零崎壱識の人間失格 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:28:12.04 ID:w07oQ8bDO

・戯言（人間）と禁書のクロス
・前に総合でちょろっとだけ書いた一通さんが零崎に目覚めたら、って妄想
・スレ立てが初めてなので至らぬところがあるやも知れぬ


以上の事を許容できる方はお付き合いください

では、ゆるりと

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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木曜の夜には誰もダイブせず ＠ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 ＠ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:30:48.96 ID:w07oQ8bDO

「つまンねェな、おィ」

今日も恙無く実験は終り。
何事も無く、時間が過ぎた。

「気のせいだったのかよ、あれは」

実験の前に感じた、妙な高ぶり。高翌揚。昂奮。
今までにない感覚に、一方通行は頭を振った。

（エンドルフィンの過剰分泌ってわけでもなかったしなァ）

学園都市第一位の頭脳を持ってしても、その感覚は解明出来なかった。

「イライラすンぜ……」

毎日毎日、同じ事の繰り返しで少々イラだっていただけ、一方通行はそう結論づけた。

（コーヒーでも飲みゃ、落ち着くか）

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:32:07.51 ID:w07oQ8bDO

いつまでも、血臭漂う場所にいる意味はない。
踵を返し、近場のコンビニを脳内で模索し始めたところで、一方通行は気が付いた。

（なンだ？）

人気がない。
いや、それは当たり前だ。
この実験は秘密裏に行われていることだ。
人気がないのは当然。


だが、しかし。


（あいつらの気配すらねェ）

実験のモルモットこと、第三位のクローン。
『欠陥電気』<レディオノイズ>の気配がない。


「…………」

下手に動かないでいるべきか。
それとも。

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:33:02.62 ID:w07oQ8bDO

「かはは、傑作だな。真っ白い兄ちゃんよ」

突然、笑い声が聞こえた。

「傑作ゥ？戯言だろゥが」

「戯言、戯言ね」

「まあ、そういう事にしといてやるよ」

未だ、姿は無く。
声のみが響く。

「で、何なンですかァ？この俺に何か用でもあンのかァ？」

一方通行はこの声の主を、スキルアウトとは別種の人間と判断した。
殺意はあれど、敵意がない。
故の判断。

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:33:50.55 ID:w07oQ8bDO

「まあ、用っちゃ用だが。焦るなよ」

「はァン」

「奇妙な感覚があったろ」

核心をつく言葉。

「だったらなンだ？」

「それは、兄ちゃんが零崎に目覚める前兆さ」

零崎。
零崎一賊。
実験へと至る過程で耳にした事がある。

曰く、最も忌み嫌われる殺人鬼集団。
曰く、この世で最も敵に回すのを忌避される醜悪な軍隊。
曰く、この世で最も味方に回すのを忌避される最悪な群体。
曰く、邪悪と冒涜の宝庫。
曰く、――――

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:34:26.13 ID:w07oQ8bDO

「まあ、こんな事をしてるぐらいだ。知ってるだろうな」

「でェ？そんな零崎某がどうしたって？」

「カハハ、落ち着けよ。早漏はモテないぜ？」

「……チッ」

「兄ちゃんは十中八九、零崎に目覚める」

「だからァ？」

「家族として向かえにきた」

「ハッ」

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:35:02.05 ID:w07oQ8bDO

思わず、鼻で笑う。
家族。
なんて、縁も無く程遠い言葉だろうか。

「お生憎さまァ、目覚めたところでついてかねェよ」

「そりゃ、そうか。兄ちゃん、一人でも大丈夫そうだしな」

「なら、とっとと失せろ。死にたくねェだろ」

「おー、こわ。まあ、今日は退かせてもらうぜ」

「二度とくンな」

「じゃあな、零崎壱識」

「誰の事だァ、そりゃ」

返事はない。

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:35:37.74 ID:w07oQ8bDO

「ふン、行ったか」

今度こそ帰ろうと、一方通行は歩きだす。
途端。

「見つけましたよ、一方通行。とミサカは溜息を放ちます」

『欠陥電気』<モルモット>が現れる。

「あァ？まだやンのかよ？」

『欠陥電気』<モルモット>は頷く。

「イレギュラーです。とミサカは心底面倒だと言うように肯定します」

「前倒しってわけかよォ」

「ええ、とミサカは少々うんざりしながら首を縦に振ります」

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:36:51.51 ID:w07oQ8bDO

「では、これより５分後、第一〇〇三〇次実験を開始します。とミサカは諦めを込めて告げます」

実験。
殺戮。
惨殺。

「なるほどなァ」

襲いくる感覚に、一方通行は納得した。

「？」

『欠陥電気』<モルモット>は気づかない。

（これが、零崎ってやつか）

己の内の殺人衝動。欲求。
ただ、溢れるそれに身を任せる。

「これより、第一〇〇三〇次実験を開始します」

希代の殺人鬼が産声を上げる。
凶悪に歪んだ笑顔と共に。



「初めればいいんだろォ、零崎ってやつをよォ」

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:37:38.07 ID:w07oQ8bDO

数瞬。
全てが終わっていた。

「カカカキキカカクキカキケカカケクキククカカカ！！！」

英雄はまだ、気付かない。

殺戮の海に沈む、無数の命に。

英雄は、気付かない。

死ぬために生まれてきた命に。

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:38:28.91 ID:w07oQ8bDO

「何で……」

「何故、と言われましても、とミサカは疑問を呈します」

「実験のスピードが加速してるって、どういうこと！」

「ですから、そのままの意味です、とミサカは若干呆れながら伝えます」

休日のカフェテリア。
名門私立校、常盤台の制服に身を包んだ少女が二人がいた。
一見、仲の良い双子にも見えるが、事情を知るものにはそうは映らない。
片や、学園都市第三位の『超電磁砲』<レールガン>、御坂美琴。
片や、その彼女から生まれたクローンである『欠陥電気』<レディオノイズ>。

興奮気味にまくし立てていた美琴が、呻く。

「あいつが、力が増してるっていうの……」

「そういうことになります、とミサカは安堵しながら肯定します」

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:39:09.20 ID:w07oQ8bDO

「……で、あんたの検体番号はいくつだったかしら？」

どこか、間違いであってくれと祈りを込めるような問い。

「ミサカの検体体番号は第14273号であります、とどこか誇らしげにミサカは伝えます」

「……嘘」

五千体を僅かに上回る程度。
二万体も製造された個体が、驚くべき速度で消費されていく。

「……止めなくちゃ…」

無理だ。
分かっている。

でも。
それでも。

「……間違ってるわよ、こんなの」

「？」

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:39:54.04 ID:w07oQ8bDO

『欠陥電気』<モルモット>は気付けない。
美琴の決意を。

『欠陥電気』<レディオノイズ>は気付かない。
美琴の思いに。


『超電磁砲』<レールガン>は気付いていた。
殺人鬼との力量の差を。

『超電磁砲』<ミサカミコト>は気付いる。
己に迫る死という恐怖を。


だから、気付かなかった。

だから、気付かない振りをした。

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:40:23.83 ID:w07oQ8bDO

「次の実験はいつ？」

「機密事項に抵触するため、お教えすることは、出来ません、とミサカは首を振ります」

「教えなさいよ！」

「出来ませんと、ミサカはお姉様に申し上げます」

「……このっ！」

幸か、不幸か。
そこで美琴の携帯が鳴った。

「何よ、こんなとき――――っ！？」

「どうしました？と、ミサカはお姉様に疑問を投げ掛けます」

「続きは、後でよ。用事が出来たわ」

美琴がその場を後にする。
一文無しのモルモットを置き去りにして。

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 20:41:17.55 ID:w07oQ8bDO

今日はここまでー

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 21:31:58.70 ID:7dhRjbb+0

期待

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 21:47:26.25 ID:iPejhd8ko

期待

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/16(土) 23:23:14.81 ID:1yQ4dXkl0

期待。支援

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄) [sage]：2011/04/17(日) 01:32:58.71 ID:pwG6sh/AO

零崎になったら殺気を把握して木原神拳が効かなくなるな

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/18(月) 22:20:25.77 ID:nIqZdo1p0

14273号、感情出てきてないか？
というか、美琴ェ…………

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/21(木) 23:22:06.36 ID:jMy6WRiF0

零崎になった一通さんを上条さんがもしボコったら、上条勢力まとめて殺しにかかってきそうで怖いな。

22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]：2011/04/22(金) 02:34:20.44 ID:By0deOsGo

>>21
上条勢力vs零崎一賊とか胸熱

23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/22(金) 23:24:58.83 ID:3jEZDVEGo

零崎無双になるからダメだな

24 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/23(土) 02:43:55.05 ID:YzmfffeDO

レス、ありがとうございますっ

>>20
その辺りはおいおい書いていこうかと思います

では、ちょっとだけ投下

25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/23(土) 02:44:59.55 ID:YzmfffeDO

同日、午後。

「……どういう事？」

第七学区のとあるビルの内部に、御坂美琴は立っていた。

目の前には、巨大なビーカーがあった。
ビーカーには、男とも女とも子供とも老人とも取れない異形が逆さまに鎮座する。

「どういう事も何も、先程言った通りだよ」

「御坂美琴。総括理事会は、満場一致をもって君を学園都市第二位の超能力者へと認定する」

「『未元物質』<ダークマター>はどうなったのよ！あいつが、第二位のはずでしょ！？」

「『未元物質』<ダークマター>、彼は実験の最中に能力の暴走が起きてしまってね」

事もなげに異形<バケモノ>は言う。

26 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/23(土) 02:47:16.85 ID:YzmfffeDO

「死んでしまったんだよ。残念だ」

「『未元物質』<ダークマター>が死んだ……？」

嘘だ。
美琴は思う。
だが、それを口にするほど子供ではない。

「さて、『未元物質』<ダークマター>の話はもういいだろう」

「第二位に到った『超電磁砲』<レールガン>、君には少し制限を付けさせてもらうよ」

「……そういうことね」

「何、君の身の安全を確保するためさ」

なにをぬけぬけと。
どの口が身の安全なんて。
だが、言葉は出ない。

「いいわ、受けてやろうじゃないの」

「それは重畳」

「ただし、条件があるわ」

「条件？」

「なんだい？言ってみるといい」

御坂美琴は転がり落ちる。
光の届くことのない、深海のような暗闇に。

27 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/23(土) 02:49:49.18 ID:YzmfffeDO

はい、ちょっとー。

一週間待たせてこれだけって首吊りたくなりますね。

しかし、平日の投下は厳しいので金曜の夜〜土曜の夜辺りに投下することに……

では、今回はこれで失礼。

28 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/04/23(土) 11:13:36.06 ID:YzmfffeDO

なんか……眠かったのか日本語が不自由だな…

29 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/05/26(木) 00:41:15.81 ID:ACRexILL0

もう一カ月待ってるぞ…

30 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/12(日) 22:38:52.30 ID:BX1HEyVe0

まだですか･･･？

31 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/17(金) 02:09:57.27 ID:NlMoLaHU0

私待つわ〜

32 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]：2011/06/22(水) 12:48:29.70 ID:8vh1ZgNC0

いつまでも待つわ〜

33 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]：2011/06/26(日) 23:35:45.35 ID:gIgB6/lNo

たとえあなたが　このスレに来てくれなくても〜

34 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/07/24(日) 01:43:41.87 ID:LrbW923x0

待つわ〜