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博士「おはよう」男「えっ」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:21:52.18 ID:ZC63e2hz0
ひとまず書いていく。
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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バームくんへ @ 2025/06/11(水) 20:52:59.15 ID:9hFPsRzXO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749642779/
秘境 @ 2025/06/10(火) 00:47:53.81 ID:BDVYljqu0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749484073/
【安価】上条「とある禁書目録で」鴻野江「仮面ライダー」【禁書】 @ 2025/06/09(月) 21:43:10.25 ID:qDlYab/50
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749472989/
ツナ「(雲雀さん?!)」雲雀「・・・」ビショビショ @ 2025/06/07(土) 01:30:36.87 ID:AfN9Rsm0O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749227436/
【安価コンマ】障害走を極めるその5【ウマ娘】 @ 2025/06/06(金) 01:05:45.46 ID:RaUitMs20
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1749139545/
貴様たちの整備のお陰で使いやすくしてくれてありがとう @ 2025/06/04(水) 20:56:21.03 ID:QjuK6rXtO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1749038181/
阿笠「わしの乳首に米粒をくっ付けたぞい」コナン「は?」灰原「は?」 @ 2025/06/04(水) 04:01:13.39 ID:ZjrmryLdO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748977273/
レッド(無口とか幽霊とか言われるけどまだ電脳世界) @ 2025/06/02(月) 21:21:00.13 ID:ix3UWcFtO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1748866860/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:23:53.76 ID:ZC63e2hz0
博士「おはよう」
男「えっ」
男「すいません。とりあえず教えて欲しいんですが・・・」
博士 「おぉ、何でも聞いてくれ。ちなみに私は未亡人だ。」
男「聞いてません。よくそんなことさらっと言えますね・・・」
博士「HAHAHA!!それで、聞きたいこととは何だい?」
男「・・・あの。」
博士 「ん?」
男「ここどこですか?」
博士 「私の研究所だよ?」
男「はぁ・・・」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:24:37.66 ID:ZC63e2hz0
周りを見渡すといろいろな機械が唸りを上げている。
ごつい機械のモニターに、緑色の数字が淡々と流れていく。
目の前にいる、女性は白衣?を着ており、満面の笑みでこちらを見つめている。
博士「ほかに何か聞きたいことはあるかい?」
男「えっと・・・」
この状況に混乱して、何を聞いたらいいのか迷ってしまう。
男「・・・あれ・・・・僕は・・・」
男「・・・・僕は・・・誰だ・・・?」
頭の中をいろいろな思考がぐるぐる回る。思い出そうとしても何も出てこない。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:25:17.91 ID:ZC63e2hz0
博士「・・・・・・・・・。」
男「あの・・・僕は・・・一体誰なんですか・・・?」
博士「実は、私にもわからなくて困ってたんだ。」
男「・・・えっ」
博士「つい先日、私の元に依頼が来てね。記憶喪失の男がいるから、どうにかして記憶を戻して欲しい・・・ってさ。」
男「じゃあ僕は・・・」
博士「うん。記憶喪失って奴?参ったよねー。第一私そういう部門じゃないし、かといって上司の依頼を断るわけにも・・・」
頭の中がぐるぐる回る。この状況か把握できない。
目の前がくらくらした。
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:26:00.06 ID:ZC63e2hz0
男「・・・元に戻れるんですか・・・?」
博士「んにゃ?当たり前だよー。私には優秀な助手がいるから大丈夫だよ。」
男「助手・・・?」
博士「んーいろいろ説明するとめんどくさいけど、変わった助手がいるんだよ。」
男「変わってる助手・・・?」
博士「もーいろいろ大変さー。子供の癖に大人ぶっちゃって、憎たらしいったらありゃしない。
おまけに気味の悪い研究を一人でずっと続けてるし、どんだけ父親が…」
助手「余計なお世話です。」
博士「うひっ!?」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:26:39.83 ID:ZC63e2hz0
助手「・・・・・・。」
博士「あれー・・・助手君・・・居たんだー・・・HAHAHA」
助手「HAHAHAじゃありません。邪魔なんで早く出てってもらえますか?」
博士「いやー相変わらず可愛くないねー。笑顔じゃないとモテないよ☆」
助手「・・・・・・」
博士「んじゃー後はこの助手君に任せるから、頑張って記憶を取り戻してね!!」
男「はぁ・・・」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:27:44.88 ID:ZC63e2hz0
助手「・・・・・・」
博士「(あんまり露骨に顔に出すと、駄目だよ?)」
助手「・・・・っ!?そんなこと!!」
博士「んじゃよろしくー」
博士は急ぎ足で部屋を出て行ってしまった。
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:28:32.40 ID:ZC63e2hz0
助手といわれた人物は若い男の人だった。
イケメンだ。畜生。
助手「・・・・・・」
男「・・・・・・」
男「(この空気は気まずい・・・)
助手「・・・・・・チラッ」
男「あっあのー・・・・・・」
助手「お、俺がお前を担当する助手だ。よろしく頼む。」
男「あっはい!!・・・よろしくお願いします・・・」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:29:16.72 ID:ZC63e2hz0
助手「・・・・・・」
男(えええええええええそれで終わりかい!!)
男「あの・・・」
助手「ビクッ!・・・・・・なんだ。」
男「どうやって僕の記憶を蘇えさせるんですか? 」
助手「あっ・・そうか、コホン。俺の開発している薬を使って、お前の記憶を徐々に回復させる。」
男「薬・・・?」
助手「あぁ。稀にいるんだ。えーっと・・・何らかの原因で自ら心を閉ざし、記憶喪失になってしまう人たちが。」
男「へぇ・・・。そうなんですか。」
助手「まぁなっ!!」
男(キャラ変わってないか・・・?)
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:30:28.85 ID:ZC63e2hz0
助手「ま、というわけで早速、実け・・・、治療を始めるか。」
男「えっ、今実験って・・・」
助手「よし、じゃあもう一度横になってくれ。」
男「・・・・・・」
助手「心配するな。お前の記憶はきっと取り戻せるさ。よくわかんないけど。」
男「えっ」
助手「いいか?記憶を取り戻すといっても、俺たちが干渉できることは少ない。」
男「どういうことですか?」
助手「この薬はお前の記憶を、夢の中に映し出す効果があるんだ。走馬灯みたいに。」
男「・・・なるほど」
助手「しかし、一度に大量の薬を使うと情報量が多すぎて、脳味噌自体が耐え切れないんだ。」
男「・・・ほう」
助手「だから、薬の服用を3回に分ける。この薬は人体に影響するリスクも半端ない。」
男「え、その薬危ないんですか?」
助手「まぁな。実際使うのはこれが初めて・・・」
男「えっ」
助手「まぁ直ちに影響はないレベルだから安心しろ。」
男(大丈夫か・・・?この助手)
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:31:34.37 ID:ZC63e2hz0
助手「とにかく。お前には自分自身の力で自分の記憶をたどってもらう」
助手「きっと思い出したくない過去や、苦しい現実を見るかもしれない」
男「・・・・・・」
助手「それでもお前は。自分の記憶を取り戻そうとおもうか?」
男(なんでこいつはこんなに悲しそうな顔をするんだろうか・・・)
男「僕は・・・」
助手「・・・・・・」
男「どんな過去でも、受け入れてみようかと・・・思います。」
助手「そうか・・・。」
助手「・・・・・・変わらないな」
男「?」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:32:15.88 ID:ZC63e2hz0
助手「よし。わかった。前置きが長くなったが、始めるとするか。」
助手はそう言うと、僕の頭にぺたぺたと何かを貼り付けて準備を始めた。
数分後
助手「それじゃ。この薬を飲んでくれ。」
男「はい。・・・ん?」
助手「どうした?」
男(これ何処かで見たことあるような・・・)
男「いえ。何でもありません。」
助手「よし、んじゃ幸運を祈る。」
男(ん。結構甘い)
ゴクン
助手「・・・・・・」
男(ん・・・うわ・・・・頭が・・・・くらくらす・・・・る)
俺はゆっくりと記憶の中に溺れていった。
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/24(日) 18:36:03.28 ID:ZC63e2hz0
需要があったら続き書きます。
書くスピードはゆっくりなので気長にまってくだしあ
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/04/24(日) 20:27:57.12 ID:g40k9kAc0
わっふるわっふる
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/25(月) 09:08:29.47 ID:/F7AUNKDO
あっはい!!がおっぱい!!に見えた期待
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/25(月) 16:26:13.66 ID:WvBtDe7B0
古臭い小屋が俺たちの秘密基地だった。
山奥の小さな小屋。俺たちはいつもそこに集まり、遊びの計画を立てて、日が暮れるまでそこで遊んでいた。
男(ここは・・・)
ぼんやりした頭をぼりぼりと掻きながら、周りを見渡す。
ボロくて狭い小屋の中には、駄菓子屋で当てたプラモや、買い置きのお菓子などが散らばっている。
風が入り口から吹いて気持ちがいい。
どうやら今は春のようだ。
?「なんだ、もうきてたの?今日は早いんだね。」
ハキハキした声にすこし驚いて俺は振り向いた。
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/25(月) 16:27:10.71 ID:WvBtDe7B0
男「・・・よぉ・・・。翠。」
翠「どうしたのwwww今日はおとなしいねww」
翠はクスリと笑うと、俺の目の前にチョコンと座り漫画を読み出した。
風に吹かれて茶色の髪の毛がフワリと流れた。
つい、見とれてしまい俺は恥ずかしくなって顔を背けた。
翠「?」
男「・・・・・・」
翠「なに?なんか付いてる?」
男「い・・・いや別に。」
翠「変なの。あ、そういえばテストどうだった?」
翠は漫画をおき、膝を抱えてこっちを向いた。白とピンクの縞々だった。
男「いや、もう完璧。あんなの簡単すぎてだって。」
翠「へー・・・じゃあ、問い4のとこ答えなんだった?」
男「・・・・・・。」
翠「問い4の問題ってどんなやつだった?」
男「あー・・・えー・・・あれだろ。磁石のあれだろ?電磁波がどうとか。」
翠「今日のテスト数学なんですけど。」
男「すいませんたぶん赤点です。」
翠「よし。見得張らないで素直に言えばいいのに」
満足げな顔をして、翠はまた漫画を読み始めた。
せっかくテストが終わったって言うのに、なんでこんな思いをしなくてはいけないのか。
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/25(月) 16:42:23.79 ID:WvBtDe7B0
?「おい。また俺の妹といちゃいちゃしやがって。リア充気取ってんじゃねぇぞ。この童貞野郎が。」
男「お、うるせーのが来やがった。よぉシスコン野郎。遅かったじゃねぇか。」
蒼はどさりと翠の横に座る。
翠は少し苦い顔をして立ち上がり、俺の横に座り直す。
蒼「・・・・・・そりゃないよ妹ちゃん。」
翠「うるさい兄貴。軽々しく私の名前呼ぶな馬鹿。」
こいつらは双子の兄弟で俺の昔からの幼馴染。
兄の蒼は顔もいいし、勉強も出来て、運動神経もいい、重度のシスコン変態野郎で俺の親友。
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/25(月) 16:43:07.88 ID:WvBtDe7B0
男「んで、どうだった?」
蒼「なにが?」
男「しらばっくれるな。2組の佐々木さんに告られてきたんだろ?」
蒼「ちょ、お前・・・。」
翠「あれ?4組の荒川さんにも告白されてたよね。兄貴」
蒼「いや・・・それは。」
男「うわー。モテるって怖いわー。一日に2人から告白されるってどんなエロゲだよ」
翠「えろげ?」
男「エロゲって言うのは」
蒼「やめろ変なこと教えるな。」
翠「げ。兄貴変なことしようとしてたんだ・・・最悪。」
蒼「うわああああああん俺が何したって言うんだあああああああ」
男「どんまいwwwwwwwwwwwwwwww」
蒼「てめーのせいだろうが!!」
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福島県)
:2011/04/25(月) 16:54:50.49 ID:WvBtDe7B0
いつもどうりの日常が流れる。
3人でくだらない事で時間を潰して、馬鹿話に花を咲かせて。
秘密基地の中にいるときはいつも楽しくて、時間があっというまに過ぎていく。
男「お前そういえば64買ってもらったんだろ?」
蒼「ふん。うらやましいか?羨ましいだろう?」
男「いーなー。カセットは?」
蒼「カービィ」
男「この前出たやつ?」
蒼「あぁ」
男「よし。お前んち行くぞ。」
蒼「はぁ?」
男「俺もカービィやりたい。」
蒼「馬鹿いうんじゃねぇよwwwwwwwwww駄目ですからwwwwwwwwww」
男「なぁ翠。お前んち行っていいか?」
翠「うん。いいよ。」
蒼「妹よおおおおおおおおお裏切るのおおおおおおお」
翠「うるさい。」
男「よし決まり!!んじゃ行こうぜー」
翠「うんっ!!」
蒼「ちょ。カセットは俺のなんですけど。ちょ、ちょ待てって・・・待ってください!!」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/04/25(月) 18:51:27.31 ID:yR66S3D+0
wktk
22 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/25(月) 20:33:26.54 ID:WvBtDe7B0
男「おじゃましまーす・・・」
翠「あぁ、今誰もいないから入っていいよ?」
男「あ、あぁありがと。」
翠「なんで感謝してんのwwwwww」
男「いや、ここに来るのも久しぶりだなぁ・・・って」
翠「そーだねー。昔は毎日遊びに来てたのにね。」
男「ここにくればゲームし放題だからな」
蒼「ほとんどが俺のゲームだ。」
翠「あ、兄貴居たんだ。」
蒼「ひどいっ!!なんでそんな扱いなのっ!?」
男「ほんと翠は兄貴に対して厳しいなww」
翠「だってお兄ちゃん気持ち悪いんだもん。お風呂とか覗くし。」
蒼「翠。もう一度”お兄ちゃん”と呼んでくれないか」
翠「あっ・・・!?キモイッ!!馬鹿ッ!!くたばれッ!!禿げろッ!!」
蒼「ごめんwwごめんww」
男「ちなみにお風呂の感想は?」
蒼「発展途上中」キリッ
翠「氏ねッ!!」
23 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/25(月) 20:42:57.68 ID:WvBtDe7B0
歩くたびにキィキィと鳴る階段を上り、蒼の部屋に入る。
几帳面なのか部屋は整理されており、ガラスケースには綺麗にフィギュアが並べてある。
男「おおー金のコントローラーじゃん」
蒼「ふっ・・・これが下級庶民との違いよ。じいやに頼んで作らせたのだ。」
男 「あとでボンバーマンもやろうぜ」
蒼「突っ込んでもらわないと悲しくて死んじゃう」
翠「なんか飲み物持ってこようか?」
男「悪いな。ありがとう。」
翠「麦茶でいい?」
男「ういー」
蒼「俺のも持ってきて」
翠「やだ。」
蒼「持ってきてください。」
翠「よろしい。」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/04/25(月) 22:49:56.70 ID:yR66S3D+0
貧乳ktkr
25 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/26(火) 19:43:02.72 ID:cMLtDQs+0
カセットの裏に息を吹きかけて、電源を入れと
鈍い音と高音のゲーム音が部屋に響いた。
遠足の前の日のようにワクワクしながら一心不乱に指を動かしていると
これでもないかってくらい幸せな気持ちになれる。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
男「お、もうこんな時間か。俺そろそろ帰るわ」
翠「えーもう帰っちゃうんだ。」
残ったぬるい麦茶を飲み干して立ち上がる。
長時間座っていたので、尻がじんわりと痺れて痛い。
男「また暇なときやりにくるわ。データ残しておいてくれよ?」
蒼「間違って消すかもしれんが、まぁいつでもどうぞ」
男「素直に来いっていえばいいじゃねぇかwwww」
ギシギシ鳴る階段をゆっくり降りて、靴を履いていると
ちょうど玄関のドアが開いて、けだるそうな男がこちらを見た。
26 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/26(火) 19:44:03.13 ID:cMLtDQs+0
男(おっと…家の人かな・・・挨拶しないと)
履きかけの靴から手を離し、腰を上げつつ挨拶しようと口を開く。
そのときだった。
目の前がぐらりと歪んで、灰色に変わっていく。
体がふあふあと浮いたように気持ちが悪い。
男(・・・これは・・・。)
まるでこの世のものとは思えない気色の悪い光景だった。
目の前に立つ男性の体が、頭の先から股の下までぱっくりと割れて直立不動で存在している。
まるでスイカを包丁で一人分ざっくりと切るように、その男性の身体は裂けており、
その内部には灰色に広がる空間が広がっていた。
27 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/26(火) 19:44:30.90 ID:cMLtDQs+0
僕はハッととなって周りを見渡した。
さっきまで自分は、子供の頃の自分に身をゆだねて傍観していたはずだった。
しかし、今は違う。
「記憶喪失になり、昔の自分を見ている自分」がしっかり意思を持ってここにたっている。
男「ど・・・どういうことだ?子供の頃に戻ってきたって言うのか?」
しっかりと自分の意思で手足を動かせる。
子供の頃の自分ではない。記憶喪失の自分の意思で。
それはともかく、今は目の前の存在に意識を向けるべきだろう。
まさか人間が真っ二つに割れて生きていられるはずはないし、
仮に本当に体が裂けていたとしても、内臓やらなにやらが詰まっているはずである。
中身が灰色の光沢物で出来ている人間は存在しないはずである。記憶が正しければ。
男「まさか。宇宙人・・・」
自分はひどく混乱しているようだ。
そんなわけあるわけがない。
そうだ。この家に来たということは蒼の家の人に決まっている。
男「なぁ!!蒼これどうなってんだっ・・・・・・ぇ・・・」
どうやら僕は記憶喪失と共に頭も狂ってしまったようだ。
振り返ると、階段を降りている途中の蒼と翠の姿が並んでいる。
体が真っ二つに開かれた状態で。
28 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/26(火) 19:56:57.84 ID:cMLtDQs+0
2人も同じように中身が灰色に染まっており、
ビジュアライザのようにうねうねと割れ目に空間が出来ていた。
男「はは・・・ははは・・・。僕の少年時代は相当波乱万丈だったらしい・・・。」
視線を玄関の男性に向けるとさっきと同じ姿勢で立ち尽くしていた。
どうやら僕以外の時間が止まっているようだ。
男「・・・ん?」
よく見ると、男性の体内?にぼんやりと映像が浮かんでいるのがチラリと見えた。
映像は一瞬見えたかと思えば消え、消えたかと思うとひょっこりと浮かぶ。
男「これは・・・・・・博士?」
ちらりと見えた顔には見覚えがあった。
目覚めたときにいた、未亡人の博士だろう。ずいぶんと若く見える。
ぼんやりとしていて見えずらいため、腰を上げてゆっくりと男性の近くへと寄る。
さっきよりはっきり映像が映りだしたと思った瞬間。
その灰色が急に飛び出し、僕の身体をつかんだ。
男「うわっ!!!な・・・なんだこれ!!!う・・・たすけ・・・」
触手のように体にまとわり付く灰色の物体に抵抗も出来ず
僕は男性の体内へと溺れていった。
29 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
[sage]:2011/04/26(火) 19:59:17.28 ID:cMLtDQs+0
日本語おかしくてサーセン。
なにか質問があればできる限り答えます。
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/04/26(火) 21:32:48.38 ID:6DY2+TSY0
そんなことより早く書くんだ
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
:2011/04/26(火) 21:53:28.07 ID:bppjfa7AO
頑張って
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/27(水) 07:28:15.50 ID:2Q7WurlIO
頑張って下さい
33 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 17:28:15.10 ID:vvAR7SNH0
灰色の世界はゆっくりと形を変えて、映像を吐き出そうとしているようだった。
ぐにゃりと歪んだり、突然花火のようにはじけたり、
男はなす術なくその状況に身を任せて漂っていた。
すると、突然コーラが噴出すかのように、ある風景が男の頭の中に大量に流れ込み出した。
もやもやと霧のようにかすみ、はっきりとは見えないが徐々に空間が構築されていく。
男?「本当にこれでよかったのか・・・?」
女?「「しょうがないってwwww別に一生会えないわけじゃないんだし」
どうやら研究所のような場所らしい。
壁の色は真白で、いかにも隔離されているかのようなモサっとしたぬるい空気が漂っている。
男?「でも、驚いたよな。まさか俺たちのふるさとに手がかりが眠ってるなんて」
女?「灯台下暗しってやつねwwほんとあそこに帰るのも何年ぶりかしら」
女はさっきより少し明るくなった笑顔を見せた。
男? 「昔はよく3人で遊んだよなぁ。秘密基地とか作ったりしてさ」
女?「あー懐かしいwwww私は2人が作ってるのを見てただけだけどね」
自動ドアが鈍い音を上げて開く。外に出ると気持ちのいい風が男たちの横を抜けて
ドアの中に抜けていった。
女?「んーー!!やっぱり太陽の下は気持ちがいいねぇー・・・」
女は腕を持ち上げて、ぐっと背伸びをした。
ぴっちりと胸が強調され男は目をちらりと向ける。
彼女の元気なところは外でも中でも変わらない。
そんなところに自分はほれたわけだが・・・
まぁ仕方がない。あっちで新しい出会いを見つけるとしよう。
ずっとぼやけていた女の顔がはっきり形を映し出してきた。
それは何処かで見たことのある顔だった。
未亡人の博士。あの時みた顔よりだいぶ若く、顔色もだいぶいい。
また世界がぐにゃりと歪む。
34 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 17:34:37.10 ID:vvAR7SNH0
こんがらがってきたので補足
記憶喪失になった男
助手の薬によって自分の記憶を戻す作業を始める
↓
自分の子供の頃の記憶に戻る。
↓
子供時代の親友(蒼)の家にて父親らしき人物と出会い、奇妙な体験をする
↓
父親に触ようとすると、灰色の物体が男を包む。
↓
父親?の記憶の映像を見れる←今ここ
35 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 17:35:23.58 ID:vvAR7SNH0
【訂正】
父親とは蒼の父親のことです。
36 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 20:45:27.11 ID:vvAR7SNH0
再び景色が捻じ曲がり、いまだに灰色の世界は消えない
断片的な映像が淡々と続いていく。
どうやら記憶の時間が流れているようだった。
凄いスピードで記憶が進んでいく。
1日、半年、一年・・・おそらく10年ほど時間を飛ばしている。
見知らぬ男の生涯が流れていく。変わらない毎日。何か作業しているようだったが
やはり記憶の断片はハッキリせず、もやもやと認識できない。
記憶はある地点で進むのを止めた。
ひどく蒸し暑い空気だった。
狭い小屋のような場所で、机の上にはごちゃごちゃと資料が並べてある。
窓から入る太陽の光はじりじりと熱く、よりいっそう濁った空気を室内に篭らせる。
男?「・・・・くそっ!!なんで完成できないんだッ!!」
男は机を蹴り飛ばし、椅子にだらりともたれ掛かった。
ヒゲはぼさぼさに生え、目蓋の下は青紫に変色している。
どうしても分からないことが立て続けにおきている。
今まで何の変化もなかった。変わらない日常が過ぎて、また変わらない明日が来る。
それが今はどうだ?わけの分からないことに振り回されて、わけの分からないことをしている。
もしかして罠にはめられたのかも知れない。
留守電のメッセージが正しければ、あいつは逃亡犯で俺たちを裏切ったことになる。
ならなぜ?どうして俺の元に現れた?どうして俺に助けを求めた?なぜ?知るか。
自分の親友を疑わなくてはいけない。男は罪悪感に駆られてため息を吐き出した。
少し落ち着こう・・・。
男は立ち上がりすっかり覚めてしまったコーヒーを口に含んだ。
もう日差しも弱くなり始め、外からはヒグラシの鳴く声が聞こえる。
37 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 20:46:46.26 ID:vvAR7SNH0
コーヒーを置き、もう一度資料に目を通しているとドア越しに誰かが近づいてくるのが聞こえた。
町外れのこんな場所に来る人物なんてめったにいない。
男?(・・・・・・あいつか?)
緊張で心臓の音が早くなる。
誰か分からない足音はどたどたとドアの前に近づいている。
構えているとドアが激しく開いた。
男?「・・・あ・・・・蒼じゃないか・・・」
ドアの前には泥まみれになった息子、蒼の姿があった。
手や足には傷が出来ており、息を切らしている。
蒼「お・・・・親父・・・・助けてくれ」
男?「ど・・・どうしたんだッ!!何があった!?」
蒼「なんだかわかんねぇけど・・・変な奴らが追いかけてきて・・・殺されそうになって」
蒼はそう言うと力が抜けたかのようにドサリと床に座った。
ずいぶん遠くから走ってきたようだ。
38 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 20:47:26.22 ID:vvAR7SNH0
悪い予感が脳裏をかすめた。
汗が体中から吹き出ると共に鈍い焦りが全身を包む。
男(まさか。あいつを探しに来たやつらか・・・!?でもなぜ村の人々を襲う必要がある?)
男(いや、可能性はある。だとしたら・・・美登理も危ない・・・!?)
男「蒼・・・俺はお母さんを見てくる。ここにいるんだぞ?」
蒼はこくんと頷き眠りについてしまった。
よほど疲れていたのだろう。
たぶんここなら見つかることもない。
39 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 20:48:00.63 ID:vvAR7SNH0
一心不乱に走った。頭をかすめるのは最悪の光景だ。
それを振り切るかのように走る。ここ一週間は家に帰らなかったため美登理にも会っていない。
男「・・・・はぁ・・・どうかっ・・・・無事で・・・・いてくれっ・・・!!」
息を切らしたまま、我が家に着いた。
すでに周りは薄暗く、電灯に明かりがつき始めている。
玄関を開ける。信じられない光景だった。家がまるで泥棒に入られたかのように荒らされている。
そして、認識したくない匂い。鉄の匂い。
台所に美登理はいた。血溜まりの中に。
40 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 20:49:11.85 ID:vvAR7SNH0
家の外から叫び声が聞こえる
?「おい!!まだこの中に人がいるぞッ!!」
男はとっさに裏庭から逃げ出した。もう考える余裕はない。
ただ意味も分からずに走る。
走る。
走る。
意味の分からない現実から抜け出すようにただがむしゃらに走った。
足の感覚が分からない。それでも走ることを止めなかった、
止めてはいけない気がした。
気付くと、研究室の近くの川岸に来ていた。
この場所には研究所の合間によく散歩に来ていたものだ。
川の流れはさらさらと変わることのない風景が続いている。
男(・・・・・・・・・)
足の疲れはピークまできていた。ドサリと座る。
もはや考えることを放棄したほうが楽ではないのかと思えてくる。
このままでは私自身の命も危なくなってくる。
いや、
まだ私には守らなくてはいけないものがある。
41 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 20:49:40.56 ID:vvAR7SNH0
男「蒼・・・蒼と翠を守らないと・・・」
再び足に力を入れて立ち上がる。
震える足を殴り、私は研究所に戻ることにした。
男「・・・ん?誰だ」
しばらく歩いていると、川岸に誰かが倒れているのが見えた。
近づいてみてみると見覚えのある顔がそこにあった。
男「この子は・・・蒼の親友の子じゃないか・・・。」
ぐったりと気を失っているようで、身体は水で濡れている。
どうやら溺れてここまで流れてきたようだ。
男「しょうがない・・・ひとまずうちの研究所まで運ぶか・・・」
倒れている少年を肩に担ぎ、研究所までの道のりをずるずると歩いた。
42 :
VIPにかわりまして40キロ圏内からお送りします
:2011/04/27(水) 20:54:18.72 ID:vvAR7SNH0
展開忙しくてすいません。
物語全体の5分の1地点。
完成はいつになるやら\(^o^)/
毎日少しずつ書いていこうと思います。
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/04/27(水) 23:02:07.19 ID:DLkjt9dRo
乙
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/05/01(日) 11:16:53.82 ID:HpZmHxIto
毎日……?
25.97 KB
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