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ほむら「金融街?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:21:10.48 ID:ydR66aqvo
・はじめに
魔法少女まどか☆マギカとC THE MONEY OF SOUL AND POSSIBILITYのクロスオーバーです
世界観はCを、キャラクターは魔法少女まどか☆マギカを使用しています
一部設定を変更・改変して書いています
誤字、脱字、その他細かい違いや矛盾点などありましたらご指摘下さると幸いです
投下中のレス等、大歓迎です

初めてのスレ立てなので至らない点が多々あるとは御座いますが、楽しんで頂けたら幸いです
よろしくお願いいたします
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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715300281/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715263679/

今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715262444/

誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715258363/

A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715180413/

真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/

愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:23:20.34 ID:ydR66aqvo



まどかが魔法少女になり、この世界から魔女が消滅し、そして彼女も消えた。
同時に世界は書き換わり、現れたのは魔女のいない世界。
唐突に訪れた『平和な日常』に私、暁美ほむらは戸惑いながらも少しずつ順応し始めていた。
時は流れ、平和が『アタリマエ』になった頃。

そいつは、現れた。

キュゥべえ「僕と契約して、アントレになってよ!」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:23:58.10 ID:ydR66aqvo



まどかが魔法少女になり、この世界から魔女が消滅し、そして彼女も消えた。
同時に世界は書き換わり、現れたのは魔女のいない世界。
唐突に訪れた『平和な日常』に私、暁美ほむらは戸惑いながらも少しずつ順応し始めていた。
時は流れ、平和が『アタリマエ』になった頃。

そいつは、現れた。

キュゥべえ「僕と契約して、アントレになってよ!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:24:40.31 ID:ydR66aqvo
私はまず、自分の眼を疑った。
眼前にいるのはかつて自分たちを苦しめた張本人。
白い獣は尾をパタパタと地に打ち付け、私の反応を待っていた。

ほむら「何故、お前がここに…!」

キュゥべえ「…?どこかで会ったかい?」

私は、ここで首を捻った。
どうも眼前の獣は私の事を知らないらしい?。
しかし私はこいつを知っている、自分たちを言葉巧みに騙した詐欺師。
あろうことか詐欺師は、またも『契約』を迫っている。

ほむら「…消えなさい」

キュゥべえ「まぁまぁ、まずは話だけでも」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:26:16.00 ID:ydR66aqvo
獣は踵を返した私に追いつき、肩に登ってきた。
柔らかな毛が首筋を撫ぜ、悪寒が走る。
思わず、平手で振り払った。
肩から軽い重さが消え、獣が地面に落ちる。
しかし、獣は構わず言の葉を紡ぎ続けた。

キュゥべえ「僕の名前はキュゥべえ、ミダス銀行の銀行員さ!」

ほむら「銀行…?」

意外な言葉に足が止まる。
いや、意外や意外、大意外。
てっきりまた魔法少女になってほしいなんて言い出すかと思ったら、
この獣、いやに現実的な言葉を吐く。

キュゥべえ「君には僕と契約して、アントレになって欲しいんだ!」

獣は、やけに饒舌に、まるでなにかの勧誘員でもあるかのような口ぶりで、
面白可笑しい冗談でも語るように続けた。

ほむら「あ、あん…?何?」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:27:23.89 ID:ydR66aqvo
キュゥべえ「アントレプレナー!起業家という意味だね!略してアントレ」

キュゥべえ「君の未来を僕たちに提供してもらう、僕たちはそれを担保に君にお金を貸す」

キュゥべえ「それを金融街で運用して欲しいんだ、僕たちのお願いはそれだけ」

ほむら「未来?」

キュゥべえ「未来は未来さ、君の将来、君の可能性」

ほむら「寿命…ってこと?」

ほむら「それも中には含まれるね」

ほむら「断るわ」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/06/01(水) 01:28:06.54 ID:ydR66aqvo
馬鹿馬鹿しい。
私は再び踵を返し、鼻で笑い捨ててやった。
しかし獣はやはり、ついてくる。

キュゥべえ「…お金が欲しくないのかい?」

ほむら「いらない」

キュゥべえ「お金は便利だよ?なんだって出来るよ?」

ほむら「へぇ」

歩きながら、追いかけながら、
獣は喋り続けた。
しつこいけだものだ、心の中で舌を打つ。
世界が換わり、手段を変えたらしいがもう騙されない。
一言一句一切一生、こいつの甘言を耳に入れるつもりは無い。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/06/01(水) 01:28:58.45 ID:ydR66aqvo
やがて、私の家に着く。
後ろでなにやら喋り続ける獣を置いて私はドアの鍵を開けた。
ドアノブを回し、隙間に体をねじ込んで、最後にちらりと足元を見る。
お行儀のいいねこみたいに獣が鎮座している。

ほむら「じゃあね」

バタン。
外界と、室内を、隔離する音。

次の日、ドアを開くと、まぁ当然と言えば当然。
獣はいなくなっていた。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:30:19.29 ID:ydR66aqvo
しばらくたったある日のこと。
その日私は街に買い物に来ていた。

ずっと欲しかった服を買って。
ちょっと豪華なランチを食べて。
最近世間で話題の映画を見て。
漫画喫茶で興味のある漫画を読んで。
日常を、満喫した。

あの閉塞した1カ月の中では考えられない暇つぶし。
まどかがくれた、平和な1日。
心が、軽い

ほむら「…あ」

…財布も、軽い。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:31:26.22 ID:ydR66aqvo
ほむら(ちょっと贅沢しすぎたかしら…)

運よく近くにあった銀行に入る。
ATMにカードを入れ、暗証番号をタイピング。
液晶画面に浮かんだ数字は、

505,750円

ごじゅう、まんえん

思わず眼を疑った。
最近眼を疑うことが多くなった気がする。
画面には、一介の中学生では絶対に手の届かない金額が表示されていた。
日常にひびが入る。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/06/01(水) 01:32:44.61 ID:ydR66aqvo
キュゥべえ「自覚してもらうのが1番かと思ってね、その50万円は、手付金だとでも思ってくれ」

いつの間に背後に獣が佇んでいた。
その愛くるしく癇に障る眼は、金色に光を放っている。

ほむら「…あなたがやったのね?」

獣の首を掴み、眼前まで持ち上げる。
しかし獣は気にせず続ける。

キュゥべえ「お金があればなんだってできるんだよ?」

ほむら「お金なんて、いらないわ」

怒りに煮える頭の中で、私の最高の友達がちらついた。

ほむら「お金がいくらあったって…彼女に会えるわけがない…!」

腕に、力がこもる。
それを止められない。
獣の首がみるみる細くなっていく。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:33:52.97 ID:ydR66aqvo
ほむら「今度は何を企んでるのよインキュベーター!!」

腕が振り落される。
獣の体は投げ出され、
天井に、着地した。

ほむら「っ…!?」

キュゥべえ「これは、金融街への招待状」

天井から私を見下しながら獣が長い耳を巧みに使い、1枚のカードを差し出した。
六芒星に、笑う太陽。
奇怪なおもちゃのようなカード。
端に刻まれた『アケミ ホムラ』の文字。

キュゥべえ「さぁ、手にとってご覧?」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/06/01(水) 01:35:04.72 ID:ydR66aqvo
ふらふらと、私の腕が伸びる。
何かに導かれるかのように、操られるかのように。

キュゥべえ「受け取った者は例外なくあの場所へ行く権利が与えられる」

キュゥべえ「どこのATMからでも引き出しは自由、ただし」

キュゥべえ「君の将来を担保にしてもらう」

世界が、視界が反転する。
頭が体を止められない。
そして、私は…。

キュゥべえ「さぁ、金融街へ、ようこそ」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 01:38:01.82 ID:ydR66aqvo
第1話終了です。

第2話は明日(今日)の夜あたりに投下させて頂きます。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

ご読了誠にありがとうございました。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/01(水) 02:14:27.80 ID:KfPMdcPho
どうなるのか予想つかんなぁ
期待
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/06/01(水) 14:44:59.79 ID:Q13uKU/no
つかみはおk
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 19:56:12.95 ID:ydR66aqvo
薄暗い車の中。
いつの間に乗ったのか。
そして隣には、獣。

運転手「…どちらまで?」

キュゥべえ「見滝原市」

言うが早いか、車のエンジンが唸りをあげ急発進する。

ほむら「きゃあああ!?」

狭い車内の中で私の体が投げ出され、ぶつかって、
おでこをうった。

うるさいエンジン、けたたましい運転手の笑い声。
日常が、壊れゆく音。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 19:57:05.83 ID:ydR66aqvo
車はすぐに止まった。
獣が、降車を促す。
そこは、

紅く広がる空
無機質な街並み
浮かぶ巨大な金貨

私はすぐに『魔女の結界』を思い浮かべた。
しかし、すぐにその考えを改めることになる。
この場所には、たくさんの人がいた。

キュゥべえ「ここが金融街の中心!ミダス銀行広場さ!」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 19:57:45.54 ID:ydR66aqvo
街を歩く人々、その背後には奇妙な生き物(?)が追従していた。

ほむら「魔女…!?」

キュゥべえ「なんだいそれ?あれは『アセット』」

キュゥべえ「『ディール』のときにアントレを助けてくれるんだ」

ほむら「でぃ、でぃー…る?」

キュゥべえ「アントレは週1回、ディールという取引に参加する義務がある」

キュゥべえ「まぁとりあえず行こうか」

獣が歩みを進め、仕方なく後に続く。
周りの人々が割れるように裂け、道を開ける。
断面から視線が突き刺さる。
酷く滑稽な見世物にされた気分だった。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 19:58:37.61 ID:ydR66aqvo
暗い部屋、窓。
女は、そこから金融街を見下ろす。

???「ルーキーね、あんまり長く持ちそうにないわ」

×××「ドウシテワカルノ?」

???「…冷たく見えて、優しい眼」

×××「ドウシテワカルノ?」

???「…賭けてみる?」

女は、カップを揺らし、笑うように言う。
眼下には、暁美ほむら。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 19:59:36.36 ID:ydR66aqvo
ほむら「…で?」

連れてこられたのはビルの立ち並ぶ通り。
何故か、人っ子1人いない。

キュゥべえ「最初の相手は彼だ」

獣の指す方向には、なるほど、1人の男がいた。
彼もアントレなのだろう。背後には巨人のようなアセットが立っていた。

キュゥべえ「とりあえず、カードをなぞってみるんだ」

言われたとおりにカードの表面に手を滑らせる。
光が溢れ、人の形を成していく。
眼を細めて光を見つめる

ほむら「これは…!?」

光が消えるとそこに立っていたのは。
桃色の髪の少女、私の最高の友達。
鹿目まどかがそこにいた。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:00:26.40 ID:ydR66aqvo
ほむら「まどか…!?」

眼の前のまどかはこちらを見やり、呟いた。

???「それが、わたしの名前?」

ほむら「え?」

思わず手元のカードを見る。
するとそこには新たに名前が刻まれていた。
私の名前の横に並んで、
『MADOKA』と。

ほむら「これが…あなたが私のアセット!?」

まどか「えっとわたし…新人なので…よろしくおねがいします」

ぺこりと、
頭を下げてまどかが言った。
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:01:25.88 ID:ydR66aqvo
どうやら姿形はまどかだが、
やはりというか、当たり前だというか、
彼女はアセット。
その証拠に彼女の頭にはちょこんと、角が生えていた。

キュゥべえ「じゃあ、頑張ってね」

獣が唐突に言った。
白い尾を揺らして、とてとてと遠ざかっていく。

ほむら「え、ちょっと…」

まどか「来るよ!!」

まどかが鋭い声で叫ぶ。
驚いて振り返った、その時。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:02:33.80 ID:ydR66aqvo
『OPEN DEAL…!』

男がアセットを従えて、こちらを見。
そして。
アセットの腕から巨大な鉄球が放たれた。

まどか「くっ…!」

まどかが私の襟首を掴み、放り投げる。
地面に投げ出され膝を擦りむいた。

ほむら「いてて…?」

顔をあげると、
目前に男、
その手には、剣。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:03:09.15 ID:ydR66aqvo
男「DIRECT!」

ほむら「え…!?」

まどか「だめぇ!!」

突然まどかが横から飛び込み私の視界を塞いだ。

ほむら「まどかっ!?」

まどか「こっちに!」

まどかが私の手を引き駆け出す。
その後ろから、前から、斜めから。
縦横無尽に鉄球が飛来し、私たちを狙う。

ほむら「な、何が起こって…!?」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:04:09.02 ID:ydR66aqvo
鉄球の雨から逃れ、なんとか物陰に身を隠した私たち。
しかし、まどかの腕からは血が流れていた。

ほむら「まどか…!怪我を!」

まどか「へいき、痛いけどすぐ治るから」

まどか「それより、あなたがやられたら終わりなの」

まどか「逃げて!」

ほむら「え」

言うが早いか、上からまたも鉄球が降り注ぐ。
まどかは私の上に覆いかぶさり、文字通り傘となった。

まどか「うぁぁあぁああ…っ!!」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:04:59.08 ID:ydR66aqvo
男「わたしとしたことが…初手で片を付けられないとは…」

男「ミクロ!30万!!」

男の声に呼応し、アセットの攻撃が加速する。

ほむら「まどかあぁ!!」

まどか「だ、だいじょう…ぶ!!」

一瞬の隙を突き、まどかが鉄球の雨から脱出した。
手を引かれ、街の迷路を駆ける。

ほむら「腕が…!」

さっきの雨に撃たれ、まどかの腕はひしゃげていた。

まどか「わたしはほんとに大丈夫だからっ…!」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:05:38.54 ID:ydR66aqvo
ほむら「…大丈夫?」

まどか「うん…すぐ治る」

まどかは体を縮め痛みに耐えているようだった。
しかし、場違いにその顔は微笑んでいる。

まどか「へんなの…普通アントレはアセットの心配なんてしないんだよ?」

ほむら「…あなたが傷つけば、心配だわ」

再び、微笑み。

まどか「単純なルールだよ、攻撃を受けたらそれが自分の損失になる」

まどか「逆にコストを賭けて攻撃を当てれば自分の利益になる」

ほむら「…分かった」

ほむら「闘うわ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:06:22.40 ID:ydR66aqvo
覚悟を、決めた。
前と同じだ、何も変わったことはない。
彼女を、彼女の笑顔を守る為に、
私は闘うんだ。

ほむら「闘い方を教えて、まどか」

まどか「もちろんだよ、…えっと」

ほむら「ほむらよ、暁美ほむら」

まどか「じゃあ、ほむらちゃんだね」

手を繋ぎ、手を組む。

鉄球が空を裂く音がした。
敵は、近い。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:07:43.09 ID:ydR66aqvo
男「とどめだ…!メゾ!500万!」

男が叫び、超巨大な鉄球が飛来する。
あれに潰されれば、ひとたまりもないだろう。

まどか「ほむらちゃん!カードをスラッシュ!!」

まどかに促され、私はカードの表面を撫ぜる。

まどか「投資して!メゾ・フレーション、1000万!」

ほむら「メゾ・フレーション、1000万!」

私が叫ぶと同時に、マドカの角が光った。
いつの間にやら握られた弓を、まどかが引き絞る。

まどか「スコーチド・アース!!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:08:59.28 ID:ydR66aqvo
矢が放たれた。
1本だけではない。
幾重にも折り重なった炎の矢が、まっすぐに鉄球に向かう。
そして。

男「なっ、なんだこのパワーはっ…!?」

金焔の螺旋光が鉄球を砕き、燃やし。
一帯を焦土へと変えた。

『…CLOSING』

『YOU HAVE GAIN!』
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:09:55.99 ID:ydR66aqvo
キュゥべえ「…勝利、おめでとう」

いきなり姿を現した獣は驚きを隠せないようだった。
(こいつに感情はあるのだろうか?)

キュゥべえ「君は攻撃により利益を生み出した」

キュゥべえ「君の資産が増えているはずだ」

まどか「えへへ、やったねほむらちゃん!」

ほむら「か、勝ったの…」

まどかが私に抱き着いてくる。
その暖かな笑顔を向けて。
つられて私の頬も緩む。

ほむら(…またこの笑顔を見れるなんてね)
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:10:47.63 ID:ydR66aqvo
「派手な新人だ…」

「アセットに恵まれているな」

金融街はほむらのディールの話題で持ちきりだった。
なにせ、新人がディールを制するなど滅多にない話だ。
その中で静かに傍観に徹する少女が一人。

マミ「賭けはあなたの勝ちね、シャルロッテ」

少女は傍らのアセットに紙幣を差し出す。
アセットはそれをそのまま口に放り込んだ

シャル「…アノヒト、あせっとヲマモロウトシタ」

シャル「…まみモ、アタシヲタスケヨウトシタヨネ?」

マミ「あの子が私のようになると?シャルロッテ」

シャル「…ソレハ、ワカラナイ」

マミ「…少し興味が湧いたわ、あの子に」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/01(水) 20:12:41.05 ID:ydR66aqvo
第2話終了です。

第3話は明日の夜、同じ時間あたりに投下させて頂きます。
前回レスを下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

ご読了誠にありがとうございました。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 01:49:34.84 ID:Bo6a9GzZo
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/02(木) 14:40:44.08 ID:/+qvEEEpo
おつー
Cがまだ終わってないからなぁ、難しそうだ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 19:54:10.64 ID:XOI7dUuLo
ほむら「…3350万円」

それはATMに表示された残高。
とりあえず、闘いが日常にどう影響を及ぼすか、
私はすぐに思い知った。

ほむら「め、めちゃくちゃな金額じゃない…」

まどか「うん、勝ったからね」

ミダスカードの中からまどかが語りかけてきた。
どうやら日常ではカードを介してアセットと話が出来るらしい。

まどか「これからどうするの?」

ほむら「闘うわ」

まどか「…人間はお金が好きだもんね」

ほむら「違うわ、あなたを守るためよ?」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 19:54:50.18 ID:XOI7dUuLo
まどか「…ほむらちゃんって変わってるね?」

まどかはからかうように言った。
本来アセットとは、ディールを行うためのものであって、
極端な話、アントレによっては文字通り道具のように扱う者もおり、
まどかも…というよりアセットもそういうものだと思っているらしい。

ほむら「いいのよ、私はお金になんかあまり興味は無いから」

ほむら「まぁ普通に暮らせればそれでいいわ」

まどか「ふうーん?」

とにかく、次のディールまであと6日。
再びまどかを傷つけるわけにはいかない。
そのためには、情報が必要だった。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 19:56:05.50 ID:XOI7dUuLo
まどかから聞いた話からの情報。

ディールを行う時に利益を得る方法は2つ。
『ダイレクト投資』と『アセット投資』
攻撃することで利益を得るのは聞いていたがその方法にも種類があるということらしい。

ダイレクト投資は名の通り、アントレがアントレに攻撃することだ。
投資した金を武器に変えるハイリスクハイリターンの方法。

アセット投資はアセットにコストを投資して発動する魔法『フレーション』のこと。
投資した金額の大きさに応じ「ミクロ」「メゾ」「マクロ」の3つにランク分けされ、
当然大きい程、威力は強大になる。

ディールの勝敗は単純明快、
制限時間666秒でより多く稼いだ方の勝ち。
さらに時間内に相手の総資産を超える利益を上げればその場で相手の破産が確定。
相手の総資産並びにアセットが手に入る。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 19:56:41.87 ID:XOI7dUuLo
ほむら「…破産したアントレはどうなるの?」

まどか「うーん…」

まどか「資産とアセットを奪われ、金融街を追放、あと…」

まどか「未来が、無くなる、らしいよ?」

ほむら「未来…」

どういう意味だろうか。
キュゥべえは「未来を担保に金を貸す」と言っていた。
どうせ碌なことにならないことだけは分かるが…。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 19:57:39.40 ID:XOI7dUuLo
次のディールを3日後に控えたある日。
私は懐かしい人物に出会った。

マミ「…そこのあなた、ちょっといいかしら?」

ほむら「巴マミ!?」

金髪を巻いた髪型の少女、忘れるはずもない。
かつて魔法少女として共に戦ったこともある顔だ。
しかし背負う雰囲気は明らかに、私の知る巴マミのものではなかった。

マミ「…どこかで会ったかしら?」

マミ「まぁこの歳で実業家なんて、顔を知られててもおかしくはないのかも」

マミ「少しお話できるかしら、暁美ほむらさん」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 19:58:37.07 ID:XOI7dUuLo
巴マミに導かれて入ったのは喫茶店。
しかし、普段なら到底手の届かない高級店だった。
その1杯で普段のお昼1週間分賄えるカップを傾けながら巴マミは言った。

マミ「まずは勝利おめでとう、といったところかしら」

ほむら「…あなたも、アントレなのね」

マミ「…えぇ」

マミ「…あなたは何を目指し金融街に入ったの?」

ほむら「…お金に興味はないわ」

巴マミは珍しいものを見た、という風に眼を見開いた。

マミ「うそぉ…」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 19:59:34.29 ID:XOI7dUuLo
マミ「お金があればなんでも出来るのよ?」

ほむら「キュゥべえと同じことを言うのね」

マミ「ええ、彼には本当に感謝してる」

マミ「ディールがなければ天涯孤独の女の子が1人で生きるなんてできっこなかったもの」

ほむら「…私は普通に暮らせればそれでいいのよ」

マミ「欲がないのね…?それとも」

マミ「真意があるのかしら」

巴マミは訝しげな眼で探りを入れてきた。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 20:00:10.69 ID:XOI7dUuLo
ほむら「キュゥべえが何をしようとしてるのか、知りたいとは思うわ」

マミ「その情報さえ、金で買えるって言ったら?」

ほむら「お生憎様、自分で調べるから大丈夫よ」

私はわざと音を立てて席を立つ。

ほむら「行くわ、私には分不相応なところだし」

マミ「縁があったら、また会いましょう?」

これまたわざと、返事は返してやらなかった。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 20:01:01.10 ID:XOI7dUuLo


そして、ディールを翌日に控えた日。
私はまどかの提案で再び金融街に足を伸ばしていた。
金融街では自由にディールを見学でき、他のアントレの戦い方を見ておこうという事だった。
宙に浮く額縁を通しディールが中継される。
数多の視線の矢を受けながらそのディールは幕を開いた。

『OPEN DEAL…!』
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 20:01:56.15 ID:XOI7dUuLo
マミの視線の先には見慣れないアントレが居心地が悪そうに立っていた。

マミ「…ルーキーね」

マミ「私が相手なんて、運がないわ」

ルーキー「うるせえええええ!!」

ルーキー「お、俺には金が!金がたくさんいるんだよ!」

オープン・ディールのコールとともにルーキーはマミに向かって疾走する。
ありったけの金を投資したダイレクト。
両手にも余る巨大な剣を担ぎルーキーは走る。
初心者丸出し…、
と言いたいところだがこれには裏があった。
巨大な剣の裏には、彼の小柄なアセットがその身を潜めていたのだ。

ルーキー(二重構えの作戦!完璧!必勝!)
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 20:02:31.16 ID:XOI7dUuLo
無策に隠した秘策、まさしく奇策。
しかしマミの前ではそれもただの凡策だった。

マミ「シャルロッテ!ミクロ・フレーション、50万!」

シャル「リョーカイ」

アセット・シャルロッテが、がばりと大きく口を開け、

マミ「アルティマ・シュート!!」

そこから、無数の銃口が、火を噴いた。

ルーキー「うおぁ!?」

ルーキーは剣を体の前に出し、辛くもこれを防御した。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 20:03:12.31 ID:XOI7dUuLo
しかし、
担いだ剣を下ろすということは、
その裏にいたアセットが敵の眼前に晒されるということで。
アセットは哀れ、見えなかったが故に弾幕に晒されあっという間に落とされた。

ルーキー「おぉぉ!?お前…!」

ルーキーは自らのアセットが後ろに吹き飛ばされたのを見て…、
後ろに吹き飛ばされたのを見て、
後ろを、見て。

マミ「闘いの最中によそ見なんてしないで欲しいわね…」

マミ「…DIRECT」

マミの銃に撃ち抜かれることとなったのだった。

『…CLOSING』

『YOU HAVE GAIN』
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 20:04:22.84 ID:XOI7dUuLo
巴マミのディールは、一言で言えば完璧だった。
その場から1歩も動かず、たったの2発で相手を破産させたのだ。
無駄のない洗練された動き。
私に格の違いを見せつけるには十分だった。

ほむら「あれが…ディール…!」

まどか「すごいね…マミさんの闘い」

圧倒された、と言えば聞こえがいいが、実のところ私は恐れていた。
修羅場はいくつも潜ってきたがディールという闘いには不慣れだ。
だが、経験がものをいう、これはそういうものだとは十二分に理解できた。
そして、大して参考になるようなことも見い出せないまま。
次の朝はやってくる。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/02(木) 20:05:14.22 ID:XOI7dUuLo
第3話終了です。

第4話は明日の夜、同じ時間あたりに投下させて頂きます。
前回レスを下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

ご読了誠にありがとうございました。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/06/02(木) 23:09:11.71 ID:BohcefMA0
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2011/06/02(木) 23:38:00.71 ID:/UCNxMWO0
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:00:28.14 ID:iU0AuP8Oo
キュゥべえ「やぁ、調子はどうだい?」

ほむら「…最悪よ」

ミート・アンド・スキン。
いや、どん底から奈落の底へ気分が堕ちたのは本当か。
言葉遊びにすらなっていない。
如何にしてまどかを傷つける事無くディールを制するか。
その方法を私はまだ探し出せていない。
方法は、無いわけじゃない。
だが、圧倒的に金が足りない。
力が足りない。
私には足りない。
投資できる力が無ければ、満足に闘いすらできない。
私は、どうすれば、いい?
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:00:53.47 ID:iU0AuP8Oo
???「…しょぼくれた面だね?」

青髪の少女が私に言う。

???「あんたに恨みは無いけどさ、あたしには金が必要なんだ」

彼女は金を求めている。

さやか「あたしの名前は美樹さやか、あんたは?」

ほむら「…暁美ほむらよ」

私も力を求めている。

『OPEN DEAL…!』
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:01:53.02 ID:iU0AuP8Oo
さやか「エルザマリアぁ!!ミクロ、90万!!」

エルザ「I See」

異形の黒い影のアセットが髪を伸ばし、拡げる。
拡がっていく。
紅が漆黒のビロードで覆われていく。
閉じ込められる…!

ほむら「まどかっ!ミクロ・フレーション、50万!」

まどか「うんっ!」

まどかが焔の矢を引き絞り、中空に放つ。
5本の矢は拡散、着弾、炎上。
ビロードに穴を穿つ。
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:02:33.30 ID:iU0AuP8Oo
恐らく美樹さやかのアセットの能力は『髪の操作』だろう。
まどかの能力は『焔の矢』。
無論、こちらの有利だ。
…金が拮抗しているのならば、だが。

穴の向こうには、暗黒。

さやか「痛くも痒くもないんだよ!!」

ビロードは依然、漆黒を保ったまま私たちに覆い被さってくる。

まどか「ほむらちゃん!外へ!」

ほむら「…っだめ!広すぎる…!」

さやか「潰れちゃいなよ!バイバイ!」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:03:24.66 ID:iU0AuP8Oo
ビロードが地に堕ちる。
私はその直前に、まどかに押され、
その外へ。

ほむら「っ…!?まどかぁぁぁあぁ!!!」

漆黒の下から、悲鳴が漏れる。

ほむら「DIRECT!!」

100万円を、剣に換えて。
漆黒を切り開く。
呑まれた彼女は紅に塗れていて。
私の頭に、血が昇る。
それと同時に、ぱちりと、まどかの眼が見開かれた。

ほむら「ミクロ・フレーション、50万!」

まどか「レッド・アウト!!」

まどかの掌で紅の粉塵が炸裂した。

さやか「…!?煙幕か…!」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:03:52.79 ID:iU0AuP8Oo
私の資産と、美樹さやかの資産。
その差はかなりのものがあった。
空に示されたお互いの資産を示すバランスシート、
私のそれは、美樹さやかの約2分の1。
制限時間残り約200秒。

まどか「…まずいね、お金を使いすぎたよ」

まどか「ほむらちゃんが現在投資したのはミクロ2発とダイレクト1回」

まどか「でも、まだ1回も攻撃を当てられてない、利益は0円だよ」

ほむら「…ごめんなさい」

私はまたもまどかを傷つけた。
闘う覚悟は決めていた。
力が無いから、
なんて言い訳だ。
自らを省みず、最初から出し惜しみしなければ、
こちらの圧倒的有利だったのに。

ほむら「…まどか」

ほむら「策があるわ」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:04:30.13 ID:iU0AuP8Oo
紅塵を破り、影を掻い潜り、
美樹さやかの眼前に躍り出る。
私の腕にはたった1万円のダイレクト。
小指程も無い小さな刃。

さやか「見つけた!」

すぐさま影が私に伸びる。
しかし、まどかがこれをガード、
私はアセット・エルザマリアを押しのけ美樹さやかの懐へ到達した。
美樹さやかはすぐに剣を取り出し、私に突き付ける。

さやか「うりゃぁぁぁぁぁ!!」

私はその剣を、
受けるでもなく、弾くでもなく、
寝転んでかわした。

さやか「は…!?」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:04:57.23 ID:iU0AuP8Oo
美樹さやかの眼に映るのは、
矢を構えた、まどかの姿。

まどか「こうなったらもう、堅実に利益をあげるなんて出来ない」

ほむら「メゾ・フレーションで、一気に稼ぐ…!」

この状況から多額を投資する諸刃の魔法。
だが、どっちみちこれしか勝つ方法は、無い。

ほむら「行くわよ、まどか」

ほむら「メゾ・フレーション、1000万」

まどか「スコーチド・アース!!」

収束された一筋の金がアセットとアントレを貫いた。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:06:09.32 ID:iU0AuP8Oo
杏子「ふうん、あいつなかなかやるじゃん?」

金融街から日常に帰るタクシーの中で佐倉杏子が呟いた。

杏子「自分を囮にして勝つなんてさ?」

杏子「自分を囮に、か…馬鹿みたいだけど」

杏子「でもまぁ度胸はあるみたいだし?」

杏子「流石マミに眼を付けられただけはあるよね」

佐倉杏子は傍らのアセットに語りかける。
少女の姿のアセットはしかし、快く思ってないようだ。

×××「…キョーコのほうが強いもん」

杏子「あはっ」

杏子「当たり前じゃん?」

杏子「あはははははははははははは!!」

凶喜を孕んだ笑いが、街に、響く。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/03(金) 20:06:53.46 ID:iU0AuP8Oo
第4話終了です。

第5話は明日の夜、同じ時間あたりに投下させて頂きます。
前回レスを下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

ご読了誠にありがとうございました。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/03(金) 22:43:14.90 ID:OPuuAVmso
乙ー
さやかのアセットがエルザマリアなのがいいね!
杏子のアセットはもしや……
期待してます
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:01:26.78 ID:TN9Hgtf5o
ほむら「…5000万円」

命を賭けて闘った割にはなんとなく渋く感じる勝利の美酒だ。
いや…、普通ならば1晩で2000万円以上手に入ったとなればそれはそれは大事件なのだが。
生憎、今の私には目の前のそれはそうとは映らなかった。
ただ、まだ力が足りないと、現実を突き付けられている気分。

まどか「えへへ…、勝ったね…」

カードの中からまどかが私に語りかける。
アセットはアントレを勝たせる為にいる、とは彼女の言だ。
しかし彼女はただのアセットじゃない、
私の、友達なんだ。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:02:22.90 ID:TN9Hgtf5o
銀行から出ると、見慣れた金髪が揺れていた。

マミ「…お時間、あるかしら?」

開かれたドア、促す腕、かかるエンジン。
一切の拒絶も許してくれそうにない「乗って」
仕方なく、私は話に乗ってやることにした。

ほむら「…何の用なのかしら」

マミ「先日のあなたのディール、見させて貰ったの」

マミ「あれは、なに?」

マミ「あんなのは戦いとは言わないわ」

マミ「自身を囮にするなんて」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:02:58.42 ID:TN9Hgtf5o
ほむら「あなたには関係のないことだわ」

マミ「忠告してるのよ?」

ほむら「…………」

マミ「何を考えてるか知らないけど」

マミ「半端な覚悟でディールを続けるつもりなら降りなさい」

マミ「あなたは戦いを甘く考えている」

マミ「今ならまだ…」

冷静に見えて、その裏に見え隠れする必死さ、
戦いに憑りつかれた巴マミの言葉、
何がここまで彼女を突き動かしているのだろうか…。

ほむら「私達に接触しないで」

沈黙。
巴マミはびっくりした目でこちらを見ている。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:03:27.39 ID:TN9Hgtf5o
さて、それから。
巴マミに言って車を降りた私はとぼとぼ歩いて自宅に帰りつき。
カップ麺に湯を注いでいた。
永い180秒、砂時計をひっくり返す。

まどか「…ほむらちゃん?」

ほむら「なぁに?まどか」

まどか「…ほむらちゃんは、なんで私に気をかけてくれるのかな」

ほむら「…似てるのよ、友達に」

今はどこか遠くに、
会えないほど遠くにいるあの子と。
それはそれは驚く程に。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:03:53.62 ID:TN9Hgtf5o
まどか「そうなんだ…その子もまどかって言うの?」

ほむら「ええ、そうよ」

ほむら「前もその子を守る為に闘ったわ」

ほむら「あなたも守ってみせるわ、安心して?」

まどか「えへへ…それ、変だよ」

ほむら「そう?」

まどか「本末転倒…」

まどか「でも、ありがとう」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:04:24.20 ID:TN9Hgtf5o
蓋を開け、液体スープの封を開き、注ぎ込む。
醤油の匂いが部屋に広がり鼻孔をくすぐる。
おなかが鳴る。

ほむら「まどかはおなか空かないの?」

麺を啜りながらカードに話しかける。

まどか「オナカ…?すく?なにが?」

アセットには空腹の概念が無いのだろうか。
そもそも、魔法少女みたいに人間とは別と考えるのが普通なのか。
…アセットとは、厳密になんだ?

ほむら「…食べてみる?」

箸で麺を取り、カードに向かって差し出してみる。
まどかは「…た、べる?」なんて呟きながら口を開ける
ずるっ、と小気味の良い音。

まどか「…………うん、いいね」

気に入った、らしい?
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:04:50.36 ID:TN9Hgtf5o
今度そっちに持って行ってあげるね、なんて話しながら麺を啜っていると、
玄関のチャイムが鳴った。

ほむら「…誰かしら」

また巴マミが先輩風を吹かせに来たのか、
そんなことを思いながらドアを開くと。

キュゥべえ「やあ、迎えに来たよ」

獣がいた。

ほむら「…どうやってチャイムを鳴らしたの?」

キュゥべえ「どうでもいいじゃないかそんな事」

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:05:21.55 ID:TN9Hgtf5o
キュゥべえ「ディールの時間だよ、暁美ほむら」

ほむら「昨日したばかりじゃない」

キュゥべえ「相手から『指名』が入ったんだよ」

キュゥべえ「資産の半分を支払うことでこのディールをパスすることもできるが」

キュゥべえ「どうする?」

冗談じゃない。
力を失うわけにはいかない。
それに、

ほむら「いいわ、行きましょう」

上手くいけば、また稼げるということだ。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/04(土) 20:06:16.81 ID:TN9Hgtf5o
第5話終了です。

第6話は明日の夜、同じ時間あたりに投下させて頂きます。
前回レスを下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

ご読了誠にありがとうございました。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/04(土) 20:31:34.72 ID:6ldlnSJpo
乙ー
C本編の方も盛り上がってきたし頑張って
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 19:59:11.69 ID:wWOg/f5Uo
片手に持ったハンバーガーを口に運びながら、
赤毛の少女、佐倉杏子はゆっくりと歩く。
その隣を、まだ幼い少女がついてくる。

杏子「くうかい?」

杏子はもう片手に下げた包みからハンバーガーを取出し少女に渡す、
少女はにこり、と笑ってそれを受け取り、小さな口いっぱいに頬張る。
微笑ましい光景だ、
ここが金融街の通りでなければ、だが。
自らのアセットに食事をさせるその姿は、
他のアントレから見れば『異端』に映るだろう。
だが誰もそれを口にしない、指摘しない。
佐倉杏子はこの街の、トップクラスのアントレだからだ。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 19:59:54.86 ID:wWOg/f5Uo
食事をしながら、街を歩き、暇を持て余す姿すら一般のアントレには威嚇に見える。
無言で「近寄るな」のコールを発している、圧力。
その圧力に逆らい彼女とそのアセットに接触しようものなら、
即座にディールを申し込まれ、叩き潰される。
まさに『恐怖』でしかないその存在に、
今、近づく影が1つ。

杏子「…あぁん?」

不用意に近づいてきた愚か者に杏子は睨みをきかす。
しかし、その眼を気にせず、その者は柔らかな笑みを浮かべた。

マミ「…こんにちは、佐倉さん」

もう1人の実力者、巴マミ、だった。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 20:00:29.84 ID:wWOg/f5Uo
杏子「珍しいじゃんか?あんたがこっちで接触してくるなんてさ」

マミ「ちょっと、緊急のお話があってね?」

杏子が警戒を解き、道端に腰を下ろす、
しかし、それとは対称的に周りの空気が固まった。
2人のトップクラスのアントレの邂逅だ、
巨大な金を持つものが2人、
仮にこれが戦い…ディールに発展したとしたら?
多額の金が動き、その結果は現実に影響する。
個人の資産の損失、で済むレベルならば影響などたかが知れている。
だがこれは世界に損失が出るレベルの争いに発展する可能性を孕んでいるのだ。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 20:01:06.01 ID:wWOg/f5Uo
巴マミは、現実で大々的にその名を知られてはいないものの、
その歳にして企業をいくつか経営する起業家だ。
佐倉杏子も、やはり名は知られてはいないが多額の金を所持する富豪。
無論、この街で成り上がった結果の地位だが…。
もし、この2人が正面からまともにぶつかりあったら、
数え切れない、桁違いの損失が発生する。
巨額の金が一方に流れれば、バランスが傾く、均衡が崩れる。
人々はそれを、いまが壊れるのを何より危惧していた。
金を持たざる者はそそくさとその場を離れ、
金を持つ者はこの話の行く末を見届けようと聞き耳を立てる。

マミ「…新入りのアントレのことなのだけど」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 20:01:34.36 ID:wWOg/f5Uo
杏子「暁美ほむら、かい?」

マミ「ええ、ご存じ?」

杏子「あんたが気にしてる新入りときちゃあね」

杏子がけらけらと笑う、
しかし、オーディエンスは今の言葉の交換だけで既に動きを見せていた、
トップのアントレの会話はその内容だけで1つの『情報』になる。
この『情報』が新鮮なうちに売ろう、と動く者がいるのだ。
杏子はそれに嫌悪を覚え、ハイエナが、と吐き捨てる。

杏子「…で、そいつがどうしたって?」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 20:02:06.00 ID:wWOg/f5Uo
マミ「…ちょっと、現実を教えてあげてほしくて」

マミは感情を見せず、にこりと笑う。
その笑みに思わず杏子は冷や汗を流す。

杏子「…なんだよ、潰したいなら自分でやればいいじゃんか!」

マミ「嫌だわ、だってその子が気に入らないわけじゃないもの」

マミ「期待してるのよ、すっごく」

マミ「いいアセットを持っているわ」

マミ「だけど、アントレが弱すぎる」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 20:03:02.67 ID:wWOg/f5Uo
杏子「あんた、アセットが欲しいだけじゃないの?」

マミ「ふふふ、どうかしら」

マミ「ともかくお願いするわ、勿論謝礼はする」

マミ「…それに、うまくいけば『仲間』が増えるかもしれないわ?」

杏子「はぁ、しかたないなぁ」

杏子の目の色が変わる。
それに反応するように、傍らのアセットも目つきを変えた。
ゆらりと、杏子は立ち上がり。

杏子「それじゃあ、行きますか」

覇者が、歩みを進める。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/05(日) 20:04:10.31 ID:wWOg/f5Uo
第6話終了です。

今回は話が短く、申し訳ありません。
第7話は明日の夜、同じ時間あたりに投下させて頂きます。
前回レスを下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

ご読了誠にありがとうございました。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:00:11.27 ID:G8+lr80ro
私は獣に導かれ再び金融街の地を踏んだ。
昨日来たばかりだ、
懐かしくもなんともない。
とっとと戦いを終わらせたい、
それ以外の何でもない。

キュゥべえ「お相手はあちらだよ」

獣の指した方向には、またもや見知った顔が立っていた。
長い赤毛と、
…もう片方は見慣れぬ幼女。

杏子「どーもぅ、始めましてぇ」

佐倉杏子が、ぺこりと頭を下げる。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:01:34.10 ID:G8+lr80ro
しかし、その柔らかい物腰とは違い、
彼女の目は「獲物を見る」目だった。
私の背筋に冷たいものが落ちる。
本気で行かなければ…やばい。

杏子「あんたの話は聞いてるよ」

杏子「期待の新人」

杏子「慈愛の聖人」

杏子「異端の狂人」

杏子「あんたにディールが、アセットってのが何なのか、教えてやるよッ!!」

言葉の、威嚇の矢が、
突き刺さる。

『OPEN DEAL…!』
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:02:16.03 ID:G8+lr80ro
先手必勝。
佐倉杏子が動く前に動く。

ほむら「ミクロ・フレーション、40万!」

まどか「レッド・アウト!!」

まずは煙幕で相手の視界を塞ぎ、闘いの主導権を握る。
続く連打で利益をあげれば後はこちらのものだ。
続けざまに利益を上げ続けることで勝利を狙え、、
勝てそうにない相手ならば逃げに徹すれば敗北は防げる。
私が考え出したディール・コントロール。

ほむら「追加!ミクロ・フレーション、70万!」

まどか「はああぁっ!!」

炎弾が煙幕の中を、佐倉杏子へ向かい飛ぶ。

ほむら(よし、これで…!)
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:02:51.60 ID:G8+lr80ro
杏子「甘ェよ」

杏子「…メゾ・フレーション、100万」

×××「YES MY LOAD」

影が、私の影が、
まどかの体を貫いた。

まどか「え………!?」

ほむら「まどか!?」

紅が吹き出、舞い、
私の視界を染めた。

佐倉杏子の前に座するは、
神に祈る、影の姿。

ほむら「あれは…!エルザマリア!?」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:03:33.87 ID:G8+lr80ro
佐倉杏子の傍らに立つ、幼い少女のアセット。
それとは別にもう1体、跪き神を見る影。

ほむら「なんでエルザマリアが…!」

杏子「あんた何にも知らねーんだねぇ」

杏子「無知は罪だよ?」

杏子「おらぁっ!!」

再び髪の一撃が振り下ろされる。
眼前に迫る黒。
空気の唸る音。
宙を舞う体。
襲う激痛。

ほむら「うあぁっ…っ!」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:04:11.41 ID:G8+lr80ro
まどか「ほむらちゃん!?」

やられた。
空のバランスシートが傾くのが見えた。

杏子「おら、おらぁ!!」

地面に伏せる私の体に、雨霰と攻撃が降り注ぐ。
背中が熱い、痺れる。
圧倒的な暴力。
ぬるりとした感触が体を伝い地に落ちるのが分かる。
眼を開くと既に地面は真っ赤だった。

まどか「や、やめて」

まどか「やめてよ…!!」

佐倉杏子の笑い声の向こうからまどかの声が聞こえる。
泣いている。
私も鳴いていた。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:04:48.92 ID:G8+lr80ro
まどか「もうやめてよぉぉぉ!!」

強烈な一撃が私の体を薙ぎ、吹っ飛ばされる。
体が地面を転がり、何かにぶつかり、ようやく止まる。

ほむら「か、はっ…!」

背中を打った。
衝撃で息が詰まる。
いや、既に血で口の中は一杯だ。
どのみち息など出来やしなかった。

杏子「あーあ、もろいね」

杏子「終わりだッ!!」

佐倉杏子の足音が、聞こえる。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:06:06.05 ID:G8+lr80ro
まどか「はあっ!」

まどかが弓を振るい、佐倉杏子を退ける。

杏子「あっ…と、あぶねっ」

まどか「ほむらちゃん!ほむらちゃん!」

まどかが私の肩を持ち、ゆさゆさと揺さぶる。
なんとか口中の血を吐き出し顔を上げる。
涙に塗れた友達が見えた。

ほむら「まど…か…」

まどか「ほむらちゃん!私の株を売って!!」

ほむら「株…っ!?」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:06:38.05 ID:G8+lr80ro
『WATCH!』

『MADOKA IS YOURS!』

カードから音が聞こえ、
そして誰かの声が聞こえた。

「買いよ、5000万」

『MINE』

まどか「ほむらちゃん!メゾ・フレーション!!」

ほむら「待って、もうお金が…!」

あった。
どういう訳かもはや0に等しい程だった私のバランスシートは回復していた。

ほむら「メゾ・フレーション、1000万…!」

まどかの矢に黄金の焔が宿る。

まどか「スコーチド・アー…!」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 20:07:09.28 ID:G8+lr80ro
『…CLOSING』

ほむら「えっ…!?」

まどか「あ…!」

杏子「…ひゅー」

杏子「計算通り、っと」

時間切れ。
空のタイマーは000を示していた。

『YOU LOST』

私は、負けた。
それを戦いと呼ぶのすら憚られる。
一分の隙もない、一方的な蹂躙。
敗北だった。
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/06/06(月) 20:07:53.75 ID:G8+lr80ro
第7話終了です。

第8話は明日の夜、同じ時間あたりに投下させて頂きます。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

ご読了誠にありがとうございました。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/06/06(月) 21:52:30.74 ID:07x3vz/6o
株買ってもらったのに逆転なしとは・・・

面白くなってきた
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/06(月) 21:59:12.81 ID:F1a/3FADO
エルザマリア…

さやかやられた!?
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 22:07:34.37 ID:y3SqkBs8o
乙ー
三国さんみたいに他人のアセットを使役してるってことなのかな。
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/06(月) 22:31:16.42 ID:F1a/3FADO
>>95
アニメ見てないから聞きたいんだが…
このSSの作者によると相手を破産させたらアセットを貰えるんだろ?
本編もそうなの?
それともアセット2体は特殊でこの設定は作者オリジナル?
さやかやられちゃったの?
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/06(月) 23:08:00.76 ID:/n4osv6AO
>>96
アニメはアセットが所有する10の株全てを買収しないと手に入らない

アントレが破産させられた場合残ったアセットはミダス銀行に直接保管されるらしい
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/06/06(月) 23:09:06.39 ID:07x3vz/6o
公式サイトの説明が一番分かりやすいらしいな
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/06(月) 23:20:02.48 ID:y3SqkBs8o
>>96
あぁ、他人のアセット奪えるって>>1が書いてるのか。
C本編は>>97だそうで。
アセットを複数所持してるってキャラは今のところ三國って人しかでてない。 はず。
だからアセット複数ってのは本編としても特殊なケースなんだと思う。

アセット=資産。
アセット複数持つと、それだけ必要な資産・投資が増えるだろうから、
このSSの世界でも、複数のアセット持つような人は少ないんじゃないだろうか。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 23:35:48.90 ID:G8+lr80ro
>>96
質問ありがとうございます
ディールでアントレを破産させアセットを奪い取る設定はオリジナルです
原作では>>97様の言うとおり、銀行に一時保管になるようです
アセットの複数所持は原作・SS共に普遍的に有り得るパターンです
さやかの安否はまだ不明ということで…

まだ原作が終了していない、作者の実力不足・読解不足などの理由により
他にも多少の不明点・相違点などあると思いますが
このSSの独自設定として好意的に解釈していただくと幸いです

他にこのSSオリジナルの設定として、
まどかのミクロ・フレーション『レッド・アウト』があります
紅い煙幕を発生させ視界を封じるフレーションです
その他アセットのフレーションもオリジナルのものを考えています
作中の描写の稚拙さ故に効果の分かりにくさを感じることもあるかも知れませんが
その際は質問頂ければお答え致します

今後とも当SSのご愛読をよろしくお願い致します
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/06(月) 23:40:44.41 ID:G8+lr80ro
訂正いたします
アセットの複数所持は原作でも特殊なパターンのようです
SS内では普通の事ととらえ、強力なアントレはアセットを複数所持しているとお考えください

申し訳ありませんでした

102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) :2011/06/06(月) 23:51:36.77 ID:Gv+dM5Hp0
     /⌒ヽ
\ ⊂[(_ ^ν^)
  \/ (⌒マ´ 
  (⌒ヽrヘJつ
    > _)、
    し' \_) ヽヾ\
         ____
         (\ ∞ ノ 
         ヽ)_ノ ( 
             (⌒
103 :96 :2011/06/06(月) 23:52:55.92 ID:F1a/3FADO
ご、ご丁寧にどうも…

やっぱ特殊パターンなのね、ここではそうでないらしいけど
他のやつらもサンクス

作者マジ頑張れ
あんたの台詞まわしのセンスが好きだ
応援してる
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/07(火) 07:00:05.07 ID:oGX2v9nSO
まどっちアセット手に入れたらまどっちまどまどし放題だな
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 19:56:35.74 ID:lXwR+Aa2o
杏子「…面貸しな」

失意に沈む私に佐倉杏子が声をかける。

ほむら「…放って、おいて」

ほむら「私達に、さわらないで…」

杏子「しょぼくれてんじゃねーぞ、ボンクラァ!!」

振り上げられる拳。
それはわたしのほっぺたにまっすぐ突き刺さった。

杏子「戦い方も、何にも知らないガキが」

杏子「ついてこいって言ってんだ、来なよ」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 19:57:20.82 ID:lXwR+Aa2o
佐倉杏子に引っ張られ、着いたのは小さな屋台だった。
中はアントレで埋まっていて、私たちはすみの席になんとか収まった。

杏子「くうかい?」

杏子「おごってやるよ、選びなよ」

ほむら「………塩バター」

ほむら「この子にも同じものを」

杏子「…はいよ」

杏子「塩バター2つ、あといつもの醤油!」

厨房の向こうから把握の声。
お冷を一気にかっ込むと佐倉杏子はこちらを向いた。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 19:57:47.81 ID:lXwR+Aa2o
杏子「あんたこの街について何を、どこまで知ってる?」

杏子「ディールのルールは?アセットとは何か?」

杏子「…キュゥべえの、ミダス銀行の狙いは何か?」

佐倉杏子の声色が沈む。

ほむら「…やはりあいつ、何か企んでるのね」

杏子「眼の色が変わったね」

杏子「…ちょっと長い話になる」

湯気の立つ器が卓に置かれた。
バターの香りが鼻に入る。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 19:58:16.06 ID:lXwR+Aa2o
ずるる、と小気味良い音を立てて麺が佐倉杏子の口に吸いこまれていく。
…3杯目だ。

杏子「…アセットってのは、アントレの『未来』なんだ」

ほむら「未来?」

杏子「そう、アントレがこれから過ごすはずの未来」

杏子「それが形を成したもの」

ほむら「…話が見えないわ」

杏子「焦るなって…」

丼が傾き、佐倉杏子の顔が見えなくなる。
ごきゅごきゅと喉が鳴り、ぷは、と息を吐く音。

杏子「おかわり!」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 19:58:42.65 ID:lXwR+Aa2o
4杯目を啜りながら話は続けられる。

杏子「あたしたちがミダスカードを手にしたときキュゥべえが言ったはずだ」

杏子「『未来を担保にする』と」

杏子「つまりあたしたちは奴に未来を握られている」

杏子「そして、アントレがディールにより破産するとどうなるか…それくらい知ってるだろ?」

ほむら「…未来が、無くなる」

杏子「そうだ」

杏子「アントレが破産すると本来あったはずの未来が消滅する」

杏子「大抵破産したアントレの末路なんてのは決まってるが…まあそれはいい」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 19:59:12.20 ID:lXwR+Aa2o
杏子「本来あったはずのものが消える、重要なのはここだよ」

杏子「あったものが無くなる、1が0になる」

杏子「無くなったものは、1はどこへいくか?」

ほむら「…やつらはそれを集めている?」

杏子「そうだ、察しがいいね」

佐倉杏子はニヤリと笑う。

杏子「ミダス銀行は人の『未来』を集めている!」

杏子「…それで何をしようってかは分からないけどね」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 19:59:52.87 ID:lXwR+Aa2o
未来が消える。
それはまさしく希望が消えることを意味している。
…同じだ。
かつてインキュベーターは魔法少女の感情を、
希望が絶望に変わる時のエネルギーを収集していた。

ほむら「…………くっ」

手が震えた。
やつらはまた同じことを繰り返す。

まどか「ほむらちゃん?」

杏子「…おい?大丈夫か?」

まどかが救ったこの世界を、
またやつらの好きにさせるわけにはいかない。

ほむら「…っ!!」

拳を振り上げ、卓に叩きつける。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:00:20.62 ID:lXwR+Aa2o
杏子「…何か知ってるな?」

杏子「話しな」

佐倉杏子が私の顔を覗き込む。

杏子「私達には情報が必要だ」

杏子「もちろんただとは言わない」

杏子「闘い方を教えてやる」

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:00:48.57 ID:lXwR+Aa2o
5杯目(味に飽きたのか今度はとんこつだ)を啜りながら、
始まった佐倉杏子の資産運用術講座。

杏子「まず、この街において金とはなにか?」

杏子「ずばりそのまま『未来』だ」

杏子「つまりディールにより金を失うことは『未来』を失うこと」

杏子「破産すると『未来』がなくなることはさっきも言ったが」

杏子「金が減るだけでも『未来』はすり減る」

杏子「そうすると…自分の未来が変わる」

杏子「…自分の大切な何かが変わってしまう」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:01:18.45 ID:lXwR+Aa2o
杏子「だがあんたは運がいい」

杏子「今日あたしに負けこそしたが資産の量はプラスマイナス0」

杏子「5000万からディールをスタートし」

杏子「一度0近くにまで減ったが」

杏子「アセットの株を売ってまた5000万に戻った」

杏子「未来には何の影響もない」

杏子「…ま、あたしがそうなるように仕組んだんだけどね」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:01:54.44 ID:lXwR+Aa2o
ほむら「…ちょっと待って?」

佐倉杏子の言葉に違和感。

ほむら「仕組んだ?それに株って?」

杏子「んー…、順番に説明するよ」

杏子「…今回のディールは、頼まれたんだ」

杏子「いわばあんたに接触するための出来レース」

杏子「あんたは物事を知らなすぎる」

杏子「散々殴ったのは…まぁご勘弁」

ほむら「頼まれた…誰に?」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:02:41.78 ID:lXwR+Aa2o
杏子「巴マミだ」

意外な人物の名が佐倉杏子の口から飛び出す。

ほむら「なんで彼女が…」

杏子「あいつはあんたのアセットに興味しんしんなんだ」

杏子「ほかの誰かに盗られるのが嫌らしい」

杏子「だから負ける前に闘い方を教えてやって、ってな」

杏子「ちなみにあんたのアセットの株を買ったのもマミだ」

ほむら「ちゃっかりまどかの株まで買って…狡猾ね」

杏子「さて、あとはアセットについてだが…」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:03:13.77 ID:lXwR+Aa2o
杏子「アセットには10個の株が備わっている」

杏子「これは9個までは売って自分の資産に出来るのさ」

杏子「逆に、自分のでないアセットも株を10個買えば奪わずとも自らの物に出来る」

ほむら「じゃあ、エルザマリアは…」

杏子「さやかから、借りた」

ほむら「…借りた?」

杏子「一時的に株を買い占めて私が所有している」

杏子「あとで株ごと返すさ」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:03:47.82 ID:lXwR+Aa2o
ほむら「…美樹さやかとどういう関係なのかしら」

杏子「あたしと、さやかと、…まぁマミも一応」

杏子「同盟を組んでいる」

杏子「キュゥべえから未来を回収するための同盟」

杏子「『未来同盟』!!」

杏子「あたしたちが欲してやまないのは情報!」

杏子「さぁ次はあんたが話す番だ!」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:04:34.83 ID:lXwR+Aa2o
私は、閉ざされた世界で繰り返した戦いの裏を、
実名は出さず、キュゥべえのことも「宇宙人」に置き換え説明した。
当初、佐倉杏子はものすごく退屈そうな顔で「ハズレか…」とでも言いたげにしていたが、
全てを語り終えた時、その瞳は鋭い光を宿していた。

杏子「…まるっきり同じだなその『宇宙人』…」

杏子「魔法少女とアントレ」

杏子「願いを叶えて希望を持たせ、それが魔女となる時の絶望で壊れる際のエネルギーを回収…」

杏子「大金を与えて希望を持たせ、それが破産した時の絶望と担保の未来のエネルギーを回収…」

杏子「宇宙の延命…」

杏子「分かったぞ、ミダス銀行の狙い!」

ほむら「…私も、分かった」

『金融街の維持、及び、延命!!』
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:05:07.59 ID:lXwR+Aa2o
キュゥべえ「それを知られたからには、放っておくわけにはいかないね!」

金融街の中心、広場の上空、街の総資産を集計する巨大な金貨のオブジェ。
その上で獣は呟いた。

キュゥべえ「暁美ほむら…只者ではないと思っていたけど…」

キュゥべえ「彼女の語った『魔法少女システム』は僕らの『アントレプレナーシステム』に良く似ている」

キュゥべえ「…街の害悪になるものは滅ぼさなければいけない!」

キュゥべえ「君もそう思うよね?」

???「ええ…そうね」

キュゥべえ「さっそく次のディールで彼女たちと闘ってもらう」

キュゥべえ「期待してるよ?」

表情を一切変えず、獣はたんたんと話す。
その傍らで1人のアントレがにやりと笑った。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/07(火) 20:07:49.73 ID:lXwR+Aa2o
第8話終了です。

第9話は明日の夜、同じ時間あたりに投下させて頂きます。
前回レス・質問を下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

なおここから先の話はオリジナルの要素が多分に含まれます、
オリジナル展開を嫌う方もいるとは思いますが、
あらかじめご了承くださいますようお願いします。

ご読了誠にありがとうございました。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/06/07(火) 20:10:45.54 ID:1PrXGbXAO
もつもつ
オリジナル展開がどうのってそもそもこれクロス物だし最初からオリジナル展開と言えますしおすし
気にする人は読みに来ないんじゃないかな
なんにしろ楽しみです
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/08(水) 00:17:44.75 ID:TrBTwJSDO
さやか生きてたー…!

乙!
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 02:33:08.63 ID:qmaeSaCVo
乙ー
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 19:56:47.16 ID:sfiGmxYmo
その日、
佐倉杏子に連れられてやって来たのは見滝原の郊外にある高級マンションだった。
真新しいクリーム色の15階建ては高く高く伸び、天に続く。
その最上階の1部屋に私は案内された。

杏子「よーっす」

軽い口調で佐倉杏子は重そうなドアを開く、
中からは2人分の返事が聞こえた。

マミ「おかえり、佐倉さん」

さやか「…よ、暁美ほむら」

巴マミと美樹さやか。
佐倉杏子に聞いた『未来同盟』のメンバーだ。
かつて私と闘った美樹さやかは渋い顔で私を見つめる。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 19:57:32.52 ID:sfiGmxYmo
さやか「杏子さぁ、いい加減エルザ返してよ」

美樹さやかが佐倉杏子にぼやく。

杏子「次、金融街行ったらな、ここじゃ株の売買は出来ないだろ」

そう返して佐倉杏子はテーブルの前に腰を下ろす、
それを待っていたかのように即座にテーブルに紅茶が出された。

マミ「佐倉さんは砂糖2個で良かったのよね?」

杏子「うん」

佐倉杏子はカップを一気に傾け、中身を飲み干した。
テーブルを囲む3人の傍で私は立ち尽くす。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 19:58:11.69 ID:sfiGmxYmo
この集まりは、何なのか。
一見、この風景を見ると3人の関係は良好で、仲良く見える
だが、私は知っている、
美樹さやかはただひたすらに金が欲しいがために動いていることを、
巴マミはディールに憑りつかれた戦いの亡者だということを、
佐倉杏子はミダス銀行の目論見を潰すために動いているということを、
てっきりこの同盟は目的を同じくした共闘関係かと考えていたのだが、
この3人の目的はまるっきり違うところに位置している。
この集まりは同盟としては、破綻している。

ほむら(…どうやら、また1人で戦うことになりそうね)
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 19:59:05.22 ID:sfiGmxYmo
私は踵を返し、部屋を後にした。
無駄に広いマンションの廊下を歩き、エレベーターホールに着くと、後ろから足音。

杏子「お、おい、どこ行くんだよ?」

ほむら「帰るわ」

ほむら「あなた達とではミダス銀行を潰せそうにない」

杏子「え…?な、なんで…?」

ほむら「そもそも同盟というものを理解していないようね?」

ふぅ、とため息をつくと、ちょうどエレベーターが到着したようだ、
15Fの表示が点灯し、エレベーターの扉が開く。

キュゥべえ「お取込み中かな?」

ほむら「!?」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 19:59:45.23 ID:sfiGmxYmo
エレベーターの中にいたのは白い獣、インキュベーター、
いつものようにぱたぱた尻尾を振って座っている。

キュゥべえ「確かに佐倉杏子、君の同盟は『思想の一致』という意味では成り立ってすらいないね?」

キュゥべえ「君は僕たちを敵視しているようだけど、他のメンバーは必ずしもそうではない」

キュゥべえ「巴マミに関しては僕を信仰するくらいだからね?」

杏子「てめぇ…!なんで同盟のことを…!」

キュゥべえ「僕は銀行員だよ?銀行の中で話をされたら嫌でも聞こえるさ」

キュゥべえ「それより君にディールの申し込みだよ佐倉杏子」

杏子「…私にか」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:00:52.36 ID:sfiGmxYmo
ほむら「駄目よ佐倉杏子、罠だわ」

私は早くも臨戦態勢に入る佐倉杏子を引き留める。
佐倉杏子にラーメンを奢られた日に、他のアントレから聞いている、
この少女はとんでもなく強力なアントレであると言うことを。
その強さは私も身を持って知っている。
そんな彼女に自分からディールを申し込むアントレなんているはずが無い。
どう考えても罠であることは明白。
分かっていて敵地に行かせるなんて出来ない。

杏子「っせーな…!んなこたぁ分かってんだ!」

杏子「潰す相手があっちからきた…それだけだろうが?」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:01:27.32 ID:sfiGmxYmo
感情の牙をむき出しにする佐倉杏子とは真逆に、
感情の牙を持たぬ獣は冷淡に言い放つ。

キュゥべえ「罠なんて言いがかりだなぁ」

キュゥべえ「これはきちんとした規則に則った、厳正なる取引だ」

キュゥべえ「資産の半分を支払うことでこのディールをパスすることも」

杏子「受ける」

獣の言を遮り、佐倉杏子はエレベーターに足を踏み入れる。

杏子「…あんたも来い」

ほむら「わ、私…?」

杏子「ああ」

杏子「今度は生で戦いを教えてやるよ」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:02:26.83 ID:sfiGmxYmo
佐倉杏子が強引に私の手を引く。
それを見計らったかのようにエレベーターのドアは閉まり、
勝手に下へ、向かう。

ほむら「あ、あなた本当に…」

杏子「戦うさ」

杏子「…もうこいつに同盟を知られちまった」

杏子「あんたも腹、くくりなよ」

佐倉杏子は爪先で獣を指して言う。
エレベータが地下で止まり扉が開く。
降りた先には金融街へ向かうタクシーが既に停まっており、
いつもの運転手がにやにやしながらハンドルを握っている。
佐倉杏子はドアが開き中に乗り込む、
獣がその後に飛び乗り、私もそれに続いた。

運転手「どちらまで?」

キュゥべえ「見滝原市」

アクセルが回り、車が発進した。

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:03:01.75 ID:sfiGmxYmo
どこから取り出したのか蜜のたっぷりついたみたらしを頬張りながら、
佐倉杏子は窓の外を見ている。
タクシーの外にはもう日常の景色は映っていない、
紅い空と無機質なビル群が私たちを見下しているだけだ。
すぐにタクシーは停まり、運転手が目的地に着いたことを告げる、
私ももう何回も見慣れた光景、
と、言いたいが、
今回は違った。

ほむら「こ、これは…?」

窓の外、金融街の銀行広場には多数のアントレが集まり、群れを成していた。

杏子「いつものハイエナだよ、気にすんな」

佐倉杏子が自分でドアを開け外に出る。

杏子「あたしに挑もうなんて馬鹿がいるから、その馬鹿の末路を見たいのさ」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:03:42.43 ID:sfiGmxYmo
獣が白い尾を揺らしながら私達を導く。
辿り着いたのは金融街の市街だ。
周囲の高台や上の広場にはもう、
何人ものオーディエンスが身を乗り出すようにして下を覗き込んでいる。

キュゥべえ「…さて暁美ほむら、君も観戦席にあがってくれ」

キュゥべえ「これからここでディールを始めるからね、参加しないアントレは立ち入り禁止だ」

杏子「あそこで見てな」

佐倉杏子が団子の串で高台の一角を指す。
いつの間に来ていたのか、今着いたのか、
巴マミと美樹さやかがこちらを見下ろしていた。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:04:24.45 ID:sfiGmxYmo
人ごみと好奇の視線ををかき分け2人のところへ着くと、
巴マミが隣にいたアントレをどかしスペースを作る。
私は礼を言ってそこに収まった。

マミ「さて…佐倉さんの相手は誰かしら」

さやか「どうせ何にも知らない新人なんじゃないですか?」

ほむら「……勝てるかしら」

思わず呟いた私に美樹さやかが顔を向けた。

さやか「あのね、杏子が負ける訳ないでしょ」

ほむら「でも…」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:05:00.60 ID:sfiGmxYmo
私はキュゥべえが同盟を知っていることを口にしかけて、戸惑う。
この破綻した同盟にこのことを言っても、どうしようもないのでは…。

さやか「ま、見てなよ」

美樹さやかは何も言わない私から眼下に視線を移す。

さやか「あいつのディール、すごいんだから」

下では、まさにディールが始まるところだった。
紅い少女と対峙する、白いドレスの少女が目に入る、
ドレスの少女の傍らには、黒い眼帯のアセットが従者のように付き従っている。

マミ「…見たことのないアントレね?」

さやか「やっぱ新人!でしょ!」

戦いの直前、嵐の前の静けさが、
私の眼下で静かに、ゆっくりと渦を巻いていた。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/08(水) 20:07:37.28 ID:sfiGmxYmo
第9話終了です。

第10話は明日の夜に投下させて頂きます。
前回レスを下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

なお誠に勝手ながらこちらの都合で明日以降の投下は時間が不定期になってしまいそうです。
場合によっては投下できない日もあるかも知れません。
あらかじめご了承ください。

ご読了誠にありがとうございました。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 22:06:45.50 ID:qmaeSaCVo
乙ー
杏子の負けフラグが漂ってるけど、負けた場合現実世界がかなり動くんだろうなぁ…
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/08(水) 23:12:52.11 ID:TrBTwJSDO
乙!

さやかの生存を確認…
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/09(木) 14:32:44.98 ID:jIBeaImSO
この敵ってオリキャラ?
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:01:22.35 ID:fZ/Dfqybo
杏子の目の前に現れたアントレは、
まるで聖職者のような白いドレスとケープを纏った少女。
凛然とした佇まいに、少し眠そうなたれ目、
ぱっと見で杏子は「お嬢様」みたいだ、と思った。
表情を変えずその場に立つ彼女とは対照的に、
彼女の周りをうろちょろしながら絶えず話しかけている黒い少女。
右眼を覆い隠す眼帯に、執事服を思わせる燕尾の衣装のアセット。
これまた杏子は「従者」を連想した。

杏子(格好だけみれば古臭い資産家…みたいだ)

いつの間にかキュゥべえはいなくなっていて、
街に居るのは対峙する3人だけになる。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:01:54.08 ID:fZ/Dfqybo
杏子は額にミダスカードをかざし、自分のアセットの名前を呼ぶ。

杏子「ギーゼラ!!」

杏子の声に導かれて黒く錆びたアセット・ギーゼラが姿を現した。
ギシギシと軋みながら杏子の傍らで命令を待つ朽ちた銀の姿を見て、
黒いアセットがぷっ、と吹き出した。

杏子「てめえ…何が可笑しい?」

×××「いやぁ、なんか弱そうだなって」

杏子「…甘く見るなよ」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:02:28.56 ID:fZ/Dfqybo
杏子と黒いアセットがにらみ合う。
その様子を見て、眉一つ動かさない白いアントレ。
ただ、見ている、だけ。
眼の前の光景に何も思わない。
彼女の心の内にあるのは来たるべき戦いのことだけだった。
再び沈黙が場を覆う前に杏子が口を開く。

杏子「…佐倉杏子だ、名乗りなよ」

織莉子「…美国織莉子」

黒いアセットが、話しかけるな、とでも言いたげに眉間に皺を寄せる、
杏子はそれに鼻で笑って返してやった。

『OPEN DEAL…!』
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:03:07.94 ID:fZ/Dfqybo
杏子「…あのアントレ」

杏子はオープン・ディールのコールと共に現れたバランスシートを見て首をかしげる。
空に浮かぶ互いの資産を示すバランスシート。
織莉子のそれは杏子のそれとは比べものにならない程小さいが、
その規模は平均的にみれば、一般のアントレのそれよりかなり大きなものだった。

杏子(新人かと思ったが、結構出来るみたいだな)

杏子(なら、こっちもちょっと本気出すぜ)

杏子「行くぞギーゼラ!!」

ギーゼラ「了承!」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:03:36.46 ID:fZ/Dfqybo
織莉子「キリカ!ミクロ・フレーション、50万!」

キリカ「ハーヴェスター!!」

織莉子がアセット・キリカに叫ぶと、キリカの袖から鋭利な爪が現れた。
キリカの体ほどもある巨大な鉤爪が片手に3本、合計6本。
爪を打ち鳴らし、キリカが杏子に向かって走り出す。
対する杏子は、その場から動かず2本目のみたらしを口に運んでいた。

織莉子「…!?」

キリカ「ちょっとキミ!?馬鹿にしてんの!?」

幸せそうに唇についた蜜を舐める杏子にキリカが憤る。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:14:03.22 ID:fZ/Dfqybo
杏子「馬鹿になんてしてねーよー」

杏子「フレーションならもう発動してる」

キリカが凄まじい速度で杏子のもとへ駆ける。
1度地面を蹴るだけで2人の距離はどんどん縮まり、
それは走る、というより跳ねるといった感じで、
杏子のもとへ到達したキリカは鉤爪を振り上げ、
そのまま杏子の後方へ走り抜け、両手を振り上げた奇妙なポーズで壁に激突した。

織莉子「……キリカ!?」

キリカ「……!?……!!?」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:14:30.90 ID:fZ/Dfqybo
キリカは困惑を顔に浮かべて立ち上がる。
杏子は何もしなかった、ただそこに立って団子を頬張っていただけだ。

キリカ「へへ…ちょっと張り切りすぎたかもね」

キリカは再び爪を構え、杏子のもとへ疾走する。
高速で移動する爪が空気を切り裂きながら風となる、
そして風は駆け抜けて、主の、織莉子の元へ戻ってきた。

キリカ「あ…あれ!?」

織莉子「キリカ…あなた何をしてるの…!?」

杏子「ひゅー、速いねえあんた」

杏子がぱちぱちと手を叩いて言う。
無論、皮肉、だ。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:15:11.92 ID:fZ/Dfqybo
杏子「でもさあかけっこ自慢はよそでやんなよ」

杏子は口に咥えた串を吐き出し、手を中空に差し出す。
空間を裂くように、ダイレクトの槍が現れ杏子の手に握られる。
杏子が地面を蹴る、
キリカが身構え、織莉子の前に立ちはだかり、攻撃を阻止しようとする、より速く、
杏子は槍でキリカの体を薙ぎ払い、彼方へ打ち飛ばしていた。

キリカ「なぁ………っ!!?」

高速を超える攻速、高速。
およそ生身の人間とは思えぬ速度で杏子は一瞬の間に間合いを詰めたのだ。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:15:50.92 ID:fZ/Dfqybo
織莉子「あ、あなた一体…!?」

丸腰の織莉子が後ずさり杏子の槍の範囲から逃れる。
杏子はそれを追って、1歩ずつ織莉子を追い詰める。

杏子「あんたも戦い方がわかってない馬鹿かあ」

杏子「あたしが戦い方を教えてやるよ」

杏子「…授業料は高くつくけどね」

杏子の尖った八重歯が、にやりと口の端から覗いた。
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [saga]:2011/06/09(木) 20:21:58.48 ID:fZ/Dfqybo
第10話終了です。

第11話は明日の夜に投下させて頂きます。
前回レスを下さった方、誠にありがとうございました。
質問など御座いましたら物語の進行に差支えのない範囲内で応答致します。

なお今回文章にミスがありました。
>>148、8行目
「高速を超える攻速、高速。」ですが
「高速を超える攻速、光速。」の誤りです。
申し訳ありませんでした。


ご読了誠にありがとうございました。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/09(木) 22:18:32.43 ID:HM4beGpDO
乙ー

おりマギかー
予想外
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) :2011/06/16(木) 22:52:56.67 ID:88RmzPkP0
まだか

まだなのかまどか
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 08:45:59.58 ID:8z35smfwo
まさか>>1がディールに負け…
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 18:32:53.88 ID:EgBn3qCG0
まだか
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) :2011/06/19(日) 10:26:49.93 ID:IdWdnyZX0
僕は余命が1週間しかないんです><

お願い。生きてるうちに続きを見せて…
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/20(月) 00:17:49.19 ID:33vLQKuTo
作者です。

長い間予告なしに投下を中断してしまい申し訳ありませんでした。
言い訳になりますが、プライベートが多忙になってしまった事が一つと、
「C」「魔法少女まどか☆マギカ」両原作の設定と書き溜めたSSの内容にどうしても矛盾が生じてしまい、
SSに大幅な加筆・修正が必要になってしまったことが原因です。
一刻も早く投下を再開できるように努めてまいります。
読んでくださっている方々に多大なご迷惑をおかけする事を謝罪致します。

作者はこのSSを必ず完結させる所存で御座います。
投下再開並びに再開後の安定した投下はいつになるかまだ未定ですが、
どうか寛大な心で受け入れて頂ければ幸いです。
ご意見、批判などあると思います、レスして頂ければ可能な限り応答致します。

今回は誠に申し訳ありませんでした。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/06/20(月) 00:20:40.66 ID:1HPtPMMDo
ここまでのも修正して書き直すのか
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) :2011/06/20(月) 00:33:35.73 ID:33vLQKuTo
>>157
今まで投下させて頂いたストーリーの修正は致しません。
具体的には次回12話にあたる、杏子vs織莉子のディールにおける、キリカのフレーションと、
更にここから先の話にあたる金融街の輪転機システムについての箇所を修正する予定です。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 10:48:28.50 ID:A0t0BjbIO
乙っちまどまど
頑張って……
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 10:53:37.08 ID:r0qMGOiuo
失踪じゃなくてよかった!
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/06/24(金) 04:44:59.94 ID:pn2mnjjK0
アニメ完結泣いちゃった
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) [sage]:2011/08/11(木) 12:50:11.60 ID:aUzRIoTPo
マダカナー
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