大気圏の外にある人工衛星まで引き裂かれたかもしれない」

ステイル「……何を言っているんだい?」

上条「俺にも良くわからん」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 10:58:55.47 ID:RkI5x/wAO


ペンデックス「ふう……あ、お待たせしています」

上条「えっと、ずいぶん激しいストレス解消法だったな」

ペンデックス「はい、おかげさまでスッキリしました」

神裂「満面の笑みが今はちょっと怖いですね……」

ステイル「もし戦っていたら、確実に誰か一人は『死んで』いただろう……」

ペンデックス「では……お願いします」

上条「ああ、失礼するよ」

バキン

ペンデックス「――警告、『 首輪、』の破壊を確認――。再生……不可、能」

上条「……またな、ペンデックス」

ペンデックス「――はい、とうま――さん」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/14(木) 11:00:39.65 ID:RkI5x/wAO


―――

インデックス「おかわりなんだよ!」

上条「だー! ちょっと待てっつうの!」

インデックス「私は今無性にお腹が減っているんだよ! 頑張れとうま!」

神裂「えっと、とりあえずこれを食べて下さい」

インデックス「もぐもぐ、かおりの作った料理も美味しいんだよ!」

ステイル「あっ、僕にはお茶をお願いするよ」

上条「自分でやれ! ……ったく、これならペンデックスの方がマシなんじゃねえか?」

神裂「まあまあ……そう言わないでください。あなたに感謝しているのは間違いありませんから」

上条「だったらもうちょっと遠慮というものを……」

インステ「まだー」

上条「……本当に感謝してるのか?」

神裂「……多分」
95 :終章のような言い訳 [saga]:2011/04/14(木) 11:02:51.00 ID:RkI5x/wAO


 上条当麻。

 生まれながらの不幸体質に悩まされるツンツン頭の高校生。

 時には安価という謎の力により奇怪な行動を取ったり、女性に乱暴を働いたり、
記憶喪失になったり、常盤台の大能力者とよろしくやったり、二人の姉と二人の妹に囲まれたりもする。

 そんな風に様々な可能性があったりするのだが、今回は緩い感じで無傷でやり過ごす事になってしまった。
何も山場が無いこの状況が本当に良いのかはわからない。
まあ彼が上条当麻っぽく楽しく過ごして貰えればそれはそれで。

 という訳で第一巻分、終了。
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/14(木) 11:04:24.72 ID:RkI5x/wAO
gdgd無茶苦茶なまま一巻終了
多分このままいくので色々アレですが良かったら見てやってください
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/14(木) 11:21:13.14 ID:z9RTXyxgo

こうゆうゆるいの大好きだし楽しみにしてるよ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/04/14(木) 11:52:41.29 ID:0ZD/xlXE0
姉?妹?
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 12:08:05.42 ID:OxkEh8MX0
なんだろう?この緩さが生む笑いはww
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 12:13:09.99 ID:8/moND+L0
よっちゃんかわええ
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 13:40:02.13 ID:6cu7rGdIO
大体100レスで一巻分か
このスレ終わるまでにギリギリ10巻終わるかな
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/14(木) 13:41:00.62 ID:8knOrUgDO
ゆる〜いお茶の間コメディぽくておもしろいね。こういうの好きだ
もしかしてタイトルといい元ネタみたいのがあるのかな?
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2011/04/14(木) 20:34:00.15 ID:qkQSRRBK0
>>102
多分とある魔術の禁書目録だと思う
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/14(木) 21:37:40.71 ID:aCHVDRpAO
>>98
多分アイテム四姉妹スレと思われ
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/14(木) 23:13:23.10 ID:Z2h5TIqAO
ペンデックスはクシャミで衛星破壊だと思ってた
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/16(土) 12:41:41.12 ID:t8U51IiQo
ヒゲの長門さんを思い出す…
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/16(土) 18:42:04.91 ID:0putCHOfo
ステイルかわええ
ステイルかわええ
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:42:39.06 ID:nixHLyxAO


 魔術師との遭遇、ペンデックスこと『自動書記』の登場、
そして『首輪』の破壊と様々なあったあの日から数日後の話である。




TV『今回ご紹介するのはコレ! 高い枝のカットもラクラク簡単!
    万能! 高枝切りバサミです! コレさえあればどんなご婦人でもあら不思議!
    無理せず無駄なく高枝カット!ガーデニングも最適です!
    では、実際に使用されている方の声を聞いてみましょう。イタリアのオルソ――』

ステイル「ほうほう、なかなか便利かもしれないね」

神裂「ええ、これがあれば教会のシスターも助かると思います」

インデックス「学園都市の技術は素晴らしいんだよ!」

上条「……なあ、一つ聞いて良いか?」

ステイル「ん、なんだい?」

上条「何でお前達、まだ居るの?」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:43:07.30 ID:nixHLyxAO


ステイル「何でと言われても、ねえ?」

神裂「何か問題でもあるのでしょうか」

上条「いや、インデックスの事は解決したし、もうお前達がここに居る必要は無いだろうが」

ステイル「……君! 僕達にさっさと帰れと言いたいのかい!?」

上条「まあ、簡単に言えばそうなる」

神裂「私達、何か気に障る事でもしてしまいましたか?」

上条「気に障るっていうか……四人も居たら狭くて狭くて」

インデックス「私はかおりと一緒に寝ているから、そんなにスペースは取っていないんだよ」

上条「うん、自分は悪くないみたいな言い方してるけど、それ俺のベッドだからな」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:43:41.14 ID:nixHLyxAO


ステイル「僕も遠慮して、寝る場所はキッチンの前にしているじゃないか」

上条「そのせいで俺は風呂場がベッドになってるんだよ!」

神裂「確かに……それではあなたに悪いですね」

上条「神裂……(常識人の)お前が居てくれて本当に良かった」

神裂「えっ!? あっ……いえ、その……」

インデックス「むっ、それはどういう意味なのかな、とうま!?」

上条「な、何で不機嫌になっているのでせうか?」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:45:14.63 ID:nixHLyxAO


ステイル「大丈夫だ、数日後にはイギリスに戻る事になっているからね」

上条「なんだ……それなら心配する必要は無かったか」

神裂「さすがにいつまでもお邪魔、という訳にはいかないですから」

上条「良かったな、インデックス。無事に帰国する事が出来そうじゃないか」

ステイル「うん? 何を言っているんだい?」

インデックス「私がイギリスに帰るなんていつ言ったの?」

上条「……は? いや、お前の帰る場所はイギリスだろ?」

神裂「そう言えば言うのを忘れていました。改めて説明しなくてはいけませんね」

上条「……嫌な予感しかしない」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:45:43.33 ID:nixHLyxAO


ステイル「簡単に言うと、この子は一時的に君に預ける」

上条「えー……」

インデックス「物凄く嫌そうな顔……ちょっとそれは失礼かも」

上条「だってお前、滅茶苦茶食べるから食費とかとんでもない事になるだろ」

インデックス「そんな事は無いんだよ! ちゃんと腹八分目に抑えているんだから!」

上条「あ……あれで腹八分目? お前昨日食べた物言ってみろよ」

インデックス「昨日? 昨日はビーフシチュー、カレーライス、ハンバーグ、
        里芋の煮っ転がし、パエリア、明太子ピザ、餃子、炒飯、ラーメン、
        味噌汁が五杯に雪見だいふくを七個しか食べて無いんだよ」

上条「さすが完全記憶能力、完璧過ぎてますます腹が立ってきた」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:46:16.96 ID:nixHLyxAO


インデックス「昨日は仕方ないからアレで我慢してあげたんだよ」

ステイル「雪見だいふくとやらはモチモチしてて美味しかったね」

インデックス「あの素晴らしい嗜好品はあと八つ位は食べたかったかも」

上条「……神裂、お前ならコレがおかしいって分かってくれるよな」

神裂「確かに、ちょっと食べ過ぎかもしれませんね」

上条「ちょっとどころでは無いと思うんだが」

神裂「イギリスに居た時も、毎日こんな感じでしたから」

上条「毎日……やっぱりイギリスに帰ってくれないか?」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:48:12.48 ID:nixHLyxAO


ステイル「正直に言うとね、この子を今イギリスに連れて行く訳にはいかないんだ」

上条「何か問題でもあるのか?」

神裂「『首輪』と呼ばれたいたものをこの子に施したのは誰かわかりますか?」

上条「うーん……足枷とかステイルも知っているヤツって事しかわからないな」

ステイル「それはイギリス清教の者でほぼ間違いない。
      まあ、誰がやったかも検討はついているけどね」

神裂「つまり、今イギリスに戻っても……」

上条「また同じような事になるかもしれない、って訳か……」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:48:40.16 ID:nixHLyxAO


ステイル「その通り。いや、むしろそれ以上の処遇になるかもしれないね」

上条「記憶を消す以上って……」

神裂「要は知識さえ引き出す事が出来れば良いのですから、
    体の自由など無視して構わないのです。手足の神経を死滅させたり……
    四肢を切断して……という事も十分考えられます」

上条「なっ……! そんな事許される訳無いだろ!」

ステイル「それを躊躇……なく……やってのける、そういう……世界……なんだ」

上条「……何で顔色悪くなってんの?」

ステイル「……痛い話とかはちょっと苦手で」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:49:14.96 ID:nixHLyxAO


ステイル「ともかく、今イギリスに戻るのは危険だという事はわかったかい?」

上条「ああ……せっかく記憶を消さなくても生きていけるようになったのに、
    また同じ生活に逆戻りなんて俺も嫌だ」

インデックス「とうま……」

神裂「そしてイギリス以外の地で過ごして貰うのもやはり難しいものがあります。
    禁書目録というのは非常に利用価値が高く、悪用しようとする者もいるでしょうから」

上条「その点、この学園都市はセキュリティは万全だ。って事はやっぱり……」

インデックス「私はとうまの部屋でお世話になるしかないんだよ」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:50:53.26 ID:nixHLyxAO


上条「……分かった、俺も喜んで協力させて貰うよ」

ステイル「そう言ってくれるとこちらも助かる。
      ……本当は僕の手で助けてあげたいんだけどね」

インデックス「では改めて……よろしくお願いします、とうま」

上条「はいよ。でも、いいのか? 男と女が一緒の部屋って色々問題が」

ステイル「……君、手を出したら……○すよ?」

上条「殺気を出すな! そんな気起こさないっつうの!」

インデックス「とうま、それはちょっと失礼かも!
        私は魅力的だから、とうまも間違いを起こすかもしれないんだよ」

上条「……間違い、ねえ」

インデックス「な、何で私の体を見つめるの? ……っ! 今、身の危険を感じたんだよ!」

ステイル「何……? やはり君、その汚らわしい手で何かしようと考えているね!?」

神裂「破廉恥です!」

上条(そんなぺったんこに誰が……ってのは黙っておこう)
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:51:23.91 ID:nixHLyxAO


上条「とりあえず……インデックスは俺の部屋に居候という形で良いんだな?」

神裂「ええ、よろしくお願いします」

ステイル「あくまでも一時的だからね。何かあったらすぐ連れ戻しに来るよ」

上条「はいはい。そうと決まれば色々買わなきゃいけないかもな」

インデックス「何か必要な物でもあるの?」

上条「歯ブラシに着替え、その他諸々の必需品が要るだろ。よし、買い物に行くか」

インステ「いってらっしゃーい」

上条「いや、お前達も一緒に行くんだよ」

インステ「えー」

上条「まだ一発も殴ってないしそろそろ良いよな、うん」

神裂「落ち着いて、落ち着いて」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:52:53.82 ID:nixHLyxAO


上条「いくら何でも俺が女の子の服やら下着やらは買えないからな。
    神裂、インデックスと一緒に服屋に行ってくれ」

神裂「わかりました。さあ、行きましょうか」

インデックス「うん! 出発なんだよ!」

ステイル「いってらっしゃーい」

上条「他人事みたいな言い方すんな。お前は俺と一緒に食材を買いに行くぞ」

ステイル「……何で僕がそんな事をしないといけないんだ」

上条「文句があるならイギリスに帰れ」

ステイル「チッ……仕方ないな」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:54:33.62 ID:nixHLyxAO


街中

インデックス「〜♪」

神裂(まさかこの子と買い物が出来るなんて……夢みたいですね)

インデックス「かおり、かおり」

神裂「はい、なんでしょう?」

インデックス「服屋さんはどこにあるの?」

神裂「そう言えば教えて貰うのを忘れていました……」

インデックス「じゃあ、誰かに聞いてみた方がいいかも」

神裂「では誰に……あっ、ちょうど女の子二人が歩いていますね。
    すいません、ちょっといいですか」

初春「はい? 私達ですか?」

佐天「どうやらそうみたいだね」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:55:01.22 ID:nixHLyxAO


神裂「この辺で服が買える所を教えて頂きたいのですが」

初春「服屋さんですか? そうですねえ……」

佐天「セブンスミストは……まだ復活してないかな?」

初春「まだ一ヶ月も経ってないですからね……。どんな服が欲しいんですか?」

神裂「この子が着る服です。下着とパジャマがとりあえず必要なので」

佐天「おー、綺麗な髪に碧の目。可愛いお人形さんみたいですね」

インデックス「そんなにほめられるとちょっと照れくさいかも」

初春「お母さんと一緒にお買い物ですか?」

神裂「……お母さんとは、私の事ですか?」

佐天「はい、でもあんまり似てないですね」

神裂「……私はまだ十八歳です!」

佐初イン「ええー!?」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:55:32.74 ID:nixHLyxAO


神裂「……確かに十八歳には見えないかもしれませんが……お母さんはちょっと酷いです」イジイジ

初春「どうするんですか佐天さん。いじけちゃったじゃないですか」

佐天「お母さんって最初に言ったのは初春なんだけど」

インデックス「かおり、元気出して。ちょっと大人っぽいってだけなんだよ!」

佐天「そうですよ! それにスタイルも良いし顔も整ってて憧れちゃいます!」

神裂「……あ、ありがとうございます!」

初春「でも十八歳には見えませんよね」

神裂「……ううっ」イジイジ

インデックス「またいじけちゃったんだよ……」

佐天「ういはるー?」

初春「いひゃい、いひゃいです、さへんさん。ふねはないで」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:57:36.73 ID:nixHLyxAO


初春「ではこの地図に印を付けておいたので」

インデックス「ありがとう!」

神裂「お世話になりました、それでは」

佐天「気をつけて下さいねー」

初春「しかし不思議な感じの方々でしたね」

佐天「そうだね。あっちの女の子はシスターさんだったのかな」

初春「もう一方の女性の格好は……何というか」

佐天「あれが『脱ぎ女』の正体だったりして」

初春「まっさかー。そんな事より早く行きましょうよ」

佐天「御坂さん達を待たせちゃ悪いしね。急ごう!」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:58:04.66 ID:nixHLyxAO


街中

ステイル「……何で君なんかと買い物に行かなければならないんだ」

上条「文句言うな。しかし暑い……お前、その格好で大丈夫なのか?」

ステイル「炎に比べたらこれ位なんとも無いよ」

上条「……額の汗がとんでもない事になってるぞ」

ステイル「……暑いものは暑いんだよ」

上条「……だよなー」

ステイル「で、何を買うんだ?」

上条「とりあえず夜ご飯の材料を買うぞ」

ステイル「雪見だいふくは買うのかい?」

上条「その図体に似合わない事を言うな」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:58:33.35 ID:nixHLyxAO


上条「ちょっと聞いても良いか」

ステイル「……あまり馴れ馴れしくしないでくれるかな」

上条「今更何を……。まあそう言うなって」

ステイル「仕方ないね、答えられる範囲で答えよう」

上条「普段は魔術師って何してんだ?」

ステイル「色々あるんだけど、僕の場合は対魔術師用魔術師って感じかな」

上条「へえ、魔術師を倒すのが仕事なのか」

ステイル「それだけじゃ無いんだけど、それがメインって所だね」

上条「その魔術師さんが、こんな所でのんびりしてて良いのかね」

ステイル「僕も考え無しにただ学園都市に居る訳じゃ無いよ」

上条「どういう事だ?」

ステイル「いずれ分かるさ、いずれね」

上条(何か嫌な予感が……)
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 15:58:59.95 ID:nixHLyxAO


―――

上条「ただいまー」

ステイル「ふう……意外と重かった」

インデックス「お帰りなさい、とうま」

上条「おっ、ちゃんと買えたみたいだな」

神裂「色々ありましたが何とか買えましたよ」

上条「良かった良かった。じゃあ早速メシでも作りましょうかね」

インデックス「雪見だいふくは?」

ステイル「バッチリ買ってきたよ」

上条「買ったのは俺だっつうの。神裂、手伝って貰っても大丈夫か?」

神裂「はい、お手伝いします」

インデックス「じゃあ私達はテレビを見てるんだよ」

上条「……ここまで手伝う気が無いと、逆に清々しいな」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 16:00:30.40 ID:nixHLyxAO


上インステ神「いただきます」

上条「もぐもぐ、うん、美味く出来てる」

インデックス「おかわり!」

上条「早すぎだろ」

ステイル「あっ、言い忘れてたけど、明日僕達はイギリスに戻るから」

上条「って事は明日からインデックスと二人っきりか」

ステイル「変な気を起こしたら殺○よ?」

上条「目が怖いって……」

神裂「くれぐれも、よろしくお願いします」

上条「ああ、でも少し寂しくなるな」

ステイル「意外とすぐ会う事になるかもね」

神裂「私もそんな気がしますよ」

上条(やっぱり何か嫌な予感がするんだよなあ……)
128 :人物紹介 [saga]:2011/04/17(日) 16:01:22.09 ID:nixHLyxAO


上条当麻
ツッコミ役が多いが、そんなに上手くツッコめる訳ではない。

インデックス
相変わらずの暴食っぷりに周りも苦笑い。

ステイル
本当はもっとクールなはずがどうしてこうなった。

神裂火織
自称十八歳の女の子。際どい格好で学園都市を歩いてます。

初春飾利
頭の花がチャームポイントの風紀委員。アニメではなく原作よりの性格?

佐天涙子
色々ありましたが無事でした。今日も元気にスカートをめくります。
129 :次回予告 [saga]:2011/04/17(日) 16:03:27.09 ID:nixHLyxAO


 ――悲しい男が一人。


「錬金術師? そんなの本当に存在するのか?」

「ああ、ちょっと問題があってね」


 男は純粋に、一人の少女を救いたかった。


「私。魔法少女」


 その男はただ一つの目的のために、全てを賭してひたすらに研究に没頭していた。


「ボクは――――――」


 そしてようやく掴んだ「答え」、これさえあればと男は笑う。


「偽物だからと言って、本物に劣るという訳では無いッ!」


 だが無情にも、その時間は無駄に終わる。


「そんな事が……そんな事があってたまるか!」

「甘えるな。未練だらけの男は嫌われるよ?」


 誰が悪い訳でもない。しかし、悪いのは――その男だった。


「禁書……目……録……」

「ごめんね……本当にごめんね」


 悲しい男は、一人だけではない。
乗り越えるか、諦めるのかが違うだけだ。


「まずはそのふざけた幻想を――」


 そして男達が迎えた悲しい結末とは――。


 とある魔術の上条当麻くん、次回に続く。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/17(日) 16:03:55.88 ID:nixHLyxAO


上条「……何これ?」

ステイル「次の内容さ。僕と敵の高度なバトルに注目だね」

インデックス「私の涙がみんなの心により一層の悲しみ訴えるんだよ」

上条「あー、一つ言っても良いか?」

ステイル「なんだい?」

上条「あれ、全部嘘だからな」

インステ「えっ」

??「唖然、真面目な展開では無いのか……」

上条「……アンタ誰?」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/17(日) 16:05:10.12 ID:nixHLyxAO
相変わらずgdgd無茶苦茶ですが良かったらまた見てやって下さい
それではいつかまた
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 16:21:40.21 ID:+qXBKahIO
ハルヒちゃん嘘予告かww
次回も期待
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 16:24:34.24 ID:pQKrJvy50
ヘタ錬は居候する?
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 16:56:49.09 ID:cUnHjsBSO
ひさびさに来たらこんな良スレが…
俺的にハルヒちゃんも禁書も好きだし最高!
支援なんだよ!
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/17(日) 19:15:15.40 ID:oECyfPn3o
このステイルは「人肉は3000℃では燃える前に(ry」とか考えたら失神しそうだ
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/18(月) 01:22:37.50 ID:5EiyLBKAO
むしろ首に針の時点でリタイアだな
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/19(火) 18:58:40.36 ID:TsCoexDvo
ステイルが可愛いですよね>雪見だいふく
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:37:59.33 ID:84cdK0sAO


ステイル「炎剣! イノケンティウス!」

モブ敵「ぬわあああ!!」

インデックス「…………」

ステイル「あれ? 何でこんな所に?」

インデックス「ねえねえ知ってる? 人間の肉は三千度では燃える前に―――――ってしまうんだよ」

ステイル「えー……」ズーン

神裂「どうしたのですか、ステイル?」

ステイル「戦う気が無くなってしまったよ……」

神裂「えっ!?」

インデックス「まーいにーち、ひーとつー。まーめちしーき、ランランラン」


>>135を見てふと、という訳で少し投下します
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:38:26.61 ID:84cdK0sAO


インデックス「とうま、とうま」

上条「……先に言っておくけど、ダメだ」

インデックス「なっ! まだ何にも言ってないんだよ!」

上条「言わなくてもわかるっつうの。アイスはダメだ、金がない」

インデックス「ぶー、とうまのケチ!」

上条「何言われても買いませーん。今から参考書を買いに行くんだから」

インデックス「そんなの買っても意味無いよ、とうま」

上条「……それはいったいどういう意味かなー?」

インデックス「役に立たない物を買っても無駄なだけだ、って言いたいんだよ」

上条「ぐぬぬ……こればかりは反論出来ない」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:38:54.04 ID:84cdK0sAO


上条「とりあえず俺は参考書を買う、それは変わらん」

インデックス「とうまもなかなか頑固だね。そんなんじゃモテないよ?」

上条「……モテねえのは関係ない……きっと」

青髪ピアス「なーに路上で騒いどるん、カミやん」

上条「ん? 何だお前か」

青髪ピアス「何だとはご挨拶やなー。で、そっちの外人さんはどちらさん?」

上条「えーと……まあ色々あって面倒見てる」

青髪ピアス「……誘拐ちゃうよな」

上条「誰が好き好んでこんなの誘拐するんだよ」

インデックス「……とうまー?」ギラッ

上条「すいません調子乗りました本当にすいません」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:40:47.39 ID:84cdK0sAO


ハンバーガーショップ

上条「フ○ーリー三つ……思わぬ出費が」

インデックス「当然の報いなんだよ」

青髪ピアス「しかし、ほぼ満席で座れるか微妙やで」

インデックス「こんな暑い日に外で食べるなんて嫌なんだよ……」

上条「シスターなんだから、少し位我慢というものを……」

青髪ピアス「相席でも良いから何とかして座ら……!」

上条「ん? 席見つかったか?」

青髪ピアス「ああ、あそこが空いとる! むしろあそこしか無い!」

上条「あそこって……ダメだ、あの席だけは止めておこう」

インデックス「でもあの席しか空いて無いよ?」

上条「……巫女姿の女の子一人が山のようなポテトを食っているのを見て、
    お前達はどう思う?」

青髪ピアス「巫女さんサイコー!」

インデックス「たくさんポテトが食べられて羨ましいんだよ!」

上条「そうだよな、お前らに聞いた俺が馬鹿だった」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:41:15.53 ID:84cdK0sAO


青髪ピアス「すいませーん、相席してもええ?」

姫神「どうぞ。うえっぷ……」

上条「……食い過ぎだろ」

インデックス「ポテトばっかり……そんなにポテトが好きなの?」

姫神「今日までポテト。サイズを問わず。百五十円」

青髪ピアス「そういえばCMでやっとったなー」

姫神「さらに。不思議なクーポンで一つ百円」

上条「で、何個頼んだんだ?」

姫神「……二十個」

インデックス「ちょうどいい量だね」

上条「お前基準ではな」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:41:48.35 ID:84cdK0sAO


青髪ピアス「育ち盛りの男で二、三個が限度やからな……」

上条「どれくらい食べたんだ?」

姫神「とりあえず。半分までは頑張った」グッ

上条「親指を立てて自慢するような事じゃないぞ」

青髪ピアス「もうポテトがしなしなになっとる……」

インデックス「ねーねー、少し貰ってもいい?」

姫神「どうぞ。むしろ全部どうぞ」

インデックス「ありがとう! いただきます!」

姫神「……! すごい。片手に十本のポテトを掴み。右手。左手と交互に口に運んでいる」

青髪ピアス「食べるマシーン……」

インデックス「おかわり!」

上条「ありません」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:43:24.24 ID:84cdK0sAO


上条「……しかし、何でポテトと心中するような真似を?」

姫神「なんか。安いって思うと。頼みたくならない?」

青髪ピアス「気持ちはわかるけど限度っちゅうもんが」

姫神「若気の至り。ってやつかな……」フッ

上条「遠くを見つめても全然カッコ良く無いぞ」

姫神「しかし。困った事になった」

インデックス「どうしたの?」

姫神「現在残金。四九〇円」

青髪ピアス「結構ギリギリやな」

姫神「帰りの電車賃。四〇〇円」

上条「何の問題も無いじゃないか」

姫神「……フ○ーリーが買えない」

上条「あっ、こいつ馬鹿だ」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:43:56.47 ID:84cdK0sAO


姫神「初対面の女の子に向かって。馬鹿とは失礼だと思う」

上条「いやいや、お前お腹いっぱいで苦しかったんじゃないのかよ」

姫神「甘いものは。別腹」

上条「……その別腹にポテトを隙間なく埋め込んでやろうか」

姫神「という訳で。百円貸して」

上条「貸しません!」

姫神「ケチな男は。モテないよ」

上条「モテなくて結構です。そんなに食べたきゃ……。
    インデックス、一つ食べさせてやれよ」

インデックス「断る」

青髪ピアス「気持ちいい位の即答やね」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:44:32.78 ID:84cdK0sAO


姫神「ポテトをあげたのだから。フ○ーリーを一つ位くれてもいいと思う」

インデックス「それとこれとは話が違うかも」

姫神「それは。おかしい」

インデックス「ダメなものはダメなんだよ」

上条「こらインデックス、ケチケチすんなよ」

インデックス「むっ、とうまが百円出せば全てが丸く収まるんだよ」

上条「いいから譲れって」

インデックス「百円渡せば良いんだよ」

上条「インデックス!」 インデックス「とうま!」

上イン「ぐぬぬ……」

青髪ピアス「こーゆー時にピッタリな言葉あったやろ。あれ、何やっけ?」

姫神「五十歩百歩」

青髪ピアス「それそれ」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:46:27.39 ID:84cdK0sAO


姫神「結局。私のフ○ーリーはどうなるのだろう」

青髪ピアス「百円位ならボクがあげるで?」

姫神「ありがとう。早速買ってくる。あと。勘違いしないように言っておくけど。
    たかが百円でフラグは立たないから」

青髪ピアス「……そんなにはっきり言わんでも」

上条「今日という今日は許さねえ! お前の夜ご飯はもやし丼決定だ!」

インデックス「なっ! それは拷問なんだよ! 天はそんな非人道的な行いを許さないから!」

上条「だったらおとなしくフ○ーリーを寄越せ!」

インデックス「絶対に嫌!」

上条「じゃあもやし丼だ!」

インデックス「ぐぬぬ……卑怯者!」

姫神「まだ。やってたの」

青髪ピアス「おっ、バナナ味やん」

姫神「うん。美味しい」

青髪ピアス「一口あーん、みたいなドキドキイベントは?」

姫神「もちろん無し」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:47:02.55 ID:84cdK0sAO


上条「……いつの間にか巫女さんの手にフ○ーリーが」

青髪ピアス「カミやん達が痴話喧嘩してる間に、ボクが百円渡しといたんや」

インデックス「あなたは心が広いんだね。卑しいとうまも見習った方がいいかも」

上条「うるせえ穀潰し」

インデックス「むっきー!」

姫神「落ち着いて。落ち着いて」

上条「……で、純和風スタイルの巫女さんが、こんな所で何やってんだ?」

姫神「私。巫女さんではない」

青髪ピアス「どっからどう見ても巫女さんなんやけど……。じゃあ何なん?」

姫神「私。魔法使い」

上イン青「……はあ?」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:49:30.33 ID:84cdK0sAO


インデックス「魔法使い……それ本気で言ってるの?」

姫神「割と。真面目に言ってる」

インデックス「……ふーん、魔法使い、ねえ……」ビキッ

上条「あれ? もしもーし、インデックスさーん?」

インデックス「専門と学派と魔法名と結社名を教えて貰っても良いかな……?」

姫神「うーん。そういうのは。まだ決めてない」

青髪ピアス「魔法使い、ってぴーりかぴりららとかテクマクマヤコンとか、
       プリッキュア、プリッキュアとか言ったりするん?」

姫神「じゃあ。そんな感じで」

インデックス「そんな……感じ……だと?」ビキビキ

上条「何やらインデックスさんの様子が……」

青髪ピアス「それやったら魔法使いちゃうくて魔法少女って感じやな」

姫神「あっ。それいい。魔法少女。アリかも」

インデックス「ねえ、一つ言わせて貰ってもいい?」

姫神「何?」

インデックス「――魔術師舐めんなやゴルァ!」

上条「い、いつものインデックスじゃない……」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:50:02.72 ID:84cdK0sAO


インデックス「何なのその今決めました的な感じは! 嘘つくならせめてもっと考えてからにしてくれる!?
        魔術師ってのは、あなたみたいに中途半端な人間がなれるものじゃないんだよ!」

姫神「違う違う。私は魔術師じゃなくて。魔法少女」

インデックス「それさっき作った設定でしょ! しかもアニメの話とかふざけすぎ!」

上条「ま、まあまあ落ち着いて……」

インデックス「これが落ち着いていられるかあああ!!」

青髪ピアス「な、なんなんこの爆発っぷりは? そんなに魔法使いが好きなんか?」

インデックス「魔法使いが好きなんじゃなくて私はれっきとした魔じゅもがふが!」

上条「はいはい、インデックスさん、それ以上はダメですよー」

151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:50:30.40 ID:84cdK0sAO


上条「全く、そんなに騒いだら他の人に迷惑を……おお!?」

青髪ピアス「カミやんどないしたん?」

上条「いや……お前達、感じないか?」

     ざわ・・・ざわ・・・

インデックス「私の怒りは収まらないんだよ! とうまも何か言ってやって!」

上条「良く見ろ……ほら」

             ざわ・・・ざわ・・・

青髪ピアス「なんやこのざわざわっての……ええ!?」

上条「気付いたか……」

男達「…………」

インデックス「スーツ着た男の人がいっぱい居る……」

青髪ピアス「しかもみんな同じスーツで同じサングラス……けったいやな……」

ざわ・・・ざわ・・・

上条「この効果音にも納得だな……」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:52:04.99 ID:84cdK0sAO


上条「いったい・・・コイツらは何なんだっ・・・!」

   ざわ・・・ざわ・・・

インデックス「私は知らないっ・・・こんな人達・・・記憶には無いっ・・・!」

青髪ピアス「あかん・・・このままじゃボク達・・・マズい事になってまう・・・」

      ざわ・・・ざわ・・・

上条「状況は最悪・・・圧倒的に不利っ・・・!
    落ち着け・・・ここから逃げ出す術を導き出せっ・・・!」

 ――その時、上条に電流走る。

上条「あっ・・・あった・・・! そうだ・・・ただ逃げればいいっ! 単純な事・・・!」

姫神「何を。やってるの?」

上条「いや・・・なんとなく・・・こうしなければいけない気が・・・」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:52:30.75 ID:84cdK0sAO


姫神「別に。そんなに怖がる必要は。無い」

上条「ん? 知り合いか何かか?」

姫神「うん。塾の先生」

青髪ピアス「怪しい船に連れてかれたりせえへん……?」

上条「血とか抜かれたりしないよな……?」

姫神「大丈夫。大丈夫。結構優しいから」

インデックス「見た目からはそんな印象は受けないんだよ……」

姫神「試しに。サングラスを。ひょいっと」

男「…………///」

青髪ピアス「めっちゃ優しそうな目しとる……」

姫神「ギャップ萌え?」

上条「萌えてはいないけどな」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:53:00.52 ID:84cdK0sAO


男「…………」ゴニョゴニョ

姫神「……ふんふん。わかった。という訳で。もう帰らなきゃ」

インデックス「待って! 私の怒りはまだ収まった訳じゃ無いんだよ!」

姫神「まあまあ。美人という事で許して」

上条「自分で言うのか、それ」

青髪ピアス「それやったら魔法美少女になるな」

姫神「なかなか。良いこと言うね」

インデックス「やっぱり私が魔術師についての講釈を!」

上条「どうどう、どうどう」

姫神「では。さようなら」

上条「お、おお、じゃあな。もう二度と会わないだろうけど」

姫神「それは。どうかな?」

上条「変なフラグを立てるなよ……」

インデックス「flag? 旗がどうしたの?」

青髪ピアス「別に知らんくてもええよ」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:54:49.18 ID:84cdK0sAO

―――

 病院の一室から呻き声が聞こえる。
人間の声に似ているが、しかしそれとは決定的に何かが違う。
その声の正体を上条とインデックスは確かめようとした。
そして、声のする部屋の前へとたどり着く。

「とうま……この部屋みたいだね」

「ああ、開けたらおそらく……」

 二人の声は扉の向こうの声とは異なり、か細く、恐怖しているのがわかる。
それでも二人はこの扉を開けなければいけない。
少しの間を置いた後、意を決したのか上条は扉に手をかける。

「……インデックス、開けるぞ」

「うん……」

 上条の言葉に呼応して、インデックスは両手に持った鈍く光る何かを構える。
その何かとは、いわゆるショットガンと呼ばれるものであり、
人を殺傷するための道具である。
何故、人を救う事を生業とする彼女がこの様な物を持つのか。
その理由は、やはりこの扉の向こうにある。

「行くぞ……!」

 バアン! と上条は思い切り扉を開いた。
中にはベッドが複数あり、病室だったと思われる。
しかし、上条達が目を奪われたものはそれでは無く――、

「グェアア……」

「ひいっ……!」

 腐った肉体を動かす異形の集団であった。
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:55:19.05 ID:84cdK0sAO


インデックス「きゃああああ!!」

上条「落ち着け! ちゃんと撃たないとやられるぞ!」

インデックス「でも、でもでもでもお!」

青髪ピアス「ああっ、もう目の前まで来とる!」

上条「インデックス! 早く撃て!」

インデックス「た、弾が無くなっちゃったんだよ!」

青髪ピアス「そういう時は一回下に下ろして引き金引くんやで」

インデックス「よいしょ……あ、出来た」

上条「インデックスさん早くしてもらわないと俺がやられおお!?
    火を吐くゾンビとか聞いた事ねえぞ!!」

インデックス「えい! えい!」

青髪ピアス「あっ、カミやんもう無理やな」

上条「ぬわああああああ!!!」

     GAME OVER

インデックス「とうまがやられちゃったんだよ……」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:55:49.34 ID:84cdK0sAO


上条「ふう、遊び疲れた……」

青髪ピアス「じゃ、まったなー」ブンブン

インデックス「ばいばーい!」

上条「もう五時か……帰るとしますかね」

インデックス「そうだね。帰ってごは……あ」

子猫「みーみー」

上条「ダメだぞ」

インデックス「え!? まだ何にも、話題にすら出して無いんだよ!?」

上条「ダンボールの中の子猫を見つけたら飼いたい、っていうのは定番の流れだからな」

インデックス「じゃあ、その定番とやらに流されて是非ともこの子猫を……」

上条「ダメー」

インデックス「むっ、何でそんな無慈悲な事が言えるの?」

上条「我が家にはそんな余裕は無いからです」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/22(金) 08:56:37.44 ID:84cdK0sAO


子猫「みーみー」

インデックス「ほら、こんなに可愛いのに……」

上条「ダメなものはダメ」

インデックス「むっ、スフィンクスも何とか言ってあげて!」

子猫「みーみー!」

上条「スフィンクスって……何?」

インデックス「この子の名前なんだよ!」

上条「名前付けるとか飼う気満々じゃないか……」

インデックス「もうこの迷える子羊、もとい子猫を飼うのは、
        天に在す父により与えられた運命なのです」

上条「シスターっぽく言ってもダメですぅ」

インデックス「……どうしても?」

上条「金がないっつうの」

インデックス「そんなのどうとでもなるから大丈夫!」

??「その通り、ケチケチせずに飼うべきだよ」

上条「だからダメって……あれ? 何か厄介事が増えた気がするぞ?」
159 :人物紹介 [saga]:2011/04/22(金) 09:04:26.13 ID:84cdK0sAO


上条当麻
今年の夏は勉強しようと思い立ったがそれどころじゃない日々が続きます。

インデックス
神に使える心優しきシスターさん。戒律、暴食なんて言葉は知らない。

青髪ピアス
関西弁が間違っててもキャラだから許されちゃう。

姫神秋沙
なかなか憎めない女の子。結構辛い目に合ってるけど頑張ってマッ○に通います。

スフィンクス
果たして飼われるのかどうか。喋ったりするのは別の作品。

??
伏せる必要はあったのか。正体はインデックスラブのあの男の子。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/22(金) 09:06:18.23 ID:84cdK0sAO
という訳でここまでです
相変わらずのgdgd無茶苦茶でアレですが良かったら次も見てやって下さい
次回はインデックスの奪い合いの予定です
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/04/22(金) 16:20:02.03 ID:C4YJkytRo
乙カレー   福本ネタかよw状況が状況だけに面白かったわい
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/04/22(金) 23:58:07.49 ID:07gtrOjvo
>>インデックスラブのあの男の子

・・・誰だ?そんな男の子いたっけ
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/23(土) 01:21:10.98 ID:zqblOCJW0
>>インデックスラブのあの男の子

地毛は金髪の少年かな
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/23(土) 23:43:47.86 ID:RE0Eep6DO
ウホーノ・フィアンマじゃね?
彼奴にとってインデックスは必要な存在だし
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/24(日) 04:20:52.58 ID:hX/GssWAO
やっぱりとーまはわた……インデックスの事が好きなんだね!
166 :上条 :2011/04/25(月) 14:17:37.93 ID:pxVERO0T0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
早く書け・。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仏領ポリネシア) [sage]:2011/04/25(月) 14:52:52.63 ID:1n+Awhzv0
すている さんじゅうよんさいか
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/25(月) 16:28:06.89 ID:W6xm5dqC0
なんで三日程度我慢できないのかな?
もっと忍耐力を鍛えて出直してこいっての
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/04/25(月) 16:57:14.36 ID:nKHOnDkeo
世の中には一週間後にキッチリ再開したSSもあってだな・・・・・・
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:07:36.97 ID:k7QtO6rAO


ステイル「久しぶりだね、上条当麻」

上条「出たな……厄介事運び屋」

ステイル「……その呼び方はいったい何だい?」

上条「お前がわざわざここまで来るんだ。何か事件か問題でも起きたんだろ?」

ステイル「まあ、そういう事になるかな」

上条「そして俺の前に現れたって事は、俺を巻き込む気満々な訳だ」

ステイル「なかなか鋭いね。話が早くて助かるよ」

上条「そっか、じゃあ先に言っておくな。どうぞお帰り下さい」

ステイル「……君、ふざけているのかい」

上条「お前達と関わっているとロクな事にならなさそうなんだよ。だから帰れ」

ステイル「酷いね……。そんな事言わずにさ、君と僕の仲だろ?」

上条「馴れ馴れしくすんなって言ったのはそっちなんだけどな」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:08:03.42 ID:k7QtO6rAO


インデックス「とうま、せっかく来てくれたのにそれは酷いんだよ」

ステイル「そうだそうだ! もっと優しくして貰いたい!」

上条「相変わらず面倒くさいな……。わかったわかった、とりあえず家まで来い」

ステイル「最初からそうしていれば良かったんだよ」

上条「やっぱり帰ってくれるか?」

ステイル「じ、ジョークさ、そんな真面目に受け取らないでくれ」

インデックス「お腹も減ったし早く帰るんだよ!」

子猫「みーみー」

上条「はいストーップ」グイッ

インデックス「な、何? 私に何か用でもあるの?」

上条「どさくさに紛れて猫を連れて行こうとしてんじゃねえ!」

インデックス「むっ、とうまはこんなか弱く可愛い子猫を見捨てる事が出来るの?」

上条「……生き物を飼うって事はな、そんな簡単な事じゃないんだよ」

ステイル「珍しく真剣な表情だね……」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:08:37.23 ID:k7QtO6rAO


上条「いいか、生き物を飼うって事はソイツの命を預かるって事なんだ。
    もちろん、何でもかんでも世話しろって言ってる訳じゃない。
    でもな、一つの命に責任を持つってのはそんなに簡単に決められるものでもない。
    それに、人間よりも寿命が短い動物がほとんどだ。
    いつか俺達より先に死んでしまうかもしれない。
    インデックス、お前にその責任を負う覚悟はあるか?」

インデックス「……えっと、そこまでは考えていなかったかも」

上条「まあ、それも無理も無いさ」

インデックス「でも、この猫を助けたいって気持ちは強いんだよ!
        私はシスターだから、困っている人や動物が居たら、私が出来る最大限の事をしたい……」

ステイル「……上条当麻、僕からもお願いするよ。この猫を飼う事を許してくれないかい?」

上条「インデックス……、お前が責任を取るんだな?」

インデックス「が、頑張るんだよ!」

上条「その言葉が聞きたかった」

インステ「……え?」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:10:03.77 ID:k7QtO6rAO


上条「俺もこんな可愛い子猫を見捨てるなんて出来ないさ。
    それにお前が居るだけでもう寮の規則とか無視しまくってるから、今更猫の一匹位は問題ない」

インデックス「って事は……」

上条「ちゃんと面倒見るんだぞ、インデックス」

インデックス「やったー! ありがとうなんだよ!」

ステイル「良かったね。でもそれなら最初からそう言えば良かったんじゃ……」

上条「あー、いや、たまには長ゼリフもやんないとストレスたまってさ」

インデックス「何を言ってるの?」

上条「気にしないでくれると助かる」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:10:30.82 ID:k7QtO6rAO


インデックス「良かったね、スフィンクス」

スフィンクス「みー」

上条「す、スフィンクス? もしかして名前か?」

インデックス「うん、いい名前でしょ?」

上条「もっといい名前があると思うんだが……。他に何か無いのか?」

インデックス「じゃあね……、シャミセ 上条「それだけは駄目だ!」

ステイル「わっ! 急に大きな声を出さないで貰えるかな?」

インデックス「何で駄目なの?」

上条「もうそれは使われてるから駄目」

インデックス「良くわからないけど……、それならスフィンクスでもいい?」

上条「まあ……シャミ○ンよりはそっちの方がマシだな」
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:10:56.97 ID:k7QtO6rAO


上条の部屋

上条「さて、話とやらを聞こうか」

ステイル「実は……」

インデックス「とうまとうま、私の下着はどこ?」

ステイル「!?」

上条「洗ってきちんと見えない所に干してあるから畳んどいてくれ」

インデックス「はーい」

ステイル「……炎剣!」ボオッ

上条「うわっ!? 何しやがる!」バキン

ステイル「そうだよ、上条当麻とステイル=マグヌスの関係はこうあるべきだ」

上条「いきなり機嫌悪くなってどうしたんだよ?」

ステイル「何でも無い!」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:11:25.84 ID:k7QtO6rAO


ステイル「……すまない、少し取り乱した」

上条「火事だけは勘弁してくれよ。で、話ってのは?」

ステイル「実はね……、あっ、耳をこちらに向けてくれるかな?」

上条「はいはい……こうで良いのか?」

ステイル「(うん、実は……)」

インデックス「なっ! 二人で何をやっているの!?」

ステイル「うん? 内緒話だけど?」

インデックス(一瞬、怪しい関係に見えたんだよ……)

上条「どうしたインデックス、顔が赤いぞ」

インデックス「な、何でも無いんだよ!」

上条「そうか? じゃあ話の続きを」

ステイル「うん、実はね……」ゴニョゴニョ

インデックス(はわわ……///)
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:12:52.76 ID:k7QtO6rAO


ステイル「(『三沢塾』って知ってるかい? 有名な予備校みたいなんだけど)」

上条「すまん、勉強の類にはさっぱり興味が無いんだ」

ステイル「(まあいいよ。でね、その『三沢塾』に女の子が監禁されてるんだ)」

上条「何か急に犯罪の匂いが……」

ステイル「(その女の子を助け出すのが僕と君の役目って訳だね)」

上条「おい、俺はまだやるとは一言も」

ステイル「(……もし引き受けてくれない場合は、あの子を連れて帰る事になるけどいいのかい?)」

上条「な、何でそうなるんだよ……」

ステイル「(イギリス清教には非協力的だと見なされ、
      禁書目録を側に置くのは危険だと判断されるからさ)」

上条「……そんな事言われたらやるしか無いな」

ステイル「そうこなくっちゃ!」

上条「あー、懐かしいなそれ。マ○オRPGだろ?」

ステイル「……それは何なのかな?」

上条「すまん、気にしないでくれ」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:13:20.21 ID:k7QtO6rAO


インデックス「内緒話は終わったの……?」

上条「ああ。ところでお前、まだ顔赤いぞ?」

インデックス「な、何でも無いんだよ!」

上条「変なヤツだな。で、今から行くのか?」

ステイル「そうだね、すぐにでも出かけるよ」

インデックス「どこか行くの? それなら私も一緒に行くんだよ!」

上条「(おい、インデックスを巻き込む訳にはいかないだろ……? どうすんだ?)」

ステイル「(なに、考えがある。任せてよ)」

ステイル「残念だけどね、これから僕達は塾に行かなければならないんだ」

インデックス「じゅくって、塾の事? 何で勉強をする必要があるの?」

ステイル「君を保護する者にはそれ相応の知識が必要なんだ。
      だから、今から彼に勉強をして貰うって事になった訳さ」

インデックス「ふむふむ、それは確かにそうかも」

上条「なんかそれだと、俺が学のないヤツみたいなんだが……」

インステ「その通り(なんだよ)」

上条「……魔術師なんて、魔術師なんて嫌いだ!」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:14:58.90 ID:k7QtO6rAO


ステイル「では君はお留守番、良いね?」

インデックス「わかったんだよ! スフィンクス、一緒に遊ぼうね」

スフィンクス「なー」

ステイル「さて……、出る前にちょっと着替えさせて貰うよ」

上条「着替え? まあいいや、インデックスはあっち向いとけ」

インデックス「はーい」

ステイル「えっと……、あっ、あったあった」

上条「……学生服? 何に使うんだ?」

ステイル「君は馬鹿かい? 服は着るためにあるんだ」

上条「誰が着るんだよ」

ステイル「僕に決まってるじゃないか」

上条「……何? お前外人コスプレイヤーさん?」

ステイル「そんな趣味は無いさ。塾に入ってもこの格好なら怪しまれないだろ?」

上条「そう……なのか?」

ステイル「ああ、僕の考えに間違いは無い」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:15:26.50 ID:k7QtO6rAO


ステイル「よし……。どうだい、似合ってるだろ?」

上条「うん、とりあえず口元にある煙製造グッズはその姿に似合わないからやめような」

ステイル「日本は禁煙ブームと聞いていたが……、世知辛い世の中になったね」

上条「……そう言えばお前、歳いくつ?」

ステイル「うん? 十四歳だけど?」

上イン「えーっ!!」

ステイル「……君達、なかなか失礼な反応をするね」

上条「うわー無いわー。年上ってのも嫌だけど年下とかもっと無いわー」

ステイル「……まあ、日本人は小さいから、僕くらいの身長は羨ましいのかもしれないね」

上条「身長の話はするな!」

インデックス「とうまは身長を気にしてたの?」

上条「……百八十くらいは欲しかったのに」

ステイル「まさかそのツンツン頭は……」

上条「それ以上言ったら本気で殴るからな? あぁ!?」

インデックス「い、いつものとうまじゃないんだよ……」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:15:54.91 ID:k7QtO6rAO


ステイル「さて、それじゃ行こうか」

上条「メシは冷蔵庫の中な。全部食べ尽くさないで……って無理だよな」

インデックス「うん、ごめんね。そしていただきます。さらにごちそうさまでした」

上条「はあ……」

ステイル「ま、まあ、これが終わったら少し援助するから」

上条「本当だな!?」

ステイル「うん、なんとかしてみるよ」

上条「うっしゃあ! さあ行こうぜ!」

インデックス「行ってらっしゃーい」

ステイル「行ってきまーす」

バタン

ステイル「……ううっ」

上条「えっ、何泣いてんの? 急にどうした?」

ステイル「まさか、あの子とこんなやり取りが出来るようになるなんて、
      夢にも思わなかったから……つい、ね」

上条「そっか……。よし、さっさと済ませて帰ろうぜ」

ステイル「ああ……、そうだね」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:17:26.17 ID:k7QtO6rAO


上条「ところで、気になる事が一つあるんだが聞いても良いか?」

ステイル「あまり詳しい説明をしてなかったね。良いだろう」

上条「女の子一人救うくらい、お前なら余裕だろ。何で俺なんかの協力が必要なんだ?」

ステイル「……それはね、その女の子の持つ能力と今回の相手に関係するんだ」

上条「能力と相手……?」

ステイル「吸血殺し、錬金術師、これについて君は何か知ってるかい?」

上条「でぃーぷぶらっど……、血が濃い……、血液がドロドロ……とか?」

ステイル「……玉ねぎでも食べれば良いんじゃないかな」

上条「その蔑んだ目をやめろ! れ、錬金術師なら知ってるぞ。こう手を合わせて、パンってやる……」

ステイル「そもそも今回の相手は」

上条「すいません……スルーだけはご勘弁を」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:17:52.28 ID:k7QtO6rAO


ステイル「三沢塾という場所は、どうやらカルト宗教の様なものになっていたみたいなんだ」

上条「カルト宗教……。まあ、行き過ぎた指導や、
    カリスマ性があるヤツが居たりするとなりがちなパターンだな」

ステイル「それを乗っ取ってしまったのが、問題の魔術師、もとい錬金術師って訳だ」

上条「何でそこに錬金術師が急に入って来たんだ?」

ステイル「錬金術師の目的は、教祖と信者というシステム。
      この場合は校長と生徒だね。錬金術師はその教祖のような座を奪った。
      そしてもう一つの目的が――そこに捕らえられていた吸血殺しさ」

上条「なるほど……」

ステイル「……君、本当に分かってる? 右から左に受け流していないよね?」

上条「……ごめん」

ステイル「うん……、まあ、いいよ」

上条「その可哀想なものを見る様な目も、出来れば控えて頂けると助かります……」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:18:18.20 ID:k7QtO6rAO


ステイル「簡単に言えば、あいつもこいつも吸血殺しを狙ってるって事さ」

上条「質問!」

ステイル「どうぞ」

上条「吸血殺しって結局何なの?」

ステイル「吸血殺し、それは『ある生き物』に対する切り札。または餌、とも言えるかな」

上条「ある生き物?」

ステイル「カインの末裔って知ってるかい?」

上条(頭の中にマンボウが浮かんだけど……、これ言ったら絶対また馬鹿にされるよな)

上条「わかりません!」

ステイル「つまり――吸血鬼の事さ」

上条「……はあ?」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:19:57.95 ID:k7QtO6rAO


上条「吸血鬼って……、本気で言ってんのか?」

ステイル「僕も信じたくは無いよ。でもね、
      吸血殺しが存在するって事は吸血鬼も存在するって事になる」

上条「何か、屁理屈みたいだな」

ステイル「君もある意味ではそれと全く同じなんだよ」

上条「どういう事?」

ステイル「幻想殺しという異能の力を打ち消すものがある。その存在は異能の力が無いと発揮されない。
      つまり異能の力が存在しているから幻想殺しというものは存在する。
      幻想殺しは魔術師や、この都市の能力者の存在を裏付ける存在でもあるのさ」

上条「……長いけどなんとなくは分かった。……多分」

ステイル「君にはガッカリだよ」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:20:24.41 ID:k7QtO6rAO


上条「これ以上難しい事は勘弁してくれるか……?」

ステイル「うん、説明するだけ労力の無駄みたいだからね。最後にこれだけ見せておくよ」

上条「写真、か」

ステイル「それが吸血殺しの女の子。名前は、姫神秋沙という」

上条「ふーん……、ん? こ、こいつが吸血殺しなのか!?」

ステイル「そうだよ。まさか、知り合いかい?」

上条「知り合いっつうか……。あのポテトフ○ーリー女だとはなあ……」

ステイル「ポテトフ○ーリー……? どういう意味なんだ?」

上条「無計画芋食い別腹女って意味だよ」

ステイル「???」

上条「まあ、深くは気にするな」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:20:53.02 ID:k7QtO6rAO


上条「ところで、インデックスはほっといても良いのか?」

ステイル「ああ、それなら心配要らないよ。これを建物の周りに貼っておいたから」チラッ

上条「……遊○王カード?」

ステイル「あっ……、違う違う! 間違えた、こっちこっち!」

上条「ふーん……」

ステイル「何だいその顔は……」

上条「別にー? ただお前も年相応の趣味があるんだなー、ってさ」

ステイル「ニヤニヤ笑うな! ぶっ殺すぞ!」

上条「はいはい、落ち着いて落ち着いてー」

ステイル「くうっ……」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:22:11.52 ID:k7QtO6rAO


ステイル「……とりあえず、イノケンティウスを置いてきたから大丈夫だ」

上条「可愛い方じゃないよな」

ステイル「もちろんさ。でもね、あの子に気付かれない、かつ強力なものってのは結構難しくてね。
      ちょっと苦労したんだ。まったく、あの子は本当に知識が物凄いから大変だよ。
      まあ、僕にかかればそんなの楽勝さ。あの子を守るくらいどうって事……、またニヤニヤしてるけど今度は何かな」

上条「お前、インデックスの事好きだろ?」

ステイル「なっ……! ば、馬鹿な事を言わないでくれるかい!?
      あの子は保護すべき対象であって、決して恋愛感情なんか無いんだからねっ!」

上条「オー、ブリティッシュツンデーレ」

ステイル「違うから! 本当に違うから!」

上条「はいはい」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:22:39.39 ID:k7QtO6rAO


ステイル「……さて、肝心の敵の話をするよ。名前は、アウレオルス=イザードという」

上条「噂の錬金術師さんか。強いのか?」

ステイル「錬金術師という存在はね、完成すれば最強の存在であると言える」

上条「最強……?」

ステイル「頭の中に思い浮かべたモノを現実世界に引っ張ってこれる。
      それが完成された錬金術師さ」

上条「ごめん、帰るわ」

ステイル「ダメだよ」グイッ

上条「やだ! そんなん無理! 帰る!」

ステイル「大丈夫、大丈夫。あくまでも、完成した場合ってだけさ」

上条「完成してたらどうすんだよ!?」

ステイル「完成させるには、簡単に言うと世界に存在する全てのものを『知り』、『語る』必要がある。
      砂の一粒、君の髪の毛一本一本、そんなの無理だろう?」

上条「……確かに、一生無理だろうな」

ステイル「それをやらない限り錬金術師なんか完成しない。だから大丈夫、大丈夫」

上条「本当に大丈夫?」

ステイル「僕を信用出来ないのかい?」

上条「うーん……、無理かな」

ステイル「まずは君を殴りたくなってきたよ」

上条「冗談、冗談。殴るのは敵だけにしてくれよ」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:24:55.20 ID:k7QtO6rAO


ステイル「とか言いながら歩いてたら着いちゃったね」

上条「ああ……。で、どうやって侵入すんの?」

ステイル「そこに自動ドアがあるだろう? そこから入るよ」

上条「……本気で言ってんの?」

ステイル「男は度胸さ、さあ行こう!」

上条「もうちょっと作戦とか無いのかよ!?」

ステイル「だって、僕は魔術師、魔力でいっぱい。君は幻想殺し、何でも打ち消す。
      そんな二人を魔術師が見逃す訳が無い。どっから入っても一緒さ」

上条「……そう言われたらそんな気が。でも、さすがに正面突破は、ねえ……」

ステイル「怖いのかい? そのツンツン頭はトサカが崩れて出来たのかな?」

上条「ふん、そんな安い挑発なんかに乗らねえっつうの」

ステイル「やーい、チビー」

上条「よし、行くぞ。さっさと終わらせて敵ぶん殴ってついでにお前もぶん殴るぞコラァ!」

ステイル(単純だなあ……)
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/26(火) 02:25:34.93 ID:k7QtO6rAO


 ――数時間後。


上条「だから正面突破はやめようって……」

ステイル「そこはareじゃなくて、wereだよ」

上条「……お前こそ、それだと蜜柑(みかん)じゃなくて密柑(みつかん)だぞ」

ステイル「漢字なんか出来る訳ないだろ!?」

上条「俺も英語なんて出来ねえよ!」

騎士「まあまあ、抑えて抑えて」

教師「そこ! うるさいぞ!」

上ステ「……どうしてこうなった」

騎士「それはまた次回ですね」
192 :人物紹介 [saga]:2011/04/26(火) 02:26:41.81 ID:k7QtO6rAO


上条当麻
いつの間にかゲーム好きで身長を気にするキャラに。どうしてこうなった。

インデックス
下着くらい自分で畳みますよ。……多分。

ステイル
原型をとどめていない。どうしてこうなった。

スフィンクス
新しい仲間。可愛い外見に反して意外と……?

騎士
この話では死んでません。ほぼオリキャラ……あんまり出番は無いから大丈夫。多分。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/26(火) 02:28:41.59 ID:k7QtO6rAO
相変わらずのgdgd無茶苦茶でくだらないですが良かったらまた見てやって下さい
次回こそインデックス争奪戦で二巻分終了……多分
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/04/26(火) 02:29:10.00 ID:Xfat3krYo
ステイルも可愛い
ステイルも可愛い
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 03:30:09.77 ID:EP8GNl3go
相変わらずいいゆるさだ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/26(火) 15:43:07.10 ID:CkQA7rKAO

ゆるさがいい感じ
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/26(火) 16:43:17.03 ID:E9WXqz/V0
良いスレだなぁ
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/04/27(水) 01:57:58.02 ID:MKABs5Dao
よかった……殉職した騎士なんていなかったんだね!
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:42:29.53 ID:Eza1zRlAO


 ――数時間前。


上条「敵の本拠地っていっても……意外と静かだな」

ステイル「油断してはいけないよ。何が起きるかわからないからね」

上条「おう……。ん……? 誰か居るぞ!」

ステイル「どこだ!?」

上条「あそこの受付カウンターみたいな所に……」

ステイル「……近付いてみよう」

上条「ああ……行こうか」

ステイル「(何があってもいいように、気を緩めるなよ)」

上条「(わかってるっつうの……。いったい誰なんだ……)」

ステイル「君……君はいったいここで何をやっているんだい」

??「はい? 私ですか?」

ステイル「……ああ」

受付「私は受付です。見学の方ですか?」

上条「はい……?」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:43:01.32 ID:Eza1zRlAO


ステイル「えっと、僕達は……」

受付「新規に申し込みをされる前に、無料一日体験コースを受講されてはどうでしょう?
    見学も兼ねてぜひ『三沢塾』の勉強法に触れてみる事をお勧めいたします」

上条「いや、そうじゃなくて……」

受付「あっ、そろそろ夜の部が始まりますよ。何はともあれまずは受講! ささ、こちらですよ」

ステイル「だから違うと!」

受付「はい、ノートとペンです! 今なら無料でお渡ししています。ではどうぞ!」

上条「話を聞いてくれ!」

受付「まあまあ、この部屋ですよ」

ガラッ

上条「うわ……」

ステイル「な、何だこれは」

 上条とステイルが目にしたものとは――。
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:43:28.68 ID:Eza1zRlAO


教師「で、この時にaの値が動くと範囲も変わってくるから――」

生徒達「…………」カリカリ

ステイル「これはいったい……」

受付「この教室では今数学の授業をやっています。八十人くらいの生徒さんが頑張ってますよ。
    あなた達はあちらの体験学生専用席へどうぞ!」

上条「体験学生専用席……おい、ちょっと待て。何だあれ!?」

受付「あれ、とはなんでしょう?」

上条「三人がけの席の右端に座っているあの鎧着たオブジェはなんなんだ!?」

ステイル「おそらくローマ正教の十三騎士団の一人……でもいったい何をやっているんだ?」

受付「あの方も見学に来られた方ですよ」

上条「無茶苦茶だ……」

受付「とりあえずお座り下さい! では、帰りにアンケートを書いて頂きますのでまたお会いしましょう!」

上条「あっ、おい!」

ステイル「……座ろうか」

上条「ああ……よいしょ」

騎士「…………」カリカリ

上条(隣では鎧姿の騎士が座ってノートに板書してる……シュールだな)

上条「えっと、騎士さん? こんにちは……」

騎士「あっ、どうも。はじめまして」

上条「あれ? 意外とフレンドリーだ」

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:44:57.92 ID:Eza1zRlAO


ステイル「ローマ正教の騎士だね?」

騎士「確かにその通りです……赤い髪の方は色々知っているみたいですね」

ステイル「僕はイギリス清教の魔術師さ」

騎士「なるほど、この『三沢塾』に来たという事は……吸血殺しと錬金術師絡みですね」

ステイル「そういう事」

上条「アンタも同じような目的で来たのか?」

騎士「そういう事です」

上条「でも、まさかこんな事になるとはな……」

騎士「ええ、まさか日本のカンジや久しぶりに微分積分を学ぶ事になるとは思いませんでした」

ステイル「それにしては何だか楽しそうだね?」

騎士「なかなか教え方が良いんですよ。気が付いたら勉強が楽しくなってました」

上条「なるほど、こうやって『信者』を増やしていったのかもな」

ステイル「そうかもしれないね」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:45:25.94 ID:Eza1zRlAO


騎士「そしてこの『三沢塾』において最高の講師とされるのが……来ました!」

アウレオルス「当然。挨拶をする、お願いします」

生徒達「お願いします!」

上条「もしかしてアイツが……」

ステイル「ああ……あれがアウレオルス=イザードだよ」

アウレオルス「ふむ、旺然と勉学に励む様はやはり素晴らしい」

上条「おい、どうすんだよ……このままじゃアイツ、授業始めちまうぞ」

騎士「まあまあ、一度受講してみてはいかがですか?」

ステイル「何で君はそんなに呑気な事を……」

騎士「今にわかりますよ」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:45:55.77 ID:Eza1zRlAO


アウレオルス「君達は学生だ。必然、勉強をする事が仕事である。そして学びは決して裏切らない、永遠にだ。
        ひたむきに学べ。そうすれば、燦然、輝く未来を必ず掴む事が出来る。――励め!」

生徒達「うおおおおおおおお!!」

上条「な、何これ……」

ステイル「うん、カルト宗教と言っても過言ではないね」

騎士「まあ、士気を高めるためみたいなものですよ。実際、指導はわかりやすいですからね。
    国語数学理科社会英語、何でも出来る正真正銘のスーパー講師です」

ステイル「……確かに、錬金術師は勉学に励み、研究を重ねるから知識はある。
      勉強を教えるというのは天職かもしれないね」

上条「……いきなり暴れる訳にもいかないし、ちょっと様子を見るか」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:47:27.90 ID:Eza1zRlAO


アウレオルス「では、まず今日は古文の長文対策を行う」

ステイル「……古文とは何だい?」

上条「古い日本語って言えばいいかな。ちなみに俺はさっぱりわからん」

アウレオルス「当然、助動詞は暗記すべきだ。また、試験の問題は助動詞や単語、感情表現が狙われる事が多い。
        逆に言えば、そこを学べば点は取れる。ある程度の大学ならば、それなりの結果は得られる」

上条「はあ……なるほどねえ」

ステイル「古文の助動詞というのはどんなのがあるんだ?」

上条「たり、とかけり、とか色々だよ。合わせてしたりける、みたいな形でも使うかな」

ステイル「……ん? どこかで聞いた事あるような……」


―――


ローラ「ぶえっくしょい! また誰か噂したりけるか?」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:47:54.71 ID:Eza1zRlAO


 一時間後。

アウレオルス「つまりこのthe wayとは上の文の――」

上条「ほうほう……」

ステ騎「……zzz」

 さらに一時間後。

アウレオルス「円の面積がこうして導き出される。必然、これをグラフ化すれば自ずと解は――」

上ステ騎「ふむふむ」

 さらにさらに一時間後。

アウレオルス「江戸時代で拾うべきは政治と文化。ただし、変遷は抑圧にも関係し――」

ステイル「他国の歴史を学ぶ事になるとは……」

上条「黙ってノートを取れ」

騎士「わかりやすいでしょう?」

上条「俺もちょっと驚いてる」
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:48:24.91 ID:Eza1zRlAO


 そうして出来上がったのが――。

アウレオルス「依然、学ぶ事は重要だという事は変わらない。生涯学び続けるもまた、良し。
        学習に追われるな、追え。いつ、いかなる時でも学ぶ事により人間は進化し続ける。
        呆然。学ぶ事を辞めるなど愚かである。――止まるな、進み続けろ」

上ステ騎生徒達「うおおおおおお!!!」

 「信者」の皆さんでした。

アウレオルス「遅くなった。自然。今日はここまで。また会おう、諸君」

上ステ騎「はい!」

上条「いやー、有意義な時間を過ごしたなー」

ステイル「勉強ってのも悪くないかもしれないね」

騎士「自分も学生にもう一度戻りたいと思ってしまいましたよ」

上条「……何言ってんだよ。俺達は一生、『学生』だろ?」

騎士「おっ、なかなか上手い事を言いますね」

上条「だろ?」

上ステ騎「はっはっはっはっは! ………………って違ああああああう!!!!」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:50:26.37 ID:Eza1zRlAO


上条「危ねえ……すっかり『信者』になってしまった……」

騎士「やるべき事を忘れかけてしまいましたよ……」

ステイル「こんな事をしている場合じゃない……」

上条「今すぐアウレオルスを倒して姫神秋沙を」

アウレオルス「――私に用か、客人」

上条「アウレオルス……!」

ステイル「そちらから姿を見せてくれるとはね。手間が省けた、感謝するよ」

アウレオルス「全然。貴様らに感謝を言われる事など求めていない。目的は何だ」

上条「お前をぶっ倒して女の子を助け出すんだよ!」

アウレオルス「唖然。私を倒そうなど愚かな行為だ。また、戦いなど時間の無駄である」

ステイル「そっちにその気が無くても、こっちは仕事なんだ。遠慮無くいかせて貰うよ」

アウレオルス「愕然。私はただ――貴様らに感謝の言葉を述べようとしただけなのだが」

上ステ騎「……はあ?」
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:50:53.16 ID:Eza1zRlAO


アウレオルス「例え目的は違えども、教室に入った後は私は『先生』であり、貴様らは『生徒』だ。
        『先生』は『生徒』の貴重な時間を、当然、無駄には出来ない。
        必然。最後まで私の言葉に耳を傾けてくれたものには、感謝をする。改めて、礼を言うぞ」

上条「えっと……つまり、来てくれてありがとう。って言いたいのか?」

アウレオルス「その通り。そちらの二人は遠くから来たようだ。ご足労、感謝する」

ステイル「あれ……こんな性格のヤツだったかな……」

アウレオルス「最後に、夜遅くなってしまったので、帰りの無事を祈る。また共に学ぼう、同志よ」

上条「せ、先生……」

アウレオルス「学ぶ事を――諦めるな」

上ステ騎「はい!」

アウレオルス「うむ、では私はテストを作るので失礼する」

上ステ騎「ありがとうございました!」

上条「…………………………またやっちまった?」

ステイル「……そうみたいだね」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:51:21.31 ID:Eza1zRlAO


上条「なんか、拍子抜けしちゃったな」

ステイル「今のところ全く問題ない、ただの学習塾って感じだね」

騎士「そうですね……。とりあえず自分は一度、仲間の所に戻って作戦を練り直したいと思います」

ステイル「僕達は吸血殺しを探してみるとしようか」

上条「そうだな。アウレオルスと戦う気には……なれないなあ」

ステイル「そんな甘い事を言ってる場合じゃないんだけどね」

騎士「では、自分はここで失礼します。お二人共、気をつけて下さい」

上条「ああ、そっちも頑張ってくれよ」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:53:04.07 ID:Eza1zRlAO


上条「さて、その捕らわれのお姫様を探すって事だけど、いい方法でもあるのか?」

ステイル「この場所の図を見た所、いくつか不可思議な点があってね。
      そこに隠し部屋があるのでは、と考えているんだ」

上条「なるほどね。じゃあ、その隠し部屋とやらを探す……前に、ちょっといいか?」

ステイル「どうしたんだい?」

上条「トイレ行ってくる」

ステイル「……君には緊張感というものはあるのかい?」

上条「お前に言われたくねえけど……すまん、ちょっと待っててくれ」

ステイル「まったく……早くしてくれよ」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:53:32.26 ID:Eza1zRlAO


上条「トイレ、トイレ……ああ! どこにあるんだよ!?」

姫神「そんな大声出して。どうしたの?」

上条「おっ、ちょうど良かった。トイレがどこにあるか教えてくれないか?」

姫神「それなら。突き当たりを。左」

上条「サンキュー! 助かったよ」

姫神「いえいえ」

―――

上条「……ふう、間に合ったー」

上条「いやー、あそこでアイツに会えなかったら水たまり作ってたかもな……。
    姫神って名前は伊達じゃないな。マジ神だ……あっ」

上条「い、居たあああ!! 走れえええ!!」

上条「まだ居るか!? さすがに居ないか? その前に手を洗わないとって時間が無いぞ!」

上条「クソッ……すぐ見つかると良いんだが……」

姫神「誰か。探してるの?」

上条「誰かって……姫神秋沙って女の子を探してるんだよ。やべえ急がないと!」

姫神「へいへーい。姫神秋沙を探してるの?」

上条「だからそう言ってんだろ!」

姫神「へいへいへーい。目の前に居る女の子は。誰?」

上条「誰って俺の目の前に居るのは姫が……居たあああ!!」

姫神「うん。落ち着いて」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:53:59.89 ID:Eza1zRlAO


姫神「迷うといけないから。トイレの前で待ってあげていたのに」

上条「あ、ああ、助かったよ。本当にありがとうな」

姫神「いえいえ。ところで。私に何か用?」

上条「そうだ、実は俺」

姫神「まさか……惚れた? 私は魔法美少女だから。惚れるのも無理はない」

上条「違う違う、それに魔法美少女じゃないだろ。あと『美』をつけるな」

姫神「むむっ。私はちゃんと魔法のステッキも持っている」

上条「……どっからどう見ても警棒なんだが」

姫神「魔法の警棒。スタンガンカスタム。キラッ☆ と一発。相手をダウン」

上条「日曜朝にそんなの放送出来ません」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:55:57.64 ID:Eza1zRlAO


姫神「ではいったい。何をしに来たの?」

上条「何って……お前を助けに来たんだよ」

姫神「助ける? 何で?」

上条「お前が錬金術師に捕らわれているって聞いてさ。さあ、一緒に逃げようぜ」

姫神「……私は。ここから出る必要は無い」

上条「なっ……どういう事だよ?」

姫神「私には。私の目的がある。それはあの錬金術師が居ないと出来ない事。だから。私は出て行かない」

上条「目的って……そんなに大事な事なのか?」

姫神「君は。人を殺した事。ある?」

上条「……はあ?」

姫神「私は。たくさん。……殺してしまった」

上条「……!」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:56:26.76 ID:Eza1zRlAO


姫神「吸血殺しについて。君はどれだけ知ってる?」

上条「えっと……ほとんど知らないんだ」

姫神「吸血殺しは吸血鬼を誘い。殺す。私に誘われた吸血鬼は。皆死ぬ。
    さらに。吸血鬼に噛まれた普通の人は。吸血鬼になってしまう。
    そうやって私の居た場所には。吸血鬼がやって来て。皆。吸血鬼になってしまう。
    つまりどうなるか――わかる?」

上条「……お前の周りに居たヤツらはみんな」

姫神「そういう事。悲劇のヒロインっぽくない?」

上条「……茶化すなよ」

姫神「美しいヒロインって。認めてもいいよ?」

上条「…………悪い、何も言えないや」

姫神「君は。優しい人だね」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:56:52.96 ID:Eza1zRlAO


上条「でもよ、一人の女の子を監禁なんてまともなヤツのする事じゃないだろが」

姫神「監禁なんてとんでもない。私はここで三食昼寝おやつ付きの快適ライフを過ごしていた」

上条「うっ、うん?」

姫神「その代わり。私の扱いはちょっと特殊。この建物には隠し部屋があるのだけれど。
    そこで私がどんな扱いを受けていたかわかる? 俗物過ぎて君はきっと耐えられない」

上条「ど、どういう事だよ?」

姫神「……ちょうど良い。今からその時間だから。ちょっとついて来て」

上条「えっ? どこに行くんだよ?」

姫神「まあまあ。いいからいいから」

上条「あっ、おい、待てって!」

―――

姫神「この部屋の中で。私がされる事を見てて」

上条「……ああ」

姫神「じゃあ。開けるね」ガチャ

生徒達「うおおおおおお!! Hi-女神降りいいいいん!!」

上条「な、何これ!?」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:58:35.55 ID:Eza1zRlAO


生徒A「すいません! こっちに目線お願いします!」

姫神「わかった」

生徒B「うひょー! Hi-女神たんマジ女神!」

生徒C「巫女コスぱねええええ!!」

生徒D「Hi-女神のおかげで毎日生きていられる……ありがたやありがたや」

生徒E「Hi-女神最高ッ!!」

上条「どういう事なの……」

姫神「私はここ『三沢塾』のアイドル。Hi-女神でもある。こうやってファンを大事にしている」

上条「確かに俗物過ぎて俺にはついていけない……」

生徒達「Hi-女・神ッ! Hi-女・神ッ! Hi-女・神ッ!」

姫神「いえい」

生徒達「うおおおおおおおお!!!」

上条「……うん、本人達が幸せなら良いんだよな」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 01:59:15.45 ID:Eza1zRlAO


ステイル「まったく……ずいぶん長いトイレだ。まさか、迷ったんじゃないだろうね……」

ステイル「仕方ない、探しに行くかな」

??「唖然。敵地においてあまりにも無防備」

ステイル「……っ!? 誰だ!」

??「名乗る必要があるか? イギリスの魔術師……いや、『同志』よ」

ステイル「アウレオルス=イザード……!」

アウレオルス「私の邪魔をしに来たか、魔術師」

ステイル「さっきとはずいぶん雰囲気が違うが、もしやアレは……」

アウレオルス「当然。人の前に出るのは偽物で十二分」

ステイル「……チッ。まあいい、大人しくこちらに吸血殺しを渡して貰うよ」

アウレオルス「断る、と言ったら?」

ステイル「決まっている……死ね」

 ステイルの両の手から炎が生まれ、剣の体を成していく。
その炎剣は真っ直ぐアウレオルスに向かい、彼を死へと誘う。
しかし、アウレオルスはただ悠然とその場に立ち続けていた。

 そして、彼は一言。

アウレオルス「――消えろ」

ステイル「……なっ!?」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 02:01:26.23 ID:Eza1zRlAO


姫神「どうだった? 私のアイドルっぷり」

上条「地下アイドルってこういうのを言うんだろうな、って感じ」

姫神「何か失礼」

上条「……ったく、困ってるかと思ったら結構楽しんでみるみたいだし、拍子抜けだな」

姫神「私が困っているから。君はここに来た? 何故?」

上条「決まってんだろ。お前を助けるためだよ」

姫神「……君。私の事……好きなの?」

上条「だから違うっつうの。それより状況が変わっちまった。まずはアイツと合流しなくちゃ……」

姫神「アイツって。誰?」

上条「赤い髪したでっかい男だよ。どこに居るんだろう」

姫神「それって。あの人の事?」

ステイル「…………」

上条「おっ、良かった良かった。待たせて悪い。でも姫神秋沙を見つけたぜ」

ステイル「…………」

上条「あれっ? もしもーし?」

ステイル「……炎剣!」ゴオッ

上条「うおっ!?」バキン

ステイル「上条当麻は……敵だ!」

上条「は、はあ!?」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 02:02:24.44 ID:Eza1zRlAO


姫神「あの人。君の仲間じゃないの?」

上条「そのはずなんだが……どうなってんだよ!?」

ステイル「ふんっ!」

上条「ちいっ! 何すんだよステイル!」

ステイル「上条当麻は敵……上条当麻は……敵!」

上条「んだよコイツ、まるで何かに操られてるみたいだ!」

姫神「もしかして……その通りかも」

上条「何か知ってんのか!? だったら誰がこんな」

姫神「……っ! 危ない! 上の天井が崩れる!」

上条「えっ? うおおおおお!? あっぶねー!」

姫神「前!」

ステイル「はあっ!」ボオッ

上条「や、やべえ……右手が間に合わな」

??「リメン――マグナ」

 上条に向かった炎の剣は、天井から降り注いだ大量の黄金により、
勢いを削がれていった。

上条「ううっ……あれ、生きてる? って何だよこの目の前のキラキラしたのは?」

??「それは灼熱の黄金。触れてはいけない。あの炎を止められるかは疑問だったが、
    弱めて軌道を変える位は出来たようだ」

上条「せ、先生!」

アウレオルス?「無事か、何より」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/28(木) 02:03:57.27 ID:Eza1zRlAO


インデックス「……遅い、遅いんだよ!」

インデックス「遅すぎて私はこの家にある物をつい食べつくしてしまったんだよ!」

インデックス「これは私のせいではなく、とうまのせいかも。わかった、スフィンクス?」

スフィンクス「なー」

インデックス「という訳で、私はとうまを探しに行くんだよ。留守番しててね、スフィンクス」

スフィンクス「なー」

インデックス「いってきまーす」バタン

―――

インデックス「むむっ、これはルーンの刻印……やっぱり何かあったんだね」

インデックス「これを辿れば……よし!」

インデックス「ヘイ、タクシー!」

キキーッ!

運転手「お嬢ちゃん、どちらまで?」

インデックス「よいしょ……。私の言った通りに進んで!」

運転手「……急ぎかい?」

インデックス「大急ぎなんだよ!」

運転手「OK……飛ばすぜ! 振り落とされるなよ!」

インデックス「任せた!」
222 :人物紹介 [saga]:2011/04/28(木) 02:05:22.32 ID:Eza1zRlAO


人物紹介

上条当麻
生まれて初めて勉強が楽しいと思えた夏。

インデックス
働かずに食う飯は美味いようです。

ステイル
ついにバトルシーンが登場したが本人の凄さは百分の一も出ていない。

姫神秋沙
ある時はポテトぱんぱん女。ある時は吸血殺し。その正体はコスプレアイドルHi-女神。

アウレオルス
本物の方。針を首に刺す方。ヘタレって言われる方。

ダミー
偽物の方。その丁寧かつ大胆な指導法には定評がある。生徒の危機は見過ごさない。

騎士
真面目な好青年。他の人は多分どっかで待機してるって事にしよう。

運転手
アメリカで色々事件に巻き込まれるタイプの運転手。
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/28(木) 02:07:49.45 ID:Eza1zRlAO
相変わらずのgdgd無茶苦茶で迷走していますが良かったらまた見てやって下さい
色々あって明日こそ二巻終了。オリキャラ注意って書いた方が良かったかな……
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/28(木) 02:30:25.58 ID:vlfBvtn50
まさかのダミー活躍だと……悪くないっ!
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/04/28(木) 02:34:05.93 ID:1Jp7k5xC0
乙乙

Hi-女神www
その発想は無かったwww
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 06:43:37.19 ID:23PGQi8IO
運転手は映画のタクシーの人かよwww
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/28(木) 08:01:06.72 ID:w7Q3XzBAO
このゆる真面目な雰囲気良いなww
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/04/28(木) 10:08:46.76 ID:dek453U1o


>インデックス
働かずに食う飯は美味いようです。

最低な野郎にしか見えないwwww
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/04/28(木) 10:14:35.31 ID:XsOyV7DAO
>>222

働けニートwwwwwwwwww
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 10:56:57.11 ID:IJ0Y6awDO

インデックスがクズ過ぎるwww
いっそ姫神同様にアウレオルスに引き取ってもらえよw三食保証されるから
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/04/28(木) 15:32:14.27 ID:Fj6fU6Mzo
>>222
インデックス……
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:44:37.61 ID:7SjllAjAO


上条「先生、ありがとうございます!」

アウレオルス?「生徒の危機。当然、助ける他無し」

ステイル「上条当麻は……敵……敵……敵!」ボオッ

アウレオルス?「危ない! 避けろ!」

上条「大丈夫ですよ……ふんっ!」バキン

アウレオルス?「唖然、炎が消えた……?」

姫神「君は。いったい何者?」

上条「説明は後だ! 先生、コイツは何者かに操られているんですか!?」

アウレオルス?「これは……おそらく記憶を操作されているのであろう。
         何かを壊せば治る、というものでは無いと言える」

上条「……魔術が関係している可能性は」

アウレオルス?「必然、魔術によるものと考えて違い無し」

上条「だったら話は早い。すいませんが、俺の援護をして貰えませんか?」

アウレオルス?「何か考えあってか……良し、行け!」
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:45:26.52 ID:7SjllAjAO


ステイル「……ふん!」ゴオッ

上条「ちいっ!」バキン

アウレオルス?「構うな、進め――『瞬間錬金』。炎は任せ、ただ避けて行け」

上条「ああ! ……ステイル! この馬鹿野郎がああ!」

ステイル「……炎剣!」

アウレオルス?「むうっ……素晴らしきはルーンの天才。だが……今だ!」

ステイル「……!」

上条「ステイル、プレゼントだ。おはようござい……ますのゲンコツ!」

ステイル「ぐうっ!? ううっ……」バタン

上条「やべっ、やりすぎたかな……まあいいや、これで大丈夫!」

姫神「殴っただけで。正気に戻るの?」

上条「ああ、見てろって」

ステイル「ううん……何故か頭が痛い……あれ? ここはどこ?
      僕は……ステイル=マグヌス……」

姫神「ベタな目覚め方。本当に戻った」

上条「なっ、言った通りだろ」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:45:53.02 ID:7SjllAjAO


上条「目が覚めたか、ステイル」

ステイル「あ、ああ……いったい僕は何を……そうだ! アウレオルスと会って」

アウレオルス?「…………」

ステイル「……っ! さっきはよくも!」

上条「落ち着けって! 先生は俺達を助けてくれたんだぞ?」

ステイル「えっ? どういう事……そうか、君が……」

アウレオルス?「その通り、私はアウレオルス=イザードであるが――」

ダミー「偽物であり、造り物でもある」

上条「偽物……ってどういう事だよ?」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:47:16.24 ID:7SjllAjAO


ダミー「言葉通り、私は本物のアウレオルス=イザードが造りし魔術人形。
     意志を持ち、言葉を話すが、その存在には価値無き偽物に過ぎない」

上条「そ、そんな……」

ステイル「……しかし、ずいぶん本物と性格が違うように感じるね」

ダミー「最初は私も、アウレオルス=イザードはこの世に私一人と信じていた。
     しかし、自らの身体の不可思議な点、本来との人間の構成との違い、それを段々と知ってしまった。
     そして結論づけた。呆然、私は――人間では無い。この時ばかりは錬金術師の性を呪う他無かったがな」

上条「……そうだっのか」

ダミー「しかし、全然、気にする必要は無い。『生徒』との関わりを経て、
     私は第二のアウレオルス=イザードとして生きる事を決めた。良ければ、ただ一人の人間と扱って欲しい」

ステイル「ずいぶん立派な偽物……いや、『人』だ」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:47:46.89 ID:7SjllAjAO


上条「でも、俺達がここにどうして来たかを知ったら……」

ダミー「当然、何故この地に侵入したかも把握している。吸血殺しの救出、違い無いな?」

ステイル「ああ、しかしそれは『本物』の邪魔をする事になる。君は、どうするんだい?」

ダミー「本来ならば、この『瞬間錬金』を用い止める必要がある。しかし、私は……迷っている」

姫神「いったい。何を迷っているの?」

ダミー「彼の思惑は、そしてその手段は正しいのか、判断がつかない。
     やはり私は造り物だ。結局の所、意志が無いのだろう」

ステイル「では……一つ教えて貰いたいのだけど、いいかい?」

ダミー「当然、生徒の質問には全て答えよう」

ステイル「アウレオルス=イザードの目的とは、いったい何なのか。それによって僕達の行動も変わってくる。
      僕が体験したアレは……完成されたものだった。……信じたく無いけどね。
      アレを使ってヤツはいったい何を望む?」

ダミー「彼の目的、それは――――」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:49:05.25 ID:7SjllAjAO


インデックス「あっ、ここ! ここで止まって!」

キキーッ!

運転手「あのスピードでも平然としやがって……なかなかcoolだったぜ!」

インデックス「あなたの運転も最高だったんだよ!」

運転手「ふっ……ありがとよ。警備員が追って来てるからさっさと消えるとするか……じゃあな!」

インデックス「気をつけてー! ……あれ? 代金は良いのかな?」

インデックス「まあいいや。さあ! いざ出陣なんだよ!」

ウィーン

インデックス「お邪魔しまーす。……やっぱりここみたい」

??「唖然、禁書目録の方からこちらに向かってくるとは」

インデックス「……!? 魔術師!?」

??「どうやら私がわからないか。しかし、それで良し。私の時間もこれで報われる」

インデックス「あなたは……いったい……?」

アウレオルス「お初にお目にかかる。私はアウレオルス=イザード、錬金術師を生業とする者だ」

インデックス「……アウレオルス=イザード」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:49:31.29 ID:7SjllAjAO


ダミー「――――それが彼の思惑、彼の全てだ」

ステイル「……なるほどね、納得したよ。やっぱりそういう事だったのか」

上条「でも……それってまさか」

ステイル「ああ、君のせいでヤツの夢は二度と叶う事は無くなった。同情したくなるね、滑稽だ」

ダミー「……無駄だと言いたいのか?」

ステイル「無駄と言うか……仕方ないと言うか……とりあえず、アウレオルスに会う必要があるね」

上条「行くしか無いのか……」

ダミー「ならば、私は見送る。何が最後に残るかは、全然、見当がつかぬ。
     ……が、――最善を尽くす事を祈る」

上条「先生……ありがとうございます!」

姫神「私も。行く必要があるみたい」

上条「うーん、無いような気もするんだが。あんまり危険な目にはあって欲しく無いし」

姫神「いや。ここで行かないと。また空気に逆戻りする気が」

ステイル「空気? 何の話だい?」

姫神「気にしないで」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:51:06.21 ID:7SjllAjAO


ダミー「最後に一つ。この地に禁書目録が侵入し、本物と接触している。
     現在は校長室に存在を確認した」

上条「何だって!? アイツ……大人しくしてればいいものを。急ぐぞステイル!」

ステイル「うん……そうしたいのは山々なんだけどね」

上条「どうしたステイル! 早く行くぞステイル!」

ステイル「いや、なんか頭が物凄く痛くて……たんこぶも出来てるみたいで。
      何でこうなったんだろう……」

上条「……そ、そんなのいいじゃないかステイル! 我慢しろよステイル!」

ステイル「君……何か知ってるね?」

上条「俺は何も知らないぞステイル! 気にすんなステイル!」

姫神「彼が。ゲンコツで思いっっっきり君を殴った」

ステイル「ほう……」

上条「し、仕方ないんだステイル! 実際その方法でお前を救っている!」

ステイル「……倍返しだ!」ボオオッ

上条「ごめんなさーい!」

ダミー「……呆然、大丈夫なのか?」

姫神「さあ?」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:51:34.68 ID:7SjllAjAO


インデックス「うん……あれ? 私は何でこんな所に?」

アウレオルス「気が付いたか、禁書目録」

インデックス「あなたは……! 私に何か用なの? ……それとも、私の『頭の中』が望み?」

アウレオルス「頭の中? 全然、所蔵された魔道書などに興味無し。むしろ憎むべきはその財産。
        求めるはただ一つ、禁書目録その存在自身のみ」

インデックス「わ、私を? どういう事なの!?」

アウレオルス「何も知らなくて良い。今はまだ、そのままで」

インデックス「ううっ……ごめんなさい! お邪魔しました!」ガチャ

アウレオルス「――戻れ」

インデックス「……あれ? 部屋から出たはずなのに?」

アウレオルス「閉まれ」バタン

インデックス「扉が……これはまさか――金色のアルス=マグナ!?」

アウレオルス「いや、それは自動ドアだ」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:53:12.65 ID:7SjllAjAO


アウレオルス「さて……客人も無事に着いたようだ」

上条「インデックス! 無事か!?」

インデックス「とうま! ……とその隣にいるのはこの前のエセ魔法使い!!」

姫神「違う違う。魔法美少女だって」

インデックス「やっぱりあなたとは一度じっくりと話す必要があるかも!」

ステイル「あの……僕も居るよ?」

インデックス「ちょっと黙ってて! 私はこの女にキチンとした知識を!」

ステイル「……酷いや」

姫神「可哀想。元気出して」

上条「……何で少し嬉しそうなんだ?」

姫神「気にしないで」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:55:04.81 ID:7SjllAjAO


アウレオルス「貴様達、私の邪魔をしに来たか……」

ステイル「当然だろ? その子を危険な目に合わせるわけにはいかないからね」

アウレオルス「どうやら私の狙い、そして私が手に入れた術は知っているようだ。
        ならば、何故、私の邪魔をする。抜け駆けをした『同志』に対する嫉妬か」

ステイル「……馬鹿だ、いや、滑稽だ。なんだかかわいそうになって来たよ」

アウレオルス「……何が言いたい! 禁書目録の記憶を消去するよりは遥かに良いだろう!
        それを滑稽――やはりそうか、貴様は私が羨ましいのだな」

ステイル「はあ……何を言ってもいいけど、後悔するよ?」

インデックス「わ、私のため? あなたは私の事を知っているの?」

アウレオルス「改めて言おう。久しいな、禁書目録」

ステイル「……ソイツは君が三年前に同じ時間を過ごした者さ」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:55:31.49 ID:7SjllAjAO


インデックス「記憶に無い私の知り合い……あなたは私の『ともだち』だったの?」

アウレオルス「友人、か……。いや、違う。私とは繋がりも何も無い。
        あったのはただ、知識のやり取りのみ」

インデックス「知識のやり取り……何が言いたいの?」

アウレオルス「過去の事だ、当然、現在の禁書目録が知る必要無し。
        再び問おう。貴様達、この少女をまだ苦しめる気か?」

ステイル「……もう言っても良いかな? 頼むよ、今代のパートナー」

上条「いや、なんかすっげえ言いづらいんだけど……」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:55:58.05 ID:7SjllAjAO


ステイル「まあ、君そんなに頑張ってなかったし、『自動書記』とやらのおかげだからね」

上条「そうなんだよな……」

アウレオルス「何が言いたい……!」

インデックス「……えっと、私を助けるために色々頑張ってくれたんだよね?」

アウレオルス「全然、苦労など語る必要無し。禁書目録の苦しみに比べれば些細な事」

インデックス「記憶を消さないと死んでしまう、というのを何とかしようとしてくれてたんだよね?」

アウレオルス「その通りだ」

インデックス「なるほど……確かに言いにくいんだよ」

上条「だよな? なんか申し訳ないっつうか……」

ステイル「うーん……やっぱり君が言いなよ」

上条「そうだな……聞け! アウレオルス=イザード!」

アウレオルス「ふん、無駄な時間を使いたく無いが、聞くだけ聞こう」

上条「インデックスの記憶は……もう消さなくても大丈夫です。記憶消さないと死ぬとかもありません」

アウレオルス「………………………………………………………………………………………えっ?」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:57:25.76 ID:7SjllAjAO


アウレオルス「えっ、いや、えっ、あっ、えっ、ええっ!?」

ステイル「落ち着いて、キャラが崩壊してるよ」

アウレオルス「いや、だって、えっ、マジで!?」

上条「う、うん。そもそも人間の記憶が一年でパンクなんかする訳無いっつうの。
    魔術師さんは医療も学ぶべきだと思います」

アウレオルス「……いや、しかし実際苦しんでいたのは事実!」

ステイル「……イギリス清教の者としては詳しく言えないけど、あれはまた別の要因があったんだ」

アウレオルス「な、なるほど。ならばその要因とやらを私が!」

上条「あー……それはもう俺が解決しました」

アウレオルス「うっそおおおお!? ……いや、危ない。騙される所だった。
        必然、魔術に関する事をただの学生が解決出来る訳が無い!」

ステイル「ちょっとこっち見ててね。……えいっ!」ボオッ

上条「ていっ」バキン

アウレオルス「……!? 貴様、魔術師か! しかし何だその魔術は……」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:58:28.18 ID:7SjllAjAO


上条「魔術じゃないんだよこれ。まあ右手で触れば魔術でも霊装でも何でもぶっ壊せるけどな」

アウレオルス「それを使って解決したと……。本当なのか、禁書目録!?」

インデックス「……うん。私はよく覚えていないんだけど、そうみたいなんだよ」

アウレオルス「――呆然。では私の今までの時間は……」

ステイル「……残念だったね」

インデックス「ご、ごめんなさいなんだよ」

アウレオルス「いや、禁書目録が助かったのだから謝る必要など無し。しかし………………はあ」ガックリ

上条「その、何だ……えっと……」

上条(何も言えねえええ!!)

ステイル「元気出しなよ。ほら、君も何か言ってやって」

インデックス「わ、私? その……私は元気だからね? でも、私のためにありがとうなんだよ」

アウレオルス「唖然、呆然……。全然、生きる気力が起きない……。当然、もはや死ぬしか……」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/29(金) 13:59:55.87 ID:7SjllAjAO


上条「(どうすんだよ、めっちゃ落ち込んでるぞ!?)」

ステイル「(僕もどうしたらいいかわからないよ……。ヤツの気持ちは少しわかるから尚更、ね……)」

インデックス「ど、どうすれば……」

アウレオルス「はあーあ……『黄金錬成』をやっと形にしたのになー……。無駄になっちゃったなー……」

ステイル「そ、そうだよ。その『黄金錬成』? スゴいじゃないか!」

インデックス「私も初めて見たんだよ! そこまでの錬金術師は今まで居なかったかも!」

アウレオルス「……そうか? 一人では無理なので何千人という数で術を、
        と思ってやってみたのだが。なかなか上手くいって良かった」

上条「すげえ! それさえあれば何でも出来るじゃないか!」

アウレオルス「……まあ、一番やりたかった事は出来なかったがな。はあ……」ズーン

ステイル「(馬鹿! せっかく立ち直りかけていたのに!)」

上条「(そんな事言われても……)」

インデックス「どうすればいいんだろう……」

??「無様だな、アウレオルス=イザード。全然、まだ貴様に出来る事はある」

上条「こ、この声は!」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/29(金) 14:01:43.73 ID:7SjllAjAO
また深夜に二巻ラストを投下する予定です。良かったら見てやって下さい
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/04/29(金) 14:03:25.71 ID:gcNq/H0bo
乙!
なにこのアウレオルスかわいい
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/29(金) 16:14:37.01 ID:d1CTOdlB0
良い温さだ。そしてダミーがいいキャラ過ぎる予感
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 19:35:41.46 ID:1arYWyMIO
期待して舞ってる
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 21:41:28.86 ID:XX6sw2s7o
若干シリアスなキャラのままかとも思ったがやっぱこんなもんかwwww
姫神は変わってない気がするのはなぜだろうww
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:42:53.91 ID:czI8TudAO


上条「先生!」

インデックス「お、同じ顔が二つ……どういう事?」

ダミー「無粋と知りながら、ここに来た事を申し訳なく思う」

アウレオルス「誰かと思えば……私の偽物が何をしに来た」

ダミー「笑いに来たのだよ、アウレオルス=イザード」

アウレオルス「……この無様な私を見にわざわざ現れただと。偽物の分際で偉そうに」

ダミー「――なるほど、本物はその偽物に劣るような存在だったのか」

アウレオルス「……何が言いたい! 返答の次第によっては、意志持たぬ屑に変えてやろう!」

ダミー「私は貴様にも出来る事があると言った。それが何かわかるか?」

アウレオルス「……最早、私に残された可能性など無い。
        悄然、ただ消え去る以外に何も……何も……はあ……」

ダミー「現在(いま)の話をしているのでは無いよアウレオルス。
     私は未来、これからの話をしたい」

アウレオルス「これから……?」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:43:20.59 ID:czI8TudAO


ダミー「貴様は何故、禁書目録を助けようとした?」

アウレオルス「それは……彼女が救われないという現実に絶望した故。
        そして、記憶を消す前の涙に濡れた笑顔を二度とさせない為!」

インデックス「…………」

ダミー「上出来だよ、アウレオルス。しかし、貴様は綺麗事しか言えないのか?」

アウレオルス「……先程から貴様はぼやかしながら喋り続けているが、言いたい事があるなら早く言え!」

ダミー「ならば問おう、貴様にとって、禁書目録とは何だ?」

アウレオルス「何だ、だと? それを聞いて何になる!?」

ダミー「質問に答えよ、アウレオルス」

アウレオルス「それは……禁書目録とは、私にとって全てを賭しても惜しくない存在だ」

ダミー「そうだな、そして――貴様が想い続けた相手」

アウレオルス「なっ、何をくだらない事を!」

上条「あれ、もしかしてコイツ……」

ダミー「ああ、思っている通り。アウレオルス=イザードは、禁書目録の事が」

アウレオルス「そっ、それ以上は言うな!」

姫神「はっはーん。なるほどね」
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:44:58.28 ID:czI8TudAO


ダミー「何を恥じる必要がある。心に想う女性が苦しんでいる。
     それだけで、世界に相対する理由としては十二分」

アウレオルス「ふざけるなっ! そんな事誰が!」

ダミー「私は貴様の偽物、一番貴様の心を良く知る者だ。ローマ正教、イギリス清教を相手にし、
     研究を続ける。それはただ一人の女性を救うため――実に素晴らしい事ではないか」

上条「なるほどね。インデックスが好きだから、こんな所まで来て今まで頑張れたって訳か」

インデックス「あっ、あの……その……」

アウレオルス「だっ、だからそれは……!」

上条「違うのか? 別に良いじゃないか。好きな女のために命を懸ける、カッコイいと思うぞ」

アウレオルス「人の話を聞け!」

ステイル「……まあ、気持ちは痛い程わかるよ」

姫神「かっくいいー」

アウレオルス「……もうやだ」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:45:24.63 ID:czI8TudAO


ダミー「もう良いではないか、認めてしまえ。貴様は十分やった。後は――好きに生きろ」

アウレオルス「くっ……何だこの状況は……私はそんな下衆な感情など!」

上条「でも好きなんだろ?」

アウレオルス「ううっ……そんなはっきり言うな……」

姫神「否定しないって事は。やっぱり」

アウレオルス「……ああ! もう良い! わかった、認めよう!
        私は禁書目録を心の底から想っていると!」

インデックス「はわわ……あのそれってつまり……」

ステイル「……チッ」

ダミー「さあ、全てをぶつけよ、アウレオルス=イザード。邪魔する者など誰も居ない」

アウレオルス「良いだろう……聞いてくれるか、禁書目録」

インデックス「は、はい……」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:45:52.70 ID:czI8TudAO


アウレオルス「私が禁書目録に出会ったのは今から三年前の事。
        その時は、人を救う術を知りながらも何も出来ない自らを悔いる日々であった」

アウレオルス「人を救う為、自らの知識を生かす為に私はイギリス清教に力を貸した。
        そこで出会ったのだよ。――決して救われる事の無い一人の少女と」

ステイル「…………」

アウレオルス「にも拘わらず、その少女は笑い続けた。自分の為ではなく、他人の為に。
        この少女を救いたい、そう私は心の底から思った。
        その為に魔道書を書き続けた。いつの日か必ず少女が救われる事を信じて」

アウレオルス「しかし、何も解決しない日々、無駄な時間だけが過ぎていった。
        そこでふと考えてしまった……何故私は魔道書を書き続けたのか」

上条「何故って……インデックスを助けるためだろ?」

アウレオルス「いや……違う。私は少女が決して救われる事は無いと気付いていた。
        それでも私は書き続ける――彼女と会うためだけに」

インデックス「……っ」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:47:09.98 ID:czI8TudAO


ステイル「……つまり君は、この子との繋がりを断ちたくないだけだった、と」

アウレオルス「……否定は出来ない。邪な感情しか無かったのかもしれない。
        そして最も滑稽なのは、絶望していた私の心をこの少女は癒やしてくれていたという事。
        救うはずが救われていた。どうだ? 実にくだらないだろう」

インデックス「そ、そんな事は……」

アウレオルス「いいのだ、禁書目録。それに気付いた時、私は筆を取る事は出来なくなった。
        それでも……あの別れの際の涙……あれを許してはいけない。そう誓い、ここまで私は来た」

上条「……何て言ったら良いのかわかんねえけど、悪い」

アウレオルス「それも最早どうでもいい。むしろその方が良かったのかもしれん。
        私はカインの末裔に力を借りてまでも、とさえ考えていた。今になっては危険な考えだと思う。
        許せ、姫神。私は何も出来なかった……」

姫神「……ううん。大丈夫」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:47:40.34 ID:czI8TudAO


ダミー「全てを語ったか、アウレオルス=イザード。さて、ここからが本番だ」

アウレオルス「ああ……禁書目録、私が君を救いたかったという事に嘘偽りは無い。
        結果として、君は救われた。私は心の底から喜ばせて貰うよ。……そして」

インデックス「……うん」

アウレオルス「私の禁書目録に対する気持ちは変わらない。無様な私だが……聞いて欲しい」

ステイル「…………」

アウレオルス「禁書目録……これから、私と同じ時間を共に過ごしてはくれないだろうか?」

上姫ダミ「おおー!」

インデックス「えっと……私は……」

ステイル「……ちょっと待ったあああ!!」

上条「す、ステイル!?」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:49:14.90 ID:czI8TudAO


ステイル「感謝する、アウレオルス。そうだよ、何も諦める事なんて無かったんだ」

上条「どうしたんだよ……まさか、お前も」

ステイル「ああ、そうさ。目の前でそんな事されたら僕だって黙っちゃいられないよ。
      長ったらしく身の上話まで聞かされて、愛の告白をただ見てるだけなんて嫌だね」

姫神「これは。面白くなってきた」

ステイル「……この呼び方も久しぶりだね。インデックス!」

インデックス「は、はい!」

ステイル「聞いて欲しい。僕は君にたくさん酷い事をしてきた……。でもね、君を想わなかった日は一度も無い。
      それくらい、君の事を第一に考えてきた」

ダミー「なるほど……この男もまた」

ステイル「遅いかもしれない……でも、もう諦めたくない!」

上条「来るか? 来るのか来ちゃうんですか!?」

ステイル「……インデックス、僕と……付き合って下さい!」

上姫ダミ「キター!!」

インデックス「わっ……わわっ……私は」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:49:41.43 ID:czI8TudAO


アウレオルス「……貴様! 私と禁書目録の大事な時を邪魔するな!」

ステイル「そっちこそ! ヘタレ野郎は本でも書いて大人しくしてろ!」

ダミー「そこまでだ。これは禁書目録が決める事、黙って彼女の言葉を待て」

上条「インデックス、二人とも真剣なんだ。キチンと答えるんだぞ」

インデックス「と、とうまは……何とも思わないの?」

上条「俺が? 何を?」

インデックス「……とうまのバカ!」

上条「えっ、何で急に機嫌悪くなってんだよ」

インデックス「ふん、知らないんだよ」

ステアウ「…………チッ」

上条「何この雰囲気……まあ、とりあえず二人に返事をしてやれって」

ステイル「……では改めて」

ステアウ「お願いします!」

姫神「さあ。果たして結末はどうなるのか」

インデックス「えっと……その……」

上姫ダミ「…………」ゴクリ

インデックス「ご……ごめんなさい!」

上姫ステアウダミ「……えええ!?」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:51:13.47 ID:czI8TudAO


上条「まさかの結末……どうなってるんだ?」

ステイル「ふ……ふられた……?」

アウレオルス「呆然……想い、届かず……」

姫神「まあまあ。理由を聞いてみないと」

インデックス「……私は記憶が無いから二人の事を良く知らない。
        それに、あなた達が好きなのは昔のインデックス(わたし)で、今の私では無いと思うんだよ……」

上条「だから今はそういう関係にはなれないって事か」

インデックス「うん……だから、ごめんなさい……」

ステイル「で、でも昔も今も君は変わらず君のままだ!」

アウレオルス「その通り、禁書目録の笑顔は何も変わっていない!」

インデックス「ありがとう……でも、さっきも言ったけど、私はあなた達を知らない。
        それなのに想いを受け止めてしまうのは……悪い気がするんだよ」

ダミー「少女よ、相手を知らなければいけない、という決まりはこの世には無い。
     他に思う事があるのでは?」

インデックス「ううっ……ちょっと恥ずかしいかも」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:51:41.62 ID:czI8TudAO


上条「何だよインデックス。他に好きなヤツでも居んのか?」

アウレオルス「何……!? どこのどいつだ!」

ステイル「それを聞かない限りは納得出来ないね!」

インデックス「す、好きまではいかないけど……気になる人は、いる……かも……」

上条「ん? 何でこっちを見てんだ?」

インデックス「……やっぱりとうまはとうまなんだよ」

ステイル「まさか……君が気になるっていうのは!」

姫神「はい。ストップ。乙女の心を詮索するのはこの魔法美少女が許さない」

ダミー「これ以上は醜いだけだ。そこまでにしておけ、二人とも」

アウレオルス「しかし……」

インデックス「あのね、気になるってだけだから……ね?」

姫神「そう。諦めるのはまだ早い。女心は移ろいやすいから」

ステイル「そうか! まだ僕達にもチャンスはあるんだね!?」

アウレオルス「なるほど……! 再び私達の事を知って貰えれば良いのか!」

インデックス「えっと……じゃあ、そういう事で」

ステイル「よし! やる気出て来たよ!」

アウレオルス「俄然! 生きる気力が湧いて来た!」

姫神「魔性の女。ってやつ?」

上条「インデックス……恐ろしい娘!」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:53:47.83 ID:czI8TudAO


上条「えーっと、じゃあとりあえずこの件に関してはもういいよな?」

ステイル「そうだね、君も納得したかい?」

アウレオルス「ああ、私にもまだ未来があるとは思わなかった……感謝するぞ」

上条「俺達は何もしてないって。礼を言うなら先生に言ってくれ」

アウレオルス「確かに……。まさか『私』に助けて貰うとはな。礼を言うぞ、アウレオルス=イザード」

ダミー「私はただ、手助けをしたのみ。それでも役に立てた事は、造り物としてこの上ない幸せ」

アウレオルス「いや……貴様は立派な――人間だよ」

ダミー「……ん? なるほど、ならば有り難く頂くとしよう」

上条「よし、これで一件落着だな」

ステイル「……すまないが、そうはいかないんだ」

アウレオルス「当然。……まだ終わってはいない」

インデックス「えっ? どういう事?」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:54:45.06 ID:czI8TudAO


アウレオルス「私の完成させた『黄金練成』は、この『三沢塾』の生徒を操り、
        本来は数百年以上かかる儀式を短縮する事によって成し得たもの」

上条「ふむふむ、それがどうしたんだ?」

ステイル「……聞いた話だが、能力開発を受けた者が魔術を使うと」

アウレオルス「その通り、過度に使えば……命を落とす」

上条「なっ……! じゃあここの生徒はどうなってんだ!?」

アウレオルス「死ぬ寸前に黄金練成で元に戻す、その繰り返しを行っていた……」

インデックス「そっ、そんな……」

アウレオルス「……私は間違っていたのだ。本来、禁書目録に愛を伝える資格も無い人間。
        堕ちた人間に救いなど、やはりあってはならない。……素直に受け入れよう」

上条「確かに許せる事じゃないけど……でも……」

ステイル「……こればかりは仕方ないさ。黄金練成など存在してはいけないもの。
      僕はそれを知ったからには、例えどんな事情があれ……処さねばならない」

上条「そ、そんな……」
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:55:16.98 ID:czI8TudAO


インデックス「どうにかならないの……? このままだとこの人は……」

ステイル「悪いけど……殺すしかないね」

上条「……ステイル!」

アウレオルス「止めてくれるな。これは、報い。必然、どうしようも無い」

ダミー「……私もただ見てるしか出来なかった。それを詫びるしか無い」

上条「あんまりだろ……こんなの……」

ステイル「では……アウレオルス=イザード、君に問おう」

アウレオルス「…………」

ステイル「さて、どんな顔にしようか?」

上条「……はあ?」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:57:03.10 ID:czI8TudAO


ステイル「君達は何を勘違いしているんだい? 殺すっていうのは何も本当に殺さなくても良いんだよ」

インデックス「……どういう事?」

ステイル「顔を変えて、名前を変えて、黄金練成を使えなくしてしまえば……あら不思議。
      アウレオルス=イザードは死んだ事になる」

上条「じゃあ、別に命を取るってわけじゃないのか!?」

ステイル「当たり前だろ。そんな事したらこの子が泣いちゃうじゃないか」

アウレオルス「そ、そんな事で許されて良いのか? 私は何千という生徒の命を弄び……」

ステイル「認めたくないけど、君の黄金練成は完璧だからね。
      ちゃんと無事なら良いんじゃないかな」

上条「ううん……良いのかなあ?」

姫神「たまには。良いんじゃない?」

インデックス「あれ、居たの?」

姫神「……ちょっと表に出ようか」

ダミー「うむ、落ち着け」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:57:43.10 ID:czI8TudAO


ステイル「では、君の黄金練成で自分の顔を作り替えてくれるかな? なるべくカッコ良くした方がモテると思うよ」

アウレオルス「……禁書目録以外の女性など必要無いがな」

姫神「愛されてるね」

インデックス「……も、もう!」

ステイル「チッ……髪も変えてみたら良いんじゃないかな」

アウレオルス「では――変われ」

上条「おおっ、金髪で長髪のイケメンだ」

アウレオルス「似合っているか?」

インデックス「うん、なかなかカッコいいんだよ」

アウレオルス「そ、そうか? それは良かった」

ステイル「……チッ……チッ」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:58:12.51 ID:czI8TudAO


上条「まあまあ。で、名前はどうするんだ?」

アウレオルス「何か良い名前は無いか? 自分で自分に名前を付けるのは難しいものがある」

ステイル「そうだねえ……シリウス、なんてどうだい?」

インデックス「焼き焦がす……まあ、エジプトの元日に関係もするし、始まりの日って意味では良いかも」

アウレオルス「なるほど……では、これからはシリウスと名乗るとするか」

上条「えっ、マジでシリウスって名前にするの?」

ステイル「何か問題でもあるのかい?」

上条「金髪で長髪で名前がシリウス……そしてその声……良いのかなあ?」

インデックス「どうしたの、とうま?」

上条「まあいいや……何でもない、気にしないでくれ」
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 03:59:56.03 ID:czI8TudAO


ステイル「さて、後は記憶だけど……それは彼にやって貰うよ」

上条「えっ、俺?」

ステイル「(良いから、僕の言うとおりにしてくれ)」

上条「(お、おう)」

ステイル「彼の右手は異能の力を打ち消すが、左手は何と……魔術に関する記憶を消してしまうんだ!」

イン姫アウダミ「ええっ!?」

アウレオルス「唖然……そんな事出来る訳が!」

ステイル「僕も信じてはいなかったけど……実際に仲間がもうやられているからね」

ダミー「まさかそんな恐ろしい能力を持っているとは……」

インデックス「びっくりなんだよ……」

上条「あ、ああ、この左手は記憶殺し(メモリーブレイカー)と言われているんだ」

アウレオルス「悪魔の両手……戦わなくて良かった」

ステイル「では見せてやりなよ、能力者」

上条「いいぜ、お前が今までの事を後悔しているのなら――」

上条「――――まずは、そのふざけた記憶をぶち壊す……ッ!!」ピトッ

アウレオルス「……っ!」

ステイル(ただの嘘だから別に決め台詞とか無くても良いのに)
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 04:01:11.59 ID:czI8TudAO


ステイル「さあ、どうだい? 黄金練成は使えるかな?」

アウレオルス「――飛べ。……駄目だな。それに研究した内容も思い出せない……」

上条「す、すげえ!」

ステイル「(調子に乗るなよ。君はそんなの使えないからね)」

上条「(えっ、そうなの? ……残念)」

ダミー「……どうやら私も消えずに残ったようだ。不思議なものだな」

アウレオルス「すまない……姫神。助ける事は出来なかった」

姫神「大丈夫。まあ。何とかなるよ」

インデックス「何か問題でもあるの?」

上条「吸血殺しっていう吸血鬼を殺してしまう力で困ってるらしいんだ」

インデックス「なるほど……それなら私に任せて貰えるかな?
        私の知識をもってすれば何とかなるかもしれないんだよ」

上条「おおっ、いつものインデックスじゃないみたいだ」

インデックス「……何だか物凄く失礼な事を言われた気がするかも」

上条「気のせいだって」

姫神(あっさり解決……ちょっと残念)
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 04:03:15.71 ID:czI8TudAO


上条「さて、今度こそ一件落着だな」

ステイル「そうだね。色々あって僕も疲れたよ」

インデックス「私はおなかが減ったんだよ……」

上条「相変わらずだな、お前」

姫神「私もフ○ーリーが食べたい」

ステイル「僕は雪見だいふくが食べたいな」

上条「何で雪見だいふくは伏せないんだ……?」

インデックス「私はオムライスとピザとチャーシュー麺と焼きそばと……あと……とりあえずたくさん!」

上条「炭水化物ばっか……っていうかたくさんって何だよ」

アウレオルス「では、食事にでも行こうか。当然、私が全て支払おう」

上条「マジかよ! じゃあみんなで行こうぜ!」

ステイル「君はどうするんだい?」

ダミー「残念だが、私は明日のテストを作らなくてはならないので遠慮させて貰うよ」

上条「そっか……先生、ありがとうございます!」

ダミー「また、いつでも学びに来るが良い。待っているぞ」

インデックス「またね!」

ダミー「………………行ってしまったか」

ダミー「さて、もう出て来ても良いが」

騎士「……バレてましたか」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 04:04:15.49 ID:czI8TudAO


ダミー「ローマ正教の者達が、そんな甘い考えを許すはずも無し。
     全て見ていた君でもそれは変わらないだろう」

騎士「……そうですね」

ダミー「ならば、私の首を持ち帰り、アウレオルス=イザードの死を示せ。
     一度でも生徒となってくれた君ならば、私も思い残す事は無い」

騎士「いえ、その必要は無いでしょう」

ダミー「……何?」

騎士「アウレオルス=イザードは最早何も知らず、ローマ正教に影響を与える事もありません。
    もし彼を殺してしまえば、あの四人が黙っていないでしょう。
    正直な所、今イギリス清教と無闇に争いを起こす事も避けたいのです。その様に先程通達がありました」

ダミー「なるほど……では私はこの場で生徒と共に生きていても良いのか?」

騎士「ええ、先生で居続けて頂ければ幸いです。何かあれば……命を頂く事もあるかもしれません」

ダミー「……ならば、残された時間を楽しませて貰おう」

騎士「次は、生徒として行きたいですね」

ダミー「いつでも来たまえ。……最後に名前を聞いておこうか」

騎士「パルツィバル……と、名乗っておきます」

ダミー「良い名前だ……覚えておくよ」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 04:05:50.40 ID:czI8TudAO


 ――数日後、上条の部屋。


上条「まあ、インデックスはしょうがない、ステイルも良いだろう……しかし――」

インデックス「おかわり!」 ステイル「お茶」 アウレオルス「ナイフは無いか?」

姫神「ちょっと待ってね」

上条「――何でお前達まで居るんだよ!?」

ステイル「仕方ないだろ。学園都市から外に出て貰うにも色々大変なんだから」

アウレオルス「すまないな、あと数日だけ世話になる」

インデックス「吸血殺しを封じるために今色々作ってる最中なんだよ」

姫神「という訳で。私もよろしく」

スフィンクス「なー」

上条「スフィンクス……お前が一番迷惑掛けてないかもな」

インデックス「おかわり!」

上条「待ってろっつうの!」

アウレオルス「むっ、禁書目録、米が頬に付いているぞ」

インデックス「えっ、どこどこ? 取ってくれる?」

アウレオルス「よし……取れた」

インデックス「ありがとうなんだよ!」

アウレオルス「あ、ああ……(生きてて良かった……)」

ステイル「……チッ」

姫神「恋のライバル。って感じ」

上条「ったく……まあ、いっか」
275 :終章のような蛇足 [saga]:2011/04/30(土) 04:06:21.86 ID:czI8TudAO


 上条当麻。

 生まれながらの不幸体質に悩まされるツンツン頭の高校生。

 時には学園都市の闇で暗躍したり、某国の第二王女とよろしくやったり、右手から竜が出て来たり
無能力者の女の子とよろしくやったり、性別が女だったりもする。

 そんな風に様々な可能性があったりするのだが、今回もまた緩く、
たまに真面目になりながら無傷で過ごしてしまった。
ほぼオリキャラな感じのキャラが活躍したり、無茶苦茶な展開やご都合主義ばかりで面白いのかはわからない。
まあ、彼が上条当麻っぽく愉快に呑気に過ごして貰えればそれはそれで。

 という訳で第二巻分、終了。
276 :次回予告 [saga]:2011/04/30(土) 04:08:15.70 ID:czI8TudAO


 学園都市に七人しか存在しないとされる、超能力者。


「うーん……いい天気ね」


 才能、開発、そして努力。


「お姉様ぁ〜!」


 だが、その力に比例して過酷な運命が待ち受けている事もある。


「どっせえええい!」

「だからスカートを捲らないでくださいってば!」


 悲劇とは、子供が受け、大人が与える。


「暑いな……脱いでもいいかな?」

「ダメだって!」


 だが、子供はいつまでも子供ではない。


「幻想御手……?」


 放つのは、少女の怒り。少女の悲しみ。


「――私は、絶対に退かない」


 限界を超えた先に、彼女が見たものとは――。


 とある魔術の上条当麻くん、外伝。

 とある科学の御坂美琴ちゃん、始動。
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/04/30(土) 04:08:46.48 ID:czI8TudAO


黒子「いよいよお姉様が主役の話が始まるんですの!」

佐天「私の無能力者としての葛藤なんかも注目して欲しいですね」

初春「あっ、御坂さんが来ましたよ!」

黒子「おっねえさっま〜!」

美琴「ん? みんな揃ってどうしたの?」

初春「次回予告の話をしてたんですよ」

佐天「御坂さんの大活躍、期待してますね!」

美琴「ああ……あれ、嘘予告よ。信じちゃダメだから」

三人「えっ!?」

??「何だと……それなら私の役割も怪しいな。それにしても……暑い」

美琴「だから脱ぐなっつうの」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/30(土) 04:11:24.83 ID:czI8TudAO
相変わらずgdgd無茶苦茶で何がしたいのかわかりませんが良かったらまた見てやって下さい
次は中途半端ではなくもっと思いっきりふざけられればいいなあ…
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/30(土) 04:19:15.04 ID:H4y8G3HJ0
おつおつ
ダミー……なんかもう悟ってるな。いやもうダミー先生と呼ぼう
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/30(土) 04:40:04.87 ID:X3oUxSEAO
そんな先生も告白シーンの時には「キター!」とか言っちゃうんだぜ?
とにかく乙
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/04/30(土) 04:42:37.63 ID:aWGmR02Oo
乙。期待して待ってます

金髪のシリウス…後は仮面でもつければ完璧だな
すまぬ・・・
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/30(土) 09:11:39.29 ID:UjH7LeCP0
合体!アクエ○オンマ○ズ!
こんな感じだっけ?
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/04/30(土) 09:40:09.94 ID:gFNk/w7AO
>>1

禁書さんマジフラグメイカー
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2011/04/30(土) 10:24:37.97 ID:zGL0ivfY0
>>283
なんだかんだ言っても一番ヒロインしてるしな
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/04/30(土) 23:29:17.82 ID:AiwnbswZ0
乙!
ダミー先生の授業を受けてみたいな…
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:31:36.89 ID:A1P1v/bAO
今から投下するのはもともとこんな風にしたかったなーっていうものです

いつも以上にくだらない小ネタばかりですが良かったら見てやって下さい
ハルヒちゃんのような四コマしたかったのでタイトルが付いているのもありますが気にせずに
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:33:10.16 ID:A1P1v/bAO
リポ○タンD


ステイル「待て待てー!」

インデックス「捕まらないんだよ!」

神裂「そんなスピードではすぐに捕まってしまいますよ!」

インデックス「くうっ……こうなったらビルとビルの間を……ジャーンプ!」ツルッ

インデックス「あっ……きゃあああああ!!」

ステイル「!? 危ないっ! とうっ!」ガシッ

神裂「ステイル! えいっ!」ガシッ

 現在の状況、神裂がベランダに掴まりその神裂の反対の手にステイルが掴まり、
そのステイルの反対の手にインデックスが掴まっている。

インデックス「ううっ……怖かったんだよ……」

ステイル「ふう……何とかなったかな」

神裂「今引き上げますから待って下さいね。……いきますよ!」

神裂「ファイトー!」グイッ

インデックス「いっぱーつ!」

上条「……人の家のベランダで何やってんの?」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:34:11.82 ID:A1P1v/bAO
軽犯罪


上条「へー、魔術師(笑)……ねえ」

ステイル「その馬鹿にした感じはやめてくれるかな!?」

上条「魔術師(笑)」

インデックス「……何だか悔しいんだよ!」

上条「まあまあ、インデックス、だっけ? 元気出せって」ポンッ

バキン!

上条「……うえ? ふ、服が!?」

インデックス「きゃ……きゃあああああ!!」

神裂「な、何をしているのですか!」

ステイル「……ぶち殺す! 四回位殺す!」

上条「ごめんなさい! 何か良くわかんないけどごめんなさい!」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:34:52.16 ID:A1P1v/bAO
モテカワ修道服


上条「うん、魔術師ってのは分かったからその物騒なものをしまって下さい……」

イノケン「ガルルッ」

ステイル「次やったら……覚えとけよ」

神裂「……よし、出来ましたよ。我ながらいい感じに縫い合わせられました」

インデックス「ありがとうなんだよ! よいしょ、よいしょ……ううっ!?」

神裂「どうしました? 何か変でした?」

ステイル「神裂……いくら何でも修道服でへそ出し、片足露出はダメだと思うよ」

神裂「ええっ? ダメですか? こんなに可愛いのに……」

上条「可愛いっつうか、エロいっつうか……」

ステイル「GO! イノケンティウス! あの煩悩の塊を焼き払え!」

イノケン「UGAAA!!」

上条「だからごめんなさいって!」
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:36:19.52 ID:A1P1v/bAO
四人寄らば


上条「なるほど……インデックスの記憶を消さなきゃいけない、と。おっと、それチーする」

ステイル「そういう事さ……うーん、通るかな?」

神裂「私達も色々あって……あっ、リーチしますね」

インデックス「私のためにそんな……ごめんね、ていっ」パシッ

上条「五筒!? やるなあ……よし、八筒は通るっ!」

神裂「やった、ロンです」

上条「うそおおお!?」

インデックス「とうまはダメだね、これは見え見えの待ちだったんだよ」

上条「ううっ……次行くぞ!」ジャラジャラ

上条「……って何で俺達は麻雀やってんだよ!?」

ステイル「四人集まったら麻雀をするのは当然じゃないか」

インデックス「そうなんだよ。とうまの親だからさっさとサイコロを振ってね」

上条「こんなんで良いのかな……」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:36:49.58 ID:A1P1v/bAO
一般的な女性の分量


上条「インデックス、おかわりいるか?」

インデックス?「いえ、大丈夫です。もうお腹いっぱいなので」

上条「インデックスがお茶碗一杯でごちそうさまだと……!? 有り得ない!」

インデックス?「あっ……いえ、今日は調子が悪いのです……」

上条「……お前、インデックスじゃないな! あっ、もしかして……!」

インデックス?「ば、バレては仕方ないですね……そうです、私は――」

ペンデックス「――よっちゃんの方です」

上条「やっぱりか……。何しに来たんだ?」

ペンデックス「ひ、酷いです! とうまさんとお話するために無理を言って出て来たのに……」

上条「えっと、なんかごめん」

ペンデックス「……とうまさんは女の子の気持ちをもっと知るべきです!
        大体この前もあの御坂美琴とかいう短髪の女と……」クドクド

上条「……何だろこの状況」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:37:20.19 ID:A1P1v/bAO
噛みつきオチ


インデックスの場合

インデックス「とうまはまた女の子と……許さないんだよ!」ガブッ

上条「みぎゃああああ!!」


ペンデックスの場合

ペンデックス「とうまさんはまた女の子と……許しません!」バシュウン

上条「ごめんなさい『竜王の殺息』だけは勘弁して下さい!」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:39:34.77 ID:A1P1v/bAO
カモン患者さん


冥土帰し「はい、お大事にね? 次の方、どうぞー」

冥土帰し「よし、では薬をちゃんと貰っていってよ? 何かあったら来るようにしてね?」

冥土帰し「……ふう、今日はこんなもんかな?」

冥土帰し「しかし……何か物足りない気がするのは気のせいなのかね?」

冥土帰し「不謹慎かもしれないけど、もっとこう大怪我した患者さんが頻繁に来るとか……。
      まあ、平和だからいいかな?」
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:40:28.29 ID:A1P1v/bAO
デジョン


アウレオルス「……唖然、費やした時間、労力……全て水泡と化した」ガックリ

上条「げ、元気出せって」

アウレオルス「……はあ、このまま消えてしま――」

上条「あれ? アイツどこ行ったんだ……?」

インデックス「もしかして……消えたいって思いが強すぎて自分は消えてしまえって思っちゃったんじゃ……」

ステイル「という事は……」

上条「……惜しい人を亡くしたな」

姫神「これは。ひどい」
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:41:18.02 ID:A1P1v/bAO
吸血殺し


上条「……! くそっ!」パイルバンカー! マッパハンチ!

姫神「…………」ヴォルカニックヴァイパー! ガン! フレイム!

上条「ああっ……負ける……」

姫神「ふんっ」オラア!

上条「あああっ! また負けた……」

姫神「どう? 私の実力」

上条「うますぎだろ……大会とか出たりした事は無いのか?」

姫神「自慢じゃないけど。優勝候補を倒した事はある」

上条「マジかよ!? すごいな……」

姫神「相手がス○イヤーだったからね」

上条「さすが吸血殺し……」

姫神「いえい」
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:41:49.95 ID:A1P1v/bAO


上条「そういえばさ」

インデックス「ん? 何かあった、とうま?」

上条「俺、朝から補習とかで居なかったりするだろ。そういう時はお前何してんだ?」

インデックス「スフィンクスと遊んでるんだよ、ねー?」

スフィンクス「なー」

上条「でも、それだけで時間が過ぎるとは思えないんだが」

インデックス「うーん、天気のいい日はお散歩したりするかも」

上条「なるほど。まあ、学園都市には色々あるから歩くだけでも結構楽しいかもな」

インデックス「それに出会う人みんな優しいんだよ!」

上条「へえ、どんな人と会ったか教えてくれよ」

インデックス「うん。お昼時にファミレスの近くを歩いていたんだけど――」
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:43:26.67 ID:A1P1v/bAO


インデックス「お……お腹がへって死にそうかも……」

スフィンクス「なー……」

インデックス「スフィンクス……私はもう……疲れ、たんだ……よ……」バタッ

スフィンクス「なー!」

??「ん? 何かしらアレ……」

??「見たところ、超行き倒れって感じですね」

??「助けてあげた方がいいかな?」

??「結局、見過ごすのは気分が悪いって訳よ」

??「フレンダの言うとおりね。もしもーし、生きてるー?」

インデックス「ォ、――――――」

??「お? 何が言いたいの?」

インデックス「おなかへった……」

??「……超分かりやすい行き倒れですね」

インデックス「倒れ死に、とも……ぐふっ」バタン

フレンダ「ああ! また倒れちゃった……どうする麦野?」

麦野「お腹が減ったんならこのファミレスで何か食べさせれば良いでしょう。絹旗、中まで運んで」

絹旗「わかりました。超ちょっと失礼しますよ……よっと」

スフィンクス「なー?」

??「ねこさんも一緒に行く?」

スフィンクス「なー!」

麦野「滝壺、早く入りなさいよ」

滝壺「うん、今行くよ」
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:43:54.07 ID:A1P1v/bAO


インデックス「いただきます! もぐもぐがつがつむしゃむしゃばりばりごくごく」

麦野「す、すごい食欲……」

絹旗「見てて気持ちいいくらいの超食いっぷりですね……」

インデックス「ありがとう! シスターさんを救ったあなた達にはきっといい事があるんだよ! おかわり!」

フレンダ「遠慮の欠片も見えないって訳よ」

滝壺「とりあえず、無事で良かった」

麦野「それもそうね。アンタ、食ってるだけじゃなくて名前くらい教えなさいよ」

インデックス「もぐもぐ、名前? 私の名前はインデックス! 見ての通り教会の者です、おかわり!」

フレンダ「シスターっていうよりフードファイターって感じが……」

麦野「アンタよく食べるわね……見てるだけでお腹いっぱいになってきた」

インデックス「これでもまだ遠慮しているんだよ」

絹旗「胃袋が超宇宙です……」

滝壺「ところで、一つ聞いてもいい?」

インデックス「うん、もぐもぐ、なあに?」

滝壺「名字を教えて欲しいんだけど」

インデックス「名字? うーん……名字と呼べるものは無いんだよ」

滝壺「そっか、ちょっと残念」

麦野(名字が無いってのにはつっこまないの……?)
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:45:38.39 ID:A1P1v/bAO


インデックス「ごちそうさまでした!」

麦野「……ファミレスで諭吉三人分って初めてよ」

絹旗「超有り得ない食いっぷりでしたね……」

フレンダ「あれだけの量がどこに行ったのかわからないって訳よ」

インデックス「お腹いっぱいになったんだよ、ありがとう!」

滝壺「良かったね、インデックス」

インデックス「うん! あっ、そういえばまだあなた達の名前を聞いてなかったね。
        教えてもらっても良い?」

麦野「ああ、そうね。じゃあ私から、私は麦野沈利」

絹旗「絹旗最愛です」

滝壺「滝壺理后だよ」

フレンダ「フレンダ=セイヴェルンね」

麦野「えっ、アンタそんな名前だったの……?」

フレンダ「む、麦野……それはちょっと酷いって訳よ」

滝壺「まあ、最近までわからなかったからね」

絹旗「何言ってるんですか滝壺さん?」

滝壺「きぬはた、気にしなくてもいいよ」
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:46:06.42 ID:A1P1v/bAO


インデックス「しずり、さいあい、りこう、フレンダ。よし、覚えたんだよ!」

麦野「いきなり下の名前とはさすが外人さんって感じね」

絹旗「超フレンドリーなんですね」

滝壺「その名前の呼び方……なんだか私と近いものを感じる」

フレンダ「どうしたの滝壺?」

滝壺「大丈夫、気にしないで」

麦野「ところでアンタ、どこの学生? 修道服が制服なんて聞いた事は無いけど」

インデックス「えっ? えっと……それは……」

絹旗「……超聞いちゃいけない質問だったみたいですね」

滝壺「だめだよむぎの。色々あるみたいだから」

麦野「ワケありって事か……いいわよ無理して答えなくても」

インデックス「うん、そうさせてもらうね」

フレンダ「でも、それならどこに住んでるの? 学生じゃないと住むのも大変だしね」

インデックス「あっ、それはとうまと一緒に住んでるから大丈夫なんだよ」

麦滝絹フレ「!?」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:48:00.93 ID:A1P1v/bAO


麦野「と、とうまっていうのは……男?」

インデックス「うん、とうまは男の子なんだよ」

滝壺「一緒に住んでるの?」

インデックス「そうなんだよ。あっ、スフィンクスも一緒ね」

スフィンクス「なー」

絹旗「……恋人だったりするんですか?」

インデックス「えっ!? あの……その……恥ずかしいんだよ」

フレンダ「こ、この反応は間違いない……!」

麦滝絹フレ(恋人と同棲とかいう甘い生活送ってやがるよコイツー!!)

麦野「くっ……まさかこんな所でこんな寂しい気持ちになるとは……」

滝壺「ちょっと落ち込むね……」

絹旗「見た目はすごくちっちゃいのに……」

フレンダ「それは絹旗が言えたセリフじゃないと思うけど」

麦野「アンタもね、まな板」

フレンダ「なっ!? 胸の話は禁句って訳よ!!」

インデックス「あっ、そろそろカナミン始まるから帰るね。本当にありがとう! またね!」

スフィンクス「なー!」

インデックス「ばいばーい!」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:48:33.91 ID:A1P1v/bAO


絹旗「……行っちゃいましたね」

滝壺「同棲って……楽しいのかなあ」

フレンダ「きっと楽しいだろうなあ……」

麦野「……彼氏、欲しいかも」

滝壺「大丈夫、むぎのは綺麗だからきっとすぐ出来るよ」

麦野「そ、そうかな!?」

絹旗「そうですよ。その胸や超太い足が好きって人がきっと……あっ」

麦野「……きーぬーはーたー?」

絹旗「は、はい!」

麦野「オシオキカクテイ」

絹旗「ううっ……」ズーン

フレンダ「あーあ、本当の事言ったら麦野も怒るに決まってるって訳よ……はっ!」

麦野「フレンダは半分この刑ね」

フレンダ「な、何それ!? 物凄く嫌な予感が!」

滝壺「彼氏か……出来るかなあ……」

絹旗「意外と滝壺さんが一番早く恋人出来たりして」

滝壺「そうかなあ? そうだといいね」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/01(日) 14:49:26.70 ID:A1P1v/bAO


インデックス「――という訳で親切な四人と出会ったんだよ」

上条「他人様に迷惑を掛けやがって……次会ったらお礼言わないとな」

インデックス「他にも色んな人に会ったんだよ」

上条「例えばどんな?」

インデックス「えっと……翼の生えた天使みたいなホストさんと、機械の犬みたいな動物連れたおじいさんと、
        スカート捲りが好きな女の子と頭に花咲かせている女の子、
        あっ、この二人には前にも会った事あるんだけどね。他にも楽しい人が学園都市にはたくさん居るんだよ!」

上条「俺の知ってる学園都市じゃない……何そのメルヘンな世界」

インデックス「心配するな。自覚はある」キリッ

上条「何それ?」

インデックス「最近覚えた今一番イケてる言葉なんだよ」

上条「全然イケてないと思うのは気のせいだろうか」
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/01(日) 14:57:22.38 ID:A1P1v/bAO
本当はこんな感じの小ネタ集でしたが気付いたらこんな事に。方向性が自分でもわかりませんがまだ続きます
皆さんのレスは何も書いてませんが本当に感謝してます
たまに上がっていたら軽い気持ちで見てやって下さい、ではまたいつか
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/01(日) 15:33:43.80 ID:gjUwawMZ0

この勢いならきっとアレイスターは萌キャラだな
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 15:35:37.48 ID:o1haL0FDO
今の内に言っておこう。浜面もげろ
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/01(日) 15:50:34.53 ID:kU20wV5AO
オレもていとくんの台詞はセンスがあると思った
一方通行のTシャツと同じ位に
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/01(日) 16:04:37.46 ID:gKpKEtEt0
機械の犬みたいな動物連れたおじいさんって誰だ?
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/05/01(日) 16:10:03.73 ID:e6Vlw7ppo
メンバーのリーダーじゃね?
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/01(日) 16:11:07.86 ID:dLmhWzbuo
インデックスなんとかかんとかのなんとかかんとかが苗字じゃないか?
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 19:36:36.53 ID:e8VK1CjIO
>>307
一方のシャツには常識は通用しないからな
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/02(月) 20:05:25.55 ID:KJUGHbXAO
>>311
冬服以外のセンスにな
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/05/02(月) 20:06:22.04 ID:v9dNGI2So
ボーダー柄はちょっと太めに見える効果がある
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 21:13:44.01 ID:8YIQOiVko
つまりはモヤシをごまかすためのチョイスだったのか
ファッションセンターしましま……!
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:07:59.54 ID:Oa6b2r4AO


 常盤台中学、学生寮。


美琴「う〜ん……良く寝たなあ……はわあ」

 御坂美琴の朝は早い。
彼女は超能力者であり、常盤台中学の生徒でもある。
常盤台の生徒は皆、規律のある生活を過ごし、気品を身に付けるよう指導される。
その目的は、義務教育終了までに世界に通用する人材になるよう育成するという事。
御坂美琴は、その常盤台中学において頂点のようなものと言っても過言ではない。

 そんな御坂美琴が起床してから最初に行う事は――。

美琴「よし……黒子ぉ?」

黒子「おはようございます、お姉様。どうなさいましたの?」

美琴「うん……私のベッドから出てけえええ!!」ビリビリ

黒子「ごめんなさいですのー!」

 ――ルームメイトの白井黒子に電撃で制裁を与える事であった。
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:08:26.72 ID:Oa6b2r4AO


カチッ

 デンデンデンデデン デンデンデンデデン デンデンデン デンデンデンデデン
(BGM:only my railgun)


 御坂美琴。

 学園都市で開発を受けた学生達は能力者と呼ばれ、六段階に評価をされる。
その内の頂点に君臨するのが超能力者である。
御坂美琴はその超能力者の一人であり、超電磁砲とも呼ばれる。
才能だけでなく努力して超能力者となったという話も有名であり、
学園都市の多くの学生から尊敬されている。

 彼女は電撃使いの頂点でもあり、単純な電撃使用からハッキングまで能力を駆使して様々な事が出来る。
気品溢れるその姿からファンも多く、その中の一人である白井黒子は御坂美琴を崇拝しており、
御坂美琴もその好意と行為を受け入れている。
そう、二人は愛し愛され相思相愛の関係であり、同部屋の二人は夜な夜な熱く濃密な時間を過ご

美琴「ちょっと黒子! 何意味わかんない事語ってるのよ!」

黒子「あらお姉様。これは事実ですの」

美琴「どこかだ! あとそのラジカセは何なの?」

黒子「お姉様といえばこの曲を流さないと!」

美琴「……良くわかんないけどまあいいや」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:08:53.40 ID:Oa6b2r4AO


美琴「風紀委員の友達に会ってほしい?」

黒子「ええ、初春というのですがお姉様に会いたいと言ってますの」

美琴「はあ、でも何で私なんかと?」

黒子「お姉様は学園都市に住む者全員の憧れですから。
    一目でもお会いしたい、という方がいても不思議ではありませんの」

美琴「あー……そういうの結構困るのよね」

黒子「まあまあ、そんな事おっしゃらずに軽い気持ちで来て下さいまし」

美琴「うーん、私も暇じゃ無いのよ?」

黒子「何かご予定でもございますの?」

美琴「予定というか何というか……まあとりあえず忙しいの!」

黒子「?」

美琴(立ち読みしたい、なんて言えないな……)
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:10:33.64 ID:Oa6b2r4AO


美琴「うーん……わかった、でも今回だけよ」

黒子「さすがお姉様! わたくしのお願いを聞いて頂けるなんて……。
    黒子はお姉様の愛をひしひしと感じますの……」

美琴「やっぱりやめようかな……」

黒子「じょ、冗談ですの! 本気でもありますけど!」

美琴「まあいいわ。じゃあ出る準備してくる」

黒子「……お姉様、一つだけお願いが」

美琴「ん? 何よ」

黒子「『アレ』、は置いていって欲しいのですが……」

美琴「ええっ!? 何で!?」

黒子「『アレ』はさすがに……お姉様のイメージが損なわれるというか……」

美琴「うう……でもダメよ! 『アレ』を置いていくくらいなら外なんか出ないから!」

黒子「なっ……! お姉様、そこまで『アレ』を……」

美琴「私にとって『アレ』は掛け替えの無いものなの、愛していると言っても良い!」

黒子「……黒子の負けですの。お姉様、準備をなさって来て下さい」

美琴「うん! ちょっと待っててね!」

黒子「はいですの」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:11:02.78 ID:Oa6b2r4AO


初春「はあ……緊張しますね」

佐天「超能力者で常盤台のお嬢様ねえ……あんまり気が進まないなあ」

初春「まあまあ、そんな事言わないで下さいよ」

佐天「……あたし、帰ろっかなー」

初春「ええっ!? 待ってくださ カチッ

佐天「……カチッ?」

 デンデンデンデデン デンデンデンデデン デンデンデン デンデンデンデデン
(BGM:only my railgun)

佐天「な、何? この音楽!?」

初春「あっちの方からみたいですね……ん? あれは、白井さん!?」

黒子「お待たせしました」

初春「……ラジカセなんて持ってどうしたんですか?」

黒子「これはお姉様を迎え入れるために欠かせないもの、いわゆる入場曲というやつですの」

佐天「……超能力者ってそんな事しなくちゃいけないんだ」

美琴「もう黒子! その良くわからない音楽はやめてって言ったでしょ!」

黒子「まあまあ、お姉様。そんな事おっしゃらずに」

初春「み、御坂さんですか!?」

美琴「ん? そうよ、私が御坂美琴だけど。初春さんかしら?」

初春「はい! 今日は来てくれてありがとうございま……!?」

美琴「あれ、どうしたの?」

佐天「そ、そのバッグはいったい……」
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:12:38.55 ID:Oa6b2r4AO


美琴「これ? このバッグが気になるの!?」

初春「えっと……その緑色のカエルのキャラクターは確か……」

佐天「ゲコ太でしたっけ……?」

美琴「そうよ! ゲコ太! いいでしょこのバッグ? 可愛いでしょ〜」

佐天「(初春……思った以上に変な人が来ちゃったね)」

初春「(そんな事言っちゃダメですよ、佐天さん。でも……アレはさすがに……)」

黒子「お姉様……お二人が若干引いてますの。
    バッグに頬をスリスリするのはお控えになってくださいまし」

美琴「ええー? こんなに可愛いのに……」

佐天「あ、あのー。とりあえずファミレスにでも行きませんか?」

初春「そうですね、私も喉が渇いちゃって」

黒子「ではあそこのお店にでも入りましょうか」
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:13:21.05 ID:Oa6b2r4AO


美琴「佐天さんに初春さんか、よろしくね」

初春「はい! よろしくお願いします!」

佐天「よろしくでーす」

初春「(佐天さん、そんな気だるそうにしちゃダメですよ……)」

佐天「(いいじゃん別に……)」

佐天(超能力者、ねえ……しかし)

美琴「ところで初春さんはゲコ太に興味無い!? ある!? あるわよね!?」

初春「えっ? いや、えっと……」

黒子「お、お姉様……」

佐天(どんだけゲコ太好きなんだっつうの。どこが可愛いんだか……)

美琴「さあ初春さん! 知り合いになった記念にこのベルサイユゲコ太を!」

初春「あ、あの……確か佐天さんがゲコ太って可愛いなあ〜、って前言ってましたよ」

佐天「は、はあ!?」

佐天「(初春! あんた友達売ったな!?)」

初春「(人聞きが悪いですよ佐天さん)」

美琴「……佐天さん。それ、本当?」

佐天「いや、別に……その……」

美琴「もう、それならそうと早く言ってよ! ちょっと待ってね、今カバンから出すから!」

佐天「だ、出すって何を……?」

美琴「決まってるじゃない、ゲ・コ・太! えっとまずはこのねじりはちまきゲコ太でしょー」
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:15:46.11 ID:Oa6b2r4AO


黒子「まさか、これほどまでとは……」

初春「テーブルがゲコ太で埋まっちゃいましたね……」

佐天「いったいあのカバンのどこにこんなに入ってたんだろう……」

美琴「どう? どう? 佐天さんはどのゲコ太が良いと思う?」

佐天「えっ? いや、そう言われましても……」

美琴「気に入ったのがあったらプレゼントするから! さあ、遠慮なくどうぞ!」

佐天「えっと……すいません、正直に言うと……気に入ったのは無いかなあ……」

初春「(さ、佐天さん! 空気を読んで下さいよ!)」

佐天「(だってこんなのいらないよ!)」

初春「(あっ……ほら、御坂さんが……)」

美琴「……そっか、この中に気に入ったのは無いか……」

佐天(うっ……落ち込んでるみたい。さすがにマズかったかな……)

美琴「……ごめんね、佐天さん……私」

黒子「お、お姉様……」

佐天「あの……何て言うか……」

美琴「実は私、とっておきのゲコ太を隠していたんだ……。
    でもそれを見抜くとは、やるわね佐天さん!」

佐天「……はい?」
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:16:24.72 ID:Oa6b2r4AO


美琴「佐天さん……親愛の証にこれを渡すわ、受け取って!」ドン

佐天「な、何ですかこれ!?」

初春「ものすごく重そうですね……」

美琴「超合金ゲコッ太ーロボよ!」

黒子「超合金……ゲコッ太ーロボ……ですの?」

美琴「ゲコッ太ーロボは、蜥蜴帝国から地球を救うために造られた変形型のロボットなの。
    ゲコ太とケロヨンとピョン太が息を合わせないと合体出来なくて――」

初春「(白井さん……なんとかして下さい)」

黒子「(こればかりは無理ですの……)」

佐天(超能力者って……いったい……)
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/07(土) 00:17:09.51 ID:9i4LdXrgo
ゲコ太って昭和時代から存在していたのかw
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:17:19.96 ID:Oa6b2r4AO


クレープ屋

佐天(あれから一時間もゲコッ太ーロボの話を……はあ、疲れた)

美琴「うーん……美味しいわねこれ!」

佐天「そ、そうですねー……」

美琴「あっ、そっちも美味しそう……」

佐天「良ければ一口食べます?」

美琴「いいの? ありがとう!」

佐天「あーん」

美琴「あーん……うん、こっちも美味しい!」

黒子(お、お姉様とあーん……なんて素敵なイベントを……!)

黒子「お姉様ぁ? わたくしにも一口頂けますか?」

美琴「アンタは私と一緒の頼んだじゃない」

黒子「がっ……! ……少々お待ちを」

黒子「ガツガツもぐもぐ……すいません、もう一つ別のクレープを……じゃあそれで」

黒子「お姉様ぁ! これでわたくしもお姉様の一口が!」

美琴「……そこまでしなくても」
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:19:09.80 ID:Oa6b2r4AO


佐天「……でも、御坂さんってすごいですよね。超能力者って簡単になれるものじゃないし」

美琴「うーん……そうなのかな?」

佐天「そうですよ。どうして頑張れたんですか?」

美琴「頑張ったら周りの人がご褒美をくれたのよ。それでかもしれないわね」

佐天「ご褒美? ってまさか……」

美琴「もちろんゲコ太よ!」

佐天「ゲコ太はもう良いですよ……」
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:19:38.15 ID:Oa6b2r4AO


美琴「佐天さんはどんな能力を使えるの?」

佐天「えっと……恥ずかしながらあたし、無能力者なんですよ」

美琴「あっ……なんかごめんね」

佐天「良いんですよ。まあ、無能力者は無能力者なりに楽しく生きられますからね。……それに」

美琴「それに、何?」

佐天「あたしにはコレがありますから!」

美琴「……バット、よね?」

佐天「そうですよ! 学園都市の叡知が集まって完成した、何でも出来るバットです!」

美琴「何でも出来る……って」

佐天「コレさえあれば無能力者のあたしでも問題無し! 護身に戦闘に物干し竿! 
    何でも出来る優れもの!」

美琴「へ、へえ……」

ドカン!

佐天「うわっ……何!?」

美琴「黒子! 何か事件!?」

黒子「能力者が騒ぎを起こしたみたいですの!」

美琴「よし……ここは私が」

佐天「……能力者……だとお?」

美琴「さ、佐天さん……?」
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:20:05.01 ID:Oa6b2r4AO


初春「……これはまずいですね」

美琴「初春さん、居たの?」

初春「何か気に障る言い方ですがまあ良いです。それよりも佐天さんが……」

佐天「能力者……能力者……ふふふ」

黒子「何やら様子がおかしいですの……」

美琴「初春さん……これはいったいどういう事なの?」

初春「佐天さんは自分が無能力者って事にコンプレックスを持っています。
    だからといって非行に走ったりはせず、楽しく可愛く毎日を過ごしていました」

美琴(可愛く……ってのは言う必要あるのかな)

初春「そんな可愛い佐天さんにある日、素晴らしい出会いが訪れました」

黒子「素晴らしい出会い……?」

初春「そう……あのバットです」

美黒「……はあ?」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:22:55.60 ID:Oa6b2r4AO
ゲコ太押しでバットで終わって物凄くアレですがこっちは一旦ここまでです
続いて三巻の方がスタートします
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:23:35.06 ID:Oa6b2r4AO


 上条当麻はいわゆるダメ学生である。

 本棚には漫画が並ぶプチ漫喫状態であり、参考書を買うのには一大決意が必要な位の勉強嫌いだ。
そんなダメ学生は学園都市特有の「開発」の単位も危なかったりする。
まあ、彼には色々あるのでそれも仕方がないのかもしれない。

 しかし、一般的な高校生が行うようなベクトル、古文、
清教徒革命なんかもさっぱりであり、こればかりは仕方がないとはいかない。
このダメ学生に彼の担任、月詠小萌は頭を悩ませている。
いや、正確には悩ませてい「た」。
さらに正確に言うと、過去形になった事で新たな疑問が浮かび、
先生はさらに頭を悩ませる事になった。

 ここまで回りくどい言い方をしてきたが、簡単に言うと――

上条「むむっ! ここは塾でやった事があるぞ! ここも、ここもだ!」

小萌「こ、これはいったい……!?」

上条「いやあ、勉強って楽しいなあ!」

小萌「上条ちゃんが……上条ちゃんがおかしくなっちゃいました!」

 上条当麻が勉強に興味を持ったのである。
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:24:07.49 ID:Oa6b2r4AO


小萌「上条ちゃん……どこかに頭でもぶつけたのですか?」

上条「はい? 何言ってるんですか先生、俺はいつも通りですよ」

小萌「いえ、私は信じません! 上条ちゃんが勉強が楽しいなんて言う訳が……」

上条「……それは教師としてどうなんですか?」

小萌「生徒が自主的に勉強してくれるのはもちろん嬉しい事です。でも上条ちゃんは例外です!」

上条「俺……そこまで勉強嫌いだったのか……」

小萌「この数日の間にいったい何があったのですかー?」

上条「そうですねえ……強いて言うならいい先生に巡り会えたって事かな」

小萌「……ううっ」

上条「あれ? 何故に涙目?」

小萌「先生というものがありながら……他の良い先生を見つけたなんて……先生は、先生は……」

上条「いや、そういうワケでは無くて」

小萌「上条ちゃんの浮気者ッ!!」

上条「……どこがどうなってそうなった?」

青髪ピアス「カミやん! 見損なったで!!」

上条「そしてお前は何故ここに居る」

小萌「上条ちゃんがあ……上条ちゃんがあ……」

青髪ピアス「この外道!!」

上条「時間なので帰りますね、また明日」
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:25:53.32 ID:Oa6b2r4AO


上条(まったく、補習の補習なんてな……早めに終わったからまあいっか)

上条「しかし暑い……ジュースでも飲むか」

上条「財布の中には……二千円札しか無い。両替ついでに投入っと……ん? 反応無し?」

上条「もしかして、まさか、ひょっとして……二千円札なんて使えない?」

上条「うおお!? いや、落ち着け。返却レバーを捻れば……出てこねえええ!!」

上条「カモン! マイ二千円札! 頼むから帰って来てくれ!」

??「ちょろっとー。ジュース買わないなら退きなさいよ」

上条「俺が悪かった! 二千円札なんか邪魔だなー、なんて思ってごめんなさい!」

??「ちょろっとー」

上条「ちょっとした出来心だったんだ! お願いだ、俺達もう一度やり直そう!」

??「ちょろっとー」

上条「何だったら土下座する! お前が帰って来てくれるなら、何だってやるから!」

??「ちょろ 上条「うっせえ! さっきからちょろっとちょろっとやかましいな! 今俺は大事な話をしてんだよ!」

??「えっ? あー、何かごめん……」

上条「分かったんだったら黙ってろ。まったく……」

??「本当ごめんね……って違うっつうの!」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:26:20.16 ID:Oa6b2r4AO


上条「何だ、ビリビリじゃないか」

美琴「だからその呼び方はやめろって言ってるでしょ!」

上条「えー……じゃあピカチュウで良いか?」

美琴「常盤のピカチュウね、なかなかやるじゃない。……って違う!」

上条「うわ、ベタなノリツッコミ」

美琴「したくてしたわけじゃ……だから私には」

上条「それなら電波女にでもしとく? 今流行ってるし」

美琴「……何の話?」

上条「すまん、何でも無い」

美琴「とりあえず私には御坂美琴って名前があんのよ。だからビリビリって呼ぶな!」

上条「わかりましたよ。ビリ坂ビリ琴さん」

美琴「……一回死んどく?」

上条「遠慮しとくよ」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:26:49.39 ID:Oa6b2r4AO


上条「で、何か用?」

美琴「私もジュース欲しいからちょっと退いてくんない?」

上条「良いけど……その自販機、金呑み込むぞ」

美琴「大丈夫よ。ちょっとした『裏技』を使えば良いから」

上条「『裏技』……? 何か嫌な予感すんだけど」

美琴「まあ見てなさい。すー……はああ……」

上条「えっ、何やってんの?」

美琴「……見えた! ちぇいさーっ!」ゲシッ

上条「ミルコのハイキック……って何してんだよ! しかも蹴っても何にも起きねーし!」

美琴「あれ? おっかしいなー……今日は調子悪いのかな?」

上条「いやいや、調子とかそういう問題じゃ無いって」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:28:43.33 ID:Oa6b2r4AO


美琴「仕方ない、アレをやるしか無いか。
    アンタ、ちょっと自販機の前で片膝立ちしなさい」

上条「はい? どういう事?」

美琴「いいから早く!」

上条「何なんだよ……こうか?」

美琴「もうちょい右……もうちょっと、はい、はい……よしOK! 行っくわよー!」

上条「いったい何をするつもり……なっ!?」

美琴「うおおおおおおおお!!」

上条「こっちに向かって突進!?」

美琴「ふんっ!」

上条「俺の立てた膝に左足を乗っけた!? これはまさかシャイニング」

美琴「ちぇいさーっ!」

ガコン!

上条「ウィザーどぐべはあああ!!」

美琴「あっ……勢いつけすぎてアンタまで蹴っちゃった」

上条「ひ……酷い」

美琴「で、でもジュースは出てきたわよ!」

上条「…………酷い」

美琴「……ごめん」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:29:26.18 ID:Oa6b2r4AO


上条「いってー……常盤台のお嬢様がそんな事していいのか?」

美琴「お嬢様にあんまり幻想持たない方が良いわよ」

上条「でもさすがにプロレス技は使わないだろうが」

美琴「さすがにね。でもカップ焼きそばとかスーパーの袋いっぱいに買う女の子も居るのよ」

上条「……マジで?」

美琴「意外?」

上条「ああ、何故かは分からないがちょっとショックだ……」

美琴「女も男も変わらないからね」

上条「せめてス○王とかにして欲しかった」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:30:58.18 ID:Oa6b2r4AO


上条「しかしこの自販機、金返してくれないな……」

美琴「いくら呑まれたの?」

上条「……二千円」

パシャ!

上条「うわっ、いきなり写メとか何だよ」

美琴「いや、このマヌケ面を一斉送信しようかと」

上条「よしお前とは決着を付けなきゃと思っていたんださあ勝負しようか今すぐやるぞさあやるぞ」

美琴「落ち着いて、落ち着いて」

上条「……ったく。あれ? 何でお前も呑まれるって知ってたんだ?」

美琴「そ、それは……」

上条「いくらだ?」

美琴「……一万円」

パシャ!

美琴「うわっ、何するのよ!」

上条「このマヌケ面を一斉送信に決まってんだろ」

美琴「さて勝負しましょうか時間はたっぷりあるしね朝までぶっ続けで黒こげにしてやるからさあ始めましょう今すぐ始めましょう」

上条「落ち着いて、落ち着いて」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:32:27.41 ID:Oa6b2r4AO


上条「しかし返ってこねーな……はあ……」

美琴「うし、この私に任せなさい」

上条「ん? 何かお嬢様式の良い方法でもあんのか?」

美琴「超電磁砲式のやり方でね。美琴センセーにお任せあれってもんよ」

上条「……何かすっげー嫌な予感が」

美琴「行くわよ。……えいっ!」ビリビリ

ズドン! ガラガラガラガラガコンガコンガコンガラガラ

バスン! プシューグワングワンガガガビー! ビー! ビー!

上条「……センセー、質問です」

美琴「な、何よ」

上条「失敗……だよな?」

美琴「……ごめん」
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/07(土) 00:33:33.24 ID:YObV4hE3o
一万円wwwwwwあほすwwwwww
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:34:33.08 ID:Oa6b2r4AO


美琴「……上手くいくと思ったのになー」

上条「元気出せって」

美琴「そうね……とりあえずジュース飲もっかな。
    あれ? 『ヤシの実サイダー』があったはず……って、それもしかして」

上条「んぐんぐ……ぷはー。ん? ああ悪い、『ヤシの実サイダー』は頂きましたよっと」

美琴「狙ってたのに……他には『黒豆サイダー』に『いちごおでん』、
    それに『ガラナ青汁』……。ロクなのが無いわね」

上条「じゃあこれとかどうだ?」

美琴「……その商品名を私に言わせる気?」

上条「あれ、何で機嫌悪くなってんだ? 普通に美味しいと思うぞ、『感じるマンゴー』」

美琴「…………///」

上条「どしたの?」

美琴「何でも無いわよ……」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:35:30.76 ID:Oa6b2r4AO


美琴「……はあ」

上条「何だよ、いきなりため息とか」

美琴「多感な女子中学生には色々あるんですよーだ。……はあ」

上条「色々、ね。何だったら相談に乗ってやっても良いぞ」

美琴「へえ、勝負挑まれてうんざりしてるかと思ってたけど、意外と優しいのね」

上条「優しくしておけば戦うのを控えてくれるかなー、と思って」

美琴「安心しなさい。変わらず勝負は挑み続けてあげるから」

上条「そこを何とか」

美琴「却下……はあ」

上条「本当に大変そうだな……気分転換に面白い話でもしてやろうか?」

美琴「へえ、どんな話?」

上条「魔術師と錬金術師と吸血鬼のお話」

美琴「ガンガンの新連載か何か……?」

上条(ノンフィクションって言っても信じないだろうなあ)
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:36:13.51 ID:Oa6b2r4AO


上条「女子中学生の悩みか……どうせアレだろ?」

美琴「アレって何よ」

上条「ずばり、恋愛関係だな。憧れの先輩とか、幼なじみとかさ」

美琴「男関係じゃないから……そんなベタな悩みだったら良かったんだけどね」

上条「男じゃない……ベタな悩みだったら良かった……まさか、女同士!?」

美琴「はあ!?」

上条「いやー、さすがお嬢様学校だ。女同士の恋愛とはね……」

美琴「……ぶっ飛ばされたいのかしら?」ビリビリ

上条「冗談だって。でも実際にそういうのってあるのか?」

美琴「無い……と言い切れないのが残念ね」

上条「へえ、お前も後輩の女の子に『お姉様ぁ〜!』とか呼ばれちゃったりすんの?」

美琴「そ……それは」

??「お姉様ぁ〜!」

美琴「げっ……黒子」

黒子「お姉様! あぁお姉様! お姉様お姉様お姉様お姉様……お姉様ぁ〜!!」

上条(何かヤバそうなのが来やがった……)
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:38:06.83 ID:Oa6b2r4AO


黒子「お姉様……補習とは珍しいなと思いましたが……。
    その殿方と密会するための口実だったんですのね!」

美琴「んなワケないでしょー。誰がこんなヘンテコを」

上条「誰がヘンテコだ、誰が」

黒子「初めまして殿方さん。わたくし、
    お姉様の『人生のパートナー』をしております白井黒子と言いますの」ギュッ

上条「名前の漢字、別の読み方は?」

黒子「ほくろです……って何言わせるんですの!
    お姉様の良い相手だからって何でも許す訳には……」

上条「だから相手とかじゃないって。あと手を離して下さい」

黒子「ドキドキしませんの?」

上条「中学生相手にドキドキなんてしません」

黒子「なるほど……浮気の心配は無し……と。なかなか厄介ですの」

美琴「くーろーこー? あんまり変な事ばっかり言うと……こうよ!」ビリビリ

黒子「甘いですの、この黒子がその程度の電撃……!?
    空間移動ができなみぎゃあああああああああ!!」

上条「うおっ……危ねー危ねー」バキン

美琴「えっ……? 何で避けないの?」

黒子「な……何故能力が使えな……ぐふっ」バタン

上条「うん、すぐ手を離さなくてごめんな」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/07(土) 00:39:03.48 ID:Oa6b2r4AO


黒子「きょ……今日の所は……これで失礼しますの……ではっ」

上条「消えた!?」

美琴「空間移動よ。まあ、変だけど悪い子じゃないから安心して」

上条「変の後に何か一文字付くような気がするんだが」

美琴「……間違いじゃないかもね」

上条「……お前も大変だな」

美琴「あれ位なら別に良いわよ。……もっと酷い目にあってるから」

上条「御愁傷様です」

??「お姉様?」

上条「またか?」

 と、上条は振り返ると、

黒子「またですの」

 ベンチの後ろに白井黒子が立っていた。

美琴「……まだ何か用?」

黒子「今晩はきちんと帰って来てくださいまし。朝帰りは許しませんの」

美琴「そんな事……するかー!」ビリビリ

黒子「今度は当たりませんのー」

美琴「チッ……まったく、何なのよ」

上条「まあまあ」

??「お姉様?」

上条「またかよ」

 と、上条は振り返ると、

美琴「今度は逃がすかー!」ビリビリ

??「みぎゃああああ! とミサカは急な攻撃に対処出来ず……倒れ……ま」バタッ

 ベンチの後ろにもう一人、御坂美琴が黒こげになって倒れていた。

上条「えっ? 増えてる? っていうか焦げてる!?」
345 :人物紹介 [saga]:2011/05/07(土) 00:39:51.23 ID:Oa6b2r4AO


上条当麻
一万円札を財布に入れるのが夢。未だ叶わず。

御坂美琴
常盤台のお嬢様。毎晩眠れぬ日々が……。

月詠小萌
上条の成長が嬉しくもあり悲しくもある。自身の身長に成長が見られ無いのも悲しい。

青髪ピアス
何で居んの?

白井黒子
お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様ぁ〜!

??
現在の情報:美琴そっくり、美琴をお姉様と呼ぶ、黒こげ。

自販機
時には主役にもなる名脇役。キックと電撃を浴びせる奴には絶対に金を返さない。
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/07(土) 00:43:14.93 ID:Oa6b2r4AO
中途半端ですがこっちもここまでです
迷走し過ぎて何が何だかわかりませんが良かったらまた見てやって下さい

一万円札呑まれたのは確か原作にあったはずなのでオリジナルなネタでは無かったりします

ちなみに現段階で絶対能力者進化計画が物凄く残念な事になっています…
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/07(土) 00:43:49.68 ID:v+5+PXs7o
乙でした
どう残念なんだよwww
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/07(土) 00:47:07.33 ID:9i4LdXrgo
お疲れ様〜    このほのぼの世界の計画がどんなのか超気になるぜ・・・・・・
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 00:59:05.22 ID:TivAxN7K0
乙です。ダミー先生の偉大なる功績がww
実際、勉強が楽しいと思わせられるのって、教師として最高の結果だよなぁ。
そしてこの美琴とはフラグが成立してないのだろうか。

幻想御手編からいきなり絶対能力者進化に移ったから並行して事件が進むのかと思ったけど違うんですかね。
まあ、そうなると時間軸が合わないよなぁ、とは思ったけど。
同時進行の場合、最終的に一方通行が佐天さんバットにホームランされて完になりそうだ。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/07(土) 01:11:42.62 ID:Oa6b2r4AO
oh…説明し忘れていました、分かりづらくてごめんなさい
時系列は原作通りと思って下さい
超電磁砲の方は7/16スタートです、三巻と併行はしておりません
次は安価か何かで分かり易くします
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 21:10:20.38 ID:2sP55XlDO

確か御坂が自販機カツアゲする原因だっけ>一万円
この調子だとセロリも駄目人間臭いなw
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/05/08(日) 09:43:37.84 ID:K1PRpPkHo

mっちゃ楽しみだ
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:03:28.19 ID:yAty4dZAO
こんな深夜ですが>>330の続き、三巻の内容を投下していきます
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:05:45.25 ID:yAty4dZAO
間違えた……>>344からです
最後の方にほんの少しだけ残酷な描写があります
ですが多分気になるほどでは無いと思います
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:06:55.90 ID:yAty4dZAO


上条「だ、大丈夫か? ビリビリそっくりの誰かさん」

??「一応生きてます……とミサカはボロボロの体で何とか起き上がります」

上条「良かった良かった。しかし……似てるなあ。ビリビリの家族か何か?」

妹?「妹です、とミサカは間髪入れずに答えました」

上条「妹か……そりゃ似てる訳だ。こんな可愛らしい妹さんが居たんだな」

妹?「可愛らしい……ですか? とミサカはお世辞とわかっていても褒められた事に気を良くします」

上条「いや、嘘じゃないって。姉妹揃って顔も整ってるし」

妹?「そうですか、とミサカは平静を装いながらもちょっと照れます」

上条「お前、面白いヤツだな。落ち着いてるし、お姉さんも少しは見習ってはいかがですかー?」

美琴「…………」

上条「おや? 御坂さーん?」

美琴「――――アンタ! 一体どうしてこんな所でブラブラしてんのよ!」

上条「うわっ!?」
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:07:23.63 ID:yAty4dZAO


上条(何だコイツ……急に大声出しやがって)

妹?「何かと問われれば、研修中です、とミサカは簡潔に答えます」

美琴「けん、」

上条「研修中……それってもしかしてプールとか海でやったのか?」

妹?「……確かにそうですが、何故わかったのですか? とミサカは不思議に思います」

上条「頭にゴーグルつけてれば誰だってわかるだろ」

妹?「このゴーグルは特殊な電子ゴーグルであり、競泳用のゴーグルとは異なります、とミサカは説明します」

上条「いや、どっからどう見ても普通のゴーグルなのですが」

妹?「……! 少々お待ちを……とミサカは鞄の中から本物のゴーグルを出して取り替えます」

上条「プール上がってから付けっぱだったのか?」

妹?「どうやらそのようですね……とミサカは恥ずかしさで顔が赤くなります」

上条「気にすんなって」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:08:45.61 ID:yAty4dZAO


上条「しかし、何で一人称がミサカなんだ? 名前がミサカって事は無いだろうし」

妹?「ミサカの名前はミサカですが、とミサカは即答します」

上条「御坂ミサカ? 何それギャグ?」

妹?「人の名前をギャグとは失礼ですね、とミサカはムッとします」

上条「は、はあ……珍しい名前ですね」

美琴「……ちょっといいかしら?」

上条「どうしたお姉さん」

美琴「おい妹。とりあえずこっち来てみよーかー?」

妹?「いえ、ミサカにもスケジュールが――――」

美琴「いいから……きなさい」

妹?「だからミサカにもスケジュールがあると」

美琴「いいから! きなさい!」

妹?「何度も言いますがミサカにもスケジュールが」

美琴「いいから!」

妹?「スケジュールが! とミサ」

美琴「いいから来いっつってんだろうがゴルァ!」

妹?「!? とミサカはびっくりしながらもお姉様に引きずられていきます」ズルズル

上条「…………」

美琴「大人しくついて来なさい!」

妹?「スケジュールがー、スケジュールがー、とミサカはスケジュールを気にします」

上条「…………複雑な、ご家庭なのかな」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:09:12.05 ID:yAty4dZAO


上条(それにしても、このジュースどうしようか……まあ持って帰るしか無いんですけどね)

上条「よいしょ、結構……おっとっと……重いな……あっ」

上条「やべっ、一本落としちまった……」

??「お困りのようですね、とミサカはジュースを拾いながら声を掛けます」

上条「ん? なんだビリビリか」

??「ビリビリ……とは何の事でしょうか? とミサカは質問します」

上条「あれ、いつもみたいに私の名前は御坂美琴なのよー、って怒んないのか?」

??「なるほど、あなたはお姉様と勘違いしているのですね、とミサカは理解します」

上条「お姉様……ああ、妹さんか。でもお姉さんとどっか行ったんじゃ」

御坂妹「ミサカはあちらから来ただけですが、と指差します」

上条「……? まあいいや」
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:10:34.71 ID:yAty4dZAO


御坂妹「ところでこのジュースを一人で持つつもりですか、とミサカは質問します」

上条「ああ、そのつもりだけど」

御坂妹「良ければミサカも手伝いましょうか、とミサカは提案します」

上条「いや、別にいいよ。何だか悪いし」

御坂妹「また落としたら面倒くさい事になりますよ、とミサカは指摘します」

上条「うーん……確かにそうだな」

御坂妹「それと」

上条「うん?」

御坂妹「ミサカは喉が渇いているので、運んだ報酬に一本くれないかなー、とミサカは打算的な考えを露わにします」

上条「なんだ、欲しいなら欲しいって素直に言えばいいのに。じゃあ手伝ってもらいますよー」

御坂妹「了解しました、とミサカは半分持ちま……結構重いですね、とミサカはびっくりします」

上条「大丈夫か? そんな持たなくてもいいぞ」

御坂妹「ジュースのためです、とミサカは頑張ります」

上条「無理すんなよー」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:11:00.78 ID:yAty4dZAO


とある男子寮

上条「俺の部屋は七階だから」

御坂妹「まさか階段なんて言いませんよね、とミサカは不安になります」

上条「いくらボロくてもエレベーターくらいあるっつうの。こっちこっち」ウィーン

御坂妹「確かにボロいですね……とミサカはここが学園都市かどうかを一瞬疑いました」

上条「失礼だぞ。お、着いた」キンコーン

御坂妹「あなたの部屋はどこですか?
     とミサカは待ちに待ったジュースの時間に早く移行したいとせかします」

上条「ここだよ、ちょっと待って……ん?」

ウワー アガリナンダヨ ヤルナーシスター アゼン、アガレナイ マタ。クウキ

上条「部屋の中が騒がしいな」ガチャ

上条「ただいまー……あ?」

インデックス「ロンなんだよ!」

ステイル「またかい!?」

アウレオルス「禁書目録の独壇場か……」

姫神「あっ。お帰りなさい上条君」

舞夏「お邪魔してるぞー」

上条「……お前ら、何やってんの?」

インデックス「麻雀なんだよ!」

上条「そりゃ見てわかるっつうの」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:12:38.07 ID:yAty4dZAO


上条「誰がこれ持って来たんだ?」

舞夏「私だー」

上条「お前だったのか」

舞夏「暇を持て余した」

上条「脇役達の遊び」

インデックス「私は脇役なんかじゃ無いんだよ!」

姫神「まあまあ」

舞夏「シスター達があまりにも暇そうなので麻雀を教えてやってたんだー」

上条「なるほどね。っつうかお前、麻雀なんかよく持ってたな」

舞夏「兄貴が脱衣麻雀がしたいって言ってなー」

上条「ん? 二人だと出来ないんじゃ」

舞夏「十七歩ってヤツなら二人でも出来るぞー」

上条「へえ……で、結果は?」

舞夏「兄貴はすっぽんぽんになった」

上条「いい気味だな」

御坂妹「……この国際色豊かな方々は家族ですか? とミサカは状況が把握出来ず困惑します」

上条「一人は家族……いや、居候だけど残りは違うぞ」

御坂妹「ではいったい何があったのですか? とミサカは再度質問します」

上条「色々あるんだよ、色々な」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:13:07.57 ID:yAty4dZAO


 ――学園都市に降り立った四人の雀鬼。

インデックス「あなたの引いた牌は……白だね」

ステイル「な、何でわかるんだい!?」

インデックス「私の完全記憶能力をもってすれば、裏の傷、
        汚れ具合でどれがどの牌か手に取るようにわかるんだよ!」

舞夏「が、ガン牌だとー?」

 完全ガン牌のインデックス。


アウレオルス「世界の理を知れば、必然、和了る事も容易」

姫神「そんな捨て牌で。いい手が出来るはずが」

アウレオルス「それだ、ロンドンの魔術師。燦然と輝く字牌、小四喜」

ステイル「そんな高い手が簡単に出来る訳が……!」

 流れ・牌効率(ことわり)を知る男、アウレオルス。


姫神「あっ。それロン」

ステイル「ええっ!? いつの間に?」

アウレオルス「唖然、気付かなかった」

舞夏「テンパイ気配が全くしなかったなー」

姫神「ふふふ。こういうのは得意」

 気配無き女、姫神秋沙。


インデックス「それなんだよ!」

アウレオルス「同じく」

姫神「確か。トリロンありだよね」

ステイル「ううっ……もうハコだ……」

 振り込み師、ステイル。
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:14:33.39 ID:yAty4dZAO


御坂妹「今のは何だったのでしょうか……とミサカはますます困惑します」

上条「気にすんなって」

インデックス「ところでとうま……その女の人は誰なの?」

上条「コイツは日頃色んな意味でお世話になってるヤツの妹さんだ」

御坂妹「初めまして、とミサカは挨拶をします」

インデックス「……ふうん」

上条「なんで急に機嫌が悪くなってんだ……?」

インデックス「知らなーい。とうまのバカ」

姫神「妹……。君。妹属性だったの?」

上条「ふざけた事言ってんじゃねえよ巫女ガール」

姫神「お兄ちゃん。って呼んだ方がいい?」

上条「結構です」

インデックス「と、とうまお兄ちゃん……?」

ステアウ(……Good!)

上条「……ごめん、ちょっと目覚めそうだからやめて」

インデックス「目覚めそう?」

舞夏「シスターは知らなくてもいいと思うぞー」
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:15:01.08 ID:yAty4dZAO


御坂妹「シスター、神父、巫女にメイド……この部屋では、
     コスプレをしなければならないルールでもあるのですか? とミサカは質問します」

上条「そんな決まりなんてありません」

御坂妹「そうですか、一応ミサカも制服を着ているので問題はありませんが、
     とミサカは報告しておきます」

舞夏「上条当麻は制服スキーだったのかー」

インデックス「ううっ……制服なんて無いんだよ……」

姫神「大丈夫。今度貸してあげる」

インデックス「本当!? ちょっと楽しみかも」

ステアウ(制服姿か……)ホワワーン


―――


インデックス「せんぱい! お弁当を作って来たんだよ!」

インデックス「はい、あーん……どう? 美味しい?」

インデックス「ほ、ほんと!? 良かった……えへへ」

インデックス「せんぱい、一緒に……帰ろう?」


―――


ステアウ「……Great!」

インデックス「あの二人はどうしたの?」

上条「見ちゃいけません」
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:16:32.30 ID:yAty4dZAO


御坂妹「そんな事よりそろそろジュースが飲みたいのですが、とミサカは催促します」

上条「おお、すまんすまん。ほら、好きなの選べ」

御坂妹「……なかなか微妙なラインナップですね、とミサカは迷います」

舞夏「私にも一本くれー」

上条「抹茶ミルクで良いか?」

舞夏「結構」

御坂妹「ミサカはこのマンゴージュースを、とミサカは卑猥な名前に臆せず頂きます」

上条「お前達も飲むか?」

インデックス「ぷるたぶーは苦手かも」

アウレオルス「任せろ。……それ、開いた」

インデックス「ありがとう!」

ステイル「……チッ」

上条「みんな行き渡ったかー。じゃあ」

全員「いただきます」トミサカハ(ry

上条「ごくごく……ぷはあっ、うまい!」

御坂妹「美味しいですね、とミサカは喉の渇きを潤します」

舞夏「ぷはー」

インデックス「ぶはっ!」 ステイル「うげっ!」 アウレオルス「まずっ!」

上条「ど、どうした?」

インデックス「『いちごおでん』って……酷い組み合わせなんだよ」

ステイル「『黒豆サイダー』……なんだこれは」

アウレオルス「『ガラナ青汁』……呆然」

上条「文句は学園都市までお願いします」
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:16:58.51 ID:yAty4dZAO


上条「ところで、お前達は何で集まってんだ?
    っつうかアウレオルスはまだ学園都市に居ていいのかよ?」

ステイル「学園都市から出るのも一苦労でね。色々書類やら何やらで大変なんだ」

アウレオルス「まさか、こんな事になるとは思わなかった」

上条「なるほど。姫神は小萌先生の家に居候してるんだっけ?」

姫神「うん。ゲットされた」

上条「野生の吸血殺し……」

インデックス「それで、みんな暇みたいだから私が呼んだんだよ」

舞夏「で、何か騒がしいなと思ったら楽しそうだったので混ざってみたー」

上条「騒がしい? 何やってたんだ?」

インデックス「あっ、そういえばスフィンクスのノミをどうにかしなきゃ、
        って話し合ってたところだったんだよ」

上条「そっかー、ノミかー。……ノミ?」

ステイル「相当な数がついているみたいだね」

アウレオルス「このままだと、必然、痒くなるであろう」

上条「うっそおお!? 何とかしなくちゃ俺の布団が!」

姫神「だから。色々試してみた」

上条「色々……どんな風に?」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:18:35.00 ID:yAty4dZAO


インデックス「まずは私が試してみたんだよ」

上条「どうやって?」

インデックス「このセージの葉を燃やして煙で燻してノミを退治!」

上条「猫も一緒に退治されちまうだろうが!」

姫神「その通り。何とか私が止めた」

上条「よくやった」

姫神「そして次は。私」

上条「よし、さあ来い」

姫神「これを使おうとした」テッテケテッテッテー

上条「……それはまさか、殺虫剤か?」

姫神「そう。別名魔法のスプレー。これを猫に噴射すれば」

上条「猫がコロリ、無事解決だな! って違ああああう! 猫を殺してどうすんだよ!」

アウレオルス「その通り、猫を殺すなど本末転倒。次は私の番だ」

上条「頼むぞ頭脳派」

アウレオルス「まずは猫とノミの関係を調べ、次にその存在を理解し――何だその不満げな顔は」

上条「物凄く時間が掛かりそうなんですが……」

ステイル「という訳で僕の出番さ」

上条「ステイルか……一応聞いておくか」

ステイル「簡単だよ。イノケンティウスで」

上条「バカ野郎!」ゲシッ

ステイル「痛い!」

上条「猫の丸焼きが出来上がっちまうだろうが!」

御坂妹「……はあ、とミサカは呆れて何も言えません」
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:19:12.03 ID:yAty4dZAO


インデックス「むっ、そこの妹とやらには何か良い案でもあるの!?」

御坂妹「当然です、ミサカはそこのボンクラ達とは違います、とミサカは自信を露わにします」

ステイル「ボンクラとは失礼な!」

御坂妹「まあ見ていてください、とミサカは対象の猫を探します」

上条「あれ、そういえばスフィンクスは?」

スフィンクス「な……なー」

上条「どうしたスフィンクス!? そんなにやつれて……」

舞夏「そこの四人に酷い目に遭わされかけて、精神的にボロボロになったみたいだぞー」

上条「スフィンクス、大丈夫か……?」

スフィンクス「なー……」

御坂妹「おお可哀想な猫、今すぐミサカが助けてあげましょう、
     とミサカは猫に向かって手を伸ばします」

上条「どうするんだ?」

御坂妹「こうするのです……えいっ、とミサカは特殊な電磁波を飛ばします」ピリピリッ

スフィンクス「なー!」

上条「な、何を……?」

御坂妹「これでノミだけが死滅しました、とミサカは任務の終了を報告します」

インステ姫アウ「おおーっ」パチパチ

上条「少しは見習えよ、ボンクラども」
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:20:44.57 ID:yAty4dZAO


インデックス「いきなり現れて素晴らしい活躍……。
        あなたにはパーフェクトクールビューティーという称号を送るんだよ」

御坂妹「それ程でも無いですよ、とミサカは褒められて満更でも無かったりします」

上条「ありがとう、お前のおかげでスフィンクスが召されずにすんだよ」

御坂妹「いえいえ、これ位どうってことありません、とミサカはあくまでも謙虚に振る舞います」

アウレオルス「電撃か……まだまだ学ぶべき事は多いな」

舞夏「ところで質問、姉とは御坂美琴だったりするのかー?」

御坂妹「まあそんな感じですね、とミサカは適当に答えます」

舞夏「やっぱりかー。しかし似てるなー」

御坂妹「おっと、そろそろ時間です、とミサカは帰る事にします」

姫神「クールビューティーは。クールに去る。と」

御坂妹「最後に、」

上条「ん、何だ?」

御坂妹「今度はミサカも麻雀というものをしてみたいです、とミサカは興味を示します」

ステイル「またいつでも来ればいいよ」

上条「お前が言うな」

御坂妹「それでは、とミサカは去ります」

上イスア姫舞「ばいばーい」
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:21:11.37 ID:yAty4dZAO


 次の日、とある高校のとある教室。


上条「先生……何でこんなにハードなんですか?」

小萌「鉄は熱いうちに打てと言います。
    上条ちゃんがやる気を見せている間にビシバシいこうかと」

上条「はあ……でも先生、俺一人と授業とか嫌になりませんか?」

小萌「先生は上条ちゃんと二人っきりでも楽しいですよー」

上条「……その台詞、女教師と男子生徒って考えるとちょっとグッとくるものがありますね」

小萌「か、上条ちゃん! そんな事言って先生をからかってはいけません!」

上条「大丈夫ですよ。小萌先生と俺ならムフフな関係になるとか絶対無いですから」

小萌「……それはそれで失礼なのですよ」

上条「まあ、こんなダメ学生なんてどの道、先生的には有り得ませんよねー」

小萌「いや、私は上条ちゃんもアリですよー? むしろ……ふふふー」

上条「な、ななな!?」

小萌「小萌先生にも結婚願望というものがですね。ふふふふふー」

上条「冗談ですよ……ね?」

小萌「上条ちゃん……」

上条「先生……」

小萌「ふふふ……これくらいでドキドキするなんてまだまだですねー」

上条「へっ? あっ……良かった……冗談か」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:22:48.85 ID:yAty4dZAO


 そんなこんなで完全下校時刻。


上条「補習もあと少し、ガンバロー……ん? あそこに居るのは……」

上条「おーい、ビリビリー」

美琴「んあ? なんだアンタか……」

上条「あれ、元気無い感じ? 私には御坂美琴がうんぬんでビリビリも無し?」

美琴「残念だけど、それも無しよ」

上条「へー、珍しい事もあるんだな」

美琴「……色々あるのよ」

上条「前言ってた悩み事か。上条さんに相談しても良いんだぞ?」

美琴「アンタには関係無いっつうの」

上条「そう言うなって。俺とお前の仲だろ?」

美琴「なっ……! 何よそれ!」

上条「照れんなって。二人で共に朝を迎えた仲じゃないか」

美琴「それは私が一晩中追いかけたってだけでしょうが!」

上条「そうそう、そっちの方がお前らしいって。何があったかはわかんねえけど、元気出せよ」

美琴「……何にも知らないくせに。余計なお世話よ」

上条「じゃあお前も余計な電撃は控えろよ」

美琴「何をー!」ビリビリ

上条「それだそれ! ビリビリはそうでなくっちゃ。 じゃあな、電気を大切にー」

美琴「待てー! ……ったく」

美琴(元気づけたつもり……なのかな?)
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:23:58.04 ID:yAty4dZAO


上条「あれ……あそこに居るのは」

黒猫「……みー」プルプル

御坂妹「なぜ食べようとしないのですか……とミサカは困惑します」

上条「御坂じゃなくて……妹の方かな。おーい、何やってんだ?」

御坂妹「おや、昨日ぶりですね、とミサカは挨拶しながらもパンを後ろに隠します」

上条「それ言っちゃったら隠せ無いんじゃないか……? あと何でパンを隠すんだよ。猫にあげるんだろ?」

御坂妹「……ミサカの体は常に微弱な磁場を形成し、
     その磁場を動物は苦手としているのです、とミサカは説明します」

上条「つまり、嫌われてるからエサあげようとしても受け取ってくれないと」

御坂妹「嫌われてるいるのではありません、苦手だと思われているのです、
     とミサカは訂正を要求します」

上条「いや、言葉は違うけど意味は一緒じゃん」

御坂妹「違います、嫌われてはいないのです、とミサカは強調します」

上条「だから磁場で嫌われてるんじゃ」

御坂妹「違いますったら違います! とミサカは否定します!」

上条「わ、わかったよ。そんな熱くなるなって」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:25:47.77 ID:yAty4dZAO


上条「仕方ないな……ほら、パンよこせ」

御坂妹「これは猫のためであってあなたのためではありません、とミサカは拒否します」

上条「違う違う、代わりに俺がパンをあげれば良いんじゃないか?」

御坂妹「……なかなか話がわかるじゃないですか、とミサカは納得してパンを渡します」

上条「よし、ほらほらー、パンだぞー」

黒猫「みー」

上条「食え食え、いっぱい食べて大きくなれよ」

黒猫「みー!」スリスリ

上条「おお、よしよし。コイツ可愛いなー」

御坂妹「か、かわええ……とミサカは思わずウットリとしてしまいます」

上条「良かった良かった。じゃ、またなー」

御坂妹「待ちなさい、とミサカは襟を掴みます」グイッ

上条「ぐえっ!? な、何だよ!」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:26:17.55 ID:yAty4dZAO


御坂妹「この捨てられた猫をそのまま放っておくつもりですか、とミサカは問い詰めます」

上条「そんな事言われても……。それならお前が飼えばいいじゃないか」

御坂妹「……ミサカの生活環境ではそれは不可能です、とミサカは答えます」

上条「ええー……俺も二匹目はさすがに無理なんだが」

御坂妹「そこをなんとか、とミサカは頭を下げます」

上条「すまん、頭を下げられても無理なものは無理だな……」

御坂妹「そうですか……とミサカは残念に思いながらもこの猫の末路を思うとただただ悲しくなります」

上条「この猫の末路……?」

御坂妹「保健所に連れて行かれた後、透明なケースに入れられ、神経ガスを注入され」

上条「わーっ! わーっ! ストップ!」

御坂妹「それでもまだ、この猫を見捨てますか? とミサカは再度質問します」

上条「……わかったよ、協力すれば良いんだろ」

御坂妹「うっしゃあ、とミサカは軽くガッツポーズをします」

黒猫「みー?」

上条「大丈夫だぞ、お前は何も心配しなくて良いからな」
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:27:54.08 ID:yAty4dZAO


上条「とりあえず見捨てるのは無し。飼うかどうかはわからないが連れて行く。それで良いな?」

御坂妹「わかりました、とミサカは返事をします」

上条「じゃあ……とりあえず名前でもつけとくか。せっかくだからお前が決めろよ」

御坂妹「名前……ですか、とミサカは悩みます」

上条「名前は大事だぞ。あと、エジプト関連はやめてくれよ」

御坂妹「いぬ」

上条「……はあ?」

御坂妹「この黒猫の名前は、いぬです、とミサカは命名します」

上条「……お願いだから真面目に考えてやってくれよ」

御坂妹「……では、瑠璃というのはどうでしょうか、とミサカは提案します」

上条「黒猫に瑠璃……それはダメだ。色々まずい」

御坂妹「では陰陽座という名前を」

上条「もっと駄目だ! ……これ以上引っ張っても無駄だろうし、『いぬ』でいっか」

御坂妹「では、今日からお前の名前はいぬですよ、とミサカはいぬに呼びかけます」

いぬ「み、みー……」

上条「納得がいってないように見えるのは気のせいじゃないかもな」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:28:20.41 ID:yAty4dZAO


上条「あっ、買いたい本があったのを忘れてた。
    悪いけど、この本屋の前で少しの間いぬと一緒に待ってくれるか?」

御坂妹「それだといぬが逃げてしまうかもしれません、とミサカは不安になります」

上条「大丈夫だって。そうだよなー、いぬ」

いぬ「みー!」

上条「ほら、いぬも大丈夫だぞーって言ってる」

御坂妹「ですが――」

上条「ほらっ! 受け取れ!」

御坂妹「おっと……何をするのですか、とミサカはいぬを投げつけた事に不快感を露わにします」

上条「それなら逃げないだろ。じゃあな、待っててくれよー」ウィーン

御坂妹「まったく……何かあったらどうするのですか、とミサ――」

いぬ「……み、みー」

御坂妹「かわええ……とミサカはしばしの至福の時を楽しみます」



 その時、御坂妹は雑踏の中に一人の男を見つけた。
白い肌、白い髪、それと対照的な黒の服、そして赤い目。
彼を見つけた時、御坂妹の時間は終わり、本当の自分の役割を果たす事となる。

御坂妹「……ここに居て下さい、とミサカはいぬを降ろします」

 そう言った後、御坂妹は雑踏とは真逆の路地へと姿を消した。

377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:30:21.57 ID:yAty4dZAO


上条「なんとか良いのが買えたなー。これで猫の世話のやり方もわかるだろう」ウィーン

上条「あれ? 御坂妹が居ない……。怒って帰っちまったのかな」

いぬ「みー、みー」

上条「いぬの鳴き声……なんだ、そこに居たのか……あれ?」

いぬ「みーみー」スリスリ

??「うわっ、おィ、くすぐってェからやめろって」ナデナデ

上条(いぬとじゃれあってるあの男は誰だ……?)

??「しかしオマエ、飼い主はどうしたンだ? まさか捨てられたンじゃねェだろォなァ」

いぬ「みーみー。み! みーみー!」

??「あっ、急に走り出してどこ行くンだよ」

いぬ「みー」

上条「よう、探したぞーいぬ」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:30:49.28 ID:yAty4dZAO


??「ンだよ、ちゃンと飼い主が居るンじゃねェか。心配して損したぜ」

上条「あっ、すいません。あなたが面倒見てくれていたんですか?」

??「はァ? 違うっつうの。その猫が勝手にすり寄って来てよォ、
    仕方ねェから遊ンでやってたンだ」

上条「なるほど。何はともあれ感謝します、ありがとうございました。
    ほら、いぬもお礼しろよ」

いぬ「みー!」

??「犬……? どォ見ても猫なンだが」

上条「いぬってのが名前なんですよ」

??「……センスねェなァ」

上条(そのシャツといい勝負ですね、とはさすがに言えないよなあ……)

??「……なンか失礼な事考えてンじゃねェだろォなァ」

上条「いえいえ、感謝の気持ちでいっぱいです」

??「まァいいや。またな、いぬ」

いぬ「みー!」

上条「……シャツは変だけど良い人だったな」

いぬ「……みー!」

上条「おおっ!? 急に走り出してどうしたんだ?」

いぬ「みー!」

上条「ん……? これは……」

上条「女の子の靴……?」
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/09(月) 03:31:22.80 ID:yAty4dZAO


いぬ「みー!」

上条「……まだ奥に何か?」


 上条は路地を奥へ奥へと進んだ。
途中、先ほど見つけた片方だけの靴と対になるであろう靴を見つける。
そのさらに奥へと進んだ先には、赤い液体が壁や地面のあちこちに飛び散っていた。

 そして、そのもう少し先には夥しい量の赤い液体が、水たまりのように広がっている。

 その水たまりの中心には――




上条「みさか……?」





 御坂妹が血まみれで倒れていた。




380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/09(月) 03:32:14.86 ID:sz6dWXTAO
し、シリアス……!
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/09(月) 03:32:39.78 ID:yaUPNXlPo
待て、慌てるな これはきっとトマトジュースだ   そうだと言ってくれよぉ!
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/09(月) 03:34:21.47 ID:yAty4dZAO
とりあえずここまでです
どこに向かっているのかさっぱりわかりませんが良かったらまた見てやって下さい
何も考えず見て頂ければと思います、それでは
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/09(月) 03:36:44.61 ID:sz6dWXTAO
ここで切り上げとか的確に俺の睡眠を妨げてくれるようなことしやがってwwww
乙!
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/05/09(月) 03:50:12.34 ID:8gCt86Zn0
変なところで途切れるなと思いきや、リアルタイム遭遇とは!
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/05/09(月) 10:13:51.20 ID:IHZd59ee0
もう犯人わかってるよなァ
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) :2011/05/09(月) 10:21:14.10 ID:qYlrWegAO
一方通行さんのあまりの可愛さに鼻血噴出して貧血で倒れたとか
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 14:51:19.10 ID:WJt0RC9Qo
瑠璃でよくね、と思っちまったことは内緒だ。
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/09(月) 15:00:04.05 ID:dKlDXwdzo
陰陽座で吹いたwww
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/05/09(月) 16:59:20.69 ID:wCL7O/Pk0
何故かシリアスに突っ走ろうとしてるのに逸れていく>>1が見えた
とりあえず割りとマジで麻雀の話を書いた方がいいと思うの
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/09(月) 17:03:23.93 ID:yaUPNXlPo
そうやって外伝の話を書いてる内にずるずると本編が書けなくなるパターンがあってだな・・・・・
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/09(月) 19:15:34.29 ID:BydIdZfAO
>>386
とあるSSの弱気な一方さんならありえるwwwwwwww
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 21:07:43.37 ID:Fy/IBN0IO
いやいやこのSSで人が死ぬとかそんなシリアスあるばずないでしょwww


えっ…ないよね……?
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/05/09(月) 21:13:14.86 ID:qZlehN4Vo
>>386
ゲロ甘だったってことか
2万人の鼻血か
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:42:00.42 ID:8dnSBVFAO


上条「……っ! ……あっ、ああ……」

??「――見てしまいましたか、とミサカは自らの失態を悔やみます」

上条「……誰だ! お、お前がやったのか!?」

??「よく見て下さい、とミサカは顔がはっきり見えるように目の前まで移動します」

上条「お前は……御坂妹!?」

御坂妹「その通りです、とミサカは答えます」

上条「なっ……じゃあここで倒れてるのは誰だよ!?」

御坂妹「それは検体番号一〇〇三一号です、とミサカは質問に答えます」

上条「検体番号……? 一〇〇三一号……? お前達は誰なんだ!?」

御坂妹「超能力者、御坂美琴の量産軍用モデルとして作られた、
     体細胞クローン――妹達ですよ、とミサカは説明します」

上条「クローン……しかも一〇〇三一号が居るって事はまさか……」

妹A「ええ、そこの二人だけではありません、とミサカは会話に入り込みます」

上条「……!?」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:42:27.95 ID:8dnSBVFAO


妹B「現時点で二万体、ミサカは製造されています、とミサカも続けて割り込みます」

妹C「そんな事より早く一〇〇三一号の回収を、とミサカは」

妹D「予定とは異なりますが、無事に」 妹E「ミサカは」 妹F「それが」 妹G「良く見えません」

妹H「なるほど……とミサカは」 妹I「おお、なかなかの」 妹J「ちょっとタ」 妹K「……早く実」

上条「な、なんだよこれ……」

御坂妹「実験が終了したので後始末と回収に来た妹達です、とミサカは答えます」

上条「これが全部クローン……いったいお前達は何をしてるんだ……」

御坂妹「先ほども言いましたが、実験ですよ、とミサカは簡潔に答えます」

上条「実験……教えろ! そんな目に女の子を合わせて何が目的なんだよ!」

御坂妹「……関係者で無いあなたに答える必要はありません、とミサカは回答を拒否します」

上条「いいから話せ! そんな事が許される訳ないだろが!!」

御坂妹「申し訳ありません、答える事は出来ません。ただ一つだけ言えるのは、
     何も心配する事はありません、とミサカはこれ以上追及しないよう勧めます」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:44:02.20 ID:8dnSBVFAO


上条「そんな事出来る訳――」

御坂妹「時間です、それではまた会いましょう、とミサカは一〇〇三一号を担ぎ上げます」

上条「……待て! まだ話は!」

御坂妹「さようなら、とミサカは別れを告げます」


 上条は後悔した。
何故、御坂妹を行かせてしまったのか、
何故問い詰めてそんな事を辞めさせなかったのか。
しかし、血まみれの一〇〇三一号と呼ばれた女の子を再び視界に入れた時、
もはや言葉を発する事は出来なくなってしまった。
その場に飛び散っていた赤い液体は、いつの間にか跡形も無く消えていた。

 日が沈みすっかり暗くなった路地には、一人の少年と一匹の黒猫と、
持ち主の居なくなった女物の靴だけが残されていた。

397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:44:34.56 ID:8dnSBVFAO


上条(何をやってんだよ上条当麻……アイツをぶん殴ってでも引き止めるべきだったじゃないか)

上条「妹達……クローン……実験」

上条「クローン……? クローンを造るためには素材が必要なはずだ。
    その基となる人間の髪の毛やら血液やら、つまりは造りたい人間のオリジナル……」

上条「……御坂美琴は、この事を知ってたって言うのか?」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:45:13.88 ID:8dnSBVFAO


小萌の部屋

小萌「皆さん、いいですかー?」

インデックス「……うん」 ステイル「ああ……」 アウレオルス「……当然」
姫神「……いつでも。大丈夫」 スフィンクス「……なー」

小萌「では……いきますよ――」

全員「…………」ゴクリ

小萌「――焼き肉パーティー! スタァァァァァァァァトォォォォォ!!!」

イスア姫スフ「うおおおおおおおおお!!!(なー!!!)」

小萌「さあ! ガンガン焼いてバンバン食べましょー!」

インデックス「おにく! おにく!」

スフィンクス「なー! なー!」

ステイル「野菜もきちんと食べないと体に悪いからね」

姫神「とりあえず。食べて食べて食べまくる」

アウレオルス「肉の焼ける匂い……俄然、食欲が湧いてきた!」

小萌「オラァ! 食べろ! 焼け! そして私にビールを運べー!」

ステイル「ビールだね、ほら」

小萌「どうもなのです! んぐっ……んぐっ……ぷはぁ!」

姫神「でも。こんな騒いでて良いのかな?」

アウレオルス「必然、私達だけでも明るくしていなければならないからな」

インデックス「どういう事?」

ステイル「気にしない方が良いよ」
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:46:38.03 ID:8dnSBVFAO


小萌「それにしても百花繚乱焼肉セット、豪華絢爛焼肉セットの上を行く、
    桜花放神焼肉セットを食べられる日が来るとは……」

姫神「小萌先生。お金は大丈夫なの?」

小萌「アウレオルスさんが全部出してくださったのですよー」

ステイル「君、そんなにお金持ちだったのかい」

アウレオルス「手続きが済むまで時間があったので、FXとやらに手を出してみた」

小萌「……上手くいったのですかー?」

アウレオルス「当然。世界を知る事を生業としていた者にとって、
        経済の流れを知る事など容易い」

ステイル(そんな簡単に上手くいくものなのかな……)

アウレオルス「ただ、不思議な事があった」

姫神「何?」

アウレオルス「この話を何人かにしたのだが、いつの間にか皆、私の事を錬金術師と呼ぶのだ。
        一度もそれは話した事が無いはず……不思議だ」

インデックス「そんな事はどうでもいいから肉を焼くんだよ!」

姫神「自分で焼けば?」

インデックス「面倒くさいんだよ」

姫神「……こんなののどこが良いの?」

ステアウ「全て」

姫神「男って。馬鹿な生き物」

スフィンクス「なー」
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:47:12.89 ID:8dnSBVFAO


姫神「そういえば。上条君は来ないの?」

インデックス「とうま? うーん、どうしたのかな?」

小萌「上条ちゃんは私の補習が終わった後、帰ったはずですが」

ステイル「どうせ、また新しい女とフラグでも立ててるのさ」

小萌「上条ちゃんはやんちゃですからねー。あの右手といい、あの……ふふふー」

インデックス「……こもえがクネクネして気持ち悪いんだよ」

姫神「前に。何かあったの?」

小萌「上条ちゃんはですねー……いえ、やめておくのですよ。
    先生の大切な思い出ですからー。うふふふふふ」

イン姫「……チッ」

ステアウ「……ブッ殺」

スフィンクス「なー」

姫神「でも。本当に女の子に会いに行ってるとかだったら。どうする?」

インデックス「かみつくの上位技、かみくだくをお見舞いするんだよ」

アウレオルス「そんな訳が……いや」

小萌「……上条ちゃんだったら有り得ますねー」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:49:28.55 ID:8dnSBVFAO


 常盤台中学、学生寮前。

上条「……何だろう、頭のピンチ。いや、生命の危機を感じる」

上条「って今はそんな事やってる場合じゃねえ。話を聞きにここまで来たんだっつうの。
    御坂美琴は……二〇八号室か」

上条「にい、まる、はち……あとはこのボタンを――」

上条(あれ、指が動かない……? このボタンを押せば御坂と話が――)

上条(そっか……怖いんだな、聞くのが)

上条(御坂のクローンを造るには、御坂自身の体細胞が必要。という事は、御坂は実験の……協力者だ)

上条(人が一人死んじまうような実験、それにアイツは関わっている)

上条(アイツが……? 電撃を飛ばしたり、勝負を挑んできたり、自販機を蹴っ飛ばしたり、後輩に電撃を飛ばしたり、
    俺の冷蔵庫をぶっ壊したり、俺に電撃を飛ばしたり、電撃を飛ばしたり、飛ばしたり飛ばしたり……)

上条「あれれー? 嫌な思い出しか無いぞー?」

上条「……うん、多分なんか理由があるはずだ、きっとそうに違いない。
    よし、押しちゃえ」カッチン

ぶつっ

上条「上条だけど、御坂……居るか?」

??『はぁ、カミジョーさんですの?』
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:50:02.70 ID:8dnSBVFAO


上条「あれ……部屋番間違えたかな?」

黒子『いえ、間違いではありませんの。ここはわたくし、黒子とお姉様の愛の巣ですから』

上条「愛の巣って……まあいいや。御坂は居ねえのか?」

黒子『ええ、まだ帰っておりませんの。……お姉様に何かご用が?』

上条「えっと、そんな感じだな」

黒子『こんな時間に訪れる殿方……まさか、逢い引き!? そして愛の駆け引き!?』

上条「落ち着け、誰もそんなつもりは」

黒子『これはゆゆしき事態ですの……ちょっとあなた、詳しいお話をお聞かせ願えます?』

上条「いや、だからそんな関係では」

黒子『あなたの言葉など信じられません。部屋に来て全て白状して頂きますの!』

上条「人の話を……」

黒子『言い訳無用ですの! 今お開けしますから!』

上条「おい……」ブツッ

ガキガキバキン

上条「……とりあえず、入るか」
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:52:00.27 ID:8dnSBVFAO


 学生寮、寮内。

上条(二〇八……ここか)コンコン

黒子「どうぞ」

上条「……お邪魔しまーす」

黒子「いらっしゃいませ。何もありませんが、ごゆっくりとどうぞ」

上条「はあ」

いぬ「みーみー」

黒子「あら、可愛い猫さんですのね」

上条「俺のじゃないけどな」

黒子「ちなみにわたくし、タチでもネコでもどちらでも」

上条「お決まりの流れですが控えてください」

黒子「むう……さて、お聞かせ願えますか?」

上条「何を?」

黒子「何を、って……お姉様との関係に決まってますの!」

上条「えっ? ああ、別に何にも無いって」

黒子「白々しいですの! お姉様の最近のお話の中で、ある一人の殿方が頻繁に出てきますの」

上条「それが俺だって? まっさかー。むしろ勝負挑むくらいだから嫌ってるんじゃねーの?」

黒子「……やはり、あなたで間違い無さそうですの」

上条「どこがどうしてそうなった……?」
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:52:34.76 ID:8dnSBVFAO


黒子「あなたは、御坂美琴という人物をどうお思いで?」

上条「第三位、最強の電撃使い、ビリビリしてる。こんな感じかな」

黒子「……まあいいですの。その通り、お姉様は強大な力をお持ちです」

黒子「……が、それ故に敵を作ったり、人の前に立ちすぎるあまり、人の輪に入り辛かったり。
    そうして孤高の超能力者、御坂美琴は出来上がってしまうのです」

上条「力ある故に孤高、ねえ……良く見てるんだな」

黒子「ええ、好き嫌いから今日の下着まで、いつでもどこでもお姉様を見続けていますの」

上条(……下着って)

黒子「そんなお姉様に必要なのは、自分を対等に見てくれる存在。
    超電磁砲としてではなく御坂美琴として扱ってくれる存在ですの。
    おそらくあなたは、今その存在に最も近しい存在なのだと思います。
    勝負を執拗に挑むというのも、その現れかと」

上条「なるほどね。でも、アイツは少なくとも一人ぼっちなんかじゃ無いぞ」

黒子「……?」

上条「わかんねえのか? お前が居る限り、アイツは一人じゃないって事さ」

黒子「……なるほど、これは要注意人物ですの」

上条「……だからどっからそうなるんだよ」
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:54:15.20 ID:8dnSBVFAO


黒子「ところで、お姉様に何か用事があったのでは?」

上条「あっ……そうだった。でも、なかなか帰って来ないな」

黒子「……あなたに一つ、お願いがありますの」

上条「ん? 急にどうした?」

黒子「お姉様には、何かお悩みがあるようですの。それはわたくしにもお話ししていただけません。
    最近は毎晩どこかに行き、朝方お帰りになるというのも少なくありません」

上条「……何をしてんのかは知らないのか?」

黒子「ええ……しかし、その『お出掛け』が悩みに関係していると思いますの」

上条(悩み、か……もしかしたら)

黒子「何か心当たりでも……?」

上条「あっ、いや……すまん。わかんねえや」

黒子「そうですか……殿方さん、もしお姉様に何かあった時は、わたくしにお伝えくださいませ。
    この白井黒子、お姉様のためなら命すら惜しくありませんの」

上条「……わかった。必ず伝えるよ」

黒子「……感謝しますの。そうと決まれば、一応電話番号の交換を」

上条「そうだな。携帯……携帯、よしっ」

黒子「はいっ……OKですの」

??「何がOKなんだ、白井?」

黒子「がっ……! こ、この声は……」
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:54:44.40 ID:8dnSBVFAO


上条「(誰だ……あれ)」

黒子「(寮監ですの……まずい事になりましたの)」

寮監「白井……そこの男子生徒は誰だ?」

黒子「えっ? あっ、それは……」

寮監「女子寮で逢い引きとは……いい度胸だな」

黒子「うぐっ……」

上条(……かなり困ってるみたいだ。悪い事しちまったな……仕方ねえ)

上条「えっと……すいません、実は俺が白井に話があって無理やり入れてもらったんですよ」

黒子「と、殿方さん!?」

寮監「ほう……詳しく聞こうか」

上条「……白井に一秒でも長く会いたくて、ここまで来てしまいました。
    本当にすいません、でも白井は悪く無いんです。……悪いのは、全部俺なんです」

黒子「な、なな何をっ!?」

寮監「白井、本当か?」

黒子「えっ? あの、その……」

上条「(……ここは俺を悪者にしとけば良いから、合わせてくれ)」

黒子「(わ……わかりましたの)」

寮監「黙ってないで答えろ」

黒子「……その通りですの。わたくしに会えないなら死ぬ、とまで言われたので……」

上条(……そこまでは言ってないぞ)

寮監「そうか……白井、私もホッとしたよ」

上黒「……はい?」
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:56:13.03 ID:8dnSBVFAO


寮監「実は、御坂から相談を受けていたんだ。同室の後輩が下着を盗んだり、
    夜中ベッドに潜り込んで来て困っているとな」

黒子「なっ……!」

寮監「疲れているのに安心して眠れない、と結構深刻みたいでな。後輩としてならば、
    大好きとは言っていたがそういう関係は断固として拒否したい、との事だ」

黒子「ううっ……お姉様……」

寮監「私もどうにかしなければ、と悩んでいたところだったが……。
    異性に興味を持ったのなら問題ないだろう。いや、良かった良かった」

上条「……じゃあ見逃してくれるって事ですか?」

寮監「ああ、だが今回だけだぞ。御坂が居ないのも、空気を読んだという事なのだろう。そうだな、白井?」

黒子「そ……そうですの」

寮監「よし、無事解決だな。では白井、夕食だから食堂に向かえ。
    そこの男子生徒もなるべく早く帰るように。では」バタン

上条「……大丈夫か、白井」

黒子「ふふ……ふふふふ……あははははははは!!」

上条「白井が壊れた……」

黒子「お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様ぁぁぁぁぁ!!!!!」

上条「ヤバいよこの人もうダメだ」
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:56:43.47 ID:8dnSBVFAO


黒子「わたくしは今から夕食を食べた後、お姉様の下着全てに唾液をつける作業に移りますの!
    それまではどうぞお姉様を待つなりわたくしの下着を召し上がるなりしててくださいませ! それでは!」バタン

上条「……意味わかんねえよ、白井さん」

上条「……しかし、御坂は帰って来ないなあ……あれ? いぬが居ないぞ?」

いぬ「みー、みー」

上条「ん? ああ、ベッドの下に居たのか……って何だこれ!?」

上条「『ゲコ太ンクエスト―ゲコ太の大冒険』、『ゲコ太ルファンタジー\』、『ゲコ太大戦―雨は降っているか』、
   『第二次スーパーゲコッ太大戦』、『ゲコ太ープリンセス』、『ゲコ魂』、『ゲコ太ンボール』、
   『GEKO TANK』、『GEKKO TACKERS』、『絶対能力への進化法』、『げこたけ』、『けろよん!』、
   『ゲコ太の憂鬱』、『とある魔術の蛙男目録(ゲコタックス)』、『げこゲゴ!』、『幕張』、
   『私の蛙がこんなに可愛いわけがない』、『フルゲコ太ル・パニック』……」

上条「えっ? こんなので一レス使うの?」
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:58:35.13 ID:8dnSBVFAO


上条「まさかベッドの下にゲコ太ワールドが広がっていたとは……」

上条「あれ? なんか見逃したような……『絶対能力への進化法』……あっ」

上条「これっぽい! これゲコ太要素無いっぽい!」

「なになに……絶対能力……レベル6? レベルは5までのはずじゃ……」

「『一方通行』……『樹系図の設計者』」

「超電磁砲の一二八回の殺害……はあ!?」

「超電磁砲の量産計画、『妹達』……御坂妹の事か」

「二万通りの戦場、二万通りの実験……これ全部か……!」

「御坂美琴の毛髪……受精卵、寿命は減じている……」

「死体の処分、戦場を一学区に絞って……」

「……なめやがって!」

「御坂妹は……簡単に殺していい存在なんかじゃない! 俺達と同じように……生きてんだよ!」

「御坂はこんな実験に協力してんのか……ん?」

「情報コードと端末コードが違う……って事は正規ルートの情報入手では無い?」

「アイツ、ハッキングでもしたのか……? でも協力者だったらそんな必要は……」

「あれ? 何かまだ紙がある……。これは……地図?」
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/10(火) 04:59:35.06 ID:8dnSBVFAO


「×印が付いてる……ここは何の施設なんだ?」

「携帯で座標入力、っと。研究施設? これも、あれもそれも全部研究所みたいだな」

「ん? この施設の名前、どっかで見覚えが。Google先生、お願いします……っと」

「やっぱり……全部撤退やらなんやらでニュースになってる施設だ」

「まさか、御坂のヤツ……実験を止めるために?」

「正規ルートではない情報、研究施設の×印、それに……」

―――

美琴「多感な女子中学生には色々あるんですよーだ。……はあ」

―――

美琴「……何にも知らないくせに。余計なお世話よ」

―――

黒子「お姉様には、何かお悩みがあるようですの。それはわたくしにもお話ししていただけません。
    最近は毎晩どこかに行き、朝方お帰りになるというのも少なくありません」

―――

「なんだよ……ったく……そっかそっか」



上条「――御坂、待ってろよ」

いぬ「みー?」

上条「よし……お前の飼い主と、お前の飼い主の姉ちゃんを助けに行くぞ!」

いぬ「みー!」
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/10(火) 05:01:53.62 ID:8dnSBVFAO
とりあえずここまでです
シリアスの後にくだらないギャグだったりクサい台詞だったりと迷走しています…
もし上がっていた時良かったら見てやって下さい
後一回か二回で三巻の内容は終わります…多分
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/10(火) 05:29:00.53 ID:8dnSBVFAO
樹形図じゃん…誤字脱字等は見つけたら笑ってやって下さい
それと今更ですが今回のは>>379からの続きです
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/05/10(火) 05:29:48.30 ID:WhBL393to

楽しみしてます
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 06:14:49.67 ID:G9ONO+MGo
幕張w
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/10(火) 06:25:21.91 ID:jka682Rvo
お疲れ様ー
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/10(火) 06:27:30.04 ID:jF1yI6Ub0
『ゲコ太軍曹』がない
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/10(火) 07:23:42.84 ID:p5uEDU1po
幕張だって明らかに違うなw
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/05/10(火) 12:19:05.53 ID:anIEFiGAO
なぜ幕張ww

ガチョピンか、ガチョピンなんだな!?
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/05/10(火) 15:31:04.01 ID:lEW9BvDMo
DVDコレクションに鬼ぴょん犯科帳や銭形ぴょん次があると聞いて
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 19:25:24.40 ID:A09+/2wDO

桜花放神ってことは更に霧翔、爛漫、天昇とか有るのだろうかw
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/05/12(木) 19:43:10.99 ID:raivJG1AO
舞っている
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/14(土) 12:34:54.07 ID:DhvaXPvAO
今後PCになったり携帯になったりしますがあまり気にしないで下さい
くだらないものにするつもりが何でこんなに考えてしまうんだろう…
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/16(月) 11:16:12.88 ID:whaN/2aAO


 遡る事数日、深夜の街に一人の少女が立っていた。
その少女の手には、大きな銃のようなものが携えられている。
NERF社製のSUPER SOAKER TORNADO STRIKE。
PUMP TO FIRE方式を採用した最新鋭のものである。

 少女は曲がり角で息を殺して潜んでいる。
何故、そんな事をしなければならないのか。
それは『標的』に攻撃し、自らに与えられた使命を全うするためだ。
その標的とは、学園都市最強の超能力者である。

 人は彼を『一方通行』と呼ぶ。

 一方通行は外見からはまだ成人では無いと伺える。少年と呼ぶ方が相応しいだろう。
白い髪、白い肌、それに対するかのように黒い服、そして赤い眼。
その少年は、牛乳瓶のマークが描かれたコンビニで何かを買い、
自動ドアをくぐり帰り道を歩いていた。
袋の中身は、弁当では無いそれなりに大きな四角い形状の何かだ。
袋を揺らしながら少年は家路を急ぐ。

 少女は今一度標的を確認する。その距離は残り二十メートル。

 何も知らない少年、銃を構える少女。
両者の距離は残り、十メートル。

 九、八、銃の握りを確かめる、五、四、三――。

 少女は飛び出し、少年に銃を向ける。
狙うのは、その白い――
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/16(月) 11:16:57.21 ID:whaN/2aAO


上条「カッコつけて飛び出したは良いけど……御坂のヤツ、どこに居るんだ?」

いぬ「みー……」

上条「悪いな、もうちょい我慢してくれよ。何か手掛かりは……ん?」

上条「風も無いのにプロペラが回っている……確かあのプロペラは」

小萌『学園都市のプロペラは電磁波を受けて回るのですよー』

上条「って言ってた気がする……多分。って事は……」

上条「ありがとう先生! プロペラを辿っていけばきっと……!」

―――

小萌「そんな事言いましたかね?」

姫神「どうしたの。小萌先生」

小萌「いえ、なんだか知らない内に上条ちゃんの役に立った気がして」

ステイル「どういう事だい?」

小萌「先生にもよくわからないのですー」

インデックス「おにく! おにく!」

アウレオルス「唖然。三キロはあった肉が跡形もない……」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/16(月) 11:18:40.48 ID:whaN/2aAO


橋の上

美琴「……はあ」

(人を助けるために協力したつもりが……人を殺すために使われるなんて)

「どうして……こんな事になっちゃったのかな」

(こんな時、アイツなら……どうするんだろう)

(……多分、助けてくれるわね。アイツ、馬鹿だし)

(馬鹿だけど、強い……アイツなら……きっと)

(……何甘い事考えてんのよ御坂美琴。アンタは助けを求める資格なんて無い)

(自分一人だけ助かろうなんて、醜いっつうの。……でも、今だけ。
 誰も居ない今だけなら……良いよね)

美琴「……たすけて、たすけてよ……」



??「元気を出しなよ、美琴ちゃん」



美琴「……! 誰!?」

いぬ「みー」

美琴「猫……?」

いぬ?「こんな所で何をやってるんだい、美琴ちゃん?」

美琴「……猫が喋った!? ……って何やってんのよアンタ」

いぬ(上条)「僕はアンタなんかじゃない、いぬだよ」

美琴「……ふざけてんの?」

いぬ(上)「ノリが悪いよ美琴ちゃん」

美琴「……帰れ!」

いぬ「みー!?」

上条「あっ、こら! 逃げるな!」ガシッ

いぬ(上)「まあ聞いてくれよ。僕は君を助けに来たんだ」

美琴「……はあ?」
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/16(月) 11:19:08.93 ID:whaN/2aAO


美琴「助けに来たぁ? この天下無敵の超電磁砲、御坂美琴様を助ける? 
    寝言は寝てから言いなさい。……何なら寝かしてあげようか?」

いぬ「無理しないでよ美琴ちゃん。僕は全部知っているんだ」

美琴「ふぅん、全部……ねえ。言ってみなさいよ。答えによってはビリビリの刑だから」

いぬ「このレポートに書いてある、『妹達』、『実験』、『樹形図の設計者』、そして……『一方通行』。
    僕は全て知っているよ。だから……無駄な事は省きたいな」


美琴「――――――――――――――――、」


上条(……さあ来いよ、御坂美琴)

美琴「あーあ、何でこんな事しちゃうかなぁ? そのレポート持ってるって事は私の部屋に勝手に入って、
    部屋の中漁って、ベッドの下から見つけたって事でしょ? 犯罪よ、犯罪。人を助ける前に独房行きよ」

いぬ「僕は猫だから簡単に寮に入れるし、ベッドの下なんてすぐに見つかるよ」

美琴「……どうしても、顔の前に猫を持ち上げて話すなんてふざけた行為を続けたいみたいね」

いぬ「ふざけてなんかないよ。僕は真剣だよ」

美琴「チッ……良いわ、最後まで付き合ってあげる」
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:21:42.42 ID:+Mt4sHZM0


美琴「それで、一個だけ聞いて良いかしら?」

いぬ「何かな、美琴ちゃん?」

美琴「結局、それを見てアンタは私が心配だと思ったの? 私を許せないと思ったの?」

いぬ「……心配したに決まってるだろ」

美琴「……口調が戻ってるわよ。……やっぱりやめてくれる?
    私はそこの無能力者と話したいんだけど」

上条「御坂……俺からも聞きたいことがある」

美琴「アンタに教えることなんて何も」

上条「いいから聞け!」

美琴「……っ! ……いいわ、手短に済ませなさいよ」

上条「あのレポートと一緒にあった地図、その地図の中の施設につけられた×マーク、
    さらに白井から聞いたお前が夜中どこかに行っているという事実。……お前」

美琴「……そうよ、実験に関係していた施設をぶっ潰してやったのよ」

上条「実験を止めようとしたんだな」

美琴「ええ……でも、この学園都市ってのはどうしても絶対能力者を作りたいみたいでね、
    研究所を潰したりして邪魔しても『実験』は止まらなかった」

上条「……少し安心したよ。お前は『実験』に進んで協力してたわけじゃないんだな」

美琴「どのみち私が協力してしまったのは事実よ。意図していなくてもね。
    だからこれは、私一人でどうにかしなきゃいけない問題なのよ。アンタには関係ない」

上条「……だけどお前一人で解決できる問題じゃないだろ。俺じゃなくてもいい。
    警備員、理事会。それに人間の量産化だけ見ても問題だ、『外』に報せれば」

美琴「そんな甘い考えで解決出来ると思ってんの? アンタが思ってるほどこの都市はキレイじゃない。
    『理事会』は黙認、『外』へ情報を持ち出そうものならこっちが処分されるわ」

上条「じゃあどうするんだよ! このまま黙って見過ごすつもりか!?」

美琴「簡単よ、この『実験』は一方通行を中心としたもの。それなら、一方通行を消せばこの『実験』は――」

上条「勝てない……いや、勝て『なかった』んだろ?」

美琴「……!」
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:24:36.64 ID:+Mt4sHZM0
上条「お前と知り合って二か月しか経ってないけど、どんなヤツか少しは分かってるつもりだ。
    お前が『実験』を知ったら、すぐにでも止めるために一番手っ取り早い手段、
    つまり一方通行を倒すって考えるはずだ。でも、今も『実験』が続いてるって事は……」

美琴「……そうよ、私は負けた。目の前であの子達の中の一人が死んでいくのを見て、
    すぐその場で一方通行に挑んだ。……一方通行には傷一つ付けられなかったけどね」

上条「……もう一度聞く。お前はどうするつもりなんだ?」

美琴「超電磁砲を一二八回殺せば絶対能力へと進化できる、だからこそ、その劣化コピーを造った。しかし……」

「もしも、私にそれだけの価値がなかったら?」

「それはつまり、『樹形図の設計者』の予測演算が間違っていたことを証明できる。
  『実験』の根幹である『演算結果』が間違っている、とわかれば実験は……止まる」

上条「何言ってんだ!? そんなのまた『樹形図も設計者』を使って演算し直されたら……」

美琴「幸運なことにね、『樹形図の設計者』はつい最近地上からの原因不明の攻撃で撃墜されているの。
    だから再計算はできず『実験』を止めることができる。……今しかチャンスはないのよ」

上条「……そっか。……お前、死のうとしてるんだな」

美琴「ええ、そうよ。簡単でしょ? さあ、分かったらさっさとどいて帰りなさい。
    私はすぐにでも『戦場』に行って、一方通行の前であっさり死んでやらないといけないんだから」

上条「……どかねえよ」

美琴「どか、ない。ですって?」

上条「ああ、そんな話聞いて、今さらどく事なんて出来ない」

美琴「アンタ、何言ってるか分かってんの? 私が死ななきゃ『実験』は止まらない。
    つまりあの子達を見殺しにするって事なのよ? それを知りながらよくそんな事が言えたわね」

上条「それでも……お前を行かせるわけにはいかない。お前を見殺しにするなんて、俺には出来ない」

美琴「……生ぬるい事言ってんじゃないわよ! 私が行かなきゃあの子達が死ぬのよ!?」

上条「…………せえ」

美琴「アンタは何もしなくていい! 黙って私を行かせなさ――」

上条「うるせえ!! そんな馬鹿な事考えてんじゃねえよ能無し中学生!!」

美琴「……能無し? アンタ、何が言いたいのよ?」

上条「甘くて生ぬるいのはそっちだよ、御坂。お前が死んだら『実験』が終わるなんて誰が決めたんだ?」

美琴「はあ!? さっきも言ったでしょ!? 私に価値が無いと判断されて」

上条「よく考えろ、それはあくまでも『止める』方法だ。
    『樹形図の設計者』の代わりになるものができれば……『実験』は再開するかもしれない」
     それにもし『実験』が永久に凍結されたとしても、妹達はどうなるんだ?
     別の実験に転用されてもっと悲惨な目に遭うかもしれないだろうが」

美琴「……そんな事、あるわけが」

上条「無い、って言い切れるか? はっきり言うよ、お前の考えはその場しのぎの甘い考えだ。
    今『実験』を止めることだけで、後の事が考えられていない」

美琴「…………」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:25:55.37 ID:+Mt4sHZM0


上条「あと一つ、大事なことを聞きたい。御坂……お前は本当に死にたいのか? 死んで良いのか?」

美琴「……何馬鹿な事言ってんのよ。とっくに覚悟は――」

上条「覚悟の問題じゃねえ。生きたいのか死にたいのか、それを聞いてんだよ」

美琴「……答える必要は無いわ」

上条「なら聞き方を変える。お前が死んだ後、家族や友達はどう思うか考えたか?」

美琴「そんなの……考えなくても……」

上条「こんな『実験』をやるような所だ、お前が死んでも事故として処理されるだろうよ。
    それを聞いた家族、友達……白井みたいにお前の事を大切に思ってるヤツらはどうすんだ!?」

美琴「…………」

上条「考えなくてもわかる。お前という存在が居なくなったら悲しみ、一生胸を痛め続ける事になる。
    そんな思いさせても良いのかよ!?」

美琴「けど……!」

上条「それに、例え『実験』が止まって妹達が死なずに済んでも……それはお前の犠牲があってこそだ。
    それを知って、お前の代わりに楽しく生き続けられるわけが無いだろうが!!」

美琴「……っ!」

上条「もう一度言うぞ。――馬鹿な事考えてんじゃねえよ御坂美琴!!」

美琴「…………」

上条「黙ってないでなんか言……え?」

美琴「じゃあどうずれば……どうずればいいのよお……っ……うっ……」

上条「えっ……? 泣いてんのか?」

美琴「……っ……みだら……うっ……見たら……分か、るでしょ……」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:28:33.46 ID:+Mt4sHZM0


美琴「私だって……うっ……私だって本当は……ひぐっ……死にたくないわよ……。
    でも、誰も頼る人なんて居ないし……パパやママには……ぐすっ……こんな事言えないし……。
    小さい頃から離れ離れになって……ママはたまに来てくれるけど……。
    パパは世界をあちこち飛び回ってて会えないし……。あっ、でもすごく優しいのよ……?
    あと……友達もそんなにいるわけじゃなくて、みんな第三位だーとか超電磁砲だーって、
    ……えぐっ……近づかないし。常盤台はお嬢様ばかりで……派閥とか何とかでちょっと怖いし……。
    それでも最近やっと、遊べるような友達が少しずつできてきて……毎日が楽しくなってきたのよ……。
    幻想御手の事件とかも結構頑張っんだから……。それは何とかなったけど……。
    そしたら私そっくりの子が街を歩いてて……そしたらその子が……ひぐっ、殺されちゃって……。
    一方通行に攻撃しても何にも効かなくて……えぐっ……どうしたらいいかわかんなくて……」

上条「……あー、なんっつうか、うん……いろいろ大変で頑張ったんだな」

美琴「……ひっく……パパとママに会いたい……黒子と初春さんと佐天さんと遊びに行きたい……。
    ゲコ太パークにも行きたい……まだ死にたくないよ……ぐすっ……」

上条(……コイツまだ中学生だもんな。やりたい事もあるし、楽しく笑って生き続けたいよな)

美琴「……だれか、だれかたすけて」

上条「はあ……ったく、最初から素直にそう言えよ」

美琴「……えっ?」

上条「行くぞ御坂、一方通行をぶっ飛ばそうぜ」
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:30:12.78 ID:+Mt4sHZM0


美琴「そ、そんなの無理よ! 私が攻撃しても無駄だったのよ!?」

上条「お前の電撃が効かないのは……俺もだぞ?」

美琴「あっ……でも! 学園都市『最強』はそんな簡単には……」

上条「安心しろって。俺は負けない……まあ、最悪相打ちには持ち込めるさ」

美琴「でも……でも……」

上条「落ち着けって」ポンッ

美琴(頭に、手……)

上条「この右手さえあればなんとかなるから」

美琴(コイツの手……あったかいな)

上条「御坂、もう一度言うぞ」


「一方通行を、学園都市『最強』を一緒にぶっ飛ばそうぜ」


美琴「……うん!」
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:31:14.99 ID:+Mt4sHZM0


操車場


一方通行「時刻は八時二五分ってトコかァ。ンじゃ、オマエが次の『実験』の相手なンだな?」

御坂妹「はい、ミサカの検体番号は一〇〇三二号です、とミサカは返答します」

一方通行「……チッ、オマエは何か考えたりしねェのか。このふざけた『実験』に関してよォ」

御坂妹「何か、という曖昧な表現では分かりかねます、とミサカは返答します。
     『実験』開始まで後三分二〇秒ですが心の準備は良いですか? とミサカは確認を取ります」

一方通行「はァ……ンぐ……」 

御坂妹「? 何を摂取しているのですか? とミサカは問いかけます」

一方通行「ああ、ガム」

御坂妹「おっ、良いですね、ミサカにも一枚頂けますか? とミサカはガムを要求します」

一方通行「ほれ」

御坂妹「ありがとうございます、とミサカはガムをもぐ、くちゃ、噛みます」

一方通行「……噛みながら話すンじゃねェ」
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:32:22.49 ID:+Mt4sHZM0


ドドドドドドドドドド

上条「うおおおおおおおおおお!!」

美琴「おおおおおおおおお!!」

いぬ「みー!」

上条「御坂! 今何時だ!?」

美琴「八時一五分!」

上条「『実験』開始まで後一五分……急げええええええ!!!」

美琴「分かってるわよおおお!!!」

いぬ「みーみー!」

美琴「はあ……はあ、でもアンタ! また一方通行が復活したらどうすんの!?」

上条「何度でもぶっ飛ばす! はあ……はあ……三十回くらい病院送りにしたらさすがに懲りるよな!?」

美琴「そんな事、ふっ……はあ……出来んの!?」

上条「任せろ! 今はとりあえず……走れえええええ!!」

美琴「信じてるわよ! おおおおおおお!!」
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:34:21.87 ID:+Mt4sHZM0


一方通行「しかし、馬鹿らしいよなァ。何で最強の俺がこンな事しねェといけねェンだ……」

御坂妹「午後八時二九分、四五秒、四六秒、四七秒――――これより第一〇〇三二次実験を開始します。
     一方通行は所定の位置に着いて待機し」

上美「ちょっと待ったああああ!!」

一方通行「……あァ?」

御坂妹「お姉様と……あなたは……どうしてここに来たのですか? とミサカは尋ねます」

上条「……助けに来たに決まってんだろ」

一方通行「オマエは確か……その猫の飼い主だよなァ?」

いぬ「みー」

御坂妹「いぬまで連れてきて本当にどうしたのですか? とミサカは回答を要求します」

一方通行「ンだァ? オマエも知らねェのかよ」

御坂妹「ええ……とミサカは困惑しながら返事をします」

上条「――――ぐちゃぐちゃ言ってねえで離れろ、三下!!」

 上条は一方通行目がけて猛然と突き進む。
右拳に力を込めて握り、ただ走る。その目には学園都市『最強』の姿しか映っていない。

一方通行「えっ? 何? どォいうコトだァ?」

御坂妹「とりあえず逃げたほうが良いかもしれませんよ、とミサカは一方通行に進言します」

435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:35:57.66 ID:+Mt4sHZM0


上条「おおおおおおおお!!!」

一方通行「オマエ……! よく分かンねェけどとりあえず俺を殴ったらそっちの手が……がはあっ!?」

御坂妹「何をやっているんですか!? とミサカは問いかけます」

上条「お前は黙ってそこで見てろ……あああああ!!」

一方通行「……がぼっ! ぐへっ……」

美琴「うそ……一方通行と対等に渡り合ってる」

上条(まさか、こいつ)

御坂妹「何をやっているんですか、とミサカは再度問いかけます」

美琴「アンタのために……アイツは戦ってくれてるのよ」

御坂妹「いや、だからそうではなくて」

一方通行「いてェ……なンなンだよオマごはっ……」

上条(もしかして――――メチャクチャ弱い?)
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:37:10.22 ID:+Mt4sHZM0


一方通行「いきなりやって来て殴るとか意味分かんねェぞ三下ァ!」

上条「歯を食いしばれよ、最強――――」

「俺の最弱は、ちっとば 御坂妹「やめろっつってんだろうがああ!! ……とミサカは叫びます」

上美「……えっ?」

御坂妹「一方通行がかわいそうじゃないですか! とミサカは怒りを露わにします」

上条「何言ってんだよ! お前、こいつに殺されるところだったんだぞ!?」

一妹「???」

上条「…………あれ、何この雰囲気」

437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 11:38:28.01 ID:+Mt4sHZM0


一方通行「……おィ、とりあえず説明しやがれ」

上条「……このレポートを見て俺たちはここまで来たんだよ!
    妹達を二万通りのパターンで殺害なんて馬鹿げた『実験』、許せるわけねえだろ!」

一方通行「…………悪ィ、コイツらに教えてやってくれ」

御坂妹「そこの二人、よく聞きなさい、とミサカは説明を開始します」

美琴「説明なんて要らないわよ! 全部知ってるんだから!」

御坂妹「だから黙って聞けっつうの、とミサカは静かにするよう伝えます」

上条「御坂……様子が変だ、ちょっと聞いてみよう」

御坂妹「とりあえず結論だけ言いますが……あなた達は勘違いをしています、
     とミサカは端的に述べます」

上美「……はい?」

御坂妹「そもそも『実験』とは、一方通行に二万通りの――――」
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 11:38:43.57 ID:UGWqV6LSO
きてる
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/05/16(月) 11:46:29.14 ID:+Mt4sHZM0
とりあえずここまでです
残念な文章、流れ、そして絶対能力者進化計画ですが次回終わります
橋の上のシーンに五日かかったのにぶっちゃけ前フリとかもうね

こんなのを見に来てくれた方々には本当に感謝してます、それではまた
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 11:47:12.47 ID:xrM13i/DO
うおおついに来た
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 14:30:58.14 ID:5qr2xEFIO
このままシリアスで進んだらどうしようかと思ったけど余計な心配だったなw
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/16(月) 14:57:32.49 ID:pXZjHSWB0
なかなかシリアスが終わらないからスレ間違えたかと思ったwwww
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/05/16(月) 16:02:21.99 ID:q5EM4HAg0
乙乙!!

てかガムwwwwwwwwww

一方さんが普通の人だと……反射注意してるところ見るといい人なんだな
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/05/16(月) 16:49:12.53 ID:GkA/qEOXo
二万通りの殺し方ですね


性的な意味で
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/16(月) 17:03:11.64 ID:lH0+FWiX0
その幻想をぶち殺してくれるカウンセラーですね
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 17:45:10.28 ID:KcShTI9DO

こんないい人な一方通行を問答無用で殴るとか上条さん酷すぎるwww
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/16(月) 18:11:57.47 ID:pbD8d1bCo
上条さんらすっごいシリアスしてたのに暢気にガム食ってる二人が可愛い
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/05/16(月) 20:27:13.94 ID:cd/NQmIn0
もう少ししたら三巻ラストを投下します、よかったら見てやってください
相変わらずの無茶苦茶展開です、それと>>423の参考動画です、気が向いたら見てみてください
http://www.youtube.com/watch?v=f8bFNqyyXnA
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/16(月) 20:33:55.66 ID:NvHlpjA8o
なんかすげぇ銃かなと思って動画開いたらおいwwwwww
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/05/16(月) 20:36:58.77 ID:eGNUb8Vdo
すげぇ銃だな
驚いたわ
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:45:40.88 ID:cd/NQmIn0


女研究員「『樹形図の設計者』の算出した結果が出たみたいね」

男研究員「ああ……これで私の研究成果も無駄ではなくなる、良い事ずくめだな」

女研究員「超電磁砲の量産化……ねえ。あんまり良いものではないと思うけど」

男研究員「遺伝子に関して研究しているお前が、そんなことを言うとはな」

女研究員「それに関しては何も言わないわ。でも、それを殺害しなくちゃいけないなんて……」

男研究員「『絶対能力進化』計画……納得できない部分はあるが、
      『樹形図の設計者』がそう教えてくれたのだ。信じるほか無いだろう」

女研究員「そう言われてしまうと、何も言い返せないけどね。まあ、最大限……あら?」

男研究員「どうした?」

女研究員「……今、新しいデータが届いたわ。中身は『樹形図の設計者』の新しい算出結果?」

男研究員「新しい算出結果!? まったく……せっかくそれを基にした詳細な書類を作成させたのに、
      作り直しか……。で、その新しい算出結果とは?」

女研究員「……えっ? これ、本当なの?」

男研究員「なになに……何だとおおお!?」

女研究員「……これに従うと、一方通行には……」

男研究員「……頭が痛い」
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:47:02.93 ID:cd/NQmIn0


とある研究施設


男研究員「一方通行、書類には目を通したか」

一方通行「ンなコト言われなくても分かってるっつうの。……オマエ達、本気でこンなコトするつもりか?」

男研究員「ああ、そのつもりだが」

一方通行「アタマおかしいンじゃねェか? 二万人のクローンの殺害なンて気が狂ってるとしか思えねェ」

男研究員「無駄な言動は慎め、一方通行。拒否する権利は無い」

一方通行「チッ……さっさと始めやがれ」

男研究員「では、紹介しよう。これがお前の相手、超電磁砲の劣化コピー、通称『妹達』だ」

00001号「初めまして一方通行、とミサカは挨拶をします」

一方通行「オマエか……今から殺されるっつうのにずいぶン澄ました顔してやがンなァ」

00001号「ミサカはただの実験動物ですから、とミサカは答えます」

一方通行「……あァ、そォかよ」
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:48:13.18 ID:cd/NQmIn0


男研究員「しかし……本当にこんな事を」

男研究員B「へー、こんなくだんねー実験やってんのか一方通行」

男研究員「誰かと思えば……一方通行の育ての親の」

男研究員B「そんな気持ち悪い関係じゃねえ。利用するもの、されるものっつうだけだ」

女研究員「そろそろ時間ね……一方通行、所定の位置に着きなさい」

一方通行「……チッ」

男研究員B「はっは! 一方通行のヤツすげえ不機嫌な顔してんじゃねえか。
       いやー、傑作だねー。ここは平気なのか? 跳弾が飛んでくるかもしれねえぞ?」

男研究員「その心配は無い。一方通行の居る下の部屋から何が飛んできても、
      目の前にある特殊な強化ガラスで防げる。それに……その心配自体が無駄だ」

男研究員B「はあ? まあいいけどな」

女研究員「あと一分……装置とカメラは大丈夫?」

男研究員「ああ……十台のカメラを設置した。装置のほうも……問題はない」

男研究員B「装置? 何をする気だ?」

女研究員「見ていればわかるわ」

454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:49:40.90 ID:cd/NQmIn0


00001号「時間になりました一方通行、さあどうぞ、とミサカは一方通行に攻撃するよう進言します」

一方通行(……俺は、人を殺すなンてくだンねェコトのために強く、
      誰も到達しない『最強』を目指してたのか? 本当にこれで良いのか……?)

男研究員「早くしろ、一方通行」

女研究員(まさか……感づかれた?)

一方通行「……おィ、オマエ……後悔しても知らねェぞォ!!」

 一方通行は〇〇〇〇一号に向かって人間とは思えないスピードで走って行った。
迷い、苦悩、後悔、様々な感情が一方通行の頭の中で渦巻く。
今までの思い出、少年時代に怪我をさせてしまったあの子供、たくさんの大人たちに囲まれたあの日。
それは人が死ぬ間際に見るといわれている走馬灯にも似ていただろう。
対する相手――死ぬはずの検体番号〇〇〇〇一号にはそれは無いだろう。
なぜなら彼女には思い出がない。造られて間もない人間に思い出など、無い。


 一方通行は叫んだ。己の迷いを断ち切るため、そして一般的な日常と決別するため。

一方通行「おおおおおおおおおおお!!」

 〇〇〇〇一号との距離は後三メートル、二メートル、その悪魔の手が少女に――。



 ガチャン



女研究員「かかった!」

00001号「ニヤリ、とミサカは笑います」

一方通行「……あァ? あァ!?」

 一方通行はふと下を見た。そこにはコンクリート製の地面があるはずだったのだが、
そこに見えたのは、大きな――穴。

一方通行「あ……あ……あァァァァァァァァァァァァァァァ!?」

 一方通行は穴に落ちた。
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:51:05.08 ID:cd/NQmIn0


男研究員B「……ああ? 穴……に落ちた……?」

女研究員「カメラ切り替え! 一方通行の表情アップ!」


一方通行「……あァ?」


男研究員B「……ふふ、ぶわっははははは!! 何だその間抜けヅラ! 最高だよ!
       最ッ高だよ! 一方通行! ぶわっはっはっはっは!!」

男研究員「笑ってはいけない……これは、真面目な実験……ぶふっ」

女研究員「あっはっはっはっはっは!! あーおかしー……」

男研究員「お前まで一緒に笑うな……くふっ」

女研究員「……わたしは自分に甘い女なのよ。ふふふ……あっはっは!!」

男研究員「……一方通行のあっけにとられた顔……ふふふ」

00001号「一方通行、大丈夫ですかー、とミサカは穴の中に声をかけます」

一方通行「おィ……どォいうコトか説明しやがれ!!」

女研究員「あーおかしー……落ちる瞬間をもう一度……」


一方通行『あ……あ……あァァァァァァァァァァァァァァァ!?』


男研究員B「やべえ! 傑作だよ一方通行! あっはっはっは!!」

男研究員「……この音楽に合わせてリプレイしてみてはどうだろうか」

http://www.youtube.com/watch?v=Db9xDAqE9xY&feature=related

女研究員「これは……あっはっはっはっは!! お腹痛い!!」

一方通行「……いい加減に出しやがれェェェ!!」
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:52:18.09 ID:cd/NQmIn0


御坂妹「――――という事です、とミサカは説明を終えます」

上条「一方通行に……」

美琴「二万通りの……」




上美「イタズラを仕掛けるうううううう!!!???」
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/16(月) 20:52:30.57 ID:NvHlpjA8o
このBGMは卑怯
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:53:36.81 ID:cd/NQmIn0


上条「えっ? 何それ? 何で? どうして? えっ? ええっ? えええええ!?」

美琴「いやいやいやいや、意味わかんないってば! どういう事なの!?」

御坂妹「『樹形図の設計者』は一方通行の感情を様々な方法で刺激し、
     そこから新たな力を生み出す、と算出したのです、とミサカは補足します」

一方通行「うン、やっぱり意味分かんねェよな。俺も未だに納得できねェよ」

上条「じゃああのレポートは……」

一方通行「元々の計画はそっちだった。まァ、それが変わったから古い方って言えば良いだろォな」

美琴「……でも、何でその計画をデータに残しておいたのよ?」

御坂妹「それはダミーです、とミサカは答えます」

上条「ダミー? 何でそんな事を……」

一方通行「……学園都市第一位がそンなコトやってるとか知られたら恥ずかしいだろォが!」

美琴「じゃあ私が必死になって頑張ったのは……」

上条「……無駄だったのか」

いぬ「みー……」
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 20:55:11.89 ID:IWBGUuXIO
二万体も作られた意味が…
これがミサカの無駄遣いか
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 20:55:43.63 ID:5bCD6t+wo
目の前で殺された9982号はなんなんだ
ってのも気になるがそれなら心が病んで自殺試みた美琴を上条さんが止めずに本当に実行してたらどうするつもりだったんだよこいつら・・・ww
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:56:10.55 ID:cd/NQmIn0



上条「じゃあ、お前は誰も殺してないんだな?」

一方通行「当たり前だろォが」

美琴「あっ……でも! 九九八二号は私の前で……!」

御坂妹「検体番号九九八二号……ああ、あのミサカは脱出マジックが得意なんですよ、とミサカは述べます」

美琴「だっ……脱出マジック!?」

一方通行「アイツは自分の体のパーツまで作ってくる程だからなァ……」

美琴「でも……私にあの時攻撃を……」

一方通行「……実験がばれたら恥ずかしいから、ちょっと脅せば帰るかなァ……と思って」

上条「えー……はっ、そうだ! 路地で血まみれで倒れてたヤツは!?」

御坂妹「路地……一〇〇三一号ですね、とミサカは思い出します」

一方通行「アイツもタチ悪ィイタズラしやがったよなァ……」

上条「……どういう事?」

一方通行「あァ、あれは――」
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 20:58:38.59 ID:cd/NQmIn0


路地

一方通行「次はこの辺のはず……ン? 電話?」

10031号?『もしもし、一方通行ですか? とミサカは確認を取ります』

一方通行「そォだが……オマエはどこに居ンだよ」

10031号?『その近くのビルの屋上にミサカが居るので見てください、とミサカは指示します』

一方通行「ビル……ビル……あァ、見つけた……って何やってンだオマエ!」

10031号?『何って、飛び降りるんですよ、とミサカは簡潔に答えます』

一方通行「と、飛び降りィ!?」

10031号?『ミサカの代わりはいくらでも存在します、それではさようなら、とミサカは挨拶を――』ブツッ

一方通行「電話が……って、本当に飛び降りやがったァ……? クソッ……!!」


―――


一方通行「どこに……居た……あァ?」

10031号「…………」

一方通行「血まみれ……バカなコトしやがって……!」

10031号「…………」ムクッ

一方通行「し、死体が!?」

10031号「一方通行……一緒にあの世へ……とミサカは一方通行にじりじりと近寄ります」

一方通行「ひ……ひィ……愉快なオブジェが動き出したァァァァァァァ!!」

10031号「一方通行……一方通行……とミサカはさらに」

一方通行「く……来るなァァァァァ!!」ブンッ

10031号「えっ? そんなコンクリートの欠片投げられたらゴフッ……とミサカは倒れ……」バタン

一方通行「イヤァァァァァァァァァァァァァ!!」
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:01:07.63 ID:cd/NQmIn0


御坂妹「――という訳です、とミサカは説明を終えます」

上条「そこに俺が現れたって事だったのか……」

御坂妹「ちなみに電話をかけて飛び降りたように見せかけたのはこのミサカです、とミサカは補足します」

上条「でも、血まみれだったぞ?」

御坂妹「過剰な表現のために血のりを大量にぶちまけてみました、とミサカはネタばらしします」

一方通行「さすがに度が過ぎてンだろ?」

美琴「……画面で見たのは途中からだったけど、そういう事だったのね……本当に紛らわしいわ」

御坂妹「良い機会なのでそのほかのイタズラについても話しちゃいますね、とミサカは話し始めます」

一方通行「おィ! やめろ!!」

御坂妹「数日前の夜の事ですが――」
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:02:11.68 ID:cd/NQmIn0


コンビニ

一方通行「……『快楽天』、『ペンギンクラブ』……よし、『快楽天』だ」ペラッ

一方通行「ほォ……イイねイイね最っ高だねェオマエ!」

店員(エロ本に向かって何話してるんだろう……)

一方通行「はっはァ! ンだァそのアングルは。愉快にケツ振りやがって誘ってンのかァ!?」

店員(……こええ)

一方通行「よし……買うか」

店員(ひいっ! こっち来た!?)

一方通行「これくゥださい」

店員「は、はい! 缶コーヒーと……お客様、
    この本は十八歳未満の方と高校生にはお売りできないのですが……」

一方通行「……あっ」

店員「お、お客様?」

一方通行「……あァン!? なンか言ったかァ!?」

店員「ひいい! 何でもないです!!」
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:03:47.43 ID:cd/NQmIn0


一方通行「……さァて、さっさと帰って……あはァ」

妹A(もう少しですね……しかしあの気持ち悪い笑顔はなんでしょうか、とミサカは若干寒気がします)

一方通行「ふンふンふ〜ン、まっしーろィーちーへーいーのォ」

妹A(歌まで歌っちゃってるよ……とミサカはドン引きです。あと五メートル……)

一方通行「〜♪」

妹A「四、三……今です! とミサカは飛び出し銃を構えます!」

一方通行「あァ!?」

妹A「覚悟! とミサカは水鉄砲をその袋目がけて発射します!」

一方通行「水鉄砲……!? 待て! やめろォォォォォォォォォォォ!!」

妹A「オラオラオラ! とミサカは水の限り発射します!」

一方通行「あァ……俺の『快楽天』がビショビショに……」

妹A「任務完了……とミサカはダッシュでこの場を去ります」

一方通行「ちくしょォ……ちくしょォォォォォォォ!!!」
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:04:48.37 ID:cd/NQmIn0



御坂妹「――――というような報告もきてます、とミサカはにやにやしながら話を終えます」

上条「……ひでえ」

一方通行「だろォ!? せっかく勇気を出してエロ本買いに行ったのによォ……」

美琴「……えーと、他には?」

一方通行「座ろォとした椅子を引っ張られたり、ドラゴンボールの十八巻だけ隠したり、
      塩って書いてあって使ったら砂糖だったり、架空請求のメール送ってきやがったり、
      録画したミルキィホームズを亀田の防衛戦で上書きしたり……」

美琴「そんなイタズラが二万通り……」

一方通行「不幸だァ……」

上条「同情するよ……」
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:08:19.18 ID:cd/NQmIn0


上条「……しかし、本当に意味分かんねえな。しかもそれ二万通りだからって別に二万人用意しなくても……」

一方通行「俺に聞くな。……っつうワケで、勘違いだったってコトで良いな?」

美琴「そうね……なんだかホッとしたわ」

御坂妹「ミサカ達もキチンと言わずに隠していて、余計な心配をさせてしまい申し訳ありません……
     とミサカはお姉様に謝罪します」

美琴「……いいのよ。アンタ達、いや……私の妹が元気ならそれでいい」

御坂妹「お姉様……とミサカはちょっとジーンときました」

上条「感動の姉妹愛だな……」

一方通行「あァ……ところで三下、俺に何か言う事はねェか?」

上条「……えっ?」

一方通行「なンだか顔が痛ェなァ、誰かに殴られたみてェだなァ」

上条「えーと……すいませんでしたっ!」バッ

一方通行「土下座なンかじゃ気が済まねェなァ……」

上条「ええっ! ……じゃあ、お詫びに――」
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:09:42.85 ID:cd/NQmIn0


 翌日、とある高校のとある教室。

小萌「上条ちゃん、補習お疲れ様でしたー」

上条「やっと終わった……」

小萌「では、先生は後から行くので買い出しお願いしますねー」

上条「はーい」


―――


街中

美琴「あっ、来た来た。おーい、こっちこっちー」

上条「悪い悪い、ちゃんとみんな来てるな」

インデックス「遅いんだよとうま! 私はおなかがへって死にそうなんだよ!」

姫神「さっき。豆大福を七個食べたばかりじゃ」

一方通行「三下ァ、そのもてなしとやら……期待してンぞ」

御坂妹「ミサカも楽しみです、とミサカは胸の高鳴りを隠しつつ述べます」

アウレオルス「……それは隠しているつもりなのか?」

ステイル「しかし、また女の子が増えたねえ……」

上条「あと三人くらい増えるぞ?」

インデクッス「……とうまー?」

上条「ノー! 噛みつきノー!」
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:10:57.79 ID:cd/NQmIn0

 夜、公園。


上条「えー、それでは……上条当麻主催、一方通行協賛の花火大会を始めまーす」

小萌「先生がいるので安心して遊んでくださいねー」

インデックス「おかわり!」 ステイル「僕にはお茶を」 一方通行「肉だ肉!」

上条「ちょっと待てっつうの!」

美琴「私も手伝おうか?」

黒子「まあお姉様、お姉様の手をお汚しにならないでくださいまし。
    この黒子が代わりに働きますの!」

アウレオルス「飲み物だが、何か要望はあるか?」

佐天「あたしはオレンジジュースで!」

初春「私にはお茶を……それにしても日本語お上手ですね」

アウレオルス「当然。これくらいは簡単に学べるもの」

佐天「そんな簡単にできるもんなのかな? ……しかし外人さんが多いなー」

インデックス「あっ、この前会った二人組の女の子!」

佐天「おっ、そっちはいつぞやのお人形さんじゃない」

初春「今日はお母さんは居ないんですか?」

ステイル「お母さん? いったいだれの事かな?」

インデックス「……かおりの事なんだよ」

ステイル「……なるほど」


470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:12:14.74 ID:cd/NQmIn0


姫神「そろそろ。花火をしよう」

上条「よし、誰か火を用意してくれー」

ステイル「灰は灰に――塵は 上条「ステイル以外で誰かお願いしまーす」

ステイル「……チッ」

美琴「ところで黒子、アンタ私が誘う前からこの事知ってたみたいだけど、誰から聞いたの?」

黒子「誰って……そこに居る殿方さんからお電話がありましたの」

上条「ああ、俺が白井に電話したんだ。花火やるから来ないか―、って」

美琴「……何でアンタ、黒子の電話番号知ってるの?」

上条「えっ? それは白井から直接聞いたから……あれ、なんか怒ってる?」

美琴「……ちょっと詳しく聞きたいわね」

インデックス「私もその話……聞きたいかも」

姫神「私も。興味がある」

黒子「大したことではありませんの。
    殿方さんがわたくしに会いに来て、どうしてもと仰るので教えましたの」

イン姫美「ほう……」

上条「……なんだこの雰囲気は」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:13:25.23 ID:cd/NQmIn0


小萌「しかし、第三位の超電磁砲、そして第一位の一方通行……。
    上条ちゃんは相変わらずいろいろ吸い寄せますね」

御坂妹「あの人はいつもこうやって多くの人と関わっているのですか? とミサカは尋ねます」

小萌「そうなのですよー。それが上条ちゃんの魅力なのだと思うのですー」

一方通行「ロケット花火、いくぞォ!」

佐天「くらえ初春!」

初春「人に向けちゃいけません!」

いぬ「みー」

スフィンクス「なーなー」

美琴「ほら、アンタも一緒にやるわよ」

御坂妹「ええ、とミサカはバーベキュー串を一気に口の中に入れてもごもご、立ち上がります」

黒子「お姉様が二人……ここがユートピアですの!?」

アウレオルス「……あの少女は大丈夫なのか?」

小萌「人それぞれなのですー」
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/16(月) 21:15:04.38 ID:cd/NQmIn0


上条「ふわあ……みんな楽しそうで何より、ってか」

インデックス「とうま、なんだか眠たそうだね。疲れてるの?」

上条「ああ、昨日は走り回ったり考えたりで大変だったし、今日も補習だったからな……」

インデックス「色々頑張った結果が、知り合いの女の子を確実に増やす事につながってるんだね?」

上条「……だから何でちょっと不機嫌なのでございましょうか」

インデックス「何でもないんだよ! ……それで結局、とうまは何のために頑張ったの?」

上条「何のため? ……そんなの決まってるじゃないか」


  「自分のためだ 一方通行「何イチャついてンだ三下ァ! こっちきて俺を楽しませろォ!」


上条「…………決め台詞だったのに」

ステイル「打ち上げ花火か……それ!」

佐天「おー! こういう花火もいいね!」

姫神「小さくても。十分楽しめるから」

アウレオルス「これだけ人がいれば、必然、楽しめないわけが無いだろう」

御坂妹「花火、またやりたいですね、とミサカはしみじみ思います」

美琴「必ず……また一緒に、ね」
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/05/16(月) 21:25:28.35 ID:cd/NQmIn0
美琴が勘違いをしてて実は一方通行はいい人だったパターンを書いたらどうなるのか
結果→無茶苦茶、無理ありすぎ
まさに駄文なこれをここまで見ていただいた人には本当に感謝してます
もし上がっていた時、気が向いたら見てやってください
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 21:32:50.69 ID:TsopbZwi0
乙!
今回も面白かった
結局絶対能力者進化計画は実験凍結されたの?
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/05/16(月) 21:38:18.86 ID:kB0T1y9uo
一方さん可愛すぎワロエナイ
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/05/16(月) 22:55:14.95 ID:OESsBZYto
>>468
インデクッス
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/05/16(月) 22:57:48.95 ID:Ksyv0YtE0

これって実験が凍結されなかったら4巻の内容が出来なくね?
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/16(月) 23:51:59.05 ID:whaN/2aAO
四巻の外出までの流れは今考えてる展開で何とかなるだろう…多分
実験はまた後でちょっと出て来ます、天井にもきちんと動いて貰います
現在の問題
まだ居るアウレオルスをどうするか、火野はどうなるか

インデクッス…誰だよorz 指摘サンクスです
誤字脱字は大量にあると思うので見つけた際は鼻で笑ってやって下さい

色々試して見事に迷走していますがまだ続きます
またやってんよコイツー、みたいな感じで気が向いたら見てやって下さい
幻想御手も御使堕しも残念な事にしかならなさそうでアレですが…
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/05/17(火) 00:06:45.90 ID:js9AtdvAO


火野ちゃまvs上条軍団とか俺得だな
アウレオルスはこのままいて欲しいです
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 02:04:59.17 ID:k6T/d8wDO
一つわかった一方通行は、可愛い。

要望、アウレオルスさんにはこのままのこっていてほしいな

481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [saga sage]:2011/05/17(火) 03:58:44.03 ID:BgKe4gQB0

ここの世界観なら誰か一人「海行こうぜ」とか言い出せばノリでどうとでも
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 08:39:54.48 ID:3v58EEVDO
確かに
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:25:57.77 ID:V9q8M1220
四巻に入ります 相変わらずアレです、かなり見苦しいです
スキルアウト→スキアと略しています
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:27:53.66 ID:V9q8M1220



 残念な計画を知ったあの日から数日、上条当麻は残り少ない夏休みを謳歌していたのだが、

スキア「居たぞ! こっちだ!」

スキアB「待ちやがれ!」

上条「くそっ……どうして、どうしてこうなった!?」

 絶賛逃亡中であった。

スキアC「大人しくボコられろっつうの!」

上条「そんなのは嫌だー!」

スキアD「てめえだけは許さねえ!」

 なぜ上条当麻がこうなったかというと、すべてはあの実験のせいだったりする。
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:28:38.78 ID:V9q8M1220



スキア「あっ、一方通行さんチーッス……ってどうしたんすかその顔!?」

一方通行「あァ? これはちょっと前に殴られたンだよ」

スキアB「一方通行さんを殴ることができるヤツがこの世に居たなんて……」

一方通行「俺もよくわかンねェけど、ソイツの右手は能力を無効にするらしい」

スキア「そんなヤツがこの学園都市に……」

スキアC「そんな事言ってる場合じゃねえよ! 俺たちの一方通行さんのピンチだぞ!?」

スキアD「チクショウ……一方通行さんのカタキは俺たちで取ろうぜ!」

スキア「ああ……仲間に片っ端から声かけて、見つけ出してボッコボコにしてやろうぜ!」

一方通行「え? いや、別にそンなコトしなくても……っつうか俺死ンでねェから」

スキア「そうと決まれば準備だ! 行くぞ!」

スキアのみなさん「うおおおおお!!!」ドドドドドドドドドド

一方通行「人の話を、って行っちまった……」
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:29:17.09 ID:V9q8M1220


上条「いやあ、宿題も御坂のおかげでなんとかなりそうだし、良い夏休みだなあ……」

「居たぞー!!」

上条「ん? 何だ?」

スキアのみなさん「うおおおおおおおおお!!!!!」ドドドドドドドドドドド

上条「……この暑い中マラソン大会でもしてんのか?」

スキアのみなさん「おおおおおお!!!」

上条「こっちに来る!? ……まさか俺目当て? まさかな」

スキアのみなさん「見つけたぞ上条当麻あああああああ!!!!!」

上条「俺だったああ!? わけ分かんないけどとりあえず……逃げろおおおお!!」
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:29:53.49 ID:V9q8M1220


スキア「クソッ……どこに逃げやがった!?」

スキアB「俺はあっちを探す! お前はそっちを!」

スキアC「分かった! ……一方通行さんのために、行くぞ!」

スキアのみなさん「うおおおお!!」

上条(行ったか……?)

上条「ったく、なんなんだよ……そういえば、
    あいつら……一方通行のためにとかって言ってたな」

上条「一方通行に聞いてみるしか――」

一方通行「おォ、無事だったか」

上条「うわっ! ……何だ、お前か」

一方通行「この暑い中マラソンとは楽しそうじゃねェか、三下ァ」

上条「冗談じゃねーよ……それより一方通行、あのスキルアウト達がお前のために、
    とか言ってたんだが……何か知らないか?」

一方通行「……先に謝っとく、すまねェ」

上条「謝る……? おい! これはお前のせいなのか!?」

一方通行「あァ……実は――――」
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:30:28.94 ID:V9q8M1220

上条「なるほど……俺がお前を殴ったのをスキルアウト達が勘違いしたってわけか」

一方通行「悪ィ、アイツら人の話を聞かねェンだよ……」

上条「でも、何でスキルアウト達がお前の仇なんて取ろうとしてるんだ?」

一方通行「なンかわかンねェけど慕われてンだ」

上条「普通は無能力者のコンプレックスとかで、第一位とかは憎む対象のはずなのに……」

一方通行「なンでだろォなァ?」

上条「多分、お前がそんな性格してるからだろう」

一方通行「???」

489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:31:14.75 ID:V9q8M1220


上条「しかし、これじゃあ外なんて歩けないな……どうしよう」

一方通行「これは俺の責任だ、なンとかするからしばらくは逃げ回ってくれ」

上条「……何とかって、あの数じゃ外に逃げるくらいしかないだろ!」

一方通行「逃げればいいじゃねェか」

上条「学園都市の外に出るとか今すぐは無理だろ!?」

一方通行「チッ……仕方ねェなァ、ちょっと待ってろ」ピポパ

上条「……誰に電話してんだ?」

一方通行「誰でもいいだろォが……俺だ、一人外に出してもらいてェヤツがいるンだが」

上条(……どっかのお偉いさんにでも頼んでるのか?)

一方通行「あァ、それでいい。わかった」プツン

上条「ど、どうだった?」

一方通行「安心しろ三下。ちょっとの間、海にでも行ってろ」

上条「海って……許可とか申請とかは?」

一方通行「心配すンな、さっさと家帰って準備しやがれ」

上条「……本当かそれ? 殴られた事まだ根に持ってて嘘ついてるとかじゃないよな?」

一方通行「いいから行けっつうの。早くしねェと……」

スキア「この辺に逃げ込んだみてえだな……どこに隠れやがった!?」

一方通行「どォするよ?」

上条「……信じるぞ! よし……逃げろおおおお!!」

一方通行「行っちまったか…………まさかこンな時にアレが役に立つとはなァ」
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:31:48.22 ID:V9q8M1220


上条の部屋


インデックス「そっか……行っちゃうんだね」

アウレオルス「悲しむことは無い、禁書目録。再会があれば、必然、別れもある」

ステイル「その通りさ。それにもう二度と会えないという訳じゃないんだ」

インデックス「……うん、そうだよね。じゃあ一緒においしいごはんを食べに行こうよ!」

アウレオルス「それは嬉しいお誘いだ。当然、食事を共にさせてもらおう」

ステイル「じゃあ、時間もないし行こうか。ところであの男は?」

インデックス「とうま? とうまなら外に出てまだ戻ってな――」

上条「インデックス! 居るか!?」

インデックス「とうま、どうしたのそんな汗だくになって? 暑い中一人マラソン大会?」

上条「そんな事はどうでもいい……って、お前達、どうしたんだ? その荷物も何だよ?」

アウレオルス「私が無害であると判断され、やっと外に出る許可が下りたのだ」

ステイル「僕もイギリスに戻るから、二人そろって挨拶に来たって事さ」

上条「そうなのか、寂しくなるな……じゃねえ! インデックス! 今すぐ準備しろ!」

インデックス「準備? 何の準備なの?」

上条「何って……海に行く準備だよ!」

インステアウ「……海?」
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:33:09.29 ID:V9q8M1220



運転手「お待たせ! お客さん、どこまで行くんだい?」

上条「何だこのフランスでカーチェイスしてそうなタクシーは……」

インデックス「あっ、久しぶり!」

運転手「よお、嬢ちゃん。再びのご利用ありがとよ! で、どこ行くんだ?」

上条「神奈川の……えっと、地図でいうとここまでお願いします」

運転手「OK! そちらの兄ちゃんたちも早く乗んな!」

アウレオルス「唖然……車体が何故か傷だらけだが、大丈夫なのか?」

ステイル「……心配だね」
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:33:58.13 ID:V9q8M1220


上条「しかし、良いのか? お前達は空港に行ったほうがいいんだろ」

ステイル「そんな急いでるわけじゃないからね。問題はないさ」

アウレオルス「私に関しては今は縛るものも無く自由の身。
        せっかくの機会だ、同行させてもらおう」

上条「なら良いけど……なんかお前達、変な事考えてないか?」

ステイル「何を寝ぼけた事を……そんなはずあるわけないだろ?」

インデックス「とうま、とうま」

上条「ん? どうした?」

インデックス「海、楽しみだね! 泳げるかなあ……」

上条「練習すればできるさ。しかし、遊びに行くために買った水着が、
    まさかこんな形で使われるとは……ん?」

ステアウ(……夏、海……そして、水着姿ッ!!)


インデックス『ほらー、一緒に海に入ろうよ!』

インデックス『水のかけあいっこだね! 負けないんだよ!』

インデックス『あっ……水着がくいこんじゃった……よいしょ』クイッ


ステアウ「YES! GREAT!」

上条「……妄想は程々にしろよ、魔術師ども」

インデックス「どうしたの二人とも?」

上条「見ちゃいけません」
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:35:04.68 ID:V9q8M1220


運転手「よし……こっから飛ばすぜ!!」

上条「いや……安全運転でおねがああああ!!!」

ステイル「速い! 速すぎる!!」

運転手「そうか? そんなに褒めんなよ!」

アウレオルス「…………然」グタッ

上条「アウレオルス! しっかり……うう……」

インデックス「とうま、とうま。このお菓子食べていい?」

上条「好きにしろ……っつうか何でお前は平気なんだよ……うう」

インデックス「いただきまーす。うん! このチョコのお菓子おいしいんだよ!」

ステイル「し……死ぬ……」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:35:45.22 ID:V9q8M1220



神奈川のとある海


運転手「またよろしく! じゃあな!」

上条「……うう、スピード出しすぎだろあの運転手」

ステイル「……着いたのは良いけどなかなか……辛いね」

アウレオルス「呆然……うう……」

インデックス「みんなどうしたの? さあ! 海が待ってるんだよ!」

??「おーい、当麻ー」

上条「あの声は……よし、あそこまで行くぞ」

ステイル「知り合いか何かかい?」

上条「ああ、そういえば言ってなかったな。とりあえずあそこに着いたら紹介するよ」

アウレオルス「……すまないが、もう少しだけ待ってもらえるか……うう」

上条「うん……無理しなくていいからな」
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:36:18.76 ID:V9q8M1220


海の家『わだつみ』

??「久しぶりだな、当麻。着くのは夜になると思ったが、ずいぶん早かったな」

上条「……色々あったんだ」

??「あらあら、みなさんもうぐったりして大丈夫かしら」

インデックス「……とうま、この二人は誰?」

上条「ああ、紹介するよ。俺の家族だ」

刀夜「上条当夜です、いつも息子がお世話になっています」

詩菜「上条詩菜です。よろしくお願いしますね」

ステイル「父親と……お姉さんかな?」

刀夜「母さん、当麻の姉だと勘違いされたみたいだぞ」

詩菜「あらあら、そんなに若く見えるのかしら」

インデックス「え? まさか……とうまのお母さん?」

詩菜「そうですよ。当麻さんのお母さんです」

ステイル「……ずいぶん年の離れたご夫婦ですね」

上条「一応言っておくけど、父さんと母さんはそんなに年変わんないぞ」

インデックス「えええ!?」

詩菜「あら、驚かせてしまったかしら」

アウレオルス「唖然、あの教師といい研究すべき対象かもしれん……」

上条「大げさだって。……小萌先生は別次元だけどな」
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:38:18.11 ID:V9q8M1220


刀夜「当麻、取りあえず中に荷物を運びなさい」

上条「よし、じゃあお前達も中に入るぞー」

詩菜「ところで当麻さん。いつの間に当麻さんは国際的な人間になったんですか?」

上条「え? ああ……確かにそう思うよな」

インデックス「?」 ※銀髪碧の眼のイギリス人

ステイル「どうした?」 ※赤髪(染)二メートル越えのイギリス人

アウレオルス「ん?」 ※金髪(染?)黄金整形済みの外人

刀夜「まあ、当麻が世話になっているというのは間違いないのだろう?」

インデックス「その通りかも。とうまはいつも無茶ばかりで心配なんだよ」

上条「逆だろ! 俺が世話してるんだろうが!」

詩菜「あらあら、当麻さんはもうこんなかわいい女の子の世話をしているのかしら?」

上条「あ……それは、えっとですね……」

刀夜「その女の子はもう部屋に行ってしまったけどな」

上条「いつの間に……おーいインデックスー、部屋はどうだ?」

インデックス「とうま! お部屋が広いんだよ! とうまのベッドで寝るより快適かも!」

上条「!? …………あの、これはですね」

詩菜「あらあら、当麻さんったら……」

刀夜「当麻……一応聞いておくが避にぐはっ!?」

上条「それ以上言うなバカ親父! そんな事……あれ?
    お二人さん、どうしたのでございましょうか……?」

アウレオルス「……当然、死あるのみ!」

ステイル「……イギリス式の本物の拷問、受けてみるかい?」

上条「落ち着け! まずは落ち着け!」
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:38:51.87 ID:V9q8M1220


刀夜「もう日も暮れる。そろそろ食事の時間だな」

上条「もうそんな時間か……お前達、その辺にしとけって」

ステイル「もう少し……もう少しで完成するんだ……」

詩菜「ここを……こうですね」

アウレオルス「よし、では禁書目録。最後にそこに……そうすれば、必然……」

インデックス「うん……そーっと……そーっと、えい!」

ステイル「どうかな……?」

アウレオルス「……完成だ!」

インデックス「とうま! できたんだよ!」

詩菜「私も年甲斐もなく楽しんでしまいました……でも、よかったですね」

上条「トランプタワーなんかでそんな頑張んなくても……」

刀夜「頑張る母さん……夜が楽しみだ」

上条「そしてアンタはさりげなく息子の前でそういう事を言うな!」
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:39:27.64 ID:V9q8M1220


上条「飯も食ったし、風呂も入った……よし、寝よう」

インデックス「えー? もう寝ちゃうの?」

上条「明日、目いっぱい遊ぶために寝るんだよ」

ステイル「まったく、軟弱だね……」ガリッ

上条「……日本の海の家でイギリス人の少年がガリガリ君食ってるとか、シュールだなあ」

ステイル「うん……暑い日には冷たいものに限る。……ん? この棒に書いてあるのは何だい?」

上条「おっ、当たりじゃねえか。それを買った店に持ってくともう一本同じのがもらえるんだよ」

アウレオルス「ほう、興味深いが売る側がかなり損をするのでは?」

上条「そんな簡単に当たりなんて出ないって」

インデックス「とうま、これも当たり?」

上条「ああ、それも当たりっちゃ当たりなんだけど、お菓子が貰えるわけじゃないんだ」

インデックス「なんだー、ちぇっ」

上条「まあ持っておけよ。じゃ、俺は寝るからな」

インデックス「うん、また明日ー」
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/20(金) 18:40:20.12 ID:V9q8M1220


翌朝

??「兄貴ー」

上条(……何だ。今のトリハダボイス?)

??「いつまで寝てるんだ兄貴―。起きろ―」ドスン

上条「げぼぁ!?」

上条「誰だテメェは? 誰だテメェはおんどりゃあ!!」

??「うわー!」

上条「……ったく、この上条さんの安眠タイムを邪魔するのはどこの誰だ……って、え?」

??「痛いぞー……それがせっかく起こしに来てやった妹に対する態度なのかー?」

上条「ま……舞夏あああ!?」

舞夏?「寝ぼけてるのかー? おはよう兄貴ー」
500 :人物紹介 [saga]:2011/05/20(金) 18:41:08.97 ID:V9q8M1220



上条当麻
ガリガリ君で当たりなんて引くわけが無い。引いたときは多分人類最後の日。

インデックス
車は大丈夫なんだがジェット機とヘリは厳しいらしい。

ステイル
なんかついてきちゃった外人A。

アウレオルス
なんかついてきちゃった外人B。

上条刀夜
多分夜に部屋の前を通らないほうが良いと思われる。

上条詩菜
その若さと嫉妬っぷりに関しては右に出る者は居ない。※小萌を除く

一方通行
彼を意識して不思議な模様のシャツが学園都市の一部で流行ってるとか。

土御門舞夏?
誰にでもお兄ちゃんと言う理想の妹です。
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/05/20(金) 18:43:11.35 ID:V9q8M1220
意味わかんないままついに500レスまでいってしまいました
無茶苦茶なまま続きます、また気が向いたら見てやってください
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/20(金) 19:11:43.20 ID:jIhryIvQo
おー久方ぶりに来たー 応援してるぜ!
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/20(金) 19:19:28.94 ID:Kf3R7NXi0
乙!
いや、無茶苦茶なのが良かったりするんだよ
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/05/20(金) 20:03:56.57 ID:CGzl26uQ0
≫1乙乙

ちょっと待て、この世界の一方さんは駒場と仲良いのか?
スキルアウトの皆さんと仲良いみたいだし……
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/20(金) 20:38:00.99 ID:jD6wQQNAO
乙です
この荒唐無稽かつ平和な感じが大好きだ
>>1ありがとう
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/21(土) 21:30:14.81 ID:00sFn8dA0
ふと思ったが、ここの一方さんは百合子さんなんじゃあるまいか。
それでスキルアウトたちのアイドルになってる、とか。
スキルアウト共の反応が、なんかアイドルのおっかけとかそんなんに見えた。
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/21(土) 23:32:41.30 ID:3KpROppeo
その発想はなかった
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 19:49:37.70 ID:GQ7s7Abq0
あのタクシーの人プジョーの406であんなに飛ばせるんだよな
すげえと思わない?
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/22(日) 20:44:49.85 ID:N5ECGCuko
すげえと思うけど、ageるほどではないな
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:53:04.36 ID:79HJj6dAO
駒場は十三巻後だから登場するまでどれ位かかるだろうか
一方通行はエロ本買ってるから、まあ…
そして前回はsagaミスってた…今回は大丈夫なはず
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:53:39.86 ID:79HJj6dAO


上条「え? 何で? どうして? 何故にお前はこちらにいらっしゃるのでございますか?」

舞夏?「何言ってるんだ兄貴ー。私がここに居るのがそんなにおかしいのかー?」

上条「おかしいところが色々ありすぎて処理が追い付かん……まず、改めて聞くが何でここに居るかを述べよ」

舞夏?「兄貴に会えるって聞いたから、居てもたってもいられず飛んできたんだー」

上条「うん、妹として百点の回答だ。しかしそんな簡単に『外』には出られないだろうが!」

舞夏?「外? 別に病弱じゃないし引きこもりでもないぞー」

上条「あくまでもしらばっくれるか……良いだろう。続いて……
    何故俺はお前の兄になっている!? お前の兄貴は土御門元春だろうが!」

舞夏?「つちみかどもとはる? 誰だそれ?」

上条「なっ……土御門、お前の義妹への思いはあっさりぶち壊されたぞ……南無三」

舞夏?「さっきから兄貴は何を言ってるんだー? 頭でもぶつけたのかー?」

上条「俺は正常だ! おかしいのはそっちだろうが!」

舞夏?「むー、とりあえず朝ご飯だから早く下に降りてこいよー」

上条「まだ話は終わって……行っちまった」
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:54:10.35 ID:79HJj6dAO


 『わだつみ』二階、廊下。


上条「どうなってんだ……? とりあえず下に行くしか無さそうだな」

刀夜「おはよう当麻。よく眠れたか?」

上条「ああ、父さん。おはよーっす――――んあ!?」

刀夜「ん? どうした当麻?」

上条「……いや、見間違えじゃないよな。出来ればそうであって欲しいんだが……」

刀夜「当麻、何をぶつぶつ言っているんだ。まだ寝ぼけているのか?」

上条「そうだな、寝ぼけてるだけならありがたいんだけど……一応確認しとく。
    何でここに居るんだ――黄泉川先生!」
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:55:09.56 ID:79HJj6dAO


 黄泉川愛穂。

 上条の通うとある高校の女性体育教師。
その大きい胸は下手をすると片方が小萌先生の頭ほどである。
いつもは緑色のジャージ、髪は後ろで纏めているだけと大雑把な格好をしている。
しかし、今着ているのは足首まである薄手の長袖のワンピース、さらにカーディガンを肩にかけている。

上条(どこの避暑地のお嬢様だよ……っつうかキャラ違い過ぎだって……。
    そういえば母さんがこんな格好をしていたような……)

刀夜「どうした当麻。急に大声を出したと思ったら、今度は黙って何を考えている?」

上条「……父さんの横に居る人に聞きたいんだが、何故ここに? そしてどっからそんな服を?
    実はそういうお嬢様ファッションがお好みってやつですか?」

刀夜「……何を言ってるんだ?」

上条「へ?」

刀夜「当麻。母さんが自分の服を着ている事がそんなに不思議なのか?」

上条「…………はい?」
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:57:07.44 ID:79HJj6dAO


上条「え、なに? ひょっとして父さん、その隣に居るのが母さんに見えるとでも?」

刀夜「当麻、それ以外の何に見える?」

上条「待て、ちょっと待て。テメェの最愛の伴侶はどうしたコラァ!
    いくら三歩歩けば女性とフラグを立てる父さんでもやっちゃいけねえ事があるだろうが!」

刀夜「当麻、本当にどうしたんだ? 愛しの母さんは隣に居るだろうが」

黄泉川?「あらあら、そんな『愛しの』なんて言われたら嬉しいじゃん」

刀夜「はっはっは、母さんは今日も可愛いな」

上条「息子の前で浮気相手とイチャついてんじゃねえ!」

黄泉川?「……刀夜さん? 浮気、って何の事じゃん?」ゴゴゴゴ

刀夜「こら当麻。母さんリミッター解放しかけてるじゃないか」

上条「とりあえずそこのスタイルの良い若い女性に関して納得のいく説明をしやがれ!」

黄泉川?「あら。あらあら、当麻さんは母さんが若くてスタイル抜群って褒めてくれてるみたいじゃん?」

刀夜「こら当麻。母さん嬉しそうじゃないか」

上条「あーもーっ!」
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:57:35.60 ID:79HJj6dAO


刀夜「何だ当麻、いきなり頭を抱えて。思春期特有の不安感に襲われたのか?
    それなら父さんが出張で島根に行った時に買ったこのアメをやろう。糖分を摂っておけ」

上条「アメなんて舐めても何も変わんねー……って何だこの男性器を彷彿と
    ――っつうかまんま男性器の形したこのアメは何なんだよ!?」

刀夜「八重垣神社とかいう神社で買ってきたんだ。お土産に会社に持っていったら、
    嫌がる子とニヤニヤする子と反応が別れてなかなか楽しかったぞ」

上条「それ完全にセクハラだろうがあああ!!」

刀夜「私の目の前で舐める女の子もいて少し戸惑ったがな」

黄泉川「……刀夜さん? 詳しく聞きたいじゃん?」ゴゴゴゴ

刀夜「か、母さん。とりあえず落ち着こうか」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:58:02.64 ID:79HJj6dAO


刀夜「時に当麻。お前の連れの女の子と男の子二人は起こしに行かなくても良いのか?」

上条「それどころじゃねえっつうの! まずはその隣の女に関して説明を!」

刀夜「何だ当麻。つまりは母さんとの馴れ初めを聞きたいんだな?」

黄泉川?「あらあら、少し恥ずかしいじゃん」

刀夜「照れてる母さんも可愛いぞ」

上条「だからイチャついてんじゃねええええ!!!」

??「……うーン」ガチャ

刀夜「ほら、当麻が騒がしくするから連れの女の子起きちゃったぞ」

上条「ん? インデックス?」

 と上条がそちらに目を向けると、

一方通行?「ンー……おはよォ、とォま」

 真っ白な修道服を着た一方通行が部屋から出てきた。

上条「………………あ?」
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 01:59:46.52 ID:79HJj6dAO


一方通行?「あふァ、ンー? とォま、何だか朝からテンション高いみてェだけどなンかあったのかァ?」

上条「…………え」

 髪も白、肌も白で服も白と真っ白な少年は、いかにも可愛らしい動作で目をこする。

一方通行?「寝ぼけてるのとォま? それより海だぜうみ。
       日本の海って思ったよりキレイだったし。うーン、遊ぶぞォ」

上条「……え、え」

 一方通行は下からひょっこり上条の顔を覗き込もうとする。

一方通行?「うン? どォしたのとォま、固まっちゃって。
       あっ、ひょっとしてとォま、私の水着姿の事をあれこれ想像してるンじゃ――――」

上条「うん、限界だ」

一方通行?「?」

上条「――――えええええええええエエエえええううううェェえええううううえええ!!??」
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:00:24.11 ID:79HJj6dAO


一方通行?「び、びっくりしたンだよ……」

刀夜「落ち着け当麻。怪しい粉末状の何かに手を出してたりしないだろうな?」

上条「あ、あ……一方通行ぁぁぁ!?」

一方通行?「あくせられーた……この前一緒に花火した人の事だよね。その人がどォしたンだ?」

上条「何他人事みたいな言い方してんだ! 一方通行はテメェの事だろうが!!」

一方通行?「本当にどォしたのとォま? 急に叫びたい衝動に駆られる的な思春期ちゃン?」

上条「とぼけてんじゃねえっつうの!! 何でテメェが!」

??「うるさいな……。君はいったい。朝から何を騒いでいるんだ」

??「いくら海が楽しみとは言え、その行動は理解し難いな、とアウレオルスは注意します」

上条「……嫌だ、俺はもうツッコまないぞ」

??「やれやれ。今度は独り言かい?」

??「まだ眠気が取れないならば、必然、顔を洗うべきだ、とアウレオルスは進言します」

上条「……わかったよ、ツッコむよツッコめば良いんだろ。
    何でお前達はここに居るんだ! 姫神に御坂妹!」

姫神?「姫神……?」

御坂妹?「いったい何の事だ? とアウレオルスは問います」
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:00:50.91 ID:79HJj6dAO


上条「何が何だかわからん……お前達はメシ食ってから改めて問いただしてやるからな」

黄一姫妹?「はあ」

上条「ったく……ドッキリならドッキリって早く言って欲しいんだが」

一方通行?「とォまはいったい何を言ってるンだろォね」

姫神?「さあ? 良く分からないね」

御坂妹?「彼は変人だからな。自然、奇怪な行動を取るのだろう、とアウレオルスは考えます」

黄泉川?「あらあら、当麻さんは変人だったんじゃん?」

上条「聞こえてんぞテメェら!!」

刀夜「こら当麻。言葉遣いがなってないぞ」

上条「……今は我慢だ、まずはメシ食ってからだ」
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:02:20.97 ID:79HJj6dAO


 一階、テーブルの並ぶ部屋。


上条「……そして相も変わらずお前は居続けるんだな」

舞夏?「何だ兄貴ー、私はせっかく兄貴に会いに来たのにその態度はつれないぞー」

上条「あくまでもそのキャラを貫き通すつもりか……。
    っつうかお前が普通の服着てるのなんて初めて見たよ」

舞夏?「普通の服? いつもこんな感じだと思うけどなー」

上条「何言ってんだ、メイド服がお前の標準装備じゃねーか」

舞夏?「……兄貴はメイド萌えってやつだったのかー?」

上条「違う! メイド萌えはお前の兄貴だろうが!」

舞夏?「私の兄貴……ってそれだとやっぱり兄貴はメイド萌えって事になるなー」

上条「は? ……お前の『兄貴』の名前を今一度言ってみろ」

舞夏?「変な兄貴だなー。私の兄貴は上条当麻以外にいるわけないだろうがー」

上条「なっ……!?」

舞夏?「私の兄貴は兄貴しかいないのだぞー」

上条「ぐうっ……! すまん、土御門。一瞬お前の義妹を抱きしめてやろうと思った俺を許してくれ」
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:02:52.64 ID:79HJj6dAO


舞夏?「兄貴ー、テレビ点けていいか海の家のおじさんに聞いてくれないかー?」

上条「何で俺がそんな事を……自分でやれって」

舞夏?「だってあのおじさん、顔が怖いじゃないかー。ほら、あそこに居るから早くー」

上条「はあ……分かったよ。すいませー……あれ?」

上条(あの人……あんなに背、低かったか?)

??「はい? 呼びました?」

上条「うん? えーっと……この海の家の方ですよね」

??「何言ってるんですお客さん。見て分かんないですか?
    超寝ぼけてるみたいなので顔を洗ってきた方がいいですよ」

上条(……おかしい、絶対におかしい。昨日まで海の家のおじさんはもっといかつかったはずだ……なのに)

 海の家のおじさんと思われる人物は、Tシャツ短パンで首にタオルを引っ掛けており、
それだけならばいかにもと言った海の家のおじさんである。

 しかし、どこからどう見ても

上条(十二歳ぐらいの女の子にしか見えない……)
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:04:58.05 ID:79HJj6dAO


おじさん?「そんな超早く起きても、まだ海は超冷たいですよ。
       それとも昨日も超暑かったから寝られなかったってやつですか?」

 とトウモロコシを焼く炭火に団扇でパタパタと風を送りながら女の子は言う。

おじさん?「あっ、このトウモロコシは食べるにはまだ超早いですよ。
       麻黄、客に注文を超適当に聞いといて下さい」

 とタオルにビーサンの女の子(←かわいい)は言う。

麻黄?「ちょっと父さん。結局、お客さんの前で適当とかマズいって訳よ」

 と次に出てきたのも女の子だった。
確かに女の子だ、しかし何かがおかしい。
その子は団扇でパタパタやっている女の子を父さんと呼んだ。まずそれがおかしい。
次に思ったのは、その姿である。金髪碧眼の彼女はどっからどう見ても外人さんであった。

上条「えっ、父さん? 女の子で父さん? 性転換?」

麻黄?「……物凄くツッコミたいけど、結局、客だからダメって訳よ」

上条「ツッコミたいのはこっちだっつうの……」

 余談だが麻黄と呼ばれた子は、何故か裸エプロンのような格好をしており、上条をドキッとさせた。
スタイルに関しては胸は残念であったが、脚の美しさは上条の記憶にしっかりと残った。
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:05:29.13 ID:79HJj6dAO


舞夏?「兄貴ー、ちゃんと聞いてくれたかー? もう点けちゃうぞー」

パチッ

『現場の小森です、と小森は答えます。連日報道されている火野神作が昨夜、連行されている途中、
 警官の目を盗んで逃走した模様です、と小森は伝えます。
 今までに女子高生や子供、成人男性と様々な方が被害にあっておりますので、
 付近の方は十分注意してお過ごし下さい、と小森は注意を呼びかけます』

上条「……御坂そっくりの、いや、あれは妹達の一人か。それが何でレポーターやってんだ……?」

舞夏?「兄貴ー、そんな変な顔してどうしたんだー?」

上条(……これはドッキリなのか? いや、ドッキリにしては大掛かり過ぎだろ……。
    他の番組はどうなってるんだ?)

上条「……チャンネル変えるぞ」

舞夏?「あー、勝手に変えるなー」

パチッ

『みんな、おーはー! と山寺は挨拶をします』

上条「…………マジかよ!?」
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:07:54.47 ID:79HJj6dAO


上条「いや、いやいやいや! ねえよ! まさか……ええい! 全部確認してやる!」

パチッ

『おざまーっす、と小倉は頭を下げます』

パチッ

『朝ズバッ! と御法川はズバッと言います』

パチッ

『スッキリ! と加藤はスッキリポーズをします』

パチッ

『どーも、ヴィンちゃんでーす! と白井は張り切ります』

上条「何だこれは……」

 上条は全ての局を確認したが、その番組に映る全ての人間が御坂そっくりの人間、つまり妹達に変わっていた。

 ニュースを読むのもミサカ、お天気お姉さんもミサカ、芸能ニュースでインタビューを受けるのもするのもミサカ。
 ダルビッシュミサカの投げたボールを、首位打者内川ミサカがうちかえす。
総理大臣もミサカ、官房長官もミサカ、某会社の社長もミサカが退任し新しくミサカが新社長に就任していた。

 上条を一番驚かせたのは渋谷駅前のスクランブル交差点の中継映像である。
信号が青になった瞬間、何人もの妹達が行き交うその光景は、まさに春のミサカ祭りである。

 ただ、教育テレビの女の子が一人で料理をする番組があるのだが、
それだけは何故か赤髪の神父に変わっており、『ステイルでできるもん!』になっていた。
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/23(月) 02:09:12.35 ID:79HJj6dAO


上条「何だこれは……ドッキリってレベルじゃないぞ!?」

 ドッキリでは無いとしたら、これはいったい?
爆乳体育教師が父親の横に静かに立ち、インデックスの修道服は学園都市最強の男が着ており、
友人の最愛の義妹から何故か物凄く慕われ、海の家のおじさんは可愛い女の子、テレビの中はミサカの無駄遣いだ。

 まさか、これは。

上条「みんなの『中身』と『外見』が……入れ替わっている……?」

 上条は混乱する頭を切り替え思考の海へと潜った。
入れ替わる人間、変わらない自分。ここから上条は必死で考え、そして――


上条「つまり……どういうことだってばよ?」


 結局何も答えは見つからなかった。
526 :現在の状況 [saga]:2011/05/23(月) 02:10:17.11 ID:79HJj6dAO

インデックス→一方通行
ステイル→姫神
アウレオルス→御坂妹
詩菜→黄泉川
乙姫→舞夏
海の家のおじさん→絹旗
麻黄→フレンダ
その他→妹達の皆さん
ひとりでできるもん!→ステイル
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/23(月) 02:12:54.82 ID:79HJj6dAO
無茶苦茶なものが輪をかけておかしくなり混沌に向かっています
また良かったら見てやって下さい
次回は火野さんが出ますがどうなるのか…
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/05/23(月) 02:20:05.48 ID:Ha++Q8T6o
ミサカのミサカによるミサカの為の日本になったと聞いてぺろぺろ
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/05/23(月) 02:22:57.31 ID:Snxzrxd3o
おっはーという挨拶が懐かしすぎて吹いた
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/23(月) 02:45:17.62 ID:Z1V/RbVho
口調も半端に引き継がれるのか……
てか百合デックスはともかくステ神とミサカオルスの二人は水着になったり、しないよな?
なったら上条さんの理性がマッハだぞ?
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/23(月) 03:13:22.01 ID:1xI8U/FDO
半裸、だと……
是非ともスネークを呼びたいな
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/05/23(月) 11:52:42.22 ID:mwh9LiTAO
つまり黄泉川が際どい黒ビキニで一方通行がピンクのスカート付き水着で舞夏が旧スク水か

お客様の中に絵師はいらっしゃいませんかぁぁぁぁぁぁ!?
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/05/23(月) 20:03:16.02 ID:IT87oQcko
土御門が嫉妬の炎でやばいんじゃないか
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/27(金) 08:45:38.46 ID:TnhqgJODO
詩菜→一方通行をちょっと期待した俺は死んだ方がいい
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 10:07:36.80 ID:pPgoEUNX0
今のインデックスが水着を着ると原作以上にきついな......
いやまてよ寧ろ水着姿の一方通行......
どうだろう.......
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:45:36.63 ID:CjzIIwKAO


 世の中には不思議が溢れている。

 例えば蛙やら烏賊が侵略に来たり、パズルを組み立てれば別人格が現れたり、
変な薬で体が縮んでしまったり、走ってる車がロボットになったり等々。

 そんな中でも、この不思議はなかなか上位クラスなのでは無いだろうか。
ここで言うこの不思議とは――。

乙姫「兄貴ー! 一緒に遊ぼうよー」

上条(名札付きスクール水着……土御門のやつ、義妹になんてモノをと思ったが……)

乙姫「ねえねえ、兄貴ー」

上条(名前が乙姫って書いてあるのはどうなのよ? そこまでこだわるか?)

刀夜「おう当麻、場所取りご苦労さん。と言ってもまぁ、ほかに客がいないから労力ゼロか」

上条「……やっと来たか。っつうか誰も居なくてほとんど貸し切……ぶはっ!?」

刀夜「どうした当麻、急に倒れて。待ちすぎて日射病にでもなったのか?」

上条「な……な、ななな……何なんだそのスサマジイ水着はあああ!?」

詩菜「あらあら、この水着に何か問題でもあったじゃん?」
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:46:40.67 ID:CjzIIwKAO


 黄泉川の着ていた水着はそのスタイルにとても良く似合った黒いビキニであった。
しかし『ヒモ』の部分が透明なビニールで出来ており、
遠目からは布を貼り付けただけのように見える。
それはいわゆる

上条「大人(バカ)水着……先生、何という素晴らしい……いや、けしからん水着を!」

詩菜「あらあら、先生ってのは誰のことじゃん?」

刀夜「当麻。まさかお前、学校で先生をお母さんと呼んでしまう恥ずかしいアレの逆のパターンか?」

上条「違う! いや、それよりもドッキリのためだけに何故そんな水着を!?」

詩菜「ドッキリ? 当麻さんの言ってることは良くわからないけど、
    この水着は刀夜さんが買ってくれたものじゃん」

上条「なっ……」

刀夜「あっはっは。それなりの値はしたが、
    その分素敵な母さんが見れて私も満ぞ……んぐっ!? 当麻……首を絞め……」

上条「うるせえ! 母さん以外の他の女にエロい水着なんて贈りやがって!
    その水着で夜も二人でスイミングとか言うつもりじゃねーだろうな!?」

刀夜「そ……それは無きにしもあら……んぐぐ!?」

上条「この外道がああああ!!!」

詩菜「あらあら、それ以上やると刀夜さんが落ちるじゃん」
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:48:50.75 ID:CjzIIwKAO


刀夜「はあ……はあ……。当麻、そんなに母さんの水着が気に食わないか」

上条「水着に関しては良くやったと言わざるを得ない……が、何でその人に贈ったのかを説明しやがれ!」

刀夜「何でって……それは決まっているだろうが」

上条「決まってる?」

刀夜「この女の人を愛しているか……ぐうっ!? 当麻……それは本当にまず……」

上条「黙れ! 息子として父親をこれ以上のさばらせる訳には!」

詩菜「あらあら、当麻さんも親子のスキンシップに飢えていたんじゃん?」

刀夜「それにしては……当麻……それ以上絞めると意識が……」

??「あれ? とォま、なンでそンなに暴れてるの?」

上条「何でってそれは……ん!?」

上条(何だ……この胸騒ぎは……落ち着け、良く考えろ……乙姫役の舞夏は乙姫と書いたスクール水着、
    母さんの代わりに横にいる黄泉川先生はバカ水着……。
    そしてこの流れで行くとインデックス役の一方通行は……!)
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:49:41.11 ID:CjzIIwKAO


インデックス「とォま、おまたせ」

上条(振り向いちゃダメだ、振り向いちゃダメだ、振り向いちゃダメだ、
    振り向いちゃダメだ振り向いちゃダメだ……振り向いちゃ……)

 しかし上条の願いもむなしく、白いワンピースの水着を着た一方通行は上条の前に恥ずかしそうに現れ――









































上条「……あれ? ちょっと可愛いぞ……?」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:50:43.34 ID:CjzIIwKAO


インデックス「か、可愛いなンて……照れるンだよ……。でも、ちょっとってのは余計かも」

上条(……白い髪、白い肌、そして白いワンピース……いかんいかん!
    目覚めてはいけないモノに目覚めかけてたぞ今!?)

インデックス「とォま……そンなにジロジロ見られると恥ずかしいンだよ。
        一緒に買いに行った時見ただろォが」

上条「あ、ああ、悪い悪い……つい、な」

インデックス「もォ……とォまのエッチ」

ステイル「……やはり君は。一度灰になった方がいいね」

アウレオルス「それに関しては同意だ、とアウレオルスは怒りを露わにします」

上条「……そんなんじゃないって……あ!?」

上条(待てよ? この流れだと姫神と御坂妹は……まさか!?)

ステイル「どうしたんだい? 目を瞑ったりして」

アウレオルス「何かやましい事でもあるのか、とアウレオルスは探りを入れます」

上条(……いや、でもどうせドッキリなんだからちょっとぐらいイイ思いしても良いよな……よし!)

 と上条が目を開けると

上条「………………何それ?」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:52:41.75 ID:CjzIIwKAO


アウレオルス「ん? この水着の事か? とアウレオルスは確認します」

上条「……ああ、それって確かレーザーレーサーだったっけ」

アウレオルス「その通り。泳ぐのであれば、当然、
        抵抗の少ない全身タイプの競泳水着が最適だ、とアウレオルスは答えます」

上条「そしてステイル、お前の格好はなんなんだよ」

ステイル「何って。焼けたくないからシャツを着ているんだ」

上条「焼けたくないって……別にそれくらい良いだろが」

ステイル「日焼けした後の風呂でヒリヒリするのが嫌なんだ」

上条「……女々しいやつめ。まあ、そのおかげで助かったな……ちょっと残念だけど」

ステイル「君はいったい。何を言っているんだい?」

上条「……何でもないんだ」

アウレオルス「この暑さで頭をやられたのだろう、とアウレオルスは推測します」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:53:54.63 ID:CjzIIwKAO


上条「しかし、どういう状況だこれは……」

乙姫「そーれー」

インデックス「えいっ、そっちいったンだよ!」

アウレオルス「任せろ、とアウレオルスはボールをレシーブします」

上条(楽しそうにビーチバレーで盛り上がっているけど……)

詩菜「あら、水着がちょっとズレたじゃん……」

刀夜「……母さん」

上条(黄泉川先生をギラギラした眼差しで追う父さん……)

インデックス「あっ……食い込ンじゃったンだよ……」クイッ

ステアウ「……Wonderful!」

上条(一方通行が水着を直すところをガン見する姫神と御坂妹……そして)

乙姫「おーい、兄貴ー。一緒に遊ぼうよー」

上条(土御門ではなく俺の腕にくっついてくる舞夏……)

上条「……どうなってんだ?」

??「うにゃーっ! カミやーん、やっと見つけたんだぜーい」

上条「この猫ボイスは……まさか!」
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:54:43.64 ID:CjzIIwKAO


上条「つ、土御門!?」

土御門「いやー、会えて良かったぜよ」

 土御門元春。

 上条の在籍するとある高校の生徒であり、上条とはクラスメートでもある。
身長一八〇センチはあろうかという大男で、髪は金髪、青いサングラスをかけ、
地肌にアロハシャツ、ハーフパンツ、オマケに金の鎖を首から掛けたいかにもな不良である。

 しかし、これはモテたいがための格好つけであり、
実際は現在上条の腕に抱きついている土御門舞夏にラブなシスコン野郎である。
義理の妹を愛するならモテたいって思うのはどうなのだろうか。
だが、モテたいというのは男の性であるから仕方ない。
上条の隣の部屋に住んでおり、ゲームを貸したり遊んだりと関係は良好だ。

 最後にもう一度だけ言っておくと、舞夏ラブのシスコン野郎だ。

上条「そんな土御門がどうしてここに!?」

土御門「色々反論したいけど今はツッコまないでおくぜい」
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:56:28.09 ID:CjzIIwKAO


上条「ってちょっと待て、何でお前がここに居るんだ!? 学園都市の『外』に出るのはそんな簡単には……」

土御門「まあ、色々とあるんだぜい」

上条「……全然わかんねーけど、とりあえずこれで舞夏がここに居る理由は分かった。
    やっぱりお前が連れてきたんだな」

土御門「は? 舞夏?」

上条「ほら、俺の横に居るだろうが」

乙姫「ど……どうも……」

土御門「……なっ! ま、舞夏!?」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:57:01.37 ID:CjzIIwKAO


上条「いやー、何か俺にやたらくっついてきてさ。これもお前が考えたドッキリなのか?」

土御門「…………クッツイテキテ?」ゴゴゴゴ

乙姫「兄貴ー、この人誰なんだー?」

上条「何言ってんだよ、お前の本当の兄貴……いや、義理か。とりあえず兄貴の土御門元春だろうが」

乙姫「えー? 知らないぞー、誰なんだー?」

上条「……そんなに腕に絡まれると大事な部分がだなあ」

乙姫「ふふん、当ててるんだぞー」

土御門「…………アテテル?」ゴゴゴゴ

乙姫「それにさっきも言ったけど、私の兄貴は上条当麻ただ一人だぞー」

土御門「    」ブチッ

上条「またそうやって冗談を……あれ? 土御門?」

土御門「…………ロス」

上条「えっ? 何だって?」

土御門「……コロ…………ロス」

上条「だから聞こえねーって。はっきり言えっつうの」

土御門「……上条当麻」

上条「何だよ急にフルネームで呼んだりし……土御門の様子がおかしいぞ?」

土御門「上条当麻……死ねええええええ!!!」

上条「なっ! 何でそうなった!?」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:57:42.85 ID:CjzIIwKAO


土御門「俺の最愛の妹に名札付きスクール水着なんてマニアックなモノを着せ、
     兄貴と呼ばせ抱きつかせる……その行い、万死に値する!」

上条「落ち着け! 落ち着け土御門!」

土御門「これが落ち着いていられるかああああ!!!」

乙姫「あ、兄貴……この女の人……怖いぞー」

上条「はあ!? 女の人? 何言ってんだ?」

土御門「今すぐ舞夏から離れろおおお!!」

上条「ひいっ!? だ、誰か助けてー!!」

??「土御門! 何をやっているのですか!」

上条「また誰か来た!?」
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 15:58:21.84 ID:CjzIIwKAO


上条「か、神裂!」

神裂「久しぶりですね、上条当麻。……それよりも、土御門!」

土御門「止めるなねーちん……これは、オレの全てを賭けた闘いなんだ……!」

神裂「……まずは落ち着きなさい。その女の子も影響を受けているというのは分かっていますよね?」

土御門「……あっ」

神裂「……呆れました」

土御門「えーっと…………カミやんヤッホー!」

上条「ヤッホー、じゃねえよ! 急に現れたと思ったら殴りかかってきやがって!」

土御門「ごめんにゃー……舞夏が絡むとつい……」
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 16:00:30.43 ID:CjzIIwKAO


神裂「それよりも、上条ちゃ……いえ、上条当麻。大事な話があるのですが」

上条「……大事な話か。あー……悪いがちょっと向こう行っててくれないか?」

乙姫「何だよー、兄貴は私よりもこの女の人二人の方がいいのかー?」

土御門「……ぐぐぐ」

神裂「土御門、堪えなさい」

上条「いや、そういう訳じゃないんだが……ほら、後でアイス買ってやるから」

乙姫「むー……じゃあ後で兄貴が食べさせてくれるならいいぞー」

土御門「……あれは舞夏じゃない、あれは舞夏じゃない、あれは舞夏じゃない……」

神裂「その調子です」

上条「はいはい。ほら、さっさと向こう行けって」

乙姫「はーい。あ、兄貴ー。夜にも二人で海岸に行きたいんだけど……大丈夫かー?」

土御門「    」ブチッ

上条「何だよ急に、まあ良いぞ」

乙姫「わーい。じゃあまたねー、待ってるぞー」

上条「……ふう、やっと行ってくれたよ。で、話ってのはいった……って土御門!?」

土御門「上条当麻あああ!! やっぱり死 神裂「ふんっ!」

土御門「ぐはっ……」バタン

神裂「……安心してください、土御門は気絶させました」

上条「あ、ああ……」
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [saga]:2011/05/29(日) 16:01:05.11 ID:CjzIIwKAO


神裂「……上条ちゃん、あなたは今何か異常が起きているという事には気付いていますか?」

上条「……上条『ちゃん』? 何だそれ……」

神裂「はっ……失礼しました、つい気を抜くと……。それよりも質問の答えですが」

上条「ああ、異常……まるでみんなの『中身』と『外見』が入れ替わっているってのはおかしいよな?」

神裂「……やはり、あなたは気付いていましたか。という事はやはり……」

上条「ん? 神裂も気付いてたのか。っつう事はこれはドッキリじゃないのか?」

神裂「あなたの言うドッキリというのはよく分かりませんが……これは魔術です」

上条「ま、魔術!?」

神裂「ええ、入れ替わりの魔術――『御使堕し』です」
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/29(日) 16:03:39.35 ID:4IZ1R1Wz0


上条「え、えんぜるふぉーる?」

神裂「ええ、『御使堕し』……かなり高等な魔術ですが、まさかあなたが発動させるとは」

上条「ん? 俺が……?」

神裂「はい、あなたがこれを起こしたのでしょう? さあ、早く元に戻してもらえますか?」

上条「いや、そんな事言われても何が何だか……」

神裂「とぼけなくともいいです。今ならまだ先生は怒らないのですよー……あっ」

上条「……『御使堕し』ってのもよく分かんねーけど、その口調は何なんだ?」

神裂「こ、これは……それよりも早く魔術を解きなさい!」

上条「だから知らないって……朝起きたらもうみんながおかしくなってて俺も混乱してるんだ」

土御門「……んにゃ、だからカミやんは関係無いって言ったんだにゃー」

上条「土御門、起きたのか」

土御門「聖人パンチのおかげで危うく川を渡りかけたぜよ」

神裂「土御門……ですがやはり」

土御門「ねーちんは考えすぎですたい。第一カミやんが魔術なんて使えるわけないし、
     『御使堕し』を起こして得するとか思えないにゃー」

神裂「た、確かにその通りですが……」

上条「……なあ、土御門。お前神裂と知り合いみたいだけど……もしかして」

土御門「ああ、オレも『必要悪の教会』の一員だって事だぜい」
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/29(日) 16:04:16.45 ID:4IZ1R1Wz0


上条「お前、魔術師だったのか!?」

土御門「おうよ。学園都市に魔術師なんていないって思ってた? むしろ逆、
     敵の情報を手に入れるために工作員の一人や二人いたっておかしくないだろうに」

上条「言われてみれば確かにそうだけど……でも、お前が魔術師で工作員なんてな」

土御門「ちょっとビックリさせちゃったかにゃー?」

上条「ああ……女の子にモテたいからって不良っぽい格好したり、
    そのくせ舞夏が夏風邪を引いたくらいで慌てて俺のところに相談に来たり、
    無理に舞夏に変なメイド服着せようとして怒られてしょんぼりしたりする。
    それが俺の中の土御門元春って感じだったからな……」

土御門「……それ、遠回しに馬鹿にしてる?」

神裂「すいませんが、その様な話が他にあれば聞かせてもらえますか?」

上条「おお、別にいいぞ。あれは舞夏が夜にこっそり男子寮に来た時の――」

土御門「だー! ストップ! ストップぜよ! ねーちんは何でそんな話を聞きたがるんだにゃー!?」

神裂「いつもやられっぱなしでは癪ですからね。何かネタを貰おうかと」
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/29(日) 16:04:55.99 ID:4IZ1R1Wz0


上条「……土御門の面白ネタは後で話すとして、今は真面目な話をしようか」

神裂「ええ、そうですね。土御門の面白ネタは後で聞くとしましょう」

土御門「できればそれも無しにして欲しいけど、とりあえず話を戻すにゃー」

神裂「もう一度問います。上条当麻、あなたは本当に関係が無いのですか?」

上条「……俺が魔術なんて使えると思うか?」

神裂「むう……確かにその通りなのですが……」

上条「逆に聞きたいんだけど、何で俺を疑ってんだ?」

神裂「世界中のみんなが影響を受ける問題が起きました。しかし、一人だけ何を逃れた者がいます。
    その者の周りではいつも何か事件が起きています。さて、ここから導かれる答えとは?」

上条「……俺が、犯人?」

神裂「……ええ、悲しい事ですが」

上条「……そうか、俺……またなんかやっちまったのか」

神裂「……罪を認めるのですか?」

上条「ああ……教えてくれ神裂、俺は……どうすればいいんだ?」

神裂「……まずは自分の犯した罪を悔いなさい。そうすれば、誰も恨みはしません……」

上条「分かった……ありがとう神裂……俺、ちゃんと罪を償うよ」

土御門「カミやん…………って違うにゃー!」
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/29(日) 16:05:41.45 ID:4IZ1R1Wz0


上条「何だよ土御門……俺が悪いんだろ?」

神裂「彼は今、己の所業を悔いているのです。それを邪魔する事は許されませんよ」

土御門「……もういいぜよ。カミやん、体に何か異常はないかにゃー?」

上条「異常……?」

土御門「例えば……こんな感じですたい」

上条「なっ……! お前、なんだよその内出血とかアザとか……何があったんだ!?」

土御門「実はな、能力者は魔術を使えないんだ。もし使ったらこうなるぜい?
     オレは何とか生きてるけど、もっかい魔術使ったら死ぬわな」

上条「……そんな」

土御門「残念だが事実ぜよ。で、カミやんには異常なしってことでいいかにゃー?」

上条「……ああ、何も異常は無いぞ」

土御門「ってわけだぜい。ねーちん、納得したか?」

神裂「……しかし、ではいったい誰が『御使堕し』を」

ステイル「……『御使堕し』。という言葉が聞こえたけど。詳しく聞かせてもらえないかな?」

土御門「『吸血殺し』……? なぜ『御使堕し』のことを知っているんだ?」

ステイル「そっちこそ。君は学園都市の人間だろ?」

神裂「……失礼ですが、あなたはいったい誰なのですか?」

ステイル「何を言っているんだ。僕は。ステイル=マグヌスだよ」

神土「なっ……」
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/05/29(日) 16:06:24.29 ID:4IZ1R1Wz0


ステイル「……まさか。今。僕は誰に見える?」

上条「今は姫神にしか見えないな……」

ステイル「姫神……。『吸血殺し』か……。なるほど。納得したよ」

上条「姫神がステイル……じゃあこいつらは誰に見えてるんだ?」

ステイル「そこの二人は……確か月詠小萌という教師と。
      この前花火を一緒にした。御坂美琴とかいう女に見えるね」

上条「えっ……? 小萌先生に御坂? おい、どっちがどっちなんだ?」

土御門「オレが御坂美琴で」

神裂「私が、月詠小萌なのですよー……はっ、また口調が……」

上条「……なんてこった」
555 :現在の状況 [saga]:2011/05/29(日) 16:07:47.03 ID:4IZ1R1Wz0
インデックス→一方通行
土御門→美琴
神裂→小萌
ステイル→姫神
アウレオルス→御坂妹
詩菜→黄泉川
乙姫→舞夏
556 :本編には関係ありません [saga]:2011/05/29(日) 16:09:06.38 ID:CjzIIwKAO
一方その頃

絹旗「あらあら、フレンダは今日もサバ缶だけを超ひたすら食べるつもりなのかしら」

フレンダ「当然。サバ缶を食べるのは自然って訳よ」

絹旗「そのセンスはフレンダ的には超大丈夫なのかしら?」

滝壺「大丈夫ですの。そんなフレンダをわたくしは応援しますの」

麦野「仕事よー、って麦野は麦野は準備するよう暗に指示を出してみたり」
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/05/29(日) 16:13:02.26 ID:4IZ1R1Wz0
一方通行の水着姿は個人的な意見なので気にしないでください
無茶苦茶な内容ですがこのまま進んでいくので良かったらまた見てやってください
カオスすぎて何が何だか…ではまた
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/29(日) 16:16:27.85 ID:KrDtX7QJo
ねーちんが小萌先生口調交じりで堕天使エロメイド風になり無敵に見える
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 16:19:32.70 ID:I2uj/1tro
乙!幼女麦野良いね!!

変化後の異常なまでの女率
その中に唯一居る男であるはずの一方通行。アウレオは知らん
これは疑惑が更に…
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/05/29(日) 16:23:27.49 ID:bxbJqPUAO
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 18:17:10.39 ID:l8bBPNoDO
>>557
大丈夫。可愛いに決まっている
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 18:51:49.66 ID:vulB28qIO
アイテムはまだ女→女だからよかったが、超電磁砲4人組は下手したら女→男の可能性も…
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/05/29(日) 21:13:33.19 ID:sq170icz0
子萌先生による七〇〇〇と聞いて
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 21:44:11.86 ID:l8bBPNoDO
>>562
シリウスおるでー

インさんの体はどうなったのかしら
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/29(日) 21:53:05.64 ID:X1k4MWMAo
入れ替わった状態でセクロスしたらどうなるの?っと
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/29(日) 23:22:57.98 ID:JNbbNe/K0
絹旗が分からん……誰だ?
というか、禁書はキャラが多すぎてライトユーザーの自分では追いきれんことが多々ある。
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/29(日) 23:29:22.60 ID:pP3s9oc5o
恐らくだが上条母……詩菜?さんじゃないかな
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/30(月) 08:37:00.12 ID:J5FRm+iIO
麦野→打ち止め
絹旗→上条詩菜
フレンダ→アウレオルス?
滝壺→白井黒子

ってとこか
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:01:54.50 ID:Jpfy1yY10


上条「無茶苦茶だ……でもこれで納得がいった、俺がおかしいわけじゃなかったんだな」

ステイル「むしろその右手のおかげで無事。というほうがおかしいと思うけどね」

神裂「そんな事を話している場合ではありません、一刻も早く何とかしないと……」

土御門「かと言って、カミやんは手掛かりにもならなさそうだし。どうしたもんかにゃー」

上条「とりあえず俺への疑いは晴れたみたいだけど、
    そもそも『御使堕し』ってのは何を目的とした魔術なんだ?」

神裂「そういえばまだ説明していませんでしたね。では簡単に説明します」

上条「おう、なるべく難しい言葉は避けてくれよ」

神裂「一言でいえば、天使を強制的に人の位へと落とすためのものです」

上条「……はい?」

神裂「聞こえませんでしたか? もう一度言いますが天――」

上条「いや、十分バッチリハッキリ聞こえてます。そうじゃなくてだな……」

ステイル「天使なんて居るわけないだろ。と言いたいのかい?」

上条「あ、ああ……魔術は何とか信じられたが、天使はなあ……」

土御門「まっ、その気持ちもわかるが、こればっかりは信じてもらわないと話しが進まないぜよ」
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:02:36.62 ID:Jpfy1yY10


ステイル「天使は居る。魔術はある。いいね?」

上条「……うーん、とりあえず今はいいや。それで、天使がこの『入れ替わり』と何の関係があるんだ?」

神裂「入れ替わりそのものはあくまでも副作用です。
    『御使堕し』によって上位セフィラから下位セフィラへと強制的に天使が移動させられたため、
    その揺らぎによって一〇のセフィラが形作る四界――
    すなわち原形世界、創造世界、形成世界、物質世界に影響を与えているのです」

上条「土御門、説明頼む」

神裂「なっ……! 私はあなたにも分かるように簡単に説明したつもりです!」

ステイル「いや。それではさっぱりだと思うよ」

上条「むしろ余計に混乱したくらいです」

神裂「そんな……私なりに頑張ったつもりなのですが……どうやら、逆に迷惑だったみたいですね」

上条「あ、その……別に迷惑ってわけじゃ……」

神裂「いえ、そんなに気を遣わなくてもいいですよ……こんな私なんか放っておいてください……」

土御門「あーあー、カミやんがねーちんを落ち込ませたー」

上条(……めんどくせえ)

571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:03:15.70 ID:Jpfy1yY10



上条「えーと、神裂? 俺はそういうのはさっぱりだからさ、その……理解できなくてごめんな」

神裂「……そんな、こちらこそあなたの事をしっかり考えられていませんでした……申し訳ありません」

土御門「おっと、ねーちんがこんなにすぐ立ち直るとは……カミやんパワーってやつですかい?」

上条「意味分からない事を言うな土御門。……よし、とりあえず説明の続きを聞かせてもらえるか?」

土御門「なら、ねーちんに代わりまして土御門さんが簡単に説明するぜい」

神裂「わかりました。それと、今度また改めて詳しく説明させてもらいますからそのつもりで」

上条「……それは丁重にお断りしたいのでございますが」

神裂「……やっぱり私の説明なんて……不要ですよね」

ステイル「また。落ち込んでしまったね」

上条「……わかったよ。神裂先生、今度詳しくご教授お願いします……」

神裂「は、はい! お任せください!」

土御門「そろそろ話を戻してもいいかにゃー?」
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:04:04.36 ID:Jpfy1yY10



上条「で、その天使とやらと入れ替わりに何の関係があるんだ?」

土御門「んー、簡単に説明すると……丁度いい、この椅子に座ってくれ」

上条「椅子? よいしょ……これで何するんだ?」

土御門「今はオレとカミやんとねーちんとステイルが座っているぜよ。
     これが世界の通常の状態だ」

上条「通常……入れ替わる前って事か」

土御門「そういうコト。今は人間の『外見』が椅子、座っている人が『中身』。
     ここまではいいかにゃー?」

上条「ああ、それで?」

土御門「では、もしここに……」

アウレオルス「突然。私が入ったらどうなるか、とアウレオルスは急に現れます」

上条「うわっ! ……びっくりさせんなよ」

土御門「アウレオルスが入ると椅子が足りなくなってしまうにゃー。
     そうすると何が起きるかっていうと……椅子取りゲームが起きてしまう」

上条「椅子取りゲーム……? まさか……!」

土御門「そう、それが入れ替わり。こうしてみんなの席が変わってしまったんだにゃー。
     そして今アウレオルスが表している立場は……」

アウレオルス「天使、という事になるな、とアウレオルスは代わりに説明します」

上条「天使が入ってきたから椅子取りゲームが起きちまったって事か……」

土御門「その通りぜよ。世界中で今、この椅子取りゲームが起きている。
     それが『御使堕し』の副作用ってわけだ」

神裂「そして先ほども言いましたように、結果として天使がこの世界に落ろされる事になります」

上条「天使を降ろす、『御使堕し』……」
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:04:38.22 ID:Jpfy1yY10


上条「しかし、天使なんか降ろして何か得することでもあるのか?」

ステイル「天使というのは。膨大な力を持っている。僕達とは比べ物にならないほどのね」

神裂「使い魔として利用するか、それとも空いた天使の席に代わりに座って利用するか……。
    いずれにしろ想像を絶する脅威となる事は間違いないです」

上条「……うーん、イマイチ凄さがわかんねーな」

土御門「ローマ正教の中心地、バチカンくらいは壊滅させられるだろうにゃー」

上条「バチカンねえ……でも、そんな簡単に上手くいくもんなのか?」

アウレオルス「それは現時点では何も言えないな、とアウレオルスは答えます。
        しかし、カインの末裔など足元にも及ばない力……それが悪用されれば、
        当然、世界の危機と思ってもらっても問題なし、とアウレオルスは自身の経験も合わせ答えます」

上条「……ついに俺は世界の危機にまで関わってしまったのか」

土御門「まー、今までのも今巻き込まれてるのも、全てはその右手を恨むしかないかもにゃー」

上条「だよなー……ん? ちょっと待て……土御門、お前どこまで知ってるんだ?」
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:05:07.38 ID:Jpfy1yY10


土御門「どこまで、か。強いて言うなら全部かにゃー?」

上条「ぜ、全部?」

土御門「おうよ。現時点でその右手、幻想殺しは魔術も打ち消すことができ、霊装の破壊も可能。
     『自動書記』と仲良くなり、アウレオルスは見てわかる通り和解、
     そして学園都市最強の能力者、一方通行にダメージを与える事にも成功している。とりあえずこんなとこか」

神裂「そうやって並べると、何だか凄い事をしたように感じますね」

ステイル「実際は。ほとんど何もしていないけどね」

上条「うるせえ! アウレオルスに操られたダメ魔術師に言われたくないっつうの!」

ステイル「……どうやら。君とはここで決着を付けなければいけないみたいだ」

神裂「落ち着くのですよー! はっ……またやってしまいました」

土御門「もちろん、現在カミやんがスキルアウトやら不良から逃げるために
     『外』に出たって事ももちろん把握済みですたい」

上条「……ちなみに、ほとぼりは冷めたか?」

土御門「全然。上条当麻の追跡および殲滅、通称『ウニ狩り』は現在絶賛進行中みたいだぜい?」

上条「…………泣いてもいいよな?」
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:05:44.39 ID:Jpfy1yY10



土御門「しかし、本当にカミやんが犯人じゃないんだよな?」

上条「またその話かよ……無事だったのは確かに認めるけど、それだけで俺を疑ってるのか?」

神裂「それだけではありません。異変について調べた結果、『歪み』の中心点があなたの近く。
    そしてあなたは無傷です。疑われても無理はないでしょう」

上条「そう言われたらそうなんだけど……でもお前たちも入れ替わりを認識できてるじゃないか」

土御門「オレ達は運が良かっただけなんだぜい。ちょうどねーちんとウィンザー城の中にいたから、
     その城の『結界』のおかげでなんとか助かったってだけなんだにゃー」

上条「不幸中の幸いって事か、それはそれは」

土御門「でもオレは最深部に居なかったから自分で結界を張って耐えたんだけどな。
     おかげでこのザマぜよ」チラッ

上条「その痛々しいアザを見せるな……すげえリアルで引くわ」

土御門「それに天使の力の悪用ってのはもちろん問題だが、
     入れ替わったままってのもそれはそれでマズイからにゃー」

神裂「そうなのですよー! 一刻も早く戻さないと……!」

上条「な、なんでそんなにお怒りなのでございましょうか?」

神裂「この方の体で、七天七刀を持って街を歩いたのですがどうやら世間の方から見ると、
    小学生が帯刀しているようにしか見えないみたいですね。
    ほかにもアメあげようか? と声をかける怪しい男性など……もうこれ以上は耐えられません!」

上条「……帯刀に関してはもとからおかしかったんじゃひいっ!?」

神裂「……何か、言いましたか?」チャキ

上条「すいません失言でしただからそうやって刀を首に近づけるのはやめていただけませんでしょうか!?」

神裂「ふふふ……当てているのですよ?」

上条「……全然ときめかないしむしろ命のピンチで泣きそうです」

ステイル「そろそろ。漫才はやめてもらっていいかな?」

神裂「なっ……! 私はふざけてなどいません!」
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:06:36.70 ID:Jpfy1yY10


アウレオルス「しかし、それではいったい誰がこの様な魔術を引き起こしたのだろうか、
        とアウレオルスは考えます」

ステイル「それなりの知識。そしてそれなりの目的があるだろうし……厄介だね」

神裂「上条当麻、本当にあなたではないのですか? 
    あなたのそばにはあの子もいますから、知識もなんとかなるかもしれません」

土御門「だからさっきも言っただろうがねーちん。能力者は魔術を使えないってよ。
     もしカミやんが魔術を使っていたら、体のあちこちにかなりの『証拠』が残っているはずだぜい」

神裂「……なるほど。では、調べてみましょうか」

上条「はあ? 調べるって……どうやるんだよ?」

神裂「それは……こうやるのです」

上条「なっ……! な、何をおお!?」

土御門「おっと、これはサービスタイムかにゃー?」

ステイル「僕達は少しの間。席を外していようか」

アウレオルス「若い二人の間を邪魔しないことは自然の理、とアウレオルスはそそくさと退散します」

上条「テメェら! 薄情だ……って神裂さんそこは……っ!」

577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:07:07.33 ID:Jpfy1yY10


上条「ちょっと神裂さん!? そこはですね……ひいっ!?」

神裂「何を慌てているのですか上条当麻。私は胸の辺りをなぞっただけですよ」

上条「いや、その何と言いましょうかですね……ああっ!?」

神裂「む、この突起が痛むのですか? やはりあなたは魔術を……!」

上条「そうじゃなくてそこはその何というか……あひいっ!?」

神裂「脇の下、鎖骨……脇腹、首の周り……どれも違うようですね」

上条「……はあ、はあ……もう良いよな?」

神裂「いえ、まだこの履いているものの下がありますからね。ここも失礼しま……なぜ抵抗するのですか」

上条「そこは駄目です! 本当に駄目だからなのです!」

神裂「……怪しいですね。やはり脱がすしか!」

上条「そこは男として最後の砦でして絶対に脱がさせるわけには!」

神裂「男の……? あっ……し、失礼しました。
    確かにそうですね、では……土御門かステイルにでも頼みましょうか」

上条(土御門はともかく、ステイルの場合は見た目は姫神が……いかんいかん! 落ち着くんだ俺!)

神裂「急に黙ってどうしたのですか?」

上条「……己の煩悩と戦っていました」
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:07:39.79 ID:Jpfy1yY10


土御門「カミやんとねーちんはずいぶん楽しそうですにゃー」

ステイル「まったく。呑気なものだね。天使の力などもし本当に悪用されたら。取り返しがつかないのに」

土御門「まーまー。ところで……錬金術師さん?」

アウレオルス「……その肩書きは今は意味をなしていないが、とアウレオルスは反応します」

土御門「別に脅そうってわけじゃないんだからそんな怖い顔は無しだぜい?
     とりあえず、お前に一つ伝えておく事がある」

アウレオルス「聞こうか、とアウレオルスは覚悟を決め言葉を待ちます」

土御門「三沢塾での出来事、『黄金練成』、なかなか派手に暴れてくれましたにゃー」

アウレオルス「……過ぎし事とは言え、罪は罪だ。当然、何らかの形で贖おう、とアウレオルスは答えます」

土御門「話しが早くて助かるぜよ。では……この『御使堕し』に関しては働いてもらうぜい」

アウレオルス「……? それはイギリス清教としてか? とアウレオルスは困惑します」

土御門「本当は裁判なり刑なり、ってとこなんだが事態が事態だ。今は協力をしてもらうぜよ。
     ちなみにこれは強制命令、背いたら……想像するまでもないだろう」

アウレオルス「了承した、とアウレオルスは協力を約束します」


『そこは男として最後の砦でして絶対に脱がさせるわけには!』


土御門「おっと、カミやんが色んな意味でピンチだ。そろそろ助けに行きますぜい」
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:08:13.25 ID:Jpfy1yY10


上条「とりあえず、天使のテの字も知らない俺がそんな事するわけない、って何度言ったら分かってくれるんだ?」

神裂「……しかし、今のところ手掛かりも何もなく」

土御門「おいおいねーちん、まだ二人のふれあいタイムを続けてたんですかい?」

神裂「ふ、ふれあいタイムなどではありません! きちんとした調査です!」

土御門「ちなみに、カミやんの体はどうだった?」

神裂「え? なかなかしっかりとした筋肉がついて触ってて楽し……な、何を言わせるんですか!」

ステイル「……もう少し。真面目にやってくれないかな。今がどういう状況か分かっているのかい?」

土御門「とりあえず、カミやんが何かしらの形でかかわっている可能性は高い。
     今はカミやんの近くで調査という事で良いんじゃないかにゃー?」

アウレオルス「それが現在の最良の選択であろう、とアウレオルスは同意します」

神裂「では、ご家族の方々にもご説明をお願いします」

土御門「よろしくにゃー」

上条「はあ……分かったよ」
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:09:05.03 ID:Jpfy1yY10


わだつみ 一階の部屋


上条「……という訳で、色々あってこの海に来た」

土御門「御坂美琴ぜよ。よろしくにゃー」

神裂「か、上条ちゃんの担任をしています月詠小萌です……」

刀夜「まさか当麻の担任の先生が来ているとは……いつも当麻がお世話になっています」

詩菜「いつも当麻さんをお世話していただいて、感謝してるじゃん」

インデックス「……とォま、どうして短髪がここに居るの!?」

上条「えっ? だからさっきも言っただろ? 色々あってアレがこうなってそうなってだな……」

インデックス「何を言ってるかさっぱりわかンないンだよ! そンなに短髪と会いたかったの!?」

上条「いや、そうじゃなくてだな……」

乙姫「兄貴ー……私はちょっとショックだぞー。兄貴が親譲りのフラグ体質なのは分かっていたけど……」

土御門「(舞夏に嫉妬されるなんて……羨まムカつく!)」

上条「(落ち着け土御門! あれは舞夏じゃなくて俺の妹的な……)」

土御門「(人の義妹を呼び捨てすんじゃねーよ!)」

インデックス「とォま! なに短髪と顔近づけて内緒話してるの!?」

乙姫「兄貴! その女の人もだけどこのシスターさんはいったい誰なんだー!?」

土御門(……いいコト思いついたぜよ!)

神裂「あの土御門の目は……何か企んでいますね」

ステイル「きっと。ロクな事じゃないだろうね」
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:09:45.32 ID:Jpfy1yY10


土御門「ねえ……と・う・ま、美琴の事をちゃんと当麻のお父様とお母様に紹介してよ」

上条「な、なああにを気持ち悪い声出してんだテメェ!」

詩菜「あらあら、当麻さん的にはその子ともう将来を誓い合っているんじゃん?」

上条「はあ!? 何だそのトンデモ勘違いは!」

土御門「ねえ当麻……美琴、そろそろ寝たいな……ダーリンと二人で」

上条「!? おえっ……ってどうしたお前達!?」

インデックス「と〜う〜ま〜……?」

乙姫「あ〜に〜き〜……?」

上条「お、お二人とも! これは違うのでございますの事よ!」

刀夜「当麻……避妊と声には気を付けるんだぞ」

インデックス「とうまー!!」 乙姫「兄貴ー!!」

上条「土御門テメェェェェェェェェ!!! 今は逃げるが後で覚えてろよおお!!」

土御門「オレの舞夏にあれだけの事してくれたんだから仕方ないぜよ。ばいばーい」
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:10:55.78 ID:Jpfy1yY10


アウレオルス「……行ってしまったな、とアウレオルスは唖然としながらも話し始めます」

刀夜「相変わらず当麻は落ち着きがないな……先生、学校では当麻はちゃんとやっていますか?」

神裂「へ? え、えっと……はい、彼なりに今まで頑張っていると思うのですよー」

詩菜「当麻さんはお勉強はしっかりやっていますか? 
    そっちの方は苦手みたいですから少し心配じゃん……」

アウレオルス「いえ、それが私の経営している塾で夏期講習を受け、
        最近は敢然と勉学に励む姿勢が見られます、とアウレオルスは代わりに答えます」

刀夜「そうですか、それなら一安心だ。後はあの不幸体質もどうにかなれば良いのですが」

ステイル「不幸体質? それは。いったい?」

刀夜「いえ、あくまでもオカルトの話ですよ。もうお分かりだと思いますが、
    当麻は不幸な目に遭う事が人よりも多いです。それは昔から変わっていません」

神裂「……不幸な目に、ですか」

詩菜「詳しくは当麻さんのためにも話せませんが、当麻さんを苦しめているのは事実です」

刀夜「だから私達は、オカルトを否定する学園都市に当麻を行かせたのです。
    少しでも良くなれば、と思っていたのですが……あまり変わらないようですね」

ステイル「オカルトの否定……なるほどね」

詩菜「刀夜さん、少しお話しすぎじゃん? 先生、何もお気になさらず……先生?」

土御門「(……ねーちん、呼ばれてるぞ)」

神裂「……あっ、すいません。……少し疲れたので、私はこれで失礼させてもらいます」
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:12:07.82 ID:Jpfy1yY10


刀夜「……私は何か失礼な事を言ったのだろうか?」

土御門「気にする事ないですにゃー。本当にちょっと疲れただけだと思いますぜい」

詩菜「そうですか……それなら良いのですが」

アウレオルス「何か、気になる事でも? とアウレオルスは質問します」

刀夜「去る時の顔が、ずいぶんその……寂しそうと言うか、悲しいと言うか」

ステイル「気にしなくても大丈夫です。アレは。……何でもないですから」

土御門「(ねーちん、相変わらずだったにゃー)」

ステイル「(……アレは。そう簡単には割り切れないのだろう。少なくとも……)」

土御門「(ああ、不幸体質……か)」

アウレオルス「……私一人、状況が把握できていないな、とアウレオルスは気分転換にテレビを点けます」


『――現在逃走中の火野神作の速報です。現在も犯人は逃亡中、神奈川の海岸に逃げ込んだとの情報も――』

584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:12:47.90 ID:Jpfy1yY10




??「エンゼルさま、エンゼルさま……どこにエンゼルさまは居るのですか?」

??「……わかりました、エンゼルさまはあそこの――――」




―――――――




??「『御使堕し』、現時点での継続を確認した」

??「騒動の中心点、その少年は――――」




―――――――



神裂「不幸、ですか……いけませんね。こんなに心を荒げては……」



―――――――



上条「はあ……はあ……いい加減に諦めろテメェら!」

インデックス「とうまが逃げるのをやめたらもう追いかけないんだよ!」

乙姫「そうだぞ兄貴ー! 大人しくボディプレスを食らえー!」

上条「絶対に嫌だああああああ!!!」


585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/06/01(水) 22:13:34.52 ID:Jpfy1yY10


一方その頃

黒子「お姉様あああ!! 今日こそ黒子の愛を受け止めて欲しいですにゃー!!」

美琴「いい加減に……するのよな!!」ビリビリ

黒子「うにゃああああ!!! ……お姉様の愛、今日も激しいぜよ」バタン

佐天「いやー御坂さん、相変わらず白井さんに対して厳しいですなー。
    本当は、白井さんのこと愛してるんちゃいますー?」

美琴「佐天さん……冗談はそこまでにしてもらいたいのよ!」

初春「うん、今日もみなさん元気そうで安心ですね?
    でも白井さん、程々にしないと本当に御坂さんに嫌われちゃうかもしれないかな?」
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/01(水) 22:17:38.12 ID:Jpfy1yY10
>>585は本編には関係ありません、みんなむさい男なんて悪夢だ
相変わらずの適当更新です 少しでも暇つぶしにでもなればいいのですが
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/01(水) 22:38:15.10 ID:URPESDbw0
乙でっせ
御坂→建宮
白井→土御門
初春→冥土帰し
佐天→青髪ピアス?
であってるかにゃー?
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/06/01(水) 22:45:38.64 ID:Vk64QL3ho
>>587
合ってると思う
そいつら4人がセーラーや常盤台の制服着てファミレスでキャッキャウフフしてる
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/01(水) 23:12:37.45 ID:NeFPis3v0
安心と信頼の土御門乙
エンゼルフォールはSSで見ると余計に混乱するよね
>>588みたいにSSで良かったと思うこともあるが
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 00:19:30.20 ID:rYXl6sDIO
ホントに混乱する…
上条さん以外はみんな入れ替わってるんでしょ?
で、入れ替わってる人達は、お互いの姿が中身の本人の姿に見えてるんじゃないの?刀夜さんが詩菜さんの姿に違和感を覚えてないってことはさ。
でも土御門達は、外見の名前を名乗ってるし、実際インデックス達にはその名の通りに見えてる。これは一体どういうことなん?

591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/02(木) 01:10:57.96 ID:2xT/w/cmo
一般人は一般人の役割を見ることが出来る(オッサン姿だけど女の子)
一般人は魔術師の外見を見ることが出来る(女の子だけどオッサン姿)
上条君はそのまま

魔術師は一般人の外見を見ることが出来る(女の子だけどオッサン姿)
魔術師は魔術師の役割を見ることが出来る(オッサン姿だけど女の子)
上条君はそのまま

上条君は一般人の外見を見ることが出来る(女の子だけどオッサン姿)
上条君は魔術師の役割を見ることが出来る(オッサン姿だけど女の子)

一般人にはステイル・アウレオルス・インデックスを含める


これで分かるかな?
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/02(木) 01:22:29.73 ID:WwvS9bMO0
すばらしい説明ありがとうございます ぜひ>>591の方のを参考にしていただければと思います

一応自分からも


上条 備考…幻想殺しにより影響を受けていない

全ての人から上条本人に見える
『外見』→上条 『中身』→上条



土御門 備考…結界により中途半端に影響を受けている

上条と神裂からは土御門に見える 他の人からは美琴
その他の人からは美琴に見えるため>>580では混乱を避けるために美琴と名乗った

『外見』→美琴 『中身』→土御門


神裂 備考…結界により中途半端に影響を受けている

上条と土御門からは神裂に見える 他の人からは小萌
その他の人からは小萌に見えるため>>580では混乱を避けるために小萌と名乗った

『外見』→小萌 『中身』→神裂




≪他の人≫
刀夜 備考…言えない

全ての人から刀夜本人に見える


ステイル 備考…完全に影響を受けているが現在の状況は把握している

上条、神裂、土御門からは姫神に見える 他の人からはステイルに見える 
現在は御使堕しが起きていることを知り、自分の姿が入れ替わったことも認識している
ステイルが鏡で自分を見てもステイルが映る
『外見』→姫神 『中身』→ステイル


アウレオルス 備考…完全に影響を受けているが現在の状況は把握している

上条、神裂、土御門からは御坂妹に見える 他の人からはアウレオルスに見える
現在は御使堕しが起きていることを知り、自分の姿が入れ替わったことも認識している
語尾の「とアウレオルスは○○します」というのから土御門はアウレオルスとすぐに判断した
『外見』→御坂妹 『中身』→アウレオルス



インデックス
上条と土御門と神裂からは一方通行に見える 他の人からはインデックス
『外見』→一方通行 『中身』→インデックス


詩菜
上条と土御門と神裂からは黄泉川に見える 他の人からは詩菜
『外見』→黄泉川 『中身』→詩菜


乙姫
上条と土御門と神裂からは舞夏に見える 他の人からは乙姫
『外見』→舞夏 『中身』→乙姫
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/02(木) 01:29:02.60 ID:WwvS9bMO0

産業でおk
上条と土御門と神裂は『外見』を見ている  その他の人は『中身』を見ている
土御門と神裂は結界のせいで『中身』ではなく『外見』を見られている 
上条は土御門と神裂の『中身』を見ている

分かり辛くて申し訳ありません…
地の文が無く、ろくな説明が無いので混乱するのも無理ないよなこれじゃ…
色々ごめんなさい、これ以降はあまり影響しないとは思いますが何かあったら書き込んでいただければありがたいです
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/02(木) 01:49:14.78 ID:+CpVkofRo
この面子で超電磁砲アニメやったらブルーレイ買うわ
10枚買うわ
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/06/02(木) 02:36:18.35 ID:ubDY4J2Y0
追いついた! >>1乙!
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/02(木) 05:24:33.08 ID:Yuc1aHWpo
>>594
お前そんなに女子中学生ファッションのむっさいオヤジーズみたいのか?・・・
>>587なんだぞ?、こんなんみたら宇宙に飛ばされたカーズ様みたいになっちゃうわ・・・
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 07:56:33.98 ID:Mo0xhO1oo
幼妻が赤ちゃんに慈愛顔でおっぱいあげてるシーンが
おっさんがおっさんに慈愛顔で乳吸わせてる場面になる可能性があるわけですね

怖いな
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 14:39:02.79 ID:W9eZVuiIO
青ピ「う〜い〜は〜る〜ん!」バサッ

冥土帰し「きゃあっ!?ささささ、佐天さん!いきなり何をするんだね!?」///

青ピ「いやー、これをやらないと一日が始まらへんと思ってなあ。おっ、今日は淡いピンクの縞々なんやね」

冥土帰し「めくられるこっちの身にもなってほしいもんだね…?うう…周りの視線が…」///

青ピ「ごめんごめん。お詫びにボクのパンツ見せるから許してーな」チラッ

冥土帰し「結構だねっ!!?」


うんごめんこの場面想像してしまった気持ちを一人でも多くの人に知ってもらいたくて思わず書いてしまった
後悔はしてますん
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 16:22:21.78 ID:6KmQAzRho
>>591>>1も、説明ありがとう。何が起きてるのか理解出来た。今まで誤解してたようだ。
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 19:47:53.06 ID:U0GTiGr00
冥土帰しが縞パン......オエッ
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/06/14(火) 14:47:41.72 ID:m0D0k/Nco
定期age
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/15(水) 16:02:25.86 ID:zAYHvHtAO
読み返そうと思ったらパー速に繋がらなくて焦った…>>1からと原作読み返してまた投下に来ます
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/06/15(水) 18:38:21.21 ID:UC7GaapAO
朝からやってて今の時間になってやっと繋げれた…
何だったの?テロか!?
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 18:49:45.76 ID:o78vVU3IO
サーバー側の問題
稀にこういったことがある
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/03(日) 06:46:24.65 ID:yItayaEAO
1ヶ月放置とか笑えねえ…最早オワスレだが明後日投下に来ます
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 10:43:36.26 ID:8qBZQKKko
1ヵ月間舞ってたおかげでダンサーになれました
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:27:02.30 ID:qbndxKoo0
test
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:28:28.53 ID:qbndxKoo0


上条(はあ……酷い目に遭った……ん? あそこに居るのは……)

神裂「…………」

上条「おーい、神裂ー」

神裂「……? ああ、あなたでしたか……あの子達からは逃げられたのですか?」

上条「何とかな……まったく、土御門のヤツめ……」

神裂「義妹の事となるとアレは人が変わりますからね」

上条「入れ替わってるって事も知っててもあの様子だからな……ところでお前はこんなトコで何やってんだ?」

神裂「え? そ、その……ただ風に当たりに来ただけなのですよー。あっ、また口調が……」

上条「油断すると出るんだっけ?」

神裂「……はい」

上条「俺には影響がないから分からないけど、やっぱり大変そうだな……いったい誰がこんな事を」

神裂「そうですね……あなたの近くが中心なのは間違いないですから、何らかの手掛かりがあっても良いのですが」

上条「うーん……かと言って俺の知り合いに魔術が使えるヤツなんて居るとは思えないんだよな……」

神裂「ともかく今は情報が欲しいです。何かあったら些細な事でも構いません、すぐに言ってください」

上条「分かったよ。……しかし暑いな」

神裂「夏ですから……。ずいぶん汗をかいたみたいですね」

上条「そんな中追いかけっことかしてたからな……風呂でも入ってくるかな」

神裂「それが良いと思いますよ」

上条「じゃ、またな神裂」

609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:29:04.30 ID:qbndxKoo0


男湯 脱衣場


上条(海の近くで温泉ってのも嬉しい限りじゃないですか)

上条「さあて、入っちゃうぞー!」ガラッ

上条「誰も居ない……イコール貸切じゃねえか! ヒャッホー!」

上条(髪と体を洗って……いざ、参る!)

上条「まあ、飛び込みなんて子供みたいな真似はしませんけどねー」チャポン

上条「うぅ〜……沁みるなぁ……」

ガラッ

上条(ん? 誰か入ってきたか……湯気で見えねえけど、気にする必要もないか)

??「…………」チャポン

上条(……こういう時は話しかけるのが旅の醍醐味ってヤツだよな。まっ、旅と言うより逃げてきただけなんですけどねー)

上条「いやぁ、いいお湯ですねぇ」

??「……っ!?」

上条(あれ? 反応なし? 無視されたのかな……一応謝っとくか)

上条「急に話しかけたりしてすいません……せっかくの温泉なのでちょっとお話してみたかっただけで……」

神裂「……何故あなたがここに居るのですか、上条当麻!」

上条「そ、その声は……神裂!?」

610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:29:33.85 ID:qbndxKoo0


上条「なっ、なぜ神裂がここに!?」

神裂「……それはこちらの台詞です。まさか……覗きなどという愚劣な行為を……!」

上条「誤解だ! 俺は普通に男湯で服を脱いでそのまま風呂に入っただけだぞ!?」

神裂「それがどうしたらこんな状況になるんですか!」

上条「俺も知りてえよ! 何でこんな……あっ、そういえば昨日インデックスが――」


インデックス『とうま、とうま。ここの温泉は時間帯で色々変わるみたいなんだよ』

上条『変わる? 何だそれ?』

インデックス『普段は男女別れた普通の温泉なんだけど、時間帯によってはその垣根がどかされて立派な広い温泉に変わるみたい』

上条『へえ、って事は男だけしか入れない時間帯があるとかそんな感じになるのか?』

インデックス『ううん、混浴になるみたいなんだよ』

上条『こ、混浴だとお!?』

インデックス『……とうま、えっちな事は考えちゃダメだよ』

上条『うっ……すいません』


上条「――って訳よ」

神裂「……そんな事をする必要はあるのでしょうか?」

上条「それは従業員とかしかるべき人に言ってくれ」

611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:29:55.16 ID:qbndxKoo0


上条「……とりあえず、俺は出るよ。不快な思いさせてもアレだしな」

神裂「ま、待ってください」

上条「ん?」

神裂「……混浴という事なのであれば、別にあなたが出て行く必要はありません」

上条「そ、それは色々マズイのでは……」

神裂「安心しなさい、いかがわしい気持ちがあると判断した場合はすぐに七天七刀を抜きますから」

上条「全然安心できねえ……」

神裂「それに、きちんと入らないと湯冷めしてしまいますよ」

上条「……まあ、お前が良いなら入るよ」

神裂「……一応言っておきますが、こちらを向いたその時は――」

上条「刀の錆にするとかそう言った類のものは勘弁してください……」
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:30:25.00 ID:qbndxKoo0


神裂「ふう……いいお湯ですね」

上条「あ、ああ……」

上条(何だこの状況は……? 混浴、しかもスタイル抜群の神裂が裸で近くに居るなんて……)

神裂「どうかしたのですか?」

上条「……何でもねえよ。しかし、世界の危機みたいだけど全然そんな感じがしないよな」

神裂「そうですね……ですが、何か起きようとしているのも事実です。実際に副作用の方ははっきりと見られますからね」

上条「誰がそんな事をしたのやら……しかも俺が関わってるかもしれないって……はあ」

神裂「……あなたには罪は無いのですが、すいません」

上条「いや、お前が謝るような事じゃねえだろ? それに、こうやって事件に巻き込まれるのは慣れてるしな」

神裂「慣れている?」

上条「自分でいうのもアレだけど、不幸体質ってヤツでさ。それのせいで平穏な生活なんて夢のまた夢って訳だ」

神裂「不幸体質……ですか……」

上条「実際、買った卵が全部割れたりとかボールを踏んでこけるとかそんな感じで酷い目に遭ってるんだよ。
    路地裏では不良に絡まれてる女の子を助けたら俺が追い掛け回されたり、挙げたらキリがねえな」

神裂「……辛いと思った事はありますか?」

上条「辛い、ねえ……もうそういうレベルの話じゃねえからな。とりあえず何かあったらまたか……って思うくらいで」

神裂「不幸である自分が嫌になった事は?」

上条「それこそ毎日のように思ってるな……まあ、思った所でどうにかなる訳じゃねえけど」

神裂「……不条理ですね」

上条「ん? 何か言ったか?」

神裂「いえ……では、もう一つ聞いても良いですか?」

上条「別に良いけど、俺の事を聞いてもしょうがないと思うんだが……」

神裂「……そんな事はありません」

613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:30:53.06 ID:qbndxKoo0


神裂「……あなたとは対照的に、幸福であり続けるような人間が居たとします。そのような者をどう思いますか?」

上条「幸福であり続ける人間? そんなヤツ居るのか?」

神裂「いいから答えてください!」

上条「おおっ!? どうしたんだよ、そんな大声出して……」

神裂「……すいません。ですが、どうしても答えて頂きたいのです」

上条「うーん……幸福であり続ける、ねえ……そんな状況になってみてえよ」

神裂「本当にそう思いますか?」

上条「……神裂?」

神裂「何も努力せず、何の苦労もせずに『幸運』を掴んでしまう者。それは本当に幸せなのでしょうか?
    その者が幸せな思いをするという事は、対照的に『不幸』な思いをする者が存在するという事です。
    ……誰かの悲しみの上に立つ『幸運』、それは……『悪運』なのかもしれません」

上条「『悪運』、か……」

神裂「誰かの『不幸』で生き続ける者が本当に幸福なのか、そして生き続ける価値があるのか……」

上条「……詳しい事情はもちろんわからねえし、お前に何があったのかを聞く気も無い」

神裂「私の話では……いえ、何でもないです」

上条「そういえばそうだったな。……でも、不幸な人間代表として言わせてもらうよ。
    神裂、他人が不幸かどうかを決めるのはお前じゃない。その人間自身だ」

神裂「その人間自身……ですか?」

614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:31:41.42 ID:qbndxKoo0


上条「確かに不幸じゃなかったら犠牲にならなかったのかもしれない。でも、それがそいつの幸せとは限らないだろ?
    何も知らずにただのうのうと暮らして、誰かが苦しんでいるのを知らずに生きる事が果たしてそいつにとってはどうだったのか」

神裂「……しかし、死んでしまったのは事実です。それでもあなたは、亡くなった者達が不幸ではなかったと言えるのですか?」

上条「……生き続ける事がもちろん一番だ、犠牲になんてならない方が幸せだよ。
    でもな、お前がそう思い続ける限りそいつらはいつまでも不幸であり続けちまうんだよ」

神裂「私が思う限り……」

上条「『不幸』だなんて思ってやるな、そう思ってる限り……そいつらは『幸せ』になんてなれねえよ」

神裂「…………」

上条「……当事者の気持ちなんてもちろんその本人にしか分からねえし、俺の意見ってだけだ。
    それでも、もう一度考え直してみるのも悪くないとは思うぞ?」

神裂「そうですね……すいません、変な話をしてしまって」

上条「少しでも役に立てたのなら良いんだけどな……まあ、風呂の中の話だしそんなに深く考えないでくれよ?」

神裂「そういえば……私達、今は何も着ないまま会話していたのですね」

上条「……改めて考えると、ずいぶん恥ずかしい事をしているような気がしてきた」

神裂「そうですか? 私としては良い時間が……っ!」

上条「ど、どうした神裂?」

神裂「……誰か来ます!」

615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:32:08.70 ID:qbndxKoo0


インデックス「まったく……とォまはどこに行っちゃったンだろォ……」

乙姫「兄貴は逃げ足は速いからなー」

詩菜「あらあら、当麻さんは普段から逃げるような事をしているんじゃん?」


上条「(……げえっ!? ヤバい! 見つかったらさっきよりも酷い目に遭うに決まってる……!)」

神裂「(……ここは私が何とかします。あなたは湯気に身を隠しながらなんとか脱出してください!)」

上条「(……すまん! よろしく頼む!)」


インデックス「あれ? 誰か居るみたいなンだよ」

神裂「ど、どうも……」

詩菜「あら、先生が先に入ってたみたいじゃん?」

乙姫「どうだー。湯加減はいい感じかー?」

神裂「ええ、なかなかいいのですよー」

インデックス「こもえ一人で入ってたの?」

神裂「そうなのですよー……って!?」

インデックス「ン? どォしたの?」

神裂(そうでした……この子は今男性になっているんでしたね……前は隠していてくれて助かりました)

616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:32:32.07 ID:qbndxKoo0


上条(神裂が時間を稼いでいてくれるうちに早く出ないと……)

上条(あと二メートル……よし、これなら大丈夫……って、なあああ!?)ズテーン

インデックス「!? 何か音がしたンだよ!」

乙姫「なんだなんだー!? ……あれ、そこに居るのは」

詩菜「あらあら、当麻さんじゃん」

上条「いってー……石鹸が転がってるなんてベタな……あっ」

インデックス「……とォま、何をやっているのかな?」

上条「えーと……こ、これはですね……」

詩菜「当麻さん的には、覗きも嗜みたいお年頃なのかしら?」

乙姫「兄貴……男としてやらねばならない時とかそういう使命感でも持っているのかー?」

上条「そ、そんな信念とか義務感とかは一切無いわけで! というか今は混浴の時間だから別に俺が居ても!」

インデックス「とーうーまー……許さないンだよォ!!」

上条「し、失礼しましたー!」ダッシュ

神裂(……まったく、不幸代表というのは間違いではないかもしれませんね)

617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:32:51.52 ID:qbndxKoo0


上条「……危ねえ、あと少しでまた噛みつき地獄に逆戻りだった」

土御門「カミやーん、水臭いぜい? 覗きをするならオレも誘ってくれないとにゃー」

上条「土御門か……覗きじゃねえっつうの。ってそういえばテメェのせいでさっきは酷い目に遭ったじゃねえかコノヤロー!」

土御門「まーまー、そんな怒るなって。さっきまでねーちんと混浴タイムを楽しんでたんだから良いじゃない」

上条「なっ……! お前、見てたのか!?」

土御門「カミやんが風呂に入るのに何も起きないわけないからにゃー。こっそり忍び込ませてもらったぜよ」

上条「覗いてたのはテメェの方じゃねえか!」

土御門「そう、除くまではよかった……しかし、土御門さん一生の不覚! 湯気で何も見えなかったぜよ……」

上条「いい気味だ」

土御門「まっ、ばっちりお話の方は聞かせてもらったぜい?」

上条「話って……まさか、テメェ全部聞いてたのか!?」

土御門「おうよ! あんなカッコつけてたらねーちんさんもコロッと落ちちゃうかもしれないにゃー」

上条「……コイツだけには聞かれたくなかったんだけどな」

土御門「いやいや、オレはカミやんにお礼を言おうと思って声をかけたんだぜい?」

上条「はあ? お礼?」
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:33:40.30 ID:qbndxKoo0


土御門「ねーちんは色々あって『幸運』、とか『不幸』とかには敏感に反応しちまうんだ。いわゆるトラウマって言ってもいい。
     あいつの持つ『幸運』のせいで周りの人間が悲しい思いをしている。そのくせ自分は無事って訳だ」

上条「じゃあ、さっき神裂が言ってたのはやっぱり自分の事だったのか」

土御門「そういう事。だからカミやんの不幸体質なんてのとは両極端の存在で、改めて自分の『幸運』を自覚しちまう」

上条「俺の存在自体が神裂のトラウマを思い出させちまうって事か……」

土御門「ああ。でも、カミやんはそのトラウマを少しは和らげた。だからお礼を言いに来たんだよ」

上条「……そんなつもりはねえんだけどな。何もしてないと思うぞ?」

土御門「それでも、あいつにとっては意味があったんだ。それにカミやんは禁書目録を助けた恩人。
     あの義理堅いねーちんの事だから、このお礼は必ずします……体で返します、とか言っちゃうんじゃないかにゃー?」

上条「か、体で!?」

土御門「むっふっふー。カミやん、据え膳食わぬは何とやらって言いますぜい?」

上条「うるせえ! ったく……何か『御使堕し』については分かったのかよ?」

土御門「いやー、これが全然さっぱりでオレも困ってるってのが本音だ」

上条「はあ……大丈夫なのかよ?」

土御門「まあ、オレもこういう事に関してはプロだ。これでも世界の危機ってのを真剣に考えてる。
     それに偶然とはいえステイルにあのアウレオルスも居るんだ。イギリス清教の精鋭が揃ってるから安心してもらいたいにゃー」

上条「そうだな……ともかく今は情報収集って訳か」

土御門「だな、とりあえずメシでも食ってから考えるぜよ」

619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:34:10.71 ID:qbndxKoo0

食堂


上条「自分で作らなくてもご飯が用意される……幸せだ」

インデックス「もぐもぐ……とォまの幸せはずいぶンみみっちいンだね。はぐはぐ」

上条「食ってばっかの居候に言われたくねえっつうの!」

詩菜「当麻さん、やっぱりその女の子は当麻さんの……」

上条「はっ! いや、それはですね……」

刀夜「こら当麻。そうやって女の子にうつつを抜かしているんじゃないだろうな」

土御門「ダーリン……はい、あーん」

上条「なあっ!? テメェ何しやがんだコラァ!」

土御門「いつもやってる事じゃない、当麻?」

ステイル「いい気味だね」

アウレオルス「必然だな、とアウレオルスは同意します」

インデックス「とーうーまー?」 乙姫「あーにーきー?」

上条「……もうやだ」

刀夜「そうやって複数の女性と仲良くなる事が必ずしも良いという事では……ん? 母さん、どうしたのかな?」

詩菜「刀夜さん? それは刀夜さんが言える事じゃないじゃんか?」ゴゴゴゴ

刀夜「ひ、ひいっ!?」

上条(ああいう風にはならないようにしよう……ん?)

TV『いまだ逃走を続ける火野神作ですが、ここで最新情報が入りました。どうやら火野は精神病院から抜け出した過去が――』

乙姫「うーん……物騒だなー」

インデックス「そうだね……とりあえず、ごはンをおかわりしなくちゃ」

神裂「相変わらず、良い食べっぷりで安心しました」

ステイル「うん。こっちまで幸せな気持ちになるよね」

上条「……おかしいと思うのは俺だけなのだろうか」

TV『火野はどうやら――――――という話もあり、警察ではそれも含めたうえで火野を一刻も早く――』

620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:35:06.77 ID:qbndxKoo0


上条「ふう……食った食った」

インデックス「おいしかったねー、とォま」

上条(……満面の笑みの一方通行ってのもなかなか不気味なものがあるな)

乙姫「おーい、アイスでも食べないかー?」

インデックス「アイス!? とォま、私は大事な用ができたからちょっと行ってくる!」

上条「大事な用って……まあいいや、いってらっしゃーい」


ステイル「……いい笑顔だったね」ヌウッ

上条「うおっ!? 急に現れるなよ、姫が……いや、今はステイルだったな。それにお前達も一緒か」

ステイル「ああ。今後の事を話さないといけないからね」

土御門「ゆっくりもしたいが、今はそれどころじゃないぜよ」

アウレオルス「現在ある情報を整然と並べ対策を練るべきだ、とアウレオルスは提案します」

神裂「そうですね……しかし、情報が不足しているというのも事実です」

上条「うーん……いったいどうすれば  「きゃァァァァあああああ!!」

神裂「悲鳴!?」

ステイル「この声は……! あの子に何かあったのか!?」

アウレオルス「当然、一刻も早く向かうべきだ! とアウレオルスは急ぎます!」

土御門「……何かが起きようとしているのか?」

上条「そんな事考えてるヒマはねえ! 行くぞ!」

621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:35:31.61 ID:qbndxKoo0


時間は少し前 二階の一室


乙姫「私は親に電話をしてくるから、ちょっとここで待っててくれよー」

インデックス「うン! それとアイスのおかわりもお願いね!」

乙姫「よく食べるシスターだなー……まあいい、了解だー」

インデックス「…………とォまが居て、みンなが居て、楽しく過ごせる。こンなに素敵な時間を過ごせるなンて、夢みたいかも」


 ここ一年の記憶しかなかったインデックスにとって、この旅はとても新鮮なものだった。
楽しい思い出が増え、周りには笑顔の人たちが居る。そんな特別ではない事に彼女は喜びを感じていた。

 そのインデックスを狙う瞳が、二つ。


??(エンゼルさま、エンゼルさま。そちらにいらっしゃるのですね……今、お助けいたします)


 その瞳の持ち主は手に怪しく光るナイフを握り、陰からインデックスの動きを窺っていた。
そして彼女が背を向けた瞬間――部屋に一人の男が飛び込んだ。


??「エンゼルさま! エンゼルさまエンゼルさま!!」

インデックス「っ!? だ、誰!?」

??「エンゼルさま……エンゼルさまああああああああ!!!!」

インデックス「き、きゃァァァァあああああ!!」

622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:35:50.61 ID:qbndxKoo0


その部屋の前


上条「はあ……はあ……インデックスの声がしたのはこの部屋か……!」

神裂「ええ……開けますよ!」ガチャ

ステイル「大丈夫かい!?」

アウレオルス「どうした! 何があった!? とアウレオルスは……なっ!」

インデックス「た、助けてとォま!」

??「大人しくしろ! 早くエンゼルさまをこちらに渡せ!」

神裂「エンゼル……天使……!?」

土御門「驚いた、現在逃走中の火野神作じゃねえか」

火野「……おい、お前達。私とエンゼルさまの邂逅を邪魔するなよ。変な気を起こしたら……コイツの命は無い」

インデックス「……うう」

土御門(禁書目録と接触……魔道書を求めているのか……?)

ステイル「命が無い。か。具体的にはどうするつもりかな? 返答次第では……この世から抹消してあげるよ」

神裂「落ち着きなさい、ステイル。八つ裂きにしてその一つ一つをさらに八つ裂きに……!」

上条「テメェら発想が怖えよ! そんな事より……どうする!? あのナイフを何とかしねえと……」

623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:36:16.58 ID:qbndxKoo0


火野「何をゴチャゴチャ言ってんだお前達! ……このナイフを心臓に突き立ててもいいんだぞ?」ギラッ

上条「クソッ……! どうすればいいんだ……ってテメェら、何呑気な顔してんだよ!?」

土御門「えっ? だって、ただの刃物を『胸』に突き立てるだけでしょ?」

ステイル「だったら。何も心配する必要は無いね」

神裂「あの男に処罰を与える事には変わりありませんが、ここは見守っていても大丈夫です」

上条「はあ!? 何言ってんだよ!?」

アウレオルス「そう大声を出すな、とアウレオルスは落ち着くよう進言します」

火野「お、おい! コイツがどうなってもいいのかよ!?」

上条「……こうなったら俺が!」

インデックス「待って! とォま、今は何もせずに見ていて!」

上条「お前までそんな事を……いったいどうなってんだよ!?」

土御門「まーまー。さて、犯罪者さん? そのナイフはただの飾りなんですかにゃー?」

火野「……分かった。そこまで言われたら……突き立てる、突き立てる、突き立ててやる!!」


 そう言うと火野は手に握ったナイフを上まで持ち上げ、インデックスの右の胸に力任せに突き立てる。
上条達の目の前で今まさに惨劇が繰り広げられようとしていた。それでも上条以外の魔術師達は何もせず、ただ見守るだけであった。


上条「やめろおおおおおお!!」


 そして、インデックスの胸から夥しい量の血液が――流れ出ることは無かった。


上火「……えっ?」

624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:36:48.16 ID:qbndxKoo0


火野「なっ……なあっ!? どうなってる、どうなっているんだ!?」

土御門「今だぜい!」

神裂「はあっ!」

轟!

火野「ぐぶうっ……がはっ……」バタン

ステイル「……やり過ぎじゃないかい?」

神裂「一応手加減はしました。……出来る限りは」

上条「い、インデックス! 無事なのか!?」

インデックス「うン、私は無事なンだよ。傷の一つもついてねェから心配しなくていいかも」

上条「いったい……どうなってるんだ?」

アウレオルス「『歩く教会』が魔力を感じられないただのナイフなどで貫けるはずも無し。
         当然、心配するにも値しない、とアウレオルスは答えます」

上条「『歩く教会』……?」

インデックス「うン、この修道服は『歩く教会』って言ってね。刺繍や縫い方に魔術的な意味が込められているから、
         ナイフなンかで危害が及ぶ事はねェンだよ。でも、とォまは右手で触っちゃダメだからなァ」

上条「……はあ、それならそうと早く言えっつうの」

土御門「そんな事より、この男は興味深い事を言っていたな」

上条「興味深い事……?」

神裂「ええ、確かにこの男はエンゼルさまと言っていました」

上条「エンゼルさま……天使! って事はまさか!?」

ステイル「ああ。『御使堕し』を起こした犯人かもしれないね」

625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:37:10.69 ID:qbndxKoo0


インデックス「『御使堕し』? 今、物凄く気になる言葉が聞こえた気がするンだけど!」

上条「やべっ……インデックスに知られちまった。どうすんだ……?」

ステイル「……この際。彼女にも協力してもらおう」

神裂「むしろいい機会です。この子の知識を役立てる事が出来れば、イギリス清教にも面目が立ちますからね」

土御門「そういう訳で、禁書目録にも協力してもらうぜい?」

インデックス「エンゼルフォール……もしかして、天使が降りるに際して入れ替わりが起きていたりするの?」

アウレオルス「さすがは禁書目録、知識と照らし合わせ瞬時に状況を判断するとは……とアウレオルスは感心します」

上条「で、のびちまってるコイツはどうするんだ?」

ステイル「そうだね。たたき起こしてすぐさま尋問にかけようか」

上条「尋問……ってなんだか目つきが変わったのは気のせいですか魔術師のみなさーん?」

土御門「むふふ、尋問といえばイギリス清教の十八番だからにゃー」

神裂「私はあまり好きではありませんが……世界の危機ですから」

ステイル「さて……一生忘れられないような時間を過ごさせてあげようか」

上条(……魔術師こええええ!!)

626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:37:33.84 ID:qbndxKoo0


土御門「おい、起きろ。いつまでも寝てるんじゃない」

火野「ぐ、ぐう……はっ!? み、身動きが取れない……」

アウレオルス「当然。その縄から逃げる事は不可能だ、とアウレオルスは告げます」

ステイル「よく眠れたかな? 君には今から知っている事を全て話してもらうよ。ああ。黙秘とか馬鹿なマネはやめておいた方が良い。
      ……死にたくなかったら。大人しく言う事を聞くんだ」

火野「ひ……ひいい!」

神裂「落ち着いてください、ただ質問に答えるだけでいいのですから」

火野「し、しし、質問? 私がお前達に話す事なんて何も!」

土御門「黙れ、質問に答えるだけで良いと言った。それ以外の事は喋るな……分かったかにゃー?」ギラッ

上条「……土御門、ナイフを首に当てながらそんな事を言っても逆効果なだけだと思うんだが」

インデックス「仕方ないンだよ、とォま。これでもまだ尋問としては軽い方だからね」

上条「……イギリス清教っておっかねえな」

627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:37:58.94 ID:qbndxKoo0


火野「わ、分かった! 何でも話すからそれを離してくれ!」

土御門「そうそう、それが正しい身の振り方ってやつだぜい。……では、『御使堕し』についてお前が知っている事を全て話せ」

火野「え、えんぜるふぉーる……?」

アウレオルス「言語は気にするな、全て書き留める、とアウレオルスは万全の準備が出来ているという事を伝えます」

ステイル「さあ。早く話せ。僕達も暇な訳じゃないんだ」

上条「……海についてくる程の暇はあったのかよ」

ステイル「……何か言ったかな?」

上条「いや、何にも」

神裂「二人とも、ふざけないでください。『御使堕し』、あなたの言ったエンゼルさまというものについて話して頂ければ良いのです」

火野「そんな事を言われても……私はエンゼルさまを求めているだけで、エンゼルフォールなんてものは……ひいい!?」

土御門「全て話せ、と言ったが聞こえなかったか?」ギラッ

火野「う、ううう……エンゼルさまは、エンゼルさまは……エンゼルさまああああああ!!!  ……うっ」ガクッ

インデックス「……気絶した?」

ステイル「……様子がおかしい。口封じのために魔術でも使われた……?」

神裂「それは無いと思いますが……気を失ったのは確かですね」

上条「……コイツ、大丈夫なのか?」

628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:38:27.66 ID:qbndxKoo0


ステイル「上条当麻。この男は君から見ても火野神作に見えるという事でいいかい?」

上条「ん? そりゃそうだろ、それ以外の何に見えるんだ?」

インデックス「って事は、この人はやっぱり……」

アウレオルス「……なるほど、そういう事か、とアウレオルスは理解します」

上条「……何だよお前ら、何か分かったのか?」

土御門「カミやん、気づいてないのはお前だけくらいだぜい? その辺は相変わらずだにゃー」

上条「……何か分かんねえけどムカつく。神裂、お前も分かってんのか?」

神裂「えっ、私ですか? ……も、もちろんです」

上条「良かった、分かってないのは俺だけじゃなかったんだな」

神裂「あ、あなたは何を言っているんですか! 私も分かっているに決まって……」

ステイル「神裂。無理するなよ」

土御門「ねーちんは見栄っ張りだから仕方ないぜよ」

インデックス「無知を認める事も大事な事なンだよ」

神裂「……放っておいてください!」

629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:38:56.57 ID:qbndxKoo0


上条「そんな事より、何が分かったんだ?」

ステイル「僕も君もこの男が火野神作に見える。それが何を意味するか分かるかい?」

アウレオルス「今は『御使堕し』の影響下にあるという事も考慮せよ、とアウレオルスはヒントを出します」

上条「俺もステイルも火野が同じ姿に見える……あっ! もしかして、コイツは……」

土御門「そう、誰とも入れ替わってない、って事だにゃー」

神裂「なるほど……つまり、この男が犯人であるという可能性は高いという事ですね」

インデックス「術式を起こした者が影響を受けない、というルールが明確であると仮定した場合だから確実性はねェ。
         それでも、考える価値はあると思うンだよ。実際、この人だけ入れ替わりが起きていないのは事実だから」

ステイル「それに。まだこの男が『御使堕し』の影響から逃れる何かを持っているという可能性もあるからね」

神裂「もっとも、『歩く教会』級の『結界』と、ここからヨーロッパ程の『距離』が無いと防ぐ事は出来ませんからその可能性も低いでしょう」

上条「この男がねえ……ん?」

インデックス「どォしたの、とォま?」

上条「いや、何でもねえよアクセ……インデックス」

上条(何だろう……何かが引っ掛かる。大事な何かを見落としているような気が……)

630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:39:19.98 ID:qbndxKoo0


火野「ひ、……」

アウレオルス「目が覚めたようだな、とアウレオルスは答えます」

火野「ひ、人が……囲まれて……嫌だ、いやだ……イヤダ……あ、ああ……ああああああああ!!!!」

上条「なっ……どうしたんだ!?」

神裂「明らかに様子がおかしいですね……しかし、魔術が使われたような形跡は見当たらない……」

土御門「おい、火野神作。何かあったのか?」

火野「やめろ……私はエンゼルさまを求めてここに来ただけ……近寄るな、近寄るなああああ!!」

ステイル「……さっきも恐怖していたが。今はそれとも異なる。どういう事だ?」

上条「……思い出した! コイツ、ニュースで言われてたけど確か……二重人格者だ」

インデックス「……二重人格者?」

上条「ああ、一つの体に二つの人格が存在する。コイツの中には他人を傷つけることを厭わない『人格A』。
    そして他人との接触を拒否する『人格B』が存在しているのかもしれないって事だ」

神裂「しかし、それを知って何の意味があるのですか?」

土御門「そうか……火野は『御使堕し』の影響を逃れた訳じゃない、しっかりとその影響を受けていたんだ」

ステイル「何を言っているんだ。見た目が変わりないのだからそれは無いだろう?」

上条「じゃあ聞くけど、仮に『人格A』と『人格B』が入れ替わった時、その二重人格者はどうなるんだ?」

インデックス「……入れ替わっても同じ体」

神裂「そ、そんな事ありえるはずが……」

アウレオルス「無い、とは言い切れないな、とアウレオルスは指摘します。『御使堕し』の詳細は把握しきれていないが、
         だからこそ有り得る事象を否定する事は出来ない、とアウレオルスは自分の考えを述べます」

631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 14:39:48.54 ID:qbndxKoo0


ステイル「だが。こんな事が起きるのは六十億分の一……信じろという方が無理があるね」

上条「それを言うなら、お前が姫神になったのだって同じ確率だ。今はそれは問題じゃねえ……起きている事を受け入れろよ、ステイル」

火野「わ、私は二重人格などではない……あの医者が言った事もデタラメなんだ……」

土御門「……それに、こんなヤツが『御使堕し』を起こしたとも思えない。これはハズレだ」

??「問一。ならば、『御使堕し』を引き起こしたのは貴方か」

上条「だから俺じゃないって……ん?」

??「問二。それを証明する手段はあるか」

上条「……なあ、一つ聞いて良いか?」

??「解答一。無駄な事に時間を割きたくない、手短に済ませるよう求める」

上条「じゃあ聞くけど……」

全員「……誰? (とアウレオルスは質問します)」 

632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/05(火) 14:42:32.48 ID:qbndxKoo0
一か月時間があっても面白くなるわけがなく相変わらず無茶苦茶です また近いうちに
遅ればせながら>>598さん乙、なんとおぞま…いや、素晴らしいものを
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/07/05(火) 18:00:59.00 ID:RQxQrnhyo
乙ー
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/05(火) 18:24:11.12 ID:oaQEp5ESo
>>1乙!
あいからわずインデレータが可愛い
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 18:43:25.23 ID:xthTXMiz0
乙!
べ、別にアンタの事待ってたわけじゃないんだからねっ///
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/07/05(火) 21:48:36.83 ID:hgqH5yZg0

最初から読んで今追いついた
3巻の上条さんの説教がやけに輝いていたり
他では盛大に笑わせてもらったり
ここの御使堕しは最高におもしろかわいい
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 09:29:38.22 ID:GpZcyyWA0


そういやふと思ったんだが
実際歩く協会が生きてる状態で御使堕しってどうなんだろな
結界でガードされるのかね
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/06(水) 15:03:47.92 ID:qGcZJXyz0
オツカレー

歩く協会は知識を持っている体を守るものだから、インデックスに危害を加えなきゃ何してもいんじゃない?
そうしないと、ローラも何も出来ないし。
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/07/06(水) 19:40:48.76 ID:hjh7DqNc0
otu
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/07/06(水) 23:14:27.57 ID:aYm1DrEQ0
…………覗くが除くになってるぞ>>1…………
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/06(水) 23:55:30.84 ID:2PQNMu1Ao
誤字位脳内補充しろ
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/14(木) 14:45:17.29 ID:8qXtmT5Zo
誤字はごめんなさいとしか言いようが無いです…見つけたら鼻で笑ってやってください
歩く教会云々は色々考えてこうなったのですが、説明すると>>592のように一レス使う事になると思います
こうなってんだー、くらいに受け止めてもらえると助かります

前書きが長くなりますがもう一つ、『自動書記』並に火野神作がキャラ、設定崩壊しています
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:49:02.85 ID:8qXtmT5Zo


ミーシャ「解答二。ロシア成教の『殲滅白書』に所属するミーシャ=クロイツェフという」

上条「ろ、ロシア成教? それに……よく分かんねえ単語があったけど」

土御門「『殲滅白書』の事か? 簡単に言えば『幽霊狩り』って事さ。それに対して、オレ達イギリス清教は『魔女狩り』って感じだな」

上条「幽霊……まあ、今更何が来ても驚かねえけどな」

インデックス「ミーシャ……? あなた、女の人?」

上条「何聞いてんだよインデックス、どっからどう見ても女だろ? ……格好は何とも言えないが」

アウレオルス「禁書目録の質問はそういう意味では……まあいい。それで、そのロシア成教の者が何の用だ? とアウレオルスは問います」

ミーシャ「解答三。『御使堕し』の阻止のためにここまできた」

神裂「そうですか、やはり他の勢力もこの状況に危機感を抱いているという事ですね」

ミーシャ「解答四。世界の危機を黙認するほど愚かではない。そして先ほど答えが得られなかった問に対しての解答を求める」

上条「先ほどって……どんな質問だったっけ?」

ミーシャ「……問二をもう一度。貴方が『御使堕し』の犯人ではないと証明する手段はあるか」

上条「証明する手段って言ってもなあ……」

神裂「私達の現在の考察位ならお話しできますが」

ミーシャ「問三。その考察を信用するに値する根拠はあるか」

ステイル「ここに居る魔術師は必要悪の教会に属しているから。魔術に関しての知識は素人のそれとは比べ物にならないさ。
      それに。ここにはあの禁書目録も居る。少なくとも嘘偽りではないという事は確かだね」

ミーシャ「賢答。では説明を求める」

神裂「では、ここは私が」

土御門「ねーちん一人で大丈夫かにゃー?」

神裂「……馬鹿にしているのですか、土御門?」

ステイル「ふざけている場合かい? 君はさっさと説明を済ませてくれ。今は少しの時間も惜しいからね」

ミーシャ「問四。結局、説明をするのは貴女で良いのか」

神裂「ええ、ではこちらに来てください」

644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:50:01.27 ID:8qXtmT5Zo


土御門「さて、オレ達は引き続き『御使堕し』について調査しなきゃいけないんだが……」

ステイル「その前に。コレはどうすればいいんだろうね?」

火野「く、来るな……私は……私は……」

インデックス「……この人は何を怖がっているんだろォね」

アウレオルス「それと気になるのはエンゼルさまと呼ばれている何か。この『御使堕し』の中心点に来た者が、
         偶然、エンゼルという言葉を使うとは思えないな、とアウレオルスは自らの疑問を口にします」

上条「確かにそうだな……おい、お前」

火野「ひいっ……助けてくれ、助けてくれ……」

上条「……別に殴ったりとかする訳じゃねえからそんなに怖がるなって。で、お前に聞きたい事があるんだけど」

土御門「火野神作、お前の言っているエンゼルさまとは何だ? 『御使堕し』に関係はあるのか?」

火野「え、えんぜるふぉーるなんてものは本当に何も知らない……私が求めているのは……」

ステイル「求めているのは?」

火野「そこの女の服の袖に入っているエンゼルさまだ……」

インデックス「へ? 私の袖に入っている?」

アウレオルス「……何の事だ? とアウレオルスは首をかしげます」

上条「インデックス、お前の服の袖に何が入ってるんだ?」

インデックス「うーン……袖の中にはこれしかないンだよ」ゴソゴソ

上条「これは……お前が昨日車の中で食べたチョコボールのゴミ……?」

ステイル「どうしてゴミを袖の中に入れていたんだい?」

インデックス「だって、とォまがそれは当たりだから持っておけよって」

土御門「まさか……おい、火野神作。お前の求めてるエンゼルさまってのは……」

上条「……チョコボールのエンゼルマークの事なのか!?」

645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:50:45.78 ID:8qXtmT5Zo


アウレオルス「こんな物のために貴様は罪を犯したのか……? とアウレオルスは疑います」

火野「わ、悪いのか……それよりも……ぐうっ」ガクッ

上条「また気絶しちまった……おい、大丈夫か?」

火野「う、うう……っ! お前達! それをこちらに渡せ!」

土御門「また性格が変わりやがった……今度は凶暴な方の人格か」

火野「早く! 早く渡せえええええ!!」

ステイル「とりあえず。それを渡してあげればいいんじゃないかな?」

インデックス「う、うン……はい、どォぞ」

火野「え、エンゼルさま……エンゼルさま! あ、ああああああ!!」

上条「また叫びだしやがった……今度は何だよ!?」

火野「違う……違うう! こんなのエンゼルさまでは無い!!」

土御門「……はあ?」

火野「もっと……エンゼルさまは光り輝いているはずだ! もっと……もっとだ!」

インデックス「……光り輝く?」

上条「これは銀のエンゼルって言ってもう一つ種類があるんだ。それは金のエンゼルって言うんだけど」

ステイル「という事は。その金のエンゼルの方を求めているって事かい?」

土御門「それを求めて犯罪ねえ……まったく馬鹿げた話だにゃー」

火野「そうだ……どうせコイツらも馬鹿にして……クソ、クソクソクソ!!」

アウレオルス「……気でも違えたか? とアウレオルスは狂気に恐怖せざるを得ません」

646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:53:40.65 ID:8qXtmT5Zo

インデックス「……ねェ、どォしてあなたは金のエンゼルを求めているの?」

土御門「やめた方が良いぜ、禁書目録。コイツは『御使堕し』とは無関係って事がはっきりした。
     それなら火野神作と関わる時間なんてない、さっさと警察に突き出すのがベストぜよ」

インデックス「でも……そこまでする理由がこの人にはあったと思うンだよ。それなのに、このまま何もせずにいるのは辛いかも……」

アウレオルス「そうは言っても、この男は犯罪者であり、現に禁書目録を襲っている。
         何かをこの男のためにするにはあまりにも危険だ、とアウレオルスは諌めます」

上条「いや……そういう訳でもなさそうだぞ」

ステイル「何を言っているんだ。コイツは彼女の胸にナイフを突き立てようとした。それを許すわけにはいかないね」

上条「それは俺達がやってみろなんて挑発したせいもあるだろ。それに、コイツは右の胸を狙っていた」

インデックス「……私の命を奪うつもりではなかったって事?」

土御門「カミやん、そんな甘い考え、今は必要ないんだ。コイツがどんな性格であろうと関係ない」

インデックス「でも……何か私達に出来ることは無いのかな?」

アウレオルス「犯罪者に情けなど、当然、かける必要なし、とアウレオルスは思います」

上条「……二重人格とかそういうのはさ、幼少期に出来ちまったトラウマが主な原因だったりするんだ」

ステイル「幼少期のトラウマ。か……そんなのが犯罪を起こす理由になるなんて思いたくは無いね」

上条「そうは言ってもな、子供の頃の嫌な思い出なんてのはいつまでも残っちまう。
    ……本人がいくら忘れようとしても、どれだけ時間が経っても、それは変わらねえんだ」

インデックス「……とォま? どォしたの?」

上条「何でもねえよ。ともかく、俺とインデックスはコイツの話を聞いてみるから、お前達は好きにしろ」

土御門「……まっ、ねーちんが話を終えるまでは俺達も待つしかない。話くらいは聞いてやるか」

上条「悪いな、土御門。で、火野神作、お前は何でエンゼルマークを求めてるんだ?」

火野「エンゼルさまを手に入れれば……幸せになれる。それを信じて、今まで生き続けてきた」

土御門「幸せって……それがあっても幸せになんかなれっこないぜよ。せいぜい、オモチャが貰える位だ。
     そんなの大人が貰っても嬉しくもなんとも無いだろうが」

火野「そんな事は無い! エンゼルさまさえあれば……家族だってバラバラにならないし、友達と仲良くも出来るはずなんだ!」

647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:54:33.02 ID:8qXtmT5Zo


アウレオルス「……急に言っている事が幼稚になってきたな、とアウレオルスは指摘します」

ステイル「君の言う通り。幼少期の体験からこうなってしまったという事なのかもしれないね」

インデックス「その金のエンゼルってのはそンなに当たらないものなの?」

火野「……何箱買っても、段ボールごと買ってもエンゼルさまは現れなかった。何年買い続けても、
    いくら願っても、どれだけ必要としているかにもかかわらず姿を見せてくれない……」

土御門「それだけ買えば一つくらい出るもんじゃないのかにゃー?」

ステイル「出ないからこそ。こうやって犯罪者になってしまったんだろう」

インデックス「……やっぱり、私はこの人のために何かしてあげたいンだよ」

アウレオルス「禁書目録、気持ちはわかるがこの男は犯罪者。一刻も早く警察に連絡するのが必然だ、とアウレオルスは伝えます」

インデックス「それでも……何もせずにこの人をこのままにしておくのは……」

火野「同情なんて必要……ぐっ」ガクッ

上条「また気絶しちまった……」

火野「……もういい、どうせ間違った事をしているのは分かっているんだ」

土御門「別の人格の方か。分かっているなら自首を勧めるぜい」

火野「ただ、最後に……最後にもう一度だけ買わさせてくれ」

ステイル「しかし。それで当たるとも限らないだろ? 今すぐ自首するのが一番だと思うよ」

上条「……なあ、襲ってでも手に入れようとしたって事は、別に他人が当てたのでも良いって事だよな?」

火野「ああ……どんな方法を使っても良い。ただ、エンゼルさまさえ手に入れば……」

上条「だったら……俺達も買って当てればお前も満足できるよな?」

648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:55:05.58 ID:8qXtmT5Zo


アウレオルス「そんな事をするよりもメーカーに直接頼めば良いのでは? とアウレオルスは提案します」

上条「そんな一人を贔屓するような事はしねえと思うぞ。それにもうコイツは犯罪者だ、そんな事をする時間もない」

インデックス「私達も一緒に探せば……きっと見つかるよね!」

火野「……気持ちは嬉しいが、そこまでしてもらわなくても良い」

上条「遠慮すんなって。それに、俺達はいつでも警察を呼べるって事も忘れるなよ?」

火野「…………分かった、好きにしてくれ」

土御門「おいおいカミやん、落ち着けよ。今この状況でコイツを警察に突き出さないのも立派な犯罪だぜい?」

上条「……それは」

インデックス「……とォま、どうしよォ」

ステイル「……仕方ない。とりあえず。警察には連絡をしよう」

上条「ステイル、でも――」

ステイル「話しは最後まで聞け。警察には自首する意思があると伝える。だが今から三十分だけ時間をくれ。と要求するんだ」

上条「……その間に買いに行け、って事か」

ステイル「警察もすぐにここに来られる訳では無い。三十分。それで何とかするんだ」

上条「分かった、その時間で全員でチョコボールを買いに行く。……お前達、それで良いか?」

インデックス「私からも……お願いするンだよ」

アウレオルス「禁書目録の頼みならば、とアウレオルスは同意します」

土御門「はあ……まっ、カミやんにはステイルと神裂が世話になってるし、ここらで恩を返しておくのも悪くないか」

649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:55:42.48 ID:8qXtmT5Zo


火野「……何故、そこまでするんだ? ……見ず知らずの私なんかのために」

インデックス「シスターさンはどんな人でも差別せずに奉仕するンだよ!」

上条「おお……インデックスが珍しくシスターっぽい」

インデックス「……とォまァ?」

上条「冗談だって……よし! じゃあ火野、お前は警察に連絡しろ。見張りも一応立てとくか……誰が良いかな」

ステイル「そんなの。決まっているだろ?」

上条「へ?」

土御門「もちろん、カミやんに決まってるぜよ」

上条「な、何でだよ……」

インデックス「不幸なとォまが当てられるわけないンだよ」

アウレオルス「それは自然なものであり、逃れられない運命だ、とアウレオルスはさらに言葉を重ねます」

上条「ぐぬぬ……言い返せない自分が悲しい」

650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:56:47.40 ID:8qXtmT5Zo


ステイル「時間も無い。さっさと買いに行こうか」

アウレオルス「資金は私が提供しよう、とアウレオルスは財布から一万円札を大量に取り出します」

上条「……福沢さんが何十人も、さすが錬金術師」

土御門「この辺で買えそうなのは……近くにコンビニが五軒、分担していくか」

インデックス「よォーし、頑張るンだよ!」

火野「……すまない」

上条「気にすんな、いいから早く電話しろ……って縛られてるんだったな。ちょっと待て、俺が電話を掛けるから」

ステイル「僕たちは出発だ。じゃあ。また後で」


上条「もしもし、警察ですか? 火野神作が自首したいそうなのでその連絡を――ええ、はい。火野に代わります」

火野「……取り返しのつかない事をしてしまったと気づいた、自首をしたい。三十分後に今から伝える場所に来てもらいたい」

上条(とりあえず、自首する旨は伝えた……後は、アイツら次第だ)

火野「……ああ、それでは」プツッ

上条「時間はもらえそうか?」

651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:58:04.29 ID:8qXtmT5Zo


火野「到着自体それくらいかかるそうだ。……私のために本当にすまない」

上条「今更何言ってんだよ。でも、自首しないと罪はどれだけになってたんだ?」

火野「逃亡はもちろん、恫喝、傷害未遂……全て合わせればそれなりに重くはなる。……自首で軽くなるとは思えない」

上条「傷害未遂……? 今までの全部、って事だぞ?」

火野「今までどんな相手でも、傷つける手前で何とか踏みとどまっていた……だが、あの女の子にした事は」

上条「……まあ、俺達が焚き付けちまったってのもあるけどな。じゃあ、今まではナイフで脅かしたくらいってとこか」

火野「ただエンゼルさまにさえ会えればそれで良い。しかし、ナイフで脅してエンゼルさまを見ようとしてもいつも銀の方だった……」

上条「とことん運が無いんだな……でも、どうやってエンゼルマークを持ってるヤツかどうかを見分けるんだ?」

火野「……匂いだ」

上条「匂いって……ただの紙だろ?」

火野「チョコの匂い、そしてエンゼルさまの持つインクの匂い、そこから持っているかどうかを見極める。銀の匂いも似ていて紛らわしいが」

上条「……麻薬探査犬もビックリだな。ん? じゃあ、お前は匂いを知っているって事は今までに見た事があるのか?」

火野「子供の頃に一度だけ、公園で遊んでいた子供が持っていた。その子供はとても嬉しそうに自慢していて……。
    その時思ったんだ、あれさえあればあの子のように幸せに笑えるのかもしれない……そう思ってもう何年経ったか」

上条「……とりあえず、自分がやった事はこれからたっぷり反省しろ。その前に俺達がお前の望みは叶えてやるから」

火野「……感謝する」

上条「まだ当たったって決まった訳じゃないけどな……ん?」

神裂「話しが終わりました、ミーシャ=クロイツェフは協力してくれる……って、あれ?」
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:58:32.92 ID:8qXtmT5Zo


上条「よう、神裂。話は終わったのか?」

神裂「ええ。それより……他の者はどこへ行ってしまったのですか?」

上条「みんなチョコボールを買いに行ったんだよ」

神裂「……はい?」

ミーシャ「問五。ちょこぼーるとは何だ」

上条「アーモンドをチョコレートでコーティングした甘いお菓子の事だ。興味あるのか?」

ミーシャ「解答五。甘いものには興味がある」

神裂「それよりも、何故チョコボールを買いに行ったのですか?」

上条「色々あってな……そうだ、神裂。お前も買って来てくれないか?」

神裂「は、はあ……別に良いですが」

上条「あまり時間が無いから、悪いんだけど出来る限り早くお願いしたいんだ」

神裂「分かりました、出来る限り『速く』ですね。行ってきます」ダッ

上条「うおっ!? ……って、居ない?」

ミーシャ「あの魔術師なら窓から出て行ったが」

上条「……さすが聖人だ」

火野「……さっきのナイフが刺さらない服もそうだが、お前達はいったい何者なんだ?」

上条「そこは気にしたら負けだ」

653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 14:59:19.22 ID:8qXtmT5Zo


ファ○マ


ステイル「これをお願いするよ。あっ。あとファミチキを一つ」

店員(チョコボールだらけ……何だこの人?)

ステイル「袋は分けてくれ。アイスが溶けてしまうからね」

店員「かしこまりましたー」


―――――――――――――――――――


ロー○ン


インデックス「これをお願いするンだよ! あと、ここにある食べ物も全部!」

店員「は、はあ……」


―――――――――――――――――――


セ○ン


アウレオルス「これを全て頼む、とアウレオルスはカゴの中いっぱいのチョコボールと雑誌を置きます」

店員(外人さんも週刊○代とか読むんだ……)


―――――――――――――――――――


ポ○ラ


神裂「すいません、これをお願いするのですよー」

店員「……声がしたような、でも誰も居ない?」

神裂「下、下を見てください!」

店員「えっ? あっ……いらっしゃいませー」

神裂(この体だと見えないのも無理はありませんね……)


―――――――――――――――――――


???


土御門(カミやんには悪いが、世界の危機にそんな事をしている時間はないぜよ)

土御門(……さて、調べてみますかにゃー)

654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:00:16.98 ID:8qXtmT5Zo


上条「もう二十分か……アイツら、まだかな」

インデックス「ただいまなンだよ、とォま!」

ステイル「はあ……はあ……どうやら。間に合ったようだね」

アウレオルス「ふう……はあ……体力が全然無い私にとっては辛かったな……とアウレオルスは息も絶え絶えになりながらも話します」

上条「だらしがねえぞ……あれ、土御門は?」

ステイル「そんな事はどうでもいい。今はこの大量のチョコボールを開けなくちゃいけないだろ?」

上条「そうだな……よし、開けるぞ!」

全員「おー!(とアウレオルスは意気込みます)」

655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:01:28.60 ID:8qXtmT5Zo


上条「……クソッ、出ない。これも……これも、これもだ」

ステイル「出ても銀しかないね……あるだけ買ってきたのにこれ程までとは」

アウレオルス「コンビニではせいぜい五十個ほどしか買えないからな……とアウレオルスはビニールをひたすらに破きます」

インデックス「うう……銀しか出ねェンだよ」

上条「もう、ほとんど開けちまったのに一つも出ない……駄目なのか……?」

火野「……良いんだ、もう十分やってくれた。恨みなんてしない、何も気にしないでくれ」

インデックス「でも、それだとあなたが……」

ステイル「残りは……四つか」

アウレオルス「……時間も三分しかない、とアウレオルスは最後のチャンスに望みを託します」

上条「……開けるぞ、……来い!」ビリッ

インデックス「……無い」

ステイル「……銀だね」

アウレオルス「愕然……ハズレだ、とアウレオルスは肩を落とします」

上条「俺もハズレだ……クソッ! クソッ!!」

火野「…………」

インデックス「……何か音がする。これは、サイレン?」

アウレオルス「警察が来たようだな……とアウレオルスは推測します」

656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:02:20.50 ID:8qXtmT5Zo


ステイル「全てハズレ。そして時間切れ。か……もう。どうしようも無いね」

上条「悪い……結局、何もしてやれなかったな」

火野「いや、むしろ捕まる前に良い人に巡り合えた。むしろ感謝したいくらいだ……」

上条「火野……俺達は  「お待たせしました」

ステイル「神裂。君も買いに行っていたのかい?」

神裂「ええ、二つしか残っていませんでしたが……これで良いのですか?」

上条「二つか……無いよりはマシだ、開けてみてくれないか?」

神裂「は、はあ……それより、この大量のチョコボールはいったいどうしたのですか?」

アウレオルス「……サイレンの音が近くなってきたな、とアウレオルスは警察がそろそろ到着すると伝えます」

上条「時間が無い、早く開けてくれ!」

神裂「……状況はよく分かりませんが、開ければ良いのですね。では――」ビリッ

インデックス「とォま……二つだけで当たる訳が……」

上条「それでも……他に出来る事はない。どんなに確率が低くても今は  神裂「あっ、金のマークが付いてますね。これって何でしたっけ?」

全員「嘘おおおおお!?」

657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:03:07.89 ID:8qXtmT5Zo


上条「神裂、本当に金のマークが付いてるのか!?」

神裂「ええ、金の天使のマークですね」

火野「そ、それを見せてくれ! 頼む! 今すぐこちらに!!」

神裂「えっ? ど、どうぞ……」

火野「あ、ああ……これだ、これが私の求めていたエンゼルさま、やっと……会えました」

アウレオルス「泣くほどの喜び……長年の思いが報われたから無理もないか、とアウレオルスは温かく見守ります」

火野「ありがとう……っ……本当に……本当に、ありがとう……」

ステイル「……すっかり忘れていたね。よく考えてみれば簡単な事だったんだ」

インデックス「どォいう事?」

ステイル「神裂の『幸運』さえあれば。当たりを引く事なんて容易いって事さ」

上条「そうか……神裂、本当に助かったよ。お前が『幸運』だったおかげだ」

神裂「私の『幸運』が……役立ったのですか?」

火野「ありがとう……あなたのおかげです」

神裂「わ、私は別に何も……ですが、幸せそうでなによりです」

ステイル「警察も到着したようだね。さあ。行こうか」

658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:03:35.06 ID:8qXtmT5Zo


「わだつみ」 玄関

警察A「火野神作、どういう風の吹き回しだ? 逃亡したお前が急に自首するとは思えなかったが」

火野「……幸せを手に入れた。もう、それだけで十分だ」

警察B「ご協力に感謝します。しかし、火野の様子が明らかに変わっていますが……何かあったのですか?」

インデックス「ううン、別に何もないンだよ」

上条「多分、もう火野神作は悪い事なんてしないと思います。だから、何も心配しないでください」

警察A「はあ……まあいい。行くぞ火野、乗れ」

火野「……ありがとう、本当にありがとう」バタン

警察B「……どうなってるんだ? それでは、失礼します」


ステイル「行ってしまったね」

インデックス「とォま、あの人はもォ大丈夫だよね」

上条「ああ、もう二度と馬鹿な真似はしないさ。やっと『幸せ』を見つけたんだからな」

神裂「だと良いですね……ところで、土御門の姿が見えませんが」

上条「アイツはどこ行っちまったんだろうな……それと、ミーシャも居ないみたいだけど」

アウレオルス「あのロシア成協の女なら先程の部屋に居たが、とアウレオルスは答えまず」

上条「……何してんだろうな」

ステイル「今後の話もしたいし。行ってみるとしようか」

659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:04:21.68 ID:8qXtmT5Zo


さっきの部屋


上条「な、何だこれは……」

神裂「クロイツェフ……あなたはいったい何をしているのですか?」

ミーシャ「解答六。チョコボールというものを食べていた。この甘味はなかなかだ」

ステイル「二百個近くはあったはずだけど。半分くらいは無くなっているね」

インデックス「あー! ずるいンだよ! 私も食べる!」

アウレオルス「……そのコンビニの袋に入っているチキンやポテトはどうするのだ? とアウレオルスは分かっていながらも質問します」

インデックス「もちろン、これも食べるに決まってンだろォが!! いただきます!!」

ステイル「うん。いい食べっぷりだね……あむ」シャクシャク

上条「そういうお前は何を食ってんだよ」

ステイル「ガリ○リ君の梨味さ。この上手さは六十円にしては素晴らしいよね」

神裂「もう少し緊張感というものを……土御門は居ないようですね」

上条「どこに行ったんだ?」

刀夜「おお当麻、こんな所に居たのか。ここで火野神作が捕まったそうだが、無事だったか……姿が見えないから心配してたんだぞ」

上条「父さんこそ無事で良かったよ。母さんと乙姫は?」

刀夜「二人は温泉にもう一度入りに行ったよ。ところで当麻。お前はあの美琴ちゃんという娘と一緒に我が家に行ったんじゃないのか?」

上条「はあ? 何だそれ?」

刀夜「あの娘が当麻のアルバムを見たいと言っていてな。当麻と一緒に我が家まで取りに行くから鍵を貸してほしいと言われて貸したのだが」

上条「(……美琴っつう事は、土御門……!)」

神裂「(何か考えあっての事でしょう……私達も向かうべきですね)」

刀夜「どうした当麻。……やはりあの娘に鍵を渡したのはまずかったか?」

上条「いや、大丈夫だ。アイツに鍵を取りに行かせたのは俺だよ、すっかり忘れてた」

刀夜「こら当麻。女の子に何かを頼んでおいて忘れてたとは何だ。もう十時だ、あまり遅くならないようにするんだぞ」

上条「分かったよ、ちょっと行ってくる」

660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:06:09.65 ID:8qXtmT5Zo


上条「……土御門のヤツ、何を考えてんだ?」

ステイル「君の近くが中心点というのは分かっている。そこから土御門は君の家族が怪しいと思い調査に向かったのかもしれないね」

上条「あの野郎……俺の家族を疑ってんのか!?」

アウレオルス「擁護するわけではないが、世界の危機だ。当然、どんな可能性も見逃さない事が肝要だ、とアウレオルスは発言します」

インデックス「ともかく、とォまのお家に行ってみようよ」

神裂「ここからあなたの家まではどれくらいの距離があるのですか?」

上条「来るまで二十分ってとこだな……ともかく急ごう」

ミーシャ「問六。チョコボールを持って行っても良いか」

上条「……好きにしろ」

ステイル「全部で六人。タクシーが二台ってところかな」

インデックス「どォやって分けるの?」

上条「そんなのどうでも良いだろうが」

ステアウ「僕(私)はインデックス(禁書目録)と一緒に乗るよ(とアウレオルスは宣言します)」

上条「じゃあ俺と神裂とミーシャでもう一台だな」

インデックス「……とォま?」ギラッ

上条「いや、そこで噛みつきの流れになるのはおかしい」

661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:07:34.05 ID:8qXtmT5Zo


タクシー インデックス達の方


運転手「飛ばすわよ!」

ステイル「女性ドライバー……なのに物凄く嫌な予感がするんだけど」

アウレオルス「……運転手、学園都市に知り合いが居たりしないか?」

運転手「ああ、あっちも凄いみたいね。でも、こっちも負けてないわよ?」

インデックス「さあ! 思いっきり飛ばしちゃって!」

運転手「任せて! レッツゴー!」ギュワアアアン

ステイル「へ。変形した……!? ってうおおおおお!?」

アウレオルス「は、速すぎるって……とアウレオルスは……ううっ」ガタッ

ステイル「し。しっかり……ううっ」ガクッ

インデックス「ゴーゴー!」


―――――――――――――――――――――


タクシー 上条達の方


上条「……前のタクシー、変形してないか?」

神裂「……奇遇ですね、私もそう思います」

ミーシャ「問七。何故か鼻血が出た」

上条「チョコの食べすぎだろ」

神裂「はい、ティッシュをどうぞ」

ミーシャ「感謝する」

662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:08:27.14 ID:8qXtmT5Zo


上条家前


上条「お前達の乗ったタクシー、ずいぶんスピード出てたな……大丈夫か?」

アウレオルス「全然……大丈夫ではない……とアウレオルスは、ううっ」

神裂「……大丈夫ですか?」

ステイル「何とかね……それより。中に入ろう」

インデックス「チョコボールはまだある?」

ミーシャ「解答七。全て食した」

インデックス「うう……私のチョコボール……」

土御門「おいおい、うるさいぜよ。住宅街ではお静かってにゃー」

上条「土御門……! テメェ、俺の家族を疑ってんのか!?」

土御門「いきなり大声で怒鳴らいでくれよカミやん。万が一を考えての行動だ、こればっかりは許してくれ」

ステイル「で。何か分かった事はあったのかい?」

土御門「ここまで来てもらって悪いんだが、何も分からなかったぜよ。無駄骨ってやつですたい」

上条「当たり前だろ、俺の家族が魔術なんて使える訳無いって」

土御門「まっ、オレだけじゃ見逃している事もあるかもしれないし、一応お前達も調べてみてくれないか?」

神裂「……土御門」

土御門「どうしたねーちん、とりあえずお前達も早く中に入れよ」

ステイル「……分かったよ。土御門の言う通りにするとしようか」

663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:10:09.42 ID:8qXtmT5Zo


上条家


土御門「じゃあ、カミやんとミーシャには二階を調べてもらおうかにゃー」

上条「俺とか……まあいいや。行こうぜ、ミーシャ」

ミーシャ「分かった」


土御門「…………行ったか?」

神裂「土御門、詳しく話してもらいますよ」

土御門「んー? 何の事かにゃー?」

ステイル「とぼけなくても良い。何か分かったのだろう?」

土御門「……バレバレですかい。よし、話に入るぜい。この家を見て何か気づかなかったか?」

アウレオルス「強いて言うなら……この家のあらゆる場所に置かれているお土産のようなものが気になるな、とアウレオルスは答えます」

インデックス「そして、配置がそれぞれあるべき場所に置かれている……」

神裂「あるべき場所? どういう事ですか?」

土御門「禁書目録は理解したみたいだな。この家に存在するお守り、民芸品、
     オカルトグッズの数々。それら一つ一つは何の意味も無い、しかし……」

インデックス「それが風水的、陰陽的に正しい位置に置かれていれば……どンな場所であっても」

イン土「その場は神殿と化す」

664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:10:41.93 ID:8qXtmT5Zo


アウレオルス「何……? つまり、この家が神殿になっているのか……とアウレオルスは驚愕します」

土御門「ああ、そしてそれが『御使堕し』を引き起こしちまったんだ」

神裂「では、『御使堕し』を起こしたのは――――、という事ですか……?」

ステイル「そういう事になるね……しかし。あの人にそんな事が出来るとは思えないが」

インデックス「多分、偶然だと思う……偶然に、そして不幸にも魔術が出来上がってしまったンだよ」

神裂「そんな……『不幸』なんて認めません! それでは、彼があまりにも……」

土御門「えーっと……実は、もう一つ言わなければならない事があるんだにゃー」

ステイル「何だい。土御門。原因と術者も分かった。これ以上の情報は必要ないだろう」

土御門「あー……とりあえず、この家にあったコレを見てくれ」

インデックス「……何これ」

神裂「『――――――――』ですか……ん? この名前は……まさか!」

ステイル「……おい。何だよこれは」

アウレオルス「……唖然。つまり、この事件を起こした元凶は――――」

665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/14(木) 15:14:05.23 ID:8qXtmT5Zo


二階


上条「別に何も無いよな……そっちは何かあったか?」

ミーシャ「特には」

上条「だよなあ……ったく、時間の無駄だった……おっ、これは」

上条(写真か……前、旅行に行った時のだな。ああ、写真も変わってんのか……黄泉川先生が居てビビったぜ)

(ん……? あれ、何かおかしくねえか……? 俺が変わってないのは良いとして、何で父さんも……っ!)

(何で今まで気が付かなかったんだ……父さんは、入れ替わってないじゃないか。入れ替わりを防ぐには何らかの対抗策、
 そして距離が必要だ。父さんは対抗策なんて持っているはずもない……なのに入れ替わっていない、って事は)

(父さんが、『御使堕し』を引き起こした犯人……?)

上条「な、なあミーシャ。犯人が見つかったら……どうするつもりなんだ?」

ミーシャ「解答八。簡潔に言えば始末する」

上条「始末って……殺すって意味か!?」

ミーシャ「否定しない。術者を消せば自然と術も消える」

上条(このままだと、父さんが殺されちまう……! 何とか、何とかしねえと……)

666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/14(木) 15:21:37.63 ID:8qXtmT5Zo
次回で四巻はお終いです、元凶はあの人です
そろそろ収集が付かなくなってきた気もしますがまだ続きます、それではまた
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 08:06:53.88 ID:xIlWFGCDO
乙かれ

次回も楽しみにしてる
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/15(金) 08:51:21.27 ID:cZmZriH90
乙!!シリアルだなぁ。
一つだけ。
コンビニの店員がアウレオルスを外人と認識してたけど、今のアウレオルスの見た目は妹達のはず。
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/15(金) 10:18:39.61 ID:mx0L0iEk0
乙!!

>>668
「アウレオルスは〜」とか言ってるからそれで判断ってのは厳しいか。
どっちかというと邪気眼に取られかねないかな?
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:14:59.28 ID:1tCGVxlco
店員から見たらアウレオルスはミサカではなくてアウレオルス本人、つまりは金髪の外人さんに見えてます
アウレオルスがミサカに見えるのは上条と神裂と土御門だけです。説明少ない結果がこれだよ…ラストまではいかなかったがとりあえず投下
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:16:27.73 ID:1tCGVxlco


上条家 一階

土御門「えー……という訳で、上条刀夜の方はオレに任せてくれ」

ステイル「当然だね。まったく……とんでもない事をしてくれた」

神裂「とりあえず、それで解決するのですか? でしたらもう問題はありません、やっと安心できますね」

インデックス「ううン、もォ一つ問題があるンだよ」

土御門「問題? 禁書目録、どういう事だ?」

アウレオルス「あのミーシャ=クロイツェフというロシア成教の者だが、おそらく……」

インデックス「天使の入れ替わり先になっているンだよ」

ステイル「何……?」

アウレオルス「ミーシャという名前はロシアでは男性に付けられるものだ。
         それが女性に付けられているというのはいくらなんでも不自然だ、とアウレオルスは指摘します」

土御門「ステイル、ロシア成教に連絡を取ってみてくれるか?」

ステイル「分かった。……本当だとしたら。かなり厄介な事になりそうだね」

アウレオルス「相手が天使であれば、イギリス清教の者ではまともに戦う事すら叶わないだろう。
         当然。十字教の人間が十字教の天使に敵うはずも無し、とアウレオルスは絶望的な状況であると告げます」

神裂「いえ、この中に一人だけ戦える魔術師が居ます」

土御門「オレの陰陽道をアテにしてるのか? それだったら無理だぜい、一発使ったらもう死んじまう」

インデックス「かおり……それは、自分の事を言っているの?」

ステイル「神裂が? イギリス清教を代表する生粋の十字教徒の君にそんな事が……」

神裂「私の術式は天草式十字凄教のもの、仏教や神道を利用するこの術式ならば対抗する事も不可能ではありません」

アウレオルス「天草式……あまり好ましいものではないが、現在の状況ではこれほど適したものは無いな、とアウレオルスは考察します」

土御門「んじゃ、そっちはねーちんに任せたぜい。それに、禁書目録とアウレオルスはステイルのサポートを頼むぜよ」

ステイル「役割分担は済んだね。……さて。行動開始と行こうか」

インデックス「じゃあ、まずはとォまにもこの事を伝えなくちゃ」

672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:17:22.15 ID:1tCGVxlco



二階


上条(『御使堕し』を止めるには父さんを消さなければならない……そんな事させてたまるか……!)

ミーシャ「問一。そっちはどうだ。何か発見できたか」

上条「い、いや……こっちには何も無い。……俺はちょっと下の方も見て来る」

ミーシャ「分かった」


一階


上条(こんな事をしてる場合じゃねえ、父さんの所に行って『御使堕し』を解除するように言わねえと……)

インデックス「あっ、とォまだ。ミーシャに変な事しなかっただろォな」

上条「そんな事する訳無いっつうの」

土御門「カミやん、ちょっと話があるんだがいいかにゃー?」

上条「……俺に話?」

土御門「ああ、カミやんの父親の上条刀夜について聞きたいんだが」

上条(父さんの事を……まさか、気付かれた……!?)

土御門「ん? どうしたカミやん、急に黙ったりして」

上条(もしコイツらも父さんが犯人って気付いちまったら……駄目だ、最悪の結果しか見えねえ……)

土御門「おーい、カミやーん。もしもーし?」

上条(それなら……何とかコイツらよりも先に父さんの所に行くしかねえだろ!)

上条「……悪い、土御門。ちょっとトイレ行ってくるから話はその後でな」

土御門「お、おお。分かったぜよ」

673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:18:02.43 ID:1tCGVxlco


上条家前


上条(とりあえずタクシーを拾って少しでも早く父さんの所に……ん?)

ステイル「――――――。ええ。ですから。――――――」

上条(ステイル、どこに電話してるんだ……? って今はそれどころじゃねえ!)

ステイル「……そうですか。いえ。これで確信が持てました。では」プツッ

上条(……ちょうど一台タクシーが来てるな、何とかこれで)

ステイル「あれ。そこに居るのは……何だ。君か。そんな血相を変えてどうしたんだい?」

上条(……ここで捕まっちまう訳にはいかない……構わず乗っちまえ!)

ステイル「ん? タクシーなんて止めてどこに行くつもりなんだ? しかも後ろに居るのは……」

上条「…………」

ステイル「お。おい。無視とは失礼だろう。ってそれも無視!? それよりそのまま乗り込んでどうするつもり――」

上条「運転手さん、『わだつみ』まで……全速力でお願いします」

運転手「OK、飛ばすから捕まってなよ? ……レッツゴー!」

ステイル「あのタクシーはさっき僕達が乗ったヤツか……それよりも。二人で戻るなんてどういうつもりだ……?」

674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:18:33.59 ID:1tCGVxlco


土御門「ステイル、今物凄いエンジン音がしたが……何かあったのか?」

ステイル「上条当麻が何も言わずに海の家の方に戻っていったんだ。しかもミーシャ=クロイツェフを連れて」

土御門「ひょっとして……カミやんのヤツ、気付いちまったんじゃねえか?」

ステイル「あの空っぽな頭ならそんな事は無いと思うが……万が一もあるかもしれないね」

土御門「カミやん一人なら問題ないが、ミーシャが一緒なら話は別だ……」

神裂「土御門、何かあったのですか? それと、上条当麻とクロイツェフの姿が見えないのですが」

土御門「……ねーちん、今すぐ『わだつみ』に戻るぞ。最悪の事態が起きちまうかもしれねえ」

神裂「最悪の事態……どういう事ですか?」

土御門「カミやんとミーシャが二人で出て行っちまった。おそらく上条刀夜の所に向かっている」

神裂「なっ……今その三人だけにするのは危険です! 土御門、急ぎましょう!」

土御門「ああ、もちろんそのつもりだ。……しかし、この家を今すぐぶっ飛ばしちまえば全部丸く収まるんだけどにゃー」

ステイル「それを君が言うのかい? ……まあ。状況が状況だ。本当に危なくなったらすぐに連絡しろ。手筈は整ったから」

土御門「了解だぜい」

675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:19:04.29 ID:1tCGVxlco


タクシー内


上条「はあ……どうしてこんな事になっちまったんだ……」

ミーシャ「問二。こんな事とは何か」

上条「いや、まさか俺の父さんが『御使堕し』を起こした犯人だったなんてな……」

ミーシャ「問三。それは本当か」

上条「ああ……俺も信じられないくらいだ……って、ええええ!?」

ミーシャ「問四。何をそんなに驚く必要がある」

上条「なっ、何でテメェがここに居るんだ!?」

ミーシャ「解答一。外に出るときからずっと後を付けていたのだが気付かれなかった」

上条「……マジかよ。お、おい! 今言った事は……」

ミーシャ「貴方の父親か。『御使堕し』を止めるため、犠牲になってもらう」

上条「……ふざけんな! そんな事絶対にさせねえ!」

ミーシャ「その発言に従う事は出来ない。最優先事項は術者の抹殺」

上条「そんな事をしなくても父さんなら説得すればすぐに止めてくれる! だからそれだけはやめろ!」

ミーシャ「解答二。世界の危機を引き起こした者はしかるべき罰があって当然」

上条「頼む……俺に任せてくれ、必ず俺が何とかする!」

ミーシャ「その提案は不確定要素が多すぎる。受け入れる事は難しい」

上条「少しで良いんだ……話をする時間さえあれば……」

ミーシャ「現時点では回答できない。当人に会ってからまた判断する」

上条(……信用できねえ、とりあえず……コイツも何とかしねえと)

676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:19:41.65 ID:1tCGVxlco


戻ってわだつみ


上条(父さん……もう十一時か、寝ちまってるかな)

ミーシャ「どうした。父親の所へ行くのでは」

上条「……ああ、分かってるよ。すぐに手を出そうとするなよ、俺が話す時間をくれ」

ミーシャ「…………」

上条(……一番危険なのはコイツだな、ともかく父さんの所へ行くか)



刀夜と詩菜の部屋


上条「……開けるぞ」

ミーシャ「時間の無駄だ。早くしてもらいたい」

上条「……父さん! 話が――」ガラッ

刀夜「なっ……! と、当麻!?」

詩菜「あらあら……当麻さん、こんな時に……」

上条「て、テメェ……先生の布団に入ろうとして何するつもりだああ!」

刀夜「せ、先生!? 何を言っているんだ当麻、私は母さんと教師プレ」

上条「言わせねえぞコラァ!!」ガッシボカッ

刀夜「うぐう……何をするんだ当麻! 父親を急に殴るヤツがあるか!」

上条「うるせえ! 母さんが居るのに他の女に手を出そうとするんじゃねえ!!」

詩菜「刀夜さん……他の女ってどういう事じゃん?」

刀夜「ご、誤解だ! 当麻! いったい何の用なんだ!?」

677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:20:35.64 ID:1tCGVxlco


上条「はっ……! そ、そうだ! 父さん、何でアンタは……ミーシャ!?」

ミーシャ「『御使堕し』を引き起こした大罪人。その罪は天で詫びよ」

刀夜「……っ! ……首にそんなものを当てられてはかなり危険だが、君は分かってやっているのか?」

上条「テメェ……その武器を離せ!」

ミーシャ「武器ではない。拷問に使用される由緒正しい鋸だ。それに世界の危機を見過ごす……っ!?」

上条(……ミーシャの様子がおかしい? 何が……ひいっ!?)

詩菜「あらあら……あなたは刀夜さんに何をしようとしているんじゃん?」ゴゴゴゴ

ミーシャ「か、かかか解答三……その、この者をその……えっと」

詩菜「どうするつもり……じゃん?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ミーシャ「かかかか解答三……あの、その……だから……」

詩菜「……じゃん?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ミーシャ「……解答三。何でもないです」

上条(……もっと怖い存在が居たのを忘れてた)

678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:21:08.35 ID:1tCGVxlco


ミーシャ「(問五。……あの女性は何者か)」

上条「俺の母さんだ、相手が悪かったな。父さんの命を取るのは諦めた方が良いぞ」

刀夜「……大人しくなってくれて何よりだ。で、二人は私に何か話でもあるみたいだが」

上条「ああ……その前に、母さんには席を外してもらいたんだけど」

詩菜「そこの女の子が居る限りは、私もここを離れる訳にはいかないじゃん?」チラッ

ミーシャ「…………」ガクガク

上条(……ミーシャが震えてる、可哀想に。仕方無い、このまま話し始めるしかねえな)


 その部屋の様子を陰から窺う人間が二人。


土御門「(……どうやら、間に合ったみたいだな)」

神裂「(ええ、しかし……あの女性の持つ気迫というか、オーラの様なものはいったい……)」

土御門「(女って生き物は怖いですからにゃー……)」

神裂「(……とりあえず、様子見と行きましょう)」

679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:21:38.08 ID:1tCGVxlco


刀夜「まったく……逃亡した犯人が逃げ込んだり、いきなり襲ってくる女の子が居たり。
    相変わらず、当麻の周りは騒動が絶えないな。何か他に酷い目には遭っていないか?」

上条「……今の所は大丈夫だ。色々おかしいヤツらに囲まれて大変だったりもするけどな」

刀夜「そうか……いい人達そうだし、私としても安心だ。さて――話を始めようか」

上条「……父さん、どうして魔法使いの真似事なんかしたんだ?」

刀夜「魔法使い……? いったい、何の事だ?」

上条「シラ切ってんじゃねえ! つまんねえオカルトになんざはまりやがって、いったい何やってんだよクソ親父って言ってんだ!」

刀夜「……そうか、そんなにお前は私のした事が気に食わなかったのか」

上条「当たり前だろ! 自分が何したのか分かってんのかよ!?」

刀夜「そこまで怒られるとは私も思わなかったよ。……あんな方法で願いを叶えようとしたのは、馬鹿げている事だとは私自身も思っていたのだがな」

詩菜「刀夜さん……」

刀夜「当麻、お前は覚えていないかもしれないが……学園都市に行く前、お前は何と呼ばれていたか覚えているかい?」

上条「……いや、思い出したくもねえけどはっきりと覚えてるよ。――疫病神、だったっけか」

680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:22:24.24 ID:1tCGVxlco


詩菜「当麻さんは確かに他の人よりも少し『不幸』でした。それを周りの人は……子供も大人も関係なく当麻さんを疫病神と呼び続け、
    そしてそれはいつの間にか当麻さんの近くに居るだけで『不幸』になるという噂が広まってしまった……」

刀夜「当麻が側を離れれば『不幸』も当麻と一緒に去っていく、何の根拠もないくだらない話だ。
    それでもそんな事を本気にしたのか借金を抱えた男に追い掛け回され包丁で刺された事もある、
    それを面白おかしく報道しようとしたマスコミが何の許可も取らずお前をカメラに映し化け物のように扱った事もあったな」

上条「子供の頃はさっぱり意味が分かんなかったけど、今思えば酷い話だよな。借金を作ったのもそいつのせいだ。
    それでも俺を疫病神だと思い込んで、俺を殺せばどうにかなると思ったのかもな……」

詩菜「私達が当麻さんを学園都市に預けたのはそれが理由だったんですよ。当麻さんが『幸運』か『不幸』か、という事では無く、
    それに振り回される人達が居ない世界で当麻さんに暮らして欲しかった。……幼い当麻さんを送るのは本当は嫌でしたけど」

刀夜「しかし、学園都市でさえもお前は『不幸な人間』として扱われてしまった。私達の思惑とは異なり、
    どこへ行ってもお前は『不幸』であり続けなければならないのかと絶望してしまったんだ。だから――」

上条「……オカルトに頼っちまったのか」

刀夜「ああ……そんなモノを否定してくれると願って学園都市に息子を預けたにもかかわらず、
    結局は『そんなモノ』に手を染めてしまった。皮肉なものだな、オカルトを否定しながらもそれに頼るなんて」

上条「俺のために……そんな事を……」

詩菜「刀夜さんは時間を見つけては勉強を繰り返したんですよ。その努力は……当麻さんが少しでも『幸せ』になれば報われるんです」

上条(息子一人の幸せなんかのために『御使堕し』を引き起こして、その結果世界中に迷惑をかけて……
    父さんは自分一人で罪を背負って、自分の事は捨てて……俺のために、俺なんかのために……)

刀夜「周りの人間にどう思われても構わない、当麻が少しでも幸せになるのなら……私は喜んでオカルトに手を染める人間になろう」

詩菜「私も刀夜さんを応援しました。刀夜さんのために、そして……当麻さんのために」

上条「……っけんなよ」

刀夜「……当麻?」

上条「ふざけた事してんじゃねえよ!」

681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:23:40.56 ID:1tCGVxlco


上条「確かに俺は不幸だった。それは間違いないしこれからも変わらないかもしれねえ。でもな、この不幸があったからこそ手に入れたモノもあるんだよ!
    騒動に巻き込まれたから不幸なんじゃねえ、『不幸』のおかげで巻き込まれる事が出来たんだ! それで知り合えたヤツも居た、助けられたヤツも居た」

詩菜「当麻さん……」

上条「いくら自分が幸せになったとしても他のヤツが『不幸』のままじゃ何も変わらねえ、
    むしろそんな状況は許すことは出来ない。それなら『不幸』でいた方がマシだ!」

刀夜「……お前は私達の知らないうちに少しずつ大きくなっていたんだな。でもな、当麻。子供の不幸を見過ごす事が出来る親なんて居ない。
    自分の子供が『不幸』で居る世界なんて、それこそ許す事が出来ない。……親とは醜い生き物なんだ、自分の子供さえ幸せでいてくれればそれでいい」

上条「うるせえ! 誰も死なせねえ! 誰も悲しませねえ! 誰もが幸せになるように生きていく! だから俺の不幸で悲しむな! 
    俺の『不幸』の代わりに『幸運』になるヤツが必ず居る。それが俺の幸せだ、その幸せを俺から奪おうとするな!」

刀夜「それが……お前の幸せなのか?」

上条「ああ……だから二人で仲良く生きててくれよ、今まで通り笑ったままでさ。俺なんかのために悲しまないでくれ、それが俺の望みだ」

詩菜「……刀夜さん、私達は今まで勘違いしていたのかもしれないですね」

刀夜「そうだな、母さん。当麻を不幸だと決めつけていたのは……私達だったのかもしれないな」

上条「父さん……頼む、『御使堕し』を止めてくれ。そんな魔術、俺には必要無いんだ」

刀詩「……?」

上条「……あれ?」

刀夜「えんぜるふぉーる、とは……何の事だ?」

682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:24:42.81 ID:1tCGVxlco


上条「えっ? 父さんがこの世界中を巻き込んだ入れ替わりの魔術、『御使堕し』を起こしたんじゃねえのか?」

刀夜「その何とかふぉーるは分からないが、私が頼ったオカルトとは――風水学の事だぞ?」

上条「ふ、風水学?」

刀夜「ああ、実は数年前に買った本に感銘を受けてな、そこから色々専門書を読んで学んでみたんだが……。
    素人のする事だからそんな大したものでもないし、第一そんなものでお前の『不幸』が解消される訳でもないだろう」

上条「……どうなってんだ?」

??「おいおい、カミやん。そうやって一人で突っ走るのは危険だって言わなかったかにゃー?」

上条「んな事一言も言ってねえだろうが土御門……あ?」

土御門「よーう、カミやん。親子の絆強化大作戦成功、真におめでとうございましたー」

上条「土御門、テメェ……全部聞いてたのか!?」

土御門「おうよ、オレと神裂の二人でばっちり聞かせてもらったぜい?」

上条「へ? 神裂?」

神裂「あ……えっと、その……親子って、良いですね」

上条「……これは恥ずかしさで死ねるレベル」

683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:25:42.81 ID:1tCGVxlco


神裂「そんな事より土御門、さっさと話を始めなさい」

土御門「分かってるぜよ。カミやん、それとカミやんの親父さんに言わなきゃいけない事あるんだ」

上条「言わなきゃいけない事……?」

土御門「とりあえず、この本を見てくれ」

上条「何だこの本……『誰でもできる風水学』、『DSL土御門』先生の分かりやすい解説がこの一冊に……これがどうしたんだ?」

刀夜「それは……さっき言った私が数年前に買った本だ。その本のおかげで私は風水学に興味を持ったんだよ」

上条「はあ……ん? DSL土御門……おい、まさか……この土御門ってのはお前の知り合いか?」

土御門「あー……それ、オレの事だぜい」

上条「……あぁ?」

土御門「数年前に風水ブームが来た時に、知り合いにしつこく言われて金儲けのために書いたんだ。もちろん、
     オレ達が使ってるような本格的なものは書いてない、むしろ嘘やデタラメばっかりの酷い本ぜよ。……でもな」

上条「でも?」

土御門「ほんの少しだけ役立ちそうな事を書いておいたんだよ。もちろん、嘘も交じってるから素人がそのまま使っても何も起きない。
     でも、カミやんの親父さんはどうやら独学で勉強をしたみたいで、法則や決まりを何となくは掴んでたみたいだにゃー」

上条「父さん、そんなに勉強したのか……?」

刀夜「三年位はそれにはまってしまった気がするが……そこまで真剣にやったつもりは無いな」

土御門「それでも上条刀夜は一番大事な要素を最初から持っていた、それが一番の理由かもしれねえな」

上条「大事な要素……」

684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:27:55.90 ID:1tCGVxlco


土御門「自分のためじゃなく、誰かのためにっていう思いぜよ。それは願いとなり、祈りとなり、デタラメな術式にも意味を持たせちまう。
     オカルトグッズは溢れ返るほど家に置いてあった。その一つ一つに願いを込め、配置にそれなりの法則性があってこそ『御使堕し』は起きたんだ」

上条「…………」

土御門「オレの本は自分の金運が上がるとか、健康になるとかそんなありきたりな内容の自己愛たっぷりな意味のない嘘の風水ばかり。
     そこから法則を学んであそこまでのレベルに持っていくってのは驚くべき信念、いや、執着と言えるかもにゃー」

神裂「土御門、話が長いです。いいから早く言いなさい」

土御門「えー……つまりは、『御使堕し』を起こしたのは上条刀夜で間違いないが、その元凶は……この土御門さんだったみたい」

上条「…………」

土御門「必然が生んだ偶然、意図せず起きた大規模魔術、それが『御使堕し』の結末……あれ、カミやん?」

上条「おい、土御門。テメェ、俺に他に言う事はねえか?」

土御門「えーと……でも、本を書いたのはオレだけど実際にそこから学ぶのは個人の自由であって」

上条「……あぁん?」

土御門「……すいませんでした」

神裂「まったく……自分の知識を金儲けなどに使おうとするからです」

土御門「だってー舞夏の知り合いに頼まれちゃったんだから仕方なかったんですたい……」

上条「はあ……そういや、このDSLって何なんだ?」

土御門「ダンシング、サマー、ラブだぜい」

上条「……踊る、舞う……夏、ラブ……舞夏ラブ……お前、もう死んでいいよ」

685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:29:09.18 ID:1tCGVxlco


土御門「つうかカミやんがオレの話を聞いてればこんな事をしなくても良かったんだぜい?」

上条「……だってよ、ミーシャが術者を殺すみたいな事言ってて、お前達も父さんの命を狙うかもって思ってさ」

神裂「呆れました……私達があなたのご家族に手を掛ける訳がありません」

上条「なんだよー……俺の早とちりだったのかよー……あれ? そういえば、ミーシャは?」

詩菜「あの子なら外に出て行ってしまったじゃんよ」

土御門「外に……まずいぜねーちん!」

神裂「……外の様子を見てきます。土御門、早く話しを済ませてください」ダッ

上条「神裂のヤツ、慌ててたみたいだけどどうしたんだ?」

土御門「ミーシャ=クロイツェフなんて人物は居なかったんだよ、ロシア成教に居たのはサーシャ=クロイツェフだ。
     おそらく、サーシャの体を借りたのが……天使ってトコかにゃー」

上条「そうだったのか……」

土御門「さて、天使が暴れちまう前にもう一つ大事な話をするぜい。上条刀夜、話がある」

刀夜「私に……? というか、君は当麻のガールフレンドではなかったのか?」

土御門「それは今はどうでも良い、アンタに聞きたい事がある。世界の危機に関わる事だ」

刀夜「……何を言っているんだ?」

土御門「簡潔に言おう、家をぶっ壊させてくれ」

上刀「……はい?」

686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/15(金) 14:29:57.57 ID:1tCGVxlco


上条「どこがどうしてそうなったんだよ!?」

土御門「『御使堕し』を止めるには術者を消すか、神殿をぶっ壊せばいいんだ。この場合は上条刀夜を殺すか家をぶっ壊すかだな」

上条「別にそんな事をしなくてもオカルトグッズの配置を変えればいいじゃねえか!」

土御門「いやーそんな単純なものでもないんだな、これが。むしろ複雑怪奇、少しでも動かしちまったら世界がどうなるか予想がつかねえ」

上条「他に方法は……」

土御門「探している時間もねえ。天使に勝つ事なんて不可能、本気で暴れる前にやるしかねえんだよ」

上条「うう……でも、いや……」

土御門「親父さんが殺されても良いのか?」

上条「んな訳ねえだろうが! ……分かったよ、それでいこう」

刀夜「何が何だかよく分からないのだが……家を壊すとはどういう事だ?」

上条「父さん……頼む! 何も言わずに家を諦めてくれ!」

刀夜「当麻までそんな事を……まずは何があったのか説明してくれ」

上条「あー……つまりは、父さんの風水のせいで父さんは死ぬかもしれないんだ」

刀夜「……どういう事だ?」

上条「俺も何と言えば良いのやら……」

687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/07/16(土) 00:02:11.21 ID:Xgtar4bDo
あれ?終わりかな…
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/16(土) 00:19:49.93 ID:+qNfdmgAO
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/16(土) 10:35:14.99 ID:tG8ABN6AO
あれ、投下終了の書き込みしたはずだったんだが書き込めて無かった
浜面、どうしてこうなったんだろう
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/21(木) 15:21:03.31 ID:L7XeQvVAO
俺「オヤジ頼む!何も言わずに俺たちの家を壊させてくれ!!」
親父「」

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/21(木) 18:07:52.10 ID:9Pcq30vGo
>>690
お前臭いな
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/21(木) 20:13:14.54 ID:L7XeQvVAO
>>691
臭い…とは?
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/21(木) 20:30:32.58 ID:KRZHypXKo
夏休みは臭くなりがちだろ
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/07/21(木) 21:16:09.46 ID:z7FJgjT20
>>693そっちじゃねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 21:33:21.78 ID:1zvnmNp4o
>>694
厨房が増えるって意味だろ
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/07/21(木) 21:42:49.15 ID:cWnFMaoio
いい流れだ
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/21(木) 21:43:14.61 ID:cWnFMaoio
すまんageてしまった
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 14:50:55.29 ID:j8cJfHlIO
ゲロイカの匂いが
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/27(水) 07:59:14.22 ID:PvfXg5jAO

この回が終わったら 夏休み最終日(一方×打ち止め 上条×美琴 +ロリコン誘拐犯←名前忘れたww)
かな…
海原どんな展開か期待
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 13:08:31.77 ID:LB/6Dv1No
カプ厨くせえ
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/27(水) 22:13:58.93 ID:z/nVLttyo
てst
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/27(水) 22:19:40.06 ID:z/nVLttyo
専ブラだと更新されたか分からねえ…まいっか
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:21:19.57 ID:z/nVLttyo


上条「あー! 説明のしようがねえ! 土御門、任せた」

土御門「えー……仕方ないな、現実を見せるしかないか」

上条「現実? 何だよそれ?」

土御門「カミやん、外を見てみろよ。あそこの海岸の近くだ」

上条「外? 別に何も……って、何だよあれ!?」

刀夜「……空に浮かぶあの模様、星座には見えないな」

詩菜「あら? その模様の近くに居る女の子は……」

上条「ミーシャ=クロイツェフ……!」

土御門「いや、もうその名前に意味は無いぜよ。今のアレは天使、『神の力』だ」

704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:21:55.87 ID:z/nVLttyo


神裂「……一番恐れていた事態が起きてしまいましたか」

ミーシャ「…………」

神裂「何を思い、何を求めるかは分かりませんが、少なくともあなたが脅威であることに変わりはありません」

ミーシャ「――――qrw」


 空に浮かぶ一人の少女、その後ろの空は幾何学的な模様で埋まっている。
その光景も不自然ではあるが最も目を引くのは、彼女の背中から生えている羽の様な何か。


神裂「『神の力』……出来れば相対したくもない相手ですが、致し方ありませんね」


 誰に向けたものでもない呟きの後、神裂は自らの刀に手を掛けた。
『七天七刀』、それを扱うは強大な力を持つ「聖人」、神裂火織。


神裂「私の『幸運』で『不幸』な者を救う事が出来た、そして次は――私の『不幸』で『幸運』な者を助ける番です」


『神の力』はゆっくりと動き、そして――。


705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:23:03.25 ID:z/nVLttyo


上条「お、おい! あれが『神の力』なのか!?」

土御門「そういう事だ。いやー……シャレになんねえな、ねーちんで何とかなるのかにゃー」

刀夜「……私達は夢でも見ているのか? 当麻の先生が刀を持って、もう一人の女の子は宙に浮かんで……」

詩菜「……映画の撮影にしては、出来すぎじゃん? だから、きっと夢じゃんよ」

土御門「夢だろうが映画だろうがどう思ってくれても構わない。でもな、少なくともアレは現実だ。
     そして、このまま放って置けば……世界の破滅もあり得るかもな」

上条「クソッ……父さん! 頼む、もう家を壊すしかねえんだ! そうしないと……世界中の人達が全員『不幸』になっちまう」

詩菜「当麻さん、そんな事を言われても……」

土御門「信じるか信じないかは自分次第だ。まっ、正直に言うとアンタの家はいつでも壊せるんだぜい?」

刀夜「何?」

土御門「爆弾を上条家に仕掛けさせてもらった、だから今こうやって許可を取ろうとしてるがそれは無意味。
     どの道アンタの家は世界のために犠牲なってもらわなくちゃいけないんだにゃー」

刀夜「……そんな無茶苦茶な事が許される訳が無いだろう?」

土御門「許すとかそういうレベルの話じゃないんだ。もしアンタが今OKを出すなら少し大事なものを家から運び出してやる。
     渋って時間を食うんだったらそれも無し、更地だけが残る羽目になるぜい?」

上条「……お前のせいなのに良くそこまで脅す事が出来るよな」

土御門「うっ……それを言われるとツライぜよ。まあ、後できちんとお金は払うって。さあどうする、上条刀夜?」

刀夜「……これは悪い夢だ。ならば、夢に流されるのも悪くは無いか」

詩菜「刀夜さん……」

土御門「許可を出したって事で良いか?」

刀夜「ああ、どうせやるなら派手に頼むよ」

土御門「その辺はご心配なく」

706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:24:05.20 ID:z/nVLttyo


土御門「さて、話もついた事だし……あっちに連絡しなくちゃですにゃー」

上条「土御門、神裂の方は良いのか……? 俺に何か出来る事は……」

土御門「んー……カミやんの右手がどう作用するかも分からないし、そもそもここからあそこまで距離もあるしな……」

詩菜「当麻さんは先生の所まで行きたいのかしら?」

上条「ああ……死ぬ気で走らねえと何も出来なさそうだ。土御門、後は任せたぞ!」ダッ

詩菜「待つじゃんよ! それなら……私に任せるじゃん?」

上条「へっ?」

詩菜「今からあそこまですぐに送り届けてやるじゃん! だからちょっと待つじゃん」ガサゴソ

上条「カバンの中に何が……」

詩菜「もちろん……これじゃん!」

上条「なっ……それは!」

詩菜「刀夜さん、私は当麻さんを連れて行くから家の事は刀夜さんに任せるじゃんよ!」

刀夜「ああ、分かったよ。母さん、それに当麻、気を付けるんだぞ?」

詩菜「よし……当麻さん、行くじゃん!」

当麻「えっ? いや、ちょっと待って……って、なああああああ!!!」

土御門「……ずいぶんぶっ飛んだ奥さんですにゃー」

刀夜「ああ、ご近所からは『空飛ぶお嬢様』と呼ばれているそうだ」

土御門「なるほど」

707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:24:43.42 ID:z/nVLttyo


土御門「さーて、話も付けた事だし電話してみますか」プルル

ステイル『土御門か。話は出来たのかい?』

土御門「おうよ、とりあえず無理やりだけど了承は取ったぜい」

ステイル『まったく……。こちらも準備は出来た。後は上条刀夜に何を持ち出せばいいか聞いてくれ』

土御門「了解ぜよ。――上条刀夜、家から必要なモノを少しだけ持ち出す事が出来るが、何を運べばいいか選んでもらえるか」

刀夜「ずいぶん急な話だな……具体的にはいくつ程持ち出せるのだろうか」

土御門「時間はそんなに掛けたくない、そして人員は三人だ。その範囲内で決めてもらう」

刀夜「三人か…………分かった、今から言う物をお願いしたい」

土御門「決断するのが早いな、息子さんにも見習って欲しいぜい」

刀夜「なに、仕事での決断よりは数倍気楽なものだ。私の希望する物は――――」

708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:25:24.23 ID:z/nVLttyo


 その頃、神裂は目の前の『神の力』にある違和感を感じていた。


神裂(……動かない? 強大な力は感じます、しかし……一向に動く気配が無い)

ミーシャ「――――、kyw――mhr――」

神裂(……何かを伝えようとしている?)

ミーシャ「――――q甘味wr」

神裂「……えっ?」

ミーシャ「――――d所持zp――」

神裂「甘味……所持……?」

ミーシャ「――g頂戴kh」

神裂「……頂戴? 甘味、所持、頂戴……まさか……! いや、そんな事が……ん?」

「うおおおおおおおおお!?」

神裂「この声は……なっ!?」

709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:26:17.25 ID:z/nVLttyo


 詩菜と上条は空中に居た。二人を空に浮かせているのはもちろん能力や舞空術なんてものではなく、


上条「いきなりこんなの怖すぎるってばあああ!!!!」

詩菜「あらあら、当麻さんには刺激が強すぎたじゃん?」


 原動機付きパラグライダーであった。


上条「降ろしてくれえええええ!!!」

詩菜「我慢するじゃん。ほら、今から降りるじゃんよ」

上条「落ちるのも嫌だあああああああ!!!」

詩菜「はいはい、すぐに終わりますよー」

上条「うおおおおおおおおお!?」

710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:26:47.21 ID:z/nVLttyo


神裂「上条当麻、それに母親の上条詩菜……いったい何を?」


上条「おちるうううううううう!!!!」

詩菜「しっかり捕まってるじゃん! ……よしっ!」ズサッ

上条「ううう……あれ? 俺、生きてる……?」

詩菜「当麻さん、怖がりすぎじゃん? 無事に着いたみたいじゃんよ。私はちょっと片付けてるから頑張るじゃん?」

神裂「奇声が聞こえると思えば……やはりあなたでしたか」

上条「か、神裂! お前を助けに……うう……」

神裂「気持ちはありがたいですが、少し休む事をお勧めします。それに、事態はそこまで悪くはなさそうです」

上条「……? 『神の力』ってのは人間なんかじゃ相手にならないモノじゃなかったのか?」

神裂「ええ、確かにその通りです。……が、『神の力』の方に耳を傾けてください」

上条「お、おう……ん? なんか言ってるな……かんみ……?」

神裂「やはりあなたにもそう聞こえますか……私の聞き間違いではなかったのですね」


ミーシャ「――――q甘味rw、zwqp欲brtvw」


上条「……聞こえづらいけど、もしかして」

神裂「甘い物が欲しいのかもしれませんね」

711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:27:23.81 ID:z/nVLttyo


神裂「ためしに何か甘い物を与えてみようと思うのですが、何か持っていませんか?」

上条「さすがに無いな……手から和菓子を出す魔術とか無いのか?」

神裂「……そんなものある訳無いでしょう? 何を言っているのですか」

上条「……何でもない、忘れてくれ。お前こそ何か持ってないのかよ」

神裂「私も持っている訳が……あれ? そういえばポケットに……」ガサゴソ

上条「それは……チョコボールじゃねえか!」

神裂「ええ、二つ買っていたのを忘れていました……これで良いのでしょうか?」

上条「とりあえず、与えてみようぜ」

神裂「そうですね……ほーら、甘い物ですよー」

ミーシャ「――――ktkr!」ビュンッ

上条「消えた!? と思ったら目の前に居る!?」

神裂「さすがは『神の力』、と言った所でしょうか……ほーれほれ、甘い物ですよー」

ミーシャ「――――q頂戴rw」

神裂「ええ、どうぞ」

ミーシャ「――――lf感謝jrt」モグモグ

712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:28:27.48 ID:z/nVLttyo


上条「……神裂、天使ってのはみんなこんな感じなのか?」

神裂「さあ……私も天使に会った事なんて無いですから……」

ミーシャ「――――mg美味pk」モグパク

神裂「とりあえず、今は何も起きなくて良かったとしておきましょう」

ミーシャ「…………」クイックイッ

上条「ん? どうした?」

ミーシャ「――――hr追加krw」

上条「追加? 何だそれ?」

神裂「多分……おかわり、と言いたいのではないでしょうか?」

上条「……ずいぶん強欲な天使だな」

ミーシャ「――――gjh早fr」

神裂「そう言われましても、すぐに用意出来る訳では無いのです……」

ミーシャ「――――sfg早ksd!」

神裂「いえ、だからそんなにせかされても無理なのですが」

上条(普通に会話してる……聖人ってすげえな)

713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/27(水) 22:29:01.55 ID:z/nVLttyo


ミーシャ「――――hks怒hgd!」

神裂「怒っても解決できる問題では……少し時間を」

ミーシャ「――――s駄目hy」

上条「あっ、今のは俺でも分かるぞ。駄目って言ったんだよな?」

神裂「駄目、と言われましても……」

上条「おい、神裂が困ってるじゃないか。天使だからって何でも許される訳じゃないんだぞ?」

ミーシャ「――――q頂戴rw」

上条「ワガママな天使……言葉だけ見たらカッコいいけど実物は面倒くせえな……」

ミーシャ「――――g早ktyw!!」

神裂「困りました……いったいどうすれば」


「あらあら、我が儘を言って二人を困らせてるじゃんか?」


ミーシャ「――――!?」

上条「ああ、母さんか……そうなんだよ、何か甘い物持ってねえか?」

詩菜「さすがに持ってないじゃんよ。宿に戻れば色々用意出来るじゃん?」

神裂「ですが待つ事も嫌なようで……ん?」

上条「どうした神裂?」

ミーシャ「――――gkbr……」

神裂「『神の力』が……脅えています」

714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/27(水) 22:31:59.57 ID:z/nVLttyo
終わらない四巻、次で終わるはず…
小ネタ→五巻→小ネタ六巻でスレが埋まるし多分区切りがつくはず。それではまた
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 23:38:54.28 ID:Q0Ki/27Y0

このスレで一通さンがどうなるのか
スキアの皆さンが天井をどうするのか
楽しみで仕方ない
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/07/28(木) 00:25:49.06 ID:lV/8e8SXo
Gが、来る。
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/28(木) 12:06:17.53 ID:alOto31AO
たまーに別スレでも手から和菓子ってネタが出るんだけど、アレって…義y (ry
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/28(木) 12:08:47.07 ID:alOto31AO
ここで夏休み最終日やれると思う?
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/30(土) 10:59:23.65 ID:3VsErnrfo
四巻ラスト、アニメを見ていない方は分からない箇所があるかもしれません
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:00:39.48 ID:3VsErnrfo


詩菜「あらあら、別に怖がらなくても良いじゃん?」

ミーシャ「――――brbr……」

神裂「まさか天使を怯えさせるとは……」

上条「上条詩菜……恐ろしい母だ……」

詩菜「それに、宿に戻れば甘い物もたくさんあるじゃん」

ミーシャ「――――! ――mjd?」

上条「何て言ってるんだ?」

神裂「本当ですか? と言いたいようです」

詩菜「本当じゃん。疑うんなら一緒に宿まで行くじゃん?」

ミーシャ「――――wktk」

上条「今度は何て?」

神裂「期待している、と言いたいようですよ。……戦う必要は無さそうですね」

上条「……まあ、戦闘シーンなんてある訳無いからしょうがない」

721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:01:15.38 ID:3VsErnrfo


土御門「……印鑑と通帳は理解できるが、残りはそんなモノで良いのか?」

刀夜「ああ、それさえあれば他には必要無いだろう」

土御門「良くできた父親だ、カミやんが羨ましいぜよ」

刀夜「しかし、本当に家を壊さなければならないのかい? 向こうの方は今は落ち着いているみたいだが」

土御門「正直に言えばオレも何が起こるか分からない今の状況が怖いんだ。悪いが、協力してもらうぜい」

刀夜「……何が起きているかは分からないが私にも責任の一端はあるようだ。後は任せよう」

土御門「理解があって助かる。……ステイル、聞こえたか?」

ステイル『ああ。ちょうど三人で運べる位だ。任せてもらおうか』

土御門「じゃ、よろしくですにゃー」プツッ

刀夜「はあ……せっかく家を建てた所だったのだが、こんな事になるとは……」

土御門「あー……その辺は何とかしておくですたい」

刀夜「家具も新調したり、その他にも色々買い足しもしたのだが……」

土御門「……仕方ない、またその件に関しては詳しくお話合いますぜよ」

722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:01:44.76 ID:3VsErnrfo


上条家


ステイル「さて……二人とも。今から言う物を持ち出すんだ」

インデックス「分かったンだよ。何を運べばいいの?」

ステイル「君は印鑑と通帳。タンスの中にあるようだから探してもらうよ」

インデックス「うン! さっそく探してくる!」

アウレオルス「私は何を運べば良いのだ? とアウレオルスは質問します」

ステイル「君には二階にある額縁に入った絵を運んでもらいたい」

アウレオルス「額縁の中の絵……当然、高価な物であろうから気を付けなければならないな、とアウレオルスは気を引き締めます」

ステイル「僕はアルバムを見つけてくる。時間も無い。よろしく頼むよ」

723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:02:30.81 ID:3VsErnrfo


インデックス(印鑑……通帳……見っけ!)

インデックス(……でも、これだと何だか泥棒みたいかも)


―――――――――――――――――


ステイル「アルバムは一階の……あった。これだね」

ステイル「……って、結構数があるじゃないか。まったく。力仕事は苦手なんだが……」


―――――――――――――――――


アウレオルス「額縁に入った絵、か……この部屋であろうか、とアウレオルスは扉を開けます」

アウレオルス「額縁……これか。……ん? 本当にこれで良いのか? とアウレオルスは疑います」

アウレオルス「しかし、これ位しか無さそうだな……とアウレオルスは絵を抱え部屋を出て行きます」

724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:03:14.08 ID:3VsErnrfo


上条家 外


ステイル「はあ……はあ……重かった。アルバムはこれで全部か」

インデックス「印鑑と通帳も見つけたンだよ」

アウレオルス「遅くなって申し訳ない、とアウレオルスも無事に仕事を終えました」

ステイル「ご苦労様。それが高価な絵なのかな?」

アウレオルス「そう思ったのだが……本当にこれで良いのだろうか? とアウレオルスは相談します」

ステイル「この絵は……」

アウレオルス「これ以外に額縁に入った絵など存在しなかった、とアウレオルス伝えます」

インデックス「私はこれで間違い無いと思うンだよ。この絵には……とォま達にしか分からない価値があるはずだから」

ステイル「……分かった。これで頼まれたものは全て集まったね」

アウレオルス「では、最後の仕上げといこうか、とアウレオルスは家の近くから離れます」

インデックス「私達に出来る事は全てやったから、きっと大丈夫なンだよ」

ステイル「ああ。ここからは僕に任せてもらうよ。しかし……この絵を見たら。失敗は出来ないね」

725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:04:10.31 ID:3VsErnrfo


戻ってわだつみ


刀夜「しかし……爆弾と君は言っていたが、そんなものを使って周りに被害が出たりしないのかい?」

土御門「大丈夫ですたい。オレ達が力を合わせれば楽勝ってもんですにゃー」

刀夜「俺『達』……?」


詩菜「あら、刀夜さん、お話は終わったじゃん?」

刀夜「ああ、結局は家を失う事になりそうだが……とりあえず今後についての話は終わった」

詩菜「それは良かったじゃん。さて、甘い物を用意するから待ってるじゃん?」

ミーシャ「――――s把握jy」

上条「土御門、家をぶっ壊すってのは何とかなるのか?」

土御門「それに関しては何の心配もしなくて良いぜい。向こうにはトップクラスの魔術師が三人も居るからな」

神裂「そうですか……私も協力出来たら良かったのですが」

土御門「ねーちんまでいたらオーバーキルにも程があるぜよ」

726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:05:18.41 ID:3VsErnrfo


戻って上条家


ステイル「……始めよう」


「――――世界を構築する五大元素の一つ。偉大なり始まりの炎よ」


インデックス「――私の知識を用いて最大限の力を引き出し」


「それは生命を育む恵みの光にして。邪悪を罰する裁きの光なり」


アウレオルス「――近くには被害が及ばず、かつ一瞬で破壊する事が出来るように私は計算し」


「それは穏やかな幸福を満たすと同時。冷たき闇を滅する凍える不幸なり」


ステイル(――風水を応用し、配置を工夫する事で威力は上がる)


「その名は炎。その役は剣。顕現せよ。我が身を喰らいて力と為せ――――ッ!」


 上条家に貼られている無数の刻印(ルーン)のカード、それは数える事は不可能なほど至る所に存在している。
それはステイルの手によって作られたものであり、その無数のカードと魔術師達の叡智が組み合わさり、この物語に終止符を打つ。


「――――『魔女狩りの王』!」


 ステイルの声と共に生み出されたのは燃え盛る炎、そしてその中に存在するのは黒くドロドロした「何か」。
その何かは瞬時に巨大化し、高さは十メートル程に達する炎と化した。
それは上条家を一瞬で飲み込み、『御使堕し』を発生させた神殿を跡形も無く消すには十分であった。

727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:05:59.54 ID:3VsErnrfo


神裂「……! これは……」

上条「ん? どうした神裂?」

土御門「……どうやら、無事に終わったみたいだな」

上条「終わった? どういう事だ?」

土御門「カミやん、周りを見てみ? それで誰が居るか考えてみるぜよ」

上条「周り? えっと……神裂、土御門、父さん、ミーシャ、母さん……母さん!?」

詩菜「あらあら、急に叫んでどうしたんですか、当麻さん?」

上条「黄泉川先生じゃない……って事は!」

神裂「ええ、元に戻ったようですね」

上条「良かったー……これで世界の危機も何とかなったか……」

刀夜「……ん? 母さん、その子……様子がおかしくないかい?」

ミーシャ「…………」

詩菜「あらあら……きっと疲れて寝ちゃったんですね。ゆっくり休ませてあげましょう」


土御門「(……天使が『入って』たんだ、相当なダメージだろう)」

神裂「(その様ですね……また詳しく調べてみる必要があるでしょう)」

728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:06:35.67 ID:3VsErnrfo


翌日 海


神裂「お、お待たせしました……」

上条「……これは、なかなか」

神裂「あ、あまり見ないでください……恥ずかしいですから」

上条「あっ……悪い。でも、似合ってるぞ?」

神裂「そ……そうですか。それは良かったです……」

インデックス「……とうま? 何二人でイイ雰囲気を作っているのかな?」

上条「ひいっ!? インデックスさん? 別に、これはですね……」

乙姫「お兄ちゃん……またそうやって女の人と仲良くして!」

上条「だから怒られる様な事はしてねえっつうの!」

729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:07:28.37 ID:3VsErnrfo


詩菜「あらあら、当麻さんは相変わらずなのかしら」

神裂「そうみたいですね……しかし、私もご一緒させて頂いてもよろしいのですか?」

詩菜「ええ、何も気にせずに楽しんでくださいね」

神裂「水着を買いに連れて行ってくださったり……本当に申し訳ありません」

詩菜「いえいえ。ところで、この子は大丈夫なのかしら?」

サーシャ「……日本は、暑いです」

神裂「ロシアから来たので暑さには弱いのだと思います。疲れもあるみたいですし……」

詩菜「だからぐったりしているのですね。じゃあ私が面倒を見ておきますよ」

サーシャ「……暑いです」

詩菜「あらあら。はい、かき氷ですよ。あーん」

サーシャ「あむ……」シャクシャク

詩菜「美味しいですか?」

サーシャ「第一の回答ですが、冷たくて甘くて美味です」

神裂(とりあえず、無事なようですね)

730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:08:30.26 ID:3VsErnrfo


インデックス「行くよー」

上条「…………」 土御門「…………」 ステイル「…………」 アウレオルス「…………」

インデックス「よーい……ドン!」

上条「うおおおお!!」

土御門「げっ! カミやん速すぎだぜい!」

ステイル「ぼがが……がぼぼ……」

アウレオルス(水の抵抗を計算すれば……勝てる!)


刀夜「いや、若いというのは羨ましい」

インデックス「クラゲも居るのに水泳対決なんて、大丈夫なのかな?」

乙姫「それより、一人溺れているような気がするんだけど……」

刀夜「そういえば……先生とあの不思議な女の子はどこへ行ってしまったのだろうか」

インデックス「あっ……小萌と短髪は忙しいからって帰ったんだよ!」

刀夜「そうか……そしてまた新たに当麻の知り合いが二人。当麻は楽しくやってるみたいで何より、と思っておくべきかな」

乙姫「えっと……溺れてる人が居るんだけど……」

731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:09:16.07 ID:3VsErnrfo


夜 海岸


上条「よし、肉焼け! 肉!」

インデックス「おにく! おにく!」

詩菜「そんなに慌ててもお肉は逃げないから大丈夫ですよ。はい、あーん」

サーシャ「あむ……」

ステイル「僕にはお茶をお願いするよ」

上条「だからそれぐらい自分でやれって……ん?」


神裂「これが子供の頃の上条当麻ですか」

アウレオルス「この髪形は昔からだったのか……不思議なものだ」

乙姫「お兄ちゃんは昔から何も変わってないからね」

土御門「学園都市に入ってからの写真もたくさんありますにゃー」

刀夜「ええ、他にもありますからどうぞ見てください」

上条「何見てんのかと思ったら……また懐かしくて恥ずかしい物を」

インデックス「とうま……小っちゃい頃は可愛かったんだね」

神裂「それがこうなるのですか……」

土御門「時というものは残酷ぜよ」

上条「うるせえっつうの!」

732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:10:03.34 ID:3VsErnrfo


アウレオルス「そういえば……額縁に入った絵というのは、本当にこれで良かったのか?」

刀夜「これで間違いありません。この絵は……私達の宝物ですから」

上条「……そんな子供の頃の落書きなんて取っておかなくても良いのに」

インデックス「照れてるの、とうま?」

詩菜「あらあら、当麻さんはこういうのでむず痒かくなったり、気恥ずかしさでいっぱいになったりするのかしら」

ステイル「良い家族じゃないか。何を恥ずかしがっているんだい?」

神裂「そうですよ。ご家族は大切にした方が良いと思います」

乙姫「お兄ちゃん、素直になりなよー」

土御門「そうだぜい、カミやん」

上条「……やり辛い事この上ない」

733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:10:48.34 ID:3VsErnrfo


翌日


刀夜「当麻。色々あるだろうが体には気を付けるんだぞ」

上条「分かってるって。そっちこそ、変なお土産とかにはもう手を出すなよ?」

刀夜「ああ……もう家を失いたくは無いからな」


詩菜「本当に大丈夫なのですか? もう少し休んでいった方が良いんじゃないかしら?」

サーシャ「第一の回答ですが、だいぶ良くなりましたので心配しなくても問題ありません。お世話になりました」

詩菜「いえいえ、また一緒にご飯を食べましょうね」

サーシャ「第二の回答ですが、機会があれば必ず」



刀夜「では、ここでお別れだな。……皆さん、不出来な息子ですが当麻をこれからもよろしくお願いします」

インデックス「私に任せれば問題ないんだよ!」

上条「一番言われたくねえヤツに言われてもなあ……」

乙姫「お兄ちゃん、ばいばーい!」

詩菜「また秋に会いましょうね、当麻さん」

上条「ああ、またな」

734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:12:04.25 ID:3VsErnrfo


土御門「じゃ、オレ達もこの辺でオサラバさせてもらいますぜい」

上条「ん? 一緒には帰れないのか?」

土御門「土御門さんは忙しいんですたい。じゃあなカミやん、また新学期に」

神裂「何かあった時はすぐに駆けつけますから、その時にまたお会いしましょう」

上条「出来ればそんな事が無いと助かるんだけどな……」

アウレオルス「また会おう、禁書目録」

インデックス「うん、気を付けてね?」

アウレオルス「当然。禁書目録と再び会うまでこの世を去る事など有り得ぬ」

インデックス「えっ? あっ……う、うん」

ステイル「……無駄口叩いてないでさっさと行こうか」

上条「どうしたステイル?」

ステイル「何でも無いさ」

上条「そうか? おっ……タクシーも来たし、行くぞインデックス」

インデックス「うん! みんな、またねー!」

735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:13:01.01 ID:3VsErnrfo


ステイル「……さて、神裂。僕達はイギリスに戻ろうか」

神裂「ええ。……何やら不穏な動きがあるとの報告もあります、急いで戻りましょう」

ステイル「不穏な動き? まったく……次から次へと厄介事がやってくるね」

土御門「その厄介事を何とかするのがオレ達の仕事だからにゃー。さて、アウレオルス=イザード……お前に話がある」

アウレオルス「……処分でも決まったか?」

土御門「お前にまた選択肢を与える。一つはイギリスに行き……その先は言わなくても分かるだろう?」

アウレオルス「……もう一つは」

土御門「もう一つは――オレの代わりに学園都市に今回の件について報告する役だ」

アウレオルス「報告……?」

土御門「ああ、『御使堕し』みたいな事が起こせるって分かったんだ。当然、あらゆる勢力がその情報を求めるだろう。
     学園都市も科学の領域だがその情報が不要、と言う訳じゃない。むしろその逆かもしれないにゃー」

アウレオルス「魔術の領域の情報も得て、少しでも優位に立つよう努めるのは自然か」

土御門「そういう事ですにゃー。さあ……どうする?」

アウレオルス「……しばらくの間、世話になろう」

土御門「賢明な判断だ。そうと決まればオレと学園都市に戻るとするか」

736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:13:51.65 ID:3VsErnrfo


ステイル「では、君ともここでお別れだね」

アウレオルス「そういう事になるな。安心しろ、禁書目録は私が守る」

ステイル「……全然、安心できないね。やっぱり僕も学園都市に!」

神裂「落ち着きなさい、ステイル。……サーシャ=クロイツェフ、一人で戻れますか?」

サーシャ「第三の回答ですが、もう問題は無いと思われます」

土御門「あと、『御使堕し』の情報に関してはイギリス清教に直接聞いてみてくれ」

サーシャ「了解しました」

神裂「では、気を付けて」

サーシャ「そちらも、無事を祈ります」

737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/07/30(土) 11:15:09.99 ID:3VsErnrfo


タクシー

上条「色々あったけど……何とかなって良かったな」

インデックス「そうだね。ところでとうま、私は誰に入れ替わってたの?」

上条「えっ? それは……」


一方デックス『とォまァ、はい……あァン』


上条「……コメントに困る所だ」

インデックス「どういう事なの? その人は可愛かった?」

上条「それが一番コメントに困る所なんだ」

インデックス「……?」

738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/07/30(土) 11:20:34.69 ID:3VsErnrfo
という訳で四巻は終わりです。読み辛かったり分かり辛かったり等はごめんなさい
色々残念で時間も空いたり…それでも続きます。次は8月31日…の前に一つやるべき話をしてからだと思います

8月31日はもちろんやります。上条に近づく魔術師が二人もしくは四人だったりするかもしれません
少しでも暇つぶしになればいいのですが、それではまた
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/31(日) 06:33:39.99 ID:RaKxTYYAO
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/31(日) 12:39:20.09 ID:XFThbbHWo
乙!
今このスレが一番楽しみだ
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/31(日) 14:36:01.11 ID:JdnB5qzoo
>>1
上条の回想の一方デックスのセリフが喘ぎ声にしか見えない
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/31(日) 21:30:30.07 ID:IBJIQ5C10
>>741
そげぶ
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/31(日) 21:38:25.05 ID:jdrsxRuZo
>>741
俺もだった
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 21:58:10.68 ID:3eGXN/jho
俺も
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/17(水) 01:04:10.87 ID:Q100m/Oz0
俺も
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/17(水) 01:39:22.92 ID:Avys2ud/0
>>745
sage繧阪dks
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/17(水) 01:42:35.77 ID:Avys2ud/0
>>746が中国人になってるけどスルーしてなw
あと、>>745よ、sageなされ。
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 01:44:03.54 ID:3z4hSltV0
        ,.  ´ ̄ ̄`ヽ
      /        `    \
     /     _,.z=≠`ヾヾハヽ\
    /    _彡'         ! } ハ
   /     〃  __    | ハ i
    |  /  /ミ / ̄ ̄ヽ  j/=ミ、 !
    | i /  / ミ  ,xィ芹ミ  ({,芹ミハ ∧ 「お姉さんの苦手なものですか?
   ヽ{  「ヽミ 爪rり    {rリ {(ヽ | 大きくウサギを描かれたパンツか、
    ヽ  ト、 〉   ¨´    、¨  Y,ノ/ 辛い物全般だと思いますけど」
  、___ハ :!ヽ^_            八/
  ヽ__人 \{__>、  c‐っ ,イ{乂_ノ
    >―ヘヽ\>‐=ミ-=≦r=ミく
   ´ ̄ ̄_)ノ〃-、:::::::::ヽ: : :}:::::::::::}}
      ,.┴、{    V::::::}_}ノ:::::::::://
      /  ∧ヽ_ノ::::::ノ__八_/∧〉、
     ,'  /: : !: !:ー‐': : : :ヽ: : : : :ヽノ\
     |  |: : : V: : : : : : : : : : : : : : :}: : : \
     |  |: : : }_: : : : : : : : : : i: : : _/: : : : : :\
     ハ  |: {: :!: :: : : ―- : : 〈: : : : :\: : : : : : \
    ヽ  |: : V: : : : : : : : : : : :ヽ: : : :} \: : : : : : :\
     |  |: : ∧_ヽ_ : : : : : : : : : }: : :/   \: : : : : : :\-、
     | |: : :| 冫 /: : :―-: : : 〈-‐: :ヽ    \: : : : : : : : ヽ
     | !: : :|  {: :{: : : : : : : : : :ヽ: : : : }      \: : : : : : :}―- /〉
   / :/ : : |   〉―- 、: : : : : : : }: : :ノ、       \___/_<ノ
   |  :|: : : :! /: : : : : : : :‐-: : :ノ : : : : ヽ             \〉
   /  |: : :/ /: : : : : : : : : : : : : :ヽ : : : : :}
  /   /: : :| {: : : : : : : : : : : : : : : }: : : : /
  |  /: : : :|  冫=ミ、: : : : : : : : :ノ: : : ∧
  |  /: : : : ! /  /::::::::::::::≧=----=彡:::::i
 ∧ {: : : : /  | /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
 ヽ 〉: : : }  | /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/08/17(水) 13:08:19.30 ID:faYnlyOB0
続き!続き!
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/08/22(月) 20:18:50.25 ID:iFLaxxCro


 一方通行は不幸な人間である。

 彼は学園都市に七人しかいないとされる超能力者の一人であり、その序列においては第一位とされている。
この序列は単純な戦闘能力で判断されている訳ではないが、彼のその力は間違いなく学園都市最強であろう。

 しかし、一方通行は不幸な人間である。

 まだ一方通行が小さかった頃、気付かぬうちに能力が働き、罪も無い子供を怪我させた事があった。
そこから話は大きくなり最終的には目に見える「力」が彼を囲み、威圧した。その時の一方通行は、


一方通行「えっ……? なンでこンなに囲まれてンだ……?」


 とか思いながらビクビクしたり、知らない男に銃を向けられたりもした。
最終的に、彼は学園都市の研究施設にお世話になる事となった。
一方通行の能力に目を付けた研究者は数多く存在し、彼は研究のために様々な形で利用された。

 そんな一方通行に深く関わりを持った一人の研究者がいた。その男は少年にあらゆる事を教えた。
少年にとって彼との生活は良い意味でも悪い意味でも大切な時間であっただろう。

 その男とも別れ、一方通行は第一位としてさらなる高み――「絶対能力者」を目指す。
「絶対能力者」、そこへと行くための方法は文章で表せるようなものではなく、残虐非道と言っても良い。

 「絶対能力進化計画」、それは順調に進行していたはずだった。しかし、夏の終わりに衝撃的な事実が判明する。

 もう一度言うが、一方通行は不幸な人間である。

751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/08/22(月) 20:20:27.74 ID:iFLaxxCro


研究所

一方通行「……もォ一度言ってくれねェか?」

芳川「聞こえなかった? 『実験』は中止……いや、凍結する事が決定したわ」

一方通行「…………はァァああァァァァァァァァぁあああ!?」

芳川「そんな大声を出さなくても良いでしょうに。わたしだって急な事で驚いているのよ」

一方通行「いや、いやいやいや意味分かンねェよ! 何がどォしてそォなったンだ!?」

芳川「計画が『樹形図の設計者』の導き出した結果を基に進められていたというのは知っているわよね?」

一方通行「あァ、確か七月の終わり頃に謎の攻撃を受けて破壊されたってのも聞いたな」

芳川「その通り。でも、『実験』自体は続行されていた。結果や数値自体には問題は無いと判断された事でね」

一方通行「それがどォして中止になるンだよ!」

芳川「わたしも詳しくは知らないけれど、『樹形図の設計者』の一部分が発見されたみたいなの」

一方通行「……何?」

芳川「もともと宇宙空間に浮かんでいるでしょうから回収する事自他は不可能ではない。
    でも、それをするにはそれなりの準備と人員が必要になる。その形跡が見られないらしくてね」

一方通行「見つかってねェはずの物が見つかったってか? ……面倒な事になりそうだな」

芳川「それ自体は今は関係ないわ。本題に戻るわよ、『上』から通達があってね」

一方通行「上? 上だけじゃ分かンねェだろォが」

芳川「『上』は『上』よ、言わなくても分かるでしょう? 要は、わたしにも分からない所からって事ね」

一方通行「……信用できなくても従うしかねェって事か。で、それがどォしたンだ?」

芳川「実際に見れば分かってくれると思うわ。……心を落ち着かせてから見るように」

一方通行「そンな必要ねェな、さっさと見せやがれ」

芳川「……きっと後悔するわよ。まあ、キミはどの道ショックを受けるだろうからどうでもいいかしら」

一方通行「いいから早くしろ」

芳川「分かったわ、……これよ」

752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/08/22(月) 20:22:24.80 ID:iFLaxxCro





         熱源を感知し、「樹形図の設計者」は破壊されると結論。


         最後に一つ、「絶対能力者」になるために二万通りのイタズラを「一方通行」にしろ、
    

         って結果を出しましたが……二秒前に分かったんですけど、どうやらそれでは無理っぽいです。


         ごめんね


                                           樹形図の設計者より

  



一方通行「………………………………………………………………………ええェええェェェええええ!?」

芳川「そうね、そんな風に反応するのが普通よ」

一方通行「何だコレ!? つうかこンな文章作れたのか!? ってツッコむ所はそこじゃねェ!!」

芳川「落ち着きなさい、一方通行。現実は非情なのよ、いつ何が起きるかなんて誰にも分からないの」

一方通行「そォいう問題じゃねェだろォが!」

芳川「わたしも納得はいってないわ。でも、『上』から言われたのだから仕方がないのよ」

一方通行「……色々納得できねェ事ばっかでどォしたらいいか分かンねェな」

芳川「それにはわたしも同意するわ。とりあえず、もうイタズラされる事は無くなったって事ね」

一方通行「それは嬉しいが……今までやってきた事が無意味だったとはなァ……」

芳川「そう落ち込まないの。『樹形図の設計者』だって謝ってるじゃない」

一方通行「……ただのコンピューターにそンな事出来たのか?」

芳川「さあ? ともかく話はおしまい、また改めて今後の話をするからその時に会いましょう……って、どうしたの?」

一方通行「……ダメだ、動く気力が起きねェ」

芳川「無理も無いわね、ゆっくりと心を落ち着かせなさい」

753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/08/22(月) 20:23:30.50 ID:iFLaxxCro


研究所の一室

一方通行(……ったく、いきなり呼び出されて今までやってきた事は無意味でした、なンて言われたら誰でも落ち込むっつうの……)

??「おや、そこに居るのは一方通行じゃないですか、とミサカは話しかけます」

一方通行「……妹達の一人か、検体番号はいくつだ?」

御坂妹「ミサカは検体番号一〇〇三二号です、とミサカは簡潔に答えます」

一方通行「一〇〇三二号っつーと……あの時のか」

御坂妹「流石は学園都市第一位、記憶能力も素晴らしいですね、とミサカは評価してみます」

一方通行「うるせェよ。……なァ、オマエは『実験』の事は知ってるのか?」

御坂妹「ええ、妹達全員その事に関しては把握しています、とミサカは答えます」

一方通行「まったく……いきなり中止とかイイ迷惑だ」

御坂妹「ミサカも一方通行にイタズラがもう出来ないと思うと残念でなりません、とミサカは自身の気持ちを吐露します」

一方通行「……訂正、中止になって良かった。もォオマエ達にイタズラされないってだけで十分だ」

754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/08/22(月) 20:24:51.79 ID:iFLaxxCro


御坂妹「ところで一方通行、お聞きしたい事があるんですが、とミサカは質問しても良いか許可を取ります」

一方通行「聞きたい事? 答えられそォな事なら答えてやるよ、何だ?」

御坂妹「あの方……上条当麻と呼ばれていた方とお会いしたいのですがどうすれば良いでしょうか? とミサカは思いきって質問してみます」

一方通行「ン? アイツに会いたい……何? オマエ、アイツの事が好きとかそォいう事ですかァ?」

御坂妹「そのニヤケ面を今すぐやめなさい、とミサカは命令します」

一方通行「怒らなくても良いじゃねェか。まァ、連絡先は知ってるから伝えてやろォか?」

御坂妹「そのニヤケ面には腹が立ちますが連絡をして頂けるのはありがたいです、とミサカは苛立ちを隠しながらお願いをします」

一方通行「隠せてねェけどな。そォだ、今から連絡してみ……あっ」

御坂妹「何か問題でもありましたか? とミサカは質問します」

一方通行「そォいえば、今アイツは学園都市に居ねェンだった……」

御坂妹「それは残念ですね、とミサカはがっくりと肩を落とします」

一方通行「そンなに落ち込むなって、また今度連絡してやるから」

御坂妹「本当ですか? ではよろしくお願いします、とミサカは頭を下げます」

一方通行「別にこれ位大した事じゃねェよ。しかし……あの男のどこが良いンだ?」

御坂妹「そうですね……何と言うか、カッコよくありませんか? とミサカは曖昧な答えを返します」

一方通行「へェ、あンな感じのがモテるのか…………べ、別に俺もモテたいとか思ってる訳じゃねェからな!」

御坂妹「安心してください一方通行、妹達の中にも一方通行がタイプというのも居るみたいですから、とミサカは伝えます」

一方通行「……本当か!?」

御坂妹「ええ、詳しくは言えませんが一部には人気ありますよ、とミサカは答えます」

一方通行「……まァ、どォでも良いけどな。で、一番モテてンのがあの三下って事か」

御坂妹「いえ、それが――おっと、ミサカはこの後用事があったのを忘れていました。
     という訳でここで失礼します、とミサカは足早にこの場を去ります」

一方通行「お、おォ」

一方通行(……一番人気ってのは誰なンだ?)

755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/08/22(月) 20:26:18.56 ID:iFLaxxCro


 八月三十一日、学園都市の多くの学生にとっては夏休み最後の日、そこに三人の魔術師が忍び込もうとしていた。
それぞれの目的は同じであったり異なったりするのだが、そこには共通する思いがあった。



??「――禁書目録、この科学の都市に居るとはな」


―――――――――――


??「ここに、禁書目録が……待っていてね、――――よ」


―――――――――――


??「……この都市は確か。――よ、何を考えている?」


―――――――――――


??「――さん、今日こそは……」


―――――――――――


??「ここはどこだろう……って――――は――――は不安になりながら呟いてみたり……」


―――――――――――


??「……もう悩む事は無い。妹達、必ず――」



 八月三十一日、その日はいつもより長かった。それぞれの最後の日であり、始まりの日でもある。
四人の魔術師、二人の研究者、三人の少女、二人の少年、その全てが交差したりしなかったりする時、物語は多分始まる。

756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/08/22(月) 20:34:13.56 ID:iFLaxxCro
八月三十一日に丁度終わらせたいとか思ってたがそれどころではなくなってしまった…次から五巻開始
それと、このスレはアニメだけって人向けに作っているつもりですがで原作が無いと困ったりもします
そして次からは原作+アニメを見ただけでも困るかもしれません。また書き溜めてから来ます
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/22(月) 22:34:02.09 ID:n9bOOwgOo
乙です
原作+アニメで補完むりならどうすんだよwww
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/22(月) 22:37:28.31 ID:ooAoihfco
楽しみに待ってるおっおっおっ
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/22(月) 22:38:25.64 ID:eMOuDAa6o
乙!
楽しみに待ってまっせい!
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/08/26(金) 15:33:01.16 ID:OJnZNIpQ0
魔術師が二人ほど増えている気がするよって――――は――――は誰だろうって考察してみる。
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:11:53.04 ID:bERxIDLso


上条(……暑い、何だこの暑さは、って……何だとォォォォォおおおお!?)

インデックス「……すー、すー……むぅ、」

上条(落ち着け、上条当麻。冷静になるんだ……まず、ここはどこだ?)

A、上条の部屋の風呂場である。ベッドをインデックスに使わせているので上条は一人で「風呂場」で寝ている。

上条(そう、風呂場だな……次、どうして俺は寝ている?)

A、海から帰り、その日は何もする気が起きずそのままグダグダ過ごし、夜になり眠る事にしたからだ。

上条(その通り、俺は眠っていたはずだ……じゃあ、俺の隣で寝ているのは誰だ?)

A、インデックスである。インデックスは寝ぼけて風呂場に入って来てそのまま上条の横で寝てしまう事もあるからそれであろう。

上条(そうだよな……でも、風呂の扉には鍵をかけたはずだ!)

A、自分ではキチンと鍵をかけたと思っても、実際はかかってない事ってあるじゃんよ?

上条(……ですよねー。とりあえず、インデックスを起こさないようにしながらここから抜け出さないと……)


 上条は慎重に自らの身体を起こし、少しずつ、少しずつ動きながらこの場を抜けようとした。
なんだか甘い匂いがしたり、ちらりと見えそうな少女の下着なんかが上条をドギマギさせていたりもしたのだがそんな場合ではない。
しかし、上条の努力も虚しく――


インデックス「……んう、あれ? 私、いつの間に……っ!」

上条「……げえっ!?」

インデックス「…………」

上条「…………」


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762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:12:47.47 ID:bERxIDLso


インデックス「……とうま? 何か言う事は無いの?」

上条「……違うぞ! お前が勝手に入ってきたんだからな!」

インデックス「とうま? 罪にさらに罪を重ねる事は良くないんだよ? 嘘をつくのはやめて欲しいかも!」

上条「だから違うっつうの! テメェが勝手に入って来たくせに……な、何だよその目は」

インデックス「……とうまの、えっち」

上条「違ぁぁぁぁぁぁう! 誰がテメェみたいな幼児体型なんかに……ハッ!」

インデックス「……とーうーまー!!」

上条「噛みつきだけは勘弁を! どうかそれだけは後生でございますから!!」

インデックス「問答無用なんだよ! それに幼児体型ってのは酷過ぎるかも!」

上条「なに、そこが怒りポイントなのか!? だったら褒めてやる! そのシャツからちらりと見えそうな下着とか、
    すべすべしてそうな肌とかが上条さん的には……って、これじゃ変態みたいじゃねーか!!」

インデックス「と、とうま……そんな事……考えてるの?」

上条「違う! 違わないけど違う! ともかくインデックスに変な感情なんか持ってないから安心し……アレ?」

インデックス「…………とうま、最後に言いたい事はある?」

上条「……すいませんでしたぁぁあ!」

インデックス「許さないんだよぉぉぉ!!」

上条「本当にごめんなさい! 許してください!!」

インデックス「とうま、逃げても無駄なんだよ!」

上条「それでも逃げざるを得ない事もあるんだ! とりあえずベランダへ避難するしかねえ!」


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763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:13:50.86 ID:bERxIDLso


第七学区のとある道


一方通行(……いつのまにかこンな夜遅くになっちまったのか、早く帰らねェと)


 一方通行は正式に『実験』が凍結される事になったのでその説明を改めて受ける事となった。
現時点では一方通行には何も影響はない、しかし、この件に関しては誰にも漏らさないようにと念を押されたくらいであった。


一方通行(ただそれだけでどォして時間がかかるンだ……ったく、面倒だ)


スキア「あれ? 一方通行さんじゃないっすか!」

スキア2「本当だ、チーッス一方通行さん」

一方通行「……オマエ達、こンな時間に何やってンの?」

スキア3「今日で休みも終わりじゃないっすか! だからパーッと騒ごうって事になったんすよ」

一方通行「とか言いながら、どォせ初日からサボったりするンだろ?」

スキア「それもそうっすねー。まあ、騒げりゃいいんっすよ!」

スキア2「どうっすか、一方通行さんも一緒に?」

一方通行「あー……パス、早く家に帰って眠りてェンだ」

スキア3「マジっすか、残念っす……そういえば、噂の『ウニ男』は本当に何もしなくて良いんっすか?」

一方通行「あァ、ソイツに関しては放っておいてくれ。オマエ達のリーダーからも言われただろ?」

スキア「へいへい、わっかりましたー。でも、何かあったら言ってくださいよ?」

一方通行「オマエ達に心配されたくはねェけどな」

スキア2「酷っ! まっ、とりあえず気を付けてー」


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764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:14:39.31 ID:bERxIDLso


一方通行(『ウニ狩り』はどォやら収まったみてェだな。ったく、アイツも不幸なヤツ……ン?)


「許さないんだよぉぉぉ!!」

「本当にごめんなさい! 許してください!!」


 一方通行のはるか頭上、建物の七階か八階くらいから少女の声がした。
その後に男の声もしたところから、ただの痴話喧嘩だろうとしか一方通行は思わなかった。


一方通行(こンな時間にでけェ声出しやがって……近所迷惑だろォが)


「とうま、逃げても無駄なんだよ!」

「それでも逃げざるを得ない事もあるんだ! とりあえずベランダへ避難するしかねえ!」


一方通行(とォま……? それに聞き覚えのある声……まさか)


上条「やめろ! やめてやめなさい! 噛みつきだけはご勘弁を!」

インデックス「往生際が悪いね……諦めるんだよ、とうま!」

上条「ひいい! 誰か助けてー!」


一方通行「おーい、三下ァァ!」


インデックス「あれ? この声は……」

上条「そこに居るのはもしかして……一方通行?」


一方通行「あァ? 聞こえねェからもっと大声で……って、これじゃ俺も近所迷惑にしかならねェな。仕方ねェ……」ピポパ


上条「何言ってるか聞こえねーな……って電話だ、もしもし?」

一方通行『よォ、大声出して会話するのもアレだから電話にしたぞ』

上条「ナイス判断、そして……ナイスタイミングだ」

一方通行『ハア? 何だそれ?』

上条「気にしないでくれ。という訳でインデックスさん、電話中なので噛みつきは遠慮してくれよ」

インデックス「……むう」


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765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:16:04.36 ID:bERxIDLso


一方通行「こンな時間まで大騒ぎとか、ずいぶン元気みてェじゃねェか」

上条『騒ぎたくて騒いでる訳じゃねーけどな……そっちこそ、こんな時間に外に居るなんて何かあったのか?』

一方通行「別に大した事じゃねェよ。……いや、大した事かもしれねェな」

上条『……何だそれ?』

一方通行「……気にすンな。で、オマエは海から帰ってきたばかりってトコ?」

上条『いや、昨日帰ってきてそのままぐたーって眠っちまってさ……』

一方通行「そォか……おい、何か忘れてねェか?」

上条『ん? 忘れてるって、何をだ?』

一方通行「手配してやった俺に何か感謝の気持ちは無いンですかァ?」

上条『ああ……そういう事か。土産だったらちゃんと買ってきたぞー』

一方通行「へェ、三下のくせに気が利いてるじゃねェか」

上条『うるせえっつーの! 今渡すのも微妙だし、明日渡しても大丈夫か?』

一方通行「あァ、それで良い」

上条『じゃ、今日はこの辺で……待て、インデックス! 噛みつくにはまだ早い!』

インデックス『これでも待ってあげたんだから感謝してほしいかも!』

上条『やめろおおおおおお!! そこはし――』プツッ

一方通行「おい、三下!? …………切れちまったか」

一方通行(なンか……自分より不幸なヤツが居るって思えば、頑張れそォな気がするな)


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766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:16:45.98 ID:bERxIDLso


 夏休みの最後の日に予定が出来た事に一方通行は若干気分を良くしていた。
それもそのはず、『実験』や研究所で出会うのは同じ研究者、そして同じ顔の少女達であるから無理も無い。
そういう訳で一方通行は片手に持ったコンビニの袋を揺らしながら帰り道を歩いていた。

 その途中、通り慣れているはずの道を歩いている時、一方通行は違和感を感じた。


一方通行(……ン? この道、こンなに薄暗かったか……?)

    (……気のせいか、さっさと帰らねェと……そういえば、昨日)


―――――――――――


TV『恐怖! 夜道に現れる布を被った子供……』

一方通行「あァ? 夏だから心霊特集ってヤツか……くだらねェ……」

『いつもと何かが違う帰り道、そして感じる視線……』

一方通行(……オカルトだ、こンなの作り話だ)

『歩いていると後ろから……足音が。振り返っても、誰も居ない……』

一方通行(…………オカルト、これはオカルト……)

『また前を向き歩き出したAさん。しかし、やはり足音がする……振り返ってみてもやはり誰も居ない……』

一方通行(オイ、これ……マジか……?)

『また前を向き歩き出す、そして聞こえる足音……早足にしてもその足音は消えずまるで追って来ているかのよう……』

一方通行(……やべェよ……これ、ダメなヤツだろ……別の番組に……っ!? クソッ、こンな時に限ってリモコンが見つからねェ……)

『Aさんは勇気を出して振り向きながら声を出しました。「だ、誰だ! どうしてついてくるんだ!?」』

一方通行(ひ、ひィィ…………)

『ですが、何も返事はありませんでした……Aさんはホッとして再び前を向きました。――そこには、』

一方通行(…………)ゴクリ

『布を被った子供が立っていました。顔は見えず、ただ黙って立っているだけでした。
 Aさんはその子に、「こんな時間にどうしたんだい? 夜道は危ないぞ?」と声を掛けました』

一方通行(何だよ……ただの子供じゃねェか……ビビッて損したっつーの)

『子供は黙ったままでした。しばらく返事を待っていると、子供は自分が被っていた布に手をかけ、』
 その布を取り、まっすぐにAさんを睨みつけてきました。その子供の体は――』

『全身血だらけだったのです。そのままAさんにすがるように近づきながら子供は「痛いよ……痛いよ……」、と』

一方通行「ひ、ひィィィィィィいいい!?」

『Aさんはその子供を振り払おうとしましたが子供とは思えない力を持っており、そのまま地面に倒され……首に手を』

一方通行「やめろォォォォォ!!」バガン

    「はァ……はァ……オカルト、オカルト……こンなの何も怖くなンか……あっ」

    「テレビ、壊しちまった……って音なンて反射すれば良かったのに何やってンだ……俺……」


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767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:17:17.56 ID:bERxIDLso


一方通行(あンなくだらねェもン、見るんじゃなかったな……まさか、……いや、考える必要なンてねェ)

    (……しかし、なンか……こォ、意識しちまうな……後ろに誰も……あァ?)


??「…………」


一方通行(あれは……何だ? 毛布を被った……ガキ?)


??「…………」スタスタ


一方通行(……こっちに近づいてくる? いや、気のせいだ……間違いに決まってンだろォが)

??「あっ、気付いてくれたねってミサカはミサカは声をかけてみる」

一方通行(……俺に話しかけて来たァァァァ!?)

??「あれ? 聞こえてないの? もしもーし、ってミサカはミサカはもう一度呼びかけてみる」

一方通行「で、で……」

??「……で?」

一方通行「出たァァァァァあああ!!」

??「うわあっ!? 急に大声出してどうしたの? ってミサカはミサカは訪ねてみたり……」

一方通行「ひ、ひィィィ!! 来るな! 来るな来るなァァァ!!」

??「な、何でそんなに怯えているの……? ってミサカはミサカは心配してみる」

一方通行「近づくなァ! ごめンなさい……もォ眠る前に甘い物は控えますから許してください……ちゃンと歯も磨きますからァ……」ブルブル

??「……色々大丈夫? ってミサカはミサカはさらに心配してみる」

一方通行「イヤだ……死にたくねェ……」

??「……もしかしてアナタって電波ちゃん? ってミサカはミサカは今度は別の意味で心配してみたり」


自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:18:13.17 ID:bERxIDLso


??「あのー、もしもーし? そんなに怯えなくてもミサカは人畜無害な存在であって
   そういう風な態度を取られるといささかショックなんだけど、ってミサカはミサカはミサカの危険性の低さを説明してみる」

一方通行「なンまいだァ……なンまいだァ……ナムアミダブツ、オンキリバサラウンバッタ……」

??「……これはもうダメかもしれないねってミサカはミサカは呆れてみたり。
   ねえねえ、こっちを見てよってミサカはミサカは正体を明かそうとしてみる」

一方通行「しょ、正体……?」

??「ふっふっふー、見て驚け! ってミサカはミサカは毛布から顔を出してみる!」

一方通行「ひィィ!? 殺され……って、あァ?」


 その動く毛布から出てきた顔に一方通行は見覚えがあった。だが、この顔とは会った事が無い。
それでも見覚えがあると感じるのは、その相手の顔がある人物達にそっくりだったからだ。


一方通行「……オマエ、もしかして……妹達の中の一人か?」

打ち止め「その通り! ミサカは検体番号二〇〇〇一、『妹達』の最終ロット産み出されたたんだけど、ってミサカはミサカは説明を始めてみる」

一方通行「最終ロット……?」

打ち止め「うん、コードもまんま『打ち止め』で本来は『実験』に参加するはずだったんだけど、結果的には『実験』は途中で終わっちゃったから
     ミサカはまだ体の調整が終わっていないの、ってミサカはミサカは一気に説明してみる」

一方通行「はァ、それでそンなにちっこい体のままってか?」

打ち止め「うん、製造途中で培養器から取り出されちゃったからこんなにチンマリしてるの、ってミサカはミサカはしょぼくれてみる」

一方通行「ふーン……なンか色々大変みてェだな」

打ち止め「そう言ってもらえると少しは報われるかも、ってミサカはミサカは人から心配された事に感謝の気持ちを抱いてみたり」


??「あのー、もしもーし? そんなに怯えなくてもミサカは人畜無害な存在であって
   そういう風な態度を取られるといささかショックなんだけど、ってミサカはミサカはミサカの危険性の低さを説明してみる」

一方通行「なンまいだァ……なンまいだァ……ナムアミダブツ、オンキリバサラウンバッタ……」

??「……これはもうダメかもしれないねってミサカはミサカは呆れてみたり。
   ねえねえ、こっちを見てよってミサカはミサカは正体を明かそうとしてみる」

一方通行「しょ、正体……?」

??「ふっふっふー、見て驚け! ってミサカはミサカは毛布から顔を出してみる!」

一方通行「ひィィ!? 殺され……って、あァ?」


 その動く毛布から出てきた顔に一方通行は見覚えがあった。だが、この顔とは会った事が無い。
それでも見覚えがあると感じるのは、その相手の顔がある人物達にそっくりだったからだ。


一方通行「……オマエ、もしかして……妹達の中の一人か?」

打ち止め「その通り! ミサカは検体番号二〇〇〇一、『妹達』の最終ロット産み出されたたんだけど、ってミサカはミサカは説明を始めてみる」

一方通行「最終ロット……?」

打ち止め「うん、コードもまんま『打ち止め』で本来は『実験』に参加するはずだったんだけど、結果的には『実験』は途中で終わっちゃったから
     ミサカはまだ体の調整が終わっていないの、ってミサカはミサカは一気に説明してみる」

一方通行「はァ、それでそンなにちっこい体のままってか?」

打ち止め「うん、製造途中で培養器から取り出されちゃったからこんなにチンマリしてるの、ってミサカはミサカはしょぼくれてみる」

一方通行「ふーン……なンか色々大変みてェだな」

打ち止め「そう言ってもらえると少しは報われるかも、ってミサカはミサカは人から心配された事に感謝の気持ちを抱いてみたり」

一方通行「……で、その打ち止めってのが俺に何か用でもあるのか?」


自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:19:21.46 ID:bERxIDLso


打ち止め「アナタは『実験』のカナメだから研究者さんともコンタクトが取れるよね? ってミサカはミサカは確認をとってみる」

一方通行「あァ、その通りだけどよォ……それがどォしたンだ?」

打ち止め「それなら研究者さんに頼んで培養器を用意してもらいたいな、ってミサカはミサカは自分の希望を述べてみたり。
     このままだと肉体も人格も不安定だから何とかしなくちゃいけないの、ってミサカはミサカは状況を説明してみる」

一方通行「なるほどねェ……分かった、大変そォだし明日にでも連絡をしてやるよ」

打ち止め「おー! 理解ある協力者に出会えて良かったー、ってミサカはミサカは喜んでみたり!」

一方通行「連絡するだけでそンなに喜ばれるとはなァ……」

打ち止め「えーと……もう一つお願いがあるんだけど、ってミサカはミサカはさらに希望を言おうとしてみる」

一方通行「なンだ? 言ってみろ」

打ち止め「ミサカは今は家なき子だから……出来ればアナタの家に泊めて欲しいんだけど、ってミサカはミサカは頼んでみたり……」

一方通行「……仕方ねェな、ついて来い」

打ち止め「わーい! お世話になりまーす、ってミサカはミサカはアナタの横に並んでみる!」

一方通行「一晩だけだからな。……そォいえば、何でそンなボロッちい毛布なンか被ってンだ?」

打ち止め「……えっと、この毛布は……その、」

一方通行「?」

打ち止め「……今、ミサカを包んでいるのはこの毛布さんだけなの、ってミサカはミサカは恥を忍んで説明してみる」

一方通行「……毛布一丁、って事か」

打ち止め「…………」コクリ

一方通行「……予定変更、まずは明日、服買いに行くぞ。そンな格好で街歩かせたら俺が捕まっちまう」

打ち止め「ううっ……こんなに優しくされるなんて思いもしなかった……ってミサカはミサカは今日までの苦しい道のりを振り返ってみる」

一方通行(……俺の周りには不幸なヤツしか居ねェのか?)


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770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:19:55.49 ID:bERxIDLso


一方通行の部屋


打ち止め「おっじゃまっしまーす! ってミサカはミサカは勢いよく部屋に飛び込んでみる」

一方通行「そンなに慌てる必要ねェだろォが……」

打ち止め「へー、意外とキレイにしてるんだねー、ってミサカはミサカは感心してみ……」

一方通行「あァ? 急に黙ってどォした?」

打ち止め「ねえ、あの壁の落書きってもしかして……ってミサカはミサカは訪ねてみる」

一方通行「……聞くまでもねェだろ、見ての通りだ」

打ち止め「……壁にでっかく『ミサカ参上!!』って書いてあるね、ってミサカはミサカは呆然としてみたり」

一方通行「『妹達』の一人にやられたンだ……朝起きた時に壁に落書きがされている場合を考えた『実験』があってな」

打ち止め「……アナタも結構大変なんだね、ってミサカはミサカは同情してみる」

一方通行「オマエ達のせいだけどな。……まァ、今考えても意味分かンねェ実験だったから仕方ねェ」

打ち止め「イタズラする側は結構楽しかったみたいだよ、ってミサカはミサカは他のミサカ達の気持ちを代弁してみる」

一方通行「……コッチは全ッ然楽しくなかったンだが」


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771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:20:51.46 ID:bERxIDLso


打ち止め「ふわぁ……さすがに夜も遅いから眠くなって来たね、ってミサカはミサカは目をこすりながら眠い事をアピールしてみたり」

一方通行「そォだな……明日はやる事があるンだ、そこのベッド使ってさっさと寝ろ」

打ち止め「でも、それだとアナタはどこで寝るの? ……ま、まさか! ミサカと一緒に寝るつもり……?
       ってミサカはミサカは身の危険と共に肌寒い物を感じてみたり……」

一方通行「黙れクソガキ、一緒になンてありえねェだろォが。俺はソファーで寝る」

打ち止め「それなら安心、ってミサカはミサカはさっそくベッドに潜り込んでみる!」

一方通行「オイ、そンなに暴れてンじゃ……ン?」

打ち止め「……zzz」

一方通行(もォ寝ちまったのか……疲れてたみてェだし仕方ねェか)

     (そォいえば、服を買いに行くっつってもドコで買えば良いンだ……?
       普通のデパートで……第七学区ならまァ、あるだろォが……そォだ、アイツに聞いてみるか)

      (まだ一時、アイツなら起きてンだろ……電話電話っと)ピポパ


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772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:21:31.26 ID:bERxIDLso


??『……一方通行、こんな時間に電話か』

一方通行「よォ、迷惑だとか悪者のオマエが言えるよォな台詞じゃねェからな」

??『……善人も悪人にも、常識という言葉は必要だと思うが……』

一方通行「それもそォだな、悪かった。起こしちまったか?」

??『……これから眠ろうとしていた所だ、その心配はしなくても良い。……世間話はこれ位にしよう、用件は何だ』

一方通行「オマエさ、前に無能力者のガキを助けたとか言ってただろ?」

??『……あまりその事については触れて欲しくないが、その通りだ……』

一方通行「照れンなって、そォいうガラじゃねェだろォが。それでそのガキに服を買ってやる、みたいな話してたよな?」

??『……よく覚えているな……』

一方通行「超能力者の記憶力舐めンなっつーの。で、本題はここからだ。……子供服が欲しいンだがどこで買えば良いンだ?」

??『……一方通行、子供に手を出したのか……』

一方通行「愉快な勘違いしてンじゃねェぞオイ! 色々あってガキを保護したンだが服がボロボロなンだよ。で、明日送るついでに服も買ってやろォって訳だ」

??『……それなら一安心だ。手ごろな店を教えてやる、データを送れば良いか……?』

一方通行「あァ、そォしてもらえると助かる」

??『……了解した、それと最後に一つ』

一方通行「なンだ?」

??『……性犯罪は、ノーだぞ……』

一方通行「死ね」プツッ


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773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:22:49.91 ID:bERxIDLso


一方通行(ったく、あの野郎……ふざけた事言いやがって。……明日は服を買って研究所に、芳川の所で良いよな)

      (……ン? アイツに土産もらうのも明日だったな……まっ、別にそれ位なら問題ねェだろ)

      (だが……不幸な三下にこのクソガキ、嫌な予感しかしねェなァ……はァ)

      (そォいえば……誰かと寝るのなンて、久しぶり……だ……zzz)
  

       八月三一日 午前二時 一方通行就寝


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774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/04(日) 19:28:22.16 ID:bERxIDLso
魔術師も美琴も出てきてないじゃない…次回からカオスになりそうです
アーカイブスvol1を聴いた方はこの先の展開が分かりやすかったりします、聴いた事ねえよって人はごめんなさい
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775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/04(日) 20:50:19.92 ID:bS+wGdYHo
>一方通行(……やべェよ……これ、ダメなヤツだろ……別の番組に……っ!? クソッ、こンな時に限ってリモコンが見つからねェ……)

クソワロタ
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/04(日) 21:13:38.00 ID:ylUM6wp6o
>>1
テレビ直接消せばいいのに…ww
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 00:52:44.36 ID:HOGNoCLyo
乙!
抜けてる一方さん可愛いな
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 07:57:49.41 ID:wYXF7xLco

一方サイドが平和すぎて和む
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2011/09/05(月) 20:44:07.73 ID:Bi0e7siT0
きてたあ
乙乙
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/24(土) 18:43:04.44 ID:cMdv4H6Io


八月三一日 午前八時二五分 一方通行の部屋


打ち止め「う、ん……朝? ってミサカはミサカは目をこすりながら身を起こしてみたり……」

一方通行「よォ、やっと起きたか」

打ち止め「ふわぁ……おはようってミサカはミサカは朝の挨拶をしてみる」
     
一方通行「朝って言うには少し遅すぎる時間だけどなァ」

打ち止め「あれ? その格好はどうしたの? ってミサカはミサカは質問してみる」

一方通行「あァ? 朝メシ作るからエプロンしただけだ、何かおかしいかよ」

打ち止め「……これは意外性抜群の家庭的一方通行! ってミサカはミサカは驚いてみたり」

一方通行「意味分かンねェ事言ってんじゃねェぞクソガキ。とりあえず顔、洗って来い」

打ち止め「分かった―、ってミサカはミサカはご飯のために顔を洗いに行ってきまーす」

一方通行(……ったく、朝から騒がしいヤツ……ってやべェ、目玉焼きが焦げちまう)

781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/24(土) 18:43:44.21 ID:cMdv4H6Io


打ち止め「うわぁ……美味しそうなご飯が目の前に……ってミサカはミサカは幸せ指数が上昇中な事をお伝えしてみる」

一方通行「ただの目玉焼きとサラダにトースト焼いただけだろォが……こンなので喜ばれるとは思わなかったな」

打ち止め「今のミサカには豪華すぎて喜びが表現できない……ってミサカはミサカは感謝の思いを何とか表現しようとしてみたり」

一方通行「何でも良いからさっさと食え、食わねェと片付けちまうぞ」

打ち止め「そんなもったいない事は絶対にさせないよ! ってミサカはミサカは目の前のご飯を死守するよう立ちふさがる!」

一方通行「うるせェな……分かったから大人しく座ってろ」

打ち止め「あれ? アナタは食べないの? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」

一方通行「コーヒーを淹れるンだ、冷める前にオマエは先に食ってろ」

打ち止め「でも、いただきまーすってのがやってみたいからアナタの準備が終わるまで待つ、ってミサカはミサカは提案を却下してみたり」

一方通行「……物好きなガキだ、仕方ねェ」

打ち止め「あれ? コーヒーを淹れるんじゃなかったの? ってミサカはミサカは急に座りだした事に疑問を持ってみたり」

一方通行「予定変更、コーヒーは食後にする。……ほら、食うぞ」

打ち止め「うん! じゃあ、一緒に……せーの」

通行止め「いただきます(ってミサカはミサカは声を合わせて高らかに食事開始を宣言する!)」

一方通行「黙って食えねェのか……ったく」

782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/24(土) 18:44:21.58 ID:cMdv4H6Io


八月三十一日 八時〇〇分 上条の部屋


インデックス「ごちそうさまでした!」

上条「……今日もがっつり三人前。相変わらずどこに入ってんのか分かんねー位食いやがって」

インデックス「むっ、まるで私が暴食しているかのように言うけど、これでも控えめにしてるんだよ」

上条「控えめでそれかよ……これ以上は勘弁してもらいたいとこだな」

インデックス「ところでとうま、今日は何して過ごすの?」

上条「そうだなー……とりあえず、今から外に出て一方通行に土産を渡してくる。インデックスはどうするんだ?」

インデックス「今日は良いお天気だから、スフィンクスとお散歩してこようと思うんだよ」

上条「のんびりとした休日って感じで良いかもなー。……まっ、インデックスさんにとっては毎日が休日な気もするけど」

インデックス「とうま、何か言った?」

上条「いや、何も。気を付けて出かけるんだぞ、それと……」

インデックス「それと、何?」

上条「いつだったかみたいに、知らない人にご飯をご馳走になるんじゃねーぞ」

インデックス「で、でも、施しを断る訳にはいかないかも」

上条「駄目だっつーの。人様に迷惑をかけないようにな」

インデックス「……誘われても、ダメ?」

上条「尚更駄目だって。腹が減ったら電話する事、分かったか?」

インデックス「うん、分かったんだよ。スフィンクスも分かったよね?」

スフィンクス「なー」

上条「本当に分かってんのかねー……」

783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/24(土) 18:44:55.40 ID:cMdv4H6Io


八月三十一日 八時三五分 常盤台女子寮の前


海原「――という訳で、お昼をご一緒したいのですが、いかがでしょう?」

美琴(……朝食の後にご飯に誘うんかい、コイツは)

海原「どうかしましたか? 美味しい魚料理が食べられるお店がありまして、お暇でしたら是非」

美琴(……うー、私は漫画の立読みをしたくて意気揚々と外に出てきたのに……どうしてこうなった)

海原「……もしや、何かご予定でもあるのでしょうか?」

美琴「あー……予定といえばそうなんだけど……その、」

海原「それでしたら自分もお供しますよ。荷物持ち位なら務めてみせますから」

美琴「いや、そういう問題でも無くて……」

海原「夏休みは今日まででしょう? 時間ももったいないですから、タクシーでもお呼びしましょうか?」

美琴(マズイ……このままだと私の漫画タイムが遠のいてしまう……)

海原「御坂さん?」

美琴(それにしても……ここ最近アプローチが激しくなったと言うか、つい前までは偶然会って挨拶するくらいのはずだったのに……)

海原「……御坂さん? どうかされましたか?」

美琴「……えっ? あ、あぁ……別に何でも無いわよ」

海原「夏の終わりと言っても暑い事に代わりはありませんからね……よろしければ何か飲みませんか?」

美琴(くうっ……あの手この手で攻めて来るわね。何とかしてこの場から離れたい……でもどうすれば)

海原「御坂さん……やはりご気分がすぐれないのですか?」

美琴「ひいっ!?」

海原「あぁ、すいません……驚かせてしまいましたか」

美琴(……顔が近いっつーの。……誰か、誰か私を助けてくれる人は)


??「――よっ、御坂。待たせて悪かったな」


美琴「へっ、誰……ってアンタは……!」

784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/24(土) 18:45:30.58 ID:cMdv4H6Io


時間は少し前 街中


上条(さて、一方通行に電話して……いや、ちょっと早すぎるか? もう少し後の方が……)

土御門「よーう、カミやん。こんな暑い中お出かけですかにゃー?」

上条「土御門か……お前も学園都市に戻ってたんだな」

土御門「後始末はキチンとしてから帰ってきたんだぜい。で、こうやって夏休み最後の日を謳歌しようって訳ですたい」

上条「最後の日くらいゆっくりさせてもらいたいもんだよな……お前も出かける所か?」

土御門「おうよ、『いもーとめーど』の夏休み特別号を買いに行くからカミやんも一緒にどうかにゃー?」

上条「妹属性なんかねえっつーの。……男一人でそんなモン買いに行くとかお前も悲しいヤツだな」

土御門「いーや、コレが一人じゃないんだにゃー」

上条「は? 他に誰が居るんだよ?」

青ピ「ボクをお忘れとちゃいますかー?」

上条「お前か……久しぶりに会った気がするけど相変わらずだな」

土御門「という訳で、カミやんも男のロマンツアーに同行してもらうぜい?」

青ピ「夏の最後の思い出づくり……嫌とは言わせへんでー?」

上条「断る、何が悲しくてテメェらとエロ本買わなくちゃいけねーんだよ!」

土御門「ノリが悪いにゃー」

785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/24(土) 18:45:56.60 ID:cMdv4H6Io


青ピ「まっ、どうせカミやんはこの夏休みも女の子とエロエロでムフフなイベントをこなしまくったんやろ?」

上条「そんなイベントある訳……あっ(そういえば……神裂と温泉に一緒に入ったな)」

青ピ「その反応……カミやーん、詳しく話してもらう必要があるみたいやね?」

土御門「ココだけの話……カミやんは年上のお姉さんとお風呂であんなコトやこんなコトをしてたみたいですぜい?」

上条「なっ……何言ってんだテメェ! 風呂の中だからってそんな事してねえよ!」

青ピ「ほーう……一緒に風呂に入ったってトコは否定せんのやね」

上条「えっ? いや、それは……」

青ピ「カミやん……無事に夏休みが終わると思うたらあかんで?」ポキポキ

上条「つ、土御門! テメェのせいで面倒くせえ事になっちまったじゃねえか!」

土御門「義妹を一瞬でも取られた恨み、忘れたとは言わせないぜよ」

上条「だからそれは……って、青髪ピアスさん? まさか本気で……」

青ピ「覚悟しいカミやん、今こそボクの隠された力を……」

上条「ひ、ひいっ!?」

土御門(さーて、そろそろ止めるかにゃー……ん? あそこに居るのは……)

786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/24(土) 18:47:10.67 ID:cMdv4H6Io


土御門「カミやん、あそこに居る女の子って確か……」

上条「それどころじゃ――女の子? アレって……もしかしなくても」

上条「御坂……だな」

土御門「何だか困ってるような感じぜよ」

上条「アイツ……仕方ねえ、助けてやるか」

青ピ「……なるほど、すぐにそうやって動くからフラグが立つんやろな」

土御門「ですにゃー。で、カミやん、どうやって助けるんだ?」

上条「こういう時はな……こうやるんだよ」ダッ

青ピ「急いで女の子の所に行って……」

土御門「爽やかな笑顔で……」


上条「――よっ、御坂。待たせて悪かったな」


青ピ「定番中の定番……こんなんで上手く行くんやからやってられんなー」

土御門「不幸体質でフラグ体質とか、幸せなのか不幸せなのかハッキリしてもらいたいぜよ」

青ピ「出会いも何も無いボクからしたら、羨ましい事この上無いで……」

土御門「まったくだにゃー」

787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/24(土) 21:42:18.24 ID:Gug9v+XAO
ちょっwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
そこで終了すか!wwwwwwwwwwwwwwww
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 21:49:32.46 ID:JZb6mYOLo
このSS楽しみにしてるの俺なんすよwwwwwwwwwww
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 21:49:36.88 ID:vSdnOuQ1o
>>1乙?
エツァリたんキター?
一方たんの作った目玉焼き食いてぇ…
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/25(日) 16:01:24.16 ID:maf1Lx7So


美琴「あ、アンタ、どうしてここに……それに『待った』って何よ……」

上条「ほら、今日は一緒に出掛ける約束だっただろ?」

美琴「え、……えええぇぇぇえええ!? そ、そそそそれって……で、でで……デデデ……!」

上条「デデデ? 何言ってんだお前? とりあえず時間も無いし行くぞ」グイッ

美琴「えっ? あっ、ちょっと、急に腕を引っ張らないで……」

海原「待ってください、今御坂さんと話しているのは自分なのですが」

上条「あー、それもそうなんだけど……俺、コイツと約束してたんだ。だから悪い、今日の所は諦めてくれ」

海原「……御坂さん、それは本当でしょうか?」

美琴「それは……(ちょっと、どういう事よ!?)」

上条「(……前もやっただろうが、こうすればこの場は逃げられるだろ?)」

美琴「(……なるほど、アンタにしては気が利いてるわね)」

上条「(一言余計だっつーの)」

海原「御坂さん、この方と約束していたと言うのは本当なのですか?」

美琴「そ、そうなのよー。だから今日はご一緒できませんって事で理解してもらえると嬉しいんだけど……」

海原「……そうですか、分かりました。では――」

上条(よし、これで大丈夫か……)

海原「自分もお供しますよ、何か手伝える事があるかもしれませんから」

上琴(……諦め悪っ!)

791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/25(日) 16:01:52.36 ID:maf1Lx7So


海原「お食事も自分なら良いお店をご紹介できます、それなりに役に立つとは思いますが」

上条「(……おい、このままだとマジで付いてきそうだぞコイツ)」

美琴「(うー……アンタ、何とかしなさいよ)」

上条「(結局は俺任せかよ……)」

美琴「(私を助けてくれるんでしょう!? 上手い事やって何とかして!)」

上条「(無茶苦茶言うなよ……)」

海原「……何をお話しなさっているのですか?」

上条「えーっと……今日は俺と御坂の二人で出かけるつもりだったから、アンタに居られると困るんだ」

美琴「な、ななな……!」

海原「……失礼ですが、あなたと御坂さんはどういったご関係でしょうか」

上条「関係? 別にそんなの知る必要ないだろ?」

海原「もし、お友達という事でしたら自分もご一緒したいと思います」

上条(この粘り……しつこい男ってヤツか)

海原「ですが、もし恋人同士……という事でしたら大人しく自分はここで去ります」

美琴「こ、こここここ……!」

上条「あー……どうしても知りたいのか?」

海原「ええ、どうしてもです」

上条(……実際の所、友達っつーか知り合い位なんだよなー。でも、それを言ったらコイツはついてきて御坂は困る……)

海原「お答えいただけますか?」

上条(……仕方ねーか、今だけは嘘ついとくしかねーよな)

上条「分かったよ、教えてやる。俺と御坂は――」

792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/25(日) 16:02:27.71 ID:maf1Lx7So



上条「俺と御坂は――恋人同士ってヤツだ」



美琴「な、ななにぬなにぃぃ 「キャー!!」 「嫌ぁぁぁぁぁああああああ!!!」

上条「……ん? キャーってどこから……なっ!?」


 上条達のやり取りを最初から見守り続けていた者達が、上条のその宣言に対し歓声(一部、絶望の叫び)をあげた。
その者達とは――


生徒A「キャー! 御坂様、恋人がいらしたのですね!」

生徒B「流石は第三位……殿方とも進んだ関係をお持ちだとは」

生徒C「御坂様を取り合うお二人の男性……その間で葛藤する御坂様……」

生徒D「薄い本が厚くなりますわね……」

生徒S「お姉様ァァァァァァァァァァあああァァァァァァァァァああああああ!!!!!」


 常盤台の学生寮の二階の窓から覗きこんでいた女子生徒達であった。


上条「……面倒な事になりそうな予感」

793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/25(日) 16:03:09.35 ID:maf1Lx7So


海原「恋人同士、ですか……」

上条「あぁ、だからアンタには大人しく引き下がってもらいたいんだ。な、御坂?」

美琴「こ、ここ……恋び……」

上条「壊れてやがる……とりあえず、この場は 「キャー!」

上条「またかよ……いや、なんか様子がおかしい……っ!?」


黒子「この腐れ類人猿がぁぁあ! よくもお姉様を……!」ヒュンッ


上条「なっ……鉄の矢!? 危ねえだろうが!」


黒子「これは警告ですの! 今すぐお姉様から離れなさい! さもないと……!」


上条(アイツ……目が本気だ、本気で俺を殺ろうとしてやがる……)


黒子「覚悟ォォォお 「白井、何をやっている」

黒子「うるさいですの! 今わたくしは重大な場……面に……」

寮監「もう一度聞くぞ。白井、何をやっている」

黒子「ええと……これは……」

寮監「寮内での能力の使用は禁じているはずだが……何か言う事はあるか?」

黒子「しかし、お姉様が!」

寮監「言いたい事はそれだけか。覚悟しろ、白井」グキッ

黒子「ぐふっ……うぅっ……」


上条(首が曲がってはいけない角度に……何だよあの女の人……)

794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/25(日) 16:04:00.90 ID:maf1Lx7So


寮監「さて……御坂、寮の眼前で逢い引きとはいい度胸だな」


上条(や、やばい……あの人に捕まったら色々終わる気がする……とりあえずここは、)

上条「御坂! 逃げるぞ!」グイッ

美琴「恋人……こいび……」

上条「ブツブツ言ってねえでいい加減に正気に戻れ!」

美琴「うへっ!? ……ハッ、ちょっと! 恋人ってどういう事よ!?」

上条「今はそれどころじゃねえ! 上を見ろ!」

美琴「上……っ! りょ、りょ、りょ、寮監だぁぁぁ!!」


寮監「御坂、常盤台の生徒としてあるまじき行為をした事……分かっているな」


上条「御坂……どうする!?」

美琴「ここは……逃げるしかない!」

上条「やっぱりそれしかねえのか……」

美琴「ゴチャゴチャ言ってないで逃げるわよ! 早く!」グイッ

上条「お、おい、急に引っ張るなって!」

795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/25(日) 16:05:04.60 ID:maf1Lx7So


海原「御坂さーん……行ってしまいましたか」

海原(仕方ありませんね、探しに行かないと)


土御門「おっと、どこかに行く前にちょっとお時間良いですかにゃー?」

海原「……失礼ですが、どちら様でしょうか?」

青ピ「そんな渋い顔せんでもええと思うで、可哀想になったんで一応フォローしとこ思ただけですよー」

海原「フォローと言われましても、何を言いたいのか分からないのですが」

土御門「そんな冷たい態度取るなって、もてないオトコ同志仲良くやろうぜい?」

青ピ「イケメンでも辛い思いをする事があるなんて、この世は非情なんやね……」

海原「用があるのなら、手短に済ませてもらいたいですね」

土御門「それもそうだにゃー。とりあえず 「キャー!」

土御門「……ん?」


生徒A「今度は男性が三人……まさか、これは」

生徒B「怪しい関係……というものなのでしょうか」

生徒C「恋に破れた後、それを慰める友人達……その慰め方とは……あぁ、」

生徒D「薄い本が分厚くなりますわね……」

生徒S「お、おねえ、さ、ま……」バタン


土御門「……場所を移した方が良さそうだ」

海原「……その様ですね」

青ピ「女の子達がボクに熱い視線を……もっと、もっとボクを見てぇ!!」

土御門「コイツは放っておいて良いからさっさと行くぜよ」

海原「ええ、そうしましょうか」

796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/25(日) 16:21:03.03 ID:maf1Lx7So
今度は三週間放置とか…また少し書き溜めてから投下していくつもりです
次投下する時は五人+一匹+αが合流するんじゃないかと思います、多分
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 03:22:05.12 ID:dcH4m5pro
原作より関係が進んでしまってるなww
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 08:29:04.90 ID:kMTnPQaMo
待ってる
この通行止め可愛いなぁ
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/27(火) 04:17:15.04 ID:BLDyhnxxo

ほんと寮監は怒るベクトルが微妙に変だなw
まず人に矢撃ったことを怒るべきじゃねーのか・・・
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/09/27(火) 22:05:35.92 ID:fXQMVYL+o

>>1はvipのライダースレのコピペを読んだ事あるんじゃないだろうか
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:32:29.08 ID:GY3xym2Ro
>まず人に矢撃ったことを怒るべきじゃねーのか・・・
その発想はなかった俺が悪かった
それとライダースレは見た事無いです。ググったけど色々あり過ぎてどの部分なのかさっぱりでした
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:33:22.26 ID:GY3xym2Ro


 九時五分 上条side


上条「はぁ……はぁ……ったく、あの男がしつこいからこんな厄介な事になっちまった」

美琴「ちょ、ちょっとアンタ! さっきのはいったいどういう事よ!」

上条「さっきの……って何の事だ?」

美琴「アンタと私が、その……恋人同士って言ってたじゃない!」

上条「あー……それか」

美琴「いつの間に私はアンタの彼女になったのよ! そんなの聞いてない!」

上条「いや、聞いてないも何もデタラメなんだからそんなに慌てる必要ないだろーが」

美琴「えっ? デタラメ……?」

上条「あぁ、あそこで友達って答えちまったらアイツはどの道付いてくるだろうし、それは嫌だったんだろ?」

美琴「それはそうだけど……」

上条「だから、恋人だって言っておけば流石に大人しく帰ると思ってな。……予想外の事態になったけど」

美琴「でも、恋人同士ってのはその……やり過ぎと言うか、後でどう説明すればいいのよ?」

上条「それは適当に、『あのツンツン頭はたまに意味不明な事言うので気にしないでくださーい』とか言っといてくれ」

美琴「何よそれ……でも、そうするしかなさそうね……」

上条「ともかく、これでお前は自由の身、夏休み最後の日なんだから好きにしろって」

美琴「自由になったのだけは感謝するわ、これで何も気にせず出かけられる」

上条「ん? 予定があったのか? だったらそれを理由に断ればよかったんじゃねーの?」

美琴「いや、それがちょっと言いづらくてね……」

803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:33:52.20 ID:GY3xym2Ro


上条「言いづらい? なんか気になるな、教えてくれよ」

美琴「えっ? えーっと、それは……」

上条「それは?」

美琴「……やっぱり、言えない」

上条「何だよそれ。……あっ、もしかしてお前……」

美琴「な、何よ」

上条「また事件かなんかに巻き込まれてんじゃねーだろうな!?」

美琴「……はぁ?」

上条「言いづらくて、自分一人で悩んで、結果的に自分を犠牲にしようとか考えてんだろ!?」

美琴「いや、そんな事は無いから」

上条「悪いな、上条さんには全てまるっとお見通しだ。……御坂、無理すんなよ。頼りたいときには頼っても良いんだぞ?」

美琴「だから違うって」

上条「クソッ……! ここまで言っても駄目なのか……もしかして、誰かを人質に取られてるとか!?
   お前の事だからきっとそれで苦しんでんだろう……人質は、白井か。白井が人質に取られてるんだな!?」

美琴「いや、だから」

上条「くっ……おのれ学園都市の闇社会……! この上条さんが怒りの鉄槌を 美琴「違うって言ってんでしょうが無視すんなやゴルァ!!」ゲシッ

上条「ぐはっ……な、何しやがんだテメェ!?」

美琴「アンタが人の話を聞かないからよ! 人質も取られてないし事件にも関わってない!」

上条「そ、そうなのか……?」

美琴「最初から言ってるでじゃない……それに黒子なら人質になる前に逃げられると思うけど」

上条「それもそうか……じゃあ、予定って何なんだよ?」

美琴「それは……」

上条「二度目だけど、それは?」

美琴「……立ち読みよ」

上条「……は?」

美琴「立ち読みしようと思ってたって言ってんでしょうが文句あんのかゴルァ!」ボカッ

上条「痛い! 痛い! 無いです、何も無いです!」

804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:35:44.59 ID:GY3xym2Ro


上条「立ち読みねぇ……そりゃ確かに言いづらいかもな」

美琴「そうなのよ……しかもあの勢いなら立ち読みにまで付いてきそうじゃない?」

上条「かもな……イケメンは何を立ち読みするんだろう」

美琴「知るかっつーの」

上条「しかし、夏休み最後の日に花の女子中学生、それも常盤台のお嬢様が立ち読みか……」

美琴「何か言いたそうね」

上条「寂しいヤツめ」

美琴「良い度胸してんじゃないアンタ、久しぶりに勝負でもしましょうか?」

上条「そ、それは勘弁してくれ……もうお前の勝負キャラは出てこなくて良いから」

美琴「……ったく。そういうアンタは何か予定でもある訳?」

上条「俺はこれから土産を渡しに行くんだよ」

美琴「土産? アンタ、『外』に出てたの?」

上条「色々あってな……」

美琴「相変わらずみたいね……。渡す相手は誰? ……もしかして、女の人?」

上条「だったら良かったんだけどなー……残念ながら違う、相手は一方通行だ」

805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:36:13.25 ID:GY3xym2Ro


美琴「へぇ、アンタ達そんなに仲良かったっけ?」

上条「アイツにはお世話になったから、そのお礼ってヤツだな」

美琴「なるほどねぇ。じゃあ、はい」

上条「ん? 何だその手は?」

美琴「ほら、早く」

上条「ただ手を出しても分かんねーって」

美琴「察しが悪いわねー。私にもお土産、あるんでしょう?」

上条「……そういう事か。残念ながら御坂センセーにはお土産はございませんの事よ」

美琴「えー、何よそれー。何でも良いから寄越しなさいよー」

上条「だから何も無いって言ってんだろうが、諦め悪いヤツだな……」

美琴「むっ、アンタのくせに生意気よ」

上条「アクセもーん、レールアンがいじめるよー」

美琴「オマエはホントに不幸だなァ。仕方ねェ……じゃあ、良い道具を出してやるよ」

上条「ありがとうアクセもん!」

美琴「…………」

上条「…………」

美琴「何やってるんだろう、私達」

上条「……だな」

806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:36:48.76 ID:GY3xym2Ro


上条「ともかく、お前に渡す土産は無い」

美琴「ちぇー、何かくれたって良いのに、ケチ」

上条「誰がケチだ、誰が。そんなに欲しけりゃ一方通行に少し貰ってくれ」

美琴「あっ、それ良いかも。じゃあアンタについていくわ」

上条「……そこまでして土産を求めるか」

美琴「退屈な女子中学生は常に楽しいイベントを探し続けているのよ。さっ、そうと決まったら早速行きましょう」

上条「はいはい……そういえば、あの男を放っておいたまんまだけど良いのか?」

美琴「良いのよ別に、最近やたらとアピールしてきてね……ちょっと困ってたから」

上条「良いじゃねーか、イケメンだし」

美琴「しかも理事長の孫でお金持ちよ」

上条「金持ちのイケメン……俺とは正反対の存在だな」

美琴「……別にアンタだって……その、」

上条「ん? なんか言ったか?」

美琴「な、何でもないわよ!」

上条「変なヤツ……じゃあ、丁度良い時間だし一方通行に電話でもしてみるか」

807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:37:16.81 ID:GY3xym2Ro


一方その頃の一方通行 とある服屋


一方通行「ここがアイツの言ってた店か、確かに品ぞろえは良さそォだな」

打ち止め「ついにこの毛布さんともお別れなんだね……ってミサカはミサカは寂しい気持ちになってみたり」

一方通行「そのままだと夜道に現れる露出狂と変わりねェだろォが……さっさと買うぞ」

打ち止め「あっ、待ってよー、ってミサカはミサカは一生懸命ついていく」


一方通行「へェ、子供服っつっても色々あるじゃねェか」

打ち止め「ねえねえ、アナタはミサカにどんな服を買ってくれるの? ってミサカはミサカは期待を込めた眼差しを向けてみたり」

一方通行「そォだなァ……こンなのはどォだ?」

打ち止め「……えーっと、その独創的な模様が描かれた黒のシャツの事? ってミサカはミサカは一応確認してみる」

一方通行「あァ、この中ではコレが一番センスがある服だと思うンだけどよォ。コレで良いか?」

打ち止め「うーん……ミサカにはその服はオシャレ過ぎてちょっと合わないかな……ってミサカはミサカはお伝えしてみる」

一方通行「それもそォだな、確かにオマエみたいなガキにはこの服はまだ早ェ。こォいう服は俺みたいなセンスのあるヤツが着るンだよ」

打ち止め「……センスは×なのね、ってミサカはミサカはちょっぴり失望してたりする」

一方通行「ン? なンか言ったか?」

打ち止め「何も言ってないよ、ってミサカはミサカは営業用スマイルでごまかしてみる」

808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:38:33.03 ID:GY3xym2Ro


しばらくして

一方通行「結構見て回ったな……そろそろ決めるとしよォか」

打ち止め「アナタはどっちが良いと思う? ってミサカはミサカは絞り込んだ二つのお洋服を提示してみる」

一方通行「オマエが着るンだ、自分の着る服は自分で決めてみろ」

打ち止め「うーん……じゃあ、この水玉の服にする! ってミサカはミサカは選んでみたり」

一方通行「そォか、じゃあ買っちまうとするか。それと……とりあえず何でも良いから下着も選んで来い」

打ち止め「アナタはついてきてくれないの? ってミサカはミサカは聞いてみる」

一方通行「……ガキの下着売り場に男が居たら変に思われるだろォが」

打ち止め「なるほど、それもそうだね、ってミサカはミサカは納得してみる。
       じゃあ選んでくるねー、ってミサカはミサカは急いで下着売り場に向かって走ってみたり!」

一方通行「おィ、あンまり走るンじゃねェぞ! ……ったく、やかましいガキだ」プルル

一方通行「電話……あァ、アイツか。――もしもし?」

上条『よう、一方通行。夜に言った通り土産を渡したいんだけど』

一方通行「へェ、良く覚えてンじゃねェか」

上条『そんなにすぐ忘れる訳ねーよ。今から渡しに行って大丈夫か?』

一方通行「外に居たから問題ねェ。ただ、一人ちっこいのがついてくるけどな」

上条『ちっこいの? まぁいいや、こっちも多分一人ついて来るからよろしくー』

一歩通行「あァ、ドコに行けば良いかだけ決めてくれ」

上条『じゃあ、第七学区の○○公園、そこで落ち合おう』

一方通行「そこに行けば良いンだな、今から向かう。来る途中、余計な事に巻き込まれてくるンじゃねェぞ」

上条『それは無い、って言い切れないのが辛いな……んじゃ、また後で』プツッ

打ち止め「おまたせー、あれ? 誰と電話してたの? ってミサカはミサカはたずねてみる」

一方通行「会っても分かんンねェだろォから、説明するのも無駄だろ」

打ち止め「そんなの聞いてみないと分からないよ、ってミサカはミサカは反論してみる」

一方通行「会った事もねェのに何言ってンだ、それより下着は選ンだのかよ」

打ち止め「ばっちり選んできたのだー! ってミサカはミサカは下着さんを高く掲げてみたり」

一方通行「お店の中では静かにしろ、クソガキ」

809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:39:32.08 ID:GY3xym2Ro


その頃のインデックス とある公園


インデックス「良いお天気だねー、スフィンクス」

スフィンクス「なー」

インデックス「こんな日はきっと何か素敵な事が起こるに決まってるんだよ!」

スフィンクス「なー」

インデックス「でもちょっと歩き疲れたかも……あっ、ちょうどいい所にベンチがある。ここで少し休もうね」

スフィンクス「なー」

インデックス「よいしょ……そろそろお昼かな。とうまに電話してみ……っ!?」

スフィンクス「なー?」

インデックス(……どこからか、何かを感じる。魔術師が、近くに居る……?)

        「どこだろう……あっちの方みたい。スフィンクス、行ってみよう!」

スフィンクス「なー!」

810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:40:44.56 ID:GY3xym2Ro


インデックス(多分こっちに……あっ、誰か居る……)

??「困りました……どうしましょうか」

インデックス(女の人……それに、赤ちゃん?)

??「あって、すいません、ちょっとよろしいでしょうか?」

インデックス「えっ? 私?」

??「ええ、お願いがあるのですが……この子を少し預かって頂けないでしょうか?」

インデックス「この子って、赤ちゃんを?」

赤ん坊「うえええん!!」

??「よしよし……。今だけで良いのです。お願いできませんか?」

インデックス「でも、赤ちゃんのお世話なんてやった事ないから……」

??「そうですよね……ごめんなさい、いくらなんでも無理ですよね」

インデックス(この人、本当に困ってるみたい……そういえば、)


ステイル『困っている人は助けないといけないよ』

神裂『あなたはシスターですから、人のためになるように頑張ってくださいね』

インデックス『うん、もちろんなんだよ』

ステイル『でも、無理をしなくても良いからね』

神裂『何かあったらいつでも言ってください』

インデックス『ありがとう、気を付けて帰ってね!』

上条『何だこの会話……』


インデックス(――ってやり取りがあった気がする! 完全記憶能力で気がするってのも変だけど!
        ともかく、私はシスター……困ってる人が目の前に居るなら……よし!)


811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:41:17.61 ID:GY3xym2Ro


インデックス「私に任せて! この子の面倒はちゃんとみておくから安心してほしいんだよ!」

??「本当ですか? 助かります……ありがとうございます」

インデックス「さぁ、あなたは自分のすべき事をきちんとして早く帰って来てあげてね。この子と一緒に待ってるから」

??「本当にありがとうございます、眠ってしまった時はこの籠をお使いください。それではまた――」ダッ

インデックス「うん、またねー」

赤ん坊「うう、ふええ」

インデックス「よしよし、いい子いい子ー。そういえば、この子の名前を聞いてなかった……」

スフィンクス「なー?」

インデックス「赤ちゃんって呼ぶのも変だし……そうだ! 今だけ名前を付けちゃおう!」

赤ちゃん「ふええ」

インデックス「よーし、あなたの名前は……決めた! あなたの名前は――シャクティに決まり!」

シャクティ「ふえ?」

スフィンクス「なー?」

インデックス「シャクティも気に入ってくれたかな?」

シャクティ「だー」

インデックス「よしよし。でも、私一人で面倒を見るのはちょっと大変かも……そうだ、とうまにも協力してもらおう!」

        「とうまから貰ったばかりだけど上手く使わないと。電話の使い方は……えっと、まずは……あれれ?」

スフィンクス「なー……?」

インデックス「おかしいな……こうすれば、えいっ。あれ……思った通りに動いてくれない……これだから科学は」

スフィンクス「……なー」

シャクティ「だー?」

812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:42:19.63 ID:GY3xym2Ro


引き続きとある公園


一方通行「どォだ、毛布じゃなくてちゃンとした服の着心地はよォ」

打ち止め「毛布さんも良かったけどやっぱりこういうのが一番ね、ってミサカはミサカは衣服の大切さを実感してみたり」

一方通行「大げさな事言いやがって……」

打ち止め「ねーねー、この服似合ってる? ってミサカはミサカは改めて聞いてみたり」

一方通行「あァ? ……普通じゃねェ?」

打ち止め「……そこは似合ってるって言うところだよ、ってミサカはミサカは空気の読めないアナタにがっかりしてみる」

一方通行「うるせェなァ……買ってやっただけありがたいと思えクソガキ」

打ち止め「でも自分では今どんな格好してるのか見れないなー、ってミサカはミサカはちょっと残念がってみたり」

一方通行「着替える時に鏡で見たンじゃねェのか?」

打ち止め「アナタがせかすからあんまり見れなかったの、ってミサカはミサカはしょんぼりしてみる。
       だから本当にこの服が似合ってるのかな、変じゃないのかな……ってミサカはミサカは心配してみたり」

一方通行「……仕方ねェ。オイ、こっち向け」

打ち止め「えっ? 何をするつもり? ってミサカはミサカは 一方通行「ハイ、チーズ」パシャ

打ち止め「携帯のカメラ? それがどうしたの、ってミサカはミサカは疑問に思ってみる」

一方通行「コレで見れるだろォが、コレでも見て満足しやがれ」

打ち止め「なるほどー、どれどれ……おおっ! ミサカってちょっと可愛いかも? ってミサカはミサカはちょっとしたナルシズムに陥りそうになってみたり」

一方通行「ハイハイ。とか言いながら待ち合わせ場所に着いちまった……ン?」


インデックス「うー……どうすればとうまに電話がかけられるんだよー!」


一方通行(あれは確か……)

813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:42:46.07 ID:GY3xym2Ro


一方通行「オマエ、こんな所で何やってンだ?」

インデックス「あなたは……いつぞやの白い人!」

一方通行「……一方通行だ」

インデックス「それ位覚えてるよ。そんな事はどうでも良いから助けて欲しいかも!」

一方通行「あァ? 助けろ、って何かあったのか?」

インデックス「うん……けーたいでんわの使い方を教えて欲しいんだよ」

一方通行「そンな事で困ってたのかよ……貸してみろ」

インデックス「はい、これでとうまに電話をかけてもらいたいんだよ」

一方通行「アイツに電話すれば良いンだな、電話帳から……」プルル

上条『もしもし、インデックスか? 電話は上手く使えてるみたいで安心したよ』

一方通行「残念だったなァ、俺だよ」

上条『……! テメェ、誰だ!? インデックスをどうしやがった!』

一方通行「……はァ?」

上条『インデックスの電話を奪って俺に連絡を取るって事は……インデックスは人質になっちまったって事だな』

一方通行「いや、ちょっと待てって」

上条『テメェ……何が狙いだ! インデックスが狙いか!? それとも俺が狙いなのか!?』

一方通行「人の話を……」

上条『良いから答えやがれ! まずはそっちが誰なのかを』

一方通行「……一方通行だ」

上条『へ? 一方通行?』

一方通行「さっき聞いたばかりの声くらい覚えときやがれクソ野郎。勝手に愉快な勘違いしてンじゃねェぞ」

上条『なんだ……心配して損した』

814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:43:24.59 ID:GY3xym2Ro


上条『でも、どうしてお前がインデックスの携帯を?』

一方通行「このシスターが携帯が使えねェ、って喚いてたのを助けてやったンだよ」

インデックス「むっ、喚いてなんていないんだよ!」

一方通行「それより、何か伝えたい事があるンじゃねェのか?」

インデックス「あっ、そうだった。ちょっと代わって」

一方通行「ほらよ」

インデックス「ありがとう! とうま、聞こえる?」

上条『ばっちりクリアに聞こえてますよーっと。どうしたインデックス?』

インデックス「うん、ちょっと手伝って欲しい事があるから来て欲しいんだよ」

上条『手伝って欲しい事? とりあえず、一方通行と一緒に居るんならすぐに会える。話はそれからでも良いか?』

インデックス「分かった、じゃあ待ってるね」

上条『おう、じゃあまたな』プツッ

インデックス「わわっ……いきなり声が消えちゃった」

一方通行「向こォが切っただけだから心配すンな。ところで……」

シャクティ「だー」

スフィンクス「なー」

打ち止め「わー、可愛い猫さんに、これは……赤ちゃんだー! ってミサカはミサカは未体験ゾーンに突入して興奮してみたり!」

一方通行「ガキにシスターに猫、おまけに赤ン坊……今日はパーティーでもあンのか?」

815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:44:12.52 ID:GY3xym2Ro


美琴「アンタ、さっきから電話で大声出してばかりだけど何かあったの?」

上条「一方通行とインデックスが一緒に居るらしい、なんか騒がしくなりそうだな……」

美琴「なんだか良く分からない事になってるわね……あっ、待ち合わせ場所ってあの公園よね」

上条「着いたか……なんつーか色々騒動の予感しかしねーんだよな」

美琴「良いから急ぎましょうよ、おっみやげおっみやげー」

上条「お前も騒動の一つなんだけどな」

美琴「ん? 何か言った?」

上条「気のせいだろ。さて、インデックスはどこに……」


インデックス「あっ、とうまだ。おーい、とうまー」


上条「居た居た。インデックス、どうしたんだ」

インデックス「遅いよとうま、……むうっ!」

上条「ん? 急に険しい顔して何かあったか?」

インデックス「とうま……どうして短髪が隣に居るの!?」

美琴「えっ? 私?」

インデックス「そうだよ! なんで短髪と一緒に来たの!?」

816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:44:57.72 ID:GY3xym2Ro


インデックス「もしかして、短髪と遊びに行ってたんじゃ……!」

美琴「そんな事は……ええっ!?」

上条「お、落ち着けインデックス! 別に御坂と遊んでたわけじゃないって!」

インデックス「とうまの言う事は信用できないんだよ! そうやってまた女の人と!」

上条「だから違うっつーの! 御坂も何か言って……御坂?」

美琴「ち、ちっちゃい私が居る……」

上条「はあ? ちっちゃい御坂……あっ」

打ち止め「あっ、もしかしてそこに居るのはお姉さま? ってミサカはミサカはまさかの対面に驚いてみたり!」

上条「本当にちっちゃい御坂だ……」

打ち止め「レディーに対してちっちゃいってのは失礼だよ、ってミサカはミサカは今ミサカ達の間で人気急上昇中の人に注意してみる」

一方通行「よォ、遅かったな」

上条「一方通行、これはいったい……」

一方通行「このガキが俺のツレだ、色々あってこォなった」

上条「色々……今日はどうなってんだよ」

一方通行「そんな事より、もっと大変な事が起きてるみてェだけどな」

上条「もっと大変な事?」

一方通行「その籠の中を見てみろ」

上条「籠の中……なっ! あ、赤ちゃん!?」

インデックス「その子のお世話を手伝って欲しいんだよ、とうま」

上条「お世話って……何がどうしてこうなったんだ!? そもそもこの子の母親は誰なんだよ!?」

インデックス「その子の親? それは――――」

817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:45:41.97 ID:GY3xym2Ro


学園都市ゲート


警備員A「侵入者が二人……警備強度をオレンジまで上げるかどうかって話だったな」

警備員B「戦闘が起きている訳でもないし、要警戒と言った所だろうよ」

警備員A「そのまま大人しく帰って貰えれば良いんだが」

警備員B「まったくだ……ん? 通信だ」

『緊急連絡! 襲撃を受けた、相手は肉眼では監視できないが一名の模様! 繰り返す、襲撃を――がぁっ!』

警備員A「……武装の準備だ。目標は肉眼監視不可」

警備員B「クソッ……夏休みの終わりにこんな事になるとは……」

警備員A「その目標とやらは、いった」


「――衝打の弦」


 どこかから声が、そして弦を弾くような音がしたかと思った時、すでに警備員の男二人は地面に伏していた。
見えない鉄球をぶつけられたかのような衝撃波が警備員達を襲ったようである。


警備員A「ぐ、ぐうっ……いったい、何が……」

??「悪い事をした。命を取るつもりは無い、ここは大人しく通してもらおう」

警備員B「男の声……だ、誰だ……」

??「名乗る必要は無いだろう、失礼する。――透魔の弦」

警備員A「き、消えた!? あれが、侵入者か……」

警備員B「いや、あれは……違う。三人……目の侵入、者、か……」

警備員A「ともかく、連絡だ……警戒強度を今すぐ上……げるよう伝えなければ……」

818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/09/29(木) 16:46:35.86 ID:GY3xym2Ro


??「Index_Librorum_Prohibitorum――――禁書目録、か」

   (科学の都市に魔術の至宝を置くとは……何を考えている。しかし、こちらとしては好都合だ)

   「――捜魔の弦」


 八月最後とは言え学園都市はまだ暑い。その中に上下黒のスーツを着込んだ男は悠然と立っていた。
彼は能力者ではない、その正反対に位置する者――魔術師である。その男は禁書目録を求め科学の都市に降り立った。


??「ふむ。まだ遠い、か」


――――――――――――


インデックス「私だよ」

上条「……はぁ?」

インデックス「聞こえなかった? その子のお母さんは私だって言ってるんだよ?」

上美一打「ええええええええええ!?(ってミサカはミサカは驚いてみたり!)」

シャクティ「だー?」

スフィンクス「なー」

一方通行「なァ、オマエが母親なら……父親は誰なンだ?」

インデックス「私がお母さんだから、とうまがお父さんなんだよ」

美琴「な、ななななな!?」

上条「俺が……父親ぁ!?」

819 :久しぶりの人物紹介 [saga sage]:2011/09/29(木) 16:47:40.15 ID:GY3xym2Ro


上条当麻
インデックスとの間に赤ちゃんが居て恋人は美琴です。

インデックス
母親になりました。

御坂美琴
恋人になりました。

一方通行
保護者になりました。

打ち止め
保護されました。

シャクティ(仮)
上条さんの第一子のようです。

??
シャクティをインデックスに預けた女の人。魔力の反応があったりなかったり。

??
侵入者その三、声が渋くてかっこいい。インデックスを狙う魔術師、声が渋くてかっこいい。
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga]:2011/09/29(木) 16:52:03.98 ID:GY3xym2Ro
登場人物は後三人残っていると言うのにゴチャってきました
それなりに進んだのでage、後数回でこのスレも終わりです
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/29(木) 16:54:34.86 ID:RIscYkZeo

終わりが近いのか……
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/29(木) 16:58:00.25 ID:WotBllyWo
このスレが終わりってことじゃない…のか?
つーかドラマCDネタを持ってくるとはwwww
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/30(金) 17:01:24.94 ID:j3/po30R0

闇咲さんチィーッス
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/30(金) 17:37:38.88 ID:daf06bdso

なんというスケコマシ条さん
825 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/10/04(火) 13:15:51.32 ID:Wa4fqn7h0
とある魔術の禁書目録劇場版公開決定!!!!!
更に新約とある魔術の禁書目録3巻は12月10日に発売決定!!!
劇場版の詳細は10月11日発売の電撃文庫マガジンで!
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/11(火) 21:04:28.15 ID:8uo7jRvXo
私まーつーわ
827 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/10/14(金) 21:12:06.55 ID:Xk8vDMQq0
いつまだも
828 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/10/14(金) 21:13:39.77 ID:Xk8vDMQq0
↑いつまでも
だ間違えた
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/23(日) 17:28:51.21 ID:1kB5FjIeo
まーつーわ
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/24(月) 10:32:21.20 ID:yFGBew6AO
いつーまでもまーつーわ
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/24(月) 10:32:55.95 ID:yFGBew6AO
いつーまでもまーつーわ
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/26(水) 20:21:40.81 ID:4pao/VrSo


一方その頃土御門達は


土御門「――さて、ここまで来れば大丈夫かにゃー」

青ピ「女の子にキャーキャー言われるんやったらあのままでも良かったんやけどなー」

海原「自分としては勘違いされるのは避けたいですが……ところで、あなた達は?」

土御門「さっきのツンツン頭の男が居ただろ? オレ達はあの男の知り合いってとこぜよ」

海原「あぁ、そうでしたか……彼は、御坂さんとお付き合いされていると言っていましたが」

青ピ「それ、正直に言うと真っ赤な嘘。デタラメやから気にせん方がええですよー」

海原「嘘、ですか? それは良かった……でも、どうしてそんな事を?」

土御門「そちらさんの押しが強かったせいか、アイツには女の子が男に言い寄られて困っているよう見えたんですたい」

青ピ「で、そのまま助けなあかん! っておせっかいをしたっちゅう事みたいやね」

海原「そうですか……自分は御坂さんに迷惑をかけているように見えたんですね」

青ピ「イケメンでも上手くいかん事があるんか……ましてやボク達になんて……」

土御門「悲しい事は考えない方が良いぜよ。……ともかく、用件はそれだけ。時間もらって悪かったにゃー」

海原「いえ、自分も本当の所が知りたかったのでむしろ感謝したいくらいです」

青ピ「モテないモンのツラさは痛い程分かるで……めげずに頑張ってや!」

海原「そ、それはどうも……では、自分はこれで失礼します」

土御門「あぁ、最後に一つ言い忘れてたぜよ。海原光貴さん?」

海原「……何でしょうか?」

土御門「あまり目立つようなコトは控えた方が良いと思うぜい。これは先輩として忠告しとくぜよ」

海原「先輩、ですか。覚えておきます、それでは――」

833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/26(水) 20:24:13.18 ID:4pao/VrSo


青ピ「行ってまったけどもしかして……」

土御門「あぁ、多分探しに行ったんだろう。懲りないタイプってヤツだにゃー」

青ピ「ところで先輩、って何の事なん?」

土御門「モテない男の先輩、って事。深い意味は無いぜよ」

青ピ「ボク達みたいなモテないサイドの先輩か……悲しい響きやな」

土御門「まっ、オレには舞夏が居るからそっちと一緒にされるのは困るんだけど」

青ピ「……その舞夏ちゃん、やったか? この前一緒にアイス食べたんやけど」

土御門「……あぁ?」

青ピ「奢ったらめっちゃ喜んでくれたで。しかも好きな呼び方で呼んでやるぞー、って言われたから思いっきり楽しませてもらいました」

土御門「何て呼んでもらったんだ?」

青ピ「兄ちゃまって」

土御門「殺す、つーか人の義妹と勝手にデートしてんじゃねえぞコラァ!」

834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/26(水) 20:25:00.59 ID:4pao/VrSo


再び公園

上条「……俺が父親?」

打ち止め「まだ若いのにお父さんなの? ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり」

上条「んな訳ねーだろ! だって、子供を作るにはまず……」

打ち止め「まず、何? ってミサカはミサカは続きの言葉を待ってみる」

上条「それは……えーっとだな」

一方通行「……ガキの前で何を言おォとしてやがるンだ」

上条「……確かにそれは色々マズイな。そんな事よりも」

美琴「どういう事か説明してもらいたいわねぇ?」ビリビリ

上条「えっ? 何でビリビリバチバチされているのでございましょうか……?」

美琴「どーしてかしらねー? ……で、そこのシスター」

インデックス「短髪、私にはインデックスという名前があるんだよ!」

美琴「インデックス……? それ名前なの? ってアンタも私の名前呼んでないじゃない!」

インデックス「短髪だから短髪って言っただけなんだよ。それより、そうやって電気を出すとシャクティに何か困るからやめて欲しいかも」

上条「シャクティ? それって、この赤ちゃんの事か?」

インデックス「うん! 良い名前でしょ?」

上条「何っつーか……不幸な目に遭いそうな名前だな」

一方通行「どォいう意味だ?」

上条「深くは気にするな」

835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/26(水) 20:26:33.05 ID:4pao/VrSo


上条「……確認しておくけどインデックス、お前が産んだ訳ではないよな?」

インデックス「……とうま、実はね」

上条「何そのもったいぶり方……まさか、お前…………処女懐胎!?」

インデックス「なっ……急に何を言い出すの!?」

上条「だっていきなり子供を授かるなんてそれしか無いだろ!?」

インデックス「違うよ! この子は預かったの! だから今だけは私がお母さんってだけなんだよ!」

上条「……何だよ、驚いて損したじゃねーか」

一方通行「オマエが勝手に勘違いしてただけじゃねェか」

美琴「なんだ……じゃあ、コイツがお父さんってのは?」

インデックス「だって、私がお母さんの代わりに今はなってるでしょ?」

打ち止め「お母さんって響き、なんだか良いかも……ってミサカはミサカは思った事をそのまま口に出してみたり」

一方通行「黙って聞いてろ、クソガキ」

インデックス「私がお母さんなら、とうまがお父さんに決まってるんだよ」

美琴「なっ、何よその言い方……まるでそれが当たり前みたいな」

インデックス「当たり前って言えば当たり前かも。ともかく、とうまがお父さん。とうま、分かった?」

上条「はいはい、とりあえずそーいう事にしとくか……ん?」

美琴(当たり前って……あれか、本妻としての余裕、とかそういう事!? って何よ本妻って! まるで私が……)

上条「まーた急に黙っちまったか。おい、御坂」

美琴「へっ!? 何? 何か用?」

上条「様子が変だから声をかけただけだけど、大丈夫か?」

美琴「大丈夫よ……何でもない」

836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/26(水) 20:27:50.63 ID:4pao/VrSo


美琴「それより、そっちの小さい私についても聞きたいんだけど」

一方通行「あァ、そォだったな……おィ、自分で自己紹介しろ」

打ち止め「分かったー、ってミサカはミサカは元気良く自己紹介を始めるね。
      初めまして、ミサカは検体番号二〇〇〇一、『妹達』の最終ロット産み出されたたんだけど、ってミサカはミサカは説明を始めてみる」

上条「最終ロット……?」

打ち止め「うん、コードもまんま『打ち止め』で本来は『実験』に参加するはずだったんだけど、結果的には『実験』は途中で終わっちゃったから
       ミサカはまだ体の調整が終わっていないの、ってミサカはミサカは一気に説明してみる」

美琴「へぇ、それで小さい体のままって事?」

打ち止め「うん、製造途中で培養器から取り出されちゃったからこんなにチンマリしてるの、ってミサカはミサカはしょぼくれてみる」

インデックス「ふーん……なんだか色々大変みたいだね」

打ち止め「ちなみにこれは>>768の一部分を改変しただけだよ、ってミサカはミサカはメタネタに走ってみたり」

上条「へ? 何だそれ?」

打ち止め「深くは気にしないで、ってミサカはミサカは追及を拒んでみる」

美琴「ともかく、その子も私の妹って事ね」

一方通行「つまりはそォいう事だな」

打ち止め「よろしくね! ってミサカはミサカはお姉さまに営業用スマイルを向けてみる」

美琴「営業用とか言わない方が良いと思うけど……それにしても」

上条「ん? どうした御坂?」

美琴「私の小さい頃そっくりの子にこんな事を言うのはアレだけど……可愛いわねぇ」ナデナデ

打ち止め「わわっ……ってミサカはミサカは急に頭をなでられてびっくりしてみたり」

上条「ナルシスト、とはちょっと違うか」

一方通行「どォなンだろォな」

837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/26(水) 20:29:50.28 ID:4pao/VrSo


インデックス「そんな事より、とうまとうま」

シャクティ「だー?」

上条「あー、こっちもこっちで問題があったんだな……えーっと、シャクティ、だっけ?」

シャクティ「だー」

上条「見事にインデックスとは似ても似つかないな……当たり前だけど」

インデックス「でも、きっと将来は私みたいに立派なレディに成長する事間違いなしなんだよ!」

上条「立派なレディ、ねぇ……」

インデックス「……とうま、その目は何? 何か言いたそうだね」

上条「いや、何でもねーよ。立派なレディ、か」

インデックス「とうま、正直に言ってごらん」

上条「お前みたいな幼児体型が立派なレディって インデックス「とうまー!!」ガブッ

上条「痛い! 痛いから!」

シャクティ「だー……」

一方通行「赤ん坊に心配されてやがる……オマエの親はどォでもいい事でケンカするンだな」

シャクティ「だー?」

一方通行「分からなくて良いンだ、ともかく立ち話もアレだから座るぞ……って」

美琴「よーしよし! 私って可愛いわねー」ナデナデ

打ち止め「そ、そろそろ放して欲しいかも……ってミサカはミサカはそれとなくやめるよう言ってみたり」

美琴「だーめ、子供の頃の私ってこんなだったのね……よーしよし」ナデナデ

打ち止め「このままじゃミサカの髪の毛が無くなっちゃうよ……ってミサカはミサカは心配してみたり」

一方通行「そンぐれェで禿げる訳ねェだろォが……」

838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/26(水) 20:31:07.83 ID:4pao/VrSo


立ち話も何だと言う事で六人+一匹は公園にあった丸いテーブルを囲んで座った。
上条から時計回りにインデックス(シャクティを抱いている)→一方通行(スフィンクスを抱いている)
→打ち止め(美琴になでられている)→美琴(打ち止めをなでている)→上条(どうしたらいいか分からない)となっている。

上条「なんっつーか、カオスだな……」

一方通行「まったくだなァ」ナデナデ

スフィンクス「なー」

インデックス「まったくなんだよ」ナデナデ

シャクティ「だー」

美琴「まったくね」ナデナデ

打ち止め「まだやめてくれないの……? ってミサカはミサカはちょっと困ってみたり」

上条(……俺も何かなでた方が良いのだろうか)

   「そろそろ話を始めるか……なでながらで良いからさ」

一方通行「あァ、そもそも何で会う事になったかっつゥと」

上条「すっかり忘れてた……土産を渡すから呼び出したんだよな。はい、コレがお土産」

一方通行「おォ、開けても良いか?」

上条「それはもうお前のだから好きにしてくれよ。あと、御坂に一つあげてくれればそれで良いから」

一方通行「じゃあ、早速……ン? 何だコレ……?」

上条「何って、見て分かんねーのか?」

一方通行「いや、見たら分かるけどよォ……コレって」

上条「かまぼこだ、意外とイケるから帰ってから食べてみてくれ」

一方通行「お、おォ……(反応に困る……)」


839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 01:12:41.69 ID:PkGVdtcco
お、乙って言っていいのかァ・・・?(判断に困る・・・)
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/27(木) 03:57:24.17 ID:v1sJuqHXo
流石に見てる人居ないだろと思って宣言しなくてもいいかなぁと
(途中でミスを見つけて中断したなんて言えない…書いたやつの半分も投下できてないのに…)
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/27(木) 19:21:38.07 ID:biRS7D9qo
いいさ、とにかく乙
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(香川県) [sage]:2011/10/28(金) 01:06:16.94 ID:+GFn3eh/0
おつー
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 11:20:50.76 ID:FFRzpbBGo
乙なんだよ!
かまぼこ食べる一方通行地味に可愛い
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/28(金) 23:31:41.64 ID:y8remqg9o
かまぼこか
アリだな
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:33:23.57 ID:rdDubTvdo


一方通行「貰った立場だから文句を言うつもりじぇねェンだけどよォ、なンでかまぼこなンだ?」

上条「何でも名物らしくて買ってみた。嫌だったか?」

一方通行「いや、そンな事ァねェけど……まァ、ありがたく貰っとく」

上条「とりあえずこれで目的は達成できたな……この後はどうするつもりなんだ?」

一方通行「このガキを研究所に連れて行くつもりだ、調整が必要みてェだからな」

上条「そっか、ここで二人とはお別れって事になるのか」

打ち止め「ミサカとしてはもうお別れしたいような気持ちがあったりなかったり……ってミサカはミサカは正直に言ってみる」

美琴「えー、まだ撫でていたいのに……」ナデナデ

上条「いい加減解放してやれよ……まぁ、姉が妹を可愛がるって考えれば微笑ましいか」

インデックス「そんな事よりとうま、私はお腹が減ったんだよ」

上条「確かに、時間的にはそろそろお昼か……何か食べに行くのも良いかもな」

美琴「それもそうね、私も一緒に行こうかしら」ナデナデ

打ち止め「あっ、これで放してもらえるかも? ってミサカはミサカはちょっぴり喜んでみたり!」

美琴「それは惜しいわね、どうせならこの子と一緒に私も研究所とやらに行きたいけど……」

上条「あー……そうだったな、行きづらいよな」

一方通行「なンか理由でもあンのか?」

美琴「まぁ……若さゆえのナントカってヤツで」

一方通行「そォか、深くは聞かねェ方が良いみてェだな」

846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:35:14.56 ID:rdDubTvdo


シャクティ「ふ、ふええん……」

インデックス「あれ? シャクティが泣き出しちゃった……よしよし、よしよし」

シャクティ「ふえっ……ふええ……」

インデックス「よーしよし、いい子いい子……どうしようとうま、シャクティが泣き止まない」

上条「んー……おしめを代えるか、それとも腹が減ったのどれかじゃねーの?」

インデックス「そっか、えーっと……おしめを代える必要は無さそうなんだよ」

美琴「じゃあお腹が減ったのね。この位の子は……ミルクじゃないといけないかも」

上条「ミルクか、赤ちゃんのミルクって事は……」

美琴「な、何よ……急にこっち見たりして」

インデックス「と、とうま……? 何だか視線がちょっとおかしな方向に向いてる気がするんだよ」

一方通行「……オリジナルとシスターの胸なンか見てどォしたンだ?」

上条「いや、出るかなーってちょっと思って」

打ち止め「何が出るの? ってミサカはミサカは聞いてみたり」

上条「母乳がぐほえっ!?」 イン琴「出る訳無いんだよぉ!!(でしょうがぁ!!)」ガッシボカッ

上条「痛い! 痛い! 冗談だから! 上条さんなりのユーモアだから!」

一方通行「冗談にしても言うべきじゃねェよな」

スフィンクス「なー」

847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:36:14.74 ID:rdDubTvdo


上条「酷い目に遭った……」

インデックス「自業自得なんだよ、とうま」

美琴「まったくね。で、この子のミルクはどうするのよ?」

上条「とりあえず粉ミルクても買ってくるか……泣いたまま連れていくのも可哀想だし、
    ちょっと待っててくれるか? 買ってすぐ戻ってくるからさ」

インデックス「うん、いってらっしゃいとうま」

美琴「お土産よろしくねー」

上条「ミルク買ってくるだけって言っただろうが……一方通行、お前もそろそろ行くのか?」

一歩通行「あァ、そのつもりだ」

上条「本当に土産渡すだけになっちまったな……また近いうちに会えたら良いんだけど」

一方通行「また連絡して来い、そォすれば良いだけの話だろォが」

上条「それもそうか、じゃあな一方通行。それに打ち止め」

打ち止め「うん、さようならー! ってミサカはミサカは大きく手を振ってみる」

848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:38:05.12 ID:rdDubTvdo


一方通行「……さて、アイツも行っちまったし俺達もそろそろ行かねェとな」

美琴「残念ねぇ……調整したらあの子達みたいに私位の身体になっちゃうの?」ナデナデ

打ち止め「多分そうなると思うよ、ってミサカはミサカはなでられながら答えてみる」

美琴「いっその事このままでも良いんじゃない? ちっちゃい私が一人位居ても良いのに」

一方通行「それを決めンのは俺達じゃねェからなァ……」

美琴「それだと、この子をなでられるのはこれが最後かもしれないって事か……」

打ち止め「そんなに残念がらなくても良いと思うよ……ってミサカはミサカはそれとなく解放される方向に誘導してみたり」

美琴「だったら……今のうちになでておくしかないわね!」

打ち止め「た、助けて! ってミサカはミサカはアナタに助けを求めてみる!」

一方通行「諦めろ、クソガキ。……仕方ねェ、連絡してくるから席を外す。戻ってくるまでに好きなだけ撫でてろ」

インデックス「ここで電話しちゃ駄目なの?」

一方通行「研究に関する内容だからなァ、いくら知り合いだからっつっても人前で話す訳にはいかねェンだ」

美琴「なるほどね、この子の面倒は私が見てくから何も心配しなくて良いわよ」

打ち止め「早く戻って来てね! ってミサカはミサカは一刻も早い解放を望んで 美琴「生意気言わないでなでられていなさーい!」ナデナデ

打ち止め「うう……本当に早く戻って来てね! ってミサカはミサカは力強くお願いしてみる……」

インデックス「なんだか大変そうだね」

一方通行「そォ思ってンなら止めてやれ」

インデックス「それは嫌かも」

一方通行「そォかい、後はよろしくな」

インデックス「あっ、ねえねえ、かまぼこってのを少し貰っても良い?」

一方通行「あァ? まァもらい物だから別に良いけどよォ」

インデックス「ありがとう! そしていただきます!」

一方通行(……このかまぼこを俺は食べられねェ気がしてしょォがねェのはなンでだろォなァ)

849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:39:06.98 ID:rdDubTvdo


上条side 街中


上条(粉ミルクだけ買っても仕方ねーよな。お湯と哺乳ビンも必要か……コンビニじゃ駄目っぽいな)

「そこに居るのは、先程の……」

上条「ん? アンタは、さっきの……えっと」

海原「海原光貴です、はじめまして……では無いですね」

上条「そうだな、初対面があんな感じになっちまったけど……」

海原「いえ、自分にも非はあります。気にしないでください」

上条「……あー、この際言っておくけど実は」

海原「嘘、なんですよね?」

上条「なんだよ、気付いてたのか。だったら話は早いや、……邪魔して悪かったな」

海原「あの場面を見ては誰もが自分がしつこい男に見えるのは無理ないでしょう。悪いのは自分です、ですから謝らないでください」

上条「そう言ってもらえると助かるよ。確認しとくけど、全部デタラメだからな?」

海原「ええ、分かっていますよ。最初聞いた時は正直……ショックでしたが」

上条「ショック、ねぇ。こんな事聞くのも変かもしれねーけど、アンタは御坂の事が、その」

海原「はい、自分は御坂さんに好意を抱いています。あなたの思う通りで間違いありません」

上条「うっ……そ、そうか」

海原「? どうかされましたか?」

上条「いや、何でもない(そんなにストレートに言われるとこっちまで恥ずかしくなるな……)」

850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:40:14.82 ID:rdDubTvdo


上条「そう考えるとアンタに同情したくなるな、せっかくアプローチしても上手く行ってねーんだからよ」

海原「そうですね……まぁ、それも全ては自分が原因ですから。自分が御坂さんに気に入られていない、つまりは自分がそこまでの人間という事です」

上条「はー……そこまで言い切れるんなら、もういっその事思いを打ち明けちまえばいいんじゃねーの?」

海原「確かにその通りですね、ですが……彼女の口から直接『否』、と言われた時……自分はどうなってしまうのかが分かりません」

上条「本当の気持ちを知るのが怖いってか、それもそーだよな……。まっ、別に告白した後でも引きずるモンでもないしな」

海原「ええ、そう思う事が出来れば一番ですね。それでも……」

上条「だよなー……俺の知り合いはフラれても元気にその相手を想いつづけてたりしてるけど」

海原「そうですか……それが普通の男性としてのあるべき姿、という事でしょうか?」

上条「そんなんじゃねーよ、アイツらはアイツらでまた特殊だったりするから……って知らないヤツの話をしてもしょうがないか」

海原「いえ、参考になりました、ありがとうございます」

上条「礼を言われるような事でもねーけどな」

海原「ところで、今はあなたお一人なのですか?」

上条「あぁ、それがどうかしたか?」

海原「御坂さんを探している途中であなたを見つけたので。御坂さんはどちらに居るのでしょうか?」

上条(……しつこいのが玉にキズだな)

851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:41:56.49 ID:rdDubTvdo


一方通行side


一方通行(ここなら誰も来ねェだろォ……芳川に電話を)ピポパ

芳川『もしもし、一方通行?』

一方通行「あァ、ちょっと頼みたい事があンだけどよォ」

芳川『あら、キミがわたしに頼み事なんて珍しいわね。何か用?』

一方通行「妹達の最終ロット、打ち止め。そのガキを保護した、それがどォやら色々問題があるみてェで」

芳川『……驚いた、最終信号はキミの所に居たのね』

一方通行「そォいう事だ。今からそっちに向かうからウマい事対応してくれ」

芳川『ええ、こっちとしても願ったり叶ったりって所ね』

一方通行「なンだそれ?」

芳川『一方通行、今すぐこちらに来なさい。一刻も早く』

一方通行「……いつものオマエらしくねェな、何か問題でもあンのかよ」

芳川『そうね、簡単に言えば――世界に関わる大問題って言えばいいかしら』

一方通行「……ハァ?」

852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:43:02.41 ID:rdDubTvdo


戻って公園


インデックス「うーん、やっぱりシャクティが泣き止まない……とうま、まだかなぁ」

美琴「こればかりはどうしようもないわねぇ……よし、私も何か近くで探してくるわ」

インデックス「本当に? じゃあお願いするんだよ、短髪」

美琴「だから御坂美琴って名前があるって言ってるでしょうが! アンタと言いアイツと言い……一方通行もか」

インデックス「そんな事はどうでもいいから早く行ってほしいかも」

美琴「分かったわよ、まったく……すぐに戻ってくるから大人しく待ってなさいよー」

打ち止め「いってらっしゃーい、ってミサカはミサカはやっと解放された事にこっそり喜んでみたり」

美琴「あっ、戻ってきたらまたなでなでしてあげるからね。じゃ、行ってくる」ダッ

853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:47:12.47 ID:rdDubTvdo


インデックス「……短髪も変な所があるね」

打ち止め「うん……ってミサカはミサカはちょっぴり疲れたかもしれない」

インデックス「短髪が戻るまでゆっくり休んでいた方が良いかも」

打ち止め「それもそうだね、って……ミサカは……ミサ……カは、」バタッ

スフィンクス「なー!」

インデックス「えっ? ど、どうしたの!? 大丈夫!?」

打ち止め「う、うん……こうなる前に研究者さんとコンタクトを取りたかったんだけど、ってミサカはミサカはくらくらしながら苦笑してみたり」

インデックス「ど、どうすれば良い? 何か出来る事があれば言って欲しいんだよ!」

打ち止め「えっと、残念だけどミサカの事をなんとかしてくれる人が居ないからどうしようもないの。
      でもその気持ちは嬉しいから、気にしないでもらえるのが、一番か、も……ってミサ、カはミサカは……感謝してみ……」

インデックス「しっかりして! どうしよう……ともかくとうまかあの人か短髪を今すぐ呼び戻して――っ!?」

        「この感じ……魔術師が近くに居る?」

三人と一匹しか居なかったはずの空間に突如一人の男が声が響く。
低く、しかしはっきりと通る声で男はその存在を主張する。

「流石は禁書目録、と言った所か。その魔術に対する反応、魔道図書館の名に相応しい」

打ち止め「声がどこかから聞こえる……ってミサカはミ……」

インデックス「……誰!? どこに居るの!?」

「――ここだ」

そう言うと何も無かったはずの空間に一人の男が現れた。その正体は、警備員を攻撃し学園都市に侵入した魔術師。


黒ずくめの男の名は――闇咲逢魔という。

854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:50:08.10 ID:rdDubTvdo


インデックス「あ、あなたはいったい……」

闇咲「名乗る必要は無い、ただ言う事を聞けばそれで良い」

インデックス「あなたの狙いは……まさか」

闇咲「魔道書、それ以外に求めるものは無い」

そう言うと男はインデックスを抱え上げた。インデックスは必死に抵抗しようとするが、
赤ん坊を抱いているため派手に動く事は出来ない。

インデックス「は、放して! 私はその子を助けないといけないの!」

闇咲「そこで伏せている少女か、大人しくしていれば危害は加えない。だが、その逆を言えば」

インデックス「……そんな事をしてる場合じゃないって見て分からないの!?」

闇咲「確かに、その少女は衰弱しているようだな。命の危機やもしれん、だが――私も同じようなものでな」

インデックス「えっ? それはいったい……」

闇咲「悪いが無駄話をしている時間も無い、行くぞ」

そう言いながら男は右腕を前に突き出した。それと同時に弓を操作し、そのまま弦を引く。そして、

闇咲「――透魔の弦」

スフィンクス「な、なー……」

その空間に存在するべき者達が一瞬で消えてしまった。
一匹の脅える猫、そして大量の汗をかきながら苦しそうに伏せている少女だけがその場に残された。


――そこにまた一人、白衣の男が現れる。


「一方通行や超電磁砲が消えるのを待っていたが……まさかこんな事になるとはな」

その男は衰弱した打ち止めを抱きかかえ、近くに停めておいた車に乗り、誰にも見つからぬまま走り去って行ってしまった。

結局その場に残ったのは一匹の猫、それが意味するものは二人の少女が攫われたという事実。
その事に気づく者はまだ誰も居なかった。


855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:51:38.35 ID:rdDubTvdo


街中


??「なんか、変な感じしねーか? ほら、街がピリピリしてるって感じ」

??「よく見ると、警備員っぽいのもちらほら見えるな……駒場さん、今日はもう帰った方が」

駒場「……確かに、言いがかりを付けられる前にさっさと……」

??「どうした駒場さん……って、げえっ!?」

黄泉川「ん? そこを歩いてんのは……へーえ、こんな所で会うとは奇遇じゃんよ」

??「一番やべえのに見つかっちまったか……何か因縁つけられる前に逃げよう……っておい、半蔵!?」

半蔵「浜面……今日は最高に良い日だな」

浜面「テメェ何ちょっと顔紅くしてやがんだこの野郎! いいから早く」

黄泉川「ずいぶんつれない態度じゃんかよー、浜面。その態度……まーた、何か企んでるみたいじゃん?」

浜面「なんもねーって! ただ歩いてるだけだ、なぁ駒場さん?」

駒場「……何もしていない、と言っても逆に怪しまれる気がしないでもないがな……」

黄泉川「ははっ、良く分かってんじゃん。まぁ、こっちも今はお取込み中ってヤツだから相手は出来ないけど」

浜面「物騒な格好してるけど、何か事件でもあったってのか?」

黄泉川「夏休み最後の日だってのに、悪さしたいヤツってのはいつでもどこでも居るみたいでね。
     だからこうしてこんな格好暑い中お仕事してるって訳じゃんよ」

半蔵「ご、ご苦労様です!」

浜面「半蔵……相変わらずなんだな。で、その悪いヤツってのはどんな悪い事してんだ?」

黄泉川「何を考えてるのか学園都市に侵入してきたみたいでね。それに加えて動物園の動物が逃走した、
     なんて事件もあったりしてこっちは大変って訳じゃん。おかげで警備強度はオレンジ、子供達にも迷惑かけるかもって感じじゃん」

浜面「なんかよく分かんねー事になってんな……つーか、そんな事俺達が聞いても良いのか?」

黄泉川「そんな事、言わなくても分かるじゃんよ?」

駒場「……黙って大人しく帰るとするか」

浜面「あぁ、それがいいな。半蔵、行くぞ」

半蔵「悪い、浜面……俺はしばらくここに」

浜面「……駄目だコイツ」

駒場「……後は任せた、俺は買いたい物があるから先に行く……」

浜面「仕方ねえな……分かったよ駒場さん、またな」

856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [saga sage]:2011/10/29(土) 20:57:08.20 ID:rdDubTvdo
放置期間、そして分かりにくくてごめんなさい。次回はこのスレ一番のカオス回になるかもしれない
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/29(土) 22:55:15.25 ID:y1zXTBw8o
乙  ここで遂にシリアス展開か・・・・・?続きをこれからも期待しております。
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 23:45:10.61 ID:CXdgdaNxo
>>1
シリアスになるかギャグになるのかわからない楽しみ
要するに展開がいい意味で読めない
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/30(日) 17:48:42.58 ID:kHlzeSs40
>>858それって最高wwwwww
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/11/02(水) 01:06:24.01 ID:QQjSBWyAO
>>847
一歩通行wwww

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/12(土) 02:35:20.35 ID:YFI8c3N20


なんてカオス
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [saga sage]:2011/11/25(金) 17:05:06.28 ID:ooROo1Ieo
一度HTML化を依頼する事にしました
三、四話分書き溜めが出来たら立て直したいと思います。ここまでどうもありがとうございました
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/25(金) 17:31:13.58 ID:YRzFtVzTo
マジか…
お疲れ様でした。

いつ頃になりそうとかわかりますか?
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/25(金) 21:37:46.15 ID:/NOVYn9do
おぼふ…マジですか…
乙でした、また楽しみにしてますー!
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/26(土) 00:05:17.97 ID:FkTKAEep0
お疲れ様です
待ってます
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(香川県) [sage]:2011/11/27(日) 19:39:10.22 ID:JVj4GUDF0
あら残念
待ってるからね
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