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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/01(水) 00:10:30.20 ID:S1g8rjuIo
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」とは
 2ちゃんねる - ニュー速VIPで生まれた
 都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたりそんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
 まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりと色々活動しているスレです。
 基本的に世界観は作者それぞれ、何でもあり。

 なお「都市伝説と…」の設定を使って、各作者たちによる【シェアード・ワールド・ノベル】やクロス企画などの活動も行っています。
 舞台の一例としては下記のまとめwikiを参照してください。

まとめwiki
 ttp://www29.atwiki.jp/legends/

まとめ(途中まで)
 ttp://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html

避難所
 ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13199/

■注意
 スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
 本スレとはあまりにもかけ離れた雑談は「避難所」を利用して下さい。

■書き手の皆さんへ
 書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップ推奨(どちらも非強制)
 物語の続きを投下する場合は最後に投下したレスへアンカー(>>xxx-xxx)をつけると読み易くなります。
 他作品と関わる作品を書く場合には、キャラ使用の許可をスレで呼びかけるといいかもしれません。
 ネタバレが嫌な方は「避難所」の雑談スレを利用する手もあります。どちらにせよ相手方の作品には十分配慮してあげて下さい。

※重要事項
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 メール欄に半角で『saga』の入力推奨。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/06/01(水) 00:23:11.70 ID:AhCOcbY5o
>>1乙です

前スレまでのまとめと本スレ移転における未代理投下のまとめ
ttp://sageuploade.rdy.jp/34upload/src/sage34_0812.zip.html

パス:toshi
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/01(水) 00:24:39.22 ID:+uiOWtal0
乙です!
だが俺は明日頑張るよ…
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 00:25:20.11 ID:CQUlFcIF0
>>1
乙!!
寝る前に投下するが構いませんか!?
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 00:27:35.63 ID:S1g8rjuIo
????(?D??)
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 00:28:10.75 ID:S1g8rjuIo
早速文字化けしたwwwwww
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/01(水) 00:32:25.96 ID:S1g8rjuIo
????(?D??)
8 :緑色の悪意 [saga]:2011/06/01(水) 00:32:36.03 ID:CQUlFcIF0
 チューリップ畑の手入れをしていた時、ふと、視線を感じた気がした。
 振り返っても、誰もいない。

 気のせいかと思ったが、また、視線を感じる。
 振り返っても、やはり誰もいない。

 視線はいつまでもこちらを向いている。
 いつまでもいつまでもいつまでもいつまでもいつまでも

 ふと、視線がずいぶんと低い位置から向けられている事に気づいた。
 視線を下へと下す。

 満開に咲き誇るチューリップのその陰に。

 小さな。
 小さな、小さな、小さな、小さな。
 緑色の影が、見えて。

『ねぇ、知ってる?』

 友人が反していた噂を思い出す。

『街中の人ごみの中で、ね。小さな緑色の人間が見える事があるんだって』

 確か、リトル・グリーンマンとか言ったか。
 テレビか何かで、芸能人が言っていた気がする。

 ……ここは、街中じゃない。
 人ごみの中でもない。
9 :緑色の悪意 [saga]:2011/06/01(水) 00:33:37.16 ID:CQUlFcIF0
 自分以外誰もいないチューリップ畑。
 チューリップの葉を見間違えたのかと思った。

 だが、違う。
 あれは、確実に、人の形をしていて……

「………え?」

 気づいた時。
 その、小さな緑色の人は、自分の足もとに、いて。

 その、緑色の小人が


 −−−−−−−にぃ、と


 邪悪に、笑った気がした


 −−−暗い。

 頭がぼんやりしている。
 なんだか、ひどく疲れた気がする。

 そうだ、眠ろう。
 眠ってしまおう。
 これは、ただ眠たいだけなのだ。
10 :緑色の悪意 [saga]:2011/06/01(水) 00:34:49.09 ID:CQUlFcIF0
 そういえば
 自分は、何をしてたっけ?
 まぁいいや もう、眠たい
 眠い、眠い、眠い…


 おやすみなさい、と誰かが言った気がした。
 その声を最後に、意識が闇に落ちた。



 おやすみなさい、永遠に。
 この世に、永遠に目覚めぬ眠りを。



 その日。
 チューリップ畑で、一人の人間の死体が見つかった。
 状況から事件、事故、両方の面から警察は調査している。



 −−−TVから、そんなニュースが流れる。
 人通りの多い街中。
 誰も、そのニュースに気を留めた様子はなく
 ただ 人ごみの中、誰にも気づかれないように存在していた、小さな緑色の小人は。
 にぃ、とその顔に邪悪な笑みを浮かべたのだった
fin
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/01(水) 00:36:43.06 ID:CQUlFcIF0
使用都市伝説:リトルグリーンマン


○○○は「緑」「チューリップ」「おやすみ」に関わる、「得意ジャンル」のSSを7ツイート以内で書きなさい。 http://t.co/dCUvRKV

と言うお題でツイッターで書いたものをこちらに流用した
手抜きですまんorz


そして、俺は寝ます、おやすみなさい!
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/01(水) 00:45:10.41 ID:+uiOWtal0
乙です〜
マジでやったのかwwwwwwwwすげぇ、すげぇよ…
13 :「携帯電話」「留守番」「海岸」に関わる、「登場人物1人限定」のSSを8ツイート以内で書きなさい [sage saga]:2011/06/01(水) 01:18:04.31 ID:S1g8rjuIo

 携帯電話が鳴り響く。

 残念だがこの電話はいつも留守番電話だ。

 誰が出てやるものか。

 ぼくの調査が間違っていなければ、この『クローン携帯』が始祖だから。

 だから、ぼくは、ぶん投げる。

 人気のない海岸から、遠く遠く――海へと。

 たったひとつの思いを込めて。

 くたばれ、都市伝説。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/01(水) 01:23:48.73 ID:S1g8rjuIo
ツイート→行に変換して便乗してみた。
15 :首の行方 [sage saga]:2011/06/01(水) 05:03:42.60 ID:P0qTUBK0o

「ラジオをお聞きの皆様こんばんは。初めての方は初めまして。そうでない方はまた会えて嬉しく思います。
 現代に語られる恐怖の噂、都市伝説の世界へようこそおいでくださいました。
 さて、今夜の噂は『首無しライダー』。世間様にはわりと名の知れた噂にございます。
 首なし人間がバイクを駆り、道行く人の首を刈る。後に残るは首の無い死体が一つ。
 ……はて、では刈られた首はどこにいったのでしょうか?」

「今宵語るは、そのような話でございます。ではごゆるりとお付き合いくださいませ……。」


    ・
    ・
    ・


「……はぁ、すっかり遅くなっちゃった。」

 明かりもまばらな夜の住宅街を、一人の少女が歩いている。
 コツコツと靴の音だけが響き、周囲に人の気配はまるで感じられない。

「でも大会近いし仕方ないか。……うん、泣き言なんて言ってられないよね。」

 疲れてはいるがどこか爽やかさを感じられる声で、少女は自分を奮起させる。
 コツコツと響く靴の音。それを掻き消すように、唐突にけたたましいエンジン音が鳴り響いた。
 少女はビクッと体を震わせ、思わず体を萎縮させた。

「うぅ、やだなぁ……暴走族とかだったらどうしよう……。」

 この道に来ませんように、と祈りながら、若干足を速める少女。
 だがそんな少女の祈りもむなしく、エンジン音を唸らせたバイクが正面から近づいてくるのを見て取った。
 心の中で不運を嘆きつつ、下手に気にする方が不味いと思い、そのまま歩き続ける。
 バイクの方も少女に気付いた様子で、速度を落としながらこちらに近づいてくる。
 少女はバイクから視線をそむけながら道路の端に避けて、できるだけ早足で通り過ぎようとする。
 が、すれ違い様、つい目を向けてしまった。
 そしてその異様な外見に疑問を持った。

 ……え?あの人、首が――――

 その思考が完結するより先に、少女の首が宙を舞った。

16 :首の行方 [saga]:2011/06/01(水) 10:10:53.99 ID:wZdWOIc/0

 首から上がなくなった体を見下ろすように、その傍らに立つ首なしライダー。

「うん、今日の子もなかなか僕好みの可愛い子だよ。いつも僕の好みを押し付けて悪いね。」

 そんな首無しライダーに一人の男が近づき、いたって軽い調子で話しかける。
 その男の腕の中には、先ほど首なしライダーが刈った首が大事そうに抱えられている。

「……何、お互い様だって?まぁその通りではあるんだけどさ。
 僕は君が刈った首を持ち去ることで、君の『首なしライダー』としての存在を確固たるものにする。
 そして君はそれに応えるべく、僕好みの人間を優先して標的とする……そういう契約だったね。
 それでも僕の感謝の気持ちに変わりは無いよ。いつもありがとう、首なしライダー。」

「……おっと、こうしちゃいられない、首は鮮度が命だ。じゃあ今日はこの辺で。また次の首が決まったら教えてくれよ。」

 その言葉を契機に、首なしライダーはエンジン音を鳴り響かせて住宅街を後にした。

 首を抱えた男はそれを見送ると、近くの家の中へ入っていった。
 一見するとどこにでもあるような一般的な邸宅だが、リビングの一角に開いた四角い穴が地下室の存在を示していた。
 男は首を抱えたまま地下室への階段を降り、そこに鎮座する巨大な冷蔵庫の扉を開けた。
 その中にずらりと並べられた首を一通り見回すと、抱えていた首を他の首と同じように並べた。

「……この冷蔵庫ももうじきいっぱいか。そろそろ新しいの買いなおさなきゃなぁ。」

 そう呟いて満足そうに顔を歪めると、並べられた首たちをいたわるかのように静かに冷蔵庫の扉を閉めた。
17 :首の行方 [saga]:2011/06/01(水) 10:12:10.26 ID:wZdWOIc/0

    ・
    ・
    ・


「……こうして首なしライダーが刈った首を男が蒐集することで、後には首の無い死体だけが残るのでございます。
 首を刈る本能に駆られた首なしライダーと、首を蒐集する欲望に駆られた狂人。最良の相棒を得た最悪の二人組は、今もどこかを彷徨っているのです。」

「ところで最近、『友達がこのラジオで聞いた都市伝説に襲われた』といったお便りが多く寄せられます。
 常日頃から申しておりますように、都市伝説とは『語られるところに存在する』のです。
 聡明なリスナーの皆様、どうかここで聞いたことは語ることなく、そっと胸のうちに秘めてください。
 さもなくば、次に都市伝説と出会うのは、あなたのご友人かもしれません……。」

「……といったところでお別れの時間が参りました。
 今夜の噂はこれにておしまい。7日後に再びお会いできることを、心よりお祈り申し上げます。」


    ・
    ・
    ・


18 :首の行方 [saga]:2011/06/01(水) 10:13:17.07 ID:wZdWOIc/0

「――――こうして最良の相棒を得た最悪の二人組は、今もどこかを彷徨っているのです……。」
「やだ怖いー。そんなの聞いたら一人で帰れないよぉ。」
「よしよし、怖くない怖くない。私が一緒に帰ってあげるから大丈夫だって。」

 人がまばらとなった放課後の教室で、きゃいきゃいと笑いながら怪談談義に花を咲かせる女子高生二人。
 そのうちの片方が教室の時計を見上げ、思い出したように口を開く。

「あ、そうだ。あたしこれから委員会の仕事があるから少し遅くなるよ?」
「え、嘘?私、親に買い物頼まれてるからそろそろ帰ろうって言うつもりだったんだけど……。」
「えーちょっとー。あんな話しといて一人で帰れっていうの?」
「ホントごめん!今度何かおごるから、それでかんべんしてよ。」
「ふふっ、いいよそんなの。ただの噂でしょ?もうそんなの信じるような歳じゃないよ。」
「ごめんねー。買い物ついでに甘いもの買ってくるから、明日放課後にね!」
「うん。期待しないで待ってる。じゃあね!」

 手を振りながら教室を出ていった友人を見送った女子高生は一つのびをして、自身も委員会の仕事へと向かうべく教室を後にした。
19 :首の行方 [saga]:2011/06/01(水) 10:14:09.79 ID:wZdWOIc/0

    ・
    ・
    ・


 ……もう、なんであたしが当番のときに限って仕事がいっぱいなのよ。
 凄く疲れたしもうすぐ日も暮れるし……やっぱり一人はちょっと怖いし。
 せめて自転車だったら気も紛れるんだけど、徒歩だと足音がやけに響いて、まるで後ろから誰か付いてきてるような……ヤメヤメ!
 よし、明日あの子が買ってくる甘いものに期待しよう。もし買ってこなかったら罵ってやろうそうしよう。

 そんなことを考えつつ背後から聞こえたエンジン音に振り返り、あたしの体はそこで固まった。

 ……違う、あれは噂。友達がラジオで聞いた噂。所詮ありふれた創作に過ぎない。
 じゃあアレは何?今あたしが見ている現実は何?
 なぜ『首の無い人間がバイクに乗っている』の?
 バイクが迫ってくる怖い逃げなきゃでも足が動かない怖い助けて怖い怖い怖いだれか――――

 少女の恐怖が終わると同時に、少女の首が宙を舞った。

「……綺麗だ、凄く綺麗だよ。艶やかな髪。きめ細やかな肌。困惑と恐怖の表情。きっと君はみんなと並んでも一際映えるだろうなぁ……。」

 どこからともなく現れた男は愛しそうに抱えた首を撫でながら、夕闇へと消えていった。


20 :首の行方 [saga]:2011/06/01(水) 10:15:43.81 ID:wZdWOIc/0


    ・
    ・
    ・


「……こうして首なしライダーが刈った首を男が蒐集することで、後には首の無い死体だけが残るのでございます。
 首を刈る本能に駆られた首なしライダーと、首を蒐集する欲望に駆られた狂人。最良の相棒を得た最悪の二人組は、今もどこかを彷徨っているのです。」

「ところで最近、『友達がこのラジオで聞いた都市伝説に襲われた』といったお便りが多く寄せられます。
 常日頃から申しておりますように、都市伝説とは『語られるところに存在する』のです。
 聡明なリスナーの皆様、どうかここで聞いたことは語ることなく、そっと胸のうちに秘めてください。
 さもなくば、次に都市伝説と出会うのは、あなたのご友人かもしれません……。」

「……といったところでお別れの時間が参りました。
 今夜の噂はこれにておしまい。7日後に再びお会いできることを、心よりお祈り申し上げます。」


21 :首の行方 [saga]:2011/06/01(水) 10:16:37.28 ID:wZdWOIc/0




        「忠告は素直に聞かないと、どうなっても知りませんよ?」

                                         終わり



22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/01(水) 10:17:47.88 ID:wZdWOIc/0
以上、タイトルに(代理)って入れ忘れたけど代理投下終了でした

っふ……イーモバイル回線の方にはきつい環境だとは知らなんだ…
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/01(水) 10:43:42.80 ID:X6ii2BeIO
パー速いけ
24 :がっこうのかいだん [saga]:2011/06/01(水) 19:05:52.30 ID:QKw18eKEo
 噂話
 怪談
 伝承
 悪戯
 創作
 勘違い
 どんな形であれど、数多の人を伝い姿形を変えながら
 一時でも、それは『ある』ものだと信じられ
 その存在を語られ、騙られ、形られ続けたもの
 それをこの町では

『都市伝説』

 と呼ぶ

―――

 少年は息を切らせて廊下を駆ける
 窓の外は既に薄紅く染まった黄昏時で、その色に染まった廊下はどこか現実感を失わせる印象だった
 部活動も既に終わり、教師も大半が校舎から引き上げたこの頃合
 忘れ物を取りに
 そんなありがちな理由で
 学校の怪談などで、人気の無い校舎に入り込むためのありがちな理由で、人目を避けて校舎に入り込んだ少年は
 出会うべくして『それ』に出会った
 廊下の突き当たり、タイル張りの床の上に、うつ伏せにぺたりと張り付いた少女の姿
 遠目には頭と腕しか見えなかったそれは、ただ誰かが倒れているようにしか見えない
 だが、生徒など誰も居ないはずの放課後の校舎で
 この学校の制服ではないセーラー服で
 そして何より、突然腕を立てて起き上がったその少女の下半身には、スカートが無かった
 何も履いていなかったという意味ではなく、何もついていなかった
25 :がっこうのかいだん [saga]:2011/06/01(水) 19:06:20.28 ID:QKw18eKEo
 噂話
 怪談
 伝承
 悪戯
 創作
 勘違い
 どんな形であれど、数多の人を伝い姿形を変えながら
 一時でも、それは『ある』ものだと信じられ
 その存在を語られ、騙られ、形られ続けたもの
 それをこの町では

『都市伝説』

 と呼ぶ

―――

 少年は息を切らせて廊下を駆ける
 窓の外は既に薄紅く染まった黄昏時で、その色に染まった廊下はどこか現実感を失わせる印象だった
 部活動も既に終わり、教師も大半が校舎から引き上げたこの頃合
 忘れ物を取りに
 そんなありがちな理由で
 学校の怪談などで、人気の無い校舎に入り込むためのありがちな理由で、人目を避けて校舎に入り込んだ少年は
 出会うべくして『それ』に出会った
 廊下の突き当たり、タイル張りの床の上に、うつ伏せにぺたりと張り付いた少女の姿
 遠目には頭と腕しか見えなかったそれは、ただ誰かが倒れているようにしか見えない
 だが、生徒など誰も居ないはずの放課後の校舎で
 この学校の制服ではないセーラー服で
 そして何より、突然腕を立てて起き上がったその少女の下半身には、スカートが無かった
 何も履いていなかったという意味ではなく、何もついていなかった
26 :二重になっちゃってたorz [saga]:2011/06/01(水) 19:32:07.64 ID:QKw18eKEo
 赤黒く染まったセーラー服の裾から覗く、ちらちらと揺れる臓物の色がただただ鮮明に目に焼き付いていた
 起き上がり、上げた顔が少年に向けられ
 目が合うと同時に、『それ』はまたべたりと床に張り付くと、恐ろしい速度で床を這いずり少年に向かって一直線に迫ってきたのだ
 少年は思わず逃げ出した
 すぐ脇にあった階段を駆け上がるとほぼ同時に
 それまで少年が立っていた場所を掴むかのように少女の細腕が空を切り、勢い余って廊下の反対側まで
 そのまま何処かへ行ったのか、それとも戻ってくるのか
 そんな事を確認する余裕も無く、駆け上がった二階にある教室の一つへと飛び込み
 素早く、だが音を立てないように扉を閉じて、扉からは死角になるよう教壇の影に腰を下ろす
「何だよアレ……なんか小学校の時に、あんなのの怪談とか聞いた事あるような……」
「どんなの?」
「上半身だけで這いずってくる女の、こ……?」
 不意に聞こえた疑問の声に、少年はつい答えてしまっていたが
 それが少女の声だと気付くと、背中に悪寒が駆け巡る
 転げるように教壇から身体を離し、声がした方、教壇の下に視線を向けると
「襲うとか殺すとかめんどいから、そんなに恐がらなくてもいいよ……ああ、石の下に住んでる虫になりたい」
 そこに居たのは、小学生ぐらいの年齢だろうか
 Tシャツにスパッツ、バスケットボールで着用するようなゼッケンを付けた、小柄な女の子だった
 ただその頭部は本来ある位置には存在せず、体育座りをした膝の上に置かれ、頭の上に手を組んで乗せて身体を預けるという不気味な格好ではあったが
 その言葉のせいか、態度のせいか、はたまた追いかけられた上半身だけの少女との比較のせいか、その恐怖感はやや控え目である
「上半身だけってのは、多分『テケテケ』。引き千切られて同じ姿にされるとか、大体そんな感じの奴」
「引き千切っ……!?」
「ああいう迷惑掛ける奴がいるから、脅かすだけの私達みたいなのが割を食うのよね……空き地に生えてる草になりたい」
 死んだ魚のような濁った目をして、床にぐりぐりのの字を書き続ける少女
「ね、ねえ……どうにかあれから逃げられないかな?」
「何で私に聞くかなぁ、めんどい……遭遇したなら判ると思うけど、あれ足速いよ? 使ってるの手だけど」
「隠れて待ってたら消えたりは……」
「しない。むしろ日が沈んだら本番」
 そんな話をしているうちに、静かな校舎の中で廊下に響くぺたりぺたりという音
「ど、どうしよう、見付かったらどうしよう!?」
27 :がっこうのかいだん [saga]:2011/06/01(水) 19:33:09.86 ID:QKw18eKEo
「上手い事逃げ切るか、やっつけるしかないんじゃないかな。まあ頑張って、私はここで床に埃が積もっていくのを眺めてるから」
「逃げようにも無茶苦茶動きが早いし、やっつけるとか更に無理なんじゃ……手伝ってくれたりは、その、しないのかな?」
「めんどい。やる気しない……あ、でも見捨てたとか知られたら怒られそう……でもめんどい」
 ぐずぐずと何事か思案していた少女だったが、何か諦めたように顔を持ち上げる
 生首に真っ直ぐ見詰められ、少年は思わず怯みそうになる
「めんどいけど、『契約』でもする? そうでもしないと戦うとか無理だし」
「け、契約? 何それ、魂とか寄越せとかそういうの?」
「そういうのも居るけど……大体の『都市伝説』はね、一緒に居て、忘れないでくれればいいだけ」
 何処かの誰かになんとなく知られているだけでも、存在するには充分ではあるが
 たった一人でも強くその存在を認識され、必要とされる事でより力を得る事ができる
 それが『都市伝説』の、契約という名の絆
「す、する! だから助けて!?」
「ん、それじゃ」
 少女は手にしていた自分の頭部を、ひょいと少年に向かって放り投げる
「わ、わわ!?」
 少女の生首という不気味な物体ではあったが、流石に落とすわけにもいかずにそれを受け止める
「受け入れてくれて、ありがとう。頑張るよ?」
 少年の腕の中で、少女の生首はにっこりと微笑んだ
 そんなやり取りの声で気付かれたのだろう
 ばん、と大きな音を立てて教室の扉が開かれる
「見つけたぁ」
 床を這いずる少女『テケテケ』が、獲物を見つけ嬉しそうに声を上げ
「させないよ」
 首の無い少女が、『テケテケ』に向かって駆ける
「何、あんた? 首のついでに、その身体も切り離してやるわ」
『テケテケ』の腕が床を叩き、その身体を跳ね上げて首の無い少女に躍り掛かる
「ばらばらになって、消えろ」
「やだ、めんどい」
 人体を易々と引き裂くであろうその腕を、身体を捻りぎりぎりのところですり抜けるように避ける
 そして、それと同時に
28 :がっこうのかいだん [saga]:2011/06/01(水) 19:34:28.81 ID:QKw18eKEo
「え」
『テケテケ』が素っ頓狂な声を上げた
 首の無い少女の手の上で、生首となって
「何、を」
 首が無くなった『テケテケ』の胴体が、視界と感覚の不一致で、ひっくり返された虫のようにじたばたともがく
「夜中の体育館で、床にボールをつく音がする。不思議に思って見てみると、そこには自分の頭をボールのようにドリブルをしている姿が……そんな学校の怪談」
 手の中でくるりと『テケテケ』の生首を回し、少年が抱える自分の首へと向ける
「それが私。呼び方は色々だけど、長いとめんどいから『生首バスケ』でいいよ?」
「く、首を奪えたからって、それで殺せるわけじゃ!」
 よろよろと胴体を立て直し、探るように手を蠢かせる『テケテケ』
「そりゃそうだけど」
『生首バスケ』の少女は、『テケテケ』の生首をひょいと空中に放り上げ
「戦闘不能ぐらいにはできるかな?」
「に゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
 腰を落としての高速ドリブル
 凄まじい勢いで揺れる視界と、床にぶつかる痛みこそ無いものの脳は思い切り揺さ振られる
 こういった『都市伝説』に脳があるのかと疑問視される事もあるが、人間の造形をしているものは身体構造も人間と同じ存在が多いのだ
「まいった?」
「だ、だれが……」
「あっそ」
 ドリブルを止めて問い掛けたものの、焦点の定まらない目をしながら強がる『テケテケ』の生首を、今度は指の上で思い切りくるくると回す
「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう!?」
「まいった?」
 ぱしりと回転を止めて、完全に目を回した『テケテケ』の生首に再度問い掛ける
「おえっぷ……ぅぇ……」
 完全に目を回し、グロッキーになった『テケテケ』
「契約者を見逃してくれるなら、元に戻してあげるよ?」
「わ……わかったから……勘弁して……」
 胴体も完全にぐったりした様子に、『生首バスケ』の少女は安心して首を戻してやる
「それじゃ、帰ろっか」
29 :がっこうのかいだん [saga]:2011/06/01(水) 19:35:15.46 ID:QKw18eKEo
「え、その……いいの? 放っておいたらまた襲われる人とか出るんじゃないの?」
「やっつけてもどうせまた別のが湧くし。それに……懲りないで危ない事するなら、もっと酷い目に遭うから」
 それは少年への解答というより、『テケテケ』への念押しのような言葉だった
「この町にはね、『都市伝説』がいっぱい湧くけど、それだけ契約者も多いからね」
 未だ釈然としない様子の少年から、ひょいと自分の生首を取り上げて
『生首バスケ』の少女はにっこりと微笑む
「ま、これからは私が守ってあげるから。めんどいけど」
「これからって……」
「一度『都市伝説』に触れちゃうと、なんか遭遇しやすくなるみたいだよ?」
「マジで!?」
「『都市伝説』に詳しい人とか探して、ちゃんと話とか聞いた方が良いかもね。知らなかったと思うけど、この学校って契約者の人いっぱい居るから」
 かくして少年は、非日常の世界へと否応無しに引っ張り込まれ
 妙な事件や命の危機、数多の契約者に遭遇していく事になるのだが、それはまた別の話



続く?
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/01(水) 19:36:55.58 ID:mpZobr5+0

生首バスケつええww
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/01(水) 19:41:57.47 ID:txSNSHUI0
乙でした〜
おぉ、強い生首バスケは珍しい
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/01(水) 19:47:24.24 ID:txSNSHUI0
乙でした〜
おぉ、強い生首バスケは珍しい
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/01(水) 19:47:52.94 ID:txSNSHUI0
御免、二重投稿orz
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 20:21:41.59 ID:Y6pp/YXC0
生首バスケがこうも化けるとは……
俺もマイナー所でなんか書くかな
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/01(水) 20:48:56.68 ID:+uiOWtal0
この「生首バスケ」かぁいいぞ!
あれ、三面鏡の人って前もかぁいい「生首バスケ」書いてたなぁ(
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:06:21.49 ID:Y6pp/YXC0
【月見里邸の優雅な日常】

「第一回、チキチキ化学室大座談会〜!」

 ホルマリンの瓶に肩まで浸かり、脳みそを半分覗かせた蛙が陽気に叫ぶ。
 
「いや、訳解らないから。」
「なんで皆化学室に揃わなきゃいけなかったの?発案者馬鹿なの?死ぬの?」

 すねた顔で文句を言っているのは花子さんとテケテケの少女である。

「小生、音楽室に居ないと落ち着かないのであ〜る。」
「それ言ったらあたしなんか校庭がホームグラウンドなのよ!?
 こんなかび臭いところになんて居られないわ!
 肌が傷んじゃうじゃない!」

 いつもなら音楽室にかけられているベートーベンの肖像画と、
 校庭にいる二宮金次郎の像も不服そうにしていた。 

「あついよー」
「あついよー」

 空襲で焼け死んだ子供達の霊はそもそも話を聞いてなかった。
 そんな状況にもめげずに蛙はしゃべり続ける。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:06:47.78 ID:Y6pp/YXC0
「今日皆さんに来ていただいたのは他でも無い。
 我々学校の怪談の存在の衰退についてでございます。
 我々はこれまで沢山の子供達を驚かし、また語り継がれて参りました。
 ところが最近はどうでしょう!?
 映画“学校の怪談”シリーズも制作されなくなり!
 アニメ“トイレの花子さん”シリーズも放送されなくなり!
 我々の知名度はだだ下がり!
 今時の子供は七不思議という言葉さえ知らないそうでございます。」
「それでどうしたというのよん。」
「まだ解らないのですか金次郎殿!」
「やめてよぉ、あたし金次郎なんて男臭い名前嫌だわぁ。」
「あついよー」
「あついよー」
「どうでも良いけど誰かそのガキ黙らせろよ。」
「私が水でもぶちまけましょうか?」
「良いねえ、やってくれ花子ちゃん!」
「オッケー、じゃあ必殺の陰陽弾を喰らいやがれ!」
「それより俺がトイレに連れ込んで男同士の楽しみって奴を教えてやるよ」
「赤い紙は少し黙れ。」
「歩く十八禁とは俺のこと、なんならあんたの尻だって嘗めても良いんだぜ?」
「貴方からぶちのめす必要が有りそうね、トイレの怪談の品位が疑われちゃう。」
「喧嘩は駄目でござるよ!お二人とも!」
「そういえば最近ニュースでやってたんだけど蜜柑って寝る前に食べると健康に良いらしいよ。」
「あら!こんどあたし試してみようかしら……」
「シャラアアアアアアアアアアアアアアップ!」

 あまりのまとまりの無さにさすがの蛙もプッツンしてしまったようで、
 その身体のどこからか巨大な声を張り上げた。
 やや引き気味に蛙の方を見る一同。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:07:30.49 ID:Y6pp/YXC0
「良いですか、我々は語られねば消え去る存在なのです!
 なのになんですか我々のこの醜態!
 人を怖がらせる努力もせずぬくぬくと学校で暇を潰すだけの生活!
 そんなことでこの厳しい時代に対応できると思っているのですか!
 え!?
 このままでは私たちみんな共倒れですよ!」
「…………。」
「あついよー」
「あついよー」
「…………。」
「消えるのは、嫌だなあ。」
「でしょう!?
 我々はもっと子供を怖がらせてその恐怖のエネルギーを得なくてはいけません!」
「そうは言ったって何をすれば良いのよん?」
「そうですねえ……第一に。」
「あついよー。」
「あついよー。」
「赤い紙殿。」
「なんだい?俺はカエルでも構わず食っちまうんだぜ?」
「そこの子供の相手をしていてほしいであります。」
「そうこなくっちゃ!ちょっと男子トイレに行ってくるぜ!」

 コホン、と咳払い。
 赤い紙は空襲で死んだ子供達を小脇に抱えて男子トイレに行ってしまった。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:09:46.95 ID:Y6pp/YXC0
「さて、気を取り直して。」
「恐怖のエネルギーを得るために何をするの?」
「そうよ、子供達を脅かそうったってわざわざ夜の学校に来る子供達なんて居ないんだから!」
「そこだよなー、俺達に出来ることが何も無いんだもん。」
「拙者もそこが疑問でござった。」
「そこで俺の、“人間”の出番ですよ。」

 化学室のドアが大きな音を立てて開き、黒い革のコートを着た小太りの青年が現れる。

「人が居ない?ならば人を……」

 青年がそこまで言った瞬間の出来事だった。。

「アッー!ついよおおおお!」
「だめえええええ!すっごいのおおおおおおおおおお!」
「あついいいいいいいいいい!」
「HAHAHA!運動すれば身体も冷えるぜ!」
 
 男子トイレから聞こえるおぞましい絶叫。
 青年は頬をひくつかせて扉を閉める。

「失礼、ならば人を呼べば良いのですよ。」

 そう言って、青年はにやりと笑った。

「人間のアイディアで、……ね。」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:11:32.59 ID:Y6pp/YXC0
「あらイケメンね!イケメンよ!」

 金次郎が嬉しそうに飛び上がっている。

「[ピザ]だから花子さんそいつ好みじゃなーい。
 しかもなんで人間がここに居るの?」

 花子さんはつまらなさそうな顔で青年を睨んでいる。

「おいガキ[ピーーー]ぞ。」
「人間のくせに調子乗るなよー。」

 花子さんと睨み合う青年。
 どうやら彼は“[ピザ]”という言葉に敏感らしい。

「まあ良い、ガキの相手してても始まらないしね。
 皆さん聞いて下さい、俺はここにお化け屋敷を造ることを提案したいのですよ。」
「お化け屋敷?」
「ええ、子供達を呼び込んで、びびらせるだけびびらせたらかえって貰うお化け屋敷。」
「どうやって子供達を呼び込むのであるか?」
「まさか掠ってくる気でござるか!?」
「方法は有ります。赤い部屋を使うんですよ。」
「赤い部屋?」
「私知ってるよ!情報教室で一緒だもん!」

 鏡の中にしか姿の無い少女が嬉しそうに声を上げる。

「そう、その赤い部屋ですよ。」

 青年は然りといった表情で頷いた。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:12:57.57 ID:Y6pp/YXC0
「まず赤い部屋とはどんな都市伝説か皆さんにご説明しますね。
 赤い部屋とはパソコンを媒体とした都市伝説で人をパソコンの中に引き込んでしまう性質を持っています。
 引き込まれる先は通常亜空間なのですがその引き込む先をこの学校内部に作ることで、
 子供達を簡単に夜のこの学校に引きずり込めるんですよ。」
「引き込む先を変えるなんてできるの?」
「ええ。この学校のどこかに皆さんの力で部屋中真っ赤に染まった部屋を作って欲しいのです。
 それだけで移動座標軸の設定は簡単に出来ますから。」
「夜の学校でなら俺達も自由に動けるし……。」
「その赤い部屋の作成も難しくはないなあ。」
「ええ。」
「でも子供ってコンピュータを媒体にする都市伝説と接触できるぐらいコンピュータに触るのか?」
「そうだそうだ!」
「コンピュータなんて難しい物を子供が使えるわけ無いじゃないか!」
「だから皆さんは古いんだ。
 今時の子供は動画投稿サイトに自分の部屋を生放送しちゃうくらいコンピュータに慣れ親しんでます。
 しかもネットに対する警戒心が致命的に薄いので赤い部屋で誘い込むのはとても簡単なんです。」
「そ、そうなのか……。」
「まあ信じる信じないは皆さんの自由。
 俺の言うことを信じていただけるならば皆でお化け屋敷を造る計画に賛同していただきたい。」

 ざわめく都市伝説達。
 子供達を全国から呼び出して恐怖を与えられるならば確かにすばらしい。
 次第に次第に彼らの意見は固まり始めた。

「わかったわ。あたしはこの子に賛成よ。
 カエルちゃんの知り合いならまあ信頼って面でも悪くないわ。」

 最初に声を上げたのは金次郎だった。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:13:44.64 ID:Y6pp/YXC0
「いーわよ、でも失敗したら全部[ピザ]人間のせーだからね!」
「[ピーーー]ぞ糞ガキ」

 次に花子さん。

「子供達の安全が担保されるなら良いでござる。」

 そして落ち武者の幽霊。

「アッー!ついよおおおおお!」
「いい汗かいてるだろ!?夜風が気持ちいいぜ!」

 悲鳴ふたたび。

「小生も悪くないと思うのである。」

 ベートーベンも頷いた。
 それが切っ掛けになったようで他の都市伝説も次々青年のアイディアに乗る考えを示す。

「それでは決定ですね。」

 青年は嬉しそうに革のコートの襟を弄る。

「お化け屋敷の名前は、そうですね。」

 カエルがホルマリン漬けの瓶の中から出て青年の肩に飛び乗る。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:14:28.20 ID:Y6pp/YXC0
「月見里邸、なんてどうでしょう?」
「なんでさ。」
「月を見る里と書いてヤマナシと読むのですよ。
 怪談に月光は“ツキモノ”でしょう?」
「まあそれなら良いか。」
「アイディアはこいつ持ってきたんだしな。」
「構わないぜー。」
「それでは決定。」

 青年はニヤリと笑う。
 窓から差す月の灯りが彼を後ろから照らし、その表情を隠している。
 そう、今はまだこの場にいる誰もが青年の本当の意図に気づいていない。
 青年は肩にカエルを乗せたままふらりと部屋を出た。

「助かったよカエル。」
「いえ、私は貴方様の為に働いただけでございます。」
「それがありがたいんだ、これでやっと俺の野望が動き出す……!」

 青年は月の高く上った夜更けの十字路でまるで悪魔のように口を裂いて笑っていた。

【月見里邸の優雅な日常〜つづく?〜】
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/01(水) 22:21:00.85 ID:+uiOWtal0
月見里と聞いてメリーさん復活かと思ったら勘違いだったぜorz
お化け屋敷という名の野望か・・・どんなのかなぁ

そして、単語フィルターはこんな感じでかかっちゃうのか・・・
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/01(水) 22:22:00.56 ID:txSNSHUI0
乙でした〜
おやおや、カエルさんと青年はグルだったのかな

とりあえず、みんなキャラが濃すぎるwwwwwwwwwwwwww
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/01(水) 22:30:54.46 ID:Y6pp/YXC0
単語フィルターのテストも兼ねての一発
やはり自分は欲望全開の主人公しか書けないと開き直っての一本でしたとさ
ほのぼのトークショー+なんかこうどす黒いもの
で進めていくのかしら

青年:多分大学生
とある野望のために小学校を利用して学校町のような都市伝説の特異点を作成中
カエルとは小学生の頃からのつきあい
カエル:標本
青年に解剖されたカエル
青年の手によって偶然都市伝説化した
実は女の子
キスすると人間体になる
頭の半分に包帯巻いて右目を隠しているとかコアな趣味の人には堪らない容姿になる
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 08:36:27.55 ID:IjHm9tqDO

良く考えたらこれバトル物じゃねえよな
少年ジャンプよろしくバトル化させるべきか…
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/02(木) 16:17:09.64 ID:G6H+ctS60
>>47
無理なバトル化は悲しい結末を生むってばっちゃが言ってた
49 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 20:05:19.67 ID:nHDVzLG90
タイトルからして戦う事前提じゃあないんでしか…
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/02(木) 20:33:20.78 ID:Ys2LlmKO0
>>49
>都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
なので、戦う必要性は必ずしもないんだぜ

いいじゃない、都市伝説とのラブラブきゃっうふふなライフでも
51 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 21:26:19.17 ID:paKFjotw0
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」かあ
能力者ねえ…能力者…
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 23:25:48.18 ID:arJZyN51o
契約によって力を増した都市伝説が戦うのと、契約によって力を得た契約者が戦うのとでは、どちらが燃えるだろうか
53 : :2011/06/02(木) 23:26:55.98 ID:UJltfjGq0
【月見里邸の優雅な日常2】

「だからね、人類は滅びるべきだと思うんだよ。」

 オルゴールからクラシックの流れる洒落た喫茶店。
 その一角でパニーニを頬張りながら語る青年。

「何故だい?」

 その隣には狐の面を被った男。
 誰に不審がられることもなく男は青年と同じようにパニーニを頬張る。

「理由は簡単。」

 コーヒーでパニーニを流し込むと青年は滔々と語り始める。

「生きてるのって苦痛だろ?」
「よく言われますね。」
「[ピーーー]ばいいじゃん。
 声を大にして“生きているって最高!人生楽しいことばかりだぜ!”
 って言う奴以外皆[ピーーー]ばいい。」
「死語の安息は保証されてないでしょう。」
「人が皆天国を信じればいい。」
「……?」
54 : :2011/06/02(木) 23:29:13.78 ID:UJltfjGq0
「天国、極楽、浄土、呼び方は何でも良い。
 死後に行けるという幸せな場所。
 そこに行けるのだと皆が信じれば……都市伝説の力でそれは形成されるでしょう?」
「まあ不可能ではないと思うが……。」
「それができれば、そして自殺してもいけるという設定を皆に信じさせれば、多分皆が喜んで死ぬ。
 少なくとも俺が[ピーーー]と思う人間はね。
 そしたら世界中の俺が救いたい人間は俺が全て救済できる。
 それは即ち世界の破壊であり、貴方に誘われたゲームの勝利条件でもある。」

 コーヒーを飲み干して青年は嬉しそうに呟く。

「全ての人類に、良き終末を……。」

 狐面の男はそれを聞いて嗤う。

「私の上げた“それ”は大事に温存して下さいね?」
「ええ、貴方に貰ったこの都市伝説は大事に温存しておきますよ。」

 青年はどこからかコインを取り出して時計に向けてはじき飛ばす。
 吸い込まれるようにして時計の中にコインは入り込み、淡い紫の光が時計から一瞬だけ漏れ出た。
55 : :2011/06/02(木) 23:29:42.57 ID:UJltfjGq0
「この、都市伝説製造機はね。」

 その言葉を聞いて狐面の男は嬉しそうに頷いた。
 そしてそれから

「お前温存する気無いだろ。」
「てへっ☆」

 突っ込んだ。

「ところであの小学校の方は?」
「今日辺り最初のお客が来ると思いますよ。」
「それは上々。」
「じゃあ今日はここのところで。」
「ええ。」

 二人はふらりと喫茶店を出て別々の道に分かれると人混みの中に紛れて消えてしまった。
 後にこの喫茶店の時計が夜中の十二時を指すと幽霊が出るという噂が広がるのだがそれはまた別の話である。

56 : :2011/06/02(木) 23:30:25.30 ID:UJltfjGq0
「はっっっっっふうううううううぅぅぅぅううぅぅうん!
 来たわッ!来ちゃったわン!来ちゃったのよう!」
「うるさいわ金次郎。」
「何が来たって言うんだい?」

 所変わってお化け屋敷「月見里邸」。
 季節は春、時刻は十二時、月は望月。
 薄く墨のような雲が空に流れ時折月がうっすらとしたそれを纏うそれはそれは美しい夜。
 まさしく春宵一刻値千金と言うところであった。

「来たのよ!夢生ちゃんが言ったとおりに小学生くらいの子供がやってきたのよ!」
「あの[ピザ]人間意外とやるじゃない。」
「良いからさっさと配置につくでござる!」

 あの青年と数寄屋町小学校の都市伝説の面々とが協力関係に入ってから三日目。
 青年――夢生――の言うとおりに子供が一人赤い部屋を通して学校に入り込んでいた。
 都市伝説の面々が赤い部屋を作り上げたのは今は閉鎖されている屋上にこっそり立てたプレハブ小屋の中。
 丁度校庭が見渡せる位置である。
 つまり……
57 : :2011/06/02(木) 23:31:01.23 ID:UJltfjGq0
「金次郎、あんたの出番はもう無いわね。」
「え゛」
「だってあんた校庭で走り回るのが仕事でしょ?」
「そうだそうだ、赤い部屋で連れてきた子供は五分間しかこの校舎の中に居られないんだぜ。」
「ノ゛おおおおおおおおおおおおおおおおおン゛!」
「うふふ、お馬鹿さん。」
「拙者は!?拙者の出番は!?」
「あんたは大丈夫よ、廊下で怖い顔して追いかけてれば……」
「ちょっとたんまーマジありえないんですけどー」
「どうしたの欠損趣味の人に馬鹿受けに定評があるてけてけちゃん。」
「ちょ、私マジノーマルですからー。変な趣味無いですからー。」
「脚がないだけで需要は有るのよ。」
「それはそうとして廊下は私の場所なんですけどー。」
「でも拙者だって働きたいでござる!」
「ていうかあんた古いんですけどー!拙者ってなに?ねえなんなのあのださいの?」
「ムキー!無礼討ちにしてやるでござる!」

 てけてけと落ち武者の霊が口げんかを始める。
 花子さんはやれやれといった様子で怪談達のたまり場だった化学室を出て女子トイレに向かう。
 だが、その途中で彼女はあり得ない物を見てしまった。
58 : :2011/06/02(木) 23:31:34.99 ID:UJltfjGq0
「おっほっほっほっほっほ!
 外が駄目なら中を走れば良いじゃない!
 おしゃれも完璧だしこれなら子供でもあたしの美しさに見とれちゃうわね、キャッ><」

 顔を真っ白に塗りたくって口紅をした二宮金次郎像が廊下を走っていたのだ。
 彼女は突っ込み役として役割を破棄するか一瞬だけ迷ったが、
 自分の持ち場のこともあるのでとりあえず見て見ぬふりをすることにしたのであった……。

「ここどこ……?
 僕は家でパソコン見てただけの筈なのに……。」

 さてその頃、眼鏡をかけた少年がふらふらと学校を歩き回っていた。
 彼こそが夜遅くまでインターネットサーフィンをしていて運悪く赤い部屋に捕まってしまったのだ。
 ……とはいってもまあ命が助かっているだけ幸運なのだが。

「どこの学校だよここ……。」

 彼は気づくと真っ赤な部屋の中で目を覚ましていた。
 彼がその部屋から出るとそこは見知らぬ学校の屋上だった。
 恐ろしい物を感じて彼は近くにあった階段から学校の中に下りてきたところだったのだ。
 皆さんもうお気づきかも知れない。
59 : :2011/06/02(木) 23:33:54.96 ID:UJltfjGq0
 時を同じくして屋上。
 絶望気味に叫ぶ碧眼金髪の少女。
 そう、“投身自殺し続ける少女の霊”である。
 彼女は少年がすぐさま校内に降りてしまったために一番の見せ場を無くしたのである。
 キャラがおかしいのは彼女がこりん星出身のアイドルに一時期嵌ったせいなので気にしてはいけない。

「なんだよ……もしかして僕ってば夢でも見てるのかな……?」

 そんな事情も知らず少年は尚も校舎を進む。
 少年の耳になにやらピアノとギターの音色が飛び込んでくる。

「……夢だからなあ、どうせだからちょっと行ってみるか。」

 音の発信源はどうやら音楽室らしい。
 少年はどうせ夢だと思っているせいか思い切りよくドアを開ける。

「天使のぅ羽をぅ広ぉげぇえええ♪そびえる夢をぅ♪飛び越えたいぃぃぃぃい♪
 おーぅさんなっきぃ時をぉううかあべえ♪」

 そこで少年が見た物は誰も居ないのに勝手に鳴り響くピアノ……ではなく、
60 : :2011/06/02(木) 23:34:21.94 ID:UJltfjGq0
「いぃきをとめえてぇ♪泳いでたあい♪」

 半裸になって肖像画の中を踊り狂うベートーベンだった。
 しかも歌っている曲は賛美歌ではない、V系ロックである。
 間奏は自分でギターを弾いている。
 調子に乗って歯でギターを弾き始めた。

「おーぷんよああぁ〜あーいず♪」

 その上何が最悪って日本のビジュアル系バンドの最高峰に位置するバンドの名曲を歌っているところだ。
 腹の出たくるくるパーマの中年親父が

「あ゛ぁおぅっ♪」

 とかやっているのだ。
 どうしてくれよう、どうしてくれよう。
 まず間違いなくトラウマ物である。

「うわあああああああああああ!」

 少年は当然逃げ出した。
 彼は此処で確実に恐怖とは違うもっとおぞましい思いをさせられたのである。

「誰か!誰か助けて!」
「大丈夫、ぼくぅ?」
「へ?」

 優しげな女性の声。
 少年は幾ばくかの安堵を覚えて声の方向に振り返る。

「お姉さんが帰り道を教えてあげましょうか?」

 少年が眼にした物は……
61 : :2011/06/02(木) 23:36:23.99 ID:UJltfjGq0
「に、二宮金次郎……?」
「金次郎なんて呼び方止めて、今はジャ・ネ・ッ・ト。」

 気合い入れてメイクをした二宮金次郎であった。

「…………。」
「あら、あまりの美しさに声も出ないのね。」
「ば、ば、化け物おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「あらあら逃げちゃった。待ちなさああああいい!」
「ぎゃああああああああああ!」
「照れてるのね!美しさって罪だわ!罪ダワ罪ダワ!
 おほほほほほっほ!おまちなさあああああい!」

 逃げる少年、追うオカマ。
 二人が曲がり角を曲がると背後から声が響いてくる。
 廊下での見せ場を奪われたてけてけと落ち武者である。

「おいごらまて金次郎くそったれがあああああ!」
「殿中でござる!テケテケ殿!ここは殿中でござる!」
「間違いなく廊下だよ馬鹿侍!」
「殿中でござあるうううううううう!」

 もう訳がわからないよ。
62 : :2011/06/02(木) 23:37:06.61 ID:UJltfjGq0
「おほほほほ!」
「待てこらああああああ!」
「働きたいでござる!一仕事したいでござるうううううう!」
「うわあああああああああ!」

 少年は必死で男子トイレに逃げ込む。
 個室の中に閉じこもり鍵をかける。
 しばらく中でうずくまっていると三人は口げんかしながらどこかに消えていった。
 そこで安堵した少年が扉に手をかけた瞬間だった。

 ピト

 生臭い香り。
 頬にふれる生暖かい物体。
 心持ちじっとりとぬれている気さえする。

「おいお前」

 渋くてダンディーな声に少年は呼び止められる。

「赤い……」

 赤い紙か!?と少年は身構えた。
 今触れている物は血まみれの死体か何かなのだろうか?
 と少年の中で恐怖は広がる。

「マラと黒いマラ、どっち好きだ?」

 少年は自分に押しつけられている物を見た。
 暗くて今までよくわからなかったがそれは……

「ところでこいつが見えるか?どう思う?」
「うわあああああああああああああ!」
63 : :2011/06/02(木) 23:37:37.08 ID:UJltfjGq0
 その通り、少年を襲ったのは赤い紙だ。
 しかしここの赤い紙は少々……男、というか男の子好きだった。
 少年は男子トイレを逃げ出し女子トイレへ入り込む。
 ここでは花子さんが今や遅しとスタンバイしていた。
 していたのだが……。

「私と遊びま……」

 少年が女子トイレに飛び込んでくる。
 待ってましたとばかりに花子さんは彼を遊びに誘った。
 誘ったのだが……。

「助けてお姉ちゃん!」
「おまちなさああああああい!」
「私のでばあああああああああああああああああん!」
「殿中でござる!殿中でござる!」
「このままじゃあ収まりがつかないんじゃないの?」

 女子トイレに飛び込んできたのは少年だけじゃなかった。
 金次郎、てけてけ、落ち武者、赤い紙、それぞれが勝手に女子トイレに入ってきたのだ。

「って、あんた達なにやってんのよ!馬鹿![ピーーー]!こっちくんな!」
64 : :2011/06/02(木) 23:39:25.50 ID:UJltfjGq0
「だってその子があたしにひとめぼれしたって!」
「どうみても勘違いです」
「出番!私の出番!」
「ここ女子トイレ」
「あ、ごめん……。」
「殿中でござる!」
「厠でござる。」
「失礼いたした……。」
「おいおい、そこの子猫ちゃんと俺はにゃんにゃんする予定だったんだが……。」
「小学校のトイレは発展場じゃないのよ?」
「それもそうだな……。」

 花子さんの突っ込みで冷静になる一同。
 しょんぼりしながら帰って行く……訳もなかった。

「でも私の愛は本物よ!」
「私は女子だからぎりぎりセーフ!」
「俺の居る場所が殿中でござああああああああああある!」
「無理矢理ってのも悪くないんじゃないの?」

 0toMAXの狂乱ぶり。
 学校の怪談達は花子さんを無視して少年に襲いかかった!
65 : :2011/06/02(木) 23:39:59.60 ID:UJltfjGq0
「こっちくんなあああああああああああ!」

 はなこさんはいちもくさんににげだした!

「うわああああああああ!」

 少年に襲いかかる都市伝説達。
 絶望的な状況の中で、少年はトイレに有る窓を見つけた。
 彼はその窓から小さな身体を乗り出して飛び降りてしまったのだ。

「あっ」
「やべっ」
「この高さだと死ぬでござる!」
「おいおい、ちょっとこれは……」

 さすがの学校の怪談達もこれには冷や汗である。
66 : :2011/06/02(木) 23:41:52.80 ID:UJltfjGq0
「私に任せて!」

 その時、突然屋上から声が響く。
 吹き抜ける一陣の風。
 窓に映る人影。
 ゆらめくスカート。
 そう、出番を失っていた飛び降り少女である!
 彼女は少年が飛び降りると同時に少年を救うために自らも飛び降りたのだ!

「命は大切にいいいいいいいいいいいい!」


「「「「「お前が言うの!?」」」」」

 流石のお化け達もこれには総突っ込みである。

 飛び降り少女はそう叫びながら落下する少年の手をつかみ、無事に着地する。
 彼女の腕の中で少年は泡を吹いて気絶していた……。
67 : :2011/06/02(木) 23:42:29.26 ID:UJltfjGq0
「と、言うわけでした。」

 翌日、左目に包帯を巻き、手首に幾つもの切り傷の有る少女が青年ととある喫茶店で話をしていた。
 内容は勿論昨日来た初めての訪問者とそこで起きた事件の顛末である。
 喫茶店の客は誰も彼らに気づいてないようでめいめい勝手にコーヒーを飲んだり雑談に興じたりしている。
 まあ気づいていたら騒ぎになってもおかしくないような外見のしょうじょではあるのだが。

「成る程ね……赤い部屋にも聞いていたが初めてにしては悪くないか。」
「でも怖がらせるって感じではなかったですよ……?」
「構わないよ、独自の個性を出すことが有名になるには一番大事だからね。」

 黒革のコートを着た青年はにやりと嗤う。
 
「全て俺の思うままさ。」
「あの……。」
「なんだい?」
「赤い部屋ってどんな人なんですか?」
「人型じゃないよ、自分の意志もない。
 なんでそんなことを……?」
「え、いやいいんです!なんでもないんです……。」
「ああ、そういうことか……。」

 青年はイタズラっぽくほほえむ。

「安心しなよ、俺には君が一番だ。」

 その言葉を聞いた瞬間に少女の表情は一気に明るくなる。
68 : :2011/06/02(木) 23:44:52.62 ID:UJltfjGq0
「じゃあさっそく……」

 にへらにへらと危険な笑みを浮かべて少女は立ち上がる。

「愛し合いましょう!」

 少女は突然メスを取り出して青年に斬りかかった。
 しかし彼の方は慣れた様子でそれを躱すと指をパチンと鳴らす。

「きゃん!」

 少女はあっという間に蛙の姿になってしまった。
 
「やれやれ……すぐに殺し愛たがるところが難点だね蛙ちゃんも。」

 でも、そういうのも嫌いじゃないぜ。
 と良いながら彼は左側の脳みその露出した蛙を肩に載せて席を立ち上がる。
 青年はコートの襟を指で弄ってから喫茶店を出た。
【月見里邸の優雅な日常2】
69 : :2011/06/02(木) 23:46:26.54 ID:UJltfjGq0
くそっ!
こうなったらギャグ路線で行ってやる!
非バトル路線で行ってやる!
ジャガーとか犬丸とかたいぞうとかポセ学的なあれにしてやる!
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/02(木) 23:47:25.45 ID:Ys2LlmKO0
乙っしたー
これは酷いwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(褒め言葉
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/02(木) 23:50:09.10 ID:Xk6SkFmH0
飛び降りおにゃのこの霊吹いたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
この路線でも大いに問題ないと思うぜwwwwww
逆に笛の人のギャグメインって凄く読みたかったから夜なのにテンションフォルティッシモ
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/02(木) 23:51:09.09 ID:p9ol3gnJ0
乙ー
>>64で盛大に吹いたwwww
こ れ は 酷 い(良い意味で)
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/03(金) 00:03:15.27 ID:X/xOxuODO
成る程…この路線でいいのか
久しぶりに書いてて自分でも楽しかった話です
文章の推敲やってないからぐちゃぐちゃだけどギャグ漫画だからと思って許して
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/03(金) 00:24:44.74 ID:9KmN+xl00
>>73
いやぁ、普段の話の中でも爆笑してしまうようなギャグシーンがよく見られたので、
『この人がギャグメインで書いたら・・・』とか密かに妄想してたのですよ
予想以上だったけどwwwwwwwwww
75 :イチレスネタ :2011/06/03(金) 08:22:09.69 ID:X/xOxuODO
「わたしメリーさん、いまあなたの後ろに居……」

恐れていた電話がついに来た。
しかも今俺は屋外に居る。それはすなわち壁を背にしてメリーさんから逃げられないということである。 俺に残された選択肢は1つしかなかった。

「後ろに……」
「びっくりするほどユートピア!!悲しくなるほどディストピア!!
びっくりするほどユートピア!!悲しくなるほどディストピア!!」

靴下とネクタイのみを着用してその場でぐるぐるとまわる。
フィギュアスケートもびっくりの大回転だ。
ちなみにこれは遥か昔から東洋に伝わる由緒正しい除霊術である。
効果はてきめんでメリーさんはいつの間にか居なくなっていた。
その代わり警察がいた。
俺は捕まった。
親は泣いた。
都市伝説恐るべしである。
やはり都市伝説と戦うには契約するしか無いらしい。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/03(金) 17:01:23.14 ID:9KmN+xl00
>>75
乙です〜
盛大に吹いたwwwwwwwwwwしかも分かりやすいwwwwwwww
77 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/03(金) 19:21:37.99 ID:YlVMJzKa0
投下します

「デュエルの後に」
疾風「と、言うわけで前回の約束どおり言うことを聞いてもらいますよ」
小百合「覚悟はできてるわ。でも…へ、変なことはしないでね…?」
顔を赤らめながら言う小百合
疾風「…」
立ち上がり、荷物をまとめ始める疾風
小百合「待って冗談だから。サユリックジョークだから。帰ろうとしないで」
疾風「…今回だけですよ。ところで自由に顔を赤らめたりってできるんですか?」
小百合「え?普通にやるわよ?」
疾風「すごいな…あ、良く考えたら僕もできた気がする…とまぁそれはさておき。
今日小百合さんにやってもらうのは…これです!」
鞄からディスクケースを取り出す疾風
小百合「…ゲーム?」
疾風「そう、ゲームです。『都市伝説RPG(仮)』…ゲーム研究部で開発中のゲームです。
小百合さんにはこれをプレイして、感想を書いてもらいます」
小百合「え…それだけで良いの?」
疾風「あ、ちなみに感想は10×200の原稿用紙4枚分書いてきてください」
そう言って原稿用紙を渡す疾風
小百合「反省文!?」
疾風「あ、あとバグとか不具合とかを見つけたらそれも書いてください。箇条書きで良いですよ」
小百合「分かったわ…」
疾風「あ、これ説明書です」
説明書を渡す疾風
小百合「じゃあ早速プレイしてみるわね」
疾風「どうぞ。気が向いたら僕は帰りますんで」
小百合「それじゃあ早速パソコンに…」
78 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/03(金) 19:23:43.84 ID:YlVMJzKa0
パソコンを取り出し、ディスクを入れる小百合。パソコンの電源を入れ、タイトル画面を出した
          
            〜都市伝説RPG(仮)〜

             にア 初めから
               続きから
               設定
小百合「当然初めからよね」
 ようこそ、都市伝説RPG(仮)の世界へ!▼
このゲームでは貴方の分身(主人公)が都市伝説契約者となって冒険するゲームです
それでは貴方の性別を教えてください▼
             にア 男
               女
               両性
               無し
小百合「無しって何!? …ここは勿論女よね」
本当に女性ですか?▼
    にア はい
      いいえ
小百合「はい…っと」
それでは主人公を作ります。作り方を選んでください
       にア カメラで作る
         自分で作る
小百合「カメラで作る…? 面白そうね。丁度パソコンに付いてるし、やってみようかしら」
正面を撮ります。「 」に顔を合わせてください▼
右側を撮ります(ry
左側を(ry
後側(ry
以上です。では、キャラクターを作成します。しばらくお待ち下さい…▼

キャラクターができました! これで宜しいですか?▼
         にア これでいい
           修正する
小百合「これ…私…! 何このクォリティ! すごいわね…これでいい…っと」
79 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/03(金) 19:25:06.73 ID:YlVMJzKa0
キャラクターが完成しました。ゲームを始める前に、少し質問をします。
あまり深く考えず、素直に答えてください▼
小百合「何かしら?」
――――質問終了後――――
貴方は「女好き」ですね。貴方男性なら、将来犯罪など犯さぬよう、現実と虚構の区別を付けてください▼
え…? 女性…? …………
…気を取り直して、最初に契約する都市伝説を一つ決めます。以下から選んでください▼
小百合「すごい! 当たってる…ってなんで最後誤魔化したのよ! ていうか何でゲームが誤魔化すのよ!
…まあいいわ。とりあえず決めましょう」
        にア 概念
          歌謡
          人型
          生物
          物品
          悪魔
          空間・異空間
          夢
          その他
小百合「私の『801フィルター』は『概念』に分類されるわよね…」
以下から選んでください▼
      にア あ行
        か行
        さ行
        た行
        な行
        次へ
小百合「次へ…っと」
        は行
        ま行
        や行
        ら行
        わ行・ん
        英数
小百合「英数…っと。で、801フィルターは…あった! これで決定ね!」
お疲れ様でした。それでは、冒険をお楽しみ下さい▼
小百合「楽しみね♪」
サユリは自分の家のベッドに居る。目を覚ました
小百合「なかなか正統派のRPGみたいね…」
80 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/03(金) 19:25:47.59 ID:YlVMJzKa0
――――――― 一時間後
小百合「くっ…あのヒロインの好感度が全然上がらないわ…いえ、でも諦めない! 私は! 貴方を! 必ずオトしてみせるッ!」
都市伝説RPGはRPGなのだが、恋愛ゲームとしても楽しめる。が、むしろ小百合はそっちを中心に楽しんでいた
疾風「あの…これRPGなんですけど…」
小百合「疾風君は黙ってて!!!」
疾風「すみません! …じゃ、じゃあ僕は帰りますね…ははは」
たまらず小百合の家を飛び出した疾風
疾風「…怖かった…。あれはやばいよ、かなりやばい…まさか恋愛機能にあそこまでのめりこむなんて…
と、とりあえず終わるまで暇を潰してよう…とりあえず寝ようかな…」
ベッドに入る疾風。しかしまだ寝る時間ではない。故に眠れない
その頃…
小百合「く…まだ高感度5…最大値まではまだまだね…」
そして時間は過ぎてゆき――翌朝
小百合「ふ…ふふふ…やっと好感度10…ここまで長かったわ…あ…もう6時ね…一旦セーブして朝ごはん食べないと…」
セーブして、朝食を食べる小百合。そしてなんやかんやで登校時間
小百合「そうだった…学校があるんだわ…行かないと…」
小百合には完全に生気が無かった。学校に付いた後も、疲れ果てた顔をしていた…
皆さんもお気をつけ下さい。ゲームは1日5時間以内。1時間やったら30分の休憩を。そうしないと、大変なことになりますよ…?



                  続く…
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/03(金) 21:14:53.85 ID:9KmN+xl00
何ちゅうクオリティwwwwwwww
流石ゲーム研究部・・・実際あったら絶対買うわ
無論ロリキャラの好感度をあげt(
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 21:27:38.73 ID:ycxCO1xA0
気合い入りすぎだろwwwwwwwwww
これほしいwwww
83 : [sage]:2011/06/03(金) 22:07:32.31 ID:OceW8pdk0
そのうちゲームのイベントが現実に起こり出したりするんやな
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 22:26:27.23 ID:ycxCO1xA0
そ れ だ

ここで雑談ってしていいのかね
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/03(金) 22:27:08.92 ID:y4JGsx9H0
>>84
ここでの雑談も問題ないぜ
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 22:30:36.46 ID:ycxCO1xA0
重たい話題であれなんだけどさ
ぶっちゃけクロスってどうなんだろうね
あまり長く続くと参加者の作品の進行に支障を来すじゃない
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/03(金) 22:42:51.49 ID:y4JGsx9H0
>>86
一月に本格開始したクロスまだ終わってなくてごめんなさいorz
な、何とか終わらせるべく頑張る!
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/06/03(金) 23:01:10.13 ID:BKfvgegAO
どこでなにがどういう順番で何を目的にして誰を中心に動いてるのかすでにさっぱりわからない
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/03(金) 23:05:11.87 ID:y4JGsx9H0
>>88
主にわからないのはどの辺なのか
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 23:05:34.30 ID:0Zhx2SC3o
>>88
これは早急な時系列まとめの完成が求められるな

と自分で自分の心臓を抉ってみる
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/06/03(金) 23:15:13.12 ID:BKfvgegAO
>>89
どの辺もなにも>>88な感じになります
誰か全体を把握してる人がいるならまとめが見たいです
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/06/03(金) 23:16:52.85 ID:BKfvgegAO
>>89
どの辺もなにも>>88な感じになります
誰か全体を把握してる人がいるならまとめが見たいです
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/06/03(金) 23:17:25.05 ID:BKfvgegAO
>>89
どの辺もなにも>>88な感じになります
誰か全体を把握してる人がいるならまとめが見たいです
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/06/03(金) 23:22:19.97 ID:BKfvgegAO
うわwwww
なるほど、書き込めてないです発言は嘘なんだな! 3回も続くとなんか偏執的だww
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 23:32:16.66 ID:0Zhx2SC3o
「書き込めてない」って出てるけど書き込めてるかも→リロード→やっぱり書き込めてないじゃん
これは罠だ、5分後に書き込み反映とかもありうるから気をつけろ!実際にやらかして恥かいたぞ!

wikiにまとめを作る意欲はあるんだ
だが時間が…作業をする時間が確保できないんだ……
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 23:43:11.95 ID:wCttuCPTo
>>88
 元々2009年6月ごろにVIPに立った「都市伝説と戦う〜」スレは
 >>1の最初5行で書いてある内容をSSなり妄想の書き垂れなりで
 みんなそれなりにお遊戯してたわけなんだが、


 その内、学校町という場所の設定が決まると
 スレに集ってた連中は、それをネタの中心にしていったワケですよ
 まあ今んとこ学校町がスレのメインストリームですな


 そんでもって「学校町で起こった事件」として
 住人参加自由型のイベントが何度も巻き起こりよった
 具体的には「秋祭り」、「[禁則事項です]事件」、「マッドガッサー事件」、……


 それはそれでいいんだけど
 時同じくしてVIPの規制が強化されちゃってね
 スレ住人の大部分が、仮の安住先としての避難所に引きこもったのです
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 23:56:48.06 ID:vD+udFCNo
>>88
 で、その後が悲惨なんです
 避難所で投下→本来のVIPに代理投下という作戦を
 クソ重い規制の中で粛々と進めた結果……

 ・代理投下すらままならない程に作業量がいろいろ増加
 ・規制なもんだから、住人は避難所に定住化してしまい、以後そのまま


 そしてもうVIP忍法帖の導入を機に、
 一部のスレ住人がキれて、新天地を模索したんですよ
 かくして、6月1日付でSS速報へやって来たワケであります
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 23:57:34.56 ID:vD+udFCNo
>>88
 で、その後が悲惨なんです
 避難所で投下→本来のVIPに代理投下という作戦を
 クソ重い規制の中で粛々と進めた結果……

 ・代理投下すらままならない程に作業量がいろいろ増加
 ・規制なもんだから、住人は避難所に定住化してしまい、以後そのまま


 そしてもうVIP忍法帖の導入を機に、
 一部のスレ住人がキれて、新天地を模索したんですよ
 かくして、6月1日付でSS速報へやって来たワケであります
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 23:58:16.39 ID:vD+udFCNo
>>88
 で、その後が悲惨なんです
 避難所で投下→本来のVIPに代理投下という作戦を
 クソ重い規制の中で粛々と進めた結果……

 ・代理投下すらままならない程に作業量がいろいろ増加
 ・規制なもんだから、住人は避難所に定住化してしまい、以後そのまま


 そしてもうVIP忍法帖の導入を機に、
 一部のスレ住人がキれて、新天地を模索したんですよ
 かくして、6月1日付でSS速報へやって来たワケであります
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:04:21.56 ID:7R0B+1Ouo
>>88
 で、その後が悲惨なんです
 避難所で投下→本来のVIPに代理投下という作戦を
 クソ重い規制の中で粛々と進めた結果……

 ・代理投下すらままならない程に作業量がいろいろ増加
 ・規制なもんだから、住人は避難所に定住化してしまい、以後そのまま


 そしてもうVIP忍法帖の導入を機に、
 一部のスレ住人がキれて、新天地を模索したんですよ
 かくして、6月1日付でSS速報へやって来たワケであります
101 : [sage]:2011/06/04(土) 00:05:18.47 ID:DoWIhy360
くそぁっ!
書き込みに失敗したとか嘘だろうガァッ!!
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/04(土) 00:06:57.84 ID:L8/iej37o
よし落ち着け

とりあえず続きものは読みやすいようにまとめの整備を優先的に動け
こうだな
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:09:00.29 ID:wRA/B8uDO
そもそもこのスレそのものに主人公は居ないと思う
シェアワールドだし
自分が把握してる大体の歴史っていうかあらすじは


ゆめのくにが学校町襲来
その前辺りに凶悪殺人鬼ハーメルンの笛吹きが町に紛れこむ
夢の国事件と同時に組織の一部が[禁則事項です]事件を発動しようとして失敗
首謀者は逃亡
なんやかんやで町は守られる
組織と対立する首塚が主宰する酒宴があった
そこで…



とまあここまで書いて携帯じゃ無理だと気づいた
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:15:25.36 ID:5VBnSRIVo
もうみじめな気分すな
カード刺したり抜いたり蹴ったりしてたら
その間に多重投稿されてただなんて……

>>102
勝手に付け加えると

 ・これから書こうとする人は、設定を気にせずやった方がいい

てトコですかね
折角のSS速報なんだし
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:16:05.16 ID:wRA/B8uDO
そもそもこのスレそのものに主人公は居ないと思う
シェアワールドだし
自分が把握してる大体の歴史っていうかあらすじは


ゆめのくにが学校町襲来
その前辺りに凶悪殺人鬼ハーメルンの笛吹きが町に紛れこむ
夢の国事件と同時に組織の一部が[禁則事項です]事件を発動しようとして失敗
首謀者は逃亡
なんやかんやで町は守られる
組織と対立する首塚が主宰する酒宴があった
そこで…



とまあここまで書いて携帯じゃ無理だと気づいた
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:17:25.42 ID:mnfbtXEfo
もうみじめな気分すな
カード刺したり抜いたり蹴ったりしてたら
その間に多重投稿されてただなんて……

>>102
勝手に付け加えると

 ・これから書こうとする人は、設定を気にせずやった方がいい

てトコですかね
折角のSS速報なんだし
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:18:01.62 ID:wRA/B8uDO
なんかすごいことになってる!?
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:20:03.01 ID:NGhQiS3so
>>102
把握した。いろいろ削ってくる。
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:20:22.44 ID:mnfbtXEfo
(・∀・) わはは、また多重投稿されてやがる
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:25:38.52 ID:wRA/B8uDO
おそろしや…
とりあえずこのクロスが終わったら今の連載の題名変えて一話からまた始めよう。
所謂てこ入れだね
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:30:56.62 ID:gpArxsi1o
あれか
極端に言うけど
>>88の物言いの行間にあるのは
例えば、マッドガッサー事件の時にフェードアウトしてった
人肉料理店の人の話を改めて見た時に感じた寂寞とした何かに近いものか
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 00:43:08.34 ID:wRA/B8uDO
好きなキャラの話をメインに読んで
大きな流れはオマケ程度に考えれば良いんだよ!
ある人の話では端役だったりカマセイヌだったりするキャラが
別の話ではメイン張って大活躍とか楽しいぜ!!
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 11:19:10.78 ID:QOjj1Mlmo
好きだったキャラの書き手がことごとくいなくなってしまったんですけど
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/04(土) 11:35:36.70 ID:30bot9U20
>>113
帰ってきてくれる日を思ってのんびり待つ
時々抑えきれなくて、帰ってきて!のラブコールを叫ぶ

それが、このスレでのいなくなってしまった人を待つときのマナーです(多分
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/06/04(土) 12:44:04.45 ID:HUtOSdcr0
>>112
Tさんの話と、秀雄さんの話やハンニ様の話を読んでみるとかね
同じシーンでも視点が変わると新鮮
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 13:56:47.97 ID:wRA/B8uDO
ライダーかっこうよすぎだろ…
新旧ヒーローの共演とかここでもやろうず
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 14:00:06.76 ID:YT6QgkwAO
季節を置いての童貞魔術師卿の話の補完話にはやられた
キャラクターの数だけ語り口があるんだなとシェアワの感動を知った
118 : [sage]:2011/06/04(土) 14:20:17.51 ID:LcRJtJuS0
さあ読んで思う所があったなら描いてみよう犯ってみよう
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 16:39:19.72 ID:YT6QgkwAO
犯りたいけど技能がないのでござる
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 19:49:36.37 ID:wRA/B8uDO
なあに
やってる内に技術は追い付くさ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 22:11:33.49 ID:f1WGT6tDO
これまでSSや小説なんて書いたことのない人間だって書き手になれるのですよ(自分のことです)
都市伝説スレはいつでも新たな書き手読み手の方々をお待ちしております
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/04(土) 23:02:54.06 ID:Gp2LyAGr0
>>121
>これまでSSや小説なんて書いたことのない人間だって書き手になれるのですよ(自分のことです)
中学の時に小説と呼べない文字の羅列をブログで堂々と垂れ流してた奇跡のBA☆KAもいますからね(無論俺のことですorz
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/04(土) 23:05:25.26 ID:I1e/rzlh0
>>121
俺みたいな駄文書きでも書きつづけられるんだから、誰だって書けるさ!
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 00:18:18.14 ID:IO2funLT0
好きな作家に影響受けすぎてやばい
って話をしようと思ったら
好きな漫画家が単行本で「好きな作家に影響受けすぎてヤバイ」って言ってたでござる
これ実は無限ループなんじゃね?
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 01:19:28.55 ID:/cZHqQSCo
その昔も三島由紀夫や志賀直哉の劣化コピーが溢れたというしな
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 08:13:25.38 ID:QGiMwVg+0
ねぇ7罰のまとめ読んでたらテンションあがってうまれて初めて短編書きあげちゃったんだけどさ
時系列とかわかんないけど投稿してもいいかな
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 08:41:33.47 ID:a3uYKqkDO
ばっちこい!!
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 08:53:36.58 ID:dmJCf62W0
>>126
全裸正座で待ちやすい季節になってまいりました(っば
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 09:00:32.27 ID:a3uYKqkDO
>>125
イギリスでもシェイクスピアの劣化コピーが流行ったらしいしな
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 09:01:17.68 ID:a3uYKqkDO
イギリスでもシェイクスピアの劣化コピーが流行ったらしいしな
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 09:02:43.58 ID:a3uYKqkDO
畜生!
書き込めなかったんじゃねえのか…
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 09:11:05.91 ID:dmJCf62W0
>>131
書き込めません、って出たときは、慌てず騒がず落ち着いて、本当に書き込めなかったかどうか確かめてから改めて書き込みましょう

…これ、次のテンプレに入れておいた方がいいんじゃなかろうか
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 09:28:35.30 ID:a3uYKqkDO
これはテンプレに入れるべき
134 :仕事の話 [sage]:2011/06/05(日) 09:50:04.09 ID:QGiMwVg+0
よし、じゃあ投下してみる 文章うまくないけど

「うおおおおお!!!」

(前略、お袋様)

「イヒヒヒ……ウヒッ……イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」

(僕は今……)

「いやああああああ!!」

(大変ピンチです。)

「何だ何だよ何なんだよ!あの得体の知れない化け物は!いや都市伝説だろうけど!」
「大体おかしいだろ!何で何も情報くれないんだよ!畜生黒服共め!帰ったら文句言ってやる!」

恨み言を言いながらポケットの中を確認する
そこに彼の契約した『都市伝説』がいるからだ

「ああ!もう残り少ない!クソッ!」

こんなことならちゃんと確認しておけば良かった
だか過ぎたことを後悔しても始まらない
まずはポケットの中にいる『都市伝説』が力を発揮できる場所へ行かなければ
135 :仕事の話 [sage]:2011/06/05(日) 09:52:52.10 ID:QGiMwVg+0
(思い出せ……!ここから一番近いのはどこだ!)

頭の中でこの町の地図を思い浮かべる
ここから一番近いテリトリーは……

(確かここを曲がれば……!)

あった!公園!
すぐさまポケットから袋を取り出す
異形の化け物はもうすぐ近くに来ている

(間に合え………!)

化け物はもうこちらに攻撃を仕掛けているだろう
自分がぐちゃぐちゃになる前に袋に入っているものを公園の砂場にぶちまける

「来い!『硫黄島の砂』!」

砂場中の砂が集まり人の形を作り始める

「イヒッ?」

化け物が止まる
『人形』が目の前に立ちふさがっているからだ

「ふぅ……ギリギリ間に合ったか……」
136 :仕事の話 [sage]:2011/06/05(日) 09:54:45.88 ID:QGiMwVg+0
砂で作られた『人形』が動き出す
異形の化け物は狂ったように笑いながら人形に襲い掛かかかろうとする

「やれ!」

『人形』が腕を振り上げ
化け物が腕で防御をする
……が、その防御ごと『人形』の腕は化け物の体を切り裂いた

「ヒッ……ギャアアアアア!」

異形の悲鳴が響き渡り、化け物の体は光の粉になり、消えて行く

一瞬、静寂が訪れて

「っはぁ………あっぶねぇ……何とか勝ったな……」

契約者が口を開く

ふと、横を見ると、『人形』が両手を上げていた

「ん?……ああ、ハイタッチか」

契約者も両手を上げる

「いえーい」

『人形』とその契約者の両手が重なる
―――パチン、と音がした。
137 :仕事の話 [sage]:2011/06/05(日) 09:57:22.15 ID:QGiMwVg+0

「良し、お疲れ様、戻って良いぞ」

契約者が袋を差し出すと、『人形』は崩れ、砂になり
その砂の一部が袋に入って行く

「さてと、『仕事』も終わったし、帰って報告するとしますかね」

黒服にどんな文句を言ってやろうかと考えながら

彼は町へと消えて行く

そう――――


―――――――砂の入った、袋を持って。



fin?
138 :仕事の話 [sage]:2011/06/05(日) 09:59:53.72 ID:QGiMwVg+0
人物設定

『異形の化け物』
都市伝説『フジツボ』と契約した契約者だったが
都市伝説に飲み込まれてしまい、自らが都市伝説になる
フジツボを全身にまといアーマーのようにしている
なぜか常に笑っている


『契約者』
このお話の主人公
『硫黄島の砂』と契約した契約者で
『組織』に属している
本人は別に組織の犬とかそういうのになるつもりはなく
「黒服共はムカつくけど報酬が良いから」
という理由で働き続けている
ちなみに一人暮らしである


『硫黄島の砂』
「硫黄島の砂を持ち帰ると祟られる」という都市伝説
拡大解釈で相手にかけると祟ることが出来る
本体の砂が消耗するので適当ににそこら辺の砂と混ぜると
それが勝手に『硫黄島の砂』になる
それを応用して砂を操り人の形を作ったり出来る
言葉は喋れないが自我はあるようだ
契約者によると「人形のときの動作がやたら可愛い」らしい



投下すんのマジ恥ずかしい・・・
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 11:28:04.33 ID:a3uYKqkDO
おつおつ
砂の量による使用制限は面白いギミックになりそうだな
続き期待
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 12:01:20.48 ID:e0YOop1DO

鳥取砂丘に行って砂無双して欲しい
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 12:40:46.99 ID:Gl4HYhtm0
乙でした〜
これはまた面白い能力
砂漠では無双できるんだろうかwwktk
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 13:02:17.87 ID:7Pv6MlCZ0
うおおおおおおおおおお!
来年使う予定だった都市伝説の候補に入ってた奴でかなり驚いたwwwwwwしかも使い方に迷って没った方orz
なるほど面白い能力だな・・・続きもwwktkせざるを得ない!
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 13:04:35.92 ID:7Pv6MlCZ0
ところで

>>138
>契約者によると「人形のときの動作がやたら可愛い」らしい
ま、まさか・・・これは早くも『もげろ』と言わざるを得なくなるのか?(
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 13:14:13.18 ID:Gl4HYhtm0
>>143
待て、こう考えろ
それが少女的な可愛さとは限らない
マスコット的な可愛さかもしれないだろう
もげろというにはまだ早いぜ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 13:24:55.93 ID:7Pv6MlCZ0
>>144
>それが少女的な可愛さとは限らない
よし、有難う、冷静になれたわ
ゆっくり単発でも考えてくる
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 13:30:39.47 ID:QGiMwVg+0
やべぇ面白いとか続き期待とか言われたら調子に乗らざるを得ない
あと「契約者の家では砂はフィギュアサイズの人形になってたりなってなかったりする」という電波と
「時間をかけて生成すると軍服を着た軍人姿の人形になる」という電波を拾った

>>143-145
砂ちゃんは天然で可愛い動作をします
どうしたの?って聞きたいときは首をかしげて「?」って顔になります
もじもじするときは内股で指をつんつんさせながら目を合わせずにもじもじしています

もげればいいのに、いやもげろっていうかむしろもぐ
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 13:32:18.59 ID:Gl4HYhtm0
>>146
何それかぁいい
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 13:45:54.49 ID:7Pv6MlCZ0
>>146
勝手に『砂砂』と書いて『さあしゃ』と名付けさせてもらおう(マテヤ
サーシャたんかぁいいよ抱きしめたい
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 13:57:36.33 ID:T1QXMWyKo
お前らの妄想たくましさと来たら本当にもう…
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 13:58:16.64 ID:Gl4HYhtm0
>>149
全体的に盲力が鍛えられるスレだからな!!
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 14:01:45.49 ID:Gl4HYhtm0
妄想力って書こうとしたはずなのにあの謎の誤字を見てくれ、この馬鹿をどう思う?
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 15:21:57.42 ID:4aqbnaVio
投下乙ですー


「時間をかけて生成すると軍服を着た軍人姿の人形になる」という電波を拾った
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 15:31:43.33 ID:Gl4HYhtm0
感想代理を依頼されたの↓

イーモバイルぅぅぅぅぁぁあああああああ!!!
途中書き込みしちゃったのに連続投稿できないから修正もできないじゃないですかああああぁぁぁぁぁ!!!
だれぞ感想を代理してはくれぬか……
↓以下感想↓


投下乙ですー
相手にぶっ掛けてもよし、自分で操ってもよし
なかなか応用力が高そうな能力で素敵です

>>146
>「時間をかけて生成すると軍服を着た軍人姿の人形になる」という電波を拾った
>もじもじするときは内股で指をつんつんさせながら目を合わせずにもじもじしています
女軍人だとぉ!?
くそっ、羨ましいぞ契約者!
うっかり手を出しそうになって「ぐ、軍規に反しますっ!」みたいな瞳で睨まれたいよおおおぉぉぉ!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 16:07:59.96 ID:7Pv6MlCZ0
>>153
>うっかり手を出しそうになって「ぐ、軍規に反しますっ!」みたいな瞳で睨まれたいよおおおぉぉぉ!
それいいなぁ
ロリなら(
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 16:10:46.83 ID:Gl4HYhtm0
>>154
ロリコン!ロリコン!!ロリコン!!!(変態!変態〜のノリで
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 16:27:21.11 ID:7Pv6MlCZ0
>>155
あっはっはっはっは
この先書く予定の軍人キャラはロリじゃないんだ・・・てか軍“人”ですらねぇ・・・
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 17:07:51.05 ID:IO2funLT0
砂人形というとさ

「よくも!このクソ犬がッ!
 わたしにDIO様の『姿』を破壊させたなァああっーッ!

 よりによってこのわたしに! よくも!
 砂のニセ者だろうと、DIO様をよくもわたしに攻撃させたなァーーーッ!!
 蹴り殺してやるッ! このド畜生がァーーーーーーーッ」

を思い出しちゃう
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 17:09:02.09 ID:7Pv6MlCZ0
>>157
ジョジョにそんなシーンがあるのか・・・
そういやまだ未読だorz
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 17:14:05.63 ID:QGiMwVg+0
調子に乗って後日談っぽい日常短編かいちゃった・・・

あ、あんたがどうしてもって言うなら投下してあげない事もないわよ!?
えっどうでも良いってちょ、ちょっと!
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 17:17:47.20 ID:7Pv6MlCZ0
>>159
全裸で待機するぜ!
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 17:18:00.21 ID:oiPykOhJo
迷わずイクんです!さあ!
162 :後日談? [sage]:2011/06/05(日) 17:26:23.13 ID:QGiMwVg+0
ククク・・・後悔するぞ・・・この俺を呼んだことを!
投下


「ったっだいまー」
「あー今日も終わったぁー……」

ドサッ、と手に持っていた袋を床に置く
中には、俺の契約した『都市伝説』
『硫黄島の砂』が入っている

「あー……もう出て来て良いぞ?」

そう呼びかけると、袋に入った砂が次第に集まっていき―――

「♪」

――――満面の笑みの、人形が現れた

「いつも思うけどやっぱ凄いよなー」

そう言いながら砂の人形―――俺は『砂砂(サーシャ)』と呼んでいる―――の着ている服に触る

「?」

サーシャが首をかしげ、不思議そうな顔でこちらを見た

「いや、別になんでもないよ」
163 :後日談? [sage]:2011/06/05(日) 17:28:36.48 ID:QGiMwVg+0
サーシャの着ている服―――軍服はサーシャが人形化すると勝手に出てくる
実際は自分で作っているらしく、大きいと生成に時間がかかる……らしい
別に軍服でなくても良いらしいのだが、『硫黄島の砂』だからか、軍服が一番落ち着くみたいだ
………脱がせるのだろうか……

「!?」

……どうやら声に出ていたらしい

「いや、大丈夫だ、脱がさない、脱がさないから」

だから目に涙(実際は砂だが)を浮かべながら震えるのはやめてくれ
ああほら脱がさないってば
決心したような顔をするんじゃない
脱がさないって言ってるだろう
いや服を脱ごうとするな
やめろ、やめなさい、やめてくださいお願いします

……やっとやめたか……

このようにサーシャは非常に純粋で真面目である
なので、非常に厄介だ

この前は

「ベランダ狭いなぁ……」

と言ったのを聞かれていたようで
帰ってきたらベランダが壊れていて本来のベランダの二倍ほどの広さのベランダが
買っておいた砂を使って作られていたり
(ちなみにこの事があってから砂は現地調達にすることにした)
164 :後日談? [sage]:2011/06/05(日) 17:30:50.39 ID:QGiMwVg+0

その前は

「あー……飯作るの面倒くさい……」

とか常日頃言ってたらサーシャが練習してカレーライスを作ってくれたが
明らかに見て分かる量の砂が入っていたり
(無論完食した、だって、あんなに嬉しそうな顔をしているのに食えないなんて言える訳がない)

それのさらに前は

「洗濯物溜まってるけど……まぁいいか」

とか言っていたら洗濯をして置いてくれたのだが
洗濯機に多量の砂が残っていたり……

と、まあこんな風に純粋で真面目で純心な為に危ういのである

ふと、思考の海から帰ってきて、部屋にいるサーシャを見た

「〜〜〜///」

……タオルに頭を突っ込んでじたばたしている
勘違い?で一大決心をしたのが恥ずかしいのだろうか

そう、この子は……純粋で、純心で、真面目で、無垢で、だからこそ―――

165 :後日談? [sage]:2011/06/05(日) 17:33:00.73 ID:QGiMwVg+0



―――穢れやすい


だから、この子を守ってあげなければいけない


穢さぬ様に、穢れぬ様に

他の誰でもない――――


―――俺が


fin?

166 :後日談? [sage]:2011/06/05(日) 17:36:50.18 ID:QGiMwVg+0
サーシャの名前は>>148さんからいただきました
急展開とか終わりが唐突とか厨二くさいとかそういう苦情は受け付けます

が、サーシャはうちの子です
貰いたければ俺を倒してからにしなさい
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 17:37:15.28 ID:7Pv6MlCZ0
乙です〜
っちょ、サーシャたんに決定してるwwwwww
サーシャたんかぁいすぎるぞ、短編なんて惜しいぞ!(目を潤ませて訴える
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 17:52:24.95 ID:IO2funLT0
残念だ……
砂砂(シャズナ)じゃないのか……
さらに主人公がイザムだったらもっと……いやなんでもない
乙でした
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 18:25:01.13 ID:7Pv6MlCZ0
>>166
>急展開とか終わりが唐突とか厨二くさいとかそういう苦情は受け付けます
どれもよくあることだ気にしない
厨二じゃない作品なんてクソ真面目すぎてちょっと困っちゃうし(マテ

>貰いたければ俺を倒してからにしなさい
っく・・・大人しく脳内で妄想するに留めておこう

>>168
>砂砂(シャズナ)じゃないのか……
あら、そっちの方がおしゃれ
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 18:58:24.09 ID:GVmn3zhDO
投下乙ですー

くっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!
胸がッ!胸がきゅんきゅんしすぎて苦しいッ!!
これは破壊力が強すぎ……る(死因:ときめき過多)
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 19:26:02.62 ID:BoGXbclY0
乙でした〜
なんてけなげで可愛い子
おにーさん、遠くからそっと見守っていますね
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 19:38:46.81 ID:QGiMwVg+0
!!
今どこかから
「サーシャちゃんの写真集」という単語が飛んできた!
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 19:47:42.30 ID:/fUCrMgIo
>>172
ハイクオリティなサンドアート
そう考えれば何の問題もありませんな
ええ、どんな内容だろうと何の問題もありませんな
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 19:59:32.97 ID:QGiMwVg+0
>>174
そうだよな、たとえゴスロリを着てようがつけてるのがエプロンだけだろうが裸でハンカチにくるまってようがM字開脚をしてようが際どい水着をつけてようが乱れた着物を着てようがピンクのライトで照らされてようがそれはハイクオリティなサンドアートなんだからまったく問題はないよな
ないよね?
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 20:05:20.69 ID:a3uYKqkDO
サンドアートにも、穴があるんだよな…ゴクリ
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 20:08:10.26 ID:BoGXbclY0
>>174>>175
この変態共め!!(褒め言葉
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 20:14:55.94 ID:7Pv6MlCZ0
>>172-175
超吹いたわwwwwwwwwwwwwww
てか砂の人形と一夜を共にするのも良いかも知れんね
さっき西洋の妖怪とえっちする漫画読んだばっかりだからそういうことしか考えられん(
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/05(日) 20:18:59.52 ID:a3uYKqkDO
問題はナニがジャリジャリになるっていう
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 20:24:52.60 ID:7Pv6MlCZ0
>>178
逆にサーシャたんは砂じゃなくて泥に・・・あれ、ちょっと魅力的(
砂萌えイケるぞ!
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 20:30:08.35 ID:M8UquiySO
泥になっても形を維持できるのだろうか
雨に弱そうだ
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 20:31:29.52 ID:BoGXbclY0
いかん、このままではこのスレが変態紳士の集いの場と勘違いされそうだ
182 :やり過ぎた感があるが大丈夫か砂だし [sage]:2011/06/05(日) 20:34:44.71 ID:QGiMwVg+0
>>175-179

サラサラサラ……
音がする
砂の流れる音がする

「んぅ……?」

薄く、目を開ける
目の前に見慣れた砂の顔がある
目を見開く
確かに砂の顔がある

「サーシャ……?」

問いかけに、人形は答えない
代わりに顔を近づける
代わりに男の体を撫でる

「サーシャ……お前何してっ――!」

声が途切れる
ジャリ、という音がする
砂を含んで噛んだ音
唇と唇が合わさった音

男は何かを言おうとするがそのたび砂に塞がれる
人形は恍惚とした表情で男のズボンを脱がして行き……

―――――――


「―――っなんって夢見ちまったんだ俺はああああ!」

夜は明け、朝が来る
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 20:43:04.87 ID:QGiMwVg+0
結構書いたと思って実際にレスを読むと全然書いてない不思議
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 20:44:24.14 ID:BoGXbclY0
乙でした〜!
スレ住人の煩悩が夢という形で彼に伝わったんだろうなぁwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

どうしよう、彼と軽くクロスしたネタ書いてみたいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
が、ある意味で彼へのセクハラにしかならないから自重するしかないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 20:49:22.61 ID:QGiMwVg+0
おい
自重するんじゃない書くんだ
ぶっちゃけ他の人にこの子らを書いて欲しいから書いたんだよ
だから書いてくださいお願いします
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 20:51:45.87 ID:BoGXbclY0
>>185
その言葉、後悔しないな…?

んと、「彼」に名前はあるかな
なかったら、適当に呼ばせますが
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 20:51:54.70 ID:7Pv6MlCZ0
ありがとう!ありがとう!!
これで明日バイト頑張れる・・・グハァ(萌え死にました

>>181
それで一体何の問題が(消されました

>>184
>が、ある意味で彼へのセクハラにしかならないから自重するしかないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
気になるwwwwwwwwww
俺はクロスしようにも出会えそうなキャラがいないから諦めるしかorz
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 20:55:10.91 ID:QGiMwVg+0
>>185
契約者さんには名前ないよ
だから「彼」やら「君」やら「あなた」やら「砂の人」やら好きに呼ぶと良いよ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 20:56:49.91 ID:0WXC76Alo
>>179
つまり適切な場所が濡れればプレイには何ら問題ないという事ですね

>>181
砂以外にもいけるから大丈夫だ問題ない
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:01:58.82 ID:QGiMwVg+0
あと契約者関連の受信した電波を挙げてみる

「『硫黄島の砂』が人形になって遊びまわっているので部屋中砂だらけ」
「記憶力は良い方で時間をかければ町中の砂場を思い出せる」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 21:08:05.20 ID:7Pv6MlCZ0
む、契約者に名前無しか・・・
無理につける必要は無いけど、>>168見て思いついた『勲(イサム)』とかどうかしら
さっきから名前妄想しかしてないな俺・・・orz
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:11:25.49 ID:U4GGMI+vo
いや、名前なしでいくんだ
スレ初期のキャラ名無し時代の気概を思い出せ!
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:14:10.11 ID:a3uYKqkDO
スレが妙な流れになっている!
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:16:12.92 ID:QGiMwVg+0
だめなんだ
俺の中ではオリジナルの主人公は名無しなんだ
個人的にはちいちゃい子とかから「砂のお兄ちゃん」って呼ばれてるといいなぁ
・・・別にロリコンでもショタコンでもないよ?
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:16:16.45 ID:/fUCrMgIo
いや、いつもどおりのクリエイティブな流れだ、問題ない
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 21:19:42.91 ID:BoGXbclY0
っふ……いつも通りだな、問題ない
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 21:23:31.65 ID:7Pv6MlCZ0
>>192
残念なことに、俺が来た時は皆名前ついてたからどんな雰囲気だったか知らないんだぜ!orz
いや、wikiで当時書かれた作品は読んでるけどね

>>194
ほぅほぅ、そういうのもありですねぇ
砂のお兄ちゃん☆、か・・・よし、なんかロリキャラ作ろう(まだ作る気か
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:36:45.47 ID:QGiMwVg+0
やばい
クロスされるのが楽しみすぎてやばい
どのぐらいかって言うと10分置きに更新して
書き込まれたらその作品全部読んでこっち視点の話書きかねないレベル
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 21:37:37.47 ID:BoGXbclY0
>>198
今色々同時進行しながら書いてるから待ってー!
今夜中には完成させるの
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:38:07.99 ID:a3uYKqkDO
イザムとかシャズナとか思い切りビジュアル系のあれだからな!!
絶対やるなよ!!
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:42:33.15 ID:a3uYKqkDO
みんな頑張ってるし俺も魔法少女の連載を一週間以内に復活させる宣言しちゃう
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 21:52:33.31 ID:7Pv6MlCZ0
なら俺も今月中に裂邪に6つ目の都市伝説与えちゃう
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 21:57:15.10 ID:a3uYKqkDO
ついに全盛期の上田を越えたか…
胸があつくなるな
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 21:58:35.63 ID:7Pv6MlCZ0
>>203
でも仮契約だけどね!
205 : ◆yeTK1cdmjo :2011/06/05(日) 22:04:00.86 ID:e0YOop1DO
最近のぼくはついてない。
――というと気のせいと言われるかもしれないが悲しいことに事実だ。

この前も公園近くの通学路を歩いていたらいきなり砂が目に入った。
誰かの雄叫びのような叫び声のようなものが聞こえたと思ったら次の瞬間には体中砂まみれになっていた。
やっとの思いで砂を取り払うと誰もいなかったから声は気のせいか、もしくはぼくと同じ目にあった人だろう。

この前も上の階の人がベランダから砂をこぼしたらしく干してた布団が砂まみれになっていた。
その日は泣く泣く固いフローリングの床の上で寝た。

ついてないとしか言い様がない。
幸運の女神とやらはブサメンには微笑んでくれないのか。
なんてつまらないことを考えていると、佐川急便のトラックが視界に入る。

そういや『飛脚の赤褌に触ると幸せになれる』なんて都市伝説があったな。
……別に信じてるわけじゃないが試しに触ってみるか。

そう思い、手を伸ばした瞬間――

撥ねられた。

都市伝説は信じるもんじゃないね、マジで。

みんなもトラックには気を付けろよな。
ぼくとの約束だぜ!
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 22:04:52.67 ID:a3uYKqkDO
それでも…
なんだか感動的じゃないか
ゲーム的に言うと最大MPが高いのがれっきゅん
MPブースト覚えているのが上田みたいな

二人ともHPをMPにするスキル持ちだけどね!!
207 : ◆yeTK1cdmjo :2011/06/05(日) 22:05:51.81 ID:e0YOop1DO
クロスさせるつもりがどうしてこうなった
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 22:05:56.47 ID:BoGXbclY0
乙でしたー
なんというオチwwwwwwwwwwwwwwwwww
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 22:13:11.87 ID:zWcIWvOOo
上田って誰だ……ああ、あの××市を震撼させた殺人鬼か…

>>205
おつ
都市伝説は信じるものじゃないよな!
あと、ふエらちおタンって最高だよな!
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 22:13:22.08 ID:7Pv6MlCZ0
悲しすぎるwwwwwwwwwwwwどうしてそうなったwwwwwwwwww
でもこういうクロスもありだなwwwwww

>>206
>二人ともHPをMPにするスキル持ちだけどね!!
(ミナワ>全くですよ、少しは自分の命も大切にしてくれてもいいのに!(プンスカプンスカ
(裂邪>っちょ、引越ししたら出るの自重しようって言ったのに・・・
211 :パソコンに移ってみたり [sage]:2011/06/05(日) 22:14:22.72 ID:IO2funLT0
あらぬ方向に行ったwwwwwwww
乙でした
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 22:16:10.48 ID:7Pv6MlCZ0
>>209
>上田って誰だ……ああ、あの××市を震撼させた殺人鬼か…
そうそう、元ハーメルンの笛吹き男ですよ
そしてロリコンの鑑ですよ(
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 22:16:30.71 ID:QGiMwVg+0
ヒャッハー!
214 : ◆yeTK1cdmjo [sage]:2011/06/05(日) 22:20:19.92 ID:e0YOop1DO
>>213
ビミョーなクロスで申し訳ない
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 22:20:27.74 ID:IO2funLT0
>>209
とてつもなく厄介な敵キャラでねえ……
強さはまあボスの中でも平均くらいなんだけどとにかく死なないんだよ……
だから毎回噛ませ犬として倒されまくっているのさ!
>>210
あれですよ
引っ越ししても良いキャラなんだから出ればいいじゃない!
更に上田はHPが0になっても三ターンだけ戦闘を継続するスキルも持ってる気がする
216 :砂のお兄ちゃんに焼き土下座orz  ◆nBXmJajMvU [sage]:2011/06/05(日) 22:46:24.13 ID:BoGXbclY0
「よぉ、調子はどうだ?」

 声をかけられ、彼は顔を上げた
 にこにこと視線を向けてきている青年を見て、かすかに眉をひそめる

 …それは、彼と同じ、「組織」に所属している契約者だった
 後方支援専門らしく、前線に出ているところはほとんど見た事がない
 確か、名前は…

「禰門、だったか。こっちの調子は悪くないが…何か、用か?」

 にこにこと笑ってくる青年……禰門 悠里の姿に、彼はうさん臭い物を感じる
 穏健派であるC-Noの黒服に担当されており、「叩けば治る」と言う治療系都市伝説契約者である悠里
 それだけ聞けば危険人物とは思えないが……なぜか、うさん臭い物を感じる
 危険を感じて、彼はやや、警戒をあらわにする

「うん、いや、用って程でもないけどな」

 にっこり、悠里は笑って
 そして

「お前の契約都市伝説、可愛い女の子の人形の姿をとれる、って聞いてな」
「……それが、どうした」

 悠里は

「うん、そういう姿してるんなら。○○○(ピーーー)な関係になっているのかと思って」

 さらっと、とんでもないことを言ってきて
 盛大に、彼はその場でこけて見せた
217 :砂のお兄ちゃんに焼き土下座orz  ◆nBXmJajMvU [sage]:2011/06/05(日) 22:48:00.19 ID:BoGXbclY0
「いきなり何言うかっ!?」
「あ、なってないのか?」
「なってたまるか!?」

 ……うっかりと昨夜見てしまった夢を思い出し、うっすらと頬を赤らめながら彼は突っ込む
 もし、あの夢が現実になったら……
 えぇい、考えるな
 沈まれ煩悩!!

「何を悶絶してるんだ?」
「いや、何でもない」

 落ち着け、KOOLになるんだ
 いかがわしい妄想にとらわれてはいけない

「と、言うか。どっからそんな発想がでるんだよ」
「いや、そんな噂を聞いたからさ」
「噂…?誰だ、そんな無責任な噂をばらまいてるのは!?」

 時折、「組織」では無責任な噂が立つことがある
 某過労死候補ナンバー1の生真面目お人好し黒服がホモだとかロリコンだとか(若い青年と幼い少女と同棲しているらしく、若干否定できないのが悲しい)、「組織」トップの側近がセクハラ蜘蛛神だとか(本当らしいと言う噂を聞いた。大丈夫かこの組織)
 とにかく、そうやって無責任な噂を立てられるのは困る
 都市伝説とは、噂の影響を受けやすい存在だ
 ……サーシャがおかしな影響を受けては、困る
 彼女は、大切なパートナーなのだ
 何かおかしな影響を受けたら……と思うと、心配だ

「さぁ?でも、小耳にはさんだから、確認してみたんだ」

 にやにやと、悠里は笑う
 …信じてないな、こいつ

 心の底からぶん殴りたい
 ついでに、どうやって誤解を解くべきか
 彼は、そんな事を悩んだのだった



終われ
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 22:48:55.85 ID:BoGXbclY0
そんな訳で、盛大に焼き土下座でありますorz
都市伝説あんまし関係なくてごめんね

そして、この板での限界行数忘れてたや
前の間隔で1レス目書きこんじまった
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 22:49:35.97 ID:QGiMwVg+0
ヒィィィィヤッファァァァ!
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/05(日) 22:51:57.90 ID:7Pv6MlCZ0
乙です〜
最近忙しいなユーリくんwwwwwwそして何というセクハラwwwwwwww
そうか、「組織」の契約者なら絡め・・・絡め・・・
ちくしょう、ロクな契約者がいないっ!?orz
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 22:53:56.46 ID:BoGXbclY0
本当は、宏也も出してダブルセクハラしようと思ったけど自重したの
男だらけのセクハラとか誰得

>>220
悠里、腹黒から何から使いやすくて
メタな理由でも動かせて便利です
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 23:22:08.74 ID:QGiMwVg+0
砂のお兄ちゃんは何故か子供になつかれるという設定を出しておけば誰かがクロスさせて
「砂のお兄ちゃん」って呼んでくれるはずだ!
ということで砂のお兄ちゃんは子供になつかれるようになりました
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 23:23:24.81 ID:QGiMwVg+0
砂のお兄ちゃんは何故か子供になつかれるという設定を出しておけば誰かがクロスさせて
「砂のお兄ちゃん」って呼んでくれるはずだ!
ということで砂のお兄ちゃんは子供になつかれるようになりました
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 23:24:21.31 ID:QGiMwVg+0
砂のお兄ちゃんは何故か子供になつかれるという設定を出しておけば誰かがクロスさせて
「砂のお兄ちゃん」って呼んでくれるはずだ!
ということで砂のお兄ちゃんは子供になつかれるようになりました
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 23:26:40.79 ID:QGiMwVg+0
連投とかマジで
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/05(日) 23:27:21.79 ID:a3uYKqkDO
クロス乙でした
男だらけなセクハラ大会も見たい気はする
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 23:41:29.70 ID:BoGXbclY0
>>225
書き込みエラーに気を付けるんだ!
油断しているとエラーって出た癖にちゃんと書き込まれているぞ!
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 23:46:05.16 ID:0WXC76Alo
むしろ女だらけのセクハラ大会をやる場合の面子が気になる
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/05(日) 23:49:09.31 ID:BoGXbclY0
>>228
学校町北区の診療所のお二方がアップをはじめそうな予感です
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 00:57:03.87 ID:BRo3MEoDO
>>209
知緒たんマジ天使
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/06(月) 08:24:51.95 ID:+L/E4JpA0
ロリ3人召喚しようかな…
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 09:40:57.41 ID:jv4ida8DO
女だらけのセクハラ大会…
純情な少年を大人のお姉さんがホニャホニャ…
あると思います
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 10:10:38.63 ID:kNbFcMHfo
ちょっと待て!
今更だが>>1には「ほんのりエログロあり□」とは
何処にも書いてないぞ!つまりエッチぃのは良くないと思うんです!
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 10:20:08.26 ID:jv4ida8DO
完全に忘れてたな
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 10:21:23.77 ID:kNbFcMHfo
いや…やっぱりエッチぃのはありかな?
だがしかし…でもやっぱ…
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/06(月) 10:28:19.12 ID:V794xVNv0
えっちぃのは少年漫画レベルまでなら許されてもいいと思った(ただし、チャンピオン系除く)
あんまりにもいやんばかんえっちぃなのは、避難所の投下できないネタスレへカモン
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 11:22:37.71 ID:jv4ida8DO
内臓噴出はありなんだろうか
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/06(月) 12:20:43.78 ID:affetToAO
基本的に描写が遠回しならおkだとおもうの
でも細かすぎてリアルだと避難所かな…
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 12:37:09.80 ID:kaREdcQDO
なにも考えないで書いてたけれど、上の首スパンも切断面からアレする描写入れてたらアウトだったかもしれんな……気を付けよう
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/06(月) 14:44:00.76 ID:RwKk4I0s0
>>237
内臓ボンバーが許されないとなると、元々減っていた出番が絶望的になる奴もいるな
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/06(月) 16:58:05.73 ID:+L/E4JpA0
>>240
もうやめて! 人体模型のライフは0よ!
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 17:21:25.02 ID:oxe/QCwDO

内臓ボンバーって聞くと
揚げ玉ボンバー思い出すな
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 18:22:17.39 ID:nFkHY7lso
つまり下痢便★ボンバー(コーン・人参30%増量(当社比))も駄目ですか…そうですか…
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 18:40:25.41 ID:TjRHDPLNo
すると突如俺の脳裡にょぅ女神からの神託が…
「どうしてこのスレの人はそういう方向にばかり話を持っていこうとするの…」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/06(月) 19:21:41.46 ID:ZPuWQPGj0
>>244
坊やだからさ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 19:43:14.62 ID:N+6UBybIo
若さゆえの過ちってそういう
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/06(月) 20:27:20.66 ID:+L/E4JpA0
>>244
全部ゴーダンナーの所為よ・・・
怖気振るうこの世の闇の所為なのよ・・・
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 20:44:32.06 ID:jv4ida8DO
マジレスすると全部乾巧っていう汚いオルフェノクのせい
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/06(月) 21:12:44.19 ID:Ru7wrY9oo
>>248
草加さん乙
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 22:03:19.59 ID:kaREdcQDO
問:スリーピィ・ホロウの駆る馬は首なしであるべきか
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/06(月) 22:06:22.95 ID:ZPuWQPGj0
>>250
首なしに一票

でも、それだとデュラハンとかぶるかな
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/06(月) 22:06:33.05 ID:+L/E4JpA0
>>250
wikiだと、『光る目を持つ馬』に乗ってるって書いてるけど、
最終的に決めるのは作者だし、俺は首無し馬に乗ってても問題ないと思うぜ!

ただ、デュラハンの方が首無し馬のイメージが強いかな、とは思う
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 22:19:34.05 ID:kaREdcQDO
ふむ……首なし馬=デュラハン、光る目の馬=スリーピィ・ホロウの方が差別化できてよさげ
意見ありがとう。ちょっと妄想してくる

あ、多分使うのはスリーピィ・ホロウだけです
首なし騎士VS首なし騎士も燃えるけどそれは別の人の作品に期待
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/06(月) 22:35:20.56 ID:+L/E4JpA0
>>253
参考になったなら幸いですの
そしてwwktkしてますぜ!
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/07(火) 23:21:11.19 ID:x6vS5sC9o
 ぼくと彼女が知り合った頃、彼女はすでに都市伝説を知っていた。
 広義的な意味での都市伝説ではなく、狭義的な意味で。
 都市伝説とは何たるかを。

 彼女が姿を消したのはもう何年前になるだろう。
 それなのに、ぼくは何も知らなかった。
 電話で一方的に別れを告げられ、連絡が取れなくなったのは彼女にいい人が見つかったのだと自分を納得させていた。
 本当は納得なんてできなかったけれど、半ば無理矢理に。
 名前、姿、仕草、笑顔……どれひとつ取っても鮮明に思い出せるほど大切だったのに。
 彼女のことを諦め、別の人と知り合ってもどこかに彼女の面影を見出そうとするほど忘れられないのに。

 彼女がどうして姿を消したのかわかったのは今。――そう、たった今だ。
 こうして『口裂け女』が目の前に立った瞬間、ぼくは全てを理解した。
 ぼくがこうなることを彼女は恐れていた。
 都市伝説と出会ってしまい、ぼくが何をするか彼女はわかってしまったからこそ恐れた。
 だからこそ――ぼくの前からいなくなった。
 ぼくがこの『口裂け女』に殺されたいと思うであろうことは、ぼくのことを良く知る彼女にとって簡単なことだったのだろう。

 さあ、殺せよ、都市伝説。
 殺してぼくを喰らえ。
 ぼくを飲み込んでしまえ。
 そうすればぼくと彼女はひとつになれる。

 たとえきみが『口裂け女』に成ってしまっても。
 ぼくはきみを――愛しているよ。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/07(火) 23:24:31.10 ID:x6vS5sC9o
よくわからない話ができた。
いいか悪いかは皆さんにお任せして次に取り掛かります。
257 : :2011/06/07(火) 23:41:26.60 ID:Z43E6HpL0
こういうの……大好きだぜ!
大いにありです
258 : :2011/06/07(火) 23:44:43.51 ID:Z43E6HpL0
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第一章「総集編でございます」〜】

「ツインドライブ、トリガーチェック、スタンドトリガーとクリティカルトリガーだぜ。」
「私は手札からガーディアンをコ……」
「ほう」

 天野昴はにやりと笑う。

「君には」

 口が裂けたかのような笑み。

「一体」

 眼鏡が光る。

「後何枚手札が有るというのかね?」
「いやあああああああああああああああああ!」
「と言うわけでファイト終了、ありがとうございました。」
「ありがとう……ございました……。」

 私と昴は現在、十数年前に生まれた大人気カードゲーム『ヴァンカード』で遊んでいた。
 昔はそれほど人気でもなかったこのゲームも今では老若男女問わずに大人気でつい最近世界で最も遊ばれるカードゲームというギネス記録を手に入れたそうだ。

「なんでよ……なんで只の『ぬばたま』がそんなに強いのよ!」
「別に……ただ手札奪えば何も出来なくなるかなあって。」

 『ぬばたま』というのは手札破壊を主軸にした一昔前に流行したカード群である。
 このゲームのブースター第四弾で一時期流行したのだがその後はそれも下火になっていた筈だった。
 ぶっちゃけ一昔前の古くさいカード達である。

「それはそうとしてPS3やらせなさいよ。」
「この前買うって言ってたじゃん。ていうか今日って……。」
「買えないわよ!発売元の会社が倒産して滅茶苦茶プレミアついてるじゃない!
 騙したのね!簡単に買えるっていってたじゃない!」
「○ニーざまあみろだよね、酷い商売してたし。」
「また本音出てるわよ。」
「ごめんごめん、PS3は買えるよ、簡単に。
 高いとは言ってなかったけどさ。」
「キイイイイイイイイイ!」
「お嬢様落ち着いて下さいませ!おい人間!
 あの後ヨツバ様がわざわざネットオークションをなさって買おうとしたのだぞPS3!
 なんだあの云十万って価格!子供のおもちゃにしてもやりすぎだ!
 ネット怖い……って三時間くらい部屋に引きこもってたぞ!」
「親父が買ったときは三万くらいだったとさ。
 ていうかなにそれ萌える、ヨツバサン萌える。」
「ねえ、それより大事なこと忘れてるわよ。」
「ああー僕も今言おうとしてたわ。」
「今日は総集編じゃない。」
「お嬢様、いったい総集編とは……。」
「メタなことに触れちゃ駄目よバットン!」

 まあとりあえずそんなことはどうでも良いのです。
 皆さんこんにちわ。
 私の名前は朝月朔夜、小学六年生、どこにでも居る普通の魔法少女です。
 日々学校町で悪い契約者を倒しまくっています。
 今日は総集編と言うことで此処にいる淫獣(マスコットキャラクターというのを漢字で書くとこうなるそうです、スバルが教えてくれました)の
 バットンと一緒に私たちの今までの三話分の戦いをわかりやすく解説しちゃうわ。
 ちなみにヨツバというのは私の祖母で、見た目二十代後半なんですが中身は六十代のおばあちゃんです。
 我が家は女性しか居ない家なのでおじいちゃんとお父さんは居ません。
 曲がりなりにも魔女の家なんです。
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/07(火) 23:45:42.79 ID:+26QBiH4o
投下乙ですー

おおぅ悲哀……
男はそれでも幸せかもしれんが、女の方はどうだろう……
契約すれば両者とも助かるかもしれないとか言っちゃうのはナンセンスだろうか
260 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/07(火) 23:45:56.83 ID:Z43E6HpL0
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第一章「総集編でございます」〜】

「ツインドライブ、トリガーチェック、スタンドトリガーとクリティカルトリガーだぜ。」
「私は手札からガーディアンをコ……」
「ほう」

 天野昴はにやりと笑う。

「君には」

 口が裂けたかのような笑み。

「一体」

 眼鏡が光る。

「後何枚手札が有るというのかね?」
「いやあああああああああああああああああ!」
「と言うわけでファイト終了、ありがとうございました。」
「ありがとう……ございました……。」

 私と昴は現在、十数年前に生まれた大人気カードゲーム『ヴァンカード』で遊んでいた。
 昔はそれほど人気でもなかったこのゲームも今では老若男女問わずに大人気でつい最近世界で最も遊ばれるカードゲームというギネス記録を手に入れたそうだ。

「なんでよ……なんで只の『ぬばたま』がそんなに強いのよ!」
「別に……ただ手札奪えば何も出来なくなるかなあって。」

 『ぬばたま』というのは手札破壊を主軸にした一昔前に流行したカード群である。
 このゲームのブースター第四弾で一時期流行したのだがその後はそれも下火になっていた筈だった。
 ぶっちゃけ一昔前の古くさいカード達である。
261 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/07(火) 23:47:29.83 ID:Z43E6HpL0
「それはそうとしてPS3やらせなさいよ。」
「この前買うって言ってたじゃん。ていうか今日って……。」
「買えないわよ!発売元の会社が倒産して滅茶苦茶プレミアついてるじゃない!
 騙したのね!簡単に買えるっていってたじゃない!」
「○ニーざまあみろだよね、酷い商売してたし。」
「また本音出てるわよ。」
「ごめんごめん、PS3は買えるよ、簡単に。
 高いとは言ってなかったけどさ。」
「キイイイイイイイイイ!」
「お嬢様落ち着いて下さいませ!おい人間!
 あの後ヨツバ様がわざわざネットオークションをなさって買おうとしたのだぞPS3!
 なんだあの云十万って価格!子供のおもちゃにしてもやりすぎだ!
 ネット怖い……って三時間くらい部屋に引きこもってたぞ!」
「親父が買ったときは三万くらいだったとさ。
 ていうかなにそれ萌える、ヨツバサン萌える。」
「ねえ、それより大事なこと忘れてるわよ。」
「ああー僕も今言おうとしてたわ。」
「今日は総集編じゃない。」
「お嬢様、いったい総集編とは……。」
「メタなことに触れちゃ駄目よバットン!」

 まあとりあえずそんなことはどうでも良いのです。
 皆さんこんにちわ。
 私の名前は朝月朔夜、小学六年生、どこにでも居る普通の魔法少女です。
 日々学校町で悪い契約者を倒しまくっています。
 今日は総集編と言うことで此処にいる淫獣(マスコットキャラクターというのを漢字で書くとこうなるそうです、スバルが教えてくれました)の
 バットンと一緒に私たちの今までの三話分の戦いをわかりやすく解説しちゃうわ。
 ちなみにヨツバというのは私の祖母で、見た目二十代後半なんですが中身は六十代のおばあちゃんです。
 我が家は女性しか居ない家なのでおじいちゃんとお父さんは居ません。
 曲がりなりにも魔女の家なんです。
262 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/07(火) 23:48:32.54 ID:Z43E6HpL0
「ヤッホー、皆元気してたかい?」
「あ、お久しぶりですお姉さん。」
「やあスバル君、月見マック買ってきたよ。」
「よく食べますね、太らないんですか?」

 私たちの遊んでいた部屋のドアが突然開く。
 突然の闖入者の名前はカイト・クローバー。
 私のおばあちゃまの修業時代の友達の息子さんだそうで彼もまた魔女である。
 え?男なのに魔女っておかしいんじゃないかって?

「太らないよん、ちゃんと運動してるしね。
 まあお腹周りの肉は女の子の敵よね〜。」

 そう、自分でも言っているとおりカイトさんはオカマなのだ。
 ちなみに来年辺り手術でちょっと邪魔な物を取り外すと言っていた。
 
「スバル君はもっと食べなさい、逞しい男の子の方が私好みなの。」
「頼むので勘弁してください。」
「あらひどい。」
「ちょっとちょっとカイトねーさん。」
「なぁに?」
「今ちょいと第四話にして総集編やってるんで私たちの戦いについての解説をざっくりお願いします。」
「早いわねー。作者がネタ切れ?」
「いいえ、書く場所変わったらしいのであたらしい読者様向けに。」
「オッケー♪じゃあわたしがさっくり説明しちゃうわね。」
「え、俺の出番は……。
 眼鏡=説明キャラじゃないの?」
「黙れ地味眼鏡」
「――――――――!?」
「あのお嬢様先ほどから話しているソーシューヘンとは……。」
「おだまり!カイトねーさんの解説をちゃんと聞きなさい!」
「はぁ……。」

「それじゃあ行くわよ不思議少女シルバームーンこれまでのあらすじ!」

 長い黒髪をファサっとかき上げてカイトさんがあらぬ方向を指さしている。
 一体どこを指さしているのだろう。

「読者に向けてよ!」

 読者って誰だろう……。
263 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/07(火) 23:54:33.54 ID:Z43E6HpL0
「まだメタレベルが足りないみたいね!」

 どうやら私は修行が足りないらしい。
 さすがカイト姉さんだ、一流である。

「僕にも喋らせろよ。」
「スバル君、黙らないとファーストキス奪うわよ?」
「…………。」
「よろしい。」

 一流である。

「――――何が!?」
「バットンも大概にしなさい。」
「…………。」

「それでは画面の前の皆さん!
 これまでの不思議少女シルバームーン三つの出来事!
 一つ、何事に対してもやる気の無い少年天野スバルが魔法少女朝月朔夜に出会い!
 二人で協力して正義の味方っぽいなにかを始める!
 二つ、そんな二人にライバル登場!彼女の名前は炸裂少女レインバレル!
 壮絶な戦いの中で二人の少女は友情を深めていく!
 三つ、そんな二人に襲いかかる赤い甲冑の男!
 レインバレルの背後に存在する謎の組織の正体もついに明らかに!?
 これからも不思議少女シルバームーンをよろしくね!」

 うん、これじゃあ今まで読んでた人じゃないとまったく解らないわ。

「すいません、僕がかいつまんで説明して良いですか。」
「良いわよ。」
「私の努力全否定!?」
「この物語は
 イケメンでスポーツ勉強共に万能な小学生である“只の人間”天野スバルが、
 ぐーたらでだめだめな魔法少女朝月朔夜をサポートしながら……」
「超魔法カレイドゲイル!」

 説明しよう、カレイドゲイルとは星屑を模した魔翌力の塊を風で飛ばす私の必殺魔法である。
 もうちょっと出力をあげると悪を刻む星纏う疾風となるのだがまあ突っ込みなので威力は抑えてる。
 彼が死ぬと私も危険だしね。
 それにしても私がぐーたらな訳ないじゃないか。
 これは私が自ら説明してやるしかないな。
264 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/07(火) 23:55:00.36 ID:Z43E6HpL0
「じゃあ私ラスト行くわ、うん。
 


 新番組!『不思議少女シルバームーン』
 こんにちわ!私朝月朔夜!
 正義と愛と希望を胸に学校町で戦うスーパー魔法少女!
 得意な風の魔法とブルームアーツで今日も学校町の悪を一掃しちゃうんだから!
 そんな私も普段は普通の小学六年生!
 恋に修行に勉強に忙しさマックスで困っちゃう!
 目指した夢は大魔法使い!
 私の冒険をよろしくね!




 とかどうかしら。」

「録音完了!やりましたカイト姉さん!」
「よくやったスバルくん!」
「再生!」
『新番組!ふしg…………」
「やめてえええええええええええええええええええええ!?」
「恥ずかしげもなくやってたくせに良く言うぜ。」
「良いんだよ朔夜ちゃん、その頃ってちょっとセンスが迷走しちゃうんだよね?
 女の子には良くあることよ!」
「もういやだ……。」

 どうやら私たちに総集編は無理そうです。
 不思議少女シルバームーンがどんな話か知りたい方はwikiまでいらっしゃってください。
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第一章「総集編でございます」〜】
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 00:34:39.70 ID:joAYwNjTo
割り込んで申し訳ない
総集編乙ですー

安心の朔夜ちゃんいじりwwww
彼女は何度自分の台詞に赤面したのだろうか
そして彼女の台詞の録音ストックはいったいいくつあるんだろうか
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/08(水) 17:27:11.18 ID:tNwVChft0
笛の人乙です〜
朔夜ちゃんカワイソスwwwwwwwwwwwwww
皆も総集編とかやっちゃえばいいと思うよ!
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/08(水) 21:17:00.41 ID:tNwVChft0
帰ってきたと同時に盛大な見逃しがあった件

1レスネタの人乙です〜
悲しい・・・悲しすぎるよ・・・ガチで涙がorz
でもこういう話も新鮮で好きよ
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/08(水) 22:20:26.23 ID:rx3fwf890
雑談したいけど人が居ない
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:23:23.92 ID:ORvKKN1Uo
ふむ
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/08(水) 22:31:23.57 ID:rx3fwf890
やあやあ
そうはいっても話題がないんだよ
良い悪役のネタが思いつかなくて困ってたんだ
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/08(水) 22:34:13.10 ID:tNwVChft0
良い悪役か・・・汚い悪役か綺麗な悪役かだな
前者はハムさん、後者はオルコット様が該当(
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:37:32.90 ID:ORvKKN1Uo
どんな事をやるよりかもどういう思想を持ってるかで考えたほうが敵方の行動は考えやすいれす
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:46:15.33 ID:mSsvdioDO
あえてその真逆を行って、理由のない殺しとか
自分が楽しいわけでもなく、他人が憎いわけでもなく、世のため人のためでもなく、息をするように人を[ピーーー]
自分の前を歩いていた人を、停車していた車の運転手を、通りがかった公園にいた子供を、一切の感情もなくただ[ピーーー]
こんなキャラなら殺したって誰も文句は言うまい


コロスって規制文字だっけ?
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:53:27.21 ID:ORvKKN1Uo
本当になんの理由も思想もなく能動的に殺戮する存在となると生物でも機械でもなくなるな
そんなものありえないというのが持論だが
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 23:13:54.90 ID:MkGDPg2SO
にこやかに会話していた相手をいきなり刃物でぶっ刺して
「あ、またやっちった」
的な
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/08(水) 23:20:56.66 ID:FmZBBumYo
ころころする、は規制対象だね

sage saga

と目欄にいっぺんに入れても効果あるらしい
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/09(木) 00:03:10.56 ID:UoVSOjDL0
とりあえず殺すのテスト
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/09(木) 00:06:06.00 ID:UoVSOjDL0
おーすごい、ホントに効果あった

>>273
>あえてその真逆を行って、理由のない殺しとか
理由のある殺しよりも難しいだろうなぁ
大体殺しの理由は読み手が納得できるかできないかの2択だけど
理由がないと理解できないの1択だし・・・それでもやってみる価値はありそうな(俺は書けんけど
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 00:28:34.29 ID:TmocvydJo
>>274
>本当になんの理由も思想もなく能動的に殺戮する存在となると生物でも機械でもなくなるな
称するなら天災?
「そういう存在」としか言いようがないような存在
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 01:02:26.36 ID:+aN8HrjRo
>>279
天災の殺害は能動的(殺害しようとして殺害してるわけ)じゃない
起こった事象に生き物が巻き込まれてるだけで第一義に殺害を行おうとしていない
トラックで走ってたらたまたま進行方向に飛び込んできた生き物轢[ピーーー]るのと同じで事故でしかない

殺害を意図しない行動が結果的に何者かを殺害する、という意味での理由なしの殺人なら
風が吹けばおけ屋が儲かるとかそこら辺を無理矢理都市伝説にすればいけそう

なんだ? 固いぞ文章! [ピーーー]って書けないから別の文字使ったせいでそれに引きずられてるのか!!
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/09(木) 01:16:58.72 ID:UoVSOjDL0
そうか、「○殺する」って書いても『殺す』って書かれたことになるのか

天災か…興味をそそられる喩え方だなぁ
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/09(木) 01:18:37.12 ID:ZfxS7oADO
>>280
なるほど、「殺す」という意思すら無くせばいいのか
「息をするように殺す」じゃなくて「息をしたら死んだ」ってレベルまで昇華して「天災」か

……これだとイメージがどうしても某錬金漫画のヴィクターに引きずられてダメだ
くそっ、自分から振っておいてなんだが、難しすぎるぞこのお題!
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage sage]:2011/06/09(木) 01:43:38.01 ID:+aN8HrjRo
むしろ理由がない殺しがその殺しを行う人自体を苦しめるという方向性の模索

ちなみに俺が風が吹けば(ry で鬱シナリオ書こうとすると

・主人公、風が吹けば桶屋が儲かる (以下≪風桶≫と略す) と契約(状況的にはなんか暴れてる都市伝説退治のため必要にかられて)
・主人公、何気ない日常を送りながら≪風桶≫によって都市伝説を危なげなく討伐していく→やがて≪風桶≫が何らかの影響(噂の拡大?)で強大になる
・ある日主人公の周囲で人がばたばた死んでいく→≪風桶≫のせいだと判明
・≪風桶≫が主人公の意思を離れて発動している事が判明。主人公が起こす行動全てが巡り巡って誰かを見境なく殺していく
・主人公、≪風桶≫をなんとか鎮めようよ試みるがついに家族にも被害が出る
・主人公、もう誰も殺さないようにしようと引きこもる
 →しかし引きこもりを心配した主人公の友人が主人公の家を訪れようとして死亡
・主人公、その死を恋人(主人公にとって命より大切な存在なら恋人じゃなくてもいい)に聞く。→あー≪風桶≫のせいだこりゃ……もうアカンわ……
・主人公、最愛の人を殺さない為に自殺して全てを終わらせようとする

・主人公、自殺決行。

 最愛の人を守れたと安堵しつつ薄れ行く意識の中で最期に見たものは、≪風桶≫のせいで主人公の自殺という行動が巡り巡って最愛の人を[ピーーー]光景でしたとさ

 おしまい


とかどうよ
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/06/09(木) 02:07:54.01 ID:GDyVqbJB0
少なくともイントロの部分は風桶の底をブチ抜いてそれを頭に被り
全裸になって局所をガクガク揺さぶりつつカスタネット打ち鳴らしながらサンバのリズムで
命より大切な存在にクンニリングス・コミュニケーションをアプローチするくらいのインパクトが欲しい所だとは思う
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/06/09(木) 02:12:10.57 ID:GDyVqbJB0
色々な意味で投稿てはいけないものをやってまった
ネタがパクられてまう
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 02:14:03.50 ID:+aN8HrjRo
それはどうも芸風が違うなwwww
あとたしかここR−18禁止だし
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/09(木) 03:21:40.39 ID:xwsuMLkjo
「息をしたら死んだ」という語感で頭に浮かんだのは
何故か「お前のウンコで地球がヤバイ」だった

契約というか取り憑かれたというかそんな人を巡って抹殺、利用、契約解除などなど様々な思惑が
果たして契約者がトイレに入るまでという僅かな時間に何が起こるのか

それは誰も書かないからわからない
ていうか都市伝説でも何でもねえwwwwww
288 :何かの練習 [sage]:2011/06/09(木) 04:37:26.56 ID:fCcSECCAO
"それ"が容易く地球を滅ぼすものだとはつゆ知らず、何の気なしに契約した『おまえのウンコで地球がやばい』の契約者。
いつもと変わらない日常を過ごそうとする本人とは裏腹に周りは地球規模の大騒ぎ。
「あいつをトイレに行かせるな!!」
訳も分からず用便を妨害される契約者。
契約者を抹殺せんと襲いかかる刺客。
迫り来る便意。
そして忍び寄るいい男…
果たして地球の運命は、彼の腸内はどうなるのか!?

…うーん、どうにもならないなこれ。
あ、もう鳥が鳴いてる。
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 06:44:51.22 ID:RLI2PZiAO
カスタネットのリズムを刻むのは玉だよな・・・主人公は男なのか

希望にもえる少女が壊れる様子をみたい俺としては少女を主人公に据えてもらいたい
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/09(木) 08:33:26.02 ID:UoVSOjDL0
いや女性が全裸になったらただのサービスシーンだし
そして壊れる少女は確か笛の人の朔夜ちゃんが…だった筈、違ったらごめんなさいorz
291 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage]:2011/06/09(木) 09:39:35.36 ID:RPo0qo3DO
>>287
>「息をしたら死んだ」という語感で頭に浮かんだのは
>何故か「お前のウンコで地球がヤバイ」だった
すまない……すまない……
292 : [sage]:2011/06/09(木) 10:07:28.93 ID:cRZrH4wDO
>>お前のうんこで地球がヤバイ

光の速度のそれが地球に当たるとヤバイので宇宙に解き放つしかない
しかし光の速度でそれを出すと言うことは、契約者にも反対方向の運動エネルギーがかかるので
地上で上に向けて放つと契約者は地面にクレーターを作ってしんでしまう

よって飛行機などで高高度まで打ち上げ、そこで用をたす必要がある
出すモノを出すと契約者は超高速で逆向きに飛行する
予め計算された姿勢、角度で出すことにより、安全に減速し、地上に戻ることができるのだ
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 12:22:16.41 ID:ZfxS7oADO
「いい悪役」についての話がいつの間にか「光の速さでうんこする」話に飛躍してた
さすが都市伝説スレ、わけがわからないよ
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 12:39:26.37 ID:1RoJnT1DO
問題はだよ
どのタイミングでサクヤちゃんに人間存在に絶望してもらうかだ
仙水さんくらい絶望する状況を考えているから楽しみにしていてね!!
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 18:51:51.26 ID:oUY9XaASO
漫画やゲームで、幼なじみの可愛い女の子に起こされるという展開がある。
あれは、どんな気分なんだろう。少なくとも、俺よりはさぞや清々しい目覚めなのだろう。
「起っきろー!!」
壊れんばかりの勢いで扉を開き、鈴ちゃんが部屋にやってきた。
「鈴ちゃん、人の家に勝手に入ってこないで」
「やだなぁケンちゃん。将来を約束した仲なんだから、私の家も同然じゃーん」
将来を約束て……それ幼稚園の頃の、しかもおままごとしてた時の話だし。
「そんな事よりケンちゃん、今日は公園をパトロールだよ!」
「公園?」
「そ、なんかあの辺りで女の人や小さい子が倒れる事件が頻繁してるの。これは都市伝説の臭いがするよ!
 そういう訳で!私達契約者としては、ほうってはおけないのです!!」
そう、俺と鈴ちゃんは契約者だ。都市伝説と契約し、都市伝説と戦う。それが俺達の仕事だ。
まだ高校生なんだけどねえ。
「そういえば、ケンちゃんと二人だけで、公園に……これはデートだね!」
「違うから」

夜、鈴ちゃんの案内で着いた公園は、ちょっとした散歩ができる広さがあった。
もっとこじんまりした公園を想像してたんだが。これは都市伝説を捜すところからやらないと駄目か。
戦うだけだと思ってたから、普段着で来ちゃったよ。茂みとか捜しやすいジャージにすればよかった。
ちなみに鈴ちゃんはいつも、動きやすいという理由で短いスカートだ。戦闘の時に動き回るとたまに、下着が見えたりする。
気持ち悪いので止めてほしい。
「しかし、暗いなぁ」
「そうだねえ。お化けとか出たら抱き着いても良い?」
「戦ってよ……」
攻撃翌力あるの鈴ちゃんなんだから。
「もう、連れないなあ。……抱き着いてやる!」
重い。あと胸が当たって痛い。
「ふふふ、当ててんのよ」
「嬉しくないから」
無いんだから無茶だよ。
「イチャイチャしてんじゃねええぇぇぇぇぇ!!」
「うわ!?」「きゃっ!?」
へんな おっさんが あらわれた!
「夜の公園で何するつもりだ!ナニするつもりだったんだな!」
変な箱を持ったおっさんは、唾を飛ばしながら喚く。
正直、都市伝説とか関係なく、別の意味で怖い。春か?春だからか?
「あれ?おじさんも契約者?」
鈴ちゃんがおっさんを見ながら口を開く。
「あん?そうだが、も?も、って事は……」
「うん!私達も契約者だよ!最近、この辺りで倒れる人が多いらしいから調べに来たの。
 おじさんは?」
「おじさんかぁ?おじさんはなぁ……」
このおっさんニヤニヤ笑ってキモいな。
「最近、この辺りに来る人間を襲ってるのさ!!」
あ、やっぱり犯人だった。
296 :単発ネタ [sage]:2011/06/09(木) 18:52:28.06 ID:oUY9XaASO
たまにいるんだよな。契約者なのに、都市伝説と戦わずに自分の為だけに使う人。
とりあえず……
「どいつもこいつも、欝陶しいんだよ!いちゃつきやがっ、て……ぁ、んだ……?体が……動か……な」
「俺の都市伝説、『金縛り』です。しばらく動けませんよ」
都市伝説だろうと契約者だろうと人を襲うならどっちでも良いや。テキトーに懲らしめよう。
「鈴ちゃん、パス」
「はいは〜い」
まあ、懲らしめるのは俺の役目じゃないけど。
「く、来る……な。俺の、都市伝説は『コトリバコ』……だぞ!お前みたいな、女、近寄っただけで……」
おっさんの言葉を無視して、鈴ちゃんはおっさんに近づく。
「……お、おい。なんで平気なんだ……。おい、待て……止まれって、おい。来るな……!」
鈴ちゃんはおっさんの前に立ち、肩に手を置く。それだけで、
「いっ…………!!?」
おっさんの骨が折れた。
「おじさん。おじさんが襲った人の数覚えてる?」
「ぉぼっ、……お、覚えてない……っ」
「そっかぁ。じゃ、私が調べた人数分だけ、おじさんの骨を折るね」
「ひっ…………!」
鈴ちゃん笑ってるけど、怒ってるなあ。おっさんはご愁傷様。
鈴ちゃんは『骨折アルバイト』の契約者だ。触れただけで相手の骨を折る能力を持つ。
俺が動きを止めて、鈴ちゃんが攻撃する。いつもの戦法。
しかし、『コトリバコ』かぁ。たしかに子供や女性には危ないね。鈴ちゃんには関係ないけど。
本名、「七五三木 鈴太郎」だし。
あーあ、可愛い女の子の幼なじみが欲しい。

297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 18:53:34.82 ID:oUY9XaASO
80行もあるとわざわざ1レスネタを書く気にはならないなぁ
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/09(木) 20:30:45.29 ID:UoVSOjDL0
これは良い男の娘
てか鈴ちゃんかぁいいんですけどマジで
単発は惜しい!
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 20:38:00.32 ID:RPo0qo3DO
乙です
凶悪な都市伝説なのに雑魚扱いwwwwww
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/09(木) 20:57:14.29 ID:b2aQcqvu0
おっつ〜
可愛い男の娘か、素晴らしい
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/09(木) 21:27:40.08 ID:AOgXTXST0
男の娘……良いな
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 13:26:23.31 ID:GfPE3jEDO
いまこのスレにはおれだけだ!!
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 13:27:25.15 ID:2gUKRMASO
イ ル ョ
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/10(金) 13:31:41.27 ID:RddHcjQU0
>>302
今、あなたの後ろにいるの
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 16:05:48.34 ID:GfPE3jEDO
なんてことだ…
何から書けば良いか決まらねえ
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/10(金) 22:32:11.72 ID:avLruBSr0
よし、何か話題でも考えよう
女を守る男が好きか、女に守られる男が好きか
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/10(金) 23:22:45.40 ID:chKL2wTeo
11歳くらいの少年を守る24歳くらいのお姉様を想像したけど俺得以外の何物でもないな
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/10(金) 23:35:43.39 ID:eBxST5vM0
>>306
どちらも大好物だぜ
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/11(土) 00:14:01.33 ID:VbH6JLkM0
>>307
何という年の差・・・萌えるな
子供はもうちょっと幼くてもいいかもね、8歳か9歳くらい

>>308
えぇい欲張りさんめっ☆
いやぁ、登場人物が1回死んで愛の力で都市伝説化してどかーん!って単発か新連載書きたいんだけど、
王道の男が良いか、それとも俺の話で強キャラが多い女で行くべきか・・・
年齢は高校生くらいで考えてる
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/11(土) 00:27:59.30 ID:d4/FaaeYo
>>309
年齢一桁は私のストライクゾーンから外れてしまうのですよ
11歳〜14歳がベストです
おねショタひゃっほう!

周りからロリコン疑惑をかけられつつも愛のために少女を守る高校生か
日常パートと戦闘パートのギャップが激しそうだ
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/06/11(土) 09:28:38.75 ID:A6bOnq3t0
>>310
>11歳〜14歳がベストです
なるほどwww

>周りからロリコン疑惑をかけられつつも愛のために少女を守る高校生か
むぅ、そう考えると似たような人がいっぱいいる気がしてきたぞ・・・
高校生じゃなかったら大樹さんとか・・・

裂邪? あいつは“疑惑”じゃない(影に飲まれました
312 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/11(土) 18:10:21.17 ID:E9wyMEog0
投下します


「地獄の沙汰も」
宝「ふーむ、どこかに金になる話はないかなぁ…」
そんなことを言いながら歩いているのは金沢宝。学生会『七つの大罪』の『強欲』担当である
宝「…トイレか。都市伝説の定番だな…行ってみようか」
偶然にも公園の公衆トイレを見つけた宝。迷わず中に入る
宝「さーて、何が出るかなー…」

『赤いちゃんちゃんこ着せようか…赤いちゃんちゃんこ着せようか…』
宝がトイレに入ると、老人の声が聞こえてきた
宝「赤いちゃんちゃんこか…若干レアな都市伝説だな…」
『ひひひ…そこの坊や、赤いちゃんちゃんこ着せようかぁ…?』
宝「…そんな事より一言突っ込ませてくださいな。…ここ男子トイレだよ、おばあちゃん!?」
宝が叫ぶ。宝は勿論男性。なので男子トイレに入るのが妥当である。ここで女子トイレに入る奴は変態である。犯罪者である
『ひひ…都市伝説にそんなこと関係あるかい…で、赤いちゃんちゃんこ着るのかい?着ないのかい?』
宝「あかいちゃんちゃんこ、ねぇ…。…『赤いちゃんちゃんこ』。赤マントや赤い半纏などと同じ系統の都市伝説。
トイレに入ってきた人に『赤いちゃんちゃんこ着せようか』と尋ね『着せられる物なら着せてみろ』などと『肯定』の答えを返すと
首を切られ、まるで赤いちゃんちゃんこを羽織っているかのようになる…だったっけ?」
『ひひ…よく知っているねぇ。でもアタしゃそんなことが効きたいんじゃあないんだよ。赤いちゃんちゃんこ着せようか?
…着たくなくても、無理矢理着せるけどねぇ!!!』
宝「…自分から襲い掛かってくるなんて、珍しいタイプの『赤いちゃんちゃんこ』だな…」
『ひひ…赤いちゃんちゃんこ着せてやる!!』
宝「地獄裁判所…」
宝がそう呟くと、空間がゆがみ、二人は亜空間に飛ばされた。まるで裁判所のような空間に
宝「6月11日、土曜日。地獄最高裁判所。被告人『赤いちゃんちゃんこ』の裁判を開廷します!」
裁判長席で木槌を持つのは金沢宝。宝の服装もいつの間にか法衣に変わっていた
『な…なんだい!? どこなんだいここは!?』
被告人席に立つのは『赤いちゃんちゃんこ』。驚いた表情をしている
313 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/11(土) 18:10:53.93 ID:E9wyMEog0
「地獄の沙汰も」
宝「ふーむ、どこかに金になる話はないかなぁ…」
そんなことを言いながら歩いているのは金沢宝。学生会『七つの大罪』の『強欲』担当である
宝「…トイレか。都市伝説の定番だな…行ってみようか」
偶然にも公園の公衆トイレを見つけた宝。迷わず中に入る
宝「さーて、何が出るかなー…」

『赤いちゃんちゃんこ着せようか…赤いちゃんちゃんこ着せようか…』
宝がトイレに入ると、老人の声が聞こえてきた
宝「赤いちゃんちゃんこか…若干レアな都市伝説だな…」
『ひひひ…そこの坊や、赤いちゃんちゃんこ着せようかぁ…?』
宝「…そんな事より一言突っ込ませてくださいな。…ここ男子トイレだよ、おばあちゃん!?」
宝が叫ぶ。宝は勿論男性。なので男子トイレに入るのが妥当である。ここで女子トイレに入る奴は変態である。犯罪者である
『ひひ…都市伝説にそんなこと関係あるかい…で、赤いちゃんちゃんこ着るのかい?着ないのかい?』
宝「あかいちゃんちゃんこ、ねぇ…。…『赤いちゃんちゃんこ』。赤マントや赤い半纏などと同じ系統の都市伝説。
トイレに入ってきた人に『赤いちゃんちゃんこ着せようか』と尋ね『着せられる物なら着せてみろ』などと『肯定』の答えを返すと
首を切られ、まるで赤いちゃんちゃんこを羽織っているかのようになる…だったっけ?」
『ひひ…よく知っているねぇ。でもアタしゃそんなことが効きたいんじゃあないんだよ。赤いちゃんちゃんこ着せようか?
…着たくなくても、無理矢理着せるけどねぇ!!!』
宝「…自分から襲い掛かってくるなんて、珍しいタイプの『赤いちゃんちゃんこ』だな…」
『ひひ…赤いちゃんちゃんこ着せてやる!!』
宝「地獄裁判所…」
宝がそう呟くと、空間がゆがみ、二人は亜空間に飛ばされた。まるで裁判所のような空間に
宝「6月11日、土曜日。地獄最高裁判所。被告人『赤いちゃんちゃんこ』の裁判を開廷します!」
裁判長席で木槌を持つのは金沢宝。宝の服装もいつの間にか法衣に変わっていた
『な…なんだい!? どこなんだいここは!?』
被告人席に立つのは『赤いちゃんちゃんこ』。驚いた表情をしている
314 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/11(土) 18:12:00.36 ID:E9wyMEog0
宝「足りないなら借りれば良いだろ。お前はそれなりに有名な都市伝説。しかもトイレ系なら、それなりに味方も多いだろう?」
『そ…そんな大金、貸してくれる人なんて居るわけ…』
宝「それが無理なら闇金だ。金を貸す機関ぐらいあるだろう。そこに行って借りてこい。丁度地獄金融が近くにある。一旦ここから出ることを許可するから、いってこい
ただし、逃げたりしたらその時点で極刑だ」
『わ…分かった…今すぐ借りに行く…』
一目散に飛び去り、地獄金融(どう見ても闇金融です。本当にありがとうございました)に駆け込む『赤いちゃんちゃんこ』
それからお金を借り、戻ってきた『赤いちゃんちゃんこ』
『ど…どうだい…? こ、これで足りるだろう!!!??』
宝「ああ、これで十分だよ。では、被告人『赤いちゃんちゃんこ』に判決を言い渡す! 『無 罪』」
『赤いちゃんちゃんこ』に無罪判決を言い渡した宝
宝「では、これにて閉廷! あ、言い忘れてたけどあの金融トイチだから」
閉廷を宣言した後、思い出したように言う宝
『ま…まさか十日で一割って言う、あれ…』
宝「いや、十時間で一割」
『もっと酷かった! ってそれ犯罪じゃないのかい!?』
宝「うん。だから勿論裁判に掛けたさ。で、向こうが僕に得た利益の半分を支払い続けるってことで話をつけた。『地獄の沙汰も金次第』だからね」
『く…こんな金額変えせるわけ…』
宝「じゃあ、僕は帰るからね。あの金融の取立人はしつこいから気をつけろよ? でも気は長いから、幾らでも待ってくれるさ」
そう言って能力を解除し、帰路につく宝。さて、皆さんもお分かりいただけただろう。『地獄の沙汰も金次第』。要するにこの世もあの世も金が全てなのだ
『お金で買えないものだってある』とか『幸せはお金じゃ買えない』とか言ってる偽善者は、考えを改めた方が良いだろう。金がなければ幸せになんてなれないのだから…





                   続く…
315 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/11(土) 18:13:57.79 ID:E9wyMEog0
投下終了。こんなこと書いてるけど、別に作者は金の亡者ってわけじゃないんだからね!
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/11(土) 18:44:06.60 ID:VbH6JLkM0
おっと、ソニータイマーの人ー
>>312>>313の内容が同じになってるぜー
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/11(土) 19:07:42.69 ID:VbH6JLkM0
そして
>>315
>投下終了。こんなこと書いてるけど、別に作者は金の亡者ってわけじゃないんだからね!
俺だってロリばっかり書いてるけどロリコンってわけじゃッ・・・ない・・・よ?
318 :正体不明、行先不明 ◆W5H6Y5Rl3M [saga]:2011/06/11(土) 19:28:19.59 ID:JLVPvW75o
 頭上から迫リ来る夜の町の明かり
 足元へと遠ざかる夜の星の明かり
 全身を削ぎ取るように走る風が、自分が落下しているのだという事を強く認識させる
「最期、ってのは、呆気ないなぁ……」
 黒羽は、くくと自嘲気味に笑う
 ぽっかりと大穴の開いた腹部を押さえ、血の味しかしない口腔から呟きが漏れる
「もちっと上手く、やれる、と……思ってたけど……世の中、そんなに甘く、ない、か」
 霞む視界に、月明かりに照らされた家々や道路が急速に迫り来る
 あとものの数秒で地面に激突し、潰れて果てるという事が容易に想像できる
「さっちゃん、後味の悪い別れでごめんね」
 その呟きを残して
 黒羽の意識は闇に沈んでいった

―――

「かっ……は……」
 冷気と氷と冬の化身である雪女の口から、焼けて煤けた熱い息が漏れる
 肉体そのものを直接焼かれ、文字通りの意味ではらわたが煮え繰り返っている
「ね、そろそろ寒いのやめて? あんまり焼くと……食べるとこ無くなっちゃうから」
 凍りついた部分をみしみしと軋ませながら、『ブロブ』を炎で炙りその軟性を取り戻させていく少女
「ちゃんと、ね? 美味しく食べてあげるから。ずっと忘れないでいてあげるから」
 雪華の脳裏に、一つの策が浮かぶ
 この『ブロブ』が喰ったものの能力までもを取り込むのであれば
 自分が喰われる事で冷気を纏う能力そのものを取り込ませる事も出来るのではないかと
「そう……ね……ちゃんと全部……残さず綺麗に食べてくれる……のかしら?」
「うん、好き嫌いは言わないんだ。えらい?」
 本当に、ただ自慢げに
 何の悪意も敵意も無い、子供らしい笑顔を浮かべる少女
「冷たいのは好きじゃないけど、我慢できるから。それじゃあ」
 少女の腕がするりと雪華に向けられ
「いただきます」
 既に溶け落ちた『ブロブ』の一部が、大きく口でも開けるかのように膨れ上がった

―――

 真っ直ぐ向かってくる『ブロブ』の塊を、日本刀の一閃が薙ぎ払う
 その斬撃はほぼ液体とも言える『ブロブ』を、刃の届かぬ遥か先まで一刀両断にするが、飛び掛ってきた勢いを殺す程度にしか効果は無い
「液体、軟体の状態では、やはり届かないか……だが」
 すらりと抜き放たれる、もう一振りの刀
「線で留めるには限界がある、となれば」
 一撃
 二撃
 斬り抜かれた刀が地面に突き立てられ、更に何処からともなく抜かれた別の刀が新たなる斬撃を放つ
 三、四、五、六
 刀の数は増え、十重二十重に飛び交う刀の閃き
 七、八、九、十
 二十、四十、六十、八十、百
 隙間無く打ち込まれる線の斬撃は面の打撃となり、迫り来る『ブロブ』を弾き飛ばす
「このまま……押し、切れるか!?」
 無数の斬撃を放ちながら、ずん、と一歩踏み込み
『ブロブ』を斬り裂いた先、契約者の少女へと刃と届かせるために
 もう一歩、更にもう一歩
 迫る『ブロブ』を叩き返しながら、じりじりと前進する
 だが、十中八、九は届かない
 本来なら必殺であるはずの一撃を、無数に放たなければいけない以上、どう考えても持たない
 届かせるとすれば、それは気力だけの勝負である
「足止めできれば上出来だったが……まだまだ、欲は出るものだな!」
 巨大な平手で張り飛ばされたように、契約者の頭上へと弾き返される『ブロブ』の波
 ぽっかりと開いた空間の先に、小さくか細い少女の背中が見えた
「届、けっ!」
 空を裂き放たれた斬撃が、少女の背中を捉えた
 切断する
 ただそれだけの単純な能力が、少女の身体を袈裟懸けに斬り裂いた
 確かな手応えと、怖気の走るような違和感
「な、に?」
 肉を、骨を、確かに斬り裂いたはずの少女の身体は
 確かに斬られた傷跡をその身体に刻みながらも、平然とその場に立っていた
 骨も、筋肉も、血管も、神経すらも
 その全てを断ち斬られた瞬間に『ブロブ』が繋ぎ留め、その代替として機能していたのだ
「やはり、俺一人では……無理だったか」
 諦めの混じった呟きと共に、力の抜けた両手から刀が落ちる
 そして、『ブロブ』の進撃を阻む手は無くなった

―――

 溶け落ちた『ブロブ』が、少女の周囲一体を呑み込み、洗い流し、渦を巻いていく
「……また、逃げられちゃった」
 少女は不満そうにそう呟くと、辺りを埋め尽くす『ブロブ』をずるずるとその手のひらに引き戻し、吸い込んでいく
『ブロブ』に覆われた一帯は一切の有機物が食い尽くされており、残るものは無機物ばかり
 少女はすんすんと鼻を鳴らすと、ふうと息を吐く
319 :正体不明、行先不明 ◆W5H6Y5Rl3M [saga]:2011/06/11(土) 19:29:10.02 ID:JLVPvW75o
「近くにも、もう居ないね……残念だなぁ、みんな美味しそうだったのに」
 とろりと手に絡み付く『ブロブ』を、水飴でも舐めるかのようにちゅぷりくちゅりと舐め取っていく
「はやく、世界中の生物とみんな一つになりたいね」

―――

「全部で三人だっけ? ほい、回収完了っと」
 どさりと地面に尻餅をつく斬九郎
 その傍らには、胴体を抉られて血塗れの黒羽と、全身を焼かれてぐったりとした雪華が、梨々とサロリアスに抱き留められていた
「これで貸し一つだね。いや、三人助けたから貸し三つかな?」
「やかましい。ごちゃごちゃ抜かしてねぇで運ぶのを手伝え。このままだとこいつらが死ぬ」
「はいはい、人使いが荒いねぇ……お兄さん、立てる?」
「……問題無い」
 リーダーの手を払い除け、歯を食い縛りながらよろよろと立ち上がる斬九郎
 その表情は、この惨状を招いた自分の見通しの甘さをただただ悔いているものだった
「後悔だけなら後でも出来るっスよ。今は一旦退いて体勢を立て直して、アレをどうにかする手を考えるっス」
 そうは言いながらも、『ブロブ』の契約者の精神に触れたせいか
 梨々の顔色もまたすこぶる悪い
「今はどうしようも無ぇ。こいつらが優先だ」
「治療のアテはあるのか?」
「『組織』の他の部署に借りを作りたく無ぇんだろ。だったら病院だ」
 都市伝説の治療が可能な病院と言えば、この町で有名なのは一箇所
 北区に存在する『第三帝国』の診療所だ
「『誘拐結社』といい『第三帝国』といい、外部組織とのコネが多いな」
「『組織』をアテにしたくは無ぇのは、俺も一緒だからな……まあ俺自体が既に『組織』の外だ」
 過去に0ナンバーとして関った『組織』の黒服達を思い出し、サロリアスは苦々しく顔を歪める
「今はどうだか知らねぇが、お前が信用してる様子が無ぇって事ぁ、今もロクなもんじゃ無ぇんだろ」
 サロリアスがまだ現役の頃は、斬九郎はその部下でしかなく
 彼は何があったのかを何も語らないままに『組織』を去ってしまった
 そんなかつての上司の顔を睨みつけ、斬九郎はぎりと歯軋りする
「戻ってきては、くれないのか?」
「ガラじゃねぇ」
 理由になってない返答を残し、サロリアスは黙り込む
 二人の間に重苦しい空気が流れるが、それをガン無視してリーダーが割り込んでくる
「お取り込み中のところ申し訳ないけど、移動するから集まってね?」
 二人からは返答は無かったが、無言を肯定として勝手に認識し、近くにある交通標識から影を引き摺り出す
「それじゃあ診療所の近くまで『攫う』から。怪我人はしっかり押さえといてね、安全まで気遣えないんだからさ」
 影はその場に居た全員を丸ごと呑み込み、交通標識の中へと引き摺り込む
 その場に残されたのは血の染みと、黒い烏の羽だけだった

―――

「……追いかけてはこないね」
「でも、結局は失敗だったみたいだね。いざとなったらあっち側に逃げるから、俺から離れないでいて」
 一般人にはまだ堂々と姿を晒さない様子である『ブロブ』の契約者を避けるべく、詩卯とZ-No.999はいつもの駅前へと向かう
「あの子、どうしてもやっつけなきゃダメなのかな」
「都市伝説に呑まれちゃったら、元に戻すのはまず無理だからね」
 さばさばとした様子のZ-No.999に、詩卯は何か納得できないような顔をしている
「襲われ喰われてる人を見て、何回も襲われて、それでも助けようって思うのは凄いと思うけど」
「んー、そりゃあ食べるためとはいえ、自分の事を覚えててくれた子供だし。このまま私だけ囮になって逃げ回って……なんてのはダメかな?」
「無理じゃないかな。逃げたらすぐ諦めて別の食べ物を探すみたいだしね」
「そっか……せめて、一旦捕まえるみたいな手はダメかなぁ」
「捕まえられるだけの設備があるかが問題かな。液体が漏れないのは必須として、今は炎や熱も使うからそれを凌げる耐久性が必要だし」
「むう、スペースシャトルとかそのぐらい?」
「そんなものに閉じ込められたら、そのまま地球の外まで捨てられるけどな」
 苦笑混じりにそう答えたZ-No.999
「流石に学校町じゃ、そんなものは……ん?」
 だがその表情は何か思い当たる節があるような、そんな顔
「シャトル……いや、ロケット……あとは閉じ込める手か……うーん」
「待って。あの子を地球の外に捨てるってのを本気で検討してる?」
「閉じ込めたままだと、何かの拍子で解放されるかもしれないしね。繰り返し言うけど、彼女を元に戻すのは無理だよ。都市伝説を人間にする研究に成功した人がこの町には居るらしいけど……『ブロブ』相手じゃ流石にね」
『ブロブ』を活動停止させるための凍結という手段がもう使えない今、彼女を捕縛して処置を施すというのはもう無理なのだ
「いつか誰かがやらなきゃいけない以上、俺達が出来るならやるしかない。恨まれるのも罵られるのも仕事のうちだし」
 Z-No.999は何かに気付いたようにポケットに手を入れる
 マナーモードになっていた携帯電話には、上司である斬九郎からのメール着信が告げられていた
「あ、無事だったっぽい」
 かちかちとボタンを押してメールの内容を確認し
「それじゃ俺は、君を安全なとこまで届けたら上司と合流するから。今後の作戦も練らないといけないし」
「だったら私も一緒に行くよ」
「え、何で?」
「また囮が必要になったら、協力できるでしょ? 連絡して意思確認されるより手っ取り早いし」
「でもなぁ……うーん」
「大丈夫。何をやると決めても邪魔しないし、文句も言わないから。最後までどうなるのか知りたいだけ」
「……まあ、俺と一緒に居た方が何かと安全か。また囮を頼むかどうかは別として」
 二人は駅前へと向かう道を、周囲を警戒しながら北区にある診療所へと変更する
 この戦いを最後まで見届けるために
 その最後が、どちらにとっての、どういった最後なのかは
 まだ判らない
320 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M [sage]:2011/06/11(土) 19:32:07.63 ID:JLVPvW75o
移転前よりちまちま続いているお話です
これより前のお話はまとめwikiにて

ttp://www29.atwiki.jp/legends/pages/550.html
『正体不明の物体』シリーズを参照下さい
登場キャラは一部『ソニー・ビーン一家』から継続しております
321 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/11(土) 19:52:50.43 ID:E9wyMEog0
>>316
ミスった…
また明日投下しなおします。訳あって夕食後はパソコンを使えないので
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/11(土) 19:53:32.22 ID:KF7edJAq0
お二方乙っしたー!
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/11(土) 20:46:53.88 ID:bwwupp3b0
お二人とも乙でした
ここんところぜんぜんかけてねえや

よし、二時間でを書いてみよう
324 : [sage]:2011/06/11(土) 22:16:48.07 ID:bwwupp3b0
斬九郎さんが俺好みかつ俺には書けないキャラ過ぎてやばい
あこがれるわこういうの
そんなこんなで投下開始
325 : :2011/06/11(土) 22:19:17.27 ID:bwwupp3b0
【月見里邸の優雅な日常3】

 夢生が月見里邸をプロデュースし始めてから二週間。
 驚くほど順調に月見里邸の噂は広まっていた。
 “真夜中に突然現れるポップアップ”
 “それをクリックすると知りもしない学校につれていかれる”
 “そこはお化け達の巣窟だ”
 彼の開いている怪談を集めたサイトの掲示板もその話題で小学生や中学生が騒いでいる。
 そこで彼はまことしやかにこんな噂を付け加えた。
 “真夜中に鏡の前で月見里邸と三回言うとその小学校に行ける”
 というものだ。
 確かにこれだけではまだ月見里邸そのものが都市伝説と化して人々を呼び込むまでには至らない。

 だが

 それは噂の作り手である夢生春宵が只の人間である場合に限ってのことだ。

 その噂で持ちきりになった自らのサイトを映しているパソコンの画面を見ながら彼はほほえむ。

「その恐怖、解放しろ。」

 どこからとも無く紫色のコインのような物が彼の手の中に落ちてくる。
 彼はそれをパソコンの画面に投げつける。
 コインはパソコンの画面の中に消えてしまった。

 夢生春宵、彼に与えられた都市伝説は“魑魅”
 人々の恐怖の感情を物質化して物に注ぎ込むことによりそれにちなんだ怪談を作成する能力。
 これによって作り出された“怪談”は本物の都市伝説には及ばないがそれでも人を脅かすには十分な力を持っていた。

「さて、それじゃあ行こうか。」

 今宵も彼は月見里邸に向かう。
 彼の手で、彼の生み出す恐怖で世界を覆うために。
 彼の生み出す神話で世界を支配するために。
326 : :2011/06/11(土) 22:19:50.89 ID:bwwupp3b0
「あ![ピザ]人間!今日も来たのか!」
「勿論だよ、そろそろ[ピザ]ってのやめないと犯すぞ糞ガキ。」

 とまあそんな訳で今日も彼は月見里邸に来ていた。

「べー、だ。」
「花子さん、夢生さんにあまり失礼なこと言っては駄目ですよ。」
「騙されちゃ駄目だよ蛙ちゃん、太ってる人間は概ね悪い奴だもん。
 漫画に書いてあったもん!」
「ひでえな、何の漫画だよ。」
「んっとねー、HELL○○○○!」
「あー、あれね……え?」
「今大ブームなんだよHELL○○○○!」
「どこで?」
「学校の怪談の皆の間で。」
「そうなのカエルちゃん?」
「そうですよ夢生さん。」
「ふぅん……。」
「あとあれですね、百物語もブーム。」
「え。」
「百話目まで行くと家族が増えるよ!」
「やったねカエルちゃん!」
「なんちゅー自家発電」
「昨日生まれた新入りも居ますよ。」
「居るの?」
「会いたいなあ。」
「まだ新キャラで話数稼ぐ程ネタ切れじゃあないじゃないですか。」
「それもそうだね。」

 三人がそんなことを言って笑っているとどこからとも無く窓ガラスの割れる音がする。
 
327 : :2011/06/11(土) 22:21:25.71 ID:bwwupp3b0
「ここが噂の小学校なのか?」
「本当に“出る”のぉ?信じらんないんですけどぉ。」
「面倒だからさっさと家帰ろうよー。」

 声の雰囲気からしておそらく中学生。
 さしずめ噂から月見里邸の場所を見つけたここの卒業生……といったところだろう。

「社会的な常識はあいにくここで学び損ねたようだが。」

 夢生は不機嫌そうに呟く。
 
「もしかして出番!?」
「ああそうだよ花子さん。皆に教えてあげなさい。」
「はーい!」
「夢生さんはどうするんですか?」
「なに、人間にも試したいと思っていたんだ。」

 夢生は紫色のコインを指で弾いて空中でそれをキャッチした。

「新キャラで話数稼ぐのも悪くはない。カエルちゃん。」
「お供しますね!」
「ありがとう。」

「やはり」
「ボスキャラたるもの」
「登場時の供回りの一人や二人は欠かせないからね」

 夢生はガラスの割れた方に向けて歩き始める。
 するとその途中で予想通り野球のバットをもった中学生の集団に出会った。

「ああ、やっぱり」

 彼は黒革のコートの襟を軽く弄る。
 彼は音も立てずゆっくりとその一団に後ろから近づく。
328 : :2011/06/11(土) 22:21:51.84 ID:bwwupp3b0
「ほらやっぱり何も居ないんだって!」
「それよりどうするの窓ガラス!?」
「かまわねえよ、俺達天下無敵の未成年様だしな!」

「まったく、嘆かわしい。」

「―――――――!?」

 真後ろから響く人の声。
 良く通るテノール。

「いつから日本人のモラルは低下してしまったんだろうね。」
「だ、誰だよお前!?」
「ラ・ス・ボ・ス」
「解りづらいかな?」
「わかりやすく教えてあげよう。」

 悪魔のように口を裂いて夢生は笑う。
 
「わるぅい人だ。」

 夜の学校。
 窓ガラスを割った罪悪感。
 自分たちより年上の見知らぬ男。
 その後ろに付き従う血の滲んだ包帯でぐるぐるの少女。
 普段なら恐ろしくもない物が化ける幽世。
 彼らの居る“そこ”はすでに人妖の境界線上ですらない。
 明らかすぎるくらい“妖”の居る世界なのだ。
 
「うわあああああああああああああああああ!!」
「きゃあああああああああ!」
「ひえええええええええええええええええええええええ!?」

 中学生は情けない悲鳴を上げて逃げ出す。

「その恐怖、解放しろ。」

 その背中に向けて夢生は手元からコインを撃ち出した。
 彼らに気づかれることなくコイン――魑魅――は彼らの身体に吸い込まれていく。
 
「これで完璧だ……。」

 夢生は嬉しそうにコートの襟を弄った。
329 : :2011/06/11(土) 22:23:12.18 ID:bwwupp3b0
「はぁ……はぁ……。」
「はぁ…………。」
「なんなんだ、あいつ……。」
「窓ガラス割るところ見られちゃったんじゃないかな……。」
「ば、馬鹿そんな訳無いだろ!」
「でもモラルが云々って言ってたし……。」



 カタァン、と彼らの背後で窓ガラスが閉まる。
 カタァン、カタァン、カタァン、カタァン
 窓ガラスが開いたり閉じたりを繰り返す。

 だれもいないのに

 だれもいないのに

 だれもいないのに

 窓それ自体が意志を持つかのように踊り出す。



「や、や、やばいよ!」
「ななななななによこれ!?」
「か、風だって!これ絶対風が吹いているだけだよ!」

 その日も何の偶然か月の美しい夜。
 校庭に咲く桜は穏やかに咲き誇り続ける風一つ無い夜。

 尚も鳴り止まない窓ガラスの揺れる音

 それが鳴り響く彼らの心音すら掻き消すまでに大きくなった時

 ――――――パリィン

 ガラスが一枚

 ――――――パリィン

 ガラスが二枚

 ――――――パリィン
 ――――――パリィン
 ――――――パリィン
 ――――――パリィン


 割れるガラスの大合唱
330 : :2011/06/11(土) 22:25:47.52 ID:bwwupp3b0
「なんだよ!なんなんだよこれ!わけがわかんねえよ!」

『解る必要が有る物か』

「いやだもう家帰るう!」

『ただ赤子のように』

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

『あるがままを』


 ケイ酸塩の塊が奏でる交響曲の中心をまるで歌劇の主役の如く階段から降りてくる男。

「恐れると良い。」

 男はそう呟いた。
 三人の中学生が声のする方向を振り向く。

「ごめんなさいもうこんなことしません!」
「お家帰して!」
「あははは…………。」

 しかしすでにその方向に男は居ない。
 代わりにそこにいたのは……


331 : :2011/06/11(土) 22:29:51.99 ID:bwwupp3b0

\               U         /
  \             U        /
             / ̄ ̄ ヽ,
            /        ',      /     _/\/\/\/|_
    \    ノ//, {0}  /¨`ヽ {0} ,ミヽ    /     \          /
     \ / く l   ヽ._.ノ   ', ゝ \       <   バーカ!  >
     / /⌒ リ   `ー'′   ' ⌒\ \    /          \
     (   ̄ ̄⌒          ⌒ ̄ _)    ̄|/\/\/\/ ̄
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         /           浴Q
  −−   |    f\      ノ     ̄`丶.
        |    |  ヽ__ノー─-- 、_   )    − _
.        |  |            /  /
         | |          ,'  /
    /  /  ノ           |   ,'    \
      /   /             |  /      \
   /_ノ /              ,ノ 〈           \
    (  〈              ヽ.__ \        \
     ヽ._>              \__)
 鳥だった。
 どこからどう見ても鳥だった。
 鳥じゃなかったら何だというのだろうか?
 普通の鳥と違う点を上げるとすれば脚があると言うことだろうか?


「ピッキャッピッキャーピッカッチュー!」

 奇声を上げながら鳥は三人に近づく。 

「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 近づいてきて、牙をむき出しにして、三人に襲いかかる。

「「「うわあああああああああああああああああああ!」」」

 恐怖の頂点に達して、三人は仲良く気絶してしまった。
332 : :2011/06/11(土) 22:30:31.00 ID:bwwupp3b0
 その直後。
 月見里邸の懲りない面々が子供達を驚かそうとぞろぞろやってきた。
 まあもうとっくに遅いわけだが。

「来たわよ!来たわよ来たわよ夢生ちゃん!」
「遅いよ金次郎ちゃん。」
「遅いぜ金次郎。」
「久しぶりに出番でござる!」
「あんた前回出てたわよね。」
「それより私一度も活躍してないとかありえないんですけどー」
「あんたは二度と活躍できないってこの前作者が言ってたわ。」
「え、ちょ、それやばくね!?マジやばくね!?」
「ある意味それはそれでキャラ立ってておいしいわよ?」
「花子さん辛辣過ぎね?」
「ピッキャッチュー!」
「うわきもっ!」
「なんでござるこの面妖なくりぃちゅあは!」
「ああー、さっき出来たばかりの怪談なんだけど……。」
「ピッキャア……。」
「うわ、溶けて無くなった!?」
「まだ不完全だったか。」
「不完全?」
「面倒だから後で説明するよ。」
「この童達は如何するでござるか?」
「男子トイレにでも放り込んだら…………」

「「「「「アウトー」」」」」

 夢生の意見は彼以外のその場にいた全員に反対された。
 
「解った、じゃあ窓ガラス割った犯人としてたっぷり怒られて貰っておこう。
 職員室にでも放り込んでおけば良いでしょう?」
「それで良いんじゃない?」
「賛成でござる」
「おっけー」
「それじゃあ今日は解散だ。この子供達は俺がなんとかしておこう。」

 こうして学校に忍び込んだ三人は翌日になってからこの学校の男子トイレで気絶しているところを発見される。
 警察からの事情聴取で彼らは一貫して『青いツナギを着た筋肉質の男が……』『鳥人間が……』と言い続けたそうである。
【月見里邸の優雅な日常3】
333 : :2011/06/11(土) 22:32:41.97 ID:bwwupp3b0
挿絵を入れてみたい
そう思っただけなんです……
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/11(土) 22:33:39.48 ID:KF7edJAq0
どんな怪談なんだよ
どんな怪談なんだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
畜生、噴いた氷水返せwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
335 : :2011/06/11(土) 22:39:01.44 ID:bwwupp3b0
本当はにゃんぴょうのAAを探そうかと思ったんだけど駄目だった…・・・
何が言いたいかというとギャグマンガってすげえ
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/11(土) 22:39:02.69 ID:VbH6JLkM0
いやホントにどんな怪談だったんだwwwwwwwwwww
そして男子3人カワイソス
337 : :2011/06/11(土) 22:41:08.08 ID:bwwupp3b0
はっきり書いてなかったけどさ
あの中の一人は実は女の子ですミ☆
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/11(土) 22:57:01.54 ID:VbH6JLkM0
>>337
>あの中の一人は実は女の子ですミ☆
なん・・・だと・・・

(裂邪>ロリが呼ぶ幼女が呼ぶおにゃのこが呼ぶ!悪を倒せと俺を呼ぶ!
(シェイド>呼ンデナイカラ帰レ
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/11(土) 23:42:50.54 ID:TiH22IaDo
投下乙ですー
くそっ、この不意打ちは卑怯だろwwwwwwww
上げて落とすというか、上げてから斜め上に吹っ飛ばされた気分だwwwwwwww
340 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/12(日) 13:46:22.53 ID:S645P2P+0
さて、昨日投下に失敗したので、もう一度チャレンジします


「地獄の沙汰も」
宝「ふーむ、どこかに金になる話はないかなぁ…」
そんなことを言いながら歩いているのは金沢宝。学生会『七つの大罪』の『強欲』担当である
宝「…トイレか。都市伝説の定番だな…行ってみようか」
偶然にも公園の公衆トイレを見つけた宝。迷わず中に入る
宝「さーて、何が出るかなー…」

『赤いちゃんちゃんこ着せようか…赤いちゃんちゃんこ着せようか…』
宝がトイレに入ると、老人の声が聞こえてきた
宝「赤いちゃんちゃんこか…若干レアな都市伝説だな…」
『ひひひ…そこの坊や、赤いちゃんちゃんこ着せようかぁ…?』
宝「…そんな事より一言突っ込ませてくださいな。…ここ男子トイレだよ、おばあちゃん!?」
宝が叫ぶ。宝は勿論男性。なので男子トイレに入るのが妥当である。ここで女子トイレに入る奴は変態である。犯罪者である
『ひひ…都市伝説にそんなこと関係あるかい…で、赤いちゃんちゃんこ着るのかい?着ないのかい?』
宝「あかいちゃんちゃんこ、ねぇ…。…『赤いちゃんちゃんこ』。赤マントや赤い半纏などと同じ系統の都市伝説。
トイレに入ってきた人に『赤いちゃんちゃんこ着せようか』と尋ね『着せられる物なら着せてみろ』などと『肯定』の答えを返すと
首を切られ、まるで赤いちゃんちゃんこを羽織っているかのようになる…だったっけ?」
『ひひ…よく知っているねぇ。でもアタしゃそんなことが効きたいんじゃあないんだよ。赤いちゃんちゃんこ着せようか?
…着たくなくても、無理矢理着せるけどねぇ!!!』
宝「…自分から襲い掛かってくるなんて、珍しいタイプの『赤いちゃんちゃんこ』だな…」
『ひひ…赤いちゃんちゃんこ着せてやる!!』
宝「地獄裁判所…」
宝がそう呟くと、空間がゆがみ、二人は亜空間に飛ばされた。まるで裁判所のような空間に
宝「6月11日、土曜日。地獄最高裁判所。被告人『赤いちゃんちゃんこ』の裁判を開廷します!」
裁判長席で木槌を持つのは金沢宝。宝の服装もいつの間にか法衣に変わっていた
『な…なんだい!? どこなんだいここは!?』
被告人席に立つのは『赤いちゃんちゃんこ』。驚いた表情をしている
341 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/12(日) 13:47:36.90 ID:S645P2P+0
宝「被告人は静粛にッ!!」
宝が木槌を振るう。この裁判所には宝と『赤いちゃんちゃんこ』しか居ない。弁護士も、検察も、裁判官も、裁判員も、証人も、傍聴人さえ居ない
宝「ええ、被告人、『赤いちゃんちゃんこ』。被告はトイレに潜伏し、入ってきた人間の首を切り落とし続けたシリアルキラー。ゆえに、被告の罪は明白である!」
『な…なにを…! 都市伝説なら当たり前の行動じゃないか!』
宝「静粛に! …このように、被告には反省の色が見られない。これは死罪が妥当でしょう」
再び木槌を振るう宝
『く…アンタまさか、『閻魔大王』と契約してるって言うのかい!?』
宝「まさか。そんな巨大な都市伝説と契約なんて…できるわけ、ないでしょう? 既に『マーモン』と契約してるのに」
『じゃあ、これはいったい…』
うろたえる『あかいちゃんちゃんこ』
宝「さて。審議に戻りましょう。以上の点から、被告人の罪は明白。このまま死罪にするのが道理です。だが、ここの裁判所の裁判長は僕。お前の罪も、刑も、全て僕の一言で決まる」
『何が言いたいんだい…』
宝「たとえお前が極悪人でも。冷徹で冷酷な殺人者でも。…救ってやれないこともない」
『赤いちゃんちゃんこ』に語りかける宝
宝「さっきも言ったけどここは地獄裁判所。お前の罪が決まればそれはもう地獄の処刑が待ってるよ」
『く…アタシはどうすれば良いのさ…』
そう尋ねる『赤いちゃんちゃんこ』。声が震えている。青くなった顔が服装のお陰で一層際立つ
宝「簡単な話だよ。僕にお金を払えばいい。金額はお前の罪の大きさから換算して、占めて18070593000円。
金で払える人生…いや、都市伝説なら妖生か? まぁ、どちらにしても金で買えるなら安い物だろう? 極悪人でも劣悪人でも人類最悪でも下劣な愚民でも、金さえ払えば救ってやるさ。
『地獄の沙汰も金次第』…なんだからさぁ」
冷たい目で『赤いちゃんちゃんこ』の方をみる宝
『ア…アンタまさか…! アンタの契約都市伝説は…』
汗で顔がグショグショの『赤いちゃんちゃんこ』
宝「その通り、僕の契約都市伝説は『地獄の沙汰も金次第』! どんな罪も断罪も。金次第で打ち消せる。それは自分も他人も関係ない。
で、払うのかい? 払わないのかい? たったの18070593000円だぜ?」
『そ…そんな大金払えるわけ…』
宝「払えないって言うの? ふざけないでよ。普通の人なら問答無用でお前を死罪にしてるよ? 金で全部チャラにするって言ってんだ。こんな良心的な地獄裁判はないだろう?」
『ア…アタシの全財産でも540987650しかないんだ…! だからここは見逃してく…』
宝「借りれば良いだろ」
『は?』
素っ頓狂な声を出す『赤いちゃんちゃんこ』
342 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/12(日) 13:48:07.97 ID:S645P2P+0
宝「足りないなら借りれば良いだろ。お前はそれなりに有名な都市伝説。しかもトイレ系なら、それなりに味方も多いだろう?」
『そ…そんな大金、貸してくれる人なんて居るわけ…』
宝「それが無理なら闇金だ。金を貸す機関ぐらいあるだろう。そこに行って借りてこい。丁度地獄金融が近くにある。一旦ここから出ることを許可するから、いってこい
ただし、逃げたりしたらその時点で極刑だ」
『わ…分かった…今すぐ借りに行く…』
一目散に飛び去り、地獄金融(どう見ても闇金融です。本当にありがとうございました)に駆け込む『赤いちゃんちゃんこ』
それからお金を借り、戻ってきた『赤いちゃんちゃんこ』
『ど…どうだい…? こ、これで足りるだろう!!!??』
宝「ああ、これで十分だよ。では、被告人『赤いちゃんちゃんこ』に判決を言い渡す! 『無 罪』」
『赤いちゃんちゃんこ』に無罪判決を言い渡した宝
宝「では、これにて閉廷! あ、言い忘れてたけどあの金融トイチだから」
閉廷を宣言した後、思い出したように言う宝
『ま…まさか十日で一割って言う、あれ…』
宝「いや、十時間で一割」
『もっと酷かった! ってそれ犯罪じゃないのかい!?』
宝「うん。だから勿論裁判に掛けたさ。で、向こうが僕に得た利益の半分を支払い続けるってことで話をつけた。『地獄の沙汰も金次第』だからね」
『く…こんな金額変えせるわけ…』
宝「じゃあ、僕は帰るからね。あの金融の取立人はしつこいから気をつけろよ? でも気は長いから、幾らでも待ってくれるさ」
そう言って能力を解除し、帰路につく宝。さて、皆さんもお分かりいただけただろう。『地獄の沙汰も金次第』。要するにこの世もあの世も金が全てなのだ
『お金で買えないものだってある』とか『幸せはお金じゃ買えない』とか言ってる偽善者は、考えを改めた方が良いだろう。金がなければ幸せになんてなれないのだから…





                   続く…
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/12(日) 15:34:04.43 ID:mysg7mB80
改めてソニータイマーの人乙です〜
宝くんかっこいいなぁ、かっこいいけどやり方は最悪だwww
だがそれでこそ強欲担当だよね!
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/12(日) 20:20:58.22 ID:X7HUWMB+o
ソニータイマーの人、投下乙ですー
ちょっと待てばあさん、その大金はどうやって手に入れたwwww
345 :ジューン・ブライド [saga sage]:2011/06/13(月) 10:35:33.51 ID:H933Rjp/0

 6月に結婚した花嫁は幸せになれるという。
 私が結婚したのは3年前の6月。あのときから私の幸せは始まった。
 夫の受け持った仕事が大当たりして、その功績で同期の誰よりも早い昇進を果たした。
 当時流行っていた主婦特許の番組を見て適当な思い付きを特許にしたら、大手の会社から特許の買取を受け、年収以上の臨時収入を得た。
 そのお金で株に手を出してみたら、直後にその会社が急成長。株価は右肩上がりし、資産はざっと3倍に増えた。
 この辺りで私は自分の幸運さに気付き、それを試してやろうと宝くじをバラで100枚購入した。
 結果は1等が0枚、2等が0枚、3等と特等が合わせて10枚で約一千万円。なぜか5等(100円)は一枚もなかった。
 私は確信した。「6月の花嫁は幸せになれるんだ」と。

 そして今も、幸せは続いている。
 夫には「仕事をやめて悠々自適に暮らしていいのよ?」と何度も言っているが、夫はかたくなに今の仕事を続けている。
 今となっては私の株や宝くじでの収益の方が多いというのに、なんでそこまで拒み続けるのか理解できない。
 ちなみに私が稼いだお金を、夫は一円たりとも使おうとしない。
 食費や光熱費や家のローン等は全て夫の稼いだお金から出ており、私の収入は純粋に私のお小遣いとなっている。
 これは全て夫の意思であり、私が何を言おうともこの方針を変えようとはしない。これも理解できない。
 それどころか、私にお金を稼がないで欲しいと常日頃から言ってくる。
 私は幸せになる努力をしているだけだというのに、なぜそれを咎められなければいけないのか。

「もう、やめにしないか。」

 そして今日もまた、私の幸せに対して言いたいことがあるようだ。
346 :ジューン・ブライド [saga sage]:2011/06/13(月) 10:37:01.56 ID:H933Rjp/0

「……一体何が不満だって言うの?」

 料理の手を止めて夫に向き直る。手には包丁を持ったままだ。

「不満なんか無い。君のことは僕が幸せにする。だから君は、幸せを作らなくてもいいんだ。」
「私は「6月の花嫁」なの。だから私には幸せになる権利があるし、幸せになれる力がある。私は幸せよ?コウタさんは幸せじゃないの?」
「いや、僕も幸せだ。だが、この幸せは間違ってる。本当の幸せじゃない。」
「本当の幸せって何よ?ほどほどの収入で、ほどほどの家に住んで、ほどほどの生活を送ること?お金持ちはみんな本当の幸せを知らないっていうの?」

 夫に詰め寄り、夫の腹に包丁を軽く当てる。もちろん本当に刺すわけじゃない。これは小さな抗議。
 いつもこうすると、夫は黙って引いてくれる。
 でも今日は違う。覚悟を決めたような、慈しむような目で、真っ直ぐに私の目を見つめてくる。

「知って欲しいんだ。過ぎた幸せは身を滅ぼす…ってことを。」
「……相変わらず難しいこと言うのね。幸せは多い方がいいじゃない。私は今幸せ――――」

 夫の左手が私の右手に添えられ、夫の右手で体を抱き寄せられ、夫の顔が眼前に迫る。
 感じたものは、軽い驚愕。柔らかくあたたかい感触。肉を突き刺す嫌な感触。

「愛してるよ、サチコ…………」

 唇からもれる声は弱弱しく、でも私の脳に強く響いた。
 目の前で自分の夫が倒れるのが、テレビのスロー再生のように見えた。

 私は「6月の花嫁」。「6月の花嫁」は幸せになれる。目の前のコレは幸せ?
 違う。コウタさんがいない幸せなんてありえない。私は「6月の花嫁」。私は幸せ。
 私の幸せはコウタさんと過ごす日常。コウタさんと共に生きること。私は幸せ。
 だからコウタさんは私と共に生きる。コウタさんは死なない。私は幸せ。
 コウタさんがいなければ私は幸せではない。私は「6月の花嫁」ではない。私は幸せではない。
 違う。私は「6月の花嫁」。私は幸せ。でもコウタさんがいない。私は幸せではない。
 私は「6月の花嫁」ではない。私は幸せではない。コウタさんがいない。
 コウタさんが、私の幸せが、「6月の花嫁」が、ない。

 私の幸せって、何?
347 :ジューン・ブライド [saga sage]:2011/06/13(月) 10:38:58.64 ID:H933Rjp/0

   ・
   ・
   ・

 現場には、物陰に隠れて見えない位置からビデオがまわされていた。
 最初に映っていたものは、自殺宣言ともとれる告白と、妻をいかに愛しているかという告白だった。
 そこで一度映像が途切れ、次に映ったのはカメラを物陰に設置する夫の姿だった。
 続いて買い物から帰った妻の姿。料理をする妻の姿。そして、夫の最期が映されていた。

『過ぎた幸せは身を滅ぼす。……どうかサチコに、人並みの幸せを。』

 告白の最後は、こう〆られていた。
 映像を停止してテープを抜き出すと、灰色のスーツの先輩警官と黒いスーツの後輩警官は、どちらからともなくため息を吐いた。

「やっぱり自殺……なんですかね?」
「そう見えるが、一度女に話を聞いて見ないとな。で、女の様子は?」
「まだ精神病院です。寝ても覚めてもあのときの光景がフラッシュバックするとかで、話ができる状態じゃありません。」
「はあ……はたから見りゃ幸せそうな家庭だってのに、何が悪かったのかね……。」
「なんだかやるせなくなる事件ですね……。ところで先輩、ちょっとこれ見て欲しいんですけど。」
「ん?何を見――――」

 パシュン
 先輩の目の前で短い音と小さな閃光が起きるが、ざわつく室内で先輩以外はそれに気付いた様子はない。
 青年は手に持ったペンライトのような物体をスーツの内側にしまい、呆けている先輩の手から資料とテープを抜き取った。

「じゃあこの資料、頂いておきますね。」
「……ん、なんだって?」
「やだなぁ先輩、言ってたじゃないですか。「もうほとんど解決した事件だから、あとはお前一人でやってみろ」って。」
「おお、そうか……うん、そうだったな。じゃあこの件はお前に任せたぞ。」
「了っ解です!ほとんど終わってるからって手は抜きませんので、その点はご心配なく。では僕はこれで。」

 黒いスーツの青年はきびすを返し、部屋を後にした。
348 :ジューン・ブライド [saga sage]:2011/06/13(月) 10:39:41.00 ID:H933Rjp/0

 廊下を歩きながら先ほどの資料を鞄にしまい、懐から携帯電話を取り出す。
 慣れた手つきでそれを操作し、数コールの後、電話が繋がった。

「よう相棒。こっちはあらかた片付いたぞ。」

 先ほどとは明らかに違う口調で話す黒いスーツの青年。
 電話の向こうの声に何度か頷き、話を続ける。

「ああ、あの女は「6月の花嫁」の能力を使いすぎていた。暴走状態と言ってもいい。
 あのままじゃ遅かれ早かれ都市伝説に飲まれるか、よくて人格崩壊だったろうな。」

「あの男がそれを知ってたかどうかは知らねえが、あの行動は正解の一つではある。
 花婿がいなければ花嫁ではない。花嫁でなくなれば「6月の花嫁」は強制契約解除って寸法だ。」

「普通に離婚しただけなら、あの女は次の花婿候補を見つけて6月に結婚。無事に「6月の花嫁」と再契約を果たしていただろうさ。
 最愛の夫とああいう別れをしたからこそ、自分自身の幸せについて見つめなおせる……そう考えたんだろう。」

「……何、長話が過ぎる?長話じゃねえよ、報告だ報告。報告書?面倒だからお前書いといて。
 気にするな、いつものことだろ?ああ、だから今言った。確かに言った。おっと仕事を思い出した。じゃ、あとは頼んだ。ああ忙しい忙しい。」

 通話を切り、ついでに電源も切り、黒服の青年はひとりごちる。

「過ぎた幸せは身を滅ぼすが、過ぎた愛は人を殺す、ってね。幸せも愛も、ほどほどが一番いい。……あと仕事も。」

 ため息をつきながら警察署を後にする黒服。
 これでこの事件の顛末を知るものは、警察署内から一人もいなくなった。


【終】
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/13(月) 10:40:40.71 ID:H933Rjp/0
タイトルに(代理)を付け忘れましたごめんなさいorz

避難所に投下されていたネタの代理投下でした!
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 00:09:26.98 ID:OSD523AWo
代理感謝、です

……こっちは、静かだな
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/14(火) 00:19:33.31 ID:l697tIY1o
まとめ作業が終わらない→VIP時代の続きものの投下は控えて避難所で→まとめ作業が増える
以下ループ
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 00:22:02.55 ID:OSD523AWo
土下座すればいいんですねわかります
スマヌ…スマヌ……orz
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/14(火) 08:24:33.45 ID:WvdSfNi20
そうだな、「教会」編関連の話は避難所で、って話になってたけど、
昨日俺があげた話はこっちにあげても良かったな…
帰ってきたら改めてこっちに投下するわ
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 08:26:25.86 ID:B1cJNv6DO
最近金爆が面白い。
だから何かって話だけどさ
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 11:17:09.52 ID:isxMd8uDO
トイレットペーパーによる緊縛プレイにハマった花子さんがいると聞いて
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 11:59:46.91 ID:RTAsGk2SO
花子さんと野球拳やりたい
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 12:07:06.98 ID:isxMd8uDO
ただしこちらは下から脱ぐ
358 : :2011/06/14(火) 15:10:17.01 ID:g0ZJUP6k0
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第二章「不死者と魔法少女」〜】

 [ピーーー]ば良い
 [ピーーー]ば良いと思った
 何か腹が立ったわけでもなくて
 何か恨みがあったわけでもなくて
 何か愛を抑えきれなくなったわけでもなくて
 忌みもなく
 意味もなく
 意義もなく
 異議もなく
 心の底から死んでしまえと願った

 苦しんで[ピーーー]と思った

 安らかに[ピーーー]と思った

 一瞬で[ピーーー]と思った
 
 永遠に[ピーーー]と思った

 訳がわからないよ
 
 只目の前で話しているだけの
 
 今日会ったばかりの人間を

 こうやって今話している人間を

 こうやって話している最中に

 いきなり殴りつけたらどんな顔するんだろう

 眼球にナイフを突き立ててグリグリとえぐったらどんな顔をするんだろう

 そもそも何故こいつはいきているんだ

 生きているはずの人間なのか?

 俺には解らない

 僕には解らない
 
 私には解らない

 解らない
 
 解らない

 解らない

 解らないから試してみようと思った

 殺して確かめようと思った

「あはははははははははははははは!」

 その瞬間、俺は僕は私は【何か】になった

 なって、成り果てた

「ねえ君、僕と一緒に遊ぼうよ!」

 そんな時に、アイツは現れたんだ。
359 : :2011/06/14(火) 15:10:50.69 ID:g0ZJUP6k0
「うわっ!おいしい!ここの料理美味しいわ!」
「おいおい朔夜、こういうところで食べ過ぎるもんじゃないぜ。」
「うるさいわねー我が家では料理というと洋食しかないの。
 貴重な和食と中華とエスニックでお腹いっぱいになるチャンスなんだから邪魔しないで。」

 こんにちわ、天野スバルです。
 僕たちはただ今とあるデパートのオープン記念式典に招待されて立食パーティーを楽しんでます。
 傍に品の良い少女(どっかで見覚えがあった、ちなみに巨乳)と背の高いお兄さん(無茶苦茶眼光が鋭かった)を侍らせたお婆さん(デパートのオーナーだそうだ)が空気を読んでスピーチを早く切り上げてくれたので
 僕と朔夜は子供らしく美味しい物を探して会場をうろちょろしていた。
 そもそも僕と朔夜はお互いにお互いがここに来ることを知らなかったのだ。
 僕はそもそも作家である父に連れてこられてきただけだし、
 朔夜の方もなにやらヨツバさんが国のお偉いさんに縁が有るだかで呼ばれたのについてきただけ。
 偶然であった僕を見てヨツバさんはすぐに朔夜を押しつけてどこかに行ってしまったし、
 父さんも父さんで老若男女からサイン攻めに遭っている。
 
「それにしてもあれねー。」

 口に物を入れたまま朔夜は喋る。
 行儀の悪い奴だ。

「あんたのお父さんって何の本書いてるの?」
「なんだったっけな……、あれだよ。ノンフィクション。」
「へえー。」
「なんか戦場カメラマンをした経験とかを元に書いているらしい。」
「あんたと全然顔似てないわよね。あんたどっちかっていうともやしっこみたいな感じなのに。」
「実の子じゃないからね。」
「ゴフッ!」

 朔夜の噴き出した麻婆豆腐が顔にかかる。

「あら、大丈夫?」

 薄紅色の着物を着た女性(高校生くらい、童顔)がやってきてそそくさと顔を拭いてくれた。
 うーん、流石スタッフも行き届いているみたいだ。
 
「ご、ごめん……。二重の意味で。」
「別に気にしてないよ、三重の意味で。」
「あと一つ何よ?」
「いやしくも魔法少女が口の中の物を噴き出すのかと思って。」
「今日はオフよ。」

 そう言って朔夜はどこからともなく皿を取り出す。
360 : :2011/06/14(火) 15:11:24.18 ID:g0ZJUP6k0
「ところでさっきからずっとあんた食べて無いじゃない。
 こっそりとっておいてあげたわよ。」」
「お、ありがとう。」
「べ、別にあんたのことが気になってた訳じゃないんだから!」
「はいはいありがとうございます。」
「あら、二人ともなんでここに……。」

 二人の背後から突然聞き慣れた声がする。
 声の主は朔夜の宿命のライバルである霧雲霙だった。

「あ。」
「お。」
「あんたこそ」
「おまえこそ」
「「なぜここに?」」
「やだなー、私さっき葵さんの傍に控えてたじゃない。」
「ずっと食べてたから気づかなかったわ。」
「さっきまでやたらエレガントなドレスだったよね。
 普段着ている服と全然違うから気づかなかったよ。」
「至ってまともな理由でスピーチは聞いてなかったのね。」
「いえいえ、それほどでもありません。」
「ホメテナイヨホメテナイヨ」
「ところで二人は何しに来たの?」
「いや、ちょっと親の付き添いで。」
「私もー。」
「そう……、ヨツバさんは大丈夫として……。
 スバル君のお父様の傍に居た方が良いわよ。」
「どういうこと?」
「なーんか都市伝説がらみのろくでもないのが来るって話なのよねー。」
「ふぅ〜ん。」
「確か名前は……ネバーランドだったかな?」
「ネバーランド?」
「あら、聞き覚えがあるの?」
「いや……。」

「ネバーランドってまさか……。
 いや、まさかそれはない。
 アイツは死んだはずだ。
 とっくの昔に、俺が父さんと出会った日に。」

「なななな、何でもないよ、俺ちょっとトイレ行ってくるわ。」

 そうだ、そんなことありえない。
 あり得るわけがない。

「ねえ、さっきの自分語りなに?」
「多分地の文と会話文を取り違えたのよ。
 あいつのいつもの癖よ。」
「妙なキャラクターつけてるわね。」
「そのせいで何時も酷い目に遭ってるのよねあいつ。」
361 : :2011/06/14(火) 15:12:09.90 ID:g0ZJUP6k0
 僕は騒がしい会場を離れてトイレの中に入った。
 鏡に映る自分の顔を見る。
 ネバーランド、それはアイツが、あの頃の僕の唯一の親友と言っても良かったアイツの夢だった筈だ。

「アイツは、ジャックはもう死んだ。
 ネバーランドは終わったんだ。」

「そう、俺は死んだんだ。」
「―――――誰だ!?」

 どこからとも無く声が響く。
 鏡に映る人影はない。
 僕は素速く左右を確認した。

「俺は死んで、生き返ったのさ。
 子供の国(ネバーランド)にぴったりな永遠に子供の姿で、
 死を超越(ネクロオーバー)して、終わらない(ネバーエンディング)な存在になって。
 本当の子供の国(ネバーランド)を作るんだよ。
 お前も手伝えよスバル。」

 ありえない。
 そんなことありえない。
 アイツの声がするなんて。
 鏡に映ってない、どこにも居ない。
 幻だ。
 幻の筈なんだ!
 アイツを騙る誰か別の奴に決まって……

「後ろだよ、スバル。」

 僕が振り返ると、そこには見慣れた姿の少年が居た。
 年の頃は五歳か六歳ほど。
 死んだときの姿そのままに。
362 : :2011/06/14(火) 15:13:43.86 ID:g0ZJUP6k0
「ジャック、嘘だろ生きてるなんて、なんでお前……鏡に!?」
「不死の代償だよ。」
「なんでお前…………!」
「まあまあ落ち着けよ、とりあえず落ち着いてこのパーティーから抜け出せ。」
「どういうことだ?」
「俺は金持ちと資本主義が嫌いだ。
 あと子供を自分の所有物のように振る舞う老人がな。
 今から俺達はこの金持ちどものパーティーをぶち壊してネバーランドの再開を宣言する。」
「あれはまだ始まっても……」
「再開だ!」
「……やめろよ、もう全部終わったんだ。
 もう全部止めて、親切な大人の世話にでもなれよ。
 大人って割と棄てたもんじゃないんだぜ?」
「――――解ったよ、もう良い。お前は変わっちまったんだな。」
「…………すまん。」
「じゃあ俺は……。」
「話は聞かせて貰ったわ!」

 その時突然、男子トイレに一陣の風が吹く。
 見覚えの有る魔法少女コスプレが二つ……二つ!?
 霙は前まで戦うときにはミリタリーなジャケットしか着てなかったはずだ。
 つまり……。
 朔夜、お前いつの間に霙の分まで作ったんだよ……。
 
「スバル、君の彼女かい?二人も侍らせているなんてすばらしいね。」
「違う違う。」
「スバルの様子が怪しかったから勝手につけてきたわよ!」
「あんたがネバーランドとかいうののリーダーなのね!」
「正義と愛の魔法少女シルバームーンと!」
「愛と情熱の魔法少女レインバレルが!」
「「ミラクルマジックでキュルンとビビッとブリリアントに退治してやるんだから!」」

 魔法少女コスで決めポーズを決める二人。
 こいつらまじめに戦う気はあるんだろうか、いいやない(反語)。

「ついでに情報も聞き出してやるんだから!」

 霙さん、貴方の場合それが第一目的ですよね?

「ていうかお前らなんでそんな仲良いの?」
「やれやれ、邪魔が入ったか。こんな素人達に尾行されているなんて腕が落ちたじゃないかスバル。」
「だいぶブランク有るし仕方ないじゃん。」
「まったく……。」
「おしゃべりしている暇が!」
「有るのかしら!」

 右から霙の「ツングースカ大爆発」の能力を用いた爆発する拳が
 左から朔夜の「魔女は箒で空を飛ぶ」の能力を応用した疾風を纏う蹴りが
 ジャックを挟み込むようにして襲いかかる。
 しかし彼はそれを躱すそぶりすら見せずに拳には拳で、蹴りには蹴りで対抗する。
363 : :2011/06/14(火) 15:23:51.49 ID:g0ZJUP6k0
「捕まえた!」
「はじけ飛べ!」

 生かして捕らえるのではないのだろうか?
 朔夜はノリノリで脚に纏った風の出力を上げ、
 霙はテンションクライマックスで拳から大爆発を起こす。
 俺の目の前でジャックは再び肉片と化していく。
 やめろ、やめろ、あの時の二の舞はごめんだ!

「おいおい、目を背けるなよスバル。」
「え?」
「俺はちゃあんと此処にいる。」
「うそ?」
「反撃を喰らう準備はできているかいお嬢さん(フロイライン)?」

 驚いたことに、ジャックは攻撃を喰らった傍から高速で肉体再生を行っていた。
 先ほど話していた不死の能力とはこういうことだったのか!?

「デコピン。」

 呆けた表情の二人の額に向けてジャックはデコピンを放つ。
 見た目は地味だ。
 実際、それを喰らった瞬間、まるで車にぶつかったみたいに空中で三回転ほどする二人の姿を見て、俺はその威力を初めて理解したのだから。

「朔夜!霙!」
「まだまだこの程度じゃ倒れないわよ!」
「流石にハーフは耐久力があるね。でもそこの人間はどうかな?」
「…………。」
「やっぱり倒れたk」

 そこまで言いかけたところでジャックの右手が爆発する。
 その爆炎に紛れて朔夜はジャックの死角に入って落ちていたトイレのモップを風で加速させて投げつける。
 まるで再生を阻害するかのようにモップは彼の右手に突き刺さり、彼を壁に貼り付けにする。

「死んだふりか……。その上相方の意図を読んで一瞬で合わせてきた。
 相当コンビを組んで戦ってきたと見える。」
「ジャック、お前の眼も鈍ってるじゃないか。」
「急造コンビなのか?」
「ああ、そいつらが組んだのは過去に一度だけだよ。」
「ふぅん……面白いね。」

 モップを抜き取ろうとジャックがモップに手をかける。
 すると再びモップが爆発する。
364 : :2011/06/14(火) 15:24:16.54 ID:g0ZJUP6k0
「触れた物を爆発させる能力か。」

 右半身を完全に肉片にしたままジャックは分析を始める。

「貰った!」

 朔夜の体重を載せた肘撃ちがジャックに叩き込まれる。
 しかしそれを喰らいながらもジャックはその肘を拳で挟んで骨を砕こうとする。
 
「朔夜伏せて!」

 肘を見捨てるかのように朔夜はなりふり構わずに伏せる。
 間接が外れるような音と天井でスーパーボールがはねる音がした直後、ジャックの顔が吹き飛んだ。

「何だ今の!?」
「隠し芸よ。」
「魔法少女のたしなみね。」

 どこの世界に暗器を隠し芸にする魔法少女が居るというのか。

「やれやれ……二対一では分が悪いね。」
「逃がさないわよ!」
「いいや、逃げるね。」

 二人はトイレの窓から小さな身体を使って逃げようとするジャックを追う。
 逃げる?
 待てよ、あいつが逃げるときは毎回……。

「――――お前ら下がれ!!」

 次の瞬間、魔法少女コスチュームの帽子のツバが真っ二つになる。
 どうにか間に合ったようだ。

「ワイヤー!?」
「ジグザグ使いね、厄介だわ。」
「ちっ、外すとは思わなかった。」
「こんな攻撃、最初の一撃さえ躱しちゃえば!」
「動くな朔夜!」
「おいおい、もう手の内はばらさないでくれよスバル。」
「もう既にワイヤーが辺りに張り巡らされている!」
「そゆこと、……ありゃりゃ、攻撃翌予定時間過ぎちゃってる。
 まっずいなあ……期せずして時間食っちゃったみたいだね。
 今回は一旦引かせて貰うよ。そんじゃあねー。」

 ジャックは窓から飛び降りてしまった。
365 : :2011/06/14(火) 15:26:51.54 ID:g0ZJUP6k0
「逃げられたわ……。」
「あーん!ひもが絡まって動けない!」
「やれやれ、困ったことになったな……。」
「あらら、皆さんどうしたの?」
「さっきの和服のお姉さん!」
「うわーん、助けてください〜!悪い奴に、変質者に襲われたんです!」
「…………ヤバッ」
「変質者という意味ではお前らも相当だよなあ……。」

 霙が滅茶苦茶気まずそうな顔している。
 もしかして彼女の上司的なあれなのだろうか。
 よく見るとただならぬオーラを纏っているし。
 彼女がこの前言っていた“あのお方”なのだろうか。
 困ったのでとりあえず誰だか聞いてみることにした。

「あの、お姉さん?」

 余裕綽々で(しかも素手で)ワイヤーを引きちぎっているお姉さんに尋ねる。
 あれ?何を尋ねよう?
 困った……年?名前?霙との間柄ってのもあれだし……。
 スタッフさんなのか聞くだけでも良いかな?
 ていうか都市伝説関係者なのか聞けばいいのか。
 ついに意を決して僕は尋ねた。

「あのお姉さん。」
「はい、なんでしょうか?」
「パンツの色は?」
「今日は和服ですし穿いてませんがやっぱり白じゃないでしょうかね?」

 あれ?
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第二章「不死者と魔法少女」〜】
366 :口裂け女 :2011/06/14(火) 16:47:44.85 ID:RaLE+KBAO
やあ、こんばんわ親愛なる読者諸君
君たちの時間ではこんにちわの時間になるだろうが気にしないでくれ
作中では今は夜なんだ

君たちに僕の能力を話す前に
僕自身について軽く話しをしておこう

本当に軽くだから聞き流してくれても構わないさ

僕はモテる
それも凄くモテる
異性にモテる

しかしその異性なんだが
彼女達には一癖もふた癖もある
「小僧、来たぞ」
「噛みつく?刻む?」
「いや引き摺るべきだろう」

賢く聡明な読者諸君ならばもう気づいただろう

僕は都市伝説にモテるんだ
それも異性限定で
367 :口裂け女 :2011/06/14(火) 17:16:26.15 ID:RaLE+KBAO
横に飛ぶ

僕がいたアスファルトに無数の牙が刺さる

犬の牙、犬達の牙
どんだけ堅いんだよおい

「あっぶないなー噛みつく!」
耳元で彼女が怒る
噛みつかれてもう少しでぼろ雑巾になるのは僕だと言うのに
いい気なもんだ

次の攻撃に備え僕は身構えた
「兄ちゃん、楽になろうや」

すると目の前からドスの効いた声がした、が目の前に人はいない
人は、いない

犬がいた
不細工でずんぐりむっくりで可愛げのない犬がいた

「こんなけったいな身体にされてワシも辛抱たまらんのじゃ、はよう亡くなってくれはせんかの」

周りには沢山の犬
一目見ただけで気づいた
尋常じゃないくらい興奮してる、目がおかしい

「食いちぎられな」

一斉に毛並みを持ったミサイルが飛んできたヤバいこれはヤバい死ぬ

「走る?」
当たり前!
「分かった」

彼女が僕を抱き締める
いつも通りに、いつも通りが起きる

脚がメチャクチャ速い
確かにこれなら人もミンチになるな
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/14(火) 21:39:54.85 ID:g0ZJUP6k0
何が有ったのだ……
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 22:28:59.44 ID:isxMd8uDO
ながら投下で力尽きた……?
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 23:30:40.70 ID:B1cJNv6DO
過疎化?
アニメでいうと皆さまの作品は何時くらいを想定してるのかしら
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/14(火) 23:36:27.89 ID:WvdSfNi20
>>370
最初は土曜6時か日曜5時を想定してた
でも段々エロ描写が多くなって(『邪気殺し』は1話からアウト)、俺も夜中の2時〜3時くらいな気がしてきた
最近は抑えてる・・・つもり、だけど
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 01:48:33.08 ID:fdvn5GcDO
学校の怪談(アニメ)とベクトルは似てるような気がするので、ゴールデンタイムのアニメ枠でいける?
一部の赤黒い作品はその4時間後くらいの深夜枠にどうぞ。



さつきちゃんの中の人…………
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/06/15(水) 02:20:16.79 ID:RyNWCNPso
せめて冥福を祈ろう

しかし日5はblood+とかコードギアスとかけっこうハードなネタに走ってるイメージが最近あるな
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 07:24:42.04 ID:NOSw5TLDO
明日くんは日曜朝八時楽勝だよ!!
少々どろどろしてても多分あの時間なら許される
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/15(水) 08:43:05.10 ID:tgRMApHS0
>>373
む、俺の地域ではBlood+は土6だったけど、あの時から日5にアニメやってる地域あったのか…

土6・日5はハガレン、ガンダム、ギアスがあるし、多少グロかったりしてもやってけそうね

>>374
恋愛事情のドロドロならファイズやキバもあったからなぁwww
人間関係のドロドロくらい許せるかもw
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 09:35:06.33 ID:RyNWCNPso
調べてみたら普通に土6だったでござる
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/15(水) 16:45:13.20 ID:tgRMApHS0
やっと表示された・・・

>>376
5年以上前にやってたアニメだから仕方ない
そういやあれディーヴァとリクが[セルフピー!]やってたような・・・気の所為か?
378 :単発ネタ [sage]:2011/06/16(木) 17:20:47.78 ID:WER/gxKSO
子供が一人で出歩くには暗い時間帯。
獣耳の飾りのついたフードを被った小学生くらいの少女がトテトテと公園を走っていた。
「ワン!ワン〜。ワンですよ〜。ワ〜ン〜?」
公園で何かを捜すようにぐるぐると少女が走っていると、
「五月蝿いぞ、ガキ」
公園のあちらこちらから、たくさんの犬が姿を現した。
「あっ!ポチさん、ご飯持ってきましたよ、ご飯」
そう言って少女はドッグフードの入った袋を一匹の犬に差し出した。
「いらねぇよ」
差し出された犬は、人の言葉でそう言った。それだけではなく、その犬には人の顔がついていた。
都市伝説『人面犬』だ。
「人間の施しは受けねぇって言ったろう」
「ぅ〜……でも、ほらっ、犬耳!」
仲間ですよ〜、と言いながら少女はフードについた飾りを見せる。
「あほう。そりゃ猫耳だ」
「あれ?」
飾りの耳をピョコピョコと指で動かしながら、少女は首をかしげる。
「こんな夜に出歩くな。俺みたいなのに関わるな。さもないと……」
「私、綺麗?」
突然、公園に女が現れた。
「……こういうのに襲われるぞ、と言いたかったんだが」
「私、綺麗?」
真っ赤なワンピースに、大きなマスクの女。
「『口裂け女』か」
「私、綺麗?」
口裂け女は、人面犬を無視し、少女をジッと見ながら尋ねる。
「え、えっと」
「答えんな」
人面犬に言われ、少女は口を閉じる。
「私、綺麗!?」
「ひゃっ!」
目の前まで口裂け女が顔を近づけ、思わず少女は後ずさる。
「逃げた?」
「え?」
「逃げた」
「あ、あの……」
「私の顔が怖いから?怖いからね?」
口裂け女がぶつぶつと一人で何かを呟きだす。
「おいガキ、契約するぞ」
「けーやく?」
「いいから、契約するって言え!」
「う、うん、けーやくする」
少女がそう言うと、いつの間にか人面犬に首輪が現れた。
「よし、乗れ」
「ぇ?」
「早くしろ!」
「あわ、わ」
人面犬に急かされ、少女は人面犬の背に乗り、首輪を掴む。
「しっかり掴まってろ!」
そう言って人面犬が走りだすのと、同時、他の犬達が口裂け女に飛び掛かり、そして
「お前も同じ顔にしてやる!!」
口裂け女が叫び、走りだした。
379 :単発ネタ [sage]:2011/06/16(木) 17:22:28.43 ID:WER/gxKSO
人面犬は高速道路を時速100キロで走るという。契約者の少女を乗せ、車の間をすりぬけながら、人面犬は走る。
そして、口裂け女は飛び掛かってきた犬達を一瞬で薙ぎ払い、メスを手に、少女を目指す。
100メートルを3秒で走る口裂け女。時速約120キロ。
「流石、速いな」
「ポ、ポチsぁ、ぅきゅ」
「喋んな、舌噛むぞ」
「もぅ、噛みました……」
二人の差、20キロ。あっという間に口裂け女は人面犬の後ろに到達し、メスを振り上げる。
「おおっと」
急に人面犬が速度を落とす。
結果か、メスは空振り。口裂け女は一瞬、人面犬を見失う。
口裂け女が振り返り、速度が落ちた、瞬間、
人面犬が再び走りだし、口裂け女を追い抜く。
「知ってるか?人面犬に追い抜かされると事故に遭うんだぜ?」
口裂け女の横を駆け抜けざま、人面犬はそう言った。
そして、クラクションの音を響かせながら、口裂け女に大型のトラックがぶつかった。
 §          §          §
「ちょいと遠くまで来過ぎたな」
先程ゆりもゆっくりと走りながら、人面犬はそう呟いた。
「このまま家まで送ってやる。そしたら契約解除すっから、もう俺に関わるんじゃn」
「ポチさん!このまま海に行くです!私は海が見たいです!」
「人の話聞いてんのかクソガキ!」
人面犬の上で、首輪をギュッと握りながら、少女は呟く。
「家には……帰りたくないです……」
「あん?」
「家にいると、パパが私の体を舐めるです。ママがそれを見て、私を叩くです。私が家にいるどパパとママが喧嘩するです……」
「………………野良犬生活になるぞ」
「だいじょーぶです!ほら、耳!」
「だーから、それは猫耳だ」
苦笑しながら、人面犬は走る。楽しそうな少女を背に、とりあえず、海を目指して。
 §          §          §
「人、人轢いた……ぅわぁ」
道路のど真ん中に立っていた女にトラックが当たり、運転手は混乱していた。
「け、警察、美容院、ちが、病院!……ぃや、このまま逃げ、……逃げ、……あれ?」
そこで、奇妙な事に気がつく。
女がトラックの前にいるのだ。トラックの前に立っているのだ。
片手で、トラックを押さえながら……
「私、綺麗?」
女が、ゆっくりと顔を上げ、運転手を見つめる。そして、

口裂け女は走りだす。先程の男の口は裂いた、もう興味はない。
生まれて、自我を持って以来、狙った獲物を逃がした事は無い。
だから、これで終わりはしない。
目指すは、先程の少女。
口裂け女は走りだす。100メートルを3秒で駆け抜けながら。

380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/16(木) 18:30:57.46 ID:C0dyqmmI0
ほぅ、これは面白い展開
しっかしかぁいいなぁこのロリっ子、俺がぺろぺろして差し上げたい
そして父親出て来い、影に葬ってやる(
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/16(木) 18:38:39.55 ID:WER/gxKSO
ぺろぺろすると犬にがぶがぶされるよ
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/16(木) 19:43:02.83 ID:MdgOzJyl0
乙でしたなの
幼女の父親は島流し………じゃなくて、沈められてしまえばいいのですよ、にぱー
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/16(木) 20:42:44.81 ID:C0dyqmmI0
>>381
>ぺろぺろすると犬にがぶがぶされるよ
犬はいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ちくしょう、メイちゃんといい、このロリっ子といい、何故ロリには犬がくっついてるんだ!?
てかこのロリっ子マジかぁいいんだけど!
何この溢れ出る抱きしめたい!むぎゅっしたい!的感情は!?
うおおおおおおおおロリっ子最高おおおおおおおおおおおお!!!

※都市伝説ryスレは常識人が集まるスレです。決してロリコンの屯するスレではありません
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/16(木) 20:58:10.03 ID:WER/gxKSO
猫でもよかった、ていうか構想段階では猫だったんだけど
良い都市伝説が見つからなかったのと、ついでに嫌がらせで犬にした
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/16(木) 21:41:55.05 ID:C0dyqmmI0
>>384
うん、猫は神様ばっかりで「人面犬」みたいな身近なのが無いのよねぇ
ところで

>ついでに嫌がらせで犬にした
誰への嫌がらせだ
主に誰への嫌がらせだwwwwwwww
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/16(木) 21:58:15.63 ID:WER/gxKSO
ロリが好きで犬が嫌いな人へのさ!
ロリへの愛を試してみたくなったのさ!
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/16(木) 22:00:39.01 ID:C0dyqmmI0
>>386
俺しかいねぇwwwwwwwwwww(多分・・・
ロリへの愛は変わらないよ! でも犬は絶滅しろ!(犬に囲まれました
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 07:33:48.65 ID:24GNqfhDO
乙でした
逆に考えようぜ
幼女の父親がガチで幼女を愛しちゃってたらさらにどろどろするよねって
そしたらまた面倒なことになって…
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/06/18(土) 01:07:33.22 ID:nGmKjPB60
単発の人乙でした!

>>387
安心しろ。お前は一人じゃない
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 07:24:52.53 ID:M5qNd/tDO
>>387>>389
お前らだけに良い格好させないぜ!!
391 :単発ネタ [sage]:2011/06/18(土) 10:26:17.95 ID:1Gic6CVSO
自分で言うのもなんだが、私は成績優秀、容姿端麗、将来有望な女子高生だ。
だから、私の死は世界にとって大きな喪失となるだろう。
それは世界中を飛び回るエリート商社マンの父の血をひいている事からも明らかだ。
だから、
「誰か助けtっ……ぅわ!?」
足元を白い物が通り過ぎた。
「何なのよ、もぅ!」
さっきから私の周りを飛び回る、白い物体。
ぎりぎりで避けているけど、当たると凄く痛い。
ていうか、アスファルトがえぐれたりしてる。
立ち止まると狙い撃ちされるので走り続けるしかない。
いくら文武両道の完璧な私でもそろそろ疲れてきた。
「あんた大丈夫?」
「助けてください!」
声の主に即座に助けを求めれば、金髪の女が立っていた。
ううむ、私には劣るけど、なかなかの美人さん。
「助ける……スカイフィッシュかぁ
 ……なんか、あんたの事狙ってるわね」
「見たらわかるでしょう!助けてください!」
あぁもぅ、さっさと助けてよ。使えないなぁ!
「スカイフィッシュがわざわざ一人に狙いを定めて襲うとは思えないし、契約者?だったら……」
私の横を走りながら、金髪さんはぶつぶつ呟く。何なの。
「ねぇあんた、私と契約しない?」
「はい?なんですかっ?」
「助かりたいんでしょう?」
なんだか知らないけど、助けてやるから契約しろと言ってるらしい。
足元見て、この悪人め。
まぁ、後でクーリング・オフすれば良いよね。
「契約するから助けて!」
「了解。私は『エイズ・メアリー』よろしくね」
392 :単発ネタ [sage]:2011/06/18(土) 10:28:02.61 ID:1Gic6CVSO
エイズ・メアリー?何それ、会社名?……って、何、これ、頭の中に、変な知識が……
「え、せっかく契約して得た能力がこれ?使えないじゃん……」
金髪さんが何か言ってる。
ふと、振り返ると、眼鏡をかけた男が立っている。
「あいつが契約者ね。でもこの能力じゃ、どうしようも……」
振り返った金髪さんが、悩んでるけど、あれは……
「あ、八木君だ」
「……知り合い?」
「同じクラスの子」
あー、あいつなら……。
「ぅ、ぐっ……がぁ」
おやすみなさい。っと
「え、何?何したの?」
「能力使った」
私の得た能力『私と性的な関係になった事のある人間を病気にする』だ。心筋梗塞も病気だよねぇ
「え、あの子、あんたの彼氏?」
「違うよ?」
「だって……え?元カレ?」
「違います」
「ぇ……じゃあ…………?」
「私、同じ学年の男子のほとんどと経験あるから」
「   」
金髪さんが絶句した。性的な都市伝説なのに、これくらいで驚いてどうするんだ。
しかし、八木君はなんで私を襲ったんだろ。
「真面目で純情な男心を踏みにじったからでしょ」
まっさかぁ、一回寝ただけで本気になる人なんていないでしょ。

自分で言うのもなんだが、私は成績優秀、容姿端麗、将来有望な女子高生だ。
世界中を飛び回り父が家にいないのを良い事に、何人も男を家にあげている母の血をひいているのが欠点だけど

393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 10:29:00.67 ID:1Gic6CVSO
何か違う
絶対に何か違う
394 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/18(土) 13:25:14.81 ID:88ZFt4Ku0
「何だコレ何だコレ何だコレ!?」
「やかましい、キリキリ馬車馬の様に走るのです、もう少しで追いつかれるですよ」
「お前を担いで無きゃもう少し速く走れるんだよ!!」
「やれやれ、女子1人担げないとは・・・大の男が情けない
お前みたいなのをカイショー無しと言うのです」
「うっさい!!」
深夜二時頃、人通りの少なくなった街路を1人の青年が必死で走っている
いや、走っていると言うよりは逃げている
「噂には聞いていたが・・・本当に信じられない所だな、ここは!!」
「学校町、都市伝説の数で言えば日本でも有数の心霊スポットなのです・・・が」
青年に担がれている少女が呆れた様に言う。
「そんな町だとポリもレベルが違うのです」
「レベルってか次元が違う!!」
「待ちやがれこのコソドロがぁっ!!」
そう、青年が逃げているのは口裂け女や赤マントと言ったこの町にありふれた怪異ではない
一台のパトカーである
「コソドロとは人聞きが悪いな・・・」
「そうですか?割と的を得ていると思うのですが、実際お前盗人ですし」
「盗人言うな、怪盗と言え」
「これだから人間は訳が解からないのです
 呼び方なんてどうでも良いではないですか
 ついでに後ろのポリはもっと訳が解からないのです」
395 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/18(土) 13:26:09.37 ID:88ZFt4Ku0
「畜生!コイツ(パトカー)で追いつけないとかどんな脚力してやがる・・・一応コイツ改造車なんだぞ」
「先輩・・・それ初耳なんですけど、まさか違法な事やってませんよね?」
「法律は投げ捨てる物(キリッ)
「・・・聞かなかった事にしましょう」
えぇいっ!この町のポリ公は化物かっ?!
「ちっ、お前運転変われ」
「なら一度止まってください」
「止まったら逃げられるだろうが!!」
「無茶苦茶だー!?」

「先ほど訳が解からないと言いましたが訂正するのです
アレはバカだ」
「それは同感だ」
「ですが、アホさ加減ならお前とドッコイドッコイなのです」
「置いていくぞ・・・」

そんなやり取りをしている内にどうやったのか助手席と運転席の警官が入れ替わっていた
器用な事である
「腕が自由になりゃこっちのもんだ・・・おい!そこのコソドロ野郎!
止まれ!!さもないと――――」
「止まらないと撃つ・・・か」
「いまどき珍しい台詞なので・・・す?」
「どうし・・・た?」
少女が絶句する
青年も絶句する
「さもないと・・・コイツをぶっ放す」
窓から乗り出した警官が握っていたのは拳銃等ではなく
「み・・・み・・・」
「ミサイルランチャー・・・・・・だと?」
「5秒だけまってやる!はい、ごぉー」
「どうするのですか!?」
「どうするって・・・」
「よぉーん面倒だファイア!!」
2秒でぶっ放した
「先ほどアイツの事をバカだと言ったな、アレは嘘だ」
「嘘か」
「アレはもうバカを超越したバカなのです!」
「同感だ、ついでにもう逃げ場無いってか避けられんぞあんなの?!」
「チリも残さずぶっ飛べ」
「あー・・・また始末書かぁ」
始末書で済むのか、コレ
396 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/18(土) 13:27:04.41 ID:88ZFt4Ku0
「えぇいっ!こうなりゃチカラを使うしかないのです!」
「都市伝説絡み意外では使いたくないんだがなぁ・・・」
「命とプライドどっちが大事ですか?!」
仕方無い
青年は懐から明らかにおかしな大きさの布を取り出すとそれを頭から被り
ほぼ同時に着弾したミサイルで周囲ごと吹き飛んだ

「殺ったか?!」
「殺っちゃ駄目ですよ?!」
「全く・・・最近の警官は物騒だな」
「同感なのです」
「あん?」
警官が後方から聞こえた声に振り返ると、何事も無かったかのように青年が立っている
「・・・成る程なぁ、契約者か」
「契約者の存在を知っている警官がいたってのも驚きだ」
「こんな町だからな、仕事柄どうしても関わる事になる」
「成る程・・・」
「べっちゃくっちゃ喋くってないでさっさと逃げるです!!」
「逃がすと思うか?」
「逃げ切るだけだ」
人間相手で無くとも本来ならこんなチカラ使いたくないんだが・・・仕方ない
「先輩・・・あいつ」
「あぁ、アレを避けたって事はテレポートか・・・瞬間移動系の能力持ちだな
・・・向こう能力使うのと俺が撃ち[ピーーー]のどっちが速いと思う?」
「殺しちゃ駄目だつってんだろ」
凡そ警官の会話ではない
「向こうが物騒な会話してる間にさっさと逃げるのです」
「そうだな・・・」
「あ、待ちやがれ!」
「待ちません」
それだけ告げると再び青年は布を被り・・・消えた
後には布と、警官だけが残された
397 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/18(土) 13:27:39.99 ID:88ZFt4Ku0
翌日
「で、まんまと逃げられた・・・と」
「うっ」
「町中でミサイルまでぶっ放して」
「ぐぅ」
「組織のおかげで情報の隠蔽は早く終わったけど、お陰で組織に借り作っちゃったじゃないか
まぁ、確かに?ドコぞの影の薄い暗殺者君と、某警部補さんのお陰で警察と組織の関係は凡そ問題なく行けてるし?
 私見たいな個人で活動してる人間にしても、組織の上層部に知り合い多いから別に問題ないよ?ないよ?けどね?
 あんまり組織に借り作りすぎるとバランス崩れてエライ事になるんだよ?
 ただでさえ、表立っていないってだけで『将門の首塚』、『組織』、『第三帝国』『怪奇同盟』『フリーランス』って昔っからここは勢力図が絶妙なバランスでなんとか睨み合いにとどめてるのにさ?この町で戦争がしたいのかな?
ねぇ、その辺どうなの?ねぇ、オッちゃんよぉ?」
「返す言葉もございません・・・」
警官の1人が赤いコートの女性に叱られていた
「はぁ・・・しかし、都市伝説を使う泥棒・・・ねぇ?」
「・・・知っているのですか?」
「風の噂程度には、ね
そこまで気にする様な相手じゃないと思ってたんだけど・・・」
「盗まれたのは、組織の施設にあった資料ですからね・・・」
「警察に任せずに組織が出るべきだったか」
「組織なんかに任せてられっかよ!」
「逃がした人に発言権はありません」

赤いコートの女が隣の金髪の男に目をやる
「サンジェルマン・・・どうする?」
「そうですねぇ、少し様子を見ましょうか
幸い、盗まれた資料も大した物ではありませんし」
「・・・そうなの?」
「えぇ、『K-bフ名簿』ですから」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「放っておこうか」
「えぇ、それがよろしいかと」
赤いコートの女、新島友美は静かにため息を吐いた


「依頼主は喜んでたのです」
「そうだなぁ・・・前金からして破格だったが・・・」
「ですが・・・私にはわからないのです」
「何が?」
「裸の筋肉男の写真集など・・・何が面白いのでしょうか」
今回の依頼・・・とある建物の金庫に入っていた資料を盗んできて欲しいとの事だったが・・・
中に入っていた資料とは、筋肉男のカタログだった
「・・・人の趣味に口を出す物じゃないな」
「・・・ですね」
世の中には常人には理解できない趣向ってのもあるんだろう・・・

続く?
398 :題名はまたその内考えよう もといはないちもんめの人 [sage]:2011/06/18(土) 13:31:00.71 ID:88ZFt4Ku0
ってな訳で移転に伴い新連載?
連載いくつやる気かって?正直俺もわからなくなってきた
とりあえずサンジェルマン出した事について笛の人に土下座をば

お目汚し失礼
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/18(土) 14:38:52.74 ID:oQHrYOlz0
エイズメアリーの人乙です〜
 マジでやったのかwwwwてか超最低な女だなwwww
はないちもんめの人乙です〜
 新キャラキター! しかし警官wwwww
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/18(土) 14:46:08.64 ID:88ZFt4Ku0
>>399
時系列的には笛の人のシルバームーンとほぼ同じ時代になると思います
警官は何時も通りだよ
ついでに死人部隊も不死身だから何時も通りだよ
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/18(土) 15:44:20.43 ID:oQHrYOlz0
>>400
ほぅほぅ、朔夜ちゃんの時代か・・・あれは何年後の話だったかしら(15年後だったか?
死人部隊も出るかもなのか、wktkせざるを得ない!
402 :正体不明、現状不明 ◆W5H6Y5Rl3M [saga]:2011/06/18(土) 16:00:50.16 ID:KJkt4IuRo
前回までは
>>318-320
を参照下さい

―――

 真っ白なベッドに横たわり、静かに寝息を立てている黒羽と雪華
 その傍らの椅子に座った斬九郎は、病室の入り口に所在なさげに立っていたサロリアスに、深々と頭を下げていた

「すまなかった」
「生きて戻れりゃ充分だ」

 少々苛つきの混じった声だったが、それは単に病室という事で煙草が吸えないというだけの事だ

「相手の手札が判っただけで上々だ。これ以上無駄弾は撃たねぇだろ」
「相手の手札が判っても、こちらに勝てる手札が無い以上は……どうしようもないがな」
「不意打ちかっ食らっただけで、本来の仕事はこなしてんだ。気にしねぇで他所の部署に回せ」
「あんたの口から、そういう言葉が出るとはな」

 斬九郎の憔悴した顔に、皮肉げな笑みが浮かぶ

「弱みを見せれば、一番若手の下っ端部署など良いように食い散らかされるだけだ……『組織』を抜けて忘れたのか、小夜の事を」
「忘れるかよ」

 Zナンバーの立ち上げの折、新参だったサロリアスは黒服の人員を思うように集められず
 黒服ではない妖怪、怪異の類を己の能力による『コネ』で集めたのだ

 Z-No.1『さとり』佐藤梨々
 Z-No.2『烏天狗』天駆黒羽
 Z-No.3『雪女』氷室雪華
 Z-No.4『座敷童子』小夜(さよる)
 Z-No.5『屋島の禿狸』屋島太三郎(やしま・たさぶろう)
 Z-No.6『煙々羅』八巻燻(やつまき・いぶす)
 Z-No.7『本所七不思議』七夜本丸(ななつや・ほんまる)

 格としては並み居る都市伝説などものともしない古参の妖の数々が、ただ『コネ』だけで黒服を着込んで集い従う
 それは脅威でもあり
 格好の獲物でもあった

「まだ、見付かってねぇのか?」
「そう簡単に見付かるなら、あんたは『組織』を辞めてない」
「確かにな」

 契約すら必要無い、純粋な個と力を手に入れた『座敷童子』
 そんなものが存在するのであれば
 対抗する者には持たせてはおけない
 自らの手中に収めなくてはいけない
 そして、諍いの種となる事を恐れ
 何よりその力を欲した当時の『組織』の上層部は
 彼女の『所有』を、一部署であるZナンバーから『組織』そのものにするべく、『組織』内の何処かに封じてしまったのだ

「……今は小夜の話をしてる場合じゃねぇだろ」
「ああ、そうだったな」

 過去の問題を思い出し、今の問題から目を逸らす逃避だったのだろう
 現実に引き戻された斬九郎の表情が、沈痛に歪む

「今の我々には、あれに対抗する手立てが無い」
「お前は、あれは『攫う』事は出来ねぇのか?」
「え、僕?」

 それまで所在なさげに病室の隅で菓子パンを齧っていた『誘拐結社』のリーダー

「不意打ちすれば、契約者の子を攫うならできるよ? 僕はあいつには食べられないからね」

 もきゅもきゅごくんと口の中のパンを飲み下して、牛乳パックのストローに口を付ける
403 :招待不明、現状不明 ◆W5H6Y5Rl3M [saga]:2011/06/18(土) 16:01:51.00 ID:KJkt4IuRo
「ていうか、攫ってどうするの? 僕の本体が居る場所に引っ張り込むわけだから、閉じ込めようとしたら僕まで一緒に閉じ込められちゃうし」
「それで良いじゃねぇか。一緒に閉じ篭って反省しとけ犯罪者」
「ここしばらく凄く協力してるよね僕!?」
「冗談だ。第一、閉じ込めるにしても『ブロブ』に呑まれた契約者が飢えて死ぬとも思えねぇしな」
「何かの弾みで封印が解ければ、また大惨事だろうしな……異空間系の能力での放逐も似たようなものだろう」
「とはいえ、放っておくよりマシじゃない?」

 やれやれ、といった調子で椅子に座り込むリーダー

「閉じ込めるだけなら、うちの虎の子出すよ?」
「……ああ、例の素材か」
「うん、都市伝説能力無効化素材」

『誘拐結社』が所有する、都市伝説を攫って売り飛ばすために使う、都市伝説存在の力が一切通用しない特殊素材
 ガラスやアクリルのケース、鋼鉄の檻など様々な形態で作り上げられたものを所有しており、過去にサロリアスの知り合いである都市伝説が捕らわれた事があった

「その素材、逆に言えば都市伝説以外の存在なら普通にぶっ壊せるわけだな」
「そういう事。普通に経年劣化するし、封印とかには向かないね。まあ僕らは一時的な拘束・搬送に使ってるだけだし」
「鋼鉄や鉛などを使って、大型のシェルターのようなものは作れるのか?」
「そんだけ大掛かりだと流石に時間掛かるなぁ。なにせ都市伝説の力で加工はできないからね。人間を使わなきゃいけない」
「そうか……使えそうなものだと思ったが、今回は見送りか」

 三人はそれぞれ思案状態に入り、静まり返った病室で意識の無い二人の女性の寝息だけが聞こえている
 そんな長い沈黙を、にわかにノックの音が破る

「どうも、Z-No.999です。協力者の旗上さんの保護を完了しました」
「ども、大変だったみたいですけど大丈夫ですか?」

『組織』の末端一部署とはいえ、それを束ねる幹部と元幹部
 その風体はヤクザの若頭とマフィアのボスといった異様な圧迫感にも関らず、詩卯はあまり気負った様子は無い
 直接的な死の恐怖に比べれば、害意も敵意も無い雰囲気が恐いだけの空気など大した事は無いのだから

「あの、今回はダメだったみたいですけど。また何かやる時に私が必要だったら、遠慮無く呼んで下さい」
「……化物に喰われかけて、まだそれを言えるか」
「三度続けば流石に慣れます」

 斬九郎に問われてなお、 にひひと 強がりを込めて笑う詩卯

「あの化物をやっつける……あの子にこれ以上、罪を重ねさせないためなら。何でもやりますよ」
「まあ、手がありゃあな」

 明るく振舞おうとする詩卯とは対照的に、思案続きで表情が冴えないサロリアス

「ぶっちゃけ手詰まりだ。ここから先は俺達じゃなく、どこか別の部署の連中に任せるかもしれん」
「別の部署の人達なら、簡単に片付くんですか?」
「さあな。適材が居れば簡単に片付くが、居なけりゃ……大惨事の幕開けだ」
「じゃあそうならないように手を考えましょう。私達も道すがら色々考えてたんですけど、どうも決め手に欠けるんですよね」

 手近な椅子を引っ張り寄せ、すとんと腰を下ろし
 まるでそこに居るのが当然だと言わんばかりに
 一般人のただの女子大生が、化物退治の相談をする化物の輪に加わってくる

「決め手に欠けても良いから、思いついた事を片っ端から検討してみましょう。人数増えればネタも増えるかもしれません」
「あ、ああ」

 あまりにもアクティブな詩卯の態度に、少々気圧されるサロリアスと斬九郎
 言われるがままに、それまで検討していた内容を細かい説明や訂正を挟みながら伝えていく

「えーと、鉄郎さん。さっき来る途中で話してたプラン、いけそうじゃないですか?」
「鉄郎? 誰だそりゃ」
404 :正体不明、現状不明 ◆W5H6Y5Rl3M [saga]:2011/06/18(土) 16:02:34.81 ID:KJkt4IuRo
「Z-No.999さんの事ですよ。番号が999だから銀河鉄道っぽいので。番号じゃ呼びにくいんで勝手にそう呼ぶ事にしました」

 現在使える黒服及び契約者の能力
『ブロブ』とその契約者の能力
 物資や備品とその性能
 そして、『ブロブ』の被害をこれ以上広げないためにどうすべきか、その到達点
 全てを検討し纏め上げ、詩卯は一つの結論に至る

「『組織』の他の部署の偉い人に会わせて下さい。もう一つ、それがあれば勝てそうな都市伝説があるので、それが使える人がいるか探したいです」

 その言葉に、サロリアスの表情が苦々しく歪められた

「無茶苦茶言いやがるな」
「でも、ここの人達でやるにしても他の部署に頼むにしても、情報の共有は必須事項ですよ?」
「……おい、斬九郎。俺が抜けてから、多少は与しやすそうな奴が幹部になったりしたか?」
「そんな事があったら、今こんな事にはなってない」
「えい」

 憮然とした表情の斬九郎の頭に、ぺしりと詩卯の手刀が落とされる

「今の一撃であなたは大ダメージを受けて、入院しなければいけなくなりました」
「……何だと?」
「というわけで、代理に任命された私が他の部署の幹部さんにご挨拶に行ってきます。一人だと心細いので前任だったというサロリアスさんと一緒に」
「待て!? 何でそういう方向に話が転がるんだ!」
「会って確認すると面倒事になりそうで、それでも状況を確認しなきゃいけないんですから。いざとなったら私が責任被ればなんとかなりますよ」
「一般人にそのような事を任せて、私はのうのうと寝ていろとでも言うのか!」
「あ、それじゃ斬九郎さんがちゃんとお話して確認してきてくれます?」
「ぐっ……!?」

 そこまで言って、そこまで言われては引き下がれるはずもなく

「あ、サロリアスさんもついていってあげて下さいね」
「代理のサポートとかそういうんじゃなけりゃ、俺が顔を出す義理は無ぇよ」
「じゃあ三人で行くという事で」
「何でそうなる!?」
「斬九郎さん一人だと感情面で心配ですから。前任の人ならついていく理由になるでしょう?」
「お前が来る理由はどうする」
「相談役という事で。こう見えても色々、感情や言葉には敏感な方なので役には立つと思いますよ? あと一般人しかどうこうできない素材の説明とかに必要になりません?」

 もう完全に吹っ切れたのか、いつものペースでにひひと笑う詩卯

「雰囲気出すならバイトの服着ましょうか? 年末年始に巫女のバイトやってるんですよ」
「やらんでいい」

 呆れた調子で頭を抱えるサロリアス

「厄介なのに絡まれたな、斬九郎。事が済むまで俺達は解放されそうに無いぞ」
「……それでも、事が済むなら重畳という奴だ」

 かくして古参にして末席、幹部にして外様、精鋭にしてはぐれ者、そんな立場だったZナンバーを統べていた男と統べている男は
 調子の良い女子大生巫女に率いられて『組織』における立ち位置を正す事になる

 無敵になりつつある化物を倒すため

 無敵の化物になりつつある少女を救うため
405 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M [sage]:2011/06/18(土) 16:03:55.43 ID:KJkt4IuRo
というわけで続きをぺたり
代理投下してもらってた頃と違いレス数増えないように詰めなくていいと気づいた今日この頃
改行多目でお送りしてみました
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 16:27:02.85 ID:Bi8pQSaSO
これってオリジナル気取ってるけど、未来日記描いてる人の別作品のパクリだよね
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/18(土) 16:27:13.36 ID:oQHrYOlz0
三面鏡の人乙です〜
詩卯ちゃんかぁいいwwwwwwww詩卯ちゃんに「えい」ってされたいぞ!(
ところで他の部署に力を借りるのか・・・さて、どこからなのだろうか
π-No.復活か新ナンバー登場か、はたまた既存ナンバーのどれか・・・ゴクリ
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/18(土) 16:30:18.49 ID:oQHrYOlz0
気になって調べた
面白そうだな『未来日記』・・・
てかこれのスレってどっちかっつぅとジャンプが元じゃなかったっけ?
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 16:35:09.73 ID:Bi8pQSaSO
いや、未来日記のパクリって事じゃなくて
同じ人描いてる なんたらの花子さん だかいう漫画が都市伝説と都市伝説の力を持つ人間が戦ったり交流する漫画なんだよ
だからどうしろって話じゃないけどwwwwwwwwww
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/18(土) 16:43:35.88 ID:KJkt4IuRo
オリジナル気取りというか都市伝説(とか他の架空存在色々)の二次創作?
自分なんかはさらにそれに乗っかった三次創作ぐらいだけどww

血風学級怪(ジャンプの読み切り)
足洗邸の住人たち
花子と寓話のテラー(未来日記の人の)
奇異太郎少年の妖怪絵日記(霊的な日常)
果てはゲゲゲの鬼太郎、悪魔くんなどなど

先達は多岐に渡って山程あるんだしまあ細かい事はいいじゃない
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 16:47:29.03 ID:1Gic6CVSO
「花子と寓話のテラー」「ジャンプの読み切り」「断章のグリム」
このスレでよく話題に上がった作品達
懐かし
412 : [sage]:2011/06/18(土) 17:24:54.27 ID:pKEyqYpq0
仮面ライダーとかジョジョのぱくり言われたらサーセンwwwwwwwwwwって言うわ
能力バトルな時点でジョジョのぱくり確定になるし


なんてことはまあ放っておいて
ビッチ来た!ビッチ来たぞ!こういうさらっとしたビッチ書けないから読みたかったんだよ!
自分が書くとどうもわざとらしくなって嫌だったんだよね
本当にありがとうございます
はないちもんめの人乙でした
サンジェルマンはもう勝手に使ってやってください
サンジェルマン的には筋肉男の写真集は価値があると思う
ドクターの人乙ですた
Z-No.の立ち位置複雑だな
ドクターの人の作品は細かい力関係とか戦闘以外の部分が練り込まれててすげえ面白いっす
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/18(土) 17:49:33.66 ID:oQHrYOlz0
俺もワンピのパクリって言われたら土下座して謝るわorz
あとそうだな、とある系も多いな
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/18(土) 17:51:51.39 ID:oQHrYOlz0
そして書き忘れ

>>409
あぁ、それが『花子と寓話のテラー』なのか!
無知すぎて自分が哀しいです、先生・・・
415 :はないちもんめ [sage]:2011/06/18(土) 21:50:11.10 ID:88ZFt4Ku0
>このスレでよく話題に上がった作品達
昔はスレがたつと必ずこれって花子と寓話のテラースレじゃないの?っていうレスが付いてた時期があったなぁ・・・
あれはもはや一種の様式美

>サンジェルマンはもう勝手に使ってやってください
そういやバイだったな、彼は
416 :暇潰しに単発でも [sage saga]:2011/06/18(土) 23:35:40.93 ID:oQHrYOlz0
町中が寝静まった真夜中
ぽつりぽつりと灯っている街灯だけを頼りに、急ぎ足で家路を辿る青年の姿があった
真新しいスーツを見るに、まだ就職して間もないのだろうか

「あぁ、くそっ、もうこんな時間かよ・・・」

思ったよりも仕事が長引いてしまった
早く帰って録画しておいた番組を見たいのに
そんな素朴な不満を抱えながら、彼は急ぐ
だが、悲劇は起きた

「邪魔だっ!どけぇっ!!」
「え?」

暗闇の向こうから、乱暴な声を吐き散らながら、金髪の男性が駆けてきた
荒い呼吸と汗だくになった表情から察するに、どうやら何者かから逃げているらしい
と、男性が青年を通り過ぎようとした時、男性が来た道からベルの音が聞こえた
ちりん、ちりーん、という、自転車のベルの音
その音を聞いた瞬間に、男性は立ち止まり、急遽行動を変えた

「ッ!? な、何をっ!?」
「るせぇ! 騒ぐんじゃねぇぞ!」

金髪の男性は、青年の首を絞めるように左腕で拘束すると、
ポケットからナイフを取り出し、青年の首筋をすぅっとなぞった
静かに、血が流れる

「ひっ・・・!?」
「っへへ、殺されたくなけりゃ大人しく―――」
「おいおい、まーた罪を重ねんのかよ」
417 :暇潰しに単発でも [sage saga]:2011/06/18(土) 23:36:24.33 ID:oQHrYOlz0
がしゃん、と自転車の倒れる音が響く
目の前に立っていたのは、紺色の服に、輝く金色の桜
男性を追っていた、若い警察官だった
青年は安心し、そして助けを求めた

「っお巡りさん!助けてください!!」
「騒ぐなっつってんだろ!殺すぞオラァ!?」
「お前が騒ぐんじゃねーよ、こんな時間に面倒なことしやがってよぉ・・・」

ぶつぶつと文句を零しながら、警官は腰のホルスターから銃を抜き取り、
引き金に人差し指を添えて銃口を金髪の男に向けた

「つーわけで、あんまり時間使いたくないのよ
  ちょっと寝ててくんない?」
「っは、やれるもんならやってみやがれ!
  どうせ撃てねぇクセしやがって腰抜けが!!」
「あっそ」

重い銃撃音
鈍い被弾音
血が噴き出す音、脳漿が飛び散る音、亡骸が倒れる音
全てが、ゆっくりと青年の頭の中に流れ込んでいく
彼が振り返ると、そこに血の海が広がっていて、彼の胃の内容物を押し上げる

「あー、あんた怪我ない?」

警官が、青年を心配して歩み寄ってきた
だが、

「ちっくしょう、本当に面倒なことしやがって、このゴミが」

息絶えた男性の胸を、足を、腕を、目を、弾丸で撃ち抜いた
びちゃり、びちゃりと飛び散り続ける血と肉片の嵐に、青年の胃は限界を迎えた

「・・・っと、悪いね、つい何時もの癖が出ちまって」

銃口から出る硝煙を吹き飛ばし、警官は銃をホルスターにしまった
粗方出し終え、気持ちが落ち着いた青年は、警官に問うた

「・・・どう、して・・・?」
「ん?」
「警察官、だからって・・・人を殺しても、良いのか?」

真っ直ぐに、怒りの色を込めた目を警官に向ける青年
警官は、おどけた様に笑って、

「んー、お前知ってるか? 「日本の法律は夜9時から無効になる」って話」
「・・・は?」
「都市伝説だよ、それも、中国のな
  ほら、日本って夜になるとバカな餓鬼とか酔ったジジイとかが屯してっだろ?
  それを見た中国人が勘違いして流布したんだよ、面白ぇ話だろ?」
「で、それが一体、何の―――」
「俺は“それ”と契約した」

再び銃を引き抜き、青年の眉間に銃口を当てた
青年は訳が分からないといった表情をしている

「夜9時から朝4時までの間、俺がやることは罪にはならない・・・
  つまり、俺がやることは全部正しいって訳よ
  だから・・・俺がここでお前を殺しても、誰からも何も咎められない」
「――――――――――ッ!?」
「秘密は隠蔽しないと。悪いね」

青年が助けを叫ぼうとした直後、真っ紅な華が咲き誇った

   ...fin
418 :暇潰しに単発でも [sage saga]:2011/06/18(土) 23:38:54.70 ID:oQHrYOlz0
地味に本スレだと初投稿
1回書いてみたかったのよね、悪そうな警察官
もっと優しい雰囲気でも良かったんだけど
文章が稚拙なのは1年前からだから気にしnごめんなさいorz
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 02:00:40.02 ID:Zbs+hsEgo
普通の物語を書きたい
主人公は「組織」所属の契約者
活動内容は、担当黒服からの依頼に従って都市伝説、契約者を討伐ないし制圧
主人公に重たい過去や特殊な血筋があるわけでもなく、担当黒服が何か腹に抱えてるわけでもなし
「奴による「組織」への被害は、現時点で死者16人、重体5人、重軽傷2人。」とかいう話の怪我人的な立ち位置

ヒーローではないけどモブキャラとも言えない主人公
そんな物語をだらだらと何も考えずに書き綴りたい
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 08:05:23.60 ID:gqB2LSADO
書きたい時が書き時
他に何か抱えていなけりゃ書いちゃいなよ、YOU
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage saga]:2011/06/19(日) 10:14:37.92 ID:Asdni1gt0
>>419
それ面白そう!
一般的には普通でもこのスレだと特殊なのが良いね!
wktkして待ってるの〜
422 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/19(日) 18:47:48.76 ID:Cze+i6nM0
投下します


「明日から本気出す」
礼次「ふぁ…眠い…めんどくさい」
気怠そうな声を出しながら歩いているのは帯田礼次。学生会『七つの大罪』の『怠惰』担当である
礼次「あー歩くのめんどくさい…」
めんどくさいと言いながら、ゆっくり歩いている礼次。そして、下水道のある辺りに差し掛かった
礼次「…?」
すると下水道から白い鰐が飛び出して…大きな尻尾できつい一撃をお見舞いしようとした
礼次「ああ畜生めんどくさい! 『明日から本気出す』!」
鰐の尻尾は礼次に直撃。しかし礼次はピクリとも動かない
(…? どうしてこの衝撃で吹き飛ばない?)
その様子を物陰から怪訝な表情で見ている男、『下水道の白い鰐』の契約者
礼次「あー本当面倒なことに…こいつ野生? 契約者持ち?」
しかも礼次はこの一撃を受けて、かすり傷一つ負ってなかった
(…!)
これは流石におかしいと思い、男は礼次に近づく
「よぉ、あんた。コイツの攻撃を食らって吹き飛びもせずしかも無傷ってのはどういうわけだい?」
礼次「…誰です貴方?」
「下水道 鰐白(しもみのみち わにあき)。ちょっとした爬虫類マニアだよ」
礼次「そういうことを聞いてるんじゃ…あーもうめんどくさい…。貴方がコイツの契約者かどうか聞いてんですよ…」
鰐白「ああ、そういうことか。…お察しの通り、俺は下水道の白い鰐の契約者だよ。さ、俺は答えたんだ。今度はこっちの質問に答えてもらうぜ?」
礼次「吹っ飛ばされるのがめんどくさかったから。ダメージを受けるのがめんどくさかったから」
鰐白「…は?」
素っ頓狂な声を上げる鰐白
鰐白「『めんどくさい』…それだけの理由であの攻撃を無効化したってのか?」
礼次「無効化はしてないよ。それにこれは僕の契約都市伝説の能力」
鰐白「なんだよ、その契約都市伝説」
礼次「…教えるとでも?」
鰐白「だよなぁ…。だったら自分で調べるまでだ! 行くぞ白子!」
白子と言うのは彼が『下水道の白い鰐(♀)』につけた名前である。鰐→クロコダイル→クロコ→白いからシロコ→白子といった具合だ
鰐が大きな爪で礼次に襲い掛かる。直撃すれば出血多量ではすまないだろう
423 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/19(日) 18:48:20.10 ID:Cze+i6nM0
礼次「…幾らなんでもこれは拙いな。『眠り姫』」
礼次がそう唱えると、礼次の周りに茨が出てきて、鰐に応戦した
鰐白「ほう、『眠り姫』か…。なかなか珍しいのと契約してんじゃねぇか。だがさっきの謎の防御とは関係ねーみたいだな。
どうしてさっきのを使わなかった?」
礼次「…言ったでしょう。無効化はできないって」
鰐白「意地でも吐かしてやるぜ! どんな都市伝説かをなぁ! 食いちぎれ、白子!」
茨を食いちぎって無効化し、礼次に襲い掛かる『下水道の白い鰐』
礼次「く…『眠り姫』!」
『眠り姫』の茨で自分の身体を掴み、投げ飛ばすことで攻撃をかわす礼次
鰐白「な…かわされた!? …だが、この高さではダメージは免れまい…」
礼次は2階くらいの高さから地面へと真っ逆さまに落ちていく。だが…
礼次「10秒後に本気出す!」
地面につくギリギリでそう唱えると、礼次の身体は空中に固定された。そして礼次は身体の向きを変え、10秒が立つ
礼次「明日から本気出す!」
礼次は足から勢いよく地面に落ちたが、やはり傷一つついていない
鰐白「…やはり分からないな。何だその不可解な能力は?」
礼次「…仕方ないですね。読者の皆のこともあるから解説しましょう。『明日から本気出す』ですよ」
礼次の契約都市伝説、『明日から本気出す』。能力は今しなければならないことを指定した時間に先送りする、と言う物である
礼次「殴られたならダメージを受けなきゃいけない。落ちてもダメージを受けなきゃいけない。空中に居るなら落ちなきゃいけない。それらを先送りしただけです」
鰐白「成程、合点がいった。つまり…死ぬほどのダメージなら先送りしたって同じだよなぁ! 行け白子! ご飯の時間だぜ!」
大口を開けて白い鰐が礼次に襲い掛かる
礼次「…そろそろ疲れてきたんじゃないかな。あんなに攻撃したのに、あんなに頑張ったのに、僕は傷一つ付いてない…
でも、もう良いんだよ。頑張らなくて良いんだよ。…さぁ、眠りなさい」
礼次の身体から悪魔のような物が飛び出し、『下水道の白い鰐』に取り憑く。すると鰐は眠ってしまった
鰐白「な…!? なんだ!? どういうことだおい!」
礼次「何って、『睡魔』に襲わせただけですよ」
鰐白「『睡魔』だって…!?」
礼次「そ。『睡魔』。…貴方もそんなに叫んで疲れたでしょ? もういいんですよ。こんな無駄な争いもうやめましょう。さぁ、眠りなさい…」
今度は鰐白に『睡魔』が襲い掛かる。成す術もなく、鰐白は眠ってしまった…
礼次「うん…これでよし…っと。ふぁ…久しぶりに戦ったら眠くなっちゃった…。ま、これで一人と一匹は幸せになったわけだし、早く帰って寝よう…『かくかくしかじか』」
『かくかくしかじか』によって家に帰るまでの過程を省略し、一瞬で家に着く礼次
礼次「ふぁ…やっぱりどんなことをしている時よりも…眠っているときが一番、幸せだよねぇ…。どーせ明日は痛みで動けないし、このまま三日くらい寝てよう…ZZZ」
こうして礼次は深い眠りにつくのだった。皆さん、最近無理してませんか? 頑張りすぎてませんか? 人生は長いんだし、そんなめんどくさいこと全部放り投げて、ぐっすり眠りましょう
誰もが何もしなければ、良いことも嫌なことも何も起こらない…世界は平和になるのだから…



                         続く…
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/06/19(日) 21:02:50.15 ID:7CF/erRYo
乙です
死ぬダメージは喰らえないのか
引き延ばしがどこまで伸びるのかでまた扱いがかわりそうだ
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/19(日) 21:15:46.65 ID:BGgMFv2U0
怠惰キター!!
『眠らせ姫』聞いてたところで超タイムリー(何の話だ
怠惰なのにかっこいい、これが礼次クォリティって奴か・・・
426 :ソニータイマー [sage saga]:2011/06/19(日) 21:32:41.89 ID:Cze+i6nM0
>>424
死ぬダメージは引き延ばしてもその時に死んじゃいますし、『明日から本気出す』って言いそびれたら死にますからね
ちなみに引き延ばしは使い手にやる気がない限り幾らでも延ばせます。ただ延ばす度に『明日から本気出す』って言わなきゃいけないので、延ばした事が帰ってくるタイミングを掴まなきゃならんのです
>>427
眠りなさい、このgiftで …
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/19(日) 22:00:02.09 ID:BGgMFv2U0
>>426
>眠りなさい、このgiftで …
今書いてる話が書き終わったら、その台詞使っちゃうんだ・・・
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/20(月) 17:12:27.83 ID:PBqPTn/v0
皆さん乙ですた
単発いいな単発
そしてダメージを引き伸ばしってなかなか悪用できそうで素敵
429 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/20(月) 18:13:37.98 ID:PBqPTn/v0
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第三章「戦い終わって日が暮れて」〜】

「とまあそういうことがあったわけだよおっちゃん。」
「人妻に下着の色聞くとか本当に歪みないなお前。」
「人妻?」
「いや、なんでもない。お前のそういうところが嫌いじゃないぜ。
 そうか、それにしても穿いてなかったのか……」
「とりあえずホイコーローで」
「オッケー」

 とまあパーティー会場での事件から数日後。
 僕はいつも通りお気に入りの中華料理店でランチを食べていた。

「ていうか良いの?お前の過去の話ペラペラ喋っちゃって。
 俺ってば中華料理の屋台を営むだけのただのオヤジじゃないんだぜ?」
「いや、ただのおやじじゃないし人生経験豊富そうだからなんか為になるアドバイスをしてくれるカナって。」
「そこまでハードだと厳しいかなぁ?ていうかお前は俺を何歳だと思ってるのさ。」
「40過ぎくらい……」
「まだ三十代だよ!」
「え〜、なんか全身に疲れが見え隠れするじゃないすか。」
「しかたねーだろ、俺だってハードな人生生きてるんだもん。」
「どんな?」
「秘密。」
「ケチだなおっちゃん。」
「まあ、あれだな。お前の置かれている状況を纒めるとだ。
 死んだはずの親友が何故か蘇って悪の組織を率いているっぽいんだろう?」
「まあ……。」
「俺も昔魔法を使えるようになった勢いで元カノを使い魔の餌にした時は確かに焦ったよ。」
「なにそれ。」
「いや、俺の性癖にあまりに理解がなかったものだからつい……。
 まあとにかく人生にはそういう抜き差しならない状況ってのがある。」
「はぁ……。」
「そういう時、人間は何を優先すべきだろうか。」
「なんなんです?」

 とりあえずおっちゃんの説教を聞き流しながら僕は回鍋肉を食べ始めた。
 
430 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/20(月) 18:14:16.72 ID:PBqPTn/v0
「愛だ。」
「今元カノ殺した話してましたよね。」
「そいつと別に好きな女ができたんだ。」
「最低だったよ……。」
「あの頃は青かった。素直に二股かけておけばあんな悲劇も起きなかったのにな……。」
「いやいやいやいやどう考えても最初からアウトだよ。
 振り切ってるよ、クライマックスでジ・エンドだよ。」
「そして始まる俺・第二章」
「くそっ、日本語で喋れよ。」
「まあ、あれだ。」
「なんです?」
「その朔夜と霙って子は……良い娘か?」
「ええ、まあ……。
 朔夜はウルサイし独善的で世の中のこと何もわかってなくて馬鹿だけど……心が真っ直ぐですよ。
 霙は時々何考えてるか分からないしキチッてるし結局自分がなぜ朔夜を襲ったのか話さないけどおっぱいですし。
 あいつらと居るとわりと自然に笑顔が出てきます。気のいい奴らです。」
「そのジャックってやつは良い奴か?」
「……あいつとは、同じ地獄を味わってきた仲間です。
 世界中から俺みたいな子どもが集められてきた中でなんだかんだで一番最初に出会って一番最後まで一緒にいましたから。」
「そうか、じゃあ簡単だ。」
「え?」
「男同士なら戦えば解り合える。だからおもいっきりぶつかってやれ。」

 おっちゃんはどこか遠くを見つめている。
 彼は一体何を思い出しているのだろう。

「で、良い女は泣かすな。」
「解りました。」
「俺は昔、良い女を一人泣かせちまった。あれはなかなか胸が痛む。」
「解りました。」

 回鍋肉完食。
 安定の美味である。

「ところでおっちゃん、俺の通ってる学習塾でこの前テストあったんだよね。」
「ふーん。」
「そしたらなんかやたら難しい名前の奴が一位取ってて俺二位しか取れなかったんだよね。」
「そりゃあ残念だ。」
「この漢字ってなんて読むの?霧と雲まではわかるんだけど雨に英って……」
「…………ふむ、みぞれ、だな。」
「―――――――――えっ?」
「きりくもみぞれ」
「……あいつに負けてたの?」
「珍しい名前だしお前の話のみぞれちゃんである可能性は高いな。」
「ていうか同じ塾通ってたの?」
「らしいな。」
「なんてこったい……。」
「なんか色々残念だったな。ギョーザおごってやるから元気だせよ。」
「ありがとうおっちゃん……。」

 あんな馬鹿っぽいのに負けていたとは……。
 世の中意外と狭いものである。
431 : ◆2PnxfuTa8. :2011/06/20(月) 18:14:42.73 ID:PBqPTn/v0
「そうだ少年、お前、勉強も良いけどそろそろ戦闘もこなせるようになったほうが良いんじゃないか?」
「え?」
「この先確実にお前も狙われる戦いが続くだろうからなあ。
 女子二名の影に隠れているわけにもいかないぜ?」
「ははっ、それは遠慮させてもらいます。」
「この近くに八極拳を教えている道場が有るんだけど……。」
「いやいやマジでイイってば」
「そこの先生が美人でなあー、俺の妹弟子にあたるんだが……。」
「すぐに教えてください。ていうかおっちゃんもやってるの?」
「いや、俺は先生に料理教わっただけだよ。あの人料理人で武道家だったから。」
「ふーん……。」
「俺は格闘技については昔少々かじっただけさ。」
「じゃあ今度行ってみます。」
「そうしなそうしな。ついでに女子二名も連れていってやれ。」
「え?」
「そこもちょっち都市伝説絡みな場所なのさ。」

 悪戯っぽく笑うおっちゃんは、まるで俺と同じくらいの年頃の少年のように見えた。
 
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第三章「戦い終わって日が暮れて」〜】
432 : ◆2PnxfuTa8. [sage saga]:2011/06/20(月) 18:24:51.65 ID:PBqPTn/v0
次の話までのつなぎ回
レインバレルちゃんは実は勉強できる子
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/20(月) 18:36:43.68 ID:WKnYkSG90
巨乳でよく出来た子って珍し・・・くもないかorz
八極拳ってまさか・・・!?
434 : ◆2PnxfuTa8. [sage saga]:2011/06/20(月) 20:38:41.47 ID:PBqPTn/v0
太極拳、そう彼女です
レインバレルちゃんの優秀さはボスに仕込まれたからなの
あと二話で刑事さんとカンフーマスターな彼女の話をかるくやって
それから銀月ちゃんを地獄までたたき落としていきたいと思います

こっち人いないあるよ
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 21:45:20.11 ID:Y4GGQwXSO
仮にも本スレだというのに
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/20(月) 22:04:41.38 ID:WKnYkSG90
ならば何か雑談を・・・何かネタはないのか!?(
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 22:08:03.04 ID:Y4GGQwXSO
じゃあ、犬の可愛いさについて語ろうか
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/20(月) 22:31:52.78 ID:WKnYkSG90
>>437
何故だ、何故俺がシャドーマンの人だと分かった!?
もしかしてあれか?名前欄の(チベット自治区)が悪いのか!?
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/20(月) 22:32:43.42 ID:u4PxUie00
あまりにネタが進んでいなくて申し訳なくて本スレにも避難所にも顔出しにくい俺
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 22:40:27.63 ID:Y4GGQwXSO
チベット自治区だとシャドーマンの人
北海道だと花子さんの人
だす
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 22:43:40.06 ID:mZ834aNOo
思いの他北の大地率高いから一概にはいえないような気もする
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 22:53:09.33 ID:Y4GGQwXSO
でも笛の人は

って書いてるし
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/20(月) 23:08:03.70 ID:WKnYkSG90
あと三面鏡の人も北海道だぜ

しかし
>>440
>チベット自治区だとシャドーマンの人
マジで覚えてたのかwwwwwwwwwwww
み、三重県から発信する時だってあるもんっ!?

ところでガチでチベット自治区って何? 光か何かだとそうなるの?
それとも単純に和歌山県民に対する嫌がらせ?
444 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:29:02.45 ID:7B1k0vbh0
「・・・・・・・・・」
言葉が出ない
アレは何だ?と聞けば人はうどんと答えるのだろうか、いやあり得ない
「ヤコ・・・それは何だ?」
「狐うどんなのです、みてわからないのですかドクズ」
「・・・油揚げの山にしか見えないのだが」
「この店はバイキング形式です、つまり2時間の間はおかわりもトッピングも自由・・・愚かしい・・・私の前に油揚げを置けばどうなるか等解かり切っていたでしょうに」
目の前の少女はうどん・・・もとい油揚げの山を見て幸せそうに微笑んでいる
ちっとも微笑ましく無い
うどんと言い張るには白色が見えない
見てるだけで吐き気を催す代物を前にはしゃぐ少女にどう微笑ましさを感じろと言うのか
「・・・それは結構だが、時間は大丈夫か?」
「はい?後1時間半も残っているのです」
「そうだな、バイキングとして考えれば一時間半だな・・・依頼主との待ち合わせの時間は?」
「・・・・・・・・・あ」
「後15分だ・・・そして、ここから待ち合わせ場所まで行くのに15分はかかる」
「・・・・・・あ、あの」
「待ってられん、行くぞ」
少女・・・ヤコを担ぎ上げ席を立つ
「アッー!?まだ一口も食べてないのに!!」
「また、次の機会にな」
「油揚げぇぇ!!私のぉっ!!」
「また、次の機会にな」
「降ろせぇっ!!」
「また、次の機会にな」
もう、一々相手にするのが面倒だ
445 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:31:50.99 ID:7B1k0vbh0
一言で言うなら、今回の依頼主は金持ちのマニアだった・・・
「・・・豪邸、だな」
「金はありそうですが、趣味は最悪なのです」
壁に掛けられている絵画は所々血と思しきの染みがあるし、飾られている刀や甲冑はどれも曰く付き・・・明らかに普通ならざる気配がする
確かに悪趣味と言わざるを得ない
「良く来てくださいましたな」
「貴方が今回の依頼主の・・・」
「えぇ、ながく―「あぁ、名前は結構です」?」
「名前を聞いて余計なしがらみに巻き込まれるのはゴメンですから」
名前を聞いた場合、凡そ変な縁が出来てろくな事に巻き込まれない
「そうですか・・・では、今回の依頼なのですが・・・失礼ですが、そちらの少女は・・・お子さんですか?」
ビキィッ
依頼主の言葉にそんな音が聞こえた気がした
「ふざけるな!!私がこのボンクラの娘?!ッ撤回を要求するのですこのフガッ」
「はい、そこまで・・・スミマセンね、躾がなっていなくて・・・彼女は僕の助手です」
「助手さん・・・でしたか」
「はい、これでも腕は確かなのでご心配なく・・・で、今回の依頼の品は・・・」
「河童の木乃伊・・・これを手に入れていただきたい」
河童の木乃伊・・・往々にして猿が使われているの物だが・・・
「河童の木乃伊と言うとあの猿を使って作られた・・・」
「いえ、私が欲しいのは本物の河童の木乃伊です・・・できるのでしょう?都市伝説絡みの依頼でもこなす貴方なら」
・・・それで、俺をご指名って訳か
「可能ですが・・・何故こんな物を?」
「オカルトが好きでして・・・完全に趣味ですね」
趣味、か・・・
「趣味は結構ですが、趣味で追うには少しリスクが高すぎるのです」
全くだ
「はい?」
「世界は人が知る以上に複雑怪奇な事象に溢れていると言う事ですよ」
446 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:32:15.27 ID:7B1k0vbh0
「はぁ・・・」
「しかし、本物の河童の木乃伊なぁ・・・」
「そこらの博物館からパクるには少々荷が重いのです」
「アテなら一応ございますが・・・」
依頼主の言葉に少し驚く
「・・・そこまで調べた上での依頼でしたか」
「えぇ・・・学校町をご存知ですか?」
ご存知も何も今俺はそこで生活してる訳だが
「そこにある寺に・・・河童の木乃伊が安置されていると言われています」
「寺・・・ですか」
「はい・・・その寺は・・・」
依頼主が地図を広げある一点を指差した
447 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:32:53.88 ID:7B1k0vbh0
深夜の寺
「で、コソドロですか」
「コソドロって言うな・・・今回の依頼、難易度から考えれば破格の報酬だろう」
「前金だけでも結構な額だったのです」
アレだけ積まれて断る訳にも行かない
進入そのものは楽だったし、そもそもこの寺には年老いた住職が1人だけ・・・発見されても逃げ切るのは容易だ
「コレ・・・だな」
寺の一室に置かれた木箱を発見し、中身を確認する
「間違いないのです・・・流石学校町
今になって本物の河童の木乃伊を拝む事ができるとは思ってなかったのですよ」
干からび、骨と皮だけになった爬虫類様にも見える化物・・・不気味な事この上無い
こんな物を欲しがる依頼主の感性が知れないな・・・
「とにかく、さっさと運び出してしまおう・・・逃げるのは楽だが見付かったら骨だ」
「はい、幸い木乃伊は軽いのです」
これなら木箱のまま運べるな
「よし、さっさとトンズラして「誰デスカ?」!」
しまった・・・見付かった!!
448 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:33:53.42 ID:7B1k0vbh0
              ,. -┴- 、
             、/__:__ヽ
               、ifミッ''"tiツハミL、
             {!、 _ ,"弋彡イソ
              tぇ:,ィtiッ  レ!ヽーァ='´ ̄ ̄`` ー- 、___
   __, -‐<`` <´ ̄ ̄ヽ!_ぅ_ー,、 ; / ノ                ,r'⌒!
 (  . : : : :`丶、`丶、  `ヾニ´jィ'´/         . :   .:   /: : :/
  `丶、_: : : : : : : 丶、_ 二ニキ`兀7´        . : : :  .:_,.ッ'": : :/
     `ヽ、: : : : : :|:l: : : : :|: :j/_,. -―――┬----- イ: : : : : /
        ` ー--{: '、: : :ノ:'´l丁 : : : : : : : : :jl、:. : : : : :.ヽ_: :/
            l: : ',: : :|  j少 : : : : : : : : ::}:ヽ: : : : : : : :ヽ
             l: : : l  `-イ!、_ : : : : : : : : : :.:.:t,: : : : : : : : _〉
             ,': : : :.'、__lニ ニl__:_:_:_:_r‐ '´ ̄`ヾ: :, ‐'´ ̄: ヽ
          /: : : : 8!: |:.. l」  : : : : :\: : : : : : ヾ:、‐: ミ_: : :',-、
          / ミ、_:_: : :j!:..    : : : : : : :ヽ: : : : : : ヽ:-=: : : : :',:ノ
          /_、ヾニ=-:.ノ|:.:..   : : : : : : : :.ヽ: : : : : : :\:    ',
          /_; ー-: : :ノノ`「厂 ̄: ̄: ̄ヾ~´丶: : : : :  ヽ、   ',
.         / _ン : ://  l ! 8 : : : : : : :ヽ: : ヽ      ヽ、
       /   . : :/ノ    !.l o 丶、    丶. ヽ      ヽ、
      ,..L_  . : :/イ  r 、',', o    _,.     \ヽ
     ry′_,ィ`>‐ァ'´ ,  、_、ヾ',ヽ。         ヽヽ
     {!ノ´ し'′/  l '、 丶. `ー!。、       .: ', 丶
          {    、丶、   l 。 ヽ      .: .:', ヽ.
          /    丶. `   ノ。  丶    .: _ノ/ヽ ヽ、
449 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:34:46.79 ID:7B1k0vbh0
「・・・誰?」
「コノ寺ノ住職デース」
「ローマの方ですか?」
「生マレモ育チモ日本デース」
ムスビ、嘘をつけ!
「お前のような日本人がいるか!」
「いや、居ない事は無いんじゃないか?」
ヤコのツッコミも最もだが・・・
「オヤ、ソレハ・・・」
気付かれた!えぇい仕方ない!!
「住職よ!この木乃伊は我々が頂いていくぞ!」
「お前に恨みはないですが、コレも仕事なので悪く思わないことなのです!!」

「何ト・・・泥棒ノ方デシタカ・・・ナラバ加減ハイリマセンネ?」
はい?
450 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:36:18.98 ID:7B1k0vbh0
             _,. -―,.、
          _,. '" .:.   ヽト-、_
       _,. -'´   .:     丶、_ ``ー_ッ'" ̄`丶、
    _, '´    〃 >ー'""丶ソ ` ̄ ̄:.:.:.:.:.:.:.:......:.`ヽ、
  ,. "   丶.: "":.   /彳ニ=彡'ヾミ、.:.:.:.:.:.:.:   :.:.:.:.:.:.:.:.. ヽ
 /    . '.:.:.:.:.:.:.:. 、,l /r'',二,_,.、ti} .:.:.:.:.、          l
 l     :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.v':,(ヾ'、r。ュ;;t,。ッf7:.._.:.:ノ    、ヽ.   l| l
 {   .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. し! `゙ラ、_)゙´l|':.:.:.:.:.:.:.:z、  _  ヽ ,トシr'    「マハラギオン」
 '、  .: :.:.:.:.:.:.:.:.:.,. - /,ヘ '卞= 'ライ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}   丶  :.:./
  ヽ .:  .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:{ヽ` ー-彡イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ-、   / :./
   l:. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.|:.:>‐。‐f´:.|:.:.:.:.,、_:.:.:ヾ"'  _,ィ":.:.l
   l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}/:.:|。:.:|:.:.:|:i:.:.:. t::.ヾ::.  .:.:.:.:.:.:.:/
   `ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.:{。:.:.!:.:ノ:l:.:. r- ニ..:.:.:.:.:.:.:.:.:./
    '、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. /:.:|:.:.从__|/:.:.l:.:.、ヾ:.:_:.:.:.:.:.:.:.:.:/
     ヽ、:.:.:.:.:.:  /:.:.:ヽノ「l:.:|:.:.:.:',:.:.:.、___,,. ィ"
     /`丶、:.:,イ:.:.:.'、;.:.:.lニ ニl!:.:.:.:.',:/ |:.:.....   ',
     !:.:.:.:.:.:`´:ト-、_',:.:.:.:l」:.:L_ノ:. ノ!:.:.:.:.....  」
     「 ̄ ̄``l:.:.:.:.:.:.:` ̄ ̄`T'ー:.'"´ L.:-‐.:'´..l

俺の真横で爆発が起こった
「なっ・・・」
「なっ・・・」
「「何じゃそりゃぁぁぁぁ?!」」
「外シマシター」
外しましたじゃねぇよ?!
「アイツも都市伝説契約者か!?」
「いえ、寧ろアレは都市伝説その物なんです・・・」
契約者無しでこの威力とは恐れいる・・・
「チカラを使うしかないのです」
「都市伝説絡みとなれば仕方ないか・・・」
本当は使いたくないんだがなぁ
「コレデモ受ケテ反省シナサーイ」
住職が大きく構える
451 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:37:50.94 ID:7B1k0vbh0
              ,,,ノニミ=ミ-、、
     .∩「)')     /=7 ̄ ̄〜7)、、      「エターナル・フォース・ブリザード」
    n._|_{|_||_|    |彡二フ''"~^^"`}.))
    ヽー`  },r'フ ,へノノ   、、 ,, }ノ                            ,、-ーっ
     { ' ̄ ( ノ―-〉} !   イ迯 '〈ョ{                           _ノ 二ニフ
     ヽ   .∧   ヾ i    フ,” j`〈                         ,,,/  ,/
   ノ^~}   {ー=7、  \ イー=='/ー---、,,,,、_,-ー〜' ̄ ̄! ̄)ー-ー―――;;「{'"   ∠ニ 、
   ノ |  ヽー フ ヽ   \. \___二}'     ヽ ヾ  }  // /  --- ー―-{ ヾフー--ーー'
   | |_,,,ノ" 入 \   ミニ/  {      ヽ } } / / /  ̄ ̄       {―"
  ノ| └―''''`   } 、 \  \ V''""ヽ      レ /// /           |
 /|       入ゝ ヽ   ヾ `旦 ヽ      V  / /    ,,,,,-―ーー"" ̄
 | {      ノレ ノノヽ 〉   \ \ 〉      }//,,,-ー'''"
 | |人ー―'''" ノ   ヽ_|    ヽ  〉 ヽ     } //
 | |  |ヽ ,ー<     |     } }∩ }      |
 | |  | ’       | '|     .} <○、}      |
 | |  |  ノ      〉 |      |() 〉 `<)     {
 ヽ { |  /       ` |      | ^ヽ 〈     |
  り |          |     |  `ー'|     |

「アレを受けたら相手は死ぬのです!?」
ヤコ落ち着け
「チッ!」
俺が手を振り上げると何処からともなく箱が出現し、俺達を覆い隠し
凍りついた
「ソノ程度ノ箱デ逃ゲラレル程エターナル・フォース・ブリザードハ甘クハ無イノデース」
住職が淡々と呟きそれとほぼ同時に凍った箱は砕け散る
しかし
「イナイ?」
箱の中身は空だった
「一応本職は手品師でね、この程度の脱出劇は朝飯前だ」
「都市伝説ノ力デスカ・・・ソチラノオ嬢サン、都市伝説デスネ?」
住職がヤコを睨みつける
「狐は人を化かすのが仕事なのです」
「という訳、でトンズラこかせてもらいます・・・またその内お会いしましょう」
「逃ガシマセン・・・アギ!」
住職の掌から炎が噴出すが
それが直撃する前に俺達の姿はその場から消えた
452 :題名はまたその内考えよう [sage]:2011/06/20(月) 23:38:58.41 ID:7B1k0vbh0
「やれやれ・・・今回も物騒な仕事だったな」
「お前がさっさとあの住職を殺せばもっと楽だったのですよ」
「俺は怪盗なの、盗みはしても殺しはしません」
強盗は趣味じゃない
「それに、手品は人を驚かす物だ、人を傷つける為の手段じゃないよ」
「何が手品ですか、私のチカラを使ってる癖に」
そう、狐の妖怪・・・野狐(やこ)と呼ばれる存在が彼女の正体だ
彼女の能力は化かす事
「だからなるべく使いたくないんだ」
契約で彼女の力を使えるようになった事で、確かに俺は今までとは比べ物にならない力を手に入れた
文字通りタネの無い手品なのだから当然といえば当然だ・・・だが、それは彼女の力で自分の実力では無い
「何時か必ず自力であの次元に辿り付く」
「まぁ、精精頑張るのですよ、応援はしてやるのです」
「ありがとう」
さて、報酬も頂いた、ブツも渡した、これでこの仕事は完了だ・・・
「あ、そういえば聞いたのですか?」
「何を?」
「あの依頼主・・・今度学校町に引っ越すそうなのです」
呆れた様に言うヤコ
彼女の言わんとしている事を俺も理解した
「・・・・・・オカルト好きとは言っていたが」
「身から出た錆なのですよ」
ヤコは興味無さ気に呟いた
「他の場所ならいざ知らず学校町にあんな物持ち込むなんて・・・バカなのです」




その数日後、ある金持の不審な死が新聞で報道された
死因は他殺、水びたしになった部屋で首を絞められて殺されたのだと言う
犯人の情報は一切無し
ただ、彼のコレクションから河童の木乃伊がなくなっていた事と
その日を境に学校町の川でたびたび河童が目撃されるようになった事は
きっと無関係では無いのだろう

続く?
453 :はないちもんめ [sage]:2011/06/20(月) 23:42:54.01 ID:7B1k0vbh0
絶賛タイトル募集中な思いつき話
避難所の小ネタでも再登場させたけど老魔法皇ことベネディクトさんはまだ現役です
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/20(月) 23:54:22.77 ID:WKnYkSG90
はないちもんめの人乙です〜
ベレディクトさん再びwwwww
しかし、ギャグもバトルもあってさらにホラーと来たか・・・
暫く来てなかったと見せかけて実は書いてたな?と疑いたくなるほどのクォリティ、頭が下がります
455 : ◆2PnxfuTa8. [sage saga]:2011/06/21(火) 11:04:16.73 ID:S9LQzVC40
おつでしたー
色々なジャンルを混ぜるのは新しいな
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 11:34:54.06 ID:hLOshvMDO
あー、男女の爛れた関係書きてえ
浮気とか不倫とかあなたを殺して私も死ぬとか
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/21(火) 12:38:26.58 ID:uDcX8DrDO
投下乙です
野狐か、何歳くらいなんだろうか?
契約によって善狐天狐にランクアップしたりするのかぬ
458 :はないちもんめ [sage]:2011/06/21(火) 23:03:18.42 ID:agy0pnJx0
>暫く来てなかったと見せかけて実は書いてたな?と疑いたくなるほどのクォリティ、頭が下がります
最近何か書いてるとしたらそれは大体現実逃避です

>浮気とか不倫とかあなたを殺して私も死ぬとか
笛の人の作品では時たま起こりうる状況だから困る良いぞもっとやれ

>野狐か、何歳くらいなんだろうか?
>契約によって善狐天狐にランクアップしたりするのかぬ
仮にも妖狐なので一応年齢はそれなりに行ってます
が、ランクアップに関しては不明、現時点でも契約済みだし
ってか、今回の連中、特に契約者側は「戦闘はしても攻撃はしない」をモットーにやってるので戦闘能力の上昇はまず無いと思って良いです
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 23:58:45.63 ID:iHMe9FP2o
>>458
>仮にも妖狐なので一応年齢はそれなりに行ってます
実年齢は聞かぬが花ですねわかります
460 :はないちもんめ [sage]:2011/06/22(水) 00:02:50.93 ID:nNarlla30
>>459
聞いたら殺されるんじゃね?
461 :単発 [sage]:2011/06/22(水) 05:20:05.93 ID:UfwMzFs20
ダレモイナイ、タンパツスルナライマノウチ

ここはとあるアパートの一室

「はぁ……おいし」

中にはティータイム中の女が一人
この先の出来事を書かなければこれはただの日常だっただろう

「……そろそろかしら」

女がティーカップを置いた―――瞬間

パリンッ

――窓が割れた

「アッハァ!来た来た!」

割れた窓ガラスが女に襲い掛かってくる
が、女はそれを知っていたかのようにかわして

「まずは外に出なくちゃ始まらないわね」

これ以上私の部屋を荒らされるのも嫌だし、と小声で付け加えると
女は玄関へと走って行く
玄関を開け、外に出ると辺りを見回しながら呟いた
462 :単発 [sage]:2011/06/22(水) 05:21:10.06 ID:UfwMzFs20

「さーて、こーんな悪いことをするのはだーれっかなー?」

そんなことを言っている間にも割れた窓ガラスは襲い掛かってきているが
女はそれをすべて寸での所でかわしている

「んー……やっぱり見えるところにはいないかー」

「………じゃあちょーっと、自分を信じて走ってみますか!」

女が何かを確かめるようにグッと足に力を込める

「位置についてー……よーい」

ドン、という言葉は、それより強い地を蹴った音に掻き消された
女が走る
大抵の人が追いつけないようなスピードで

少しして女が止まる

「見ーつけた♪」

ヒィ、と言う声が聞こえた
463 :単発 [sage]:2011/06/22(水) 05:21:48.96 ID:UfwMzFs20

―――――
―――
――


「ひ、一つだけ聞かせてくれ」

地面に這い蹲っている男が言う
何があったのか、顔も体もボロボロだ

「ん?なーに?いいわよ?」

その男の前に立っている女が笑顔で言う
こちらも何かあったのか、拳に血がついている

「お、お前は何で俺の居場所が分かったんだ!?」

「あら、そんなの決まってるじゃない」

「へ?」

「女の勘よ」

ゴシャッ

鈍い音がした


fin


464 :単発 [sage]:2011/06/22(水) 05:23:24.48 ID:UfwMzFs20

『女』
契約者。
『女の勘』と契約している
運動神経抜群

『男』
契約者。
都市伝説『超能力者は実在する』と契約している
チキンの上に運動音痴

『女の勘』
都市伝説?
契約すると何があるかが分かる
鋭い『勘』を手に入れられる
女性しか契約できない

『超能力者は実在する』
都市伝説。
契約すると超能力が使えるようになる
主にサイコキネシスだがテレパシーとかも頑張れば使える
465 :笛モバ [sage]:2011/06/22(水) 07:57:38.02 ID:H5RO1CADO
単発の人乙でした
攻撃を予知して物理で殴る
これ究極的に勘が現実に先行しないかな
したら面白いな
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 12:20:37.34 ID:dUIiXlqDO
単発の人乙です
ともすれば全知になりかねない能力だよなぁ
予知じみたこともできるし、凄く汎用的だと思います
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 12:28:56.11 ID:dUIiXlqDO
赤マントの契約者が黒服化した場合、やはり黒スーツに赤いマントが正装になるのだろうか?
目立つことこの上ないな
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 15:10:25.86 ID:H5RO1CADO
そこはあれだろ

「変ン!!身ン!!」

の掛け声と共に赤マントが生えてくるって
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 16:54:30.88 ID:549Bia1DO
赤と黒のリバーシブルじゃ駄目?
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/22(水) 16:57:02.36 ID:5Hvsmenf0
>>469
青は何処へ・・・
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 21:15:12.51 ID:dUIiXlqDO
まさかの縦半分……だと
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/06/22(水) 21:15:14.89 ID:U58oJq3Co
単発の人乙っした。

おおう、うちのと違ってバトル系の《女の勘》の契約者ですかい。

>>470
人攫いの赤マントなら、青は要らないかと。
トイレに出て来るヤツなら別ですけど。
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/22(水) 21:30:37.27 ID:5Hvsmenf0
>>471
ヒートジョーカーですね分かります

>>472
あれ、トイレに出るのが人攫いじゃなかったけ・・・
色々説があるから頭の中で情報がががががが
教えて修羅子さんとかの人!(マテヤ

ところで、富山県だったんですね、あの海岸で有名な
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/22(水) 21:32:33.12 ID:5Hvsmenf0
ところで乙言うの忘れてた件orz
なかなかハイテンションでアグレッシブな姉ちゃんだなwww
きゅんときちゃったぞ!(
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/06/22(水) 22:37:59.09 ID:U58oJq3Co
>>473
>あれ、トイレに出るのが人攫いじゃなかったけ・・・
赤マントと青マントのどっちが良いか聞いて来るのもトイレだった様な?
もっとも人攫いの方が、トイレに出ても問題は無いかと。
最近見て無い彼はトイレに住んでますし。

>ところで、富山県だったんですね、あの海岸で有名な
イエス、蜃気楼で有名な海岸の富山県ですよ。
どちらかと言えば、海じゃ無くて山の方が近いですけどね。
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/22(水) 22:44:36.16 ID:5Hvsmenf0
>>475
>最近見て無い彼はトイレに住んでますし。
やっぱり彼を思い出しちゃうよねぇ
ロリコンはもっと増えるべき、そしてロリは倍以上増えるべき(

>イエス、蜃気楼で有名な海岸の富山県ですよ。
いいなぁ、見てみたいな蜃気楼
なんか憧れるよね、自然現象を目の当たりにするって
虹とか何度見ても感動するし
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/22(水) 22:47:17.47 ID:1287B4K30
>>73
人さらいタイプは元々街中に出没するタイプだったはず
478 : ◆2PnxfuTa8. [sage saga]:2011/06/22(水) 22:50:35.21 ID:aboas4Pe0
というわけで久しぶりに日賀くんのおはなし投下しちゃうぞー
479 : ◆2PnxfuTa8. [sage saga]:2011/06/22(水) 22:52:41.75 ID:aboas4Pe0
【日賀充の探偵倶楽部4〜蛇と林檎〜】

やあ皆さんこんにちわ。
俺の名前は日賀充だ。
この学校町で探偵業を営むしがない私立探偵さ。
俺の事務所は俺の探偵業の物で学校町の一等地に立っているなかなか良い事務所なんだが……。
ああ、あまり客は来ない。
それというのも兄弟子(?)である彼方さんって人の所に客が殆んど行ってしまうんだ。
だからまあ俺の仕事はある意味ここの事務所の掃除と古い資料の整理整頓のみっていうか……。

「おーい、ミツミツー。」
「なんだ詩鳴。」

こいつは俺の相棒、明日詩鳴。
“ポロリ温泉伝統製品初の支援型モルスァ試合専用ガン”の契約者だ。
しかし自らの都市伝説の能力を扱いきれず俺と二人でやっと能力を制御できる半人前。
悪の組織に捕まって実験台にされていた所を俺とおやっさんが救い出したのだ。

「今日も依頼人の人来ないねー。」
「そうだなー。」
「ミツミツが探偵として微妙だから?」
「微妙ってなんだよ……。」
「ヘボっていうと可哀想じゃん。」
「くそっ……否定できん。」
「猫探しの依頼でも来たら頑張ろうね。」
「……なんか、ごめん。甲斐性無しで。」

思えば、おやっさんが依頼に自ら動いたのは俺が見た中であれが最後だった。
事件のすぐ後におやっさんが奥さんを連れて旅行に出てからすでに半年。
でかい事件も俺と詩鳴だけでなんとか乗り越えてきたのだが客は減る一方である。
おやっさんは旅行先からまったく連絡を入れてこないし、
彼方さんや彼方さんの相棒である橙さんの情報網にもいまだ引っかかっていないそうだ。
俺と詩鳴が同時にため息を付いた時だった。
ドアを勢い良く蹴飛ばして誰かが事務所の中に入ってくる。

「明成ちゃん!来ちゃったわよ!」

年の頃はまだ若い。
二十代後半といったところだろうか?
ライダースーツに身を包み、長くきれいな黒髪を後ろで束ねている。
可愛らしい言葉遣いとは裏腹にハスキーな声がより一層セクシー。
鍛えているのか全身は程良く引き締まっておりそれが尚更彼女を魅力的に見せていた。
480 : ◆2PnxfuTa8. [sage saga]:2011/06/22(水) 22:55:06.12 ID:aboas4Pe0
「……あら?」
「えーっと、笛吹探偵事務所にようこそ。
 そいつは助手の明日詩鳴です。」
「こんにちわ。」

詩鳴はちょこんと頭をさげる。
彼女の名前を聞いたとたん、その女性は一瞬だけ動揺した。

「明日……!?」

普通なら誰にも聞こえないほど小さな声でつぶやいている。

「師匠でしたら今は長期休暇をとると言っていなくなっちゃって……。」
「そうなの?茜ちゃんは一緒?」
「ええ、確かにそうでしたけど……。」
「そう……ってことは、あの子、もうそこまで体が……。
 じゃあもう生きている内には会えないかもしれないわね。」
「え?」
「あら、あなた弟子の割には何も聞いてないのね。」
「どういうことですか?」
「明成ちゃん、若い頃の無茶が祟ってもう体がボロボロなのよ。
 それこそ生きているのが不思議なくらいにね。
 もうどこかで静かに死んでいるかもしれないわ。」

なんだって……?
師匠が死んでいるなんてそんな馬鹿な。
あの人は不死身だったんだぞ?

「そ、そんなことあるわけが!」
「そうだそうだ!」
「いいえ二人とも、これは事実よ。」
「大体あなたはおやっさんとどのような関係で……。」
「私?」

懐かしげにどこか遠くを見つめる女性。
481 : ◆2PnxfuTa8. [saga]:2011/06/22(水) 22:55:41.21 ID:aboas4Pe0
「私はね、あの人の昔の女よ。」
「よく会います。」
「あらそう、でも私はちょっと特別よ。
 当時高校生だった私はまだ小学生だった明成ちゃんに色々教えてあげたりした仲よ。」

なん……だと……!?
幾つだ、この女は一体幾つなのだ!?

「そうだわ、名乗り忘れていたわね。」
「え?」
「私の名前は明日、明日渚。」

彼女は、明日渚は詩鳴を見つめる。
まっすぐに見つめる。
その瞳は優しい光を湛えていて、今にも溢れ出しそうで。

「そこの女の子、詩鳴の母親よ。」
「え……?」
「貴方を長い間一人にさせてごめんなさい……。
 色々有ったけどやっと迎えにこれたわ……。」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
「なぁに?」
「俺はその話をまったくおやっさんから聞いていないし……。」
「私もお母さんの記憶なんて無いから貴方をお母さんだと素直には……。」

「その辺りについては私が保証します。」

なんの前触れもなく天井から飛び降りてくる人影。
変幻自在の神出鬼没、雲をつかむようなとはまさに彼女のためにあるような言葉だ。

「所長から渚様のご依頼についての書類はすべて預かっております。」
「わわわわわ!霙さんどこから出てきたんですか!」
「私は所長の意思のままに動いていますから。」

霧雲霙、俺が事務所に来るずっと前から働いている先輩である。
年はそれほど違わないのだが彼女は小学生の頃からおやっさんの下で働いていたらしい。
理由は絶対に教えてくれないのだが。
とにかく無愛想な人で殆んど笑わない。
おやっさん、橙さん、それにおやっさんの娘さんと話している時くらいしか笑わないのだ。
482 : ◆2PnxfuTa8. [saga]:2011/06/22(水) 22:56:53.99 ID:aboas4Pe0
「書類はこちらで間違いないでしょうか?ご確認ください。」
「助かるわ霙ちゃん、うん、間違いないわね。
 それじゃあ……」
「お待ちください。」
「なぁに?」
「所長から『詩鳴の意思を最大限尊重するように』と命じられております。」
「つまり?」
「詩鳴さんが貴方についていくというなら私もそうできるように計らいます。
 ですが付いて行く気がないのなら……」
「ふぅん、まあ確かにこの子の意思が一番大事よね。
 でもね、これから戦いは激しくなるわ。
 明成ちゃんの行方がわからない以上、こんな場所にこれ以上この子は預けられない。」

完全に俺が置いてけぼりである。
ここはびしっと存在感をアピールせねば……

「それで詩鳴さん、貴方はお母様に付いていきますか?」

うん、完全無視だこれ。
俺は詩鳴の方を見る。
彼女は怯えたような目で渚さんを見つめていた。
無理もない。
父親の元から連れだされて半年も経ってからいきなり母親を名乗る女性が現れたのだ。
訳がわからないし、怖いはずだ。

「少し、時間をください。」
「少なくとも今はついていけないということで宜しいですか?」
「……はい。」

それを聞いた渚さんは残念そうにため息を吐く。

「貴方は知らないだろうけど、詩鳴の存在はとても貴重で、危険なのよ。
 この子の扱いに関して言えばこの子の父親はハッキリ言ってまだマシな方だったわ。
 だから私だって中々動き出せずに居たわけだし。
 でもここはセキュリティがなってないわ。
 何時何処で誰が攻めてきてもおかしくないようなお粗末さ。」
「今までこの子は無事でしたよ?」
「ええ、今まではね。
 明成ちゃんの存在だけでこの子を狙う輩には大きな脅威だったし、
 私だって明成ちゃんさえここに居れば無理にこの子を引きとりに来ようとは思わなかったわ。
 図々しいにも程があるもの。」

そう言ってから彼女はいきなり霙さんの方をキッと見つめる。
483 : ◆2PnxfuTa8. [saga]:2011/06/22(水) 22:57:42.07 ID:aboas4Pe0
「霙ちゃん、貴方も明成ちゃんから聞いているわよね?」
「…………私は所長の命令に従うだけです。
 ゆっくりと時間をかけて親子の絆を取り戻して、それから親子二人水入らずで良いじゃないですか。」
「……霙ちゃん、それは全部知ってて言っているの?」
「お答え致しかねます。」
「明成ちゃんは貴方にだけはこの事務所の全てを裏も表もなく伝えたと言っていたわ。
 汚い仕事も危険な事件も……封印された過去の事件の遺物もね。」
「お答えいたしかねます。」
「それらと詩鳴を狙って来る輩はこれからも増えるわ。
 貴方はその時責任をもってこの子を守れる?」
「ここの事務所の責任者は日賀充です。
 私はあくまで前所長、笛吹丁の代理です。」
「……じゃあ良いわ。悪いけど無理やり奪い取らせてもらうわよ。」

渚さんはライダースーツの胸元を大きく開けてそこにUSBメモリのような物を挿し込む。
それと同時に渚さんのライダースーツに蛇柄の模様が走った。

「とはいえ私も鬼じゃないわ。私を退けられるなら、詩鳴は預けておいていいってことにさせてもらおうかしら。」
「くそっ、なんでそういうことになるんだよ!」

俺は詩鳴を抱えて咄嗟に事務所の窓から飛び降りた。
【日賀充の探偵倶楽部4〜蛇と林檎〜】
484 : ◆2PnxfuTa8. [saga]:2011/06/22(水) 23:06:09.87 ID:aboas4Pe0
久しぶりな日賀君のおはなし
wikiで上田の所にスピンオフみたいな扱いで乗っかってるけど
独立したページつくるべきかな
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/22(水) 23:21:28.71 ID:5Hvsmenf0
笛の人乙です〜
充くん久しぶり!
そしてこれは熱いバトルの匂い・・・wktkせざるを得ないぜ!
蛇か、どんな都市伝説かな・・・?
486 : ◆2PnxfuTa8. [saga]:2011/06/22(水) 23:30:42.59 ID:aboas4Pe0
ぶっちゃけ
まだ
決まってない!


というのは冗談で、彼女も弟の真くんと同じように契約書に懐かれて偶然手に入れた口でございます
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/22(水) 23:36:36.82 ID:5Hvsmenf0
>>486
>というのは冗談で、彼女も弟の真くんと同じように契約書に懐かれて偶然手に入れた口でございます
弟・・・だと・・・
明日家と何処で繋がるんだろうと思ってたら・・・そうだったのか・・・

って、そういや前に仰ってた覚えがorz
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 12:25:16.29 ID:RNo9CVADO
投下乙です

笛の人作品の家系図を作ったら面白そうだなぁと思ったり
そういえば大樹さん中心の人物相関図も見てみたいな……不可能ですねわかります
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 12:56:22.24 ID:yJJsv2wDO
ジョジョが好きだから親子の血の繋がりとかすきなのよん
いつか上田が世界中の兄弟に会いに行く話書きたかったんだけど暇がない
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/23(木) 20:40:07.11 ID:yuFB1B5K0
>>488
>そういえば大樹さん中心の人物相関図も見てみたいな……不可能ですねわかります
紙に書いてみたらとんでもないことになった
まぁ、俺が書いたのは翼を取り巻く愛憎相関図だったけd(焼き尽くされました

>>489
>ジョジョが好きだから親子の血の繋がりとかすきなのよん
ジョジョってそういうのがメインなのか・・・
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/23(木) 21:44:36.71 ID:sjGJC2zc0
>>490
>まぁ、俺が書いたのは翼を取り巻く愛憎相関図だったけd(焼き尽くされました
無茶……しやがって……
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/23(木) 23:30:14.28 ID:1EJrRErzo
>>488
> そういえば大樹さん中心の人物相関図も見てみたいな……不可能ですねわかります
関係を矢印で引っ張って作ってたら書ききれないよね
総当たり戦の勝敗表みたくしないととても書けるとは思え無い
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/23(木) 23:33:55.91 ID:yuFB1B5K0
>>492
>関係を矢印で引っ張って作ってたら書ききれないよね
そうそう、あっちこっちでクロスしちゃって「あれ?この矢印どれ指してんの?」とかなってうあああああ
因みに裂邪でも同じことやると裂邪に向いた矢印がうじゃうじゃ(

>総当たり戦の勝敗表みたくしないととても書けるとは思え無い
その手があったか・・・参考にしよう
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/23(木) 23:42:41.97 ID:14zJPc4q0
これは人間関係図と家系図書くべき
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/23(木) 23:43:11.70 ID:14zJPc4q0
sage忘れた><
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/23(木) 23:48:04.46 ID:yuFB1B5K0
>>494
今度また書いてみようかな・・・ダメだ、裂邪殺したい病が再発症する恐れがある(
497 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/24(金) 00:39:21.01 ID:iVu/jBdY0
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第四章「かくて絶望の鐘は鳴る」〜】

 皆さんこんにちわ。
 私は霧雲霙、不思議少女シルバームーンのもう一人の主人公です。
 今日の私は先日起きた事件について自らボスに報告をしているところです。
 普段なら居る先輩の彼方さんや橙さんは新しい事務所の設立のために奔走していて居ないので今の事務所には私と所長の二人きり。
 恋に恋する女の子である私として気になる人と二人っきりでちょっぴりテンションが上がっていたりします。

「……という訳で、葵社長は無事で、間一髪で所長の大好きな朔夜ちゃんも少々吸血鬼の怪力で殴られただけで済みました。
 やはりネバーランドについてはスバル君がなにやら知っているみたいです。」
「ご苦労。やはり天野スバルも只の小学生ではなかったか。
 あと念の為に言っておくが俺は朔夜が大好きって訳じゃあない。」
「じゃあなんで私にわざわざ彼女を襲わせてみたり、
 逐一様子を報告するように言ったりしているんですか?」
「それはあれだ、あいつはだな……。」
「なんなんです?」

 所長は口を濁す。
 そう、正直なところを言うと私は朝月朔夜という少女に嫉妬していた。
 私の大好きな所長がなんであんなにも彼女に関心を注ぐのだろうかと。
 私は所長のために毎日一生懸命頑張っているのに。
 そもそも私は所長のために働くなんてあり得なくてむしろ彼に害をなしても良いような存在なのに。
 そうまでして彼のために頑張っているのになんで彼はあの子のことばかり気にするのだろうか。
 それが辛くて悲しくて、大好きな筈の友人にまでどす黒い感情を抱いてしまうことが幾度も有った。

「あいつは……娘なんだ。」
「え?」

 おっと、ここで予想外の回答だ。

「いや、だから……さ。茜と友美以外に色々女性関係が、だなあ……。
 霙みたいな年頃の女の子にこんな話するのも非常に恥ずかしいというか申し訳ないんだけど……。」

 年頃の女の子……照れるなあ。
 しかしまあなんだ、そういうことならむしろ良いのだ。
 いや当然驚いているのだが。
 驚いてはいるのだがそういうことなら私は友人になってしまった朔夜に黒い感情を持たなくて済む。

「彼方にも橙にもまだこの件は黙っていてくれ。黙っていてください。
 これ以上色々有ると彼方と橙にまた物凄い顔されかねない。」
「は、はぁ……。」
「お前には俺の知っているこの事務所の裏と表を全部まとめて教え込むつもりだからこれもその一環だと思って許してください。」
「あ、頭上げてください所長。」
「はーい。」

 所長が深々と頭を下げていたのをなんとか上げさせる。
 ここで私はすこし悪いことを思いついてしまった。

「黙っているのでその代わりに一つお願いがあります。」

 そう、この前茜さんや友さんや在処さんやらとお茶をしたときにアドバイスしてもらったのだ。
 弱みを握ればこちらのものだと。
498 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/24(金) 00:40:10.19 ID:iVu/jBdY0
「なんだ?この前のテストの点数も良かったし、聞いてやらないでもない。」
「ふふふ、目をつぶっていてください。」
「お、おう……。」

 所長が完全に目をつぶる。
 普段は隙のないデキル男な彼だが今に限っては完全に無防備だ。
 こっそりと忍び寄る。
 すでに心臓は早鐘を打っている。
 意を決して私は所長の唇を奪うことにした。
 妻子有る人に不意打ちでこんなことするなんて私ってなんていけない子なんでしょう。
 日曜朝八時半の子供番組とかだと絶対こんなこと許されない!
 でもそういうのが燃える!

「てえええええええい!」

 私は全力で所長に襲いかかった。
 ガツッ
 だが、思い切り歯と歯がぶつかってしまった。

「”$"%"#&%"%$#&%##"!!!!!」

 言葉にならない激痛が口の中に走る。
 一瞬煙草の香りがという名のストロベリーフレーバーが口の中に漂った気がした。

「い、今何が……。一瞬ガチで俺を殺しにかかったのかと……。」

 所長もだいぶ痛そうにしている。
 腕とかちぎられても平気そうな顔してるのにこういうのは痛いらしい。

「えと、その……ごめんなさい。」
「そういうのが頼みなら先に言ってくれると助かるかな……。」
「でも断るじゃないですか……痛ぅ……。」
「いやまあそれはその……。」
「嘘でもいいから女性として愛してると言って欲しかった……。
 気まぐれでもいいから私を求めて欲しかった……。
 それだけだったんです、それだけで良かったんです。」
「うぅん……。」

 所長が困ったような顔をしている。
 そう、いつも私がアプローチするたびに逃げまわったり、ごまかしたりするのだ。
 私はこんなにも真面目なのに。
 頑張っているのに。

「所長、いいえ明成さん、私は貴方の事がすごく好きです。」
「知っている。」
「だから……。」
「まあちょっと座りなさい。」

 仕方ないので所長の膝の上に座る。
 えっそこ!?みたいな顔されたが気にしない。
499 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/24(金) 00:40:37.51 ID:iVu/jBdY0
「俺は君にもう許されないことをしている。」
「はい。」
「でもそれは俺としてはやらねばならないことだったし、
 君の両親もまた生活のためにそういうことをしていたのだろう。」
「はい。」
「どちらも褒められないことをしていた。」
「はい。」
「だからせめて君には普通に幸せに生きていて欲しかったんだ。
 君の両親が最期に俺に言ったことだしね。
 俺だって人の子であり子の親だ。ほだされるさ。」
「はぁ……。」
「なのに君は何故そこから外れようとするんだい?」
「それは……。」

 私が力を求め、普通の社会から外れて契約者として生き続けようとする理由。
 それはやっぱり……。

「できるだけ、いいえ、ずっとあなたの側に――――!」

 ふいに後ろから抱きしめられる。
 暖かな腕、赤に染まった腕、この腕で抱きしめてはいけないと思っていたのだろう。
 でもこの温かい腕に救ってもらった人もいるのだ。
 その腕はただ血に染まったわけじゃなくて
 その手はただ欲望にまみれただけじゃなくて
 その原因になった痛みも怒りも苦しみも憎しみも嘆きも弱さも
 貴方の人間らしい迷いや感情が全て詰まっているが故に一欠片の優しさがあって

「でも駄目だよ、俺にはお前より年上の息子がいる。」

 いまさらどの口が言うのだろう。
 いまさらどの口が言うのだろう。
 小学生だった友さんに手を出しておいてそれはあんまりじゃないか。
 しかしまあ素直にそんなこと言っては空気ぶち壊しだ。

「そんなこと構いません。明尊兄さんのことなんてどうでも良いんです!
 だからこのまま私を…………。」

 流石に気恥ずかしくてこの先が言えない。
 が、所長もここまで女の子に言わせるような男でもない。
 なんだかんだで流されやすい質なのだ。

「解ったよ。眼を瞑っていろ。」

 所長の心臓の音が伝わってくる。
 私を抱きしめる力が強くて苦しいくらいだ。
 でもそれはなかなかどうして悪くない苦しみで。
500 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/24(金) 00:41:09.49 ID:iVu/jBdY0
「ん…………。」

 唇と唇が触れ合う。
 私の中に舌が入ってきて、私の舌を撫で回すように絡みつく。
 やっていることはすごくイケナイことなのに、
 その所作はいつも頭を撫でてくれる時のように優しいのが少しおかしかった。
 でもそれはやっぱり心の何処かで私のことを子供としてしか見ていないからなのだろうか。
 唇が離れる。
 これでお終い?
 そう思っていたら所長は私をだきかかえて向かい合うように座らせた。
 もう一度彼の顔が近くまで迫ってくる。
 悲しそうな瞳をしている。
 こんな眼をする人なのだと何人が知っているのだろう。
 少しだけ優越感だった。
 私は彼が欲しい。
 欲しくて欲しくて堪らない。
 彼も私が欲しい。
 でもそれはダメだと我慢している。
 我慢して、私に何かを与え続けていた。
 私は私を欲しがるということをして欲しかった。
 普通に与えてもらうだけじゃもう我慢できなくて。
 奪われてみたくなった。
 欲望に晒されてみたくなった。
 壊されてみたくなった犯されてみたくなった。
 やはり私は人を不幸にしかできないんだ。
 でもそれでも、口では幸せになれと言いながら一緒に不幸になろうとしてくれるあなたの事を私は……

「親父ー、久しぶりに遊びに…………。」

 ガラスのコップが割れる音。
 聞き覚えのある声、所長の息子で私のお兄さん的ポジションの明尊兄さんだ。

「うわやべっ。」

 久々に所長が焦ってる。
 仕事で野生の都市伝説百体以上に囲まれながら私を守りきった時以上に焦っている。
501 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/24(金) 00:42:29.44 ID:iVu/jBdY0
「…………俺の、俺の家庭を壊すなああああああああ!」

 明尊さんが悲鳴のような声をあげながら彼の契約する都市伝説の能力を発動する。
 赤い光と共に彼の体は一瞬で伝説上の鎧である“日数”に身を包まれた。
 伝承と違い流線的な形状をとっているのは高速移動に特化している為だ。
 中身がもう少しオトナの余裕とか人間的魅力を持っていれば日曜朝七時半の正義の味方でもおかしくないのだが……

「うわああああああああああああ!」

 私に向けて殴りかかってくる明尊兄さん。
 養豚場の豚でも見るかの如き眼でそれを見つめている所長。
 あえて言いたいのだが実の息子に向ける眼ではない。

「――――――――俺の女に手を出すな!」

 先に言っておこう。
 明尊兄さんの鎧は元来高速移動に長けた強化服みたいなものだ。
 だからといって防御力が低いかというとまったくもってそんな事はない。
 具体的に言うと手榴弾や拳銃弾くらいは楽勝で防ぐし、
 アンチマテリアルライフルでも二発くらいまでなら中身は無傷だ。
 だが
 
 メゴッ

 とでも形容するしかない音と同時に明尊兄さんは所長に殴り飛ばされていた。
 先程まで装着していた筈の鎧が砕けて顔の一部が露になっている。
 
「お前の拳には重みが無いんだよ、重みが。」

 中学生男子にむけてヒドイ話だ。
502 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/24(金) 00:43:14.17 ID:iVu/jBdY0
「く……そっ!」
「お前の心が弱いから、お前が纏う鎧も弱くなる。
 都市伝説の強さとはすなわち心の強さ、お前はお前を信じきれていないんだ。
 自分の行動に微塵も疑うところが無いのならば俺の力で殴った程度ではその鎧は壊れん。
 解ったらさっさと帰れ、これから先は大人の時間だ。」
「――――そこまでよ!」

 聞き覚えのある声、突如室内に風が吹き始める。
 それに伴って割れたガラスの破片が明成さんに向けて殺到した。
 私は咄嗟に爆風を起こして他所に破片を逸らす。

「誰!?誰なの!?」

 この風を操る都市伝説に私は見覚えがある。

「スバルにも内緒で貴方のボスを探らせてもらっていたわ!」
「朔夜……ちゃん!」

 そう、朝月朔夜だ。
 彼女は箒を片手に威風堂々と事務所のど真ん中に立っていた。
 やはりというかなんというか、私のような悪人にとって最悪のタイミングで現れる子である。
 これも一種の才能だ。

「貴方が霙を操っていた悪の親玉ね!
 しかもロリコンだったなんて許しがたいわ!
 今日は私が貴方を成敗しちゃうんだから!」
「ゲゲッ!?」

 所長が何時になく驚いている。
 当然だ、実の娘からロリコン呼ばわりだ。
 その心の傷たるや思わず私がケアしたくなるレベルに違いない。
503 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/24(金) 00:43:45.81 ID:iVu/jBdY0
「必殺魔法!メーガスライド!」

 箒の後ろで大量の風が渦巻いている。
 おそらくあれを使って箒ごと体当りする気なのだろう。

「やめて!この人を傷つけないで!」

 しかしその前に服に仕込んでいたビーズを爆弾に変えて朔夜の前で吹き飛ばす。
 彼女には悪いが少し気絶しててもらおう。
 どうせ都市伝説とのハーフだから丈夫だし。
 彼女は華麗に吹っ飛んで明尊兄さんと同じ壁に叩きつけられた。

「やったか?」

 実の息子と娘相手に『やったか?』とか言い出す親なんてこの世にいるのだろうか。
 この人の子供じゃなくて良かったかもしれない。

「やったかと言われて……。」
「やられる奴が居るか!」

 やだもうこの主人公体質共。
 明尊兄さんも朔夜もなんでサクサク立ち上がっちゃうの?
 
「あ、何時かの鎧の男。」
「あ、何時かの魔法少女。」
「敵は同じみたいね。」

 しかも共闘始めそうな雰囲気だし!

「どうだろうな、お互い少し狙いが違うぞ。」
「霙に意地悪したら許さないわよ。」
「一番悪いのはあいつだ、俺はあいつから潰す。
 そこの男はただの色ボケした爺だ。そいつも俺が潰す。」
「そこの男がろくでもないのは同意だけど霙が悪ってどういうことよ?」
「あとから話す。」
「納得行かないわ。」

 即座にモメるし!

「おいおい、二人がかりでも色ボケした爺を倒せないと思うんだがどうなんだい?」

 煽るし!
 ろくな親じゃないって言ったけど訂正します。
 この親にしてこの子ありです。

「来いよクソガキ共、大人の味を教えてやる。」

 浮気現場抑えられて修羅場なだけなのに決めポーズ決めないでくださいよ……。
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第四章「かくて絶望の鐘は鳴る」〜】
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 01:00:59.04 ID:EhiPaovDO
投下乙です

もうやだこの家系
いいぞもっとやれ
上田は女が絡むと途端に男が上がるなぁ。二枚目としても三枚目としても

みぞれちゃん、キスするときの掛け声に「てええええい!」は無いと思います
むしろ掛け声が要らないと思います
てもそんな彼女が素敵です
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/24(金) 02:30:04.20 ID:oJXmio1Z0
乙です〜
このロリコン野郎ぉぉぉぉぉぉぉ俺の霙ちゃんをぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!(
しかし何ちゅう血の入り乱れ様wwwwニャル様が喜びそうなカオス加減wwww
506 :笛モバ [sage]:2011/06/24(金) 07:35:37.16 ID:CJwYZYmDO
俺には妻子が…
→俺の女に手を出すな!
この間実に三分くらいである
浮気っぽいところが無ければ女性人気もあったと作者は信じてる


あと上田家は親子で殺し合うのがデフォなので気にしない
その流れでいくと彼はむしろ温い
彼の父ならむしろ積極的に殺しにきてる
507 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/24(金) 21:52:09.70 ID:iVu/jBdY0
皆避難所でばかり話しててお兄さん寂しいです
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/24(金) 22:08:01.79 ID:oJXmio1Z0
なら楽しい楽しい話題作りの時間だな!

単発書きたいのにストーリーが固まらないというorz(そんな話題かよ
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/24(金) 22:09:15.79 ID:kqtZtIv60
っふ…避難所にすら顔出してないでテキストとにらめっこしている俺もいてだな

単発かー、どんな方向性で書くかにもよるよなぁ
ダークに行くか、ギャグでいくか、ほのぼのでいくか、ラブキャッキャうふふふふでいくか
それによって、書きはじめもまた、がらりと変わるから
510 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/24(金) 22:10:14.15 ID:iVu/jBdY0
ストーリーかあ……
とりあえず昔のハリウッドの監督が銃と女が居れば映画は作れると言っててだな……
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/24(金) 22:17:06.33 ID:oJXmio1Z0
>>509
>単発かー、どんな方向性で書くかにもよるよなぁ
今のところ3つ考えてるんだけど・・・

1:ダーク?
2:ラブキャッキャ?
3:クール?

みたいな方向性(ハテナばっかりorz

>>510
なんか聞いたことあるwww
・・・銃と女・・・俺のマナミィ・・・orz
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 22:21:55.94 ID:I8IiHv6SO
書きたいシーンかキャラを考える
それを中心に必要な場面や立場や都市伝説を考える
→単発ネタ完成


キャラの設定を考える
それを物語調に説明する
→1レスネタ完成
513 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/24(金) 22:24:11.66 ID:iVu/jBdY0
>>511
すげえな
一人でハリウッド映画ができるぜ愛美さん
今はじめて気がついたわ
>>512
ストーリー中で書きたいシーンがある
→そこまで時間がかかる
→書くために必死で書く
→また書きたいシーン
→以下ループ

ってあると思います
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 22:33:46.36 ID:WtEyMhtZ0
一人ハリウッド映画って愛美さんにぴったりだから困るwwwwww
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/24(金) 22:45:06.20 ID:oJXmio1Z0
>>512
ほぅ、そんな違いがあるのか・・・面白いなぁ

そして、単発ネタを考えててですね
キャラ考えた→書きたいシーンも思い浮かんだ→「でもベタじゃね?」→もうちょっと捻りを加えようと思った→その捻りが思いつかないorz
という残念な結果に・・・ベタでも良いかな?

>>513
そして愛美さんと死人部隊を戦わせてみよう
あら不思議!バイオハザードのできあがりだよ!(マテヤ

>ってあると思います
茶飯事すぎて困るorz
516 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/24(金) 22:46:03.23 ID:iVu/jBdY0
知らない人にもわかる愛美さんの説明
一、ただの人間だけど銃の達人でむちゃくちゃ強いよ!
一、愛美さんの勇姿が見られるのは花いちもんめの人の作品だけ!
一、わりと好戦的で血の気が多いけど認めた相手にはきっちり一目置いて相対するよ!
っって感じかしら
人様のキャラを産業で説明って難しい
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/24(金) 22:48:26.67 ID:oJXmio1Z0
>>516
でも大体あってるwww
その雄姿はもう・・・ぐすん
518 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/24(金) 22:58:54.23 ID:iVu/jBdY0
>>517
オニイサンネタバレダメネー
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 23:00:21.47 ID:1oeXJ7sto
死ぬ死ぬ言ってたけど結局まだ死んでない・・・よね?
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/24(金) 23:04:18.62 ID:oJXmio1Z0
>>518
伊達さん・・・まだ早すぎたよ・・・(こうやって話しておけばカモフラージュになるかも知れな(ならねぇ

>>519
そのシーンはまだ書かれてないですね
作品内では今はもう・・・
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 23:05:56.83 ID:1oeXJ7sto
まだ書かれてないのか
雄姿を拝める時が楽しみでならんな
522 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/24(金) 23:06:37.00 ID:iVu/jBdY0
>>519
死ぬ死ぬ詐欺だったらどれほど良かったか……

>>520
伊達さんは丁度いい
後藤バースの時間が少なくなったのが残念だけどまあ後藤さんの終着点はあの変身だからこれくらい引っ張ってもね
523 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/24(金) 23:15:07.10 ID:iVu/jBdY0
>>521
まああれだな
皆を導く年長の戦士的な役割
ピークは過ぎたけど経験でカバーみたいな
あと「人間を無礼るな!」担当
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/24(金) 23:38:59.51 ID:bd09L2Sho
なんか面白そうなスレを見つけた
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/24(金) 23:42:25.80 ID:oJXmio1Z0
>>524
ゆっくりしていってね!
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 23:56:51.33 ID:I8IiHv6SO
ゆっくりし    ね!
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage saga]:2011/06/25(土) 00:01:07.06 ID:lPefcfCKo
>>524
ありがとう!

>>526
勝手に殺さないでくださいお願いします><


とりあえず皆さまの反応を窺うために単発を用意してきたの



―この話は、とある少年のノートPC内に保存してあった日記の中身をほぼそのまま書き記したしたものである。


「「―2人はようやく本当の意味でのパートナーになれたのだ。」っと、この話ももう少しで完成だな。」

ノートPCのキーボードから指を離し、少し休憩をとる。長い事画面とにらめっこしていたせいか、視界が少し霞んでいた。

「しっかし、このスキルを身につけてからまだ1週間も経ってないのに結構書けるもんなんだな。本当の作家さんがうらやましいぜ。」

俺はつい最近「ネット上の神」の能力で「SS(所謂短編小説)書き」の技能を習得していた。

今書いている題材は「異能力化した都市伝説を駆使して色々な事件を乗り越える」といった「SFなのかファンタジーなのかよく分からない、だけどその曖昧さがまた面白い」という小説を書いていた。

ちなみにさっきまで書いていたシーンは「2人で1人の多重人格者の主人公の互いが互いを好きになる」という結構重要で盛り上がるシーンを書いていた。

「―っと、もうこんな時間か。早いとこ書きあげて寝るか。明日も学校だしな」

そう言って俺はキーボードに指を置き、文章を書き始める。


「「―ネックレス買っておきました。よかったら着けてみてください。」っと、だいぶ進んだな。」

俺は今、前に書いた話のスピンオフで「基本不幸体質の主人公が自らの能力で貯め込んだ幸福を他人の為に使う」という主人公本人があまり報われない小説を書いていた。

設定的には「多重人格者と不幸体質は従兄弟同士」という事にしてある。

「・・・ここまで話の構想が浮かんでくるのはいいんだが、正直眠い。でもまだ書けそうだしネタの構想が沢山ありすぎて書ききれない。」

もう少しだけ、もう少しだけ・・・といった感じで文章を継ぎ足しては書き直し、という作業を繰り返した結果、結構な量と時間を消費していた。『ライターズ・ハイ』を自分が体験するなんて1週間前は考えられなかった。

「ここ書いたらホントに寝よう。この時間まで起きてるのって正直キツイ・・・」

そう言って俺はまたキーボードに指を置き、文章を書き始める。


「・・・気づいたらもう夜明けで、それなのに文章の方は正直目も当てられないような・・・グスッ」

文章を継ぎ足し継ぎ足し書いていて書きあげたかと思ったら、今度は単発作品の構想まで練り始めてしまい、気がつけば外は日が出てきてしまっていた。

構想として出来上がったのは「記憶喪失の人形遣いが中が空洞の着ぐるみたちを引き連れて愉快なカーニバルをする」というような割とぶっ壊れた話や、「並行世界の自分を集めてただ駄弁っている」といった面白味に欠ける話まで出来上がる始末だ。

・・・深夜のテンションってとてつもなく恐ろしいものだというのがよく分かった。そして―

「もう・・・どうしようね、寝るに寝れない時間だしな。ああ、朝日が眩しいぜorz」

その後、学校の授業時間を睡眠時間に充てて教師に大目玉を食らうのはまた別のお話であった。

最後に付け加えておく、この話はあくまで『フィクション』として書いてある。だが実際はどうだか―それは誰も分からない。案外本当のお話だったりするk


文章はここで途切れてしまった。この少年に何が起こったのか、知りえる者は誰もいない・・・。
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/25(土) 00:08:58.04 ID:iA4syDvH0
って、あああああああああああああああ!? 貴方はもしやクローバーの人!?
お久しぶりです!
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/25(土) 00:16:39.53 ID:lPefcfCKo
>>528
選択肢から選ばせてもらえば

ニア  はい
    yes
    oui
    ja


結構ご無沙汰してました初めましての人初めまして
昔ちょろっと書いてました

覚えててくれた人がいるなんて・・・お兄さん感動しちゃうグスッ
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 00:21:00.85 ID:yva88xDZo
東京都の事件ファイル、また読める日が来る事を楽しみにしている
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/25(土) 00:47:02.89 ID:lPefcfCKo
>>530
やめてあれは今読み返すと顔から火吹きそうだからやめて

深夜のテンションって怖いんだよ・・・?魔物なんだよ・・・?
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 00:50:35.65 ID:yva88xDZo
そんな…ッ, 作者に黒歴史認定されてしまったのか…ッ
うッうおおおッ!!夕日の馬鹿野郎ッッ!!俺の青春を…ッ…月詠タン…ッ!!
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/25(土) 01:03:39.17 ID:lPefcfCKo
>>532
月詠「うん・・・なんか・・・ごめんなさい」ショボン
天照「でも私達は皆の心の中で生き続けるからっ・・・!!!」
建速「でもよぉ、俺等の事覚えてる人ってそういるわk「「黙れ!!!」」・・・ハイスミマセン」

534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 01:10:01.05 ID:yva88xDZo
いや…深夜のテンションでこっちこそごめんなさい…
月詠タンの勇姿は私の中で生き続けるのですね…
ふっふおおおああ!!……建速が掘られたシーンは衝撃的だったお
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/25(土) 01:17:43.59 ID:lPefcfCKo
>>534
あの時はテンションがマッハだったんでつい掘らせちゃったんだ☆

個人的な脳内妄想として月詠は某ルリルリをイメージしたとかしてないとか
イメージは各個人に任せますが
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 01:23:39.99 ID:yva88xDZo
そうだな…私も書こう早く…
データの何処に黒歴史テキストファイル置いたか
分からなくなってしまったけど…そんな事口が裂けても言えないけど…書くか…
537 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/25(土) 01:24:01.94 ID:SIphCC6d0
深夜1時半です
真夜中にしかやれない魔法少女ものの投下を始めます
538 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/25(土) 01:25:23.97 ID:SIphCC6d0
ってリロードしたら面白いことになってた!
おかえりなさい!
539 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/25(土) 01:29:00.59 ID:SIphCC6d0
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第五章「あたしってほんとバカ」〜】

「やってやるわ!」
「待てシルバームーン。」
「なによ?あんたも敵なんだからね!」
「そうじゃない、あの男は普通に攻撃しただけじゃダメージを与えられないんだよ。」

 妙なことになってしまった。
 私に霙を刺客として差し向けた謎の男の正体を探っていたところ、
 霙を敵として付け狙う赤い甲冑の男と、霙を操っているらしい白いスーツの男に出くわしてしまったのだ。
 赤い甲冑の男は霙を狙い、私は黒幕っぽい男を狙い、霙は黒幕っぽい男を守り、黒幕っぽい男は霙を守っている。
 とてつもなく訳の分からない状況だ。

「なにこれ?なんでおーいお茶のペットボトルなの?」
「教会でもらった聖水だ。魔法少女だかなんだか知らんが触れるくらい大丈夫だろう?」
「まあそれくらい大した問題じゃないわ。」

 一応目の前の男にかけてみる。
 うん、毒薬じゃないらしい。

「てめえ!」
「よそ見してていいのかクソガキども。」

 重たい金属音が鳴る。
 白いスーツの男はいつの間にやら片手に小型の銃を持っていた。
 撃つ気なのか。
 屋内であんなもの撃つ気なのか。

「半人半魔のてめえらには丁度いいくらいだ。
 霙、伏せてろ。」
「うっそ……!?」
「おい魔法少女、伏せてろ。」

 鎧の男が咄嗟に私の前に立つ。
 次の瞬間、鳴り響く銃声。
 大量の弾丸が男の赤い甲冑にぶつかっては跳ね返る。
 
「一、二、その銃はフルバーストなら三秒が限界だ。弾切れだぜ。
 まずはお前からだバカ親父!」

 銃声が止む。
 それと同時に赤い甲冑の男はスーツの男に再び跳びかかる。

「だからなんでお前はそうやって正直なんだろうかな?」

 赤い影が空中に浮かんだ瞬間を狙い、男の手に握られた銃が再び火を噴く。
 弾数を誤認させていたの?
540 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 01:30:45.24 ID:SIphCC6d0
「うぉお!?」

 貫通こそしていない物の強烈な衝撃を受けて空中で姿勢を崩す甲冑の男。
 私はその隙にペットボトルの中の聖水とやらを男に向けて浴びせかけようとする。
 液体による面の攻撃は回避がしづらい。
 これでどのみち防御のためにあの男には隙ができる。
 その隙に霙を連れて一旦逃げてしまえばこっちのものだ。
 私はその行動を先読みして霙の居る位置まで一瞬で辿りつけるように箒を発進させる。

「動きが丸分かりなんだよ。」
「ひゃん!?」

 男は開いた片手で咄嗟に霙の首根っこをつまみあげ、……霙を聖水から身を守るための盾にした!?
 
「ひ、ひどいです!」
「あとで新しい服買ってやるから許せ。」

 私の進行方向から霙の存在を消しつつ自分も致命的な攻撃は防いだ!?
 どんだけ戦い慣れているのよこの男!
 
「おいおい、屋内で乗り物にのるなよ。」

 あれ、いつの間に私こんな所に!?
 まだ壁までは十分距離が……

「壁にぶつかるぜ。」

 私は正面から壁に衝突してしまった。

「短い人生、そんなに急いで何処へ行く?」

 霙を優しく抱き抱えながら床に下ろす男。
 いちいち無駄に余裕を見せる態度が気に食わない。
 なぜだか知らないがこの男の一挙手一投足に腹が立って仕方ないのだ。

「とりあえず、あんたをぶちのめしてから考えてやる!」

 甲冑の男が背後からスーツの男に踵落としを放つ。
 
「やっちゃえ!やっちゃえ!」

 眼には確実にその踵落としが当たったように見えた。
 が、おかしい。
 床を砕く音しかしない。
541 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 01:33:03.57 ID:SIphCC6d0
「所詮、凡人だなあ我が子よ。」
「くそっ、離せ!」

 いつの間にか赤い甲冑の男は顔面を掴まれたまま片手でスーツの男に持ち上げられていた。

「今なら素直に謝れば許してやる。」
「嫌だ。」
「その独善を我がエゴで罰しよう。」

 再び気味の悪い機械音がする。
 甲冑の男は派手に吹き飛ばされて天井にめり込んだ後、死んだカエルのような姿で床に落ちてきた。

「ふん、他愛ない。」

 うわ、こっち見るな。

「今のはパイルバンカーって奴でね。
 最短距離最大威力の素敵な武器なんだ。
 まあ近代兵器で武装した人間と戦う機会なんてないだろうから驚くのも仕方ないか。」

 男が首をコキリと鳴らす。

「さあ、かかってこいよ。独善者B。」

 男が言い終わる前に箒に風をまとわせて男に殴りかかる。
 霙を庇いながらだというのにゆらりぬらりと捉えどころのない動きでまるで攻撃が当たらない。

「なんで霙に私を襲わせたのよ!」
「俺の好奇心。」
「なんで霙があなたみたいな悪いヤツの指示に従ってるのよ!」
「金で雇われてるんだ。これ以上は霙から聞いてくれ。」
「霙!あなたさっきみたいなことされて嫌じゃないの!?
 なにか困ってることがあるなら……」
「ごめん朔夜ちゃん、……こればかりは関わってこないで。
 今逃げれば所長も許してくれるから……。」
「逃げてと言われて逃げるなんてことしないわよ!
 助けてって言ってよ!友達じゃなかったの?」




 しばらくの間をおいた後、霙は堰を切ったようにしゃべり始めた。
542 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 01:33:32.09 ID:SIphCC6d0
「朔夜ちゃん、私、この人のことが好きなんだ。愛しちゃってるんだ。
 この人の側に居るだけで良いの、もう救われているの、だから邪魔しないで。
 朔夜ちゃんから見たら間違ってるし、悪だと思う。
 年上の、家庭を持っている人を好きになっているんだもん。
 でもね、この気持が悪だって言うなら私は悪で構わない。
 助けてなんて言わない。
 倒したいなら倒せばいい。
 私は今あなたの嫌いな悪人よ、そもそも悪人の両親から生まれてろくでもない生き方しかできなかった人間よ。
 知ってる?私の本当の両親って都市伝説使ってケチな商売してたら見つかって所長に始末されちゃったんだ。
 親無くして、その親が犯罪者だった子供の扱いなんてアナタにはきっと想像もつかないわよね。
 ええ、私なんて生まれながらに貴方に倒されるべき存在よ。弱いから悪でいることしかできなかった人間よ。
 あなたが正義を名乗るたびに、嫌じゃなかったけど、むしろあたたかい気持ちになれたけど、眩しかった。
 やっぱり悪にしかなれない人間(ワタシ)は正義を掲げる化物(アナタ)になれない。
 弱くても愚かでも醜くても人を犠牲にしてでも私は所長に助けてもらえる、愛してもらえる人間でいたい。
 拾ってくれた、人間として扱ってくれた、無償の愛をくれたこの人の為に生きていたいの。」

 

 何を言っているのか訳がわからない。



「所長は私にご飯つくってくれた、温かい布団とかベッドを用意してくれた、
 学校に行かせてくれた、塾の勉強まで教えてくれる。
 私みたいな人間に、これがどれだけ嬉しいことかきっと……。」
「それがどうした!」

 白いスーツの男の顔が意地悪そうに歪む。
 笑っているのか?
 笑っているのか?
 誰を?
 背中に硬い感触。
 私の背後にはいつの間にか赤い影が再び立っていた。

「だからなんだって言うんだよ!それとこれとは別だ!」
「そうよ、そうだとしても霙は間違ってるよ!」
「霙、俺から普通の家族を奪うな!」
「そうよね、明尊兄さんにはわからないんだわ。」



「普通、なあ。俺の一番嫌いな言葉だ。」



 男が低く艶やかな声をあげる。
543 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 01:33:57.47 ID:SIphCC6d0
「おいお前ら、何か勘違いしていないか。
 今、誰かの愛情を受けていることが普通のコトだと思っていないか?
 無償の愛情なんてもの、特別の中でも最たる物なんだ。
 お前ら幸せに生まれて幸せに生きてきた子供はそんなこと知らないんだろうけどさ。
 だから無償の愛情を踏みにじる。
 平気で、残酷に、踏みにじる。
 それがお前らが幸せな人間と呼ばれる理由なんだ。
 幸福な人間は平気で無償の愛を忘れる。
 幸福な人間は残酷な人間なんだ。
 霙は愛が無償じゃないことを知っているんだよ。
 それだけで、昔は悪魔と呼ばれた筈の俺は泣きそうになったね。
 この年で、明尊、お前よりも幼いこの年でだ。
 だからせめて俺だけは目の前のこの可哀想な子に何かしてやりたいと思ったんだ。」
「その結果がさっきのあれかよ。」
「彼女が望むならそうしよう。」
「哀れみは愛じゃない。」
「哀れみと愛は共存する。共存して最後は愛に塗りつぶされる。」
「こんなの絶対おかしいよ……。」
「まともな環境で生きてこられた人間の贅沢を押し付けるな。
 日曜朝の番組を見られない人間のほうが世の中多いんだぜ?」
「あんたは目の前に可哀想な人間がいたら救い続けるのかよ?
 そんなんじゃ何時か限界を迎えるだろうが、おかしいよあんたは。」
「一人で他人の生殺与奪を決めるなんて神様のつもりなの?楽しいの?」





「救えない未来がそこにあったとして、見過ごせない今を見過ごす理由にはならない。」




 一歩、また一歩男が歩いて来る。
 何故だろう、怖い。
 こんな怖い思いをしたことなんてなかった。
 なんでこんな悪の権化のような男がまるで正義の味方のような台詞を言っているの?
544 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 01:34:39.45 ID:SIphCC6d0
「おい、妻子ある身分で小学生に手を出した屑野郎にこんなこと言わせてどうする。」

 なんでこの男はここまでぶれないの?
 自らのやりたいと望んだことを押し通せるの?
 例えるなら意思だ。
 意思が人の皮をかぶって歩いてきている。

「ほら殴れよ、さっきみたく。正義の味方だろ?悪人はここにいる。
 お前らには殺されても俺は文句を言えない。
 やってもいいんだぜ?精一杯抵抗するけどな。
 俺が守るべきものを、俺みたいな男でも守らねばいけないものを、守らなくてはいけない。
 そのためならば俺は何処まででも悪になれる。
 間違ってようと狂ってようと誤っていようと終わっていようと。
 俺が俺であるために俺は俺の意思を以てお前らに敵対し、とびきり不幸だったこの娘を守る。
 お前らみたいに幸福な人間と違ってこの子を守れるのは俺だけだ。
 俺は半端な情けなんてかけないぞ。」
 
 体がすくんで動かない。
 もはや老いていくばかりにしか見えない男一人に何故ここまで恐怖しているの?

「俺は霙を愛している。そして母さんも愛している。友はまあ……愛しているとか言うとまた面倒になる関係なんだ。
 文句は無いだろう?」
「エゴだよそれは。文句しかない。」
「エゴだよこれは。嫌ならねじ伏せてみせろ。」
「でも……。」
「俺から見ればお前の行動こそエゴだよ。
 善人面して、正常面して、自分のエゴと大多数の人間のエゴをすり替えて、
 数の力で自分を支えて一丁前に反抗して。
 だからお前は脆くて軽くて弱いんだ。」
「ねえ霙……。」

 私は間違っていたというの?
 
「…………。」

 彼女は私の方を見ずに男の背中に隠れたままだった。
 私を見てはくれなかった。
 私を見てはくれなかった。
 霙の気持ちが私には良く分からない。
 分からない。
 助けたいのに、邪魔なのかな私。
 助けたいのに、邪魔なんだな私。
 もう助かっているものは助けられない。
 霙はもう助かっていたの?
 私が私の価値観を押し付けていたの?
 正義なんて調子にのって
 霙の心の傷口をえぐって
 それで友達づらして
 だとしたら
 そうだとしたら



「あたしって、ほんとバカ」


 
 只の正義感だけで人は救えないんだね。
 意識が真っ白に塗りつぶされていった。




 ごめんなさい
【不思議少女シルバームーン〜第四話 第五章「あたしって、ほんとバカ」〜】
545 :DCDのムッキーの名字 ◆oCLhKaWwz77k [sage]:2011/06/25(土) 01:36:37.29 ID:lPefcfCKo
ただいま帰れました
この酉も久々につけたよ
そして笛の人乙なのよ
546 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/25(土) 01:38:35.43 ID:SIphCC6d0
やっぱり上田を悪役にするだけでするする書けるぜ!
連載最初期から構想していたこのシーンをかけただけで満足です
正義の味方がバッキリ折れる瞬間を書きたくて書きたくてしょうがなかったのよほんと
誰に彼女の心を折らせようかってすげえ色々考えててさ
やっぱりここは正義の味方を心底憎んでいる男にやらせるしかないとおもったわけよ
こっから立ち直れるのかなこの子、日曜朝八時半の枠じゃあ絶対無理だよね!こんな話!
547 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/25(土) 01:40:07.04 ID:SIphCC6d0
せっかく蜘蛛の人が帰ってきたのに……眠気が限界とは……

そういえば蜘蛛とクローバーってそういうつながりだったのか
不覚にも今まで気づいてなかったぜ
548 :DCDムッキーの名字 ◆oCLhKaWwz77k [sage]:2011/06/25(土) 01:45:56.15 ID:lPefcfCKo
>>547
ごめん指摘されるまで俺も気付かなかったwwwwww
ていうかJaneのプレビューの酉と実際の酉が違っててびっくりした
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 01:47:00.15 ID:yva88xDZo
笛の人、乙です
この台詞も数か月ぶりに言った気がするや
やっぱり上田は冷たいコンクリの方がお似合いだ
550 : [sage]:2011/06/25(土) 02:42:47.20 ID:jrc19EUPo
(上の香具師、リアルでもやばい事やってそうだな)
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 04:36:13.31 ID:1ODRkdzV0
寝かさねえぞお前ら起きやがれ
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2011/06/25(土) 04:55:32.31 ID:aKhrGIZEo
ふむ
553 :シャドーマンの  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/06/25(土) 07:24:34.80 ID:iA4syDvH0
待てやああああああああ!!
巨乳ロリっ子を濡らしちゃらめええええええ!?
服が!服が表面張力で張り付いてボディラインと乳房の形がくっきりとうわあああああああああああああああああ!!!


変態でしょうか? いいえ、誰でも
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 07:48:19.36 ID:PAKL0QDDO
大丈夫
あいつも狙ってやってた
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 10:11:54.21 ID:Jj+W74ps0
なんか過去スレのまだ使われてなさそうな都市伝説みたいな感じで紹介されてた
家の前でそれにハンカチ振られると死ぬみたいなのって死の乙女であってるっけ
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/25(土) 10:44:46.65 ID:rR2E7+JP0
>>555
死の乙女だね
スラブ地方全域、ドイツ全域、イギリス南部の一部の伝承
ドレスとベールで盛装した豪華な花嫁の姿してる
ハンカチは赤い色で、彼女が訪れた家は必ずペストに襲われる
ハンカチを振る前に、必ず家の中の人に何をしているのか尋ねてくるので「神に祈っています」と答えれば何もせず去っていく
「寝ています」はダメ、絶対。「では、ずっと寝ていなさい」とハンカチふられるから
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 10:54:49.81 ID:wcAxM5ySO
休日にいつまでもダラダラと寝てたらダメ!
とお姉ちゃんぶって起こしにくるけど
神に祈ってるんすよぉ
って言い訳したらあっさり信じて帰っちゃう死の乙女萌え
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/25(土) 11:01:56.92 ID:rR2E7+JP0
>>557
ナイス萌え化wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

なお、戸口に手を差し込み、ハンカチを振ろうとした瞬間にその手を切り落とし、ハンカチを奪ったという話もある
その家の人間は死んだが、乙女は二度と現れなくなったそうだ
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/25(土) 11:14:48.75 ID:dEpWS2Ry0
笛の人乙ー
本当に上田は上田だな!
良いぞ、もっとやれ!!

後、明尊君に一言
親父が上田で、母親が都市伝説の時点で君に普通の家庭などありえない
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 22:16:07.78 ID:wcAxM5ySO
(・∀・)誰モイナイヨ
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/25(土) 22:20:03.55 ID:lPefcfCKo
誰かはいるよ
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/25(土) 22:21:42.50 ID:x1maCEj10
いるけど執筆に集中しててそれどころじゃないよ
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/25(土) 22:48:52.16 ID:yom8S9eEo
 突然だが、ぼくはおかしな都市伝説に気に入られている。
 その都市伝説の名は『雨男』。
 能力はその名の通り、雨を降らすこと。
 どんなにセクシーなお天気お姉さんが晴れの予報をしようとも、てるてる坊主をぶら下げて家族みんなでピクニックを楽しみにしようとも、必ず雨が降る。
 晴れてる日もあるじゃないかと言いたいだろうが、それは能力を発動させていなかっただけに過ぎない。

 さらに言うと、この能力をぼくは制御できていない。
 それもそのはず、ぼくは『雨男』と契約はしていないのだ。
 実体がない『雨男』とぼくは意思の疎通が取れていない。ただ一方的に気に入られ、一方的に能力を行使されている。

 いつ、どのタイミングで、『雨男』が能力を発動させようとしているのかが全然わからない。
 真夏だろうが真冬だろうがいついかなる時も、『雨男』は突然能力を発動させる。
 ま、能力を発動させると言えば聞こえはいいが、実際のところ雨を降らせるだけなのだが。

 だから学校帰りの今も。
 傘を持ってきていないというのに突如雨が降ってきた。
 ちなみに天気予報の降雨確率はゼロパーセント。
 勿論置き傘なんてあるわけがない。
 つまり、濡れて帰る羽目になったということだ。
 畜生、『雨男』の野郎め。会うことがあったらぶっ飛ばしてぎっちょんぎっちょんにしてやる。
 だから都市伝説なんて曖昧で不可解なものは大嫌いなんだ。

 ――と、雨降る外を見ながら内心で悪態をついていると、隣の席の子が一緒に入る? と誘ってくれた。

 雨の日も悪い日ばかりじゃなさそうだ。

 ありがとう、都市伝説。
 いつか会えたらマックでも奢ってやるよ。
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/25(土) 22:54:07.67 ID:yom8S9eEo
都市伝説とまったく戦っていないが許されるはず
565 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/25(土) 22:59:49.93 ID:SIphCC6d0
戦ってなくてもいいじゃない
最初に戦わなくてもおkって書いてるし!
という訳で今日も投下
先週えぐいくらい忙しかった代わりに今週は時間があるっていう
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/25(土) 23:00:56.89 ID:x1maCEj10
乙でしたー
やだ、雨男さんお気づかいの紳士
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/25(土) 23:01:54.14 ID:yom8S9eEo
さて、本当に雨男さんはいたのかどうか
もしかしたら彼は統合失調症なのかもしれません
568 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 23:10:03.23 ID:SIphCC6d0
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第一章「ネバーランドと箱入り息子」〜】

「っつー訳で、俺はその後ボッコボコにされて今に至るわけですよ。」
「その割には元気そうだよね明尊兄。」
「俺はほら、心が折れない限りダメージもすぐ回復するしな。
 非都市伝説攻撃じゃ都市伝説をなかなか傷つけられないだろ?」
「あー半分半分だからやっぱり丈夫なんだ。」
「うん。」
「それにしても遂に上田さんと霙ちゃんがねえ……。」
「くそっ、やっぱりあの二人そういう仲だったんだ……。」

 こんにちわ、赤い甲冑の男こと上田明尊です。
 知らない人向けに説明すると元連続殺人鬼にして今の学校町を陰ながら守る名探偵上田明也の第一子だったりします。
 親が碌でも無い人間ですが俺の場合はそれでも歪むこと無くそこそこ普通に生きていけてます。
 偏に俺の素晴らしい素質ゆえでしょう。
 今日は両親の友人で情報屋(探偵につき物だそうな)を営む新島友美さんの家に遊びに来ていました。
 ティーカップ片手に不敵な笑みを浮かべているのが友美さん。
 やたら俺にベタベタしているのがその娘の明ちゃん。
 般若のような顔で俺を睨んでいるのが息子の愛人くんです。
 友美さんは基本子育てしない人なので二人とも父の事務所やらで生活していることも多いです。
 俺は寄り付きませんよあんな事務所。
 たまに顔を出せば酷い目に遭うし。
 もっぱら祖父母の家で暮らしています。
 祖父は真面目な古武術家で、祖母は会社経営をしています。
 二人ともいい人で何故この二人から父のような男が生まれたのか分かりません。

「そこが分からないから所詮凡人とバカにされるんだよ。」
「どっちの台詞に言ったんですか。」
「なんのことだい?それよりもあれだぜ。」
「なんです?」
「やったね、明尊君、家族が増えるよ!!」
「ヤメテェェェェッ!!」
「明尊兄……。」

 こんな状況でも明だけは俺に同情してくれる。
 なんて可愛いやつなんだろう。
 どこの馬の骨とも知れぬあの女と違って本当に優しくて俺のことを考えてくれる。

「明……。」

 黒いガラス玉のようなつぶらな瞳が俺を見ている。
 神様ありがとう、この子は俺の数少ない心の癒し……
 
「私、妹がほしいな。」
「イヤァァァァァァァァァッ!!」
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/25(土) 23:10:41.47 ID:dEpWS2Ry0
乙です
戦わなくても許されるよ!
イチャついてるだけだったりするのもいるから許されるよ!!
570 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 23:11:18.01 ID:SIphCC6d0
「イヤーじゃ済まないよ、あの人仕込むときは確実に仕込むからね。」
「聞きたくない!可能なかぎり聞きたくない!父親の子作りの話とか聞きたくない!」
「おいおい明尊君だって思わぬ展開ではあったけどその過程で生まれたんだぜ。」
「思わぬ展開ってなんだよ!さらっと嫌な事実に触れられちゃったよ!」
「話せば長くなるがあの頃上田さんはそれはもうはっちゃけていてね、まさに全盛期だった。
 今の十倍は強かったね、人間強度が圧倒的だったもん。
 そんな頃の上田さんがまず契約能力を使えない状態で当時野良都市伝説だった茜さんに襲われて……」
「イヤアアアアアアアアアアアアアア!」

 おれはにげだした。
 ともみさんは0のけいけんちをえた。
 
「あー、待ってよー。」

 後ろから明がヒョコヒョコ付いてきた。
 
「二人とも夕飯までには帰ってきなさいよ。」
「今日は婆ちゃんの所で食べてきます!」
「あらそう。」

 仕方ないので俺は明を連れて祖父母の家に行くことにした。
 これ以上ここにいると確実に聞きたくないことまで聞かされる。
 ここからだと少し遠いので地下鉄に乗って行くとしよう。

「ほら明、地下鉄乗って行くぞ。」
「はーい。」

 俺も明も定期券を持っているので結構平気で地下鉄に乗る。
 定期が無いと高いので乗れないのだがそこら辺は普段遠距離通学しているのを幸運に思うべきか。
 休日の地下鉄は乗客も少なくてそこそこ快適である。
 明がやたら体を押し付けてくるがまあそれは気にしないことにしよう。
571 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 23:13:20.96 ID:SIphCC6d0
「これからおばあちゃんのところに行くの?」
「うん。」
「お祖母ちゃんってすごい優しいよね。」
「まあちょっと甘いけど良い人だよな。」
「お父さんもああやって甘やかされてたから悪い人になったのかな。」
「そんな気がする、前に親父の女癖の悪さについて叱るように頼んだんだよ。
 そしたらなんて言ったと思う?」
「さあ?」
「孫が増えると嬉しいわね、だってよ。」
「あはは、おばあちゃんらしいや。」
「あははじゃないってば……。」

 朗らかに笑う明。
 鈴のような笑い声、笑い事じゃない気がするんだけどな。
 あまり大きな声を出すと周りの人に迷惑……あれ?
 
 その時やっと俺は地下鉄内部の異変に気がついた。

「アナタが上田明尊さんですか?」

 そう、俺達と同じ車両に居たはずの人々がいつの間にか居なくなっていたのだ。

「無視?凹みますね。」
「怪しいやつね、凹んだんなら凸凸にしてやっても良いんだよ?」
「明、それを言うならボコボコだ。」

 その代わりにくせ毛で碧眼金髪の五、六歳くらいの少年が俺達の前に立っていた。
 こいつがこの異変の原因といったところか。
572 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 23:14:04.14 ID:SIphCC6d0
「それにしてもおかしいな、明尊さんだけを招いたつもりだったんだけど……。
 ああそうか、体が密着してたから一緒についてきちゃったのか。」
「貴様、他の乗客をどこにやった?」
「他の乗客?消えたのは他の乗客じゃなくてあなた方なんですよ?」
「ふぅん、そういうことか。ならばまあ焦る必要も無いか。
 名を名乗ってから話すなら、話も聞いてやろう」
「明尊兄、こんな奴相手にしちゃだめだよ。ぶん殴って捕まえておばあちゃんの所に引き渡そうよ。」
「偉大なる俺は他人の話を許可する程度には偉大なのだ。」
「また出たよ自信過剰モード。こっちの方が強いから安心だけど。」
「それはそれはありがとうございます。
 まず私の名前はジャック・ジョーカー。
 子供の子供による子供の為の世界を作る組織ネバーランドの一員です。」

 少年は恭しく頭をさげる。
 ふむ、まあ礼儀は分かっているようだな。

「今日偉大なる上田明尊様にお会いしに来たのは他でもありません、
 明尊さまには是非とも我々ネバーランドの同志に加わっていただきたく勧誘に参った次第です。」
「ネバーランド?前にお祖母様の開いたパーティーを邪魔した無粋な輩共じゃないか。」
「その節は大変失礼いたしました。」
「まったく、そんな奴らが何故俺を仲間に入れようとする?」
「それはアナタが我々と同じように大人を嫌っているからです。」
「……。」

 明の方をチラリと見る。
 なんかめっちゃ威嚇していた。

「アナタも大人がロクでもないものであることは分かっているはずだ。」

 正直言って否定はできない。
 父しかり、母しかり、ろくな人間ではない。
 まあ母の場合は精神年齢の低さが関わっている気もしないでもないが。
 しかしそれでもまともな人だっている。
 エーテルさんや祖父や……他には……あれ?

「永遠に子供で居られる国なんてあったら幸せだと思いませんか?
 大人になってしまえばどんどん心が汚くなっていく。」

 居ない。
 まともな大人が周りに居ない。
 まったく居ないとは言わないが絶望的に少ない。
573 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/25(土) 23:14:56.37 ID:SIphCC6d0
「貴方のところの霙さんでしたっけ?
 彼女だって昔は無邪気だったはずですよ。
 なのに今は……。」
「何故貴様がそれを知っている!?」
「さぁ?あれだけ派手に騒げば解っちゃうと思いますけど。」
「…………明尊兄、やっぱこいつ怪しいよ。」
「やれやれ、嫌われたものだ。」
「まあ確かに怪しいな。子供だけで国など作れるものか。」
「それなら簡単、都市伝説の力を使えば食料の供給も今よりずっと簡単にできる。」
「そんなことをすれば社会は大混乱に……」
「社会を混乱させるのは欲に目が眩んだ大人だ。」
「…………それを始末すれば子どもだけの国で皆幸せに過ごせると?」
「ええ、そう思います。」
「非現実的だな、却下だ。俺たちをさっさと元の空間に戻せ。」
「そうですか、それは残念。では今回は帰らせていただきます。」

 突如辺りに話し声が帰ってくる。
 空間操作系の都市伝説独特の“酔い”は感じられない。
 つまり……認識をいじって俺達と他の乗客とを互いに察知できなくしていただけか。
 
「貴方が本当に大人に絶望した時、大人を憎しみ始めた時、また会いに来ますよ。
 その時は是非一緒にネバーランドを作りましょう。」
「あっ待て!」
「妹さんの方も、大人が邪魔になったならいらしてください。
 きっとあなたとわたしたちの利害は一致する。」

 それだけ言ってジャックという少年は霧のように消え去ってしまった。
 車内アナウンスは俺達が降りるべき駅の名前を告げていた。
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第一章「ネバーランドと箱入り息子」〜】
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/25(土) 23:58:30.82 ID:iA4syDvH0
単発の人乙です〜
ふむ、面白いな「雨男」、ただ戦闘には使いにくいよなぁwww
ほのぼのも問題ないよ、『戦う』とは書いてるけど戦うばかりじゃ血が蒸発しちゃう(

笛の人乙です〜
おぉ、明尊くんもジャックと接触か!

> 非都市伝説攻撃じゃ都市伝説をなかなか傷つけられないだろ?」
まだ伝説を聞かされてなかったんだな
575 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/26(日) 00:02:33.24 ID:vsvVZjVG0
>>574
ヘルシング的に言うと人間力の問題なのよね
アンデルセンのパンチがモブの撃つ銃弾よりアーカードに刺さる理由みたいな
だから人間力のこもった弾丸なら明尊くんも傷つく
伝説相手だったら一瞬でぶち抜かれておしまいっていう
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/26(日) 00:28:14.26 ID:LfAfJnWt0
>>575
ヘルシング分からないけど大体分かったwww
要は「人間舐めんな!」的な力だと(違う?orz
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/26(日) 11:35:58.52 ID:vsvVZjVG0
だいたいそんなかんじだよ!
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 12:02:59.96 ID:CwiC5DnDO
寝る間際に降ってきた電波を忘れないよう、枕元の携帯にメモしてるのですが

清々しく紳士
「レッツ・ジェントル!」

これは一体どんな電波が降ってきたのでしょうか?
電波元は某賢い犬と思われますが、何を思ってこんな電波を受信したのやら
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/26(日) 12:07:04.38 ID:LfAfJnWt0
>>578
かっこよく気さくなジェントルマンを書けば良いのさ
全裸でwktkしてるからゆっくり構想なさってくださいな(
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 15:42:25.52 ID:CwiC5DnDO
清々しく紳士なサンジェルマン略してSSSを書けと申すか
先生、自分、あのキャラを動かせる気がしません
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 16:24:41.19 ID:mITFHw2DO
作者の名を以て許可します
さあやるんだ!!
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 17:23:00.95 ID:CwiC5DnDO
断言する!私にサンジェルマンは!無理だッ!!

というか、あの電波で自分が何をしたかったのかも思い出せないのにそこからネタを作ること自体無理です
無から有を生み出すなんて錬金術でも無理です
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/26(日) 17:31:44.31 ID:LfAfJnWt0
>>582
>無から有を生み出すなんて錬金術でも無理です
それが出来ちゃうのが書き物の素晴らしさじゃないですか
思い出すんじゃない、今自分がどんなジェントルマンを欲しているのか己の心に問いかけるんだ!

と、まだ半分睡眠状態のシャドーマンの人が申しております(
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/26(日) 19:44:20.42 ID:vsvVZjVG0
おいおい、無から有を生み出すのが錬金術の目的だぜ
男は度胸、何でも試してみるもんさ
585 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/26(日) 23:15:15.60 ID:vsvVZjVG0
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第二章「少年とはいてないおねえさん」〜】

「おっちゃーん、いつもの定食おねがー…………」
「あらいらっしゃい。」

 彼誰飯店、僕の行きつけの中華料理店だ。
 安くてうまくて早く飯が出るので塾に行く前によく食べに来ている。
 時々やっていなくて腹ペコのまま授業を受けたりするがまあそんなことはどうでもいい。
 そんなこと問題にならないレベルの異常事態が今ここで発生していたのだ。

「おっちゃん……じゃない、何時かの和服のお姉さん!?」
「うふふ、お久しぶりですね。
 店長は数日前に子供をかばってダンプカーにはねられて全身複雑骨折の上意識不明の重体から昨日回復したばかりなんですよ。
 しばらくは自分よりはるかに年下の美人看護師に付き添われて自宅療養ですね。
 だからその間は私がラーメン屋さんやってまーす。」
「酢豚は?」
「無理」
「回鍋肉」
「できるわけないじゃないですか」
「青椒肉絲」
「ごめんなさい♪」
「……なんてこったい。ちなみにお姉さん普段のお仕事は?」
「ダンプカーの運転手かな?」
「…………わーすごーい。」
「とまあそれはそうとしてこれメニューです。」
「あ、はぁ……じゃあこの味噌ラーメンで。」
「はいかしこまりました。」

 意外とお姉さんの手際は良くてあっという間にラーメンが目の前に出てくる。
 まずは礼儀としてスープだ。
 ふむ、濃厚な海鮮系の出汁か。時間をケチる為に仕込みに手間がかかる豚骨や鶏がらを避けたのか。
 確かに飲んでいる分には良いが麺と絡んでもこの味わいが出し続けられるか……。
 
586 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/26(日) 23:15:48.88 ID:vsvVZjVG0
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第二章「少年とはいてないおねえさん」〜】

「おっちゃーん、いつもの定食おねがー…………」
「あらいらっしゃい。」

 彼誰飯店、僕の行きつけの中華料理店だ。
 安くてうまくて早く飯が出るので塾に行く前によく食べに来ている。
 時々やっていなくて腹ペコのまま授業を受けたりするがまあそんなことはどうでもいい。
 そんなこと問題にならないレベルの異常事態が今ここで発生していたのだ。

「おっちゃん……じゃない、何時かの和服のお姉さん!?」
「うふふ、お久しぶりですね。
 店長は数日前に子供をかばってダンプカーにはねられて全身複雑骨折の上意識不明の重体から昨日回復したばかりなんですよ。
 しばらくは自分よりはるかに年下の美人看護師に付き添われて自宅療養ですね。
 だからその間は私がラーメン屋さんやってまーす。」
「酢豚は?」
「無理」
「回鍋肉」
「できるわけないじゃないですか」
「青椒肉絲」
「ごめんなさい♪」
「……なんてこったい。ちなみにお姉さん普段のお仕事は?」
「ダンプカーの運転手かな?」
「…………わーすごーい。」
「とまあそれはそうとしてこれメニューです。」
「あ、はぁ……じゃあこの味噌ラーメンで。」
「はいかしこまりました。」

 意外とお姉さんの手際は良くてあっという間にラーメンが目の前に出てくる。
 まずは礼儀としてスープだ。
 ふむ、濃厚な海鮮系の出汁か。時間をケチる為に仕込みに手間がかかる豚骨や鶏がらを避けたのか。
 確かに飲んでいる分には良いが麺と絡んでもこの味わいが出し続けられるか……。
 
587 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/26(日) 23:18:47.49 ID:vsvVZjVG0
「いかが?」

 麺を勢い良くすすする。
 卵を練りこんだ至って普通の麺、ムチムチプリプリしていて頬に吸いつき舌で弾む。
 噛むごとに絡んだスープの鮮烈な味わいが口腔内で迸っては消えていく。
 喉越しも最高、するりと喉の中を這って行き胃袋にしっかりと収まるこの感触。
 まさに比べる物はない。

「旨い!」
「あら良かった。」

 そのままチャーシューに突撃、細かく刻んだタイプだ。
 昨今主流の直火で徹底して炙るものではない。
 煮豚だ。
 角煮に近い食感。
 濃厚な海鮮スープに負けないしっかりとした味付け。
 若干甘めなところが塩辛くなりがちなラーメンにおいてアクセントになっている。
 もやしのジャキジャキした食感で柔らかめの麺にアクセントをつけているところも芸が細かい。

 しかし、一つだけわからない。

 海鮮スープと只の卵麺ではここまで調和はとれない。
 何かしらの隠し味が仕込まれている。
 それがわからないのだ。

「ふぅ……美味かったぜお姉さん。」
「ありがとうございます。」
「代金ここに置いておきますね。」
「はーい。」
「それじゃあ……と、その前に。」
「なんですか?」
「いや、このラーメン、あなたのオリジナルでは無いでしょう?
 おそらく誰かから指示されて貴方はそのとおりに作っただけ……。」
「……あら、分かります?」
「お姉さんの手からは食材の匂いがしない。
 日々最高の食材を探し求め扱う中でどうしても染み込む匂いがしないんだよ。
 普段貴方はあまり料理を作らない。」
「あらぁ言ってくれるじゃない。これでも私主婦なんですけど。」
「料理はあんまりしていないだろう。」
「……何故?」
「やっぱりそれも手ですよ。どんだけきれいな手してるんですか。」
「うぐぅっ!そ、それはうちの子が……!
 私料理つくると目に見えてテンション下がるから!
 正直……これで良いのかなって……グスッ
 でもあの人が家事とか全部やってくれるし……。
 だからつい普段のお仕事の方にばかりかまけちゃって……うわああああん!」
「ていうか子供居るんですか、何歳なんですかお姉さん。後泣かないでください。
 それに旦那さん誰ですか?まさかあの店長とかって……」
「え、いやそうですけど…………グスッ。あと年齢は聞かれると色々危ないんでやめてください。」

 おいおい意気揚々とおっちゃんにパンツの話しちゃったぞ俺。
 どうするんだよこれ。
588 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/26(日) 23:23:06.82 ID:vsvVZjVG0
「え、あ、ごめんなさい。」
「いえ、良いんです別に……。」
「あれ、そういえば今何時でしたっけ。」
「午後二時二十二分ですね。」
「ああー、じゃあもうそろそろ行かないと。」
「どこかに行くんですか?」
「ええ、近くの道場に行くことになっていまして。」
「ああーそっか。でも貴方は都市伝説の能力を持っていない筈じゃあ……。」
「ええ、だから持っている知り合い二人ほど誘ったんですけどね……。」
「何か有ったの?」
「一人はなんかここ数日体調崩しただかで学校休んでて。
 もう一人は親がダンプカーにはねられた姿をモロに見てトラウマになったらしく学校休んでいるみたいです。」
「まあ大変。」
「という訳で俺は今日は一人ですね。ではこんどこそさようなら。」
「ありがとうございました。」

 店を出て道場に向かう。
 約束の時間まではまだ少しだけ余裕がある。

「やあスバル!」
「…………またお前か。」

 幽霊のように路地裏から現れた少年。
 こいつは死んだはずなのだ、故に正しく幽霊の筈なのだ。

「どこに行くんだい?君の二人のガールフレンドのところ?
 少しやいちゃうなー、僕と君ってそれこそ友達以上恋人以上だと思ってたのに。」
「やめろ、俺は男といちゃつく趣味はない。」
「そっかー残念、せっかく良いお知らせを持ってきたのに。」
「なんだ?」
「これから一週間後、どこかで派手な事件でも起こそうと思う。
 それと同時に世間にネバーランドの存在を知らしめよう。
 同志も集まってきたしこの辺りが頃合いってことになったんだよね。
 で、ネバーランドのオープン記念には是非とも君という最上のゲストが欲しい。」
「俺にもう一度戦えって?」
「いや、契約者じゃない君にそんな無茶は言わない。
 僕はただ君の作戦立案能力を買っているんだ。」
「俺はもう嫌なんだよ、奪ったり奪われたりするのが。」
「おいおい、僕達から奪ったり奪われたり殺したり殺されたり燃やしたり燃やされたりを奪い取ったら何があるっていうんだよ。
 僕達はどうせ戦争の為のおもちゃなんだぜ?
 諦めるって君が言っていたじゃないか!」
「あれは間違っていた。生きる価値、奪ったり奪われたりする以外に生きる価値ってのは有ったんだ。
 奪うでなく与えられる、奪われるでなく与えることだってできる。」
「嘘だ!」

 そうだ、嘘だ。
589 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/26(日) 23:25:26.19 ID:vsvVZjVG0
「え、あ、ごめんなさい。」
「いえ、良いんです別に……。」
「あれ、そういえば今何時でしたっけ。」
「午後二時二十二分ですね。」
「ああー、じゃあもうそろそろ行かないと。」
「どこかに行くんですか?」
「ええ、近くの道場に行くことになっていまして。」
「ああーそっか。でも貴方は都市伝説の能力を持っていない筈じゃあ……。」
「ええ、だから持っている知り合い二人ほど誘ったんですけどね……。」
「何か有ったの?」
「一人はなんかここ数日体調崩しただかで学校休んでて。
 もう一人は親がダンプカーにはねられた姿をモロに見てトラウマになったらしく学校休んでいるみたいです。」
「まあ大変。」
「という訳で俺は今日は一人ですね。ではこんどこそさようなら。」
「ありがとうございました。」

 店を出て道場に向かう。
 約束の時間まではまだ少しだけ余裕がある。

「やあスバル!」
「…………またお前か。」

 幽霊のように路地裏から現れた少年。
 こいつは死んだはずなのだ、故に正しく幽霊の筈なのだ。

「どこに行くんだい?君の二人のガールフレンドのところ?
 少しやいちゃうなー、僕と君ってそれこそ友達以上恋人以上だと思ってたのに。」
「やめろ、俺は男といちゃつく趣味はない。」
「そっかー残念、せっかく良いお知らせを持ってきたのに。」
「なんだ?」
「これから一週間後、どこかで派手な事件でも起こそうと思う。
 それと同時に世間にネバーランドの存在を知らしめよう。
 同志も集まってきたしこの辺りが頃合いってことになったんだよね。
 で、ネバーランドのオープン記念には是非とも君という最上のゲストが欲しい。」
「俺にもう一度戦えって?」
「いや、契約者じゃない君にそんな無茶は言わない。
 僕はただ君の作戦立案能力を買っているんだ。」
「俺はもう嫌なんだよ、奪ったり奪われたりするのが。」
「おいおい、僕達から奪ったり奪われたり殺したり殺されたり燃やしたり燃やされたりを奪い取ったら何があるっていうんだよ。
 僕達はどうせ戦争の為のおもちゃなんだぜ?
 諦めるって君が言っていたじゃないか!」
「あれは間違っていた。生きる価値、奪ったり奪われたりする以外に生きる価値ってのは有ったんだ。
 奪うでなく与えられる、奪われるでなく与えることだってできる。」
「嘘だ!」

 そうだ、嘘だ。
590 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/26(日) 23:29:19.29 ID:vsvVZjVG0
「心からそんなおめでたいことを信じているなら!
 なんで君は、君のその冷たい瞳の色は変わっていないんだい?」

 でも、嘘でもそう言い続けていればそうなるような気がするから。
 確かに俺は自らを偽り続けている。
 正直に言えば俺はどうでもいい。
 すべてがどうでもいいんだ。
 人が死のうが生きようが。
 人を殺そうが殺されようが。
 すべてが等価値すべてが無価値。

「あの魔法少女と初めて出会った時、君は契約者を撃ち殺したね?
 君くらいクールな男だったら手足に銃弾を撃ちこんで誰も死なせずに逃げられた筈だ。
 そしてその後あの魔法少女にイケシャアシャアと『仕方がなかった。』と言ったそうじゃないか?」
「……なんで知ってる。」
「地獄耳なんだよ、同志の一人がね。
 その話を聞いたとき、僕は改めて君を誘おうと思ったんだ。」
「どうしてだ。」
「君はやるべきことに飢えている。
 誰かから命令されたがっている。
 そしてその過程でできれば人を殺したい、できれば戦いを始めたいと思っている。
 意識では思っていなくても刷り込まれた経験が君にそうさせる。
 ならば君は僕と共に世界を変えるべきだ。
 ただ一人の修羅として、ただ一人の悪魔として、ただ一人の英雄として。
 子供の心を代弁し、大人への憎しみを滾らせながら、全世界六十億にこの世界の規範を問い直す兵の一人となればいい!」

 知った事ではない。
 あえて言わせてもらえば大人ってのもそれほど捨てたものではないということだけか。
 だがまあ言っても詮なきこと。
 こいつの憎しみがそんな言葉で止まるわけもない。
591 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/26(日) 23:34:45.33 ID:vsvVZjVG0
「この際だ、思想なんてどうでもいいんだ。
 スバル、また君と戦いたい。
 戦場の中を走りまわりたい、昨日まで同じ飯を食った連中がゴミのように死ぬ中で君と僕だけは歩き続けるんだ!
 共に!常に共に!イイぞお、すごくイイ。
 何人も何人も死んで死んで死んでの大戦争。
 子供を戦争の道具にした人間ども、
 そんな人間どもを許す社会を作った人間ども、
 そんな人間どもが住まう社会、
 すべての悲劇の種を摘みとって全部ゼロにして、
 そこには君と僕が立っているんだ。
 それは一つのハッピーエンドで、君と僕でなくては描けない物語なんだ。
 これはきっっと君の義務だ。
 君の為すべきことだ。
 君と僕とその他大勢が奏でる戦争交響曲だ。
 指揮は君、作曲は僕、観客は世界。
 胸が高鳴るぞ、戦争だ。
 君ももう一度生きている実感を得られるだろう戦争だ!
 あんな情けない正義の味方の犬なんて君はもうする必要無いんだ!」
「……もうこうなっちまったら悪くないかもな。
 朔夜があんな状況である以上、俺もやることがないし。
 考えておくよ。」
「そうかい!それじゃあ良い返事を待っているよ!
 なにせ僕も忙しいからそろそろ皆のところに戻らないといけないんだ。」
「ああ、そうしてくれ。もどるにしても準備がしっかりしてないと作戦も立てられない。」
「そうだねそうだね!やる気になってくれたかうれしいよ!」

 そう言ってジャックは霧のように消え去ってしまった。
 そうだ、俺は行ったのだ。
 彼女が学校を休み始めてからすぐに。
 ちょうどこんな感じの晴れた日に。
 彼女の家に。
 そこであった彼女は変わり果てていた。
 彼女は正義の味方なんてもうやらないと言っていた。

「といってもまあ俺のやることは変わらないんだけどね。」

 今日、俺はおっちゃんと約束したとおり道場に向かう。
 今日、俺にはやるべきことがある。
 明日から俺がやるべきことは……なんだろう。
 宿題やって、学校行って、クラスメートとたわいない世間話。
 それだけか。
 やることが欲しい。
 確かに俺は命令されたくてしょうがない人間だ。
 朔夜が居なくなってしまった今、素直にまた生きてても死んでても一緒の無味乾燥な生き方に戻るのは……
 正直、少しだけ嫌だ。
 ジャックのところにいって、また戦争の犬になるのもいいかも知れない。

「でもさ……。」

 でも、俺は少しだけ親友であるあいつが許せなかった。

「朔夜は、情けない正義の味方なんかじゃないよ。
 あいつは……、あいつは……。」

 会ってまだ三ヶ月も経ってないのに、なんで俺は彼女のことでこんなムキになっているのだ。
 全てのことをどうでも良いと思っていたのに。
 なのに何故俺はほんの少しだけであってもジャックの言葉に怒りを覚えているのだろう?
 口をついて出る言葉が風に吸い込まれて儚く消えていくのと対照的に、
 俺の中の蟠りは黒くよどんで消えようとはしなかった。
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第二章「少年とはいてないおねえさん」〜】
592 :影の [sage saga]:2011/06/27(月) 00:04:57.83 ID:+IqbyrB20
乙です〜
あれだな、ジャックがトリックスター的な立ち位置になってきたな
良い感じに悪悪してるぜ愛してる(
しかしギャグからのシリアスへの運び方がもう流石としか・・・
593 :影の [sage saga]:2011/06/27(月) 00:06:53.95 ID:+IqbyrB20
乙です〜
あれだな、ジャックがトリックスター的な立ち位置になってきたな
良い感じに悪悪してるぜ愛してる(
しかしギャグからのシリアスへの運び方がもう流石としか・・・
594 :影の [sage saga]:2011/06/27(月) 00:07:51.52 ID:+IqbyrB20
乙です〜
あれだな、ジャックがトリックスター的な立ち位置になってきたな
良い感じに悪悪してるぜ愛してる(
しかしギャグからのシリアスへの運び方がもう流石としか・・・
595 :影の [sage saga]:2011/06/27(月) 08:21:21.01 ID:+IqbyrB20
あれ?昨夜見た時は連投されてなかったのになぁ…
SS速報おそるべし
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 10:46:44.13 ID:f9Y2Uq6DO
投下で二回もニルェンダしてるなんて気づかなかった
恥ずかしい…
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 12:18:06.15 ID:32y99eEDO
SS速報ちゃんは扱いが難しいなぁ
それに比べて避難所ちゃんマジ従順。しかも健気で献身的
よくできた妹キャラだと思います
598 :影の [sage]:2011/06/27(月) 12:21:54.92 ID:3xnM/BdAO
妹とか言わないで
バイト中なのにイク(
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 12:59:35.02 ID:f9Y2Uq6DO
従順な妹も良いけど気難しい転校生の攻略も楽しい
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 13:04:30.45 ID:Ek/jls4SO
目を離すとすぐいなくなる幼なじみは過去の女
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 14:28:26.58 ID:32y99eEDO
・おっとりお嬢
・元気っ娘
・ツリ目少女

どの転校生も捨てがたいな
転校生が実は特別な力を持ってて……とか王道よね
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 14:48:00.05 ID:nUuyB91qo
まとめちゃんと速報ちゃんと避難所ちゃんが主人公クンを取り合いながら
イチャイチャする四角関係(死語)の薄い本の製作はまだですか
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 18:51:25.31 ID:xvqnaYKZ0
俺の契約した都市伝説は『河童の川流れ』!あんたが得意なものほど失敗しやすくなる!

っていう電波拾ったんだけど良く考えたら河童の川流れはただのことわざだった
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/27(月) 19:29:08.18 ID:9XwjwKC90
>>603
ことわざ契約者もすでにいるので大丈夫だ、問題ない
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/27(月) 19:30:14.19 ID:twsxEHzJo
>>603
河童と契約しちゃえばいいんじゃね?
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/27(月) 21:01:36.55 ID:f9Y2Uq6DO
>>601
シルバームーン「呼んだ?」

おっとりじゃないけどお嬢さまだよ!!
しかもつり目で元気っこ…だったのに
607 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/28(火) 00:20:02.04 ID:/Db8AiVM0
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第三章「魔法少女と道化師」〜】

 夢を見ていた。
 まだ幼い頃、何度か父にあった時の夢。
 記憶が曖昧で顔をハッキリ覚えていないのだけれども、
 手のひらからは良い香りがしていて、抱っこしてもらった時にそれに気づいたことを覚えている。
 母もその頃はまだ結構家に居ることが多くて、結構楽しく毎日生きていられた気がする。
 何時ごろからだったんだろう。
 母があまり家に帰って来なくなったのは。
 父に会う機会がとんと無くなってしまったのは。
 そんな寂しさを埋めるように私はテレビアニメのヒーローに憧れるようになっていた。
 人々に望まれ求められる彼らは寂しさとは無縁の存在に見えたから。
 誰からも愛されて望まれて、それだけ目立ったらお父さんにまた会えるかも知れないと思った。
 お母さんがたくさん帰ってきてくれるようになるかもしれないと思った。
 けど駄目だったんだ。
 私は、私は友達一人救えなかった。
 いや違う。
 友達に私の自分勝手な正義を押し付けていた。
 私は最低だ。
 私は最低だ。
 私は最低だ。
 私は最低だ。
 私は本当に馬鹿だ。
 都市伝説の力で戦っているうちに私は自分を正義の味方だって思っていたんだ。
 いつも自分の思う正義を他人にぶつけて……
 それって、それってなんて……
 私は自分がこんなに嫌なやつだったなんて知らなかった。
 もう嫌だ。
 何もかもが嫌だ。
 全部全部……、人間って怖い。

『救えない未来がそこにあったとして、見過ごせない今を見過ごす理由にはならない。』

 あの声だ。
 あの男の声だ。
 人類の邪悪の極致とも言うべきあの男の声だ。
 幾千幾万の人外を葬り続けてきた最強最悪の生物種【人間】の悪意だ。
 コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ
 
「いやああああああああああああああああああああああ!」

 恐怖と共にベッドから跳ね起きる。
 何故ベッドに居るんだろう?
 さっきまであの男と戦っていて……私は気絶して……。
608 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/28(火) 00:20:30.63 ID:/Db8AiVM0
「ヨツバ様!サクヤ様が眼をお覚ましになりました!」
「おや、眼を覚ましたかい。」
「おばあちゃま、バットン、なんで、私は……ここに?」
「気絶して倒れているところを運び込まれたのよ。
 貴方のお父さんが間一髪で貴方を助けたって言っていたわよ?」
「お父様が来ていたの!?」
「忙しいからすぐに帰っちゃったけどね。」
「会いたかったのに……。」
「薄情な男でございます、お嬢様はあんな男のことお忘れなさいませ。」
「あなた、あの人を駄人間呼ばわりした挙句『アニメ化した時に声がかぶりそうなんだよ死ね!』って締め上げられてたわよね。」
「さ、さてなんのことやら……。」
「ところで朔夜、貴方おばあちゃまに何か言うことはない?」
「…………ごめんなさい。」
「未熟な力で一人で行動して、挙句の果てに負けて誰かに助けられて帰ってくるなんて。
 魔女の誇りというものはないのですか?」
「ごめんなさい。」
「分かれば宜しい。今後しばらく……」
「ねえおばあちゃま。」
「なに?」
「私もう誰かを助けるのはやめるよ。」
「…………まあ。」
「それで真面目に勉強して立派な魔女になって魔法の研究もいっぱいするね。」
「それはうれしいけど……。」
「もう疲れたよ、人が人を救うなんて、助けるなんて無理だよ。
 守るのだって運任せ、守れたとしてもそれがよく働くかなんて分からない。
 なにをしたって恨みは生まれる。
 私だって解っているんだよ。解っていたんだよ。
 だからもう、オシマイ。」
「朔夜……。」
「お嬢様……。」
「なんか疲れちゃった。少し一人にさせて……。」
「え、ええ……。」
「承知いたしました……。」
 
 お腹の奥のほうが鉛でも飲んだように重い。
 少し眠ろう。
 闇の底に沈んでいきたい。

609 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/28(火) 00:21:30.30 ID:/Db8AiVM0
 所変わってとある古城の薄暗い部屋の中。

「という訳で作戦の進行状況はどうなのかな?」

 椅子に腰掛けるグラマラスな体をしたメガネの女性の膝の上に伸び伸びと座る少年。
 円卓を囲んで沢山の人々がそこには座っていた。

「完璧だよジャックくん、今すぐにでもモスクワは掌握できるだろう。」
「さすがドク、『原子力発電所周囲の巨大生物』かい?」
「ああ、僕の故郷で生まれた都市伝説で僕の故郷を征服する。
 素晴らしいとは思わないかい?
 しかも僕の祖父母を故郷から追い出した原子力発電所を人質にとりながらそれは行われるんだ。」
「最高だ、素晴らしい戦争、否、虐殺になりそうだね。」
「あら、私は反対ですわ。」
「なんでだよ“お姉ちゃん”」
「環境に悪いんですもの。大人を全員殺して文明を崩壊させるのは良いけど環境が破壊されるんなら意味はないわ。
 人間は紛う方無き地球の癌だけどその排除の為に地球を殺しちゃ意味が無い。」
「そうだったね。」

 不機嫌そうなその女性の胸を枕がわりにしてゆったりと腰掛ける少年。
 ジャック・ジョーカー、世間一般的にはテロリストと呼ばれる類の人間だ。
 彼が先程から枕がわりにしている女性の名前は紅瀬緑。
 若干二十一歳にして国際指名手配中の過激派の環境保護主義者である。
 
「おいおい、じゃあ僕の原発使った作戦は?」
「代わりに火力発電所とかにしていっきにライフライン破壊して回る作戦ならいいわよ。
 火力発電所なら私は何も言わないわ。」
「なんとか言ってくれよジャックぅ〜!」
「無理だね、“お姉ちゃん”怒らせるとこわいもん。」
「解ったよ解りましたよ、じゃあ原発への攻撃はやめまーす。」
「それでよろしい。」
「サンタさん、アメリカは?」

 ヒゲを蓄えた初老の男が億劫そうに書類を取り出してジャックに報告を開始する。
610 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/28(火) 00:22:40.41 ID:/Db8AiVM0
「まず、アメリカ政府の妨害が激しい。」
「うーん、人員増やしたほうが良い?」
「人数増やしても仕方が無いからな。
 むしろ精鋭を一人くれ。
 そうだな……戦闘力の高いものが良い。
 隠密行動などの必要性は無いからとにかく暴力で政府の奴らをねじ伏せられる駒が必要だ。」
「解った、めぼしい人たちにスカウトかけてるから少し待ってね。」
「ルル=ベル、南極に埋まっていた“アレ”の発掘は終わったの?」

 中学生くらいの、人形のような容姿の少女が立ち上がる。
 彼女の存在は一癖二癖もありそうなこの円卓のメンバーの中でも浮いていた。

「おわったよー、私の探知能力にかかれば楽勝だったね。」
「それは幸い。」
「ナチスの南極支部とかち合いそうになってビビったけどね。」
「おいおいやめてくれよ。そうなったら本当に僕達の計画はオシマイだ。」
「解ってるよー。私の探知能力と隠蔽能力ならなーんでも隠して探せるから安心して。」
「とりあえず皆計画は順調に進んでいるみたいなのね。」
「安心したね。」
「まあ仕事はしないと胸をはって同志とは名乗れないからね。」
「そうだ、今日は新しい同志を紹介するよ。」
「ほう、タイプは?」
「がっつくねえサンタさん。
 近接戦闘特化、一人で戦車百台分じゃあないかな?」
「是非欲しい。」
「解った、じゃあ君と一緒に仕事できるように頼んでみるよ。
 “真紅戦車(シンクタンク)”入ってきて。」

 扉が開いて部屋に真っ赤な装甲を纏った男が入ってくる。

「…………。」
「無口ね。」
「顔も見えないし。」

 男の無愛想な様子を見て口々にヒソヒソ話を始める円卓の人々。
 男はゆっくりと口を開いた。
611 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/28(火) 00:25:01.44 ID:/Db8AiVM0
「探知能力持ちってのは誰だ。」
「喋った!」
「会話くらいできるに決まっている。」
「君の調査を依頼した子かい、それならそこのルルちゃんだよ。」
「つまり貴様の言っていた地獄耳って言うのはその女のことか。」
「うん。」

 次の瞬間、目にも留まらぬ速さで甲冑の男の拳がルルの前に突きつけられる。
 しかしそれと同時に甲冑の男に中華剣を突きつける男がいつの間にか円卓の上に立っていた。
 細い目、にやついた口元、得体のしれない雰囲気がただよっている。

「鳥人(ライディーン)、机の上に立たないでよ。」
「初対面の相手に殴りかかるというのはあまりに紳士的でないと思われたのでついネ。」
「ライディーンとやら安心しろ、俺は基本的に女は殴らない主義だ。」

 甲冑の男は拳を円卓に叩きつける。

「だが次に偉大なるこの俺の家を勝手に覗いたら貴様の両目をえぐりとってやる。
 その約束で偉大なる俺はここに来たんだ。いいな。」
「それっていつのことー?」
「…………?」
「ああ、ルルちゃんは頭のビョーキで記憶が三日しか続かないの。」
「それを先に言え、これでは偉大なる俺がまるで道化だ。
 とはいえ道化を務めるのも天に立つ物として当然のサービスか。
 まあ良い、それならばそのことについてはもう言うまい。」
「なんだかんだでお優しいんだネ、その子にプライベート暴かれ続けて自殺に追い込まれた人も居るんだヨ?」 
「偉大なる俺は女子供には優しいのだ。」
「さて、ライディーンもシンクタンクも揃ったところで再び会議を始めようか。
 君たちは僕の能力で得た下僕ではない。
 僕の誠意に応じてくれた同志だ。
 僕達のそれぞれの理想の実現のために今は手を取り合い、互いに力を尽くそうじゃないか。」

 全員が静かに頷く。

「それじゃあ会議の前にまずは飲もう。」
「同志の殆んどが未成年と聞いたが?」
「ええ、だから牛乳よ。」
「えええぇ……。」
「不服そうね、カルピスも有るわ。」
「僕カルピスー。」
「ドクはいつもカルピスだもんね。」
「わたしの!わたしの!」
「ルルちゃんはオレンジジュースだもんね。」
「うん!」
「待て、ここは飲み物くらい偉大なる俺が運んでこよう。
 ここでは新参だからそれくらいはやらねばな。」
「シンクはなかなか気がきくね。
 じゃあルルちゃんも一緒に手伝ってあげて。」
「はーい!」

 ジャックとルルを除いた全員がひきつった表情をしていたのは言うまでもない。
 しかしその後甲冑の男は甲冑を脱がないままでそこそここの濃いメンバーに馴染んでいたのだった。
 かくして学校町に、否、世界に彼らの魔手は伸びる。
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第三章「魔法少女と道化師」〜】
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 00:48:48.08 ID:TVTj9GhLo
乙です笛の人
カタルシスまであとどれくらいか
序盤のジワジワ感がすごいすごい
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 00:54:38.42 ID:TVTj9GhLo
しかし600スレか速いもんだ
単発の人を皮きりに笛の人とソニータイマーの人が張り切ったお陰か
614 :ハリボテ [sage]:2011/06/28(火) 02:34:42.79 ID:yIjT828AO
昔聞いた噂なんだがな…この町には秘密結社とか言うのが地下に有ったらしいんだよ…しかもな只の秘密結社じゃないだぜ「悪の怪人組織」さ!
あ、いやポカーンとするのは分かるが引かないでくれ微妙に傷付く…えーとだな簡単に言うと「人間とバッタを合体させてみようぜ〜」とか「我らが地球を征服する!」とかしようとしている非現実的な組織の事だ。
うわっ…お前嘘くせーなコイツみたいな顔をすんなよな確かに人面犬とか分かりやすい噂よりは信憑性薄いさ…ローカルな都市伝説だしな
だが今から俺が話す事は真実だ…何てったって俺の体験談だからな…聞き逃すなよ?
怪人さんや偉そうで小さい首領様とひた向きに従う戦闘員達が過剰すぎる正義を振りかざすヒーローと戦ったりまったりと暮らすそんな事に巻き込まれた…憑かれた俺の疲れるお話を…。
(続く…のか?)

(凄い昔に聞いた「地下で謎の組織が怪人を作ってる」なんて餓鬼っぽい噂で考えてた小説なんだが力尽きて考えるの諦めてた…また考えてみようかな。)
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 07:36:03.96 ID:9lXWbrCDO
ヒーローものが好きな笛の人としては是非やってほしいです



余談
あの悪の組織はジャックの能力でグール化した一般兵と
ジャックがスカウトした同志の皆さまで形成されております
アキタカくんにはルルちゃんルートが開通しました
これで三つだね!!
サクヤちゃんの復活はギリギリまでかかるから舞っててね
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 08:57:32.60 ID:9lXWbrCDO
スバルくんとレンジちゃんの濃厚な絡みを書いたあと
某特撮のVシネマ見たら頑張ってそれのパクりを書く
ネバーランドの面々の能力解説や掘り下げにちょうどいいからね!!
サクヤちゃんおいてけぼりでしばらく話は進めるんだ…
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 12:29:22.58 ID:LwyhiwbDO
主人公が一旦フェードアウトか……ペロッ、これは覚醒復活フラグ!

悪悪しい悪に期待しております
618 :影の [sage saga]:2011/06/28(火) 22:39:47.53 ID:ZOCRN/Jw0
うぎゃあ今気づいた笛の人乙です!
ルルちゃんかぁいい抱きしめたい、明尊は吉静ちゃんとこに行ってろよ!(殴られました
朔夜ちゃん復帰は暫くかかるのか・・・あれだな、初代ビーファイター思い出すなぁ

>>614
これは続くべきそうすべき
悪の組織ヒャッホウ!!(どっちに期待してるんだ
619 :影の [sage saga]:2011/06/28(火) 22:41:55.96 ID:ZOCRN/Jw0
うぎゃあ今気づいた笛の人乙です!
ルルちゃんかぁいい抱きしめたい、明尊は吉静ちゃんとこに行ってろよ!(殴られました
朔夜ちゃん復帰は暫くかかるのか・・・あれだな、初代ビーファイター思い出すなぁ

>>614
これは続くべきそうすべき
悪の組織ヒャッホウ!!(どっちに期待してるんだ
620 :影の [sage saga]:2011/06/28(火) 22:47:33.03 ID:ZOCRN/Jw0
う〜ん、また連投か・・・どうなってんだ?
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 23:49:20.52 ID:RQHXUGYUo
むぅ、連投が怖い

【質問】
このスレでキャラを作るとき、何を基にしてる?

1.使う都市伝説を決めてから、能力その他を設定
2.やりたい能力にあわせて、都市伝説をあてがう
3.キャラクター像を決めて、それに見合う都市伝説をあてる

ぱっと思いついたのがこんな感じだけど他にもあれば聞きたい
私は単発多めなのでほとんど1で構想してるけれど、連載バリバリ書いてる方は2や3の方が多いのかしら?
622 :影の [sage saga]:2011/06/28(火) 23:59:09.77 ID:ZOCRN/Jw0
>>621
俺は、書きたいストーリーを考えてから都市伝説→キャラクターってのが1回
『邪気殺し』がそうなんだけど
まぁこの場合だと2の派生みたいな感じかなぁ

裂邪のキャラは、度々言ってる通り俺の性格を97%盛り込んでる訳だけど
都市伝説は適当に決めたものだったり
「シャドーマン」を最初に発見し、ヒロイン確保に「シャボン玉」、
マスコット欲しさに「獏」を起用したところで俺の好きな言葉だった『夢幻泡影』の4分の3を満たす事に気づき、
それを理由に「鬼火」を登場・・・それ以降は関係なくなってきたけど
『テーマ』を決めてからってのもあるっちゃあるのかな
623 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/29(水) 00:13:11.95 ID:zANgPdbV0
雑魚敵とかは1、2
メインキャラは2、3
能力も含めてキャラクターだからね
という訳で今日も短めの投下
某スレで馬鹿な暗黒界レシピ晒してて時間食ってしまった
624 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/29(水) 00:14:31.95 ID:zANgPdbV0
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第四章「少年と正義の味方の味方」〜】

「…………。」
「…………。」

 きまずい。
 今僕はおっちゃんに教えられた八極拳の道場に来ている。
 本来は朔夜や霙を誘う予定だったのだが僕の知らないところで色々あったとのことで来られなくなってしまった。
 おっちゃんの話によれば道場の先生である明日恋路さんは僕と似たような境遇にあったとのことで、
 なにやら色々と参考になる話を聞けるだろうと言っていた。
 だが
 話してみると僕と彼女は予想をはるかに超えるレベルで経歴が似通っていた。
 ていうか時代はちがえど同じ戦場で同じ軍で働かされていた。
 同病相哀れむってレベルじゃない。同病相乗大発作みたいな。
 なんとなくお互いの嫌な思い出を刺激されあって話しづらい。

「あの、さ……。」

 とはいえそこは大人である。
 恋路さんの方が先に口を開いた。

「私は君に謝らなくてはいけないことがあってね……。」
「い、いえお互い被害者ですし、ほらそそそ、それより……。」
「うん、いやね。私のおぼろげーな記憶が正しければその戦争を始めたのが私の……。」
「私の?」
「私の大伯父さんに当たる人でだね……。」
「てことは良い生活してたんじゃないですかあの国だと。」
「うん、まあそのなんだ……私妾の子だったから。」
「なんか……すいません。」
「いや構わない構わない!気にしてないし!
 むしろ今は大切な人と平穏な暮らしができているし!
 なんだかんだ有ったけど全て今の日常の為だと思ったら納得出来る分幸せだよ!?
 いやそこはほら、アスマには言えなくて悩んだこともあったけどそこらへんはさ!」

 来た!共通の知り合い!
 これでこの気まずいトークから抜けられる!

「け、刑事さんって昔からあんなんだったんですか!?
 すすすす、すごいですよねあの人ー!
 正義感の塊って言うか!」
「そ、そそおういえば知り合いだったんだよね!
 笛吹さんの店の行きつけだったんだっけ!?」
「は、はいそうなんですよ!」
「そそっそうだ!お二人はどうやって知り合ったんですか!?」
「うん、笛吹さんに友達を殺されて自分も殺されそうだったアスマが都市伝説に飲まれて記憶を失った私と擬似的な契約を……」

 うわ重い!?
 予想をはるかに上回る重たさだった!?
625 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/29(水) 00:15:18.79 ID:zANgPdbV0
「あの頃の笛吹さんは間違いなく全盛期だった。
 今でこそ老いが隠せないがあの頃の彼は冗談じゃなく世界を敵に回して戦えた。
 不意打ちで腕焼かなかったら私たちも殺されてたかも。」
「な、何があったんですか……。」
「うん、私たちの居た建物にゾンビが大量発生してね。」
「え、じゃあ……。」
「うん、君も私と同じ訓練を受けているなら知っているよね?」
「そうなんだよ……彼が他に犯した罪を完全に無視してあの時あの場においてはねえ……。」
「ええ、そうですね。

「「少数精鋭による皆殺しは正しい対処法だ。」」

「イタズラな兵力投入は感染者を増やす。」
「あの手の汚れ仕事には人間の姿をしていようが平気で原型なくすまで殺せる鋼の精神の所持が欠かせない。」
「感染直後は理性を保ってて無事なふりしておいて周囲の人間を襲い、
 後から感染者が爆発的に増える事例もある。」
「そのような事態の防止の為には少なくとも一般人は全滅させ、耐性のある契約者も容態の観察は必須。」
「まあそうは言っても生存者はできるだけ保護するのが今の時代だけどねー。」
「ですよねー。」

 とまあそこまで言い終わってお互い自己嫌悪に陥る。

「平然とこうやって話せる自分って嫌にならない?」
「嫌と思う感情も実は擦り切れています。0ではないけど。
 嫌と思うよりもなんていうか……笑えてきますね。」
「私よりきついね。」
「だって恋路さんなんだかんだ言って扱い良いじゃないですか。
 俺たち使い捨てでしたからね?恋路さんみたいな高級品じゃないですしー。」
「あーそうだ君の友達のジャック君だっけ……。
 彼はきっとあれだよ、私に使われていた技術を進歩させたものが使われてる。」
「マジっすか。」
「うん、人間兵器の完成はあの人のうけていた依頼だからね。」
「どこから?」
「私なんかが知るわけないじゃん。親族だし裏切らないからって理由だけで運用されてたんだし。」
「ほんっと、正義の味方にも倒せない巨悪が多すぎますね。」
「うん。」

 溜息をつく。
626 : ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/06/29(水) 00:16:36.37 ID:zANgPdbV0
「でも私は絶望していない。」
「なんで?」
「どんな巨悪にも倒せない正義の味方が沢山居るから。」
「なるほど、そう捉えられますか。」
「そういえば君も今正義の味方のサポート役してるんだって?」
「最近、『私に人なんて救えない』とか言い出して引きこもってますけどね。」
「『私に人なんて救えない』ねえ……。ああおこがましい。
 どうして正義を語る子供はいつも小難しい理屈を並べたがるかね。
 おしなべてそういう子供は馬鹿だからそんな理屈に振り回されて要らん事考えるのに。」

 恋路さんはクククと笑う。

「救えなかったとしても、救おうとした気持ちは残る。
 失敗してもそこから学んで次に続ければどこかで誰かをきっと守れる。
 傷つけても傷つけられても、愚直に、只必死に目の前の危機から誰かを守る。
 それだけでいいんじゃ無いかな。救おうとしなくて良いんだ。人間ってのは勝手に救われるもんだよ。」

 そういう人たちの眩しい姿を見ながらね。
 と言って恋路さんは笑った。
 僕も何時かああやって笑える日が来るようになるんだろうか。
 でもそんな日が来たら素敵だなって、僕は心からそう思った。
 そう、思えた。

「だから頑張れ、正義の味方の味方。あいつらがきつい時に支えられるのはあんただけだぞ。」
「できるだけはやってみますよ。」

 その為に、僕は僕にしかできないことを始めよう。

【不思議少女シルバームーン〜第五話 第四章「少年と正義の味方の味方」〜】
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 00:18:25.47 ID:5i+RPUXSO
自分はキャラかシーンかセリフを思いついて、都市伝説をあてがう
そのせいで、過去の単発の中には
これ、都市伝説でやる必要なくね?
ってのが多々ある
628 : ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/06/29(水) 00:21:07.26 ID:zANgPdbV0
そう、お気づきの方もいるかもしれません
スバルくんはレンジちゃんのモロパクリキャラです
明日くんの(正義の味方としての魂の)劣化バージョンにして(都市伝説使う才能の)パワーアップバージョンが朔夜ちゃんです
先輩からのアドバイスでスバルくんはやる気だしたみたいです

おやすみ!
629 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 00:40:35.55 ID:fyAJKoTA0
乙です〜
ほのぼのからのシリアスからの勇気が出るシーン・・・
こういう波みたいに雰囲気が綺麗に変わってく話書きたい!でも書けないorz
630 :がっこうのかいだん ◆W5H6Y5Rl3M [sage]:2011/06/29(水) 01:07:07.49 ID:JHmzIxpyo
 変なものが見える
 肩が重くて仕方がない
 ついでに誰とも知れない声まで聞こえてくる
 そんな状況に陥ると、大体は心の病院か怪しい霊能者のお世話にでもなっているところだろう
 だが彼の場合は別段そういう事も無く

「なあ……ついてくるのは別に良いんだけどさ」
「んー?」
「何でずっと背中にのしかかってるんだ」
「歩くのめんどい」

 ずっと背中におぶさっている少女に、少年は不満の声を漏らす
 周囲には普通にクラスメイトが居るため、声は限りなく小さくしている

「……離れて座ってろよ」
「移動する時に動くのめんどいからこのままで良いじゃない」

 少女の声は、少年の膝の上から聞こえてきている
 背中におぶさっている少女の首から上は存在せず、本来そこにあるはずの頭部が少年の膝の上に鎮座していた
『自分の生首でバスケットボールをする少女』、略して『生首バスケ』の少女である
 つい先日、放課後の学校で『てけてけ』に襲われたところを『契約』により助けられて以来、少女はこうしてずっとべったりな状態である
 ちなみに、この体勢のせいで少女は自分で自分の首を運ばないため、少年が抱えて持ち運ぶ羽目になっていた

「私、幽霊みたいなものだしそんな重くないでしょ?」
「いや、普通に小学生の女の子ぐらいの重さだと思うぞ」
「え、嘘? 契約のせいで実体っぽい状態になってるのかな?」
「まさか、皆に見えてないだろうな……」
「いやいやそれは流石に無いと思うよ? 見えてたら大騒ぎだと思うし」
「廊下で結構視線向けてくる人とか居るぞ?」
「霊感があったり、契約者だったりするとそりゃあ見えるよね」
「……自分で歩け」
「めんどいー」

 小声でぼそぼそと独り言を呟いているようにしか見えないその様は充分に怪しいのだが、その程度の怪しさはこの町では石を投げれば当たる程度に居る

「というか、平日の授業時間中とかって都市伝説とか湧くのか?」
「大体は放課後か、閉門後だねー。学校の怪談とかってそうでしょ?」

 当然の疑問と当たり前の返答に、二人の間に沈黙が訪れ
 ざわざわとした休み時間の喧騒が、何かツッコミでも受けているようで耳と心が痛くなる

「明日から授業時間中は離れて待機な」
「えー。また放課後に何かあったら困るよ? 私はやだよ、家から走ってくるとか。めんどくさいし」
「屋上でも体育館でも用具室でも保健室でもトイレでも、どこでもいいから待機。授業終わったら迎えに行くから」
「むー、背中はあったかくて気持ち良いのに」

 きゅうと力を入れてしがみつく『生首バスケ』の少女

「ずっと一人だったから、誰かと一緒にいるのがあったかくて気持ち良いんだー」

 小学生ほどの年頃の少女にほんわかした笑顔でそう言われると、流石に無碍には扱えない
 それが胴体から離れた生首なのが少々アレだが、敵意と危険性が無いと判っていればそんなものである

「どっちにしろ、頭抱えて歩くのも大変なんだからな。その辺ぐらいは少し考えてくれ」
「前向きに善処する事を検討する機会を模索する予定という事でー」
「見た目ほど小学生っぽくないよな、お前」
「死後何年みたいな設定が大体あるからね、私みたいな怪談。もしかしたらおねーさんかもよ?」
「そういう設定があるってだけで、お前という存在とは年齢的には関係ないだろ。むしろ発生したのが誕生日だとしたら生後二日ぐらいじゃないのか?」
「まーどっちでもいいじゃない。考えるのめんどくさいし」

 そんな話をしている最中

「おーい、このクラスに籠守(かごもり)って奴いるかー?」
「あ、俺」

 唐突に名前を呼ばれ、思わずひょいと手を上げて返事をする

「籠守っていうんだ、名前」
「名前ってか名字な。名前は環(たまき)」

 呼ばれた方を見てみると、他のクラスの男子生徒が教室の入り口に立っていた

「俺が籠守だけど、何?」
「うおわ!?」

 席から立ち上がって、教室の中を見回している男子生徒に歩いていく環
 その姿を見て、男子生徒があからさまに驚いて身を竦ませる

「なんだよ、呼んどいてその態度は」
「いや、ちょっと不意をつかれて……」
631 :がっこうのかいだん ◆W5H6Y5Rl3M [sage]:2011/06/29(水) 01:08:01.35 ID:JHmzIxpyo
「げ」

 何かを誤魔化すように苦笑いをする男子生徒の顔を見て、環に抱えられた少女の首の表情が強張る

「こないだ脅かそうとした人だ……べろべろ舐めてくるおじさん出す人」
「って、お前やっぱりあの時の……というかそれは俺じゃない」
「なんだ、見えてる上に知り合いか。んで何の用? つか誰?」
「隣のクラスの黒楽守(こくら・まもる)。用事は言伝だ。放課後、化学準備室に来いってさ」

 化学準備室と聞いて、環はそこを根城にしている咥え煙草の不良教師の姿を思い浮かべる

「荒神先生だっけ、あのおっかなそうな人」
「見た目で判断するのはどうかと思うけど、その荒神先生。あと後樹先生も居るから。数学の」
「いつも授業中寝てる爆乳の?」
「そう覚えられてるのは正直どうかと思うけど、その後樹先生」

 やや頭を抱え気味に、環の反応に付け足しをする守

「多分、その子絡みだ」
「へ? ていうかマジでこれ見えてるの?」
「これって言うなー」
「見えてるし聞こえてる。つーか一度襲われてる」
「襲ってないよ、脅かしただけだよ」
「された側からすれば似たようなもんだ」
「ちょっと待て、色々と話が見えないんだけど」

 環の言葉を遮るように、休み時間を終えるチャイムが鳴り響く

「じゃあ、伝えたから逃げないでちゃんと来てくれよ。来なかったら怒られるの俺だから」
「ちょ、待てって!? 呼び出される具体的な理由とかそういうのは!?」
「だから、多分その子絡み。というか俺はそっちの世界はよく知らないから、悪い」

 そう言って、さっさと自分の教室へ引き上げてしまう守

「……どうしたもんかな」
「大丈夫だよ、何かあったら守ってあげるから」
「むしろお前に何かありそうな雰囲気だったんだけどな」
「大丈夫だよ、何かあったら守ってもらうから」
「ちょっと待て!?」
「まーなるようになるよー、気楽にいこーよ気楽に」
「……本当に大丈夫か、おい」

―――

 本来はそこにあるはずの化学の授業で使われる備品達は奥へと追いやられており、机を中心にプライベートなスペースが築き上げられていた
 そして、空いたスペースの一部を占める骨格標本と人体模型
 この手の代物は記憶の中では小学校、中学校と理科室に鎮座していたが、授業で使われた記憶は一つも無かったりする

「……来たか」

 窓を開けて煙草を吸っていた化学教師、荒神秀(あらがみ・しゅう)
 生徒の前では流石に吸い続けないのか、まだ随分と長い煙草を灰皿に押し付けて消してしまう

「1-Dの籠守環だな?」
「は、はい」
「んで、そっちのは?」
「えっと……都市伝説、というやつですよね? 本人曰く『生首バスケ』だそうです」
「そうか。契約はしてるのか?」
「え、はい、してます」
「趣味思考に変化があったり、健康面に不調があったりは?」
「二日目なのでまだなんとも……見ての通りなのでちょっと肩が重たいですが」
「都市伝説は調子に乗るとつけあがるからな。教育はしっかりしとけ」

 その秀のその言葉に、部屋に鎮座していた骨格標本と人体模型がぴくりと反応したような気がしたが、環が視線を向けると別段そのような様子は無い

「まあ、そいつの場合はすぐに改善されるかもしれんが」
「へ? それはどういう」

 環が聞き返そうとしたところで、化学準備室の扉の前でどたばたずるずると妙な音がした

「先生、いい加減自分で歩いて下さい」
「眠いー、帰りたいー」

 がらりと扉が開くと、そこに居たのは休み時間に呼び出しを伝えに来た守
 そして、床の上にくてりと寝転がったジャージ姿の爆乳数学教師、後樹撫莉(おくれぎ・なでり)

「先生がやらかした事の後始末なんでしょう? ちゃんとやって下さい」
「うにゅー」

 両手を掴まれずるずると化学準備室に引き摺り込まれてなお、起き上がる様子はこれっぽっちも無い
632 :がっこうのかいだん ◆W5H6Y5Rl3M [sage]:2011/06/29(水) 01:08:40.20 ID:JHmzIxpyo

「ほら先生、日間虫さん出して」
「日間虫さん、おねがーい」

 ふにょりと手を上げる撫莉の背後から、にょろりと現れる入道という表現がぴったりな禿頭の大男
 その姿を見た途端、それまで環の膝の上でまったりしていた少女の首が、跳ね上がりそうな程に身を竦ませる

「どうしたんだ?」
「あれ、ちょっと苦手」
「大丈夫だよー、もう舐めないから」

 日間虫さんと呼ばれた大男『日間虫入道』は、びくびくとしている少女の頭をぽんぽんと撫でる
 その途端、それまでずっと寝起きのような無気力で眠そうな顔をしていた少女に生気が満ちる
 生首の幽霊的存在に生気もへったくれもないのだろうが

「お? あれ? おー?」

 環の背中からひょいと離れると、ぴょんぴょんと元気に跳ね回る

「なんかやる気が戻ってきた! 気力充実!」
「前に守くんを驚かせた時に、大人しくさせたままだったからねー。契約者ができたなら、戻しておかないと」
「うん、これで自分の首も自分で持ち歩けるよ」

 それまで環の膝の上に置きっぱなしだった自分の首をひょいと抱え上げ、そのまま空いた膝の上にすとんと座る

「ちょっと待て、何故そこに座る」
「ほかに椅子とか無いんだもん」
「やる気が出たなら話が終わるまで立ってなさい。先生だって床で寝てるだろ」
「いや待て。これを手本にするんじゃない」
「んもー守くん、これって何よー。突っ立ってるなら膝枕ぐらいしてくれてもいいのにー」
「やかましい。俺の部屋で騒ぐな」

 ややカオスになりかけた化学準備室の空気を、秀が一言で吹き飛ばす

「この学校には契約者の生徒や教師がそれなりに居る。いざこざが起こらんようそれなりに挨拶とかしておくように」
「普通に連れて歩いてると、憑かれてるのと勘違いされる事もあるからねー」
「出会い頭だと、驚いて攻撃する可能性もあるからな。その子や、こいつらみたいに見た目のインパクトがあると」

 秀の言葉に反応して、やれやれといった調子で力を抜く人影二つ

「殺生やがなー、一分以上黙っとったら死んでまうわー」
「きちんと挨拶もしないで立ってるの、居心地悪かったです」
「一分以上経ってるから安心して[ピーーー]。あと前置き無しに挨拶したら逃げられるか攻撃されるだろうが」

 突然動き出し、さらには喋り出した骨格標本と人体模型

「俺が契約している『動く骨格標本』と『踊る人体模型』だ。ウザいがそれ以上でも以下でもないので気にするな」
「ウザいとか、そないな言い方せぇへんでも!? 折角学校の怪談仲間が増えたんやから仲良くせぇへんと。ちゅーことで親愛のダンスと必殺技の披露のどっちから」
「黙れ」
「熱っ!? あっつっ! 煙草吸ぅてないから安心しとったらぁっ!?」

 じゅ、と音を立てて人体模型の鼻先が焦げ、悶絶して転げ回り棚に激突して内臓を巻き散らかす
 いつもなら火のついた煙草を押し付けていたのだが、既に煙草を消していた今日はライターでの直接着火である

「ともあれ、今日はこんなところだ。近日中に学校内の契約者名簿でも渡すから目を通しておけ」
「近日中? 作ってあるんじゃないんだー」
「作ってこいって資料渡したよな、確か?」
「……そだっけ?」
「昨日、先生の部屋片付けてた時にそれっぽい資料はありました。俺が作っときましょうか?」
「わー、守くん頼れるぅー」
「甘やかすな。そのうち教師の仕事までやらされるぞ、お前」

 床に転がったままの撫莉を、じろりと睨み付ける秀

「とまあ、そういう事だ。また何かあったら呼び出すから、その時はさっさと来るように」
「学校にいる契約者でどっか集まったりとか、そういうのはしないんですか?」
「他所の組織に所属してる奴も居るからな。それに、この部屋が溜まり場になっても困る」

 そう言って秀は立ち上がり、ポケットを探り煙草を取り出した

「さて、今日は解散だ。生徒は散れ、煙草が吸えん」

 フリーダムかつマイウェイな先生もいたもんだ、とそんな感想を抱きつつ

「それじゃ、俺はこれで帰ります。色々ありがとうございました」
「骨のお姉ちゃん、モツのお兄ちゃん、まったねー」

 骨格標本と人体模型に見送られ、見違えるように元気になった『生首バスケ』の少女と共に化学準備室を後にする

「なんか凄い世界に踏み込んじゃった気がするなぁ……」
633 :がっこうのかいだん ◆W5H6Y5Rl3M [sage]:2011/06/29(水) 01:09:14.39 ID:JHmzIxpyo
「難しく考えない方がいいよ。ちょっと世界が広がっただけなんだから」

 自分の頭を軽快に床に弾ませながら、少女は守の周りをくるくるを回る

「気楽に考えるには、もうちょっと時間が掛かりそうだよ」
「慣れるのはゆっくりでいいよ? とりあえず」

 ひょいと放り投げられた少女の首
 流石に一日べったり過ごせば、その存在にも慣れてはくるもので
 落とさないように受け止めたその両手の上で、にっこりと笑顔を浮かべる

「これからもよろしくね?」
「前向きに善処する」
「やる気ないなぁ」
「昨日の今日で、急過ぎて正直色々とついていけてない」

 二人並んで歩く放課後の廊下
 つい昨日はただ恐ろしかっただけの黄昏時

 今日はほんの少しだけ、気楽に歩けていた
634 :三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M [sage]:2011/06/29(水) 01:11:34.20 ID:JHmzIxpyo
この前のお話は>>25-29です
後樹先生、守くんは過去の単発で出たキャラなので、気が向いたらそちらをどうぞ
荒神先生については花子さんとかの人の過去作品を参照下さいませ
635 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 01:18:24.34 ID:fyAJKoTA0
わーい、生首バスケのおにゃのこが元気になったー♪
でもあのネガティブワードが飛び出さないのは少々惜しいな(
撫莉たんかぁいいwww
636 :ハリボテ [sage]:2011/06/29(水) 01:31:30.73 ID:aEXlj4wAO
頑張って書こうと思ったんだよ…でもね全く出だしが浮かばないだ…おやすみなさいパ○ラッ○ュ
いやはや冗談はさておきシリアスに悪悪しい組織でいくか…全てまったりでほんわか進むか…はたまたシリアス4割コメディ6割の水割りストーリーでいくか見かけ倒しなハリボテ只今悩んでおります…
キャラと中盤のシリアスはなんとなくは決まってはいるけど…あいにくあまり文才も時間も無いし…困ったなぁ。
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 01:55:19.83 ID:vYh8aUnLo
>>636
そんな時はこのスレ名物の妄想スパンk……じゃなかった、妄想スパーリングだ!

・銀行で預金を下ろそうとしたら、全裸でカスタネットを打ち鳴らす波平禿の初老男性が侵入し
 高卒の女性銀行員を人質に、金を出せと要求してきた!その場に居合わせた

 @主人公なら  A組織の幹部なら

 どんな風に対応する!?
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 03:09:23.00 ID:PZ0F/guK0
そんな奴が入ってきたらどんな人でも通報するなと脅されないかぎりは確実に通報するよね
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 07:43:55.22 ID:f2puJ51DO
いいえ、主人公なら通報から警察が来るまでに機転を効かせて人質を助けます


ドクターの人乙です
ブリちゃんがひさしぶりに出てきて俺歓喜
生首ちゃんも可愛いな
ラブコメ路線になるなといいな
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 12:32:00.40 ID:wyZ8EcODO
お二方、投下乙です

そして>>621への回答感謝
やっぱりキャラや話にあわせて都市伝説を見繕うのが主体みたいですね
私の場合は「この都市伝説ならどんな能力になるだろう?」と妄想して、それにあわせてキャラや舞台を整える感じです

おかげで都市伝説と能力だけ書いて放置したテキストが増える増える
書く時間が、欲しいです
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 14:46:49.53 ID:JHmzIxpyo
>>621
> このスレでキャラを作るとき、何を基にしてる?
うちは大体3かなぁ
まずキャラがあってそこから話が作られるから

>>636
> 頑張って書こうと思ったんだよ…でもね全く出だしが浮かばないだ…
出だしと締めは困るよねぇ
うちは放っておくといつまでもぐだぐだ続くから特に

>>637
> ・銀行で預金を下ろそうとしたら、全裸でカスタネットを打ち鳴らす波平禿の初老男性が侵入し
>  高卒の女性銀行員を人質に、金を出せと要求してきた!その場に居合わせた
実はその初老の男性が主人公
騒ぎの末に一般人を追い出して、人質にした銀行員を守りながら銀行に潜んでいた殺人鬼と一騎打ち

そんな『ベッドの下の斧男』や『車の後部座席の男』の派生物語

>>639
> ラブコメ路線になるなといいな
ラブってコメる要素は今のところゼロですがww
当方の野郎キャラは枯れてるというか達観してる奴が多いからなぁ
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 15:37:56.56 ID:f2puJ51DO
ドクターの人の女性キャラはエロイイメージがある
男性キャラは淡泊
643 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 16:55:26.06 ID:fyAJKoTA0
>>642
>男性キャラは淡泊
そうかな?
星くんとか有羽くんとか呂布とか、何かに向かって突き進むってキャラの方が印象的だけど
644 :せんせいたちのおはなし  ◆nBXmJajMvU [saga sage]:2011/06/29(水) 16:56:43.96 ID:Omw4gTuw0
 「生首バスケ」と契約したのだと言う籠守 環に、この学校の事情を軽く説明した秀
 撫莉や守も化学準備室から追い出し、改めて煙草に火をつけた
 人体模型は既にばらまいた内臓を回収し終えており、骨格標本は、人体模型が転げまわった際に散らかった内臓以外の者を片付けている
 そうして、静かな時間に入ろうとしている時だった

「あぁ、もう話は終わっていたかい?」

 から、と
 化学準備室の扉が開き、誰かが入ってきた
 その声に、秀は小さくため息をつきながら振り返った

「…やっと来たのか」
「いやぁ、書類を片付けるのに時間がかかっちゃって」

 にこにこと笑っているその男の名前は、出道 桐男(でみち きりお)
 この中央高校の校長を務めている男だ
 動き回る人体模型や骨格標本を見ても特におどろている様子はない
 ……つまるところ、彼もまた事情を知っているのだ

「説明、してくれた?」
「一応はな……面倒事を、全て俺に押し付けようとするな」
「君だけに全部押し付けてはいないよ。高元先生や後樹先生にも押し付けてるから。まぁ、後樹先生にはうまく押し付けるのが難しいけどね」

 嫌味を晒しとかわしてきた桐男
 秀は諦めたように、もう一度小さくため息をついた
 ……この高校に赴任してからと言うもの、ロクな目にあわないのは、大抵、この校長絡みのような気がする
 秀にとって大学の後輩である撫莉をこの高校に赴任させたのも、どうも、この校長であるような気がするし

「獄門寺君にも、彼らを会わせたの?」
「…あぁ、あいつなら…」
「今日はお家の用事があるそうで、早く帰らなきゃいけなかったみたいで……今日は、来られなくて」

 骨格標本が、秀の代わりに説明する
 あ、そうだったの?と桐男は小さく首をかしげて…少し、納得したような表情を浮かべた

「そういえば、彼の志望進路は、家を継ぐ事だったね。その辺りの話し合いとかがあるのかな?」
「そうなんだろうよ」

 秀が担当しているクラスの生徒であり、「トイレの花子さん」の契約者でもある獄門寺 龍一
 彼の家は学校町で古くから続く家柄であるらしく……龍一は、高校を卒業したらその家の家業を継ぐつもりらしい
 進路希望で、彼ははっきりとそう答えてきた
 大学には進まず、そのまま家を継ぐ、と

 詳しい事は、秀は知らない
 ただ、龍一本人が希望している進路ならば、それを反対する事はできない
 誰かに押し付けられたのではない、龍一自身が選んだ道なのだから

「この学校で都市伝説とかかわり続けていれば、そのうち、嫌でも顔を合わせることになるだろ」
「あはは、そうかもね」

 半ば、他人事のように笑っている桐男を、秀はじろりと睨み付けた
 次に続くだろう言葉を感じ取ったのだろう、桐男は肩をすくめる

「これでも、「歴代校長先生の幽霊」の力を借りて、大分野良都市伝説が入り込まないようにしてるんだよ?」

 桐男もまた、都市伝説契約者だ
 彼が契約しているのは「学校の七不思議」と……先ほど口にした「歴代校長先生の幽霊」
 後者の力を借りる事で、桐男は中央高校の敷地内にて、絶対的と言ってもいい権限を発揮する
 それを利用して、野良都市伝説があまり入り込まないようにしているのだ
 そうでもしなければ、ただでさえ都市伝説が集まりやすいこの街の、ただでさえ都市伝説が集まりやすいこの中央高校は、あっという間に都市伝説の巣窟となるだろう
 …もっとも、桐男とて、その力を24時間使いっぱなしではいられない
 どうにも、その力、体力やら何やらの消耗が激しいらしい
645 :せんせいたちのおはなし  ◆nBXmJajMvU [saga sage]:2011/06/29(水) 16:57:36.39 ID:Omw4gTuw0

 だからこそ、放課後、生徒や教師の数が敷地内から減った時……野良都市伝説が敷地内に入り込み、悪さをすることがある

 秀達は、そう言った存在の対処を任せられているのだ
 てめぇでやれ、と桐男に言いたいのをこらえつつ

 否

「…お前も、もう少し働け、この昼行燈」

 秀は、堪える事もなく、本人の前でずばっと言い切るのだが
 校長に対する態度とは言えない態度に、骨格標本などはハラハラしている

「えー、大分がんばってるし、もう休んでもいいんじゃないかな。人手も増えたし、君や獄門寺君だけに押し付けている訳でもないし」

 …その嫌味に対し、平気で対応する桐男も桐男だが

「ほら、君が化学準備室をほぼどころか完全に私物化しているのも見逃してるし、いいでしょ?」
「…………」
「まぁ、よほど人手が足りないんだったら、君の弟君をうちの学校に招くって言う手もあるし。確か、教員免許持ってるんだよね?」

 −−−−ぎろり、と
 秀の桐男を睨む視線が、殺意すら混じったものへと変わった
 その視線に、桐男は肩をすくめる

「わかってるよ、実行はしないから。彼を雇ったら、君の傍から離れたがらないだろうし」
「…それなら、口に出すな」

 ……大分、ましになってはきたものの、未だブラコンなところが治らない双子の弟を思い、秀は深々とため息をついた

 結局、この学校の厄介ごとは、自分達がなんとかするしかないのだ、と
 半ば、諦めを抱えながら












続く予定は今んとこない
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 16:58:42.53 ID:Omw4gTuw0
三面鏡の人のネタを読んでいてカっと思いついたので
正直反省している
647 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 18:00:32.06 ID:fyAJKoTA0
あれでマシになった方なのか・・・
そして校長先生久しぶりだなぁ

あれ、2つ目の都市伝説って本邦初公開?
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 19:21:15.06 ID:dPH/AJwN0
>>647
あれ?まだ言ってなかったっけ、二つ目
てっきり、もういった後だと思ってた
すまん、言い忘れてたんだぜ
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 21:45:53.96 ID:zANgPdbV0
雑談使用ず
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 21:50:21.96 ID:dPH/AJwN0
OK,何を語るんだい?(作業しながら
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 21:50:53.08 ID:zANgPdbV0
そうだな……
作品のテーマとか
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 21:55:00.55 ID:dPH/AJwN0
テーマ、テーマなぁ……ぶっちゃけ、ノリと勢いだけで書いているのが多くてテーマ?何それおいしいの状態な馬鹿がここにいますよっと
もしかしたら根っこにテーマがあるのかもしれないが、書いている本人が気づいていないんじゃダメだわな
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 21:56:08.75 ID:zANgPdbV0
お父ちゃんが言っていた。
作品は書いているうちに書いている人間の主張がにじみ出てくると。
だから読めば絶対に誰にでもテーマが有るはずなんだよな
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 21:59:45.99 ID:dPH/AJwN0
あるんだろうけどねぇ、何だろうね
みんなで笑顔でハッピーエンド!は目指しているつもりだけど

とりあえず、反省する気配のない腐れ外道と鬼畜は許さないのですよ、にぱー
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 22:01:01.62 ID:zANgPdbV0
え、もしかして俺アウトなの……
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:02:53.55 ID:dPH/AJwN0
>>655
待て、貴殿は腐れ外道だというのか
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 22:04:33.63 ID:zANgPdbV0
え、いや反省する気の無い外道といったら多分俺くらいじゃないかなあ……って
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:07:02.00 ID:dPH/AJwN0
ま、あれだ
現実で痛い目を見る事のない悪党が、せめて創作世界内ではひどい目にあえばいいのですよ、にぱー★ってノリで書いている事はわりとある
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 22:14:35.22 ID:zANgPdbV0
現実では悪いヤツほどよく眠ってるんですよ
でもまあ気分次第でそんな現実も捨てたもんじゃないぜ
ってノリで書いてるかな
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:17:32.10 ID:dPH/AJwN0
せめて、創作世界内でだけでも、現実で救われない人が救われますように
せめて、創作世界内でだけでも、現実で罰されない連中に、罰を

テーマとは何か違うけど、ノリ的にはそんな感じ
現実が救われないからこそ、創作世界に希望を見出す自分は現実逃避しかできていない
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:18:55.69 ID:dPH/AJwN0
…ま、その辺り語っていったら、また平行線になるんですけどね
しつこいとか言われそうなのでこれ以上は自重
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 22:20:44.34 ID:zANgPdbV0
いや、ここは平行線でデッドヒートすべき
正義の味方に倒せぬ巨悪は多々いるが
そんな巨悪にも潰せない希望の光が有るんだとか
そのあたりの台詞書いてしまった以上やらねばらぬきがする
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:25:55.87 ID:dPH/AJwN0
ま、正直、この辺りは避難所なりかつての本スレなりで十分に語った気もするしねぇ
どうにも、自分は反省する様子のない腐れ外道や鬼畜は叩きのめさないと気が済まないから



別視点でテーマとかあるかなー?とぼんやり考えると、都市伝説とか人ならざるものに人間らしさと言うか人間臭さを求めている気がする、自分は
それは、人間とは決定的に違って、考え方にも、決定的に人間とは相いれない部分があるかもしれないけれど
でも、どこか人間くささが、あって
…だからこそ、それを一概に「化け物」とは断言できない
いっそ、人間の方が「化け物」的な事すらあるんじゃないだろうか、みたいな


そのせいかな
都市伝説が化け物扱いでひとくくりなのはちょいとばかし苦手なのかもしれない
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 22:31:08.89 ID:wyZ8EcODO
テーマじゃないけど、「納得のいく説明ができる」ことにはこだわってるつもりです
都市伝説と能力の相関とか、キャラの行動理由とか
おかげでキャラが思い通りに動いてくれなくて困る
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 22:34:49.62 ID:zANgPdbV0
都市伝説の人間臭さよりも「あくまでこいつら人間じゃないよ」ってアピールは忘れないことにしてる
キャラ立てやすいし
あえて人間臭さをカットした人間とか
あえて人間臭さを全面に出した都市伝説もいるけど
「こいつら決して俺たちとは同類じゃないんだよ」
ってのは忘れないで書いてるな

クラスのガキ大将よろしくそれ飛び越えるのがマイ主人公

話はキャラ同士の関係性のシュミレーター回してる感覚だな
まあ思ったようにシュミレーター回せるキャラを投入してるけど
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:38:19.01 ID:dPH/AJwN0
何だろうね
奇妙な隣人、って言うか…

「人の噂」「人の思い」
ある意味で、人の身勝手と言うかそれで生まれた存在を、冷たく扱うのが何か嫌
すぐそばに存在するかもしれない、もしかしたらわかりあえるかもしれない存在
そんな感じで書いてます、人間ではない存在を

元人間で飲まれた存在に関しては、人間だった頃と人間ではなくなった現在、両方がある訳で
完全に人間性をなくしてしまった場合は、どうしても悲劇につながってしまう感じ
できれば、それは阻止したい方向性ですがね

正直、完全に人間性がカットされた存在は「怖い」と言うか見ていて苦しいときがある
だからこそ、余計に、すべてに人間臭さを求めているのかもしれない



あ、一部、デフォで人間臭い神様とか悪魔はさておき
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/29(水) 22:43:07.90 ID:zANgPdbV0
神様と悪魔は神話時代から人間臭いと思います><
人の噂とか人の思いって人の身体的要素を捨象している以上人間性が不完全だと思うのよ
だから人から生まれたと言っても、むしろ人から生まれたからこそ人間性は薄いと思う
まあ人間の身勝手で生まれたことについてはあれだな
別に水面にアブクが浮いただけみたいな
そもそも人間だっていきなり生まれただけのものだもの
それが素晴らしいか否かを決めるのは自分であり周囲の人間だと思う
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:49:26.49 ID:dPH/AJwN0
人間ではないのだから、観世な人間性はないでしょう
どこか、不完全でしょう
だが、不完全だからこそ、かすかに持っているかもしれない人間性を否定したくない
化け物と呼んで、その間に壁を作りたくない

壁は、壊せるかもしれないよ?
手を取り合える可能性だってあるよ?

まぁ、そんなノリ
化け物、と言う目で見るのは、ちょっと悲しいのでできればやりたくないなぁ、と
特に、人間とそうじゃない存在のカプがいくつかあったりするから余計に、ね
カプに限らず、友情も


その癖こいて、人間ではない側では「人間ごときがっ!!」って考えのがいくつかいる現実
まぁ、そんな考えだったのが、だんだんと人間にデレてくるのが好きなんだけどなっ!!
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/29(水) 22:51:50.25 ID:6urxa+H8o
作品テーマ?
テーマと云っても色々あるよね
物語の核となるテーマ
文章表現上のテーマ
登場人物毎のテーマ

色んな意味でテーマがあるけれど……
んー、そうだねーボクの場合
そんなテーマの中のひとつとして、読後感のコントロールとでも云えばいいのかな

読んだ後に、ちょっぴり切なくて……でも前向きなイメージを持てる
それでいて、しばらく経つと、すぅーっと消えていく様な、傷痕を残さない様な

そんな読後感の物語を書きたかったんだと思うよ
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 22:53:16.77 ID:5i+RPUXSO
都市伝説が都市伝説を[ピーーー]のって同族殺しだよね
とかそんな事を考えた
671 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 22:53:45.89 ID:fyAJKoTA0
レイトン教授にハマってる間になんて楽しそうな話してんのさ!(

テーマか、『夢幻泡影』はとりあえず悪の道を目指す少年が書きたかったorz
今は何だろうなぁ・・・自分で書いてて“家族”とか“大切な人”とかが前面に出てる気がしないでもない

ただ、『神力秘詞』は変態妹の、『邪気殺し』は変態弟の日常生活が裏テーマ(
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 22:56:24.26 ID:dPH/AJwN0
>>671
>ただ、『神力秘詞』は変態妹の、『邪気殺し』は変態弟の日常生活が裏テーマ(
変態!変態!!変態!!!(褒め言葉
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/29(水) 23:00:59.53 ID:zANgPdbV0
人間も人間殺すしね
自分の居場所になってくれるなら都市伝説でも人間でもいいんだよ
そして自分の居場所のためなら人はどこまでも残酷になれる…………
674 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 23:02:17.33 ID:fyAJKoTA0
>>668
>まぁ、そんな考えだったのが、だんだんと人間にデレてくるのが好きなんだけどなっ!!
あ、俺んとこのナユタがそうだわ

>>672
>変態!変態!!変態!!!(褒め言葉
あっはっはっはっは、人間みんな変態さ!
今日も買い物行って炉利っ子見かけて元気になったさー、主に下半身が(
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 23:03:50.37 ID:dPH/AJwN0
>>674
>あ、俺んとこのナユタがそうだわ
俺んとこでは誰とは言いませんが、凍れるあいつですね

>今日も買い物行って炉利っ子見かけて元気になったさー、主に下半身が(
OK,自重しろ
676 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 23:12:33.28 ID:fyAJKoTA0
>>675
>俺んとこでは誰とは言いませんが、凍れるあいつですね
あぁ、あのかぁいいかぁいいクローs(凍てつきました

>OK,自重しろ
いいねいいね夏っていいね
小学生も中学生も皆薄着で真っ黒になっちゃってキャー♪
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2011/06/29(水) 23:25:46.04 ID:bOK5ocs10
何か面白そうな事になってるー

とりあえず、自分の作品の登場人物は主人公にもヒロインにもなれない脇役ですよ、と
能力が強すぎないように気を付けているつもり……です

ハハッ、そう都合よく助けが来るわけないだろ?をモットーに目下絶望量産中
恨みと呪いでソウルジェムを真っ黒にしちゃうぞ☆

>>655
私もアウトな連中しか生産してないので……www
読み手から憎悪されるような、そんな悪を書きたい…(現状、1〜2名程成功
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/29(水) 23:31:31.54 ID:zANgPdbV0
そうそう
都合よく助けなんて来ねえよ

でも自分は
→だから俺が助ける
ってなる奴らをメインに据えて話書いてるエブリディ
679 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 23:33:26.39 ID:fyAJKoTA0
>>677
あんたまさか、黒百合の・・・!?(

>恨みと呪いでソウルジェムを真っ黒にしちゃうぞ☆
やめれwwwwwwwwwww
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/06/29(水) 23:45:12.01 ID:dPH/AJwN0
創作だからこそ都合よく助けが来るんだ、と主張しつつ眠気と頭痛限界なので力尽きますおやすみなさい
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2011/06/29(水) 23:51:21.89 ID:bOK5ocs10
>>679
………ギクリ

作品裏テーマ

某双子の話→行き過ぎた愛情の末路
どうしようもない男の話→愛を求めた子供(暗黒ver
化け猫と契約者→女の子を虐めるのって楽しい…www(色々あって退場させられなくなった……でもくやしい期待し(ry
682 :影の [sage saga]:2011/06/29(水) 23:54:28.18 ID:fyAJKoTA0
>>681
>女の子を虐めるのって楽しい
否定できない自分が好き(マテヤコラ
おにゃのこを虐められるのは、創作の中だけ!!
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/06/30(木) 00:26:44.34 ID:Yx33AUhU0
【不思議少女シルバームーン〜第五話 第五章「正義の味方と正義の味方」〜】

「うわーすごい!」
「でしょ?チケット用意した甲斐があったぜ。」

 とまあそういうわけで最近塞ぎこみな朔夜を水族館に連れてきてみた。
 学校町にあるこの水族館は日本一イルカが多いことで有名なのだ。
 まあなんだかんだでイイトコのお嬢様であらせられる彼女は庶民の楽しみには意外と疎くて、
 水族館やら遊園地やらに行ったことがないらしいのだ。
 ヨツバさんも(残念ながら)僕達二人を快く送り出してくれたので、
 今はこうして水族館を色々見て回っている。
 いやーヨツバさんと水族館行きたかった。
 あんな美人なお姉さんと二人でデートなんて考えただけで心がはずむぜ。
 ランチは二人で洒落たレストランなんかに行ったりして、
 『あら、口にソースついているわよ?』
 とかいって拭いてもらっちゃったりして
 うひょう!たまんねえや!
 オラテンション上がってきたぞ!

「スバルスバルーイルカショーまであとどれくらい?」
「えーっと、あと二十分はあるね。」

 しかしまあ現実はツルペタでウルサイ只の友人との普通の休日である。
 できれば霙ちゃんくらいのおっぱいのある子と遊園地にでも行って
 『キャー!こわぁ〜い!』
 とか叫んじゃう霙ちゃんにお化け屋敷で抱きつかれたい。
 普段は喋らないいし喋ると止まらない彼女もそこでは普通の女の子だ。
 無論、おっぱい以外。
 あれ絶対誰か揉んでる奴居るだろう。
 誰か揉まないとあそこまで成長しないから。
 まったくもって羨ましい奴だ。
 ん、待てよ? 
 つまり彼女にはすでに彼氏が居る……
 うわあああああああああああああああ!
 くそっ!くそっ!死ね!くたばれ!くたばっちまえ!
 人類の宝を一人で独占しやがってどこの悪魔だ!
 いや、待てよ。
 もしかしたら女の子に揉まれているのか?
 するとそれは即ち“男子禁制百合色庭園(イマジナリリーユートゥーピュア)”の顕現に他ならない……!
 
「じゃあ仕方ないわね、もう一度ナマココーナー行きましょう。」
「好きだねナマコ。」
「今度生まれ変わるならナマコにでもなろうかしらね。」
「この年でそんな事言うなんて生意気だこと。」
「おばあちゃまのマネ?そっくりね。」
 
 まあ確かに他人の声マネは得意である。
 昔ちょっと事情があって練習したのだ。
684 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:27:19.33 ID:Yx33AUhU0
「バカにしないでよ!」

 パチン、と小気味いい音が水族館に木霊する。
 なかなか上等なスーツを着たイケメンのお兄さんが若いお姉さんに派手にビンタを食らっていた。
 ……ってあれ?
 あのイケメンのお兄さん……彼誰飯店で良く会うホストのお兄さんじゃないか。
 大変そうだなあ。

「ま、待ってよミホちゃん!こないだのことは謝るからぁ〜!」
「ウルサイわね!付いてこないで!」
「そんなぁ!悪かったと……」

 二発目。
 左右の頬に真っ赤な痣ができている。
 イケメンのお兄さんが悲鳴を上げてうずくまる。
 その間に女性はどこかに行ってしまった。
 騒ぎを見ていた人たちは何事もなかったかのように動き始める。

「いてててて……。」
「大丈夫ですかおにいさん。」

 とりあえず声をかけてみる。

「ん、大丈夫大丈夫慣れているから。
 …………あれ?」

 向こうも気づいたようだ。

「少年、こんな所でなにしてるんだ?」

 彼は朔夜の方をチラリと見ると納得したかのように頷いて

「なるほどなるほど……彼女か。
 最近の小学生はませているな。」
「いえいえ、違いますよ。只の友達です。」
「スバルー、その人知り合いなの?」
「うん、この人は……。」
「久慈灸、この町のホストクラブでホストやってるの。
 お嬢ちゃんも大きくなったらたまに遊びに来てね。
 はいこれ名刺。それまでに自分の店持てるように頑張るからさ。」
「え、はあ……。
 あれ?この名刺名前間違えてますよ?」
「ああ、そっちは源氏名って言って芸名みたいなものなの。」
「へぇー……。」

 小学生相手に宣伝とは悲しすぎるぞお兄さん。
 ていうか初めてこの人の本名聞いた気がするな。

「朔夜、その人はあれだぞ。
 夜はホスト、昼は正義の味方、その正体は学校町中、否、日本中のチャーハンを食べ歩くチャーハンマニアなんだ。」
「正義の……味方?」

 朔夜が鼻で笑う。
 その理由を彼女がませた子供だからと捉えた灸さんは真面目な顔で語り始める。
685 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:28:02.11 ID:Yx33AUhU0
「おいおい、男の子の夢だぜ?
 変身!とか合体!とか。
 しかも誰かを守ることまでできるんだから素晴らしいじゃないか。
 夜は女性の夢を守り、昼は子供たちの夢を守っているわけだ。
 女子供に優しい灸ちゃん素敵ー!」
「灸さん普段はウザキャラなんですね。」
「ひ、ひどい!?
 まあ良いや、朔夜ちゃん、君も何時か解るぜ。
 そういうガキ臭い思い出とか夢とか理想とかがさ。
 真っ暗闇の中で一番輝いてくれるんだ。
 持ってた物全部無くなったと思った時、そういう夢とか理想は意外と残っている物なんだよ。」

 あら、朔夜ちゃんの表情が曇ってらっしゃる。
 これは話題変えたほうが良いかな。

「ま、まあその話はそこらへんにして!
 俺たちこれからイルカショー観に行くんですよ!」
「ああ……俺もちょうど見に行く予定だったよ……。」

 灸さんの胸ポケットから出てくる二枚のチケット。
 ……あまりに哀れだった。

「売り物の顔までボロボロにされるしさ……。
 夜までに治るかなこれ……。」

 重ねて言う、あまりに哀れだった。
 そんな彼の姿を見て朔夜がクスクスと笑っている。

「宜しかったら私たちと一緒に見ませんか、イルカショー。」

 隊長、朔夜が陥落しました。
 すげえ、すげえよ。至って自然な流れで誘われたぞ灸さん!?
 プロ、これプロの手口だよ!
 いや彼はプロだけどさ。

「良いのかい?二人の時間を邪魔しちゃうのも悪いと思ったけど……。」
「構いませんよ、あくまで私たち只の友達ですし。」
「そっかー、じゃあそうさせてもらおうかな。
 時に二人ともお昼は決まっているか?」
「いえ」
「まだですね」
「じゃあちょうど海の見えるレストランの席を予約してたんだ。
 俺が奢ってやるから食っていこうぜ。」
「良いんですか?」
「ああ、お嬢ちゃんとは初対面だが少年とは普段から仲良くしてるしな。
 つーか前に借りっぱなしだった小銭を返すついでだよ。」
「あーそういえば五百円しか無くて飯代払えなくなってましたよね。」
「財布落としちゃってねえ。」
「二人とも何処で知り合ったの?」
「中華料理の屋台。」
「今はラーメン屋さんになっちゃってるけどねー。」
「じゃあ私そこに行ってみたいなー。」
「あそこ夕方になってからじゃないと開いてないよ。」
「じゃあ今日はダメね。」
「とりあえずイルカショー見に行こうぜ。」
「さんせー!」
686 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:28:39.41 ID:Yx33AUhU0
 僕たちはイルカショーを見るために座席につく。
 灸さんがポップコーンと飲み物を買ってきてくれた。
 映画か!

「これ必須じゃない?」

 映画か!

「あ、有ったら有ったで良いですよねー。」

 朔夜あああああああ!
 何時からお前そんなキャラになったあああああ!
 普段のツッコミはどうした!
 そもそもなんか顔が違う!雰囲気的に普段の元気キャラからお嬢様キャラになってる!
 プリキュアで言えば黒から白くらいになってる!

「お、始まるみたいだよー。」

 ブザー音。
 それと共に透明なプールの中に一列に並んだイルカが入ってくる。
 一匹、二匹、三匹、四匹、五匹。
 ん、何かおかしいぞ?

「きゅっ!」
「きゅきゅっ!」
「きゅきゅきゅっ!」
「ギエピー」
「きゅきゅきゅきゅきゅっ!」

 いや鳴き声じゃなくて。
 それも十分おかしかったけどさ。
 イルカがお腹にベルトのような物を巻いているのだ。
 飼育員の人がイルカに向けてしずしずとマイクを差し出す。







「愚かなる人間どもよ」





 え?


687 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:29:25.88 ID:Yx33AUhU0




「愚かなる人間どもよ、貴様らの天下は今ここより終焉し、終演する。」




 最近のイルカショーはパフォーマンスが派手だなぁ。

「イルカショーってこんな過激なの?」
「おいおい朔夜、最近のはそうなんだぜ?何も知らないんだな。」

 困ったのでとりあえず知ったかぶりしておく。
 


「我々イルカの時代の幕開けの祝杯として貴様らを血祭りにあげ、
 その血溜まりの中を悠々と泳いでみせよう。」

 何が起きているかよく分からないのでとりあえずメガネをかけてイルカの身につけている物をよく見てみる。
 ……あれは、機関銃じゃないか。

「灸さんあれ!あれ本物の……」
「解ってる!」

 そう言って灸さんは席から立ち上がる。

「ちょ、何する気ですか伏せてください!」
「俺があの店でしていた話が、創作じゃないことを教えてやるよ!
 ――――――変!身!」
 
 イルカたちがベルトから機関銃を発射する寸前、灸さんはまるで鳥のように宙へ舞い上がる。
 そして彼が空中で透明な赤い光に包まれたかと思うとその直後に虹色の羽根に身を包んだ鳥人が光の中から舞い降りた。

「撃てえ!」

 大量の銃弾が機関中から放たれる。
 だが鳥人は虹色の光を翼のように広げてその銃弾から観客を守る。
 機関銃を撃ち尽くしてからイルカはやっとその異常な事態に気づいたようだった。

「……なんだと?」
「人間様に楯突くとは畜生共!なかなかいい根性しているじゃねえか!
 三枚に下ろしてオーストラリアにでも出荷してやろうか?」
「貴様まさか契約者……!」
「その通り!人間の自由と平和を守る契約者だ!
 てめえらみたいな化物にはとっととおっ死んでもらうぜ!」

 鳥人と化した灸さんは孔雀が羽根を広げるような構えをとってイルカたちと対峙する。
688 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:30:18.91 ID:Yx33AUhU0
「契約者が相手ならば我々も全力を出さざるをえないな……。」
「くっ、皆さん早く逃げてください!」
 
 灸さんは驚いて動けなくなっている客たちに避難命令を出す。
 だが冷静に考えてみればすでにこの水族館はイルカが人間の上に君臨している。
 ここで避難させたところでその途中に別の生き物に襲われるだけなのではないだろうか……?

「ドアが閉まっている!開けられないぞ!」
「くそっ!」

 そうだ、朔夜、いくら正義の味方をやめたとはいえ振りかかる火の粉くらいは払いのける筈。
 あいつが今の今まで動いていないなんてあり得ない。
 あいつは何をやっているんだ!?
 そう思って僕は隣を見た。

「…………。」
「おい朔夜、何をやっているんだ?
 このままだと俺達もやばいぜ?」
「…………ないの」
「え?」
「…………使えないの」
 
 声が小さくてよく聞こえない。

「…………魔法が、使えないのよ!
 この前からずっと使えないの!」

 そう言って泣き崩れる朔夜
 なんてこったい

「これが我々の真の姿だ!」

 大きな声に振り返るとイルカたちが……
 イルカたちが顔だけイルカのマッチョな人間の姿になっていた。

「キモイヨオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
「誰だ!今我々をキモイとか言ったのは!」
「即刻粛清だ!」
「イルカ帝国最初の生贄にしてくれるわ!」
「そうはさせるか!」
「ふはははは!貴様らの相手は我々兄弟がしよう!」
「しまった挟まれた!」

 おっと、ついつい本音が出てしまったようだ。 
 それを聞きつけたマッチョイルカメン数名が俺の元に向けて走り寄ってくる。
 灸さんがそれを止めようとしたが一体だけ逃してしまいその一体が俺の目の前まで迫ってくる。
 ペプシマンがイルカの頭をつけた化物が目の前まで迫ってくる恐怖。
 君に解るだろうか?
689 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:31:01.11 ID:Yx33AUhU0
「スバルくん逃げろおおおおおおおおおおおお!」
「おっと、」
「お前の相手はこっちだぜ?」
「ぐがあ!」

 灸さんがこっちに気をとられた隙に二人のイルカメンに殴り倒される。
 これはやばい。

「死ねええええええええええええ!」

 朔夜はまだ泣いている。
 イルカ人間の手が俺の目の前まで迫ってくる。
 やばい、死ぬ。
 コマ送りのように時間が流れる。
 まあでも、死んでもいいかな、と冷静に考える自分もそこに居た。
 死のうが生きようがそれほど変わらない。
 普段は明るく馬鹿やって見せているがこの瞬間になって自分の心の底が見えてしまった。
 よし、どうせ無駄な命なんだ。できるだけ朔夜をかばえるような体勢で死んでみよう。
 そう思った時だった。





「そこまでだ怪人共!」







 ひしゃげたドアが僕を襲うイルカ怪人に直撃する。
 封鎖されていた筈のドアが飛んできた方向には骸骨の鎧を纏った男が立っていた。
 男は右手に引きちぎられた魚介類のヒレやら無残極まりないことになっている蛸の腕やらを持って、
 その真っ白だったらしい仮面を赤や青や緑の様々な血の色で染めていた。
 仮面のくぼみに貯まる血は遠くから見るとなぜだか涙に見えた。
 
690 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:31:40.14 ID:Yx33AUhU0
「だ、誰だ貴様!」
「イルカ帝国の野望を邪魔する気か!?」

 男は混乱に陥る人々の中をかき分け彼らに避難指示をしつつもイルカたちの前に立ちふさがる。
 そして彼らの前で堂々と某特撮番組よろしくなポーズを決めたかと思うと高らかに名を名乗った。







「警視庁都市伝説犯罪捜査一課明日真警部!
 またの名を……仮面ライダークロム!」





 とりあえず、この非常事態に有名特撮ヒーローの真似をしている時点で……
 たとえどんなに優秀な人間であっても彼はダメな大人に違いないと判断した。
 
「真!」
「灸さん、いつもご協力ありがとうございます。」
「固いな。」
「仕事中だからね。」

 灸は自らに襲いかかるイルカ怪人を虹色の羽根でなぎ払うと警部さんの隣に降り立つ。

「俺とあんたの仲でしょうに。」
「それもそうか。」
「はっはっは!いくら貴様らが契約者とてこの数のイルカ軍団には叶うまい!

 水槽の奥から次々と人のような姿をしたイルカ達が現れる。
691 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:32:30.23 ID:Yx33AUhU0
「敵は多いな、灸……」

 クロムと名乗った警察のお兄さんは灸さんの肩に手を置いてポツリと呟く。
 だがすぐに頭を振って顔をあげる。

「いや…………たいしたことはないか。」

 灸さんはだまって頷く。

「今日はお前と俺でダブルライダーだからな」

 灸さんの翼が再び赤く強く輝き始める。

「なにをごちゃごちゃと……!
 貴様ら!やってしまえ!」


 大挙して押し寄せるイルカたちを見て灸さんは少しだけ笑う。


「さあて」
「日曜昼の」



「「スーパーヒーロータイムだ!」」



 灸さんの飛び蹴りがイルカの顔面を捉える。
 刑事さんの正拳突きがイルカを軽々吹き飛ばす。
 圧倒的だった。
 自らの能力におごるばかりのイルカたちに比べて灸さんも刑事さんもおそらく気が遠くなる数の“人類の敵”を屠ってきたのだろう。
 イルカたちの攻撃はいなされ躱され
 灸さん達の技が一閃するたびに何体ものイルカが灰になって消える。
 しばらくするとあっという間にイルカたちは全滅していた。

「さて、これでもう大丈夫だな。」
「あれ、二人とも逃げてなかったのか!?」

 灸さん達がこちらに歩いて来る。
 戦いが終わった安堵感から僕はその場にへたりこんでいた。
 朔夜はまだ泣いている。

「いやすみません……腰が抜けちゃって……。」

 刑事さんが仮面を外す。

「……結構情け無いじゃないか少年。」

 僕はその素顔に見覚えがあった。
692 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:35:40.33 ID:Yx33AUhU0
「ああああああああ!」

 そう、明日真とは、仮面ライダークロムとは

「彼誰飯店で!」
「なんだよ気づいてなかったのかよー」

 あの店で刑事さんと呼ばれていた男性だったのだ。
 
「その上恋路の道場に来たらしいじゃん。」
「え、いや、え?」
「え、あいつからお前が会いに来たって聞いたぞ?」
「え?あの刑事さん……」
「真でいいぜ。」
「真さんは恋路さんの……。」
「新婚、なんだ。」
「えええええええええええええええええええええええええ!?」

 世界はどうやら思ったより狭いようだ。
 真さんは僕と朔夜を軽々抱え起こす。

「とりあえずまあ署まで来てもらうぜ。
 君たちも事件に巻き込まれた人間だし。」

 そう言って刑事さんがイルカショーの会場から僕達と出ようとした瞬間だった。




「はっはっはっは!さすがだなあ!やっぱりすごいや!
 日本の警察は“組織”と手を組んで力を増したと聞いていたけど本当だね!
 僕の“原子力発電所の周囲の奇形生物”による改造を受けたイルカ軍団が手も足も出ないなんて!」




 突如として館内に響く声。
 まだ若い、少年から青年といったところだろうか。
693 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:36:16.48 ID:Yx33AUhU0
「何処だ!何処からこの声が!?」
「ごめんねーぼかぁ戦闘ができないんで君たちの前には直接出れないんだ。」
「放送室じゃないですかね?」
「よし、俺ちょっと行って……」
「待て真、俺が翼使って行ったほうが早い。」
「任せた。」
「子供たちはお前に任せるぜ。」
「おう。」
「今回はイルカくんたちを騙してちょおおおおっとぼくの能力で改造してみたんだけどさあ!
 いやあすごいね!あれだけの数の改造兵士を倒せるなんて!
 下の階のサメを倒したのも君かな?
 確か十体くらいは居たのになあ……。
 全部一人でしょ?
 迸るほどに強いよね。
 こんな化物抱えているなら警察に対してももっと警戒するように同志に教えないと……」
「お前は何者だ!一体何が目的だ!」
「ぼく?ぼくは仲間からは“医者(ドク)”って呼ばれてるな。
 医者なのに毒とはこれいかにってねwwwwww
 ぼくたちの目的は今の社会の破壊、そして子供の子供による子供のための国の建設。
 ネバーランドと名乗り、すでに世界中で活躍しているんだぜ?」

 遠くで爆発音が聞こえてくる。
 どうやら灸さんがどこかのドアを破壊しているらしい。

「やれやれ、無粋なことするね。
 ところでそこの正義の味方さんよ。質問有るんだけど良いかな?」
「…………。」

 明日さんは何も答えない。
 瞳に怒りの炎を燃やして静かに仮面を付け直している。
694 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:37:58.60 ID:Yx33AUhU0
「世の中には人身売買やら児童への性的虐待やら武器商人が儲ける為の戦争やら沢山あるけどさ。
 あんた達それを放っておいてぼくたちみたいな善良なテロリストをおっかけまわしてるっておかしくない?
 それとさ、あんたが誰かを守ったり救ったりしたとしても多分その間にその倍の人間が絶望したり悪に染まるんだぜ?
 なんでそんな無駄なことをやれるの?
 あんたぐらい強いなら世の中全部壊して作り直した方が早くない?」





「たとえ救えない未来が有ったとして……それが見過ごせない現在を見過ごす理由にはならない!
 俺は契約者である前に一人の人間として、救えるだけの人を救い、守れるだけの未来を守るだけだ!
 その邪魔はお前らのような悪人には絶対させない!」





 朔夜の涙が止まる。
 様子が気になって顔をあげさせた。
 涙が止まったから落ち着いたと思ったのだ。
 でもそれは違った。
 なぜかは知らないが彼女は泣くより酷い、それはそれは虚ろな顔をしていた。
 解ったよネバーランド。
 解ったよジャック。
 どうやらお前らのしていることは今の俺にとって邪魔みたいだ。
 放っておこうと思っていたけど……
 お前らの相手はこの俺だ。
 事情は分からないが友達を泣かされて黙ってられない程度の人間性は俺だって回復できているんだ。
 今目の前で絶望に打ちひしがれている友達のおかげで。

【不思議少女シルバームーン〜第五話 第五章「正義の味方と正義の味方」〜】
695 :影の [sage saga]:2011/06/30(木) 00:42:41.17 ID:ECaXGNxb0
灸さんキタァ! アスマもキタァ!
そして昴くんが覚醒しただと・・・こっちは意外だったぜ

ところで、ネバーランド側に例のあの少年がついていったということは、
これは龍騎ばりのライダーバトルが楽しめたりするんじゃ・・・と今から心臓の高鳴りが止まりません
696 :ふえ [saga]:2011/06/30(木) 00:42:43.53 ID:Yx33AUhU0
とまあまだまだ朔夜ちゃんには堕ちていただきます
正義の味方が如何に力強くまた眩しいものか
自分のやっていたことがどれほどに“ごっこあそび”に過ぎなかったか
説教されるとか言うのではなく、ただただ男の背中で示します
そしてトラウマ台詞をわんもあセット><
「たとえ救えない未来が有ったとして……それが見過ごせない現在を見過ごす理由にはならない!」
がトラウマになるってめちゃくちゃな状況だよね
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 07:55:35.93 ID:tiFpwaRDO
さて、ライダーバトルはどうだろうな
別々に戦うことになりそうだし
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 10:29:59.59 ID:e8rVvmODO
投下乙です

おお、明日君がヒーローしてる。ありがとうございました
血濡れの白面……素敵です
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 18:00:16.49 ID:tiFpwaRDO
いつかのリクエストに応えられて幸いです
今晩はついに朔夜ちゃんの母親のというか朝月家の秘密が明らかに!!
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 18:32:55.45 ID:WWKDWAEjo
寝冷えました
喉は痛くありませんが咳が止まりません
早く治したいのに食欲が湧きません
お勧めの献立があれば是非教えて頂けませんでしょうか
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 18:40:00.11 ID:tiFpwaRDO
チキンスープか魚のあら汁がおすすめだ!!
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 18:46:17.30 ID:WWKDWAEjo
>>701
ありがとうございます
チキンスープと見た瞬間
チキンラーメンに大蒜生姜白菜を大量投下する
妄想がすくすくと育ちました
早速今晩やってみます
703 :ふえ [saga]:2011/07/01(金) 00:02:18.68 ID:ERGEpO7P0
【不思議少女シルバームーン〜第六話 第一章「少年と魔女」〜】

「今度二人で食事でもいかがですか?」
「良いわよ。貴方には世話になってるしね。」
「えっ」
「今度私の行きつけの店で二人でゆっくりお話しましょう。」
「私の娘、朔夜の母が今度帰ってくるのよ。
 たまには親子水入らずにしてあげたいじゃない。」
 
 切欠はそんな会話だった。
 春休みに入ってすぐの水族館からの事件の数日後。
 度重なるデートの誘いが功を奏したのかヨツバさんがついに僕とデートをしてくれることになったのだ。
 今の僕は彼女に連れられて映画を見た後とりあえず高そうなレストランでディナーを食べている。
 男として非常に情けないのだが費用は全部彼女もちである。
 これでは僕がタダ飯集ってるだけのダメ人間みたいだ。

「あらどうしたの?食事中にそんな難しい顔して。」
「いえ、なんでも……」
「あらあら、口にソースがついているわ。」

 ヨツバさんの手が僕の口元まで伸びる。
 顔が近づく、シワもシミも無い雪のように白い肌。
 二十代後半といっても通じるだろう。
 主張しすぎないデザインのメガネが逆に彼女の顔そのものの美しさを引き立たせる。
 
「あ、すいません……。」
「うふふ、良いのよ。」

 話題が見つからない。
 いや、見つからないわけではないのだ。
 ただ……ただ切り出しづらいだけで。

「あの……。」
「少し待って、あなたのしたい話なら解っているわ。
 私にリードさせて頂戴な。」

 ヨツバさんがステーキの最後の一切れを口に運ぶ。
 肉片を咀嚼し、喉からゆっくりと胃袋に送り込む。
 喉の細かな動きでさえ綺麗だ。
 普段とは違い服装もどこか若々しい彼女はなんていうかとても魅力的だった。
704 :ふえ [saga]:2011/07/01(金) 00:03:53.00 ID:ERGEpO7P0
「ああ、美味しかったわ。
 ……さて、夜は長いしゆっくりお話しましょう。」

 眼鏡の奥の瞳が妖しげに輝く。
 蛇のように、猫のように、いいや違うか、正しく魔女だ。

「はい、まず聞きたいんですが……朔夜は何がどうしてあんな状態に?」
「あらあら、聞いてなかったの?」
「聞けませんよ。」
「中々気を遣えるのね。そういう男の子は好きよ。」

 ワインを静かに飲み干すヨツバさん。
 ふ、とため息がこぼれる姿さえ美しい。
 ああ、僕は未成年なのでオレンジジュースだ。

「そうね……まず何処から話したものか。」
「どういうことです?」
「色々複雑な事情があるのよ今回の事件。」
「できれば朔夜の友達として聞けるところまで聞かせてください。」
「そうね、でも……。」

 ヨツバさんの手が僕の頬に触れる。
 冷たくて、恐ろしくなるのに、何も出来ないでいる。
 あの瞳が僕を見つめて離さない。

「できれば今は私の大事な若いお友達としても聞いておいてほしいわ。」
「は、はい……。」
「もう一度、お願いしますって言ってもらえる?」
「お願いします。」
「ああ、良いわぁ…………。」
 
 心臓が早鐘を打っている。

「それじゃあお姉さんがひとつひとつ丁寧に教えてア・ゲ・ル。」

 クスクスとヨツバさんは笑う。
705 :ふえ [saga]:2011/07/01(金) 00:05:27.20 ID:ERGEpO7P0
「朔夜が正義の味方になりがっているのを私はよく思っていない。
 それは知っているわね?」
「え、えぇ…………。」
「でもね、彼女が正義の味方になる切欠を作ったのは私なの。」
「どういうことです?」
「私が彼女にセーラームーンとか二人はプリキュアとか見せてたのよ。
 ミンキーモモは無論却下よ。」

 なんですと。

「目的はシンプルよ。あの子が積極的に魔法の力を使うように仕向けたかったの。」

 魔法を使うのは魔女の家系なら当たり前ではないのか?

「魔女の家系と言っても私たちは半分くらいは人間。
 自分の力を厭う娘だってたくさん居たわ。
 私の娘もそうだった。」
「朔夜がそうならないで“魔女”としての能力を積極的に伸ばすように仕向けていたんですね。」
「ええ、とはいえまあ、さすが私と龍之介さんの娘というべきかしらね。
 私の娘もまあ母体としてはかなり優秀だったわ。
 だから私は娘の教育は早々に諦めて朔夜を育てるために色々と準備をしていたの。」
「龍之介さんというのは?」
「私の昔の男よ、十年以上前に死んだわ。その話はまたあとでしてあげる。
 まあ魔女の素質そのものは母親が魔女でさえあれば十分だからね。
 都市伝説に対する親和性が高い男の人を子供をつくるためだけに迎えていたのよ。」
「……魔女の家系というのはそういうことをずっと続けているんですか?」
「ええ、まあそうね。一代限りの特異体質者や契約者とは違うもの。
 代を重ねるごとにより強い魔力と深い知識を継承するためよ。
 その為には家に男性の存在が邪魔なの。」
「なるほど……。」
「私の母もそのまた母も、ずっとそうやってきたわ。」

 ヨツバさんがワインを再び口に運ぶ。
 
706 :ふえ [saga]:2011/07/01(金) 00:07:37.60 ID:ERGEpO7P0
「なかなか出来のいいワインね。貴方も飲んでみる?」
「い、いえ遠慮させていただきます……。」
「あらそう、ちょっと残念。
 どこまで話したっけ?」
「えっと、魔女の家系云々の話ですね。」
「ああそうそう、年をとると物忘れが激しくて嫌だわ。
 それでね、朔夜はそういう慣習の中で生まれた本物の魔女ってわけ。」
「契約者とは違うんですか?」
「ええ、私たちは都市伝説であり人間である存在なの。
 人間でしか居られない契約者達とは格が違うわ。」
「ほう……。」
「人間とも契約できるしね。」
「え!?」
「してみる?私と。」
「えと……。」
「冗談よ、本当にやろうとしたら私が捕まっちゃうわ。
 でまあ朔夜のお父さん、これが今回の事件の実行犯っていうかなんていうか。」

 やろうとした捕まる……?
 バイオレンスなのか、それともエロエロなのか!
 エロエロならむしろ望むところだ!
 むしろ土下座してでも契約させていただきたい!
 なんて本音を隠して会話を続ける。

「朔夜をあんな状態にした犯人ですか?」
「ええ。」
「……ろくでもない父親だったのか。」
「とても良い人よ。」
「え?」
「出てたわよ、本音。」
「ああすいません…………。」
「人格は冷徹、頭脳は明晰、腕っ節も強くて、何より都市伝説との親和性が高かった。」
「ああ、遺伝子的に良い人って意味ですか。」
「あら知らないの?冷徹っていうのは味方への優しさの裏返しなのよ?」
「紛らわしい言い方しないでくださいよ。」
「うふふ、ごめんなさいね。
 まあぶっちゃけどれくらい強いかっていうとあれね。
 若い頃の龍之介さんに並ぶわ。正しく死神。」
「龍之介さんを知らないからなんとも言えませんよ。」
「完全に警戒状態のこの国の総理官邸をまっすぐ突っ切っていけるくらいかな。」
「へぇ……。」
「流石に皇居とかアメリカのホワイトハウスは無理だけど。」
「大体理解しました。」
「そういえば貴方昔少年兵だったらしいものね。」
「好き好んでじゃあないですけどね。」
「じゃあ朔夜の掲げる正義の脆さも、彼女の意思の未熟さも解ってるわね?」
「勿論。」

 そうだ、確かにあいつの正義は幼い。
 そして精神も脆い。
 だがそれはあの年では当たり前で……
707 :ふえ [saga]:2011/07/01(金) 00:08:57.80 ID:ERGEpO7P0
「そういえばだけどこれから先の話をする前に約束してくれる?」
「なんです?」
「この先の話を聞いても私を嫌いにならないで。」
「…………。」
「呆れちゃうでしょう?この大魔女朝月ヨツバ様が貴方みたいな少年の前でこんなこと言うなんて。
 まるで生娘みたいだわ。笑えちゃう。」
「…………。」
「浅ましいでしょう、浅ましいわ。
 でもね、私は貴方に嫌われるのが嫌なの。」
「…………解りました。」
「ありがとう。
 実はね、さっき彼女の父が実行犯と言ったでしょう?
 今回の事件の主犯、実は私なのよ。」
「やっぱりか。」
「解ってた?」
「ええ、朔夜がバットンも僕も連れずに一人で事件に向かうなんておかしいと思ってました。」
「でも言わないでいてくれたのね。」
「……はい。」
「ああ、優しい人ね。龍之介を思い出すわ。」
「僕は天野スバルです。」

 龍之介という男の名前を呟く時の彼女の顔は本当に美しかった。
 それが僕には少し許せない。

「悪かったわね、デリカシーが無かったかしら。」
「いえ別に……。」
「ふふふ、彼女を彼女の父の所に最悪のタイミングで送り込んだのは私。
 彼女が彼女の父をそれと知らずに倒そうとするようなタイミングにね。」
「ヨツバさんは親子が戦うように仕向けたんですね。」
「あら、戦いにはならなかったわ。」
「どういうことです?」
「だってあの子、弱すぎるもの。
 本当に笛吹さんの種なのかしらってくらい。」
「いやいやいやあいつで弱すぎるってどんなマッチョメンですか。」
「マッチョって程じゃないわ。ただサイヤ人みたいな人ってだけで。」
「怒ると髪金色になるんですか?」
「なるんじゃない?」

 なんじゃそりゃあ……。
 日本にも戦闘民族って居たんだ。

「朔夜のお父さんはちょっと女癖の悪い人でね。
 朔夜のお友達の一人とすこしいちゃついているところにあの子を送り込んだの。
 そしたらもうあの子ったら暴走しちゃってね。
 事情も聞かずに自分の父親に襲いかかったのよ。」
「その朔夜の友達って幾つですか?」
「あら、貴方も知ってる子よ。あのおっぱいが大きい子。」

 …………え。
 僕と朔夜の共通の知り合いで巨乳といったら……。
708 :ふえ [saga]:2011/07/01(金) 00:09:42.90 ID:ERGEpO7P0
「霧雲霙だったかしら?」

 ああ、そうか
 彼女の胸はその男に揉まれて大きくなっていたのか。
 揉んでいたのはその男だったのか……!
 純情な男子小学生達の夢を弄びやがってええええええええええええ!
 ゆるさねえ!その男だけは絶対にゆるさねえ!
 くそが!ぶっころしてやるらあああ!

「なに修羅みたいな形相してるのよ。」
「え、あ、いや……。」
「スバルくんって気が多いのね。お姉さんがっかり。」
「いやそれはそのえっと……。」
「からかっただけよ。」
「からかわないでくださいよぉ……」
「ごめんなさいね、まあとにかく一瞬で倒されて心折られた彼女はその傷を嫌せぬまま今に至ると。」
「なるほど、それは朔夜のお父さんと打ち合わせてやったんですか?」
「いいえ、ノンアポ。」
「えっ」
「あの人子育てに参加できないのを負い目に感じていたのかしらね。
 一瞬で私の意図を全部把握して、全て解った上で汚れ役を引き受けたのよ。
 誰にも言わずに黙って、たった一人で愛する娘と愛する女性から恨まれて。
 己のエゴを通す振りして身を削ったのよ。」
「…………ろくでもない、は訂正させてもらいます。
 でも気になるんですが……それでもわざわざあそこまでする必要は……。」
「いいえ、今ああやって痛い目に会わせないとね。
 何時か本当にどうしようもない敵が本当に敵として現れた時に心が折れてそのまま死ぬわ。
 私としてはここで正義を諦めるならそれもよし。
 より強い心を得て“本物の正義”に目覚めるならそれもよし。
 どちらに転んでも損は無かったわ。」
「朔夜が正義の味方になるのはいやなんじゃないですか?」
「これで折れないなら貫かせてやらなきゃ親じゃないわ。
 孫相手にここまでやった私なりの決断よ。
 正義に向かうならもっと力を求めてもっと修行するだろうしね。」
「なるほど……。」
「実際、ネバーランドだっけ?
 あそこのメンバーの子達の話を聞いたら今までのあの子じゃ戦えなくなるんじゃない?」
「まあ……少なくともジャックの過去を知ればあいつは怯みますね。
 戦えなくはなるでしょう。」

 ヒドイ話だ。
 ヒドイ話だが納得できないではない。

「ああ、あと朔夜が魔法使えなくなってるのってあれどうしてですか?
 危うく死にかけたんですけど……。」
「ああ、あれはね。
 私たち魔女が本格的に大人になる前触れなの。
 私も半年くらい魔法使えなくなったわ。
 ただこの期間も修行を地道に続けた魔女は伸びるわねぇ。」
「魔女の生態が分からない。」
「今夜、少し調べてみたら?」
「え?」
「目の前にこんな良い魔女がいるのに調べてみないの?」
「からかってます?」
「いいえ、年寄りの長話につきあってくれたお礼よ。」

 ヨツバさんはそう言ってウインクをしてみせた。
 どうする俺、どうする!
 どうする!
709 :ふえ [saga]:2011/07/01(金) 00:10:19.62 ID:ERGEpO7P0
「ああそうそうその前に。」

 ヨツバさんが携帯電話を僕に渡す。

「これ、もし朔夜と一緒に居てまた何か有ったならこれを使いなさい。」
「これは……?」
「私の使い魔よ、あなたの力になってくれるわ。」

 とりあえずしゃかしゃかと振ってみる。

「バットンと違って喋らないわよ。」
「なんだ。」
「都市伝説の召喚器になっているわ。
 適当にボタン押してコールすれば護身用には十分すぎるのが出てくるから。」
「わ、わかりました……。」
「あなたの昔の友だちが何かしているみたいだけど……」
「ああ、付きまとわれて困ってます。」
「使い方さえ間違えなきゃ、そして『貴方』なら、多分彼ら程度ならなんとかなるわ。」
「へぇ……ありがとうございます。」
「いつも朔夜に良くしてくれるお礼と私からの好意よ。
 さ、難しい話はここまでにして次行くわよ次!」
「え?」
「あら、お父さんには友達の家に泊まるって言っているんでしょ?」
「はい……。」
「じゃあ大丈夫、夜は長いわよー!」

 そう言って彼女は僕の手を引いて店を出た。
 その姿は本当に僕と変わらない年頃の子供のようにはしゃいでいて、綺麗だった。
 色々面倒な問題は山積みだが、僕も彼女に合わせて今日くらいはゆっくり楽しもう。

【不思議少女シルバームーン〜第六話 第一章「少年と魔女」〜】
710 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 00:18:05.56 ID:ERGEpO7P0
この調子だと一週間連続投稿行ける気がする
主人公がヒロインの祖母とイチャイチャする話を読めるのは多分自分の作品だけ
そして魔女の愛情は歪んでいます
711 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 01:20:34.36 ID:HvOsSmHAO
@[ピンチの時に現れるのはヒーローだけとは限らない]

夏真っ盛りとなる7月中旬のある日…俺の憑かれて疲れる毎日は幕を開けた。

俺「ったく、あのガキは一体何だったんだ。
俺を鬼呼ばわりした上にゆびきりなんかもしたり…まぁ暇潰しにはなったが…」
数時間前に会った子供を思い出しながら誰も居ない帰り道を通っているとこんな歌が聞こえた。
トンカラトン「トン、トッン、トントン、トン、カラ、トン」
日が沈み行き周りが橙色に染まる頃『ソレ』は現れた…調子の外れた歌声とキコキコという音を鳴らしながら。
俺「ん?なんだか…変な歌だな?」
気になって振り向いた俺の視線の先に居た『ソレ』は全身に包帯を巻き付け自転車に乗っている男だった。
その怪しい男は危険な者だと俺はすぐに認識した…何故なら『ソレ』は仰々しく、物々しい抜き身の日本刀を携えていたからな。
俺「な、なんだよアイツ…
まさかあの日本刀…本物じゃねぇよな」
今考えるとさっさと逃げれば良かったのだが俺は好奇心と少しの恐怖から動かず様子を見ていた。
712 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 01:26:24.25 ID:HvOsSmHAO
トンカラトン「トン、トッン、トントン、トン、カラ、トン」
『ソレ』はゆっくり俺の方に近付いて来てそして俺の前に止まり初めてまともな言葉を口にした。
トンカラトン「トンカラトンと言え」
俺「トッ…トンなんつった…トンカツ?」
俺が『ソレ』の指令を間違えた瞬間ソイツはご自慢の日本刀を俺に向かって降り下ろしてきやがった。
俺「痛っ…冗談キツいぜその刀、マジもんかよ…ぐっ」
幸いにも不良との喧嘩等で場数は踏んでいた俺はギリギリの所で刀の直撃を飛び避けた…だが足に剣先が当たってしまったようでジーパンに赤い血が滲み俺は苦痛に顔を歪めた。
だがそんな俺の状況なんかお構い無しに再び『ソレ』は日本刀を持ち上げ止めを刺そうとする。
俺(この傷じゃあ次は避けきれねぇか…チクショウ、俺が何したってんだよ)
俺は無駄と分かりながらも両腕を頭の上でクロスしガードの姿勢をとり目を瞑る。

やつの日本刀が俺に向かってくるのが風を切る音で分かる…数秒後赤い血が飛び散るような音がした…

713 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 01:32:24.23 ID:HvOsSmHAO

俺「ん…あれ?」

だが俺は生きていた…確かに刀は降り下ろされた筈なのに俺は真っ二つや三枚下ろしにはならず無事に生きていた。
俺が困惑して辺りをみると少し遠くに口から血を滴ながらも倒れた自転車を起こして再び刀を構える『ソレ』と目の前に黒いローブの何かが立っていた。

俺「アンタはカッコいい正義のヒーローか何かか…?」
俺は冗談、期待、疑問様々な気持ちがごちゃ混ぜになりながらもおかしな質問を仮面の黒装束していた。

だが黒装束の回答はもっとおかしかった。
戦闘員「えっと自分は…悪の戦闘員です」

714 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 01:38:27.53 ID:HvOsSmHAO
俺「…は?」
戦闘員「あの大丈夫ですか?」
ポカンとする俺の顔の前で手を振る…戦闘員さんとやら
俺「あ〜ヤバいな…出血のせいでか変な幻覚と幻聴が…」
戦闘員「ちょっ…幻ではないです!自分は首領様の命令と契約により貴方を助けに来たのです」
俺「傷が痛いから手短に言うが俺の人生の中で悪の首領や戦闘員と契約をした覚えは皆無なのだが?」
戦闘員「いやでも、してあるものはしてあるので…まぁ詳しい話はトンカラトンを倒してからです」
話してる間にすっかり忘れていたが『ソレ』は数歩離れた地点まで近付いていた…名はトンカラトンと言うらしい
トンカラトン「トンカラトンと言え」
それ以外話せねぇのかとツッコミたくなるほど同じ台詞をトンカラトンは吐いた、それに対し戦闘員はこう応えた。
戦闘員「すみませんが…都市伝説『減らない戦闘員』としてそれはお断りさせて頂きます」

715 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 01:44:00.75 ID:HvOsSmHAO
それを聞いたトンカラトンは俺の時と同じく日本刀で戦闘員に斬りかかった、そして戦闘員は…見事に二つにされてしまった。
いや訂正しよう正確に言えば戦闘員が二人になった…刀が頭部に到達する前に戦闘員は後ろに下がって刀を避けていて、その時に戦闘員の背中からその戦闘員と全く同じ容姿の戦闘員が腰辺りまで現れて数秒後には全体が出きり完全に二人に分離していたのだ。

戦闘員×2「「あまり長引かせたくはないので直ぐに終わらせます。」」

全く同じタイミングで喋る二人の戦闘員の余裕な発言の後、戦闘員は更に分裂し最終的には八人となり全方向からトンカラトンを囲んでいた。

トンカラトン「トンカラトンと…」
怯まずに斬りかかるトンカラトン…
戦闘員達「「「「嫌です」」」」
だが無情にも一つの体一つの刀では数の暴力には勝てず八人が飛び掛かり砂ぼこりが散る頃にはひしゃげた自転車と地濡れた包帯が落ちているだけであった…トン…えっとトンなんとか?は…とりあえず御愁傷様のようだ。
716 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 01:49:33.31 ID:HvOsSmHAO


俺「んで…話を聞かせていただこうか?」
戦闘員達「「あ、はい分かりました」」
俺「ストップ…一旦1人になってくれ話しづらいしちょっとホラーだからよ」
俺は先ほどからの驚きと恐怖の連続で感情が麻痺したようで案外落ち着いていた…だって目の前の八人がいきなり一人になってもか会話してるからな…俺
戦闘員「簡単に話すと貴方は複合都市伝説「悪の組織」と契約したのです」
俺「契約?…詳しい内容はあとで聞くけど…さっきも言ったが俺にはお前みたいな黒装束やさっきのトンなんとかみたいな類いの知り合いはいねぇんだが」
戦闘員「いえ貴方は今日公園で我等の首領様と契約しましたよ?」
俺「公園で契約?…えーと確か…」

717 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 01:57:27.29 ID:HvOsSmHAO
〜回想中〜
ヤンキー「鬼だ…ガクッ」
公園で洗濯物みたいに重なっているヤンキーの一人が最後にそう呟いて気絶した
俺「誰が鬼だ誰が…ったく人聞きが悪りぃやつだな」
初めに言うが俺は善良な好青年だ…
コイツらがぶつかって来て「慰謝料払えよゴラァ」なんて言われたので殴って更正させてあげるほどの好青年だ…
あぁん?今だれか「えっ、なにそれ恐い」とか言わなかったか?
ゲフン…とりあえずヤンキー達を(拳で)更正させていて疲れた俺は公園の水道で喉を潤していた。
?「オ〜イそこの鬼ー」
俺「ブフッ…だから鬼じゃねぇよ!…ってなんだガキか」
噎せながら声の方を向くとみょうちくりんな服装の小4ぐらいの背のガキんちょが居た。
?「なっ…私はガキじゃない悪の首領様なんだぞ!」
俺(最近の女の子はヒーローものとか見るんだな…まぁ少しガキの相手でもしてやるか)
俺「はいはい…んでその首領様が何のようだ?」
首領「スカウトだ…お前の不良をあそこま可哀想にぼこる鬼畜さと強さが我が組織に欲しいのだ!」
俺「鬼畜さ…はぁ、それでその悪の組織とやらに入るにはなにか必要な事とかあるか?」
首領「いいや特には無いぞ、あるとすれば首領の私とゆびきりをするだけだ」
俺「随分とユ
718 :ハリボテ [sage]:2011/07/01(金) 02:05:01.47 ID:HvOsSmHAO
<うわっ…途中で切れてました…スミマセン>


俺「随分とユルい組織なこったな…これでいいのか?」

俺は小さな首領が出した小指に小指を付けてゆびきりげんまんをしていた…なんか懐かしいな
首領「よしこれで私『等』と契約は完了だ…では私はお腹が空いたので先に帰るまた会おうぞ!」
そういうと自称首領は走って去っていった。
〜回想終了〜
俺「まさかとは思うが…もしかして首領ってあのガキか?」
首領「だから私はガキじゃなーい!」
戦闘員の後ろから噂をすればと言わんばかりにガキが現れた
俺「うおっ…そうそうコイツだコイツ!」
戦闘員「首領様をコイツ呼ばわりしないでください…契約者様」
首領「そうだぞ契約者、これからは一緒に戦うのだからもっと優しくしろ!」
俺「あ〜はいはい分かったよ…ってこれから…?」
戦闘員「えぇ…これからです」
俺「まさかまた変なのが来るのか…?」
首領「もちのろんだ!」
俺はすぅ…と大きく息を吸い口を開いた…
俺「もう勘弁してくれよ」
学校町に疲(憑)かれた声がこだました…気がした。

(続くのか?)
719 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 08:13:05.44 ID:UJnVxn6b0
やっべ、携帯電話型都市伝説召喚機先越されたか…
アンドロイドにしようかしら
しかしスバルくん本当は幾つなんだwwwwww
てか龍之介って…しかもその娘って…

悪ノ組織キタァ!! ロリ首領ひゃっほおおおおおおおおおう!!!
減らない戦闘員からしてかなり強そうだな、これからの活躍に超期待
そして首領たん頂きます!(性的な意味で
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 14:46:32.68 ID:RJB6+rxDO
お二方、投下乙です


なあに、ネタかぶりなんて気にするようなことでもないさ
かくいう私も変身ベルトならぬ契約ベルトの妄想が止まらなくてですね
もろかぶりですが、時間があれば書く、か、も
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 16:01:14.04 ID:RJB6+rxDO
お姉さまに惚れるショタについて考えてたら、コパンのCMを思い出した

あれは
「大きくなったら結婚してください」→「そのころおばあちゃんよ?」→「なかったことにしてください」
の流れだったけど、その点スバル君はよく鍛えられてる
722 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 17:25:34.84 ID:UJnVxn6b0
>>720-721
>かくいう私も変身ベルトならぬ契約ベルトの妄想が止まらなくてですね
それはwktkせざるを得ない
ベルト自体が契約アイテム的な設定なら、被ってないから安心してね!
裂邪の使ってるベルトは・・・何て言うんだろ・・・データ受信装置?ターミナル?そんな感じ
本体はパスの方なの

>お姉さまに惚れるショタについて考えてたら、コパンのCMを思い出した
懐かしいなwwww
俺は、小学生の時に読んだコンビニエンスストアの仕組を説明した漫画を思い出すなぁ
小学生ショタが店員のお姉さんに一目惚れしてコンビニに興味持つ、みたいな話だったかしら・・・最後告ってたぞ
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 17:50:53.00 ID:TgIFt/kn0
悪の組織が銀行強盗を倒す→ヒーローに強盗してると間違えられる→そこから始まるマイレボリューション
724 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 21:27:53.19 ID:ERGEpO7P0
悪の組織の人おつ
あれだな、メジャーな都市伝説の話もみたいな
>>719
そこらへんの関係複雑だかあとで説明書くね
>>720
不自然じゃなくベルト出すの大変
どれくらい大変かって言うとベルト諦めてガイアメモリ型契約書に切り替えざるを得なかったくらい大変
>>721
彼はあれですから
「そのころおばあちゃんよ?」
「じゃあ今結婚しましょう」
だから、なにかこう色々壊れてる
725 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 21:40:19.13 ID:ERGEpO7P0
知らない人も三分で分る笛作品ちょっとした相関図!

朔夜ちゃんの父親→上田明也=彼誰飯店のおっちゃん=笛吹丁
朔夜ちゃんの母親の父親→太宰龍之介=明日真の師匠で上田の父親の親友かつ元同僚
太宰さんはヨツバさんと出会った時点で妻子持ち
超真面目な性格だったんだけれどもついつい関係を持ってしまい穴の開いたアレを使わされていて
「あたし聞いてない!」みたいな事態に
ヨツバさんとしては強力な契約者だった彼の遺伝子をゲットでウマウマ
生まれたのが朔夜ちゃんの母親で、罪悪感を感じていた太宰さんは彼女をこっそり自分の病院で働かせていた
太宰さんは明日くんの師匠ということで正義の味方な訳で
明日くんの使う仮面と変身アイテムの原型を作ったのも彼です

そんな太宰さんが組織のF-No.0と信念の相違により対立
彼の暗殺に送り込まれたのが探偵と一部の信用できる金持ち相手に“汚い仕事”をしていた上田
老いていたとはいえ数々の武勇伝を打ち立てた太宰さんを割と簡単に撃破した上田にヨツバさんが目をつける
また、たまたまその場に居合わせて命を救われた朔夜ちゃんの母親が上田とフラグを立てる
上田に子どもができてから(生殖能力の有無を確認してから)ヨツバさんが朔夜ちゃんの母に積極的にアピールさせる

そしてまあシルバームーンに至ると……
726 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 21:44:40.14 ID:ERGEpO7P0
ちなみに上田の父親は息子が自分の親友を殺したと思ってない
あくまでF-No.0が自らの手で殺したと思ってる
発覚したらまた面倒になるんじゃないかな
727 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 22:09:08.40 ID:UJnVxn6b0
そっちだったのか
そっちだったのかwwwww
てか俺の予想であってる? あのグラマラスな看護師さんであってる!?
728 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 22:12:17.08 ID:UJnVxn6b0
そして
>>724
>どれくらい大変かって言うとベルト諦めてガイアメモリ型契約書に切り替えざるを得なかったくらい大変
え? そもそもガイアメモリ目当ての契約書じゃなかったのか・・・
そういやベルト型って難しいね、電王タイプにしたから考えたこともなかったけど

ところで、TV放送に登場したドーパントを都市伝説で再現しようとまとめてみたけど・・・
園崎家の面々が無理・・・orz
729 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 22:23:10.38 ID:ERGEpO7P0
あのエロイ看護婦さんだよ
上田家の血が胸を削ぎ落したんだろうな
朔夜ちゃんのもうそろそろ言い訳できない胸のサイズの件に関しては
730 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 22:28:29.76 ID:UJnVxn6b0
あの人とヤってたのか・・・上田ェ・・・
731 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 22:33:29.60 ID:ERGEpO7P0
奴の一族は短命な分子供を増やそうとしたがる
そして子供は大概親を嫌っている
だから往々にして世代交代が早くなる
戦闘民族なんだよ
732 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 22:48:27.50 ID:UJnVxn6b0
ということは
明尊くんも結果的にハーレムエンドへ・・・ないかorz
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 22:56:31.44 ID:CYXp3/9co
そうか、契約ベルトは難しいのか……
いいぞ燃えてきた
日曜までに書き上げる
734 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 22:58:16.87 ID:ERGEpO7P0
>>732
無いな
奴は基本そこらへん真面目なこ
>>733
頑張ってー!
違和感無くやれたらすげえ楽しいと思うよ
ただ自分はAtoZ見てメモリ使ったアクションの方が魅せるのに良いと思ったけどね!
735 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 23:04:10.77 ID:UJnVxn6b0
>>733
wktkせざるを得ない!
しかもオーズと同時放送を狙う、とでもいうのだろうか・・・

>>734
>奴は基本そこらへん真面目なこ
おぉマジか、つまり上田家の血は・・・・・・・・・他の誰かが引き継いでるのか・・・orz

>ただ自分はAtoZ見てメモリ使ったアクションの方が魅せるのに良いと思ったけどね!
俺は愛しの電王の変身アクションを押し続けるぜ(キリッ
736 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 23:09:40.49 ID:ERGEpO7P0
継いでいるのかなあ……
親のあのざまを見て全員ドン引いてる筈だからどうだろ
737 :影の [sage saga]:2011/07/01(金) 23:11:46.49 ID:UJnVxn6b0
まさか・・・途絶える、のか・・・?
まぁ続かれても困らないと言えば嘘になるかも知れんけd(血塗れに
738 :はないちもんめ :2011/07/01(金) 23:27:00.82 ID:inH07whn0
>親のあのざまを見て全員ドン引いてる筈だからどうだろ
今現在判明してる上田の子で男の子って明尊君だけだっけか
女子は朔夜と明?

・・・純ちゃんとか唯ちゃんとかとの間に出来ててもおかしくはry
739 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/01(金) 23:31:34.18 ID:ERGEpO7P0
奴に限っては何があってもおかしくない
そして今日も投下するぜーバリバリ
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 23:36:44.32 ID:TgIFt/kn0
やめ・・・ないで!
741 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/01(金) 23:47:47.14 ID:ERGEpO7P0
【不思議少女シルバームーン〜第六話 第二章「一人」〜】

 朔夜が引き篭もるようになってしまってからすぐに僕は一人で出歩くことが多くなった。
 最初は都市伝説を見つけては気を引きながら逃げまわり組織に通報、
 慣れてきたら相手の弱点を突ける場合はそれを突きながら可能なかぎり弱らせる、
 そしてヨツバさんからあの携帯電話を貰ってからはあれを使って出来る限り自力で都市伝説を倒していた。

「……あ、霙ちゃん。」
「…………スバルくんどうしたのこんな所で?」

 明りの消えた街角で、僕は偶然にも霙と出会った。
 彼女は朔夜が居ないことを確認してから僕の言葉に返事した。

「人を襲う悪い都市伝説を倒していたのさ。」
「え?」
「たとえば……。」

 “切り裂きジャック”が曲がり角の向こうからノコノコ現れる。
 咄嗟に携帯を取り出して開閉ボタンを押し、親指で携帯の上側を変形させて銃器のような形にする。
 押すべきコードは103、昔使わされた銃器よりも扱いやすくて助かる。
 僕は携帯電話にヨツバさんが込めた魔力を光線にして撃ち出した。
 威嚇の為に撃った二発の光線だけで切り裂きジャックは一瞬で灰になる。
 良かった、射撃の腕は鈍っていないらしい。

「こんな感じで。」

 ヨツバさんの魔力は夜中の方がより強力だ。
 真夜中であれば有るほど彼女は力が増すらしい。
 だから僕も狩りはできるだけ夜中にやっていた。

「……戦えないと思っていたわ。」

 霙は今の切り裂きジャックに気づいていなかった。
 そもそも僕の動きを眼で追えていなかった。
 
「でもなんで、朔夜ちゃんが何もしなくなっちゃったのに貴方は戦っているの?」
「ああ、あいつが戻ってきた時にもし誰かが都市伝説のせいで傷ついていたらさ。
 あいつはきっと自分が何もしなかったせいだって自分を責めるだろ?
 そうならないように頑張っているだけだよ。」

 まだ敵は居るかも知れない。
 もっと、もっと戦わなくてはいけない。
 もっと戦って実戦の勘を取り戻し、ジャックが何か妙なことをした時の為に備えなくてはいけない。
 おそらくネバーランド絡みで何かあれば僕と関わりの深い朔夜が真っ先に狙われる。
 そうなった時、僕は彼女をしっかりと守らなくてはいけないんだ。
 その為に今は少しでも昔の強さを取り戻さなくてはいけない。
 霙に今かまっている暇はない。彼女を守る人は居る。
 そう思って僕は再び歩き始める。

「待って!」
「なに?」

 僕の声は冷たく聞こえた。
 そんな気はないのに。
 心が削れていっているのだろうか。
742 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/01(金) 23:49:37.84 ID:ERGEpO7P0
「私を……責めないの?」

 馬鹿な、君はヨツバさんの被害者なのに。

「君は君のやるべき事をやっただけだ。
 それで勝手にあいつが傷ついただけ。
 霙ちゃんは何一つ悪いことしてないじゃん。」

 ヨツバさんの為にそのことは言わないけれど。
 僕はヨツバさんが好きだから。

「…………。」
「じゃあ僕は行くぜ。」
「……ごめんなさい。」

「あやまることなんて」

 なるべくしてなったんだ。

「謝ることなんて無いよ。」

 そう言って僕は長い夜の中に身を投じる。
 僕は闇に近づいていく。




743 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/01(金) 23:50:53.71 ID:ERGEpO7P0
「…………ああ」

 行ってしまった。
 せめて謝ろうと橙さんに居場所まで教えてもらったのに。

「私は、私一人の我儘で……!」
「私はまた皆を不幸にして!」
「私の周りの人たちはこんなにも優しいのに……。」

 その好意につけ込んで、私は皆の幸せを壊していく。
 私はなんて嫌な女なんだ。
 でも、でもだからこそ、たった一つ求めた幸せだけは譲れない。
 誰を不幸にしてでも、震えるほど嫌なのに、何を犠牲にしてでも彼を手放したりはできない。
 親も、友も、恩人も、全て捨てて私はあの人の為に……。

「浅ましいわ。」

 自然と笑いがこぼれてくる。
 涙が混じって自分でも訳がわからない。
 そうだ、帰ろう。
 あの人のところに帰ろう。
 かえってあの人の面倒を見なきゃ。
 壊れかけた心をつないで私は元来た方向に向けて歩き始める。

「じゃーシンデ」
「え?」

 銃弾が一発、二発、三発、手足に突き刺さる。

「あーダメなことハ殺すコトだたネ」

 鈴のような声、稚拙な日本語、外国人だということは解る。
 だが分からないのは何故今私が襲われているかだ。
 そうなるなら前もって橙さんが教えてくれる筈なのに。
744 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/01(金) 23:53:23.72 ID:ERGEpO7P0
「私ッテば本当にワスレっぽいヤ」

 鈴のような声、稚拙な日本語、外国人だということは解る。
 だが分からないのは何故今私が襲われているかだ。
 そうなるなら前もって橙さんが教えてくれる筈なのに。

「ムダムダ。ラプラスの悪魔は私にツーヨウしなイ。」
「――――――――!?」
「私ノ名前はルル=ベル、ネバーランドの一員。ラプラスの悪魔の契約者。」
「そんな馬鹿な!?」
「コマルコトは貴方がそのボロボロの姿で生きて事務所に戻ってもらわないこと。
 私のノズムコトハ私の友達を不幸にした貴方をシマツスルコと
 でも今は……」

 反撃のために動かそうとした腕を思い切り踏みつけられる。
 顔を上げると声の主は人形のような姿の、渡しより少しだけ年上らしい女の子だった。
 彼女はカンペのような物を取り出すとそれを読み上げる。

「ネバーランドは笛吹探偵事務所に宣戦布告する。
 一週間後に行われる全世界的な我々の革命活動、その学校町における作戦に並行して貴方達を叩き潰す。
 …………だそうヨ。
 それじゃあね。」

 動けない私を無視して彼女は夜の闇の中に溶けていく。
 体中が痛い。
 焼けるように熱い。
 やっぱり恨まれていたのか。
 私が人を不幸にし続けてきたから。
 でもね、でも生まれつき、やりたくもないのに人を不幸にしてしまって、
 それで自分の罪の意識で勝手に傷ついて更に恨まれて傷つけられて…………。
 友達を裏切っちゃった報いかな?

「君、どうしてこんなところで……おい大丈夫か!?」

 青いジープが私のところまで来て停まる。
 あ、恋路さんだ。
 都合よく良い人が来て助かった……。
 これからも私はこうやって人の好意に支えられながら無意識の悪意を振りまくのかな。
 嫌だな、死にたい、死ねない、死にたい、でもあの人に会いたい。
 こうして私は一人闇に囚われる。
745 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/01(金) 23:54:17.44 ID:ERGEpO7P0
 真夜中だというのに私は水晶玉を見つめていた。
 普段なら見たいものが見える水晶玉には何も映らない。
 魔法が使えない。
 それだけで私の中の大事な何かが壊れてしまったような気がして。
 
「もう、魔法に関わること自体やめたら?」
「ううん、それは駄目だよお母さん。私が魔法を使えることはきっと素敵なことなの。」

 だから今、魔法を使えない魔法少女である私は、私はどうしていいのか分からない。
 只の少女にもなれず、無論魔法使いであるはずもなく。
 正義の味方はもうやめてしまった。
 だから分からない。
 私は何者なのか分からない。
 半人前の半端者の偽善者だ。
 
「小さいころ、朔夜はママに教えてくれたわよね。
 心優しい良い魔女になるって。
 シンデレラにカボチャの馬車を準備するような心優しい魔法使いになるって。」
「うん。」
「だったら貴方が魔法をやめられてないってことは、人助けもやめられないってことなんじゃないかな。」
「…………。」
「おばあちゃんは自分の好きなように使うのが魔法だと言うけどさ。
 魔女の数だけ魔法のあり方があっていいじゃない。」
「ママ……。」
「まあ私は途中で修行を逃げた半端者だから偉そうなことは言えないけどね。」
「…………でも」
「なあに?」
「でもまだ戦うのが怖いの。」
「良いんじゃない?」

 ママはベッドに体を投げ出しながら呟く。

「貴方が戦えないあいだはきっと誰かが戦ってくれるわよ。
 ママの代わりに貴方が苦労しちゃっているみたいにね。
 だからせめて……辛いことがあったらママができるだけ助けてあげるから。
 パパだってなんだかんだ言いながら意外と近くであなたのことを見守ってるわよ?」
「そうなの?」
「恥ずかしがって出てこないけどね。」

 私は何も言わずにママを抱きしめた。
 暖かかった。
 ……ところで親子なのになんでこんなにプロポーションが違うの?
 ねえなんで?
 
「貴方が本当にピンチな時は絶対にきてくれるわ。」

 ママが割と聖母のような顔しているのにも気づかず私はわりとどうでもいいことを真剣に悩んでいた。

【不思議少女シルバームーン〜第六話 第二章「一人」〜】
746 :はないちもんめ :2011/07/01(金) 23:55:51.06 ID:inH07whn0
>……ところで親子なのになんでこんなにプロポーションが違うの?
台無しである
747 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/01(金) 23:59:30.94 ID:ERGEpO7P0
豆腐メンタルのくせに妙に立ち直りが早いサクヤちゃんでしたとさ
とりあえずこの後はネバーランドの皆様の番外編一本挟んでから話が山場へ……
748 :影の [sage saga]:2011/07/02(土) 00:00:19.42 ID:pnTXi5Ko0
うぎゃあ、俺の霙ちゃんがぁ!?
何でロリがロリを虐めなきゃならないんだうわあああああああ!!

>>746
それ言っちゃらめぇwwww
749 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/02(土) 00:07:33.20 ID:iLCO83OM0
ルルちゃんは霙ちゃんのことを盛大に誤解してるから安心してね!
誰が悪いってそりゃあ彼ですけどまあ元をたどれば……
750 :単発 [sage saga]:2011/07/02(土) 01:55:38.22 ID:pnTXi5Ko0
まず最初に伝えておきたい
僕は至って普通の男子高校生だ
別に霊感なんて強くないし、そもそも霊なんて見たこともない
ある日突然超能力に目覚めたとか、両親が宇宙人だったとかも断じてない
今日今さっきまで、極々普通の生活を送って来た筈だった


それならば
僕の目の前に落ちている、この小さな金色の毛むくじゃらは何だ?


「・・・何だよ、これ・・・?」

恐る恐る、その毛の塊を持ちあげてみる
金色と言ったが、近づいて見るとオレンジ色っぽい
それと、形は人間のようだ
手もある、足もある、顔もある
顔はサルっぽいし、長めの尻尾があるから、サルの人形かな?
にしては、ちょっとリアルで不気味だけど

「おい、お前はどこから来たんだ?」

あまりにリアルだったので、何気なく声をかけてみた

「おう、それが中国から来てさ。で、腹が減って飯探してたら空高くから真っ逆さまよ
  危なく落ちて死ぬところだったぜ、てかあんだけ高い所から落ちて死なないとか俺流石じゃね?」
「・・・はい?」

振り向いた
誰もいない
辺りを見回す
やはり誰もいない
俺の傍にあるのは、この毛むくじゃらの何かだけだ

「何だよ、ジロジロ見んじゃねぇ気持ち悪い」
「気持ち悪いのはお前だっ!?」

ただでさえ非現実的な喋るサルという理解しがたい存在に出会い、思わず投げ飛ばしてしまった
流石はサル、身軽そうに身体を捻って見事に着地、

「痛ぇ!? 何しやがんだテメェ!?」

しなかった
751 :単発 [sage saga]:2011/07/02(土) 01:56:48.54 ID:pnTXi5Ko0
「い、いや、お前何なんだよ!?」
「ハァ? 見りゃ分かんだろうが!!」
「分かんないから訊いてんだろ!?」
「どう見てもキンシコウじゃねぇか!!」
「見たこと無いし!? 初めて見たよ!? てかそうそう見られるものじゃないよねキンシコウって!?」
「さぁもっと見るが良い、そして敬い崇めるが良い! ジロジロ見んな!!」
「どっちだよ!? いやそんなことより、何で喋れるの!?」
「あ? サルが喋って問題でもあんのか?」
「大有りだよ! というか中国から来たんだよね!? 日本語じゃん!」
「サルの知能指数舐めんなクソガキ! 俺はカラスやイルカぐらい賢いんだよ!」
「比較対象が小さい!? そ、それよr」
「質問ばっかすんじゃねぇよ! 何でこの俺がガキの質問に懇切丁寧に説明しなきゃなんねぇんだよ!」

どうでも良いけど、二本足で立って怒鳴るサルの姿は、シュールだ

「俺は今忙しいんだ、腹減ってんだ飯だ飯!」
「あ、バナナあるけど、食べる?」
「あーそうそう、この眩しい黄色と滑らかな肌触りの皮を剥く事で濃厚な甘みのッて俺はゴリラじゃねぇんだよ!」
「うわっ、弾き飛ばすこと無いじゃん! 勿体無いなぁもう・・・」
「そんなもんよりもっと美味そうな奴よこせ! 日本なら寿司とかあるだろ!?」
「何でサルに寿司奢らなきゃならないの!? 嫌だよそんなの!」
「嫌とかそういう問題じゃねぇ、YO☆KO☆SE!!」
「何度言われても嫌なものは嫌だよ!」
「私、綺麗?」
「こンの分からず屋が! 困ってる人間は助けるのが筋ってもんじゃねぇのか!?」
「いや人間じゃないじゃん! サルじゃん!」
「テメェさっきからサルサルサルサル言いやがって!!」
「お前も自分で言ってたよね!?」
「・・・私、綺麗?」
「俺が自分をサルっつぅのは良いんだよ! 他人に言われるとムカつく!」
「理不尽すぎるよ! じゃあ何て言えば良いの!?」
「キンシコウじゃ不満か!?」
「名前ついてないからって種類名では呼ばないと思うな!」
「注文の多い奴だなテメェは! だったら親しみを込めてこう呼びやがれ! 俺は天下の孫――――」
「ねぇ・・・聞いてよぉ・・・ひっぐ」

女性の声がした
後ろを見てみると、大きなマスクをした女性が泣いていた
梅雨も過ぎたというのに、コートまで着ている
752 :単発 [sage saga]:2011/07/02(土) 01:57:35.17 ID:pnTXi5Ko0
「あの、どうかしたんですか?」
「やっと気づいたわね」
「立ち直り早ッ」
「じゃあ改めて訊くから『はい』か『Yes』か『Oui』か『Ja』で答えなさい」
「全部同じ『はい』ですよね!?」
「私って綺麗?」
「え、あ、はい」
「馬鹿かテメェ!さっさと逃げろ!!」

え?

「それなら・・・これでもぉ???」

女性がマスクを剥ぎ取った時、思わず一歩引き下がってしまった
彼女の口が、耳元まで大きく裂けていたからだ

「っち、だから早く逃げr」
「うわっ、ちょっ、だ、大丈夫ですか!? す、すぐ救急車呼びますから!」
「は?」
「あ?」
「え、何?」
「テメェ天然か!? どう見ても「口裂け女」だろうが!」
「「口裂け女」・・・って、あの都市伝説の? まさかそんな」
「あんたの口も私と同じようにしてあげるわぁ!!」
「そのまさかだったぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

女性―――「口裂け女」は包丁を出して僕に襲いかかろうとしてきた
その前に、僕は咄嗟に走り出す
と、暫く走った後に、不意にサルも助けなきゃと思いだした
変な奴だけど、あれでも命を持った生き物なんだから
振り返り、サルを連れていこうとした時だった

「あれ?」

僕が見たのは、「口裂け女」の包丁を、長い棒で抑えているサルの姿だった

「っまだ逃げてなかったのかよ! まぁいいぜ、そこで大人しく俺のカッコいいところを見てな!!」

かきぃん!と甲高い音を打ち鳴らして、「口裂け女」の包丁は遠くへ飛ばされた

「くっ、だがこれしきの事でぇ!!」

「口裂け女」は何処からともなく鎌を出現させると、
それを振りかぶり、サルを切り刻もうと襲いかかった
けど、サルは、

「伸びろ、如意棒!」

持っていた棒を伸ばして、「口裂け女」を二度、三度殴ると、横薙ぎに振って足を払った
足を引っかけられた「口裂け女」は、その場に盛大に転んだ
色々と訳が分からないこの状況に、開いた口が塞がらなかった

「ぁ・・・・」
「何だテメェ、都市伝説知らねぇのか?」
「だって、都市伝説って実際には・・・」
「それがこうして存在してんだよ
  あぁいう人殺しだの何だのやって、己の存在を保つ馬鹿とかな
  ま、普通の人間だと対抗しづらいが、俺みてぇに都市伝説の力を借りればチョロいもんよ」
「・・・借りる?」
「えぇい、ごちゃごちゃとやかましい!」
753 :単発 [sage saga]:2011/07/02(土) 01:58:05.31 ID:pnTXi5Ko0
立ち上がる「口裂け女」
彼女が何かする前に、サルは自分の毛を何本か引き抜いて、ふっ、と息を吹いて飛ばした

「秘術、身外身の術!」

直後、飛んだ毛が全部サルになって、「口裂け女」を攻撃し始めた
殴ったり、蹴ったり、引っかいたり・・・ん?

「如意棒、毛で分身、って・・・孫悟空?」
「だからさっき言っただろうが! 俺の事は孫悟空って呼べってな!!」
「言ってないよ!?聞いてないよ!?」
「へっ、まぁいい・・・俺は「キンシコウは孫悟空のモデル」と契約した立派な契約者だ
  あ、孫悟空っつっても『ドラゴンボール』のじゃねぇぞ? 『西遊記』の方だ」
「分かってるよ」
「こ、このっ!邪魔だ、どけ!!」

「口裂け女」は無数のサルに翻弄されている
それを見て、サルは―――孫悟空はニヤッと怪しく笑った

「おぅおぅ、しぶてぇな・・・じゃ、とっておき、見せてやるか!」

と言って、孫悟空は両手首をくっつけて、まるで掌で花を作るかのようにして構えた
あれ?この構えって

「かめはめ波ァ!!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」

青白い光の線が、サルの分身ごと「口裂け女」を飲み込んだ
その後に残ったものは、焼け焦げたアスファルトだけだった・・・って

「何で『かめはめ波』撃てるの!? あれは『ドラゴンボール』の方の孫悟空の技でしょ!?」
「名前だけだ、名前だけ。俺は神通力って奴を使えるからな、それであぁいうのを出せるんだよ(キリッ」
「何こいつムカつく」
「あーぁ、腹減った・・・また探すか飯。 おぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!フェラーリィィィィィィィ!!」

耳を劈く程の声で孫悟空が叫ぶと、空の向こうから何かが飛んできた
ふわふわした、千切れた雲の塊のようなそれは正しく・・・

「キン斗雲じゃん!? フェラーリじゃないじゃん!?」
「ぶっちゃけ『キン斗雲』ってダサくね?」
「酷い! 子供の夢ぶち壊しだ!」
「じゃあな、もう襲われんなよ」

そう言い残して、孫悟空は雲に乗って飛び去った
ようやく、静寂が訪れる
彼が騒がしかっただけに、嵐が去ったような静けさだ

「・・・仮にも助けて貰ったんだし、お礼とかしたかったな・・・」

そういえば、お腹が空いてたとかどうとか言ってたな
また何処かでくたばっていないと良いけれど








「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ減ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」







遠くで、何かが落ちる音が聞こえた

「・・・やっぱり何か食べさせてあげよう」

僕は孫悟空を探す為に走り出した
この日から、僕と孫悟空の奇妙な物語が始まった


   ただし続かない
754 :単発 [sage saga]:2011/07/02(土) 02:02:31.11 ID:pnTXi5Ko0
新しいマスコットを書けっていうお告げが今朝G行為終わった直後に降りてきてだね
それでどうしてこうなったorz
ロリが全く出てこないという苦しさ
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 02:02:44.82 ID:yANxlSUSo
乙、だが西遊記は都市伝説じゃ無ェヱッ
756 :単発 [sage saga]:2011/07/02(土) 02:36:33.91 ID:pnTXi5Ko0
>>755
まぁそうだけど、『キンシコウがモデル』っていうのが都市伝説なのよ
例えるなら『コモドドラゴンはゴジラのモデル』っていう都市伝説があるならそれでも良かったのよ
「孫悟空」っていうと創作だけど、こっちだと都市伝説っぽいかなぁ、と

因みに、孫悟空のモデルはインド神話の神って説が有力らしい
そういや、『西遊記』内で孫悟空が元々名乗ってた名前は実際に中国で神として崇められてるんだとか(流石に神は出す気にならんが
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 03:26:40.68 ID:hNjOctsE0
都市伝説『都市伝説と戦うために都市伝説と契約した人達が居る』と契約したらどうなるのっと
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 03:53:42.59 ID:GyZteJl4o
>>757
2009年の末頃にそれを題材とした単発が投稿される
諸事を割愛するが、結論として話は始まらなかった
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 06:14:17.00 ID:hNjOctsE0
ダレモイナイ
投下ヲスルナライマノウチ
760 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:14:55.11 ID:hNjOctsE0
ああ、昨日は散々だった

胡散臭い奴にセクハラまがいの事を言われ、
どうやって誤解を解こうか考えながら歩いていたら、ビニール袋を踏んで転倒し、
転倒した先には、恐らく酔っ払いが吐いたであろう吐瀉物があり、
慌てて体をひねって最悪の事態は避けられたか、と思いきや
かわした先には犬の糞があり……

結局気に入っていた服を捨てるハメになった。
まあ、昨日は昨日、今日は今日だ。
今日は何も予定がないし、一日中寝て過ごそう………



ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る音で目が覚めた。
―――誰だ、俺の安眠を妨害する輩は

「はーい」

玄関に行って扉を開ける、するとそこには――

「貴方は今何をしていますか?」

顔をベールで隠し、ドレスを着ている女が立っていた。
俺はまだ寝惚けていたので、不振にも思わず、はんば寝言のように答える。

「寝ています」

間違ってはないんじゃないだろうか?
俺は顔も洗わずにここへ来たのだ、半分寝ていると言っても過言ではないだろう。

「そうですか、では、ずっと寝ていなさい」

何が気に障ったのだろうか、女はそういうと赤いハンカチを振って去ってしまった。

「なんだったんだ……?アレ」

まあ、とりあえず今はこの眠気を覚ますのが先だろう。
顔を洗い、タオルで拭いた後、愛用のソファーに腰掛ける。
761 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:15:36.04 ID:hNjOctsE0


―――おかしい。
冷静に考えると、いや冷静に考えなくてもおかしい。

何でさっきの女は花嫁姿だったんだ?そもそも何なんだあの女は?
不味い、嫌な予感がする。
この町には変人が沢山居るが、それ以上にうじゃうじゃ居る奴らが――



―――都市伝説。

思い出せ、お前はどこかで見たはずだ。
花嫁衣裳。赤いハンカチ。『ずっと寝ていなさい』。

  『死の乙女』

予感的中だ。急がないと死ぬな。

「サーシャ!行くぞ!」

そう言うと、側に置いてあった砂の入った袋が微かに動いた。


762 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:16:09.95 ID:hNjOctsE0
―――――
――――
―――

「やあっと見つけた!」

そう言うと、目の前の女の、『死の乙女』の足が止まる。

「さあ、俺にかけた呪いを解くか、俺に倒されるか選べ」

『死の乙女』は俺の言葉には耳も貸さずに、襲い掛かってきた。

「これだと、二番の『俺に倒される』になるが、良いよな?」

『死の乙女』が連続で俺に蹴りを入れてくる。食らえば間違いなく致命傷だろう。
今はかろうじて避けられているが――

(ちと辛いな………)

俺は、右手に持っていた袋から、砂を少量取り出して相手の目にかけた。
目くらましぐらいにはなるだろう、と思ったのだが。

(少しも動きが鈍らないな……クソッ!)

『死の乙女』の蹴撃はまだ続いている。
現実は非情である。

「仮にも、あんた『乙女』だろう? 下着が見えるぞ、はしたない」


蹴りが掠って、内心焦っているが、それを悟られないように軽口を叩く。
こんなことで、どうにかなるとは思っていない。
思っていなかった、のだが。
763 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:16:45.37 ID:hNjOctsE0

「!!!」

一瞬、『死の乙女』の体が強張り、その後、足を素早く引っ込めた。

(へえ……)

理由は色々あるのかもしれないが、今はそんなことはどうでもいい。
重要なのは、今この瞬間、『隙』が出来たと言うことだ。
『死の乙女』がまた攻撃してくる前に、バックステップで距離を取る。

「サーシャ、モード『ブレード』」

そう俺が宣言すると、袋の中の砂が右手に集まってくる。
『死の乙女』がそれに気づき、攻撃しようとするが、何故か転倒する。

(ああ、そういえば『祟り』なんてのもあったっけか)

『祟り』は『砂』を浴びた相手に、浴びた砂の量に応じた『不幸』を起こすことが出来る。

(最近使って無かったから忘れてたが、絶好の発動タイミングだな)

『祟り』の発動タイミングは、基本的にランダムだ。
今発動したのは、幸運としか言いようが無い。
『死の乙女』が、体制を立て直している。
だが、『死の乙女』が起き上がるより、『ブレード』が出来上がる方が早かった。

その『剣』は刀身の部分が、震えていた。

機能的には『剣』よりも『チェーンソー』の方が近いかもしれない。
刀身の部分を高速で振動させ、その振動で物体を切断する。
所謂、『高周波ブレード』だ。
764 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:17:39.68 ID:hNjOctsE0

「さあ、かかって来いよ」

『死の乙女』が蹴りを放つ。
その蹴りを刀身で防御する。
結果は分かり『斬って』いる。
『死の乙女』はもう、"蹴る"ということが出来ない。
倒れかけながらも、『死の乙女』がハンカチを持っている手を腹へ目掛けて振り抜く。
すると、ハンカチが伸び、鞭のようにしなって、襲い掛かってきた。

「ぐっ……ぁあ!いってえなぁクソが!」

速度に反応しきれず、肉が抉り取られる。
『死の乙女』の顔はベールで隠れてよく見えないが、きっと笑っているだろう。

「クソが!腹の肉削ぎとってダイエット気取りか!」

痛い。
痛すぎて自分でも訳の分からないことを言っている。

「ああもう嫌だ!達磨にしよう!そうすれば痛い事されない!」

残っていた『死の乙女』の足を斬る。
そんな事は関係ないかのように『死の乙女』はハンカチを振るう。
頬から口に掛けて赤い線が走る。

「うああぁあ!もういってえなあ!何だ!俺を口裂け男にする気か!」

痛い。痛い痛い痛い。
何でこんなに痛いんだ。
765 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:18:17.46 ID:hNjOctsE0

「そうだ!その腕があるからいけないんだ!斬ろう!」

ハンカチを持っていた腕を斬る。
怖い。
痛いのは怖い。
攻撃手段が相手にあるのが怖い。

「ああ!怖い!怖い!だからもう片方の腕も斬っちゃおう!」

残っていた方の腕も斬る。
ああ、まだ攻撃する手段が残ってる。

「嫌だ!痛いのは嫌だ!次はそのベールに隠れて噛み付く気なんだろう!?」

嫌だ、怖い、怖い。
噛み付かれ無いようにするにはどうすれば良いだろう。
痛くされないようにするにはどうすれば良いだろう。
そうだ。

「歯を全部削ぎ取ったら噛み付かれても痛くないよね!そうだ!そうしよう!」

顔を隠しているベールの下半分を切る。
口が開いていない。
無理やり口を開けたら噛み付かれるかもしれない。
開いてなくても良いや、これで斬ったら歯なんてなくなるだろう。

「っあ゛あ゛!」

剣を口にあわせて薙ぐ。
口が大幅に裂けているが問題ない。
薙いだところを目で見て確かめる。
良かった、歯はきれいさっぱりなくなってる。
766 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:18:48.50 ID:hNjOctsE0

「ああ、しまった」

まだ呪いをかけられてるんだっけ。
このまま殺しても消えないかもしれない。
痛いのは嫌だ、死ぬのは嫌だ。

「ねえ、呪いを解いてよ」

嫌なんだ、嫌なんだ。
痛いのは苦しい。
苦しいのは嫌だ。
死んだら一人ぼっちだ。
一人ぼっちは苦しい。
死ぬのは嫌だ。

「解いてよ」

お願いだから――

「解いて」

―――僕を、独りにしないで。


767 :砂人形のサーシャ [sage]:2011/07/02(土) 06:19:15.32 ID:hNjOctsE0

―――――
――――
―――

その後のことは、あまり覚えていない。

気が付いたら家で、朝になっていて。

体は砂まみれで、血だらけだった。

腹の辺りに重さを感じて、何だろうと思って見たら。

等身大のサーシャが、俺の腹に頭を預けて寝息を立てていた。

そんな姿を見て、愛おしくなって。

頭を撫でて、そのまま、眠りに落ちた。

ペストにはかかってないので、死の乙女は呪いを解いてくれたのだろう。

恨みこそすれ、感謝はしないが。

死の乙女の所為であるこの状況は、少しだけ良い、と思う。

768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 06:22:04.05 ID:hNjOctsE0
俺はこの前、これは単発だと言ったな
すまん、ありゃ嘘だった
この話は続いていく感じです
あ、連載するならまとめwikiとかに載せたほうがいいのだろうか
まあいいや 去ろう
769 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/02(土) 08:44:12.11 ID:iLCO83OM0
ふたりともおつでしたー
死の乙女がやたらアクティブだwwww
肉体派になるとはおもわんかったぞwww
770 :影の [sage saga]:2011/07/02(土) 10:28:25.63 ID:pnTXi5Ko0
サーシャたんキタァ!
しかもかっこいい…砂ブレードはクロコと美琴ちゃんのお陰で需要大だから嬉しい
それにしても…死に直面した人間って怖いなぁ…

もしかして裂邪って意外に乾いてる?
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 12:23:13.78 ID:nPj354tDO
黄昏裂邪――終焉を導く乾いた大地(グラウンドゼロ)――
772 :影の [sage saga]:2011/07/02(土) 14:05:55.08 ID:pnTXi5Ko0
>>771
(裂邪>いやいやそこまで乾いてないよ!?
    寧ろ潤ってるよ! 主にミナワとの夜の営みd
(シェイド>帰レ
773 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/02(土) 15:54:39.46 ID:Gcg9HOXa0
投下します


「ソロモンの指輪」
「帝様。昼食の準備ができました」
そう帝に伝えるのは彼の執事、アレーニア須々木である
帝「ふむ。ごくろうであった、須々木」
食事を済ませ、帝が言う
帝「今日もなかなかの物だったとコックに伝えておけ。それから、我はこれから出かけることにするぞ」
須々木「かしこまりました、帝様」
執事の須々木にそう伝え、屋敷を出る帝。実は帝は学校町一の巨大企業、クラウンコーポレーションの御曹司なのだ
帝「さて、今日も良い天気だ。我を迎えるに相応しい空模様であるな」
と、空を仰ぎながら言う帝に、バスケットボールが飛んできた
帝「む、誰だ…? 我に向かってバスケットボールなんぞを投げる無礼者は」
ボールが飛んできた方を睨む帝
『ヒヒヒ! 怖い顔をしないでおくれよ』
ドリブルをしながらお婆さんが現れた
帝「『ドリブル婆』か…。ふん。我に無礼をはたらいたことを後悔するがよい!」
『ヒヒヒ! 後悔だって? させれるもんならやってみなぁ!!! 』
そう叫び、ボールを投げる『ドリブル婆』。元気なおばあちゃんである
帝「ふん。『十七条拳法』第一条! 『冠位十弐拳』、『白』!!」
指から飛ばした白い光線でボールに穴を開ける帝
『くッ…だが! ボールなら幾らでも出せる! “3ポイントシュート”!!』
ボールを高く投げ、それを高速で帝の頭に落とそうとする『ドリブル婆』
帝「この程度。『十七条拳法』第9条、『叢雲拳』! …本気を出すまでもないな」
叢雲拳で剣を一本だけ飛ばし、ボールを切り裂く帝
帝「貴様も喰らうがよい!」
更に一本剣を飛ばし、『ドリブル婆』に付き立てようとする帝
『遅い!』
しかし、それを簡単に避ける『ドリブル婆』
帝「…読んでいたぞ?」
『なッ…!?』
『ドリブル婆』が避けた先には、帝が投げたもう一本の剣が
『くッ…避けきれない!!!』
身体を反らし避けようとした『ドリブル婆』だが、剣が少し掠ってしまった
『く…掠った程度だ、これくらいどうってことないよッ!!』
帝「…いや、掠りさえすれば。少しでも傷がついたなら。それで十分だ」
『何を言って…』
帝「ところで貴様。我に無礼をはたらいておきながら、さっきから頭が高いぞ、この無礼者が! 『跪け』!」
『!!?』
帝の“命令”で、『ドリブル婆』の身体は勝手に跪いてしまった
774 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/02(土) 15:55:23.73 ID:Gcg9HOXa0
『お前…一体何をした…!』
帝「何のことはない。貴様に『ハリガネムシ』を入れた。ただそれだけのことだ
…さて、貴様の望みどおり。我に無礼をはたらいたこと、たっぷり後悔させてやろう…」
『や、やめてくれ…』
帝「では、『イフリート』『サブナック』『ウリエル』『カマエル』! 我に無礼をはたらいたあの愚か者に制裁を下すがよい!」
帝がそう叫ぶと、彼の指輪が輝き、2体の悪魔と2体の天使が召喚された
『なッ…この数の天使と悪魔! ただの人間が契約して無事に済むはずが…』
帝「黙れ。耳障りだ」
4体の天使と悪魔の一斉攻撃で跡形もなく消え去った『ドリブル婆』
帝「…『ソロモンの指輪』。あらゆる天使と悪魔を使役し、動植物の声を聞く伝説の指輪。この王(われ)にこそ相応しいアイテムだ」
指輪を高く掲げて呟く帝
帝「さて。貴様ら、もう帰ってもよいぞ。…そうだ、褒美をやろう」
そう言って4体の天使と悪魔にコインを投げ渡す帝
帝「我はいずれ全てを統べる王となる。世界征服? はッ、温いな。我はこの世のみならず、天界も、地獄も、過去も、未来も、宇宙も、平行世界も。全てを統一する絶対の王となるのだ!」
学生会『七つの大罪』の会長、傲慢担当冠帝。彼の王への道はまだまだ続く。天使も、悪魔も、人間も、獣も、精霊も、幽霊も、何もかも。
彼の前では従順な僕に過ぎない。そう、彼の前では、大天使さえも、閻魔大王さえも、『跪く』…



                         続く
775 :影の [sage saga]:2011/07/02(土) 16:58:39.73 ID:pnTXi5Ko0
帝さんかっこいいよ帝さん
悪の華ー可憐に咲くー(マテヤ
776 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/02(土) 18:19:12.20 ID:iLCO83OM0
タイマーの人おつでした
ふむふむ、ソロモンの指輪が似合うキャラだ
あれだな
最終的には本物のように名君になったら素敵だな
777 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/02(土) 18:20:54.40 ID:iLCO83OM0
ところで思うんだけどヒーローデッキに絶対ガイアいらねえよ……
地属性で何吸うんだよ
ナチュビか?
ナチュビだ…………
うわでも高くて買えねえしちくしょう!
778 :影の [sage saga]:2011/07/02(土) 18:46:53.71 ID:pnTXi5Ko0
地属性は結構あると思うけど・・・意外にない?
そういや『古代の機械』やら『スクラップ』『カラクリ』程度しか思いつかねぇ
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 18:48:32.93 ID:nPj354tDO
ナチュビ以外なら融合して殴り倒せる
780 :はないちもんめ ◆YdAUTYI0AY [sage]:2011/07/02(土) 21:37:29.51 ID:2VWevFS60
皆さん乙です
>>777
ガイアはピンで良いと思うの
まぁ、スクドラ・パルキオンはエクィテスで食えるからそれ程気にしなくて良いけど
781 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/02(土) 21:56:08.22 ID:iLCO83OM0
ガイアはピンのつもりだけどさ
それでもたけえよ
売ってるところ近くの店だとイエサブしかねえし
782 :はないちもんめ ◆YdAUTYI0AY [sage]:2011/07/02(土) 22:03:41.39 ID:2VWevFS60
>>781
イエサブは確かに割り高だな・・・って、都市伝説関係無くね?!

開闢禁止解除の噂でKONMAIの電話回線パンクは都市伝説になりますか?
783 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/02(土) 22:23:16.89 ID:iLCO83OM0
ならねえよwwwwwww
イエサブ4800円だぜ?
おかしいよあれ
784 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga sage]:2011/07/03(日) 00:23:49.12 ID:9PIUTZxA0
【不思議少女シルバームーン〜第六話 第三章「トライエラートアラートトライアングラー」〜】

「ここが学校町?」
「ああ、一応俺の生まれ育った町だよ。」
「ふーん。」

 頬を一陣の風が掠めていく。
 気の早い桜の花が一片だけ空の彼方へと飛んでいった。

「良い風の吹く町ね。」

 “ああ、そうだな”と俺は言おうと思ったのだ。
 そう言おうとして俺は振り返る。

「ぎゃあ!」

 突然の突風、毛虫が顔に直撃する。

「キャハハハハハハ!」
「笑うなルル、それにしても嫌な風の吹く街だ……。」

 俺の名前は暮地明尊。
 ああ、母方の姓を名乗りながら絶賛家出中の元気な好青年だ。
 自分の父親が自分より年下の女の子とイチャイチャしていたらだれだって家を出たくなるだろう?
 おれだって家を出たくなる。
 とはいえ身を寄せる宛があるわけでもないので、
 俺はとりあえず組織の担当黒服であるエーテルさんに相談して、
 世界ついでに学校町を狙う悪の都市伝説組織“ネバーランド”に仲間入りするふりをしながら衣食住を提供してもらうことにした。
 春休みごろには奴らが動き出すらしいのでそれと同時に奴らを裏切り自宅に戻ろうかと思う。
 二人居る母から聞いた話では俺のクソッタレな父親は俺ぐらいの時に綺麗なお姉さんをナンパしながら日本中を旅して歩いたというし、
 この程度恐らく軽々と許されることに違いない。
785 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/03(日) 00:24:52.36 ID:9PIUTZxA0
「明尊ちゃん英語上手いよねー。」
「まあな、腹の立つことに腹の立つ両親の教育の賜物だ。」
「へー。良いじゃん、親がいるって幸せだよ。」
「そうなのかい?」
「私は覚えてないからね、親のこと。
 明尊ちゃんが初対面の私に殴りかかってきたってことも覚えてないよ。
 気づいたらジャックちゃんとつるんでたしー。」
「三日分の記憶しかないってどんな感じなんだ?」
「地獄かな。」
「忘却は幸福だよ。」
「そりゃあねえ、私は地獄を楽しんでいるから。」
「ジャックの口癖か。」
「“地獄を楽しみな!”ってね」
「うわそっくり」
「でしょ?」
「ところで三日分の記憶があるって言うならちょっと質問。」
「なに?」
「お前は昨日何処に行っていたんだ?」
「ああ、ちょっとヤボ用でね。」
「ふーん、何も聞かされていないと困るんだけどな。」
「女の子の秘密を詮索しないの。」
「ったく…………。」
「ちょっと学校町の面々に宣戦布告してきただけ。」
「ああ、ジャックはそういうこと大好きだもんな。」
「大したウォーモンガーだよ。」

 さっきから俺とくだらない話をしている女はルル=ベル。
 ネバーランドのNo.2だ。
 いやNo.2といっても単に彼女が最古参というだけで上位メンバー同士に身分の差はないのだが。
 彼女は主に索敵と諜報と事件隠蔽を担当しており、契約する都市伝説はラプラスの悪魔。
 俺の知り合いである橙さんほど使いこなしていないがそれでも十分脅威だ。
 俺の家族のゴタゴタを勝手にのぞき見ていたので俺が彼女をぶん殴ろうとしたのが縁で良くタッグを組まされている。
 ネバーランドのリーダーであるジャック・ジョーカーという男の気まぐれだった。
786 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/03(日) 00:25:18.99 ID:9PIUTZxA0
「ところで明尊ちゃん、私も一つ質問して良い?」
「なんだ、お前の能力を以てしてもわざわざ聞かねばならないこととはなんだ?」


「明尊ちゃんは何時私たちを裏切るの?」


 ああ、そのことか。

「ああ、俺とあいつの目的が一致しなくなったらね。」
「それは皆一緒だよぉ〜」
「全員、当面の目的が一緒なだけだからな。」

 ベルは何故か俺に懐いた(他メンバー談)らしく、彼女はなんだか任務以外でも俺に良く付いてくる。
 『明尊ちゃんは私の初めての友達なんだよ』と俺の居ないところで言っていたそうだ。
 俺は別にヤツのことを普通の同年代の女子としか思っていない。
 橙さんと同じでラプラスの悪魔なんてレアな能力をもっているだけのただの女子ではないか。
 とはいえ同年代の女子にこうまでベタベタされると悪い気はしない。
 俺の妹も俺になついてはくれていたが所詮妹、基本暑苦しいだけである。
 せめて血がつながっていなかったらちょっとは嬉しくもなるだろうが……
 どうにもこうにもいまいち興奮しない。
 まあ可愛い妹なのでそれも悪い気はしないが。
 
 ま、どのみち年上のお姉さん派である俺には関係が無いことだ。
 
 ああ吉静さん、元気にしているだろうか吉静さん。
 ネバーランドに寝返った設定である以上中々会いに行けないけれど僕は貴方と同じ青空を見ています。
 全部終わったらお茶でも飲みに行きましょう。
 そしたらそのあとは夜景の美しいレストランで……
787 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/03(日) 00:25:51.89 ID:9PIUTZxA0
「明貴ちゃん。」
「なんだよ。」
「いやなにか不埒な妄想をしてたみたいなので。」
「能力で人の思考を勝手に読むな。」
「能力じゃないよ、目に見えてにへらにへらしているんだもん。」

 なんてことだ。
 俺としたことが不覚を……

「あ、明尊兄!」
「ゲゲッ!?」

 不覚に不覚の上塗りだ。

「明お前なんでこんなところに……。」
「明尊兄こそずっと家から居なくなっちゃって困ってたんだよ!
 お父さんもお母さんも『これくらいの年頃の男とはそういうものだ……』
 とかいってまともに探そうとすらしないし!
 お父さんに至っては『家出という名のサーキットで限界を振り切れ……!』とか言い出してるし!」

 恐らく自分が家出中に散々捕まったから理解のある父親の振りをしたのだろう。
 あいかわらず碌でも無い親父である。
 真っ先に探しに来るならまだ悪くない父親だと思えたものを。

「そして……」

 明がルルを睨みつける。
 ああ、背後に般若が見えます。

「その女の人は誰?」
「明尊ちゃん翻訳お願い。」
「えーっと、『はじめまして、私は明尊の妹の明です。どうぞよろしく』だって」
「まあ、そうなの?やたら殺気立ってて怖いけど。」
「明尊兄、その人なんて言っているの?」
「『はじめまして、私は明尊くんの友人の一人で最近日本に留学しにきたベルと言います。よろしくね。』だそうだ。」
「へえ、そうなんだ。無闇矢鱈と怪しげだけど。」
「明尊ちゃん」
「『まあ素敵、何処からいらっしゃったんですか?これから仲良くしてね。』だそうです。」
「へえ……なるほどなるほど……しかしねえ……」
「明尊兄」
「『ブリテン島の出身です。日本の漫画に興味が有るのですが持っていらしたら今度貸して下さりませんか?』」

 おお、俺すげえ。
 親父よりうまくこの一触即発の場を……
788 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/03(日) 00:26:25.86 ID:9PIUTZxA0
「うん、検索が終わったよ。」
「トレースは完璧だ。」

 ほぼ同時に二人が言葉を発する。



「「嘘も大概にしようね」」


「明尊兄」
「明尊ちゃん」


 ふっ、何故俺はこういう時に失敗ばかりするのだ。
 俺の頭上を明がものすごい勢いで飛び跳ねていく。

「喰らえ!」

 どうやら明がベルに殴りかかったようだ。
 後ろで金属音のような物が聞こえる。
 
「ずいぶん荒っぽいわね。」

 ベルがどうやらベレッタを明に向けて撃ったようだ。
 間一髪で回避された音が聞こえる。
789 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/03(日) 00:27:05.00 ID:9PIUTZxA0
「ちょこまかちょこまかと!予知か何か知らないけど明尊兄を誑かさないで!
 あなたは明尊兄にふさわしくないわ!」
「思考を読むタイプの能力者かしら?予知してもその内容を読まれちゃうんだから世話ないわね。
 貴方の方こそ相応しくないわ、だって実の……」
「うるさい!」
「あら、私何か言った?」

 すげえ、こいつら会話成立してるよ。
 俺ガン無視だよ。
 だからやなんだ同じ年とか年下の女ってのは!
 人の気持ちを無視しやがって!
 俺の気持ちを無視するのは俺の親父だけで十分なんだ!
 とか言いたいのですが目の前で繰り広げられているバトルのせいで何も言えません。
 まあ一見銃を持っているベルの方が有利に見えるが、彼女は先程から一発も弾を明に当てられてない。
 ラプラスの悪魔の予知を明の特技である“模倣”で思考をトレースすることで先読みされるので予想が意味を為さないのだ。
 しかも距離1m以下の接近戦ならば銃弾なんて意味を為さない。
 明の拳を、蹴りを防ぐたびにじりじりとベルの体力は削られていく。

「一目見た時から気になってたけど何その髪色変じゃない?変な頭ね。」
「こっちも不思議だったんだけどなんで貴方の記憶って途切れてるの?頭の中身が悪いの?」
「悪いが割るのは貴方の頭ねまたまた喰らって弾と弾。」

 再びの銃声。
 無論、当たらない、その隙に明がベルに体を密着させて八極拳の体当たりをかます。
 今度は恋路さんのモノマネか。

「当たりもしない豆鉄砲は口だけ野郎にお誂え向きだね。」
「口だけ?ノーノーこの口一つが私の才能。私の言葉が世界を変える。
 だって私は未来視らしいし脳筋な貴方と能が違う。」
「脳筋?笑える、封殺されるてるのうたりんは誰?
 英語でいえばフードゥーユーノウ?」

 なんでそんな微妙に韻を踏みながら罵り合ってるの?
 そしてあくまで俺は無視なの?
 悪魔の娘だけにってか、飽くまでやってろバカ二名……。

「はいはい喧嘩はおよしなさいな。」

 凛とした声が響く。
 ガチャリ、ボルトアクションライフルに弾が込められる時の存在感のある金属音。

「初対面からガタガタ言って仲たがってちゃ、私はなんだかがっかりしちゃうわ。
 貴方も私も明尊くんのお友達だから仲良くしてたら明尊くんは幸せでしょう。」

 発砲。
 二名の拳と銃の間を魔弾が貫く。
790 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga ]:2011/07/03(日) 00:29:26.28 ID:9PIUTZxA0
「だからとりあえず二人とも座って、ね。」

 ライフルから空の薬莢がいい音で排出される。
 ああ、助かった。
 俺は遠くから歩いてきた人影を見て安堵する。
 彼女の名前は穀雨美静、俺の姉みたいな人で今父の探偵事務所で副所長をやっている彼方さんの妹さんだ。
 そして……俺の初恋にして現在も絶賛片思い中の人である。
 ありがとう吉静姉さん。
 愛してます、心から愛しています。
 でも伝えられないこの気持。
 そして突き刺さる二人の視線。
 一人は妹一人は友達、二名にいったい何故睨まれる。
 俺はとりあえず吉静さんとの時間を……

「やばっ。」
「どうしたベル。」
「組織の人が来る。」

 なんてこったい。
 ここで俺が捕まると埋伏の計に失敗したお馬鹿になってしまう。 

「……ごめん吉静さん!」

 俺は都市伝説の力で肉体を強化。
 そしてすかさずベルを持ち上げてその場を逃げ出す。
 くそ……なんで俺はいつもいつもこんな目に…
【不思議少女シルバームーン〜第六話 第三章「トライエラーアラートトライアングラー」〜】
791 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga  sage]:2011/07/03(日) 00:30:37.25 ID:9PIUTZxA0
今回はキャラ崩壊が酷いかも知れません
でもこのバトルはどうしても書きたかったのですごめんなさい
勝手に人様のキャラをつかってしまい土下座するばかりです
792 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga  sage]:2011/07/03(日) 00:35:04.91 ID:9PIUTZxA0
今回はキャラ崩壊が酷いかも知れません
でもこのバトルはどうしても書きたかったのですごめんなさい
勝手に人様のキャラをつかってしまい土下座するばかりです

明尊くんをめぐる面倒な恋愛関係
矢印は異性としての好意の向きを表します
  ベル
  ↓
明→明尊→吉静
  ↑
明尊くんの通う学校の一部モブキャラ(含男)

明尊くんはイケメン設定なのでもてちゃうっていう
それがまた事態を悪化させるっていう
793 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga  sage]:2011/07/03(日) 00:36:00.87 ID:9PIUTZxA0
途中送信二連打かよ……
794 :影の [sage saga]:2011/07/03(日) 01:07:19.93 ID:bzYN6rIr0
乙です〜
明尊くんカワイソスwwwww
やっぱり戦うロリはいいね! 戦闘欲も性欲もゾクゾクするね!
しかし明尊くんはノットロリコンノットシスコンか・・・永遠に分かりあえないな(
795 :花子様の人たち [sage]:2011/07/03(日) 01:17:49.23 ID:Q+qPH+8l0
>>793 あるある





引越し先は初めてだけど投下してみていいかな?
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 01:20:31.94 ID:mBnA4kVDO
ゆくのじゃあ…
797 :こっくりさん(支離滅裂 [sage saga]:2011/07/03(日) 01:25:42.64 ID:Q+qPH+8l0
じゃあいく。いまいち支離滅裂だけど


コックリさんとの契約から2、3週間経過したある日の夕食時のこと

築「コックリさんコックリさん、夕飯です、おいでください。」
こ「む、今日はちょっとおそいのぉ…。腹がぺこぺこじゃ。」

呼び出し方こそ普通のコックリさんと同じだが、特に霊的な現象もなく、
普通にガチャりとドアを開けて入室するコックリさんもいい加減見慣れた。

普通の女の子のように椅子に座った彼女の口から出たのは不満の言葉だった。そして口げんかに…

こ「のお、築城よ。今日の夕飯はきんちゃくじゃないようじゃが?そもそも煮てもいないではないか。」
築「実家から送られてくる餅が絶えたんだから仕方ないじゃないか。」
こ「餅も油揚げも沢山あると言っておったじゃろうが!」
築「毎日毎食、それも一食にあんなに食べるんじゃどんなにあっても足りんわ!!!」

子供のワガママのように機嫌をそこねるコックリさんに似たようなテンションで言い返す。
そう、契約した後の彼女の食生活はずっとそんな感じ。有り余る餅がすぐになくなってしまったのだ。
798 :こっくりさん(支離滅裂 [sage saga]:2011/07/03(日) 01:26:52.24 ID:Q+qPH+8l0
こ「嫌じゃ嫌じゃ!きんちゃくじゃなきゃ嫌じゃ〜!!」
築「子供か!!ああ、もう、じゃあ餅買ってきて作るからそれまで待つ?」
こ「それも嫌じゃ〜!お主の実家の餅じゃなきゃダメなのじゃ〜!!それに腹が減って待てん!!」
築「じゃあ、それで我慢して。もったいないし。じゃなきゃ飯抜き!」
こ「うっ…しかたないのぅ…。一応油揚げに何か詰めたようじゃし、喰うだけ喰ってみるかの…。」

ふくれっ面でブツブツ文句言いながらも俺の作った料理に向かってくれた。
『うまいきんちゃくを食わせる』を条件に契約したから、ここで契約破棄って選択もあったろうに、と少し思う。

一口、詰めた具で膨らんだ油揚げにかぶりついた時、彼女の様子が変わった。
不機嫌そうに倒れていた耳はピンと立ち、同じく不機嫌そうにダレていた尻尾もパッタンパッタンと振られている。

こ「築城よ、なんじゃこれは…?」
築「料理名は知らんけど、油揚げにひき肉とか詰めて焼いた物体。油揚げは残ってたし、昨日自分で食べるハンバーグ作ってひき肉もあまってたし。
  口に合わなかった?」
こ「う、うまいぞこれはぁ…。溢れる肉汁と油揚げの素朴さの組み合わせが絶品じゃあ…。」

それを最後の言葉に、黙々と料理を平らげてしまう。まあ尻尾だけは落ち着きが無かったが…。

こ「ふぅ〜、喰った喰った。きんちゃくに迫るほど気に入ったぞ。」
築「それはよかった。でもいい加減、メシ喰うときに尻尾が暴れるのはなんとかしないか?
  ホコリが舞ったりするから。」
こ「お主の料理が美味いのが悪いのじゃ。」

狐というのは犬の近縁であるものの、犬ほど人に懐いたりはしにくいらしいが、それでもやはり犬の仲間。
中には犬のように機嫌が尻尾に出るものもいるらしい(wiki

こ「よし、先にシャワーを浴びて布団で待っておるからな。」
築「へ?」
こ「こんなに美味いものを食わせてくれた礼じゃ。初めに言ったじゃろう?
  『きんちゃくの量と質次第ではイイコトしてもいい』とな。」
799 :こっくりさん(支離滅裂 [sage saga]:2011/07/03(日) 01:29:14.08 ID:Q+qPH+8l0


何のつながりもない別の日おはなし

築「コックリさん、こんなの作ってみたんだけど…」
こ「なんじゃこれは?」
築「スマホのタッチパネルを利用した『こっくりさんアプリ』これでより呼びやすくなるかなって作ったんだけど。」
こ「ふむ、試しに呼び出して見るがよい。」

コックリさんには一時お帰りいただく。
今は呼び出しと帰宅はセオリー通りだが、基本的に呼び出しっぱなし、十円玉も持っているだけで良い(契約者補正らしい)
しかし基本的に屋内でしか呼び出せないし、別のところで呼び出すのにセオリー通りだとその都度道具の準備がしにくい。
それを少しでも解決しようと錦戸の知人のメイドと作ってみたのだった。



(こっくりさん試用中・・・)



こ「うむ、なかなか具合が良いぞ。」
築「まさか画面内の十円に指が引っ張られるとは、そして何より…。」

築「こっくりさんがちょっとしたラブプラスみたいになるとは…。」
屋外に出る際、画面内にこっくりさんがいて、触ったり会話したり、こっくりさん側からも外の様子が分かるようになっていた。

こ「なるほど、端末内の記憶領域を半導体やらで閉鎖された空間と解釈し、そこに呼び出してるわけじゃな。」
築「狭くない?」
こ「うむ、平気じゃ。じゃが、おそらく空き容量が少なくなると狭くなるんじゃろう。
  それに家ではセオリーどおりで頼むぞい。」
築「やっぱりあっちのほうがくつろげるんだ・・・」
こ「お主らが外出するときの服と部屋着の違いみたいな感覚でとらえておけば良い。とにかく、これは良いものじゃ」


しかし、こんなアプリを作るなんて、錦戸の知り合いは何者なんだろう...
800 :花子様の人たち [sage saga]:2011/07/03(日) 01:32:57.32 ID:Q+qPH+8l0
おわり

完成度を気にしたら何も書けなくなるから、もう細かいことは気にしないことにした結果がこれだよ!!
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/03(日) 01:40:01.10 ID:bzYN6rIr0
こっくりさんかぁいいよこっくりさん
ダしたばかりだけど頂きます(やめれ
802 :花子様の人たち [sage saga]:2011/07/03(日) 01:45:23.72 ID:Q+qPH+8l0
>>801
ダすって何をだ?www
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 02:00:07.99 ID:l1XToj14o
ヤだなぁ
男の子のエクトプラズムですよぉ
804 :ふえ ◆2PnxfuTa8. [saga  sage]:2011/07/03(日) 08:07:06.92 ID:9PIUTZxA0
これは良いものだ!
花子様のひとおつでした
あの携帯で一定の番号を押すと変身できる気がする
805 :影人間の [sage saga]:2011/07/03(日) 21:02:29.47 ID:bzYN6rIr0
>>802
という訳で>>803を参照のこと♪
ご馳走様でした〜♡
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 22:37:26.61 ID:mBnA4kVDO
投下したいのに回線ブレイクしやがった!
くそが!
携帯じゃひなんじょのレスもできねえ!
807 :影人間の [sage saga]:2011/07/03(日) 22:43:54.90 ID:bzYN6rIr0
>>806
ご愁傷様なんだぜ・・・
回線ブレイクか、厄介だな・・・マジで切れたの?それとも一時的なの?
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:19:44.49 ID:mBnA4kVDO
物理的につながってるのにネットはできぬ
809 :影人間の [sage saga]:2011/07/03(日) 23:22:25.00 ID:bzYN6rIr0
あー、俺も時々あるわ・・・
無線LANなら、ボタン長押しとか気休め程度の解決法があるっちゃあるけど
あれはバッファローだけだったかしら?

運が良ければ一晩経てば治ってたりするんだけど・・・
810 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:34:01.88 ID:mBnA4kVDO
一晩では意味が無いんだ…
連続更新記録が一週間でとまっちまう
811 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/03(日) 23:35:37.69 ID:ei9XZNTPo
>>808
経験上、モデムとルーターの電源抜いて再起動すると直る。
812 :影人間の [sage saga]:2011/07/03(日) 23:36:50.06 ID:bzYN6rIr0
>>810
やはり笛の人だったか・・・
くそぅ、回線が憎い
「今すぐ直れ!」と皆で願って回線を直そうぜ(帰れ
813 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/03(日) 23:39:33.33 ID:mBnA4kVDO
何度も抜き差ししたが…だめだった…
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:52:01.91 ID:Hk8OKMZLo
業者に問い合わせが確実だと思うけど、今の時間でも受け付けてるだろうか……
最終手段『USBにぶち込んでネカフェから投稿』という案を上げておきます
ニュー速VIP時代に一度やったことがあるので


ところで日曜日ってあと何分だっけ……
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:57:52.77 ID:mBnA4kVDO
近くにネカフェがない!
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 00:02:34.32 ID:qoFKanuDO
もうどうにでもなあれ…
817 :花子様の人たち [sage saga]:2011/07/04(月) 00:13:24.01 ID:eTnFvdNB0
>>810 インフルエンザとかによる公欠は皆勤賞に影響しないみたいな感じで大丈夫
ノーカンノーカン
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 01:02:37.44 ID:lggrD3hbo
というか連日投稿自体は読む側には特に意味がないから気にしなくてもいいと思うの
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 01:16:59.23 ID:lggrD3hbo
ん、言葉が良くないな
環境が不調ならあまり気にかける事はないということで
今回は推敲の時間ができたとポジティブに考えればいいさ!
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 01:17:27.14 ID:CCOsF8oRo
やるぜ!って意気込んだけれどそれができないっていうのは、何というか……うがああああああああああ!!ってなるよね

何が言いたいかっていうと、契約ベルトの話を結局日曜日までに書けなくてうがあああああああああ!!!ってなってる中の人です
『時は金なり』って言葉を痛々しいほど実感しております
書くんだから…設定も構想もほぼ決まってて途中まで書いてるんだから……
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 01:50:38.19 ID:/fDZRjfa0
『時は金なり』
・時間を何もせずに浪費する事によって金が手に入る
・金を消費して時間を『買い戻す』ことができる
・『買戻し』の金額は1秒100円で、時間を浪費することで手に入る金は10秒に付き5円

みたいな?
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/04(月) 08:09:06.22 ID:Hjo4IRCR0
>>820
落ち着け冷静に考えろ!
『日曜はまた来る』!

いや、レス見てると日付の指定なかったから(頓知か

>>821
それ面白いな!
金を時間にする方が高くなるってのがそそるね(ン?
使ってみようかな…
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 10:29:17.80 ID:/fDZRjfa0
金を時間にするときの掛け声は「金は時なり」だな
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 10:48:57.95 ID:qoFKanuDO
それこそ

ベルトか腕時計にでもお金を入れてレバーかつまみを回すとお金で買った時間を使える

って能力にすれば不自然じゃないベルトアクションが!
さらに能力を使えば使うほど時間が値上がりすれば…
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 11:40:21.15 ID:jhgYyUNBo
黒服(尋問側)「『時は金なり』……、それは本当に都市伝説か!?」

黒服(弁論側)「今まで『噂をすれば影が差す』や『地獄の沙汰も金次第』とか言う諺は、都市伝説としてですね」

黒服(尋問側)「諺は都市伝説か!?」

黒服(弁論側)「その路線で行くとアンタの『中二病』も都市伝説か、という事になりますぞ」

黒服(尋問側)「酷い!それは恫喝だ!!」

黒服(弁論側)「何と言われようが、都市伝説なんだから仕方がない」


黒服の偉い人「採用」
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 12:52:40.14 ID:lggrD3hbo
黒服(例のポーズで)「異議あり!」
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 13:20:57.42 ID:pHHXPp/No
※ これは『組織』という、この世に蔓延する都市伝説を駆逐する謎の機関の
   何気ない日常の一こまを描いた、ハートフルシリアスホラーアクションコメディです

>>826

過激派「その『異議あり』に異議あり!」

強硬派「その『異議ありに異議あり』に異議あり!」

過激派「何だよこっちは反論しようとしてんだぞ!止めんなハゲ!!」

強硬派「おおお、俺はフサフサじゃボケェ!」

黒服の偉い人「Y-No.0、僕を罵倒して下さい」

穏健派「ちょっとぉ、も少し静かに会議してよぉ」

過激派「うるせえハゲ!俺を喋らせろ!!」

兄貴派「プロテインの話が優先順位高いだろ常考」

過激派「黙らせろ!有象無象共を黙らせろ!!中立派は何してる!?」

中立派「特に異議は無いぞ、どうぞ」

黒服の偉い人「セシリアたん、今日のパンツ……何色」

過激派「てめぇら黙れ!!黙りやがれ!!もういっそ[ピーーー]!!」


※ これは『組織』という、この世に(ry
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 15:03:36.17 ID:qoFKanuDO
それもころもシリアス要員が足りないせいだ!!
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/04(月) 17:06:12.21 ID:jDvllV4r0
おい、だれか突っ込み役を連れてこい
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 17:22:24.59 ID:IRbyrLN50
過激派のお兄ちゃんがすごいまともに見えるぞ
831 :影人間の [sage saga]:2011/07/04(月) 17:28:28.89 ID:Hjo4IRCR0
>>825
>黒服(尋問側)「諺は都市伝説か!?」
(日天>故事成語、例えばオレの契約している「画竜点睛」なんかは都市伝説と言えなくもないと思うが
    これは四字熟語だが、諺だと「禍転じて福と為す」などがあるな
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 18:43:46.41 ID:qoFKanuDO
サンジェルマン「突っ込み♂役を」
兄貴「ご所望♂か」
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 22:46:21.40 ID:/fDZRjfa0
「なっ!都市伝説の契約者じゃない!?じゃあお前らは一体何なんだ!」

「俺らか?俺らはな……」

「『言技使い』だ!」

っていう電波が流れ込んできた
834 :影人間の [sage saga]:2011/07/04(月) 22:52:32.86 ID:Hjo4IRCR0
>>833
それはそれで有りかも知れん・・・
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 12:49:46.43 ID:mopbxAADO
投下がない
これは由々しき事態だ
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/05(火) 13:10:15.08 ID:8nVl75iAO
>>835
ごめんね 筆が進まなくてごめんね
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 16:55:04.86 ID:mopbxAADO
関西北陸の人だと…
いったいどの方なのだ
思うにここへの連載が少なすぎるんだよ
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/05(火) 17:07:35.47 ID:9L7SCkrho
続きものでも気にせずこっちに書けばいいのにね
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 17:13:12.41 ID:G5igi8YDO
つまり本スレ用に新規連載を立ち上げれば……ッ!(無茶言うな)
840 :影人間の [sage saga]:2011/07/05(火) 17:26:29.61 ID:nvxbReVO0
実は新連載の予定があった>>750-753
評価悪かったんで一人連載会議に落ちましたorz

>>838
中途半端すぎるとどうもねぇ・・・
7月は俺の全作品合同の海水浴書くんで、それからこっちで書こうと思ってる
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 17:33:37.93 ID:mopbxAADO
じゃあみんなで連載会議でもやろうず
842 :影人間の [sage saga]:2011/07/05(火) 18:04:48.74 ID:nvxbReVO0
>>841
まずはどの読み切り作品を連載に回すかだな
843 :はないちもんめ 携帯 [sage]:2011/07/05(火) 18:05:52.59 ID:8nVl75iAO
>>837

私だ
何から手付けようかとかリアルが忙しいとか色々中途半端とか
もう色々どうしようかとね
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 18:17:48.09 ID:G5igi8YDO
見事選ばれた単発には、都市伝説スレの後援と連載権限が与えられます
選ばれた方はリアルを大事にしつつ、連載へむけて鋭意構想執筆に励みましょう


なんというプレッシャー
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 18:21:10.43 ID:mopbxAADO
>>843
あなたか
そういえば関西に住んでましたな
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 18:36:21.86 ID:5y07el62o
なによりもまずは色々なものを平行して書こうとせずに一つのものを集中して
読者に分かるように書く事が大事だと思うんだ
時間跳びまくりで最近のはさっぱりわからん
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 18:42:04.46 ID:mopbxAADO
自分の話は果たしてわかって貰えてるのか…
848 :影人間の [sage saga]:2011/07/05(火) 19:22:18.34 ID:nvxbReVO0
わーい、和歌山県北部で震度5強orz
俺南部だけど、かなり揺れたぞ・・・
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/05(火) 19:25:17.63 ID:8kEjWvEP0
ーーーーーっふ、こっちでやりたいがwiki更新が追いつかなくてこっちで書けない馬鹿がいてだな
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 20:00:45.15 ID:xN4vsXeDO
今週中にはあっちのをこっちに持って来てえなあ……
851 :ふえ [sage]:2011/07/05(火) 20:34:33.76 ID:mopbxAADO
完全に忘れてた

※笛の人の連載作品は避難所に投下されている他の作者の皆様の作品における時間軸から十年後の物語として描かれてます

これを入れ忘れたせいで大分あれなことになってると思うんだ
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 21:33:49.06 ID:mopbxAADO
だれか連載会議本当に出さないかな
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 21:44:07.82 ID:Z/ltyW6wo
>>846
そーだ
キミなんか書いてくれよ
原点回帰しようず
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 22:02:35.02 ID:mopbxAADO
確かに>>846に書いてもらうのは楽しそうだ
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 22:05:40.10 ID:Z/ltyW6wo
さあ
俺も言ったからには原点に帰るか
目標は分かりやすくシンプルな文章を
856 :影人間の [sage saga]:2011/07/05(火) 22:07:05.80 ID:nvxbReVO0
全裸で待機する
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 22:18:16.80 ID:mopbxAADO
俺はながったらしい台詞とくせのあるキャラが原点だから普段通りにするんだから!
858 :影人間の [sage saga]:2011/07/05(火) 22:52:59.96 ID:nvxbReVO0
俺の原点って・・・何だろうorz
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 23:14:44.34 ID:G5igi8YDO
自分の原点を思い出したら一部の作者様に申し訳ないことになりそうなので静観
860 :はないちもんめ ◆YdAUTYI0AY [sage]:2011/07/05(火) 23:30:54.11 ID:I+EtmmHl0
原点ってなに?食えるの?
アレか、主人公になる筈がポッと出の幼女に主役の座を奪われていった影の薄い奴か俺の原点
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 23:41:16.45 ID:G5igi8YDO
>>860
やめてあげて
862 :はないちもんめ ◆YdAUTYI0AY [sage]:2011/07/05(火) 23:45:24.26 ID:I+EtmmHl0
>>860
そんな彼も気付けば今月の13日辺りで2周年です
幼女の方は14日で2周年です
で、出番を比較すると多分影の薄いほうが幼女の半分も出番が無ry
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/06(水) 07:38:39.64 ID:g8FzCz0DO
影守さんの今一主人公になりきれない理由とは
864 :はないちもんめ 携帯 [sage]:2011/07/06(水) 08:08:56.69 ID:uZCkJw/AO
坊やだからさ


単純にこのスレ入門用にかごめかごめ有りきで作ったキャラだから他の連中に比べて個性がry
後は因縁とかその他諸々を望に持って行かれた辺りが原因だよ
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 10:52:09.13 ID:g8FzCz0DO
主人公じゃなきゃ空気キャラで美味しかったのに…
866 :はないちもんめ 携帯 [sage]:2011/07/06(水) 13:04:45.46 ID:uZCkJw/AO
>>865

美味しいと言うより惜しいキャラになりました
だからって待遇良くする積もりは無いけどな!!
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 15:23:33.46 ID:g8FzCz0DO
誰がうまいことを言えと…
868 :名も亡き都市伝説契約者 [sage]:2011/07/06(水) 23:31:02.44 ID:jiC1LBEBo
せっかくのSS速報なワケだから一寸よそのスレを覗いてたんだが
改めてこえー所だと思ったわ
某スレだと1がガンガン投稿してる時には何のレスもつかないのに
投稿が途切れたら途切れたでいきなり1叩きが始まるとか…
しかも息を合わせたかのように1を叩き出してやがる…
VIPで馬鹿やってた時はそりゃパー速でやれだの言われてたが
SS速報はよりハードってワケか?それともそれが普通の流儀って奴なのか…?
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/07(木) 01:14:10.93 ID:qPEwwnyn0
>>868
理不尽な叩き方はどうかと思うけど、ある程度核心ついた叩き方とかはあっても良いと思うの
称賛と批判、両方のレスがつくような話が書けたら俺としては満足
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 04:54:19.28 ID:rICwgju90
作者が投下中は口出ししないで「今回はこれで終わりです」みたいな感じの合図があったらレスつけるのが大体だと思う
更新が途切れたら叩きが始まるっていうのは見たスレが悪かったんじゃないかな
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 08:18:38.74 ID:R7toILJDO
みぞれちゃんがマゾなのは確定的に明らかなので彼女をいじめる話を書きたいのにエロへのテンションがあがらない
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 08:43:16.48 ID:PszN/d6DO
生存本能とエロは密接に結び付いているという
つまりイッペンシンデミルごめんなさいなんでもないです
873 :単発ネタ [sage]:2011/07/07(木) 12:51:18.99 ID:ndB1zFZSO
環境創造学部という何だかよく分からない学部の何だかよく分からない教授の何だかよく分からない講義は寝ている間に終わっていた。
今日は1時間目のこの講義しかないので、帰り支度。
この為だけに早起きして、ぎゅう詰めの電車に揺られて来たのかと思うとなんだか空しくなった。
何故、我が学校町は中学、高校と無駄に多いのに大学は無いのだ、と1時間以上の電車通学をしながら考えた。
早く終わったなら友人と遊ぶなりすればよいのだが、生憎、俺には友人がいない。
やはり、新入生歓迎会を欠席したのがマズかったのだろうかと、そんな事を考えながら電車に揺られ、家に帰ってきた。
「ぁ……ぉ兄さま……ぉ帰りなさぃ」
我が家は学校町の北区にある一軒家だ。北区、つまり、田舎だ。
周りは田んぼか畑。お隣りさんまで100メートル。もう一度言うが田舎だ。
「ぁの……ぉ昼ご飯…………作って、ぉきました」
親はいない。亡くなった。
おかげで、使い切れない程無駄に広い家が残った。
なにしろ、この家には二人しか住んでいないのだ。俺と、
「ぁの……ぉ兄さま……」
あーもー、さっきから
「っせーな」
「ぅ……ぁ……」
「お前さぁ、なんか臭いんだけど。前、風呂入ったのいつよ」
「…………ぇ、ぇと」
「考えないと思い出せないのかよ。そんなきったねぇ体で料理かよ。げぇ〜」
「ご、ごめんなさぃ…………ぉ、ぉ風呂、ぃってきます」
……さて、話を戻すか。
この家に住んでいるのは、俺と妹の二人だけだ。
妹は中学生だが、見た目はクラスで背の順に列べば絶対に1番前になる程小さい。
今日は平日の昼間。中学生は学校にいる時間なのだが、あいつは家にいる。
不登校、引きこもりだからな。いじめだかなんだか知らないが、面倒臭い馬鹿だ。
あれだけ言っても反撃の一つもしないあたり、本当に馬鹿だ。
「……トイレ行こ」
874 :単発ネタ [sage]:2011/07/07(木) 12:51:46.80 ID:ndB1zFZSO
用を終え、水を流す。
「…………ん?」
なんか……水の流れがおかしいような気g
「づあ〜〜!!」「うわぁ!?」
突然、便器の中から女の子が出てきた。何を言ってるのかわからねえと思うが、俺にも分からない。
「いっつぅ。ここは…………?」
見た目小学生。ていうか、あれだ、おかっぱに赤と白の衣装。見た目、花子さんだ。
「あー……えっと」
俺はこの意味不明な少女にどう声をかけたら良いんだ。
…………ん?
地震?
「っ!マズい!!」
「ぅ、うえぇ!?」
謎の少女がいきなり俺をトイレの外へ押し出す。
その一緒後、便器が消えた。
「……………………は?」
便器のあった場所には、ミミズに似た、巨大な、虫。そいつが床から生えていた。
「な、んだよ……これ……」
その疑問に答えたのは謎の少女だった。
「モンゴリアン・デス・ワームよ」
「モン…………何だって……?」
「モンゴリアン・デス・ワーム。未確認生物の、知らない?」
意味が分からなかった。
「普通はでかくても1.5メートルなのに、なんでこいつは10メートル近くあんのよ」
少女が苛立つようにそんな事を言っているうちに、モンなんとか……ミミズの化け物は床下へ、ズルズルと戻っていく。
俺の家の地下に何が起きているんだ……
「ちょうど良いわ。貴方、私と契約しなさい」
「は?っつか、………………お前は何なんだ!?さっきの化け物は何だ!?いったい何がどうなってる!!?」
「うっさいわね!私の事は見たら分かるでしょ!『トイレの花子さん』よ。あの化け物を退治するのに貴方の協力が必要なの」
「お前と契約して魔法少女になって欲しいってのか!?」
「言ってないわよ!!落ち着きなさい!」
「この状況で落ち着けるか!!!」
そんな言い合いをしていると、風呂場の方から、大きな物音がした。
……風呂?
えーと、風呂。
なんかあったけ…………
そうそう、さっきあの馬鹿が昼間から風呂に行ったんだっけ。
…………………………ぉい。
「っー−−−−−−−!?」
「え!?ちょっと!」
花子さん(仮)を置き去りにして、浴室へ走った。
そして、
875 :単発ネタ [sage]:2011/07/07(木) 12:52:15.90 ID:ndB1zFZSO
そして……
そして…………
そして、風呂場に化け物が床を突き破り、生えているのを見つけた。
「ちょっと!不用意に近づくんじゃn」
「ぅおい……」
「な、何?」
「契約すれば、アレを殺せるのか?」
「え?ええ、たぶん」
「じゃあ、契約だ」
そして、あの化け物を殺そう。
あの、化け物を。
あの、何かを咀嚼している化け物を。
あの、巨体の下に、胸から上しかないあの馬鹿を敷いている化け物を。
ぶっ殺そう。
「契約完了よ。危ないから貴方は下がっt、ちょっと!?」
ズルズルと再び地下へと戻っていく化け物にゆっくりと近づき、
「よー、化け物。あ〜そび〜ましょ〜」
俺は掌を向ける。
俺の声に反応したのか、化け物は俺を見ながらじっとしている。
何処が目なのか分からないから、耳をすませているのかもしれないが、どっちでもいい。
『花子さん遊びましょ?』『何して遊ぶ?』『首絞めごっこ』
俺はゆっくりと手を閉じる。
「ー―――――――――」
化け物が苦しそうにのたうちまわる。
ギリギリと化け物の首が絞まる。
そして、俺の手が閉じきった時、ごきり、と骨の折れる音がした。
そうして、化け物は風呂場に倒れ、動かなくなる。
「……良いな、これ」
「え?……あの、えと」
ああ、花子さんのことを忘れてた。
「終わったぞ」
「そう……ね」
なんか反応悪いな。
「私がヤるつもりだったのに……契約していきなり空気って…………まだよ、次、次で頑張れば………………」
そんな事か。……次ね。
「またあんな化け物と戦うのか?」
「そうね。やっぱり契約したからには、都市伝説と戦いたいわね。正義の味方、とまではいかなくともね」
「それ、俺が手伝わないと駄目か?あんた一人じゃできないのか?」
「そ、それじゃ契約した意味がないじゃない!それに、私一人じゃ、勝てなかったし……」
「こっちは、あんたが連れてきた化け物に妹が殺されたんだが」
まだ迷惑をかけるのかと、言外に含める。
「っ、…………」
あ、目をそらした。
やっぱり、考えないようにしてたのか。死体が誰なのかも聞いてこないと思ったら。
「そ、の……ごめんなさぃ…………」
「良いよ、別に……」
「……………………ごめんなさい」
どうせ生きていても、社会の役に立たない馬鹿だ。こんな昼間から家にいるような馬鹿だ。
本当に、どうでもいい。
とにもかくにも、あの馬鹿の死で、花子さんの弱みを握った。
そして、花子さん一人では、あの化け物とは戦えない。
俺に迷惑をかけている。俺がいないと困る。
この二点を軸に、主導権は俺が握る。
そして、
間違えて、この能力で、妹をいじめていた、クラスメイトを、殺してしまっても、文句は言わせない。
そんな関係を作るとしよう。


876 :名も亡き都市伝説契約者 [sage]:2011/07/07(木) 16:14:57.93 ID:ZzoEZBFvo
>>869-870
どうやら核心ついた批判でなく、単なる荒らしだったみだいだお…
でも少しビビったので一旦ニュー速に引き籠るお…
877 :名も亡き都市伝説契約者 [sage]:2011/07/07(木) 16:20:48.20 ID:ZzoEZBFvo
単発の人、乙だお
しかしもう、モッコリイヤンデスワームのイメージが先走ってしまうお
この契約者あとで某正義の味方にすり潰されたりしないか怖い…怖いお…
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/07(木) 17:40:29.62 ID:qPEwwnyn0
よし、主人公くん疑って悪かった
冒頭の妹ちゃんの扱いに対して切れそうになったけどあんた兄貴の鑑だよ
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 20:00:44.15 ID:R7toILJDO
おつっした
わかった
妹がワームの契約者
冷たい兄を陥れて、自分を苛めたやつはくいころす
最終的に上半身美少女下半身ワームのボス形態に進化
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/07(木) 20:04:57.13 ID:qPEwwnyn0
>>879
>最終的に上半身美少女下半身ワームのボス形態に進化
それ何てエキドナwwww
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 20:14:14.09 ID:R7toILJDO
この形態はありふれているから一概には言えないので注意な
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/07(木) 20:17:05.68 ID:qPEwwnyn0
>>881
まぁね! でも思いついたのが何故かエキドナだったの
犬夜叉の女郎蜘蛛(超序盤で殺られた奴)もそんな形態だったなぁ
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 20:19:45.56 ID:ndB1zFZSO
下半身ワームの少女を想像しようとしたら
何故か丸呑み系のリョナ的なものしか想像できなかった
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/07(木) 21:49:29.97 ID:qPEwwnyn0
>>883
>何故か丸呑み系のリョナ的なものしか想像できなかった
俺のトラウマシチュじゃねぇかwwww
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 22:02:19.93 ID:ndB1zFZSO
犬的な何かに妹系のロリが丸呑みされる話を書くとどうなるのっと
886 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/07(木) 22:15:57.32 ID:qPEwwnyn0
>>885
俺の精神がブッコする
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 22:31:23.39 ID:R7toILJDO
モデム変えたのに直らない回線
888 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/07(木) 22:39:07.36 ID:qPEwwnyn0
>>887
なん・・・だと・・・
どっか大元が切れてるのかしら?
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 22:41:26.42 ID:R7toILJDO
モデム変えた直後は大丈夫だったから多分回線自体が調子悪いな
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 01:02:06.26 ID:hYb+3lgDO
くそ…
なんか全部のランプにオレンジ色の光が
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/08(金) 01:17:47.39 ID:K9x2pbJH0
>>890
かなりまずいじゃないすか・・・
ううむ、何か攻略法はないものか・・・
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/07/08(金) 01:44:08.87 ID:1uvTR+syo
 ぼくの父親は厳格な人だった。
 悪いことをした日にはすぐに拳骨が飛んできたものだ。
 ただ、悪いことであっても父親のルールに抵触しなければ咎められることはなかった。
 いじめられっ子を庇い、いじめる同級生を病院送りにした時は、やりすぎだと前置きがあった上で良くやったと褒められたこともある。
 曲がったことが大嫌いな人だったのだろう。
 そんな父親を尊敬していたし、誇りにも思っていた。

 母親に酌をしてもらいながらの晩酌が唯一の楽しみだと、珍しく酔った父親が当時高校生のぼくにしみじみと呟いたことがある。
 当時遅れた反抗期を迎えていたぼくは聞き流していたが。

 そんな父親が、今、ぼくの目の前にいる。
 息子との対面は別に珍しくもなんともない。――脳溢血で死んだはずの父親でなければだ。

 正確には父親の顔をした犬がいる。
 こんな都市伝説が確か居たような気もするが、あれは何て名前だったろうか。

 犬は父親の声で喋る。
 皆に変わりはないか。
 母さんは元気でやっているか。
 困ったことはないか。

 それ以上喋るな。
 それ以上、父親の顔で口調で声色で。
 喋るな。

 父親が死んだ今、未熟ながらもあの家の家長はぼくだ。
 大した格式を持つわけでもないが、あの家を守るのは男であるぼくの役目だ。

 お前は脳溢血で死んだことになっているんだ。
 再びぼくらの前に顔を出すな。

 そうして、ぼくは鉄パイプを振り上げる。
 父親の顔をした犬に向かって。
 仮にも父親の顔を持つ犬へと。
 悲哀と畏敬と後悔と、一握りの殺意を込めて。
 今度こそ、生き返らないようにと。
 もう一度、父親へと振り下ろす。

 ぐちゃり
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/07/08(金) 01:45:24.01 ID:1uvTR+syo
>>890
ヒント:諦める
894 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga]:2011/07/08(金) 02:06:58.28 ID:1uvTR+syo
 別にいつも通りの日常に不満があったわけじゃない。
 朝起きてメシを食って学校行って授業を受けて友人と他愛ない話をして帰ってメシ食って風呂に入って寝て。
 そりゃまあ、確かに単調な生活だなと思わないこともない。
 でも、学生時代に一度は夢見る麻疹のようなものだとは思っていた。

 今までのように平坦で、単調で。
 これから先も平坦で、単調で。

 彼女とか嫁さんとか子供とか孫とか、人並みにできちゃったりしてこの先過ぎていくんだろう。
 別に不満とも思わなかったし、それに満足して一生過ぎていくんだろうな――なんてことは当たり前すぎて考えたことや意識したことすらない。
 自分の――まだ十六年しか生きてないけど――人生が劇的に変わることなんてない、と思ったことはあるが。

 ――それもこれも今日までは。

「少し、お話をよろしいでしょうか」

 こう言って現れたのは黒いスーツを着た男。
 当然見覚えはない。
 何かのアンケートや道を訊ねるようでもない。

「失礼ですが、昨年の十二月二十六日の晩、貴方はどこで何をしていたのか教えていただきたいのですがよろしいですか?」
「……そんな前のことなんて憶えてません」

 去年。
 去年の十二月二十六日。
 憶えてないと答えながら、あることを思い出す。

「十二月二十六日の午後十一時、この先にある西区の公園で、貴方は殺し合いを目撃した。――違いますか?」

 この男は何を見たのかを知っている。
 ――そう、あれは殺し合いだった。
 ふたりの男と、ひとりの少女。
 彼らは殴り合っていた。殺し合っていた。
 あの日、あの時、あの場所で。

「どうでしょう、お答えいただけませんか?」

 怖くなって逃げ出した。

 あの日の晩と同じように。
 今も。

 助けてくれと願いながら。
 何から助けてほしいのかはわからないが、きっと――「今」から。
895 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga]:2011/07/08(金) 02:07:51.11 ID:1uvTR+syo
「助け舟ってのはそう都合よく現れるもんじゃない。江良井卓くん、君もそう思わないかい」
「知らんな」

 嫌そうな顔を隠そうともせず、中年の男の問いに黒のスーツに身を包んだ男――江良井卓は答えた。

「勿論、僕は都合よく現れたわけじゃない。紹介を兼ねた宣言をしようと思ってね」

 背後に向けて中年が合図するとどこに隠れていたのか、四人の男達が現れた。

 頭髪のほとんどが白髪の初老と呼んでも差し支えのなさそうな男。
 どことなく三枚目の雰囲気があるが、歌舞伎俳優のように整った顔立ちの男。
 スポーツ選手のようにがっしりとした体格の眼鏡の男。
 片手にスナック菓子の袋を抱えている肥満体の男。
 わずかな特徴こそあるものの、誰もがどこにでもいそうな男達である。

「〈禁縛背理《ファントムペイン》〉こと新居忠と申します。得意なゲームは特にありませんが以後お見知りおきを」
「嘉藤千也だ。〈深淵《リリース》〉だそうだがそれはどうでもいい。好きなジャンルはRPGだがそれもどうでもいい。以後よろしく」
「〈地裂奇術師《グラインドサプライズ》〉中元浩志です。アクションを得意としています。どうぞよろしく」
「高城楓。〈静寂刹那《アンノウンサイレンス》〉。育成ゲームこそ至高。よろしく哀愁」

 白髪混じりの男が名乗ったのを始めに、順々に名乗る男達。
 そして最後に中年の男が名乗る。

「それじゃ僕も改めて。――錨野蝶助、人呼んで〈火焔歯車《プラズマジャンキー》〉。得意ジャンルはSTG。これからもよろしく。
 あ、ちなみに『二つ名メーカー』で検索してもらえば君も素敵な名前をゲットできるよ」
「要らん」
「それは兎も角。もうひとりいるんだけど都合で遅れててね。〈螺旋連撃《スパイラルバスター》〉って名前のギャルゲ好きなんだけどさ」

 どこまでが本気なのか。
 どこまでも本気なのだ。

「ひとり足りないが今のところは僕ら六人が〈ゲーム王国〉造りのメンバーさ。――君が加わってくれれば七人になる」

 七人目になれ、との勧誘。
 少しでも野心のある人物ならば魅惑的な勧誘であったろう。
 しかし、対する言葉は至極単純であり、簡潔なものであった。

「断わる」

 勧誘者が思わず苦笑いを浮かべるほど簡潔な答え。
 落胆した様子がないのはその答えを予想していたからであろう。

「……そうか。もしかしたらと予想していたけど、いわゆる想定の範囲内というやつだけれど、それでもさすがにショックかな」

 落胆した様子での呟き。
 断った本人はと言うと、迷惑そうに形の整った眉を歪めているばかりだ。

「……話は終わりか?」
「ああ、そうそう。紹介は済んだから――宣言だったね」

 少しだけ恥ずかしそうに鼻の頭を掻きながら、錨野は宣言する。

「〈ゲーム王国〉編の始まりだ」

 今、この瞬間。
 たったひとりの学校町の住人に対して。
 錨野の宣言を持って、〈ゲーム王国〉を巡る物語が静かに開催された。
896 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga]:2011/07/08(金) 02:08:48.81 ID:1uvTR+syo
 逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる、逃げる。
 走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る、走る。
 逃げる、走る、逃げる、走る、逃げる、走る、逃げる、走る、逃げる、走る、逃げる、走る、逃げる。

 右に左に学校町を駆け逃げる。
 自分がどこを走っているのかもわからない。
 そして違和感に気付く。

 ――どうして、誰にも会わないんだ?

 これだけ走って走って走りまくっているのにどうして誰とも出会わない?
 確かにがむしゃらに走りまくったが、人気のないところを走っているわけじゃない。
 どこを走っているのかもわからないが、人と出会わないわけがないだろう。

 怖くなり、後ろを振り向く。
 いないことに安堵し、前を向くと――いた。
 公園で出会った黒スーツの男が。

「かの〈怪獣王〉で使用した視覚結界の小型版です。――何のことかわからないでしょうが」

 懐から……なんだ、あの趣味の悪いオモチャは。……銃、か?
 こちらに狙いを付け、ヤバい、撃たれる!

「う、うわあああああ!!」
「こっちだ、ガキ!」

 体を丸めると同時に、誰かの声が聞こえた。
 正体もわからぬまま、声に向かって走り出す。

「飛び乗れ!」

 声の通り、目の前に走ってきた犬に飛び乗る。

「しっかり掴まってろよ、行くぞ!」 

 言うや否や、今までに体験したことのないスピードで犬が走り出した。
 あまりの風圧で眼を開けていられないほどだ。

 犬が走り出してからどれくらい経っただろう。
 五分? 十分? もっと?
 スピードが遅くなってきたのでゆっくりと眼を開ける。
 そこには――

「うわあああああああああああ!」

 人の顔をした犬がいた。
897 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga]:2011/07/08(金) 02:09:37.15 ID:1uvTR+syo
「ひひひひひひ人のいいいい犬うううううううううう!」
「耳元で叫ぶな」
「しゃべったああああああああああああああ!」
「落ち着け」
「どわああああああああああああああ!」
「やかましい」

 ゴン、と頭突きを喰らわせられた。

「それ以上叫んだら殺すぞ、ガキ」
「わ、わわかった」
「見ての通り、俺は『人面犬』だ」
「そ、それって都市伝説じゃ……」
「そうか、てめえは都市伝説初めてか。学校町にいるくせに珍しい奴だな」
「どういうこと……ですか?」
「この学校町ってところはよ――っと、もう来やがったか」

『人面犬』の視線の先にはさっきの黒スーツがいた。
 あれだけの距離を走ったのに何故?

「随分と早いお着きだなあ、おい」
「私からは逃れられません」
「てめえの能力ってわけかい」
「さあ、どうでしょう」

 カチャリ、と黒スーツが再びおかしな形の銃を取り出す。
 その弾道は精確にこちらを狙っている。
 ヤバいヤバいヤバい!

「ガキ、俺と契約しろ」
「こんな時に何を言ってんだよ!」
「こんな時だからこそだ。そうすりゃこの場は逃げられる。さあ、どうする? このままおっ死ぬか、生き延びるか。てめえが決めろ、ガキ」

 こんな状況で二択を出されても決まってる。

「するよ、契約する! だからここから逃がしてくれ!」
「――契約、完了だ」

 どくん――と心臓が高鳴る。
 状況は何ひとつ変わってはいないのに、何故か安心感が生まれる。
 もう、大丈夫だ。
 そんな気分になれる。

「悪いな、〈組織〉の黒服野郎。お前の能力が何であれ、もうお前如きじゃ俺には追いつかねえよ――ちゃんと掴まってろよ」
「うわあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 言うが早いが、次の瞬間には黒スーツは遥か遠くに見えるほどに走り去っていた。

「契約をしてしまいましたか。『都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者』でしたか……余程この町を戦渦に巻き込みたいと見える」
898 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga]:2011/07/08(金) 02:10:25.14 ID:1uvTR+syo
「この町で一番有名な都市伝説を知っているかい?」
「知るか」
「『都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者』って名前の都市伝説なのさ。僕はこの都市伝説は学校町が契約している都市伝説なんじゃないかと睨んでいるんだが江良井くんはどう思う?」
「どうでもいいことだ」
「そう言うなよ。これでも結構根幹のことなのかもしれないじゃないか。――もしかしたら、僕の目的もその辺にあるのかもしれないよ?」
「俺にはどうでもいいことだ。何度も言ったが、俺は静かに暮らせればそれでいい」

 邪魔をするなら容赦はしない。
 その言葉に錨野は肩を竦める。

「僕達は邪魔しないさ。ただ、それを許してくれるかどうかはこの町次第だね。もしかしたら、今この瞬間にも契約者が生まれているのかもしれない」
「俺には関わりのないことだ」
「だといいけどね。この町の契約者はどこかで必ず繋がっている。君が担当した葬儀の遺族の中にも契約者が居て、繋がりができているのかもしれないよ」

 江良井の答えはない。
 思い当たる節があるのか、それともすでに関わっているのか。

「まあいいさ、それじゃ僕達はこれで。僕達は君の敵にはならない。――できれば、君も僕達の敵にならないことを祈るよ」
899 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga]:2011/07/08(金) 02:11:12.33 ID:1uvTR+syo
 凄い勢いで黒スーツから離れた頃には落ち着きを取り戻せていた。
 都市伝説のこと、契約のことを『人面犬』から説明され、半信半疑ながら理解できた。

「で、大体わかったか?」
「一応は。これから、どうなるん……ですか?」
「タメ口でかまわねえよ。――そうだな、お前はこれから都市伝説と戦うことになるだろうな」

 ……はい?

「どういうこと?」
「さっきまでの俺のような野良都市伝説や、契約者持ちの都市伝説、さっきの黒服なんかもそうだな」
「いやいやいやいや、何で?」
「そういう宿命と割り切っとけ。そんな風にできてるんだよ」
「無理。マジ無理。大体契約しただけで何で?」
「安心しろ、契約したことで都市伝説は能力が上がる。拡大解釈ってやつもあるが、それは追々教えておくか」

 その辺はさっきも聞いたことだ。
 だけど戦うってどういうこと?

「戦う力なんてないよ?」
「お前と契約したことで俺の力も底上げされたからな。安心しろ、悪いようにはならんさ」
「『人面犬』はいいとして、こっちに戦う力なんてないよ? あ、契約者にも付与される力があるって言ってたけど……」
「ああ、あるぜ」

 だとしたら、まだ何とかなる……か?

「犬の言葉がわかるようになる」
「戦闘用じゃないよね?」
「鼻が犬並みになる」
「むしろデメリットだろ!」
「生ゴミを食っても腹を壊さない」
「食わねえよ!」

 どうなるんだ、これから……。


900 :葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga]:2011/07/08(金) 02:14:23.96 ID:1uvTR+syo
はい、そんなわけでこれからはこっちで展開していくことになります。

導入部分を知りたい方はwikiへどうぞ。
tp://www29.atwiki.jp/legends/pages/3458.html
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 12:29:18.55 ID:+hwauVHDO
最終話と新章第一話を同時に投下するとは、葬儀屋の人恐るべし……

ゲーム王国か……エスターク大活躍の予感!
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 17:00:20.16 ID:hYb+3lgDO
葬儀屋の人乙でした
終わりは始まりの始まり
始まりは終わりの終わり
新しい作品期待してます
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/08(金) 17:41:39.26 ID:K9x2pbJH0
新章突入で新キャラも登場か・・・
ますます面白くなりそうだぜ!
卓ちゃんとこの少年がどう関わるかも気になるね
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 19:49:52.84 ID:hYb+3lgDO
嘘喰いが面白い今日この頃
905 :夢幻泡影 † 2日遅れの七夕の話 [sage saga]:2011/07/09(土) 00:18:18.77 ID:8Opecn5H0
(ミナワ>シャ〜ボンだーまー飛ーん〜だ♪
(裂邪>そーらーま〜でー飛ーん〜だ♪
(ミナワ>く〜もの上の〜お星さま♪
(裂邪>つ〜きと一緒に輝くよ♪

ふわり、ふわり、学校町の空を大きなシャボン玉が浮かんでいる
その上に身体を寄せ合って座っているのは、2人の少年と少女
黄昏裂邪と、その契約都市伝説の一つ、「シャボン玉」のミナワだ
学校町において屈指のイチャつき具合だと実しやかに囁かれているこの2人、
今日は七夕の夜にシャボン玉に乗って夜空を散歩するというロマンチックなデートの途中であり、
童謡『シャボン玉』の新しい歌詞を2人で即興で作るなど、
10人中7人が嫉妬の視線を送るであろうラブラブムードを展開していた

(ミナワ>綺麗な星空ですね・・・
(裂邪>ホントだな・・・ま、こんな近くに超可愛い星がいるけどな!
(ミナワ>もぉ裂邪ったらぁ♪

知らない方々に教えよう
合言葉は『もげろ!』だ

(ミナワ>あ! ねぇ裂邪ぁ、あれですよね? 夏の大三角!
(裂邪>おぉ、そうそう、あの天の川を挟んで光ってるのがわし座のアルタイルとこと座のベガ、
    んで川の中にあるのがはくちょう座のデネブだ
(ミナワ>アルタイルが彦星で、ベガが織姫星でしたよね?
(裂邪>ッハハ、よく覚えたなぁ
(ミナワ>前に裂邪が教えてくれましたから、ずっと覚えてますよ♪
(裂邪>あぁ可愛い♪
(ミナワ>キャー♪

裂邪がぎゅっとミナワを抱きしめる
そして、暫し見つめ合い、熱い口づけを交わした
2人きりな所為かやりたい放題だ

(ミナワ>ふあっ・・・ねぇ、裂邪ぁ
(裂邪>ん、どうした?
(ミナワ>もし、私達も1年にたった一度しか出会えなかったら・・・どうしますか?
(裂邪>死ぬ死ぬ死ぬ、マジ死ぬすぐ死ぬ!
    お前の顔が年に1回しか見られないとか砂漠のド真ん中で水無しで生活するようなもんだぞ!
(ミナワ>とっ、突然大声出さないで下さいよぉ!
(裂邪>え、あ、ごめん・・・
(ミナワ>でも・・・そんなに想ってくれて、嬉しいです♪
(裂邪>・・・ミナワ
(ミナワ>裂邪ぁ・・・

再び、2人の顔が近づき、唇同士が重なろうとした時だった
彼らの前に、眩い光が降りてきた

(ミナワ>きゃっ!?
(裂邪>っんだこりゃ、雷か!?

右腕で己の目を、左腕でミナワを守るようにして、
裂邪は徐々に弱くなる光の中を、恐る恐る確認した

(裂邪>・・・へ?
906 :夢幻泡影 † 2日遅れの七夕の話 [sage saga]:2011/07/09(土) 00:18:57.51 ID:8Opecn5H0
それは酷く奇妙な光景だった
足場など在る筈がないこの上空に、男女が2人並んで立っていたのだ
男は古風な牛飼いの服装をしていて、女は絵本でよく見る天女の姿だった
それを見て、ミナワは裂邪の袖を少し引っ張った

(ミナワ>・・・ご、ご主人様、都市伝説です!
(裂邪>そうっぽいな・・・おいお前ら、何もんだ?
(男>見て分かるだろ。俺はアルタイルだ
(女>私はベガよ
(裂邪>なるほど、宛ら「七夕物語」って訳かッ待て! 何でそっちなの!? せめて『牽牛』『織姫』だろ!?
(アルタイル>知るか! それよりテメェら、こんな所で堂々とイチャつくんじゃねぇよ!
       俺達に何か恨みでもあんのか!?
(ミナワ>そ、そんなこと、全然・・・
(ベガ>年に一度しか会えない私達の気も知らないで! 少しは自重してよ!!
(裂邪>た、ただの逆恨みじゃねぇか・・・

呆れた様子で溜息を吐く裂邪
だがアルタイルとベガの怒りは収まりそうになかった

(ベガ>貴方契約者でしょ? 丁度良いわ、ここで叩きのめしてあげる!
(アルタイル>二度と俺達の前でイチャイチャできないようにしてやるよ!

2人が手を裂邪達に向けて前に差し出すと、周囲から光の塊が出現し、鳥の形を作り出す
「七夕伝説」にて、七夕の夜にカササギの群れがやってきて、
彦星と織姫星の間の天の川に橋をかける、という話がある
どうやら、これはその能力らしい
光のカササギ達は、裂邪とミナワへ真っ直ぐに突撃を開始した

(ミナワ>ッ! 『バリアブル』!!

大きなリングから、大きなシャボン玉が生成され、
それはバリアのようにカササギを弾き返し、消滅させた

(アルタイル>っく、小癪な!

アルタイルとベガは再び先程の攻撃を行う準備をする

(ミナワ>ご主人様、ご指示を!
(裂邪>おう、何もするな
(ミナワ>はい、ご主人さm――――へっ!?

ミナワを下がらせ、裂邪は彼女の一歩前に出て、すぅっ、と息を吸った

(裂邪>なぁひこぼsじゃねぇ、アルタイル、ベガ・・・お前らに言いたい事がある
(ベガ>何よ! もう降参?
(裂邪>もう、っていうか、そもそも俺に戦う意思はない
    お前らが気に入らないのなら、俺はこのままミナワと一緒に帰るよ
907 :夢幻泡影 † 2日遅れの七夕の話 [sage saga]:2011/07/09(土) 00:19:45.65 ID:8Opecn5H0
意外な発言に、「え?」という声がその場にいる者達の口から発せられる
至極真剣な表情で、彼は話を続けた

(裂邪>お前ら、『戦う』って言ったよな?
    都市伝説やその契約者同士の戦いってのは、どっちかが死ぬまでの命懸けの戦いだ
    そんなの、お前らとできる訳がない
(アルタイル>ふざけんな! 俺達が弱いってのか!?
(裂邪>じゃあ実際強いのかよ!? 愛する人が消える姿を見ても平然としてられる程お前らの愛は渇いてんのかよ!?

裂邪の怒気を込めた発言に、アルタイルは一歩たじろいだ
弱冠15歳とは思えない気魄をそのままに、裂邪は尚も続ける

(裂邪>・・・違うだろ? 365日の間にたった1回しか会えない、雨だったら1回も会えない
    そんな関係でも、たった一度の再会を喜びあえる程に、お前らは愛しあってるんだろ?
    だったらどうだ? 今俺とここで戦って! もしお前らのどっちかが倒れて・・・死んだら!
    残されたお前らはどうする!? そんな悲劇に耐えられるのか!?

2人は何も答えない
ただ、裂邪の話を聞いていた

(裂邪>俺だって怖いよ・・・もしミナワがいなくなったらなんて、考えるだけでも死にたくなる
    誰かを愛することは弱さじゃないってよく言うけどさ、ホントはすっごく弱くなるんだよ
    お前らもホントは分かってるんだろ? 何十年も何百年も生きて、その内たった数十回しか会えなくても、
    ずっと、互いを愛し続けてたお前らなら・・・分かってくれるよな?

押し黙ったままのアルタイルとベガは、ゆっくり、手を挙げた
ふっ、と、待機していたカササギ達が消え、ようやく口を開いた

(アルタイル>・・・すまん、ついカッとなって我を忘れてたよ
(裂邪>ウヒヒ、いいよ別に。恨まれるのには慣れてるし
(ベガ>最近の子にしてはなかなか出来た子ね。気に入ったわ
(ミナワ>っご、ご主人様は私のですよ!!
(裂邪>てか旦那さんいるだろうが;

クスッ、と誰かが笑うと、それは波紋のように広がり、大きな笑いを生んだ
暫くして、アルタイル達は夜空の向こうへとどんどん遠退いていった

(アルタイル>俺達は今日という日を存分に楽しむことにする! お前達と同じく、いやそれ以上に!
(ベガ>お互いに、末永く愛してましょう!!

声が響き、彼らの姿は見えなくなった

(ミナワ>・・・行っちゃいましたね
(裂邪>あぁ・・・疲れただろ? もう、帰ろうか?
(ミナワ>いえ、大丈夫です。というか・・・もうちょっとこうしていたいです♪

裂邪の腕をぎゅっと抱きしめるミナワ
ッヒヒ、と小さく笑い、裂邪は彼女の頭を撫でた
ふと、こんなことを零し始めた

(裂邪>・・・実はさ。もう一つ、戦いたくない理由があったんだ
(ミナワ>もう一つ、ですか?
(裂邪>耳を澄ませてみなよ、きっと分かるから

目を瞑り、ミナワは彼に言われた通りに耳を澄ます
微かに聞こえてきたのは、地上からの声と音
風に揺れる笹の葉と短冊の音
子供達の元気な歌声、無邪気に願い事を呟く声

(ミナワ>・・・分かりました。はっきりと
(裂邪>今夜はあいつらが主役だからね
    もしも俺があいつら倒しちゃったら、俺完ッ全に悪者じゃん
    子供の夢だけは壊したくないしさ

「あー、短冊書いてないなー」とわざとらしく呟く裂邪に飛びつくミナワ
シャボン玉の上で少しバランスを崩しつつも、何とか姿勢を保つ裂邪

(ミナワ>そんな裂邪の、優しいところが大好きです♪
(裂邪>このぉ・・・また嫉妬されたらどうすんだよっ♪

明るい笑い声が、星空に響き渡った


(シェイド>オイ裂邪
(裂邪>んあ? シェイドか、何だ突然
(シェイド>スレタイ見ロ

ここは『都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……』スレ
今回裂邪は戦わなかったけど、これからはちゃんと戦うから安心してね!

   ...To be Continued
908 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/09(土) 00:23:40.34 ID:8Opecn5H0
という訳で改めて
新参者の方々、新読者の方々初めまして、こんな名前で活動してる人です(
『夢幻泡影』のこれまでの話は↓のアドレスでご覧になって頂ければ幸い

ttp://www29.atwiki.jp/legends/pages/2885.html
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/09(土) 10:41:05.43 ID:8Opecn5H0
見逃しがあったことに今日気がつく
単発の人乙でした〜
むぅ、これは色々と解釈できそうな話だな・・・
『死んだことになってる』ってのが、故人を目の前にして動揺してる発言なのか、
それともそもそも死因が違うのか・・・
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 01:40:17.23 ID:pfZXP/kmo
wikiを読んだ
「ぼくの物語」ってそういう構成だったのか……てっきり単発だと思ってました
その発想が素敵過ぎて濡れる
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/10(日) 02:33:29.88 ID:J7N1fsyc0
>>910
あぁ、それ俺もビックリした
何というか、単発チックだけどキャラが同じって新鮮でいいなぁ、こち亀みたいな
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 03:20:43.07 ID:pfZXP/kmo
>>911
「1/11」という漫画がありまして、その漫画では主人公を中心にさまざまな時間軸の物語が展開されているのです
いわば、同じ主人公を用いた単発連載
それと似た構成の物語をここでも見られる幸せ
大好きです、「ぼくの物語」も、「1/11」も
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 03:45:27.38 ID:3CrTMhqDO
>>911-912
お気に召していただけたなら幸いです
シリアスだったりギャグだったりとまとまりのない話ですがもう少々お付き合い下さい
914 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/10(日) 09:37:19.90 ID:J7N1fsyc0
>>912
ほぅ、そんな漫画があったのか・・・調べてみようかしら

>>913
シリアスやらギャグやらエロやらが混在してる方が、
書き手も安定して書けるし読み手も安心できるから気にしなくても大丈夫だぜ!
と、シリアスが書けない俺が言ってみる
915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 12:32:59.84 ID:YjUr6YpDO
シャドーマンの人はもっと黒く澱んだ邪悪を描いてみるべき
916 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 13:05:14.22 ID:J7N1fsyc0
>>915
何故ばれたし
と思ったらチベット自治区のままだった・・・

そう、そうなのよ、黒ずんだキャラ書きたいのよ
でも俺心が綺麗だかr(弾けて消えました
違う違う、自キャラに甘いから発想が全然なの
てか何処からが黒くて何処からが白いかよね
レクイエムルートナユタ、それに単発の高校教師と警察官、皆悪役のつもりだったけど今一つだったし
誰か殺すだけが黒じゃないと思うんだけど、何が足りないのかさっぱりだ・・・
教えて笛の人!(何故に
917 :はないちもんめ 携帯 [sage]:2011/07/10(日) 14:59:25.76 ID:JxCJh0QAO
>>916

笛の人のキャラ…ってか主に上田の前向きな邪悪さは見習いたいって言うか憧れる
(世間一般における常識から見れば)間違ってるし邪悪だし悪人なのに前向きにヒーローだもんアイツ

正直 ハムさんとかわかりやすい邪悪な悪役より上田みたいなタイプを(強い弱いは考えずに)敵に回した方がよっぽど厄介だと思うんだ
918 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 15:15:12.43 ID:UAeRKBzDO
正義の反対はまた別の正義、とか
自分の中の正義、とか
その辺りに似たものを上田から感じる
正義≠常識 という前提で
919 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 15:17:11.20 ID:J7N1fsyc0
>>917
うん、どの悪役よりも怖いもん、あの人・・・
あぁいうキャラを手本にしたいけど、前例が思いつかない
俺が見てるのが子供向けアニメとか特撮ばっかりな所為かその辺りの知識が欠けてる・・・orz
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 17:20:48.33 ID:YjUr6YpDO
悪役が悪役みたいな理由で悪行するのは普通なのですよ
まるでアニメや漫画の主人公が悪人をぶっ飛ばすが如く悪人に正義の味方を倒させる
すると何故か爽快
徹底した意志、無垢な残虐さ、異常な美学、そんなものを持つ奴の側に美女を侍らせれば完璧です
自分も日賀くんまで王道主人公が書けなかったからひたすら練習あるのみです
921 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 17:37:29.77 ID:J7N1fsyc0
>>920
>まるでアニメや漫画の主人公が悪人をぶっ飛ばすが如く悪人に正義の味方を倒させる
至極真っ当な理由の悪役に倒させればいいのかしら
近年の悪役はどいつもこいつも環境問題とか紛争とか出しやがるからもっとまともな理由考えないとなぁ
裂邪悪落ち分岐思いついたけど没でいいよね

とりあえずあと2年経たなければ書けないことはよくわかったぜ☆
922 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/10(日) 18:02:28.11 ID:8j9oL2z20
ロケット団良いよね! と言うわけで投下します。若干グロ注意。但しグロフェチも期待は禁物。




                 「食べて食べて食べまくれ」
廻女「うー。お腹すいたなー」
そんなことを呟きながら歩いている幼女、阿食廻女。とっても食いしん坊な女の子である
廻女「あ! あの家の犬美味しそう…じゅるり」
犬を見て涎が出る廻女
廻女「っと我慢我慢…。他人の物を勝手に取っちゃだめだよね。でもお腹すいたー」
とりあえず何か食べたくて仕方ないようだ
廻女「うー! 食べたい食べたい! この際都市伝説でも何でも良いから食べたい! あー、どこかに美味しそうな都市伝説でも転がってないかなー」
さらりと怖いことを言う廻女。ちなみに素である
廻女「そうだ思い出した! 私新しい都市伝説と契約したんだ! その名も『ハンバーガー永久無料券』! この能力で私は食べ物を好きなだけ出せるのだ!
今回はハンバーガーにしよ。それが一番出すの楽だし」
そう言って手からハンバーガーを出す廻女
廻女「んー! 美味しい!」
もぐもぐと美味しそうにハンバーガーを食べ始める廻女。可愛い
廻女「うーん、美味しかった…キャッ!?」
突然、後ろから衝撃を感じ、吹っ飛んでしまった廻女
廻女「いったーい…。 誰なの…?」
驚いて弱弱しい声を出す廻女
「ケヘヘヘ! しっかり当たったみたいだな! まだ死ぬなよ? お前もしっかり痛めつけてから止めを刺すんだからなぁ!」
衝撃のした方向から男が現れる
廻女「おじさん…誰?」
「俺かぁ? 俺は猪原 穿等(いのはら ほじら)だ。そして…コイツが俺のペット!『ホグジラ』だ! 」
そう叫ぶと、廻女に巨大な猪豚…『ホグジラ』を突進させる穿等
廻女「!」
咄嗟に息を大きく吸い、空を飛んでかわす廻女
穿等「! 飛んだ…!? …成程、お前も契約者か…。だが、それでも所詮ガキはガキ! たっぷり痛めつけてから殺してやるよ…」
一瞬驚くが、すぐに悪人面になる穿等
923 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/10(日) 18:03:35.33 ID:8j9oL2z20
廻女「…そんなことよりー。その豚さん…豚カツにしたら美味しいんだろうなぁー!! ふふ、私、丁度お腹すいてたんだよねぇ。廻女ボム!」
涎を拭き、口から爆弾を吐き出して『ホグジラ』を狙う廻女
穿等「なっ…避けろ『ホグジラ』!」
横に動いてうまくかわした『ホグジラ』。意外に素早いようだ
穿等「…お前、それ、どっから出した?」
廻女「え? ふつーに口からだけど?」
穿等「普通の人間が口にそんなモン入れられるわけねぇだろ! くそ、何かトリックがある筈だ…『ホグジラ』!」
再び、『ホグジラ』に突進させる穿等
廻女「廻女バズーカ!」
口からバズーカ砲を取り出し、『ホグジラ』に向かって撃つ廻女
廻女「きゃは! 美味しく料理してあげるからねっ!」
穿等「く…だが! 飛べぇ!『ホグジラ』ぁ!!」
その掛け声で、『ホグジラ』は地面を強くけり、跳び上がって…否、飛び上がってバズーカの射撃をかわした
廻女「え…? なんで? どうして? どういうこと? 何で豚さんが飛べるの?」
只でさえ巨体の『ホグジラ』が空を飛んでいることに驚きを隠せない廻女
穿等「お嬢ちゃんに一つ教えてやるよ。『飛べねぇ豚はただの豚』なのさ…。
『ホグジラ』は“ただ”の“豚”じゃねぇ。“都市伝説”の“猪豚”だ。故に! 飛べるんだよぉ!! ケヘヘヘへ!!」
廻女「そっかぁ…。それにしても、その豚さん…肉が引き締まってて美味しいんだろうなぁ…!
今までのは所詮序の口(オードブル)! 本番(メインディッシュ)はこれからよ! えーと…あった、マッチ棒! コピー能力、『ファイアー』!!」
口からマッチ棒を出し、それを吸い込む廻女。すると、廻女のおでこに金具のような物が巻き付き、髪の毛が燃え上がる炎のように変化した
廻女「これが私の契約都市伝説!『カービィの由来は同盟の掃除機』よ! さぁ、美味しく香ばしくジューシーに! こんがり上手に焼いてあげるんだからぁ!」
そう叫ぶと、口から炎を吐き出して『ホグジラ』を狙う廻女
穿等「避けろ『ホグジラ』!」
しかし、飛んでいる『ホグジラ』にはなかなか狙いが定まらない
穿等「ケヘヘヘへへへへへ!! あたんねぇよ! こっちは空を飛べるんだからなぁ!」
廻女「忘れたの? 私だって飛べるのよ? ホバリングからのバーニング! さぁ、残さず喰らいなさい!!」
身体を膨らませて空を飛び、炎を纏って『ホグジラ』に突進する廻女
穿等「なっ…避けろ!」
廻女「遅いわ!」
メラメラ燃え上がる廻女にぶつかり、地面に落ちる『ホグジラ』
穿等「クソッ!! 起きろ『ホグジラ』!」
しかし、『ホグジラ』のダメージは大きいようだ
廻女「さて、地面に居るなら狙いやすいわね…。チャージ!」
大きく息を吸い込む廻女
廻女「これが私の、全力全開(フルコース)! ウェルダン・バーナー!」
体中から大量の炎を飛ばし、ホグジラを焼く廻女
穿等「『ホグジラ』ぁぁあああああああ!!!!」
『ホグジラ』は廻女の炎で、文字通りこんがり焼けてしまった
廻女「ウルトラ上手に、焼けましたぁ〜!」
炎を使い果たしたのか、ノーマル廻女に戻っていた
924 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/10(日) 18:04:18.54 ID:8j9oL2z20
廻女「さーて、次は貴方ね」
『ホグジラ』を破られ、へたり込んでいる穿等に近づく廻女
穿等「ひっ! 許してくれ! いや許してください! 悪気はなかったんです! ただ少し魔がさしたというか…
ですからどうか見逃してください!」
廻女「五月蝿いなぁ。貴方が何を言ったって、私は貴方を殺すわよ。私を殺そうとした悪いおじさんだもん。逃がすわけにはいかないわ」
穿等「(ニィ…)じゃあお嬢ちゃん。俺を今ここで殺そうとしているお前は、『悪い子』じゃあないのかい?」
しめたとばかりに口元を歪ませ、廻女に言う穿等
廻女「悪い子じゃないわ。私はいい子よ」
穿等「それって矛盾してんじゃないのかい?」
廻女「矛盾なんてしてないよ。どんな生き物であれ、虫であれ草であれ獣であれ魚であれ人であれ…『理由もなく殺す』のは悪だけど…」
穿等「やっぱりお前も悪じゃねぇか!」
廻女「だけど…『食べるため』だったら、どんな物だって殺していいのよ。逆に言えば、殺したなら食べなきゃ駄目なの。…残したりしたら、怒られちゃうもの。
さぁ、私をこんなに運動させたんだ。あの豚程度で私のお腹が満たされるわけないでしょう? そういうわけで、いっただっきまーす!!」
廻女の目は、『敵』を見る目ではなく…『獲物』を見る獣の目であった
穿等「やめろ…来るな! 来るなぁあああああああ!!!!!」
廻女「『カッター』」
さくり。小気味の良い音が響き、穿等の首が切り落とされた
廻女「さて、止血止血ぅーっと」
傷口を縛って血を止める廻女。血は栄養が豊富だ。貴重な食料を無駄にするわけにはいかない
廻女「さーて、それじゃあ始めましょう! 廻女ちゃんの三分クッキングー!
それでは先ず、お腹を切り裂いて腸を取り除きましょう。内臓は汚れている可能性が高いので、しっかり洗浄します。『ウォ−ター』!」
カッターで穿等の腹を裂き、ウォーターで腸を綺麗にする廻女
廻女「それじゃあ次に…」
――――――これ以上は見せられません―――――――――
廻女「よーし完成! 最後に血液のソースをかけて、頂きまーす!」
『ホグジラ』と穿等(だった物)をぺろりと平らげる廻女
廻女「あー美味しかった! 骨も歯応えがあって良かったわ! この分なら2時間は腹持ちしそうね。じゃ、帰ろっか!
…あれ、この匂いは…! またお腹へってきちゃった!」
食べ物のいい匂いに釣られ、とてとて歩いていく廻女
この世はすばらしい食材にあふれている。美味しいお肉、新鮮な野菜、ジューシーな果物。一番美味しくなる方法で調理しないともったいないし、食べ物にも失礼だ
さぁ、食べて食べて食べまくろう。残さず綺麗に美味しく平らげよう。この世に食べられない物はない。この舌が求める限り、この腹が許す限り、彼女の食事は終わらない…



                         続く…



925 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 18:14:48.56 ID:J7N1fsyc0
今日は暴食の廻女たんか!
かぁいいけどグロい!グロいよ!
でも可愛いは正義(

そして気になった
>もぐもぐと美味しそうにハンバーガーを食べ始める廻女。可愛い
>可愛い
地の文に本心混ぜるなwwwwww
926 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/10(日) 18:26:00.05 ID:8j9oL2z20
>>925
何故バレたんだ…

ところで、『可愛いから許す』って『※ただしイケメンに限る』と双璧をなす都市伝説じゃね?
927 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 18:31:13.77 ID:J7N1fsyc0
>>926
>何故バレたんだ…
もっとゴチャゴチャしたところに入れておけば良かったものを・・・
木を隠すなら森の中、言葉を隠すなら文章の中〜

>ところで、『可愛いから許す』って『※ただしイケメンに限る』と双璧をなす都市伝説じゃね?
それいいな
頂きます(
928 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/10(日) 18:40:00.08 ID:8j9oL2z20
>>927
>もっとゴチャゴチャしたところに入れておけば良かったものを・・・
>木を隠すなら森の中、言葉を隠すなら文章の中〜
廻女「物を隠すなら腹の中!」

>それいいな
>頂きます(
どうぞ。だが僕も使うかもしれないぜ?
キャラ被り、能力被り上等! 世界には似た人が3人いるから全く問題ない!
いや、被らないように最低限の努力はしますけど。または意図的に被らせますけど
929 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 18:43:44.34 ID:J7N1fsyc0
>>928
>廻女「物を隠すなら腹の中!」
そして罪を隠すなら・・・闇の中?棺桶?

>キャラ被り、能力被り上等! 世界には似た人が3人いるから全く問題ない!
能力に関しては多分、いや絶対被る気がする
俺と気が合うから・・・(マテ
930 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/10(日) 19:38:28.52 ID:8j9oL2z20
>>929
>そして罪を隠すなら・・・闇の中?棺桶?
罪を隠すなら罪の中…だと思う
100人位殺した殺人鬼がもう一人殺したって、盗みをはたらいたって誰も気にしないだろ?
100人殺した殺人鬼が窃盗の罪を犯しても、今までの殺人の罪に埋もれて見えにくくなるんだと思うよ
931 :やる気なさそうな人 [sage]:2011/07/10(日) 19:39:13.19 ID:rrzPawyDO

可愛いから許すって何のネタなんだよ

前に可愛いは正義とかいなかったっけ
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 19:53:55.32 ID:ZAwUT/gMo
百人殺せば英雄で全滅させれば神です
喜劇王もジャンもいい事言った
933 :ソニータイマー [sage saga]:2011/07/10(日) 20:15:59.48 ID:8j9oL2z20
>>931
東方M1グランプリのやくもチェンで聞いた気がする。いや、それが初出って保証はないけど…
934 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 20:17:49.56 ID:J7N1fsyc0
>>931
「かわいいは正義」は『苺ましまろ』のキャッチコピーらしい
初出なのかただ有名なだけかは知らんが

「可愛いから許す」は見つからんな・・・おって探してみる
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 21:31:15.19 ID:YjUr6YpDO
都市伝説スレ伝統
「可愛い女の子が言ってギリギリ許される台詞大会」
はっじまっるよー

※飛び入り大歓迎
936 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 21:46:12.20 ID:J7N1fsyc0
>>935
「私の親友に手を出したら、ぶち殺しますから♪」

こんな感じですか?わかりません!
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 21:56:35.19 ID:YjUr6YpDO
もっと
「今月ピンチなの、ここは御願い!」
とか微妙なところいこうぜ
938 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 22:05:44.99 ID:J7N1fsyc0
>>937
了解

「お兄ちゃぁん、タバコ買ってきてぇ♡」
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 22:06:16.84 ID:RF4UGF5Lo
「ねぇ笛クンって優しいよね、、、今日は生理なの♪」
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 22:13:47.78 ID:4mDJYpnl0
>>939
どさくさに紛れて生々しいの投下するんじゃありません
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/10(日) 22:32:37.21 ID:OxiH5zYm0
>>935
「ころしてでうばいとるの」(みぃ、にぱ〜☆
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 22:41:49.33 ID:v1jt5Kueo
怒江ちゃんの台詞を貼ろうとしたけどさすがに自重した

「頼んだの、これじゃないわよ。買いなおしてきて。今すぐ。」
943 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 22:42:33.54 ID:J7N1fsyc0
「あんたの席無いから♪」
944 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 22:54:07.55 ID:J7N1fsyc0
「あの、何勘違いしてるんですか?」
945 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 22:55:03.70 ID:J7N1fsyc0
ここまで書いて自分が辛くなってきた・・・orz
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 23:00:55.88 ID:4i+z/oHSO
「あーん! 私これ食べられないんですよねぇ〜」

「嫌いじゃないし食べたいけど食べられないんですっ」

「……だって、……だって、卵割ったらヒヨコが死んじゃうじゃないですかぁっ!
赤ちゃんかわいそうですぅ! まだ生まれてないのにぃぃ〜。ピヨピヨとすら鳴けないんですよ……」
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/10(日) 23:03:49.41 ID:f1kYaJkAO
『今回も取り分は9:1でいいよね…あ、9はもちろん私だから』
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 23:15:11.27 ID:v1jt5Kueo
「うさぎの形に剥いたリンゴなんて、可哀想で食べられない」
949 :シャドーマンの契約者  ◆7aVqGFchwM [sage saga]:2011/07/10(日) 23:26:44.70 ID:J7N1fsyc0
「お金!お金払って下さい! 目の保養料80円!」
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 00:51:27.46 ID:5xrtsHbDO
さて、移転して一月少々経ちまして、とうとうこのスレにも次スレの季節がやって参りました


【テンプレ修正案】
・「微エロ、微グロ描写」に対する但し書き
・次スレを立てるタイミング(今の勢いだと>>970が妥当?)



とりあえず浮かんだものを誰かに託して寝るっ
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 00:53:10.03 ID:xFS97oaYo
この板はHTML化依頼を出さなければ
スレッドが落ちませんのでご注意を
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 08:06:31.58 ID:arXBuF/p0
1000まで行ったら勝手に落としてくれるよ
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 11:10:39.63 ID:skczBlKDO
広告のエロマンガの子がかわいすぎてつらい
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage saga]:2011/07/11(月) 12:33:16.48 ID:3L8CuPIAO
>>953
禿同
スク水ヒャッホゥ! そしてあずにゃんハァハァ
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 14:54:27.48 ID:rWLi1eYDO
こんなに暑い日はなにか怖い話でもしたいな
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 15:10:52.66 ID:6QS8kToDO
自分の死後に遺族が自作のポエムを自費出版しちゃうとか?
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/12(火) 15:14:52.92 ID:DJNN/TNRo
>>955
そうやって意気揚揚と出てきた女性型都市伝説にあんな事やこんな事をするつもりだな





氷入れた麦茶を出してあげたり
一緒にアイス食べたり

※エロ展開を想像した人は心が汚れています
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 16:40:06.06 ID:1wHThMDDO
アイスをねだる飴幽霊と聞いて
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/12(火) 17:12:23.47 ID:nYIA9NM50
流れぶった切ってすまない
花に関する都市伝説か、花が咲いているようなエフェクトをして魅せて攻撃できる都市伝説を探してるんだけど、
誰か心当たりある人いないかしら?
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 17:51:34.84 ID:1wHThMDDO
花のエフェクトか
具体例は出ないけれど、異界系、幻覚系になにかしらありそうな予感

ひねくれてもいいなら、冬虫夏草植え付けて「音楽を聴かせて成長促進」とか
根が体を侵食する激痛も養分を吸われるうちに薄れていき、最期に見るのは自らの養分によって生まれた大輪の花
みたいな

冬虫夏草って花あったっけ……?
961 : [sage]:2011/07/12(火) 18:22:47.10 ID:urAkUj7DO

冬虫夏草はキノコじゃない?



よくある話なら
桜の下に死体が
桜は血を吸う
夜桜は気が狂う(?)

ドリアード→植物の精霊と解釈する
とか

紅い紫陽花の下にも死体とか埋まってそう
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/12(火) 19:10:21.94 ID:DJNN/TNRo
>>959
たまに聞く話だけど題名や具体例は失念



道路向こうに真っ赤な綺麗な花が咲いていた(※白だったかも)
つい近くに行って見てみようとすると
一緒に歩いていた友人に止められてふと我に返ると
目の前をもの凄い勢いで走っていったトラックに視界を遮られる

ほんの一瞬トラックに遮られた視界が開けると
そこには花らしきものは咲いていなかった



花の幻覚を展開してそこへ対象を引き寄せる能力とかそんな感じ?
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/12(火) 21:00:54.41 ID:nYIA9NM50
>>960-962
ご協力感謝感激雨霰にござりまする<(_ _)>
んー、やっぱり不幸になるとかブラックな感じが多いなぁ・・・
参考にしつつ、もう少し考えを練ってみます
因みにまだまだアイディア募集中ですの(
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/12(火) 23:11:26.01 ID:nYIA9NM50
明日になる前に
色々調べたら、「蓮の杖(ロータスワンド)」なる魔術道具があることが判明
最近の魔法少女人気に便乗してこれにしようかな
ここで頂いたネタの数々も捨てがたいので今後違う形で使おうと思います
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 23:54:09.72 ID:rWLi1eYDO
アゾット剣つかうので予約させてもらうぜ
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/07/13(水) 00:46:26.19 ID:goxBGRZH0
>>965
実は既に使われてるけどお気になさらず
どんな活躍するかwktkしてますの!
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/14(木) 22:08:03.05 ID:75XV00fUo
メンテがあったとは言え避難所伸びててこっちは過疎ってると
本スレって必要なのだろうかと思えてくる
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 22:22:42.19 ID:lnOeKbiNo
昨日からアクセスできなくてなんぞ?と思ってたけれど、そういう理由だったのね

外に向けてドア開けないと新しい人が入ってこないし、本スレは必要だと思うのよ
閑散としてるのはアレです、皆様リアルがご多忙なんです
9月になったら本気出す
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/14(木) 22:27:27.02 ID:+8jE3ce00
ぶっちゃけると避難所の方が話あげて感想とか貰えるから楽しいというか
こっちにあげてもスルーなこと多いし・・・
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/14(木) 22:57:45.66 ID:+8jE3ce00
言葉が悪かった、これだと本スレイラネって言ってるようなもんだな
話あげられてるのを見かけたら「乙」の一言くらいは書いて欲しいということでどうかひとつ
こっちに来てから偶にそういうのが無い気がしたので
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 23:16:07.73 ID:jWKfrDZl0
(何故か避難所に書き込まれる本スレの感想)
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/15(金) 00:21:30.73 ID:HH9bh9dTo
>>968
新しい人のために本スレ必要なのは分かるんだけど現状は>>969-971なんだよね
vipで規制されてたから避難所が本スレ化してるのはしゃあないと思うけど
雑談禁止でもなさそうだしこっちメインしてかないと先細りって感じかねえ
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/15(金) 08:46:06.42 ID:nHWPW0FDO
>>971
(正直すこしいらっとくるよね)
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga sage]:2011/07/15(金) 12:25:13.45 ID:CUW90/0AO
>>971
確か何かが規制みたいなの食らってたから、その機種(?)を使ってる人は仕方ないんだろうけどねぇ
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/15(金) 15:43:55.43 ID:/E6hCMBE0
引き篭もるのに慣れた結果があれ、さ(遠い目

まだまだ、こっちに書き込むのは様子見してる人も多いのかもしれん
あと、うっかりマニアックな話題になったりうちわネタになる可能性を考えて避難所に書き込んでいる人もいるかもしれない
長い目で見ようぜ、長い目で、な
早漏は嫌われるぜ
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/07/15(金) 16:37:35.04 ID:Q/3xvnjv0
このユルい勢いだと>>985くらいで次スレ立てた方がいいかね
977 : ◆2PnxfuTa8. [sage]:2011/07/15(金) 17:10:36.74 ID:nHWPW0FDO
今日あたり大量に投下するから立ててくれると嬉しい
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/15(金) 17:57:13.08 ID:zp8IKukR0
じゃあ立てちまおうかしら
ところでスレタイに『2スレ目』とか要る?
今まではなかったけど、新転地だしどうかなぁ、と
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/15(金) 17:58:50.24 ID:zp8IKukR0
てか、笛の人、もしかしてネット復活?
980 : ◆2PnxfuTa8. [sage]:2011/07/15(金) 18:03:35.37 ID:nHWPW0FDO
パート2とかあると過去ログは整理しやすいと思われる

笛の人は実家に帰省してるのでまた投下できそうです
車の中のハードディスクが振動でいかれてない限り大丈夫です
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/15(金) 18:13:24.26 ID:zp8IKukR0
>>980
了解、とりあえず『「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」Part2』で良いかな
そうか帰省中か、その発想はなかった・・・
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/15(金) 18:21:29.25 ID:zp8IKukR0
という訳でマッハで振り切ってきました↓

ttp://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310721571/

久々の笛の人の作品をwwktkしつつネタ構想してきます
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 19:27:26.68 ID:9xJyedyIo
スレ立て乙です

ゆるゆると埋めるか、早々にHTML化依頼出すか
ここまで来たら1000目指した方がいいのかな?
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 20:40:12.59 ID:nHWPW0FDO
雑談で1000まで埋めようぜ
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/15(金) 21:01:17.72 ID:zp8IKukR0
まずは雑談テーマだ!って言いたいけどやたらとテーマとか決めると逆に滞ったりするからなぁ

そういや、バイト中に新キャラの名前考えてたんだけど、苗字にやたら苦戦してですね
キャラクターとか考える時に、難しいところとかここを大切にしてるとかってあるんでしょうか
ってのが聞きたかったんだけど前に似た話あったなorz
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 21:14:06.27 ID:nHWPW0FDO
名前は結構語感を第一にしてる
あとは遊び心
夢生春宵とかは春宵一刻値千金とかからとってたり
太宰龍之介は好きな作家の名前だし
橙は柑橘類(笑)だし
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 21:21:57.41 ID:q+1P56CSO
名前は面倒臭い
苗字は地名から持ってくりゃ良いんだけど
下がなかなか
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/15(金) 21:26:25.22 ID:x2qAV5EP0
名前は大体ノリで決めてる
日本人以外の名前は、外国人名前集的なものからとってきってる
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 21:37:00.51 ID:nHWPW0FDO
というか某ラノベを読んでから名前に困らなくなった気がする
こういう名前でいいのか
って思えるようになった
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/15(金) 21:39:49.01 ID:zp8IKukR0
>>986
>夢生春宵とかは春宵一刻値千金とかからとってたり
そうだったのかwwwwwwww

>>987
>下がなかなか
俺と逆パターンな人もいうのか・・・そして地名から取るという発想が俺にはなかったorz

>>988
>名前は大体ノリで決めてる
ノリで考えられるなんて羨ましい妬ましい!(やめろ



名前は大体能力から取ってみたりとかするんだけどなぁ
あまりにも苗字が出てこなかったら、最終兵器『もうこいつら家族にしちゃえキャノン』がある(酷
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/15(金) 21:43:33.72 ID:zp8IKukR0
>>989
あぁ、俺も『とある』見てたら「え!?」って思った
ド肝を抜いたのは鉄装、月読、神裂かな
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 21:48:38.45 ID:nHWPW0FDO
>>991
少々好みがちがうことは理解した
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/15(金) 21:58:51.71 ID:zp8IKukR0
>>992
ラノベの世界は広いぜ・・・
他に面白い(?)苗字とかあるのかしら

弟は新キャラで『日本』を使う予定だけども
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 22:05:29.16 ID:Uv+j93vUo
萌えキャラのあの子しか思いつかないのぜ>『日本』

名づけは>>986と同じように、語感と遊び心かな
都市伝説がこれだから名前はこんな感じに……とか
口に出して響きがいい名前とか
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 22:06:23.64 ID:q+1P56CSO
佐々 沙咲とか名付ける親はおかしいと思う


下が本当に困る
ありきたりだと被るし、地味だし
どいつもこいつも天使と書いてエンジェルとか読む奇抜なのばかりじゃあれだし
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/15(金) 22:10:19.50 ID:x2qAV5EP0
俺に名づけのセンスがないことは、我が作品の登場キャラを見ていけば一発でわかる事である

安西先生……ネーミングセンスが…ほしいです……!
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 22:16:21.32 ID:nHWPW0FDO
自分の息子に萌太と名付ける親も相当だわ
親の顔を見てみたい
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/15(金) 22:17:25.33 ID:zp8IKukR0
>>994
>萌えキャラのあの子しか思いつかないのぜ>『日本』
何かと思ったけど、もしやヘタリアか!?

>口に出して響きがいい名前とか
それで思い出した
『黄昏裂邪』って名前つけて当時は気にしてなかったけど、
「レ」が2回続くから語呂悪いってことに気付いたのが2011年入った頃だった・・・

>>995
>佐々 沙咲とか名付ける親はおかしいと思う
リアルだとあれだが、創作だとササカ、サカザサ、サカジャキ、サ・・・笹木さんに失礼だゾ♪(ごめんなさいorz

>ありきたりだと被るし、地味だし
名前を極力被らせないようにするのが大変よねぇ・・・
さっきも、新キャラに『白銀』ってつけようとしたら愛美さんの旧姓でしたorz
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 22:22:11.02 ID:nHWPW0FDO
笹木さんはカサカサさんでいいよもう
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/15(金) 22:22:30.67 ID:ASRUOqeto
>>995
戯言シリーズならむしろ七々見 奈波(ななななみ・ななみ)をですね
1001 :1001 :Over 1000 Thread
       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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