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御坂「サナララ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 17:53:08.92 ID:iXvYaijj0





――それは……誰にでも起こるかもしれない、少し不思議な物語――




――――――――――――――

禁書とサナララ(エロゲ)のクロスです。
クロスと言っても設定だけ禁書に反映させただけですが。
主に恋愛の話、の予定。四組の四つの話、の予定。
カップリングは基本的に二人しか登場人物が居ませんのでご察しください。
なるべく矛盾や設定破綻は起こさないようにしますが、多分発生します。

では、少量ですが始めます。
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 17:53:52.09 ID:iXvYaijj0
――月曜日――


「はぁ……」

晴れ渡る空の下、とある公園に設置されているベンチに座り、俺は溜め息を吐いた。
春の陽気が暖かく、また春休みということもあってか、たまに目の前を通る人々もどこかのんびりとした顔をしている。
その光景を見て俺はもう一度だけ溜め息を吐く。

「まだ来ねぇのかよ」

そんな呟きも春の風に乗ってどこかへ消えてしまう。
当然、その呟きに反応する人など一人も居ない。

そう。俺は人を待っている。
ただ待ち合わせではないけれど。待ち人の顔も名前も知りはしないけれど。
人を待っている。

「不幸……なのかぁ?」

あのトンデモナイ出来事がなければ信じることは出来なかっただろう。そして彼から回ってきた役割もやろうとは思わなかっただろう。
『対象者』から『ナビゲーター』となった俺。一生に一度のチャンスを使った結果、ここに来た俺。
……と、このままでは何を言っても意味が分からないだろうと思うので、簡単に説明しようと思う。

チャンスシステム。
人は誰でも、一生に一度だけチャンスが訪れる。それは、ひとつだけ好きな願いを叶えてもらえるというもの。
『対象者』となった人のもとへ『ナビゲーター』が赴き、チャンスシステムのシステムを説明、そして願い事の受理をする。
願いを叶えたら、その対象者が自動的に次のナビゲーターになり、リレーのように巡っていく。
その他に細かい【ルール】がいくつかあるが、今は割愛しておこう。どうせ説明しなくちゃならないし。

つまり俺は願いを叶えてもらい、こうして次なる対象者を待っているわけだ。
対象者はナビゲーターに引き寄せられるという効果があるため、俺は動く必要が無くベンチで座っているんだけど……。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 17:54:17.96 ID:iXvYaijj0
「いくらなんでも遅すぎじゃね!?」

既に公園にやってきて三時間以上経っている。
確かにこの右手の効果を無視して願い事は叶えられたし、ナビまでやらされている以上不幸だとは思わなかったけど、こんなに待たされるのはやっぱり不幸だ。
もう駄目、我慢の限界。もういいや、家に来られたら何かと困ると思い(対象者に気を使った)公園に来たけど家に帰ろう。
どうせ向こうからやって来るんだし。

「ちょろっとー。昼間から叫んでるのかしら?」

立ち上がり足元に転がっていた空き缶を蹴飛ばしたと同時に、背後からそんな声が掛けられた。
いや、実際に俺にかけられた声じゃないだろう。しかもこの声は知り合いのものだ。
無作為に選ばれる対象者が知り合いだなんてそれこそトンデモナイ確立だ。

「おーい。聞こえてるんでしょー?」

そうだ、聞こえてるんだろ?どっかの誰か。早いトコ声の主に反応してやってくれ。
じゃないと電撃が飛んでくるぞ。

「無視すんなやコラァァアアアア!!」

振り向いて確認すると、ほらやっぱり。電撃が飛んできたぞ。

「って、あれ?俺?」

反射的に右手が動き、電撃を消滅させる。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 17:54:50.53 ID:iXvYaijj0
「やっぱり聞こえてるんじゃない!!」

名門、常盤台中学の制服に身を包んだ栗色の髪の少女は今にも飛び掛ってきそうな勢いで怒っていた。

「……ビリビリ」

「私はビリビリじゃなくて御坂美琴っていう名前が――ってこのやり取りも飽きてきたわね。で?今度はどんな不幸な目にあったのよ」

俺は御坂が何を言っているのか分からないほど喜びに浸り、思わず彼女の右手を両手で掴んでしまった。

「ちょ、何よ!いきなり……」

「ビリビリ……お前を待ってたんだ」

「ふぇ……な、ななななにを、急にアアアアアンタはぁ!!」

顔を真っ赤にする御坂だがどこか体調でも悪いのだろうか?残念だが俺はそれどころではない。
俺を見つけてくれたのだ。

「お前、俺を見ることができるんだな?」

「……は?」

そう。これが【ルール】の一つ。
ナビゲーターは、対象者以外に認識されない特殊な状態になる。
つまり俺を見ることができたということは彼女が対象者だというわけで、ようやく待ち人が現れたわけで。

「いいか。よく聞けよ、ビリビリ」

ナビゲーターとしての役目が、果たせるというわけで。

「お前に、一生に一度のチャンスを届けに来た」

「はい?」

雲ひとつ無い空の下、桜の花が咲き始めるころ。
俺達の少し不思議な一週間が始まった。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 17:56:22.52 ID:iXvYaijj0
ということで完全俺得SSです。
早速幻想殺しをガン無視ですが、これをしなけりゃ物語が始まらなかったのでご了承ください。

時系列は何もかも終わった一年後位だと思ってください。


また夜来ます。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 18:02:32.94 ID:PtqWPjgQ0
まさかの俺得クロス
夜も楽しみに待っています
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/09(月) 18:03:29.68 ID:ZWUA+lGSO
サナララなる作品は一切知らないけど楽しめるかい?
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/05/09(月) 18:31:30.27 ID:CZR/HitAO
サナララってのはよく知らないけど良質な上琴の臭いがしたのでやって来ました
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 19:36:00.22 ID:5aeFld0IO
サナララは知ってない方が楽しめそう
支援
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 19:39:36.66 ID:NzRaahyLo
上条さんのかなえてもらった願い事が気になるな
11 :意外と知ってる人が居てびびった [saga]:2011/05/09(月) 20:13:45.44 ID:iXvYaijj0
「つまり、お前の願い事を叶えることができるんだよ、俺は」

正確にはその役割が回ってきただけ、なんだけどな。

「何を言うかと思えば、そんな馬鹿みたいなこと言って」

「そりゃそう言うよな。俺も始めは信じられなかったよ……とりあえずお試しやっとくか?」

そう言いながら俺は御坂に顔を寄せる。というかむっちゃ接近する。
そこで、額に激痛が走る。

「いってぇ!?何だよ?静電気ってレベルじゃねぇぞ!!」

「アンタこそ何しようとしてんのよ!お試しだかなんだか知らないけどさ!!」

怒られた。うん。確かに説明不足だったかもしれない。
俺は御坂から一歩下がってポケットに入れていた、一冊のノートを取り出し該当するページを開く。

「えっとお試しお願いって言って、このチャンスを信じない人の為に本お願いの前にちょっとだけ願い事が叶うシステムだ」

「文字通りお試しって訳ね……」

「そういうことだ。基本的に何でも願い事は叶えられるけど明らかに無理なのはスルーされるってよ。ま、それの確認のためのお試しでもある」

「スルーって……まあいいわ。アンタのお遊びに付き合ってあげるわよ」

「遊びじゃないんだけどなぁ」

額をさすりながら説明する俺を他所に御坂はブツブツと口元に手を添えて何やら呟いている。
うーん。これでまともな願い事だったらいいけどなぁ。少し不安だ。

「で、どうすればいいの?」

願い事が決まったのか顔が赤いまま聞いてくる御坂。

「それじゃ願い事を強く頭ん中で浮かべるんだ」

「う、うん」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 20:14:15.19 ID:iXvYaijj0
「それで俺の額とお前の額を合わせる」

「うん……って、えええええええええええええええええ!!」

ゆっくりと近づいた俺だったが御坂の絶叫で再び距離をとる。

「おでことおでこ、おでことおでこ、おでことおでこ……」

「み、御坂さーん?」

呪文のように何かを呟いているが先ほどの絶叫を至近距離で聞いてしまったため耳がおしゃかになり、上手く聞き取れない。
というか顔が尋常じゃなくらい赤いぞ、大丈夫か?

「うん。これはコイツが言い出したことだし、遊びよ、遊び。願い事を叶えるなんて嘘に決まってるわ。おでこは一瞬よ、一瞬あわせるだけなんだから……」

よし、と気合を入れたと思ったら御坂は俺の頭を両手で掴み深呼吸をする。
そしてそのまま――

「っが!」

クラスメイトの吹寄も真っ青の頭突きをお見舞いされ、目の前が真っ白になった。
それはお試しお願いが受理された光なのか、俺の意識が飛んでしまったからなのかは、残念ながら分からない。

「痛い……」

「あ、あははーゴメンねー。ちょっと勢いつけすぎたわ」

しゃがみ込む俺に謝る御坂だったが、視線は俺から外れている。

「……大丈夫だ。それより何をお願いしたんだよ?見た感じ何も変わってないけど」

御坂のことだから大量のゲコ太グッズとかをお願いしたんじゃないかと思ったが、物理的な要求をしたらすぐさま与えられるのがこのお願いの力だ。
なぜそんなことが分かるのかというと俺がお試しで願ったのが大量の食料だったから。あの時は宅配便で部屋に溢れんばかりの食材が届いたっけ……。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 20:14:42.94 ID:iXvYaijj0
「べ、別になんだっていいでしょ!!ほら、結局何も起こらないじゃない!やっぱり嘘だったのね」

じろじろと俺を観察しながら腕を組む御坂。

「ひょっとしてスルーされたんじゃないか?世界制服とか願ってねぇだろうな」

「そんなこと願うわけないでしょ!!もういいわよ。帰る!」

憤慨しながら俺を詐欺呼ばわりして(確かに何も起きなけりゃ詐欺だ)帰ろうとする御坂を俺はしゃがみ込んだまま見送る。
スルーされたとしても本お願いはまだ残っているから期限までに説明してやれば十分だろうと思って何も言わなかった。
これ以上余計な事言って怒らせるのもアレだしな。

「お?」

そして御坂が一メートル離れた辺りで、俺は転んだ。

「あれ?」

疑問の声をあげたのは俺じゃなく御坂で、地面に倒れながら彼女を見てみると一歩踏み出した姿勢のまま動こうとしない。
いや、あれは動こうとしないんじゃなくて動けないのか。

「何してんだよ」

「アンタこそ、なんで寝てるのよ」

俺だって好きで寝ているわけじゃない。

「何かに引っ張られた感じがしたんだよ」

「…………私も」

俺はその言葉に一つ考えが浮かび、立ち上がる。
そして御坂とは反対方向に一歩足を踏み出した。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 20:15:58.11 ID:iXvYaijj0

「きゃっ」

すると今度は御坂が揺らめいて、その場にしりもちをつく。
ここで俺の考えがあながち的外れじゃないと思った。
お互いが、お互いを引っ張りあっていて、これは間違いなくお試しお願いの効果であるということ。

「お前……ホントに何をお願いしたんだよ」

どうやら俺と御坂は見えない縄で繋がっている状態で、離れようとすれば引っ張り合いになるが近づく分には問題がないようだった。
座り込んだままの御坂に手を差し出す。

「――に」

「なんだって?」

ゆっくりと俺の手をとりながら御坂が何かを言うが小声過ぎて聞き取れない。

「一緒に、ってお願いしたのよ……」

「…………はぁ?」

なんだってそんなお願いをしたんだろう。コイツは。
『一緒に』という曖昧すぎるお願いは、物理的に離れられないという形で受理されてしまったようだ。
冗談でしたお願いなのだろうが、まさかこんな結果になるとは本人も思っていなかったんだろう。

「うわぁぁあああん!!」

「待て御坂!逃げるなぁぁあああ!!」

全速力で駆けていこうとする御坂だがお願いの力によって一メートル以上は離れることが出来ない。
それでも無理やり逃げていこうとするので上条さんの腰が大変なことにっ!

「うわぁぁぁあああああああああああああん!!」

結局。御坂が落ち着いて話を聞いてくれるまで三十分の間、俺達は綱引きを続けることになった。

「不幸だぁぁああああああああああああああああああああ!!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 20:38:11.01 ID:iXvYaijj0
「落ち着いたか」

「……うん」

ようやく落ち着いた御坂と一緒に、さっきまで俺が座っていたベンチに腰掛けている。
ベンチの幅が丁度一メートル程なのでお互いが端に座り真ん中にもう一人座れるくらいのスペースが空いている。

「それじゃ、説明をするぞ」

「……うん」

さっきからこれしか言っていない。
俺は本日何度か目の溜め息を吐いてノートを開く。

「その一、対象者は不思議な力でナビゲーターに引き寄せられる。お前が公園にやってきたのもこの効果だ」

「……うん」

「その二、ナビゲーターは、対象者以外に認識されない特殊な状態になる。極端に言えばものすごく影が薄くなるんだ。だからお前以外に俺は認識されない」

「……うん」

「その三、お試しお願いというものがある。これはお前がさっきやったヤツだ。期限は本お願いが受理されるまでか、一週間。つまり本お願いは一週間後までに
 決めないと無効になっちまうってこと」

「……うん」

「はぁ……その四、本お願いが受理された時点でナビゲーターの役目は対象者に代わり、ナビゲーターはチャンスに関する記憶を失う……
 ま、他にもあるけど大まかにはこんなもんだな」

「……うんって、記憶が無くなるの!?」

「おお!聞いてたんだな」

もうこっちに戻ってこないのかとばかり。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 21:08:53.08 ID:iXvYaijj0
記憶が無くなる。
誰にでも一度は訪れる願い事を叶えるチャンス。こんなチャンスが誰も知らないのは、それが理由だからだ。
願い事を叶え、ナビゲーターとなり、対象者の願いを叶えた時点でその期間の記憶は全て無くなる。
記憶喪失(正確には破壊)を経験している俺にとっては抵抗のある話だったけれど、これは誰もが通る道だし、すでにその渦中に居る俺にはどうしようもない。
だからある程度は割り切っている。

「そっかぁ……記憶がなくなるなら、いいよね」

ボソッと何かを呟く御坂。すると突然立ち上がりビシッと俺を指差して口を開く。

「あ、アンタがこれ以上変な事件に首を突っ込まないように私が監視してあげるわよ!そう、そうよ!その為にお願いしたんだから!!」

「いや、別に上条さんは――」

「一週間ね!それまでに本お願いってやつを決めておくわ!だからその間……その間……どうしよう」

勢い良く指された指も段々力が無くなっていき、徐々に下がっていく。

「一メートル以上離れられないからなぁ……何をするにも一緒だぞ?それに寝る場所だって同じになるんだし」

どう考えても障害が多すぎるし大きすぎる。
俺の住む寮はともかく、御坂の住む寮はかなり厳しいセキュリティだと聞くし、そもそも女子寮で生活する度胸などない。

「一緒に住む……一緒に寝る……」

御坂はまた何か呟いてるし。
本お願いを受理してしまえば解決するんだろうけど、流石にすぐには決めれないだろうからな。

「俺んちでよければ、来てもいいけど」

「ふぇ!?」

ビクっと身体を揺らして反応する御坂は俺が何を言っているのか分からないといった様子でこちらを見ている。

「常盤台の寮は無理だし、かといって本お願いもすぐ決めれないだろ?お前がよけりゃ俺んちに来てもいいぞ」

「それは……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 21:26:34.41 ID:iXvYaijj0
御坂は少し黙った後に携帯電話を取り出しどこかへ連絡をしている。
話を聞いている限りでは相手は白井のようだけれど。

「うん。じゃあお願いね」と言って通話を終えた御坂は俺へと向き直り言う。

「何とか一週間の外泊をする許可を得たわ」

「いや、上条さんはお前の『黒子の言うことを一回だけ何でも聞くから』という言葉から正規の手段で許可を取ったわけじゃないように思えるんですが……」

その言葉の後に聞こえてきた下劣な白井の笑い声は聞かなかったことにしよう。

「春休みじゃなかったらアウトだったわね」

「ま、流石に一緒に授業を受けるわけにはいかねえよな」

女子中学生に紛れて教室に居るなんて耐えれるもんじゃない。

「そうと決まればアンタの家に行きましょうか」

「そうだな。腹も減ったし」

そういえばお昼時はとっくに過ぎているというのに昼食をとっていない。
ああ、自覚した途端一気に空腹感が襲ってきた。

「その前に一度寮に寄っていい?着替えを取りにいかなくちゃ」

「ああ、いいぞ」

俺もベンチから立ち上がり御坂の横に立つ。

「ちょ、ちょっと。なんで隣に立つのよ!?」

「しょうがないだろ?一メートル以上離れたら引っ張られるんだから」

「全くアンタは……」

溜め息混じりに首を横に振る御坂だったが、改めて横に居る俺を見据えて頭を下げた。

「これから一週間、よろしくお願いします」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/09(月) 21:28:18.14 ID:iXvYaijj0
今日はこれで終わりです。
なんだ?ぜんぜん美琴が可愛くならねえぞ?どういうことだ!?

また明日。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/05/09(月) 22:07:35.38 ID:CZR/HitAO
乙!
俺は既にニヤニヤしている
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 22:51:23.53 ID:ByEGSwFDO
なんという俺得
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/09(月) 23:05:19.87 ID:lZjxfTpAO
乙です

今でも十分美琴が可愛いぜ!
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/09(月) 23:10:00.71 ID:NzRaahyLo
いきなりデレられても何だし序盤はこのくらいの距離感がいいと思う
俺は既にニヤニヤしてるが
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/05/10(火) 00:04:08.83 ID:yVU72l1AO
1mってことはのぞみ先生か。
まさかの俺得スレ。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/10(火) 01:40:11.69 ID:c9K4aNPIO
まさかサナララクロスが読めるとは・・・
俺の青春だったわ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 00:57:36.31 ID:acZXDSwU0
投下しますねー
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 00:58:20.62 ID:acZXDSwU0
常盤台中学の学生寮前。何となくギクシャクしながらここまで辿り着いたのだけれど、門の前で俺の足が止まる。
「ほら。早く来なさいよ」と御坂は一メートル前で腰に手を当てて俺を見ているが、しょうがないじゃないか。
俺だって思春期真っ只中の男の子。いくら中学生の寮だとはいえ名門である常盤台中学の寮に入るのにはやっぱり抵抗がある。

「前に一度入ってるでしょうが」

「あれは事情があってだな……」

あの時はそんなことを考える余裕などは無かった。皆無だ。

「ええい!どうせ認識されないんでしょ!さっさと行くわよ!!」

「やめて!まだ心の準備がぁぁあああ!!」

お試しの強制力に引っ張られてズルズルと引きずられながら門を潜る俺。
御坂はそんな俺を見ながらクスクスと笑ってやがる。つうか力強すぎるだろ、コイツ。
観念して立ち上がり御坂のすぐ後ろをついて歩く。しかし流石の造りと言うべきか、オープンテラスに、整備された庭園はどこか高級ホテルを髣髴とさせる。

まあ高級ホテルなんか行ったこと無いんですけどね。

「これは御坂様、今日はお一人ですの?」

「ええ、散歩に出掛けていただけだから」

寮内に入ると御坂と同じ常盤台の制服を着た生徒が彼女に話しかける。いかにもお嬢様といった雰囲気を醸し出しているが、御坂は相変わらずの態度。
いや、とは言っても普段見る御坂とは少し違った様子だ。これも常盤台のエースと呼ばれる由縁なのかもしれない。

「御坂様、今度能力開発の件でご相談したいのですが……」

「あ、御坂様。先日頂いた洋菓子、有り難うございました。大変美味しかったですわ」

「この間は外で助けていただき有り難うございました」

「お時間がございましたら一度御坂様にわたくしのヴァイオリン演奏を聞いていただきたいのですが、よろしいでしょうか」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 00:59:05.69 ID:acZXDSwU0

……それにしても、通り過ぎる生徒が必ずと言っていいほど御坂に話しかけている(呼び名については突っ込まない)。
レベル5はやはり頼られる存在なのだろうか。それとも御坂の人当たりの良さが人を惹きつけているのだろうか。

――お姉様は輪の中心に立つことができても、輪の中に入ることはできませんの。

いつだったか白井に言われた言葉を思い出す。
その言葉に月並みだが学校で上手くやっているのかと心配したこともあったが、どうやらそれは杞憂だったようだ。
誰からでも頼られて、信頼される常盤台のお姉様。と言ったところか。

ここでの対応を少しは俺に回してくれないかと思わなくても無いが、あれはあれで良いのかもしれない。

「それにしても本当に認識されないのねーって、なにボーっとしてるのよ?」

人の波を超えてようやく落ち着いた廊下で御坂に話しかけられた。

「いえいえ、白井に『お姉様』って呼ばれるだけはあるなーと思っただけですよ、御坂様」

「っな!」

顔を赤くしてしどろもどろになる御坂。

「やっぱりお前もお嬢様なんだな。受け答え一つとってもなんというか、品があったよ」

「と、とぉーぜんじゃない!私を誰だと思ってんのよ!!」

「イテェ!背中を叩くな、背中を!!んで漏電してるぞぉおおおお!!」

なんというバイオレンスな照れ隠し。
褒めてるのになんで身の危険を感じなきゃいけないんだよ、俺は。

「っは!う、うん。ここが私の部屋よ」

ようやく我に返った御坂は目の前の扉に目線をやり、説明する。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:00:29.66 ID:acZXDSwU0

「ま、黒子とも一緒なんだけど、あの子は多分風紀委員の仕事で出掛けてるでしょうから気にしなくてもいいわ」

「そりゃ、よかった」

いくら認識されないとは言え白井とはこの状況で出会いたくない。なんていうか俺のゴーストが呟いている。

危険なう。

「んじゃ、入るわよ」

御坂はそう言って俺の奨学金何年分かを溜めても買えそうに無い豪華な両開きの扉を開き、室内へと入る。
中に入るとこれまた俺の住む学生寮の何年分かの家賃を出しても一月借りれそうも無い造りの部屋が俺を出迎えた。
あの時は必死だったのであまり覚えていないが、こうして入ると萎縮してしまう。我ながら貧乏くさい根性だ。

「えーっと服と、タオルと、シャンプーと……」

そんな俺を他所にクローゼットから次々とお泊りセットを取り出してバッグに詰め込んでいく御坂。
その様子を一メートル後ろから眺めていると、急に御坂の手が止まる。

「……目を閉じて」

「はぁ?何でだよ」

「いいから目を閉じろ!バカ!少しは考えなさいよぉ」

「はいはい」

何のことだか分からないが大人しく目を閉じよう。
立ったまま目を閉じると何となく倒れそうになるよなぁ。平衡感覚が足りないだけかもしれないけど。

「あれ?たしかこっちに――」

と、御坂の声が聞こえたと思ったら、そこで俺のバランスが崩れる。
恐らく御坂から一メートルぎりぎりに立っていたので少し彼女が動き、引っ張られたのだろう。
そして今俺は目を閉じておりバランスが悪い状態。そんな状態で引っ張られたら当然転倒してしまうわけで。
御坂に引っ張られたということは、そちら側に倒れてしまうわけで。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:01:01.46 ID:acZXDSwU0

「いってぇ……おい御坂、大丈夫……か……?」

転ぶ手前で何かに捕まろうとした俺は丁度御坂が何かを取り出していた引き出しを掴んでしまっていたらしく、それの中身をぶちまけてしまったようだ。
御坂との接触はしなかったが、いかんせん引き出しの中身がまずかった。

なるほど、これは目を閉じなくてはいけない。
……じゃなくて。

「あはははー。ゲコ太が一杯だあー」と感想を述べてみる。

目の前には色取り取りの花と、その中でも目を惹く数々のゲコ太。
もちろんこの場合は単純なゲコ太グッズなどではないし、色取り取りの花というのは比喩だ。

「ア、アンタ……」

「ち、違う……事故だ!不可抗力だ!!これは罠だ!!俺を陥れようとする誰かの陰謀だ!!」

必死になって弁解するが、どうやら御坂の耳には届かないようだし、誤解という幻想もぶち殺せそうになかった。
言葉が届かなければ、俺の伝えたいことも届かない。当たり前のことだが、俺はこの時痛感した。
これまで数々の敵と戦ってきたが、お互いに対話をしたからこそここまで生き残れたんだと俺は思う。
つまり、もしもイギリスやローマやロシアなんかで相手が日本語を話してくれなければ、今の俺は居ない。

とそんなくだらない事を考えているうちに、御坂さんからは電撃が漏れている。
そして、それが調子近距離で放たれた。

「うわぁあああああああああああああん!!」

「不幸だぁぁああああああ!!」

右手で防げるはずも無く、電撃は俺に直撃した。
意識が途絶える瞬間に見えたのは可愛らしい下着を頭の上に載せ、顔を真っ赤に染めながら涙を浮かべる御坂の姿だった。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:02:29.04 ID:acZXDSwU0

「あれ?」

唐突に意識が戻り、自分が横たわっていることに気が付く。
確か俺は御坂のナビゲーターとしてチャンスの説明をして、なんだかんだ俺の家に御坂が来ることになって、常盤台の寮に着替えを取りに行くことになって。
御坂の意外な一面を垣間見て、御坂と白井の部屋に入って、御坂の荷造りを見ていて――記憶が無い。
それに真っ青な空が見えるのでここは室内じゃなく、外のようだけど。

「ようやく目が覚めたのね」

その声に状態を起こし周囲を確認すると、どうやら寮の庭園のベンチで寝ていたようで俺の隣に御坂が座っている。

「俺、なんで寝てたんだ?途中から記憶がないんだが」

「そ、それは良かった――じゃなくて災難ね。い、いやぁ急にクローゼットに入れていた時計がアンタの頭に直撃したのよ。それで気を失ったからここまで連れてきたのよ」

そうか、なんて良い奴なんだコイツは。
俺は今まで御坂のことを誤解していたかもしれない。
暴力的で皮肉屋で俺のことなんか玩具としてしかみていないのではないかと思っていたが、こいつは認識を改める必要がありそうだ。

「悪いな。それで荷造りは終わったのか?」

「ばっちりよ」

得意げに大きな旅行鞄を俺に見せて立ち上がる御坂。

「さて、行きましょうか」

「そうだな。どうする、バスにするか?」

ここから俺の住む学生寮までは歩くには距離がある。
俺一人なら歩いていくが御坂も一緒だし、なにより荷物があるのでそう提案してみる。
すると「別にいいわよ。歩きましょ」と答えた。貧乏学生である俺にとっては有難い話だ。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:03:09.10 ID:acZXDSwU0

「んじゃ、行きますか」

そう言って俺も立ち上がり、御坂と並んで歩き常盤台の門を潜って大通りへと出る。
やはり春休みだからか多くの学生が歩いていて、どいつもこいつも幸せそうな顔をしている。

「ほら、こっちだ」

「うん」

相変わらず眠気を誘うぐらい気持ちの良い陽気の中、御坂を連れて歩く。
まだ蕾を多く残す桜がちらほらと見える。

「満開まで後二週間ってとこか」

「え?」

「桜だよ。流石に街路樹には無いけれどちょこちょこあるだろ?」

「そうね。ていうか桜とかに興味とか湧くんだ、アンタって」

意外ね、と御坂は意地の悪そうな笑顔を浮かべる。

「そりゃあ上条さんも日本人ですから、気にはしますよ。そうだ、桜といえば毎年第三学区でイベントがあるんだろ?あそこは外部からの客を招くからその分豪華らしいぞ」

ただ値段も豪華らしいので一度も行ったことは無い。
というか行ったことがあるかもしれないが記憶が無いので確かめようも無いけど。

「あ、ああ。そうね。そんなイベントも、あるわね……」

「どうかしたか?」

なんとなくフッた話題だったけれど、御坂は俯いてしまう。
良い思い出が無いのだろうか。

「いや、なんでもないわ」

「そうか……」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:03:50.25 ID:acZXDSwU0

沈黙。
これまではチャンスのシステムを説明したりしていたから会話に困らなかったが、いざ話し終えてしまうと話題が無い。
なんだか気まずいぞ。

「そ、そういえばさ――って」

なんとか話題を捻り出そうとしたところに、雨が降ってきた。
空は明るいままなので天気雨という奴だろう。直ぐに止むかもしれないがこのままでは二人ともびしょ濡れになってしまう。
会話の無い俺達へ天からの恵み、とも言えなくは無いが今は雨宿りできる場所を探すのが先決だ。

「おい御坂。あそこまで走るぞ」

「う、うん」

指差したのは少し離れた先にあるシャッターが降りた店舗の前。軒が大きく出ているので二人は十分に入れそうだ。
言うが早いか駆け出した俺。そして少し走ったところで後ろから御坂の短い悲鳴が聞こえた。

「うー。ペースを合わせてよ」

降り始めだったので水溜りなどはなかったが、少し湿った地面の上に座り込んでいる御坂。
そうか、一メートルのルールがあるから俺に引っ張られて転んでしまったのか。

「悪い。ほら、立てるか?」

「……大丈夫」

立ち上がるために右手を差し出して、少し躊躇した後に御坂がそれを握る。
そして起き上がったのを見計らって手を握ったまま走り出す。

「ちょ、ちょっとアンタ!!手!手ぇ!」

「こうしたほうが転ばないだろ!」

今度はちゃんと手を引っ張りながら走る。
そうだよな、女の子だから俺と歩幅が違って当たり前だ。次からはしっかり合わせてやらないと。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:04:34.11 ID:acZXDSwU0
「あー少し濡れちまったな」

「……手」

「あ、悪いな」

無事に雨宿りはできたが、御坂の呟きで手を繋ぎっぱなしだったのを思い出し、慌てて離す。

「あ……」

「ん?どした」

何か言いたげな御坂だったがそれ以上は何も言わなかった。
代わりに持っていたバッグを地面に下ろしゴソゴソと中身を漁り始めた。

「あった。濡れたのは少しかもしれないけどこれで頭ふきましょ」

言いながら取り出したゲコ太がプリントされたタオルで頭を拭く御坂。そして拭き終わるとそれを俺に差し出した。

「ん。アンタも頭拭きなさい」

「いいよ、そのうち乾くから」

「風邪でもひいたらどうすんのよ。折角の厚意よ、受け取りなさい」

そこまで言われてしまっては受け取らないといけないだろう。
俺はファンシーでファンキーなタオルを受け取り頭に乗せる。
御坂が使っているシャンプーの匂いだろうか。とても良い匂いがする。

「サンキュ」

「どーも」

少し照れくさくなった俺はさっさと頭を拭いてタオルを返す。
俺の匂いとか着いてないだろうな。帰ったらすぐ洗濯してやるか。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:06:33.75 ID:acZXDSwU0

「雨、やんだみたいよ」

言われて目線を御坂から外すとさっきまでの雨がやんでいた。
御坂は目の前にある生まれたての水溜りをわざと大股で飛び越えて、くるりと一回転して笑顔でこちらを見る。
俺はそんな子供っぽい仕草をする御坂に小さく笑って一歩踏み出した。

「お、虹だ」

「なんだか久しぶりに見た気がするわ」

無機質なビルとビルを繋ぐ様に、七色の大きな虹が空に架かって俺達を見下ろしている。
その綺麗な光景に一瞬見蕩れてしまったが、また雨に降られては笑えない。
名残惜しいが俺達は学生寮に向かうために歩き出した。

御坂が転ばないように歩くペースを合わせながら、ゆっくりと道を歩く。
学生寮に着くまでお互いに一言も喋らなかったが、まったく気にならなかったし、御坂も転ばなかった。
いつもとは違うリズムに、どこかむず痒い気持ちを感じながら。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/11(水) 01:09:19.28 ID:acZXDSwU0
今日は終わりです。
復習を兼ねて久しぶりにサナララやったら三章で泣いた。

>>9も言うようにサナララ知らないほうが楽しめるかと思います。
この美琴と上条さんはまんまサナララの焼き回しですし。

で、沢山のレス感謝。まさかこんなにサナララ知ってる人が居るとは……
ぽんこつな文しか書けませんが、どうぞよろしくです。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/05/11(水) 01:32:54.13 ID:rQ8SEAXAO
乙!
下着にを頭に乗せた泣き顔美琴を想像したら萌えた

そして上条さんもげろ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/11(水) 01:37:06.23 ID:WKLt7wlAO
乙です

青春って感じがして良いな〜
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/05/11(水) 02:41:19.27 ID:b+41Rsh50
乙!
これは良い上琴の予感…すでにニヤニヤしてしまってるがw
サナララ知らないけどあえて調べないでこのSSを楽しもうと思います
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/11(水) 05:57:34.81 ID:o2GtB4Y9P
ねこねこ最高傑作と言っても過言ではないサナララ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/12(木) 00:36:29.90 ID:DyCjPhXi0
少ないですが、投下しますねー。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/12(木) 00:36:56.64 ID:DyCjPhXi0
「ルールを決めましょうか」

狭い台所にルールの強制力のおかげで二人が立ち、苦戦しながらも完成した昼食のピラフを食べ終えた御坂は唐突にそう言った。
それにしてもまさかコイツがあんなに料理が上手だとは思わなかった。ピラフが好物になるほどに。

「ルール?現時点でも厄介なルールに縛られているっていうのに、これ以上増やすのか?縛られるのは見えない縄だけにして欲しいんですが」

「アンタねぇ……一週間とは言え共同生活を送るのよ。だったら共通のルールを決めておかないと色々まずいでしょうが」

同姓ならまだしもね、と御坂は溜め息を吐いて既に食べ終えていた俺の食器を自分の食器に乗せて、後片付けを始める。
こういった所がまた、意外な一面だったりもする。

「例えば寝る場所だったり、お風呂の順番だったりね」

「別に上条さんは床で寝ますし、風呂もお前の後で構わないぞ?料理に関しては否応無しに共同作業になるし、それ以外の作業も似たようなもんだ」

一メートルのルールがある限り、あまりそういった決まりは意味を成さない気がする。

「私がお世話になる身なんだから、寝る場所はアンタに譲るわよ」

「はぁ。何かお前やけに気を遣うよな?いつもだったら『とーぜん私がベッドよ』くらい言うだろうに」

「アンタは私のことをどれだけ常識知らずだと思ってるのよ……」と首を横に振る御坂。

「これでもアンタには色々助けてもらってんだから、恩を感じてるのよ?いつもは上手く伝えられないだけで」

「それは冥利に尽きるといいますか、有難い話だな。別に俺に恩を感じる必要なんて無いだろう。たまたまその現場に俺が居合わせただけで、普通だよ、普通」

そんなに大それたことはやってきたつもりは無い。たまに俺のことを聖人のように言う人がいるが、勘違いも甚だしい。
困っている人が居たら、何とかしてあげる。そんな『普通のこと』をしているだけだというのに。

御坂は俺の言葉に少し呆れたような表情を浮かべ「ま、アンタはそう言うでしょうね」と言って、流し台へ食器を持っていく。
俺は引っ張られないように慌てて立ち上がり、後をついていく。
こうやって話しているとうっかり忘れてしまうので、慣れるまでは少々時間がかかりそうだ。
それにしても、厄介なお願い事だ。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/12(木) 00:37:26.15 ID:DyCjPhXi0

「普通ね。普通ってなんだろ」

洗い物(と言っても皿二枚とスプーン二つにコップだけなので大した量ではない)をしながら御坂がそんなことを呟く。

「こんなことを言ってもアンタは否定するかもしれないけどその『普通』ってのは案外やろうと思ってできるものじゃないわ。
 一般的にトラブルには知らぬ存ぜぬで見て見ぬふりするのが『普通』よ。常識(ルール)と違って個人で違ってくるわけだし」

「うーん、そんなに深く考えたこと無いからな」

水洗いをした食器を御坂から受け取り、布巾で水滴をふき取っていく。
普通か。そういわれると答えに困る。

「フツーの青春に、フツーの恋愛して、フツーに卒業して、フツーに働いて、フツーに死んでいくのよね」

「なんだよ、急に。それに学園都市にいる時点でフツーじゃないと思うけどな」

「ま、それもそうね……と、ラストよ」

俺は最後のコップを受け取るとさっとふき取って戸棚へと戻す。
そしてどちらかが何を言うでもなくトコトコとリビングへと戻った。

「話がそれたけどルールよ、ルール」

「それは決めないってので話がまとまったんじゃねぇのか?」

食事を取ったときと同じようにテーブルを挟んで座る俺と御坂。

「せめて寝床とお風呂くらいは決めましょうよ」

「でも結局譲り合いになっちまうぞ?」

さっきの会話では決まりそうには無かったし。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/12(木) 00:38:06.66 ID:DyCjPhXi0

「じゃあ交代制にしましょう。今日はベッドがアンタでお風呂が私。明日はその逆ってな感じで」

「それが無難だな。細かいルールは何かあったらそのつど決めればいいし」

ぶっちゃけそんなにルールが増えていくとは思えないけど、こんな感じでいいだろう。

「それじゃ、これからどうする?まだ日は高いし、買い物にでも行く?」

「大変魅力的な提案なんですが、我が家には珍しく食材が飽和状態でありまして」

チラッと部屋の片隅に積み重なっている段ボール箱に目を向ける。中身は俺のお試しお願いでやってきた大量の食材だ。
多分ナビゲーターの役割が終わる頃に俺の記憶と一緒に無くなるのだろうが、一週間分以上の食材があるので買出しは不要。

「あーそれもそうね……だったらカフェとか周るのも結構楽しいわよ?」

「認識されない上条さんが行った所で店員に無視されるのが関の山ですよ」

「だったら何も出来ないじゃない!」

春休みだから遊びたい御坂なのだろうが、この状態では満足の行く遊びができそうにもない。
というかカフェなんて洒落た場所に縁のない俺が行った所で楽しめないだろうし、御坂もつまらないだろう。

「久々の平穏だし、このままダラダラと過ごすのも一つの手かもな」

「良い案かも……って長期の休みなのに今回は余裕なのね?」

「何が?」

少し神妙な面持ちの御坂に思い当たる節の無い俺はテーブルに身を乗り出して聞く。
御坂は少し顔を赤らめながらも口を開いた。

「近いって……」

「あん?」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/12(木) 00:39:07.54 ID:DyCjPhXi0

「いや、何でもない。アレよ、アンタ夏休みとか毎日補習とかあったり、課題に追われてたじゃない?なのに今回はダラダラと過ごすとか言ったから疑問に思って」

「…………」

このナビゲーター状態はどういう原理か分からないけれど、補習などに出なくても欠席扱いにならないという効果がある。。
春休みに入る少し前に対象者となり、そのままナビゲーターになった俺は一度も補習に出てはいない。
当然、春休みの課題や、補習はあるのだけれど一度もそういった催促を受けていない(いや、春休み前に間違いなく言われている)ので完全に忘れていた。

俺は直ぐに学校鞄の中を漁り課題と思わしきプリント、問題集、レポート用紙などを取り出して机の上に並べる。
普段授業に出ていないつけも溜まっていたのか、とても春休み期間中に終わるはずも無い量の課題が机の上で塔となり圧倒的な存在感を放つ。

「アンタ……これって……」

課題の山に埋もれて見えなくなった御坂から声がかかる。

「そうです。これが上条さんがやらねばならぬ課題(リアル)です」

幻想ではない。なので右手でいくら触ろうとも、思い切りぶん殴ろうとも現実はぶち殺せない。
口元から自然と笑い声が漏れる。これは喜びではなく、絶望から来る笑いだ。
ああ、神は死んだ。そして俺も死ぬ(小萌先生の手によって)。

「じゃあ、一週間で片付けちゃいましょう」

「へ?」

そんなどう足掻いても絶望という現実に打ちひしがれていた俺に、御坂から恵みが与えられる。

「ペース配分をすれば何とか一週間で終わるでしょ?夜に四時間ぐらいやっていけばね」

俺のペース配分では夏休み並みの時間がなければ終わらない計算なのだが、そこは流石のレベル5。学園都市が誇る最高クラスの頭脳。
どうやら課題終了計画の演算は終了しているらしい。

「ありがとうございます!御坂様ぁああ!!」

今なら常盤台で御坂に話しかけていた子達の気持ちがよく分かる。コイツは最高の人間だ。
は、神なんざ俺には必要は無かった。なんたって勝利の女神(課題的な意味で)が居るんだからな!!
楽勝だ、小萌先生。

「中学生に教えてもらうことに、抵抗は無いのね……」

今度は喜びに打ちひしがれている俺に、御坂から冷ややかな台詞を吐かれた気がするがそんな些細なことはどうでもいい。
プライドなんか超電磁砲に乗せて焼け切れてしまっても問題は無い。

こうして共同生活一日目は、夜までお勉強会となった。
普段頭を使うことには慣れていない俺だけれど、御坂の教え方が上手なのか余り苦には思わなかった。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/12(木) 00:41:00.49 ID:DyCjPhXi0
今日の分は終わりです。
あれ?まだ一日目が終わらないぞ。

そしてスレタイをミスった感が否めない今日この頃。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/12(木) 00:50:46.06 ID:GIZvrs+fo
乙乙
> 同姓ならまだしもね
はやく上条美琴になりたいと・・・・・・
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/05/12(木) 00:54:52.71 ID:/fj0GSzAO
乙!
しかし青春だなぁ、ニヤニヤするぜ
それにしてもインデックスさんはどうしたんだろ

>>46
やはり天才か……
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/05/12(木) 01:03:40.36 ID:sjKoyj4mo
>>1乙!

>>47
お試し願いが食糧ということは、本願いで食糧難の元凶を断ったのだろうさ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/12(木) 01:21:58.05 ID:wg301EpAO
乙です

美琴の手料理とか羨ましいぞ上条さん

>>47
自分が認識されなくなる前に小萌先生に預けたのかも
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/05/12(木) 07:29:51.34 ID:Z117BWtzo
乙。
サナララは、音楽がもう、むっちゃ素晴らしかった。
いまでもイントロが口にでる。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/12(木) 07:39:05.31 ID:tc8w71YHo
サナララは、査楽がもう、むっちゃ素晴らしかった、に見えた。

いつでもポイント(対象)の□(死角)にで(出現)る
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/12(木) 10:11:13.93 ID:Mk7JN37IO
エロゲが元ネタ…つまりエロも期待していいんだよね?
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/12(木) 17:05:50.66 ID:SFu4nv7bP
サナララって本編にエロあったっけ?
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/05/12(木) 18:01:57.24 ID:Yu7jIEZto
確か、ゆの○ちが、イナバウアーしながら責められるエロがあったような…
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/13(金) 02:06:23.35 ID:TCLYLtiT0
気になって思わずサナララのプレイ動画見てしまった……

わぁぁぁぁあああああああああ!!確かに見ない方がよかったぁあああああ!!


ていうかウメス画なんだ……一番驚いたのはそこだ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/13(金) 02:33:51.49 ID:PS0WEP2uP
>>54
それっておまけ要素じゃなかったっけ?
違ったらすまん。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/05/13(金) 07:39:59.25 ID:OdA5SCT9o
>>56
FD2の内容だね。
もーにーん、いつーもよーりー
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/14(土) 22:13:19.11 ID:/ik76D/i0
投下します。
まどか☆マギガを観てハトザウルスを思い浮かべたのは俺だけじゃないはず。
樋口「もうハトも怖くない」

ちなみにエロはありますん。
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/14(土) 22:13:49.28 ID:/ik76D/i0
「もう頭に入らないぞぉ……」

「はいはい。よく頑張りました。今日頑張った分、明日から課題に割く時間が少なくなったからいいじゃないの」

御坂は机の上にうなだれる俺を他所にテキパキと課題を纏めて本棚へ戻していく。

「継続は力なり、ってよく言うでしょ?一気にやっても実にはならないのから、こうやってコツコツ終わらせるのが一番なの。何にでも言えるんだけどね」

「俺は『信は力なり』の方が好きだな……って、ちょっと離れすぎだ、引っ張られてる」

お願いの強制力で若干御坂の方へと身体が引っ張られて、力を抜いていた俺はずるずるとテーブルの上で顎を擦り付けてしまう。
ちょっと楽しいかも。

「あはは。アンタどっかのやる気の無いパンダのキャラクターみたいになってるわよ」

「うるせぇ」

あれか。俺はタレトウマか。

「んじゃ。良い時間だし夕食にしますか。ついでにお風呂も沸かさないとねー」

「へいへい。ちゃちゃっと準備しますか」

もそもそと立ち上がりまずは風呂場へ。
そしてユニットバスタイプの浴槽に敷かれていた布団を取り出してリビングへと移動させる。

「あ。そういやユニットだけど大丈夫か?」

「うーん……」

どうやらそこはよろしくないらしい。
俺一人だけならばシャワーで十分なんだけど、女の子である御坂には不満があるだろう。
かといって銭湯に行くわけにもいかないし。

「……仕方が無いわよね。いいわ、シャワーで我慢してあげる」

「申し訳ありませんね、美琴様」
60 :投下の分量間違えたorz [saga]:2011/05/14(土) 22:14:35.19 ID:/ik76D/i0

「ん。じゃあ夕食にしましょうか」

「うっす」

リビングから離れてキッチンへと二人で向かい、御坂は冷蔵庫からゴソゴソと食材を取り出す。
今日の夕飯も御坂が作ってくれるというのだから、本当に助かる。
もちろん手伝いはするけれど、昼のピラフのように基本的には御坂が全部やってしまう。

材料からみるに、どうやらハンバーグを作るようだった。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/14(土) 22:15:03.28 ID:/ik76D/i0
「美味でした!!」

「大げさすぎるんじゃない?そのリアクションは」

目の前に出されたハンバーグと(和風)サラダをあっという間に平らげた俺は合唱して感想を言う。

「いや、マジで美味しかった。これ本当にウチにあった肉か?」

「正真正銘、冷蔵庫にあったお肉よ」

「そっかー。やっぱり料理が上手なんだな、御坂は。いい嫁さんになれるよ」

電撃使いじゃなくて、料理を美味く作る能力なんじゃないかと思うほどに。

「な!?なな何言ってるのよ!!お嫁さんなんて……」

「嘘じゃないぞ」

いやもう、掛け値なしで。まあお嬢様で超能力者の御坂と釣り合う相手なんて、そうそう現れはしないだろうけど。
それこそあの常盤台理事長の孫ぐらいじゃないだろうか。あ、俺が会ったのは偽者だっけ。

「ああー、もう!変なこと言わないでよね!!」

そんな叫びと共に半狂乱になりながら残っていたハンバーグを一気に食べ終えて、ガチャガチャと音をたてて食器をまとめだす。
あれ。俺はまた余計な地雷を踏んで御坂を怒らしてしまったのだろうか。

「ほら!アンタも食べ終わったんならもう片付けるわよ!!」

「は、はい……」

御坂の圧倒的な勢いに押されてすごすごと立ち上がり、洗物を始める。
今回は俺が食器を洗い、御坂が拭く。このコンビネーション(?)で皿に付いた幻想(汚れ)をぶち殺し(洗っ)ていく。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/14(土) 22:15:53.88 ID:/ik76D/i0
洗物の最中も御坂は「コイツは相変わらず……」とか「こっちの事を少しは考えろ……」だとかよく分からない呟きを漏らし続けていたが、
これ以上地雷を踏む勇気はないので聞こえないフリをしていた。
出会ってから結構な時間が経つが、たまに見せる挙動不審な態度の原因は、未だに分からない。

「じゃあ、お風呂借りるわよ」

「おう」

洗物を終えて御坂は言う。しかし一向に御坂は動こうとせず、直立不動でボーっと虚空を眺めている。
本日何度か目のトリップ。いい加減、こっちの世界になれて欲しいぜ。

「どうしたんだよ。ほらさっさと着替え用意して入ってこいよ」

「……するのよ」

「は?」

ようやく戻ってきた御坂は何かを言うが聞き取れない。

「アンタは、私がお風呂に入ってる間どうするのよ……」

「一メートル以上離れられないからここに座って待ってるよ」

そう言って浴室へ入る扉の前を指差す。

「……覗かない?」

「…………」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/14(土) 22:16:40.32 ID:/ik76D/i0

一体コイツは何を言っているのだろうか。覗かない、のぞかない、ノゾカナイ?
ははそんなまさか。上条さんは紳士ですよ。紳士。ジェントルマンだ。それも本場の空気を体験している俺はもはや英国紳士と言っても過言ではない。
そんな常に除夜の鐘が頭の中で鳴り響いて、煩悩が無い俺を捕まえて「覗かない?」だなんて、なんと愚かな発言なのだろうか。哀れだといってもいい。
哀れだ。抱きしめたくなってしまうほど哀れ。そもそもどれだけ御坂が可愛かろうとまだ中学生だし、俺は高校生だ。倫理的にも条例的にもアウトである。
ていうか全然タイプじゃないし。俺のタイプは年上で管理人のお姉さんですよ。そう大人しくて大人の余裕があり、それでかつ慎ましく面倒見がいいお姉さんキャラ。
クラスメイトの青髪ピアスの様に異性であればなりふり構わない(いや、アイツはショタもいけると言っていたか)性人とは訳が違う。
繰り返しになるが紳士だ。英国紳士上条。将来はタキシードが似合うツンツン頭を目指している俺が、覗きなどと。する訳がなかろうに。

「えと……絶対に覗かない?」

首を少し横に傾けて顔を赤くして言う御坂。それも少し涙目で。
ううむ。これは……。

……まあ。まあまあまあまあまあまあまあまあまあまあまあ。
ここで「覗くわけがない。だって上条さんは年上のお姉さんがタイプですし」などと返したら地雷を踏む可能性がある。
なぜか俺の本能がそう告げている。
そうだ。御坂も女の子だし、面と向かって「興味がない」というのもいささか酷かもしれない。
ここは一つおだてるという意味でそれらしい言葉を言うのが正解じゃないだろうか。優しい嘘というヤツだ。そこに下心などない。
予め断っておくが御坂の上目使いにときめいてしまったわけではない。これはあくまで演技だ。社交辞令とも言うしお約束とも表現できる。
よしそうと決まったら口を開こうじゃないか。
口を開けば言葉は届くんだ。いい加減始めようぜ上条当麻!

「嫌だ。どれだけ非難されようと、どれだけ罵られようと、俺はやらなくちゃいけないんだ。これは希望なんだ。どうしようもならない世界かもしれない、
 仕方がないじゃ割り切れない現実ばかりかもしれない。それでも救いや、光はあるんだ。それは間違いない。お前だって分かってるはずだ。
 日常が非日常に変わってしまうのは怖いかもしれないけど、お前ならきっと受け止められる。この幻想はきっと優しいものなんだ――」

「死ねェぇぇえええええええええええええええ!!」

「あべしっ!」

どこで何を間違えたのか。俺は彼女の心に土足で踏み込んでしまったのか。それとも俺の考えが至らない所に問題があったのか。
さっぱり分からない。俺の意思、ましてや世界の意志だ。そしてこの場に立つことのできない者達の遺志でもある。
そこに、一体に、何が。

御坂の電撃を帯びた右ストレートで左頬を貫かれた俺は自分の幻想が壊されていくと共に、たった一つだけ間違いを犯していたことに気が付いた。
映画などでみる英国紳士は、結構エロスに対して貪欲だということに。
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2011/05/14(土) 22:17:40.70 ID:/ik76D/i0
化物語を読み返してたらこんな文に。
そしてたった4レスという体たらく。全くわけがわからないよ。

では、また。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/14(土) 22:54:03.84 ID:EwKS93/AO
分かってたけど、上条さんって結構おバカさんだよな…

乙です
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2011/05/15(日) 02:48:08.21 ID:X57JQ7HAO
世界の意志→俺らの意志ですねわかります

そして間違いなく上条さんはイケメンだ
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/15(日) 08:51:23.97 ID:+6sM2Zi7o
上条さん天然でやってるから困るな…ww
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/19(木) 18:01:00.07 ID:ZXwj96Pg0
つづきまだ?
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga sage]:2011/05/20(金) 01:46:18.12 ID:XEp8fIro0
>>68
そう言って頂けて嬉しい限りです。
しばしお待ちを……展開が上手いこと思い浮かばないのでorz

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/05/25(水) 12:37:16.08 ID:Zt86BJ5Q0
がんばれー
待ってますえ
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/05/25(水) 21:55:36.86 ID:6dBcLa5Y0
わしもずっと待っておる
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/19(日) 19:07:25.02 ID:L208w8tAO
俺も舞ってるぞ
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 21:09:35.25 ID:HOWEr4fj0
まだかね?
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 14:34:07.72 ID:yCrIwTPQo
おーい、>>1 生きてるかー?
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 12:09:13.48 ID:wKxd0CXyo
たとえ展開が思いつかなくともいつまでも待ってるよ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/13(水) 00:12:38.42 ID:oNdeqZLAO
舞ってるからな
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) :2011/07/19(火) 22:26:56.24 ID:teLjiqR80
ご無沙汰しております。
できれば今週中に更新したいと思いますのでー。
一応の生存報告?というやつです。

では、また。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/19(火) 22:31:29.82 ID:bEC/uMiVo
ずっと待ってたよ!
楽しみにしてる!
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 22:31:45.78 ID:FrTquF95o
信じて待っててよかった・・・!
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/20(水) 03:11:13.13 ID:bM6AXkqAO
>>77
来たな!
これで勝つる!
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 22:54:35.99 ID:TLluabMQo
待ってるぞ〜
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/07/21(木) 01:01:35.27 ID:j5WvwgAv0
おおお
このスレ地味に好きなんだよ!
待っててよかった
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 20:28:51.69 ID:V1+kC8VIO
今週終わってるぞー
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 21:37:48.44 ID:rIWqlRDDO
今週終了まであと約2時間半
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/24(日) 23:44:59.53 ID:cNviqy/60
うぉぉぉぉぉぉぉ(泣
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [saga]:2011/07/25(月) 00:20:28.39 ID:uMgi0yLB0
僕の中では月曜の陽が昇るまでが一週間です。
嘘です。遅れただけです。
では投下。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [saga]:2011/07/25(月) 00:21:05.97 ID:uMgi0yLB0

失策だった。やはり選択肢を間違えていた。
不幸の体現者である俺が選択肢を間違えることなど日常茶飯事なので慣れていると言えば慣れているのだけれど、それでもかみなりパンチはキツイ。

頬むっちゃ腫れてるし。
まだ痺れてるし。

結局、浴室の外だというのに耳栓、アイマスク装備の俺は、梱包用のビニール紐で手足を縛られて床に転がっている。
真っ暗だ。まるで俺の将来のように真っ暗だ。
音など聞こえるはずもないし、動こうと思っても動けない。
自業自得、と言ってしまえばお終いだけれど、これは少し酷い仕打ちじゃないだろうか。

覗くとは言ったものの、あれは冗談だ。ジョーク。決して本心ではない。勝手に口が開いてしまっただけなんだ。
天上の意思とでも言えばいいのか。とにかく、納得がいかない。

なんだか今日は理不尽な目にあってばかりだ。

「不幸、かな」

お決まりの台詞をエキセントリックなこの状況下で呟いてみるも、なかなか強く言い切れない。

うーん、突然の居候だけれど料理も出来るし、勉強も教えてもらえるし(プライド?そんなものは圧縮圧縮ゥ)幸運とも言えなくもない。
無作為に選ばれるチャンスの対象者が知り合いだったってのも余計な気を使わなくて済むし。

……まあ、別の意味で気は使うけれど。
危険物取扱者の気持ちだ。
ダイナマイト発破中の現場にヘルメットも無しで作業しているようなもんだ。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [saga]:2011/07/25(月) 00:21:46.39 ID:uMgi0yLB0

「出たわよ」

俺がトンネル掘削作業員の気持ちにトリップしているとこの惨状を作り出した犯人の声が聞こえた。
なるほど、耳栓を付けていても人の声は案外クリアに聞こえるモノなんだな。

「お、じゃあ早くこの拘束具を外してくれ」

「拘束具って……そんな大それたモンじゃないでしょうが」

文句を言いながらも耳栓、目隠し、ビニール紐の順番で外してくれる御坂。
室内の蛍光灯の明かりがこんなにも眩しく、そして愛おしく感じるのはこれが最初で最後だろう。
いや、最後にしてくれ。これが一週間も続くなんて嫌過ぎる。

「ルールが一つ決まったわね。『私の入浴中はアンタは目隠し耳栓ビニール紐のフル装備』って」

「断固反対する!拒否する!否定するぅぅううう!!」

上条さんに緊縛放置プレイを望む気はないことですよ。
どんな変態だ。来客が来たら言い逃れができない。

「冗談よ。いいからアンタも早く入りなさい」

「じゃあ、まずは御坂も目隠しを……って嘘ですごめんなさい冗談なのでコインを取り出すのはやめて!!」

「さっさとしろー!!」

「はいいぃぃぃいいいい!!」

そんなやり取りがあって、俺はユニットバス内に入って服を脱ぐ。

……まあ、俺の入浴シーンを描写したところで誰の得にもならないので割愛。
唯一、言うことがあるとすれば御坂が持ち込んだであろうシャンプーとリンスを勝手に使用して怒られたぐらいだろう。
高級感溢れるパッケージだけに、匂いも御坂の髪と同じ良い匂いだった(男の俺に合うかは別にして)。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [saga]:2011/07/25(月) 00:23:00.91 ID:uMgi0yLB0

そんなこんなで、就寝タイム。
時刻は既に日付が変わろうとする午後十一時五十分。
昼間に決めたルール通り今日は俺がベットで、御坂が床に敷いた客用の布団でお互い横になっている。
ちなみに御坂の横には持参したキルグマーのぬいぐるみ(妹達のいざこざで資料を隠していたアレだ)が寝かされている。
そんなところは、年相応だなあと思う。

しかしお互いなんとなくドギマギしてしているのか、寝付けないので御坂と雑談しているうちにこんな時間になってしまった。
だってこんな至近距離で女の子と寝た経験なんてないし!

「ねえ」

勝手に緊張していたら御坂から声がかかった。
いや、会話は続いていたので自然な流れなんだが、少し神妙というか真剣な感じだったので少し身構える

「アンタを担当したナビって、知り合いだった?」

「いや、全く知らないどっかの研究員だったかな……」

酷く狼狽した様子の研究員の顔を思い浮かべる。
名前すら教えてくれなかったが、一週間フルに使って願い事を決めた俺に飽きもせず付き合ってくれたな。

「そう……その人はどんな願い事にしたのか聞いた? 別に言いたくないなら構わないけれどさ」

「ん、そういやぁ何を願ったんだっけな、あの人」

余りよく覚えていない。
一応断っておくと、これはチャンスのルールで俺の記憶が消えている訳では無くて単純に自身の記憶力が乏しいから思い出せないだけだ。
えーっと。
研究の成功……違う。恋愛成就……違う。うーんなんだったけな?
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [saga]:2011/07/25(月) 00:24:22.63 ID:uMgi0yLB0

……あ、そうだ。

「謝るきっかけを。だったかな」

「謝る? 誰に?」

「そこまで踏み込んで聞いてねえから解らないけど、昔、取り返しのつかないことをしたから謝るきっかけが欲しいって言ってたな」

苦笑いしながら話す研究員の顔が脳裏をよぎる。

「きっかけね。普通は仲直りしたい、じゃないのかしら」

「問題の解決をチャンスに委ねるのは卑怯だからな、とか言ってたぞ。謝ってその人に怒られても、殴られても、殺されても
 文句は言わない、言えない。だから私はきっかけだけで十分なのさ。とかな」

「……立派ね」

「俺も、そう思う」

きっと今頃は謝って結果が出ているのではないだろうか。
願わくば良い方向へ転がることを。

「じゃあ、アンタは?」

「俺の願い事か? まあそんな大したことじゃねえよ」

本当に些細な、受理されなくとも構わないような願いだ。
だからこそ恥ずかしくて言えない。

「教えなさいよー」

「嫌です」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [saga]:2011/07/25(月) 00:25:03.84 ID:uMgi0yLB0

そんなやり取りを数回繰り返し、願い事を教える気がないことを悟った御坂は「もういいわよ」と言って黙ってしまった。
まだ眠れそうもない俺は、質問を投げかける。

「お前は――決まったか?」

「…………まだ」

キルグマーに顔を埋めているのだろうか(俺は御坂に背を向けているので推測だが)少しくぐもった答えが返ってきた。
そりゃそうだ。なんたって一生に一度のチャンスだからな。そう簡単に決まらないだろう。

「急かすつもりはないけどよ、なるべく早く決めたほうがいいぜ? なんたって一週間しかないんだから。リミット一杯まで引っ張ると
 本当に叶えたい願いじゃないことをお願いしちまうから」

「わかってるわよ、そんなこと」

「さいですか」

沈黙。
これ以上話すネタもないし、聞きたいこともなかったので黙っていると小さな寝息が聞こえてきた。
俺は一度寝がえりをうって御坂の顔を覗くとキルグマーを抱きしめた格好のまま、眠っていた。

俺はため息を吐くと仰向けに体勢を変えて天井を見つめる。

そしてそのまま、眠りに就いた。











                                       一日目・おわり
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [saga]:2011/07/25(月) 00:28:10.90 ID:uMgi0yLB0
数ヶ月を経てようやく一日目が終りました。
しかし違うPCだと愛知県じゃなく岐阜県になるんですね。わけがわからないよ。

さてさて予定では残り六日。でも多分中日はキングクリムゾンします。

ちなみに上条さんのナビは某研究員A・Aさんです。
回想でちょこちょこ出るかもですが、日の目を見ることはない。


では、また。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 00:45:20.84 ID:SF7PneBlo
雰囲気がすごく好きなSSだから続き見れて最高だ
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/07/25(月) 01:07:59.48 ID:4P9VDnJV0
乙!
次はいつ来るのかしら…早く続き読みたい
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/25(月) 20:58:03.37 ID:98DpkWhH0
いやっふー_〇_/
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 21:02:10.98 ID:98e5a3Nao
超待ってた!
いやっほぉーう!!
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 22:22:22.24 ID:k+cR/B+Mo
>>1
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 20:06:45.63 ID:Cjqfe3KIO
質の良い上琴SSの更新に乙
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/28(木) 20:55:28.68 ID:OfqoJlB0o
続きが待ち遠しい
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 21:16:54.58 ID:GBhEuV0so
続きが気になるうううううう
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/31(日) 09:18:23.40 ID:2OlPYb8AO
>>1の他SSから来ました
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/31(日) 12:33:36.45 ID:npSphz5Vo
>>101
kwwsk
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/02(火) 07:52:19.57 ID:dmvlQcCAO
>>102
ザレゴトマジカル
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/02(火) 19:22:24.21 ID:eYMwv7FGo
>>103
ありがと、早速見てくる
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/02(火) 22:49:15.29 ID:FMuztoaAO
>>104
このスレのノリで読むなよ!絶対読むなよ!
ましてやそれの前作なんて読むなよ!


>>1よ、佐天さんに夢中になるのはいいけどコッチも早く更新してくれよ
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/05(金) 22:42:06.51 ID:E1zmUszo0

次の日曜日が終わるまでには投下しまねー。

まあ平行スレとか調子乗っちゃいましたが、こっちものらりくらりと更新していきますので。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/05(金) 22:45:16.92 ID:1WVYlkiAO
おおちょうど
しまねー
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/07(日) 19:52:23.46 ID:bdGWEgVAO
舞ってるお
`\
(/ω^)
( /
/く
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/08(月) 19:40:23.13 ID:+7nmOgh1o
待つことに見返りを。もとめてはいけない。ただ信じる。それだけ。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/27(土) 19:31:46.69 ID:pKDKHPddo
まだかなまだかな
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/28(日) 09:00:04.43 ID:ni8tA4KAO
次の日曜日はいつなの…
112 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/08/29(月) 00:17:22.94 ID:B9foPdS60
――火曜日――



「ん……」

カーテンの隙間から入り込む日差しで夢の世界から現実へと意識をシフトした俺がまず覚えたのは違和感だった。
まず、ベッドで寝ているはずなのに、若干だが天井の位置が高くなっていること。
これはまあ実際に天井が高くなるわけが無いので、単純に考えて俺がベッドから落下してしまっただけだろう。
次に比較的寝相の良い俺がなんでベッドから落ちているのか、という疑問だけれど、これは顔を横に向ければ解決した。

というか、終わった。

「…………」

むぼうびな みさかみことの ねがおが めのまえに あらわれた!

……うん、これはマズイ。
大方、御坂の寝返りで例の一メートルルールが発動してしまい落ちてしまったのだろうけれど、生憎それを立証する手立ては無い。
世界一不幸な人間を自負する上条さんには、この状況が嬉しいだとかフラグだとか感じる以前に不幸の匂いしか感じ取れなく、
これから起こるであろう三つほどのパターンを俺の脳は即座に叩き出していた。

ベッドに戻ろうとする→ルールが働いて御坂覚醒→ビリビリ。
何事も無かったように眠る→御坂が起きる→ビリビリ。
とりあえず立ち上がって御坂を起こす→何かにつまずいて御坂に倒れこむ→ビリビリ。

駄目だ。どう足掻いても絶望(ビリビリ)。
不幸中の幸いなのは、春休みだから目覚まし時計のアラームをセットしていないから御坂が強制的に目覚めることは無いことだけ。
流石にずっと眠り続けるわけではないけれど、ある程度の時間はある。
113 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/08/29(月) 00:17:58.72 ID:B9foPdS60


「時間の問題、か」

どことなくニヒルな口調で呟いてみる。
選択を間違えたら即アウトなこの状況はまさに気分は時限爆弾を解除する捜査官だ。
ふむ。一体どうすればいいのだろうか。

とりあえず、観察しよう。勝利を収めるにはまず敵を知ることだと大昔の偉い人が言っていた気もするし。

まずは御坂の服装。昨日の寝る時には大した描写はしなかったが、カエルのキャラクターがプリントされたパジャマである。
年相応、と言えばギリギリなラインの柄のパジャマは普段の勝気で強気な御坂とはアンバランスなもので、逆にそれがハマッている。
これがギャップというものなのだろうか。しかし、上条さんのストライクゾーンは年上のお姉さんなので何も感じない。

そして寝顔。語彙が乏しいのでワンパターンな説明になって非常に申し訳ないのだが、これも年相応の寝顔と言えよう。
素顔だけに、素直な感じを覚える寝顔は、やはりいつもの御坂が見せる表情ではなくとても微笑ましいし、可愛らしい。
まあ、可愛らしいと言っても従妹に向ける感情というかなんというか、ペット的なそれだ。
だって上条さんのストライクゾーンは艶美な年上のお姉さんなので、劣情を催すわけが無い。

大体、相手は女子中学生である。
114 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/08/29(月) 00:18:39.82 ID:B9foPdS60

「う、ん……」

観察をしていると突然御坂の両腕が俺を捕らえ、胸の辺りから締め付けられる、なんて遠まわしに説明したが、簡単に言えば抱きしめられている格好だ。
(因みにキルグマーは部屋の片隅へと投げ出されている)

なんだこれ?なんだこの状況?
理解の範疇を超えている。とにかく今はこの現状を打破するために何か策を考えろ、上条当麻!

………………。

「……柔らかいな」

じゃなくて、なに率直な感想を口走ってるんだよ。

……とりあえず御坂のホールドから脱出しなければ。この状況で目を覚まされたら何も言い訳できないし聞いてもらえないだろう。
まずはゆっくりと身体を下へ――この場合は下半身に向かってずらしていく。両腕で掴まれているのでこの方法しかあるまい。
慎重に、それでいて素早く身体を滑らしていく。

「んぅ……」

俺の体が動くたびに御坂はくすぐったそうな声をあげるが、気にしない。気にしてはいけない。
順調に少しづつではあるが俺の身体は下がっていったが、しかし、そこで問題が発生した。
そう、御坂と俺の身長差を考えるべきだった。御坂が始めに抱きついてきた時は俺の顔は御坂の頭の上にあり視界には何も移らなかったが現状はどうだ。
115 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/08/29(月) 00:19:18.49 ID:B9foPdS60








俺の視界には、御坂の下唇が映っている。







116 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/08/29(月) 00:20:13.78 ID:B9foPdS60

「あー……」

つまりこれ以上俺が下がれば、自然と顔面が胸の辺りを通過してしまうということだ。
ここまでは首の自由が利いたのである程度目を逸らすことができたが、ここからはそれが出来ない。不可能だ。
密着地帯、至近距離ではなく零距離。

かと言って元の位置に戻るのも難しい(俺の髪が邪魔になってしまう)だろう。
さて、どうしたものか……

「ひゃぅ……」

と、思案していると突然御坂の身体が震える。
そして俺が『マズイ』と思うよりも早く、御坂が可愛らしいくしゃみをしてしまった。

「……ふぇ?」

「オハヨウゴザイマス」

まだまだ眠り足りなさそうに御坂が目蓋を開け、俺の存在に小さく首を傾げると同時に疑問の声をあげた。
対する俺は機械的な挨拶をするだけに留まり、これから起こるべき惨劇を想像し、大きく息を吸った。

この直後、俺の身に何が起きただなんて説明しなくてもいいだろう。

とりあえず今日の予定は家電を購入しに行くことになりそうだ。
117 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/08/29(月) 00:21:32.02 ID:B9foPdS60

一ヶ月ぶりの更新です。あと酉つけました。
すいません、ローペースでorz

次回更新はなるべく早くやりたいです。

では、また。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/29(月) 00:26:17.17 ID:54WeehrAO
予感がして来てみれば…!
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/29(月) 00:36:51.53 ID:hKkYXILAO


朝から女の子と密着なんてしたら上条さんの[ピーーー]が[禁則事項です]って[らめぇぇっ!]になっちゃうじゃないか

爆発しろ
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/29(月) 00:43:20.18 ID:8ihjpJk60
乙。待ってました〜! この上条さん、意外とアホウで好きだ。続き楽しみに待ってます。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/29(月) 00:46:11.01 ID:+fDqTjuyo
超待ってた
なんというwktkラッキースケベ展開
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/29(月) 03:44:13.84 ID:1wRyeoYJo
乙待ってた…!

久しぶりに上質な上琴成分を補充したなあ、次回にも期待!
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/02(金) 12:25:15.16 ID:seKZ6UQP0
続きがきになるじゃないかぁぁぁぁぁぁ
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/07(水) 16:30:25.53 ID:NcXFZ4ZF0
ぼくたちは、なかよく>>1乙してるよ 
                        ∧_∧
                   ===,=(´・ω・ ) >>1
                   ||___|_゚し-J゚||_
                ∧_∧/ //.___|^∧_∧
           >>1乙 (´・ω・ ) /||    |口|(´・ω・ ) >>1
                ./(^(^//|| ||    |口|⊂ _)      
  >>1乙      ∧_∧ /./  || ||    |口| ||    ∧_∧    
   ∧_∧     (´・ω・ ).>>1乙..|| ||    |口| ||  (´・ω・ ) >>1乙  
  (´・ω・ )  /(^(^/./     || ||    |口| ||    ゚し-J゚
 "" ゚し-J゚:::'' |/  |/ '' " :: ":::::⌒  :: ⌒⌒⌒ :: ""  `
 :: ,, ::::: ,, " ̄ ̄  "、 :::: " ,, , :::   " :: " ::::



125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/15(土) 02:24:21.06 ID:Mu5JMzHB0
上条さん何も悪くないのにwwww
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 23:56:51.15 ID:atYlOdgxo
待ってるんだよ!
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 17:04:08.04 ID:ARkMInGno
まーだかなー
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/08(火) 22:59:39.73 ID:rXwEdJkF0
まだかなー
129 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:30:57.29 ID:yKg3LgLn0



「なんで私がアンタの家の家電を買わないといけないのよ」

「いや、なんでもなにもお前の電撃のせいでぶっ壊れたんですけど……」

「っな!あ、あれはアンタが変なことするからでしょうが!!

「抱きついてきたのはお前だって」

「だだだだ、抱きついてなんかないわよ……」

「あー、はいはい。分かりました分かりました。分かったから取り合えず急ごうぜ」

「歩幅を考えなさいよ!!」

そんな何度目かになる会話を繰り返しながら俺と御坂は近所の家電量販店を目指して歩いていた。
まあ、冒頭のやり取りを見て分かるように御坂はまだ納得はしていない様子で、顔を赤くしたり青くしたりでずっと騒いでいる。
そんな御坂の態度に若干面倒臭くなった俺は、少し足早にお目当ての店へと向かうんだけれど、例のルールが発動して上手いこと歩けない。

女子中学生と男子高校生の歩幅の違いに関しては初日から仕方がないとは思っていたけど、これは結構厄介だ。

130 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:31:27.21 ID:yKg3LgLn0



「あー、もう! 少しはゆっくり歩きなさい!!」

「うお! 危ねえ!!」

御坂の前を歩く俺に向かってビリビリと物騒な音を立てながら目視できるほどの威力を持った電撃が飛んできた。
慌てて右手でその電撃を打ち消したけど、反応が少しでも遅れていたら危なかった。
これも日頃から御坂の不意打ち電撃に対応している故の反応スピードだろう。訓練された俺じゃなければ今頃は黒こげだ。

……全然嬉しくない特技だけど。

「だぁー! ビリビリ、ビリビリいい加減にしろよ! ラムちゃんかお前は!?」

「ラムちゃんって誰よ!?」

「え、マジで?」

知らないの? 嘘だろ? ラムちゃんを知らないの?
だってコイツ漫画読む人間だよね?

うわあ、カルチャーショックだ。
いや、ジェネレーションギャップっていうのか?
131 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:31:56.37 ID:yKg3LgLn0



とにかく、簡単に説明はしておいてやろう。

「ラムちゃんとは男子の心を惹いては離さない漫画のキャラクターで、好きな相手に電撃を浴びせまくる女だ」

「え、ええ? 好きな相手に電撃を浴びせるって……」

「ああ、信じられないだろうけどその通りなんだ。因みに現実世界でそんな態度の女の子に対してはラムデレという称号が与えられる」

「な、なんていうことなの……」

ゴクリ、と御坂が生唾を飲み込む音が聞こえ、その表情はどことなく緊張が混じっているようにも思える。
一語一句聞き逃さないように、聞き間違えないように神経を耳に集中させているのだろう。大通りで。

「つ、つまりラムデレは名誉ある称号だと受け取っていいのね?」

御坂は俺の言った言葉を噛み砕き、ゆっくりと租借して結論付けた。
なるほど、流石に常盤台のエースと呼ばれるだけあって理解が早い。

だが、それは間違った方面での理解だ。

「残念ながら、そうではない」

「どうしてなのよ! そのラムちゃんってのは皆に好かれるキャラクターなんでしょ?」

思ったとおり、御坂は勘違いしている。
まあ、これは初心者が陥りやすいトラップとも言える問題なのでしょうがないと言えばしょうがないけれど……。

間違いは正さなければならない。
苦しいが、それは先を行く者としての義務だ。使命と言ってもいい。
132 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:32:27.36 ID:yKg3LgLn0



「しかし、どうだ。それが三次元でプラス評価にはなりえない。これは俺が独自に出した結論で二次元の属性と呼ばれるものを現実の付加価値として
 考えるのは是ではない」

「なるほど……」

「分かりやすくいえば天然の女の子を相手にすると疲れるだろう? ツンデレなんて現実ではただの気の強い女でしかないのと同じだ」

青髪ピアスや土御門なんかはウェルカムらしいけど、俺はそうは思わない。
優しい寮の管理人のお姉さんというのは属性と言えば属性だろうが、俺からすれば職業である。
言い換えるならばジョブだ。

「少し脱線したけど、ラムちゃんというキャラクターは素晴らしく、どの男の子の心に好印象を与えるが、現実でラムデレを行使する女は嫌われる」

「――――ッ!!」

俺の言葉にまるで雷に打たれたように身体を震わせてその場にへたり込んでしまう御坂。

「簡単に言えば現実と二次元の区別、っつーのかな? ほら、変な口調とか口癖って漫画とかでしか許容できないだろ?」

例えば会話分の中にやたらと『超』を付けるとか、ァィゥェォンだけカタカナ表記とか、語尾に自分の名前を付けるとか、句点を読点にするとか、
『にゃーん』とか『にゃあ』とか『にゃー』とか言ったり、『なりけるのよ』とか間違った日本語を使ったり、語尾が『である』だったり、一人称が『俺様』だったり、
口調がやたらお嬢様だったり、『ですの(キリッ』とか言っちゃたり、『〜しちまいましょう』とか丁寧なのか雑なのか分からなかったり、否定形はなかったり、
『ですねー』とか『だぞー』って語尾を延ばしたり、やたら『じゃん』とか言ってたり――

「それ以上、よくない」

「ああ、俺もそんな気がする」

宇宙の意思を受信してしまったようだ。

俺や御坂は比較的まともな口調だからなー。
133 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:33:07.90 ID:yKg3LgLn0



「……と、とにかく。アンタは間接的に私のことをラムデレとして嫌いだと言ってるのかしら?」

一つ咳払いをして御坂がもじもじしながら篭った声で言う。

「いんや、あくまでラムデレはデレがないとラムデレとは言えないんで。御坂さんのは普通にビリビリなんで、はい」

「嫌いじゃ、ないのね?」

「嫌いなわけがねぇって。ま、あんまり電撃飛ばして来るのは感心しないけどなー」

中二だから、御坂は。
いろいろと自分のコントロールが出来ていないだけで、かなりのハイスペック中学生だ。
嫌いになる理由が無い。

「ああ、良い事を思いついた」

「え、え?」

自分の言った台詞である事を思いついた俺は、さっそく実行に移す。
突然そんな行動をした俺に驚いたのか御坂は少し慌てながらもソレと俺の顔を交互に見る。

御坂が自身をコントロール出来ないのは感情的になりやすいからだと思う。
それが原因でやたらと電撃を飛ばしてしまうのならば、感情的になっても電撃を飛ばせないようにすればいいという話だ。

つまり――
134 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:34:21.79 ID:yKg3LgLn0


「こうして右手で掴んでおけばビリビリ出来ないだろ? それに例のルールで一メートル以上離れられないんだから、手を掴んでたほうが安全だし」

手を掴んでしまえば良い。
俺の右手で、御坂の左手を。

普段だったら嫌がるだろうけど(俺も恥ずかしい)今の俺は誰にも認識されないんだから問題ないだろう。

「あれ? な、なんで、どうして――」

「そんじゃ、走るぞ。早くしないと今日の分の課題が出来なくなる」

そう言って、俺は御坂が答える前に走り出した。
少しだけ走り辛いけれど、例のルールに引っ張られること無く、自分の手で御坂を引っ張っているので安心だ。
走り出した当初は御坂もなにやら言っていたが、少し経ったら何も言わなくなった。

春の少しだけ冷たい風を切りながら、身体が少しづつ火照っていく感覚が心地いい。





135 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:34:54.77 ID:yKg3LgLn0




――こうして家電量販店に辿り着いた俺達は、適当に家電を購入し家路に着いた。

当然、お店に着いた時点で手は離したけれど、この日から『ルール』が一つだけ増えることになった。






『走る時は、手を繋ごう』








                                   二日目・おわり
136 : ◆d.DwwZfFCo [saga]:2011/11/11(金) 00:36:51.29 ID:yKg3LgLn0

……二ヶ月ぶりです。
次はもっと早く来ます。

三日目も二日目並みに短い予定です。


ではまた次回。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/11(金) 00:58:45.10 ID:nculjg1go
乙なんだよ!
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東海) :2011/11/11(金) 01:04:19.53 ID:RPOvZ2pAO
やっと、やっと来た……

139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関東・甲信越) [sage]:2011/11/11(金) 01:21:33.34 ID:WDEsXfZAO
待ってた 乙 

ィィィィィヤッフォォォォォォォ!
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/14(月) 00:21:00.73 ID:QC+mOhxS0
乙! 次も楽しみに待ってるからねー
141 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 01:31:25.28 ID:T1bKUYTqo
待ってるんだよ!
142 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/03(火) 00:09:38.75 ID:mCdYuxHU0
そろそろ三日目がきてもいい頃かな〜
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 23:44:09.05 ID:NbCeq0ELo
そろそろ来ないと危ないかも
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 01:20:32.91 ID:N6IdJOoSO
そろそろ来て欲しいな。続きの三日目、待ってます!
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 23:03:50.67 ID:RWx8OX2v0
この物語の続きが読みたいです 
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/17(金) 14:06:13.23 ID:2VaSTz+Z0
まだなのか?
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