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まどか「守らなきゃ……みんなを……」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/06(金) 02:08:25.60 ID:aNEI9KWs0
魔法少女まどか☆マギカのお話です。
※自分の都合のいいように設定が色々変わってます
普通のバトルものになると思われます(?)
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】
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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715353220/
第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715300281/
ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715263679/
今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715262444/
誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715258363/
A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715180413/
真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/
愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 02:11:19.51 ID:aNEI9KWs0
まどか「はっ……はぁっ……」
少女は既に満身創痍だった。
まどか「ぐっ……!」
弓を支える手にも最早力が入らない。
空は真夜中の如く漆黒の闇に包まれていた。
QB「まどか危ない!」
QBがまどかに向かって叫ぶ。
それとほぼ同時に魔女の一撃がまどかの身体を斬り裂く。
まどか「ああっ……!!」
肩口を斬られ、堪らずまどかは肩を抑えながら転倒する。
QB「あ、ああ……やっぱり無理だ……無理だったんだ……!!」
QB「たった一人でアイツと戦うなんて……!!」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 02:49:36.21 ID:aNEI9KWs0
時は少しばかり遡る――
QB「まどか、君には素質がある」
QB「一緒に魔女の魔の手から世界を守ろう」
QB「だから僕と契約して魔法少女になってよ!」
QBは鹿目まどかに言う。
これは世界を守ろうとした5人の少女と一匹の物語――
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 02:51:03.02 ID:aNEI9KWs0
ある日突然現れたウサギのようなネコのような小動物。
「キュゥべえ」と名乗る彼の本名は「インキュベーター」。
才のある娘を探しては、彼女たちの願いをひとつ叶える代わりに契約を結んで魔法少女を創るのが彼の仕事。
QB「まどか、願い事は決まったかい? 決まったなら僕と契約……」
ほむら「その必要はないわ」
まどか「あ、ほむらちゃん」
QB「また君か……暁美ほむら」
ほむら「あなたも随分としつこいのね」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 02:51:57.29 ID:aNEI9KWs0
まどか「も、もうほむらちゃんもキュゥべえも喧嘩しないの!」
「おーい、まどかー!」
まどか「ん?」
声の聞こえたその先には美樹さやかと佐倉杏子の姿。
まどか「さやかちゃん!杏子ちゃん!」
さやか「ちょうど良かった、今から遊び行くんだけどさ まどかも来ない?」
杏子「飯はさやかの奢りだから来いって」
さやか「おい」
杏子「暁美ほむらも一緒に来るかい?」
ほむら「遠慮しておくわ」
杏子「あっそ……」
まどか「私は行こうかなあ……」
QB「うんそれがいいよ、平和な時には心の平穏も大切だからね」
さやか「キュゥべえは来ないの?」
QB「せっかくだけど僕も遠慮しとくよ、それに……」
そこまで言うとQBは、ほむらに視線を向けた。
ほむら「……?」
QB「暁美ほむらと話したいこともあるからね」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 02:53:19.21 ID:aNEI9KWs0
どこかのビルの屋上――
ほむら「話って何かしら? 私はあなたと話すことなんてないのだけれど」
QB「君はまどかを契約させたくないんだろう?」
ほむら「ええ、そうよ」
QB「それでいいのかい?」
ほむら「何が?」
QB「まどかじゃないとアイツを倒せない」
ほむら「……?」
QB「暁美ほむら、君はスプリームという魔女を知っているかい?」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 02:55:04.13 ID:aNEI9KWs0
どこかのビルの屋上――
ほむら「話って何かしら? 私はあなたと話すことなんてないのだけれど」
QB「君はまどかを契約させたくないんだろう?」
ほむら「ええ、そうよ」
QB「それでいいのかい?」
ほむら「何が?」
QB「まどかじゃないとアイツを倒せない」
ほむら「……?」
QB「暁美ほむら、君はスプリームって魔女を知っているかい?」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 03:01:17.45 ID:aNEI9KWs0
ほむら「スプリーム……?」
QB「始まりの魔女と言われている、早い話が全ての魔女の親玉ってところかな」
ほむら「そいつがどうかしたの? まさかこの街に来るなんて言うんじゃないでしょうね」
QB「いや、スプリームが現れたところなんてどの時間軸の僕も見たことないよ」
ほむら「じゃあ何故そんな話を私に……?」
QB「実は……最近の魔女の動きがどうも変なんだ」
ほむら「変……?」
QB「詳しくは言えないけど、このままだとワルプルギス以上に厄介なことになる」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 03:11:11.32 ID:aNEI9KWs0
ほむら「もしそのスプリームって魔女が出現した場合、まどかでないと勝てないってこと?」
QB「今のまどかが魔法少女になれば、ワルプルギスも一蹴できると思うよ でも正直スプリームに勝てるかどうかは現段階では何とも言えないね……」
QB「で、本題だけど」
ほむら「……!」
QB「君はまどかに契約させるつもりはない……そうだね?」
QB「でも僕たちにしてみれば、まどかの力は重要だ エネルギー回収っていう僕の本業を鑑みても……ね」
QB「ワルプルギスが来るまでにまどかとは契約したいと思ってる」
QB「無論、君がまどかを契約させたくない理由は知ってるし その考えも否定しない」
QB「もし君があくまで邪魔をすると言うのなら……君のソウルジェムを破壊して君を[
ピーーー
]」
ほむら「…………」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 03:16:18.44 ID:aNEI9KWs0
半角じゃなかった・・・・・・・・・・・OTL
QB「君のソウルジェムを破壊して君を殺す」
ほむら「…………」
QB「話は終わりだね じゃあまた会おう」
言い終わるとQBの姿は見えなくなった。
ほむら「まどか……私は……」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 03:20:59.70 ID:aNEI9KWs0
QB(これで暁美ほむらには牽制にはなるはず……)
QB(ワルプルギスが来るまであと6日……それまでにまどかを契約させる策を考えなくては)
QB(まあ今のまどかならいずれ契約してくれるだろうけど)
QB(だって君は優しい子だからね……)
QB「おっ……!?」
QB「この気配……魔女か……方角は……」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 03:24:25.70 ID:aNEI9KWs0
杏子「さやか……」
さやか「うん」
まどか「どうしたの? もしかして魔女が?」
杏子「たくっ、せっかく楽しんでたのになー」
さやか「じゃあさっさと終わらせようよ」
杏子「それもそうだな」
二人はSGを手にとって構えた。
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/05/06(金) 03:34:06.83 ID:aNEI9KWs0
THE☆解説
この話での魔女は理性を持つ輩もいて、組織的な動きもする。
QBは本来は魔法少女から魔女へと進化(?)する時のエネルギーを回収していたが
ここでは魔女を倒した時に出るエネルギーを回収する設定になってます。
強い魔女ほど多くのエネルギーを出すので
QB「でも僕たちにしてみれば、まどかの力は重要だ エネルギー回収っていう僕の本業を鑑みても」
というのはまどかと契約して強い魔女を倒しまくって効率よくE回収だぜ☆ということです。
基本設定はそんな感じです。
不定期更新になると思いますが、興味ある人は長い目でお付き合い下さい。
今日は短くてごめんなさい・・・
ではまた次回。
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/06(金) 16:49:21.38 ID:UKWy1FIDO
>>1
乙。
続きを期待して待ってます。
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/06(金) 21:27:26.93 ID:foapMALso
乙
アレですね
放送前の版権絵を見たみんなが想像してたような感じのハナシなわけですね
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:03:04.37 ID:vQFsgeIa0
また短いですが続き投下します
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:04:36.17 ID:vQFsgeIa0
魔女を撃破した3人の所へ……
QB「なんだ、君たちもいたのかい」
さやか「あっキュゥべえ遅いよ〜」
杏子「もう片付けちまったぞ」
QB「ああご苦労様、ちょうどエネルギーも回収し終わったところだよ」
さやか「まったく……遊んでる時くらい魔女も休んでくれてればいいのにな……」
まどか「でも二人とも怪我とかなくて良かったよ」
さやか「まあね、あれくらいの魔女ならどーってことないって!」
杏子「でも私もさやかも基本、近距離戦闘だからな マミの奴がいればもっと楽なんだけど」
さやか「そうだね〜」
まどか「ところでキュゥべえは さっきほむらちゃんと何話してたの?」
QB「あ、ああ……ちょっとね……」
まどか「……?」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:06:53.63 ID:vQFsgeIa0
ビルの屋上――
ほむら「…………」
「君のソウルジェムを破壊して君を殺す」
ほむら(インキュベーターは一体何を企んで……)
ほむら(さっきのスプリームとかいう魔女の話……とても彼が嘘を吐いてるとは思えない……)
ほむら(今のまどかが魔法少女になれば、ワルプルギスの夜も恐らく簡単に倒せる……)
ほむら(でも……でも……まどかにこんな戦いの運命を背負わせたくない……)
ほむら「……………」
ほむら(もう一度、インキュベーターと話してみよう……)
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:07:42.33 ID:vQFsgeIa0
巴マミの家――
マミ「それ本当なの?」
QB「ああ」
マミ「SUPREME……最上位の魔女……」
QB「スプリームがもし来たら君たちに勝ち目はまずない、まどかが契約する以外はね」
QB(それでも倒せる可能性がほんの数%上がる程度だけど……)
QB「それに暁美ほむらの話ではもうすぐこの街にワルプルギスの夜が来るらしい」
マミ「ワルプルギス……!」
QB「マミは今この街にいる4人の中では一番ベテランだけど、ワルプルギスと戦ったことはなかったね」
マミ「そうね……」
QB「確かにワルプルギスは強い、普段相手にしてる魔女よりも遥かに」
QB「でもまどかなら……」
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:08:33.95 ID:vQFsgeIa0
マミ「鹿目さんなら……?」
QB「まどかなら勝てる、間違いない」
マミ「……………」
QB「どうした? マミ」
マミ「キュゥべえ……あなたの言いたいことが分かった気がするわ」
QB「そうかい」
マミ「鹿目さんを契約させるのを手伝え……と」
QB「その通りだよ」
マミ「悪いけど……契約するかどうかは鹿目さん自身が決めることよ」
QB「やはりそう思うかい」
マミ「魂をソウルジェムに移して、こんな身体になってでも魔女と戦う……そんな運命と釣り合うだけの願い事を彼女が見つければ……ね」
QB「マミ……君は魔法少女になったことを後悔してるのかい……?」
マミ「そんなことないわよ、確かに魔女と戦って死んじゃうかもって思うことはあるけど……」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:09:11.42 ID:vQFsgeIa0
マミ「今の私はひとりじゃないから」
QB「…………」
マミ「たぶん他のみんなも後悔なんてあるわけない、って言うと思うな私は」
QB「そっか……ありがとう」
マミ「いいの……でも鹿目さん自身の問題だから、彼女に最後は決めさせてあげてね」
QB「ああ……すまなかったマミ、じゃあまたね」
マミ「うん……」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:10:13.81 ID:vQFsgeIa0
外――
ほむら「ここにいたのねインキュベーター」
QB「……暁美ほむら」
ほむら「まどかたちもいないみたいだし、ちょうどいいわ」
QB「何か用かい?」
ほむら「私はまどかを魔法少女にするつもりはないわ」
QB「そうかい」
ほむら「こんな戦いの運命をあの子に背負わせるなんて……私は耐えられない」
QB「魔法少女になった者は死ぬまで魔女と戦い続けなければならない」
QB「魔法少女はソウルジェムを破壊されると魔力を全て失って死ぬ」
QB「あれは脅しじゃないよ、君のソウルジェムを壊すって言ったのは」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:11:13.80 ID:vQFsgeIa0
ほむら「私がそんな脅しに屈すると思ってるの?」
QB「思ってないよ」
ほむら「過去のループで私はまどかを助けられなかった……彼女は戦いの中で死んだわ」
QB「…………」
ほむら「私はもうまどかが死ぬところなんて見たくない」
QB「でもそのおかげでまどかの魔力は魔法少女最強クラスになった」
QB「何が不安なんだい? 今のまどかなら並大抵の魔女に殺されることはないはずだよ」
ほむら「よく言うわよ、さっきスプリームの話をしておいて」
QB「あれは可能性の話だよ」
ほむら「とにかく私はこれからもあなたの邪魔をするつもりだから」
QB「それは構わないよ、僕は僕で勝手に色々やらせてもらうから」
ほむら「話は終わりね……」
QB「そうだね……」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:12:50.97 ID:vQFsgeIa0
ほむらが去った後――
QB(僕は彼女に嘘を吐いた)
QB(僕は国の者から聞いて知っていた)
QB(スプリームが近い未来この街に現れることを)
QB「……どうしろって言うんだい」
QB「このままじゃ……みんな死んじゃうよ……」
QB「…………」
QB(やっぱりまどかを契約させなくちゃ……)
QB(このままだと全員死ぬ確率は100%だ……)
QB(でもそれが97とか96%に変えれるなら……)
QB(その数%に賭けてみよう)
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/05/13(金) 06:23:21.08 ID:vQFsgeIa0
THE☆解説
この話のまどかの強さは大体12話の変身状態と同等という設定です。
まどかが変身するのはまだ先の話ですが。
恐らく大半が会話やモノローグで進行すると思われます。
そして全く未定ですが、投下時期は木曜深夜〜金曜早朝が最も多くなる気がします。
次は30レスくらいは貯めておきます。
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/18(水) 20:49:44.30 ID:Kwpyy5IDO
乙ー
12話まどかって女神まどか?
それより強いってヤバイな……
あとsageない方がいいと思うよ
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/19(木) 12:36:25.05 ID:J1TTQx5IO
宇宙クラスでやばいな
乙っちまどまど!
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(島根県)
[saga]:2011/05/19(木) 12:37:49.40 ID:mtlftZ420
今日は夜に書けないので今から書けたところまで投下します
29 :
1
[sage]:2011/05/19(木) 12:43:09.57 ID:mtlftZ420
佐倉杏子は街の一角、ビル街の外れにいた。
杏子「んーっと……この辺りのはずなんだけどなー……」
時刻は夕方。
ソウルジェムに魔女の反応が見られたので彼女はこうして魔女探しをしているわけである。
杏子「おっ、近いかな……」シャリ
左手にソウルジェムを持って反応を追い、右手に赤い林檎を持ちながら食べる。
杏子「いた……」シャリ
魔女の反応が極大になっている場所を杏子は見つけた。
杏子「さて……と」
林檎を飲み込むと、意識を集中し杏子は魔法少女に変身する。
30 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:43:57.56 ID:mtlftZ420
結界内――
魔女は基本的に結界の最深部にいる場合が多い。
あまり躍起になって魔女の手下――、使い魔(魔獣) に気を取られていると
魔女と対峙した途端にお陀仏……という間抜けな事態に陥ってしまう。
しかし杏子はそのことを十分心得ているし、グリーフシードは魔女しか持っていない。
何より無駄な魔力を使って戦闘力が落ちるのは避けたかった。
杏子「さっさと出てきてくれねーかな……」
グラッ……………
杏子「!?」
杏子がそんなことを考えていると、突然眼前に何かが現れる。
それは巨大なタコのような姿をした魔女のようだった。
杏子「タコ!?」
カート「ヌッフフフフフフ……」
杏子「ま、まあすぐに出てきてくれて手間が省けたってもんだ!」
杏子は自身の武器である槍でタコ魔女に斬りかかった。
31 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:44:34.49 ID:mtlftZ420
@魔女
カート Kart
蛸の魔女
性質は暴力
自在に動く8本の足で敵を捕えタコ殴りにする
32 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:46:44.80 ID:mtlftZ420
杏子「おらっ!」
ズバッ!!
カート「!!」
杏子の槍の一撃がカートの足を一本斬り落とした。
杏子「はっ!」
ズバッ!!
今度は2本まとめて斬り落とす。
杏子「終わりだよっ!!」
今度は足ではなく頭を杏子は狙った。
カート「キュイイイイイイイイ!!」
杏子「な……っ!?」
そこで突然カートが奇声をあげた。
杏子「……!?」
次に杏子の視界が奪われる。
視界を奪った物の正体は烏賊墨。
カートの手下の烏賊の魔獣たちが放った物だった。
杏子「しまっ……」
33 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:47:35.88 ID:mtlftZ420
シュル!
杏子「う……がっ!」
杏子が視界を失った隙にカートは残りの触手で杏子を捕えた。
杏子「く、くそっ……放……せ……」
ドゴッ!!
杏子「ぐっ……!」
タコ足で思い切り殴られ、杏子は意識が飛びそうになる。
杏子「痛ーな……この……」ギチ
杏子(くそう……苦しい……!)
触手できつく締め上げられ、杏子は苦しそうに顔を歪ませる。
ドゴッ!!
杏子「がっ……」
カートの攻撃は尚も続いた。
34 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:48:12.85 ID:mtlftZ420
QB「あ、暁美ほむらぁ!!」
ほむら「……!?」
突然、ほむらの家にQBが現れる。
ほむら「何の用?」
QB「ハァ……ハァ……」
ほむら「……?」
QB「手を貸してほしい」
ほむら「……………」
QB「杏子がかなり強力な魔女と交戦してる」
ほむら「苦戦してるの?」
QB「ああ」
ほむら「それは分かったけど、何で私の所にきたの?」
ほむら「あなたならまどかに『杏子を助ける為に契約して』と言いそうだけど」
35 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:48:46.24 ID:mtlftZ420
QB「君が一番魔女の位置に近いんだ」
ほむら「近い……? ソウルジェムには反応なんてないけど……」
ほむらはソウルジェムを取り出して見た。
QB「どうやらこの魔女は気配を消せるらしい」
ほむら「そんな魔女がいるの?」
QB「魔女には僕たちの常識は通用しないよ」
ほむら「……………」
QB「とにかく杏子が危ない、来てくれ」
ほむら「……分かったわ」
ほむらはQBの後を追いかけた。
QB(気配を隠す……)
QB(まさかとは思うけど……もう来たのか……?)
36 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:49:28.07 ID:mtlftZ420
結界内――
杏子「はっ……は……ぁ……」ポタポタ
杏子は身動きできない状態で殴打され続け、血を流しながらぐったりしていた。
杏子(うう……何とかしねーと……やばい……)
QB「杏子!!」
カート「!?」
杏子「!?」
杏子「……ってキュゥべえかよ……」
杏子は声のほうに目をやると、キュゥべえの姿を見つける。
ほむら「インキュベーター、下がってなさい」
杏子「ほむら!?」
37 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:51:30.19 ID:mtlftZ420
QB「無事で良かったよ杏子」
杏子「ああ……助かったよ」
タコの魔女はほむらによって撃破されたようだ。
ほむら「それにしても……」
ほむら「あなたが遅れをとるなんて珍しいわね杏子」
杏子「面目ねぇ……油断した……」
ほむら「別に責めてるわけじゃないわ」
QB「…………」
杏子「あーあ、ほむらに貸しが出来ちまったな」
ほむら「そうね」
QB「…………」
ほむら「インキュベーターどうしたの? さっきから黙って」
QB「杏子」
杏子「ん?」
QB「君はソウルジェムであの魔女の反応を追っていたのかい?」
38 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:52:04.44 ID:mtlftZ420
杏子「ああ、そうだけど……?」
ほむら「おかしいわね」
杏子「何が?」
ほむら「さっきの魔女は私の家のすぐ近くにいたみたいだけど……」
ほむら「私のソウルジェムには反応がなかったわ」
QB(やっぱり……)
杏子「そんなことってあるのか?」
ほむら「さあ……? どうなのインキュベーター」
QB「……………」
杏子「キュゥべえ? どした?」
QB「ああちょっと待って……通信が……」
杏子「通信?」
ほむら「この子たちは何頭もいるみたいだから、その仲間からの通信じゃないかしら」
杏子「キュゥべえのお仲間か」
QB「…………!!」
39 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:54:26.15 ID:mtlftZ420
杏子「お、終わったか?」
QB「まずい……」
ほむら「まずい?」
QB「思っていたより早く奴らが動き出した……このままじゃ……」
ほむら「例の魔女のこと?」
杏子「おいおい、話が全然見えないぞ」
QB「そうだね杏子にも話しておいたほうが良いね」
QB「スプリームについて」
QBは杏子にもスプリームのことを話した。
その最悪の魔女が近いうちにこの街に現れることを。
杏子「な、なんだよそれ……ワルプルギスより強いって……ヤバすぎるだろ……」
ほむら「ちょ、ちょっと待って! あなたスプリームが出現する可能性があるって言ってたじゃない!」
ほむら「今の話だと、現れるのがほぼ確定してるみたいだけど……」
QB「暁美ほむら、もし君がワルプルギスを退けてその先の未来を見ていたのなら……」
QB「君はスプリームに遭っていたのかもしれないね」
40 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:56:36.51 ID:mtlftZ420
杏子「……?」
ほむら「それより……どうなの? 実際のところ」
QB「創造魔女スプリームが見滝原市に出現する確率は100%」
QB「これは国の者から聞いたことだ」
QB「残念だけどね……」
ほむら「さっきの通信がそれなの……?」
QB「いや、さっきの通信もそれに関連はしてるけど……別のことだ」
ほむら「じゃあ何だったの?」
QB「世界中の魔法少女が次々に殺されてる」
ほむら「……!?」
杏子「は、はぁ!?」
41 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:57:37.53 ID:mtlftZ420
どこかの国――
少女「だ、誰か…………」
全身にひどい火傷を負った魔法少女らしき女の子がそこに倒れていた。
魔女「……あは☆」
少女を見下ろす一匹の魔女。
少女「熱い゛よ……助げで……」
魔女「ばいばーい☆」
魔女は嘲笑すると、少女の身体を炎で包み込んだ。
少女「あ……あああああああああああああああ!!!」
火だるまにされ少女はのた打ち回って苦しむ。
魔女「燃えろ燃えろ☆」
少女「あ……ぐ……」ドサッ
少女の命はそこで尽きた――
魔女「ぷぷぷ、黒コゲ☆」
「オフィーリア」
オフィーリア「あー☆」
42 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:59:00.38 ID:mtlftZ420
オフィーリアと呼ばれた魔女が声のほうを見る。
そこにはさらに一匹の魔女の姿。
オフィーリア「デス☆ どうしたの☆」
デス「カートがやられたようだ」
オフィーリア「カート☆ 誰それ☆」
デス「タコの魔女だ」
オフィーリア「あー、あの子か☆」
オフィーリア「まああの子そんなに強くないしー、その街には魔法少女がたくさんいるんでしょー☆」
デス「4人……らしい、今のところはな」
使い魔「カチャカチャカチャ」
カメラの姿をした使い魔が二人にある映像を見せる。
それは先程の杏子、ほむらとタコの魔女の戦いの映像だった。
オフィーリア「この黒い奴なんか生意気☆」
オフィーリア「燃やそう☆」
デス「おい、勝手に行動するな」
デス「あの人の指示を待て」
オフィーリア「仕方ない☆ スプリーム様のご命令なら仕方ないね☆」
オフィーリア「それに……明後日にはワルちゃんが行くしね☆」
43 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 12:59:35.75 ID:mtlftZ420
@魔女
オフィーリア Ophelia
砂漠の魔女
性質は快楽
創造魔女スプリームに仕える五大魔女の一人
デストロイア Destoroyah
死神の魔女
性質は痛み
創造魔女スプリームに仕える五大魔女の一人
この二人の紹介は再登場時にでも
44 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:00:10.24 ID:mtlftZ420
杏子「何なんだよいったい……何が起こってるって言うんだよ」
ほむら「魔法少女が殺されてるって……どういうこと?」
QB「言った通りの意味だよ」
ほむら「スプリームって奴と関係が?」
QB「そう考えるのが妥当だろう」
ほむら「…………!!」
QB「どうやらスプリームは魔女の一部を組織しているらしい」
杏子「組織……? そんな魔女がいるのかよ……」
QB「魔女同士が徒党を組むこと自体は別に珍しいことじゃあない」
QB「でもこのスプリーム一派はやばい……何しろ魔女の中でも強力な輩が揃ってるからね」
QB(まあ、その分大量のエネルギーを回収できるんだけどね)
ほむら「そいつらが暴れているってこと?」
QB「恐らくね……」
QB「だから、君たちも気をつけたほうがいい」
QB「僕もさやかに話してくる」
45 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:02:11.53 ID:mtlftZ420
杏子「何なんだよいったい……何が起こってるって言うんだよ」
ほむら「魔法少女が殺されてるって……どういうこと?」
QB「言った通りの意味だよ」
ほむら「スプリームって奴と関係が?」
QB「そう考えるのが妥当だろう」
ほむら「…………!!」
QB「どうやらスプリームは魔女の一部を組織しているらしい」
杏子「組織……? そんな魔女がいるのかよ……」
QB「魔女同士が徒党を組むこと自体は別に珍しいことじゃあない」
QB「でもこのスプリーム一派はやばい……何しろ魔女の中でも強力な輩が揃ってるからね」
QB(まあ、その分大量のエネルギーを回収できるんだけどね)
ほむら「そいつらが暴れているってこと?」
QB「恐らくね……」
QB「だから、君たちも気をつけたほうがいい」
QB「僕もさやかに話してくる」
46 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:03:07.38 ID:mtlftZ420
ほむら「…………」
QB「暁美ほむら」
ほむら「何?」
QB「まどかにはまだこの話はしていない」
ほむら「……そう」
そこでQBの目つきが鋭く変わる。
ほむら「……!?」
QB「明後日……邪魔すれば殺す」
ほむら「…………」
杏子(殺すって……こいつら何が……?)
QB「じゃあね」
ほむら「…………まどか」
47 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:04:38.62 ID:mtlftZ420
さやかの家――
まどか「あ、キュゥべえだ」
さやか「おホントだ」
QB「まどか……さやかと一緒にいたのかい」
まどか「え? う、うん」
さやか「?」
QB「君たちに大事な話があるんだ」
まどか「大事な……話……?」
QB「明後日この街にワルプルギスの夜が来る」
さやか「ワル……?」
まどか「夜……?」
QB「簡単に言えば超強力な魔女さ」
さやか「え……」
QB「それはいいんだけど、問題はその後だ」
48 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:05:28.11 ID:mtlftZ420
まどか「まだ何かが起こるの……?」
QB「スプリームがこの街に現れる」
さやか「ス、スプリーム?」
QB「最凶最悪の魔女の名前さ まどか、君が魔法少女になったとしても勝ち目は薄いかもね」
まどか「…………!!」
さやか「ちょ、ちょい待ち! アンタまたそんなこと言ってまどかを契約させようとして……」
まどか「待ってさやかちゃん」
さやか「まどか……」
まどか「キュゥべえ……」
QB「何かな?」
まどか「あなたは魔法少女のことをどう思ってるの?」
49 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:06:40.54 ID:mtlftZ420
QB「急にどうしたんだい……」
まどか「いいから答えて」
QB「…………」
QB「僕たちインキュベーターの役割は契約した少女の魂を抜き取ってソウルジェムに変換することだ」
QB「以後、少女の本体はソウルジェムになる……」
さやか「知ってるよそれは」
QB「僕たちが魔法少女を使う目的は宇宙を延命させるためのエネルギー回収」
QB「そしてそのエネルギーは魔女を消滅させた時に発生する」
QB「言い換えるとグリーフシードがそれだ」
QB「十分に濁ったグリーフシードからは大量のエネルギーが回収できるからね」
まどか「宇宙の延命……それは初耳だね」
QB「ああ、今もこの宇宙は消耗していってる」
さやか「要するにキュゥべえは宇宙のために魔法少女を作って魔女と戦ってエネルギーを集めてる」
さやか「そのエネルギーが宇宙には必要……だと」
QB「その通りだよ」
50 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:07:20.40 ID:mtlftZ420
QB「そして僕は魔法少女のことは一緒に戦う仲間……くらいの認識しかないよ」
QB「世界にはたくさん魔法少女がいるからね」
さやか「まあ、アンタはそういう奴だよね」
まどか「分かった……」
QB「僕と契約して魔法少女になれば、魔女との戦いでどんな酷い目に遭うか分からない」
QB「それに最悪死ぬかもしれない」
QB「それをよく考えてくれ」
まどか「ふふっ……」
QB「?」
まどか「そんなこと言ってると、まるで契約してほしくないように聞こえるよ」
QB「そう聞こえたかい……?」
QB「でも僕はまどかを魔法少女にしたいと思ってるからね」
まどか「うん、分かってるよ」
さやか「まどか、アンタは契約なんて……」
まどか「さやかちゃん、私を心配してくれてるんだね」
まどか「ありがとう でも決めるのは私自身だから」
51 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:08:11.75 ID:mtlftZ420
さやか「そっか……そうだね」
QB「で、話は戻るけど明後日ワルプルギスが来る」
QB「マミや杏子にも話はついてるから、何とか倒せるように頑張ろう」
QB「じゃあまどか、さやか またね」
そう言い残すとQBの姿は消えた。
さやか「ワルプルギスかー……死なないように頑張ろうっと」
まどか「さやかちゃん!」ガバッ
さやか「おおぅ!?」
さやか「どーしたまどか? 急に抱きついて」
まどか「私……さやかちゃんが傷つくの……見たくないよ……」
さやか「まどか……」
まどか「ねえ、さやかちゃん」
さやか「ん?」
まどか「大事な話……聞いてくれる?」
52 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:08:41.76 ID:mtlftZ420
@魔女
ワルプルギス Walpurgis
舞台装置の魔女
性質は無力
なんかデカイ、あと強い(アニメ参照)
53 :
1
[saga]:2011/05/19(木) 13:11:46.93 ID:mtlftZ420
今日の分は以上で終わりです。
魔女の名前の綴りは間違っているかも・・・
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/05/19(木) 13:25:32.45 ID:V4p3j/d/0
乙です
QBの葛藤か…
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/05/19(木) 15:05:11.24 ID:eqS3x3sl0
QBさん自分でつくったシステム制御できてないんすかwwwwwwwwww
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/24(火) 16:56:48.57 ID:S5GgTLuIO
乙っちまどまど!
57 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:47:55.25 ID:ixmDbQjT0
先週末投下予定だった分いきます
58 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:48:20.38 ID:ixmDbQjT0
ほむら「明日……」
ほむらは窓の外を見ながら一人呟く。
ほむら「まどかも契約させずにここまで来れた……さやかも杏子もマミさんも誰も死んでない」
ほむら「でも今回はワルプルギスを倒すだけじゃ終わらない……」
ほむら「インキュベーターの話が本当なら……」
そこまで呟いたとき、ほむらは窓の影にQBの姿を見つけた。
ほむら「インキュベーター……?」
QB「入っていいかい? 話があるんだ」
ほむら「どうぞ」
QB「ほむら、今から君にとって少々残酷な話をしないといけない」
ほむら「……!?」
QB「僕はずっと疑問だったんだ」
QB「まどかの持つ素質に」
59 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:55:39.43 ID:ixmDbQjT0
QB「魔法少女としての潜在能力はその人物が背負い込んだ因果の量で決まる」
QB「一国の王女でもないまどかに、どうしてあれほどの因果の糸が集中したのか不可解だった」
ほむら「…………!?」
QB「君は今までまどかを救おうと、数え切れないほどの時間を繰り返してきた筈だ」
QB「もしかしたらまどかは君が時間を繰り返すたびに、強力な魔法少女になっていったんじゃないのかい?」
ほむら「!!」
QB「僕の推測が正しければ原因は君だ」
ほむら「ど、どういうことよ……」
QB「君が時間を巻き戻す理由は『まどかの安否』だろ?」
60 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:56:27.95 ID:ixmDbQjT0
QB「君は同じ理由と目的で何度も時間を遡るうちに、まどかの存在を中心軸に幾つもの平行世界を」
QB「螺旋状に束ねてしまったんだろう」
QB「その結果、絡まるはずのない平行世界の因果線すべて今の時間軸のまどかに繋がってしまったとしたら」
ほむら「そ、そん……な……」
QB「彼女の途方もない魔力係数にも納得がいく」
QB「君が繰り返した時間、その中で循環した因果のすべてが巡り巡ってまどかに繋がってしまったのさ」
ほむら「そんな……嘘よ……」
QB「酷な話だよね……君はまどかを救おうとしてきたけどそれがこんな結果をもたらすなんて」
QB「でもこれは悪い話じゃない」
QB「寧ろ君には感謝してるよ、スプリームに対抗するたった一つの希望を育ててくれたんだから」
61 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:57:08.41 ID:ixmDbQjT0
ほむら「まどかには……戦わせないっ!」ギリッ
QB「ほむら……よく考えてくれよ」
QB「まどかが魔法少女にならない限りは皆死ぬしかないんだ」
QB「どの道、まどかは契約する」
QB「もうまどかには戦わせない、まどかを守りぬくという次元の話ではなくなっているんだ」
ほむら「でも……」
QB「ここからは明日の話だよ」
ほむらの言葉を遮ってQBは続ける。
62 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:57:50.60 ID:ixmDbQjT0
ほむら「明日……ワルプルギスのことね」
QB「僕は以前ワルプルギスが来るまでにはまどかと契約したいと言ったね?」
ほむら「そうね……」
QB「安心していいよ、今日明日ではまどかとは契約しない」
ほむら「え……?」
QB「する必要がないんだよ」
QB「まどかがいなくても今の4人ならワルプルギスを倒せる……と、僕は思ってる」
QB「それに……スプリーム側にまどかの存在が知られてもまずい」
QB「そういうわけだから明日はまどかとは契約しない」
QB「じゃ、僕からの話は以上だ」
QB「明日頑張ってね」
ほむら「…………」
63 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:58:55.90 ID:ixmDbQjT0
そして時は進み――
ワルプルギス「アハハハハハハハハハッハハ」
さやか「で、でかっ! あれがワルプルギス!?」
杏子「なんだよさやか、ビビってんのか?」
さやか「はん! 誰が!!」
マミ「二人とも前見て! 来るわよ!!」
ほむら「こいつの攻撃は一撃が重いわ! 固まらずに四方向から同時攻撃して!」
4人は旋回しワルプルギスを取り囲む。
ほむら(今度こそ……倒す!)
64 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 22:59:52.91 ID:ixmDbQjT0
まどか「みんな……」
QB「心配かい?」
まどか「うん……」
QB「大丈夫だよ、マミや杏子もいるんだ」
まどか「そう……だね」
QB「誰も欠けることなく戻ってくるよ、だから僕たちは信じて待とう」
まどか「うん、ありがとうキュゥべえ……」
65 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:01:22.23 ID:ixmDbQjT0
ワルプルギス「キャハハハハハハッハハハハ!?」
ドゴォォォォン!!
爆音。
ほむらの放った小型爆弾の音だ。
さやか「うりゃああああ!」
続いてさやかが斬りかかる。
杏子「おらああああっ!!」
さらに杏子が。
ワルプルギス「アハハハハ!!」
ワルプルギスが体勢を崩した。
ほむら「マミさん!」
マミ「これで……止めよ!!」ジャキッ
マミが大砲のような巨大な銃を構える。
ワルプルギス「アハハハ……!?」
マミ「ティロ・フィナーレッ!!」
そして轟音が見滝原市を包んだ――
66 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:02:13.93 ID:ixmDbQjT0
まどか「うわあああああああん!!」
さやか「ちょ、まどか泣くなって」
まどか「だって……うぐ……みんな……無事でよかっ……たよお……」
さやか「ありがとね……まどか」
さやかに抱きつき号泣するまどかをさやかは優しく抱きしめ返した。
杏子「ふーっ……さすがに強敵だったぜ」
マミ「ええ、魔力も少ししか残ってないわ……」
QB「みんなお疲れ様」
さやか「あ、キュゥべえ! どーだった私たちの戦いぶりは!」
QB「うん素晴らしかったよ、魔力はだいぶ消耗したけどあのワルプルギスを倒したんだ」
ほむら「…………」
QB「ほむら大丈夫かい?」
67 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:02:55.90 ID:ixmDbQjT0
ほむら「だ、大丈夫……」
マミ「無理しないで、あなたがおそらく一番魔力を消費しているわ」
ほむら「…………」
ほむらのソウルジェムはかなり汚れ、魔力が残り少ないことを示していた。
QB「そんな体でグリーフシードを取るなんて無理だろう、今日はもう休んだほうがいい」
ほむら「そ、そうね……そうさせてもらうわ……」
まどか「ほむらちゃん、本当に無理しないでね」
杏子「なんか危なっかしいなあ……家まで送ろうか?」
ほむら「必要ないわ、大丈夫よ」
杏子「なら……いいけどよ……」
68 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:05:57.82 ID:ixmDbQjT0
帰路――
ほむら「さすがに……疲れたわ……」
ほむら「でもどうしても勝てなかったワルプルギスの夜を倒した……」
ほむら「でも問題はここから……」
ほむら「…………」
ほむら「今日は休んでまた明日考えましょう……」
フラフラと歩くほむら。
その時だった。
ブワッ――
ほむら「!?」
突然、目の前に結界が広がった。
ほむら「魔女!? こんな時に……!!」
「……あは☆」
69 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:06:43.17 ID:ixmDbQjT0
ほむらの前に現れたのは人型の魔女。
色は全体的に緑色。
背中には紅い翼が生えている。
「はじめまして☆」
「私、オフィーリア☆」
ほむら「オフィーリア……!?」
ほむらは驚いた。
今まで様々な魔女と戦ってきたが、こんな風に喋る魔女は初めてだった。
事実、あのワルプルギスさえ人語は話さなかった。
それだけでほむらはこの魔女が只者じゃないと理解した。
ほむら(こいつ危険だ……!)カチッ
ほむらは時間を止めようとする。
だが――
オフィーリア「させないよ☆」
70 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:07:12.29 ID:ixmDbQjT0
ゴオオオオオッ!!
ほむら「あがっ……!」
突然、どこからか巻き起こった熱風がほむらを襲った。
ほむら「あああっ……!!」ドサッ
激しくダメージを受けたほむらはその場に倒れてしまった。
オフィーリア「なーんだ☆ 弱いじゃん☆」グイッ
ほむら「はっ……が……っ!」
オフィーリアは倒れているほむらの首を掴むとそのまま締め上げた。
ほむら「ぐぐっ……!!」
ジュウウウウウウウ
掴まれている首が熱い。
まるで熱湯に掴まれているみたいだった。
ほむら「うぅ!! うぇぇ゛!!」ジタバタッ
71 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:07:47.31 ID:ixmDbQjT0
必死に足をバタつかせるが、それも無駄な抵抗だった。
オフィーリア「あはは☆」
ほむら「がっ゛! ええ゛っ!!」バタバタッ
ほむら(苦しい! 熱いよお!!)
ほむら(だ、誰か……)
オフィーリア「もう少しで楽になるよ☆」
ほむら「…………」
ほむら(酷すぎる……こん……なの……)
ほむら(やっと……ここま……で……)
ほむら(ワルプルギスを……倒せた……のに……)
次第に意識が遠のいていく。
ほむら(死にたくないよ……まどか……)
ほむら(まどか助けて……)
「とうとう現れたね」
オフィーリア「あれ☆」
72 :
1
[saga]:2011/05/31(火) 23:12:04.23 ID:ixmDbQjT0
ということで今日は終わりです
ワルプルギス戦は特に重要じゃなかったのでサラッと終了
魔力を消費しまくって弱ってるほむほむを狙うとは汚いさすがオフィーリア汚い
絶体絶命のほむらの前に現れたのは!?
ってことで次回に続きます
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/06/02(木) 04:22:07.89 ID:Adwjk/x+o
乙っちまどまど!
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2011/06/06(月) 22:11:54.36 ID:DapfSif10
続きに超期待
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/10(金) 08:48:54.04 ID:3BB5yxZIO
続きはまだか!
まだなのか!
76 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:16:46.57 ID:lzrdsVeu0
QB「とうとう現れたね、スプリーム一派の魔女」
オフィーリア「あれ☆」
ほむら(インキュ……ベーター……)
絶体絶命のほむらの前に現れたのはQBだった。
ほむら(インキュベーター……助け……て……)
ほむらは力を振り絞ってQBのほうに手を伸ばす。
オフィーリア「まだ生きてるんだ☆」
QB「ほむらを放せ」
オフィーリア「やだ☆」
QB「放せって言ってるんだ!」ドンッ
QBの耳毛(?)から光弾が2発オフィーリアに放たれた。
オフィーリア「おっと☆」
それを躱したオフィーリアはほむらを放した。
ほむら「げほげほっ!! ハァ……ハァ……」
QB「ほむら無事かい!?」
ほむら「え、ええ……なんとか……」
オフィーリア「むー☆」
77 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:18:23.94 ID:lzrdsVeu0
QB「今日のところは退いてくれないかい?」
QB「でないと……君たち並に強い子が君たちを狩りに来るよ」
オフィーリア「へー☆ けっこう強気なんだね☆」
QB「…………」
オフィーリア「知ってるよ☆ 君、国に見捨てられたんだってね☆」
QB「…………」
ほむら(……!?)
オフィーリア「ここで君はともかく☆ その女を殺すのは造作もないけど☆」
オフィーリア「君のこの子に対する思慕の情に免じて今日は退いてあげるよ☆」
オフィーリア「近いうちにまた来るね☆」
オフィーリア「それに☆ 私たち並に強い子ってのも楽しみにしてるよ☆」
オフィーリア「じゃ☆ ばいばーい☆」
78 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:18:51.73 ID:lzrdsVeu0
そう言い残すと、オフィーリアの結界は解除された。
QB「……行ったか」
ほむら「う………ぐ……」
QB「ほむら!」
QB「待ってて今……」キィィィィン
QBの放った光がほむらの身体を包む。
QB「ふう……とりあえず応急処置はOKだ」
QB「立てるかい?」
ほむら「う、うん……」
QB「すまない僕のミスだ」
QB「ワルプルギスが来る当日に奴らが動くとは思わなかった」
79 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:20:06.06 ID:lzrdsVeu0
ほむら「イ、インキュベーター……あなた……」
QB「君たちが魔女を倒す時に発生するエネルギーを僕たちは回収している」
QB「そのエネルギーを使えば僕も多少は魔法が使えるのさ」
QB「今までは黙ってたけどね」
ほむら「魔法が使えることに別に驚きはしないわ……あいつさっきあなたが国に見捨てられたって……」
QB「その話は今度するよ……」
ほむら「そう……」
QB「ああ………」
ほむら「あいつ……なんだったの?」
QB「あの魔女はスプリームに仕える魔女の一人だよ」
80 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:21:05.32 ID:lzrdsVeu0
QB「僕は奴を含めて二人知ってる」
QB「全員で何人いるかは僕も知らないけど、奴らの強さは尋常じゃない」
QB「正直、ワルプルギス戦が楽だったと思えるほどだよ」
ほむら「そんな強い魔女が……何人も……?」
QB「ほむら」
ほむら「何……?」
QB「君の気持ちは僕も痛いほどよく分かる」
ほむら「まどかのこと?」
QB「ああ」
QB「僕も君と同じ……だからね」
ほむら「どういう……こと……?」
81 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:21:48.73 ID:lzrdsVeu0
QB「いずれ時が来たら話すよこれも」
ほむら「そ、そう……」
QB「さあ今日はもう休んだほうがいい」
QB「オフィーリアの性格上、もう一度襲ってくるなんてことはない筈だ」
QB「僕はマミたちにこのことを伝えてくる」
ほむら「頼んだわ……」
QB「じゃ気をつけて」
ほむら「あ……あり……」ボソッ
QB「?」
ほむら「ありがとね……キュゥべえ……」
QB「……ああ」
82 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:22:52.75 ID:lzrdsVeu0
まどかの家――
QB「まどか入っていいかい?」
まどか「え……キュゥべえ……?」
まどか「どうしたの……こんな時間に……」
眠そうに目をこすりながらまどかはベッドから起き上がる。
QB「ほむらが魔女に襲われた」
まどか「え……!?」
QBは事の顛末をまどかに話す。
まどか「そんな……ワルプルギス倒したばかりなのに……」
QB「僕も予想外だったよ、こんな早く現れるとは……」
まどか「わ、私どうしたらいいかな……?」
83 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:23:56.80 ID:lzrdsVeu0
QB「契約のことかい?」
まどか「うん……本当は私も戦いたかった……ワルプルギスの時……」
QB「願いは決まってるのかい……?」
まどか「そ、それは……まだ……だけど……」
QB「僕としてはすぐにでも契約したいんだけどね」
QB「今の君は魔女に対して無力だから」
QB「奴らが君のことを嗅ぎつければすぐにでも殺しにかかるだろうからね」
まどか「ひっ……!?」
QB「大丈夫だ、その時は僕が守る」
まどか「キュゥべえ……」
QB「それにほむらは君を契約させたがってないしね」
QB「とにかく契約の意志があることは有り難いよ」
84 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:25:31.49 ID:lzrdsVeu0
まどか「うん……ごめんね、キュゥべえ」
QB「いいさ……」
QB「それより気をつけてくれ」
まどか「あっ、うん……」
QB「そういうわけだから、今後しばらく魔女退治に付き合うのは止めたほうがいい」
まどか「そう……だね……」
QB「まどか……僕は……」
まどか「ん?」
QB「いや、何でもない……それじゃあね」
まどか「う、うん……」
85 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:25:57.40 ID:lzrdsVeu0
ほむらの家(ほむホーム)
ほむら「……………」
ほむら(だいぶ痛みも引いてきた……)
ほむらは自分の首を摩りながら考える。
ほむら(あのオフィーリアって魔女……恐ろしいくらい強い……)
ほむら(キュゥべえが助けに来てくれなかったら……私は殺されてた……)
ほむら(本当はまどかをあんな奴らと戦わせたくない……)
ほむら(私は……どうしたら……)
86 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:26:45.43 ID:lzrdsVeu0
数日後――
さやか「うーっ……」グッタリ
まどか「さやかちゃん大丈夫……?」
さやか「だ、大丈夫……」
マミ「そうは言っても、ここ数日毎日魔女と連戦してるから流石に美樹さんも疲れてるみたいね」
さやか「う、あたしの戦い方ってやっぱ無駄が多いのかな……」
マミ「私や暁美さんみたいに飛び道具じゃないものね」
まどか「そうださやかちゃん、剣投げようよ」
さやか「その手があったか! って簡単に言うなこの〜」ガシ
まどか「きゃ〜!」
さやか「この可愛い奴め! まどかはあたしの嫁になるのだ〜!」
マミ(羨ましい…………)
87 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:28:24.45 ID:lzrdsVeu0
さやか「なんかさ、こんな日常があるとさ」
まどか「ん?」
さやか「ヤバイ魔女が来るなんて信じられないなって……」
まどか「うん……そうだね……」
さやか「マミさん……この街、どうなるんだろう……?」
マミ「分からないわ……少なくともスプリームって魔女を倒すしか……」
まどか「……………」
さやか「転校生……ほむらも大丈夫かな……?」
マミ「オフィーリアって魔女ね……目算だとワルプルギス以上の魔力だとか……」
さやか「うへぇっ!? あれより強いって……」
マミ「悲観的になってもしょうがないわ、とにかく今は魔女を退けながら対策を練るしかないわ」
88 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:29:29.81 ID:lzrdsVeu0
五日後――
事件は何の前触れもなく起こった―――
まどか「ハァ……ハァ……」ガタガタ
ビルの物陰に隠れるまどか。
「うわああああああああ!!」グシャッ
魔女の一撃が男性を潰した。
辺りに肉片と体液がバラバラに飛び散る。
まどか「あ……あああ……」
まどかは呆然と声を絞り出すしか出来なかった。
「オフ……?」
まどか(ひっ!! 気づかれ……)
しかし魔女が標的にしたのは別の人間だった。
「やだぁ来ないでえええええ!!」
「オガアアアアアアア!!」ブンッ
「ぶぐっ……」グシャッ
魔女の振り下ろした棍棒が女性をまた潰した。
まどか「やめて……やめてよぉ……」グッ
89 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:29:55.74 ID:lzrdsVeu0
まどかは正義感の強い女の子だ。
そんな彼女がこれ以上魔女の非道に耐えられるはずがなかった。
飛び出して大声で魔女に向かって叫んだ。
まどか「なんでこんなひどいこと出来るの!?」
「アフー?」
魔女がまどかの姿を見つける。
まどか「貴女たちは……人の命を何だと思ってるの!?」
「ひひひ……人の……命……?」
まどか「!?」
突然聞こえてきた声にまどかは振り返る。
そこには魔女がもう一匹いた。
「ひひひ……人の命……かか……家畜……だよ……」
まどか「家……畜……?」
90 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:31:30.11 ID:lzrdsVeu0
QB「ハァ……ハァ……」
街の中。
QBがさやかと走っている。
QB「まどか……早まらないでくれよ……」
さやか「ねえキュゥべえ! 間に合うよね!?」
QB「当たり前だ!」
この日、マミ・杏子・ほむらの前に別々に魔女が現れた。
その他にも街の中に結界を張らずに魔女が出現し、人々を無差別に襲い始めた。
偶々、さやかと行動していたQBはすぐに気づいた。
これはまどかを絞り出すための敵の陽動だと。
91 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:32:07.59 ID:lzrdsVeu0
まどか「家畜……ふざけないでよ!」
「ふふ……ざざ……けてないよ……あ……ぼぼぼ……僕アミノア」
アミノアと名乗ったその魔女はゆっくりまどかの所に近づいてきた。
アミノア「うーん……きき……君……一般人にしては……」
アミノア「ななな……なんか……雰囲気?……が……」
まどか「…………」
アミノア「まあいいか……こここ……殺しちゃえば……おおお……同じだし」パチンッ
アミノアが指を鳴らす。
「ガアアアアアアアアアア!!」
同時に棍棒を持った魔女がまどかに襲いかかった。
まどか(やばい……この子に気を取られすぎた……!)
キィィィン!!
瞬間、金属音がまどかの耳に届いた。
92 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:33:05.52 ID:lzrdsVeu0
さやか「アンタら……あたしの親友に何してくれてんのよ!?」
魔女とまどかの間に割って入るとさやかは叫んだ。
まどか「さやかちゃん……」
さやか「間に合ってよかった……」
アミノア「ままま……魔法少女……」
QB「アミノア……お前だったのか……」
アミノア「だだだ……誰だっけ?」
QB「お前が僕を忘れても、僕は絶対にお前を忘れない……」
まどか(なんかキュゥべえ……様子が……)
さやか「なんか訳ありみたいだけど、ここはあたしに任せて」
さやかが剣を構える。
「もしかして☆」
さやか「!?」
93 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:33:40.22 ID:lzrdsVeu0
空からもう一匹の魔女、オフィーリアが降りてきた。
さやか「新手……!」
オフィーリア「この間言ってた☆ 私たち並に強い子って☆」
オフィーリア「そのピンク髪の子☆」
オフィーリアがまどかを指差した。
QB(まずい……)
アミノア「そそ……そうなの?」
オフィーリア「知らなーい☆ なんとなく☆」
「随分賑やかなのね」
「こっちも混ぜろよ」
QB「マミ! 杏子!」
94 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:34:08.37 ID:lzrdsVeu0
アミノア「まま……魔法少女が……いっぱい」
オフィーリア「あの黒い子はー☆ 死んじゃったかな☆」
「誰が死んだですって?」
QB「ほむら!」
まどか「ほむらちゃん!」
その場にほむらも現れる。
杏子「強そうなのが揃ってるじゃんか」
マミ「佐倉さん、油断は……」
杏子「してねぇよ!」
さやか「まどか、下がってて」
ほむら「キュゥべえ、まどかを頼んだわよ」
オフィーリア「あは☆」
アミノア「たた……戦う……きき……気?」
95 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:34:42.37 ID:lzrdsVeu0
@魔女
コング Kong
ゴリラの魔女
性質は剛力
棍棒を振りまわして敵を攻撃する。ボストロールみたいな奴。
アミノア Aminoah
氷河の魔女
性質は停止
創造魔女スプリームに仕える五大魔女の一人。
喋る時にウザいくらいどもる。
QBとは因縁浅からぬ仲らしいが……
96 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:35:14.34 ID:lzrdsVeu0
まどか「みんな気をつけ……」
コング「ゴオアアアア!」
まどかが皆の身を案じようとし、声をかけようとした瞬間
棍棒の魔女がまどかに襲い掛かってきた。
さやか「はぁっ!!」ズバッ
コング「ゴアアアッ!?」
刹那、さやかに斬られた魔女は悲鳴をあげながら消滅した。
さやか「まどかに手を出すな!」
まどか「あ、ありがとさやかちゃん……」
オフィーリア「えいっ☆」ボウッ
次にオフィーリアが手から火の玉を出し、それを投げつけた。
杏子「おらっ!」
その攻撃を杏子が振り払う。
マミ「喰らいなさい!」ドンドンッ!!
マミがマスケット銃をオフィーリアとアミノアに向けて放つ。
オフィーリア「はー☆」バシュ
マミ「!?」
97 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:35:42.55 ID:lzrdsVeu0
オフィーリアはため息を吐くと、銃弾を片手でなぎ払った。
オフィーリア「なんかつまんない☆ 弱いし☆」
杏子「この……誰が弱いって……」
オフィーリア「だって弱いじゃん☆ ホントにワルちゃん負けたのかな☆」
ほむら「…………」
オフィーリア「だからさっさと☆」
QB「……!!」
オフィーリア「殺そ☆」ビュン
QB「みんな逃げろ!!」
オフィーリアの姿が消え、同時にQBが叫ぶ。
ドスッ!!
次の瞬間、鈍い音が響く。
さやか「……が……はっ……」
オフィーリア「一人目☆」
98 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:37:38.59 ID:lzrdsVeu0
オフィーリアの長く伸びた爪がさやかの胸部を貫いていた。
まどか「さやかちゃん!?」
さやか「う……ああああ!! あぐっ!」
激しい痛みにさやかはもがき苦しむ。
杏子「さやか!!」
オフィーリア「さあ次☆」
オフィーリアは次にマミとほむらを標的にした。
ほむら「くっ……」
マミ「……!!」
まどか「さやかちゃん! しっかりして!!」
倒れたさやかにまどかが駆け寄る。
QB「大丈夫だ、ソウルジェムを破壊されてなければそう簡単には死なないよ」
まどか「そんなこと言ってる場合じゃ……」
QB「僕が応急処置するからまどか、君は逃げろ」
まどか「えっ……」
QB「こいつらには今の君たちじゃ勝てない」
QB「全員殺される前に逃げるんだ」
まどか「嫌だよそんなの……」
QB「お願いだまどか、言うことを聞いてくれ」
99 :
1
[saga]:2011/06/12(日) 05:38:12.47 ID:lzrdsVeu0
杏子「てめえ! よくもさやかを!!」
杏子が怒りに震えながら槍をオフィーリアに向けて突き出す。
杏子「……うぐっ!?」
唐突に杏子の足が止まった。
ほむら「杏子!?」
杏子「な……なんだ……よ……これ……」カランッ
槍を落とした杏子は自分の左胸を押さえながら膝をつく。
杏子「う……あ……」
アミノア「ぼぼ……僕の能力は……停止……」
アミノア「い……今……君の……しし……心臓を……止めてる」
杏子「あ……が……」
顔から血の気がなくなり、杏子は次第に動かなくなっていく。
マミ「させないわ!」
アミノア「あ……」
マミ「ティロ・フィナーレ!!」ドンッ!!
マミがアミノアに大砲を放つ。
だが…………
100 :
1
[sage]:2011/06/12(日) 05:42:53.75 ID:lzrdsVeu0
今度はみんな絶体絶命で次回に続く。
最近リアルのほうが忙しく更新が最低速度になるかもしれませんがご了承下さい。
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/12(日) 06:20:47.25 ID:jxRpS4CDO
乙っちまどまど
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/12(日) 20:28:41.72 ID:VFE2KWGIO
乙っちまどまど!
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/14(火) 11:15:36.16 ID:V6QAUsZDO
ほむほむのキュゥべえに対する呼び方がインキュベーターからキュゥべえに変わってるとこに萌えた
104 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:13:15.02 ID:9BTNF4wk0
アミノア「いい……今の何?」
マミの放った砲弾はアミノアに届く前に凍りつかせられ地面に落下していた。
マミ「な……っ!?」
アミノア「しし……死んでよ」ギラ
アミノアが手を振りかざすと、巨大で鋭利な氷柱がマミを襲った。
マミ「くっ……」
マミは慌ててその攻撃を避けようとするが……
アミノア「むむ……無駄」パキ
マミ「な……えっ……!?」
動けない。
足を凍らされた。
まどか「マミさあああああああん!!!」
まどかの悲痛な叫びも虚しく、マミに無数の氷柱が突き刺さる。
マミ「う、うああああああああああっ!!!」
腕や胸から大量の血を流しながらマミは絶叫する。
105 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:13:55.33 ID:9BTNF4wk0
オフィーリア「二人目☆」
その光景を眺めながらオフィーリアは微笑した。
ほむら「マ、マミさん……」
ほむらも呆然と呟くしか出来なかった。
杏子「う……あが……」
アミノア「きき……君も……」
足元で胸を押さえながら痙攣している杏子にアミノアは氷の剣を構えた。
杏子「……!!」
まどか「や、やめてよおおお!!」
グサッ!!!
またも、まどかの叫びも虚しく杏子は氷の剣に深く斬り裂かれた。
杏子「ぐあああああああああああ!!!」
アミノア「いいいい……叫び……」
オフィーリア「これで三人目だね☆」
106 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:15:35.69 ID:9BTNF4wk0
ほむら(何なのこれは……?)
ほむら(さやか……マミさん……杏子……)
ほむら(みんな一瞬で……)
ほむら(これじゃまどかを守るなんて……)ジワッ
敵のあまりの強大さに思わず涙が滲んでくる。
ほむら(どうすれば……)
QB「ほむら、逃げろ」
ほむら「えっ……」
不意に聞こえたQBの声にほむらは振り返る。
QB「まどかを連れて逃げるんだ」
ほむら「む……」
ほむら「無理よ逃げ切れるわけない!!」
QB「無理でもやってくれ、まどかだけは死なせるわけにはいかないんだ」
ほむら「あ、あなたはどうするの!?」
QB「大丈夫、僕は大丈夫だから早く行ってくれ」
107 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:16:48.53 ID:9BTNF4wk0
オフィーリア「ゴチャゴチャうるさい☆」
その時だった。
オフィーリアの蹴りがほむらに直撃した。
ほむら「う、ああっ!!」
QB「ほむら!」
後方に吹っ飛ばされ、ほむらは転倒する。
まどか「ほ、ほむらちゃん!」
慌ててまどかはほむらの元に駆け寄る。
ほむら「うううっ……」
まどか「しっかりして……」
ほむら「まどかぁ……私どうすれば……」
ほむらは最早パニックに陥り、まどかに泣きすがった。
108 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:17:42.37 ID:9BTNF4wk0
QB(何やってるんだ……早く逃げろ)
その二人を横目で見ながら、QBは目の前のアミノアと対峙した。
アミノア「ああ……おも……思いだした」
アミノア「イイイ……インキュベーターか君……」
QB「僕が思い出して欲しいのはそんなことじゃないけどね」
アミノア「?」
QB「ところでこんな話はどうだい?」
QB「この5人を見逃す代わりに、僕が君たちの相手になるっていうのは」
アミノア「なな……何言ってる……」
アミノア「……あ……あれ……?」
アミノアは目の前を凝視する。
さっきまでいたQBの姿がない。
バゴッ!!
アミノア「……!?」
同時に着弾。
QB「最初から分かってるよ」
QB「君たちがこんな話に乗らないことは」
右の耳毛(?)を逆立てたQBがそこにいた。
109 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:18:31.01 ID:9BTNF4wk0
ほむら「まどか……まどかぁ……」
私の願いはまどかを守ることだったのに……
これじゃ守るなんてできない……
みんな殺される……
まどか「ほむらちゃん……」
まどか(駄目)
まどか(逃げるなんて駄目……!)
そこでまどかは気づく、この状況を打開できるかもしれないたったひとつの方法に。
『契約』
まどか(そうだ……私が契約すれば……)
まどか(キュゥべえは私が最強の魔法少女になれるって言った……!)
まどか「キュゥべえ!」
110 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:20:24.17 ID:9BTNF4wk0
QB(まどか……!?)
まどか「私……魔法しょ……むぐっ!?」
しかし、まどかの声はそこで遮られた。
オフィーリア「無駄だって☆」
突如背後に回られたオフィーリアにまどかは口を塞がれてしまった。
まどか「ん゛ーっ!! う゛ん゛っ!!」ジタバタ
そのまま持ち上げられ、まどかは足をバタつかせる。
ほむら「まどかを放して!」
オフィーリア「やだ☆」
ゴオオオオオオオ
ほむら「うあああああああああ!!」
オフィーリアの巻き起こした熱風がほむらを包み込んだ。
全身に大火傷を負ったほむらはドサッと倒れてしまう。
まどか「む゛ー! ん゛ー!!」
まどか(ほむらちゃんまで……)
111 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:21:03.86 ID:9BTNF4wk0
ブスッ!!
まどか「んんっ!!」
小さな痛みがまどかの背中に起こる。
オフィーリアの爪が少しずつ、まどかに突き刺さる。
まどか「んぐうううう!!」バタッ!!
まどかは後ろ足で必死にオフィーリアを蹴りつける。
しかし、生身の人間の抵抗など魔女には無意味に等しかった。
ズブッ……ズブブッ……
少しずつ、本当に少しずつ爪がまどかの体内に突き刺さっていく。
まどか「ぐぐ……っ!!」
痛みがだんだん激しくなってくる。
恐い……
これじゃまるで拷問だよぉ……
助けて……キュゥべえ……
112 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:22:38.41 ID:9BTNF4wk0
QB「まどかあああああああ!!」
QBの叫びがまどかの耳に届く。
オフィーリア「うわっと☆」
QBの攻撃がオフィーリアに迫った。
オフィーリアはその攻撃を躱すため、まどかを投げ捨てた。
まどか「う……ああ……」
幸い、傷は内臓まで届くことはなかった。
まどか「あ、ありがとう……キュゥべえ……!?」
まどかは驚く。
いや、慄いた。
今まで見たことのない表情を浮かべるQBがそこにはいた。
目は冷酷に相手を睨みつけ、口には牙が見えた。
QB「……殺す」
113 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:23:05.03 ID:9BTNF4wk0
ドンッ!!
両方の耳毛(?)から光弾を連続で撃ち込む。
オフィーリア「うわ☆ ちょっと☆ タンマ☆」
無数に降り注ぐ光弾を避けながら、オフィーリアは初めて慌てる素振りを見せた。
アミノア「うう……わ……すごい魔力……」
まどか「!?」
まどかのすぐ近くにアミノアが来た。
まどか「い、いやああ……」ズリッ
まどかは痛みに立てず、這ってそこから逃げようとした。
アミノア「ととと……うわ」
突然、アミノアが吹き飛ばされた。
QB「殺す殺す殺す殺す……」
QBの攻撃がアミノアを吹き飛ばしたのだった。
オフィーリア「うーん☆」
アミノア「どど……どうする……?」
114 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:24:20.06 ID:9BTNF4wk0
オフィーリア「帰ろっか☆」
オフィーリア「その子が切り札だって分かったし☆」
オフィーリア「どうせスプリーム様には敵わないでしょ☆」
オフィーリア「どうせなら魔法少女になった状態で絶望しながら死んでほしいし☆」
オフィーリア「と☆ いうわけで☆」
オフィーリア「今日は撤退☆」
オフィーリアのその声が聞こえた後、二匹の魔女はいなくなった。
QB「ハァ……ハァ……」
まどか「助かった……の……?」
まどかは改めて惨劇を見る。
さやか「………」
マミ「………」
杏子「…………」
ほむら「…………」
血まみれの4人がまどかに現実を突き付ける。
まどか「みんなぁ…………」
まどか「うわああああああああああん!!」
まどかの慟哭が見滝原市に木霊した……
115 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:25:03.21 ID:9BTNF4wk0
二日後――
さやか「生きて……る……?」
杏子「みたい……だな」
QB「気がついたみたいだね」
さやか「キュゥべえ……? あいつらは……?」
QB「逃げたよ」
さやか「ま、まどかは!?」ガバッ
さやかは慌ててベッドから起き上がろうとする。
さやか「痛っ……!!」
QB「まだ動いちゃ駄目だ、一応傷は塞いだけど本来なら致命傷なんだから」
杏子「キュゥべえが私たちを助けてくれたのか?」
QB「……死なれると僕としても困るからね」
QB「ソウルジェムを攻撃されなかったのは不幸中の幸いだよ」
QB「それが破壊されたらいくら僕でもどうしようもない」
杏子「……………」
116 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:27:43.69 ID:9BTNF4wk0
さやか「そ、それで……まどかは……」
QB「まどかは病院だ」
さやか「病院……?」
QB「君たち魔法少女はソウルジェムを砕かれない限り大丈夫だからマミの家に連れてきたけど」
さやか「ああそう言えばここマミさんの家か……」
QB「生身のまどかの怪我は魔力じゃ治せないからね」
QB「うまく周りの人を誤魔化して病院に連れて行ったよ」
さやか「まどかは大丈夫なの?」
QB「君たちに比べれば平気だよ」
QB「それに……」
さやか「?」
QB「いや、それより今後の相談をしよう」
117 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:28:26.09 ID:9BTNF4wk0
杏子「つーかマミとほむらはどうした?」
杏子「あいつらも此処にいるんだろ?」
ほむら「呼んだ……?」
杏子「うわっ!?」
マミ「二人とも気がついたのね」
さやか「ええ何とか……ってマミさん歩いて平気なんですか!?」
マミ「キュゥべえのおかげでこっちも何とかね……」
ほむら「…………」
QB(ほむら……)
118 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:29:26.55 ID:9BTNF4wk0
回想
ほむら「キュゥべえ……そこにいる……?」
QB「なんだい?」
ほむら「私は今まで……まどかを死なせないように戦ってきた……」
ほむら「でもまどかは魔法少女になり……ワルプルギスや……他の強力な魔女に殺された」
ほむら「私はいくつものループの中……まどかが死ぬところを何度も見せられた」
QB「…………」
ほむら「まどかを守るためなら……私は死んでもいいって思ってた……」
ほむら「でも……」
ほむら「恐い……!! 死ぬのがこんなに恐いなんて……!」
ほむら「もう私……どうしたらいいか分からない……」
QB「大丈夫」
QBはそんなほむらに優しく声をかける。
QB「絶対に、誰もが幸せになる結末にしてみせる」
ほむら「キュゥ……べえ……」
119 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:30:14.31 ID:9BTNF4wk0
さらに回想――
QB「いいのかい?」
まどか「こんな状況で甘えてられるほど、私は子供じゃないよ」
QB「確かに……それが賢明な判断かもしれないね」
まどか「もう私は……みんなが傷つくところ見たくない」
まどか「だから私……魔法少女になるよ」
QB「念を押すけど、死ぬかもしれないんだよ?」
まどか「覚悟は出来てる……たぶん」
QB「分かった」
QB「そこまでの覚悟があるなら、ほむらも納得してくれるだろう」
QB「でもひとつ条件がある」
まどか「じょ、条件?」
120 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:31:06.00 ID:9BTNF4wk0
QB「もう契約するための願いは決まってるね?」
まどか「うん」
QB「なら大丈夫だ」
QB「でも今すぐ契約は出来ない」
まどか「う、うん……?」
QB「この際だからハッキリ言っておくよ」
まどか「な、何……?」
QB「僕は君に死んでほしくないんだ」
121 :
1
[saga]:2011/06/16(木) 02:43:11.07 ID:9BTNF4wk0
QBはマミたちよりも強い。
ちなみにこの話のQBに身体のスペアはなく、一体しか存在しません(ほむらには殺されてない)
展開次第ではQBも卍解する時が来てしまうかも・・・!?
今回でとりあえず序盤の展開は終了です。
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/16(木) 05:43:40.11 ID:Yevl69hDO
QB・・・このスレではすんげーイイヤツだなぁ
続き期待して待ってる
乙!!
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/06/16(木) 11:08:24.45 ID:5j+cOh3go
乙っちまどまど!
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/20(月) 22:44:31.91 ID:aGpsKjcDO
QB→まどかを死なせたくない
これはキュゥまどを期待していいのかな
125 :
1
[saga]:2011/06/23(木) 00:31:41.57 ID:+8sH8UR+0
QB「君はルリによく似ている」
まどか「ル、ルリ……?」
QB「魔法少女の一人さ」
QB「かつて僕と行動を共にしたことがある」
QB「僕はルリを守ると誓った」
QB「でも彼女は僕の目の前で殺された」
まどか「えっ……」
126 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:40:08.28 ID:+8sH8UR+0
「私のために……泣いてくれるの……?」
「喋るなルリ! 今手当てを……」
「私……魔法少女に……ううん、キュゥべえに出会えて良かった……」
「やめろ……」
「私……ひとりきりじゃ……ないん……だ……よね……」
「やめてくれ……」
「ありがとう……キュゥ……べえ……」
「……ルリ?」
「…………………」
「ちくしょう……ちくしょう……ちくしょおおおおおおおおお!!」
今回からトリップ付けてみます
127 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:40:47.73 ID:+8sH8UR+0
QB「それ以来僕は魔法少女と契約こそするけど、なるべく一緒にはいないようにした」
QB「僕は彼女たちにルリの影を見るのが怖かったんだ」
QB「まどか、君は死なないでくれるかい……?」
まどか「そんなのっ!」ダキッ
QB「わっ……!」
まどか「当たり前だよ! みんなが笑って迎えれる結末に絶対にする!!」
まどかはQBを抱き寄せると、笑顔で答える。
QB「…………約束だぞ」
まどか「うんっ!」
少し照れくさそうに言うQBにまどかは再び笑顔で答えた。
128 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:42:04.93 ID:+8sH8UR+0
さやか「キュゥべえ、何? 話って……まあ大体予想はつくけど」
QB「それじゃ話が早い」
QB「じゃあまずは魔女について詳しく話しておこうか」
杏子「魔女にって、今さらかよ」
QB「確か魔女の階級についてはまだ何も言ってなかったからね」
マミ「魔女の……階級……?」
QB「魔女はその魔力の高さに応じて1〜4の4段階の階級がある」
QB「言うまでもなく魔力が高いほど階級は上がるし、それだけ強力な魔女ってことになる」
QB「まず階級1、これは魔女本体じゃなく魔女の周りにいる使い魔だ」
QB「次の階級2から魔女になる」
QB「この階級の魔女は下等魔女って呼ばれて基本的に動きが鈍くて知能も獣程度しかない」
QB「ある程度の力をもった魔法少女なら倒すのに問題はないよ」
QB「君たちが普段戦う魔女はほとんどこれだ」
QB「でも、問題は次からだ」
129 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:42:35.97 ID:+8sH8UR+0
QB「階級3……中等魔女」
QB「下等魔女より数が少ないけど、知能が高くて戦闘能力は下等魔女の数倍」
QB「ワルプルギスの夜もこの中等魔女だ」
さやか「あ、あれでもまだ一番上じゃないんだ……!」
QB「中等魔女は下等魔女と比べても一般的に巨大なものが多い」
QB「魔法少女数人がかりじゃないと倒せないものも多いね」
QB「そして最上級、階級4が高等魔女」
QB「数は極めて少なく、魔女全体に数体しかいないと言われている」
QB「大きさは人間と同程度、知能が高く言葉を話せる」
QB「戦闘能力も強大で並の魔法少女だと太刀打ちできない」
ほむら「あいつらは全員高等魔女ってことね……」
QB「この階級の魔女を一対一で倒せるのは僕の知る限りではまどかだけだ」
さやか「だからキュゥべえは頻りにまどかと契約したがってたんだ」
130 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:43:05.03 ID:+8sH8UR+0
QB「その高等魔女たち……」
QB「スプリーム一派と直接戦えるのはこの街にいる君たちしかいない」
QB「君たちは並の魔法少女を遥かに凌駕する潜在能力を秘めている」
さやか「えっマジで!?」
QB「と、思う」
杏子「思うだけかよ……」
QB「でも今のままじゃ殺される」
QB「君たちも身を持って知った筈だ」
QB「奴らの強さを」
マミ「………」
ほむら「…………」
杏子「………」
さやか「…………」
131 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:43:48.88 ID:+8sH8UR+0
QB「でも全く対抗手段が無いわけじゃない」
ほむら「えっ……」
QB「今の君たちは魔力を半分しか使っていないからね」
杏子「はぁ? どーいうことだよ?」
QB「知っての通り、魔法少女は魔力を解放してそれをさやかなら剣」
QB「杏子なら槍、マミなら銃、ほむらなら銃弾っていうふうに何らかの武器にして魔女と戦う」
QB「でもその状態だとソウルジェムの魔力は半分の50%しか解放されていないんだ」
マミ「も、もう少し詳しくお願い」
QB「いつも魔力を全開にして戦っていたらいくら魔法少女とはいえ身体がもたない」
QB「だからソウルジェムにはリミッターがかかっているのさ」
ほむら「つまり、ソウルジェムを100%解放して戦えば勝算があるってこと?」
QB「理屈はそうだ、でも問題はここからだ」
132 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:45:26.63 ID:+8sH8UR+0
QB「リミッターは自分の意志で外そうと思ってもそんな簡単に外れてくれない」
QB「リミッター解除を操るのはそれこそ100年くらい魔女と戦い続けて」
QB「ソウルジェムと完全に一体化して、尚且つ才のある者じゃないと駄目だ」
さやか「ひゃ、百年……?」
QB「まあ普通に考えて100年も経ったら寿命で死ぬよね」
QB「君たちの魂の本体はソウルジェムだけど、肉体はちゃんと年を取るから」
マミ「じゃあどうすれば……」
QB「何か手段があった……ような……」
杏子「思い出せよ!」
QB「国に帰って文献を漁れば……なんとか……」
QB「でも僕は今、国に帰れないし……」
ほむら「そう言えば……あなた国に見捨てられたとか言ってたわね」
133 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:45:58.31 ID:+8sH8UR+0
さやか「え、ええ!? そうなのキュゥべえ!?」
QB「国の上層部は腰抜けだからね……スプリームを恐れて僕を国外追放することで厄介払いしたのさ」
マミ「ひどい……」
QB「しょうがない……アイツに連絡してみるか」
QB「まだ地球にいるといいんだけど……」
134 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:46:34.45 ID:+8sH8UR+0
魔女の世界――
オフィーリア「どこ行くの☆」
デストロイア「見滝原市」
オフィーリア「何しに☆」
デストロイア「殺りに」
オフィーリア「ふーん☆」
デストロイア「邪魔だけはするな」
さやかたちがQBから対抗手段を聞いている最中、次なる魔の手が街に向かっていた。
135 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:47:08.18 ID:+8sH8UR+0
QB「とにかく早いうちに連絡を取ってみるよ」
ほむら「頼ん……だわ……!?」
その時だった。
全員のソウルジェムが激しく光った。
近くに強力な魔女が出現したらしい。
さやか「いいっ!? これってあいつらじゃないの!?」
QB(まさかまどかを……!?)
QB「みんな! 僕はまどかを見てくる!!」
ほむら「ええ、頼んだわよ」
杏子「たくっ、少しは休ませろよな」
さやか「ご託はいいから行くよ!」
136 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:48:34.58 ID:+8sH8UR+0
4人は魔女の反応を頼りに追う。
やがて公園に辿りついた。
さやか「あ、いた……!!」
公園の真ん中に鎮座する赤い身体。
鋭い爪に鋭利な牙、尖った角に背中には大きな翼。
魔女デストロイアが其処には居た。
マミ「あいつ……この間戦った奴じゃない……?」
デストロイア「遅かったな、魔法少女ども」
さやか「喋った……!」
杏子「つーことは……」
ほむら「あいつも高等魔女……!!」
デストロイア「俺の名はデストロイア、スプリーム様に使える高等魔女の一人だ」
デストロイア「さっそくだが……死んでもらう」
137 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:49:14.54 ID:+8sH8UR+0
病院前――
QB「待つんだまどか! 君が行っても……」
まどか「だめだめっ! 私が行かなきゃみんな死んじゃうかもしれないんだよ!?」
QB「それは分かるけど……」
まどか「いざとなったら契約するから!」
QB「だ、だが……」
QBとまどかがそんな問答を繰り広げながら走っているとやがて公園が見えてきた。
まどか「あそこだ……みんな無事でいて……」
まどかがそう呟いた途端だった。
「うあああああああああああああ!!」
誰かの叫び声が公園から聞こえてきた。
まどか「今の声……杏子ちゃん!?」
138 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:51:00.86 ID:+8sH8UR+0
さやか「杏……子……」
血まみれのさやかが杏子に手を伸ばす。
デストロイア「無駄だ」
デストロイアは杏子を踏みつけたまま、さやかに向かって爪から衝撃波を飛ばした。
ズバッ!!
さやか「あ……」
マミ「美樹さん!!」
その一撃はさやかの心臓を正確にひと突きしていた。
さやか「が……がふっ……!?」ドサッ
さやかは口を押さえるが、大量の血が口から出てくる。
杏子「さや……か……」
デストロイア「フン……まずはお前から死んでおくか」
デストロイアはさらに強く杏子を踏みつける。
杏子「あああ……っ!!」
QB「待て!」
139 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:51:45.13 ID:+8sH8UR+0
ほむら「キュゥべえ……と、まどか!?」
まどか「さ、さやかちゃん!」
まどかはすぐにさやかの所に駆け寄った。
QB「杏子から離れろ」
デストロイア「うん? 断る」
デストロイア「知ってるぞ、魔法少女の弱点」
QB「……!!」
デストロイアは杏子の首を掴んで持ち上げた。
杏子「がっ……!」
QB「や、やめろ!」
QBが叫ぶとほぼ同時にデストロイアが爪を突き出した。
バキンッ
140 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:52:10.33 ID:+8sH8UR+0
杏子「…………」
何かが砕ける音。
直後に杏子の変身は解け、彼女は力なくぐったりした。
ほむら「杏子!!」
マミ「佐倉さん!!」
ほむらとマミはデストロイアに挑みかかる。
QB「待つんだ二人とも!!」
デストロイア「仲間を殺されて逆上か……単純だな」ガシッ
デストロイアはその二人の腕を掴んだ。
ドクンッ
デストロイアが何かしたかと思った直後、二人の身体を激しい痛みが襲った。
ほむら「うああああああああああ!!」
マミ「ああああああああああああああ!!!」
二人の身体からは大量の血が噴き出している。
まどか「……!?」
141 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:52:43.55 ID:+8sH8UR+0
デストロイア「俺の性質は痛み、触れたものの傷を全て活性化させる」
デストロイア「すべての傷を開くことだって出来る」
ほむら「ま、ま……どか……逃げ……て……」
バキンッ
マミ「暁……美……さん……」
バキンッ
ほむら「………」
マミ「…………」
何かが砕ける音が2回した。
後に残ったのは変身が解け、制服姿に戻った暁美ほむらと巴マミの姿だった。
QB「マミたちまで……!」
まどか「ソウルジェムを壊されたの……!?」
デストロイア「そうだ」
QB「しまったまどか!」
142 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:53:48.35 ID:+8sH8UR+0
いつの間にかまどかの目の前にデストロイアは移動していた。
まどか「だめっ! さやかちゃんを殺さないで!!」
バキッ!!
まどか「あうぅっ!!」
まどかはデストロイアに殴り飛ばされてしまった。
QB「まどか!」
さやか「かはっ……はーっ……」
虫の息のさやかに抵抗する術はなく……
まどか「さ、さやかちゃあああん!! いやだああああ!!!」
バキィ……
さやかもソウルジェムを砕かれ、変身が解けその場に制服姿で転がった。
まどか「……嘘だ」
143 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:55:19.42 ID:+8sH8UR+0
まどか「ひどいよ……こんなの……」
デストロイア「次はお前だ」
QB「待て! まどかだけは殺させない」
デストロイア「邪魔を……」
QB(まどか……)
QB(君の願いは……)
まどか「………」
144 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:55:49.52 ID:+8sH8UR+0
QB「……がっ!!」
QBの小さな身体が宙を舞う。
QB「ぐっ……!!」
地面に落下したQBはすぐに態勢を直そうとしたが……
デストロイア「しぶといぞ」
QB「うぐっ……!!」
デストロイアに掴まれ、持ち上げられる。
デストロイア「死ね!」
ドクンッ!!
QB「うぐ……ぐああああああああああ!!」
デストロイアの能力で傷口を開かれ絶叫するQB。
まどか「キュゥべえええええ!!」
QB「くっ……そ……」ズルッ
デストロイア「フン……」
デストロイアはQBを投げ捨てるとまどかに近づく。
まどか「…………」
145 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:56:33.76 ID:+8sH8UR+0
デストロイア「次こそお前だ」
まどか「……ないの?」
デストロイア「あ?」
まどか「貴女たちは……こんなに酷いことして何も思わないの?」
まどか「心が痛まないの!?」
デストロイア「フン……魔女に感情論か?」
デストロイア「生憎だが……そんな感情はない」
まどか「はぁ……やっぱり魔法少女と魔女は相容れない存在なんだね……」
まどか「ううん、それ以前にさやかちゃんを、みんなを殺した貴女を私は許せない」
デストロイア「……………」
まどか「…………」
デストロイア「それが遺言か?」
まどか「遺言……?」
まどかは向こうで倒れているQBを見る。
146 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:56:59.25 ID:+8sH8UR+0
まどか「今の遺言だとか思っちゃったの……?」
デストロイア「違うとでも?」
まどか「バーーーーカ!」
舌を出して挑発するように吐き捨てるまどか。
まどか「………!!」ダッ
直後にQBの所に全力でダッシュする。
デストロイア「逃げる気か……?」
ズバッ!!
まどか「ああっ……!!」ドタッ
まどかは背中を斬られ転倒する。
QB「まどか……」
まどかの目の前にはQBの姿。
まどか「キュゥべえ……私今ね……すごく……」
まどか「魔法少女になりたい気分なんだ」
まどかはQBを見て、笑みを浮かべる。
QB「そいつは……奇遇だね、僕もすごく君と契約したいと思ってたよ」
QBもそれに答えてニヤリと笑った。
147 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:57:44.36 ID:+8sH8UR+0
ソウルジェムの秘☆密
ソウルジェムの半解放・・・普段戦う時は魔力の50%でリミッターがかかる。これは魔力を簡単に使い切らないようにするための措置。
この状態でも大抵の魔女とは戦える。
ソウルジェムの全解放・・・魔力のリミッターを解除した状態。要するに卍解。戦闘能力は半解放時の5〜10倍。
148 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 00:58:47.90 ID:+8sH8UR+0
魔女の階☆級
魔女には1〜4の階級が定められており、数字が上がるほど強い。
階級1・・・魔女の使い魔
たまに使い魔でも強い奴がいるが、どんなに強くても使い魔は一括りにされる。
階級2・・・下等魔女
一般に認知されている魔女。大抵の場合動きが緩慢で知能は獣並。ある程度の力のある魔法少女なら倒すのにそう問題はない。
該当魔女・・・シャルロッテたん など
階級3・・・中等魔女
一般に巨大なものが多い。知能が高く戦闘能力は下等魔女の数倍。下等魔女より数が少ない。
該当魔女・・・ワルプルギス など
階級4・・・高等魔女
最上級の魔女。魔女全体に数体しか存在しないと言われている。大きさが小さく人間と同程度なのが特徴。
戦闘能力が極めて高く一対一の場合、まどか以外では勝つことは難しい(複数相手だとまどかでも殺される場合あり)
該当魔女・・・オフィーリア、デストロイア、アミノア など
階級5・・・スプリーム
元ネタは言うまでもなく某オサレ漫画の大虚(ギリアン、アジューカス、ヴァストローデ)←覚えてる人いるんでしょうか・・・?
149 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 01:00:06.87 ID:+8sH8UR+0
今日はここでENDです
次回はやっとまどか変身
150 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/06/23(木) 01:02:30.04 ID:78giTLD3o
乙
wktkが止まらねえええ!
まどかが魔法少女になったらどれくらい強いんだろう
階級4を一方的に倒せるぐらいか?
それとも張り合うけど勝つぐらいか?
気になり過ぎて寝れない
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/23(木) 01:02:39.00 ID:Xo5OJ8/bo
お疲れ様でした。
マハマン・・・・・・・。
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/23(木) 01:09:23.67 ID:8K9QjrfDO
乙!!!
でもよぉ・・・みんな死んじまったよぉ・・・
ザオリクゥゥゥゥ!!!
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/23(木) 01:46:38.18 ID:xlNKFsfDO
乙!
ここで終わりかよおお
ブリーチ好きだな
俺も好きだけど
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/06/23(木) 02:13:36.68 ID:fHyogpF9o
乙っちまどまど
さてここからどうなるか
魔法少女になってもいろいろヤバイような…
155 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:10:25.33 ID:DDgGadN00
まどか(ほむらちゃんを、マミさんを、杏子ちゃんを……)
まどか(何よりさやかちゃんを殺した貴女を許すわけにはいかない!)
まどか(そんな現実、この私が認めない!)
まどか(みんなは私が守る!)
まどか「行くよキュゥべえ……」
QB「ああ、頼んだよまどか」
156 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:10:58.77 ID:DDgGadN00
ドドドドドドドドドドド←某オサレ漫画によく出てくる効果音
デストロイア「!?」
まどかの身体を激しく、眩い光が包む。
まどか「…………」
QB「契約は成立だ」
QB「さあ、その力を解き放て!」
光の中からついに魔法少女に変身したまどかが現れた。
デストロイア「……!?」
その姿は神々しく、まるで女神のようだった。
まどか「………」スッ
まどかが手に弓を構える。
デストロイア(弓使いか……)
バシュッ!!
まどかの放った一本の弓が真っ直ぐにデストロイアに向かった。
デストロイア「ふんっ……!」
157 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:11:57.65 ID:DDgGadN00
デストロイアは跳んでその攻撃を躱す。
デストロイア「そんな攻撃で倒せると……!?」
デストロイアが上を見上げる。
そこには再度弓を構えるまどかの姿。
まどか「喰らえっ!!」バシュ!!
デストロイア「……!?」
ドオオオオオオオオオンッ
魔力を込めた特大の矢が炸裂した。
まどか「少しはみんなの痛みが分かった?」
デストロイア「ぐ……ああ……」
先程の一撃でデストロイアの左腕から肩にかけて大きな穴が開いていた。
デストロイア「くそがあああああ!!」
激昂したデストロイアは爪でまどかに斬りかかった。
キィィン!!
まどかはその攻撃を弓の柄で受け止める。
まどか「もう……終わりだよ」
バシュッ!!
まどかの一撃がデストロイアの身体を貫いた。
158 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:12:34.77 ID:DDgGadN00
デストロイア「あ……がが……」ピクピク
まどか「…………」
まどかはデストロイアに近づき、弓を引いた。
デストロイア「ま、待て……!」
「そこまでだよ☆」
QB「オフィーリア……!」
「いいい……一端……退却……」
QB「アミノアもか……!!」
デストロイアとまどかの間に割って入る二人。
オフィーリア「はいはい☆ ストップ☆」
オフィーリア「逃げるよ☆ 一時退却☆」
まどか「逃がすと思うの?」
逃がすまいとまどかは弓を構えた。
QB「やめるんだ」
まどか「キュゥべえ……!?」
159 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:13:25.31 ID:DDgGadN00
QB「いくらまどかでもこのクラスの魔女を複数同時に相手取るのは危険だ」
QB「大怪我程度じゃたぶん済まない」
まどか「…………」
オフィーリア「あは☆ 魔法少女になったんだね☆」
オフィーリア「すごい魔力だね☆ でも☆」
オフィーリア「スプリーム様には遠く及ばないケド☆」
オフィーリア「じゃあね☆」
消えて行く三人の魔女。
QB「……………」
まどか「……………」
160 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:14:25.41 ID:DDgGadN00
――――
さやか「……なんで生きてるの?」
目を覚ました美樹さやかの第一声はそれだった。
まどか「私が生き返らせたから」
その問いに答えたのは鹿目まどか。
さやか「生き返らせたって……アンタまさか!?」
まどか「うん、魔法少女になったよ」
さやか「なんで……」
まどか「あの時言ったでしょ?」
まどか「さやかちゃんがこの先、死ぬようなことがあったら私は契約してさやかちゃんを生き返らせるって」
さやか「確かにそうは言ったけど……」
さやか「じゃあまさか生き返らせたのって、私だけ……?」
まどか「まさか、ちゃんとみんな無事だよ 私もキュゥべえもね」
さやか「あの赤い魔女は……?」
まどか「倒しかけたけど逃げられた」
161 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:15:30.72 ID:DDgGadN00
さやか「そっか……」
まどか「やっと……」
さやか「?」
まどか「私も並んで戦えるよ」
大きな決意をしたかのような力強い瞳。
さやか「はは、こりゃ参った……アンタには負けるわ」
いつの間に、あたしの親友はこんなに大きくなったんだろう。
この間まであんなに小さかったのに。
まどかを見つめるさやかはそう思うと優しく、静かに微笑んだ。
162 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:16:12.72 ID:DDgGadN00
外――
QB「…………」
QBは何か通信機のようなものを手に持っていた。
QB「…………」
数秒のコールの後、目的の人物(?)が出たようだ。
「おうおう、こちら天下無敵のジュゥべえ様だぜい!」
QB「相変わらず五月蠅いな」
JB「おー? なんだキュゥべえかよ」
QB「お前に頼みがある」
JB「久しぶりに連絡してきたと思ったらソレかよ」
QB「国で調べてほしい事柄があるんだ」
JB「……なんだよ」
QB「ソウルジェムの完全開放の方法」
JB「完全……解放……?」
163 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:17:00.04 ID:DDgGadN00
魔女の世界――
スプリームの居城―――
デストロイア「………」
オフィーリア「随分やられたね☆ 強かったんだ☆」
デストロイア「うるさいぞ」
「ヒヒ……面白い素材じゃ」
オフィーリア「あ☆ イフ☆」
そこに現れたのは黒いローブを纏った老婆風の魔女。
イフ「この桃色の髪の魔法少女を利用すれば……ワシの研究のひとつが完成するかもしれんのう」
デストロイア「研究……だと……?」
イフ「そうと決まればさっそくこの子を連れてくるんじゃ……と言いたいところじゃが」
イフ「デスが倒されかける程じゃからな、全員で行かんとな」
オフィーリア「それ楽しそう☆」
デストロイア「全員……アイツは来るのか?」
イフ「まあ奴は来ないじゃろう……とにかく」
イフ「桃色の髪の魔法少女を半殺しにして此処に連れて来る」
オフィーリア「そろそろスプリーム様にも会わせたいしね☆」
164 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:18:56.84 ID:DDgGadN00
二日後――
まどか「うららららっ!!」
バシュバシュバシュッ
魔女A「ギャアアアアアアアア」
魔女B「ドワアアアアアア」
魔女C「テエエエエエエエエエエエエ」
まどかの連射した矢によって次々に倒されていく魔女たち。
さやか「すご……一瞬で3体も……」
QB「しかも1体は中等魔女だ、やはりまどかは強い」
まどか「よしっ」
マミ「すっかり鹿目さんが私たちの主戦力になっちゃったわね」
まどか「えへへ……」
ほむら「………」
QB「ん? どうかしたかいほむら」
165 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:20:49.31 ID:DDgGadN00
ほむら「なんだか今のまどかなら……私が守らなくても……」
ほむら「と言うより逆に私が助けられたし……」
QB「それは違うよほむら」
ほむら「え?」
QB「確かにまどかは強い」
QB「中等魔女をも一蹴できる彼女は間違いなく最強の魔法少女だろう」
QB「でもまどかでも勝てない、敵わない魔女はまだいる」
QB「君は今まで通り……いや、これからはまどかと並んで」
QB「しっかり彼女を守ってやってくれ」
ほむら「キュゥべえ……ありがと」
さやか「おーいところでキュゥべえ」
QB「?」
166 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:21:47.25 ID:DDgGadN00
さやか「この間言ってたソウルジェムの完全解放の方法って分かったの?」
さやか「100年修行コース以外で」
QB「いや、まだだよ」
QB「今僕の同僚に調べさせてる」
QB「僕としてはその方法が見つかるまで、いや出来ればみんなが完全開放を修得するまで」
QB「アミノアたちには休んでてもらいたいところだ」
まどか「大丈夫だよ、来ても私が追い払うから」
QB「確かにまどかなら1〜2体の高等魔女なら互角に戦えると思うけど……」
QB「連中が全員で何人か分からないし、3体以上だと流石にまどかでも厳しいかもしれない」
まどか「えー……」
167 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:22:59.42 ID:DDgGadN00
QB「と、とにかくいつ奴らが攻めて来るか分からない」
QB「ソウルジェムは常に全開状態にしておいたほうがいいよ」
マミ「そうね……」
さやか「でも……最近特に魔女の数が多くない?」
さやか「さっきの奴なんか中等魔女だったし……」
QB「スプリームが裏で糸を引いてるかどうかは分からないが、確かに見滝原市に魔女が集まりつつあるね」
さやか「げーっ……」
杏子「いいんじゃねーの? 手っ取り早くグリーフシード回収出来て」
さやか「あ、杏子! 今までどこ行ってたのよ!?」
杏子「魔女狩りだよ魔女狩り」
杏子は手にグリーフシードを2つ程持っていた。
QB「あ、そうだ」
ほむら「どうしたの?」
168 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:23:47.10 ID:DDgGadN00
QB「中等魔女も出てきてるんだ、これからの魔女退治はまどか以外は必ず2人1組で行動してくれ」
杏子「えー、めんどくせ」
さやか「文句言うな」
QB「一人で中等魔女以上の魔女に出くわした場合すぐに逃げること」
マミ「まあそうなるかしらね……中等魔女がワルプルギス級なら一人じゃ勝ち目なんてないもの」
さやか「了ー解ーっ」
QB「とにかく早く完全開放の方法を見つけるように僕も急かしてみるよ」
まどか「うん頼んだよ」
QB「ああ、本当に……この少しの平穏が少しでも長く続けばいいと思うよ」
まどか「ホントだね……私もそう思うよ、心から」
――しかし、悪魔の手はすぐそこまで迫っていた……
169 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:24:26.50 ID:DDgGadN00
5日後の深夜――
まどか「魔女……!!」
ソウルジェムに大きな魔力の反応。
QB「くそっ! もう来たのか……!!」
まどか「追い払ってくる!!」ダッ
QB「場所は……見滝原中学の校庭か……」
まどか「行くよ!」
まどかは魔法少女に変身し、学校に向けてダッシュする。
170 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:25:36.33 ID:DDgGadN00
まどか「みんな!」
さやか「まどか!」
杏子「確かにこの場所なんだな?」
ほむら「その筈だけど……」
マミ「この強い魔力反応……たぶんあいつらだと思うんだけど……」
QB「あいつらは気配を消す技術を持ってる」
QB「気を付けろ! 来るよ!!」
「ヒヒヒ……」
QBの声に重なるようにして不気味な笑い声が聞こえてくる。
そして現れる4人の魔女――
さやか「やっぱりかぁ……」
オフィーリア「久しぶり☆ ってほどでもないね☆」
まどか「あーっ! 腕が治ってる!?」
デストロイア「…………」ギロリ
イフ「魔女界一の天才学者イフ様の手にかかればあの程度の傷、すぐに治せるわい」
171 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:26:09.99 ID:DDgGadN00
ほむら「こいつも高等魔女……!」
QB(まずい……高等魔女4体はさすがに分が悪すぎる……)
デストロイア「フン……そういうお前らこそ何で生きてる?」
まどか「それ以上喋るな!」
まどかが弓を引く。
QB「みんな! まどかを援護してくれ!」
QB「まどかなら半解放状態でも互角に戦える! 4対1にならないように援護するんだ!」
ほむら「分かったわ」
マミ「ええ」
杏子「うしっ!」
さやか「行くよ!」
イフ「悪いが……お前たちに興味はない」カチッ
イフが何かのスイッチを押した。
ゴオオオオオオオオオオオ
QB(しまった……!)
172 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:27:28.35 ID:DDgGadN00
さやか、ほむら、マミ、杏子、そしてキュゥべえを結界が取り囲んだ。
まどか「み、みんな!?」
イフ「それは内側からは破壊不可能……安心するがよい、この子を攫い終えたら消滅するように設計してある」
ほむら「まどかを……攫う……!?」
まどか「……………」ゾクッ
まどかはただならぬ気配を感じ取り魔女と距離を取る。
イフ「さて……桃色の髪の魔法少女、今からお前をワシらの居城に案内しようぞ」
イフ「抵抗しなければ……手足を折るぐらいで済ましてやるがのう……」
まどか「誰が!」
173 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:28:04.70 ID:DDgGadN00
ガンッ!!
結界の壁に体当たりするQB。
QB「ぐっ……!!」
マミ「キュゥべえ無理しないで」
QB「まどか! まどかぁ!!」ガンガンッ
杏子「くっそ……何か手はねーのか……!?」
さやか「でもキュゥべえに破れないなら、今の私たちじゃ……」
ほむら「まどか……!!」
QB「いくらまどかでも四人相手じゃ……」
QB(連中はここでまどかを殺すつもりか……?)
QB(僕たちを閉じ込めたのも、邪魔されないため……)
QB(いや……まさか……)
174 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:29:02.34 ID:DDgGadN00
まどか「みんなを返して!!」
オフィーリア「やだ☆」
まどか「なら……力づくで返してもらうよ!」
バシュッ! バシュッ!
まどかが連続で2発ずつ、合計4発の矢を放つ。
アミノア「てて……停止」
まどか「あ……!?」
矢は敵に届く前に止まり地面に落ちた。
デストロイア「致命的だな、最初から全開で撃ってれば良かったものを」
イフ「ヒヒヒ……能力の分からないワシの存在を警戒したかのう」
まどか「くっ……」
まどかが弓を構えなおす。
バシュッ!!
さきほどより大きな矢が真っ直ぐにアミノアに向かう。
175 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:29:53.51 ID:DDgGadN00
まどか(停止能力は厄介だ……先にこの子を片付ける!!)
アミノア「ううわわわ……」
アミノアは停止できないと悟ると、身を翻して躱した。
まどか「避けられた……!」
イフ「ヒヒ……」
背後にイフの笑い声。
まどか「しまっ……」
ズバァァァン!!
まどか「――――っ!!!」
鮮血がまどかの肩口から噴き上がる。
イフが巨大な斧でまどかを斬り裂いた。
イフ「切断することも出来たが、死なない程度にな……ヒヒヒ」
まどか「ぐぐ……」
まどかはすぐに立ち上がると弓を再び構えようとする。
176 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:30:49.42 ID:DDgGadN00
オフィーリア「無駄だって☆」ドガッ
まどか「あうっ!!」
オフィーリアがまどかを蹴飛ばした。
倒れたまどかは弓を落としてしまう。
まどか「ハァ……ハァ……」
何とかまどかは弓を拾おうとするが……
ドンッ!!
まどか「あああああああああああっ!!」
まどかが大きな叫び声をあげる。
デストロイアがまどかの右手を踏み砕いていた。
まどか「ああ……あっ……ぐぐ……」
デストロイア「ようやくこの間の礼が出来そうだな」ニヤリ
まどか「ま、待っ……!」
グシャァッ!!
まどか「ぎゃああああああ!!!」
再びまどかは絶叫する。
今度は両足を折られてしまった。
まどか「う……がっ……ああ……」
177 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:31:32.93 ID:DDgGadN00
デストロイア「ふはは! いいザマだな!!」ドゴォッ
まどか「はっ……かふっ……」
デストロイアはまどかの両腕を片手で掴みあげると、まどかの腹を殴った。
まどかは激痛に口から血を吐く。
デストロイア「お前にはあの時の恨みを晴らしたくてウズウズしてたんだよ!」ドゴッ
まどか「がふぅっ!!」
まどか「うぐぐぐ……」
まどかは体中から血を流していた。
まどかの白いソックスも、ドレスの白い部分も既にまどかの血で紅く染まっていた。
まどか「うぐぅぅ……!!」ガンッ……
まどかがデストロイアの身体を弱々しい力で蹴る。
デストロイア「何だそれは? 抵抗しているつもりか?」
デストロイアは鼻で笑うと、今度はまどかの首を掴んだ。
178 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:32:48.58 ID:DDgGadN00
まどか「う゛うう!!」ジタバタッ
まどかは苦しそうに足をバタつかせ、デストロイアを何度も蹴った。
しかし、まどかの精一杯の抵抗はまったく効果がなかった。
まどか「ぐぐ……う゛え゛っ!!」
デストロイア「クク……」
まどか「ぐ……ぐぅ……」
デストロイアの手を掴んでいたまどかの両手がダランと落ちる。
まどか(もう……駄目……)
まどか(気が……遠く……)
まどか「…………」
イフ「ヒヒヒ……」
イフ「さて連れて帰るかのう」
気絶したまどかを連れて、四人の魔女は去っていく。
さやか「ま、まどかあああああ!!」
さやかの叫びがまどかに届くことはなかった……
179 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:33:42.95 ID:DDgGadN00
まどか(ここは何処……?)
ガチャガシャン
まどか(鎖で縛られてる……)
まどかはある一室に監禁されていた。
彼女の手足は鎖で拘束され、まどかは身動きひとつ取ることができない。
まどか(ここって……奴らの住んでる所……かな……)
まどか「はは……」
まどか「身体中が痛いや……」
まどか(手は……使えないか……足も動かないし……)
まどか(いや……今はダメージが激しいから動けないけど、回復すれば……いけそう……?)
そこでまどはある違和感に気づく。
首から下がる真紅のソウルジェム。
まどか(私を殺す気なら……ソウルジェムを壊してるはず……)
まどか(まだ殺さないにしても私にソウルジェムを付けておく必要はないよね……)
まどか(さっき私が気を失ってる時に外しておけば、私は何も出来ないし……)
180 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:34:42.18 ID:DDgGadN00
とある部屋――
ゴポゴポ……
怪しげな薬品瓶や機材が置かれた部屋。
その真ん中に液体の入った大きなカプセルがあった。
イフ「ヒヒ……もうすぐじゃ」
そのカプセルの中には、人のような影がいる。
イフ「もうすぐ……出せるぞ……ヒヒヒ……」
カプセルの下にはこう彫られていた。
『Kriemhild Gretchen』 と――
181 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:37:53.63 ID:DDgGadN00
追加登場人物
ジュゥべえ
白い身体のキュゥべえとは対照的に全身真っ黒な身体をしている。
口調が荒く粗暴な印象を受ける。一人称は「オイラ」。
キュゥべえとは同僚であり幼馴染である。
※かずみ☆マギカとは設定が異なります。
182 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/23(木) 23:53:22.03 ID:DDgGadN00
スプリーム一派
創造魔女スプリーム率いる魔女の一団。魔女の世界の一角に存在する城を根城にしている。
スプリーム以下5人の高等魔女とその他諸々で構成されている。
現状はスプリームが魔女界全体を支配している。
五大魔女
スプリームに仕える5人の高等魔女(階級4)
オフィーリア Ophelia
砂漠の魔女
性質は快楽
語尾に☆がつく。緑色の身体に赤い翼が生えている。
砂漠のように高熱を操る攻撃が得意。
デストロイア Destoroyah
死神の魔女
性質は痛み
姿はゴジラvsデストロイアのデストロイアっぽい。というよりほぼそのイメージです。(名前もまんまだし)
痛みを自在に操り、触れた対象の傷をすべて開かせることも可能。
アミノア Aminoah
氷河の魔女
性質は停止
姿は少年ぽい。喋る時に必ずどもる。
氷を操る能力の他に物体の運動を停止する力もある。
イフ If
斬首台の魔女
性質は拷問
姿は老婆的な。自称魔女界一の天才科学者。
数々の研究を行っている。
最後の一人の登場はまだ先です。
183 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/24(金) 00:00:34.22 ID:g6w9p3rV0
スプリーム Supream
八大地獄の魔女
性質は転生
おそらくこの物語のラスボスになるであろう魔女。
次回あたりでまどかの前に姿を現すかも・・・?
※supream・・・至高の、最上位の、究極の
さてまどかもこのままやられっぱなしでは終わりません。
でも次回は結構間が空いてしまうかも・・・
では今日はこの辺りで。
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/24(金) 00:02:31.20 ID:liryruKpo
お疲れ様でした。
まどかさんは・・・・・・・やはり・・・・・・”プリンセス”か”ヒロイン”・・・・・・・・・。
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/24(金) 00:36:37.08 ID:kt/NvsqDO
乙!!
続き楽しみにしてるよ!
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/06/24(金) 01:06:04.55 ID:LwScKhEZo
乙
高等魔女だかなんだか知らねーがまどかを虐めるやつは俺がぶっ潰す
特にですトロイアてめーだけは許さねー
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/24(金) 01:45:34.20 ID:C1G7ahQDO
今回で変身したのに後半まどかフルボッコで泣いた
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage saga]:2011/06/25(土) 00:22:53.07 ID:SLvV0/+Jo
乙っちまどまど!
とりあえずまどっちを攻撃した魔女達をぶっ殺す為に契約してくるか
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/25(土) 01:10:36.26 ID:F/lKzGpDO
魔法少女たちが卍解によってどれだけ強くなるか楽しみだ
そして誰かまどっちを助けてあげて……
190 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:29:28.14 ID:K1yjPRMQ0
まどかが拉致された後のさやかたちは――
シュウウウウウウ……
マミ「結界が……消えた……」
さやか「まどかを助けなきゃ!」
さやか「まどか……あんなに血だらけにされて……早く助けに行かないと……!」
杏子「待てよさやか」
さやか「杏子……!?」
杏子「助けに行くのはいい、私だってアイツを放っとけない」
杏子「でも、どうやって行く気だ? まどかのいる所まで」
さやか「あ……」
QB「まどかは魔女の世界に連れてかれたとみて間違いない」
さやか「どうやったらその魔女の世界ってのに入れるの!?」
QB「魔女の世界への扉は魔女しか開けないよ」
さやか「なっ……」
ほむら「他に方法はないの?」
QB「あるにはあるけど……」
191 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:30:31.92 ID:K1yjPRMQ0
一方のまどか――
まどか「痛ぅ……!!」
まどかは一瞬はしった激痛に顔を歪ませる。
まどか「けっこう魔力使っちゃったけど……折られた両足は治せたかな……」
まどか「でもまずいなあ……右手動かないや……」
まどかは魔力によって傷ついた身体を回復させていた。
激しくダメージを受けた両足と内臓はなんとか回復できたが、踏まれて粉々に砕かれた右手は思うように動かせない。
まどか「とりあえず鎖の拘束からは逃げれたけど……この状態だとまた……」
「あ☆ 鎖解いたんだ☆」
まどか「オフィーリア……!!」
オフィーリア「あは☆ 名前覚えてくれたんだ☆」
オフィーリア「君に会わせたい人がいるんだ☆」
まどか「……人って言うか魔女でしょ」
オフィーリア「あは☆ ついてきて☆」
192 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:31:54.43 ID:K1yjPRMQ0
まどかが通されたのは大広間。
まどか「何……ここ……?」
オフィーリア「連れてきたよ☆ スプリーム様☆」
まどか「!?」
まどか(スプリーム!? キュゥべえが言ってた魔女……!!)
まどか「!?……はっ……はぁっ……」ガクッ
突然、まどかは両足の力が抜けその場に膝をついてしまった。
まどか「あ……あああ……」ガタガタ
まどかの呼吸は荒く、全身から汗が出ている。
まどかの眼前には少女のような物体が椅子に座っている。
紅い瞳に黒い髪……ただの少女にしか見えないその“魔女”は静かに口を開いた――
「あなたが最強の魔法少女ですか?」
まどか「う……あああ……」ガクガク
まどかはその問いに答えられなかった。
口を開けることすら彼女の前では許されない。
そうまどかは本能で感じてしまっていた。
193 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:32:38.42 ID:K1yjPRMQ0
「そんなに怯えないでください」
まどか「ひっ……ひぃ……」ズルズル
まどかは自分に近づいてくるその少女のようなモノから必死に逃げようとする。
しかし足に力が入らず、まどかは尻餅をついたまま後ずさりするしか出来なかった。
オフィーリア「ありゃりゃ☆ そんなに怖がらなくてもいーのに☆」
オフィーリア「“等活”のスプリーム様は優しいんだから☆」
「私たちは近々あなたの住む街、見滝原市に侵攻します」
まどか「――っ!」フルフル
まどかは「やめて下さい」と言わんばかりに泣きそうな表情で首を横に振る。
まどか(駄目だ……勝てない……)
まどか(魔力の桁が違いすぎるよ……)
少女を包む禍々しいオーラ。
それがまどかの戦意を失わせてしまっていた。
194 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:34:35.15 ID:K1yjPRMQ0
さらに今の状態では得意の弓矢を射ることができない。
それも相まって、まどかはどうすることも出来なかった。
まどか「わ、私を……殺すの……?」
震えながらやっと絞り出した声で少女に問う。
「いえ、あなたをここに連れて来たのはイフたちが勝手にやったことです」
「私はまだあなたに手を出すつもりはありませんので、少し挨拶でもと」
イフ「ではスプリーム様、そろそろいいかのう?」
まどか「!?」
まどかはいつの間にか横にいたイフに腕を掴まれた。
「はい、私の用は終わりました」
「後は自由にして下さい」
「では、また会いましょう魔法少女さん」
その声が聞こえ終わった途端、少女の姿は認識出来なくなった。
195 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:35:30.47 ID:K1yjPRMQ0
まどか(た、助かった……)
少女の気配が消え、まどかは幾分か安堵する。
イフ「では来てもらおうかの」
まどか「………………」
抵抗しても無意味と悟ったまどかは、おとなしく従う。
まどか(最初は……回復したら一気に奴らを倒そうと思ってたけど……)
まどか(無理だ……)
まどか(あれがスプリームだとしたら……勝ち目なんてないよキュゥべえ……!)
196 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:36:03.18 ID:K1yjPRMQ0
オフィーリア「随分意地が悪いなあ☆」
「オフィーリアですか」
オフィーリア「私たち以上の魔力を持ってる子がガタガタ震える姿は面白かったよ☆」
オフィーリア「ちょっと可哀相だったけど☆」
「私も少し残念です」
「最強の魔法少と言うからにはどんな子供だろうと思っていたのですが」
「残念、取るに足らない存在でした」
「ですが」
オフィーリア「何☆」
「彼女はまだ力を引き出していません」
「彼女がその力を最大限に発揮し」
「真の魔法少女最強になった時」
「私が相手になりましょう」
197 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:36:54.98 ID:K1yjPRMQ0
まどかは先程の怪しげな部屋に連れて来られた。
まどか「ここは……?」
イフ「ワシの実験室じゃよ、ヒヒ……」
まどかは部屋を見渡す。
そしてひと際目立つ、大きなカプセルを見つけた。
まどか(これは……?)
「………」ゴポゴポ
培養液で満たされたそのカプセルには何かが入っている。
カプセルの下には名前らしきプレート。
まどか「ク、クリームヒルト……?」
まどかは書かれた文字を読んでみた。
198 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:38:50.92 ID:K1yjPRMQ0
ガシャン
まどか「なっ……! あうっ!」ドサッ
いきなりまどかは手足に枷をつけられ転倒した。
枷から伸びた鎖はあのカプセルに向かっている。
まどか「な、何を……!」
まどかは倒れながらイフが巨大な鎌を持つのに気づく。
ブンッ!!
イフは何の躊躇いもなくそれをまどかに振り下ろした。
まどか「ああああああああああああああっ!!」
腹を突き刺されまどかはのた打ち回る。
イフ「ヒヒ……まずは弱らせてと」
まどか「はぁ……はぁ……」
イフ「ヒヒヒ……」
次にイフはまどかのソウルジェムに手をかけた。
199 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:40:20.90 ID:K1yjPRMQ0
まどか「!!」
まどか「だ、だめっ!」
イフ「そう暴れるな……」
イフはまどかのソウルジェムを掴んだ。
まどか「やめて! やめてぇ!!」
まどか「ああ……っ」
まどかの叫びも虚しく、ソウルジェムが首から外される。
まどか「うああああああああ!!」
ソウルジェムを外され、まどかの身体に激しい痛みがはしった。
イフ「これをこうして……」
イフはそんなまどかの様子には目もくれず、ソウルジェムをカプセル下の穴にセットした。
200 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:42:22.43 ID:K1yjPRMQ0
イフ「ヒヒ……魔力を少し貰うぞ」
まどか「……!?」
イフがそう言うと、カプセルが激しく光り始めた。
まどか「……??」
ドクンッ
まどか「痛っ……」
不意に、まどかの胸に痛みが来る。
カプセルに繋がった鎖から何らかのダメージが流れ込んできているようだった。
まどか「うう……な、何を……」
まどか「何を……してる……の……」
イフ「さあ目覚めろクリームヒルトよ!」
まどか「うぐ……ぐ……」
ガシャンッ
まどかはガラスの割れる音を聞いた直後、気を失ってしまった……
201 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:44:14.72 ID:K1yjPRMQ0
イフの部下「グゲゲ?」(イフ様、こいつどうします?)
まどか「…………」
イフ「ヒヒ……外の砂漠にでも捨てておけ、ホラ」
イフはまどかにソウルジェムを戻すと、枷を外した。
まどか「………」
イフの部下「グガガガ」(ではそのように)
イフ「ようやく完成じゃ……造魔女よ」
イフの前には黒い影のような物体。
姿形はまどかに酷似している。
イフ「これでワシの研究も……ヒヒ」
202 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:44:52.36 ID:K1yjPRMQ0
まどか(ここ……どこ……?)
まどか(城の中じゃない……)
まどか(外に放り出されたみたい……)
まどか(どうしよう……全然体動かない……)
まどかは激しくダメージを負ったのと、魔力を吸い取られた所為で動けなかった。
まどか(みんな心配してるだろうな……)
まどか(帰ったらまず謝らなきゃ……)
203 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:45:35.94 ID:K1yjPRMQ0
さやか「方法があるなら早く教えてよ!」
QB「いやダメだ」
さやか「何でよ!?」
QB「君たちが行った所で何が出来るんだい?」
QB「犬死だよ」
杏子「オイてめぇ! そんな言い方……」
マミ「やめて佐倉さん! キュゥべえは私たちの身を案じてるのよ」
QB「…………」
さやか「いいよもう! 私はひとりでまどかを助けに行く!!」
そう言うとさやかは走って行ってしまった。
杏子「おいさやか!」
杏子もその後を追いかけて行く。
マミ「ちょっと二人とも!」
さらにその後をマミが追いかける。
その場にはQBとほむらが残された。
204 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:48:08.53 ID:K1yjPRMQ0
ほむら「キュゥべえ」
QB「なんだい?」
ほむら「この時間軸のあなた……明らかに他のあなたと違うわ」
ほむら「他のあなたはもっとこう……どこか非情で魔法少女なんて道具ぐらいにしか考えていなかった」
ほむら「だからこそ私は必死にまどかを救おうとしたのだけれど……」
ほむら「でも今のあなたからはハッキリ感じる、まどかだけじゃなくてみんな死なせないって気持ちが」
QB「君が遭ったって言う僕はどんなのだったか分からないけど」
QB「たぶん……この時間軸の僕はルリに逢ったからじゃないかな」
ほむら「ルリ……?」
QB「そうだね……ほむらには話しておいても良さそうだね」
QB「ちょっとした昔話を」
そして時は少しばかり過去に巻き戻る……
50年前――
イギリス・ロンドン――
205 :
◆aO.dHvCa.Y
[saga]:2011/06/30(木) 04:52:05.72 ID:K1yjPRMQ0
今回は短いですがここで終わりです。
昔話の前にまどか助けようぜとか言っちゃだめ(笑)
と言うわけで次回QB過去篇です。
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/06/30(木) 11:29:12.99 ID:bB6g0mY3o
乙っちまどまど
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/30(木) 16:52:14.46 ID:TKCHYj5DO
乙
しかし50年前てw
QBはいったい何歳なんだ
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/30(木) 17:12:01.98 ID:UWN7YpOIO
乙
とりあえずイフには死んでもらおうか
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/05(火) 11:26:56.31 ID:SsO+6j3DO
さやかって魔翌力低いから卍解してもまどかの半解放レベルなんじゃ・・・
おや、誰か来たようだ
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/04(木) 06:47:03.27 ID:4Dj6JYNU0
1はどこだー!!!
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/14(日) 09:37:41.81 ID:BlJ5pFSIO
どういうことだおい!
212 :
◆aO.dHvCa.Y
[sage]:2011/08/15(月) 04:50:14.04 ID:nGTQuB6n0
すいません、もうすぐ2ヶ月経ってしまう・・・
20〜21日の何処かで続き投下しまっす。
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/15(月) 07:59:02.28 ID:Pg+pkmODO
待ってるからな
214 :
♯188940
[saga]:2011/08/22(月) 00:19:20.85 ID:19G0pqw60
お待たせ
しかしホントにまったく展開は進んでいません申し訳ない
215 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:23:19.52 ID:19G0pqw60
おっと鳥ミス
今回からこれでいきます
敗因は音楽記号
216 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:24:31.26 ID:19G0pqw60
魔女の使い魔「ギャピイイイイイ……」
さやか「死にたくなかったら早く教えなさい!」ジャキッ
さやかは使い魔を掴み上げると、剣を構える。
使い魔「ギャピイイイ!?」
杏子「やめろってさやか!」
さやか「でも……」
杏子「こいつは使い魔だ、もっと上のクラスの魔女じゃないと聞き出せないんじゃないか?」
さやか「それは……そうかもだけど……早くしないとまどかが……!」
マミ「二人ともここにいたのね」
さやか「マミさん……」
217 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:30:19.21 ID:19G0pqw60
一方、QBとほむら――
QB「前に僕は言ったね」
QB「僕も君と同じだと」
ほむら「そういえばそんなことを言ってたわね」
QB「ほむら、君がまどかを守ろうとしたように――」
QB「僕にも守りたかった少女がいた」
QB「彼女の名前はルリ・アマクサ」
QB「じゃあ語ろうか、ちょっとした昔話を」
218 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:30:59.90 ID:19G0pqw60
QBたちインキュベーター一族の住む惑星から遥か彼方――
太陽系第3惑星 地球――
ここは地球のとある街、イギリスのロンドン――
QB(50年前)「はぁ……なんだって僕がこんな辺境の星に……」
JB(50年前)「ぎゃはは! お互い大変な所にとばされたもんだな」
QB「お前は気楽でいいよな」
JB「まあ遅かれ早かれいつかはここに来なきゃいけなかったしよー」
QB「…………………」
JB「ま、早いとこノルマ達成して帰ろうや んじゃな」ヒョイ
QB「まったく……お気楽なもんだよ」
QB「さてと……」
219 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:31:51.62 ID:19G0pqw60
QB「まずは素質のありそうな子を探さないと……」
QBは高い建物に上ると、ロンドンの街を見ながら少女を探す。
QB「ん? あれは……」
QBは河川敷に一人の女の子が座っているのを見つけた。
QB「……………」
QB「とりあえず接触してみるか……」
220 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:33:30.80 ID:19G0pqw60
QB「やあ、こんにちわ」
QB「おっとこれは日本語か……ここの国の言葉で言うなら……なんだっけ」
少女「ハローだよ」
QB「そうそう、ハロー」
少女「正解。 でも私は英国人じゃないんだよ」
QB「そうなのかい? 随分日本語が達者なようだけど……」
少女「そ、私日本人。 名前はルリ・アマクサ」
QB「天草琉璃か、いい名前だね」
ルリ「名前誉められるなんて初めてだよ。 あなたいい人ね」
ルリ「人……? ってゆーかあなた妖精?」
221 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:35:29.86 ID:19G0pqw60
QB「まあ人間の認識ではそういう類になるのかな」
QB「もっと正確に言えば宇宙人なんだけど」
ルリ「宇宙人かー……へー……」
QB「あまり驚かないんだね」
ルリ「うん」
QB「おっと忘れてた、僕はキュゥべえ」
ユリ「キュゥべえかあ……可愛いね」
QB「そうだ君にちょっと相談したいことがあるんだ」
ルリ「え、何々?」
QB「実はね、僕と契約して魔法少女になってほしいんだ!」
ルリ「うんいいよ」アッサリ
QB「勿論、相応にリスクはあるがメリットもあるから慎重に考……え……?」
222 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:37:47.31 ID:19G0pqw60
ルリ「いいよ、魔法少女ってのになっても」
QB「ほ、本当かい!?」
ルリ「本当なのだよ、キュゥべえ君」
ルリは笑顔を見せると、QBに言った。
――それが僕とルリの出会い
――奴らとの因縁の始まり
そして、僕達の運命を決めた出会い――
223 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:38:40.42 ID:19G0pqw60
アマクサ・ルリ(天草琉璃)
50年前のイギリスにいた少女。
青く長い髪に瞳の色は緑。
父親は日本人だが母親は英国人。(ハーフだけど日本人って名乗っていいのだろうか?よく分からない……)
とある魔術の禁書目録のインデックスみたいなイメージです。
ちなみに服装は白い浴衣(現時点)
224 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:41:14.67 ID:19G0pqw60
ほむら「それでどうなったの?」
QB「ああ……」
ほむら「どうしたの……?」
QB「いや……なあほむら……」
ほむら「?」
QB「僕って感情……あるのかも……」
ほむら「何を今更のように言ってるのよ」
QB「それも……そうか……」
225 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:42:21.81 ID:19G0pqw60
一方のまどか――
まどか「星がない……」
仰向けに寝転がりまどかは魔女の世界の空を見上げた。
そこは無限に広がる大宇宙のように漆黒の闇。
しかし宇宙と違って、ただ暗闇が広がっているだけだった。
まどか(さっきの奴……私の魔力を使って何をする気なんだろう……?)
城から離れ少し落ち着いたまどかは考え始めた。
まどか(スプリーム……さっき私を殺せたのに殺さなかった……)
まどか(あれだけの魔力を持ってるなら、魔法少女なんて取るに足らない存在ってことなのかな……)
まどか「ハァ……」
まどか「ソウルジェムの全解放……」
まどかは自身のソウルジェムを見つめた。
226 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:42:52.63 ID:19G0pqw60
まどか「とりあえず此処から出よう……何時間もこんな所にいると気が狂いそう……」
かなり回復したのでまどかは立ち上がった。
まどか「どうしようか……」
「どうしようかねー☆」
まどか「!?」
オフィーリアの声。
まどかは反射的に弓を向けた。
オフィーリア「ちょ☆ タンマタンマ☆」
まどか「何の用?」
オフィーリア「戦いに来たんじゃないって☆」
オフィーリア「あなたを現世に返せって言われたの☆」
まどか「……信用できると思うの?」ギリ
オフィーリア「弓引かないでってば☆」
まどか「……………」
227 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/08/22(月) 00:44:59.55 ID:19G0pqw60
2ヶ月も待たせてわずか数レスでごめんなさい。
とりあえず今日はここまでで。
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/22(月) 01:17:48.40 ID:HaQrHa5po
うおおおおおおおおおおおおおお1おかえり!待ってたぞ!
229 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/08/22(月) 05:51:34.91 ID:WiCGue8qo
乙っちまどまど!
続きも待ってるよ!
230 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:15:33.02 ID:bhgoGZtz0
こんばんワニ
また少しいきます
↓
231 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:16:09.60 ID:bhgoGZtz0
そして――
マミの家―――
さやか「本当に大丈夫? どこか痛いところとかない!?」
まどか「うん、大丈夫だよ」
さやか「本当に本当に? 腕とか脚とか折られてたけど……」
まどか「もう大丈夫だよ、けっこう魔力使っちゃったけど……」
さやか「はぁ……とにかく無事で良かったよ」
まどか「そう……だね……」
さやか「まどか……? どうしたの?」
まどか「ちょっとね……」
さやか「?」
まどか「キュゥべえは?」
さやか「え、キュゥべえならたぶん外にいると思うけど……」
232 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:17:30.35 ID:bhgoGZtz0
QB「…………」
ほむら「何考え込んでるのよ」
QB「いや、腑に落ちない事があってね」
ほむら「奴らがまどかを殺さなかったこと?」
QB「それもあるけど……まどかはどうしてる?」
ほむら「マミさんの家にいるわ、さやかも一緒に」
QB「そうか……」
QBはそう言うと歩き出した。
ほむら「行くの?」
QB「ああ、まどかに聞きたいことがいくつかある」
233 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:18:35.54 ID:bhgoGZtz0
再びマミの家――
マミ「あ、キュゥべえ!」
杏子「帰ってきたか」
まどか「キュゥべえ……」
QB「無事で良かったよまどか」
まどか「…………」
さやか「まどかどうしたの? さっきから様子が変だよ?」
まどか「スプリームに遭った」
さやか「えっ!?」
QB「…………」
234 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:19:16.97 ID:bhgoGZtz0
杏子「へえ……どんな奴だったんだ?」
まどか「見た目は黒くて長い髪の女の子で……」
まどか「あと丁寧な口調だった……」
杏子「闘りあったのか?」
まどか「もし戦ってたら私はここにいないと思う……ううん、戦う気なんて起きなかった」
まどか「たぶん今の私なら1秒かそこらで殺される……と思う」
杏子「そ、そんなにか……」
さやか「だ、大丈夫だよまどか! 私たちなら勝てるって!」
まどか「さやかちゃん……」
QB「大丈夫だ、全員が力を合わせればきっと倒せる」
ほむら「前のあなたにはあり得ないほど似合わない台詞ね」
杏子「ははっ、たしかにな」
235 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:20:33.48 ID:bhgoGZtz0
まどか「ふふっ……ありがとさやかちゃん、キュゥべえ」
まどか「じゃあもうひとついいかな?」
ほむら「?」
まどか「連中、私の魔力を使って何かするみたい……」
まどかは先程あった出来事を皆に話した。
マミ「何が目的なのかしら……?」
QB「そういえば聞いたことがある」
QB「先天性の魔女以外にも造られた人工的な魔女がいるって噂だ」
QB「僕らはそれらを“造魔女”って呼んでる」
QB「まどかの魔力を元に奴らは造魔女を造ろうとしているのかもしれない」
236 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:21:38.86 ID:bhgoGZtz0
さやか「だから奴らはまどかを攫ったのかな……」
QB「恐らくね、まどかを無事に帰したのもその造魔女と戦わせるつもりだから……かも」
マミ「近いうちにそれが来るかもしれないってこと?」
QB「たぶん……」
杏子「はぁ……4人がかりでもあいつらの一匹にも太刀打ちできないのに……」
杏子「その上今度は奴ら並に強い魔女が追加されてるって……」
杏子「キュゥべえ! ソウルジェムの魔力を全解放する手っ取り早い方法は見つかったのかよ!?」
ほむら「そうね……もうそれしか私たちには対抗手段がなさそうね」
まどか「私もそう思う」
QB「その件はもう少し待ってくれないか? たぶんあと少しで……」
QB「おっ……」
その時、キュゥべえに連絡が入った。
237 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:22:31.72 ID:bhgoGZtz0
QB『見つかったのか?』
JB『おう、それらしい文献を読み漁ったけど一か所だけそれっぽい文章があったな』
QB『それはなんて!?』
JB『えと、“影を打倒する”かな……訳すると』
QB「か、影?」
まどか「影?」
QB「あ、ごめん 声に出してたみたいだ」
QB『影っていったい……』
JB『一応ジジイにも聞いたけど、その方法にはある魔女の能力が必要らしい』
QB『ある魔女?』
JB『ここだけ文字が擦れてて読めねーんだよ……』
JB『ク……ヒル……しか分かんね』
238 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:23:17.88 ID:bhgoGZtz0
QB『見つかったのか?』
JB『おう、それらしい文献を読み漁ったけど一か所だけそれっぽい文章があったな』
QB『それはなんて!?』
JB『えと、“影を打倒する”かな……意訳すると』
QB「か、影?」
まどか「影?」
QB「あ、ごめん 声に出してたみたいだ」
QB『影っていったい……』
JB『一応ジジイにも聞いたけど、その方法にはある魔女の能力が必要らしい』
QB『ある魔女?』
JB『ここだけ文字が擦れてて読めねーんだよ……』
JB『ク……ヒル……しか分かんね』
239 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:26:25.47 ID:bhgoGZtz0
QB『見つかったのか?』
JB『おう、それらしい文献を読み漁ったけど一か所だけそれっぽい文章があったな』
QB『それはなんて!?』
JB『えと、“影を打倒する”かな……意訳すると』
QB「か、影?」
まどか「影?」
QB「あ、ごめん 声に出してたみたいだ」
QB『影っていったい……』
JB『一応ジジイにも聞いたけど、その方法にはある魔女の能力が必要らしい』
QB『ある魔女?』
JB『ここだけ文字が擦れてて読めねーんだよ……』
JB『ク……ヒル……しか分かんね』
240 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:28:37.59 ID:bhgoGZtz0
QB『分かったよすまなかったな、面倒事を頼んで』
JB『気にすんな、じゃあ精々死ぬんじゃねえぞ』
QB『ああ』
まどか「何か分かったの?」
QB「どうやら影を倒せば全解放に至れるらしい」
さやか「はい?」
QB「それにはある魔女の能力が必要らしい」
マミ「ある魔女?」
QB「それ以外の情報は見つからなかったらしい」
ほむら「全部伝聞ってのもイマイチ信用に欠けるわね」
ほむら「それに具体的な方法が何も分からないじゃない」
241 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:30:01.23 ID:bhgoGZtz0
杏子「どうしたもんかねえ……」
QB「これ以上の情報は期待できそうもないし……とにかく暫くはまた様子見かな」
QB「まどかでも複数体の高等魔女を相手取るのは難しいって分かったから、今後はより一層単独行動は避けてくれ」
さやか「オッケー」
QB「まどかとさやかは一度家に帰ったほうがいいかもね、家族も心配してると思うよ」
まどか「そだね……そうするよ」
さやか「あ、送ってくよ」
まどか「うん、ありがと」
242 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:31:02.81 ID:bhgoGZtz0
外――
さやか「はぁ……どうなるんだろうこの街……」
まどか「守ってみせるよ、絶対に」
先程折られかけた心も仲間といる内に次第に平静を取り戻しつつあった。
まどか「じゃあ、また明日」
まどかは自宅の玄関の前でさやかに言う。
さやか「うん、それじゃあね」
バタン……
さやか「まどか……」
まどか「は、はぁっ……はぁっ……」
扉にもたれかかりながらまどかは荒い呼吸を整える。
まどか(何とかみんなの前では誤魔化せたかな……)
まどか(こりゃ暫くは……無理……かな……)
243 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:32:06.81 ID:bhgoGZtz0
ソウルジェムを砕かれない限り魔法少女は死ぬことはない。
受けた傷も日数を置けばいずれは回復する。
まどかが受けた傷も徐々に回復はしていた。
しかし、それでもダメージ量は大きくまどかは疲弊していた。
先程は皆を心配させまいと強がっていたに過ぎなかった。
まどか「このままじゃ……勝てない……」
まどか「守りたいよぉ……みんなを……この街を……」
ベッドの上でまどかは声を絞り出す。
まどか「力が……欲しい……な……」
そこでまどかは眠りに堕ちていった…………
244 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:32:59.43 ID:bhgoGZtz0
街の中――
目の前には黒い影。
姿は自分によく似ている。 ……気がする。
まどか「なん……で……」ポタポタ
脇腹と肩に複数の矢が刺さり、まどかは流血していた。
まどか「くっ……」ギリ
矢を射おうとしたまどかの手を影の矢が貫く。
まどか「うあああああああああああっ!!」
ドシュッ! ドシュッ!!
影の矢が一発、また一発とまどかの身体を撃ち抜いていく。
まどか「ああっ! や、やめ……」ドサッ
倒れたまどかの上に跨ると、影は矢でまどかの喉を狙う。
まどか「いやだ……やめてよ……」
まどか(こんなところで……死ぬわけには……!!)
ドシュッ!!
245 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:33:43.26 ID:bhgoGZtz0
まどか「はっ!?」ガバッ
ベッドから跳び起きるまどか。
体は汗だくだった。
まどか「うわあああああああああ……」
まどか「やばいやばいやばい……あんな夢見ちゃうなんて……」
まどか「しっかりしろ鹿目まどか!!」パンッ
自分で自分の頬を叩くまどか。
まどか(でも……あの影、どこかで見たような……?)
まどか(まさか………?)
まどか「…………」
まどか「ほっぺ痛い……」ジンジン
246 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:36:00.74 ID:bhgoGZtz0
一方、魔女の世界――
イフ「コ、コラ! まだ早い!!」
オフィーリア「どうしたのー☆」
イフ「クリームヒルトが現世に行こうとしてるんじゃ! お前さんも見てないで止めるのを手伝ってくれ!」
オフィーリア「なんかマズイの☆」
イフ「戦闘力は問題ないんじゃが……そんなに“自分”に会いたいか……」
「いいじゃないですか、行かせてあげれば」
イフ「アンタまで何を……!?」
「それに……どうやら面白い展開が期待できそうですよ」
イフ「ま、まあアンタが言うなら……」
イフは渋々クリームヒルトを見送った。
オフィーリア「スプリーム様☆」
「なんですか?」
オフィーリア「面白い展開って何ー☆」
「それは……まだ秘密ですよ」
オフィーリア「ぶー☆」
影「カナメ……マドカ……」
247 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/05(月) 03:41:04.70 ID:bhgoGZtz0
次回より「クリームヒルト篇」です。
ここで登場するクリームヒルトは原作のソレとは異なります。
予定ではこのクリーム篇を含め後3章ぐらいで完結です・・・?
ではまた次回。アデュー
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/09/05(月) 06:04:08.01 ID:ehjjI5Ue0
スレタイで00ネタかと
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/09/06(火) 22:56:15.94 ID:j9qNN34Do
待ってたぜー
乙っちまどまど!
250 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:23:29.30 ID:gZ2i5ea00
杏子「最近奴らこねーな……」
さやか「そうだね……でも現れないならそれが一番かもね」
杏子「まあ、確かになぁ……」
あれから2週間が経過した。
ここ最近はオフィーリアたちも姿を見せていない。
まどか「はぁ……」
さやか「まどか大丈夫? 最近疲れてない……?」
さやかがため息を吐くまどかに声をかけた。
まどか「ううん大丈夫……でも何か最近妙に力が抜けるって言うか……」
まどか「生気が奪われるって言うか……」
杏子「うわ、何だよソレ……こえーな」
さやか「疲れてんなら少しは休んでいいんだよ? それでなくともまどかは病み上がりなんだからさ」
まどか「うん、ありがとさやかちゃん」
251 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:23:59.80 ID:gZ2i5ea00
まどか「うう……」
まどか(おかしい……)
まどか(なんでこんなに……身体が重いの……?)
まどか(連中に捕まってる時に何かされた……?)
まどかがアレコレ考えていると、自分の家に着いた。
まどか「キュゥべえにも言ったほうがいいかな……」
そう思いながら、自分の部屋に戻る。
まどか「はぁっ……」ドサッ
ベッドに寝転ぶとまどかは天井を見た。
まどか「スプリーム…………」
まどか「眠い……や……」
一言そう呟くとまどかは眠ってしまった。
252 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:24:25.36 ID:gZ2i5ea00
ドンッ!!
まどか「――――!!」
轟音の後に見えたのは、紅い液体。
まどか「ああ……あああ……」
心臓を貫かれたまどかは倒れ伏し、弱々しい目つきで眼前の敵を見る。
まどか(駄目だ……死ぬ……殺され……る……)
身体の感覚が無くなっていく。
もう、まどかは指一本も動かせなかった。
253 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:27:19.98 ID:gZ2i5ea00
まどか「はっ!?」ガバッ
まどか「はーっ……はーっ……はー……」
ベッドから跳び起きるまどか。
まどか「また……あんな夢……」
まどか(続けてあんな夢を見るなんて……どうなって……)
まどか(やっぱり奴らに何か……)
まどか「キュゥべえに……!」
まどかは立ち上がると、部屋を飛び出して行った。
254 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:28:37.07 ID:gZ2i5ea00
魔女の世界――
イフ「どうやら……鹿目まどかには憑けたようじゃの」
デストロイア「そのようだな」
デストロイア「しかし……より強い魔女を造るのが目的なのは分かるが、なぜこうも回りくどいんだ?」
デストロイア「殺した後で全ての魔力を吸い取ればいいだろう」
デストロイア「お前の技術なら簡単だろう?」
イフ「ヒヒ……それじゃあ意味を成さんからの……それに」
デストロイア「それに……?」
イフ「これはあの方のご命令でもある」
デストロイア「スプリーム様の……?」
イフ「まあいい、さてそろそろかの……」
255 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:29:08.81 ID:gZ2i5ea00
まどか「あ、キュゥべえ!」
QB「まどか? どうしたんだい?」
まどか「ちょっと聞いてほしいことがあって……」
QB「?」
まどか「実は……」
ドクンッ!
まどか「あ……かっ……!?」
QB「まどか……?」
突然、胸が締め上げられるような痛みがまどかを襲った。
まどか「い……痛……あぐぐ……」
胸を押さえて苦しみ出すまどか。
QB「まどか!? いったい何が……!?」
まどか「胸が……苦しい……!!」
まどか「あああああああああああああああっ!!!」
まどかの悲鳴と同時に、まどかの“影”から何かが出てきた。
QB「!?」
256 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:30:13.39 ID:gZ2i5ea00
まどか「うううっ……」ドサッ
QB「まどか! しっかりしろ!!」
倒れたまどかにQBは駆け寄る。
影「…………」
QB「…………!!」
QB「お前は何者だ? 魔女か?」
影「ワタシハ クリームヒルト」
QB「クリームヒルトだと……?」
影「ワタシハ カナメマドカノ マリョクニヨリ ウマレタ」
QB「そうか、奴らがまどかを拉致した目的はこれだったのか……!」
影「カナメマドカハ ドウシタ?」
QB「君が強制的に出てきた余波で気を失ってるよ」
QB「まどかをどうするつもりだ?」
257 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:31:26.73 ID:gZ2i5ea00
影「…………………」
QB「もし、まどかを殺す気なら僕が相手になるよ」
影「フン タタカエヌアイテニ ヨウハナイ」
影「マズハ ミキサヤカヲ チマツリニアゲル」
QB「なんだと!?」
影「カノジョヲコロセバ カナメマドカモ ヤルキニナルカモシレナイ」
QB「ま、待て!!」
ブアアアアアアアア
QB「くっ……!」
突如起こった砂嵐にQBは視界を奪われる。
QB「くそっ!」
砂嵐が収まった時にはもうクリームヒルトの姿はなかった。
QB「さやか……!!」
258 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:31:58.43 ID:gZ2i5ea00
杏子と別れ、さやかも家へと歩いていた。
さやか「まどか、どうしたんだろう……」
さやか「早くいつも通りに戻ってくれるといいけど……」
親友の身を心配するさやか。
その時だった。
「オマエガ ミキサヤカダナ?」
さやか「!?」
不意に背後から聞こえた声。
バアアアアアアアアンッ!!
さやか「がっ……!?」
続いてさやかの身体が宙を舞った。
ガシャアアアアアアアアン
クリームヒルトに蹴飛ばされたさやかは、右方のコンクリートの壁面に激突した。
クリーム「ソクシカ ヨワイナ」
259 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:34:37.04 ID:gZ2i5ea00
崩れる壁。
辺りには崩れた衝撃で粉塵が上がっていた。
クリーム「サテ コレデ カナメマドカモ」
ギィン!
クリーム「ホウ」
粉塵の中から飛び出してきた少女が剣で斬りかかる。
クリームヒルトは弓の柄でそれを受けた。
さやか「アンタ……いったい何なの……!?」
クリーム「トッサニヘンシンシテ カイヒシタカ」
さやか「何者だって聞いてんのよ!!」
右手で鍔迫り合いを展開しながら、さやかは左手にもう一本剣を構えた。
クリーム「ニトウリュウカ イイゾ キテミロ」
さやか「はぁっ!!」ギンッ!
さやかは2本の剣を打ち込んでいく。
260 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:38:37.01 ID:gZ2i5ea00
クリーム「ドウシタ? ソレデオワリカ?」
ドシュ!
さやか「あぐっ!!」
クリームヒルトの放った矢がさやかの左脚を貫いた。
さやか「く……そっ……」ガクッ
さやか「その弓矢……まどかと同じ武器……」
クリーム「ソウダ ワタシハ カナメマドカカラウマレタカラナ」
さやか「生まれた……?」
クリーム「ワタシハ カナメマドカノマリョクカラ ツクラレタ」
さやか「造られたって……じゃあまどかを攫ったのはコイツを造るため……?」
クリーム「サッシガイイナ マア ココマデイエバ バカデモワカルカ」
さやか「そいつはどうも……」
さやか(どうしよう……一度退いたほうが……)
さやか(でも……この脚じゃ……)
261 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:39:32.25 ID:gZ2i5ea00
さやかが考えていると、クリームヒルトの矢が2発放たれた。
さやか「ちょっ……待っ……」
ガン! ドスッ!
さやか「ぐぅ……!!」
一発は剣で叩き落としたが、もう一発はさやかの右脚を貫いた。
さやか(両脚やられた……!! まずい……)
クリーム「トドメダ」
さやか「………!!」
クリームヒルトがさやかのソウルジェム目掛けて矢を放つ。
さやか(も、もう駄目……!!)
覚悟したさやかがギュッと目を瞑る。
ギィィンッ!
262 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:40:55.59 ID:gZ2i5ea00
さやかの耳に届いたのは、ジェムが砕ける音……
ではなく、矢を打ち落とす音。
クリーム「キサマ……」
「たくっ……ホントさやかは危なっかしいよな」
さやか「………うっさいわね杏子、これから反撃するところだったのよ」
杏子「ケッ、元気そうで安心したぜ」
杏子は槍をクリームヒルトに向ける。
さやか「杏子! 気をつけて!」
杏子「ああ……」
クリーム「サクラキョウコカ ヒトリフエタトコロデ オナジコトダ」
杏子「ああ゛? あたしをさやかなんかと同じだと思わないほうがいいぜ?」
さやか「なんかって何さ!」
杏子「うるせー! 怪我人は黙ってろ」
263 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:41:24.62 ID:gZ2i5ea00
さやか「そこの魔女!」
クリーム「?」
さやか「言っとくけどあたしのほうが強いから!」
杏子「じゃ、あたしはその倍強い」
さやか「あたしは3倍だ!」
杏子「何をぅ!? 4倍だ!」
さやか「5倍!」
杏子「6倍!」
さやか「10倍!!」
杏子「100倍!!!」
クリーム「チャバンハオワッタカ?」
杏子「おっと、奴さんも来るみたいだな」
さやか「そうね、とりあえずコイツをどうにかしないとね」
264 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:42:25.36 ID:gZ2i5ea00
同時刻――
見滝原市の郊外――
イフ「おっと……少し外れに出すぎたかのう」
イフ「クリームヒルトは……」
ドオオオオオン……
イフの後方から爆音が聞こえた。
イフ「ヒッヒ……あそこか」
イフは場所を確認すると、その場所に向けて歩き出した。
265 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:44:07.26 ID:gZ2i5ea00
さやか「杏子おおおおお!!」
杏子「ぐっ……が……」
クリームヒルトに首を掴まれ、締め上げられる杏子。
さやか「杏子を放せええ!」
クリーム「その脚で何が出来る?」
ドシュッ!
さやか「あうっ!!」
脚を怪我して満足に動けないさやかをまたも矢が襲った。
杏子「ぐぐ……さや゛……が……」
杏子(くそう……苦しい……ど、どうすりゃ……)
クリーム「……………」
クリーム「ナニシニキタ?」
266 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:45:59.79 ID:gZ2i5ea00
クリームヒルトが後ろに向けて言う。
さやか「ア、アンタは……」
杏子「………!」
イフ「ヒヒ……まだ殺していなかったか」
イフ「だがそれなら……」
クリーム「?」
イフ「“能力”を使う時がきたぞクリームヒルト」
クリーム「ノウリョクダト?」
イフ「お前の能力は影を造ること……この意味が分かるな?」
267 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:46:56.50 ID:gZ2i5ea00
クリーム「ソレガ アノヒトノイシナノカ」
イフ「ヒヒヒヒ……そうじゃ」
クリーム「……イイダロウ」
杏子「でめ……なに゛す……る気……だ……」
弱々しい声で杏子が呟く。
イフ「まずはこの赤からじゃ」
さやか「杏……子……駄目……」
さやかが何とか立ち上がろうとする。
イフ「ヒヒ、お前さんは黙って見ていろ」
イフがさやかの首筋に大鎌を突き付けた。
さやか「……!!」
イフ「安心せい、あれが終われば次はお前の番じゃ」
杏子「やめ……やめろ……」ズブブ
クリームヒルトの身体からブラックホールのような真っ黒い穴が出現し、それが杏子の身体を飲み込んでいく。
268 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:47:33.01 ID:gZ2i5ea00
杏子「さやか逃げ……!」
その言葉を言うと同時に杏子は穴に飲み込まれてしまった。
さやか「杏子おおおおお!!」
さやか「そんな……杏子……」
ズブッ……
さやか「なっ……あたしも!?」
イフ「次はお前さんだと言ったじゃろう」
さやかも次第に影の穴に飲み込まれていく。
さやか「やっ……嫌……」
さやか「た、助け……て……まど……」
助けを求めるさやかの声は虚しくも遮られた。
イフ「あとは……黒と黄か」
クリーム「……………」
269 :
◆1h1iA.CiJ2
[saga]:2011/09/17(土) 03:49:21.84 ID:gZ2i5ea00
今日はここまでです。
クリームヒルトの外見はまどかをそのまま影にした感じ。
アニメに似たようなやつが出てた気が・・・
270 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/10/22(土) 10:47:50.13 ID:VGzgVZ0Co
乙
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