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【ヒトデファンタジー】女王「ハートのトランプだと……」【そのU】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U :2011/04/27(水) 18:24:58.47 ID:AVjybmng0

前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300849528/


1スレ目から見てくれた人は超ありがとう
いきなりこのスレを開いてくれた人は初めまして。

ニュです。

このSSには多少エロシーンや精神的にBADな点がありますが、最終的には後味の良い作品にしたいと思ってます。

大変未熟極まりない自分ですが、楽しんで行って下さい。

*一部、作者の趣味でキャラや道具、地名にクトゥルフ神話やアーサー王物語が絡んで来ますのでそちらを探すのも面白いかと
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

2 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U :2011/04/27(水) 18:25:32.42 ID:AVjybmng0
登場人物


主人公:ヒトデ(本名 アーサー・ペンドラゴン)
年齢:19
身長:178
黒髪:ツンツン(FF7のクラウド風)

幼い頃に女王と何かあり、酷く怯えていた。
世界に4人しかいない『戦闘に勝利すると強くなる』能力の持ち主で、色々と謎な主人公
ルリと数分だけ結婚した


ヒロイン:青髪(本名 猿飛・ルリ)
年齢:19
身長:163
青髪:蒼星石の髪が少し伸びた感じ

実質ヒトデの元妻で、幼なじみ。
ワイヤーを使った戦法が得意でヤンデレ。
現在ヒトデの為にある召喚魔法を使って行方不明。


主人公2:カデシュ(本名 カデシュ・スカー・チェインハート)
年齢:349
身長:187
水銀髪:サラサラショート

112年前までは竜王として君臨していた魔王?
他にも仲間や、『あのお方』と呼ばれる者に仕えていたりした。
スカーの為なら敵を皆殺しにする位の覚悟がある。
女王と知り合い。


ヒロイン2:スカー(本名 スカーレット・ロックハート)
年齢:82
身長:185
黒髪:ロング

57年間奴隷や肉奴隷として生きたハーフエルフ。
その影響で女としての心を閉ざしたが現在カデシュの能力で女の子に近づいてきた
スカーのエルフ達特有の『足枷』は『完全記憶』な為、見た映像は全て覚えている。
……ヒロイン勢で一番可哀想な娘

3 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U :2011/04/27(水) 18:26:01.85 ID:AVjybmng0
サブ主人公:シオン(本名 シオン・アーチャー)
年齢:17
身長:177
金髪:ツンツン(FF7のクラウド風)

ルシフェルの屋敷に仕えている執事長の一族7代目。
クズだらけの屋敷にいながらも、そこが自分の世界だと諦めている青年。
シルバの影響で少しずつ明るい思考になってきた。


サブヒロイン:シルバ(本名 シルバ・ラヴクラフト)
年齢:93
身長:168
銀髪:ロング?

魔導海賊団の第二師団団長でありハーフエルフ。
12年前まではルシフェルや金髪男?達に何かされていたらしい。
『足枷』は『吸血鬼の呪い』で、現在の残り寿命は一週間。


メインキャラ:女王(本名 アリス・????)
年齢:34
身長:170
金髪:ロング

12年前ヒトデと何かしらの因縁がある戦闘狂の女王様。
カデシュや幼女、ロイ達と親しい仲にある。
何か他にも目的があったらしいが………


メインキャラ:姫(本名 リリス・????)
年齢:17
身長:168
金髪:ロング

実力だけならスカーに匹敵するさすがは女王の娘。
外の事をあまり知らないだけにヒトデに凄まじい信頼感を持っている。
4 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U :2011/04/27(水) 18:26:29.56 ID:AVjybmng0
メインキャラ:幼女(本名 ????・スカー・チェインハート)
年齢:118
身長:120〜167
金髪:ロング

色々謎だらけだけどカデシュの妹。
女王と知り合いだったりスカーやヒトデの事を知っていた。
ロイとは常にラブラブ


メインキャラ:ロリ太(本名 ロイ・????)
年齢:66
身長:120〜174
銀髪:ツンツン

2mの刀を使う剣士。
女王やカデシュと知り合いで、幼女の恋人。
かつてはとある大陸で名を轟かせていたらしいが………


メインキャラ:ルシフェル(本名 ルシフェル・エルト)
年齢:67
身長:177
白髪:オールバック

12年前までシルバやレン、スカーを『痛めつけるなどの拷問』をしていた狂人。
現在はギルガメス達と何か計画していて、体内には『宝玉』や『魔蟲』と呼ばれる何かを持っている。
どうやら『魔蟲』の出現には驚きを隠せない理由があるらしい


メインキャラ:ギルガメス(あだ名はロン毛?だった男)
年齢:30
身長:180
茶髪:ロン毛

4人組の中でリーダーっぽい存在。
だが何かとかませ犬臭がする。
スカーに散々酷い行為をしてきたようだ。
5 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U :2011/04/27(水) 18:27:03.71 ID:AVjybmng0
メインキャラ:金髪男?
身長:177
年齢:??
金髪:ツンツン(FF7のクラウド風)

4人組の1人、ルシフェルとは旧知の仲らしい。
その眼には『先読み』と呼ばれる能力があるらしい。
調教して手懐けるのが上手い。


メインキャラ:女?(あだ名は鎧男4だった)
身長:??
年齢:??
?髪:??

快楽狂いで、ギルガメス同様スカーに酷い行為をしてきた男。
変身能力があるらしい。
最近は女性に変身して犯されたり犯したりするのにハマっている


メインキャラ:あのお方




カデシュや幼女が仕えていた人物。
その信用や噂からしてかなり人徳があったと言える。
容姿のヒントは『スパイス』
6 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U :2011/04/27(水) 18:30:48.75 ID:AVjybmng0
前回までのあらすじ


ヒトデサイド・第一部&第二部前編

王城に忍び込んだ『ヒトデ』のNo5、ヒトデは姫と出会う。

数日後、ヒトデはルリの元婚約者だったと語る宮本と戦いそこで自身の名前を、史上最悪の一族であるペンドラゴンの名がつく『アーサー・ペンドラゴン』と明かす。


それから数日後、舞踏会にて女王と12年前の因縁に決着をつけるべく戦ったが完敗。
その後の女王と幼女の会話でヒトデの幼なじみ、ルリはヒトデの恐怖の根源が女王と知り殺害を決意。

現在、ルリはとある魔法の影響で行方不明。ヒトデは女王に敗北した後忍組総本部で修行。
そこでヒトデはルリが行方不明なのと、各地で藍色の髪でルリの顔をした女が妖刀を集めているのを聞く。



カデシュサイド・第一部・第二部前編・後編

魔導海賊団を束ねる男のエルフ、カデシュは舞踏会の襲撃の夜スカーの夢を見た。

そこでカデシュはスカーも救うべき人間だと決意し、自身の持つ『心の扉を開く能力』でスカーの心の闇を消す事にする。
しかしスカーの心が生み出した『裏世界』は現実の表世界にも影響を及ぼすのがわかった。

カデシュは更にスカーに特別な感情を抱くと同時に、自身が人間に近づく鍵だと考える。

そんなある日、魔導海賊団の仲間であるシルバが『足枷』の影響で体調を崩しているのを知った。
だがその翌日、薬を買いに行ったシルバはたまたま会ってしまったルシフェルに見つかり敗北。

現在はルシフェルの屋敷にて幽閉されている。

しかしそのルシフェルの屋敷では猟奇事件が起きていた。
ルシフェルの屋敷に勤める執事長、シオンはその事件や自身の父親、周りの環境に嫌悪感を抱きながらも、
ルシフェルに連れて来られたシルバを優しく看病している。

そのシオンの友人であり執事の青年、ミーシャはシルバに突然警告しに来ていた。

↑今このへん
7 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U :2011/04/27(水) 18:36:16.27 ID:AVjybmng0
作品内用語


ペンドラゴン一族

代々超人的な力を使って人々を苦しめて来た一族。
その超人的な力の秘密は近親相姦によって純血を保って来た事だった。
特に先ヶ代からが酷かったらしい。


コレぐらいかな、後わからない部分は質問してくれぃ

では前スレの>>982から
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 18:56:43.29 ID:dfTMYwtE0
新スレ一番乗り!
>>1おめでとう!
9 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/27(水) 19:03:34.03 ID:AVjybmng0





━━━シルバの部屋━━━


シルバ「………ごちそうさまでした」

シオン「ん、ちゃんと食べきったッスね」カチャカチャ

シルバ「………」ウトウト


シオン「……」じー

シルバ「………」バサッ

もぞもぞっ

シオン(かわいい……)
10 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/27(水) 19:11:38.31 ID:AVjybmng0
シオン「でも、ダメッスよー?」ゆさゆさ

シルバ「………んぅ?」もぞっ

シオン「ほら、ちゃんと風呂入るッス!」

シルバ「………」コクン


フラフラ


シオン「……ん?」ぴくっ

シルバ「?」フラフラ

シオン「……右足、大分治ってるッスね」

シルバ「………」コクン

シオン(ひょっとしてエルフかな…でなければ有り得ない速度だし)スタスタ


バッ


シルバ「!」

シオン「でも俺が運ぶから歩かなくて平気だぞ?」ギュッ

シルバ(………お姫様抱っこ)コクン
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 19:13:00.20 ID:SuERxlzDO
スレ立て乙
12 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/27(水) 19:26:57.00 ID:AVjybmng0





━━━メイド寮・前━━━


シオン「ん?」スタスタ

シルバ「………どうしたの」

シオン「いや、別に…」スタスタ


シオン(キーア、どこ行った? 仕事をサボるとも思えないし)チラッ


━━━━━シーン━━━━━


シオン(後で探しに行こうか…)スタスタ

ギュゥ……

シルバ(………手が強張ってる?)
13 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/27(水) 19:30:54.03 ID:AVjybmng0





〜メイド寮・浴場〜


チャプンッ

シルバ「………」ちゃぷっ

<「気持ち良いッスかー?」

シルバ「………うん」

シルバ(………)キョロッ

シルバ(………何だか怖い)チャプンッ


シルバ「………シオン」


━━━━━シーン━━━━━


シルバ「………シオン?」
14 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/27(水) 19:34:01.99 ID:AVjybmng0


フラフラ


シルバ「………シオン?」ガチャッ


━━━━シン━━━━


シルバ(いない…?)

シルバ「………」フラフラ

ファサッ

ごしごしっ

シルバ「………」フラフラ


ガチャッ


ミーシャ「ストップ!」ガシッ
シルバ「ッ!?」ビクゥッ
15 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/27(水) 19:44:05.61 ID:AVjybmng0
ミーシャ「……やれやれ、心配だから様子見てたらこれだよ」

シルバ「んむー! んむー!!」ジタバタ

ミーシャ「大声出さない?」

シルバ「………」コクン


ぱっ


シルバ「ッ!!」ブンッ

ミーシャ「おっとと」ひょいっ

ミーシャ「落ち着いて下さいシルバさん、僕は昼間会ったミーシャですよ」

シルバ「………何をするつもり?」キッ

ミーシャ「いえ、先輩の後を追ってここを出ようとしたので止めました」

シルバ「………どうして」
16 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/27(水) 19:52:28.42 ID:AVjybmng0
ミーシャ「言ったでしょう? ここ一帯は危険なんですよ、凄くね」

シルバ「……ならシオンも危ない」

ミーシャ「多分大丈夫です、きっとすぐ戻ってきますから」

シルバ「?」


ミーシャ「なので、キチンと体洗って待ってた方が良いですよ? せっかく綺麗な体なんですし」

シルバ「………っ」バッ

ミーシャ「大丈夫です、僕は『男性にしか興味がない』ので」ニコッ



シルバ「…」
17 :ニュ ◆G2/Yj5eh5U [sagsaga]:2011/04/27(水) 19:59:53.32 ID:AVjybmng0
短いが今日はここでぶった斬る

質問やアドバイス、希望は前スレへ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 20:32:46.68 ID:dfTMYwtE0
乙!
新スレでも相変わらずシルバは可愛いな
そういや前に安価であったな、お姫様抱っこ……シオン代わってくれ、いや本気でww
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/27(水) 23:00:01.95 ID:DLkjt9dRo
20 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 08:23:50.23 ID:bodOqi6q0
みんなありがとうなんだぜぃ

ちょっとだけ投下するわ
21 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 08:31:54.43 ID:bodOqi6q0




〜なんやかんやでシルバもう一度入浴〜


シルバ(……ほとんどムリヤリ)ちゃぷっ

<「さて、一応聞きますが先輩をどう思います?」

シルバ「……どうって?」

<「『人として』ですよ」


シルバ「……多分この屋敷の中では良い人」

<「外…つまり『普通』なら?」

シルバ「………最低だと思う」
22 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 08:37:45.01 ID:bodOqi6q0
<「意外ですね、僕と違う答えとは……」

シルバ「……」ちゃぷっ


<「貴女、ひょっとして恩知らずです?」

シルバ「……違う」

<「………」


ザバッ


シルバ「……あの人は、どこか私に優しくする事で自分を癒やそうとしてる」ゴシゴシ

<「へぇ…そこは僕と同意見です」

シルバ「……あの人はただ…逃げたいだけ…」ゴシゴシザバッ

<「……成程、逃げたい………ですか」

23 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 08:44:47.59 ID:bodOqi6q0
<「ありがとうございます、また先輩を見る視点が増えました」

シルバ「………あなたはシオンが好き?」

<「ッッ」ブッ!?


シルバ「……タオル」コンコン


ガチャッ

ミーシャ「……僕が拭きますよ、まったく…//////」かぁぁ

シルバ「………あなた男の子でしょ?」ギロッ

ミーシャ「ふぇっ? ……あぁ、そうですよ?」バサッ

シルバ「っ、やめて……」


ごしごしっ……クイッ


シルバ「〜〜!?」びくんっ

ミーシャ「僕も『それなり』に女性のどこが気持ち良いかは知ってるんですよー?」ごしごしっ

シルバ「〜〜っ、〜〜っ////」

24 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 08:51:27.38 ID:bodOqi6q0
ミーシャ「はいおしまい、見た感じ髪質は良さそうなので強くは拭きませんよ?」バサッ

シルバ「はぁ…はぁ………あなた、こんな…!」キッ


バスッ


シルバ「っ」

ミーシャ「着替えです、昼間渡したのを取って来ました」

シルバ「………いらない」

ミーシャ「駄目です、『魔薬』や『魔玩具』なんて物がある屋敷ですから」

シルバ「……あなたは使わないと?」

ミーシャ「えぇ、同性愛者ではないので」キリッ

シルバ「………?」

ミーシャ「!? っと、女性はタイプじゃないので!」キ、キリッ

シルバ「………」
25 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 08:55:49.39 ID:bodOqi6q0





〜しばらくして〜


ミーシャ「そろそろ先輩が戻るので僕はこれで」シュバッ


シルバ「………なんだったんだろ」←ムリヤリサイズの合わない服着せられた


ガチャッ

シオン「あ、シルバ…悪い、待たせたッスね」

シルバ「………」フルフル

シオン「それじゃあ部屋に戻るッスよ?」バッ

シルバ「……」コクン

シオン(……? なんか不機嫌ッスね、お姫様抱っこは嫌い派かな)
26 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 08:56:42.23 ID:bodOqi6q0
一旦落ちる、続きは今日の17時かな
27 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/04/28(木) 16:48:47.24 ID:bodOqi6q0
やる夫がBIOHAZARDに遭遇したようですを他の書き手先輩に見せてもらって良い勉強になった……

GWに入る前に何がなんでも進めよう
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 17:06:23.75 ID:sFD9H/s90
あ、いつの間にかレベルアップしてる
29 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:07:48.61 ID:bodOqi6q0






〜しばらくして〜


━━━ルシフェルの屋敷・シオンの部屋━━━


シオン「うだー」ぐてっ

シオン「………」


シオン(シェリル……ごめんな、何も出来なくて…)

シオン(……寝よう、明日はシルバの薬を取りに行かねぇと)
30 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:13:06.33 ID:bodOqi6q0
━━━魔導海賊団・アジト━━━


カデシュ「……何の用だい」

ヒトデ「アンタ、ルリに何したんだよ!!」

カデシュ「……」チラッ


カエデ「ぅ…ぐ…」フラフラ


カデシュ「………」チラッ

ヒトデ「答えろよ!! ルリに何をした!!」


カデシュ?【黙れ、今すぐ帰らないなら本気で殺すぞ……!!】


ヒトデ「っ…!?」ゾクッ
31 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:18:36.66 ID:bodOqi6q0
カデシュ?【ただでさえ、ボク達は今忙しいんだ……】

ズンッ…ズンッ…

ヒトデ「……っ」ジリジリ

カデシュ?【ボク達は何も知らない、これ以上仲間に手を出すなら貴様を消すぞ…】

ヒトデ「……やってみろよ」チャキッ


カデシュ?【……】


ドゴォッ!!


ヒトデ「がっ…は……!?」ドサッ

第三団長「観念するが良い、賊め…!!」

32 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:25:53.12 ID:bodOqi6q0
カデシュ「……」シュゥゥ

ヒトデ「ひ、卑怯だぞ…!!」

第三団長「カデシュ様、どうしますかコイツ」グイッ


カデシュ(確かこの人は妹の組織だったはず…なら)

カデシュ「鋼を巻きつけて海に落とせ、抵抗したら指を何本か折って構わない」

第三団長「はっ!」シュバッ



カデシュ「……大丈夫かい? カエデ」スタスタ

カエデ「申し訳ありませんの、いつもならシルバがカバーしてくれるのに…」

カデシュ「………ふふっ」ニコッ

カエデ「?」

カデシュ「申し訳ありませんって言ってるのに言い訳しちゃ意味が無いよ?」

カエデ「……あっ」

33 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:33:59.27 ID:bodOqi6q0
カデシュ「それに、仕方が無いよ…シルバがいないのは」

カエデ「……」

カデシュ「ほら、とりあえず今は手当てをしに部屋へ戻るんだ」

カエデ「はい……」


ガチャッ

バタンッ


カデシュ「………ははは…仕方ない、か」

カデシュ「………」


━━━ドンッッ!!!━━━


カデシュ「何が仕方ないだって…!?」ギリッ

カデシュ「ボクがもっとしっかりしてればシルバは浚われなかったし、後一週間で死ぬなんて事態にもならなかった!!」

カデシュ(それを……それを……!!)ドサッ


カデシュ「………クソッ!!」ドンッ
34 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:39:51.18 ID:bodOqi6q0





━━━近くの港町━━━


スカー「……」スタスタ


ピタッ


スカー「……どこだ、姿を見せな」

男?「…」スッ

スカー「てめえか、俺を呼び出したのは」チャキンッ

男?「ちょ、いきなり鎌出さないで下さい団長!!」


スカー「……は? その声…」

男?「そうですよ」


バサァッ!


盗賊「お久しぶりですね〜? 団長!」キリッ

スカー「『ウォーカー』……!?」
35 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:47:12.33 ID:bodOqi6q0
スカー「全滅してたんじゃねぇのか?」

盗賊「いえ、全滅しました…俺も『銀の鎧』を着た奴らに捕まってたのですが」

スカー「……ですが?」




盗賊「……『ノア・アーチャー』をご存知ですか?」





スカー「……?」
36 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 17:56:05.31 ID:bodOqi6q0


━━━翌朝・ルシフェルの屋敷・門━━━


シオン「……何やってんスかお前ら」

門番A「うるせぇ! この縄を解け!!」バタバタ
門番B「ちょ、動くな相棒!? お前のチンコが擦れる……ぎゃあああ!? 何で勃ってんだよ!!?」


シオン「……良い薬だ、お前らそこで一生ヤッてろ」

門番B「まてやコラ━━━ッ!!」
門番A「あ、ヤバい……イクかも」
門番B「ぎゃあああああああああああああああ!!!??」
37 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 18:02:51.72 ID:bodOqi6q0




━━━ルシフェルの屋敷・食堂━━━


フレア「で? 門の方から夜な夜な聴こえて来る恐ろしい悲鳴の正体は?」

シオン「誰がやったかは知らないけど、『ボコボコにされて裸で縛られてた』ッスよ」


コック「ぶっひゃあwwwwwww」

コック2「ざまあみやがれwwwwwwww」

シオン「オイオイ、サラダに唾飛ぶから笑うな」


イタカ「しかし…誰があの二人をやったんですかね?」ぷっ

シオン「……お前も笑ってるじゃねえか」
38 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 18:10:37.76 ID:bodOqi6q0
フレア「……でも確かに気にはなるわね、誰がやったのかしら」

コック「別に良いじゃねえかよ、どうせアイツらメイドの連中に仕返しされたんだろうよ」カチャカチャ


フレア「ふーん、『仕返しをしようと思うメイド』なんてこの屋敷に2人もいたかしら?」


シオン「……フレア」

フレア「分かってるわよ、食事中だものね」

コック2「………ほぉ」ニヤニヤ

フレア「どうしたの」

コック2「いや、何でもないさ」


イタカ「……もぐもぐ」


39 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 18:20:43.10 ID:bodOqi6q0
イタカ「……アーチャーさん、アーチャーさん」ひそひそ

シオン「ん?」もぐもぐ

イタカ「あのコック、怪しくないですか? 何か知ってると言わんばかりの顔です」ひそひそ

シオン「………」チラッ


コック2「さぁて、馬鹿共がボコされた記念にケーキ作ろうぜ兄者!」

コック「おうよ!!」


シオン「……考え過ぎッス」もぐもぐ

イタカ「そうですか……」


フレア「もぐもぐ……げっ、このアサリ砂入ってる」
40 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 19:01:47.40 ID:bodOqi6q0





━━━シルバの部屋━━━


シオン「……」コトッ

シオン(…顔色が悪い、かなり衰弱してる…)


シルバ「………」すやすや


シオン(おまけに…)

つんっ

シルバ「………」すやすや

シオン(気配を消さなくても、触っても気づかない…!)
41 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 19:06:46.68 ID:bodOqi6q0
シオン(……少し早いけど、もう薬を取りに行こう…シルバが保たない!)スッ


ガチャッ

バタンッ


シルバ「………っ」ぶるぶる

シルバ(………寒いのか暑いのか分からない)

シルバ(シオンがいるのかいないのか分からない)


シルバ(……私は横になってるのか縦になってるのか分からない)

シルバ(墜ちていく感覚がする……)


シルバ(………体が動かない)

シルバ(おかしい……まだ20日以上あるはずなのに)



シルバ(…………)スゥ

シルバ(………平気、死ぬのは怖くない)
42 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 19:12:17.10 ID:bodOqi6q0





━━━ルシフェルの屋敷・食堂━━━


コック2「じゃじゃーん! 記念のケーキだぁ!!」

コック「フレア、味見頼むぜ!?」


フレア「んー」ぱくっ

コック2「隠し味はクリームに粉末状にした砂糖と良い素材なんだけどよ━━━」

フレア「もぐもぐ」


━━━━━ごくんっ━━━━━


フレア「うん、普通に美味しいわよ?」

コック「そりゃ良かった! ならもっと作らないとな!」タタッ

コック2「……美味しかったか?」

フレア「うん、腕を上げたわね」

コック2「実はな━━━━━━」
43 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/28(木) 19:16:59.97 ID:bodOqi6q0
コック2「━━━━━━『お座り』」


フレア「……え?」スッ


フレア(!!?  体が勝手に……)

コック2「ははっ、たまたま拾った『魔薬』だったが見事に良い効果だな?」

フレア「……誰か!! 誰かいないの!?」

コック2「チッ……『黙れ』」

フレア「〜!?」


<ドタドタ


コック「どうした!」

フレア「〜!」むぐむぐ

コック2「………」

コック「お前……」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/04/28(木) 19:41:07.08 ID:YvGUWV570
やっちまったなあ!!!!
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 19:43:28.27 ID:j0T+fNTS0
これ、門番とコックが入れ替わってるだろwwww


なあ、そうだよな…?そうだと言ってくれよ……頼むから……orz
46 :ニュLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/04/28(木) 19:57:02.82 ID:bodOqi6q0
>>45

残念ながら  彼等  は最低だったのです

ちょい用事出来たんで夜中に投下する
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/28(木) 20:07:22.76 ID:j0T+fNTS0
ダメだ……シルバにセクハラ し や が っ た ミーシャといい、人間不信に陥りそうだ……
安心しきった所で落とすとか、最悪じゃねえか……フレア……
(前にも質問したけど、何で今までこういう事態にならなかったか不思議だ)
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/04/29(金) 05:25:12.28 ID:qnFx5xaKo
スレタイ見て風子ktkrと思ったら違ったでござる
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/29(金) 07:04:42.80 ID:6u59ZCxDO


にゅ遅漏ったが次スレおめww
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/04/29(金) 17:55:54.88 ID:jDUsSPSAO
なんかレベルアップしてやがるwwwwwwww
51 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/04/29(金) 19:18:43.13 ID:ydfFCNy00
なんかすまない…GWはちょっと嘘みたいに奇跡的なイベントに呼ばれてるんで投下が出来ない

……出来て夜中に2レスくらいしか出来ない


なので、5日経ってちょっと見るくらいが皆にはちょうど良いと思う

>>47 俺も思ったよ…orz
52 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/04/29(金) 19:26:41.34 ID:ydfFCNy00
コック「これは…」

フレア(良かった、この状態じゃ……)



コック「まんまと引っかかったんだな、フレアぁぁ…?」にやぁ



フレア「!?」

コック2「今なら命令すりゃ何でも言う事聞くぜ?」

コック「ははっ、となればフレアお得意の魔法も使えない訳か!!」

コック2「今はほとんどのメイドも」
コック「執事も来ない…あの『横取り門番』もな」


コック 
    「「 犯り放題じゃねえか、フレアよぉ? 」」にやにやぁ
コック2


フレア(コイ…ツら)
53 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/30(土) 03:11:10.52 ID:nuGinQyt0
コック2「『立て』」

フレア「…」スッ

コック「おー、なんか新鮮だなぁフレアがこうして俺達に犯されるってのは」

フレア「…」キッ


コック2「『下着だけ脱げ』」


フレア(…! ダメ、魔力も上手く集中出来ないし体が勝手に……)

スッ

コック「長かったなぁ、マジメなフリして門番の奴らや他の執事に取られないように見張ったりして…」

コック2「魔法対策をあれこれ考えたが失敗…」

フレア(……最初から私が目当てだったわけね)


━━━━━ぱさっ━━━━━


コック「……さあて? まずはフレアの恥部を拝見させてもらおうか?」にやにや

54 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/30(土) 03:18:03.90 ID:nuGinQyt0
コック「『テーブルに手をついて尻を向けろ』」


フレア(…ぃ、や……)ググッ

コック2「前から思ってたが、エルフ系に匹敵する良い体だよなお前」サワっ

フレア(〜ッッ!!)ぴく



ミーシャ「お楽しみ中悪いね、コックさん達」トントン



コック「な…ッ、ミーシャ!?」

フレア(ミーシャ君…!)


ミーシャ「さすがにフレア先輩が犯される姿は見たくないですね、大人しく下がってくれませんか?」

コック2「く、クソ……仕方ねぇ…」スタスタ
55 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/04/30(土) 03:23:59.05 ID:nuGinQyt0
コック2「……んなわけねぇだろこのクソガキがぁ!!」バッ

コック「おうよ!!」チャキッ


ミーシャ「でしょうね━━━━━━ッ」ヒュ


━━━━━ッッスパパァン!!━━━━━━


コック「ぎっ…」
コック2「ぃあああああああああああ!!???」ドササッ

フレア(鞭…? ミーシャ君が戦闘?)


ミーシャ「さ、今のうちに行きましょうフレア先輩」ガシッ

フレア(…!)


━━━━━━スタタタタ・・・!
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/04/30(土) 13:31:12.13 ID:EnPNmFdj0
コック’sザマアwwwwwwww
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/04/30(土) 13:41:48.44 ID:EnPNmFdj0
下げ忘れた、ごめん
58 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/30(土) 18:37:12.90 ID:nuGinQyt0







コック「クソが…追うぞ」ダッ

コック2「さ、先に行ってろ……イテテ」



コック2(……やっぱり三年間友達やった女を犯そうとしたのが間違いだったか?)

コック2(………いや、アイツだって『仕返しするようなメイドなんていない』みてぇな事言ってたんだ)

コック2(孕ませない程度なら……)


      ━━━コツッ━━━



     「こんにちは、コックさん」



コック2「なんだよ、お前まで見てたのか?」

コック2「……お前だってフレアを犯したいと思ってただろが」

     「ハハハ、そうでしたか? そう映っていたならアナタの眼は節穴でしょうね」

コック2「…?」
59 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/04/30(土) 18:38:50.34 ID:nuGinQyt0









「━━━━━━ギャアァァッ!!」







ゴシャッ!






     「………」ニコッ
60 :新・ニュLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/01(日) 03:09:14.29 ID:nq39Mnbv0
━━━ミーシャの部屋━━━


バタンッ


フレア「…! …!」ぜえぜえ

ミーシャ「あ、薬のせいで喋れないんでしたね…『自由にしろ』」


フレア「……ありがと、助かったよミーシャ君」

ミーシャ「いえ、正直僕は偶然あの場に居合わせなければ助けなかったと思います」

フレア「でも居合わせたら助けてくれた、十分よ」

ミーシャ「そうですか」スタスタ


カチャ


ミーシャ「紅茶、飲みますか?」

フレア「うん」スッ
61 :新・ニュLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/01(日) 03:17:32.43 ID:nq39Mnbv0
フレア「……ふぅ」コトッ

ミーシャ「寛いでて構いませんよ、僕は少し用事があるから少ししたら出て行きますが」

フレア「ありがと」


フレア「……」


フレア「ね?」

ミーシャ「はい?」

フレア「ミーシャ君、さっき鞭使ってたわよね」

ミーシャ「そうですよ」

フレア「……」
ミーシャ「?」


フレア「ミーシャ君が戦闘ってなかなかイメージ出来なくて…」

ミーシャ「ああ、自覚はしてますよ」←見た目はけいおん!の唯かバカテス召喚の秀吉

62 :新・ニュLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/01(日) 03:23:16.13 ID:nq39Mnbv0
ミーシャ「それにしてもフレアさんも驚きですよね、あのコック達も『染まってた』なんて」

フレア「唯一マトモだと思ってたんだけどね、まいったわ」

ミーシャ「…あれ、先輩は?」

フレア「アーチャーのこと? アイツはそこまで信用出来ないわね、年頃だし」


ミーシャ「……そうですか」


フレア「あ、紅茶おかわり」

ミーシャ「ちょっと待ってて下さい」スタスタ


フレア(…考えてみたら、ミーシャ君とここまで話すのは2年間で一番な気がする)

フレア(元々そこまで気になる執事でもなかったし)

フレア(……あれ?)
63 :新・ニュLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/01(日) 03:27:30.66 ID:nq39Mnbv0


━━━━━━キィ━━━━━━


フレア(なんだろあの扉)スッ

スタスタ・・・


ギィ……


フレア(あ、寝室かな)コソッ

フレア(……!!)


女騎士(キーア)「………」すやすや


フレア「キー……ア? なんで裸で、それもこの臭いはまさか…」

ミーシャ「見てしまいましたか」
フレア「!!」
64 :新・ニュLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/01(日) 03:31:22.92 ID:nq39Mnbv0
フレア「ミーシャ君……」じりっ

ミーシャ「後ずさりしないで下さいよ、僕が怖いんですか?」

フレア「だって…これ……」


ミーシャ「……仕方ない、教えてあげますよ」

フレア「教える…?」


ミーシャ「僕の『正体』をね」バッ


フレア「━━━━━━!!?」



65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 08:54:46.93 ID:324o2MADO
乙乙
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 13:19:54.82 ID:g8ZuFua00
乙!
フレアの貞操or死亡フラグの危機は去ってなかったのか……
そしてアーチャーに意外と信用が無いことに少し驚いた


追記
いつの間にか前スレがあっという間に埋められてた……
>>1000取って「>>1000ならシルバが幸せになる」って書きこむつもりだったのに………orz
67 :真・ニュ神転生Lv999 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/01(日) 17:39:26.77 ID:nq39Mnbv0
>>66 まあ17歳の男だから警戒されてしまうよな

……今日は投下ムリだな、明日の夜中3レスは投下しよう
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 00:04:17.13 ID:dpFAb4uoo
待ってる
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 00:04:48.39 ID:dpFAb4uoo
待ってる
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 00:11:22.15 ID:9wm7aCkW0
待ってる
次はシルバのターンだと
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 00:12:31.80 ID:9wm7aCkW0
ニュ様神に転生した上カンストですか……
過去最高のシルバを期待して待ってる
72 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/03(火) 03:03:24.91 ID:OoqFpn2c0





━━━とあるアジト━━━


スカー「『執事』と『メイド』を片っ端から捕まえるぞカデシュ!!」

カデシュ「……いきなりボクのベッドに飛び込んで来て第一声がそれ?」

スカー「うっせぇ!! シルバを見つける手掛かりになるんだよ!」

カデシュ「! 本当かい?」


スカー「あぁ、食堂でみんなに説明するから来い!」ダッ


カデシュ「わかった、すぐ行くよ」バッ
73 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/03(火) 03:12:35.97 ID:OoqFpn2c0


〜食堂〜


レン「それで!? シルバ様を見つける手掛かりって!?」

カエデ「どうすれば良いんですの!」


スカー「ああ、だがその前に紹介しておくぞ」スッ

盗賊「ども☆ ウォーカーって名前だけど面倒なら盗賊って呼んでねみんな!」キりっ


スカー「……とりあえずこの馬鹿が掴んだというか、なんていうか…」

盗賊「『掴まされた』が正解ですけどね」

カデシュ「『掴まされた』って?」


盗賊「お初にお目に掛かります、総団長殿……アンタも知っての通り俺や仲間は捕らえられたか殺されてたろ?」

カデシュ「……それも考えると君は何故今ここに?」

盗賊「『奴ら』のメンバーの1人、『ノア・アーチャー』という男に逃がされたからさ」


レン「ッ!?」
74 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/03(火) 03:18:05.94 ID:OoqFpn2c0
盗賊「その男は何を思ったか俺を逃がす為に兵士達を倒し……」

レン「ちょ、ちょっと待てよ!!」バッ

カデシュ「どうかしたかい?」

レン「その、ウォーカーを逃がした男の名前をもう一度教えてくれないか……」


盗賊「『ノア・アーチャー』だが…知っているのか?」


レン「……知ってるなんてもんじゃねえよ」

カエデ「まさか…?」

カデシュ(……ややこしくなってきたね)


レン「シルバ様やアタシを管理していた、ルシフェルの執事長だ!!」

盗賊「………わお」
75 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/03(火) 03:24:13.36 ID:OoqFpn2c0
盗賊「……って、同一人物なのか? だとしたら相当厄介なんじゃ……」

スカー「ん? 何故だ」

盗賊「……だって  50人体制の警備兵  を全滅させたような奴ですよ?」


レン「……は?」

カデシュ「それは…また随分と凄い執事さんだね」

盗賊「いやいやいや!! 戦い方もあれはプロ並みだし! あんなのが執事だってんならその主であるルシフェルは一体……」

レン「い、いや…さすがにアイツはそこまで強いはずないし…」


盗賊「なら、特徴は金髪か?」


レン「……違う」
76 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/03(火) 03:30:11.54 ID:OoqFpn2c0
レン「ノア・アーチャーはアタシが来た時にはジジイだったから、白髪のはずだ」


カデシュ(………)


スカー「となると、やっぱり別人だよな」

盗賊「……あ、話を元に戻すぜぃ?」


盗賊「で、そのノアという男がこの紙を渡して来たんだ」ぺらっ

カデシュ「これは…!」

カエデ「『アジトの座標』と今起きている状況の説明が書いてありますわ…!!」


盗賊「……下、見てみ」ツンツン

カデシュ「?」チラッ
77 :ニュLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/03(火) 03:37:46.19 ID:OoqFpn2c0
【 ルシフェルの屋敷を知るのはシルバが浚われた港町周辺の執事とメイドだ 】


【 精々、探すと良いさ。 N?a Archer 】


レン「……スペルまで同じだけど、文面はまるで別人だ」

カデシュ「うーん…ん?」ピクッ



━━━━━パラッ━━━━━



盗賊「ああ、『それ』も一緒に渡されたんだよ」

カデシュ「……ッッ!!!!」





カデシュ「 『ハートのトランプ』……!! 」







78 :ニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュニュ [sage]:2011/05/03(火) 03:44:26.01 ID:OoqFpn2c0
寝る

明日の夜中また来る
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 08:42:11.16 ID:iAo7cNKDO
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 13:54:03.80 ID:tAq83Vet0
乙!アーチャー家は代々まともな人々の様だ
でも今、屋敷の人間は次々と殺されてるし(ほとんどが死んで良かったような奴らだが)
果たして見つかるか……?

後、ニュ×29に吹いたwwww
81 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/03(火) 18:41:28.10 ID:OoqFpn2c0
>>80 ヒント:今のシオンは某そげぶさん並みの不幸体質状態(くしゃみしたので)
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/03(火) 19:23:58.52 ID:tAq83Vet0
待ってました!
83 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 01:25:47.72 ID:WfBIKNJr0



━━━昼頃・港町━━━


シオン「申し訳ありません、こんなに早く薬を戴くことになるとは…」ぺこり

店主「いいんですよ、ルシフェル様の屋敷には先代からご贔屓にしてもらってますから」

シオン「……ちなみにこの薬の名は?」

店主「『オフォティス』です、手紙にはハーフエルフが病気と書いてありましたので」


シオン(霊薬…これならシルバも良くなるはずだ!)


シオン「ありがとうございます、では私はこれで」スッ

店主「えぇ、お気をつけて」
84 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 01:30:12.78 ID:WfBIKNJr0
〜港町・大通り〜


シオン「よし、とにかくすぐに屋敷にもど━━━━」


<ガヤガヤ


シオン「……? (何の騒ぎッスか)」スタスタ






メイド服「し、知りません! 離して下さい!!」

海賊?「本当だろうな、嘘だったらどうなるか……」ギロッ


シオン(どっかのメイド…? 海賊に絡まれてるのか)
85 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 01:35:09.10 ID:WfBIKNJr0
海賊?2「……!」チラッ


シオン(あ、目が合った)


海賊?2「……」クイッ

シオン「ッ!!」


━━━━━━シュバババッッ!!━━━━━━


シオン「な、なんだよ!?」バッ

海賊?3「貴様、ルシフェルの屋敷に仕えているな…!」

海賊?4「おとなしくしろよ」チャキッ

シオン(……全部で9人くらいか)


シオン「……わかったよ」スッ

海賊?5「良い子だ、そのままこっちに来い」
86 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 01:50:22.23 ID:WfBIKNJr0


シオン「………っと」シャッ


海賊?達「!!?」

海賊?6「に、逃がすな!! 追えー!!」





シオン(うぉぉ……後ろからすげえ数が追って着てる)シュタタタ

シオン(……どうするかな、やっぱりここは……)ピタッ


シオン「ちょっと片付けとくか」


海賊?「かかれー!!」バッ

87 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 02:00:39.03 ID:WfBIKNJr0





━━━ルシフェルの屋敷・シルバの部屋━━━


シルバ「………」もぞっ

シルバ(………目を開けてるのか瞑っているのか分からない) 

シルバ(………真っ暗)

シルバ(………死ぬって、こういう事なのかな)


シルバ(……………)



━━━━━━ガチャッ━━━━━━



シルバ「!」
88 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 02:09:42.31 ID:WfBIKNJr0
??「…あ? 『結界』が張ってあるのか」バヂヂィッ


シルバ(………誰? 知らない人の声)

??「まあ良いか、中級の魔物までなら聴くだろうが俺には関係ない」ブンッ


━━━バリィィンッ━━━


シルバ「………だれ?」

??「喋らない方が良いぞ、どうせ辛いのは『知ってる』」

シルバ「………だれ」

??「誰でも良いだろ、とりあえずお前を生かしに来た」スタスタ


ふわっ


シルバ「っ!」ぴくんっ

??「……悪化してるな、一週間保てば良い方か」さわさわ

シルバ「………〜!」びくっ

??「……さて、本当なら『摂取』させる時は犯しながらが楽だが、『アイツ』に処女は残しとかないとな」

シルバ(………この人、一体…?)
89 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 02:15:49.68 ID:WfBIKNJr0
??「……さっきお前は『だれ』と聞いたな」スッ


━━━スパッ


??「いてて……俺はシオンのよ〜く知ってる男さ、もっと言えばお前も知ってる」ポタタッ

シルバ「……?」

シルバ「………!? この匂い…」


??「飲め、せめて数日は『歩ける程度の調子』でなきゃ困るんでな」

シルバ「……嫌」

??「だよな、……だが本当に困るから飲め」

??(お前には『アイツ』と仲良くなって貰わないと…)
90 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 02:16:43.75 ID:WfBIKNJr0
撃墜る

明日の夜中またまた来る
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/04(水) 08:40:46.58 ID:QOAr+uwDO
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/04(水) 18:37:16.87 ID:qaw0p3LB0
乙!
シオン→一刻も早くシルバに薬を届けたい:海賊団と彼女の関係を知らない
海賊団→一刻も早くシルバ団長を助けたい:シオンは彼女を攫ったクズ共に使えてる執事の一人

……シオンからしたら不幸この上ないな(シルバ延命フラグは嬉しかったけど本人嫌がってるみたいだし)

追記
『先代からご贔屓』になんか嫌な予感がするのは俺だけですか 
まさかこの店主……媚薬かなんか仕込んでないだろうな(もしくは薬そのものがその効力を持つとか)
逃げ切れれば良いけど、もし捕まって成分調べられたりでもしたら…………
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/05/04(水) 20:16:07.49 ID:0XJNwrpd0
クソコテ外さないと誰も構ってくれないんじゃないかな
94 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 20:17:34.82 ID:WfBIKNJr0
(2レスだけ投下)




━━━港町━━━


シオン「うひぃぃ!! な、何なんスかあんた達!?」スタタタタタタ


海賊1「ふっはははは!! 俺達は『防御系魔法』ってのでダイヤモンド並みの硬さになってんだよ!!!」スタタタタタ

海賊2「大人しく捕まれクズがぁ!!」スタタタタタ


シオン「だぁぁぁあああああ!!! 何十回ぶっ飛ばしても効いてないからキリが無ぇッ!!」

シオン(シルバが待ってんのに……!!)ギリッ


海賊3・4・5「「 挟み撃ちだッッ!! 」」パッ

シオン「んなっ……!?」
95 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 20:24:37.07 ID:WfBIKNJr0



女?「ヒャーッハァァァァァ!!!!」シュバッ


シオン「へ?」

━━━がしっ!━━━

シオン「え? え?」

女?「こっちだぜwwイケメン君☆」シャバババッ
シオン「うわわ…!?」


海賊6「な・・・逃がすな! ルシフェルの執事を捕らえろ!!」


女?「うはっww メッチャ来てんじゃねぇかよ!?」

シオン(………何だろこのハイテンションお化けは)
96 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 20:32:33.29 ID:WfBIKNJr0
(もう2レス行けるかな・・・)





〜町外れの林〜


シオン「ぜぇ…ぜぇ……」

女?「ヘタレかよ、だらしねぇな〜」

シオン「…お前こそ何で数Km走って平気なんスか」

女?「常に体内で『変異』させてるから酸素はいらないのよん☆ それよりさー?」つんつんっ


女?「 や ら な い か 」バサッ


シオン「」←鼻からドロッとした血
97 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 20:40:22.79 ID:WfBIKNJr0
シオン「な、ななななななな……!」ズザザザッ

女?「うはっw 童貞丸出しだなぁ?」ケラケラ

シオン「……何なんだよアンタ」

女?「さぁー? 俺はどこにでもいるけど、誰でもないのさ☆」


シオン「…」


女?「お、フラグ? 犯して良い? 大丈夫、中出しして平気だから……」じゅるっ

シオン「助けて貰ってありがとうッス、でも俺帰らないといけないんだ」

女?「……うわ、何そのマジメな顔」

シオン「……じゃあな」いそいそ


女?(…ありゃ? 女にせよ男にせよフラれるのって初めてじゃね俺)

シオン(し、死ぬかと思った…! 後ちょっとでヤバかった…!!)ドキドキ
98 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/04(水) 20:42:01.18 ID:WfBIKNJr0
よし、夜中の1時以降から3時半の間にもっかい来るわ

(うああ……茶髪可愛いよ茶髪)
99 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/05(木) 02:11:19.99 ID:O0jO48R30





女?「……そういえばなんか忘れてるよーな……」


女?(……あぁ、『アーチャーのジジイ』を尾行してたらはぐれたんだっけ)


女?(……まあいいや)スタスタ


女?(さて、また適当な男に犯されに行くかな〜っと)



100 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/05(木) 02:19:23.71 ID:O0jO48R30
━━━シルバの部屋━━━


シルバ「…」

??「そろそろ時間切れだ、もう手加減はしないぞ?」

シルバ「……あなた、何者なの…?」

シルバ「私の『足枷』について知ってるのは一部の人間だけ、どうして……」


??「……『アーチャー』、と言えば分かるか」

シルバ「………?」

??「ああ、そういえば名前は教えてなかったからな…ならこっちは分かるだろ」

??「『ノア』」

シルバ「………っ!?」
101 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/05(木) 02:24:33.35 ID:O0jO48R30
シルバ「………ノアに聞いたの?」

??「さぁな、勝手に想像すると良いさ」


ガシッ


シルバ「!」ビクッ

??「飲め、鎮静剤だ」グイッ

シルバ「〜〜………ごくんっ」

??「激痛と『能力開花』は抑えられるはずだ、後は俺の血を……」スッ


━━━くちゅっ━━━


シルバ「ぅ…ん……っ!」ドクン

??「舐めろ、綺麗にな」くちゅくちゅ
102 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/05(木) 02:30:30.23 ID:O0jO48R30
シルバ「………ピチャ…ピチャ……ちゅ…ぅ」

??「……求め始めたか」クイッ

シルバ「…ぴちゃっ……くちゅっ」


━━━ガリッ……!!━━━


??「ッ……そこまでだ」バッ

シルバ「ぁ……あ…っ」ガシッ

??「………」ヒュッ


ドゴッ


シルバ「〜!?」ドサッ

??(これで数日は『弱ってるだけ』程度の調子になれるはずだ)フキフキ
103 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/05/05(木) 02:31:56.46 ID:O0jO48R30
GW早く終われば良いのにな…

落ちる
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/05(木) 09:28:20.19 ID:snldBkgE0
GWに何か嫌なことでもあるのか…

ともかく次も期待して待ってる
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/05(木) 14:23:15.11 ID:5c9XNeGDO


おつ、待ってるよ
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/05(木) 17:20:44.79 ID:+92Ll73k0
乙!
107 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/05(木) 19:24:26.92 ID:O0jO48R30
>>104
投下する暇が無くなるから嫌…

特別仲が良い訳でもない友人に遊び誘われるからすげーストレス
108 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/05(木) 19:28:31.26 ID:O0jO48R30
>>106 ……何を隠したいかは知らないが、そのVIPにかわりましてNIPPERがお送りしますっての外して大丈夫だぞ 俺は福岡県好きだぜ!)

今日は投下出来ないから、何か質問あれば出来るだけ答える

誰か見てればの話だが
109 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/05/05(木) 19:29:02.04 ID:O0jO48R30
ああ、下がってたのか
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/05(木) 19:32:29.79 ID:+92Ll73k0
>>108
……?>>93でも似たような事言われたな
よくわからんが、今度から外してみる

後、>>92も自分なのでお願いします
111 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/05/05(木) 19:36:44.91 ID:O0jO48R30
>>110

普通に中国地方だったww

>先代からのご贔屓

これね、そのままの通り…媚薬や魔薬とかだね
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/05(木) 19:42:54.20 ID:+92Ll73k0
>>111

マジでやばい薬だったの!?もし捕まってて「シルバに飲ませる薬」とか言ってたら
成分調べられてその後は…………間違いなくBADEND直行だ…………
シオン逃げきれてよかったな……(逃げ切った……よね……?)

追記

地方によってまだ電力制限とかあるのか?
でもそれだと「福岡好き」の意味がわからない……
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/05/05(木) 20:22:13.06 ID:pZxFQu3g0
福岡とか愛知とかは地方で表示されないし
それか思う伏があったんだろうニュ様に
そこは考えようぜ
114 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/06(金) 19:07:44.99 ID:oJxC70Xf0
>>112

すまない、言葉足らずだったな

要するに、先代がご贔屓にしていた理由は媚薬や魔薬、痛み増強剤みたいなのを頼んでたからって訳で

シオンが貰ったシルバ用の薬は少女姉(エリア)も愛用してる霊薬だから安心しなさい
(あと、海賊達は シオンと別れた後の女? の手によってボコボコにされました)


とりあえず今日も夜中の2時くらいに投下出来たらする
GW終了まであと3日だぜぇぇ!!
115 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/07(土) 17:37:19.77 ID:lEbtyUN20
……すまない

言い訳になるが…い、妹とFFを朝までやってたんだ

だからその…投下出来なかった(月曜日は午後から今までの調子に戻るから安心してほしい)
116 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/07(土) 23:22:43.39 ID:lEbtyUN20
??「……」


シルバ「ぁ…ぁ………」ガクガク


??(鎮静剤は飲ませたが、激痛は抑えられないか)

スタスタ

??(また会おう、吸血鬼のシルバ)ガチャッ


バタンッ


シルバ「…ぁぐ……っ、う…ぁぁ」ガクガク

シルバ(………痛い、喉から足の爪先に広がるように体が燃える…ッ!!)

シルバ(………お願い……誰か殺してよ…)


シルバ「……ッッ!!」ズキズキガクガクッ
117 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/07(土) 23:26:54.98 ID:lEbtyUN20


━━━「痛いよ……」━━━


━━━「もう…辛いのが嫌だよぉ……」━━━


シルバ(……だれ…でもいいから…!)


━━━「だれか……」━━━


シルバ(レン……かえで…カデシュ様……み、んな…)ガクガクッ


━━━「……たすけて……」━━━











118 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/07(土) 23:30:37.53 ID:lEbtyUN20








シオン「シルバ、シルバ……?」ユサユサ


シルバ「〜ッッ!?」ガバッ

シオン「…大丈夫ッスか、汗びっしょりだ」

シルバ「………」


シルバ(………体の調子が………)


シオン「……おーい?」ぱたぱた

シルバ「………」ヒュバッ
シオン「え?」
119 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/07(土) 23:35:05.00 ID:lEbtyUN20



━━━━━ドゴォッ!!


シオン「がは……ッ?」

シルバ「………ッ!!」ギチギチ

シオン「ぐ……っ、し、シルバ…」

シルバ「……ッ! ……ッ!!」メキッ


シオン(……このままじゃ本気で首を折られる…!)ギチギチッ


シオン「……に、逃げるなら…………」

シルバ「!」ミシッ

120 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/07(土) 23:41:15.68 ID:lEbtyUN20
シオン「………逃げるなら裏の門沿いにある倉庫で着替えるッス…、女って分からないようにコートを着て……」


シルバ「………っ」ギチギチッッ

シオン「…ちゃんと、逃げろよ? 俺を殺したらさ…」

シルバ(この人……)



━━━━━ドクン━━━━━



シルバ「━━━ッッ!!?」ズキンッ

シルバ(『血の持続時間』が短い……微量の血しか飲んでなかったから?)ドサッ


シオン「ゲホッゴハッ……うぇ…ッ!」ドサッ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 00:02:24.80 ID:+PhSMK+7o
ktkr
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/08(日) 11:19:14.47 ID:uGL4zUiO0
激痛……だと……
123 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 16:37:56.67 ID:0KeGJ3Nl0
シオン「ゲホッ……シルバ?」チラッ


シルバ「………」

シオン「………まだ体調が悪いのにムリするからッス」フラフラ

シオン「……」ガシ


シルバ「…」


シオン(体が軽い、少しは体力が回復したのだろうか…?)スタスタ

もふっ

シオン(ゆっくり休むと良いッス)なでなで


シルバ「…」
124 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 16:45:30.39 ID:0KeGJ3Nl0


バタンッ


シオン「……」ズルルッ

シオン「……しょーじき…凹むなぁ……」トサッ

シオン「はは…言ってくれたら、逃がすの手伝ったのにな………」


シオン「『帰りたい』って……一言をさ、言ってくれたら……」


シオン「あ………っ?」ボロッ 

シオン「あー……」ボロボロッ

シオン「………だあああ………」ボロボロボロ


125 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 16:46:34.41 ID:0KeGJ3Nl0








シオン「……俺、アイツのこと好きになったのに……」







126 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 16:47:48.61 ID:0KeGJ3Nl0


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━━━━


━━━━━━


━━━





127 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 16:55:01.48 ID:0KeGJ3Nl0
━━━????━━━


子供?「へ〜♪ 初恋ってヤツじゃないかこれって」ニコニコ

子供?「それもまるで君とまったく同じパターンみたいだよぉ?♪」ニコニコ


??「……そのようですね」


子供?「ふふ、楽しみだな〜♪ 明後日でしょ? 彼が『必要とする時』って」ニコニコ

??「その通りです、陛下」

子供?「ふふ…待ち遠しいなぁ、その実験が終わったら次はシミュレート実験をして……」

??「陛下、少し気が早いのでは?」

子供?「そぉかな? 僕はとっても彼に期待してるんだけどね」ニコッ


??「………」
128 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 17:04:21.46 ID:0KeGJ3Nl0
眼帯女「失礼します、陛下」ガチャッ

??「……フン」スタスタ

眼帯女「…?」


子供?「やぁ、どうかしたの?」

眼帯女「北の国が降伏しました」

子供?「そっか、さすがは僕の国で一番の軍だね♪」ニコッ

眼帯女「……今後はどうなされるのです? 我が軍は今非常に疲弊しきっています」


子供?「ひへー? ……あぁ、疲れてるの? なら1ヶ月の休暇をみんなにあげるよ」

眼帯女「1ヶ月は長過ぎるのでは、まだ南の国が我が『アーカム王国』を狙っています」

子供?「良いよ良いよ、多分向こうは2ヶ月の間動けないはずだからね」ニコッ

眼帯女「……?」
129 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 17:10:33.18 ID:0KeGJ3Nl0





━━━????・南の国━━━


??「……全く、なかなかムチャクチャな仕事だ」スタスタ

??「俺1人では普通やらないだろう…普通は」スタスタ


??「200000の軍を壊滅に追い込むなんて……な? どう思うよ」スタスタ


兵士「止まれ、何者だ」チャキッ

??「止まらねぇよ、こっちは最低でも150000は殺らないといけないんでな」スタスタ

兵士「チッ」ヒュンッ


━━━━━━グシャァッッ!!━━━━━━


??「……さて、後149999人だな」スタスタ
130 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 17:19:23.85 ID:0KeGJ3Nl0





〜場面は戻って『魔導海賊団』のアジト〜


レン「な、なんだと!? ルシフェルの執事を逃がしたのか!!」

男手下「申し訳ありません!! 突然へんな女が邪魔をしてきまして……」

レン「その女は誰なんだ!?」

男手下「いえ…その、凄まじい強さで俺達は薙ぎ払われてしまったので…」


レン「クソッ!! もう一度その港町周辺を探せ!」

男手下「ハッ!」シュバッ
131 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 17:33:31.09 ID:0KeGJ3Nl0
第三団長「レン君、そろそろ夕食だから食堂に来たらどうかな?」

レン「悪いけどそれは後だ、アタシはシルバ様を探しに行って来る」

第三団長「そうか、なら私は食堂に行くよ」スタスタ


レン(どいつもこいつも…なんで呑気なんだよ!!)ギリッ


<「随分荒れてるな」

レン「ッ…?」クルッ

スカー「少し休めよ、体に悪ぃぞ」

レン「……スカー」
132 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:04:38.25 ID:0KeGJ3Nl0
〜スカーの部屋〜


レン「……」

スカー「一応な、俺やカデシュもお前の事心配してんだよ」

レン「…余計なお世話だ、アタシは何が何でもシルバ様を助ける」

スカー「てめぇ…ここ3日、寝てないんだろ?」

レン「……」


スカー「気持ちは分かるがな、てめえの体が万全でもないのに助けらんねぇだろ?」

スカー「本当に助けたいんなら、まずは休めよ」

レン「………」
133 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:08:23.29 ID:0KeGJ3Nl0
スカー「……レン?」

レン「…」

スカー「おい、聞いt…」


ドサッ


レン「…」

スカー「お、おい!?」

レン「……すー……すー……」

スカー(なんだよ、寝たのか…)

スカー(……目の下に酷いクマが出来てる、俺の話を聞いてるだけで寝ちまうぐらい眠かったのか)


スカー(……ルシフェルの野郎)
134 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:18:12.74 ID:0KeGJ3Nl0







━━━エリア(少女姉)の家周辺の森━━━


女?「ぐ…がはっ」ドサッ


━━━━━ザッ……ザッ……━━━━━


女?「ち、ちきしょう!! こうなりゃ……」グジュグジュッ


━━━━━「………」ザッ


少女「お願い! 私よ!? やめて!!」


━━━━━「……無駄です、私の前では『入れ物』を変えても無意味」


━━━━━━カチャッ━━━━━━


少女「ひっ……」ズザッ


━━━━━「……安らかに眠りなさい、神々に弄ばれし亜人よ」

135 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:19:08.86 ID:0KeGJ3Nl0










━━━━━━━━ズダンッ!━━━━━━━━









136 :ニュLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:24:14.93 ID:0KeGJ3Nl0


━━━「……」カチャッ

━━━「……」スタスタ


━━━「……後2ヶ月でしょうか、『この程度』で済むのは…」


━━━(……何にせよ、私は私の使命に従うだけですが)


━━━(……)スタスタ



137 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:32:33.22 ID:0KeGJ3Nl0





━━━ルシフェルの屋敷・シルバの部屋━━━


シルバ「………っ」ぴくん

シルバ「………」ムクッ

シルバ(……少し調子が良いけど、まだ戦闘は出来ない)


シルバ(……右足の骨折も治ってる)ぺたぺた

シルバ(あの血を飲ませた男が何者なのかは気になるけど……)

シルバ「………シオンを殺そうとするなんて、私は最低だ…」
138 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:39:21.99 ID:0KeGJ3Nl0
シルバ(………)スッ


━━━ぴとっ━━━


シルバ(あの男の手……どこかシオンに似てた気がする)

シルバ(……それに、『アイツ』って言ってたのも…)

シルバ(……ノアを知っていたのも気になる)


シルバ(………………?)ぴくっ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

シオン「俺は『シオン・アーチャー』ッス!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

老執事「ほっほっほ……私は『ノア・アーチャー』です、宜しくシルバ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


シルバ「………『アーチャー』……?」
139 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:43:20.05 ID:0KeGJ3Nl0
シルバ「……ひょっとして彼は、ノアのお孫さん?」


シルバ「………」



━━━コンコンッ━━━


シルバ「っ!」

<「起きてますか? シルバさん」ヒソヒソ

シルバ「………確か」

<「執事のミーシャです、入りますよ」


ガチャッ


ミーシャ「ふぅ、今晩は」バタンッ

シルバ「………」じっ

ミーシャ「そ、そんな嫌そうな顔しないで下さいよ」
140 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:51:54.85 ID:0KeGJ3Nl0
ミーシャ「……それより、無事で何よりです」

シルバ「……?」

ミーシャ「また、屋敷内のコックと執事とメイドが13人惨殺されました」

シルバ「………誰が…?」

ミーシャ「お、先輩の事心配してるんですか? 先輩は大丈夫…生きてます」


シルバ「………」ほっ

ミーシャ「……ですが、かなり先輩はまいってるみたいですよ」

ミーシャ「食事は部屋、言葉は皆無、僕にシルバさんの食事を持って行かせた辺り、かなり『諦めて』ますね」

シルバ(………もしかして私のせいで…?)

141 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 18:58:11.64 ID:0KeGJ3Nl0
ミーシャ「さてここで問題!」


ミーシャ「 今 は 間 違 い な く 先 輩 は 来 な い の で シ ル バ さ ん は 危 険 なのでは? 」


シルバ「ッ!!」バッ

ミーシャ「……」

シルバ「………」


ミーシャ「……な〜んて、冗談ですよ」

シルバ「………」ムッ

ミーシャ「ですが、言われて気づくようではまだまだです…もっと警戒して下さいね?」

シルバ「………」
142 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/09(月) 19:04:34.57 ID:0KeGJ3Nl0
ミーシャ「さて、そろそろお風呂に行きましょうか」

シルバ「………シオンがあなたに言ったの?」

ミーシャ「えぇ、……変な事はしないからその嫌そうな目やめて下さい」


シルバ(………当たり前…の結果だね)


ミーシャ「服は持ちましたか? 歩けますか?」

シルバ(………)コクン

ミーシャ「では行きますよ、シルバさん」ガチャッ

143 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/09(月) 19:10:07.49 ID:0KeGJ3Nl0
今日はここでぶった斬ろうかな

8時までなら質問受付るぜぃ
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 22:29:14.71 ID:adNtbKzE0

まだまだ期待できそうだー
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/10(火) 00:19:20.31 ID:6CPYNWEN0

あの変身ヤローまさかの出番終了!?
146 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 17:32:14.60 ID:BZwl8Nll0
〜メイド寮・浴場〜


シルバ「………」チャプンッ


<「湯加減はどーですかー?」

シルバ「……普通」

<「…まだ怒ってるんですか?」

シルバ「……ムリヤリ男性に服を脱がされれば当たり前」

<「あー、確かにそうですよね」

シルバ「………」ムッ

<(……まだ怒ってますね)
147 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 17:41:41.85 ID:BZwl8Nll0
<「シルバさーん」

シルバ「………何?」

<「明日…か2日後、色々話してあげますから怒らないで下さい」


シルバ「……色々?」

<「はい」

シルバ「………例えば」

<「アーチャー先輩についてですよ」

シルバ「………!」ザバッ

<「お、手応えアリですね」

148 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 17:56:11.04 ID:BZwl8Nll0


━━━━━ガチャッ━━━━━


シルバ「〜〜!?」ビクッ

ミーシャ「その様子だと、とりあえずOKですね?」にっ

シルバ「………」じろっ

ミーシャ「……?」


シルバ「っ!!」バシャッ


ミーシャ「ふべふぇぇ!?」ビシャビシャッ

シルバ「……自業自得」

ミーシャ「うぅ…」
149 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 18:10:07.93 ID:BZwl8Nll0





〜しばらくして〜


ミーシャ「はい、新しい服です」ポン

シルバ「………サイズが大きい」

ミーシャ「あ、あれ? …フレアさんってシルバさんより巨乳でしたか」

シルバ「?」ぴくっ


シルバ「……今、フレアって言った?」

ミーシャ「そうですけど、なにか?」

150 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 18:21:15.80 ID:BZwl8Nll0
シルバ「……フレアはどこにいるの?」

ミーシャ「ちょ、待って下さい! 二人はどういう関係なんです?」

シルバ「………」


シルバ「……12年前まで一緒に監禁され、一緒にルシフェルに痛めつけられた『ハーフエルフ』」


ミーシャ「━━━ッッ!!?」

ミーシャ(し、知らなかった……どうりでフレアさんだけ他の男達に犯されてないと思ったら…)

シルバ「………フレアはどこ?」

ミーシャ「……まずは着替えて下さい、話はそれからです」
151 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 18:31:01.88 ID:BZwl8Nll0
〜ミーシャの部屋〜


ミーシャ「静かにして下さい、先輩や他の執事に見つかると厄介なので」ガチャッ

シルバ「………」コクン


━━━━━━ギィ……


バタンッ


ミーシャ「そこで紅茶でも飲んでて下さい、今連れて来ます」

シルバ「………」キョロキョロ

シルバ(………写真立てが倒れてる)スッ


コトッ


シルバ(……どこかの宿屋かな、大きなベッドの上に女の子と男の子が乗ってる)じっ

152 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 18:35:59.97 ID:BZwl8Nll0
シルバ(……こっちの男の子がミーシャ?)

シルバ(綺麗な瞳……今とは全然違う)

シルバ(………この長髪の娘は…?)


ミーシャ「何を見ているんです?」


シルバ「ッ!?」ビクゥッ

ミーシャ「…写真、ですか……下らない」スッ

パタンッ

シルバ(………)

ミーシャ「こちらの部屋です」スタスタ

シルバ「…」コクン
153 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 18:50:12.82 ID:BZwl8Nll0



フレア「……久しぶりね」


シルバ「……フレア…!」バッ

フレア「触らないで!!!!」ヒュッ


━━━━━バチンッ!!━━━━━


シルバ「……??」ヒリヒリ

フレア「おめでたいわねぇ『吸血鬼のラヴクラフト』!!? あなたまだ勘違いしてるのね!?」

ミーシャ「ふ、フレアさん…?」

シルバ「………フレア、どうして…」


フレア「良いわよ、話してあげるから━━━━━━」ガシッ
シルバ「っ」


━━━━━ドガッ!!━━━━━


フレア「その弱りきった体の全神経集中してよぉく聞きなさい!!!??」グリグリ

シルバ「っ〜〜!?」ズキズキッ
154 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 19:04:36.08 ID:BZwl8Nll0
フレア「アンタがいなくなった12年前……!!」

フレア「アンタの馬車は『謎の海賊』によって襲撃されたせいでルシフェルの『お気に入り』は私だけになった!!」

フレア「アンタが今までどこで何をしていたかは知らないけど…アンタのせいで私は四年前までは他のエルフ以上に痛めつけられた!!!」



フレア「アンタのせいで…アンタのせいで…アンタのせいでぇぇぇええええええ!!!!!」ゴォッ



━━━━━ストッ━━━━━

フレア「……………………………あ”?」フラッ

ドサッ

シルバ「…ぅ……く……」ズキズキ

ミーシャ「大丈夫ですか? ……すみません、まさかフレアさんがあんなに取り乱すとは思わなくて…」

シルバ「………へい…き」

シルバ(………私は、本当にこの屋敷で味方が1人もいないんだ)
155 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 19:10:23.35 ID:BZwl8Nll0





━━━シルバの部屋━━━


ミーシャ「それでは、おやすみなさい」ガチャッ

パタンッ


シルバ(………)

シルバ(………そういえば、まだシオンが持って来てくれた本一冊ある)スッ

パラッ

【━━━━━と━━━の日記】

シルバ「……? 本じゃなくて日記…」ペラッ
156 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 19:25:54.61 ID:BZwl8Nll0
シルバ「……【 今日も素っ気ない顔して老人喋りを演じていた、かわいい 】」


シルバ「……?」ペラッ


【 彼は旦那様の前では私をゴミのように扱うけど、それでもどこか私に好意はあると思う 】

ペラッ

【 ……右足が治らない、多分血が足りないんだと思う…また誰かを殺さなきゃ 】

ペラッ

【 どうしよう、多分彼にバレてしまった…私は明日にでも旦那様に殺されるかルシフェル郷に渡されてしまうかも 】

ペラッ

【 彼が助けてくれた 】

ペラッ

【 彼はまだ自分の姿が隠せていると思っている、だからか『年よりは一発が限界』って言って私の中には一回しか出さない 】


シルバ「………」ペラッ
157 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 19:33:09.16 ID:BZwl8Nll0
【 彼は優しい、私がもし自由の身だったら彼の傍から離れない程に 】

ペラッ

【 ……また血が足りない、何故? この数ヶ月は1人殺せば足りたのに 】

ペラッ

【 今日の彼は冷たい 】

ペラッ

【 頭が  ぼーっと  す る 】

ペラッ

【                   】

ペラッ

【 彼はついに私に本当の事を教えてくれた上、私に血をたくさん与えてくれた、今日は眠れない 】

シルバ「………要所要所で出て来る『血』ってまさか…」ペラッ
158 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 19:41:48.33 ID:BZwl8Nll0
【 私は迷わない、彼と一緒にここから出る 】

【 少しでもここでの事は捨てたい…だから私はこの日記をここに置いておきます 】

ペラッ

【 く た ば れ ギ ル ガ メ ス 伯 爵 】

ペラッ

【            】

ペラッ

【 まったく、せっかくタイトルに俺の名前も書かれてるんで残りは俺が書こう 】

【 今日もアイツは綺麗だ、透き通るような白い肌にあの銀髪……柄じゃないな誉め言葉なんて 】

ペラッ

【 あのお方はあまりにも次元が違い過ぎる、だが俺は感謝するしかない 】

ペラッ

【 やれやれ、半不死身でなければ今頃は失血死しているな 】

【 だが俺はアイツの為に生きると決めたのだ、この程度でアイツが毎日元気でいられるなら安過ぎる 】
159 :ニュLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 19:49:55.17 ID:BZwl8Nll0
シルバ(………??)ペラッ


【 ……アイツも女という事か? まさかアイツ以外とヤッてるのを知っただけで泣くとはな 】

ペラッ

【 もしここに書くだけでアイツが見つかるなら俺はいくらでも祈り、書こう 】

【 どうかアイツを返してくれ、俺はアイツがいないとダメな人間なんだ 】

ペラッ

【 頼む、生きていてくれ 】

ペラッ

【 v*~$%#&^\/|0pg,@:<`]^ 】

ペラッ

【 クソックソックソッッッ!!! ルシフェル郷め!! ペンドラゴンと組んでいたとは…!!! 】

ペラッ

【 どうしてアイツばかり苦しまないといけないんだ、どうして悪が幸せでアイツが不幸なんだ 】

【 アイツが何をしたというのだろう、アイツはこれからどれだけ長い間苦しむんだ? 】
160 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 19:58:49.40 ID:BZwl8Nll0
ペラッ

【 これがこの日記に書く最後の言葉だ 】

【 ━━━、愛してる 】

ペラッ

【 はは、まさかまた書き込む事になるとはな 】

【 今俺は…このページの前に書いた頃から107年経っている 】

【 つまり、あの事件の直後だ 】

【 あのお方が言った通り、アリス率いる仲間達によってペンドラゴン時代は終わった 】

ペラッ

【 先日書き忘れていたが、今俺には息子がいる 】

【 名前は━━━、アイツに似て綺麗な瞳だ 】

【 ちなみにアイツも生きてる、俺の血を飲んでいたせいでアイツも半不死身のようだ 】

【 血といえばあの女…━━━の血縁者か何かだろうか 】
161 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 20:04:14.80 ID:BZwl8Nll0
ペラッ

【 何故こうなる!? あのお方さえも何故こんな選択を俺に迫る!? 】

【 ━━━も━━━も、どちらも手放したくない!! 】

ペラッ

【 これは報いなのだろうか…スカーという女や他のエルフにした罰なのか? 】

ペラッ

【 約束した、俺は決めた 】

ペラッ

【 アイツはもう帰って来ない 】

ペラッ

【 ━━━の笑い声が逆に辛い、何故アイツはもう笑わない? 】

ペラッ

【 宿屋のあの子供にはとても救われた、きっと━━━は俺がいなくても生きて行ける 】

162 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 20:12:16.24 ID:BZwl8Nll0
【 あのお方に頂いた目の通りなら、━━━は9年後俺を殺しに来る 】

【 どうせこの日記は後1ページしかない、『最後の日』までは書かないようにしよう 】

ペラッ

【 あのお方は恐ろしい、俺の個人的な事を利用して3年後までの計画を作るとは… 】

【 俺が選んだ3人のうちの2人の先祖には借りがある、丁度良い 】

【 最後にこれだけ書いておく 】

【 俺はアイツともう一度幸せな世界を過ごす為ならどんな事でもする 】


━━━━━パタンッ━━━━━


シルバ「………この人、一体…?」
163 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 20:16:40.88 ID:BZwl8Nll0








━━━ルシフェルの部屋━━━


ルシフェル「……何の用ですかな? このような夜更けに」

ギルガメス「クク……ちょっとな」

ルシフェル「………」

ギルガメス(随分警戒されているな…気づかれたか?)

ルシフェル「……成程、あなたも楽しみたいのですね?」にやぁ

ギルガメス「…なに?」
164 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 20:21:13.22 ID:BZwl8Nll0
コンコン

イタカ「しし、失礼します……」ビクビク


女「…」
エルフ「…」


ギルガメス「クク、良いのか? 壊してしまうかもしれんぞ」

ルシフェル「良いのですよ、さぁ…良い喘ぎと悲鳴を聞かせて下さいな」スタスタ


イタカ「……では」ガチャッ

パタンッ










「きゃあああああああああああ!!!」


イタカ「ひっ…」
165 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/10(火) 20:30:01.03 ID:BZwl8Nll0







━━━????━━━


金髪男?「南の軍、168000の兵を失った事により壊滅です」

子供?「ご苦労様♪」ニコッ

子供?「君には引き続き『彼』の監視を頼むよ?」

金髪男?「……御意」

子供?「ああ、それからね……」


金髪男?「?」

子供?「頑張ってね」ニコッ

金髪男?「かしこまりました」
166 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/10(火) 20:30:36.01 ID:BZwl8Nll0
落ちる
167 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 16:46:22.34 ID:7fw6dhj50
なぁ…まだ誰かこのスレ見てくれてる人がいるなら教えてくれ

この作品内のヒロイン達がエロサンタってどう思う?
この作品内のヒロイン達がエロメイドってどう思う?
妹に金髪にしてって頼んで断られた俺ってどう思う?
168 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 17:13:58.63 ID:7fw6dhj50





━━━翌日・ルシフェルの屋敷・玄関ホール━━━


イタカ「……ぼ、僕もう…!!」ダッ

執事8「…またなのか」

ミーシャ「………」


シオン「……」



エルフ「…」
女「…」




フレア「酷いものね、首だけ切り落として残った体は慰み物なんて」

シオン「…やめろ、フレア」

フレア「っと、ごめん」
169 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 17:32:25.70 ID:7fw6dhj50
ルシフェル「……ふむ、良い度胸をしてますな犯人は」

シオン「だ、旦那様…!」ビクッ


ルシフェル「……(過剰な生殖行動の理由は肉体が魔蟲を拒んでいるからでしょうかな?)」

ルシフェル(しかしそれでは何故ここまで酷い行為を……?)

ルシフェル(フゥム…あるいは『特定の人間』に何かを働きかけているのか…)


ルシフェル「……フレア」

フレア「はい」

ルシフェル「死体の処分をお願いします、くれぐれも『骨も残さない』ようにお願いしますよ?」

フレア「……わかりました」



エルフ「…」
女「…」



シオン(……惨い)
170 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 17:39:48.88 ID:7fw6dhj50



━━━ルシフェルの屋敷・??━━━


「……フフ」


「フッ…ヒャハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


「あの表情、あのオーラ!! あのオーラこそ私の描く『主人公』に相応しい!!」


「あぁぁ……だが主人公を美味しく『食べる』には『哀れなヒロイン』が必要…!!」


「探さねば…次はヒロインだ!! ヒロインを探さねばなりません!!!」


「早く食べたい……もう私も限界だ…!!」


「だからこそ完璧にしなければ……フフ」


「ヒャハッ、ひひヒャハハハハハハハハハハハハッッッ!!!」
171 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 18:08:09.02 ID:7fw6dhj50





━━━門━━━


門番A「ん、なんだよお前」

門番B「ひょっとしてお前も『肉人形遊び』に目覚めたかー?ww」

シオン「…………………る」


門番A「は?」


シオン「……てことしやがる」

シオン「なんてことしてんだよテメェらァッ!!!」バッ

門番A「なにいっ……ぐぼぁ!?」バキッ


門番B「ブラザー!?」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 18:08:20.37 ID:EnH8H7hDO
見てるよ
173 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 18:20:07.12 ID:7fw6dhj50
門番B「あぁ、ブラザーの自慢の鼻が…」

門番A「ぐぎぃ……!!」ジタバタ


シオン「分かってんだよ……あんな事する奴らなんてテメェらぐらいしかいない事ぐらいな!!」

門番A「は、はは……何だ? 証拠もねぇのに俺達を殺そうってか?」

シオン「……半殺しにしといてやる」ギリッ

門番A「へぇぇ?? 三年前自分の父親ぶっ殺してから人にナイフ突き立てんのも怖くなったような奴がか?」


シオン「……ッッ」グッ


━━━━━シャッ!!━━━━━


門番B「ブラザー!!」
門番A「17時の方向だブラザー!!」

シオン「!?」

門番B「シャァァッ!!」ブォンッ

174 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 18:41:54.71 ID:7fw6dhj50


━━━━━シャッ!!━━━━━


シオン「……!」スタッ

門番A「ぶっひゃははは!? 何だ何だぁ!! 偉そうな事言っといて得意の『千本ナイフ』も使わねぇのかよ!?」

門番B「しかも逃げ腰wwww」


シオン「……ッッ!!」シャッ


門番B「ブラザー!!」
門番A「右からアッパーの構えだブラザー!!」

門番B「ヒャッハァー!!」ビュバンッ


━━━━━シャッ!!━━━━━


門番A「……………………は」


ゴガッッッ!!!


門番A「ブ…ぐぃ……っ!??」ギシャッ

175 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 18:46:44.02 ID:7fw6dhj50
門番B「ブラザー!!?」

門番A「……ぐふっ」ドシャッ


シオン「……」スタスタ

門番B「ひ、ぃ」ズザザッ

シオン「ッ」シャッ


ドゴッ!! メキャッ!! ゴキッ!!!


門番B「ぎぃあああああああ!!?」ドサッ

シオン「…はー……はー……」フラフラ
176 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 18:55:59.06 ID:7fw6dhj50
シオン「……怖くない」ボソッ

シオン「もう怖くねぇよ……怖くねぇよ…怖くない……ッ!!」


━━━━━チャキッ━━━━━


門番B「うわ、うわ…!! まてまて!! 俺達は何もやってない! 本当だぁ!!」ズザッ

シオン「……騙されねぇ」ザッ

門番B「ひっ!?」

シオン「…シェリルはまだ12歳の子供だったんだぞ」ザッ


門番B「よよよ止せっ……それ以上来るな!!」

シオン「……あのエルフの娘達だって…あと五年もすれば『入れ替え』の時期だったのに!!」

シオン「……なのに、あんな惨い…酷い終わり方があるかよ!?」ザッ


門番B(や、ヤバい…目がイッてる……!!)
177 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 19:07:57.67 ID:7fw6dhj50
シオン「………」

カチカチカチカチ………

シオン(手の震えが止まらない…)カチカチ…


門番B「誰か!! 誰かいねぇのか!? 助けてくれぇぇ!!!」

シオン「……(殺すんだ、こんな奴…俺が殺さなきゃ…!!)」グッ

シオン「ぁぁあああああああ!!!!」ビュァッ

門番B「ぎゃ……」


━━━━━シパパパァンッッ!!━━━━━


ガキキキッ……!


シオン「!!」

ミーシャ「……」ヒュルン
178 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 19:14:26.59 ID:7fw6dhj50
シオン「……ミーシャ、そこを退くッス」チャキッ

ミーシャ「お断りですね、確かにこの2人はクズですけど」

シオン「違う! シェリルやみんなの…」

ミーシャ「その理由自体間違ってんですよ!! コイツらはレイプはしても殺しはしないです!!」


シオン「…そいつらの肩を持つのか?」

ミーシャ「…………」

ミーシャ「……間違った理由で先輩には人を殺して欲しくないんです」

シオン「じゃあ他の女の子がコイツらに犯されるのは許されるのか!?」

ミーシャ「それを言ったら三年間傍観した僕も、アナタも同罪だ!!」


シオン「…っ」
179 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 19:21:10.33 ID:7fw6dhj50
ミーシャ「一度でも先輩はあの泣き叫ぶ娘達を助けようとしましたか!? 違うでしょう!!」

シオン「ルシフェルの旦那様は今や『宝玉』の力でペンドラゴン並みだ! 俺1人でどうにか出来る訳…」

ミーシャ「理由つけて逃げてるだけです!!」


シオン「……逃げてない」

ミーシャ「じゃあ聞きましょう、何故あなたはシルバさんだけ特別優しくしてるんです?」

シオン「……あの娘はまだ来たばかりで…」

ミーシャ「そんな娘は僕が来る前にも沢山いたはずだ! アナタはシルバさんを贔屓してるだけ、他の人間とどう違うんですか!!?」


シオン「………」


ミーシャ「……さあ、そのナイフをしまって下さい」

シオン「……」スッ

180 :ニュLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/11(水) 19:26:14.65 ID:7fw6dhj50
ミーシャ「……門番」

門番B「ひっ!?」ビクッ

ミーシャ「さっさとそっちの手当てして仕事をしなさい、僕達は戻りますから」

門番B「!!」こくこく


ミーシャ「先輩、行きますよ」

シオン「……ああ」

ミーシャ(……犯人があの2人だと思うのは打倒)


ミーシャ(でもあの2人は2日前の夜、キーアさんをレイプしていたのだから執事やメイドを殺してない)

ミーシャ(つまりあの2人ではない人物が犯人であり、『化け物』……!)

181 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/11(水) 19:28:01.06 ID:7fw6dhj50
ちょっと短くなっちゃったな

落ちる
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/05/11(水) 19:58:57.45 ID:xK6pMnAs0
パー速どころかSS速は出来たばかりだし過疎もしかたないよ、うん
見てるから安心して投下してくれ
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/11(水) 22:50:59.33 ID:Bjoqwq+I0
乙!フレアとの意外な関係、シルバに惚れてた(?)イタカなど、色々な事実が現れましたね
日記の女って、もしかしてシルバの血縁者……!?
>>146>無理やり服を
ミーシャ、ちょっと屋上まで来ようか

以下>>167へのマジレス
>エロサンタ
毎年シルバがサンタコスでプレゼント持ってきてくれるんですね?良いと思います
>エロメイド
本編の内容からシルバ他海賊組のメイド姿が想像できません(堕ち系は嫌いじゃないですが)
後は……姫様のメイド体験とかですかね?良いと思います
>妹に金髪にしてって頼んで断られた
黒髪萌えになれば良いと思います。出来ればロング
184 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 16:50:08.18 ID:NrdZqyhV0
>>182
な、なんか慰められてしまったな…ありがとう

>>183
萌えになれって……俺にシスコンになれというのか!?

あとエロサンタ・メイドはこの物語が『2300レス分』進んで落ち着いたらやれる状況になるはず
(……この物語は全部で6部まであるんで)
185 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:04:40.51 ID:NrdZqyhV0
━━━魔導海賊団アジト・カデシュ━━━


カデシュ「……」ペラッ

カデシュ(……『ゴールドのハートのトランプ』、この両端にあるマークは『あのお方』にもあった紋章だ)


カデシュ(カードの魔力回路も明らかに手を加えられた跡がある…)


カデシュ(………)

カデシュ(……ッ)ヴゥンッ


━━━━━━パシュンッ━━━━━━


*************************
                ふふっ♪
*************************


カデシュ「━━━━━ッッ!!?」ゾクゥッ
186 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:10:48.17 ID:NrdZqyhV0
カデシュ「ハァ……ハァ………ッ!!」


ドサッ


カデシュ「……今のは、笑い声……」

カデシュ(いや違う…並みの人間や魔族なら今の『波動』で気がふれていたはず…)

カデシュ(……)ヴゥンッ


━━━━━━シーン━━━━━━


カデシュ(……魔力回路が別の一時的な『召喚札』の役割を作ってる)

カデシュ(つまりこれは僕への『招待状』か)


カデシュ「………良いよ、ボクも気になるしね」

カデシュ「この招待状、使わせて貰うよ……!!」


カデシュ「……ッ」ヴゥンッ
187 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:11:59.41 ID:NrdZqyhV0









━━━━━━━━━バシュッッッ!!━━━━━━━━━








188 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:15:25.70 ID:NrdZqyhV0



━━━????━━━


カデシュ「!!」スタッ



子供?「ふふっ♪ やっと来たね」パチパチ



カデシュ「……君がボクを読んだのかい?」

子供?「あれ? もしかしてわからないのかな」

カデシュ「?」

子供?「……そうか、人間にドンドン近づいてるからだね」

カデシュ(どうしてそれを…!?)
189 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:20:58.96 ID:NrdZqyhV0
子供?「でもこれで分かるんじゃない?」

カデシュ「…!」




############################

????【 久しいな…『ディー』よ 】 

############################




カデシュ「『お久しぶりです陛下』」ザッ


カデシュ(………え?)ピクッ
190 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:28:17.25 ID:NrdZqyhV0
カデシュ(な、何を……ボクは何をしている?)


子供?「……思い出してくれたかな? 『ディー』」


カデシュ「……まさか、アナタは312年は昔に死んだはずだ…ッッ!!!」ガバッ

子供?「確かにね、あの忌々しい女のせいで今はあの頃の六割しか力は無いよ」

カデシュ「………」


カデシュ「本当に…『ハスター』様なのですか」


ハスター「……せぇかい♪」ニコッ

カデシュ「ッ━━━━━━!!?」
191 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:34:56.70 ID:NrdZqyhV0
カデシュ「……」

ハスター「はは、驚いてるね? 無理もないよねだって僕はあの時…」


カデシュ???【ッッ!!】ヴァンッ!!


ジャキキィンッッ!!!

カデシュ???【 オオオオオオオオォォォォォォッッッ!!!! 】ヒュォッ


ハスター「やれやれ…」


━━━━━━グゴシカァァァンッ!!━━━━━━


カデシュ「………ぁ…がっ……!??」ドシャッ

ハスター「以前の君なら今の僕に三撃くらいは出来たかもしれないけど、それじゃあお話にならないよ」ニコッ
192 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 17:41:24.98 ID:NrdZqyhV0
カデシュ(そ…そんな……!!)ゴフッ


ハスター「ふふっ♪ 安心して良いよ? 僕はどうせ君がこういう行動に出るのは分かってたからね」

カデシュ「……なに、が」

ハスター「んぅ?」

カデシュ「…何が目的だ……っ」


ハスター「うんうん、僕は君に『それ』を伝えたくて招待状を出したんだよ」

カデシュ(……初めからボクはこうなる予定だったのか…!)

ハスター「あのね、僕はね…?」



ハスター「近いうちに、『この世界』と『狭間の世界』を支配しようと思うんだ♪」




カデシュ「━━━━━━ッ!!!??」
193 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 18:00:09.33 ID:NrdZqyhV0
カデシュ「そんな事をして…あのお方が黙ってるはずが無い!!」

ハスター「そうかな、まぁ別に僕が相手をする必要は無いけどね」

カデシュ「ッ…?」

ハスター「はは♪ 気になるみたいだけど、教えないよ〜」


ハスター「さて、そろそろ時間だね」


━━━━━スゥゥ━━━━━


カデシュ「か、体が……」

ハスター「またいつか会えると良いね? じゃあねー」ニコッ



━━━━━━バシュッッッ!!━━━━━━


194 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 18:08:53.50 ID:NrdZqyhV0



━━━カデシュの部屋━━━


カデシュ「っ…!」ドサッ

カデシュ「……痛ッ…」ズキズキ


カデシュ(……す、ぐにあのお方に知らせないと………すぐに…)


ズル……ズル…


カデシュ「……〜っ!!」


ドサッ


カデシュ「…」
195 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 18:18:16.87 ID:NrdZqyhV0






━━━ルシフェルの屋敷・シルバの部屋━━━


<コンコン

ミーシャ「昼食です、シルバさん」ガチャッ

シルバ「………」コクン

シルバ「………っ」クラクラ


ミーシャ「大丈夫ですか?」

シルバ「………」フルフル

ミーシャ(また体調が悪化? 先輩は昨日どうやってシルバさんを元気にしたんですかね…?)

196 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 18:30:29.26 ID:NrdZqyhV0
ミーシャ「え、と…すいませんシルバさん」

シルバ「?」

ミーシャ「昨日言ってた話の事ですが、やはり明日になりそうです」

シルバ「……そう」

ミーシャ「………」


カチャカチャ……


シルバ「……」カチャッ

シルバ「………シオンは、どうしてるの?」

ミーシャ「かなり荒れてますね、僕がこの屋敷に来る前からいた門番達をボコボコにしてましたよ」

シルバ「……」

ミーシャ「今まで手を出さない方がおかしかっただけに、僕もびっくりはしませんでした」

シルバ(………シオン)
197 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 18:34:36.51 ID:NrdZqyhV0
━━━ルシフェルの屋敷・厨房━━━



シオン「……」ジャー

イタカ「あ、アーチャーさん?」キュッキュッ

シオン「んー?」ジャー

イタカ「そのお皿…もう1時間は洗ってないですか?」


シオン「えっ」バリーンッ


イタカ「」

198 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 18:48:32.83 ID:NrdZqyhV0
シオン「わ、ワリィ!! 今片付けを…」


     つるんっっっっ


シオン「え」
イタカ「え」


ゴンッッ!!!

イタカ「はぶぐひゅぇぁ!!???」ドッギャーン

シオン「ぐああああ!!?」ジタバタ


     グサッ(割れた皿が額に刺さった音)


シオン「にぎゃあああああああ!!???」ガバッ

ビュンッ

ザクッ!!!


イタカ「」だくだく
199 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 18:58:30.85 ID:NrdZqyhV0
シオン「だああ!? 大丈夫かイタカ!!」

イタカ「……な、なんか血が溢れ出てますけど僕」だくだく

シオン「今包帯持って来る!!」


━━━━━シャッ━━━━━

━━━━━シャッ━━━━━


シオン「ぜぇ…ぜぇ……! ほ、包帯持って来…」


   するんっっっ


ゴスッ

イタカ「」フラッ


ドサッザクザクッッ!!! (倒れて額に割れた皿が大量に刺さった音)


シオン「イタカァァアアアア!!!!???」
200 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 19:03:58.33 ID:NrdZqyhV0





〜しばらくして〜


シオン「……」←あの後また転んで食器棚を倒して下敷きになり、それをどかした時に食器棚の中から落ちて来た皿が顔面に直撃


イタカ「……」←どかされた食器棚の下敷きになり、さらに頭に皿が食い込んだ


イタカ「……アーチャーさん」

シオン「……何ッスか」

イタカ「アーチャーさんは今何か抱えてるのは知ってます、だからいつもの調子が出ないんですよね」

シオン「……イタカにすら分かるってことは俺ダメだな」
201 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 19:11:31.02 ID:NrdZqyhV0
イタカ「と、とにかく…アーチャーさんが今すべきはこんないつもの日常じゃダメです!」

シオン「……」


イタカ「今アーチャーさんがすべきは、『一番引っかかる事』を取り除く事です!!」

シオン「━━━!」


イタカ「……一体何に引っかかってるのかは知りませんが、頑張って下さい!!」

シオン「イタカ……」


バッ


シオン「……ありがとうッス、きっとイタカにも良い彼女が出来るさ!」シャッ

イタカ「………」


イタカ「…頑張って下さいよ、アーチャーさん」
202 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 19:19:04.42 ID:NrdZqyhV0





━━━ルシフェルの屋敷・人形の棟入口━━━


シオン(……なんて言おうかな)ピタッ

シオン(普通に接しても向こうは負い目を感じてるだろうし)

シオン(……感じてない可能性も考えた方が良いか?)


シオン(いやいやいや!! シルバは本当はあんな事しないはずッス! きっと何かよっぽど……)


シオン(……よっぽど……)

シオン(………)ダラッ←鼻からドロッとした血

203 :ニュLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 19:25:56.60 ID:NrdZqyhV0
シオン(……んなわけねぇッス!!)フキフキ

シオン(んー……気にするな、俺はそれでもシルバの為に……ってこれは何か違うッスね)


ルシフェル「おや、アーチャーではないですか」

シオン「(!?)だ、旦那様……」

ルシフェル「丁度良かった、少し頼まれてくれますか?」

シオン「(こんな時に…)何でしょうか」


ルシフェル「最近港町を海賊達がうろついてるみたいなので、何人か連れて来て貰えますかな?」


シオン「……2人、で良いでしょうか」

ルシフェル「えぇ」

シオン「イエス、マイロード……」シャッ
204 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/12(木) 19:28:58.98 ID:NrdZqyhV0





シオン(……要するに)


シオン( 『人形』が少なくなって来たので女海賊を2人浚って来い……か )


シオン(…………)


シオン(考えるな…自分を殺すんだ……)


シオン(これが終わったら……シルバの所へ行こう)


シオン(……考えるな……考えるな……)
205 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/12(木) 19:29:43.62 ID:NrdZqyhV0
順調にレベルアップしてるな…落ちる
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/12(木) 19:36:25.90 ID:GTkfg/2H0

これは……決裂フラグ……!?
207 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 17:11:38.11 ID:1/G8S9fl0
━━━港町━━━


女手下(うーん……やっぱり警戒されてるから表通りにはいないよね)

女手下(……そだっ、裏通りと『盗賊街』をまわってみようかな)シュバッ



<「まってー!」



女手下「んぅ?」ピタッ

女手下2「何やってんの! 今日はレンさんやカエデさんの休養の為に探索は午後になったら終わりでしょ!?」

女手下「あ、れれ? そうだっけ」

女手下2「そうだよ、他のみんなはもう船に戻ってるから帰ろ?」

女手下「ん…シルバさん、早く助けてあげたいな」シュバッ

女手下2「……だね」シュバッ
208 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 17:18:51.68 ID:1/G8S9fl0


執事?「あ、待って欲しいッス!!」バッ


女手下「え? ……君、どこの執事かな」

女手下2(報告にある執事の特徴は確か……)


執事?「えと、シルバを知ってるのか? なあ!?」

<(金髪で少しツンツンしてて……)


女手下「し、シルバ様を知ってるの!?」

執事?「知ってる! 銀髪で白い肌だろ…?」

<(瞳は濁ったイエロー……若い青年)


女手下2(……まさか)
209 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 17:33:19.88 ID:1/G8S9fl0


━━━━━チャキンッ━━━━━


女手下2「……リリー、そいつから離れて」

女手下「え? え?」


執事?「あ……」


女手下2「白々しい、貴様がシルバ様を誘拐したルシフェルの手下なんだろ?」ギロッ

女手下「……だから知ってて…!!」ギロッ

執事?「ま、待って欲しいッス!! 俺はただ……」

女手下「問答は無用です、あなたを拘束します!」チャキンッ

女手下2「覚悟するんだな、ゲスが」じりっ


執事?(な……)
210 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 17:42:23.64 ID:1/G8S9fl0



執事?(…………)スッ



女手下2「一気に畳み掛けるぞ! 相手はただの執事だ!!」

女手下「了解!!」バッ



執事?(……あとで話を聞けば大丈夫ッス!)シャッ


女手下「……は?」


ドスッ!!  

ズドムッッ!!!


女手下「」ドサッ

女手下2「」ドサッ

211 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 18:01:27.45 ID:1/G8S9fl0







━━━ルシフェルの屋敷・ルシフェルの部屋━━━


ルシフェル「……ほう、屋敷内を歩けば少しは良くなると?」

ミーシャ「はい、今の彼女なら歩けるはずですし何より……」

ルシフェル「逃げられない…と?」

ミーシャ「その通りです」


ルシフェル「フゥム……そうですね、歩けるだけの元気があるとわかれば『奏でられる』でしょうし」


ルシフェル「良いでしょう、明日の昼に散歩しなさい」

ミーシャ「かしこまりました、旦那様」

212 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 18:46:50.26 ID:1/G8S9fl0
ミーシャ「では、失礼します」ペコリ

ルシフェル「ああ待ちなさい」

ミーシャ「?」


スタスタ


ルシフェル「どれ」ガシッ
ミーシャ「!?」


━━━━━ブンッッ!!

ドガァッ!!!


ミーシャ「ぎぃっ……!!」メキメキッ

213 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 18:50:29.85 ID:1/G8S9fl0
ルシフェル「ふむふむ」ツカツカ

ミーシャ「な、何を……」ズルズル


ゴッ!!


ミーシャ「━━━ッッ!!?」ドシャッ

ルシフェル「……」


ミーシャ「…っ、げほっ、……やめ…て下さい…」


ルシフェル「……ふむ」コクン

ミーシャ(………ほ)

ルシフェル「服を脱ぎなさい」

ミーシャ「…え」

214 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 18:56:05.16 ID:1/G8S9fl0
ミーシャ「……だ、旦那様?」


ルシフェル「少々気になっていましてな」スタスタ

<ガシッグイッ!!

ミーシャ「ぁぐ…!」

ルシフェル「  『若い男性の体』にねぇ?  」ボソッ


ミーシャ「━━━━━!!!」ゾクッ


ルシフェル「ほら、脱ぎなさいミーシャ」ベチベチ

ミーシャ「ひ…ぁ…」


ルシフェル「なら私が脱がしてあげましょうか…?」ギロッ
215 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 19:02:54.58 ID:1/G8S9fl0



金髪男?「取り込み中なら出直すぞルシフェル」



ルシフェル「!!」

ミーシャ(……え?)

金髪男?「……」ニッ


ルシフェル「…急な用件でしょうね?」

金髪男?「まあな、『フェンリル』が殺された」

ルシフェル「……なるほど」

ルシフェル「ミーシャ、あなたはもういいですから行きなさい」

ミーシャ「は、はい…」フラフラ


チラッ


金髪男?「……」

ミーシャ(どうしてあの人がここに…?)
216 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 19:09:51.87 ID:1/G8S9fl0


バタンッ


金髪男?「これで決まったな」

ルシフェル「……何がです?」

金髪男?「ギルガメスが『使者』なのさ、アイツが一番もっともだ」

ルシフェル「そうでしょうか?」

金髪男?「なに?」


ルシフェル「……私が『使者』だからです」


金髪男?(…ほう)

ルシフェル「今まで隠していましたな、しかしもうこれで隠す事はありません」
217 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 19:14:39.13 ID:1/G8S9fl0
ルシフェル「……そこで『使者』である私からの『お告げ』です」

金髪男?「お告げ?」

ルシフェル「えぇ、『神』からのね」

金髪男?(……ここまで来ると滑稽だな)


ルシフェル「ギルガメスを抹殺して下さい」

金髪男?「……ムリだな」

ルシフェル「は?」

金髪男?「俺はアイツに勝てない、用済みならアンタが倒してくれないか」

ルシフェル「そ、そうですな…」


ルシフェル(使えん男め、これでは『使者』であるギルガメスを殺せないじゃないですか)
218 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 19:21:27.04 ID:1/G8S9fl0






━━━ルシフェルの屋敷・シオンの部屋━━━


ミーシャ(ここの部分をこうして……)ガチャガチャ

ガギンッ

ミーシャ(開いた!)ガチャッ


バタンッ


ミーシャ「……ほっ」ずるっ

どすんっ

ミーシャ「……シオンのベッド…」フラフラ
219 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/13(金) 19:25:03.88 ID:1/G8S9fl0


バサッ


ミーシャ(……シオンの匂い)もぞっ


━━━━━すぅ…━━━━━


ミーシャ(凄く安心するなぁ、シオンの匂い)もぞっ

ミーシャ(……怖かった)

ミーシャ(本当に…怖かったよぉ……)


ミーシャ(………シルバさんはいいなぁ)

ミーシャ(  明日になればシオンと一緒に僕の理想だった生活が送れるんだから…  )
220 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/13(金) 19:25:31.96 ID:1/G8S9fl0
乙ル
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/13(金) 19:32:20.93 ID:P0943Nnq0
乙!
まずは情報を聞くのが先か……良い判断だと思うな
さて、誤解は解けるのか
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/13(金) 19:57:38.45 ID:aHPgOycUo
223 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/15(日) 19:19:03.99 ID:BJuGl4XJ0
……

SからMまで何でもイケます!! 巨乳貧乳何でも大歓迎!!!

って妹達に言ったら罵声の嵐で心のハート様がフルクラッシュになった……
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/15(日) 21:22:44.14 ID:85z+YKmF0
妹「達」……だと……SSのキャラの基になった妹もいますか?
225 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/16(月) 16:33:00.70 ID:RA1GiRPN0
>>224
基っていうか…クセみたいのは妹達のを参考にした

例えばミーシャなんかは
三女の 世にも奇妙な物語 とかちょっと怖いの見ると寝る時頭まで布団被るクセが参考だな

他は…長女のスペックぐらいかな、あんまり妹達を参考にはしてないw
(長女が高1、双子の妹達が中2だな)

ちなみに俺は高卒19歳……頭脳だけなら妹達の足元にも及ばない馬鹿ですな
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 16:46:32.35 ID:V0qwLXqDO


妹いっぱい入るなwwどれかくれww
227 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/16(月) 16:52:17.86 ID:RA1GiRPN0





━━━港町・裏路地━━━


女手下2「…んっ」ピクッ


女手下2「…………」ぼー


女手下2「ッ!? ここは……」グイッ

ドサッ

女手下2(縛られて…!?)グイグイ

シオン「あー……おはよ」スタスタ

女手下2「貴様…!!」
228 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/16(月) 17:10:29.80 ID:RA1GiRPN0
>>226 一番怖い長女をあげよう  *俺のハート様にトドメを刺した妹)



シオン「えーと、危害とかは本当に加えないから落ち着いて欲しいッス」

女手下2「く…っ! リリーはどこだ!!」バタバタ

シオン「後ろで寝てるッス」

女手下2「!」バッ


女手下「むにゃ…zZZ」


女手下2「……衣服の乱れは無し、手は出してないようだな」

シオン(完全に俺は手を出すような人間として見られてるんスかね?)しょんぼり

女手下2「……目的は何だ」

シオン「へ?」
229 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/16(月) 17:40:30.83 ID:RA1GiRPN0
ビックリしたー…停電かと思ったらブレーカー落ちただけだった
230 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/16(月) 17:54:58.37 ID:RA1GiRPN0
女手下2「目的があるから私達を捕らえたんだろう? ならさっさと目的を果たせ」

シオン「目的っていうか、聞きたい事があるッス」

女手下2「生憎、仲間を売る気はないぞ」

シオン「……人の話を聞けよ」


シオン「シルバとアンタらはどういう関係ッスか」


女手下2「仲間…それ以上だ、だから私達は貴様らルシフェルの者達を探してシルバ様を救出しようとしているのだ」

シオン「……てことはシルバって海賊なのか!?」

女手下2「ふっ、それも『魔導海賊団』の幹部だ」


シオン(……うわぁ)
231 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/16(月) 18:02:22.95 ID:RA1GiRPN0
シオン「……アンタらならルシフェルを倒せるッスか?」

女手下2「当たり前だ、たかが老人とその執事風情など……」


シオン「 『じゃあなんでアンタらは今、俺1人に捕まってるんスか?』 」


女手下2「…」

シオン「……分からないようなら教えるッス、あの屋敷はほんの三年前まではアンタの言う程度のもんだったよ」

シオン「でも今は違う、俺達には『コレ』があるッス」

━━━━━スッ━━━━━


女手下2「…なんだその手の甲にある『宝石』は?」

シオン「『宝玉』と呼ばれる、エルフの魂を入れた宝石ッス」

232 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/16(月) 18:08:04.73 ID:RA1GiRPN0
女手下2「た、魂だと!?」

シオン「……そうッス」

女手下2「そんな事をされたエルフ達は…!!」

シオン「………」フルフル


女手下2「……ッ!!」ギリッ

シオン「…この『宝玉』は埋め込んでる宿主にエルフと同等の魔力と身体能力を与えるらしいッス」

女手下2「成程、だから自分達は無敵だと?」

シオン「いいや、『宝玉』を持ってるのは屋敷でも悪魔で数人しかいないさ」

シオン「問題なのはアンタらがただの老人だと思ってるルシフェルッスよ」


女手下2「……何故だ」
233 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/16(月) 18:12:53.41 ID:RA1GiRPN0
シオン「ルシフェルは『宝玉』の力以外に、何かしらの力で化け物並みの強さを誇る…」

シオン「……ペンドラゴンと並べてもいい程にな」


女手下2「……まて」

シオン「?」

女手下2「何故私にそれを教える? 罠のつもりか?」

シオン「違う、アンタらにはシルバの救出と…出来ればルシフェルを倒して欲しいだけなんだよ!!」

女手下2「!」


シオン「…わり、大声出して」

女手下2(………どうする)




女手下2(…この男を、信じて良いのか…?)
234 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/16(月) 18:13:56.19 ID:RA1GiRPN0
ぐあああああああああ

投下中断!! 焼き肉行って来る!!
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 18:56:08.75 ID:bw+XbShIO
ユッケくってら
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/16(月) 19:15:45.51 ID:FE59QvSg0

>悪魔で数人
……あながち間違ってもいないのが怖いんだよなあの屋敷は……
あと、できればとどめの言葉が知りたい
237 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/16(月) 19:33:46.76 ID:RA1GiRPN0
>>225
元々ユッケは苦手

>>226
色んな意味で凄い屋敷になっちゃったな…なんでこうなった

妹「 ていうか普通にキモいよ 」

ニュ「(T_T)」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/16(月) 19:46:44.08 ID:FE59QvSg0
うわあ……それはリアルにグサッとくるな

後、>>235>>236だと思われ
239 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/16(月) 19:59:57.78 ID:RA1GiRPN0
>>238
本当だwwすまない

……今週の水曜から金曜はバイトが少ないからちゃんと投下する
今日はチマチマし過ぎてすまなかった


















クッソ、ミーシャと青髪可愛い
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/16(月) 20:08:18.25 ID:FE59QvSg0
>>239
悪いが>>1と言えど譲れない



一番はシルバ
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 22:35:32.35 ID:8f8Xe4p0o
242 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/17(火) 17:15:49.04 ID:8SE6yC9+0


女手下「むにゃぁ…れんひゃん……そこはらめでふよぉ…」うーん


シオン(……えぇ?)

女手下2「気にするな、私達女団員の大半は少しズレてるからな」

シオン「…で、俺を信じて助けに来てくれるッスか?」

女手下2「私達を解放して情報を渡してくれればな」


シオン「うしっ」スタスタ

女手下2(……どうやらさっきから言ってた話は本当みたいね)

━━━━━バサッ━━━━━

女手下2「よし、起きなさいリリー!」ぺしっ

女手下「ひゃやぁ!? れ、レンさんのディルドはどこに!!?」ガタガタ

シオン(…大丈夫かなこの人達)
243 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/17(火) 17:23:05.32 ID:8SE6yC9+0



〜少ししてから〜


女手下「それでは、今夜にでも『みんな』を連れて来ますね!」

女手下2「念の為準備をしておかないといけないからね」

シオン「わかってるッス」

女手下2「じゃあ次に会う時はお互い海の上で会おう!」

シオン「あぁ、海賊だからッスね」


女手下「それでは〜!」シュバッ


シオン(……よし、これで俺やシルバ…他の女の子達も今夜自由の身だ!!)
244 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 18:55:54.70 ID:8SE6yC9+0


シオン(……もう夕方か、とりあえずルシフェルには捕獲に失敗したと伝えておこう)


━━━━━シャッ━━━━━


シオン(…親父や母さんとの色々な事があった屋敷だったけど、もうあそことも今夜限りッス!!)



シオン(シルバも女の子達もこれで解放されるんだ)

シオン(………)


シオン「………?」ゾワッ

シオン(なんか今…)
245 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:04:28.87 ID:8SE6yC9+0




━━━━━ルシフェルの屋敷・門━━━━━


シオン「あり?」

シオン「門番の奴ら…まだ寝込んでるのか?」スタスタ

シオン(……まあアイツらは心配しなくても良いか)


シオン(そういえば…キーアはどこに行った、死んでないのはわかってるけどここ最近見てないッス)

シオン(……まあいいか)スタスタ



< 「 これはこれはアーチャー執事長殿 」



シオン「ッ」ビクッ

門番A「どうなさいましたぁ?」

門番B「にひひひ」
246 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:16:29.45 ID:8SE6yC9+0
シオン「……思ったより元気そうッスね」

門番A「そうでもないさ、俺は反省したんだ」

門番B「今までの行いは悪い事だった」

門番AB「「 だからお詫びの品があるんですよぉ…… 」」


シオン「…?」

門番A「こちらですぜ?」スタスタ

門番B「にひひひ」


シオン(何だ? 品って)スタスタ
247 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:20:29.36 ID:8SE6yC9+0
━━━ルシフェルの屋敷・人形の棟━━━


シオン「……おい、どこ行く気ッスか」

門番B「何、もうここですよ」

シオン「ここって、……確か誰も入ってない牢だろ」

門番A「もう少し近づかないと見えないかもしれませんよ…ケケケ」


シオン「?」スタスタ







女手下「……」

女手下2「……」








シオン「━━━━━ッッ!!?」
248 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:31:22.75 ID:8SE6yC9+0
シオン「な……!?」

門番A「実はですね、我々もルシフェルの旦那に海賊を捕獲するよう言われてたんですよ」

門番B「そしたら突然目の前に『たまたまアーチャー執事長が逃がしてしまった海賊2人』が見えたので…」


門番AB「「 我々が代わりに捕らえておきましたよ 」」


シオン「おい!! しっかりしろ、大丈夫か!?」ガシャガシャ

女手下「……」ぼー

門番A「あぁ、しばらくの間は放心してますよ」

門番B「何せ、『ちょこっと遊ぶついで』に強力な魔薬を使ったんでね」

シオン(…コイツらッ!!!!)
249 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:34:47.27 ID:8SE6yC9+0
シオン「鍵を渡せ、中毒になったらどうすんだよ!!」

門番A「中毒になんかならねぇですよ〜?」

シオン「いいから鍵を渡せよ!!」

門番B「いやぁ、牢の鍵はルシフェルの旦那に渡してんでムリっすよww」

シオン「……」


門番A「……お気に召して貰えましたかな?」

門番B「にひひひ」
250 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:39:20.14 ID:8SE6yC9+0
シオン「……」ズルッ

ドサッ

シオン(最悪だ……あと少しだったのに━━━)

門番A「いや〜、『良い事』すると気持ち良いなぁ!」

門番B「あぁ! 最高だぜブラザー!」ケラケラ

シオン「……とっとと失せろ」ギロッ


門番B「こえぇwwwwww」

門番A「じゃあ我々は仕事に戻りましょうかねぇ♪」


━━━スタスタ


シオン「………」チラッ

女手下「……」ぼー

女手下2「……」ぼー
251 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:45:45.29 ID:8SE6yC9+0
シオン「……は、はは」ガシャガシャ

ガシャガシャッ


シオン「……ははっ、ははははははははははははははぁぁっ!!!」ガシャガシャガシャガシャ


━━━━━ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャシャシャシャシャシャ

シオン「あ”はっ!? ははははははははははははははははははははははははは!!!!」ガシャガシャガシャガシャ

━━━━━ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガ


シオン「あ”━━━━━━ッッ!! あ”ぁ”ぁぁぁ━━━━━━━━━!!!!!」ガンッがンッ


シオン「だあ”あ”ぁ”ぁぁぁぁぁぁぁ━━━━━━━━━━━━━━━ッッッッ!!!!!!」


252 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:48:30.12 ID:8SE6yC9+0







━━━シルバの部屋━━━


シルバ「………?」ぴくんっ

シルバ「………?」


シルバ(今だれかの声がした気がする……)


ミーシャ「あ、食べ終わったなら片付けますね」カチャカチャ

シルバ(……気のせい?)コクン

253 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:55:14.84 ID:8SE6yC9+0





━━━????━━━


白メイド?「……」スッ


白メイド?(……また、誰かが傷ついているのか)


白メイド?(……それも、迷い続けているようだ……)


白メイド?(…………)スッ


白メイド?「なら私は、迷える者の元へ行かなければ……」スタスタ


254 :ニュLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 19:59:45.03 ID:8SE6yC9+0







━━━忍組第0支部━━━


藍髪マント【 ……へぇ 】ぴくっ


藍髪マント【 良い悲しみと怒りと憎悪じゃない、ゾクゾクするねっ 】


藍髪マント【 ……ふふふ、それにしても何者なのかしらねぇ?  】


藍髪マント【 『亜人離れした魔力』が声の波動を通して伝わるなんて… 】


藍髪マント【 まあいいや、あの人の為になるわけでもないし 】
255 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/17(火) 20:04:45.06 ID:8SE6yC9+0







━━━ルシフェルの屋敷・小劇場━━━


?「 素晴らしい…!! 」

バッ!!

?「主人公の感情はもう食べ頃!! 更には『ヒロインは2人』も候補がいる!!」

クルンッ! シュバッ!!

?「今宵は『アトラック』の調子も優れている…!」



?「 さあ、前夜祭と行こうではないか!! 」



グシャァァアッッ!!!
256 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/17(火) 20:06:38.79 ID:8SE6yC9+0
さあ、いよいよシルバ編の前半も終わりに近づいて来た

次回  「狂気VS狂喜」
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/05/17(火) 20:26:08.83 ID:Wnh7br1C0
前スレ現行スレタイトル詐欺だよ……
ヒトデェ
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/17(火) 22:14:08.09 ID:XvIMfj5x0
乙……今回は読んでて辛かった
とりあえず要点をまとめると

1:文字道理汚された希望……やっぱあの門番共は死ぬべきだったな
2:やっぱりあの怪物は『アトラック・ナクア』だったか
3:絶望の雄叫びを上げるシオン……その波動に『亜人離れした魔翌力』……!?
259 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 11:45:53.61 ID:p6U2hY6t0
>>257
ヒトデの影が薄れて来たのは仕方ない、インデックスさんみたいなものさ☆(反省はしてる

>>258
なんですぐ邪神バレするんだよwwww
260 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 11:59:45.05 ID:p6U2hY6t0
〜翌日〜



━━━????━━━


ハスター「まっ♪だっ♪かっ♪なっ♪」


ハスター「早く結果を見たいなー、いつだっけ? 『開始時間』は」

金髪男?「正午過ぎでしょう」

ハスター「ふふん♪ 待ち遠しいな〜待ち遠しいな〜♪」

金髪男?「……良いショーが今からご覧に出来るのでは?」

ハスター「ホント? 楽しみだなぁ」ニコッ

金髪男?「あと五秒で始まりますよ」



<ドゴォォォォォオオオンンッッッ!!!



ハスター「わお♪ 誰と誰が相手?」

金髪男?「『将軍』殿と南の国の兵士長……将軍同士の対決です」

ハスター「面白そー♪」
261 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 12:09:21.29 ID:p6U2hY6t0


メイコ「私の名は『メイコ』!! 同志の仇を討つ為に1人で来た! 」


眼帯女「その自己紹介からしてバカの香りがするな、大人しく帰るがいい」しらっ

メイコ「無礼な!! こちらは名乗ったのだ、そちらも名乗れ!!」

眼帯女「五月蝿い奴だ、1人で来た上に武器はその身と剣一本など無謀極まりないくせに」

メイコ「……名乗れ」チャキッ


眼帯女(面倒ですね…)


眼帯女改めベアトリクス「……私の名は『ベアトリクス』だ、記憶したか?」

メイコ「ふっ、この国の将軍が相手なら私の相手に相応しい!」

ベアトリクス(……やりづらいですね)
262 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 12:18:13.34 ID:p6U2hY6t0







〜しばらくして〜


メイコ「━━━!?」ドサッ

ベアトリクス「思い知っただろう、貴様の弱さを」

メイコ「なん…だ? この強さ、いやそもそも人間に今の動きが出来るのか…?」

ベアトリクス「さぁ?」チャキッ


メイコ「……情けは無用か」



<ザクッ
263 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 12:25:02.46 ID:p6U2hY6t0



ハスター「……びっくりする程弱かった気がするよ」

金髪男?「あれが『人間』の限界なのです、陛下」

ハスター「うーん? ベアトリクスも『人間』じゃなかったかな?」

金髪男?「……彼女は特別なだけです、ひょっとしたら彼女が『本物の勇者』かもしれませんよ」


ハスター「ふーん、いるものなんだね…勇者」

金髪男?「しかし彼女は陛下の忠実な駒、心配はいらないでしょう」

ハスター「はは、勇者なんて『作り物』だけだと思ってたよ」

金髪男?「……間違いではないですね」


金髪男?(…あと1時間後か)
264 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 12:32:39.15 ID:p6U2hY6t0





━━━ルシフェルの屋敷・人形の棟━━━


ミーシャ「…おーい、起きて下さい先輩」ぺちぺち

シオン「……」

ミーシャ「…うわ、拳が血まみれじゃないですか」

ミーシャ「……先輩?」ぺちぺち


シオン「……悪い、1人にしてくれ」ボソッ


ミーシャ(寝たフリでしたか…まあ先輩がそう言うなら1人にしておいた方が良さそうですね)

ミーシャ(……さて、ルシフェルに許可を貰ったらシルバさんの所に行こう)
265 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 12:48:02.56 ID:p6U2hY6t0


━━━ルシフェルの部屋━━━


<コンコン

ルシフェル「入りなさい」

<ガチャッ


ミーシャ「今から30分程、散歩に出掛けます」

ルシフェル「おぉそうでしたね」

ミーシャ「失礼します」スタスタ


<バタンッ


ルシフェル「……ふむ、やはり昨日の事で警戒されてますなぁ」
266 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 13:05:53.31 ID:p6U2hY6t0
ミーシャ(……あとは念のため……)スタスタ






━━━ルシフェルの屋敷・門━━━


門番A「」ドサッ
門番B「」ドサッ

ミーシャ「あとは『また』全裸で縛っておいて、っと……」シュババッ

ミーシャ「…どうせあなた達が先輩を傷つけたんでしょう?」

げしっ

ミーシャ「……よし、早く行かないと…」
267 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 13:37:15.87 ID:p6U2hY6t0



ミーシャ(……)コソコソ


シオン「…」←俯せになって暗いオーラ



〜三分後〜


ミーシャ(……)コソコソ
シルバ(………シオン?)←ミーシャに背負われてる


シオン「…」←なんかさっきより暗いオーラ
268 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 14:05:12.23 ID:p6U2hY6t0
━━━ルシフェルの屋敷・庭園━━━


シルバ「………シオンはどうしたの」

ミーシャ「んー、ちょっと心のネジが外れただけですよ」

シルバ「……何があったの」

ミーシャ「分かんないです…でも新しく来た2人が関係あるんでしょうが」


シルバ「新しく……?」

ミーシャ「えぇ、昨日捕まって来たらしいですよ」

シルバ(………)
269 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 14:25:17.18 ID:p6U2hY6t0
シルバ(…?)

シルバ「……何してるの」


ミーシャ「んー、ちょっと待ってて下さい……よっと!!」グイッ


━━━━━ガギンッ━━━━━


ミーシャ「ふーっ、上手く行きました!」

シルバ「……鍵?」

ミーシャ「隠れて作ってたんですよ、『小劇場』の鍵をね」

シルバ「……『小劇場』って、あの?」

ミーシャ「はい! こっちです」クイッ
270 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 14:36:35.62 ID:p6U2hY6t0


━━━小劇場━━━


<バタンッ


ミーシャ「………まだシェリルの臭いがする」

シルバ(……酷い臭い、誰かが死んだの?)

ミーシャ「…あまり時間も無いし、ずっといたら気分が悪くなりそうなので話しますね」クルッ

シルバ「……」コクン


ミーシャ「ではまず………」バッ


━━━━━むぎゅっ━━━━━


シルバ「━━━ッ!??」ビクゥッ

ミーシャ「……感じますか? 僕の体を」ギュッ
271 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 14:49:11.30 ID:p6U2hY6t0
シルバ「……!! はなして…っ」

ミーシャ「分かりませんか? ならもう少し分かり易くしてあげますよ」スッ


━━━━━ファサッ━━━━━


シルバ「………え?」キョトン

ミーシャ「分かって頂けましたか?」

シルバ「……どうして」

ミーシャ「こうするしかない事情があったので隠してたんです」


ミーシャ「僕が  女の子  だってことを…ね」


272 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 14:59:56.82 ID:p6U2hY6t0
シルバ「………」←フリーズ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

シルバ(……この服、女の子用なのにミーシャって人の匂いがする)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

シルバ「……そういえば」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ミーシャ「これでも女性の体を『それなり』に知り尽くしてるんですよ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


シルバ「………」じっ

ミーシャ「ね?」ニコッ

シルバ「………………………女の子」
273 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 15:36:15.52 ID:p6U2hY6t0


ミーシャ「ま、そういう訳なので今までのは許して下さいね?」ファサッ

シルバ「……理由って…何?」

ミーシャ「え、男の子に成りすましていた?」

シルバ「……」コクン


ミーシャ「じゃあまずはそこから話しましょうかね」


━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━


━━━


274 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 15:51:10.91 ID:p6U2hY6t0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


〜12年と2ヶ月前〜


━━━━━僕はこの屋敷近くにある港町の宿屋の娘でした。


幼ミーシャ「いらっしゃいませ! お泊まりになりますか? 夜まで休みますか?」


━━━━━毎日僕は将来宿を継ぐ時の為に、看板娘のような物として店の前で挨拶していました。

━━━━━そんな僕には1人の…弟というか、子分みたいのがいたんです。


子供「お姉ちゃーん!」とてとて


━━━━━そう、その小さなお友達が シオン です。
275 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 16:00:53.42 ID:p6U2hY6t0
幼ミーシャ「ああっ、走ったら危ないですよー?」よしよし

幼シオン「えへへー」ニコッ


━━━━━よくある光景でしょ?

━━━━━2つくらい年下の男の子に優しくする女の子……えぇ、幸せな日々でした。


━━━━━でもある日、僕は見てしまったんですよ……



<「〜!!」ドガッ

幼ミーシャ「…? 何の音ですかぁ…」


━━━━━夜中私は母のマフラーを編んでいた時、不審な音がシオンの泊まっている部屋から聞こえて来たんです。
276 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 16:12:42.23 ID:p6U2hY6t0
〜幼シオン一家の部屋の正面バスルーム〜


幼ミーシャ「……?」こそっ

幼ミーシャ「!!」


━━━━━そこで見たのは、見知らぬ金髪のお兄さんが酷く泣いてる光景でした。


幼ミーシャ「あ、あの…?」ボソッ

金髪男?「……君は、シオンがよく遊んでいた……」


━━━━━そのお兄さんは僕に気づくと、ゆっくり近寄って来ました。


金髪男?「……君は、シオンが好きか?」

幼ミーシャ「はい、僕のお友達はシオンしかいないし……」

金髪男?「そうか」


━━━━━そう言うとお兄さんは一度目を閉じて、ゆっくり深呼吸をしていました。
277 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 16:21:22.27 ID:p6U2hY6t0
金髪男?「……ミーシャ、だったな?」

幼ミーシャ「そうですよ?」

金髪男?「いいか? よく聞くんだ」

幼ミーシャ「?」


金髪男?「『この手紙』を『12年後』にシオンに渡して欲しいんだ」

カサッ

幼ミーシャ「じゅー2年後ですかぁ?」

金髪男?「そうだ、それもシオンに恋人が出来たのを確認してからだ」

幼ミーシャ(恋人…!)キラキラッ


━━━━━……今にして思えば僕はバカまっしぐらでしたね。
278 :ニュLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 16:33:13.95 ID:p6U2hY6t0
幼ミーシャ「そ、その恋人さんってどんな人です!?」

金髪男?「は? ……多分美人だと思うが」

幼ミーシャ(この辺りで一番可愛いと評判の僕に違いないです!!)


━━━━━まぁ、よくあるでしょう?

━━━━━僕も幼い頃は普通の女の子みたいに夢を見ていたんですよ。


幼ミーシャ「……あれ、お兄さんは誰な…の?」ピタッ


━━━━━でも次の瞬間、お兄さんはいなくなっていました。

━━━━━代わりにいたのは、シオンの父親…『ノア』さんでした。


ノア「おや、ミーシャちゃんじゃないかね? こんな時間にどうしたのかな?」

幼ミーシャ「え? ……え?」


━━━━━僕は幽霊でも見た気分でしたね。

━━━━━見間違えるはずがないのに、お兄さんは金髪で若いからヨボヨボ老執事のノアさんと間違えるはずがないのに……
279 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 16:52:28.48 ID:p6U2hY6t0



━━━━━………その夜は、僕は眠れませんでした。


━━━━━お兄さんの言った言葉が頭に響いてたのもあるし、ときめき? みたいなのがあったんです。


━━━━━手紙をその夜、何度も開けようとも思いましたが結局開けませんでした。


━━━━━そして翌日……



幼シオン「じゃあねーお姉ちゃん!」

シオン母?「じゃあね、ミーシャちゃん」

幼ミーシャ「また来るですよ〜!」


━━━━━シオンはいつものように、父親のノアさんが働く『この屋敷』へ帰って行きました。
280 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/18(水) 16:55:27.77 ID:p6U2hY6t0



━━━━━そして……









━━━━━シオンはそれから二度と宿屋に来ませんでした。










281 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 17:17:11.24 ID:p6U2hY6t0
━━━━━━━━━━━━━━━


━━━━━━━━━


━━━━━


━━━


━━




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

282 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 17:29:25.34 ID:p6U2hY6t0
ミーシャ「……」

シルバ「………もしかして」


シルバ「…あの部屋に飾ってあった女の子は……?」

ミーシャ「……僕ですね」

シルバ「……」


ミーシャ「……そこから9年もした時でしょうかね」

シルバ「……?」

ミーシャ「僕はたまたま自分の部屋を片付けている時に、『この手紙』を見つけました」

ガサッ

シルバ「……これが…」
283 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 17:55:30.16 ID:p6U2hY6t0
ミーシャ「僕はこの手紙を見つけ、そこで屋敷にいるシオンに届けようと向かいました」

シルバ(……シオンを呼ぶ時『先輩』じゃなくてシオンになってる)

ミーシャ「……そこで私は知りました、シオンが宿屋へ来なくなった理由と…」


ミーシャ「この屋敷の事を……!!」


ミーシャ「彼はずっとここに捕らわれていたんです……」

ミーシャ「……知ってますか?」

シルバ「…?」

ミーシャ「シオンは父親であるノアさんを私が来た前日に殺していたらしいです」

シルバ「……!!」
284 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 18:07:44.15 ID:p6U2hY6t0
ミーシャ「そして、何の冗談か…僕はまた会ったんですよ」

シルバ「……誰に?」


ミーシャ「  金髪の男ですよ  」


##############################################


ミーシャ「ど、どうしてあなたが……?」

金髪男?「…驚いたな、ミーシャか」

ミーシャ「あの、どういう……」

金髪男?「まだ持っていてくれたのか、その手紙を」

ミーシャ「え? あ、はいそうです!」

金髪男?「……ミーシャ」


金髪男?「お前にしか頼めない事がある、聞いてくれるか?」


ミーシャ「……頼み?」


##############################################
285 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 18:19:09.57 ID:p6U2hY6t0
##############################################

ミーシャ「えぇ!? む、むりですよ…僕が執事なんて……」

金髪男?「……やはりムリか」

ミーシャ「いえ、あの……そもそもあなたは何者なんですか!」

金髪男?「……言わないとダメか」

ミーシャ「……そうですね」キッ


金髪男?「……………………言えないな」


ミーシャ「……えぇぇ」

金髪男?「だが今のシオンには、誰か見守ってくれる人間が必要なんだ」

ミーシャ「…」

金髪男?「……ダメか?」

ミーシャ「……」





ミーシャ「 やります 」







##############################################
286 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 18:37:31.04 ID:p6U2hY6t0
ミーシャ「……」

シルバ「………その人は誰なの」

ミーシャ「いえ、その直後にまたいなくなったのでわかりません」

シルバ(……逃げ足が早い)


ミーシャ「ま、ちょっと説明長くなりましたけど…もうこの屋敷ライフも終わりですよ!」

シルバ「?」

ミーシャ「奥の裏口にある床下収納の所からキーアさんに掘ってもらってたんです」

ミーシャ「…ズバリ、『今から』脱出です!」キラッ☆

シルバ「……シオンも一緒」

ミーシャ「わかってますよ、まずはシルバさんが脱出している間に僕がシオンを連れて来ます」

287 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 18:48:31.71 ID:p6U2hY6t0
ミーシャ「じゃあ奥の床下しゅ

< ドチャァアッ


ミーシャ「━━━え?━━━」


<ゴチュッ  ゴロゴロ……ッ


ミーシャ「〜!?」ビクゥッ

シルバ「この人…!!」




キーア「…」ドチャッ





ミーシャ「……飛んで下さい!!」バッ

シルバ「!!」バッ


ゴギャァンッッ
288 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 19:16:42.25 ID:p6U2hY6t0



?「ひっ、ひゃははははははははははははははは!!? 流石は『ヒロイン』だ、素晴らしい!!」



シルバ「…っ」ズキズキ

ミーシャ「シルバさん、大丈夫ですか!?」

シルバ「……っ」コクン


?「……フハハ、なるほどなるほど? 確かによく見れば…なかなか可愛らしい娘じゃあないか!!」


ミーシャ「ッ!!」キッ

ミーシャ「……え!?」

289 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 19:23:06.16 ID:p6U2hY6t0


イタカ「 何を驚いているんだ? ミーシャ君…! 」ニヤ


ミーシャ「………あなたが、この一連の?」

イタカ「そんなに意外か!!? フハハハハハハ!! やはりヒロインはそこのシルバかな?」

シルバ「………そのキーアって人……」

イタカ「私が美味しく頂いたが…何かね?」


シルバ「……ッ」ギリッ


イタカ「…良いぞ、その目だ!! その目こそヒロインに相応し…」


━━━━━━ゴッッ!!!━━━━━━


イタカ「………ほう、そんな戦闘技術を持っていたのか」


ミーシャ「逃げて下さいシルバさん!!」ギリギリッ

シルバ「…でも!」
290 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 19:36:43.11 ID:p6U2hY6t0
ミーシャ「……正直残念ですよ、イタカだけは『ムリヤリ』女性を犯すよう『強要』されたのは知っていましたから」ググッ

イタカ「ひっひゃはは、何だ? ビクビク震えてた私の方が良かったかぁ!!?」ヒュォッ


ドゴゴゴォッ!!!


ミーシャ「〜〜っ……ぁぐ」ドサッ

イタカ「なるほどなるほど……確かにこうやって…」ヒュッ


ゴキッ


ミーシャ「ぁ…ああああああああ!!?」

イタカ「脆い、まさに若い娘らしい脆さだ!!」

ミーシャ「……き、狂人っ」キッ

イタカ「……素晴らしい」グッ


━━━━━━メキメキメキメキ……!!━━━━━━


ミーシャ「〜〜〜〜!!!??」ガクガク
291 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 19:43:39.78 ID:p6U2hY6t0
イタカ「……ふ、ふひゃひゃひゃはははははは!!! 次はどうして欲しい? 愛しの『主人公』の前で犯されてみるか!?」


ゴンッ!!


イタカ「?」

シルバ「……っ」フラフラ

イタカ「…美談、いや……滑稽ですなぁ!!?」バッ

ミーシャ(させない…!!)ヒュルンッ


━━━━━━シュルンッッ! ググッ!!!━━━━━━


イタカ「チッ、下等なムシケラが……!!」グォォッ

ミーシャ「な…」ブワッ


イタカ「『制作者』に刃向かうなぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


ズガァンッ!!!

ミーシャ「━━━ッッ!!」ドシャッ

シルバ「ミーシャ……!!」
292 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 19:46:12.20 ID:p6U2hY6t0
イタカ「……ふふふ、少し取り乱してしまったな」

シルバ「………!!」キッ


イタカ「………………」


シルバ「………」キッ


イタカ「……ひっ、…ひははははは!! もっと素晴らしい事を思いついたぞ!?」ニヤッ

シルバ「………っ」

293 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/18(水) 19:48:45.76 ID:p6U2hY6t0







━━━ルシフェルの屋敷・人形の棟━━━


━━━「起きて!」

━━━「ねえ!!」


シオン「………んっ」ムクリ

女手下2「おはよう」

シオン「!?」
294 :ニュLv10 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/18(水) 20:02:47.53 ID:p6U2hY6t0
……うん、落ちる

(FFの手伝いに出発)
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/18(水) 20:12:50.84 ID:JjJaHhuf0
乙!次回シルバ最大の危機到来か……!?
しかし、まさかミーシャが女だったとは……そして女手下2どうやって脱出した
296 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 11:53:07.49 ID:EhI2m/Nm0
>>295 
結構 「あぁ、こいつ女だろ」 って思わせる部分は大量にあったはずだけどなww
297 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 12:55:00.64 ID:EhI2m/Nm0
シオン「んなっ…なんで?」きょとっ

女手下2「あぁ、牢の中を見なよ」スッ

シオン「?」


女手下2「」
女手下「……zZZ」


シオン「……」チラッ

女手下2「ね?」

シオン「……幽霊?」

女手下2「違う違う、『魔法』だよ」

298 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 13:06:18.11 ID:EhI2m/Nm0
シオン「……幽体離脱みたいな?」

女手下2「姿が見えるのがこの魔法の悪い所だね、声も届くし」

シオン「意味無い魔法ッスね……」

女手下2「さて、現状はどの位絶望的なの? 放心してたとはいえ見てたよ、昨夜の君を」

シオン「……恥ずかしい所見られたッス」


女手下2「気にしない気にしない、おかげで君を更に信用できるんだから」

シオン「はぁ…ありがとッス、んでどの位かって事でしたっけ?」

女手下2「そうそう、君があれだけ取り乱すんだからよっぽどのレベルでしょ?」

シオン「……かなり、一週間正気でいられたらトロフィーものッス」


女手下2「…よし、楽勝」
シオン「えっ」
299 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 13:17:55.87 ID:EhI2m/Nm0
シオン「……楽勝?」

女手下2「こういうのも何だけどね、私達は元々『宿』の娘だった訳……わかる?」

シオン「わかったッス」

シオン(………売春か)

女手下2「私やそこのリリーは同じ『宿』で働いててね、そしたら魔導海賊団が襲撃ついでに拾ってくれたの」

シオン「もしかして魔導海賊団の女性はみんなそうだったりするんスか?」

女手下2「多分ね、男共は『一部』を除けばペンドラゴンに反対してた奴らだったし」


シオン「『一部』はなんなんスか?」

女手下2「んー、多分『アレ』は女の子の前で格好つけたいだけの奴かな?」

シオン「?」
300 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 13:28:49.30 ID:EhI2m/Nm0
$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$

第三団長「ぶぇっくしゅん!!!」

第三団長「??」ずずっ

$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$


シオン「でも、ヤるのとは違って暴力は痛いッスよ」

女手下2「そこは…まぁ多分平気、鍛えてるから」

シオン「……で、どうするんスか?」

女手下2「私の『本体』の指を見て欲しい」

シオン「……指輪?」

女手下2「あの指輪に大量の魔力を流し込めば魔導海賊団の母船と連絡が取れる仕組みになってるの」

シオン「なんで連絡しないんスか!?」

女手下2「……魔薬や過度の肉体疲労の影響で大量の魔力が流せなくて」

シオン「……」
301 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 13:47:28.51 ID:EhI2m/Nm0




━━━ルシフェルの屋敷・門━━━


シオン「……」スタスタ


門番A「むぐー!! むぐー!!」ジタバタ

門番B「もごもごー!!?」ジタバタ

シオン「なんでまた全裸で縛られてるかは知らないッスけど、ラッキーッスね」ガサガサ


カチャンッ


シオン「あった、『魔薬抜き』」

シオン「じゃあな、馬鹿ブラザーズ」スタスタ

門番A「むぐー!!! むぐー!!!??」ジタバタ

302 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 14:12:06.87 ID:EhI2m/Nm0





━━━女手下達の牢━━━


シオン「あ、あれ…どこ行ったッス?」

<「こ……こ……」


シオン「!」

女手下2「……魔力が尽きたみたい、多分2日はしないと指輪に流せない」グッタリ

シオン「そ、そんな…俺が遅れたから!?」

女手下2「……元々魔力の残量はたかが知れてると思ってたから平気」

シオン「ん…じゃあせめて『魔薬抜き』で楽にしたら…」

女手下2「………うん」
303 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 14:21:57.83 ID:EhI2m/Nm0



━━━━━ゴクッ・・・━━━━━



女手下2「……少し楽になった」

シオン「良かった」

女手下2「これ」スッ

シオン「指輪、どうしろと?」


女手下2「その指輪は女性団員にしか扱えない仕組みになってるから、シルバ様に渡して欲しいの」

シオン「ん、わかったッス!」スッ

女手下2「……一つ聞いていい?」

シオン「何ッスか?」

304 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 14:43:21.27 ID:EhI2m/Nm0


女手下2「君はどうしてここまでして逃げたいの?」


シオン「……逃げる?」

女手下2「だって逃げたいから手伝ってるんでしょ?」

シオン「………そうッスね」

シオン「………………多分、耐えられないからだと思う」


女手下2「…耐えるって……」

シオン「悪い、もうシルバの所へ行くよ」スッ

女手下2「……シルバ様によろしく」
305 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 14:51:41.60 ID:EhI2m/Nm0



━━━シルバの部屋━━━


シオン「………は?」

━━━━━ガラーン━━━━━

シオン「……」

シオン「!」ピクッ


スッ


シオン「この茶髪…ミーシャか?」

シオン(アイツがシルバを? 何の目的で……!!)



━━━━━シャッ━━━━━
306 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 14:59:30.33 ID:EhI2m/Nm0




━━━ルシフェルの部屋━━━


ルシフェル「彼ですか? 彼ならシルバを連れて散歩に行きましたよ」

シオン(あの野郎……!!)

ルシフェル「しかしもう1時間ですね…少し様子を見て来てもらえませんか?」


シオン「イエス!! マイロォォドォッ!!!」ビシッ


ルシフェル「?」

シオン(待ってろよ…!!)


━━━━━シャッ━━━━━
307 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 15:18:21.58 ID:EhI2m/Nm0



━━━ルシフェルの屋敷・庭園━━━


シオン(ダメだ…ここにもいない)

シオン(俺の部屋、ミーシャの部屋、他の死んだ執事やメイドの部屋にもいなかった…)


*ちなみに現在の屋敷内の残り執事は9人・メイドはフレア含めて3人


シオン(……後、残ってる場所は……)

シオン(……………)チラッ



シオン(  小劇場━━━!!  )
308 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 15:31:48.46 ID:EhI2m/Nm0


━━━━━━━━━ギィィ・・・


古びた扉の開く音が薄暗い小劇場の中に響き渡った。

小劇場とは言っても元々は他の貴族を招いての劇場だった為、その内部はそれなりに広かった。

だがそれだけの広い小劇場は長年放置され、埃と何かが腐った臭いが充満し

薄暗い中に差した入口からの光だけが唯一の空間のようにも思えた。


シオン(……まだ、シェリルの時の臭いが残ってるのか)


シオンは扉が風で閉まらないように確認してから、ゆっくり辺りを見回してから口の中で呟いた。

彼は足を踏み入れる。


309 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 15:40:22.10 ID:EhI2m/Nm0


━━━━━ギシッ・・・ギシッ・・・


シオンが一歩ずつ足を踏み入れる度に古びた板が軋む音が鳴る。

入口から闇に包まれた劇場の『舞台』に近づいて行くと、シオンは僅かな異変に気づいた。


━━━━━ニチュッ


革靴と板の間で、明らかな変音が鳴った。

シオン「?」スッ

靴を退かす。


そこには見慣れた女性の『肉体』があった。


シオン「━━━━━━!!?」

ズザッとシオンは下がる。

そして同時に後ろから大きく


━━━━━ギィィ・・・バダンッッ!!!━━━━━


気づいた時には遅い。

扉が閉じられたと同時、シオンの視覚を助けていた光が消えた。
310 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 15:48:49.99 ID:EhI2m/Nm0


シオン(マズい……!!)


彼の全身に力が入る。

それは臨戦態勢とは違い、『必殺』に対する最大の防御だった。

シオン(視覚は奪われた、相手が音も無く襲って来たら……)

そう、既にシオンは格好の餌食なのだ。


相手はこちらの視覚を奪い、嗅覚も聴覚も封じている。

もっと言ってしまえば最初のキーアの死体のせいで冷静な思考すら奪われているのだ。

シオン(どこから…!)

シオンは更に力を入れる。

しかし次の瞬間彼は一瞬、『全身の力が抜けた』。

311 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 15:56:04.91 ID:EhI2m/Nm0



━━━━━━ポォッ━━━━━━



シオン「……!」


彼の闇に覆われた視界が一瞬にして光で埋め尽くされたからだ。

シオンの思考はそこで一度冷静に戻った。


そこで彼の耳に、劇場内に余す事なく広がるような声が轟いた。


「  よぉぉぉこそっ!! 『主人公』アーチャー様ぁ!!!?  」


シオン「!!」バッ

シオン「な……!?」
312 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 16:11:08.46 ID:EhI2m/Nm0


彼は驚きで声が出なかった。

心の底からの、真の驚愕。


何故、ここ一週間の一連の犯人である男の服は執事服なのか

何故、気弱そうに見えてしまう眼鏡をかけてるのか

何故、先日自分に明るい……温かい声をかけてくれた青年が舞台の上にいるのか


・・・その淡い光を浴びた執事服は黒い気配を出し、まるで唯一の友から本当の悪魔が見せている吐息のようにも見えた。


シオン「イタカ……!!」


シオンの視線の先に立つ黒幕。

同じく執事、『イタクァ・ウェンデーイゴ』。


313 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 16:20:41.22 ID:EhI2m/Nm0
(推奨BGM http://www.youtube.com/watch?v=qnq0Hwye4Is


イタカ「ひっ……」


一瞬、イタカの顔は僅かにいつもの怯えた顔になったように見えた。

しかしそれは違う。


イタカ「……っひゃははははははははははははははははははははははははははは!!!!」


絶叫。

狂ったような笑い声が劇場内に憎悪の波が押し寄せた。

シオンがその波を止める。


シオン「……お前が殺したのか……」


その静かな一言は狂人イタカを止めるのには充分だった。

イタカは応える。


イタカ「  そうだよ  」


314 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 16:29:07.93 ID:EhI2m/Nm0


シオン「……『お前が』、なのか…?」


シオンは再確認するように問う、もはや『誰を殺したのか』までは問わない。

分かっているから、理解してるから。

だからこそ、最後にこれだけは聞かなければならない。


だがその問いに対する答えはシオンにとっては最悪の答えだった。


イタカ「私が殺したんだよ、『全員』な」


シオンの両拳に力が入った。

シオン「……残念ッスよ、イタカ……………ッ!!」


ダンッッ!! と彼は凄まじい力で一歩踏み出そうとした。

315 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 16:40:51.79 ID:EhI2m/Nm0


その時だった。

まるでタイミングは今だと言わんばかりに、イタカの指が パチィンッ と鳴った。

そして彼の両脇に『何か』が上から吊された状態で降りて来た。


シオン「…ミーシャ、シルバ!?」


2人はグッタリとした状態で顔を上げた。

ミーシャの執事服は所々が擦り切れ、血が滲み。

シルバは柔らかい女性用の薄い半袖がへその辺りまでビリビリになっていた。


2人共、全身に青黒い痣を作りながら。


シオン「2人に何をした!!」

イタカ「……ひっひゃひゃ」


イタカは2人の間に立ったまま、片手ずつ彼女達に向けた。


イタカ「『主人公』アーチャー、選べ」

シオン「……選ぶ?」

316 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 16:56:57.03 ID:EhI2m/Nm0
イタカ「そうだッッ!!! ミーシャか、このシルバか!!!!」

イタカ「3つ数えてやる…さあ、お前が本当に愛してる女はどっちなんだ!!? 選べば片方は生き残るぞ!!!!」


シオン「……!!」


シオンは僅かな一瞬、2人と目が合った。

シルバは声を出すのが辛いのか、声を必死に出そうとして綺麗な顔を苦痛に歪ませていた。

ミーシャは、そもそも女なのか? と一瞬思ったが目が合った瞬間そんな考えは消えた

必死にミーシャもシオンに『逃げろ』という顔をしていた。


シオン(……どちらか1人?)

シオン(そんなの…!!)


選べるはずが無い、だからこそ彼はたった一つの答えをイタカに突きつけた。



━━━━━━━━━ドッッゴォォォオオンッッッ!!!━━━━━━━━━



イタカの体が打ち上げられると同時、雷のような衝撃音が鳴り響いた。
317 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 17:08:06.97 ID:EhI2m/Nm0


イタカ「━━━━━━ッッ!!?」


普通に考えれば有り得ない速度の『先制アッパー』。

イタカの背が8mある天井に軽く触れた。


━━━━━直後、イタカの視界が再び途切れる。


飛ばされたイタカよりも速く跳躍し、イタカの体を横からシオンが拳を薙ぎ払った。

裏拳で振るわれたシオンの拳は一撃でイタカの肋骨を7本粉砕し、更に弾き飛ばした。


━━━━━━ゴギャァッ!! メ”キ”メ”キ”ッッ!!!


イタカ「がぁ……っは…!!!??」

彼の体は一直線に吹き飛んだ。
318 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 17:20:51.12 ID:EhI2m/Nm0
シオン(なんで……ッ)


シオンは『空中』を蹴り飛ばし、再びイタカと並ぶ。

シオン「なんでこんな惨い事したんだよ…!!!」


彼は迷わず、最後のトドメを刺す。

渾身の力でイタカの体の中心に足を振り降ろしたのだ。


━━━━━━ギュンッッ!!!━━━━━━


ギロチンを思わせる風切り音が鳴る。

その直後に彼の足は風の刃となり、衝突したイタカの体を隕石の如く叩き落とす!!

イタカ「待っ」


イタカは何か言おうとしたが、声はブレる。

既に彼の体は劇場の古びた板を突き破り硬い地面に叩きつけられていたからだ。

319 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 17:31:58.81 ID:EhI2m/Nm0



                 スタンッ


シオン(……終わった)


シオンは友の落ちた穴から出た血飛沫を見てから呟いた。

もう悲劇と惨劇の連鎖は終わったのだ。

振り返る。


シオン「シルバ! ミーシャ!!」


彼はすぐに2人の近くに駆け寄ると、拘束している粘着質な縄を外した。

シオン「大丈夫か、シルバ?」

シルバ「………」コクン

彼女はいつものように綺麗なブラウンの瞳をこちらに合わせて頷いた。

320 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 17:40:48.66 ID:EhI2m/Nm0


シオン「……」

シルバ「……」


ミーシャ「あの、見つめ合ってないでこっちの『コレ』もお願いしますよ」


ミーシャが目を細めながら頬を膨らまして言った。

シオンは「あぁ、ごめん」と言って近寄ろうとした。


その時だった。


━━━━━━ヒュァッッ━━━━━━


ミーシャ「危ない!!」
シオン「!!?」


━━━━━━ドズンッッ!!━━━━━━

321 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 17:54:35.98 ID:EhI2m/Nm0


一瞬の出来事だった。

恐らくミーシャの声が遅れても、シオンの反応が遅れても、僅かな『遅れ』は確実にシオンの心臓を貫いていただろう。


シオン「……っ!?」


突差に前へ飛んだシオンは後ろを振り向いて息が止まった。

そこには2mはある長く、鋭利な『足』があった。

それは蜘蛛や虫を連想させる姿だった。


━━━━━ギチギチィッ━━━━━


背中の左右からは四本ずつ、『銅にも黄金にもみえる淡い光』を帯びた足を出し

それらは生き物のように蠢いていた。

322 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:01:35.42 ID:EhI2m/Nm0


シオン「…イ……タカ、なのか…?」


彼はその『足』の本体と思える背中に向かって言った。

その声は震えているのにシオンは気づかない。


『足』の本体はゆっくり、ギチギチと、振り向いた・・・


イタカ??【 b@し#お%&ん…? 】

シオン「〜〜ッッ!!!」


今度こそ、シオンは後ろに一歩下がってしまった。

理由はイタカの ”眼” だった。

その瞳には幾つもの車輪が鮮やかな紅を輝かせながら回っていたのだ。


シオン(なん、だ……これ)
323 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:11:42.60 ID:EhI2m/Nm0


冗談でも、勇気や根性などでまともに戦えるような相手とは思えなかった。


 『『化け物』』 


シオンの頭の中にそれだけがこだました。

シオン(こ、こんなのに勝てるはずが無い…!!)


彼は即座にナイフを取り出し、ミーシャを拘束している縄を切ろうとした。


イタカ??【 8/な*に+0し&#%て#る 】


━━━━━━ジャキキキキキキキキッッッ!!!━━━━━━


シオン「ッ━━━!!?」

いつ動いたのかすらわからない程速く、化け物はシオンに『足』を突き刺した。

324 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:19:46.96 ID:EhI2m/Nm0


━━━━━━ビリビリィッ!! ビチャァッ!!!━━━━━━


静かになっていたせいか、劇場内に服が切り裂かれ肉が抉られる音が響いた。

シオンの意識が一時的に飛んだ。


ドサッ!


彼は埃っぽい古びた板の上に舞台から落ちると、ある事に気がついた。

シオン(………え?)

痛みが無い。

背中に微かな痛みがあるのは1mほどの舞台から背中で落ちたからだろう。

シオンは顔から胸、手などを見たが特に変わりは無い。


━━━━━しかし体に何か重い物が乗っているのに気づいた。


325 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:26:40.76 ID:EhI2m/Nm0


まず最初に気づいたのはシオンの腹部にある『銀髪』。


そして次に気づいたのは掠れかけた吐息。

シオンは視線を下にする。


そこにはシオンを庇って背中を斬り裂かれたシルバがいた。


シオン「……シルバ?」

返事は無い。

シオンはすぐに起き上がるとシルバを抱き寄せようt  ぴちゃっ  

彼の手に、何か水溜まりのような・・・

いや、もっと粘着のある液体が触れた。


真っ赤な血。


その血はシルバの美しい銀髪の先から染み込んでいた。

326 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:28:50.86 ID:EhI2m/Nm0
シオン「……シルバ」


━━━━━━ユサユサッ


シオン「…………シルバ……」


━━━━━━ユサユサッ


シオン「……………シル…バ………」


━━━━━━ユサユサッ


シオン「…………………………………………」


327 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:32:45.96 ID:EhI2m/Nm0



################################################

『 お母さん…… 』

━━━━━━ユサユサッ

『 起きて…… 』

━━━━━━ユサユサッ


『 ……この赤いの、なぁに? 』

『 ねぇ…お母さんどうして起きてくれないの? 』

『 …………お母さん 』


━━━━━━ユサユサ……ユサユサ…ッ


『 ………………………… 』

################################################


328 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:34:56.64 ID:EhI2m/Nm0







シオン「 ぉぉあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ” 」







329 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:39:40.19 ID:EhI2m/Nm0





━━━????━━━


ハスター「ッ…!」ビクンッ

金髪男?「どうしました?」


ハスター「……僕の力の『4%』くらいを逆に吸われた」


金髪男?「!」

ハスター「…はは、信じられるかい? 通常の人間なら確か『2%』が器としての限界なのに」

ハスター「彼は合計『8%』の僕の魔力を器として受けられるんだよ…」

金髪男?「………」
330 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:40:53.06 ID:EhI2m/Nm0





金髪男?(……また)






金髪男?(………また、泣いてるのか…シオン………)





331 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 18:51:06.42 ID:EhI2m/Nm0



シオンは持てる限りの全ての力を解放した。


シオン「あ”あ”あ”あ”あ”あ”━━━ッッ!!!」


ジャギャギャギャギャァァッ!!! とシオンの周囲に火花が散った。

理由は彼の周囲に『千本』近いナイフが一瞬にして生み出されたからだ。


シオン「……ッッ!!!」ギンッ


シオンの持つ宝玉・・・つまりエルフの能力は『錬金術魔法』。

生み出したナイフ、または『金属製の刃物』を自在に操れる能力だ。

彼は周りでぶつかり合って火花を散らす千本のナイフ達に命令する。


━━━━━━悲劇を作りし邪なる者に刃と報復の雨を


332 :ニュッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/19(木) 19:07:56.10 ID:EhI2m/Nm0


イタカ??【 ━━━━━ッ?!! 】


ガギャギィギギギィギャィィッッ!!!


イタカにナイフの雨が超高速で降り注いだ。

しかしこの金属音はイタカに突き刺さっている音ではない。

イタカの8本の『足』と、いつの間にか生えたサソリのような金属の『尾』が全てのナイフを弾いていたのだ。


━━━━━ガシャシャシャシャッッ!!!━━━━━


再び一瞬でイタカはシオンの頭上にまで移動した。

シオン「ぉぉおおおお!!!」


ギュルンッ!! という音がした。

直後、 ガッギィィィンッ!! という太刀打ちの音が更に響いた。

シオンは一瞬で巨大な剣を精製してイタカの一撃を防いだのだ。
333 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/19(木) 19:16:35.38 ID:EhI2m/Nm0


・・・さて、少し頑張った

落ちる
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/05/19(木) 21:00:53.73 ID:YA0gynRN0
ニュ様の文才も確実に上がってる素敵
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/20(金) 00:27:27.93 ID:PBvj5KQ/o
336 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 13:22:45.30 ID:LoVXHhMd0
>>334
ラストバトル的な場面だけこの書き方なんだww
つまり期間限定

>>335
いつもありがとうなんだぜぃ
337 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 14:47:23.67 ID:LoVXHhMd0


シオン「ぁぁ”……ッ!!!!」

イタカ??【 t_#+%\ 】


その空間周辺を満たす程の狂気と殺意がシオンの全身から放たれる。

頭上で『尾』を ビュォッ と振り回してイタカはシオンから離れる。


━━━━━ゾシュッ━━━━━


シオンの視界が大きく揺れた。

彼は僅かに視線を斜め下にずらす。

何かとても硬くて熱い『糸』が、シオンの右肺を貫いている。


シオン「………」


シオンは一瞬何かを考えて止まった

が、

シオン「━━━ッッ!!!」ギンッ

貫かれた肺など気にせず、 ドォンッ!! と古い劇場の床を粉々に吹き飛ばしながら跳んだ。

338 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 15:01:02.47 ID:LoVXHhMd0


━━━━━ズジュッ


肉が裂け、鮮やかな赤を彩る液体がシオンの頬を横切る。

瞬く間の間で彼は袖に仕込んである小型のダガーを二本取り出し、強く刃ごと握り締めた。

そして全身の勢いを乗せ━━━━━


シオン「お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”ッッ!!!!!」


ガギュィッ という金属に刃を突き立てる音が鳴る。

イタカの『足』の付け根に当たる背中に刺したのだ。


イタカ??【 ギィィァア”ア”ア”ッ!!? 】

シオン「シッッ━━━━━」


初めて化け物が悲鳴をあげると同時に繰り出して来たカウンターの『尾』をシオンはバック転して避ける。
339 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 15:09:26.15 ID:LoVXHhMd0





ミーシャ(……凄い)


未だ縛られてぶら下がっているミーシャはシオンとイタカの戦闘を見て固まっていた。

まだシオンが絶叫した時点から三分も経っていないのに、常人が『普通の速度』で同じ事をしたら十分は経つような世界だ。

凄まじい。

ミーシャはそう感じるしかない。

化け物にシオンが勝利出来なかった場合は間違いなくミーシャは殺されるからだ。


ミーシャ(………!?)


そこでミーシャの眉がぴくんっと跳ねた。

自分の前の舞台の下で横たわる人物


シルバが動いていた。


340 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 15:41:38.44 ID:LoVXHhMd0


ミーシャ(シルバさん!? ……どうしよう、なんとかしないと…)


ミーシャはその場でジタバタしてみるがやはりビクともしない。

目の前で微かに動くシルバをミーシャは見る。

体の周りや髪の半分は血に染まっている。

決して少ないとは言えない大量の出血。


ミーシャ(……声を出して助けを呼んだらシルバさんや僕が狙われかねない…どうしたら……)


ミーシャはじわじわと生命の灯火が消えて行くシルバを見ながら呟く。

恐らくシルバのタイムリミットはハーフエルフとしての身体能力を計算に入れても  5分  。

ミーシャは何も出来ずにジタバタするしかない。

341 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 15:54:25.39 ID:LoVXHhMd0




シオン(後少し、後少し圧せば……!!)



追い詰め始めた、とシオンは感じた。

シルバを殺したこの世界で最も憎き男、イタカはボロボロになり始めていた。


イタカ??【 ぎ…tn*&#ィィィッッ!!! 】


三本の『足』の根本にはシオンの刺したダガーやナイフが十数本突き立てられている。

そのせいでイタカは関節に突き刺されている事で『足』が動かせないのだ。

シオンは再び千本のナイフを蛇のようにイタカを囲む。


シオン(━━━━━殺せ!!)


━━━━━ドッヒュヒュヒュッッッ!!!━━━━━


全180度を包囲したナイフの嵐が一斉に空気を切り裂く!!
342 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 16:04:43.95 ID:LoVXHhMd0


イタカ??【━━━━━━━━━━!!!!】


ガギャギャギャギャッッ!!! とチェーンソーが鋼を斬りつけたような轟音が爆発する。

イタカの操る『尾』が ビュルァッ!! と全方位へ振り回しながら酸性の糸と鋼鉄の糸を瞬時に撒き散らす!!

そして『尾』だけで対処出来ないナイフは全て5本の『足』が弾いて行くのだ。


シオン(……ッッ!?)ズキンッ


鋭い全身の痛み。

恐らく『宝玉』のフルパワーに肉体が悲鳴をあげているのだとシオンは推測する。

シオン(……それでもッッ!!!)

彼は走り出す。

そうだ。止まる訳には行かない。

この痛みに比べたら今までの惨い仕打ちを受けたシェリルやキーア達はどうなる?

シオンは口や耳から微かに流れる血などお構いなしに全力でイタカを殴り飛ばした。

343 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 16:15:17.30 ID:LoVXHhMd0


━━━━━その刹那だった。


イタカ??【 ……Iaia Haster Bulgtom Aiai Haster 】


イタカは常人、いや、『この世界の生物』には決して聞き取れない速度と『言語』で『ある最終進化』を遂げていた。

そしてシオンの拳がナイフと『足』や『尾』の隙間を縫ってイタカに炸裂した瞬間。


イタカは  イタカではなくなった  。


━━━━━バキャッ……!!━━━━━


シオンの放った拳の部分から何かが割れる音がした。

そして散り、舞う。

化け物は完全に誕生したのだ。
344 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 16:24:00.46 ID:LoVXHhMd0


??【【 ……ギィッ 】】


シオン「…………………………………あ?」


シオンの声が自然に漏れた。

彼の拳が直撃し、吹き飛ばした『人間の殻』はガラスのように粉々になって消える。

そして目の前に現れた サソリのような蜘蛛 はイタカの顔だけついていた。


シオン「━━━━━!!!」


瞬時にシオンは千本のナイフを操って化け物に放つ。

同時に彼もナイフの嵐に紛れて跳ぶ。


345 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 16:38:57.42 ID:LoVXHhMd0


彼が知るよしも無いが、『とある魔王』と『黄衣の王』が見たら僅かに驚くだろう。

『連鎖』を司る精霊、『アトラック・ナクア』だと。

そう、シオンの目の前に存在している化け物は『この世界のルール』に基づく攻撃では決して『死なない』。


━━━━━ドジュジュジュジュッッッ!!!!━━━━━


シオン(っ!?)


シオンはすぐに立ち止まる。

千本のナイフが次々と5m程のアトラックを突き刺していったからだ。

しかしシオンが感じたのは勝利の予感ではない。


シオン(……効いてない)


346 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 16:55:31.22 ID:LoVXHhMd0


違う。

効いてないのではない。

『 ナイフの当たる部分が消えている 』のだ。

銅にも黄金にも見えるアトラックの体からは ドジュッ という音と同時に『何か』が展開されていた。


シオン(………)


ナイフは次々と消えて行く。

アトラックの体内か、それともシオンが知らない世界に向かって。

巨大な蜘蛛、アトラックはシオンの方に体の先端を向けた。


━━━━━そして・・・


347 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 17:05:32.92 ID:LoVXHhMd0


━━━━━ビシャッ!!━━━━━


シオン「ッッ!!!」


両者がいたのは劇場の入り口だった。

突如アトラックの口から吐かれた『蜘蛛の巣』みたいな液体は一瞬にして劇場内全体に広がったのだ。

シオンは即座に『巣』の網目の隙間となる位置へ回避すべく走る。


シオン「……シルバ?」


その時気づいた。

舞台の下で血溜まりの中で動く彼女の姿に。

全体に広がった『巣』は落下し始めた。

シオンの脳内に最悪の光景が広がる。


シオン(もしこの『巣』が糸の時みたいに酸性を帯びた鋼鉄の性質だったら……?)


シオンは走り出す。

少し考えればわかる、ミーシャもシルバも溶かされて最悪の死を迎える事になるのだ。

走る!!
348 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 17:14:32.31 ID:LoVXHhMd0


シオン「だぁぁああああああ!!」


ギュルンッ と瞬時に巨大な剣をミーシャの前に盾となるように突き立てる。

後はシルバと自分の防御。


シオン「ぐぅ……!!」バッ


再び『宝玉』の力で剣を精製する。

━━━━━が


━━━━━━━━━ズギンッッ!!!━━━━━━━━━━


シオンの体を動かしていた物が一瞬にして消滅した。

立てない。


シオン(こんな……時に、……!!!)


シオンは知らない。

『とある黄衣の王』がある目的の為に供給していた膨大な魔力が一時的に暴走したなど、彼は知らない。

シルバとシオンの上空から『巣』が降り注いだ。

349 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 17:24:16.24 ID:LoVXHhMd0


シオン(……っ、シルバ…)


シオンはボロボロの体でシルバに覆い被さる。

そして『巣』がついに落ちて来た。


━━━━━━━━ジュゥァァアアアアアアアッッッ━━━━━━━━


劇場全体から強烈な酸の臭いが溢れ出した。

シオンの予想した最悪のシナリオ通り、酸性を帯びた鋼鉄の糸だったのだ。

シオンの背中、足、太股、腕、首から上以外の箇所から焼けつくような…表現が出来ない激痛が走る。


シオン「あ”ぁ…があ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!???」


意識が途絶える。

シオンは最後の最後でシルバの顔を見て息を全て吐き出した。

彼は起き上がらない。

350 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 17:34:29.17 ID:LoVXHhMd0




【【 ギィッ 】】

アトラックの枯れた鳴き声が劇場内に響く。

シルバはその声と強い酸の臭いで再び意識を取り戻した。

シルバ(………シオン……?)

シオン(…)

シオンは口や耳から血を流し、シルバの上に覆い被さったまま動かない。

シルバ「シオン……っ」


━━━━━カチャカチャカチャカチャ━━━━━


恐らく先程までいたあの化け物と思える足音が近づいて来た、そしてシルバの前に

アトラック【【 ギィッ……ギィッ… 】】

シルバ「……っ!?」

351 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 17:48:33.73 ID:LoVXHhMd0


シルバ「……………………」

アトラック【【 ……ギュィ 】】


シルバの上に覆い被さっていたシオンをアトラックは前足で転がした。

シオンの顔がシルバの顔の横に並んだ。

彼女は動けない体を無理やり動かそうとする、


━━━━━ズンッ  ゴリッ━━━━━


シルバの左腕に、『足』が突き刺さる。

シルバ「〜〜ぁぁっ……!?」

激痛のあまり彼女の声が漏れる。

アトラックはしばらくシルバの様子を観察するように眺めていた。

すると、ある変化が起きた。


352 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 17:56:39.32 ID:LoVXHhMd0


━━━━━━━━グチュッ・・・━━━━━━━━


今度こそシルバは悲鳴をあげそうになった。

アトラックの『尾』より下の根本から、『生えた』のだ。

グロテスクな物体。

彼女はそれが何なのかは本能的に理解した。


━━━━━生殖器だ。


シルバ(……嫌…)


━━━━━━━━グチュッ、グイッ━━━━━━━━


シルバ(━━━━━ッッ!!!)

353 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 17:58:00.59 ID:LoVXHhMd0










金髪男?「そこまでだ、ナクア」









354 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 18:02:41.72 ID:LoVXHhMd0




━━━━━━━━━ゴッッッッッッッ!!!!!━━━━━━━━━




シルバの目の前にいた化け物に光り輝く柱が突き立てられた。

同時にアトラックの体は一瞬にして消滅する。


シルバ「…………??」


彼女は一瞬何が起きたのか理解出来なかった。

それ以上に彼女は混乱していたのだ。


シルバ「━━━━━シオン…?」


355 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 18:14:49.75 ID:LoVXHhMd0


身長、肩幅、服装、髪型、顔・・・・・・


それら全てが、彼女の横で倒れているシオン・アーチャーに似ている。

いや、同一人物なのかもしれない。


シオン?「……残念だがシオンはお前の隣で寝ている男がそうだ」


シルバは気づいた。

よく見ると瞳の色だけおかしい、時折赤にも見えれば青にも緑にも黄色にも見えるのだ。

虹の瞳をしたもう1人のシオンは声が出ないシルバに言う。


シオン?「ミーシャは無事だ、こちらの事情で気絶してもらってはいるけどな」

シオン?「だが問題は『お前達』のようだがな」

シルバ「……貴方は……?」


シルバはもう1人のシオンに問いかけた。

356 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 18:25:03.73 ID:LoVXHhMd0


シオン?「……何?」


もう1人のシオンはその問いは余りにも馬鹿馬鹿しいと言わんばかりの調子で言った。

だがすぐに


シオン?「話している暇は無い、死にたくはないだろ」

スタスタ


シルバは思う。

シルバ(歩幅まで一緒…?)


グイッ

もう1人のシオンは、シルバの横で倒れているシオンの右手を掴んだ。

そしてその手をブンッと振って、


━━━━━くちゅっ━━━━━


シルバ「んむ……!?」

シオン?「飲め」

357 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 18:32:46.02 ID:LoVXHhMd0


シルバ(……思い出した、『あの時』の…!!)


━━━━━こくっ━━━━━


シルバ「━━━━━ッッ!!?」ズキッ

シオン?「……すまないな、出来れば痛みを感じさせないように『摂取』させたいが…」


シルバ(………〜!!!)ズキズキッッ


━━━━━くちゅっ…くちゅっ……こくっごくっ━━━━━


シオン?「……もう充分だな」スッ








       【  #%=/_j.@&$  】








358 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 18:44:45.54 ID:LoVXHhMd0







━━━????━━━


ハスター「むー、ちょっと過保護じゃない? もう少し様子を見てからでも…」

シオン?「……申し訳ありません」

ハスター「まあいいや♪ 『実験1』は成功した訳だしね」ニコッ

シオン?「『魔蟲以上の実力を持つ人形を作れるか』ですね」


ハスター「うん、とは言えびっくりしたなぁ…いきなり精霊降臨しちゃうんだもん」

シオン?「連鎖を司る蜘蛛ですか」

ハスター「うん、通常は『宿主が最も望む行為』を続けなきゃ降臨するような『蟲王』じゃないけどね〜」

359 :ニュッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 18:51:03.99 ID:LoVXHhMd0


シオン?(望む行為……か)

ハスター「……ふふっ、それにしても少し興味が湧いたよ」

シオン?「?」

ハスター「『君の息子』だよ、彼は魔力を僕が暴走させるまで完全に操り続けてたもの」


シオン?「……それが何か?」

ハスター「おや、余裕だねぇ♪」

シオン?「それもそうでしょう」



シオン?「私はハスター様の六割の力と『融合』した器なのですから」




ハスター「……ふふっ、そうだね」

360 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/20(金) 18:52:05.85 ID:LoVXHhMd0







ハスター「  『ノア』……♪  」






361 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/20(金) 18:55:37.91 ID:LoVXHhMd0
シルバ編前半がやっと終了……

…………長いな、シルバ編


362 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/20(金) 19:07:54.70 ID:LoVXHhMd0
携帯の書き貯め見て絶望した

長い長すぎる…長い長すぎる…

修正しようにも修正できるような余分もないorz
363 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/20(金) 19:13:54.17 ID:LoVXHhMd0
っていうかサブじゃないよな、シルバもシオンも

主人公3とヒロイン3だな…
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/05/20(金) 19:58:29.05 ID:xblentUX0
製速はのんびり投下するためにあるともいえる
つまりゆるりとやってこうぜ
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/20(金) 20:47:16.27 ID:9I3WSmx60
乙!
これがニュ様の本気か……!
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/20(金) 22:41:40.40 ID:n8B8fjrS0
いやーすごいわー
ますます楽しみになってきた
367 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/05/22(日) 02:03:00.64 ID:sueShTf70
>>364  うむ、そうだな…ありがとう

>>365  結構これが俺の限界なんだけどね、この辺が

>>366  な、なんか照れるんだぜぃ…////


さて、とりあえず今のうちに予告しておこうか

来週の月曜日か火曜日の17時20分くらいの投下で


『 シルバの陵辱安価 』をやろうと思う、
20分以内に安価が来なかった場合は陵辱シーン強制終了安価以外の安価を>>1の趣味で選ばせて貰うぜぃ

・・・趣味っていうと変態みたいだな、ここは>>1的にノーマルなプレイ…という表現が良いか?
しかしそれだと『アレ』とかもノーマルな事に………

まあとりあえず参加できる人はぜひ参加してくれぃ


>>1のガラスハートな心が許せるプレイ内容

DV的なの・ア○ル・デコズリ・髪ズリ・調教系・パイズリ…などなど

後は皆さんの考えられる範囲でどうぞ
注意*安価は基本的に5択ですが、1つ(自由安価)を除いた4つの中には陵辱シーン強制終了安価というものがあります

これは選んでしまうとストーリーを進める為に色々凄い事が起きてしまうのでシルバを陵辱したい方は気をつけましょう
368 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 17:53:22.45 ID:BWPqRiTe0


〜孤児施設教会〜


白執事?「………」

少女「どうかした?」


白執事?「……いえ、少々雨が降って来たので」

少々「わっ、本当だね…濡れちゃうよ」

白執事?「………」スッ


━━━━━━ピチョンッ━━━━━━


白執事?「………静かな小雨ですね」

少女「うん?」チラッ

白執事?(………………)
369 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 17:55:40.55 ID:BWPqRiTe0


白執事?「………知っていますか?」

少女「何を?」



白執事?「何万も昔のこの世界には、こんな言葉がありました」





━━━━━━「  『嵐の前の静けさ』という言葉です  」






370 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:01:37.21 ID:BWPqRiTe0
シルバ(……痛い……)

シルバ(……………頭に……誰かが…!!)ズキッ


################################################


『……アンタが殺した母さんの仇だ…!!』

老執事?『━━━!?』


ドシュドシュッッ!!!


『…………』

老執事?『……』ドサッ

『……はは、アンタの血も赤いんだな』


━━━━━━びちゃっ


『……………………………血…?』

『…血、血、血血血血血血血血血………!!!』

『うわ、うわあああああああああああああああ!!!!』


################################################
371 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:09:02.61 ID:BWPqRiTe0



シルバ「━━━━━━━━━っ!!!?」バサッ



シルバ「………夢?」

シルバ「っ!!」ズキッ


クラッ

ドサッ


シルバ「………っ、ここは…?」

<「起きたようね」バタンッ

シルバ「……!」


フレア「おはよう……ていうか『3日ぶり』ね」

シルバ「………3日?」
372 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:15:12.77 ID:BWPqRiTe0


フレア「あら、結構自覚ないのかしら? アナタは3日前劇場でイタカに襲われて意識不明のままだったのよ」


シルバ「……シオンは?」

フレア「そうね、後の厄介事はそれだけよ」

シルバ「?」


スッ


フレア「歩けるならついて来なさい、今なら『人形』は屋敷内を歩いて良いから」スタスタ

シルバ(………?)フラフラ

373 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:19:11.43 ID:BWPqRiTe0
━━━ルシフェルの屋敷・シオンの部屋━━━


バタンッ


フレア「………」スタスタ

シルバ(………シオンの部屋…)フラフラ


ピタッ


フレア「……アーチャーだけよ、まだ目が覚めてないのは」

シルバ「!!」


シオン「………」


374 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:25:12.49 ID:BWPqRiTe0
フレア「ルシフェルが言うには、アーチャーは『イタカが毒ナイフでも使った』と言ってるけど」

フレア「……どうせ嘘ね、でしょ?」

シルバ「………」コクン

フレア「何があったか話しなさい、じゃなきゃアンタの髪燃やすわよ」


シルバ「………」フルフル


シルバ(……何から話したら良いかわからない)

シルバ(……私はシオンの血をムリヤリ『もう一人のシオン』に飲まされたせいで途中から錯乱してた)

シルバ(…………あ)


シルバ「………ミーシャはどこ?」

375 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:35:31.50 ID:BWPqRiTe0


フレア「ミーシャならその辺で忙しそうにしてるわよ? 何せ今はあの娘が執事長だからね」

フレア「それより……話さないならその髪燃やすからね」ボォッ


シルバ「………あっ…フレアの背中」

フレア「!!」バッ


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


フレア「?  何も無いじゃないの」スッ


━━━━━シーン━━━━━


フレア「……あの銀髪巨乳め」
376 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:42:19.58 ID:BWPqRiTe0



━━━ルシフェルの屋敷・廊下━━━


シルバ(………走るのがつらい…)フラフラ

シルバ(……シオン……)


ずでっ

ドサッ


シルバ「…いたい」

シルバ(………シオン……)


<「あれれ〜? 君、どうかしたのかな?」


シルバ「……?」

黒髪エルフ「やあ♪」

シルバ「……やー?」
377 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 18:51:23.21 ID:BWPqRiTe0
シルバ「……誰」

黒髪エルフ改めシレーナ「んー? 僕は…ごほんっ、私はハス…げほっ、私は『シレーナ』、よろしく♪」

シルバ「?……よろしく」

シレーナ「ほらほら、君のじこしょーかいは?」


シルバ「………シルバ」

シレーナ「よろしくねシルバちゃん♪ あのね〜、んっとね〜・・・」

シルバ(……なんだろうこの人)


シレーナ「さ、早速 エッチ でもしよっかー!!」

シルバ「…」フラフラ
シレーナ(あ、無視して逃げた)
378 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 19:38:18.57 ID:BWPqRiTe0





━━━????━━━



ハスター「……なんで?」じろっ

ノア「………………陛下はいきなり目の前に『殴らせろ』という人間がいたらどうします」

ハスター「食べるか殺すよ」

ノア「…つまりはそういう事です」


ハスター「……意外にれいぷって難しいんだね」

ノア「何故やろうと思ったのですか」

ハスター「せっかく『感覚共有』してるから人間の快感度を知りたくて…」

ノア「…ご自分で弄ってみては?」
ハスター「ああなるほど♪」

379 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/23(月) 19:46:54.27 ID:BWPqRiTe0


<「男なら問答無用でレイプだろ!!」
<「さすがブラザー!」
<グチュグチュ…


ハスター「……ね、殺しても良いかなコイツら////」

ノア「ダメです、『この少し後にある実験』で必要な人間ですから…ついでに言いますと顔が赤くなってますよ」

ハスター「……うん、意外に気持ち良いかな////」


ノア「…陛下、後一回中に出されたら適当に逃げるか撃退して下さい」

ハスター「なんで?」

ノア「……そいつらの『後で使う欲』が無くなります」

ハスター「うーん…せっかく人間の性交したがる理由がわかりかけてたのに」
ノア(…場合によっては絶対に理解できないと思うが)
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/05/23(月) 19:48:38.07 ID:MXD7dKWb0
過疎区
安価キツイヨ
381 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/23(月) 19:53:17.86 ID:BWPqRiTe0
今日はやっぱり無理だったか…となると明日が安価デーになるな


>>380
人いないし、安価は厳しいと思うか?
厳しいなら今のうちにみんなが見たい内容を教えてくれぃ
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/23(月) 20:02:52.74 ID:PLvy9Gue0
青髪様のご様子はどうなっておりますか

それさえ知ることができたなら十分でございます
383 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/23(月) 20:11:09.17 ID:BWPqRiTe0
>>382
んーと、今シルバが拉致された時点から10日目なんで……

忍の皆さんをミンチでスプラッタな感じにしてるよ
384 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagsaga]:2011/05/24(火) 14:49:00.95 ID:d11CwT6g0
これは…特に希望は無し=別にエロが見たい訳ではないという事か

ならそれはそれで俺的に安心するけど…どうなんだろうか

385 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 15:26:46.00 ID:d11CwT6g0





━━━ルシフェルの屋敷・浴場━━━


ミーシャ「…だぁー」ぐてーっ

ミーシャ「……いくら人数が少ないからって、僕が雑用するハメになるなんて…」


ミーシャ(まあ仕方ないですね、10前までは25人以上いた使用人は今じゃ僕を入れて9人……)

ミーシャ(……随分人が死にましたね、この屋敷)

ミーシャ(………あれ)


ミーシャ(なーんか忘れてる事があるような…)

ミーシャ(……?)
386 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 15:34:51.49 ID:d11CwT6g0


━━━ルシフェルの屋敷・シオンの部屋━━━


<「あーぁ、さっきのエルフ結構自分から楽しんでなかったか?」
<「にひひひ…ちょっと物足りないよな」

<「ん? ここって確かさ」

ガチャッ

<「お、やっぱりあのクソ野郎の部屋だ」
<「にひひひ…顔に落書きでもするか?」

<「バカ、『男なら問答無用でレイプ!!』の名言を残して逝った先輩に失礼だろが」
<「じゃあどうする?」

<「……最高に名言を生かした『仕返し』を思いついた」

387 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 15:49:19.36 ID:d11CwT6g0




シルバ「………」フラフラ

シルバ(……っ!)ずでっ


シルバ「………」クラクラ

シルバ(……頭がぼーっとして考えがまとまりにくい)

シルバ(………疲れた、少し向こうの空き部屋で休もう…)フラフラ


シルバ(………シオンの事が頭から離れない…)フラフラ


388 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 16:04:32.61 ID:d11CwT6g0



ドサッ



シルバ(………)

シルバ(………………………すぅ)zZZ


<「お、みーつけた」

<「にひひひ」


シルバ「………?」ぱちっ

門番A「おはようお姫様…?」ガッ

シルバ「━━━━!?」
389 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 16:23:16.76 ID:d11CwT6g0




━━━ルシフェルの屋敷・シルバの部屋(元シェリルの部屋)━━━


フレア(あら? いないわね)

フレア(まだ屋敷の中を見てるのかしら……)

フレア(ムリもないわね、アイツからしてみれば色々と因縁のある屋敷だし)


━━━━━━コンコンッ━━━━━━


フレア「?」チラッ

執事「フレアさんに『お客様』です」

フレア(……随分久しぶりに指名してきたわね)

フレア「わかった、今行くわ」
390 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 16:35:21.39 ID:d11CwT6g0




━━━ルシフェルの屋敷・玄関ホール━━━


フレア「……お待たせ致しました、ご主人様」ぺこり

ギルガメス「クク…今日も綺麗だな、フレア」

フレア「…ありがとうございます」

ギルガメス「クク、さぁ…奥の部屋に行こうか」

フレア「…はい」


フレア(………)

ガチャッ

バタンッ

391 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 17:10:52.42 ID:d11CwT6g0


━━━シオンの部屋━━━




シルバ「………っ」ズキッ




私は突然こめかみに走った痛みで目を覚ました。

そしていつものように手を額に持って行こうとした瞬間━━━━

━━━━━━ジャラッ

右手…違う、私の両手には手枷がつけられていた。

手枷に気づいた瞬間私の脳裏を僅かに12年前の日々が横切った。


シルバ「………っ」ジャラジャラッ

━━━━━どんっ━━━━━

シルバ「……?」


私は少し混乱していたから周りがよく見えてなかった。

多分血が足りない事による衰弱が始まっているからだろうけど、今はそれ以上におかしな事がわかった。

シオンが、私の拘束されている横のベッドで寝ていた。
392 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 17:17:43.98 ID:d11CwT6g0
シルバ「……どうして…!?」


私はすぐに辺りを見回した。

そして気づいた、ここはシオンの部屋と。


シルバ(………?)ジャラッ


シオンは先程と同じように眠っている。

犯人はシオンじゃない。

そこで私は足を動くか確かめる為に少し動かしてみた。


━━━━━━スッ


動いた。

よく見ると手枷についた鎖も結構長い、普通は床に拘束するはずなのに。

私は部屋の出口まで手が届くかどうか試す為に立ち上がろうとした。
393 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 17:27:33.02 ID:d11CwT6g0


その瞬間だった。


━━━━━ガシッ!━━━━━


シルバ「ひゃぁ……!」


突然横から伸びて来た腕に私は突き飛ばされた。

手枷の鎖が ジャラッ と音を立てる。


門番A「ひゃぁ…だってさ、見た目も良いけど声も可愛いじゃん」

門番B「にひひひ」


そう言って2人の男が近くの椅子から立ち上がった。

いつから居たんだろうと私は思ったけど、多分私がキョロキョロしてるのを見て笑っていたんだろう。

最初に喋った少し背の高い痩せた男は、私を見ながらニヤニヤしていた。

・・・なんとなく、私の身に何が起きるのか分かった気がした。


シルバ「……嫌………!!」


━━━━━ジャランッ!! ジャラジャラッ!!━━━━━

394 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 17:36:26.48 ID:d11CwT6g0


男達は更にニヤついた。


門番A「……良いぃ〜のかなぁ?」ニヤニヤ

シルバ「…っ!」


門番B「だから、アーチャーを起こして良いのかなー?」


シルバ「………!!」びくっ


私の動きが止まる。

2人目の、筋肉質な男の左手はシオンの首に『何か』を突きつけているのが見えたから……

月の光を帯びた冷たい  『刃』  だった。


門番A「最悪、起きてコイツが騒ごうとしたら……わかるよな?」

シルバ「………」


急に男達の笑みが怖くなった。
395 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/24(火) 17:44:50.95 ID:d11CwT6g0


門番A「こっち来いよ」

シルバ「………嫌」

門番A「……へぇ」


瞬間、シオンの首筋を一気に2人目の男が ビュッ と右手を一閃した。


シルバ「やめてっ!!!」


━━━━━━ガシッ!!━━━━━━


男が反射的に叫んだ私の口を手で塞いだ。


門番A「しー、よく見ろ、ナイフは首元に置いたままだ…フェイクだ」

シルバ「〜〜!」


よく見ると、確かにナイフは静かな寝息を立てるシオンの首元に置かれたままだった。

私は安堵でその場に座り込む。
396 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [saga]:2011/05/24(火) 17:55:12.28 ID:d11CwT6g0


男は静かで、非情な笑みを浮かべながら。


門番A「知ってるんだ、お前ら結構ラブラブなんだろ? だからさ…傷つけたくないなら素直になろうや」

シルバ(……っ!!)


嫌だった。

犯されるのがじゃなくて、シオンの横で犯される事が嫌だった。

逃げたい、今すぐ逃げたい。

でも今の私に走るだけの体力は無い。


シルバ「………」コクン


それに逃げたらシオンは殺されちゃう。

その言葉が私の首を縦に振らせた。


門番A「偉い偉い、んじゃまずは……>>397


1、男なら問答無用でレイプ!!
2、まずはしゃぶってもらおうかな
3、脱げ
4、四つん這いになってケツ見せろ
5、自由(内容もお願いします)
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/24(火) 18:17:02.72 ID:MZnW8frIO
2
398 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 18:22:58.39 ID:d11CwT6g0
(20分経ったので3)


シルバ「………」スッ


私は男に言われた通り、服を脱ぐ。

━━━━━━しゅるっ、ぱさっ…ファサッ

薄い上着のリボンを解き、静かにゆっくりと上から順に脱いでいった。

あと残ったのは私の胸や…下を隠す下着だけ。


門番B「あー、それでいいや、下着だけついてた方がエロい」


私は少しその言葉にホッとした。

しかしその直後


門番A「何やってんだ? つぎは>>398


1、男なら問答無用でレイプ!!
2、しゃぶれ
3、四つん這いになってケツ見せろ
4、自由(内容もお願いします)
399 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 18:25:30.06 ID:d11CwT6g0
ってなんだとぉぉぉ!!?

くっ、2だな? 2だな!?ごめんすまんうわあああああああ

あ、2を脱がせた後にやったという事で脳内補完してくれ!!
400 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 18:31:02.39 ID:d11CwT6g0


シルバ「……?」

門番A「何固まってんだよ」


男が私を急かしてくる。

でも私は動かない、動けない。


シルバ「………しゃぶる?」

門番A「……おー、見た事も聞いた事もないのか」

門番A「んじゃぁズボン下ろしてみな」


私は言われた通りに男のズボンを脱がした。

━━━━━━ニュッ

・・・実際に男性の物を見たのはこれが初めてだった。
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/24(火) 18:33:37.49 ID:tZGCr849o
ニュ様でてきたあああああああああああああああああ
402 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 18:39:01.65 ID:d11CwT6g0


グロテスク…なのにどこか変な感覚。

そんな事を考えてから思い知る。


シルバ(………嫌、こんなのは違う…)


汚い、汚らわしいと思った。

シオンが横にいて、脅されてるのに私は…


門番A「ほら、まずは手で優しく包めよ」


私は慌てて手を伸ばして触れた。

妙な暖かさが伝わって来た。

そして独特の臭いも。


シルバ(……脈打ってる)

門番A「……っ」びくん


私が両手で物を包んで触ると、僅かに性器がビクンッと跳ねた。

少し固くなっている、男の息も少しだけ荒い。

私の手で感じているんだ。
403 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 18:50:18.70 ID:d11CwT6g0


門番B(……さすがにブラザーも感じてるみたいだな)


2人目の男、『バリー・ラクシャイン』はそう口の中で呟いていた。

彼の目の前では…正確には彼の前にいる男の足下、

銀の長いサラサラした髪に、濡れたように綺麗なつぶらな瞳、更には白い…触ったらひんやりしそうな肌と巨乳。

そんな美女が相方の性器を包んだりしごいたりしていた。


彼の相方、そして彼自身も、その淫美な姿に欲情しきっていた。

銀の髪をサラサラと揺らしながら、シルバは相方にたずねた。


シルバ「………次は…?」かくん?


門番A「〜〜っ!!」


彼女が小首を傾げながら聞いてきた瞬間、男の何かが一瞬にしてはじけた。
404 :ニュッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 18:55:13.05 ID:d11CwT6g0


━━━━━━ガバッ!!


シルバ「!?」


突然男はシルバの頭を掴むと、強引にその性器を━━━

━━━━━━ヂュルッ


シルバの口内に突き入れた。


シルバ(……苦し…い…!)

門番A「は…はぁ……う、動かすから歯を当てないようにしろよ」


男の腰がゆっくり動かされる。

シルバの口内から僅かに涎が溢れて来る。


━━━━━ヂュルルル・・・━━━━━


405 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 19:06:53.73 ID:d11CwT6g0


━━━━━ヂュル・・ニュルッ・・・


シルバの口内をゆっくりと出し入れされる男根が、涎と絡み合って部屋に卑猥な音を立てた。

男の息が三回程シルバの口内に男根をピストンする度に荒くなっていく。


門番A「…っ、〜っ……良いぞ、舌でもっと絡み合わせろ」

シルバ「……んんっ…」


シルバが苦しそうに返事をし、僅かに性器から口を離した。

そしてしばらく舌で舐め続ける。

━━━━━ぴちゃ…ぴちゃ……ちゅるっ


門番A(な…や、ヤバ……いィっ!!)ガシッ

シルバ「━━━っ!?」
406 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 19:14:23.63 ID:d11CwT6g0


━━━━━ドクッ…ドクッ……ズッチュッ!


強く、深くシルバの口内に男根を突き刺すと、数回ビクついた。

同時に彼女の喉に熱い液体が流し込まれ、彼女に強い吐き気と悪臭を感じさせた。


シルバ「けほっ! けほ……っ」ダラッ

門番A「ふーっ、凄い気持ち良かったぜ? アンタ才能あり過ぎ」


男はシルバが咳き込み喘いでる横で満足そうにいった。


シルバ「………もうやめて…」

門番A「だめだめ♪ お次は>>407なんだから」


1、本番
2、素股
3、アナル
4、相棒
5、自由(内容もお願いします)
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/24(火) 19:18:01.64 ID:p5/nLrdn0
2
本番はさすがに……
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/24(火) 19:19:40.50 ID:p5/nLrdn0
あ、よく考えたら5で休憩させれば……orz
409 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 19:29:10.06 ID:d11CwT6g0


男はシルバの腰を掴むと、ムリヤリ四つん這いの格好にさせた。


シルバ(……っ!!)ビクンッ


そしてゆっくり…ゆっくりと、彼女の胸を愛撫しながら男根をシルバの秘所に擦りつけてきた。

ススッ、ススッという下着が擦れる音が鳴る。

彼女の耳元で男が囁いた。


門番A「……さ、下着取ろうか」


同時。

男の左手がシルバのパンツを脱がしていた。


シルバ(……や…ぁ…)

門番B「…マジかよ」


2人目の男、バリーは呟いた。

何故なら彼女の性器には毛が生えていない綺麗な姿だったからだ。
410 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/24(火) 19:37:34.82 ID:d11CwT6g0


門番A「……濡れてはいないのか、まあ良い、充分過ぎる」


そんな事をブツブツ言いながら、シルバの性器に唾液と精液でヌルヌルになった物を擦りつける。


━━━━━ニュプッ・・・にゅっ、ニュッ・・・


しばらくそうやって擦りつけた後、シルバの足を閉じさせた。

そして一気に男は

━━━━━ぱんっ!

と腰を打ちつけたのだ。


シルバ「ん……っ」ぞくっ


シルバの口から僅かに甘い吐息が漏れる。

男はその声に再び発情したのか更に速く男根をピストンさせて直に擦りつける。

411 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/24(火) 19:42:45.78 ID:d11CwT6g0
落ちる

……結構即興って大変なのな、疲れた
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/24(火) 19:44:48.10 ID:9HtOT7sH0
お疲れ!

しかし生殺しとは…やるな…
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/24(火) 19:46:22.93 ID:p5/nLrdn0
乙かれ

……うん、予想以上に読むのが辛かった……原因俺にもあるけど
何故>>408を考えつかなかった……
414 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/25(水) 16:30:14.60 ID:xORdOZeG0
>>413
安価欄をよく見て陵辱シーン強制終了安価を選ぶしかない

……ちょっと考えればすぐ当てられるはずな仕組みのつもりだったがまさか素股まで進行するとは
415 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/25(水) 17:09:10.96 ID:xORdOZeG0


門番A(……すげぇコイツの素股気持ち良い)


━━━━━ニュッ…にゅぷっ……ズッチュッ…

部屋中に、シルバの陰部でヌルヌルした物が擦れる音から出現した淫らな空気が充満して行く。

男の腰の動きが速さを増している。


━━━━━ヂュッヂュッヂュッ・・・!


彼女の腰を掴んでピストンしている男の後ろから、息を飲む音がする。

当然だろう、端から見るその姿は美女が後ろから犯されているのに等しいのだから。

その姿を見れば100人の男の99人は勃起してしまうに違いない。


門番A「……また出るぞ…!」グイッ

シルバ(……っ)びくっ


━━━━━ビュルッ…びゅっ・・・


416 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/25(水) 17:20:14.77 ID:xORdOZeG0


シルバの付け根に挟まれた物が勢いよく脈打った。

彼女の胸にその白濁液が少しかかる。


門番A「〜っ、超エロいなぁコイツ」

門番B「なー、そろそろ交代だろ」

門番A「まだダメだ、次は >>417 してからだ」



1、本番
2、アナル
3、パイズリ
4、綺麗に
5、自由(内容もお願いします)
417 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/25(水) 17:55:25.36 ID:xORdOZeG0
(……仕方ない、4+3で)


門番A「ほら、さっきみたいに舐めて綺麗にしろよ」

シルバ「………」


シルバは少し躊躇しかけたが、シオンの首筋に当てられたナイフが僅かに動くのを見てすぐに男のモノを口に含んだ。

━━━━━ヂュルッ…ヂュ……

男は彼女の頭を掴んでゆっくり動かしている。

ゆっくり…ゆっくり…、彼女に男の味を覚え込ませるかのように出し入れする。

男は軽く笑う。


門番A「…ハッ、本当にアーチャーの野郎の為だけにやってんのか?」

シルバ「……ぷはっ…どういう意味……?」


シルバは思わず口に含んでいたモノを出してから呟いた。

418 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/25(水) 18:03:07.03 ID:xORdOZeG0
門番A「従順過ぎなんだよ、分かったら早くしゃぶれよ売女」

シルバ「!!………ヂュッ…」


彼女の目に僅かな涙が浮かぶ。

屈辱的過ぎる。


門番B(……良いなー、俺も速くヤリたい)


━━━━━ヂュッ…ちゅくっ……ヂュルルッ

シルバの口からドンドン卑猥な水音と共に涎が垂れていく。

すると、男が言った。


門番A「おい、今度はその胸でしろ…断ったら分かるよな」

シルバ「っ……」コクン


彼女は少し俯いてから頷いた。
419 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/25(水) 18:18:38.06 ID:xORdOZeG0


彼女の胸を隠している下着の下に、男の物がニュッと入った。

下着にムリヤリ収めている為か、その乳圧は女性器を思わせた。

更には、先程から垂れていたシルバの唾液のせいで充分ヌルヌルになって何とも言えない快感を生み出していた。


━━━━━ズニュッ、にちゅっ…ぬるっヂュッ…ぱんっぱんっ


男はシルバに馬乗りになって腰を乳にぶつける。


門番A「っ…っ、かなり良いな…普通は見て楽しむもんだがこれじゃまた…!」


言いながら、息がドンドン荒くなり腰の動きが激しくなっていく。

シルバの小柄で綺麗な体がドンドン汚される。


━━━━━ビュルルッ!! ドビュルッ…!


再び深く突き込むと、男はまたシルバの顔に勢いよく射精する。

420 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/25(水) 18:19:44.64 ID:xORdOZeG0
すまん急用、続きは明日か明後日か…だぜぃ
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/25(水) 18:30:17.56 ID:S8iafgK40
お疲れ様です

何でこんなクズ共がアトから生き残って、堂々とこんな事できるんだ
シルバを売女扱いした時は本気で殺意沸いたぞ
>>414
……ごめんシルバ、素股は俺のせいだ
5で強制終了orシオンが起きるという選択肢にもっと早く気付いてれば……!
422 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/26(木) 17:05:28.10 ID:QzM4h3mG0
>>421よ、気づけ…気づいてくれ、『一番ヒロインにされたくない行為』を選んでくれよ!!

(現在の作者はパンドラの塔のCMを見て狂っています)

(……だって明らかにシルバのセリフが奪われてるし…見た目もキャラもまるで…)

423 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 17:16:03.71 ID:QzM4h3mG0


門番A「………ふぅ、もう三回も射精しちまった」

シルバ「………」ドロッ

門番A「はは、良い顔になってきたなぁ? アーチャーにも見せてやりたかったぞ」


男はそう言いながらシルバの胸から引き抜く。


門番A「…さてと? どうするよ相棒」

門番B「お、ようやく俺の番だなブラザー!?」

門番A「そうだよ、速くしろよ」


門番B「じゃあ……>>424だな」

1、本番
2、アナル
3、パイズリ
4、フェラ
5、自由(内容もお願いします)
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/26(木) 18:19:28.80 ID:gYbuLaXIO
4
425 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 18:32:25.56 ID:QzM4h3mG0
(ぐああああああああああああああああああ)


シルバ「………っ」びくっ

門番B「どした、早く━━━━━」


━━━━━ガッ

バリーはシルバの髪を荒々しく掴むと、そのまま自身の反り起った物に顔をぶつける。


門番B「━━━━しゃぶれよ、『淫乱売女』」ググッ

シルバ「ゃ……っ」


彼女は抵抗するが、その瞬間

━━━━━ガツンッ!!━━━━━

後頭部に凄まじい衝撃が走った。

バリーがシルバをナイフの柄で叩き伏せたのだ。


シルバ「……ッッ!?」

門番B「…オラ、手間かけさせんなや牝犬」
426 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 18:44:02.19 ID:QzM4h3mG0


バリーは彼女の髪を再び掴んで男根に近づける。


門番B「ほら、なんか勘違いしてるけどな…別に殺ってから犯しても良いんだぜ?」

シルバ「………っ」びくっ

門番B「例えばさ…知ってるか? 『死んでたシェリルやメイド、エルフを犯しまくったのは俺なんだよ』」


━━━バリーの呼吸が、熱い吐息に変わる。


門番B「……気持ち良かったなぁ、中はまだ生温かくてさ…良い具合に」

シルバ(━━━っ!!)ブルッ


明らかな狂気。

あの劇場で見た化け物とは全く異なる種類の、理解すら出来ない狂気。

彼女はバリーの瞳に自分の死体を犯している姿が映っているのに気づく。

427 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 18:51:28.33 ID:QzM4h3mG0


もうどうすれば良いのか、いよいよ彼女はわからなくなった。

しかしそれは精神的なショックからも来ているが、実際は後頭部を強打された事と『血の副作用』による衰弱進行が原因だった。

それでも今の彼女はもはや冷静に行動出来ない。

怖いから。

人間がここまで狂気に走れる姿が、堪らなく怖いから。


━━━━━ヂュッ…


彼女は迷いもせず咥える。

そしてただただ、男を喜ばせる為に動かした。


シルバ「…んぅ……っ」ぢゅっぢゅるっ

門番B「そうそう…それだ」ぐっぐいっ


バリーはその快楽に満足気な声を漏らしながらも腰を動かす。
428 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 18:59:39.99 ID:QzM4h3mG0


━━━━━ぢゅぅ…ぢゅっヂュッ……ぢゅぷっ


彼女は先程のように吸ったり舌を裏筋に絡みつかせ、唾液を使って口内で男を快感に導く。

卑猥な出し入れする音は先程に比べてかなり響いた。

恐らくシルバが恐怖で羞恥による加減が消えたからだろう。


門番B「おぉ……っ、確かに凄いなこりゃ」

シルバ「………」ぢゅるっ


一度、涎ごとシルバが吸い付いた瞬間。

━━━━━グッ

突然彼女の鼻をバリーが摘んだ。


シルバ「っ!!」

門番B「はぁ…はぁ……ぅぁ!」

429 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:05:28.00 ID:QzM4h3mG0


口内に何度も激しくピストンした後、バリーはシルバの頭をガシッと掴んで深く突き入れる。

直後、酸欠になりかけているシルバの喉奥に向けて何かが弾けた。


━━━━━ドビュルルルッ! ビュクッ!!


シルバ「━━━━━っ!??」

門番B「ほらほら、酸欠になる前に…綺麗に飲めよ」

シルバ(〜〜〜っ)


━━━━━ごくんっ━━━━━


シルバの喉が粘液を奥に押し込む音を出した。

熱く、粘り気のある精液を飲んだのだ。

430 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:12:14.76 ID:QzM4h3mG0
門番A「あー、そうすりゃ飲むのか…淫乱だなぁ」

門番B「ははっ、だよなー」

シルバ「………」ドサッ


門番A&B「「………えっ………」」


門番B「おいおい、死んでねえよな?」

門番A「……息はしてるが…後頭部から血が出てんぞ」

門番B「うわぁ、強過ぎたか?」

門番A「じゃあ死ぬ前に楽しんどこうぜ」


門番B「んじゃ、>>431

1、マンマンしようぜ
2、アナルやろうぜ
3、パイズリとアナルやろうぜ
4、やっぱ殺さないか?
5、自由(内容もお願いします)
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) :2011/05/26(木) 19:15:57.92 ID:GFFmUiQ30
>>422
信じても良いんですね!?

432 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:24:37.55 ID:QzM4h3mG0
(今日ほど中国地方に感謝した事はないwwwwwww)



================================================

━━━【ajw=#&#//~$】


━━━「……なら、約束する」


━━━「『守ります』」


================================================



433 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:29:16.67 ID:QzM4h3mG0



門番B「どーれ、早速具合は…」グッ

━━━━━━━━ヒュッッ━━━━━━━━━


バリーがシルバの膣口に当てた瞬間だった。

最初に起きた異変は、『部屋の中から消えた』事だ。

そう…シオンの姿が消えたのだ。


━━━━━パンッッッ!!!!━━━━━


破裂音。

そして血の炸裂。

434 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:35:41.85 ID:QzM4h3mG0


門番A「……」


男は、一時的に思考する事すら忘れる。

思考する事を忘れる直前に彼が『理解』できたのはたった2つだ。


━━━━━相方の頭を握り潰された事。


━━━━━握り潰した『生き物』は、歪んだ翼を生やし『ゴールドの瞳』をした『シオン』だという事。


彼が再び思考を取り戻し、攻撃に移る事は無い。

相方の頭が潰された0.024秒後に彼も八つ裂きにされ粉々の肉塊になったのだから。


435 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:39:24.39 ID:QzM4h3mG0




━━━????━━━


ハスター「…」

ノア「これは……何をしたのですか」

ハスター「……『本当は』、僕の魔力を流し込んで意図的に彼を殺した後、君の時みたいに半不死身にしようと思ったんだけどね」

ノア「……」


ハスター「『彼女』の細工以外に、随分と面白い『プログラム』があったようだよ?」


ノア「…ぷろぐらむ?」
436 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:42:53.75 ID:QzM4h3mG0
ハスター「おっと、今の単語は忘れていいよ」

ノア「……それで、シオンはどうなるのですか」

ハスター「分からないや、途中から『妨害すると同時に魔法で迎撃』してきたから通信は中断したよ」


ノア「……私が確認してきます」


ハスター「うん、見て来てね」

ノア(…………)

437 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/26(木) 19:44:51.75 ID:QzM4h3mG0

…さて、ようやく即興地獄&シルバの陵辱から抜け出せたな

ありがとう中国地方!
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/26(木) 19:47:12.81 ID:GFFmUiQ30
乙!
やっと、やっと悪夢が終わった…………
ただシオンもだけど、シルバが人間不信になってないか心配だ……


後、慌てて下げるのを忘れてました
申し訳ない
439 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 17:44:03.87 ID:SWN5Z7JI0
〜同時刻・『ヒトデ』のアジト〜


ヒトデ「ぐ……ぁあああああああああああああ!!?」ドサッ

ロリ太「な…っ、んだこの音……!!」ガクッ


ソラ「ちょ、2人共どうしたんや!?………っ!!?」ズキッ

幼女「……っ、これは…」


エリア(……音じゃない、『映像』…!?)ズキズキッ

ヒトデ「があああ……!!」

ヒトデ(なんだ…、何か聞こえ……違う、見えて…?)

440 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 17:49:34.37 ID:SWN5Z7JI0




〜忍組・総本部〜


ルリ【【 〜〜!!!……な、に?この波動は…ッ! 】】


宮本「お嬢…!?」

忍頭「なんだ? 急にどうしたんだ!?」

ルリ【【 チィ……妖刀は諦めさせてもらうよ、ぐっ━━━! 】】シュバッ


ルリ(……なんなんだ、『ルリの本体』から送られてくるこの映像は…!!)

441 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 17:54:28.86 ID:SWN5Z7JI0



〜孤児施設教会〜


少女「ぁぁあ…!! 痛いよ、痛いよ……!!」ドサッ

白執事?「…っ、これは一体……!」


シスター「大丈夫ですか!? 今薬を…」

白執事?「……ぐ、ぁああああああ!!!」ドサッ

シスター「な…!!?」


白執事?(………これは………!)
442 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 17:58:41.50 ID:SWN5Z7JI0



━━━????━━━


?【 馬鹿な…!! この俺が膝をつくなど……!! 】ズキズキッ

??「どうしたのじゃ…!」

?【 ぐぁ…な、何者かが映像のようなものを…… 】


?【があああああアアアアア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!!】ドサッ


??(……何が起きてるのじゃ?)
443 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 18:02:31.73 ID:SWN5Z7JI0





━━━????・地下牢━━━


青年「ぁああああああ!! 誰か! 誰かいないのか!?」


<スタッ


ベアトリクス「騒がしいぞ、どうした」

青年「頭が、頭が割れる…!! 頼みます、助けて下さい……!!」

ベアトリクス「しかし…」

青年「うっ……ぁぁぁあああああああああ!!?」ドサッ

ベアトリクス「…おい? しっかりしろ、起きなさい!!」
444 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 18:08:52.56 ID:SWN5Z7JI0





━━━魔導海賊団アジト━━━


第三団長「がぁ……!!」

カエデ「ダメですの、何が原因なのか…!」

レン「第三団長とカデシュ様、スカーはどうして!?」

カエデ「だからわかりませんの!!」


カデシュ「ぐ…ぅぁ……!!」

スカー「………ッ」


スカー(……なに?)
445 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 18:18:09.81 ID:SWN5Z7JI0



━━━ルシフェルの屋敷・廊下━━━


ミーシャ「…あれ、なんだろう」ピタッ


<ギュィィィイイイイインッッ!!!


ミーシャ「……結界にも見えるけど、確かあの場所ってシオンの部屋じゃ…」

ミーシャ(……見に行こう)スッ


━━━━━ドクンッ━━━━━


ミーシャ「え……」グラッ


━━━━━ザザッ……


ミーシャ(な…にこれ……)


━━━━━ザッ…ザザッ……ザザザザザザァァァッッ


ミーシャ「ぁ、あああああああああああああああ!!???」ドサッ

446 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 18:29:09.06 ID:SWN5Z7JI0




━━━━━━━ザ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ザザッ━━━━━━━━━━━━━ッ━━━━━━━━━━


「【ザザッ】…ぇ、【ザッ】オン? 私の事【ザザッ】…好き?」【ザザザッッ】

【ザ…ザザ…ッ】                    【ザ…ッ】

             【ザザザ……ッ…】
「……ああ、【ザザザザッ】には愛というのがよく分からないけど」

「それでも、君の事を愛してるよ」
             【ザ…………】



「……くす、矛盾っていう【ザザ…ッ】を知ってる? 今のあなたはそれだよ」

「…ですね、でも……」

━━━━━━ぎゅっ━━━━━━

「……こうやっ【ザザザッ】れられるのは君しかいないんだ…」

「……【ザザ…】オン……」


━━━━━━ザ━━━━━━━━━━ッ━━━━━━━━━ザッ━━━━━━━━━━━━━━━━ザザッ━━━━━━━



━━━━━━ザッ…ザァァァザザッザァァァァァァァァァァァッッ

447 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 18:38:29.15 ID:SWN5Z7JI0



シルバ(………っ)びくっ

スッ

シルバ(………あったかい)

ぎゅっ


シオン「……シルバ」

シルバ「…シオン?」

シオン「飲んで欲しいッス、俺の血」

シルバ「………何言ってるの?」

シオン「このままじゃ、シルバが死んじゃうんだよ」

シルバ「……どうして知ってるの」
448 :ニュッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 18:47:06.98 ID:SWN5Z7JI0
シオン「分からない」

シルバ「………痛いんだよ? 血を飲むと体は強くなるけど、1時間くらいの間は凄く痛いんだよ?」

シオン「………」

シルバ「……もう嫌なの、痛いのも、怖いのも、全部」


シオン「………大丈夫だから」ぎゅっ

シルバ「━━━!」びくっ


シオン「…俺がずっといるから、怖くないから……絶対死なないから…飲んでくれよ」

シルバ「………」
449 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 18:55:42.66 ID:SWN5Z7JI0



━━━━━━かぷっ━━━━━━



━━━━━━ちゅ…ずずっ……


━━━━━━ぴちゃ…ぴちゃ……


━━━━━━ずずっ…ずずっ……ちゅ…っ


━━━━━━ぴちゅ…ぅ…


━━━━━━……ごくっ…ごくっ…━━━━━━


450 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/27(金) 19:04:45.01 ID:SWN5Z7JI0
さて、ぶった切るぜぃ
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/27(金) 19:05:53.35 ID:R94Z5J8O0
乙!
なんか各地で、シオンの暴走に共鳴してる……!?
452 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 08:48:20.33 ID:mBkn6FD10





━━━━━しばらくして━━━━━━



ドサッ


ヒトデ「…痛……っ」

ヒトデ「………?」スッ

ヒトデ(どこだ、ここ)


<「おーい!! 誰かいないのか!」


ヒトデ(……人の声…)スッ

453 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 09:05:50.27 ID:mBkn6FD10


ヒトデ「……」スタッ

青年「頼む、どうやらこの青髪の娘具合が悪いみたいで……」

ルリ「…」


ヒトデ「ルリ!? ど、どうしたんだ…しっかりしろよ!」ゆさゆさっ


<「ごーばんめー!!」


ソラ「ふぅ…探したら本当におったな」

ヒトデ「ソラ、ここはどこか分かるか? ルリを安全な所に移動させたいんだ」

ソラ「るり?」チラッ

ルリ「…」

ソラ(あぁ、ボスの命令無視して魔導海賊団に喧嘩売りに行った原因やな)
454 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 09:18:14.34 ID:mBkn6FD10
ソラ「あと残念やけどな、ウチもいつの間にかここにいたからわからへん」

ヒトデ「……夢とか?」

青年「多分夢じゃないと思いよ…」

ソラ「あれっ、君は誰なん?」


青年「ぼ、僕は…吟遊詩人をやってますカイt」

<スタッ

ソラ「ッ」ビクッ


金髪女「ッたく…ようやく見つけたぞ」
銀髪男「見渡す限りでは薄暗い空間が広がってるように見えるが、実際は5mくらい先しか見えないからな」


ヒトデ
     ((誰だアンタら━━━━━━!!?))
ソラ
455 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 09:28:16.59 ID:mBkn6FD10
銀髪男「……せめて俺の事は覚えてないのか」

ヒトデ「…どこかで会ったかな?」←派手に吹っ飛ばされたので覚えてない


金髪女「この口調は誰かわかるよなァ?」

ソラ「………セロリ?」
金髪女「誰がロリコンだ、俺だ、ボスだ」

ヒトデ「ボス?」

ソラ「ボス?」

銀髪男「んで俺がロイだよ…ロリ太」

ヒトデ「…ロリ太?」

ソラ「……ロリ太」



ヒトデ「…………………ここは未来の世界なのか」

金髪女「よォし、そこ動くなよ? 」
456 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 09:57:42.28 ID:mBkn6FD10


金髪女「どこの世界に118歳の幼女がいンだよ、これが俺の本来の姿だっつの」

ヒトデ「……マジかよ、真剣な顔フェチの幼女の正体はお姉様系美女だと…」

ロイ「ようちゃんに手ぇ出したらもぎ取るからな」


ソラ(何をかは聞かないでおこう…)

青年(?)


ロイ「……?」ぴたっ

金髪女「どうかした? ロイ」

ロイ「…………………何か近づいて来るな、かなりの数だ」チャキッ


ヒトデ「……マズいんじゃないッスか!? 200とか越えてますよボス!!」

金髪女「ッち……走れ!!」シュバッ
457 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 10:04:42.54 ID:mBkn6FD10


〜狭間の深淵・ヒトデ達から50m先の位置〜


第三団長「クソ…ッ、まるでどころか本当に効かない!!」バッ



アトラック1【 ギィ… 】

アトラック2【 ギィッ 】



第三団長「君、走れるかい!?」

エリア「はぁ…はぁ……」フルフル

第三団長(おまけに病人か…ツイてないな私は)
458 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 10:21:44.12 ID:mBkn6FD10


第三団長「こっちだ!」グイッ

エリア「っ」


第三団長(だぁあああああああ!!)シュバッ


アトラック3
アトラック4
アトラック5
アトラック6    【【【 ギィギギィィッ!! 】】】
アトラック7
アトラック8
アトラック9
アトラック10

ドドドドドドドド


459 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 10:41:25.83 ID:mBkn6FD10


〜さらに20m右方〜


カデシュ「スカー! こっちだ!!」

スカー「わかってる……よ!!」ギュオッ


ドゴォォンッ!!


スカー「クソ、『魔法攻撃』なら通用するがタフな上にキリがねぇ!!」

カデシュ「まともに戦っちゃダメだ、逃げよう!!」

スカー「了解!!」シュバッ




┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
460 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 10:49:05.82 ID:mBkn6FD10


〜その位置から120m後方〜


ミーシャ(なんで…)タタタ

<【 ギィ…!! 】かかかかかかかか


ミーシャ(なんであの化け物がここに…!)


ミーシャ(……)チラッ


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨


ミーシャ(ダメ…追いつかれたが最後、殺される!)ダッ

<バシュッ!!

ミーシャ「え…」


ジュドッッッ!!


ミーシャ「ひぎ…!?」ドサッ
461 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 10:59:44.94 ID:mBkn6FD10


ミーシャ「な、何これ…熱い……!!」


アトラック111【 ギギィィッ!! 】

ミーシャ「━━━!!」


━━━━━━ドグシャァアッ!!━━━━━━


ミーシャ「……っ?」

藍髪男?「フン、人間はやはり貧弱だな」

ミーシャ「………」


藍髪男?「共に来い、色々と聞きたい事があるからな」


シュバッ
462 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 11:12:18.59 ID:mBkn6FD10



━━━━━━タタタタタタ・・・!!



ヒトデ「うひぃぃ!? まだ追って来るぞあの蜘蛛!!」

ロイ「まさか物理攻撃が効かないとはな…!」

青年「…」
ルリ「…」

ソラ「ちょ、待てやぁぁ!! なんでウチが2人も背負って走ってんねや!?」

ヒトデ「だって逃げ足ならお前が一番じゃん」

ソラ「ボスに言いつけたるぞハゲぇ!!」


金髪女「上司命令だ、お前が運べェ」

ヒトデ「ちくしょー!!」
463 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 11:38:12.67 ID:mBkn6FD10



第三団長「っ…! 誰かそっちにいるのか!?」ダッ


ヒトデ「ボス! 人です!!」

金髪女「こっちだ!!」サッ


━━━━━━ヴゥンッ!!━━━━━━


アトラック258【 ギギャァァ!! 】バヂィ

ヒトデ「結界…?」


金髪女「『今の』俺じゃ結界の強度なんて鋼の三倍くらいしかねェ! 急げ!!」

第三団長「くっ、この娘を頼む」バッ


ガシッ


ロイ「…! よく見ればウチの四番目じゃねえか!!」

エリア「…ぅ」
464 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 12:24:56.04 ID:mBkn6FD10


第三団長「どうする、逃げるのか…?」

ヒトデ「ああ、こうなったら行ける所まで行…」


第三団長「」
ヒトデ「」

ソラ「知り合いなん?」

金髪女「魔導海賊団、第三師団団長の『リンク・スティルツキン』か…五番目を返り討ちにした男だ」

ソラ「…めっさ強いやん」

第三団長「な、なんか照れるが……逃げた方が良いんじゃないか?」

金髪女「ン?」


━━━━━━ビキッビキッ・・・


金髪女「結界が破壊される…逃げるぞ!!」

465 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 12:55:41.07 ID:mBkn6FD10


アトラック423【 ギィィィッ!! 】バッ


ソラ「アカン! こっちは囲まれとる!!」

ロイ「く……こっちもだ」ジリッ


ヒトデ「……ッ」ギュッ
ルリ「…」


<ドゴォォォオオオオオオッッッ!!!!


金髪女「!」


藍髪男?「………フン、見つけたぞ」スタスタ

466 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 13:17:46.22 ID:mBkn6FD10
金髪女「……何故に貴方がここにいるのか些か理解が出来ないのですが」

藍髪男?「フン、こちらが聞きたいぐらいだな…『奴』はどこにいる? 狭間の扉を開けるのは『奴』ぐらいだろう」


ロイ(よーちゃんが俺以外に、しかも…)

ヒトデ「敬語使ったあああああああああああああああああああああああああ」

金髪女「……てめェら俺を何だと…」

藍髪男?「…ほう、随分と下品極まりない口調になった物だな」


ソラ「ん、その抱えてる奴はなんや」

藍髪男?「フン、特に助けるつもりはなかったのだが怪我をしているようなので渋々連れて来てやった」

ドサッ

第三団長「おいおい、人を投げるなよ…大丈夫かい?」

ミーシャ「…」

藍髪男?「気を失ってるだけだ、安心しろ」
467 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 13:44:27.05 ID:mBkn6FD10
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨



藍髪男?「…フン、なかなか数は多いな」


金髪女「……」

ロイ「おいおい!? また来たぜ!!」

ヒトデ「やっぱり逃げよう!!」


第三団長「………あ、カデシュ様だ」

藍髪男?「!!」



━━━━━━┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!!!!



カデシュ??「……ふぅ、道一つ作るだけで凄い疲れるよ」

スカー「……カデシュってやっぱり強いんだな」
468 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 14:38:19.17 ID:mBkn6FD10


藍髪男?「……久しいな、『ディー』」

カデシュ「……え?」

スカー「知り合いなのか」


ソラ「あああああああああ!!! 盗賊団のスカー!?」

スカー「な、…あの時の女か!」

ソラ「よくもあの時は………」ユラッ

ヒトデ「ま、待て待て!! どうでもいいけどここから出る方法は誰か分からないのかよ!!」


藍髪男?「フン、こいつが知ってるさ」

カデシュ「……いいかな?」ニコッ

藍髪男?「なんだ」

カデシュ「君……どこかで会ったかな」


藍髪男?「」
469 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesag]:2011/05/30(月) 15:18:00.00 ID:mBkn6FD10
藍髪男?「…………フン、俺はいつだって寛大な竜だからな…もう一度言ってみろ」

カデシュ「……君は誰だい?」


藍髪男?「…」
カデシュ「…」


ヒトデ「なんだこの沈黙…」ボソッ

スカー(よく見たらアイツ俺と一緒に変なアイス食わされた奴だな)


金髪女「…あに…お兄様がその方をご存知ないのは仕方ないですよ」

藍髪男?「なぜだ」

金髪女「お兄様は一度も貴方の『その姿』を見た事はありませんもの」


カデシュ「……あれ、君ひょっとして…」

藍髪男?「フン、知らないなら教えてやろう…俺は━━━━━━」




藍髪男?改めラグナ「━━━━━━『ラグナロク』だ」




カデシュ「……………………あー」
470 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 15:31:51.60 ID:mBkn6FD10
カデシュ「……………えと、久しぶり」

ラグナ「…久しぶりだと? 112年間もブラブラした挙げ句、貴様の言っていた『花』は見つかったのか!?」

カデシュ「……うん」チラッ


スカー(何話してんだろ…)


ラグナ「……あの娘がそうなのか?」

カデシュ「ええっと…多分ね」ニコッ

ラグナ「……………フン、良い報告で何よりだな」


ラグナ「それより先程言っていた人間の言うとおりだ、ここを出るぞ」

カデシュ「いや…それが……」


<ドドドドドドドド


ヒトデ「待た来てるぜ!?」
471 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 15:48:30.48 ID:mBkn6FD10


ラグナ「早くしろ」ギロリ

カデシュ「いや、だから……」


アトラック596【 ギィ…! 】バッ


ラグナ「邪魔だ…!!」ヒュォッ

<ドゴグジャァァアアアアアアアアアアアアア





ヒトデ「」
ソラ「」
第三団長「」
ロイ「」

スカー(すげぇな)←カデシュと一緒にいたので慣れた
金髪女(相変わらず馬鹿力な竜だなぁ)←叔父みたいなもの
472 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 17:16:25.18 ID:mBkn6FD10
ヒトデ「わー、下手したら女王より強いやー、やっぱりここ夢の中なんだー」

ロイ「落ち着け……そもそも女王の『本気』なんてお前見たことないだろ」


ラグナ「さあ言え、早く言え、どうした早く言え」

カデシュ「ボクでも分からないんだよ」

ラグナ「……もう一度言ってみろ」

カデシュ「ボクでも分からないんだよ」


ラグナ「………逃げるぞ」ヒュォッ

金髪女「待てやゴルァァ!!?」


ラグナ「黙れ! 俺でもあの数を相手にしたら骨が折れるぞ!!」

ロイ「アンタそんだけ強いなら良いだろうが!?」

ラグナ「そもそも貴様達は気づいてるのか! この空間にいると魔力が減少し続けているのに!!」


カデシュ「……だから疲れっ放しなのかな」

473 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 17:36:28.39 ID:mBkn6FD10



アトラック1249【 ギィ!! 】

アトラック1250【ギィ?】

アトラック1251【 ギ…ィギィ!! 】


ドドドドドドドドドドドド!!!!


第三団長「き、来たああああああ!!!」

ロイ「魔法だ、魔法を使った攻撃なら効いてるぞ!!」ザシュッ


ヒトデ「魔法なんて使えるかよ…!」バッ サッ

アトラック1252【 ギィ!! 】ジュバッ


474 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 17:51:26.07 ID:mBkn6FD10


金髪女(……っ)クラッ

ロイ「!!」ガシッ


ロイ「大丈夫か!?」

金髪女(……体に力が入らない)

ソラ「うわ、うわっ!?」ヒョイッ

アトラック1253【 ギィ 】ビュババッ


第三団長「おおおおおお!!!」ビュッッ


ズバォォッ!!


第三団長「大丈夫か?」スタッ

ソラ「た、助かったで…っ」クラッ

ドサッ

第三団長「!?」
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/30(月) 18:03:49.68 ID:iqhqbcNDO
相変わらずいいねぇ
476 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 18:11:10.74 ID:mBkn6FD10


ヒトデ「……なんか指先に力が入らないんだけど…」フラフラ


ドサッ

スカー(……あ、れ)フラッ

カデシュ「スカー!?」ガシッ

ラグナ「…フン、人間の限界は随分と早いな」

ロイ「おいお前! 倒れた奴ら何人か運べ!!」

ラグナ「……この俺に命令?」


カデシュ「このままじゃどうせ君だって2時間もしたら意識を失うだろう!?」

ラグナ「……チッ」ガシッ


エリア「ん……」
ヒトデ「…」
ルリ「…」
ミーシャ「…」


ラグナ「……早くしろ、囲まれたら面倒だぞ」グイッ

ロイ(凄いな…4人背負って軽々と動けるとは……)
477 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 18:28:25.65 ID:mBkn6FD10
第三団長「ぜぇ…ぜぇ……!!」タタタ

カデシュ「大丈夫かいリンク?」タタタ

第三団長「ぜぇ…ぜぇ……」

カデシュ「………リンク?」


ロイ「……こいつ…『気絶したまま全力疾走』してるぞ!?」


ラグナ「…貧弱な人間の割にはなかなかやるじゃないか」

カデシュ「でもその内倒れてしまうよ!!」

ラグナ「……フン、前を見ないから余裕でいられんのだ貴様は」

カデシュ「前……」チラッ






━━━━━━━━━━━キィィィイイイイイイインッッッ━━━━━━━━━━━━






ロイ「……『光』だ…!」
478 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 18:38:12.54 ID:mBkn6FD10



       【 イ カ セ ナ イ 】


       【 オ マ エ タ チ ヲ ユ ル ス ワ ケ ニ ハ イ カ ナ イ 】


━━━━━━わらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわらわら


ラグナ「……今のは……」

ロイ「クソッ! 後少しなのに急に湧いて来やがった!!」

カデシュ「この数は……」


ラグナ「……ディー、この人間達は貴様が運べ」ぽいっ

カデシュ「!?」ガシシッ

ロイ「……何をするつもりだ」

ラグナ「フン、別に貴様ら人間の為に『囮』になるわけではない」

カデシュ「……ラグナロク」

ラグナ「…フン、さっさと行け」
479 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 18:44:10.40 ID:mBkn6FD10





ラグナ「……」


     【 オ マ エ タ チ フ タ リ ハ ツ ミ ビ ト ダ 】

     【 サ バ カ ネ バ ・ ・ ・ ツ ミ ニ ハ バ ツ ヲ ・ ・ ・ !  】


ラグナ(……『2人』? どういう意味だ)


アトラック3764【 ギィィイイイイ!!! 】ジュギャッ


ラグナ「……フン、この程度では俺に傷一つ負わせられんぞ」ギュォォ!!


    【 ツ ミ ヲ ミ ト メ ヌ ウ ラ ギ リ モ ノ ニ ク ツ ウ ヲ ・ ・ ・ 】


480 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 18:49:59.08 ID:mBkn6FD10



━━━魔導海賊団アジト・医務室━━━


カデシュ「………ん…」ムクッ

スカー「………かでしゅ…?」


第三団長「あ、ありゃ? やっぱり悪夢??」ムクッ

カデシュ「……夢じゃない、現実だよ」

スカー「………マジかよ」


<ガチャッ


レン「あ!! 3人共起きたんですね!? 良かったあああああ」

カデシュ「はは、どの位寝てたのかな」

レン「『一週間』ですよ!!」


3人共「「「  !!!??  」」」

481 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 18:57:54.44 ID:mBkn6FD10



━━━ヒトデ・アジト━━━


ヒトデ「……つまり、あの突然襲った頭痛の日から一週間眠りっぱなしだった?」

組織構成員「はい、ボスを含めた5人の幹部全員が倒れたので組織は混乱してましたよ」

ソラ「そらなぁ、伝達諜報担当のウチまで倒れてたし…」


ロリ太「まあ何事もなくて良かったな」

幼女「ねー♪」


ヒトデ「…」じ〜
ソラ「…」じ〜
エリア「…」じ〜


ロリ太「?」
幼女「?」
482 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 19:06:34.45 ID:mBkn6FD10




━━━????・ベアトリクスの部屋━━━


ベアトリクス「成程、面白い夢でしたね」

青年「いや、夢では…」

ベアトリクス「さあ、地下牢に入ってもらうぞ…罪人」

青年「………」


青年(…これならあの夢の中で死んだ方がマシかもしれない)

483 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 19:13:20.61 ID:mBkn6FD10



━━━????━━━


?「……心配していたぞ」

ラグナ「申し訳ありません、奇怪な術に囚われていたのです」

?「奇怪な術?」

ラグナ「……えぇ、そこで人間になったディーと『シール』に会いました」


?「なんと、あやつらはどうしてたのじゃ?♪」

ラグナ「……ディーは『ダイヤの花』と呼んでいた女を見つけていました」

?「ほう…シールは?」

ラグナ「……申し上げにくいですが」

?「なんじゃ」



ラグナ「 私が見た限りでは、新たな『命』を宿していました 」



?「……おぉ♪」キラキラ
484 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 19:19:46.75 ID:mBkn6FD10





━━━孤児施設教会━━━


白執事?「……そうですか」

宮本「…最後までその嬢ちゃんを守ろうと戦ってたよ」

少女「酷い……私達が寝ている間にそんな…!!」


白執事?(……あと1日分早く、私が『ゲート』を開いていれば…死なずには…)


少女「……ありがとう」スッ





━━━━━━「私の為に戦ってくれたシスターのお姉さん」





485 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/05/30(月) 19:24:05.56 ID:mBkn6FD10






━━━ルシフェルの屋敷・ミーシャの部屋━━━


ミーシャ「ん……」

シルバ「……おはよう」

ミーシャ「……はれ? なんれしるばさんが?」

シルバ「……私、シオンのおかげで牢には入らなくて良いの」

ミーシャ「はぁ…僕ってどのくらい寝てました?」

シルバ「一週間」

ミーシャ「…わお」


シルバ「………どうかした?」かくん

ミーシャ「いえ、とてもリアルな夢を見たので…」


ミーシャ(………??)
486 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/30(月) 19:26:05.80 ID:mBkn6FD10
ふぅ、シルバ編の外伝みたいの終了

次回からはシルバがシオンの血を飲んだ日(この話の一週間前)から続けるよぃ

落ちる☆
487 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U :2011/05/30(月) 19:26:31.50 ID:mBkn6FD10
ふぅ、シルバ編の外伝みたいの終了

次回からはシルバがシオンの血を飲んだ日(この話の一週間前)から続けるよぃ

落ちる☆
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/05/30(月) 19:31:39.00 ID:I9Hp1zgG0
乙!
『ディー』がカデシュだから、もう一人の知り合いである幼女が『シール』……!?

家族が増えるよ!やったねロリ太、おめでとう!
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/31(火) 00:10:11.81 ID:FVBkmMRDO


ニュおつかれさま
490 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 17:00:16.61 ID:DkYB7zjU0
妹が3教科も赤点取って来やがったwwww

・・・やはり血か
491 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 17:55:43.15 ID:DkYB7zjU0
>>449から半日後、夜〜


━━━ルシフェルの屋敷・シオンの半壊した部屋━━━


━━━━━━スッ

シオン「………生きてる」

シオン「……はは、なんか…シャツは全部赤く染められてるから普通は致死量なんだろうな」

シオン「……」チラッ


シルバ「……すぅ…すぅ…」もぞっ


シオン「……顔色、昨日までに比べたら全然違うなぁ」

シオン(良かった…これからもシルバとこの世界で生きて行けるのかな)



シオン(………『あの時会った男』は誰だったんだ?)
492 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 18:05:53.18 ID:DkYB7zjU0
############################################

【シオンが目覚める(シルバが陵辱されかける)三時間前】


     …………


影?『 ……見えるか、俺の姿が 』


     ……誰ッスか


影?『 なに、名乗る程の男じゃないさ…アンタに忠告と、シルバについて教えてやろう 』


     なんでアンタが知ってる?


影?『 その質問には解答はできん…こちらもこうやってアンタの精神に潜るのに10日かかったんでな 』

影?『 まず忠告させてもらうが……シルバは恐らくあと少しで殺されるか死ぬぞ 』


     ……!!

493 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 18:20:52.60 ID:DkYB7zjU0
影?『 おぉぉ? やっぱり動揺したな? したな? 』


     ……なんなんッスかアンタ


影?『 まあこっちとしては嬉しいものだ、大切なシルバが想われてるからな 』


     そ、そんなんじゃ……っていうか! さっきのはどういう意味ッスか!?


影?『 照れるなよ〜、……あの門番は知ってるな? 』


     門番…? もしかして俺の屋敷の?


影?『 あぁ、アイツらに殺されるかもしれん 』


     ……………ッッ!!!!


影?『 熱くなるな、目覚めた瞬間のお前さんなら何とか出来るさ 』


     …? でもどうしたら……早く夢から覚めないと!!


影?『 まあ待て、シルバはそれ以外の要因でも死ぬぞ? 』


     は?


影?『 アイツは特殊な体質を持っていてな…生き血を大量に飲まないと死ぬんだ 』
494 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 18:31:00.03 ID:DkYB7zjU0
     ……え


影?『 まーそんな表情になるよな、俺も初め知った時はそうなった 』


     (…表情あるのかな、今の俺)


影?『 今のシルバは、かなり衰弱してる…本人は気づいてないが見えてないものが見えてるくらいだしな 』


     ……どうにかしないとムリなんじゃ?


影?『 そこで、俺がお前さんに会いに来たのさ 』


     ?


影?『 シルバの為に死ねるか? 』


     ………………え?


影?『 言ったろ、『大量』に血が必要なんだ…一度勢いに乗ったシルバは相手が死ぬまで血を飲み続けるぞ 』

495 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 18:43:37.04 ID:DkYB7zjU0


影?『 だから聞くぞ、シルバの為に死ねるか? 』


     ちょっと待って欲しいッス、それってシルバも悲しむんじゃ…


影?『 自惚れるなよガキ 』


     っ!


影?『 どうしてお前さんが死んで悲しむんだ? お前さんはシルバの心が読めるのか? 』


     ……違うッス


影?『 なら、今のはなんだ? 悲しむ? いつまで夢を見てやがる 』

影?『 シルバを助けたいなら、お前さんがその首を差し出せ…できないならシルバは死ぬだけだ、そう言ってるんだ 』

影?『 それを…シルバの心の代弁して生きようなんて、馬鹿野郎の極みだな 』


     …………アンタはシルバの何なんッスか


影?『 最後だ、シルバの為に死ねるのか!! シオン・アーチャー!!? 』
496 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 18:51:14.22 ID:DkYB7zjU0




     ………あぁ、死ねるよ




影?『 ……それで良い、これで俺は少しだけ眠れるよ 』


     結局アンタは何だったんスか?


影?『 そうだな、ならご褒美に俺の顔だけ見せてやろうか 』


━━━━━━スゥゥ・・・


茶髪ロング男?『 …どうだ、少しはイケメンに見えるか 』


     ……どっかで見た気がする


影?『 さて、サービスは終了だ…頑張れよ若いの 』


     え、待ってくれよ! もう少し見せ……


━━━━━━パキィィィンッッ━━━━━━

############################################
497 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 19:01:59.42 ID:DkYB7zjU0



シオン(……しかも結局俺生きてるし)

シオン(……もやもやするな、誰だっけなー)



<バリィィィンッ!!



シオン(!?)ビクッ

<スタスタ


ルシフェル「おやおや…なかなか面白くない事になってますね」

シオン「……」サッ

ルシフェル「守ってるつもりですか、まあ安心して下さい、当分は手出しはしませんよ」
498 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/05/31(火) 19:11:47.01 ID:DkYB7zjU0
シオン「……」


ルシフェル(……まさか1人で門番を虐殺したのですか、だとすれば実力はかなりのもの…)

ルシフェル(…使わない手はありませんね)


ルシフェル「アーチャー、あなたはシルバをシレーナというエルフに預けたら私の部屋に来なさい」

シオン「……わかりました」


ルシフェル「シレーナ、シルバを適当な部屋に寝かせておきなさい」

シレーナ「はい♪」


シオン(ちょっとだけ、傍を離れるよシルバ)スッ

シルバ「……すぅ…すぅ…」

499 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/05/31(火) 19:26:15.74 ID:DkYB7zjU0


━━━ルシフェルの部屋━━━


バタンッ

シオン「……何のご用でしょうか」

ルシフェル「ストレートに言わせて頂くと、あなたにシルバさんを連れて自由の身にする権利を与えましょう」

シオン「!?」


ルシフェル「良い話ですよね、良い話です」

シオン「……条件は?」

ルシフェル「ああ、バレちゃいましたね…条件はですね」



ルシフェル「若い娘を >>500 連れて来たらです」


1、12人
2、24人
3、30人

500 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/05/31(火) 19:35:42.87 ID:DkYB7zjU0
落ちる
安価なら下
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/31(火) 21:13:38.44 ID:qCyRVmGDO
1
502 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 17:33:49.30 ID:dE0Z7FO/0
シオン「……十二人も…」

ルシフェル「嫌なら別に構いませんよ? しかし先程見た所……ふむ、シルバの体調はよくなっていたようですね」

シオン「━━━━━ッ!!」


ルシフェル「さあ、どうしますか…?」


シオン「……」

シオン(…………シルバをここから連れ出すにはそれしかない、時間稼ぎの意味でも…!)

シオン「……連れて参ります」

ルシフェル(安いものですね…たかがハーフエルフ1人を痛めつけると脅すだけで良いのだから)ニコッ


ルシフェル「では早速明日から頑張ってもらいますよ、アーチャー?」

シオン「……」コクン

503 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 17:38:42.00 ID:dE0Z7FO/0


ルシフェル「ああ、私は鬼ではありませんからね…特別ボーナスを決めておきましょうか」


シオン「…?」ピタッ

ルシフェル「もしもエルフかハーフエルフを捕まえて来た場合は1人につき3人分ということにしてあげますよ」

シオン「…」スタスタ


<ガチャッ

<バタンッ


ルシフェル「フフフ……さて、少しムラムラしてきたので始めましょうか」スタスタ

504 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 17:43:38.80 ID:dE0Z7FO/0


<ガコンッ

<ゴゴゴゴゴ・・・


<カツッカツッカツッ


━━━ルシフェルの隠し部屋━━━

女手下「むー!! むー!!」ガチャガチャ

女手下2「……」グッタリ


ルシフェル「フフ……貴女達なのは知ってるんですよ、先日眠っていたアーチャーの執事服から出てきた『指輪』…」

ルシフェル「  貴女達が彼に渡したんでしょう?  」


<スタスタ


女手下「む…むー!! む━━━ッッ!!!?」ガタガタガタガタ
505 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 17:47:13.40 ID:dE0Z7FO/0





━━━シルバの部屋━━━


シオン「……」

シルバ「…すぅ……」もぞっ


━━━━━なで…なで……━━━━━


シオン(……少しだけまだこの屋敷に残る事になるけど、待っててな…シルバ)なでなで

シルバ「……んぅ…」もぞっ


シオン(俺も寝よう)スタスタ

506 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 17:50:56.60 ID:dE0Z7FO/0




シオン(………そういやミーシャやフレアはどうしてるんだ?)スタスタ

シオン(…俺が寝てたのは確か3日ぐらいだよな、かなり心配かけたかもしれないッスよね)


シオン(ちょっと行って来よう)




507 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 18:01:33.11 ID:dE0Z7FO/0


━━━ミーシャの部屋(一応男という事なので執事部屋)━━━

シオン「ミーシャー?」ひょこっ



━━━━━━シーン━━━━━━



シオン「? いないのかー?」


━━━━━━シーン━━━━━━


シオン(いないみたいッスね、ならフレアの所に…)スタスタ

508 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 18:17:53.67 ID:dE0Z7FO/0
━━━メイド寮・フレアの部屋━━━


シオン「フレア、俺ッス」コンコンッ

<「開いてるわよー」

シオン「ん」ガチャッ


フレア「……ふーん、やっぱり変わらないものね」

シオン「何がッスか?」

フレア「別に、それよりミーシャなんだけどね…」

シオン「アイツどこ行ったんだ?」


フレア「へ? あの娘の部屋に寝かせてあるわよ」

シオン「でも返事はなかったッス」

509 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 18:33:15.08 ID:dE0Z7FO/0
フレア「……ミーシャね、昼間突然倒れてから起きないの」

シオン「大丈夫なんスか、それ」

フレア「うーん……医者は呼んだけどわからないみたい」


シオン(………)


フレア「まぁもしかしたら明日にでも目を覚ますかもしれないから、今日はそっとしときましょ」

シオン「そう……ッスね」

フレア「それじゃ、そろそろ寝たいし帰ってくれるかしら?」

シオン「ああ、悪かったッス」スタスタ


シオン「おやすみ」バタンッ

フレア「おやすみ〜」ひらひら
510 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 18:48:21.06 ID:dE0Z7FO/0





━━━またミーシャの部屋━━━


シオン(えーっと、奥の部屋かな)ソロソロ

<カタッ

シオン(あ、なんか倒した)チラッ


シオン(………? 写真だ)スッ

シオン(…あれ)

シオン(あれ、あれれ…!?)



シオン( ……宿屋のお姉ちゃんだ )


511 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 18:54:10.71 ID:dE0Z7FO/0


シオン「なん、で?」

シオン「……こっちのが俺だ」

シオン「……もしかして……」


シオン「お姉ちゃんの弟とかなのかなアイツ」
          ↑
彼は劇場でミーシャが女だと言われているのを忘れています


シオン「そうか、アイツが…」

シオン(もし目が覚めたら聞きたいな、お姉ちゃんがどうしてるのか)

シオン(………)スタスタ
512 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 19:04:14.24 ID:dE0Z7FO/0


ミーシャ「…」


シオン(え、息してなくね)



<「し、しっかりするッスよミーシャぁぁぁ!!」

<「そうだ、まずは人工呼吸を……」

<「心配になって見に来てみれば、何やってんのよ!!!」

<ゴシカァァンッ!!

<「ぐあぁ!?」



シオン「え…でも、息してないし……」

フレア「呼吸が浅いだけ!! やっぱりアーチャーもそういう事!?」ボォォッ

シオン「ちょ、その炎消して! 俺が悪かったッスよ!!」
513 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 19:10:19.43 ID:dE0Z7FO/0



シオン(……あれ、俺信用されてなくね)


フレア「まったく…」

シオン「なんかごめん」

フレア「……もう大丈夫だから、さっさと休んだら?」

シオン「…そうッスね」


<とぼとぼ


フレア(やれやれ、アイツミーシャが女の子って知ってるのかしらね)

514 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 19:18:46.82 ID:dE0Z7FO/0




〜深夜〜


<ソロ…ソロ…


シオン「すぅ……すぅ…」

<「……」もぞっ

<ぎゅっ


<「………んぅ」もぞっ


515 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 19:25:00.13 ID:dE0Z7FO/0



〜翌朝〜


シオン「………ぅ…ん」もぞっ


━━━━━もニュッ━━━━━


シオン「……ニュッ?」ぱちっ

シルバ「……zZZ」むぎゅ


シオン「」

516 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 19:28:53.61 ID:dE0Z7FO/0


シオン「おあああああああああ!!? 何故シルバが俺のベッドに入ってるんだだだだだ」ガバッ


シルバ「……んっ」ぴくん

シオン「……」ドキドキドキドキ

シルバ「………シオン?」ムクッ


シオン「お、おはよ」

シルバ「………」

シオン「………」

シオン(やはり勘違いされてるのか!? 俺が悪いッスか!?)

シルバ「………」もぞもぞ

シオン(?)
517 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 19:34:18.69 ID:dE0Z7FO/0


シルバ「…良かったよぉ……!!」ぎゅっ

シオン「……へ?」

シルバ「良かった、……生きてる…シオン生きてる……」ぎゅぅぅ


━━━メキメキッ!!


シオン「ぶぐはぁ!? ちょ、シルバ……!!」

シルバ「怖かったよ…怖かったよぉ……」メキメキメキメキッッ


*彼女は久しぶりの体調良好なため加減を忘れています


シオン(死ぬ……このままじゃ締め殺される!!)メキメキッ
518 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/01(水) 19:49:36.17 ID:dE0Z7FO/0


〜普通の人間なら8秒で粉砕されるようなホールドの後〜


シオン「……そうだよな、あの後シルバは俺が生きてるの知らなかったもんな」

シルバ「……」こくんっ

シオン「でもこうやって俺は生きてるッスよ、シルバ」なでなで

シルバ「……うん…///」


シオン(………今の可愛い)なでなで

519 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/01(水) 20:05:27.20 ID:dE0Z7FO/0
落ちる

…妹がついに5教科赤点取りやがった
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/01(水) 20:49:56.03 ID:mpZobr5+0
シルバが……発情した組員から逃げ惑い、自分の同人誌にマジ切れしていたシルバが、自分から夜這いに……!!
やばい、何この可愛すぎる生き物、可愛すぎてて生きるんのが辛い

>>1超乙!!
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/01(水) 21:26:17.43 ID:2JnqJb4k0
シスコン様投下乙
522 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 16:23:54.50 ID:+DheQQEi0
>>521

シスコンじゃねぇぇえ!!…じゃなくてシスコンじゃないですヨ?

悪魔でも保護者的な気持ちであり、性的な感情以外の恋愛感情や恋愛感情などのものは感じてない

つまり俺は『普通』の男なんだ★


……うん、性的な感情も無いからね
523 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 17:40:27.92 ID:+DheQQEi0



━━━5日後・ルシフェルの屋敷━━━


シオン「はぁ……はぁ…ッ」ズル…ズル…

メイド8「ひ…!? お、お帰りなさいアーチャーさん……」


シオン「……ぁぁ…」ズル…ズル…


袋<「ぁあ”あ”あ”あ”!! いやあ”あ”あ”あ!!!」バッサバッサ

メイド8「!??」ビクッ

シオン「……誰にも、言うなよ…」ズル…ズル…

メイド8「…はぃ」ガクガク
524 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 17:52:49.33 ID:+DheQQEi0



━━━ルシフェルの部屋━━━


<ドサッ

袋<「うぁ、うあああああああ!!」ガバッ


ルシフェル「彼女はどうして叫んでるんです?」

シオン「……ご覧になれば宜しいかと」ドシャッ

ルシフェル(成程、エルフですか)


短髪エルフ「ぁぁああああああああああ!!!!」



━━━━━━ギィィンッ!!━━━━━━



ルシフェル「フフ、『音』を使った波による攻撃ですか…ユニークですね」しらっ

短髪エルフ「!?」
525 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 18:01:33.56 ID:+DheQQEi0


ルシフェル「どうしました? 他にも応用は出来るでしょう」

短髪エルフ「ぁう”………」ジリッ

ルシフェル「………」イラッ


ルシフェル「抵抗しないなら……」ギロッ


短髪エルフ「〜ッッ!!」ビクッ


短髪エルフ「………━━━━━━!」

ルシフェル「?」



━━━━━━キィィィィンッッ━━━━━━



ビシッ…ガゴゴゴゴォォッ!!!


ルシフェル「ほう、素晴らしい……今度は聞こえないレベルで小さな音波で空間を『揺らす』とは…」しれっ

短髪エルフ「あぅ…!?」
526 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 18:16:57.33 ID:+DheQQEi0


ルシフェル「さて、大体貴女のスペックは把握しましたよ…『足枷』は言語障害みたいなものに、『能力』は音波系ですね」


短髪エルフ「………」

ルシフェル「 Checkmate(詰み) です、貴女は半永久的に私の『玩具』としてこの屋敷で生きて貰います」

短髪エルフ「……ぁ」ザッ

ルシフェル「顔に怯えの表情が出てますよ、興奮してきますねぇ?」ニヤッ


短髪エルフ「……ぁあ」バッ


ルシフェル「【ファラリス】」



━━━━━━ドクンッ━━━━━━



短髪エルフ「がは…ッ!? ……あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!?」ドチャッ


ルシフェル「ああ…美しいその肌を赤黒い血が汚し、泣き叫ぶ乙女の美声は実に私にオーガズムを与えてくれる…っ」

ルシフェル「……いつまで寝てるんです? アーチャーはさっさと体を休めなさい」

シオン「……はい」ヨロヨロ
527 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 18:26:47.45 ID:+DheQQEi0




━━━フレアの部屋━━━


シオン「…いてて」

フレア「動かないでよ、縫えないでしょ」

シオン「ぬ、縫うとか言うなッス!! 想像だけはしないように目瞑ってんだから!!」

フレア「はあ、アーチャー……シルバに怪我してる理由バレたくないのは分かったけど、良いの?」


シオン「良いのって…何が?」

フレア「いきなり自由の身になった時、どう言い訳するの」

シオン「………」

フレア「それに、『あの2人』が自殺したのまで隠して…」

シオン「…………」
528 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 18:36:22.51 ID:+DheQQEi0


シオン「…ここまで来たら、やるしかないッスよ」

フレア「それ本気なの? 別に私はシルバがどうなっても構わないけどね、アンタはいつかバレた時、どうするの」

シオン「バレない」

フレア「どうして言い切れるのよ、アンタの話通りなら海賊団に戻った時バレるに決まってるじゃない?」


シオン「うるさい!!!」バッ


フレア「っ」

シオン「……もうやめてくれよ、考えたくない」

フレア「わ、分かったから…座りなよ……ね?」

529 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 18:49:13.63 ID:+DheQQEi0




〜しばらくして〜


フレア「うーん、そのエルフの攻撃のせい? 魔法使っても治りにくいわね」

シオン「あー、『宝玉』で代謝能力も上がってるから明日には治るッスよ」

フレア「なら今夜はお風呂には入らない方が良いわよ、血まみれになりたくないならね」


シオン「…おっけー」

フレア「じゃあそろそろメイド達が夕食作り終わるから、エルフや女の子達を誘導してきて」

シオン「え? 牢から出して良いんスか」

フレア「……多分アンタがこの5日でエルフを2人も連れて来たからルシフェルがご機嫌なのよ、『魔餓鬼枷』を着ければ良いらしいわよ」


シオン「…了解」
530 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 19:01:33.96 ID:+DheQQEi0



━━━廊下━━━


シオン「……」スタスタ

<ぞろぞろ


シオン(……正直こえぇ…)

シオン(エルフは無力化してるけど、普通の女の子達はなんか殴って来そう…!!)


シルバ「……シオンっ」とててっ

シオン「へ、シルバ?」

シルバ「……シオンが直接お願いしたから私は枷を着けたりしないで自由なんだって」

シオン(……ルシフェル、そこまでご機嫌なのか)
531 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 19:12:18.53 ID:+DheQQEi0


シルバ「……でもこれは着けるみたい」スッ

シオン「発信して居場所がわかるリングッスね、まぁ当然の対処かな」


<「早くしなさいよ!!」
<「なに? 彼女?」
<「こんな屋敷の女なんてどうせクズだよ」


シルバ「………」

シオン「…悪い、先に食堂行ってて欲しいッス」

シルバ「……うん」スタスタ

532 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/02(木) 19:30:36.55 ID:+DheQQEi0
お…ちる

眠い………眠い
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/02(木) 21:20:32.26 ID:p9ol3gnJ0

シオン……
534 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 17:42:01.41 ID:XLAzpBuC0



━━━食堂━━━


シルバ「………」そわそわ

シルバ「………」そわそわ


メイド9「あ…きみひょっとしてシルバって娘?」ガタッ

シルバ「……」コクン

メイド9「わぁー! やっぱり!! 本当に綺麗な髪の毛だねー!」

シルバ「………」コクン


メイド9「……」

シルバ「………」  

メイド9(結構静かな娘だなぁ…やっぱり旦那様に痛めつけられるとネジが飛ぶのかな)
535 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 17:54:25.16 ID:XLAzpBuC0


メイド9「ね、誰か待ってるの? ロザリー? フレア?」

シルバ「………」フルフル

メイド9「でもさっきそわそわしてなかった?」

シルバ「……////」ふ、フルフル


メイド9「もしかして執事長さんだったり?w」


シルバ「…………っ」キュン

メイド9(おぉっと!?)

536 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 17:57:58.13 ID:XLAzpBuC0

メイド9(これは予想外! 後で面白いネタに使えそう…)


シルバ「……」そわそわ

メイド9「ちょっと用事思い出したから、行って来るね」ガタッ

シルバ「………」コクン


シルバ「………」もじもじ


メイド9(さぁーって、執事長はどこかな〜?)スタスタ
537 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 18:12:12.83 ID:XLAzpBuC0



シオン(はぁ………散々な目に合ったッス)とぼとぼ


メイド9(見つけたー!!)

<タタッ


シオン「?」

メイド9「執事長さーん、食堂で銀髪の娘が泣いてたんですけど知り合いですかぁ?」

シオン「え」

シオン(もしかしてさっき言われた事気にして…?)


シオン「今行くからお前は厨房のメイド達の手伝いして欲しいッス」

メイド9「はい♪(にしし、やっぱり心配するという事は2人は禁断のカップル間違いナシ!!)」
538 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 18:19:20.17 ID:XLAzpBuC0



━━━食堂━━━


シルバ(………少し眠くなってきた…)うとうと

シルバ「……」かくんっ


シオン(やっぱり落ち込んでるー!!)


シオン「シルバ」

シルバ「!」がばっ

シオン「その…気にしなくて良いと思うぞ?」

シルバ「………?」
539 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 18:25:03.50 ID:XLAzpBuC0


シルバ「………シオン」

シオン「ん」

シルバ「別に私は気にしてないよ…?」←遅く来た事だと思ってる


シオン「(健気な感じがする…) そ、そっか…俺が味方だから安心するッスよ」なでなで


シルバ「……っ////」←とりあえず撫でて貰って満足

シオン(あぁ…なんか急にシルバが可愛く見えて来た)

540 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 18:33:43.59 ID:XLAzpBuC0




〜その頃の厨房〜


メイド8「……そうなんですか」

メイド10「うっそ!? ショックだな〜、処女はアーチャーさんに捨てて貰おうと思ったのにー」

メイド11「でも大丈夫なのかねぇー? そのシルバもルシフェル様の所有物でしょ、前の執事長は所有物に手を出して殺されたんじゃ?」


メイド9「むっふっふ! 私が見た限り、既に毎日2人はHしてるね! きっとバレない秘訣があるのさ!!」

メイド12「ちょっとあんた達!? 早く皮むき手伝ってよね!」

メイド13「ほんとにオバサンかよあいつらは……」


541 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 18:42:16.46 ID:XLAzpBuC0


〜ちなみにその夜〜


━━━━━ギシッ

━━━━━ギシッ…ギシッ……


<「んぅ……」ギシッ


バサッ!!

シオン「シルバ!! 起きるッス!! また寝ぼけて30mも離れたこの部屋まで来て!!」ユサユサッ

シルバ「……んぅ?」ぽー


542 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 18:49:39.81 ID:XLAzpBuC0


シオン「……いいね!? 俺はまだ17なわけで、未成年かつ色々と大変な歳なの!!」


シルバ「………」

シオン「そもそも、なんで俺の部屋まで来るんスか!」

シルバ「………」

シオン「もし俺がシルバに間違いを犯したら……なんて嫌だろう?」

シルバ「………」


シオン「…シルバ?」

シルバ「……zZZ」こてっ

シオン(あ、ダメだ可愛い過ぎる)
543 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:03:45.05 ID:XLAzpBuC0



━━━翌朝━━━


シオン(……また夜中侵入してきて緊張で眠れなかった)ムクッ

シルバ「………zZZ」ぎゅっ

シオン(…………………………………………)フラッ


ボスッ


シオン(……連日のエルフとの戦闘で疲れが溜まってるのかな…体が重過ぎる)

シオン(…………今日は……もう少し…寝よう…)スゥ


544 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:10:52.50 ID:XLAzpBuC0






━━━━━━━━━ザザッ━━━━━━



━━━━━━ザ━━━ザッ━━━━━━ザザァッ━━━━━━━━━






ビィィィイイイイイッガァァアギィィィィィンッッザザザザァァァッッッ!!!!







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━「  ……くすっ  」








545 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:15:00.84 ID:XLAzpBuC0



############################################


「…………………………」


「……モウスグ、アエル……」


「オレは、キみニアイたかッタ・・・」


「………デモ、もうすグ会える」


「……俺が君を迎えに行くよ……」


############################################


546 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:25:31.70 ID:XLAzpBuC0



############################################


━━━━━━ザザァァッ


白い男?『このノイズはなんだ! 早くデータを消去しろ!!』

白い男?『駄目です!! 【ザザッ】ンが反応しません!!』


白い男?『馬鹿な…何が起きた……』


黒い男?『うわあああ!? 青い奴と黄色い奴が暴れ出した!』

白い男?『くっ…この施設を捨てるぞ! 全員避難しろ!!』


547 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:35:25.58 ID:XLAzpBuC0



【  くすくすくすくすくすくすくすくすくすくすくす  】



白い男?『な…お前は先日廃棄されたはずじゃ…』


<『ぎゃあああああああああああああ!!!!』

黒い男?『ここは我々にお任せを!』

白い男?『当たり前だ! こんな所で死んでたまるか!!』


【  ほぉ……随分と面白い発言じゃな  】


【  ふふ…まったくだよねぇ、僕達を止められると思うなんてさぁ…?  】


白い男?『は、は…なんだこれ……なんなんだこれ………』


『ぎゃあああああああああああああ………ぐぉぇ!!』

メシャッ!!


############################################
548 :ニュッLv7 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:46:50.55 ID:XLAzpBuC0






【  ♪  】



【  見たの?  】




【  いーけないんだー♪  】




【  ミチャダメダヨ、ココハカレトノオモイデナンダカラネ  】




ザザッザ………ザァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア



549 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:55:20.64 ID:XLAzpBuC0




シルバ「……っ」びくっ
シオン「……っ」びくっ


シオン「………」

シルバ「………」


シオン「変な夢見たッス」

シルバ「………私も」ぎゅっ

シオン「……そっか」なでなで


シルバ(……少し、怖かった)ぎゅっ
550 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 19:58:19.46 ID:XLAzpBuC0




〜しばらくして〜


シルバ「……夕方になってる」

シオン(随分寝たもんだな…後でメイド達に怒られそうだ)


シルバ「……シオン」

シオン「んー?」

シルバ「……私が好き?」


シオン「うん」
551 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/03(金) 20:14:21.10 ID:XLAzpBuC0



シルバ「……ありがとう」ぎゅっ


シオン(あれ、告白したつもりなのにスルー?)

シルバ「………ありがとう」もぞぞっ

シオン「ん、なんか急にどうしたッスかシル…」


━━━━━━ひやっ


シオン「………泣いてるのか?」

シルバ「…っ」ふるふるっ

シオン(……)


━━━━━━ぎゅぅっ━━━━━━


シオン「落ち着くまで、こうしてるよ」

シルバ「……うん」
552 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/03(金) 20:24:46.66 ID:XLAzpBuC0
落ちる

553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/03(金) 20:25:14.54 ID:/SOkX88X0
乙ー!
シルバ可愛い夜シルバ
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 08:25:26.11 ID:SpI6XPxw0
シオンって17なんだっけか
ここまできてシルバに襲い掛からないとか
いや、シオンも男ならやってくれるよな!
555 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 17:08:03.90 ID:EUcVp7ej0
最近 パンドラの塔 のセレスがシルバのイメージになってきた…くそ
556 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 17:48:32.63 ID:EUcVp7ej0



━━━━深夜━━━━


シオン「……」カチャカチャ


フレア「アーチャー? まだ皿洗いしてたの」

シオン「ん、眠れなくて…フレアはなんで?」

フレア「私はちょっとね」

シオン「ふーん」カチャカチャ


ジャー・・・

カチャカチャッ キュッキュッ


フレア(……なんか落ち着くわね、この音)
557 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 17:54:39.46 ID:EUcVp7ej0


フレア(…はっ、私も結構子供だったのかしら)

シオン「フレアーっ! そこの棚から離れてぇぇぇえ!!」

フレア「は?」


━━━━グラッ


シオン「ぎゃあああああ!? この間の影響で不安定だったから倒れて来たー!!」

フレア「ちょっ……!?」


ガッシャーン!! バリィィィンッ!!!
558 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 18:08:13.78 ID:EUcVp7ej0



フレア「……」ジャラジャラ

シオン「……」ざっざっ


フレア「……皿、あと12枚しか残ってないわよ」

シオン「明日俺が買って来るッスよ」

フレア「はあ…」

シオン「溜め息吐くなッスよぉ…」
559 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 18:14:15.76 ID:EUcVp7ej0



━━━━シオンの部屋━━━━


シオン(…そして案の定シルバが潜り込んでる…)

シルバ「………」もぞっ


シオン「……今日はソファーで寝るか」とてとて

シルバ「………」もぞっ

シオン(おやすみー)バサッ

560 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 19:02:31.12 ID:EUcVp7ej0







━━━むくっ


━━━とてとて


━━━ぐいっ


━━━とてとてっ


━━━ぽふっ





561 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 19:09:56.66 ID:EUcVp7ej0



━━━翌朝━━━

シオン(…んー、ソファーもなかなか柔らかい)


━━━━━━もニュッ━━━━━━


シオン「またかああああああああああああああ!!!??」ガバァッ


シルバ「………シオン苦しいよ」ぎゅ

シオン「……」←何故かシルバが下にいる事に気づいた

シオン「…あ」カァァ


シルバ「………?」←寝ぼけてて事の重大さに気づいてない


シオン「うわあああああああああああああああ」←恥ずかしさとシルバの無邪気な顔で狂った
562 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/06(月) 19:26:29.25 ID:EUcVp7ej0




フレア「アーチャー、皿買って来るんじゃなかったのー?」ドンドン


<「ダッテ…ダッテ…あ、朝だチが…シル……シルバの…」ボソボソ


フレア「………セクハラで訴える前に皿買って来なさい」

<ガチャッ

シオン「恥ずかしいなんてレベルじゃないんだよぉぉぉぉおおおおお!!!」

フレア「知るか!! 変態!!」

シオン「」ずーん
563 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 19:42:20.22 ID:EUcVp7ej0




━━━厨房━━━


フレア「…さて、アーチャーが来るまで適当な朝食を作ってようかしら」

シルバ「………」ひょこっ


フレア「死になさい」


シルバ「………」ぷるぷる

フレア「冗談よ、アンタって相変わらず『自分が友達と思ってる人間に傷つけられると割れる』ハートよね」

シルバ「………手伝う」スッ

フレア「なら、そこのメニュー表から適当に選んでて」
564 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 19:48:25.60 ID:EUcVp7ej0


シルバ「……」じっ

フレア「………」カチャカチャ


シルバ「………全部」

フレア「言うと思ってたから、『リコッタパンケーキ』を作る準備してたわよ」カチャカチャ

シルバ「りこった?」


フレア「どこかの3妹’Sがいる男はこれを作って『得点稼ぎ』してたそうよ」


シルバ(……もしかして喜んでくれたのは双子の妹一人だけだったとか?)
565 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 19:56:55.95 ID:EUcVp7ej0


フレア「とりあえず私の指示を適当に聞きながらアンタはそっちで作ってね」

シルバ「……」コクン


フレア「まずは卵を用意してあるから、七個くらい割って頂戴」

シルバ(……握り潰さないように…)パキャッ

フレア「割り終わったら卵黄だけ別のボールに移すのよ」






〜少しして〜


シルバ「……割り終わったよ」

フレア「そう、なら次はそこのリコッタチーズを出して」

シルバ(……? 初めて見た)
566 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 20:07:16.07 ID:EUcVp7ej0


フレア「それ、この間死んだコック達が『古代のチーズにまつわる本見つけたー!!』って言って作ったチーズなのよ」

シルバ「……出したよ」


フレア「そうしたら、卵黄のボールに大体320ccの牛乳を入れて、ゆっくり絡み合うように混ぜるの」

シルバ「………」ぐ〜るぐ〜る

フレア「少し混ぜたらリコッタチーズを…『会いそうな量』入れて」

シルバ「?」

フレア「うーん、コック達は『590ccが卵七個分に対するリコッタチーズだ!!』って言ってたけど…」


シルバ(……見た目は入れすぎな気がする)
567 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 20:15:30.43 ID:EUcVp7ej0


シルバ「……」ぐ〜るぐ〜る


フレア「ストップ、混ぜ過ぎると味が落ちるから、色がレモンより白い液体…ぐらいになったらベーキングパウダーを加えて」

シルバ(10cc…より少ないぐらい入れればいいかな)

フレア「次は小麦粉を460入れるのよ」


シルバ「………」ぐ〜るぐ〜る

フレア「さて、こっちもそろそろ…」カチャカチャッ

シルバ(……卵白だけで混ぜてる?)ぐ〜るぐ〜る

568 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 20:19:42.57 ID:EUcVp7ej0


フレア「そろそろこっちで混ぜた卵白を半分入れて」スッ

シルバ「………」とろーっ

フレア「そうしたら混ぜる、少し混ざったと思ったら残りの半分も入れるのよ」


シルバ「……」ぐ〜るぐ〜る

フレア「ああ、ダメよ?」

シルバ「?」ピタッ

フレア「なるべく優しく切るように、さっくり混ぜるの」


シルバ「………」シュインッシュインッ


フレア「ストップ」
569 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 20:27:40.10 ID:EUcVp7ej0


フレア(……私はこの間にフライパンにバターを少し溶かしておくわ)ジューッ


シルバ「………」スイッスイッ

フレア「シルバ、もういいわよ」

シルバ「……」コクン


フレア「フライパンにスプーンで生地を入れて…っと」ぼとぼとっ

フレア「あとは小キ”ツネヘレン色ぐらいになるまで焼くのよ」

シルバ「……」そわそわ
570 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 20:33:13.08 ID:EUcVp7ej0
〜少しして〜


フレア「…………出来上がりね、後はメープルシロップをかけるなりバナナをトッピングするなりすれば良いわ」


シルバ「……美味しそう」

フレア「ちなみに2人や1人で作る時は今回の量の三分の一の材料にすると良いわ」

シルバ「……♪」コクン



シオン「ぜぇ…ぜぇ……皿を50枚買って来たッスよ」

フレア「あら、なら並べて来て? 私達は他のメイドを呼んで来るから」

シオン「……了解」

シルバ(……いつかシオンに…)
571 :ニュッLv8 ◆G2/Yj5eh5U [sagasag]:2011/06/06(月) 20:36:03.94 ID:EUcVp7ej0


落ちる

…物語が進まねぇ
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/06(月) 21:02:19.13 ID:Fc/glTb40
乙!
個人的にはこんなほのぼのがもっと見たいけど……
というか、もう手作り料理まで考えてるシルバが可愛すぎる

追記
>朝ダチがシルバの

ウン、寝ボケタしるばモ可愛イナホントニ
………シオンはもげろ、いやむしろ爆ぜろ
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/06(月) 21:43:14.12 ID:akr6gW9X0
中国地方さんって結局糞コテの時と変わってないんだね
574 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 17:42:27.13 ID:G7dVS8Fo0



━━━━━━4日後━━━━━━



━━━孤児施設教会━━━


少女「シルビアさん、ちゃんと天国行けたかな」

白執事?「……ええ」

少女「…今日は結構雨が強いね」

白執事?「……ええ」


少女「…………凄く、悲しい雨なのはなんでかな…」

白執事?「悲しいからでしょう、貴女が」

少女「…うん、悲しい」 


白執事?「……」スタスタ

575 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 17:50:26.62 ID:G7dVS8Fo0



━━━━━━━━━ザァー・・・



白執事?(……冷たい、本当に嫌な雨ですね)ザバザバ

<「濡れちゃうよ?」

白執事?「…構いません、今は少し……こうしていたいのです」


<「…私は少しお祈りしてくるね」スタスタ


白執事?(………今日は雨がいつもより特に強い……)


白執事?(……まるで)
576 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 17:51:29.69 ID:G7dVS8Fo0









━━━━━━━━━「 『嵐』 が来た時のようですね」









577 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 17:57:44.55 ID:G7dVS8Fo0



━━━ルシフェルの屋敷━━━


シルバ「………?」きょろきょろ


とててっ


シルバ「……?」きょろきょろ

とたたたたたたたっ

シルバ「…っ?」きょろきょろ


シルバ(……シオンがいない)
578 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 18:02:13.60 ID:G7dVS8Fo0


シルバ「……フレア」トントン

フレア「ん、なによ」


シルバ「……シオンはどこ?」

フレア(あー、ついに怪しまれてきたかしら)

フレア「今、ルシフェルの依頼で他の屋敷に出てるのよ」

シルバ「……そう」


<とぼとぼ


フレア(…今日は雨が強いけど、大丈夫かしら)チラッ
579 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 18:16:40.51 ID:G7dVS8Fo0



━━━少し離れて、城下町━━━


ハゲ男「ひ、ひぃぃ!!? 待て、ええええエルフなら知ってる!! 長い髪と巨乳のエルフだ!!」

シオン「……名前は、場所は、肉親は、他に知ってる事があるなら吐いた方が賢明ッス」チャキッ


ハゲ男「……それ以上はタダじゃ話せn」

ザクッ!!

ハゲ男「………ッ!? ぎぃぁ」
シオン「大声を出したら薬指も無くなるッスよ…?」ひそひそ

ハゲ男「━━━ッッ!!」ググッ


シオン「ほら、何を話せば良いかはわかるッスね?」

ハゲ男「!! !! 」コクンコクンッ
580 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 18:25:56.98 ID:G7dVS8Fo0
〜少しして〜



ハゲ男「た、頼むよ……殺さないでくれよ…」

シオン「別に殺しはしないッス」スッ

ハゲ男「……」ホッ


━━━━━━ヴンッ━━━━━━


ハゲ男「は…? ………な…ッ!!?」

シオン「『お礼』は置いとくッス、別に避けようと思えば避けられるだろ」スタスタ


<「うああああああああああ!!!!」ザヂュンッ


シオン「……ああ、手足をナイフで刺し止められてちゃ動けないか」
581 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 18:52:33.04 ID:G7dVS8Fo0


<ガタガタガタガタ


シオン「…いつまで震えてるッスか、出てくるッスよ」

<「……良いのかな」
<「だ、駄目だよ!」

シオン「……ほら、別に危害もナイフも加えないよ」


<「……」ひょこっ
<「あ、駄目よレン!」ばっ


金髪少年?「…助けてくれてありがとうございました」

金髪少女?「ちょ、あの…ありがとうございました!」


シオン「ん、気をつけるッスよ?」

金髪少年?(…思ったより怖くない)
金髪少女?(…目が病んでる)
582 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 19:05:45.10 ID:G7dVS8Fo0


シオン「ああ、ちょっと待つッス」

金髪少女?「ひああ!?」ビクッ

シオン「見かけない顔ッスね、この辺りは初めてッスか」

金髪少年?「そうなんだよ、ちょっと事情でお姉ちゃんと逃げて来たの」


シオン「……所持金は?」

金髪少女?「た、たんまりあr」
金髪少年?「0だよー」

シオン「…はい、300Gはあるから持っていけよ」ジャラッ

金髪少年?「良いの?」

シオン「ん、お姉ちゃんを守ってやるッスよ?」

金髪少女?「わ、私だって守るんだから!」

金髪少年?「はい!」

583 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/07(火) 19:13:40.64 ID:G7dVS8Fo0



<タタタタッ


シオン「やれやれ…」ザバザバ


シオン(……さて、とりあえずターゲットは決まったかな)

シオン(……『風のエルフ』、『エリア』ね)

シオン(はぁ、また生傷が増えそうッスね…)


シオン「……」




━━━━━━━━━ザァー・・・





シオン(……生傷だけで済むなら良いか)ザバザバ
584 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/07(火) 19:30:36.53 ID:G7dVS8Fo0
落ちる

…4日のキンクリの代償は高くつきそうだ
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/07(火) 21:17:08.59 ID:9ZXjWwUu0
乙!
やばいな……ヒトデVSシオン来るか?
586 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 16:43:59.32 ID:nCFhYzMD0



━━━ヒトデのアジト━━━


幼女「エリア、今日はもう帰って平気だぞ」

エリア「良いんですか? まだ今月の資金計算終わってないですけど」

幼女「まァな、雨も強いしエリアの体に良くないから帰って平気だ」


エリア「ありがとうございます! ……ボスさん」スタスタ

幼女「? あァ」








エリア(……そういえば、ボスさんの名前って聞いたことない)
587 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 17:06:19.55 ID:nCFhYzMD0
エリア(…そのうち聞けるんですかね)スタスタ


エリア(……ちょっと五番目さんの所に行こうかな)







〜医務室〜


エリア(…………)

<「えへへ…//// 大好きだよ、アーサー♪」

<「ん? 早速呼び出さないでくれよ、一瞬呼ばれたのわかんなかったじゃねえかw」


エリア(…やっぱり帰ろうかな)スタスタ
588 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 17:13:27.00 ID:nCFhYzMD0





━━━━━━━━━ザァー・・・





エリア「くしゅっ!」

エリア(…寒い、妹を早く迎えに行かないと…)


エリア「……寒いなぁ」ザバザバ
589 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 17:51:23.47 ID:nCFhYzMD0



━━━少女とエリアの家━━━


シオン(いないな…生活してるのはわかるけど)ガチャッ

シオン(しかしよく綺麗にされてるなー……まるで『執事でもいるみたい』ッス)


シオン(ん)ガサッ


シオン(………なるほどね)

シオン(……)ヴンッ


ズガッ!


シオン(…行くか)スタスタ
590 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 18:09:35.88 ID:nCFhYzMD0



━━━孤児施設教会━━━


少女「……っ」ぞわ

白執事?「……どうなさいました?」

少女「うん、ちょっと寒気がね?」ぶるるっ

白執事?「……もう隣の孤児宿舎の方で休んで下さい、私は少しだけエリア様をお迎えに行きますから」


少女「うん! ありがと、『ネロ』♪」


白執事?「……えぇ」ニコッ
591 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 18:17:28.80 ID:nCFhYzMD0


白執事?「………」スタスタ



━━━━━━ギィッ━━━━━━


古い、錆び付いた扉の金具音が響いた。


白執事?「……どなたでしょうか」

全てが白い執事の青年は、目の前に立つ男に問いかける。

だが男から応答はない、あったのは反問だけだった。


シオン「ここにエリアってエルフはいるか?」


教会の中央に立つ『白い執事』とは対照的に、雨に濡れて更に黒さを増したシオンはそう問いかけた。

2人の視線が交わる。
592 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 18:30:57.34 ID:nCFhYzMD0


━━━━━━━━━沈黙。


雨の音が再び聞こえ始めた時、もう一度シオンは問う。


シオン「エリアの『妹』さんもいるはずッスけど……」

白執事?「……」

シオン「なぁ、いないのか? いないなら特に用は…」


━━━━━━ジャキッッ!!


無言で立ち尽くしている白い執事にもう一度問いかけた直後、シオンの言葉を切り裂くように白執事の腕が『何か』を取り出した。


シオン「━━━!」ヒュッ


シオンは反射的に、飛び道具を避けるように右にステップして身構えようとした。

直後。


━━━━━━ダァンッ!!━━━━━━


鋭い、破裂した火薬の音。

593 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 18:48:05.49 ID:nCFhYzMD0
(推奨BGM http://www.youtube.com/watch?v=nHN8AeK57kQ&feature=related


シオン「……?」

シオンには今起きた事が理解出来なかった。

目の前の執事は無言で『何か』を取り出した、そして『音を出した』。


━━━━━━それだけなのに、何故自分は頬から血を流している?


シオン「お前、何を…!」

白執事?「答えは貴方自身がご存知なのでは? ほんの数秒前まで考えていた事を忘れていないならば…」

シオン「っ!?」


白執事は悠然と、冷たい声でシオンに応えた後『奇妙な武器』を向ける。

……それ以前に、シオンは今自分の心を読んだ男に驚きを隠せない。

だがしかし、


━━━━━━ダダァンッッ!!━━━━━━


シオン「ヅぁ……!!」ブォッ


『奇妙な武器』から小さな閃光が走ったと同時にシオンは大きく横へ飛んだ。

594 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 19:02:30.97 ID:nCFhYzMD0


━━━━━━ヴンッヴンッ!


シオン「クソッ、悪く思わないで欲しいッス!!」

最後の警告は必要ないと判断したシオンは背中の焼けたような一筋の痛みを堪えてナイフを出す。

空中に出現させた七本のナイフが狙うのは執事の持つ『奇妙な武器』。


恐らくは『人差し指で突起物を引く事によって射出する魔法武器』だとシオンは推測する。

つまり、最初に狙うのは厄介なポイントのみだ。


━━━━━━ガギギギギィィッッ!!


シオン「なッ━━━━━!?」

白執事?「………」スチャッ


一瞬にしてナイフは『見えない何か』に弾かれ、『奇妙な武器』がシオンに向けられた。

595 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 19:16:17.52 ID:nCFhYzMD0


シオン(…あの『切っ先』!! あれが向けられた方向に直進しかしないはずだ……!!)

白執事?(あの表情、私の『ガンブレード』の仕組みに気づき始めましたか)


両者の手足が動く。


━━━━━━ダダァンッッ!!     

                         ヴヴンッ!!
    ガギィンッ!!


直後にシオンは初撃を袖のダガーで弾き、更に大量のナイフを白執事の頭上に出現させる!

白執事は頭上のナイフを軽く確認すると、後ろへ小さく跳び……


シオン「無駄ッス! 俺のナイフは手足のように動かせるからな!!」

白執事?「……」


━━━━━━ジャキッッ


━━━━━━キィィィンッッッ━━━━━━


596 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 19:26:18.68 ID:nCFhYzMD0


突然、『奇妙な武器』の切っ先から銀の刃が伸びた。

白執事の刃が頭上のナイフを薙ぎ払う━━━━━!!


━━━━━━ズオォォ!!!━━━━━


そのまま、『銀の刃』一瞬では教会の屋根を突き破る。

そしてその刃は


シオン(嘘…だろ━━━━━!!)


━━━━━━ズバァンッッ!!!


シオンの立っていた場所から入り口の扉まで、全てを銀の一閃で粉砕する!!

597 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/08(水) 19:32:11.64 ID:nCFhYzMD0
落ちる
598 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 16:50:00.88 ID:a4wb1m7v0
ちなみにネロのガンブレード参考画像
http://livedoor.2.blogimg.jp/darkm/imgs/e/2/e2da4024.jpg

これが全部銀色みたいなイメージで
599 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 17:24:54.06 ID:a4wb1m7v0


白執事?(……死んではいないようですね)


巻き上げられる粉塵の中、白執事は静かに呟いた。

そしてその直後。

━━━粉塵が一瞬にして吹き消された。


シオン「はぁ…っ、はぁ…っ!!」


シオンは無傷だった。

白執事は再び『奇妙な武器』をシオンに向け……


━━━━━━ガギィ!!━━━━━━


白執事?「!」

グラッ


……られない。

見ると引き金には針のような物が五本程、隙間に突き立てられていた。

手紙などの封を開ける際に使われる『ペーパーナイフ』だ。

600 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 17:34:59.44 ID:a4wb1m7v0

僅かに白執事は体制が崩れる。


シオン「━━━━━━ッ!!!」


そこをシオンは逃さない。

ガゴンッッ!! という鈍く重い音がシオンの右腕を伝って聞こえた頃には、
白執事は教会の席を二列突き破って吹き飛んだ。


━━━━━━ズガガシャァアアアアアッッ!!━━━━━━


シオン「……っ!?」

━━━━━━ブオンッッ


吹き飛んだ直後と言える瞬間に、シオンの眼前にベンチが杭のように投げつけられた。

シオン(どんな馬鹿力でやればこんな……!!)


━━━━━━グガァァアッ!!!


そのまま胴体に突き立てられ、シオンの体は後方にある十字架に向かって吹き飛ばされる。
601 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 17:46:11.27 ID:a4wb1m7v0


シオン「ゲホッ……げほっ、この…」


━━━━━━シャッ!!━━━━━━


白執事?「……遅い」ブンッ


シオンが高速で移動したと同時、白執事の握る『奇妙な武器』が火を噴いた。

━━━━━━ズダダダダダァァンッッ!!

瞬間的に轟音が辺りの音を掻き消し、標的を撃ち抜く。


だが。


シオン「おおおぉぉぉぉ!!!」ガシャァアアアッ

白執事?「ッッ!!」

602 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 18:03:21.02 ID:a4wb1m7v0


床板の下から突如現れたシオンに白執事の武器は間に合わない。

白執事の扱う武器は『構える』『狙う』『引き金を引く』という動作が必要だが、シオンは振るうだけで良いのだ。

白執事の右腕をシオンのダガーが弧を描くように一閃した。


白執事?「…ッ」ジャキッ

シオン「!!」


突差に繰り出したシオンのカウンターは浅かったのか、白執事に苦痛の表情は無く。

代わりに冷徹な視線と共にシオンに切っ先が向けられた。


                                 ガッッ
━━━━━ダァンッッ!!━━━━━


白執事?(弾道から逃れる為に直接銃を……!!)

シオン「━━━ッ」

603 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 18:10:27.77 ID:a4wb1m7v0


シオンが振るった拳が当たった事によりずらされた弾丸の軌道は遥か後方の柱に当たる。

通常なら間違いなく即死の距離とチャンスの中で、シオンは生きていた。


シオン(な……?)


逆に一瞬躊躇してしまった。

先程の『銀の刃』なら仕留められたはずなのに、何故この近距離で『撃った』のだろうと躊躇したのだ。


白執事?「……フッ━━━━━!!」

━━━━━━ガッッ!!!

シオン「っ!?」


直後に振るわれた白執事の廻し蹴りにシオンが下がる。

604 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 18:27:42.43 ID:a4wb1m7v0


シオン「ッ〜!」ズキッ

白執事?「……そろそろ慣れて来たようですね、この武器に」


シオンに切っ先が向けられる。


シオン「━━━!」グッ

白執事?「私が扱うこの武器は、今から四万二千年は昔の世界では一般的な物でした」


シオンが自身の身を守る為にナイフを次々と精製して空中に固定する。

白執事?「その名は『拳銃(handgun)』、引き金を引くだけで相手の命を奪う人道から外れた武器です」


━━━━━━ダァンッッ!!━━━━━━

                           ガギギギィィンッ!!!


シオン(クソ……一撃でナイフを10本近く貫いてる!!)
605 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 18:47:03.80 ID:a4wb1m7v0


白執事?「……だからこそ、私は『実感が持てる武器』にしたんです」


━━━━━━ダダダァンッッ!!!━━━━━━

                                        ギギギギィィィィンッッッ!!

シオンのナイフが次々と火花と共に撃ち砕かれ、徐々にシオンの額に汗が滲み出てくる。

白執事のガンブレードが空に向けられる。

冷たい、鉄のような雨を降らせる空に。


白執事?「━━━━━━そうすれば、私は人を殺めた罪を理解できるのだから」


━━━━━━ギュオオォォォッッ!!!!━━━━━━


一瞬にして先程の時以上に伸びた『銀の刃』が、半壊した屋根の隙間から見える空を切り裂いた。

シオン(また、か…? マズい━━━━━━!!)

606 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 19:26:13.83 ID:a4wb1m7v0


ガンブレードが振り下ろされる!


シオン(……やるしか━━━ッ!!)


━━━━━━ズガガシャァアアアアアッッ!!!


再び振り下ろされた『銀の刃』は今度こそシオンに直撃した。

その叩き斬った感覚が、白執事に伝わる。


白執事?(……哀れな『亜人』よ、安らかに眠って下さい)


静かに目を閉じ、祈る。













シオン「何寝てんだゴルァァァアアアアア!!!!」
607 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 19:46:36.88 ID:a4wb1m7v0


白執事?「ッ!? 確かに今……」

シオン「仕留めたと? 残念ッスね、俺は生きてる……ぜ!!!」


━━━━━ヒュィンッ━━━━━


一閃。

白執事のスーツは横一文字に切れ、その位置から鮮血が微かに飛び散る。

白執事?「━━━ッ」グラッ

手の力が抜け、体が後ろへ押された。

ドサッ と、乾いた鈍い音が鳴る。


シオン「………」

ピチャッ


シオンの頬に返り血が飛んだ。
608 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 20:02:46.28 ID:a4wb1m7v0


シオン(……殺すつもりはなかったのに)


シオンは右手に握られた『プッシュナイフ』を見る。

しかしそれはよく見ると小刻みに揺れている。


シオン(ナイフ精製する『初期位置』を常に同じにして重ね続け、千本分の魔力と硬度を作り出したナイフだけど…)


そう、シオンは始めから殺意はなかった。

殺意があれば最初から全方位をナイフで埋め尽くして突き刺せば良い。

しかしそうしなかったのは、相手が『善人』だったから。


『悪人』を倒そうとする『善人』だったから、シオンは殺したくなかったのだ。


しかしシオンが『威嚇のつもりで振った』ナイフは白執事を両断した、殺してしまった。

609 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/09(木) 20:09:48.13 ID:a4wb1m7v0


シオン「…………」スタスタ


━━━━━遂に無実な人を殺した。


シオン「……せめて……」


━━━━━ただ己の望みを叶えたいが為に。


シオン「…シルバを救う為に……女の子を…」


━━━━━今更迷う事は許されないのに


シオン「……そうでもしないと…」


━━━━━━━━━自分はどうなるのだろうか?


610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/09(木) 20:13:43.37 ID:jUrEiyCj0
何故バトル描写とシリアスダーク展開でこうも書き方が違うか
ある意味すげえよ
611 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/09(木) 20:19:53.47 ID:a4wb1m7v0
>>610
いやぁ………ダメだったかな?


612 :ニュッLv9 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/09(木) 20:24:25.05 ID:a4wb1m7v0
あ、ちなみに落ちるぜぃ
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/09(木) 21:52:08.37 ID:jUrEiyCj0
褒めてんだよ言わせんな恥ずかしい
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 23:04:41.91 ID:P2DrKJc+0
ニュのBGMのセンスは気に入った
615 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 17:11:33.98 ID:56qYBqyl0
>>613-614

う、嬉しくなんかないんだからねっ!………////


さて、自分に吐き気を覚えた所で始めるか
616 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 17:22:39.40 ID:56qYBqyl0


━━━━━━ガチャン

シオン(……誰もいないな、ここが孤児達の宿舎であってるのに)

シオン(……)スッ


シオン(まだ温かい…やっぱりさっきの戦闘の音で避難したのか)

スタスタ

シオン(……もういい、この部屋を見たら帰ろう)スッ



━━━━━━チリンッ━━━━━━



シオン(…っ、今の……こっちからか?)スタスタ
617 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 17:26:50.23 ID:56qYBqyl0


スタスタ


シオン(……聞こえない、聞こえるのは雨音だけッスね)

シオン(……)スタスタ


━━━━━━チリンッ━━━━━━


シオン(……)


シオン「そこか」ヒュッ

ゴンッ!!

ゴキャァァッ!!

618 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 17:31:35.14 ID:56qYBqyl0


子供達「「 ……っ! 」」びくっ


シオン(……? 大人がいない)

子供1「悪い人がきた…」

女の子1「お姉ちゃんをいじめる気なんだ…」


シオン「あ…俺は別に君達を怖がらせるつもりは……」

女の子2「……」チリンッ

シオン「?」

女の子2「……真っ白なかみのけのお兄ちゃんは?」チリンッ

シオン「……今はいないよ」

619 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 17:40:50.18 ID:56qYBqyl0


バッ

少女「ほらねみんな! 『ネロ』は今私のお姉ちゃんを迎えに行ってるだけなんだよ!」

女の子2「でも悪い人は良い人がいない時に来るんだよ?」チリンッ

少女「んー……」チラッ


シオン(…あいつ、ネロって名前だったのか)


少女「…っ」びくっ

シオン「あ、あぁ……もしかして君が『ラルク』なのかな」

少女改めラルク「(今、少し怖い目になってた…) そうだよ…?」

シオン「えと、お姉さんとネロが君を呼んでたから急いで探しに来たんだ…」


ラルク「!?」
620 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 17:46:17.06 ID:56qYBqyl0


ラルク「お姉ちゃんがどうかしたの!?」

シオン「わ、わからない…もしかしたら『足枷』に関係あるかも…」

ラルク「大変…ごめんなさい! 怖い人って思って……今お薬持って来るから教会で待っててね!」タッ


シオン「……ああ」ズキッ


スタスタ

シオン(……)チラッ


女の子2「……」チリンッ

シオン(…なんだろうあの鈴……やけに赤黒く見えるな)スタスタ



━━━━━━チリンッ━━━━━━



621 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 17:52:49.80 ID:56qYBqyl0



━━━━━━ザァァ・・・



どうなっているんだろう。

「……」

どうして教会の扉が粉々に砕かれているのだろう。

何故教会の中央に血溜まりがあるんだろう。


「……嫌…」


不安。恐怖。混乱。

私の頭の中にはそれしか出て来ない。


━━━━━━ザァァ・・・

                                パチャッ

622 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 18:01:41.99 ID:56qYBqyl0


不意に、視界の端から水を踏む音が聞こえた。

私は砕けた十字架を見た後そちらへ首を回す。


金髪執事?「……っ」ピタッ


……私の思考が止まる。

「…………か…」

あの左脇に抱えられた少女は、私の妹だ。

何故? そう考えられなかった、私は声を出す。


「…何を、何をしているんですかァッ!!!」


ただ私は吠えた。
623 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 18:10:11.22 ID:56qYBqyl0



激昂。


シオン(この気配…まさかあの娘がラルクの姉ッスか…!?)

思わず戸惑うシオン。

それもそのはず、誰でも 『怒り狂った親獅子』 を前にすれば多少は恐れてしまうだろう。


エリア「返して…私の妹を返して!! 返さないなら貴方の命は保証しない!! 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!!」


━━━━━━何より、言葉が通じなくなった相手ほど恐ろしいものはないはずだ。


シオン(……ッ、ヤバ━━━━━━━━━━━━)


━━━━━━バキャァァアアアアアアッッ!!!


624 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 18:19:51.51 ID:56qYBqyl0
(推奨BGM  http://www.youtube.com/watch?v=i2TtzMFtb6U
 


瞬殺ならぬ、『瞬砕』。

僅かな時間の隙を縫ったかのようにシオンの半径8mが木葉を巻き上げたように粉砕された。


エリア「……!!!」ギロッ


しかし彼女は手を緩めない。


シオン(まさか…気づかれたのか!?)

間一髪の所で高速移動して物陰に隠れていたシオンは驚愕する。

シオン(でも妹のラルクごと攻撃はしないはず…その間に何か策を立てないと……)


━━━━━━ズシュァァアアアアッッ!!


シオン「━━━━━!!?」
625 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 18:27:10.18 ID:56qYBqyl0


シオンの左肩が服を巻き込んで小さな『刃の竜巻』が大きく抉った。

甘く見ていたのはシオンだった。

エリアは決して妹には傷をつけない。


━━━━━━そう、『つけさせない』。


エリア「ハァァ━━━ッ!!!!」


エリアの指先が、柱の陰から飛び出したシオンを差す。

直後


━━━━━━ドズンッッ!!!━━━━━━


シオン「か…っ……!?」


胸の凄まじい激痛の後に襲うのは鉄臭い血の塊が喉を通る感覚。

626 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 18:33:08.25 ID:56qYBqyl0


シオン(…!! こ、呼吸が……肺を掠ったのか!?)


高速移動しながら右胸に触れる。

赤黒い血がべっとりと手に絡みついた。


シオン(……もう加減は出来ない……)


自身の状況を、ここに来て理解したシオンは袖から太い鋼のダガーを二本取り出す。


エリア「させない……傷つけはさせない!!!」


━━━━━━ゴォッ!!━━━━━━


半壊した屋根の隙間から降る雨が、突如『シオンの方へ向いた』。

627 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 18:40:24.57 ID:56qYBqyl0


シオン(…!? 今度は何を……)


━━━━━━フワッ


高速移動していたシオンの体が真横に『ズレた』。

そう、雨は移動したのではない、


ちょっとした軍艦なら転覆させられる程の『突風』をエリアはシオンに叩きつけたのだ。


━━━━━━ドガァッ!!!


シオン「げほぁ…!!」

柱に凄まじい勢いで叩きつけられ、シオンの傷口や喉から血が吹き出る。

628 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/10(金) 18:47:45.61 ID:56qYBqyl0


エリア「……返して…返して……返して…!!」


ゆらりと 足首まであるエリアの髪が吹き荒れる風になびく。

エリアは歩いていないのにゆっくりとシオンに近づいて来る、風に乗って空中に浮いているのだ。

雨粒がエリアの周りを竜巻のように回っていた。


シオン「……!!」ヴンッ


━━━━━━ガギャギャギャギィィィィッッ!!


そのエリアを食い止めるように、シオンの精製した千本のナイフが火花を撒き散らしながら包囲する。

そしてシオンの手が振り下ろされると同時にナイフは射出された。

629 :ニュッLv10☆ ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/10(金) 18:48:21.29 ID:56qYBqyl0
落ちる
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 22:38:13.87 ID:vkbaxWxIO
ボス2連戦か
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 23:43:54.27 ID:+COVwoJto
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/11(土) 10:21:27.31 ID:zJQv513K0

エリア意外と強いな……
633 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/06/12(日) 01:32:10.65 ID:8nQdHSnG0
>>630
やってみたかった

>>632
一応主人公(笑)のヒトデより上の立場だから強いです
634 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/06/12(日) 18:41:46.95 ID:8nQdHSnG0
やべーなぁ…

立てようかなぁ…やめとこうかなぁ……


でも一回失敗してるしなぁ……
















ああああああああああ!FFもりもり書きてえ
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/12(日) 19:07:43.62 ID:rcPhmeTq0
なんでもいいから更新せな
それかブログ開設汁
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/12(日) 19:23:09.25 ID:/41sTGmno
ニュッッ!
637 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 16:37:16.74 ID:MA6QxXoe0
>>635
ブログ開設したいのは山々だが…

無理だな、色んな意味で
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/13(月) 17:00:26.34 ID:ifN7l6Ot0
いやねブログとかどう考えても荒れる話題ですけどね
まだ2スレ目ですし自治はニュ様が勝手にしてくれりゃいいですしおすし
すみませんね
639 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 17:34:36.89 ID:MA6QxXoe0


━━━━━ギャギャギャギャガァァァアアアアアアアアアアッッ!!!

 
一斉に高速射出されたナイフ達のぶつかり合う音が重なり、小柄なエリアの全身を包み込んで行った。

その一点に集中されたナイフの嵐はその全てが火花から爆炎へと姿を変える!!


シオン(全力でやってるんだ…! この際戦闘不能にまで追い込めれば!!)


シオンの右手がタクトを振るうように一閃される。

━━━━━ブワッ━━━━━

一時的にナイフの勢いが弱まり、エリアの様子がシオンに映し出される。


シオン(………!!?)

バッ


即座にナイフ達をシオンは戻そうとした。

640 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 18:16:49.02 ID:MA6QxXoe0


━━━━━━僅かに見たもの


############################################

エリア「━━━━━━━━━ッ!!!!」ギンッッ

############################################


シオンの手が震える。

シオン(急げ!! このままだと…)


その時だった。


━━━━━━ゴギュゥゥゥッッ!!!


およそ680のナイフの弾幕を突き破り、凝縮された『風のライフル』がシオンの左脇を掠った。

641 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 18:28:53.83 ID:MA6QxXoe0


シオン「ヅゥ…!?」ズキッ


鋭い刃物で削り取られたように、シオンの左脇が抉られていた。

しかしシオンは僅かな隙を作る暇はなかった。

                                      ゴオオオッ
━━━━━━シャッ━━━━━━


強烈な魔力の嵐と同時に続く 突風 。

シオンに痛みで悶える余裕も、途中で落としたラルクに気を使う余裕もない。

今までのエルフとは別格だった。


シオン「━━━!!」


シオンの目はエリアを捉える。
642 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 18:35:33.68 ID:MA6QxXoe0


シオン(エルフは完璧じゃない……必ず弱点となる部分がある!!)


シオンの目はエリアの弱点を探しながら、突風や『風のライフル』の予兆を見極めて回避していく。

その間は距離をとりつつ、ナイフ達で一斉に高速射出し続ける。


シオン(………ッ)


━━━━━━ギャギャギャギィィィ・・・


千本のナイフはエリアを切り裂けない。

よく観察すればシオンにも無傷の理由が理解できた。


━━━━━━ただ風でナイフを逸らしていただけなのだ。


シオン(…クソ、何の冗談だ……!?)
643 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 18:44:56.54 ID:MA6QxXoe0


シオンの錬金術能力で精製した刃物は自由自在に、どんな動きでも速度でもできる。


シオンが今フルパワーで放っているナイフの速度と硬度は鉄の重鎧を貫通できる状態だ。

そのナイフを完璧に逸らし、更には同時に別の風で攻撃。

明らかに死角が無いようにシオンは思う。


シオン(……近づけばさっきの突風で吹き飛ばされるか、『風のライフル』で即死……)


不可能。

その言葉だけがシオンの脳内を踊る。

敵、風のエルフ・エリアは無傷…いや、雨にすらその妖艶で美しい体と衣服は濡れていなかった。

完全なる鎧に、最強の槍と槌。


シオン(……勝てない?)
644 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 18:52:13.31 ID:MA6QxXoe0


シオンの額に浮かんでいた汗が大粒になり、余波の暴風で散る。


このままでは殺される。

その考えがシオンの冷静さを奪い、行動を極端にさせていく。


エリア「……フッ……」


シオン「━━━━━━?」


ほんの一瞬、エリアが息を『漏らして』いるように見えた。

膨大な力をコントロールし続けている事からの疲労とも思えたが、何か違った。

シオン(…どこかで見た…)


━━━━━━バキャァァッッッ!!!


シオンの数センチ後ろが粉砕される。

それはエリアがシオンの動きに慣れて来た証拠でもあった。

645 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:00:43.56 ID:MA6QxXoe0


シオン「━━━つッッ!!」


時間は無い。

ナイフの弾幕が盾としても矛としても機能しないなら、突破口か逃走ルートを見つけるしかない。

しかし逃走をしようものなら背後から突風か『風のライフル』で狙撃されかねない。


つまりシオンに残された道はエリアを倒す事。


シオンの脳内で幾つもの考えが浮かび、消えるを繰り返す。

                          ━━━━━━ドギュンッッ━━━━━━
シオン(……! 待て、今のは…)


『風のライフル』が足元を貫いた直後、シオンは思い出す。

646 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:09:44.77 ID:MA6QxXoe0


先程のエリアが大きく息を漏らした姿。


それは数日前までのシルバの姿に酷似していたのだ。

高熱で呼吸が常に不安定だった時の、あのシルバに……。


シオン(何でだ? 興奮状態だったから? いや、俺も『宝玉』を使ってるから分かる…精神的なものでは呼吸は乱さない!!)


シオンやエルフ、能力を使う者達は魔力をコントロールする為に集中する。

即ち、呼吸は何があっても乱してはならない。


シオン(……なのに乱した、つまりそれだけ『消耗しきっている』)

シオン(……まだだ、まだ最後の可能性は残されてる……!!)


シオンは一度、柱を駆け上ってから上部でバック転する。


━━━━━━チャキンッ━━━━━━


踵を強く蹴った事によって仕込んでおいたダガーが二本飛び出る。
647 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:22:20.85 ID:MA6QxXoe0


シオン(……いける…!!)パシンッ


冷たい月の光を帯びたダガーを掴み、シオンは方向を変える。

━━━━━━エリアの元へと。


━━━━━━ダンッッ!!!━━━━━━


全力で床を蹴り出し跳ぶ。


エリア「━━━!」


風の鎧を纏って雨粒1つかかってないエリアの顔に、僅かに動揺が走った。

近づいて来れば即死の状態にも関わらず、その表情には一切の迷いも無いシオンを見て。


エリア(……何かあるとしても、私はラルクを守る!!)


しかしエリアは変わらない。

これまでの12年間と同じように、『恐怖の根源』をただ彼女は粉砕するだけだ。

648 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:30:51.56 ID:MA6QxXoe0


シオン「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


エリア「ハアァァァ━━━━━━━━━ッ!!」


シオンの手に、千本のナイフの魔力を凝縮させた『ロングブレード』が出現し、

エリアの周囲にはより一層破壊力と魔力が増した竜巻が出現する。



両者の必殺が、ぶつかる━━━━━━━━━!



━━━━━━ギュイイィィィィィンッッ!!!!━━━━━━


シオン「ッッ━━━!!」ザシュザシュッ


衝撃。

シオンのロングブレードがエリアの風の鎧に傷を入れる音だ。

しかしシオンの右腕が刃の竜巻に切り刻まれ、鮮血が薔薇の花弁のように辺りを彩る。

649 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:37:06.35 ID:MA6QxXoe0



━━━━━━━━━バギンッ!!!!━━━━━━━━━                バヂィッッ



シオンの全能力を凝縮したロングブレードが折れた。

そして直後に、全ての風がシオンに襲いかかって来る!!


シオン「ぐ…あああああああああ!!?」


━━━━━━ゴギャァァッ!!!━━━━━━


凄まじい衝撃と刃の竜巻に吹き飛ばされた。

全身の筋肉があちこち切れ、撃ち抜かれた傷口から血が再び吹き出す。


シオンは敗北したのだ。


650 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:41:17.88 ID:MA6QxXoe0


シオン「━━━━━━ッッ」ググッ


体が動かない。

しかしシオンは立ち上がろうと、体を起こす。


━━━━━━バシャッ


雨に濡れた床に体が沈む。

もう戦闘は出来ない。


シオン「……まだ、だ………」


死ぬ訳には行かない、シルバを助け出すまでには。

しかしこのままでは結末は見えていた。






『だが』。





651 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:47:51.39 ID:MA6QxXoe0


最悪の結末、バッドエンドはいつまでたっても訪れない。


シオンはようやく体を起こして、エリアの方を見た。


シオン「…………やっぱりッスか」


シオンは自然に言葉が出た。

その視線の先に立つエリアは、無傷だった。


そう、『何も無かった』。


風の鎧がシオンの攻撃で相殺されたせいでエリアは雨にずぶ濡れになっている。

そしてよく見れば、少し前までフラフラしていた頃のシルバと同じように……



━━━━━━高熱に侵されたか弱い女が、身を震えさせていた。



652 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/13(月) 19:55:39.12 ID:MA6QxXoe0


そう、全てはこれを狙っていたのだ。


エルフ達は強力な魔法や能力を使うが、代わりに弱点とも呼べる点が存在する。

それが『足枷』。

その代償とも呼べる弱点には様々な物があるが、『純粋なエルフ』の大半が持つ『足枷』は……


     病弱     。


つまりエリアは既に持病で限界だった体に大量の雨を浴びた事で、一時的に衰弱したのだ。


その衰弱したエルフのか弱さはシオンがよく理解している。

今のエリアなら、今のシオンでも無力化できる。


━━━━━━シオンは勝利していた。


653 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/13(月) 19:56:07.30 ID:MA6QxXoe0
落ちるぜぃ
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/13(月) 20:11:34.67 ID:HXsiDSWD0
エリアアアアアアアアアア
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/13(月) 21:00:10.55 ID:bSkjVOFc0
エリアの妹もハーフエルフだったよな……まさか……
656 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 16:58:11.22 ID:HUxJzpRB0
>>655
エリアの妹はハーフエルフではありま………せんよね?

……どうしよう、ハーフエルフだったっけか

………………………………まあ、エリアの妹スペックはこちら↓


少女(本名 シャンヌ・ラルク)

年齢:14
身長:147
体重:[禁則事項です☆]
茶髪:セミロング
趣味:エリアの背中流し・ネロのストーキング
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/14(火) 17:40:36.70 ID:SLTdz0W70
>>656
乙ー
実の姉妹じゃなかったっけ……ごめん
あと、名前の元ネタって某フランスの聖女さん?
658 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:07:18.10 ID:HUxJzpRB0
>>657  イエス、ジャンヌたん可愛い)



━━━━━━━━━バシャッ


エリア「…っ……っ…」ぷるぷる


シオン「…っ」フラフラ

シオン「………殺す気はないッス…ただ、一緒に来て貰うだけで良いんだよ」フラフラ


エリア「…ッ! そうでしょうね、殺す気は無い……でも代わりに何をされるかなんて目に見えてる!!」

シオン「………」フラフラ

エリア「……待って」

シオン「………」シュルッ

エリア「お願い!! せめ…て、ラルクは、妹だけは見逃して!!」

659 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:14:08.42 ID:HUxJzpRB0


シオン「……」ピタッ


############################################

ルシフェル「エルフかハーフエルフは、1人につき三人分にしてあげますよ」

############################################


シオン「………」

エリア「それにあの娘はエルフじゃない! 私とあの娘は血が繋がってないの!!」

シオン「…本当ッスか」

エリア「ええ!!」


シオン「……わかったッス」


シオン(…どっちにしろ、2人も抱えられるだけの体力も無い)
660 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:19:48.08 ID:HUxJzpRB0


シオン(……)シュルッ


シオン「…息苦しいなら、言って欲しいッス」フラフラ

エリア「……」グッタリ

シオン(この重さ…シルバを思い出すな)フラフラ





━━━━━━チリンッ━━━━━━





シオン「…!」バッ

661 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:22:53.02 ID:HUxJzpRB0



━━━━━━━━━ダァンッ━━━━━━━━━



シオン「……ッ!?」グラッ



━━━━━━ダァンッ!! ダァンッ!!━━━━━━


シオン「が…ぁあ”あ”!!!」バシャッ

エリア「っ」バシャッ


シオン「……ぐ…な、なんでお前……」





白執事?「………」スチャッ

662 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:31:56.12 ID:HUxJzpRB0


シオン(腕も…足も動かない!!)


白執事?「……無駄です、いくら『亜人』の貴方でも関節部分を撃ち抜けば数時間は動けないでしょう」

シオン「……!」ググッ


━━━━━━ダァンッ!!━━━━━━


シオン「ぐぁあああああ!!?」

白執事?「……」スタスタ


スチャッ


シオン「!!」

白執事?「………神々に弄ばれし哀れな『亜人』に、安らかな眠りを」

663 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:33:50.00 ID:HUxJzpRB0









━━━━━━━━━━━━━━━━━━ダァンッ!!━━━━━━━━━━━━━━━━━━










664 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:35:57.46 ID:HUxJzpRB0







シルバ「……っ」びくっ


ミーシャ「どうかしたです?」

シルバ「………」


シルバ(……今、凄く嫌な感覚がした?)


シルバ「………なんでもない」

ミーシャ「?」

665 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:40:01.99 ID:HUxJzpRB0





白執事?「………『それ』は何のつもりですか」


シオン「━━━ッ!」

白メイド?「…なに、私は私の仕事をしたまでさ」スッ


ポロッ


シオン(あの金属の玉を……掴み取った?)

白執事?「仕事……」


白メイド?「忘れているなら、私はこれ以上言わないさ…しかしこの少年は預からせて貰う」

666 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:44:20.17 ID:HUxJzpRB0


白執事?「……」


シオン「あ、あんた……」

白メイド?「さあ 彼の気が変わらないうちに急ごう、少年の傷を治す良い場所も知っているしな」グイッ

シオン「……」チラッ


白執事?「……」プイッ


シオン「…??」

白メイド?「掴まってなさい」グッ

シオン「え? あ」


━━━━━━シュバァッッ!!


667 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:49:20.25 ID:HUxJzpRB0


白執事?「……ご無事ですか、エリア様」

エリア「……」フルフル

白執事?「そうですか、なら部屋に運びます」グイッ


エリア「い…妹は……?」


白執事?「無傷です、彼女が避難させていたので」

エリア「彼女?」


━━━━━━チリンッ━━━━━━


女の子2「……」コソッ


エリア「……そう、ありがとう」ニコッ

女の子2「……うん」チリンッ

668 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 18:55:40.68 ID:HUxJzpRB0



━━━森・川岸━━━


白メイド?「さて…『ウリエル』の報告が正しければここがベストだな」スタッ

シオン「…」

白メイド?「ん? もう気絶したか少年」

シオン「いや、どうして助けたんスか…?」


白メイド?「ふふ、面白い事を聞いてきたな?」

シオン「?」


白メイド?「人を助けるのに、理由は必要なのかな?」


シオン「!」
669 :ニュッッLv1 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 19:06:05.08 ID:HUxJzpRB0
白メイド?「さー、この流れなら『あそこ』に生きたまま着くだろう」


グイッ


シオン「へ?」

白メイド?「まあそれとこれとは別、少年はか弱い女性を殺す勢いで戦ったしな」ぶらーんぶらーん

シオン「え、ちょ、あの……?」

白メイド?「じゃあな少年、次に会うのは『2ヶ月後』になるよ」バッ


ぽいっ


シオン「ぽいっ  て、ぇぇえええええええええ!!?」


━━━━━━ドッボーン!!


670 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/14(火) 19:10:28.16 ID:HUxJzpRB0


白メイド?「ふー、とりあえず『仕事』は完了だな」


スタスタ


白メイド?(『迷い』はきっと流れ着いた先にいる人間が取り除いてくれるさ、少年)

白メイド?(……ふふ、私もこの年になってようやく人間らしさが出て来たものだ)


スタスタ


671 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/14(火) 19:23:55.87 ID:HUxJzpRB0
落ちるぜぃ

…ようやくシルバ編終盤か
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/14(火) 20:27:04.02 ID:wF2X4M2n0

主人公はシオンだったなんて
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 23:00:22.41 ID:A7SM5lmLo
674 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/15(水) 19:24:35.11 ID:VpjmfzfX0
なんかすまない

今日は妹達が可愛がってた猫が逃げて大変だったんだ


明日からまた投下するよ
675 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 16:30:31.17 ID:cmpT4Kt80
…投下
676 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 16:37:52.36 ID:cmpT4Kt80



━━━━━━「……君……」


ユサユサッ


━━━━━━「ん〜、困っちゃったかな……」

━━━━━━「……いいや、とりあえず手当てしなくちゃね」





━━━━━━「くすっ」




677 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 17:55:52.04 ID:cmpT4Kt80




━━━━━━サァァァ………




シオン「……っ」ズキッ

シオン「………………へ?」ガバッ


シオン「…ここどこッスか?」

シオン(よく見ると包帯でグルグルにされてるし)

シオン「……」フラフラ


青髪「あ、起きたんだ」


シオン「……」
678 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 18:04:45.00 ID:cmpT4Kt80
シオン「…流れから察するに、助けてくれてありがとうッス」

青髪「んーん、別に良いよ」スタスタ

シオン「……」フラフラ


青髪【【 動いちゃダメだよぉ……? 】】ズォォッ


シオン「ひぃぃ!??」

青髪「……うーん、つい『癖』になってるかな…これ」

シオン「……と、とりあえず大人しくしてます」フラフラ

青髪(最近の男の子は怖がりさんなのかな)

679 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 18:09:31.77 ID:cmpT4Kt80



〜しばらくして〜


青髪「はい」コトッ

シオン「…なんスかこの緑一色の料理は」

青髪「『薬膳』だよ、知らない?」

シオン「あー、……病人食みたいなもんスかね」

青髪「うん、食べてみて」


ぱくっ


シオン「……美味いけど、不味い」ボソッ

680 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 18:12:53.95 ID:cmpT4Kt80






青髪(……後でワイヤーを使った治療を試してみようかな」




シオン「ごめんなさい美味しいです、ごめんなさい美味しいです」


青髪「…味は私も好きじゃないけど、良かった♪」

シオン(……)

681 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 18:18:44.51 ID:cmpT4Kt80


青髪「それにちゃんと食べないとダメだよ、君は本当なら全治3ヶ月くらいの怪我だったんだよ?」

シオン「……そんなに?」

青髪「うん、出血も酷かったしあちこち深い切り傷まみれで…」

シオン「…………」


ぺこり


青髪「? どうしたの」

シオン「…俺なんかにここまでしてくれて、本当に感謝してる」

青髪「…くすっ、気にしなくて良いよ」もぐもぐ

青髪(……似てるなぁ)
682 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/16(木) 18:27:55.47 ID:cmpT4Kt80


青髪「でも君は幸運だね、私がこのテント片付けに来てなかったら死んでたかもね」

シオン「テント…あ、本当ッスね」キョロキョロ

シオン「……? なんで片付けに?」


青髪「くすっ、私が好きな人がね、一緒に暮らそうって誘ってくれたの」


シオン「…おー、おめでとうございます」

青髪「ありがとう」もぐもぐ 

シオン「……」キョロキョロ


シオン(…?? テントで暮らしてたのか?)
683 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 17:17:22.07 ID:Dao+ncIA0
まだ見てくれてるかもしれない方へ、昨日はすいませんでした


猫はおかげさまで見つかったので、投下するぜぇぇぃ!!
684 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 17:33:14.19 ID:Dao+ncIA0


シオン「…さて、そろそろ」スッ

青髪「あ、だめだめ」

シオン「?」

青髪「君の『宝石』みたいので傷の塞がりは速いみたいだけどね、少なくとも明日までは安静にしなきゃ」


シオン「いや、ちょっと事情があってそれは出来ないッス」

青髪「わかってるよ」

シオン「……じゃあ…━━━━━━ッ!?」


クラッ

ドサッ


シオン「……なるほど、盛られたッスね」ビリビリ

685 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 17:37:56.58 ID:Dao+ncIA0


青髪「どうせ私もこの近くに仕掛けてあるワイヤーを回収しなきゃいけないから、明日の朝までは診てあげるよ」

シオン「……一方的ッスね」

青髪「うん、一方的でも良いよ」


シオン(……ッ)イラッ


シオン「アンタには感謝してるけど、これ以上はお節介だ」

青髪「うん、わかってるよ」

シオン「じゃあなんで……!!」

686 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 17:46:29.32 ID:Dao+ncIA0


シオン「……アンタにわかりっこないッスよ、俺の事情なんて…」プイッ


青髪「……うーん……」

青髪「………『アイツを守る為なら、何だってする』んでしょ?」

シオン「!!」ビクッ


青髪「図星だね…他にも当ててあげる、『あの娘を悪から守る為に戦って』できた傷だよねそれ」


シオン「……っ」チラッ

青髪「くすっ、甘いなぁ……お姉さんの方が君よりかは経験したつもりだよ♪」

シオン「……アンタ一体…」

687 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 17:53:49.50 ID:Dao+ncIA0


青髪「……でもね、今私が『経験した中から出した答え』は『間違い』なの」


シオン「……間違い?」

青髪「そう、間違ってるの」

シオン「……なら解答は? 正解は何だって言うんスか!!」


青髪「君のパートナーをもっと信じて、『迷わず戦う』事が、正解だよ」


シオン「そんなの…! 正解かどうかわからないじゃねえか!!」

青髪「……ほらね?」ニコッ

シオン「?」






青髪「今君は、  『正解を恐れた』  でしょう?」






688 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:06:03.08 ID:Dao+ncIA0


シオン「━━━!」

青髪「確かに君の言う通りだよ、正解じゃなくて最悪の答えになるかもしれないね」


青髪「……でも君の辿っている道は答えに続いてないよ」


シオン「…なんでだよ……」

青髪「君の『それ』は、正解にも、不正解にも続いてない…ごまかしだから」

シオン「…」

青髪「君にとっては最悪の道ではないかもしれない、それでも悪魔で『君にとっては』なんだよ」

青髪「今のままじゃ絶対に答えには辿り着けない、『答えを恐れているまま』じゃ絶対に出来ない」


青髪「………よく考えて? 不正解も、正解もわからないまま灰色の曖昧な答えに満足するか……」


シオン「………」
689 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:07:17.21 ID:Dao+ncIA0







━━━━━━━━━「恐れないで、君のパートナーを信じて戦うか」━━━━━━━━━







690 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:11:45.12 ID:Dao+ncIA0




シオン(……畜生)


ギリッ……


シオン(……恐れないで……)


シオン(…………戦う?)


シオン(…シルバの何をどう信じて戦えば良いんだ?)


シオン(違う)


シオン(…もっと別の、シルバの……)


691 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:20:55.09 ID:Dao+ncIA0



━━━翌朝━━━


青髪「……」スタッ

青髪(…ちょっと強く言い過ぎたのかな)


青髪(……)キョロキョロ


青髪(もう数キロは離れてる、追いつく頃には町に入ってるかな)

青髪(……薬を弱くしたのは正解だね)


青髪「…くすっ」

692 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:26:51.93 ID:Dao+ncIA0



━━━隣町━━━


<ズル…ズル……


シオン(……っ)ズルズル


町人「おい、君大丈夫かね?」


シオン「…話し…かけるな……」ズルズル

町人「そうかよ」スタスタ

シオン(……っ)ズルズル
693 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:36:32.36 ID:Dao+ncIA0



━━━ルシフェルの屋敷・夕方━━━


ルシフェル「……てっきり、逃げ出したとばかり思ってましたが?」

シオン「…申し訳ございません、旦那様」

ルシフェル「まあ良いでしょう、傷が治るまではシルバをおもちゃにするだけです」



シオン「わかりました」


ルシフェル「…!」

シオン「…では失礼します」


ガチャッ

バタンッ!!


ルシフェル(……)
694 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:41:39.02 ID:Dao+ncIA0


━━━シルバの部屋━━━


シルバ「………シオン、どうして何も教えてくれないの?」

シオン「……ごめん」

シルバ「……」フルフル


ぎゅっ


シルバ「……心配した」

シオン「ん…ごめん」


シオン(………)

695 :ニュッッLv2 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 18:53:33.77 ID:Dao+ncIA0
━━━深夜━━━



シオン「……」

シルバ「……zZZ」もぞっ

シオン(…本当は、もっとタイミングが良い時にしたかったよ)ムクッ


シオン(………卑怯かもしれないけどさ)スッ


シルバ「………zZZ」もぞっ

シオン(……よし)


シオン「シルバ…愛してる」




━━━━━━ちゅ━━━━━━




696 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 19:27:00.60 ID:Dao+ncIA0
(推奨BGM http://www.youtube.com/watch?v=CMp5-W5TdrA&feature=fvwrel



━━━━━━カツンッ



静かに、闇夜に包まれた屋敷内に革靴の音が鳴る。


━━━━━━ファサッ!


黒い執事服に袖を通し、手袋をはめる。

右手には闇夜でも輝き続ける黄の宝玉。


━━━━━━━━━「行こう」



告げられるのは決着の時を知らせる言葉。

697 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/17(金) 19:33:12.18 ID:Dao+ncIA0



フレア「……まったく、遅いのよ」

ミーシャ「もういいんですね?」

メイド9「…♪」



それぞれが互いに目配せし、やり残した事は無いと確認する。


そして、長い夜は始まった。

1ヶ月…だけではなく、全てを、この屋敷に起きた事を終わらせる為に。


金髪の黒い執事は僅かに口元を緩ませながら言う。




シオン「………終わらせる、この屋敷も、ルシフェルも……」




698 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/17(金) 19:33:55.83 ID:Dao+ncIA0
次回からシルバ編最終回にあたるかな

おちる
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/17(金) 22:18:53.07 ID:hSjkdf/C0
遅ればせながら乙!
エリアとの決着はある意味双方ラッキーだった、連れ去ってれば幼女やヒトデたちも動くだろうし
というか白執事……両断されたのに生きてたか
次回はルシフェルへの反乱編か……全員生き残れることを祈りたいです

追記
青髪、ワイヤー……間違いなく彼女ですよね
シオンと遭った時は「瑠璃」と「ルリ」どっちだったんですか?
700 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/06/19(日) 03:17:32.52 ID:TJoVH3fO0
>>699

優しい方の『瑠璃』です
ヒトデサイドはこの時点ではかなり落ち着いてる状況ですね

…エリアを除いてね
701 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 16:52:03.80 ID:ciqdFGpx0



シオン「……まず、『ハツネ』は地下と『人形の棟』にいるエルフと女の子達を脱出させるんだ」


メイド9「簡単に言ってくれますけどねー、見張りを勤めてんのは『宝玉』持った執事2人ですよ?」

シオン「……出来ないか?」

メイド9「いえいえ♪ やりますとも? この計画をさっき私に話してくれたのは嬉しいし」

フレア「でも正直賭けに近かったわ、あなたが味方になると言ってくれなければいきなり『宝玉』持った敵が出来る事になったんだから」


メイド9「まあ私も色々ありましてね、それよりっ……他のメイドはどうしますー?」

ミーシャ「僕が見た限りだと…1人を除けば残りの4人は敵になりますね」

シオン「………」


フレア「…なら簡単ね、片っ端から燃やせば良いのよ」

シオン「ダメだ」

フレア「?」
702 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 17:05:41.89 ID:ciqdFGpx0


シオン「2人程度でルシフェルを殺せたならとっくに殺してる、最低でも『宝玉』を持った人間が4人は欲しい」


ミーシャ「ちょっとムリなんじゃ…? 僕を抜いたら3人しかいないですよ」

フレア「……そもそもハツネが脱出させてる間に行うなら2人ね」

シオン「だから、まずは時間を稼ぐ為に『その1人』を仲間に入れるんだ」


フレア「その1人って言うと…?」

メイド9「……一番この屋敷とは釣り合わないメイドが1人いるんですよー」

ミーシャ「…ああ、なるほど」

シオン「その娘と一緒に戦えばハツネが協力してくれるエルフを連れて戻って来るまで時間を稼げる」


ミーシャ「…じゃあまずは」

シオン「『勧誘』ッスよ」

703 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 17:16:23.02 ID:ciqdFGpx0


━━━メイド8の部屋━━━


フレア「…『ミリン』、ちょっと良いかしら?」コンコン

<「……開いてますよ」

フレア「…」


ガチャッ

バタンッ


メイド8「……どうかしましたか、こんな夜中に」

フレア「少しね、話があるのよ」スッ

メイド8「……」

704 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 17:20:53.56 ID:ciqdFGpx0


フレア「もし、この屋敷から今夜解放できる方法があると言ったらどう?」


メイド8「……そんなの、あるんですか……?」

フレア「あったらどうするの?」

メイド8「………………」


メイド8「…解放されたいです」


フレア「そう……(これならイケるわね)」

メイド8「……」

フレア「なら単刀直入で言うわ、今夜私はアーチャー、ミーシャ、ハツネとルシフェルを殺す為に戦うわ」


メイド8「━━━━━!!」

705 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 18:17:53.24 ID:ciqdFGpx0



メイド8「……フレアさん………」


━━━━━カタンッ

フレアの横に座っていたミリンが、突然立ち上がった勢いで椅子が音を立てる。

フレアは彼女を見上げた。


メイド8「…せめて、せめてこのタイミングで言わなければ……」


その瞳には涙。

明らかに見覚えがフレアにはあった。


フレア(まさか━━━━━━!?)


やられた、と思った時には遅い。

フレアとミリンのいた部屋ごと、岩石のハンマーと猛毒の矢が叩き潰す━━━━━━


706 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 18:27:17.89 ID:ciqdFGpx0
(推奨BGM http://www.youtube.com/watch?v=Dzbh3JZFb8o&feature=related


フレア「……ッ」


━━━━━━ふわぁっ


ミーシャ「フレアさん、無事ですか!?」ギリリッ

一瞬、叩き潰されたと思ったフレアは肌寒い真夜中の空を駆けていた。

同時にミーシャの心配した声がする所から、恐らく叩き潰される直前に救出されたとフレアは考える。

実際にフレアは抱えられ、ミーシャがメイド寮から跳んでいた。


だが直ぐに安堵感は消える。


━━━━━━ゴバァァァァアアアアアアアアッッ!!!!


爆音の津波が、彼女達を襲ったからだ。

707 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 18:34:10.57 ID:ciqdFGpx0


その正体は彼女達の足下から出現した巨大な岩石の腕。


軽く屋敷よりも高く伸びた岩石の腕は彼女達へ鞭のように横殴りに振るわれた。


ミーシャ「!!?」

フレア「く……ッ!!」


━━━━━━ギュオオォォォッッ!!

突嵯に出したフレアの爆炎が岩石の腕に炸裂する。

しかしその程度では止められなかった。


━━━━━━ゴギュグッッ━━━━━━


骨や関節が肉を巻き込んで折れる音が鳴った。

708 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 18:43:50.14 ID:ciqdFGpx0


フレア「━━━━━━ッッ!!!」


バァンッ!! という弾かれた肉の音の後、フレアとミーシャはそのまま屋敷のエントランスホールに叩き落とされる。


━━━━━━ゴシャアアアアアッ!!


木製の清潔な白い扉をブチ壊し、彼女達は何mも転がる。

客人を迎える為の清潔感漂う床に、赤黒い液体が飛び散る。

彼女達はエントランスホールから二階に続く階段の手前で止まった。


ミーシャ「うぐ…ふ、フレアさん……!」


確認する余裕がないミーシャはフレアを呼んだ。

すると五秒ほど間が開いてから、呻くように返事が返って来た。


フレア「ッ……生きてるわ…」

709 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 18:56:54.05 ID:ciqdFGpx0


ミーシャは顔を少し打っただけだが、フレアはあまりにも酷かった。

左腕が肘から前後の骨が明らかに粉砕されていた。


ミーシャ「フレアさん!」バッ

フレア「っ……私はいいから、構えなさい!!」


恐らくミーシャを寸前で庇ったのかもしれないが、そんな事はフレアにとってはどうでも良かった。

フレアは頭上を睨みつけたまま動かないのを見て、ミーシャも首を上に向ける。


ミーシャ「……ルシフェル!!」


そこには、屋敷の主にして最強の老紳士…ルシフェル・エルトが彼女達を見下ろして嘲笑っていた。


ルシフェル「今晩は、ミーシャ君にフレア君」にやぁっ

710 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 19:05:10.57 ID:ciqdFGpx0



━━━━━━スゥッ


メイド10「……」ザッ

メイド11「……」ザッ

メイド12「っ…♪」スタッ

メイド13「……」ザッ



ルシフェルの両腕が翼のように開かれると同時に、4人のメイド達がそれぞれ虚空から現れる。

どのメイド達も、その眼には狂気しか映っていない。


ルシフェル「やはりそうですか、アーチャーの様子がおかしいので念の為ミリンや他のメイドに警告しておきましたが…」

フレア「…!!」

ルシフェル「……残念ですよ、フレア?」


もはやフレアは完全に引き下がれない。

711 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 19:17:13.42 ID:ciqdFGpx0


シオンが計画した策は既に崩壊した今、恐らく脱出させる為に向かわせたハツネも不意打ちが失敗しているはずだ。

そしてシオンの姿がこの場に無い事から、執事2人と戦闘しているに違いない。


完全にフレアとミーシャは追い詰められていた。


ルシフェル「さあ? どうします、命乞いでもするか私の『完璧な人形』となりますか?」

ミーシャ「……ッ」ジリッ

フレア「……」


『完璧な人形』……それが意味するのは死の結末。

数日前に自殺するしかない程に追い詰められたあの女海賊2人をミーシャとフレアは思い出し、逆に怒りの感情が込み上がる。


ミーシャ「……お断りです!!」

フレア「最後まで、あなたは下衆よルシフェル……!」


もう引き下がれないなら彼女達は戦うしかない。

それだけでなく、死んでいくしか出来なかったあの2人の為にも、ルシフェルを生かしては置けない。
712 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 19:27:31.81 ID:ciqdFGpx0


ルシフェル「……」チラッ


━━━━━━ヒュォッッ!!━━━━━━


ルシフェルがメイド達に目配せした直後、ミーシャとフレアに向かって4人は一斉に襲いかかる。


フレア(来る…!!)


1人は岩石の巨大なハンマーを振りかざし、それに続いたメイドが猛毒の矢を虚空から幾百も取り出す。

ミーシャがフレアの背後を守る。

背後からは暗闇に紛れて影を操るメイドと、刀を高速ど振り回しながら突進するメイドが来た。

いずれも一撃必殺。


━━━━━━ブォォオオオンッッ!!


一斉に来る必殺の風切り音が重なり、猛烈な爆音が彼女達2人の体を固まらせた。


ミーシャ(どうし、よ……!!)


713 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 19:41:15.57 ID:ciqdFGpx0



━━━━━━ギィンッ━━━━━━


メイド13「━━━━━━━━━━━━━━━━━━は?」


一瞬の金属音に影を操っていたメイドがそちらに気を逸らしてしまう。

その直後だった


━━━━━━ズゴッザシュズジャアアアアアアアアアアッッッ!!!!


暗闇から突如現れた無数の『ナイフ』に全身を引き裂かれ、抉られ、一瞬にしてメイドは肉塊に変貌した。

そのあまりの勢いと衝撃で辺りに大量の血と肉片が飛び散った。


メイド12「ひっ……!!」

メイド11「…!」

メイド10「んな……ッ!?」


すぐさまメイド達は攻撃から回避に移る為に後ろへ下がった。

714 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/20(月) 19:49:57.46 ID:ciqdFGpx0


ヒュオンッ と何かが空気を裂いて跳ぶ。


━━━━━━ストンッ━━━━━━


暗闇に唯一光るのは金色の髪。

そして前方に立つ最大の敵を突き刺すように睨みつける黄の眼。


シオン「不意打ちはこれで最後だ、フレアは後方から援護、ミーシャは俺の傍にいろ!!」


その眼に迷いは無い。

フレアとミーシャは互いに目配せした後 「「わかった!!」」 と頷く。


対するルシフェル率いるメイド達は僅かに反応が遅れる。


メイド12「このッ━━━!!」

715 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/20(月) 19:56:09.98 ID:ciqdFGpx0
落ちるぜぃ

……韓国って今旅行しても平気なのか?(妹達が)
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/06/20(月) 20:09:52.66 ID:TWxv+1nf0
ほんとシスコンだな
いいから遊ばせてこいや
わかったらさっさと書き溜めな
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/20(月) 23:21:02.16 ID:aE81TuwU0
乙!
ついに開戦か……あれ、ハツネはどうなったん?
718 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/06/21(火) 13:50:08.99 ID:HQDAQokR0
>>716

いや、シスコンとかじゃなくて割と普通に気になってさ…
ほら、ネットで調べるとなんか物騒だし……


なにより俺も明日ついてくからさ……心配じゃね?

俺初めてなんだよ、海外とか…マジで



もう不安で不安で……韓国の不良ってナイフ携帯してるって聞いた事あるしマジ怖い


なんで俺もついてくのか意味がわからない

ああ……こえぇ、韓国超こえぇ
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/21(火) 15:05:35.01 ID:hlukbf9xo
中国の話だけど俺ちょうど尖閣諸島問題のが起こった後らへん仕事でから中国いるけど正直何もないよ 街中で日本語で話してても絡まれたことも一回もないし
何が言いたかっていうと日本も多少なり偏向報道してるってだけで実際何も起きない 逆に若い連中は日本に結構興味あることが多い、まぁアニメとかAVに関してだけど

俺はシナチョン嫌いなんだけどね^^
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 15:07:44.71 ID:hlukbf9xo
>>719
尖閣諸島問題のが起こった後らへん仕事でから中国いる

尖閣諸島問題のが起こった後らへんから仕事で中国いる

ageちゃったごめんねほしみ
721 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 15:18:32.19 ID:HQDAQokR0





━━━━━━グチュッ


━━━━━━ドサッ



メイド9改めハツネ「……ひゅーっ、結構時間がかかっちゃったけど殺れたね!」

ハツネ「鍵…は、どれかな〜?」ゴソゴソ


ハツネ「お、これこれっ♪」


ガチャッ


女達「「 ………… 」」


ハツネ「ほら、逃げたい人は早く出ておいでー!」

722 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 15:34:24.75 ID:HQDAQokR0
>>719 現地の人が言うなら大丈夫だな、ありがとう)




━━━バタバタッ


ハツネ「あ、君ストップ! ちょっと一緒に戦ってくれたりするかなー?」

短髪エルフ「……っ」びくんっ

ハツネ「ムリ?」

短髪エルフ「……!」コクンコクン


ハツネ「ん〜、あっ! 君と君は?」


茶髪エルフ「私なんか…とても勝てるとは思えないです」

長髪エルフ「私も……」

723 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 15:48:29.54 ID:HQDAQokR0


ハツネ「そうは言うけどね、敵はせいぜい5人だから大丈夫だと思うよー?」

長髪エルフ「……私は水を操る能力です」

茶髪エルフ「私は結界を張るしかない能力ですよ…?」


ハツネ「採用採用♪ とにかく今は一刻を争うから、早く向かってあげてよ」

茶髪エルフ「あの、貴女は?」

ハツネ「私はちょいと執事長に頼まれた仕事を片づけたら戦いに加わるよ」

茶髪エルフ「そうですか…わかりました!」シュバッ


長髪エルフ「は、早く来て下さいね!?」シュバッ


ハツネ(………さてと、のんびりしてらんないね)シュバッ

724 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 16:00:11.95 ID:HQDAQokR0



シオン達は圧していた。

ルシフェル勢は全員が戦闘に慣れている訳ではない。


メイド10「このッ!! このッ!!」


がむしゃらに岩石の砲弾を飛ばしてフレアの援護爆撃を防ぎ続ける彼女も、その1人だ。

残りのメイド2人がシオンとミーシャの相手をしている為、彼女を支援する者はいない。


━━━━━━ボゴォォォッッ!!


シオン達とメイド2人の頭上で何度も爆炎に吹き飛ばされた岩石が降り注ぐ。


ミーシャ「ふ━━━━━━ッッ」


━━━━━━ヒュルォンッ!!━━━━━━


725 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 16:09:21.04 ID:HQDAQokR0


ミーシャの鋼と鎖を組み合わせて構成された特殊な鞭が踊った。

その月明かりを思わせる閃光は降り注いで来る岩石の破片を器用に掴み、

                                            ギュルッッ
━━━━━━ゴォォッ!!!


そのままメイド達に向かって放たれる!


メイド12「チィ…!!」

ヒュッ


刀を構えていたメイドが飛び上がり、 ガギィィンッッ!! と弾き返す。

そしてその太刀筋は止まらない。


━━━━━━ギギギギギギギィィィィッッ!!!!


太刀打ちの嵐。

シオンが操る千本のナイフがメイドのありとあらゆる死角から攻めてくる……!!

726 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 16:16:49.32 ID:HQDAQokR0


メイド11「━━━━━━ッ」


━━━━━━ビュババババァッッ!!━━━━━━


一瞬で精製された猛毒の矢が刀メイドを援護する。

死角をカバーし、仲間を守ると同時にシオン達に一撃必殺の雨を降らせる為にだ。


ミーシャ「だあああああああああああああああ!!!」

メイド11「な……ミーシャ!!」


しかしメイド達とは違って日頃から…いや、この日が来る事を予期して特訓と修行をしてきたミーシャは援護の隙を逃さない。

ミーシャの鞭が踊る。


メイド11「きゃ……!?」

727 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 16:25:47.78 ID:HQDAQokR0


━━━━━━ギチィッッ!!


メイド12「……!!」ズキッ

メイド11「リノア!?」


しかしミーシャの鞭は、寸前で仲間を庇った刀メイドの腕に絡みついた。

鋼と鎖が組み合わさった鞭は、絞まれば絞まる程メイドの左腕の肉を細かい関節部位に挟まれ、『喰われる』。

ミーシャは鞭を引k


━━━━━━ゴォンッ!!━━━━━━


ミーシャ「ッ…は……!!」


小柄で細めのミーシャの体が横に飛んだ。

728 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 16:37:19.62 ID:HQDAQokR0


右方からの一撃。

フレアの爆炎よりも優先してこちらにメイドが岩石の砲弾を射出したのだ。


シオン「ミーシャ━━━━━━ッッ!!?」


吹き飛んだミーシャの周囲にナイフの渦を作り、シオンが走り寄る。


━━━━━━ビュィンッ━━━━━━


シオン「ッ!!」


それを阻止するべく振り払われる刃。

シオンはそれを背面で飛び越し避け、右足の踵をメイドの鳩尾に突き刺す。


━━━━━━ドズンッ!!


メイド12「!?」ズザッ

729 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 16:48:01.41 ID:HQDAQokR0


その衝撃で、 チャキンッ と革靴に仕込まれたダガーが飛び出る。


━━━━━━ギィィィィンッッ!!!
                                     ビュオッ

直後に体勢を立て直したメイドの刀が垂直にシオンに振り下ろされ、太刀打ちする。

両手で受けたにも拘わらずシオンの体に凄まじい衝撃が走る。


シオン(!! ……完全に身体能力強化系か……)


そうシオンが小さく呟いた時だった。



━━━━━━(……もう嫌だよ……)━━━━━━



シオン「ッ!?」バッ


微かに聞こえた言葉。

僅かに一瞬まき散らされた水気。

730 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 16:57:27.67 ID:HQDAQokR0


シオンはほんの刹那見た。


刀を振るい、狂気の目を向け、素早く後ろへ下がり仲間に声をかけるメイド『リノア』。

彼女は怯え、苦悩し、迷い続けていた。


シオン(……クソ!!)


そうだ、この屋敷にいる者の何人かは『訳あって来てしまった迷い人』なのだ。

シオン達3人の前に立ちはだかり刃を向けるのも、理由があるかルシフェルに脅されているのだろう。

しかしシオンはもう迷うだけの道は無い。


たとえどんな理由があってもシオンは敵が立ち上がり、『道を塞ぐ』限りそれを貫いて通らねばならない。


シオン「おおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」


ダガーを構え、跳ぶ。

ミーシャの元へ行くと同時に、1人のメイドの悲劇を終わらせる為に。

731 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 17:04:09.37 ID:HQDAQokR0





ハツネ「……よく寝てるなぁ」


シルバ「…すー……すー……」もぞっ

ハツネ(執事長…よっぽどこの娘が好きなんだろなー)


ハツネ(……【私も愛されたい】……)


ハツネ(……っと、やってないでシルバを連れて脱出しなきゃね)

グイッ

ハツネ(…軽っ)

732 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 17:15:37.40 ID:HQDAQokR0



ルシフェル(……おやおや)


ルシフェルは下の階で繰り広げられている戦いを見て呟いた。

まるでガラスの箱の中で互いを喰い合うネズミを見て嘲笑うかのように。


ルシフェル(思った以上に劣勢ですね、このままだと……)


はあ と溜め息を吐く。

雑魚の相手をしなければならないと思うと尚更だ、という感じで。


ルシフェルは再びぼんやりと殺し合いを見つめる。


……どこか自身の体に違和感を覚えながら。


733 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 17:27:17.47 ID:HQDAQokR0



━━━━━━ゴキッ


ミーシャ「〜〜ッ!!」


ミーシャはシオンに助け出された後、外れた肩を入れていた。

想像以上の激痛に声が出そうになったが我慢し、鞭を拾い上げる。


瞬間、


━━━━━━ゴバァァッッ!!!


痺れを切らしたメイドが、ミーシャとフレア達の足下に岩石の腕を出現させた。

ミーシャは直前でそれを避ける。

734 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 17:34:56.94 ID:HQDAQokR0


ミーシャ(シオンは…!?)


一瞬見回したがシオンの姿が無い事にミーシャは気づいた。

まさかあの岩石に…とも考えるが、


━━━━━━シャァァァ・・・


水の流れる音がする事に気づく。

それも高速で。

暗闇に包まれたエントランスホールの床をミーシャは凝視する。


ミーシャ(これは……!)


水が、レールのように二本伸びていた。

そしてそれを辿った先は………


735 :ニュッッLv3 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 17:44:09.87 ID:HQDAQokR0



メイド11「━━━━━━!??」


何が起きたのか、彼女自身分からなかった。

猛毒の矢の雨をシオンに放ち、隙を作ろうとした瞬間━━━


━━━━━━『矢がシオンの手前で弾かれた』のだ。


暗闇に隠れて何かしらのトリックがある訳でもない。

彼女は戦闘に慣れていない為知らないが、それは数少ない『結界』と呼ばれる防御魔法だ。

そしてその『結界』を作り出しているのはエルフなのだが、彼女にはシオンが別の生き物に見えた。


メイド11「………ぁ」


超高速で『何かに滑るように』して迫るシオンに彼女は何も出来ない。

736 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 17:48:00.65 ID:HQDAQokR0



━━━━━━ズコンッ!━━━━━━



メイドの体が僅かに後ろへ押され、背中から倒れて行く。

その胸には一本のダガー。



シオン(………)ヒュッ



一度後ろへ下がるシオン。

その表情にはどこか寂しさがあった。


シオン(………)


737 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 17:59:27.74 ID:HQDAQokR0



メイド12「……ッ!!」

メイド10「ついに殺ったわね…アーチャー!!」


2人の殺気が更に強まり、より一層憎悪が増す。

だがこんな事になるのは知っていたかのようにシオンは冷徹な声で


シオン「…フレア、『特大』で頼む、ミーシャは俺の『踵の後ろ』に」

フレア「…わかったわ」


シオンの言葉の直後に、ミーシャは言われた通り『レールに乗る』。

そしてフレアも掌を重ね、魔力を一瞬で集める。


━━━━━━ギュゴオオオオォォォォォォッッ!!!!


738 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 18:12:53.81 ID:HQDAQokR0


巨大な炎球がフレアの前方に出現する。

そのあまりの熱と熱気に、僅かな風が肌をジリジリさせるほどの熱風に変わる。

フレアは放つ、岩石の砲弾を撃とうとするメイドにありったけの熱を込めて。


━━━━━━バゴォォォォォォォォ!!!


メイド10「━━━ッ!!」バッ


メイドは目を瞑るようにして両手を床に叩きつけた。

次の瞬間、それに合わせて


━━━━━━ゴガァァンッッ!!━━━━━━


巨大で分厚い、壁というより岩石の塊を地中から飛び出させてメイドを守る!!


━━━━━━ボボオオオオォォォォォォォォォォォォ!!!!


炎球が爆発し、凄まじい熱の爆風で辺りを薙払う!!

739 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 18:25:43.63 ID:HQDAQokR0



メイド12(ッ……、アーチャーとミーシャがいない…!?)


一瞬爆風で目を逸らした隙に、2人の影は消えていた。

リノアは見回す。


━━━━━━シャァァァ・・・


メイド12(な…!?)


僅かに刀を握っている手の力が抜けた感覚がした。

彼女の前方約8m頭上に、ミーシャが『水のレール』に乗って飛び上がっていた。


━━━━━━ギュルルルッッ!!!


ミーシャ背中に伸びた右手が強く引き戻されるのが見えた。


メイド12(あの鞭……!!)


リノアは即座に刀を構え、魔力を体内で集中させる。

そしてミーシャが鞭をリノアに向けて振られる!!

740 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 18:39:50.34 ID:HQDAQokR0


だがその鞭の先には


メイド12「━━━!!?」


━━━━━━シオンの足首に巻きついていたのだ。

奇襲に成功したシオンはミーシャに鞭で投げられながらも、瞬時にナイフを投げる!!


━━━━━━ギギィンッギィッッ!!!


リノアはそれを弾き返し、跳ぶ。

シオンとリノアの直線距離は2m以下、リノアの刃は充分にシオンを切り裂ける。


だが、刃を振り上げた瞬間気づく。


『千本あったナイフはどこにいったのだ?』 と。

741 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:08:08.14 ID:HQDAQokR0


そう、千本のナイフは目の前にあった。


シオン「おぉぉぉぉッ!!」


彼の右手に虚空から現出した『レイピア』が握られる!

両者の刃がぶつかる…!!


━━━━━━ガアアアアアアァァァァンッッッ!!!!


凄まじい衝撃が走る!!

しかしシオンとリノアは怯まない、怯んだ瞬間に結末は見えているからだ。

リノアが刀を返し、シオンが弾き返して突く!!
                           
  ブォンッッ                               ビュィィッ
━━━━━━ガギッ!! ギギギギィッッ!!!
      ギィンッッ
                                   ビュオッッ


742 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:16:20.28 ID:HQDAQokR0


メイド12「……!!」スタッ

シオン「━━━━━━!!!」スタッ  ビュオッッ


着地したと同時に両者が一閃を繰り出す!!


━━━━━━ゴッバァァァンッッ!!!


シオン「ッ!!」


突如シオンの背後に岩石の腕が二本、出現した。

その岩石の腕は左右からシオンを叩き潰すべく、振り上げられる。

シオンは動けない。

余所見をする余裕はない上、今は全力でリノアに一撃を与えようとしていた。


シオンは動けない!!


743 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:22:18.25 ID:HQDAQokR0


ミーシャ「だぁあああああああああ!!!!」


━━━━━━ギュルルルッッ!!! ビィィンッッッ!!!!


ミーシャの鞭が岩石の腕の一本を抑えつける。

握り締めているミーシャの手からは血が噴き出した。


ミーシャ「━━━ッ!!」ギリッ


それでも、それでも彼女は踏み出した!!


ミーシャ「…ッ、あああああああああああ”あ”あ”あ”あ”あ”ッッッ!!!!」


━━━━━━ビシッ!!━━━━━━


メイド10「馬鹿な…!?」


━━━━━━ガゴォォォッ!!━━━━━━


ミーシャの鞭が、岩石の腕を折った。

744 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:31:24.96 ID:HQDAQokR0


しかしそれでも残った必殺の左腕が、シオンを潰す。


シオン「━━━━━ッ!!」バッ


シオンは跳ぶ、避ける為ではなくリノアを斬る為に。

背後からはフレアの炎球が飛んで来る音がしたが、恐らく間に合わないだろう。

なら、戦闘不能にされる前にリノアだけは倒す!!


━━━━━━ゴォォォッ!!━━━━━━
                           ビュバァッ!!


━━━━━━バギィィィンッッ!!!━━━━━━


茶髪エルフ「ぁぁあッ!!?」


745 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:40:49.44 ID:HQDAQokR0


ミーシャ(あの娘は……!!)


確か随分前に捕らわれ、一時期執事や門番の間で『なぜか』人気だったエルフだ。

その理由を考えれば、彼女は最もシオンに恨みや憎悪があってもおかしくないはずだが……


━━━━━━彼女は即席で作り上げた結界と自分の身で、シオンを庇った。


茶髪エルフ「……っ」


━━━━━━ドサッ━━━━━━




シオン「…ッ、うおおぉぉぉぉぉぉ!!!」


シオンのレイピアが、リノアの刃が、交差し、必殺の一閃を放つ!!

もうこの戦いに救いはない。

あるのは、悲劇と憎悪のみ。



━━━━━━ガギィィィンッッ!!━━━━━━
                                 ズバァッッ


746 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:46:08.99 ID:HQDAQokR0




########################################

『   リノア、おいで……   』

『   あなたは自慢の娘よ……?   』

########################################




メイド12「……おとう…さん”、お”かぁさ……ん……………っ」







━━━━━━ドシャッ━━━━━━








747 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:51:26.61 ID:HQDAQokR0



シオン「……」スッ


メイド10「ひっ……!?」


メイドの肩が跳ね上がる。

周りには既に味方はいない。


彼女は完全に追い詰められていた。


メイド10「ぁ…あ”はっ♪ た、助けてアーチャ…」



━━━━━━グシャァァァアアアアアアアッッッ!!!!



瞬間。

彼女は突如『見えない何か』に潰された。


シオン「━━━ッ!!!」
ミーシャ「!?」
フレア「……!」
748 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 19:58:08.40 ID:HQDAQokR0





━━━山中━━━


ハツネ「みんなー! この娘頼んで良いかな?」

短髪エルフ「……!」コクンコクン


シルバ「むー!! むー!!」ジタバタ


短髪エルフ「…、?」

ハツネ「あー、縛ってないとややこしくて……」

短髪エルフ「…」クイッ


シルバ「ぷはっ、私もシオンの所に行く!!」ジタバタ


ハツネ「……ほらね」

749 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 20:06:27.12 ID:HQDAQokR0


ハツネ「……シルバさーん?」


シルバ「離して!! シオンの所に行く!! 一緒にいる!!」

ハツネ「…………シルバさーん?」

シルバ「やだ! シオンの所に行く!!」


━━━━━━ドゴッ、ガシッ、ドシャッ!!


シルバ「!??」

ハツネ「…やれやれ、わかりますかー? 確かに『超本気の力』で殴ったり地面に叩きつけてもシルバさんは無傷みたいですけどねー」

ハツネ「それでも、今から戦う相手にとっては貴女は弱すぎるんですよー、シルバさん?」


シルバ「………」


750 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 20:13:09.80 ID:HQDAQokR0



シルバ「……シオンはあんな体でルシフェルと?」

ハツネ「どんな体かは知らないですけどそうだよー?」


シルバ「………私も行く」


ハツネ「うーん、でも今から行っても間に合わないと思いますよ?」

シルバ「?」

ハツネ「この山は町まで降りる時は楽だけど、登りは辛いからねー!」

シルバ「…あなた、シオンを見捨てるつもりで!!」


ハツネ「ばーれちゃいましたー?w」


751 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 20:21:36.80 ID:HQDAQokR0



ハツネ「んもぅ……私だって後味悪いけど、『ご主人様』に呼ばれてるから仕方ないんだよね♪」


シルバ「………この縄を解いて」

ハツネ「……じゃあ、条件を1つ飲んだら良いよ?」

シルバ「条件?」


ハツネ(さすが、食いつきが良いですね〜!)


ハツネ「その条件は、『私の血を加減して飲めたら』ですよ!」


シルバ「!!」

752 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 20:25:11.56 ID:HQDAQokR0



ハツネ「ほらほら、何を躊躇ってるのかな? 飲みなよ」


シルバ「………」



ハツネ「   【愛する人が死んでも良いんだ?】   」



シルバ「……!」




ハツネ「   【ほら、この首筋にその小さな牙を突き立てて飲みなよ】   」




753 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 20:34:23.47 ID:HQDAQokR0




ついに、シオンはルシフェルと対峙していた。

その眼はこれまで以上に揺らぐ事の無い炎だけが灯される。

ルシフェルは笑う。


ルシフェル「ふふふ…所詮はあなたも『彼』の息子だったわけですね、アーチャー」

シオン「黙れ」


闇夜に照らされる月明かりは老紳士を不気味に照らす。


ルシフェル「……さぁ、少しは良い悲鳴なり命乞いなり涙なり流して下さいよ?」


そして、決定的な言葉を放った。


ルシフェル「━━━12年前のシルバはとても良い声で喘ぎ苦しんでましたよ━━━」にやぁ


シオン「━━━━━━ッ!!!」



754 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 20:45:40.71 ID:HQDAQokR0



シオンの怒りが爆発した。

屋敷全体を揺るがすような激昂、そして殺意。

それは背後にいるミーシャやフレアを固まらせる程だった。


そしてシオンは両手をタクトを振るように一閃した。


━━━━━━ビュッッ!!!


━━━━━━ギュォッヴォンッッッッ!!!!━━━━━━


空間を歪め、レイピアから『20本の大剣』に再精製。

それらは容赦なくルシフェルに叩きこまれる!!


━━━━━━ズゴゴゴゴォォォッッ!!!!


755 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 21:25:25.99 ID:HQDAQokR0


ミーシャ「うわ、わ……!?」

フレア「━━━ッ」


建物自体が大きく揺れ動いたせいでミーシャとフレアが転びそうになる。

それだけではない。

シオンの大剣はそれぞれが一本で普通の剣なら叩き割れる魔力を持っている、その破壊の余波は『大きく遅れてやってきた』。


━━━━━━ゴオオオオオッッ!!!


長髪エルフ「お2人共!! 『水の駆け橋』に乗って下さい!」

ミーシャ「うわわわ!?」シャッ

フレア「く…ッ」シャッ


エルフの作った『水のレール』でミーシャ達は爆風を避けた。

恐らくまともにその場にいたら間違いなく吹き飛ばされていただろう。

756 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/21(火) 22:25:03.26 ID:HQDAQokR0



シオン「………」


粉塵の中をシオンは睨みつけたまま新たにナイフを千本精製する準備をする。

この程度では死なない。

シオンはそれを体の芯で理解していたからこそ、今まで従うしかなかった。


だがそれでも。


シオン(……殺す……!!)


再び両手を一閃。

金属の爆音と火花とナイフの嵐が粉塵の中にいるルシフェルに放たれる。

757 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/21(火) 22:35:53.55 ID:HQDAQokR0
……落ちる

明日から韓国だから50は投下したかったがムリ、指いてぇ

次回投下は来週の月曜日以降だ
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/21(火) 22:58:47.64 ID:OWapz11q0
乙!
いよいよ諸悪の根源と一騎打ちか……
シルバ参戦してきそうだけど
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 23:57:05.39 ID:eheYyotvo
超乙
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 01:42:42.87 ID:3Yfb5Nuro
>>719とはいっても大声で日本語はなしてたら変な目で見られるし何かレジもない店で物買ったら騙されるかもっていうの忘れてたわ
まぁ乙 良い旅を
761 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/26(日) 02:05:25.29 ID:O3V+lKeC0
……遅れたが、ただいま…

もうムリ、二度と海外行かねぇ…


テンション高い上に韓国行く必要あったのか意味わからん
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/26(日) 22:51:44.20 ID:1/ONmlIG0
お疲れ様だなwwwwwwwwww
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 14:55:40.62 ID:NXh/wWBQ0
乙かれー
764 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 17:09:15.89 ID:3JH2WflH0




━━━????━━━


ハスター「……はは」

ハスター「あはははははははははははははははははは!!?」


ハスター「すす、凄いや!! まさかこんなに成長するなんて…僕の『期待を遥かに越えて』いるよ!!」


ハスター「これなら、これなら………!!」


ハスター「………充分だね」にこっ


765 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 17:38:45.28 ID:3JH2WflH0




━━━━━━ガギャギャギャギャアアアアアアァァァァァァッッ!!!


金属の爆音。

粉塵を突き破り、千本のナイフ達はルシフェルの体に直撃する。

そして更にシオンが次の一撃に備えて魔力を右手に集中……



━━━━━━する直前、全てのナイフが『1カ所に潰された』。



シオン「!?」

あれだけの連撃の波を一瞬で潰された事態にシオンの思考が僅かに止まる。

粉塵が掻き消されたせいで『ナイフの塊』の背後にある瞳が、シオン達を不気味に照らす。


ルシフェル「…………?」にやぁ


『何かしたか?』とでも言いたげに、ルシフェルは笑った。
766 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 17:52:26.46 ID:3JH2WflH0


その瞳は、その表情には、見覚えがあった。

ゾニュリ と……シオンの全身が舐められたような悪感が走る。


ルシフェル「   『メイデン』   」


老紳士は闇夜の中静かに呟き、視線をシオンに向ける…!!


シオン「━━━━━━!!」


避けられない。


━━━━━━━━ドンッ━━━━━━━━


シオン「…ッ!」

767 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 18:01:07.08 ID:3JH2WflH0


シオンの体に衝撃が走った。

しかしそれはルシフェルの得体の知れない攻撃ではない。

肩を『何か』が突き飛ばし、床に倒れただけだった。


━━━━━━グシャァァァァッ━━━━━━


自分を突き飛ばした『何か』を見ようとしたシオンの目に深紅の液体が飛んだ。

強烈な鉄の臭いもシオンの鼻を突く。


シオン「………」

長髪エルフ「…ッ」ドチャッ


シオンの目の前に、長髪の女が倒れた。

768 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 18:07:54.60 ID:3JH2WflH0


シオン「……っ!!?」


凄惨。

悲惨。

無惨。

どの言葉が『女なのかわからない肉塊』に当てはまるのか分からない。

少なくとも、これだけはわかる。


彼女はシオンを助けるつもりで突き飛ばしたが、結果は身代わりになった。

……そしてルシフェルは一撃で、相手にどんな技なのかすら『認識させずに』殺せる。


シオンの体が強張る。

これがルシフェル・エルトの真の力。

769 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 18:29:00.83 ID:3JH2WflH0


フレア「立ちなさいアーチャー!!」


シオン「━━━ッッ!!!」


とっさに出たフレアの声にシオンは目を覚ます。

見ると再びルシフェルはシオンに視線を向けていた。


シオン「おおおおぉぉぉぉぉぉぉッ!!」


瞬時に虚空から取り出した大剣で足元を叩き、前方へ飛び出す。

その直後


━━━━━━バキィィンッッ!!━━━━━━


まるで刃物通しをぶつけたような音と同時に、シオンの足首を空気が掠る。

770 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 18:48:13.57 ID:3JH2WflH0


シオン「ッッ、悪いフレア」ズザッ

フレア「これ位は想定してたからかしらね、すぐ動けたのは幸いよ」

ミーシャ「……」


ミーシャは数m先に転がる肉塊を見る。

闇夜でも美しかった綺麗な顔は、瞼の上から顎にかけて引き裂かれ、貫かれてグチャグチャになっていた。

その光景に、手が震える。


ミーシャ「……っ!?」

ルシフェル「……」にこっ



━━━━━━━━━瞬間、ミーシャの目にルシフェルの笑顔が映った。



771 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 19:07:33.36 ID:3JH2WflH0


ミーシャ「━━━━━!!」


右手の鞭を振るおうと僅かに動く。

しかし


━━━━━━ドズンッッ!!━━━━━━


ルシフェルが口の中で何か呟いた瞬間、ミーシャの右肩に拳程の風穴が空いた。


ミーシャ「………………………………………………え?」


痛み以前に、その部位の神経ごと吹き飛ばされたせいで感覚が麻痺する。

横からシオンとフレアが叫ぶ。


シオン「ミーシャァァ!!!!」

フレア「ああああああああああああああ!!!!!」


ルシフェルの左頬にシオンの大剣が叩きこまれ、爆炎が体を足下を吹き飛ばす。

                                  ガギィッ
━━━━━━ボゴォォォォォォォ!!!


772 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 19:19:29.08 ID:3JH2WflH0


ルシフェル「痛いですか?」


━━━━━━ルシフェルはそれらの攻撃を受けても笑みを崩さず、ミーシャに問いかける。


ルシフェル「叫びたいですか?」


その瞳には狂気と欲望しか映っていない。

ミーシャの右肩から流れ出る赤黒い血には目もくれない。

こんな時でも、ルシフェルは欲情していた。


ルシフェル「 ……良いですねぇ、その表情と堪え切れなくて漏れ出る喘ぎ声は…… 」

ミーシャ「━━━っ!!!」


━━━━━━ギュルルルルルルッッッ!!!!━━━━━━


ミーシャの鞭がルシフェルに巻きつく!!

773 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 19:36:23.80 ID:3JH2WflH0


そして鋼と鎖が擦れ、ルシフェルの体を……


━━━━━━『引き裂けない』。


鞭は不自然にルシフェルの体から数cm離れた空中に巻きついたままだった。

そう、まるで見えない鎧でも着ているかのように。


ミーシャ「………!!」

ルシフェル「ふふ、頑張りますねぇ?」にやぁ


爆炎も、魔力を帯びた大剣も、鞭も全て効かない。


ミーシャ「……」グラッ


━━━━━━ドサッ━━━━━━


そこでミーシャは出血と目の前の現実に気を失った。

774 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 19:44:27.93 ID:3JH2WflH0





━━━山中━━━


ハツネ「ん〜、結構吸われたかなー?」ムクリ

ハツネ「………」キョロキョロ

ハツネ「……良かった、置いて行かないでいてくれたんですね♪」


ハツネ「  『ご主人様』♪  」



ノア「……」ザッ

775 :ニュッッLv4 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/27(月) 19:59:55.42 ID:3JH2WflH0
落ちると思う
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/27(月) 23:09:44.16 ID:ohC8dyoI0
乙なんだと思う
777 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/28(火) 17:36:20.50 ID:LVd+v2or0



ノア「…歩けるな?」

ハツネ「勿論ですよー、この程度で弱ったりしないですぅ♪」

ノア「なら山の出入口に向かうぞ、そろそろ『客』が来るからな」

ハツネ「さすがご主人様♪ 例の未来が見える目ですね!」


ノア「……未来じゃない、『見ている物の先』が見えるだけだ」


ハツネ「……えーと?」

ノア「つまり『先読み』、相手の行動を先読みできるだけだ」

778 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/28(火) 17:45:07.11 ID:LVd+v2or0


ハツネ「はぁ…それでその『お客さん』が来るのがわかった訳ですか?」


ノア「違う」

ハツネ「? じゃあなぜ……」

ノア「分かるだけだ、目とかは関係無くな」


ハツネ「………へぇ」

ノア「…………」スタスタ


779 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/28(火) 17:52:19.69 ID:LVd+v2or0



シオン「オオオオオオォォォぉぉぉぉぉ!!!!」


━━━━━━ガキィィッ!!


シオンの大剣が横殴りにルシフェルの顔に叩きつけられる。

それとほぼ同時に背後からも数百のナイフが突き立てられた。


━━━━━━ボボボボボボボボォォォッッ!!!


明らかに異質な音。

刃物が突き立てられる音でもなければ、鈍い打撃音でもない。

ナイフは、大剣は、ルシフェルに触れることなく止まっている。


シオン(やっぱりムリか……!!)

780 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/28(火) 18:26:45.42 ID:LVd+v2or0


フレア「アーチャー!」バッ

シオン「フレア、ミーシャの具合は!?」

ミーシャ「出血は止まりそうだけど、かなりまずいわよ!」


言われ、チラリと後ろを見る。

床には赤い水たまりができ、少し後ろの破壊された扉付近にミーシャは倒れている。

フレアのメイド服の一部やシルクのナプキンで傷口を包んでいるが、相当出血しているのは分かる。


シオン(……畜生ッ)


ギンッ とルシフェルを睨みつけるが。


ルシフェル「……どうやらもうお楽しみは無いようですね、そろそろ終わりにしませんか?」


余裕。


781 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/28(火) 19:00:16.79 ID:LVd+v2or0


シオン(……何か…)


額に流れる気持ちの悪い汗を拭いながら、シオンは観察する。

2日前戦ったエリアの『風の鎧』のように種があるはずだ。

……弱点も、恐らくどこかに。


シオン(………)


闇夜に紛れさせて見えなくしているのは…違う。

シオンは今までに何度もルシフェルの力の片鱗を見て来たが、その程度ではない。

音を操っていたエルフの攻撃や、鈍器を自在に扱うエルフ…つまり『魔法』も『物理攻撃』も無効化していた。


シオン(……本当に、エリアの時みたいな鎧を弱点無しで使っているなら…)

シオン(………勝てない、のか?)


782 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasaga]:2011/06/28(火) 20:21:56.83 ID:LVd+v2or0
だー、安価スレって慣れないと色々難しいな

こっちは4レスしか投下出来なかったし……


すまない、金曜か明日は普通に投下するよ
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/28(火) 20:27:42.39 ID:pyWu1mUG0
乙!

弱点か……もしかして、とある魔術に出てきた「ソーロルムの術式」と同じだったりして
784 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 16:16:51.35 ID:2uG1BDSH0
>>783

なるべく禁書と被らないように調べながら構成したから大丈夫

『あんな露骨な弱点』なんて作らない
785 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 16:55:53.74 ID:2uG1BDSH0
(とはいっても弱点なきゃ倒せないのが辛いよな)



瞬間、再びシオンは後ろへ跳んだ。

気がついた時にはルシフェルがシオンへ視線を向けようとしていたからだ。


シオン(━━━━━ッ!!)


ドンッ!! と床を踏み砕き、全力で回避する。

そしてシオンの額を何か鋭い音と共に掠り、空中で バキィッ と弾いた音が鳴り響く。

その瞬間をフレアは見逃さない。


━━━━━━ゴオオォッッ!!


赤白い閃光に続いて爆炎が渦を巻く音がルシフェルを襲う。

786 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 17:06:55.00 ID:2uG1BDSH0


ルシフェル「…………………………」


━━━━━━ボゴォンッッッ!!!


しかしルシフェルはそれを片手で薙払う。

フレアの爆炎はどこにもダメージを与えられず、ただ風のように消える。

ルシフェルは素手で消し飛ばしたにも拘わらず涼しい顔をしていた。


シオン(マジでどうしようもないな……)


ふと口の中で呟くが、エルフであるフレアには聞こえたのかシオンに

フレア(……見なさい、アーチャー)

シオン(?)


そのフレアの視線の先にあったのは。


787 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 17:11:44.75 ID:2uG1BDSH0


『煙』。


僅かに白く濁った煙がフレアの爆炎を薙払った左手から出ていた。

シオンは目を細める。


シオン(……違うんだな?……)


その問いにフレアはルシフェルを睨みつけながら小さく頷く。

2人のやり取りが意味するのはこうだった。

あれは『煙が出ているのではない』。


……そう、『煙が固まっている』のだ。



788 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 17:21:12.16 ID:2uG1BDSH0


ルシフェルは退屈そうに手を腰に当てたりしているが、『あの煙』は綿のようにくっついて動いている。

明らかに不自然な様子だった。


シオン(…もう一度出来るか? フレア)

フレア(ええ)


フレアの右手に爆炎が渦巻く。


━━━━━━ギュオオォォォッッ!!!


あえて威力と速度ではなく、『熱』のみを強化した爆炎がルシフェルに炸裂した。

フレアの火炎弾は魔力によって発生させている為、通常は『煙』は出ない。

しかし空気中の水分が蒸発すれば、多少は見える事がある。

つまりは確認。


ルシフェルの力を打開する唯一の手段。


789 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 17:29:29.98 ID:2uG1BDSH0


ルシフェル「……まだ続けたいんですか?」


不機嫌そうに ヒュッ と左手を振ってからルシフェルは言う。

しかしシオンとフレアはその振られた手を見て固まる。


『手が更に煙に包まれて』いたのだ。


どういう能力かはシオンとフレアにもわからないが、『視界』に捉える事ができる部分をついに見つけたのだ。

シオンは思わず叫ぶ。


シオン「フレア!! 俺が時間を稼ぐ、『思いっきり』やれ!!!」


同時に シャラランッ とシオンの腕から扇のように15本のサーベルが出現する。


790 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 17:40:56.13 ID:2uG1BDSH0


ルシフェル(…? 急に何を、まさかヤケにでも……)


ルシフェルが疑問に思う暇はない。

全力のシオンは執事服という動きずらそうにも拘わらず、トリッキーかつ鋭利な動きだった。

サーベルがルシフェルの足元の床を粉砕し、僅かにでも動きを鈍くさせる。


━━━━━━ゴガァッッ!!!━━━━━━


ルシフェル「甘いですよ」
                                    ギュオンッッ

初めてルシフェルが大きく動く。


シオン「…っ!!」


ガァッ!! という打撃。

たった一撃でシオンのサーベルを七本叩き折るその怪力は軽々とシオンを吹き飛ばした。


━━━━━━ゴウゥ……ンッ!!━━━━━━


791 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 17:52:03.70 ID:2uG1BDSH0


━━━━━━トンッ


暗闇の中に響くルシフェルの革靴の音。

シオンが素早く体勢を立て直さないのを見ると、恐らく気絶したか動けない状況なのだろう。

ルシフェルは無防備なフレアの方へ視線を走らせる。




━━━━━━━━━━━━ッッッッ!!!!!




その瞬間、間違いなくルシフェルでも音と光が消えた気がした。

見えたのは広範囲に放たれた閃光。

聞こえたのは爆発なのか落雷なのかわからない音。


いずれにせよ、ルシフェルは『鎧』ごと吹き飛んだ。


792 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 18:07:05.13 ID:2uG1BDSH0





━━━━━━━━━━━━ォォォオオオオオッッ!!!





館を一瞬にして爆炎で吹き飛ばしたせいか、空気の嵐が一時的に吹き荒れる。

シオン、ミーシャ、フレアの影は無い。


━━━━━━ゴシャァァッ!!


黒炭と化した館の天井だった物体が内側から粉砕された。

中から現れたのは綺麗な紳士服に身を包んだ老人。

ルシフェル。


793 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 18:18:26.93 ID:2uG1BDSH0



ルシフェル「……随分派手にやられましたね」


軽く辺りを見回し、呟く。

そしてそのまま立ち去ろうとした時だった。


━━━━━━━━━「どこに行くんだよ、ルシフェル」


ルシフェル「!!」


振り向く。

よく見ると黒煙の向こうに人影があるのがわかる。

あのシルエットは間違いなかった。


ルシフェル「……シオン・アーチャー……!!」


794 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 18:39:59.96 ID:2uG1BDSH0


その先に立つのは、3人の女を担いで息を切らした青年。

そう、シオンはルシフェルに吹き飛ばされたのではなく、『後ろへ飛んで姿を眩まし』、

ミーシャ、短髪のエルフ、そして爆炎を放った瞬間にその破壊力で吹き飛んだフレアを回収したのだ。


通常では有り得ない業。


ルシフェルの脳裏を、『肉塊に変えられた2人の門番』が掠める。


ルシフェル「……面白い」


一体何年ぶりか。

ルシフェル・エルトには長らく無かった『敵意』と『闘志』が湧き上がる。


ルシフェル「良いでしょう、貴方がそこまでこの私に殺されたいのなら……」


辺りの黒煙が渦巻くと同時。

周囲に『黒煙の像』と『黒煙の巨大鏃』が幾つか出現……いや、『形作られる』。

そして狂気の老人は高らかに告げる。


ルシフェル「 全力で…悲鳴を挙げる暇も与えずに殺してやろう……!! 」


795 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 18:53:47.31 ID:2uG1BDSH0
(推奨【BOSS】BGM  http://www.youtube.com/watch?v=bnCqxlUf-Rg&feature=related


シオン(……見える……)


3人を降ろし、シオンはルシフェルの周囲に浮かぶ『黒煙の何か』を見た。

これで僅かな謎と『差』は解決した。

ルシフェルが視線を移動させた直後に来た攻撃は、『空間』を粘土のように『形作って』から動かしていたからだ。

そして周囲の煙を巻き込んで形作られた『あれ』はただ単に空気を操ったわけではなく、

『空間の一部の時間』を止める……みたいにして作り出しているのだ。


シオン(でなきゃ、この間の音を操るエルフの『超音波』が効かない理由が思いつかない)

シオン(……となると鎧とあの武器に攻撃しても無意味か)


ヴンッ と虚空から極端に軽くした巨大な剣を出す。


シオン(……エリアと同じ、欠陥はある…無敵じゃない!!)


直後、 ドンッッ!! と踏み出してルシフェルに向かって跳躍する。

796 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:02:17.22 ID:2uG1BDSH0


━━━━━━ガギィンッ!!!


シオン「━━━━━━ッッ!!」


瞬時に撃たれた『巨大鏃』を大剣で弾く。

普通の衝撃とは思えない痺れが手の感覚を麻痺させるが、シオンはそのまま身を低くして走る。


ルシフェル「━━━【メイデン】━━━」


ルシフェルが呟いた直後、シオンの目の前に『黒煙の像』が壁のように迫る。

しかしシオンは止まらない。


シオン(今は周囲の煙のお陰で見える……!!)


シオンは飛び越える。


797 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:08:56.75 ID:2uG1BDSH0


その刹那だった。


━━━━━━━━━グッパアアアアアアアアッッッ!!!━━━━━━━━━


『黒煙の像』が、『開いた』。

その女性的とも思える形の頭部から足下にかけて、外側に向けて扉のように開かれた像の中には……

……鋭利で長い杭の山が待ち構えていた。


シオン「なッ━━━!?」


既に空中のシオンは止まれない。

通常ならナイフの山の上を自在に駆け回って空中でも移動ができるシオンだが、今は大剣が一本しかない。


シオン「ッッ!!!」
                            ブォンッ

━━━━━━バギャァァッ!!━━━━━━


798 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:16:35.84 ID:2uG1BDSH0


魔力の塊で出来た大剣が粉々になり、その衝撃でシオンは数m飛ばされた。


シオン「━━━━━━ッッ」ドシャッ


この『アイアンメイデン』が、長髪のエルフを潰したのだとシオンは推測する。

だが思考は長く保たない。


━━━━━━ゴオオッッッ!!!


今度は5つの巨大鏃が射出された。

シオンはそれらのうち2発を新たに精製した大剣で弾き、他の巨大鏃を叩き落とす。

そして足元にあった瓦礫を大剣でルシフェル目掛け ゴッバァァアアアアアッッ!! と津波のように吹き飛ばす。


799 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:22:27.62 ID:2uG1BDSH0


ルシフェル「……ッ!」


━━━━━━ブァァ・・・!!━━━━━━


黒煙が瞬時にルシフェルの体を包み、瓦礫を弾く。

やはり仕組みはシオンの脳内で組み立てた通りだった。


ルシフェル「━━━【パレット】━━━」


━━━━━━ヒュッ━━━━━━


シオン「!!」


今度は黒煙が鉄球のように変形してシオンの頭上に振り落とされた。


800 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:32:28.58 ID:2uG1BDSH0



━━━━━━ドゴォォォォオオオオオオンンッッッ!!!!



シオン「お”あ”あ”ああああああああああ!!!」


ミシミシッ と鋭い激痛が手首足首……全身から響き渡ってくる。

大剣で防いだつもりだったが、まるでダメージが逃がしきれない。


ルシフェル「━━━【バレット】━━━」


ドシュシュッッ!! と黒煙の巨大鏃が複数シオンに射撃される。

シオン「まだだ……!!!」

しかしそこでシオンは全身を奮い、黒煙の鉄球を投げた。


                            グオオオッッ!!
━━━━━━ゴギィッゴギギギィンッッ!!!


801 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:38:37.74 ID:2uG1BDSH0


全ての巨大鏃を防ぎ、シオンは大剣を足下に炸裂させる。


━━━━━━ドバァァッ!!━━━━━━


その勢いで10m近く飛び、大剣を巨大な斧に再精製する。

振り上げ、叩き斬る対象へ全身の力を集中する。


ルシフェル「……来なさい、アーチャー!!」


黒煙がルシフェルを覆う。

だがシオンは振り下ろす!!



━━━━━━━━━ボォッッッ!!!!



802 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:45:41.97 ID:2uG1BDSH0




━━━━━━━━━━ゴギギッ…バゴォォォォォォォォォッッッ!!!!!!



シオンの魔力の斧が爆裂し、凄まじい衝撃波がルシフェルの『黒煙の鎧』との間に生まれた。

直後、両者の体が大きく吹き飛ばされた。


シオン「がッ…ぁ……!!」
                     ドサッゴシャッゴガァァンッッ


ルシフェル「━━━━━ッッ!!?」
                         ドゴォォォォンッッ!!!


それぞれが激しく叩きつけられ、火炎に包まれた館が更に軋めく。


803 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:52:52.84 ID:2uG1BDSH0



シオン「ッッ……ルシフェルは…!?」


すぐに反対側に吹き飛ばされたルシフェルの方を見るが、煙でうまく見えない。


シオン(あの程度で殺れるとは思えない……)




━━━━━━━━━【ギィィィア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ッッ!!!!】




その瞬間、突如奇声が挙がった。

シオン(……………嘘だろ)

シオンには聞き覚えがある。

そう、確か『イタカとの戦い』で聞いたあの…………


804 :ニュッLv5 ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/29(水) 19:57:41.89 ID:2uG1BDSH0


############################################

ルシフェル「なんだこれは!? まさか、今の衝撃で暴走しているのか!!」

ルシフェル「私の体を返せ!! 返せ!!」





【  アノ、フタリニバツヲ、クルシミヲ、タイザイニンニハ シ ヲ  】





ルシフェル「…………やめろ、来るな……!!」



「ぎぃやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!????」

############################################


805 :ニュッLv6 ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/29(水) 19:58:17.70 ID:2uG1BDSH0
落ちるぜぃ
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/29(水) 20:59:06.67 ID:P5wzJUh00
乙だぜぃ
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/30(木) 00:10:30.45 ID:gzkj4vOx0
乙!
まさかのアトさん再来か!?
808 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/06/30(木) 17:36:53.53 ID:/BVchmt60




━━━━━━ッ。



ノア「……てっきり、『ウゼル』の息子と来ると思ったんだがな」


ロイ「…お前、ノアなのか? なんでアンタがここにいる!!」

カデシュ「話は後だ、君に聞きたい……『その入口で待ち構えている理由』は想像通りで良いんだね?」

ノア「優しいな、普通に『邪魔者』とでも呼べばいいだろう」

ロイ「……まさかアンタとこの大陸で戦うとはな」


ノア「ああ………ほら、さっさと『邪魔されに』来い」


カデシュ「喜んでね…!!」ジャギィッ

ロイ「覚悟はしてもらうぜ!!」ヒュンッ


809 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/06/30(木) 18:12:14.29 ID:/BVchmt60



━━━━━━ザザッ…ザザザザザァァアッ━━━━━━


シオン(…ッ、『門番達との日』に感じた砂嵐の音……!?)


しかし彼は頭の奥から発生している砂嵐の音より、もっと別の事が気がかりだった。

ほんの数秒前聴こえた『産声』。

イタカとの戦いに敗れた間際、完全なる化け物と化した彼から発せられた鳴き声に酷似していた。

まさか、とシオンは思う。


シオン(……ルシフェルも、あの蜘蛛の力を使っていたとしたら……?)


確かイタカが化け物になったきっかけはシオンが殴った衝撃のはずだ。

となれば。


シオン(……)


810 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/06/30(木) 18:21:02.13 ID:/BVchmt60


━━━━━━ガラララララッッ


直後、シオンの視線の先で火炎に包まれた瓦礫が崩れた。

シオン(━━━!)

思わず身構える。

すると黒煙が突然晴れ、その先に立つ者の姿が映し出された。


ルシフェル「………」ユラァ


ルシフェルが、やはり無傷のまま立っていた。

しかしその表情には先程までの『敵意』が無い事にシオンは気づく。

そう、まるで『抜け殻』のように。


811 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/06/30(木) 18:35:50.63 ID:/BVchmt60


シオン「……クソッ!!」


即座に大剣を五本精製、そしてルシフェルに向けて射出する。

既にルシフェルは人間ではない。

そう判断したシオンの行動は正確だった。


直後。


━━━━━━ギュッボォッッッ!!!!


まるで黒煙が晴れた理由を明かすように、凄まじい衝撃波と共に『黒煙の波』が大剣達を吹き飛ばす。

同時にその黒煙はルシフェルの周囲で渦巻き、それぞれが空間を粘土のように変形させて1つの形を作り上げる。





━━━━━━━━━━━━『蜘蛛』だ。





812 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:04:27.77 ID:/BVchmt60


シオン「……!!」


合計で8本の巨大な足は一本で6mは越えている。

しかしシオンは見た。

黒煙で作り上げられた蜘蛛の頭部とも呼べる部位に、『鮮やかな光を放つ目』が4つあるのに。


シオン(━━━『宝玉』━━━ッ!?)


ルシフェルの最強とも言えた力は、複数の力を織り交ぜた結果なのだとシオンは知る。

だがそれ以上に、敵は明らかに3週間前に戦った『アトラック・ナクア』だ。

それも『黒煙の鎧』に守られた……最悪最凶の化け物。


シオン(どうして次から次へと……ッ)ギリッ


シオンは思わず歯噛みするが、アトラックは待たない。

深淵の追跡者が狙うのは━━━━━━


813 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:16:12.10 ID:/BVchmt60


ゴバァァッッ!! と巨体が飛んだ。

それもシオンでさえギリギリ反応出来るような超速でだ。

ちょっとした小屋ほどある黒煙の蜘蛛が狙ったのはシオンではなかった。



━━━━━━ミーシャとフレア達がいる方だ。



シオン「なッ━━━!?」

もし彼女達を狙っているのなら、間に合わない。

シオンが今ナイフや剣を精製して飛ばしても、あの速度には追いつけない。


このままでは、彼女達は化け物に殺される。


814 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:22:18.97 ID:/BVchmt60


黒ナクア【 ギィア”ア”ッッ!!! 】


瞬間。


黒煙の蜘蛛はその巨大な爪を彼女達を串刺しにすべく、突き落とされた。

シオンが叫ぼうとした時には爪はミーシャの軟らかい頬に当たろうとしていた。




━━━━━━そう、『していた』。



━━━ドッッッ……ゴオオオォォォォォォンッッッッ!!!!!



爆発じみた衝撃がアトラックの巨体を弾き飛ばした。


815 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:30:10.21 ID:/BVchmt60


しかしアトラックを弾き飛ばしたのは爆発ではない。

魔法による攻撃でも、シオンの力でもない。


━━━━━そこには炎に照らされ、淡いオレンジに染まる美しい銀髪が揺れていた。


━━━━━見ているだけで柔らかそうな白い綺麗な肌は、所々に擦り傷があった。


━━━━━その表情は、やっと探していた物を見つけた子供のように笑顔だった。


彼女は、シオンの方へ振り返る。

アトラックを上回る速度と破壊力を持つ体とは思えないほど、美しく、愛しい体を動かして。


彼女はシオンを見ながら言う。


816 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:31:11.60 ID:/BVchmt60








   シルバ「 ………おまたせ、シオン……! 」







817 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:39:47.80 ID:/BVchmt60


シオン「…………………………シルバ?」


守ろうとしていた者が目の前にいる。

シオンはこの言葉を理解するのに時間がかかった。

しかしシルバは確かに目の前にいた。


シルバ「……シオン」

シオン「へ?」


そしていつの間にかシオンの真横に移動するシルバ。

ほぼ瞬間移動に近い速度だが、髪はサラサラと揺れているだけだ。

彼女はシオンの瞳を覗くようにして顔を近づけると


シルバ「…一緒に戦おう?……」


818 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:48:29.02 ID:/BVchmt60


もうその一言で充分過ぎた。

本気で惚れてる女に小首を傾げながら囁かれたシオンは一瞬で大剣とナイフを500本精製する。


シオン「……援護は任せろ、絶対に守るから」


彼女は頷く。

それと同時にシオンの頭の『砂嵐』が強まった。

来る。



黒ナクア【 【 ココニモ ミツケタ、タイザイニン・・・ッ 】 】



━━━━━━ゴガァァァアッッ!!!


凄まじい衝撃波と共に、シオンとシルバがアトラックとぶつかった…!!


819 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 19:56:48.59 ID:/BVchmt60


アトラックの巨大な爪がシルバに振り下ろされ、薙払われるが、

その全てをシオンの大剣とナイフ達が軌道を逸らし、弾き返す!


シオン「シルバ!!」


背後からシオンが彼女の腰を掴み、後ろへ飛ぶ。


━━━━━━ガゴォンッッ!!


新たに作り出されたサソリのような『尾』がシルバのいた位置を粉砕する。


シルバ「……ありがとう…っ」

シオン「おう…」


やや目を逸らしながら返事をするシオン。

即座にシルバの腰を掴んでいた手がナイフを4本掴んだのは照れ隠しか、戦闘の為か。


820 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/06/30(木) 20:06:22.39 ID:/BVchmt60


黒ナクア【 ァァア”ア”ア”ア”ア”ッッッ!!! 】


ドジュンッッ!! とアトラックの頭部から吐き出されたのは『黒煙の巨大鏃』。

砲弾のように射出された20近い数の鏃はシオンとシルバの元へ直進するが、


パシンッ とシオンの大剣を手にしたシルバが剣撃の嵐で全て弾いていく!!


━━━━━━ドォンッ!!!


巨体を超速で移動させ、シルバを爪と尾で切り裂き、貫こうとする。

しかしそれをシオンはナイフの雨で僅かに動きを止め、作り出した重さ数tの巨大剣で尾を叩きつける。


2人の連携は確実にアトラックの動きを上回る。

圧倒する!!


821 :ニュッDX ◆G2/Yj5eh5U :2011/06/30(木) 20:07:39.11 ID:/BVchmt60
落ちるぜぃ

……クソ、自分で書いといてなんだがなんだこのカップルバトル

822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 20:48:52.89 ID:xbpJO5VDO
ニュニュニュDX乙

このバカップルバトルの流れ…石破ラブラブ天驚拳で止めをさす胸熱展開か
823 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 15:03:52.26 ID:9o+S+end0



━━━━━━ズシャッ


ロイ「…はぁ……はぁ…ッ、い、一度も触れないだと…?」ガクッ

カデシュ「…ッ」


ノア「…………」


ロイ(目の前で余所見か…舐められているようだな)

カデシュ(…違う、彼は何かを見てる)

ロイ(何か?)


カデシュ(……あの山の方から上がる煙?……)

824 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 15:12:23.70 ID:9o+S+end0



━━━山・反対側の入口━━━


ハツネ「あいたた…強いですねみなさん」

第三団長「退いてはくれないんだな、そう言っても」

ハツネ「まだ『合図』が無いから仕方ないですよー?」


レン「うるせぇ!! とっとと退けよクソ女!!!」

カエデ「同感ですわね、手荒な真似をして危ないのは貴女ですわよ?」

スカー「……つーかコイツさっき俺の鎌が胸に刺さったのになんでピンピンしてんだ?」


ハツネ「あんまり私を舐めない方が良いですよー? これでも『三番目アリス』なんですからね♪」


825 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 16:44:36.24 ID:9o+S+end0



━━━━━━ギュボォォンッ!!!



シオン「……くッ」ズザッ


500のナイフを一本の剣にしてシオンは斬りつけるが、アトラックの『黒煙の鎧』を貫けない。

シルバと連携してアトラックを圧倒しているものの、徐々に2人は消耗する。

ただでさえ、フレアの火炎が辺りを激しく燃やしている中の戦闘。

消耗しない訳はない。


シルバ「……シオン、もっと剣作れる…?」

シオン「…威力は落ちるけど、10本なら作れる」


それに対して、シルバは僅かに微笑みながら頷く。

何をするつもりなのか。


826 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 16:55:20.72 ID:9o+S+end0


刹那、彼女は言う。


シルバ「……私が行ったら『右手に来るように』剣を移動させて」
                                                        ビュバァッッ

シルバが言葉を言い終えると同時に、風が斬り裂かれる。

銀の髪が描く残像は真っ直ぐアトラックの元へ移動していた。


シオン(速━━━ッ!?)


一瞬遅れてシオンは手をタクトのように振った。

10本のロングソードがシルバの右手に向かって走る。


━━━━━━パシィッ!!


シルバ「………!!!」


827 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 17:03:17.21 ID:9o+S+end0




━━━━━━ギッッッッッッッッッィィンッ!!!!!




あまりの速さに、音が重なって巨大な衝撃波を生み出す。

シルバは手に取った剣を9本、『頭部に円を描くように高速で刺した』。

しかしそれは当然刺さらない。

ただ、『あまりの速さ』に剣が弾かれるのが遅いのだ。


そしてシルバは海賊として積んできた経験を頼りに最後の剣をアトラックの頭部に突き立てた。

瞬間。


アトラックの形を成していた『黒煙の鎧』が僅かに『欠けた』。


黒ナクア【 ━━━━━━! 】


828 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 17:15:36.13 ID:9o+S+end0


シルバ(……欠けた?)


シルバは予想通り過ぎる結果に、思わず思考が止まった。

直後。


黒ナクア【 ギィア”ッ!!! 】


虚空から出現する無数の黒煙の鉄球。

━━━━━━ヴヴゥンッッ……ドゴゴゴゴオオオオォォォッッ!!!


シルバ「……ッ」


徐々に下がりながら高速で避けるが余波の瓦礫や火炎に全身を打ち抜かれる。


829 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 17:26:42.30 ID:9o+S+end0


シオン「シルバ!?」


直ぐに受け止める。

見ると、僅かに服がボロボロになっただけで傷は無さそうだった。

「良かった…」とシオンは安堵するが、シルバが呟いた。


シルバ「……もう少しであの頭を壊せるかも」

シオン「!」


━━━━━━ズゴォンッ!! ゴゴォッッ!!
                                     ヒュオッ

その瞬間に襲い来るアトラックの尾や爪を避け、一度距離を取り直す。


シオン「どうしたら、どうしたらアイツの『宝玉』を破壊出来る!?」


830 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 17:34:27.46 ID:9o+S+end0


シルバ「……わからない、私はこれ以上の力は無いから…」


……それはつまり、俺が弱いせいなのだろうか? とシオンは僅かに思うが。

戦闘経験だけなら、シオンの数倍はある海賊のシルバが言うのだ。

間違いないだろう。


シオン(でもどうする? ……俺も殆ど限界なのに)


そもそもシオンは、『宝玉』の力を借りているに過ぎないので元々伸び白は無い。

上手く操作出来れば限界の力を引き出せても、成長は出来ないのだ。


シオン(……………………………………………………)


831 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 17:49:00.94 ID:9o+S+end0



シオン(………限界はあっても、『ダメージ覚悟』ならそれ以上の力が出せるかもしれない)



腕の中のシルバが叫び、飛んで来た『黒煙の巨大鏃』をシオンは避ける。

今、一瞬考えた事がどういう意味で、どういう結果になるのかは大体分かる。


シオン(…でもこれしかないなら?)


腕の中から離れたシルバは大剣でアトラックの鉄球を弾き返し、巨大鏃を叩き落とす中、シオンは呟いた。


シルバ「………?」


一瞬シルバが心配そうにこちらを見た。

そしてシオンは軽く笑う。

不敵に微笑みかける事で、シルバを、そして『自分』を安心させる。


信じよう、彼女を、……そして自分を。


832 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 17:57:24.25 ID:9o+S+end0


シオン「シルバ、さっきのをもっかいやるッスよ!!」


シルバの持っていた大剣を一度分解し、『本来の限界』……つまり千本のナイフを集中させた剣を再精製する。

しかし彼女はその剣を手にしてから、


シルバ「……これじゃさっきと変わらない、他の方法を探そう?」

シオン「まだッスよ? 俺は一度も本気を出してないからな!」


何か違和感があった、とシルバは感じる。

まるで、館で最初会った時のような…空元気に近いあの空虚な雰囲気。


シオン「……俺を信じろよ、行くッス!!」


しかしその言葉に嘘は無い。

だから彼女は再び走る、彼を信じているから。


833 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 18:05:18.67 ID:9o+S+end0



シオン「……ッ、…がぁあ”あ”あ”あ”あ”!!!!」



右手袋を脱ぎ捨て、持てる全ての力を越えている魔力を無理矢理引き出す。

光輝く黄の宝石に ピシッ と傷が入った。


瞬間。



━━━━━━ギュオォンッッ!!!━━━━━━



彼の周囲の魔力が渦を作り、荒れ狂う。

そして遂に━━━━━━━━━━━━


834 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 18:12:05.41 ID:9o+S+end0



━━━━━━━━━新たにナイフ千本分の魔剣を作り上げた。



シオン「━━━━━ッッ!!」


右手を一閃。

魔剣はシルバよりも恐ろしいスピードで射出された。


━━━━━━ズゴォォォォォッッ!!!!


黒ナクア【!!!????】


アトラックの頭部に激突する。


835 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 18:29:53.75 ID:9o+S+end0


衝撃波は刃の風のように辺りを吹き飛ばし、シルバの動きを僅かに鈍くさせた。

だがまだだ、この程度で化け物は貫けない。


━━━━━━━━ギュオオオオオオオ・・・・・・ッッッ!!!!!!


シオン「━━━━━━ッッ」


右手の関節が グチュッ と音を立てる。

黄の宝石には次々と深い傷が着き、ヒビが縦に入った。

周囲には六本の魔剣。


シオン「行ッッ……けぇぇぇぇえええええええええええ!!!!」


━━━━━━ドギュギュギュゥンッッ!!!!━━━━━━


836 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 18:43:18.59 ID:9o+S+end0



黒ナクア【━━━ギィッァ”━━━】


次々と、凄まじい破壊力を持った魔剣が叩き込まれる!

そしてアトラックが大きく仰け反った瞬間、


シルバ「……っ!!!」
                   ブォォォッッ!!


━━━━━━ガギィィイイイイイイッッ!!!


銀の閃光がアトラックの『黒煙の鎧』を貫き、中で輝いていた『宝玉』を全て粉砕する!!!


837 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 18:51:46.21 ID:9o+S+end0



      【 【 ギィア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ッッッ!!? 】 】



━━━━━━断末魔。

その叫びが合図のように、一瞬にして黒煙が消し飛んだ。

シルバは初めてその姿を悲しいと感じる。

ルシフェルも人だったのに、その末が哀れだったからなのか、『彼の黒く染まった瞳の先に居る者』の断末魔を聞いたからなのか。


終わったのだ。


勝ったのだ。


シルバ「……っ、シオン…!」タッ


838 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 18:56:46.02 ID:9o+S+end0
彼の身を心配して近づくシルバ。

彼女も実は疲弊しているのか、その足取りは少しフラついている。


シルバ「シオン…平気?」

シオン「……いや、超いてぇ」


右手の『宝玉』はほぼ砕け、右手には欠片しか残っていなかった。

しかしまだエルフの力が残っているのか右手の関節は治癒し始めている。


シオン「はは、勝ったな…俺達」

シルバ「………!」コクン











その時だった。


839 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 18:58:27.80 ID:9o+S+end0










フレア「嫌ぁぁああああああああああああ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッッッっっ!!!!??」









840 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 19:01:53.25 ID:9o+S+end0



絶叫。


そして、


############################################

ッ……ザザッ…ザザザザザァァァァアアアアアアアアアアアアアアアッッッ………

############################################


シオン(ッ!? ………まさか…!!)


今までの中でも、特大のノイズ。

それが意味するのは…………………


841 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 19:03:50.52 ID:9o+S+end0






━━━━━━━━━【 マダダ・・・ 】


━━━━━━━━━【 オマエタチ フタリ ニハバツヲ クルシミヲ ワガ ウラミヲ・・・!!! 】








842 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 19:08:13.27 ID:9o+S+end0


深淵の追跡者は進む、『ある2人』がいる表の世界の入口へと……!!




━━━━━━ビュルルルオオオオオオオォォォォッッ!!!!




絶望が噴き出すように、『死』が溢れ出るように。

その黒き、暗き、暗黒の使者は現れた。


アトラック・ナクア極形態。


843 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/01(金) 19:13:47.06 ID:9o+S+end0



シルバ「………」


眺め、何も考えられないほどの『恐怖』。

間違いなく異次元の何かが、この世界に誕生していた。


━━━約500mほど先の谷は『巨大過ぎる脚』が崩し埋め。


━━━それだけの距離が離れているにも拘わらず、『蜘蛛の頭部と牙』はシルバの頭上にあった。


━━━全長、700m前後。


精霊などではなく、正真正銘の『悪魔』が君臨していた。


844 :ニュッEX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/01(金) 19:15:20.08 ID:9o+S+end0
落ちるぜぃ

運が良ければ今日の深夜か明日の深夜投下する。
845 :にゅー ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/02(土) 00:55:37.93 ID:bZnNYvTM0
サンが可愛すぎるので投下中止
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/02(土) 10:17:50.30 ID:15gosypz0
乙!
役者が揃ってきたな…………でもこの二人なら大丈夫だろう!
例え、相手が究極完全体アトラック・ナクアさん……でも……

やっぱりカデシュさん達も呼んだ方が良いかな?
というか、なんでロイが共闘してるんだ?
847 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sage]:2011/07/02(土) 23:34:57.13 ID:bZnNYvTM0
>>846

予想通りツッコミが入ったな


この話は『カデシュサイド』の話として分けられてるんで分かりにくいが、
実際は『ヒトデサイド』の話と組み合わせるとロイが共闘してる理由がわかったりする仕組みになってる

え?分かりにくい作り方するな?

……投下スピードからしてわからんだろうが一応書き溜めはしてあるんだよ(自由安価部分以外)
しかも最終回までのシナリオはな

書き溜めを写す作業に飽きが来た時に大体亀になる

因みに最終回と呼べる所まであと2800レス分くらいかな…
たまに追加するストーリーを足したら4000は行くな……

…………………なげぇ




それから、>>846……お前は2人だけで東京タワー二本分のデカさの化け物と戦って勝てるのかww
848 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/03(日) 18:52:01.87 ID:/rlUF9JM0
一応今のうちに次スレの名前決めたいな

>>851までで何か良いの考えてくれ
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/07/03(日) 19:38:36.42 ID:UBlE8F870
ヒトデ「……シオンって誰だよ」
ヒトデ「俺がっ!主人公だっ!!」
850 :色々考えてみた [sage]:2011/07/03(日) 21:49:19.31 ID:M9MuQxrS0
1:シルバ「シオンは、私が守る」ヒトデ「……誰?」
2:シオン「シルバは俺が守るっス!」ヒトデ「誰だよ!?」
3:シルバ「二人なら……!」シオン「いや、無理だよさすがに!?」
4:ヒトデ「ルリ……なのか……?」
5:カデシュ「スカーの為なら、俺は……」
6:シオン「シルバ…」シルバ「シオン…」ヒトデ「ケッ」
7:幼女「ロイ、実は…///」ロイ「……よっしゃああああああああ!!!」※

※幼女=『シール』で合ってましたっけ?
違ってたらごめんなさい…………
851 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 13:36:02.19 ID:rkvI1ueZ0
>>849
おー、ちょっと良いかもそれ

>>850
今の所はそれでOK

ただ、『現在の』名前はもう少し後で出すつもりだ

(ちなみにシオン&シルバカップルは次スレの終盤まで登場はしない予定)

852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/04(月) 13:48:24.34 ID:rx3eTyEE0
>>850
7番目っておめでたじゃね
853 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 14:24:30.77 ID:rkvI1ueZ0





スカー「ッ……、みんな無事か…!!」ガララッ


レン「ギリギリ…だな」

カエデ「いたた、な、何が起きたんですの?」

第三団長「……『アレ』だろうな」




        【【【 オオオォォォォォォンッッ!!!! 】】】




スカー「…見覚えがあんぞ」

第三団長「やれやれ、忙しいを通り越したか……」

カエデ「大きい所じゃないですの!! あんなのに近づいたりしたら…!」

レン「………………」




レン(……シルバの所に現れた?)
854 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 14:43:44.48 ID:rkvI1ueZ0




ノア「…!!」


カデシュ「あれは…!?」

ロイ「嘘だろ、なんであの蜘蛛が『こっち』にいるんだ!!」

ノア「………(シオンが危険だ…が、『今の俺』では太刀打ちは不可能だな)」


ハツネ「うぎゃー、ご主人様ー………」スタッ


ノア「…ハツネ、何故お前がここにいる」

ハツネ「向こうの道が崩れたのでこちらに加勢しようかと」

ノア(なるほど、他のメンバーもこちらにその内合流するわけか)




ノア(…だとしても、シオンの元へ誰か行かせるべきなのか?)

855 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 14:59:51.86 ID:rkvI1ueZ0



シルバ「……………………ぇ」


声が出なかった。

頭上にある頭部だけでも10mはある化け物に、私はどうすればいいのか分からない。

現実味が無い。


「━━━━━━━━━ッッッ!!!?」


後方からフレアの悲鳴が聞こえた。

振り向けない、振り向けない、振り向けない……!!


シルバ「……し…ぉ…」


彼の名前が出せない、助けを呼べない。

訳が分からない。


856 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 15:18:51.66 ID:rkvI1ueZ0


どうして、こんなのが出て来るの。

どうして、こんな目にみんなが会わないといけないの。


もう動けない。


━━━━━━ガクッ━━━━━━


「……!?」
                             グオオオオォォォンッッ!!!
「………、……………!!!」


彼の言葉が上手く聴こえない。

私を潰そうと巨大な悪魔はその鋭い脚を振り上げる音のせいだ。

………避けられない。


857 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 15:27:20.25 ID:rkvI1ueZ0




━━━━━━━━━ドゴオオオオォォォォォォォンッッッ!!!━━━━━━━━━




凄い音の直後、私の体が大きく飛ばされた。

どこが上で下なのか、今地上にいるのか空中にいるのか、まるで分からない程の速度で。



━━━━━━ガァンッッ!!!━━━━━━



大分飛ばされてから、岩のような物に背中を打ちつけられる。

凄まじい痛みよりも、息が吸えなくなることの方が苦しかった。

………?


…どうして私は潰されずに生きているんだろう?


858 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 15:35:11.83 ID:rkvI1ueZ0




シオン(━━━━━━ッッ!!!)



僅かにでも力を抜けば死ぬ。

俺はシルバをぶっ飛ばしてから『大蜘蛛』の脚を受け止めていた。

信じられない程の激痛と圧迫感。


『━━━━━━ザザッ…ザァァッザザザザザザァァアアアアアアアアアアッッッ━━━━━━』


脳を揺さぶり続けるノイズが俺の体に走る痛みを和らげているのが分かる。

……違うな、『俺が人間から離れていく』に連れて痛みが消えて来た。


859 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 15:53:50.40 ID:rkvI1ueZ0


━━━━━━背中には濁った白の翼。


━━━━━━腕も白いゴツゴツした感じになっていた。


恐らく、覚えていないが『門番の時』も同じ姿だったのかもしれない。

その時だった。


【【【 ・・・ジャマヲスルナ、ワレ ハ アノムスメヲマズコロス!!! 】】】


シオン(!? コイツの言葉が…解る!!?)


━━━━━━ギュィンッッ━━━━━━


突然。

大蜘蛛の体から鋭い杭が触手のように伸びた。

その先にいるのは……


シオン「や…ッ、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


860 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 16:03:02.20 ID:rkvI1ueZ0



━━━━━━━━━━━━━━━バジィッッッ!!━━━━━━━━━━━━━━━




雷撃のような破裂音が鳴った。

そしてその音が引き金となり、シオンの『翼が羽』になった。


ブワァッッ!! と霧が一瞬にして充満したかのように純白の羽が展開される。   
(推奨【覚醒】BGM http://www.youtube.com/watch?v=96icPCUESBE


━━━━━━まるで、後ろにいるシルバ、ミーシャ達を守ろうとするように。



Nakua【【【 ・・・ッ!! 】】】



その姿に驚いたように、アトラック・ナクアの全身が低い振動音を出した。


861 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 16:12:10.62 ID:rkvI1ueZ0



シオン「…………………………」


アトラックを上回る範囲に広がった、もはや巨大な白き壁の中心には青年の体が埋まっている。

その顔は眠っているようにも、死んでいるようにも見える。

だが忘れてはならない。



━━━━━━彼はそんな姿になっても戦っていたのだ。



Nakua【【【 オ”オ”オ”オオオオオォォォォォォォンッッ 】】】


アトラックの数百mにも及ぶ巨体から無数の触手が、『純白の壁』の向こうにいる彼女達へ射出された。

空が触手の黒で塗りつぶされ、一斉に落ちて来た。


862 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 16:20:54.22 ID:rkvI1ueZ0


それはアトラックに宿る人間達の手にも見えた。


追跡者が獲物を捕らえるように、漆黒の手が突き出された。

━━━━━━しかしその手は彼女達に届く事はなかった。━━━━━━



ガシィィッ!!! と白い光がその手を掴んだ。



そして一閃。

漆黒の手を振り払うように凄まじい光が走り、消し去った。


Nakua【【【 !!!! 】】】


彼は戦っている、『彼女には、彼女達には指一本触れさせない』と語るように『純白の壁』は光り輝いている。


863 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 16:30:44.82 ID:rkvI1ueZ0


━━━━━━ズオオォォォッッッ!!!━━━━━━


周囲の木々を薙払う程の『轟音』。

莫大な魔力とアトラックの咆哮が凄まじい衝撃波を生む!!


━━━━━━ギュゴォォォンッッ!!!!━━━━━━


刹那に放たれる漆黒の爪がシオンの羽を突き刺す!

しかしそれは1mmも貫けない、シオンの壁は破壊されない!!


シオン「━━━━━━━━━」


彼の羽が輝く!

瞬間!!!




━━━━━━━━━━━━ドズッ…………!!!!!━━━━━━━━━━━━





純白の『杭』がアトラックの『爪』を打ち砕き、漆黒の巨体を刺し貫く!!


864 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 16:38:31.43 ID:rkvI1ueZ0




Nakua【【【 オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ォ”ッッッ!!!!!! 】】】




再び轟音の波が周囲を吹き飛ばすが、シオンはビクともしない。

この程度では彼の想いを貫く事など不可能だった。


Nakua【【【 #w%a,(]gP@$=\;ッッ!!! 】】】


アトラックが絶叫した直後、夜空に淡く輝く魔法陣が出現する。


2つ。

3つ。

4つ、まだ巨大な魔法陣は増え続けている!!

865 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 16:55:33.27 ID:rkvI1ueZ0



━━━━━━━━━【【【 Tyndaros 】】】━━━━━━━━━



アトラックの言葉の直後、無数の魔法陣から『黒い雨』が降らされた。

その雨の一撃一撃が山を崩し、土砂を天空に巻き上げて破壊していく!!


━━━━━━ドドドドドドドドォォォォォオオオオオオオオッッッ!!!!!!


かつてアトラックが君臨していた世界では数少ない『絶対魔法ティンダロス』。

破壊と絶望の雫はシオンの純白の羽を確実に毟りとっていった。


だが。



シオン「━━━━━━━━━ッ!!!!」


866 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:04:34.58 ID:rkvI1ueZ0



柔らかい羽達が更にシオンの背中から噴き出し、シルバ達へ落ちて来る雫を弾き返す!!

ブワァァアッッ!!! という溢れ出すような音と同時に、噴き出す純白の羽が形を作る!


『拳』。


シオン「…!!」


稲妻よりも絶望の雨よりも速く、強く、ただ彼女を守りたいという想いが彼の拳を動かす!!

ビュルゥッッ!! とアトラックの全身から漆黒の爪が飛び出す、


━━━━━━拳はそんな爪を叩き消し、アトラックに光の鉄槌が振り下ろされた━━━━━━




867 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:07:52.67 ID:rkvI1ueZ0








━━━━━━━━━━━━━━━━━━バシュウウウゥゥゥゥゥッッ!!!!!!━━━━━━━━━━━━━━━━━━








868 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:13:00.89 ID:rkvI1ueZ0




Nakua【【【 ナ ゼ ・・・? 】】】


Nakua【【【 ナゼワレワレガ ハイボク スル?  】】】


Nakua【【【 ナゼ キサマラダケ・・・キサマラダケ!!!! 】】】




############################################

『クク……これだけの事をして負けたんだ、覚悟は良いな?』

############################################




Nakua【【【 ・・・!! 】】】


869 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:18:25.19 ID:rkvI1ueZ0







                       シュゥゥ………
シオン「……っ、」ドサッ


………ノイズが聴こえなくなったな。

………勝ったのか、俺。


シルバ「シオン……!」タタッ


………シルバ、良かった…無事みたいだな


シルバ「シオン! シオン!?」

ユサユサッ

シオン「……大丈夫、起きてる……」

シルバ「…!!」

870 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:24:39.01 ID:rkvI1ueZ0


………そうだ。


シオン「…ミーシャと、フレアは……?」

シルバ「……ミーシャは平気、フレアとエルフの娘は……」


………そうか、駄目だったんだ。


シルバ「シオンは? 痛い所は?」


………全身痛いかな。


シオン(………)ピクッ


871 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:28:50.70 ID:rkvI1ueZ0


シオン「…俺って、『アンタ』に似たんだな……」

シルバ「?」



ノア「……見えるか、俺が」



シルバ「!」バッ

シオン「……ああ、『今までの姿』じゃなくて、本当のアンタがな」

ノア「そうか………成長したな」

シオン「アンタが褒めて来るってことは、何かあるんだな…?」


ノア「……まあな」

シオン「……」
シルバ「? ??」

872 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:36:51.99 ID:rkvI1ueZ0


シオン「……シルバ、紹介しようか」

シルバ「?」


シオン「この男が、『3年前に殺した俺の親父』だよ」


シルバ「……ノア・アーチャー?」

ノア「残念だがシオン、俺はシルバと随分昔に知り合ってる」

シオン「……姿は初対面みたいなもんだろ?」


ノア「『一定の感情』を持った人間にしか正体が見えない呪い、つまりはめでたくカップルになったお前達だからこそ見えるわけだが」


ノア「…さっき言った『何か』について話すぞ」

シオン「ああ……」

873 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:46:47.04 ID:rkvI1ueZ0


━━━????━━━


ハスター「いや〜、なかなか面白いのが『あちこち』で見られて満足かな!」

ハスター「……さてと、『後片付け』しないとねー」


ハスター「バイバイ♪ 『0番目アリス』クン♪」


━━━━━━ヴンッ━━━━━━



ハスター(可哀想だけど、まいっかー)

874 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:53:05.61 ID:rkvI1ueZ0




━━━━━━━━━ドクンッ━━━━━━━━━



シオン「!!」ビグンッ

シルバ「シオン!?」


ノア「……お前は、死ぬ」


シオン「…っ、親…父………!」

ノア「………」


ピラッ


ノア「…『2人で見れる時』にでも見ろ、『次に会う時は敵どうし』だ」スタスタ

875 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 17:59:01.93 ID:rkvI1ueZ0


シオン「……ッ…!」

シルバ「シオン!! しっかりして、寝ちゃだめ!!」


シルバ(……この、てが…みの書き主は……!!)


シルバ「シオン! シオン!!」



━━━━━━トサッ━━━━━━



シルバ「………シオン!! シオン!!!」ユサユサッ

シオン「…」

シルバ「…やだ、やだ……!! 」ユサユサッ


シルバ「シオン………っ!!」


876 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 18:03:14.39 ID:rkvI1ueZ0
<「……っ!!」




カデシュ「……」

ロイ「間に合わなかったのか?」

カデシュ「いや、シルバは無事みたいだ…」

ロイ「……あの小僧か?」


カデシュ「……多分彼がシルバを助けたんだと思うかな」


ロイ「………チッ、『伝説騎士』は逃げたみたいだ」

カデシュ「…うん」

877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 18:06:00.03 ID:gW6Pkw0DO
…………え?
878 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 18:08:48.96 ID:rkvI1ueZ0




〜少し経って、王城〜


姫「そ、側近……!!」

側近「いいから、いいから『アリス』の所まで走れリリス!!」

姫「…!」コクンコクン


<タッタッタッタ・・・


ノア「……」

ハツネ「良いんですか? 2人がかりで戦えば私達でも『苦戦したかも』しれないですよー?」

側近「フン、貴様達ぐらい俺1人で充分だ」チャキッ

879 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 18:16:50.06 ID:rkvI1ueZ0





側近「……ッ!!」ガクッ


ノア「…なかなかの腕だ、『先読み』が追いつかない速度で戦うとはな」

側近「…一撃も入れられないような化け物が、よく言う……!!」

ノア「そうか」

ハツネ(いやー……私だけで戦ってたら苦戦どころじゃなかったんじゃ…?)


スタスタ


側近「く…頼む、リリスとアリスには手を出すな!!」

ノア「………白々しいものだな、『バラキエル』」

側近「!!!」
880 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 18:20:20.81 ID:rkvI1ueZ0

側近「……ノア、一体いつの間に!!」


ノア「さあな」ヒュンッ



━━━━━━ザジュッッ━━━━━━



<ドチャッ

ノア「……行くぞ」スタスタ

ハツネ「はい♪ ご主人様」


ハツネ(その前に、『招待状』〜!)ピラッ


881 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 18:28:51.72 ID:rkvI1ueZ0






女王(………………『ナコト』……何故こんな事に?)

女王「…ッ!!」スッ

女王「ハートのトランプだと……」

姫「どうして…どうしてこんな……!?」

姫「母上!! あなたは何を私に隠しているのです!!」


女王「……っ」


女王「……わかった、後で私の部屋に来い」

兵士「女王様、側近様はどうなさいます?」

女王「丁重に葬ってくれ…アイツは私にもリリスにもよく尽くしてくれた」

兵士「御意」

882 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/04(月) 18:39:13.46 ID:rkvI1ueZ0



━━━女王の私室━━━


女王「……さて、何から話す?」

姫「全部、私に隠している事全てです!!」

女王「…なら、まずはこの大陸に『来る前』の話をしようか」


姫「……は?」


女王「そして………お前の父、『ゼクス・クラウン』の事もな」





                ……To Be Continued

883 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/04(月) 18:48:13.10 ID:rkvI1ueZ0
カデシュサイド第二部『シルバシオン編』終わりィ!!


っしゃああああああ!!!終わったあああああああああああああ!!!

次回からは前スレ>>474からのヒトデサイドを始めるぜぃ

884 :ニュッFX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/04(月) 18:51:39.39 ID:rkvI1ueZ0
投下&作成時にお世話になった曲(若干歌詞に影響されてたり)

聖少女領域
http://www.youtube.com/watch?v=AJvPHQ3QzdQ&feature=related


禁じられた遊び
http://www.youtube.com/watch?v=DkSTKuF2CRw&feature=related


885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/04(月) 23:12:30.65 ID:rx3eTyEE0
お疲れ様だ
前スレとかまったく覚えてねぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/05(火) 06:48:33.09 ID:uiGJbsHF0
乙!
ようやくスレタイ回収……って、えええ!?シオン死んだ!?
887 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 14:59:26.44 ID:Awnl7Zim0
>>885

だと思って前スレのヒトデサイドをまとめたにゃー


1、主人公@ヒトデ(本名 アーサー・ペンドラゴン)はある日義賊の仕事で王城に盗みに入っていたら姫(本名 リリス・クラウン)と知り合う

2、その際↑名乗ってしまった『ヒトデ』の組織では5人幹部の1人がいなくなったため新しいメンバーを探していた

3、エルフ狩りをしていたハデス達を罠にハメたついでに新しく四番目幹部になった『エリア』が仲間になる

4、ヒトデのメンバー、No2『ソラ』が仕事先で『シルバ&レン』と交戦。結果は完敗だが無事に仕事先の海賊達は足を洗う

5、ヒトデがよく通っていた『孤児施設教会』で元盗賊団No2のシスター『シルビア』と盗賊団ボスの『スカー』と連戦。

オマケ、ヒトデの元恋人『青髪』の元婚約者だった『宮本』が襲撃してくるがヒトデが返り討ちにする

6、大体同じ頃に女王(本名 アリス・クラウン)が姫の友人2人に勘違いから公開処刑を宣言

7、数日後の王城で開かれた舞踏会でスカー(本名 スカーレット・ロックハート)達とその部下『ウォーカー』が姫と女王を襲撃

8、その裏で暗躍していた『四人組』(名前不明・ルシフェル・ノア・ギルガメス)と女王が盗賊団を全滅させる

9、ヒトデは友人でもあったウォーカー(盗賊)を撃破した後、女王に戦いを挑むが一撃も与えられず敗北

10、その際の女王とヒトデのボス、『幼女』(本名 シール??)の会話で
ヒトデの真名と12年前の真相を知ったヒトデの元恋人『青髪』(本名 猿飛・ルリ)はヒトデの為に女王を殺すと誓う

11、数日後目覚めたヒトデは休暇を貰ったので元実家の忍組総本部(ルリの家)に遊びに行く

12、しばらく経って、たまたま『四人組』の1人『ギルガメス』に襲撃されたシルビアは女王と宮本に助け出される

13、女王が宮本を弟子にしたり、1000人組み手でヒトデのメンバーにして幼女の恋人『ロリ太』(本名と大人姿時は ロイ・ベルセルク)が乱入してヒトデをフルボッコ

14、その後実はロイと女王は知り合い的な会話をしてヒトデサイド一旦打ち切り

15、←今ここ
888 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 15:25:08.29 ID:Awnl7Zim0




━━━忍組総本部━━━


忍頭「……夕食の時間だー」

下忍「…へい」トボトボ

中忍「…ぃ」トボトボ

上忍「……だぱん」トボトボ



ヒトデ「…なんでお前ら鬱なの」


889 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 16:04:24.55 ID:Awnl7Zim0


忍頭「いえね…やっぱり登場数が『新入り』に負けてると…」

下忍「……ていうか主人公メンバー確定してるし」

中忍「…………銀髪で色白巨乳って最高だよな」

上忍「…ニュッGX」



ヒトデ「………メタ発言すんなよ、こっちまで鬱になりそうだ」


くの一「何やってんです、今日の夕食当番は忍頭達でしょう!」

忍頭「………オレってオッドアイ以外にまだ個性ないし…」トボトボ

ヒトデ(……俺も個性作ろうかな、趣味はナンパとか…)

890 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 16:48:41.27 ID:Awnl7Zim0





〜少しして〜


ヒトデ「ふう、ご馳走様」

くの一「はいはいー」カチャカチャ

中忍(さて、食ったことだし新しく発売される同人誌『願堕夢パイスター〜侮辱壊乳〜』を買いに行くか)


ヒトデ「なあ、なんか食ってる間みんな暗い顔してなかったか?」

忍頭「……やはり新入りのせいじゃ…」
上忍「(メタパートは終わってるっつの)多分、お嬢がいないからじゃ…?」

※お嬢とは青髪のこと


ヒトデ「……ルリか……」
891 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 17:21:20.18 ID:Awnl7Zim0


ヒトデ「………」


くの一2「あのー、いいですか元若頭」

ヒトデ「ん?」

くの一2「その、お嬢が失踪する直前に何かを探していたみたいなんです」

ヒトデ「…妖刀か」

くの一2「いえ違いますよ」キッパリ

ヒトデ「へ? じゃあ何を……」

くの一2「えーと、『女の子ならみんな知ってるおとぎ話』って言えます?」


ヒトデ「……………知らん」


くの一2「でしょうね、とあるおとぎ話に出てくる物を探してたみたいなんです」

892 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 17:40:32.86 ID:Awnl7Zim0
ヒトデ「おとぎ話に出てくる物を探してたって……可愛いなアイツ」

くの一2「ムカつくんでノロケないで下さい」

ヒトデ(え)

くの一2「…その探してた物はそこまで良い物ではないんですよ」

ヒトデ「なんでだ? 毒リンゴみたいなもんか」


くの一2「『トラペゾへドロン』と呼ばれる宝石です」


ヒトデ「……宝石?」

893 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 17:56:59.62 ID:Awnl7Zim0
くの一2「……(本当に知らないのによくお嬢とくっついたな)」

ヒトデ「なんなんだ? その宝石って」

くの一2「簡単に言えば願いが叶う石なんですよ」

ヒトデ「…へえ」


下忍「あ、それ聞いたことあるな! あれだろ? 『代償を払えば願いが叶う石』!」


くの一2「ちょっと!? 私が話してたのに!」

ヒトデ「おいおい、代償ってなんだよ」

くの一2「うーん…色々解釈があるみたいですけど、『心と肉体を奪われる』らしいです」


中忍(なんかエロい)

894 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 18:11:58.93 ID:Awnl7Zim0


ヒトデ「……それって本当にあるのか」

くの一2「まっさかー! 無いと思いますよ」

ヒトデ「……………………………」


くの一2「まあまあ、代わりに『これ』をお嬢の下着棚から見つけました」ペラッ


ヒトデ「あぁ、あの鍵付いた棚か」
中忍(…なんか萌えるな)


ヒトデ「……?」ガサッ

ヒトデ「なあ、『盗品リスト』ってなんだよ」

895 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 18:31:46.04 ID:Awnl7Zim0


くの一2「えっ」

中忍「えっ(エロい話じゃねえの!?)」


<ガラァッ!


下忍「えっ」

上忍「えっ」

忍頭「…若頭、それはマジで言ってるんで?」


ヒトデ「……ごめん、俺が『ヒトデ』の中で最下位なのはこういうリストの読み方がわからないからなんだ」


896 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 18:48:49.69 ID:Awnl7Zim0



━━━しばらく説教された後━━━


〜元ヒトデの部屋〜


ヒトデ「やれやれ…だって勉強はルリが全部答え教えてくれたからいいと思ってたんだよなー」ぼふっ

ヒトデ(…にしてもこれ)

ガサッ

ヒトデ(なにをルリは考えてたんだ…?)

ヒトデ(………っ)ズキッ


ヒトデ(いって…『昼間の戦闘』であちこち傷だらけだな…)

※この話は前スレ>>474の続きです

897 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 19:03:46.44 ID:Awnl7Zim0


ヒトデ(……とりあえず、明日あたりみんなに聞いてみようか…)


<ばふっ

<「……すぅ…」





━━━━━━━━━

━━━━━━

━━━
898 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 19:20:12.66 ID:Awnl7Zim0



〜その頃、王城〜


女王「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!! いいぞ、もっとだ!!」

ガギィンッ! ビュオンッッ!!!


側近「く…!? 少しは手加減をしたらどうだ! 三時間は戦り合ってるぞ!!」

女王「なら降参するか避けるな!!」ブォッ


ゴンッッ!!


側近「……降参、久しぶりに痛い」ガクッ

女王「むー!? なんなのだその根性無しは!!」

899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/07/05(火) 19:28:40.75 ID:/CnpG8es0
側近さん死んだり生き返ったりお忙しいですね^^
900 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/05(火) 19:38:09.05 ID:Awnl7Zim0
(まあしゃあない、安価で順番決まっちゃってんだし)


側近「根性無しって…俺はかなり頑張ってんだがな……」

女王「むー、疲れたのか?」むすっ

側近「……疲れたな」


女王「 な ら も う 少 し 続 け る ぞ ♪」


側近(だと思ったよ)

901 :ニュッGX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/05(火) 19:53:49.15 ID:Awnl7Zim0
……なんだろうな

『投下用BGMor曲』がなくなったせいで進まないな


………誰か、凄まじく闘争心と純愛心と悪戯心と勇気と決意心的なものを掻き立てる曲かBGM教えてくれ

ヤク中並みに曲とBGMが無いと投下出来ないんだ(マジで)
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/05(火) 22:57:26.78 ID:uiGJbsHF0
乙……あれ?
「トラペゾヘドロン」ってミーシャが普通に使ってなかったか!?
ほら、シルバの部屋の鍵開ける時に!!
903 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 13:09:17.82 ID:ZVMRdoOb0
>>902
あれは詳しく説明してなかったから分かり難いが、

ミーシャ特製の音声パスワード式の鍵みたいな物を取り付けて試しに登録したパスワードが『トラペゾへドロン』

つまり実際に石を持って使った訳ではない(ミーシャは実は女の子なんでトラペゾへドロンを知っていた)



……とりあえず宇多田ヒカルで投下できそうだ
904 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 13:18:15.72 ID:ZVMRdoOb0


側近「…しかしなんというか、お前全然オレに興味無いんだな」ギィンッ

女王「なんだ突然」ゴギャッ

側近「へぶ!? ……今まで何十回も性交しているのにオレの告白は全てスルーしてるだろ」ビュオンッッ


女王「せーこう?……あぁ、エッチのことか、それがどうした」スカッ

側近「…だから、なんでスルーなんだよ!?」

女王「スルーはしていない、心の準備が出来ないだけだ」ゴンッッ

側近「ぐはぁ!? ……もういいや、愛してるよ」
女王「隙アリ」ドムンッッッ


側近「がっ…はァァ!!?」ドシャッ

905 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 13:27:18.49 ID:ZVMRdoOb0


女王「……む、もうこんな時間か」ピタッ


側近「……終わったか」

女王「ナコト、行くぞ」スッ

側近「どこに」

女王「浴場に決まっている、汗をかいたまま寝る訳ないだろう」

側近(…………)


側近「…本当に風呂入るだけだろうな」

女王「さあな、場合によってはお前に少しマッサージを頼むかもしれん」

側近「御意」

906 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 13:32:00.51 ID:ZVMRdoOb0


〜王族専用大浴場〜


女王「……」チャポンッ

側近「……」チャポンッ


側近「…」
女王「…」


女王「…まったく、何故こうも広くする必要があるのだこの浴場は」

側近「確かに」

女王「静かすぎるだろうにな」

側近「確かに」


女王「…」
側近「…」

907 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 13:38:55.87 ID:ZVMRdoOb0


女王「…よーし分かった、このタオルを取ればいいのだな」ザバッ

側近「まてまてまて! 分かったよ喋るよ!」

女王「むー? 何故焦る、私の体は醜いとでも?」

側近「生々しい事言うなよ!! 違うから!!」


女王「……じゃあ何故だ」


側近「……せめて風呂から出てからしたいだろ」

女王「なるほどな、男が頬を染めながらデレると腹が立つ」ゴキッゴキッ

側近「なんでキレてんだお前!!」

908 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 13:46:24.43 ID:ZVMRdoOb0


女王「…というより、何故風呂から出てエッチする必要がある」

側近「は?」

女王「ここでした方が後始末が簡単だろう?」


側近「………………………やるか?」

女王「……」コクン


側近(……やれやれ、後四時間は出られそうにないな)


909 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 14:18:59.22 ID:ZVMRdoOb0



━━━ルシフェル・エルトの屋敷━━━


フレア「…お待たせ致しました、ご主人様」

ギルガメス「クク…久しぶりだなフレア」

フレア「……奥の部屋に」

ギルガメス「…そうだな、クク……」


チラッ


ギルガメス「………」ギロッ

イタカ(━━━━━━ッ!)

910 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 14:30:41.38 ID:ZVMRdoOb0


バタンッ


フレア「…『どうかしたのか』?」

ギルガメス「クク…気をつけろよ…あの眼鏡からは俺と同じ匂いがする」

フレア「フ…優しいのだな、ギルガメスは」

ギルガメス「クク……優しくもなるさ、3ヶ月は会ってなかったからな」


フレア「所で『改造魔蟲』の調子はどうだ」


ギルガメス「絶好調だが、あまり多用は出来ないな」

フレア「……痛むのか?」

911 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 14:35:19.93 ID:ZVMRdoOb0


ギルガメス「……何をしている…」

フレア「脱がせている」

ギルガメス「ほぅ、いつからそこまで淫乱になった?」

フレア「……お前に会ってからだな」シュルッ


フレア「…!!」


ギルガメス「…クク……そんなに無傷なのが不思議か」

フレア「まさか適合するとは予想外だ、凄いなギルガメス!」ぎゅっ


ギルガメス「……喜んでもらえて何よりだ……」

912 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 14:43:01.20 ID:ZVMRdoOb0


〜しばらくして〜


フレア「……というわけだ」

ギルガメス「クク……シルバか、懐かしいな」

フレア「しかし出来れば戻って欲しくはなかった、一々『演技』をするのは疲れるからな」


ギルガメス「……フレア」


フレア「ん?」

ちゅっ

フレア「……不意打ちは卑怯だな」

ギルガメス「クク…我慢は体によくないんでな」

913 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 14:56:57.82 ID:ZVMRdoOb0


フレア「でも今日はダメだ、……できない」

ギルガメス「…クク、フレアは可愛いな」スッ

フレア「っ、もう帰ってしまうのか?」

ギルガメス「ああ、フレアの言う『器』を探さないとな」


フレア「なら最後にキスくらいなら…」

ギルガメス「クク、あまり何度もするとありがたみがなくなる…また今度な」

フレア「……そうか」


ガチャッ


ギルガメス「……またな、フレア」


バタンッ


フレア(……ギルガメス……)

914 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 15:06:23.60 ID:ZVMRdoOb0




━━━しばらくして、港町━━━


ギルガメス(さーて、適当に宿をとって寝るか)スタスタ


スカー「……!」

水銀髪?「……?」


<ドタバタ


ギルガメス(…ありゃスカーか? 隣は……)

ギルガメス(………人間の気配がしないな、声をかけるのは命とりか)スタスタ

915 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 15:27:52.97 ID:ZVMRdoOb0


ギルガメス「………」スタスタ


女?「ちゃおーw ギルガメスじゃんww」

ギルガメス「?」

女?「うはっ、全然覚えてないって顔w」


ギルガメス「……『デウス』か?」


女?改めデウス「ピンポーン! みんなのアイドル『アスモ・デウス』でぇーっすw」

ギルガメス(クク…寝る前にコイツと会うとはツいてないな)

916 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 15:36:01.68 ID:ZVMRdoOb0


ギルガメス「…何か用か?」

デウス「あのさっ、俺今見ての通り女になってセックスしてんだけどさーw」

ギルガメス「クク、お断りだ」

デウス「即答ww」


ギルガメス「…………」ピタッ


デウス「ぁん? どしたよ」

ギルガメス「クク…今から言う姿になるならしてやっても良い」

デウス「おww マジでwwww??」

917 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 15:41:31.08 ID:ZVMRdoOb0








━━━━━━━━━中身は男の女とセクロスしているシーンは嫌でしょうからカット━━━━━━━━━










(後で希望があったら全力で書くが)
918 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 16:22:59.51 ID:ZVMRdoOb0



━━━翌朝・『ヒトデ』のアジト━━━


ソラ「うおぉぉぉぉ!! みんな久しぶりやなー!」

幼女「覚えてるかァ! ヒトデのボスとNo2のソラだぞォ!!」

ロリ太「ソラの特徴はツインテと『えせかんさいべん』、幼ちゃんの特徴はサラサラ金髪にナイスバデーな……」


幼女「何を言おうとしてンだテメェ!!」

ロリ太「ごめんよハニーー!!」

ソラ「ウチはまだ独身や! 彼氏募集中で絶賛ヒロイン候補やああああああああああ!!」







ヒトデ「…………何やってんの?」

919 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 16:58:29.48 ID:ZVMRdoOb0


ソラ「おう五番目! お前も画面の先にいる人々に挨拶しぃや!」

ヒトデ「がめん…?」

ロリ太「………ソラ」

ソラ「なんやロリ太」


ロリ太「…ソイツ、昨日から出演してる」


ソラ「…」スチャ←当たると爆発するモーニングスターメイス

ヒトデ「まてまてまてまてまてぇぇい!!? 何やってんの!?」

幼女「…」ギロッ




ヒトデ「ふ、不幸だあああああああああああああ!!!!??」

920 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 17:04:11.84 ID:ZVMRdoOb0




〜上条やアックアや悟空でも八回は死ぬようなリンチの後〜


ヒトデ「でさ、この盗品リストってのが何なのか読んで欲しいんだよ」ガサッ

ソラ「盗品リスト? なんでアンタそんなの作ってんねや」

ヒトデ「いや、『ただの幼なじみ』が持ってたんだよ」


ロリ太(…元妻か恋人か?)

幼女(…元恋人か婚約者か?)


ソラ「おー……ちょっと待っててな、今解読するで」

921 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 17:22:49.79 ID:ZVMRdoOb0


〜しばらくして〜


ソラ「…どうやら『宝石商』の船が被害に遭った具体的なリストみたいやな」

幼女「宝石商?」

ヒトデ「……なあ、もしかして『トラペゾへドロン』ってのも盗まれてんのか?」

ソラ「トラペゾへドロン!? 凄いお宝やなー、でもこのリストには無いみたいやで?」


ロリ太「…ん、この『偏方多面体石』って宝石なのか」


ヒトデ「……横に☆が4つ並んでるな」

幼女「凄いレアな宝石なンじゃねェか?」

922 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 17:41:43.07 ID:ZVMRdoOb0


ヒトデ「…よし、☆が4つ以上ある宝石を盗んだ組織名を教えてくれ!」

ソラ「んーっと、ここ数年の話だから結構あるんやけど…『盗賊団』に『山賊団』、最後は……」


ソラ「……『魔導海賊団』やな」


ヒトデ「ボス、どうせ後2日は休暇なんですよね! なら今言った組織の場所教えて欲しいッス」

幼女「盗賊団はとっくに王国騎士団が回収してるだろうから…そうだな、山賊団はここから東の山をアジトにしてるはずだ」

ヒトデ「魔導海賊団ってのは?」

幼女「……その辺の『性悪貴族の船』にでも乗れば会える」


ヒトデ「うしっ!!」
923 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 17:48:17.12 ID:ZVMRdoOb0
<ドタバタ




ロリ太「…良かったのか幼ちゃん」

幼女「うん、多分兄貴には勝てないし五番目君も手荒な事をしないと思う」

ロリ太「なら良いけどなぁ…」

ソラ「にしても、何やったんやアイツ」


ソラ「って、そういえばエリアは今日来てないん?」

幼女「あっちも休暇だ、たまには妹さンと居させてやろォかと思ってな」

ソラ「へぇ……」

924 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 17:55:23.45 ID:ZVMRdoOb0




〜エリアの家〜


エリア「…んぅ……」ムクリ

エリア(……少し水浴びに行きたいですけど、温かいお湯じゃないとまた倒れちゃいますね)

エリア(……薪ってまだあるかな)スッ


ラルク「……zZZ」


エリア(…可愛い妹ですね)クス

フラフラ

エリア「ふぁ…」トテトテ

925 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 17:58:05.67 ID:ZVMRdoOb0
〜ベランダ〜


エリア(タオルタオル…)トテトテ







白執事?「…………………………」グッタリ







エリア「……………ふぇっ!!?」ビクッ

エリア「な、なんでベランダに白い執事が引っかかってるの…!?」

926 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 18:05:12.83 ID:ZVMRdoOb0



白執事?「…………っ」ぴくんっ


エリア「?」ビクッ

白執事?「……お水、ありますか」

エリア「…え〜〜〜っと、ありますよ?」

執事?「………頂けますか」

エリア「え、あ…はいっ」トタタッ


白執事?「…………」


927 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 18:14:13.32 ID:ZVMRdoOb0


<トタタッ


エリア「はいっ、お水ですよ!」ちゃぷっ

白執事?「………」スッ


ゴキュッ…ゴキュッ……ゴキュッ……ッ


白執事?「………っ」ホッ

エリア「……」ビクビク

白執事?「……有難う御座いました、『エリアお嬢様』」スッ

エリア「えぇ、良かった」スッ














エリア「…………………………………お嬢様?」
928 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 18:35:00.96 ID:ZVMRdoOb0



ラルク「お姉ちゃーん…変な手紙来たよー」とてとて


<手紙>

【この度、シャンヌ・ラルク様には執事が当たりました】

【というわけで宜しく頼むぞ、ではなく宜しくお願いします】

【                       by Gabriel】



エリア「……執事って?」

白執事?「私の事です」

エリア「宜しく頼むって?」

白執事?「お世話になります」ペコッ



エリア「………………えっ」
929 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 18:50:13.05 ID:ZVMRdoOb0


エリア「何とか帰ってもらえませんか? うちに執事はいりません」

ラルク「そうだそうだー」

白執事?「………でしたら、最寄りの教会を教えてくれませんか」


エリア「教会なら城下町の近くにありますよ」

白執事?「………私はそこでしばらく待ちます、気が変わりましたら来て下さい」


<スタスタ


エリア「……ほっ」

ラルク「変なお兄ちゃんだったね」

930 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 19:00:58.44 ID:ZVMRdoOb0



━━━山賊団アジト━━━


ヒトデ「ここが山賊団のアジトか…なんか想像通り洞窟に住んでんのな」

ヒトデ(…さて、山賊団っていうと『前スレ>>20で初登場した山田賊太郎』が思い浮かぶが……)


ヒトデ「…すんなり侵入出来そうな気がするよ」スタスタ


━━━━━━━━━
━━━━━━━
━━━━━━
━━━━━
━━━━
931 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 19:16:51.08 ID:ZVMRdoOb0


━━━ボスの間━━━


山賊1「お客様一名入りましたー!!」

山賊2「お席はこちらになりまーす!!」


山賊達「「「 いらっしゃいませぇ!!! 」」」



ヒトデ「……すんません、帰ります…」


山賊3「スタッフゥ……じゃなくて、どうなさいましたお客様!?」

932 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 19:23:25.89 ID:ZVMRdoOb0
ヒトデ「いや…なんか間違えました」

山賊4「あれ、ボスのお客様じゃないんですかー!!」

ヒトデ「…いや、宝石について聞きたいなと…」


山賊5「宝石についてが入りました━━━━━━!!!!」


山賊達「「「 うぇい!! 飲んで飲んで飲んで、飲んで飲んで飲んで!!!! 」」」


山賊頭「……ふっ、俺に何か用か? 迷えるこしつじ☆」
山賊6「子羊ですボス!!」

ヒトデ「いや…☆4つ以上の宝石見せて欲しいな…と」

山賊頭「ふっ、お前達…俺のコレクションを持ってきな☆」

山賊7「コレクション入りました━━━━━━!!」

933 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/06(水) 19:29:08.82 ID:ZVMRdoOb0


山賊3「スタッフゥぅぅぅッッ!!」


山賊8「ワッショイ!! ワッショイ!!」
山賊9「ワッショイ!! ワッショイ!!」


ドズンッ


山賊頭「ふっ、俺のコレクションを……アン・ラック☆」
山賊10「ロックですボス!!」

ガチャッ


キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ


山賊頭「おぉぅ! なんて眩しい光なんだ!!」

ヒトデ「すげぇ……けど、…トラペゾへドロンは無いみたいだな…」

934 :ニュッHX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/06(水) 19:30:07.68 ID:ZVMRdoOb0
落ちるにゃー
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/06(水) 23:32:16.68 ID:rBWoNvf30
お疲れ
めっちゃテンション高いなwwwwwwww
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/07(木) 06:50:24.97 ID:uwjRfSc80
乙かれー

>BGM
「夜鷹の夢」とかどうですか
シルバ編の最期、聞きながら読んでたらマジ泣きしてしまった
937 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 13:14:21.58 ID:lQSPKbqv0
>>935
シルバ編が終わった喜びが出てるみたいだw

>>936
おー……

なるほど、追加予定の山賊頭ストーリー作成に向いてるな

ちなみに今投下しながら聞いてんのは宇多田ヒカルの『光』
938 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 13:34:56.95 ID:lQSPKbqv0


山賊頭「ふっ、お探しの品はあったか?☆」

ヒトデ「無いな、邪魔したよ」スタスタ

山賊頭「……待ちな☆」

ヒトデ「は?」


山賊頭「ふっ、隠してもムラだぜ☆」
山賊11「無駄ですボス!!」


ヒトデ(…クソ、やっぱり山賊か……!!)スッ

山賊12「抵抗しても無駄ですぜ!!」

939 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 13:41:22.88 ID:lQSPKbqv0


ヒトデ「………」ジリッ


山賊達「「「 ……… 」」」ジリッ


山賊頭「……つまり、お前は……」

ヒトデ(そうか、俺は『ヒトデ』の幹部だから…!)

山賊頭「俺の仲間になりたそうな目で見てるだろ!!!!☆☆」


ヒトデ「ちげぇぇぇぇッッ!!!」

940 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 15:28:04.42 ID:lQSPKbqv0


山賊頭「違う…だと? まさか『元恋人が失踪した原因を追って来た』訳じゃないだろうな!☆」

ヒトデ「ちげ……いや合ってるよ!? なんで合ってんだよ!!」

山賊13「な…純愛だ、コイツ純愛の申し子だあああああああああああ!!」


山賊達「「「 純愛!! 純愛!! 純愛!! 」」」


山賊14「おぉ…」

山賊15「は、初めて見た…!!」


山賊頭「静まりな、テメェら」


            ピタッ


山賊頭「……ふっ、面白い…その恋人探し、手伝ってやるよ☆」

ヒトデ「いえ結構ですが」

941 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 15:55:01.57 ID:lQSPKbqv0





〜しばらくして・港町〜


山賊頭「なるほど、つまり魔導海賊団に遭遇したいのか☆」

ヒトデ「なるほど  じゃねえよ!! なんでついて来てんだ!!」

山賊頭「ふっ、あの宝石商の船なんか見るからに汚い金を使ってそうだぞ☆」

ヒトデ「聞けよッッ!!」


山賊頭(……?)ピタッ


ヒトデ「どうかしたのかよ」

山賊頭「……あの緑で盾の上に×印…魔導海賊団の『第一師団』か…」

ヒトデ「!!」
942 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:06:26.62 ID:lQSPKbqv0

ヒトデ「どれだ!? あの船か!」バッ

山賊頭「待ちな☆ ……テメェも『賊』の端くれならマナーは守りな」

ヒトデ「……(やっぱり気づかれてた?)」


山賊頭「……よし、『あれ』に着替えるぞ☆」


ヒトデ「あれ…?」チラッ

山賊頭「ほら、『あれ』だ」


ヒトデ「━━━━━━ッッ!!?」

943 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:21:41.80 ID:lQSPKbqv0



女海賊1「はぁ…全然シルバ様見つからないですよぅ……」トボトボ

女海賊2「気を落とさないの、ルシフェルの情報を知っている人がいるかもよ」


<「ヘイッ、そこの彼氏☆」
<「彼女だろ……」


女海賊2「?」

山賊頭「ふっ、ちょっと船に乗せてくれないか?☆」

ヒトデ「……乗せてくれないか☆」←忍者服脱いでカジュアル装備


女海賊1「…」きゅっ
女海賊2「リリー!!?」
944 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:27:01.18 ID:lQSPKbqv0


女海賊2「ダメに決まってる!! なんだお前達は!!」

山賊頭「……通りすがりのゲイです☆」

ヒトデ「ちょっとまてやコラぁぁあああああああああ!!!!」


女海賊2「…?」きゅっ


女海賊1「ラリーさん!!?」

945 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:32:32.71 ID:lQSPKbqv0



〜なんやかんやで『カエデ』の船〜


山賊頭「侵入成功☆」

ヒトデ「何が『賊の端くれならマナーは守りな』だ!! 殆ど売春婦作戦じゃねぇかッ!?」

山賊頭「マナーは守っている、賊のマナーは『騙す』ことだ☆」

ヒトデ(クソ! 顔が俺並みにかっこいいからって……正論だよ!!)


カエデ「あなた達ですわね、『ゲイのカップル』とは」カツン


ヒトデ(…微巨乳か?)

山賊頭「ふっ、素晴らしい胸をお持ちだな☆」
ヒトデ「てめぇぇええええええええ!!?」

946 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:35:31.77 ID:lQSPKbqv0


カエデ「…えと、とりあえず私の船室に来てくださいます?」

山賊頭「喜んで☆」

ヒトデ(コイツ自重しろぉぉおおおお!!!!)

カエデ「………」チラッ


ヒトデ「……?」

カエデ(…)スタスタ


山賊頭「ふっ、行くぞ☆」

ヒトデ「…ああ」スタスタ

947 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:42:23.20 ID:lQSPKbqv0


〜船長室〜


カエデ「何か飲みます?」カチャカチャ

山賊頭「ふっ、なら少し頂こうか☆」

ヒトデ(……この部屋、薬の臭いがするな)


カエデ「…くす、珍しいでしょう?」

ヒトデ「へ?」

カエデ「実は私達、海賊ですのよ」

ヒトデ「……な、なんだってー」

山賊頭「…ふっ、海賊が客を招き入れるとは確かに珍しいな☆」

948 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:47:39.71 ID:lQSPKbqv0


カエデ「それも全ては、12年前突然現れた『総団長』が今の海賊を作り上げたからですのよ」


ヒトデ「…凄いな」

山賊頭「なるほど、海の男としてのマナーが存在したんだな☆」

カエデ「えぇ、そうですの…とても美しいマナーが、ね……」


山賊頭「…会ってみたいものだ☆」

ヒトデ「だな」

カエデ「…………」



ヒトデ「…」
山賊頭「…」
カエデ「…」

949 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 16:53:33.11 ID:lQSPKbqv0


カエデ「……」

ヒトデ(……)

山賊頭「……☆」


━━━━━━━━━シーン━━━━━━━━━


カエデ(…眠り薬がまるで効いてないですのー!!?)

ヒトデ(…まさか眠り薬が効くのを待ってるのか?)←忍者に毒や幻術は効かない

山賊頭(………zZZ)←目が開いたまま

950 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 17:11:17.76 ID:lQSPKbqv0


カエデ(マズいですの……見るからに強そうな男2人にこの狭い密室で戦闘になったら…!)


ヒトデ(…どうすっかなー)

山賊頭(……むにゃ…人魚姫と毎日密会とか良いなー………)

カエデ「……」ニコッ

ヒトデ「?」


カエデ「せっかくなので聞いておきたいですの、どうして旅を?」


ヒトデ(……警戒されてるな…ここは…)

ヒトデ(…いや、まて)

951 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 17:20:01.19 ID:lQSPKbqv0


ヒトデ「…実はゲイじゃないんだ俺達」

カエデ「知ってますの」


ヒトデ「俺の失踪した恋び…というか幼なじみがアンタ達の総団長に会ってるかもしれないんだ」

カエデ「……それで?」

ヒトデ「手掛かりを掴む為にも、会わせて欲しい」

カエデ「………」


カエデ(…思ったより真っ直ぐな言葉ですわね、こんな時代で……)

カエデ「……良いですわ、明日か2日後にはアジトに着くのでゆっくりして下さいな」ニコッ

ヒトデ「ありがとう」

952 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 17:23:52.81 ID:lQSPKbqv0



━━━第一師団、母船・客室━━━


ヒトデ「ふー、かなり焦ったけど信用して貰えたな」バサッ

山賊頭「ふっ、二段ベッドの上は俺のだ☆」

ヒトデ「……アンタ、本当に山賊達のボスなのかよ」


山賊頭「……zZZ」


ヒトデ「……まあいいか」バサッ

ヒトデ(…ちょっと酔いそうだな、船で寝るって)

953 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 17:34:27.94 ID:lQSPKbqv0



━━━孤児施設教会━━━


白執事?「…今戻りました」

シルビア「ありがとうございます、どうでした?」

白執事?「580G寄付金を頂きました」


宮本「今までの十倍ではないか!!」

白執事?「……それで、他に仕事はありませんか」

シルビア「え、もう今日は夕食食べて休みますよ」

白執事?「……かしこまりました」

954 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 17:38:38.90 ID:lQSPKbqv0


宮本「…真面目だ」

シルビア「真面目ですね」


宮本「まあ助かった、俺がいない間にまたシルビアが変な男に襲われないか心配だったからな」

シルビア「…心配してくれるんですか」

宮本「まあな、居候させて貰ってる身だしな」

シルビア「………ッ」


女の子「お姉ちゃん、宮本兄ちゃん! ご飯食べよー?」

シルビア「…えぇ♪」チリンッ
955 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 17:46:53.44 ID:lQSPKbqv0


〜外〜


白執事?(……)スタスタ


━━━━━━スッ━━━━━━


白執事?(…『こちらの』世界は夜が最も美しいのですか)

白執事?「……星……」

白執事?「……」


白執事?(………)スタスタ

956 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 18:00:49.35 ID:lQSPKbqv0


〜翌日・早朝〜


━━━エリアの家━━━

ラルク(昨日は早く寝ちゃったせいで早く起きちゃった……どうしよ)

ラルク(……もう一度は寝れないし…)

ラルク(またお姉ちゃんのおっぱいで遊んだら怒るだろうし……)


ラルク(……あ)


ラルク(…♪)トタタッ

957 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 18:10:44.16 ID:lQSPKbqv0


━━━孤児施設教会裏・広場━━━


白執事?「………」チマチマ


<「いたー!」トタタッ


白執事?「……ラルクお嬢様?」

ラルク「お兄さん何やってるの?」

白執事?「……細かいガラス片を芝生から取り除いてるんです」

ラルク「なんで?」

白執事?「…子供達が転んだ時怪我したら危険だからです」


ラルク「……へー」ジッ

958 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 18:30:37.06 ID:lQSPKbqv0


白執事?「……」チマチマ

ラルク「お兄さん名前は?」

白執事?改めネロ「………ネロですが」チマチマ

ラルク「宜しくねネロー」


ネロ「……はい」チマチマ


ラルク「……」ジッ

<チマチマ

ラルク「…〜〜」スタスタ

<チマチマ

ラルク「………」
<チマチマ
959 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 18:40:06.35 ID:lQSPKbqv0


ラルク「……箒を持ってきてあげようか?」

ネロ「いけません」

ラルク「どして?」

ネロ「……」スッ


ラルク「…この黄色いの何?」


ネロ「…タンポポと呼ばれる花です」

ラルク「まだ蕾だけど、花になるんだ…」

ネロ「……この花を咲かせる為にも、ガラス片は手で取れば良いでしょう」

960 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 18:51:01.11 ID:lQSPKbqv0



〜しばらくして〜


ネロ「……これで全部でしょう」スッ

ラルク「わー、いっぱいだね…瓶でも割ったのかな」

ネロ「…それも酒瓶でしょう、アルコールの臭いが残ってます」

ラルク「酷いね」


ネロ「……ラルクお嬢様はそろそろお戻りになられた方が宜しいのでは?」

ラルク「え! あー!? お姉ちゃんそろそろ起きちゃう!!」

ネロ「……気をつけてお帰り下さい」

961 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 19:00:37.83 ID:lQSPKbqv0


━━━宿屋━━━


デウス「……ひ、一晩中ヤリ続けるって…何者だお前」

ギルガメス「クク…まさか声も体内も自由自在に変えられるとは思わなかっただけだ」

デウス「へーへー、ったく、どこの女かは知らないが普通そこまで夢中になるもんかねw」

ギルガメス「…所で1ついいか」

デウス「ん?」


ギルガメス「いい加減『止まれ』、いつまで腰振ってる」


デウス「いやーw なんか24回目くらいから癖になりすぎて止まらないんだよねw」

ギルガメス「…クク、頭を吹き飛ばされたくないなら降りてシャワーでも浴びろ」

962 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 19:06:33.75 ID:lQSPKbqv0


デウス「なんだよ、53回も中に出しといてww」

ギルガメス「……『その姿と声』でその口調はやめろ」

デウス「…わかった、もうやめるってw」ズルッ


デウス「……うわ、なんかすげぇ垂れて来た」

ギルガメス「クク、中に出してたんだから当たり前だ」

デウス「うは……キモいなこれ」ダラァ

ギルガメス「一々見せるな」


デウス「んじゃシャワー浴びて来るかなー」スタスタ

963 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/07(木) 19:13:18.02 ID:lQSPKbqv0


ギルガメス(……ッ、)ズキッ


############################################

━━━━━ザァ━━ザザッ━━━━━━━━ザザザァァッ━━━━━

############################################


ギルガメス(……クク…)

ギルガメス(…久しぶりの『食事』だな? ナクア)


<ナクア?【うん、おじさんの心の中に沢山『色欲』があったからね】>


ギルガメス(…クク、そうか……美味いか)

<ナクア?【正直美味しくはないかな】>

ギルガメス「…言ってくれる」

964 :ニュッIX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/07(木) 19:14:46.12 ID:lQSPKbqv0
落ちるんだぜぃ
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/08(金) 23:15:18.25 ID:ZCFW66rN0
乙!
ちょ、アトラク・ナクア喋ってる!?
自我あったのかこいつら
966 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/10(日) 11:51:14.37 ID:00GkfNgG0
次スレは980越えてから立てるかな……


……妹と分かってはいても添い寝って魅力的過ぎるよな
というわけで今日はスマブラで貯金14万と添い寝を賭けて大乱闘してくる
967 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U :2011/07/10(日) 18:28:07.14 ID:00GkfNgG0


オ レ の 1 4 万 が あああああああああああああああああああああああああああああっっッッッ!!!??
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/10(日) 23:59:44.85 ID:dxmB9tBG0
…………ドンマイ
参考までに、対戦キャラを聞きたい
969 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 14:13:54.70 ID:UqN3RAww0
>>968
まあ代わりに同じ部屋で寝るくらいのサービスは受けたが完全に意味が無い

俺が使ったのはゲーム&ウォッチのヤツ
双子の妹達はカービィとスネーク、長女妹はゼロスーツサムだった

……三対一なのに長女と双子1人を薙ぎ倒した俺に勲章
970 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 15:29:37.15 ID:UqN3RAww0



━━━港町━━━


デウス「……ふぁーあ、俺の能力って基本不死身なのに眠気はとれないんだよなー」

ギルガメス「クク、そういうものなんだろうさ…『能力』ってのは」

デウス「でもよー、弱点クサくね? 眠気には弱いとか」

ギルガメス「…クク、それでも『基本』不死身なんだろう」


デウス「…びっみょー」


ギルガメス「…クク」

<ナクア?【何がおかしいの?】>

ギルガメス(………ただのクセだ、それと急に話しかけるな)

<ナクア?【はーい!】>

ギルガメス(………)

971 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 15:34:27.15 ID:UqN3RAww0


━━━公衆トイレ━━━


ギルガメス「……言ったはずだ、特に俺が話しかける時以外は喋るなとな」


<ナクア?【わかったよ、ごめんなさい】>

ギルガメス「…クク、分かれば良い」

<ナクア?【あ、また口癖だねっ】>


ギルガメス「………ッ」ビキッ


<ナクア?【…はーい】>

972 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 15:41:02.96 ID:UqN3RAww0



デウス「おっ、出て来たな」

ギルガメス「…何故待っている?」

デウス「んあ? ……特に用が無いから今日はお前と行動しようかとなw」

ギルガメス「クク…ならせめていつもの男の姿になれ、色々と面倒だ」


デウス「いやー……忘れちった☆」


ギルガメス「クク、死にたいようだな」ビキッ

デウス「うはっw超キレてるww」

ギルガメス(………)

<ナクア?【おじさんも大変だね】>

ギルガメス(黙れ)

973 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 15:47:27.17 ID:UqN3RAww0


ギルガメス「…まあいい、別に来た所で大した事はない」

デウス「イエス!」

ギルガメス「これから盗賊団の隠し資金を回収しに行く…クク、簡単過ぎるだろう?」


デウス「うわー、めんどくさくね?」


ギルガメス「……」ビキッ

デウス「喜んでお手伝いしますぜご主人様!」


<ナクア?【おじさんも大変だね】>

ギルガメス(黙れ)

974 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 15:55:31.67 ID:UqN3RAww0


━━━荒れ地━━━


デウス「うへぇ……ガラクタばっかじゃん」

ガチャン

ギルガメス「クク……『ここも』か」

デウス「ん? なにその意味深なセリフ」

ギルガメス「どうも盗賊団メンバーが吐いた場所全ての資金が『元々なかったかのように』なっている…」


ギルガメス「……間違いなく、どっかの鼠が横取りしているな」


デウス「…うはっ、場合によってはそいつらを消す訳か?」

ギルガメス「クク……当たり前だ」

デウス「へぇ? またお前らのすげぇ力が見れ…」


<「━━━━━━ッッ!!」


ギルガメス「…?」

975 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 16:05:28.45 ID:UqN3RAww0



金髪少年?「助けて!! 誰か…!!」

金髪少女?「レン! こっち!!」グイッ


ドゴォンッ!!


鎧?「……外したか」ガチャ

鎧?2「遊ぶな、早く捕まえるぞ」ガシャッ

鎧?3「…こちら『セベク』部隊、そちらの部隊に向かって実験体が逃走…」ヴンッ


鎧?4「追撃するぞ」ビュォッ

976 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 16:10:52.15 ID:UqN3RAww0


━━━廃屋━━━


<バタンッ


金髪少女?(静かにして…!)

金髪少年?(…!)コクンッ


<ガチャガチャガチャガチャ・・・

<「こちら『グルーン』、実験体を見失った…!」ヴンッ


金髪少年?(………)ドキドキドキ

金髪少女?(………っ)ぎゅっ


<━━━━━━シーン━━━━━━


金髪少女?(……行ったかな)

スゥッ

977 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 16:18:49.65 ID:UqN3RAww0


ドゴォォオオオオオッッ!!!


金髪少女?「キャアアッ!?」

鎧?5「…こちら『グルーン』部隊、ポイントΣにて実験体を発見」


金髪少年?「お姉ちゃん!!」


鎧?2「『セベク』部隊も発見、捕獲する……!!」


ブォォッ!!


         ヒュァッッ!!


鎧?2「……ッ、なに…?」スカッ

978 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 16:26:55.18 ID:UqN3RAww0


デウス「孤高の最強美少女こと、アスモ・デウス参上!!ww」


金髪少年?「…?」
金髪少女?「…?」

デウス(…結構可愛いなコイツら)

スタッ

ギルガメス「遊ぶなデウス……クク、しかし面白い場面に立ち会えたものだ」


鎧?「……」


ギルガメス「クク…その奇妙な鎧にある紋章、ただの貴族にしては豪華だな」

ギルガメス「一体どこの手下だ?」


鎧?3「……」クイッ

鎧?6「……」コクン

979 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 16:43:43.20 ID:UqN3RAww0


グジャァアアアアアッ!!!!


ギルガメス「━━━━━ッ!」ビチャッ

鎧?6「…部外者を一名排除完了」ガシャッ


金髪少年?「ぅあ…!?」

デウス「……うわ、あっちの壁に叩きつけられてるのって心臓だよな」

デウス(つか今の、俺でも出せるか分かんねースピードじゃんw)


金髪少女?「お兄さん!?」

鎧?7「実験体を回収する」ガシャッ

鎧?「…手間をかけさせやがって!!」


デウス(…このガキを盾にすれば良いのかな?)

980 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 16:50:29.43 ID:UqN3RAww0


ギルガメス「…クク、その顔からして盾にするつもりだろうが……やめておけ、無駄だ」


鎧?6「な……!!?」ビクッ

デウス「うはっ! さすがギルガメス、……んじゃこのガキどうすんの」

ギルガメス「適当に逃げて適当に隠れてろ、後で向かう」


鎧?4「逃がさん……!!」ギュォォッ

デウス「おっと?w」ヒョイ

デウス「…じゃあ逃げるわww」ヒュァッッ


鎧?「クッ、逃がすな! 追え!!」


鎧?2「了解!」ヒュッ

鎧?3「了解!」ヒュッ

981 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 16:59:19.02 ID:UqN3RAww0


鎧?5「……貴様、何者だ」


ギルガメス「クク…他人に尋ねる時は自分からが基本だろう?」

鎧?7「フン、貴様のような穢れた虫けらに名乗る必要はない」ガチャ

ギルガメス「クク、随分強気だな…」


ギルガメス(…ナクア、『3%』だ)

<ナクア?【今朝食べた『色欲』だね!】>


ギルガメス「クク……後悔はしないだろうな?」ギロッ

鎧?「!?」ゾクッ

982 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 17:06:29.33 ID:UqN3RAww0



━━━近くにある小さな村・宿━━━


金髪少女?「あの…助けてくれてありがとうございます」

金髪少年?「…あのお兄さん、大丈夫かな」


デウス「全然平気平気ww 逆にアイツの死に様見たいくらいだw」


金髪少年?「…お姉さんも強いんですね…」

金髪少女?「レン! 女の人に失礼な事言っちゃダメ!」


デウス(……ギルガメスが帰って来なかったらこの2人まとめて犯してぇな)


金髪少年?「?」ゾクッ

983 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 17:26:39.37 ID:UqN3RAww0



ガチャッ


ギルガメス「クク…やはりいたか」

デウス「うはっw なんでいつも俺の場所分かるんだよ」

ギルガメス「…さあな? それより来い、鎧の中身を見せてやる」


デウス「…?」


金髪少年?「あの、ボクたちは…?」

ギルガメス「好きにしろ、一応この宿で飲み食いしても金はかからないようにした」

金髪少女?「……ありがとうございます!」


デウス(……へえ、『良い奴ぶる時』は必ず悪い事する前触れだよなギルガメスって)

984 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 17:49:53.26 ID:UqN3RAww0


━━━村外れの林━━━


ギルガメス「…クク、見ろ」

デウス「……うおおぉぉぉぉぉ!!?」



猫耳女「クッ…離せ!! 後悔する事になるぞ貴様ら!」

犬耳女「すぐに異常に気づいた仲間が私達を探しに来る、逃げるなら今だぞ?」

猫耳娘「…ふぇ…っ、先輩方に手を出さないで下サイ!」うるっ

虎耳?娘「よくも仲間を…ッ、見ていろ…必ず殺してやる!!」



デウス「なになに!? 何この超犯しがいのある女達は! しかも耳!! 耳!!」

ギルガメス「他にも3人いたが…クク、加減したが死んでしまった」

985 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 18:01:22.20 ID:UqN3RAww0


ギルガメス「……最後に聞くが、『話す』気はないんだなお前達」

犬耳女「当たり前だ、貴様らのようなクソ虫に喋る情報は無い」

デウス(…この女は前も後ろも同時に犯ったら良い声だろうなー)


ギルガメス「クク、聞いての通りだデウス…この女達のうち誰か1人が話す気になるまで『お仕置き』しろ」


猫耳娘「ひゃぁ!? や、やめて下さい! 私達は訓練されていて絶対に話す事はありません!!」

ギルガメス「…だそうだ、クク」

デウス「オーケイ、『一応』明日の朝までには吐かせるぜ」


ギルガメス「クク…せいぜい楽しむと良い、ソイツは無限に『遊べる』男だからな」スタスタ


986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 18:21:12.97 ID:ESUK5K9eo
次スレまだー?
987 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 18:30:36.41 ID:UqN3RAww0




━━━場面は変わり孤児施設教会━━━


ネロ「……ピアノを?」

宮本「うむ、シルビアと子供達にプレゼントしたいが…高くてな」

ネロ「……私は貯えを持っていませんが」


宮本「分かっている! だから働きたいのだが…!!」

ネロ「…だが?」

宮本「『この紙』によると2人一組が限界らしいのだ!!」ペラッ


【今なら2000GILをプレゼント!】

【2人一組で女の子を拉致っちゃえ☆】


ネロ「………」ビリッビリビリィッ

宮本「えー!!?」

988 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 18:31:26.48 ID:UqN3RAww0
>>986

あっ
989 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 18:47:50.02 ID:UqN3RAww0
次スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310377537/l50
990 :ニュッJX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/11(月) 18:52:53.87 ID:UqN3RAww0
こっちはまた質問コーナーとして残して続きは次スレにする
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 18:54:24.48 ID:ESUK5K9eo
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/07/11(月) 20:06:36.75 ID:95PZnVR80
乙デ←これはヒトデじゃなくて乙なんだからねっ




草生やすのはなんか止めた方がいい気がします
いろいろな奴が湧くと思います
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/11(月) 21:48:58.50 ID:Db+1AzWW0
乙!
この二人のキャラが面白い……やってる事は外道なのに

質問:ナクアって自我あったんですか?
そもそも、あの蜘蛛の邪神とは別固体?
994 :ニュッKX ◆G2/Yj5eh5U [sagasage]:2011/07/12(火) 14:32:50.72 ID:iGrT1nQe0
>>992
やっぱりマズいですよね、一応軽さを出すためにやってみましたが

>>993
『ナクア』はあの邪神で合ってますが、『?』がついたキャラは皆最終的にどうなっていたか思い出して下さい
ちなみに自我はあります、シオンが戦った『ルシフェル・ナクア』や『Nakua』も自我はあります

ただ、ギルガメスのナクアは特殊……なのかな?
995 :ニュッMX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/07/15(金) 13:58:47.64 ID:5D6iQkZT0
埋め
996 :ニュッMX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/07/15(金) 13:59:20.18 ID:5D6iQkZT0
埋め
997 :ニュッMX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/07/15(金) 13:59:49.06 ID:5D6iQkZT0
埋め☆
998 :ニュッMX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/07/15(金) 14:01:55.50 ID:5D6iQkZT0
うめ星
999 :ニュッMX ◆G2/Yj5eh5U [sagesaga]:2011/07/15(金) 14:02:43.75 ID:5D6iQkZT0
梅干し
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 15:42:54.46 ID:WLdKebrIO
ふはは、>>1000はいただいた
1001 :1001 :Over 1000 Thread
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | もうたらい回しは勘弁だぜ
 |_____ _____________
         ∨
    ⊂⊃
   .∧_∧          ,  ⌒ヽ
  .( ´Д`)_        (       ヽ⌒ヽ
  ( ̄ヽ   ヽ_ヽ   /⌒.\ ⌒ヽ    ⌒ヽ
  |. T |      ̄ ̄´ /\ \  /⌒)   ⌒ヽ
⌒ ヽ_ノ、    ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  /⌒ヽ   ⌒ヽ
 ⌒ヽ  ⌒⌒ヽ⌒, ⌒ヽ,  ⌒⌒,ヽ ノ⌒ヽ⌒    )
(   ⌒ヽ  ⌒    ,  ⌒ヽ   ⌒ヽ  ,    )              SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
 ヽ   (              ,          )                 http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
   (   丶   (        )     ノ  丿

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
ここだけ全員焼肉店(MPはムチムチプリンプリンの略) 431店舗目 @ 2011/07/15(金) 15:15:03.18 ID:55phkpE50
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1310710503/

空から美少女が降ってこい!! @ 2011/07/15(金) 14:54:17.98
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1310709257/

(´・ω・`) @ 2011/07/15(金) 14:27:43.25 ID:dxVryglVo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1310707663/

凄まじい漢字を発見してしまった Part29 @ 2011/07/15(金) 13:58:40.45 ID:s4feczmo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1310705920/

ハーマイオニーが天使すぎてつらい @ 2011/07/15(金) 13:40:45.58
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1310704845/

上条「リーダーからの依頼!?」 リーダー『ああそうだ』 @ 2011/07/15(金) 11:29:03.57 ID:EFfH7c6ro
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310696943/

"YouTubeをつかうときに速く感じますね。" 学生 23歳←why? @ 2011/07/15(金) 10:51:59.60 ID:M1Rb44SLo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1310694719/

棒人間エロゲ @ 2011/07/15(金) 10:22:10.01 ID:l+c765DAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1310692930/


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