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「私が欲しかった物ってなにかしらね」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 22:55:05.60 ID:cHQqhBY10
とある魔術の禁書目録のSSです。
話の内容は鬱に近い感じです。
登場人物は美琴、一方通行、上条、麦野です。
かなり設定や性格に無理があります。
だからこんなの○○じゃないって方は戻る事をおすすめします。
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
KU-RU-KU-RU Cruller!Neo @ 2025/07/13(日) 21:55:45.76 ID:YIcI6tEGo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752411332/
ひたむきに! @ 2025/07/13(日) 20:04:58.82 ID:YMv4024Yo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752404698/
今日の疑問手 @ 2025/07/13(日) 19:07:12.02 ID:ZqmtXqZ3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752401231/
旅にでんちう @ 2025/07/13(日) 13:03:56.58 ID:cdEpW45FO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1752379436/
阪神と日ハム優勝しまんた @ 2025/07/13(日) 11:55:31.57 ID:GE534dXh0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752375330/
【小川しのん生誕祭】古舘くれあ「7月1日に一番乗りした話」【大遅刻】 @ 2025/07/13(日) 09:46:25.13 ID:UYwhN/KBO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752367585/
忌村「不思議な薬が出来たわ…」【安価】 @ 2025/07/12(土) 00:02:05.36 ID:BD6esqAF0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752246124/
どうなるのかな? @ 2025/07/11(金) 22:45:01.94 ID:GJ4hg/bKo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1752241501/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2011/05/29(日) 23:07:50.52 ID:OaysA48+0
これは中々期待
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 23:08:48.45 ID:cHQqhBY10
私が欲しかった物って何なんだろう?
能力? 名誉? 名声? 優越感?
結局そのどれでもなくて、私が本当に欲しいものは二度と手に入らない。
「ただ認めて欲しいだけ……」
一人きりでいる部屋の中、声は反射せず消えてしまう。
それが余計に自分の心をむなしくさせてる事に私は気付かない。
level5の第三位、超電磁砲と呼ばれている私には
親しいと呼べる友人はいない、それどころか友達さえいない。
学生寮の中一人でいるというのはかなり寂しいものだった。
「また、嘘をついて外に出ようかしら?」
こういう時にはlevel5という肩書きは便利だ。
寮監にちょっと研究があるんでと言えば怪しまれることは無い。
そして理由をつけて私服を着ることも出来る。
校則で制服の着用を義務付けられているのだが
それが正直私にとっては意味が分からないものだった。
「早くしないとね、寮監は仕事が早いし」
私服をたんすから出して紙袋に入れる。
寮監に言った後でトイレで着替えればいい。
身だしなみを整え私は部屋のドアを開ける。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 23:09:32.02 ID:cHQqhBY10
どォしてこォなっちまったンだろうな。
自分が少し前までいた研究所を後にしながら考える。
能力の強化実験を行っていた場所だった。
しかし、結局望む結果は得られず能力の暴走という形で終わった。
「無理だって事かよ」
level5の第一位、一方通行という能力名をそのまま使いながら俺は日々を過ごしていた、
第一位というのはよほど価値があるのかほぼ毎日違う研究所を渡り歩いている。
先ほどのような強化実験や能力を平和的に利用するための実験など
例を挙げればキリがないのだが一つとして成功したものはない。
「それなら、もォこンな力なんていらないンだけどなァ」
幼少期、能力開発を受けてから周りは俺を膿みものみたいな目で見るようになった。
確かに髪は白くなり、目は赤くなったので仕方が無いといえば仕方が無いのだが。
まもなく俺は特別クラスへ移され一人だけで授業を受ける事になった。
「結局、俺が欲しいものは手に入らねェな」
胸にある考えを抱きながら家へと戻る。
何故か歩くスピードは遅くなっている気がした。
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 23:10:18.82 ID:cHQqhBY10
「せっかく貰った奨学金が川に落ちちまうなんて不幸だぁー」
不幸少年こと私、上条当麻は橋の上で叫んでいた。
自分の右手に宿ってる力の解明のため研究所へ行って
給料のかわりに奨学金として貰ったお金が半分ほど落ちてしまったのだ。
「まぁ、野口さんだったからまだ何とかなるだろうけど」
これが残りの福沢さんだったらと俺は想像に身震いする。
研究所でもしっかりと糊付けされてたはずの封筒からはしっかりと口が開き道に落ちている。
「今日も分からずじまいか……」
右手に宿る力―幻想殺しは学園都市の科学力をもってしても原理は不明だった。
この力によって俺の家族は振り回されてきた。
大人や子供から蔑まれ、疎まれ、気味悪がられてきた。
俺や両親が怪我したのは一度や二度ではない。
その状況に嫌気がしてきた俺は自らここ学園都市に行くことを両親に言った。
「あの時の顔は今でも忘れられないな」
過去を振り返りはしない、俺が見るのは今だ。
また封筒が落ちないように気をつけながら俺は走り出す。
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 23:12:18.82 ID:cHQqhBY10
「あーあ、これで何人目だっつうの」
ドサっと頭が消し飛んでる男は地面に倒れた。
自信の能力―原子崩しによって跡形もなく消し飛んだ。
何故かその当たり前な事実に私は“何か”を感じ取る。
「くそっ、何で私がっ」
その”何か”が明確に分かるからこそ苛立ちを抑えられない。
私の生まれは昔から続くある名家の家だった。
積極的に科学技術も取り入れその財産と各界に対する影響力を強めていったらしい。
しかし、そんな時に災いは降りかかる。
「ははっ、一家まるごと殺しってか笑えないよねぇ」
恨みを持った行動ではなく、各界における影響を懸念したある他の名家に潰されたらしい。
たまたま私は旅行中で家にいなかったため被害は免れた。
新聞沙汰になる事も無く私がその事実を知ったのはある使用人からの連絡だった。
『お嬢様、今から伝える事実は本当の事です』
と言われ告げられたのは父や母、家に関係する者は全て殺されたという連絡だった。
その使用人はたまたま地下の保管庫にいて無事だったらしい。
連絡しようにも、数日の間見張りがついていたという事だった。
そして次の一言が私をここへ連れてくるきっかけとなる。
『お嬢様、学園都市へ逃げて下さいませ』
そう伝えられた私は何も言い返すことは出来なかった。
手続きは全て完了してるからという言葉を聞き学園都市へやって来てもう10年近くなる。
使用人は、私がここで人殺しをしてるなんて思いもよらないでしょうね。
だから、私は笑う。この舞台(人生)を演じるのは自分だけだとでも言うように。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 23:15:54.55 ID:cHQqhBY10
投下終了です。
質問及び感想はどんどんお願いします。
次回は三日以内には、遅くなっても木曜には必ず来ます。
ではでは。
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 23:18:50.81 ID:cHQqhBY10
投下終了です。
次回投下は三日以内に遅くても木曜には必ず来ます。
ではでは。
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/05/29(日) 23:20:32.16 ID:cHQqhBY10
エラーって返されたのに書き込まれてる?
すいません7は無視してください。
ではでは。
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/05/29(日) 23:28:25.85 ID:OJ+oizYso
最近ここ不安定だからエラーってでても連投しないでちょっと待つか更新したほうがいいよ
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/05/29(日) 23:30:24.67 ID:CDhf0x8X0
level5が気になる
超能力者じゃだめなのか
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/02(木) 14:45:20.76 ID:MHKlgDm+0
今日の19時頃に続きを投下します。
ではでは。
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
:2011/06/02(木) 17:49:06.84 ID:Dv6P6pYV0
この4人が出会って話を進めてくのかな
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/02(木) 19:04:06.24 ID:MHKlgDm+0
投下します。
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/02(木) 19:09:51.74 ID:MHKlgDm+0
仕事を終えた私は、あてもなく第七学区を歩いていた。
そこは私が生活をする場となった少し他の学区とは違う場所だった。
しかし、夢見てた転校生活はある日を境に終わった。
「まさか、初めてのシステムスキャンで超能力者認定されるとわねぇ」
横を歩いてた男二人がびっくりした目でこちらを見るが私は気にも留めなかった。
いつもなら、能力を見せて脅して反応を楽しんでいただろう。
しかし、今日だけは別にどうでもいいと思えてしまった。
超能力者の認定を受けた私を待っていたのは羨望の眼差しではなく
“何でこっちに来て間もないお前が”というどちらかと言えば、憎しみの視線だった。
先生は、急にペコペコしてきてクラスの様子には気にもしないといった感じだった。
しかし、名門校への転校が決まるとクラスの子達と同じ様に憎しみの視線をぶつけてきた。
結局人は他の人との大きな差を持った時、周りには馴染める事なんて無いのだと私は知る。
ただの転校生というカテゴリからあの日を境に大きく変化したんだろう。
名門校に転校が決まって以来いや、システムスキャンの日を境に私はいつも独りだった。
名門校への転校は実質、暗部に行く事と同じ事。
特別クラスという檻にぶちこまれた私はいつしか人というものを信じなくなっていた。
ある日強化実験と言われてある研究所へ連れていかれた私は初めて人を殺してしまう。
それを見たらしい学園都市上層部は危険だという判断を下し、私を暗部へ招き入れる。
そっから先は、最早何人殺したか分からないほど人を殺してきた。
最初こそ道徳的におかしいと思ってた心はいつしか殺す事に快楽を感じるようになっていた。
とはいえ、そんな風に心が感じるようになっても所詮人は人なのだ。
いくら孤独を好もうとも、人は一人では生きられない。
日々の生活という意味を取ってもそうだが
本来他者との関わりを持つことで人は人として生きられる。
つまり何が言いたいのかというと私に仲間が出来ようとしているのだ。
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/02(木) 19:34:42.95 ID:MHKlgDm+0
大能力者が二名、無能力者が一名。私を入れて計四人、チーム名を“アイテム”という。
結成目的は学園都市内の不穏分子の削除及び抹消、つまり反逆者を殺せと言う事である。
メンバーは滝壺理后、絹旗最愛、フレンダ=セイヴェルン。滝壺、絹旗が大能力者である。
滝壺理后、能力は能力追跡(AIMストーカー)。
絹旗最愛、能力は窒素装甲(オフェンスアーマー)
フレンダ=セイヴェルン、無能力者のため能力なし。
滝壺が持つAIMストーカーは、一度記録したAIM核散力場の持ち主を
たとえ太陽系の外に出ても追跡可能という能力である。
能力体結晶―通称体晶という薬品を用いればAIM核散力場をのっとり攻撃に使う事も可能らしい。
絹旗が持つオフェンスアーマーは窒素を操り、圧縮した窒素の塊を制御することで、
自動車を軽々と持ち上げ、動かすようなパワーや、
直撃した磁力狙撃砲のスチール弾を逆に潰してしまう程の頑強さを発揮するらしい。
しかし装甲とつく通り有効範囲は「掌から数センチ」と非常に狭いとの事らしい。
フレンダは無能力者だが、トラップと爆発物の扱いを得意とし身体能力と格闘技術はかなり高い。
心理戦も得意だが反面詰めが甘く、肝心のところでミスをして台無しにしてしまうことも多い。
けれど、この性格は暗部らしいと本気で思う。
相手の命を摘む瞬間に相手の運命を支配した気分になり、
私に殺されるために生きてきたと考えるなど根は冷酷で残忍。
と資料の内容を一通り思い出しながら、私はファミレスへと入る。
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/02(木) 19:52:49.53 ID:MHKlgDm+0
今まで一人でも似たり寄ったりな依頼をこなしてきたがチームを組んでやるのは初めてだ。
超能力者というなまじ強い力を持つが故に仕事が終われば立っているのはいつも私だけだった。
だからいつしか、私に団体行動でやれという命令はこなくなり一人で行動する事が多くなっていく。
超能力者は全員で七人、第一位、第三位、第五位、第七位は表の世界で生きてる。
第二位、そして第四位の私、そして所在不明の第六位は暗部にいると聞かされた。
とはいえ、自分以外の超能力者と面識がないというのも何だか不思議だった。
会った事は無いのだが第三位の事は良く知っている。
超能力者の中で唯一level1から頂点のlevel5に登りつめた、ここの広告塔だ。
しかし、広告塔というわりには滅多にテレビには出る事など無く
第七学区にある学舎の園の常盤台中学でひっそりと勉学に励んでるらしい。
私は何故か同情を感じていた、多分コイツも周りからは疎まれてるだろうと思ったからだった。
その認識はいささか失礼な気もするが、別にいいだろう。
向こうは私の事を何とも思ってないはずだし、私だってそれ以上の事は考えないのだから。
とはいえ、私も全く嫉妬しなかったわけではなかった。
いくら努力したとはいえ、私より序列が一つ上という事実は変わりはしないのだから。
頼んでいたドリンクバーのコップが運ばれてきて、私は席を立った。
ドリンクバーの前まで歩き、何をしようと考える。
そしてふと見上げれば、私と同じ様にコップを持ってきている人がやってきていた。
その瞬間私は頭が真っ白になってしまった、何故なら先ほどまで考えていた人物に会ったから。
「まさか、アンタは第三位?」
「えぇ、そうよ。確か貴方は麦野沈利さんだったかしら?」
私の質問に彼女は弱弱しい微笑でそう返してくれた。
私には何か大きな歯車が動いていく感じがしていた。
これから何かが始まるようなそんな予感だった。
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/02(木) 19:56:54.72 ID:MHKlgDm+0
くっ、短いけれど今日はここまで。
次はこんなに日数は空けません、多分土曜日あたりに来れると思います。
次回は上条と一方通行とのお話です。
ではでは。
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2011/06/02(木) 22:38:14.74 ID:MwnCPb920
乙ー
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/06/03(金) 00:32:33.89 ID:caWKMycyo
このSSじゃ一方さんは表の世界にいるんだな
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
:2011/06/03(金) 18:59:29.28 ID:Frt2oc5t0
上条さんが麦野 一方通行 御坂を救うのかな?
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/04(土) 16:59:51.65 ID:KeVopXlh0
今日の20時頃に投下します。
皆様レスありがとうございます。
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/04(土) 20:06:38.32 ID:KeVopXlh0
更新開始です。
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/04(土) 20:10:18.98 ID:KeVopXlh0
俺は第七学区のあるマンションを目指していた。
目指すという表現は間違ってるかもしれない、帰っているという方が正しい。
先ほど、封筒(主に野口さん)を落としてしまっているので少し足は遅くなっていた。
幻想殺しの研究は、統括理事会直下の研究所で行われてる。
普通の機材でも外とは大きな隔たりがあるんだけど、研究所の機材は最新鋭の機材が置いてあった。
最初に来た日にうっかり壊しそうになってしまった、足踏み外しちゃったんです。
高校生になる年齢なのだが高校には行かず、研究所と家を往復する毎日だった。
確かに高校生活が羨ましいと言えば羨ましい、でも行けない理由は俺の頭でも分かっていた。
俺の右手が持つこの能力は今までの能力者の人達の人生を真っ向から否定するものだ。
それなら低レベルの高校へ行けばいいと言われそうだが、多分俺は行かないだろう。
もうこの力、いや右手のせいで他人や両親が傷つくとこなど見たくもなかった。
俺は元々ここに住んでいるわけじゃなかった、東京よりの埼玉に中学一年まで住んでいた。
そこでは、俺の事を疫病神と呼ぶ人はいなくて俺は少し幸せだった。
でも俺の右手は、そんな些細な幸せだって不幸へと変えてしまう。
夏休みが終わり、九月の三連休を迎えようとしていたある木曜日だった。
あの日は今でも覚えてる、走り回る教師達、逃げ回る生徒達。
何より覚えているのは仲が良かった友達が俺のかわりに大怪我をした事だった。
そこで俺のその日に関する記憶は途切れていた。
次にあの日に関する記憶は、真っ白な病院の病室の中のシーンだ。
腕にギブスをつけて固定して腹に包帯が巻かれているその姿は俺にある考えを抱かせた。
―もう知人が傷つくのは見たくない―
その考えにそって俺は科学の街―学園都市へ行く事を決意する。
右手に宿る力幻想殺しの謎を解明するために。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/04(土) 20:20:03.16 ID:KeVopXlh0
とはいえ、もう日本からほぼ独立している学園都市へ行くのは少し苦労した。
父さんのコネで何とか学園都市へ入る事が出来た俺は何もかもが初めての光景に目を奪われていた。
掃除ロボやいたるとこにある風車、その他諸々。外とは全てが違っていた。
俺の心にあったのは期待と驚き、そして恐怖だった。
何もかもが未知なる世界、
何より恐怖の対象だったのはそれを当たり前に受け入れているここに住む人たちだった。
しかし、今となっては恐怖は消えむしろ毎日の進歩が楽しみだった。
幻想殺しは世界で一番の科学技術を持つ学園都市であっても解明される事は無かった。
現時点で判明してるのは、能力を打ち消す事、
能力開発で得た物ではないこと、能力発動時にAIM核散力場が確認されない事の三つだった。
今、やっているのは全ての能力が打ち消されるかどうかについてだ。
空間移動系の能力は対象が俺自身となれば不可能。
精神系の能力は頭を触れば解除される。
電気や発火系能力は触れば霧散してしまう。
能力で出来た二次的な物については打ち消したり壊したりする事が出来ない。
とりあえず仮定されてる条件の中二つは確定している。
空間移動系の能力は俺は移動出来ないものの手を繋いでいる人は移動可能。
精神系能力は頭に触れなければ半永久的にかかったままになる。
残りの二つは、実験はしていないものの確定なものとして見られている。
これだけの事が分かっているにも関わらず、原理については一切の事が不明。
さっきも思った通り能力開発で得たものではないため研究者の人達は頭を悩ましているらしい。
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/04(土) 20:35:40.25 ID:KeVopXlh0
でも、研究対象としての価値から給料というか奨学金をもらっていた。
話を聞くと超能力者ほどくらい価値があるらしいが不幸体質を知っているので
研究者の方が生活費だけ渡してくれて後は銀行に振り込んでくれてるらしい。
ほんと、研究者の方には頭が下がらない、まぁ実際落としているのだが。
超能力者について話がつけば、試すと言ってくれている。
対象となっているのは第一位の反射、第三位の超電磁砲、第五位の精神系能力の三つ。
後の第二位、第四位は詳細が不明との事、第七位は俺と同じ様に原理が不明らしい。
そんな事を考えながら近道をするため裏道へ入る。
そこで、スキルアウトを一方的? にボコってる白い人が目に入った。
正確には白い人ではない、髪が白いだけ。
それ以外にも中性的な顔立ち、赤い目能力なんだろうかスキルアウトの攻撃は一切当たってなかった。
いやそうじゃない、全て反射されているのだ、
殴りかかった奴は腕があらぬ方向に曲がり火や電気は全て放った奴の元へ返っていた。
「まさか、お前は第一位?」
「あァ? テメェもこいつらの仲間か?」
何かしら自分の中で、動き出す感じがする。
それが何か分からないまま、自分の中で何かが始まるのだった。
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/04(土) 20:37:49.88 ID:KeVopXlh0
投下終了です。
少し無理矢理感がする今日の終わり方でした。
20さん、とりあえず現時点では。
21さん、上条さんも何かしら抱えています。
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/06/05(日) 21:24:21.86 ID:QGVPcBUM0
乙
こんなかじゃあやっぱり一方通行が一番辛い思いしてんのか……
いや上条さんもそれなりに……あ、美琴さんも結構酷そうだしなぁ
と思ったらむぎのんも……皆似た物同士なんだね
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/07(火) 09:23:05.54 ID:4hZz0sHu0
28さん、まさにその通りです。
三日ぶりの更新です、10時頃投下しに来ます。
ではでは。
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/07(火) 10:03:52.88 ID:4hZz0sHu0
更新開始します。
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/07(火) 10:06:31.20 ID:4hZz0sHu0
と行きたかったんですが
どうやら調子が悪そうなのでまた来ます。
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/07(火) 17:37:39.27 ID:4hZz0sHu0
まだ悪いみたいですね。
今日は諦めて明日投下しに来ます。
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/08(水) 07:59:06.95 ID:j9EMvYwb0
更新開始します。
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/08(水) 08:00:25.75 ID:j9EMvYwb0
全てが変わってしまったのは何時だったんだろう。
能力開発を受けたときから? それとも最強の存在になってから?
もしかしたらそのどっちかも知れないし、両方とも違うかもしれない。
今俺が見てる景色は色褪せてるってことぐらいは分かる。
毎日をただ流れるままに過ごす毎日。
書類上どっかの名門校に在籍してるらしいがそんな事はどうでもよかった。
目立ちすぎる容姿さえなければもう少しちゃんと過せてたかもしれない。
コーヒーを買いに行くだけでスキルアウトに絡まれる事も無くなるだろうから。
学園都市第一位の称号を持っているがはっきり言ってそんなものは要らない。
こんなくそったれな能力なんて必要なかった、だからこそわざと強化実験を真面目にしていないのだから。
全てを投げ打ってでも欲しいのは人として見られる事だった。
化け物と呼ばれる日々なんて要らない、そう思う心が俺の中にはあった。
しかし、周りはそんな風に俺を見てはくれない。
学園都市第一位というのはスキルアウトだけではなく色んな人を惹きつける。
いくら、俺自身が実験を真面目にしていなくてもいずれはバレる。
強制的に実験に付き合わされる日々が蘇るかもしれない。
人を人として扱わないあの実験、研究者達は自分のプライドのためにしか俺を利用しなかった。
実験が終われば檻みたいな物が置いてある部屋にぶち込まれる日々。
実験のため〜とか言われて、三日間何も食わされなかった事もある。
今現在その施設は取り壊されてるらしいが、
あそこみたいな事をそろそろ何処かがやり出すかもしれない。
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/08(水) 08:02:11.53 ID:j9EMvYwb0
今日も今日とてスキルアウトに熱烈なアプローチを受けてる真っ最中だった。
その数およそ30人弱、手には色々何かしらの武器になりそうなものを持っている。
並みの能力者ならこのまま負けていたかもしれない、しかし俺は一歩も動かずこの人数を相手にしていた。
「ちっ、何で攻撃が効かねえんだよ」
「知るかよ。ってか本当に第一位なんだろうな」
「そうだろ。第一位じゃなきゃこの人数相手に余裕を持っていられるはずがねぇ」
「くそっ誰が言い出したんだよ、人数で押したら勝てるって」
「もうそこで伸びてるよ。退却するか?」
「そうだな。このままじゃただ人数を消費するだけだ」
「じゃこれで、最後の攻撃だな」
「あぁ」
スキルアウト達は一回体制を組み直し俺を標的に最後の攻撃に出るようだ。
何人か能力者もいるのかそいつらは少し前へと出てきている。
しかし絶対的な能力―反射を持つ俺にとって能力者が何人いようと関係ない。
攻撃は全て敵自身へと返ってしまうのだから。
「……やっぱり……ダメ……か」
「あぁ……俺らみたいな奴が敵うわけねぇよ……」
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/08(水) 08:05:08.78 ID:j9EMvYwb0
「まさか、第一位?」
「あァ? テメェもこいつらの仲間か?」
「うん? そこに転がってるスキルアウトの仲間って? 悪いけどハズレ」
「別に俺はたまたまここを通ったら、――――の第一位さんがいただけだよ」
「お前、今何て言ったァ?」
「だから――――だって」
その言葉が耳に届いた瞬間、俺は脚のベクトルを操り駆け抜ける。
久々に対等に扱えてもらえたことに嬉しさを感じながら。
目の前の敵を殺すために能力を発動させる。
「調子乗ってんじゃねェぞ格下がァ!」
「確か実験の内容って、反射を破ることだよな。じゃあこれでOKかな」
キュイーンと甲高い音とパシッと心地がよい音と共に俺の右手は握手される事になった。
それが後に親友となる一人との出会いだった。
「あれ? 何かリアクションしてくれよ」
「……」
「何かアクションしてくれなきゃ上条さん困ってしまうんですが」
「……………。……」
「何それ!? 上条さんそんなリアクション取られたら正直言ってショックなんですが……」
「で、結局無視なんでせうか?」
「あっ、悪ィ。初めてだったからさ、手ェ握られたのが」
「はぁ? あっ、そっか反射って全てに適用されるんだっけか」
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/08(水) 15:56:01.55 ID:j9EMvYwb0
すいません、今日はこれで終わりです。
次回は二日以内に来ます。
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2011/06/09(木) 00:00:09.55 ID:ukPQHeL70
乙
一方さんよかったな
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/09(木) 22:20:07.61 ID:4smKvgLJ0
38さん、レスありがとうございます。
これで一先ず上条の出番が少し先までありません。
では投下開始です。
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/09(木) 22:20:54.44 ID:4smKvgLJ0
「あァ。しかも俺をお前みたいに見る奴は一人もいなかったなァ」
「第一位ってどんな生活送ってんだよ……」
「つゥか、お前どうやって俺に触れてるンだよ?」
「うん? あぁ俺の右手に宿る能力、幻想殺しと言ってな一応は全ての能力を打ち消せるらしい」
ゲンソウゴロシ? そういえば前に木原クンが言ってたっけ。
何でも高校生ぐらいの男で、もしかしたらお前を上回る逸材かもしれねェって。
もしかしたらコイツのことかもしれねェな。
「そンなチートみたいな能力反則過ぎンだろ」
「はぁ? 何言ってるんだよ。お前の能力の方がすげぇって。
俺みたいに誰かを護れない能力じゃないんだしさ」
チラッとツンツン頭の少年の顔に影が宿る。
しかし、それは一瞬の事で瞬きをした後には先ほどの顔に戻っていた。
何となく言葉に詰まりながらもこう返した。
「名前は何て言うンだ?」
「あぁ俺の名前か? 俺は上条当麻だよろしくな」
そこで上条とは別れることになった。
路地裏という事も一枚噛んでいたがそれよりこの台詞によって分かれる事になった。
「悪い。研究所から呼び出しだわ。何の用だろう?」
というわけで、初めての友達の上条とはすぐに別れる。
そしてそれは良かったことだなと思った。
やはりこの力は護るためにあるんじゃないだろう。
「一方通行様、統括理事会より至急連行せよとの連絡が入っております」
「それを俺が断れる権利はどこにもないよなァ?」
「いえ。抵抗されるおつもりでしたら勝手に。
ですが、先ほどの方がどうなっても構いませんよ?」
「チッ。早く連れて行きやがれ」
「では、こちらに」
俺の人生を現すような漆黒に包まれた高級車に揺られながら
どうして俺の幸せは長く続かないンだろうと疑問に思うのだった。
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/09(木) 22:21:33.83 ID:4smKvgLJ0
研究所に呼び出された俺は統括理事会の人に会っていた。
12人の中でも特に軍備関連に特化して発言権を持つ人らしい。
そんな人が何故ここに来ているのかというと。
「君の能力を貸してくれないか」
という事だった、最近はスキルアウトより能力者の犯罪が増えているらしい。
そのため能力を打ち消す力、幻想殺しを持ってる俺に声をかけたということだ。
「話は分かりましたが、何故貴方が?
先ほど貴方は軍事関連だとおっしゃっていましたが?」
「ふふ。以前はここの治安維持にも力を注いでいてね。
その事もあってか今でもよく相談される事が多いんだよ」
「分かりました。俺は警備員配属になるんですか?」
「いや、君は私の警護にあたってもらおうと考えている」
「はぁ。別に俺がいなくても大丈夫なんでしょそこのところは」
「これは中々手厳しいね、私は用心深い方だ。
二つに班を分けて分裂を防いでるぐらいだからな」
「じゃあ……別に……ってあれ? 体が……」
急に意識が遠のいていき、体の感覚がなくなっていく感じがする。
意識が完全に落ちる前、何人かの足音を聞いた気がした。
「ふう。聞かないかと思ったよ。伊達に研究対象じゃないね」
「直ちに運び出しますか?」
「あぁ。事が露見するのは避けたい、だが統括理事長にはばれているだろうな」
「?」
「いや気にする事は無い、傷つける事無く慎重に運べ」
「ハッ!」
「これで我々の勝利だ」
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/09(木) 22:23:46.67 ID:4smKvgLJ0
2レスだけど許してください。
ここでしばらく上条さんは出てきません。
次は久々の美琴・麦野視点でお送りします。
次は三日以内に、ではでは。
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/10(金) 02:13:19.41 ID:5+VSZDO10
乙です
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/11(土) 18:47:10.38 ID:zqStW5MW0
二日ぶりです、投下しに来ました。
今日の投下からかなりオリジナリティになる話へとなって行きます。
では投下開始します。
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/11(土) 18:51:36.08 ID:zqStW5MW0
「初めましてね、第三位。私は麦野沈利よ」
「私は御坂美琴よ。あと序列で呼ばれるのは好きじゃないから」
はぁ。何でこうなっちゃったんだろ。
たまたま入ったファミレスで第四位の麦野さんに出くわすなんて
今日ってそういう日なのかしら? まぁ不良じゃないだけまだマシよね。
「何でこんなところにいんの?」
「それは言わなくちゃいけない事かしら?」
「それもそうね。しかも初対面だしね」
年上ということもあってか深くは聞いてこない。
何故か私も将来こんな女になれたらいいなと思う。
「まぁ、ぶっちゃけるとサボりよサボリ」
「へぇ〜。常盤台ってゆるいのねぇ」
「そうでもないわ、私は超能力者だから」
「それもそっか。理由なんていくらでもあるもんね」
「えぇ。この後は暇だから何もする事がないのよ」
「へっ、それって誘ってるの?」
「あっ、失礼よね。相手の事も聞かずに」
「いいわよ。ゲーセンでも行ってみる?」
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/11(土) 19:02:23.30 ID:zqStW5MW0
「えっ。本当っ? 嬉しい」
「そこまで喜んでくれるとこちらも嬉しいわ」
「ねぇねぇ。良かったら麦姉って呼んでいい?」
「いいわ。こちらも美琴って呼ぶから」
初めて来たゲームセンターに私は喜びを隠せなかった。
うるさかったのはちょっとマイナスポイントだったけど
そこを除けば私にとって夢のような世界だった。
「美琴ー、はしゃぎすぎ」
「痛っ。いいじゃない初めてなんだし」
「今時の小学生でもそんなはしゃがないわよ」
「えっ、それは嘘でしょ?」
「どうかしら?」
「嘘よね。ねぇちゃんと嘘って言ってよー」
あれこれと考えている間に麦姉の姿が見えなくなっていた。
追いかけ様とした所で辺りに人がいることに気付く。
「用は何かしら、統括理事会さん?」
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/11(土) 19:16:31.38 ID:zqStW5MW0
「御坂様、急な用事ですので申し訳ありません。
至急、いつもの場所へ行って貰えますか?」
「その言い方だと断れるわよ?」
「すいません。御坂様お連れします」
「その言い方の方がいいわ」
「今日は、どこかへ出かけてたんですね」
「えぇ。同じ超能力者の麦姉にも会っちゃった」
「麦姉とは?」
「あっ。麦野沈利よ、第四位の」
「そうですか、それは良かったです」
「ねぇ、その言い方だと私がコミュ障みたいじゃない」
「…………、違いますよ」
「何その間! まぁ確かに同世代の友達なんていないわよ」
「だから、爺やは嬉しくて」
「変な真似しなくていいから、で今日は何の用事なの」
「それは着いてからのお楽しみです」
「そ。じゃぁ車に乗るわね」
漆黒のボディのいかにも高級車ですといった感じの車に乗り込む。
一緒にいた男も助席に座る。そして車はゆっくりと夕暮れ時の学園都市を駆け抜けていく。
まだまだ、私の今日という日は終わりが来ないようだった。
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/11(土) 19:22:10.50 ID:zqStW5MW0
投下終了です。
さて、次のお話は麦野メインです。
そしてその次からはやっと本編開始です。
ではでは。
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/06/12(日) 00:23:48.13 ID:IQ02nNqbo
黒子はいないのか
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/13(月) 19:09:29.90 ID:4hvfU68n0
49さん、まだ原作の半年前の設定ですので出てきません。
では序章のラスト投下します。
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/13(月) 19:12:48.26 ID:4hvfU68n0
第一位、第二位、第三位、第四位は当実験の被験者となる。
第五位及び第七位、所在の確認できてない第六位については当実験の被験者としない。
当実験については、被験者が自身の能力を用い本当に欲しいものを見つけてくることである。
その対象は何でも構わない、人でもいい、居場所でもいい、物でもいい。
それを最初に見つける事ができた超能力者については今後干渉しないと誓おう。
これが今日、統括理事会から呼び出されて渡された紙の内容だった。
今私はとある場所へ向かってる、黒塗りの車の後部座席に座っていた。
第四位の称号を持つ私であっても、その科学的価値は高い。
となると、こんな計画をした奴の思惑が分からなかった。
「まっ、本当かどうかは別として乗ってみますか」
分からなくても乗ってみる価値は幾らでもある。
ここの暗部を知る私にとっては夢のようなチャンスだ。
あっちから干渉されなくなるなら、たとえ仮初めであっても自由は自由なのだから。
「そう考えると、裏が怖いね」
見つければ干渉しないという事は見つけないと幾らでも利用するという事である。
脳をいじくりまわされるか、強化実験をやらされるか、内容は何にしろ酷いことは間違いない。
これは暗に死ぬまで働かされる働き蜂のようなことになると言っている事と同義だ。
「麦野様、到着いたしました」
運転手の声で窓の外を見れば、そこには高層ビルが見えていた。
一瞬、高層ビルと思ったが違う。高いのは高いのだが他の高層ビルとは何かが違っていた。
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/13(月) 19:20:01.14 ID:4hvfU68n0
「あれは何かしら?」
「あれは、空中庭園でございます」
「空中庭園って?」
「用は庭です。設計者の趣味と聞いております」
「そ。ありがと」
「いえいえ、では私はこれでお役目を終わらせていただきます」
バタンと自動ドアが閉まり、ゆっくりと車は動き出した。
もう一度ビルを見上げて、入り口へ向かって歩き出した。
一度車が行った方を見たがもう車は見えなくなっていた。
「ハロー、麦姉」
「あれ、美琴早いわね」
「だって、統括理事会のサブメンバーだもん」
「それは初耳ね。他のメンバーは」
「もうすぐ来るみたい。どんな人なんだろうね?」
「まぁ、ろくでもない人たちなんじゃない」
「誰がろくでもないって、第四位の麦野沈利」
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/13(月) 19:31:10.30 ID:4hvfU68n0
声がした方を見ればいかにもホストっぽい男が。
資料から検索し、第二位と判明する。
「貴方の事よ。第二位の垣根帝督さん?」
「チッ、そこはお世辞でもいいから第一位って呼んで欲しかったけどな」
「残念ね、貴方には第一位は無理だとおもうわよ」
「まぁ自覚はしてるけどな、だがな面を向かって言われたのはお前が初めてだよ」
「まぁまぁ、二人とも抑えてよ」
「第三位の超電磁砲か」
「酷っ。麦姉は名前で呼んでたのに」
「悪いな、御坂美琴だったけか?」
「だったじゃなくて、その通りよ」
「で? いつから始まるんだよ説明会はよぉ」
「もうすぐよ、だって第一位さんがそこにいるんだから」
「えっ」
「えっ。って麦姉気付こうよ。まっいいかじゃあ担当の人よろしくー」
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/13(月) 19:41:25.03 ID:4hvfU68n0
説明会は終わり場には美琴と私二人だけが残った。
第二位は終始第一位の方を見ていたが第一位は気にしてもいなかった。
「美琴、あんたは見つけられそう?」
「分からない。でも、二年になったら性格は変えたいとは考えているけどね」
「そっか。私も見つけられそうに無いかな」
「麦姉はすぐ見つけるような気がするけどなぁ」
「そうかしら? そうだったなら嬉しいけど」
「まっ、お互い頑張ろうよ」
「そうね。それじゃあまた何処かで」
「えぇ。てか私は……でもいいんだけど」
「ん? 美琴何か言った?」
「ううん。何でもない、またね」
「さよなら」
美琴と別れ私はエレベーターに乗り込む。
エレベーターからはきれいな夕焼けが見えているのだった。
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/13(月) 19:52:21.49 ID:4hvfU68n0
「計画の方は動き出したかね?」
「はい。今日あの場所にて被験者になる四人への説明を終えました」
「そうか。“彼”の方はどうなっている?」
「心拍、脳波共に正常値です。それ以外も異常はありません」
「“彼”はいずれこの街の切り札になる存在だからな丁重に扱え」
「分かりました。でも第三次大戦は本当に起こるのでしょうか?」
「間違いないと見ているよ。機械と人間両方が予言したのだからな」
「そうですね、これで報告は以上です」
「下がっていい、何かあればホットラインを繋げ」
「了解しました。では失礼します」
「アレイスター、どうして手を出さなかった?」
『君としては手を出された方が嬉しかったのかい?』
「まさか。“彼”は貴方のプランの重要人物ではないのか?」
『ふふ、君のした事によってあれがどう変化するのを見るのもプランの内だよ』
「本当に貴方は底が見えない人だ」
『褒め言葉として受け取っておこう』
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/13(月) 19:57:10.35 ID:4hvfU68n0
これにて序章投下終了です。
次からは本章となるのですが次回更新は未定です。
都合がつきしだい投下しに来ます。
ではでは。
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/06/13(月) 23:47:05.46 ID:hrKV8SAgo
ああ原作の一年まえか
美琴は一年生なのね
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/15(水) 19:20:36.93 ID:+HfK0Neb0
57さん、そうです。みんな原作より一歳若いです。
今日は1も忘れかけていた上条さんの出番です。
では投下開始します。
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/15(水) 19:22:06.10 ID:+HfK0Neb0
ここはどこだ……?
視界が淡い光で満たせれる中、意識の覚醒をはっきりと感じる。
それは何故か当たり前の事であるはずなのに、久々のような感覚を与えてくる。
それが何を意味するか覚醒しきってない頭で考えるのは無理だろう。
意識はあるはずなのに体は全く動かない。
まるで心と体が引き離された感覚に俺は陥っていた。
そういえば会部からの刺激が無い事に気付く。
聴覚、視覚等の五感に宿る刺激が無い。
まるで自分だけ無の世界へと隔離されたのかのような感じを受ける。
しかし、死んでいるというのは頭に無かった。
これを見てる人がいれば何言ってんだコイツとなりそうだが不思議と死んでるという感覚はしない。
何も感じないという世界の中思考することは出来ている。
それが自分に残った最後の物かもしれなかった。
しかし、そんな世界は急速に終わりを迎えた。
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/15(水) 19:30:27.90 ID:+HfK0Neb0
「上条君? 良かった目を覚ましたんだね」
「……貴方は…………?」
「忘れるのも無理は無いか。私はこの間君をスカウトしに来た者だよ」
「あぁ、そういえば―――さんでしたっけ」
「あぁ、君はどこまで記憶があるかい?」
「確か……。ウグッ、―――さんと喫茶店で食事したのは覚えてるんですけど」
「そうか。いや、君はあの日急に倒れたんだよ」
「そうだったんですか? 迷惑かけてすいません」
「気にする事は無い。我々も助かった所があるしね」
「助かった事って?」
「そこは大人の事情というやつだから深くは聞いて欲しくはないんだ」
「そうですか。それでここは何処なんですか?」
「あぁ。君がいる研究所ではなく私の研究所だよ」
「何でまた? 別にあそこでも良かったでしょう?」
「すまない。あれには治療設備がなかったからね。
それにあの喫茶店からだとこっちの方が近いのだよ」
「そうですか。特に異常はありませんでしたか?」
「そうだね。軽い貧血だったみたいだよ」
「そうですか、ありがとうございます」
「いやいや、君が気にすることではないよ。
今日は一日休んで明日から研究に付き合ってくれるかい?」
「了解です」
また明日と言って、―――さんは出て行った。
俺はベットの上で暇だと思い携帯を使おうとして気付いた。
すべて自分の持ち物が入れ替わってることに。
それについて考えようとした矢先、何者かに襲われたのだった。
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/15(水) 20:27:41.29 ID:+HfK0Neb0
すいません。今日はこれで終了です。
次は土曜日あたりになると思います。
ではでは。
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/15(水) 21:17:08.84 ID:yAIkqZJgo
乙です
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/06/16(木) 01:05:42.55 ID:9Zb4k3hz0
乙
淡々と進む中で貼られていく伏線が気になるぜ。
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2011/06/16(木) 22:34:17.85 ID:9Nl8Fy5p0
乙
なんかいい感じになってきた
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/18(土) 22:12:30.70 ID:qi1nDrY20
三日ぶりの投下です。
62,63,64さんレスありがとうございます。
今日は美琴のお話です。
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/18(土) 22:14:02.62 ID:qi1nDrY20
性格を治そうと思って、特訓してるのだがなかなか上手くいかない。
一通り色んなやつをやってみたのだがしっくり行ったのは今のとこ一つしかない。
「でも、もうこれでいいかな」
目の前にあるのは“貴方の性格矯正しちゃいますぅ〜”と書かれた雑誌。
性格を変えるため、本屋で見つけた物だった。
開かれているのは勝気で活発な性格にというページだった。
「後はあの子に頼めばおしまいね」
常盤台の裏の顔、超能力者にして第五位。精神系能力者の頂点、食蜂操祈。
彼女の事はここに入学する際初めて知った、派閥を組んでいる事も。
しかし、彼女とはこういった頼み事も聞いてくれる仲であり彼女を悪く思う奴がいたら消すだろう。
「あれ? 美琴じゃないどうしたの?」
「これに性格を変えてもらおうと思って」
操祈の顔がえ? という形で固まった、そりゃそうよね禁忌なんだもんね。
操祈の力は一度使えば二度と取り消すことが出来ない、
たとえ能力を打ち消す力があったとしても性格や人格を変えれば元には戻らない。
「いいの? もう今には戻れないのよ?」
「うん。遠慮なくやっちゃって」
「分かったわ。目を閉じてリラックスしてね」
イスに座り目を閉じる、すると頭の中に操祈の声が響いてくる。
声の指示に従い私は心の中へと入っていく、次第に扉が見えてきた。
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/18(土) 22:24:18.09 ID:qi1nDrY20
「これは?」
「美琴の性格とかの情報を守ってる扉、今私が鍵を開けるわ」
ギィイという音が聞こえてくるような感じで扉は開く。
扉の中には小さな私がぬいぐるみを持ってこちらを見ていた。
「あなたはだれ?」
「くぅ〜かわいい。このままお持ち帰りしたいわぁ」
「それはダメでしょ。美琴ちゃんこっちにおいで」
「うん♪」
「で? どうしたらいいの?」
「美琴はそのまま遊んでて、その間に変えていくから」
「了解。美琴ちゃんおままごとしよっか」
「うん」
時間という感覚はないが体感的に
数十分が経ったと思われる頃彼女から声がかけられる。
「美琴、終わったわ。貴方も戻ってきなさい」
いつもの口調ではなく少し強く感じられる口調。
それは未知なる事をしたからかどうかは判断できなかった。
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/18(土) 22:35:36.03 ID:qi1nDrY20
「今日は楽しかった。また遊んでね」
後ろを振り返った私は固まってしまった。
さっきまで私の幼少期の姿をしていた彼女は異形の物へ変化していたから。
何でと問う前に私の意識はブラックアウトした。
「……美……琴……美琴っ」
「ん?」
「良かったぁ、目を覚ましたのね」
「あれここは?」
「私の部屋よ。覚えてないの?」
そう言われて私は思い出そうとする。
しかし記憶に靄のようなものがあって上手く思い出せない。
「何か頼みごとをしてたというのは覚えてるんだけど……」
「そう。そこまで覚えてるならいいわ。何か異常はない?」
「うん。それ以外は何とも無いわ」
「それなら部屋に戻ってもうすぐ寮監が来るわ」
「えっ?」
そんな筈はないと思い部屋にある時計を見る。時刻は22時前だった。
「ごめん。何を頼んだが忘れたけどありがと」
「いいわよ。また遊びに来てね」
「近いうちに必ず」
結局、何を頼んだのか思い出せないまま寮監に見つからないよう歩く。
何か自分の中で変わっている事を心のどこかで感じながら。
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/18(土) 22:44:32.90 ID:qi1nDrY20
これにて投下終了です。
美琴性格矯正編でした、次回は月曜か火曜に来ます
ではでは。
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 22:15:48.49 ID:zAJboglm0
では投下開始します。
しばらく上条関係の投下となります。
ちょこちょこ美琴、麦野も出てきます。
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 22:16:23.30 ID:zAJboglm0
いつまでも一人きりなんてつまらないぜ、一方通行。
そう言ってくれた木原君は、俺が知る所にはもういない。
一ヶ月前、何か面白いことが見つかったとか言ってもう家には戻ってきてなかった。
そんな木原君が俺によこした最後の連絡だった。
「はァ。大切なもンを見つけろなンてどうやっても無理だろ」
学園都市最強の能力、一方通行。その力は誰にも邪魔することなど出来はしない。
触れられれば自動的に反射してしまう、故にこの力を持ってから俺は一人だった。
しかし、この間たまたま通った路地裏で反射を通り越され握手までしてきた男がいた。
名前を聞きそびれていたが、どこかの研究所にいると言っていたのでこうして調べているのだが。
「全く、何の情報もねェとはな」
自嘲気味に呟くが全く持ってその通りだから仕方が無い。
普通、この超能力者の権限ならどこにいても調べれそうなものなのだが。
となると、自分が調べれない場所に彼はいる事になる。
だが、今の俺には見当も一切つかなかった。
「仕方ねェ。今日は諦めるか」
と呟き少し見上げた視界に何か見覚えのある車が走っているのが見えた。
その後部座席に座っているのはあの少年だったのではないのか?
そう思った俺は、こっそり後をつける事にした。
車は安全運転が基本なのか、急な減速や加速はしない。
そしてどこか目的地もあるのか迷い無くルートを選んで進んでいく。
そう俺が過去にいた特力研へ向かうルートへと進んでいくのだった。
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 22:33:27.53 ID:zAJboglm0
「どうしましたか? 何やら焦っているようですけど」
「別に“彼”がいても実験に支障はないよ上条君」
「そうですか。じゃなくて質問の答えに答えて欲しいんですが」
「そうだったね。焦っているのは“彼”が君と接触しているからだよ」
「“彼”と会っているのですか俺は?」
「あぁ、君があの研究所へ来る日にね」
「そうだったんですか。それと何か関係が?」
「私が懸念しているのは“彼”が……。いや気にするな忘れて欲しい」
「分かりました、貴方がそう望むなら」
目を閉じた事を確認しながら、私は第一位の事を考えた。
彼が上条君に接触したのは一度だけとあったのだがさすがにインパクトが強すぎたか。
彼が持つ絶対的な能力、反射を破って握手までしたのだから。
そうでなくても第一位とならば頭も第一位だ記憶力は半端ではないのだろう。
自分に声をかけてきた奴というカテゴリで覚えられてるかもしれない。
今向かってる場所は特力研(特例能力者多重調整技術研究所)の略称でもう使われなくなって久しい。
何故そんなとこに向かっているのかというとそこで新たな実験が開始されるからである。
置き去りを使った、能力向上実験。つまり上条君がもつ唯一無二の能力幻想殺しをパワーアップさせようというわけだ。
内容はいたってシンプル、置き去り何人か対上条君一人である。
置き去り側には目標を殺せば、もう何ら関わりを持たないと連絡してるので死に物狂いで戦うだろう。
対する上条君は武器の携行可、許されているのはナイフ、拳銃等の近接武器こちらも殺しても構わない。
統括理事会はこの実験を許可した、表の切り札を一方通行、裏の切り札を上条君とするためだ。
そして統括理事会が何故OKしたのかその理由は伏せられているままだった。
「ふふ。とりあえずはこの実験を成功させ、多くの権限をとろうではないか」
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 22:47:10.36 ID:zAJboglm0
車が施設内部に入っていくの見届け、俺は竜巻を消した。
確か、少し前に警備員の手で解体されたと聞いてたが
自分がここから出た時のまま一切変わっていなかった。
「(どォいう事だ。施設は取り壊さなかったのか?)」
その理由はKEEP OUTOのシールが統括理事会の物である事から推測できた。
どうやら上層部はここをまだ使う気であったらしい、それが今回かどうかは分からないが。
耳をすませると何やら大人の声と子供の声が入り混じって聞こえてくる。
大人の方は何か宥める様な声で、子供の方は何かを要求するような声で。
話はしばらく続いていたが、急に静かになった後急に火が上がるのが見えた。
しかし、それは一瞬で消え代わりに一発の銃声と断続した悲鳴が聞こえてきた。
施設に入ろうとした所で、後ろから声がかけられた。
「そこで何をしているのですかと、ミサカ00001号は問いかけます」
「御坂だとォ?」
「それはお姉様の呼称ですねと、ミサカ00001号は一方通行に訂正を求めます」
「だからァここで何してやがるって聞いてンだよ」
「恐らく貴方と同じでしょうと、ミサカは暗に回答を拒否します」
「チッ。誰に頼まれてやってンだァ?」
「それは機密事項ですのでお答えできませんと、ミサカはお決まりの台詞を言い放ちます」
「チッ。しかし第三位のクローンとは、上も何考えていやがる」
「……」
「それも答えられませンって事かよ」
「えぇ。機密事項ですのでと、ミサカは施設へ向かって歩き出します」
「おい。捕まるンじゃねェのか?」
「いえ、PASSを持っていますからと、ミサカは貴方とは違うという本音を隠します」
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 22:52:26.10 ID:zAJboglm0
これにて投下終了です。
中途半端なのは続きが次回のお話になってしまうからです
次回は木曜あたりになるかと、ではでは。
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/21(火) 00:34:40.96 ID:YUnd1V9ho
乙です
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/23(木) 22:38:09.41 ID:To2HQnin0
75さん、ありがとうございます。
投下しに来ました、今日はアイテムの顔合わせ編です。
では投下開始します。
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/23(木) 22:39:01.70 ID:To2HQnin0
今、私はファミレスで二人の女の子を待っていた。
名前は滝壺理后とフレンダ=セイヴェルン。何故待ってるかと言うと今日が顔合わせの日だからだ。
ヒールでカツカツと床を鳴らしていると隣にいる少女絹旗最愛が声を掛けて来てくれていた。
「麦野さんでしたっけ他の二人は超まだなんですか?」
「麦野でいいわ。とりあえず滝壺は実験とやらで30分ほど遅れるってメールが来てた」
「そうなんですか。麦野は滝壺さんと超知り合いなんですか?」
「えぇ。何度か実験で会う内に少し仲良くなってね、よくお茶してたわ」
「そしたら私とフレンダ以外は超知り合いってわけなんですね」
「ふふ。今日会えたんだから絹旗、貴方も知り合いになってるわよ」
「っ」
「どうしたのかにゃーん? 可愛い顔が真っ赤になってるわよ」
「い……え。……超うれしくなんて……思ってません……」
「そんな顔で言われても超説得力ないし」
「うっ。人の……口癖とらないで……くだひゃい」
「やっぱり可愛いわ。お持ち帰りしたいぐらい」
「つんつんしないでくだしゃい〜」
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/23(木) 23:04:29.61 ID:To2HQnin0
絹旗のほっぺたをつんつんしまくる、にしても柔らかい。
私もまだ大丈夫よねと手を触れようとしたがやめた。
それは、ささやかな絹旗への嫉妬心からくるものだろうと思い、さっきより優しくつんつんする。
すると、耐性がないのか絹旗はすぐ顔がほにゃ〜ってなった。
「ねぇ。絹旗、このままキスしていいかし……ら。ってフレンダよね?」
「麦野と絹旗ってそういう関係って訳よ?」
耳元で囁きさっきよりも赤くなっている絹旗は置いとき、フレンダかどうか確認する。
顔はお人形みたいで、脚は外国人という事もあってかスラリときれいにハーフのジーパンからのびている。
さっきの口調も資料にあった通りで、この人物はフレンダと確定する。
「うふ。フレンダもキスしてあげよっか?」
「う。まだ私には早いって訳よ」
「そっか、そりゃ残念」
「あれ?みんなどうしたの?」
店員に連れられこの席まで来た滝壺は開口一番にそう言った。
後ろでは、少し顔を赤らめている店員がこっちを見ていた。
その視線を無視しながら滝壺にこう返した。
「別に、二人と仲良くしようとしただけよ」
「本当? ならどうして二人は赤くなってるのかな?」
「ふふ。そこは秘密よ。ね? フレンダ、絹旗?」
「「……」」
「本当かな?」
「まぁまぁ。いいじゃない、初めて顔を合わせたんだからさ」
79 :
78は無視してください
[saga]:2011/06/23(木) 23:11:04.35 ID:To2HQnin0
絹旗のほっぺたをつんつんしまくる、にしても柔らかい。
私もまだ大丈夫よねと手を触れようとしたがやめた。
それは、ささやかな絹旗への嫉妬心からくるものだろうと思い、さっきより優しくつんつんする。
すると、耐性がないのか絹旗はすぐ顔がほにゃ〜ってなった。
「ねぇ。絹旗、このままキスしていいかし……ら。ってフレンダよね?」
「麦野と絹旗ってそういう関係って訳よ?」
耳元で囁きさっきよりも赤くなっている絹旗は置いとき、フレンダかどうか確認する。
顔はお人形みたいで、脚は外国人という事もあってかスラリときれいにハーフのジーパンからのびている。
さっきの口調も資料にあった通りで、この人物はフレンダと確定する。
「うふ。フレンダもキスしてあげよっか?」
「う。まだ私には早いって訳よ」
「そっか、そりゃ残念」
「あれ?みんなどうしたの?」
店員に連れられこの席まで来た滝壺は開口一番にそう言った。
後ろでは、少し顔を赤らめている店員がこっちを見ていた。
その視線を無視しながら滝壺にこう返した。
「別に、二人と仲良くしようとしただけよ」
「本当? ならどうして二人は赤くなってるのかな?」
「ふふ。そこは秘密よ。ね? フレンダ、絹旗?」
「「……」」
「本当かな?」
「まぁまぁ。いいじゃない、初めて顔を合わせたんだからさ」
「それもそうだね。初めまして滝壺理后です」
「えっと、私は絹旗最愛ですぅ」
「私はフレンダって訳よ」
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/23(木) 23:25:03.18 ID:To2HQnin0
「よろしくね二人とも。むぎの仕事はもう入ってるのかな?」
「せっかちね、と言いたいとこだけど早速もう依頼は来てるわ」
そう、私達が結成されることになったのは統括理事会からの通達だった。
極秘に学園都市を裏切ろうとしている人物を消すのだ。
その対象は個人や団体、統括理事会そのものなど。一種類に留まらない。
今日も外へ逃げようとしているある研究者達を殺してくれと依頼されていた。
「麦野、今日は超何人なんですか?」
「予定では4人。でも連絡がくれば追加されることになるわ」
「場所はどこって訳よ?」
「それは第19学区だよね?」
「えぇ。ここでは見捨てられた技術でも外では利用価値があるものだから。
そして上は技術が外に漏れることをかなり嫌うからここに依頼が来たのよ」
「まぁ結局、いつもの仕事と同じって訳よ」
「そうですね。フレンダと同じというのはショックですが」
「そこ、ケンカするなら二人とも溶かすわよ」
「「それは超ひどい(って訳よ)です」」
「素直で可愛いわ二人とも」
「むぎの〜。確かに可愛いけど終わってからにしようよ」
「分かってるわ滝壺。じゃぁ闇を歩きに行きましょうか」
下部組織の用意した車に乗り込み、第19学区へ向かう。
すると第七学区を抜けようとしたあたりでノイズの混じった声が聞こえてきた。
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/23(木) 23:37:19.20 ID:To2HQnin0
『初めましてアイテムの皆さん。電話役をやらされている電話の男と言います』
「うわぁ、そのネーミングセンスはないって訳よ」
フレンダの台詞に同意する。電話の男はさすがにどうかと思う。
しかし、ここで電話役が出てきたということはこの相手が上司にあたるのだろう。
これから先アイテムが“ここ”の暗部に存在している限り。
「で? 用件はなにかしら? 電話の男さん?」
『今日が初仕事という事での連絡と報告についてです』
『アイテムの皆さんが依頼つまり仕事を完了していただくと私に連絡して貰う事となります。
そしてこちらが人員を使い完了してるのを確認した上で二日から三日以内に報酬が振り込まれます』
長々と聞いている中で自分が必死に聞こうとするのに気がついた。
周りを見れば皆同じ様に聞いているのが分かる、そして次の台詞でその理由が分かった。
『では、長々と喋りましたが今日はこれにて。報告お待ちしております』
抑揚がなく、終始平坦とした声だったから必死に聞こうとしていたのだ。
多分、この仕事が終わる頃にはこの声の特徴など一切思い出せないだろう。
それはとてもここの暗部らしいオペレーター役なのかもしれない。
「麦野、超どうかしたんですか? 着きましたよ」
絹旗の声に車から窓の外を見ると古びた研究所が目の前に見えていた。
「ふふ。何でもないわ、早く終わらせて続きをしましょう」
「あぅ」
「むぎの〜。やっぱり。きぬはたをいじめたらかわいそうでしょ」
「チッ。いいじゃない、こんなに可愛いんだから」
「それとこれとは別でしょ。もう早く終わらせるよ」
「分かったわ。それじゃあクソったれな仕事始めましょうか」
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/23(木) 23:39:36.84 ID:To2HQnin0
今日はこれにて終了です。
アイテム顔合わせ編でした、次は上条です。
次回は土曜か日曜あたりに、ではでは。
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/24(金) 00:10:01.32 ID:6ADrICfro
乙
一年前はこんなにも和やかだったんだなアイテム
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/24(金) 00:13:12.04 ID:4ClxivxM0
乙〜
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 21:17:53.60 ID:yIby5I3B0
投下にしきました、今日で序章は終わりです。
この投下の最後に多数決でこの先の物語を決めたいと思います。
今回の投下で物語がどちらになろうとも次からは今出ているメンバーしか出ません。
では投下開始します。
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 21:21:35.64 ID:yIby5I3B0
「くそがぁぁぁぁ」
目の前の小さな男の子の能力を避ける、確か磁力を操る力だったはず。
能力は防げても、その能力で発生した物は防げない。なら避ければいい。
目標が能力で操られてから自分に届くまでのタイムラグで飛来する位置を特定する。
「どうしましたか? こんな物ですか」
と呟いた俺に、他の三人の能力が一度に襲い掛かる。
火、電気、水、しかし能力そのものなら俺の敵ではない。
甲高い音と共に火、電気、水、だったものは霧散していく。
「くそっ。これじゃぁ埒があかない」
先ほど火を放った男の子が、ポケットから小さなナイフを取り出す。
小さいと言ってもナイフはナイフ、刺されば死んでしまう。
けれど今の俺にナイフなんて物意味がなかった。
「いっけぇぇぇぇぇ」
ナイフを俺に向かって投げつける、そんなもの避けることなどたやすいと思ってた俺だが
さっき磁力を使っていた男の子がナイフに能力を付随させる、するとナイフは生き物のように動き出す。
そんなナイフに俺の動きは止まってしまう、
そして相手の顔を見ると笑っていたどうやらコレが狙いだったらしい。
「よしっ。いくぞお前ら一斉攻撃だ」
「これが狙いだったんですか。いいとこつきましたね。
しかし、俺がいつ攻撃は一個しか防げないなんて言いましたか?」
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 21:30:24.65 ID:yIby5I3B0
――――さんから今回の実験の事は教えられていた。
俺の右手に宿る、幻想殺しそれを強化する実験なのだそうだ。
そしてついさっき、俺は無意識の内に複数の能力を打ち消していたらしい。
それを今は意図的に行おうという訳だった。
「幻想殺しの拡大版、幻想消滅ってところですか」
甲高い音が幾重にも重なり研究所という空間を満たしていく。
砂煙が立ち上がり辺りを見えなくさせる。
ほどなくして砂煙は収まり、辺りは視界が良くなる。
「そこまでですね、上条君。貴方にお客様が来ていますよ」
「殺さなくていいんですか?」
「えぇ。彼らは貴方に負けた。どちらにしろ待ってるのは実験に使われるという運命だけですから」
「そうですか。それでお客様というのは?」
「上条君と同じ運命を持っている子ですよ」
「初めまして検体番号00001号ですと、ミサカは簡潔に自己紹介をします」
「検体番号一号って事は昨日の二号の子と一緒か?」
「はい。と、ミサカは同意します」
「そっか。今日はどうしたんだ?」
「貴方と一緒に遊びたいのですと、ミサカは00002号を羨ましがります」
「いいですか?」
「まぁ仕方がないな。君をこの子達のいる研究所に連れて行った私が悪いのだから」
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 21:42:10.15 ID:yIby5I3B0
「恩に着ます」
「今日は撤収だ。研究員達は今日の実験についての報告を終えて帰っていいぞ。
そして置き去りは自分の技を磨いておけ、次は殺されることになるぞ」
そんな――――さんの、大きく良く通る声を聞きながら二人で研究所を後にする。
10mほど後ろに一回ほど会ってるらしい人物がこちらを見ているのに気付かないで。
「で? お前は何処に行きたいんだよ?」
「えと、昨日00002号が行ってたゲームセンターに行ってみたいですと、ミサカは希望を述べてみます」
「あれ? 俺行った事話したっけ?」
「あの妹達はMNWでお互いの記憶を共有することが出来るのですと、ミサカは答えを言ってみます」
「マジか。じゃぁ昨日のも全部?」
「えぇ。今現在作られている個体全てが昨日の事を知っていますと、ミサカは事実を貴方に伝えます」
「不幸だぁー」
昨日の事と言うのは、恥ずかしげもなく可愛いよと言った台詞のことだ。
まさか全ての個体にリアルタイムで情報が流れているとはMNW恐るべし。
「まっいいか。今日は今日で楽しむか。
それと判別がつく様に何かアクセサリーを買うからいいの選んでくれよ?」
「えっ。いいのですか?と、ミサカはうれしさを隠せません」
「あぁ。多分、一ヶ月ほどの給料が無くなっちまうだろうけど」
今現在、作れれている個体の数を思い出しながら言う。
いやちょっと待て今5000体だから500万か……一ヵ月じゃ無理か。
まぁ別にいいやこいつ等の笑顔見れるんなら、無表情だったけどな。
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 21:52:12.71 ID:yIby5I3B0
「じゃぁ、早速行きましょうと、ミサカは貴方の腕を引っ張ります」
「お、おい。引っ張るなって」
「今日は楽しかったか?」
ビルの合間から零れる夕日に照らされる学園都市を歩きながら00001号に問いかける。
今、彼女は俺が買った星型のネックレスを首に下げていた。
「とっても。と、ミサカは感想を伝えます」
「そうか。それなら良かったよ」
「今日はどうされるのですかと、ミサカは返事を期待します」
「あっ。そういえば予定は聞いてないし、別に研究所へ行くよこれもあるし」
少し手を動かすと、ジャラと金属音がする。これは全部妹達へのプレゼントだった。
彼女達の要望を聞きながら、買いにいくだけで3時間以上かかった。
行く店でカップルと聞かれたのは一度や二度ではなかった。
「今日はカップルだと間違えられまくったよな嫌じゃなかったか?」
「いえ別に……ゴニョゴニョ」
「おーい。大丈夫か?」
「は、はい。と、ミサカは平静を装ってみます」
「自分で言っちゃダメじゃん」
「うっ。とにかくいいのですと、ミサカは強引に話題を変えます」
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 21:52:41.29 ID:yIby5I3B0
「じゃぁ、早速行きましょうと、ミサカは貴方の腕を引っ張ります」
「お、おい。引っ張るなって」
「今日は楽しかったか?」
ビルの合間から零れる夕日に照らされる学園都市を歩きながら00001号に問いかける。
今、彼女は俺が買った星型のネックレスを首に下げていた。
「とっても。と、ミサカは感想を伝えます」
「そうか。それなら良かったよ」
「今日はどうされるのですかと、ミサカは返事を期待します」
「あっ。そういえば予定は聞いてないし、別に研究所へ行くよこれもあるし」
少し手を動かすと、ジャラと金属音がする。これは全部妹達へのプレゼントだった。
彼女達の要望を聞きながら、買いにいくだけで3時間以上かかった。
行く店でカップルと聞かれたのは一度や二度ではなかった。
「今日はカップルだと間違えられまくったよな嫌じゃなかったか?」
「いえ別に……ゴニョゴニョ」
「おーい。大丈夫か?」
「は、はい。と、ミサカは平静を装ってみます」
「自分で言っちゃダメじゃん」
「うっ。とにかくいいのですと、ミサカは強引に話題を変えます」
91 :
89は無視してください
[saga]:2011/06/25(土) 22:00:53.77 ID:yIby5I3B0
「ってそろそろ研究所が見えてきたな」
「うぅ〜。ミサカのせっかくのチャンスが……ゴニョゴニョ」
「またか? 先に入るぞ」
「置いていかないでくださいと、ミサカは貴方を追いかけます」
「悪い。ドアを開けるぞ」
「「「「「「「「「「お帰りなさい。当麻さん」」」」」」」」」」
「「」」
「これは一体どうしたんでせうか?」
「えっとその、あの方がこう挨拶したらいいと教えてくれましたと、検体番号00010号は答えます」
「あの方って?」
「あの人ですと、ミサカは芳川桔梗を指差します」
「芳川さん! この間から変な事妹達に教えないでください」
「そうはいっても自分にも甘いし、他人にも甘いのよ私は」
ダメなこの人何とかしないと、純粋な妹達がどんどん汚されていきそうだ。
てか、俺は妹達にアクセサリーを届けに来たんだっだ。
「みんなに頼まれてきたアクセサリー届きに来たんだよ。
とりあえず今ここにいる妹達の検体番号は何だ?」
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 22:11:47.52 ID:yIby5I3B0
「00003、00010、00007、00006、00004、00005、00008、00009、00002、00011ですと、ミサカは右から順に検体番号を述べます」
「じゃあ、このセットとこっちか」
俺が持ってた袋から二つのセットを取り出す、一つは10番までともう一つは20番までのやつ。
そっから一つずつ取り出し各個体に手渡していく。
「これで最後だな、確か00011号は四葉のブレスレットだったよな」
「はい。と、ミサカは貴方からブレスレットを受け取ります」
「これで全部か。それじゃあ、帰r「えっ? 帰るんですか?」帰らないからそんな目で見るな俺を」
「良かったですと、ミサカは安心します」
「という事になったんですが、いいですかね?」
「いいわよ、何故かタイミングよく連絡が来たしね」
「じゃあ、今日はここに泊まるか。お礼に手料理を振舞うから」
「「「「「「「「「「「やったーと、ミサカは嬉しさでいっぱいです」」」」」」」」」」」
「いや、そんな期待する目で見るなっての」
「アレイスター、どうするのだ?」
「どうもこうもしないと行きたかったんだがね、まさか樹形図の設計者が二人の絶対能力者を出すなんて」
「(嘘付け、お前には何もかもお見通しなんだろ)どうする妹達を利用するか?」
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 22:20:55.37 ID:yIby5I3B0
「それも問題の一つだ。第一位はそれでいいのだが、あっちの方はそれじゃあ無理だ」
「どういうことだ?」
「正直なところあれに使った洗脳装置はまだ実験段階という事なのだよ。
人間に使ったのもあれが初めてで、効果はどこまで出てるのかはっきり分からない」
いつもとは違う、アレイスターの言葉にこの計画がプランに無かったものだろうと悟る。
しかし、アレイスターでも分からなければこの街の誰が分かるというのだろうか?
「しかし、間も無く妹達は10000体に到達するのだろう?」
「あぁ。20000体が必要だが、その前にあれの性格が元に戻ってしまっては元も子もない」
「なら予定通り第一位の方で進めるか?」
「その方が確実だが……。いやとりあえずあれをこの場所へ呼んできて欲しい」
「いいのか? ここは私とお前以外誰も知らないんだぞ」
「構わないよ。では明日この時間に」
「了解した」
プツンと通話が切れる音を聞きながら窓から学園都市の夜景を見ていた。
私とアレイスターは旧知の仲で、私自身ここの設計には大きく関わっている。
そして最近知った事なのだが、冥土帰しに彼は助けられていたらしい。
私が敵にやられ、たまたまイギリスにいた冥土帰しに助けられた二日後だったそうだ。
「私はいつまでお前と夢を見られるのだろうか、なぁアレイスターよ」
答える者はいない呟きは吸音材質の壁に消えていったのだった。
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/25(土) 23:04:06.65 ID:yIby5I3B0
すいません、少し電話がかかってきておりまして。
これで序章は終わりです次回からは
1,かなり原作と離れてる話(上条さんが絶対能力者を目指す)
2,少し原作と離れている話(こっちでは一方通行が被験者)
の二つのうちどちらかをやりたいと思います。
投票内容は次回の投下までです。
ではでは。
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/26(日) 00:01:07.07 ID:+E98EQo3o
2だな
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/26(日) 00:11:58.96 ID:7zjKxYYJ0
1にしておこうか
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(栃木県)
[sage]:2011/06/26(日) 22:43:56.89 ID:OVClJcBz0
1だな
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/28(火) 17:43:55.62 ID:GgrkYaWT0
投票結果は1になりました。
1が終われば2も書きたいと思います。
投下は明日になります、ではでは。
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/29(水) 23:28:08.68 ID:93KlKqoO0
投下しに来ました。
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/29(水) 23:28:41.07 ID:93KlKqoO0
「これより第一次実験を開始します、元より避けれぬ戦いですが必ず貴方の心を呼び戻してみせます」
およそ私の持つ雰囲気に合わないような武器を持ちながら私は彼に告げる。
一週間ほど前から突如として姿が消え、しかし忽然と自分の前に姿を現した彼に告げた。
対する彼―上条当麻は何の武器すら持ってはいない、“あくまで”自然体のままそこに立っていた。
そう“あくまで”なのだ。他人から見れば自然体に見えるものも同じ装置を使われた自分には分かる。
「すごいものですね、この街の科学は人を完璧に操れる洗脳装置を作り出すなんて」
彼女は無であるからこそ知識を入れれるが、元からある知識に上書きする形ではいずれ誤差が生じる。
しかし、この街の第五位に君臨する能力者の力をあの洗脳装置に取り付けたのだろう。
命令が無ければ最低限の事以外行わないようにし、かつ自分らが最大の利益を得るために。
だが急ごしらえで作った物ならば、洗脳が効く時間にも限りがあるはず。
そう教えてくれたのは芳川の知り合い布束砥信その人だった、彼女は上にばれないよう今回の装置の事を教えてくれた。
「だからこそ、私達は彼女のためにも必ず、貴方をこんなところから引きずり上げてみせます」
「…………」
彼は無言、一歩も動かない。その様子はまさに主に遣える従者を思わせる。
実験の開始宣言からゆうに5分が経ったころ、彼の耳にかかってるインカムが声を発した。
『さて、機は熟しました。今こそ君の実力を彼女達に見せてあげましょう』
「了解しました、我が心は主の命と共に」
彼から言葉が発せられるより早く、距離をとっていた。
それは作戦ではなく本能がそうさせたのだ、体格差もあり能力が効かない。
そんな相手に唯一アドバンテージがあるとすれば自分が持ってるこの武器だけか。
けれどそんな淡い期待はすぐに砕かれることになった、それは相手も同じ装置を使ってたからだった。
「くっ。ここままだと負け戦になりそうですね」
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/29(水) 23:41:18.81 ID:93KlKqoO0
もはや持ってる武器は残弾数は0、一定の速度で自分を追ってくる彼をもはや倒す手段はない。
ただ広い空き地の中、私は彼に買ってもらった星型のネックレスを握り締めていた。
「仕方ありませんね。きっと傷つくでしょうが自分は次への捨石となります」
持っている武器をわざと落として、敵に自分の居場所を知らせた。
近づいてくる足音を聞きながらあの日の事を振り返っていた。
00002号に嫉妬したと言って一緒にみんなのアクセサリーを買いに行く、
ただそれだけだったけど自分の心には喜びと嬉しさがつもっていった。
ザッと響いた足音、ふと後ろを振り返れば彼が見える。
「けど、このまま行くわけには行かないのです」
ポケットから取り出すは閃光弾、いかに洗脳装置で洗脳されてたとしても体の造りには敵わない。
自分は目を思いっきりつぶりながら地面へとそれを放り投げた。
ピカッと目の前が白で埋め尽くされる、相手がひるんだ一瞬の隙をつき私は走った。
自分は捨石僅かでも次へと繋げるために情報を欲する、それが自分の役割なのだから。
「これで鬼ごっこは終わりですか? モルモットさん?」
「貴方の口からそんな言葉は聞きたくないですね。だから今すぐにでも」
続けられるはずだった言葉は口から出ることは無く、そのかわり悲鳴が出た。
同じ装置を使ってるにもかかわらず予測できなかったその技を腕一本と引き換えに逃れていた。
「ごほっ。ごほっ。効きましたね今のは」
「じゃぁ次で永久の眠りへ導いてあげますよ」
「それは最後まで遠慮しときます」
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/29(水) 23:54:51.79 ID:93KlKqoO0
バックスッテップをとりながらこちらも技を仕掛けていく、
けれど体格の差か徐々に露見していき相手の技を捌き切れなくなっていく。
そしてこちらの技がかわされ、体が揺れたと思ったときには体は反転していた。
「あぐぅ」
「チェックメイトです。ではさようなら」
「どうだ? あれの反応は確認できているのか?」
『いや。まだまだと言ったところだ。まぁ着実に洗脳装置は効いているようだが』
「そうか。今日の実験は滞りなく遂行した。次は確か25日だったか?」
『あぁ。しかし油断は出来ないようだ、あれの精神がいつ元に戻るか分からんのだからな』
「それだけがこの実験の一番のネックだな」
『木原一族に開発を急がしてるが、そろそろ別のとこにやらせてもいいかもしれん』
「そうだな。しかし、よく選んだな第一位じゃなくて」
『ふふ。どうなるかと思ったが、このままだと大きくプランを進められそうだ』
「そうか。早くして欲しいよ私は君と違って不老不死ではないのだから」
『まぁ。20000通り終了するまでだ、やっと絶対能力者に辿り着ける』
「それはここが出来た時からの悲願だったからな」
『あぁ。今宵はここまでにしよう』
「了解した」
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/29(水) 23:58:42.89 ID:93KlKqoO0
今日は終了です、このお話は妹達メインです。
でもちゃんと、一方通行も美琴も麦野も出します。
次は未定です、次こそ5レス以上の投下をしたいですね。
ではでは。
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
[sage]:2011/06/30(木) 00:31:38.43 ID:NVD7ucpAO
切ないな
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/30(木) 01:24:11.41 ID:GznMVuC20
ミサカが自分の意思で、上条を想い、上条の為に、上条の手に掛かるっていうのが
なんというか…………もう、ね
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 08:48:12.77 ID:bAnoyizI0
お二人さんレスありがとうございます。
久々の更新ですね、今日の主人公はアイテムです。
では投下開始します。
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 08:48:59.94 ID:bAnoyizI0
「結局このサバ缶がきてる訳よ」
「五人で作った思い出作りの映画です。超これは期待しますね」
「……南南西から信号が来てる……」
第七学区のとあるファミレス、私達は四人でテーブルを囲んで座っていた。
フレンダは誰も聞いていないのにサバ缶について熱く語りだすし
絹旗も絹旗で名も知らないようなかなり駄作臭がする映画のパンフレットを握り締めてるし
滝壺に至っては日光浴ならぬAIM浴だったっけ? それに半目で浸っている。
こんなカオスな事になっているのは何時からだっただろうと、ふと思ってしまった。
「はぁ。絹旗、フレンダ何がそんなにアンタらを引き寄せるの?」
「それは、そのあのですね。駄作と分かっていながらも、私だけはこの映画を知ってる優越感というか……」
「種類が豊富だけじゃなっくっておいしいとこに魅力はある訳よ」
「分かった、分かった。もうアンタらはそれでいいわ」
恋する女の子のような目になった二人を慌てて止める。
やはりここにいるだけあって、普通の女の子とは感覚がずれてるらしい。
「とりあえず。今日は仕事があるからそこで止めて欲しいのだけど」
「そうですね。まぁ仕事の後にでも超見に行くとしましょう」
「ちょうど食べ終わったし、話を聞くって訳よ」
「むぎの、話していいよ」
三者三様の反応を見ながら私は一枚の紙をかばんから取り出した。
そこには今日の仕事の内容と、依頼者の名前が記載されている。
その記載者の名前を見て彼女達の顔つきが変わっていくのが手に取るように分かった。
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 09:03:17.17 ID:bAnoyizI0
「これ、統括理事会のメンバーからの超依頼って事ですか?」
「そうなるわ。初めて大きな依頼が来たって所かしら」
統括理事会のメンバーで表舞台にも立つ事があるこの人物については誰もが知っていた。
統括理事会の中でも一番の古株であり、表でおいても様々な面で活躍している。
そんな有名人が依頼してきた内容は次の通りだった。
『アイテムの諸君、君達の噂は最近よく耳にするようになったそこで次の事を依頼したい。
1,私が今行っている実験において嗅ぎまわっている者がいるようだ、まずは調査をしてほしい。
2,その人物が危険だと判明した場合こちらに連絡をよこして欲しい。
3,こちらで判断がつき次第、君達に排除を依頼するか、そのままでいいと連絡を送る。
4,以下の内容について君達は一切の他言無用とする。
この四つの事を依頼したい。依頼料は500万、成功した場合には追加で750万ほど振り込んでおく』
「これって、何処までが本気な訳よ?」
「まぁ、私も最初は疑ったわ。でもこれを見て気になってね」
私が取り出した数枚のレポート用紙、そこには絶対能力者進化実験と書かれてある。
そこにはここの“闇”を象徴するような内容で埋め尽くされている。
まず手始めに実験の内容について、20000万体の第三位のクローンを20000万通りで殺すというものだ。
二枚目には20000万通りの場所やその場所のその日の状況などが詳しく書かれている。
そして三枚目には被験者となる“上条当麻”という人物の詳細なプロフィールが書かれてある。
私は彼女達が四枚目に目を通すより早く、三枚目の紙に指を当てていた。
「これどういう能力なんだろうね?」
「“幻想殺し”ですか。超中二病な感じですね」
「でも、能力の内容は伏せられてるね。何でかな?」
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 09:11:57.19 ID:bAnoyizI0
「そうなのよ。だから気になって調べてみたら何処の学校にもいなかったの」
「どういう事って訳よ?」
「仮にも超能力者だからね、ちょっと書庫にを見たんだけどどこにも情報は無かったわ。
けど知り合いの研究者に聞いたら、何でも能力を打ち消す力を持つ能力らしいのよ」
私の言葉を聞いてみんなは黙ってしまった。実を言うとこういう沈黙は気まずい。
一人でいつも行動してきたがために、場のこういう雰囲気には慣れていなかった。
結局場の雰囲気に耐え切れず口を開こうとしてたところで絹旗が口を開いた。
「この人前に私を超助けてくれましたよ」
「「えっ?」」
「確か一ヶ月ほど前でしたっけ、超ドジってスキルアウトに囲まれてた時に超助けてもらったんです」
「それは本当に彼だったのかしら?」
「多分そうだと思います。こんな超ツンツン頭の少年他に見た事がありませんし」
絹旗の言葉に私は上層部に対して一つの疑惑を感じていた。
それは上条当麻なる人物を研究者に聞いた時の研究者の言葉が原因だった。
確かあの時、研究者はこう言ってたはずでは無かったか。洗脳装置を使っていると。
「まぁ。それが本当だったとしても私達がやる仕事には関係ないわね」
「まっ。被験者がどうなろうとお金さえ貰えばいいって訳よ」
「それもそうだね」
「超そうですね」
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 09:26:31.25 ID:bAnoyizI0
私が言った台詞に対し賛同の言葉を返してくれるみんな。
解散するのは少しばかり中途半端な時間なのでみんなの予定を聞く事にした。
「今日はアンタ達どうするの?」
「今日は先ほどのC級映画を超見に行こうと思ってます」
「今日は行きつけのサバ缶屋が休みだから暇って訳よ」
「私も暇かな。今日は何にも予定が無いし」
「そう。それなら絹旗以外で第六学区の新しく出来たアミューズメント施設へ行きましょうか」
「嬉しいって訳よ」
「でもあそこって会員制だよね?」
「それは問題なし、この依頼してくれた人がパスくれてるから」
「やったーって訳よ。だからこの仕事やめれないのよ」
「そうだね。普通なら確か10万ぐらいかかるんだしね」
「どうする絹旗? 今日を逃せば次入る時アンタだけ10万払う事になるわよ」
「超仕方ないですね。一緒に行ってあげます」
私は横目で二人の事を見た、絹旗は気付いていないが二人とも少し笑っている。
二人にアイコンタクトを送りながら、少し顔が赤くなってる絹旗を見た。
普段は汚れた闇の中にいる私達にだって少しはめを外したってバチは当たらない。
「フレンダ、下部組織の人間を入り口んとこに呼んどいて」
「了解って訳よ」
「絹旗と滝壺は……。何もすることはないわね」
「分かった。先に出ていていい?」
「いいわよ。絹旗も一緒に行っていいわ」
「超了解です」
二人は姉妹のようにここから出て行った。
残されたのは少しファミレスの雰囲気から出てしまった私だけ。
支払いを済ませようと思い、レジに向かおうとしたところで後ろに振り返って声をかけた。
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 09:33:22.94 ID:bAnoyizI0
「さっきからさ。何で私の事尾行してたのかにゃーん」
目の前にいた人物は自分の予想とは全く違う人物だった。
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 09:38:00.51 ID:bAnoyizI0
無理矢理5レスです。
実を言うと最後のやつはもっとうまく表現したかった。
次回更新は未定、さて麦野が出会った驚きの人物とは?
ではでは。
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/03(日) 15:49:03.83 ID:SnUVShU10
乙
空気読まずに余計なお節介だと思うけど、一応―――20000万は多すぎないか?
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/03(日) 17:07:27.49 ID:bAnoyizI0
うわぁ。なんていうミスを万なんていらないですね。
2000万ではなく20000に脳内変換お願いします。
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中部地方)
[sage]:2011/07/06(水) 17:35:27.35 ID:mbltUqgu0
乙
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/09(土) 10:13:14.05 ID:SbFUAihy0
すいません来れなくて夏風邪をひいてしまいまして、
書き溜めはるので明日の夜に来ます。
ではでは。
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/10(日) 20:42:19.77 ID:1KsRPbZj0
では久々の投下開始します。
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/10(日) 20:43:26.57 ID:1KsRPbZj0
「やはり気付かれてしまいましたか」
「なっ」
「どうされたのですか? 序列第四位の麦野沈利さんでよろしいですか?」
「お前は第三位?」
「いえそれは、お姉様の事でしょう。ミサカはクローンの一人ですよ」
「何でそんな奴がこんなとこにいるのよ」
「貴方に頼み事があって後をつけていました。とミサカは頭を下げます」
絶対能力者進化実験のために用意された第三位、御坂美琴のクローンは2000体にもおよぶ。
そのうちの5000体ほどは、量産型能力者実験から流用されたものだ。
この5000体には感情という情報が洗脳装置によって入力されており普通の人間とあまり変わらない感情を持つ。
そのうちの一体である00003号は自らの意思で、第四位の麦野沈利を探してこうして会っていた。
「で? アンタはその被験者の上条当麻を助けて欲しいと」
「はい、彼は強化された洗脳装置で上層部のいいように使われています」
「ふ〜ん。でもさ私も依頼されてるからね、500万で」
麦野さんの言葉を聴いて納得したとこがあった、急に実験の日程がずれたことや場所がずらされたのも理解できた。
やはり上層部は、この実験について一般人の介入を徹底的に排除したいらしい。
「それについてはギリギリですが何とか払えますよ。追加料金も含めて」
「…………」
「どうかされたんですか?」
「いやさ。そこまでしてどうして実験を止めたいのかなって思ったの」
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/10(日) 21:06:19.62 ID:1KsRPbZj0
確かに麦野さんの言うとおりこの方法はリスクが高すぎる。
いくら私達がクローンという事を公表すると脅したって、私達の行動を制限されては終わりだ。
けれど、そんな割に合わないという事をしたいと思うほどこの心は言う事が効かなかった。
「そっか。まぁ私は恋ってしたことないからね。アンタ達のどれだけ思ってるという心までは理解できないわ」
「そうですか……」
「でも。この計画には乗ってあげるわ。最近ちょっと上層部に恨みがあってね」
「ありがとうございます」
「ただし。どうどうとは行動できないわ。所詮私達は上が無かったらのたれ死んじゃうから」
「それでも構いません」
「そっか。まぁチームとしては動けないから、私個人でこの仕事は請ける事になる。それでもいいかしら?」
「ありがとうございます」
「気をつけて、貴方が私に接触したのは多分上も知っているはず」
「ふふ。そんな事は気にも留めません」
「すっごくいい目してる。じゃぁ私に任せてね」
「ありがとうございました」
バイバイと言って麦野さんはファミレスを後にした。これで有利に事を進める事が出来るだろう。
けれど、一つ駒を増やしたからといってすぐにチェックメイトになるほど簡単ではない。
だからこそこのミサカの他に二人ほど別の人物へと会いに行っていた。
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/10(日) 21:49:09.09 ID:1KsRPbZj0
「どうですか? 00005号?」
『とりあえずお姉様には事情を話しました。かなりびっくりされてましたが』
「まぁ、それは理解できますね。ミサカだってクローンがいると言われたらかなり驚きますし」
『そしてお姉様はちょっと研究所どこよってうるさかったので00007号に任せてます』
「さりげなく貴方もひどいことをしますね」
『いいのです。このミサカはあやうく黒コゲになるところでしたから』
「それはちょっと笑えない冗談ですね」
『ですので、こちらも問題ありません』
「では、残りのメンバーに通達しときますね」
5000体が全員が全員実験を止めたいと思っているわけじゃない。
いくら彼に恋してたとしても、彼のためならという理由で実験を推奨してる妹達もいる。
確かにそれは少数派であり、立場は弱いものの反対してるメンバーの行動を見張る役目を持っていた。
「こちら00100号です。00003号が第四位の麦野沈利と接触、それと他の妹達二人がお姉様に接触した模様です」
『報告ありがとうございます。では引き続き監視に当たって下さい』
「了解です。他のメンバーはどうしていますか?」
『現在、出来るだけ反対派にばれないよう。他の協力機関と交渉しているようです』
「分かりました、では何かあり次第また報告します」
ブツッと回線が切れる音が頭の中に響いた、それはMNWを用いない各個体間の通信であるためだ。
通常MNWはログインしていると各個体間で話している内容が他の妹達に筒抜けという場合がある。
それを防ぐために、ある装置を使って各個体間の通信を可能にしていた。
「やはり、慣れないものです。もう一段階グレードアップして欲しいものですね」
愚痴を零していると、ターゲットである00003号はファミレスから移動するようだ。
電磁波を乱反射する装置のスイッチをつけ尾行を開始した。
(でもやはり、他の妹達を追うのは身が引けますね)
今は立場が別れているといっても、元は同じ第三位のクローン体である。
正直な話、00100号はこうやって他の妹達を追うのは嫌だった。
けれど実験を推奨としている以上、反対派の動きは知っておかなくちゃならない。
121 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/10(日) 22:01:05.69 ID:1KsRPbZj0
(ぶっちゃけると誰かがぶち壊してしまえばいいのにと、ミサカは思います)
そんなこと学園都市の第一位でもなければ不可能と思う。
何者かの手によって実験が中止させられないよう絶えず情報は他の研究機関にバックアップされてるのだから。
研究所全てを一瞬で無に返してしまうような能力者でなければ不可能に近かった。
(おっと。そんなこと思ってる間に00003号は研究所の中に入ってしまいましたね)
これも襲撃者対策のためか、今現在妹達は50体ごとに各研究所へと場所を変えている。
自分は00100号なので、この研究所から三つ目にあたる場所である。
何も無かったと報告しようとした時頭上を“何か”が飛んでいった。
その何かは白い髪に真紅な瞳をそして背中から竜巻を出して00003号がいる研究所の後ろにある研究所へ向かっていってしまった。
(何ですか、あの中二病全快の少年? にしても羨ましいほど線が細かったですね)
まだ気付かなかった彼こそが学園都市の第一位あることを
そしてこのくそったれな実験を壊してくれるヒーローとなることを
それは誰も予想しなかった形で私達の存在を守ってくれる事になることを、私達はこの時誰一人として気付かなかった。
「ふふ。計画通りだな」
『あぁ。ここまでうまく行くとは思わなかったのだがな』
「そうだな、妹達に感情を与えたのはやはり正解だったようだ」
『製造ラインはもう止めてある。しかし、あれに使う以上もう少し個体を増やす必要があるだろう』
「そうだな。対魔術師専用か。よく考え付くものだよ」
『何を言う、君がいた所の技術を教えてくれなければこの方法は生まれなかった』
「いや。私はあくまでも種を撒いただけ。それを花まで咲かせたのは君の才能だよ」
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/10(日) 22:20:30.04 ID:1KsRPbZj0
『そうか。君が言うならそうなのだろう』
「欲を言うと、君と直接会って酒を飲みながら話をしたい」
『! 君はもう?』
「そうだな、まだまだと言いたいところだがそろそろお迎えがくるかもしれん」
『そうか。ならこの実験が成功した暁にもパァーっと飲もうじゃないか』
「ありがとう。では先にモニター越しにでも乾杯といこうか」
『な、ずるいぞ。私は酒を持つことが出来ないのだぞ』
「そんな事は関係ない。では乾杯」
モニター越しに見るアレイスターの表情がみるみる怒りに染まっていく。
そうだお前はそういう表情をしてればいい、確かにホルスの時代は魅力的だ。
しかし、もう私も長くは持たない。この間大魔術にほとんどのエネルギーを使ったからな。
命と引き換えにおこすこの魔術、成功を願わずにはいられないな。
『く。君という人は、仕方ない成功したら意地でも一緒に飲みに行こう』
「ふふ。楽しみにしているよ」
ブツッと通信が切れ、部屋の中に沈黙が流れる。
月夜にてらされた部屋の中、私はある少年の事を思っていた。
(上条君、君にはとんでもないことをしてしまったね。しかし、私は一切の後悔をしない。
我が一族だけに伝わる禁忌の魔術それを使うためにはこの実験にアレイスターを縛り付けておく必要があったのだ。
科学サイドと魔術サイド両方がいがみあう事無く過ごせる日々。それを作るためなら私はなんだって犠牲にしよう)
もとより先が短い人生、なら大博打にかけたって後悔はしない。
私は月を見つめながら今後の平和を願わずにはいられなかった。
123 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/10(日) 22:25:00.64 ID:1KsRPbZj0
今日はこれにて投下終了です。
皆さん夏風邪にはほんと気をつけてくださいね、
今の時期クーラーつけれないとかマジありえないですから。
次回投下は未定ですが、忙しさも落ち着いてきたので早めに投下できそうです。
ではでは。
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/14(木) 20:18:46.50 ID:fCJ/Sztv0
html化してきます。
忙しくなり投下が一週間空くという事態にはおさまりきらなくなってきたので
一旦依頼出してきます、落ち着いたらスレ作るのでその際にはよろしくお願いします。
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/14(木) 21:16:16.56 ID:BjnJ8xUPo
マジですか
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