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箒「私が一夏と結ばれるためには――――」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/01(日) 20:01:05.75 ID:KM++/ryz0
・時期はラウラと和解後、一夏二次移行前

・地の文の予定なし

・他のスレと平行投下のため進行遅し

・安価なし

・ギャグとコメディとお笑いでできてます

以上の留意点に気をつけて!

ファース党大歓迎!

しばらくしたら投下
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/01(日) 20:12:38.23 ID:KM++/ryz0
あともう一つ。箒は残念なアホの子。



箒「何をすればいいのだろう……」

箒「…………」

箒「ええい! 何を悩んでいるのだ篠ノ之箒!! 先んずれば即ち人を制するのだろうが!」

箒「そうだな、まずは……」


箒「一夏の胃袋をゲットだ!」


シャル「」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/01(日) 20:38:34.60 ID:KM++/ryz0
シャル(え……ちょ、え? え? 何、胃袋をゲット……)

シャル(まさか、カニバリズム……!?)

箒「よし、そうと決まれば準備だ!」

シャル(準備!? 一体何をするっていうの!? 得物の調達、それとも一夏の捜索!?)

ラウラ「……おい、教卓の下で私たちは何をやっているのだ?」

シャル「い、いや! 放課後一人で残ってる箒を見かけて気になったから……」

ラウラ「いやだからなんで教卓の中なのだ!?」バコーン!



箒(ふふ、この私が本気で料理をすれば一夏の胃袋を掴むなど容易い……!)


シャル(大変だ、一夏を守らなきゃ! 一夏が食べられちゃう!)
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/05/01(日) 20:40:38.02 ID:RIiL7B5AO
シャルがアホじゃねえか
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/01(日) 20:44:07.99 ID:J1x3sw0so
日本語に慣れてなくて、慣用句がわからなかったんだろww
期待してる
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/05/01(日) 21:57:34.27 ID:msfnAYrg0
やっと箒さんが主役のSSが来た
期待
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/05/01(日) 22:36:48.58 ID:SHrp7JRl0
こりゃ面白そう。期待
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/05/01(日) 23:00:16.46 ID:NcTUTgRco
期待
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/05/01(日) 23:02:32.36 ID:NcTUTgRco
期待
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/01(日) 23:23:53.19 ID:wgxnIoKx0
箒かわいいよ箒
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/01(日) 23:26:09.83 ID:wgxnIoKx0
箒かわいいよ箒
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/05/02(月) 00:14:47.29 ID:z0Ena5/S0
期待
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 00:29:55.77 ID:xBYkuaLIO
ファース党員集結わろたwwwwww






俺もだけど
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) :2011/05/02(月) 16:11:10.88 ID:+zLHKqFAO
これで後10年は戦える
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/02(月) 17:18:57.24 ID:+sO8zA+h0
>>14
2ヶ月しか戦えん
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 20:14:22.11 ID:dqGeFrde0
集結率高すぎてワロタww





GW特有の一気書き上げ病によって少しすれば投下できそうです
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) :2011/05/02(月) 20:21:54.79 ID:04fV6uPAO
続けたまえ
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 20:35:10.37 ID:dqGeFrde0
箒「まずはメニューを決めなくてはならないな……」

箒「やはり妥当なところで和食か。ひとまず汁物は危険だな」

箒「なら魚……いや一夏とて育ち盛り、やはり肉系統か……」ブツブツ

箒「むう、まずは食材がなければ話にならない!」

箒「ひとまず食堂に行くか、余りに上等なものがまぎれているかもしれない」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 20:43:38.33 ID:dqGeFrde0
――食堂――

箒「」

モブa「おいソースまだか!? もうオーダー3つ溜まってだぞ!?」

モブb「はい、すみません!」

モブc「先輩! 鯨の肉が尽きました! もう鹿肉しかありません!」

モブa「まだグリズリーの肉があったはずだろう、それで誤魔化せ!」

モブd「先輩! ジンオウガ仕入れ(狩っ)てきましたぁ!!」

モブa「でかしたぁ! お前らは表面を削ぎ落とせ、肉をさっさと出すんだ!」

Allモブ「Sir,Yes sir!!」




箒(ここは……戦場だ……私にはとても踏み込めない……)




一夏「先輩、洗剤尽きましたぁッ!!」

箒「!!??」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 20:50:00.81 ID:dqGeFrde0
箒「な、一夏……!?」

モブa「ふざけるな貴様! 消費が余りに早いぞ!?」

一夏「スイマセン! 皿の量とペースに追い付けず、溜め洗いを失念していました!」

モブa「バカもん! 歯ぁ食いしばれ!!!」ゴッ!!

一夏「あぶぁ!」

箒「ブ、ブラジリアンキック……!?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 20:50:25.01 ID:9zxXbV15o
もうダメだ意味が分からねえwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 21:07:56.01 ID:dqGeFrde0
一夏「あ、箒? 何してんだ?」ケロッ

箒「いや、そんな顔半分血塗れになってるお前こそ何をしてるんだ」

一夏「いやぁ、ちょっとヘマっちゃってさ……まぁ、これぐらいどうってことないさ
   全然生活に支障ないよ」フキフキ

箒「街中歩いたら通報されるぞ! むしろ支障しかないだろう!?」

モブb「織斑クン、ちょっとそこの皿取って」

一夏「はーい」ヒョイ

モブc「織斑クン、そこの包丁取って!」

一夏「あいよぉ!」フォン!!

モブc「ありがと!」パシッ!!

箒「イヤイヤイヤイヤ!! 何ナチュラルに包丁を投げているんだ!?」

一夏「大丈夫だって、せいぜいISの絶対防護しか切れないから」

箒「どこが大丈夫!? というか何だそのプチ技術革新は。何故包丁でISにダメージを与えられる」

一夏「…………」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [[sage]]:2011/05/02(月) 21:11:26.73 ID:4mPcKuQg0
モブaの漢気に惚れた
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 21:17:33.53 ID:dqGeFrde0
箒(私がそう言うと一夏は黙って一枚の紙を差し出してきた)

箒(それは一夏が投げた包丁についての取扱説明書だった)

箒(製造された年代、会社、刃渡りなどの情報が書かれている。
  ――では、何故一夏が私にその紙を渡したのか?)

箒(それをよく読みこめば分かることだった。はっきりとインクで書かれたその文字――)





<材質:オリハルコン





箒「――――なるほど、神が与えし鉱物製なら仕方ないな。納得納得……」ウンウン


箒「できるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 21:38:29.09 ID:dqGeFrde0
〜一方その頃のあの人たち〜

シャル「大変だぁぁぁっ!」

鈴「なっ!? 急に人の部屋にISフル展開で殴りこんできて何事よ!?」

シャル「一夏が……一夏が……!」



シャル「一夏が箒さんに食べられちゃいそうなんだ!!」



鈴(食べる……? 一夏が、食べられる……? 食べ、られ、る?)



鈴「なぁんですってええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?」


ラウラ(どうしよう絶対なんか意味が違う)

シャル「このままじゃいけない。早く対策を立てよう!」

鈴「そ、そうね、けどその前に」

ラャル「「??」」



鈴「仲間を増やしましょう、あと一人、ね」ニヤッ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/02(月) 21:40:13.33 ID:dqGeFrde0
以上、今回はここまで

次はマジちょろいあの方が登場


しかし 話 が 進 ま な い 罠

GW中に後何度か投下したいなー
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 21:47:35.58 ID:rQLe+v4DO
チョロリアさん来るか
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/02(月) 23:03:44.19 ID:dN11VJ/IO
ハイすぎわろた
いいぞもっとやれ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) :2011/05/02(月) 23:17:38.82 ID:04fV6uPAO
進まないのはボケを増やし過ぎだからだろww
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/05/03(火) 21:11:21.72 ID:iAx7dIx+0
アホの子箒...?
超見たいです!!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/03(火) 23:13:47.33 ID:9w3fIhMG0
はいはい休日なのに机にしがみつきっぱなしだった>>1が通りますね




しばらくしたら投下ッス
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/03(火) 23:34:23.59 ID:9w3fIhMG0
箒「……で。お前はここで何をしていたんだ」

一夏「いやあ、いっつも世話になってるから、何かできないかなあって」

箒「どれだけお人よしなんだお前は」

一夏「さあ?」

箒「まともな返答など最初から期待していないがな」

箒(しかしこいつ、厨房の制服も似合うな)

一夏「……何考え込んでんだ?」

箒「ふぇ?」

一夏「あ、ひょっとして俺にこの制服が似合ってるとか? そりゃねえか」ハハッ

箒「なっ!? い、いやっ、ちが……ッ!///」

箒(くっ、なんてこういうことだけ無駄に鋭いんだ……)
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/03(火) 23:51:41.50 ID:9w3fIhMG0
モブa「ん? ひょっとしてお手伝い希望者か?」

箒「あ、いや、私は」

モブa「チーフ! 一年で皿洗い希望者が」

箒「いや、ちょっ」

一夏「本当か!? サンキューな箒、おかげで効率が二倍だ!」

箒「いやいや、なんでもう決まってるんだ!? 
  というかお前は今まで一人でこの量をこなしてたのか。皿が積み上がって天井に届いてるぞ」

一夏「いやあしょうがないだろ、色んな国の料理を作ってるからな」

箒「ああ……IS学園だからな」

一夏「韓国料理、中華、ジャンクフード、イタリア料理フランス料理イギリ……はノーカンっと」

箒「後でセシリアに殺されるぞ」

一夏「ていうか来たぞチーフ」

チーフ「あァ? 一体全体なンの騒ぎだっつゥの」

箒「」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/04(水) 00:12:28.64 ID:RJr5f70u0
箒(え……誰? 外見はすごく普通なのに口調がおかしいんだけど)ヒソヒソ

一夏(チーフは漫画とかにすごく影響されやすいんだよ)ヒソヒソ

チーフ「そこ、何喋くってンだ?」

一夏「あ、すいません」ペコッ

箒「ッ、あ、すみません」ペコッ

チーフ「……ン、で、オマエか。皿洗い希望者」

箒「いやだからちが」

チーフ「良かったなァ織斑。相棒ができるじゃねェか。唯一無二のパートナーだぜ」

箒「で、どのスポンジを使えばいいんですか?」ヤルキマンマン

チーフ(ちょろい)

モブa(ちょろいな)

一夏(チーフすげぇ)
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/04(水) 00:47:14.65 ID:RJr5f70u0
〜なんだかんだで本日の作業終了〜

チーフ「今日も濃密な一日だったのである」

箒(口調変わった)

一夏(口調変わったな)

モブa(口調変わりましたね)

チーフ「ではでは本日の給料を――」

箒「あ、あのっ! できれば食材を分けていただきたいのですがっ!」

チーフ「ん、別に構わないのである。だた余りにも量が多い場合は勘弁してほしいのである」



ほうき は しょくざい を てにいれた !



箒「よし、これで準備は万端だ」

一夏「何の準備だ?」

箒「秘密だ」

一夏「気になるのである」

箒「えっ」

一夏「やばいこの口調ハマるぞ」

箒「マジか」

一夏「マジなのである」

箒「それは興味深いのである」

一夏「すでに侵食されてるのである」

箒「そこは雪片弐型で頼むのである」

一夏「後付装備(ツッコミ)の拡張領域(余裕)がない、と」

箒夏「HAHAHA!!」

モブa(やべえアイツらすげえ殺したい)
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/04(水) 00:58:59.08 ID:RJr5f70u0
〜一方そのこ(ry〜

鈴「たのもーっ!」

セシリア「新聞なら間に合ってますわ」

シャル「いや新聞勧誘じゃないから」

ラウラ「いいから話を進めるぞ貴様ら」

シャル「そ、そうだよ! このままじゃ一夏が箒さんに食べられちゃいそうなんだよ!」

セシリア「はぁ……」

鈴「何よその反応!」

セシリア「いえ別に……」

シャル(どうしよう、すごく胡散臭そうな目でこっちを見てるよ)

ラウラ(ここは私に任せろ)

ラウラ「やれやれ、戦場に出るのが怖いのかこの腑抜けは」

セシリア「……今、何か私をコケにしませんでしたか?」ピキッ

ラウラ「今私たちは戦場に身を置いている。恋という名の戦場だ。油断すれば撃たれる……その中で箒は。あの女は一人防弾ベストを手に入れた」

鈴(話の展開が見えない)

シャル(奇遇だね。僕もだよ)

ラウラ「分かるか!? このままでは私たちはジリ貧、撤退を余儀なくされる。だがあの女は一人で突き進むという!」

ラウラ「あの女の背中を撃つためには、スナイパーたるお前の力が必要だ!」

鈴(撃つの!? 背中撃っちゃうの!?)

シャル(出る杭は撃たれるってヤツだね)ウンウン

鈴(アンタ日本語の勉強一からやり直してきなさい)

セシリア「な、なんだかよく分かりませんが、とにかく私の力が必要ということですわね……?」

ラウラ「うむ」

セシリア「ならばいいでしょう! このセシリア・オルコット……全力で狙い撃ちますわ!」

シャル「仲間が増えた……ということで、喜んでいいのかな?」

鈴「まあ、多分ね」


セシリア「ところで」

一同『『『??』』』



セシリア「鈴さんが突き破ってくださったドアの弁償はどちら様がされるので?」ビキビキ

一同『『『/( ^o^ )\』』』
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/04(水) 01:00:31.60 ID:RJr5f70u0
今回はここまでです。

やっと一夏と箒の絡みを書けたと思ったらなぜかノリがアメリカン。
どうしてこうなったorz
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/05/04(水) 01:48:54.40 ID:bULWmddAO
支援します
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/04(水) 17:47:53.64 ID:8JTrc2Uao
嫌いじゃない
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2011/05/04(水) 21:24:16.33 ID:tdJgyHbAO
(^U^)<どうした?支援しないのか?
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/06(金) 21:51:32.71 ID:d7PzD3Ti0
とりあえずみんなアホの子になっちまった



しばらくしたら投下しやす
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/06(金) 22:19:05.79 ID:d7PzD3Ti0
一夏「今日もよく働いたなー」スキップ

一夏「相も変わらずキツイ職場だけど、やりがいがあるからなー」バイソクスキップ

一夏「……皿洗いにやりがい見出して、何してんだ俺」バクテンゼンチュウバックチュウ!!

一夏「ん? あんなところに人が」


モブA「ねえ、篠ノ之さんってちょっと浮いてるよね」

モブB「あー分かる分かる。代表候補生に知り合いが多いからって調子乗ってるよね」

モブC「本人は全然強くないのにねww」

モブA「織斑クンとも仲良いみたいだし、ムカツクー」


一夏(……あいつも色々苦労してるんだな。今度なんか奢ってやろう)サカダチダッシュ

山田「う、うわっ!? 何してるんですか織斑君!?」

一夏「ジャッキーになるための訓練です」キリッ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/06(金) 22:31:03.00 ID:d7PzD3Ti0
翌日


シャル「えー昨日の夕方から夜にかけて、厨房のスペースを借りて料理に打ち込む箒さんの姿が確認されました」

セシリア「厨房の方から話を聞くには、お弁当を作っていたそうですわ」

鈴「そしてついさっき分かった驚愕の新事実、箒は一夏の胃袋をゲットしようとしていた……」

ラウラ「某少年推理マンガだったらメガネキュピーン、『そ、そうだったのか!』ってトコだな」

セシリア「金田一少年でも行けますわよ」

鈴「『となるとこのトリックを使えるのはあの人しかいない……! ま、まさか今、あの人は!? クソッ、やられた!』」

シャル「あはははははっ、似てる似てる!」

一同『『『wwwwwwwwwww』』』

一同『『『………………………………』』』

シャル「申し訳ありませんでした」ドゲザ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/06(金) 22:46:59.33 ID:d7PzD3Ti0
鈴「いやもういいから。散々日本語を踏みにじったくせにジャパニーズ土下座とかしなくていいから」

シャル「いや、ホントごめん。僕が悪かった。今から日本語の勉強するよ」ガサゴソ

ラウラ「いやだからって何故『羅生門』? 何故芥川?」

シャル「勉強になるかなーって」

鈴「難易度高すぎよ! ていうかせめてもっと現代チックなものをねえ……」

セシリア「これとかどうでしょう?」ガサゴソ


つ『とある魔術の禁書目録』


ラウラ・鈴「くおらぁーーっ!!」

セシリア「な、何事ですの!?」ビクッ

鈴「せめて同レーベルにしなさいよ! なんでよりにもよって電撃!?」

ラウラ「そうだ! 例えばこれとかな……」ガチャゴチャ


つ『疾走する思春期のパラベラム』


鈴「あんたたちわざとでしょ!? なんでことごとく別レーベルなのよ!? しかも無駄にマイナー!」

シャル「あ、あのさ!」

鈴「何よ!?」

シャル「こ、これでいいんじゃないかな……?」オドオド


つ『IS<インフィニット・ストラトス>』


一同『『『……………うん、そうだね』』』
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/06(金) 22:53:17.02 ID:d7PzD3Ti0
シャル「って、あ! 箒が来たよ!」

セシリア「む。結局抜け駆けしようとしたことには変わりないですものね」

ラウラ「ではどうする? 今回は特に何もしなくていい気がするんだが」

鈴「そうね……って、あれ?」




箒(少し眠いな……かなり遅くまでやってたからか)

箒(けど自信作ばかりだ! から揚げなんて前回のものをさらに進化させたからな!)

箒(うぅ……けど、目がしょぼしょぼするぅ)

モブA「」ニヤニヤ

モブB「」ニヤニヤ

モブC「あーっ、ごっめーん」ヒョイ、ガッ

箒「あっ」


バッターン!

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/05/06(金) 23:57:26.40 ID:+9zPdBRAO
がんばれ
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/07(土) 00:02:54.50 ID:BAILAUvF0
モブC「ごっめーん! たまたま足が引っかかっちゃったー! 弁当の中身こぼれちゃったけど大丈夫ー?」

モブA「もうCったら、何してんのよー。あっ、ごめん踏んじゃった!」グチャッ!

モブB「ったくあんたたちドジなんだからぁ。あっ、ごめん弁当箱蹴っちゃった」ゲシッ

箒「あ、あぁ、あ…………」



シャル「!」

ラウラ「ほう。私たちが手を下すまでもなかったな」

鈴「…………」

セシリア「――で」



セシリア「皆さん、ISを部分展開してどうなさるおつもりで?」



ラウラ「貴様もだろうが」

セシリア「あら、ブルー・ティアーズが誤作動を起こしたようですわね」

鈴「誤作動を起こしたのはアンタの頭でしょうが」

シャル「もうみんな誤作動を起こしちゃってるよ」

セシリア「そうですわよね、『誤作動』ですわよね」

シャル「違うよ! そういう言い訳的な意味で言ったワケじゃないよ!」

ラウラ「そうだ『誤作動』だぞ。シャルの言う通りだ、あくまで『誤作動』なんだ」

鈴「さすがね、そんな大それた、お天道様に申し訳なくなる言い訳を思いつくなんて」


シャル「いやみんな絶対さっきの引きずってるよね。ホントごめんってば。僕が悪かったって」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/05/07(土) 00:37:15.12 ID:BAILAUvF0
箒「あ、あの……」

モブs「「「ん? なーに??」」」

箒「……何でもない」

モブA「そ、じゃあ私たち行くから」

ギャハハハwwwww

箒「…………」

箒(から揚げ、潰れちゃったな……)

箒(豚のしょうが焼きも地面に落ちちゃったし……)

箒「とても他人に食べさせられるようなものじゃないな」ハハッ

箒「…………」グスッ

箒「……拾わなきゃ」スッ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/07(土) 00:38:16.75 ID:BAILAUvF0











一夏「何してんだよ、箒」









50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/07(土) 00:48:27.81 ID:BAILAUvF0
箒「え……?」

一夏「それ……」

一夏「…………」

箒「あ、やっ、ちが」

一夏「こぼしたんだろ?」

箒「へ?」

一夏「コケたかなんか知らんけど、こぼしちまったんだろ?」

箒「あ、えっと……うん」

一夏「拾うの手伝うよ」

箒「え? け、けど……」

一夏「いいからいいから。お、これ美味しそう」ヒョイパクッ

箒「!? い、一夏、それ落ちたやつ」

一夏「カンケーねえって、箒がつくってくれんだから美味いに決まってんだろ。ん、やっぱ美味い」

箒「…………」

一夏「これはから揚げか? ん、うわ前より美味いじゃん! スゲぇな! これは―――」パクパク

箒「……ホント、こんなのじゃ……ますます惚れてしまうじゃないか」ボソッ

一夏「? なんか言った?」バクバク

箒「い、いやっ! 何でもない!///」

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/07(土) 00:51:02.07 ID:BAILAUvF0
シャル「……結局オイシイとこもってかれたね」ギリッ

セシリア「さっき物陰でモブsに激怒する一夏さんも勇ましかったですわ……///」

鈴「あんのファースト……小説版だとアムロの反応速度についていけてないくせにッ」ギリッ

ラウラ「今お前は全てのファーストファンを敵に回した」

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/07(土) 00:51:53.75 ID:BAILAUvF0
今回はここまで。途中gdgdったけど投下完了。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/07(土) 01:12:15.92 ID:0k6voNUl0
オレのISも誤作動で部分展開したようだ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/05/08(日) 11:12:26.86 ID:SvtDwHNE0
一夏相変わらずだな乙
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/08(日) 12:03:45.94 ID:Hul+p+DIO
乙!

モブの始末は俺に任せてくれないか一夏君?
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/08(日) 17:54:55.65 ID:4poT/aa/o
IS支援
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  [sage]:2011/05/09(月) 19:11:59.52 ID:0gCysu3M0
あれ?なんか転がってる。









なんだモブs か
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 19:24:25.76 ID:8mlT0VAIO
>>57
焼却処分よろしく
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 18:56:48.32 ID:gP91s0YIO
支援
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/13(金) 00:29:05.42 ID:kqEFvuPIO
箒可愛いよ可愛い
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 19:31:08.51 ID:3D1iOacIO
何回読み返してもシャルの方がアホの子
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 22:32:24.29 ID:9JMbMX2B0

しばらくしたら投下します。


なぜか途中で地の文がログインしました。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 22:45:11.97 ID:9JMbMX2B0
ごめん地の文入らなかった


〜一夏の部屋〜

一夏「はー、今日も疲れたなー。後はシャワー浴びて寝るだけか」

一夏「……で、お前らナニしてんの?」

鈴「ん? 王様ゲーム」

ラウラ「だ」ウサミミ

シャル「だよ」カベサカダチ

セシリア「ですわ」

箒「だそうだ」

一夏「……どれからツッコめばいいのやら」

鈴「つ、ツッコむ!?///」

箒「オイ待て、明らかに意味合いが違うぞ」

ラウラ「ええい話が進まん。とにかく次の王様は誰だ?」

シャル「はーい」

一夏「あ、壁逆立ち止めた」

箒「王様になるとそこで罰ゲームは終了なんだ」

一夏「てことは王様になるまでずっとかよ……罰が罰だったら地獄だな」

セシリア「先ほど私は30分近く背中に鬼の顔を出していましたわ」

一夏「セシリアお前どこの地上最強の生物?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 22:47:03.52 ID:9JMbMX2B0
シャル「じゃあいくよー」

一夏「俺はシャワー浴びてくるわ。覗くなよ」

箒「だっ、誰が覗くか!///」

一夏「へいへい」ガチャ、バタン

シャル「じゃあね……二番の人がー」

鈴(今回はセーフね)

セシリア(助かりましたわ)

ラウラ(弾は逸れたか)

箒(…………今日初の被弾、か)


シャル「何か物と延々会話する!」


箒「は?」

鈴「どういうことよ」

シャル「つまり、無機物と話せる可哀想な人になってもらうってことだよ」

ラウラ「またえげつないものを……」

箒「で、何と話せばいいんだ」

セシリア「あら、箒さんでしたか」

箒「……………………」ズーン

セシリア「何故か申し訳ないですわ」

シャル「じゃあ、その竹刀と話してよ」

箒「竹刀と、会話……」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 22:56:20.45 ID:9JMbMX2B0
箒「そういえば今日、食堂でトンカツ定食を頼んだんだがな」

竹刀「…………」

箒「おばちゃんが『豚骨定食』と聞き間違えたらしくてな、なんと豚骨スープに浸ったご飯が出てきたんだ」

竹刀「…………」

箒「…………」

竹刀「…………」

箒「え、えっとだな、この間……」

竹刀「…………」

箒「弓にも手を出そうかと弓道部に行ってみたんだが……」

竹刀「…………」

箒「…………」

箒「…………」

箒「…………」ジワッ

竹刀「!?」

箒「…………」ウルウル

竹刀「!!?」オロオロ

箒「で、で」

セシリア(でで?)

鈴(デデデ大王?)

箒「で……できるかこんなことぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 23:00:36.22 ID:9JMbMX2B0
シャル「……じゃあこうしよう」

箒「?」

シャル「今から君は箒aだ!」ビシッ!

箒a「……は?」

シャル「そしてそっちは箒b!」

箒b『……』

セシリア「なるほど、どちらも箒さんというワケですか」

シャル「どっちも箒が声担当してね」

ラウラ(なにこの娘こわい)

シャル「じゃあ一夏が上がってくるまで暇だねー」

鈴「またわざとらしいフリね」

シャル「まあ見ててよ」

箒a「あ。ああ。そうだな」

箒b『……………………』

シャル「箒b?」

鈴(うわ、スッゴい笑顔)

箒a「あー……お前はどう思う?」

箒b『……ああ、確かに暇だ』

シャル「ッ」プルプル

セシリア「」ブフォッ

ラウラ「カハッ」ピクピク

鈴「……!」プルプル

箒a「斬るぞ貴様ら」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 23:02:32.64 ID:9JMbMX2B0
シャル「それでね、最近ニュースで見たんだけどさ」

セシリア「ああ、例の詐欺グループですわね?」

ラウラ「色んなものになりすまして相手を騙すんだろう? ルパンみたいなヤツだな」

鈴「銭形のとっつぁんがいないけどね」

箒a「まあ、被害に合った人は可哀想だがな」

箒b『うんうん、まったくだぜ』

シャル「ッ」ピクッ

セシリア「ッッ!」ブッ

ラウラ「」ブハッ

鈴「え、なにその不意打ち」

箒a(なんか楽しくなってきたぞコレ)
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 23:08:10.73 ID:9JMbMX2B0
山田「あ、篠ノ之さんいますかー?」

箒a「む、山田先生か」

箒b『何か用かな? 用かな? 大事なことなので二回言いました』

シャル「は、早く出てあげたら……ッ」プルプル

ラウラ「ひ、卑怯すぎる……」プルプル

箒a「はい」ガチャ

山田「あ、篠ノ之さんに連絡があるんですー」

山田「外部の企業から、篠ノ之さんに専用機の提供がされるらしいんです」

箒a「…………わ、私にですか!?」

山田「はいっ」ニコッ

セシリア「あらまあ」

鈴「ま、これで対等ってワケよ」

シャル「良かったね!」

ラウラ「フッ、次に貴様と戦うのが楽しみだ」

一夏「あり? なんで山田先生がここに?」ガチャ

山田「あ、篠ノ之さんが専用機を授与されることになったんです!」

一夏「マジですか! 良かったな箒!」

箒a「ああ……ッ!」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 23:10:35.81 ID:9JMbMX2B0





箒a「これで一組の専用機持ちが増えるな!」

箒b『やったね箒a!』




70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 23:15:57.10 ID:9JMbMX2B0
一夏「」

山田「」

箒a「な、なんだその目は!?」

一夏「い、いや別に……気にすんな、箒a」トオイメ

山田「何でも……何でもありませんよ、箒aさん」トオイメ

箒a「こっちを向けええええええええええええええええええ!!!」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/17(火) 23:19:32.21 ID:9JMbMX2B0
今回は以上。

なんと次回に続く上下編だよやったねたえちゃん!
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 00:26:41.73 ID:0CZR9P3Ro
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/05/18(水) 00:27:24.77 ID:eCHyeRkKo

箒はアホな子でシャルは黒い子ですね
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:06:04.86 ID:8F9Rz5l10



しばらくしたら投下を開始します。


75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:19:29.74 ID:8F9Rz5l10
〜後日・第三アリーナ〜

セシリア「ふう、今日の訓練はこれぐらいにしておきましょう」

一夏「はー、やっとか」

シャル「お疲れ様、一夏」

一夏「あ、そうだシャル。あれ使わせてくれよ」

シャル「あれ?」

一夏「あれ、パイルバンカー。『灰色の鱗殻(グレー・スケール)』だっけか、第二世代最強の威力ってヤツを体感してみたいんだよ」

シャル「はあ……分かったよ、ほら。マニュアル操作できる?」ヒョィ

一夏「おう。この間習ったからな、っと」パシッ

一夏「……んじゃやりますか。そこで見学してるラウラ、ちょっと手伝ってくれ」

ラウラ「ん、私か。いいぞ」ISテンカイ

セシリア(なぜ腕を組んで仁王立ち?)

シャル「あ、あの構えはまさか……ッ!?」

セシリア「何か意味があるのですか?」

シャル「僕も人づてに聞いたことがあるだけなんだけど……」ゴクリ

シャル「あれは恐らく、伝説の男――キング・オブ・ハートの技……ッ!」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:22:38.37 ID:8F9Rz5l10



一夏「俺の拳が真っ赤に燃える!」


一夏「勝利を掴めと轟き叫ぶ!」


一夏「ばぁぁぁく熱ッ!」


一夏「ゴッドッ! フィンガァァァァァァァァァ!!」ゴォォォッ!!



ラウラ「はいはいAICAIC」

一夏「」

シャル「」

セシリア「」


77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:35:22.34 ID:8F9Rz5l10
鈴「どうしてよりにもよってアイツを選んだのよ……」

シャル「確かに相性最悪だったね」アハハハ

一夏「ていうかいたのかよ鈴」

鈴「ずっと見学席にいたわよ」

セシリア「……にしても一夏さんはどうして急にあんなことを?」

一夏「ああ、昨日荷物からガンネクが出てきてさ。久々にやったらハマって」

鈴「へー……どうせエピオンとかで魅せコンばっか決めてるんでしょ?」

一夏「いや、ゼロカス」キリッ

鈴「なんか意外かも。けど、私のユニコーンに勝てるかしら?」

シャル「ふふふ、僕のダブルオーライザーだって負けてないよ?」

セシリア「何の話やらサッパリですわ」

ラウラ「私はターンエーなんだが、何故かいつもハブられるぞ」

鈴(ガチだからよ)

シャル(ガチだからだね)

一夏(ガチだからさ)
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:43:56.79 ID:8F9Rz5l10
山田「あわわ、大変です織斑くーん!」

一夏「ん? 山田先生か。どうかしたんですか?」

山田「篠ノ之さんの専用機の件なんですけど……」

千冬「あれは嘘八百だ」

一夏「ち、千冬姉! って嘘!? どういうことだよ!?」

千冬「落ち着け。お前もニュースで見ただろう」

セシリア「……! 例の詐欺グループ……!」

山田「先方の企業に確認をとったところ、そんな契約はされていないそうなんです!」

一夏「箒……ッ、千冬姉! 箒は今どこだ!?」

千冬「位置情報は今から白式にインストールする。お前が行け」

一夏「お、俺が……!? ――うん、分かった。絶対助けてみせる!」

シャル「一夏、大丈夫? 僕も行こうか?」

千冬「無理だ、遠すぎる」

ラウラ「では、どうやって白式を?」

山田「篠ノ之さんのお姉さんが新型の後付装備(イコライザ)を提供してくれたんです」

一夏「え? それって、白式には取り付けられないんじゃ……」

千冬「ああ、雪片弐型があるからな」

セシリア「あ、なるほど……」

一夏「雪片を置いていく、ってことか」

千冬「その通りだ。よし、設定完了。位置情報は見えるな? 今、後付装備がこちらに来ている。もうじき着くぞ」

山田「雪片は学園の方で保管しておきますね」

一夏「はい、お願いします!」

一夏(箒……! 頼むッ、無事でいてくれよ!)
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:50:44.44 ID:8F9Rz5l10
〜取引予定地〜
箒「ここのはずだが……随分人里離れた所だな」

男a「あ、篠ノ之さんですね。こちらです」

箒「あ、はい」

箒(薄暗い道だな……ひょっとして極秘の研究施設だったりするのか?)

男a「ここです」

箒「はあ」

箒(小さいな。けど、割と真新しい)

箒「では、失礼します」ギイィ……ガチャ

箒(ん? 鍵のかかる音?)

ザザッ!

箒「ッ!?」

男b「オイオイ、あの篠ノ之束の妹って話だったけどよ、なかなかの上玉じゃねえか」

男a「だろ? 見た時正直俺もビビったわ」

男c「んじゃ早速マワそうぜ。さっきからウズウズしてんだ」

箒「あ、あの……?」

男a「あれ、何突っ立ってんの?」

男c「ああ、専用機の話? あれ嘘だから」

箒「…………ッ!」


一夏『良かったな箒!』


男b「あれ? 何竹刀構えてんだ?」

箒「……黙れ愚図ども! 今すぐ成敗してくれる!」

男a「ギャハハ、お侍さんかよ!」

箒「うるさい……」

男b「けど、な!」ダン!

箒「ッ!?」バキン!

箒(竹刀が……)

男c「さすがに銃には勝てねえだろ?」

男b「オラ、大人しくしてろっての!」

箒「……っ!」

男a「この竹刀邪魔」ポイッ

箒(あ……)


箒a『これで一組の専用機持ちが増えるな!』
箒b『やったね箒a!』


箒(ようやく……みんなの力になれると思ったのに……)

男a「大丈夫、痛いのは最初だけだから」

男b「この制服脱がしづらいな……オイ男c、突っ立ってないで手伝え」

箒(こんなの……嫌だ……たす、け、……て、くれ……)

箒「たす、けて…………い、一夏ぁ……」

男c「……な、なあ。さっきから、こっちにすげえスピードで飛んでくるヤツが――」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:54:02.14 ID:8F9Rz5l10







地の文がログインしました。






81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 21:59:33.05 ID:8F9Rz5l10
 織斑一夏はめまぐるしく変貌する世界を駆け抜ける。
 篠ノ之束によって開発された外部取付式超長距離飛行用バックパック――仮名称『イカロス』の調子はいい。

(間に合え、間に合え……ッ!)

 凄まじい加速により白式は現在超音速で飛行している。当然、搭乗者への負担は重い。
 それでも一夏は止まらない。

(見えたッ!)

 さらに加速。白式の背中に取り付けられた二本の筒状のブースターをパージ、勢いをそのままに研究所と思わしき建物へと突撃していく――が、しかし。

「あがっ……! なんだコレ、まさかアリーナと同じバリアか……!?」

 直前で見えない壁のようなものに阻まれ、白式はあっさりと弾き返された。

「雪片弐型はない……どうする!? どうすればいい!?」

 ふと建物の窓に目をやる。自動で白式のハイパーセンサーが中の様子を伝えてくれた。

「――――――――――――ぁ」

 自分ののどから、そんな声が漏れるのを一夏は確かに聞いた。
 箒に、男たちが群がっている。

「あ」

 事実を認識した。
 頭の中が沸騰する。

「ああああ」

 状況を確認した。
 体中が白熱する。

「あああああああああああああ!!」

 何かが、大切な何かが、切れてしまった。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 22:04:07.28 ID:8F9Rz5l10
(なんか、きもちわる、い)

 一夏の体は浮いていた。周りは真っ白で、何もない。

(あ、おれ、ほうき、助け――)

 手を伸ばす。

(ほ、う、き)

 まるで魔法の言葉のように。

「ほ、う、き」

 一文字一文字を噛み締めるように。

『彼女の元へ往く力が欲しいか』

 頷く。

『彼女を救える力を望むか』

 首肯する。

『力が欲しいか――ならばくれてやる』

 なぜか、満足げな笑みを浮かべる女性の顔が見えた。

 気がした。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 22:10:37.64 ID:8F9Rz5l10
「あ……、―ーッ!」

 思わず呆けた声が出た。意識が現実に帰還する。どうやら一秒も経っていないようだ。

「はぁっ、…………おい、白式」

 やけに体が重い。気だるげに上を見る。そのまま唇を動かす。


「寝てねーで、覚醒(おき)ろ」


 その言葉のみで十二分だった。

 白式が、変革する。

 基本因子は変更せず。
 搭乗者の経験に基づき近接戦闘用装備を追加。
 左手を中心に装甲を再構築。

 一新し、改良し、創造する。光が白式の左腕を包み、張り付くようにまんべんなく覆う。

「これが……」


 ――二次移行(セカンド・シフト)――


 白式はここに生まれ変わった。光が溶け込むと、一回り太くなった左腕が目につく。
 小指の付け根から肘まで、腕に沿うようにして銀色の杭が取り付けられ。
 手の甲にはいくつもの筒が束になったガトリングガン。
 極めつけに、指一本一本は凶悪な外見のクローとなっていた。

「……ッ!」

 体の重さなど吹き飛ぶ、この上ない万能感。

「武装、パイルバンカー選択」

 拳を握ると同時、一旦バリアから距離を取る。そして。

「貫けえええええええええええええええええええええ!!」

 瞬間加速(イグニッションブースト)でその距離を殺すとともに、左の拳をバリアに叩きつけた。

 刹那、腕に添えられた鉄杭が飛び出す。青白い光をまとったそれは、拮抗することすらせずバリアを引き裂いた。

(コレ、『零落白夜』も使えるのか)

 そんなとりとめもない考察は頭の隅に押しやり、一夏は瞬間加速の勢いを利用して内部に躍り出た。

「何ッ!? 外にはバリアを展開していたはず!」

「箒を、放せええええええええええええええええええ!!」

 そのまま男の一人にタックルにかますと、素早く姿勢を整える。そして他の二人に殺意を込めた視線を叩きつけた。

「まさかISとやり合って、勝てるなんて思ってねえよな?」

 ガトリングガンを突きつけると、男二人は青くなった顔をブンブンと縦に振り、両手を上げ降参のポーズをとった。

「い、ちか……」

箒は呆然と呟いた。その声に一夏はゆっくりと振り向く。

「一夏……一夏、一夏一夏一夏ッ!! 遅いぞこの……大馬鹿者!」

「悪い。ごめん。許せ」

 涙をこぼしながら叫ぶ箒にそう言って、一夏は笑った。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 22:13:51.53 ID:8F9Rz5l10








 地の文がログアウトしました。






85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 22:16:44.72 ID:8F9Rz5l10
一夏「……大丈夫だったんだな。良かった」

箒「ああ。なんとかな」

一夏「…………」

箒「? お、おい。震えてるけど、どうかしたのか?」

一夏「い、いや……『イカロス』がなかったら、本当に箒は……ッ。最悪の場合を考えたら、震えが止まんねえんだよ……ッ!」

箒「…………お前は本当に大うつけだな。失笑モノの馬鹿だ」

一夏「は?」

箒「一夏」ギュッ

一夏「」

一夏「ほ、箒さん? えっ、あ、は、あり?」

箒「あったかいな、お前は……」

一夏「……そんなの……箒だってあったかいよ」

箒「だろう? 私はいまここにいる、お前が救ってくれた。それでいいだろう」

一夏「……箒」

箒「少なくとも私は、それだけでいい」ニコッ

一夏「……そっか」

箒「うむ」

一夏「なら……それ、で。いいか……」

箒「…………一夏?」

箒「この体制で寝るとは、どれだけ図太いんだ」←ダキシメタママ

箒「……聞こえていないよな?」

箒「一夏、寝たか? 寝たよな?」

一夏「…………」

箒「…………」

箒「……大好きだ///」ボソッ

箒「――ああああああああああ! 何を言っているんだ私はあああああああああああああああああ!//////」



運転手(護送対象とはいえ、車の中でいちゃつくのマジやめてくんねーかな)チッ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 22:17:37.95 ID:8F9Rz5l10
一夏()

一夏(は?)

一夏(今、箒、なんて言った?)


箒『……大好きだ///』


一夏(は、え?)

一夏(えええええええええええええええええええ!?)
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/22(日) 22:19:21.93 ID:8F9Rz5l10
以上で今回は終了。
二次移行したのに活躍少ない?こまけぇことは気にすんな(AA略
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/22(日) 22:19:42.70 ID:bBUSL3nAO
ちょっとワンサマーなぐっていいか?
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/22(日) 22:22:42.31 ID:QaRN0S0qo
じゃあ、俺は脛蹴っ飛ばしてくる
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/22(日) 22:36:40.86 ID:HpX6FV/IO
詐欺グループの脛で許してやれよ
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2011/05/22(日) 23:53:51.31 ID:UxOkbWy+o
もげろ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2011/05/22(日) 23:54:45.77 ID:iKAXQTkro
もげろ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/22(日) 23:55:58.67 ID:kRgP9Rwwo
もいだ
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/26(木) 23:44:11.28 ID:huiEWS0M0
しばらくしたら投下開始します。

>>93ww勝手にもぐなww
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 00:18:00.64 ID:Iu+4yRgU0
〜箒の部屋〜

箒「……ふぅ。今日の復習はここまででいいだろう」

ルームメイト「お疲れ様ー」

箒「ああ。では私はもう寝るとしよう」

ルームメイト「あ、ちょっとタンマ。少し話があるんだけど」

箒「? 何だ?」

ルームメイト「あのさ、しののさんって織斑君のこと好きなんだよね?」

箒「は、はぁっ!? ききき急に何を言い出すんだ!?///」

ルームメイト「あははっ、顔真っ赤!」バンバン

箒「ッ……! 私をからかって楽しいか! ああそうだとも、私は一夏のことが大好きさ!///」

ルームメイト「い、いや、そうマジにならなくてもいいから、ね? ……私はしののさんにアドバイスをしたいの」

箒「…………?」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 00:19:03.74 ID:Iu+4yRgU0
ルームメイト「私ね、他人の恋路をいじ……応援するのが大好きなの」

箒「オイ待て何を言いかけた」

ルームメイト「だから、弄りがい……じゃなくて、応援しがいのありそうなしののさんを応援したいの!」

箒「さすがに今度は隠しきれないだろう!? 明らかに私を弄ぶつもりだな!?」

ルームメイト「アハハ、シノノサンッタラナニヲイッテルノ?」

箒「嘘をつくのが下手すぎる!」

ルームメイト「オホン。で、しののさんにアドバイスがあるの」

箒「こんな生産性も何もない不毛な会話の後だと、不安にしかならないがな」

ルームメイト「じゃあアドバイスの前に質問があるんだけどね……」

箒「話を聞かんか!」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 00:24:41.46 ID:Iu+4yRgU0
ルームメイト「しののさんって友達いる?」

箒「」

ルームメイト「……いや別に『箒は1組だけどぼっち』とか言うつもりはないよ? ただ、なんていうか……」

箒「…………私は友達が少ない、と?」

ルームメイト「まさかの同レーベルネタ!?」

箒「いや別に、私にだって友達ぐらいいるさ!」

ルームメイト「ほうほう。では誰?」

箒「………………お前」

ルームメイト「まあ一緒にご飯食べたりしてるしね。じゃあ他には?」

箒「………………………………」

ルームメイト「………………しのの、さん?」

箒「い、いるさ! 他にも!」

ルームメイト「じゃあ誰?」

箒「………………………………………………」ダラダラ

ルームメイト「……………………」ダンマリ







箒「…………し、竹刀」

ルームメイト「さすがにそれはないわ」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) :2011/05/27(金) 00:36:19.65 ID:RxtwDXsx0
専用機持ち組とか
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 01:33:25.56 ID:Iu+4yRgU0
>>98、お前は今触れてはいけない箇所に触った……

箒「」ボーゼン

ルームメイト「これは……意外とというかやっぱりというか、まあ……ご愁傷様」

箒「うるさい」

ルームメイト「まあまあ落ち着いて。事実なんだから受け止めなきゃ」

箒「さっきから自分の発言が私を傷つけていると気づかないのか!?」

ルームメイト「それでね、ぶっちゃけ友達が少ないって女子高生として致命的だと思うの」

箒「またガン無視か。そういうのをいじめって言うんだぞ」ブーブー

ルームメイト「はいはい。でね、しののさんは女磨きの一環として友達を増やすべきだと思うの」

箒「…………女磨き、か」

ルームメイト「ええ。ライバルは多いわよ」

箒「確かに、心当たりしかない」

ルームメイト「だからまずは友達を増やす! そしてレッツガールズトーク!!」

箒「が、ガールズトーク?」

ルームメイト「女の子はガールズトークしてる時が一番輝くのよ! そして『女の子らしさ』を織斑君に意識させた上で一気に追い込む!! 完璧ね!」

箒「は、はあ。……しかし私にそんなこと、できるのか……?」

ルームメイト「できるできないじゃない、やるのよ!」

箒「う、うむ」

ルームメイト「さあ、今から友達作りの極意を教えるわよ!」メラメラ

箒「……何か、違わないか? これ」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 01:44:52.39 ID:Iu+4yRgU0
〜よくじつっ!〜

箒「き、緊張するな」←実はクラスの女子と喋るの初めて

ルームメイト「まずは出始めにあのグループからだね」

箒「成績は中の上、雰囲気は気さく、話題は豊富……」

ルームメイト「典型的な、男子とよく絡むグループね」

箒「共学の学校ならの話だがな」

ルームメイト「それじゃ、早速行くわよ!」

箒「あ、ああ!」



ルームメイト「おっはよー!」ギュッ

女子a「ひゃん!?」

101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 01:51:21.06 ID:Iu+4yRgU0


女子a「もー、何すんの!」

女子b「あはは、相変わらずだねー」

ルームメイト「だってえ、aちゃんの胸おっきいんだもん」


ルームメイト『いい、しののさん。雑談に混ざるきっかけは私が作る。ちょっと破廉恥だけど我慢してね〜』


ルームメイト「おっ、ここにも揉みしだきたくなる巨峰が二つ!」モミッ

箒「ひあっ!?」

一同『!!?』

102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 01:51:56.64 ID:Iu+4yRgU0
ルームメイト「ん、感触からしてDかEってトコかな」モミモミ

箒「ひゃ、ふぁっ、やあん……///」

ルームメイト「コイツは今までの中でも屈指のサイズと張りだね……ッ!」モミモミモミモミ

箒「ちょっ、やり過ぎ、あぁん///」

女子a「……あれ、しのの箒さんよね?」コソコソ

女子b「うん、確かにそうだよ。……クールでサムライガールで、なんとなく取っつきにくかった、しのの箒さんだと思うよ」コソコソ

女子c「なんか印象違うな……もっとトゲトゲしいようなイメージっていうか……」コソコソ


箒「も、もう止めてッ……///」


女子c「あんな風に顔真っ赤にして喘いでるのって、想像できなかったなー」コソコソ

ルームメイト「あははっ、ちょっとやり過ぎたかな?」

箒「はぁ、はぁ、はぁ……」

女子a「……しののさんも大変だね」

箒「……気遣い、感謝する」



一夏(何あれすげえ目立ってるんですけど)ムラムラ

シャル「……一夏、どうして前かがみになってるの?」

一夏「い、いや! ちょっと俺の雪片弐型がな!」

セシリア「? 一夏さん、何をおっしゃっているのですか?」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 01:57:52.58 ID:Iu+4yRgU0
女子a「でね、今度flipsideのコンサートチケットが手に入りそうなの!」

女子b「またメディアファクトリーにケンカ売るような真似を……ごめん私も行きたいんだけどそれ」

箒(何の話かサッパリ分からん)

ルームメイト「いいね! そうだ、篠ノ之さんも来る?」

箒「へ?」

ルームメイト「だから、flipsideのコンサート!」

箒「いや、私は、」

箒(……ッ! このシチュエーションは!?)


ルームメイト『いい、多分だけど、いざ話してみるとしののさんにはどうしても分からない話題が出てくると思う。

そういう時は憶測でものを言わず、素直に分かりませんって言うこと。

そしてあわよくばそれについて教えてもらうの!』


女子c「篠ノ之さん?」

箒「す、すまない。flipsideって何なのか知らないんだ」

女子abc「「「…………………………」」」

箒(ッ! 挫けるな、挫けるなしのの箒! 私は……こんなところで負けていられないんだ!)

箒「だ、たからっ、そのflipsideについて教えてくれないか!?」

女子a「…………」

箒(だめ、か……?)

女子a「……はぁ」

箒「……ッ」

女子a「しょうがないなー、もう」ニコッ

箒「!」

女子b「あ、私部屋にシングルCDとラジカセあるよ!」

女子c「じゃあ放課後、bの部屋で聞こっか」

ルームメイト「うん、篠ノ之さんもいいよね?」チラッ

箒「……ああ!」

箒(うまく、いった……!)

ルームメイト(やったね!)グッ

箒(本当に……ありがとう!)



一夏「箒のリアクションが可愛すぎて俺の零落白夜が発動しそうなんだけど」

ラウラ「私の嫁が何を言っているのかサッパリ分からない」

一夏「メッ、鎮まれ俺の雪片弐型!」

鈴「こいつ頭大丈夫なの……?」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/27(金) 01:59:05.67 ID:Iu+4yRgU0
今回はここまで。
うわあああああしののさんって誰だよおおおおおおお

痛恨のミスをセルフ報告ということで。いや、携帯だと篠ノ之とか出ないんだって……
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/27(金) 02:04:37.25 ID:z4tIi0bYo
わざと愛称で使ってるのかと思ってたがミスだったのかww
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/27(金) 07:38:14.16 ID:4D0AyBQAO
可愛いから愛称でいいよ。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/27(金) 17:10:35.77 ID:HeYGUXHIO
しののさん良いじゃんしののさん
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/28(土) 10:39:02.17 ID:BAVU13qAO
しののさん可愛い・・・
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/31(火) 23:43:43.49 ID:zHk5eN5Y0


しばらくしたら投下するけど、箒の愛称がしののさん(ちゃん)になりました

べ、別にお前らの意見を参考にしたとか、そんなんじゃないんだからねっ!?

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/05/31(火) 23:57:46.67 ID:zHk5eN5Y0
〜次の休日〜


箒「運が良かったな、コンサートと休日がカブるなんて」

女子a「うん、ホント助かったよ」

女子b「前回みたいに脱出してたら命がいくつあっても足りないからね」

女子c「ていうかあの時の織斑先生怖かったねー」

箒「それはそうだろう、無断欠席なんてすれば烈火のごとく激怒するに決まっている」

ルームメイト「でもまさかホッケーマスク付けてチェーンソー担いで待ってるとは思わなかったよ」

箒「千冬さんェ……」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/01(水) 00:05:40.30 ID:y9lKBsQ00

『放て! 心〜に刻〜んだ夢を〜! 未来さえお〜き〜ざ〜り〜にし〜!て』

箒「」

ルームメイト「どしたの、篠ノ之さん」

箒「い、いや……その、」

箒「本物、だぁ……」キラキラ

ルームメイト「あはは……篠ノ之さんもすっかり毒されちゃったね」

女子a「もう篠ノ之さんって他人行儀じゃない? 渾名作っちゃおうよ」

箒「あ、えっ?」

女子b「だめー?」

箒「いいいいや! 別に構わないぞ、うん!」

女子c「じゃあこれからもよろしくね、えっと……何にしよっか」

女子a「篠ノ之さん……『の』ばっかりじゃん」

女子b「削る?」

ルームメイト「じゃあシノさ――」

箒「それはダメだ。なんていうかこう、私の中で荒ぶる衝動、的なものがあるからダメだ」

女子a「三行で説明してよ……」

箒「著作権に
引っかかって
ヤバイ」

女子b「ホントに説明しやがった……」

女子c「じゃ、じゃあ、しののさんでいいんじゃない!?」

女子a「あ、それいいね。ヨロシク、しののさん」

箒「え、あ、ああ」

ルームメイト「ヨ・ロ・シ・ク」ブイッ

箒「……ああ!」

112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/01(水) 00:07:53.23 ID:y9lKBsQ00
ルームメイト「いやあ、今日のコンサートは面白かったね」

箒「ああ。何よりみんなと仲良くなれたしな」

ルームメイト「うん、けどね……」

箒「けど?」

ルームメイト「ここからが本当の地獄だッ……!」AA略

箒「いや、ネタに走らなくていいから、話を進めてくれ」

ルームメイト「さっすが箒ちゃん、スルー力がハンパないね。でも、ここからが本番っていうのは本当だよ?」

箒「なん……だと……?」

ルームメイト「ラブプラスでみんなが思い知ったように、恋愛っていうのは付き合い始めるまでじゃなくて付き合い始めた後が勝負なの。それは友達付き合いも同じ」

箒「ふむふむ」

ルームメイト「これからは話題が容赦なくプライベートに踏み込んでくることだってある」

箒「なるほどな……」

ルームメイト「特に箒ちゃんは……あんま話したくないこと、あるでしょ?」

箒「…………」

ルームメイト「そこら辺の距離感は、もっと付き合いを深めなきゃ計れないの。今この段階だと、無遠慮に踏み込まれる可能性があるわ」

箒「…………だからなんだ」

ルームメイト「へ?」

箒「だからなんだ。その程度で動じていては女磨きなど、一夏に見合う女など夢のまた夢」

箒「女傑ならばその程度、一笑に受け流す……私は、負けない」

箒「血縁など知るか、しのの束など知るか! 今の私はIS学園一年一組、しのの箒だ。どんな話題だって対応してみせるさ」

ルームメイト「箒ちゃん……」

ルームメイト(いや女らしさを目指すならそのノリは違うでしょ……)

箒「そして私は、友達を作るッ!!」バーン!

ルームメイト「」

箒「ん? どうかしたのか?」

ルームメイト「……色々と台無しよコンチクショー!」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/01(水) 00:09:01.94 ID:y9lKBsQ00
〜一夏side〜

一夏「やあこんばんは。最近空気な一夏クンだよ」

一夏「……なんか、一人で喋っても空しくなってくるだけだな」

一夏「…………」



箒『……大好きだ///』



一夏(――ったく。気を抜いたらすぐこれだ……おかげで授業にも集中できん。今日1日で、千冬姉に、どんだけくらわされたのやら)

一夏(…………あれは、本当に箒の気持ちなんだろうか)

一夏(世に言う『吊り橋効果』ってヤツなんじゃないか?)

一夏(その場限りの、衝動的な気持ち……)

一夏(…………)

一夏「一瞬でも、箒は俺を好いてくれたのか?」ボソッ

一夏(ああクソ、考えが纏まんねえ!)

一夏「……ちょっと風にでも当たるか」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/01(水) 00:09:56.51 ID:y9lKBsQ00
千冬「ん、織斑か」

一夏「げぇっ、千冬姉!」

千冬「私は関羽ではない」バシッ

一夏「あいたっ」

千冬「……」ジーッ

一夏(な、なんだ? 人の顔をじっと見て)

一夏「ひょっとして、顔に何かついてる?」

千冬「何を悩んでいる?」

一夏「ッ!」

千冬「……やはりな」

一夏「ハハッ……千冬姉にはかなわねえな」

千冬「織斑教官だ……いや、今は『そんなこと』どうでもいい」

一夏「へ?」

千冬「ついて来い」クイッ

一夏「いや、あ、ちょっ……!?」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/01(水) 00:10:58.69 ID:y9lKBsQ00





地の文がログインしました。




116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/01(水) 00:14:41.41 ID:y9lKBsQ00
 学園の中でも最も熱気を放つ場所――IS同士の決闘場、第一アリーナ。

 そこは今、ある姉弟によって独占されていた。

「ち、ふゆ姉……? どういうことだよ、これ」

「分からないか? 私と戦え、一夏」

 一夏は目の前にいる、第二世代IS『打鉄』を身に纏う実の姉を見た。

 かつて世界最強と謳われ、現にその座にたどり着かんとした彼女。その鋭い視線が一夏を射抜く。

「イヤイヤ、勝てるわけないじゃんかっ!」

「逃げるな、一夏」

 その言葉だけで、一夏の動きが止まる。

「逃げてる、ワケじゃ」

「いいや。それは逃げだぞ、一夏」

「違う。俺は逃げてなんか」

「お前が何を悩んでいるのかなど知らん。だが、それが原因でそのように腑抜けているのなら……教師として以前に、姉として叩き直す義務がある」

 千冬の言葉に、腕のガントレットがズシリと重くなったような気がした。

「……今日の俺は、そんなにひどかった?」

「ああ。見ていて斬りたくなった」

「そんなにかよ」

 一夏は苦笑する。

 しかし千冬は表情など作らない。

「来い。今のお前の全てを、私にぶつけてみろ」

「……千冬姉」

 やるしかないのか。

 一瞬だけ歯を食いしばり目を伏せ。

 顔を上げる。もう瞳に迷いはない。戦いを挑まれ、逃げたくない。衝動が体を駆け巡る。

 ISが展開される。シャープな形状の白い鎧。以前と違い、見慣れない追加装備が左腕についてるのを千冬は確認した。

「それは?」

「《白式》の進化した姿――《第二形態・雪羅》」

 その名を聞き、千冬は見定めるように左腕へ焦点を当てた。

「やってやるさ……例え相手が千冬姉でも!」

 時刻はもう夜中。


 姉弟の決闘が、一切の観客を挟むことなく始まった。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/01(水) 18:37:28.84 ID:THUUvxwc0
投下、しゅーりょー☆


以下、言い訳

いやあのね、俺だってバトルシーン連続でぶちこみたかったんですよ。けどね、俺のPCが唐突に切れましてね、結局投下しようとしてた書き溜めがご逝去されましたんでせうよ。


何が言いたいのかといえば、今回はここで終了だぜ!!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2011/06/01(水) 18:51:07.76 ID:4poh0rEf0
>>116目で止まってたのはそれが原因か...

>>1乙!
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 03:05:55.15 ID:4/c1kXVS0



しばらくしたら投下します。
やっとマトモなバトルシーンなんだぜ!


120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 03:23:30.01 ID:4/c1kXVS0





 さて、《ブリュンヒルデ》こと織斑千冬が最強と呼ばれる所以はなんだろうか。


 天才的な近接戦闘センス?

 絶対的な経験の差?

 圧倒的な努力の量?


 答えるとするならば、全てだ。




121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 03:37:53.07 ID:4/c1kXVS0
「はああああああッ!」

 裂帛のかけ声と共に、鉄の刃が振り抜かれる。

 ただの一閃、されど《ブリュンヒルデ》の一閃。

「ぐっ……!?」

 その凄まじい威力に、一夏はたまらず吹き飛んだ。

 雪片弐型でしっかりとガードしたにも関わらず、だ。

(冗談じゃねぇ……! どんなバカ威力だよ、アレ!?)

「ボサッとしてる暇は、」

「ッッ!?」

「ないっ!!」

 壁に叩きつけられ、意識が現実から飛んだ数瞬。十数メートルは開いていた距離を、千冬はその間に『殺した』。

 再び魔の刃が煌めく。

 量産型の訓練用機体という肩書きが嘘のような速さと鋭さ。

 一度でも直撃しようものなら、容赦なく命を刈り取られると一夏はおののいた。

(く……! 速すぎ……ッ!)

 悲鳴を上げる暇などない。目を瞑ることすら許されない。

 必死に斬撃をいなし、衝撃を出来うる限り受け流す。

 まだたった十数合の打ち合いの中で、一夏の体中からは冷や汗がたっぷりとにじみ出ていた。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 03:47:04.25 ID:4/c1kXVS0
「!」

 と、千冬がかすかに表情を変えた。

 壮絶な剣舞の中、カウンター気味に一夏が雪片弐型を突き出したのだ。


 なんという愚行か。


「このッ

――未熟者が!」


 一喝と同時、雪片弐型が『消えた』。

 は? と呆気に取られる一夏の後方約10メートル地点に、白い刀が音を立てて突き刺さる。手元から弾かれた、と理解するころには《打鉄》の実体剣の切っ先が一夏に鼻先に突きつけられていた。

「刀が側面からの衝撃に弱いことは分かるだろう!? にもかかわらず、刀を縦に立てた状態で突くなど何を考えている!?
横に寝かせるか、《零落白夜》を発動させておくかどちらかはしろ!」

 腕の痺れがどこか遠いものに感じる。目の前の存在が遠すぎるものに感じる。

「……チクショウ!」

 後方へ大きく飛び退き、視線を千冬から外さない――否、外せないまま雪片弐型を地面から引き抜く。

 勝てる気がしない。

 ここまで絶望的な状況を一夏は生まれて初めて味わう。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 04:08:23.53 ID:RJ3pmX9C0
 何度も何度も切りかかり、弾かれ、距離を取る。


 弄ばれている。

 そう言っては語弊があるだろう。

 ただ千冬は一夏を指導しているだけだ。例え一夏が全力だとしても、千冬にとっては児戯に等しい。


 それが一夏の中の何かを焦がす。


 もっと速く。

 口の中で吐き捨て、地を蹴る。

 千冬は先ほどから足を動かすことなく、一切の移動を行っていない。表情も涼しいものだ。《第二形態・雪羅》は左手のガトリングガンを乱射。エネルギー弾の嵐が襲いかかっていく。

 だが千冬は曲芸のように体の姿勢を崩し、弾と弾のわずかな隙間に滑り込んだ。

 足を地から離していないというのは、何かの冗談か。未だに表情に動きはない。


 それが一夏の中の何かを軋ませる。


 また弾かれた。地に刺さる前に雪片を空中で掴み取る。

 《雪羅》のシールドエネルギー残量は半分を切っていた。千冬の《打鉄》のシールドエネルギーは、微塵も減っていない。


 それが一夏の中の何かを決壊させた。


「――――うおおおぉあああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

 それは『男』としてのプライド。相手に汗をかかせることすらできない。相手の余裕を崩せない。そのことが、一夏のプライドを粉々にする。

 一矢。せめて一矢報いる。

 プライドが雄叫びを上げる。太刀筋がさらに鋭く、素早くなる。それでも《ブリュンヒルデ》には及ばない。

 一夏の斬撃すべてを完璧に受けきり、千冬はここに来てようやく動いた。

《打鉄》がブレた。

 かと思えば、目前にいつの間にか距離を縮められている。

 ――瞬間加速(イグニッション・ブースト)。

 相手の虚を突くだけでそれは必殺の一撃への布石になる。

 呼吸のリズム、攻撃の予備動作。

 その他あらゆる観点から絞り出された一夏の『隙』を突いて、千冬は懐に潜り込んだ。


 ――シールドエネルギー残量、367。


 真上に刀を打ち上げられ、一夏のアゴへきれいに刀身が吸い込まれた。
 シールドエネルギーが大幅に減少し、つま先が数十センチ宙に浮く。

(まだだ、チャンスはある……! 一撃でいい、一撃でいいから、なんとしても当ててやる……ッ!)

 それでも、一夏の中に燃え盛る闘志は消えない。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 04:14:02.70 ID:RJ3pmX9C0
 ――シールドエネルギー残量、265。


 ――シールドエネルギー残量、175。


 一撃もらうごとにプライドがひび割れ、一撃かわされるごとに砕け散る。

 斬撃はいなされガトリングガンはかわされ。


 ――シールドエネルギー残量、89。


 それでも、それでも。

(……俺は今、何をやっているんだ……?)


 ――シールドエネルギー残量、66。


 幾度も打ち据えられ、意識が朦朧とし始めた。

 だが一夏の体はひたすらに突き動かされる。原動力はプライドか執念か。

 ――それでも、それでも!

(俺はッ! こんな無様なまま、負けたくねえ!)

 千冬がトドメとばかりに接近する。

 それを迎え撃つべく、一夏は左の拳を握りしめ、突き出した。

 しかし腕のリーチに千冬はまだ入っていない。

 届かないパンチを放つ一夏に千冬は一瞬だけ訝しげな目を向け。



 左腕から鉄杭が飛び出した瞬間、初めて表情を変えた。



「な!?」

 目に見えて焦っている。恐らく、ガトリングガンは外見からして分かっていたのだろう。

 しかし、パイルバンカーは分からなかった。

 無理もない、杭にしてはあまりに長大なそれは近接戦闘用ブレードと言われても納得がいくほどだ。

 千冬は猛然と突き進む。眼前の鉄杭に突っ込めば、相対速度により凄まじいダメージがあるだろう。


 だが。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 04:23:09.38 ID:RJ3pmX9C0
(この程度……ッ!)

《ブリュンヒルデ》がこの程度の攻撃を受けるはずがない。

 無理に体をひねり、すんでのところで一夏から見て右側に体を傾けた。

(当たらなければ、どうということはない!)

 パイルバンカーが千冬の右の頬をかすり、それだけでシールドエネルギーが50近く削られた。

 確かなダメージ。

 織斑一夏は、織斑千冬に確かにダメージを与えた。

 ISに触れて間もない素人が、世界最強と謳われた戦乙女に、だ。

 やはり自分の弟は、『何か』を持っている。下手をすれば、今後経験や技術を積んでいけば自分すら凌駕してしまうかのような『何か』を。

 それが確認できただけで、千冬は満足だった。

 弟を誇ることができる自信の源を得ただけで、千冬は安心した。

 勝負は決したと思い、千冬は無意識に満足そうに口元を緩め。



 バチンッ! と音を立てて、《雪羅》の左腕からパイルバンカーがパージされた。



 鉄杭を排出した反動で一夏の左腕が右側へズレる。

 ――ちょうどガトリングガンの銃口を千冬の顔面に突きつけるように。

「な――――」

 絶句する千冬に、言葉を紡ぐ余裕すらない一夏は、かすかに微笑んでみせた。

《零落白夜》の効果が付与されたエネルギー弾が撃ち出される。回避は不可能。





 ――シールドエネルギー残量、0。




126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 04:31:39.00 ID:RJ3pmX9C0

「ははっ……後少しだったんだけどなあ……」

《第二形態・雪羅》が解除され、IS学園の制服を身にまとったまま、一夏は地に仰向けに倒れていた。彼は薄く微笑んで、アリーナの天井を見上げている。

 ガトリングガンの乱射――しかも《零落白夜》を使用した状態でだーーにより、ゼロに近かった《雪羅》のシールドエネルギーは底をついた。

「まさかあのような意表のつき方をしてくるとはな……」

 結果的に千冬のシールドエネルギーは四分の三近く削られた。《零落白夜》の弾丸を、最後の最後にまとめて受けたのが原因だ。

「ここまでやられたのは久々だ。強くなったな、一夏」

 シンプルな誉め言葉に思わず一夏の頬がほころぶ。

「……で、だ」

「? どうかしたの?」

「悩みはどうなった?」

 悩み。

 箒の、一夏への気持ち。

「……さっぱり解決してないな」

「そうか」

 千冬とて、一夏の悩みが模擬戦で解決するとは思っていなかった。これは単なる気晴らしだ。

 仮に千冬が手を貸せば悩みを解決できるとしても、千冬は手を貸さないだろう。それでは意味がないからだ。

「けど。なんとなく、どうにかなりそうな気はしてきたよ」

「……そうか」

 なら、良かった。

 続く言葉を飲み込んで、千冬は弟を見やる。

 天井に向かって一夏が右腕を突き上げた。その瞳に迷いの色はない。



「俺は。

箒の傍にいる。

箒ともっと話す。

俺一人が悩んだって、箒の気持ちは分かんねえ。

だから――

   ――俺が箒のことを好きなのかどうか、そっちを判断するよ」



 どこか晴れ晴れとした表情の一夏を見て、千冬は自分の役割が終わったことを察する。

「では特別指導は終わりだ、『織斑』」

「……ありがとうございました、『織斑先生』」





 姉弟の交わりに、言葉など不要だった。

 放っておいても、一夏は勝手に歩いていくだろう。

(アレは、もう一人で歩けるのだな)

 立ち上がり、アリーナを後にする一夏の背中に目をやる。

 千冬の胸の奥が疼いた。

 千冬は、これは気のせいなのだと決めつけた。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/05(日) 04:35:50.63 ID:RJ3pmX9C0
今回はここまで。

最初『地の文の予定なし』とかカッコつけて言ってた俺を誰かジェノサイドしてきてくれ。

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 12:33:35.29 ID:92xLjD84o
つ【セシリアの手料理】
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/06/05(日) 16:39:02.75 ID:UB/tBspr0
つ【盾殺し】

熱い戦闘シーン堪能させてもらったぜ!
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/07(火) 21:42:04.17 ID:OTf6yLJA0
つ【荷電粒子砲】

ここの一夏からは熱血臭がするな
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/11(土) 23:10:35.98 ID:PtU6PcTo0


投下リスタート。

>>128-130
俺殺されすぎワロタww
ホント容赦ない攻撃ばっかww

132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/11(土) 23:35:07.06 ID:PtU6PcTo0
ルームメイト「そろそろ頃合いね……」

箒「? 頃合い……どういうことだ?」

ルームメイト「ここ数日、しののちゃんはガールズトークを無事こなしてきた」

箒「なんだその言い方。ガールズトークは、常に死の危機とでも隣り合わせなのか?」

ルームメイト「ツッコミが板についてきたね、しののちゃん」

箒「好きでこうしてるワケじゃないからな!?
みんなが寄ってたかってボケを乱発するから、適応しただけじゃないか!」

ルームメイト「それでね、最近になって一夏君の態度が変わってきたと思うの」

箒「無視か。……まあ、もう慣れたけれど」

ルームメイト「うんうん、慣れは人類史上最強の武器ね。
で、一夏君の態度がかなり変わったのは、しののちゃんも気づいてるんじゃないかな?」

箒「……ああ。最近になって、一夏は変わった。その、なんというか」

ルームメイト「??」

箒「…………か、カッコよくなった///」

ルームメイト「引き延ばしておいてのろけかよ」チッ

箒「そっちこそ聞いておいてその態度か!?」

ルームメイト「私はいいもーん。でも、あれはすごかったわね」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/11(土) 23:40:12.86 ID:PtU6PcTo0
ルームメイト「そろそろ頃合いね……」

箒「? 頃合い……どういうことだ?」

ルームメイト「ここ数日、しののちゃんはガールズトークを無事こなしてきた」

箒「なんだその言い方。ガールズトークは、常に死の危機とでも隣り合わせなのか?」

ルームメイト「ツッコミが板についてきたね、しののちゃん」

箒「好きでこうしてるワケじゃないからな!?
みんなが寄ってたかってボケを乱発するから、適応しただけじゃないか!」

ルームメイト「それでね、最近になって一夏君の態度が変わってきたと思うの」

箒「無視か。……まあ、もう慣れたけれど」

ルームメイト「うんうん、慣れは人類史上最強の武器ね。
で、一夏君の態度がかなり変わったのは、しののちゃんも気づいてるんじゃないかな?」

箒「……ああ。最近になって、一夏は変わった。その、なんというか」

ルームメイト「??」

箒「…………か、カッコよくなった///」

ルームメイト「引き延ばしておいてのろけかよ」チッ

箒「そっちこそ聞いておいてその態度か!?」

ルームメイト「私はいいもーん。でも、あれはすごかったわね」
134 :二重投稿とか笑えない…… [saga]:2011/06/11(土) 23:48:09.06 ID:MP1MGbCo0
〜回想〜

女子a「しののちゃん、今度オープンするお店知ってるー?」

箒「ああ、『Baby-lady』だろ?」

女子b「しののちゃんが……私たちの話題について来れた……!?」

箒「バカにしているだろ、それ」

ルームメイト「アハハハ、ナニヲオッシャッテイルノヤラ」

箒「ホント嘘つくの下手だな! 少しは改善しろ!」

ルームメイト「ううー、何よ、別にいいじゃない。じゃじゃ馬のくせに嘘下手って、これはこれでキャラ立ってるでしょ」

箒「あのなぁ……」ハァ

一夏「あ、箒。ちょっといいか?」

箒「? どうかしたのか、一夏?」

一夏「さっきから気になってたんだけど、その『しののちゃん』って何だ? まさか箒のことか?」

箒「何だとは何だ。別にいいだろう、私がなんと呼ばれようとも」

ルームメイト(……ッ、しののちゃんフィルター準備!)

女子c(オーケー! 初の実戦だけど、頑張ってね……フィルター、ONッッ!!)


女子b(説明しよう!
この『しののちゃんフィルター』というのは、要するにしののちゃんの感情、思念を感知して音声化するという、プライバシーも何もない、犯罪者まっしぐらな道具なのだ!)
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/12(日) 00:00:24.18 ID:m5Ep+esQ0
箒「それとも何か? 一夏は私にはこの掃除道具みたいな名前がお似合いだと?」

箒(やったッ! 一夏が話しかけてくれた! あっちから話しかけてきてくれるなんて、今日はツいてるなあ♪)


一夏「?? いや、箒は箒だろ? その名前が一番だと思うけどな」

箒「!? きゅ、急に何を言い出すんだ!!///」

箒(そ、そうか……一夏は、この名前を気に入ってくれていたのか……嬉しい、な……///)


一夏「いやさ、それで……箒が友達と仲良くしてるのって、結構珍しいし。何かあったのか?」

箒「……その言い方は、まるで今まで私に友達がいなかったかのようだな。かなり失礼だぞ」

箒(だって一夏さえ居てくれれば、女友達などいらなかったからな///)


一夏「あ、悪い。……そうじゃなくて。箒、最近変わったからさ」

箒「変わった……? 私が?」

箒(変わったのか……? 良い方に? だったらいいなあ……)


一夏「ああ。明るくなった」

箒「…………ッ!///」

箒(やった、やったッ! 一夏が私のこと誉めてくれた!)


一夏「…………」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/12(日) 00:17:57.28 ID:m5Ep+esQ0
一夏(さっきから箒、赤面してばっかりだよな……)

一夏(今までは、スルーしてきたけど、これって……怒ってるのか? それとも)

一夏(…………照れ、てる?)

箒「一夏? どうかしたのか?」

一夏「! あ、ああ、いや」

一夏(見えるものや聞こえるものに惑わされちゃいけない。感じるんだ……!)

箒「い、いや、一夏も変わったぞ!」

一夏「へ?」

箒「そ、その……か、カッコよくなった……///」

一夏(――落ち着け! 落ち着け織斑一夏! 表面の言葉に惑わされるな! もっと奥を、深層心理を詠むんだ!)

一夏「俺に……俺に力を貸せ、《白式》!」

箒「ホント最近中の人ネタ多いな、オイ!」


ピキピキーン!


一夏(うわ、マジで来た。えーっと、これは……)


箒(まあ一夏は、元々最高にカッコよかったけどな!///)


一夏「余計な思念がぁーーっ!!」

箒「!?」ビクッ

女子a「ど、どうしたの織斑君!?」

一夏「い、いや! 何でもない! ただ、箒が可愛すぎてヤバいだけだ!!」

『『『!!?』』』

箒「い、一夏ぁっ!? いいいいきなり何を!?///」

一夏「あああああしっかりしろよ俺ェェェェェェ!!」

〜回想終了〜
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/12(日) 00:31:22.35 ID:m5Ep+esQ0
箒「可愛すぎだなんて、そんな……///」

ルームメイト「なんでも噂によると、織斑君と織斑教官がアリーナで戦ったらしいのよ。
織斑君が変わった理由って、思いつく限り、これっぽくない?」

箒「一夏と千冬さんが? ……どっちが勝ったんだ?」

ルームメイト「それ聞く?」

箒「……そうだな、聞くまでもなかったな」

ルームメイト「織斑教官が無傷で勝利、っていうのが一番有力な話。けど……」

箒「? けど?」

ルームメイト「教官が使ったっぽい《打鉄》のシールドエネルギーが、大幅に減っていたって噂もあるの」

箒「へ? ダメージを、与えたのか?」

ルームメイト「あくまでも噂だけどね」

箒(千冬さん……《ブリュンヒルデ》相手にダメージを与えた? ISを扱ってまだ間もない、候補生でもない一夏が?)

ルームメイト「そもそも、教官と1対1のサシで勝負する時点で無謀なのよねー」

箒(この間助けてくれた時、《白式》は左腕に見慣れない武器が増えていた……)

箒(経験を積み、ISと操縦者の相性が良ければ到達できる領地……二次移行(セカンド・シフト)。
一夏は、そこにたどり着いたのだろうか? もしそうだとすれば……)

箒(……私は……もう…………)


箒(一夏に、追いつけない…………)
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/12(日) 00:46:28.73 ID:m5Ep+esQ0










〜その頃の一夏〜

女子Ω「決闘よ!」

一夏「なにこのデジャヴ」









139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/12(日) 00:50:55.79 ID:m5Ep+esQ0
〜翌日〜

女子a「ねえ、あの噂聞いた〜?」

箒「噂?」

女子b「うん。なんでもね、織斑君が3組の人と決闘するんだって」

箒「…………は?」ポカーン

女子c「聞いた聞いた。また織斑君がケンカ売られたんでしょ?」

ルームメイト「男のくせに生意気だーってヤツ?」

箒「イヤイヤイヤイヤ、なんだその初期のチョロリア設定。あっ間違ったセシリア」

女子a「本人がいたら狙い撃ちだよ、今の発言……」

一夏「おはよーっす」

箒「あ、ああ。一夏、おはよう」

女子b「おっはー」

女子c「また微妙に古いネタを……」

ルームメイト「おはよっ、織斑君。今度決闘でしょー? 頑張ってねー」

一夏「……………………」

箒「? 一夏、元気がないな」

一夏「…………そうか?」

女子a「言われてみれば、なんかしょぼくれてるね」

一夏「ひでえ言われようだな」

女子b「大丈夫? 何かあったの?」

一夏「…………別に」

ルームメイト(うわ、重症だね)

箒(ああ。かなり沈んでいるな)

一夏「…………なあ」

箒「?」

一夏「俺は、勝った方がいいのかな?」

箒「は?」

一夏「い、いや。何でもない」

箒「は、はあ……」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/12(日) 01:01:40.23 ID:m5Ep+esQ0



一夏(俺は……)

一夏(戦いたく、ない……)

一夏(あれもこれも、俺がIS(こんなもの)を動かせるからだ……)

一夏「チクショウ……何で……どうして……」

一夏「どうして……俺なんだ……」


141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/12(日) 01:04:07.56 ID:m5Ep+esQ0
今回はここまで。次回はVS女子Ω。

イヤッホウなんでこんなにバトル多いんだよ!

ラブコメが進まないよ!!
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/12(日) 08:50:34.66 ID:ilX3OUODO
超乙
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/12(日) 19:31:09.11 ID:3woeDr/IO
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/18(土) 13:07:11.41 ID:DzOwFSQUo
まだかー
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:07:00.41 ID:5alOVgv70
投下開始します。


すごく短い上に変な所でぶった切られてるよ!


あと、ヒロインズが気づけば毒舌に。どうしてこうなった
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:23:05.64 ID:5alOVgv70
〜一週間後・放課後・第三アリーナ〜

女子Ω「よく逃げずに来たわね」

一夏「……ああ」

女子Ω「ふん、怯えてるのかしら?」

一夏「……別に」

女子Ω「隠さなくてもいいわよ。なにせ私が専用機持ちだなんて、予想だにしなかったでしょう?」

一夏「…………」



鈴「あの女、絶対バカよ」

セシリア「愚の骨頂ですわね」

ラウラ「専用機が届いたのは一昨日。機体性能の軽い確認のみしかしていない状態だぞ」

箒「まるでセシリアと戦った時の一夏だな……いや、一夏よりはマシか」

シャル「さすがに勝てないでしょ……《雪羅》の性能勝ちだね」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:28:15.89 ID:5alOVgv70
女子Ω「卑しい雄犬、この《紫電(しでん)》で叩きのめしてあげるわ!」ジャキン!

一夏「…………クソッ」ジャキッ



鈴「日本刀ww近接戦する気マンマンww」

セシリア「近接戦wwモロ一夏さんの土俵ww」

ラウラ「…………」

シャル「? ラウラ、どうかしたの?」

ラウラ「嫁の様子がおかしい」

鈴「へ?」

セシリア「はひ?」

箒「なんであんなにやる気がなさそうなんだ、一夏は」

ラウラ「戦意を全く感じない。構えも雑だ。何より……全然集中していない」

鈴「言われてみれば……どうしたのよ、一夏」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:32:03.91 ID:5alOVgv70
女子Ω「それではッ! 始めるわ、あなたの虐殺ショーを!」ドッ!



セシリア「出だしから瞬間加速(イグニッション・ブースト)……」



一夏「……!」ガキィッ!

女子Ω「フハハハハッ!! 私の剣舞にいつまでついてこれるかしら!」ギン!ギンッ!

一夏「…………」ギンッ!ガギン!
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:38:46.92 ID:agSGUXiv0
一夏(なんだ、コレ……?)

一夏(どうして戦ってるんだ、俺は……?)

女子Ω「いつまでッ! 耐えられッ! るっ、かなッ!?」キン!キン!

一夏(……うぜぇ)

女子Ω「ふふふ……ッ!」



セシリア「箒さん、あなたから見てあの斬り合いはどうですか?」

箒「児戯未満だ」

シャル「うわバッサリ。……けど確かに、正直低レベルだよね」

セシリア「私でも見切れるって、なかなかですわよ」

鈴「さらっと自虐するんじゃないわよ……それで、一夏はなんでその低レベルな剣術に付き合ってんの?」

ラウラ「分からない」

箒「いや、なんとなく分かるな」

シャル「? どんな理由だと思うの?」

箒「一夏は疲れたんだ」

『『『???』』』


箒「……きっと、疲れてしまったんだよ。一夏は」

150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:46:14.58 ID:agSGUXiv0
女子Ω「いい加減落ちなさい!」ギィン!!

一夏「チッ!」ヒョイ

女子Ω(かかった!)

女子Ω(布石は打った。右下からの逆袈裟切り、その次には真上から垂直に振り下ろす……このコンボは何度も使い、印象付いたはず)

女子Ω(すると相手は真後ろに下がって距離を取る……ここで勝負をかける!)

女子Ω「ハアァァァッッ!!」バチンッ!

一夏「ッ!」



セシリア「あら、胸部装甲をパージしたのですか?」

鈴「いや、中に何か……あれは、ガトリング!」

箒「というかさっさと撃った方がいいんじゃないか?」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:53:58.27 ID:agSGUXiv0
女子Ω「フェイントに見事に引っかかってくれたわね!」

ズダダダダダ!!



シャル「あれはフェイントって言うのかな?」

ラウラ「撃つ前に御託を並べる必要はなかっただろう」

箒「私でも避けられるんじゃないのか、アレ」

鈴「ま、《白式》なら回避はでき……」



ダダダダダダダン!!

一夏「が、ごっ……!」



セシリア「」

鈴「」

ラウラ「」

シャル「」

箒「」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:56:55.50 ID:agSGUXiv0
一夏(いてぇ……無駄にバカスカ撃ちやがって……)

一夏(ていうか、直撃したのにシールドエネルギー全然減ってねえじゃん……)

一夏(…………)

一夏(……負けても、いいよな……?)

一夏(勝たなくても、いいよな……?)



鈴「は、はぁっ!? アイツ馬鹿じゃないの!?」

ラウラ「何故回避行動を取ろうともしないのだ!?」

箒(やはり、アイツは……)



女子Ω「ふふん、今ので四分の一は消し飛んだわね」

一夏(……負けたって、いいんだよな……)

女子Ω「なら、後三回決めれば私の勝ち――――」


カランッ


女子Ω「え?」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 16:58:36.94 ID:agSGUXiv0
鈴「は?」

シャル「一夏……? なんで、雪片弐型を……」

ラウラ「武器を、捨てた?」

箒「……ッ!」ダッ!

セシリア「あっ、箒さん!?」



一夏「さっさとやれよ」

女子Ω「……馬鹿にしてる?」

一夏「撃てよ。斬れよ。好きなように嬲れよ」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/24(金) 17:00:20.95 ID:agSGUXiv0
今回はここまで。
久々に地の文なしで書いた気がする。

次回から地の文込みでバトルシーン。

ところで箒ssっていうかこれもう再構成だよね。いまさらだけど。
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2011/06/25(土) 12:49:53.10 ID:DAH6gwuN0

面白ければ別に問題ないと思うぜ
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/29(水) 23:17:54.52 ID:5ltxvh3m0
しばらくしたら投下します。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/29(水) 23:28:08.85 ID:5ltxvh3m0
〜第三アリーナ〜


女子Ω「……気でも狂ったのかしら?」

一夏「まさか。そのガトリングでも刀でもいい、さっさと使って仕留めろよ」

女子Ω「勝利を譲るとは……負けるのがそんなに怖いのかしら?」

一夏「……俺が悪いのか?」

女子Ω「は?」

一夏「答えてくれ。俺が悪いのか?」


158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 23:33:43.09 ID:4efL8LE7o
きたか
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/29(水) 23:37:19.29 ID:EgJhOcrq0
一夏「ISを動かしたから悪いのか? 男として生まれてきたから悪いのか?」



鈴「アイツ、何を……?」

セシリア「……一夏さん」



一夏「ISを動かさなければ良かったのか? 動かしたとしても、俺が女の子だったら良かったのか?」



ラウラ「…………」

シャル「そっか、疲れてしまった……か。言ってた通りだ」



一夏「俺という、ISを動かせる男なんて……存在自体、間違ってたのか?」



160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/29(水) 23:43:14.31 ID:EgJhOcrq0
一夏(もう、疲れたよ)


一夏(男だから注目されて、期待されて。妬まれて憎まれて羨望されて)


一夏(俺はそんなに強くないのに)



一夏「俺と同じ立ち位置のヤツなんていない……誰にも伝わらないんだ。誰とも重なれないんだ」

女子Ω「……ッ」

一夏「なんでなんだよ……他に、もっと強いヤツなんて山ほどいるのに……」



一夏「なんで俺なんだよ……なんで、俺なんだよ……ッ!」



161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/29(水) 23:47:03.72 ID:EgJhOcrq0
女子Ω「…………」

一夏「負けなきゃいけない理由はないけど、勝たなきゃいけない理由もないんだ」

女子Ω「……」ジャキッ

一夏「だから、俺は……負けても、いいよな?」

女子Ω「腑抜け……敵意を向ける価値もない、ゴミクズね」

『『『一夏ッッ!!?』』』


ズダダダダダダ!!




『――何をやっているのだ、この馬鹿者ッ!!』


「ッ!?」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/29(水) 23:49:30.36 ID:EgJhOcrq0





地の文がログインしました。





163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/29(水) 23:59:18.66 ID:EgJhOcrq0
 アリーナに声が響いた。


 凛として、芯の通った声。


 それを聞いた瞬間に一夏の左腕は動いていた。《雪羅》最大の特徴、多機能・多武装手甲が輝きを放つ。

 左手を中心とし、巨大なシールドが張られる。
《紫電》の胸部ガトリングガンから放たれた弾丸は、すべてそれに阻まれた。

「あ……」

 声を漏らしたのは防いだ方か防がれた方か。

『この馬鹿者、馬鹿者ーーっ! その程度のプレッシャーに負けてどうする! 周囲のひがみなどに負けてどうする!』

 箒の声。

 その強く優しい声が、一夏の鼓膜を震わせた。
 雪片弐型を捨てた右手が、何かを求めるように、開いたり閉じたりを繰り返している。

『私だって、姉のせいで、周りとは少しズレている! けれど私は負けなかった、友達もできた!』
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:04:41.29 ID:hyreDinu0


 なんで俺なんだ。


『選ばれたことを歪んだ目で捉えるな!
 誇ればいいじゃないか、胸を張ればいいじゃないか!
 自分は世界で唯一の存在だと、オンリーワンなのだと!』






 戦いたくなんてないのに。


『強くなればいい!
 誰も、挑む気すらなくなるくらい!
『無敵』に、戦う前から結果が決まりきっているような存在になれ!』






 負けても、いいよな?


『負けるな! 立ち止まるな!
 こんなくだらないことで立ち止まるなど……
 そんなの……』


165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:06:33.40 ID:hyreDinu0







『……そんなの、私の大好きな一夏ではない!』






166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:08:23.54 ID:hyreDinu0
 頭を、ガツンと殴られたような衝撃が走った。

『だから戦え、そして勝ってくれ。
 何もせず嬲られる一夏など…………

 私は……見たく、ない』

 言葉が出ない。指先が動かない。

「――――ッ、ははは」

 やっと出た声は、ひどく弱々しいものだった。

「ああ、バカだ。マジでバカだよ、俺」

 自虐的な笑みを浮かべ、一夏は視線を上げた。

 アリーナの放送室。ハイパーセンサーは、そこに佇む箒の姿を伝えてくれた。

『そうだとも。お前は大馬鹿だ』
「ひでえ」
『事実だ』

 一拍置き、二人してからからと笑う。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:12:20.88 ID:8hCIn4yR0
「ああ。そうだよな。なんで気づかなかったんだろうなー、俺」
『?』

 有り体に言えば、この時箒は油断していた。

 あの唐変木・オブ・唐変木が。
 あの朴念仁の二乗みたいな男が。
 あの異性に対する理解度が小指の爪ほどもない奴が。

    ――自分の好意に気づくわけがない。

 この時、彼女の不幸は、一夏が偶然(?)好意を示す彼女の発言を聞いてしまっていたこと。

 それに伴って箒の自分への感情に薄々気づいていたことだ。





 以上のことから何が起こったのかと言えば。



「箒……お前さ、俺のこと好きだろ?」



 こんな、端から見れば自意識過剰全開なセリフを一夏がのたまったのだ。

『…………。……………………、…………。…………!!!???』

 その言葉は箒から言語機能を根こそぎ奪い取った。
 首まで赤くして箒が口をパクパクとさせるのにもお構いなしに、一夏は続ける。

「ありがとう。俺の戦う理由になってくれて」

 一方的に会話を打ち切り、一夏は放置気味だった対戦相手に向き直った。

「つーわけだ、悪いな」
「……何かしら、女の敵さん」
「負けなきゃいけない理由はないけど……勝たなきゃいけない理由は。勝ちたい理由は、できた。
 こっからは、本気で往く!!」

 そして足元の雪片弐型を蹴り上げる。

 照明に煌めいた刀身が円を描くようにして、右手に収まった。
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 00:14:16.72 ID:D+B6CjwEP
          ハヽ/::::ヽ.ヘ===ァ
           {::{/≧===≦V:/
          >:´:::::::::::::::::::::::::`ヽ、  
       γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     _//::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
.    | ll ! :::::::l::::::/|ハ::::::::∧::::i :::::::i  
     、ヾ|:::::::::|:::/`ト-:::::/ _,X:j:::/:::l   
      ヾ:::::::::|≧z !V z≦ /::::/   
       ∧::::ト “        “ ノ:::/!  
       /::::(\   ー'   / ̄)  |
         | ``ー――‐''|  ヽ、.|   
         ゝ ノ     ヽ  ノ |
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:16:53.47 ID:8hCIn4yR0
 勝敗は一瞬。



 瞬間加速で距離を即座に殺し、一夏は雪片弐型に《零落白夜》を使用――右半身ごと蒼い刃を振り上げる。

「ッ!」

 相手はとっさに後方へ下がり、かろうじて必殺の斬撃を避けた。


 しかし一夏の攻撃は終わっていない。


 0.五秒と間を置かず左手のクローが突き出された。指一本一本が致命傷となりかねないダメージを与えてくる。


 しかし奇跡的に、女子生徒はそれすらも回避してみせた。


 上体を仰け反らせるようにしてクローからギリギリの所に。
 目と鼻の先には凶悪なクローが突きつけられている形だ。
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:19:54.08 ID:8hCIn4yR0
 喉が砂漠のように干上がり、視界から一夏以外が消え失せた。



 そしてようやく気づいた。クローがどれ一つとして《零落白夜》を発動していないことに。



「お生憎様ァ!」

 撃鉄はすでに起こされた。後は引き金を引くだけ。
 鼻先に向けられた死の銃口。
 それから逃れる術など誰も持ち得ない。

「俺のこと好いてくれてる可愛い女の子の前で、負けてやる義理なんてねえんだよぉおおおおおおおおおおおお!!!」

 叫びながらパイルバンカーを何度も打ち込んだ。

 爆音を伴って鉄杭が飛び出し、胸部や肩部の装甲を打ち砕く。

 その度、ガツン! ガツン! と轟音が響いた。

「グ、グォレンダ……!?」
「きっ、きゃあああああああああああああ!」

 唖然とした鈴の声が漏れる。《紫電》はもう元の形状を留めていなかった。パイロットの痛々しい悲鳴が耳をつんざく。


 結局5連打はおろかパイルバンカー16連射ぐらいをして、一夏は完膚なきまでに相手を叩きのめした。


171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:21:22.55 ID:8hCIn4yR0










地の文がログアウト……できませんでした。









172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:23:18.45 ID:8hCIn4yR0
「俺の勝ちだ」
『《紫電》大破、勝者――織斑一夏』

 一夏の勝利宣言が響く。

 後を追うように戦闘結果が読み上げられるが、それは爆音のような歓声にかき消された。

「負け……私の、負け……」
「ああ。ほらっ、立てるか?」

 ボロボロの《紫電》に手を差し伸べる。
 しかし女子生徒はキッと一夏を睨みつけると、その手を払いのけた。

「結構よ! 勝者の愉悦で、敗者を好きにできると思わないで!」

 そう言って立ち上がり、一夏に背を向けた。

「……どうして」
「?」

 観客の歓声など関係なしに、《紫電》を纏った女子生徒は言葉を零す。

「どうして、途中まで手を抜いていたのかしら?」

 ゆっくりと、こちらを振り向いた。

 一夏は答えに窮したように頬を掻くと、少し間をおいて、告げた。
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:26:04.68 ID:8hCIn4yR0
「ああ、それはな。

 理由を探してたからだ。
 戦意なんてサラサラなくてさ……それでも戦わなきゃいけないなんてイヤでイヤで、な。

 けど理由は見つけたよ。

 俺は、」

 そこで言葉を切る。

「……ここで言うことじゃねえよな、ったく」

 照れくさそうに頭を掻き、一夏はそっぽを向いた。

(どうしたのかしら)

 一夏の正面に回り込む女子生徒。
 そっぽを向く一夏。

 一夏の正面に回り込む女子生徒。
 そっぽを向く一夏。

 一夏の正面に回り込む女子生徒。
 そっぽを向k

「さっきからどうした!? 俺の顔なんかついてる!?」
「はあ? 何言ってんのよ、別にいいじゃない」

 キョトンとした表情に、思わず一夏は顔をひきつらせた。

 ――こいつ、無自覚にどんだけ顔近づけてんの!?

 顔良し。スタイル良し。
 こうして見てみると、かなりのハイスペックを誇っているのだが、そこは所詮一夏。軽く焦りながら口を開き






 唐突に《紫電》を突き飛ばした。
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:31:58.04 ID:8hCIn4yR0
「え?」
「あっ?」

 突き飛ばされた女子生徒も、突き飛ばした一夏も、間抜けな声を上げた。

(――なんで突き飛ばされてるの、私)

(――なんで突き飛ばしたんだよ、俺)



 答えは、刹那の内に降ってきた。


 アリーナの天井が消し飛んだ、そうとしか形容の仕様がない。

 弾けるように吹き飛んだ天井の上。真っ青な快晴を塗りつぶし舞い降りる、黒い巨体。

 人型のそれが肩に構えた二つの大型キャノンの内、片方は砲口から煙が染み出て、もう片方は光がにじみ出ている。
 ――まるで許容量を超え、超過したエネルギーが溢れているように。

「ッ!!」

 何かを叫ぶより速く、何か行動を起こすより速く。

 輝いていた砲口から、《雪羅》目掛けて光が解き放たれた。

 一瞬爆発的に眩い光がぶちまけられ、次の瞬間にはそれが収束し一筋の線を創る。

 回避など不可能。
 一切の抵抗を挟まず、《雪羅》の姿は閃光の中にかき消えた。

175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/30(木) 00:37:50.90 ID:8hCIn4yR0
今回はここまでです。
<黒いISって何だ!? 一体誰がこんなもの仕向けてきたんだ!?
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/06/30(木) 08:34:31.41 ID:u1vtPxs9o
乙〜
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 01:52:44.07 ID:pyayVMa20
しばらくしたら投下しますね。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 02:13:25.44 ID:pyayVMa20
『一夏ぁあああああああああああああっっ!!』

《雪羅》の撃墜を知らせるブザーが鳴ると同時、悲鳴が複数響いた。
ISが展開される輝きがあちこちに満ち、計四つのISが顕現する。

《ブルー・ティアーズ》、《甲龍》、《ラファール・リヴァイヴ・カスタムU》、《シュヴァルツェア・レーゲン》――各国が威信をかけて開発した究極のワンオフ機たち。
 それらが限界ギリギリの速度まで一瞬で達し、アリーナに躍り出る。
 天井が爆散した際に、観客席とを仕切るシールドは消滅していた。

「一夏さんっ!」

 まずセシリアが、落下する《雪羅》を抱き留めた。
 次いでそれをフォローするようにラウラとシャルロットがそれぞれの武器で黒い巨体を撃つ。

「下がれぇ!!」
「ここは通さん!!」

《ブルー・ティアーズ》をカバーするべく鈴もセシリアと連れ添って飛行し、一夏を観客席に


「え?」


179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 02:21:56.35 ID:pyayVMa20
 運べなかった。
 シールドがいつの間にか復活していたのだ。

「じょ、冗談じゃないわよ! なんだってこんな目に何度も――――」
「無駄口を叩く暇があれば、少しは考えろ! オルコット、貴様が嫁を運べ!」

 ラウラの一喝に、全員の思考が切り替わる。
 ひとまず一夏はセシリアが保持し、その間に鈴、シャルロット、ラウラの三人がかりで乱入者を仕留める。
 言葉もなしに、あっという間に四人は作戦を組み立てた。

「僕が突っ込む! カバーお願い!」

 言葉と同時、《ラファール》が加速した。『瞬間加速(イグニッション・ブースト)』による一瞬の交錯。
《シュバルツ・レーゲン》のレールカノンが右腕、《甲龍》の衝撃砲が左腕を掠り、未確認機の動きが制限される。

「貫けええええええッ!」

 シャルロットの叫びに呼応するかのように、第二世代最強の牙が剥かれた。
『盾殺し(グレー・スケール)』が放たれる。回避する術などない。

 しかし。

「!?」

 巨体に『穴』が空いた。胸部が突如として歪み、人間の頭ほどの大きさの空間が出来上がったのだ。
 パイルバンカーは飲み込まれるようにそこへ滑り込む。
 乱入者はなんとも奇抜な方法で、絶対の一撃を避けてみせた。

(マズィっ!)

 未確認機の頭部とシャルロットの鼻先が、触れ合うほどの距離になる。
 その超至近距離で、未確認機に空いた『穴』が発光した。シャルロットの顔が引きつり、同時、未確認機を中心として球状に高圧電流が放たれた。
 閃光が幾重に交錯する。

「は、ははっ……近づきすぎよ、バカ」

 鈴の凍りついた声。シールドエネルギーが0となり、《ラファール》が堕ちていく。『絶対防護』により、シャルロットは一夏と同様に気を失っている。
 ラウラがその体を回収し、上空の未確認機を睨みつけた。

『ボーイッヒさん、鳳凰さん、聞こえますか!?』
『聞こえなくても聞き取れ』
「「先生っ!」」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 02:29:14.82 ID:pyayVMa20
 専用機メンバーに千冬と真耶の通信が入った。
 声には多少の緊迫が含まれている。そのことが、改めて事態の深刻さを物語っていた。

『そいつの仮称を《ツインバレル》とする。
 ボーイッヒ、オルコット両名は織斑とデュノアを抱えたまま全力で逃げ惑え。
 鳳凰は《ツインバレル》に対し攻撃をかけろ。ただし今のを見る限り、近接戦闘には持ち込めんぞ』
「こっ、《甲龍》で近接なし……」
『出来なくてもやれ、代表候補生だろうが。
 しくじって一夏に傷一つ付けてみろ。貴様ら全員校庭三千周だ。その後私自らがぶち殺してくれる』

 声に乗っている本物の殺気に、思わず鈴はたじろいだ。
 このブラコンさん、こんな緊迫した場面で何言ってんだろう。

『おっ、織斑先生……?』
『……すまない、熱くなりすぎたな。とにかく、アリーナのシールドを上級生らがこじ開けている。それまで保たせろ』

 千冬の指示に、三人は首肯しようとし。




「……セシリア、後ろ」
「えっ?」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 02:41:20.93 ID:pyayVMa20



《ツインバレル》の肩に設置された砲台の砲身が、その仮称の由来になったであろう巨大な砲塔がスライドした。
 人の腕ほどの長さから、その何倍もの大きさへ。
 それと平行して砲口から光が漏れ出す。

 ここまで0・三秒。






 セシリアに話しかけた声の主――『絶対防護』によって意識を失っているはずの一夏は、あろうことか《雪羅》を起動させてみせた。
 エネルギー切れで動けないはずのそれは、左腕でセシリアを弾き飛ばした。

 ここまで一・五秒。






 驚愕に染まる一同。観客を含め、織斑千冬までもが、有り得ない現象に絶句する。
 その現象を起こした本人は、どこから引っ張り出したエネルギーなのか、左腕にシールドを展開させていた。青白い光――『零落白夜』で形成されたシールドだ。

 ここまで二・0秒。






 光が解放された。
 左右一対のキャノン砲から極太のレーザービームが真っすぐに伸びる。
 一夏は臆することなく、その一方を真正面から受け止めた。
 いかなる出力を誇っていようとも、エネルギー兵器である以上『零落白夜』の敵ではない。レーザーは辺りに余波を散らしながら、シャワーをぶちまけるように拡散されていく。

 ここまで二・二秒。


182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 02:46:49.52 ID:pyayVMa20
「『零落白夜』の効果を確認……照合、完全に消しきるには量が多すぎると判明」

 機械的に一夏は言葉を読み上げる。目の焦点は迫り来る光の奔流ではなくさらにその奥、《ツインバレル》本体へ。

「敵ISを確認……シールドエネルギーの総量が一般のものの17倍。
《第二形態・雪羅》での対処は危険。
『部分進化』を提案。……許可。
 背部ウイング『冬閃(とうせん)』を展開。敵ISの攻撃に備える」
『何を……何を言っている!? 一夏ッ!』

 千冬の叫びと同時、《ツインバレル》が動いた。
 一夏が受け止めている方とは違う、もう一本のレーザーの射線をずらす。ちょうど二本が重なり合い、一夏へと激突するように。

「ウイング展開完了。

 作動――『輪廻還向(りんねかんこう)』」

 刹那、光が炸裂した。
 二本の光の奔流が重なった瞬間、勢い負けしたのか一夏の左腕は大きく弾かれた。
 そこへ容赦なくレーザービームが、





 ――――突き刺さらない。

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 02:57:50.55 ID:pyayVMa20
 ビームは見えない仕切りにぶつかったように逸れた。

「…………!?」
「……え?」
「なん、だと?」

 鈴は絶句し、セシリアとラウラは思わず言葉を零す。
 想像を絶する現実。
 常軌を逸脱した現象。


 誰が信じられようか――弾かれた光の奔流が、軌道をねじ曲げ、《雪羅》の背中に吸い込まれているなど。


「エネルギーの変換……完了。
《白式》への定着化……完了。
 噴射角度調整、反動演算完了。

 ――顕現せよ」

 機械的な一夏の声とともに、彼の背中が爆ぜた。

 姿を顕したのは、









184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 03:03:04.54 ID:pyayVMa20




















『光の……翼?』



















185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 03:12:34.66 ID:pyayVMa20
 幻想的なそれに、声を漏らした真耶はもちろん、観客までもが息をすることを忘れてしまった。

『バカな……純粋にシールドエネルギーのみで、あの形状を維持しているというのか!?
 エネルギー源は、あの莫大なシールドエネルギーはどこから!?
 いや、そもそも《雪羅》のシールドエネルギーは尽きているはず……ッ!』

 千冬の取り乱した声を聞いてか、一夏は無感情に雪片弐型を構える。

「排除……敵意を撒き散らす存在を……排、除……せよ……!」

 光の翼がはためき、引き絞られ、凝縮し圧縮し収束し、


 そして解き放たれた。


 それはもはや翼などではなかった。形無き光の残映だ。
 オーロラを空中に描き残しながら、一夏は『零落白夜』を発動させた雪片で、すれ違い様に《ツインバレル》を切り捨てた。

 誰も反応できない、あまりに――そう、『次元が違う』速度。

《ツインバレル》は、背後の一夏に振り向こうとする。しかし一瞬の交錯で切り刻まれたボディが言うことを聞かない。
 まず右腕が『裂けた』。次いで左腕。両足に頭部左肩腹部胸部――
 全身を、浅くない刀傷が覆い尽くしている。そしてその内いくつかは、内部のコアまで達していた。

『……《ツインバレル》、活動を停止、しました』
「敵ISの沈黙を確認。
『輪廻還向』封印処理……完了。
『冬閃』封印処理……完了。
《第二形態・雪羅》、活動を再開。
 意識を搭乗者に譲渡」

 そして、かくんと一夏の顔が下がった。意識がトんでいるのかPICがろくに働かず、地上へと落下していく。
 いや、それだけなら良かったのだが、途中でISが解除されてしまった。
 生身のまま、一夏はアリーナに激突しそうになる。慌てて鈴が落下地点に向かおうとし、


「――うわ、アンタいいとこ取りも甚だしいわよ」
「うるさい。貴様らが戦闘中、ずっと『HOUKIさんマジKUUKI』状態だったんだ。これぐらい構わんだろう」


 日本製量産型IS《打鉄》を見にまとった箒が、その体をしっかりと受け止めた。
 織斑一夏は、安らかに瞳を閉じたままだった。
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/03(日) 03:27:53.70 ID:pyayVMa20
今回はここまでです。

さてさて次回から臨海合宿だけどIS魔改造クッソ楽しい。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/07/03(日) 03:32:23.62 ID:wIIADCvyo
乙〜
臨海合宿wktk
しかしまた他の4人の怒りが臨界状態になるんじゃないか?
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/03(日) 05:20:24.17 ID:I7G8euJl0
雪羅強すぎwwww
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2011/07/03(日) 13:09:09.69 ID:/r+nJaQv0


…ところで「ボーイッヒ」と「鳳凰」ってなってるけど二人の名前は「ラウラ・ボーデヴィッヒ」と「凰鈴音」だよね?
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 13:20:27.28 ID:ENYa+7oIO
乙!

このままみんな死んでしまうかと・・・
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 23:50:43.40 ID:V7/r1aQS0


白式やべえなコレwwww
銀の福音にもタイマンで勝てそうで怖い
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/08/04(木) 00:48:34.37 ID:nB5RlYlAO
おおい!!
一ヶ月以上来てないんですか!?
せもて生存報告だけでもよろ!
193 : [saga]:2011/08/05(金) 21:12:01.46 ID:QHGBQv2f0
みなさん色々送れてすみませんでした。
短いですが、閑話的なものを投下します。
194 : [saga]:2011/08/05(金) 21:29:38.56 ID:QHGBQv2f0
「なんだ、コレは」

 織斑千冬は、先日のアリーナでの戦闘記録を見直して、そう呟いた。
 隣にいる真耶も信じられないとばかりに口をポカンと開けている。
 女子生徒との決闘で、最後に使用した『瞬間加速』。これはまだ良かった。《第二形態・雪羅》のスペック的には出せなくもない速度だ。

 しかし、後に降ってきた《ツインバレル》に対し突撃した時のスピード。

「音速以上……いや、正確には音速の五倍といったところか」
「こんなの、『瞬間加速』で出せる数値じゃありませんよ……」

 それだけではない。《雪羅》が背中に展開した『光の翼』――あれの正体がシールドエネルギーを転換したものであることはすぐに分かった。しかし、エネルギーの源が分からない。
 あれだけの翼を形成し、維持できる量。

「ISコアを複数用意しなきゃ、あんな量、放出できないはずです」
「しかし現に織斑は……いや、《雪羅》はやってみせた。紛れもなく、単体の力でだ」

 はあ、と二人揃ってため息をつく。
 謎の解明に至るにはまだ程遠い。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/05(金) 21:42:17.26 ID:QHGBQv2f0
「い〜ちかっ」

 バタンとドアが開き、フランスの代表候補生、シャルロット・デュノアが顔を見せた。

「これ、購買で新発売のお菓子。鈴と激戦を繰り広げて買ったんだよ。苦労したんだからね〜」
「シャルロット」
「ああ、そういえば箒にも伝言頼まれてたっけ。今度の臨海合宿、綺麗な写真を撮ってきてあげるってさ」
「シャルロットっ」
「あーあ、僕、一夏に水着選んで……ほしかっ、た……よ……」
「……シャルロット」
「う、うぅ……ごめん、ラウラ。ごめん……」

 シャルロットはふらふらと、部屋にいたラウラに歩み寄ると、すがりつくように肩を掴んだ。そのまま彼女の胸に顔を押し付けて、哭く。

「シャルロット……今は我慢しろ。……まったくいつまで寝ているつもりだ、嫁」

 そう言ったラウラの視線の先には、まるで棺のような透明なカプセルの中に横たわる一夏の姿。





 アリーナでの《ツインバレル》との戦闘以来、彼は昏睡状態に陥っていた。
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/05(金) 21:47:33.14 ID:QHGBQv2f0
空が青い。
箒は寮の窓から、空を見上げていた。

「しののちゃん……」
「大丈夫だ」

 ルームメイトから心配そうな声がかかった。
 それもそうだろう、箒はもう三時間ほど空を見続けている。

「ここ数投下の間、すっかりメインヒロイン(笑)扱いだったからな。作者にすらついに見捨てたのかと思っていた」
「そういうメタ発言は自重しようよ」
「早く紅椿来ないかなー。アレ来るまでバトル展開に参加できないんだが」
「だからもうちょっと自重しようってば。ますます『扱いづらい子』がサマになってきてるよ」

 はあ、とため息をつくルームメイト。箒自身も少し疲れたように視線を下げた。

 瞬間。


 ――キィィィィィィィィィィンンン!!


 耳をつんざく超高周波音が響いた。
 同時、寮の傍へ爆音を伴いニンジンさんが着弾した。大きなカブもかくやと言わんばかりのサイズだからか、衝撃音が周囲の人々の鼓膜を穿つ。
 思わず耳を手で塞ぎ、箒は怒声を、ルームメイトは悲鳴を上げた。

「あんの人はァァァァァァァァァァァァァ!!」
「きゃああああああああああああああああ!!」

 歩く天災。
 シリアスブレイカー。
 狂気のマッドサイエンティスト(別に鳳凰院凶真ではない)。

 ニンジンさんのヘタが弾け飛び、中からウサミミ着用済みの『彼女』が顔をぴょこんと覗かせる。
 寮中の窓が割れんばかりの勢いで一斉に開かれ、なんだなんだと生徒達が顔を見せる中、『彼女』は一室、正確にはその中の少女しか見ていない。

(…………イヤな予感しかしない)

 そう分かってはいても、無視するという選択肢が箒にはどうしても選べなかった。
 顔を出す。『彼女』を直視する。

 視線が合った瞬間、実の姉であり、世界を代表する天才兼天災は子供みたいに笑って手を振ってきた。

『彼女』――篠ノ之束の口が動く。

 声が聞こえる距離ではないはずなのに、その言葉は、しっかりと箒の頭の中に叩き込まれた。




 ――――もってきたよ、あなただけのためにつくった『さいきょう』を。
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/05(金) 21:52:25.74 ID:QHGBQv2f0
以上です。

>>189
うわああああハズイ死にたいいいいいいい

今後は名前のミスにも気をつけます。まず国語力の向上から始めるかな(キリッ
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/05(金) 21:54:46.79 ID:/Ce0y6CWo
久々だな乙
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 13:46:04.70 ID:KZvXagcm0
更新します。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 13:46:39.50 ID:KZvXagcm0
 紅。

 それはその一言に尽きた。

「えーっと……ハイ、専用機持ちの人は各種データを取るので、自由時間が終わったらこちらに来てくださーい」

 瑞々しいまでに紅。
 毒々しいまでに紅。
 禍々しいまでに紅。

 神々しいまでに、紅。



 篠之乃箒が付けている、真っ赤なチョーカー。
 名は『紅椿(あかつばき)』という。



 首輪のようにがっちりと首を包むそれに、誰もが視線を注ぐ。

「……ふん」
 
 ただ一人、織斑千冬だけが目を向けず空を仰いだ。




 IS学園臨海合宿――


 織斑一夏の目は、未だに覚めていない。
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 13:47:34.95 ID:KZvXagcm0
「……海だね」
「……そうだな」

 眩しい太陽、煌めく砂浜。
 ここにビキニ姿の美人が加われば完璧なのだが、その美人たちは憂鬱そうに海を見つめていた。

「ラウラ見て、ヒトデがいるよ」
「……そうだな」

 フランス代表候補生シャルロット・デュノア――先日の《ツインバレル》との戦闘にて昏倒し、数時間後に目覚めた。
 その頃にはもう一夏は……

「……後悔、してるんだ」

 さざ波の音が耳に届く。
 ラウラは目をシャルロットに向けた。

「守れなかったことをか?」
「うん」
「……やめておけ。『あれ』みたいになるぞ」

 そう言ってラウラが指差したのは、蒼天を引き裂く紅。
 既存のISでは考えられないほどの急加速と急転換を繰り返して、紅い残映を残し彼女は疾駆する。

「守りたいなんて所詮押し付けなんだ。実際には私たちが守られていた。嫁とて『漢(オトコ)』なのだからな……私たちが守られる側だったのは、ある意味当然なのかもな」

 そう言いながらもラウラは、悔しそうに拳を握った。

「……大丈夫なのかな」
「……何がだ?」
「一夏と、箒」

 再び二人して空を仰ぐ。
 一応言えば、今は自由時間である。
 多くの生徒が海でのバカンスを楽しむ中、彼女はただ一人ひたすらに鍛錬を積む。

「あれだけ無理をすれば、ソフト面は大丈夫でもいずれハードが限界を迎える。そういう時期は誰にだって必要だ」

 果たしてそうだろうか、シャルロットは素直には頷けなかった。
 妾子として育てられたシャルロットと、試験管ベビーの軍人として育てられたラウラでは考え方も違う。

(こんな時、一夏がいたら)

 きっと自分の変わりに、箒をどうにかしてくれるのに――

「これがきっと、甘えなんだね」

 シャルロットの呟きは、波のざわめきにかき消された。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 13:49:10.87 ID:KZvXagcm0
 ――力が欲しい。

 まとわりついてくる積雲を吹き飛ばし、更なる加速。

 ――力が欲しい!

 大空を、自身を刃として切り裂くように、加速。加速加速加速!

 ――誰にも追いつかれない速さが。
 ――誰にも打ち倒せない屈強さが。

 ――誰からも『■■』を守り通せる力が、力が。

「私は、力が欲しい!」

 主人の叫びに首輪は呼応する。

『操縦者の要求を確認。《天穿(うがち)》の使用を許可します』

 また一つ、限界がなくなっていく。
 両肩のバインダーが分離、二丁のロングライフルとして独立する。
 手に持つ必要はない。彼女の主武装(メインウェポン)は刀なのだから。

「足りない!」

《天穿》が操縦者の意識を読み取り、砲身を稼働させる。

 エネルギーをチャージし、
 狙いを定め、
 解放。

 ものの一・五秒で巨人のような入道雲が吹き散らされた。

「こんなものでは、足りない!」

 両肩のロングライフルを展開させたまま、二振りの刀を顕現させる。
 蜃気楼のように周囲の空気をねじ曲げ、姿を現した柄を掴みーー刀身を引き抜く。
「私は強くなる! 誰の助けも必要ないぐらいに、強くなる!」

 叫びが空に木霊した。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 13:49:47.91 ID:KZvXagcm0






 ――合致率28%。

 ――『輪廻還向』の通常行使に失敗。

 ――《第二形態・雪羅》の稼動に支障なし。


 ――搭乗者No.001の心神喪失状態を確認。回復まで待機とする。





204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 13:50:27.50 ID:KZvXagcm0
以上です。
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 15:50:11.49 ID:GxYbmwE+o
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/23(火) 01:21:11.81 ID:ssp70SG10
ちゅうn……いやなんでもない

面白いぜ、乙
207 : [saga]:2011/09/15(木) 01:47:10.51 ID:7oMJPx+w0
お久しぶりです。

しばらくしたら更新します。


一夏出てこないよ! 最近主人公の出番ゼロだね!

208 : [saga]:2011/09/15(木) 02:07:12.41 ID:7oMJPx+w0
バカンスに割り込んで、『それ』はやって来た。

「「「緊急事態?」」」
「そうだ」

急遽召集された専用機持ち生徒は一斉に首を傾げた。

「アメリカとイスラエルが共同開発した軍用IS『銀の福音』がハワイ沖での演習中に搭乗者の意識を無視し暴走、超高速でこちらに向かってきている。
このままのルートで進行が進めば、日本本土への上陸もあり得る――」
「ま、待ってください!」

セシリアが声を上げた。表情を驚愕に染め、立ち上がる。

「なぜそのような、『本物の戦場』に私たちが……!?」
「現状、動けるのは私たちだけだ。50分後、2キロ離れた沖合をヤツは通過する。そこで止められなければ……日本海岸線で迎撃するしかない」

その余りに深刻な事態に、全員が息を呑んだ。千冬は構わずに続ける。


「とれる方法は二つ。

一つ目はすれ違いざまに一撃叩き込んで完璧に撃破すること。

二つ目は多対一の状態に持ち込み足を止め時間をかせぎ、あわよくば破壊すること」


提示された二つの案に、一同は思わず顔を見合わせた。

「すれ違いざまの一撃……」
「これができるのは、今ここにいないヤツだ」

全員の表情が曇った。
エネルギーバリアーを無条件に切り裂き、容赦なく大ダメージを叩き込む蒼い斬撃――《零落白夜》。



「最初の接敵は私がいきます」



その空気を払拭するように、箒が手をあげた。
真っ赤なビキニに緩めのパレオを合わせた格好だが――その艶やかさを台無しにするほど、目も、声も、平坦にして冷淡。

「『紅椿』の機動ならスペック上は十分に戦えます」
「だが、」
「そして私も、戦えます」

瞳に映る戦意は揺るがない。
千冬は少しの沈黙を挟み、決断した。

209 : [saga]:2011/09/15(木) 02:13:14.20 ID:7oMJPx+w0
「――――来る」

海岸にて事前の準備とブリーフィングをしていた一同は、目標の接近を知らせるアラートに身構えた。

「まず私が切りかかる。後方から援護をしてもらえれば、離脱もしやすくなるだろうが……第二波はデュノアに任せるぞ」
「オッケー。できれば鈴もサポートお願い」
「任せときなさい」

各々目を合わせ、頷いた。



「セシリア・オルコット……『ブルー・ティアーズ』、行きますわ!」

「凰鈴音、『甲龍』! 出るわよ!」

「シャルロット・デュノア! 『ラファール・リヴァイブ・カスタムU』、行きまーす!」

「ラウラ・ボーデウィッヒ、『シュヴァルツェア・レーゲン』、出る!」

「篠之乃箒――『紅椿』、出るぞ!」



五つの弾丸が、地を蹴って飛び立った。光の残映と化しながら、海面を割って飛翔する。

「……さて、山田君。君も準備をするんだ」
「りょーかいです」

教え子達を見送って、彼女らはくるりと海に背を向けた。
まだするべき『調整』が山ほど残っているのだ。
210 : [saga]:2011/09/15(木) 02:17:36.07 ID:7oMJPx+w0
「目標を視認。距離1200」

千冬の下した決断は、箒を主軸とした波状攻撃。

援護射撃のためセシリアとラウラは常に距離を取り、箒、シャルロット、鈴と入れ替わりに近接戦闘を仕掛ける。


「第一波、行くぞ」


箒がそう呟き、一気に加速する。

直線上に位置する目標――『銀の福音』との距離を殺し、交錯した。

「な……ッ!? ぬぁんてインチキ加速よ!?」

思わず、代表候補生である鈴が驚きの声を上げた。第四世代のISが見せつけた圧倒的な速さ。
それに一切固執せず、箒は『銀の福音』と切り結ぶ。『銀の福音』はそのバインダーの内側から小型の近接戦用ブレードを引き抜き、朱い二振りの太刀を受け止める。

「チッ……『天穿(うがち)』、起動」



今回の作戦は波状攻撃だ。自分がしぶとく攻撃する必要はない。
211 : [saga]:2011/09/15(木) 02:18:06.63 ID:7oMJPx+w0
「目標を視認。距離1200」

千冬の下した決断は、箒を主軸とした波状攻撃。

援護射撃のためセシリアとラウラは常に距離を取り、箒、シャルロット、鈴と入れ替わりに近接戦闘を仕掛ける。


「第一波、行くぞ」


箒がそう呟き、一気に加速する。

直線上に位置する目標――『銀の福音』との距離を殺し、交錯した。

「な……ッ!? ぬぁんてインチキ加速よ!?」

思わず、代表候補生である鈴が驚きの声を上げた。第四世代のISが見せつけた圧倒的な速さ。
それに一切固執せず、箒は『銀の福音』と切り結ぶ。『銀の福音』はそのバインダーの内側から小型の近接戦用ブレードを引き抜き、朱い二振りの太刀を受け止める。

「チッ……『天穿(うがち)』、起動」



今回の作戦は波状攻撃だ。自分がしぶとく攻撃する必要はない。
212 : [saga]:2011/09/15(木) 02:22:24.70 ID:7oMJPx+w0
ブレードを弾き、相手から目を離さないまま真後ろへバックブースト、その際両肩のキャノンを素早く展開、エネルギーの塊を二つ勢いよく吐き出して退避した。

「そこ、いただきましたわ!」

その瞬間、『紅椿』の砲撃と十字になるようにして、セシリアが手にした追加装備《スターダスト・シューター》の引き金を引く。回避など不可能。
片方を避ければ片方に当たる。



ならば、避けなければいい。



『銀の福音』がとった行動は単純。繭でくるむように自身をバインダーで囲い、外部にシールドの出力を集中させた。

真っ直ぐに向かってくるビームは勢いを弱めることなく激突――しかし急造のエネルギーシールドはあまりに強固で、あろうことか砲撃を逸らしてしまった。

「な……!?」
「嘘でしょう!?」

さすがにこれには、誰もが驚きを禁じ得なかった。

『銀の福音』はバインダーを開いて再び攻撃を再開しようとし、



「――日本の聖書にはこんなコトが書かれてあるらしいね。

右の頬をぶたれたら――左の頬にパイルバンカァァァァァァァァァーーーー!!!」



ゴヅッ!!!!! と爆音が響き、『銀の福音』が吹き飛んだ。真横から突撃した『ラファール・リヴァイヴ・カスタムU』――シャルロットは右腕を振り抜いたまま、爆発的に加速する。
213 : [saga]:2011/09/15(木) 02:29:43.92 ID:7oMJPx+w0
一瞬の間をおいての連続『瞬間加速(イグニッション・ブースト)』。右手に装着された隠し武器《盾殺し(シールド・ピアース)》が再度炸裂した。


「二連打! 三連四連、五連打ァ!」


打ち込まれ続ける鉄杭を、しかし『銀の福音』は両側のバインダーを使って逸らし避けきる。


「くっ! 後はお願い!」
「任せなさいッ!!」

結局まともにキマったのは一発目のみだったが、相手を消耗させられたのには変わりない。

シャルロットはショットガンを呼び出し(コール)して弾丸をばらまきながらバックブースト。

追いすがる福音は、真下の海面から接近する熱源に気づかない。


「いっけえええええええええええええ!!」

海面をぶち抜き、追加装備『崩山』を身にまとった『甲龍』が出現――と同時に、計四門に増えた衝撃砲を最大火力で解放した。弾も砲口も見えないのが特徴のはずが、放たれた圧縮弾丸は真っ赤に染められている。

それをすんでのところで福音は急停止・バインダーを展開、衝撃砲を逸らしながら十数の砲門よりエネルギー弾を撃ち出し反撃した。

「ぐぎぎぎッ」

幾重の光弾が鈴の装甲を穿ち削り取る。

それでも彼女は止まらない――全速力の急加速の末、振り抜かれた《双天牙月》は下から斜めに福音を切り上げた。

「ぃよいしょぉぉーーーー!!」

咄嗟に後ろへズレた福音だが、胸部装甲が大分切り込まれた。そこからその場でくるりと後ろへ一回転。姿勢安定と周囲の状況把握を同時にやってみせる。


――全砲門解放。エネルギーチャージ。


三十六の砲口がそれぞれ狙いを定める。しかしその時、真後ろから砲弾が飛来――バインダーを、福音の片翼をもぎ取った。


「この『シュヴァルツェア・レーゲン』を忘れてもらっては困るな!」


追加装備『パンツァー・カノーニア』に装備された八〇口径レールカノン《ブリッツ》が再び火を噴く。


214 : [saga]:2011/09/15(木) 02:33:51.36 ID:7oMJPx+w0

巨砲が轟音を響かせ、福音のもう一方の翼も吹き飛ばした。あまりの衝撃に福音のバランスが崩れ――――隙が、できた。

「終わりだ」

爆発的に、『紅椿』が加速した。

そのまま手持ちの両刀を福音の胸部に突き立てると、左右に押し広げるようにして引き裂く。《雨月》と《空裂》――片や装甲の奥深くまでエネルギーをぶち込み、片や切っ先の軌跡をなぞるようにエネルギーを帯状に放出し、広範囲に渡って装甲を削った。

トドメとばかりに両肩のキャノンが福音の腹部へエネルギー弾を、全身の展開装甲が小型のエネルギーの刃を放った。

結果など確認するまでもない。

(この力ならば……一夏も、守れるだろうか)

スラスターをすべて停止させ、海中に没する『銀の福音』。代表候補生らはその場に滞空すると、大きく息を吐き出した。


「私たちの……勝ちだ」


慎重に、


「やったね、みんな!」


言葉を、


「ふん。まあ、私たちの手にかかればこんなものだ」


選びながら、


「楽勝よ、軍用機」








「やったのですか……?」
「「「「セシリアァァァァァァァァァァァァァァ!!」」」」





215 : [saga]:2011/09/15(木) 02:40:23.62 ID:7oMJPx+w0

刹那、立ててはいけないフラグを立てたチョロリアを、海面を貫いて放たれたビーム砲が直撃した。

「キャアアアアアッ!」
「あいつ、やってはいけないことを……!」


敵機に攻撃命中後の『やったか……?』は戦闘続行フラグである。


そんなサブカルチャーな知識をセシリアが知っているはずもなく――むしろ他の4人は何故知っていたのか――しでかした。

海面を割って、福音が姿を現す。全身の装甲にヒビが入り、そこから小さな翼が生えていた。

第二ラウンドを告げるように、三十六の砲門から一斉掃射が、





『悪いことは言いません。全力で右に飛んでください』





その言葉通り、咄嗟に4人は右側へすっ飛ぶようにして退いた。

空いたスペースを二本の光が貫き、福音の両肩に直撃、アーマーを一撃で破砕した。あまりのダメージに福音はきりもみ回転しがら、本日二度目の着水となる。

「今、のは……」



「試作型IS、『ラファール・リヴァイヴ・TBカスタム』です」



全員が、送られてきた座標めがけて勢いよく振り向いた。


ハイパーセンサーが捕捉し拡大、解像度を調整してくれる。遥か向こう、距離6000。


巨大なキャノンを左右に計二門抱え、一組副担任の山田真耶が、可愛らしくウィンクしてみせた。

216 : [saga]:2011/09/15(木) 02:43:07.15 ID:7oMJPx+w0
今回はここまでです。

TBカスタムについてはまあ、ツインバレルカスタムの略称なのでネタバレのしようがない公然の事実ですね。

一夏の出番はあるのか・・・ないのか・・・?
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/17(土) 06:43:15.93 ID:3/ePHtIso

展開も話の随所のネタも共に面白いです
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) :2011/10/02(日) 11:06:16.69 ID:goZZ0fZu0
楽しく2828しながら一気に読んだ
最初の頃のラブコメが懐かしい
219 : [sage]:2011/10/25(火) 22:15:34.22 ID:o4pGaEF40
生存報告です。
色々リアルの方が忙しいので更新はまだのびそうです。
本当に申し訳ありません。
もし待ってくださっている方がいらっしゃるなら、その期待に応えられるような作品を書きたいと思っていますので今後ともよろしくお願いします。
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/13(日) 16:50:06.63 ID:jN8P/KIUo
マリー・アントワネット「パンツがあるなら脱がしてお食べ」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/13(日) 19:25:15.61 ID:OrxKsK3SO
舞ってるから
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東) :2011/11/14(月) 06:58:10.90 ID:xA/qTkQAO
舞ってるよ
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/27(日) 21:45:17.88 ID:rVHTFgAfo
スケベするで ガハハ
224 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/24(土) 15:51:15.58 ID:3LJc/qJs0

支援
支援
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/07(土) 01:12:10.61 ID:Dkmw1Y+Yo
四円
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 22:20:11.98 ID:rPMyVonIO
待ってるぜ!
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