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ポケットモンスターゆい - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:26:25.19 ID:xE4Eh5D70
初めて、ここに投下するので、至らぬところもあると思いますが、温かい目で見てくれれば幸いです。

注意  駄文(へたくそなので注意してください)
    多少(?)のキャラ崩壊
    ポケモンの世界をベースにけいおんのキャラが出てきますが基本的には唯と梓しか
    出てきません(他キャラが出てこないわけではありません)

前回(トキワ)まではアニキャラ板(個別)で書いてるので、良ければ、見てください。
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:27:47.96 ID:xE4Eh5D70
主人公 梓 手持ちポケモン ゆい ハッサム

あらすじ(念のため) 
 ポケモンマスターになることを夢見て、律、澪、ムギとともにオーキド博士の助手として、勉強し、
いざ出発の日になり、本来なら、ヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメ、ピカチュウから好きなのを1匹
もらえるはずだった。しかし、たまたま、研究所の前で行き倒れてたところを保護されてたゆいが
梓を逆指名。周りに流されたこともあり、梓はゆいを選び、律はヒトカゲ、澪はゼニガメ、ムギは
フシギダネを選び、旅が始まる(ピカチュウは梓がゆいを選んだことで、本来、選ぶべき、3匹のみ
とするため、選択肢から除外)。トキワでは、ゆいが前に助けたハッサムがゆいに恩を返すために
仲間となる。

次から、トキワの森編、投下
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:29:42.97 ID:xE4Eh5D70
「戻れ、ハッサム」

「くっ、君は強いな。ほら、500円だ」

「どうもです」

しかし、不思議なシステムですね。ポケモンバトルに勝つとお金がもらえるんですから。まあ、
負けたら、お金を払うんですけど。

「また勝ったよ、あずにゃん。今ので、5000円貯まったよ。これも、私のおかげだね」

「戦ってたのは、ハッサムですけどね」

「ハッサムは私のおかげで仲間になったんだから私のおかげだよね」

「まあ、そうですけど。ゆい先輩は戦わないんですか?」

「私はいいんだよ〜」

「強くなれませんよ」

「私はあずにゃんのそばにいることができればいいんだよ。それに、私は戦わなくても強いよ」

「自信がないって、言ってませんでしたっけ」

「そうだっけ?」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:30:13.25 ID:xE4Eh5D70
今、私たちはトキワシティを出発し、トキワの森といわれる所にきています。ここを抜ければ、ニビ
シティなんですけど…。
「不気味な森ですね」
「そうだね。早くここを出て、次の町で美味しいもの食べたいよ〜」
「それは別にいいんですけどね」
まあ、早く、この森を抜けませんと、野宿になっちゃいますから。
「早く、行きましょう、ゆい先輩。……あれ?ゆい先輩がいない」
さっきまで、ここにいたはずなのに。
「どこに行ったんだろう?」
辺りを見回してみます。あ、あそこに何かと一緒にいます。あ、あれって。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:32:56.61 ID:xE4Eh5D70
「いや〜、君は可愛いね〜」

「キャタ」

キャタピーです。ここには、虫ポケモンが良く出るって聞いたけど、うぅ〜気持ち悪いです。

この子、可愛いよ〜。仲間にしようよ、あずにゃん」

「絶対に嫌です」
このままじゃ、虫タイプしかいないメンバーになっちゃいます。

「絶対に嫌だって。ごめんね、あずにゃんがひどいこと言って」

「キャタピ(あれくらいの年頃の女の子は私を嫌うものですよ。気にしないで下さい)」

「嫌われることになれちゃ駄目だよ。あずにゃんは私が説得するよ。あずにゃんは私がお願い
すれば、聞いてくれるから」

「キャタピ(いいんです。そもそも、私はあなた方の仲間にはなれないのです)」

「どうして?」

「キャタピ(私には将来を誓い合ったキャタピーがいて、バタフリーになったら、一緒に子供を
作ろうって、約束しているのです。だからこの地を離れるわけには行かないのです)」

「そっか。なら、仕方がないね。ところで、その子って可愛い?」

「キャタ(それはもう)」

「うんうん。その子を大切にしなきゃ駄目だよ」

「キャタピ(もちろんです。あなたにもそういう人がいるのですか?)」

「もちろんだよ。あそこにいる可愛い女の子がいるでしょ。名前はあずにゃんっていうんだよ」

「キャタピ(なるほど、あなたと彼女はとってもお似合いですね)」

「えへへ〜、ありがとね〜。お礼にクッキーをあげよう」

「キャタ(できれば、葉っぱのほうがいいんですがね)」

「それは残念だね。美味しいのに。ちょっとだけでも駄目かな?」

「キャタ(残念ながら、虫なので)」

「そっか。虫も大変だね」

「キャタ(慣れればいいものですよ)」

「でも、虫になったら、あずにゃんに嫌われちゃうからな〜」

「キャタ(それは仕方がないことですよ。……む、逃げた方がいいですよ)」

「どうして?」

「キャタ(それは……、あぶない!)」

「危ないです、ゆい先輩!」

「えっ…。わっ!?」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:35:14.52 ID:xE4Eh5D70
ゆい先輩はキャタピーに体当たりされて飛ばされました。ゆい先輩がいた場所には、鋭い槍
みたいななにかを地面に刺している黄色と黒のあれは……。

「スピア」

「スピアー?!何で、急に」

「キャタピ(ここら辺はスピアーのテリトリーなのです。では、私はこれで)」

「あ、逃げないでよ」

「スピア」

地面から、針を抜き、再び、ゆい先輩に襲い掛かろうとしています。……このままでは!?

「…くっ。いけっ、ハッサム」

「ハッサム」

「バレットパンチ!!」

ハッサムの攻撃で、スピアーは吹っ飛んでしまいました。

「スピア」

スピアーは勝てないと思ったのか、方向を変えて、逃げ出しました。ふう〜、危なかったです。

「大丈夫ですか、ゆい先輩」

「わ〜ん、怖かったよ〜、あずにゃ〜ん」

ぎゅっと、ゆい先輩が抱きついてきます。

「怪我とかはありませんか?」

「うん」

「そうですか。それはよかったです。それにしても、良くやってくれましたね、ハッサム」

私はハッサムの頭を撫でます。スキンシップは大事だって博士も言ってましたし。

「また、よろしくね。戻れ、ハッサム」

「ジー」

「ん?どうしたんですか、ゆい先輩」

「私も撫でていいよ、あずにゃん」

「? どうしてですか」

「サムちゃんをゲットできたのは私のおかげなんだよ。つまり、サムちゃんが活躍できたのも、私の
おかげなんだよ。だから、褒めてもいいんだよ〜」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:36:46.45 ID:xE4Eh5D70
ドキドキ。きっと、このあとのあずにゃんは……。

『それもそうですね。撫で撫でしてあげます』

『わ〜い』

えへへ〜、こう考えるのはちょっと都合がよすぎるかな?でもでも、それくらいなら、望んでもいい
かな?

「ゆい先輩」

「ん、な〜に〜?」

さあ、いつでも褒めていいよ〜。

「駄目ですよ、人(?)の手柄を横取りしちゃ」

えっ?!」

ちょっと、想像と違うよ。

ハッサムをゲットできたのは、確かにゆい先輩のおかげですけどね。でもこのハッサムが活躍
したのはこの子の力なんですよ。だいたい、ゆい先輩は助けてもらったんですから、ちゃんと
お礼を言わないと」

確かにあずにゃんのいうとおりだね。反省しよう。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:40:03.88 ID:xE4Eh5D70
「大体、ゆい先輩はボーっとしすぎなんですよ。キャタピーなんかに助けられるなんて。だいたい、ずっと、戦わないでいるから、こんなことになるんですよ」

「む、そこまで、言うことないんじゃないかな。私はとっても、強いんだよ」

「トキワシティにいた時は自信はないって言ってたじゃないですか」

「そ、それは、そうだけど。私だって、ゆいちゃん真拳を使えば、とっても強いんだよ!」

「じゃあ、どうして使わないんですか?」

「うっ……、それを使うと、私の大切なものがなくなっちゃうんだよ」

「口では何とでも言えますよね」

「……うぅ〜」

「さて、時間もなくなっちゃうし、そろそろ出発しますか。ん?どうしたんですか、ゆい先輩」

「……」

「あの、どうしたんですか?……もしかして、怒ってます? すいません、少し、言い過ぎましたね。ゆい先輩はいてくれ…」

「……分かった」

「はい?」

「分かったよ、あずにゃん。私がすごい役に立つってことを証明してあげるよ」

「はい?いきなり何を……」

「待ってて。今、私がすごいポケモン捕まえてくるから」

「あ、ちょっと待って下さい」

私はあずにゃんが止めるのを聞かずに駆け出す。なんとしても、すごいポケモンをゲットして
あずにゃんを見返して、あずにゃんに褒めてもらうんだ。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:44:45.25 ID:xE4Eh5D70
「行っちゃった。……どうやって、ポケモンをゲットするんでしょう?モンスターボールも持って
いかないで。まあ、ボールを持ってても、ピカチュウくらいの大きさのゆい先輩じゃボールを持つ
のも無理でしょうけど。はあ〜、今日はこの森で野宿になりそうですね」

とりあえず、テントでも建てとこうかな。あ、後、今日の夕食は何にしよっかな。

勢いよく出てきたはいいものの、これからどうしよう。

「もう疲れたよ〜」

ポケモンは全然現れないし。もう、帰ろうかな〜。でも、勢いよく、飛び出しておいて、何も、
捕まえられないっていうのもな〜。

「どうしよう……」

ムシャムシャ。

「ん、なにか、聞こえる」

草の中から、様子を見てみる。黄色の芋虫さんみたいのが草を食べてる。普通の芋虫よりも
大きいので、多分、ポケモンだろう。

「よし、あれを捕まえよう」

そうすれば、きっと……。

『よくやりましたね、ゆい先輩』

なでなで。

『えへへ〜』

うんうん、きっと、こうなるよね。さ〜て、ゲットしますか。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:47:55.27 ID:xE4Eh5D70
そうだ、芋虫さんなんだから、餌で釣ろう。……ん、芋虫さん?そういえば、あずにゃんはキャタピー(っていうんだっけ?)が嫌だって
言ってたな。ということは、あの芋虫さんを捕まえても、褒められないじゃない。

「もう、いいや。帰ろう」

また別の機会に褒められればいいや。

「ん?そういえば、私が来た道ってどっちだっけ?」

も、もしかして……。

「迷っちゃったのかな…」

あらためて、周りを見ると暗くてジメジメしてて、気持ち悪いよ。

「わ〜ん、あずにゃ〜ん。どこにいるの〜」

大きな声で叫んでみても、反応はない。こんなことなら、役に立つところを見せてやるなんて、言
わなきゃ、よかったよ。

「く〜ん」

ん?何か聞こえる。あ、あの草むらの方からだ。私は慎重に草むらの影から見てみると、その音は
ダンボールの中から聞こえてくる。近づいてみると、ダンボールには「可愛がってください」って、
書いてある。中を見ると、く〜ん、と鳴いてる、真っ黒な犬さんがいる。

「どうしたの?おなか減ったの?困ったな。……そうだ、クッキーをあげよう」

クッキーを取り出し、犬さんにあげます。始めは警戒して食べようとしなかったけど、よっぽど、
お腹が減っているのか勢いよく食べ始めました。

「美味しい?ひどいね、君みたいに可愛いわんちゃんんを捨てるなんて。じゃあ、私は行くね」

「わんっ!」

「わっ?!」

いきなり、急に体当たりしてきた。

「いきなり何するの!!って、あっ!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:49:31.83 ID:xE4Eh5D70
私が体当たりされて飛ばされた場所には、鋭い槍みたいななにかを地面に刺している黄色と黒
のあれは……。さ、さっきも見た、あ、あの蜂さんは。

「スピア」

そうです、スピアーです。しかも、さっきは一匹だったのに、今度は10匹くらいいる。も、もしかして、
さっきの仕返しかな。こっちを思い切り睨んでるし。ど、どうしよう、た、戦うしかないのかな。

「わんっ(私が気を引いてる間に逃げてください)」

ワンちゃんは私に襲いかかろうとするスピアーにひのこを出します。

「逃げろって、言われても…。あっ、私が言葉が分かるってことは君、ポケモンなんだね」

「スピア」

「の、のんきにしてる場合じゃないね。うぅ〜、あずにゃ〜ん」

スピアーの針が私に向かって、突っ込んできます。ああ、さようなら、私の人生。せめて、最後にあずにゃんとキスしたかった。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:51:19.01 ID:xE4Eh5D70
「バレットパンチ」

私は急いで、ハッサムを出して、スピアーをふっ飛ばしました。

「大丈夫ですか、ゆい先輩」

「あ、あずにゃ〜ん」

「まったく、心配かけて」

「うぅ〜、ごめんなさい。でも、どうしてここが」

「あの場所から、そんなに遠くない場所ですからね。それに、スピアーの大群が飛んでいくのが
見えましたから。でも、数が多すぎですね」

さすがにこの数はハッサムでも……。

「わん」

「あ、さっきのワンちゃん」

「ワンちゃん?あのデルビルのことですか?」

「捨ててあったの。それで、私を助けてくれたの」

「それはひどいですね。って、そんなこと言ってる場合じゃありませんよ。早く逃げないと……」

「スピア」

私達の周りにも、スピアーが・・・・くっ、数が多すぎます。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:53:50.22 ID:xE4Eh5D70
「……こうなったら、ゆいちゃん真拳を出すしかないよ」

「今は冗談を言ってる場合では……」

「まあ、見ててよ。……出てきて、ゆいぐるみ!!」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
ゆい先輩の掛け声とともに、たくさんのゆい先輩の姿をした、ヌイグルミが落ちてきました。
すごいですね〜。でも……。

「ヌイグルミなんか出しても意味ないじゃないですか」

スピアーもはじめは警戒してましたが、すぐに攻撃態勢に入ってますし。

「慌てないで、これからだよ。では、ミュージックスタート(ふわふわ時間を想像して下さい)」

ゆい先輩がギターを弾き始めると、どこから、ドラムとかの音楽も聞こえてきました。でも、それだけじゃなく……。

「わっ!ゆい先輩のヌイグルミが……」

音楽に合わせて、ゆい先輩のヌイグルミがスピアーに群がり、攻撃を始めました。

「アアアアア」

ヌイグルミたちはパンチやキック、噛み付きや舌でなめたりとやりたい放題です。なんとなく、スピアーには同情しますけど。ゆい先輩の歌が進むとともに、スピアーが1匹、1匹と倒されて行きます。

「す、すごい。あれだけいたスピアーが一気に……」

でも、何故でしょう。まったく、尊敬できません。

「ふわふわ時間、ふわふわ時間」

というところになったら、スピアーに群がってたゆいぐるみ(もうめんどくさいのでこう呼びます)が消えていきました。さっきの攻撃で、かなりの数のスピアーが倒されてますが、まだ、数匹残ってます。

「よくやりました、ゆい先輩。後はハッサムが……」

待って。まだ、この奥義はまだ終わってないんだよ〜。上を見てごらん」

「上?」

上を見てみると、さっきのゆいぐるみが、ぷかぷかと浮いてます。

「ゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみスコール』」

ゆいぐるみが、残っているスピアーに降り注ぎます。……どんな地獄絵図ですか。

「スピアアアアアアアアアアアアア」

残っていたスピアーも、今の攻撃で、全滅しました。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:55:24.03 ID:xE4Eh5D70
「ふう〜、終わったよ」

「え、ええ」

まさか、これほど強いなんて。どうして、今まで、この技を出さなかったんでしょうか?

「怪我はない?あずにゃん」

「は、はい」

「そう。それはよかったよ〜」

「そんなことより、ゆい先輩がこんなに強かったなんて、私、さっきまで、誤解……」

バタッ。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:56:33.61 ID:xE4Eh5D70
「どうしたんですか、ゆい先輩!!」

急にゆい先輩は倒れてしまいました。私は急いで、駆け寄って、ゆい先輩を抱き起こすと、ゆい先輩の顔は真っ青です。

「……うぅ」
「だ、大丈夫ですか、ゆい先輩」

どうしたんでしょうか。そういえば、さっき、この技を使うと大切なものがなくなるって。まさか、い、命とか。きっと、ゆ、ゆい先輩は自分の命を削って私を助けてくれたんだ。今まで、ちゃらんぽらんでやってきたのは、こういうことだったんですね

「ご、ごめんなさい、ゆい先輩。さっきは意地悪を言って」

「……うぅ、あずにゃ〜ん。だっこして」

「はいです」

もう最後だもんね。こんなことなら、もっと、抱っことかしてやればよかったです。そんな思いもあって、私はぎゅう〜っと抱きしめました。

「……ゆい先輩」

もう、マサラタウンに帰ろう。私は大事なポケモンを死なせてしまったんだから。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:58:01.96 ID:xE4Eh5D70
「あずにゃ〜ん、苦しいよ〜」

私が、そんな決意をしていると、のんきな声が聞こえてきます。

「ゆい先輩、生きてたんですか!」

「人を勝手に殺さないでよ。私の大切なものがなくなって、ちょっと倒れちゃっただけだよ」

大切なものって命じゃない?あ、よくあるオチで、エネルギー使いすぎちゃっておなか減った〜ってやつですね。

「ゆい先輩、おなか減ったんですか?」

「ん?そういえば、もう、そろそろご飯だね。あずにゃん、今日のご飯はな〜に?」

あれ?これでもない?
「ゆい先輩の大切なものって何ですか?」

「それはもちろん、あずにゃんだよ」

そんな、満面の笑みで言われても…

「どうしたの?顔、真っ赤だよ」

「そ、そんなことより、大切なものって何ですか?あの技を使うとなくなるって」

「それはね、あずにゃん分だよ〜」

「……なんですか、それは」

「詳しくは分かんないけど、私の技を出すための源だよ」

「分からないって…。で、それはもう大丈夫なんですか?」

「今、抱っこしてもらったから大丈夫だよ。あ、キスもしよっか。そうすれば、たくさん貯まるから」

「結構です」

まったく、心配して損しました。……でも、何事もなくてよかったです。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 17:59:05.67 ID:xE4Eh5D70
「く〜ん」

あ、そういえば、デルビルがいたことを忘れてました。

「この子は捨てられてたんですよね」

「うん」

「私達と一緒に来る?」

「ワンッ」

「もちろんだって」

私は頷いて、モンスターボールをデルビルに投げて、ゲットしました。

「やったね、あずにゃん。これで、3匹目だよ」

「そうですね」

全然少ないんですけどね。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 18:00:40.06 ID:xE4Eh5D70
「あずにゃん、あずにゃん」

「何ですか?」

「私のおかげで、デルビルもゲットできたし、スピアーも退治できたんだから、褒めてもいいんだよ〜」

ゆい先輩は胸を張って誇らしげにしています。たしかに、今日、ゆい先輩はものすごく活躍しました。だから褒めても、いいかもしれません。

「そうですね〜。でも、ゆい先輩のおかげで、こんな森で野宿しなきゃいけませんし。だから、褒めるのはまた今度ですね」

「ええっ!でもでも、私は2個良い事して、悪いことは1個なんだよ。合計して、良い事を1個した事になるんだから、私の頭を撫でて、褒めてもいいんじゃないのかな?」

「駄目ですよ。ゆい先輩はとっても悪い事したんですから」

「え?どんなこと?ねえ、あずにゃん」

すっごく困った顔をして、ゆい先輩が聞いてきますが、私は無視し、

「それは教えません。さて、荷物のある場所に戻りますか」

「あ、待ってよ、あずにゃ〜ん」

だって、私の勘違いとはいえ、さっきはあんなに心配させるし、ゆい先輩がいない間、どんなに寂しくて心配だったか。だから、ちょっとくらい、意地悪してもいいですよね。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/14(土) 18:02:29.39 ID:xE4Eh5D70
トキワの森編はここまでです。
次はニビ編ができればいいな。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/14(土) 23:25:38.27 ID:NKJGeodH0
GJ!ついに始まったか・・・これからwktkが止まらないわ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/16(月) 07:19:27.87 ID:nyUnahZDO
乙!!

ポッkmんのストーリー知らんけど続き楽しみだ
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/05/17(火) 18:23:51.74 ID:9PJveVxAO
ゆいは幼稚園児時代の唯を想像したら良いのかな?
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 17:24:42.26 ID:l4NtlJZA0
>>22
それでもいいかもしれない
私の中では、高校生の唯をピカチュウくらいにしたって感じなんだけど、ピカチュウって意外に小さかったと、今になって思ってるから
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:28:25.12 ID:l4NtlJZA0
主人公 梓 手持ちポケモン ゆい ハッサム デルビル 
     
注 今回、結構グダグダかもしれない

以下、ニビシティ編@ 「新たなるライバル」投下
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:29:49.13 ID:l4NtlJZA0
それは、ゆいが旅立つ前日のこと…

『えいっ』

ビューンっと、棒みたいなものが私に向かって飛んできます。私はよけきれずに、おでこに……
バーン。

『イテッ』

バタン。避けきれずに、おでこに命中し、倒れちゃった。う〜、痛い。

『ゆい、戦闘不能。勝者、うい』

『大丈夫、お姉ちゃん?』

私はういの手を借りて、起き上がる。

『大丈夫だよ。ありがとね、うい。結局最後までういには勝てなかったよ。やっぱり、ういはすごいよ』

『そんなことないよ。お姉ちゃんはもっと、強いよ』

『ふむ、相変わらず、ういは強いのう』

『あ、村長さんたちだ〜。こんにちは〜』

『こんにちは』

『うむ。それにしても、どうしてこう、姉妹で差がついたのかのう』

『えへへ〜』

『褒められてはないよ、お姉ちゃん』
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:31:41.57 ID:l4NtlJZA0
ここは、私の住んでいる島、キョウアニアイアイ諸島っていわれてるらしいけど、そこにある村が私の故郷なんだ。今、私は妹のウイと一緒に立派なポケモンになるための修行中なんだよ〜。といっても、明日には、トレーナーを探すために旅立つんだけどね。

『しかし、本当に大丈夫かのう。ういは問題ないが、ゆいはまだまだ、修行が必要じゃからのう』

『大丈夫だよ〜。私は強いもん』

『でも、ゆいは口だけだもんな』

『そうだよな。成績も最下位だし、全ての分野でトップクラスのういとは違うよな』

『これ!そういうことは言うもんじゃない。ゆいよ、後で、私の家に来なさい』

『は〜い』
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:32:39.52 ID:l4NtlJZA0
『お姉ちゃん、さっきのことは気にしない方が……』

『さっきのこと?えーと、何だっけ?』

『覚えてない。…さすが、お姉ちゃん。さっきの人たちの悪口だよ』

『ああ〜。別に気にしてないよ。ほんとのことだし。でもね、いつか、最高のトレーナーを見つけてきっと、強くなって見せるよ』

『お姉ちゃん……』

『だから、約束だよ、うい。次に私達が会う時は、全力で戦おう。いつもみたいに手を抜かないで』

『いつもって……。別に私は』

『私はういのお姉ちゃんなんだよ。それくらい分かるよ。でも、今度会う時は、きっと、別々のトレーナーになってると思うんだ。だから、私
達が手を抜いたら、迷惑かけちゃう。それはいけないことだよ』

『……分かったよ。今度、会う時は全力で戦おうね、お姉ちゃん』

『うん。約束』
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:34:11.85 ID:l4NtlJZA0
『来たよ〜、村長さん』

『うむ』

『で、用事ってな〜に?』

『やはり、心配だからのう。今からでも、やめにはせんか』

『それは村長さんでも無理だよ〜。私は最高のパートナーを見つけにいくんだ。これはもう決めたことなんだ』

『やっぱりのう。ゆいはそう言うだろうと思ったよ』

『用事はそれだけ?じゃあ、もう行くね。明日は早く起きないといけないから早く寝ないとね』

『待て。ゆいよ、お前には1つ、これだけは言っておく。お前がどんなトレーナーに就こうとも、トレーナーとの絆を大切にしなさい、これだけは忘れないでほしい。これが、わしから、ゆいに向ける最後の言葉じゃ』

『は〜い。じゃあ、おやすみなさ〜い』

『やれやれ、本当に分かっておるのかのう』
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:35:31.20 ID:l4NtlJZA0
「……ムニャムニャ。分かってるよ……そんなことは……」

「もう、いい加減起きて下さい!!」

「ふえ。もう、朝?もうちょっと寝かせてよ〜」

「寝ぼけないで下さい。もう、ニビシティですよ」

「う〜ん、あれ、いつの間に!?」

「いつの間に、じゃありませんよ。起きて、1時間くらいしたら、『疲れたから、抱っこして〜』っていうから、抱っこしたら、急に寝始めるんですもん」
「それは、きっと、あずにゃんの腕の中が気持ち良かったからだよ〜」

「……」

「ん?また、顔真っ赤だよ?」

「気にしないで下さい」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:36:31.67 ID:l4NtlJZA0
私たちは、何とか、気味の悪いトキワの森を抜け、ニビシティに到着することができました。トキワシティでは、挑戦することはできませんでしたが、このニビシティで始めてのジム戦に挑戦することになります。今から、緊張しますね。

「さて、ポケモンセンターに行って、早速……」

「美味しいものを食べるんだね!!」

「違います。ニビジムに挑戦するんです!」

まったく、いつものんきなんですから。

「え〜。でも、おなか減ったよ〜。ご飯食べないと力出せないよ〜」

「我侭言わないでください。それに、ゆい先輩が戦わなくても、私には、ハッサムとデルビルが……」

ぐう〜。

「……」

「あ〜、あずにゃんのおなかの音だ。可愛いね〜」

「……そうですね。まずは、きっちりと食事をして、万全を期して、ジムに挑戦すべきですね。ゆい先輩、まずは食事にしましょう」

「あ、ごまかした」

「うるさいです。嫌なら、ゆい先輩にはあげません」

「ごめんなさい」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:38:12.57 ID:l4NtlJZA0
私達はポケモンセンターでの回復を済ませ、お昼を食べることに。

「じゃあ、ここで食べますか」

私は、ファーストフードとして、カントー地方などの全国展開してるチェーン店に来ました。

「えー。せっかく、ニビシティに来たんだから、美味しいもの食べようよ〜」

「駄目です」

「ぶう〜ぶう〜、あずにゃん、最近冷たいよ〜」

「別に冷たくしてるわけではありません。いいですか、ゆい先輩。これは切実な問題なんです」

「どういうこと?」

「ゆい先輩は旅に出るのに必要なものは何だと思います?」

「う〜ん。……あ、わかった。パートナーとの相性!つまり、私とあずにゃんの相性だね。それなら、バッチシだよ」

「全然違いますから、勝手に興奮しないで下さい」

「え、違うの?う〜んと、え〜と、そうだ!パートナーとの絆だね。それもバッチシだよ」

「それも違います」

「ええ?!これも違うの。う〜、じゃあ、一体何なのさ」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:39:31.83 ID:l4NtlJZA0
「それはですね、お金です」

「お金?あずにゃん、たくさんトレナーに勝ったじゃん。お金も結構たまったと思うけど」

「確かに、貯まりましたよ。でも、ニビシティの後はおつきみやまに行くんですよ。だから、その準備で結構、お金がかかるので、あんまり、無駄遣いはできないんです」

「世知辛い世の中だね」

「そうなんです。だから、我慢して下さい」

「でもでも、せっかくニビシティに来たんだし、ここでしかできないことをしたいよ」

「それはそうですけど」

お財布の中だって、余裕があるわけじゃないんだし。う〜ん、そうだ。一度、入ってみたいところがあったけ。

「ゆい先輩、博物館はどうですか?」

「博物館?そこには、何があるの?美味しいものある?」

「美味しい物はありませんけど、見たいものがあるので」

「分かった、じゃあ、そこに行こう」

「でも、ジム戦が終わってからですよ」

「うぅ〜、仕方ないね。じゃあ、私は頑張って応援するよ」

「そうして下さい」

また、訳の分からない技を使われるのもごめんですし。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:40:27.24 ID:l4NtlJZA0
私達はそんなこんなで、お昼ご飯を済ませ、早速ニビジムへと向かいます。

「あずにゃん、ニビジムのジムリーダーさんはどんなポケモンを使うの?」

「確か、岩タイプですね。何でも、とっても我慢強い人だとか。名前はタケシっていうらしいです」

「ふ〜ん。……ねえ、その人って、男の人?」

「まあ、そうでしょうね」

タケシって、名前の女の人もなんだかな〜って、気になりますし。

「……むう〜」

「どうしたんですか、ゆい先輩。なんか、不機嫌になってますけど」

「だって、そのタケシっていう人が、かっこよくて、もし、あずにゃんが惚れちゃったら、嫌だなって。駄目だよ、あずにゃん。私がいるのに浮気しちゃ、嫌だからね」

「浮気以前に私たちはそんな関係でもありませんけどね」

「もう、恥かしがらなくてもいいんだよ〜」

「はいはい」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:41:20.67 ID:l4NtlJZA0
なんだかんだで、ニビジムに到着しました。初めてのジム戦。緊張しますがやってやるです。

「ねえねえ、あずにゃん」

ゆい先輩は私の頭の上で、話しかけてきます。(基本的に、ゆい先輩は私の横や後ろを歩くか、肩車みたいに私の頭のところにいます。まあ、早い話、サトシさんのピカチュウみたいな位置にいると考えてください)

「なんですか、ゆい先輩。人がせっかく気分を高めてるのに邪魔しないで下さい」

「ごめんね。でも、ジムのドアに貼り紙がしてあるよ」

「貼り紙?」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:42:27.53 ID:l4NtlJZA0
確かに何か貼ってありますね。ふむふむ、『本日は都合により、ジムリーダは不在のため、お休みさせていただきます』なるほど、お休みですか。……って、お休みですか!!

「そんな〜」

「お休みなら仕方がないね。さあ、あずにゃん。遊びに行こう!」

「行きません」

「あう〜、さっきから冷たいよ〜」

さて、これから、どうしましょうか。やっぱり、まずはレベルを上げるために特訓ですかね。デルビルもゲットしたばかりですし。

「あずにゃん、あずにゃん。さっき、博物館行くっていってたよね。そこなら、いいでしょ?行こうよ、あずにゃん」

「それもいいですね」

たしかに、私が行ってみたいところだから、行くのは構わないんですけどね。でも、ジム戦が終わって、ゆっくりと見学したいですし。まあ、たまにはのんびりするのもいいかもしれません。

「そうですね。じゃあ、博物館に行きますか」

「わ〜い。じゃあ、早くいこっ、あずにゃん」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:43:27.70 ID:l4NtlJZA0
そして、博物館に。

「ここが博物館?何があるの、あずにゃん」

「たしか、いろいろなポケモンの化石やスペースシャトル、後、つきのいしがあるそうです」

「……それって、面白いの?」

「ここでしか見られないって、昔、博士の助手をしてた時に聞いたので、一度見てみたいなって。それとも、ゆい先輩は嫌ですか?」

「そういうわけじゃないんだけど。まあ、いいや、行こうよ、あずにゃん」

とりあえず、中に入ることに。

「すいません、いくらですか」

「18歳未満の方は500円、一般は1000円になります」

むむ、ちょっと高いですね。前に聞いた時は50円って聞いたんですが。まあ、これも不景気のせいなんでしょうね。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:44:52.48 ID:l4NtlJZA0
「じゃあ、18歳未満、1枚お願いします」

「1枚ですか?そちらのあなたの頭にいる、お子様の分はよろしいんですか?」

「あ、いえ、この子は……」

「む、失礼だね。私は子供じゃないよ。私はこれでも、18歳なんだよ。それで、あずにゃんの恋人なんだよ〜」

「そうなんですか?とっても、お似合いですね」

ナデナデ。

「えへへ〜」

「な、何を言ってるんですか。この子はこんな姿でも、一応はポケモンなんです」

「そうは申されましても、証明するものがなければ……」

「仕方がありません。行きますよ、ゆい先輩」

「ちょっとだけにしてね、あずにゃん」

私はゆい先輩にボールを向ける。すると、ゆい先輩はボールの中に戻っていきました。

「出てきてください、ゆい先輩」

私は再び、ボールから、ゆい先輩を出します。

「ふう〜、相変わらず、ボールの中は窮屈で嫌だよ」

「あの、これで、信じてもらえましたか?」

「そうですね。まあ、いいでしょ。では、500円です」

私はお財布から500円を渡します。

「はい、ありがとうございます。ところで、そこのちっちゃいポケモンさんはなんて言うんですか」

「私はゆいっていうんだよ」

「じゃあ、ゆいちゃん。可愛い恋人さんと仲良く見学してきてくださいね」

「なっ!?」

「うん。じゃあ、またね〜」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:45:53.90 ID:l4NtlJZA0
「ふう〜。まったく、受付だけで疲れました」

「あ。あそこに何かあるよ。早くいこっ、あずにゃん」

「ゆい先輩はいつも元気でうらやましいです」

「えへへ〜。私はあずにゃんと一緒だといつでも元気になれるよ」

いつも思うけど、言ってて、恥かしくないのかな。

「わ〜、いろんな化石があるね」

「そうですね」

ここにはカブトプスやオムスターなどの化石が並んでいます。う〜ん、古代からポケモンがいるだなんてすごいですね。

「この大きな鳥さんは何かな?」

「これは、プテラですね」

「ふーん。いっぱい化石があって面白いね。2階には何があるのかな」

私たちは2階に来ました。

「ここには、スペースシャトルがあるね。あ、後、ただの石が飾ってある」

「それはつきのいしっていうんですよ。なんでも、おつきみやまに、昔落ちてきたとか」

「ということは、おつきみやまに行けば、見つけられるのかな?」

「そうですね〜。できれば見つけたいですね」

まあ、現実問題、厳しい気もしますけど。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:47:50.24 ID:l4NtlJZA0
「さてと。ある程度、展示物も回りましたから、もう行きましょうか」

「もうちょっと待ってよ〜。まだ、全部飲み終わってないよ。待ってて、すぐに飲むから」

私たちは展示物の見学を終えて、休憩スペースでジュースを飲んでます。

「すいませんです。ゆっくり飲んでいいですよ」

まだ、時間もありますからね。まったく、タイミングが悪いですね。ニビジムが休みだなんて。用事なら仕方がないんですけどね。

「そういえば、聞いたか?」

私がそんなことを考えてると近くに、男の人、2人がやってきました。

「何を?」

「ニビジムのことだよ。まさか、マサラから来た、3人のトレーナーにぼろ負けするんだからな」

澪先輩達のことでしょうか?うぅ、やっぱり私が一番遅いんですね。まあ、速さは競ってませんけど。

「ああ、聞いたよ。しかも、その後に、トキワから来たトレーナーにも負けたんだろ。そのうえ、全員女の子だってよ。まったく、うちのジムリーダーは弱いね」

へえ〜、トキワシティ出身の子も来てるんですね。しかも、女の子らしいですし、一度、会ってみたいものです。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:48:35.89 ID:l4NtlJZA0
「あずにゃ〜ん、全部飲めないよ〜」

「別に残しても、いいですよ」

「もったいないよ」

私は、ゆい先輩から缶を受け取りました。後、4分の1くらい残ってますね。まあ、これくらいなら、飲めるかな。たしかに残すのはもったいないですし。

「ねえねえ、あずにゃん。これって、間接キス?」

「ブー」

「あずにゃん汚いよ。急に噴き出すなんて」

「ゴホゴホ。……急に変なこと言わないで下さい」

「照れてるの?あずにゃ〜ん可愛い〜」

「うるさいです。もう、行きますよ」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:49:41.50 ID:l4NtlJZA0
「あそこで休憩にしようよ、うい」

「そうしよっか、純ちゃん」

「それにしても、ポケモンなのにこんなところに興味があるなんて不思議ね」

私の名前は、鈴木純。トキワシティ出身で、一応、ポケモンリーグに出るために、旅をしている。で、こっちの幼稚園児くらいの女の子はういっていうんだ。こんな容姿でも、ポケモンで17歳らしい。トキワシティで、迷ってたところを私が声をかけた。そしたら、お姉ちゃんとはぐれたらしいから、私が一緒に探してあげたんだけど、見つからなかった。だから、警察にでも、保護してもらおうかと思ったんだけどね。その時に私はポケモンだなんて言い出すからね。初めは何を言い出すんだと思ったけどね。それで、私にモンスターボールをあててみてくださいって言ったんだ。さすがにびっくりしてね、『もし、あなた、ういって名前だっけ。ういがポケモンだったら、私がトレーナーになるんけどいいの?』って聞いたら、『鈴木さんはいい人そうだから、問題ないよ』って言うもんだからね。とりあえず、モンスターボールを投げたら、本当にゲットできちゃったんだから、びっくりしたよ。

「せっかく、ニビに来たんだからね。こういうところにも行きたいと思ったんだけど、だめだった?」

「まあ、いいんだけどね」

それにしても、この子にも、お姉ちゃんがいるってことはこんな女の子みたいなポケモンがまだいるってんだから、不思議だよ、ポケモンは。果たして、そんなポケモンを誰がゲットしたのだろう。願わくば、特殊な趣味の方がゲットしてないことを祈るばかりだね。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:50:27.70 ID:l4NtlJZA0
「うるさいです。もう、行きますよ」

「まってよ〜、あずにゃ〜ん」

「まったく、ゆい先輩は……」

ドン。

「あ、イテッ」

「あ、すいません」

休憩スペースを出たところで人とぶつかってしまいました。

「すいません。大丈夫ですか」

「気をつけてよね。まったく、ちゃんと前見て歩きなさいよ」

「すいません」

「純ちゃん、そんな言い方しちゃ駄目だよ」

そんな声が聞こえたけど、この人の周りには、誰もいない。ふと、下を見ると、ちっちゃいポニーテールの女の子がいました。どこかで、見たことある容姿なんだけど、どこでしたっけ。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:51:10.78 ID:l4NtlJZA0
「待ってよ〜、あずにゃ〜ん。先に行くなんてひどいよ〜」

のんきな声が聞こえました。やっと追いついてきたようです。

「あ、お姉ちゃん」

「ん?あ、ういだ〜」

なるほど、この小さい女の子がどこかで見たことあると思ったら、妹だったんですね。なるほど。……って。

「「この子が妹(お姉ちゃん)!?」」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:54:15.14 ID:l4NtlJZA0
とりあえず、私たちは博物館を出て、喫茶店に。

「ねえ、あずにゃん。ケーキ食べていい?」

「駄目です」

「え〜、あずにゃんのケチ、ケチ。ぶう〜ぶう〜」

「分かりましたよ。でも、あんまり高いのは頼まないで下さい」

「わ〜い」

「それで、あなたたちは一体」

「私の名前は鈴木純。こっちは、こんな容姿でもポケモンで…って、あなたには分かるよね。なまえはういっていうんだ」

「ういです。よろしくお願いします」

随分、丁寧な子ですね。こっちで、のんきに「ケーキ、まだかな〜」って待ってる子とは大違いです。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:55:01.22 ID:l4NtlJZA0
「私の名前は中野梓です。こっちは…」

「私はゆいだよ〜。よろしくね、純ちゃん」

「よろしく。ところで、君はどこから来たの?私はトキワシティから、来たんだ」

「あ、私はマサラタウンから来ました」

「ふ〜ん、中野さんは、マサラタウンから来たんだ。ということは、あの人たちとも知り合いなの?」

「あの人たち?」

「ニビジムのリーダーに勝った人たちだよ。聞いたことない?」

「さっき、ちょっと、話してるのは聞きましたけど、よくは……」

「圧勝だったらしいよ。ほとんど、タケシにバトルさせなかったって話だし。ちょっとした、騒ぎだよ、今年のマサラは違うって。しかも、全員女の子だし」

やっぱり、澪先輩達ですね。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:56:09.76 ID:l4NtlJZA0
「ところでさ、あなたも強いの?」

「はい?」

「だってさ、マサラタウンの出身者の3人がこんなに強いんだから、あなたも強いのかなって」

「そ、それはどうでしょう。私はあの人達とは違いますからね」

「やっぱり、知り合いなんだ。あの人達の名前ってなんていうの」

「多分ですけど、秋山澪先輩、田井中律先輩、琴吹紬先輩だと思います」

「なるほどね」

「それにしても、ういでしたっけ。まさか、ゆい先輩の妹だなんて。びっくりしましたよ。妹がいるなんて聞いたことがなかったので」

「もぐもぐ、言ってなかったけ?」

「言ってません」

「お姉ちゃんとの旅はどうですか、中野さん」

「あ、梓でいいですよ。そうですね……」

「ラブラブで楽しいよ。ね、あずにゃん」

「さあ。それはどうでしょう。それよりも、口にケーキついてますよ」

「ん?…あずにゃん、拭いて〜」

「まったく、しっかりしてくださいね」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 19:57:35.26 ID:l4NtlJZA0
ふきふき。

「ものすごく仲よさそうだね、純ちゃん」

「そうね。……ところで、その、ゆいちゃんだっけ。どれくらい強いの?」

「え、えーとですね。それなりに強いというか」

「なんか、歯切れが悪いわね。……ねえ、今から、私のういとあなたのゆいちゃんで勝負しない?」

「今からですか」

「私達はこの後、おつきみやまにいくからね」

「でも、バトルをやってから行くと夕方になるから、危ないんじゃ……」

「おつきみやまの入り口に宿泊施設があるから、そこで休んで、明日の朝に山を抜けるのよ。それに、ゆいちゃんの強さもみたいし」

なるほど。私も、明日はジムリーダーと戦うわけだし、良い経験になっていいかもしれません。でも……。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:00:24.86 ID:l4NtlJZA0
「それじゃ、他のポケモンにしませんか。さすがに姉妹で戦わせるのは……」

「私は大丈夫だよ、梓ちゃん」

「そうですか。ゆい先輩は」

「もぐもぐ、もぐもぐ。ん?私は大丈夫だよ」

「まだ、食べてたんですか。まあ、2人がいいっていうなら、いいんですけどね。じゃあ、早く始めましょうか、鈴木さん」

「……」

「どうしたんですか、鈴木さん」

なんか、急にこの子何を言ってるんだろうって顔してるんだけど。

「鈴木さん?」

「……あ、ああ、うん。そうだね。ところで、見たとこ、同い年だよね。何歳?」

「17歳ですけど」

「やっぱり。もっと、フランクにいこうよ。鈴木さんじゃなくて純でいいよ」

「それじゃ、純。早く行きましょう」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:02:07.53 ID:l4NtlJZA0
私達は、ニビの外れに来ました。

「勝負は1対1。掛け金はなしでいいね」

「はい。それじゃ、頑張って下さい、ゆい先輩」

「任せてよ〜」

「それじゃ、うい。適当にね」

「そんな、いい加減な」

「問題ないでしょ。ういなら」

「そんなに過信されても困っちゃうよ」

「う〜い。あの時の約束覚えてるよね。手を抜いちゃだめだよ」

「……分かってるよ、お姉ちゃん」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:02:54.58 ID:l4NtlJZA0
「「バトル開始!!」」

「いけっ、うい。まずはおたまで遠距離攻撃よ」

おたま!?

「うん」

ういは両手に持ったおたまをゆい先輩に向かって投げてきました。

「よけて下さい、ゆい先輩」

「うん」

「うい」

「分かってるよ、純ちゃん」

ゆい先輩は最初の攻撃を何とかかわしました。

「わ〜い。よけたられたよ〜」

「!?油断しないで下さい」

「え」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:05:37.49 ID:l4NtlJZA0
ういはすでに、次のおたまを投げてきました。

「また、よけるから、大丈夫だよ、あずにゃん」

また、ゆい先輩はまっすぐ投げてきたおたまをかわしました。いつも、こんな風にしてくれればいいんですが。

「さすが、お姉ちゃん。……でも、アウトだよ」

「え。・・・・・・あ、イテッ」

ゆい先輩がよけた先でにはさっきのおたまよりもスピードの速いおたまがゆい先輩のおでこに命中しました。さっきのは囮!?
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:06:45.41 ID:l4NtlJZA0
「次は、フライパンで叩きつけて、うい」

「分かったよ」

今度はおたまじゃなくて、フライパンを持って、突っ込んできます。

「ゆい先輩。来ますよ」

「あうう〜」

ゆい先輩はさっきの攻撃でちょっとクラクラしています。ま、まずいです。

「ごめんね、お姉ちゃん」

ういちゃんはフライパンを振り上げ、ゆい先輩の頭に、叩きつけます。

バーン。

見事にヒットしてしまいました。

「ゆい先輩!!」

「大丈夫〜、まだ戦えるよ〜」

そんな、目を回してる状態で言われても説得力がないです。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:09:29.85 ID:l4NtlJZA0
「うい。最後はバットでトドメよ」

「……うん、分かったよ」

ういちゃんはバットをゆい先輩に野球選手のようにスイングし、ゆい先輩は吹っ飛ばされてしまいました。

「わ〜」

「ゆい先輩。大丈夫ですか!!」

「うう〜、大丈夫だよ」

ゆい先輩はいつもよりもゆっくりと、足を引きずりながら、こっちに歩いてきます。

「うい。成長したね、前よりも強いよ」

「ありがと、お姉ちゃん」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:11:15.72 ID:l4NtlJZA0
「でも、私だって、強くなったんだからね。いくよ、ゆいちゃん真拳奥義『分身の術』」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン

ゆい先輩の掛け声と煙とともに、また、ゆい先輩のヌイグルミが。でも、今度はういちゃんの周りを取り囲むように、並んでいます。

「慌てることないわ。所詮はヌイグルミ。分身っていっても、本体は正面よ」

「分かったよ、純ちゃん」

ういは正面に向かって、バットを振り回してきます。……正直、ちょっと怖いです。

今だ! ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃん衝撃波』」

その声とともに横から、ゆい先輩はギターで、衝撃波を出して、正面に突撃しようとするういちゃんに攻撃を仕掛けます。

「何!?よけて、うい」

「……くっ。さすがにこれは」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:13:10.39 ID:l4NtlJZA0
ういはよけきれずに、吹っ飛ばされそうになりながらも、何とか耐えました。

「今のは効いたけど、でも、次は効かないよ」

「まだまだ、行くよ〜。ミュージックスタート(GO!GO!MANIACを想像して下さい)」
を想像してください)」

またどこからか、音楽が鳴り始めました。前とは違う音楽のようですが。この歌とともに、周りのゆい先輩のヌイグルミが音楽に乗って、ういに襲い掛かります。

「な、何よ、この技は……うい、対処できる?!」

「ごめん、ちょっと厳しいよ」

確かにういも頑張ってるけど、数が多いので、全てを処理できずに、かなりのダメージを受けています。

「さあ、フィナーレだよ。みんな〜」

ゆい先輩の掛け声でヌイグルミの皆が3列に並びました。

「行くよ、うい。ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃんパレード』」

3列に並んだ、ゆい先輩のヌイグルミがういに向かって突っ込んでいきます。

「かわして、うい!!かわせば、勝機が……」

「ごめんね、さすがに無理だよ」

バーンと、ゆい先輩のヌイグルミたちがういに突っ込み、ういは上に飛ばされました。

「さすがはお姉ちゃん。とっても、強いよ」

ガシャンとういが地面に落ちました。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:15:36.03 ID:l4NtlJZA0
「……やれやれ。私の負けね。うい戦闘不能。よって、梓の勝利ね」

「大丈夫、うい」

ゆい先輩はういに駆け寄ります。

「私は大丈夫だよ、お姉ちゃん。それにしても、まだ、別れて、1ヵ月もたってないのに随分強くなったね」

「えへへ〜。ういも強かったよ。それに約束を守ってくれてありがと」

「うん。でも、次は負けないよ」

「私だって。……うぅ、エネルギーが……」

バタン。

「わ。お姉ちゃん、大丈夫?」

「うぅ、あずにゃ〜ん。抱っこして〜」

「やれやれです」

私はゆい先輩に駆け寄り、抱っこします。

「あずにゃん分補給〜」

「まさか、そんなに強いなんてね、その子」

「そうだね。私自身もゆい先輩の強さはよく分かってないから」

「なるほどね。じゃあ、ポケモンセンターにでも行って回復させましょうか。もうそろそろ出なきゃだし」

「そうですね」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:17:58.29 ID:l4NtlJZA0
私は梓とポケモンセンターで回復させた後、別れて、おつきみやまに向かうべく、出発していた。

「まったく、ういが負けちゃうなんてね」

「だから、言ったじゃない。お姉ちゃんは強いって」

「でも、そんなに注意する必要もないかな。次、戦えば勝てるでしょ?」

「そんなに自信満々に言われても……。それにしても、梓ちゃんはすごかったね。お姉ちゃんの力をあんなに引き出すなんて」

「梓ね。真面目そうな感じだけど、まだまだあまいわね」

「うわっ。言い切ったよ」

「いいでしょ、別に」

「優しそうでいい子だと思うけど」

「優しいだけじゃだめなのよ。まあ、いずれ、分かるでしょ。あの子も」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:20:06.41 ID:l4NtlJZA0
その夜、ポケモンセンターにある宿泊施設にて。

「あずにゃん。もう寝ようよ〜」

「もう少し、待って下さい。これを読み終わってから寝ますから。ゆい先輩は早く寝てください」

「何を読んでるの?」


「博士のところで助手をしていた時にまとめてたノートです。明日はジム戦だから、ちゃんとしておきたくて」

「早く、寝ないと力出ないよ。だから、一緒に寝よう」

「どさくさにまぎれてなにを言ってるんですか。早く、自分の布団に戻ってください」

「ぶう〜、ぶう〜」

でも、たしかに、いい時間ですね。そろそろ寝ますか。

「ゆい先輩」

「なに。今、私は一人寂しく寝るんだけど」

「そんなにすねないで下さいよ。……たまには、こっちに来ていいですよ」

「え、いいの?!」

「今日は頑張りましたからね。特別です」

「わあ、ありがとね、あずにゃん」

ゆい先輩は枕を持って、嬉しそうに私の布団にやってきます。

「おやすみなさい、ゆい先輩」

「おやすみ、あずにゃん。……明日も楽しい日になるといいね」

「そうですね」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 20:23:28.31 ID:l4NtlJZA0
以上、ニビシティ編@終了

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 20:44:00.62 ID:b78GbmDDO
乙!
てかピカチュウ一族とヒトカゲとミズゴロウしか知らんオイラにゆいとういがどれくらい強いのか教えてくれんか?
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/18(水) 22:21:06.22 ID:l4NtlJZA0
>>60
それを答えるのは難しいな。とりあえず、ういはそれらよりも強い。
ゆいは梓がいれば、強いということで。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:13:33.52 ID:iX6EJWeI0
主人公 梓 手持ちポケモン ゆい ハッサム デルビル 
     
注 今回もグダグダな感じに。だんだん、ひどくなっていくな

以下、ニビシティ編A 「VSタケシ」投下
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:14:26.18 ID:iX6EJWeI0
それは、私が助手をし始めた時のお話。

『ポケモンバトルで大事な能力や大事なことは何じゃと思う』

『攻撃力だろ。やっぱり、力で押さないとな』

『あら、りっちゃん。力だけじゃ勝てないわ。特殊や補助技を駆使しないと勝てないわよ』

『ふむ。梓君はどう思う』

『は、はい。えーと、ポケモンとトレーナーとの絆だと思います』

『ぷっ。梓、何を言ってんだよ。絆だなんて』

『む。笑わないで下さいよ、律先輩』

『でも、さすがに、絆じゃ勝てないんじゃないかしら』

『ムギ先輩まで。澪先輩はどう思います?』

『私か。私は絆でもいいんじゃないか。ようは勝てばいいんだよ。梓がそれを正しいと思うなら、それで勝てばいい。そうすれば、律達だって認めるさ』

『さすが、澪。言う事が違うな』

『うるさい』

『で、博士。正解は何です?』

『正解はないともいえるし、あるともいえるのう。つまりは、結局、その人しだいということじゃな』

『何だよ、博士。そんな問題だすなよ』

『うむ。じゃが、大切なことじゃからのう。それらを意識して、今度の冒険でも活かしていってほしいからのう』
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:15:14.49 ID:iX6EJWeI0
「……ううん、もう朝か」

「ムニャムニャ。……あず…にゃん。ケーキ美味しいね……ムニャムニャ」

「そっか、昨日は一緒に寝てたんだっけ。今、何時だろ」

時計を見ると、まだ、5時半か。どうしようかな。起きるのには早いし。でも、今日はジム戦だし、起きて散歩でもしよう。私は、簡単に準備をして、散歩に行くことにしました。

「……んん。…もう朝?ムニャムニャ、あずにゃんどこ行くの?」

「すいません、起こしてしまいましたね。散歩に行くだけですから、まだ、寝てて下さい」

「散歩?……私も行くー。……ぐー」

寝ちゃった。また起こすのも悪いから、さっさと、行きましょう。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:16:34.32 ID:iX6EJWeI0
「ふう〜、今日も良い天気になりそうですね」

まだ、朝日も出たばかりだけど、気持ちの良い日にはなりそうだ。

「さすがにこんな時間だから、人通りも少ないか」

それにしても、1人で、歩くのも久しぶりだなー。最近はゆい先輩といつも一緒でしたからね。それが別に嫌だって言うわけじゃありませんが、たまには、1人もいいものです。ただ、いつも、明るく話しかけてくれる人(というべきかは謎だけど)がいないと寂しいなって何考えてんだろう、私は。

「もしもし、そこのお嬢さん」

そんなことより、今日のジム戦をどう戦いますか。たしか、岩タイプを使うタケシにはデルビルは辛いですね。そうだ、まったく関係ないけど、デルビルにお手入れをしてあげよう。

「もしもし、そこのお嬢さん」

それにしても、手持ち少なすぎです。もう少し、増やさないとこの先、苦労することになるでしょうし。

「もしもし、そこのお嬢さん!!」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:17:28.98 ID:iX6EJWeI0
「え?私のことですか」

「ええ、もちろんです。他には誰もいないでしょう」

周りを見ると、女の人はいても、お嬢さんと呼べる年齢じゃありませんし。1番、お嬢さんと呼ばれるのは私でしょうね。

「すいません。ぼーっとしてたもので。で、用事は何ですか?」

「いえ、美しいお嬢さんがいたから声をかけただけです。どうですか、一緒に朝食でも」

「結構です」

朝から、ナンパってやつですか。朝からついてないですね。

「そんなに冷たくなさらなくてもいいじゃないですか。自分の作る朝食は美味しいと思いますよ」

「あ、いえ、本当に結構ですから」

「……そうですか」

うわ。露骨に落ち込んでます。こっちは悪くないのに、何故か、罪悪感でいっぱいです。

「……では、せっかく会ったんですし、ポケモンバトルでも」

「まあ、それくらいなら。でも、その前にあなたの名前は何です?」

「ああ、申し遅れました。自分は……」

「あずにゃ〜ん」

ん?あの声は……。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:18:20.47 ID:iX6EJWeI0
梓が散歩に出て、すぐの事に遡る。

「……う〜ん。おトイレ〜」

おトイレを済ませ、部屋に戻る途中に時間を見ると、まだ、5時50分くらいだ。まだ、起きるのには早いよ。ねむねむだよ〜。

「うぅ〜、あずにゃん分〜」

私は半分寝ている状態で、あずにゃんを抱き枕みたいにして、寝ようと、あずにゃんを探します。

「あれ?あずにゃんがいない」

どこに行ったんだろう?トイレかな?でも、さっき行った時はいなかったし、行き違いになったのかな。

「まあ、いいや。眠いから寝よ。……ん?」

ふと、見ると、あずにゃんのパジャマが綺麗にたたんである。それに、昨日、置いてあった場所にモンスターボールがない。まさか、私を置いて、もう旅に。でも、こんな時間じゃ、まだ、ジムは開いてないはず。う〜ん、駄目だ。眠くて、頭が回らないよ。仕方がない、お着替えして、探しに行こう。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:19:14.82 ID:iX6EJWeI0
「まったく、私の嫁さんは苦労をかけるよ」

あずにゃんがいれば、何を言ってるんですか、みたいなことを言ってくれるんだけど、それがないのが寂しい。私は着替えて、外に出た。あん
まり、朝早く出たことはないけど、気持ちのいい空気だ。

「あずにゃんはどこかな?」

ちょうど、その時、お散歩していたおじいちゃんがいたので、聞いてみた。

「ねえ、ねえ、おばあちゃん。あずにゃん知らない?」

「あずにゃん?だれじゃのう、聞いたことがないのう。お嬢ちゃんの親御さんかな?」

「違うよ。えーと、じゃあ、ツインテールの女の子を見なかった」

「それなら、あっちの方で、男の人と会ってたよ」

「そっか、ありがと。……男の人?ねえ、おじいちゃん。その子、男の人と一緒だったの?」

「おお、そうじゃ」

「……そっか。ありがと、おじいちゃん」

「まったく、タケシにも、困ったもの……あれ?お嬢ちゃんはもう行ってしまったのかのう。最近の若者はせっかちじゃのう」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:20:10.52 ID:iX6EJWeI0
現在に戻る

「あずにゃ〜ん」

ん?あの声は……。

「ゆい先輩。もう、起きたんですか」

「もう、起きたんですか、じゃないよ。ひどいよ、私という者がいながら、男の人と会うなんて」

「開口一番意味わからないこと言わないでください。私が散歩してたら、この人が声をかけてきたんです」

「あ、妹さんですか。可愛いですね」

なでなで。

「えへへ〜。……はっ。違うよ、私は妹じゃないよ。失礼だね」

「妹じゃない?とすると、従姉妹さんかな?」

「それも、違うよ。私とあずにゃんはこ……もがっ」

「そうなんですよ。ちょっと、散歩してたら、この子が起きて、心配だから、私を探しに来たんだと思います。えっ、もう朝食の準備ができたから、呼びに来たって?すいませんけど、私はそろそろ……」

「なるほど。自分も兄弟の朝食の準備があるので失礼します。また、ご縁があれば」

「ええ。では機会があれば」

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:20:51.49 ID:iX6EJWeI0
「ふう〜、やっと行きましたね」

「モガモガ」

「あ、すいません、ゆい先輩」

「はあはあ、ひどいよ、あずにゃん」

「すいません、あの場はああするしかないなって……。苦しくなかったですか?」

「それは大丈夫だけど、私を従姉妹扱いするなんて。しかも、さっきの男の人は何?」

「知りませんよ。歩いてたら、声をかけられたんですから。それよりも、どうして、ゆい先輩はどうしてここに」

「そうだ、大事なことを忘れてたよ。あ〜ずにゃ〜ん」

「にゃっ。どうして急に抱きつくんですか」

「あずにゃん分の補給〜。そして、おやすみなさい。ぐう〜」

「寝ちゃった。くす、まあいいや、私も戻ろうっと」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:21:52.39 ID:iX6EJWeI0
その後、私はゆい先輩を連れて、宿泊施設に戻って、朝食を取り、いよいよ、ジムリーダーに挑戦するために、ニビジムにやってきました。

「いよいよですね」

「うん、そうだね。私も頑張るよ、応援を」

「頑張ってください」

私はニビジムのドアを開けます。ジムの中には岩がところどころに置いてあるフィールドがあり、周りにはそれを見るためのスペースがあります。でも、ジムリーダーらしき人はもとより、誰もいません。

「すいません、どなたかいませんかー」

「はいはい、どちら様でしょうか。……あ、あなたは今朝会った……」

「え?!あなたがタケシさんですか」

たしか、我慢強い男って聞きましたが、どこがなんだろう?
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:23:19.62 ID:iX6EJWeI0
「では、あらためて。自分はニビジムリーダーのタケシです」

「あ、私はマサラタウン出身の中野梓です」

「マサラ?とすると、澪さん達と知り合いですか」

「まあ、そうですね」

きっと、澪先輩達にも声をかけたんだろうな。

「それにしても、こんな小さな従姉妹さんと旅とは大変でしょ。自分も、小さい弟や妹がいるもので」

「む〜、違うよ。さっきは言えなかったけど、私はあずにゃんの恋……もが」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:24:44.27 ID:iX6EJWeI0
「ゆい先輩。前から、気になってたんですけど、恋人って意味分かって言ってます?」

「失礼な。……えーと、ポケモンとトレーナーがすごい信頼関係で繋がれているてことでしょ?」

「全然違います」

「え、そうなの?」

「一体、誰に聞いたんですか」

「えーと、村長さんがね、恋人さんみたいにトレーナーのことを好きになりなさいって、教わったんだ」

一体、何を教えてるんだろうな、その人。ってことは今まで、私のことを好きって言うのはこの人の教えだからなのかな。なんでだろう、あんまり面白くない。

「じゃあ、恋人ってな〜に?」

「恋人というのはですね……ゴホン。いいですか、ゆい先輩。恋人は恋愛関係で結ばれたものなんです」

「そうなの?」

「そうなんです。ゆい先輩の言ってる好きっていうのは、恋人としてなのか、友達としてなのか、トレーナーとしてなのか、どれです?」

「う〜ん、よく分かんない」

「あのー、バトルの方は……」

「あ、すいません。……とにかく、あんまり恋人とか言わないで下さい」

容姿が容姿なだけに、変態さん扱いをされてしまうかもしれません。それにちゃんと、恋人を選びたいし。でも、ゆい先輩も私の恋人としてはありだとはおも……ゴホン。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:25:20.54 ID:iX6EJWeI0
「分かったよ。じゃあさ、あずにゃん」

「なんですか?」

「私がその好きって意味に気づいて、本気であずにゃんの恋人になりたいって言ったら、受け入れてくれる?」

「そ、それは……現時点ではなんとも」

「そっか」

「そ、そんなことよりバトルです。さあ、勝負です、タケシさん」

「え、ええ。いつでもかまいません」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:26:20.51 ID:iX6EJWeI0
「使用ポケモンは2体。掛け金は1万円。先に全滅させた方が勝ちとする」

「あのー、1万円というのは……」

「最近は不景気でして。まあ、勝てば問題ありません」

「そ、そうですね」

勝たなきゃ、財布が大ピンチです。

「ねえねえ、あずにゃん」

「なんですか?」

「今回、私も戦いたい」

「珍しいですね。でも、今日は応援するって……」

「あずにゃんにいいとこ見せたいから」

「そ、そうですか」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:26:58.22 ID:iX6EJWeI0
「では」

「「バトル開始!!」」

「よし、頑張るよ」

「下がっていてください、ゆい先輩。いけ、ハッサム」

「え、私じゃないの?」

「ゆい先輩は後です」

「いけ、ゴローン!!」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:28:18.80 ID:iX6EJWeI0
タケシさんはゴローンですか。まあ、さっきの雰囲気からそんなに強くは……!?

「どうしたの、あずにゃん?手震えてるよ」

「……え、あ、ああ、大丈夫です」

さっきまでの優しそうな雰囲気から、バトルになったら、急に変わりました。例えるなら、囲碁とかの名人とかと対峙した時の威圧感みたいな
感じです。し、正直、怖いです。

「どうした。来ないなら、こっちから行くぞ。ゴローン、ころがる攻撃」

「ゴロン」

ゴローンは転がりながら、ハッサムに向かって突っ込んできます。

「よけて、ハッサム」

「ゴローン」

ハッサムは何とか、攻撃をかわしますが、ゴローンは方向を急に変え、ハッサムに突っ込んできます。だ、駄目、よけきれない。

「ハッサム」

ゴローンの攻撃はハッサムに命中し、上に飛ばされました。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:29:43.67 ID:iX6EJWeI0
「ゴローン、落ちてくるところを追撃しろ、ばくれつパンチだ」

ま、まずい。このままでは……?!え、えーと。

「ハッサム」

私が、判断を迷っていると、ゴローンの追撃を受け、ハッサムは飛ばされてしまいました。

「なんだ、この程度か。ゴローン、トドメだ。きあいパンチ」

「ハッサム、よけて」

でも、ハッサムは目をぐるぐる回してます。

「知らないのか。ばくれつパンチをくらうと必ず混乱するってことを」

あ、しまった。ハッサムはそのまま、ゴローンの攻撃を受け、ガシャーンっと、壁に激突してしまいました。

「終わったか。審判、判定を」

「ハッサム、戦闘ふ……」

「待って。サムちゃんはまだ戦えるよ」

「えっ」

「何?!」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:30:31.70 ID:iX6EJWeI0
ハッサムはほこりの中からもなんとか、立ち上がっています。

「あずにゃん、落ち着いてよ。あずにゃんは毎日、毎日、頑張って、サムちゃんの技とか戦術とかを頑張って、夜遅くまで、考えたりしてたじゃん。きっとうまくできるよ」

「ゆい先輩」

そうだね、私が慌てふためいては駄目だ。しっかりしないと。

「ハッサム、まだ、戦える?」

「ハッサム」

ハッサムは頷いてくれた。

「ありがと。そして、ごめんなさい。私が不甲斐なくて」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:31:07.64 ID:iX6EJWeI0
「だが、体力も残り少ない。ゴローン、ころがる攻撃」

「ハッサム、かわして、メタルクロー」

ゴローンのころがるをなんとかかわして、ゴローンの横にメタルクローを命中させて、ゴローンをふっ飛ばしました。

「追撃です、アイアンヘッド」

「避けろ、ゴローン」

ゴローンは避けきれず、ハッサムの攻撃を受け、さっきのハッサムのようにふっ飛ばされてしまいました。よし。これで、私の勝ち……。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:32:29.44 ID:iX6EJWeI0
「油断しちゃ駄目だよ、あずにゃん。さっき、サムちゃんも戻ってきたんだから」

「そうでした。ハッサム、トドメです。バレットパンチ!!」

ハッサムは立ち上がろうとするゴローンに追撃をいれ、ゴローンは動かなくなりました。

「ゴローン、戦闘不能。ハッサムの勝利」

「やるな。では、次だ。いけ、イワーク」

「戻って、ハッサム」

「ふっふっふ。いよいよ、私の番だね」

「大丈夫ですか?」

「問題ないよ」

「君、君。ポケモン以外はフィールドに入っちゃ駄目だよ」

「む。失礼な、私はポケモンだよ」

「そうなんですか、中野さん」

「まあ、これでも、ポケモンなんです」

仕方がないので、いつもどおり、モンスターボールの出し入れを行い、証明する。

「なるほど。しかし、その容姿じゃ……」

「かまいませんよ。ただ、手は抜きませんが」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:33:50.89 ID:iX6EJWeI0
「タケシさんが言うなら……。ではバトル続行です」

「イワーク、あなをほれ」

「イワーク」

「ゆい先輩、気をつけて下さい。下から、来ますよ」

「下からって言われても……」

ビギ。ゆい先輩の後ろの地面にひびが……。

「後ろです、ゆい先輩」

「イワーク」

「わー」

後ろから、イワークが地面から出てきて、その衝撃、ゆい先輩がコロコロと転がってしまいました。

「イワーク、しめつける攻撃」

イワークは倒れてるゆい先輩をそのシッポで拾い上げて、しめつけ始めました。

「ゆい先輩!!」

「あ〜う〜、苦しいよ〜」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:34:33.69 ID:iX6EJWeI0
……どうすべきか。ハッサムに交換する?でも、さっきの戦いで、だいぶ、ダメージが。でも、このままじゃ、ゆい先輩が。

「イワーク、トドメだ。そのまま、その子を地面に叩きつけろ」

え、そんなことしたら、ゆい先輩は……。イワークはそのまま、シッポを振り上げて、ゆい先輩を地面に叩きつけるために下に振り下ろしました。このままじゃ……。

「待って、このしょ……」

「まだ、大丈夫だよ。ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃんクッション』」

突如として、イワークが叩きつける地面にはゆい先輩の顔の入った大きなクッションが出て、衝撃を和らげました。

「何!?」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:35:02.12 ID:iX6EJWeI0
「ふう〜、危なかったよ〜」

ゆい先輩はイワークが油断してるうちに脱出していたようです。もう、ゆい先輩の能力はわけが分かりません。

「さすが、ジムリーダーだよ。今までとは、全然違うよ。こうなったら、私の超奥義を見せるしかないよ」

「超奥義?」

あんなわけの分からない技のさらに上を行く技があるんですか。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:35:47.97 ID:iX6EJWeI0
「いっくよ〜、ゆいちゃん真拳超奥義『アツアツ☆パラダイス』」

突如として、周りが今まで戦っていたフィールドから、喫茶店の中みたいな光景になりました。

「これは一体……」

「イワーク」

「何なんですか、これは」

「この奥義は、今から、カップルのいろんなアツアツな光景が見ることができるんだよ」

「それに一体どんな意味が」

「かまうな、イワーク。とっしんだ」

イワークはゆい先輩に向かって、とっしんするけど、それをひらりとゆい先輩はかわした。

「無粋だな〜、まったく。少しは落ち着きなよ。あれを見てさ」

ゆい先輩が指を指したほうには喫茶店の二人連れで正面に座ればいいのに隣同士で座ってる人達というかあれは……
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:36:19.86 ID:iX6EJWeI0
『あずにゃん、あ〜ん』

『あ〜ん』

パク。

『美味しい?』

『美味しいんですけど、どうして正面に座らないで、隣に座るんですか?』

『あずにゃんの近くに居たいからなんだけど、駄目かな?』

『駄目じゃありませんけど……』

『じゃあ、もう一回。今度は私にして』

『わ、分かりました。仕方ないですね、ゆい先輩は』
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:37:10.95 ID:iX6EJWeI0
うわ〜、なにあれ。片方の人は私にそっくりで、もう1人のほうはゆい先輩を大きくした感じですね。
冷静にいってるけど、この技ってなんか意味が……。というか、こんなの喫茶店にいたら、確実に因縁つけられそうですね。

「イワーーーク」

ジュジュー、ビキビキ。

イワークの体のところどころが火で炙ってるみたいに赤くなり、イワークの体にひびが入り始めています。

「この技はこのカップルのアツアツぶりについていけないと、体中が熱くなって、ダメージを受けるんだよ〜。じゃあ、次の世界に行ってみよう」
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:37:40.23 ID:iX6EJWeI0
その声とともに、世界が変わります。今度の世界は、雨の降ってる道ですね。雨が降ってるといっても立体映像みたいで、私は濡れませんが。ここでは、一体どんなことが。

「この技はやばい。イワーク、あなをほって、地面に逃げろ」

イワークは地面に逃げようとしますが、ゴツンと地面にぶつかってしまいました。

「無駄だよ。この世界からは逃げられないよ。ほら、始まるよ〜」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:38:55.73 ID:iX6EJWeI0
『ほら、あずにゃん。もっと、近くに寄らなきゃ濡れちゃうよ』

『は、はい。それにしても、ついてませんね。いきなり、雨が降るなんて』

『まったくだよ。……と言いたいけど、私はあずにゃんと相合傘できるから、悪くないよ』

『変なこと言わないで下さい。それにしても、小さい傘ですね。2人だときついですね。コンビニがあれば傘を買いましょうか』

『もったいないし、いいよ。それに小さいほうがお互いにくっつけていいと思わない?』

『いつも、くっついてるじゃないですか』

『そうなんだけどね〜。でも、雨の日はそういう機会もないし。……えいっ』

ぎゅっ。

『にゃっ』

『こうして歩いていけば、濡れずにすむよ』

『急に抱きつかないで下さい。歩きづらいですよ、まったく。……早く帰ってから、ゆっくりした方が……』

『なんて言ったの?ちょっと聞こえなかったんだけど』

『なんでもありません』
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:39:34.61 ID:iX6EJWeI0
「イワーーーーーク」
イワークの体がさっきよりも多くの範囲で火で炙ってるみたいに赤くなり、イワークの体がその熱でたくさんひびが入り始めて、さっきよりもひどい状態に。そして、ガシャンと倒れました。

「次がラストだよ〜」

のんきな声とともに、次の世界が。今度は木枯らしの吹公園みたいですね。やっぱり、あそこに、2人組みが……。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:40:53.42 ID:iX6EJWeI0
『今日は寒いですね』

『こんな日にはマフラーだよね』

『でも、長くありませんか』

『それはね、あずにゃんと一緒にするためだよ〜』

あずにゃんの首にマフラーをかける。

『あったか、あったかだね。あずにゃん』

『それはいいんですけど、2人だと短くありません?』

『それはね』

ぎゅう〜。

『あずにゃんと密着して、体全体を暖めるためだよ』
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:41:59.65 ID:iX6EJWeI0
「イワーーーーーーーーーーーーーク」

イワークの体全体が火で炙ってるみたいに赤くなり、イワークの体がその熱でたくさんひびが入り始めて、さっきよりもひどい状態に。そして、ガシャンと倒れました。それでも、なんとか、起き上がろうとしています。

「もういいかな?いくよ〜、ギー太」

ゆい先輩の持ってるギターが光り輝いています。

「この技のもう1つの意味はこの技によって出た、エネルギーは敵にダメージを与えるだけじゃなく、ギー太に蓄積されるんだ。そして、その
エネルギーを開放して、敵に大ダメージを与えるんだよ〜」

「!? よけろ、イワーク」

「ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃん衝撃波スーパー』」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:43:01.55 ID:iX6EJWeI0
ゆい先輩のギターから、ビームがイワークに向かって、発射され、イワークはさっきまでの攻撃によるダメージの蓄積で、避けきれずに直撃し、壁まで、ふっ飛ばされてしまいました。

「ま、まさか、イワークをふっ飛ばすなんて、いったい、どれくらいの力なんだ」

「イワーク、戦闘不能。えーと……」

「ゆいだよ〜」

「ゴホン。ゆいの勝ち。よって、中野選手の勝利です」

「……勝っちゃいました」


「わ〜い。やったね、あずにゃん」

「まさか、負けるとは。おめでとう、君にはポケモンリーグ規定のグレーバッチを渡そう」

「あ、ありがとうございます」

ついにやりました。まだ1個目ですが、ようやく、ポケモンリーグへの道に1歩近づけた気がします。

「やったね、あずにゃん。おめでとう。……でも、もう駄目だよ〜。あずにゃん分〜」

「はいはい」

私は、ゆい先輩を抱っこします。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:43:37.23 ID:iX6EJWeI0
「ありがとうございました、タケシさん」

「いえいえ、こちらこそ、楽しいバトルでした

「では、私たちはおつきみやまに向かいますので」

「次のジムも頑張って下さい」

「はい、ありがとうございます。また、機会があれば、バトルしてください」

「ええ、喜んで」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:44:31.13 ID:iX6EJWeI0
「お兄ちゃん、また、負けちゃったの?」

「またとは、失礼だな」

「だって、これで5連敗だもんな」

「そ、それを言われるとつらいな」

「で、今日の人はどうだったの?強かったの?」

「あの、ゆいっていうポケモンはそれなりのポケモンだったな。ただ……」

「ただ?」

「トレーナーがな」

「そうなの?それなりに頑張ってたと思うけど」

「頑張ってたとは思うけど、最初の4人と比べると甘いな」

「厳しいんだね」

「だけど、面白いコンビだとは思うぞ。一見、真面目で、しっかりしてるけど、心がまだ弱いトレーナーとのんきそうな感じだけど、大事なところでは心が強いポケモンだったからな。これからが楽しみなコンビだ」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:45:35.68 ID:iX6EJWeI0
「あずにゃん。もう、おつきみやまに行くの?」

「ええ。ポケモンセンターで回復してから。といっても、純の話では宿泊施設があるらしいので、今日はそこで宿泊する予定ですけどね」

「そっか」

なんとなく、寂しそうな顔をするゆい先輩。

「……ゆい先輩、ポケモンセンターに行ったら、どこかで甘いものでも食べますか?」

まあ、今日はゆい先輩も頑張りましたからね。

「え、いいの?」

ゆい先輩はニコッと笑顔になりました。私としてはその顔が見た……ゴホン。

「今日はゆい先輩のおかげで勝てたんですから、特別です」

「わ〜い。何を食べるの?」

「ゆい先輩が決めていいですよ」

「わ〜、あずにゃん、太っ腹」

「ただし、高いものは駄目ですけどね」

「え〜、ぶう〜、ぶう〜」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/21(土) 22:48:27.03 ID:iX6EJWeI0
ニビシティ編A、終了。

戦闘がひどいと思うけど勘弁してください。

念のために、ゆいの戦闘は分かると思うけど、ボーボボをモデルにしてます。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/05/21(土) 23:26:02.63 ID:dXRvbRBP0
ボーボボとか懐かしいなww
また続き期待しているよGJ!


という俺も早くSS更新しなきゃな……
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:11:38.88 ID:15vI4tBr0
主人公 梓 手持ちポケモン ゆい ハッサム デルビル 
     
注 一部残酷な表現(?)もあるかもしれないから注意

以下、おつきみやま編 「ロケット団との死闘・前編」投下
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:12:10.36 ID:15vI4tBr0
梓達が純達と戦った日のヤマブキシティ近くのある研究所にて

『……ハア……ハア』

『脱走したぞ。早急に捕まえろ』

『くそっ。どこに行きやがったんだ』

『貴重な実験材料だったんだぞ』

ボクは、ここから逃げなきゃと思った。この力は、こんな人たちに使わせちゃいけないと思ったから。

『多少、傷つけてもかまわねえ。さっさと、捕まえろ!!』

そして、願わくば、心の綺麗な人たちに使ってほしかったから。おそらくは異端であるこの力を。
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:13:23.15 ID:15vI4tBr0
「このお花可愛いね、あずにゃん」

「そうですね〜」

私達はニビジムでタケシを倒し、おつきみやま近くの宿泊施設にむかって、歩いているところです。

「ねえ。天気もいいし、ここで、おやつにしよっ」

「さっき、歩き始めたばかりですよ。まだ、早いです」

「え〜」

「え〜、じゃありません。我慢してください」

「うぅ〜、分かったよ〜」

「それにしても、ゆい先輩とういはどこから来たんですか。たしか、姉妹でしたよね?」

「うん、そうだよ〜。でも、ごめんね。私達がどこから来たかはしゃべっちゃいけないんだ」

「そうなんですか」

「なんでも、人間さんは怖い存在だから、場所を知られたら、きっと、私達の居場所を荒らして奪っていくからって」

「なるほど」

「だから、本当は私達の住んでる島からは出ちゃいけないって決まりなんだ」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:14:40.19 ID:15vI4tBr0
「そうなんですか。あれ?じゃあ、どうして、ゆい先輩やういはここにいるんです?」

「10年に1回だけ、島で主催するタッグトーナメントで優勝すると、そのコンビは島から旅立つことができるんだよ。それで、優勝したんだ」

「それはすごいですね」

「ういが頑張ってくれたんだけどね」

「やっぱり」

「まあ、私の妹だからね」

「似なくてよかったですね、ういは」

「むう〜、失礼だよ、あずにゃん」

「でも、場所を知られちゃいけないのに、どうして、そんな大会を……」

「たしかに、秘密を守ることも大事だけど、外に興味のあるポケモンもいるし、閉鎖的でもいけない。でも、たくさん出しすぎると大変だからね。ある程度の強さも必要になってくるから、このトーナメントを始めたんだって」

「なるほど」

「もっとも、 昔はよく旅立ってたんだけど、最近じゃ、優勝しても利用しない人も多いけどね。だから、最近の大会はただの村の催しになってるんだって」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:16:22.21 ID:15vI4tBr0
「へえ〜。ゆい先輩はどうして、参加したんですか?」

「私はね、なんとなくかな」

「なんとなく、ですか」

「今まで、ダラダラしてたから、15歳になった時、なにかしないとニートになっちゃうって言われて」

「そ、そうなんですか」

ポケモンにもニートってあるのかな?

「それでね、ういと一緒に村長さんに教わりにいったんだよ」

「村長さん?」

そういえば一度言ってましたね。村長さんがどうとか。

「そうだよ。私達の村では、学校の他に、誰か、師匠さんをついてもらって、バトルの修行をできたりするんだよ〜」

「なるほど。でも、村長さんは人気じゃないんですか?よく、ゆい先輩が弟子になれましたね」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:17:54.07 ID:15vI4tBr0
「失礼だね、あずにゃん。村長さんは強いんだけど、皆とは考えが合わないって言ってたんだ」

「なるほど。だから、弟子がいないんですね。ゆい先輩は大丈夫だったんですか?」

「私は大丈夫だったよ。だから、ここにいるんだよ〜」

「そういえばそうですね。どんなことを教わったんです?」

「バトルについての戦い方とか、後、えーと、例えば、ポケモンとして大事なことって何だと思う、あずにゃん」

「いきなりな質問ですね。そうですね、やっぱり、強いってことでしょうかね。正解は何ですか」

「村長さんが言うにはね、心が大事だって」

「心ですか」

「どんなに、すごい力を持ってても、心が弱いとそれを生かしきれないんだって」

「なるほど」

「後ね、どんなに邪悪な力を持っていても、綺麗な心を持っていれば、いいんだとも言ってたよ」

「つまり、精神論みたいなことを教わったんですか」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:20:44.69 ID:15vI4tBr0
「うん、そうだね。あとね、よく言ってたのはトレーナーとの絆は大事にしなさいって」

「そういえば、トレーナーのことを恋人みたいにとかなんとか」

「私達はトレーナーの人達に尽くさなきゃいけないからね。だから、家族や恋人のようにその人のことを好きになって、尽くしていきなさいって」

「そうなんですか」

だから、ゆい先輩は普段から、恋人だとか言ってたわけですか。つまり、誰でもよかったのかな?なんだろう、なにか、もやもやする。

「だから、ゆい先輩は私の恋人だとか言ってたんですね」

そんなことを考えてたからだろうか。つい、そんなことを口走ってしまいました。

「まあ、そうだね」

「じゃあ、私じゃなくてもよかったんですか?」

「それは違うよ、あずにゃん。たしかに恋人恋人って言ってたのは村長さんから教わったからでも、それとは関係なしにあずにゃんのことは好きだよ。いつも、一生懸命だし。私はあずにゃんのポケモンになれてよかったと思ってるよ」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:21:32.54 ID:15vI4tBr0
「……」

「あれ?あずにゃん、顔が真っ赤に……」

「もう、この話はやめましょう」

「え、別にいいけど。じゃあさ、今度は私が聞くね。どうして、あずにゃんはポケモンマスターになろうと思ったの?」

「そうですね。楽しいかなって、思ったんですよ」

「楽しい?」
「はい。私の両親がポケモンレンジャーだったんで、その影響で、ポケモンの知識や技術を深めていきたいなって。この旅でいろいろなポケモンと接する機会もあると思ったからですね。まあ、やる以上は目標は大きく持った方がいいですし、バトルは楽しいですからね」

「そっか。じゃあ、私もあずにゃんがポケモンマスターになれるように全力で頑張るよ。だから、期待しててね」

「はいはい」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:22:10.16 ID:15vI4tBr0
そんなこんなで、宿泊所に。

「ここで休んで、明日出発するんだね」

「そうです。明日は朝早くから出発して、一日でおつきみやまを越えたいですね」

「つまり、今日はもうゆっくりできるってこと?」

「そうですね」

「じゃあ、この後、ゆっくりと……」

「駄目です。今から、皆で特訓です」

「ええ〜。おやつは」

「後で、買ってあげますから、合間で食べてください」

「あーうー」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:22:48.16 ID:15vI4tBr0
私達は宿泊施設で部屋の手続きをし、荷物を置いた後、外に出ることに。

「さあ、特訓です」

「特訓って、何するの?」

「とりあえず、レベル上げです。まだ、デルビルも経験不足ですし、いつまでも、ハッサムに頼るというわけにもいきません」

「もう、あずにゃんたら。私に頼ればいいのに」

「頼りにしてほしかったら、普段からしっかりして下さい」

「あう〜、あずにゃん冷たい〜」

「それから、手持ちのポケモンも増やしたいですね。今のゆい先輩を入れた、3匹でも決して弱いわけではありませんが、多いに越したことはありません。もう少し、多ければ、ゆい先輩達の負担も大分減るはずです」

「そうすれば、バトル中でも、あずにゃんといちゃいちゃできるんだね」

「……ゆい先輩。少しは真面目にしてください」

「はい」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:23:47.38 ID:15vI4tBr0
「戻れ、デルビル」

「わ〜、あずにゃん。これで、30匹目だね。おめでとう」

「おめでとう、じゃありませんよ。結局、1回も戦ってませんよ。戦ったのは全部デルビルじゃないですか。ゆい先輩も戦わなきゃ駄目ですよ」

「大丈夫、大丈夫。私はいざとなれば強いから」

「いざとならなくても、強くなって下さい。……ふう〜、そろそろ帰りますか」

私達は宿泊施設に戻って来ました。その施設の中にはレストランなどの飲食店が並んでいます。私達はポケモンセンターで回復後、そこで夕食を取ることにしました。

「今日の晩御飯は何にする?」

「そうですね〜、ゆい先輩は食べたいのありますか?」

「私は何でもいいよ」

「まあ、適当に決めましょう。それから、お風呂にも入りたいですね」

「そうだね。あずにゃん頑張ってたんだもんね」

「ゆい先輩も頑張ってください」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:25:06.33 ID:15vI4tBr0
「分かってるよ。……でも、結局、ポケモンゲットしなかったね」

「まあ、これといってほしいのもありませんでしたからね。まあ、おつきみやまでもゲットするチャンスもありますから。それに今日はデルビルの経験値を積ませることが重要だったんですし」

「今日だけでも、結構、経験値を稼げたんじゃないかな?これで、ポケモンマスターに一歩近づけたね」

「まだまだです。今のままじゃ、澪先輩達には追いつけません」

「そういえば、研究所にいた女の人達って知り合いなの?」

「はいです。あの人達は私が博士の助手をしていた時の先輩なんです。きっと、ゆい先輩達とも、良いお友達になると思いますよ」

「そうなんだ。その人達は強いの?」

「強いですよ。その中でも、澪先輩はすごいと思います」

「そうなんだ」

「私も澪先輩のような、トレーナーになれるように頑張りたいです」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:25:59.16 ID:15vI4tBr0
「……」

「あれ?どうしたんですか、ゆい先輩」

「別に。あずにゃん、あれ食べたい」

「ん?どれですか」

「あれ」

なになに。料亭ですか。値段は1万円ですか。たまには、いいか……って、1万円!?

「無理ですよ、さすがに」

「やだ。これがいい」

「どうしたんですか、急に。わがまま言わないでください」

「むう〜」

「あっちのファミリーレストランにしましょう」

「……それでもいいけど、今日、あずにゃんと一緒に寝てもいい?」

「分かりました。それでいいので勘弁してください」

「……分かったよ」

ゆい先輩はしぶしぶ承諾してくれました。それにしても、急に不機嫌になるなんてどうしたんだろう?
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:27:07.76 ID:15vI4tBr0
夕食後、お風呂に。ここでは湯船があるらしく、今まで、シャワーしかなかったので、久しぶりに湯船に入れます。

「広いね〜、あずにゃん」

「そうですね〜」

なかなか広い大浴場ですね。たまにはいいものです。

「あずにゃん。頭、洗って〜」

「はいはい」

「わ〜、この子達可愛い〜」

「すいません。なでてもいいですか?」

女子大生くらいの女の人達が話しかけてきました。皆さん、けしからん体をしてますね。特に上半身が。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:27:59.79 ID:15vI4tBr0
「別にいいですけど。ゆい先輩は大丈夫ですか」

「うん。大丈夫だよ〜」

まあ、ゆい先輩は18歳っていってるけど、小さい子供みたいな感じですしね。撫でたくなるのも分かります。

「じゃあ……」

なでなで。なでなで。

うーん。実に気持ちの良い撫で方ですね。まるで、猫を撫でているようです。ゆい先輩も気持ち良さそうにしてます……って。

「わ、私も撫でるんですか!?」

「可愛いね、この二人」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:29:21.01 ID:15vI4tBr0
「君達、姉妹かな?でも、全然、似てないね」

「名前はなんて言うの?」

「私はゆいっていうの。こっちは梓ちゃんって名前で、あだ名はあずにゃんっていうんだ」

「あずにゃん?面白い名前だね」

「二人はどんな関係?」

「え、えーと」

「ああん。もう我慢できない。もっと、なでなでしよう」

「私も」

「私も〜」

「むむ。私も負けないよ〜」

「ちょ。皆さんやめて下さい。ゆい先輩も対抗しないで助け……にゃ、変な所触らないでくだ……にゃーーーーーー」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:30:34.94 ID:15vI4tBr0
「はあ。まったく酷い目にあいました」

「楽しかったね、あずにゃん」

「全然楽しくありませんよ」

私達は入浴後に今日、止まる部屋に戻ってきました。この部屋はベットが二つあって、あまり、広くないけど、ゆい先輩は小さいので、特に狭いってことはない。値段はちょっと高かったけど、たまにはいいですよね。

「ふう〜、せっかく、お風呂に入ったのに、疲れました」

私はベットの上に腰掛けます。

「でも、楽しかったよね。こういう出会いも旅の醍醐味だよね」

「それはそうですけど」

普通の交流だったらいいんですけどね。

「また、会いたいね」

「そうですね〜」

ゆい先輩はさっきの女子大生の人達ともすぐに打ち解けてましたし。私としてはできれば、遠慮したいのですが。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:31:49.63 ID:15vI4tBr0
「あずにゃん、あずにゃん」

「なんですか」

私がゆい先輩のほうを振り向くと同時に、

「えいっ」

という、可愛いという声とともに、ゆい先輩が枕を私に向かって投げてきました。

ボムッ。

そんな音ともに私の顔に枕が当たりました。

「わ〜い。命中したよ〜」

「……」

「あれ?あずにゃん、怒った?」

私はその問いに答えずに、枕をゆい先輩に投げました。

「わぷっ」

「仕返しです」

「むむ。やったね、あずにゃん。勝負だよ」

「望むところです。やってやるです」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:32:57.71 ID:15vI4tBr0
〜1時間後〜

「……はあ、……はあ、ゆい先輩……なかなかやりますね」

「……はあ、……はあ、あずにゃんこそ」

「……少し、やりすぎましたね」

「うん」

また、汗かいちゃった。もう一回お風呂に行こう。

「ゆい先輩も行きますか?」

「お風呂?うん、行く〜」

私達は再び、お風呂に。……さっき入ったばかりですが。なにやってるんでしょうね、私達。そういえば、さっきの人達に、私達について、どんな関係かって聞いてきましたね。ポケモンとトレーナー?なんか違いますね。友達?それも違いますね。ちょっと恥ずかしいですけど、友達以上?それもちょっと違いますね。

「絆!!」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:33:57.93 ID:15vI4tBr0
「わっ。突然なんですか」

「なんとなくふさわしいかなって」

「意味が分かりません」

「あー、また、あの子達だ」

「あ、さっきのお姉さん達だ〜」

「君達もまたお風呂に入るの?」

「は、はい。あなた達もですか」

「うん。じゃあ、一緒に……」

「な、なんですか。ま、まさか、また」

「大丈夫、優しくしてあげるから。ね、ゆいちゃん」

「うん」

「え、何で、同意してるんですか、ゆい先輩。私はちょっと急用ができたので……って引っ張らないで下さい。にゃーーーーーーーーーー」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:34:38.65 ID:15vI4tBr0
「あー、また、疲れました」

「だらしないな〜、あずにゃんは」

「誰のせいですか」

「ふぁ〜あ。はやく寝ようよ、あずにゃん」

「そうですね、もう寝ましょうか」

それにしても、今日だけでハードでしたね。午前中に、ニビジムでのジムリーダー戦。ちょっと、休んで、ここまで、歩いて、その後にレベル上げ。さすがに私も眠いです。

ぽんぽん。

「早く寝よ、あずにゃん」

「分かってますよ。急かさないで下さい」

私はゆい先輩の待つベットの中へと入ります。

「おやすみ、あずにゃん」

「おやすみなさい、ゆい先輩」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:35:24.66 ID:15vI4tBr0
梓たちが眠りについた頃 おつきみやま・ハナダシティ側

『……ハア……ハア』

2日間ずっと走り続けてきたけど、そろそろ、きつくなってきた。でも、彼らには捕まりたくない。捕まっちゃいけないんだ。

『どこまで、手間をかけさせるんだ。アーボック、ようかいえき』

『マタドガス、ヘドロ攻撃』

くそっ。しつこいな。ボクはなんとか、かわして、逃げ続ける。目の前に洞窟があって、ボクはその中に入る。誰でもいいから、助けてほしい。この先には僕を助けてくれる人はいるのだろうか。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:36:19.38 ID:15vI4tBr0
『チッ。厄介なとこに逃げ込みやがって』

『どうしますか』

9人のロケット団員を引き連れた、ボスっぽい男に話しかける。

『そうだな、お前達2人はこのまま、ニビのほうに抜けろ。お前ら5人は洞窟の中を探せ。もしかすると洞窟に潜む可能性もあるからな。後の
2人はおれとともに、ここで待機だ』

『ハイッ』
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:37:02.92 ID:15vI4tBr0
次の日

「起きて下さい、ゆい先輩」

「う〜ん、後、五分〜」

「ほら、起きて下さい」

私はゆい先輩を抱っこして、洗面所に連れて行きます。

「サッサと顔を洗って眼を覚まして下さい」

「あう〜。分かったよ〜」

ビシャビシャ。

「冷たい〜」

「さ、ご飯を食べたら、出発しますからね」

「そんなに急がなくてもいいんじゃない?」

「早く行けば、ハナダシティでゆっくりできますからね」

「じゃあ、美味しいものも食べられるんだね」

「そうですね、それもいいかもしれません」

「じゃあ、早く行こう」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:39:13.94 ID:15vI4tBr0
私達は朝食後、簡単に準備を済ませ、出発することに。

「じゃあ、出発〜」

ゆい先輩は私の頭の上、つまり、肩車をしてる状態ですね。そこで元気よく言います。

「元気なのはいいんですけど、自分で歩いてくださいよ」

「だって、この方が楽チンだもん」

「私が楽じゃないんですけどね。まあ、いいや」

そんなに重くありませんし。

「………ブイ」

「ん?今、何か聞こえませんでしたか?」

「え?別に聞こえなかったけど」

「そうでしょうか」

草むらの方で何か聞こえた気がしたんですけど、気のせいだったんでしょうか?
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:40:49.11 ID:15vI4tBr0
「………ブイ」

「ほら、やっぱり聞こえました」

「本当だ。あっちだね」

「行ってみましょう」

私達は鳴き声がした方に向かってみました。すると、そこには、

「イーブイです」

「あずにゃん。見て、この子」

私達が見つけたイーブイは首に風呂敷を巻いていて、体中が傷だらけです。

「どうしたんですか。こんなに傷だらけで……」

「あずにゃん、ポケモンセンターに」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:42:15.24 ID:15vI4tBr0
「おっと。待ってもらおうか」

そんな声とともに、2人組の男の人が居ます。その人達は黒い服を着ていて、胸には「R」の文字が。まさか……

「あ、あなた達はロケット団!?」

「ロケット団?それってな〜に?」

「ポケモンを利用して、あらゆる悪いことをする連中です」

「なにそれ。許せないね」

「これはこれは。可愛いお嬢ちゃんに名前を知られてるなんて、光栄ですな」

「お嬢ちゃん達。大人しく、そのイーブイを渡しな」

「嫌です。こんなにこの子を傷つけるなんて、許せません」

「調子に乗るなよ、クソガキが」

「サッサとよこしやがれ、いけっ、アーボック」

「マタドガス」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:42:50.23 ID:15vI4tBr0
くっ。仕方がありません。こちらも、ハッサムとデルビルで……

「待って、あずにゃん。こんな連中、私1人で十分だよ」

「はあ?!なめてんのか、クソガキ。アーボック、かまわねえ。そのクソガキののどを噛み千切れ」

アーボックはゆい先輩ののどめがけて飛び掛りました。

「ゆい先輩、避けて下さい!!」

ゆい先輩は、避けきれずにアーボックの攻撃を受けてしまいました。アーボックはゆい先輩の首を噛み千切ってます。

「……そ、そんな、ゆい先輩……」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:44:37.07 ID:15vI4tBr0
「哀れなもんだな。これで分かったろ。サッサと、イーブイを」

「なんか私達に合わない感じの展開だね、あずにゃん」

「な、何!?」

よく見ると、アーボックが噛み千切ってるのはゆい先輩のぬいぐるみです。一体いつの間に……。

「悪い子にはおしおきだね。出てきて、ゆいぐるみ!!」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン

いつもどおり、ゆい先輩のぬいぐるみが落ちてきました。

「 ミュージックスタート(Utauyo!!MIRACLEを想像して下さい)」

いつもの通り、音楽が鳴り始めました。前とは違う音楽のようですが。この歌とともに、周りのゆい先輩のヌイグルミが音楽に乗って、アーボ
ックとマタドガスに襲い掛かります。

「何なんだ、この技は」

「くそっ。マタドガス、ヘドロこうげきだ」

マタドガスの攻撃は命中していますが、ゆい先輩のぬいぐるみの数が多いため、対処しきれてません。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:45:39.31 ID:15vI4tBr0
「皆、行くよ〜」

ゆい先輩が「大好き〜」と言う歌詞になると、ゆい先輩のぬいぐるみがアーボックとマタドガスに抱きつきます。

「ゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみバクダン』」

抱きついてるゆい先輩のぬいぐるみが次々と爆破していきます。

「アボーーーーーーーーー」

「ドガーーーーーーーーー」

「くそっ」

「煙で周りが……」

この爆発で煙が充満して周りが見えにくくなっています。
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:47:37.38 ID:15vI4tBr0
「今だよ、あずにゃん。早く逃げよう」

「はいです。ほら、ゆい先輩」

私はゆい先輩とイーブイを抱きかかえて、その場を逃げ出しました。

「わ〜、あずにゃんから抱っこしてくれるなんて、感激だよ〜」

「なにのんきなこと言ってるんですか。どうせ、あずにゃん分が足りない〜って言って、倒れちゃうんですから。早く補充して、自分の足で逃げてください。さすがに2匹は辛いですから」

「さすが、あずにゃん。よく分かってるね〜。そうだね、キスすれば、すぐに……」

「こんな時に冗談を言わないで下さい」

「これから、どうするの、あずにゃん?」

「一度、ポケモンセンターに戻って、回復をさせましょう。その時に、警察に通報すれば……」

「でも、大丈夫かな?」

「何とかなります」

「何とかなるって、言っても、ポケモンセンターって逆の方向だよ」

「そうですか。……えっ。今なんて……」

「 ポケモンセンターって逆の方向だよ」

「それを先に言って下さいよーーーー」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:48:07.27 ID:15vI4tBr0
「くそっ。逃げられたか」

「どうする、隊長に連絡するか」

「そうだな。……写真は撮ったか?」

「ああ、念のためにな」

「その画像も送っておけ。……しかし、通報されると厄介だな」

「大丈夫だろ。あっちはおつきみやまの方角。つまり、袋の鼠だ」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:49:04.72 ID:15vI4tBr0
おつきみやま・ハナダシティ側

「報告します。ターゲットは見つけたようですが、10代の女とまだ、幼稚園くらいの女の子に妨害を受けて、捕獲を失敗した模様です」

「……そんなガキどもの妨害で失敗しただと」

「報告によると、幼稚園くらいの女の子は奇怪な技を繰り出すそうです」

「奇怪な技?」

「なんでも、ぬいぐるみを操るそうです」

「わけの分からないことをいうんじゃない。殺してもかまわんから、ターゲットを取り返せ」

「はい」

「報告です。例の少女達の写真が届きました」

「どれどれ。……おい、さっきのは取り消しだ。なるべくなら、生かして捕らえろ」

「どうしてですか?」

「これだけの上玉だ。殺すのはもったいないだろう。おれらのおもちゃにしよう」

「なるほど。ではもう1人の子供は?」

「その手の趣味の奴らに売ればいい。このご時勢だ。高く売れるぞ。こいつの持ってるポケモンも価値のある奴は売って、ないものは兵隊として使用する」

「分かりました」

「この仕事がうまくいけば、組織において、研究所の奴らに貸しを作れるし、おれらに性欲処理道具もできるし、ガキやポケモンを売って、多額の金を得て、戦力もアップもできる。いいこと尽くめじゃないか」

「そして、このまま、幹部に」

「くっくっく。隊員に伝えろ。最初に捕らえた奴からやらせてやるとな」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/24(火) 17:51:48.88 ID:15vI4tBr0
おつきみやま編 「ロケット団との死闘・前編」終了

悪役はこれくらいひどくてもいいと思ったので。別にそういうシーンも入れません。
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/24(火) 17:57:16.60 ID:6rXDOr1DO
チェックしたらリアルタイムで読めた嬉しさ

乙!!!



あ、ポケモン知らないおいちゃんがちょいと聞きたいんだけど
これってゲームと同じストーリー展開なのか?
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/05/24(火) 18:09:16.03 ID:15vI4tBr0
>>133
町は同じで、ポケモンジムも同じにしてるけど、ストーリーは違いますね。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/05/24(火) 23:39:23.92 ID:tke2DPxw0
>>134
そうなのか、thx!
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:13:11.06 ID:zbGiL2dK0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル 

澪     ゼニガメ

律     ヒトカゲ

ムギ    フシギダネ

純     うい

注 一部残酷な表現(?)もあるかもしれないから注意 梓が主人公だからです

以下、おつきみやま編 「ロケット団との死闘・後編」投下
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:14:21.45 ID:zbGiL2dK0
「………はあ………はあ。ここまでくれば、大丈夫ですかね」

私達はなんとか、おつきみやまの洞窟に逃げ込みました。

「大丈夫?」

ゆい先輩は傷ついたイーブイを心配そうになでています。

「どうですか、イーブイの様子は?」

「気絶してるよ。とっても、辛そうだから早く治してあげなきゃ」

「そうですね。ちょっと待って下さい」

私はリュックの中から、きずぐすりを取り出します。

「ちょっと、痛いかもしれないですけど、我慢してくださいね」

私はイーブイの傷口にきずぐすりを塗ってあげます。

「これで、簡単に治しましたけど、やっぱりポケモンセンターには行きたいですね。せめて、もう少し、きずぐすりがあればよかったんですけど」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:15:24.11 ID:zbGiL2dK0
「ちゃんと、準備しなきゃだめだよ、あずにゃん」

「……ゆい先輩の服を買ったり、おやつを買ったりして、お金がきつかったんですけど、ゆい先輩がそういうなら、それを削って、準備のお金に回しますね」

「こういうのは必要最低限にしとくべきだよね、うん」

「まあ、そんなことより、これから、どうしますか」

「どうしよっか」

「………ブイ」

「あ、目を覚ましたよ、あずにゃん」

「ブイ」

「助けてくれてありがとう、だって」

「それはいいんですけど、どうして追われてたんですか?」

「ブイブイ」

「ボクはある研究所で実験材料にされていて、それが嫌で逃げ出してきたんだって」

「実験材料?」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:16:55.84 ID:zbGiL2dK0
「ブイブイ」

「ボクの首に風呂敷みたいなものが巻かれてましたよね?」

「そういえば、ありましたね」

ここまで逃げて来た時に外してあげたけど、そういえば、何か入ってたような気がします。なんで、確認しないんだっていうと、イーブイの治療が先だったからです。私はリュックからその風呂敷を出してみます。すると、中から、石が3つ出てきました。この石は……?!

「この石ってなんなの、あずにゃん」

「この石は、ほのおのいし、みずのいし、かみなりのいし、といって、ポケモンを進化させる不思議な石なんです」

「なるほど〜。私も進化するかな?」

「試してみますか」

それぞれの石をゆい先輩にあててみますがまったく効果はありません。

「何にも起きないね」

「そうですね」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:17:59.16 ID:zbGiL2dK0
「ブイブイ」

「話を続けてもいいですか、だって」

「すいません。続けて下さい」

「ブイブイ」

「ボクはたくさんの進化の可能性があるのは知ってますか?」

「そういえば、そんな話を聞いたことがあります」

「ブイブイ」

「ボクはそのいしを使えば、サンダース、シャワーズ、ブースターになることができます。でも、本来なら、1つに進化させればおしまいです。そうなの、あずにゃん?」

「そうです。だから、進化のいしを使う時は慎重にしないといけないんです」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:19:18.98 ID:zbGiL2dK0
「ブイブイ」

「でも、ボクの体は1時間しか進化できないんです」

「え、それって……」

「ブイブイ」

「つまり、ボクはさっき言った3匹のどれに進化したとしても、1時間しかできず、この体、つまり、イーブイに戻ってしまうのです。その力を得るためにたくさんの実験をされました。その結果、僕の仲間もたくさん死にました」

「そんな……」

ポケモンを実験材料にして、こんなひどいことをするなんて、許せません。

「でも、すごい力だね。うらやましいなあ」

「ちょっ、ゆい先輩」

「だって、この力があれば、いろんないい事にもつながるよ。例えば、えーと、この子、1匹で、電気や炎、水も使えるってことでしょ?光熱費がかからないってことだよね。私にはできないことだよ」

「それはそうですけど……。でも、この子は身勝手な人間のためにこうなったんですよ」

「たしかに、そうだけどさ。でも、怨んだって、力がなくなるわけでもないし、そんなの楽しくないよ。だから、この力をいいことに使えるように考えたほうがいいよ」

「!?」

「間違ってはいませんけど」

「ねえ、私達の仲間にならない?あの人達みたいにはしないよ。あずにゃんはいい子だし。あずにゃんのことが信じられないなら、私を信じなよ。これでも、ポケモンだからね」

「ゆい先輩……」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:20:27.68 ID:zbGiL2dK0
「くそっ。どこ行った、あのガキ共」

「こうなったら、俺等が最初に捕まえて、じっくり味わおうぜ」

「!? まずいです。奴らが来ました。逃げないと……」

「そうだね」

私達は急いで逃げようとしたところで……

ツルッ。

「イテッ」

ゆい先輩が転んでしまいました。

「大丈夫ですか、ゆい先輩」

「なんだ、そこにいたのか」

「探したぞ、ガキ共」

さっきの音を聞きつけた、先ほどのロケット団員2人が立っていました。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:23:03.63 ID:zbGiL2dK0
「さっきのようにはいかんぞ」

ロケット団の2人は、アーボック5匹とマタドガス5匹を連れています。……なんで、こんなに偏ったメンバーなんでしょうか。……なんて、考えてる場合じゃありません。

「来て、デルビル、ハッサム」

「デルビル」

「ハッサム」

「ゆい先輩、デルビルとイーブイを連れて先に進んで下さい」

「え、でも、あずにゃんは?」

「私はハッサムと一緒にここで奴らを食い止めます」

「……でも」

「心配しないで下さい。きっと、無事に戻ってきます」

「……あずにゃん。なんか、ドラマとかの主人公とヒロインみたいだね」

「馬鹿なこと言ってないで、サッサと言ってください」

「馬鹿が。逃がすかよ」

アーボックがゆい先輩に襲い掛かります。

「ハッサム。ゆい先輩を守って。早く行って下さい」

「うん。サムちゃん、あずにゃんを頼んだよ〜」

ゆい先輩はイーブイを抱えて、デルビルに跨って奥に逃げて行きました。

「行きましたか。行くよ、ハッサム」

「おもしれえ、1匹でどこまで、持つかな」

「いけ、お前達」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:25:33.34 ID:zbGiL2dK0
私はビル太とともにおつきみやまの洞窟の出口に向かって、走っていた。ここは、人がよく来るらしく、洞窟内でも、電灯で明るい。

「大丈夫かな、あずにゃん。……ごめんね、ルビ太。2人(?)は重いよね」

「デルビル(これくらいなら、大丈夫です)」

「頑張ってね。君も大丈夫?」

「ブイ(負担になって申し訳ありません)」

「そんな謝り方しないでよ。当然のことをしてるんだし」

「デルビル(!?)」

「わっ。急に止まらないでよ。どうしたの?」

「デルビル(気をつけて下さい。すでに敵がいます)」

「えっ」

私が前を見ると、胸にRって書いた服を着ている、3人組の姿がいました。周りには、アーボック6匹とマタドガス6匹とベトベトン6匹を連れています。……この人達ってこれしかポケモンないのかな?
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:27:02.91 ID:zbGiL2dK0
「くっくっくっ。嬢ちゃん達、サッサと、降参しな」

でも、ピンチにかわりない。

「あれ?もう、1人のお嬢ちゃんがいねえな」

「もしかして、もう、取られちゃったか」

「残念だな〜、初めはおれが奪いたかったが」

「まあ、いつでも、できるだろ。なにせ、もうすぐ、俺達の玩具になるんだからな」

「あ、あ、あずにゃんにひどいことするの?」

「あずにゃん?あのお嬢ちゃんのことかい。そうだねえ、お嬢ちゃんが素直にイーブイを渡したら、何もしないでもいいかな」

「い、いやだ。イーブイは渡さないよ。それにあずにゃんにも手を出させないよ」

「まったく、聞き分けのないガキだな。大人を困らせちゃ駄目だよ」

1人のロケット団員が近づいてきます。ど、どうしよう。

「デルビル」

「ルビ太!!」

そのロケット団員にたいして、デルビルがたいあたりを仕掛けました。

「ルビ太、ありがとう。よし、あずにゃんを守るために一緒に頑張ろう」

私は、ギー太を持った。いつものように、ゆいぐるみを出してもいいんだけど、あずにゃん分の消耗が激しいからね。

「やりやがったな、ガキ共。アーボック、かみつけ!」

「いくよ、デルビル。私の力を分けてあげるから」

「デル」

「いっくよ〜、ゆいちゃん真拳協力奥義『ふわふわタイム』」

「デルビル」

「なんだ、デルビルの体からオーラが……!?」

「いっけー、ルビ太」

「デル」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:29:16.10 ID:zbGiL2dK0
「……はあ……はあ」

「大丈夫ですか、ハッサム」

ハッサムは相手がどくタイプということもあり、なんとか、6体を倒すことができました。(はがねタイプにどくタイプの攻撃は効果なし)

「チッ。ならば、アーボック。まきつけ」

「シャーボック」

アーボックは疲れているハッサムの隙をつき、巻きつきます。

「でも、はがねタイプにその技は」

「関係ねえ、おい」

「ああ」

2人組みは私に近づいてきます。

「な、なんですか」

「この方が手っ取り早いだろ」

「くく、観念しろよ」

「……なんて、下劣な」

「ハッサムーーー」

ハッサムは怒りの表情を浮かべて、巻きついてるアーボックを力任せに両手で引き裂いた。

「ハッサム」

ハッサムは引き裂いた、アーボックの返り血を浴び、怒りの目で、ロケット団の2人を睨みつける。


「くそっ。アーボック」

「マタドガス」

残りの3匹がハッサムに襲い掛かります。でも、ハッサムは冷静に手をそいつらに向け、エネルギーがその手に集まっています。これは……

「ハッサム」

ハッサムはそいつらにはかいこうせんを繰り出しました。

「馬鹿な!?」

「また、こんな奴らに……」

ハッサムのはかいこうせんは3匹とともにその2人組も巻き込んでしまいました。

「……はあ……はあ」

まともにくらった、3匹はもちろんのこと、あの2人もノックアウト状態ですね。自業自得です。

「ありがとうございます、ハッサム。少し、休んでいて下さい」

私は、ハッサムをボールに戻し、ゆい先輩を追って奥に走りました。
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:30:50.74 ID:zbGiL2dK0
「デルビル」

「べトーベートーン」

「……はあ……はあ、やったね、ルビ太」

ルビ太は私の歌で力をアップさせたおかげでなんとか、9体は倒せた。後、半分だ。

「後、半分だよ。もう少しだから、頑張って、ルビ太」

「デル」

「さあ、続き行くよー。……あれ?」

ガクッ。

私は次の曲を引こうとしたんだけど、ひざがガクッとなって、膝をついてしまった。こ、こんな時に、あずにゃん分が……。で、でも、私がここで倒れたら、イーブイだけじゃなくて、ルビ太も……。

「やっと、鳴り止んだか。また、出されると厄介だ。サッサと仕留めろ、アーボック」

「シャーボック」

アーボックが私に襲い掛かってきます。……うう、ルビ太はマタドガス達に足止めされてるし、ブイ太は怪我で動けない。まさに、絶体絶命だよ〜。

「殺すなよ、アーボック。こいつの力は面白い。研究しだいで我々の力になるかもしれないからな」

「シャーボック」

「……うぅ、助けて、あずにゃ〜ん」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:31:57.60 ID:zbGiL2dK0
「いけっ、ハッサム」

私がなんとか、ゆい先輩達に追いつくと、ゆい先輩がアーボックに襲われそうになっているので、急いで、ハッサムを出しました。

「ハッサム、バレットパンチ」

「ハッサム」

「サムちゃん!!」

ハッサムはそのアーボックをふっ飛ばしました。

「うぅ〜、あずにゃ〜ん」

ゆい先輩はぎゅう〜と抱きついてきます。

「私ね、頑張ったよ。ルビ太と協力して、半分をやつけたんだよ」

「そうですか。よくやりましたね」

ナデナデ。

「えへへ〜」

「デル!!」

私達がのんきにしていると、バーンと、デルビルがアーボックに叩きつけられてしまいました。

「こんなことをしてる場合じゃありません。ゆい先輩は下がって……」

「大丈夫だよ、私は。今ので十分にあずにゃん分が溜まったからね。皆、下がっていいよ。後は私がやつけてあげる」

「……分かりました。戻って、デルビル」

私は、デルビルをボールに戻しました。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:36:27.56 ID:zbGiL2dK0
「なんだ、無事なのか」

「ってことは、おれらにもチャンスがあるってことか」

「だが、あいつらは強いぞ」

「へっ。こっちは後9匹だ。オラ、サッサとトドメをさせ」

「私とあずにゃんがそろえば、無敵なんだよ〜。出てきて、ゆいぐるみ」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン。

「ゆい先輩。さっきの技は出さないで下さい。爆破したら、洞窟なので、危ないですから」

「分かってるよ。あずにゃんは何の曲がいい?」

「何がいいって言われても、どんなのがあるか分かりませんですけど。じゃあ、とりあえず、ういを倒した技で」

「分かったよ〜、ミュージックスタート(GO!GO!MANIACを想像して下さい)」

ゆい先輩のぬいぐるみがいつも通りに敵に群がっていきます。

「これが報告にあった、ぬいぐるみの攻撃か……!?」

「おれらにも群がってきてるぞ」

いつ見ても、すごい光景ですね〜。ぬいぐるみとはいえ、ゆい先輩がたくさん群がっているんですから。私に群がったらどうなるんでしょうかね。皆が『あずにゃん、あずにゃん』って言って。って何考えてるんでしょうかね。

「さあ、皆、3列に並んで〜。ゆいちゃん真拳奥義『突撃☆ゆいちゃんパレード』」

ゆい先輩の号令で3列に並び、ぬいぐるみはういの時よりも早く、敵に突っ込んでいきます。

「ギャ−‐−−‐−−−−−−−−」

「糞がーーーーーーーーーーーー」

「覚えてろよーーーーーーーーーー」

三人のロケット団員も巻き込み、全ての敵を粉砕しました。訳の分からない技ですけど、威力は抜群ですね。
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:37:40.59 ID:zbGiL2dK0
「さ、今のうちだよ」

「はい。行きますよ、ゆい先輩、イーブイ」

私はハッサムをボールに戻し、2匹(?)を素早く抱きかかえて、出口の方角に向かって走ります。

「こっちでいいの?」

「多分そうだと思います」

私は、全力で走り抜けました。もし、ゆい先輩とのんびり行ってたら、多分、1日じゃ無理でしたね。なんて、頭の片隅で考えてたら、太陽の光が見えてきました。

「あずにゃん、出口だよ」

「はいです」

私は限界が近い体に気合を入れ、出口を駆け抜け、おつきみやまの洞窟を抜けました。よし、このまま、ハナダシティまで行って、ポケモンセンターに……。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:39:32.78 ID:zbGiL2dK0
「待ってたぜ、ガキ共」

「!?」

抜けた所で、5人のロケット団員とアーボック6匹とベトベトン6匹、ここまでは変わりませんが、スピアー6匹とゴルバット6匹も加わっていて、合計24匹もいます。

「くっ。いくです、ハッサム、デルビル」

私は残りの2匹を出しますが、ゆい先輩を含めても、3匹。多勢に無勢です。しかも、あっちのリーダーぽい1人はまだ、モンスターを出していません。まさしく、絶体絶命……?!

「どうした、顔が青ざめてるぞ」

「くっくっくっ。足も震えてるぞ」

「……うるさいです。いくですよ、ハッサム、デルビル」

「無駄だ。やれ、お前ら」

ハッサムははがねタイプなのでまだ、いいですけど、デルビルはちょっと辛そうです。

「頑張ってください、皆」

「ハッサム」

「デルビル」

ハッサムはメタルクローでなんとか、スピアーやゴルバットををなぎ払いますが、連戦の疲れと数の多さで、苦戦しています。デルビルはなんとか、アーボックのシッポにかみつく攻撃で対抗していますが、数が多すぎます。

「安心しろ。イーブイを渡せばやめてやるよ」

「そんなことできません!!」

「じゃあ、お前のポケモンを苦しめるだけさ。果たして、2匹でどこまで持つかな?」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:41:08.85 ID:zbGiL2dK0
「カプッ」

「イテッ」

イーブイは私の手をかみ、イーブイは私が痛がってる隙に手の中から抜け出し、私の方を見て、

「ブイ」

と言って、ロケット団員のリーダーに向かって歩き出しました。

「ゆい先輩。イーブイは今なんて……」

「もう迷惑をかけられないので、私は投降します。皆さんごめんなさい、だって」

「そんな……」

「よ〜し、いい子だ」

私はこのまま、イーブイを行かせていいのでしょうか。今、私のポケモンは私のために頑張ってくれています。ならば、私もポケモンのため
に。

「ゆい先輩はここにいて下さい」

私はゆい先輩を地面に置き、イーブイに向かって走り出しました。

「待って、あずにゃん」

「くっくっくっ。これで、俺の出世も……、うわ」

私はイーブイを手に入れようと油断してるリーダーに体当たりをして、イーブイを抱きしめました。

「何しやがる!」

「イーブイはあなた達には渡しません!」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:43:10.89 ID:zbGiL2dK0
「チッ。いい気になるなよ、クソガキが」

「あ〜う〜、助けて〜、あずにゃ〜ん」

「!?」

私は振り返ると、ロケット団員に人質(?)にされたゆい先輩が。

「こいつの命がほしかったら、無駄な抵抗はやめな」

「くっ」

「よくやったぞ。さて、貴様には最大の屈辱をやろう。来い、アーボック」

また、アーボックかと思いきや、さっきまでとはレベルが違います?!

「あのガキを無事に返してほしかったら、今から、ここで、全裸になって、アーボックに犯して下さいて言いな」

「なっ……?!」

この男、どこまで愚劣なんですか。

「あずにゃん。そんな奴の言う事聞いちゃだめだ」

「うっせーぞ。クソガキ」

「あう〜」

「ゆい先輩!」

「さあ、どうする?あのガキの運命はお前が握ってんだぜ」

どうしますか。ゆい先輩のためにも私が犠牲に?でも、こいつらが素直に約束を守るとも……。

「別にあのガキのことなんか気にしないで、嫌だって言えばいいじゃないか。あのガキの命はないが、お前が屈辱を受けることもないんだぜ」

下劣な声で、笑い出すこの男は本当に人間なんでしょうか。

「さあ、答えは?」

「答えは……」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:44:13.57 ID:zbGiL2dK0
「NOに決まってるだろ」

そんな声とともに、アーボックとリーダーが濁流のような水に吹き飛ばされました。この技は……。

「大丈夫か、梓」

「澪先輩」

「なんだ、あいつは」

「今だ。カプ」

「あ、いて」

「あずにゃ〜ん」

ゆい先輩は今の混乱を利用し、うまく脱出し、私に抱きついて来ました。

「ヒック。怖かったよ〜」

「すいません。私が不甲斐なくて」

「そんなことないよ。私だって、不甲斐ないよ」

「じゃあ、おあいこで。……今はそんなことを言ってる場合じゃありません」

「うん」

「梓が抱いてるのは……イーブイか。すごい怪我じゃないか」

「こいつらに襲われて……」

「今はいいきずくすりしかないから、簡単にしか治療できないけど、勘弁してくれ」

「ブイ〜」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:48:19.55 ID:zbGiL2dK0
「なめんなよ、クソガキ共」

澪先輩に吹っ飛ばされた、リーダーが再びこちらに向かってきます。

「澪先輩、あいつを頼みます」

「それはいいが、梓は?」

「私はあっちで戦ってる仲間達を助けに」

私達がこうしてる間にも、向こうで、ハッサムとデルビルは戦っています。

「……そうか。こっちは任せろ」

「はい。行きますよ、ゆい先輩」

「待って、あずにゃん。イーブイが」

「ブイ」

イーブイは多少元気になった体で、私に向かって何かを訴えかけます。この言葉だけはゆい先輩に訳されなくても、分かりました。

「……君も一緒に戦ってくれる?」

「ブイ」

「じゃあ…」

私はモンスターボールをイーブイに投げ、ゲットに成功しました。

「やったね、あずにゃん」

「喜ぶのは、後です」

私は再びイーブイを出します。

「ブイ」

「石を使ってくださいだって。使っても無くならないから、心配は要らないって」

「便利ですね。じゃあ、ほのおのいしで」

私がイーブイに石をあてると、ブースターになりました。

「わ〜、すごいね〜」

「感心してる場合じゃ……」

バーン。

そんな音ともに、私達のところに、ハッサムとデルビルが叩きつけられてきました。
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:49:43.63 ID:zbGiL2dK0
「大丈夫?サムちゃん、ルビ太」
「シャーボック」
私達の元にアーボックとベトベトンの群れが。空には、ゴルバットとスピアーの群れが。
「こうなったら…」
ゆい先輩はいつものギターではなく、カスタネットを取り出しました。

「皆、今、助けるよ。ゆいちゃん真拳奥義『うんたん♪うんたん♪』」

わー、とっても、かわいいですねー。癒されます〜。……はっ。こんなのんきになごんでる場合じゃ。

「ゆい先輩、こんな技じゃ……」

「あずにゃん。皆を見なさい」

「え?」

私は周りを見ると、ハッサムやデルビル、ブースターが癒されて元気に。

「また、奇怪な技を」

「早く、あの厄介なガキを仕留めろ」

「シャーボック」

「ゆい先輩!」

「ハッサム」

元気になった、ハッサムは襲い掛かる、アーボックたちに向かって、はかいこうせんを繰り出しました。

「ぐわーーーーーーー」

「ギャーーーーーーー」

ロケット団二人を巻き込み、アーボック、ベトベトンの群れは倒れました。

「ビル太、ブイ太。君達の炎を私に貸して」

「デル」

「ブスタ」

ゆい先輩は今度はギターを構えます。

「行くよ、ゆいちゃん真拳協力奥義『ゆいちゃん熱風波』」

ギターからの衝撃波に加え、炎も加わり、ゴルバットやスピアーは全匹、落ちてしまいました。

「熱いーーーーー」

「誰か水をーーーー」

当然のように、ロケット団員も巻き込まれました。自業自得ですね。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:51:52.81 ID:zbGiL2dK0
「馬鹿な。全滅だと!?」

「どうした、まだ戦うのか?」

「糞が。来い、オニドリル」

リーダーはオニドリルの足につかまり、逃げ出しました。

「終わりましたか」

「うん」
「大丈夫か」

「澪先輩!」

私は、駆け寄ってくる澪先輩に向かって抱きつきました。

「わわ、梓」

「すいません。グス。怖かったので」

「……そっか」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:53:04.89 ID:zbGiL2dK0
今、あずにゃんは澪ちゃんの胸で泣いています。とっても、安心しきった感じで。そりゃそうだよね。私とあずにゃんが出会って、まだ、そんなにたってないもん。それに比べて、澪ちゃんは1年間も一緒だったんだもんね。そりゃ、信頼するよね、私よりも。それは分かってるんだけど……。

ズキ。

でも、よく分からないけど、澪ちゃんに対してあずにゃんが安心しきっているのを見ると胸がズキズキ痛む。私も同じように見てもらいたい、安心してもらいたい、なんて考えてる。何でだろ?そして、この光景を見ていると悔しさもこみ上げてくる。だって、たまたま、澪ちゃんが来たから、助かったけど、もし、来なかったら?私はあずにゃんを守らなきゃいけないのに足を引っ張るだけじゃなく、ピンチに追い込んでしまった。これは抗いようのない事実だ。

「強くならなきゃ」

私は今までちゃらんぽらんに生きてきたけど、初めて、本気で強くなりたいと思った。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:54:50.55 ID:zbGiL2dK0
私はひとしきり、澪先輩の胸で泣いた後、ポケモンセンターで皆を回復させ、澪先輩と夕食を取ることに。時間がたつのは、早いもので、あの戦いのおかげで、お昼もとれませんでした。だから、おなかぺこぺこです。

「それにしても、さすが、澪先輩ですね。もう、バッチ3個だなんて」

「たいしたことないよ。律達だって、もうゲットしてるだろ」

「どっちにしても、すごいですよ。私なんて、まだ、1個ですし」

「それは梓が遅いだけなんじゃ……」

「もぐもぐ。もぐもぐ」

「ほら、ゆい先輩。口、汚れてますよ」

ふきふき。

「むう」

どうしたんだろう?ゆい先輩は澪先輩と合流してから、なんとなく、不機嫌になってる気がするんだけど、気のせいかな?

「……随分、仲良くなったんだな」

「ええ、まあ。あ、また、汚れてますよ」

「あずにゃん、拭いて〜」

「仕方がないですね」

ふきふき。

「……」

「ん?どうしたんですか、澪先輩?」

「い、いや、いつもこんな調子なのかな、って」

「まあ、そうですね。ですよね、ゆい先輩?」

「……いつもはもっといちゃついてるよ。今日は抑えてるくらい」

「ちょ、何を言ってるんですか。澪先輩が本気にするじゃないですか」

「むう。照れることないと思うけど」

「あんまり変なこと言ってると、デザートをあげませんよ」

「ごめんなさい」

「……やっぱり、仲良いんだな」

それから、澪先輩は少し悲しそうにしてたんだけど、どうしてでしょう
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 20:57:18.55 ID:zbGiL2dK0
夕食後、お風呂に入り、しばらく、お話して、もう寝ることに。

「すいません、澪先輩。一緒に泊まることになってしまって」

「気にすることないよ。ごめんな、ダブルルームになってしまって」

「いえ、いいですよ。それにしても、ダブルベットですか」

利用したことがないので、ちょっとドキドキするな〜。ま、普通のベットと変わりませんけど。

「べ、別に変な事するわけじゃないぞ」

「はい?変な事?」

「あ。ゴホン。なんでもない」

どうしたんでしょうか?なんか、様子が変ですが。まあ、いいや。今日はもう眠いです。

「すいません、澪先輩。もう寝かせて下さいね」

「ああ、問題ないよ。私も寝るし」

「さあ、ゆい先輩」

私達はゆい先輩を中心にして、その横に私と澪先輩がつきました。

「こうしてると、どこかの家族みたいですね」

女同士ですけど、子供(ゆい先輩は私よりも年上だけどね)を真ん中に川の字になってますし。

「か、か、家族は早いんじゃないか。もっと、順を追って……」

なんか、澪先輩が顔を真っ赤にしてますけど、どうしたんでしょうか。

「むう。私、子供じゃないよ。あずにゃんには子供にしか見えないかもしれないけどさ」

「すいません」

なでなで。

……ハッ。拗ねてるゆい先輩が可愛いな〜って思ってたら、つい、手が出てしまいました。

「……ねえ、あずにゃん」

「すいません。つい、なでてしまって……」

「もっと、近づいていい?」

「え、別にいいですけど」

ゆい先輩は私の方にちょっと近づきました。

「おやすみ、あずにゃん」

「え、ええ。おやすみなさい」

なんか、ちょっと、様子が変だったけど、まあ、いいや。もう眠い。私はまどろみの中に落ちていきました。
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 21:00:11.70 ID:zbGiL2dK0
私は、あずにゃんと澪ちゃんが寝たのを確認して、目を開けました。

「……すぅ……すぅ」

可愛い寝顔で可愛らしい寝息をたてて、寝てるあずにゃんを見る。

なでなで。

私は、あずにゃんの頭を起こさないように、優しくなでる。……おっと、いつまでも、なでていたいけど、こんなことをするために、起きたんじゃない。私は慎重にベットから抜け出し、あずにゃんのバックから、モンスターボールを取り出して部屋を抜け出した。
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 21:00:56.14 ID:zbGiL2dK0
「ここら辺でいいかな?」

私はハナダシティの外れ、さっきまで激闘を繰り広げてた、場所にやってきた。

「皆、出てきて〜」

私はボールを投げ、サムちゃん、ルビ太、ブイ太を出した。

「皆、ごめんね。ちょっと、話を聞いてくれるかな?」

皆は頷いてくれた。

「今回の戦いでね、私は思ったんだ。まだまだ、力が足りないって。もっと、私に力があれば、あずにゃんをちゃんと守れたって。だから、よければ、皆にも協力してほしいんだけどいいかな?」

皆は『もちろん』と頷いてくれた。皆、良い子だね。

「ありがとう、皆。早速、レベル上げのために野生のポケモンに挑戦するから、フォローしてね」

待っててね、あずにゃん。次にあんな奴らが現れたら、私が今度こそちゃんと守ってあげるからね。私はそんな決意を掲げて、野性のポケモン
を探しに皆と駆けていった。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/27(金) 21:03:26.69 ID:zbGiL2dK0
おつきみやま編 「ロケット団との死闘・後編」終了
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/05/28(土) 10:20:52.24 ID:rWbce/nz0
乙!!
次回も楽しみにしてるよ!
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 06:29:53.83 ID:NcMDH6Rz0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ

澪     ゼニガメ

律     ヒトカゲ

ムギ    フシギダネ

純     うい

ハナダ編@ 「VS残党」
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 06:31:30.08 ID:NcMDH6Rz0
トキワシティのある建物にて

『嫌になるわね〜』

山中さわ子は呟く。今回の集まりは実験体の脱走に対するものだ。本来なら、研究班が全責任を負うべきはずだが、自分の部隊、すなわち、捕獲班が実験体の捕獲に失敗したからだ。ロケット団は大まかに分けて、3つのグループで構成されている。研究班というのは、ポケモンに関して研究していくところだ。もっとも、オーキドとかのようにポケモンの生態について研究するのではなく、軍事などに利用できないかといった研究だ。あの、実験体もその1つだ。1匹で、3種の進化を自由にするというのは、有用ではある。捕獲班というのはもっとも、業務の範囲が広い。野生のポケモンや珍しいポケモンの捕獲をメインとしているが、その後のポケモンの売却や戦闘員の訓練、ロケット団にとって邪魔な人物の誘拐等も含まれる。この班はタイプごとに班分けされており、梓達を襲ったのは、どくタイプの班だ。たかだか、1匹の捕獲だし、毒を喰らわせれば、問題ないだろうと判断したが、失敗した。最後に殲滅班。この班は組織でも、トップシークレットの情報であり、全様を知るものは殲滅班班長とボスのサカキのみである。主な業務はロケット団の運営や警察、政治家への根回しである。それだけでは、殲滅班とは言われないかもしれない。けど、この運営が問題で、裏切り者の抹殺も含まれる。また、組織にとって不要な者、邪魔な者を消す業務も行っている。そして、強い者しか、この班には入れないのである。

『まったく、あなたのせいよ』

山中さわ子は研究班の責任者の真鍋和に呟く。

『申し訳ありません。ですが、たかだか、1匹捕獲できない捕獲班にも問題あるんじゃないでしょうか』

『それを言われると辛いわね』

『もう、いいですか』

1人の女、曽我部恵は落ち着いて言う。

『どちらにしても、研究班の責任は免れません。捕獲班についても、部隊レベルの向上に取り組んで下さい。それでは、今日の議題について……』
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 06:56:46.47 ID:NcMDH6Rz0
ハナダシティのあるレストラン

「眠いよ〜」

「もう!しっかりして下さい」

私達はファミレスで朝食を取っています。

「昨日はよく眠れたか?」

「はい、おかげさまでぐっすり寝ることができました」

「そうか」

澪先輩はにっこりと笑います。

「……コク……コク」

「あ、ゆい先輩寝ないで下さい」

「……あう。寝てないよ〜……ぐう」

「説得力がありません。昨日は寝てないんですか?」

「……ぐっすり寝たよ〜」

「まだ、寝足りたいんですか。ほら、料理も着ましたよ。早く食べないと冷めちゃいます」

「あずにゃん、食べさせて〜」

168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 06:57:24.40 ID:NcMDH6Rz0
「なんで、私が」

「……ぐう〜」

「もう。仕方がありませんね。……ほら、アーンしてください」

「アーン」

パク。もぐもぐ、もぐもぐ。ぐう〜。

「だから、寝ないで下さい」

「まあまあ、昨日が昨日だから疲れたんだろう。そっとしておきなよ」

「そういえば、澪先輩はこの後どうするんですか?」

「朝食が終わったら、イワヤマトンネルに行くよ」

「なら、その前に勝負してみませんか?どれくらい、強くなったのか、試してみたいので」

「……ごめんな。今回はやめとくよ。梓とはポケモンリーグで戦いたいんだ」

「……そうですか」

「それに今日くらいはゆっくりしてやれよ。……ゆいもこんな状態だし」

「ぐう」

「……そうですね」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 06:58:01.22 ID:NcMDH6Rz0
「それじゃ、私は行くな」

「頑張ってください。それにしても、申し訳ないです。今日泊まるホテル代まで出してもらって」

「いいんだよ、気にしなくて……………一緒に寝ることができたしな」

「はい?すいません、最後の方がよく聞こえなかったんですけど」

「なんでもないよ。じゃあ、また会おうな」

「はいです」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 06:58:57.74 ID:NcMDH6Rz0
私達は澪先輩を見送りました。

「これから、どうしましょうか、ゆい先輩」

「う〜、寝たいよ〜」

「もう!!どうしたんですか、今日は」

「あう〜。別になんでもないよ〜。ただ、眠いだけだよ〜。……………昨日は調子に乗って、今日の5時まで、戦っちゃったんだもん」

「はい?いまなんて……」

「ねえ、今日は一緒に寝て過ごそうよ〜、あずにゃ〜ん」

「さすがに寝て過ごすわけにもいきませんよ」

それもいいかもしれませんが、ちょっともったいない気がしますし。

「仕方がありません。じゃあ、ゆい先輩は寝ていて下さい」

「あずにゃんは?」

「私はみんなのレベル上げをしてきます」

「え、や、やめた方がいいよ(昨日もあんなに付き合ってもらったのに)」

「何を言ってるんですか。ハナダジムにも挑戦していくんですからね。万全にしておかないと。じゃあ、いったん、ホテルに戻りましょう」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:00:13.96 ID:NcMDH6Rz0
「ぐうぐう、ぐうぐう」

ゆい先輩はベットで気持ちよさそうに寝ています。一体、昨日、何をしてたんでしょうかね。テレビでも見てたんでしょうか?

「それにしても、幸せそうな寝顔ですね」

どんな夢を見てるんでしょうね。ゆい先輩のことだから、ケーキとかを食べてる夢でしょうか?起こすのも悪いので、サッサと行くとしましょう。一応、メモを残しておきましょう。

『ハナダの外れ、私達が戦った場所に行ってきます。 梓より』

これでよし。さて、行きますか。

「……あずにゃ〜ん」

ビクッ。

172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:01:01.80 ID:NcMDH6Rz0
「ムニャムニャ、そんなことしちゃ駄目だよ。……あん。変なとこ触んないでよ。……ムニャムニャ」

いきなり、名前を呼ばれてびっくりしましたけど、寝言ですか。というか、どんな夢を見てるんでしょうか。まあ、知りたくありませんけど。というより、知ってはいけない気もしますが。このまま、行ってもいいんですけど、なんとなくしゃくなんで、ちょっといたずらしてみましょう。

ツンツン。

私は柔らかそうなゆい先輩のほっぺをツンツンとつついてみる。プニプニしていて実に気持ちいい。癖になりそうです。

ツンツン、ツンツン。

「あう〜」

ゆい先輩は少しうっとうしそうに寝返りを打ってしまいました。少しやりすぎたかもですね。私は今度こそ、黙って、部屋を出ました。
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:01:32.36 ID:NcMDH6Rz0
「よし、ここでいいかな」

私はデルビルとイーブイを出す。

「前回、デルビルは頑張ってくれたんだけど、もう少し、レベルを上げたほうがいいから、今日も頑張ろうね、デルビル」

私はデルビルの背中をなでる。

「イーブイはまだ、使いこなせない部分もあるから、レベル上げとともに、そこらへんもやるけど良いかな?」

「ブイ」

「そっか。ありがとね」

ナデナデと頭をなでる。

「じゃあ、皆、今日も頑張ろうね!」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:03:00.34 ID:NcMDH6Rz0
12時ごろ

「う〜ん、よく寝た〜」

私はちょうど、おなかも減ってきて目が覚めた。やっぱり、夜に特訓しても、こんなに眠くなったら意味ないね。今度からは気をつけなきゃ。
そういえば、あずにゃんはどこだろ?私は辺りを見回すとテーブルの上にメモがあります。うーんと、何々。

『ハナダの外れ、私達が戦った場所に行ってきます。 梓より』

なるほど、きっと、皆のレベル上げでもしてるんだろう。あずにゃんには内緒だけど、昨日の夜もやったし、皆には悪いことをしたかもしれない。

「う〜ん、どうしよう?」

時間もお昼だし、迎えに行こうかな。私は準備をして、あずにゃんを迎えに行くことにした。
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:03:35.34 ID:NcMDH6Rz0
「ふう〜、ちょっと休憩しましょうか」

私は連携を確かめたり、イーブイの進化の使い方の確認を行ったりしました。なので、ちょっと、疲れました。

「イーブイ、こっちにおいで。ブラッシングしてあげますから」

こういうちょっとしたコミュニケーションも大事ですよね。トレーナーとして。

「ブ〜イ」

「デルビル」

「デルビルもやってほしいの?ちょっと、待っててね」

私はイーブイのブラッシングをしつつ、デルビルの頭をなでる。嬉しそうにするイーブイやデルビルを見ると気分が良いですね。

「そういえば、もう、お昼ご飯ですね。唯先輩のところに戻りますか」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:04:52.26 ID:NcMDH6Rz0
「残念だけど、それはできないな」

声のした方を見ると、見覚えのある服を着た3人の男がいました。周りには5匹のアーボックとマタドガス達がいます。

「昨日はよくもやってくれたな」

「あなた達は昨日捕まったはずじゃ」

「洞窟内部でやられたからな」

「逃げるのも楽だったわけよ」

なるほど、納得です。

「てめーのポケモンを奪って、ロケット団に戻ってやる」

どこまでも下種な人たちですね。でも、こちらはきついですね。デルビルとイーブイは疲れてますし、万全なのはハッサムだけですか。まあ、でも、問題ないですね。ハッサムは強いですし。

「出てきて、ハッサム」

私はハッサムを繰り出しました。

「マタドガス、アーボック」

「行きなさい、ハッサム。バレットパンチ」

ハッサムは先制攻撃を仕掛けます。そのおかげで、マタドガスをまずは倒しました。

「次もやるです、メタルクロー」

続いて、アーボックにも攻撃を加えます。

「シャーボック」

アーボックもふっ飛ばして、倒しました。これで、後、3匹です。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:05:50.35 ID:NcMDH6Rz0
「どんなもんですか」

「くっくっくっ。まあ、これくらいは計算どおりだな」

「強がりですか。情けない連中ですね」

「まあ、こいつを食らってから言いな」

そう言って、ロケット団はハッサムにビンの入り口に紙を入れて、火をつけて、投げてきました。あれはなんていうんでしたっけ、そうだ。

「火炎瓶!?」

「そのとおり」

ハッサムははがねタイプでほのおタイプ、すなわち、火の技が弱点です。つまり……

「ハッサーーム」

ハッサムに大ダメージということです。

「大丈夫ですか、ハッサム。戻ってください」

「これで、切り札は消えたわけだ」

「私には、まだ、2匹います」

「そんなに弱ってる奴が2匹いてもな〜」

たしかに、今までの特訓のせいで疲れきってますからね。

「こっちは残り、3匹。そっちは2匹。おまけに妙な奴もいない。終わりだな」

「くっ」

どうすればいいんでしょうか。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:06:39.90 ID:NcMDH6Rz0
「お〜い、あずにゃ〜ん」

「あ、ゆい先輩」

「チッ、また、あのガキか」

「むむ、これはあずにゃんのピンチだね」

「かまわねえ、やっちまいな」

「それじゃ、早速いくよ〜(格好よく倒して、あずにゃんになでなでしてもらおう)ゆいちゃん真拳奥義『ゆいあず☆ちょっと残念な昔話』」

あれ?今回はいつもと違いますね。人形が出る様子もありませんし、名前も無茶苦茶だし。

「まず、初めのタイトルは『アズサの恩返し』」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:07:30.42 ID:NcMDH6Rz0
「誰かー。助けてください」

「むむ。あれはあずにゃんじゃないか。しかも、罠に掛かってる」

「助けてください」

「もちろんだよ」

罠を外す。

「ありがとうございます。このご恩はいずれ返します」

「いいよー、別に」

「いいえ、絶対返します。それではまた」

その日の夜

コンコン。

「はーい。どなた?」

「私は今日助けてもらったアズサです。約束どおり、恩返しに来ました」

「そんな〜。悪いね〜」

「では、恩返しの品です」

10円ガム。

「………」

「………」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:08:42.50 ID:NcMDH6Rz0
「意味わかんないよー」

アーボックにパンチ。

「別に恩返しのために助けたんじゃないけどさー」

キック、キック、パーンチ。

「シャーボック」

「でもさー、恩返しなんて言われたら、期待しちゃうじゃない」

ワンツー、ワンツー。

「物なんて要求しないけど、せめて、ネコミミをつけたあずにゃんを一日抱きつける券をあげるとかさ、やることあるんじゃないかなー」

「なにを言ってるんですか、ゆい先輩!!」

エネルギーを右手に溜まってます。

「ゆいちゃんパーンチ」

アーボックはふっ飛ばされてしまいました。

「なんだ、今の技は」

「くそ、マタドガス、ベトベトン」

2匹はゆい先輩に襲い掛かろうとします。

「次のタイトルはね、『ゆい太郎』」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:09:29.53 ID:NcMDH6Rz0
「さあ、さっそく、鬼ヶ島に出発しよう」

「はいです。皆、頑張ろうね」

「ニャー」

「……」

「あの、あずにゃん。この2匹は……」

「あずにゃん2号とスッポンモドキのトンちゃんです」

「………」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:10:23.66 ID:NcMDH6Rz0
「これじゃ、戦えないよー。ゆいちゃん昇竜拳」

マタドガスを上にふっ飛ばします。

「あずにゃんはいいとしても、あと2匹はなんなのさー。ゆいちゃんキック」

ベトベトンすらもふっ飛んでいきます。何なんですかね、この技。

「さて、残りは君たちだね。最後に一番残念な話をしよう」

「くそ。なんなんだ、こいつの強さは」

「いったん退くか」

「そうするか」
勝てないと分かったら、逃げるんですか。相変わらず、卑怯な連中です。

「一番残念な話……それは」

ゆい先輩は逃げ出す、ロケット団を先回りします。
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:11:15.61 ID:NcMDH6Rz0
「この話だよーーーーーー」

と、叫んで、まず1人をキックで、ふっ飛ばしました。なにを言ってるのかはよく分かりませんが。

「もっと、書き手が良ければ、もっと、あずにゃんとイチャイチャして、それこそ、18歳未満お断りな展開もあったかもしれないのにさー」

まったく、言ってる意味がわかりません。

「くらえー、ゆいちゃん百烈拳」

ロケット団に百烈拳を叩き込みます。

「何事かね、この騒ぎは」

この騒ぎを聞きつけたのか、おまわりさんがやって来ました。

「ロケット団が襲ってきたんです」

「何!?」

その後、私達を襲ってきたロケット団の人達は見事に捕まりました。
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:12:33.29 ID:NcMDH6Rz0
「事情聴取などで、結局一日が潰れちゃいましたね」

「そうだね。でも危なかったね、あずにゃん。私が来なかったら、どうなってたことか」

「そうですね。今回は本当に助かりました」

「ねえねえ、あずにゃん。私のこともっとほめても良いんだよ〜。例えば、ナデナデしたり、ほっぺたにチュ〜、とかさ」

「調子に乗らないで下さい」

でも、そうですね。卑怯ですけど、気になってたことを聞きますか。

「撫でるくらいならしてあげますけど、1つ条件があります」

「条件?」

「昨日の夜なんで遅くまで起きてたんです?」

「それは………してたんだよ」

「はい?」

「特訓してたんだよ〜」

「特訓?」

「うん。皆に付き合ってもらって、今日の5時まで」

「ぷっ、くくくくく」

「笑わないでよ〜、こっちも真剣なんだから」

「すいません」

ナデナデ。

「あう〜」

気持ちよさそうにする、ゆい先輩。
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:13:24.69 ID:NcMDH6Rz0
「どうして、急に、こんなことを?」

「澪ちゃんに負けたくなかったんだ」

「はい?」

「あずにゃんは澪ちゃんを見る目がとても、尊敬してるというかある種の安心感みたいな感じだったから、私が強くなれば、そんな眼で私を見てくれるかなって」

「……ゆい先輩」

いつも、ちゃらんぽらんに見えてもやるときはやるんですね。

「今度からは、そういう時は私に言ってくださいね」

「どうして?」

「どうしてって、私は……」

「私は?」

「ゆい先輩のパ……トレーナーですから。……さ、夕食でも取りましょうか」

「うん!」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/05/30(月) 07:16:06.22 ID:NcMDH6Rz0
ハナダ編@ 「VS残党」終了

今までで一番グダグダな気がする
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/30(月) 12:37:18.57 ID:+LjWTC9DO
gdgdでもいいんじゃないか?
面白ければおk!
乙!!
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/05/31(火) 16:23:11.03 ID:fAPtYKIZ0
乙!
今後の展開が全く読めないから楽しみだ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/01(水) 20:16:54.36 ID:C07bW9TAO
更新が待ち遠しくてたまらん!
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:22:23.05 ID:5tT44Yda0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ

澪     ゼニガメ

律     ヒトカゲ

ムギ    フシギダネ

純     うい

ゆいの外見の設定が曖昧だから、ちゃんとしておこう

身長は幼稚園の唯くらいで髪型は高校生の唯と考えて下さい。

ハナダ編似A 「梓争奪戦@・ゆいVS律」 以下、投下
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:23:48.11 ID:5tT44Yda0
トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋

『サントアンヌ号の襲撃か』

『ええ』

山中さわ子は梓たちを襲った男、マコトに言う。

『次は失敗しないでよ』

本来なら、一度失敗した男にこんなことを頼むべきではないかもしれない。しかし、この男は強い。さわ子はいろんなトレーナーを今まで見てきているが、この男、マコトは強いと感じる。今回はイーブイ捕獲の指揮官を任せたが、こいつの実力なら、おそらく、さわ子の次に、つまり、副部長くらいの地位にはいけるだろう。……ただ、1点の弱点を除けば、の話だが。

『なんで、襲撃するんだ?』

『琴吹家が私達に対する資金援助を断ったからよ』

なるほど、とマコトは考える。しかし、これは殲滅部隊の管轄ではないだろうか。捕獲班も、邪魔者の誘拐等も行うが、もともと、本来の管轄ではない。それに、ここまでのことなら、殲滅班の管轄だろう。さわ子はそんなマコトの疑問を感じ取ったのだろうか、こう答えた。

『今回のはいわば脅し。本気で殲滅する必要はないのよ』

『なるほど』
ロケット団も組織の維持のためにはある程度の資金が必要である。ポケモンの売買だけでは足りないものだ。このため、資金を確保することは何より重要なのである。今回の襲撃でたくさんの犠牲が出れば、十分な脅しにはなるだろう。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:24:54.89 ID:5tT44Yda0
『今回、あなたが連れて行ったどくタイプ班は全滅だったわね』

先日のイーブイ捕獲のための襲撃失敗、残党による梓たちへの襲撃失敗により、全滅していた。

『もとより、雑魚だったからな』

『強気ね。でも、こっちはどくタイプ班の班員を再構成しなきゃいけないのよ』

『そんなことより、何故、サントアンヌ号を?脅しなら、自宅でいいだろ』

『犠牲は多い方がいいと思わない?』

『なるほど』

自宅では家族のほか、せいぜい家政婦くらいだが、サントアンヌほどの客船なら、何百、何千人の関係ない奴の犠牲が出るだろう。マコトは考えただけでも興奮する。

『パーティーがあるからね。会長や社長本人は出ないけど、そのパーティには会長の孫も出るらしいから』

『……名前は?』

『名前は琴吹紬。って言っても、あなたが興味あるのは名前じゃないでしょ。なかなかの上玉よ』

『当然、犯してもいいんだよな?』

『いいわよ。ちゃんとビデオに収めてね。会長に送ってあげるから。裏ビデオにも流せるし』

『了解』

笑っているマコトを見ながら、さわ子は溜息をつく。これがなければ、それなりに上にいけるのだろう。

『とりあえず、詳細は後で言うから、その時の指揮は頼むわよ』

『了解』

ほくそ笑み、マコトは部屋を去っていった。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:25:55.59 ID:5tT44Yda0
ハナダのホテル

「……ほわ〜。朝か」

さて、着替えて、準備しないと。

「う〜ん。ムニャムニャ」

可愛らしく、寝ているゆい先輩を見る。幸せそうな寝顔ですね。柔らかそうなゆい先輩のほっぺを見る。昨日もやったけど、もう一回だけ。

ツンツン。プニプニ。ツンツン。プニプニ。

……楽しいですね。本当に癖になりそうです。
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:26:48.68 ID:5tT44Yda0
「あう〜、……アイスだ〜」

「え、ちょっと」

ゆい先輩は寝ぼけて、アイスと勘違いしたのか、私の指をペロペロと舐めてきます。

「あう〜、これは今までに食べたことのない味だよ〜」

舐めてただけだったんだけど、口に入れて、チュパチュパと吸ってきます。そう、例えるなら、赤ちゃんが哺乳瓶を吸ってる感じですね。その
上、舌で私の指を舐めてきます。

「ちょっと……、ゆい先輩、やめて下さい」

「ほえ……」

ゆい先輩は目をパッチリとして目を覚ました。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:27:26.56 ID:5tT44Yda0
「……」

「……」

「……あずにゃん、朝からエッチだね」

「な!!」

「朝から、私の口を使って、指をチュパチュパさせるなんて……あずにゃんたら、もう」

「ち、違います。これは、ゆい先輩が勝手に……」

「照れなくてもいいよ〜。エッチなあずにゃんも可愛いよ〜」

「だ、だから、違います!これはゆい先輩が寝ぼけて、私の指を舐めたんです!」

「そんなに、掴みかからないでよ〜。仕方がないな〜。あずにゃんがそうだって言うなら、そういうことにしておくよ〜」

「納得してもらえたなら、結構です」

いまいち釈然とはしませんが。

「ほら。起きたなら、準備して下さい」

「はいはい」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:28:31.71 ID:5tT44Yda0
私達は準備をして、朝食を取ることに。

「今日はどうするの?いちゃいちゃするの?」

「それは選択肢にもありませんけど、とりあえず、ジムに……」

「よう、梓じゃないか」

「はい?あ、律先輩」

「久しぶりだな。ここ、いいか?」

「はい、どうぞ」

「どうだ、バッチの方は?」

「そうですね〜、まだ、バッチが1個で……、律先輩は?」

「私は、つい先日に3個目をゲットしたよ」

「そうですか。昨日、澪先輩に会いましたよ」

「そうか。あいつ、強くなってるぞ。戦ったか?」

「いいえ。誘ったんですけど、断られちゃいました」

「まあ、そうだろうな。……梓に酷い事出来ないだろうしな」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:29:34.29 ID:5tT44Yda0
「はい?」

「そういえば、えーと、そこにいるちっちゃいの、名前は……」

「ゆいだよ〜」

「そうそう、ゆいだったな。強くなったのか?」

「もちろんだよ〜。私とあずにゃんの愛のち……モガッ」

「どうでしょうかね。ハハハハ」

「なんだ、その不自然な笑い」

「まあ、いいじゃないですか。気にしないで下さい」

「そうか。今日の予定はあるのか?」

「いえ、まだ、決まってはいませんが」

「なら、マサキに一緒に会いに行かないか?」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:30:45.94 ID:5tT44Yda0
「マサキ?それって、誰、あずにゃん」

「たしか、すごいポケモンマニアでパソコンつうしんのポケモンあずかりシステムを作ったらしいですね」

「そう、そいつだ」

「でも、なんでですか?」

「一度、会ってみるのもいいと思っただけだよ。せっかく、旅に出たんだし」

「なるほど」

バッチ1個しかない私にとっては、早くジムに挑戦したいんですが、しかし、律先輩の言うことも一理ありますし、久しぶりに会ったんですから、律先輩ともう少し、お話ししたいですし。マサキさんにもちょっと会ってみたいですし。私がちょっと悩んでいると、

「……やっぱり、私と一緒は嫌か?」

と、律先輩が不安そうに聞いてきます。

「あ、別にそういうわけじゃないですよ。いいですよ、行きましょう」

「そうか。……よかった」

律先輩は安心しているようです。

「むう」

「どうしたんですか、ゆい先輩。急に不機嫌になって」

「……別に。デザート頼んでいい?」

「別にいいですよ」

その後、ゆい先輩はデザートをガツガツ食べてたんですけど、どうして何でしょうか?
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:31:55.86 ID:5tT44Yda0
「それじゃあ、行くか」

「はいです」

「がんばろ〜」

朝食後、早速出発することに。

「そういえば、今までの旅で面白いこととかあったか?」

「面白いことですか?う〜ん、面白いことはなかったですけど……」

私は、おつきみやまでの死闘について簡単に説明しました。

「梓、お前、澪がいなかったら、やばかったんじゃないか?」

「そうですね。本当にそう思います」

「……なあ、旅をやめた方がいいんじゃないか?」

「え?」

「だって、ロケット団が梓達に復讐しに来るかもしれないだろ。現に昨日も来てるわけだし。次に襲われたら、本当にやばいんじゃないか」

「……律先輩」

律先輩は心底心配してるような表情で言います。きっと、私のことを考えて、言ってくれてるんでしょう。私は本当に良い先輩達を持っていると思います。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:32:55.68 ID:5tT44Yda0
「ありがとうございます。でも、そんな奴らのために自分の目標を諦めたくありません」

もし、そんな奴らのために自分の目標を諦めたりしたら、今まで、私と一緒に頑張ってくれた律先輩達や支えてくれた両親達にも申し訳ありません。

「よく言ったね、あずにゃん。私がナデナデしてあげよう」

「ちょっ、やめて下さいよ」

肩車をしているので、私の上にいるゆい先輩が頭をナデナデしてきます。

「……そっか」

律先輩はなんていうか、寂しいような、嬉しいような、よく分からない顔で言います。

「どうしたんですか?」

「……いや、別に。梓も成長したんだな〜、って」

「なにを言ってるんですか」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:33:52.51 ID:5tT44Yda0
「そうだよね〜。あずにゃんもだいぶ成長したよ」

「ゆい先輩まで。だいたい、ゆい先輩は私と会ってそんなにたってませんよ」

「あの時は、毎日、いろんなポケモンを見て、眼を輝かせてたな〜」

「なんですか、急に」

「昔を懐かしんでただけだよ。あの頃はなにかあれば、澪先輩〜、ムギ先輩〜、だったからな」

「りっちゃんは何も言われなかったの?」

「……ああ」

「……それは悲しいね」

「分かってくれるか」

「うん」

「勝手に捏造して、意気投合しないで下さい」

目の前で、ガシッ、っと手をつなぐ二人を見て、私は言います。確かにそんな気もしますけどね。

「なあ、梓。私と一緒に旅をしないか?」

律先輩は唐突に頬を赤らめて言います。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:34:44.26 ID:5tT44Yda0
「律先輩と?」

「ああ。また、あんな連中が襲ってくるかもしれないだろ。旅を続けるにしても、2人なら、まだ、安全だろ」

「それはそうですけど……」

私のことが心配なんでしょう。顔が赤いのも、そんな理由で恥ずかしいからでしょうね。

「……私とじゃ駄目か?頼りにならないか?」

普段の律先輩とは思えないほど、不安そうに聞いてきます。どうしたんでしょうか?

「別にそういうわけじゃないですよ。律先輩の気持ちは分かりましたけど、律先輩はバッチ3個で私は1個。律先輩を足止めするわけにも行き
ません。……それに」

「それに?」

「私は強くなって、皆さんに挑戦したいんです。だから、どんな困難にも挑戦していきたいんです!!」

律先輩と一緒だと律先輩を頼ってしまいますし。それだと、強くなれませんし。

「あずにゃん、すごい燃えてるね、りっちゃん」

「ああ。少年漫画みたいなノリだな」

「人がやる気になってるのに水をささないで下さい」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:35:47.79 ID:5tT44Yda0
なんだかんだで、マサキさんの家に。

「こんなところで1人で暮らしてるんですね」

「風変わりな奴だよな」

「まったくだね、近くにコンビニもないし、不便極まりないよね」

「郵便とかも大変ですよね」

「ああ。新聞なんかもな。毎朝、こんなところにも届けると思うと……」

「うわっ。はげしく嫌だね」

「冬とか、すごく寒いのに、こんな寒いところまで」

「冬も辛いけど、夏はもっと辛いだろうな」

「まったく、こんなところに住むなんて迷惑だよね」

「……聞こえてるよ、君達」

中から、茶色の髪をした男の人が出てきました。
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:37:12.12 ID:5tT44Yda0
「君達は私の家にいちゃもんをつけに来たのかな?」

「すいません。そういうつもりじゃないんです」

「そうそう。ものすごく遠かったから、つい口から出てしまったというか……」

「……はあ。まあ、いいよ。で、何をしに来たんだい」

「珍しいポケモンを見せてもらいたくて来ました」

「分かった。とりあえず入りなさい」

私達は客室に通されました。

「なにか、飲むかい?」

「あ、いえ、お構いなく」

「私はジュースが……モガッ」

失礼なことを言い出すゆい先輩の口を塞ぎます。

「……フフ。じゃあ、ジュースでも」

「……すいません」

でも、ばっちり聞こえてたようです。……恥ずかしい。
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:38:49.74 ID:5tT44Yda0
「それで、どんなポケモンが見たいんだい」

「ものすごく、かっこいいやつ」

「ものすごく、可愛いやつ」

律先輩とゆい先輩が同時に言います。

「ちょっ、二人とも。もう少し、遠慮して下さいよ」

「まあまあ。でも抽象的過ぎるね。君は何かあるかい?」

「私は……パソコンつうしんのポケモンあずかりシステムをどうやって作ったのか知りたいです」

「そんなのつまんないよ〜」

「そうだそうだ〜」

「いいじゃないですか、別に」

「君達は面白いね。そこの小さい子はえーと……」

「そういえば、自己紹介がまだだったな。私は田井中律だ」

「私はゆいだよ〜」

「中野梓です」

「私はマサキ、ともう知ってるよな。それで、ゆいちゃんは田井中さんの妹かな?」

「違うよ。私はこれでも、立派なポケモンなんだよ」

フンスと胸を張ってゆい先輩は言います。
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:39:57.56 ID:5tT44Yda0
「君が?面白いことを言うね〜」

マサキさんは将来はウルトラマンになるんだって、言う子供を見る大人のような目で見ます。

「む、信じてないね。あずにゃん、いつものを」

「そんな、常連の店に来た客みたいに言わないで下さい」

そして、いつものようにボールの出し入れを。こうしなきゃ、信用されないポケモンも珍しいですよね。

「これは驚いたね。君はどっちのポケモンなんだい?」

「私はあずにゃんのポケモンだよ〜」

そう言いながら、ゆい先輩は私に抱きついてきます。

「あずにゃん分補給〜」

「ふむ、随分仲がいいね」
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:41:25.24 ID:5tT44Yda0
「それはそうだよ。私達の関係はトレーナーとポケモンの枠を超えてるんだよ〜」

「な、何を言い出すんですか」

「へえ、例えば?」

「あずにゃんたら、私が寝てる間に、私の口に指を入れてチュパチュパさせるんだよ〜」

「な!!ちょっと待って……」

「……君にはそんな趣味が……」

「梓。同性愛はいいけど、さすがにロリコンっていうのは……」

「なにを言ってるんですか」

「そうだよ。私は18歳だからロリコンでもないよ」

「そういうことを言いたいんじゃありません」

「なるほど。合法ロリ、と言うやつだね」

「ある意味、梓のほうが珍しくないか?」

「確かに。同性愛のうえにロリコンというのは珍しい」

「だから、違いますよ。何で、皆、温かい眼で見るんですか」

「もしかすると、ゆいちゃんを連れているのも……」

「え、そうなの、あずにゃん。でも、安心していいよ。私はどんなあずにゃんでも受け入れてみせるよ」

「それは私だって、そうだ」

「りっちゃんは無理だよ。だって、体型が受け入れられないから」

「ふん。私の力で、梓をロリコンから救ってみせるさ」

「君達の愛は素晴らしいね」

「………」

「ん?どうしたの、あずにゃん」

「…………い」

「い?」

「いい加減にして下さーーーーーーーーい」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:43:27.92 ID:5tT44Yda0
「「「すいませんでした」」」

「分かればいいんです」

私はしばらく我を忘れて怒ってしまいました。……まったく、マサキさんまで。

「ごめんね、あずにゃん。ロリコンは正義だよね」

「……ゆい先輩」

私はゆい先輩の頬を引っ張ります。

「いらいふぉ、あすにゃん」

「君達は面白いね。このまま、芸人にでもなればいいんじゃないか」

「何を言い出すんですか」

「ごめん、ごめん。そういえば、ちょうどいい。君達なら、この子を任せられそうだ」

「なんか、くれるのか?」

「実は先日ジョウト地方から、あるポケモンをもらってね。このまま、家においておくのもいいんだけど、もったいないからね。ちょうど引き
取り先を探していたんだ」

「どんなポケモンなんです?」

「これだよ」

そう言って、ボールから出したのは黒い猫みたいなポケモンです。確かにカントーのポケモンじゃないですね。

「これはニューラというポケモンなんだ」
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:44:34.36 ID:5tT44Yda0
「可愛いね〜。猫みたいだし、あずにゃんにぴったりだよ」

「ちょっと待て。別に梓がもらうって決まったわけじゃないだろ」

「そうだね。悪いんだけど1匹しかいないから、話し合うなりで決めてくれると助かるんだけど」

「むむ。りっちゃん。ここはあずにゃんのために退くべきじゃないかな?」

「ゆいだって、私に譲れば、梓にもっと甘えられるぞ」

「早くもヒートアップしてるね」

「トレーナーのはずの私は置いてかれてますけどね」

「よし!!じゃあ、ゆい。私が勝ったら、そのポケモンは私がもらって、梓は私と旅をするっていうのはどうだ」

「望むところだよ!私が勝ったら、その子とあずにゃんをもらうよ」

「え、なんか、話が変わってませんか?」

「君はもてるんだね」

「私が?まさか〜。2人とも、私をマスコットかなんかと思ってるんですよ」

「……君は本気で言ってるのかい?」

「はい?何か間違ってますか?」

「いや。……あの2人が不憫だ」

「?」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:46:31.23 ID:5tT44Yda0
とりあえず、ニューラをかけて、勝負をすることに。

「あずにゃん、ボールを貸しなさい」

「はい?ゆい先輩が戦うんですか?」

「この勝負は私のあずにゃんへの愛を確かめる戦いなんだよ」

「……また、愛とかなんか言わないで下さいよ」

とりあえず、ゆい先輩にボールを渡します。

「勝負だよ、りっちゃん」

「望むところだ」

「使用ポケモンは3対3。形式は総当たり戦。準備はよろしいかな?」

審判はマサキさんが行います。

「うん。いつでもいいよ〜」

「こっちもだ」

「では……」

「「「バトル開始!!」」」

「出て来い、サワムラー」

「出て来て、ブイ太」

「サワムラーとイーブイか。これはサワムラーかな」

「いえ、私のイーブイは……かくかくしかじか」

「……ひどいことをするものだな」

「ええ」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:48:50.25 ID:5tT44Yda0
「ブイ太。今回はこれだよ」

ゆい先輩はかみなりの石を当てます。すると、イーブイはサンダースに進化しました。

「のんきにしてると痛い目を見るぜ。サワムラー、まずはゴムゴムのムチだ」

サワムラーはどこかの海賊漫画の主人公が出す技を出し始めました。

「しゃがんで」

すんでのところで、サンダースはしゃがんでかわします。

「反撃だよ。こうそくいどうで、サワムラーの胸元に入り込んで、十万ボルトだ」

サンダースは10m近くあった距離を一瞬で、サワムラーのところまで到達し、十万ボルトをサワムラーに浴びせます。

「ムラーー」

「よし、効いてるよ」

「あまいな」

サワムラーは十万ボルトを受けてるのもかまわずに、まわしげりをサンダースに仕掛けます。

「ダース」

その攻撃を避けきれず、サンダースはまともに喰らって、5メートルも吹っ飛ばされました。

「サワムラ」

サワムラーは倒れてる、サンダースに膝で追撃を喰らわせようとしますが、なんとか、転がって、サンダースはかわします。

212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:49:16.35 ID:5tT44Yda0
「よし、距離をとって、ブイ太」

サンダースは素早く距離をとる。サンダースの素早さの方がサワムラーよりも早い。

「ブイ太。こうそくいどうでサワムラーの周りを回りながら、かげぶんしん!」

サンダースはサワムラーの周りを忍者のように分身しながら回ります。

「まったく関係ないな。サワムラー」

サワムラーは足を伸ばして、サンダースが回ってるところに足を置き、まわしげりを仕掛けます。なるほど。これなら、サンダースがいくら早くても、関係ないですね。

「そうくるのを待ってたよ。ブイ太」

サンダースはかげぶんしんをやめ、サワムラーの足元に向かって、突撃します。

「ブイ太、かみついて!!」

サワムラーの足をサンダースがかみつきます。

「無駄だぜ。接近戦なら、サワムラーの方が強いぜ」

サワムラーはまわしげりをしていた片方の足を上に振り上げました。

「いけ、サワムラー。ゴムゴムの斧ーーーーーー」

「今だ、ブイ太。かみなりだーーーーーーーー」

サンダースは振り上げてるサワムラーの足にかみなりを落としました。例えるなら、避雷針みたいな感じですか。

「ムラーーーーーーーーーー」

サワムラーは感電しながらも、サンダースに向かって、足を振り落とします。かみついているサンダースの背中にサワムラーの足が振り下ろされ、サンダースはそのまま、地面に叩きつけられ、あまりの威力で地面にめり込んでしまいました。

「どっちが勝ったんでしょうか」

「うむ」

地面にめり込んでいるサンダースはが何とか立ちますが倒れてしまいました。サワムラーはなんとか、立っています。

「サンダース戦闘不能。よって、サワムラーの勝利。律選手に1ポイント」
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:49:58.51 ID:5tT44Yda0
「へっ。まずは1勝だな」

「まだ、勝負は始まったばかりだよ」

「次も私の勝ちだ。いけっ、ニョロゾ」

「頑張ってね、サムちゃん」

「ニョロゾとハッサムか」

「ハッサムは私のメンバーでも特に強いんですよ」

「なるほど」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:50:56.83 ID:5tT44Yda0
「まずは先制だよ。バレットパンチ!」

「かわせ、ニョロゾ」

ニョロゾの反応よりも素早く、ハッサムの攻撃は決まりました。

「まだだよ、サムちゃん」

「ハッサム」

ハッサムは、ひるむニョロゾにメタルクローの連打を浴びせます。

「くそ。みずのはどうだ」

連打に苦しむニョロゾはなんとか、反撃し、ハッサムを少しふっ飛ばします。

「ハッサム」

しかし、ハッサムはひるまずに自分のはさみをクロスさせ、ニョロゾに突撃します。

「ニョロゾ、避けろ!!」

「残念だけど、あの、ニョロゾと君のハッサムじゃ、実力が違いすぎるね。よく育てたね」

「ありがとうございます」

ニョロゾは避けきれず、ハッサムのシザークロスをまともに受け、上に吹っ飛ばされました。

「ニョロゾー」

バーン。

地面に叩きつけられました。目をグルグル回しています。

「ニョロゾ、戦闘不能。ハッサムの勝ち。ゆい選手に1ポイント」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:52:14.48 ID:5tT44Yda0
「1対1ですか」

「次で決着だね」

「さて、次はいよいよ、私の番だよ。あずにゃん、ボールを持ってて」

ゆい先輩は私にボールを渡します。

「さあ、来い。りっちゃん」

「じゃあ、因縁の相手と行くか」

因縁の相手というと、私と律先輩が初めて、戦った時に出したポケモン。つまりはヒトカゲですか。

「ふん。私に負けたポケモンだね。何度でもかかってきなさいな。私が何度でも粉砕してあげるよ」

「へらず口を叩けるのも今のうちだぜ。いけっ、リザード」

「リザード」

「進化したんですか」

「当たり前だろ」

「ふ、ふん。進化したって私の敵じゃないよ」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:53:08.83 ID:5tT44Yda0
ジリジリ。

「なんで、あとずさってるんですか」

「だ、だって、怖いよ。あの子」

「サッサと蹴散らせ。きりさくこうげきだ」

「ヒイ」

ゆい先輩は何とかかわすも、地面は30cmくらいえぐれています。

「どうした、ゆい」

「………怖いよ〜」

ピョコピョコっとゆい先輩は逃げ出しました。

「くそ、追え、リザード」

「リザド」

「わっ。追いかけてきたよ。た〜す〜け〜て〜」

一生懸命逃げるゆい先輩に追いかけるリザード。なんていうか、ガキ大将に追われる、眼鏡をかけた小学生みたいな感じで、グダグダです。
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:55:04.33 ID:5tT44Yda0
「リザード、ほのおのうずで逃げ道をふさげ」

リザードはほのおのうずでゆい先輩の周りに炎を出します。

「あつっ!これじゃあ、逃げられないよ」

「今だ、きりさけ!」

「しまった!」

「ゆい先輩!」

リザードのきりさく攻撃は見事にゆい先輩のお腹から真っ二つに引き裂きました。

バタ。

空中に浮いていた、ゆい先輩の上半身が地面に落ちます。

「……ごめんな、ゆい。これも勝負なんだ。マサキさん」

「ああ。ゆいせんと……」

「まだ終わってないよ!」

「何!?」

「どこにいるんだ」

「上だよ〜」

上を見ると、ゆい先輩がジャンプをしていて落下してきています。

「サチッ」

「え。じゃあ、これは?」

「それはゆいぐるみだよ。名づけて、ゆいちゃん真拳奥義『身代わりの術』」

「そのまんまだな、おい」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:56:16.32 ID:5tT44Yda0
「まるで、忍者みたいだね、君のポケモンは」

「そうですね。私でもまったく理解できません」

「さて、今度はこっちの番だよ。いくよ、ギー太。D・Dモードだよ」

D・Dモード?初めて聞きますね。

「どうせ、ギターの音だろ?弾かせる前に攻撃だ、リザード」

「チッチッチ。そんなもんじゃないよ。ゆいちゃん真拳奥義『ゆい戯王デェルモンスターズ』」

「ゆい戯王!?」

「………はあ。また訳の分からない技を……」

ゆい先輩はカードをギターにセットしました。

「まずはデッキから、カードを五枚ドロー。さて、まずは私のターンから。カードを1枚ドローするよ。……うん、まずはこのカードを召喚だ!」

ゆい先輩はカードをギターにセットします。……どんな仕組みなんでしょうね、あれ。

「なんだ、あれ。カードが実体化した」

カードが実体化したのはいいんですけど、あれって私に似てません?

「ふっふっふ。私が召喚したのはあずにゃんだよ」

やっぱり。

「そして、私は装備魔法『ネコミミ』を装備するよ。ターンエンド」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:57:30.38 ID:5tT44Yda0
「訳の分からない技を使いやがって」

「さて、りっちゃん。私を攻撃するにはあずにゃんを攻撃しなきゃいけないけど、りっちゃんにできるかな?」

「……くっ」

「普通に攻撃すればいいのに。どうしたんでしょうか?」

「………それは好きな人を攻撃はできないだろうね。たとえ、立体映像でもね」

「はい?何か言いましたか?」

「いや、なんでも」

「かまうもんか、リザード、きりさく攻撃だ」

リザードは『私』に向かって攻撃を仕掛けます。

「これで、終わりだ!!」

「それはどうかな?」

「何!?」

「ネコミミをつけたあずにゃんの効果を発動。相手の攻撃対象になった時、その可愛さから、相手のモンスターの物理攻撃力をゼロにする」

「リザード」

目がハートマークになって攻撃が鈍ってます。

「反撃。あずにゃんパンチ!」

「リザード」

リザードは反撃を受け、5m吹き飛ばされました。
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 17:59:15.22 ID:5tT44Yda0
「りっちゃん、お前、弱いだろ」

「何だと!」

「まさしく、最終戦という名にふさわしい戦いだね、中野さん」

「どこがですか?」

「私のターン。……引いたよ、キーカードを」

「何を引いたんだ!?」

「私が引いたカードは………封印されしユイゾディア!!」

「封印されしユイゾディアだと!馬鹿な、奇跡を起こしたというのか!!」

「そういえば聞いたことがある。手札に封印されしユイゾディア、制服、黒タイツ、ギー太、ヘアピンの5枚のカードがそろった時、強大な力が生まれると………」

「え!?何を解説しだしてるんですか!?」

手札をギターに1枚ずつセットし、巨大などこかの制服を着たゆい先輩が出て来ました。

「くらえ、ゆいちゃん真拳奥義『怒りの業火、ゆいゾート・フレイム』」

巨大なゆい先輩のギターから、火炎放射みたいなビームを出し、リザードに直撃し、15mくらいふっ飛ばされました。

「私の勝ちだね、りっちゃん」

「くっ。だが、まだまだだぜ」

「リザード」

傷つきながらも何とか立ち上がるリザード。……なんていうか不憫ですね。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:00:28.76 ID:5tT44Yda0
「ゆい、これを見てみな」

「? それはな〜に?」

「これは、梓の入浴シーンの写真だ」

「なっ!!」

「何だと!そいつをこっちによこすんだ、りっちゃん」

「ゆいが負けてくれたら、あげるぞ」

「そ、それは出来ない相談だよ」

「じゃあ、無理だな」

「う、うわあああああああ」

「はっははははは」

「りっちゃーーーーーーーん」

「リザード。かえんほうしゃで攻撃だ」

「無駄だよ。あずにゃんの効果で……」

「かえんほうしゃは特殊攻撃だぜ」

「!?」

リザードの攻撃で、『私』を攻撃し、破壊します。その影響で、ゆい先輩にもダメージが。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:01:46.06 ID:5tT44Yda0
「くそ、私のターン。私は手札抹殺を発動。手札を全て捨て、カードをその枚数分ドロー。つまり、デッキから5枚カードをドローする」

「どうした、いいカードでも引いたか?リザード、サッサとトドメを……」

「覚悟しろよ、このデコ野郎!」

「何だと!」

「私は魔道戦士ゆいちゃんを召喚。攻撃だよ」

戦士のコスチュームをして、剣を持っているゆい先輩がリザードに斬りかかります。

「リザーーーーード」

リザードは斬られるもまだまだ、元気です。

「その程度か。今度は……」

「何勘違いしてるんだ」

「ひょ?」

「まだ、私のバトルフェイズは終了してないよ」

「なにを言ってやがる。もう攻撃は終わってるじゃないか」

「そもそも、バトルフェイズ自体がおかしいんですけど」

「シッ。ここは静かにしてるところだよ」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:03:21.60 ID:5tT44Yda0
「速攻魔法発動だよ。『狂戦士の魂(バーサーカーソウル)』」

「狂戦士の魂(バーサーカーソウル)?」

「手札を全て捨て、効果を発動。このカードはデッキから、モンスターカード以外をドローするまで、何枚もドローし、その枚数分追加攻撃が出来る」

「何!」

「あのカードは……」
「また、何か知ってるんですか」

「ああ。あれは伝説のデュエリストが所有する伝説のカード……。こんなところで、目にするとは」

この人は、一体、何者なんでしょうか。

「さあ、行くよ。まず、1枚目、モンスターカード「中学生のあずにゃん」」

「なっ!」

「魔道戦士ゆいちゃん、リザードに攻撃」

戦士のコスチュームをして、剣を持っているゆい先輩がリザードに斬りかかります。

「グハッ」

「2枚目、ドロー。モンスターカード「黒く肌の焼けたあずにゃん」」

「ギャー」

「3枚目、ドロー。モンスターカード「ロングヘアーあずにゃん」」

「アアアア」

「4枚目、ドロー。モンスターカード「寝袋あず……」」

「もうやめるんだ!」

その時、マサキさんがゆい先輩に駆け寄りました。

「離してよ」

「リザードのライフはゼロだ。もうとっくに勝負はついてるんだよ」

「はあ、はあ」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:04:05.51 ID:5tT44Yda0
「梓、判定」

「え、私ですか。えーと、リザード、戦闘不能。よって、ゆい先輩の勝ち。ゆい先輩に1ポイント。計、2対1で、ゆい先輩の勝ちです」

「わーい、やったね」

「おめでとう。ニューラは君の物だよ」

マサキさんは私にニューラの入ってるボールを渡します。

「あ、ありがとうございます」

「……」

律先輩のほうを見ると、黙って、こっちに歩いてきます。や、やっぱり、今のふざけた戦いに腹を立ててるんでしょうか。律先輩はゆい先輩のところに歩み寄りました。
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:07:03.17 ID:5tT44Yda0
「な〜に、りっちゃん」

「いい戦いだったな」

と、ゆい先輩に手を差し出します。

「うん。今回は私の勝ちだけど、りっちゃんも強かったよ」

ゆい先輩はその手をがっちりと握ります。ほほえましい光景なんでしょうが、私にはまったくそんな感じがしません。

「最後の戦いはよかったよね。観客がいればスタンディングオペレーションだね」

スタンディングオベーションです。それに観客がいれば、怒るか訳の分からないって感じでポカーンとするだけでしょうね。

「ああ。また、こんな戦いがしたいな」

2度としたくありません。

「すばらしい戦いだったね、2人とも。特に最後の戦いはポケモンリーグでやってたら、歴代のバトルでも、名バトルとして記録に残るだろう
ね」

記録より記憶に残るでしょうね。珍バトルとして。

「そう思わないかい、中野さん」

「まったく、思いません」

私が正直に答えると、皆が冷たい目で見てきます。

「おいおい、梓。このバトルの良さが分からないと一流にはなれないぞ」

「一生、なれなくていいと思います」

「まったく、人が感動してるのに、少しは空気読みなよ、あずにゃん」

「そんな空気読みたくありません」

「あまり、我侭言ってゆいちゃんを困らせるのはいけないと思うよ」

「困らせるのはゆい先輩達ですし、あなたのキャラがよく分かりません」

「「「やれやれ」」」

「皆であきれないで下さい」
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:09:02.86 ID:5tT44Yda0
それから、私達は少しお話して、出発することに。

「もう、行くのかい」

「ああ。私はイワヤマトンネルの近くの宿泊施設に行かなきゃいけないから」

「それでは、さようなら」

「ばいば〜い」

「頑張ってくれよ。ポケモンリーグを楽しみにしてるよ」

私達はマサキさんと別れ、ハナダシティの近くに戻ってきました。

「さて、私も行くかな」

「もう少し、ゆっくりしてもいいと思うんですけど……」

「梓だって、早くジムに挑戦したいだろ」

「律先輩……」

さすがですね。私に気を使ってくれるなんて。

「じゃあな」

「あ、待って下さい」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:10:23.00 ID:5tT44Yda0
「なんだ、梓。私と別れるのが寂しいのか?」

「写真を返してください♪」

「……シャシン?ナンノコトダイ?」

「いいから、返してください♪」

「ダカラ」

「か・え・し・て・く・だ・さ・い」

「………はい」

「まったく。油断も隙もありません」

「ねえねえ、りっちゃん」

「なんだよ」

「あれ、1枚じゃないでしょ。私に1枚頂戴」

「………やだって言ったら?」

「今、あずにゃんに言う」

「分かった。やるから、黙ってろよ」

「もちろん」

「何を話してるんですか」

「なんでもないよ。ね、りっちゃん」

「ああ。ちょっと、別れを惜しんでただけだよ」

「いつの間にそんなに仲良しに……」

「「嫉妬かい、あずにゃん(梓)」」

「同時に同じこと言わないで下さい」

「さて、今度こそ、行くかな」

「それじゃ、また会いましょうね」

「ああ」

「バイバイ、りっちゃん」

「ゆいもまたな」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:11:02.08 ID:5tT44Yda0
私達は律先輩と別れ、ポケモンセンターに。

「とりあえず、1度回復させてから、ジムに挑戦しましょう」

「そうだね(澪ちゃんもりっちゃんもそうだったから、きっと、もう1人の子も……。駄目だよ、あずにゃんは私のものだもん。しっかり頑張らないと)」

ゆい先輩はなにか、決意してるようです。きっと、律先輩に会って、なにか刺激があったんでしょうか。これはいい傾向ですね。

「頑張ろうね、あずにゃん」

「はい!」

私達は、ジムに挑戦すべく、ハナダジムに向かいました。
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/02(木) 18:14:18.75 ID:5tT44Yda0
ハナダ編A 「梓争奪戦@・ゆいVS律」終了

今回が一番カオスな気がする。

230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 21:07:52.52 ID:zuKwhDWDO
乙!!
初期カードゲームしか知らない俺でも楽しめたよん
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/02(木) 21:26:17.97 ID:CprIZm5AO
乙!
まさかの遊戯王ネタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 23:15:56.54 ID:/bHaOUCH0
梓ハーレムだけつまらない
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/03(金) 05:41:41.24 ID:+E6X9kdr0
>>232
なるべく、善処します
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 07:56:02.59 ID:zAka2DWh0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ  ニューラ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギダネ

純     うい

注 実際の団体とは関係ありません

ハナダ編B 「VSカスミ」 以下投下
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 07:57:17.12 ID:zAka2DWh0
トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋

『さて、皆に集まってもらったのは、明後日、行われる、サントアンヌ号の船上パーティの襲撃とその際に琴吹会長の孫、琴吹紬を誘拐するための詳細を説明するためよ』

山中さわ子は辺りを見回す。この部屋には、マコトと、とり、じめん、みず、かくとうタイプの班長が揃っている。

『どうして、私たちなんですか』

みずタイプの班長は言う。

『あそこのジムはでんきタイプですよね。みずととりじゃ、きついと思いますが』

マコトは溜息をつく。この程度のことも分からないのか、と。

『そうね。でも、戦うのは船の上よ。船は水の上にあるのよ。タイプのうえでは不利でも、十分に有用なのよ』

船の上で戦う以上、海からの奇襲や空からの奇襲というのは、重要になる。地上ではないので、タイプの弱点だけが重要ではないのだ。
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 07:58:13.22 ID:zAka2DWh0
『今回の作戦も、マコト、あなたに指揮をとってもらうわ』

『意義ありです』

『どうして?とりタイプの班長さん』

『彼は前回の任務で失敗してます。そんな人を信用できません』

『間違ってはないわね』

『だから、私に指揮を執らせて下さい』

なるほど。この任務を成功させて、出世したいのね。人間とは強欲なものだと山中さわ子は考える。

『あなたはマコトよりも強いの?』

『もちろんです』

自信満々に答える。この自信は良いわね。私だって、強いっていえないのに、とさわ子は考える。まあ、過信じゃなければいいんだけど、ととも。

『じゃあ、1つ聞くけど、この任務でやるべき目標って何だと思う?』

『もちろん、迅速に琴吹紬を誘拐することです』
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 07:58:59.57 ID:zAka2DWh0
『……マコトは?』

『1人でも多くの人間を殺して、琴吹紬を誘拐する』

『理由は?』

『琴吹紬を誘拐するだけなら、襲撃する必要がない。それに、孫の誘拐だけなら、取引に応じない可能性もある。だが、1人でも犠牲者が多ければ、考えも変わってくる』

『どんな風に?』

『ただ、誘拐するだけなら、自宅でもかまわない。だが、これは報復という意味もある。なるべくなら、ロケット団に逆らったら、こうなると印象付けたいからな』

『なるほど』

『それだけじゃない。ここまで、残忍な奴だと印象付ければ、こいつらは援助しなければ、人質にも容赦しないだろうとさらに強く思うだろう。そうするとさすがに無視できない』

『だ、だがそれでは、警察も動くだろう』

『それはおれの知ったことじゃないな』

『それは大丈夫よ。すでに手はうってあるわ』
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:02:32.36 ID:zAka2DWh0
某所

『なるほど。今回の襲撃を見逃せば、援助金のうちの1割をくれると』

警察庁長官は言う。

『ええ』

『しかし、たった1割かね』

『不満ですか?』

『不満はないよ。曽我部君』

『すいませんね。政党への援助金のうちの3割の寄付もありますので』

ロケット団は主要といわれる三つの政党への寄付も行っている。どこが政権ををとっても、組織を壊滅させないためだ。

『分かってるよ。先日にも圧力があったからね』

それでも、長官にお金を渡すのは敵を増やさないためだ。世の中、敵を作ってばかりではだめなのだ。

『それでは』

『ああ』

曽我部恵はその場所を去った。
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:03:22.12 ID:zAka2DWh0
トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋

『だとしても、この男が指揮官なのは納得できません』

『それじゃあ、こいつよりもあなたは強いと』

『もちろんです』

『それじゃ、勝負しなさい』

『望むところです』

『本気でいいのか?』

『もちろん』

『ではさっそく、勝負……ぐっ』

突如として、とりタイプの班長さんの首にアーボックの尻尾が巻きつかれる。

『や…め…ろ』

『どうした?俺より強いんだろ?』

『ふ…い…うちは……卑怯』

『卑怯?おかしなことを言うな、お前』
くっくっくっと楽しそうに笑う。さわ子がマコトを強いと思うのはこの残忍性だ。実際の話、正規の戦いをしたら、マコトは弱い。何故なら、トレーナーへ攻撃を行うなどの反則負けになるからだ。というのも、勝つためには全力を注ぐからだ。勝つためには、たとえ、仲間でも容赦しない。さらに、冷静な部分もある。これで、異常な性欲がなければ、十分に出世できただけの実績を上げられるだろう。

『どっちが上か分かったわね。実行日は明後日よ。絶対、成功させてね。それから、始末が大変だから、その辺でやめておきなさいね』

さわ子の冷たい声が室内に響いた。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:04:18.64 ID:zAka2DWh0
ハナダジム

「いよいよ、ジム戦だね」

「はい」

時刻は夕方。私はハナダジムの前に立っています。いよいよ、2個目のバッチに挑戦なんですけど……。

「やってますかね」

時間も時間ですし、前回のニビジムでは、やる気満々で行ったら、休みになってましたし。そう思って、ドアを見ますが休みっていう感じはしませんね。

「とりあえず、入ろうよ、あずにゃん」

「そうですね」

私はハナダジムの扉に手をかける。

「失礼しまーす」

中を見ると、体育館のようなホールがあり、中心にはプールがあります。そのプールには何枚かのビート版のイカダみたいなものが浮いています。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:05:29.15 ID:zAka2DWh0
「誰もいないね」

「そうですね」

すると、奥から女の人が出てきました。その女の人は水着を着ていて、けしからん体(特に胸)をしています。

「あら、どなた?」

「あ、ジムリーダーに挑戦したいんですけど……」

「そうなの?ちょっと待ってね」

その女の人は奥に戻っていきました。

「今の人の胸、大きかったね」

「……そうですね」

「あずにゃんも私がもんで大きくしてあげよっか」

「何を言い出すんですか!!」

「そんな顔真っ赤にして、照れなくてもいいよ〜。優しくするから」

「いいです!一体、どこから、そんな知識を仕入れるんですか」

「うーん、雑誌とか?」

「なんで、疑問系なんですか」

「私としては、小さくてもいいんだけどね」

「うるさいです」

頬を引っ張る。……ゆい先輩の頬は柔らかくていいな〜と思ったのは内緒です。

「ごめんなしゃい〜」
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:06:29.78 ID:zAka2DWh0
「あなたが挑戦者?」

奥から、先ほどの女の人とともに髪を片方に縛った女の人が出てきました。

「はい」

「私はカスミ。あなたの名前は?」

「私は中野梓です」

「私はゆいだよ〜」

「可愛いわね〜。あなたの妹?」

「違うよ〜。私はあずにゃんのポケモンであり、ベストパートナーであり、恋び……モガッ」

余計なことを言い出しそうな、ゆい先輩の口をふさぎます。

「ポケモン?あなたが?」

カスミさんは訝しげに、ゆい先輩を見てきます。

「まったく。いつも、皆、信用しないんだよね」

とりあえず、いつものやり取り。

「面白いわね〜。まさか、こんなポケモンがいるなんて。あなたの他にも、こんなポケモンいるの?」

「それは……内緒」

「それは残念ね。……さて、ジム戦だっけ?」

「はい」

「……ねえ、ちょっと、協力してくれない?」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:07:17.73 ID:zAka2DWh0
「それでは、これより、ハナダジムリーダー、おてんば人魚、カスミと挑戦者は世界で一番ネコミミが似合う、マサラからきた、とっても可愛い、ツインテールの女の子、あずにゃんさんです」

「なんですか、あの口上は」

「えへへ〜、さっき考えてくれって、言われたから、一生懸命考えたんだよ〜。本当はもっと長かったんだけどね」

さて、私が何故こんなことになっているかというと。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:07:50.97 ID:zAka2DWh0
『……ねえ、ちょっと、協力してくれない?』

『何をですか?』

『実は今日、ショーをやるんだけどね。できれば、あなたにも協力をしてもらいたくて』

『でも、私にはショーなんて出来ませんよ』

『ショーは私の姉妹がやるんだけど、あなたには、ショーの一環として私と対決してもらいたいのよ。ようは、観客の前で、戦ってもらいたいのよ』

『なるほど』

『面白そうだね、あずにゃん』

『そうですかね?』

『あなただって、ポケモンリーグに挑戦するんでしょ?そしたら、もっと、たくさんの観客の前でバトルをするのよ。練習だと思ってね。ね?』

『やってみようよ、あずにゃん』

『うーん、仕方がありませんね。言ってる事ももっともですし』
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:08:45.85 ID:zAka2DWh0
という事があったんですが……。

「どうして、私達は水着を着てるんですか?」

私はピンクの水着を、なぜか、ゆい先輩はスクール水着です。

「だって、プールにいるのに、普通の服じゃ変だよ」

「それはそうですけどね」

「それでは、使用ポケモンは2体。掛け金は1万円。先に全滅させた方が勝ちとする」

「カッスミちゃ〜ん」

眼鏡をかけた、なんていうか、みるからにオタクっていうんですかね。そんな人達の野太い声が聞こえます。

「むむ。私も負けないよ。あっずにゃ〜ん」

「変な対抗心燃やさないで下さい」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:10:26.85 ID:zAka2DWh0
「それでは、バトルを開始します」

「行け、My Steady!」

カスミさんが繰り出したのは、ゴルダックです。

「出てきて、イーブイ」

「ニュー太は出さないの?」

「仲間になったばかりなので、まだ、特長とか把握してないんです」

それに相手は水タイプ。となれば。

「イーブイ、サンダースに進化して」

私はかみなりのいしを当てます。

「おっーと。ここで、あずにゃん選手はイーブイをサンダースに進化させました。情報によれば、あずにゃん選手ののイーブイは三種類の進化
を自由にできるらしいです」

どうでも、いいですけど、あずにゃん選手ってやめてもらえませんかね。
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:11:18.63 ID:zAka2DWh0
「なるほど。弱点を突いてきたってことね。でも、弱点だけじゃ勝てないわよ。ゴルダック、れいとうビーム」

「ゴルダック」

「避けて下さい」

サンダースは、隣にある、ビート版のイカダに逃げます。サンダースのいた、ビート版のイカダはれいとうビームをくらって、凍ってしまいました。危なかったです。

「反撃です。十万ボルト」

「ダース」

「ゴルダック」

「ダック」

ゴルダックはビート版から水の中に落ちて、十万ボルトをかわし、水の中に潜りました。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:12:35.21 ID:zAka2DWh0
「出たっ。カスミちゃんのシーステルス戦法だ」

「言ったでしょ?タイプの相性だけじゃ勝てないって」

「まだ、一回かわされただけですよ。まだ、勝負はついてません」

「なんだと。カスミちゃんに生意気言うな」

「引っ込めー」

なんか、外野がうるさいですけど、気にしないでおきます。

「足元に気を付けなさい」

「はい?」

サンダースの足元のビート版がひび割れて、ゴルダックが魚雷のように攻撃してきました。

「ダース」

「出ました。ゴルダックの得意技、水中からのロケットずつきだー」

サンダースは上に跳ね上げられました。

「ゴルダック。サンダースを水中に引きずり込みなさい」

ゴルダックはサンダースを掴み、水中に引きずり込みました。

ブクブク、ブクブク。

しばらく、サンダースの息の泡がありましたが、ついになくなりました。
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:13:40.35 ID:zAka2DWh0
「さあ、サンダースはこれでおしまいかー」

「当たり前だろー」

「カスミちゃんに勝てるわけないだろー」

その時、何か水中から浮いてきました。

「おっと、どうしたことか。浮いてきたのはサンダースとゴルダックだー。どちらも気絶しているぞー」

「何があったんでしょうか」

「審判、判定は!?」

「両者、戦闘不能。今の勝負は引き分けです」

「カスミちゃんの勝ちに決まってるだろー」

「お前、審判買収してんじゃねえのかー」

さっきから、あの人達は何なんでしょうか。

「おっと、只今、水中の映像が届きました。早速、確認してみましょう」

映像がモニターに流れます。
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:14:23.02 ID:zAka2DWh0
「まず、ゴルダックがサンダースを水中に引きずり込みます」

「ここまでは分かるよね」

「そうですね」

「その後、サンダースは水中まで引きずり込まれますが、ここでサンダースはゴルダックの腕に噛み付きます。その後、サンダースは十万ボルトを繰り出し、自分の息が苦しい中でも、必死にゴルダックを逃がさないようにしたわけです」

「やるわね、あなたのサンダース」

「あ、ありがとうございます」

「あずにゃん、あずにゃん」

「何ですか?」

「こういう時は『カスミさんのゴルダックもね』って言うんだよ」

「なにを言ってるんですか」

「では、両者。次のモンスターを」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:15:19.85 ID:zAka2DWh0
「さて、私の番かな」

私はハッサムを出そうとしてる所に、ゆい先輩が言いました。

「何を言い出すんですか」

「大丈夫、大丈夫。私はあずにゃんのポケモンでもエースだよ。任せなさい」

「エースかどうかは疑問ですけど……分かりました。ゆい先輩、任せました」

訳の分からない技を出しますけど、まだ、1回も負けてないんですよね。それにやる気になってるのにそのやる気を削ぐわけにもいきませんし。

「行け、My Steady!」

カスミさんはスターミーを出してきました。

「さて、次のバトルはカスミはスターミー、挑戦者のあずにゃん選手はゆいを出してきました。情報によれば、このゆいはこの容姿でも、ポケモンであり、ロリコンの皆様は喚起の渦でしょう」

なんて事を言い出すんでしょうね、あの実況。
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:16:12.59 ID:zAka2DWh0
「さて、行くかな」

浮き輪を持って、準備運動をするゆい先輩。

「なんで、浮き輪を……」

「だって、深いし」

ゆい先輩は、プールに飛び込み、手近のビート版のいかだに乗りました。

「それでは、バトル再開!!」

「いけ、スターミー、こうそくスピンさせながら、たいあたり!」

スターミーは手裏剣のように体を回転させて、突っ込んできました。

「よけてください、ゆい先輩!!」

「よけろって言っても……」

「プールに飛ぶ込んでください」

ゆい先輩はなんとかプールに飛び込んでかわしました。しかし、スターミーは方向をかえ、ゆい先輩の飛び込んだところに向かってきます。

「あう〜、このプール、やっぱり深いよ〜」

「のんきなこと言ってないでよけないと……」

「そんなこと言ったってさ……」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:17:16.23 ID:zAka2DWh0
ゆい先輩はバシャバシャと必死に泳いで、直撃は免れましたがその衝撃から、再び、ビート版のいかだに飛ばされました。

「こうなったら、プールにちなんだ技を出すしかないね」

ゆい先輩の奥義ですか。いつも、訳の分からない技ですけど、常に勝ってはいるので、ここは期待しましょう。

「引っ込め〜」

「この、ロリコンめ〜」

あんな連中の前で負けるのは絶対に嫌なので。
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:18:44.81 ID:zAka2DWh0
「行くよ〜。ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃん☆ドキドキ☆スゴロク』」

ゆい先輩はルンル〜ンと鼻歌を歌いながら、スゴロクをやるために準備をしています。このときの会場の気持ちは、対戦相手のカスミさんはもちろん、さっきから、私に罵声を浴びせてくる人たちとも、一致していたでしょう。

(……プール関係ないじゃん)

「さてと、サイコロを振ってと……ちぇ、1か」

「はっ。スターミー、こうそくスピンさせながら、たいあたり!」

「1マスと……さて、私の技の始まりだよ」

「!?」

今まで、プールだった場所がどこかの音楽室みたいな場所に変わりました。真ん中では二人の女の子が勉強をしています。……どこかで、見たような人っていうか、私とゆい先輩(大)ですが。
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:19:37.08 ID:zAka2DWh0
『あ、間違えちゃった。消しゴム、消しゴムっと』

私は周りを見ると、ちょうど良い所に消しゴムがあります。それを取ろうとして……

ぺタ。

『『あ』』

ちょうど、消しゴムを取ろうとしたのか、私の手とあずにゃんの手が触れ合ってしまいました。

『あ、ごめんなさい。手が触れてしまって』

『いいよ、きにしなくても』

あずにゃんと手が触れちゃった。

ドキドキ。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:20:33.21 ID:zAka2DWh0
「スターーーーミ」

スターミに電流が走ります。

「なんなのよ、この技は」

「この技はドキっとすることをすごろくで体験することで、敵にダメージを与えるんだよ」

フンスと得意気に解説するゆい先輩。

「さて、サイコロを振ってと。やった、6だよ。6マス進めて、と」

「スターミー、もう一度、攻撃よ」

スターミーは再び攻撃態勢になります。しかし、ダメージで反応が鈍っていたのか、ゆい先輩の技が発動します。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:21:34.77 ID:zAka2DWh0
ある夏の日の休日にて。

『突然、夕立だなんて、運がないよ〜』

今日、私達はお出かけをしていた……のはいいんだけど、突然夕立が起きて、急いで走るはめに。

『ゆい先輩。あそこで雨宿りしましょう』

私達はバス停の屋根の下に入りました。

『急に雨が降るなんて、運が悪いですよね』

『うん、そうだ……ね』

私はたまたま、目をあずにゃんの方を見たんだけど、雨で濡れているからか、服が透けていて、ブ、ブラが透けて……女の子同士なんだから気にするのもおかしいのかもしれないんだけどさ。い、一応、好きな女の子のだし……

『どうしたんですか?』

『な、なんでもないよ』

ドキドキドキドキ。
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:22:04.59 ID:zAka2DWh0
「スターーーーーーミ」

スターミに電撃が走ります。

「……」

会場全体が異様に静かになりました。きっと、このふざけた技にあきれているのでしょう。そんな空気を知ってか、知らずか、ゆい先輩はのんきにサイコロを振ります。

「やった、また、6だ。6マス進めてっと。後、3マスだ」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:22:38.50 ID:zAka2DWh0
電車にて

『今日は疲れたね』

『そうですね』

今日は二人で遊園地に行ってきたんだ。こういうのをデートっていうのかな?こう思うのはおこがましいかな?なんて考えてたら、ふと、右肩が重くなった気がした。

『どうし……!?』

『……すう……すう』

隣を見るとあずにゃんが可愛らしい寝顔で可愛らしい寝息を立てています。し、し、しかも、私の肩で!!

ドキドキドキドキドキドキドキドキ。
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:24:18.95 ID:zAka2DWh0
「スターーーーーーミ」

スターミに稲妻が走ります。

「……」

ゆい先輩の攻撃のたびに会場の雰囲気が重苦しくなっているような気がします。

「……なあ。あのゆいってのと、トレーナーのあずにゃんって可愛くないか?」

「ああ。大きさこそ違うけど、見かけはそっくりだしな。単体でも十分なのに2人揃えば、破壊力は倍以上になるぞ」

さっきまで、私にブーイングしていた人たちも急に意見を変え出しました。そして、どこから、ともなく、

「ゆーいあず、ゆーいあず」

と、コールが始まりました。

「え、何なんですか、急に」

周りを見ると、さっきまで、ショーをしていた人や準備をしていた人、司会者まで、つまり、ジムの関係者まで、コールに参加しています。これじゃ、カスミさんが1人に……と思って、カスミさんを見ます。

「ゆーいあず、ゆーいあず」

……カスミさんまでコールに参加しています。……これじゃ、スターミーは会場でものすごくアウェーです。せめて、私だけでも、心の中でちょっとだけ、応援してあげましょう。ゆい先輩は周りのそんな空気を気にしないで、やっぱりサイコロを振ります。

「やったー。ちょうど、3だ。1,2,3、と。わーい、ゴールだよ〜」

今度はどこの場所なんでしょうか?どこかの教会のようです。ん?あそこにウエディングドレスを着ているのは、ゆ、ゆい先輩!?
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:25:05.48 ID:zAka2DWh0
『いよいよだね』

私はバージンロードで愛しの人が来るのを待つ。まあ、バージンじゃないんだけどね。ここまでくるのにいろんな人からの反対があったけど、なんとか、ここまで来れたよ。なんて、考えてきたら、愛しの人が入場してきた。

『……あずにゃん』

私は愛しの……あずにゃんが入場してくる姿に見惚れてしまった。一歩一歩近づいてくるたびに、私の心臓がドキドキってしてくる。そして、なんやかんや、あって、つ、ついに誓いのキスに。

『……唯先輩』

愛しのあの子が目を閉じる。私はその子の唇に私の唇を近づける。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:25:54.14 ID:zAka2DWh0
「くらえ、 ゆいちゃん真拳超奥義『君の心にサンダーボルト』」

ビシャーっと、スターミーに雷が落ちます。しかも、さっきまでとは全然威力と時間が違い、10分くらい、スターミーは雷による電撃を喰らっています。……なんて、冷静に考えてますけど、私の頭も今の映像でショート寸前なんですけどね。だ、だって、あれ、私ですし、相手は大きさこそ違えど、ゆい先輩ですし。せめて、今のゆい先輩がこれくらい大きければ、こんな未来も……なんて、何考えてるんでしょうか。

「スターミ……」

スターミーは力尽き、プールに落っこちて、プカプカと浮いてしまいました。
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:26:48.64 ID:zAka2DWh0
「スターミー、戦闘不能。ゆいの勝利。よって、あずにゃん選手の勝利です」

ワーワー、という歓声があがるとともに、

「ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず」

というコールまで、始まりました。

「みんなー、ありがとねー」

それに答えるように、ゆい先輩は手を振りながら、浮き輪でプカプカと浮きながら、私のところに戻ってきます。

「どうだい、あずにゃん。見事に勝利したよ!」

「そ、そうですね。よくやりました」

ナデナデ。

「えへへ〜」

「ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず、ゆーいあず」

という、歓声の中、私達は退場して行きました。
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:27:24.11 ID:zAka2DWh0
「こ、こんなにくれるんですか」

「ええ。盛り上がったからね。そのお礼」

今、私は今回のショーのお礼とジム戦の勝利として、お金をもらったんですけど……。

「10万円は多すぎませんか」

「これでも少ない位よ。それくらい盛り上がったんだから」

たしかに、盛り上がりましたけどね。

「それに、あんなに楽しいバトルは久しぶりよ。これからも頑張ってね」

「ありがとうございます」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:31:34.21 ID:zAka2DWh0
「あずにゃん分、補給〜」

私達はジムを後にし、ホテルに向かいます。

「今日はたくさんのあずにゃん分を消費しちゃったよ〜」

「そうですね。今日は大活躍でしたね」

私はゆい先輩を抱っこしながら、言います。

「えへへ〜。頑張ったでしょ?」

「普段から、これくらい頑張って下さい」

「あうう〜。あずにゃん先輩は厳しいな〜」

「なにを言ってるんですか」

そういえば、最後に、結婚式みたいな風景がありましたけど、ゆい先輩にも見かけはこんなでも、18歳ですし、恋愛に興味でもあるんでしょ
うか?ちょっと聞いてみましょう。

「ゆいせんぱ……あっ」

「う〜ん、ムニャムニャ」

ゆい先輩は私の腕の中で寝てしまってました。

「今日は頑張りましたもんね」

私はゆい先輩の頭をなでながら、起こさないように、帰路に着きました。
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/04(土) 08:32:49.44 ID:zAka2DWh0
ハナダ編B 「VSカスミ」 終了
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/04(土) 12:01:54.07 ID:nTsTJW8W0
激しく萌えたwwwwwwwwww
乙!!!
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/04(土) 13:43:40.06 ID:YMhAHZn60
ゆいちゃん乙女だねぇ
GJ!

269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/04(土) 13:44:47.35 ID:YMhAHZn60
ゆいちゃん乙女だねぇ
GJ!

270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/04(土) 13:45:44.12 ID:YMhAHZn60
ゆいちゃん乙女だねぇ
GJ!

271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/04(土) 13:47:36.95 ID:YMhAHZn60
投稿ミスった……。連投スマソ
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/04(土) 18:01:31.43 ID:30a4N6sAO
あずにゃんはゆいがスク水姿なのによく冷静でいられたな
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:06:04.36 ID:jngqW+4w0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ  ニューラ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギダネ

純     うい


クチバ編B 「VSマチス」 以下投下

274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:07:06.92 ID:jngqW+4w0
「ここがクチバジムですか」

「そうだね。それより、もうジム戦?もう少し、のんびりしようよ〜」

「なにを言ってるんですか。律先輩でさえ、バッチ3個なんですよ。このまま、のんびりしてるわけには行きません」

「それ、りっちゃんに失礼だよ」

私達は、朝早く、ハナダのホテルを出発し、クチバシティに到着しました。ポケモンセンターでの回復も済ませ、早速、挑戦することに。

「じゃあ、入りますか。……失礼しまーす」

私はクチバジムの扉を開きました。
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:07:45.52 ID:jngqW+4w0
「どうしたんだい、お嬢ちゃん。ここは子供が来る場所じゃないよ」

マッチョな男の人が話しかけて来ました。

「あの、ジムリーダーに挑戦したいんですけど……」

「お嬢ちゃんが?変な冗談はよしてくれよ」

ハッハッハッと笑って相手にしてはくれません。

「こら!私達はジムリーダーに挑戦したいって言ってるんだよ。ちゃんと話を聞いてよ」

ゆい先輩はたまりかねたのかそう言いました。

「おいおい。ジムに戦いに来たのに幼稚園の妹連れかい。マチスを舐めちゃいけないよ」

「む。私は幼稚園の妹じゃないよ。年は18歳で、立派なポケモンなんだよ」

「そうかい、そうかい。分かったから、お姉ちゃんと帰りな」

「むう〜」

「……おい、何をしてる」
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:08:41.59 ID:jngqW+4w0
「何って、訳の分からないガキを……って、マチスさん」

後ろから、軍人さんのようにマッチョな人が出て来ました。

「お嬢ちゃんは何をしに来たんだい?」

「あ、はい。私はジムリーダーに挑戦したくて……」

「なるほど。それでこいつに何を言われたんだ?」

「それは……」

「その人、私達を馬鹿にして、取り次いでくれなかったんだよ」

私が答えるよりもゆい先輩が答えました。

「なるほどな〜。それはいけないな〜、おい」

「申し訳ありません、マチスさん」

「あなたがマチスさん!?」

このマッチョさんが、っていうのは失礼ですけど、ジムリーダーよりも軍人さんとか格闘技とかやってたほうがいい気がしますね。

「うーん、なるほど」

そんなことを考えてたら、マチスさんがジロジロと、見てきます。

「なあ、お嬢さん。ジム挑戦よりもミーたちの助手にならないか?」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:10:03.60 ID:jngqW+4w0
「はい?」

「さっきの男みたいなマッチョな男しかいなくてね。君のような可愛いガールが来てくれれば、むさ苦しいジムでも、少しは華やかになるもんだ」

「すいません。せっかくのお話ですけど、旅を続けたいので、お断りします」

「それは仕方がないね。ではどうだい。私との勝負で決めるというのは?」

「はい?」

「私との勝負で勝てば、バッチをあげよう。負ければ、私達のジムに所属するというのは?」

「あの、さっき、お断りしたんですけど……」

「それは聞いたさ。だから、これは賭けだよ。ペナルティ。それとも、自信がないかい?」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:10:33.94 ID:jngqW+4w0
そう言われると、ムッ、としますけど、そんな挑発に乗ってはいけませんね。相手はジムリーダー。こっちも十分に負けるかもしれないんですから、慎重にいかないといけません。

「なにを言ってるの。私とあずにゃんのコンビが負ける訳ないよ。いいよ、その挑戦受けて立つよ!」

「ちょっと、ゆい先輩。そんな簡単に……」

「大丈夫。あずにゃんには私がついてるんだから。どーんと、大船に乗った気でいなさい」

タイタニックでないことを祈りますが。……まあ、たしかに、ゆい先輩はまだ一度も大事なところで負けてはいませんが。

「オーケー。では、早速、始めよう」
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:11:06.98 ID:jngqW+4w0
私は今回、戦うフィールドに案内されました。今までのように特殊ではなく、ごく普通のフィールドです。

「勝負は3対3。ルールは点取り試合です。マチスが勝ったら、挑戦者がマチス専属メイドになり、挑戦者が勝ったらバッチを掛けていただきます」

「え、いつの間にそんなことに……」

今までのバトルで一番負けられない戦いが始まろうとしています。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:12:06.80 ID:jngqW+4w0
「まずは先鋒戦です。用意はいいですか?」

「いつでもいいぜ」

「こっちも大丈夫です」

「それでは……」

「「「バトル開始」」」

「いけっ、マルマイン」

「きてください、ニューラ」

「ニューラ?昨日は出さなかったのに」

「昨日、ゆい先輩が寝た後に簡単に練習したんです」

「あ〜ん、もう。起こしてくれればよかったのに〜」

「マルマイン、先制を取って、ころがる攻撃だ」

「ニューラ、みきってください」

猛烈な勢いで転がってくるマルマインの攻撃をニューラはみきってかわします。

「一度、かわしても地獄は続くぜ」

マルマインは向きをかえ、再び、ニューラに向かってきます。

「ニューラ、かげぶんしん!!」

ぎりぎりのところで、なんとか、かわします。しかし、これでは……。

「かわしてるだけじゃ、勝てません。なんとかしないと……」

マルマインは向きをかえ、またもや、ニューラに向かってきます。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:13:05.09 ID:jngqW+4w0
「あずにゃん、あずにゃん」

足元にいたゆい先輩は私の体をよいしょ、よいしょと登って私の耳元にささやくように言います。

「なんですか。ニューラ、かげぶんしんで、もう一度、かわして」

ニューラは再び、残像を作って、マルマインのころがる攻撃をかわします。

「マルマインの横を狙えばいいんだよ」

「はい?」

「だから、転がってくる前後は無理だけど、その横なら、何とかなるんじゃないかな?」

「なるほど」

確かにいい作戦です。

「オラオラ、どうした。かわしてばかりじゃ勝てないぜ」

マルマインはまた、向きをかえ、ニューラに迫ります。だんだんと、勢いも増してきてます。

「ニューラ、こうそくいどうで、よけて。そして、マルマインの横にばくれつパンチ」

寸前のところでかわし、マルマインの横にばくれつパンチを叩き込みます。

「マルマイン!」

ガッシャーン

その衝撃で、壁まで、ふっ飛んでしまいました。
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:14:17.36 ID:jngqW+4w0
「マルマイン〜」

マルマインはばくれつパンチの効果で混乱しています。今がチャンスです。

「ニューラ、アイアンテール!」

ニューラは自分のシッポを固くして、マルマインに攻撃を仕掛けます。マルマインは混乱しているため、かわしきれず、見事に命中しました。

「さすが、あずにゃん。同じ、ネコだから、ニューラの使い方がバッチリだね」

「なにを言ってるんですか」

それにしても、ゆい先輩は何者なんでしょうかね。ニビジムの時でも、アドバイスしてくれましたし。もしかしたら、トレーナーとしての才能もあったりして。……なんて、まさかね。

「ニューラ、きりさく攻撃です」

「調子に乗るなよ。マルマイン」

ニューラの鋭いツメが見事にマルマインに命中……したと思いましたが、マルマインをすり抜けてしまいました。
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:14:49.79 ID:jngqW+4w0
「そんな、命中したはずなのに」

「かげぶんしんを使えるのはそっちだけじゃないぜ、キュートガール。マルマイン、でんじはだ」

ニューラは油断していたこともあり、まともに受け、マヒ状態になりました。

「さて、トドメだ。マルマイン、ギガインパクト!!」

マヒしていて、動きの悪い状態、かつ、距離も近いため、まともにくらい、上に飛ばされて、そのまま、落下してしまいました。

「ニューラ、戦闘不能。マルマインの勝利。よって、マチスに1ポイント。1対0」

「よく頑張りました、ニューラ」

私はニューラを戻します。
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:15:33.72 ID:jngqW+4w0
「では、次鋒戦です」

「これで決めろ、エレブー」

「頑張って下さい、ハッサム」

これで負けたら、終わり。そう思うと、緊張してきますね。

ナデナデ。

さっきから、私に肩車されている、ゆい先輩が私の頭をナデナデしてきました。いつもとは逆なので、変な気分ですね。

「大丈夫だよ、あずにゃん。あずにゃんには私がついてるよ。だから、落ち着いて」

「わ、私は落ち着いてますよ」

「なら、大丈夫だね」

ニコッと笑顔で言ってくる、ゆい先輩。……まったく、たまにこんなことをしてくるんだから、油断ならない先輩です。
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:16:04.17 ID:jngqW+4w0
「ハッサム、先制攻撃です。バレットパンチ」

「エレブー、受けて立て、かみなりパンチ」

2匹の拳が激突します。プシューと煙があがりますが、どうやら、互角です。

「ハッサム、距離をとって、シザークロス」

「エレブー、距離をとって、かわらわりだ」

ハッサムのはさむをクロスさせる攻撃とエレブーの拳が再び、激突する。やはり、互角で、ジリジリと力比べを始めます。
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:16:58.41 ID:jngqW+4w0
「やるな、ガール。エレブー、距離をとって、十万ボルトだ」

「ハッサム、ここは、いったん引いて……」

「あずにゃん、ここは引いちゃ駄目だよ。一気に攻めなきゃ」

「そ、そうですね。ハッサム、アイアンヘッドで攻めて下さい」

ハッサムは距離をとる、エレブーに近づき、エレブーに頭突きを食らわします。

「エレブ〜」

エレブーは目を回して怯んでいます。今がチャンスです!!

「ハッサム、さっきのお返しです。ギガインパクト!!」

ハッサムの持てる力の全てを集めた突撃がエレブーに直撃し、マチスさんの横を通り越して、壁までふっ飛ばされてしまいました。

「エレブー、戦闘不能。ハッサムの勝利。よって、梓選手に1ポイント。1対1」
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:18:30.70 ID:jngqW+4w0
「やるな、ガール」

「よくやったよ、あずにゃん。よしよし」

ナデナデ。

「そんなに撫でないでください。それよりも、ゆい先輩につなげましたよ。頑張って下さいよ」

「任せなさい」

「君がポケモンというのは知ってるよ。ジムリーダーの中でも噂だ。よく分からない、リトルガールにタケシ、カスミが負けたってな」

「噂になってるの?照れちゃうな〜。えへへ〜」

ゆい先輩は顔を赤らめて、照れています。

「さて、じゃあ、ミーの最後のポケモンで相手をしよう。来い、ライチュウ!!」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:19:08.03 ID:jngqW+4w0
「最後に大将戦です」

「では、早速、ゆいちゃん真拳で……」

「させるな、ライチュウ。十万ボルトだ」

ライチュウの繰り出した十万ボルトがゆい先輩に襲い掛かります。

「よけて、ゆい先輩!!」

しかし、よけきれずに、ゆい先輩に直撃しました。

「あぶぶぶぶぶぶ」

「ゆい先輩!!」

「トドメだ。メガトンキック!」

しびれて、動きの鈍っているゆい先輩のおなかににライチュウのメガトンキックが炸裂し、私の横を抜けて、壁まで飛ばされてしました。
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:20:03.71 ID:jngqW+4w0
「ゆい先輩!!」

壁まで飛ばされて、地面に倒れてしまった、ゆい先輩に私は駆け寄ります。

「梓選手。バトルポケモンに触れたら、その場で、あなたの負けですよ」

「そんなこと言ってる場合じゃ……」

「それじゃあ、キュートガールの負けでいいのかな?正直残念だよ、そのリトルガールはもう少し強いと思ったんだが、買いかぶり過ぎたかな?」

「……ゆい先輩の実力はこんなものじゃありません!!」

私は、ゆい先輩に駆け寄らなきゃいけないのに、マチスさんのその言葉に腹が立った。

「ゆい先輩はこの程度で負けるポケモンじゃないんです!」

「では、あそこで気絶してるのはなんだい?審判、早く、判定をしてやれよ」

私はここで負けてしまうのでしょうか。負けるのは自分の実力のせいだからにしても、ゆい先輩を馬鹿にされるのは嫌だった。

「あ、はい。ゆい、戦闘ふの……」

「……待って、まだ、終わりじゃないよ……」

その時、ゆい先輩の声が聞こえました。
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:20:51.30 ID:jngqW+4w0
私はこのまま、負けちゃうのかな?あずにゃんに自信満々に「任せてよ〜」、って言ったのに、情けないね。でも、本当は、こんな所で負けてる場合じゃないんだよ。本当だったらさ……

『くらえ、ゆいちゃんパンチ』

『やられたわ〜』

『どうだ、ゆいちゃんキック』

『くそ。まいった』

『トドメだよ、ゆいちゃんビーム』

『うわ、降参だよ』

『やった〜、これでポケモンリーグ優勝だよ〜』

『ありがとうございます、ゆい先輩。ゆい先輩のおかげで、優勝することが出来ました』

ナデナデ。

『えへへ〜』

『それで、あの、ゆい先輩に言わなきゃいけないことがあるんです』

『なんだい?なんでも言いなよ』

『……実は前から、ゆい先輩のことが好きでした』

『……あずにゃん。それは私もだよ』

『ゆい先輩』

『あずにゃん』

私とあずにゃんの唇が1つになる。
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:22:20.93 ID:jngqW+4w0
ってなるためにも、私は、澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃんっていう(恋の)ライバル達を倒さなきゃ、いけないのに。それにあずにゃんだって心配してるよ。大丈夫だよって、安心させてあげたいのに、体に力が出ないよ。ああ、走馬灯のように昔のことが蘇ってくるよ〜。

『ゆいよ。時として、心というのは時として実力以上の力を引き出すのじゃ』

『少年漫画みたいに?』

『まあ、そうじゃな。例えがあれじゃが……。その力を出すためにも、守らなきゃいけないことがあるのじゃ』

『なにを?』

『決して、諦めないことじゃ。例え、どんなに痛くて、苦しい時でも大切なものを守りたいという気持ち。その気持ちが、時として、更なる力
を出せるんじゃ』

『……言ってて、恥ずかしくない?』

『うるさい』

……そうだ。私はここで倒れちゃいけないんだ。痛い、しびれる、苦しい。それでも、私は立つんだ。あの子の為に。
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:23:04.45 ID:jngqW+4w0
「……待って、まだ、終わりじゃないよ……」

その時、ゆい先輩の声が聞こえました。弱弱しくも、生まれた子馬のように立ち上がろうとしています。

「ほほう。まだ、立つのか。ナイスファイトだね、リトルガール。……いや、ゆい。トドメだ、ライチュウ。のしかかりだ」

「ゆい先輩。よけてくださーーーーい!」

バーン。

ゆい先輩のいた所に、ライチュウの技は見事に決まりました。

「そ、そんな」

ベタッと私はひざをついてしまいました。自信満々に任せてって言ったのに。嘘つき。

「これで終わりだな」

「それはどうかな?」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:23:39.21 ID:jngqW+4w0
そんな声とともに、ライチュウの体が少しずつ浮き上がります。

「ゆい先輩……!?」

「なんだと!?」

「これぞ、ゆいちゃん真拳奥義『火事場のゆいぢから』」

ついに、ゆい先輩はライチュウを持ち上げました。

「とりゃー」

ゆい先輩はライチュウを投げ飛ばしました。

「今から、見せてあげるよ。ゆいちゃん真拳の真髄を!」
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:24:29.12 ID:jngqW+4w0
「真髄だと!?」

マチスさんはこのバトルで初めて、驚愕の顔になりました。

「……ゆい先輩、大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。今から、あのライチュウを倒すから待っててね」

自信満々の顔で言うゆい先輩。

「……はい。頑張って下さい」

「うん。さて、 ゆいちゃん真拳究極奥義『告白☆パニック』」

「なんですか、その恥ずかしい技の名前は!?」

せっかくのいい場面が台無しです。

「この奥義はいろんな所で告白を行い、ダメージを与えるんだよ」

「まったく、意味が分かりません」

「まあ、任せんしゃい。見てれば分かるよ」

「ライチュウ。サッサと仕留めるんだ、ワイルドボルト」

ライチュウは電気を纏って、突撃してきます。しかし、ゆい先輩はさっきまでとは打って変わって華麗にかわします。

「さて、私の奥義スタート!!」

周りのステージがどこかの学校の屋上に変わります。そこを見るとやっぱり、私とゆい先輩(大)がいます。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:26:11.03 ID:jngqW+4w0
ある夕方の屋上
『なんだい、あずにゃん。部室じゃ話せないことって……』

『ごめんなさい、こんなところに呼び出したりして』

『それは別にいいんだけどね。なにか、悩みとかあるの?部室じゃ話せない内容なのかな?』

『そうですね。悩みといえばそうかもしれません』

『それなら、澪ちゃんとかの方がいいんじゃない?私よりも適任でしょ?』

『あ、いえ。これは唯先輩じゃなきゃいけないんです。聞いてくれますか?』

『いいよー』

『唯先輩は女の子が女の子を好きになるっておかしいと思いますか?』

『はい?あの、いきなりなんなのかな?』

『つまりね、私は唯せんぱ……ううん。平沢唯が好きなんです。友達としてじゃなくて、恋人として』

『は、はい?冗談だよね?冗談に決まってるよね。もう、やだな〜、あずにゃんたら、ハハハ〜』
『冗談に見えますか?』

『……本気?』

『はい』

『私でいいの?澪ちゃんとかじゃなくて』

『唯先輩じゃなきゃ駄目なんです』

『……いいの?私、本気にしちゃうよ。取り消すなら、今のうちだよ?』

『何度も、言わせないで下さい。私は唯先輩が好きなんです』

『私も、あずにゃんのことが好きだよ』

『唯先輩』

『あずにゃん』

夕日をバックに二人はお互いの体温を確かめるように抱き合った。
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:27:11.61 ID:jngqW+4w0
「ライチュウーーーーーーーーーーーーー」

ライチュウの体がビリビリと電気を喰らいながら、真っ赤に熱を持ち始めました。今までの、口に出すのも恥ずかしいですけど、『アツアツ☆パラダイス 』や『ゆいちゃん☆ドキドキ☆スゴロク』を合わせてるような感じですね。さすが、究極奥義ですね。……なんて、冷静に考えてる場合じゃありません。

「なんですか、ゆい先輩。今の映像は」

「今の映像?ただの告白シーンだけど?」

「そうじゃなくて、配役が……」

「あ、逆の方がよかった?あずにゃんたら〜。先に言ってくれればいいのに〜」

「そうじゃなくて…」

「それじゃ、次に行くよ〜」

「話を聞いてくださーい」
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:28:34.25 ID:jngqW+4w0
ある、枯れないで1年中咲いている桜の下で。

『どうしたんですか、唯先輩。こんな所で』

唯先輩は桜の木に手を付いて、上を見上げていた。

『桜の木にお願い事をしてたんだよ』

唯先輩は私が問いかけると、桜の木に寄りかかりながら言いました。たしか、この桜の木には願い事がかなう伝説があるって、噂があるらしい
ですね。

『それで、お話って……』

私の言葉を待たずに、唯先輩は言った。

『今日、あずにゃんを呼んだのはね、大事な話があるからなの』

『それは聞きました。そのお話って……』

『………私、あずにゃんが好きなんだ。友達としてじゃなくて』

唯先輩はその瞳に涙を浮かべながら、頬を真っ赤にして言いました。それはそうでしょうね。私は女で、唯先輩も女、つまりは同姓ですから。もし、失敗したとしたら、同性愛者として、自分の好きな人に嫌われる可能性もあるんですから。

『……嫌だったかな?』

唯先輩は不安そうに私を見てくる。今にも泣き出しそうだ。いつもの唯先輩とは大違いだ。きっと、そんな顔にしてしまったのは私のせいなんだろう。だから、私は言った。

『私も好きですよ』

私は桜の木に寄りかかる、唯先輩に近寄った。

『だから、いつもみたいに笑って下さい。私は唯先輩の笑顔が好きなんです』

唯先輩はちょっと驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔で言った。

『えへへ〜、ありがとう、あずにゃん』

『そういえば、桜の木に何をお願いしたんですか?』

『勇気を下さいって、お願いしたんだよ。本当はうまくいきますようにって、お願いしたかったんだけど、それはずるいことだと思ったんだ。……それから、あずにゃん。一緒に願おう』

『何をです?』

『ずっと一緒に居られますようにって』

『……そうですね』

それは願わなくても、大丈夫ですけどね。……それでも、桜に願っておくのも悪くはないでしょう。そう思いながら、私は大切な人と願いました。
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:29:22.33 ID:jngqW+4w0
「ライチュウーーーーーーーーーーーーーー」

ライチュウの体から、大量の電流が流れ、ライチュウ自体はでんきタイプですから、こうかはいまひとつみたいですがそれでも十分なダメージを受けてるようです。それだけでなく、まるで、火あぶりになってるように、体中が赤く、プシューと湯気を立てているようです。こちらは電流よりもダメージを与えていて、ライチュウはたまらずに座り込んでいます。もっとも、プシューと湯気を立てているのはライチュウだけでなく、私もですが。

「あ、あ、あ、あ、あのゆい先輩。今の映像は」

「今の映像?もっと、見たいの?」

「ち、ち、違います。だから、唯先輩と私のシーンは……」

「あれはフィクションだよ。それとも、実際にしたいの?私はいつでも、歓迎だよ〜」

「違います!!それよりも、ライチュウにトドメを」

「おっと、そうだった」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:30:04.16 ID:jngqW+4w0
ゆい先輩は右手に炎を、左手に電気を発生させ、左手の電気を右手にそえます。そして、炎と電気がゆい先輩の右手に集まり、炎のなかにビリビリと電気が流れます。

「ゆいちゃん真拳究極奥義『ゆいちゃん☆ストレート』」

命名センスは悪いですけど、そのストレートは苦しんでるライチュウに決まり、さっきのお返しとばかりにふっ飛ばされました。

「ライチュウ〜」

目をグルグル回しながら、立ち上がりますが、そのまま、気絶してしまいました。

「ライチュウ戦闘不能。ゆいの勝利。よって、梓選手に1ポイント。1対2。よって、梓選手の勝利です」
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:31:11.71 ID:jngqW+4w0
「か、勝ちました」

「まさか、ミーが負けるとは……」

「よくやりました、ゆいせんぱ……」

審判が結果を言うと、ゆい先輩がバタッと倒れてしまいました。私はゆい先輩に駆け寄ります。

「大丈夫ですか、ゆい先輩」

「あう〜、あずにゃ〜ん分」

私がゆい先輩を抱き起こすと、そう言って、胸に顔をうずめて、抱きついてきます。

「怪我とかは大丈夫ですか?十万ボルトとかをまともに食らってましたけど」

「それはポケモンセンターに行けば、大丈夫だけど、あずにゃん分だけは補給しなきゃね〜」

「何を言ってるんですか」

まあ、でも、頑張ってくれたので、ゆい先輩をぎゅっと抱きしめてあげます。

「すまなかったね、キュートガール」

そうしてると、マチスさんが来ました。

「約束だ、これがオレンジバッチだ。それと、1万円」

「あ、ありがとうございます」

私はお財布とバッチ入れにそれぞれ入れます。

「長話もなんだ、早く、ポケモンセンターに連れて、行ってやれ。次のジムでも頑張ってくれよ」

「はい。ありがとうございます」

私はマチスさんとがっしり握手をして、ジムを後にしました。
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:31:53.71 ID:jngqW+4w0
あう〜。今、私はあずにゃんの腕の中で、あずにゃん分を補給しています。それにしても、さすがは私、主人公だよね(注:違います)。危なく、あずにゃんがあのマッチョさんの専属メイドさんとか訳の分からないことになるのを救ったんだから。

「それにしても、人が多いですね。なにか、あるんでしょうか」

たしかに、人が多いね。まあ、ここは港町らしいしね。でも、どうでもいいや。この腕の中は天国だよ。

「この後、どうするの?」

「そうですね、イワヤマトンネルに行くので、いったんハナダシティに……」

「あら、梓ちゃんじゃない」

何やら、不穏な声が聞こえた気がするんだけど……。

「あ、ムギ先輩」

あ、やっぱり。これで、のんびりできると思ったのに、一難去って、また一難って奴だね。でも、頑張らなきゃね、私は主人公だし(注:違います)。今にして思えば、このムギちゃんとの出会いは序章だったんだろうね、あの戦いの。
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:35:47.38 ID:jngqW+4w0
クチバ編@ 「VSマチス」 終了
>>273
たいしたミスでもないけど、クチバ編Bじゃなくて、クチバ編@で

しかし、ゆいの戦闘はこれでいいんですかね?と毎回疑問に思う。
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/06(月) 20:58:54.54 ID:WlsCscb80
>>302
新作乙!

唯の奇想天外な戦闘がこのSSの持ち味だと思うよ
俺は結構好きだぞ
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 21:19:01.09 ID:giB9yrcDO
乙!!!

戦闘のノリはこれで良いと思われ

欲を言えば次は炎&氷でメド・・・
いや、なんでもないwwwwwwwwwwww
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/06(月) 23:56:37.07 ID:YBxlGAsAO
だんだん戦闘がツボってきたwwwwwwwwwwwwww
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:19:30.32 ID:OUpXHxdh0
>>303,304
ありがとうございます
では、ゆいの戦闘はこれでいきます

前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ  ニューラ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギダネ

純     うい

クチバ編A 「梓争奪戦A・ゆいVS紬」 以下、投下
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:20:50.29 ID:OUpXHxdh0
「あの、私が参加しっちゃっていいんですかね?」

「気にしなくていいのよ」

私達は、今、ポケモン大好きクラブ主催のパーティにムギ先輩と参加しています。というのも……。
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:21:52.00 ID:OUpXHxdh0
『こんなところで会うなんて、偶然ですね。もう、てっきり、イワヤマトンネルを抜けて、シオンタウンに行ってるとばかり……』

『実は、明日、サントアンヌ号でやるパーティに参加しなきゃいけなくてね』

そういえば、ムギ先輩はお嬢様でしたね。

『なるほど。しばらくは足止めなんですね』

『まあ、明後日には出発するんだけどね。……ところで』

『はい?何ですか?』

『いや、あなたの腕の中にいるゆいちゃんだけど……』

『ガルル』

『なんで、私に威嚇してるのかしら?』

『さ、さあ。時々、私にも、よく分からないことをするので』

『まあ、いいわ。それよりも、時間ある?』

『ポケモンセンターに行ってからなら、ありますけど』

『それじゃ、私と一緒に行ってほしいところがあるの』

『いかがわしいホテルは駄目だよ。そんなのこのわた……モガ』

『え、えーと、どこですか?』

『ポケモン大好きクラブのパーティ』
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:23:26.28 ID:OUpXHxdh0
というわけで、この夕食会に参加はしてるんですけど……。

「ねえ、どう、このスリープ。可愛いでしょう?」

中年くらいの年齢で眼鏡をかけた金持ちそうな女の人が話しかけてきます。

「そうですね、えーと、眼が特徴的で可愛いと思います」

「あら、分かる?そうね、まずこの目がね……」

上機嫌に自分のポケモンの魅力を語り始めます。このパーティーでは、いろんな所で、ポケモンの自慢をしています。

「あなたの自慢のポケモンを見せてくれる?」

さっきの女の人が自分の自慢話が終わったのか、もっとも、全然聞いていませんでしたが、聞いてきます。

「私の自慢のポケモンですか?それは……」

「もちろん、私だよ〜」
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:24:26.32 ID:OUpXHxdh0
今まで、ケーキを食べていた、ゆい先輩が得意げに胸を張って、話に入ってきます。

「あなたが?あ、なるほど。お姉ちゃんといっしょにポケモンごっこをよくしてるのね」

「違うよ〜。私は妹でもないし、立派なポケモンだし、これでも、18歳なの!」

「あなたは見かけは子供で、中身は大人だと?」

「そうだよ」

それはどうでしょうね。

「それじゃあ、どこぞの名探偵じゃない。とすると、このパーティでも殺人事件が起きるのかしらね」

「そんな、私は死神少年じゃないよ。あずにゃん、いつものを」

いつもの動作をします。

「分かってもらえたかな、私がポケモンだということを」

「ええ、分かったわ。ところで、あなた」

「は、はい」

「このポケモンを交換してくれない?」

「それは……」

「駄目だよ。私はあずにゃんと居たいの!!」

そう言って、ゆい先輩は私の後ろに隠れてしまいました。

「あら、そうなの?それは残念だわ。……それにしても、あなたはすごいのね」

「何がですか?」

「こんなにポケモンになつかれるなんて。それだけで、立派な才能よ」

「あ、ありがとうございます」
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:25:40.06 ID:OUpXHxdh0
「はあ〜、疲れました」

さっきの女の人との会話を終えて、ちょっと、隅の方に来ました。

「パクパク」

「さっきから、食べてばかりですけど、太らないんですか?」

ちょっと失礼な気もしますけど、聞いてみました。

「私はいくら、食べても太らないんだよ」

「そうなんですか」

「どう、梓ちゃん。楽しんでる?」

「あ、ムギ先輩。いろんな人やポケモンを見れて、楽しいですね」

「それはよかったわ。ゆいちゃんも楽しんでる?」

「うん!」

「そう」

ナデナデ。

ムギ先輩はゆい先輩の頭を撫でます。

「えへへ〜」

気持ちよさそうに笑う、ゆい先輩。何でしょうか、見ていて、微笑ましい光景のはずなのに、胸がムカムカするというか、なんていうか、あまり気分のいいものじゃないのは何ででしょうか。
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:27:07.24 ID:OUpXHxdh0
「やあやあ、紬君」

「あ、会長さん」

そんなことを考えていたら、白いひげをした、少し、偉そうな人が来ました。

「あの、ムギ先輩。その人は……」

「ああ。この人はこのクラブの会長さんで、私のおじいちゃんと友達なの」

「会長さん!?」

さすがはムギ先輩。なんていう人と知り合いなんですか。

「それで、これが、今日招いたお友達かい?」

「はい。こちらが、中野梓ちゃん。こっちの小さい子がゆいちゃん。これでも、ポケモンなの」

「よろしくお願いします」

「よろしくねー」

「うむ。よろしく。君がポケモンなのは聞いてるよ。さっきから、話題になってるよ」

「そ、それはどうも」

「ところで、1つ頼みがあるんじゃが」

「何ですか?」

「実はな、ムギ君とバトルしてもらいたいんじゃ」
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:29:03.68 ID:OUpXHxdh0
「はい?それはかまいませんがどうしてですか?」

「な〜に、今日の余興じゃよ。ただ、その子を使ってほしいのじゃ」

「ゆい先輩をですか?どうしてですか?」

「その子が戦ってる姿が見てみたいという、会員もいるのでね」

「なるほど」

たしかに、こんな能天気にケーキを食べてる子がどんな戦いをするのか興味を持つのは当然だと思いますけど。

「でも、ポケモン大好きクラブの方って、バトルとか嫌いなんじゃ……」

たしか、このクラブの会員って、自分のポケモンの自慢話とか、見せびらかしたりとかをするのが好きなはずです。

「嫌いってわけじゃないんじゃがな。あまり好きではないのは事実じゃが。まあ、純粋な好奇心というのもあるな。どうじゃ、やってくれないかな?」

「分かりました。ムギ先輩、頑張りましょうね」

「ええ」

「それでは早速、準備に入ってくれないかの?」

「はい。……といっても、準備は特にないんですけど。あ、でも、その前に、えっと、お手洗いに…」

「では、10分後に始めようか」

「はい。じゃあ、ムギ先輩。ちょっと、ゆい先輩を頼みますね。すぐに戻りますから」

「任せてちょうだい」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:30:41.88 ID:OUpXHxdh0
「パクパク。美味しいね、これ」

「気に入ってもらえたかしら」

「うん。それにしてもよかったよ。ムギちゃんは違うみたいで」

「何が?」

「別になんでもないよ」

澪ちゃん達がそうだったから、ムギちゃんもかなって思ったけど、さすがにそれはなかったね。

「ところで、ゆいちゃん。ちょっとお願いがあるの?」

「お願い事?なんだい、私が解決してあげよう」

私は紅茶を飲みながら、機嫌よく言った。

「実はね、梓ちゃんを私にくれない?」

「ぶー」

「どうしたの、ゆいちゃん。急に噴き出して」

「やっぱり、私の周りはあずにゃん以外、敵だらけだ」

私は生まれて初めて、神様を呪いました。

「今回のバトルで勝ったらでいいから」

「そんな可愛らしくお願いされても、あずにゃんは私のなんだよ。いいよ、その挑戦受けてたつよ。この物語はきっと、私があずにゃんを守るために懸命に戦って、結婚するための物語なんだね」

「きっと、それは違うと思うわ」

「とにかく、私はりっちゃんも倒したんだし、ムギちゃんも倒すよ」

「りっちゃんを倒したの?でも、りっちゃんは私たち三銃士の中でも最弱の存在。それくらいで調子に乗らないほうがいいわ」

「どうでもいいけど、りっちゃんの扱い、皆酷くない?」
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:31:25.48 ID:OUpXHxdh0
「お待たせしました。あれ、どうしたんですか?」

なんか、2人の間に重苦しい雰囲気が流れてる気がするんですけど、気のせいですかね。さっきまで、あんなに仲よさそうだったんですから。

「別になんでもないよ。ね、ムギちゃん」

「そうよ、なんでもないわよ」

2人とも、清清しい笑顔で言う。やっぱり、気のせいなんでしょう。

「じゃあ、始めましょうか。ね、ゆいちゃん」

「そうだね、ムギちゃん」

私が居ない間に何があったんでしょうか。こんなに仲がよくなるなんて。……ちょっと、面白くない気分になるのは何ででしょうかね?
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:32:17.35 ID:OUpXHxdh0
「それでは、今回の特別イベント。琴吹紬さんと中野梓さんの特別バトルを行います。なお、今回のバトルでは中野梓さんは世にも珍しいポケモン、ゆいちゃんを使っていただきます」

「さて、頑張ろう」

屈伸をして、気合を入れるゆい先輩。

「気合入ってますね、ゆい先輩」

「当たり前だよ。負けられない戦いがここにはあるんだよ」

フンスといつもよりを気合が入っています。いつも、こんな調子ならいいんですが。

「それでは、準備はよろしいですね」

「はい」

「ええ」

「「「バトル開始!!」」」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:33:34.37 ID:OUpXHxdh0
「きて、フシギソウ」

「頑張ってくださいね、ゆい先輩」

「フシギソウ。ハッパカッターよ」

フシギソウから、葉っぱが忍者の手裏剣のように発射されます。

「かわして、ゆい先輩」

「いつも、簡単に言うけど、私、基礎的な能力って低いんだよね〜」

なんて、言いながらも、寸前のところでかわします。

「なら、これなら、どうかしら。エナジーボール」

フシギソウの蕾にエネルギーが溜まって攻撃してきます。

「それも無駄だよ〜」

ゆい先輩はひらりとかわします。

「やりました!ゆい先輩、反撃です」

「それはどうかしら?」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:34:25.26 ID:OUpXHxdh0
「!?」

「ふん、強がっていら……あだっ!!」

バタン、とゆい先輩が転んでしまいました。ゆい先輩の足には、草が絡まっています。この技は……。

「くさむすび!?」

「油断は大敵よ、梓ちゃん」

なるほど、さっきの2つの技は囮だったんですね。さすがはムギ先輩。

「フシギソウ、今がチャンスよ。光のエネルギーを溜めて」

「これは!?早く、逃げてください!」

「そんなこと言っても、取れないよ、これ」

「トドメよ、ソーラービーム」

フシギソウの蕾の部分から、光の光線がゆい先輩に向かって、飛んできます。

「ゆい先輩!!」

「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:35:31.00 ID:OUpXHxdh0
ゆい先輩は逃げ切れずに、直撃しました。煙でまだ、見えませんが、このまま、ダウンでしょうか。

「さすがは、琴吹会長のお孫さんだ。ポケモンも強い」

「でも、ゆいちゃんの技も見たかったわね」

「まあ、見かけだけのマスコットだったわけだな。私たちには大歓迎だけれども」

皆さん、勝手なこと言ってますが、ゆい先輩の強さはこんなものじゃありません。そのことを知ってるのはこの会場だけでも私だけですね。……って何、得意げになってるんでしょうかね。煙もなくなってきて、いよいよ、ゆい先輩の姿が見えてきました。
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:36:32.56 ID:OUpXHxdh0
「お、おい。あれ、見ろよ」

「あ、ああ。ボロボロじゃないか」

確かに、ゆい先輩の体はところところ、焦げていて、服もボロボロです。……まさか、本当によけきれずに直撃したんですか。私が顔を青ざめていると、

「ふう〜、危ない、危ない。直撃するところだよ」

とのんきな声が聞こえてきました。よく見ると、焦げているのは、ゆいぐるみですね。

「これぞ、 ゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみバリアー』」

「す、すごい」

「こんな技初めてみるぞ」

会員の方々も驚愕の声が聞こえてきました。
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:37:50.03 ID:OUpXHxdh0
「さて、ムギちゃんには悪いけど、ここからは私のワンマンショーだよ。行くよ、ギー太。D・Dモード」

D・Dモード?律先輩の時に見せたあの技ですか。しかし、律先輩に通じても、果たして、ムギ先輩に通じるでしょうか?なんて、律先輩に失礼ですけど。

「さて、行くよ。ゆいちゃん真拳奥義『ゆい戯王GX』」

バーン、と煙みたいのがゆい先輩の周りを包みます。

「ついにあの子の技を見れるぞ」

「一体、どんな技を繰り出すのかしら」

周りの会員の人たちも興味津々です。まあ、私自身も把握してませんが。おっと、煙が消えてきました。その姿は……はい?
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:38:36.00 ID:OUpXHxdh0
「……あの、ゆい先輩。なんていう格好をしてるんですか」

ゆい先輩の姿を見ると、へんな仮面をしていて、マントまで羽織っています。

「私はゆい先輩じゃないよ」

「じゃあ、何なんですか?」

「私の名前は、正義の味方ゆいちゃんマン」

「えー…」

いろいろと突っ込みたいことはたくさんあるんですけど……。

「ゆい先輩は女の人なのにマンっていうのは?」

「細かいことを気にしては駄目だよ、あずにゃん君」

「は、はあ」

まったく、また、訳の分からないことをして、皆さん、呆れ返って……
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:39:23.23 ID:OUpXHxdh0
「まさか、あれは伝説のアズリストの1人、 正義の味方ゆいちゃんマン !」

「え、なにを言ってるんですか、ムギ先輩」

「そうか、あれが……」

「私も噂では聞いたことがあるけど、実物を見るのは初めてよ」

え、何ですか、これ。有名なんですか。そもそも、アズリストって何なんですか。

「さて、ムギちゃん。勝負だ。デッキからカードを5枚引く。フッ。私のターンカードを1枚ドロー。…私は『正義の味方ゆいちゃんマン』を
召喚。効果発動、このカードはこのカードをリリースすることで手札にある、あずにゃんと名のつくカードを特殊召喚することが出来る。今こそ、伝説のカードを見せてあげるよ。出てきて、『ネコミミあずにゃん』」

ゆいちゃんマンはギー太にガードをセットすると、ネコミミをつけた、どこかの学校の制服(夏服っぽいの)きた、やっぱり、私が出てきました。
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:41:25.03 ID:OUpXHxdh0
「何なんですか、そのカードは!!」

「そういえば、聞いたことがある」

私がそう聞くと、答えがゆいちゃんマンではなく、別のところ、会長さんから返ってきました。

「あれは、伝説のアズリストの持つ世界に4枚しかないといわれるカードのうちの1枚。まさか、ここで拝めるとは」

「何を語りだしてるんですか!!」

「……可愛い」

ゆいちゃんマンはその私(?)を見て、頬を赤らめて、見惚れています。

「真面目にやって下さい。ムギ先輩とか、会員の人達に失礼じゃ……」

「本当に可愛いわ……」

「今、私達は人類の進化の到達点を見たんじゃないだろうか」

「もう、ここで死んでもいいんじゃないかしら」

私が周りを見ると、ムギ先輩のみならず、会員まで、顔を赤くして、見惚れています。何なんですか、この会場の人達は。
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:42:27.10 ID:OUpXHxdh0
「さて、『ネコミミあずにゃん』の攻撃、滅びのニャーストリーム!!」

私(?)は猫のように手をやり、ニャーって鳴き出しました(ちなみに、私は泣きそうです)。そのニャーって声とともに、私から、光線みたいのが出て、フシギソウに直撃しました。

「フシギソウ!」

直撃はしましたが、なんとか、耐えています。

「やるね。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

「フシギソウ、ハッパカッターで、ゆいちゃんマンに直接攻撃よ」

葉っぱが手裏剣のように私を避けて、ゆいちゃんマンに襲い掛かります。

「さすがだと言いたいが、甘いよ、ムギちゃん。リバースカード発動。速攻魔法『エネミーコントロラー』」

「何!?」

「ライフを1000払い、↑←↓→A。このコマンドを入力することで、ハッパカッターの葉っぱを破壊するよ」

フシギソウの放った、ハッパカッターはこのカードの効果かすべて、爆発しました。

「さて、私のターン。カード、ドロー。……フハハハハハハ」
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:43:30.27 ID:OUpXHxdh0
いきなり、高笑いを始める、ゆいちゃんマン。なにを引いたんでしょうか。

「これで、勝利へのピースは全部そろったよ。いくよ、手札から魔法カード発動『融合』。場の『ネコミミあずにゃん』と手札の『ネコシッポあずにゃん』と『スク水あずにゃん(もちろん名前は平仮名であずさって胸に書いてある)』を融合。いでよ、『究極(アルティメット)嫁あずにゃん』」

……………………………………はっ。思わず、天国に逝きかけました。だって、目の前には、ス、ス、ス、ス、スクール水着を着て、ネコミミ、ネコシッポをつけた私みたいなものが、頬を赤く染めて、立っているんですから。

「………ふつくしい」

ゆいちゃんマンはその私みたいなものを見て、頬を赤らめて、見惚れています。

「もはや、芸術を超えて、神の域に達してるわ」

ムギ先輩は鼻血を出しつつ、うっとりとしてます。早く拭いてください。

「……素晴らしい」

「ええ。素晴らしいという言葉以外見つからないわ」

会員の皆さんも同じようにしています。会長さんに至っては、

「もう、ポケモンだいすきクラブをやめて、あずにゃんだいすきクラブにしない?」

とか、訳の分からないことを言い出しています。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:44:45.28 ID:OUpXHxdh0
「これぞ、強靭(ネコシッポ)無敵(スク水)最強(ネコミミ)のカード。いくよ、攻撃。アルティメット、ニャースト」

私みたいなものは猫のように手をやり、ニャーって鳴き出しました。すると、光の光線がフシギソウに向かって、発射されました。フシギソウはさっきまでのダメージで動けないのか、直撃を喰らって、飛ばされました。

「フハハハハハハハハ、粉砕・玉砕・大喝采。フハハハハハハハハ」

もはや、別人じゃないかって、笑い声を上げる、ゆいちゃんマン。

「フシギソウ戦闘不能。ゆいの勝利。よって、梓選手の勝利」

まったく、嬉しくない勝利ってあるんですね。
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:45:32.42 ID:OUpXHxdh0
「勝ったよ〜、あずにゃん」

いつの間にか、仮面とかを取った、ゆい先輩がピョコピョコって駆け寄って来ました。私はそのゆい先輩の頬を両手を使って、引っ張りました。

「なにをひゅるの、あすにゃん」

「なんとなくです」

「すごいわ、梓ちゃん。まさか、ここまで、強いなんて」

ムギ先輩がフシギソウをボールに戻し、やってきました。

「ムギちゃん。分かってるね」

「ええ。今回は引いてあげるわ」

「ずっと引いてよ。ムギ×梓なんて、このSSを見てる人は望んでないよ」

「あら、梓×ムギを望んでいる人はいるかもしれないわよ」

「もっと、いないよ。このSSを見てる人は唯×梓を望んでいるんだよ」

「それはどうかしら」

「あの、さっきから、何を話してるんですか?」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:46:40.84 ID:OUpXHxdh0
「いやー、素晴らしいバトルだったよ」

私達はバトル終了後、会長さんの部屋に呼ばれました。

「すいません、どこがでしょうか?」

まったく、分からないので聞いてみた。

「分からないのかね」

「しょうがないわ。ずっと、ゆいちゃんの戦いを見てきてるんですもの」

「それもそうじゃな」

「それで、なんで、私達は呼ばれたんですか?」

このまま、続けていても仕方がないので聞いてみた。

「実は頼みたいことがあるんじゃ」

「何ですか?」

「実はのう、ある筋からの情報によれば、明日行われる、サントアンヌ号の船上パーティにロケット団が襲撃するという情報を得たんじゃ」

「ロケット団ですか」

あのオツキミヤマで戦った胸糞の悪い連中ですか。あの時は澪先輩がいなかったら、どうなってたことか、思い出しても、背筋が寒くなります。
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:47:43.73 ID:OUpXHxdh0
「そして、その襲撃の目的が紬君を誘拐することらしいんじゃ」

「ムギ先輩をですか。でも、どうしてですか?」

「以前に資金提供を頼んだんじゃが、会長が断ってのう」

なるほど。それの報復みたいなものですか。相変わらず、胸糞の悪い連中ですね。

「じゃあ、そのパーティーを中止にすれば……」

「それはできんのじゃ。いろいろなお偉いさんも来るし、なにより、琴吹家がロケット団に屈することになるからのう」

「なるほど、納得です。それで、私に何か用なんですか?」

「これは琴吹家の会長、つまり、紬君のおじいさんに紬君に護衛をつけてほしいと私に頼まれてたことなんじゃが、私は君に護衛をしてほしいんじゃ」

「はい?私に?」

「本当はボディーガードをつけておくべきかもしれんのじゃが、パーティの場じゃがちと雰囲気にあわんのじゃ。さっきのバトルを見ても、実力は十分じゃし」

「十分と言われても……」

「もちろん、別に護衛も用意する。それに紬君も友達といっしょの方がいいじゃろ。ホテルは用意するからの」

「いや、私じゃ無理ですよ」

「な〜に、心配ない。もしかしたら、デマということもある。気楽に参加してくれればいい」

結局、このまま、押し切られるように参加を承諾してしまいました。
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:48:52.69 ID:OUpXHxdh0
「まさか、こんな大役を頼まれるなんて……」

会長さんが用意してくれた部屋は今までとは全然違いますね。家よりもここで暮らしたいってくらい豪華です。

「すごい部屋だね〜。ソファーもふかふかだ〜」

「のんきですね、ゆい先輩」

「だって、パーティーだよ。きっと、美味しいものもたくさん出るよ。それに……」

「それに?」

「どんな敵が来たって大丈夫!私はあずにゃんがいれば無敵だよ。ムギちゃんとあずにゃんは私が守るよ」

フンスと気合を入れるゆい先輩。いつも、能天気な感じですが、時たま、こういう時もあるので、油断ならない人(?)です。

「そんなことよりも、さっき借りてきた、『けいおん!』を見よう」

ゆい先輩は『けいおん!』のDVDをセットします。

「あずにゃんも見ようよ〜」

「そうですね」

私は4人位座れるソファーに横になり(ゆい先輩は私のお腹くらいのところに頭を乗せて)、『けいおん!』とやらを見ることに。しばらく、見ていたんですけど、だんだんと眠くなってきちゃいました。……少しの間だけでも、目を瞑りますか。
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:49:36.54 ID:OUpXHxdh0
「面白いね、あずにゃん。……あずにゃん?」

私はあずにゃんの方を向くと、あずにゃんがスヤスヤと可愛らしく寝てます。こんなところで寝ちゃうなんて、風邪を引いたら、大変だと、かける物を持ってこなきゃ。……と頭では考えてはいたんだけど……。

「ゴクリ」

今、私が見ているのは目の前で寝ているあずにゃんの可愛らしい唇。柔らかそうだな。キスって、この唇と私の唇をくっつけるんだよね。ちょ、ちょっとだけでもやってみようかな。

「よし!」

ドキドキしながら、私はあずにゃんに顔を近づける。あずにゃんの寝息が私の顔にかかるくらい近くに顔を寄せた。そして、私は思い切って、やってみた。

チュッ。

私はあずにゃんの頬に唇をつけた。やっぱり、寝ている所に唇を奪っちゃだめだよね、うん。やっぱり初めてはちゃんと同意の上でしなきゃね。へたれたわけじゃないよ

「ううん……」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:50:48.19 ID:OUpXHxdh0
「あれ。どうしたんですか、ゆい先輩」

私が目を覚ますと、ゆい先輩は顔を赤らめて、なにやら、考えているようです。

「なんでもないよ。それより、もう、寝ようよ。あずにゃん、まだ眠そうだし」

「そうですね〜。シャワーを浴びてから、寝ますか。ゆい先輩は?」

「ごめん、あずにゃん。今、あずにゃんとシャワー浴びたら、自分を抑えられる自信がないから、無理だよ」

「? なんだか、よく分かりませんけど、分かりました」

それから、お互い、別々にシャワーを浴びてから寝ることに。

「おやすみ、あずにゃん。明日も楽しいといいね」

「そうなるといいですね。おやすみなさい、ゆい先輩」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/07(火) 20:54:22.26 ID:OUpXHxdh0
クチバ編A 「梓争奪戦A・ゆいVS紬」 終了

本当にボーボボの作者はすごいと思う
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/07(火) 21:40:46.85 ID:vPFaO6e20
乙!!!
ところで、今回のバトルでゆいが使用していたデッキはどこで売ってますか?
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/07(火) 22:02:49.93 ID:OTV+W4gf0
カイバーマンかよwwwwwwwwwwwwwwww
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/09(木) 15:38:03.70 ID:tvt6iIAeo
結構おもしろいと思うよ
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:30:32.17 ID:B1xkSSrI0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ  ニューラ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ

純     うい

クチバ編B 「サントアンヌの死闘」 以下、投下
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:31:38.70 ID:B1xkSSrI0
『到着か』

ここはサントアンヌ号の倉庫。ここを内部本部とし、襲撃時間まで、待機し、襲撃時刻に中と外から、同時に襲撃するという作戦なのだ。

『辛気臭い場所だな』

『仕方がないですよ』

ここにいるのは、マコトとかくとう、じめんタイプ班の面々だ。

『それにしても、よくこんなところに進入できましたね』

『まあ、内部にも協力者が居るってことだろ』

琴吹家に損害を与えることができ、それをロケット団のせいにできるのだ。喜んで協力する連中も居るだろう。

『わあ、お兄ちゃん。ここ、すごいね』

『そうだな』

その時、この場に相応しくない子供の声が聞こえた。
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:32:48.38 ID:B1xkSSrI0
『こっちにも何か、……おじちゃん達、何してるの?』

『ん?何か居たのか。……お、お前らはロケット団!こんなところで何を……』

してるんだ。……その言葉を少年は一生言えないだろう。何故なら、その少年は……

『お兄……ちゃん。首が……キャ、モガ』

マコトは素早く妹の後ろに回りこみ、口を塞ぐ。

『クックックッ。お兄ちゃんは天国に旅に出かけちゃったんだよ。お嬢ちゃんもすぐに連れて行くから、安心しな。よくやったな、サンドパン』

あの時、マコトは素早くサンドパンを出し、少年の首を切断したのだ。

『おい。今から、この嬢ちゃんと楽しんでくるから、そいつの死体を片付けておけ』

『……はい』
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:33:45.64 ID:B1xkSSrI0
「それにしても、私がここにいても、いいんでしょうか?」

「どうしたの、梓ちゃん。もっと、楽しみましょうよ」

「そうだよ。これ、美味しいよ」

「だって、偉い人ばかりですし。素直に楽しめませんよ」

私達はサントアンヌ号の線上パーティに参加している。パーティーだけあって、私とゆい先輩はドレスを着ている。

「それに、いつ、ロケット団が襲ってくるかもしれないんですよ。のんびりなんて出来ませんよ」

「そんなに気構えても仕方がないわよ。もっと、気楽にいきましょう」

「そうは言いますけどね……」

ロケット団を抜きにしても、さっきから、いろんな偉い人達にムギ先輩と挨拶に行って、正直疲れましたし。

「……嫌なら、別に無理しなくても……」

「あ、嫌ってわけじゃありません。ただ、偉い人達と会うのは気疲れするだけで」

「そうね。それは分かるわ。私も疲れるもの。ごめんね、無理させちゃって」

「あ、いえ、気にしないで下さい。私も嫌味っぽく言ってしまって」

「じゃあ、おあいこで。……そうね、息抜きにここの探検でもしましょうか?」

「え?でも、挨拶とかは?」

「いいのよ、大体は済ませたし。それに、こういうところ探検するのも面白くない?」

「そうですね。ゆい先輩も行きますか?」

「モグモグ、ゴックン。うん、私も行く〜」
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:34:27.81 ID:B1xkSSrI0
『指揮官、時間です』

『ああ』

『……あの少女は?』

『今頃、ポケモンか魚の餌じゃないか?それよりも、対象の映像を』

『これです。ここに写っている、ブロンドの髪の女ですね』

マコトは写真を見ると、ブロンドの髪をした、なかなかの女ともう1人の女を見る。

『ククククククク』

『……あの、どうしたんですか?』

『まさか、また会えるとはな。本当は、ロングの女も犯したかったが、まあ、いいさ。楽しみが1つ増えたな』

『は?』

『気にするな。それよりも、配置には?』

『いつでも、大丈夫です』

『よし。では、スタートだ』
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:35:41.75 ID:B1xkSSrI0
「ここが倉庫ですか」

「広いねー」

私達はショッピングモールや映画館、カジノなどを見て、最後に倉庫を見に来ました。

「でも、立ち入り禁止って書いてありましたけど……」

「ちょっとくらいなら大丈夫よ」

「そうだよ」

「そうは言っても……」

バーン、ガシャーン。

という爆発音とともに船が揺れだしました。

「わ〜、あずにゃん怖いよ〜」

ゆい先輩が私に抱きついてきました。怖いと口では言ってますが顔は楽しそうなので、きっと、ただ、抱きつきたかったんでしょう。って、冷静に考えてる場合じゃありません。

「一体、何がおこってるんでしょうか」

「分からないわ。でも、どこかで、爆発があったみたいだけど」

「とりあえず、外に……」

「まさか、こんなところにいるとはな」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:37:07.98 ID:B1xkSSrI0
その声とともに、見覚えがある服を着た連中が現れました。

「あなた達はロケット団!!」

3人のロケット団員と周りには、ワンリキーとマンキーが9匹ずつ、計18匹います。そして、3人のロケット団の後ろには、見覚えのある人
物が。

「久しぶりだな、あの、ロングの女はどうした?」

「あなたは!」

「知ってるの、梓ちゃん」

「はい。私達がおつきみやまで戦った奴です」

「あずにゃんにひどいことしようとした人だよ〜」

「まさか、こんなところで会えるとはな〜。つくづく、縁があるんだな〜。どうだい、その女を渡せば、お前だけは、おれの女として、無事に帰してやるぜ」

「誰があなたなんかの……」

「そうだよ、あずにゃんは私のだよ」

「それも違うわ」

「違わないよ!」

「少しは緊張感を持って下さい!!」

「そうだよ、ムギちゃん」

「違うわ、ゆいちゃんのことよ」

「2人ともです!!」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:37:58.38 ID:B1xkSSrI0
ともかく、今は逃げないといけません。こっちはムギ先輩が6匹もってたとしても、11匹。それに、ここは広くはありませんし、外に出ないと……。

「ゆい先輩、ムギ先輩、ともかく、ここから出ましょう」

「ええ。でも、この数を相手にするのは……」

「任せなさい!!」

フンス、と気合を入れる、ゆい先輩。

「では、早速、準備をっと」

ゆい先輩はギターをセットします。

「では、ミュージックスタート!!(true my heartを想像ください。分からないなら、あずにゃん きしめんでググッてください)」

久しぶりの音楽を使った攻撃ですね。ゆいぐるみはありませんが。

「気をつけて、そろそろ来るから」

ゆい先輩が私達に言います。

「何がですか?」

「見て、梓ちゃん。何かくるわ」

ん?なにか、文字みたいのがワンリキー達に向かって、迫ってきます。

「!? 避けろ、お前ら」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:38:54.25 ID:B1xkSSrI0
「くらえ、ゆいちゃん真拳奥義『あずにゃん・弾幕』」

『あずにゃああああああああああああああああああああああああああん』
『あずにゃああああああああああああああああああああああああああん』
『あずにゃああああああああああああああああああああああああああん』
『あずにゃああああああああああああああああああああああああああん』

「リキーーーーーーーーー」

「マンキーーーーーーーー」

何匹かのワンリキー達は避けきれずに直撃しました。

「今のうちだよ。逃げよう」

「え、ええ。納得しかねる部分もありますが」

私はゆい先輩を右手に抱え、左手で、ムギ先輩の手を握り、逃げ出します。

「ずるーい。私も手をつなぐ〜」

「なにのんきなこと言ってんですが」

「逃がすな、追えー」

残りのワンリキー達も私達に襲い掛かります。

「大丈夫。まだ、私の奥義は終わってないよ」

そういえば、まだ、音楽は止まってませんね。そして、また、文字がワンリキーたちに向かってきます。

『あずにゃんはゆいの嫁』
『あずにゃんならゆいの横で寝てるよ』
『あずにゃんペロペロ』

なんていうか、大いに文句を言いたい文字が私達の道を塞ぐ、ワンリキー達を跳ね飛ばします。

「さあ、早く逃げよう」

「はい」

「ええ」
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:40:08.60 ID:B1xkSSrI0
「くそ、逃げられたか」

「お前らはあいつらを追え」

「はい。指揮官は?」

「俺は先に上にいる。邪魔者たちの掃除をしないとな」

「分かりました」
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:42:11.05 ID:B1xkSSrI0
「待ちやがれ」

「しつこいですね、あの連中は」

「どうする?戦う?」

「戦うっていっても、廊下は狭いですし。……ちょっと、止まってください!」

少し前のところのドアが跳ね飛ばされ、中から、ガラガラ1匹とカラカラが3匹が出てきました。後ろからは、ロケット団3人とワンリキーとマンキー8匹くらい。どうすれば、いいんでしょうか、って考えてる場合じゃありませんね。

「出てきて、ハッサム、ニューラ。ここは強行突破です。ムギ先輩は後ろを頼みます」

「任せて。出てきて、カポエラー」

「あずにゃん、私は?」

「ゆい先輩は私の頭の上でじっとしていて下さい」

「えー。あずにゃん、ひどくない?」

「いいですか、ゆい先輩。ゆい先輩は秘密兵器なんです」

「秘密兵器!」

「だから、ここで、おいそれと使うわけにはいかないんです」

「そうだね。じっとしてるよ」

私はゆい先輩を肩車します。
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:43:03.56 ID:B1xkSSrI0
「ありがとうございます。ハッサム、シザークロス。ニューラ、こおりのつぶて」

向かってくる、カラカラ達を跳ね飛ばします。

「ガラガラ」

「ニューラ」

ガラガラはもってるホネをニューラに投げつけて、ニューラは跳ね飛ばされる。

「あれはホネブーメラン!?」

「気をつけて、戻ってくるわ」

「分かってます。ニューラ、避けて」

「!? あずにゃん、それは駄目だよ!!サムちゃん、援護して」

「何で……あっ!!」

ニューラがホネブーメランをかわした所に、ガラガラがすてみタックルを仕掛けにきます。

「ハッサム、バレットパンチで援護してください」

ハッサムは素早く、ガラガラを跳ね飛ばします。

「よしよし。あずにゃん、よくできたね」

ナデナデ。

「だから、撫でないで下さい」

「2人とも、今のうちに」

「ええ、そうですね」

私達は再び、逃げ出しました。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:43:45.80 ID:B1xkSSrI0
「もう少しで、甲板です」

「そうね」

「頑張れー、あずにゃん、ムギちゃん」

「もう少し、緊張感を持って下さい」

やっとの思いで、甲板に出ました。これで、一安し……!?

「ようやく、ご到着か」

私達が甲板に出ると、ロケット団の連中がたくさんいます。空には、オニドリルやピジョン。ロケット団の周りには、カラカラ、ガラガラ、ワ
ンリキーやマンキー。そして、その周りには……

「あ、あ、あ、あ、あずにゃん、これ」

「ゆい先輩は見ちゃ駄目です!!」
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:45:09.13 ID:B1xkSSrI0
周りを見ると、ボディーガードの人達やポケモンが血を流して倒れている……なんていうと、まだ、いい方で、中には腹を貫かれた人や首のないポケモン等、まさに地獄絵図です。

「……ひ、ひどい」

ムギ先輩も青ざめています。

「さて、楽しもうか、こい、バンギラス」

今、ゆい先輩もムギ先輩もショックで動きが鈍ってます。私が何とかしないと……。

「来て、みんな」

私はゆい先輩以外のメンバーを出します。それでも、全然足りないですけど、でも、これくらい出さないと対抗できませんし。

「くっくっくっ。2人は完全に戦意喪失してるのに、1人で戦う気か?いい度胸だ」

「イーブイ、みずのいしでシャワーズに進化してください」

「あの時のイーブイか。そいつも、後でいただくとするか。さあ、始めようぜ、パーティーを」

その言葉をきっかけに、私達に向かって、突撃しだしました。

「シャワーズ、オーロラビームをカラカラ達に、デルビル、かえんほうしゃでワンリキー達に、ハッサムはシザークロスでバンギラスに攻撃して下さい。ニューラは私達の護衛をお願いします」

それぞれ、私の指示で攻撃を始めます。

「頑張るね〜、嬢ちゃん。でも、無駄だぜ」

私の横から、オニドリルが私に向かって、ドリルのようなクチバシで攻撃を仕掛けます。

「ニューラは……!?」

ニューラはデルビルの技をかわして、ムギ先輩を捕まえようとする、ワンリキー達と戦っています。つまり、私はここで終わりってことですか……。

「……ゆい先輩」

私は涙ぐみながら、自分の最後を悟って、眼をつぶった。
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:46:29.52 ID:B1xkSSrI0
「ゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみガード』」

私を貫こうとした、クチバシは5個くらいのゆいぐるみでガードされました。

「大丈夫かい、あずにゃん。涙をお拭き」

ゆい先輩は私にハンカチを渡してくれます。

「あ、ありがとうございます。ゆい先輩は大丈夫ですか?」

「うん。あずにゃんや皆が頑張ってるのに、私だけ、怖がってるわけにはいかないよ。それに……」

「それに?」

「あずにゃんを泣かすなんて、絶対に許せないもん」

「……ゆい先輩」

「さて、これからは秘密兵器の出番だよ。皆にこんなことしたあなた達を絶対に許さないよ。ゆいちゃん真拳究極奥義を発動するよ」

「究極奥義?テメーみたいなクソガキに何ができる。バンギラス、ハッサムごときにてこずるな。サッサと、あのガキを殺せ」

「バンギラス」

バンギラスはとがったいわでハッサムを突き刺そうとするもハッサムはそれをかわし、バレットパンチを繰り出しています。

「頑張って、サムちゃん。……さて、あなた達が馬鹿にした究極奥義を発動するよ。ゆいちゃん真拳究極奥義『ドキドキ☆新婚☆生活』」
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:47:33.16 ID:B1xkSSrI0
「だから、何なんですか、その名前は」

「まあまあ、気にしない。この奥義はある夫婦の新婚生活を再現することで敵にダメージを与えるんだよ!」

「自信満々に言われても……」

「それよりも、ムギちゃんを」

「そうでした。大丈夫ですか、ムギ先輩」

「ええ。この子が守ってくれたから」

「ニューラ」

「よくやりましたね、ニューラ」

ナデナデ。

「あー、ずるい。私にも、ナデナデして〜」

「変なこと言ってないで早く倒してください」

「ちぇー。じゃあ、サッサと倒して、ナデナデしてもらおっと。それじゃ、始めるよー」

ゆい先輩の掛け声で、周りの光景が変わります。どこかの部屋みたいですが……。

「本当は一戸建てにしたかったんだけど、やっぱり新婚さんだからね。お金がないんだよ」

「は、はあ。なんでもいいんですけど」

「何なんだ、この光景は」

「落ち着け。慌てれば、あいつの思い通りだ」

「なにか、あそこにいるぞ」

団員の1人が指差す方向には、もう、恒例というべきなんでしょうか。私とゆい先輩(大)がいます。

「では……スタート!!」
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:49:35.53 ID:B1xkSSrI0
『唯先輩、朝ですよ。起きて下さい。遅刻しますよ』

『起きるから、キスしてよ〜』

『馬鹿なこと言ってないで、起きて下さい。朝ごはんですよ』

『……う〜、分かったよ〜』

顔を洗って、席に着く。

『いただきます』

『はい』

モグモグ。

『……どうですか?(ドキドキ)』

『うん。おいしいよ。どんどん、うまくなるね』

『ありがとうございます』

『うんうん。さすが、私のお嫁さんだよ』

『な、何を言ってるんですか。早く食べないと遅刻しますよ』

『ふ〜ん。あずにゃんは私に早く行ってほしいんだ〜』

『べ、別にそんなこと言ってませんよ』

『じゃあ、どういうことなのかな〜』

『そ、それは……えーと、そう。学校でちゃんと準備しないと、生徒の皆さんに迷惑をかけるからです』

『そうだね〜。大変だよ。朝から、生徒に勉強を教えて、夜から、お嫁さんに夜の勉強を教えなきゃいけないんだからね〜』

『あ、朝から何を言い出すんですか、もう!!』

『ごめん、ごめん。そんなに怒んないでよ。……さて、準備をしようかな』
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:50:04.15 ID:B1xkSSrI0
玄関にて、出勤に。

『それじゃ、行ってくるね』

『いってらっしゃい』

『……』

『……』

『……』

『……あの、行かないんですか?』

『いってっしゃいのキスは?』

『……しなきゃ駄目ですか?』

『いつもしてくれるじゃん』

『……う〜、分かりました』

チュッ(唇に)。

『じゃ、行ってくるね。今日は金曜日だし、早く帰ってくるね』
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:51:04.62 ID:B1xkSSrI0
「朝から、熱すぎだよ〜。行くよ、デルビル」

「デル」

「くらえ、ゆいちゃん真拳協力奥義『アツアツ☆火炎放射』」

デルビルの口から、今までとは威力の全然違う、かえんほうしゃがワンリキー達に浴びせます。

「この奥義は新婚生活を通じて、私とあずにゃんの愛の力を仲間に与えて、ダメージを与えるんだよ〜」

「もう、何がなにやら、何ですけど、ゆい先輩は教師っていう設定なんですか?」

「そうだよ〜」

「くそ。何なんだ、こいつらは」

「ワンリキー達が一撃だと!」

「次、行くよ〜」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:51:36.26 ID:B1xkSSrI0
『……これでいいかな?』

『どれどれ。……うん、美味しいよ』

『あ、ありがと。でも、憂にはまだまだ、敵わないし…』

『そんなことないよ。これなら、お姉ちゃんも喜んでくれるよ』

『そ、そうかな』

『自信をもちなよ、梓義姉ちゃん』

『もう。その呼び方、やめてよ〜』

『フフフ、ごめんね、梓義姉ちゃん』

『う〜い〜』

『わ〜、怒らないでよ、梓ちゃん』

『まったく、もう』
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:52:06.66 ID:B1xkSSrI0
「私も会話に入りたいよ〜。いっくよ〜、ニュー太」

「ニュラ」

「くらえ、ゆいちゃん真拳協力奥義『お料理☆さみだれぎり』」

ニューラがオニドリル達にそのツメで次々と切り裂いていきます。

「クソガキーーーー。バンギラス、さっさとしろ!」

「バンギラス」

バンギラスはハッサムに攻撃を仕掛けますが、ハッサムはゆい先輩を守るためか、防御に徹して、耐えています。

「サムちゃん。もう少しだから、頑張ってね。次行くよ〜」
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:53:40.54 ID:B1xkSSrI0
夕方・突然の夕立

『あずにゃん、ごめんね。駅まで傘、持ってきてくれないかな?』

『分かりました。でも、タクシーで帰ってくればいいんじゃないでしょうか?』

『お金、もったいないし、私はあずにゃんと帰りたいんだよ〜』

『はあ。分かりました。ちょっと待っててくださいね』

しばらくして。

『お待たせしました』

あずにゃんが傘を持ってやってきた

『……はあ』

『どうしたんですか?』

『どうして、傘を2本持ってきたの?』

『どうしてって、持ってきてって、頼んだんじゃないですか』

『頼んだんだけどね。1本にしてくれれば、相合傘で帰れたのに』

『な、何を言ってるんですか』

360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:54:08.97 ID:B1xkSSrI0
『ま、せっかく、あずにゃんが持ってきてくれたんだもんね。ありがとね』

ナデナデ。

『こ、こんな人がたくさんいる場所で撫でないでください』

『人がいなきゃいいの?』

『そういうことを言いたんじゃありません』

『まあ、いいや。せっかくだし、たまにはお寿司でも食べていこうか』

『……え』

『そこに美味しいのができたんだよね〜』

『そ、そうですね。お寿司、美味しいですもんね』

『……』

『ど、どうしたんですか。早く、お寿司を食べに……』

『やーめた』

『はい?どうしたんですか、急に?』

『だって、家に帰れば、お寿司よりも美味しい食べ物があると思うんだ。だから、早く帰ろう』

私はあずにゃんの手を握って、帰路に着く。

『な、何を言ってるんですか。それに、傘は……』

『たまには、相合傘で帰ろう。もっと、くっついてさ』
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:55:10.24 ID:B1xkSSrI0
「相合傘っていいよね。いくよ、ブイ太」

「シャワズ」

「くらえ、ゆいちゃん真拳協力奥義『ラブラブ☆ポンプ』」

シャワーズのハイドロポンプがカラカラ達に命中し、次々とカラカラ達をふっ飛ばしていきます。

「どうだい、あずにゃん。あと少しだよ〜」

「は、はい。あ、あの、ところで、もう、技やめにしません?」

「え、どうして?もう少しで全滅なのに」

「私にはちょっと、刺激が……」

「あ、なるほど。刺激がなさ過ぎるんだね。もう、あずにゃんたら。先に言ってくれればいいのに〜」

「え、いや、ちが……」

「まったく、あずにゃんたら、大胆なんだから。その大胆さを、想像にじゃなくて、もう少し、私に向けてくれればいいのに。もう、照れ屋さん」

「クソガキがーー。来い、サンドパン」

「サンドパン」

「あのガキの首を切り裂け」

サンドパンがゆい先輩に向かって、突撃する……が、カポエラーによって、阻まれる。

「ムギ先輩!!」

「ゆいちゃん。納得しかねる部分も多々あるけど、早く、トドメを」

「うん。では、次、スタート!!」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:56:42.25 ID:B1xkSSrI0
夕食後・浴室にて

1人でお風呂に入っているあずにゃん。

『唯に美味しいって、言ってもらっちゃった』

体を洗いながら、1人、呟く、あずにゃん。初々しいねえ。

『嬉しかったかい?』

『それはもう……って、何でいるんですか!!』

『なんでって、お風呂に入りに?むしろ、それ以外に何かあるかな?掃除?』

『そうじゃなくて、今、私が入ってるんですけど』

『そうだね、知ってるよ』

『知ってるなら、どうして、入ってきたんですか!』

『私は夜の生徒の健康状態とかを知っておかなきゃいけないんだよ。発育状態とかもね、先生として』

『手をワキワキしないでください』

363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:57:19.14 ID:B1xkSSrI0
『さてさて、どれくらい成長してるかな〜』

『や、やめて下さい。だいだい、毎日、やってるじゃないですか』

『そうだっけ?じゃあ、今日はやめようか』

『え?』

『サッサと出て、寝ようか』

『あ、あの……』

露骨に慌ててる、あずにゃん。可愛いな〜。

『どうしたんだい、あずにゃん。早く出て、寝よう』

『あー、うー』

『何が言いたいんだい、あずにゃん。先生には分かんないよ?』

『………がいします』

『ん?なにか、言ったかな?』

『お願いします』

『何をお願いするんだい?』

『わ、私の成長具合を、た、確かめてください、唯先生』

『仕方がない生徒だね。いいよ。明日は休みだし、たっぷりと確かめてあげるよ。ベットでね』
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 19:59:32.60 ID:B1xkSSrI0
「ハラホロヒレ〜」

「どうしたの、あずにゃん。急に顔を真っ赤にして、頭から、湯気が出て、目をグルグルさせて、倒れて……ハッ、まさか、ロケット団の仕業だね。よくも、あずにゃんを……!!」

「どうみても、ゆいちゃんのせいよね」

「許さないよ、ロケット団。サムちゃん、いくよ」

「サム」

「さあ、いくよ。 ゆいちゃん真拳協力奥義『煩悩☆ヘッド』」

私の力でハッサムの頭にエネルギーが溜まります。そして、バンギラスに向かって、たしか、アイアンヘッドって名前だっけ。とにかく、バン
ギラスに向かって繰り出します。

「バンギラス」

その技は、お腹に命中し、バンギラスの巨体は倒れてしまった。やったね。それと同時に、景色が変わり、また、あの、おぞましいサントアンヌ号の光景に戻っちゃった。

「馬鹿な、全滅だと……」

「ど、どうしますか、指揮官」

向こうは慌てふためいているね。それはそうだろうね、あれだけ、優勢だったのに、後は指揮官のあの人のポケモンしかいないんだもん。

「チッ、ここは退くぞ。おい、クソガキ。テメーの名前はなんて言うんだ」

「私の名前はゆいだよ〜」

「ゆいか。次に会う時はテメーの前で、ツインテールのガキを犯して、テメーを絶望させてから、殺してやる」

負け犬っぽいことを言って、ロケット団の連中はトリポケモンを出して、逃げ出していった。

「やれやれ、私達の完全勝利だね」

その後、警察やら、いろんな人が来て、私達は救助された。
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 20:00:50.11 ID:B1xkSSrI0
2日後、ポケモン大好きクラブにて

「いや〜、よくやってくれたのう、君達」

「えへへ〜、すごいでしょ」

「本当に疲れました」

「あずにゃんは途中から、寝ちゃってたじゃん。私とサムちゃんのトドメの技を見てないんだし」

「そうでしたっけ?途中から記憶がないんですよね。目が覚めたら、病院のベットでしたし。途中までは覚えてたんですけど……」

「まあ、どっちにしても、紬君を守ってくれてありがとう」

「いえ、いいんですよ。私にとっても、大切な先輩ですし。守るのは、当然です。あれ、そういえば、ムギ先輩は?」

「紬君はすでに、旅立ったよ。梓君には申し訳ないって言っておった」

「そうですか」

それは仕方がないでしょうね。いつまでも、クチバにいても、仕方がないし、嫌な記憶もありますし。早く、この町を離れたいと思うのも分かります。

「それで、梓君にはこれをあげよう。今回のお礼じゃ」

会長さんは私にボールを渡します。

「なんですか、これは?」
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 20:02:15.49 ID:B1xkSSrI0
「これにはミニリュウが入っておるんじゃ。まあ、今回のお礼だと思ってもらってくれ」

「あ、ありがとうございます」

「やったね、あずにゃん」

「はい!」

「もう、退院したのかな?」

「はい。特に異常もないため、すぐに退院できました」

「それじゃ、もう、出発するのかい?」

「そうですね」

「え〜、もっと、のんびりしようよ〜」

そうも言ってられません。2日ものんびりして、皆に差をつけられてしまいます。とりあえず、いけるところまで行きます!!」

「うぅ、あずにゃんが燃えてる〜」

「そういうわけで、私達はもう行きますね」

「うむ。頑張るんじゃよ」

「はい!!」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/09(木) 20:11:44.76 ID:B1xkSSrI0
クチバ編B 「サントアンヌの死闘」終了

なんとなくの設定 

ゆいちゃん真拳奥義 威力は小〜中 あずにゃん分消費量 小  補助技・防御技・回復等もある

ゆいちゃん真拳超奥義 威力は中〜大 あずにゃん分消費量 中 ちょっと特殊な技・基本的に攻撃のみ

ゆいちゃん真拳究極奥義 威力は大 あずにゃん分消費量 大   ゆいの感情が高ぶった時に発動 
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 21:30:59.06 ID:eZouWawDO
激しく乙!!!!!

グロい光景はNTYだけど、技の発動している間だけその場にいたかったじぇwwwwwwwwwwwwww
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/10(金) 21:56:11.78 ID:MJoULyglo
rァいいね!
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:19:17.82 ID:Z0uVs9wc0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ  ニューラ ミニリュウ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ カポエラー

純     うい

イワヤマトンネル編@ 「VSさわ子 動き出す関係」 以下、投下
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:19:54.81 ID:Z0uVs9wc0
トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋

『また、失敗なの?』

山中さわ子は報告を聞き、そう言った。マコトほどの男が2度も失敗するとはね。しかも。同一人物に邪魔されたって、話しだし。

『それがこの女ね』

その写真には、ツインテールのなんともコスプレさせがいのある女の子と幼稚園くらいの女の子が写っていた。

『この程度のガキにやられたの?』

さわ子はマコトに言った。

『そいつらはただのガキじゃない。特に、幼稚園児みてーなガキはな』

『でしょうね。あなたが負けるんですもの』

『任務には失敗したが、勝負に負けたわけじゃない』

『どっちでも、いいわよ。それよりも、あなたにはやってもらいたいことがあるの』

『なんだ?』

『伝説のポケモンの捕獲』
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:30:39.14 ID:Z0uVs9wc0
「今日はここでお泊りですね」

ここはいわやまトンネルの手前の宿泊所。クチバから、ハナダを抜け、ここまで来たんですけどね

「疲れたね、あずにゃん」

「ゆい先輩は全然歩いてませんけどね」

とりあえず、受付後に部屋に。

「さて、これから、どうしましょうか」

外に出るのもいいんですけど、ちょっと、暗くなってきましたし。

「じゃあ、温泉に入ろう」

「……温泉ですか」

「どうしたの?」

「いえ。……なんか、お風呂とかって、聞くと、なにか、とっても、恥ずかしいことがあった気がするんですけどね」

「? そんなこと、いいから、早く行こうよ」

「そうですね」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:31:36.36 ID:Z0uVs9wc0
とりあえず、温泉の脱衣所の前に。

「なんか、嫌な予感がするんですよね」

「また〜?」

「いえ、さっきのようなではなく、おつきみやまの宿泊所で……」

「ああ、女子大生の人達だね。また、会いたいよね〜」

「私はごめんですけどね」

とりあえず、脱衣室に入る。見回すと、女子大生みたいな人はいない。

「ふう〜、今回はゆっくり出来そうですね」

「つまんな〜い」

「平和が一番なんです」

服を脱いで、温泉に入ります。中には、4人の小学生くらいの女の子がいました。まあ、いいんですけどね。

「あずにゃん、髪、洗って〜」

「はいはい」

私がゆい先輩の髪を洗っていると、小学生の女の子達が寄ってきました。
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:33:01.01 ID:Z0uVs9wc0
「この子、可愛いね〜」

「何歳なのかな?」

「お姉ちゃんの妹なの?」

「でも、全然似てないね〜」

女の子達がゆい先輩に寄ってきます。なんとも、微笑ましい光景ですね。

「違うよ〜。私は妹じゃないし、年は君達よりも上で18歳なんだよ」

「へ〜、そうなんだ」

「くすくす。大人ぶってるよ。可愛いね〜」

「大人ぶってるんじゃなくて、大人なんだよ」

「そうだね、大人だね〜」

ナデナデ。

小学生にからかわれるゆい先輩。いつも、私をからかってるんだから、新鮮ですね。

「ねえねえ、お姉ちゃんは何歳なの〜?」

「いくつに見えます?」

「う〜ん、中学生かな?」

若く見られてるってことかな?それとも、子供っぽく見られてるってことかな?
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:33:53.78 ID:Z0uVs9wc0
「どうして?」

「「「「胸」」」」

「なっ!!これでも、17歳です」

「「「「へー」」」」

「何なんですか、その残念そうな目は!!」

「へへーん、君達はやっぱり子供だね。あずにゃんは可愛いから、これでいいんだよ!」

「ゆい先輩は黙ってて下さい」

「あーん、あずにゃん、冷たい〜」

「2人はどんな関係なんですか?」

「それは、トレーナーとポケモ……」

「恋人〜」

「え。……お姉ちゃんって、ロリコンなの?」

「ロリコンは犯罪だって、お母さんが言ってた」

「私達も狙われちゃうのかな」

「大丈夫だよ、あずにゃんは私にメロメロだから」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:34:31.31 ID:Z0uVs9wc0
「さっきから、人を変態扱いしないで下さい!!わ、私とゆい先輩はそんな関係じゃ……」

「恥ずかしがらないでもいいのに……」

「ゆい先輩!」

「うぅ、分かったよ〜」

シュン。

「あ、いえ、ちょっと強く言い過ぎましたね。落ち込まないで下さい」

「なんだか、よく分かんないけど、いいコンビだね」

「そうだね」

「まあ、とにかく、この子はこんな姿でもポケモンなんです」

「えー、そんなポケモン見たことないよ」

「見たことなくても、そうなんです」

「むちゃくちゃだよ、お姉ちゃん」

「ボールは脱衣所にあるので、後で見せてあげます」

「ほんと?約束だよ、お姉ちゃん」

「じゃあ、私達は先に出るから、ロビーに来てね」

「はい、分かりました」
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:36:42.26 ID:Z0uVs9wc0
そして、入浴後、ロビーで、いつもの動作を子供達に見せます。

「わー、すごいね」

「ごめんなさい。さっきは失礼なことを言って」

「いいんだよ、分かってもらえれば」

「お姉ちゃん達は何をしてるんですか?」

「私達はポケモンマスターになるために旅をしてるんです」

「ポケモンマスターに?じゃあ、バッチとかも持ってるの?」

「はい。……これですね」

「わー、すごいねー」

「私も大活躍したんだよ」

「今までの旅の話を教えて下さい」

「いいですよ。じゃあ、どこから、始めましょうか」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:37:20.77 ID:Z0uVs9wc0
山中さわ子は偶然にも、梓達と同じ、宿泊施設に来ていた。理由は伝説のポケモンの1匹、サンダーがいるとされる、むじんはつでんしょで、サンダーを 捕まえる任務があったためだ。

『骨が折れる仕事だったわ』

ロケット団の戦力アップとしては重要なことだろうけど、捕獲には相当の団員の犠牲があった。まあ、それはいいんだけどね。その捕獲任務も終わり、ゆっくり、温泉にでも入りたいと思って、ここに数名の女の団員とともに宿泊している。

『きつかったですよね〜』

『マコトさんとさわ子部長がいなきゃ、どうなってたことか』

『褒めても、何も出ないわよ。……ん?』

『どうしたんですか?』

『面白いものがいたわ』

さわ子が指差す方向には子供達に何かを話してる、ツインテールの女の子が居た。

『あいつは報告書の……』

『どうしますか、さわ子部長』

『そうね。……いいことを思いついたわ』
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:38:01.41 ID:Z0uVs9wc0
「……もう、一時間も経っちゃいましたか。そろそろ、やめますか」

こうして、振り返ると、ゆい先輩とも長く旅をしたんですね。初めはどうなることかと思いましたが、今ではなくてはならないそんざ……って何を考えてるんでしょうか。でも、そう考えても問題ないくらい、私を助けてくれましたし。きっと、ゆい先輩がいなかったら、私はここにはいなかったですし……って、私はさっきから、ゆい先輩のことばっかり考えていますね。どうしたんでしょうか。

「えー、まだ、いいじゃん」

「そうだよー、もっとしてよー」

私がそんなことを考えていると、女の子達が話しかけてきました。

「別にいいですけど、時間は大丈夫ですか?」

「うん。だから、続きー」

「おつきみやまの話をしてー」

「はいはい。じゃあ、続きを……」

「私も、一緒に聞かせてもらえないかしら?」

いきなり、大人びた声がしたので、びっくりして、その声の方を見ると、髪の長い眼鏡をかけた綺麗な女の人が立っていました。
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:39:06.84 ID:Z0uVs9wc0
「あの、どちら様ですか?」

「あ、失礼。私は山中さわ子。さっき、あなた達の会話が聞こえてきたから、悪いと思ったんだけど、聞かせてもらってたの」

「そうなんだ〜」

「いいよ、お姉ちゃんも一緒に聞こう」

ゆい先輩と女の子達に温かく迎えられる、山中さん。でも、私には1つの疑問が生まれました。この人はいつから、聞いていたのでしょうと。さっきまで、近くに人がいませんでしたのに。私の気のせいかな?でも、それだけじゃない。なにか、私の勘なのだけど、この人は、何回も会ってるのロケット団の1人よりも、なにか、別の意味で違った恐怖を感じます。

「どうしたの?怖い顔してるよ、あずにゃん」

「べ、別になんでもないです」

「それで、私から、提案があるんだけど、聞いてくれる?」

「何ですか?」

「話を聞くのもいいんだけど、バトルを見せてくれない?」

「バトル?」

「だって、あなたみたいな、ポケモンのバトルなんて興味あるじゃない?」

「そういえば、そうだね」

「ゆいお姉ちゃんのバトル見た〜い」

私は再び、疑問が出てきました。だって、私がゆい先輩をポケモンだと証明したのは、だいぶ前です。その時には山中さんは確実にいなかったです。仮にいたとしたら、とっくに、私達の会話に入ってきてもいいはずですし。
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:39:39.24 ID:Z0uVs9wc0
「いいよ、見せてあげる」

「ちょっと、ゆい先輩」

「な〜に、あずにゃん」

「勝手に決めないで下さい。この子達にも予定があるかもしれませんよ。それを置いても、夜ですし」

私は山中さんから、早く離れたかった。だって、今までのどの敵よりも怖い気がしましたから。

「私達は大丈夫だよ」

「そうだよ、ちょっとくらいなら」

「ほら、皆も言ってるし、大丈夫だよ」

「それじゃ、外に出ましょうか」

皆、山中さんの誘導で、外で、バトルをすることになりました。ポケモンも全員回復していますが、なにやら、不安です。
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:40:40.78 ID:Z0uVs9wc0
とりあえず、近くの森の中に。街頭もないので真っ暗です。

「真っ暗だね〜」

「ちょっと、怖いよね

「おばけ出そうだよね」

「おばけ!?あずにゃ〜ん、怖いよ〜」

ギュッと、抱きついてくる、ゆい先輩。でも、怖そうではないので、ただ、抱きついてきただけでしょう。

「ここで、バトルですか?」

「ええ」

さっきから、この人の放っているオーラが怖いです。何か、異質なものを感じます。

「それじゃ、始めましょう」

「え、ええ」

「あずにゃん、よけて!!」

私はその声を受けて、奇跡的に素早く避けることができました。私がいたところにはサイドンの鋭いツメが刺さっていました。後、一歩遅れていたら……
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:42:25.80 ID:Z0uVs9wc0
「何をするの、さわちゃん!!」

私が背筋を凍らせていると、ゆい先輩は山中さんに言いました。……まだ、会ったばかりなのに、さわちゃんというあたり、社交性が強いといいますか、なんというか。

「何って、バトルよ。命がけのね」

「ふ、ふざけないでください。きてください、ハッサム。バレットパンチ」

私はハッサムを出して、先制攻撃を仕掛けます。

「サイドン」

サイドンもそれを受け、ガシッと両手を持ち、力比べを始めます。

「ふ〜ん、強いわね。……でも」

「……!! あずにゃん、ニュー太を出して!」

「え!?」

「ハッサム」

力比べをしている、ハッサムの背中に、空気の刃が襲い掛かります。

「サイドン」

その攻撃で、怯んだ、ハッサムをアームハンマーで地面に叩きつけます。

「ハッサム! 後ろからなんて、卑怯ですよ」

「卑怯?どこがかしら?それよりも、次の攻撃に気をつけなさい」

「!?」

その瞬間、空気の刃が今度は私達に向かってきました。私は何とか、それをかわします。
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:43:34.45 ID:Z0uVs9wc0
「あずにゃん、他のポケモンを出さなきゃ」

「そうですね。来てください、ニューラ、デルビル」

「そんな、2体でどうするの?サイドン」

倒れている、ハッサムにアームハンマーで追撃を加えていた、サイドンがこちらを見ます。……まずいですね、この2体じゃ、あいつにはきついです。

「ハッサム」

その隙を突いて、ハッサムは素早く、起き上がり、こうてつのはさみを使った、メタルクローでサイドンを引き裂きます。

「ハッサム!!今のうちです。デルビル、これに火をつけて下さい」

私はデルビルにそこらへんに落ちてた、枝に火をつけてもらいました。

「君達はこれを持って、宿泊所まで逃げてください」

「……でも、お姉ちゃんは?」

「私はこの悪い人を倒してから、戻ります」

「大丈夫?」

「死んじゃ嫌だよ」

「大丈夫です、私にはゆい先輩もついてますし」

「!!」

「そっか。ちゃんと無事に帰ってきてね」

「はい。明日は一緒に朝食を食べましょうね」

「うん」
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:46:34.53 ID:Z0uVs9wc0
「ニューラ、デルビル。この子達の護衛をして。終わったら、すぐに戻ってきて」

「ニューラ」

「デルビル」

「そんな簡単に行かせると思ってるの?」

再び、空気の刃が襲い掛かります。

「しゃがんでください!!」

私の合図で皆、しゃがんでかわします。

「早く、行ってください。出てきて、イーブイ」

私はイーブイを出します。しかし、相手がどんなタイプか分からない以上、対処のしようがありませんが、ひとつだけ、確かなことがあります。この技はおそらく、エアスラッシュ。だとすると……。

「イーブイ、これで進化してください」

私はイーブイをかみなりのいしでサンダースに進化させます。エアスラッシュはひこうタイプの技で、覚えられるのはひこうタイプです。だとすると、相手はひこうタイプ。ならば、でんきタイプのサンダースが有効です。

「サンダースね、なるほど。でも、どこからの攻撃か、分からなければ、意味がないわね」

その声とともに、空気の刃が迫ってきます。……でも、これで場所が分かりました。
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:47:34.54 ID:Z0uVs9wc0
「サンダース、空気の刃が出てきたところに10万ボルトです」

サンダースはそこに10万ボルトを出します。

「クロバーーット」

という、鳴き声とともに、バタッと落ちる音が聞こえました。

「やるわね。でも、あっちはどうかしら?」

バーンという音とともに、ハッサムが叩きつけられていました。やはり、先ほどの、ダメージが効いていましたか。こっちの手持ちはサンダー
スとミニリュウ。この2匹じゃ、サイドンには勝てません。ここは、ゆい先輩しか、いませんね。不本意ではありますが。

「ゆい先輩、出番で……何をしてるんですか?」

「私にはゆい先輩がついてますだなんて、あずにゃんたら、もう。やっぱり、あずにゃんは私を頼ってるんだよね。えへへ〜」

と、顔を赤くして、なにやら、悶えています。

「唯先ぱーい。戻ってきてくださーい」

「……ハッ。なんだい、あずにゃん」

「あの、戦うことってできますか?」

「もちろんだよ!さあ、どんな奴が相手だい」

「サイドン」

「…………あれが相手かい?私に任せなよ」
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:48:11.79 ID:Z0uVs9wc0
ジリジリ。

「どうして、後ずさるんですか!」

「……あずにゃんはあれに私が勝てると思う?」

「……やっぱり、無理ですか」

ここは退くしかないですか。私は、サンダースとハッサムを戻し、逃げ出そうとします。

「私が逃がすと思う?」

サイドンは私達に向かって、突撃しようとしています。

「ゆい先輩、早く逃げますよ!」

「うん。……イテッ」
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:48:47.66 ID:Z0uVs9wc0
私に向かってこようとするゆい先輩が

ドテッ。

と転んでしまいました。

「大丈夫ですか、ゆい先輩」

「あう〜、大丈夫だよ〜」

「あ、危ないです、ゆい先輩」

サイドンはハッサムを粉砕した、アームハンマーをくらわせる為にゆい先輩に向けて、拳を振り上げます。

「ご、ごめんなさい。あめちゃんあげるから、許して〜」

「サイドン」

サイドンは拳を振り落とします。

「危ないです、ゆい先輩」

私はゆい先輩を庇うように覆いかぶさります。でも、きっと、無駄でしょう。その拳は私もろとも、ゆい先輩を粉砕するでしょう。そんなことを考えながら、私はその拳が振り下ろされるのを待った。
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:49:51.25 ID:Z0uVs9wc0
「ニューラ」

ドーン。

私が最後を覚悟した時、ニューラの鳴き声とともに、サイドンが倒れる音が聞こえます。

「ニューラ」

「デルビル」

「ニューラ、デルビル」

この2匹が戻って来てくれたら、まだ、戦えます。

「よし、じゃあ、行きますよ」

「待った、あずにゃん」

「何ですか?」

「抱っこして〜」

「……」

私はゆい先輩を抱っこして、ついでに頬をつねります。

「いふぁいよ、あずにゃん」

「とりあえず、無事に逃げましょう」

「結局、逃げるの?」

「まだ、相手は2匹のみ。そのうえ、まだ、敵が隠れているかもしれませんから」

私達は改めて、逃げ出します。
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:51:15.51 ID:Z0uVs9wc0
「サイドン」

サイドンは起き上がり、再び、こちらに向かいます。

「ニューラ、こおりのつぶてで、サイドンを足止めしてください。デルビルは私達を先導してください」

それぞれの連携で、私達は逃げ出しました。

「いいコンビネーションね。でも、無駄よ」

空気の刃が私達の行く手を遮ります。

「また、クロバット!?」

もう、回復したんですか。私はもう一度、サンダースを出します。

「無駄よ、今度は移動するもの」

その言葉通り、逆の方から、空気の刃が襲い掛かってきます。

「……くっ!?」

私は何とかかわしますが、完全にかわしきれず、腕にかすってしまいました。

「あ、あ、あずにゃん、腕から血が……」

「かすり傷ですから、心配しないで下さい。……くっ」

とはいっても、ちょっと痛いですね。

「あずにゃんの綺麗な肌が……プチ」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:52:22.78 ID:Z0uVs9wc0
「あの、ゆい先輩。どうしたんですか?」

「……あずにゃん、降ろして」

「で、でも……」

「いいから!!」

「は、はい」

「何をする気か知らないけど、無駄ね」

空気の刃がゆい先輩に向かって迫ってきます。

「フン」

ゆい先輩はお玉を出し、空気の刃が出てきたところに投げます。……って、お玉!?

「クロバット」

しかも、命中し、クロバットが出てきました。

「ゆいちゃん真拳超奥義『無我の境地』」

そういうと、今度はクロバットに10万ボルトを仕掛けました。

「クロバーーーート」

クロバットはその攻撃で、大ダメージを受けながらも、つばさをうつ攻撃でゆい先輩に迫ります。そして、その攻撃はゆい先輩に命中……したかと、思いましたが、すり抜けてしまいました。今度はかげぶんしん!?そして、横から、ハイドロポンプ攻撃を仕掛けます。さっきから、次々と、不規則にバトルスタイルが変化します。一体、ゆい先輩に何が…!?
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:53:26.62 ID:Z0uVs9wc0
「この奥義はある週刊漫画雑誌から、編み出した技なんだよ〜。今まで、見てきた、技を繰り出すことができるんだ」

そう言うと、クロバットにかみなりパンチを当てて、クロバットはふっ飛んで、気絶しました。

「やったね!」

ゆい先輩は私に向かって、笑顔でVサインをします。

ドキン。

あれ、なんですか、私の心臓。まるで、気になる子の笑顔を見て、ドキンってなる、主人公みたいな感覚は。その時、

バシーン。

「ニューラ!」

ニューラがサイドンに叩きつけられました。あの,サイドンの戦闘力は一体……!?

「まだ、私がいるよ。いっくよ〜、 ゆいちゃん真拳……くっ」

その時、ゆい先輩の足がガクッと崩れ落ちました。
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:54:05.36 ID:Z0uVs9wc0
「大丈夫ですか、ゆい先輩」

「う、うん(この奥義はすごい、あずにゃん分を使うから、あずにゃん分が不足しちゃったよ。でも、ここで私が倒れたら……)。早く倒そう、ゆいちゃん真拳コスプレ奥義『ゆいDEメイド』」

バーンと煙がゆい先輩を包み込みます。しかし、いつも、思いますが、この、ネーミングセンスは何なんでしょう。煙が晴れると、ゆい先輩が
メイド服姿です。……正直、可愛いです。

「さて、時間もないから、行くよ」
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:54:57.77 ID:Z0uVs9wc0
『ゆい。今から、お仕事を頼むから、よろしくね』

『うん』

あれ?いつもと違いますね。『私』はなんていうか、主人みたいな格好をしていますが、ゆい先輩のほうは大きさはそのままです(服装はメイド服)。というより、主人みたいな『私』以外はいつもみたいにフィールドも変わってませんし。

『それで、お仕事はな〜に』

『私』はサイドンを指さし、

『あの、置物を綺麗にして下さい』

ニコッと怖いことを言う『私』。

『分かったよ』

ピョコピョコってサイドンに近づくゆい先輩。

『まずは、洗剤をかけないとね』

サイドンに何かをかけるゆい先輩。

「サーーーーーーーーイドン」

サイドンの体がプシューと煙をあげて、溶け出しています。

『あ、間違えて、硫酸かけちゃった。テヘッ』

……可愛らしく言うゆい先輩だけど、やってることは恐ろしいですよね。ちなみに、テヘッてところで、一瞬見惚れてたのは内緒です。
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:57:36.45 ID:Z0uVs9wc0
『気を取り直して、お掃除をしよう』

サイドンにあらためて、洗剤をかけるゆい先輩。

『あずにゃんのた〜めな〜らえんやこ〜ら〜』

鼻歌を歌いながら、のんきにサイドンを洗い始めるゆい先輩。歌はちょっとあれですけど。

「サーーーーイドン」

洗剤の泡が目に入ったのでしょうか、目を擦って苦しんでいます。

『さて、水をかけて、お終いっと』

どこから、持ってきた、ホースを持って、サイドンに水をかけます。サイドンの弱点はみずタイプ。サイドンは苦しそうにもがいています。

『あずにゃんお嬢様、サイドンのお掃除終わりました』

『よくやりましたね、ゆい』

ナデナデ。

『えへへ〜』

『次はモップがけです』

『ハーイ』

「サイドン、いい加減に倒しなさい」

「サイドン」

『お掃除、お掃除〜』

サイドンの進む道をモップで掃除し始めます。果たして、モップが意味あるのか分かりませんが。サイドンが足を一歩踏み出した時、ツルッと

滑って、転びました。

「どうして……あっ!」

よく見ると、ゆい先輩がモップにつけてたのは、ローション!?しかも、ビニールシートまで。つまり、ゆい先輩はビニールシートの上にローションをモップでかけてたってことですね。

『あ、これ、夜、あずにゃんお嬢様と使うやつだった。テヘリ』

また、可愛らしく笑うゆい先輩。用途については聞かなかったことにしましょう。
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:58:43.41 ID:Z0uVs9wc0
「これが、マコトの言ってたふざけた技ね」

『よくできましたよ』

『最後は夜のご奉仕だね』

『その前に、掃除してもらって悪いんですけど、そのサイドンを壊して下さい』

涼しい顔で何を言ってるんですか、あの『私』。

『分かった〜。よいしょっと』

ゆい先輩は10tって書いてある、ハンマーを持ち、サイドンに向かって、振り回す。

『え〜い』

可愛らしい声とともに、サイドンにお腹に叩く。サイドンの体はひび割れて、倒れて、動かなくなった。

『わ〜い、私の勝ちだね』
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:00:51.13 ID:Z0uVs9wc0
そんなのんきな声とともに、バーンと煙が発生し、メイド服姿ではなくなり、『私』もいなくなりました。

「……勝ちましたか」

「ふーん、やるわね。仕方ないわ、今日のところは一旦退くわね」

そういうと、山中さんはエアームドを出し、空へと逃げる。

「また、会いましょうね〜」

そう言って、去っていきました。……正直、助かりました。このまま、3匹目とかも、出されたら、おそらくは……。

「大丈夫ですか、ゆい先輩。顔色が……」

「そんなのは、どうでもいいよ。……ほら、腕を出して」

ゆい先輩はいつもとは違う、真剣な顔をして言った。

398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:01:23.24 ID:Z0uVs9wc0
ドキン。

また、胸が高鳴りました。きっと、ここに来る前に、へんなことを考えてしまったせいですね。

「ゆいちゃん真拳超奥義『あずにゃん☆ペロペロ』」

なんていうか、いろいろと問題のありそうな名前ですね〜、って考えてたら、ゆい先輩が私の傷口を舐め始めた。

「ちょ、ゆい先輩」

「ペロペロ、嫌かもしれないけど、ちょっと、我慢してね」

ちょっと、くすぐったいですけど、私はそれを止められませんでした。そして、不思議なことに、ゆい先輩が傷口を舐め終わると、傷が綺麗に消えてしまいました。

「すごいですね、ゆい先輩!」

「えへへ〜、あずにゃんの綺麗な肌に傷を残し…ちゃ……駄目…だから」

バタッとゆい先輩が倒れました。

「ゆい先輩!!」

私はゆい先輩を抱き上げると、ゆい先輩の顔色は悪く、呼吸も苦しそうです。

「だ、大丈夫ですか」

そう聞いても、ゆい先輩は答えずに苦しそうにしています。私は、ゆい先輩を抱きかかえて、宿泊所まで、走り出しました。
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:01:59.96 ID:Z0uVs9wc0
『いいんですか、逃がしてしまって』

『いいのよ、それよりも映像は撮れた?』

『はい、もちろん』

『まあ、あの程度なら、大丈夫でしょう。マコトが負けたっていうから、どの程度の奴かと思ったけど、たいしたことはなかったわね』

『これから、どうしますか?』

『そうね、フリーザの捕獲もあるし、セキチクに行くわ』

『せっかくの温泉でしたのに』

『それは言わないでよ』
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:02:41.00 ID:Z0uVs9wc0
2日後

「ほえ」

私が目覚めると、知らない天井があった。あれ?私は、確か、山の中で、戦ってたはずなんだけど、知らないベットで寝ていた。私は必死に今までの記憶を思い出した。そういえば、あずにゃんの傷を治したら、あずにゃん分の使いすぎで、倒れちゃったんだっけ。私は近くにあった、カレンダーを見ると、戦った日から2日ほど、経っていた。まさか、こんなに寝ちゃうなんてね。うん、力の使いすぎはよくないね。

「……すう……すう」

可愛らしい寝息が聞こえたので、私のベットで、学校とかで、机に伏せて寝るように、あずにゃんが寝ていた。私が寝てる間、徹夜で看病してくれたのかな?そうだったら、嬉しいなって、考えるのは駄目だよね。心配かけちゃったわけだし。私は可愛らしい寝顔で寝るあずにゃんの頭をなでる。

「……ううん。……ほえ、ゆ、ゆい先輩!!」

私が頭を撫でたせいか、あずにゃんは突然に起きて、私が起きているのを確認すると、涙ぐみながら、抱きついてきました。

「あ、あずにゃん」

「よ、よかったです。……もうずっと、目覚めないかと思いました」

「……私は大丈夫だよ」

優しく、あずにゃんの頭を撫でる。
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:03:45.61 ID:Z0uVs9wc0
「もう、体は、大丈夫なんですか?」

「うん、ちょっと力を使いすぎちゃっただけだから」

「どうして、そんな無茶をしたんですか?」

「だって、ああしなきゃ、負けてたし」

「それはいいとしても、私の傷を治すのにも、力を出すなんて……」

「それも、仕方のないことだよ。傷が残ったら、大変だし」

「だとしても、死ぬかもしれなかったんですよ。どうして、私のために……」

死ぬかもしれないって、大げさだな〜。まあ、2日も目を覚まさなかったら、そう思うのも無理ないけど。でも、そんなことよりも重要なことを言わなきゃね。

「だって、一番好きだもん」

あずにゃんは一瞬、虚をつかれたような顔をして、それから、顔が真っ赤になった。表情がころころ変わって面白いな〜。

「な、な、何を言ってるんですか、もう!」

顔を真っ赤にして言うあずにゃん。あー、とかうー、とか唸っている。なんだか、こっちが恥ずかしくなってくるよ。まあ、恥ずかしいこと言ってるけど。どこかの有名野球漫画の台詞の1つを言ってみたんだよね。この気持ちに嘘はないけど。

「………きです」

「ん?なにか、言った?」

その時、ガチャっと、ドアが開く音がした。あの時の小学生の女の子達だ。

「梓お姉ちゃん、ゆいちゃん、目さま……」

「私も、ゆい先輩のことが好きです!!」
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:04:27.79 ID:Z0uVs9wc0
「………」

しばらくの間、この部屋に沈黙が流れた。私は突然のことに頭が真っ白になってたし、あずにゃんも、突然の女の子達の乱入にびっくりしてるみたいだし、女の子達もこの光景にびっくりしているみたいだ。やがて、1人の女の子が沈黙を破った。

「今のって、……告白?」

「やっぱり、そうなのかな」

「ゆいちゃん、そうなの?っていうより、目を覚ましてるよ。大丈夫?」

「うん、私は平気〜」

「それはよかった。……では、ゆいちゃんにインタビューです。突然の告白ですけど、その心境は?」

「え〜、いきなり、聞かれても困っちゃうよ〜。でも、こうなることは運命だったのかな〜」

「運命ときましたよ。返事はどうなんですか?」

「もちろん、いつでも、ウエルカムだよ〜。これで、私達は恋人同士だね」

「だそうですが、ここで、梓おねえちゃんにも、話を聞いてみましょう。梓お姉ちゃん、ゆいちゃんはああ言ってますが、それについて、何か一言」

「………う」

「う?」

「うにゃーーーーーーーーーーーーー」
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:05:17.67 ID:Z0uVs9wc0
「いいですか、ゆい先輩」

あずにゃんは小学生の女の子達を追い出してから私に言った。

「好きですとは言いましたけど、普通の恋人とは違いますからね」

「違うの?」

ちょっとシュンとなっちゃった。

「……う。あ、あくまで、仮です。恋人(仮)です」

「なんか、変じゃない?」

「変じゃありません」

「(仮)はいつ取れるの?」

「そ、それは未定です。とにかく、今日はゆっくりして、明日には出発しますからね」

「分かった〜」
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:05:47.04 ID:Z0uVs9wc0
「……なんで、あんなこと言ったんでしょうか」

ゆい先輩があんなこと言うから、勢いで言ってしまいましたが、まあ、私自身、後悔はしてないし、ゆい先輩が目を覚まさない間、ずっと、考えてたことだけど、相手は同性のうえに、容姿は幼稚園児。これが私と同じくらいの身長なら、まだいいんですが、……って何を考えてるんでしょうか。ともかく、(仮)にしたのはまあ、いろいろと世間の目もありますし。だって、このまま、いっちゃったら、私は同性愛者の上にロリコンの烙印を押されてしまいますから。

「どうしたの、あずにゃん」

「べ、別に何でもありません」

まあ、細かいことを考えても仕方がありません。なるようになるでしょう。

「あずにゃん」

「何ですか?」

「あらためて、これから、よろしくね」

「……はい」
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/11(土) 20:06:37.75 ID:Z0uVs9wc0
イワヤマトンネル編@ 「VSさわ子 動き出す関係」終了

406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/11(土) 21:27:35.17 ID:epwbQ+4DO
ついに恋人(仮)宣言か・・・
今後がもっと楽しみになったZE☆

乙!!!
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/11(土) 23:09:11.70 ID:XT8lqPn4o
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 20:56:26.47 ID:AXYONVXh0
前回までの状況(トレーナとポケモン)
梓     ゆい ハッサム デルビル イーブイ  ニューラ ミニリュウ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ カポエラー

純     うい

イワヤマトンネル編A 「VSガルーラ 祝・初進化」 以下、投下
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 20:57:20.51 ID:AXYONVXh0
『わ〜い、やっと、あずにゃんと恋人同士だよ〜』

『まだ(仮)ですよ』

『どっちでも同じだよ〜』

『同じじゃありません』

『まあ、いいじゃん。あずにゃ〜ん』

ギュッと抱きついてくる、ゆい先輩。

『にゃっ。もう、急に何するんですか〜』

『えへへ〜』

イチャイチャ。

『見ろよ。あいつ、ロリコンだぜ』

『まさか、梓がロリコンだなんて』

『ショックだわ』

『……ハッ。ち、違います。私とゆい先輩はそんな関係じゃ……』

『え、そうなの?あずにゃんは私が必要ないんだ』

『だ、誰もそんなことは……』

『じゃあ、やっぱり、ロリコンなのか』

『そうじゃなくて……』

『じゃあ、私を捨てるの?』

『だから、……』

『この性犯罪者め』

『違い……』

『捨てないで、あずにゃん』

『……うにゃーーーーーーーーーーー』
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 20:57:58.29 ID:AXYONVXh0
……ハッ。夢ですか。それにしても、なんていう夢ですか。……嫌な汗もかいてますし。時間を見るとまだ、早い時間ですし、ゆい先輩も、ぐう〜ぐう〜寝てますし。

「汗もかいちゃったし、シャワーでも、浴びますか」
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 20:58:46.92 ID:AXYONVXh0
「さて、行きますか」

私はシャワーを浴びて、朝食後、出発することに。

「うん、頑張ろうね。えへへ〜」

ゆい先輩は笑顔で言う。昨日から、ずっと、笑顔ですね。笑顔っていいましたけど、ニヤニヤしてるみたいな顔ですけど。

「……ご機嫌ですね」

「そう見える?えへへ〜」

「……まあ、いいです。行きますか」

「うん」

私達はイワヤマトンネルの洞窟に足を踏み入れます。

「真っ暗だね」

「ええ」

暗いことで、有名ですから、仕方がないですけど。私は懐中電灯で照らしながら、一歩一歩進んでいきます。

「気をつけて下さいね。怖いポケモンが出るかもしれませんから」

「大丈夫、大丈夫。ルンルンル〜ン」

気分よく鼻歌を口ずさみながら歩いていく、ゆい先輩。

「あんまり離れると危ないですよ」

「分かってるよ〜。近くに居てほしいんだね」

「誰もそんなこと言ってません」

「照れなくてもいいんだよ〜」

「分かりましたから行きますよ」

「うん。えへへ〜」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:00:52.01 ID:AXYONVXh0
懐中電灯の明かりを頼りに歩いていますが、やっぱり、怖いですね。時折、ズバットの鳴き声も聞こえますし。早く、ここを抜けないと。地面もゴツゴツして危ないですし。

「ゆい先輩。そろそろ、肩車をするので来て下さい」

「え、あずにゃんたら。そんな大胆な〜」

「何を言ってるんですか。そろそろ、地面もゴツゴツしてきて、ゆい先輩の体型じゃ危ないからですよ」

ゆい先輩を抱き上げ、肩車をして、懐中電灯を渡す。

「これで、私の前を照らしておいてください」

「分かったよ〜」

私は再び、歩き始めます。

「それにしても、真っ暗だね〜」

「ちゃんと、照らしておいてくださいよ」

「任せなさい!」

自信満々に言いますが果てしなく不安です。

「それにしても、どれくらい、深いんだろうね〜」

そう言って、上のほうに、光を当てるゆい先輩。

「ちょっと、足元を……キャー」

「ウワー」

ゆい先輩が上に光を当てると、それにびっくりしたのか、ズバットの大群が私の上を通過して行きました。

ガシャン。
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:02:32.81 ID:AXYONVXh0
突如として、周りが暗くなりました。

「ゆい先輩、懐中電灯を」

「ごめん、落としちゃった」

「なっ!!どうするんですか、こんな真っ暗で」

「う〜ん。……どうしよっか?」

「私が聞きたいですよーーーー」

私の叫びが洞窟に響き渡った。

「出てきて、イーブイ」

私は手探りでボールを取り出し、イーブイを出します。そして、バックから、かみなりのいしを取り出します。そして、イーブイをサンダースに進化させます。

「サンダース、フラッシュ」

サンダースの周りが、光り輝き、辺りが明るくなりました。

「最初から、こうすればよかったじゃん」

「そうなんですけど、ここは、いわやじめんタイプのポケモンも多く出ますからね。サンダースじゃ不利ですし。出てきて、デルビル」

私はデルビルを出し、その上にゆい先輩を乗せます。

「あう〜、あずにゃんは肩車してくれないの?」

「この方が楽でいいじゃないですか?」

それに、デルビルに乗る、ちっちゃいゆい先輩がかわい……ゴホン。
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:04:15.06 ID:AXYONVXh0
そして、サンダース、私、デルビル、その上にゆい先輩の順で、洞窟を進んでいきます。すると、梯子がありました。

「これを降りるの?」

「はい。……でも、どうしますか」

サンダースじゃ、梯子を下りれませんし、だからといって、ボールに戻したら、暗くて見えませんし。梯子の下を照らすと、意外に深いですし。

「サンダース」

「はい?」

サンダースが何か言いたそうに私に話しかけてきました。

「なんかね、私が、最初に梯子を降りるからついてきて、だって」

「は、はあ。でも、大丈夫ですか?」

「ダース」

「任せて、だって」

賢いですね、随分と。まあ、こう言ってる訳ですし、任せましょう。

「ゆい先輩は大丈夫ですか?」

「うん。私は、あずにゃんの背中におんぶしてもらうから」

「あ、すいません。私は荷物があるので、無理です」
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:05:32.31 ID:AXYONVXh0
「……え。……今なんて?」

「だから、荷物があるので無理です」

「そ、そんな。恋人である私よりも荷物を……」

「荷物がなかったら、大変ですし。後、恋人でなく、恋人(仮)です」

「うぅ、あずにゃん、冷たいよ〜」

「いいから、サンダースの上に乗って下さい」

私はサンダースの上にゆい先輩を乗せる。……うん、サンダースの上に乗るゆい先輩もかわい……ゴホン、ゴホン。私は何を考えてるんでしょうか。少し、落ち着きましょう。

「あずにゃんの背中には敵わないけど、ブイ太の背中も気持ちいいね〜。グテー」

たれぱんだみたいにグニャ〜ってなってるゆい先輩。それもまた、可愛いですね〜。……ハッ。違います、違います。ちゃんと、しっかりしないと。

「では、サンダース。ゆい先輩を頼みますよ」

私はゆい先輩を乗せたサンダースを先に下に行かせます。

「……あっ」

「どうしたんですか、ゆい先輩」

「どうして、あずにゃんはズボンなんだい?」

「……いきなり、何ですか?」

「だって、私は今、あずにゃんの下にいるわけだしさ、こうなるのがいいんじゃない?」
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:06:09.57 ID:AXYONVXh0
『大丈夫、あずにゃ……』

私は上を見る。そこには、スカートの中から見える縞々のパンツが……。

『どうしたんですか、ゆい先輩』

『……縞々』

『縞々?……ハッ、どこ見てるんですか!』

慌てて、スカートを押さえる照れるあずにゃん。

『いいじゃん、女の子同士なんだし〜』

『だからって、そんなにマジマジと見ないでください』

『もう。恋人同士なんだし、恥ずかしがらなくてもいいよ』

『そういう問題でもありません。あっち、向いてくださいよ〜』

照れながら言うあずにゃん。可愛いな〜。
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:06:40.06 ID:AXYONVXh0
「っていう、やり取りがあっても、いいんじゃない?」

「……なにを言ってるんですか。こんなところで、スカートなんか穿いたら、足に怪我とかしちゃうじゃないですか」

「それは困るね。あずにゃんの綺麗な肌が傷つくのは天然記念物を傷つけるのに匹敵するからね」

「なに言ってるんですか」
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:08:33.17 ID:AXYONVXh0
とりあえず、梯子を降り終えました。

「さて、奥に行きますか」

再び、デルビルを出し、ゆい先輩を上に乗せる。

「ビル太、出す意味あるの?」

「サンダースがすばやく移動できるようにするためです」

あまり、サンダースに負担をかけたくありませんしね。

「デルビル」

「ダース」

「どうしたんですか?」

私が視線を先に向けると、野生のズバットが出てきました。

「よし、ゆいせんぱ……」

「よし。行くんだ、ビル太、先制攻撃でかえんほうしゃだよ」

「ちょ、何勝手に指示してるんですか」

「まあまあ、いいじゃん。ちゃんと、倒してるし」

たしかに、デルビルのかえんほうしゃによって、ズバットが黒焦げになって、倒れましたけどね。でも、一応トレーナーである私を差し置いて、ポケモンが指示を出して、勝つって、いうのはどうなんでしょうか。

419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:09:11.97 ID:AXYONVXh0
「それにしても、なかなか進化しないね。まあ、可愛いからいいけど」

デルビルをナデナデするゆい先輩。……いいな、うらやま、ゴホン。

「そうですね、うん。進化しないと苦しいかもしれませんね」

私はごまかすように言う。まったく、最近の私は少し、変ですね。まあ、でも、実際、そのとおりですけどね。前回の山中さんとの戦いを見ても、ギリギリでしたし、仲間のレベルアップも重要です。

「よし、デルビル。イワヤマトンネルを抜ける前に進化できるように頑張りましょう」

「デルビル」

デルビルは元気よく、頷いてくれました。

「よし。2人とも、頑張って。私も頑張って、応援するよ」

「ゆい先輩もですよ。ちゃんと、鍛えないから、途中で倒れてしまうんです。2度と、あんなことがないように鍛えておかないと」

「あう〜。えーと、その、……そうだ!私よりも、リュウ太を鍛えようよ。まだ、もらったばかりだし」

「……そんなに戦いたくないんですか。まあ、ゆい先輩の言ってることも間違ってないので、今回は、デルビルの進化とミニリュウを育てるこ
とに重点をおきましょう!」

「デルビル」

「頑張れ〜」

そして、私達は再び出発しました。

420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:10:16.95 ID:AXYONVXh0
「ツブテ」

「よし。戻って下さい、ミニリュウ」

ふう、これで、何匹目でしょうかね。結構な数を倒してきたと思うんですが。

「なかなか、進化しないね」

「ビル」

デルビルは落ち込んでいるようです。

「そんなにがっかりしなくていいんだよ。デルビルは頑張ってるんだし」

ナデナデ。

私はデルビルの頭を優しく撫でます。

「あずにゃん、私も、私も」

ゆい先輩も頭を撫でてほしいのか、デルビルの隣に座って、頭を私に向けます。

「ゆい先輩は駄目です」

「え〜。あう〜、恋人に冷たいよ、あずにゃん」

シュンとなる、ゆい先輩。思わず、ごめんなさいと謝って、撫でようと思いましたが、ここは心を鬼にしておきましょう。甘やかしすぎはよくないですし。

「恋人(仮)です。それに、デルビルは頑張ってるんです。ゆい先輩も頑張って下さい」

「……うん、分かった」

ゆい先輩はやる気になったように言います。うん、動機は不純ですけど、やる気が出てきたのはいいことです。

「明日から、頑張るから、今、撫でていいよ」

「……行きましょうか」

「あう〜、冗談だよ〜。待って〜」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:11:17.77 ID:AXYONVXh0
しばらく、歩き続けると、看板がありました。

「なんか、書いてあるね」

「そうですね」

看板には『野生の凶暴ながルーラが出ます。注意して下さい』って書いてあります。ガルーラですか。ガルーラはノーマルタイプの技でも、ゴーストタイプに命中できる特殊な特性を持ってるポケモンらしいですね。

「気をつけて進まないといけませんね」

「平気だよ、私がいるもん」

自信満々に胸を張って、言うゆい先輩。相変わらず、どこから、その自信が来るかわかりませんが。

「ちなみに、大きさだけなら、サイドンよりも大きいですよ」

「……頑張ってね、ビル太」

「……はあ」

まあ、ゆい先輩には期待していませんが。戦闘能力なら、おそらく、私のメンバーでもbPですけど、ムラがありますからね。それに、私のそ
ばに居てくれれば、それで……ゴホン。

「それじゃ、先に進みますか」

「うん」

私達が先に進んだら、洞窟にしては広い広場みたいな空間に出ました。

「ここは何なんでしょうか」

辺りをとりあえず、歩き始めます。そして、ある壁沿いに差し掛かった、その時、

「デルビル」

デルビルが突然止まって、吠え出しました。
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:12:10.26 ID:AXYONVXh0
「どうしたんですか」

私はそう言って、周りを見ると、前の壁がだんだんひび割れて、そこから鋭いツメとともに壁が砕け散りました。

「ガルーラ」

なんていう不運なんですかね。ガルーラが現れました。それも、3匹も。ある意味、運がいいんですかね。まあ、そんなことを考えてる場合じゃありません。私もポケモンを出さないと。今回、サンダースは使えませんね。だとすると、デルビルと……。

「出てきて、ニューラ。そして、ゆい先輩……あれ?」

デルビルの上にいたはずのゆい先輩に目を向けますが、いません。どこにいったんでしょうか。

「頑張って、ビル太、ニュー太」

私の後ろに隠れて、応援している、ゆい先輩。

「……あの、ゆい先輩」

「……戦わなきゃ駄目?」

「なるべくなら、戦ってほしいんですけどね。嫌ですか?」

ハッサムを出してもいいんですけど、なるべくなら、温存しておきたいですし。

「嫌って言ったら?」

「それなら、仕方がないですね。代わりのポケモンを出しますから」

「勝ったら、ナデナデとかしてくれる?」

「久しぶりの要求ですけど、勝ってくれるなら」

「よし、頑張るよ。いくよ、ビル太、ニュー太」

「ビル」

「ニューラ」

さっきから、臨戦態勢のガルーラ。今、バトルが始まろうとしています。
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:13:17.77 ID:AXYONVXh0
「ガルーラ」

ガルーラの一匹(これから、仮にAとします。以下、B,C)が私達に向かって、メガトンパンチを繰り出してきました。

「ヒャー」

デルビルの上に跨る、ゆい先輩がそんな声を上げつつ、技をかわします。……まあ、かわしたのは、デルビルですけど。

「あずにゃん、ビル太は私が指示するから、ニュー太は任せた」

私に的確な指示を出すゆい先輩。普段から、こうなら、いいんですけど。まあ、でも、たまに見せるそんなかっこいい表情もなんともいえ
な……今はバトルに集中しないと。

「分かりました。行きますよ、ニューラ」

私達はそれぞれ、ガルーラをひきつけ、バトルを始めました。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:15:04.14 ID:AXYONVXh0
梓・ニューラ

私達の相手はガルーラC、1匹。向こうも、心配なので、サッサと倒したいところですね。

「ガルーラ」

ガルーラがメガトンパンチを繰り出します。

「ニューラ、かげぶんしんでよけてください」

ガルーラの拳は空を切ります。なにせ、ガルーラの攻撃力じゃ、命中されると辛いですし。

「今です、こおりのつぶて!!」

ニューラは素早く、氷の塊を作り出し、ガルーラに放つ。

「ガルーラ」

ガルーラはその攻撃で、ちょっと、怯みますが、大して効いてる様子はありません。ガルーラはニューラに対して、拳を振り下ろしてきます。ニューラはそれをかわしますが、ニューラがいた所にあった岩がガルーラのパンチで、砕けました。すごい威力ですね。あれを喰らったら、ニ
ューラは苦しいですね。ハッサムに交替させるべきでしょうか。そう考えて、ニューラに視線を向けると、

「ニューラ」

と、おれに任せろ、みたいな視線を返してきました。よし、ここはニューラに任せましょう。
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:15:33.49 ID:AXYONVXh0

「ニューラ、接近して、きりさく攻撃!」

ニューラは素早く、ガルーラに接近し、ガルーラの胸を切り裂きました。

「ガルーラ」

さすがにこの攻撃は効きましたが、ガルーラはこの攻撃で怒ってるようですね。顔を真っ赤にして、ニューラを睨みつけます。おそらく、いかり攻撃ですね。ガルーラはいかりのままに、メガトンパンチをニューラに繰り出してきます。

「ニューラ」

ニューラは素早く、回避していきますが、あの、パンチは相当な威力で、岩を粉砕して、地面はめり込んでいます。早く、決着をつけないと、
ゆい先輩達も心配ですし。

「ニューラ、こおりのつぶてで、ガルーラの目を狙ってください」

ニューラはガルーラの猛攻をかわしながら、氷の塊をガルーラの目に投げつけ、命中します。

「ガルー」

ガルーラは目を押さえて怯んでいます。今がチャンスです。

「ニューラ、さっき、切り裂いたところにメタルクローです!」

ニューラの鋼鉄となったツメがガルーラの傷口を再び切り裂きます。

「ガ……ルーラ」

ガルーラは呻きながら、倒れました。

「よくやりましたね、ニューラ」

ナデナデ。

「ニューラ」

嬉しそうに鳴くニューラ。

「じゃあ、ゆい先輩のところに行きましょう」

「ニューラ」

私ニューラをボールに戻し、ゆい先輩達の方に向かいました。
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:17:52.54 ID:AXYONVXh0
ゆい・デルビル

私達の相手はガルーラA、Bの2匹。相手にとっては不足なし……なんだけど。

「ガルーラ」

ガルーラAの鋭いパンチが私達に迫ります。

「ヒャー、ビル太、右だよ」

「デルビル」

私はビル太の上でうまく指示を出し、その攻撃をかわす。

「ガルーラ」

今度はガルーラBの方が私達にとっしん攻撃を仕掛けてきました。

「また、来たよ〜。ビル太、もう一回、右」

「デル」

またもや、ビル太がかわしてくれる。うん、実にいいポケモンだね。

「かわしてばかりじゃ駄目だね。ビル太、かえんほうしゃ」

今、攻撃をかわした、Bにかえんほうしゃを浴びせる。よし、いい調子だね。

「ガルーラ」

Bに攻撃をしていると、Aが横から、メガトンパンチを繰り出してきました。

「ビル太、よけ……」

私が言い切る前に、その攻撃は命中し、ビル太もろとも、飛ばされちゃった。

「…うぅ、いてて。大丈夫、ビル太」

「……ビル」

ビル太はあのパンチをまともに喰らっていたけど、なんとか、立ち上がります。

「ガルーラ」

Aとさっきまで、かえんほうしゃを喰らっていた、Bもこちらを睨んでいる。

その時、ビル太の体が輝きます。こ、これは……!?
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:21:54.09 ID:AXYONVXh0
>>426
最後の部分
その時、ビル太の体が輝きます。こ、これは……!? ←投下ミス 申し訳ありません


「あ、あの、さっきの攻撃とかで、怒ってるのかな?」

「ガル」

「は、は、話しあわないかな。穏便に」

「ガル」

ガルーラBが問答無用とばかりに私に拳を振り下ろしてきます。

「ひゃー」

私が恐怖に目をつぶると、

「デルビル」

ビル太の鳴き声とともに、ガルーラの悲鳴も聞こえてきました。私が目を開けると、ガルーラの手に必死に噛み付く、ビル太の姿が。

「ビル太!!」

痛さに苦痛の表情を浮かべる、B。手を必死に噛み砕こうとする、ビル太。

「ビル太、頑張れ〜」

私の応援が効いたのか、Bがあまりの苦痛で膝をつく。Bはビル太を離すために、ビル太に片方の拳を叩きつける。その攻撃にビル太も苦痛の表情を浮かべる。これは我慢比べだね。しばらく、攻防は続きますが、先に、ギブアップしたのはビル太でした。

「ビル」

Bはビル太を叩きつけ、私を睨みます。さっきから、様子を見ていたAも出番とばかりに私を見ます。

「……うぅ、あずにゃ〜ん」

私はここで負けちゃうのかな。せっかく、私とあずにゃんの関係も一歩進んだのに、残念だね。

「……ビル」

その時、ビル太が傷つきながらも、Bに抵抗すべく、立ち上がります。

「ビル太!」

その時、ビル太の体が輝きます。こ、これは……!?
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:22:50.55 ID:AXYONVXh0
「ゆい先輩!」

「あ、あずにゃん」

私は急いで、ゆい先輩のところに来ましたが、なにやら、様子が変です。

「あ、あずにゃん。ビル太の様子が……」

「……これは、し、進化ですか」

デルビルの体が光り輝き、デルビルの体が変化していき、輝きが収まると、ヘルガーになりました。

「やりましたよ、ゆい先輩。デルビルはヘルガーに進化しました」

「へー、これがヘルガーなんだね。とっても、可愛いね」

これが可愛い?うーん、それはどうでしょうね。

「ガルーラ」

片方の手に、傷を負った、ガルーラBが対峙します。そして、ヘルガーがBの傷ついた手に、ほのおのきばを繰り出します。

「ガルーラ」

Bは傷ついてない方の手で、その攻撃を受けますが、それでも、かまわずにヘルガーは手にがぶりつきます。炎のせいか、ジューと焦げる音が
して、Bは苦痛の表情をさらに強めます。しばらくの時間が立ち、Bはヘルガーをやっとの思いで振り払います。
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:24:33.54 ID:AXYONVXh0
「ヘルガー、オーバーヒートです!」

「ヘル」

ヘルガーのフルパワーで、ガルーラに突っ込むます。

「ガルーラ」

それに対抗するように、ガルーラも、ヘルガーに突進してきます。

ガシャーン。

両者が激突し、その衝撃で、煙が出ます。煙が晴れると、両者は激突したままでしたが、どちらともなく、両方倒れてしまいました。

「引き分けですか。……!?戻って下さい、ヘルガー」

私は、慌てて、ボールにヘルガーを戻します。

「ガルーラ」

今まで様子を見ていた、Aの方が、気絶したヘルガーに追撃してきました。

「ガルーラ」

Aは仲間をやられた恨みか、睨みつけてきます。

「よし。あずにゃん、ここは私に任せて」

「大丈夫ですか」

「うん。ヘル太が頑張って進化したんだもん。私も頑張るよ」

そう言って、Aに対する、ゆい先輩。

「いっくよ〜、ゆいちゃん真拳超奥義『こんなあずにゃんがいたら、ゆいはもう…!!』」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:25:20.71 ID:AXYONVXh0
『幼馴染編』

『もう少し、早く起きてくださいよ〜』

私は、今、あずにゃんの運転する自転車の後ろの荷台に椅子に座るみたいに座っている。つまりは二人乗りだね。良い子は真似しないでね。

『らくちん♪らくちん♪』

『何、のんきにしてるんですか。遅刻寸前なのに』

『遅刻寸前でもいいよ。あずにゃんと一緒にようやく登校できるし』

私達は1年違うしね。

『よくありませんよ、遅刻は』

『もう、真面目なんだから』

ギュッと後ろから、抱きつく。

『にゃ。運転中に何するんですか』

『にゃ、だって。可愛い〜』

『あ、危ないですから、離れてくださいよ』

『……私ね、1年間、待ったんだよ。……こんな風に登校するの』

『……唯』

『……あずにゃん』
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:26:23.78 ID:AXYONVXh0
「いっくよ〜。 ゆいちゃん真拳奥義『自転車☆パレード』」

たくさんのゆいぐるみが自転車に乗って、Aに突撃し、ガルーラを上に跳ね飛ばします。

「ゆい先輩、今の奥義は……」

「この奥義はちょっとした、寸劇に使われた、小道具を使って、攻撃を加えるんだよ」

「えーと、つまり……」

「今、使われたのは、自転車。だから、自転車を使ったんだよ」

「はあ、なるほど。ところで、寸劇は必要なんですか?」

「……」

「なんですか、今の沈黙は」

「……テンションをあげるためだよ」

「はあ」

「もう、何でもいいんだよ。次、行くよ〜」
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:28:00.12 ID:AXYONVXh0
『メイド編』

ガチャ。

私の執事がリムジンのドアを開ける。

『どうぞ、ゆいお嬢様』

『うん、ありがとう』

私はリムジンを降りて、自宅への扉を開ける。

『お帰りなさい、唯お嬢様』

たくさんのメイドさんのお出迎え。その中心のツインテールの女の子、私専属のメイドさんが声をかけてくる。

『お帰りなさい、唯お嬢様』

『そんな、堅苦しくしなくてもいいんだよ、あずにゃん』

『いえ、これも、メイドの務めですから』

『もう。そんな堅苦しく、考えなくてもいいんだよ〜』

私はあずにゃんに抱きつく。

『ちょ、皆、見てるんですよ』

『皆、見てなかったなら、いいのかい?』

『そんなことが言いたいんじゃありません!!』

『まったく、メイドさんなのに、ご主人様の言うことに逆らうのかな?』

『他の人にはご主人様ぶらないのに、私には言うんですね』

『だって、私はあずにゃんだけのご主人様でいたいから』

『な、何、恥ずかしいこと言ってるんですか、もう!』


周りのメイドさん達『和むな〜、この2人を見てると』
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:29:21.66 ID:AXYONVXh0
「ゆいちゃん真拳奥義『メイドさん☆ヤッチャッテクダサイ』」

「任せてください、ゆいお嬢様」

私(?)達を温かい眼で、見ていた、劇中のメイドさんたちがガルーラに襲い掛かります。例えるなら、浦島太郎の亀をいじめてる感じですか
ね。

「ガルーラ」

ガルーラは傷つきながらも、立ち上がります。その眼はなにか、大切なものを守ろうとしているような眼です。私は辺りを見ると、ガルーラが出てきた穴から、なにが動いているのが見えます。

「次、いっく……」

「待って下さい、ゆい先輩」

「あう。なにさ、あずにゃん。せっかく、いい気持ちで奥義を出せると思ったのに」

「奥に何か、あります」

私が指差すと、ボロボロながらも、必死に立ち上がり、指差す方向を行かせないように守ろうとする、A。そして、さっき、ヘルガーと相打ちになった、Bとニューラと私が倒したCもやってきて、その先を守るように立ちます。
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:30:00.49 ID:AXYONVXh0
「やっぱり、何かありますね」

「お宝かな?」

「まさか」

その時、

「ガル……ラ」

弱弱しい鳴き声とともに、傷ついたガルーラDが出てきました。

「なるほど。このガルーラを守るために私達に攻撃を仕掛けてきたんですね」

だとすると、可哀想なことをした気がしますね。なんとかしてあげたいですが。

「ゆい先輩、この子の傷を治してあげて下さい」

「うん」

私の傷を治したみたいにするのかと、思ったら、カスタネットを出しました。

「ゆいちゃん真拳奥義『うんたん♪うんたん』」

カスタネットをリズムカルに叩く、ゆい先輩。実に可愛らしいですね。……ハッ、見とれてる場合じゃありません。ガルーラ達を見ると、あの、傷ついたガルーラだけでなく、私達が倒したガルーラたちの傷も癒えていきます。ついでに私の心も癒されま……ゴホン。
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:30:32.84 ID:AXYONVXh0
「ふう〜、終わったよ」

「お疲れ様です。どうして、私が怪我した時にこの技を使わなかったんですか?」

「この技はポケモン用なんだ。それとも、あずにゃんにもしてほしかったの?」

「そういうことを、言いたいんじゃありません」

「ガルーラ」

ガルーラ達が私達によってきます。

「ガルーラ」

「何を言ってるんですか?」

「ありがとう、だって」

「ガルーラ」

「お礼にトンネルの出口まで、案内してくれるって」

「あ、ありがとうございます」

「ガルラ」

「では行きましょう、だって」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:31:20.11 ID:AXYONVXh0
そして、出口に。

「ありがとうございました」

「ガルーラ」

「このご恩は忘れません、だって」

「それでは、また、会いましょう」

「じゃあね〜」

私達はシオンタウンに向かおうとしました。

「ガルラ」

ガルーラのうちの1匹、3匹が守っていたDが話しかけてきました。

「ガルラ」

「えーと」

私はゆい先輩に目を向ける。

「私は、あなた達の優しさに感動しました。ぜひ、仲間にして下さいって」

「はあ。でも、いいんですか、仲間達とか」

私は後ろのがルーラを見ます。

「ガルーラ、ガルーラ」

「なんでも、可愛い子には旅をさせるものです。この子が行きたいというなら止めません。それにあなた方なら、大丈夫でしょう。どうか、こ
の子をよろしくお願いします、だって」

ガルーラ達の真剣な目。なるほど、相当な覚悟なんでしょう。

「……分かりました」

私はガルーラにモンスターボールを当てて、ゲットします。

「わ〜い、やったね、あずにゃん」

「はい!」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:31:53.88 ID:AXYONVXh0
「ガルーラ」

私達は改めて、ガルーラと別れて、シオンタウンに向かいます。

「いい子達だったね」

「そうですね」

「次の町でも、そんな出会いがあればいいね」

笑顔で言う、ゆい先輩。今まで、嫌な人も多く会ってきましたからね。次の町では、平和にいきたいものです。

「はい」

まあ、ゆい先輩といれば、大丈夫ですよね。そんなことを思いながら、次の町であり、シオンタウンに向かいました。
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/13(月) 21:33:11.51 ID:AXYONVXh0
イワヤマトンネル編A 「VSガルーラ 祝・初進化」 終了
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/14(火) 01:43:23.07 ID:v4SUnXFWo
乙〜
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/14(火) 20:47:26.78 ID:ppFinkLAO
ヘルガーってなんかあずにゃんに合ってるな
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:24:12.52 ID:zrliSEax0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                    ボックス  
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ミニリュウ  ガルーラ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ カポエラー

純     うい

シオンタウン編@ 「ポケモンハウスを守れ!」 以下、投下
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:24:49.83 ID:zrliSEax0
タマムシのとある地下施設

『これが例の……』

さわ子はロケット団の研究地下施設にある、培養液に浸されたポケモンを見て、言う。

『ええ。幻のポケモンといわれるポケモンミュウから採取された遺伝子を元に、私達が作り出したポケモン。……ミュウツー・プロトタイプよ』

さわ子の問いに、和は答える。このポケモンはさわ子達がでんせつのポケモンのうちの1匹、フリーザを捕獲する時にグレンタウンに寄った際にそこにある研究所に残された、ミュウの遺伝子を採取し、ロケット団にて、作り出したものだ。

『まだ、入手して短いのに、早いわね』

『研究所に資料もありましたしね。……これで、伝説の3匹と最強のポケモン、プロトタイプであるけど、ミュウツー。この4匹がいれば、私達が世界を掌握するのも……』

『ええ』
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:25:37.54 ID:zrliSEax0
シオンタウン

「ここがシオンタウンですか」

イワヤマトンネルを抜けたのは夕方で、シオンタウンに到着したころには夜になってしまいました。シオンタウンはポケモンタワーっていうポケモンの墓場があり、幽霊が出るということで、大変に怖い町だということを噂に聞き、その噂にふさわしいかどうかは知りませんけど、おどろおどろしい雰囲気ですね。とりあえず、ポケモンセンターに行かないと……。

「すう……すう……」

ゆい先輩がさっきから、静かなのは、私の頭の上で、寝ているからですね。ゆい先輩の寝顔を見れないのは実にざんね……ゴホン。

「まずはポケモンセンターに行かないと」

暗い夜道を抜け、ポケモンセンターに着きました。

「これをお願いします」

私はゆい先輩達をジョーイさんに預け(当然に、ゆい先輩についてはいつもの問答をしましたが)、回復させます。その間にパソコンでミニリュウを預けて、ガルーラを手持ちにくわえます。そして、ジョーイさんに話しかけます。
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:26:29.82 ID:zrliSEax0
「ジョーイさん。今日、宿泊所って、空いてますか?」

「ごめんなさい、今日は空いてないのよ」

「そうですか。今日はどうしようかな」

「一応、部屋じゃないけど、ポケモンセンターに泊まれるけど……」

ジョーイさんとともに、周りを見る。妖しい男の人がたくさん居ます。

「女の子が泊まるにはね……」

「そうですね。仕方がないので、ホテルに泊まることにします」

「でも、この時間から、泊めてくれるかしらね」

それはちょっと、不安ですけどね。

「気をつけてね。この町は夜になると出るらしいわよ」

「何がです?」
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:27:16.28 ID:zrliSEax0
「ゆ・う・れ・い」

「まさか〜。そんなことあるわけないですよ」

「ウフフ。それは冗談にしても、あなたは可愛いから、気をつけたほうがいいわよ」

「もう。さっきから、冗談ばっかりですね」

「冗談じゃないよ〜」

奥から、回復を終えた、ゆい先輩達が来ました。いつの間にか、起きていたようです。

「あずにゃんは可愛いよ〜。だって、私の彼女だもん」

「な、何を言ってるんですか」

「そうなの?可愛い彼女ね」

ジョーイさんはナデナデとゆい先輩の頭を撫でます。

「でしょ?えへへ〜」

嬉しそうに笑う、ゆい先輩。でも、私には1つ否定しなければならないことがあります。

「恋人ではありません。恋人(仮)です」

私はロリコンではありませんからね。

「(仮)にどんな意味があるのかしら」

「一種の境界線らしいよ。もっと、素直になればいいのにね」

「そうね。あなたも大変ね。でも、頑張ってね」

「うん。ありがとね、ジョーイさん」

「どういたしまして」

「そこ、勝手に分かり合わないで下さい」
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:28:14.44 ID:zrliSEax0
とりあえず、ポケモンセンターを出て、泊まる場所を探しに。

「怖いね、あずにゃん」

ゆい先輩は私の腕の中で、ギュッと抱きついてきます。まあ、さっきまで、寝てましたしね。

「ホテルの空きがあるといいんですけど」

一応、ジョーイさんに何軒かのホテルの地図をもらいましたけど、時間も時間ですしね、泊まれなかったら、どうしましょうか。

「あ。あれ、見て、あずにゃん」

ゆい先輩が指差す方を見ると、両手に食材などをたくさん持つ、老人の姿がありました。

「手伝ってあげようよ」

「そうですね。……もしもし、おじいさん」

私はおじいさんに声をかけます。

「なんじゃ。お前さんたちは」

「荷物が重そうだったので、手伝いましょうか?」

私がそう言うと、おじいさんは笑顔で、言いました。

「お嬢さん達ありがとう。ちょうど、重くて、辛かったところじゃ」

私は片方の手にある、袋をもらいました。なるほど、結構な重さですね。
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:29:14.00 ID:zrliSEax0
「お嬢ちゃん達、この町の人じゃないじゃろ。名前はなんていうんじゃ?」

「私の名前は中野梓です。マサラタウンから来ました」

「私はゆいだよ〜」

「わしはフジというんじゃ。お嬢ちゃん達はマサラから?随分と遠いところから来たのう。旅をしているのかね?」

「はい。ポケモンマスターになるために、バッチを集めてるんです」

「なるほど、なるほど。そっちのお嬢ちゃんは妹かね?それにしては似てないが」

「私はこれでも、ポケモンなんだよ、おじいちゃん」

「ほほう、お嬢ちゃんがかね?」

フジさんは子供が、将来は仮面ライダーになるって言う子供を見る目でゆい先輩を空いてる手で撫でます。

「うぅ、信じてくれない」

「すいません、信じられないかもしれないんですけど、一応、この子はポケモンなんです」

いつもの動作を片方の手で行う。もう、慣れたものですね。

「ふーむ。これは面白いのう」

フジさんが感心して言う。まあ、逆の立場だったら、私でも、同じことを言いますけどね。しばらく歩いていくと、ポケモンハウスって、書い
てある、施設に着きました。
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:30:18.31 ID:zrliSEax0
「ここは……?」

「ここは私がやっている施設で、捨てられたポケモンを見つけては預かって、世話をしてるんじゃ」

「ペルシアン」

施設に入ると、ペルシアンが出迎えてくれました。他にも、二ドリーノやコダック、ポッポなどいろいろいます。

「これが捨てられてたポケモンなんですか」

「ああ。悲しいことにな」

フジさんは悲しそうに言う。それはそうですよね。ここにいるのは悲しい思いをしたポケモン達なんですから。

「おじいちゃん、お帰りなさい。……あれ?その人達は?」

奥から、小学生2年生くらいの男の子が出てきました。

「わしが困ってたのを助けてくれたんだよ」

「そっか。ありがとうございます。あ、荷物、持ってくね」

「あ、ありがとうございます」

私はその子に荷物を渡します。

「大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ、これくらい」

その子は荷物を持って、奥に引っ込んでいきました。

「いい子ですね」

「ええ。あの子の両親はあの子が赤ん坊のロケット団に殺されましてね。身寄りが居なかったので、私が引き取ったんじゃ」

「……ロケット団ですか」

一体、どれだけ、ひどいことをする奴らなんでしょうか。
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:31:09.62 ID:zrliSEax0
「……あの子は強い子じゃよ。両親はポケモンブリーダーだったんじゃが、自分は、両親よりも優秀なポケモンブリーダーになるんだって、頑張ってるんじゃよ」

「……そうなんですか」

小さい子なのに立派な子ですね。

「ねえ、ねえ、あずにゃん。ホテル、大丈夫?」

「あ、そうでした。すいません、私達は、ホテルを探さないといけないので」

「お前さん達、泊まる所がないのか?」

「はい。着いたのが夜で、ポケモンセンターの宿泊所も満員だったんです」

「では、家で泊まっていかないかね」

「いいの!あずにゃん、よかったね」

「な、なにを言ってるんですか。迷惑じゃないですか」

「な〜に。あの子と2人だけじゃし、人は多い方がいいじゃろ。お礼もあるしの」

「おじいちゃんもこう言ってるんだし、泊まろうよ。ホテルを取れるのかもわからないしさ」

「……仕方がありませんしね。フジさん、申し訳ないんですけど……」

「遠慮することはない。ゆっくりしていきなさい」

私達は今日、ポケモンハウスで泊まる事にしました。
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:32:02.71 ID:zrliSEax0
部屋に案内されて、夕食後、リビングでゆっくりとすることに。

「お姉ちゃん、お話聞かせて〜」

「うん、私に任せなさい」

あっちで、ゆい先輩とモブ太君がお話をしています。微笑ましい光景ですね。リビングを見回していると、しゃしんがありました。その写真には、あの子とその両親みたいな人とヘルガーが写っています。

「その写真ですか」

「あ、フジさん。この大人の人はあの子の両親ってことは分かるんですけど、このヘルガーは?」

「このヘルガーも、ロケット団の手によってな。この子の両親は、ロケット団のポケモンを育てるのに協力しろという要求を断ったんじゃ。そ
れでな……」

フジさんは言いよどむ。

「このヘルガーは捨てられてたのをあの子の両親に拾われてな。ヘルガーは赤ん坊のあの子を自分の命が尽きるまで、守り通したんじゃ」

「そうなんですか……」

きっと、拾ってくれた、両親への恩返しということでしょうね。なんだか、可愛そうですね。

「まあ、それも昔のことじゃ」

フジさんは懐かしむように言う。これ以上は私が触れるべきではありませんね。

「お前さんも、いろんなポケモンを捕まえてきたんじゃろ?大切にするんじゃよ」

真剣な顔で言う、フジさん。きっと、強い思いがあるんでしょう。

「はい」

だから、私も真剣に答えました。
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:33:08.57 ID:zrliSEax0
「ねえねえ、梓お姉ちゃん」

ゆい先輩と話していたはずのモブ太君が声をかけてきました。

「なんですか?」

「梓お姉ちゃんはヘルガーを持ってるんだよね。見せて〜」

一瞬、ドキッとしました。さっきのフジさんの話を聞いたからでしょうけど。

「いいですよ」

私は、ヘルガーを出してあげます。

「わ〜、これがヘルガーなんだね」

「そうだよ〜」

2人、特に、モブ太君はヘルガーと楽しそうに遊んでいます。

「お前さんもヘルガーを持っておったのか」

「……ええ。トキワの森で、デルビルが捨てられていたのを拾って、育てて、進化したんです」

「……そうか。この子も苦労したのか」

フジさんはヘルガーを懐かしそうに、撫でます。私はそれを見て、ヘルガーにはひどいことをしなければいけないかなって、思いました。
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:34:17.98 ID:zrliSEax0
モブ太君はヘルガーと一緒に寝た後で、私達はお風呂に入ることに。

「今日は疲れたね、あずにゃん」
私はゆい先輩の髪を洗ってあげます。

「あう〜、あずにゃんに髪を洗ってもらうのは気持ちいいよ〜」

「なにを言ってるんですか」

「今度は、私が、背中を洗ってあげるね」

ゆい先輩は素早く、後ろにまわり、背中を洗ってくれます。私はさっき、考えてたことをゆい先輩に聞いてみます。

「ねえ、ゆい先輩」

「な〜に?」

「……私がヘルガーとお別れするって、言ったら、どうしますか」

「……え?」

ゆい先輩はびっくりしたような声を出します。まあ、ゆい先輩なら、『そんなのやだ〜』って言うんでしょうね。そう思って、ゆい先輩の返事
を待っていると、

「……いいよ」

「はい?」

後ろから、ギュッと小さい体で、抱きついてきます。

「本当は嫌だけどね、あずにゃんが一生懸命考えて、あずにゃんがそうしたいなら、私はとめないよ」

……まったく、この人は、おちゃらけてるかと思えば、急に今みたいに格好よくなったりする。そこがいいんだけ……ゴホン。お風呂に入りす
ぎて、ちょっと、頭がのぼせてるようです。

「……ありがとうございます。まだ、はっきり、決めたわけじゃないんですけどね」

「……うん。じっくり、考えてね。……えいっ!」

モミモミ。

「にゃっ。どこ触ってるんですか!」

「どこって、私の口から、言わせるの?もう、あずにゃんったら」

「何を言ってるんですか!」
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:35:26.96 ID:zrliSEax0
次の日

ザー、ザー

「雨がひどいね、あずにゃん」

「そうですね。……ふぁあ」

「可愛い、欠伸だね」

「うるさいです」

昨日はずっと、考えてたけど、答えは出ませんでした。

「……もう、行くの、梓お姉ちゃん」

ヘルガーを撫でながら、モブ太君は言います。口ではそう言うものの、私よりも、ヘルガーとの別れを惜しんでる様子のモブ太君。それはそうですよね。両親も好きでしたし、命を救ってもらってますし。

「達者でな」

「はい」

私がここを出て行こうとした時。
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:36:32.02 ID:zrliSEax0
「おい、糞ジジイ」

いきなり、ドアが勢いよく、開いたかと思うと、何度も私達と戦った相手……ロケット団が4人現れました。

「おい、糞ジジイ。ここを出ていく準備は出来たか?」

「何度いえば、分かる。お前らにこの土地はやれん!!出て行け!!」

「そうは行かないぜ。おい、見てみろよ」

ロケット団の1人が呼ぶと、エレブー達やニョロゾ達がいます。

「こいつらが、ここら辺を暴れたら、どうなるかな?」

なんていうことを言うんですか。私が口を開こうとすると、

「ふざけないでよ!!」

私が振り返ると、モブ太君が顔を真っ赤にして、怒っています。

「お前達は僕から、どれだけ、大切なものを奪っていくんだ!!」

今までの思いもあったんでしょう。モブ太君は叫びました。

「はあ?なんだ、このガキは」

「気でも狂ってるのか?」

「……お前達!!」

モブ太君はロケット団の1人に掴みかかりました。しかし、悲しいことに、子供と大人の体格の差からですか、簡単にふっ飛ばされてしまいました。
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:38:09.60 ID:zrliSEax0
「……ぐはっ!」

「な、なにをするんじゃ、子供に!」

「先に仕掛けたのは、そのガキだぜ」

「もう、怒った。……おい、お前達」

外にいた、エレブー達やニョロゾ達がやっと出番か、とばかりにこちらを向きます。

「この家を壊せ」

「!?」

非常なる命令を遂行すべく、エレブー達やニョロゾ達がこっちに向かおうとしてきます。

「ヘルガー」

ヘルガーがロケット団を押しのけ、エレブー達に向かっていきます。

「なんだ、あいつは!!」

ロケット団はヘルガーの方に視線を集中させています。

「あずにゃん、今だよ」

「分かってますよ」

私は素早く、ハッサムを出します。

「ハッサム、あのロケット団を外に出してください」

「サム」

「!?」

ハッサムはバレットパンチで、ロケット団4人を雨の降る外に追い出しました。

「このガキが。邪魔するのか」
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:39:24.37 ID:zrliSEax0
「邪魔なのはあなた達です!!」

私はロケット団に宣言します。

「私はあなた達を倒します。行きますよ、ハッサム、ヘルガー」

「サム」

「ヘル」

「すごいね〜、あずにゃん。まるで、主人公みたいだよ〜。かっこいい〜。ますます、惚れちゃうよ〜」

「……緊張感が抜けるので、やめてもらえませんか」

「ふざけやがって。……だが、終わりだな」

「!?」

「スピア」

横から、私に向かって、毒針を私に突き刺そうと迫ってきます。

「危ない、お姉ちゃん!」

モブ太君がとっさに私を庇ってくれましたが、モブ太君の背中にスピアーの毒針がかすってしまいました。

「大丈夫ですか」

「だ、大丈夫です。…そ、それよりも、……あいつらを……イタッ」

傷自体はたいしたことなさそうです。でも……。

「駄目じゃ、スピアーの毒を抜かなければ、まずい。早く、病院に連れて行かなきゃいかん!!」

フジさんは傷口を見て、言いました。
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:40:14.94 ID:zrliSEax0
「……ヘルガー、この子を背中に乗せて、病院に連れて行ってください」

「ヘルガ」

戦う気満々のヘルガーでしたが、私の命令に不満な声を出しましたが、モブ太君を見て、

「ヘル」

頷いてくれました。

「わしも行くぞ」

フジさんは言いました。

「でも、ヘルガーには、モブ太君しか……」

「案ずるでない。ペルシアン」

「ペル」

ペルシアンがフジさんを上に乗せます。少し、辛そうですけど、この子の思いも分かります。

「梓さんや、旅人に頼むべきでもないかもしれんが、このポケモンハウスを頼む」

「任せてください。出てきて、皆」

私は手持ちのポケモンを全て出します。

「どうした?諦める覚悟は出来たか?」

「そんな覚悟は出来ませんね。ニューラはヘルガーの上に乗って、モブ太君を守ってください」

「ニュラ」

「イーブイ、かみなりのいしです」

サンダースに進化させます。

「後のメンバーは、ヘルガー達の道を開けてください」

その声を合図に、バトルが始まりました。
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:41:34.65 ID:zrliSEax0
「ヘルガ」

ヘルガ達は、エレブー、ニョロゾ達の大群を突き抜けます。

「簡単に行かせるな、お前ら」

エレブーがカミナリパンチを、ニョロゾがきあいパンチを、ヘルガーに浴びせようとします。

「ハッサム、エレブーをアイアンヘッドで攻撃してください。サンダースは10万ボルトをニョロゾに浴びせてください」

ハッサムのアイアンヘッドで、ヘルガー達を攻撃しようとするエレブーを中心になぎ払います。三ダースは雨+弱点でより、電気が通りやすく
なっています。

「甘いな、スピアー」

スピアーが空中から、モブ太君、フジさんを攻撃しようと迫りますが、

「ガルラ」

ガルーラの拳によって、阻まれます。そして、3匹の連携で、何とか、この包囲網を突破しました。

「やりました」

「チッ、いけ、ラッタ」

「!?」

「奴らを追って、殺せ」

ロケット団の1人とラッタ6匹がヘルガー達を追いかけます。

「まだ、隠してたんですね、手持ちを」

「あんまり、使いたくなかったがな」

緊迫感のある雰囲気ですね。

「あずにゃん、あずにゃん」

「なんですか、ゆい先輩」

「あずにゃんのブラが雨で透けて見えるね。キャッ」

「……」

「……ごめんなさい」

「分かればいいんです。それで、なんですか?」

「そろそろ、私の出番だね」
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:42:09.09 ID:zrliSEax0
「はあ」

「なんだい、そのやる気のない返事は」

「急になんですか、一体」

「この流れはね、非常によくないよ。私達が空気だよ」

「なにを言ってるのか、よく分かりませんけど……」

「分からなくていいよ。とにかく、私は戦うよ」

フンスとやる気を出している、ゆい先輩。このやる気は無駄にしてはいけませんね。

「では任せました」

「うん」

ゆい先輩は胸を張って、戦闘に向かいました
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:43:01.32 ID:zrliSEax0
ヘルガー・ニューラ

「待ちやがれ、てめーら」

後ろから、ラッタ達が迫ってきます。こっちは子供や老人を背負っているので、スピードもあっちが上なのは当然でしょう。

「ニューラ、ニューラ(私があいつらをひきつける。お前はその子を病院に)」

「ヘルガ(大丈夫か?)」

「ニューラ(私は猫だぞ。ネズミに負けるわけにはいかんな)」

「ヘル(そうか)」

「ニューラ、ニューラ(お前もしくじるなよ。マスターのために)」

「ヘルガ(……愚問だな)」

「ニューラ(ふん、また、会おうぜ)」

「ヘル(ああ)」

ニューラはヘルガーの上から、飛び降り、ラッタの1匹を切り裂きます。

「ラッ……タ」

苦痛の声を上げ、倒れます。

「なんだ、こいつは」

「ニューラ(ここを通りたければ、私を倒してみろ、ネズミ共)」

「ラッタ」

怒りの眼で、ニューラを見る、ラッタ達。

「糞が。サッサと倒せ、ラッタ共」

その声を合図に戦闘が始まりました。
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:44:42.07 ID:zrliSEax0
再び、梓達

「いっくよ〜、ゆいちゃん真拳究極奥義『クイズ☆ゆいオネア』」

可愛らしい声とともに、ロケット団の奴らが椅子に強制的に座らされ、両手足が固定される。

「なんだ、これは。離せ」

「なんですか、今回は」

「この奥義はクイズをロケット団の方、1人1人に出して、当たったら、その、両手足の拘束具が外れます」

「あの、ポケモンの方は……」

「後ろを見てごらん」

「後ろですか……」

ロケット団の後ろを見ると、牢に入ってるポケモン達が。

「今の内に倒せばいいんじゃ」

「それじゃ、ルール違反なんだよ。この人達が正解を当てれば、ポケモンも開放されるよ。……さて、早速、第1問を始めるよ〜。皆も答えて
ね♪」

まず、1人目として、1人のロケット団員とニョロゾが選ばれます。

『それでは問題です。次の選択肢から正しいカプを選んで下さい』

選択肢 1・唯梓 
    2・澪梓 
    3・紬梓 
    4・律梓
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:46:20.33 ID:zrliSEax0
選択肢が出てきたのはいいんですけど、なんで、全部私が絡むんでしょうか。

「くそっ。分かるわけないだろ、こんなの」

「さあ、どれが正しいか、分かりましたか」

(まてよ。そういえば、このチビはゆい先輩。こっちはあずにゃんと呼ばれていた。だとすると答えは……)

「答えは1だ。どうだ、正解だろ。サッサと、解放しろよ」

「うん。たしかに、間違ってないよ。私とあずにゃんは愛し合ってるしね」

ものすごく否定したいんですけどね。

『では、ファイナル○ンサー?』

「 ファイナル○ンサー」

ゆい先輩はどこかの司会者みたいに答えを溜めて、言いました。

『ざんね〜ん。本当は正解にしたかったんだけどね』

「くそっ。じゃあ、正解はなんだよ」

『正解は1〜4、全てが正しいんだよ。だって、カプなんて、人それぞれだもんね。でも、私としてはもちろん1だけどね』

えー。トレーナーの私が言うのも何なんですけど、卑怯じゃないですかね。

「ふざけんなよ。なんで、そんなに答えがあるんだよ」

『私は答えを1つだけ選んでなんて言ってないよ。正しいものを選んで下さいとは言ったけどね』

なんていう言葉遊びですか。

『さて、罰ゲームの時間だよ。ブイ太』

「ダース」

「ちょ、待って……」

「10万ボルト」

「ギャーーーーーーーーーーーーーーー」

ロケット団員とニョロゾに10万ボルトの電流が流れます。うーん、自業自得とはいえ、こんな理不尽なクイズをやらされて、こんな攻撃を喰
らうんですからね。少し、同情してもいいかもしれません。
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:47:26.50 ID:zrliSEax0
「では、次の挑戦者で〜す」

次はエレブーとそのトレーナーのロケット団ですね。

『では、早速、問題だよ〜。次の選択肢からネコミミが1番似合うのを次の選択肢から選んで下さい』
選択肢 1あずにゃん 
    2澪ちゃん 
    3りっちゃん 
    4ムギちゃん 
    5私(ゆい)
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:49:40.83 ID:zrliSEax0
選択肢が増えてますーーーーーーーーー。

「くそ。分かるかよ、えーと、答えは、全部だ。そんなもん人それぞれだろ」

「なるほど。その考え方も一理ありだね。ではフ○○ルアンサー?」

「フ○○ルアンサー」

ゆい先輩はどこかの司会者みたいに答えを溜めて、言いました。

『ざんね〜ん。正解は1のあずにゃん。これは人の感覚とかじゃなくて、宇宙の真理なんだよ』

まったく、意味が分かりません。

『さて、罰ゲームだよ。はかいこうせん』

ロケット団と牢に入って、逃げられないエレブーに直撃しました。

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「さて、最後の挑戦者だよ〜」

最後はスピアーとそのトレーナーのロケット団ですね。可愛そうに、ガタガタっと体が震えています
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:50:40.80 ID:zrliSEax0
『では、問題です。次の中から、この物語の主人公を選んで下さい』

選択肢 1あずにゃん 
    2澪ちゃん 
    3りっちゃん 
    4ムギちゃん 
    5私(ゆい)
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:52:00.47 ID:zrliSEax0
「ひい、えーと、5だ5。5でファイナル○○○ー」

『5だね。ファイナル○○○ー』

「ファイナル○○○ー」

ゆい先輩はどこかの司会者みたいに答えを溜めて、言いました。

『せいか……あれ?答え、違くない?スタッフさ〜ん。……え、間違ってない?うぅ、文句は多々あるけど仕方がないね。では、あらためて、……ざんね〜ん。正解は1らしいね』

「ひい、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

必死に謝るロケット団員。もっと、プライドとかないんですかね。

『残念だけど、罰ゲームだよ。ルー太、のしかかり』

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーー」

ロケット団員にガルーラの巨体がのしかかります。でも、スピアーは無傷です。

「ゆい先輩、スピアーは?」

「慌てない、慌てない。ブイ太、10万ボルト」

サンダースの10万ボルトが炸裂します。そして、スピアーが全滅した時、周りの光景が元に戻りました。
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:52:59.98 ID:zrliSEax0
「ふう〜。お終いっと」

額の汗をぬぐうゆい先輩。相変わらす、よく分からない技ですけど、強いですね。っと、そんなことよりも。

「モブ太君のところに行きましょう」

私は全部のポケモンを戻し、病院に向かおうとした時、

「もう、大丈夫じゃよ」

と、フジさんの声がしました。

「フジさん!モブ太君は……」

「幸いにも、かすり傷じゃったし、毒もどくけしで治った」

「梓お姉ちゃん」

「モブ太君。ごめんね、私のために……」

「ううん、それはいいんだよ。梓お姉ちゃんは守ってくれたもんね。このポケモンハウスを。ありがとう」

「こっちこそ、いいんですよ。あれ、ヘルガーとニューラは?」

「ニューラはわし達を逃がすために、ラッタ達の囮に。それで、ヘルガーが迎えに行ったんじゃ」

「そうですか」

きっと、あの2匹なら大丈夫だと思いますが、心配ですね。

「お姉ちゃん、すごい濡れてるよ。着替えた方がいいよ」

そういえば、雨が降ってましたね。今は少し、やんでいますが。

「うむ、シャワーを浴びていくがよい」

「……ごめんなさい、行く場所があるので」

私は駆け出した。
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:53:41.49 ID:zrliSEax0
「あ。……お姉ちゃん。どこに行ったんだろう」

「あずにゃんはね。大切な仲間を迎えに行ったんだよ」

「……仲間」

「そう」

「あのヘルガーはお姉ちゃん達の命令を聞くために一生懸命だったんだ。もちろん僕を助けるためにも一生懸命だったけどさ、それ以上にね」

「そうなんだ」

「……僕ね、梓お姉ちゃんにヘルガーを頂戴って言おうとしたんだ。これを言うのは仲間を頂戴って言うことだよね」

「……」

「それじゃ、ポケモンを物みたいに扱うってことだよね。それはいけないことだよね」

「私には難しいことは分かんないけど、それを決めるのはモブ太君だよ」

「……うん」
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:54:53.35 ID:zrliSEax0
「ニューラ」

「ラッタ……」

バタッ。

「馬鹿な、たった1匹に全滅だと……」

「ハア……ハア……」

「ニューラ!」

私が見つけた時、ラッタ6匹が倒されていました。しかし、だいぶ疲れています。

「あいつが来たってことはあいつらも……。なら、女だけでも」

「ニューラ」

ロケット団員がナイフを出し、私に向かって、突っ込んできます。このままでは……。その時、

「ヘルガ」

という鳴き声とともに、ヘルガーがロケット団員を突き飛ばしました。

「ありがとう、ヘルガー」

「ヘル」

「ニューラ」

ニューラもやってきました。

「ニューラもよく頑張りました。さあ、戻りましょうか」

私は2匹をボールに戻し、ポケモンハウスに戻りました。
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:55:40.83 ID:zrliSEax0
入浴後、天気もよくなってきたので、出発することに。

「モブ太君。君にこれを渡すね」

私は涙をこらえながら、ヘルガーを渡そうとします。きっと、喜んで、もらってくれるでしょう。

「……いらない」

「え?」

「僕ね、自分でヘルガーをゲットして、お姉ちゃんのヘルガーに負けないように育てるんだ」

目を輝かせて言う、モブ太君。

「だから、お姉ちゃん。その時に、バトルしよう」

「……はい」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:56:50.14 ID:zrliSEax0
「よかったんですかね、これで」

私はポケモンハウスを出て、タマムシシティに向かっています。

「よかったんじゃない?あの子も楽しそうな目をしてたし」

ゆい先輩は頭の上で言います、
「……そうですね」

「そんなことよりも、今回、あんまり、あずにゃんとイチャイチャ出来なかったよ。あそこで、一緒にケーキでも食べようよ。2人でアーンし
てさ。恋人だしさ」

「なに言ってるんですか。それに恋人(仮)です」

「細かいよ、あずにゃん」

「重要なことなんです」

でも、そうですね。そろそろ、いい時間ですしね。

「タマムシに行く前に、ケーキでも食べましょうか」

「え、いいの!」

「でも、アーンはなしですけどね」

「あう〜。でも、いいかな。早く、行こうよ」

頭の上で急かすゆい先輩。

「急かさないでくださいよ。のんびり行きましょうよ」

「いつもと言ってることが逆だよ、あずにゃん」

「うるさいですよ」

そんな、たわいもないことを言い合いながら、喫茶店に向かいました。
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/14(火) 22:57:56.47 ID:zrliSEax0
シオンタウン編@ 「ポケモンハウスを守れ!」 終了
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/14(火) 23:44:58.88 ID:ppFinkLAO
やっぱヘルガーってあずにゃんに合ってるな
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/15(水) 18:24:13.57 ID:k9afBLb2o
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:10:02.21 ID:pv43EmZz0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                 ボックス  
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ カポエラー

純     うい

タマムシシティ編@ 「VSエリカ」 以下、投下
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:10:55.17 ID:pv43EmZz0
「わ〜、今までと違って、すごい都会だね」

私達は、シオンタウンを出て、タマムシシティに到着しました。タマムシシティはタマムシデパートっていう、各地にあるショップの本店がある町でも有名ですね。

「ねえねえ、あずにゃん。早速、デパートでお買い物をしよう」

お買い物ですか。財布の中身も問題ないですから、多少の買い物も出来るでしょう。しかし……。

「駄目です。まずはジムに挑戦です」

「え〜。もっと、ゆっくり行こうよ〜」

「何を言ってるんです。きっと、澪先輩達はここのバッチもゲットしてるでしょうし、私も早くゲットしないと、皆さんには追いつけません」

「別に追いつかなくてもいいよ〜。私たちのペースで行こうよ〜」

「そうも言ってられません。ただでさえ、のんびりしてるんですから、少し、早くしないと」

「うぅ、2人でタマムシデパートでデートしたかったのに……」

私の頭の上でシュンとするゆい先輩。なんだか、悪いことをした気がしますが、ここは心を鬼にしないと、いけません。いけないんですが……。

「明日、行きましょう。ゆい先輩」

「え、いいの?」

「そのかわり、今日のジム戦も頑張って下さいよ」

「うん!私、頑張るよ」

ぱあっと、明るくなるゆい先輩。

「では、早速、いきましょう」

「うん!」
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:12:31.51 ID:pv43EmZz0
そして、タマムシのポケモンジムに。一応、今回の手持ちは前回のままですが、大丈夫でしょう。

「ここはどんなジムリーダーなの?」

「なんでも、エリカって名前の女の人とかで、ジムの人も、女の人しか入れないとか」

「男の人はどうなるの?」

「さあ?まあ、挑戦は出来るらしいですけどね」

とりあえず、ジムの扉に手をかける。

「しつれいしまーす」

中に入ると、たくさんの植物が生えていました。

「わー、綺麗なお花だね」

ゆい先輩は近くに生えてた、花にピョコピョコって駆け寄る。実に可愛らしい光景で……駄目です。なんで、私は最近こんな思考に陥るんでしょうか。

「どなたですか?」

私が1人悶々としていると、女の人が話しかけてきました。

「私たちのジムに何か用ですか?」

「あ、すいません。私はマサラタウンから来ました、中野梓といいます。こちらのジムリーダーの方に挑戦させてほしいんですけど」

「あ、そうですか。遠いところから、ご苦労様です。今、エリカさんを呼んできますね」

そう言って、女の人が奥に向かっていった。
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:13:32.21 ID:pv43EmZz0
「感じの言い方ですね」

「そうだね」

少しの間、待っていると奥から、何人かの女の人とともに和服の服を着たどこかのお嬢様のような雰囲気を持った女の人が出てきました。

「あなたが梓さん?」

「は、はい。私はマサラタウンから来た、中野梓といいます。」

「それはそれは。遠いところから、ご苦労様です。私はエリカ。このジムのジムリーダーをさせてもらっています。よろしくお願いしますね」

「あ、はい。よろしくお願いしますね」

今までのジムリーダーよりも丁寧な方ですね。

「それで、今日はジム戦ということですね」

「はい」

「それよりも、私のジムに所属しませんか?」

「……はい?」

突然、何を言い出すんでしょうか。

「どういう意味ですか?」

「いえ、随分、あなたが可愛らしい女の子でしたので」

「は、はあ」

「えへへ〜、エリカさんは見る眼があるね」

「あら、可愛らしい子ですね」

「私はゆいって言うんだよ〜」

「そうなの。よしよし」

エリカさんはゆい先輩の頭を優しくなでます。

ナデナデ。

気持ちよさそうな顔をするゆい先輩。
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:14:37.12 ID:pv43EmZz0
「……ところで、梓さん。女の子同士の恋愛って、どう思います?」

「はい?いきなりなんですか?」

なんだか、雲行きが悪くなってる気がするんですが。

「いいと思うよ〜」

私が不安に苛まれていると、ゆい先輩が答えます。

「梓さんもですか?」

「は、はあ。まあ、いいんじゃないでしょうか」

私自身も(仮)ですけど、ゆい先輩とは恋人ですしね。

「では、梓さん!」

いきなり、大きな声を出す、エリカさん。

「は、はい。なんですか」

「私とお付き合いしてくれませんか?」

突然の告白。

「え、いや、いきなりな……」

「駄目だよ!!あずにゃんの恋人は私なんだよ!!」

ゆい先輩は私の前に仁王立ちして守るように立つ。
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:15:53.86 ID:pv43EmZz0
「あなたがこの人の恋人?まあ、梓さんは同性愛者のうえにロリコンなんですか」

「ち、違います。私はロリコンではありません!」

「そう言ってますけど……」

「あずにゃんは照れてるだけだよ!」

「それでは、あなたはロリコン……」

「だ、だから、私はロリコンじゃありません!!」

「ロリコンではない、と。ではその子とは何の関係もないと」

「あ、いえ、そういうわけでもありません。い、一応、恋人(仮)ですけど、私はロリコンではありません」

「分かったかい。これで、あずにゃんとお付き合いが出来ないってことが」

「……なにか、勘違いしてませんか?」

「はい?」

「私が付き合ってください、って言うのは交際ではなく、お茶会ですけど」

「……まぎらわしい言い方をしないで下さいよー」
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:18:38.59 ID:pv43EmZz0
「すいません。最近、ジム内で同性同士の恋愛が流行していまして、それに嫌悪感を抱かれないかと思いましてね。それにあまり、人を誘うには慣れてなくて」

「まあ、いいんですけどね」

私はエリカさんの入れてくれたハーブティを飲みます。

「美味しいかしら?」

「はい、美味しいですね」

「そう、それは良かったわ。実はここで採れたの」

「それはすごいですね。……でも、何でお茶に?」

「マサラタウンから来たということで、あなたからも話を聞きたいって思って」

「『も』ってことは、他にも誰かから、聞いたんですか?」

「そうですね、澪さん、律さん、紬さんという方々から、話を聞きました」

「そうですか」

やっぱり、もうこのジムのリーダー、つまり、この人にも勝ったってことですね。

「いいですよ。でも、何から、話しますか」

「時間もそんなにありませんし、聞きたい話があるんです」

「何ですか?」

「あなたとポケモンである、その子とどのような経緯でお付き合いをすることになったのかなって」

「……それはさすがに……」

「いいよ、私がお話をしてあげ……もが」

私は余計なことを言い出しそうな、ゆい先輩の口を塞ぎます。
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:19:37.68 ID:pv43EmZz0
「それより、ゆい先輩がポケモンって、よく分かりましたね」

「聞いたことがありませんか?ジムリーダーの間で噂になってるって」

「そういえば、マチスさんに聞いた気がしますね」

「なんでも、奇妙な技を使うとか」

「そうですね」

トレーナーの私ですら、把握できませんからね。

「さて、一息入れましたところで、早速、始めましょうか」

「あ、はい。よろしくお願いします」

「それで、ルールは3対3。より、多く勝った方が勝ち。掛け金は1万円。以上でいいかしら?」

「はい」

「では、バトルフィールドに行きましょう」

エリカさんに案内されてフィールドに来ました。今回のフィールドは草原ですね。草が生い茂っています。

「それでは始めましょう」

ゾク。

エリカさんはバトルフィールドに立つと、雰囲気が急に変わりました。さっきまでの、優しい雰囲気ではなく、今までのジムリーダーと同じ、いや、それ以上の殺気を放っています。私はその殺気に怖気づきそうになりますが、それでも、しっかりと、エリカさんを見つめ、

「はい。勝負です」

と、答えました。

「それでは、両者、準備はいいですか」

審判が宣言します。

「ええ」

「はい」

「それでは……」

「「「バトルスタート!!」」」
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:21:28.33 ID:pv43EmZz0
「来なさい、ウツボット」

「来て下さい、ヘルガー」

エリカさんの初手はウツボットですか。タイプなら、こちらが有利ですね。

「ヘルガー、かえんほうしゃです」

ヘルガーはウツボットに口からだすほのおで、攻撃を仕掛けます。

「なるほど。いきなり、弱点を突いてきますか。……でも、それだけでは勝てませんよ」

「!?」

ヘルガーの攻撃はウツボットの葉っぱの壁みたいなもので防がれました。これはまもる攻撃!?

「かまいません、もう一度、かえんほうしゃ」

「無駄ですね」

「!?」

かえんほうしゃを繰り出すかと思った、ヘルガーは目をショボンとして、眠りだしました。

「ぐう〜、ぐう〜」

「そんな、一体何が……」

「ウツボット、やどりきのタネ」

ウツボットから発射されたタネがヘルガーに命中し、ヘルガーから、エネルギーを吸い出します。

「くっ、ヘルガー起きてください」

しかし、ヘルガーはぐう〜ぐう〜と寝るばかりで、やどりきのタネからエネルギーを吸い出されるだけです。

「ウツボット、ヘドロバクダン」

ウツボットから、出されるヘドロが寝ている、ヘルガーに命中し、ジュー、ジューと音を立てます。

「……へ、ヘルー」

ようやく、ヘルガーが目を覚ましますが、やどりきのタネのダメージと ヘドロバクダンのダメージが効いています。

484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:22:01.14 ID:pv43EmZz0
「でも、弱点ではこちらが有利です。ヘルガー、ウツボットに接近しながら、かえんほうしゃ」

ヘルガーのかえんほうしゃがウツボットに向かいますが、ヘルガーの攻撃はウツボットの葉っぱの壁みたいなもので防がれました。また、まもる攻撃ですか。

「でも、それは計算のうちです。ヘルガー、ほのおのキバです」

ヘルガーはウツボットに接近しながら、かえんほうしゃで攻撃していたので、すぐに次の攻撃につなげることが出来ました。これだけ近ければ、もう一度、まもる攻撃は出来ません。

「なるほど、かえんほうしゃは囮ですか。……でも、甘いですよ」

「ヘ……ルガー」

ヘルガーの攻撃がウツボットを襲う前に、再び、ヘルガーは寝てしまいました。一体何が……。

「もう、お終いですね。ウツボット、リーフブレード」

ウツボットは素早く、自分の葉っぱでヘルガーを斬りつけ、ヘルガーはそのまま、気絶してしまいました。

「ヘルガー、戦闘不能。ウツボットの勝ち。ハルカ、1ポイント、1対0」
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:24:38.45 ID:pv43EmZz0
「戻ってください、ヘルガー。それにしても、一体、どうして……」

「甘いですね、梓さん」

ウツボットをモンスターボールに戻しながら、エリカさんは言います。

「ウツボットがまもる攻撃をするのと同時に、ねむりごなを出してただけです」

なるほど。それで、急に寝だしたんですね。それにしても、エリカさんは今までの三人よりも強いですね。気が抜けません。

「それでは、2回戦です」

「来て下さい、ハッサム」

「次はモジャンボです」

486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:26:50.45 ID:pv43EmZz0
もう、後がない、この戦い。まずは先制を取る必要がありますが、さっきのように、やられる可能性もあり、慎重にすべきですね。

「なるほど、さっきのようにやられたくないので、様子見ですか」

「!?」

「そっちが来ないなら、私が仕掛けます。モジャンボ、げんしのちからでハッサムに攻撃」

モジャンボが先手を打って、ハッサムに攻撃を仕掛けます。

「迎え撃ってください、アイアンヘッド」

モジャンボの攻撃とハッサムの攻撃がクロスします。どちらにも、ダメージがあったようです。しかし、さっきのように、こっちに攻撃させて防御して、反撃とは違いますね。さすがに私に教えた戦法は取ってこないでしょう。

「ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムはすぐに切り返し、モジャンボに向かいます。そして、ハッサムの鋭いはさみがモジャンボのツルごと、殴り飛ばします。

「失敗は繰り返すものね」

「……サム」

ハッサムがさっきのヘルガーのように、眠そうにしています。

「一度、相手に教えた戦術は来ないと思ったのかしら」

この人はバトル前の優しい雰囲気とは全然違います。とてつもなく、えげつないです。

「サム!」

眠そうにする、ハッサムは首を勢いよく振り、寝ないようにしています。しかし、その隙を突いて、モジャンボが自分のツルをハッサムに巻きつけて、そのまま、上に持ち上げます。
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:27:35.24 ID:pv43EmZz0
「モジャンボ、ハッサムをたたきつけなさい」

エリカさんの命令でモジャンボはそのまま、地面にハッサムを叩きつけます。

「でも、ハッサムははがねタイプ。この技はあまり効かないはず」

「そうね。一回だけじゃ無理ね」

モジャンボは再び、ハッサムを叩きつけるべく、上に持ち上げます。

「でも、何回もやってれば、そのうち、ギブアップするわよね?」

「くっ、ハッサム!」

モジャンボはハッサムを何度も、叩きつけます。一体、どうすれば……。

「サムちゃん、おんがえしだよ!!」

私が諦めかけた時、ゆい先輩が叫びました。その声に反応したのか、ハッサムの目に光が戻ってきました。

「サム!!」

ハッサムはモジャンボがハッサムを叩きつけるべく、上に持ち上げた時に自分をしめつけていた、ツルを強引に引きちぎりました。
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:28:31.08 ID:pv43EmZz0
「な!?」

「今です、ハッサム。つばめがえし!」

ハッサムの鋭いハサミが、モジャンボのツルごと体を引き裂きます。ハッサムはその攻撃を、モジャンボに何度も喰らわせます。

「梓さん。調子に乗りすぎるのはいけませんよ」

「!?」

突如として、ハッサムの動きが痺れているように鈍りました。あの劣勢の中でも、モジャンボはこなを、……しかも、今度は、しびれごな!?

「でも……」

「?」

「そんなの関係ありません。ハッサム、このまま、力押しです。シザークロス」

ハッサムは両手をクロスさせて、モジャンボに向かいます。

「モジャンボ、もう一度、ツルを絡めて!」

モジャンボはツルを、ハッサムに絡めようとしますが、ひざをガクッと地面についてしまいました。

「な!?」

「私のハッサムもダメージの蓄積もありますけど、エリカさんのモジャンボも、さっきの攻撃のダメージが蓄積させてるんですよ」

ハッサムは両手のハサミで、モジャンボを切り裂き、そのまま、モジャンボは倒れました。

「モジャンボ、戦闘不能。ハッサムの勝ち。梓、1ポイント、1対1」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:29:18.05 ID:pv43EmZz0
「やりますね、梓さん。おんがえしという技は、トレーナーとのなつき具合で威力の変わる技。よほど、あのハッサムを大切に育ててるんですね」

「あ、ありがとうございます」

「でも、まだ、勝負はついてませんよ」

「ええ」

「それでは、最終戦です」

「最後ですよ、ラフレシア」

「こっちは……ゆい先輩。お願いします」

「うん、任せてよ〜」

「いよいよ、噂のあなたの力が見れるんですか。さっきの指示といい、あなた達はいいコンビですね」

「それは当然だよ。恋人だもん」

「恋人(仮)です」
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:30:34.53 ID:pv43EmZz0
「さて、始めますか。……ラフレシア、メガドレイン」

ラフレシアがゆい先輩に迫ってきます。

「今日の私は一味違うよ。出てきて、ゆいぐるみ!」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン

ゆい先輩の合図でゆい先輩のぬいぐるみが次々と出てきました。久しぶりの奥義ですね。

「では、ミュージックスタート(ふわふわ時間を想像して下さい)」

たくさんのゆいぐるみが次々とラフレシアに攻撃してきます。

「これがこの子の奥義……!?」

エリカさんが驚愕してる間にも、次々攻撃をラフレシアに仕掛けていきます。

「すごい攻撃ですね。でも、この程度ではありませんよ。ラフレシア、はなびらのまい」

ラフレシアははなびらを散らせながら、ゆいぐるみに舞うように攻撃していきます。みるみるうちに、ゆいぐるみを粉砕しました。

「くっ!さすがだね、エリカさん」

「そ、そんな。ゆい先輩の奥義の一つが破られるなんて……」
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:31:03.34 ID:pv43EmZz0
「これで、終わりですか。ラフレシア、はなびらのまいでゆいちゃんを攻撃!」

ラフレシアは今度はゆい先輩に標準にして、こっちに向かってきます。

「まだ、私の奥義は破られてないよ。ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃん☆ルーレット』」

ゆい先輩の頭上に1〜12、計12マスのルーレットが出てきました。

「この奥義は当たった番号によって、いろいろな技を出せるんだよ。さて、早速、ルーレットスタート」

ルーレットが回り始めます。

「う〜ん、ストップ!」

ゆい先輩の合図で、ルーレットが止まりました。数字は1。

「1か。では、スタート」
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:31:58.37 ID:pv43EmZz0
『お正月』

『あけましておめでとうございます、あずにゃん』

『あけましておめでとうございます、ゆい先輩』

『挨拶も済ませたし、では早速……』

『初詣でですか?』

『ゴロゴロしよう』

『……はい?そんなのいつでも、出来るじゃないですか』

『だって、あずにゃん着物着てくれないんだも〜ん』

『なにを拗ねてるんですか』

『つ〜ん』

『せっかく、ゆい先輩との初詣を楽しみで来たのに』

シュン。

『あずにゃん、何してるの。早く行くよ』

『はやっ』

そして、神社に。

パンパン。

『何をお願いしたの、あずにゃん?』

『けいおん部に新入部員が入ってくれますようにって』

『そっか』

『唯先輩は?』

『私はこれからも、あずにゃんと仲良く出来ますようにって』

『なっ……。もっと、他にお願い事があると思うんですけど』

『そうかもしれないけど、私はあずにゃんとずっと一緒にいたいし』

『……唯先輩』

『……あずにゃん』
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:32:31.08 ID:pv43EmZz0
「ラフーーー」

いつもの寸劇が終わると、鏡餅がラフレシアに降って来て、つぶされました。

「あの、ゆい先輩。今の劇は?」

「ただのお正月の光景だよ?」

「……百歩譲って、それはいいんですけど、今の劇と鏡餅の関係は?

「どっちも、お正月に関係あるじゃない」

「そんな理由ですか」

「さて、次のルーレットスタート。……次は10か。さて、スタート!」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:33:08.53 ID:pv43EmZz0
『さつまいも』

『今日は、さつまいもをもらってきたんだ。あずにゃん、一緒に食べよう』

『それはいいんですけど、生ですよ』

『知ってるよ。だから、今から、焼き芋をするんだよ』

『それはいいですね。じゃあ、まずは落ち葉を集めましょう』

『うん』
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:33:39.25 ID:pv43EmZz0
「ラフレシア」

さっき、鏡餅に潰された、ラフレシアが立ち上がろうとしています。

「ラフレシア、のんびりとしている、今がチャ……」

『あ、いい葉っぱ、みっけ』

必死に落ち葉を集めてた、劇中の唯先輩(大)がラフレシアを掴み、引きずっていきます。
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:34:30.50 ID:pv43EmZz0
『これでいいね』

『そうですね。じゃあ、火をつけましょう』

そして、劇中の『私』は集めた落ち葉とラフレシアに火をつけ始めます。

『ギャーーーーーーーーーーーー』

ラフレシアが燃えてる間に、焼き芋ができました。

『パクパク、おいしいね』

『そうですね』

『……アーン』

『なんですか、突然』

『食べさせあいっこしようと思って』

『何を恥ずかしいことを言ってるんですか』

『まあまあ。アーン』

『……アーン、パク。モグモグ』

『おいしい?』

『……はい、とっても』

『おっと、そういえば、火を消さなきゃね』
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:35:02.07 ID:pv43EmZz0
「キャーーーーーーー」

場面が転換し、ちっちゃいゆい先輩がさっきから、燃えて苦しんでる、ラフレシアにどこからか持ってきた消防車のホースでラフレシアに水をあてます。

「ふう〜、火はちゃんと消さなきゃね」

いくら、効果はいまひとつとしても、消防車の水はなかなかの勢いなのでそれなりにダメージを与えてますね。

「次が最後かな?ルーレット、スタート!……2だ。では、スタート」
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:35:39.65 ID:pv43EmZz0
『節分』

『早速、始めようか』

『はいです』

『おにはーそとー』

『ふくはーうちー』

ゆい先輩(大)と『私』はラフレシア……ではなく、後ろにむかって、豆をまき始めます。ラフレシアは安心しきったのか、はなびらのまいで劇中の『私』達を無視し、ゆい先輩(小)に向かおうとします。
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:37:20.25 ID:pv43EmZz0
「ちゃんと豆まきしないと駄目だよ。じゃないと、鬼さんが来るんだよ」

ゆい先輩(小)は呟きます。ラフレシアの攻撃がゆい先輩(小)に迫る直前に、ラフレシアは後ろから、掴まれたのか、急に動きが止まりました。

「ラフレシア」

ラフレシアが後ろを振り返ると、顔が人みたいで、体全体が青っぽい化け物が立っていました。

「ほら。ちゃんと、豆まきしなかったから、あ○おにさんが来ちゃったよ」

あの、化け物みたいのは、口をパクッと開けて、ラフレシアを襲い掛かりました。

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

今までで一番の叫び声をあげます。そんな中、劇中の『私』達は……
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:37:46.43 ID:pv43EmZz0
『豆まきも終わったし、年の分だけ、豆を食べよう』

『なんでも、地域によっては自分の年数よりも一個多く食べると、体が丈夫になって、風邪を引かないっていうところもあるらしいですね』

『そうなんだ〜。あずにゃんは物知りだね〜』

ナデナデ。

『……えへへ』
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:38:30.79 ID:pv43EmZz0
と和やかな雰囲気をしています。その一方で、ラフレシアは食べられないように抵抗を繰り返しているんですから、すごい光景ですね。しかし、ゆい先輩の体力が尽きたのか、ルーレットが消えて、劇中の『私』達やあ○おにさんも消えました。

「ラフ……」

ラフレシアも体力は少ないですが、それでも、何とか、立ち上がります。

「さすがに強いね。出てきて、ゆいぐるみ!」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン

再び、ゆいぐるみを出す、ゆい先輩。

「でも、ゆいぐるみの奥義はさっき破られたんじゃ……」

「さっきとは違うんだよ、あずにゃん。では、ミュージックスタート(ふわふわ時間を想像して下さい)」

もう一度、ゆいぐるみの攻撃がラフレシアに迫ります。しかし、さっきとは違い、ラフレシアは抵抗できずに、殴られ放題です。
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:39:17.39 ID:pv43EmZz0
「さっきは体力満タン。でも、今は立っているのもやっと。状況が全然違うよ」

なるほど。確かにそのとおりですね。

「ふわふわ時間、ふわふわ時間」

このフレーズになると、たしか、ゆいぐるみが上に行くんですよね、たしか。そう思って、見ても、ゆいぐるみは上に行かずにラフレシアに集まります。そして、ラフレシアを胴上げし始めます。その高さはだんだん高くなっていき、天井くらいまで上がりました。ラフレシアの重さもあり、すごい勢いで落下してきます。

「くらえ、ゆいちゃん真拳奥義『ふわふわ☆胴上げ』」

ラフレシアは落下してきますが、ゆいぐるみは受け止める気配もなく、そのまま、地面にラフレシアは叩きつけられて、動かなくなりました。

「ラフレシア、戦闘不能。ゆいの勝ち。梓、1ポイント、1対2。よって、この勝負、梓選手の勝ちです」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:40:33.15 ID:pv43EmZz0
「やった〜」

「すごい。……これが、ゆいちゃんの力なのね。完敗だわ」

ふう〜、今回も勝ちましたね。やれやれです。

「やったよ〜、あずにゃ〜ん」

ピョコピョコッと、駆け寄ってくる、ゆい先輩。

「よくやりましたね」

「そうでしょ、そうでしょ」

ちょっと、興奮して言うゆい先輩。

「私、頑張ったよ、いつもより」

「いつもそうして下さいよ」

「参りましたね」

エリカさんが近寄ってきます。

「まさか、こんなに強いなんてね」

「えへへ〜」

「では約束のバッチですね」

私はエリカさんから、レインボーバッチをもらいました。

「素晴しいバトルでしたね」

エリカさんは手を差し出してきます。

「あ、ありがとうございます。エリカさんもとっても、強かったです」

私もその手をギュッと握手を交わします。

「ありがとう。よければ、また、バトルしてね。その時にはもっと、強くなってみせるわ」

「はい。私も今よりも強くなります」

「それは楽しみね」
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:41:21.17 ID:pv43EmZz0
私達はタマムシジムを後にします。

「明日はデ〜ト、デ〜ト」

私の頭の上で、楽しそうに、鼻歌を歌うゆい先輩。

「楽しそうですね」

「うん!当たり前だよ〜。あずにゃんとデートだもんね〜」

嬉しそうに言うゆい先輩。といっても、ずっと、2人(?)で旅をしてるんですから、今更、そんなに喜ばなくても、いい気がするんですが、と言おうとしましたけど……。

「えへへ〜」

嬉しそうに笑うゆい先輩を見て、

「私も楽しみです」

そう言いました。
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/17(金) 17:44:36.57 ID:pv43EmZz0
タマムシシティ編@ 「VSエリカ」終了

>>484 訂正 ハルカ→エリカ
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/17(金) 19:52:43.67 ID:hS+2pa8AO
乙!
エリカ様はやはり百合でしたか
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/18(土) 13:48:28.19 ID:SlRhjTzyo
えぐい攻撃するなww
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:00:43.91 ID:1ik8bSfD0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ カポエラー

純     うい

タマムシシティ編A 「嵐の前の休息」 以下、投下
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:01:45.09 ID:1ik8bSfD0
こんにちは、中野梓です。今、私はポケモンセンターの前にいます。

「そろそろかな?」

私は腕時計を見る。9時45分ですね。ゆい先輩との待ち合わせの時間は10時なのでもうすぐ来ますね。どうして、待ち合わせをすることになったのか、昨日のことに遡ります。
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:02:34.06 ID:1ik8bSfD0
昨日の夜

「ルンルンル〜ン」

気分よく、鼻歌を歌いながら、明日の準備をしています。

「明日は何時くらいに出ましょうか」

私が問いかけると、ゆい先輩はやれやれ、といった感じで、答えました。

「あずにゃん、分かってないよ」

「何がでしょうか?」

「デートっていうのは、待ち合わせから始まるんだよ」

「そうなんですか?」

「そうなんだよ!」

力強く言う、ゆい先輩。まあ、私自身そんな経験もありませんから、よく分かりませんけど。

「普通にここから、一緒に行ったほうが効率的な気もするんですけど」

「あずにゃんよ。デートに効率性を求めてはいけないんだよ」

「は、はあ」

「とにかく、明日は待ち合わせしてから、一緒に行こう」

「でも、どこでですか?」

「とりあえず、ポケモンセンターで10時に待ち合わせをしよう」

「分かりました」
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:03:35.14 ID:1ik8bSfD0
というわけで、ポケモンセンターの前で待ってるんですけどね。時計を見ると、9時50分。そろそろ、来るでしょうか。

「あずにゃ〜ん」

そんな声とともに、ピョコピョコと走ってくるゆい先輩。

「ハア、ハア……お待たせ。待たせたかな?」

「まあ、少しだけですけど……」

「あずにゃん、ここは『私も今来たとこです』って言うところじゃないのかな?」

「なにを言ってるんですか。そんなに形に拘らなくても、楽しければいいじゃないですか」

私が言うと、ゆい先輩は虚をつかれた顔をして、

「そうだね」

と言いました。
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:04:03.61 ID:1ik8bSfD0
「私、デートとかしたことなかったから、ついつい、興奮しちゃって……。そうだね、楽しく行こう」

笑顔で私に言う、ゆい先輩。

「では、行きましょうか」

「待って、あずにゃん」

「何ですか?」

私がゆい先輩の方を向くと、ゆい先輩は手を出してくる。

「手をつないで行こう」

「……はい」

私はゆい先輩の小さい手を握って、タマムシデパートに向かいました。
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:04:47.69 ID:1ik8bSfD0
そして、タマムシデパートに。

「大きなデパートだね」

「そうですね。何階から行きましょうか?」

「えーと、特に決まってないし、1階から、順番に回って行こうよ」

というわけで、1階から、回って行くことにしました。
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:05:47.77 ID:1ik8bSfD0
1階

「ここはサービスカウンターみたいですね」

「そうみたいだね。あ、あそこに案内板があるよ」

「行ってみましょう」

案内板を見てみると、1〜5階、それに屋上といった感じで、意外に小さいんですね。まあ、今まで、マサラタウン暮らしで大きな建物もそんなに見てこなかったんですけど。

「あずにゃん、あずにゃん」

「なんですか、ゆい先輩」

「今、私達は手を繋いでるよね」

「そうですね。でも、それが何か?」

「周りから、どう見えてるのかな?もしかして、恋人同士とかに見られてたりしないかな?」

ちょっと、興奮気味に言うゆい先輩。

「どうでしょうね」

多分、仲のよい姉妹か従姉妹同士に見えるんでしょうね。ゆい先輩が同じくらいなら、別の見方もあったのかもしれませんが、容姿が幼稚園児
ではね。さすがにご機嫌なゆい先輩には言えませんけど。

「じゃあ、2階に行こうか」

「はい」
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:06:38.57 ID:1ik8bSfD0
2階

2階にはトレーナーズマーケットとして、ボールやキズグスリ、ドラッグストアとして、タウリンなどの能力値アップの道具や、ディフェンダーなど戦闘中に能力アップさせる道具が売っているみたいですね。

「町のショップとは違うね」

「それはそうですよ。町のショップの本店らしいですし」

「何か、買い物する?」

「そうですね……」

私はバックを見てみる。少し、ボールやきずぐすりも補充しておいた方がいいかもしれません。

「じゃあ、しましょうか」

「うん」

私達はとりあえず、店内を回ることに。

「あ、あずにゃん。これ、な〜に?」

ゆい先輩が持っているのは、ディフェンダーですね。

「それはディフェンダーですね。それを戦闘中に使用すると、防御力がその戦闘中だけですけど、防御力が上がるんですよ」

「ふ〜ん、なんか、使いづらそうだね」

「そうですね。だから、あんまり使われないんですよね」

「そっか〜、あずにゃんは物知りだね」

「そ、そうですか」

「あ、照れてる。可愛い〜」

「う、うるさいです。サッサと棚に戻してください」

「はーい」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:08:30.87 ID:1ik8bSfD0
3階

3階は洋服が売ってるみたいですね。

「あずにゃん、服を買おう」

「そうですね、高いのは無理ですけど、私もほしいです」

「じゃあ、行こう」

私達は洋服売り場に入りました。

「どの服がいいかな?」

私が選んでいると、

「……あずにゃん」

ゆい先輩の沈んだ声が聞こえてきました。

「どうしたんですか?」

「大変なことに気がついたよ」

「何に気がついたんですか?」

「ここには、私に合う服がないんだよ」

「ああ……」

ゆい先輩は18歳といっても、見た目は幼稚園児ですしね。

517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:09:13.40 ID:1ik8bSfD0
「では、子供服売り場にでも、行きますか」

「それはさすがに……」

「私もついて行きますし」

「うぅ、なら、いいかな?」

とりあえず、子供服が売ってる場所に来ました。

「どれがいいかな?」

ゆい先輩が1着1着、丁寧に探しています。その、後姿がなんともいえませんね。

「どうしたの?」

「何がですか?」

「何か、ニヤニヤしてたから」

「気のせいですよ」

「そうかな?」

「そうですよ」

「なら、いいけど」

怪訝な顔をしつつも、再び、服を選び始めます。いけない、いけない。どうやら、考えてたことが表情に出てたらしい。自重しないといけませ
んね。そうこうしてるうちにゆい先輩の服も選び終わりました。

「では、レジを済ませて、次の階に行きますか」

「待って、まだ、欲しい物があるの」

「何ですか?」

「下着〜。あずにゃんを誘惑できるようなセクシーなのが欲しいんだ」

「……3枚で1000円とかそういうのでいいですよね」

「冗談だから、怒んないでよ〜」
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:10:26.14 ID:1ik8bSfD0
4階

4階はかみなりのいしなどの石類や技マシンが売ってるみたいですね。後は人形とかそんなのですか。

「ピッピにんぎょうだ〜。可愛いね〜」

ピッピにんぎょうを抱っこするゆい先輩。

「そうですね。そういえば、ゆい先輩のぬいぐるみって、どこに保管してるんですか?」

「あれは……なんていうんだろ。ドラ○もんのポケット的な場所かな?」

「つまり、別次元ですか」

「そうだね」

「あれはどこに売ってるんです?」

「あれは、非売品だよ。……あ、あずにゃんも欲しいの?でも、あずにゃんには、ぬいぐるみなんかなくても、私がいるじゃない」

そう言うと、ピッピにんぎょうを置いて、私の足に抱きついてくるゆい先輩。

「キャッ。……もう、いきなり、抱きつかないで下さい」

「えへへ〜、あずにゃ〜ん」

スリスリ。

「顔を擦り付けないで下さい!」

「嫌がることないんだよ〜」

「もう!早く、次に、行きましょう」

「え〜。後、ちょっと〜」

「駄目です。さあ、行きますよ」

私はゆい先輩を引き離し、先に進みます。

「待ってよ〜、あずにゃ〜ん」
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:11:18.94 ID:1ik8bSfD0
5階

5階は書店や飲食店のようですね。時間も、ちょうどお昼過ぎですし、ここで昼食にでもしましょう。

「なにか、食べたいものはありますか?」

「う〜ん、どうしようかな?たくさんあって、迷っちゃうよ。あずにゃんは何がいい?」

「私はこれといって、食べたいものもないんですけどね」

「むう〜、何でもいいってことだね。つまりは昼食は私の判断で決まると」

「そうですね。でも、決められないなら、私が決めますけど」

「いや、大丈夫。私が決めるよ」

フンス、と気合を入れる、ゆい先輩。正直、そこまで、気合を入れなくてもいいんですけどね。

「じゃあ、あそこにしよう」

ゆい先輩が指差したのはケーキが美味しいと有名なお店ですね。

「でも、昼食にケーキは……」

「嫌?」

「……まあ、たまにはいいですよね」

私達はお店に入りました。
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:12:25.08 ID:1ik8bSfD0
「たくさんあって、参っちゃうよね。どれにしようか、あずにゃん」

「……」

「一通り、食べてみたいとは思うけど、どうしようか、あずにゃん」

「……」

「どうしたの、あずにゃん」

「? どうしたの、あずにゃん」

「……ゆい先輩、1つ聞いていいですか?」

「な〜に?」

「どうして、私の膝の上に座ってるんですか?」

「いや〜、小さい体を利用しようかなって。大きかったら、出来ないし」

「それは間違っていませんけど」

実際、大人とかがこんなことしてる人がいたら、ドン引きですよね。

「それを食べさせっこする時に、私の大きさだと大変だし」

「……待って下さい。食べさせっこというのは……」

「お互いに、ア〜ン、パクって、食べさせることだよ」

「そんなに眼を輝かせて言われても」

「そんなことよりも、私はこれとこれとこれを注文するね。あずにゃんは?」

「そんなに食べられないでしょう。私はいいですよ」

「そう?まあ、足りなかったら、また、頼めばいいかな」

そう言って、店員を呼んで、注文を始めました。まったく、やれやれです。
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:13:08.24 ID:1ik8bSfD0
屋上

昼食後、屋上のベンチで一休みです。

「おいしかったね、あずにゃん」

「私は食べた気がしませんでしけどね」

ケーキがきてゆい先輩に押し切られるように、お互いに食べさせあいっこをしたら、周りの人の温かい目を集中的に浴びてましたからね。屋上は、お客さんがゆっくり出来るようなスペースみたいですね。

「いい気持ちだね〜」

「そうですね〜」

ちょうどよい日ざしと食後ということもあって、眠くなってきそうですね。

「う〜ん」

そんなことを思っていると、ゆい先輩がグテーと私の膝の上に頭を乗せて、ムニャムニャと眠り始めました。

「やれやれですね」

気持ちよさそうに眠る、ゆい先輩の頭を撫でてみる。ゆい先輩は気持ちよさそうな寝顔ですう、すうと可愛らしい寝息を立てて寝ています。

「たまにはいいよね、こんな一日も」

可愛らしいゆい先輩の寝顔を見ながら、そんなことを思いました。
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/18(土) 21:13:46.95 ID:1ik8bSfD0
タマムシシティ編A 「嵐の前の休息」終了
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/18(土) 23:34:46.99 ID:ck043OPAO

更新早いな
今回も良かった
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 06:36:05.86 ID:3jXJSKYDO
乙!!

サブタイから予測される次回内容が気になるじぇ・・・
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/19(日) 09:34:22.47 ID:tGeKML7Ro
乙〜
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:12:22.75 ID:W+blAKWT0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                    ボックス  
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ カポエラー

純     うい

タマムシシティ編B 「防衛×賭博×潜入」 以下、投下
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:13:21.75 ID:W+blAKWT0
「ゆい先輩、起きて下さい」

「う〜ん、後、五分〜」

「寝ぼけてないで起きて下さい」

「……仕方がないな〜。……ん?ここはどこ?私は誰?」

「何をベタなことを……。ここはタマムシデパートの屋上で、あなたはゆい先輩です」

「そうだったね。あ、私はあずにゃんとデートしてたんだったね。次はどこに行こうか」

「そうですね〜、まあ、まずは夕食ですね」

「夕食?やだな〜、あずにゃんたら。さっき、ケーキを食べたばかりじゃない。もう、食いしん坊なんだから〜」

「ゆい先輩。まだ、寝ぼけてるんですか。周りを見てください」

「ほえ……わ〜、綺麗な夕日だね。時間も5時だし、良い子は帰る時間だよ〜。……えっ!あずにゃん、これは一体どういうこと!?」
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:13:55.37 ID:W+blAKWT0
「どういうことも何も、ゆい先輩が寝ていたということですよ」

「わ〜ん、貴重な一日が潰れちゃったよ〜」

シクシク

「泣かないでくださいよ。……また、デートをすればいいじゃですか」

「え?また、デートしてくれるの!?」

「……一応、恋人(仮)ですからね。仕方がないです」

プイ

「わ〜い、わ〜い」

「納得してくれたなら、結構です。それじゃ、行きましょうか」

「うん」
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:14:47.15 ID:W+blAKWT0
タマムシシティにある、とある料理店

こんばんは、秋山澪だ。私は、律とムギと一緒にタマムシシティにある、とある料理店のお座敷で食事をしている。

「久しぶりだな、澪、ムギ」

「ああ、久しぶり」

「研究所からどれくらいになるのかしらね」

「まあ、積もる話もいろいろあるだろうけど、まずは本題に入ろう」

その律の一言で場に緊張感が走る。そう、私達は仲良く再会を祝うために集まったわけではないのだ。

「さて、諸君。私達は、ある一つの条約を結んで、今まで、やってきたわけだが、ここで、一つ、大きな障害が現れたわけだ」

私達は不毛な争いを避けていくために、博士の研究所を出発する半年前から結ばれたものだ。
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:15:55.02 ID:W+blAKWT0
「それで、ムギ。最後に会ったのはムギだったよな。あの2人の様子はどうだった?」

「かなりの信頼を寄せているようだったけど、そこまでの関係ではないと思うわ」

「ふむ」

「さすがに心配しすぎな気がするんだが。あくまでも、トレーナーとポケモンの関係だろ?」

「甘いな、澪。あれは相当に好きなはずだ。私が会った時点でも、そうだったんだから、今はもっとすごいかもしれない。だからこそ、対策が
必要なんだ」

「そうは言ってもどうしようかしら、りっちゃん」

「それを話し合うために集まったんだけどな」

しばしの沈黙が流れる。本人に会う機会がないのだから、対策のしようがないのだ。まあ、私に言わせれば、心配しすぎな気もするけどな。

「……私はちょっと、トイレに」

私はトイレに向かう。同性愛者かどうかは別にしても、ロリコンではないだろう。たしかに、性格も明るくて、年も18歳だとしても、容姿は幼稚園児だったし。そういえば、男がそんな容姿の子と付き合いたいとか、言い出したら確実にロリコンだろうけど、女の人の場合もロリコン
なのだろうか。まあ、そんな人が現実にいないだろけど。私はトイレを済ませ、律たちの所に戻ろうとした時、

「今日はここで夕飯なの?」

「ここは美味しいと評判みたいですからね。ちょっと、金銭的には厳しいですけど、食べてみたいな、って」

聞きなれた声が聞こえたので、振り向くと、

「あ、梓」

「あ、澪先輩」
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:16:49.13 ID:W+blAKWT0
「皆さん、お久しぶりですね」

私達はたまたま、やってきた料理店で律先輩達に会い、一緒に食事をすることになりました。

「ああ、久しぶり」

「ハナダシティ以来だよな」

「……梓ちゃん、サントアンヌ号の時は……」

「あ、気にしないで下さい。私のせいで、あの場に長く足止めされるより、旅を続けてくれた方がいいですし」

「そう言ってくれるなら、いいけど……」

「それにしても、皆さんはどうして、ここに?もしかして、待ち合わせですか?だとしたら、誘ってくれれば、よかったのに……」

「いや、たまたまだよ。なあ、澪、ムギ」

「そうだよ、たまたまだよ」

「ええ」

「それに、一緒に集まるなら、梓も誘うよ」

「そうですよね。……すいません、へんなこと聞いて」

「気にしなくていいよ。……それよりも、聞きたいことがあるんだ」
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:17:32.55 ID:W+blAKWT0
「何ですか?」

「……いつも、ゆいを膝において、食事をするのか?」

私がスルーしてほしかったことをズバッと言われてしまいました。まあ、逆の立場でも同じ事を聞いたでしょうけど。

「それは……」

「それは私たちが恋人同士だからだよ〜」

私の言葉を遮り、ゆい先輩が言い出しました。

「ゆい先輩、誤解させるようなこと言わないで下さい」

「……私との関係は誤解だったの、あずにゃん」

ゆい先輩は目をウルウルさせながら、見上げてきます。……その顔は卑怯ですよ。

「あ、あくまでも、(仮)で……皆さん、どうしたんですか?」
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:18:03.77 ID:W+blAKWT0
律先輩達の雰囲気が急に凍りつきました。しかも、皆さん、殺気を放ってるような気がするんですけど……。

「……梓、今の話は本当なのか?」

低い声で聞いてくる律先輩。

「本当だよ〜。あずにゃんは私の恋人なんだ〜」

恐怖で声の出ない、私の代わりにゆい先輩が答えて、ギュッと、私の胸に顔を埋めて、抱きついてました。

「「「……」」」

ますます、皆さんの空気が……。

「え、えーと、ちょっと、トイレに行ってきますね」

私はゆい先輩を置いて、魔界のような雰囲気の部屋を後にしました。
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:19:08.82 ID:W+blAKWT0
「……やってくれたな、ゆい」

「なんのことだい?」

「とぼけやがって」

「まあまあ、落ち着いて、りっちゃん」

「……………」

「戻ってきて、澪ちゃん」

「………はっ」

「これで、分かったでしょ。あずにゃんは私の恋人なんだから、諦めて、私達を祝福しなよ。それが、このSSを見てくれてるわずかな人々の願いなんだよ」

「? ゆいはなにを言ってるんだ」

「澪ちゃん。深く、気にしちゃ駄目よ」
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:20:34.72 ID:W+blAKWT0
「こうなっては仕方がないな、澪、ムギ」

「やっと、分かってくれたかい、りっちゃん」

「私達は元々、ポケモンリーグで一番成績のよかった奴が、告白して、周りがフォローするという約束でだったんだ」

「そんなルール、私は知らないよ」

「だが、私達はルールを変更することにする。今までのルールはそのままだが、新たにゆいに勝つこと、これをルールに加えることにする」

「わ〜お、私を無視して、話が続いてるよ」

「なるほど、名案だ」

「さすがはりっちゃん」

「ちょっと、待ちなさいな。勝手に話を続けないでよ」

「なんだよ。……あ、そっか。ゆいは弱いから、負けるのが怖いんだな」

「誰もそんなこと言ってないよ。分かったよ、その挑戦、受けてたつよ」

「言ったな、ゆい。後悔するなよ」

「ふん、後悔するのはりっちゃん達だよ。前にも、言ったかもしれないけど、この物語は私があずにゃんのために戦って、愛を掴み取る物語だ
ということを今ので、確信したよ。私は、あずにゃんとの愛をりっちゃん達から防衛しなきゃいけないんだね!私はあずにゃんとの愛を守るために戦うよ!! 覚悟してね、りっちゃん達!!!」

私はりっちゃん達に宣言する。それにしても、私の嫁はもてすぎて困るね、まったく。ま、もてない方がおかしいんだけどさ。でも、こうやって、言い寄ってくる虫さん達も退治していかなきゃいけないんだから大変だよ。愛とは戦って掴み取らなきゃいけないんだね。
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:21:19.23 ID:W+blAKWT0
「ハックション」

誰か、噂でもしてるんでしょうか。さて、戻りたくありませんね。さっきの雰囲気からして。きっと、先輩達も後輩がロリコンという特殊な趣味になってると知ったら(誤解ですけど)、嫌がりますものね。今まで、仲良くして頂いただけに、ちょっと、残念ですけどね。

「すいません、遅くなって……」

「おう、梓。別にいいよ、ゆっくりでも」

あれ?なにか、さっきまでとは全然雰囲気が違いますが……。

「あずにゃ〜ん、抱っこ〜」

ギュッと抱きついてくる、ゆい先輩。

「わ、分かりました」

とりあえず、抱っこしてあげます。それにしても、さっきまでのギスギスした雰囲気もなくなってますし、何なんでしょうか。

537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:23:16.62 ID:W+blAKWT0
その後、夕食を済ませて、店を出ました。

「なあ、皆。明日、タマムシにあるゲームコーナーに行かないか?」

「いいわね」

「あずにゃん、ゲームコーナーって?」

「タマムシで有名な施設の1つで、コインを使って、スロットなどで遊べたり、コインと引き換えに、技マシンやポケモンを手に入れることが
出来る施設ですね」

「へー、面白そうだね」

「私もいいよ」

「私はどうしようかな?」

「あずにゃん、私行きたーい」

「なんだよ、梓。なにか、用事でも?」

538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:24:37.86 ID:W+blAKWT0
「別にそういうわけでもないんですけど……バッチが」

「なんだよ、そんなことか。まだ、時間があるんだし、大丈夫だろ。そういえば、皆は何個ゲットした?。私は7個」

「私は8個」

「さすが、りっちゃん、澪ちゃん。私はちょっと、遅くて6個よ」

「梓は?」

「……4個です」

「「「……」」」

「急に黙らないで下さい! いいですよ。明日、私もゲームコーナーで遊んでやるです」

「そんなにやけっぱちにならなくても」

「いいんです! こうなったら、ゲームコーナーの景品でもレアのポリゴンをゲットしてやるです。やってやるです」

「あずにゃんが燃えてるよ」

「こんな、キャラだったけ?」

「さあ?」
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:25:19.39 ID:W+blAKWT0
次の日、ゲームコーナー

「では、早速遊ぼう……というのはつまらないから、ルールを決めよう」

「なんだよ、普通に遊べばいいだろ」

「それじゃ、つまらない。ここは勝負だろ。ルールは簡単。あらかじめ、コイン100枚を買って、渡しただろ?」

「ああ、あるな」

「ありますね」

「そうだな、ますは各自、いろいろなゲームをして、コインを稼いでいく。13時にここに集合して、一番、枚数の少ない奴が昼飯をおごりな」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:26:05.59 ID:W+blAKWT0
「また、律は……」

「面白そうね」

「いいねえ〜、やろう。もちろん、あずにゃんと私はコンビね」

「というより、ゆいは1人じゃ出来ないからな。お前らは2人で1人だな」

「だから、私とゆい先輩で2人で100枚というわけですか」

「そういうこと。後、夕食も賭けるからな。午前の枚数を引き継いで。最後に、コインを買って、増やすのは禁止な。だから、午前で0枚とかになると辛いぞ。では、スタート。私はスロットに行こうっと」

「それじゃ、私はカードめくりに」

「私はどうしようかな?」

皆さん、別々の方向に行きました。

「私達も行きましょうか」

「そうだね」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:26:55.44 ID:W+blAKWT0
「私達は何をしましょうか」

「そうだねー。……あれ、やりたい」

ゆい先輩が指差したのは……麻雀?

「あれですか」

「そう、あれ」

「でも、私、ルール知りませんよ」

「大丈夫。私は故郷では、人鬼とも呼ばれたし、むこうぶちとも呼ばれてたんだ」

フンス、と得意げな、ゆい先輩。

「なんですか、それ。……まあ、ゆい先輩がやりたいなら、いいんですけど」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:28:32.73 ID:W+blAKWT0
とりあえず、麻雀コーナーに向かいます。それにしても、いろいろなコーナーがあるものです。

「いらっしゃいませ。当コーナーでは、コインのビンタ麻雀です」

「ビンタ麻雀?」

「ビンタ麻雀は差しウマの一種で、特定の点数、当コーナーでは原点25000点ですが、原点以上のプレイヤーとそうでないプレイヤーの間
で支払いが倍になる、ルールです。失礼ですが、ここのゲームコーナーのコインはありますか」

「はい、これですよね」

私は店員さんにコインを見せる。

「結構です。ちなみに、一発は掛け金の10分の1。裏ドラは掛け金の10分の1×その数。役満は掛け金に関係なく、50枚、トビ賞は30枚です」

どうしましょう、まったく、理解できません。今からでも、引き返したいです。そんな中でも、ゆい先輩は『O.K』と言って、やる気満々ですし。
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:29:08.85 ID:W+blAKWT0
「本当に大丈夫ですか?」

私はゆい先輩の耳元に呟きます。

「大丈夫だって、この私を信じなさい」

フンス、と自信満々に言うゆい先輩。私達は店員さんに案内され、席に着きました。

「店員さん、順位ウマは?」

「順位ウマはなしです」

「分かった。早速、始めよう」

「こんな可愛らしいお嬢ちゃん達が相手かい?」

正面に座っていた人が話しかけてきます。横のテーブルにはたくさんのコインが置いてあり、大変景気がよさそうです。
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:29:39.08 ID:W+blAKWT0
「あーあ、可愛そうに」

「ああ、あいつはここでも勝ちまくってる奴だからな」

興味津々ばかりにギャラリーが集まってきました。

「掛け金は……お嬢ちゃん達は初めてみたいだし10枚、東風戦だがいいかな?」

「かまわないよ」

「ところで、お姉ちゃんは幼稚園児のお嬢ちゃんを抱っこしながらやるのかい」

「ええ、まあ」

「くくく、まあ、頑張りな」

その後、簡単に自己紹介をしました。

「じゃあ、早速、始めるか」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:30:12.45 ID:W+blAKWT0
1回戦・東4局(オーラス)

東・小暮さん  17000点
南・佐野さん  45000点
西・成金さん  13000点
北・ゆい先輩  25000点

「嬢ちゃんが2位とはお前ら、情けないな。……ツモ、2000・1000」

東・小暮さん  15000点コイン収支 −20枚
南・佐野さん  49000点        60枚
西・成金さん  12000点        −40枚
北・ゆい先輩  24000点        0枚

「大丈夫ですか、ゆい先輩」

今回の収支はゼロですが、1回もあがれていません。

「慌てなさんな。今は様子見だよ。じゃ、2回戦をやりましょうか」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:31:40.18 ID:W+blAKWT0
2回戦・東4局(オーラス)

北・小暮さん  21100点
東・佐野さん  36900点
南・成金さん  17000点
西・ゆい先輩  25000点

「さっきから、あの嬢ちゃん、振らず、あがらずだな」

「それどころか、鳴きもしないな」

ギャラリーのそんな声が聞こえてきます。本当に大丈夫ですかね。

「嬢ちゃん、ギャラリーは不満だぞ。……どれ、リーチ」

トップの佐野さんがリーチです。

「余裕だな」

「ああ、リーチの必要もないのに」

547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:32:16.52 ID:W+blAKWT0
「……ポン」

突然、佐野さんのリーチ牌をゆい先輩が鳴きました。

「この手を鳴くのか」

私には、よく分かりませんけど、ギャラリーには疑問のようです。

「……ツモ、500・300」

次のゆい先輩のツモで、あがることが出来ました。

「ハッハハハハ、ようやく、あがった手がゴミとはな」

佐野さんは高笑いして、自分の手を広げます。

「……フッ」

ゆい先輩は佐野さんの手を見て、ニヤリと笑います。最早、誰ですか、あなたは。でも、何を笑ったんでしょう、と手を見てみると、佐野さんの待っていた牌はゆい先輩と同じです。しかも、ゆい先輩が鳴いていなければ、一発でツモっています。まさか、ゆい先輩はこれを狙って……。
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:33:05.36 ID:W+blAKWT0
北・小暮さん  20800点コイン収支 −30枚
東・佐野さん  36400点        50枚
南・成金さん  16700点        −50枚
西・ゆい先輩  26100点        30枚

「……レートを倍にしませんか」

突如として、ゆい先輩がそんなことを言い出しました。

「ちょっと、ゆい先輩」

「いいぜ。なんなら、倍なんて言わないで、100枚にしようぜ」

「そうだな」

「ああ、いいぜ。嬢ちゃんは」

「……かまわないよ」
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:34:02.05 ID:W+blAKWT0
そして、3回戦・東一局
南・小暮さん  25000点
西・佐野さん  25000点
北・成金さん  25000点
東・ゆい先輩  25000点

「……リーチ」

「おいおい、いきなりかよ」

佐野さんが切ります。

「御無礼だよ。ロン、一発に裏が1枚のって、18000点。ボーナスで、コイン20枚」

3回戦・東一局・一本場
南・小暮さん  25000点
西・佐野さん  7000点
北・成金さん  25000点
東・ゆい先輩  43000点

「リーチ」

「またかよ」

成金さんが切ります。これで、ロンですね。

「……」

あれ、スルーですか。ゆい先輩はロンせずにツモります。

「御無礼だよ。ツモ、一発で4000オールの一本付け。ボーナスでコイン30枚」

「お、おい。こいつのはスルーかよ」

「ごめんね、ツモれる流れだったから」
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:34:34.03 ID:W+blAKWT0
3回戦・東一局・二本場
南・小暮さん  20700点
西・佐野さん  3700点
北・成金さん  20700点
東・ゆい先輩  55900点

「御無礼だよ、ロン。12000点の2本付け。佐野さんのトビで終了だね。トビ賞で30枚」

南・小暮さん  20700点  コイン収支計 −210枚
西・佐野さん  −16300点         −460枚 
北・成金さん  20700点           −10枚
東・ゆい先輩  68500点           680枚

「続けるかい?」

ゆい先輩が聞きます。

「あ、当たり前だろ」

「そうだ、レートは倍の200枚だ」

「もちろん、受けるだろ」

「かまいませんよ」
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:35:20.64 ID:W+blAKWT0
4回戦・東一局

「御無礼だよ。ツモ、4000点オール」

「くそ。このガキ、止まらない」

4回戦・東一局・1本場
南・小暮さん  21000点
西・佐野さん  21000点
北・成金さん  21000点
東・ゆい先輩  37000点

「その東、ポン(よし、これで、混一色聴牌)」

「……リーチだよ、佐野さん」

(なんだよ、おれを狙い撃ちってか。……ツモは東か)

佐野さんが東を切ります。

「御無礼だよ、ロン」

「えっ!」

「国士無双だよ。佐野さんのトビでトビ賞、役満賞で80枚に、コイン合計は3人合わせて、1280枚だね」

その後、ゆい先輩は掛け金をあげつつ、勝ちまくったのは言うまでもないでしょう。
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:36:21.71 ID:W+blAKWT0
そして、13時。

「では、早速、結果発表だ〜」

パチパチパチパチ。

「まずは、ムギから」

「私は、1000枚かしら」

「お、やるな。暫定だけど、優勝候補だ。次は澪だ」

「私は……110枚」

「なんだよ、たったそれくらいかよ。10枚増やしただけじゃん」

「う、うるさい。律は何枚なんだよ」

「……さて、梓は?」

「おい!」
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:37:44.51 ID:W+blAKWT0
「わ、私は、……約10000枚です」

「そうか、それくら……っておい!なにをやったら、そんなになるんだよ」

「ゆい先輩の隠れた才能というか……」

「で、後は律だけだな」

「りっちゃんは何枚なの?」

「……じゃあ、澪の奢りで飯に……」

「「「「……」」」」

「……0枚です」

「「「「……」」」」

「……昼食を奢らせていただきます」

「あ、待って下さい。このコインでポリゴンをゲットしてきたいんですけど」

「別にいいけど、午後のコインは?」

「……もう一度、最初からの方がいいと思うんですが」

チラッ

「……そうだな」

チラッ

「……そうね」

チラッ

「哀れみの目で見るな!」
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:38:32.41 ID:W+blAKWT0
あるレストラン

「くそ、余計な出費だよ」

「りっちゃんの自業自得な気もするけど」

「梓。私、アップグレートを持ってるから、後でポリゴン交換してあげるよ」

「ありがとうございます、澪先輩」

「? どうして、交換するの?」

「ポリゴンはアップグレートを持たせて交換すると、ポリゴン2に進化するんですよ」

「なるほど。ポケモンは奥が深いんだね」

「一番、奥が深い存在が言うなよ」
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:39:24.97 ID:W+blAKWT0
「そういえば、あの噂って本当かな?」

私達の座ってる席の隣のカップルの声が聞こえてきました。

「あの噂?」

「あれだよ、ゲームコーナーにある、ロケット団の実験場に続く、入り口があるって噂」

「ああ、あれか。ただの噂だろ」

「そうかな?」

「なんだよ、そんなのがあんな場所にあるわけないだろ」

「そうだけどね。でも、あったら、面白くない?」

「怖いだろ、普通に」

そんな会話をしながら、カップルは席を立ち、去っていきました。
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:40:21.68 ID:W+blAKWT0
「……なあ、午後は今の噂を確かめないか。ちょうど、うろついてる時に面白い情報も入ったし」

「面白そうね」

「ふ、ふん。ただの噂だろ」

「怖いのか、澪ちゅわん」

「誰も怖いなんて言ってないだろ。いいよ、確かめてやろうじゃないか」

「私も行きた〜い。あずにゃんはどうするの?」

「どうせ、ただの噂とは思うんですけど……」

「じゃあ、梓は行かないのか?」

「いえ、私も行きますけど……」

今までなら、素直に皆さんにお付き合いしたいんですが、噂とはいえ、ロケット団がかかわるって聞くと、なんというか、抵抗感がありますね。

「なんだよ、歯切れが悪いな」

「すいません。……その前に、ポケセンに行っていいですか?万全な状態で行きたいので」

ただの噂のはずなのに、ものすごく嫌な予感がします。

「ただの噂で慎重だな」

「念のためです」
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:41:58.63 ID:W+blAKWT0
昼食後、ポケセンでメンバーを調整し、再び、ゲームコーナーに来ました。ちなみにメンバーは、
 
 ゆい先輩 ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ 

正直な話、ポリゴン2もメンバーには入れたいんですけど、まだ、使い慣れていないので、却下しました。まあ、ぶっちゃければ、メンバーに変更がありませんが。

「そんなに、慎重にならなくてもいいんじゃないか?ただの噂だろ」

「そうは思うんですが……」

「きっと、梓ちゃんはロケット団といろいろあったから、神経が過敏になってるのよ」

たしかに、その可能性もあるとは思いますが。

「でもでも、あずにゃんの勘も馬鹿に出来ないんだよ」

「どうしてだ、ゆい?」

「だって、あずにゃんはネコみたいだもん。きっと、野生の勘が働いたんだよ」

「なるほど、一理ある」

「いや、ありませんよ」
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:43:14.32 ID:W+blAKWT0
「でも、噂を確かめに来たけど、どこにあるんだ?」

「フッ。私がコイン0枚になった時、いろんな話を聞いてまわったんだが、あるポスターの裏にスイッチがあるらしい」

「へ〜、場所は分かるの?」

「任せろ。あっちだ」

律先輩の先導で人気のない場所に来ました。

「こんなところにあるのか」

「確かに、雰囲気はありますけど」

「それで、ポスターはどこにあるのかしら?」

「あそこだ」

律先輩が指差すところにポスターがありました。ポスターをめくると、確かにスイッチみたいのがありました。

「よく聞きだせましたね」

「ああ、白衣を着て、眼鏡をしている女の人に教えてもらったんだ」

559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:44:25.82 ID:W+blAKWT0
「眼鏡ですか」

一瞬、イワヤマトンネルで、戦った、山中さんを思い出してしまいました。……まさか、同一人物?

「とりあえず、押してみようよ」

「そうだな」

ポチッ

律先輩がボタンを押すと、地面から振動が起き、地下へと続く階段が現れました。

「まさか、本当にあったとは……」

「よし、降りてみるか」

「だ、駄目ですよ。噂が本当なら、下にはロケット団がいるかもしれません」

「梓の言うとおりだ。遊び半分で行くべきじゃない」

「そうね、確かに慎重に考えるべきかもしれないわ」

「でも、ここまで来て、このままってのもな。ゆいはどう思う?」
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:45:36.12 ID:W+blAKWT0
「……私は行きたい」

いつもとは違う真面目な声で言いました。

「だって、噂が本当なら、この地下施設は実験場なんでしょ?もしかしたら、ブイ太みたいに苦しめられてるポケモンがいるかもしれないも
ん。そのポケモン達を助けたい」

「……ゆい先輩」

「ゆいの言うことも、もっともだが、警察に任せた方がいいだろ」

「でも、警察はすぐには動いてくれないよ。それになんて通報するの?ここが、まだ、ロケット団の施設とは限らないし、私達の憶測でしかないことに、警察が動くと思う?」

ゆい先輩が正論を言っています。ビックリです。

「そ、それは……」

「警察を頼るにしても、証拠がなくちゃ。証拠を得るためにはこの中に入らないとね」

「……そうですね、分かりました。私も中に入ります!」

「梓まで」

「ゆいちゃんの気持ちは分かったわ。私も行くわ」

「ムギもか。……仕方がない、私も行こう」

「全員の意見が一致した所で、しゅっぱ〜つ」

「「「「オー」」」」
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:46:16.35 ID:W+blAKWT0
管理室

監視カメラには4人の同い年くらいの女性と幼稚園児くらいの女の子の計5人が映っている。

「和さん。例の5人組が実験場に入りました」

「そう。……いよいよ来たわね。……ミュウツープロトタイプの力を試す時が」
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 20:47:38.30 ID:W+blAKWT0
タマムシシティ編B 「防衛×賭博×潜入」 終了

これを見てくれてる人に聞きたいですけど、まだ、気が早いですけど、ラスボスを
@唯とポケモン・アズサ(早い話、今の梓とゆいを交換したかんじ)
Aダークゆい(ロケット団の黒幕的なかんじ)
のどちらかにしたいんですが、どちらの方がよろしいでしょうか。(どちらを選ぶかで、ストーリも変わるので)まあ、最初に決めとけよって話ですけどね。
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/20(月) 20:59:27.68 ID:cY8tTUaS0
2を希望
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/06/20(月) 21:02:35.11 ID:Nx9pWAzG0
乙!
ダークゆいはロケット団に複製される感じ?
それとも操られるのか?
まぁどうであれ自分も2を希望
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 21:28:28.48 ID:aDg/rGRDO
乙!

1が良いな〜

そうすればポケモンあずさとの通信機能で(ry
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/20(月) 21:37:49.56 ID:W+blAKWT0
追加

>>562

明日の朝6時くらいで多い方でいきます。
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/20(月) 22:13:04.30 ID:tfr84JjAO
個人的には2かな
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/21(火) 00:04:55.13 ID:FiscbhaK0
2を希望
1はどっちかというと、シナリオ終了後に
おまけのExボスとして見たい感じ
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/21(火) 06:00:50.91 ID:tnZ20pOb0
答えてくださった方々、ありがとうございます。
Aが多かったので、Aでいきたいと思います。
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/22(水) 12:43:34.24 ID:bNXn3HRAO
警察信用無さ過ぎだろ
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:19:26.91 ID:wpHVNjdx0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ボックス ミニリュウ ポリゴン2

澪     ゼニガメ

律     リザード サワムラー ニョロゾ

ムギ    フシギソウ カポエラー

純     うい

注 一部残虐表現あり

タマムシシティ編C 「過去×激闘×暴走」 以下、投下
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:19:59.93 ID:wpHVNjdx0
梓達が旅立つ1年前

『グハッ』

『ハア……ハア……』

『実験終了。試験体Mが生き残りました』

『分かったわ』

私はいつから、戦い続けているのだろう。自我を持ち始めた時にはすでに戦い続けていた。
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:21:17.17 ID:wpHVNjdx0
私が生まれたのは2年前、特殊な環境なんだろう。私は、正規のポケモンではない。だから、名前はない。いや、試験体Mと呼ぶべきなんだろうか。私は、いろいろなポケモンの遺伝子を掛け合わせて生まれた。何のためにか?それはもちろん、戦うためなんだろう。強力なポケモンといっても、弱点はある。その弱点をなくなれば、おそらく、最強になれるだろう。そんな考えで私は作られたのだろう。

『調子はどうかしら』

培養液の入ったカプセル越しに私を作ったうちの一人、和という名前だったか、が聞いてくる。

『あなたはよく頑張ってるわ。後はあの遺伝子さえ手に入れば、あなたは最強になれるわ』

最強?私には興味のないことだ。生まれたばかりの私は私と似たような、境遇のポケモンがたくさんいるところに放り出された。そして、私達は殺し合いをさせられた。なんでも、最後に生き残っていた個体を実験材料として育てるためだとか。私はなんとか、生き残った。そして、私が育てられることになった。だが、それで終わりでなく、私に新しい遺伝子を掛け合わせたり、新しい個体との戦闘を強いられたりした。
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:22:14.07 ID:wpHVNjdx0
ビューン

自動ドアの開く音がした。コツコツと歩く音が聞こえた。入ってきた人の姿はフードのついたローブを着ていて、顔が見えない。

『あら。あなたの教えてくれた、技術で実験は順調よ』

和はその人物に話しかけた。

『……』

その人物は和の質問には答えずに、私のカプセルの前に来た。

『……たしかに順調だね』

そして、和に振り向き言った。その声から、察するに、女の人だろう。

『それはそうよ』

『……でも、まだ、駄目だよ。あの遺伝子がないとね』

『分かってるわ』

『……できるだけ、早くね。1年後に間に合うように』

女はもう一度、私に振り向いた。

『本当にあなたはこのままでいいのかな?』

その女は私にだけ聞こえるようにそれだけ言い残し、去っていった。
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:24:13.29 ID:wpHVNjdx0
1年後

『ようやく、ミュウの遺伝子をゲットできたわ』

目の前で、和が嬉しそうに言う。

『それに、グレン研究所の資料も手に入れたわ。これで、あなたは最強のポケモンになれるわ』

最強か。私にとってはどうでもいいことだ。強くなるのは生き残るためだけだ。こいつらのためにではない。いつからだろう。こいつら人間共に憎悪を抱いたのは。多分、あの、女の一言のせいだろう。私は外の世界を知らない。だから、知りたい。

『本当にあなたはこのままでいいのかな』

そう、私はこの地下でいつまでも、実験材料でいいはずがない。それに、私はたくさんのポケモンを殺してきたが、何故、私達は殺しあう必要があるのだろう。私は正規のポケモンではない。だが、ポケモンなのだ。どうして、こんなことをさせられるのだろう。1つのことを疑問に思うとたくさんのことを疑問に思ってしまう。

『さて、早速、ミュウの遺伝子を使うわ。準備して』

周りの研究員に指示を出す、和。その時、
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:25:06.37 ID:wpHVNjdx0
ビューン

自動ドアの開く音がした。コツコツと歩く音が聞こえた。入ってきた人の姿は1年前と同じ。ローブを着ていて、顔が見えない。

『あなたは!? 1年も姿を見せずに何しに来たの』

『……』

その女はやはり、何も答えずに、私のところに来る。

『……いい眼になってるね。憎悪がたくさん詰まったいい眼だよ』

その女は私の眼を見て言う。

『無視するんじゃないわ。今まで、一体どこに……』

『……私だって、暇じゃないんだよ。それに、私がいなくてもよかったでしょ?』

和に振り返り、言う。

『さて、遺伝子を手に入れたんだね。……じゃあ、早速、始めようか』

『あなたに言われなくても、私達が……』

『あなた達の技術じゃ無理でしょ。資料があってもね』

『……』

図星をつかれたのか、顔を歪める。

『安心しなよ。ちゃんとやるからさ』
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:27:20.87 ID:wpHVNjdx0
『これが例の……』

私の前にロングヘアーで眼鏡をかけた女が立っていた。

『ええ。幻のポケモンといわれるポケモンミュウから採取された遺伝子を元に、私達が作り出したポケモン。……ミュウツー・プロトタイプよ』

ミュウツー・プロトタイプ。それが私の名か。試験体Mと比べれば、100倍はマシだろう。

『まだ、入手して短いのに、早いわね』

『研究所に資料もありましたしね。……これで、伝説の3匹と最強のポケモン、プロトタイプであるけど、ミュウツー。この4匹がいれば、私達が世界を掌握するのも……』

和はそう言うが、実際はあの女がやったことだ。

『ええ』
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:28:15.81 ID:wpHVNjdx0
ビューン

今は深夜。自動ドアの開く音がした。コツコツと歩く音が聞こえた。入ってきた人の姿はフードのついたローブを着ている、あの女だ。忘れ物でもしたのだろうか。

『……』

その女は私のカプセルの前で立つ。やはり、私に用事なのだろうか。

『ヤッホー、元気かい?』

『……』

『無視はよくないな。しゃべれるようになったんでしょ?』

『……何のようだ』

『親に対して、なんて口の利き方だね、この子は』

あっけらかんと言う、女。

『……親だと』

『そうだよ。あの人達に私の技術を教えてね、君の『器』はできたんだよ』

『何のためにだ』

『さ〜ね〜。君が知る必要のないことだよ。あの人達は君を利用して、お金儲けとかをしようとしてるみたいだけどね』

『……』

お金儲けで済めばいいがな。私は心の中で苦笑する。

『本当にあなたはこのままでいいのかな?』
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:29:47.29 ID:wpHVNjdx0
突然、1年前と同じ事を聞いてくる。

『……前にも聞いたな。どういう意味だ?』

『別に深い意味はないよ。ただ、いつまでも、人間の支配下でいいのかなって?』

『……』

『人間なんかくだらないよ。……くだらない』

女はさっきまでのおちゃらけた声ではなく、激しい憎悪とそして……若干の悲しみが混じった声をしているように感じた。

『1年前のあなたは、まだ、厳しかったもしれないけど、今のあなたは力を持っているんだよ』

声のトーンを戻して、私に言う。

『……お前は私に何をさせたいんだ』

『さあね。あなたが何をするにしても、それを決めるのは私じゃないんだよ。あなたが決めるの』

『……』

『……これから近いうちに人間とポケモンは共存できると考えてる、幼稚園児みたいな見かけのあまっちょろいポケモンが来るよ』

『……』

『私があなたにしてほしいことといったら、そいつを倒してほしい』

『……何故だ?』

『それはあなたの知るべきところじゃないよ。……それじゃ、私は行くね』

『……待て』

『なんだい?』

『お前の名前は何だ?……お前も私と同じにおいがする』

『……そうだね〜。名前だけでも教えてあげたいけどね。とりあえずはAYUとでも呼んでよ』

『……AYUか』

『ちなみに本名じゃないからね。あなたがここから、脱出できたら、教えてあげる』

『……』

『それじゃ、今度こそ、私は行くね』

『……』

『頑張ってね、ミュウツープロトタイプ』
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:30:37.42 ID:wpHVNjdx0
実験場

『これから、あなたのテストをするわ』

出てきたのは、バンギラス、ボスゴトラ、10匹ずつ、計20匹ずつ。

『こいつら、全員を倒すのよ』

『……』

『では、スタート』

『まったく、鳴き声の一つでも出さないんですかね』

『不気味ですよ』

『別に不気味でも何でもいいわ。……強ければね』
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:31:34.99 ID:wpHVNjdx0
何故、私は戦ってるのだろう。バンギラスはあくいのはどうを放ってくる。

『……』

私はそれをバリヤーをつかって防ぐ。そして、はどうだんを放つ。

『バンギラーーーーーース』

鋼鉄のような皮膚を砕き、倒れる。その様子を見て、周りのバンギラス達は怯む。何故、私達はお互いに殺し合うのか。

『ボスゴドーラ』

ボスゴドラが恐怖からなのか、突っ込んでくる。

『……』

私はひらりとかわし、からわわりを繰り出す。

『ボーース』

その衝撃で、簡単に吹き飛んでしまう。私達が戦うべきなのはポケモンではなく、人間だ。下等種族のくせにポケモンである、われわれを使おうとする人間だ。

『……』

残りの数を見る。まだまだ、たくさんいて、めんどくさい。ならば……。

『……』

私は念波を実体化させ、サイコブレイクをボスゴドラに放つ。ボスゴドラには効果が薄い技だが、それでも、粉砕した。残りは、バンギラス。

『……』

サッサとこんな不愉快なことは終わらせよう。そう思って、私はバンギラスへと向かって行った。
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:32:55.16 ID:wpHVNjdx0
梓達がゲームコーナーに来る前日

『最終テスト(予定)はこいつらよ』

そこに映し出されたのは、ツインテールの女と小さい女の子だ。

『……』

『この女の子みたいなのはこんな見かけでも、ポケモンで、名前はゆいというらしいわ』

あの女、AYUが言ってたのはこの子供なのか。……たしかに、平和そうな顔をしている。同じポケモンでも、どうして、こうも違うのだろう。不公平ではないのか。……やはり、いつまでも、人間の下にいるべきではない。ならば、私がこの世界を支配すればいいのではないか。人間を皆殺しにし、ポケモンのための平等な国家を作ろうではないか。

『……早く来い、小さき、ポケモンよ』

『今、何か言わなかった?』

『私は聞こえませんでしたが、気のせいじゃないでしょうか』

『……そうよね』
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:33:48.35 ID:wpHVNjdx0
地下施設・B1

「うす暗いね、ここ」

「そうですね」

私達は、律先輩、ムギ先輩、澪先輩、私(頭の上にゆい先輩)の順に歩いています。

「どれくらい、深いんだ、ここ」

「やっぱり、何かあるからかしら」

「噂は本当だったんかもな。……着いたな」

階段も終わり、非常口のドアがありました。そのドアを開け、私達はどこかの廊下に出ました。

「何なんでしょうか、ここ」

「やっぱり、何かの施設なのかな?」

「とりあえずは探索だな」

「2手に別れるか?」

「それは危険ですよ。効率は悪いかもしれないですけど、全員で行くべきです」

「梓の言うとおりだな」
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:34:51.32 ID:wpHVNjdx0
「……さっきから、澪は梓の意見に合わせてないか?」

「べ、別にそういうわけじゃ」

「そうやって、ポイント稼いでるのね。澪ちゃん、ずるい子!」

「だから、違う!!」

「ゆい先輩。澪先輩達は何を言ってるんですか?」

「あずにゃんには早い話だよ」

ナデナデ

「ニャ……やめてくださいよ」

テレテレ

「嫌なのかい?じゃあ、やめるね」

「……」

シュン

「……」

ナデナデ

「……えへへ」

「「「……」」」

ジー

「……ハッ。さ、さあ、気を取り直して、散策を開始しましょう」

私達は出発しました。
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:36:15.34 ID:wpHVNjdx0
管理室

『いいんですか?自由に歩かせて』

『どうせ、生きては帰れないだろうから、いいわ。危ないところにはロックもかけてるし。それに、ミュウツープロトタイプのテストの実験台にふさわしいかのテストも必要だしね』

『ではもう少し、様子見ということで』

『ええ』

『それにしても、こんな簡単にこの施設に入ってくれるとは……』

『情けない連中よね』

586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:36:42.95 ID:wpHVNjdx0
ビューン

自動ドアの開く音がした。入ってきた人の姿はフードのついたローブを着ていて、顔が分からない女だ。

『何しに来たの?』

『別に。ただ見学に来ただけだよ』

『余計なことをしないでよね』

『分かってるよ。で、どんな、ルールなんだい?』

『……地下3階にいるあの子のところまで、行けるかどうかよ』

『分かった。まあ、頑張んなさい』

その女は偉そうに言って、画面を食い入るように見始めた。
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:38:12.72 ID:wpHVNjdx0
地下施設・B1

「ここにも何もないな」

さっきから、手当たり次第に部屋に入ってみますが、特に目立った収穫がありません。

「それにしても、おかしくないか」

「何がですか、澪先輩」

「だって、そうだろ。私達は結構な部屋を調べてみたんだ。その間に人が1人もいないんだぞ」

「それもそうですね」

さすがは澪先輩。

「そういえば、りっちゃんの会った白衣の人もおかしくないかしら?」

「どうしてだ?」

「だって、こんな施設の入り方を知ってるなんでおかしくない?噂だったにしては的確すぎるわ」

「たしかに」

「……もしかして、これは……罠かもしれません」

そうだとすると、……これはやばいです。

「皆さん、いったん戻りましょう」

私は入り口まで駆け出した。
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:39:03.09 ID:wpHVNjdx0
「おい、梓。どうしたんだ」

皆さんも私に続きます。そして、私達が入ってきた、ドアに到着しました。

ガチャガチャ

私はドアを開けようとしますが、鍵がかかっています。

「……ハア……ハア、どうしたんだよ、梓。急に走り出して」

「そうだよ、……ハア……ハア……」

「皆さん、大変です。鍵がかかって、戻れません」

「な、本当かよ」

ガチャガチャ

「本当だ」

「おい、どうするんだよ。律がこんなところに来たいっていうから、こうなったんだぞ」

「澪だって、賛成しただろ。人のせいにするなよ」

「落ち着いて、2人とも。今は争ってる場合じゃないわ」

「ムギ先輩の言うとおりです。今はどうするかを考えるべきです」

「でも、どうするの、あずにゃん。出口は鍵がかかってるし」

「そうですねー。……そうだ!皆さん離れてください。出てきて、ガルーラ」

「ガルーラ」

「ドアを破壊してください」

「なるほど」

「さすがは梓だな」
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:39:39.57 ID:wpHVNjdx0
20分後

「ガル……ハア……ハア……」

「駄目です。全然、びくともしません。戻ってください、ガルーラ」

「これはきついな」

「どうしましょう」

「……そうだわ、他にも出入り口があるかもしれないわ。探してみましょう」

「……それしかなさそうだな」
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:40:45.56 ID:wpHVNjdx0
私達は散策を続けると、広い闘技場みたいな所に来ました。周りを見ると、壁には傷がたくさんあり、なにかが戦っていた形跡がありました。そして、鉄格子のようなものもあります。

「すごい戦闘の後ですね」

「ええ」

私達が驚愕していると、闘技場の観客席にある、スクリーンに白衣を着て、眼鏡をしている女の人が映りました。

「あ、あいつだよ。私にこの場所の入り口を教えてくれたんだよ」

「何だと?!」

『こんにちは、皆さん。まさか、こんな簡単にこの場所に入ってくれるなんてね。もっとも、必要だったのは、ツインテールのお嬢さんと幼稚園児の子供だけどね』

「なんだか、もてるね、私達」

「まったく、嬉しくありませんけどね」
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:42:11.04 ID:wpHVNjdx0
『今から、あるテストをしてもらうわ』

「テストだと!?」

『ええ。B1〜3までにあるテストをクリアしたら、ここから、出してあげるわ』

「テストって何やるのかな?勉強だったら、どうしよう、あずにゃん」

「むしろ、勉強の方が平和でいいですけどね」

「それで、テストの内容はなんだ?」

『簡単よ。ただ、各階のモンスターを倒せばいいのよ』

「それだけか。楽勝だな」

「油断するなよ、律。まだ、相手の手の内を見せてないからな」

『では、早速、B1のテストを始めましょうか』

鉄格子が開き、中から、

ズシンズシン

という足元とともに出てきたのは、バンギラス、ボスゴトラ、10匹ずつ、計20匹ずつです。

『これを全滅させるのが課題。それでは、バトルスタート!!』
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:42:59.38 ID:wpHVNjdx0
そんな掛け声とともに、一斉にバンギラス達がこちらに向かってきました。

「戦うしかないか。……いけっ、サワムラー」

「来てくれ、エビワラー」

「出てきて、カポエラー」

皆さんがかくとうタイプのポケモンを出してきます。たしかに、相手の共通の弱点はかくとうですものね。

「あずにゃん、私が行こうか?」

ゆい先輩が聞いてきます。

「まだ、序盤ですから、待機です」

「分かった」

「では、来てください、イーブイ。……みずのいしで進化してください」

私はイーブイをシャワーズに進化させます。
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:45:11.79 ID:wpHVNjdx0
「まだ、序盤だから、この4匹で済ませたいな」

「そうね」

「でも、油断するなよ。奴らも強いぞ」

「分かってるよ。……サワムラー、相手の懐に入って、攻撃、インファイト!」

サワムラーはバンギラスの懐に入り、バンギラスを吹き飛ばします。

「バ・・・・ン・・ギ・・・」

バタ

「よし!!」

サワムラーは一撃でバンギラスを粉砕しました。

「バンギラス」

「ボスコドラ」

敵を倒して、浮かれ気分のサワムラーの横を挟むように攻撃を仕掛けようとします。

「カポ」

「エビ」

サワムラーに襲いかかろうとする、バンキラスをカポエラーが、マッハパンチで、ボスコドラをエビワラーのスカイアッパーで、それぞれ粉砕します。

「おい、律。油断するなよ」

「悪い、悪い。サンキュー、澪、ムギ」

す、すごいです。あの、バンギラス達を弱点とはいえ、一撃とは。さすがは先輩達です。私も負けてられません。
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:45:48.03 ID:wpHVNjdx0
「シャワーズ、ハイドロポンプ!」

シャワーズの繰り出す、鉄砲水のような圧力の水がバンギラス達に襲い掛かります。そして、何匹かはその水に壁まで、吹き飛ばされて、ダメージを受けました。でも、倒したわけではなく、怒って、こちらに向かってきそうになりますが、

「エビ」

そのバンギラス達にエビワラーのマッハパンチが炸裂し、バンギラス達は力尽きます。

「澪先輩!」

「いいぞ、梓。どんどん、多くのポケモンにダメージを与えてくんだ。トドメは私達がやる。そうすれば、こっちがだいぶ有利になるからな」

「はいです」

さすがは澪先輩、的確な指示です。

「……チッ、また、ポイント稼ぎかよ」

「……こんな時でも、さすがね」

「……ちょっと、胸がでかいからって調子に乗ってるよね」

「そ、そんなつもりじゃない」

「???」
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:46:28.69 ID:wpHVNjdx0
「ボス……ゴ・・・ドラ」

バタッ

サワムラーのとびひざげりを受け、最後のボスゴドラは倒れました。

「これで、全匹だな」

「ええ」

「おい、全匹倒したぞー!」

律先輩が叫ぶと、スクリーンに再び、白衣を着て、眼鏡をしている女の人が出てきました。

『おめでとう。では次の階に来て。階段はスクリーンの下にあるから』

私達が目をやると、たしかに、階段がありました。

『では、次の階でね』

スクリーンの映像が消えました。

「……行くか」

私達はB2に向かいました。
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:46:54.63 ID:wpHVNjdx0
管理室

『まあ、これくらいは当然よね』

和は呟いている。

『そうですね』

『むしろ、これに負けたら、ミュウツープロトタイプの足元にも及ばないでしょう』

『たしかにね』

『……』

そんな会話の中でも、ローブの女は画面の映像を食い入るように見つめていた。
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:47:42.71 ID:wpHVNjdx0
地下施設・B2

「ここがB2か」

「雰囲気は変わらないわね」

『では、次のテストよ』

「待って下さい!あなた達は何者なんですか」

『答える必要もないけど、教えてあげるわ。私は真鍋和、ロケット団の研究班の部長をやってるわ』

「やはり、あなた達はロケット団だったんですか!こんな施設を作った目的は何ですか!」

『最強のポケモン兵器を作るためよ』

「ポケモン兵器?」

『例えば、あなたの持ってるイーブイのようなのとか、体に機械を埋め込んだりとか、遺伝子を改造していくとかね。そうやって、ポケモンを
兵器として、売ったり、使ったりするのよ』

「なっ……!?」

なんてことをするんですか、この人達は……。最低な奴らです。腐っています。周りの先輩方も同じことを思ったのか、顔を苦痛に歪めてま
す。
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:48:34.87 ID:wpHVNjdx0
『ポケモンなんて、所詮道具でしょ?』

「ち、違います。ポケモンは私達の仲間であり、友達です」

『ぷっくははははは。体型も子供っぽければ、考えてることも子供ね』

「た、体型は関係ありません!!」

「そうだよ、あずにゃんはこの体型だから、可愛いんだよ」

「……ゆい先輩」

ギュッと、頬をつねる。

「い、い、いふぁいよ、あずにゃん」

『まあ、いいわ。次のテストね』

鉄格子が開き、中から、バンギラス、ボスゴトラ、10匹ずつ、計20匹に加え、ドンファンなどのポケモンも含め、相当な数のポケモンがい
ます。

『計100匹のサバイバルマッチよ。……頑張ってね、あ・ず・さ・ちゃ・ん』

プツリと、映像が切れ、それと同時に、ポケモン達が私達に向かってきました。

「この数、どうする?」

「どうするって、やるしかないだろ。……来い、サワムラー ニョロボン」

「そうよね。来て、カポエラー、ギャラドス」

「来てください、ハッサム、ニューラ」

「来い、デンリュウ、エビワラー」

私達はそれぞれ、ポケモンを出して、戦闘を開始しました。
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:49:09.77 ID:wpHVNjdx0
管理室

『……ポケモン兵器、か』

今まで黙って画面の映像を食い入るように見つめていた、ローブの女は初めて口を開いた。

『なにか、文句でもあるの?』

『……別に』

その声はある種の憎悪が混じった声に聞こえた。

『言いたいことがあるなら、言いなさいよ!』

『だから、何もないよ。……ただ、私の考えに間違いはないって思っただけ』

『意味が分からないわ。だいたい、あなた何者なの?殲滅班部長の曽我部さんの紹介だけれど』

『私が誰かなんてどうでもいいことだよ。……それよりも、ミュウツープロトタイプの用意をしたほうがいいよ』

『は?』

『もう、終わるよ』
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:49:40.35 ID:wpHVNjdx0
「ハッサム、シザークロス」

「グハッ」

ハッサムの攻撃で、ようやく、100匹目を沈めます。すると、スクリーンにさっきと同じ場所に階段があるから、降りるように指示がありました。

「随分、成長したな、梓」

「ありがとうございます、澪先輩。お世辞でも、嬉しいです」

「お世辞じゃないよ。ポケモンリーグで対戦するのが楽しみになったよ」

「……澪先輩」
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:50:17.43 ID:wpHVNjdx0
「……またかよ。本当にいい加減にしてくれないかな」

ヒソヒソ

「……調子に乗りすぎじゃないかしらね」

ヒソヒソ

「……だいたい、戦闘終了後、いきなり、あずにゃんに話しかけるなんてね。あずにゃんと一番遠い位置にいたのに」

ヒソヒソ

「……やることが汚いよな。一番、真面目そうにしてるくせに」

ヒソヒソ

「……一番出番が少なかったから、はっちゃけてるのね」

ヒソヒソ

「……あずにゃんは私の恋人なのに。……あの泥棒猫、いや、あの胸の大きさだと、牛だね。泥棒牛め」

ヒソヒソ
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:50:50.54 ID:wpHVNjdx0
「おい、聞こえてるぞ」

「ゆい先輩、下に行きますから、来てください」

「うん!」

ギュッと、抱きついてくる、ゆい先輩。そのゆい先輩を抱っこし、立ち上がります。

「何をお話してたんです?」

「泥棒牛の話」

「おい!」

「???」
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:51:37.03 ID:wpHVNjdx0
『いよいよね』

目の前の和が言う。

『……』

ついに来たのか。AYUの言っていたポケモンが。私は手を和に向ける。

『な、何よ』

『和ちゃん、下がった方がいいよ』

ローブの女は和を引っ張る。同時に私は水槽を割った。

『そ、そんな。……サイドンとかが30匹でも割ることの出来ない水槽を一瞬で……』

『クスクス。戦いに行くのかい?逃げるのかい?逃げるのなら、私は止めるよ』

『……お前に乗せられるわけではない。……ただ、私にもやりたいことが出来たのだ』

私は闘技場を目指す。……待っていろよ、ゆい。

『何なんのよ、今のは』

『……特に問題ないよ。……さて、私達は見るだけだよ。ミュウツープロトタイプの戦闘をね』
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:52:35.61 ID:wpHVNjdx0
地下施設・B3

「ここが最後の階ですね」

「上は100匹だったから、今度は1000匹だったりしてな」

「それは洒落にならないがな」

突然、スクリーンに映像が映った。

「真鍋さん!」

『……ついにここまで来たのね。いよいよ、最後のテストよ』

「次は何匹なんだい。ま、次は私も戦うから、何百匹でも勝ち目はないだろうけどね」

「どこから、そんな自信が出てくるんですか」

それにしても、真鍋さんはさっきまでの雰囲気とは違い、余裕がなさそうです。どうしたんでしょうか。

『……安心しなさい。最後は1匹よ』

「へー、そいつはラッキーだね、あずにゃん」

「最後にしてボーナスステージか?」

「……本気で言ってるのか、ゆい、律」

「冗談だよ」

「? 何が?」

「つまりですね、前のテストでは100匹なのに、今回のテストは1匹。普通なら、強い方を後にしますよね?だから、次のモンスターは10
0匹分よりも強い可能性もあるってことです」

「なるほど!」
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:53:19.10 ID:wpHVNjdx0
「それにしても、一体、どんなモンスターなのかしら」

「さあな。……来るみたいだな」

前の鉄格子が開き、白い体をした何かが、歩いてくる。何かといったが、これまでのパターンから、ポケモンではあるのだろうけど、見たことがない。

「……」

ビクッ

このポケモン(?)らしきものから、発せられるオーラは今まで感じたどのポケモンやトレーナーよりも恐ろしいです。それは、他の先輩方も感じてるらしく、澪先輩やムギ先輩は足をガクガク震えていますし、律先輩も心なしか体が震えています。

「なんか、すごいのが出てきたね〜」

ただ、ゆい先輩だけはのんきにしていました。神経が図太いというか、なんというか。

「……おまえがゆいか」

「えっ!私のこと知ってるの。私って、すごい有名人なんだな〜、えへへ〜」

顔を真っ赤にして、体をクネクネさせているゆい先輩。のんきというか、マイペースというか。
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:54:09.59 ID:wpHVNjdx0
『……これから、戦ってもらうのは、ミュウツープロトタイプよ』

ミュウツー!?ミュウツーはたしか、グレンタウンにある研究所がミュウの遺伝子から完成させたポケモンだということを聞いたことがありましたけど、まさか、ここで見るとは。というより、何故、ここにいるんですか。

「……どうして、ミュウツーがここに。……それに、プロトタイプって」

真鍋さんはそれには答えずに言いました。

『……これからのルールを説明するわ。といっても、ルールは単純。あなた達はミュウツーを倒せばいい』
「な、なんだ。前回までと同じじゃないか。ら、楽勝だな」


そう律先輩は言いますが、分かってると思います。このポケモン相手にそれが楽ではないということを。

『ただ、上までのルールと違うところは……ミュウツーの勝利条件があなた達、トレーナーを含めた、相手の全滅よ』

「? つまり、どういうこと?」

『つまり、あなたのトレーナーの中野さんの命もミュウツーは狙ってくるということ』

「な〜るほど。……って、ええっ!!」

「……反応が遅いですよ、ゆい先輩」

「……もう、いいだろう。サッサと始めよう」

目の前のミュウツープロトタイプは言いました。

『……そうね。では、バトルスタート』
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:54:51.34 ID:wpHVNjdx0
管理室

『本当に大丈夫なの?』

スクリーンへの通信を切って、ローブの女に和は言う。

『さあ?』

『さあって、無責任な』

『心配なら、逃げたら?』

ローブの女は挑発するように言う。

『……くっ』

和が今、ここを放棄して、逃げ出すということは自分の地位を捨てるということだ。それに下手をすれば、情報を隠匿するためにロケット団に殺させるかもしれない。

『慌てないで、ゆっくり行きましょうや。お茶でも飲んでさ』

ローブの女は紅茶をすすりながら、映像へと目を向けた。
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:55:59.46 ID:wpHVNjdx0
『……そうね。では、バトルスタート』

「チッ、出て来い、レアコイル」

いち早く、動いたのは、律先輩です。

「レアコイル、十万ボルトだ!!」

レアコイルは高圧の電気をミュウツーに向かって、発射させる。

「……」

その攻撃はミュウツープロトタイプに直撃……するかと思いましたが、ミュウツープロトタイプはその攻撃をバリヤーで止めました。

「……私は雑魚と勝負する気はない。かかってこい、ゆい」

「……えっ、私!?む、む、無理だよ、そんな」

ピョコピョコって、私の後ろに隠れます。……たしかに、今のやり取りを見れば、そうなるでしょうけど。

「……私のポケモンが雑魚だと!? レアコイル、マグネットボム」

レアコイルは鋼の爆弾をミュウツープロトタイプに向かって、発射します。

「……」

ミュウツーは再び、バリヤーでその攻撃を防ぎます。

「……いいだろう。見せてやる、私の力を」

ミュウツープロトタイプは手をレアコイルにむけ、レーザーのようなものを発射してきました。その攻撃により、レアコイルの体に、穴が開き、爆発してしまいました。

「レアコイル」

レアコイルの爆発による煙が晴れると、レアコイルは地面に落ちていて、瀕死の重症みたいです。
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:56:55.41 ID:wpHVNjdx0
「分かっただろう、私の力を。さあ、ゆいよ、かかってこい」

「な、なんで、私を指名するの〜」

「……ゆい先輩。戦ってくれませんか」

「えっ!? あずにゃんは私に死ねって言うの?」

「……違います。ゆい先輩しか、あいつを倒せないと思います」

私は今のレアコイルの戦闘を見て、私達のポケモンを全部使っても、あいつを倒すことが出来ないと感じました。あいつを倒せる可能性があるとしたら、ゆい先輩の奇妙奇天烈な技しかないと感じます。

「……私にしか?あずにゃん、私を信頼してるの?」

「……え、ええ。ちょっと、言うのは恥ずかしいですけど、私のメンバーでは一番強いじゃないですか」

「……分かった、あずにゃんの信頼に答えるよ」

私の後ろに隠れていたゆい先輩が前に立ちます。

「君はどうして、私と戦いたいの?」

「……一つ、聞きたいことがある」

ゆい先輩の質問には答えずにミュウツープロトタイプは言います。
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:57:49.55 ID:wpHVNjdx0
「お前は、ポケモンと人間は対等に共存できると思うか?」

「え?うーん、出来るんじゃないかな。だって、私とあずにゃんは恋人なんだし」

「恋人(仮)です」

「それに私はりっちゃん達とは友達だしね。私以外のあずにゃんのポケモンだって、あずにゃんとは仲間というか、友達だしね」

「……本気で言ってるのか」

「うん!」

「……なるほど、あの女の言ったとおりだ。……では、始めよう、かかってこい」

「よーし、あずにゃんの期待に答えるよ。出てきて、ゆいぐるみの皆〜」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
今までよりも多い数のゆいぐるみを出しました。ゆい先輩も分かってるんでしょう。この敵はものすごく強いであることを。

「では、ミュージックスタート!(Utauyo!!MIRACLEを想像して下さい)」

いつものとおり、音楽が聞こえてきて、ゆいぐるみがミュウツープロトタイプに襲い掛かります。
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:58:41.08 ID:wpHVNjdx0
「……下らないな、サイコブレイク」

ミュウツープロトタイプは自分の念波を実体化し、ゆいぐるみを一体一体、全てを粉砕します。

「あう〜、ゆいぐるみが〜」

「……どうして、本気にならない」

「ん?どういう意味?」

「お前を見た時に私は感じた。お前に眠る強大な野生の力を」

「そんなの私にはないよ」

「……どうしたら、お前は本気になる」

「頑張れよ〜、ゆい」

「任せてよ〜」

律先輩に向かって、手を振るゆい先輩。

「ちゃんと、敵を見てください」

「分かってるよ〜」

「……分かったぞ。どうすれば、お前が本気になるか」
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 17:59:26.25 ID:wpHVNjdx0
ミュウツープロトタイプはレアコイルを倒した時のように手を向けます。

「気をつけろよ、ゆい。来るぞ」

「任せなさいな、澪ちゃん。ゆいちゃん真拳 ……」

ミュウツーは手をゆい先輩に……ではなく、律先輩に向けます。……これはまずいです。そう思って、私は駆け出しました。

ビューン

さっきの攻撃よりも、威力は低いですが、人に重大なダメージを与えるには十分です。

「危ないです!!」

ドン

と、律先輩を跳ね飛ばします。

ビュシャン

私の右胸に何かが、貫通しました。

「あ,あずにゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」

私の体が倒れていく中、最後に一番大好きな人の叫び声が聞こえました。
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:02:30.82 ID:wpHVNjdx0
「おい、梓!」

私は梓の元に駆け寄り、抱きかかえる。

「狙いはそれたが、まあいい。安心しろ、急所は外してある。まあ、ほっとけば、出血多量で死ぬことになるがな」

「……ゴホッ、わ、私は、ゴホッ、だい…・・じょぶ……です」

「もういい!しゃべるな」

「大丈夫か、梓」

「梓ちゃん」

律やムギも駆け寄ってきた。

「ごめんな、私のために……どうして、こんなことをしたんだ!」

ミュウツープロトタイプに叫ぶ、律。

「……」

「答えろよ!!」

怒りのまま、律は叫んでいる。

「……お前達を1人1人傷つけていけば、奴の力が見れる。それだけだ」
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:04:00.69 ID:wpHVNjdx0
「……あ、あ、あずにゃん」

その時、よたよたと歩いてくる、ゆいの姿が。

「わ、私がちゃんとしてれば、こんなことに……」

「ゆいちゃんのせいじゃないわ。悪いのは……」

ムギはミュウツープロトタイプのほうを見る。

「くそっ。来い、リザードン。かえんほうしゃ」

「りっちゃん、私も行くわ、来て、フシギバナ。ソーラービーム」

律達のモンスターの攻撃がミュウツーに迫る。

バーン。

その2つの攻撃が命中し、爆発が起こる。

「効いたか!?」

煙が晴れる。そこには無傷のミュウツープロトタイプの姿が。

「……サイコブレイク」

ミュウツープロトタイプは、自分の念波を実体化し、フシギバナやリザードンに発射する。

「リザー」

「バナッ」

2匹は命中するもなんとか、耐えている。

「……ほう」
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:05:03.98 ID:wpHVNjdx0
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あずにゃん」

ようやく、梓の元についたゆい。

「今、助けてあげるよ、ゆいちゃん真拳超奥義『あずにゃん☆ペロペロ』」

ゆいは梓の傷口を一生懸命舐め始めるが、一向に傷が塞がる様子がない。

「あ、あれ、全然治らないよ」

おそらく、傷が深すぎるのだろう。

「ドン」

「バナ」

2匹が壁まで、吹き飛ばされてくる。

「所詮はこの程度だろうな」

「くそっ。まだ、終わりじゃない。来い、ニョロボン、サワムラー」

「来て、カポエラー、ギャラドス」

2人は感情的にミュウツープロトタイプに向かっていく。だが、2人にも分かっているだろう。あいつには勝てないことを。

「……ブツブツ」
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:05:33.74 ID:wpHVNjdx0
「おい。どうした、ゆい」

さっきまで、梓の傷を舐めていた、ゆいの様子がおかしい。周りには黒いオーラのようなものが溢れている。

「ギャラ」

ミュウツープロトタイプはギャラドスをサイコキネシスで持ち上げ、吹き飛ばす。

「ブツブツ」

ゆいが黒いオーラを強くし、何かを呟いている。その声は大きくなり、私の耳にも届いた。
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:06:09.08 ID:wpHVNjdx0
「あいつが悪いんだ。あいつさえいなければ、あずにゃんは……。絶対に許せない。殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる」
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:06:42.71 ID:wpHVNjdx0
その言葉とともに、黒いオーラは強くなり、突然、立ち上がり、ミュウツープロトタイプを指差す。

ビューン

さっき、律やレアコイルを狙った、ミュウツープロトタイプのレーザーよりもすごい勢いのレーザーがミュウツープロトタイプに向かって発射
される。

「……む」

バリアーを張って、その攻撃を受けるも、ミュウツープロトタイプはその攻撃の威力の高さから、ジリジリと後ろに押されています。

「くっ」

ミュウツープロトタイプは空いている手で自分もレーザーをあて、爆発させた。

「効いたのか!?」

「……やるじゃないか、ゆい。それがお前の力か」

ミュウツープロトタイプは無傷で立っている。

「そ、そんな、あれだけの威力で……」

ムギの落胆する声。それはそうだろう、それだけの威力の攻撃を防がれたんだから。
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:07:40.45 ID:wpHVNjdx0
管理室

『なんなのよ、今の攻撃は!!』

『データにはないぞ』

『落ち着きなよ』

慌てふためく、和達にローブの女は言う。

『ケーキがまずくなるよ』

ケーキをほうばるローブの女。

『……そもそも、あの子の技はあずにゃん分っていう、未知のエネルギーで発動するんだよ』

ローブの女は語り出した。

『本来は、あずにゃんに良いところを見せたい、褒められたい、なでてもらいたい、守りたい、そんな思いで、技を出すから、強力だけど、ほんわかというか、奇天烈というか、そんな技になる。リミッターもかかる』

ローブの女は一旦、紅茶を飲む。

『でも、今の彼女は憎悪や後悔、悔しさ、悲しみ、そんな負の感情に支配されている。そして、リミッターが外れることになる』

『……どうして、そんなことをあなたが……』

和の当然の疑問に答えずにローブの女は続ける。

『でも、一旦リミッターが外れたら、自分の力に操られたかのように、エネルギーが無くなるまで、暴走する。今の彼女はそんな感じ』

周りの和達は息を飲む。ローブの女は再び、画面の映像を集中的に見始める。
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:09:08.81 ID:wpHVNjdx0
「……だ、駄目で……す」

「おい、梓。しゃべるな」

「行くぞ、ゆい。私達もフォローするからな」

律はゆいに言う。

「……」

ゆいは律の言葉に答えずに、律に手を向ける。

ビューン

その攻撃は律をかすめ、壁に激突する。

「な、な、何をするんだ、ゆい」

「……うるさいよ」

「……え?」

「そもそも、りっちゃんがこんなところに入ろうって、言ったから、こんなことになるんだよ」

「なっ!お、お前だって、入ろうって……」

「りっちゃんがうわさを確かめようとか言ったから、こうなったんだよ」

「ひ、ひどいわ、ゆいちゃん」

「そうだぞ、ゆい」

「うるさいな。そもそも、あの時、澪ちゃんに会ったのがいけなかったんだ」
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:10:06.28 ID:wpHVNjdx0
「なっ!」

「あの時、会ってなかったら、こんなことにはならなかったんだ。ううん、そもそも、りっちゃん達が存在してるのがいけないんだ。待ってて、あいつを殺した後、君達も殺してあげるからね」

さっきから、冷淡にしゃべってるゆいの目は死んでるかのように光がない。冷たい、氷のような目。

「そっか。この世界はあずにゃんを傷つけたんだ。もう、この世界もいらないや」

「お、おい、しっかりしろよ、ゆい」

「……わかっただろう。こんな形でも、ポケモンなんだ。その中には強大な力が宿っている。人はそれを見たら、どうする?恐怖するか、その力を利用するか、支配するか、駆除していくか、と考えるのではないか?少なくとも、共存していこうとは考えないだろう。お前達も、ゆいの力を見て、恐怖してるのではないか?」

「そ、そんなことないわ。ゆいちゃんは私達の……」

「足が震えてるぞ」

「うるさいよ。やらなきゃいけないことが多いんだから、君はサッサと倒すよ」

ゆいは手をミュウツープロトタイプに向け
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:10:56.15 ID:wpHVNjdx0
……ることができなかった。向けようとする、ゆいの手を血だらけの両手で掴んだからだ。

「……だ、駄目です。こ……んな……ことを…しちゃ駄目………です」

「……」

「そ……んな顔をしないで……ください。……いつもの……周りを……笑顔にする…ゆい…先輩に戻って……ください」

「……」

「じゃないと……嫌いに……なっちゃいます」

「……あずにゃん」

ゆいの瞳に光が戻ってきたような気がした。

「私のこと……は気に……しないで。……いつもの………よ…く…わからない……技でサッサと……倒してください」

「……もういいよ。分かった。これ以上、しゃべっちゃ駄目だよ。……澪ちゃん、あずにゃんを頼むね」

「あ、ああ」

私は梓に向かっていった。

「大丈夫か、梓」

「……は…い」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:12:13.53 ID:wpHVNjdx0
「いくよ、ギー太。D・Dモード」

ゆいの持つギターになにかを装着する部分が出てきた。私はゆいの技をよく見たことはないが、一体何が起こるんだ。

「頑張ろうね、『あずにゃんと恋人』デッキ。……さあ、ミュウツープロトタイプ、決闘(デュエル)だ!決着をつけよう!!」

ゆいはフンスと気合を入れ、ギターにカードを装着した。……っておい。

「ゆい、カードなんかで何をする気だよ」

「ん?決闘(デュエル)だよ。カードで戦うの」

「は?そんなふざけたこと、あいつが許すはず……」
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:13:28.28 ID:wpHVNjdx0
「いいだろう。その決闘(デュエル)、受けてたつ」

ミュウツープロトタイプは自分の手から、なにか、ディスクみたいなものを出し、カードみたいなのを装着した。……って、おいおい。

「お前もそれでいいのか!」

「何を言っている。……このまま、戦っても、私が勝つのは確定だろう。相手にも勝つ手段を与えた方が面白いだろう。……それに、決闘者
(デュエリスト)の挑戦は受けてやらなくては失礼というものだ」

さっきまでの、雰囲気はどうしたんだ。

「待ってくれ、ゆい」

「……あっ、りっちゃん。……ごめんね、さっきは、その……傷つけるようなこと言って……」

「ああ、とっても、傷ついたな」

「……」

「だから、罰として、私のカードも使ってくれ。いいな?」

「……りっちゃん」

「ゆいちゃん、私のカードも」

「……ムギちゃん。うん、分かったよ。一緒にミュウツーを倒そう」

律とムギは、カードを渡し、友情を誓い合っている。……うん、いい光景だな。……って、おいおいおい。

「律たちもか!カードで何をするんだ」

「澪ちゃん、あずにゃんをよろしくね!」

「いやだから、カードで何を……」

「いいだろう、かかって来い」

「無視するなーーー」

「「「「……」」」」

「こいつ空気読めない、みたいな眼で見るなーー」
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:14:32.32 ID:wpHVNjdx0
「私が勝ったら、私の手先になって働いてもらう。さっきの力は惜しい。もし、お前達が勝ったら、そのツインテールの女の傷を治してやる。問題はあるまい」

「あなたの手先?」

「お前の力は強力だ。その力を存分に遣わせてもらう。

「……分かった。いいよ、あなたが勝ったら、あなたに協力するよ。チーム『ゆいあずと愉快な仲間達』の力を見せてあげよう」

「その名前はねーだろ」

「そう?いい名前だと思うんだけどな」

「どこがだよ」

「仕方ないわ、チーム『放課後ティータイム』ということにしましょう」

「なんだよ、その名前」

「おおいなる、宇宙の意思よ」

「はあ?」

「ともかく、チーム『放課後ティータイム』の結束の力で、ミュウツープロトタイプ!あなたを倒す」

「では、始めようか」

「「決闘(デュエル)」」
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:18:09.80 ID:wpHVNjdx0
次回予告

ゆい「待っててね、あずにゃん。私がすぐに助けてあげるからね」

うい「梓ちゃんを助けるために、ミュウツーとのデュエルを始めるお姉ちゃん。しかし、ミュウツープロトタイプの猛攻の前に、苦戦を強いられるお姉ちゃん。その中で、新たなる力が……。梓ちゃんを救うために頑張って、お姉ちゃん。次回、ゆい戯王デュエルモンスターズ『ただ、愛する1人のために』デュエル☆スタンバイ」

627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/23(木) 18:19:09.31 ID:wpHVNjdx0
タマムシシティ編C 「過去×激闘×暴走」終了

調子に乗ってすいません
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 18:48:00.49 ID:8K9QjrfDO
乙!!!

てかカードバトルかよっwwwwwwwwwwwwww




もっとやれ
てゆーかやってくだしあwwwwwwwwww
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/24(金) 00:47:44.59 ID:O13a1BRjo

続きも待ってるよ
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/24(金) 01:12:54.34 ID:q1eZOOGAO
ミュウツーさんノリ良すぎですwwwwwwwwwwww
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:07:26.09 ID:lGdjiDTZ0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ボックスミニリュウ ポリゴン2

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい

タマムシシティ編D 「ただ、愛する1人のために」 以下、投下
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:07:55.21 ID:lGdjiDTZ0
管理室

『何なのよ、突然に』

『まったく、意味が分からないわ』

『だいたい、カードなんてどうして……』

和達はミュウツープロトタイプの突然の行動に慌てふためいてる。

『……フフフ。やっぱり、あの子はすごいな』

その中で、ローブの女だけは面白そうに画面を見ていた。
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:08:57.87 ID:lGdjiDTZ0
「「決闘(デュエル)」」

「先攻は私だよ。私のターン。カードドロー……まずは『あずにゃん』を召喚。攻撃表示」

あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500

「そして、『平沢唯』を攻撃表示で特殊召喚。このカードはフィールド上にあずにゃんがいる時、手札から特殊召喚ができる」 

平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー

「そして、手札から、魔法カード『思い出のネコミミ』発動!このカードはフィールド上に『あずにゃん』と『平沢唯』がいる時、デッキから、装備魔法『ネコミミ』を手札に加える。そして、『あずにゃん』に『ネコミミ』を装備。カードを1枚セット。ターンエンド。そして、このターンのエンドフェイズに『平沢唯』効果発動。私のターンのエンドフェイズにフィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時、あずにゃん分の摂取で、このカードの攻撃力、守備力が500ボイントアップ」

平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー

「さらに、フィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時 あずにゃん分の摂取で、LP1000回復する」

ゆいLP4000→5000

ゆい     LP5000 手札2枚 墓地1枚 モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備)
        平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー
マジックトラップゾーン リバースカード1枚 装備カード 1枚
ミュウツープロトタイプ(以下、P)  LP4000 手札5枚 墓地0枚 モンスターゾーン0枚 マジックトラップゾーン0枚
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:09:29.93 ID:lGdjiDTZ0
「よし!」

「まずまずの出だしね」

「なあ、2人とも、これってポケモンだよな。なんで、カードで遊んでるんだ」

「何を言ってるんだ。決闘(デュエル)は遊びじゃないぞ」

「そうよ、澪ちゃん。このゲームは闇のゲーム。このゲームで受けるダメージは実際のダメージになるのよ。つまり、このデュエルでダメージを受ければ受けるほど、ゆいちゃんにもダメージを受けるの。逆もまた然りよ」

「なるほど。……って、やっぱりおかしくないか」

「そんなことより、あいつのターンだぞ」

「一体、どんな戦術でくるのか」

「……また、スルーか」
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:10:31.87 ID:lGdjiDTZ0
「私のターン、カードドロー。……私は魔法カード『おろかな埋葬』を発動。このカードはデッキよりモンスターカードを選択し、墓地に送る。私はデッキより『ミュウ』を選択し、墓地に送る。そして、手札から、魔法カード『遺伝子改造』を発動。墓地の『ミュウ』をゲームより除外し、デッキより、『ミュウツー(アーマー)』を特殊召喚」

ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000


「攻撃力3000だと!」

「いきなりやるわね」

「このカードは戦闘、モンスター効果、魔法、罠により、破壊されることはない。さらに、私のスタンバイフェイズ時にカウンター1つをこのカードに乗せる。3つ乗せたこのカードを墓地に送り、『ミュウツー(パーフェクト)』を特殊召喚する」

「1ターン目から、すごいカードを……」

「ごめん、私には分からないんだが」

「そんなことより、梓ちゃんの様子は」

「大丈夫、少し、落ち着いてるよ。……ただ、あんまり長いと……」

「そう」
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:11:20.07 ID:lGdjiDTZ0
「では行くぞ。『ミュウツー(アーマー)』で『平沢唯』に攻撃。『サイコブレイク』」

「リバースカード、オープン。罠カード『にゃあっ!』を発動。このカードは『ネコミミ』を装備した『あずにゃん』がいる時に発動。その可愛さから、相手モンスターの攻撃対象を『あずにゃん』に変更する」

「ならば、『中野梓』に変更するだけだ」

「甘いよ。『あずにゃん』の効果発動。『ネコミミ』を装備している時に攻撃対象になった時、相手モンスターの攻撃力は0となる」

「なにっ!?」

「反撃、『にゃー』」

『梓』の攻撃がとおり、ミュウツーにダメージを与えた。

「グハッ。だが、『ミュウツー(アーマー)』は破壊されない」

「だけど、戦闘によるダメージは受けてもらう」

ミュウツープロトタイプ LP4000→3500

「くっ。カードを2枚伏せ、ターンエンド」

ゆい     LP5000 手札2枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン1枚
モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備)
        平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー
マジックトラップゾーン 装備カード1枚

ミュウツーP  LP3500 手札2枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000
マジックトラップゾーン  リバースカード2枚
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:11:46.01 ID:lGdjiDTZ0
「まずまずの立ち上がりだな」

「それはどうかしら、澪ちゃん」

「え?」

「たしかに、今のターンは防いで、ダメージを与えたわ。でも、防いだだけ。このターンに『ミュウツー(アーマー)』に対応できないと、次のターンから、苦しくなるわ」

「しかも、3ターンで何とかしないと、新たなるカードが呼ばれるからな」

「……お前ら、詳しいな」
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:12:50.08 ID:lGdjiDTZ0
「私のターンだね」

(ムギちゃんの言うとおり、私は前回の攻撃を防いだだけだ。とはいっても、私の手札には『ミュウツー(アーマー)』倒せるのカードはないんだよね。まあ、デッキから、カードを引いてみなくちゃ、分からないよね)

「カード、ドロー。……私は『正義の味方ゆいちゃんマン』を 攻撃表示で召喚」

正義の味方ゆいちゃんマン 光属性 けいおん族 ☆1 攻300/守300 

私は『正義の味方ゆいちゃんマン』の効果発動。このカードはこのカードをリリースすることで、手札から、あずにゃん(中野梓)と名のつくカードを特殊召喚できる。私は手札にある『ネコミミあずにゃん』を特殊召喚。攻撃表示」

ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:14:34.43 ID:lGdjiDTZ0
「『ネコミミあずにゃん』で『ミュウツー(アーマー)』に攻撃。『滅びのニャーストリーム 』」

「馬鹿め。攻撃力は同じ。だが、『ミュウツー(アーマー)』は戦闘で破壊することはできない」

「『ネコミミあずにゃん』の効果。このカードがバトルをする時、相手モンスターの攻撃力が半分になる」

「何だと!?」

「破壊は出来なくても、あなたにダメージを与えることは出来る」

「なるほど。……だが、リバースガード発動。永続罠カード『ミュウツーのバリアー』」

「!?」

「このカードは『ミュウツー』と名のつくカードがいる時、1ターンに1度だけ、戦闘を無効にする」

「何!?」

「よって、この攻撃は無効だ」

「やるね。私は『平沢唯』を守備表示にして、ターンエンド。そして、このターンのエンドフェイズに『平沢唯』効果発動。私のターンのエンドフェイズにフィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時、あずにゃん分の摂取で、このカードの攻撃力、守備力が500ボイントアップ」

平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1500/守1500 チューナー

「さらに、フィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時 あずにゃん分の摂取で、LP1000回復する」

ゆいLP5000→6000

ゆい     LP6000 手札1枚 墓地3枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン3枚 マジックトラップゾーン1枚
モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備)
        平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1500/守1500 チューナー 守備
        ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500
マジックトラップゾーン 装備カード1枚

ミュウツーP  LP3500 手札2枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000
マジックトラップゾーン  リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:15:08.21 ID:lGdjiDTZ0
「私のターン、カードドロー。スタンバイフェイズにミュウツー(アーマー)にカウンターをひとつ乗せる」

ミュウツー(アーマー)0→1

「ゆいよ。お前はそこのツインテールのポケモンとツインテールは友達と言ったな」

「うん、そうだよ。皆、あずにゃんのために一生懸命だもん」

「ならば、そのお友達がツインテールを助けることを邪魔するんだな」

「?」

「私は『ガルーラ』を攻撃表示で召喚」

ガルーラ   地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200

「な!? ガル太」

「どういうことだ、これは。よく分からないんだが」

「澪ちゃんは分からないの? ガルーラは梓ちゃんのモンスターよ。今は一刻を争う時にカードとはいえ、『ガルーラ』がゆいちゃんに牙をむいてるのよ。つまり、梓ちゃんの仲間が梓ちゃんを助けるのを邪魔してるのと同じなのよ」

「はあ、なるほど(さっぱり分からん)」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:15:49.40 ID:lGdjiDTZ0
「『ミュウツー(アーマー)』で、『ネコミミあずにゃん』を攻撃。『サイコブレイク』」

「くっ。『ネコミミあずにゃん』の効果は私がバトルをする時にのみ、発動する。つまり、相手のターンでは発動できない」

「そして、攻撃力は互角でも、私のモンスターは戦闘では破壊されない」

バーン

「『ネコミミあずにゃん』……」

「まだ、私のバトルフェイズは終わってない。『ガルーラ』で『平沢唯』を攻撃。『ピヨピヨパンチ』」

『キャーーーーーーー』

「ああ、『平沢唯』が破壊されちゃった」

「私はこれでターンエンド。私は自分のターンのエンドフェイスに効果発動。『ガルーラ』が戦闘によって、モンスターを破壊した時、デッキから、カードを1枚ドローする」

ゆい     LP6000 手札1枚 墓地5枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚
モンスター あずにゃん(中野梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備)
マジックトラップゾーン 装備カード1枚

ミュウツーP  LP3500 手札3枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター1
        ガルーラ   地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200
マジックトラップゾーン  リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:16:21.42 ID:lGdjiDTZ0
「まずいな」

「ええ」

「今度はなんだ」

「ゆいの手札は一枚のみ。最強の盾、『中野梓』がいても、いつ突破されるか分からないからな」

「そして、ライフは上でも、守ってるだけじゃ勝てないし」

「そうなのか(さっぱり分からん。何で普通に戦わないんだろう)」
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:16:58.90 ID:lGdjiDTZ0
「私のターン、カードドロー。……君はポケモンと人間は共存できないと言ったよね」

「ああ」

「それは間違ってるよ。私は『りっちゃん』を攻撃表示で召喚」

田井中律  光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500

「でたっ!私のカード」

「『りっちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札にあるけいおん族を1体特殊召喚できる。私は『ムギちゃん』を特殊召喚」

琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500

「私のカードよ!」

「『ムギちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドにいる、このカードを含めたけいおん族1枚につき、1枚カードをドローする。私のフィールドには3枚のけいおん族が存在する。この効果で、私は3枚カードをドローする。そして、手札から魔法カード『二重召喚(デュアルサモン)』を発動。このカード効果はこのターンに通常召喚を2回まで行う事ができる。私は、『澪ちゃん』を攻撃表示で召喚」

秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:17:26.33 ID:lGdjiDTZ0
「あれ?何で私のカードが?」

「ああ。さっき、私が渡した」

「何で、勝手に」

「だって、仲間だろ?」

「……」

「澪ちゃん、顔真っ赤」
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:18:07.91 ID:lGdjiDTZ0
「『澪ちゃん』の効果発動。召喚、特殊召喚に成功した時、墓地にあるけいおん族のカードを1枚手札に加える。私は『平沢唯』を手札に加える。そして、『平沢唯』を攻撃表示で特殊召喚。このカードはフィールド上にあずにゃんがいる時、手札から特殊召喚ができる」 

平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー

「まさか、このターンでここまでのモンスターを召喚するとは」

「これが絆の力だよ。私はカードを1枚セット。ターンエンド。そして、このターンのエンドフェイズに『平沢唯』効果発動。私のターンのエン
ドフェイズにフィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時、あずにゃん分の摂取で、このカードの攻撃力、守備力が500ボイントアップ」

平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー

「さらに、フィールドにあずにゃんという名がつくのカードがいる時 あずにゃん分の摂取で、LP1000回復する」

LP6000→7000

ゆい     LP7000 手札0枚 墓地5枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン5枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター あずにゃん(中野 梓) 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500(ネコミミ装備)
        平沢 唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー 
        田井中 律  光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
        琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
        秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
マジックトラップゾーン 装備カード1枚 リバースカード1枚

ミュウツーP  LP3500 手札3枚 墓地2枚(内、魔法罠2) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター1
        ガルーラ   地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200
マジックトラップゾーン  リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:18:37.48 ID:lGdjiDTZ0
「よし、これで、ライフでは倍になった」

「でも、このままじゃ、『ガルーラ』にも勝てないわ」

「どうする、ゆい」

「……まったく、状況が分からない」
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:19:55.31 ID:lGdjiDTZ0
「私のターン、カードドロー。スタンバイフェイズにミュウツー(アーマー)にカウンターをひとつ乗せる」

ミュウツー(アーマー)1→2

「さらに地獄は続くぞ。私は『ニューラ』を攻撃表示で召喚」

ニューラ 闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200

「今度はニュー太!」

「なるほど。ゆいを精神的に追い詰めるのが狙いか」

「私は手札から、魔法カード『サイコブレイク』発動。このカードはミュウツーがいる時にのみ発動。相手モンスター1体を破壊し、そのモンスターの攻撃力分ダメージを与える。対象は『中野 梓』」

「!?」

『キャーー、ゆいせんぱーい』

「あずにゃん」

「まだ、効果ダメージがあるぞ」

「うわーーー」

ゆい LP7000→6500

「なんで、ダメージがゆいに食らってるんだ?」

「最初にも言っただろ?これは闇のゲームなんだよ」

「言ってたけど、まさか、実際にダメージがあるなんて」

「こんなことで驚いていては駄目よ。違う世界にはこのカードで世界を救っている人がいるのよ」

「はあ?」

「そして、バトルフェイズ。『ガルーラ』で、『田井中 律』に攻撃。『ピヨピヨパンチ』」

「くっ。これ以上はやらせないよ。リバースカード発動。カウンター罠カード『攻撃の無力化』。相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手モンスター1体の攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する」

「やるじゃないか。だが、お前の恋人のカードは墓地にいってしまったな。ターンエンド」

ゆい     LP6500 手札0枚 墓地8枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン4枚 マジックトラップゾーン0枚
モンスター 平沢 唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻1000/守1000 チューナー 
        田井中 律  光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
        琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
        秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500
マジックトラップゾーン 

ミュウツーP  LP3500 手札2枚 墓地3枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター2
        ガルーラ   地属性 おやこ族 ☆4 攻1900/守1200
        ニューラ   闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200
マジックトラップゾーン  リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:21:22.23 ID:lGdjiDTZ0
「お前は現実だけでなく、このデュエルでも、恋人を殺してしまったな」

「ま、まだ、現実では死んでないよ。縁起でもないこと言わないでよ」

「時間の問題だろう。さっきのように心の闇に身を任せてはどうだ?」

「やだよ。あずにゃんと約束したもん。私はこのデュエルであなたを倒す」

「それもいいだろう」

「あんまり、舐めないでよ。私のターンだよ」

(とはいっても、現状じゃ厳しいよ)

「カードドロー。……私は『平沢 唯』に『田井中 律』『琴吹 紬』『秋山 澪』をチューニング」

☆2+☆2+☆2+☆2=☆8

「集いし想いが新たに輝く嫁となる。光さす嫁となれ、シンクロ召喚『エンジェルあずにゃん』」

エンジェルあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター

そんな口上とともに、白い羽をした梓の姿が。

649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:22:04.31 ID:lGdjiDTZ0
「お、おい、あのカードは……」

「あれは伝説のアズリストの持つ世界に4枚しかないといわれるカードのうちの1枚 、『エンジェルあずにゃん』だな」

「なんで、そんなカードをあいつは持ってるんだ」

「悔しいけど、今のところ、ゆいちゃんが伝説のアズリストだからよ」

(こいつらは一体何を言ってるんだ。梓、助けて)
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:23:16.03 ID:lGdjiDTZ0
「『エンジェルあずにゃん』の効果発動。1ターンに1度、墓地に存在する『平沢唯』か『中野梓(あずにゃん)』と名のつくカードをフィールドに特殊召喚する。この効果で、私は『ネコミミあずにゃん』を特殊召喚。攻撃表示」

ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500

「よし!」

「このまま、押し切れるわ」

「私は『エンジェルあずにゃん』で『ガルーラ』に攻撃。『エンジェルスマイル』」

『グハッ』

ミュウツープロトタイプは衝撃で吹き飛ぶ。

「グアーーーー。……貴様は仲間をも滅ぼすか」

ミュウツーP LP3500→2400(3000-1900)

「それはカードだしね。まだ、私のバトルフェイズは終わってないよ。『『ネコミミあずにゃん』で』『ニューラ』に攻撃。『滅びのニャース
トリーム』」

「2度目は通じんよ。永続罠カード『ミュウツーのバリアー』の効果発動。このカードは『ミュウツー』と名のつくカードがいる時、1ターンに1度だけ、戦闘を無効にする」

「やるね。私はカードを一枚伏せてターンエンド」      

ゆい     LP6500 手札0枚 墓地11枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン1枚
モンスター  エンジェルあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター 
         ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500
マジックトラップゾーン リバースカード1枚

ミュウツーP  LP2400 手札2枚 墓地4枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター ミュウツー(アーマー) 闇属性 いでんし族 ☆8 攻3000/守3000 カウンター2
        ニューラ   闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200
マジックトラップゾーン  リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:23:54.51 ID:lGdjiDTZ0
「さて、最後のターンだ。私のターン、カードドロー。スタンバイフェイズにミュウツー(アーマー)にカウンターをひとつ乗せる」

ミュウツー(アーマー)2→3

「『ミュウツー(アーマー)』の効果発動。カウンター3個が乗った、『ミュウツー(アーマー)』をリリースし、デッキより、『ミュウツー(パーフェクト)』を特殊召喚」

ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000

「このカードはモンスター効果、魔法、罠カードの効果で、破壊できない。また、フィールドから手札に戻すことができず、フィールドから除外することもできない」

「なっ!?」
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:25:49.57 ID:lGdjiDTZ0
「おい、なんだよ、あのカードは!インチキ効果もいい加減にしろ!!」

「つまり、どういうことなんだ」

「あのカードはモンスター効果、魔法、罠カードの効果で、破壊はできないのよ。そして、手札に戻すこともできない。さらには除外することができない。つまり、ずーっと、フィールドに残り続けるのよ」

「攻撃力4000のモンスターが? なにか、手段は?」

「かなり厳しいがないわけじゃない」

「その方法は?」

「戦闘で倒すかデッキに戻すかだけど、厳しいな」

「へ?」

「あのテキストには戦闘で破壊されないとは書いていないからな。だが、永続罠カード『ミュウツーのバリアー』のカードがあるから現実的に相当に厳しい。デッキに戻すにしても、ゆいのデッキに入ってるかどうか」
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:26:30.47 ID:lGdjiDTZ0
「では、バトルだ。『ミュウツー(パーフェクト)』よ、『ネコミミあずにゃん』に攻撃。『はどうだん』」

『にゃーーーーーーーーーーーーーー』

「あずにゃーん。うわーーーーーーー」

ゆい LP6500→5500(4000-3000)

その攻撃を受け、コロコロと転がっていくゆい。

「大丈夫か、ゆい」

「う、うん。まだ、平気だよ」

「私は『ニューラ』を守備表示にして、これで、ターンエンドだ」

ゆい     LP5500 手札0枚 墓地12枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚
モンスター  エンジェルあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター          
マジックトラップゾーン リバースカード1枚

ミュウツーP  LP2400 手札3枚 墓地5枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター  ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000
        ニューラ   闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備
マジックトラップゾーン  リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:27:04.70 ID:lGdjiDTZ0
「くそっ。私のターン、カードドロー。『エンジェルあずにゃん』の効果発動。1ターンに1度、墓地に存在する『平沢唯』か『中野梓(あずにゃん)』と名のつくカードをフィールドに特殊召喚する。この効果で、私は『ネコミミあずにゃん』を特殊召喚。守備表示」

ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500

「また、あのカードを復活させたか」

「でも、どうするのかしら」

「……私はカードを1枚セット。『エンジェルあずにゃん』を守備表示にしてターンエンド」

ゆい     LP5500 手札0枚 墓地11枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター  エンジェルあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター  守備        
        ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 守備
マジックトラップゾーン リバースカード2枚

ミュウツーP  LP2400 手札3枚 墓地5枚(内、魔法罠3) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター  ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000
        ニューラ   闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備
マジックトラップゾーン  リバースカード1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:27:32.68 ID:lGdjiDTZ0
「では、私のターン。カードドロー。私は『ミュウツー(パーフェクト)』に装備魔法『かいがらのすず』を装備。このカードを装備したモンスターが戦闘により、相手プレイヤーにダメージを与えた時、その数値の半分を私のライフに加える」

「これで、ライフ回復手段まで……」

「まだ、終わらないぞ。さらに、私は『ミュウツー(パーフェクト)』に装備魔法『メテオ・ストライク』を装備。このカードを装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える」
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:28:05.00 ID:lGdjiDTZ0
「まだ、終わらないぞ。さらに、私は『ミュウツー(パーフェクト)』に装備魔法『メテオ・ストライク』を装備。このカードを装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える」

「なっ。これで、守備してもダメージが……」

「どういうことだ」

「本来なら、守備表示にしてれば、ダメージは発生しなかったけど、あのカードのせいで、守備表示にしても、ダメージを受けるわ」

「それだけじゃない。ダメージを受けるたびにあいつのライフが『かいがらのすず』の効果で回復する。ただでさえ、厳しいのに」

「ゴホゴホ」

「大丈夫か、梓」

「顔色がだいぶ悪くなっている」

「状況は最悪ね」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:28:59.06 ID:lGdjiDTZ0
「『ミュウツー(パーフェクト)』で『エンジェルあずにゃん』に攻撃。『はどうだん』」

「くっ、リバースカード、オープン。罠カード『くず鉄のかかし』 このカードは相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。相手モ
ンスター1体の攻撃を無効にする。発動後このカードは墓地に送らず、そのままセットする」

「あまいな。 リバースカード、オープン。罠カード『トラップスタン』 このカードはこのターンこのカード以外のフィールド上の罠カードの効果を無効にする」

「えっ!?」

「このカードの効果で『くず鉄のかかし』の効果は無効。セットもされない。よって、『ミュウツー(パーフェクト)』の攻撃は『エンジェルあずにゃん』に通る」

『にゃーーーーー』

「くっ、『エンジェルあずにゃん』。う、うわー」

バーンと、ゆいの小さな体は飛ばされてしまう。

ゆい LP5500→4000(4000-2500)

「さらに、装備魔法『かいがらのすず』を装備。このカードを装備したモンスターが戦闘により、相手プレイヤーにダメージを与えた時、その数値の半分を私のライフに加える」

ミュウツーLP2400→3150(2400+750)

「私はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

ゆい     LP4000 手札0枚 墓地13枚(内、魔法罠6) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚
モンスター   ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 守備
マジックトラップゾーン リバースカード1枚

ミュウツーP  LP3150 手札1枚 墓地6枚(内、魔法罠4) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン4枚
モンスター  ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 装備2枚
        ニューラ   闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備
マジックトラップゾーン  リバースカード 1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:29:35.44 ID:lGdjiDTZ0
「……く、立たないと」

「……お前に勝ち目はない。諦めたら、どうだ」

「それは選択肢にすらないよ」

(とはいっても、全然勝機がないよ)

「私のターン、カード、ドロー。……これは!?」

「何を引いたんだ」
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:30:11.52 ID:lGdjiDTZ0
「私は魔法カード『けいおん回収』を発動。このカードは墓地に存在するけいおん族のカードを2枚まで手札に加える。私は『りっちゃん』と『ムギちゃん』を手札に加える。私は『りっちゃん』を召喚する。」

田井中律  光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 守備

「『りっちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札にあるけいおん族を1体特殊召喚できる。私は『ムギちゃん』を特殊召喚」

琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500  守備

「『ムギちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドにいる、このカードを含めたけいおん族1枚につき、1枚カードをドローする。私のフィールドには3枚のけいおん族が存在する。この効果で、私は3枚カードをドローする。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド。」

ゆい     LP4000 手札2枚 墓地12枚(内、魔法罠7) モンスターゾーン3枚 マジックトラップゾーン2枚
モンスター   ネコミミあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 守備
          田井中律  光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 守備
          琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500  守備
マジックトラップゾーン リバースカード2枚

ミュウツーP  LP3150 手札1枚 墓地6枚(内、魔法罠4) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン4枚
モンスター  ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 装備2枚
        ニューラ   闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 守備
マジックトラップゾーン  リバースカード 1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:31:22.13 ID:lGdjiDTZ0
「私のターン、カードドロー。……さて、更なる絶望を見せてやろう」

「?」

「私は『ストライク』を召喚。装備魔法『メタルコート』を装備。そして、『メタルコート』を装備した『ストライク』をリリースことで、『ハッサム』を特殊召喚」

ハッサム 闇属性 はさみ族 ☆7 攻2600/守2000

「あれは、梓のエースモンスター」

「例え、ただのカードでも、いい気分はしないわね」

「『ニューラ』を攻撃表示に変更。バトルフェイズ、『ミュウツー(パーフェクト)』で『琴吹 紬 』に攻撃『はどうだん』」

『キャー』

「ムギちゃん。う、うわーーーーーーーーー」

ゆいは今までとは比べ物にならないほど、いきおいよく、飛ばされていく。

ゆい LP4000→500 (4000-500)

ミュウツーP LP3150→4900(3150+1750)

「……ハアハア」

「それぞれ、2体で『田井中律』『ネコミミあずにゃん』を攻撃」

『『キャーーーー』』

「……ハアハア、 リバースカード、オープン。罠カード『奇跡の残照』 このカードはこのターン戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られたモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを墓地から特殊召喚する。私は『ムギちゃん』を選択し、特殊召喚。『ムギちゃん』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドにいる、このカードを含めたけいおん族1枚につき、1枚カードをドローする。私のフィールドには1枚のけいおん族が存在する。この効果で、私は1枚カードをドローする」

「無駄な抵抗だな。私はこれでターンエンド」

ゆい     LP500 手札3枚 墓地15枚(内、魔法罠8) モンスターゾーン1枚 マジックトラップゾーン1枚
モンスター   琴吹 紬 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500  守備
マジックトラップゾーン リバースカード1枚

ミュウツーP  LP4900 手札0枚 墓地8枚(内、魔法罠5) モンスターゾーン2枚 マジックトラップゾーン4枚
モンスター  ミュウツー(パーフェクト) 闇属性 いでんし族 ☆12 攻4000/守4000 装備2枚
        ニューラ   闇属性 かぎづめ族 ☆4 攻1800/守1200 
         ハッサム  闇属性 はさみ族 ☆7 攻2600/守2000
マジックトラップゾーン  リバースカード 1枚 永続罠カード『ミュウツーのバリアー』
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:32:17.73 ID:lGdjiDTZ0
(駄目だ、こいつ、強いよ。もう駄目だよ。あずにゃんとこいつを倒す約束をしたのに。……ここで、諦めてもいいよね。きっと、天国で褒めてくれるよね。『よく頑張りましたね』って、言って、ナデナデしてくれるよね)

「どうした、諦めたのか?諦めた方が楽になれるぞ」

(そうだよね。こんなの私らしくないし、諦めた方がいいよね)

「そうだ。素直に諦めたら、あの、ツインテールの女だけでも、助けてもいいぞ」

「え?」

「そのかわり、私のために働いてもらう。さしあたっては、あの女達から、倒してもらうぞ」

「ほ、本当に、あずにゃんを……」

(もし、本当に助けてくれるなら、いいよね。もともと、あずにゃんを通じての知り合いだし、そんなに繋がりもないしね。だから、あずにゃんのために犠牲になってもらっても……)

「……」

(なんてね。そんなことしても、あずにゃんは喜ばないよね。あずにゃんが喜んでくれるとしたら、最後まで諦めないことだよ)

「どうした?お前の答えは?」
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:33:54.71 ID:lGdjiDTZ0
「……答えは……これだよ。私のターン、カードドロー」

(神経を集中させるんだ。私の頭のてっぺんから、足のつま先まで、神経を集中させるんだ)

「……何故、お前は諦めないんだ」

「何故って? あなたを倒すって約束したからだよ。リバースカードを発動。永続罠カード『エンジェル・リフト』 このカードは自分の墓地に存在するレベル2以下のモンスター1体を選択し、攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターがフィールド上から離れた時このカードを破壊する。このカードで、復活させるのは、『澪ちゃん』」

秋山 澪 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500

「このカードは召喚、特殊召喚に成功した時、墓地にあるけいおん族のカードを1枚手札に加える。私は、『りっちゃん』を手札に加える」

(思い出すんだ。今までの思い出を。それだけじゃない。けいおん!っていう名前のアニメのあずにゃんや原作のあずにゃん。それだけじゃない2ちゃんねるっていう掲示板のVIPっていうところの唯梓か平梓のあずにゃん(他は忘れよう)。私の体の神経全てを集中させるんだ)

「私は手札から魔法カード『貪欲な壺』を発動。このカードは自分の墓地に存在するモンスター5体を選択し、デッキに加えてシャッフルする。その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。私は『あずにゃん』『平沢唯』『正義の味方ゆいちゃんマン』『ネコミミあずにゃ
ん』『エンジェルあずにゃん』をデッキに戻して、シャッフル」

(このドローに全てがかかっている。あずにゃん、力を貸しておくれ)
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:34:21.07 ID:lGdjiDTZ0
「おい、ゆいの様子がおかしいぞ。まさか、さっきみたいに……」

「それはない。ゆいもアズリストである以上、梓の嫌がることはしないはずだ」

「あのオーラは……まさか、ゆいちゃんはあの技を」

「馬鹿な。あの技は……」

「何なんだよ、一体」
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:35:25.92 ID:lGdjiDTZ0
(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に)

「……ミュウツープロトタイプ」

「なんだ?」

「……たしかにあなたの言うとおりかもしれない。人間とポケモンとの共存は難しいし、できないかもしれない。……それでも、私は人間さん……あずにゃん達と一緒にいたい。……例え、あなたの方が正しかったとしても、私はあなたを倒す」

(さあ、一緒に戦おうね、あずにゃん。行くよ、……アズサマインド)
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:36:23.86 ID:lGdjiDTZ0
「「行きますよ、ミュウツープロトタイプ!魔法カード『貪欲な壺』の効果で私はデッキから、カードを2枚ドローします」」

「!? お前はさっきまで、重症だったはず……」

「お、おい。ゆいが、あ、梓みたいに……」

「ついに来たか」

「ええ。……私達は伝説を見てるのかしら……」

「何なんだよ、一体」

「ゆいは、アズサマインドの境地に達したんだ」

「は?」

「アズサマインドの境地とは頭のてっぺんから、足の指先まで、全て梓と1つなろうとすることで達することが出来るんだ。その境地に達することで、まるで、梓と一体化しているかのような、その場に梓がいるような、感覚に周りはみまわれる」

「その境地に達することで、アズリストは新たなる力に達することが出来る」

「だが、この境地に達することは現実問題相当に厳しい」

「まずは、梓を相当に好きであること。……これは私達でも満たしているだろう」

「だけど、次が難しいのよ。体の全てが梓ちゃんと一体になれるように集中していかなきゃいけない」

「そして、心が梓以外のことを考えないように無にするんだ」

「分かったかしら?」

「……分かったのはお前らが変態だということだけだよ」
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:37:15.88 ID:lGdjiDTZ0
「「来ました、あなたを倒すためのキーカードが。もう、あなたのターンはまわってきません!!」」

「この私を倒すだと」

「「私は『律先輩』を召喚します」」

田井中 律  光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500

「「『律先輩』の効果発動。このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札にあるけいおん族を1体特殊召喚できます。私は『唯先輩』を特殊召喚」」

平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー

「「そして、『猫梓』を特殊召喚します。このカードはフィールドに『唯・ゆい』と名のつくカードがいる時、特殊召喚できる」」

猫梓 光属性 けいおん族 ☆1 攻300/守300 

「「私は『平沢 唯』に『田井中 律』『琴吹 紬』『秋山 澪』をチューニングします」」

☆2+☆2+☆2+☆2=☆8

「「集いし想いが新たに輝く嫁となる。光さす嫁となれ、シンクロ召喚『エンジェルあずにゃん』」」

エンジェルあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆8 攻3000/守2500 シンクロモンスター
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:38:02.28 ID:lGdjiDTZ0
「「『エンジェルあずにゃん』の効果発動します。1ターンに1度、墓地に存在する『平沢唯』か『中野梓(あずにゃん)』と名のつくカードをフィールドに特殊召喚します。私は『唯先輩』を特殊召喚します」」

平沢唯 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 チューナー

「「手札から、魔法カード『ゆいあず!』を発動します。このカードは『唯又はゆい』と名のつくカードと『梓(あずにゃん)』と名のつくカードのレベルを同じにすることが出来ます。その効果で『唯先輩』のレベルを1にします。そして私は『平沢 唯』に『猫梓』をチューニングします」」

☆1+☆1=☆2

「「集いし想いが新たな嫁への進化を導く。光さす嫁となれ、シンクロ召喚『ナースあずにゃん』」」

ナースあずにゃん 光属性 けいおん族 ☆2 攻500/守500 シンクロチューナー

「「まだ、行きますよ。『ナースあずにゃん』に『エンジェルあずにゃん』をチューニングします」」

☆8+☆2=☆10

「「2人の想いが通じ合う時、新たなる力の扉が開く。光さす嫁となれ、アズニャンシンクロ『ナースエンジェルあずにゃん』」」

ナースエンジェルあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆10 攻???/守0
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:38:58.58 ID:lGdjiDTZ0
突如として、ナース服を着て、羽の生えたコスプレをした梓が……って、そのまんまだな。

「「『ナースエンジェルあずにゃん』の効果。このカードはこのターンのエンドフェイズ終了時にデッキに戻る。このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカード以外の攻撃力はゼロとなる。そして、注射器に他のモンスターの攻撃力を吸収し、フィールド上に存在する全てのモンスターの元々のモンスターの攻撃力の合計分をこのカードのもともとの攻撃力となります」」

「何だと!!」

ナースエンジェルあずにゃん  光属性 けいおん族 ☆10 攻8400/守0(4000+1800+2600)

(だが、まだ、私のフィールドにはリバースカード『聖なるバリアミラーフォース』と永続罠カード『ミュウツーのバリアー』がある)

「「私は手札から、魔法カード『ハリケーン』を発動します。このカードはフィールド上に存在する魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻します」」

「何だと!!」

「「行きますよ、『ナースエンジェルあずにゃん』で、『ミュウツー(パーフェクト)』を攻撃。ゆいあず真拳究極奥義『ラブラブ☆レーザー』」

巨大な注射器が『ミュウツー(パーフェクト)』に狙いを定め、強力なレーザーとなって、発射される。

「ぐっ。まさか、この私がーーーーーーーーーーーー」

ミュウツーP LP4900→0
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:39:27.09 ID:lGdjiDTZ0
そのレーザーは、『ミュウツー(パーフェクト)』を打ち砕き、ミュウツープロトタイプをも貫通し、大爆発が起こった。そして、それと同時に、綺麗な光の粉みたいのが私達のところに降り注いだ。

「おい、私達のポケモンが元気になってるぞ」

「本当だわ」

「この光の粉が……あ、梓」

「どうした?」

「梓の傷が塞がっていく」

目の前で、梓の胸の傷が塞がっていった。
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:40:19.38 ID:lGdjiDTZ0
「大丈夫か、梓」

私は目を覚ますと、目の前には澪先輩達の姿がありました。目には涙がたくさん浮かんでいます。

「皆さん、どうしたんですか?泣いていますけど……」

「何を言ってるんだ、死に掛けてたんだぞ」

まだ、頭がぼーっとするけど、なんとなく、思い出した。そうだ、私は律先輩を庇って……

「大丈夫ですか、律先輩」

「ああ、私は大丈夫だ。梓のおかけでな」

「……そういえば、ミュウツープロトタイプは……」

「あいつなら、ゆ……」

「あ〜ずにゃ〜ん」

「にゃっ」

ゆい先輩が私の胸に飛び込んできました。

「よかったよ〜、あずにゃん。……グス、私、死んじゃうかと思ったんだよ〜、……グスグス」

「……ごめんなさい」

「グスグス。私、頑張ったよ。頑張って、ミュウツープロトタイプを倒したよ」

「……すごいですね、ゆい先輩は」

ナデナデ

「……えへへ〜」
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:41:11.39 ID:lGdjiDTZ0
ガシャーン

そんな音ともに、瓦礫が吹き飛びました。

「な、な、な……」

「あ、あれだけの、こ、こ、攻撃を受けて……」

「ま、まだ、生きてるなんて」

その瓦礫から、左の上半身が吹き飛んだ状態のミュウツーの姿が。

「……」

そして、1歩1歩ずつ、こちらに向かって、歩いてきます。

「……」

そして、私の前に立ち、右手を差し出し、

「……お前、いや、お前達の勝ちだ」

「……」

私は黙って、ミュウツープロトタイプの右手を握ります。

「……お前達の勝ちだが、私は人間が嫌いだ。これ以上、利用されたくない」

ミュウツープロトタイプは右手を上に向け、強力なレーザーを放ちます。

ガシャーン

と天井が破れていき、地上の明かりが入ってきます。
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:42:00.41 ID:lGdjiDTZ0
「……行っちゃうの?」

ゆい先輩は寂しそうに言います。

「……私とお前は敵だぞ」

「決闘(デュエル)をしたんだから、決闘者(デュエリスト)は友達なんだよ。また、決闘(デュエル)しようね」

ニコッと笑うゆい先輩。

「……今度は普通の戦いをしたいがな」

「むむ、それはちょっと勘弁だよ」

「じゃあ、そのために、レベル上げも頑張らないといけませんね」

「それも、勘弁してよ〜」

「……では、機会があれば、また会おう」

「……うん」

「……はい」

ミュウツープロトタイプは破れた天井から、空に向かって、飛んでいきました。
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:42:39.86 ID:lGdjiDTZ0
管理室

『いい、必要なデータだけ持って逃げ出すのよ!!持ちきれない分は破棄して』

管理室内は混乱の最中にいた。それはそうだろう。自分達の最強モンスターが訳の分からない幼稚園児みたいなモンスターに負けた上に、逃げ出したうえに、その騒ぎで警察が来るのだから。

『どうするの、この事態は!!』

『そんなの私の知ったことじゃないよ』

『知ったことじゃないですって……』

『仕方がないでしょ、相手の方が強かったんだからさ。……よいしょっと』

ローブの女は立ち上がる。

『それじゃ、私は行く場所があるから』

『な、ちょっと、待ちなさいよ』

その少女はその言葉を無視し、部屋を出て行った。
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:43:22.75 ID:lGdjiDTZ0
2日後

私達はその後、騒ぎによって、駆けつけた警察に保護され、特に血まみれだった私は検査入院をすることになりました。

「いやー、すっかり、怒られたな。もっと、警察を信用しろって。ムギがいなかったら、早くに帰してもらえたかどうか」

「でも、警察が踏み込んでも、ミュウツープロトタイプには勝てなかったでしょうね」

「たしかに。今も信じられないもんな、あいつに勝ったなんて」

「ミュウツープロトタイプに勝てたのは私のおかげなんだよ」

フンス、と得意げに胸を張る、ゆい先輩。

「本当にこんな小さい体でよく勝ったよな」

「うー、小さい体は余計だよ」

「……ところで、梓。本当にもう、私達が行ってもいいのか」

「ええ。前にも言いましたけど、澪先輩はともかく、律先輩達はバッチ集めがありますし、澪先輩だって、いろいろやることがあるでしょう。
私のせいで、皆さんが足止めされるのは嫌です」

「……そうか」
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:44:33.36 ID:lGdjiDTZ0
「大丈夫、大丈夫。あずにゃんには私はいるし〜」

「それが一番、不安だけどな」

「ぶう〜ぶう〜、りっちゃんよりもましだよ」

「なんだと〜」

ゆい先輩と律先輩が楽しそうにじゃれています。ゆい先輩と律先輩はポケモンと人間ですけど、まるで、そんなの関係ないように。

「……」

私は病院のベットから、窓の外を見る。今頃、ミュウツープロトタイプはどうしているのでしょうか。あれだけの傷を負ってましたし、ロケット団も追っているでしょう。……あのポケモンは人間とポケモンは共存できない、と、今だからこそ、そう思いますのですけど、悲しい目をして言ってました。間違ってはないですけど、それは悲しいですよね。

「どうしたの、梓ちゃん。ボーっとして」

「いえ。……ミュウツープロトタイプは今、どうしているかなって」

「……きっと、今頃、元気でやってるさ」

「……だといいわね」

「……あいつは強いからな」

「……また会いたいよね」

「でも、さすがに、あの戦いは勘弁だけどな」

「え〜、あの決闘(デュエル)、楽しかったじゃん、澪ちゃん」

「いや、ポケモンなんだからな、ちゃんとポケモンしろよと言いたい」

「澪。そんな常識を持ってたら、ゆいには勝てないぞ」

「む〜、まるで、私が非常識みたいじゃん」

「あながち、間違ってないわよね」

楽しそうにじゃれあう、ゆい先輩達を見て、人間とポケモンは共存できますって、ミュウツープロトタイプに言ってあげたいな、って思いました。
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:45:54.61 ID:lGdjiDTZ0
カントーのある山にて

『……』

私は力なく、横たわる。さすがに、ダメージがありすぎたか。

『残念だったね』

ローブの女がいつの間にか、そばにいた。

『あんな遊びに付き合あわなくてもね』

『……お前も分かってるだろう。あれでなくては、私に勝つ可能性がなかったことを』

『過大評価しすぎじゃないかな』

『……何とでも言え』

私は寝そべり、空を見る。……綺麗な青空がある。初めて見る光景だ。世界にはまだまだ、見ていない光景があるだろう。そんな光景を見てみたい。……もう、叶うことのない夢だけれど。

『どうする?ロケット団の研究所に連れて行けば、生きることができるよ』

たしかに生きることはできるだろう。そのかわり、今回のことで、自由も無くなるだろう。

『……もういい。私は疲れた。せめて、お前の手で私を自由にしてくれ』

『……分かったよ』

ローブの女が近づいてくる。

『……そういえば、約束したな。お前の名は?』

『そうだね。約束してたね』

ローブの女はゆいの発したレーザー以上のエネルギーを手にため、私に手を向ける。

『…………ゆいだよ』

その声とともに、私の意識は途絶えていった。
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/25(土) 09:46:40.18 ID:lGdjiDTZ0
タマムシシティ編D 「ただ、愛する1人のために」終了
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/25(土) 11:22:08.87 ID:4Axl5TWV0
乙!
とうとうこの世界観のキーワードらしいのがでてきたな
本当先が見えない話でwwktkするわ
次も頑張ってくれ!
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/06/25(土) 23:20:22.58 ID:YCQrZGqX0
乙!!
ちびゆいとどんな関係か気になるわ
次の更新も楽しみに待ってる!
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/26(日) 14:34:13.55 ID:4eXi3i6so
ミュウツーリタイアか・・・
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:22:50.15 ID:eOxyCN8e0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい

タマムシシティ編 エトセトラ 「ある1日」 以下、投下
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:23:52.94 ID:eOxyCN8e0
病院

やっほ〜、ゆいだよ〜。私は、今、病院にいるんだ。何でかって?前回の戦いでのあずにゃんの1週間の検査入院があったからだよ。それも、明日で退院できるみたいだけどね。

「モグモグ」

今、私はムギちゃんの使いさんが届けてくれたケーキを食べています。ムギちゃんの使いさんは毎日持って来てくれるから、いい人だね
〜。……あずにゃんは渡さないけど。ケーキで買収されるゆいさんではありません。私は、あずにゃんのほうを見る。

「zzz」

今はお昼寝中だね。う〜ん、寝顔も可愛いね〜。さすがは私の嫁!だよ。

「さてと、あずにゃんがお昼寝してるうちにっと」

私は雑誌を取り出す。あずにゃんに隠れて読むからって、エッチな本じゃないよ。今、私が読もうとしている雑誌は『月刊あずにゃん』だよ〜。伝説のアズリストといわれるゆいさんとしてはちゃんと読まなきゃね。もっとも、この雑誌の存在を知ったのは最近だけど(りっちゃん達に教えてもらった)。
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:24:41.71 ID:eOxyCN8e0
「フムフム」

今月のカプ特集はなになに、『憂梓』だって。ここは唯梓にすべきじゃないのかな。まったく、プンプンだよ。まあ、読むけどね。なになに、
『お姉ちゃんに隠れて、ドキドキ。禁断のプレイ!?』 けしからんね、まったく。……へえー、私が部屋にいるのに、そんなことをね。……うわ、私の寝てる横で。……でも、このあずにゃんの表情もいいね。

「次のページはっと」

ペラ

『お姉ちゃんには渡さない。憂の禁断の誘惑』まったくもって、けしからんね。……うわ、エロいな〜。……さて、来月の特集は唯梓だよね。
来月の特集の予告は……『晶梓』か。なるほど。出会ってもない2人だが、出会ったら、どうなるのか、か。

「誰得だよ!!!」

「ふにゃっ!」

あ、やばい、起こしちゃったかな。

「……う〜ん、ムニャムニャ」
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:25:25.02 ID:eOxyCN8e0
ふう〜、よかった。どうやら、起きなかったみたいだね。さて、次のページは……『ゆい戯王』か。前回はりっちゃん達のカードがなかったから、危なかったね。まあ、私は可愛いのを選んで、適当に入れてるだけだからね。今度から、ちゃんと考えて、デッキを作らなきゃね。さて、続きっと。フムフム。『アズメイト限定ストラクチャーデッキ ゆいあずっ!』¥1050か。

「……よいしょっと」

私はバックから、お財布を取り出す。中を開け、財布からお金を出す。さて、いくらあるかな。

「……15円」

ケーキ食べすきたかな。あずにゃんが入院してる間、結構、看護師さんたちと食べに出かけてたからな〜。

「うう、足りない」

どうしようかな。お小遣いはもらったばかりだから、あずにゃんに頼むのは駄目だし諦めるしかないかな。でもでも、アズリストとしてはゲッ
トしなくちゃだし。

「……ムニャムニャ、う〜ん。そろそろ起きようかな〜」

お、ちょうど、あずにゃんが起きたね。早速、頼んでみようかな?いやいや、さすがに起きたばかりはまずいね。
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:26:20.85 ID:eOxyCN8e0
「おはよう、あずにゃん」

「おはようございます、ゆい先輩……、もう、13時30分ですか。そろそろ行こうかな」

あずにゃんが行こうとしてるのは、病院内でもポケモンバトルが楽しめるように作られた施設だ。入院してるといっても、ほとんど健康だしね。

「ゆい先輩も行きますよね?」

「え、えーとね、あずにゃん。お願いがあるんだけど……」

「何ですか?」

「……非常に言いにくいことなんですけど、お小遣いを前借りできませんか?」

「……先週あげた気がするんですけど。……どうしてです?」

「……お、お願いだよ、あずにゃん。理由は聞かないで。1050円だけでいいから」

「う〜ん、といっても、細かいお金はありませんし。あ、じゃあ、ついでに買い物してきてください」

「買い物?うん、分かった、任せてよ!」

あずにゃんは財布からお金を出し、メモを書いて、私に渡す。

「それじゃ、10000円渡しますからね。1050円は使っていいですけど、ちゃんとおつりは持ってきてください。あ、レシートも持ってきてくださ
い」

「うん、分かってるよ〜」

「あ、それから、私のポケモンから、2匹選んで連れて行って下さい」

「何で?」

「ロケット団から、狙われるかもしれません。だから、用心のためです」

「そっか。じゃあ、ミニリュウとポリゴン2がいいな」

「分かりました。でも、どうして、その2匹を?」

「一緒にお散歩したいから、あんまり大きなのだといろいろと問題があるからね。後、あんまり、交流がなかったからね」

この2匹は入院してからのバトルではよく使うようになったんだけど、やっぱり、交流は少ないし。

「そうですか。ではこの2匹を渡します。車に気をつけてくださいね」

「子供じゃないんだから、それじゃ、いってきまーす」
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:27:04.09 ID:eOxyCN8e0
病院前

「さて、リュウ太、ポリ太。君達はあずにゃん軍団の一員として、一緒にお買い物に行きたいと思う」

「リュウ(はい!)」

「ポリ(はい)」

「ちゃんと、リーダーの私についてくるんだよ。それじゃ、出発〜」

「リュウ(はい!)」

「ポリ(はい)」

以下、ミニリュウとポリゴン2の会話は日本語訳で
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:29:13.52 ID:eOxyCN8e0
「まずはあずにゃんの買い物から済ませようね。えーと、メモメモ」

買ってくるものは、お菓子と飲み物か。明日から、また、旅立つわけだしね。

「それじゃ、行こうか。隊長さんである私の後についてくるんだよ」

テクテク

私達はスーパーへと歩いていきます。

「あら、ゆいちゃんじゃない」

「ほえ」

突然、私の名前を呼ばれ、振り向くとエリカさんの姿が。

「こんにちは、ゆいちゃん。まだ、タマムシにいたの?」

「え、えっと、いろいろありまして」

あの戦いのことは秘密にした方がいいよね。

「エリカさんは何をしてるの?」

「私はこれを買ってきたの」

袋から、がさごそと取り出します。エリカさんが取り出したのは、『アズメイト限定ストラクチャーデッキ ゆいあずっ!』です。

「おお〜、エリカさんも買ったの?」

「ええ。……恥ずかしいから、内緒にしてね」

「ねえねえ、ちょっとだけ見せてよ」

「いいわよ。どうぞ」

ふむふむ、なるほど。……えへへ〜、可愛いな〜。

「はい、ここまでです」

「え、もう少しだけ」

「ごめんなさい。私も行かなきゃいけないの。挑戦者もいるわけだし」

「そっか。仕方がないね」

「ごめんなさいね。でも、早く行ったほうがいいわよ」

「?」

「買占めに走る人もいるみたいですから」

「そ、それは大変だね。じゃ、さっさと行ってくるね」

「そうね、そうしたほうがいいわね。では私は行きますね。梓さんによろしくね」

「うん、伝えとくねー」

私は力一杯手を振る。
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:29:59.62 ID:eOxyCN8e0
「じゃ、早速、アズメイトに……」

グッ

後ろから、私の服が引っ張られる。

「買い物ですよ、隊長」

「あう〜、見逃してよ、リュウ太。売り切れちゃうよ〜」

「駄目ですよ。マスターのいうことをしっかり守らないと」

「ポリ太もそんなこと言わないでよ。リーダーの言うことを聞きなさい」

「リーダーよりも、ご主人様です」

「なんて、あずにゃんに忠実なポケモン達。わかった、君達の言うことを聞くから」

ようやく、服を離してくれた、リュウ太。

「それじゃ、行きますか」
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:30:35.60 ID:eOxyCN8e0
私達はさっさと買い物を済ませ、アズメイトに。

「さて、ここから、私達は聖地に入るわけですが、ここでは私の言うことをしっかり聞かなきゃ駄目だよ」

「それはいいんですけど、なんで、こんな、裏通りにあるんですか?」

「それは、本人未公認だからだよ。だから、ばれないようにしなきゃいけないんだ」

「いいんですかね、それ」

「いいんだよ。じゃあ、入ろうね」
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:31:19.81 ID:eOxyCN8e0
私のバイト先は不気味だ。別に違法なこととかで、不気味とかじゃなくて、普通のレジ打ちとかのバイトなんだ。それ自体が不気味ではない。問題は、売られてるものが不気味なんだよ。

(なんで、同じものばっかり……)

私の周りはツインテールをした女の子、それ自体は可愛いのだけれど、店の中にはほとんど、そのグッズしかない。こんなものが売れるわけないじゃないと思うけれど、意外にお客さんがたくさん来る。しかも、結構なお金を使っていくわけですよ。先日きた眉毛が特徴的な人は相当な額のグッズを買っていったんですよ。世の中どうなってるんでしょうね。まあ、時給がいいから、いいんだけど。

ビューン

また、お客さんだ。

「いらっしゃいませー」

「わ〜、たくさんあるね」

今度はどんなお客かと思ってみると、幼稚園児くらいの女の子がいました。まったく、世も末だ。
その女の子はミニリュウとポリゴン2を連れていた。……あの年で、珍しいポケモンを……。その女の子はレジにピョコピョコって歩いてきた。
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:32:46.18 ID:eOxyCN8e0
「店員さん、店員さん」

「はい、なんでしょうか、お嬢ちゃん」

「『アズメイト限定ストラクチャーデッキ ゆいあずっ!』って、まだ、ありますか?」

「ああ。ちょうど、一つだけ、あるわ」

私はその子に手渡す。

「ほわ〜、やったよ〜」

その女の子はピョンピョンと飛び跳ねて喜んでいる。そんなに嬉しいのかな?

「せっかくだから、もう少し、見ていこうっと」

「早く帰らなきゃ、マスターが心配します」

「分かってるよ、ちょっとだけ」

なんか、ポケモンと会話し始めてるよ。この子、大丈夫かな。どこがとは言わないけど。

「ルンルンル〜ン」

その女の子は鼻歌を歌いながら、店内を歩き回っている。そして、ある場所に止まった。

「……このペンダント」

女の子が止まったのはギターの形をしたツインテールの女の子が描かれているペンダントの前だ。値段は10000円だから、幼稚園児には買
えないものだ。

「値段は……高い」

その子は財布を開けてみる。

「……足りない」

グスンと涙ぐんでいる。まあ、こればかりは仕方がない。その子は諦めたのか、また、店内を歩き回るけど、諦めきれないのか、また、そこに戻ってきた。……仕方がないな。

「ねえ、お嬢ちゃん」

「ん?な〜に」

「このペンダントがほしいの?」

私はギターの形をしたツインテールの絵があるペンダントを指差す。

「違うよ。こっち」

女の子が指差したのは、その隣にある、ギターの形をしたショートボブの女の子が描かれているペンダントだ。なんとなく、この子に似てる気がするのは気のせいだろう。

「どうして?」
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:33:56.49 ID:eOxyCN8e0
「プレゼントしたいから」

「プレゼント?」

「そう。いつもお世話になってるから」

その子の目は真剣だった。こんな時代でもそんな目を出来る人がいるとは、って私、何者だよ。

「……でも、お金足りないし、これだけ、買って、帰るね。精算してください」

「……うん、分かった」

「?」

「お嬢ちゃんは特別だよ。私がこのペンダントを買ってあげる」

「え、でも、高いし……」

「気にしない、気にしない」

そう言って、私は ギターの形をしたショートボブの女の子が描かれているペンダントと……ギターの形をしたツインテールの女の子が描かれているペンダントを渡した。

「え、こっちは……」

「こっちは優しい心を持った、お嬢ちゃんのために私がプレゼントしてあげる」

「でもでも、こんなに高いのは……」

「ここのバイト、時給がいいからね。……でも、そうだな。お嬢ちゃんが大人になったら、返してくれればいいから」

「……わかった、きっと返しにくるね」

「うん、じゃあ、約束」

私はペンダントをプレゼント用に包装して、渡してあげた。

「ありがとー。きっと、お金を返しにくるからね〜」

その女の子はポケモン2匹を連れて、帰っていった。

「あ〜あ、今月厳しいな。どうしようかなっと」

私は柄にもないことをするべきじゃないなって思った。まあ、あの子の笑顔が見れてよかったけどね。
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:35:46.21 ID:eOxyCN8e0
病院

「遅かったですね」

「ごめんね、寄り道してて」

「まあ、いいですけど」

「あずにゃん。……あの、これ」

「なんですか?」

「プレゼント。いつも、お世話になってるから!」

「あ、ありがとうございます。……開けてみても?」

「うん!」

あずにゃんは包装紙を綺麗に取っている。

「……ペンダント。……ゆい先輩にそっくりな顔をした絵がありますね」

「うん。私のは、あずにゃんそっくりなのがあるよ。これはいつも、お世話になってるあずにゃんへのプレゼントだよ〜。いつも、ありがとう」

「……また、恥ずかしいことを」

「? なにか言った?」

「高くなかったですか、これ」

「え、えーと、それは……うん、高かったよ」

「……ゆい先輩のお小遣いだけじゃ買えない気がするんですけど」

「バ、バイトして稼いだんだよ」

「ゆい先輩の容姿じゃ、雇ってくれないでしょ」

「なんか、傷つく言い方だね」

「そんなことよりも、正直に話して下さい」

「……はい」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:36:23.39 ID:eOxyCN8e0
「……はあ」

「ごめんなさい。やっぱり返してくるね」

「いくらですか、これ」

「合計で20000円くらいかな」

「じゃあ、これ」

あずにゃんは財布から、お金を出す。

「これで、その店員さんに払って来てください」

「でも、いいの?」

「……ゆい先輩の気持ちは嬉しかったですし、このペンダントは気に入りましたから。早く行ってきて下さい。帰ってしまうかもしれません
し。ヘルガーを渡すので、なるべく早く」

「……ありがとう、あずにゃん。私、行ってくるね」
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:37:20.78 ID:eOxyCN8e0
「さてと、帰るかな」

バイトの時間も終わりだしね。

「お疲れさん」

「はい、店長」

その時、自動ドアが開いて、さっきの女の子が入ってきた。

「忘れ物?」

私は尋ねた。

「これ!」

その女の子は20000円を渡してきた。

「え?これは?」

「さっきのお金」

「え、でも……」

「受け取って」

「……分かった」

私はそのお金を受け取る。

「ちゃんと返したからね。ありがとう、お姉さん」

その女の子は急いで出て行った。

「嵐のような子ね、まったく」

それにしても、あの子があんなにしても、プレゼントをあげたかった人はどんな人なんだろう。いつか、会ってみたいと思った。
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:38:23.38 ID:eOxyCN8e0
病院

「えへへ〜」

「ご機嫌ですね」

「まあね〜」

「……早く寝て下さいね。明日は早く出て行きますから」

「うん、分かってるよ〜」

「それじゃ、寝ましょう」

「ねえ、あずにゃん」

「何ですか?」

「このペンダントがあれば、どこでも、お互いが思い出せるようになるね」

「……突然何を言い出すんですか?」

「……だって、ミュウツープロトタイプみたいなことがあるかもしれないし……」

「……縁起でもないこと言わないで下さい 。ゆい先輩は私のポケモンですし、……い、一応、恋人(仮)なんですから、ずっと一緒なんです。

私の目の届く範囲にいてください」

「……プロポーズ?」

「なっ!ち、違います。私はそんなつもりじゃ……」

「もう〜、あずにゃんたら〜。こんなところで言わなくてもいいのに」

「う、うるさいです。さあ、もう寝ますよ、おやすみなさい」

「おやすみ〜」

今日は楽しかったな〜。明日も楽しい日でありますように。私はペンダントにそんなお願いをしながら、眠りについた。
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/06/27(月) 17:39:12.68 ID:eOxyCN8e0
タマムシシティ編 エトセトラ 「ある1日」 終了
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 17:51:59.98 ID:rHF7QaZDO
乙!!!

ノホホンとした感じが良いね
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/28(火) 17:22:01.81 ID:iE0oeZj6o
乙〜
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:36:10.65 ID:qgNS86Si0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい

セキチクシティ編@ 「VSアンズ」 以下、投下
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:36:52.79 ID:qgNS86Si0
カントー地方のある施設にて

『申し訳ありません!』

和達、研究班はボスである、サカキに対して、土下座をしている。理由は当然、タマムシシティでのミュウツープロトタイプの事件のことである。あの事件のおかけで、タマムシの実験場が警察にばれたうえに、多くの時間を費やしてきた、ミュウツープロトタイプも逃亡し、多くの損害が出た。謝ってすむ問題ではないが、何もしないよりましなのだろう。

『……』

サカキは必死に謝る研究員達を尻目にワインを飲む。そして、一息入れて、

『……もう、いい。過ぎたことだ』

そう言った。曽我部恵は和達に近付いて言った。

『サカキ様もああ言ってるわ。顔を上げて、席に着きなさい。今日は、その失敗についての集まりじゃないのよ』

『……はい』

曽我部恵の言うとおり、捕獲班の部長さわ子はもちろん、マコトも含めた幹部達も集まっている。失敗についてなら、そこまでの人数は要らないだろう。

『ククク、面白いな〜。この漫画〜』
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:37:51.14 ID:qgNS86Si0
この緊張感のある中で、場違いな声で笑っている、フードの着いたローブを着ている女が漫画を見て笑っている。

『……で、今日、集まったのはどうしてですか?』

ローブの女を無視して、さわ子は聞いた。

『……いよいよ、あの計画『カントー征服計画』を実行する時だ』

サカキの発言にさらに場に緊張感が走る。

『私達はミュウツープロトタイプは失ってしまったけど、伝説の3匹は我々の手の中にあるわ』

曽我部はそれに続く。これはロケット団において、前から計画されていたことだが、なかなか実行に移されることはなかった。それがようやく
実行に移されるわけだから、場に緊張感が走る。

『ねえ、恵ちゃん。お茶、頂戴〜』

その中で、またしても、空気の読めないような声で、ローブの女が曽我部に言う。

『……』

曽我部は無言でローブの女にお茶を汲む。さすがにさわ子も不快に思ったのか、口を開く。

『……その女は何なんです?』

曽我部に問いかける。
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:38:25.37 ID:qgNS86Si0
『何なんです、と言われても……』

『そういえば、まだ、言ってなかったね。私のことはAYUって、呼んでね。後、私のことは気にしないでいいよ』

曽我部が答えずらそうにすると、ローブの女、……AYUが答えた。そして、お茶を飲みながら、漫画を読み始めた。

『さて、その計画にあたって、まずは……』

曽我部はAYUを気にしないで、話を進めようとした。しかし、

『……ちょっと、待てよ』

それをマコトが遮った。
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:39:25.73 ID:qgNS86Si0
『なにかしら?』

『そいつは邪魔だろ。何で追い出さない』

『そうですよ!』

『そいつの言うとおりだ!』

研究班の面々もその後に続く。前回の時に何もしなかったうえに、お咎めもなしのAYUへの恨みというか、不満もあるのだろう。

『別に邪魔はしないから、ほっといてくれてもいいのに…』

『存在が邪魔なんだよ。だいたい、何がAYUだ、変な名……』

前しやがって、と言おうとしたが、その言葉は最後まで言えなかった。マコトの喉にはAYUの手があった。

『……』

マコトの背中には冷や汗が流れる。マコトはたくさんの戦いをしてきて、修羅場を潜り抜けてきたが、今ほど命の危険を感じることはなかった。

『よかったね〜。君は強いから生かしてあげたけど、普通だったら殺してたよ。あ、でも、今度、この名前を馬鹿にしたら、殺すからね♪』

『……』

『返事は?』

『は、はい』

『よろしい』

AYUは再び、席について漫画を読み始めた。この女に、この場にいるサカキと曽我部以外は戦慄を覚えていた。そんな中で、曽我部は続けた。

『その計画にあたって、まずはシオンタウンを攻め落としたいと思います』
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:40:01.04 ID:qgNS86Si0
会議終了後

『少しは遠慮して下さい』

『ごめん、ごめん。あ、ケーキはあるかな?』

『ちょっと、待って下さい。……はい、どうぞ』

『ありがとう。……モグモグ、ゴクン。美味しいケーキだね』

『ありがとうございます』

『……君の計画もそろそろだね』

『……はい。これもAYU様のおかげです』

『様付けはよしてよ。私は君の計画が面白いと思ったから、協力しているだけだしね。おかわりある?』

『はい。待っていて下さい』
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:40:44.96 ID:qgNS86Si0
今回の手持ちメンバー ゆい ハッサム ヘルガー  ポリゴン2 イーブイ  ニューラ

セキチクシティ

私達はサファリゾーンで有名な、セキチクシティに到着います。サファリゾーンというのは、お金を払って、あらかじめ指定されたボールだけで、ポケモンを捕まえることの出来る施設です。サファリゾーンは有名ですし、全国からもここに観光に来るそうです。私も行ってみたいとは思いますが……。

「まずはジムリーダーに挑戦です!!」

今、私はセキチクジムの前にいます。久々のジム戦です。気合いも入ります。

「ペロペロ。……アイス、おいしい〜」

私が気合いを入れている横で、のんきにアイスを食べているゆい先輩。う〜ん、じつにかわい……いけない、いけない。最近の私はゆい先輩のちょっとした動作に見とれている気がします。
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:41:54.55 ID:qgNS86Si0
「早く、アイスを食べて下さい」

「慌てない、慌てない。損気は短気だよ」

「それを言うなら、短気は損気です」

まあ、ゆい先輩は出番があっても、最後ですから、なんとかなるでしょう。私はドアに手をかける。

「失礼しまーす」

私はジムに足を踏み入れる。そこは昔の屋敷みたいな雰囲気のあるところで、例えるなら、テレビの時代劇であるようなところですね。

「どなたですか?」

中から、着物を着た女の人が出てきました。

「あのー、ジム戦に挑戦したいんですけど……」

「あー、分かりました。ではこちらでお待ち下さい」

私達は畳のある部屋に案内されました。

「なんか、雰囲気が違うね」

「そうですね」

しばらくすると、さっきの女の人と忍者みたいな格好をした、男の人がやってきました。

「お待たせして申し訳ない。私の名前はキョウ。こっちは娘のアンズだ」

「よろしくお願いします」

ペコリ、と頭を下げてきます。

「私の名前は中野梓です。こちらこそよろしくお願いします」

私もペコリ、と頭を下げます。

「私はゆいだよ〜」

ゆい先輩もペコリ、と頭を下げます。
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:42:43.73 ID:qgNS86Si0
「ふむ、中野君とゆい君か。君達の噂は聞いているよ」

「噂ですか」

「うむ。幼女のような奇抜な技を使用するポケモンを使い、ジムリーダー達を倒してきたツインテールの髪型をした、トレーナーがいるとな」

まさしく、私達のことでしょう。

「では、早速、戦おう……と言いたいが、少しいいかな?」

「なんでしょう」

「本来なら、私が戦うのだが、今回は娘のアンズと戦ってもらいたんだ。もちろん、勝てば、バッチを渡すが」

「はあ。どうしてですか?」

「うむ。いずれは娘がここのジムリーダーになるから、経験を積ませておきたいので、よければ、協力していただきたい。もちろん嫌なら、や
めにするが」

「あ、いえ。問題ありません。頑張りましょうね、アンズさん」

「はい」
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:46:03.63 ID:qgNS86Si0
私達はバトルフィールドに案内されました。バトルフィールドは変哲もない普通のものです。

「それで、ルールは3対3。より、多く勝った方が勝ち。掛け金は1万円。以上だが問題は?」

「問題ありません」

「それでは、両者、準備はいいですか」

審判が宣言します。

「ええ」

「はい」

「それでは……」

「「バトルスタート!!」」

「出てきて、モルフォン」

「出てきて下さい、ニューラ」


710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:47:33.57 ID:qgNS86Si0
「モルフォン、まずはぎんいろのかぜで攻撃!!」

モルフォンは自分の羽をはばたかせて、風にリンプンを乗せて、攻撃してきます。

「ニューラ!」

ニューラはその攻撃を喰らい、倒れてしまいました。

「え、嘘。これで終わりですか」

アンズさんは拍子抜けしたように言います。しかし、審判は何も宣言しません。

「ねえ、審判さん。もう、ノックアウトですよね。私の勝ちですよね」

アンズさんが審判に嬉しそうに言います。

「まだです」

審判はアンズさんの意見を却下します。

「えー。仕方がないですね。ではもう少し痛めつけましょう」

「……アンズさん」

「はい?」

「戦いには集中していた方がいいですよ。ニューラ、だましうち」

アンズさんの気の緩みが通じているのか、モルフォンもゆったりと飛んでいたところに、今まで、気絶していたニューラの突然の反撃をよけきれず、まともに喰らいます。

「なっ!卑怯ですよ」

「戦いに集中してなかったのが悪いんです」

「コラー、アンズ。相手の息の根を止めるまで、油断するなと教えただろ」

「そうでした。でも、タイプでは、私の方が有利。モルフォン、ぎんいろのかぜで攻撃!!」

「今度はさせません。先手を取って、こおりのつぶてで先制攻撃です」

ニューラは再び、羽をはばたかせようとするモルフォンに氷のかたまりをぶつけます。

「ニューラ」

ニューラはかたまりをぶつけてひるんだ、一瞬の隙をついて、鋭いツメを使って、モルフォンの羽をきりさく攻撃で切り裂きます。

「モルフォ……」

その攻撃で弱って、モルフォンは落ちてきます。そこに向かって、ニューラは接近して、その鋭いツメを硬くして、モルフォンに迫ります。

「ニューラ、トドメです。メタルクロー!!」

ニューラのツメがモルフォンの羽ごと、切り裂き、そのまま、ノックアウトとなりました。

「モルフォン、戦闘不能。ニューラの勝ち。梓選手に1ポイント、1対0」
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:48:24.55 ID:qgNS86Si0
「そんな〜、勝ったと思ったのに……」

「それにしても、あずにゃんや。今の技はいつの間に覚えたんだい」

「前に、エリカさんと戦った時に、こな攻撃で苦しめられたので、私もそういった相手を罠にかけるような攻撃も出来るようにと思って。本当はあそこで、油断して、追撃をしてきたところを反撃するための技なんですけどね」

「なるほど、なるほど」

「……意味分かってないですよね」

「うん」

「正直で結構です」

「それにしても、あの人、今までよりも弱くない?」

「ちょっと、ゆい先輩」

本人の前で、そんなこと言わなくても。

「いいんですよ、本当のことですし」

やっぱり、聞こえてましたか。

「今日、初めて戦うんですから慣れてませんし」

なるほど、それなら、仕方がありません。それにしても、そんな人をぶつけてくるなんて、甘く見られたものです。そう思って、アンズさんを見ると、

「……くすっ」

一瞬、笑った気がしました。その笑いはしてやったり、という感じがしました。なんとなく、不気味な気がします。

「では、2回戦です」

「出てきて下さい、ポリゴン2」

「出てきて、アリアドス」
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:49:22.15 ID:qgNS86Si0
「ポリゴン2、先制をとって、サイケこうせんです」

ポリゴン2は不思議な光をアリアドスに発射します。

「アリアドス、こうそくいどうで避けて」

アリアドスは素早い移動で、サイケこうせんをかわす。

「いいですね、アリアドス。そのまま、こうそくいどうで逃げ続けてください」

アリアドスはバトルフィールド中を縦横無尽に移動し始めます。ポリゴン2はサイケこうせんをアリアドスにむかって、発射し続けますが、縦横無尽に動き回る、アリアドスにはまったく、命中しません。

「でも、動き回ってるだけじゃ、勝てませんよ」

「そうですよねー」

軽く言う、アンズさん。この人はなんだか、ハルカさんと同じような、えげつなさを感じるのは気のせいでしょうか。

「ポリゴン2、トライアタックです」

ポリゴン2は電気、炎、氷の三つの光線を、アリアドスに繰り出します。

「ひゃー、こわいです」

アリアドスはさっきの移動よりうスピードをあげ、その攻撃をかわす。

「今度はこっちの番です、どくづき!」

アリアドスはその速度を保ったまま、毒の手で、ポリゴン2に迫ります。

「ポリゴン2、まもるです」

ポリゴン2はバリアみたいなものを張り、アリアドスの攻撃を防ぎます。しかし、アリアドスはさらに向きをかえて、ポリゴン2にもう一度迫ります。

「ポリゴン2、かげぶんしんです」

アリアドスの攻撃はポリゴン2の残像を通過します。

「ポリゴン2、反撃です。サイケこうせん」

ポリゴン2は再び、不思議な光をアリアドスに発射します。しかし、勢いよく、縦横無尽にまわりを走り回る、アリアドスには命中しません。
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:50:20.12 ID:qgNS86Si0
「……そろそろかな」

「?」

「アリアドス、くものすよ」

その声とともに、ポリゴン2はくもの糸に絡め捕らえられました。アリアドスは糸を発射していないのに。そして、周りは、くもの糸だらけとなりました。

「さっきまで、縦横無尽に走り回ってたのは、くもの糸を張り巡らせるためですか」

「そうよ、面白いでしょ」

「やっぱり、前回の戦いのは演技ですか、油断させるための」

「そうよ。もっとも、あなたは油断しなかったけどね。アリアドス、どくどく!」

アリアドスは動けないポリゴン2に噛み付き、毒を注入します。

「ポリゴン2、アリアドスと糸を振り払って下さい」

ポリゴン2は絡みつく糸と、アリアドスを体を回転させ、振り払います。振り払われた、アリアドスは再び、こうそくいどうで、縦横無尽にフィールドを駆け巡ります。

「二度と、同じ戦術は通じませんよ」

「二度も、同じ戦術はしないよ」

ポリゴン2はサイケこうせんを当てようとしますが、アリアドスは逃げるばかりで、当たりません。そして、突然、

ガクッ

と、ポリゴン2がよろめいて倒れました。

「どくどくという技はだんだん、毒が体に回り、ダメージが増えていくのよ」

「ということは、さっきのは……」

「そうよ、ただの時間つぶし。トドメよ、アリアドス。どくづき!」

アリアドスはその腕を、ポリゴン2に突き刺し、ポリゴン2は動けなくなりました。

「ポリゴン2、戦闘不能。アリアドスの勝ち。アンズに1ポイント、1対1」
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:50:52.43 ID:qgNS86Si0
「やりますね」

「いえいえ、あなたも強いですよ」

「褒められてる気がしませんけどね、緒戦を見ると」

「そんなことありませんよ。……それよりも、最終戦はあの子でしょ?」

アンズさんはゆい先輩を指差します。

「ほえ、私!?」

「ぜひ、数々のジムリーダーを倒してきたその力を見せてくださいな」

「うえー。私にそんな力なんてないよ」

「またまた、謙遜を」
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:51:30.19 ID:qgNS86Si0
「では、最終戦です」

「さあ、頑張って下さい、ゆい先輩」

「やっぱり、戦うんだね」

「一応、相手も指名してますし、私のメンバーで一番の戦力じゃないですか」

「あずにゃんに信頼されてるなら、私は頑張るしかないね!」

「出てきて、クロバット」

クロバット。イワヤマトンネルでも戦った、因縁のあるポケモンですね。

「クロバット、つばさでうつ攻撃よ」

クロバットは大きく翼を広げて、ゆい先輩に体当たりを仕掛けてきます。

「あずにゃんや。私もたくさんの戦いを通じて、だいぶ、パワーアップしたよ。その成果を今見せよう」

たしかに、初期よりもだいぶパワーアップしてます。当たり前ですけど。
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:53:33.65 ID:qgNS86Si0
「いくよ、トリャー」

ゆい先輩は華麗(?)にクロバットの攻撃をかわします。

「クロバット、旋回して、もう一度、攻撃よ」

クロバットはもう一度、大きく翼を広げて、ゆい先輩に体当たりを仕掛けてきます。

「フッ。何度でも来なさい、トリャー」

ゆい先輩は再び、華麗(?)にクロバットの攻撃をかわします。

「くっ。ならば、一旦離れて、連続してエアスラッシュよ」

クロバットはくうきのやいばをゆい先輩にむかって、何発も発射します。

「その程度じゃ、あたらないよ。トリャー、よっ、ほいさっと」

ゆい先輩はリズムよく、くうきのやいばをかわしていきます。

「ふー、どうだい、あずにゃん。だいぶ、パワーアップしたでしょ?」

「してますけど、よけてるだけじゃ、勝てませんよ、ゆい先輩。ここはパワーアップした成果を見せて、攻撃して下さい」

「さすがに、それは遠慮したいな〜。というか、たまにはあずにゃんが戦いなよ」

「はい?私はトレーナーですよ」

「たまには立場を逆にしない?」

「何を言い出すんですか」

「ふう〜、やれやれだね」

「なんで、私が我侭言ってるみたいにされなきゃいけないんです」

「と、まあ、冗談はこれくらいにして、早速、戦うかな」

「冗談だったんですか」

「私があずにゃんを危険な目にあわせるわけないじゃん」
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:53:59.65 ID:qgNS86Si0
ゆい先輩はそう言って、こちらを向く姿を見て、

ドキドキ

と私の胸が高鳴りました。私はいつもはのんきで可愛らしい先輩も大好きですけど、たまに見せる、かっこいい表情をする先輩も大好きなんです。このバトルが終わったら、たくさん、いちゃいちゃ……
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:54:32.87 ID:qgNS86Si0
「……したいんですけど……ボソボソ」

「さっきらから、何をボソボソ呟いてるんですか」

「んー、心のナレーション」

「変なこと言ってないで、サッサと倒してください」

「ほーい」

「さっきから、舐めないでもらいたいね。クロバット、もう一度、つばさでうつ攻撃!」

「ひょいっと」

おおきな翼をゆい先輩にぶつけるべく、体当たりを仕掛けてきますが、ゆい先輩はなんなくかわします。

「今回はあずにゃんに頑張ってもらおう。ゆいちゃん真拳丸秘㊙(マルヒ)奥義『アズニャン・ワールド』」
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:55:08.28 ID:qgNS86Si0
ゆい先輩が宣言すると、周りがどこかの野原みたいなところになりました。

「このフィールドは一体なんなんですか、ゆい先輩」

「まあ、見てれば分かるよ」

「これが数々のジムリーダーを倒してきた技……。だが、関係ない。クロバット、かみつく攻撃!」

クロバットが大きな口を開け、ゆい先輩に迫ってきます。

「ひゃー」

ゆい先輩は横にダイブして、かわします。

「くそ。ちょこまかと」

『……なです』
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:56:12.90 ID:qgNS86Si0
突然、遠くの方から、声みたいのが聞こえると、同時に、

ドドドドドドドドドドドドドドドドド

と、いう足音も聞こえてきました。その音を見ると、ゆい先輩と同じくらいの大きさをした、ツインテールのネコミミとネコのシッポをつけた女の子の集団がやってきました。……どこかで見た人だと思いますが、きっと、気のせいでしょう。むしろ、気のせいということにして下さい。その女の子(?)達は口々に

『ゆい先輩をいじめるなです!』

『生意気なこうもりです』

『やってやるです』

と言いながら、クロバットに攻撃を仕掛けています。

「ギャーーーー」

その女の子達はクロバットの翼に噛み付いたり、目にからしをつけたりと、やりたい放題です。

『はやく、ゆい先輩に謝るです』

「クロバット(ごめんなさい)」

『日本語でしゃべりやがれです』

バーン

と、クロバットにパンチをします。理不尽な理由で。

『誰か、あれ持ってくるです』

『分かりました』

そう言って、女の子達が持ってきたのはジュージューと厚くなった鉄板です。……ま、まさか、伝説の……。

『さあ、これに乗って、謝るです』

『土下座です。30秒で勘弁してやるです』

「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーー」

今、こんがりと焦げたにおいがしてきます。
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:57:10.89 ID:qgNS86Si0
「ふ〜、助かったよ」

「ゆい先輩。あの方々は……」

「あれは野生のあずにゃん達だよ」

あずにゃん達ですか。私と同じあだ名のような気もしますが、きっと、別人でしょう。

『ゆい先輩、やりました』

「ご苦労さん。よくやったね」

ナデナデ

『えへ』

『あ、あいつ、抜け駆けしたです』

『次はあいつをフルボッコです』

『やってやるです』

「まあまあ、慌てないで。ちゃんと、皆もなでてあげるから、一列に並んで」

ゆい先輩の言葉で、一列に並ぶ、『あずにゃん』達。なんて、ゆい先輩に従順なんでしょう。

「ついでに、たい焼きもあげるね」

『わ〜い』

皆、嬉しそうに喜んでいます。

『モグモグ、ゴックン。……にゃふ♪』

たい焼きを食べた、『あずにゃん』は眠たそうにし、お昼寝を始めました。

『zzz』
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:58:00.01 ID:qgNS86Si0
「クロバット、昼寝をしている今のうちに、攻撃です。クロスポイズン」

「クロバット」

焼き土下座を喰らって、弱りきってるクロバットはなんとか羽ばたいて、どくのきばでゆい先輩に噛み付くために、接近してきます。

「学習しないなー」

ゆい先輩は大げさに横にダイブして、こうげきをかわし、

「たーすーけーてー」

と、棒読みで叫びました。……一体、何の意味があるのかな、と思いましたが、周りの『あずにゃん』達の耳がピクピクっと、なっています。
まさか、さっきみたいに、『あずにゃん』達にフルボッコにしてもらうつもりなんじゃ……。

「私、このままじゃ、汚されちゃうよー」

ものすごく、棒読みで言う、ゆい先輩。でも、さすがに、そんな棒読みじゃ、引っ掛かりませんよね。
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:59:04.83 ID:qgNS86Si0
『ゆい先輩をいじめるなです!』

『また、あのこうもりですか』

『反省の色が見られませんね』

『もう一度、お仕置きです』

『やってやるです』

引っ掛かってるーーーーー。なんて、単純なんでしょうか。

「クローーーーーーー」

目にわさびを塗ったり、羽に小さい穴を開けたりと、やりたい放題です。

『サッサと、ゆい先輩に謝ってくるです』

ドン、と蹴られ、ゆい先輩の前に出される、クロバット。仕方がないので、前に行こうとする、クロバットに、

『ゆい先輩に近づくなです』

と、今度は違う、『あずにゃん』に殴られました。クロバットは仕方がないので、その場で謝ろうとしますが、

『そんな場所で謝らないで、ちゃんと、ゆい先輩の前で、謝るんです』

と、さっきの『あずにゃん』に蹴られます。以下、ループ。なんという、理不尽な攻撃。
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 07:59:52.07 ID:qgNS86Si0
「クロ……バット」

体力も残りわずかな状態で、なんとか、立ち上がるクロバット。

「はいはい、並んでー」

ゆい先輩は『あずにゃん』達を3列に整列させます。

「それじゃあ、頑張ってね。レッツ・ゴー」

ゆい先輩の号令で、クロバットに『あずにゃん』達が突っ込んでいきます。

「……クロ……バッ……ト」

クロバットは『あずにゃん』達に跳ね飛ばされました。クロバットは回転しながら、落下してきます。その落下地点に『あずにゃん』達が再び、突っ込んできます。

バーン

再び、クロバットは上に跳ね飛ばされます。クロバットはさっきよりも回転を強めて、落下してきます。また、その落下地点に『あずにゃん』達が、突っ込んできます。そして、上に跳ね飛ばされます。そんなやりとりが5回ほど、続き、最後はクロバットがものすごい勢いで回転して、地面に突き刺さりました。

「これぞ、『あずにゃん・ミキサー』だね」

そんな声とともに景色は最初に対戦していた、フィールドに戻りました。

「クロバット、戦闘不能。ゆいの勝ち。梓選手に1ポイント、2対1。よって、梓選手の勝利です」
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 08:01:19.09 ID:qgNS86Si0
「いやー、素晴らしかった」

パチパチと、拍手をしながら、キョウさんがこちらにやってきます。

「思えば、最初から、演技だったわけですか」

「悪かったな。最初に油断させれば、その嬢ちゃんも動揺して勝てるかと思ったんだが、そうもいかなかったな。だが、全てが演技なわけじゃ
ない。実際、アンズはいずれ、セキチクジムのリーダーをやってもらう」

同じくらいの年齢で、ジムリーダーなんて。

「それはすごいですね。でも、どうして、そんなことをしたんですか?」

「実はジムリーダーの間で、誰が君達に黒星をつけるか、賭けをしてたんだ。すまないね」

一体、何をやってるんでしょうね、ジムリーダーさん達。まあ、気持ちは分かりますが。

「さて、これがピンクバッチだ。受け取ってくれ」

「ありがとうございます」

これで、ようやく、5個目のバッチになりました。

「頑張ってね、梓ちゃん」

アンズさんが話しかけてきます

「ありがとうございます。出来れば、今度はちゃんと戦いたいですね」

「きっついね〜。私はちゃんと戦ってたよ」

「ふふふ、では、ジムリーダーになるために頑張って下さい」

私はアンズさんと握手をかわします。
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 08:02:07.93 ID:qgNS86Si0
「さて、こんなものがあるのは知ってるかな?」

キョウさんがチラシを私に手渡します。そのチラシには『サファリゾーン限定企画・ひみつのコハクからよみがえったプテラをゲットせよ 先着1名のみ』と書かれていました。

「面白そうな企画ですね」

「よかったら、参加してみてはどうかな」

行われるのは明日みたいですし、ちょうど、明日には行こうと思ってたのでちょうどいいですね。

「ありがとうございます。ぜひ参加してみたいと思います」

「うむ。頑張ってな」

「はい」

私は2人に見送られ、セキチクジムを出ようとした時、

バーン、ドガシャーン

と、いう大きな音が外から聞こえました。私達はキョウさんと一緒に外に出ました。外では沢山の人達が走ってきています。

「どうしたんだ!」

キョウさんは走っている1人を捕まえて聞きました。

「サファリゾーンで、ポケモンが脱走したんだ。ここも逃げないとやばいぞ」

その人はそう言って、また、走り出しました。

「一体、何が起こってるんだ……」

「とにかく、行ってみましょう、父上」

「そうだな。中野さんはここから逃げた方がいい」

私はほんの少し考えて、

「いえ。私も行きます」

「だが、危険だぞ」

「かまいません。早く、行ってみましょう」

私はそう言って、走ってきている人とは逆の方、サファリゾーンの方に向かいました。
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/01(金) 08:02:41.37 ID:qgNS86Si0
セキチクシティ編@ 「VSアンズ」終了
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 10:04:27.70 ID:MEfnLivDO
乙!

てかあずにゃんさん達マジぱねぇッスwwwwwwwwww
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/02(土) 09:24:47.97 ID:bMH2H4R9o

あいかわらずえぐい攻撃よの〜ww
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:32:42.46 ID:hRW4rYWH0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい

セキチクシティ編A 「VSプテラ」 以下、投下
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:33:15.19 ID:hRW4rYWH0
梓達が、セキチクジムに挑戦し始めた頃

『……可愛そうなポケモン達』

AYUはサファリゾーンで仲よさそうな家族がポケモンをゲットしているのを見て、呟く。AYUがここに来たのは、『サファリゾーン限定企画・ひみつのコハクからよみがえったプテラをゲットせよ 先着1名のみ 』のチラシを見たからだ。この企画は、サファリゾーンのどこかに隠された宝を最初に見つけた人にプテラを渡すといったものだ。といっても、プテラがほしくて来たわけではない。

『……ここかな?』

AYUは羽を休めて寝ている恐竜みたいなポケモン、プテラの入ってる檻の前に辿り着いた。AYUがここに来たのは、このプテラを救うためだ。

『こんな狭い檻に入れられて、可愛そうに……』

AYUはこのサファリゾーンというところが嫌いだ。例えば、人間の女の人を裸にして、好きなの持っていっていいよって、なったら、きっと、いろいろなところから文句が来て、中止になるだろう。逆もまた然りだ。それと同じことを、ポケモンには平気でやっている。それがAYUは嫌だった。このプテラもそう。ずっと寝ていたのに、急に起こして、見世物のように使う。

『さあ、楽しいショーの始まりだよ』

AYUはプテラの檻に手をかざした。
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:33:58.31 ID:hRW4rYWH0
セキチクシティ

今回の手持ちメンバー ゆい ハッサム ヘルガー  ポリゴン2 イーブイ  ニューラ

こんにちは、中野梓です。私はアンズさんとキョウさんと別れて、町の様子を探索してます。今、私は物陰に隠れていますが、そこから、通りを見てみると、ニドラン♂とニドラン♀の群れが闊歩しています。

「たくさんいますね。ざっと、数えても、それぞれ、20匹くらいはいますね」

「そうだね」

ニドラン♂と♀達は通りにある店の食べ物を食べたりしながら、歩き回っています。

「どうする、あずにゃん」

「まずはポケモンセンターに行きたいですよね」

私の手持ちの2匹(ゆい先輩は除いて)ニューラはまだ無事としても、ポリゴン2だけでも、回復させたいですからね。それだけじゃなくて、逃げ遅れた人達もいるかもしれません。
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:34:29.38 ID:hRW4rYWH0
「でもでも、この群れを抜けるのは大変だよ」

「それは分かってます」

この通りを抜けた方がポケモンセンターに近いのですが、ここで、二ドラン達との勝負は避けておくべきでしょう。

「それにしても、何でこんなことになったんでしょう」

「さあ?でも、1つだけ分かることがあるよ」

「何ですか?」

「サファリゾーンでのデートが無くなっちゃった。……シュン」

悲しそうに言う、ゆい先輩。

「今はそんなこと言ってる場合ですか。……また、今度行きましょう。この事件を終わらせて」

「……うん、そうだね」

なんとなく、元気を取り戻したようです。ゆい先輩の元気がないと私のリズムも狂ってしまいますからね。

「そうと決まったら、早速、ポケモンセンターに行こう」

「はい!」
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:35:07.64 ID:hRW4rYWH0
私達は裏通りから、ポケモンセンターに行くことにしたんですが……。

「こっちにも、ポケモンの集団がいるね」

「ええ」

こっちの道には、サイホーンの群れがいます。やはり、強行突破しかありませんか。

「……」

「どうしたんですか、ゆい先輩」

「……なんかね、さっきの二ドラン達もそうだったけど、あのサイホーン達もね、怒ってるの」

「怒ってる?」

「うん。これは人間さん達への復讐だって」

「復讐?」

「そう。自分達を狭いところに閉じ込めて売り物にしたことに対する復讐だって」

ゆい先輩の言うとおりだとしたら、それは悲しいですね。たしかに、そういう見方もできるかもしれませんが、ポケモンと人間の新しい出会いの場でもあるのに……。
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:36:02.36 ID:hRW4rYWH0
「……ゆい先輩」

「な〜に?」

「説得できませんか?」

「どうして?」

「だって、このままじゃ、悲しいですし、満足に戦えませんよ」

「それはそうだけと……」

歯切れが悪いゆい先輩。

「どうしたんですか?」

「あのね、今、私達……囲まれてるよ」

「え!?」

周りを見ると、サイホーンだけでなく、ニドランの群れまでいます。

「いつの間に……」

「あずにゃんが考え事してた時かな?」

「気づいてたなら、教えてくださいよ」

「あずにゃんが考え事してるのは邪魔できないよ。こうみえても、トレーナーに従順なポケモンだからね。フンス」

「いやいや、ちゃんと教えて下さいよ。だいたい、今、無茶苦茶ピンチですよ」

周りを見ると、鼻息を荒くして、サイホーン達が私達に迫ろうとしています。
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:37:15.18 ID:hRW4rYWH0
「大丈夫!あずにゃんは私が命に代えても、守ってみせるよ」

キリッと言うゆい先輩。……そんな顔は卑怯ですよ。

「と、とにかく、この場を突破しましょう。来てください、ヘルガー」

私はヘルガーを出します。私はゆい先輩を抱きかかえ、ヘルガーに乗ります。

「ヘルガー、安全な場所まで、逃げてください」

「ヘル!」

ヘルガーはその群れを飛び越し、一気に逃げました。

「楽しいね、あずにゃん」

「楽しんでる場合ですか!」

結構動きが激しいですし。

「そうだ!このまま、ポケモンセンターに行っちゃおう」

ゆい先輩が提案してきます。……まあ、妥当なところですね。

「ヘルガー、ポケモンセンターまで、お願いします。このまま、まっすぐ進んでください」

「ヘル」

私達はなんとか、ポケモンセンターまで到着しました。幸いにも、この周りには逃げ出したポケモンはいないようですね。
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:38:12.69 ID:hRW4rYWH0
「戻ってください、ヘルガー。どうやら、このあたりはまだ、無事なようです」

「そうだね。まずは入ってみよう」

「ええ」

私達はポケモンセンターに入ってみようとしますが、自動ドアが開きません。

「どうしたんでしょうか」

「もう、皆逃げたからじゃない?」

「でも、逃げてたら、自動ドアも普通に開きますよ」

だって、慌てて、逃げるから、自動ドアの電源を切ることはないでしょうし。しばらく、様子を見てみると、ジョーイさんが中から、出てきました。

「あなた達も逃げ遅れたの?まあ、いいから、入って」

ジョーイさんは私達をポケモンセンターの中に案内します。そこには逃げ遅れたのか、何十人かの人達がいました。

「ここの人達は皆逃げ遅れてきたの」

「そうなんですか」

周りを見ると、逃げ遅れた人の中には、子供の姿もありました。これで、ポケモンが嫌いにならないでくれればいいんですが。

「あ、ジョーイさん、私のモンスターを回復できますか?」

「ええ、大丈夫よ」

「それじゃ、お願いします」

私はゆい先輩を含め、ボールを渡します。
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:38:59.74 ID:hRW4rYWH0
「あら、あなた達は噂のトレーナーね」

「噂?」

「そう、噂。ジョーイ仲間でも噂なのよ。まあ、あなたのポケモンは特殊だからね。有名にもなるでしょ?」

たしかに、ゆい先輩みたいなポケモンは他にはいませんけど。そして、ジョーイさんは素早くポケモンを回復させてくれました。

「ありがとうございます」

「いいのよ。きっと、助けがくるから、一緒に待ってましょうね」

ジョーイさんはそう言って、他の方の様子を見に行きました。

「私達は一応助けに来たのにね」

「そう言っても、信じてくれませんよ」

「とりあえず、私達も周りの様子を見に行こうよ」

「そうですね」

私達はポケモンセンターを歩き回ることにしました。周りを見ると、皆、疲れたような表情をしています。
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:39:50.68 ID:hRW4rYWH0
「ヒック、ヒック」

「大丈夫?」

私が歩いていると小学生の低学年くらいの子供が泣いていたので、声をかけました。

「お父さんとお母さんは?」

「……ヒッグ、はぐれちゃった」

「そっか。でも、大丈夫。すぐに見つかるよ」

「本当?」

「今すぐには無理だけどね。でも、大丈夫」

「……信じていいの?」

「うん」

「……ありがとう」

「うーん、さすがは私の嫁。優しいね」

「なにを言ってるんですか」

「この子はお姉ちゃんの妹?」

「違うよ、私はあずにゃんのポケモン兼恋人のゆいだよ〜」

「恋人(仮))です」

「この子がポケモン?」

「ええ」

いつもの動作をパパッと行います。すると、その子の表情が曇ります。
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:40:32.90 ID:hRW4rYWH0
「どうしたんですか?」

「だって、ポケモンなんでしょ?ひどいことしない?」

「私はそんなことしないよ〜」

にやーとした表情をするゆい先輩。

「本当に?」

「本当、本当」

「……じゃあ、信じる」

「うん、信じなさい」

「ねえ、ポケモンっていうのは怖いものじゃないんだよ」

「でも……」

「さっきのポケモン達もきっと嫌なことがあって怒ってるだけなんですよ。君だって、嫌なこととかあったら、怒るでしょ?」

「……うん」

「ポケモン達も同じなんですよ。ちょっと、怒ってるだけ。だから、ポケモンを嫌いにならないでね」

「……うん、分かった」

「それじゃ、私はちょっと、パソコンのところに行ってきますね。行きましょう、ゆい先輩」

「うん」

「……ねえ、僕も行ってもいい?」

「……いいですよ。一緒に行きましょう」
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:41:20.53 ID:hRW4rYWH0
私はパソコンで、ポリゴン2を預け、ガルーラを引き出しておきます。

「……後、どれくらいで出られるのかな」

不安そうに小さい男の子が聞いてきます。

「すぐに出られますよ」

とは、言いますけど、まったく、見通しが立っていませんね。さて、どうしましょうか。

「もう、殺すしかないだろう!!」

突然の大きな声で、見てみると、あっちで、なにやら、集団ができていて、金髪の男の人が叫んでいます。

「ポケモンは人間の道具なのに、反発するんだから、駆除してやるべきなんだ」

その金髪の男は、なにやら、散弾銃(?)みたいのを持って、宣言しています。その集団の他の人も、同じようなものを持っています。

「どうしたの?」

「あ、ジョーイさん。あの方々達は?」

「ああ。なんでも、ポケモンや動物の猟をやってる人達みたいよ」

「そうなんですか。随分、過激なことを言ってるみたいですけど……」

「ねえ。でも、大丈夫でしょ。外のポケモンの数は多いから、あれだけの武器じゃね」

ジョーイさんは苦笑して言います。

「なにも起こらなきゃいいんですけどね」

「そうね」
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:42:16.18 ID:hRW4rYWH0
私達の思いが通じなかったのか、私の日頃の行いが悪いのかは分かりませんが、いきなり、

ガッシャーン

という音がしました。その音の方を見ると、ポケモンセンターの自動ドアが破壊され、そこから、ケンタロスの集団が入ってきました。

「うわああああ」

「つ、ついにここにも……」

「た、た、助けてくれ」

ここに非難してきた人達の間に動揺が走っています。なんとかしないと。

「くそが。出て来い、ウインディ」

さっきの金髪の男はウインディを出してきました。……正直、ほっとしています。さすがに、あの銃でポケモンを撃つことはしませんでしたか。しかし、あのウインディはなんとなく、顔がやつれている気がします。まあ、トレーナーのあの人を見ても、ちゃんと育ててるとは思えませんけど。

「ディ」

ウインディはケンタロスと対峙します。

「タロス(随分、やつれているな)」

「ウインディ(関係ないだろ)」

「ケンタロス(人間なんかに仕えてるからだろう。どうだ、我々と一緒に来ないか?)」

「ウイン(さすがにそれは……)」

「タロス(こっちに来れば、こきつかわれることもないぞ)」

「……」

「どうした!サッサと戦え!」

「……」

「タロス(どうする?)」
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:43:03.87 ID:hRW4rYWH0
「ねえ、ゆい先輩」

「なんだい、あずにゃん」

「さっきから、あの2匹、会話してるような気がするんですけど」

「勘がいいね。たしかに、会話してるよ」

「どんな会話ですか?」

「なんでも、トレーナーを裏切って、私達と一緒に行かないかって、いう話をしてるよ」

「なるほど。……ちょっと、やばくないですか」

「……あずにゃんもそう思う?」

「ええ」
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:43:54.52 ID:hRW4rYWH0
あの金髪の男がウインディに好かれてるとは思えません。案の定、ウインディは金髪の男の方を見て、吠え出しています。

「て、てめえ、ご主人様を裏切るのか」

金髪の男は散弾銃をウインディに向けます。さ、さすがにそれはまずいです。

「ワンワン!」

ウインディが金髪の男を威嚇するように強く吼えると、金髪の男はヒイイっと、怯えて、散弾銃を落として、腰を抜かしてしまったようです。

「お姉ちゃん、怖いよ」

さっきの男の子が私の陰に隠れます。このままじゃ、大変なことになるかもしれません。

「ゆい先輩、この子を頼みます」

「分かったよ。頑張ってね〜」

ゆい先輩はその男の子と一緒に、物陰に隠れます。そうしてる間にも、ウインディは金髪の男に襲いかかろうとしています。

「危ないです、来てください、ガルーラ」

私はガルーラを素早く出し、ウインディと対峙します。
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:44:34.06 ID:hRW4rYWH0
「ケンタロス(お前も、人間の味方なんかやめて、我々と一緒に来い)」

「ウインディ(そうだぞ、人間に従ってるなんて、不自由だけだぞ)」

「ガル、ガルーラ(たしかに、そこで腰を抜かしてる男がトレーナーだったら、私もそっちについていたでしょうね。だけど、私のトレーナは

そんな男よりも素晴らしいの。そっちにつくことはできないわ)」

「ケンタロス(そんな小娘がか)」

「ガルーラ(あなた達には分からないことでしょうね。さあ、もう言葉は要りませんよ)」

なんだか、ガルーラも会話していますけど、まったく、分かりません。そして、ウインディはガルーラにとっしんを仕掛けてきますが、ガルーラはそれを受け止め、投げ飛ばしました。まるで、お相撲さんのようです。それを見て、ケンタロスもこっちに向かって、とっしんを仕掛けてきます。しかし、さっきのウインディよりも勢いがあります。

「ガルー」

ガルーラはそれを正面から、受け止めます。そして、ケンタロスの頭にピヨピヨパンチをリズミカルに繰り出します。ケンタロスはそのパンチで混乱したようで、目をグルグルと回しています。そのケンタロスにメガトンパンチを繰り出し、ケンタロスを横に突き飛ばします。

「ケンタロス」

その戦闘を見守っていた、ケンタロス達が、こっちにやってきました。くっ、ガルーラ1匹では厳しいですね。
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:45:23.00 ID:hRW4rYWH0
「ねえねえ、お姉ちゃん」

私が物陰から、あずにゃんの戦闘を見守っていると、男の子が話しかけてきました。

「なんだい?」

「あのお姉ちゃんは大丈夫かな?」

「大丈夫、大丈夫」

あずにゃんは滅茶苦茶強いからね。なんたって、私の嫁だし。

「……でも、このまま戦うのは悲しいよね。さっきのウインディとか見ちゃうと」

「……たしかに」

さて、私に何が出来るか、考えてみよう。

「………そうだ」

「なにか、策があるの?」

「歌を歌おう」
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:46:12.36 ID:hRW4rYWH0
「数が多いですね」

たくさんのケンタロスがこちらに向かって、ジリジリと、少しずつ接近してきます。

「大丈夫ですか、ガルーラ」

「ガル」

私の問いかけに頷いてくれました。ここがポケモンセンターなので、ある程度のダメージはすぐに回復できますが、手持ちをなるべく温存しておいた方がいいですし。

「ではいきま……」

「待って、あずにゃん!!」

私が一気に攻めようとした時に、ゆい先輩に止められました。

「何ですか、ゆい先輩」

「駄目だよ、このまま、戦って倒しても誰も得はしないよ」

「それはそうですけど……」

「思うに、皆、頭に血が上ってるんだよ」

「まあ、それもあるかもしれませんが」

「だから、私、歌うね」

「はい?」

意味が、まったく分からないんですけど。

「ここは心を和ませないとね。では、ミュージックスタート(わたしの恋はホッチキスを想像して下さい)」
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:46:48.02 ID:hRW4rYWH0
ゆい先輩は歌を歌いだしました。それは空気を読んでいないといえばそうですけど、さっきまで、怯えていた人達もゆい先輩の歌声に聞き惚れています。私達に対峙していた、ケンタロス達、さっきガルーラに飛ばされたケンタロスやウインディまでもが、ゆい先輩の歌声に聞き惚れています。まあ、私も冷静に状況を見てますけど、十分に聞き惚れていますけど。ゆい先輩の曲が終わると、皆がゆい先輩に惜しみない拍手を送ります。

「みんな〜、ありがと〜」

「すごいです、ゆい先輩」

「すごいよ、お姉ちゃん」

ポケモンセンターにいる、皆さんが、『ゆーい、ゆーい』とコールが起こっています。

「ケンタロス(戦うのが馬鹿らしくなってきたな)」

「ガル(ええ)」

「……ウインディ(……いい仲間達にめぐり合えたんだな)」

「ガル(ええ、運がいいことにね)」

「ケンタロス(確かにこんなことをしても仕方がないかもしれない。私達も帰るとするか)」

「ポケモンさん達」
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:47:54.03 ID:hRW4rYWH0
ゆい先輩はケンタロスに声をかけます。

「たしかに、サファリパークはポケモンを捕まえることでお金儲けをしてるかもしれないけど、そこにはポケモンと人間さんの新しい出会いの
場でもあるんだよ。だから、人間さんを嫌いにならないでね」

「ケンタロス(善処しよう)」

ケンタロス達はどうやら、ゆい先輩の歌で、満足してくれたのか、帰って行きます。

「待ちやがれ!!」

空気を読まずに、金髪の男が散弾銃をケンタロスやウインディに向けてきます。

「な、何をしてるんだ」

近くにいた男の人が金髪の男に聞いてきます。

「うるせえ!!裏切ったポケモンや危険なポケモンにはこれくらいすべきなんだ」

金髪の男は今にも、引き金を引きそうです。

「や、やめて下さい」

私は反射的に、ケンタロスやウインディを庇うように金髪の男に対峙します。

「な、なんだ、クソガキ。邪魔をするなら、てめえから、撃ち殺すぞ」

「だ、駄目です。せ、せっかく、ゆ、ゆい先輩のおかげで、皆落ち着けたのに、こんなことをするなんて……」

私の足はガクガクと震えています。それでも、私はこの場を離れるわけにはいきません。

「うるせえ!!」

バーン
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:48:55.50 ID:hRW4rYWH0
その金髪の男は何の躊躇もなく、引き金を引きました。私はグッと目を瞑ります。
「危ない、あずにゃん!」
ガシャーン
なにかが、ぶつかったような音がします。そして、私に何かがぶつかってきて、私は尻餅をついてしまいました。私が目を開けると、
「ゆい先輩!」

私の腕の中にゆい先輩がいました。

「ああ、ギー太、大丈夫かい」

ゆい先輩はおそらく、私を庇う時にギターを盾にしたのでしょう。ギターを見ると幸いにも傷がついてないようです。一体、どんな素材で出来てるのやら。

「ゆい先輩も大丈夫ですか?」

私はゆい先輩に問いかけます。

「あ、あずにゃん。私は大丈夫だよ。あずにゃんは?」

「私は大丈夫です。ゆい先輩のおかげです。……ゆい先輩?」

私がそう言うと、ゆい先輩はその目に大きな涙をため、私の胸に顔をうずめてきました。

「ぐすっ。どうして、こんな無茶したの。危なく死んじゃってたよ」

「ご、ごめんなさい」

「謝ったって許さないよ。罰として、私をギュッと抱きしめなさい」

「なんですか、それ」

「早く!!」

「わ、分かりました」

私はギュッとゆい先輩を抱きしめます。

「ああ〜、あずにゃんに抱きしめられてるよ〜」

「なんだか、乗せられてる気がしますね」

「気にしない、気にしない」

「でも、ありがとうございます。ゆい先輩が庇ってくれなかったら……」

「あずにゃんが無事でよかったよ〜。でも、あのあずにゃんも格好よかったよ〜」

ゆい先輩は顔を上げ、私に視線を合わせます。

「あずにゃん、もうこんな無茶しちゃ駄目だよ」

「……はい」
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:50:01.19 ID:hRW4rYWH0
「くそが。余計な邪魔をしやがって」

金髪の男がもう一度、散弾銃で撃とうとしますが、

「えいっ!」

ジョーイさんが後ろから、モップで頭を叩き、

「今だ、取り押さえろ!」

周りの人達も金髪の男を取り押さえます。

「大丈夫、お姉ちゃん達」

さっきの男の子が駆け寄ってきます。

「う、うん、大丈夫」

「よかった〜」

「ケンタロス」

ケンタロスが私達に近づいてきます。ケンタロスはガルーラの方を向き、

「ケンタロス(なるほど、お前達がこのトレーナーにつく理由が分かった気がする)」

と、鳴いて、去っていきました。

「何なんですか、一体」

「……さあ?」

ゆい先輩はクスッと笑って、そう言いました。
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:50:57.63 ID:hRW4rYWH0
「さて、それじゃ、今のうちに脱出を……」

ガシャーン

と、突然にポケモンセンターに衝撃が走りました。

「わっ!突然何が……」

「今、外を確認してみます!」

ジョーイさんは外に出て、顔色を変えて、戻ってきました。

「どうしたんですか!?」

「プ、プテラが……」

「プテラ!?」

「とりあえず、外に出てみようよ、あずにゃん」

「そうですね」

私達が外に出てみると、上空にプテラが飛んでいます。そのプテラが口から、はかいこうせんを出したりして、暴れています。

「ど、どうしましょう」

「……よし、空を飛ぼう」

「……はい?」

突然のゆい先輩の発言に耳を疑いました。

「今……なんて?」

「よし、空を飛ぼうって、言ったんだよ〜。ゆいちゃん真拳奥義『あずにゃん☆自転車』」

ゆい先輩の掛け声で、自転車が出てきます。

「これをどうするんですか……」

「まあ、乗ってみなさい」

「はあ」

私はゆい先輩をかごに入れて、自転車に乗りました。
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:51:46.11 ID:hRW4rYWH0
「さあ、出発だよ〜」

「はいはい」

私は自転車をこぎ始めました 。すると、だんだんと、地面から浮いて、空を飛び始めました。

「何なんですか、これは!!」

「なんだか、映画のシーンみたいだね」

「何をのんきなことを……」

「さて、あずにゃん君」

「なんですか」

「私が歌いだしたら、サムちゃんを出してね」

「はい?何でですか?」

「まあ、出せば分かるよ」

私達がこうして、話してる間に、プテラがこっちに気づいて、向かってきます。

「と、とにかく、頼むね」

「あ、ちょ、ちょっと……」

「ミュージックスタート!!(翼をくださいを想像してください)」
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:52:40.41 ID:hRW4rYWH0
「ああ、歌いだしちゃいました。ええい、こうなったら、出てきてください、ハッサム!!」

私はハッサムを出しました。すると、ハッサムの背中から、天使のような翼が背中に生えました。なるほど、これはゆい先輩の歌の力……。

「プテラ」

プテラはその翼を使って、ハッサムに向かってきます。

「サム!」

ハッサムはプテラのつばさをうつ攻撃を両手のはさみで受け止め、はじき返します。そして、今度はお返しとばかりに、はさみで、プテラに攻撃を仕掛けます。

「プテラ!」

プテラはハッサムのメタルクローをつばさで受け止め、力で押し返します。まさに、互角の戦いです。

「ハッサム」

「プテラ」

互いの攻撃がキーン、キーンとクロスし、空中戦が始まりました。プテラがすてみタックルを仕掛ければ、ハッサムはそれをかわします。お返しとばかりに、ハッサムがシザークロスを仕掛ければ、プテラはそれを正面から受け止め、そのまま、ハッサムを突き飛ばし、つばさをうつ攻撃を仕掛けてきます。ハッサムはそれをかわしきれずに、正面から、まともにうけて、

ガシャーン

と、近くにビルに飛ばされてしまいました。その衝撃で、ガラスやコンクリートが下に落ちています。

「……はあ、はあ」

ゆい先輩はハッサムが戦ってる間にも、ずっと、歌い続けています。さっきから、ずっと、歌っているので、だいぶ辛そうです。……私には何も出来ないんでしょうか。ゆい先輩はこうやって、必死に歌を歌って、ハッサムを援護してますし、ハッサムはあのプテラと戦っています。それなのに、私はただ、自転車をこいでいるだけです。私も、皆の力になりたい――。
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:53:35.81 ID:hRW4rYWH0
「ジー」

私がそんなことを思っていると、歌いながら、私の方を見てきました。その目には

『あずにゃんにもできることがあるよ』

と、言っている様な気がしました。

「わ、私にできることなんかありませんよ……」

私はそう言いながら、涙ぐんでしまいました。だって、悔しいんです、何も出来ない自分が。

『あるよ』

それでも、ゆい先輩は目で語ってきます。

『プテラにはなくて、サムちゃんにはあるものが。そして、それはあずにゃんにしかできないんだよ』

私にしか出来ないこと?

ガシャーン

私が迷ってる間にも、ハッサムはプテラのアイアンヘッドで、飛ばされて、ポケモンセンターの屋根に激突しました。ま、まずいです、あそこ
には人が……。強いです、プテラは。野生のポケモンでも、なんていう実力ですか。ハッサムじゃ勝てないんですか。……野生?そうだ、私はハッサムのトレーナーなんだ。私も一緒に戦わなくちゃ。私がそう決意すると、ゆい先輩は優しく、ニコ〜という笑顔をしてくれました。

「……サム」

ハッサムはポケモンセンターの屋根から、再び、空に戻ってきます。
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:54:31.20 ID:hRW4rYWH0
「プテラ(まだ、戦うのか?)」

「……サム(ああ)」

「プテラ(諦めの悪い奴だ)」

プテラは牙にほのおをためて、噛み砕こうとハッサムに迫ってきます。

「ハッサム、かげぶんしんです!!」

ハッサムは私の指示を受けて、自分の分身を作り、その一撃をかわします。

「ハッサム、反撃です。バレットパンチで先制をとるんです」

おそらく、プテラには素早さでは勝てないでしょう。でも、この攻撃なら……。ハッサムの攻撃は体制を整える前のプテラに命中しました。バレットパンチは先制攻撃を取れる攻撃ですからね。

「プテラ!」

プテラは今の攻撃に怒ったのか、口にエネルギーを溜めます。

「ハッサム、はかいこうせんが来ます。みきりです」

プテラのはかいこうせんがハッサムに迫りますが、それをハッサムは冷静にかわします。

「プテラ(何故、力でぶつかってこない。さっきのように)」

「サム(さあ?)」

「プテラ(くそがーーーーーー)」
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:56:12.03 ID:hRW4rYWH0
プテラは勢いをつけて、とっしん攻撃をしてきます。まともに受けたら、厳しいですね。

「ハッサム、みがわりです」

ハッサムは自分の分身を作り、プテラはその分身に攻撃を与えます。

「反撃です。ハッサム、アイアンヘッド!」

ハッサムはこちらを向こうとする、プテラにはがねのあたまで一撃を加えます。

「ぐはっ」

プテラはその衝撃で、怯んでいます。プテラにははがねタイプの攻撃は弱点ですし、今がチャンスです。

「ハッサム、はがねのつばさです」

ハッサムは自分のつばさとゆい先輩が作り出したつばさを大きく広げ、プテラに攻撃を仕掛けます。怯んでいるプテラはそれをかわしきれずに、直撃します。

「……プテラ(どうして、お前ほどのポケモンが人間なんかと一緒にいるんだ)」

「ハッサム(確かに私も人間はあまり好きではないな)」

「プテラ(なら、どうして……!?)」

「ハッサム(最初はあの、ゆいというポケモンへの恩返しからだったが、今は面白いからさ)」

「プテラ(面白いだと!?)」

「さあ、ハッサム。最後の一撃です。おんがえし!!」

ハッサムはその手にエネルギーを溜めます。

「ハッサム(だってな)」

ハッサムは私とゆい先輩を一瞥します。なにか、あったんでしょうか?

「ハッサム(ポケモンと恋人同士になろうなんて、トレーナーは世界中探したって、私のマスターだけだぜ!)」

ハッサムは勢いよく、プテラに向かいます。

「プテラ、プテラ(人間とポケモンが恋人だと。人間はポケモンの敵なのだ。……ふざけたことを抜かすなーーーーー)」

プテラも自分のもてる力を出し攻撃する技……ギガインパクトで、ハッサムに攻撃を仕掛けます。

「「いけーーーー、ハッサム(サムちゃん)。スクラップフィストー!!」」

ハッサムのはさみとプテラの頭が衝突します。
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:56:48.71 ID:hRW4rYWH0
「ハッサム(見事だ)」

ピキピキ

ハッサムのはさみがひび割れています。

「プテラ……プテラ(ああ、お前もな。……お前とおれの差はなんだったんだ)」

「ハッサム(信じてくれる人がいるか、いないかの差だ)」

「……プテラ(……お前のトレーナーなら、私を信じてくれるかな?)」

「ハッサム(もちろん)」

プテラの頭も、ひび割れて、力尽きたのか、落下し始めました。

「あずにゃん」

「はい!」

私はハッサムを素早くボールに戻し、モンスターボールをプテラに投げます。しばらく、ボールが動きますが無事にゲットすることができました。

「やりました、プテラ、ゲットです!!」

「わ〜い、やったね!」
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/03(日) 10:57:39.15 ID:hRW4rYWH0
私達が地上に着いた時、キョウさん達が出迎えてくれました。

「君達はすごいな!!」

「まさに伝説と呼ばれるような戦いだったわ」

「そ、それは言いすぎですよ」

「いやいや、それほどの戦いだったぞ」

「そうですよ、謙遜しなくてもいいですよ」

皆さんが口々に褒めてくれます。ちょっと、照れくさいですね。

「ところで、サファリパークのポケモン達は?」

「ケンタロス達が先導して、サファリパークに戻っていったよ。君のおかげだよ、ゆい君」

「ええっ!私のおかげだなんて、そんな〜」

体をクネクネさせて照れるゆい先輩。

「君達のおかげで、この騒ぎは収まったわけだ。お礼として、温泉のフリーパス券をあげよう」

「温泉ですか」

「うむ、ふたご島がよく見える、いい温泉だ」

「それじゃ、早速、行こうよ、あずにゃん」

「いきなりですか。でも、たしかにすっごい疲れましたからね。ポケモンセンターによってから、行ってみましょう」

「わ〜い」

私達はポケモンセンターによって、ポケモンを回復させてから、温泉にでも行こうとすると、携帯に電話が入りました。

「誰から?」

「シオンタウンのモブ太君です」

私は電話に出てみます。

「どうしたんですか?」

「た、大変だよ。シオンタウンにロケット団が……」

どうやら、温泉はお預けのようです。
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/03(日) 10:58:24.40 ID:hRW4rYWH0
セキチクシティ編A 「VSプテラ」 終了
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/03(日) 11:17:14.29 ID:Ig7QPECA0
乙!!
ハッサム△
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/03(日) 21:44:17.86 ID:P3q7Exsko
乙〜
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/05(火) 07:13:24.98 ID:zX31ojq60
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい

シオンタウン編A 「再会」 以下、投下
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/05(火) 07:14:16.36 ID:zX31ojq60
シオンタウン襲撃1週間前

トキワシティのある施設にある捕獲班部長の部屋

『……俺がやるのか』

さわ子の命令に、マコトは呟く。

『ええ。でも、これが最後よ。次に失敗したら、あなたは終わりよ』

おつきみやまでのイーブイ捕獲失敗、サントアンヌ号襲撃の失敗が続いてる中、まだ、お咎めがないのが不思議なくらいだ。

『なんで、俺がやるんだ』

『それは私の提案だよ』

急にドアが開いたかと思うと、フードのついたローブを着た女――AYUがいた。

『あなたは強いからね。なにせ、人を殺すのにためらいがないもの』

AYUはそういうが、マコトは感じている。……こいつの方が強いということを。

『それで、どうすればいいんだ』

マコトはさわ子に向き直って聞く。

『シオンタウンを攻める』

『だから、どうやって』

『これを使ってだよ』

AYUがモンスターボールを渡す。

『……これは?』

『ファイヤーだよ。伝説のポケモンの』

AYUは一息ついて言う。

『これを使って、シオンタウンに集団で攻め入る。そうだね、まずはポケモンタワーを本拠地にしよう。話はそれからだね』

AYUは不適に笑いながら、言った。
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:15:39.82 ID:zX31ojq60
ロケット団が攻め入るちょっと前・シオンタウン郊外・タマムシ側

『純ちゃん、シオンタウンに用なの?』

私とういは、再び、シオンタウンに来ている。というのも、

『ゴースがほしいからね』

『前に、ゲットしておけばよかったのに』

『まずはバッチをサッサとゲットすることが先決なのよ』

私はバッチを現在、7個ゲットしている。サッサと、バッチをゲットして落ち着いてポケモンを育てればいいのだ。

『ところで、ういは何を読んでるの?』

『月刊あずにゃんだよ〜』

本人未公認の雑誌か。そういえば、梓はどうしているのだろう。初めて出会った時は弱弱しかったからな〜。

『それにしても、熱心に読んでるわね』

『私に似てる人が出てるからね』

ページを見ると、憂梓と出ている。……たしかに似てるわね。

『おっと、こんなのんびりしてる場合じゃないわ。サッサと、ポケモンタワーに……』

『純ちゃん、上見て』

『上?』

私が上を見ると、何10匹ものとりポケモンにその上に乗る、黒い服を着た人達、ロケット団!?そして、地上からも足音が聞こえてきた。

『と、とりあえず、物陰に隠れよう、純ちゃん』

『え、ええ』

私達は草の中に隠れて、身を潜める。すると、次々と胸にRの文字をつけた、黒い服を着ている集団、ロケット団が通過していきました。

『た、たくさんいるね』

『そ、そうね。こういう時は何もせずに逃げ出すのが一番よね』

『そ、そうだね、危ないし』

私達は見つからないように、いそいそと逃げ出した。うん、命って大事だよね。
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:16:54.45 ID:zX31ojq60
今回の手持ちメンバー ゆい ハッサム プテラ  ヘルガー ミニリュウ  ニューラ

「急いで下さい、プテラ」

「プテラ」

私達はさっき、ゲットしたばかりのプテラを使って、シオンタウンに向かっています。というのも、シオンタウンで知り合った、モブ太君から、連絡があったので、急いで向かっているところです。

「大変だよ、あずにゃん」

「どうしたんですか、ゆい先輩」

ゆい先輩は私の渡した携帯電話で情報を見てもらっています。

「……なんとね、大変なことに……」

ゆい先輩が言いよどんでいます。きっと、シオンタウンはそれだけ、大変なことになっているのでしょう。
「けいおんが映画になるんだよ!公開されたら、一緒に見に行こうね」

「……プテラ、頑張って下さい。あなただけが頼りです」

「じょ、冗談だよ。本当はこっちだよ」

ゆい先輩は私に携帯電話を見せてきます。

『今、シオンタウンにおいて、ロケット団と思われる集団が突如として、町に攻め入っており、たくさんの犠牲者がいる模様です。被害状況については……』

という、ニュースの動画が流れていました。

「まずいですね。モブ太君は大丈夫でしょうか」

「きっと、大丈夫だよ」

「だといいんですけど。……あ、シオンタウンが見えてきました」

私達の前方にシオンタウンの有名な場所であるポケモンタワーが見えてきました。周りには、黒い煙が何箇所から、見えています。
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:17:54.10 ID:zX31ojq60
「とりあえず、町の手前のタマムシシティ方面に降りましょう。お願いしますね、プテラ」

「プテ」

私達はシオンタウン郊外の森の中に降ります。

「ありがとうございます、プテラ。……さて、どうしましょう」

草むらの陰から見てみると、周りには誰もいないようです。

「ゆい先輩、ここからは慎重にいきましょう」

「そうだね。……ところでさ、私達って、どこかの潜入部隊みたいで格好いいよね」

「くすっ。たしかにそうかもしれませんね」

私達は慎重に先へと進みます。後、少しで、シオンタウンという、その時、

「……ふがっ」

私の口が両手で、塞がれました。

あ、あずにゃん!?だ、誰だ、あずにゃんを傷つけてたら、許さないよ!!」

「……そう、かっかしないで下さいよ」

「あ、お姉ちゃん」

「あ、ういに純ちゃん」

「ふがっ!?」

私の口を塞いでいたのは、純とういでした。
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:19:10.89 ID:zX31ojq60
「まったく。突然、後ろから、口を塞ぐなんて」

「ごめんごめん。でも、私でよかったじゃない。これがロケット団員だったら、大変だよ」

「それはそうですけど……」

「それはそうと、どうして、梓達はここに?ニュースは見てないの?」

「ちょっと、用事でね」

「用事って、あんたね……」

「それよりも、純達こそどうしてここにいるの?」

「それは……」

「逃げ遅れちゃったんだよ」

さっきまで、ゆい先輩と久しぶりの再会に抱き合って喜んでいた、ういが答えました。

「逃げ遅れた?」

「だって、空にも、ポケモンがたくさんいるんだよ」

「たしかにそうだね」

私も見つからないように気をつけてたけど、たしかに厳しいですね。

「地上からは?」

「ロケット団員の数が多かったから、隠れてたわけよ」

純が答える。

「はあ、なるほど」

「それで、あんた達はどうするの?」

「私は一応、シオンタウンに潜入するつもりです」

「え、それは危ないんじゃない?」

ういが心配そうに問いかけます。きっと、ゆい先輩が心配なんでしょう。

「たしかに、危ないかもしれないけど、あそこには私の友達もいるし」

「それは心配だけど、ちょっと、さすがに無茶じゃない?」

「否定はしませんけど」

「まあ、梓がやりたいなら、止めないけど。とりあえず、飲み物ある?のど渇いちゃって」

「仕方がありませんね。ちょっと待って下さい」
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:20:34.69 ID:zX31ojq60
「久しぶりだね、お姉ちゃん」

「そうだね、うい」

前にあったのはニビシティだったね。あの頃から、随分たってるから、懐かしいね。

「ところで、有名だよね」

ういが問いかけてきます。私のことかな?

「梓ちゃん」

なんだ、あずにゃんのことか。それは当たり前だよ、私の嫁だもん。

「……お姉ちゃんもだいぶ、雰囲気が変わったよね」

「そ、そうかな。一人前のポケモンの雰囲気になったかな?」

「うん。十分だよ」

「えへへ〜」

やっぱり、分かる人には分かるんだね。

「あ、ところで、うい」

「な〜に、お姉ちゃん」

「『月刊あずにゃん』見た?」

「何それ?」

「なんでもないよ。知らないなら、よかった」

妹まで、ライバルなんて嫌だからね。

「(お姉ちゃん、安心してる。きっと、ライバルが少なくなったと思って、安心してるんだ。……嘘ついてごめんなさい)」
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:22:41.34 ID:zX31ojq60
「うい、水飲む?」

私は純に水を渡すと、ういにも聞きます。

「う、うん」
「じゃあ、はい」

「あずにゃん、私のは?」

「はい、今、渡します」

私はゆい先輩にペットボトルを渡します。

「ありがとう、あずにゃん!!」

ゆい先輩は私の右足に抱きついてきます。

「ちょっ、ゆい先輩」

「あ〜ずにゃ〜ん、すりすり」

「か、顔をすりすりしないで下さい」

しばらくすると、ゆい先輩は顔をすりすりするのをやめて、ういの方をジーッと見ます。

「……分かったよ、お姉ちゃん」

ういはなにやら、頷き、私の片足である左足の方にいき、遠慮がちにギュッと抱きついてきます。

「え、う、ういまで……」

「どう、あずにゃん。私達、姉妹の抱きつきは?」

そう言うと、ゆい先輩はまた、スリスリと顔をこすり付けてきます。しかも、今度は、ういまで、ゆい先輩と同じように顔をこすり付けてきます。

「……愛されてるわね、随分と」

「み、見てないで、助けてよ」

「……ふむ」

なにやら、純は納得すると、私の後ろに来て、ギュッと抱きつきます……って、えー!!

「な、何をするんですか!」

「だって、2人見てたら、気持ちよさそうだったから」

「あ〜ずにゃん、すりすり〜。ほら、ういも」

「え、えーと、すりすり〜」

「い、いい加減にしてくださーい!!」
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:24:34.28 ID:zX31ojq60
「「「ごめんなさい」」」

「まったく、反省してくださいね」

まったく、敵が近くにいるかもしれないのに、何をやってるんでしょうね。

「……それにしても、梓も随分見ないうちになんかの漫画とかの主人公みたいになったわね」

「なによ、突然。全然そんなことないし」

「まずは主人公要素その1、異様にもてる」

「まずはそこから、間違ってるよ。私は全然もてないし」

「(いやいや、本人未公認だけど、『月刊あずにゃん』まで、出てるし、十分もててると思うよ、梓ちゃん。それに異様にもてるって、ラブコメの主人公だよ、純ちゃん)」

「主人公要素その2、なぜだか、異様に重大な戦いに巻き込まれる」

「それもないよ。私は普通にジム戦をしてるだけだし。そりゃ、たまにロケット団と戦うようなこともあるけどさ」

「(梓ちゃん。ロケット団と対戦してる時点で、普通の人には異様だよ)」

「主人公要素その3、特別な力、あるいは、武器、まあこの場合はポケモンよね、がある」

「たしかに、ゆい先輩はちょっと、珍しいけど、純だってういがいるじゃない。全然、特別じゃないよ」

「(梓ちゃん、私達のトレーナーってだけで、十分特別なんだよ。梓ちゃんだけが特別じゃないってだけで、十分特別なんだよ)」

「こんなところで、のんびりしてる場合じゃないや。そろそろ、行かなきゃ。純とういも無事に逃げてね。じゃ、行きましょうか、ゆい先輩」

「うん。じゃ、またね、うい」

私達はシオンタウンへと急ぎました。
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:25:28.35 ID:zX31ojq60
「じゅ、純ちゃん、私達も……」

「どうして?」

「だって、心配だよ。お姉ちゃんと梓ちゃん」

「そうね。でも、いいの?」

「なにが?」

「死ぬかもしれないよ。それでも、行く?」

「……」

(そうだよね、死んじゃうかもしれないよね。さすがに私の我侭で純ちゃんを連れて行くのはよくないよね)

「じゃあ、行くわよ」

「え、でも……」

「行かないの?」

「い、行きたいけど、……死んじゃうかもしれないよ」

「そうね。でも、ういは行きたそうだったし。……それに、梓だって、友達だしね。やれやれ、厄介な友人やポケモンを持ったもんだよ、私も」

「……純ちゃん」

「早く行かないと、おいていかれるから、早く行くわよ」

「うん」
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:26:47.69 ID:zX31ojq60
「逃げたんじゃないの?」

「まあ、ここまで来たらね。いいじゃないの、別に」

「それよりも、梓ちゃん。どうするの?警察官とか、たくさんいるよ」

「そうですね、これではうかつには……」

「あずにゃん、あずにゃん」

「どうしたんですか?」

「上を見て、上」

「上?」

私達が物陰から、上を見ると、炎を纏った鳥がいました。

「あれは何、純ちゃん」

ういは純に問いかけます。

「あ、あれは、えーと……」

「ふふん。2人とも分からないんだね、私が教えてあげよう」

ゆい先輩が得意げに言います。さすがはゆい先輩です。

「あれはね、……火の鳥だよ!!昔の巨匠の漫画家さんが書いたあの鳥だよ」

「へえー、そうなんだ。やっぱり、お姉ちゃんはすごいね」

「さすがはういのお姉さんね」

「えへへ〜、それほどでも〜」

「いやいやいや、違いますから」

「えー。じゃあ、あれは何なのさ」

ゆい先輩は気持ちよく褒められていたためか、私が否定するとちょっと、ムッとしたような、顔をしました。

「あれはカントー地方に伝わる、伝説のポケモンの1匹、ファイヤーです」

「へー、そうなんだ」

「さすがは、梓。物知りね」

「うー。でも、物知りなあずにゃんも可愛い〜」

ギュッと抱きついてくるゆい先輩。そして、頭をナデナデし始めます。

「や、やめてくださいよ〜」

「いいではないか、いいではないか〜」
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:28:30.60 ID:zX31ojq60
「(お姉ちゃんは本当に梓ちゃんのこと好きなんだな〜)」

「ジー」

「どうしたの、純ちゃん」

「いや、なんかさ、ういって、シスコンみたいじゃん」

「本人前にしてすごいこと言うね」

「だからさ」

純の回想

うい「よくも、お姉ちゃんを。梓ちゃんはじっくり苦しんで死んでもらいます」

梓「や、やめてよ、うい」

うい「フフフ、お姉ちゃんに群がるゴキブリは死んでもらいます」

おもむろに、火をつける。

梓「あ、熱いよ、うい。し、死んじゃうよ」

うい「それでいいんだよ。ハハハハハ」

「みたいな感じに、嫉妬するというか、ヤンデレみたいになるんじゃないかと」

「な〜にそれ。私がそんなこと思うはずないでしょ。私はお姉ちゃん達が幸せになれればいいんだよ」

ういは少し怒り気味に言う。

「ごめん、ごめん」

「だいたいね、純ちゃん。もし、お姉ちゃんと梓ちゃんがくっついたとしよう」

「うん」

「そしたら、私には、お姉ちゃんがもう1人できるのです」

「そうだね」

「そのうえ、いつもとは違う、表情のお姉ちゃんや幸せそうなお姉ちゃんも見ることができるのです。そして、もう1人のお姉ちゃんの梓ちゃんにも甘えることができるのです」

「そういう、可能性もあるかもしれないわね」

「そうなれば、3人とも幸せになれるのです」

「あれ、ういのトレーナーの私は?」

「……それよりも、上のファイヤーの様子を見よう」

「おーい、ういさん。私は?」
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:29:06.07 ID:zX31ojq60
「話は終わりましたか?」

「うん」

「ねー、私は?」

「しつこいよ、純ちゃん」

「何を話してたの?」

「内緒だよ、梓ちゃん」

「そんなことよりも、ファイヤーだよ、あずにゃん」

「そうですね」

ファイヤーは警察官の集団の方に向かっていきます。
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:30:02.15 ID:zX31ojq60
「(ねえ、うい)」

「(な〜に、お姉ちゃん)」

「(あずにゃんにひどいことしたら、ういでも許さないよ)」

「(さっきの話を聞いてたの?だったら、私こそ怒るよ)」

「(ごめん、ごめん。ただ、違う世界のういならやりかねないかなーって)」

「(??? そんなことより、ファイヤーの様子を)」

「(そうだね)」
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:30:36.13 ID:zX31ojq60
『ファイヤーがこっちに向かってくるぞ』

『どうしますか、部長』

『うむ。ファイヤーは伝説のポケモンであって、まだあまりデータはない。素早く、攻撃をしろ!』

『はい!』
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:31:50.29 ID:zX31ojq60
警察官達は拳銃などをファイヤーに向けます。ま、まさか、あれを撃つ気じゃ。

「撃てー」

隊長らしき人の指示で、ファイヤーにバズカーなどが発射されます。しかし、ファイヤーは美しく、羽ばたき、その攻撃をかわし、口にいっぱい、炎を溜めて、警察官や自衛官達にかえんほうしゃ攻撃を仕掛けてきます。

「て、撤退だー」

自衛官の人達は慌てふためいて、逃げる。それもそうだろう。かえんほうしゃ攻撃には違いないが、きっと、普通のほのおタイプのモンスターを集めても、20匹くらいのかえんほうしゃの威力だったんだから。

「ね、ねえ、梓。本当にいくの?」

「……怖いけど、行くしかないよね」

「ほ、本気?」

「本気だよ。あんなポケモンを倒せるとしたら、ゆい先輩くらいだよ」

「え!?むむむむむむむ無理だよ、さすがに」

「大丈夫です、ゆい先輩なら!!普段はちゃらんぽらんでも、やる時はやるって、信じてますから」

「今日ほど、信頼の2文字が重いと感じたことはないよ!」

「さて、場も和んだところで、この混乱に乗じて、シオンタウンに潜入しましょう」

「随分、場慣れしてるわね」

「それほどでもないよ」

「……うう、なんか、私って、ほのぼのとしてる漫画とかの主人公とかだったりする気がするのに、こんなのあわないよ」

「なにを言ってるの、お姉ちゃん?」

「ゆい先輩のことはほっといて、行きますよ」

私はゆい先輩を抱きかかえ、シオンタウンへと向かいました。
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:32:20.62 ID:zX31ojq60
シオンタウン

上空を見ると、ファイヤーはいません。どうやら、ファイヤーは警官隊に攻撃して、引っ込められたのでしょう。

「さて、ここまで来たのはいいですけど、どうしましょうか」

上空にファイヤーはいないと言いましたが、地上にはロケット団がたくさんうろうろしています。

「まずは、その友達のところに行くんじゃないの?」

「それはそうですけど、この数のロケット団に見つからないように行くのは……」

「それは厳しいね」

「まあ、とりあえずは、裏通りを通っていくしかないですね」

私達は人気の少ない道へと、歩を進めました。
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:33:11.67 ID:zX31ojq60
「おい、怪しい奴だー、捕まえろー」

「な、なんで、私達、追いかけられてるのー」

「ゆい先輩のせいですよー」

回想

「ここは危ないですね。私の合図で、走って、あの路地に隠れましょう」

「うん、分かった」

「……今です」

「よし」

ツル、バタン

「だ、大丈夫ですか、ゆい先輩」

「……う、うん、大丈夫」

「あ、あそこに誰かいるぞ。捕まえろー」
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:34:32.30 ID:zX31ojq60
「というか、梓がゆい先輩をおんぶしてればよかったんじゃない?」

「たしかにそうかもしれないけど、今はそれを言ってる場合じゃないよ!」

「そうよね」

純とともに、後ろを振り返る。だいたい、10人くらいだろうか。でも、これ以上、追われると人数がさらに増えるかもしれません。

トゥールルルル

「あ、あずにゃんの電話だ。もしもし〜」

私の背中にいるゆい先輩は私のバックから、携帯を素早く取り出し、電話に出る。

「のんきに電話なんかしてる場合じゃありませんよ」

「……分かりました。あずにゃん」

「何ですか?」

「次の路地に飛び込んであの建物に入って」

「どうしてですか?」

「いいから」

「……分かりました。純」

「うん」

私達はゆい先輩の指示通りに、路地に飛び込み、建物の中に入りました。

「くそ、どこ行った」

「この路地に入ったはずだが」

「とりあえず、奥に行くぞ」

「おお」

782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:35:21.10 ID:zX31ojq60
ロケット団員の足音がなくなりました。

「ふ〜、どうやら、助かったみたいね」

「ところで、お姉ちゃん。誰から、電話だったの?」

「フジさんからだよ。この建物に逃げてるはずだよ」

「おお、梓君」

奥から、前にシオンタウンであった老人、フジさんが出てきました。

「フジさん、無事だったんですね。モブ太君は?」

「うむ、無事じゃ。今、この建物の地下に隠れているのじゃ。梓君とゆい君も無事で何折じゃ。ところで、そちらの2人は……?」

「あ、私は鈴木純です」

「私はういです。えーと、私は、一応ポケモンで……」

「私の妹だよ〜」

「なるほど、なるほど。純君達もありがとう。では地下に……」
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:36:40.34 ID:zX31ojq60
私達はフジさんの案内で地下に来ました。地下には、何匹かのポケモンとモブ太君がいました。

「あずさお姉ちゃん、ゆいお姉ちゃん、お久しぶり。……えーと、そっちの人達は?」

「あ、私は鈴木純です」

「私はういです。えーと、私は、一応ポケモンで……」

「私の妹だよ〜」

「僕はモブ太です、よろしくお願いします」

「随分、丁寧な子ね」

「ところで、フジさん達はどうして、ここに?」

「なんとか、逃げてきての。捕まると、ポケモンタワーに集められるようじゃ」

「どうしてですか?」

「人質のようじゃな。ちょうど、携帯でも見れるぞ」

私達は1階に行って、ニュースを見ると、たしかに、ニュースで、そんなことを言ってました。

「ど、どうして、こんなひどいことを……」

「さっきのニュースではロケット団は伝説のポケモンを手に入れてるようじゃな」

「え、ええ。さっき、ファイヤーがいましたから。そんなことより、フジさん達も脱出しないと……」

「あずにゃん、外から、何か聞こえるよ」

ゆい先輩が私の言葉をさえぎり、そう言いました。私は外の声に耳を傾けます。

『中野梓とそのポケモンゆい。この町のどこかに隠れてるのは知ってるんだ。人質を開放してほしければ、ポケモンタワーまで来いよ。今なら、おまけで、外のロケット団には見逃させてやる。おつきみやまとサントアンヌ号での決着をつけようぜ』

という、声が聞こえました。
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:38:18.19 ID:zX31ojq60
「……あんた、モテモテね」

「……まったく、嬉しくないけどね」

「あずにゃんや」

「何ですか?」

「これは行くしかないね」

「できれば、遠慮したいですけどね」

「純ちゃん、私達も」

「仕方ないわね。これも乗りかかった船よ」

「お姉ちゃん達、頑張って!!」

「……梓君はいい仲間を持ったのう。よし、これを使うのじゃ」

「なんですか、これ?」

「この建物にあった、パソコンじゃ。ここで、メンバーを調整するがいい」

「随分、ご都合主義ですね」

「まあ、細かいことはなしじゃ」

「あ、でも、フジさん達も危ないですよね」

「そうね」

「私達なら心配ない」

「でも、心配ですので、なにか、ポケモンを……」

私は、ヘルガーとポリゴン2とガルーラを出します。

「皆、私が無事に帰ってくるまで、護衛よろしくね」

私は皆に言うと、任せろといわんばかりに、頷いてくれました。そして、モンスターボールに戻し、モブ太君に渡します。

「これをモブ太君に預けておくね。ロケット団が攻めてきた時に使ってね」

「うん、ありがとう、梓お姉ちゃん」

「……」
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:38:47.50 ID:zX31ojq60
「どうしたの、純」

「いや、なんで、いちいち、ポケモンに挨拶するのかなーって」

「だって、仲間であり友達じゃない。一応、言っとくべきでしょ?」

「それはそうだけどね。ポケモンを友達かー」

「純だって、ういとはポケモンというより、友達みたいなものでしょ?」

「それはそうだけど、他のポケモンにはねー」

「なんか、歯切れが悪いね。何が言いたいの?」

「いや、純粋にすごいなーって」

「なにそれ?」
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:40:15.44 ID:zX31ojq60
「でもでも、私とあずにゃんは仲間とか友達じゃなくて、恋人同士なんだよ〜」

と、ギュッとゆい先輩が抱きついてきます。

「恋人!?あんた、そこまで……」

「こ、恋人同士じゃなくて、恋人(仮)です!」

「似たようなものじゃない」

「たしかに、似てるけど……はっ!?」

「どうしたの、梓ちゃん。私の方を見て」

「だ、だって、この後……」

梓の回想

うい「よくも、私のお姉ちゃんを……!?」

梓「ごめんなさい、ごめんなさい」

うい「謝ったって、許さないよ」

グサ、ザクザク

うい「……中にだれもいませんよ」

「みたいな、展開だけは勘弁してね」
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:41:33.52 ID:zX31ojq60
「……なんで、純ちゃんだけでなく、梓ちゃんにもそんなイメージが」

「え、純と同じ思考?それは嫌だなー」

「どういう意味よ」

「あずにゃん、ちゃんと謝らなくちゃ駄目だよ」

「分かってますよ。ごめんね、うい」

「ううん、別にいいよ。そのかわり、一つ聞かせて」

「何?」

「……梓ちゃんは本当にお姉ちゃんが好きなんだよね?」

「そ、それは、えーと」


「正直に言ってね」

ニコッと言う、うい。笑顔がこんなにも怖いと思ったのは久しぶりだ。

「……す、好きだよ。というか、本人の前で聞くの、それ?」

「さっきの仕返しだよ」

「あ〜ずにゃ〜ん。私も好きだよ〜」

スリスリと頬をこすりつけてきます。
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:42:09.62 ID:zX31ojq60
「しかし、茨の道ね。同姓の上に、片方は幼稚園児みたいな容姿だし、おまけに人間とポケモン。困難なことばかりよ」

「でも、大丈夫だよ、きっと」

「……そうね」

「そ、そんなことより、ポケモンタワーに行きましょう」

まだ、じゃれついてくるゆい先輩をどかしながら言います。

「頑張るんじゃよ、4人とも」

「梓お姉ちゃん。僕、この3匹と一緒におじいちゃんを守るね」

「よろしくね。……じゃあ、皆、頑張りましょー」

「「「おー」」」

現在の手持ちメンバー ゆい ハッサム プテラ  イーブイ ミニリュウ  ニューラ
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/05(火) 07:43:07.63 ID:zX31ojq60
ポケモンタワー

『これで、いいのか』

マコトはローブの女、AYUに言う。さっきの梓達を呼び出すように言ったのはAYUだ。

『OK、OK』

『……お前の目的は何なんだよ、AYU』

『……未来を……いや、地球を救うことだよ。頑張ってね』

AYUはそう言うと、部屋を出て行った。


『……乗せられるのは好きじゃないが、どの道、あいつとは決着をつけたかった。早く来い、梓、ゆい』

マコトはほくそ笑んだ。
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/05(火) 07:44:12.99 ID:zX31ojq60
シオンタウン編A 「再会」 終了
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 12:14:49.37 ID:5aB8VY5DO
乙!!
AYUが何を企んでいるのか・・・
めっさ気になるじぇ
792 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:12:09.91 ID:VICvPmS+0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい

シオンタウン編B 「VSファイヤー@」 以下、投下
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:13:39.01 ID:VICvPmS+0
現在の手持ちメンバー ゆい ハッサム プテラ  イーブイ ミニリュウ  ニューラ

「というわけで、ポケモンタワーまで来たわけですけど……」

「本当に襲ってこなかったね」

「不思議だねー」

「で、どうするよ」

「とりあえず、入りましょう」

私達はポケモンタワーに足を踏み入れます。

「さて、あいつはどこにいるんでしょう」

「ところで、さっきの奴ってなんて名前なの?」

「知りません」

「知らないのに、怨まれてるの?」

「まあ、因縁なんでしょうね」

「なんか、適当ね」

私達がポケモンタワーに入ると、大きいホールに出ました。そこにはロケット団員が三人くらいいました。

「ようこそ、梓さん。それとおまけさん」

「なんか、私の扱いが適当じゃない」

「名前覚えられてる私よりましだよ」

「梓さんには、たくさん邪魔されてますからね。最初はイーブイから始まって、一番新しいのはタマムシシティの研究所ですね」

「あの事件、梓だったの?」

「ええ、まあ……」

「そこのお嬢ちゃん……ゆいちゃんにはしてやられましたね。まさか、ミュウツーがプロトタイプとはいえ、負けるとは」

「すごいね、お姉ちゃん!!」

「えへへ〜、でしょ〜」
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:14:42.16 ID:VICvPmS+0
「さて、今回は簡単ですよ。私達のボスはここの最上階にいます。あなた方は各階にいる門番を倒すなり、逃げるなりして、最上階に行けばいいのです」

「逃げるなり?戦わなくてもいいんですか?」

「ええ、もちろん。そのかわり、追いかけてはきますけどね」

なるほど。逃げてるだけだと、上のほうに行くほどど、敵が多くなるってことですね。でも、それ以上に疑問があります。

「どうして、こんなまどろこっしいことをするんですか?普通に私を倒せばいいじゃないですか?」

「それでは、つまらないじゃないですか。それに、怖いんですよね」

「何がですか?」

「そのゆいちゃん」

ロケット団員はゆい先輩を指差します。

「そのゆいちゃんに手間取ってる間に、警察とかの乱入を防ぐためにもね。あなた方をこのタワーで倒したいんですよ。それに、これはボスの
命令でもあるんでね」

そのロケット団員は不適に笑い、周りの2人とともに、ボールを取り出す。

「さて、最後にルール確認ですね。あなた方は最上階である、7階に行く。私達はその前に倒す。それだけです。……さて、もう、言葉はいらないでしょう」

「……ねえ、こんな疲れる奴らと戦ってきたの?」

「……まあね」

「まあでも、やるしかないか」

「そうだね」
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:16:06.49 ID:VICvPmS+0
「純ちゃん、私が出る?」

「いいよ、こんな雑魚くらいなら、……きて、カビゴン」

「それじゃ、私は……来てください、ミニリュウ」

私達はそれぞれ、カビゴンとミニリュウを出します。

「そんな2匹で勝てますかな?」

ロケット団員はオコリザル6匹とスリーパー6匹、ウツボット6匹を出してきます。

「どうでもいいけど、あの人達って、別のポケモンを持ってないのかな、お姉ちゃん」

「違うポケモンにするとね、大変なんだよね、いろいろと」

「?」

「行くよ、純」

「ええ、梓」
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:17:11.82 ID:VICvPmS+0
「ザルー!!」

バーン

「これで、半分だね」

「そうね!」

「頑張れー、あずにゃーん」

「お、お姉ちゃん、落ち着いて」

私達はなんとか、18匹いたポケモンを9匹までに減らしましたが……。

「ほとんど、カビゴンが倒したじゃん」

「ミ、ミニリュウだって、2匹倒したよ」

「2匹で威張られても……。大体なんで、ミニリュウ?」

「も、もうすぐ、進化するからだよ」

「梓の体型みたいに成長が遅いのね」

「ひ、一言多いよ。どっちも成長するもん」

「ミニリュウはしても、そっちは……」

「も、もう」

「あずにゃんはこのままでいいんだよ〜」

ギュッと抱きついてくるゆい先輩。

「ほら、彼女……いや、この場合はなんていうんだろうか。とにかく、恋人もこう言ってるんだから、よかったね」

「……いずれは決着をつけるよ、純」

「おしゃべりはここまでだ」
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:17:44.01 ID:VICvPmS+0
隙を突き、私に向かってくる、オコリザル。このままでは……。

「ミニリュウ」

私に突っ込んでくる、オコリザルをミニリュウが体当たりを仕掛けます。

「よくやりま……あっ!!」

ミニリュウの体が光り輝き、ついにハクリュウに進化しました。

「やったね、あずにゃん。進化したよ」

「はいっ!! よくやりましたよ、ハクリュウ」

私はハクリュウの頭をなでます。

「ミニリュウは進化して、美しく、ハクリュウになったけれども、トレーナーは……」

「純。さっきから、喧嘩売ってない?」

「ま、そんなことより、残りの奴らを……」

「そうだね」

私達は再び、バトルを始めました。
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:18:13.41 ID:VICvPmS+0
「馬鹿な、小娘程度に……」

「とりあえず、1階は終わりましたね」

「では、ここで、ゆいちゃん真拳奥義 を発動しよう」

「ここでですか? 意味がないような……」

「これには重要な意味があるんだよ。では、ゆいちゃん真拳奥義『省略』」
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:19:19.63 ID:VICvPmS+0
6階

「というわけで、6階まで来ました」

「きつかったね、お姉ちゃん」

「5階ではさすがに死ぬかと思ったよ」

「え、なんでいきなり、6階!?2階から5階は!?」

「どうしたの、あずにゃん。たくさん、倒してきたじゃん」

「いやいや。いきなり、1階から6階に来たじゃないですか」

「大丈夫、梓。戦ってきたじゃない、それぞれのボスを」

「倒してないよ、覚えがないもの」

「梓ちゃん、ポケモン達の活躍を無視するの?」

「活躍も何も、そんなのしてないでしょ」

「じゃあ、ポケモン見てみなさいよ」

「はあ、どれどれ。……あれ、皆、結構疲れてる」

「それはそうでしょ。だって、5階まで、戦ってきたんだから」

「もう、覚えがないけど、それでいいや」

「でも、さすがに、これはないな」

「どうしたの?」
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:20:21.32 ID:VICvPmS+0
「梓にはあれが見えないの?」

「あれ?」

純が指差す方には10人くらいのロケット団員がいました。

「体力が無くなってくる、今くらいのほうがいいんだろうけどさ」

「ちょっと、卑怯だよね」

「これが勝負の厳しさなんだよ、うい、純ちゃん」

「なんか、違いませんかね、それ」

しかし、この数を相手にするのは……。

「……いい方法があるわ」

「いきなり、なによ、純」

「私がおとりになるから、その間に、梓達は、上にいきなさい」

「なんで、急にそんな展開に。純も一緒に行けばいいじゃない。こいつら、倒して」

「いいえ、それじゃ、お互いにかなりきつくなって、上に行っても、ファイヤー相手には勝てない」

「まあ、たしかに」

「だから、私がおとりになる。それに逃げるのもありだし」

「……分かった」

「純ちゃん、私も頑張るよ」

「いいえ、ういも上に行きなさい。ファイヤーを相手にするには、きっと、あなた達、姉妹の力が必要になるわ」

「純ちゃん……」

「……ういはいいトレーナーにめぐり合えたね」

「……うん、自慢のトレーナーだよ」

「なんで、急にこんな展開に」

「それじゃ、作戦開始ね。……梓、ういをよろしくね。後、ちゃんと、ファイヤーを倒してくるのよ」

「……もう、なにがなにやらだけど、分かったよ」

「また、会いましょうね」

純はロケット団員に向かっていった。

「それじゃ、私達は隅のほうから行きましょうか」

「うん」

「頑張ってね、純ちゃん」
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:21:18.55 ID:VICvPmS+0
最上階

「ここが最上階ですか」

私達が到着した時、そこには、1人のロケット団員……しかも、何度も見た顔がありました。

「くくく、久しぶりだな」

「二度と会いたくありませんでしたけどね」

「つれないこと言うなよ」

「……そんなことより、始めましょうよ」

「そうだな。まずは、そこで、お前のポケモンを回復させろよ」

目の前のロケット団員はポケモンセンターにある、回復マシーンを指差します。

「……」

「おいおい、警戒するのは分かるが、これは罠じゃないぜ」

「……どうして、こんな敵に塩を送るようなまねを……」

「疲労困憊の状態で勝っても仕方がないだろ?さて、ルール説明だ。まあ、単純だ。6対ろ……いや、そのゆいの妹も含めていいか、6対7の総力戦だ」

「……分かりました」

「そして、勝敗は……トレーナーの命だ」

「!? さすがにそれは……」

「勝てる自信がないのか?」

「……私は絶対に勝ちます。でも、あなたは殺しません。ポケモンは人を殺す道具じゃありませんから」

「なら、てめえはおれのポケモンの全滅が勝利条件でいいぜ。もっとも、そっちのほうが辛いだろうな。これで、ルール確認は終わりだ。サッサと回復させろ」

私は罠かもしれないと思ったけど、自分のポケモンを回復させる。何故だか、この人の目は嘘をついてるような目じゃない気がしたからです。
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:23:33.80 ID:VICvPmS+0
「それじゃ、戦うか」

「ええ。でも、その前にあなたの名前は?」

「……マコトだ」

「それじゃ、マコトさん。勝負です」

「ああ。来いよ、ファイヤー」

いきなりの伝説のポケモン。間近で見るのは初めてですが、今までのポケモンとはオーラが違いますね。

「では、こちらは……ゆい先輩とうい。頼みますよ」

「え、本当に私!?無理だって……」

「わ、私も!?でも、2対1じゃ……」

「そうですね、これじゃだめですね。……出てきて、皆!!」

私はハッサム、プテラ、イーブイ、ハクリュウ 、ニューラと手持ちのメンバーを全て出します。

「さあ、あなたも全部のモンスターを出して下さい。文字通りの総力戦です」

これは賭けです。1対1ではファイヤーに勝つのは厳しいです。しかも、ファイヤーに手間取りすぎると、マコトさんの他のポケモンにやられ
るかもしれません。でも、総力戦なら、仲間との協力もできるので、1対1で戦うよりも、まだ、可能性があります。もっとも、相手も協力できるので、そういった意味では賭けですが。

「ああ、そうだな。来いよ、お前ら」

マコトさんはバンギラス、オニドリル、サンドパン、ゲンガー、アーボックを出してきます。

「皆、ゆい先輩がファイヤーを倒すので、フォローお願いしますね」

「だから、それ、無茶振りだよ!?」

「そんなガキがファイヤーを倒せるかよ。ファイヤー、ねっぷうだ!」

ファイヤーは炎の羽をふり、私達に熱い風を飛ばしてきます。

「熱いよー」

「大丈夫、お姉ちゃん」

ういはゆい先輩を庇うように立ちます。

「……ハッサム」

他のポケモン達もダメージを受けていますが、その中でも、ハッサムには炎タイプの技は特に効果抜群。ダメージも大きいです。

「サムちゃん、皆!! 分かったよ、あずにゃん。私があいつを倒すよ。もう、私の仲間には傷をつけさせないよ」

「お姉ちゃん、かっこいいよ!」

「そうでしょ、でへへ〜。……さて、うい。ファイヤーを倒すのに協力してくれるよね」

「もちろんだよ」
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:24:38.38 ID:VICvPmS+0
「じゃあ、……スゴロクしようよ」

「そうだね、スゴロクを……スゴロク!?」

「そうだよ〜」

「お姉ちゃん。め!!」

「な、何が!?」

「こんな時に遊ぶだなんて……」

「遊ぶんじゃないよ、敵を倒すんだよ」

「分かってるなら、スゴロクなんかしようなんて言わないでよ……。梓ちゃんも何か言ってよ」

「(……スゴロク。そうか!!)分かりました。皆、今から、ゆい先輩とういがスゴロクをするから、邪魔されないように全力で守るんだよ!」

「梓ちゃんまで!?」

「なんだか分からんが、やらせるな!サンドパン!」

「サンド!!」

サンドパンは素早く、ゆい先輩達にその爪で切り裂こうと、迫りますが、

キーン

とサンドパンの攻撃はニューラの爪で防がれます。

「ニューラ(ねずみ風情が。ここは通さん)」

「サンドパン(猫風情に何が出来るか、見せてみろよ)」
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:25:16.49 ID:VICvPmS+0
「オニドリル」

サンドパンの攻撃はニューラが防ぎましたが、オニドリルのドリルくちばし攻撃がさらに迫ります。今度は、ガシンっと、プテラの翼が防ぎます。

「プテラ(貴様らのすきにはさせん)」

プテラはオニドリルに対峙します。

「ハッサム(まったくだな)」

ハッサムはバンギラスに対峙し、

「ハクリュウ(ご主人様達には指一本触れさせません)」

ハクリュウはアーボックに対峙し、

「ブイ!(僕も頑張ります!)」

イーブイはゲンガーにそれぞれ対峙します。

「皆、頑張ってくださいね!」

「……くくく。だが、重要な奴を忘れてるぜ」
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:26:50.90 ID:VICvPmS+0
「ファイヤー」

ファイヤーはゆい先輩達に向かって、かえんほうしゃを発射してきます。

「あ、危ないよ、お姉ちゃん!!」

「サム」

ゆい先輩の間に、ハッサムが壁となり、ゆい先輩達には被害はないようです。

「ハッサムさん」

「じゃあ、ういはあずにゃんの駒ね。それじゃ、ういから、サイコロを振ってね」

「で、でも……」

「……サムちゃんは私達がファイヤーを倒すって信じて、盾になってるんだよ」

「う、うん」

「だから、私達がやることは一つなんだよ」

「(それがなんで、スゴロクにつながるか、分かんないけど)仕方がない、えいっ!」

コロコロ、4。

「お、なかなかの数」

ういは私の姿をした駒を4マス進めます。

「では、始めよう。ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃん☆ドキドキ☆スゴロク@ふたりプレイ』」
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:27:23.40 ID:VICvPmS+0
『あ〜ずにゃん』

『にゃっ』

私は廊下を歩いていると、いきなり、後ろから、抱きつかれた。そんなことをしたり、あずにゃんなんて、変なあだ名で私を呼ぶのは……。

『なんですか、唯先輩。離れてくださいよ』

『ほわっ。こっちを見てないのに、よく私だって、分かったね!』

『こんなことをしてくるなんて、唯先輩くらいですよ。皆も見てるんですから、離れてください』

口ではそう言ってますけど、実は、いつもドキドキしてるからなんですけどね。私に抱きつく、唯先輩の柔らかい体や、唯先輩のにおいが私の鼻を刺激する。いいにおいだな〜、ってこれじゃ、私変態だよね。

ドキドキ
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:29:19.47 ID:VICvPmS+0
「ギャーー」

ファイヤーに電撃が走ります。この技はハナダシティでゆい先輩がみせた技です。映像はともかく、この技なら……。

「お、お姉ちゃん、今の技は……」

「この技はドキっとすることをすごろくで体験することで、敵にダメージを与えるんだよ。ちなみに、私は自分の駒で唯サイドだけど、ういの
はあずにゃんの駒で、あずにゃんサイドだよ〜」

フンスと得意気に解説するゆい先輩。

「な、なるほど。だから、スゴロクをやるんだね(でも、未だにスゴロクである必要性がわからない)」

「それじゃ、私の番だね」

「ファイヤー、させるなよ!」

ファイヤーはだいもんじをゆい先輩達にむけて、発射してきます。

「あ、危ないよ、お姉ちゃん」

「ハッサム」

ゆい先輩達を庇うように、ハッサムが仁王立ちします。

「グ、グワーーーー」

ハッサムの体を、大の文字の炎が包み込みます。

「ハッ……サム」

ハッサムは膝をつきます。

「ハッサムさん!!」

「サムちゃん!?……続けるよ、うい」

「でも……」

「うい。私にとって、サムちゃんは大切な仲間であり、友達なんだよ。だから、信じる。ういは私の仲間を信じられない?」

「……わかった。私も、お姉ちゃんの仲間を信じる」
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:30:33.56 ID:VICvPmS+0
「ギラス、ギラス(あの、能天気そうなポケモン達はお前なんかを信じるってよ。無駄だよな)」

バンギラスは、ハッサムの頭を掴む。そして、上に放り投げる。

「ギラス(ゲンガー)」

「ゲン(おう)」

イーブイと戦っていた、ゲンガーは姿を消したかと思うと、ハッサムの上に、現れた。

「ゲンガー(喰らいな!)」

ゲンガーは自分の影から、鋭いツメでハッサムを切り裂く攻撃、シャドークローで、下に落とす。ハッサムは勢いよく、落ち来るバンギラスの下には、バンギラスが。

「ギラス(トドメだ!)」

バンギラスは落ちてくるハッサムに鋭いつめで切り裂く攻撃、ドラゴンクローで追い討ちをかけます。

「ハッサム!!」

ハッサムは地面に叩きつけられ、動かなくなってしまった。

「ギラス(さて、次はあいつらだか……)」

「ゲンガ(その前に、こいつから、潰すか)」

「……ブイ」

バンギラスとゲンガーはイーブイに標的を定めていった。
809 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/07(木) 17:31:21.13 ID:VICvPmS+0
シオンタウン編B 「VSファイヤー@」 終了
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 17:40:36.30 ID:RpQI146DO
乙!!
てか省略ってwwwwwwww
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/08(金) 00:03:26.35 ID:edYl5BF8o
おっつ
いきなりピンチだな
812 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 06:46:13.75 ID:kMEUFA6H0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい

シオンタウン編C 「VSファイヤーA」 以下、投下
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 06:46:45.82 ID:kMEUFA6H0
現在の手持ちメンバー ゆい ハッサム プテラ  イーブイ ミニリュウ  ニューラ

「……ブイ」

「ゲンガー(さて、まずはこいつをなぶり殺しにしようか)」

「ギラス(そうだな。余計な邪魔をされても、嫌だしな)」

「ブイ(……どうしよう)」

「イーブイを進化させなきゃ。といっても、あの2匹相手じゃ……ううん。悩むより、とにかく、進化させなきゃ」

「させるかよ!」

「キャッ」

ファイヤーのひのこが迫る。これじゃ、近づけません

「待っててね、あずにゃん。サッサと、ファイヤーを倒すよ」

「ブイ(マスター、ゆいさん)」
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 06:47:46.64 ID:kMEUFA6H0
イーブイ・回想

それは僕のレベル上げをしていた時のこと

『ブイ!』

『頑張れ、ブイ太!』

『イーブイの応援もいいですけど、ゆい先輩も訓練をして下さい』

『えー、ケーキ食べなきゃ力出ないよ〜』

『ケーキもいいですけど、しっかり特訓しないといけませんよ』

『ぶーぶー』

『ブイ』

僕は仲良さそうな二人を見て、思った。助けてくれた分まで強くなりたいって。だから、僕は自分の力の限界を超えてみたかった。

『どうしたの、ブイ太』

僕の体が光り輝くのを見て、ゆいさんは驚いている。これは僕が前から、試したかったことだ。

『こ、これは進化ですよ、ゆい先輩』

『おお。すごいね!』

『ダース』

僕はサンダースに進化した。ずっと、考えてたことだ。僕はほぼ自由にしんかの石で自由に進化することが出来る。でも、石の力なしで進化することが出来れば、さらに強くなることが出来るんじゃないか。もともと、僕は改造されたポケモンなんだから、訓練でできるようになるかもしれない。その結果がこれだ。

『すごいですよ、イーブイ。石なしで進化するなんて』

マスターは僕の頭を撫でにこようとする。僕もそっちに行こうとするけど、……体が唐突に倒れてしまった。

『だ、大丈夫ですか、サンダース』

『大丈夫、ブイ太』
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 06:48:47.53 ID:kMEUFA6H0
『要するにですね』

僕の体の調子がよくなってから、マスターは僕に言う。

『自由に進化することは体にものすごく負荷がかかるみたいですね。だから、もう、やっちゃだめですよ。……って、私の言葉が、分かります
かね』

『あずにゃん、馬鹿にしちゃ駄目だよ。ポケモンだって、人間さんの言葉、分かるんだから』

プンプンと、怒る、ゆいさん。また、迷惑かけっちゃった。

『もう、機嫌直してくださいよ。アイス買ってあげますから』

『アイス!?わか……いやいや、駄目だよ、それだけじゃ』

『他には何をすればいいんですか』

『それはね……えいっ!!』

『にゃっ!』

ゆいさんはマスターの胸に飛び込む。本当に仲がいいんだな〜。ポケモンとトレーナーじゃないみたい。

『……ブイ太もおいで』

『ブイ?』

『いっしょにあずにゃんに暖めてもらおう』

『何を言ってるんですか』

『ブイ♪』

僕もマスターに飛び込む。

『イ、イーブイもですか』

『嫌なの、あずにゃん。あ、わかった。私だけを抱きしめたかったんだね』

『誰もそんなことは言ってませんよ』

楽しそうに笑いあう、マスターとゆいさん。僕はいつか、僕のことを思ってくれるこの人達の笑顔を守りたいって、思ったんだ。
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 06:49:49.89 ID:kMEUFA6H0
回想終了

「ブイ!!(やってやるです)」

イーブイの体が光り輝く。あ、あれは……。

「だ、駄目ですよ!それは……」

「ゲンガー(なんだ、こいつは)」

「ギラス(警戒だけはしておけ)」

光が収まっていき、イーブイはサンダースへと進化しました。

「石なしで進化だと!!」

「ゲンガー(進化しても無駄だけどな)」

驚愕する、マコトさんをよそにゲンガーはサンダースへと向かいます。

「ダース」

ゲンガーはハッサムを倒した技、シャドークローでサンダースに、ダメージを与えようとしますが、サンダースは持ち前の素早さで、背後に周り、十万ボルトをゲンガーに浴びせます。

「グワーーーー」

「ギラス(馬鹿が。だから、油断するなっていったのによ)」

バンギラスはサンダースに向かいます。

「そうだ、今のうちに……」

私は、ハッサムの元に向かいます。この間に私の道具で回復させれば、まだ、勝機はあります。
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 06:50:37.34 ID:kMEUFA6H0
ニューラ視点

キーン、キーン

サンドパンのツメとニューラのツメが交錯する。

「ニューラ(ねずみのくせにやるじゃないか)」

「……」

2匹は一定の距離を開けて、睨み合う。

「サンドパン(お前のトレーナーは馬鹿だな。こんな戦場に出てきて)」

「!?」

「そうだ、今のうちに……」

私がマスターの声を聞き、振り返った一瞬の隙を突き、

「サンド(バーカ)」

サンドパンの鋭いツメが私の体を切り裂き、一歩下がって、ロケットずつきをくらい、私は壁まで、ふっ飛ばされてしまった。
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:19:33.62 ID:kMEUFA6H0
梓視点

バーン

私が、ハッサムのほうに行こうとすると、何かが、壁に激突する音がした。私がそっちの方を見ると、ニューラが壁に寄りかかるように気絶していました。

「「あずにゃん(梓ちゃん)、後ろ!!」」

「え!」

私が振り返ると、鋭いツメを私に向かって、切り裂こうとする、サンドパンの姿が。

(……まさか、こんなところで終わるなんてね)

私は死を覚悟した時、赤い流星のようなものがサンドパンを突き飛ばしました。

「サム」

「ハッサム!」

「どうして、サムちゃんが……」

「分かった!気絶したふりをして、はねやすみで回復をしてたんだよ、お姉ちゃん」

「なるほど、さすがはサムちゃん!」

「サム(ネズミ風情に負けるとは情けないな)」

「サンドパン(ネズミ風情だと!!)」

「ハッサム(うるさいな。ほえるなよ、ネズミごときが)」

「サンドパン(うるせえ!)」

サンドパンは鋭いツメでハッサムを切り裂きに飛び掛りますが、

「サンド!」

氷の塊が、サンドパンの額に命中し、倒れこみました。

「ニューラ(まだ、終わってねーぞ。ネズミが)」

「サンドパン(しつこいぞ、くそ猫が)」
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:21:32.85 ID:kMEUFA6H0
プテラ

「ファイヤー」

ファイヤーのかえんほうしゃ攻撃はゆい達を狙って行っているが、全て、防いでいる。それは……

「プテラ(くそが)」

俺が防いでいるわけだ。まったく、ハッサムがやればいいものを。

「ドリル」

オニドリルのドリルくちばしも迫る。こいつの攻撃も地味にうざい。威力はないが、地味に攻撃を当てて、それから、逃げるの繰り返し。

「プテラ(もっと、逃げてねえで、ぶつかって来いよ!)」

「ドリル(これも戦いだろ)」

くそ。そういえば、ハッサムと戦ってた時もこうやって負けたんだっけな。まったく、軟弱な時代だぜ。
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:22:01.00 ID:kMEUFA6H0


「それじゃ、私の番だね。サイコロ振ってと。……5か。コマを進めてっと」

ゆい先輩は楽しそうに、駒を進める。そして、映像が流れ始めました。
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:24:06.79 ID:kMEUFA6H0
『あ、ごめん。部室に忘れ物しちゃった』
『早く、とって来いよ』

『いいよ、先に帰ってて〜』

部室

『あった、あった。……ん?』

ふと、見ると誰かの体操着が置いてあった。誰か、忘れたのかな?手に持ってみる。見覚えはないものだ。この部室に来る人は限られてる。りっちゃん達のではないとすると……。

『あずにゃんのかな?』

私ははやる好奇心を抑えつつ、中身を出してみる。ジャージの色から、後輩のものだと思う。だとすると、あずにゃんのかな?

『……』

に、匂いを嗅いでみようかな。こんなことをするのは、変態さんなんだろうけど、好きな人の体操着なんて、目の前に置かれたらね。

ドキドキドキドキドキ

『唯先輩』

ガチャ

突然ドアが開く。私は体操着を急いで、中に戻す。奇跡的に、素早く、中に戻すことが出来た。

『どうしたんですか?』

『なんでもないよ。あずにゃんはどうしたの?』

『体操着を忘れちゃって……あ、唯先輩が持ってるのです』

『あ、これ。誰のかと思っちゃったよ』

『それよりも、忘れ物はいいんですか?』

『あ、うん。大丈夫、大丈夫。さ、帰ろうか』

『そうですね。帰りましょう』

ふう〜、危なかったね。ものすごくドキドキしちゃったよ。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:24:56.69 ID:kMEUFA6H0
「ぐわーーーーーー」

ファイヤーに強力な電流が流れる。やはり、この技の威力はすごいですね。映像はただの変態でしたけど。今の攻撃で、ファイヤーにも相当なダメージでしょう。

「よし、次はういの……」

「ギラス(待てよ!!)」

突然のバンギラスの鳴き声が響くと、そこには力尽きたイーブイをバンギラスが掴んでいます。。

「ゲンガ、ゲンガー(こいつは最初はよかったんだけどな。突然倒れてやがったんだぜ。しかも、マスターのため、ゆいさんのため、とか呟きながらな)」

何か、ゲンガーが言ってるようですけど、なにを言ってるのか、分かりません。ただ、ゆい先輩やうい、私のそばにいる、ハッサムの表情を見ると、あまりいいことは言ってないことはたしかですね。

「ギラス(さて、トドメだ)」

バンギラスはイーブイを上に、放り投げる。あの技は!?
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:26:30.16 ID:kMEUFA6H0
「ハッサム、イーブイを」

「ファイヤー、させるな!」
ファイヤーはその指示で、ねっぷう攻撃を私にむかって仕掛けてくる。

「サム」

ハッサムはその攻撃から、私を守るために、盾になってくれた。でも……

「ゲンガー(これで、終わりだ!!)」

ゲンガーはきあいを高めて、こんしんのちからをほうしゅつさせる、きあいだまで、イーブイに攻撃を仕掛ける。

「ぐはっ」

イーブイはノーマルタイプで、かくとうタイプのきあいだまは弱点。そのうえ、無理やり、石なし進化をした反動で、体力が無くなってる状態です。イーブイは勢いよく、落ちてくる。

「ギラス(終わりだ!!)」

「や、やめてくださーーーーーーい」

私の叫びも虚しく、バンギラスは落ちてくるイーブイに鋭いつめで切り裂く攻撃、ドラゴンクローで追い討ちをかけます。その攻撃で、イーブイの胸にはツメの傷がくっきりと出来て、バタッと落ちてしまいました。あ、あの傷では早く治療しないと大変なことに……。

「あ、あ、あ、あああ」

大変なことになるのは分かってるのに、私は目に涙をため、膝を突いてしまいました。

「イーブイ、イーブイ……私のせいだ。もし、私が律先輩みたいに積極的な指示を出し、前向きなトレーナーなら、もっと、相手にダメージを与えていたかもしれない。澪先輩みたいに、モンスターの能力を把握し、適切な指示を出せるトレーナーなら、私のポケモンはダメージを受けていないかもしれない。ムギ先輩みたいに、狡猾に罠を張りながら、指示を出せる、トレーナーなら、私も、足手まといにならなかったかもしれない。私は駄目なトレーナーだ。先輩達に劣りまくっている。純だって、あの大群相手に、1人で挑む、勇気がある。思えば、ジム戦だって、ゆい先輩の方がいい指示を出す時があった。……なんだ、私はポケモンにも劣るんですね」

「ゲゲゲゲゲゲゲ」

ゲンガーは私を指差し、笑っている。ポケモンにも笑われんだね。前にもあったな、似たようなことが。
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:27:40.01 ID:kMEUFA6H0
回想

それは私が小さい頃

キモオタA『ゴキニャンwwwwwww』

キモオタB『ゴキブリwwwwwwwww』

私は公園で、眼鏡をかけた、太った人達にわけの分からないことを言われながら、石をぶつけられている。

キモオタC『お前なんか、けいおんにいらないんだよwwwwwwwwwwww』

『バウバウ』

私はお父さんが散歩をしてくれと頼まれた、ガーディが怯えた、私を守るようにほえる。

キモオタD『ゴキブリのくせにポケモンなんか連れてるぞ。ゴキブリに飼われるなんて、可哀想だから、俺がもらってやるよwwwwwwwwwww』

私『……や、やめてください』

キモオタE『うっせ、ゴキブリがしゃべんなwwwwwwwwww』
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:28:06.93 ID:kMEUFA6H0
あの時は怖かったな。後で、お母さんに聞いたら、大きな子供みたいな人達で、可哀想な人達なのよって言ってたっけ。この話をムギ先輩達にしたら、人気があるから、仕方がないわって、よくわかんないことを言ってたな。あの時、私は怖くて、今みたいにしゃがんで泣いてたっけ。そういえば、この後には……。
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:28:56.68 ID:kMEUFA6H0
???『や、や、やめなよ』

私が声のした方を見ると、私と同じくらいの女の子が震えながら、立っていた。

キモオタA『なんだい、お嬢ちゃん。俺達、ゴキブリの駆除で忙しいんだけどwwwwwww』

???『そ、そ、その子はゴキブリじゃないよ。可愛いし。だいたい、その子がゴキブリなら、あなた達は豚じゃない』

キモオタB『何だと、このガキ』

???『ひいっ』

キモオタC『このゴキブリと一緒に犯しちまおうぜwwwwwwwww』

???『牛○さん、こっちです』

どうやら、この子の他にもう1人の子がいたようです。

○尾さん『何をしてやがる、こんな子供相手に』

キモオタD『ひいいいい』

私をいじめた人達はダッシュで逃げ出した。

隊長『あいつらをデュ○ルで拘束しろ』

こうして、私は助かりました。あれ以降、あの方々に会うことも、ありませんでした。あの時、私を助けてくれたのは、どうやら、姉妹のようで、お礼を言いたかったので、警察に聞いてみると、ジョウト地方に引っ越したそうです。名前はまだ、小さかったし、ちゃんと聞いていなかったので、覚えてなかったでしたけど、たしか、ひなんとか姉妹だった気がしますね。あの人達が捕まった後に聞いたんですけど。たしか、あの後……。
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:30:26.80 ID:kMEUFA6H0
???『大丈夫かい』

そう言って、私の頭をなでて、くれたんだっけ。あの頃と変わらないや。強くならなきゃいけないって思ってたのに。私は全然成長してないや。
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:31:35.38 ID:kMEUFA6H0
「大丈夫かい、あずにゃん」

私が過去のことを思い出していると、誰かが、私の頭をやさしく撫でてくれました。まあ、誰かは分かりますけどね。

「……なんですか、ゆい先輩」

「泣かないでよ」

「な、泣いてなんかないです」

プイと顔を背ける、私。

「……あのね、あずにゃん。私はあずにゃんがトレーナーでよかったと思ってるよ」

「……」

「あずにゃん、いつも頑張ってるよ。他の誰が否定したって、私は知ってるよ」

「……」

「あずにゃんはりっちゃん達みたいに、とか言ってたけどね、あずにゃんは駄目なトレーナーじゃないよ」

「……でも、イーブイが……」

「それだよ」

「え?」

「そんなに悔しいとか悲しいって思うことはそれだけ、ポケモンを大切に思ってることだよ。それは、どんなトレーナーにもあるものじゃないよ」

「……」

「それに、あずにゃんはこれから、私とポケモンリーグで優勝するんだよ。それが、駄目なトレーナーのわけないよ」

「……ゆい先輩」
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:32:44.14 ID:kMEUFA6H0
「私も、あずにゃんのことが好きだし、他の皆だって、あずにゃんのことが好きだよ。もちろん、一番あずにゃんを好きなのは私だけどね。皆、あずにゃんが最高のトレーナーだと思ってるんだよ。あずにゃんが自分を駄目なトレーナーとか言ったら、私達に失礼だよ」

「……そうですね。……でも、私に出来ることがなくて……」

「出来ることあるよ。私と一緒に、ファイヤーを倒そう」

「え?」

「ごめんね、梓ちゃん。イーブイさんも戦えないし、私もさすがにそろそろ、我慢ができないからね。かわりにお姉ちゃんの技を手伝ってね」

「……うい」

「さ、行こうよ、あずにゃん」

ゆい先輩は私を引っ張って、スゴロクの場所に向かう。

「(いいシーンなはずなのに、やることがスゴロクというのも、すごいよね)それにしても、さすがに、ゲンガーとバンギラスを相手にするの
も辛いよね」

「ハッサム(私も手を貸そう)」

「ありがとうございます、ハッサムさん」
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:33:29.69 ID:kMEUFA6H0
「ゲンガ、ゲンガ(それにしても、情けねえトレーナーだな。ポケモンがマスター、マスター言ってれりゃ、トレーナーもイーブイ、イーブイだもんな)」

「ピク」

「ゲンガゲンガ(だいたい、あのツインテールはないよな。まるで、ゴキブリじゃねーか)」
「ピクピク」

「ゲンガゲンガゲンガ(さっき、あずにゃんとか言われてるけど、ゴキにゃんなんじゃねーか。だいたい、ポケモンに励まされるなんて、最低

なトレーナーじゃねーか。お前の姉ちゃんも大変だな)」

「ピクピクピク」

「ゲンガゲンガ。ゲゲゲゲゲ(だいたい、ゴキブリに育てられるなんて、可哀想だな。お前も、姉ちゃんのこと思うなら、姉ちゃん連れて、お

前のトレーナーと一緒に育ててもらえよ)」

「ピクピクピクピク」

さっきから、ゲンガーが何かを言ってるようですね。なにやら、ハッサムやゆい先輩の顔が嫌悪感が漂っています。

「あの、ゆい先輩。あのゲンガーはなにを言ってるんですか?」

「……知らない方がいいよ。それに教えたくないし。でも、もう、あのゲンガーも終わりだよ」

「どうしてですか?」

「怒らせちゃいけないものを怒らせたからだよ。……さ、スゴロクをしよう」

「あ、引っ張らないでください」

「ゲ(あのゴ)」
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/09(土) 07:34:02.38 ID:kMEUFA6H0
気分よさそうに笑っていた、ゲンガーが突如として、その場から消えた……と思ったが、いきなり、ドカーンと壁に何かが激突した。

「ギラス、ギラス(今、何が起きたんだ!?この娘が殴ったとは思うが、拳が見えなかった……)」

「ハッサムさん、バンギラスを頼みますね。私はゲンガーをやります」

「サ、サム(あ、ああ)」

「もっとも、すぐに、そっちに加勢できると思います。……さて、狩りの時間だよ」

ういは怖い笑みを浮かべて、そう言った。
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/09(土) 07:34:36.76 ID:kMEUFA6H0
シオンタウン編C 「VSファイヤーA」 終了
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/09(土) 09:44:03.54 ID:9E4lLWmDO
乙!!
覚醒した憂KOEEEEEE!!
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/09(土) 18:49:09.73 ID:+HvqdvtAO
憂選手ならバンギラスに力勝ちしそうで恐い
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/12(火) 06:23:27.60 ID:PTVCnvIF0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン

シオンタウン編D 「VSファイヤーB」 以下、投下

現在の手持ちメンバー ゆい ハッサム プテラ  イーブイ ミニリュウ  ニューラ
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:24:19.77 ID:PTVCnvIF0
「ういはね、全てのポケモンの技を使うことができるんだよ」

「へー、そうなんで……えー!!それって、しんしゅポケモンのミュウに匹敵するじゃないですか」

「ういは万能だからね」

「いやいや、万能どころじゃないでしょ。ところで、ゆい先輩にはどうなんですか?」

「私にはゆいちゃん真拳があるからね! ういには負けないよ!」

「どっから、そんな自信が出てくるんですか?」

「だって、私にはあずにゃんがいるもん!」

「……」

「どうしたの?あずにゃん、顔が真っ赤だよ」

「……なんでもありません。それよりも、サイコロを」

「そうだね、あずにゃんの番だし」
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:25:41.96 ID:PTVCnvIF0
ゲンガー視点

「ゲンガー(何なんだ、今のは)」

おれのタイプはゴースト。ノーマルタイプやかくとうタイプの攻撃はきかないはず。なのに、今のは。

「ねえ」

おれが顔を上げると、ドス黒いオーラが出てる笑顔をした、小娘がいた。

「ギラス(いつの間に、ゲンガーのところに)」

バンギラスはこっちに向かおうとするが、ハッサムが立ちふさがる。

「ギラス(邪魔をするな)」

「サム(それはできない相談だ)」

ハッサム如きになにを手間取ってやがる。

「ねえ、ゲンガーさん」

「ゲンガ(なんだよ)」

「さっき、なんて言ったのかな?ゴ、まで聞こえたんだけど、全然聞こえなくて。もう一度、言ってくれないかな?」

「ゲンガ(あのゴ)」

バーン

次の瞬間には、また、おれは壁に叩きつけられていた。
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:26:25.91 ID:PTVCnvIF0
「ゲンガ(なんで、お前は、おれに触れることができるんだ)」

「ああ。それはみやぶる攻撃をしたからね」

みやぶるはゴーストタイプにノーマルタイプやかくとうタイプの攻撃を命中させるための技。おれ自身はかくとうタイプの技はたいしたことじゃないが、こいつは何なんだ。まったく、勝てる気がしない。

「ねえ、はやく、続きを言って下さい」

その悪魔は笑顔で聞いてくる。どうするべきか。
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:26:52.75 ID:PTVCnvIF0
ハクリュウ

「リュウ」

さっきから、何なんだ、こいつは。僕はアクアテール……僕の尻尾をふって、アーボックに命中させようとするが、アーボックはあなをほって、逃げるばかりで戦おうとしない。

「リュウ(何で、戦わない!)」

「ボック(事情があるのさ)」

「リュウ(くっそーー)」

僕達の攻防は続く。
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:28:34.74 ID:PTVCnvIF0


「では、サイコロを……6ですか」

「いきなり、大きな数字だね」

「そうですね。……やっと、後、半分ですか」

「大分、苦労したみたいに言ってるけど、今はじめたばかりだからね。では、スタート」


『あずにゃん、アイス、おいしいね』

ぺろぺろ

『そうですね』

『あ、ほっぺにアイスついてるよ』

『え、本当ですか』

『うん。今取ってあげるね』

唯先輩は手で、私のほっぺについたアイスを取ってくれた。そして、その指を自分の口に入れました、って!?

『な、何をしてるんですか!』

『う〜ん、おいしい。あずにゃんの味とアイスが混ざっていい味だよ』

『な、何を言ってるんですか』

まったく、これじゃ、こ、恋人同士みたいじゃないですか。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:30:00.78 ID:PTVCnvIF0
「ギェーーーーーーーーーー」

ファイヤーに強力な電撃が走る。

「やったね、あずにゃん。あずにゃんがファイヤーにダメージを与えたよ」

「喜んでいいか、まったく分かりませんけどね」

「さて、次は私の番だね」

「頑張ってください、ゆい先輩」

「アーボック、もうハクリュウはほっとけ。倒すべきは……分かってるだろ」

「シャーボック」

「ハクリュウ(逃げるのか)」

アーボックは地面に逃げます。それを追いかけようとする、ハクリュウ。

「リュウ太、まちんしゃい」

「リュウ?(何ですか?)」

「リュウ太はここで、私達を守ってよ」

「リュウ?(何で?)」

「テラちゃんの負担を減らすためだよ。テラちゃーん、オニドリルさんをサッサと倒しちゃってよ」

「……(指示がうまいなあ。普段はちゃらんぽらんなのに)」

「ほら、あずにゃんの出番だよ?」

「はい?」

「テラちゃんに指示を出すんだよ。私より、あずにゃんの方が、テラちゃんのこと詳しいでしょ?」

「……でも」

「自信もって。私もついてるし。あずにゃんがやりたいようにやればいいんだよ」

「……そうですね。分かりました!」
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:30:48.11 ID:PTVCnvIF0
プテラ

「プテラ!(いい加減にしろ!)」

さっきから、ファイヤーの攻撃を防ぎつつ、オニドリルも攻撃をしてくるが、オニドリルは力と力のぶつかり合いではなく、ちょっと、攻撃しては逃げ、攻撃しては逃げ、の繰り返し。力のぶつかり合いをしたい俺には奴の戦い方は合わない。

「プテラー」

下から、声がする。不本意ではあるが、一応、俺のトレーナーの梓って名前の女だ。そういえば、ハッサムは梓が指示をしたら、動きが変わったんだったな。俺にも指示を出すのだろうか。指示をくれたら、俺はオニドリルを倒せるのか、少し、楽しみになった。
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:32:02.21 ID:PTVCnvIF0


「プテラは前の戦いや今の様子を見ると、力で攻めていくのが好きというか、小細工のない戦いが好きみたいなんですよね」

「お、あずにゃん、冴えてるね。テラちゃんはオニドリルが攻撃して逃げる度に、怒ってるよ」

「だから、私はその戦い方を尊重してあげられるようにしたいんですけど、今回は厳しいですね。プテラ、こうそくいどうで、オニドリルに接近するんです!」

「プテラ(分かった)」

プテラの大きな体がオニドリルに迫る。ここはそんなに広いところではないので、すぐに接近できるはず。案の定、プテラはオニドリルを壁際に追い込んだ。

「(ドリル)(あいつが突っ込んできたら、下に逃げれば、激突して、自滅だ」

「……プテラ、そのまま、つばさをうつ攻撃」

「ドリル(かかった)」

オニドリルは下に急降下して行った。それはそうでしょうね。だって、上は天井で、ぶつかりますから。

「プテラ、下にはかいこうせん!」

プテラは素早く、切り替え、下に向かって、急いで、口から、はかいこうせんを発射します。

バーン

オニドリルはなんとか、かわしたようですが、あまりの威力で地面に穴があきます。

「ドリル(危ない、あぶない)」

「プテラ(それはどうかな?)」

オニドリルははかいこうせんをかわし、一瞬油断したんでしょう。プテラが口を開き、オニドリルの上から、奇襲を仕掛けてくるとは思ってもいなかったでしょう。

「ドリル(不意打ちとは卑怯だぞ……)」

「プテラ(そうかもな)」

プテラはオニドリルに持てる力の全てを出し、突撃する。さっきのこうそくいどうで素早さもあがってる、プテラの攻撃に加え、油断もあり、かわすこともできずにそのまま地面に激突し、動かなくなりました。
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:32:35.76 ID:PTVCnvIF0
プテラ

「プテラ、プテラ(なるほどな。こういう戦い方もあるのか)」

つばさでうつをかわし、はかいこうせんまでかわせば、一瞬ほっとするだろう。その一瞬を隙をついて、上から、奇襲をかければ、たしかに攻
撃を命中するだろう。あんまり、好きな戦い方じゃないが、

「やりましたよ、ゆい先輩!!」

「やったね、あずにゃん!!」

下の2人が抱き合いながら喜んでいるのを見て、まあ喜んでるみたいだからいいかとなんとなく、思う俺は毒されているのか、と思った。
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:34:01.04 ID:PTVCnvIF0
ゲンガー

「ぐはっ」

これで、何発目だろうか。この悪魔は俺を瞬殺できるだろうに。

「ねえ、ゴの次は、なんて言おうとしたの?」

さっきから、この繰り返しだ。苦しいが、まだ手はある。

「ゲンガ(なあ、取引をしないか)」

「ん?」

「ゲンガ(お前が俺達につけば、お前の姉ちゃんと、お前だけは見逃してやる)」

「……」

「ゲンガ(下で戦ってる、あいつも見逃してやる)」

「……」

「ゲンガ、ゲンガ(だいたい、あのツインテールとお前は何の関係もないだろ。なんで、あいつを庇うんだ)」

「……」

大分、心が揺れているのだろう。さっきから、こっちを見て、動きを止めている。

「ゲンガ(お前にも十分なメリットがあるだろう)」

「……ねえ」

「ゲンガ?ゲンガ(どうした?取引に応じるか)」

「寝言は済んだ?」

その一言で、再び、壁に叩きつけられる。

「関係ないって、言ってたよね?それは大きな間違いだよ。梓ちゃんは私の大事な友達だし、大事なお姉ちゃんの恋人さんだもんね。ここで、裏切ったら、お姉ちゃんに一生嫌われちゃうし、大事な友達もなくしちゃうしね」

悪魔は1歩を踏み出す。

「ゲンガ!?ゲンガ(友達だと!?馬鹿も休み休み、言え)」

「……」

「ゲンガ、ゲンガ(よく考えろよ、俺達、ポケモンなんて、所詮、人間にとって道具に過ぎないだろ。あの、ツインテールにとっては、お前も、姉ちゃんも道具に過ぎないだろ)」
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:34:40.89 ID:PTVCnvIF0
「……可哀想だね」

「ゲ!?(は!?)」

「そういうトレーナーとしか、会ってないんだね。私のトレーナーの純ちゃんだって、私の友達だよ。だいたい、道具としか、思ってない人が
イーブイさんのためにあんなに泣くわけないでしょ。……さて、おしゃべりもここまでだよ」

「ゲンガ(ああ、もう十分だよ)」

「うい、後ろ!!」

時間稼ぎをした甲斐があったな。
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:35:11.72 ID:PTVCnvIF0


「うい、後ろ!!」

ういの後ろの地面のがひび割れたかと思うと、アーボックが出現し、ういに巻きつこうとしていた。

「まずいですよ、ゆい先輩」

「大丈夫じゃない?」

「たしかに、ういは強いですけど、不意打ちは……」

「違うよ、あれ」

ゆい先輩が指差したところには……ああ、これは大丈夫でしょう。
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:36:17.65 ID:PTVCnvIF0
ゲンガー

俺の時間潰しが効いたので、この悪魔の後ろに、アーボックが巻きつこうとしている。これで、俺の勝ちだ……と、思った、瞬間。

ズバアー

アーボックのおなかの模様が切り裂かれた。アーボックは血を噴出し、倒れた。

「ハッサムさん」

「ゲンガ(馬鹿な!)」

「よく、やりましたね、ハッサム」

「ナイスだよ、サムちゃん」

どうして、こいつが。……まさか、やられたのか。

「ギラス(突然、逃げ出しやがって)」

バンギラスがのそりのそりとやってくる。だが、ちょうどいい。

「ゲンガ(バンギラス、一緒にやるぞ)」

「ギラス(そうだな、最強のタッグを見せてやろう)」

「ハッサムさん、私と組んでもらっても……」

「サム(ああ)」
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:37:24.00 ID:PTVCnvIF0


「では、サイコロを振ってっと。……また、5か」

「私と同じマスに来ましたね」

「……きたよ、あずにゃん」

「何がですか?」

「フィーバータイムだよ!!」

「フィーバータイム?」

「そう、フィーバータイム。私の駒とあずにゃんの駒が同じマスに止まった時、いつもより、敵に大きなダメージを与えることができるんだよ」

「なるほど」

「だから、私に愛してるっていいながら、抱きしめて、あずにゃん」

「そんなことでいい……って、なんで、そんなことを!?」

「これはお互いがドキドキし、さらに、映像ではなく、リアルで行うからこそのダメージアップなんだよ」

「じ、じゃあ、ゆい先輩が言えば、いいじゃないですか」

「あずにゃんから、言ってこそ、価値があるんだよ。フンス」

「……で、でも」

「早くしなきゃ!ういやサムちゃんも頑張ってるんだから」

「そ、そうですよね。……ゆい先輩!」

「うん」

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

「あ、あ、愛してます」

ギュウ〜

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:37:56.99 ID:PTVCnvIF0
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

ファイヤーに稲妻が走る。ファイヤーは痺れながら、地面に落下してきます。いよいよ、後、少しです。

「あずにゃん、あずにゃん。もう一回言ってよ〜」

「そ、そんな場合じゃありません。もう少しで、倒せるんですから、一気に……」

「うぅ〜、仕方がないね。はい、サイコロ。後、5でゴールだよ」

「はい」
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:39:02.95 ID:PTVCnvIF0
ニューラ

キーン、キーン

お互いのツメが交錯する。力は互角のようにみえるが、

「サンドパン(動きが鈍ってるぞ)」

サンドパンが力任せに押してくる。腹部に傷がある分、私の方が不利だろう。私は、サンドパンを押し返し、距離をとる。

「ニューラ(そうだな)」

私は一呼吸入れる。

「ニューラ(次で終わりにしよう)」

「サンドパン(面白い)」

お互いが、睨み合い、硬直する。そして、互いに、動き出す。

「サンドパン(お前のご主人がまた、戦場に出てるぞ)」

「!?」

私は一瞬、後ろを振り返る。

「サンドパン(やっぱ、猫は馬鹿だな)」

サンドパンは鋭いツメで私の体を引き裂いた。いや、私の残像を引き裂いた。

「サンド!?(何だと!?)」

「ニューラ(卑怯だな、俺もお前に言えたことじゃないが)」

「サンド(貴様、最初から……!?)」

「ニューラ(俺も、負けられないのさ)」

私はサンドパンの背中を切り裂いた。
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:40:00.74 ID:PTVCnvIF0


「やりましたよ、ゆい先輩!!ニューラも勝ちました」

「よし!!次は私達の番だね!」

「はい! では、サイコロをっと。……5です。やりましたよ、ゴールです」

「おめでとう、あずにゃん」

「……あれ?何も起こりませんね」

「2人がゴールして、始めて、発動するんだよ。だから、もう少し、待っててね」

「はい、分かりました」
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:40:28.19 ID:PTVCnvIF0
ゆい

(しかし、ここで、5を出さないと、私達は勝てないかもしれない。ならば……)

私はあの時の感覚を思い出す。

(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に)

あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド。
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:41:48.80 ID:PTVCnvIF0


あれ、なにか、ゆい先輩の雰囲気が変わったような気がします。どこかでみたような感じの女の子に、というよりも、毎日会ってる気がしますが……。まあ、気のせいでしょう。

「「いきます!!」」

ゆい先輩はベーブレードのようにサイコロを……って、。

「そんなに勢いよく転がさなくてもいいと思うんですけど!」

「「慌てないで下さい。ちゃんと、5は出ますから」」

なんか、口調も変わってる気がしますが……。そうこうしてる内に、サイコロはとまり、数字は5に。そして、マスを進めます。

「「5マス、進めてっと。やりました、ゴールです」」

「どうでも、いいですけど、口調直りませんか?」

「「そんなことよりも、映像が始まります。後、この口調も、終わったら、直ります」」

「はあ」

そんなこんなで、映像が始まりました。
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:44:12.45 ID:PTVCnvIF0
時刻は夕方。今、私は使われていない教室の前にいます。というのも、今時珍しく(?)、下駄箱に、手紙が入ってて、話があるから、この教室に来てくださいって、書いてあった。それで、私はこの教室に来たんだけど……。私はその教室に足を踏み入れる。そこには、私のよく知ってる、大好きな後輩……あずにゃんがいました。

『えっと。……この手紙はあずにゃんが出したの?』

『え、ええ。迷惑でしたか?』

『そ、そういうわけじゃないよ。……それで、話って何かな?』

言ってから、私はずるいって感じる。だって、こんな場所に呼び出されたらね。そう思っちゃうよ。

『えっとですね、そのー……』

あずにゃんは言いよどんでいる。でも、一息いれて、あずにゃんは言う。

『私、唯先輩のことが好きです!』

『私も、あずにゃんのことが好きだよ〜』

私はあずにゃんの言葉に軽く返す、とはいうけど、別に軽いわけでもないんだよねー。……だって、私もずっと考えてたことだし、それ
に……。

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

私はあずにゃんの言葉にすごいドキドキしているしね。

『えっと、唯先輩。私の言ってる好きっていうのは、唯先輩の思ってるのとは違うというか……』

『違わないよ』

私はさっきとは違って、真剣に言う。

『違わない』

私はあずにゃんを抱き寄せて、あずにゃんの耳を胸に押し当てる。

『な、なにを……』

『聞こえるでしょ、心臓の音』

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ

『ぷっ、くくくくくく』

『ど、どうしたの、あずにゃん』

『唯先輩に似合いませんよ、そんなの』
『うっ。もういいよ、あずにゃんなんか』

『怒らないで下さいよ。……ねえ、唯先輩』

『なに!プンプン』

『本気にしちゃいますよ』

『……望むところだよ』

ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:44:48.76 ID:PTVCnvIF0
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

ファイヤーは今まで聞いたことのない叫び声と電撃を浴びて、ファイヤーは地面にぐったりと倒れ、動かなくなりました。

「やったね、あずにゃん。私達で、ファイヤーを倒したよ!!」

ゆい先輩は私に抱きついてくる。口調も元に戻ってますね。

「ま、まさか、ファイヤーがお前ら如きに負けるなんて……」

「どうですか、私達の勝ちです!!」

「……たしかにファイヤーは負けたが、俺は負けてないぜ」

「ふん。もう、ういがあっちで倒してますよ」

「それはどうかな?」

マコトはうい達の方を指差した。
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:45:29.70 ID:PTVCnvIF0
うい

「くっ!」

バンギラスは力任せに攻めてきます。このバンギラスは想像以上に強いですね。ハッサムさんと一緒でも、なかなか、厳しい状況です。まあ、1対1ならなんとか勝てるかもしれないけど、問題は……。

「サム!(後ろだ!)」

「!?」

「ゲンガ!」

私は何度目かのゲンガーのシャドークローをかわす。ゲンガーは私の影やハッサムさんの影から、攻撃を仕掛けてきます。やっぱり、さっき、いたぶらずに倒すべきだったね。ゲンガーがそんな攻撃を仕掛けてくるから、なかなか、バンギラスにも集中できません。かといって、ゲンガーを先に倒そうとすると、バンギラスの攻撃が防ぎきれない。厄介なコンビです。
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:46:31.18 ID:PTVCnvIF0
「ギラス!」

バンギラスはあくいにみちた、オーラを発生させる、あくいのはどうをはなってくる。私は防御をするも、多少は後ろに押される。なんていう、威力でしょうか。

「ゲンガ!」

また、ゲンガーが私の背後から、攻撃を仕掛けてくるのを私はかわします。さっきのことを恨んでるんでしょうか。まあ、でも、そろそろ、うざいので、倒さないと……。

「ギラス!(ゲンガー!)」

私が攻撃をやめ、バンギラスを見ると、バンギラスはハッサムさんの頭を掴んで立っている。やっぱり、ハッサムさんはまだ、万全じゃなかったんですね。

「ギラス(いくぞ)」

バンギラスはハッサムさんを上に放り投げる。それに応じて、私に対峙していたゲンガーも消えて、ハッサムの上に、現れる。

「ゲンガ(終わりだ!)」

ゲンガーはハッサムさんにシャドークローを喰らわせようとしている。バンギラスもハッサムさんの方に集中している。

(今がチャンス!!)

私は、一気にバンギラスに近づき、ばくれつパンチで倒そうとしますが、

「ギラス」

バンギラスは私の方を向いて、口にエネルギーをためて、何かを発射しようとする。あの技は……はかいこうせん!?

「ギラス!」

バンギラスから、はかいこうせんが発射される。駄目だ、これはよけきれない……。

「危ない、うい!」

私は誰かが、私を抱いて、一緒に転がった。

バーン

私がいた場所にはかいこうせんは通過し、壁に命中し、大きな穴があいた。なんていう、威力なんだろうか。それよりも、私を庇ってくれたのは……。
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:48:37.66 ID:PTVCnvIF0


「大丈夫、うい?」

私はういに問いかける。

「怪我とかない?」

「う、うん。大丈夫」

「よかった〜」

「うい、あずにゃん、大丈夫!?」

「あ、お姉ちゃん、私は大丈夫。それよりも、ハッサムさんを……」

「それは大丈夫。プテラ!」

プテラはゲンガーとハッサムの間に素早く、割り込み、ハッサムを口で掴んで回収する。

「今がチャンスだよ、いくよ、うい」

「え、ちょっと、お姉ちゃん」

ゆい先輩はプテラを見て、油断している、バンギラスの足元に走る。

「梓ちゃん、私をバンギラスの足元に投げて」

「え、でも……」

「私は大丈夫だから」

「わ、分かった」

私はういをバンギラスの足元に投げる。ういは転がりながらも、なんとか、足元についた。
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:49:09.90 ID:PTVCnvIF0

「いくよ、うい。 ゆいちゃん真拳奥義『火事場のゆいぢから』」

ゆい先輩はバンギラスの片方の足を持つ。

「お姉ちゃん、私も!」

ういも片方の足を持つ。

「ギラス(な、なにをする)」

「いくよ、うい。トリャー」

「うん、お姉ちゃん」

ゆい先輩とういはバンギラスを持ち上げ、上に投げ飛ばします。

「チャンスは今しか、ありません。プテラ、ハッサム!」

プテラは上に飛ばされた、バンギラスに標準をあわせます。バンギラスは頭を下にして、落下してきます。

「プテラ、今です。りゅうのはどうです!!」

プテラはハッサムを口にくわえたまま、りゅうのはどうを繰り出す。衝撃で、ハッサムも一緒にバンギラスに向かって、勢いよく、……赤い弾丸のように向かっていきます。

「これで、決まるよ!あずゆいういプテ真拳奥義『ハッサム☆プレミアム』」

「語呂悪! しかも、言いにくいですし」

ハッサムはその勢いでバンギラスの頭と尻尾を掴み、背中を頭を当てます。その衝撃で、バンギラスの体は弓なりになり、そのまま、壁に激突
します。

「なるほど、頭と尻尾を掴み、弓なりになることで、背骨、脊髄にダメージを与えるんだね」

「まあ、そんなところです」

ハッサムが技を解くと、ハッサムは力尽きたかのように、バンギラスとともに、落下し、どちらも、動かなくなります。
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:50:15.16 ID:PTVCnvIF0
「ハッサム、よくやりましたね」

私はハッサムの頭をなでて、ボールに戻す。

「ゲンガ(ま、まさか、バンギラスが……)」

「ゲンガー、あなたは私の大切な人を馬鹿にしたんだ。絶対に許さないよ!ゆいちゃん真拳㊙(マルヒ)奥義『アズニャン・ワールド』」

ゆい先輩の掛け声で、どこかの野原みたいなところになりました。

「ここはどこなの?梓ちゃん」

「ここは……」

ういが聞いてきたので、答えようとすると、なにかが、駆け寄ってきます。

『あ、ういです』

『う〜い』

その姿を見て、やっぱりあの世界かと思いました。それは、ネコミミと尻尾をつけた、ツインテールの髪型をした大きさはういより少し小さいあれは……。

「あ、梓ちゃん?」

「違います。あれはあずにゃんです。私とは違います」

「そ、そうなの?でも、そっくり……」

「全然似てないよ」

私は真剣に言う。

「そ、そうだね、全然似てないね」

「分かってもらえて嬉しいよ」
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 06:51:12.86 ID:PTVCnvIF0
「そういえば、私や他のポケモンにもあずさちゃ……あずにゃんがよってきてるね」

「そうだね」

ういには20匹くらいで、他には10匹くらいか。

「そういえば、ゆい先輩は?」

「お〜い、こっちだよ〜」

ゆい先輩の声のした方を見ると、

「た〜す〜け〜て〜」

100匹くらいのあずにゃんに群がられてました。。

『はやく、ゆい先輩に触りたいです』

『1人、10秒です』

『早く、するです』

『押すなです』

「た、大変だよ。このままじゃ、あずさ……あずにゃんにお姉ちゃんが溺れちゃうよ」

「ど、どうしよう」

『ういはゆい先輩を助けたいですか?』

ういに群がる、あずにゃんが聞いてきます。

「う、うん。あのままじゃ、死んじゃうよ」

『分かりました。ちょっと、待ってて下さい』

あずにゃんはゆい先輩に群がる、あずにゃんに話しかけます。
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:07:45.13 ID:PTVCnvIF0
『なんですか!順番は守れです』

『そんなことより、ういがいるですよ』

その一言で、ゆい先輩に群がる、あずにゃんの動きがピタッと止まると、一斉に頭を抱えて震えだしました。

『ご、ごめんなさいです。殺さないでください』

『もう、ゆい先輩にはちょっかいをかけませんから、ご慈悲を』

『ガクガク、ブルブル』

「えっと、梓ちゃん。この状況は一体……」

「私に聞かれても……」

「ふう〜、助かったよ〜」

「あ、ゆい先輩。あの、この状況は一体……」

「ああ。このあずにゃん達はういが苦手みたいだね。ういも可愛いのに」

「あ、ありがと、お姉ちゃん。それよりも、どうして、私のことが苦手なの?」

「……うい、それは知らない方がいいよ」

「……でも、さすがに、この扱いは……うう」
ういの目に涙が溜まる。

『ういが泣きそうです!』

『あの、あずにゃん達をぶっ飛ばすしてやるです』

『やってやるです!』

ういに群がっていた、あずにゃんが憤慨している。

「まあまあ、皆落ち着いて。そうだね、このままじゃね。……みんな〜、これ以上、そんなことしたら、きら……」

『すいませんでした!!』

ゆい先輩の言葉を待たずに、土下座しました。なんていう、瞬発力。
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:09:07.83 ID:PTVCnvIF0
『それで今日はどうしたんですか?』

「実はね、私は……」

ゆい先輩は目に涙を浮かべて、(後ろに目薬があるのはご愛嬌です)こう言った。
「いじめられたの!」

『……なん……だと』

『なんてことですか!』

『そいつを血祭りにするです!』

『どうして、うい選手は何もしないですか!』

突然、ういに話題を振る、あずにゃん。

「それはね、ういもいじめられてるからだよ。ね、うい」

「え、う、うん。実はそうなんだ」

「だから、あずにゃんを頼りにしてるんだよ。……くっ」

悲しそうに(実は笑いをこらえてるようにも見えますが)顔を伏せる、ゆい先輩を見て、

『それは大変です!』

『ういの敵もとるです!』

『そいつは誰ですか!』

「そいつはあのポケモンだよ」

ゆい先輩が指差すのは、まだ、わけの分からない様子のゲンガー。
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:11:00.33 ID:PTVCnvIF0
『あの野郎ですか!』

『さあ、やってやるです!』

『あずにゃんの力を見せてやるです!』

あらぶっている、あずにゃん達。

『ちょっと、待つです』

1人のあずにゃんが皆を止めます。

『なんですか、邪魔をするんですか!』

『落ち着くです。このまま、相手を暴力で倒すのは、我々、あずにゃんの恥です』

『じゃあ、どうするですか』

その、あずにゃんはゲンガーに近づく。

『私も暴力を使いたくありません。なので、交渉です。次の中から、あなたが、何かをしてくれたら、穏便に済ませて上げます』

「ゲ、ゲンガ(な、なんだ、条件ってのは?)」

『まずは@ここにいる全員分のたい焼きを1年分持ってくることです。Aはここにいる全員1人に1人ずつ、ゆい先輩かういを連れてくることで
す。@かAのどちらかをやったら、許してやるです』

そんな無茶な。

『それは名案ですね!』

『1年分のたい焼き……じゅるり』

『ゆい先輩が1人に1人ずつ……犯ってやるです!』

皆、やる気満々ですね。1人おかしいですけど。

『私は優しいので、3秒間待ってやります。3、2、1、0。どうしますか?』

「ゲンガ(無理に決まってるだろ)」

『これだけ、期待させておいてなんてことですか』

『もう、怒ったです!』

『残念です。チャンスをあげたのに……。さよならです』

「ギャーーーーーーーーーーー」
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:12:32.01 ID:PTVCnvIF0
「……ねえ、お姉ちゃん、梓ちゃん」

「な〜に、うい」

「私、今、すごい罪悪感でいっぱいなんだけど……」

「私もだよ、うい」

「私なんか、何もしてないのに、ゲンガーに謝りたい気持ちでいっぱいです」

「もう、やめてあげようよ、お姉ちゃん」

「そうだね、うい、あずにゃん。……あずにゃん達、集ご〜う」

あずにゃん達はゲンガーへの攻撃……いや、リンチをやめて、ゆい先輩の元に集まります。

「ゲンガゲンゲンガ(くそ。何なんだ、お前らは。……悪魔しかいないのか)」

ゲンガーは満身創痍といったかんじですが、まだ、生きています。しぶとい。

「さて、トドメだよ。あずにゃん達」

あずにゃん達は光の玉になり、ゆい先輩のところに集まって、ギターの形になった。
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:13:38.06 ID:PTVCnvIF0
「ムッタン、頑張ろうね」

いつものギー太ではなく、ムッタンというギターを持ったゆい先輩はムッタンに言います。そして、ゲンガーに対峙します。

「長かった、この戦いもこれで終わりだよ」

「ゲンガ(……1つだけ、聞きたい)」

「いいよ、何が聞きたいの?」

「ゲンガ、ゲンガ(どうして、お前達はトレーナーのために頑張れるんだ。ポケモンなんて、所詮人間の戦うためだけの道具だろ)」

「……好きだからだよ」

「ゲンガ(は?)」

「私は……私達はあずにゃんが好きだからだよ。それだけ。あ、もちろん一番好きなのは私だけどね。他の理由なんかいらないよ」

「……」

「たしかに、ポケモンは戦うための道具だって、そう思ってる人もいるかもしれないね。でも、私が会ってきた、もちろん、全員じゃないけ
ど、皆、ポケモンを大切にしてたよ」

「……」

「人間さんだって、悪いものじゃないよ。ポケモンにだって、悪いポケモンもいれば、いいポケモンもいる。人間さんも同じだよ」

「……」

「私は戦うのは好きじゃないけど、私が頑張ってたら、抱きついてくれるし、頭を撫でてくれるしね〜。もうね、『よく、頑張りましたね』って笑ってくれたら、最高だよ〜」

「ゲンガ(……下らないな)」

「そうかもね。……ねえ、私達の仲間にならない?君とはうまくやっていける気がするよ」

「ゲンガゲンガ(ごめんだね。俺はやりたいことができちまった)」

「なんだい?」

「ゲンガ(お前を倒してやることだよ)」

「それは勘弁願いたいけどね」

「ゲンガ(さあ、無駄話も終わりだ)」

「そうだね」

ゆい先輩はムッタンをかまえる。

「ゲンガゲンガ(最後に1つ。お前のトレーナーを馬鹿にして悪かった)」

「……その言葉を聞けただけでも、よかったよ。 ゆいちゃん真拳究極奥義『あずさ☆転生』」
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:15:25.31 ID:PTVCnvIF0
ゆい先輩はギターのむったんで、ゲンガーを切ります。すると、ゲンガーの胸に傷ができ、そこから、黒い煙のようなものが出てきました。

「ゆい先輩……あれは?」

「あれはゲンガーの負の感情だよ。この技を受けた、敵の負の感情を外に出すんだよ」

その黒い煙は少しずつ、白くなっていきます。

「そして、このアズニャン・ワールドで、その負の感情が浄化されていく。そして、完全に浄化された時……」

その白い煙がポン、と出ると幼い感じのツインテールの女の子が出てきました。

「……にゃっ」

「……あずにゃんが出てくるんだよ」

「へえー、それはすご……って、えー!」

「むったん、あずにゃんに戻って!」

ゆい先輩の掛け声で、100匹のあずにゃんが出てきます。

「皆、あたらしいあずにゃんだよ。ちゃんと育ててね」

『はい!!』

『任せてください』

『1人前のあずにゃんに育ててみせます』

「うん、頼んだよ。それじゃ、私は帰るね」

『また、来てくださいね!』×100

その声で、周りのフィールドが元の状態に戻りました。
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:16:59.34 ID:PTVCnvIF0
「私達の勝ちですよ、マコトさん!」
「馬鹿な、全滅だと!?」

マコトさんは驚愕の顔をして、倒れこむ。

「……殺せよ」

「はい?」

「負けたんだ。殺せよ」

「嫌ですよ。女の子に何させようとするんですか」

「……馬鹿だな。逆上した俺が襲うかもしれないぞ」

「そうなったら、そうなった時になんとかしますよ」

「……まったく、たいした強さだよ、お前らは」

「あなた達の目的は何なんですか?」

「さあな。表向きにはカントーの征服らしいぞ」

「カントーの!? 表向きというのは?」

「それぞれの思惑があるみたいだからな。……1つだけ、忠告しておいてやるよ」

「何ですか?」

「俺達の仲間のフー……」

「梓ちゃん、気をつけて!」

バーン、ガシャーン

天井に衝撃が走り、ポケモンタワーに物凄く、揺れ出した。

「なんですか、これは!?」

周りは天井が崩された衝撃で、煙が巻き起こる。

「一旦、逃げよう、梓ちゃん」

「でも、マコトさんが」

「あの人なら、大丈夫だよ」

「……そうですね。じゃあ、純とと合流して……」

「危ない!」
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:17:49.81 ID:PTVCnvIF0
ういは叫ぶ。私が上を見ると、天井の瓦礫が落ちてきています。このままじゃ……。

「カビゴン!」

「カビ」

その瓦礫が、カビゴンのパンチで破壊される。あの、カビゴンは。

「純!」

「まったく、本当に主人公してるのね、梓は」

「無事だったの?」

「当然でしょ。……今はのんびり、話してる場合じゃないわね」

「そうだね。……プテラ、頼むね」

私は全部のポケモンをボールに戻して、プテラに乗る。

「行きますよ!プテラ、はかいこうせん!」

プテラのはかいこうせんで、天井にさらに穴を開け、そこから、脱出して、シオンタウンの上空を飛びます。ポケモンタワーを見ると、私達以外の何かの大きな衝撃を受けて、壊されているようです。それにしても、さっきの攻撃は相当の威力ですね。一体、誰が……。

「梓。下もだいぶ安定してるみたいね」

「え?」

私はシオンタウンを見る。たしかに、警察達が乱入し、ロケット団は追い詰められています。

「これから、どうするの、あずにゃん?」

「とりあえず、フジさんのところに戻りましょう」

「そうだね、ヘル太達も心配だしね」

私達はフジさんのところに戻りました。
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:19:36.38 ID:PTVCnvIF0
「よく、無事で帰ってきた!」

「すごいよ、お姉ちゃん達!」

2人に出迎えられる。

「何か、ありましたか?」

「僕達は全然大丈夫だったよ。ヘルガー達もいたしね」

「皆さん、よくやりましたね」

私はそれぞれのポケモン達の頭を撫でます。

「あ、そうだ。パソコンはまだありますか?」

「ああ、大丈夫じゃ」

私はパソコンを使って、オーキド博士に連絡し、イーブイの治療のためにイーブイを転送する。オーキド博士に任せれば、大丈夫でしょう。

「これから、どうしましょうか?」

「とりあえず、今日はここで泊めてもらいましょう。もう、疲れた」

「そうじゃな。そうしておくれ」

「お姉ちゃん達、お話、聞かせて〜」

「それじゃ、まずは私がお話してあげるか」

純の話を遠くに聞きながら、私は眠りについた。
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:20:10.16 ID:PTVCnvIF0
「やれやれ、2人とも、仲良く、寄り添って寝ちゃって、まあ」

「お姉ちゃん達、気持ちよさそうだね〜」

「2人とも、頑張ってたからね〜」

「このまま、寝かせてやろうかのう」

「そうですね」

「……よし、あの2人の分まで、お話してあげよう。……ういが」

「私!?」

「だって、途中、私いなかったし。私だって、上での話知りたいし」」

「そうだったね。分かったよ。まずね……」
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:22:09.85 ID:PTVCnvIF0
マコト

『また、お前かよ』

梓達が脱出した後、崩れゆく、ポケモンタワーの中で、マコトはフードの女……AYUに語りかける。

『ひどいな〜、その言い方は。プンプンだよ』

可愛らしく言うが、この場では不釣合いだ。

『なんだ、助けにでもきたのか?』

『それはないわね。3度も失敗したんだから』

AYUの隣にいた曽我部が言う。

『まったく、殲滅班の部長まで来るのかよ』

『私はファイヤーの回収に来たのよ。後の始末は……』

『私がやるよ〜』

『それはご苦労なことだ。……AYU、お前は何者だ?』

『私? そうだね〜、一応、殲滅班の班員だよ〜。私、1人だけだけど』

『……』

『さて、遺言はあるかな?そろそろ、ここもやばいしね』

『……聞きたいことがある』

『いいよ、答えてあげる』

『……お前は何者だ』

『さっきも言ったよ』

『本当のことが知りたいもんだ。冥土の土産にな』

『……残念だけど、お土産はなしだよ。冥土で皆に謝ってね』

AYUは手にエネルギーを溜める。それを見て、マコトは言う。

『お前は人間なのか、それとも、ポケモンなのか?』

AYUは手をマコトに向ける。

『私は人間でもあるし、ポケモンでもあるんだよ。それじゃ、バイバイ』

その言葉を最後にマコトの意識は途絶えた。
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:23:40.92 ID:PTVCnvIF0
次の日

私達はロケット団の占拠から逃れたので、フジさん達をポケモンハウスへと送り届けます

「落ち着いたら、もう一度、ここに来ます」

「来れたらでいいぞ。……達者でな」

「ええ」

「またね〜」

「お世話になりました」

「さようなら」
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:24:29.05 ID:PTVCnvIF0
私達はシオンタウン郊外に来ました。

「それじゃ、私達はここで」

「え、もう?」

「な〜に、梓は私がいなくて寂しいの?」

「別にそういうわけじゃ……もう少し、おしゃべりとか」

「なにを言ってるの。あんたにはあんたのやることが。私には私のやることがあるのよ」

「……そうだね。じゃ、また会おうね、純、うい」

「また会おうね、うい、純ちゃん。今度会う時は私ももっと強くなってるよ」

「私ももっと、強くなるよ、お姉ちゃん。梓ちゃんもまた会おうね」

「それじゃ、またね」

私達は純たちと別れました。

「これから、どうするの、あずにゃん」

私の頭の上で聞いてくる、ゆい先輩。

「そうですね、とりあえずは、ヤマブキシティを目指します」

「……まさか、着いたら、ジム戦とか?」

「さすがに昨日の今日で、そんなことしませんよ」

「そうだよね。それじゃ、着いたら、遊びに……」

「昨日の戦いで、自分のレベルの足りなさを感じたので、特訓です!」

「ええ〜、それはないよ〜、あずにゃ〜ん」

「冗談ですよ。とりあえず、ホテルで、寝たいですね。次の日はお休みにしましょう」

「わ〜い、さすがはあずにゃんだね〜」

私の頭を撫でてくる、ゆい先輩。本当は特訓もしなきゃいけないんですが……。

「えへへ〜、久しぶりの休みだよ〜」

まあ、ゆい先輩も喜んでいるからいいかな、と思い、ヤマブキシティへと向かいました。
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/12(火) 07:25:35.90 ID:PTVCnvIF0
「……ついてきてるんでしょ?」

私は足を止めて、振り返る。

「どうしたの、純ちゃん」

ういは不思議そうに聞いてくる。

「さっきから、ずっとつけられてるわね」

「え、嘘!?」

「そこに隠れてるのは分かってるから、出てきなさい」

木の中から、ポケモン……ゲンガーが出てくる。

「あなたは!?」

ういは驚いている。おそらく、このゲンガーは昨日、話していたポケモンなんだろうな。

「何で、ついてきたの?」

私はゲンガーに聞く。

「ゲンガ(仲間にしてくれ)」

「うい、なんて言ってるの?」

「な、仲間にしてくれって」

「……なんで?」

「ゲンガ(もう、1度だけ、あの、ツインテール達と戦いたいんだ。……それに)」

ゲンガーは一息いれて、何かを言う。

「ゲンガ(……いいトレーナーの元で戦ってみたいんだ)」

「えっとね、純ちゃん。ゲンガーは……」

私はういが言い切る前に、モンスターボールをゲンガーに当てる。そして、ゲットした。

「純ちゃん! どうして、ゲンガーをゲットしたの?」

「私達はそもそも、ゴースをゲットしにシオンタウンにきたからね。……それに」

「?」

「寂しそうな眼をしてたからね。さて、最後のバッチをゲットしに、トキワに行くかな」

「……純ちゃん、私、純ちゃんのポケモンになれてよかったよ」

「気持ち悪いこと言わないでよ、まったく」
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/12(火) 07:26:41.92 ID:PTVCnvIF0
シオンタウン編D 「VSファイヤーB」 終了
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 07:59:48.83 ID:HU9VrkdDO
乙!!!

純ちゃん・・・ええ娘やなぁ〜 (´;ω;`)
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:04:02.95 ID:JFqXJu2f0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ミニリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

ヤマブキシティ編@ 「敗 北!」 以下、投下
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/15(金) 17:04:50.06 ID:JFqXJu2f0
ヤマブキ・ホテル

皆さん、おはようございます。ゆいです。今は早朝。普段の私なら、まだ、ぐう〜ぐう〜寝ていて、あずにゃんに起こされるまで、寝ていることでしょう。でも、今日は違います!!何故なら……。

「昨日が『月刊あずにゃん』の発売日だったからだよ〜」

いや〜、昨日、買ったはいいけど、見る時間がなくてね〜。楽しみで楽しみで。

「さてっと。ふむふむ」

今月のカプは誰得って感じだったから、飛ばして……来月は……『澪梓』か。

「また、唯梓じゃないのかよ!!」

「にゃっ!!」

おっと、いけない。また、大きな声を出しちゃったよ。あずにゃんはまだ、寝てるようなので、よかったけど、気をつけないとね。

1時間後

「さて、雑誌も読み終わったし、また、寝ようっと」

早く、起きると駄目だね。もう一眠りしようっと。私がベットに入ると、

「……もう、朝ですか。ほら、ゆい先輩も起きてください!」

「ええっ!!」

そんな感じで、今日も始まります。
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:06:26.72 ID:JFqXJu2f0
「今日はどこに行きましょうか」

「そうだね〜、とりあえず、ぶらぶらしようか」

「それもいいですね」

初めて来る場所とかって、ワクワクするからね。というよりも、あずにゃんといれれば、どこでもいいけどね。

「ヤマブキシティで有名なところは……シルフカンパニーですかね」

「何それ?」

「まあ、ただの会社の本社ですけど」

「つまんな〜い」

「ですよね」

さてさて、どうしたものかな。正直、眠いんだけどね。

「それにしても……」

「どうしたの?」

「今まで、旅をしてきたんですけど、どこもマサラタウンと大分、雰囲気が違いますよね」

「そうだね」

マサラタウンに私は長くいたわけではないけど、むこうはまだ自然に溢れていたね。

「マサラタウンは民家もまばらで、自然に溢れていたのに、ヤマブキシティやタマムシシティとかはもう、ビルばっかりだし、都会って気になりますよね」

「そうだよね〜。でも、私はマサラは好きだよ」

「私もです」

「マサラに帰りたい?」

「まあ、多少は……。でも、旅も悪くないですよ。いろいろな人やポケモンにも会えますし」

「私も、旅をしたから、あずにゃんに出会えたわけだしね」

「でも、行き倒れですよね」

「むぅ〜。それは言いっこなしだよ」

私達はそんな話をしながら、町並みを歩いていました。もっとも、私はあずにゃんの頭の上だけどね。
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:07:06.95 ID:JFqXJu2f0
「梓じゃないか?」

そんな時、私達の正面から澪ちゃんが歩いてきて、私達に声をかけます。

「あ、澪先輩!」

あずにゃんの声が私に発するそれと違う気がする。それに、澪ちゃんを見る眼も。これは嫉妬かもしれないけどさ。なんか、面白くない。

「どうしたんですか、こんなところで」

「まあ、いろいろとさ。えーと、バッチも全部持ってるから、適当にいろいろな所を巡ってるだけだよ」

これは私の勘だけど、きっと、あずにゃんに会いにきたんだろうな。

「へえ〜、偶然ってあるんですね」

「そ、そうだな。えーと、喫茶店でも行かないか?」

「いいですよ。ゆい先輩もいいですよね?」

「……」

「ゆい先輩?」

「え、うん、な〜に、あずにゃん」

「だから、喫茶店に行きませんか?」

「うん、いいよ〜」

私は嫌な予感をビンビンに感じながら、喫茶店に向かった。
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:08:23.57 ID:JFqXJu2f0
喫茶店

「それにしても、どうして、ヤマブキシティに来たんですか?」

さっきはいろいろな所を巡ってるとは言ってましたけど、ヤマブキシティって、面白いところって、なかったと思いますけど。……って、ヤマブキシティに住んでる人に失礼ですよね。

「さ、さっきも言ったけど、適当にいろいろな所を巡ってるだけだよ」

「でも、ヤマブキシティには特に何もない気がしますけど」

「ま、まあ、バッチを集めるのに集中したから、町を巡るってことをあんまりしなかったからな、時間のある今のうちにやっておこうって、思ってな」

「なるほど」

私だったら、レベル上げに勤しむのに、さすがは澪先輩です。

「それで……あ」

私は会話を続けようとした時、オーキド博士から、電話がありました。

「すいません、ちょっと、電話で……」

「いいよ、私は気にしないででていいよ」

「すいません」

私は一旦、喫茶店を出て、電話に出ました。

『やあ、梓君』

「どうしたんですか、博士」

『お前さんが預けたイーブイの治療が終わったから、連絡を、と思ってな』

「そうなんですか!!ありがとうございます!」

『それで、梓君も様子を見たいじゃろうと思ってな。今から、転送するかのう?』

「お願いします!」

『ほっほ。それじゃ、ポケモンセンターに着いたら、電話してくれんかのう』

「分かりました」

私は電話を切ると、喫茶店に戻りました。

「すいません、澪先輩。私、ちょっと、ポケモンセンターに用事ができまして……」

「じゃあ、私も一緒に……」

「私はゆいと一緒に待ってるよ。前に会った時はそんなに話せなかったしな」

「すいません。すぐに戻ってきますから、ゆい先輩をお願いしますね」

「ああ」

「……」

私はゆい先輩を澪先輩に預け、ポケモンセンターに向かいました。
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:09:48.94 ID:JFqXJu2f0
「パクパク」

「……」

あずにゃんが行った後、私と澪ちゃんの間に、沈黙が流れる。というより、澪ちゃんは私に何かを言いたいけど、なかなか、切り出せないって
感じだけどね。

「ここのケーキ、美味しいよね」

「……あ、ああ。そうだな」

澪ちゃんは答えるけど、まだ、一口も食べてないんだけどね。

「……なあ、ゆい」

「な〜に、澪ちゃん」

「……頼みたいことがあるんだ」

「いいよ。私でよければ、力になるよ」

「梓にさ、旅をやめるように言ってほしいんだ」

澪ちゃんは覚悟を決めたかのように言った。やれやれ、なんか、こういうのなんていうんだっけ?シリアル?まあ、なんでもいいや。そんな展
開になりそうだね。もっとさ、けいおんっていうアニメだか漫画みたいにのんびりというか、ほのぼのとすればいいのにさ。まったく

「……どうして?」

「……これ、梓達だろ?」

澪ちゃんが見せたのは、昨日の新聞だった。その新聞にはセキチクシティのサファリゾーンのポケモン脱走とシオンタウンのロケット団占領について書かれたものだった。その中には、未確認だがツインテールの少女と幼稚園児の子供が活躍したと書かれていた。

「そうかもね」

「ゆい!私は真面目に聞いてるんだ!」

「声、大きいよ」

周りの人達も見てるし。

「あ、ごめん」

「……その新聞のだけどね、多分、そうだと思う」

「やっぱりか」

澪ちゃんは嘆息する。
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:11:22.01 ID:JFqXJu2f0
「どうして、こんなことをしたんだ?」

「なんか、悪いことをしたみたいに言うね。私達のおかげで、セキチクシティやシオンタウンの平和は守られたんだよ! フンス」

「……そうだな。それはいいよ。でもな、ここまでのことをしたら、ロケット団にも、マークされることになるぞ。ただでさえ、タマムシの事件で、目をつけられてるのに」

「……」

「そうなったら、梓の命も狙われることになるぞ」

「大丈夫だよ〜。あずにゃんは私が守るもん」

「ゆい、ふざけてる場合じゃないんだ」

別にふざけてるつもりはないんだけどね。

「つまり、あずにゃんの命が危ないから、私に説得してくれというわけだね」
大げさだと思うけどね、さすがに。

「そうだ」

「でも、どうして、私に?澪ちゃんが言えばいいじゃん」

「たしかにそうだけど、ゆいは梓のポケモンだろ?ポケモンを大事にする、梓なら、ゆいの言うことを聞いてくれるはずだ」

「そうかもしれないね」

ちょっと、卑怯な言い方な気もするけどね。

「それに……認めたくないが、ゆいが1番、梓に信頼されているからな」

「そう見える〜?いや〜照れるな〜」

「……それで、どうする?」

「……」

「ここで、旅を終われば、ゆいは梓とマサラで一緒にほのぼのと暮らせるんだぞ。ただ、この状況だから、他の地方に引っ越すことになるかもしれないが」

「……それはいいね」

「だろ?だから、頼むよ、ゆい」
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:12:24.09 ID:JFqXJu2f0
「分かったよ、澪ちゃん。私、あずにゃんを説得するよ」

「分かってくれて嬉しいよ、ゆい」

「そのかわり、必ず、ポケモンリーグで優勝してね」

「任せろ」

その時、あずにゃんがタイミングよく戻ってきた。

「お待たせしてすいません」

「ちょうどいいところにきたよ、あずにゃん」

「何ですか?」

「もう、旅をやめてさ、マサラに戻ろうよ」

「……え、どうして、突然そんなことを……」

「旅もいいけどさ、2人で早くのんびりとしたいからね。そうすれば、ほのぼのと出来るしね」

「……でも」

「大丈夫、他の仲間も一緒だからね」

「……分かりました、マサラに戻りましょう」

「本当に!?」

「はい!ちょっと、今までの雰囲気は私に合わないと思ってたので」

「あずにゃん」

ダキッ。

「ゆい先輩」

ダキッ。

こうして、私達はマサラタウンで幸せになりました。

ヤマブキシティ編@ 「敗 北!」 終了

ポケットモンスターゆい 終了
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:13:47.89 ID:JFqXJu2f0
となれば、いいんだろうけどね。でも、私は……。

「いやだ」

と、答えた。

「……どうして?」

「だって、あずにゃんは頑張ってるもん」

あずにゃんはポケモンリーグに出るために毎日、頑張ってる。そんなあずにゃんに諦めて、帰ろうなんて言えないよ。というか、言いたくないよ。

「……ゆい、分かってるのか。こうは言いたくないけど、梓は人間なんだ。ゆいなら、多少の深い傷でも、すぐに治るだろうが、梓はそうじゃないんだ。ミュウツーの戦いでも分かってるだろ」

「……」

澪ちゃんの言ってることは……まあ、間違ってない。私はポケモンだから、多少の傷なら治るし、痛みもないけどさ。

「ゆいだって、戦うのは好きじゃないだろ」

「……そりゃあね」

「一緒にマサラに戻れば、美味しいお菓子とかだって、ムギに頼んで用意してあげられる。始めのうちはロケット団から匿うために不自由があるかもしれないけど、2人なら大丈夫だろう」

「楽しそうだね!」

「だろっ!」

「でも、いやだ」

私は約束したからね。一緒にポケモンリーグで優勝するって。

「……」

「ごめんね」

「いや、ゆいの気持ちも分かる」

澪ちゃんは一息入れて、お茶を飲む。でも、ちょっと、まずそうにする。それはね、冷めてるからね。

「私だって、梓が頑張ってたことは知ってるんだ。やっぱり、私が言うことにするよ」

「大丈夫?体、震えてるよ」

「だ、大丈…夫だ…よ。……たぶん」

全然大丈夫そうに見えないけどね。はあ。またシリアルな展開になりそうだね。何事もないことを祈るよ。
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:14:59.83 ID:JFqXJu2f0
「ごめんね、イーブイ」

「ブイ〜♪」

私は治療してもらった、イーブイを撫でながら、ゆい先輩たちの待つ喫茶店に向かいます。

「なんか、雨降りそうだね」

「ブイ」

上を見ると、どんよりとした雲になってる。天気予報では午後から、雨って言ってましたしね。天気予報っていうのは嫌な予報の時には当たるんだから、困ったものです。

「ゆい先輩達、待ってるかな」

私はなるべく急いで、喫茶店に到着しました。

「すいません、遅くなりました!」

「おかえり〜、あずにゃ〜ん」

「……」

明るく迎えてくれるゆい先輩とどことなく、暗い雰囲気の澪先輩。私がいない間に何かあったのでしょうか?そのわりにはゆい先輩の雰囲気は明るいんですが……。

「あずにゃんがいなくて寂しかったよ〜」

私が席に着くと、ゆい先輩が抱きついてきます。私はそんなゆい先輩の頭を撫でながら、澪先輩に話しかけます。

「あの、澪先輩」

「……」

「澪先輩!」

「え、梓!?いつの間にいたんだ」

「いや、今さっきですけど……。どうしたんですか?悩みがあるなら、相談に乗りますけど」
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:16:36.31 ID:JFqXJu2f0
「えーと、だな。少し、言いづらいんだが……」

澪先輩は一息入れて、意を決したようにこう言った。

「なあ、梓。もう、やめないか」

「何をですか?」

「旅を……ポケモンリーグを目指すのを諦めないか」

「……えっと、今なんて」

「ポケモンリーグを目指すのを諦めてくれないか」

いきなり、こんなことを言われて、私の頭はちょっと、混乱している。皆で約束したじゃないですか、一緒にポケモンリーグに出るって、と
か、言いたいことはいろいろあったけど、

「……どうしてですか?」

月並みな言葉でしか返せなかった。

「……さっき、ゆいにも見せたけど、これ、梓達だろ」

澪先輩が見せたのは、昨日の新聞だった。その新聞にはセキチクシティのサファリゾーンのポケモン脱走とシオンタウンのロケット団占領について書かれたものだった。その中には、未確認だがツインテールの少女と幼稚園児の子供が活躍したと書かれていた。

「分かるだろ?ロケット団もこれだけのことを邪魔されたんだ。ロケット団に眼をつけられているだろう。これ以上、旅を続けるのは危ない」

「……」

「ムギの知り合いが梓達を匿ってくれる。だから、ゆいやポケモン達も一緒にそこで暮らすんだ」

澪先輩の言ってることも分かる。私を心配して言ってくれてるんだから。……でも。

「……嫌です」

「……え?」

「嫌です!!澪先輩達が私を心配してくれるのはありがたいことだと思いますが、ここまで、一生懸命旅をしてきましたし、なにより、ポケモンリーグで、澪先輩達と戦いたいんです!」

私はそう言うと、澪先輩は驚いたような顔をした。

「あずにゃん、声大きいよ」

「あ、すいません」

私は周りの人に頭を下げて、いすに座る。

「とにかく、私は旅を続けます」

「……死ぬかもしれないんだぞ」

「大げさですよ。それに、私にはゆい先輩やポケモン達がいますし」

「えへへ〜、あずにゃんは私が守るよ〜」

「……分かった。じゃあ、勝負しよう」

「はい?」

「勝負をしよう。私が勝ったら、諦めてもらう」

「それはいいですけど、私が従うとは限りませんよ」

「従ってもらう」

「そんな無茶な」

「分かった。従わなくてもいい。とにかく、梓には現実を見せてあげるよ。勝負は2対2だ。先に相手のパーティを全滅させたほうが勝ちだ」

「まあ、いいですけど」
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:17:10.68 ID:JFqXJu2f0
私達は、ヤマブキシティ郊外に来ました。

「ルールはさっき言ったとおりだ」

「分かりました」

私は内心ワクワクしていました。状況はあれですけど、憧れの澪先輩と初めて、自分のポケモンで戦うんですから。

「雨も降りそうだから、サッサと始めよう」

「はい」

「では……」

「「バトルスタート」」
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:18:31.89 ID:JFqXJu2f0
「来てください、ハッサム!!」

「来い、エビワラー」

さあ、いよいよ、戦いが……!?

「……」

「大丈夫、あずにゃん。手が震えてるよ」

「あ、はい。大丈夫です」
さすがは澪先輩です。戦いが始まったら、なんていうオーラですか。今まで、戦ってきたどのトレーナー達よりもすごいです。


「いきますよ、まずは先制をとって、バレットパンチです」

ハッサムは素早く、エビワラーに接近し、パンチを繰り出す。

「受け止めろ、エビワラー」

2匹のパンチが激突する。その衝撃で私達に風が吹く。

「やるじゃないか」

「澪先輩こそ」

2匹のモンスターはお互いにパンチを打ち合う。力はほぼ互角。このままいけば、澪先輩にも……。

「ところで、梓」

「何ですか?」

「何時になったら、本気になるんだ?」

「え?」

その声とともに、ハッサムはふっ飛ばされそうになるも、なんとか、こらえてました。

「今の攻撃は……」

「エビワラー、こうそくいどう!」

私が状況を理解する前に、エビワラーはハッサムに一瞬で、接近します。

「エビワラー、トドメだ。ほのおのパンチ!!」

エビワラーの鋭いパンチがハッサムに命中し、体が炎にまみれて、吹っ飛ばされて、そのまま、気絶してしまいました。
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:19:44.81 ID:JFqXJu2f0
「そ、そんな、ハッサムが……」

「どうした、梓。もう、ハッサムは終わりだよ。次のポケモン……どうせ、ゆいだろうけど、出しなよ。もっとも、私はゆいの攻略法は分かってるけどな」

「むむ、すごい自信だね。こうみえても、私はあずにゃんがトレーナーになってから、私はまだ、負けてないもんね。強がったって、無駄だよ」

「……」

「どうしたの、あずにゃん」

「……」

「あずにゃん!!」

「は、はい、なんですか」

「ボーっとしてちゃ駄目だよ。ほら、早く、次に出すポケモンを決めなきゃ。もっとも、次は私だよね」

私には嫌な予感をビンビンと感じていましたが、実際問題として、ハッサムより強いポケモンはゆい先輩しかいませんし。

「では、頼みますよ、ゆい先輩」

「うん!!」

「きたか、ゆい」

「澪ちゃんはポケモンを交替させないの?」

「必要ないだろ」

「ふん!その自信が命取りになるんだよ。いくよ、 ゆいちゃん真拳……」

「見せてあげるよ、ゆいの攻略法を」

エビワラーは素早くゆい先輩に接近し、その小さい体に、最初にハッサムに与えた技、おそらく、マッハパンチを繰り出してきます。

「わーーーーー」

ゆい先輩は小さい体にその攻撃を受け、コロコロと転がっていきます。

「大丈夫ですか、ゆい先輩」

「うー、大丈夫、大丈夫。まだまだ、余裕だよ」
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:21:06.06 ID:JFqXJu2f0
ゆい先輩は立ち上がろうとします。追撃があるかもしれないと攻撃をしたエビワラーのほうを見ると、エビワラーはいません。

「あれー?エビワラーは?」

「ゆい先輩、上です!」

エビワラーはゆい先輩の上空に飛び上がり、ゆい先輩にその拳を振り下ろします。

「あでっ!!」

立ち上がろうするゆい先輩の背中にエビワラーの拳がめり込みます。

「ゆい先輩!!」

「へ、平気、平気。まだまだ、大丈夫だよ」

「……降参しないのか?」

「ま、まだまだ、戦えるよ。これから、私の大逆転劇だよ」

「……」

「どうして、そんなに悲しそうなんだい、澪ちゃん」

「……いや、なんでもない。エビワラー、続けるんだ」

エビワラーはゆい先輩の背中に拳を打ち付けるべく、上に手を上げます。

「そう何度も、同じことはさせないよ。ゆいちゃん……」

「させるな!!れんぞくパンチだ!」

エビワラーはゆい先輩の背中に何度も何度も、打ち付けます。……私はその光景を見たくなくて、眼をそらします。そんな時、空から、ポツポ
ツと雨が降り始めました。

「………めて下さい」

「どうした、梓」

「止めてく……」

「待って、あずにゃん。まだ、私は戦えるよ!」

私が降参をしようとすると、ゆい先輩に止められました。

「で、でも……」

「ポケモンなんだから、多少のダメージは平気だよ。それに、ここから、逆転だよ」

ゆい先輩は仰向けになり、リズムよく、パンチを繰り出すエビワラーの目に砂……(といっても、雨も強くなり、泥といった方がいいかもしれませんが)を投げます。

「エビ!」

エビワラーは目を押さえて、よろめきます。

「よし、ここから、逆て……あれ?」

ゆい先輩の足がガクッと崩れ落ちます。

「あれれ、どうしたんだろ。まだ、戦えるのに、体が言うことをきかないよ」

多分、さっきのダメージがきいているのでしょう。立ってるだけで、やっとといった感じです。

「……ゆい。立ってるってことがどういうことか、分かるか?」

澪先輩は顔を歪めて、ゆい先輩に問いかけます。雨もだんだんと強くなってきます。

「分かってるよ。でも、私は倒れないよ」

「……どうしてだ?」

「あずにゃんとポケモンリーグで優勝するんだ。だから、倒れない」

「……そうか。じゃあ、トドメだ」

エビワラーは拳を構えて、ゆい先輩に叩き込もうとします。

「ゆい先輩!」

私の体は自然に動き出しました。
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:23:21.86 ID:JFqXJu2f0
エビワラーの拳が私に迫ってくる。ああ。多分、この一撃で、私は負けるだろうな。

「ゆい先輩!」

突然、あずにゃんが私とエビワラーの間に割り込んできた。

「あずにゃん、危ないよ!!」

バン

エビワラーはあずにゃんの顔スレスレで、拳を止める。でも、びっくりしたのか、あずにゃんは尻餅をついてしまいました。雨が強くなってき
ているので、あずにゃんの服はビショビショのドロドロだね。澪ちゃんの体は震えている。それはきっと、雨のせいではないだろう。まったく、そんなに辛いなら、こんなことやらなきゃいいのに。でも、きっと、それだけ、あずにゃんのことが大切なんだろうね。

「分かっただろ、梓」

澪ちゃんはあずにゃんに近づいてくる。

「これが敵なら、梓は死んでたんだ」

「……」

「たしかに、今まではロケット団を倒してきたかもしれない。でも、次はこうなるかもしれないんだ」

「……」

「私だって、ポケモンリーグで梓と戦いたいさ。それはそうだろう、梓は私、いや、私達にとって大切な仲間なんだから。でも、それ以上に、
命が危ないかもしれないんだ。命にはかえられない」

澪ちゃんは目に涙を浮かべて、あずにゃんに訴えかける。

「……」

あずにゃんはうつむいて、黙っている。

「……私はもう行くよ」

「……」

「いきなり、こんなこと言われても、判断できないよな。明日まで、ヤマブキシティにいるから、梓の答えを聞かせてほしい」

「……」

「……じゃあな」

澪ちゃんは去っていった。。

「……あずにゃん、帰ろうよ、雨も強くなってきてるし」

895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:24:03.64 ID:JFqXJu2f0
「……ゆい先輩」

「なんだい、あずにゃん」

「澪先輩の言うことも、分かるんです。もし、今のがロケット団だったら、負けてましたもんね」

「うん」

「今までの戦いで、私は大分強くなったって感じて。これなら、澪先輩にも勝てるって」

「……」

「でも、澪先輩に簡単に負けました」

「そうだね」

私としては情けないけどね。

「……ゆい先輩、私はどうしたら、いいんでしょうね」

「それはあずにゃんが決めることだよ」

「ですよね」

「でもね、あずにゃんがどんな答えでも、私はあずにゃんについていくよ」

「ありがとうございます。……雨も強くなってきましたから、帰りましょうか」

「うん」

「あ、ポケモンセンターにも寄らなくちゃ。でも、服も濡れてるから、後でもいいかな。すいません、ゆい先輩、それでもいいですか?」

「……うん」

私には分かる。あずにゃんは一生懸命誤魔化しているけど、本当はとっても悔しいんだってことを。だって、私を抱く手はこんなにも震えているから。
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:24:57.01 ID:JFqXJu2f0
「……」

「おい、澪」

私は声をかけられ、振り向くと、傘を持った律とムギがいた。

「ほら、傘だ。……といっても、もう無駄だろうけどな」

ずぶ濡れの私を見て、律は笑う。

「余計なお世話だ」

「そうかい、そうかい」

「何しに来たんだ、お前は」

「まあまあ。……梓ちゃんはどうするのかしら?」

「戻ってくれるといいけどな」

「ごめんなさい。オーキド博士に頼まれたことを澪ちゃんに押し付けるみたいになってしまって」

「……いいよ、別に」

「まあ、これで、澪は梓に嫌われるわけだな」

「……」

「りっちゃん!大丈夫よ、澪ちゃん。梓ちゃんも分かってくれるわ」

「……だといいけどな」

「さてと、じゃあ、私達も戻るか」

「……さっきから、楽しそうだな」

「そうか?」

「りっちゃんは梓ちゃんはどうすると思うの?」

「さあ。私には分かんないさ。梓が決めることだしな。……ただ」

「ただ?」
「……いや、なんでもない」
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:26:10.94 ID:JFqXJu2f0
「……はあ」

私はゆい先輩の髪を洗いながら、考える。これから、どうすべきか。

「悩みごとかい、あずにゃん」

「ええ、まあ。……というか、ゆい先輩も知ってますよね」

「まあね。どれ、私が話を聞いてあげよう。話してみんしゃい」

「でも……」

「話してるうちに考えがまとまるかもしれないじゃん」

「……そうですね」

「まあ、私じゃ、頼りにならないかもしれないけどさ」

「いいえ、そんなことありませんよ」

「ははは。褒めても、何もでないよ」

「……澪先輩が私を心配してくれてることも分かります」

「うん」

「現に純がいなかったら、前回もあぶなかったですしね」

「そうだね」

「でも、澪先輩と戦って怖かったですけど、楽しかったんです」

「ほうほう。どんな風にだい」

「ワクワクしたんです。ポケモンリーグにはもっと強い人がいるのかなって」

「なるほど、なるほど」

「だから、もっと、旅を続けたいんです」

「なら、続ける?」

「でも、澪先輩が私のことを心配してるのは分かるんです。それを無視するのはどうかと」

「結局どうしたいのさ」

「どうしましょうね」

「それはあずにゃんが決めるんだよ!」

「分かってますよ。まあ、とりあえず、お風呂を出て、ご飯にしましょうか」

「そうだね」
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:27:00.35 ID:JFqXJu2f0
「気にすることないわよ。梓ちゃんなら、分かってくれるわよ」

「だといいがな」

私はムギたちとホテルの食堂で食事をしている。正直、気が重い。

「あ、あれ、梓じゃないか。おーい、あずさー」

「ブー」

「おい、汚いぞ、澪」

「誰のせいだ!」

「あ、律先輩にムギ先輩、それに……澪先輩」

「や、やあ」

「……どうも」

(おい、どうするんだ、律)

(どうするんだって、一緒に飯を食うだけだよ)

(おい)

「一緒に食事でもしない?」

(ムギー)
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:27:46.13 ID:JFqXJu2f0
「え、……まあ、いいですけど」

梓は席に着く。さて、どうしたものだろうか。

「ところで、梓」

「何ですか?」

「澪にぼろ負けしたんだってな」

「ブー」

「汚いわよ、澪ちゃん」

「ごめん」

「……ええ」

「で、どうするんだ?」

「……私は」

さっきの今で、答えられるはずないだろ、と思ったが、

「あずにゃんは旅を続けるよ」

言いよどむ、梓のかわりにゆいが答えた。
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/15(金) 17:28:56.56 ID:JFqXJu2f0
「あずにゃんは旅を続けるよ」
私が答えあぐねていると、ゆい先輩がかわりに答えていました。

「ちょ、ゆい先輩」

「あずにゃんはポケモンリーグで澪ちゃんを倒すよ」

「……それでいいのか、梓は」

律先輩が私に聞いてきます。

「私は……」

私はゆい先輩がそう答えたのは自分のやりたいようにやりなさいといってるように感じました。だから……。

「私は澪先輩には悪いですけど、旅を続けます!」

「…そうか」

律先輩はニコッと笑いました。まるで、その答えを待っていたかのように。

「だってさ、澪。どうする?」

「どうするもなにも……。どうして、梓はそう判断したんだ?」

「……さっきの戦いで澪先輩ともっともっと、戦いたくなったんですよ」

「え?」

「ポケモンリーグで、皆の見てる前で、最高の戦いをしてみたいって」

「……」

「こりゃ、澪が戦わないほうがよかったな」

「そうね」

「ロケット団に狙われるかもしれないぞ」

「勝てばいいんですよ!」

「そうだよ。あずにゃんには私がついてるもん」

「ぷっ、ゆいに大分、毒されたな」

「あ〜、りっちゃん、ひどいよ〜」

「……手は抜かないぞ」

「望むところです。やってやるです!」
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/15(金) 17:29:56.31 ID:JFqXJu2f0
ヤマブキシティ編@ 「敗 北!」 終了
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 20:49:31.81 ID:Hf9E8V/DO
乙!!
梓も一つ成長したな
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/16(土) 09:03:05.08 ID:ZPK4UDBJo

速攻で畳み掛けられると弱いのかな
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 07:59:45.62 ID:EecEO2/C0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

ヤマブキシティ編A 「VSナツメ」 以下、投下
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:00:32.61 ID:EecEO2/C0
カントー地方のある施設にて

『そろそろ、邪魔になってきたな』

ロケット団のボス、サカキは重苦しく言う。ここには曽我部とサカキしかいない。今、モニターに映っているのは、ツインテールの少女と幼稚園児のような女の子だ。この少女達はイーブイの脱走事件から、サントアンヌ号襲撃、タマムシ研究所の邪魔をされてきた。始めは無視していたが、今回のシオンタウン占拠を妨害され、伝説のポケモンの1匹ファイヤーを破り、ロケット団ではなかなかの実力者のマコトも倒されたのだから、無視できなくなっていた。

『さて、どうしたものか』

『計画通り、ヤマブキを攻め落とすべきです』

『しかしな』

『脅威となるべき、この少女達は現在、ヤマブキシティにいるそうです。そして、この少女達はポケモンリーグに出場するべく、ジムを巡っている』

『つまり、次はグレンタウンを目指すということだな』

『そうです』

『ならば、その時が狙い目か』

『そういうことです。そして、グレンタウンで彼女達を足止めするために、サンダーを使います』

『……随分、この少女達を警戒するんだな』

『念のためです』

『……お前はロケット団を利用して、何をしようというのだ?』

『別にそのような意図はありませんが』

『……まあ、いい。そのようにしろ』

『はい』
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:01:06.51 ID:EecEO2/C0
ヤマブキジム

現在の手持ちメンバー ゆい ハッサム プテラ  イーブイ  ヘルガー  ガルーラ

「さっそく、ヤマブキジムに挑戦です!」

「おっと、随分、やる気だね」

「当然です!ゆい先輩には期待していますよ」

「あんまり、期待されてもね〜」

「昨日、あれだけ、澪先輩に強気に言ってたじゃないですか」

「あれは……その場のノリだよ」

「ノリって……まあいいです。とにかく、入りましょう」

私はヤマブキジムの扉を開ける。中は薄暗く、不気味な雰囲気をかもし出してます。
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:02:02.33 ID:EecEO2/C0
「なんか、怖いね、あずにゃん」

「そうですね」

「よく来たわね」

奥から、声がするとともに、髪の長い女の人が出てきました。

「あなた達は梓さんとゆいちゃんね。よろしく」

「え、どうして、私達の名前を……」

「実は、私、超能力者なの。だから、ゆいちゃんがポケモンだってことも分かるし、あなた達がここに来ることも分かってたわ」

「すごいよ、あずにゃん!!超能力者だよ!私、初めて見たよ」

「……」

「クスクス」

「あれ?どうしたの、2人とも」

「あのですね、ゆい先輩。前のセキチクジムでも言われましたけど、私達は噂になってるんですよ」

「そうだっけ?まあ、あずにゃん、可愛いもんね」

「いえ、主にゆい先輩のおかげで」

「え、私が可愛いって。もう、あずにゃんたら〜」

「なっ!?ち、違います。ゆい先輩は珍しいポケモンだから……」

「分かってるよ、それは。冗談だったのに、そんなにムキになって否定しなくてもさ」

「す、すいません。別にそんなつもりじゃ、ゆい先輩は十分に……」

「くす。冗談だよ。もう、困った顔のあずにゃんも可愛いよ〜」

「か、からかわないで下さい」

「ところで、いちゃつくのもいいけど、そろそろいいかしら?」
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:02:43.83 ID:EecEO2/C0
「べ、別にいちゃついてるわけじゃ……」

「えへへ〜、うらやましいでしょ〜」

「……まあ、いいわ。そうよ。梓さんが言うとおり、あなた達のことは噂で聞いてるわ」

「でも、どうして、私達がここにくるって分かったの?」

「ゆい先輩。そんなの、来た人達に後出しで、そう言ってるだけですよ。例えば、台風が来た後で、台風が来ると予言していたみたいに」

「おお、なるほど」

「梓さんはかしこいのね」

「べ、別にそんなことは……」

「くす。それじゃ、戦いましょうか。ルールは3対3の点取り試合ね。勝てば、1万円とバッチね」

「それでいいです」

「じゃあ、楽しい戦いにしましょうね」

私達はバトルフィールドに着きます。今回のフィールドは普通のフィールドですね。

「それでは準備はよろしいですか?」

「ええ」

「いつでもいいわ」

「では……」

「「「バトルスタート」」」
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:03:32.13 ID:EecEO2/C0
「来て下さい、ガルーラ!!」

「来なさい、ルージュラ」

相手はルージュラですか。ここはどうするべきか、……って、考えるほどでもありませんね。

「ガルーラ、メガトンパンチです!」

ガルーラは大きな体を揺らしながら、ルージュラに向かって、力をこめた、パンチを喰らわせるべく、走っていきます。

「ルージュラ、れいとうパンチで受け止めて」

「ジュラ」

ガルーラのメガトンパンチとルージュラのれいとうパンチが激突します。しかし、ガルーラの方が、力が勝っており、そのまま、ルージュラを押し切ります。

「よし!このまま……」

「梓さん、力が全てではありませんよ」

ルージュラはガルーラの拳を掴み、逃げられないようにし、そのまま顔をガルーラに接近させ、キスをしようと迫ります。

「ガルガル」

ガルーラは体を揺らし、キスから逃れようとしますが、ルージュラはその手をがっしり掴み、離しません。そして、そのまま、ガルーラの口にキスをします。

「あずにゃん、あずにゃん」

「何ですか?」
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:04:12.61 ID:EecEO2/C0
「私達も負けずにキスをしよう」

「な、何を藪から棒に……」

「だって、あんなに仲良さそうにキスをするなんて……妬けちゃうよ」

「あれは仲が良くて、キスをしてるんじゃなくて……。あ、ガルーラ!」

キスをされたガルーラは顔を歪めて、眠り始めました。

「あの技は何なの?」

「あれはあくまのキッスという技ですね。あれを喰らうと寝てしまうんです」

「それは厄介だね」

「ルージュラ」

「ジュラ」

ルージュラはガルーラに強い念力で持ち上げ、そのまま、地面に叩きつけます。

「ガルーラ!」

「トドメよ、ルージュラ」

ルージュラは空気を吸い込み、ガルーラにふぶきを吹き付けます。ガルーラはそのまま、目覚めずに、気絶してしまいました。

「ガルーラ、戦闘不能。ルージュラの勝利。ナツメ、1ポイント。1対0」
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:05:25.26 ID:EecEO2/C0
「やりますね、ナツメさん」

ガルーラだから、力押しにするしかなかったんですが、さすがです。

「ありがとう。でも、余裕ね」

「はい?」

「戦闘中に相手を褒めるなんてね」

「あっ……」

「くす、冗談よ。さて、次にいきましょうか」

「では、2回戦です」

私の次のモンスターはどうしますか。いつもだったら、安定のハッサムを出しますが……。

「来なさい、バリヤード」

「来て下さい、イーブイ」

澪先輩達と互角に戦っていくには、他のポケモンでも、勝っていかないといけません。無論、あくタイプのヘルガーなら、有利に戦えました
が、前回の戦いであまり活躍もできず、無残というのはあれですけど、手痛い敗北をしたので、ここで自信をつけさせてあげたいですし。

「イーブイ、みずのいしです」

私はイーブイをシャワーズに進化させます。

「なるほど、それも噂に聞くイーブイね。それにしても、珍しいポケモンばかり、持ってるのね」

言われてみれば、そうですね。
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:07:34.64 ID:EecEO2/C0
「では、先制攻撃です!シャワーズ、ハイドロポンプ!」

シャワーズは口から、大量の水を激しい勢いで、バリヤードに迫ります。

「バリヤード」

「バリ」

バリヤードはひかりのかべを出し、ハイドロポンプを止めます。

「なっ!」

「言ったでしょ?力押しじゃ勝てないわよ」

バリヤードははっぱを撒き散らします。すると、そのはっぱはシャワーズに向かってきます。

「シャワズ」

シャワーズはその攻撃をよけきれずにその体に攻撃を受けます。

「これは、マジカルリーフ!?」

「くすくす。どうするかしら」

マジカルリーフはくさタイプの技。シャワーズには辛い技ですね。でも……。

「見せてあげますよ、ナツメさん。私の戦いを!」

「くすくす。楽しませて頂戴」

「シャワーズ、ねがいごとをして下さい」

「えーとね、私の願い事はあずにゃんとずーっと、一緒にいられますように!」

「な、何を言ってるんですか!」

「え、お願い事をすれば、あずにゃんが叶えてくれるんじゃないの?」

「違います!だいたい、シャワーズに命令してるんですから、ゆい先輩じゃありません」

「シャワーズ、ばっかりずるいよ。私の願い事も聞いてよ」

「だから、ねがいごとっていうのは……もう、めんどくさいので、これ見てください」

私はバックの出しやすいところに入れておいたノートをゆい先輩に渡します。

「何々、……ああ、なるほど」

「随分、余裕ね。バリヤード、マジカルリーフ!」

バリヤードは再び、はっぱを撒き散らし、攻撃を仕掛けてきます。

「シャワーズ、まもるです!」

シャワーズは水のバリヤを出し、その攻撃を一度、無効にします。そして、ねがいごとの効果で、シャワーズの体力が回復します。

913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:08:03.22 ID:EecEO2/C0
「攻撃を防がれて、回復か。なかなかね」

「まだです!シャワーズ、あくびです!」

シャワーズはおおきなあくびをします。

「ふぁああ。もう、眠いよ〜。おやすみ〜。ぐう〜」

「ゆい先輩に聞いてどうするんですか!」

しかし、バリヤードにも効き、ぐう〜ぐう〜、と寝息を立て始めました。

「よし、今がチャンスです!」

ここは、ハイドロポンプ?いや、ここは……。

「シャワーズ、接近して、かみつく攻撃です!」

シャワーズはバリヤードの首に噛み付きます。シャワーズは何回か、首筋を噛み付き、そのまま、バリヤードは力尽きました。かみつくはあく
タイプ。エスパータイプのバリヤードには効果抜群です。

「バリヤード、戦闘不能。シャワーズの勝利。梓、1ポイント。1対1」
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:09:53.46 ID:EecEO2/C0
「やるわね、梓さん」

「戦闘中に相手を褒めるなんて、余裕ですね」

「くすくす、そうね」

「では、最終戦です」

「いよいよ、5人のジムリーダーを倒してきた、ゆいちゃんの出番ね」

「そうとは限りませんよ」

「ええっ!そうなの、あずにゃん」

「い、今のは駆け引きですよ、ゆい先輩」

「な、な〜んだ、びっくりした」

「私に聞こえたら、駆け引きもないわよね」

「ま、まあ、いいです。行きますよ、ゆい先輩!」

「任せんしゃい」

「では、こっちはフーディンでいくわ」

ナツメさんが出してきたのは、フーディン。


「頑張ってくださいね、ゆい先輩」
「うん!」

「ではいくわよ。フーディン、サイコカッター」

フーディンは心の刃を実体化させ、ゆい先輩に向かって、飛ばしてきます。

「ゆい先輩」

「任せなって。よっと」

ゆい先輩はリズムよくフーディンの攻撃をかわします。本当に攻撃をかわすのはうまいですね。

「なら、フーディン、サイケこうせん」

フーディンは不思議に光る、光線をゆい先輩に向けて、発射します。

「ふん。ならば、こっちはゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみガード』」

ゆい先輩は自分のぬいぐるみを盾に攻撃を防ぎます。

「今度はこっちの番だよ。ギー太、Hモード」

Hモード?新しい技でしょうか?

「では行くよ。ゆいちゃん真拳コスプレ奥義『R☆R』」

ボン

と、煙がゆい先輩を包み込みます。
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:11:28.87 ID:EecEO2/C0
「ついに発動するわね、ゆいちゃんの技が……」

ナツメさんがそう呟きます。そして、煙が消えて、ゆい先輩の姿が現れましたが……。

「ゆ、ゆい先輩、その姿は……」

ゆい先輩は白い帽子を被り、白いワンピースを着ています。か、可愛いです。

「ふふん、どうだい、あずにゃん。私の格好は」

「ま、まあまあですね」

「……本当に?」

「ほ、本当ですよ」

「くすくす、あずにゃん、かわいいよ〜。お持ちかえり〜」

ゆい先輩は私に抱き着いてこようとします。

「待って下さい、ゆい先輩。これ以上近づいたら、失格になってしまいます」

「おっと、危ない、危ない」

ゆい先輩はフーディンに向き直ります。

「フーディン、先制を取るのよ、サイコカッター」

「フー……」

フーディンは技を出そうとしますが、何かに技を受けたかのように、壁際まで飛ばされてしまいました。

「い、今のは……」

「今のは、ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃん☆パンチ』略して、ゆいパンだよ」

「す、すごいですよ!拳が見えませんでした!」

「ふふん、どんなもんだい!」
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:12:14.10 ID:EecEO2/C0
「フーディン、怯まずに、サイコキネシスよ」

フーディンはゆい先輩に念力を送ろうとします。

「甘いよ!」

ゆい先輩は鉈を振り、フーディンの技を無効にします。……鉈?

「しっくりくるね、ギー太」

ゆい先輩は鉈っぽいものを撫でます。

「今度はこっちの番だよ。いっくよ〜」

という言葉とともに、いつもの劇が始まります。
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:12:57.30 ID:EecEO2/C0
『ねえ、ゆい先輩』

ゆい先輩との下校の途中、私はゆい先輩に話しかけました。

『な〜に、あずにゃん』

『……皆さんはなにか、私に隠し事とか嘘とかついていませんか』

『何を言ってるの、あずにゃん。あずにゃんにそんなことするわけないよ』

『嘘ですよね』

『どういう意味かな?』

『してますよね、私に隠し事』

『……じゃあ、あずにゃんは私達に隠し事や嘘をしてないのかな、かな?』

『し、してませんよ』

『嘘だよね』

『う、嘘じゃありませんよ』

『嘘だっ!!』
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:13:35.96 ID:EecEO2/C0
というゆい先輩の言葉とともに、『嘘だっ!!』という文字の大群がフーディンに突っ込み、ダメージを受けます。

「これぞ、ゆいちゃん真拳奥義『弾幕☆アタック』」

ゆい先輩はギー太(鉈)を構えます。

「これで、終わりだよ。行くよ、ギー太」

「くっ、フーディン、しっかりしなさい」

「ディン」

「さあ、行くよ」

ゆい先輩はギー太(鉈)を持って、フーディンに向かっていきます。

「フーディン、テレポート!」

フーディンは姿を消し、向かってくる、ゆい先輩の背後に現れました。

「ディン(終わりだ)」

フーディンはゆい先輩に向かって、サイケこうせんを出そうとしますが、ゆい先輩の姿が消え、フーディンの背後にまわります。

「フーディン君、みーつけた」
919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:14:15.02 ID:EecEO2/C0
ゆい先輩はギー太(鉈)を振り上げます。なにか、雰囲気が違う気もしますが、気のせいでしょう。

「いくよ、サムちゃんに教えてもらった、技を見せてあげよう。喰らえ、れんぞくぎり!」

ゆい先輩はフーディンの背中を切りつけます。技はあれですけど、れんぞくぎりはむしタイプの技。フーディンはエスパータイプなので、弱点
になります。しかも、切りつけるごとに威力が増す技、これはいい攻撃です。

「このまま、決めてください、ゆい先輩!」

「フーディン、避けるのよ!」

フーディンはギー太(鉈)で切りつける、ゆい先輩から、テレポートで距離をとります。

「ふう〜、疲れちゃった。コスプレ解除」

ゆい先輩はボンッという煙とともに元の格好に戻りました。
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:15:00.50 ID:EecEO2/C0
「ゆ、ゆい先輩、コスプレ解除しちゃって、大丈夫なんですか」

「大丈夫だよ〜。それとも、私のコスプレ、もっと、見たかった?それならそうと、言ってくれればいいのに〜」

「ち、違いますよ。このまま、力押しで勝てたかもしれなかったじゃないですか」

「ち、ち、ち。さっきもナツメさんが言ってたでしょ。力が全てじゃないって」

「場合によりけりだと思いますけど」

「まあ、とにかく、行くよ。来て、ゆいぐるみ!」

ゆい先輩は手をパンッ、と鳴らすと、ゆいぐるみがたくさん落ちてきます。今までと違うのはゆいぐるみ、1体1体にギー太も着いていることです。

「さてっと、行くよ、ギー太、ゆいぐるみ」

ゆい先輩の掛け声で、ゆいぐるみはフーディンを、いや、フィールドを取り囲むように、していきます。

「では、ミュージックスタート!(ギー太に首ったけを想像して下さい)」

ゆい先輩がギターを弾き始めると、ゆいぐるみもギターを弾き始めます。その音楽は衝撃波となり、フーディンに襲い掛かります。

「ディーン!」

フーディンは四方から、来る衝撃波を避けきれずに苦しんでいます。なるほど、フィールドの外、ぎりぎりに囲むようにすることで、テレポートを封じてるわけですね。

「さあ、クライマックスだよ!」

ゆい先輩やゆいぐるみのギターにエネルギーが溜まっていきます。

「ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃんエネルギー弾withゆいぐるみ』」

全てのエネルギー破がフーディンに直撃し、フーディンは気絶しました。

「フーディン、戦闘不能。ゆいの勝利。梓、1ポイント。2対1。よって、梓の勝利です」
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:15:35.95 ID:EecEO2/C0
「やりましたね、ゆい先輩!」

「うん!」

「やれやれ、完敗よ。それじゃ、バッチを渡すわ」

ナツメさんはゴールドバッチを私に手渡します。

「ありがとうございます!」

「ふう〜、まさか、ここまで強いとはね、驚きよ」

「えへへ〜」

「じゃ、次も頑張ってね」

「あ、もう少し、お話しませんか」

「くす、こう見えてもショックなのよね、負けるの。だから、1人になりたいの」

「す、すいません」

「ごめんなさいね、また、戦いましょう」

「はい!」
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/17(日) 08:17:08.15 ID:EecEO2/C0
「ねえ、あずにゃん」

ヤマブキジムを出て、しばらく歩いていると、私に抱っこされてるゆい先輩が話しかけてきます。

「なんですか?」

「そろそろ、私達もキスをすべきだと思うんだよ」

「そうですねー、たしかに、キスを……って、キス!?」

「そう、キス」

「な、な、な、何を言ってるんですか」

まだ、ルージュラの時のことを振ってくるんですか。

「そんなに動揺しなくても……。あずにゃんは嫌?」

「嫌とかじゃなくて、その……。もっと、こういうのはムードとかですね。そういうのがですねえ。……だいたい、私達は恋人(仮)なんですから」

「その(仮)はいつ取れるの?」

「え、えーと、そのー、ですね」

「あずにゃん。私ね、あずにゃんのこと好きだよ」

ゆい先輩は私の目を見て、真剣に言ってくる。これには、真剣に答えないといけないですよね。

「わ、私は……ゆい先輩のことが……!!」

「……くす、冗談だよ」

「ゆい先輩のことが……はい?」

「冗談だよ」

「……」

「こういうのは、答えを無理強いしちゃいけないよね。あずにゃんの気が向いた時でいいよ、答えは」

「……」

そういうゆい先輩の手は震えている。能天気そうにみえるけど、きっと、怖いんでしょう。

「ゆい先輩」

「ん?」

「今はまだ、ポケモンリーグに専念していきたいから……答えは……ポケモンリーグが終わってからでいいですか?」

「…私は言ったよ、あずにゃんの気が向いた時でいいって」

「そうでしたね」

私達に一瞬の沈黙が流れる。

「さて!シリアルな雰囲気はおしまいっ!ケーキを食べに行こう」

「シリアル?それをいうなら、シリアスですよ」

「おおっ。そうだったの?まあ、いいや。ケーキを食べよう」

「……そうですね」

私達はケーキ屋さんに向かいます。

(……ゆい先輩。待ってくださいね。ポケモンリーグが終わったら、……答えを出しますから)

「では、行きましょう!ゆい先輩」

「おお!」

私は新たな誓いを胸に一歩を踏み出しました。
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/17(日) 08:17:43.23 ID:EecEO2/C0
ヤマブキシティ編A 「VSナツメ」終了
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/17(日) 09:13:32.21 ID:2O8wvzCDO
乙!!!

ラストが・・・
甘ぁぁぁぁーーーーーーーい!!!!!

家族の前でニヤニヤ抑えるのが大変だったじゃまいかwwwwwwww
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/18(月) 00:21:46.97 ID:eqOs8xg1o
乙ー
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:06:32.13 ID:aS+ir3qv0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

グレンタウン編@ 「ラプラス争奪戦・前編」
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:07:12.94 ID:aS+ir3qv0
今回のメンバー  ゆい ハッサム プテラ イーブイ ハクリュウ ガルーラ 

私達はグレンタウンに行くべく、セキチクシティにやってきました。

「とはいっても、どうやっていくべきでしょうか」

「船で行けばいいんじゃないの?」

「それはそうなんですけどね。ポケモンでいけたら、安上がりだなあって」

「なら、テラ太は?」

「まあ、そこが一番、無難ですけどね。でも、なるべくなら、なみのりをさせていきたいと思ったんですよ」

「でも、私達のメンバーに私達を乗せて、海を渡れるのはいないね」

「ですよねー」

仕方がないですね。ここは船で……。

「梓ちゃん!」
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:08:07.69 ID:aS+ir3qv0
突然に誰かに声をかけられ、振り返ると、そこにはアンズさんがいました。

「あ、アンズさん」

アンズさんは私が気がつくと、こっちに走り寄ってきました。

「お久しぶり……といっても、まだ、そんなでもないですけど、とにかく、お久しぶりです、梓さん」

「こ、こちらこそ」

「やっほー」

「ゆいさんもお久しぶりです」

「それで、アンズさんはどうしたんですか?」

「どうしたはこっちの台詞ですよ。サファリゾーンでの一件が終わったら、すぐにどこかに行っちゃいますし」

「ハハハ」

あの時は大変でしたからね。

「でも、それも仕方がないことですよね」

「はい?」

「これ、梓ちゃんですよね」

アンズさんが見せてきたのは澪先輩に見せてもらった新聞です。

「……」
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:09:08.87 ID:aS+ir3qv0
「サファリゾーンでの一件を解決させて、すぐにシオンの事件も解決させちゃうんですもん。まるで、お2人は正義の味方みたいです。というか、正義の味方です」

「えへへ〜。そうかな?」

「そうですよ。お二人なら、人間とポケモンをつなぐ、救世主になれますよ」

「なんですか、それ」

「最近ではポケモンを道具のように利用する人が増えてますからね」

「ロケット団みたいにですか」

「最近ではロケット団だけでなく、一般の人でも、強くない奴はいらないって、捨てる人もおおいですからね」

「それはひどいですね」

「ここはぜひ、2人の仲の良さを見習ってもらいたいですよ」

「な、何を言ってるんですか」

「えへへ、私達ってそんなに仲良さそうに見える?」

「ええ。もう、ただのポケモンとトレーナーに見えないくらい」

「そうかな、そう見える?えへへ」

嬉しそうににやにやする、ゆい先輩。

「ところで、梓さん達はここにいるんですか?」

「実はかくかくしかじか」

「まるまるうまうまというわけですか、なるほど」
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:10:24.40 ID:aS+ir3qv0
アンズさんは少し、考えるような仕草をし、こう言いました。

「やはり、ポケモントレーナーとして、バッチを集めるならば、船などではなく、ポケモンに乗って行くべきですね」

「でも、私の手持ちでは厳しいんですよね」

「実はこんなものがあるんですよ」

アンズさんが見せてきたのは、『サファリゾーン・復興企画 3人抜きで、ラプラスゲット』と書かれたチラシでした。

「へー、こんなものがあるんですか」

ラプラスですか、なるほど。

「それにしても、よくこれだけ企画がありますね」

「まあ、ここだけの話。サファリゾーンの園長さん、結構お金にがめついので」

「なるほど」

「世知辛い世の中だね」

「アンズさんも出るんですか?」

「残念だけど、ジム関係者は出れないの」

「それは残念です」

「出るなら、早く行きましょう。期限が今日なので」

「今日!?」

私はもう一度、チラシを見るが確かに今日って書いてあります。

「それじゃ、いきましょう」

アンズさんは私の手を握って駆け出そうとします。
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:11:18.52 ID:aS+ir3qv0
「待って!!」

ゆい先輩はアンズさんを止めます。

「どうしたんですか?」

「その手、よくない」

ゆい先輩はアンズさんが握ってる私の手を指差します。

「おっと、これは失礼しました」

アンズさんは私の手を離します。

「これはゆいちゃんのでしたね」

「なっ!?」

「分かってくれて、嬉しいよ」

「な、何を言ってるんですか!サッサといきますよ」

私はゆい先輩を抱き上げ、アンズさんを急かします。

「照れてるんですか?」

「……アンズさん」

「……すぐに案内しますよ」
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:12:12.00 ID:aS+ir3qv0
「ここが会場ですか」

ラプラスが賞品なので、たくさんの人で溢れています。

「それにしても、3人勝ち抜きって、すぐに終わりそうですけどね」

「3人勝ち抜いたら、園長さんと勝負なんですよ」

「なるほど、実質、4人に勝ち抜きですか。でも、強いんですか?」

「まあまあですかね。とにかく、エントリーしましょう」

私達は受付に向かいます。

「えーと、参加費は……1万円!?」

「高いねー」

「がめついって言いましたよね」

「納得です」

ルールを確認すると……1対1の短期決戦。ただし、園長さんとの戦いは3匹ですか。

「さて、まだ、時間もありますし、賞品のラプラスでも見に行きますか」

「え、展示されてるんですか」

「ええ。まあ、お金もかかりますけど、そこは私がもちますよ」

「すいません」

「いえいえ。そのかわり、素晴らしい戦いを見せて下さいね」

「あはは、まあ、頑張りますよ」

私達はラプラスの展示してある、エリアに来ました。

「たくさんいますね」

「そうですね」

「……」

「どうしたんですか、ゆい先輩」
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:13:12.81 ID:aS+ir3qv0
「あのラプラス達、泣いてるよ」

「え?」

ラプラス達を見ると、たしかに悲しそうな顔をしています。

「ゆいちゃんはポケモンの言ってることが分かるんですか?」

「まあね。これでも、私、ポケモンだしね」

「それはすごいですね」
「えへへ」

ゆい先輩の頭をなでる、アンズさん。……なんでしょう、あんまり、気分がよくありません。

「……梓さんがむっとしてますね。よし、ちょっとからかってみよう」

「なにか、言いましたか、アンズさん」

「いえ、別に。ちょっと、ゆいちゃんを抱っこしてもいいですか?」

「……どうぞ」

アンズさんはゆい先輩を抱き上げます。

934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:13:51.15 ID:aS+ir3qv0
「可愛いですね〜」

「えへへ、ありがと。アンズちゃんも可愛いよ〜」

仲良さそうにする、ゆい先輩達。……むむ、なにか、分かりませんが、胸がチクチクする。

「それにしても、本当にポケモンとは思えませんね」

「そうかな?まあ、よく間違えられるけどね」

「しかし、本当に可愛いな〜。ほっぺにキスをしていいですか?」

「!?」

「というか、しちゃいますね。んー」

アンズさんはゆい先輩の柔らかそうなほっぺに唇を近づけようとしています。

「や、やめて下さい!」

私はアンズさんから、ゆい先輩を取り上げます。

「こ、これは私のだから、勝手なことをしないで下さい!」

935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:15:44.82 ID:aS+ir3qv0
「……」

「……プッ、ククククク」

「な、何を笑ってるんですか!」

「いえ、随分、仲がいいな〜、って」

「はい?」

「あずにゃん……」

ゆい先輩は顔を赤らめています。

「どうしたんですか?」

「あずにゃん。……今、私のだからって」

「!?」

「いやー、お暑いですね」

「えへへ〜、今、『私のだから、勝手なことをしないで下さい』だって」

「良かったですね、ゆいちゃん。私も言われたいですよ」

「いいでしょ〜」

「……」

「くすくす、梓ちゃん。顔、真っ赤ですよ」

「う、うるさいですよ!」

「ところで、あずにゃん」

「何ですか!!」

936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:16:31.23 ID:aS+ir3qv0
「そんなに怒らないでよ。ラプラス達のことだよ」

「あ、ああ。すいません」

てっきり、まだ、からかわれるかと思いました。

「ラプラス達がどうかしたんですか」

「野生に戻してあげられないかな?」

「それは……難しいですね。どうしてですか?」

「なんかね、ひどいことをされたんだって」

「ひどいこと?」

「そう。なんか、平和に暮らしてるところに人間さん達が襲ってきて、無理やり捕まえられたんだって」

「なるほど」

そういえば、研究所で助手をしていた時に、昔、ラプラスはたくさんいたんですけど、人間が捕まえすぎて、絶滅寸前になってるそうです。とすると、このラプラス達は貴重ですね。

「梓さん、そろそろ、時間ですよ」

「あ、そうですね。ほら、ゆい先輩。行きましょう」

「……う、うん」

「……私が何とかしてみせます」

「え?」

「難しいかもしれませんけど、頑張ってみます」

「……ありがと、あずにゃん」

「別にゆい先輩のためじゃありません」

プイッと顔を背ける、私。

「知ってるよ。今のはラプラスのかわりだよ」

「そうですか」

「それじゃ、私達も行こうか」

「はい」
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:17:36.10 ID:aS+ir3qv0
私達が会場に着くと、スタッフの人に声をかけられます。

「中野梓さんですよね」

「はい」

「順番として、次になりますので、スタンバイしてください」

「分かりました」

順番としては受付順のようです。

「ジー」

スタッフの人が私を見つめてきます。

「あ、あのなんですか?」

「あ、いえ。…あなたって、先日のサファリゾーンでの事件を解決した人ですよね」

「え、ええ、、まあ」

「やっぱり!大会、頑張ってくださいね。応援してます」

「あ、ありがとうございます」

そう言うとスタッフの人は笑顔で去っていきます。

「人気ですね〜、梓ちゃん」

「それは私の嫁だからね」

「やれやれですよ、こっちは」

「おっと、もう終わったみたいですよ。頑張って下さいね、梓さん」

「はい。応援よろしくお願いしますね」

「まあ、私が応援しなくてもすごい声援もらいそうですけどね。あ、それより、梓さん」

「なんですか?」

「今更ですけど、年も同い年みたいですし、別にタメ口でもいいですよ。もっと、フランクに。もう、友達ですし、……って、何を恥ずかしいことを言ってるんでしょうね」

「……じゃあ、私にもタメ口でいいよ」

「分かった。それじゃ、梓ちゃん、頑張って!」

「うん!」

「いやー、友情だねー。うんうん」

「何を納得してるんですか」
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:18:37.97 ID:aS+ir3qv0
「私のことよりも、相手に集中しなさい。負けちゃうよ」

「分かってますよ」

『さあ、大会も盛り上がってきました。現在、2連勝中のサブさんに挑戦するのは、先日のサファリパークでの事件を解決に導いた、幼女を華

麗に操る、ツインテールの魔術師、中野梓選手です!』

「何なんですか、今の実況」

「そうだよね。私はこんな姿でも、18歳だし、幼女はひどいよ」

「いえ、そういうことではなくて……。まあ、いいや」

「ルールは1対1。途中の回復はなしです。両者、よろしいですね」

「はい」

「おう」

「それでは、両者、スタンバイしてください」

さて、どうしたものでしょうか。1対1ということは、弱点があたると不利になります。しかし……。

「相手が弱点のタイプでも、勝てないと澪先輩達には勝てませんよね」

「ではいきます。準備はいいですか?」

「はい」

「おう」

「それでは……」

「「「バトルスタート」」」
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:19:41.50 ID:aS+ir3qv0
「来てください、ガルーラ!」

「来い、カイリキー」

『現在、2連勝中のサブ選手はカイリキーを、挑戦者の中野選手はガルーラを出しました。これは中野選手が不利かー』

「これくらい、不利じゃありません。ガルーラ、ねこだまし!」

ガルーラは突撃してくる、カイリキーの顔の前で、手をパンッと叩き、カイリキーは怯みます。

「一気にいきます。メガトンパンチ!」

ガルーラはカイリキーのお腹に、拳を叩き込みます。……痛そう。

「……リキ」

カイリキーは急所に当たったのか、膝をつきます。

「今がチャンス。ガルーラ、げきりん!!」

「ガル!」

ガルーラはカイリキーをまるで、親の敵のように殴り続けます。

「ガル!ガル!ガル!」

殴っているガルーラの機嫌は良さそうですが、まあいいです。

「このまま、決めちゃってください!」

「ガル」

ガルーラの顔面の一撃が決まり、そのまま、壁まで飛ばされてしまいました。

『おーっと、ガルーラの一撃が見事に決まったーー。判定はどうだ!』

「……カイリキー、戦闘不能。ガルーラの勝ち。よって、中野選手の勝利です!」

ワー、ワーと観客が騒ぎます。

「いやー、強いね」

「ありがとうございます。サブさんも強かったですよ」

「はは。何もさせてくれなかったのに、よく言うね」

「す、すいません」

「頑張ってくれよ」

「はい!」
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:20:27.67 ID:aS+ir3qv0
『さて、次の挑戦者は、モブ子さんです』

「わー、さっきと違って適当ですね」

「ぜひ、胸を借りるつもりで、ちょうせ……すいません」

「ちょっと、待って下さい。何を謝ったんですか、今」

「いえ、本当にすいません。ない胸は借りられませんよね」

「……本気でいきます!」

「……あずにゃん、顔怖いよ」

ゆい先輩が足元で、ガクガクブルブルと震えていますが、まあ、気にしないでいきましょう。

「ルールは1対1。途中の回復はなしです。両者、よろしいですね」

「はい」

「ええ」

「それでは、両者、スタンバイしてください」

覚悟して下さい。あなただけは叩き潰してあげます。

「ではいきます。準備はいいですか?」

「はい」

「いいですよ」

「それでは……」

「「「バトルスタート」」」
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:22:00.19 ID:aS+ir3qv0
「来て、ピジョット!」

「来て下さい、プテラ!」

『挑戦者のモブ子選手はピジョットを出しました。これに対して、中野選手が出したのは……先日のサファリゾーンで、中野選手と死闘の末、
ようやく、中野選手がゲットした、プテラだー』

「あなただけは絶対に許しません。絶対に倒します」

「そ、そんなに本気にならなくても……」

「ゆい先輩は黙っていて下さい」

「……はい」

『さあ、勝負は空中戦だー』

「プテラ、先制攻撃です。とっしん!」

「ピジョット、かわして!」

プテラはその大きな体とスピードを生かして、ピジョットに突撃するも、ピジョットは素早く、その攻撃をかわします。

「くっ。プテラ、もう一度です!」

「あずにゃん、落ち着いて……」

「私は冷静です!ゆい先輩は黙っててください」

「はい」

「(くすくす。さっきので、大分、頭に血が上ってますね)ピジョット、かわして、ブレイブバード!」
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:22:52.74 ID:aS+ir3qv0
プテラはさっきと同じくらいのスピードで、ピジョットにとっしんを仕掛けるも、ピジョットはそれを華麗にかわし、素早く旋回し、羽を折りたたみ、まるで、銃弾のようにプテラに突撃してきます。

「テラ!」

プテラはかわしきれずに直撃し、よろめきます。

「一気に攻めるわよ。ピジョット、もう一度、ブレイブバード!」

ピジョットは旋回し、よろめく、プテラに狙いを定めます。

「あずにゃん、れいせ……」

「……どうしたんですか、ゆい先輩」

「……ううん、なんでもないよ(あずにゃんの目は冷静だった。つまり、さっきまでのは演技。それも見抜けないなんで、私もまだまだだよ)」

『おーっと、あれだけの猛威を振るった、プテラもピジョットの前に沈むのかー』

「いっけー、ピジョット!」

ピジョットははさっきのように羽を折りたたみ、さっきのよりもスピードをあげ、プテラに突撃してきます。

「今です!プテラ、反撃です、すてみタックル!」

『おっと、さっきまでよろめいたプテラが急に体制を整え、ピジョットに向かって、突撃していくー』

「なっ!?」

バーーーン

プテラとピジョットが激突し、両者の動きは停止しています。

943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:23:25.89 ID:aS+ir3qv0
「どっちが、勝ったの」

「……」

「……ジョット」

先に動いたのは、ピジョット。弱弱しい鳴き声を出し、そのまま、落下し、気絶しました。

「ピジョット!」

『ピジョットは気絶したー。プテラはどうだー』

「テラ!」

プテラは元気よく、鳴き声をあげ、自由に飛び回ります。

「ピジョット、戦闘不能。プテラの勝ち。よって、中野選手の勝利です!」

「ど、どうして」

「プテラはいわタイプですからね。ひこうタイプの技は威力が下がりますし」

「な、なるほど。それにしても、さっきまでのは」

「あのまま、無駄に攻撃をして避けられるよりも、正面から激突してくれた方がよかったですしね」

「え、じゃあ、さっきまで、力任せに向かってきたのは……」

「そのほうが油断するでしょ」

「す、すごいですね。さっきまで、頭に血が上ったようにしてたのも演技だったわけですか」

「ええ、まあ。……それよりも」

「それよりも?」

「さっきのを謝って下さいね♪」

「……すいません」
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:25:53.35 ID:aS+ir3qv0
『さあー、中野選手はついに2連勝だー。サファリゾーンのポケモン脱走事件を解決させた実力は本物かー。そして、いよいよ、最後の挑戦者です』

実況者の声とともに、金髪の男の人が登場しました。

「久しぶりだな。ポケモンセンターでは世話になったぜ」

「えーと、誰でしたっけ、ゆい先輩」

「さあ?」

「なっ!?お前ら……」

「なんか、怒ってるよ、あずにゃん」

「いけませんね、短気で。カルシウム取らないと」

「ねー」

「忘れたのか、ポケモンセンターで、俺の邪魔をしたのを」

「んー、なんでしたっけ?」

「あ、思い出したよ、あずにゃん」

「思い出したんですか」

「うん。あれだよ、ケンタロスに散弾銃を撃とうとして、失敗し、ジョーイさんに気絶させられた人だ」

「ああ」

「その思い出し方はどうかと思うが、まあ、そうだ」

「なんで、あなたがここに」

「決まってるだろ。ラプラスは珍しいから売れば金にもなる。あるいは賢いから随分強いだろうから、自分で使うってのもあるな」

「なっ。そんな理由で……」

「ここにいる連中なんて、似たような奴ばっかりだろ」

「……まあ、いいです。サッサと始めましょう」

「ルールは1対1。途中の回復はなしです。両者、よろしいですね」

さっきから、同じ口上を言ってるんですから、大変ですよね。

「はい」

「おう」

「それでは、両者、スタンバイしてください」

「くくく、そっちはそのガキで来るのか?」

「む、私はガキじゃないよ!」

「ゆい先輩。ちゃちな挑発に乗っては駄目ですよ」

「ではいきます。準備はいいですか?」

「はい」

「おうよ」

「それでは……」

「「「バトルスタート」」」
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:27:14.22 ID:aS+ir3qv0
「来い、エビワラー!」

エビワラー!?澪先輩と同じモンスターですか。

「よし、任せましたよ、ゆいせん……」

その時、私のモンスターボール……ハッサムのボールがブルブルと震えています。

「どうしたの、あずにゃん」

「いえ、来て下さい、ハッサム!」

「よし、任せて……えっ、サムちゃん!?」

私はゆい先輩ではなく、ハッサムを出します。思えば、ゆい先輩だけでなく、ハッサムも澪先輩のエビワラーにゆい先輩のようにボロ負けではなく、遊ばれた上での負けですからね。早く、リベンジしたいのでしょう。

「なんだ、そのガキじゃないのか」

「ええ。あなた程度に、ゆい先輩はもったいないですし」

「……舐めるなよ。エビワラー、マッハパンチで先制だ」

エビワラーはハッサムに素早く接近し、早いパンチをハッサムに繰り出します。

「サム!」

ハッサムはそのパンチを避けきれずに、まともに喰らいます。

「たいしたことないな。エビワラー、ほのおのパンチだ!」

怯んでいるハッサムにエビワラーは炎を拳にこめて、パンチを繰り出します。

「どうだ、これで終わりだ」

「……たいしたことないですね」

「なに」

「私はもっと強い、エビワラーを育ててる最高のトレーナーを知っています。あなた程度のエビワラーではハッサムには勝てません。ハッサ
ム!」

ハッサムはパンチを繰り出すエビワラーの攻撃をそのハサミで受け止めます。

「何だと!」

「サム」

ハッサムは苦痛の表情を浮かべつつも、エビワラーを押し返します。

「反撃ですよ、ハッサム。まずはでんこうせっかです!」

ハッサムはエビワラーが体勢を立て直そうとしているところに体当たりを仕掛けます。

「エビ」

エビワラーはハッサムの攻撃を受け、なんとか、立ち上がります。

「まだ、いきますよ。エビワラー、きりさくです」

ハッサムはエビワラーの胸にそのハサミで切り裂きます。

「……エビ」

エビワラーはその攻撃を受け、顔を苦痛に歪め、膝をつきます。

「トドメです!ハッサム、アイアンヘッド!」

ハッサムは鋼のような硬さを持つ頭をエビワラーに直撃させ、エビワラーは目をグルグルさせ、気絶してしまいました。

「エビワラー戦闘不能。ハッサムの勝ち。よって、中野選手の勝利です!」

「オオー、スゲー」
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:28:49.11 ID:aS+ir3qv0
「本当に3連勝しやがった」

観客のどよめきや歓声が聞こえます。

「すごいですよー、梓ちゃん、ゆいちゃん」

アンズさんも喜んでくれているようです。

「くそが!この役立たず」

金髪さんは気絶から、ようやく体を起こした、エビワラーを蹴ります。

「な、何をしてるんですか!」

「何って、教育だよ。俺はスパルタなんだ」

「スパルタって……。ただの八つ当たりじゃないですか!自分のポケモンなんですから、大切にして下さい」

「何だと!」

金髪さんは私に掴みかかろうとします……が。

「やめないか」

その手を忍者服を着た変わった人……キョウさんが掴みます。

「キョウさん!」

「やあ、梓君」

「くそが!離せよ」

金髪さんはその手を振りほどき、会場を去ろうとします。

「あ、あの、エビワラーは……」

「知るか。勝手にしろ」

そう言って、金髪さんは行ってしまいました。どうでもいいですけど、私、あの人の本名知らないんですよね。

「どうしましょうか、エビワラー」

「……エビ」

エビワラーは悲しそうにうつむきます。

「なら、私が引き取りますよ」

「あ、アンズさん」

アンズさんが私達のところに近づき、そう言います。

「でも、いいの?」

「いいもなにも、ポケモンが仲間になるのに、嫌ってことはないよ」

「それもそうだね」

私としたことが大切なことを失念していました。

「では、お願いね」

「任せなさいな。いいよね、お父さん」

「何も問題はないな」

「オッケー。じゃあ、行こうか、エビワラー。一緒に梓ちゃんを応援しよう」

「エビ!」

「その前に回復させてやれよ」

キョウさん親子はエビワラーを引き連れて、観客席に戻っていきます。
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:30:09.47 ID:aS+ir3qv0
『さーて、3連勝を果たした、中野選手はサファリゾーン園長に挑戦する権利を得ましたー。さあ、園長が入場してきます』

バーンという、火薬とともに、園長さんが入場してきます。

「やあ、中野君。前回の事件の解決はありがとう」

「え、ええ。どういたまして」

にんまりとそんなことを言ってくる園長さんに少し、調子が狂います。

「そして、3連勝、おめでとう」

「あ、ありがとうございます」

「それではルール確認です。今回は園長戦ということで、メンバーは3対3。両者、よろしいですね」

「ふむ、それでいい」

「駄目です」

「それでは、両者、スタンバ……え?」

「どうしたのじゃ、中野君」

「私は園長さんとは6対6を要望します」

「ちょ、ちょっと、中野選手……」

「ふむ、どうしてじゃ?」

「私が勝ったら、賞品の今、展示しているラプラス達を全部逃がしてあげて下さい」

私がそう言うと、園長さんの表情が変わりました。

「私に金づるを逃がせと」

「ポケモンは金づるじゃありません」

「金づるじゃよ。A○Bも金づるじゃろ」

「その人達も金づるじゃありません。……たぶん」

「……まあ、いい。じゃあ、それを受けてやる代わりにこちらにも条件を出させてもらう」

「いいですよ、何ですか?」
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:31:00.78 ID:aS+ir3qv0
「中野君のポケモンの中で、珍しく、金になりそうな、その女の子のようなポケモン……ゆい君をもらおう」

「ええっ。私!?」

「ちょ、ゆい先輩は賭けられません!」

「負けるのが怖いのかのう。まあ、受けられないなら、私も受けん」

「くっ」

たしかに、向こうの意見も間違ってはいませんが……この条件は。

「いいよ、あずにゃん」

「え?」

「私、受けるよ、その条件」

「ゆい先輩!」

「ほほう。いい度胸じゃのう」

「だって、私は信じてるもん。あずにゃんの勝利を」

「!!」

「くくく。それで、中野君はどうする?」

「……分かりました。その条件を飲みましょう」

「よし。だが、他のルールについてはどうするのじゃ。回復するかのう」

「いいえ、私は回復はいりません」

「……私も舐められたものじゃのう」

「梓君は回復を受けないのはきついな」

「どうして?梓ちゃんは強いよ」

「強くても、3戦により、相手に手の内を見せてる上に体力も万全ではない。3対3なら、回復してるのを出せばいいが、6対6ではそうもいか
ん」

「なるほど」
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:32:19.90 ID:aS+ir3qv0
「私が回復をいらないので、もう一つ条件を飲んで下さい」

「何じゃ?」

「私が勝ったら、サファリゾーンの園長を辞めてください」

「……ほう」

「ポケモンを金儲けの道具にしか見えないあなたはサファリゾーンの園長にふさわしくありません」

「言いたいことを言ってくれるのう。だが、それなら、こちらのリスクが大きいのう」

「ならば、それに加えて、園長さんが勝ったら、私を好きにしていいですよ」

「……ほう」

「ちょ、あずにゃん。それは……」

「ゆい先輩が体を張るのに私が張らないのは駄目ですからね」

「で、でも……」

「私も信じてるんですよ」

「?」

「ゆい先輩が私、いや、私達を勝利に導いてくれることを」

「……分かった。2人で頑張ろうね」

「違いますよ。2人と5匹で……皆で頑張りましょうね」

「そうだったね」

「いいじゃろう。私も独り身でのう。私が勝ったら、お嫁にでもなってもらうかのう」

「……かまいません」

「では、それでいいのかのう。もう変更は出来んぞ」

「ええ」

それにしても、自分の身体もかかってるのに随分、のんきですね。その時、観客席の方から、会話が聞こえてきました。

「でもよ、実際問題として、園長が辞めても、すぐに代わりが来るわけじゃないだろ」

「ああ。それまで、園長が業務を行うわけだ」

「梓さんだって、ずっと、ここにいるわけじゃないしな。きっと、それまで、のらりくらりとかわして、結局、園長として、居座るんじゃない
か?」

「だとすると、実質、ノーリスクだな」

「その分、園長の方が有利か」
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/18(月) 22:32:55.25 ID:aS+ir3qv0
「……」

「と、いうわけじゃよ。いまさらの変更はなしじゃよ」

「分かって……」

「待つのじゃ!」

そんな声とともに白いひげを生やしたおじいさんが、フィールドに来ました。……あの人は!?

「会長さん!」

「久しぶりじゃな、梓君にゆい君」

「あ、あなたはポケモン大好きクラブの会長。な、何をしに来たんですか」

「ラプラスを見に来たんじゃ。……それよりも、今のやり取りじゃが、安心せい。この園長の後任など、すぐに見つけてやる。だから、遠慮なく、戦うんじゃよ、梓君」

「は、はい」

「じゃ、邪魔をしないでもらいたい」

「邪魔じゃないよ。ただ、正々堂々の戦いを見たいだけじゃ。それじゃ、梓君。頑張るんじゃよ」

「はい!会長さん」

「なんじゃ」

「ありがとうございます」

「……フフ」

嬉しそうに席に戻る、会長さん。

「さあ、これで、5分と5分の勝負ですよ、園長さん!」

「いいじゃろう。私とて、小娘如きには負けん!!」

ついにラプラスや私のために頑張ってくれた人達、……そして、私を信じて体を張ってくれた、ゆい先輩のためにも負けられない戦いが始まろうとしました。
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/18(月) 22:35:33.66 ID:aS+ir3qv0
グレンタウン編@ 「ラプラス争奪戦・前編」終了
952 :!ninja [sage]:2011/07/18(月) 23:24:35.11 ID:3gPpMQ1Ho
あれ?
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/19(火) 05:23:04.88 ID:s4+bOd/J0
>>950
訂正→ついにラプラスや私のために頑張ってくれた人達、……そして、私を信じて体を張ってくれた、ゆい先輩のためにも負けられない戦いが始まろうとしました。

訂正後→いよいよ、ラプラスとゆい先輩、そして、私自身を賭けた、負けられない戦いが始まろうとしました。
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/19(火) 16:17:17.64 ID:/JZhROkgo
乙!
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 05:59:15.02 ID:tWnhOyGT0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

グレンタウン編A 「ラプラス争奪戦・後編」


956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 05:59:58.97 ID:tWnhOyGT0
今回のメンバー  ゆい ハッサム プテラ イーブイ ハクリュウ ガルーラ 

「ルールは6対6。先に相手のパーティを全滅させた方が勝ちということです。それでは、両者、スタンバイしてください」
いよいよ、負けられない戦いが始まります。き、緊張しますね。

「あずにゃん、あずにゃん」

「なんですか、ゆい先輩」

「ニコー」

ゆい先輩は私に笑顔を向けてきます。か、可愛い。

「な、なんですか、それは」

「笑顔、笑顔。こんな時でも、笑顔が大事です」

「はい?」

「ポケモンバトルは楽しいものなんだよ。笑顔で楽しまなきゃ。今のあずにゃんは苦しそうだよ」

「……」

「だから、ニコー」

「……ニ、ニコー」

「そうそう。楽しくいこう」

「ではいきます。準備はいいですか?」

「はい」

「いつでもよいぞ」

「それでは……」

「「「バトルスタート」」」
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:00:59.39 ID:tWnhOyGT0
「来て下さい、ガルーラ!」

「来い、ケンタロス」

『さあ、互いに大切なものを賭けた、この一戦。中野選手はガルーラ、園長はケンタロスを繰り出したー』

「さあ、いくぞ。ケンタロス、まずは正面からすてみタックルじゃ」

ケンタロスはそのまま、勢いよく、突撃してきます。

「ガルーラ、正面から受け止めて!」

ガルーラは突撃してくる、ケンタロスを受け止め、角を握ります……が、ケンタロスの技の威力で、体は押され続けます。

「ケンタロス、投げ飛ばせ!」

「!?」

ケンタロスは顔を下に向き、そのまま、上に振り上げ、ガルーラは上に飛ばされました。

「そんな、ガルーラの巨体が……」

「ケンタロス、ガルーラの着地地点にすてみタックルじゃ」

ケンタロスはガルーラの着地地点に思い切り、突進していき、ガルーラは再び、跳ね上がります。

「もういっちょじゃ」

ガルーラが回転しながら、落ちてくるところに、ケンタロスが再び、タックルをして、上に跳ね上げられます。それが何回か繰り返され、だんだんと、ガルーラの回転が強くなっていきます。

「そろそろ、フィニッシュじゃ。ケンタロス、ギガインパクト!」

ケンタロスはガルーラの落ちてくる場所に向かって、持てる力の全てを使って突撃し、ガルーラは今までで、一番高く跳ね上がり、回転しながら落下して、地面にめり込みます。

「ガルーラ戦闘不能。ケンタロスの勝利です」

梓  ガルーラ ひん死

園長 ケンタロス 
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:02:11.29 ID:tWnhOyGT0
「どうじゃ、ケンタロスの必殺技、ハ○○○○○○サーは」

「くっ」

「では、中野選手。次のポケモンを」

「はい」

さて、次の手はどうしますか。

「今のところ、ケンタロスに勝てる可能性が高いのは2匹いるわけですが」

「なら、それを使おうよ。そのポケモンは」

「ゆい先輩です」

「そっかー、私かー。なるほど。……って、ちょ、無理だよ、私は」

「私はゆい先輩を信じてます。ニコッ」

「うっ、まぶしい笑顔。分かった。私が出……」

「でも、ゆい先輩は切り札だから、ここはもう1匹のほうを出します」

「あ、あずにゃんの意地悪」

「まあまあ、怒らないでください」

「それにしても、さっきから、機嫌がいいね」

「だって、不謹慎かもですけど、強いじゃないですか、あの人。ワクワクしてきますよ」

「そうだね」

「中野選手」

「はい。……来て、プテラ!」

『中野選手の2番手はプテラだー。これはケンタロスの技を警戒かー』

「ふむ。戻れ、ケンタロス。来るのじゃ、ジュゴン」

「ジュゴン?」

『これに対し、園長はケンタロスを引っ込め、ジュゴンを繰り出したー』
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:04:16.15 ID:tWnhOyGT0
梓  ガルーラ ひん死 プテラ

園長 ケンタロス ジュゴン

「さあ、いくぞ。ジュゴン、れいとうビーム」

ジュゴンは冷気のビームを空を飛んでいる、プテラに発射します。

「避けてください、プテラ!」

プテラは素早く、空中を旋回する。

「くっくっくっ」

可笑しそうに笑う、園長さん。

「これではこっちが不利です」

「何で?こっちの方がまだ、有利だと思うけど」

「プテラは物理の攻撃が得意で、特殊系の攻撃はそんなに強くないんです。でも、物理の攻撃を当てるには接近しなきゃいけません。接近するということはジュゴンの攻撃を受けるリスクが高まっていきます」

「へ、へえー」

「分かってませんよね」

「……はい」

「さて、どうしたものか。ここは交代するしか……」

「でもでも、このまま、交代じゃテラ太のプライドが傷ついちゃう」

「なるほど」

ゆい先輩の意見ももっともです。

「それにテラ太なら、大丈夫だよ」

「根拠は?」

「ない!」

「そんなに自信満々に言わなくても」

「とにかく、ゴチャゴチャ考えないで、いくことが大事だよ」

960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:05:22.69 ID:tWnhOyGT0
「……なるほど。この場合はそうですね。プテラ、こうそくいどうで、ジュゴンに突っ込むんです!」

ジュゴンの周りを飛んでいた、プテラは素早い動きで、ジュゴンに接近していきます。

「よし!ジュゴン、れいとうビームじゃ!」

ジュゴンは冷気のビームを向かってくる、プテラに発射します。

『おーっと、ジュゴンに突っ込んでくるプテラにれいとうビームが命中したー。これはプテラが返り討ちにあったかー』

「このプテラが万全なら厳しいかもしれんが、さっきのピジョットとの戦いで、ダメージを受けているプテラなら、十分じゃ」

「甘いですよ。私のプテラはあなたのジュゴンの上をいきます!」

プテラはれいとうビームが命中したら、その姿が消えました。

「何!?」

『いや。命中したかと思われた、れいとうビームが貫いたのはプテラの残像だー』

「これは……かげぶんしんだと。じゃあ、プテラは……!?」

プテラはれいとうビームを当てたと思って、油断しているジュゴンの後ろに大きな口を開け、歯には電気を溜め、ジュゴンに迫ります。

「しまった!」

そのまま、プテラはジュゴンの体に噛み付き、ジュゴンは電気のダメージと噛み付かれたダメージとが重なり、苦しんでいます。

「よし!そのまま、ジュゴンを銜えて、上昇です」

プテラはジュゴンを口に銜えて、空高くまで飛んでいきます。そして、口を開き、ジュゴンを落とします。

「プテラ、落下する、ジュゴンに追撃です。すてみタックル!」

プテラは落下していく、ジュゴンの背中に落下していく速度に自分の飛行スピードを加えた突進を仕掛け、地面にドーンという音とともに激突します。

「テラ!」

プテラはその後、元気よく、空に戻ります。一方、ジュゴンは気絶しています。

「ジュゴン戦闘不能。プテラの勝利です」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ

園長 ケンタロス ジュゴンひん死
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:06:54.31 ID:tWnhOyGT0
「やりおるわい」

「どうも」

「では、次はこれじゃ。来い!サンダース」

「サンダース!?」

『さあ、園長の3番手はサンダースだー』

梓  ガルーラ ひん死 プテラ

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース

「ここは私もモンスターを交代ますか」

「テラ(俺はまだ、戦えるぞ)」

プテラはまだ戦いたそうにこちらを見てきます。

「テラ太はまだ、戦える、だって」

「んー、そうですねー」

ここはプテラの意思を尊重させましょう。

「では、プテラ。頑張って下さい」

「テラ!(任せろ!)」

「ふむ、代えないのか。だが、その判断が命取りになるぞ。サンダース、十万ボルト!」

「プテラ、避けてください!」

プテラは空をその素早い飛行で、かわします。

「空を飛んでいる分、こっちが有利です」

「それはどうかのう」

「強がりは無駄です。プテラ、アイアンヘッド!」

プテラはサンダースに向かって、その固い頭で攻撃すべく、突撃していきます。

「サンダース、十万ボルトで迎え撃て!」

サンダースは十万ボルトを向かってくるプテラに向かって、発射しますが、その攻撃はプテラをすり抜けます。

「どんなもんですか」
プテラは油断しているサンダースに向かって、口を大きく開けて接近します。

「油断はいけないのう」

「今頃、気づいても遅いですよ。また、私の勝ちです」

「ああ、そうだな。だが……それは私の台詞だ」

プテラはサンダースの背後から、噛み付くことに成功しました。……が、それはサンダースではなく、人形!?

「まさか、みがわり!?」

「今頃、気づいても遅いのう。おっと、これはお前さんの台詞じゃったか」

「くっ」

プテラは攻撃が外れたことに混乱してる横から、サンダースの十万ボルトを受け、地面に落下し、気絶します。

「プテラ戦闘不能。サンダースの勝利です」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:12:20.31 ID:tWnhOyGT0
「では、中野選手。次のポケモンを」

「はい。では来て下さい、イーブイ」

「ブイ♪」

私はイーブイを出します。

「そして、これです」

私はイーブイをかみなりのいしでサンダースに進化させます。

「ほう。ここで、同じ進化とは」

「私のサンダースの方が上ということを見せてあげます」

「わ〜。あずにゃん、かっこいいよ!」

「どうもです」

『中野選手の3番手はイーブイから進化のサンダースだー。これは園長のサンダースに対する挑戦かー』

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース

「ふん。すぐに後悔させてやるわ。サンダース、シャドーボール」

サンダースは私のサンダースに黒い影の塊を投げつけてきます。

「サンダース、こうそくいどうでかわすんです!」

私のサンダースは相手の攻撃を華麗にかわしていきます。

「また、それか。ワンパターンじゃのう」

園長さんのサンダースは再び、シャドーボールの体制になります。

「何度来ても、かわします。サンダース!」

「ダース」

私のサンダースは再び、こうそくいどうで園長さんのサンダースの攻撃をかわしにいきます。

「言ったじゃろう。同じ戦法は何度も通じんよ」
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:13:02.37 ID:tWnhOyGT0

園長さんのサンダースは黒い影の塊を私のサンダースに投げつけますが、私のサンダースはそれをさっきと同じようにかわします。

「だが、無駄じゃ」

サンダースがかわした先には園長さんのサンダースが。

「さっきのシャドーボールは囮……!?」

「終わりじゃ!」

園長さんのサンダースは黒い影の塊を私のサンダースにぶつけようとします。

「……くす」

「何が可笑しい」

「いえ。……その手で来ることは読んでました」

『おーっと、先回りした園長のサンダースがシャドーボールを放ち、勝利かと思いきや、中野選手のサンダースが不思議な光を発射して攻撃を
する、シグナルビームを先手をとって、園長のサンダースに仕掛けたー』

「何だと!?」

園長さんのサンダースはその攻撃を受け、飛ばされるも、何とか耐えます。

「サンダース!」

「ダース」

サンダースは耐えていて、まだ、反撃まで不十分な体勢の園長さんのサンダースにでんこうせっかを仕掛けていきます。

「ダス」

園長さんのサンダースはその攻撃で、倒れます。

「一気にいきますよ。サンダース、シャドーボール!」

今度はこっちの番とばかりに、私のサンダースは黒い影の塊をため、倒れている園長さんのサンダースに投げつけます。

「ダーーース」

園長さんのサンダースはそれをまともに喰らい、気絶しました。

「サンダース戦闘不能。サンダースの勝利です」
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:14:51.64 ID:tWnhOyGT0
梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース ひん死

『さあ、両者、ここまで、2対2のまったくの互角。どちらが勝つのかー』

「やりおるな、お若いの」

「園長さんこそ。こんなにワクワクした戦いになると思いませんでした」

「それは光栄じゃ」

「……そんな人がどうして、ポケモンをお金の道具に」

「人にはいろいろと事情があるのじゃよ。さあ、いくぞ」

園長さんはボールをセットします。

「来い、カイロス!」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス

『さあ、注目の中盤戦。園長さんはカイロスを繰り出してきたー』

「カイロスですか」

私の残りの手持ちはハクリュウ、ハッサム、ゆい先輩。まだ、こちらの手持ちで園長さんがわかってないのはハクリュウのみ。まだ、隠してお
きたいので、サンダースに頑張ってもらいましょう。

「サンダース、先制です。十万ボルト!」

サンダースはカイロスに電撃が迫ります。

「カイロス、まもるじゃ!」

サンダースの十万ボルトはカイロスによって、防がれます。

「今じゃ。カイロス、でんこうせっか!」

攻撃を防がれたサンダースの隙を突き、カイロスが素早く、突っ込んできて、サンダースは跳ね飛ばされます。

(上に飛ばされた。ということは……)

「カイロス、着地点に急ぐんじゃ」

カイロスはサンダースが着地する地点にドスンドスン、と向かっていきます。そして、着地点に着くと、大きくツノを広げます。

「いけ、ハサミギロチン!」

カイロスは落ちてくるサンダースをはさもうとします。

「チャンスは今しか、ありません。サンダース、かみなり!!」

カイロスがサンダースをはさむのと同時にサンダースのかみなりも直撃します。

「サッサと倒すんじゃ、カイロス!」

「頑張って下さい、サンダース!」

やがて、サンダースのかみなりも終わり、同時にサンダースをはさんでいたツノも開かれて、サンダースが落下します。

「サンダース!」

サンダースは気絶しています。

「カイロス!」

園長さんのカイロスもドタン、と倒れ、気絶しました。

「両者、戦闘不能」

『おーっと、ここで、まさかの引き分けだー』

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:16:04.08 ID:tWnhOyGT0
『ここまで、一進一退の攻防が続いています。さあ、気になる、次のポケモンはー』

「こい、カイリキー!」

「来て下さい、ハクリュー」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ハクリュー

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死 カイリキー

『園長は、カイリキーを、中野選手は、ハクリュウを繰り出してきました。タイプとしては、どちらも問題ないが果たして、どうなるかー』

「ハクリュウ、りゅうのいかりです!」

ハクリュウは衝撃波をカイリキーにむけて、発射します。

「……言っておくがのう」

「?」

「わしのカイリキーは今までのポケモンと違うぞ。いけ、カイリキー!」

カイリキーはハクリューの攻撃をもろともせずに突っ込んできます。

「リキ!」

カイリキーはそのまま、ハクリューに近づき、そのままハクリュウに抱きつきます。

「ハクリュー!?」

「さっきまでのように小細工はつかわん。そのまま、力で押し切る。カイリキー」

「リキ」

カイリキーはハクリュウごと自分を地面に叩きつけて、攻撃を仕掛けてきます。

『カイリキーはじごくぐるまを仕掛けてきたー。ハクリューは打つ手がないー』

「リュー」

「カイリキー、いくのじゃ」

「リキ!」

カイリキーは抱きついてる、ハクリューの尻尾の方を持ち、なんども叩きつけます。

「トドメじゃ」

「リキ」

カイリキーはハクリューを最後に思い切り叩きつけ、ハクリューから距離をとり、四本の拳を振って、真空の波を発生させ、ハクリューに攻撃を仕掛けます。

「リュー」

ハクリューは真空の波に巻き込まれ、後ろに飛ばされます。それを見たカイリキーは素早く空中にジャンプし、ハクリューに向かってきます。

「リキ!」

カイリキーは落下しながら、4本の強靭な拳でこん身の力を込めて、パンチを繰り出すばくれつパンチを、ハクリューに叩き込みます。

「ハクリュー!」

ハクリューはそのまま、カイリキーのばくれつパンチを受け、地面にめりこみ、気絶してしまいました。

「ハクリュー戦闘不能。カイリキーの勝ちです」

『さあ、園長のカイリキーは圧倒的な力で、ハクリューをねじ伏せましたー』

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ハクリュー ひん死

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死 カイリキー
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:17:27.37 ID:tWnhOyGT0
さて、どうしたものでしょうか。こっちは多少のダメージを負ってるハッサムとゆい先輩。相手はなかなかの強さのカイリキーとケンタロス。そして、まだ、分からない6匹目。状況は明らかに私の方が不利です。

「うーむ」

「何を悩んでいるんだい、あずにゃん。お姉さんが悩みを聞いてあげよう」

「いえ。ここはゆい先輩が3連勝してくれるのを期待して、ゆい先輩を出すか、ハッサムをまず出していこうか、どっちにしようかと」

「それはもちろん、サムちゃんだよ。私なら、3連勝なんてもちろん余裕だけど、サムちゃんにも出番をあげないとね」

「……本音は?」

「あんなの倒せるわけありません!!」

「自信満々で言わないでくださいよ……」

まあ、どっちにしろ、ここはハッサムですけどね。

『さて、中野選手は次に何を出してくるか。そろそろ、女の子のようなポケモン、ゆいを出してくるかー』

「来てください、ハッサム」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ハクリュー ひん死 ハッサム

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死 カイリキー
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:20:30.76 ID:tWnhOyGT0
『中野選手はここでハッサムだー。やはり、中野選手、ゆいを最後にもってくるあたり、全幅の信頼を置いているのかー』
「全幅の信頼だって。えへへ」
「まったく。あの実況は勝手なことばかり、言って。まあ、いいです。ハッサム、バレットパンチで先制です!」
「カイリキー、受け止めろ!」
ハッサムは弾丸のように素早く、カイリキーに接近し、パンチを繰り出すもカイリキーに止められます。
『さあ、ここで、カイリキーとハッサムの力比べだー』

「頑張ってください、ハッサム」

「このまま、押し切るんじゃ、カイリキー!」

2匹の膠着状態が続くも、さっきまでのダメージがある、ハッサムが押され始めました。

「リキ!」

「……サム!」

このままじゃ、負けちゃいます。どうすれば、いいんでしょうか。このまま、相手の力押しで負けちゃ……。

『梓さん、力が全てではありませんよ』

こで、ナツメさんに言われたことを思い出しました。そうだ、力押しが全てではないですよね。相手のカイリキーは強いですけど、私のハッサムなら。

「ハッサム、一旦、引いてください」

「サム!」

力で押されていた、ハッサムは一旦、手を離し、距離をとります。

「ハッサム、つるぎのまいです!」

ハッサムは戦いの舞を踊りはじめます。

「わー、楽しそうだね。私も踊ろう。うんたん♪うんたん♪」

ゆい先輩はどこから、カスタネットを出し、ハッサムと一緒に踊りだします。

「ゆ、ゆい先輩、落ち着いて見ていて下さい」

く、可愛いすぎですよ、ゆい先輩。

「ほーい」

「カイリキー、そのまま、力で押していけ」

カイリキーは踊っている、ハッサムに突っ込んできます。

「ハッサム、リフレクター」

ハッサムはひかりのかべをつくり、カイリキーはそれに激突します。

「今です!」
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:21:16.67 ID:tWnhOyGT0
「サム!(終わりだ!)」

ハッサムは怯んだカイリキーに自分のはさみをクロスさせ、攻撃をする技……シザークロスを仕掛けます。

「リキ!」

カイリキーも4本の強靭な拳でこん身の力を込めて、パンチを繰り出すばくれつパンチで対抗します。

バキーン

2匹の技が交差します。

「リキ!」

カイリキーの胸にエックスの文字の傷が浮かび、そのまま、気絶しました。

「サム」

ハッサムはぐらつきながらも、片手を挙げ、勝利宣言をします。

「カイリキー戦闘不能。ハッサムの勝ちです」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ハクリュー ひん死 ハッサム 

園長 ケンタロス ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死 カイリキー ひん死
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:22:22.33 ID:tWnhOyGT0
『さあ、残りは互いに2匹。まったくの互角だー。しかし、ここまでくると、最後のポケモンまで知られてる中野選手の方が不利かー』

「さて、そのハッサムも地に沈んでもらうかのう」

「多分、あの言い方だと、相手はケンタロス。まずいですね。あの技はまだ攻略法が分からないのに」

「任せてよ、あずにゃん。私にいい考えがあるよ」

「本当ですか!」

「うん。でも、口に出すとばれちゃうから、私がハッサムに伝えるよ」

「任せます」

「うん。サムちゃーん。うんたん、うんたん」

「うんたん、うんたん、言ってるだけじゃないですか」

「私の鳴き声だよ。まあ、これだと話しづらいから、日本語を覚えたんだけどね」

「なんか、信じられませんね」

「サム!(分かった!)」

「ほら、サムちゃんも納得してるでしょ」

「……まあ、今のはいいとしても、その作戦っていうのは大丈夫なんですか?」

「多分ね」

「どんな作戦なんですか?」

「それはね。ゴニョゴニョ」

「な、なるほど。でも、それは賭けに近いですね」

「私はサムちゃんを信じるよ」

「それは私もですけど、不利には違いありません。この後は頼みましたよ」

「うーん、自信はないけどね」
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:23:30.48 ID:tWnhOyGT0
「どんな対策を練ろうと、私のケンタロスは倒せんよ。そんな手負いのハッサムでは余計にな。来い、ケンタロス」

園長さんは私のガルーラを倒した、ケンタロスを繰り出します。

「さあ、行くぞ。ケンタロス、すてみタックル」

「受け止めて、ハッサム」

暴れ狂う牛の如く、突撃してくるケンタロスをハッサムは正面から、受け止めます。

『ここで、ハッサムとケンタロスの力比べだー。勝つのはどっちだ^』

「力比べなら、私のハッサムも負けませんよ」

「万全な状態ならな」

「!?」

「サム!」

ハッサムは一瞬くらっとよろめき、ケンタロスが押し勝っています。

「さっきまでのダメージで……」

「いいぞ、ケンタロス。さあ、そのハッサムにトドメじゃ」

ケンタロスは角を上に振り上げ、ハッサムを上に飛ばします。

「ケンタロス、ハッサムの着地地点にすてみタックルじゃ」

ケンタロスはハッサムの着地地点に思い切り、突進していき、ハッサムは再び、跳ね上がります。

「もういっちょじゃ」

ハッサムが回転しながら、落ちてくるところに、ケンタロスが再び、タックルをして、上に跳ね上げられます。それが何回も何回も繰り返さ
れ、だんだんと、ハッサムの回転が強くなっていきます。

「そろそろ、フィニッシュじゃ。ケンタロス、ギガインパクト!」

ケンタロスはハッサムの落ちてくる場所に向かって、持てる力の全てを使って突撃しにきます。

「どうじゃ、私のケンタロスには勝てまい」

「……まだ、分かりませんよ」

「何?」

「勝負は最後まで、分かりませんよ」
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:25:02.65 ID:tWnhOyGT0
ケンタロスはハッサムの落ちてくる場所に向かって、持てる力の全てを使って突撃し、ハッサムと激突します。そして、ハッサムは今までで、一番高く跳ね上がります。

「ふん。これで終わりじゃ」

「それはどうですかね」

「ギャーーーーーーー」

ケンタロスは叫び声をあげます。その中で、ハッサムは回転しながら落下して、地面にめり込みます。

『おーっと、園長のケンタロス。突然に片方の角が砕けて、苦痛の声を上げるー。何があったんだー』

「い、一体何が。……ま、まさか」

「そうです、私のハッサムです」

「く。しかし、一体どうやって」

「ハッサムがケンタロスの攻撃で上に飛ばされるたびにその角にパンチを当ててたんです。どんなに硬いものでも、何回もそれも大きなダメージを与えていけば、いずれはその角も砕けますからね。それにケンタロスの攻撃のおかげで、落下の力も借りることが出来ましたしね」

「くっ」

「まあ、私が考えたわけじゃありませんが」

「考えたのは、私だよー。あずにゃん、褒めて、褒めて」

「はいはい、良く出来ましたね」

私はゆい先輩の頭を撫でます。

「えへへ」

「だが、お前のハッサムとて、無傷とはいくまい」

「それも賭けですよ。ハッサムの体力が無くなるか角が砕けるのが先か」

「まあ、角は砕けても、私のケンタロスの勝ちだがな」

「まだ、終わってませんよ」

地面にめり込んでいた、ハッサムは顔を引っこ抜き、よろよろしながらも立ち上がります。
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:25:48.18 ID:tWnhOyGT0
「な、何だと。だが、次で終わりだ。ケンタロス!」

ケンタロスは怒りの眼で、ハッサムを睨み付け、ハッサムに突撃してきます。

「サム」

ハッサムは腕をクロスさせ、ケンタロスの突撃に自らも向かいます。

「いくのじゃ、ケンタロス。ギガインパクト!」

「ハッサム、シザークロスです!」

ガッシーン

先ほどのハッサムとカイリキーのように、ハッサムとケンタロス両者は交差します。

「ギャーー」

ケンタロスの胸にエックスの傷が出来て、気絶します。

「やりましたよ、ハッサム!」

「わーい、わーい」

「ケンタロス戦闘ふ……ん?」

審判が宣言しようとした時、ハッサムはバタッと倒れて、気絶しました。

「サムちゃん!」

「ハッサム!」

『おっと、ケンタロスを苦戦の末に倒した、ハッサム。ここで力尽きたー』

「……ハッサム、ケンタロス戦闘不能。この勝負は引き分けです」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ハクリュー ひん死 ハッサム ひん死 

園長 ケンタロス ひん死 ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死 カイリキー ひん死
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:26:31.55 ID:tWnhOyGT0
『さあ、いよいよ、最後の戦いだー。最後のポケモンは中野選手はゆいを使ってくるだろうが、対する、園長は何を使ってくるのか』

「いよいよじゃな」

「ええ」

「中野君は最後の私のポケモンを知らない。だから、先に出してやろう」

「まあ、出してもらっても、私が出すのは決まってますけどね」

「ふん。来い、カイリュー」

「カイリュー!?」

『園長が最後に出した、ポケモンはカイリューだー。さあ、これに対して、ゆいがどう戦うのかは見物だー』

「中野選手も次のポケモンを」

「はい。さあ、頑張りましょう、ゆい先輩」

「うん!私、頑張るよ。ここまで、頑張ってくれた、皆のためにも」

『泣いても、笑っても、最後の戦いが今、始まります』

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ハクリュー ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

園長 ケンタロス ひん死 ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死 カイリキー ひん死 カイリュー
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:27:28.19 ID:tWnhOyGT0
「さあ、サッサと決めるよ」

「させるな、カイリュー、しんそくだ」

カイリューはものすごい速さでゆい先輩に迫ってきます。

「ゆい先輩、お得意の回避を見せてください!」

「別に得意ってわけじゃないんだよねー。疲れるし」

と言いつつも、ゆい先輩は横にダイブし、その攻撃をかわします。

「さて、あらためて、 ゆいちゃん真拳究極奥義『ゆいちゃん☆めんこ』」

そんな声とともに、大きいカードがフィールドに落ちてきます。

「この奥義は表にしたカードの能力を一定時間使うことが出来るんだよ」

「カイリュー、サッサと潰すんだ。ドラゴンダイブ!!」

カイリューは私にも感じるくらいの殺気を放ちながら、ゆい先輩に突っ込んできます。

「ひゃー、怖いよー。早くしなきゃ」

ゆい先輩はパンッと地面にめんこを叩きつけ、一枚のカードを表にします。そのカードには『秋山 澪』と書かれていました。

「きた、澪ちゃんだ」

嬉しそうにゆい先輩は言うと、いきなり、耳を手を当て、しゃがみ始めました。

「な、何をしてるんですか、ゆい先輩」
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:28:12.39 ID:tWnhOyGT0
「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイ」

ゆい先輩はそんな風にしゃがんで呟いています。そんな中でも、カイリューは突っ込んできます。

『おっと、カイリューに向かって何かが飛んでくるぞー』

実況の声を聞いて、そっちの方を見ると、『ミエナイキコエナイ』の文字がカイリューに迫ってきます。

「リュー!?」

カイリューの体に『ミエナイキコエナイ』の文字が叩き込まれます。

「リュー」

カイリューのみぞおちにそのうちの1つが命中し、膝をつきます。

「今だ!」

ゆい先輩はいつの間にか、メイド服に服装を変えています。

「いっくよ〜。『萌え萌えキュン』」

と言いながら、手をハート型にし、そこから、ビームのようなものが出て、カイリューに直撃します。

「リューーーーー」
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:28:59.39 ID:tWnhOyGT0
「さあ、次だよ〜」

ゆい先輩はパンッと地面にめんこを叩きつけ、一枚のカードを表にします。そのカードには『田井中 律』と書かれていました。

「次はりっちゃんだ」

「このままじゃ、まずい。カイリュー、一旦距離を……」

「させないよ!くらえ、デコフラッシュ!」

ゆい先輩はおでこをカイリューに向けます。

「リューー」

カイリューは目を押さえて、よろめきます。

「チャンスだね。くらえ、カチューシャブーメラン!」

ゆい先輩はカチューシャをブーメランのようにカイリューに向けて投げつけます。そして、そのカチューシャはカイリューの足や体を切り裂きます。

『ここまで、カイリューを寄せ付けないゆいー。なんていう強さだー』
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:29:58.68 ID:tWnhOyGT0
「さあ、次だよ〜」

ゆい先輩はパンッと地面にめんこを叩きつけ、一枚のカードを表にします。そのカードには『琴吹 紬』と書かれていました。

「さてと。まずは……」

ゆい先輩は自分の(いつの間にそうなったのかは分かりませんが)眉毛をとって、カイリューに向かって、飛ばします。

「さあ、いくよ。沢庵ブーメラン」

黄色の眉毛(?)はカイリューの体を引き裂いていきます。そして、ある程度のダメージを与え、ゆい先輩の手元に戻って来ます。そして、それをゆい先輩は口に放り込みます。

「うまい!」

「って、何を食べてるんですか」

「あずにゃんも食べる?」

「遠慮しておきます」

「さて、まだまだ、いくよ」

ゆい先輩はカイリューの後ろに回り、尻尾を掴みます。

「しゃらんらしゃらんら」

そう言いながら、カイリューを投げ飛ばします。
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:30:28.71 ID:tWnhOyGT0
「な、なんていう強さだ」

「あのカイリュー相手に」

「あんな小さい女の子みたいなポケモンが」

会場がざわめきます。私自身が観客でも、そう感じるでしょうが。

「まだまだ、私の攻撃は終わらないよ」

「もう、これ以上、好きにさせるのはまずい。カイリュー、げきりんじゃ」

カイリューはあばれまくって、攻撃を仕掛けに来ます。
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:31:19.93 ID:tWnhOyGT0
「さあ、次だよ〜」

ゆい先輩はパンッと地面にめんこを叩きつけ、一枚のカードを表にします。そのカードには『中野 梓』と書かれていました。

「きた、あずにゃんだ」

「ものすごく今更ですけど、どうして、めんこの能力がポケモンではなく、澪先輩達なんですかね?」

「まあ、細かいことは気にしない」

「リュー」

そんなことを話している間にカイリューは突っ込んできます。

「さあ、いくよ」

ゆい先輩はどこからか、取り出した、ネコミミを頭につけます。そして

「ミャー」

と、最初に出会って、私がさせられたように猫の鳴き真似をします。

「リュー」

カイリューは目をハートマークにし、息を荒げます。……不本意ではありますが、気持ちは分かります。
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:33:02.83 ID:tWnhOyGT0
「今だ、ネコパンチ!」

ゆい先輩はカイリューのおなかに拳を叩き込み、フィールドの外まで、飛ばします。

「さて……いよいよ最後だよ」

ゆい先輩はギターを構えます。

「今までの技のもう1つの効果……技を発動していく度にエネルギーが溜まっていく。それを使うことで、強力なビームを発射できる。くら
え、ゆいちゃん真拳究極奥義『ゆいちゃん☆レーザー』」

ゆい先輩のギターから、強力なビームが発射されます。

「カイリュー、こちらも迎え撃つんじゃ。はかいこうせん!」

カイリューは強い光線をゆい先輩に向けて発射します。お互いの光線が激突し、膠着状態になります。

「このままじゃ、負けちゃう。ここは威力をあげようかな」

「待って下さい。まだ、威力があがるんですか?」

「まあ、厳しいけどね」

「なら、私が指示しますから、その時に威力をあげてください」

「分かった。あずにゃんを信じるよ」

「ありがとうございます」
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:33:40.44 ID:tWnhOyGT0
ゆい先輩のビームとカイリューの光線の威力が拮抗しているのか、なかなか、状況は動きません。

(ただ、それでも……わずかな可能性かもしれませんがあります。チャンスが)

「リュー!?」

カイリューはいきなり、膝をつきました。

「ど、どうしたんじゃ、カイリュー」

「さっきまでのゆい先輩のダメージが蓄積した結果です。今です、ゆい先輩!!」

「任せて〜」

ゆい先輩は残りの力をビームに込め、威力をあげます。そして、膝をついて、隙を見せた、カイリューにゆい先輩のビームは命中し、フィールドの外の壁まで飛ばされ、壁にめり込み、気絶しました。

「カイリュー戦闘不能。ゆいの勝ちです。よって、中野選手の勝利です」

梓  ガルーラ ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ハクリュー ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

園長 ケンタロス ひん死 ジュゴンひん死 サンダース ひん死 カイロス ひん死 カイリキー ひん死 カイリュー ひん死
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:34:38.35 ID:tWnhOyGT0
『ついに長かった戦いにも終止符が打たれたー。勝ったのは中野選手だー』

「すごいですよー、梓ちゃん」

アンズさんが駆け寄ってきます。

「あずにゃ〜ん、私頑張ったよ〜」

ゆい先輩も駆け寄ってきます。

「やれやれ、クチバシティの時よりもはるかに強くなってるのう」

「あ、会長さん」

「まさか、あの園長が負けるなんてのう」

「知り合いなんですか?」

「まあのう」

会長さんは園長さんに近づいていきます。それに私達もついていきます。
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:36:12.30 ID:tWnhOyGT0
「……まいった、まいった。まさか、ここまで、強いとはのう。まあ、約束じゃ。私は園長を辞めよう。会長よ、代わりの園長とやらは誰じゃ」

「……それはお前じゃよ」

「は?」

「お前が金にがめつかったのはサファリパークでの莫大な借金を返すためじゃろ」

「そ、そうだったんですか」

「……」

「私が全てはさすがに無理じゃが、援助をしてやる」

「……」

「どうしたんじゃ?」
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:37:06.91 ID:tWnhOyGT0
「……無理じゃな」

「無理とな」

「借金を返すためとはいえ、ラプラス達にひどいことをしたのは事実じゃ」

「……じゃが、ラプラス達を逃がせば、それで……」

「他の理由もある。まあ、それは中野君のせいじゃな」

「わ、私ですか!?」

「ああ。私はお前さんと戦って、年甲斐もなく、また、お前さんに挑戦したくなったんじゃよ。これから、修行の旅じゃ」

「……まったく、お前さんは」

「中野君よ」

「は、はい!」

「ポケモンリーグで優勝するんじゃよ。そして、そのチャンピオンを最初に倒すのは私じゃからな」

「……楽しみに待ってます」
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:37:37.21 ID:tWnhOyGT0
セキチクシティ・海岸

私とゆい先輩はラプラス達を連れ、海岸に来ました。

「さあ、もう2度と捕まっちゃ駄目だよ」

「ラプ」

「バイバ〜イ」

ゆい先輩は小さい体を大きく揺らし、手を振ります。

「さて、どうしましょうかね。やっぱり普通に船でグレンタウンに行きますか」

「それが一番だけどね〜」

「ラプ」

私達が一旦、その場を離れようとすると、ラプラスの鳴き声が聞こえてきました。
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:38:35.53 ID:tWnhOyGT0
「どうしたんですか?」

「ラプラプ」

「あなた達のおかげで、たくさんの仲間達が救われました。その恩返しをさせて下さい、だって」

「でも、いいんですか、あなたは」

「ラプラプ」

「あなた達なら、優しくしてくれるでしょうから、大丈夫だって」

なんか、そう言われるのは照れ臭いですけどね。

「それじゃ、遠慮なく……」

私はラプラスにボールをぶつけ、ラプラスをゲットします。

「やったね、あずにゃん!」

「はい!これで、グレンタウンにいけますね!」

「今から、行くの?

「今からはさすがに……」

もう、夕方ですしね。
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:39:54.53 ID:tWnhOyGT0
「梓ちゃーん」

「あ、アンズさんに会長さん」

「一緒に食事でもどうじゃ。今日のお祝いということで」

「え、えーと、どうしましょうか」

「私はいいよー」

「じゃあ、いいですよ」

「私もいいですかー」

「もちろんじゃ。まあ、あんまり高いものは勘弁じゃがな」

私達、4人は夕日を背にレストランに向かいました。
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:41:07.60 ID:tWnhOyGT0
グレンタウン編A 「ラプラス争奪戦・後編」終了

989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 07:00:53.29 ID:tWnhOyGT0
次スレ

ポケットモンスターゆい その2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311199108/
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 07:25:58.28 ID:cFMteZTDO
乙!!

次スレも楽しみにしてるよ〜
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/21(木) 23:02:39.25 ID:VX3RjySJo
乙〜
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/24(日) 03:18:25.13 ID:Hjbm+mGt0
埋め
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/27(水) 22:06:58.77 ID:i+tPqULjo
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