当麻「アナトリア…」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：右。 ：2011/06/01(水) 19:52:40.44 ID:XGxcDznAO

はっきり言って現行中のけいおんパロスレに感化されてノリで始めるつもりです。

プロットも作ってないので進み方も早いか遅いか分かりません。

そういう曖昧なのが嫌いな方は回れ左。

一応禁書×AC4です。残念ながらfaではないです。

では、書きためてから投下致します。

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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諸君、狂いたまえ。 ＠ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて ＠ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 ＠ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 ＠ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 ＠ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする（´；ω；｀）part56 ばばあ化気味 ＠ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) ：2011/06/01(水) 19:54:54.95 ID:iJCQ7bcDo

バルバロイの侵略はないんだな！

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]：2011/06/01(水) 20:16:07.32 ID:zJT7rfIAO

てっきり上条さんがトルコのサファビー教団に乗り込んで、「踊ってるくらいで神さまになれるって言ってるなら、そげぶ」って言う話かと

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/06/01(水) 20:49:14.78 ID:izW0xQtLo

アナトリアの英雄（ヒーロー）か…

5 ：下。 ：2011/06/01(水) 22:42:56.02 ID:XGxcDznAO

ピピ。

パイロットをメインシステムが読み込む音が鳴る。メインカメラからの光以外が殆どない無機質なコックピット内に駆動音が低く唸る。選ばれた者しか乗れない機体、ネクスト。それに搭乗するのは、

「準備はいいか。上条当麻。」

「あぁ、いつでもいける！」

機体名イマジンブレイカ―、搭乗者、『上条当麻』。










『ミッションを確認する。』

メインモニタにウィンドウが開き、ミッション詳細と共に機械的な話し方の男の声が通信機から放たれる。

『武装戦力によって占拠された都市、グリフォンを奪還してもらう。』

『相手の主力はノーマルだけの編成だ。』

『なに、ちょっとした試験のようなものだ。そう身構えるな。健闘を祈る。』

プツッと通信が切れ、それと同時に機体が移送用ヘリから投下される。

『当麻、聞こえる？』

「ん、御坂か？」

ガァン！とアスファルトを抉りながら着地し、武装をチェックしながらオペレーターの御坂美琴の言葉に耳を傾ける。

『この任務はあくまで奪還。コジマ汚染は避けたいらしいから、PAはオフにしておいて。』

「マジか…。ちょっと心許ないなぁ…。」

6 ：下。 [sage]：2011/06/01(水) 22:45:18.02 ID:XGxcDznAO

『いいから！だから被弾は最小限に押さえて！絶対によ！』

「分かった分かった！だから怒鳴るなって！」

戦場でこのような会話をすればふざけているとしか取りようがない。しかし、これは御坂なりに当麻の緊張を解しているのだ。そして事実、当麻は柔軟に任務をこなしていける。

「…よし、行くぞ！」

当麻の機体はネクストとしては異質な構成だ。かのホワイト・グリントも特殊だが、それに並ぶ程だろう。

まず機体はレイレナード製で統一してある。しかし、ブースターなどの細かい部分にはGA製やアクアビットなど、統一性が見られない。

さらに右手には一撃必殺級の威力を持つ超近距離用の武装に、左手には格納用に使われるハンドガン。右手武装はともかく、ハンドガンはPA貫通力も威力も平均的なため、あまりいい武装とはいえない。

背面には汎用性の高い一般的なレーダーと垂直発射してから追尾を開始するミサイル。ここまででもありえないぐらい異色なアセンなのだが…。その戦い方も他のリンクスとは違っていた。

7 ：下。 [sage]：2011/06/01(水) 22:46:10.38 ID:XGxcDznAO

『敵ノーマルは橋の向こうよ！主力はノーマルだけど、MTも出来るだけ戦闘不能にしておいて！』
「まかせろ！」

『排除』ではなく『戦闘不能』。これが当麻の戦い方の一つだ。

『敵ネクストだ！迎え撃て！PAは無い！』

「PAばかりに頼ってる上条さんじゃあないぜ！」
MT部隊のリーダーが外部スピーカーの通信で指令を出す。すぐさまMTが構えをとり、当麻に対してミサイルの雨を飛ばす。が、それらは全て命中することなく後方の路上に散る。

「あまりナメない方がいいぞ！」

当麻がコックピット内で忙しなくネクストを操作する。それに合わせてネクストのQBが吹き出し、右へ左へ、時には二段連続で吹かしながら回避していく。

『ば、バカな！』

「狼狽えてちゃ駄目だぜ！」

『う、うわぁぁあ！！』
MTのパイロットは死を覚悟する。しかし、それは少しの衝撃だけで終わる。

『……は？』

当麻が壊したのはMTの武装と脚部。ハンドガンで脚部を撃ち抜き、右武装でミサイルポッドをもぎ取ったのだ。その戦法で次々とMTを戦闘不能にし、そのまま橋へと飛び去る。

『……なんなんだ。一体。』

パイロットに出来るのは、ただその後ろ姿を見つめることだけだった。

8 ：下。 [sage]：2011/06/01(水) 22:47:34.83 ID:XGxcDznAO

ひとまず序盤だけ投下してみました。これからは一回に5から7レス単位で投下していきたいです。では、おやすみなさい。

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/01(水) 23:04:07.45 ID:1uR0VZq7o

期待

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/06/01(水) 23:25:53.69 ID:izW0xQtLo

不殺か…上条さんらしいな

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/06/01(水) 23:29:30.85 ID:izW0xQtLo

不殺か…上条さんらしいな

12 ：下。 [sage]：2011/06/02(木) 10:55:56.18 ID:nKe4hc9AO

レスありがとうございます。 一回5レスと言ったな。あれは嘘だ。ちまっと投下します。

13 ：下。 [sage]：2011/06/02(木) 10:56:22.72 ID:nKe4hc9AO

『気をつけて！あたりに戦闘ヘリも飛行してる！』

「大丈夫だ！ノーマルだけ的確に狙う！」

最後のMTの武装を殴り飛ばし、ハンドガンで脚部を撃ち抜く。目指すは橋の向こう側、敵主力のノーマル部隊だ。ここまで暴れても討ちに来ないということは、相手もネクスト相手に突っ込むほどバカではないと言うことだろう。現に、遠巻きにもノーマルの他に戦車なども見受けられる。

「素直に橋を渡って狙い撃ちにされるなら…！」
パチン！と小気味よい音がなり、操縦レバー横のグリップの安全装置が外れる。そして、

「空から攻めるだけだ！」

力強くそのグリップを握る。 ネクストのCPUがその入力を察知し、急加速装置、OBをチャージし始める。 ネクストの背面中央のブースターが剥き出しになり、淡い青色の火を噴く。しだいにそれはオレンジ色に変わり、一気に噴き出す。

高速で風を切り、ENをほとんど消費せず対岸に飛来する。

『敵ネクスト確認！陸上部隊はコアを狙え！撃てぇ！』

地上に展開する戦車がネクストに砲弾を浴びせるが、大したダメージは入らない。

『ノーマルは5機！囲まれないように注意して！』

14 ：下。 [sage]：2011/06/02(木) 10:56:49.62 ID:nKe4hc9AO

御坂の言葉通りに当麻は動く。空中からQBを使って弧を描くように着地する。そこからも機体を横に滑らせ、２体のノーマルに蛇行して近づく。

「おぉお！」

ノーマルが射撃を繰り返すが、それを軽々と回避して１体の腕を撃ち抜く。それを見たもう一機が後退し、空に飛翔する。がしかし。

「逃げようたってそうは行かないぞ！」

ホバー移動を一度中止し、地面に両足を着く。それから地を蹴り、背面のブースターを推進力に宙に舞う。

『くっ！ノーマルでは適わないか…ッ！』

もはや抵抗は無駄と悟ったのか、ノーマルが武器を捨てる。

「殺しはしない、でも、お前はこの戦場からは退場だ！」

ゴシャ！とメインカメラを叩き潰す。他の武装は壊れていないが、見えなければ何もできまい。

『当麻！下！』

「下！？」

ふと下を見れば、残りのノーマルが地上から当麻に対して一斉放射しようとしていた。

『敵ネクストはPAを展開できない！確実に武装を剥げ！』

「流石にあの数はやばいな…！」

OBとQBを繋げて使用したため、ある程度は使用できるだろうが全てを避けきるだけのQBを噴かすにはブーストゲージが少ない。

15 ：下。 [sage]：2011/06/02(木) 10:57:23.10 ID:nKe4hc9AO

『当麻！回避して！』

「んなこと言ったってブースターが…！ってそうだ！」

『標準合わせ！』

ノーマルが当麻に狙いを絞る。その銃口は全部で三つ。一つ一つの威力は差ほどでもないが、流石に連続で食らうわけにはいかない。

『放て！』

時間差で三機が撃つ。リロードによる隙を埋めるためだ。こうすれば一発一発ずつの発砲になるが、命中率は格段に上がる。

「今だ！」

そんな銃弾を当麻はどう回避するのか？いかに数が噴けないといってもゲージが底をついた訳ではない。構えていたOBのグリップを握り、地面に向かって急加速する。

『な、何！？』

これには冷静だった指揮官も面を食らう。ノーマルだけあって行動は遅く、標準を下に戻すには時間がかかる。そしてその時間は、当麻にとっては十分すぎた。

『今よ！』

「分かってる！」

急加速によって出来た小規模なクレーターから飛び出し、ハンドガンを構える。

「終わりだぁ！」

ガンガンガン！ 丁度三発、全てがノーマルのヘッドを撃ち抜き、盲目となった三機は戸惑い、ぶつかりあって倒れる。

『ミッション完了。後始末は上がやるわ。帰りましょう？』

「はぁ…PA無しってのはキツいぜ…。」

16 ：下。 [sage]：2011/06/02(木) 10:58:17.41 ID:nKe4hc9AO

中途半端ですが書いた文だけでした。では、後ほど。

17 ：下。 ：2011/06/02(木) 11:01:23.24 ID:nKe4hc9AO

よく見たら上げ忘れたという。今度こそ

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/02(木) 11:54:11.31 ID:dEYI8jJIO

時代背景は4か期待

19 ：下。 ：2011/06/03(金) 17:37:40.90 ID:rANr0gBAO

なんなんだチョコボール。投下いたします。

20 ：下。 [sage]：2011/06/03(金) 17:38:13.07 ID:rANr0gBAO

「おかえり当麻。お偉方は大喜びみたいよ。」

「上条さんは旨い飯にありつければ…。」

「あ―はいはい。機体をメンテナンスに回すから、先に食堂に行ってなさいよ。」

ミッションを終え、当麻がシャワールームから出たところで御坂と遭遇。軽く会話をし、その足で食堂に向かう。

「おい聞いたかよ。」

「あぁ、No.39だろ。AMS適性低いくせによくやるぜ……っと、噂をすればか。席移すぞ。」

当麻が食堂に入るなり、自分を話題にしている二人組の会話が耳に入る。ここに配属されから始まった事だが、その内容は賞賛などではなく、命を削って戦う戦闘狂。そんな扱いの内容だ。
「…確かに、無茶しすぎかもな。」

グラスに水を注ぎ、ぐいっと飲み干す。しかし、胃に何かが入る感覚はない。神経が麻痺しているのだ。AMS適性。これが高くなければネクストへの搭乗は不可能だ。しかしこの適性が当麻は低い。それはつまり、本来ネクストには乗れない体ということだ。ならばなぜ乗れるのか？当麻は自身の体内に大量の機材や薬物を投与し、その適性の低さを補っている。だが、それも安易な事ではなく、リスクが大きい。

「はぁ…こんなんじゃ腹が膨れたのかすら分からないぞ…。」

21 ：下。 [sage]：2011/06/03(金) 17:38:39.12 ID:rANr0gBAO

機材による神経圧迫、薬物の副作用。もはや命がある事すら奇跡と言えるほど、当麻の体はボロボロだった。

「まぁ、味覚があるだけいいよな。さ―て、汚染されてない鯖の味噌煮はどこだ〜。」

それでも気丈に振る舞えるのは、それだけの覚悟があるからなのだろうか。












『こちら管制室。聞こえるか。』

「いちいち堅苦しィんだよ。用件だけ言え。」

『…アナトリアに、新規のリンクスが入ったのは知っているな。』

「あァ？そういやいたな。体中改造人間もドン引きなくらいイジッてンだろ？」

『まぁいい。指令を与える。新規のリンクスから救援要請がないとも言い切れない。もちろん救援には向かう、が。』
「…機体はホワイト・グリントで出動しろってか。」

『話が早くて助かる。お前の専用機体【アクセラレータ】はあまり表に出したくないらしいからな。…まぁ、十分だろう。』

「カカカッ！十分どころか二十分だぜェ！？その新参、出来るのか？」

『グリフォンを占拠していた武装戦力を戦闘不能にしたと聞いている。』

「まァそれぐらいは普通………いやまて、戦闘不能？撃破じゃねェのか。」

22 ：下。 [sage]：2011/06/03(金) 17:39:14.75 ID:rANr0gBAO

『戦闘不能だ。死者は一人たりとて居ない。』

「…フヘハハッ！面白ェ！面白ェよ！この時代に平和主義かァ！最ッ高に面白いぜ！」

『平和主義かはしらんぞ。ただの戯れかもしれん。』

「チッ、もうちょい前向きに考えろよ音声野郎。」

『フン。あまり気は抜かない事だ。』

ブツッ。

「…平和主義、か。そンな奴ばかりなら、俺も今頃……。」















『ミッションを確認するわよ。倉庫に飛来中の無人型特効兵器、空中機雷を全て排除して。後方には補助部隊が展開してるけど、ここだけの話あてには出来ないわね。今回は弾薬を重視した装備でお願いね。』

モニタに機雷の図と防衛対象が映し出される。機雷は誘発型らしく、一ヶ所が爆発すれば他にも誘爆し、大爆発が巻き起こる仕組みだ。だが逆に言えば、飛来中に先頭の機雷を撃てば少数の弾で一網打尽が可能だ。

「両手は…ガトリングでいいな。リロードもないし。一応パルスガンを格納しとくか。」

『言っとくけど体当たりとかは止めてよ？あんた……無茶が過ぎるから。』

「あ―…食堂の聞いてたのか。」

23 ：下。 [sage]：2011/06/03(金) 17:39:46.74 ID:rANr0gBAO

『………当麻が頑張るのを止めたりはしないわ。でもね、当麻が頑張って戦績を残せば残すほど、当麻にその気はなくても名は広まる。それに比例して、任務も増える。……ねぇ、当麻。リンクスなんて』

「そこまでだ御坂。俺がなんで戦うのか、お前には話しただろ？」

『……そうね。…ミッション予定地への移送を開始するわ。コールドスリープに入るから、気を落ち着かせなさい。…死なないでね。』

最後に当麻は言葉を発さなかった。それは否定か、肯定か、それとも既にスリープしたのか。御坂には、ただやりきれない気持ちだけが残る。











「…あれか。」

水平線から赤い蛍のように光る機雷の群が見えた。その数は視界を埋め尽くすほどで、まるで空に赤い壁ができていくようだった。

『対象接近！一機たりとも通すんじゃないわよ！』

「分かってる！」

ネクスト、イマジンブレイカーの双腕が持ち上がる。その手にはリロード不要の連射武器の代表とも言えるマシンガン二丁。長期戦には弾薬が気になるが、このような防衛戦にはもってこいだ。

24 ：下。 [sage]：2011/06/03(金) 17:40:41.67 ID:rANr0gBAO

『射程距離まであと30…20…10…射程内！』

「うおおおお！！」

機銃のモーターが甲高い音を出して回転し、弾を銃口から弾き出す。それらは機雷群の前の方にばらまかれ、被弾した機雷は爆破する。そこからはドミノ方式に誘爆し、瞬く間に機雷群は姿を消す。

『第二波くるわよ！もう少し南！』

「み、南？」

『向かって左よバカ！』
イマジンブレイカーの機体がすぐさま旋回する。そのままホバーで移動し、機雷を次々と打ち落としていく。

『なんとかなりそうね…あ、気は抜いちゃだめよ？』

「分かってるさ。」












「物量にも対応は出来るか。まァ、最低ランクではないみてェだな。」

当麻が機雷を打ち落としている海岸から離れた岩場。小型のヘリから当麻を観察するリンクスがいた。その眼には獲物とするかしないかを見極める、強者の光が灯っている。
『そろそろ感づかれる。帰還するぞ。』

「あァ。」

高速回転するプロペラは音をほとんど立てず、静かにその場を後にした。後にこの時代の戦いに終止符を打つ、二人のリンクスの内の一人。一方通行は最後までその瞳の光を消しはしなかった。

25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/03(金) 18:01:21.25 ID:mzAROO0IO

きてるううううう！

最後には華麗に突つくのかな・・・上条さんだしw

26 ：下。 [sage]：2011/06/03(金) 18:04:06.36 ID:rANr0gBAO

ほむぅ、こんな感じです。地の文がおかしかったりしますがご了承下さい。ではまた。

27 ：下。 ：2011/06/06(月) 19:26:03.34 ID:Wxk7dWgAO

投下致します。…が、注意があります。

ごり押し展開とラストには露骨なふざけが入っていますのでご了承下さい

28 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:27:15.80 ID:Wxk7dWgAO

『おつかれ。被害はゼロ。まぁ私のサポートがあるんだし当然よね！』

「あ―…疲れた。南だか北だか…上条さんの頭の悪さじゃすぐ理解できないでせうよ…。」

『はいはい。今回は機体ダメージもないし、ブースターだけ検査に回すわね。』

「へーい。」

『ほらほら。はやく降りるの！あ、そうだ。上の奴らがミーティングルームに来いって。大方形だけの世辞だろうけど、顔は出しておきなさいよね。』

「へ―い。っと、降りますか！」












『はまづら、アセンはどうする？』

「ん、そうだなぁ…逆関節で頼む。右手がショットガンで、左手にサブマシンガン。背面にはホーミングミサイルとレーダーな。FPSは標準二割安定八割で振ってくれ。」

『わかった。…ねぇはまづら。画面越しじゃなくて、直接はあえないの？』

「悪い。それだけは出来ないんだ。メンテのために機体はそっちに回してるけど、コジマは全部抜いてる。俺がお前達に会いに行ったら、なにもかもがパァになっちまうよ。」

『…そうだね。なら約束。絶対に生きて帰ってね。』

「ははっ、お前達だけにしたら、この組織がどうなるか分からないからな！」

『む、頼りないって事？』

29 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:28:11.70 ID:Wxk7dWgAO

「いやいや、プッ、ハハハ！」

『もう…ふふっ！』



―――戦士【リンクス】は、一人ではないのだ。―――














「まってくれよ！話が違うぞ！」

当麻はアナトリア所属、となっているが、実質は傭兵だ。傭兵ならば金の量に見合った働きをしなければならない。しかし、当麻は殺しを良しとしない。その思想から、アナトリアのトップ、アレイスターからたった今出された依頼内容に反発しているのだ。

「君の意志はよく分かる。が、これも時代の選択だ。仕方ないのだよ。」

「ふざけんなよ！殺したら解決どころか話し合いも出来ないんだぞ！」

「話し合って理解し合えないから争っているんだ。分からないか？」

アレイスターがリンクス一覧表にナイフを突き刺す。

「こうなることを望んだのは人だ。そして争いも、汚染も、すべてがその見返りなのだ。」

ガリリッと一覧表ボードに斜めの傷が出来る。

「和解できると思うのか。砂漠の狼と。」

「あぁできるさ。狼だろうと、生きてるならそのチャンスは何千回とあるんだ！」

乱暴に扉を開け、同じく乱暴に閉じて当麻が退室する。

「……さて、君は本当にリンクスを救えるのかな？」

30 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:29:28.02 ID:Wxk7dWgAO

『………任務を確認するわね。マグリブ解放戦線、別名アイテムの主力ネクストである無能力者【ノースキル】を……〔撃破〕して。』

「違うぞ御坂。……〔戦闘不能〕にするんだ！」
奥歯が砕けるのではないかと思えるほど歯を噛みしめ、アレイスターの言葉を思い返す。

（分かり合えない？なんで決めつけるんだよ！？やってみなきゃ分からないだろ！やってやる、絶対に！）

『……はぁ、内容変更。ノースキルを〔戦闘不能〕にしなさい。』

「あぁ、行くぞ！」

ネクストを支えるアームが引っ込み、機体が砂漠へと降下する。

『敵ネクストは陸移送中よ。装備を無力化するなら起動前。集中しなさい！』

砂を大量に巻き上げながら移動し、廃ビルの陰に姿を隠す。レーダーには移送機の陰。一瞬、起動前に無力化し、話をつける。

『作戦範囲内に敵機進入！今よ！』

「うまく行ってくれっ！」

ブースターが機体を持ち上げ、ノースキルに突っ込む。

『ノースキル起動開始！』

「くっ…！」

31 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:30:19.63 ID:Wxk7dWgAO

ノースキルが立ち上がり、回避行動をとる。が、少しだけ当麻が速い。右手武装が背面のレーダーとミサイルポッドをごっそりともぎとる。

『不意打ち！？卑怯だぞ！』

「くっ！武装をパージしてくれ！話がしたいんだ！」

『今更っ…！そんな言葉に乗ると思ってんのか！』

ノースキルが空高く跳ね上がり、空中からショットガンを放つ。ショットガンの特徴は弾丸の拡散。それが空から放たれれば、それは文字通り弾の雨と化す。

「クソ！」

『当麻！ひたすら動いて！相手は機動戦型、防御は高くない！どうにかして動きを止めて！』

「分かってる！分かってるさ！」

分かってはいても実行できない歯がゆさ。相手は機動戦型の軽量機体に長期間発動可能なブースター。着地する時はあれど、すぐに空に飛んでしまう。しかも空中ですらQBを噴かすので尚更攻撃が当たらない。

「これじゃジリ貧だ！何か方法は…！」

こちらは当てられないのにあちらは当てられる。一度のダメージは微量でも、何度も食らえばAPもPAも減少する。

32 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:31:11.25 ID:Wxk7dWgAO

『あぁもう！ちょこまかウザいわね！…当麻！肩に試作用のEMC兵器が搭載してあったはずよ！効果の程は分からないけど、試してみる価値はある！』

「分かった！肩…これか！」

イマジンブレイカーの肩部から不快な音を立てるプラズマが発射される。それ自体に驚異はない。しかしそれのもたらす効果はかなりいやらしいものだ。

『あ？れ！？レーダーが！？』

そう、レーダーが正確な情報を表示できなくなるのだ。高機動戦型は敵の位置把握が重要となる。それがなくなれば…。

「動くな！殺しはしたくないッ！」

『後ろッ…！』

安易に撹乱が効き、背後を取るのも簡単になる。
「頼む！投降してくれ！お前を殺したくないんだ！」

コアにハンドガンを突きつけて当麻が叫ぶ。

『殺したくないだ！？じゃあ何か？植物人間にでもするってか！？俺は、負けるわけにはいかないんだよ！…ゴホッ！』

「お前！？もしかして…」

『うるせぇ！限界まで適性高めてんだよ…リスクが無い方が不自然だろ！』

「…バカやろう。」

『は？』

「バカやろうっつってんだ！」

33 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:31:56.84 ID:Wxk7dWgAO

「お前だって守りたい奴がいるんだろ！だから戦ってるんだろ！だけど、だけど死んだら元も子もないだろ！」

『うるせぇよ！俺だって死にたくないし怖いんだよ！でもな、誰かが動かなきゃ守れねぇ、誰かが犠牲にならなきゃ救えねぇ！今更全員笑顔でハッピーエンドなんて無理なんだよ！』

「なんで決めつけるんだよ！やっても無いのに！………いいぜ、お前がどうしても希望を見いださないんなら！俺がお前の生きる道を！俺の自分勝手で造り上げてやる！お前だけじゃない！『みんな』のだ！」

イマジンブレイカーがノースキルの両手両足を撃ち抜き、行動不能にする。突如ノースキルがバランスを崩し、砂漠に崩れ落ちる。

『なっ…！』

「御坂、悪いけど土御門達に回収させてくれ。他の奴には触らせないようにしたい。」

『りょ―かい。一時間もあれば十分な距離よ。待ってて。』

『お前ッ！俺をどうする気…』

「俺たちがアイテムを保護する。」

『はぁ！？』

34 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:34:02.33 ID:Wxk7dWgAO

あまりにもバカバカすぎる言葉に浜面が素っ頓狂な声を上げる。傭兵が排除しろと言われた対象を保護しようと言うのだ。これをバカと言わずになんと言おうか。

「表向きにはアイテムは壊滅したって報告すれば いい。住む場所はアナトリアにならいくらでも…」

『ちげぇよ！俺たちが、俺たちがなんの為に戦ってきたか分かってんのか！お前の自分勝手は…！俺たちの意志を踏みにじってるんだぞ！』

「…それでも俺は…」

その時だった。イマジンブレイカーの左腕が跡形も無く吹き飛んだのは。

「なっ！」

『！』

射撃された角度からして、撃ったのは廃ビルの上。そして予想通り…

『超申し訳ないんですが、家のバカを超返して貰えますか？』

そこにいたのは、重量型の脚部に中量ボディ。両腕部にはスナイパーライフルとアサルトライフル。背面にはアクアビット製のPA強化用の制波装置を備え、両肩にはAP回復が可能な球型のコジマ格納兵器。防御と中距離、さらには遠距離攻撃をも一体化させた、この場に置ける三機目のネクスト。



















小島装甲【ハードアーマー】だった。

35 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:34:59.25 ID:Wxk7dWgAO

なんなんだろうね。>>ラスト

でもロマンあってこそのACだと考えております。ではまた。

36 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/06(月) 19:38:51.28 ID:P61gtY1IO

一瞬小鳥装甲にみえて頼りなさすぎwww
って吹きかけた。

37 ：下。 [sage]：2011/06/06(月) 19:56:18.87 ID:Wxk7dWgAO

>>AP回復可能な

ここPAです。申し訳ない。

38 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/06(月) 20:14:16.61 ID:pwvn8wADO

いーじゃん、面白いじゃん。期待してるじゃん！

39 ：下wwwwwww ：2011/06/07(火) 16:59:47.70 ID:wugGc+LAO

ACVの新PVでテンションがおかしい。もうだめだ。中二展開まっしぐらな投下wwwwwwwwwwww

40 ：下。 [sage]：2011/06/07(火) 17:00:52.34 ID:wugGc+LAO

ネクスト：ノースキル

アイテムの主力と言われているネクストの一つ。一つというのは、アイテムがネクストを三機保持しているという情報から。

しかし実戦にはこの機体しか殆ど出ておらず、残りの二機は嘘か、実力が無い、もしくは切り札ではないかと言われている。所属企業、機体名、容姿、リンクス、何れも不明。

出動回数の多さから主力と言われるノースキルのアセンは被弾回避を主観に置いており、ブースターの使用時間が長い。

そのため上空からの奇襲や撹乱戦闘を得意としている。主な攻撃にはショットガンを使い、近距離ではサブマシンガンを浴びせる。

その代わり防御力が極端に低く、何かしらの方法で動きが取れない、ブースターが故障すれば、後はどうとでもできる。

搭乗リンクス：浜面仕上

41 ：下。 [sage]：2011/06/07(火) 17:01:21.21 ID:wugGc+LAO

「もう一機！？御坂！あれもアイテムのネクストなのか！？」

『え？…えぇ！？ちょっと！少し目を離した隙に何囲まれてるの！』

「囲まれ…てる！？」

ハードアーマーから視線を外し、あたりを見回す。

『まぁ、結局浜面は足を引っ張る訳よね。』

『はまづら！』

『お前等！？』

ハードアーマーを一角としてノーマルが二機、三角形の形で当麻を囲う。ノーマルなどがネクストに適うはずもない。…ノーマルだけならば、どれだけよかったか。

『ウチらの雑用を痛めつけてるのはどこのどいつかにゃーん？』

地面が砂だというのにも関わらず、重厚な音を立ててネクストがノーマルの間に現れる。

『敵増援ネクスト！これは…！リンクスNo.4、原子崩し【メルトダウナー】！？な、なんで！？』

リンクスNo.4。リンクス登録時の適性、実力から割り振られた数字、その四番目。特に上位七位までは群を抜いて適性、実力が高く、戦場に投下すれば敵機は歯も立たないと言われている。

42 ：下。 [sage]：2011/06/07(火) 17:01:52.44 ID:wugGc+LAO

実を言えば御坂もNo.3という実力を持っているのだが、ここでは割愛する。

『な・ん・で？私がアイテムにいちゃ悪いの？』

『あんたはアクアビット所属のはずよ！なんで解放戦線なんかに！』

『あそこつまんないのよ。いつもいつも実験ってさ。だから抜けてきちゃったわけよ。機材とかももろもろね。』

メルトダウナーのアセンは有澤製ボディと腕部にレイレナードのヘッド。武装は背面にキャノンを二機積み、片手には機銃、もう片手には…コジマキャノン。肩には対ECMの武装と、とてつもない攻撃特化型だ。その調整用機材となると、とてつもない損害をアクアビットは被った事となるが…。

『まぁそんな事はどうでもいいじゃん？私はそこのバカを返してくれればいいわけだし、そしたらこっちも見逃すわ。』

言い終えるとメルトダウナーがコジマキャノンを構え、チャージを開始する。それに同調してノーマルもミサイルポッドを開き、ハードアーマーもスナイパーライフルを覗く。状況は、言わずともしれていた。

43 ：下。 [sage]：2011/06/07(火) 17:02:21.15 ID:wugGc+LAO

『…当麻、ミッション破棄、帰還して。』

「……でもっ！」

『当麻！』

「…分かったッ」

『素直ないい子ねぇ？フレンダ、滝壺、道を開けて。あちらさんは諦めてくれるみたいだし。』

『わかった。』

『結局、予想通りな展開な訳よ。』

ノーマルがポッドを閉じ、左右に広がる。メルトダウナーもキャノンを下ろし、道を開ける。

『イマジンブレイカー、離脱しま…』

が、不幸だといい続けている当麻にも、奇跡は起こったようだった。

『おっとぉ、アナトリアの傭兵が一人だなんて決めつけてもらっちゃあこまるにゃ―。普通のルートならつかない時間で急遽参戦ぜよ！』

ガガン！とレーザーが二機のノーマルのポッドを撃ち抜く。それにいち早く反応したのはメルトダウナー。機銃を持ち上げ、振り向きざまに無作為に弾を撃ち出す。

『超乱入なんて超汚いです！』

ハードアーマーがライフルをのぞき込む、がしかし。

『そうは行かないな。』

『ッ！』

突如現れた炎が銃身を焦がす。これでは発砲した瞬間に暴発するのがオチだ。そう悟り、ハードアーマーが廃ビルから飛び降りて退避する。

44 ：下。 [sage]：2011/06/07(火) 17:02:48.24 ID:wugGc+LAO

『誰だよゴラァ！ぶち[ﾋﾟｰｰｰ]ぞ！？』

機銃の射撃を止め、砂煙をメルトダウナーが凝視する。そこに現れたのは。

『名乗らなくても分かるはずだぜぃ？第四位。』

『てめッ！スクールのクソアロハ！？』

『超まってほしいです！まだいますよ！』

ハードアーマーがそう言うなり、砂煙の中に三つの影が見え始める。

『データしょうごうおわったよ！右から【神刀】、背中刺す刃【バックトリック】、紅十字【レッドクロス】！バックトリック以外は所属企業無しみたい！』

『クソみたいに古い機体乗り回しやがって…！ぶち[ﾋﾟｰｰｰ]！』


『当麻！今の内に離脱して！今のあんたじゃ足手まといよ！』

「クソッ…！クソッ！！」


弾丸の飛び交う戦場を、片腕の無いイマジンブレイカーは見届けることしか出来なかった。

45 ：下。 [sage]：2011/06/07(火) 17:03:16.93 ID:wugGc+LAO

企業：魔術サイド

小さな古参企業が一つの思想の元に集まり造り上げたグループ。過去のアライアンスに相当する。

思想とは、汚染源であるコジマをまき散らすネクストを一掃することで、そのために機体は全てが旧ACを型としたオリジナル。PAはもちろん、コジマ技術が一切持ち込まれていない。

武装には実弾が多数を締めているが、火炎放射型やKARASAWAなど、旧世代の名だたる武装はいくつか引き継がれている。

噂では、かのナインボール、パルヴァライザーの復活計画も持ち上がっているらしい。

46 ：下。 [sage]：2011/06/07(火) 17:03:58.92 ID:wugGc+LAO

投下終わりです。ちょっとfaやってきます。ではまた

47 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/07(火) 18:22:31.44 ID:Wb5N9oTIO

魔術サイド。
果たしてネクストに旧型ACは勝てるのか・・・ちょっと無理ゲー過ぎるがAC4発売時のブックレットだったかにあった話思いて出して胸熱だ。

48 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/07(火) 18:29:43.09 ID:Wb5N9oTIO

神刀→武器腕ブレードに肩はなんだ・・・追加ブースターあたりか？
背中刺す刃→レーザー兵器メインなイメージか。
紅十字→肩焼夷ミサに火炎放射器か？色々胸熱な装備な予感。


これは勝手な期待です。だがつっちー以外ロマン過ぎるがどれもやったことあるなw

49 ：下。 ：2011/06/08(水) 11:26:48.52 ID:sQCDvCpAO

アセン予想などのコメントありがとうございます。はっきり言ってしまうとアセンが被ってしまわないように考えるのは難しいので参考にさせていただくかもしれません。

僅かながら投下致します

50 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:28:00.37 ID:sQCDvCpAO

ネクスト：ハードアーマー

その名に恥じぬPA強度を誇るアイテムのネクスト。その強度は弱点であるレーザーすら殆ど通さず、並の攻撃ではダメージが通らない。

しかしながら連続した攻撃や大きい一撃には弱く、それらでPA減衰を図れば多少はこちらに流れが向く。油断してはならないのが肩部のPA回復装置で、使用されれば瞬く間にPAが回復してしまう。単体では任務をこなさず、主に中距離の援護射撃で活躍する。

搭乗リンクス：絹旗最愛





ネクスト：メルトダウナー

アイテム最強の切り札。元々はアクアビット所属だったがリンクス、麦野沈利が離反、調整機材ごとアイテムに移動した。
アセンは機動力より一撃に長けており、通常のネクストならば一瞬で蒸発する。敢えて弱点を上げるならば、機銃以外は弾数が少なく、コジマキャノンはチャージの際にPAが減少するため、長期戦に持ち込めば勝ち目は見えてくる。

搭乗リンクス：第四位・麦野沈利

51 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:29:13.54 ID:sQCDvCpAO

『土御門。』

「お、どうしたエドにゃん。裏回線なんて珍しいにゃ―。」

『悪いがふざけている暇はない。先程上条からネクストを極秘に匿うように座標データが送られてきたんだが…』

「きたんだが？」

『どうやらそのネクストってのがアイテムの輩らしい。ここまではいいんだが…これに合わせるようにアイテムがいままで見せなかったネクスト二機を投入したらしい。』

「…嫌な予感しかないな。エド、極秘回線でステイル…いや神裂に繋げ。超長距離用移送機を使う。あれを最高速で飛ばせば10分もかからん。急げ。」

『了解。移送機はガレージ前に送る。ステルスをつけるから乗り心地は最悪だぜ。』

「そんときは袋を頼む。…ガレージで待つぞ。」

携帯を閉じ、早足でガレージに向かう。何もなければそれまでだが、アイテムとの衝突があれば損害は逃がれないだろう。

「…久しぶりの愛機だにゃ―。」

ガレージに佇む土御門用のAC/ネクスト。背中刺す刃として活動するためのチューンを組んだ特注品だ。

52 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:29:44.12 ID:sQCDvCpAO

魔術側として動くならばACモード、アナトリアのリンクスとして動くならばネクストモード。ここだけ見るならばホワイト・グリントにも引けを取らない特注機体だが、何もパーツが変わるわけではない。識別コードとコジマ使用を変更し、機体カラーを変えるだけなのだから。

「よし、ネクストで向かうとしよう。あちらさんに俺が魔術サイドだと気付かれるわけにはいかないからな。」

機体に乗り込み、座席横のモードチェンジャーを押す。

「…さぁて、久しぶりに暴れるぜぃ。」











『土御門。予想通り、上条当麻は敵に囲まれています。』

『無様だね…まったく。』

「まぁそう言うな。ステイル、ビルの奴はPAが異常に堅い。ライフルの銃身を的確に焦がせ。」

『ふん、分かったよ。』
「ねーちんは第四位の弾丸から俺を救ってくれよ―？」

『分かっています。あなたが死んでは我々も痛手を負いますからね。』

「ようし、一気にいくぜよ！」

ゴゥ！とブースターを噴かし、三機がそれぞれ飛び立った。

53 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:31:13.22 ID:sQCDvCpAO

――――現在――――





『クソッ！あんな年代モノにこんな性能があんのかよ！？』

『麦野！フレンダ達や浜面を巻き込みかねません！ここは離脱を…キャア！』

『ッ、絹旗！』

『余所見とは感心しませんね。』

『るっせぇよクソアマァ！！』

絹旗の無事を確認する間もなく長身のブレードが襲いかかる。間一髪でかわして射撃するが、EN武装であろうシールドに防がれる。

『なんなんだよあの機体！時代遅れな機体のクセにィ！！』

麦野の相手をしている機体は神刀。見た目は近距離戦闘を想定した軽量機体で、動きも軽量そのものだ。…ある一点を除けば。

（クソッ、クソッ！なんなんだよあの機体！軽量機のクセしてバカみたいに堅い！）

機銃の弾丸を食らってもボディモノともせず、コジマでさえシールドの前に無力となる。
そんな機体の右手には日本刀の柄を模したブレードがあり、左手には篭手型のENシールド、背面には中型の改造EOを取り付け、肩部には空中で一定高度を保てる補助ブースター。

しかもブレードは高密度ながらも長身なため、気を抜けば一撃で真っ二つだ。更に…

『甘い！』

『ウゼェんだよ！』

54 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:32:16.72 ID:sQCDvCpAO

一般敵なブレードと違い、出力時間が長い。そのため一振りだけでなく切り返しの二段切り、果てには三段切りまでもが可能なのだ。

『それが甘いのですよ！』

『刀身が…ッ！消えない！？』

メルトダウナーが切り返しに反応できず、コジマキャノンを持つ腕が肩から斬り落とされる。重厚な腕が地に落ち、力なく手の平が開く。

『ザッ…ザザ………ぎの！麦野！』

『絹旗！無事！？』

『制波装置がやられました！これ以上は…！』

『〜〜〜〜ッ！絹旗！浜面達は置いてくよ！生きてればチャンスはある！』

『なっ、置いて！？……撤退しますっ！』

ハードアーマーがOBで離脱する。それに続くようにメルトダウナーも振りかぶり、OBを開く。

『覚えてなよ、浜面達を助けると同時にお前等を八つ裂きにしてやる！』

空を裂き、メルトダウナーも離脱する。それを見送るように見ていた神刀がブレードの出力を切り、腰のアタッチメントに掛けて格納する。

55 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:32:46.49 ID:sQCDvCpAO

『ステイル、用は済みました。このまま帰還するわよ。』

『分かった。土御門、そういう事だ。』

『あぁ、お疲れだにゃー。』

神刀とレッドクロスも離脱。この場には土御門と壊れたネクスト一機、ノーマル二機だ。

『…はぁ、面倒くさい事にばっか頭を突っ込むなあいつは。』

通信機でエドと青髪に連絡をとりながら、そう溜息をつく土御門だった。

56 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:33:28.50 ID:sQCDvCpAO

機体種：AC改

魔術サイドが改良を加えた旧AC。汎用、量産よりも搭乗者に合わせた改良をしてあり、機体は搭乗者のスキルをノーリスクで限界まで引き出せる。
操縦する際は身体と機体をリンクさせ、感覚はぬいぐるみに近いものとなる。それもあってか、ネクストよりも機動性が重・軽問わず高い。

一機一機が丹念に鍛え上げてあり、そうそう壊れることはないため、総合的に見るとネクストを凌駕する機体も少なくはない。しかしながら欠点としてコジマを用いないためブースターの稼働時間、射撃攻撃が低い、ブレードのような巨大な物理攻撃には弱い。

そのため必然的にENも少なく、EN管理が非常に難しい。基本的に誰でも搭乗可能だが、まともに戦闘が行えるようになるには長い時間が必要となる。

57 ：下。 [sage]：2011/06/08(水) 11:34:20.86 ID:sQCDvCpAO

以上です。本格的に中二臭くなってきましたが、お許し下さい。動機も動機ですので。

ではまた

58 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/08(水) 16:19:00.86 ID:j/uBMqgIO

魔術サイドチートすぐるwww
って思ったが超高速戦挑まれると脆いのか。

まぁなんか麦のんGA勢ってか有澤だなwww

59 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/11(土) 22:25:18.60 ID:ZdKwp8BIO

>>1が来ないから4で上条当麻ってつけて無双してたぉそしてまだかな|'ｗｗ`|

60 ：下。 [sage]：2011/06/12(日) 14:06:35.12 ID:ai2ZyRHAO

待っていてくれる人がいたとは…。

いやはや感激です。ここまではある程度ノリで来ることができましたが、ここからは話を捻っていきたいので更新も遅れます。

待っていてくださる方、今暫くお待ちください。

61 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/12(日) 21:55:54.48 ID:nL6bEfEIO

まってる！初期から全シリーズやりながら>>1がくるの待ってるわ！

62 ：下。 ：2011/06/14(火) 20:46:52.06 ID:cPCM5HDAO

大変長らくお待たせいたしました。だいたいのストーリーが浮かびましたので、本日より再会いたします。

63 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:48:26.06 ID:cPCM5HDAO

AC/ネクスト：バックトリック

スパイ行為を主とする土御門のためだけに魔術サイドの一企業が制作した特注機。

操縦にはAC改のようなリンクは使用せず、ネクストに合わせているためAMS適性が必要不可欠。アセンはレイレナード製のパーツを改良したもので、見た目としてはネクストよりも旧ACに近く、どことなく古くさい。

しかし性能は十分過ぎるほどで、単機でのステルス移動、ホワイト・グリントのVOBを模した単機用改良型OBなどのオプションにも対応している。が、反面PAは申し訳程度にしか展開出来ず、EN防御に欠ける。

だがENを使用するとなると話は別で、レーザー系統やプラズマガンのような武器の消費ENは極端に少ない。それに加えて魔術サイド、コジマ不要の試験的なEN技術も入っており、欠点であるEN不足を解消。EN出力は魔術サイドでも群を抜く。

が、所詮は魔術サイドとしては群を抜くだけであり、ネクストのEN量には遠く及ばない。

搭乗者：不明/土御門元春

64 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:49:15.26 ID:cPCM5HDAO

「…なぁ、いい加減離してくれないか。」

「いやだ。」

「嫌。」

浜面の声に静かな声と強気な声が反論する。

「あのな、あんまくっつくと身体改造のコジマが…。」

「結局、それならNo.3が治してくれたじゃない。」

現在浜面、滝壺、フレンダが居るのはアナトリアの一角、自然保護区の森にある隠れ家だった。












「土御門！」

「おーう上やん。あちらさんは無事に保護したぜぃ。…まぁ、男はかなり深刻だがな。」

「やっぱりか…！御坂！」

「分かってるわよ。でも駄目な時は腹括りなさいよ？」

御坂が持ち出したのは小型のコジマ中和剤。コジマ汚染を『これはまずい』と見た企業の作った技術だが、汚染された土や木には効果が薄く、結局人体のコジマを申し訳程度に中和するぐらいしか使い道のない物なのだが、

「それじゃそいつの胸を中心にこれを貼って！急いで！」

「まかせろ！」

御坂は中学生ほどの年齢ながらその頭脳はアナトリアのサポーター達を軽々と超し、自作のレーダーまでも作り出すほどだ。

65 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:50:16.17 ID:cPCM5HDAO

その御坂が当麻の為に改良に改良を加えたコジマ中和剤発信装置。オリジナルのスペックと御坂の改良が備わり最強に見える機材は、浜面の中のコジマを中和するにもその力を発揮した。

「…コジマ濃度0.23から0.04に変動。これで暫くは安心よ。」

「よかった…。まず一人、救えたんだな。」

たった一人。たった一人だが、当麻にとって浜面を救えたのは何千何百の命を守り抜いたぐらいの喜びだった。[ﾋﾟｰｰｰ]ば物言わぬ屍だが、生きていれば話せる。話せれば和解の可能性もゼロではないのだ。

「ひとまずこいつらは隠れ家に入れとくぜぃ。上やんの言うとおり、外から鍵は掛けずにな。」

「あぁ、頼むよ。」

先程まで額に脂汗を浮かべていた浜面も、今は穏やかな表情に戻っている。このような発作は何十回とあったはずだ。その苦痛を受け入れてまで戦いに赴いた理由、それを当麻は知りたかった。

「…ま、今はいいか。」

「ん？何か言った？」

「何も言ってないぜ。ほら御坂、食堂に行くぞ。今日は疲れた…。」

「なになに？奢ってくれるの？」

「おまっ、上条さんの財布はなぁ！―――」


土御門達に連れて行かれている浜面を横目に、ほっと息をつく当麻だった。

66 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:51:24.10 ID:cPCM5HDAO

「結局、これってあちら側に借り作っちゃったわけじゃない？」

「うん、でも……。」

「確かに借りは作った。…でも、今は返せない。企業は敵なんだ。企業を全部倒すまでは、戦いを止められない。」


「そういう事…ね。」

「ッ、誰だ！？」

「あらあらそんな邪険にしないでよ。あと先に言っとくけど、私はアナトリアの人間じゃないから。」

「…で？結局その部外者が何の用？」

「やぁねぇ。忘れちゃった？あたしよあたし。」
「お前！スクールの…！」












『当麻、あいつらの事も気になるだろうけど、表向きにはあなたがノースキルを破壊したと発表してあるわ。それに比例して傭兵の必要性が認可され始めてる。……いつも言ってるけど、死なないでね。』

「分かってるって。お前だけ残していけるかよ。」

『まったく…こういう時だけは格好いいのに。任務を確認するわよ。内容は発電施設メガリスの破壊。メガリスの構造は筒型で、内部は大型ファンで区切られた四層構成。メガリスの周りには固定狙撃砲があるみたいだから、今回は地上からの奇襲よ。』

67 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:52:40.32 ID:cPCM5HDAO

「発電施設か…。うまく行けば被害はゼロだな。」

『そう…なんだけど、あっちも無抵抗じゃないからね？ノーマル部隊には注意して。』

「了解！」

『それじゃ、急ぎましょうか。』









循環型発電施設メガリス。筒型のこの施設は内部を大型ファンで区切ってあり、風圧による力でファンを回転させる、謂わば縦型の風力発電施設だ。

ファンには中心から八方に鉄筋が張られているため、よほどの衝撃でなければ動作を停止しない。逆に言えば……。

「ファンを支える鉄筋さえ壊せば良いわけだ！」

イマジンブレイカーの背面、この任務の為に新調した多重ロック可能なミサイル。立ちふさがるノーマルの脚部を的確に殴り飛ばし、施設内部、ファンの真下に着く。

「いっけぇえ！！」

イマジンブレイカーのメインカメラ横の複眼が大小し、コックピットにはピピピピという電子音が響く。最後にピッ！と小気味よい音が鳴り、最大ロックオン数に達したことを当麻に知らせる。

「GO！」

68 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:53:39.27 ID:cPCM5HDAO

背面のポッドがグァバ！と開き、ミサイルを狙った場所へと放つ。次々とミサイルは鉄筋を撃ち抜き、最後にはファンが支えを失って降下する。

『当麻！上昇しつつ回避して！』

「あぁ！」

ポッドを閉じ、ブースターを真下に噴かす。機体は緩やかに上昇し、ファンを回避して第二フロアに着地する。

『上空に爆弾投下型マシン確認！撃たれる前に撃ちなさいよ！』

「人は！？」

『待って…無人機よ！』

「うっしゃあ！」

ハンドガンを三発、マシンの四つある内の三つにぶち込む。推進力を失ったマシンは木の葉のようにクルクルと下層に落ちる。

『あと三層、気を抜かないでね！』











『……認…。戦闘…グラム、起…。』

「あ―あ―、言語が最悪じゃん。マジで大丈夫なのコレ？聞いた話じゃかなりの骨董品らしいけど。」

「侮るな。戦闘プログラムの調整はほぼ完成である。それにコレは試作機だ。この段階でどれだけの成果が出るか、それを知りたいのである、」

「ケッ、それぐらい分かってるわよ、それとも何？バカにしてんの？はいはいバカですんまッせェん。」

69 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:54:15.28 ID:cPCM5HDAO

「まるで子供であるな。……まぁいい、コレをメガリスに投下しろ。アナトリアの新参が任務遂行中だ。あわよくばメガリスとそのネクストを破壊したい。」

「こんな骨董品に出来るわけないっしょ？ま、いいけどさ。」

「先に言っておくが、お前は…」

「出・ま・せ・ん・よ！ったく、行ってくる。」

当麻の知らぬ所で、歴史は動こうとしていた。

70 ：下。 [sage]：2011/06/14(火) 20:55:22.26 ID:cPCM5HDAO

以上となります。稚拙な文と作品ですが、暇つぶしにでもなれるならば光栄です。ではまた。

71 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/14(火) 21:10:19.01 ID:9crDs2lIO

来てた！
浜面色々すご過ぎるw

72 ：下。 ：2011/06/16(木) 20:42:50.43 ID:7my3WeyAO

カカッと投下いたします。

73 ：下。 [sage]：2011/06/16(木) 20:43:18.30 ID:7my3WeyAO

企業：科学サイド

現代における最先端技術を有する企業連。
と言うと聞こえはいいが実際はコジマ汚染、企業間の冷戦やネクストによる反乱軍殲滅など、やっている事はあまり誉められたものではない。

有名所としてはレイレナード、ラインアーク、アクアビット、GAなどが挙げられる。しかしながら一部にはネクストの武装のみの開発を主とした小規模企業もあり、その数は計り知れない。

魔術サイドの存在は知らないため、魔術サイドの機体をアンノウンと称している。もちろんの事アンノウンが絡むと科学サイドにとっては碌な事にならないため、科学サイドはアンノウンを見つけ次第捕獲、破壊するように賞金を出している。

74 ：下。 [sage]：2011/06/16(木) 20:43:45.77 ID:7my3WeyAO

BFF本社



「ホワイト・グリントにイマジンブレイカー。現在傭兵として名を残しているのはこの二機ですのね。」

「はい。ホワイト・グリントは機体そのものが看板と言えます。イマジンブレイカーは非殺傷という戦い方が注目されていますね。…最近では、マグリブ解放戦線のノースキルを殺めたらしいですが。」

「ま、どんな機体であろうと構いませんわ。目障りなら消せばいいだけですの。」

「でも…イマジンブレイカーのサポーターは御坂さんみたいで…ヒィ！？」

「それ以上喋らない事ですのよ。命が惜しければね。」

「は、はい。」

「…どちらにせよ、近い内に戦う事となりそうですしね。」












『第三層突入！投下マシン二機！』

「おおらぁ！」

イマジンブレイカーは右手武装とハンドガン、背面のミサイルを効率よく使い回しながらファンを破壊していた。既にファンは残り一つとなっており、このまま行けば何事もなく任務は終了。

『所属不明機！？イマジンブレイカーの応援か！』

『いや、識別コードはある！………これは！？なぜこんな機体が、ぐぁあ！！』

…の、はずだった。

75 ：下。 [sage]：2011/06/16(木) 20:44:42.51 ID:7my3WeyAO

「なんだ！？」

『当麻！メガリス下層に所属不明機を確認したわ！識別コードは旧AC、アンノウンだと思う！』

「無差別に襲ってるのか！？クソ、止めろぉ！」
機体を下層に投げ出し、バラバラになったMTやノーマルの残骸の山に降り立つ。

『酷い…不必要なまでに叩き壊してる。』

「おいお前！なんでこんな…」

ハンドガンを目の前の真紅のACに向ける。すると、ACはゆっくりとヘッドを上げ…。

『…ターゲッ…認。戦闘…グラム起動。プログ…名、イマジンブ…カー』

「ッ！？」

なんの前触れもなく、パルスガンを撃ち始める。
「止めろ！お前と戦うつもりは無い！」

『上やん！聞こえるか！』

「土御門！？どうした！」

突如オペレーター回線の上にウィンドウが重なって開き、土御門が話しかけてくる。

『そいつはナインボール、無人ACだ！詳しくは省くが、過去の資料から推測するに並のネクストじゃあ相手にもならない強さだ！』

「無人…AIか！？」

『察しが良くて助かるぜ上やん。近距離戦は避けろ、ブレードを食らえばおしまいだ。』

「…分かったッ」

『回線変更！当麻、メガリス内部じゃ不利よ！外に出て！』

76 ：下。 [sage]：2011/06/16(木) 20:45:13.35 ID:7my3WeyAO

機体を滑らせて外部に出ようとはするのだが、ナインボールの牽制攻撃のせいでうまく出口に向かえない。ただでさえ狭いメガリスの内部で、これはあまり望ましくない状況だ。

『仕方ないわね…！ハンドガンで威嚇しながら上層に向かいなさい！ファンは流れで壊して、その後外に出るわよ！』

最下層から第二層に機体を持ち上げ、そこからさらに第三層まで上がる。なんとかブースターが間に合い、ギリギリ三層に着地する。そこから流れるような動作でハンドガンをリロードし、ひたすらにファンを撃ち抜く。

『壊れたっ！回避しつつ上昇した後、固定砲台に狙撃されないように急降下して！』

右肩の試作ECMが持って行かれるが、なんとか回避してメガリス上空に出る。

『狙撃よ！回避して！』

「くぅッ！」

砲台は全てがリンクしているらしく、弾は一定間隔で放たれている。つまりは機体わ左右に振るだけで回避が可能なのだ、が。もちろんのこと被弾すればタダではすまない。

「…着地！」

『もう大丈夫。ナインボールは……。』

77 ：下。 [sage]：2011/06/16(木) 20:46:40.26 ID:7my3WeyAO

カァオ！


不快な音と共にメガリスからレーザーが立ち上る。そしてその後からメガリス上空に現れる、真紅の機体。

『バカね！そんな所でじっとしてたら…！』

メガリス外周の固定砲台がナインボールを捉え、斉射する。そのまま機体はレーザーによってバラバラになるかと思いきや…。

「なっ！」

『変形…した！？』

ナインボールはその体を360°回転させながら飛行機のような形に変形する。そのままブースターを噴かし、メガリス外周の砲台に突っ込み――――――砲台を、貫通した。
『で、でたらめよ…こんな…。』

そういっている間にもナインボールは外周を駆ける。一台、また一台と貫通し、最後の一台を貫いて停止する。その直後、貫通した順に砲台が爆発し、まるでミュージカルのようにメガリスを照らす。

「…なんて、奴だ。」

『に、任務放棄を推奨しま』

「いや、止めない。」

『当麻！？』

「こいつは人の命を奪った。そんな奴を目の前にして、すごすごと帰れるかよ！」

王者の如く佇むナインボールに向かって、イマジンブレイカーが走り出した。

78 ：下。 [sage]：2011/06/16(木) 20:47:07.14 ID:7my3WeyAO

投下終わります。

では、また。

79 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/16(木) 21:22:10.83 ID:tAZEiFdIO

NB来た！
だがいきなりセラフか・・・まぁパルたんもいるし最悪レビたんも使えそうだな。
だがレビたんじゃ噛ませにもならないか

80 ：下。 ：2011/06/20(月) 19:44:21.60 ID:BA9cPa/AO

コジマ酒の夢をみた私です。

間が開きましたが、投下させて頂きます。

81 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:44:50.60 ID:BA9cPa/AO

「うぉぉおお！！！」

ハンドガンをこれでもかと言うぐらいに放ち、撃ち終えたならば背面のポッドからミサイルを一斉に発射する。ネクストであっても痛手になるであろうミサイルの雨を、ナインボールは飛行形態で振り切る。

振り切った後は無駄な動きをせず通常形態に戻り、その機体をイマジンブレイカーに向けて滑らす。

『〜〜〜〜ッ！ちょこまかと鬱陶しいわね！』

「なんて機動力だ…！ロックオンが追いつかない！」

止まったら殺られる。今この状況に相応しい言葉だろう。旧ACであるにも関わらず、背面の飛行ブースターは止め処なく火を噴いている。

「こうなったら…！」

『え、ちょ！？ハンドガンパージ！？』

左手のハンドガンを捨て去り、格納してあるブレードを装備する。

「飛び道具が当たらないんなら…！」

更に背面のポッドを捨て、残っている片方のEMCもパージする。

ヴン！と感覚を確かめるようにブレードを一度振り、機体を止める。ガガガと地面が抉れ、機体が静止する。

「真正面からぶつかってやる！！！！」

こちらに向かう最凶の胴体に一閃、蒼い光が輝いた。

82 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:45:52.91 ID:BA9cPa/AO

「スクール…！」

「結局、スクールが何の用？」

「まぁそう邪険にしないでよ。話は簡単。…アナトリアに奇襲を仕掛けない？」

「なっ！？」

浜面が目を見開く。

「いくらネクストと言えどPAが無ければただの丈夫な機械。なんとか住居区圏内まで進入すれば、後はこっちのモノよ。」

「そんなこと…！」

「…いや、乗る。」

「はまづら！？」

「元々攻撃する予定だったんだ。…あの傭兵だけは、つぶさなきゃならない。」

「へぇ？恩を仇で返すの？」

「…………。」

「…まぁいいや。これ、あんたの機体の場所。作戦の日時はこの端末で知らせるわ。じゃあね。」

地図と通信機だけ残してスクールの一人、通称『心理定規』は立ち去った。

「浜面。結局、恩を仇で返」

「だぁれが本当にヤるって言ったよ？」

「「は？」」

二人が素っ頓狂な声を上げる。

「この情報を、麦野と上条に知らせる。アナトリアに恩を返し、その後に。………アイテムは再開する。」

ぎゅっと地図を握りしめ、浜面が呟いた。

83 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:47:12.13 ID:BA9cPa/AO

『戦闘プログラム…続行不可…機体損傷度70%…任務続行不可…頭部、パージ』

胴体にザックリと傷を作ったナインボールは膝をつき、何かを口走ったあと、頭部だけがどこかへ飛んでいく。

『…ステルス、か。追跡は出来ないけど、なんとかなったわね。………当麻？』

「…悪い、御坂。」

『ん？何？』

「ちょっと、寝る…な…」

『？……！？、機体損傷92%って…！当麻？当麻！！』

イマジンブレイカーの振り切った腕が鉄の擦れる独特の音を立ててだらりと垂れる。イマジンブレイカーのコアは半壊しており、そこにはブレードを展開したナインボールの腕が伸ばされていた。頭部の無くなった機体から伸びる腕はコックピットを掠り、当麻に深刻なダメージを与えていた。

『早く医療班と回収班を！ああもう！早くして！』

騒ぎ立てる御坂の声を子守歌とするように、当麻は意識を手放した。

84 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:48:38.59 ID:BA9cPa/AO

『…なるほど。あいつらはあんた達を痛めつけるような事はせず、むしろ助けて貰ったと。』

「あぁ。あいつらは確かに敵だ。でも、今は恩人なんだ！」

浜面はアイテム用回線で麦野とコンタクトを取っていた。そこで敗北からの経緯を話し、奇襲妨害の案を持ちかけた。

『嫌だ。』

「えっ！？」

『って言いたいけど、確かにね。アイテムのルールは恩も怨も倍返し。いいわ、手伝いましょう。』

「さすが麦野！話が分かる！」

『ふん、あんたに褒められてもキモいだけよ。じゃ、奇襲日は今度教えて。じゃあね。』

「よし、あとは上条達に！」















「垣根、アイテムは交渉に応じたわ。」

「ふぅん。ま、足しにはなるか。」

「機体調整はどう？」

「ハッ、俺様の未源物質【ダークマター】に常識は通用しねぇ。」

「確か…ソルディオス？の技術を持ち込んだのよね。」

「あぁ。このアセンは全ネクスト中、どいつとも被らない俺専用だ。…ククッ、アナトリアの傭兵…。調子に乗るなよ。」

85 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:49:10.11 ID:BA9cPa/AO

「輸血急げ！血圧が低下してるぞ！」

「はい！」

「体内コジマ濃度0.86から0.52に低下！」

「そのまま続けろ！輸血班は何してる！」

アナトリアの緊急治療室。運び込まれた当麻はコジマに侵され、ブレードのENによって体中に軽度ではあるが火傷を負っていた。特に右脇腹は壊れた機材によって切り裂かれているため、迅速な治療が必要な状況だった。

「輸血持ってきました！」

「遅い！早く、早くしろ！どんな時代でどんな身分だろうと、死んでいい命なんてないんだ！」

慌てて助手らしき女性が輸血パックを取り付ける。一定の量ずつ血液は当麻の体に注ぎ込まれ、足りない分を補っていく。

「傷口止血、塞ぎ終わりました！」

「体内コジマ濃度0.22に減少しました！」

「…なんとか、なったか。」

当麻の身体状況を表すモニターを数秒眺め、ほっと息をつく。

「集中治療…いや、要監視患者室に入れておこう。監視は私がする。」

その言葉を境に、場の医師達が息をつく。この場に居るのは、当麻の生を望む人ばかりだった。

86 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:49:45.46 ID:BA9cPa/AO

AC改：神刀

魔術サイドの一企業、天草式のオリジナル機体。

AC改自体搭乗者に合わせるという思想故に全てがオリジナル設計なのだが、神刀はその中でも近接戦闘に優れている。

軽量でありながら実弾、熱に強く、専用ブレードはネクストをPAごと切り裂くほどの出力を持つ。シールドは対コジマ、EN、実弾用で、実質無敵の盾である。が、篭手型のため範囲は小さい。

機体は確認されているが搭乗者は明らかになっていない。






AC改：レッドクロス

古参企業の一つ、ネセサリウスのオリジナル機体。

一撃よりも継続的なダメージに特化し、主に放射型の武器を使用する。

アセンは四脚のバランス重視で、設置型のEO発射装置を背面と肩部に合わせて四つ持ち、腕部には火炎放射二丁を装備、一瞬で相手を炎で包み込む。EOは火炎放射の熱に反応してリンクし、コジマ 粒子の制波を大きく乱す。

搭乗者：不明

87 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:54:46.85 ID:BA9cPa/AO

暗部


誰がいつ編成したのか解らない裏のネクスト部隊の総称。

現在グループ、スクール、アイテム、ブロック、メンバーが存在する。その中でもグループ、スクール、アイテムにはNo一桁が居るという噂があり、あらゆる反抗勢力、裏手の企業から警戒されている。

主に表沙汰に出来ない任務（幹部クラスの人間の乗るステルス機破壊など）を受け持つが、せの任務は誰から来るのか、そもそも暗部をまとめているのが誰なのかすら、暗部自信解らない。

一つだけ言えるのは、関われば碌な死に方はしない、よくて一生ボロ雑巾のように使われていくという事だろうか。


グループ
不明
不明
不明
不明

アイテム
麦野沈利
絹旗最愛
フレンダ
滝壺理后
浜面仕上


スクール
不明
不明
不明
不明


メンバー
不明
不明
不明
不明


ブロック
不明
不明
不明
不明


疑問に残るのはどの勢力も機体が未登録な所だろうか。アイテムなども登録はしてあるが、どうにもアセンなどから腑に落ちない所がある。

88 ：下。 [sage]：2011/06/20(月) 19:56:48.78 ID:BA9cPa/AO

以上です。

平行して別の作品も書いておりますので、ID変更の都合で一日は開けていく予定です。

もし解ったら、ﾆﾔﾘとしといてください。ではまた

89 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/20(月) 20:04:45.80 ID:VaE/4X3IO

なんだと・・・？

だがセラフはやっぱチートだなw