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佐天「お願いだからもう一度笑ってよ、初春」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Q6k84.HS/AtK :2011/05/17(火) 21:21:04.63 ID:+X5THQGDO
――

「ねぇ、初春……」

私の名前は佐天涙子。
ちょっと特殊な街にいてちょっと特殊な能率使えること以外はどこにでもいる平凡な高校生だ。

私には親友がいる。

「………」カタカタカタカタ……。
彼女の名前は初春飾利。
私にとってかけがえのないただ一人の親友である。
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:22:02.73 ID:+X5THQGDO
……私にとって、は。

二年前に私を地獄のような苦しみから助け出してくれた。
幻想御手、という悪魔の契約のような道具を使った私を彼女は助け出してくれた。

それは感謝してもしきれないし二年前の初春だからこそ助けてくれたのだと思う。

――だけどそれはあくまで二年前の話。
現在の彼女はといえば――。

「……またブラクラかよふざけんなよちくしょう『>>128[ピーーー]』っと……」カタカタ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:22:47.51 ID:+X5THQGDO
「……」

端的に言うと彼女、初春飾利は堕ちていた。 廃人、ニート、引きこもり、クズ……言い出したらきりがない。

「マジでふざけんなよ!![ピーーー]!!」ガタガタッ!!

「……っ!!お、落ち着きなよ初春……」

「……いたんですか、佐天さん」

今の彼女の格好はずっとパジャマだった。

しかし一応ちゃんと風呂に入り洗濯などはしているようだ。

私は今、初春の寮の部屋にいる。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:23:21.00 ID:+X5THQGDO
しかしどうやらヘッドフォンで大音量で何か聞いていたようで、さっきまで私の存在に気づいていなかったようだ。

この部屋も二年前とは随分と変わった。

何やら湿っぽいしカーテンも閉めきっているため薄暗い。

部屋の真ん中にはパソコンが置いてありその前で初春はパソコンに向かって座り掲示板を見ているようだ。

パソコンをおいてあるテーブルの周りには沢山のフィギュアが並んでいる。

部屋の壁には何か切り刻んだような傷がいくつも付いていた。

そしてその傷は壁だけでなく良く見たら初春の腕や首元にも同様にいくつか付いている。

「……ってまた新しい傷が増えてる……初春、またやったの?」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:23:46.84 ID:+X5THQGDO
「……あなたには関係ないです。」

リストカット。

俗にそう言われる行為を彼女は頻繁に行っていた。

「……[ピーーー]よ二コ厨が。巣に帰れ」カタカタ

「……あのさ、初春。今日学校でさ、」

「なんだこいつ、煽り耐性0かよ……すぐファビョりやがって」カタカタ

「先生がね、最近初春の様子はどう?って尋ねてきたの」

「ちっ、つまんね。直接ハッキングしてデータ抽出してやるか?」カタカタ

「で、私はとりあえず初春の寮を訪ねたらどうですか?って……」

「……しまった、……あぁぁぁあああああああああ〜っっ!!!!ふざけんな、ふざけんな、ふざけんな、ふざけんな!!いやぁぁぁあああああああああああああああああ〜!!」ガンガンッ!!

「……!!う、初春!!落ち着いて!!ねぇ、初春!!」

「……はぁ……はぁ……」

「ど、どうしたの?」

「……やられました。向こうに逆にこっちのデータを抽出されて……向こうが一枚上手だったか……」ブツブツ

「う、初春が情報操作で負けた……?」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/17(火) 21:23:57.96 ID:gGh6+F/Go
メ欄にsaga(佐賀)を入れると[ピーーー]が防げるよ
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:24:55.60 ID:+X5THQGDO
「負けてないです!私が負けるなんて有り得ません!!ちょっと油断しただけです!!」ドンドンッ

「そ、そうだよね!ご、ごめん初春、落ち着いて!!」

「糞がっ、こいつには絶対に百倍にして仕返ししてやります……[ピーーー]、[ピーーー]」

「……でさ、初春。今日学校の先生がここに来るからさ、」

「……」ピクッ

「だから、せめて服に着替えて……それから肌に付いた傷は隠したほうが……」

「何勝手な事、してるんですか……」

「いや、だって先生が本当に初春の事を心配してて……」

「……もし万が一、先生がまた私を研究所に連れていったらどうするんですか……また私の体中に良く分からない注射を打ち込まれて……考えただけでも……そんな……」ブルブル

「お、落ち着いて初春……。今日くる先生は中学の時から良く知ってる醍醐先生だからそんな研究所の人間とかじゃ無いから……」

「そんなの、分からないじゃないですか……ここは学園都市なんですよ……醍醐先生の外見をコピーする事なんて容易なんですよ……はっ、もしかしたらあなたも佐天さんのフリをした研究所の連中なんじゃ……!!嫌です!!近付かないでください!!」ガタガタッ

「落ち着きなって初春!!私は私だよ、ほら!!私の目を見て!!」

「嫌です!!信じません!!」

「…っ!いい加減にしなよ初春!!」

「っ!!」ビクッ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:25:33.78 ID:+X5THQGDO
「こんなの……こんなの私の知ってる、私の望んでる初春じゃないよ!!いつも笑っていて、甘い物が大好きで、何処か抜けてて、でもそれが可愛くて、それでいていざという時には頼りになって、正義感が強くて、風紀委員の情報処理で白井さんをバックアップしてて、能力はレベル1で……私の唯一絶対の親友で……こんなの…」

「……」

「こんなの私の知ってる初春じゃない!!あの可愛い初春は何処に行ったの!?ねぇ!!」ドンッ!

「さ、佐天さ……」

「ほら、あんたこの腕章……風紀委員の腕章。まだこの部屋に置いてある……もうボロボロだけど、初春はまたあの輝かしかった頃の自分に戻りたいんじゃないの!?」

「……」

「ねぇ…初春……。この花飾りも……まだちゃんと付けてるじゃない。覚えてるでしょ、初春。私の花飾りの花は初春が親友の証として私にくれた物なんだよ?」

「それは……」

「お願いだから……また笑ってよ、初春……。」

「……それは、」

「初春……」

「それは、出来ません……。笑う方法なんてもう忘れちゃいましたから……」

「……そう」

「……」

その言葉を最後に二人とも押し黙ってしまった。

それでいて気まずいわけでもない、しかしとてつもなく重い空気を感じた。
フッと気を抜くとこの重圧に押し潰されそうになる。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:36:29.72 ID:+X5THQGDO
そしてこの静寂を突き破り初春の寮のインターホンが部屋に鳴り響いた。

「……はっ、まさか研究所の連中がここを突き止めて…!か、隠れてください佐天さん!!」

「だから落ち着いて初春!!ほら、醍醐先生だから……」

「……」ガクガク

初春は布団にうずくまってブルブルと震えていた。
とてもじゃないが風紀委員の頃の初春の面影は最早微塵も感じられなかった。

「……はぁ、代わりに私がでるよ、初春…」

「だ、駄目です!!奴らこんなにも早く私のセキュリティを突破してくるなんて……」

「いや、だから醍醐先生だってば……」

「嫌……来ないで……嫌ぁ」

「……こっちです、醍醐先生。」

「こんにちは、初春さん。」

「……」ガクガクガクガク
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:42:16.65 ID:+X5THQGDO

一応醍醐先生本人だということを認識したらしく、初春は多少の警戒心を解いて多少落ち着きを取り戻したようだ。

「久しぶり、かな。元気にしてるかな?」

「ふ、ふぅー、ふぅー」ブルブルブルブル

しかしまだ布団にうずくまったままで息を荒げながら震えていた。

「春上さん、元気にやってるよ?でさ、春上さんも初春さんに久しぶりに会いたいって言ってたよ?」

「は、春上…さん……?」

「……ほら、覚えてない?二年前君と一緒にこの部屋で同居してた子だよ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/17(火) 21:49:05.81 ID:+X5THQGDO

「春上…衿衣…」

「そう、春上衿衣さん。彼女、初春さんにとても世話になったから今度改めてお礼がしたいって……」

「……」

「どうかな?彼女の事、思い出してきた?」

「……駄目です、覚えてません……」

「そう、か…」

どうやら初春は春上さんの名前だけは覚えていたようだ。

しかし彼女の姿形は愚か、どんな人物だったかは全く覚えていないらしい。



――初春飾利がどうしてここまで壊れてしまったのか。


それは二年前の秋頃に遡る。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/05/17(火) 22:15:58.24 ID:nmz/ip3E0
期待
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/17(火) 22:23:40.96 ID:WjPLuIzAO
期待
完結してね
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/17(火) 22:48:02.86 ID:+X5THQGDO
とりあえず今回はここまでです。

また深夜に来るかもしれません。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/17(火) 23:56:25.70 ID:9fvqt2/AO
期待
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 00:11:38.32 ID:UMY6eEyv0
ていとくんか
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/05/18(水) 00:17:35.69 ID:AIDtoFjSo
期待!
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/05/18(水) 01:17:14.23 ID:zFwyFYgSo
面白そうだ

楽しみにしてる
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 02:17:24.14 ID:UEeh3Bolo
これは面白いな。続きが楽しみだ。期待してるよ〜
20 : ◆Q6k84.HS/AtK :2011/05/18(水) 04:03:51.69 ID:VL1oSMeDO
こんばんは。

短いですが少し投下します。
21 : ◆Q6k84.HS/AtK :2011/05/18(水) 04:04:30.03 ID:VL1oSMeDO
二年前の10月9日にそれは起こった。


――
(……どうして…)
初春飾利はついさっきまで最終信号と呼ばれるアホ毛ちゃんと一緒に迷子を探していた。

そのはずなのに。


初春飾利はいつ殺されてもおかしくない状況にいた。
圧倒的な暴力を初春はただ受ける事しか出来なかった。

「あの子は、あなたが絶対に見つけられない場所にいる、って言ったんですよ。嘘を言った覚えは……ありません」

できるだけ人を馬鹿にしたように、舌まで出して彼女は言った。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 04:04:55.54 ID:VL1oSMeDO
学園都市第二位である垣根帝督はしばし無言だった。

「……いいだろう」

そして、この時。

「俺は一般人にゃ手を出さないが、自分の敵には容赦をしないって言ったはずだぜ。それを理解した上で、まだ協力を拒むって判断したのなら、それはもう仕方がねぇ」

この選択が、彼女の運命を大きく変える事になった。

「だからここでお別れだ」

ブォ!!という風圧に初春は思わず涙を溜めた目をつぶった。 今の彼女には、それぐらいの事しか出来なかった。

垣根帝督の足が初春の頭目掛けて思い切り踏み出した。

「……っ!!」

彼女にはこの時、時間の流れが酷くゆっくりに感じられた。

(……これ、は……)

その時、彼女の目の前で目まぐるしく初春が生まれてからの記憶が流れるように再生されていた。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 04:05:30.49 ID:VL1oSMeDO
(……そうか、これが、走馬灯……私、死ぬのかな……)

初春は怖かった。
だがその恐怖心を一瞬で吹き飛ばすビジョンが彼女の目に映った。

(……佐天さん。もう一度、会いたいな……)

そう考えながら彼女は笑っていた。

そして彼女の目に佐天の笑顔が映った瞬間――グシャリ、と頭に重い衝撃を受けた。

(……あっ、)
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 04:06:05.73 ID:VL1oSMeDO
「くっく……あははははははははは!!あっけねぇなぁ、人間てなぁよぉ……。」

初春の頭から血がドクドクと溢れ出すのを確認すると垣根は足をどかしてからもう一度、初春の顔……右目の辺りをサッカーボールを蹴るかのような気軽さで蹴り飛ばした。

「さて、と……」

垣根が初春から視線を上げた瞬間、垣根帝督はその場から一瞬で姿を消した。
否、正確には垣根帝督は何かに物凄い勢いで吹き飛ばされた。

傍目から見ればそれは銀行のATMに見える。

「……ったく、シケた遊びでハシャいでンじゃねェよ、三下。」
アクセラレータ
白熱し、白濁し、白狂した『救世主』は少し遅れて登場した。

「ムカついた。テメェも死刑決定だ、第一位。」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 04:06:35.47 ID:VL1oSMeDO

そして垣根帝督が背中から翼を生やしどこかへと飛んでいくのを野次馬が確認するとハッと我に返り、すぐさま救急車を呼び出した。

(……)
初春は完全に気を失っており、一刻も早く病院へ運ばないと危険な状態であった。

「おい、急げ!!早くしろ!!」

救急病院へ連絡してから約5分後、救急車が初春の元へ到着した。

「風紀委員第一七七支部、柵川中学一年初春飾利……身元確認取れました。」

「よし、急いで運ぶぞ!せーの!!」

男の隊員二人が初春を担架に乗せ、救急車へと運ぶ。

そして初春はそのまま病院へと搬送された。




「……ういは、る……?」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 04:14:47.32 ID:VL1oSMeDO

――

「……初春。ねぇ、初春……」

「……ん……」

初春はよく聞き知った声を聞き、目を覚ました。

「佐天……さん……?」
まだ視界がフラフラとしていて焦点がハッキリとしない。

「初春――!!初春!!良かった、気が付いたんだね!!」

そして佐天は初春が起き上がるのを確認した途端、初春に抱き着いた。

「もう、心配かけさせないでよ……あんた一週間も眠ってたんだから……」

「……佐天さん…」
抱きしめられ、彼女の温もりを感じながら、佐天が泣いているのを初春は確認した。

「もう、大袈裟何ですから佐天さんは……」

「だって……初春……」グスッ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 04:39:35.68 ID:VL1oSMeDO
ヤバい、ここに来て睡魔が……。

そろそろ限界ですので一旦区切りますね。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/05/18(水) 05:41:16.29 ID:AIDtoFjSo
おつ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/18(水) 07:57:23.76 ID:Dgeaa0DAO

続き気になる
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 08:11:26.84 ID:6PXY+BoP0
学園都市の闇を見てしまったのかと思ったけど、違うのか
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/05/18(水) 08:31:43.88 ID:tnPysvnv0
おっつおつ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/05/18(水) 08:40:33.31 ID:W16RRC4o0
新約の挿絵を見る限りこれは完全なパラレルなんだろうな
超期待!!!
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 09:19:58.76 ID:YXHDkdBbo
超電磁砲組以外に対して対人恐怖症気味になった……とか?
ともあれ期待
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/05/18(水) 09:59:46.85 ID:VijG/Nn/o
おもしろい
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:09:47.10 ID:VL1oSMeDO
レスありがとうございます。

書き忘れましたが僕は初春が大好きです。

では再開します。

基本的に書きながらの投下になりますのでのんびりとお待ちください。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:10:26.00 ID:VL1oSMeDO
「もう、あんまり無茶しないでよね、初春……」

佐天は初春が目を覚ましたのを確認し、安堵していた。

「大丈夫ですよ、佐天さんが助けてくれますから……」

「初春……」

と、ここで初春はさっきから感じていた微妙な違和感が一段と大きくなって……

「……あれ?可笑しいな、私……右側の景色が……」

それは確信に変わる。

「……実はさ、言いにくいんだけど初春の右目は……もう……」

「……右目が、見えない……?」

初春飾利は、右目から光が消えていた。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:10:51.63 ID:VL1oSMeDO
――

「初春の右目はもう治らないんですか!?」

「……はい。私達も最善は尽くしました。……しかし残念ながら恐らく彼女の右目にもう光は戻らないかと……」

「そんな……」

「何か外部から非常に大きな衝撃を与えられたようです……この傷痕から察するに恐らく力一杯、それも男が蹴ったんでしょう……」

「……」

「…傷はとても深くまで負っていて、右目の視神経まで完全にやられてます。もうこうなってしまっては我々にはどうにも……」

「そう、ですか……」

――

「……そんな……」

「それでも、初春が生きていてくれただけでも……私は……」

「……でも、他には何も悪い所は無いんですよね?」

「え?」

「だったら、大丈夫ですよ。また皆で集まって遊んだりしたいですね……」ニコッ

「初春……」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:11:17.59 ID:VL1oSMeDO
彼女はとても無理して笑っていた。佐天にはそれがすぐに分かった。

いくら目が人間には二つあるとはいえ、体の一部…それも映像を脳に伝える部位が破壊されてしまったのだ。

そのショックはかなり大きい筈だ。

「……一度失った物はもう二度と取り戻せない…」

「…初春?」

「いえ、何でも、無いです。」

「初春……」

「何でも……」

それから彼女は何処か遠い所を眺めるような、悲しい目をして窓の外を残された左目で眺めていた。

「……」

しかし初春が右目を失明したとはいえ、佐天は彼女が目を覚まし、話せる程度まで回復しているのを見て心底安心している。

死んでいてもおかしくないくらいの深い傷を負ったのだ。

それに致死量ぎりぎりの出血量だったにもかかわらず彼女がまだ生きている。
それだけでも――充分だ。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:11:48.48 ID:VL1oSMeDO
まだ初春の心筋は止まっていない。

彼女の良く知っている可愛くて正義感の強い初春飾利。

――しかし現実は甘くない。

「……っつぁ……?」

「……初春……?」

「ぐっ……くはぁっ……はぁっ、はぁっ、」

「ねぇ初春?大丈夫?苦しいの?」

「はぁっ、はぁっ、……だ、大丈夫です……うがぁっっ!!」

「ちょっと、初春!!ナ、ナースコール!!」ビーッ

――垣根帝督は初春にとんでもない置き土産を残して行った。


「どうかしましたか?」

「せ、先生!!初春が!!」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:12:13.76 ID:VL1oSMeDO
「くっ……うう゛う゛ぅぅう………」

「これは……」

初春の肌が酷く紅潮し、ダラダラと体中から発汗しながらうなされている様子を見てただ事でない事を察知し、院内の看護師数名に連絡を取り、すぐに集まるよう命じた。

「大丈夫ですかー。私の声が聞こえてますか?」

「あ……あづぅぃ……体が……はぁはぁ……うぐぅっ……」

「ちょっと失礼しますよ」
看護師はあくまで冷静に初春の肌に触れて体温を把握する。

「……つ、冷たい……?」

「はぁ……はぁ……」

しかしさっきとは打って変わり、初春の体温がいきなり急に下がっていく。

(……というよりもこれは下がりすぎて……)

「う、初春……」

「初春さん。大丈夫ですか、初春さん。気をしっかり持ってくださいね。」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:12:49.43 ID:VL1oSMeDO
あくまで冷静に……淡々と初春に呼び掛ける。

(……これは一体どういう…)

「大丈夫?ねぇ、初春……死なないで、お願いだから……生きてよ、初春…」
佐天がそっと初春の手を両手で包み込む。
(……つ、冷たい……)

佐天は思わずあまりの冷たさに驚いた。というよりいくらなんでもこれは冷たすぎである。

下手をしたら触っている手が霜焼けになりそうな……
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:18:28.32 ID:VL1oSMeDO

「はぁ……はぁ……くぁぁあああっ……!!」

「初春!しっかりして!!」

佐天の初春を握る手により一層力が篭る。

「心拍数の上昇がおかしいわね……しっかりしてください!!」

と、そこへさっき呼び出したであろう看護師数名が部屋に入って来た。

「急いで下さい!!この子、かなり危険な状態に……」

「……待て、いいから今すぐその娘……初春かざりんら離れるんだ……」

「……え?」
彼の口からは信じられない言葉が飛び出した。

苦しんでいる患者がいるというのに、それを見過ごせというのか?

そんなこと、出来るはずがない。

……しかし。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:26:38.92 ID:VL1oSMeDO
ミス。
×「……待て、いいから今すぐその娘……初春かざりんら離れるんだ……」
○「……待て、いいから今すぐその娘……初春飾利から離れるんだ……」




「……いいか、落ち着いて聞いてくれ。」
初春から離れろと言った看護師は落ち着いた口調で説明を始めた。

「……たった今、学園都市の上層部から連絡があった。『AIM拡散力場の爆発的な拡大が観測された』と……」

「…いきなり何の話ですか?今はこの子の命が最優先なんじゃないんですか!?」

「はぁはぁ……ぐっ……」

「いいから黙って話を聞け!」

「っ!!」ビクッ

突然の怒鳴り声に佐天は驚いて見を屈める。

「……すまない、いきなり怒鳴ったりして。……だが理解してほしい、今は正に一刻を争う事態なのだ……」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:34:07.04 ID:VL1oSMeDO

彼も表面上は落ち着いて見える。
だがつい怒鳴ったりしてしまうあたり相当焦っているのだろう。
それは言外に最早手段を選んでいる余裕は無い事を語っていた。

「……話を戻す。で、さっき言った通りAIM拡散力場がいきなりそれもレベル5クラスで拡大したそうだ……」

「…それで、その観測地点は……」

「……落ち着いて聞いてくれ」

その場にいた全員が唾を飲み込んだ。

「場所はここ……この病院の……はる……り……」

「……え?」
佐天は一瞬良く分からない、というより脳の理解がおいつかなかった。

「そこにいる……初春飾利の能力が、制御を失って暴走を始めた」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 11:44:59.81 ID:VL1oSMeDO

「何を、言ってるんですか……?」

佐天には何が何やら理解出来なかった。

初春の能力が暴走?
それも……レベル5クラスだって?

「初春の能力値はレベル1ですよ?そんなの暴走したって大した事……」

「それは……あくまで過去の話だ……」

「……」






「今の初春飾利は……紛れも無くレベル5だ……」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:46:23.67 ID:VL1oSMeDO










――この日。

この瞬間。学園都市に八人目のレベル5が誕生した。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 11:55:21.02 ID:VL1oSMeDO

「……早く、彼女から離れるんだ……!!さもないとそのまま能力が爆発して……」

「ちょっと待ってくださいよ!!」

佐天が声を張り上げ、場の空気を支配する。

「何で、何で初春がいきなりレベル5になったんですか!?おかしいじゃないですか、ついさっきまで私と一緒に話をしていただけなのに……なんでいきなりレベルをすっ飛ばしてレベル5なんかに…」

「……これは、あくまで仮説に過ぎないのだが……。考えられるのは彼女が病院に搬送される前…そう、頭に傷を負った時だ。恐らく彼女の脳にまでダメージが伝わり、その弾みで彼女の能力がいきなり増幅された、としか…」

「それだけじゃ意味が解りませんよ!だったら頭をぶつけたら誰でも能力が強くなるんじゃないんですか!?」

「そうじゃないんだ。彼女…初春飾利はもともと計算能力……演算能力が他人に比べずば抜けていたのだ。"自分だけの現実"が強ければ彼女はいつレベルが上がってもおかしくないほど……彼女は優秀だったのだ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 12:01:34.11 ID:VL1oSMeDO

「……」

「本当に何かきっかけさえあれば、彼女の能力はいつでも開花出来る状態だった。……そう、そのきっかけが今回の事件だったんだよ。加害者の暴力が彼女の脳にまで深く干渉し、その時に脳が刺激されたのだろう……」

「それじゃあ……初春の能力は偶然レベル5に…」

「そう、偶然。たまたまだ」

「そうですか……。けど、そう簡単には信じられません。私の知ってる初春とあまりにも掛け離れすぎています。」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 12:09:32.93 ID:VL1oSMeDO
「……そうか。信じられないのなら信じなくてもいい。……だがこのままここにいるのは余りにも危険すぎる……だから君達は早く外へ……」

「……苦しんでいる患者がいるのに、放ってなんておけません。私はここに残ります……」

「私も……私も初春の親友なんです……だから、初春と一緒にいさせてください……」ギュッ

「ぁぁぁ゛ぁぁあぁ゛………あああああああ!」ガクガク


「――そうか。一応警告はしたからな。危ないと感じたらすぐに逃げるんだぞ……」

そう言い残すと男は一緒にいた看護師を連れて走り去っていってしまった。

「……初春。大丈夫だから……ね。何も怖くないよ…私が付いてるから……」

佐天は初春を優しく抱き寄せる。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/18(水) 12:10:12.29 ID:VL1oSMeDO
とりあえずここまで。

一旦休憩します。

次は多分夜に来ます。

それでは。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/05/18(水) 12:10:44.11 ID:322Mxe3eo
待ってます
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/05/18(水) 12:12:43.95 ID:Dgeaa0DAO

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 13:26:42.49 ID:gbLDZgCDO



素朴な疑問だが冥土返しなら失明した目を治せるんじゃ(ry
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 14:52:43.27 ID:R2hT+SwDO
冥土返しだって身体は一つしかないしなぁ
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/05/18(水) 16:29:04.37 ID:tnPysvnv0
舞ってるのよな
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 16:56:29.27 ID:uB+VMF/SO
すごく期待してる!!
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/18(水) 17:22:36.85 ID:yyUpurkIO
冥土帰しじゃないとか
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/05/18(水) 17:33:28.48 ID:DFKn/ZF9o

レベル5なら金たんまりもらえるし
学園都市が存続してる以上は金には困らんか
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/05/19(木) 23:38:41.44 ID:KyDaiNG3o
>>58
大抵は暗部に堕ちるがな
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/05/19(木) 23:42:19.95 ID:JvfdmE2Go
実は暗部に落ちたと明記されているレベル5は
一方通行
未元物質
原子崩し
の三人、半分以下という罠。

逆に言うと、落ちてないと明記されているのは美琴だけだけどな。

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/05/19(木) 23:48:54.32 ID:um1kv954o
残りは

美琴と同じ常盤台の第5位
全てが謎の第6位
すごいパンチ

の3人か
62 :揖保の糸 ◆fVgWwIz5hw [sage]:2011/05/20(金) 03:55:53.42 ID:SvX9K9Hho
冥土返しに治してもらえばいいだけの話じゃん
__
    ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
           -=ニニニニ=-


                          /⌒ヽ   _,,-''"
                       _  ,(^ω^ ) ,-''";  ;,
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                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'
                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'     d⌒) ./| _ノ  __ノ
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/05/20(金) 23:27:37.23 ID:UoYMtPL0o
>>60
大抵という表現がまずかった……
しかし、レベル5の暗部落ちは十分多いと思いますよ
64 : ◆Q6k84.HS/AtK :2011/05/22(日) 12:21:31.92 ID:dHSkYZ2DO
短いですが投下します。

ゲコ太先生のいる病院とは違う設定です。
65 : ◆Q6k84.HS/AtK :2011/05/22(日) 12:22:17.90 ID:dHSkYZ2DO
短いですが投下します。

ゲコ太先生のいる病院とは違う設定です。
66 : ◆Q6k84.HS/AtK :2011/05/22(日) 12:22:54.80 ID:dHSkYZ2DO
短いですが投下します。

ゲコ太先生のいる病院とは違う設定です。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:24:35.91 ID:dHSkYZ2DO
うわ、連投してしまった……

これが新手のERROR詐欺か


「……まずいです。彼女の心拍数が著しく上昇してこのままでは命が……」

「初春……」

「うくっ……くぁっ……ぁああああぁあっ!!」

初春がとても苦しそうにうめき声をあげる。 その声はまるで悪魔に体を蝕まれるのを苦しんでるように聞こえた。

「……この苦しみ方は……」
と、看護婦が何かを思い出したようにハッと息を呑む。

「何か、分かったんですか?」

「えぇ…。この苦しみ方、うめき声は幻想御手を使用し昏睡した時の学生と酷似しています……」

「幻想……御手……」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:25:10.61 ID:dHSkYZ2DO
「恐らくいきなり手に入った強い演算能力を脳が処理し切れていない……」

「初春、ねぇ初春……しっかりして!今度は私が初春を助けるからね!!」

「うわぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!」ビクッ

突然、初春が喉が張り裂けそうな程声を上げて叫びながら激しく体が痙攣する。

「……本格的に危ないです。あなたは早くここから逃げてください。あとは私が何とかします」

「嫌です!私も初春の傍にいさせてください!!」

「これ以上は危険です!!」

「私は初春の親友なんです!!だから……初春の傍にいてあげないと……」

「そんなこと言ってる場合じゃないんです!あと5分もしないうちに彼女の脳が能力の許容範囲を超え爆発……そうなったらあなたは確実に助かりません!!」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:25:41.69 ID:dHSkYZ2DO
「あなたこそどうなんですか!?早く逃げろっていうならまずあなたが逃げてください!」

「私は看護師である以上、一度預かった患者の命を見捨てるなんて事、出来ません」

「……さっきから危険だとか言ってますけど……初春、死んじゃうんですか……?」

「それは最悪の場合です。ですがこのまま彼女を見捨てて逃げると恐らく脳の血管がちぎれてしまい……」

「そんなことは……させませんよ。初春は私の唯一人の親友なんです。初春を死なせるなんて事、私が絶対に許しません……」ギュッ

「そう…」

「うっ………ぐっ……はぁぁぁぁああああああああああああああああああっっ!!!」

「う、初春……」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:26:19.27 ID:dHSkYZ2DO
初春の体からダラダラと嫌な汗が滝のように噴き出す。

「……これは」

「に、逃げてください佐天さん……はぁ、はぁ……は、はやぐぅぅぅぅぅううわぁぁぁぁぁあああああああ〜!!」ビクビクッ

「初春、大丈夫だよ!!私はここにいるから!!」

「……佐天さん、と言ったかしら」

「はい」

「もう後戻りは出来ません。あと約二分で彼女の能力が爆発する……」

「え?そ、それじゃあ初春は助からないんですか……?」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:26:49.09 ID:dHSkYZ2DO
「いえ、私が何とかしました。彼女の命は助かります。……ですが爆発はもう止められません。二分間で爆発圏外に逃げられるとは……」

もう病院内には佐天とこの看護婦と初春以外の人間はいなかった。

とっくに皆逃げ出したのだ。

「……分かりました、覚悟を決めます。私は……私はずっと初春の傍にいます……」

どうせ爆発に巻き込まれるのなら初春の近くにいてやりたい。

「駄目です……二人とも…早く逃げて……」

「そんなことは出来ないよ、初春。今度は私があなたを助ける。絶対に……」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:27:21.88 ID:dHSkYZ2DO
「……」












――その日。

学園都市のとある総合病院が一つ消えた。

その跡地からは焼け爛れた死体が一体見付かった。

さらにその病院のあった場所は急激に冷やした後一気に燃やされた形跡があり同時に冷却と熱風が混ざった奇妙な爆発が観測された。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:27:53.85 ID:dHSkYZ2DO


「……あれ?私生きて……」

気が付くと佐天は瓦礫の山の中で倒れていた。

「……確かさっき物凄い大きな爆発があって……」

佐天が起き上がる。
まだ頭が少し痛い。

「……あそこにいるのは…」

佐天は起き上がってすぐに頭に大量の花飾りを乗せた少女を発見する。

「…初春、生きてたんだ……良かったぁ…」
ふぅ、と胸を撫で下ろし佐天は初春に近付いた。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:28:26.53 ID:dHSkYZ2DO
「初春、生きてて良かったよ……」

佐天は後ろから優しく初春を抱きしめる。

「……佐天さん……私……」

と、抱きしめてみると何やら初春の体が震えている事に気付いた。

「……?初春、どうしたの?」

佐天は初春の視線の先を追い掛ける。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:28:54.80 ID:dHSkYZ2DO
「ひ、人を……」

「……!!そ、そんな………!!」

初春の視線の先にいた『それ』は佐天も知っている……


「こ、殺しちゃいました……」ガクガク

「嫌……そんなのって無いよ……どうして……」

体中が霜焼けのように腫れ、焼け爛れた、死体。

その死体は看護婦だった。

「……何で私だけ助かって……」

その時、佐天は思い返す。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:29:23.17 ID:dHSkYZ2DO
そう、あの爆発があった時。

その看護婦は佐天を庇って……。

良く見ると背中だけに火傷が集中している。

「どうしよう……佐天さん、私人殺しを……」

「初春…仕方ないよ、あれは事故だったんだから……」

「でも私の能力が原因で死んだんです!!私どうしたら……」

「能力……そうだった…初春レベル5になったんだよね」

「今はそんなことどうでもいいんです……」

初春はその言葉を最後に思い詰めたように口を閉ざしてしまい、俯いた。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:30:15.28 ID:dHSkYZ2DO

「……初春…」

と、二人して黙り込んでいると何処から声が聞こえた。

「……初春」

気が付くと声の主は初春と佐天のすぐ近くにいた。

「……白井さん…?」

「……初春、これはあなたが……?」

「……はい」

「う、初春!!」

「いいんです、佐天さん……」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/05/22(日) 12:31:44.66 ID:dHSkYZ2DO
「ちょっと待ってください白井さん、あれは事故だったんですよ!?」

「初春飾利……あなたを能力悪用者として逮捕します」

カチャン、と静まり帰った病院跡地に音が響いた。

「初春……駄目です白井さん!誤認です!!初春が能力の暴走の原因は……」

「いえ、私が悪いんです……全部、私が……」

「……話は向こうに着いてからゆっくりと聞きますわ……。…一週間ぶりの再会がまさかこんな形になるとは思いませんでしたわ」

「……」

「そんな……待って……初春……」

次の瞬間には白井と初春はその場から消えていた。
79 : ◆Q6k84.HS/AtK :2011/05/22(日) 12:32:17.93 ID:dHSkYZ2DO
とりあえずここまで。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/05/22(日) 12:33:20.07 ID:dyvIoWx6o
色々とおかしい気がするけど
乙乙
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/05/22(日) 15:01:35.64 ID:vaDuGznzo

病院が消えるほどの爆発から看護婦がどうやって初春を庇ったかが分からんな
能力によるものとしか考えられないが
それならサテンがさっさと逃げてれば看護婦は自分に能力を使って助かったりしたんだろうな
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/05/22(日) 15:02:06.02 ID:vaDuGznzo
初春をじゃないや、サテンをか
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/05/24(火) 01:54:42.80 ID:jwQsmXq2o
>>81
能力?
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/05/27(金) 18:38:45.73 ID:4L5xjSRbo
佐天さんが看護婦死んだことに対して罪悪感抱いてないのが怖い
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/12(日) 20:59:22.57 ID:jcdPvOhAO
また更新される事を願う
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/20(土) 07:56:26.96 ID:BF+hkVjIO
待つ
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/21(日) 17:52:51.62 ID:GQKYPvTx0
作者来ないと、もうすぐHTML化だよ!!!!!!
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/08/21(日) 19:34:14.16 ID:P4JeSqaio
「お願いだからもう一度書いてよ、>>1
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