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垣根「女の子と暮らすということはだな…」一方通行「…」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 19:57:21.42 ID:5HRLd2/N0
前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304314014/17-
このスレは前スレ一方通行「おいあわきン」結標「!?」の続きです。

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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:04:38.36 ID:5HRLd2/N0
では早速ですが投下します。

さわりの部分なんで短いですが…
3 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:05:04.68 ID:5HRLd2/N0
食蜂「ここよ。私達の愛の巣は!」

一方通行「…」

食蜂「どうしたの?元気ないね」

一方通行「ちょっと垣根のトコに行ってきますゥ」

食蜂「そう?なるべく早く帰って来てね!」

一方通行「あァ…」

一方通行(なンだありゃァ…俺の知ってる食蜂じゃねェ…まさか自分に能力を使ったのかァ?)

一方通行(あれを元に戻せってことなのかァ?)

一方通行「少し厄介そうだなァ」

一方通行(しかしどうしたもンかねェ?)

一方通行(住む場所が学舎の園の中ってのがなァ…)

一方通行(少し垣根に相談しねェとな)
4 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:05:38.91 ID:5HRLd2/N0
垣根「なんだよ、施設って言ってもちょっと立派なプレハブ小屋じゃねぇか」

御坂「でも生活用品はちゃんと備わってるみたいね」

垣根「そういや何日暮らしゃいいんだろうな」

御坂「知らないわよ」

垣根「ったく。テメェのせいだぞ」

御坂「何言ってるのよ。元はと言えばあんたと食蜂のせいなのよ?」

垣根「…どういうことだ」

御坂「まずあんたの精神的な嫌がらせ、それに加えて食蜂に精神操作喰らったのよ?そりゃ自分だけの現実も不安定になるわ」

垣根「つまりお前のリハビリに付き合えってことか…まったく」

御坂「どの口が言うのよ」

『オイ!垣根ェ!』

垣根「ん?一方通行か?ちょっと出てくる」

御坂「一生帰って来なくていいわよ」
5 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:06:10.32 ID:5HRLd2/N0
垣根「よう、実は俺もお前のトコに行こうとしてたんだよ」

一方通行「へェ、そうかィ」

垣根「で?お前は何の用だ?」

一方通行(よくよく考えたら相談もクソも無いんじゃねェのか?)

垣根「おい?」

一方通行「いや、やっぱりなンでもねェわ」

垣根「そうか。んじゃちょっと付いて来てくれないか?」

一方通行「どっか行くのかァ?」

垣根「ああ、今後に関わる重要な所に行く」

一方通行「そォか。ま、いいぜ。付き合ってやる」

垣根「よし決まりだ。んじゃ行くぜ」

一方通行「どこに行くンだ?」

垣根「病院だ」

一方通行「ハ?」

6 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:06:39.56 ID:5HRLd2/N0
水穂機構病院



垣根「ここだ」

一方通行「水穂機構だとォ?」

垣根「ああ。とりあえず中に入るぞ」

一方通行「病院ねェ…」
..........................................

垣根「この部屋に居る」

一方通行「居るって…人に会いに来たのか…そりゃそうだよなァ」

垣根「高速ノッキング」コココココココン

『どうぞ』

垣根「邪魔する」ガチャ

一方通行「失礼しまァす」

木山「ん、君達か。垣根くんには最近会ったが、一方通行くんは久しぶりだな」

一方通行「木山ァ…?」

木山「今日はどうしたんだ?また夢かい?」

垣根「作ってほしい薬があって来た」

木山「薬?一体どういう薬だい?」

垣根「性欲を抑える薬だ」

木山「性欲?」
7 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:07:09.77 ID:5HRLd2/N0
木山「なるほど。女子中学生と二人暮らし…それで薬か。まあ必要になるだろうな」

一方通行「そンな薬無くったって襲いやしねェよ」

垣根「バカ、女の方に飲ませんだよ。お前が大丈夫でもあっちが大丈夫じゃねぇ」

一方通行「ン…そうかァ」

垣根「作れるか?」

木山「至急必要なんだろ?いいよ。作製しよう」

垣根「そいつは助かる。時間はどれくらいかかる?」

木山「調合自体は簡単だから…そうだな…三時間でなんとか作製しよう」

垣根「完成は夕方か。よし、んじゃ頼んだ」

木山「待ちたまえ」ガシッ

垣根「なんだ」

木山「今ちょうどお昼なんだ。食べていきたまえ」

垣根「…」

一方通行「そういや昼飯はまだだったなァ。ありがたくちょうだいするぜ」

木山「ああ、それがいい」
8 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:07:36.18 ID:5HRLd2/N0
一方通行「味薄いなァ」

木山「そうか?これくらいがちょうどいいと思うんだが」

一方通行「もう少し濃かったら毎日いけるンだがなァ…」

木山「なるほど。では調理班に伝えておくよ」

一方通行「ン…あァ…?」

垣根「相変わらずだな、あんたは」

木山「そう言わないでくれ。一人で昼食というものはなかなか寂しくてな」

一方通行「いつも一人なのか?」

木山「ああ。特に君達みたいなお客が来ない限りは大体一人だな」

一方通行「…おい垣根」

垣根「あ?」

一方通行「あいつら暮らしてる間はここに食いにこよォぜェ?」

垣根「なんでまた」

一方通行「相手は中学生だ。昼は学校もあるし料理出来るかも不明だァ。なら安全かつ確実にここで飯を食ったほうがイイ」

垣根「…そうだな。そんじゃそうすっか」

一方通行「つゥわけだ。これからはなるべく毎日ここに食いにくる」

木山「そうか。それはいいな、久しぶりに楽しい食事が出来そうだ」
9 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:08:08.95 ID:5HRLd2/N0
垣根「よし、じゃ今度こそ行くか」

一方通行「あァ」

木山「引き止めて悪かったな。今から作製にかかるよ」

垣根「ん?今から?」

木山「?そうだが?」

垣根「今から三時間後か?」

木山「そうだ、今から三時間後だ」

垣根「…分かった。よろしく頼む」

木山「任せてくれ。そういえばどのくらい作ればいいんだ?」

垣根「…分からねぇな。とりあえず適当に一ヶ月分くらい頼む」

木山「分かった。じゃあそうしよう」

垣根「ああ、じゃまた来る」

一方通行「どォやって時間潰そうかね…」

木山「ああ、また来てくれたまえ」

10 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:08:38.84 ID:5HRLd2/N0
垣根「さてさて、どうやって時間を潰そうか…」

一方通行「あン?三下ントコのシスターじゃねェか」

垣根「は?シスター?」

インデックス「あくせられーた!」

垣根「んだよ…コイツかよ…」

インデックス「コイツとはヒドイんだよ!私にはインデックスという名前が…」

垣根「あー…分かった分かった」

一方通行「オマエは一人で何してンだァ?」

インデックス「とうまのお見舞いに行くとこなんだよ」

一方通行「見舞いだとォ?まだ入院してンのか…」

インデックス「とうまは一度入院すると長いんだよ!」

垣根「へぇ」

インデックス「二人は何してるのかな?」

垣根「特に何も、ただ時間を潰してるだけだ」

インデックス「ふーん…」
11 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:09:19.01 ID:5HRLd2/N0
一方通行「…」

垣根「なぁ、なんでお前はさっきからファミレスの方を見てるんだ?」

インデックス「お腹が空いたかも」

垣根「そりゃ大変だな。早く上条のとこに行って飯食って来い」

インデックス「病院まで持ちそうにないかも」

垣根「確か近くのデパートに試食コーナーがあったな。そこはどうだ?」

インデックス「む…他に言う事は無いのかな?」

垣根「テメェはシスターであって物乞いじゃねぇだろうが」

インデックス「確かにそうだけど困ってる人が居るんだから助けてくれてもいいんじゃないかな?」

垣根「あいにく今は俺たちが困ってるくらいなんだ。悪いが他をあたれ」

インデックス「相談に乗ってあげてもいいんだよ!」

垣根「何を…」

インデックス「私が相談に乗ってあげるって言ってるんだよあくせられーた!」

一方通行「…まァイイか。一回世話ンなったからなオマエには」

垣根「え?ファミレス入るのかよ?」

一方通行「ちょォどイイだろ」

インデックス「さすがなんだよ!」
12 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:09:44.59 ID:5HRLd2/N0
インデックス「ちゅ、中学生と二人暮らし!?」

垣根「バカ!声がでけぇよ!」

インデックス「あ、ごめんなんだよ」

一方通行「そういうわけだ。色々あってなァ…中学生との同棲を強制されちまったわけだ」

インデックス「うーん…」

垣根「ほらシスターさんよ、解決策はあんのか?」

インデックス「正直どうしようもないかも」

垣根「…」

インデックス「だってそんな状況、普通の男の子だったら泣いて喜ぶんだよ!」

垣根「あのなぁ、俺たちは泣いて喜べないから困ってるんだよ」

インデックス「それはどういうことなのかな」

垣根「いいか?一方通行は妻帯者だ。それを無視して好意を剥き出しにしてる奴が今一方通行と同棲している」

垣根「俺の同棲相手はかの第三位、御坂美琴だ。どうするんだ?おい」

インデックス「た、短髪と!?」

垣根「は?」

インデックス「それは一大事なんだよ!」

垣根「ん…そういやそうだったか。おいシスター、このことは上条には話さなくていいぞ」

インデックス「へ?どうしてかな?」

垣根「このことを上条が聴いたらショックでまた入院しちまうからだ。俺の方から適当に言っておくからお前は黙ってろ」

13 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:10:20.86 ID:5HRLd2/N0
インデックス「うーん…色々と腑に落ちないけど入院が長引くのは困るかも…」

垣根「だろ?黙っておけって。な?」

一方通行「…」

垣根「せっかくだし俺も何か頼むか」

インデックス「今度はデザートが欲しいかも!」

垣根「自分の分は自分で注文すんだな」

インデックス「そ、そんな!ついでなんだしお願いするんだよ!」

垣根「バ、バカ!だから声がデケェんだよ!」

「ねぇ、さっきからうるさいんだけど?もう少し静かに出来ないのあんたたち。いい年してガキみたいに騒がないでよ」

垣根「チッ…ほら来た…。テメェがうるせぇよ、そんなに気になるんなら耳栓でもしとけよ」

「なんだとテメェ…?」

垣根「随分と言葉遣いが荒い女だ。威勢のよさだけは一人前だな」

「チッ、オイこっち向いてその面見せてみなよ」

垣根「ふん」クルッ

麦野「あ?」

垣根「あ」
14 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:10:47.99 ID:5HRLd2/N0
麦野「なんでお前が…」

垣根「…」

インデックス「誰かな?」

一方通行「怖い姉ちゃンだ」

麦野「第一位まで居やがるのか…ん?」チラッ

インデックス「?」

麦野「あんたら…まさかそういう趣味だったの…?」

垣根「は?おい、そりゃどういうことだ」

麦野「明らか小学生のような…いやなんでもないわ」

インデックス「インデックスって言うんだよ!決して小学生なんかじゃないんだよ!」

麦野「インデックスぅ?」

一方通行「ン?オマエ今日は一人なのかァ?」

麦野「待ち合わせの時間より早く着いただけよ」

一方通行「そォか」

麦野「それよりもあんたらはこんなの捕まえて何する気なのよ」

垣根「コイツが飯寄こせって言ったからここに入っただけだ」

インデックス「そんな事は言ってないんだよ!」

垣根「目が言ってたね」

麦野「で?あんたらは本当に何してんのよ」

垣根「いいぜ。教えてやるよ」
15 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:11:16.23 ID:5HRLd2/N0
麦野「…え?」

一方通行「言ったとォりだ」

垣根「嘘偽りはねぇぞ」

麦野「女子中学生と同棲してる??」

垣根「してるじゃなくてさせられてる、な」

麦野「…あんた妻帯者じゃ…?」

一方通行「上層が絡ンでンだよ。淡希の許可は取ってる」

麦野「あんたは……いいわ」

垣根「俺の心配は無いのか」

麦野「あんたのことあまり知らないのよ」

垣根「…」

麦野「ていうかあんた彼女居るの?旅行の時は結局どうなったのか分からないんだよね」

垣根「…居る」

麦野「え?」

垣根「居る」

麦野「…それで?結局同棲してることしか分からなかったんだけど」

垣根「おい」

一方通行「問題はその相手がレベル5だってことだな」

麦野「レベル5?で中学生となると…第三位と、第五位?だっけか?」

一方通行「あァ」
16 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:11:44.98 ID:5HRLd2/N0
麦野「第三位は見たことあるんだけど第五位の方は顔すら知らないわね」

垣根「写真あるぜ」

麦野「あら、気が利くのね。じゃあ見せてちょうだい」

垣根「ほら」ヒョイ

麦野「携帯に撮ってるの?まあいいわ、どれ…」

垣根「どうだ?」

麦野「これは…」

垣根「言いたいことはわかるぜ。これは中学生なのか?ってな」

麦野「ていうかそれしかないわよ」

垣根「そうか」

麦野「随分と大人びたスタイルしてんのねー」

垣根「お前から見てもそう思うか?だよな」

インデックス「私にも見せてほしいんだよ!」

垣根「ほらよ」ヒョイ

インデックス「うーん…これは完璧に短髪の負けかも」

垣根「そりゃそうだわな」

麦野「あれ?一方通行は?」

垣根「え?」
17 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:12:23.31 ID:5HRLd2/N0
インデックス「あくせられーたならトイレに行ったんだよ」

垣根「いつのまに…。まあコイツが第五位で、食蜂操祈って言うんだよ」

麦野「食蜂?嫌な感じの名前ね…」

垣根「んで一方通行の同棲相手だよ」

麦野「へぇ、こんなのと一緒に暮らして大丈夫なのかしら」

垣根「さぁな」

麦野「結標が知ったら泣くわよ」

垣根「いや、アイテム公認の仕事になってる。だから大丈夫らしい」

麦野「なるほどねぇ」

垣根「それよりも俺の方だよ」

麦野「話の流れからすっとあんたの相手は第三位かしら」

垣根「そうだ。残念なことにな」

麦野「まったく…何が残念なのよ」

垣根「色々とな」

インデックス「ねえ、これも注文していいかな?」

垣根「ん?勝手にしろ」
18 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:13:28.15 ID:5HRLd2/N0
『はい?なんですって?』

一方通行「だからよォ、いち早く食蜂を元に戻すにはどォしたらイインだよ」

『…と、言われましても…土御門さん?何か分かりますか?』

『第五位は今や恋する乙女だ。初めての感覚に自分自身の戸惑いを制御しきれてない』

『つまりは落ち着かせろ、というわけですよ』

一方通行「だからその方法をだなァ…」

『え…っと…』

『貸せ海原』

『えっ?』

『おい、一方通行』

一方通行「ン、木原かァ?」

『ああ、お前任務で中学生と同棲してんだってなぁ?ご苦労なこった』

一方通行「チッ…用件はなンだァ?」

『俺がお前にアドバイスしてやる』

一方痛苦「へェ…?」
19 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:14:25.99 ID:5HRLd2/N0
『この際、奥さんの事は忘れて行動してみろ。それが繋がっかもしんねぇぞ?』

一方通行「…ハァ?一体どォいう…」

『木原さん、電話よろしいですか?』

『ん?ああ、悪いな』

『一方通行さん』

一方通行「あン?」

『グループに来た依頼、いわば結標さん公認というわけです。ですので木原さんに従うのも正解かと』

一方通行「考えておく」

『そうですか。ではそろそろよろしいでしょうか?』

一方通行「あァ、悪かったな」

『いえ、ではさようなら』

一方通行「おォ」

一方通行(淡希を忘れて、かァ?)
20 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/06(月) 20:15:09.82 ID:5HRLd2/N0
とりあえず本日分は以上となります。
続きはまた近いうちにでも…

ではまた会いましょう。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/06(月) 20:30:44.54 ID:iqfqyT8f0

でもさわりって物語の要約って感じの意味なんだぜ
これ豆な
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/06/07(火) 08:45:54.06 ID:K0CyAUGZ0

前スレでも思ってたけど、相変わらず結標の影薄いな〜
23 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/06/07(火) 19:39:47.64 ID:5UWJmNVAO
>>22
ごめんなさい。結構意図的に出番削ってたんです…

とりあえずご意見いただいたんで出番を増やすことにします。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/08(水) 00:04:01.86 ID:AoXiBLjSO
>>23
別に意識して増やす必要は無いとおもうけどなぁ


前スレ変な切り方して別の話と思ったら続き物で安心した
25 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:41:00.34 ID:ehjirbE50
こんにちは。とりあえず少しですが出来たので投下します。
26 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:41:26.71 ID:ehjirbE50
結標「…」ゴーッ

芳川「あら掃除機ぐらいなら私がかけるのに」

結標「大丈夫よこれくらい。どうってことないわ」

芳川「じゃあお願いするわ」

結標「ええ」

芳川「そうだ。ついでだから部屋も掃除しちゃったら?」

結標「せっかくだしそうするわ」

芳川「それがいいわ。またの機会に、ってしておくと面倒になっちゃうからね」

結標「そういえば打ち止めは?」

芳川「近くの公園に行ったわ。最近新しいお友達が出来たみたいでね」

結標「友達?」

芳川「ええ、なんていったかしら…セイ…セイ…とりあえず外国の子らしいわ」

結標「随分と国際的な友達なのね」

芳川「子供なんてそんなものよ?いつのまにか仲良くなってるの」

結標「…そうかもね」

芳川「ええ」

結標「じゃあ部屋の方に行ってるわね」

芳川「頑張ってちょうだい」
27 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:41:53.89 ID:ehjirbE50
結標「よいしょ…」ガチャ

結標「こうして見るとこの部屋も広く見えるわね」

結標「まずはベッド下から掃除しようかしら…」カチッ

結標「最初は私のから行きましょう」ゴーッ

結標「…」ゴーッ

結標「こんなもんかしら」カチッ

結標「さて、次は一方通行のベッドを…」カチッ

カチャ…

結標「よいしょ…っと…」ゴーッ

結標「しばらく居ないとなるとやっぱり寂しいわね…」ゴーッ

ガスッ

結標「ガスッ?」

結標「ベッド下かしら?一体何が…」

「ベッド下は…」

結標「?番外個体?いつのまに居たの?」

番外個体「しばらく居ないと…のあたりからかな?」

結標「それで?ベッド下は?が、何かしら?」
28 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:42:21.93 ID:ehjirbE50
番外個体「男の子のベッド下は理想郷なんだよ」

結標「?」

番外個体「見られたくないものの一つや二つ、大体そこに隠してあるの」

結標「…」チラッ

番外個体「気になるんでしょ?ベッドの下。覗いてみればぁ?」

結標「一体何があるのかしら…」ヒョイ

番外個体「いひっ」

結標「しょ…っと」グイッ

番外個体「おやおやぁー?」

結標「これは…」

番外個体「いかがわしい雑・誌。それに金髪巨乳の子が表紙…まるで第五位みたいだね」

結標「はっ…確かに…かの食蜂操祈にそっくりかも…いや…でも…うーん…」

番外個体「きひひっ、なんであの人のベッドの下からこんな雑誌が出てきたのかな?」

結標「むむ…」

番外個体「もしかしてぇー、ムスジメに飽きちゃったとか?それで第五位に移ろうと考えてるのかも?」

結標「…ちょっと出掛けてくるわ」

番外個体「ひひっ」
29 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:42:49.95 ID:ehjirbE50
食蜂「ふふっ…うまくやってくれるといいんだけど…」

食蜂「ワーストさんだったかしら…私も運がいいわ」

食蜂「ああいうタイミングで彼女と出会えたものねぇ」

................................................

数日前、学舎の園内にて

「食蜂さま、呼び出しとのことですが…」

食蜂「分かってる。分かってるわ」

「まだ少し時間がありますのでもう少し出歩かれても大丈夫ですが」

食蜂「もう少しゆっくりしてから行くわ」

「そうですか…それと関係の無いお話なのですが…」

食蜂「んん?」

「先日、垣根さまより能力向上の指導を受けた生徒から話を聴いたのですが…」

「なかなかに評判がよく、出来るのならまた開催してほしいとのことでした」

食蜂「ふぅん…ま、考えておくわね」

「よろしくおねがいします」

食蜂「ん?御坂さん?」

御坂「げっ…食蜂操祈…」

食蜂「そんな露骨に嫌そうな顔しなくてもいいんじゃない?」
30 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:43:18.20 ID:ehjirbE50
御坂「…」

食蜂「せっかくだから少しいいかしら?呼び出しをくらったんだけど時間まで暇してるのよ」

御坂「は?呼び出し?」

「食蜂さま」

食蜂「え?」

「私達はどうしたらよろしいですか?」

食蜂「そうね…とりあえず解散でいいわ。また声掛けるわね」

「分かりました。お気をつけてどうぞ」

御坂「ねえ、あんたも呼び出されてるの?」

食蜂「ええ、教師にね。なんでも大事な話があるとかないとか…」

御坂「うげぇ、私とおんなじ理由…やっぱり最近能力の精度が落ちてきたのが理由なのかしら…」

食蜂「精神の問題?治療してあげようか?」

御坂「イヤよ」

食蜂「あら、そう」

「ひひっ、オネーサマじゃん」

御坂「ん?」

食蜂「?」

31 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:43:46.72 ID:ehjirbE50
番外個体「やっほー」

御坂「あんた…なんでここに??」

番外個体「いやーなんか一方通行とムスジメが常盤台のお偉いさんに呼び出されてねー。ついでだから着いて来たの」

食蜂「誰?あなた」

番外個体「ん?誰この人」

御坂「えーっと…第五位よ…うん。名前は覚えないほうがいいわ、損するから」

食蜂「なによ損って…ていうかあなた今一方通行って…」

番外個体「え?まあ家族?みたいなもんなのかな?一応一緒に住んでるし」

食蜂「…」

御坂「ちょっと、何考えてるのか知らないけどこの子に手を出したらタダじゃ済まされないわよ?」

番外個体「そうそう、第五位がどんな能力者かは知らないけどおっかないボディーガードが付いてるからやめたほうがいいよー?」

食蜂「あなたちょっといらっしゃい…」

番外個体「は?ミサカに言ってるの?まあ別にいいけど…ん?」

食蜂「やっぱいいわ」

番外個体「?」

御坂「??」

食蜂「じゃあ私先に行くわね」

................................................

食蜂「時間差で洗脳かけちゃったけど…問題無いわよね?うん」

食蜂(夫婦の仲を悪くするには…やっぱりいかがわしいものの発見が第一よね)

食蜂(彼女が用意した雑誌を奥さんが発見して、それで…むふっ)

食蜂「楽しみだなぁー」
32 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:44:15.88 ID:ehjirbE50
垣根「遅いぞ」

一方通行「悪ィ電話してた」

垣根「まぁいい、そろそろ行くぞ」

一方通行「もォイイのか?」

インデックス「お腹いっぱいなんだよ!」

垣根「だそうだ」

一方通行「そォか、ンじゃ行くか」

垣根「ああ」

一方通行「オマエはどうすンだァ?」

麦野「私はもう少し居るわよ、他のメンバー待たなきゃなんないし」

一方通行「絹旗とかかァ?」

麦野「そうよ」

垣根「寂しい女だ」

麦野「ああ?」

垣根「たまには男と待ち合わせでもしてみろ」

麦野「チッ…」

一方通行「…」
33 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:44:43.52 ID:ehjirbE50
インデックス「ごちそうさまだったんだよ!」

垣根「…ああ」

インデックス「はい!これ!」ピッ

一方通行「あ?」

垣根「なんだこれ?」

インデックス「私の携帯のあどれすってやつなんだよ!」

垣根「harapeko_sister…んだコリャ」

インデックス「とうまと短髪が考えてくれたんだよ!」

一方通行「てかオマエ携帯持ってンのかァ…」

インデックス「まだ使い方はよく分からないけど一応持ってるんだよ」

一方通行「へェ」

垣根「だから紙に書いて渡してきたわけか」

インデックス「じゃあもう行くね。とうまも待ちくたびれてるかもしれないし」

一方通行「あァ、精々気ィつけてなァ」

インデックス「分かってるんだよ!」

垣根「俺達も行くか」

一方通行「どこにだ」

垣根「適当に、な」
34 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:45:11.69 ID:ehjirbE50
麦野「遅い」

フレンダ「ごめんごめん。持ってくるサバ缶選んでたら遅くなっちゃった」

黒夜「ダメだな。時間にルーズなのはいけねぇ」

絹旗「ホントですよフレンダ」

麦野「あんた達も大概遅かったわよ」

絹旗「てへっ」

麦野「ったく…でもこれで全員ね」

フレンダ「は?浜面と滝壺がまだなんだけど…」

絹旗「二人とも今日は来ませんよ?」

フレンダ「へ?」

麦野「浜面が確か…スキルアウトの集まりに呼ばれてね。ドラゴンライダー?だっけ?それの実験体になるとかなんとか」

絹旗「滝壺さんはそれの超付き添いというわけです」

フレンダ「ふーん」

麦野「まあいつも通りやりましょうよ。座ったら?」

フレンダ「ああ、はいはい」ガタッ

麦野「さて、今日は何をしようかしらね?」

絹旗「特に仕事も無く…」

黒夜「やることも無いときたもんだ」

麦野「なにか面白いことないかしら?」

「アイテム」

麦野「!」
35 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/09(木) 18:46:37.59 ID:ehjirbE50
さて本当に少ないんですが今日は以上です。
その内それなりの量で投下しようと思ってますので容赦してください。

では一旦終了です。また近いうちに会いましょう。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/06/10(金) 00:40:31.05 ID:v4zTDugs0

セイ…で外人で理想郷ってまさかのクロス?
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/10(金) 02:48:02.25 ID:Gxs0scHAO
まさかのセイラマン
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/10(金) 09:05:02.99 ID:iZOqAc/Wo
>>36
大体、どこに理想郷って出てきたのよ。にゃあ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/06/10(金) 12:48:14.92 ID:LpT2Qsk7o
セイ……ラーV?
40 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:46:25.27 ID:RfsqN03p0
こんにちは。
少し出来たので投下します。
41 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:46:56.55 ID:RfsqN03p0
結標「よかった。ここのファミレスに居たのね」

麦野「は…結標…?」

結標「依頼があるの」

絹旗「結標さんが依頼…ですか?」

結標「そうよ、あなたたちアイテムにね」

フレンダ「物騒な依頼?」

結標「ある意味ね」

麦野「…まあいいよ。話すだけ話してみなよ」

結標「そのつもりよ」

黒夜「ていうかアイテムってどんな依頼でも受けんのか?」

麦野「別にそういうわけじゃないわ。ただの気分よ」

結標「もう喋ってもいいかしら?」

麦野「ええ、いいわよ」

結標「ターゲットは第五位と第一位、依頼の内容は第五位を黙らせること。そして一方通行を正気に戻すこと」

絹旗「は?」

麦野「第五位?」

フレンダ「だ、第一位?」

結標「また変な洗脳食らってるに違いないわ」

黒夜「洗脳ぉ?」
42 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:47:36.56 ID:RfsqN03p0
垣根「そろそろ時間か?」

一方通行「ン…そォだな」

垣根「早いもんだ。こうしてゲーセンでスコア更新に勤しんでたらいつのまにか時が過ぎてる…」

一方通行「…で、まだ終わらねェのか?」

垣根「このゾンビで最後だ」

一方通行「…」

垣根「…」ガシャガシャ

一方通行「お」

垣根「これでお終い…っと」

一方通行「…」

垣根「ハイスコア更新完了。これでこのゲーセンのランキングは全て俺が一位を取った」

一方通行「暇な野郎だなァ…」

垣根「本当に暇なんだ。仕方ない」

一方通行「それもそうか」

垣根「おし!行こうぜ」

一方通行「その前にコンビニ寄ってくぞ」

垣根「は?」

一方通行「コーヒーを買っていく」
43 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:48:08.09 ID:RfsqN03p0
麦野「一方通行の浮気の可能性ねぇ?」

フレンダ「まだ信じられないっていうか…話聴く限りだと一応依頼で動いてる訳よね?一方通行は」

結標「そうよ。それで一応は信じてしぶしぶ同棲を許可したわけ、そしたらどうよ」

麦野「ベッドの下から第五位のそっくりさんが表紙のエロ本が出てきたわけだ」

結標「ええ」

黒夜「そして極めつけの番外個体の追撃か…」

絹旗「つまりは詳しく調べて欲しいってことですよね」

結標「そういうことよ」

麦野「…ていうかさぁ」

結標「?」

麦野「アイツってそういう本買うの?」

結標「…え?そういえば一緒に住んでからは一切そういうの見てないわね」

絹旗「そういえばそういう話は聴きませんね」

黒夜「前に番外個体と話した時はそういう本やDVDが全然無くてつまらないって言ってたな…」

フレンダ「前は無かったの?それで急に本が出てきたって訳?」

結標(よくよく考えたらあの本は一方通行だったのかしら…前にベッド下を掃除したときは何も無かったし…)

麦野「んん?ちょっと怪しいな」

結標「……それを調べるのがあなた達の仕事よ!」

絹旗「どうします麦野?」

麦野「面白そうね。受けてみようじゃないの。その依頼」
44 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:48:34.61 ID:RfsqN03p0
水穂機構病院


垣根「邪魔すんぞ」

木山「ん?もう来たのか。あと少しだから座って待っていてくれ」

一方通行「ほら見ろ。言ったとォりじゃねェか」

垣根「さすがにちょっと早かったか。まあいい、座ってようぜ」

一方通行「あァ」

木山「そういえば君達」

垣根「ん?」

木山「最近、少女達の誘拐事件が流行ってるらしい」

垣根「へぇ」

木山「夕方頃、遊んでる所をさらうという話だ」

垣根「ほぉ」

木山「?」

垣根「?」

一方通行「?」

木山「子供達に危害が加わるとなるといてもたってもいられないんだが…何分私にはそういう力が無くてな」

一方通行「…」

木山「誰かが事件の真相をつきとめてくれると助かるんだが…誰かが…な」

垣根「…」
45 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:49:01.56 ID:RfsqN03p0
木山「さて、これで完成だ」

一方通行「ン…手間かけさせたなァ」

垣根「助かるぜ。んじゃ早いトコ渡してくれ」

木山「…」スッ

垣根「ありがと…よ?」スカッ

木山「…」ヒョイ

垣根「おい」スカッ

木山「誰かが解決してくれると助かるんだがな」

垣根「…」

一方通行「諦めろ。垣根」

垣根「…チッ。分かったよ、解決してやるから詳しいこと話せ」

木山「そうか、やる気を出してくれたか。助かるよ」

垣根「…」

木山「さっきも話したとおり、夕方遊んでる所をさらう。犯人像も目的も不明」

木山「つまりは、誘拐された少女達は誘拐されたままということだ」

木山「無事なことには無事らしいのだが一刻も早く親元に返すのが先決だろうな」

木山「かなりのやり手らしく警備員や風紀委員でさえも手こずっているようだ」

木山「犯人は身代金を要求するわけでもなくただ、ただ少女の誘拐に勤しんでいる。というわけだ」

46 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:49:35.34 ID:RfsqN03p0
垣根「話を聴く限りだと犯人はただの変態だな」

木山「犯人が男性だったらな」

垣根「性別すらも分かってないのかよ?」

木山「そうだ。肝心の声を聴いた子は誘拐されてるからな」

一方通行「その事件はいつくらいからだァ?」

木山「最初の誘拐から一週間経って無いはずだ。本当にごく最近に起きた誘拐事件だ」

一方通行「ふゥン…」

垣根「捜しようがねェな」

木山「安心したまえ。事件は全て第七学区で起きている。だから第七学区に犯人は居るはずだ」

垣根「安直な考えだが…それしか情報が無いんならそれに従うしかねぇな」

木山「とりあえず今日は帰りたまえ。私が詳しい事を調べてみる、だからまた明日来てくれ」

垣根「アンタがそういうんならそうするよ」

一方通行「第七学区の誘拐事件ねェ…?」

木山「何か知っているのか?」

一方通行「いや…さっぱり分からねェな」

木山「そうか。まあ引き受けてくれたことには素直に感謝しよう。ほら、約束の薬だ」ヒョイ

垣根「おう」パシッ

木山「では、また明日来てくれ」

一方通行「あァ」

垣根「あばよ」

47 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:50:02.49 ID:RfsqN03p0
打ち止め「にゃあ」

フレメア「にゃあ」

ニャー

打ち止め「えへへー」

フレメア「むふっ」

打ち止め「この猫だけはミサカに結構なついてくれるの、ってミサカはミサカは説明してみる」

フレメア「みたいだね。にゃあ」

「ねえお嬢ちゃんたち」

打ち止め「?」

「なにしてるんだい?」

打ち止め「誰?おじさん、ってミサカはミサカは尋ねてみる」

フレメア「おじさんってよりは、大体、お兄さんかも。にゃあ」

「どっちでもいいよ、そんなこと。お父さんとかお母さんは?一緒じゃないの?」

打ち止め「うーん…そういうのとはちょっと違うかも、ってミサカはミサカはありのままの真実を伝えてみる」

「そうなの?じゃあさ、僕と遊びに行かない?」

打ち止め「?あなたと?、ってミサカはミサカは…」

フレメア「大体、おじさんちょっと怪しいかも。にゃあ」
48 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:50:29.57 ID:RfsqN03p0
「ははっ、怪しいかぁ…」

打ち止め「うーん、でも知らない人に着いて行っちゃダメってミサカは言われてる、ってミサカはミサカは詳細を話してみる」

「ま、いいじゃないそんなこと。ほら行こうよ」グイッ

打ち止め「!」

フレメア「にゃあ」ググイッ

「っとと…危ないな」

打ち止め「フレメア?」

フレメア「おじさん、やっぱり怪しい」

「…」

フレメア「お姉ちゃんから聴いたことがあるの。最近誘拐が多いって」

フレメア「おじさん。もしかして悪い人?」

「…はは…なんか君達…やりにくいなぁ」

フレメア「打ち止め、行こう。にゃあ」タッ

打ち止め「う、うん」

「おい、待ちな。素直にうんって言ってくれりゃよかったのに…悪いけど無理矢理連れて行っちゃうよ?」

フレメア「走って!」

打ち止め「だ、誰かに連絡しなきゃ!ってミサカはミサカは焦ってみたり!」


49 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:51:05.60 ID:RfsqN03p0
麦野「まずは第五位の周りから調べていくことにしたわ」

結標「そうなの?」

麦野「実際第五位のコトよく分かんないのよね」

絹旗「麦野、これ」

麦野「ん?何?」

絹旗「書庫に超存在しているおおまかな第五位の詳細な情報です」

麦野「どれどれ?」

絹旗「どうぞ」

麦野「えっと…なになに?能力名は心理掌握…学園都市に存在する最高の精神系能力…ま、当然か」

麦野「…確かに能力を見る限りは脳みそいじることなら大概は出来そうね」

麦野「人物としては…常盤台における最大派閥を率いる奴みたいね…通称女王サマ?なんだコリャ?」

絹旗「そのまんまです。常盤台で女王サマと呼ばれてるということです」

麦野「はぁ…お高くとまってるのねぇ」

絹旗「で、こっちが写真です」

麦野「はいはい…ってあいつが見せた写真って本物だったのかよ…」

絹旗「え?」

麦野「いや、なんでもないわ」
50 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:51:35.18 ID:RfsqN03p0
フレンダ「はいこれ」

麦野「こっちは何?」

フレンダ「詳細プロフィール」

麦野「身長体重スリーサイズ…靴のサイズに趣味好物…んーちょっと違うわね」

フレンダ「ありゃ?」

黒夜「…」ズズッ

絹旗「ちょっと、黒夜も手伝ってくださいよ」

黒夜「はぁ?面倒だな、おい」

絹旗「いいから、ほら。パソコン貸しますから」

黒夜「てかファミレスでやることじゃねぇだろ…」

piririri

麦野「ん?」

結標「ごめんなさい、私の電話だわ」

麦野「気にせず出ていいわよ」

結標「そう?じゃ遠慮なく…もしもし?」

『もしもし!?』

結標「打ち止め?どうしたの?」

『助けてムスジメ!ってミサカはミサカは大声で助けを求めてみたり!』

麦野「!」

結標「ちょっと!?打ち止め!?」
51 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:52:01.41 ID:RfsqN03p0
『変な人に追いかけられてるの!、ってミサカはミサカはありのままの状況を話してみる!』

結標「変な人ですって?今ドコに居るの?」

『家の近くの公園…だけど…』

麦野「フレンダ」

フレンダ「はいはい」ピッ

結標「だけど?どうしたの?」

『大分離れちゃったかも…ってミサカはミサカは落胆してみる…』

結標(大分…だけど子供の足…そう遠くには行ってないと信じたいわね…)

結標「今近くに何が見える?」

『えっと…分かんない…けど…研究所みたいな建物が見えるよ、ってミサカはミサカは教えてみる』

結標(第七学区に研究所?)

フレンダ「麦野、ここ」

麦野「ん?ここって路地裏の方じゃない?」

フレンダ「もう少し奥に封鎖されてる研究所があるみたい」

絹旗「ここらへんだとスキルアウトの目にも超付きそうですね」

麦野「さすがに子供に手を出すほどクソでもないでしょ」

結標「打ち止め。安心して、場所が分かったから今から行くわ。なるべくじっとしていてちょうだいね」

『うん、待ってる…』

黒夜「…」
52 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:52:47.63 ID:RfsqN03p0
フレメア「どうだった?にゃあ」

打ち止め「多分これで大丈夫だよ。ムスジメもとっても強いから、ってミサカはミサカは一安心」

フレメア「大体、さっきのおじさんは絶対に悪い人」

打ち止め「うん、でもさっきのおじさんもだけど…この場所もなかなか怖いかも…ってミサカはミサカは不安を感じてみる」

フレメア「ここ、知ってる。随分前に使われなくなったって…にゃあ」

打ち止め「ん…?あそこ、ドア開いてる?、ってミサカはミサカは注目してみる」

フレメア「入らないほうがいいかも。大体、ああいうとこに入ると危険な目にあうの。にゃあ」

打ち止め「うーん、でもやっぱり気になるかも…ってミサカはミサカは気になる」

フレメア「でも、ダメ。にゃあ」

「やっと見つけたぞお前ら」グッ

打ち止め「にゃああああああああ!」ダッ

フレメア「打ち止め!」ダッ

「へへっ、中に入っちまったか…そっちの方が都合いいや」

「んじゃ、ゆっくりと捕まえますか」

「もしもし?中に入っていったぞ…いつも通り警備員に…よろしくな」
53 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:53:15.43 ID:RfsqN03p0
ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン


結標「…見当たらないわね」

麦野「そっちの茂みとかは?」

絹旗「うーん…超居ないですね」ガサガサ

黒夜「こっちも居ねぇぞ」

フレンダ「ねえ、あそこ開いてる訳なんだけど…」

絹旗「うーん…打ち止め一人なんですよ?いくらなんでもあんな怪しい場所には…」

麦野「切羽詰まってたら考えられない話じゃないわ」

結標「念のために入りましょう。何かあったら大事だもの」

麦野「そうね。フレンダが言ってた最近流行の誘拐の可能性もあるわけだし」

フレンダ「そうそう。それに打ち止めって言ったら、ほら」

絹旗「単に普通の子供で済む話ではありませんからね」

黒夜「それを知って近づいてきた可能性もあるわけか」

結標「じゃあさっさと行きましょ」

麦野「ええ」
54 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:53:43.68 ID:RfsqN03p0
打ち止め「中に入っちゃった…ってミサカはミサカはやっちまったぜ…」

フレメア「暗い…にゃあ」

打ち止め「でも割と綺麗かも、ってミサカはミサカは仰天してみる」

フレメア「誰かがここに住んでるのかもね。にゃあ」

打ち止め「誰かって誰が…?」

「俺のお仲間とかな」

打ち止め「ま、またしても!ってミサカはミサカは油断大敵ー!」ダッ

フレメア「打ち止め、大体、階段使って下に行けるかも」

打ち止め「めがけてダーッシュ!ってミサカはミサカは全力疾走!」

「お、地下に行ったのか?」

ガチャン!

「ん?誰だ?」

麦野「こっちのセリフって言うかなんていうか」

結標「ちょっと聴きたいんだけどさ、ここにアホ毛がピョコンと生えた元気のいい女の子来なかったかしら?」

「…知らないな」

結標「じゃあ、この建物の外では?」

「…外でならそういう子見たかな。凄い勢いで走ってたかな」

結標「…」

絹旗「ふむ」

フレンダ「結局ここで間違いない訳よね」

「は?」

麦野「ネタは挙がってるってことだよ変態」ジジッ

黒夜「素直に言ったほうがまだマシだったかもな」
55 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:54:22.47 ID:RfsqN03p0
「お前ら暗部か何かか?」

麦野「は?暗部とか知ってるわけ?でも残念、もう暗部なんて解体されてんのよ」ズバッ

「っと」

麦野「大分戦闘慣れしてるみたいね。暗部のことを知ってることと言い、普通の人間じゃないみたいね」

「それはお互いさまじゃないのか?俺はあんたが誰かは知らないがそういう雰囲気はあるぜ?」

結標「ねえ、さっき聴いたアホ毛の子の話だけど、居所を知ってるなら早いトコ喋ったほうがいいわよ」

「随分と急かすんだな」

絹旗「一応、あなたの身を超案じてのことなんですがね」

「はぁ?何言ってんだ?」

黒夜「第一位が飛んでくるかもしれないってことだよ」

「第一位だと?」

フレンダ「そう」

「…俺が素直に応じると思うなよ?」ガタッ

麦野「あ」

「あばよ」ヒュー

絹旗「隠し通路ですか?」

フレンダ「こっから追いかける?」

麦野「賢くないわね。待ち伏せされてるかもしんないし」

結標「素直に階段で急ぎましょう。ここに居るのは間違いないみたいだし、一刻も早く見つけてあげないと…」

56 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:54:56.93 ID:RfsqN03p0
麦野「随分と薄暗いのね」

絹旗「もしここが誘拐犯の本拠地ならなんらおかしくはありません」

結標「使われてないっていうカモフラージュが必要だものね」

絹旗「はい」

フレンダ「結局、あの誘拐犯は何がしたかった訳よ?」

黒夜「ただ単に幼女趣味なんじゃねぇのか?」

麦野「なんか引っかかるのよね」

結標「何が?」

麦野「なんか暗部の事知ってる口だったし。そんな奴が幼女趣味で誘拐って…ねぇ?」

黒夜「なんか裏があるって考えてんのか?」

麦野「考えたくないけどね」

フレンダ「うーん…」

絹旗「そう言われると超そうかもしれませんね…ん?」
57 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:55:23.36 ID:RfsqN03p0
麦野「どうかした?」

絹旗「いえ、今一瞬ですが能力がブレたような…」

黒夜「はぁ?」

絹旗「念のために窒素装甲を表面に超張ってるんですが、それがほんの一瞬、ブレたんです」

フレンダ「ブレたって?」

絹旗「よく説明出来ませんが…多分演算を超ミスしたんでしょうか?」

麦野「ふぅん、珍しいわね」

結標「ま、たまにあるでしょ。演算ミスなんて」

黒夜「そうかもな」

結標「あら、行き止まりみたいね」

麦野「こっちの扉から出れるみたい。また階段探して下に行くしかないみたいね」

フレンダ「ん?」

麦野「どうかした?」

フレンダ「見てこれ」

黒夜「ん…寝室か?」

結標「生活の痕跡が見て取れるわね」

絹旗「ここで誰かが生活してるってことでしょうね」

フレンダ「例の誘拐犯とか?」

絹旗「ええ」
58 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:56:16.43 ID:RfsqN03p0
打ち止め「はぁ…はぁ…」

フレメア「随分下に来ちゃったのかも…」

打ち止め「でもさっきのおじさんから逃げれたかも…ってミサカはミサカは安堵してみる」

フレメア「今度は見つからないように外に出なきゃ。にゃあ」

打ち止め「戻る?ムスジメが探しに来てるかもしれないし」

フレメア「うん」

ガタッ

打ち止め「?」

ガタガタッ

フレメア「!」

ガチャン

打ち止め「!!」

フレメア「また来た。にゃあ」
59 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:56:49.60 ID:RfsqN03p0
「おや?二人してここに来たのか?」

打ち止め「うう…どこかに隠れなきゃ…ってミサカはミサカは焦ってみるぅ…」

「無駄だよ。この部屋は一種の倉庫なんだ。隠れる場所なんか無いはずだ」

フレメア「確かに、何も無い部屋かも」

「さぁ、こっちに来るんだ。一緒に明るい所に行こう。他に君たちみたいな子もいるからね、ほら」

フレメア「おじさん、やっぱり誘拐犯なの?」

「…そうだよ、だから来るんだ!ほら!」

麦野「はいはーい。そこまでよー」

「もう来たのか?」

麦野「急いで来たもの」

結標「道中に色々な物を見せてもらったわ」

「…」

結標「あなたが連続誘拐犯で間違いないみたいね。生活施設の数々をこの建物で見たわ」

絹旗「逃げれると思わないほうがいいですよ?」

「くっ…!」

麦野「それにしても薄暗いわね…周りが見えないわ」
60 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:57:16.95 ID:RfsqN03p0
「舐めるなよ…女ども…」パチッ

フレンダ「眩しっ!」

黒夜「ここ電気付くのかよ!」

麦野「あら?」

絹旗「これは…」

結標「大量の駆動鎧?」

麦野「囲まれてるわね…」

「そうだ。みんな俺の仲間だ」

結標「なるほど。一人じゃなかったわけね」

麦野「ますます組織的な臭いを感じるわね」

絹旗「でも駆動鎧程度で私達を止められますかね?」

「ふん」グイッ

打ち止め「あわわっ、今まで気にされてなかったのに、ってミサカはミサカは予想外の展開にびっくりしてみる」

フレメア「にゃっ」

「下手な動き、すんなよ。この子達はいわば人質だ」

フレンダ「あれ?フレメア?」
61 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:57:44.31 ID:RfsqN03p0
フレメア「お姉ちゃん。にゃあ」

フレンダ「ど、どうしてここに…」

フレメア「打ち止めと遊んでたら追い掛けられたの。にゃあ」

「おら、喋るなよ?」

麦野「はぁ…」

結標「スクラップがお望みならばそうしてあげるわね」

麦野「片っ端から片付けてあげるわ」ジッ

「残念」カチッ

麦野「…またジャマー…」パシュッ

結標「…!」

「誘拐した子の中にも能力者は居る。対能力者の装置なら腐るほどあるぜ」

絹旗「むむ、これは超マズいですね。さすがに生身じゃ駆動鎧には勝てませんよ」

黒夜「…」

「頼むから大人しくしててくれよ?」

62 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:58:14.68 ID:RfsqN03p0
結標「確かにどうしようも無いわね…」

麦野(ていうかかなりマズい…完全に油断してたわ…)

「ふふっ」スッ

ガチャガチャ ガチャッ

フレンダ「一斉に銃口が…」

絹旗「蜂の巣必須ですね…」

黒夜「…」

絹旗「黒夜?さっきからどうしたんですか?」

打ち止め「ムスジメー!」

フレメア「お姉ちゃん…」

「さあ、行こうか。なに、すぐに忘れられるよ」

フレンダ「フレメア!」

結標「打ち止め…!」

「ははっ、あばよ」

麦野「動くに動けないわね…この程度の奴らに…!」
63 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:58:43.07 ID:RfsqN03p0
黒夜「おい」

「あ?」

黒夜「このまま私達から逃げれる気でいンのか?」

「なんだと?黒髪」

絹旗「ちょっと、何を言ってるんですか」

麦野「?」

黒夜「ていうか、逃がすつもりなンてねェぞ?」

「はぁ?お前ら今、死ぬ寸前なんだぞ?分かってんのか?」

黒夜「分かってないのはオマエだよ」

「能力が使えなきゃただの女だろ。駆動鎧に囲まれてるこの状況でどうやって俺を捕まえるんだよ」

黒夜「だから逃がさないって」

「…ムカつくなお前」

黒夜「お互いさま」

「…」ギリッ

黒夜「ハッ」


64 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:59:09.95 ID:RfsqN03p0
「もういい。[ピーーー]よ」スッ

黒夜「ふン」

絹旗「ちょ、ちょっと黒夜!一体何を!」

黒夜「シルバークロォォォォォス!!」

「は?」

ギャゴゴゴゴ!ベキッ!バキキッ!

麦野「何だコリャ…?」

ゴバッ!ドォン!

黒夜「グッドタイミング」

『急に呼び出されたかと思えば…駆動鎧の相手が仕事か?』

黒夜「おう、パパっと頼むぜ」

「な、なんだこの駆動鎧?は…?」

『ファイブオーバー、俺のコレクションだ。安心しろ、すぐに終わる』

打ち止め「むむっ?今度はカマキリのロボット?ってミサカはミサカは展開の速さに興奮してみる」

フレメア「こんな地下までどうやって?にゃあ」


65 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 14:59:37.70 ID:RfsqN03p0
フレンダ「…」

絹旗「本当にすぐ終わりましたね」

フレンダ「何コレ、スゲー」

黒夜「助かった、シルバークロース」

『礼には及ばん』

黒夜「ていうかファイブオーバーで来たのか?」

『コレクション置き場が何者かに壊されてな。これしか無かったんだ』

黒夜「そうか。もう帰っていいぜ?後はこっちでやっとくからよ。直に警備員も来る」

『そうか、ではそうするとしよう』

黒夜「ああ、じゃあな」

『ああ』

ギギギッ…!ギャギャギャギャギャ…

麦野「…なんつー動きをするのよ」

フレメア「お姉ちゃん!」

打ち止め「ムスジメー!」

結標「打ち止め!」
66 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 15:00:03.96 ID:RfsqN03p0
フレンダ「はっ!フレメア!」タッ

麦野「なにはともあれ一応解決かしら?」

絹旗「そうみたいですね」

黒夜「いやー間に合って良かった」

麦野「そうだ、今の何よ」

黒夜「私の仲間。この施設に入る直前から連絡を取ってたんだよ」

麦野「へぇ、まるでこうなるって知ってたみたいね」

黒夜「以前から私達の間で誘拐の話は出てたんだよ。特別どうこうしようって訳でもなかったけど…」

黒夜「もしかしたらって思って一応呼んだんだよ」

麦野「ふーん、まあ助かったわ。ありがとね」

黒夜「ああ、それと警備員もマジで呼んでるからな。早いトコ出ないと面倒だぞ」

麦野「ちょっと!それを先に言いなさいよ!結標!とりあえず外に出るわよ!」

結標「もう能力は使えるのかしら?」

黒夜「多分いける」

結標「そう、じゃ出るわね」

絹旗「他の子供達はどうしますか?」

麦野「警備員に任せときましょう。私達はとりあえず逃げるわよ」
67 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 15:00:43.80 ID:RfsqN03p0
ヒュン ヒュン ヒュン


黒夜「うー、日差しに目が眩むぜ」

麦野「もう少しで日が暮れる所だったわね」

絹旗「無事で良かったです、二人とも」

打ち止め「ありがとう!ムスジメ!ってミサカはミサカは力いっぱいお礼をしてみる」

結標「無事で良かったぁ…」ギュ

打ち止め「あわわ、苦しいよムスジメ、ってミサカはミサカは主張してみる」

フレンダ「ていうかアンタの友達って打ち止めのことだったのね…」

フレメア「大体合ってる。にゃあ」

絹旗「あ、警備員が到着したみたいですよ」

黒夜「そうみたいだな」

麦野「もしかしてさっきの駆動鎧って…あそこを壊して入ってきたの?」

黒夜「ん?どこだ?」

麦野「あの脇のところ」

絹旗「…ずいぶんと大きな穴が開いてますね」

黒夜「じゃああそこから入ってきたんだろうな」

麦野「ていうかどうやってあの駆動鎧でここまで来たのよ…」

黒夜「…さぁな」

絹旗「…」
68 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 15:01:12.86 ID:RfsqN03p0
結標「絹旗、黒夜」

絹旗「どうしました?」

結標「悪いんだけど私と打ち止めは先に帰ってるわね」

絹旗「ああ、そういうことでしたか。どうぞ、お気遣い無く」

黒夜「打ち止めも疲れてるだろうしな、そのほうがいいぜ」

結標「ごめんね、じゃあそうさせてもらうわ。行くわよ打ち止め」

打ち止め「ばいばーい!また遊ぼうねフレメア!ってミサカはミサカ別れの挨拶」

フレメア「にゃあ」

麦野「今後は気をつけるのよ」

打ち止め「うん、お姉ちゃん達もありがとう!ってミサカはミサカはお礼を言ってみる!」

結標「じゃあ、また会いましょ」ヒュン

麦野「ええ、またね」

フレンダ「そういえばさ」

麦野「ん?」

フレンダ「どうして一方通行じゃなくて結標に助けを求めたわけ?」

69 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 15:01:38.15 ID:RfsqN03p0
麦野「確かに言われればそうだけど…別にどっちでもいいんじゃねぇのか?」

フレメア「お仕事の邪魔しちゃいけないからって、言ってたよ。にゃあ」

黒夜「お、お仕事ぉ?」

麦野「…ああ、上層部が絡んでるってアレか」

フレンダ「?」

麦野「なるほどね、一方通行の仕事の邪魔をしないように結標を呼んだわけね…」

絹旗「私達も帰りましょうか?」

麦野「とりあえずファミレスね」

フレメア「にゃあ」

黒夜「シルバークロースにも改めて礼をしなきゃなんねぇな」

フレンダ「はあ…」

絹旗「どうしたんですか?」

フレンダ「いやね、ジャマーやられたとき私なら色々と活躍出来たんじゃないかなーって思ってさ」

絹旗「そんなことですか」

フレンダ「まあ無理だったかもしんないけどね」

麦野「はいはい、んじゃファミレスに直行ー」
70 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 15:02:07.45 ID:RfsqN03p0
一方通行・垣根「今帰った」

食蜂「はいはーい、お帰りなさーいってアレ?」

垣根「邪魔する」

食蜂「アレアレ?なんで第二位が??」

一方通行「…オマエ、自分とこに帰れ」

垣根「はぁ…あんなとこに戻りたくねぇな…」

一方通行「今日は歩き回って疲れたンだよ…」

垣根「仕方ねぇな、んじゃ戻るか。あばよ」ガチャ

一方通行「あァ」

食蜂「さて、じゃあ私にするか、一緒にお風呂にするか選んでちょうだい」

一方通行「その前にコレを飲め」ジャラ

食蜂「なにこれ?」

一方通行「…夜のお供だ」

食蜂「いっただきまーす!」ゴク

一方通行「これで大丈夫のはず…」
71 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 15:02:34.65 ID:RfsqN03p0
垣根「帰った」

御坂「なんで帰ってくんのよ」

垣根「ここが俺の場所だからだよ」

御坂「ムカつく」

垣根「…」スッ

御坂「分かった、分かったからレコーダーを出さないで」

垣根「飯の準備は出来てんだろうな」

御坂「うっ…言われた通りに出来てるわよ…」

垣根「よしよし、んじゃ食うか。あ、そうだ」

御坂「…なによ」

垣根「飯の前にこれを飲め」ジャラッ

御坂「なにこの薬」

垣根「性欲を抑える薬だ。夜襲われちゃたまんねぇからな。飲め、ほら」グイッ

御坂「…誰が誰を襲うのよ」

垣根「お前が俺をだ」

御坂「あんたが飲め!!」グボッ

垣根「わぷっ!うごご…!」




72 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/12(日) 15:04:07.48 ID:RfsqN03p0
はい、本日は以上です。

また近いうちに続きを投下したいと思ってます。
セイなんとかってのはフレメア=セイヴェルンのことでした。

ではまた会いましょう。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/12(日) 23:07:14.03 ID:UoSJtQpt0
乙ー
そしてシルバークロースGJw
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 22:51:51.17 ID:xlkBXZboo
マダァ?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
75 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/06/17(金) 23:56:03.19 ID:XSDPSecw0
こんばんは。

他の事をやっているとどうしても更新がおろそかになっちゃいますね。
前スレのように速攻投稿するのがどうも難しくなって…

では投下始めます。
76 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/17(金) 23:56:37.68 ID:XSDPSecw0
垣根「なにしやがる!」

御坂「こっちのセリフよ!なに!?性欲を抑える薬って!?しかもそれを私に飲めって!?」

垣根「お前中学生だろ?」

御坂「は?そ、そうだけど…」

垣根「だからだよ」

御坂「…」

垣根「さ、食うか。俺の言った通りに作ったんなら食えるもんが出来上がってるだろ」

御坂「納得出来ないわ!中学生だからなんなのよ!」

垣根「中学生はな…性欲旺盛なんだよ…多分な…そんなのが居たら俺が危ないだろうが…」

御坂「間違ってもあんたなんか襲わないわよ!」

垣根「……!」

御坂「は?何よ?」

垣根「なんでもねぇ。そしてこの話は終わりだ。飯を食おう」

御坂「はぁ?終わりってあんたねぇ…」

垣根「終わりなんだよぉぉぉぉぉぉ!!」

御坂「ひっ…わ、分かったわよ…」ビクッ

垣根「さて、何を作ったのかな、と…カレーかよ…楽する気満々だな…」

御坂「くっ…」
77 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/17(金) 23:57:15.67 ID:XSDPSecw0
一方通行「…」

食蜂「食べないの?」

「食蜂さま、こちらも大丈夫ですよ」

「第一位さま、お口に合いませんでしたか?」

一方通行(なンで取り巻き連中が…)

食蜂「和食の方が良かったのかしら?」

「洋食の方が好みだとリサーチ済みですのでおそらくそれは無いと思われます」

食蜂「じゃあ何で食べないのかしら」

「単に好き嫌いの問題かもしれません」

食蜂「それもそうね。ねぇー一方通行」

一方通行「…なンだ」

食蜂「食べれないものとかってあるのぉ?」

一方通行「イヤ…特には…」

食蜂「どうして食べないの?」

一方通行「考え事をしてただけだ」

食蜂「そう、早く食べないと冷めるわよ?」

一方通行「あァ、食うよ」

一方通行(何をしたらいいもンかねェ…)
78 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/17(金) 23:57:43.04 ID:XSDPSecw0
深夜・水穂機構病院にて


木山「…」カチャカチャ

ピー ガタガタ…

木山「…」ピッピッ

ガシャ…シュー…

木山「…あと少し…」カチャ

ピピピ…ピッ…ガチャン…

木山「ついに出来た…どれ…早速着けてみるか…」カチャ

木山「やったー!ついに出来たよ!!」

木山「…ふむ…完成のようだな」カチャ

木山(着用者の性格を変えるメガネ…着けてみるまでどんな性格になるかは分からないが…)

木山(久しぶりに面白い発明をしたな…)

木山「明日には彼等が来ることだ、その時に少し自慢でもしようか」

木山「どれ、もう少し微調整でもして…」

木山「ん、そういえば誘拐のことについて調べなくてはな…」

79 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/17(金) 23:58:09.36 ID:XSDPSecw0
同時刻・学舎の園・同棲施設付近にて


一方通行「暑ィ…」

一方通行「プレハブ小屋ン中はクーラーが効いてるはずなのに暑ィ…」

一方通行「…」ボーッ

一方通行「暇だ…外に出るか…」ガチャ

一方通行「…あァ、涼しい…そして静かだ…」

一方通行「この時間帯だとさすがに垣根は寝てるか…」

一方通行「散歩にでも行くか」カチッ

一方通行「よっ…とォ…」ドシュッ

...................................

御坂「…あれって一方通行?こんな夜中にどこに行くのかしら…」

御坂「…」

垣根「おい」

御坂「!なっ、なによ!」ビクッ

垣根「お前、カレーに何を入れた…」

御坂「は?なにって…言われたとおりの材料を入れたんだけど…」

垣根「…そうか」

御坂「ど、どうしたのよ」

垣根「腹が痛い…」

御坂「はぁ?食べすぎじゃないの?」

垣根「いや…そんな食ってはいないはずだが…まあいい…トイレに篭るとする…」ガチャ

御坂「…」
80 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/17(金) 23:58:40.33 ID:XSDPSecw0
学園都市上空


一方通行「心地イイ風だ…どっか適当にコンビニでも見つけてコーヒーでも買うかァ…」

一方通行「ン?…あの研究所は確か…駆動鎧を破壊した時の…人が居るな…あンなトコで何してンだ?」

一方通行「…行ってみるか…」

.....................................

シルバークロース「…一体誰が俺のコレクション置き場を襲撃したんだ…」

シルバークロース「久しぶりに黒夜から呼ばれて出撃しようとしたらほとんど壊されているときたものだ」

シルバークロース「他の暗部連中か?」

スタッ

シルバークロース「ん?」

一方通行「オマエ、こンなトコで何してンだァ?」

シルバークロース「お前は…一方通行か?」

一方通行「ア?オマエみてェな奴は知らねェぞォ?」

シルバークロース「一応会ったことはある。顔を見せたことは無いけどな」

一方通行「ふン…まァイイ。それよりオマエ、こんなトコで何してンだ?」

シルバークロース「ここに俺のコレクションを置いていたんだ」

一方通行「コレクション?」

シルバークロース「駆動鎧の数々だ」

一方通行「駆動鎧…だとォ?」

シルバークロース「ああ。特にそれで何かをしようということは無いが…一応は商売道具だ。愛着もあった」

一方通行「…」

81 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/17(金) 23:59:09.88 ID:XSDPSecw0
シルバークロース「今日な」

一方通行「ア?」

シルバークロース「仕事があったんだ。駆動鎧が活躍する仕事が。いざ出撃しようと思い駆動鎧を選ぼうと思ったら…何者かに破壊されていた…」

シルバークロース「愛着もあったんだ…俺の手元に残ったのはたった一つの駆動鎧だけだった…」

一方通行「…」

シルバークロース「俺の名前はシルバークロース=アルファ。以前黒夜と一緒に新入生としてお前と対峙したことがある」

一方通行「…」

シルバークロース「話を聴いてくれてありがとう。もうお前の周りをどうこうする気も無い。また会えたらいつか会おう…」ガチャ

一方通行「ン?ファイブオーバー?」

シルバークロース「ハイウェイチーター…手に入れなきゃな…」

ギャギャギャギャギャ…!ギゴッ!ガガガガガガガガ!

『じゃあな、一方通行』

一方通行「あ、あァ…」

ギャリギャリギャリ!

一方通行「ここってアイツのコレクション置き場だったンか…」

一方通行「アイツの背中…哀愁漂ってたなァ…」

82 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/17(金) 23:59:48.45 ID:XSDPSecw0
翌朝


御坂「ちょっと、起きなさいよ」ユサユサ

垣根「…ん……あ?」

御坂「起きた?なんであんたトイレで寝てるのよ」

垣根「…zzZ」

御坂「おい、起きろ」

垣根「…なんでお前がトイレに居るんだ…?」

御坂「朝起きていざトイレに入ろうしたらあんたが寝てたのよ」

垣根「…ふっ、ほれ見ろ。性欲旺盛じゃないあだっ」

御坂「バカ言ってないで早く出なさい」

垣根「ちっ…」

御坂「なんでご丁寧にズボン履いて寝てんのよ…全く意味が分からないわ…」ブツブツ

垣根「ん…あ、携帯」ガチャ

御坂「きゃあああああああああああ!」

垣根「あったあった。邪魔したな」ガチャ

御坂「な、な、な、なんなのよ!」
83 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:00:15.07 ID:zW1q70gw0
御坂「あんた急にトイレに入ってきて何考えてんのよ!」

垣根「まだパンツ下ろして無かったからセーフだろ。パンツを見られたぐらいでいちいちうるさい女だ」

御坂「あんたねぇ…!」

垣根「ふん、俺相手なんかに戸惑ってていいのか?」

御坂「は?どういう意味よ」

垣根「上条とおんなじような生活になった時どうするつもりだ」

御坂「は……ってそれとこれは関係無いじゃない!」

垣根「うるせぇ!さっさと学校に行きやがれ!」

御坂「わ、分かったわよ…」

垣根「サボるんじゃねぇぞ」

御坂「なによ…怒鳴らなくてもいいじゃないの…」

垣根「教育故の怒りだ」

御坂「意味分からないわ…」

垣根「さて、朝は何を食おうかな…」
84 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:00:42.79 ID:zW1q70gw0
「第一位さま、起きてくださいまし」

一方通行「…ンあ?」

「おはようございます」

一方通行「…どなたでしょォか」

「食蜂さまの派閥の者です」

一方通行「え?」

食蜂「おはよう。よく眠れた?」

一方通行「それなりになァ」

食蜂「そう、良かったわ。起きて早々で悪いんだけど今からこの部屋改装するのぉ」

一方通行「ン?」

食蜂「私が学校に行ってる間に、ね?それで一方通行にはちょっと家を空けていてほしいの」

一方通行「…あァ、それくらいなら…」

食蜂「決まりね。じゃあ私は行ってくるね」

「行ってらっしゃいませ」

一方通行「…お前らは学校に行かなくていいのか?」

「細かいことは…」
85 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:01:11.60 ID:zW1q70gw0
一方通行「家を追い出されちまったなァ…」

一方通行「ていうか昨日のシルバークロースって奴…今度黒夜に聴いてみるかァ…」

一方通行「あとは食蜂をあるべき姿に戻さねェとな…取り巻き共に少し話を聴いてみるか…」

一方通行「オイ」

「はい?」

一方通行「学校でのアイツってどうなんだ?」

「食蜂さまですか?この頃よく考えごとをしておられるようです」

「上の空というかなんというか…」

「最近ですと…そうですね…能力のキレが無くなった…でしょうか?」

一方通行「キレだとォ?」

「はい、以前は絶対の自信を持ってたかのようにキレのある能力だったんですが…」

「急に悟ったかのようにキレが無くなったんです」

一方通行「自信…なるほどねェ…」

「何かお分かりになったんですか?」

一方通行「さァなァ…」
86 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:01:53.52 ID:zW1q70gw0
水穂機構病院


垣根「自信だとぉ?」

一方通行「あァ」

垣根「それでなんか分かんのか?」

一方通行「さァな…でも今の生活を終わらせるには一刻も早く分かる必要があンだよ」

垣根「俺も今日辺りから探りを入れるか…」

一方通行「心理定規のためにもそうしてやれェ」

垣根「そのつもりだ」コンコン

「どうぞー!」

垣根「あ?」

一方通行「どォした?」

垣根「いや…なんか妙に若々しい声で返事が…」コンコン

「入っていいよー?」

一方通行「部屋は合ってるよなァ?」

垣根「とりあえず入ってみるか」ガチャ
87 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:02:23.37 ID:zW1q70gw0
木山「こんにちは!待ちくたびれたよぉ!」

垣根「うおおおおおおおおおお!?」バタン

一方通行「な、なンだ?どォした!?」

垣根「何かが居た」

一方通行「何かだとォ?」

垣根「とりあえず入ってみろ。それで分かる」

一方通行「?」ガチャ

木山「どうした?早く入りたまえ」

一方通行「ン?あァ」

垣根「あっれぇ?っかしぃな…」

一方通行「一体なンだったンだよ」

垣根「さっき木山にそっくりの妙齢の人物が居たんだ…」

一方通行「ハァ?」

木山「ふふっ」
88 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:02:54.38 ID:zW1q70gw0
木山「ちゃんとお昼時に来てくれたな。さ、食べながらでも会話しようか」

垣根「あ、ああ…」

一方通行「?」

木山「さあ、座ってくれたまえ」

一方通行「…」ガタッ

垣根「うーん…」ガタッ

木山「まず誘拐の話からしようか」

垣根「ん…そういえばそんな話もあったな」

木山「結論から言わせてもらうと…昨日解決したらしい」

垣根「は?」

一方通行「昨日だとォ?」

木山「ああ。昨日の夜にな」

垣根「犯人像とか全然分からなかったんじゃねぇのか?」

木山「そのはずだったんだが何者かによって隠れ家が突き止められ解決に至ったわけだ」

一方通行「…詳しく話してくンねェか?」

木山「詳しく…なぁ…」

木山「まあ誰かが誘拐犯達を気絶させたわけだ」
89 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:03:22.46 ID:zW1q70gw0
木山「どういう目的かは知らないが犯人達は駆動鎧にやられたと言っているらしい」

一方通行「駆動鎧だと?」

木山「ああ。次いで匿名の通報が警備員宛にあり、警備員が現場に駆けつけた時は…すでに犯人が伸びていた、というわけだな」

垣根「それで?なんで今まで何も掴めなかったんだよ?その警備員は」

木山「警備員側に誘拐犯の仲間が居てな。色々と情報を操作されていたんだ」

一方通行「なるほどなァ」

木山「子供達も無事救出され親元に戻ることに成功している。君達には無駄なことを言ってしまったようだな…」

垣根「実際行動を起こしてねぇから無駄もクソもねぇけどな」

木山「そうか。それならそれでいいさ」

一方通行「解決したってことでイインだろ?」

木山「ああそうだ。むしろ誘拐犯を襲ったのが誰かということで調査がされている。私達には関係無いがな」

垣根「ふぅん…」

木山「そうだ、見て欲しいものがあるんだ」

一方通行「見て欲しいもンだとォ?」

木山「ああ。我ながら自信作…あれ?どこに置いたかな…」

垣根「…それよりもさっきの方が気になる…」

木山「ああ、あったあった。これだ」コト

垣根「あ?」

一方通行「ン?」
90 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:03:51.05 ID:zW1q70gw0
垣根「メガネェ??」

木山「そうだ。メガネだ」

一方通行「このメガネが自信作なのか?」

木山「そうだ。このメガネが自信作だ」

垣根「どういうふうに自信作なんだ?」

木山「ふふ…実際に披露してあげよう。少し待っていてくれたまえ」スッ

垣根「隣の部屋に行っちまった…」

一方通行「メガネが自信作ねェ?」

垣根「鼻メガネじゃねぇか?」

一方通行「普通のメガネだったろォが」

垣根「…じゃあアレだ…視力が上がる…」

一方通行「それはタダのメガネじゃねェのか?」

垣根「あぁ?んじゃあ…ダメだな…思いつかねぇな」

一方通行「…あ?」ズズッ

垣根「どうした?」

一方通行「このコーヒー、ブラックじゃねェ…」ズッ

木山「お待たせ!」ガチャ

一方通行「ブハッ!」
91 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:04:24.95 ID:zW1q70gw0
垣根「テメェはさっきの…何モンだ…」

木山「春生だよ!」

垣根「は…春生ぃ??」

一方通行「…木山…春…生」

木山「正解っ!」ビシ

垣根「!?!?!?!?」

木山「ふっふー…」カチャ

垣根「あ」

木山「こういうことだ。理解してくれたか?学園都市最高峰の頭脳達」

一方通行「そのメガネかァ…?」

木山「ああ」

垣根「わざわざ髪型と服装まで変えて…」

木山「服装は変えたというより白衣を脱いだだけだ」

垣根「しかし…」

木山「どうした?」

垣根「今のアンタでツインテールはちょっと…」

木山「…」シュル
92 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:04:51.16 ID:zW1q70gw0
垣根「んで、どういう原理なんだ?」

木山「このレンズ」

一方通行「ン?」

木山「よく見てくれ」

垣根「幾何学模様?」

木山「そう見えるだろうな。実はこれ、一種の催眠を促す模様になっている」

垣根「んん?」

木山「おっと、あまり見ないでくれよ?着用しなくても模様を見続けていると催眠にかかってしまうからな」

木山「この催眠の効能は性格改変。いわば性格にちょっとした刺激を加え根本から人のあり方を変えるものだ」

垣根「大脳生理学者であるアンタらしいな」

木山「そう言ってもらえると作った甲斐がある」

垣根「何の為に作った」

木山「何の為に…か。そうだな…特に考というか狙いは無いんだがな」

一方通行「なァ、このメガネで改変される性格ってのは…」

木山「うむ。実はどんな性格になるかはかけてみないと分からないんだ」

一方通行「へェ…」

木山「私自身、付けてみて初めてどんな性格になったかが分かったんだ」

垣根「心なしか少し若く見えたんだが…」

木山「そちら側から見えるレンズにも仕掛けが施してある。改変される性格に合わせて着用者の見た目が変わって見えるように催眠をかけている」

垣根「だからさっきのアンタの性格に合わせて見た目も少し違って見えたわけか…」

一方通行(性格改変っつゥよりは人格改変に近ェな…)

93 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:05:16.18 ID:zW1q70gw0
垣根「このメガネ、借りて行っていいか?」

木山「そう言ってくれると思っていた」

垣根「は?」

木山「君達の事だから何かしらに利用するのでは無いかと予想はしていた」

一方通行「…」

木山「貸してもいいが条件がある」

垣根「条件だと?」

木山「君はそれを着けたり着けさせたりして遊ぶのだろう?」

垣根「ん、まあな」

木山「私も付いて行く。それが条件だ」

垣根「なるほど、自分の発明の成果を確かめたいってワケか」

木山「ああ。なに、君達のやることに口出しはしないつもりだ。それならいいだろ?」

垣根「ああ、構いやしねぇ」

木山「決まりだな。今日一日よろしく頼む」

垣根「…ま、一日で終わるか分からねぇけどな」

木山「ふふ」
94 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:05:42.23 ID:zW1q70gw0
一方通行「ンで?どォすンだ」

垣根「とりあえずメガネを着けるか着けさせるか…それが問題だ」

木山「インパクトを狙うなら着ける。醜態を見たいなら着けさせるべきだな」

垣根「…とりあえずインパクトを狙うか」

木山「とりあえず双方が着けてみるといい。話はそれからじゃないのか?」

一方通行「オイ待て。俺はまだ同意しちゃァ…」

垣根「んじゃ俺から」カチャ

木山「どうだ?」

一方通行「…」

垣根「ふっ」

木山「ん?さらにホスト崩れに見えるな…」

一方通行「なァ」

木山「なんだい?」

一方通行「性格改変が行われたら意識ってのはどうなンだ?」

木山「当然、改変された性格に合わせて意識も変動する」

木山「さっき私の性格が改変された時の意識の現れがさっきの言葉遣いだ」
95 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:06:14.05 ID:zW1q70gw0
垣根「春生さん」

木山「ふむ」

垣根「コイツはほっといてお茶でも?」

木山「女たらしになる、と。気のせいか煌めいて見えるな」

垣根「そのクマでせっかくの美顔が台無しだ」

木山「傍目から見ると色々分かる事があるな。本当に催眠にかかってるようだ…」

木山「しかし、普通の催眠と違って眼鏡を取っても…」カチャ

垣根「ちゃんと寝てんのか?」

木山「自分の意志で行った事だからなんら違和感を感じれない、ということか」

木山「次は君だぞ?一方通行」

一方通行「チッ…」

垣根「俺は女たらしになってた見たいだな」

木山「おそらくな。不思議な気分だろ?なんら違和感を感じないのに自分がどう変わったのかが分かるのは」

垣根「確かにな」
96 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:06:58.18 ID:zW1q70gw0
木山「ほら」スッ

一方通行「…」カチャ

垣根「どうだ?」

一方通行「!」カチッ

垣根「チョーカーの電源を…!」

一方通行「うおォ!」ゴッ

木山「な、なんだ?」

垣根「俺が聴きたいね」

ドガッ!!

垣根「なにかやらかしたみたいだな…」

木山「…行くしかあるまいよ」

垣根「…」

木山「ほら、君も来たまえ」

垣根「面倒事じゃなけりゃいいんだけどな…」

木山「私もそう願ってるよ」
97 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:07:22.56 ID:zW1q70gw0
「あ、ありがとうございます…」

一方通行「いや、怪我は無いか?」

「は、えっと…大丈夫です」

一方通行「それはよかった」

垣根「これは…」

木山「トラックが横転してるな」

垣根「…」チラッ

木山「彼が女生徒から俺を言われてるところを見ると…」

垣根「あの女を守るためにトラックを弾いたみてぇだな」

一方通行「君、名前は?」

泡浮「あ、泡浮万淋と言います」

一方通行「そうか、怪我が無くて何よりだ。気をつけて帰りなよ?」

泡浮「どうもありがとうございます」

一方通行「ああ」
98 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:07:56.58 ID:zW1q70gw0
一方通行「ほら、君も立てるかい?」

湾内「はい…でも少し驚いて腰が…」

一方通行「どれどれ?」グッ

湾内「あ、あれ?」

一方通行「立てるかな?」

湾内「あの…整体師の方か何かですか?」

一方通行「いや、ただのベクトル操作系の能力者だよ」

湾内「そうですか?何はともあれありがとうございます」

一方通行「二人共、気をつけて」

木山「見た目は変わり無いように見えるが…」

垣根「…」

木山「これは一種のフェミニストだな」

垣根「フェミニスト…」

木山「学園都市のツートップが女性関連の内容で性格改変か…興味深いな」
99 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:08:48.39 ID:zW1q70gw0
木山「よっと…」カチャ

一方通行「さて、トラックを起こさねェとなァ」

木山「人にかけさせたほうが面白いと思うぞ?」

垣根「そうだな」

木山「君達に偏見を持ってる人の前だとかけたほうが面白いかもしれないな」

垣根「そこは適当に使い分けるさ」

木山「まずはどこに行く?」

垣根「…まずはファミレスだ」

木山「ファミレスだと?」

垣根「ああ。多分そこにカモが何人か居るはずだ」

一方通行「しかし、学舎の園の外でさっきの常盤台生は何してたンだァ?」

木山「さあな。外出するくらいなら誰しもあるだろう。気にしていてはキリが無いぞ?」

一方通行「そォだな」
100 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:09:17.05 ID:zW1q70gw0
ファミレス


「いらっしゃいませー」

垣根「ん?今日はあの子は居ないのか?」

「はい?」

垣根「頭の横で髪を結ってる…語尾になのって付く…」

「ああ、春上ちゃんのことですね。彼女は今日お休みですよ」

木山「ん?春上だと?」

垣根「知ってんのか?」

木山「ああ。私の数少ない友人だ…なるほど…アルバイトをしてるとは聴いていたが、ここで働いていたのか…」

「何か御用でしょうか?」

垣根「いや、前に顔を合わせたことがあってな。今どうしてるのか気になった、それだけだ」

「そうですか。三名さまでよろしかったでしょうか?」

垣根「ああ」

「では、こちらに…」

一方通行「待ってくれ」

「はい?」

一方通行「今客が少ねェみてェだから言うンだけどよォ、好きな席に座っても大丈夫かァ?」

「ええ、構いませんよ」

一方通行「すまねェな。オイ、こっちだ」

垣根「?」

木山「ふむ」
101 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:09:44.31 ID:zW1q70gw0
垣根「おい、なんかあったのか?」

一方通行「ン」クイッ

垣根「あ?」

浜面「は?」

垣根「っと…浜面じゃねぇえか」

浜面「どうしてお前らがここに…」

垣根「ドリンク二つか…持ってやるよ」

浜面「え?おお、悪いな」

垣根「アイスコーヒー三つ持って来いよ」

浜面「…」

垣根「それでいいよな?」

一方通行「あァ」

垣根「アンタは?」

木山「私はなんでもいいよ」

垣根「だそうだ。早く行け。席はお前の所に座っているからな」

浜面「…」
102 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:10:10.04 ID:zW1q70gw0
垣根「ほら、ドリンクだ」コトッ

滝壺「あれ?かきね?」

垣根「そうだ、俺だ」

一方通行「お前と浜面だけか?」

滝壺「うん。でも後からちゃんと皆来るよ。そっちの人は?」

木山「今日は彼等に付いてきてここまで来た」

滝壺「そうなんだ。よろしくね」

木山「ああ、よろしく頼む」

垣根「適当に座るか」

一方通行「あァ」

木山「失礼するよ」

滝壺「うん」

垣根「店員を呼ぶ」ピンポピンポピンポーン

一方通行「出たな、連打」

木山「?」

「お待たせしましたーご注文、お決まりで?」

垣根「ドリンクバー三つ」

「はい、ドリンクバーが三つ。他にご注文は?」

垣根「とりあえずはそれだけでいい」

「畏まりました。ドリンクバーはあちらです、ご自由にどうぞー」
103 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:10:40.62 ID:zW1q70gw0
浜面「アイスコーヒー、三つ…お待ち…!」ガチャ

垣根「いいタイミングだ」

浜面「まずはアンタからだ…えーと…」

木山「木山春生だ。木山でいい」

浜面「そうか。んじゃ木山さん」コトッ

木山「すまないな」

垣根(ん?こいつらって確か…)

浜面「ほら、お前らの分だ」

一方通行「…」スッ

垣根「よっと…」

浜面「…」ガタッ

一方通行「次は普通のコーヒー持ってくるか…」

垣根「まあ飲んでから決めろよ…ん?」

木山「どうした?飲まないのか?」チュー

垣根「浜面」

浜面「な、なんだ」

垣根「お前はこういうバカはやらねぇと思っていたが…」

木山「?」
104 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:11:13.14 ID:zW1q70gw0
一方通行「一体どうしたンだァ?」

垣根「俺のアイスコーヒーに他の飲み物を入れやがった」

一方通行「ハァ?」

浜面「うっ」

垣根「こんなことをする奴は浜面じゃねぇな…お前は一体誰だ?」

一方通行「ンだそりゃ…」

滝壺「このはまづらはにせものなのかな?」

垣根「そうに違いねぇ」

浜面「お、おい…何言って…」

滝壺「はまづらをかえして」

浜面「俺が浜面だよ!」

垣根「本物ならここで間髪入れずに土下座が来るはずだ」

浜面「ど、土下座ぁ??」

垣根「なんだ偽者か」

浜面「くっ…」

一方通行「…」ズズッ
105 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:11:44.25 ID:zW1q70gw0
浜面「…クソッ」ドゲザ

垣根「なんだ浜面か」

滝壺「はまづらだったの?」

垣根「ああ、浜面だった」

浜面「…」

垣根「これに懲りたらくだらない真似するんじゃねぇぞ。それとこのアイスコーヒーはテメェにやる」

浜面「ハイ…」

木山「…暑いな」

一方通行「ン?」

木山「っと…」シュルッ

浜面「うおっ!」

垣根「本当にドコででも脱ぐ奴だな」

木山「暑いんだから仕方ないだろう」

浜面「おいおいおいおい!こんな所で下着姿になるなよ!」

木山「しかし…」

浜面「しかしじゃなくてなぁ!」
106 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:12:14.47 ID:zW1q70gw0
垣根「ふん」スッ

滝壺「なにこれ?」

垣根「メガネだ。かけてみろ」

滝壺「いいの?」カチャ

木山「私の下着姿など見ても君は特に襲ったりはしないだろう?彼等は特に気にしてないようだが…」

浜面「普通はそうはいかないんだよ!」

滝壺「浜面!」

浜面「え?」

木山「ん?」

浜面「あれ?滝壺…今なんて…」

滝壺「お前の名前を呼んだんだよ!」

浜面「いつもの眠そうな表情じゃない…!」

滝壺「人の顔色伺ってんじゃねぇぞ!」

浜面「は…えー…すいません…?」

滝壺「ブラジャーなんか見て鼻の下伸ばしやがってよぉ…」

浜面「え!?別に鼻の下なんか伸ばしては…」

滝壺「本当の事言えよ。体晶飲むぞ」

浜面「そ、それだけは…」
107 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:12:42.25 ID:zW1q70gw0
垣根「…なるほどな」カチャ

滝壺「もうそういうことしないで」

浜面「あ、ああ。悪かった…?」

木山「彼には付けないのか?」

垣根「こいつに付けても面白くなさそうだからいいわ」

一方通行「麦野みてェになったな」

垣根「もしかしたら心のどこかで麦野のような奴に憧れていたのかもな」

木山「なるほど。そういう本能的な部分も改変に影響されるのかもしれないな」

浜面「??」

垣根「周囲の目があるから一応服は着てくれ」

木山「君がそういうならそうしよう…ん、白衣を忘れてきたな」

一方通行「無い方が動きやすいだろ」

木山「それもそうだな」

滝壺「きやまはおーえるさんなのかな?」

木山「OL?」

一方通行「白衣が無ェと案外そう見えるかもな」

垣根「それっぽい服装だしな」
108 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:13:17.35 ID:zW1q70gw0
絹旗「あれ?どうして一方通行たちが?」

浜面「ん?ああ、来たのか」

垣根「よおチビスケ」

絹旗「むむ、なんですかその呼び方は…ん?木山さん?」

木山「やあ。久しぶりだな」

絹旗「そうですね」

一方通行「黒夜は一緒じゃねェのか?」

絹旗「そろそろ来ますよ」

ギャィィイ!キキィッ!

垣根「ん?」

浜面「あれはあん時の駆動鎧…!」

垣根「ありゃハイウェイチーターじゃねぇのか?」

一方通行「あァ?知ってンのか?」

垣根「ああ。ちょっと有名だぜ?アレ」
109 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:13:47.07 ID:zW1q70gw0
滝壺「だれかおりてきたよ?」

絹旗「恐らく黒夜です。ド派手な登場を超かますと言ってましたから」

ギャギャギャギャッ!

垣根「来たと思ったら人降ろして速攻消えやがった」

一方通行「単純に送りに来たンだろォな」

黒夜「おーっす」

絹旗「来ましたね」

黒夜「なんで兄ちゃん達が居るんだ?」

垣根「まあ気にすんな。それと俺も気になることがあんだよ」

黒夜「あ?」

垣根「お前、なんでアイテムと仲良くしてんだ?」

黒夜「別に?特に理由は無ぇよ。絹旗にくっ付いてたらアイテム連中と仲良くなった。それだけだ」

木山「まだ人が来るのか?」

一方通行「あと二人だな」

絹旗「今日はフレンダが来ませんのであと一人ですよ」

一方通行「だってよ」

木山「ほう」

110 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:14:12.82 ID:zW1q70gw0
垣根「ていうかよ」

絹旗「?」

垣根「さっき自己紹介してたよなぁ」

木山「そうだが?」

垣根「お前ら温泉の時一緒じゃなかったのか?」

木山「ああ。一緒だったな」

垣根「だった何で…」

木山「実はきちんとした自己紹介はさっきのが初めてなんだ」

一方通行「ン?どォいうことだァ?」

木山「旅先だと人は友好的になるものだ。だからロクに素性が分からない同士、仲良くしていたんだ」

一方通行「名前とかどォしてたンだァ?」

木山「他の子達が呼んで居るのを聴いてそれを活用していたよ」

垣根「へぇ」

111 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:14:38.80 ID:zW1q70gw0
黒夜「とりあえず座りたいから席詰めろ」

絹旗「そろそろ麦野も超来る頃ですからね」

木山「麦野?彼女も来るのか」

絹旗「はい」

木山「そうか…君達周りの友人だったのか…」

垣根「メガネ候補が一人減ったな」

一方通行「全員に付けるつもりだったのかァ?」

垣根「ああ。それにちゃんとアイテム以外にも考えてんだぜ?」

一方通行「そォかい」

木山「とするとフレンダと言う子は金髪の子だったかな?」

絹旗「はい。今日は妹の世話で来れないって言ってましたが…」

木山「そうか。残念だな」

絹旗「フレンダに会いたかったんですか?」

木山「いや、特にそういう訳では無いが…なあ垣根くん」

垣根「ああ、残念だ」

黒夜「なんか気味悪ぃな」
112 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:15:18.08 ID:zW1q70gw0
麦野「ごめんごめん。遅くなっちゃったわ」

絹旗「今日は麦野が最後ですよ」

麦野「あれ?フレンダがまだみたいだけど」

絹旗「フレメアちゃんです」

麦野「ああ、なるほどね。で?あんたらはなんなの?」

垣根「よう」

一方通行「…」ズズッ

木山「気にしないでくれ。特に理由があっているわけではない」

麦野「まあ気にはしないけど…」

垣根(さて、順番だが…)

一方通行(オマエが決めろ)

垣根(麦野、絹旗、黒夜、浜面)

一方通行(浜面にやるのか)

垣根(名前を挙げただけだ。実際にはやらねぇ)

一方通行(…)

垣根(決めた)

一方通行(ア?)

垣根(最初は麦野だ)

一方通行(なンでまた)

垣根(メガネの存在をチラつかせて警戒されると事だ。だから先にやる)

一方通行(なるほどォ…)

垣根(無駄な小細工はしねぇダイレクトにいく)
113 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:16:00.01 ID:zW1q70gw0
垣根「麦野!」ガタッ

麦野「近い近い!顔が近い!」

垣根「頼みがある」

麦野「だから近いっつの!鼻が鼻にくっ付いてんだよ!」

垣根「これを付けてくれ」

麦野「テメェの顔しか見えねぇよ!離れろ!」

垣根「はっ」ガタッ

麦野「ったく…んで?これか?タダのメガネにしか見えないんだけど」

垣根「そうだ。それで付けろ」

麦野「なんでよ」

垣根「なんでもだ」

麦野「怪しいわね…」

垣根「いいから付けろ!」ガタッ

麦野「だから近いんだよ!分かったよ!付ければいいんだろ!」

垣根「そうだ。それでいい」

麦野「クソッ…」カチャ

木山「おお…」

絹旗「あれ?」

黒夜「!?」
114 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:16:23.95 ID:zW1q70gw0
麦野「なによ」

垣根「うわっ!眩し!」

木山「キラキラ五倍増しといった感じか?」

一方通行「イヤ…それだけじゃねェ…」

麦野「ねえ、私ハンバーグが食べたいんだけど」

垣根「あぁ?注文すればいいだろ」

麦野「私が食べたいって言ってるの!」ガクガク

垣根「あがが…なんで俺が…」ガクガク

浜面「な、なんだ一体…」

滝壺「そういえばむぎのが注文をしたとこ見たことないかも」

絹旗「え…そういえばそうですね…なんだかんだで私やフレンダが注文してましたね」

麦野「分かってるなら早く注文しなさいよ!」

垣根「分かった!分かったから!」ピンポーン

麦野「そうよ、それでいいのよ…」

浜面「てか麦野ってハンバーグとか食うのか?」

黒夜「私は見たことねぇな」

滝壺「むぎのが私達の前でハンバーグを食べたことはないよ」

絹旗「ていうか普通に肉類はあまり好まないものだと…」
115 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:16:54.68 ID:zW1q70gw0
「お待たせしましたー。ご注文どうぞー」

垣根「ハ、ハンバーグセット一つ…」

「ハンバーグセットがお一つ」

垣根「お前らは…?どうすんだ…?」

絹旗「フライドポテト」

黒夜「ステーキ」

垣根「どのステーキだ」

浜面「ここのステーキは一つしかねぇぞ」

垣根「あ、そぉ」

「フライドポテトとステーキセットですね。以上で?」

垣根「ああ。それで頼む」

「畏まりましたー」

垣根「…」チラッ

麦野「助かったわー。私注文ってどうも苦手なのよねー」

垣根(なんで輝いているんだ)

木山(おそらく純な性格になったのだろう。キラキラは大方、その反動だろうな)

垣根(純な性格だとぉ?)

木山(自分の欲を表に出すようになっている。普段の彼女からは想像も付かない行動だ)

一方通行(子供らしくなったってことかァ?)

木山(多分な。自分より幼い子達に囲まれてるなかで自分もこうありたいと思ったりしたのだろうな)

垣根(へぇ)
116 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:17:24.25 ID:zW1q70gw0
麦野「ねぇ、この後ゲーセンに寄ってプリクラ行きましょうよ」

絹旗「珍しいですね。いつもなら私達が誘って超嫌々行くのに麦野から誘ってくるとは」

麦野「行きたいんだから仕方ないでしょう」

浜面「おい、それって俺も行くのか?」

麦野「あんたは来なくてもいいわよ」

浜面「そうか?」

麦野「その代わり」

浜面「へ?」

麦野「合コンのセッティングしときなさい」

浜面「え?合コン?」

麦野「そうよ」

浜面「なんで急に…」

麦野「レベル5のトップ3が恋人居て私には居ないのよ?」

浜面「は…はぁ…?」

麦野「ましてや中学生の第三位に先越されてるってどういうことなのよ」

浜面「????」

麦野「ちゃんとセッティングしとくのよ」
117 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:17:51.38 ID:zW1q70gw0
黒夜「一体どうしちまったんだ?」

絹旗「超分かりません…が、いつもの麦野では無いことは確かです」

滝壺「zzZ」

垣根「確かに…わがままを言うさまはさながらガキだな」

一方通行「なァ、あのメガネって性格を変えるンじゃなくて本能を表に出すメガネなンじゃねェか?」

木山「うむ…どうだろうな…そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

一方通行「まァその内分かンだろ」

「お待たせしました。先にフライドポテトから失礼します」コトッ

麦野「いただきまーす」

絹旗「あっ、麦野!」

麦野「やっぱおいしーわねー」

絹旗「普段はこんなことしませんよ?」

麦野「はぁ?いつも通りよ」

絹旗「そう…でしたっけ…?」

麦野「そうそう」クシャクシャ

絹旗「わわっ」
118 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:18:23.23 ID:zW1q70gw0
「大変お待たせしましたー。こちらハンバーグセットとステーキセットになります」

麦野「はいはーい」

黒夜「ん」

「ごゆっくりどうぞー」

絹旗「黒夜、それちょっと貸してください」

黒夜「どっち」

絹旗「フォーク」

黒夜「ほら」

絹旗「どうも」

麦野「いただき…」

絹旗「いただきます!」ガッ

麦野「あぁー!!」

垣根「こいつは面白くねぇな」

木山「面白いかどうかなんてのはやってみなければわからない」

垣根「もっともだ」スッ

麦野「ん?」カチャ

絹旗「むぐ…これはなかなか…」

麦野「何しやがる絹旗!」

絹旗「何を!?」

垣根「チビスケ」

絹旗「は?」

垣根「よっ」カチャ
119 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:18:51.78 ID:zW1q70gw0
絹旗「ごめんなさいごめんなさい!」

麦野「は?」

絹旗「自分のが食べられて超悔しかったんです!ごめんなさい!」

一方通行「物腰が低くなってやがる…」

浜面「なんで謝罪を連発してんだ?」

絹旗「あっ浜面さん!いつも超ご苦労様ですすいません!」

浜面「え?」

垣根「へぇ…こいつはこうなんのか…。ってことはさっきの理論だと絹旗は普段もう少し大人しくなりたいと思ってるのか?」

一方通行「違うンじゃねェのか?」

木山「分からないな」

麦野「…まぁいいわ。うん」

絹旗「ホントですか!ありがとうございます!」

垣根「…なんかやりにくいな」カチャ

絹旗「さ、食べましょうか」

黒夜(あのメガネ…?)

垣根「さて…」
120 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:19:20.14 ID:zW1q70gw0
垣根「こういう順で来たら次はお前だな」

黒夜「なにがだよ」

垣根「メガネだよ」

黒夜「やだね。そのメガネになんか細工でもしてんだろ?」

垣根「いや、タダのメガネだ」

黒夜「現に付けたあいつらは目に見えて少し変わったんだぞ?」

垣根「はぁ?なんか変わったかお前ら」

麦野「なんかってなにがよ」

絹旗「特にこれといっては…」

黒夜「あれ?」

垣根「そういうことだ」

黒夜「いや、それでもだ」

垣根「チッ…おい一方通行からもなんか言ってやれよ」

一方通行「付けるだけだァ。大人しく従ったらどォだァ?」

黒夜「でもよぉ…」

垣根「あんまりわがまま言うと嫌われんぞ」スッ

黒夜「はぁ?」

垣根「ほい」カチャ
121 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:19:45.76 ID:zW1q70gw0
黒夜「うわぁぁぁぁん!嫌いになんないでくれよぉぉ!」ガシッ

一方通行「うがっ」

黒夜「言うことちゃんと聴くしいい子にするから嫌いになんないでくれよぉ!お兄ちゃん!」

一方通行「な、なンだァ?」

木山「甘えんぼさんになったな」

垣根「おい、それ俺にもくれ」

麦野「イヤよ」

黒夜「ホントは打ち止めみたいに仲良くしたいんだよ!だけどお兄ちゃんが嫌そうな顔するし!」

一方通行「なンの話だ…」

黒夜「なぁなぁなぁなぁ!やっと出来た憧れの兄妹なんだよ!甘えたいんだよぉ!」

一方通行「なにがなンだか…」

黒夜「お兄ちゃんに嫌われちまったら私は…わぁぁぁぁぁぁぁん!!」

一方通行「う、うるせェ!」

黒夜「ひぐっ…遊園地」

一方通行「は?」

黒夜「今度遊園地連れてってくれ」

一方通行「分かった…今度な…」カチャ

黒夜「遊園地なんざ初めてだな…」

一方通行「危ねェトコだった…」
122 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:20:14.56 ID:zW1q70gw0
一方通行「オイ」

垣根「あ?」

一方通行「出るぞ」

垣根「もう出んのか…よいしょっと」

麦野「あら、帰るの?」

垣根「ああ」

木山「そうか、ならば私も行こうかな」

一方通行「…」

垣根「あばよ」

木山「また会おう。フレンダくんによろしく頼むよ」

麦野「ええ、伝えとくわ」

「ありがとうございましたー」

浜面「あ」

絹旗「どうしたんですか?」

浜面「あいつらドリンクバーの代金…」

麦野「あんた持ちね」

浜面「…」
123 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:20:51.85 ID:zW1q70gw0
一方通行「ったく…」

垣根「新境地開拓だな。甘えん坊な黒夜。誰が得をするのかは知らねぇが」

木山「彼女達の新しい一面を見れた。それに価値がある」

垣根「大して面白くなかったがな」

木山「そういうものだ」

結標「一方通行?」

一方通行「…淡希かァ」

結標「垣根に木山さんまで…何してたの?」

垣根「アイテム連中と絡んでただけだ」

結標「ふーん…あら?そのメガネ…」

一方通行「あ?」

結標「ちょうど手作業用にメガネを捜してたのよね」ヒュン

一方通行「そのメガネは…」

結標「え?」カチャ

垣根「!」

木山「これは…!」
124 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:21:22.72 ID:zW1q70gw0
垣根(かもし出す雰囲気はさながらアイドルのようだ…!!)

木山(見た目からは全く想像が付かないな…)

結標「私ね」

一方通行「…なンだ」

結標「小さい頃からの夢があったの」

一方通行「…」

結標「それはアイドルよ」

垣根(…)

木山(夢追う少女になったな。性格で言うと…いや…人格改変なのか?)

垣根(どっちなんだ…結構重要だぞ。それは)

木山(実を言うとあのメガネ、AIM拡散力場にも反応するように作ってある)

木山(短期間に強い拡散力場に当たりすぎて調子が悪くなった可能性もある)

垣根(なんだと…)

一方通行「淡希、そのメガネ返せ」

結標「嫌よ。ちょっと借りるわねこのメガネ。心なしか似合ってる気がするし」ヒュン

一方通行「能力を使って移動しやがった…」
125 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:21:48.33 ID:zW1q70gw0
垣根「解散するか」

一方通行「そォだな…多分大丈夫だろ」

木山「今日はいいものを見れた。これはほんのお礼だ」

一方通行「…」

垣根「またメガネ…」

木山「そう。ちなみに今まで使っていたものとは少し仕様が異なるものになっている。だから今度は違うものが見れるかもしれない」

垣根「まあくれるってんなら貰うよ」

一方通行「一応貰っとくかァ…」

木山「それと彼女の安否が心配ならその必要は無い」

一方通行「ン?」

木山「いくら人格や性格が変わろうと彼女は彼女自身だ」

木山「根本的な部分は結標淡希そのものだ。心配無用だよ」

一方通行「あンたがそォいうンなら…」

木山「ああ、信用してくれて構わないよ」

垣根「帰るか」

一方通行「だな」

木山「また会おう」

垣根「おう」
126 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:22:15.55 ID:zW1q70gw0
その頃


「君、可愛いねー」

結標「スカウトかしら?」

「そうそう。君みたいな子ならすぐにスターになれるよ!」

結標「そうかしら?」

「絶対そうだよ!」

結標「事務所の話とか聴かせてもらえるかしら?」

「僕の事務所にはね、あの一一一も所属してるんだよ。他にも…」

結標「悪くないわね…」

「おっ!その気になってくれた?」

結標「願ってもないチャンスよ」

「いいね!そのハングリー精神!」

結標「アイドルになれるかしら?」

「なれるなれるよ!君ならなれるさ!」

結標「ふふっ」
127 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/18(土) 00:24:53.00 ID:zW1q70gw0
はい、今回は以上です。

次回はアイドルあわきんと平行して色々と話を進めていきたいと思ってます。
アイドル人生がどれほど続くのかはわかりませんが…

あと今回の意識とか性格とかは自分でも書いてるうちに訳分からなくなってました
ですので少しおかしいところがあるかもしれません…

では次回、また近いうちに、今度こそ近いうちに来ます。
また会いましょう。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/18(土) 02:38:46.55 ID:FektwoxAO
乙甘えん坊黒夜かわいすぎwwww
129 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:04:43.53 ID:psWrQieU0
こんばんは。書き溜めが出来たので投下始めたいと思います。
130 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:05:11.72 ID:psWrQieU0
学舎の園・同棲施設付近

一方通行「あァ?」

垣根「どうした」

一方通行「俺の施設が…」

垣根「うおっ!プレハブ小屋じゃなくなってやがる…」

一方通行「改装するとかそンな感じの事は聴いてたが…」

垣根「ははっこりゃ家だぜ」

一方通行「特に困る訳でもねェ」

垣根「普通の家だといいけどな」

一方通行「まァ大丈夫だろォ」

垣根「…」

一方通行「ンじゃな」

垣根「ああ」

一方通行「テメェもさっさと帰れよ」

垣根「気が進まないねぇ」

一方通行「ンで、さっさと解決策を見つけるンだな」

垣根「お互いさまだ」
131 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:05:55.07 ID:psWrQieU0
一方通行「…」ガチャ

一方通行(見たところフツーの家だな…)

「入らないのですか?」

一方通行「ン?後ろ?」

「こんばんは第一位さま」

一方通行「派閥の奴かァ?」

「はい」

一方通行「毎度ご苦労なこったなァ」

「好きで来てますので」

一方通行「そォか、まァ入れよ」

「そうさせていただきます」

一方通行「食蜂はもう帰って来てンのか?」

「そのはずです」

一方通行「そういえば何の用で来たンだ?」

「この施設の詳しい見取り図を渡しに」

一方通行「そォか」
132 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:06:37.43 ID:psWrQieU0
食蜂「おっ帰りなさーい」

一方通行「あァ」

「食蜂さま…」

食蜂「はいはい、ご苦労様ー」

「ではこれで…」

食蜂「気をつけて戻るのよー」

「はい、失礼します」

一方通行「ン…テレビが増えたのか」

食蜂「うん、何かと暇だし」

一方通行「…ちょっと借りンぞ」カサッ

食蜂「あっ」

一方通行「見たところ…寝室が一つしか無ェンだけど」

食蜂「当然よ。なんのための同棲なのかしらん?」

一方通行「…」フゥ

一方通行「オマエを元に戻すための同棲なンだがなァ」

食蜂「私は別にこのままでもいいわ。能力にはなんら変化を感じないもの」
133 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:07:05.38 ID:psWrQieU0
一方通行(派閥の連中が気付いてることを本人は気付けないでいンのか?)

一方通行(…)

食蜂「さて、何を食べようかな…」

一方通行「オイ」

食蜂「んー?」

一方通行「今週の土日、どっちかでイイから空けとけ」

食蜂「え?デート?嬉しいなぁ」

一方通行「二人でなンかするってのに変わりは無ェが…デートじゃねェな」

食蜂「なぁんだ残念」

一方通行「で?どうなンだ?」

食蜂「もともと予定なんてあって無いようなもんだし…別に大丈夫よぉ」

一方通行「決まりだな」

食蜂「ちょっとごめんね…もしもし?」

食蜂「今日もお願いしたいんだけど…」

一方通行(能力者としての自信…もしかしたら分かるかもしンねェな)


134 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:07:32.43 ID:psWrQieU0
垣根「…」ガチャ

御坂「ん?ちょっと、なんか言ってから入ったらどうなのよ」

垣根「ガチャ」

御坂「あのねぇ…ただいまぐらい言えないの?」

垣根「言ったことがねぇな」

御坂「はぁ?」

御坂(そういえばコイツ…第二位なんだっけ?多分、一方通行と同じで研究所をたらい回しにされてたのかも…)

御坂(家族とかもどうなってるのかしら…もしかしたらずっと一人で過ごして来たのかしら…)

垣根(ただいまは言ったことが無いな…うん。もっぱら帰ったぞだったな…そういえばメガネがあったな…)

垣根「おい」

御坂「え?」

垣根「…」カチャ

御坂「!」

垣根「何だ?ちょっと幼く見えるぞ…」

御坂「私のこと家族だと思ってくれていいのよ?」

垣根「は?」
135 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:08:01.58 ID:psWrQieU0
御坂「そう家族…いや…妹だと思ってくれていいわ!」

垣根「…まあいいか」

御坂「そうよ、うん。私が恵まれすぎてたのよ…」

垣根(そういやコイツを教育し直せって話だっかな?能力の強度が下がってんのか?)

垣根「おい」

御坂「何?」

垣根「お前、自分の能力の異変に気付いてるか?」

御坂「…自分でも気付いてるわよ。能力に何かしらのブレがあることくらい」

垣根「どういうふうにだ」

御坂「演算が落ち着かないのよ」

垣根「…」

御坂「集中出来ないの。他の事に気が行っちゃうのよ…」

垣根「へぇ…」

御坂「何か分かったの?」

垣根「かもしれねぇ」

御坂「?」

垣根「今からお前が第二位垣根帝督の妹ってんなら…どっしり構えとけ。治してやるよ、その症状」

御坂「!」

垣根(つっても俺のせいなのかもしれないんだけどな)

136 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:08:29.29 ID:psWrQieU0
翌朝


『では次の芸能ニュースです』

『人気アイドルである一一一さんの所属するプロダクションより期待の新人についてのニュースです』

『名前は「あわきん」本名、結標淡希。プロダクション企画の新プロジェクトの核となる人物です』

『正式なデビューは昨晩、そして本日、初のメディア露出となる異例のハイスピードデビューですが…』

一方通行「え?」

食蜂「あれ?この人って…」

『主な活動は歌手、グラビア等が候補となっています。既にデビューシングルの話も決まっており今週の音楽番組のも早々の顔出しが予定されています』

『さて、この異例のデビューについて専門家よりお話をいただきたいと思います…』

一方通行「なンで…?」

食蜂「ねえ、この人って奥さんだよね?」

一方通行「あ…あァ…」

『まず、結標淡希さんですが、現行で学園都市の学校に通っている、いわば学生アイドルなんですね』

『霧ヶ丘女学院所属、有する能力のレベルは4、そしてあのスタイルと非常に恵まれた人物なわけですね』

『スカウトマンの話によるとですね、感じるものが半端ではなかったと、こういうふうに言ってるんです』

『まだ本当に詳しい情報というのは出てないのですが…これから順に明らかになっていくでしょうね』

一方通行(本当にアイドルになってやがる…)

137 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:08:58.21 ID:psWrQieU0
垣根「…」

『…これから順に明らかになっていくでしょうね』

垣根「あれ?おかしいな…」

御坂「どうしたのよ」

垣根「いや…なんでもない…かな…?」

御坂「ご飯の準備、出来たわ」コトッ

垣根「ああ…」プツッ

御坂「なんかニュースでやってたの?」

垣根「なにもやってなかった」

御坂「そう?」

垣根「そうだ」

御坂「まあなんでもいいわ。じゃ私学校行くから」

垣根「ああ…」

御坂「行ってきます」ガチャ

垣根「ああ…」

垣根「うーん…あれは結標…だよな?」


138 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:09:29.07 ID:psWrQieU0
その頃、某プロダクションにて


土御門「おい結標、次の移動先についてだが…」

結標「あ・わ・き・んよ!間違えないでちょうだい、マネージャー」

土御門「…了解」

結標「海原はすぐに順応してくれたわよ?それなのにあなたは…」

海原「あわきんさん。今週出演予定の音楽番組の司会の方がぜひお会いしたいと」

結標「司会?プロデューサーとかじゃなくて?」

海原「ええ。どうなさいますか?時間は一応ありますが…」

結標「とりあえず会うだけ会いましょう。そこから輪が広がれば儲けものよ」

海原「ではあちらの控え室にお呼び致しますので先に行って待っていてください」

結標「あの部屋ね?分かったわ」

土御門「なあ海原」

海原「どうしました?土御門さん」

土御門「どうして俺達はマネージャーなんかやっているんだ?しかもよりによって結標の」

海原「土御門さん、あわきんさんです。日頃の呼び方から改善しておかないと後々面倒ですよ?」

土御門「ああ…」

海原「今思い返してみるととんとん拍子で話が進んでいますね…」
139 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:09:59.99 ID:psWrQieU0
昨晩


「じゃあ手続きはこんなものかな?正式な発表は明日にでも行うからそのつもりでね」

結標「了解したわ」

「あとマネージャーなんだけど…」

結標「マネージャーなら実はこっちで決めてあるんだけどいいかしら?」

「ん?その道の知り合いでも居るのかい?」

結標「まあね」

「んじゃその人でいいよ。後で一応声掛けてちょうだい」

結標「ええ」

「後は…大体こんな所かな…レコーディングもしなきゃだし…ボイトレもか…忙しくなるよ?」

結標「自分の望んだ道よ。いまさら後悔も無いわ」

「それを聴いて安心したよ。じゃあ明日からよろしくね」

結標「ええ」

「じゃあ僕は書類とか出さなきゃいけないからこれで失礼するね」

結標「ご苦労様」

「あ、ちゃんとマネージャーを手配しておくんだよ?」

結標「大丈夫よ。それくらい」
140 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:10:29.32 ID:psWrQieU0
piriririri

土御門(電話?結標から…?)

海原「どうしました?」

土御門「電話だ」

海原「どうぞ」

土御門「もしもし?どうしたんだ?」

土御門「え?デビュー?何の話だ?」

土御門「お、おい待て!意味が分からないぞ!」

土御門「二人でだと?何を考えている」

土御門「あ、おい!」

海原「どうしたのですか?」

土御門「結標からの電話でな」

海原「急ぎの用事か何かでしょうか?随分と焦っていたようですが…」

土御門「デビューしたから俺達二人にマネージャーを頼みたいらしい」

海原「はて?デビュー…ですか?」

土御門「そうだ、デビューだ」

海原「??」

土御門「とりあえず待ち合わせ場所を指定されている。話はそれからだ」

141 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:10:56.06 ID:psWrQieU0
結標「来たわね」

土御門「どういうことだ結標」

海原「マネージャーというのもピンと来ませんがデビューというのもなおさらピンと来ません」

土御門「第一何にデビューしたんだ?歌手か?女優か?」

結標「アイドルよ」

海原「ア、アイドルですか?」

土御門「メガネなんかして、そういう路線でアイドルデビューしてるのか?」

結標「メガネは関係無いわ」

海原「ふむ…アイドルですか…それにメガネと…」

土御門「どうしたんだ?」

海原「心なしか…そういうオーラですか?雰囲気を感じます」

土御門「言われてみれば…そういう気がしないでもないが…」

結標「私の見た目なんて今更どうでもいいわ。それよりも貴方達をマネージャーとして雇うことに意味があるの」

海原「あの…つかぬことお聴きしますが」

結標「何かしら」

海原「もしかして…アイドルになるのが昔からの夢だったりしますか?」

結標「そうね」

海原「分かりました。引き受けましょう」

土御門「お、おい海原」

海原「土御門さん。考えがあります、二人で頑張りましょう」

土御門「…」

..........................................
................................
......................
..............
.......
...
..
.
142 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:11:22.18 ID:psWrQieU0
土御門「二人で頑張ろうと言われ結標のマネージャーになった俺達」

海原「精一杯、結標さんの手助けをしてさしあげましょう」

土御門「…」

海原「さ、司会の方にお話をしなければなりませんし…行きましょう」

土御門「なあ」

海原「はい?」

土御門「この事、一方通行は知ってるのか?」

海原「アイドルデビューの事でしたらニュースで大々的に報じましたのでご存知かと…」

土御門「まあいいか…やるだけやってやるさ」

海原「その意気ですよ。きちんとお給料も出るみたいなのでやりましょう」

土御門「ああ」

海原「そういえばシングルのタイトルなんですが」

土御門「決まってなかったのか?」

海原「ええ、いくつか候補がありましてそれで…」

土御門「話してみろ」

海原「はい…」

143 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:11:48.45 ID:psWrQieU0
水穂機構病院


垣根「邪魔すんぞ!」ガチャ

木山「!」ビクッ

一方通行「聴きてェことがある」

木山「せめてノックくらいしてくれたまえ。びっくりするだろう」

一方通行「こっちもびっくりしてンだよ」

木山「なるほど…まあ座りたまえ。私も君達に話がある」

垣根「おい見ろよ。昼のニュースでもやってるぜ?」

木山「いつの間にテレビを…」

一方通行「ったく…どォいう事だァ…?」

垣根「んで?あんたの話ってのは?」

木山「ああ。メガネの事だ」

垣根「昨日俺達に寄越したやつか?」

木山「いや。結標くんがかけているメガネの話だ」

一方通行「あのメガネがなンだァ?」

木山「実はあのメガネ、性格改変では無く眠っている本心を呼び覚ます効果を持ってることが判明した」

一方通行「あァ…うン…」

垣根「薄々感づいていたというかなんというか…」
144 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:12:17.40 ID:psWrQieU0
垣根「なんでそれが今更分かったんだ?」

木山「製作過程を辿ってみたらそういう開発をしていたんだ」

垣根「それって間違えるもんなのか?」

木山「そうだな…詳しく話すとまず拡散力場の話からだが…」

垣根「いや、やっぱいいわ」

木山「そうか?」

一方通行「ンで?それだけか?」

木山「今朝のニュース見たよ。期待の新星、あわきん」

木山「随分と派手に報じられていて驚いたよ」

垣根「話聴く限りだと自分の本心でアイドルになったってことか?」

木山「そうなるな。そして昨日メガネをかけて起きた変化はすべて自分の本能に近い部分ということだな」

一方通行「…」

垣根「ははっ、まあ間違っちゃいねぇかもな」

木山「うまくすれば本性を暴けるかもしれないメガネだ」

垣根「そういえば一方通行はどうすんだ?」

一方通行「何をだァ?」

垣根「結標の事だよ」

一方通行「別にあのままでいいンじゃねェのか?本人の夢だってンならよォ」

垣根「お前がそう言うならいいか」
145 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:12:45.43 ID:psWrQieU0
海原「お疲れ様ですあわきんさん」

土御門「ご苦労だったなあわきん」

結標「次はどこに行って何をしたらいいのかしら?」

海原「次はレコーディングの予定ですね、それとあわきんさん…少しお話が…」

結標「?」

海原「シングルのタイトルなんですが…」

結標「ああ…なにかいいのが決まったのかしら?」

海原「土御門さんと話し合いをした結果…」

結標「早く言いなさいよ」

海原「only my movepointになりました」

結標「なんか行けそうな気がするタイトルね」

海原「自分も同じ意見です。なにやらこう…不思議な力を感じるというか…」

土御門「ヒット間違い無しだぜい」

海原「やはり土御門さんもそう思いますか?」

土御門「ああ」

結標「私もそれでいいと思うわ。じゃあさっさとレコーディングを済ませましょう」

海原「はい、では車のほうに…」

146 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:13:15.53 ID:psWrQieU0
車中にて


海原「さて、タイトルも決まったので次はプロモーションビデオの作製にも着手しなければなりません」

結標「ビデオ?そんなものどうするのよ」

海原「初回盤に特典として付属の予定です」

結標「ふぅん…」

土御門「CDの発売は音楽番組に出演した翌週、つまりは来週発売予定だ」

海原「ですからそれまでにレコーディング、撮影等を終わらせなくてはいけません」

土御門「当然、番組出演のリハーサルもこなさなきゃいけないんだぜい?」

海原「キツイと思いますが我慢してください。次回からはちゃんと時間に余裕が出来ますから…」

土御門「まあこの程度で音を上げていたら本当に超売れっ子になった時は地獄なんだにゃー」

海原「その通りです」

結標「…」

土御門「怖気づいたか?」

結標「ふふっ…やってやろうじゃない」

海原「それでこそ自分達が付いている甲斐があるというものです」

土御門「途中で逃げ出すような奴に付いていても意味が無いからな」

海原「さて、PVのキャストを募らなければなりませんね…」


147 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:13:46.05 ID:psWrQieU0
一方通行「今日のはなかなか濃い目の味付けだな」

木山「一応毎日味付けを変えるように指示はしてある。自分の口にあった味付けの時は言ってくれ」

一方通行「?」

木山「君たちがお昼を食べに来る間はその味付けでやっていくことにするからな」

垣根「へぇ…」

木山「ん?君のか?」

垣根「え?」

木山「電話、鳴ってるぞ」

垣根「んん?」ゴソゴソ

木山「そういえば例の中学生達に対して何か進展はあったか?」

一方通行「なンか分かりそォな気がするンだ」

垣根「あったあった…もしもし?」

垣根「え?常盤台?」

一方通行「ン…?」

垣根「ああ…なるほど…いや問題は無ぇはずだが…」

垣根「指導の一種?まあそんなもんだ…大丈夫だから任せてくれ…ああ…」プツッ

一方通行「誰からだァ?」

垣根「常盤台のお偉いさんからだ」
148 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:14:11.85 ID:psWrQieU0
一方通行「お前に電話とはなァ」

垣根「実は昨日貰ったメガネを第三位にかけたんだ」

木山「早速使用したのか。どうだった?」

垣根「見た目が若干幼くなった。しいて言うなら…妹キャラになった…」

一方通行「ハァ?」

垣根「んで…メガネを付けてる事や心なしか小さく見えるのは指導の一種か?って聴かれた」

一方通行「なンだそりゃ…」

木山「そのメガネはだね」

垣根「早く言え」

木山「…いや、やめておこう。自分で気付いてくれたまえ」

垣根「なんだと…?」

木山「正直言うと自信が無い。前回の件もあるしな」

垣根「チッ…」

一方通行(…俺もメガネを持ったまンまだったなァ…)

木山「それより今日はどういう予定なんだい?」

垣根「今日か…今日はな…」
149 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:14:39.26 ID:psWrQieU0
一方通行「で…レンタルショップに来たわけかァ?」

垣根「まあ暇潰し程度に探し物をするだけだがな」

木山「ビデオ屋に入るなんて久しぶりだな」

垣根「そういやあんた」

木山「ん?」

垣根「昨日今日って俺達と一緒に居るが研究室は空けて来て大丈夫なのか?」

木山「そんなことか。心配は無用だよ、他に優秀な人材が揃ってるからな」

一方通行「ン?」

垣根「おい、そりゃゲコ太とかっていう奴の映画じゃねぇか?」

一方通行「知ってンのか?」

垣根「前にゲーセンで見かけたからな。クローン達にか?」

一方通行「どっちかっつーと打ち止めだな」

垣根「そりゃそうか」

木山「ここは随分暑いな…」シュル
150 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:15:06.46 ID:psWrQieU0
垣根「そういや第三位も好きなんだっけか?そのカエル」

一方通行「そのハズだなァ」

垣根「じゃあ借りてくか」

一方通行「おいおいマジかよォ」

垣根「まずは懐柔しねぇとな」

木山「こっちのはなんだ?」

垣根「そいつは確か…カナミンだったか?」

一方通行「こっちも知ってンのか」

垣根「これもゲーセンで知った」

木山「面白いのか?」

垣根「心理定規は好きみたいだがな」

木山「ほう」

垣根「これも借りてくか」

木山「私も借りていこうかな」

一方通行「あン?」
151 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:15:36.03 ID:psWrQieU0
垣根「どうした?」

一方通行「ありゃァ風紀委員か?」

木山「どれだい?」

一方通行「あっちの…ホラ」

垣根「ああ、確かに風紀委員だな。それに…知った顔だな」

木山「何か事件でもあったのか?」

垣根「さぁな」

一方通行「面倒事になンねェといいンだけどなァ」

垣根「ん?こっちに向かって来たな」

一方通行「あァ?」

木山「ふむ…この店で何かあったのか?」

垣根「…いや、見る限りだとなんも」

木山「あの子一人みたいだな」

垣根「大事ってわけじゃなさそうだな。じゃなきゃ白井が来るだろうな」

一方通行「…」
152 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:16:11.28 ID:psWrQieU0
「こっちです、風紀委員さん」

初春「はい…あれ?木山さん?」

木山「やあ、久しぶりだな」

初春「本当ですねー元気でしたか?」

木山「まあな」

初春「そうですか…ってそうじゃない」

木山「ん?」

初春「通報があったんですよ?」

垣根「通報だと?」

初春「女の人がチンピラに服を脱がされてるって」

木山「私は自分の意思で脱いだんだけどな」

初春「通報の内容が誤解にしろ、上半身下着のみはさすがにダメです」

木山「そうか?特に気にはしてなかったんだが…」

初春「じ、自覚無しですか?そんなんじゃ本当にチンピラに絡まれますよ!」

木山「大丈夫だ。いざとなったら彼等が居るからな」

初春「うーん…」
153 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:16:39.70 ID:psWrQieU0
垣根「まあ心配はすんなよ。俺たちと一緒に居る間は危険な目には遭わさねぇよ」

初春「そう…ですか?」

一方通行「まァ…そォだな」

木山「私も彼等と居る時は危険な目に遭うとは思ってないよ」

初春「まあそれでいいとして…」

木山「?」

初春「とりあえず…服は着てください。さっきから注目を浴びてるんで…」

木山「仕方ないか…」スッ

垣根「ちょっと待っててくれ」

木山「そうだ、これも頼む」スッ

垣根「はいよ」

一方通行「とりあえず外で待ってンぞ」

垣根「ああ」

初春「さ、一旦出ましょう」

木山「うむ」

初春「そういえばなんで木山さんと一緒に居たんですか?」

木山「ああ、それはだな…」
154 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:17:09.73 ID:psWrQieU0
初春「はぁ…同棲…ですか?」

木山「ああ」

初春「なんか凄いですね」

木山「確かにレベル5同士が同じ屋根の下というものは相当凄いな」

初春「私が言いたいのはそこじゃないんですけど…はは」

ガーッ

木山「ん?」

初春「戻って来たみたいですね」

垣根「ほら」スッ

木山「すまないね」

垣根「いや」

初春「なんですか?」

木山「借りたDVDだ。さっき出る時に頼んだんだよ」

初春「ああ、なるほど」

垣根「お前、座ってどうしたんだ?」

一方通行「少し考え事をしていた」

垣根「?」
155 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/21(火) 20:18:52.99 ID:psWrQieU0
はい。短いですか本日はここまでです。

近いうちと言いつつも大体三日後の更新になってますね。
やはりこの速度が丁度いい感じなんでしょうか。

ではまた更新しにきます。
また会いましょう。
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 23:33:16.26 ID:T7FRr8pIO
DVDをご利用になる際はカードご本人様に限らせていただいてます。
なにとぞご了承ください。
TSUTAYA店員より
157 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 11:44:32.03 ID:QLX8haPm0
こんにちは。今夜にでも投稿できそうです。

また夜に来ますのでよろしくお願いします。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/06/25(土) 11:53:44.84 ID:e+eJHgzZ0
舞ってます
159 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:29:03.07 ID:QLX8haPm0
こんばんは。今から投下したいと思います。

ではよろしくお願いします。
160 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:29:39.35 ID:QLX8haPm0
一方通行「俺は今週にでも行動を起こすぜェ…?」

垣根「今週?何か分かったのか?」

一方通行「レベル5としての自信…」

垣根「は?」

一方通行「食蜂の取り巻き連中からこンな話を聴いた」

一方通行「以前は自信を持ってたキレのある能力だったンだとよ」

垣根「…?」

一方通行「前に食蜂が起こした厄介事覚えてるか?」

垣根「お前が連れてかれて、心理定規達が助けに行ったやつだろ?」

一方通行「あァ」

垣根「そういえば第三位はまるで役に立たなかったみたいだな」

一方通行「それは知らなェが、食蜂を倒したのは淡希だっつーのは聴いてる」

垣根「それなら俺も聴いた。食蜂の能力ってうまくすれば避けれるみたいだな」

一方通行「同じレベル5に負けたンならまだしもレベル4に負けたらオマエはどうする」

垣根「最高に不愉快だな」

一方通行「だろォな。それが女王サマと呼ばれてたやつならなお更じゃねェか?」

垣根「でもそういう素振りは伺えなかったぞ?」

一方通行「案外、そういうココロの制御はきちンとしてンのかもなァ」
161 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:30:09.94 ID:QLX8haPm0
初春「一体なんの話をしてるんでしょうか?」

木山「彼等は今、常盤台のエース達を助けようとしているのだ」

初春「さっきの同棲の話ですか?」

木山「そうだ」

初春「能力って自信でどうにかなるものなんですか?」

木山「かもしれないな」

初春「…」

木山「だが私は他の事に原因があると思っている」

初春「それも教えてあげたらいいんじゃないんですか?」

木山「いや、やめておこう。また間違っていたら申し訳ないからな」

初春「はぁ…?」

木山「ココロという部分には私も賛成だよ」

初春「ココロですか?」

木山「鍛えようがないからな。これに限ってはあの第一位も同じ土俵だよ」

初春「…」

木山「二人とも、能力低下の原因は同じだろうな」
162 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:30:36.54 ID:QLX8haPm0
海原「さて、到着したようですね。あわきんさんはこのままスタジオに向かってください」

結標「了解したわ」ガラッ

海原「土御門さんと自分はその間別のお仕事です」

土御門「何をするんだ?」

海原「PVのキャスト探し、それにタイアップのお話をいただいてますのでそのことについても」

土御門「タイアップだと?そんな話聴いてないぞ?」

海原「先程知らされたばかりですからね。知らなくてもおかしくはありません」

土御門「それで?どことのタイアップなんだ?」

海原「超機動少女カナミンの新オープニングテーマです」

土御門「カナミン?随分と大きなところからタイアップのお誘いが来たんだな」

海原「ええ。ちょうど新シリーズ突入ということで」

土御門「そのタイアップは受けるのか?」

海原「そのつもりですよ。タイアップがあるのと無いのとでは話題性が違いますからね」

海原「それが人気アニメのオープニングとなればなお更です」

土御門「あわきんの許可は取ったのか?」

海原「いえ、まだですよ。ですが…」

土御門「?」

海原「タイアップは変なのじゃなきゃ私の許可は取る必要ないと前もって言われてますので」

土御門「そ、そうか」
163 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:31:07.79 ID:QLX8haPm0
土御門「それじゃあPVのキャストは?」

海原「それなんですよ」

土御門「と、言うと?」

海原「どのような映像に仕上げるかまだ決めてないんですよね」

海原「それによって合った人材を選ぶ必要がありますし…」

土御門「でも発売は来週なんだろ?もう時間もあまり無いんじゃないか?」

海原「仕方ありませんね、こうなったら他の人よりヒントをいただくことにしましょう」

海原「人材はそれからです。まずはテーマを決めませんとね…」ピッピッ

土御門「?」

海原「もしもし?今お時間大丈夫ですか?」

海原「実は折り入って相談したいことがありまして…はい、そうですアイドルの件です」

海原「実は新曲のPVを作製しなければならないんですがどうにもアイデアが浮かばなくて…それで相談をと思いまして」

海原「タイアップですか?ありますよ。アニメのオープニングです…はい」

海原「あ、なるほど…それはいい考えですね」

海原「ではそのアイデアを使わせてもらいますね。はい、ありがとうございます…それでは」プツッ

土御門「誰に電話してたんだ?」

海原「木原さんです」

土御門「木原…?」

海原「実は木原さん、暇を持て余してアイドルにはまってしまいまして…それで何か分かるかと思いまして」

土御門「…」
164 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:31:39.62 ID:QLX8haPm0
土御門「それで?PVのアイデアとやらは出たのか?」

海原「はい。タイアップとなる作品をモチーフとして作ったらどうかと言われまして」

土御門「ほう」

海原「タイアップ先がアニメなので簡単に作れるだろうと…話題性もバッチリですしね」

土御門「となると…あとはキャスティングか」

海原「それは今決めました」

土御門「?」

海原「女の子集団であるアイテムに頼みましょう」

土御門「へ?」

海原「ドライバーさん。自分達はこれから個別で行くところがあるのでこれで」

「え?」

海原「あわきんさんはレコーディングが終了しましたら事務所にお送りし、残るように伝えてください」

「は、はぁ…」

海原「ではお願いしますね。行きましょう土御門さん」

土御門「ああ」
165 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:32:11.31 ID:QLX8haPm0
土御門「え…とアイテム探しか?」

海原「探す必要はありません」ピッピッ

海原「今電話をかけました」

土御門「…番号なんて知ってたか?」

海原「こちらの世界に踏み込んだ以上、個人情報知る方法などいくらでもあります」

土御門「なるほどな」

海原「なかなか出ませんね」

土御門「そりゃ知らない番号からかかってきたら警戒するだろ」

海原「暗部ならなおの事ですね」プッ

土御門「諦めるのか?」

海原「まさか。今度は麦野さん以外にかけます」ピッピッ

土御門「同じだと思うがな…」

海原「これまた出ないと…」プッ

土御門「直接出向いたほうがいいんじゃないのか?」

海原「それでもいいんですが…」ピッピッ

海原「場所を今から探すのもどうかと思いまして…」

土御門「今度は?」

海原「今度も麦野さんです」
166 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:32:40.00 ID:QLX8haPm0
piriririri


フレンダ「麦野ー電話ー」

麦野「さっきからしつこいわね」

絹旗「一回出て超文句でも言ったらどうです?それで黙ると思いますよ?」

麦野「そうかしら?」

浜面「大体番号が割れてるって大丈夫なのか?」

麦野「さぁね。もしかしたら厄介事かもね」

黒夜「出てやろうか?」

麦野「いいわよこれくらい」

滝壺「むぎの」

麦野「ん?」

滝壺「さっき私にも同じ番号から着信があった」

麦野「滝壺にも…」スッ

絹旗「出るんですか?」

麦野「念の為にね」

フレンダ「結局私たちの番号も割れてそうよね」

絹旗「どうでしょうか」

麦野「もしもし?あんたさっきからなんなの?」
167 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:33:18.49 ID:QLX8haPm0
『やっと出てくれましたね』

麦野「ん?その声は…」

『自分です。海原です』

麦野「グループのニヤケ面か」

『心外な覚え方ですね』

麦野「で?なんの用?滝壺にまで電話をかけて」

『実はアイテムの皆さんにお願いがありましてお電話しました』

麦野「お願い?」

『はい。お願いです』

麦野「受け入れるかは分からないけど一応言ってみなよ」

『とある映像作品に出演してもらいたいのです』

麦野「あぁ?まさかAVとかじゃねぇだろうな?」

『おや、よくお分かりで』

絹旗「一体なんなんですか?」

麦野「なんかAVに出演しろって」

絹旗「え、AVですか!?」

麦野「んで?本当は?」

『プロモーションビデオです』
168 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:33:46.80 ID:QLX8haPm0
麦野「プロモーションビデオ?それって歌とかに使われてるアレだよね?」

『はい』

麦野「何?あんたら歌手デビューでもすんの?」

『おや?今朝のニュースかお昼のニュースを見ていませんか?』

麦野「ニュースなんか皆見てないわよ。ずっとファミレスに居たから」

『そうですか。ではここで教えましょう。デビューしたのは結標さんです』

麦野「え、は?」

『アイドルとしてデビューしまして…それでシングルを作製してるのですが…』

麦野「なるほど?それでPVに出演しろと」

『はい。結標さんのデビューはかなり大掛かりなものとなっています』

『ヒットのきっかけとなったシングルのPVに出演したとなれば…麦野さんたちも同様にデビューのチャンスを掴めるかもしれません』

麦野「…」

『どういたしますか?出演してくださると言っていただければこちらとしては大助かりなのですが…』

麦野「どこに誰を連れて行けばいいかしら?」

『ありがとうございます。ではアイテムのメンバーを連れて指定する場所に来てください』

麦野「黒夜も居るんだけどいいかしら?」

『構いませんよ。人は多いほうがいいですから、それに華がありますからね』


169 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:34:47.70 ID:QLX8haPm0
麦野「ふう」ピッ

絹旗「あ、あの麦野」

麦野「ん?」

絹旗「あのですね…私、は…初めては好きな人と決めていまして…」

麦野「なに本気にしてんのよ」

絹旗「え?」

麦野「あんたら結標がアイドルデビューしたって知ってる?」

浜面「は?アイドル?」

フレンダ「なにそれ」

黒夜「ニュースどころかテレビすら見てないから初耳だぞ」

滝壺「むすじめはアイドルになったの?」

絹旗「そうみたいです」

麦野「んで、結標が来週出すシングルのPVに出演してくれないか?ってお願いされたの」

絹旗「はぁ…PVですか?」

麦野「そ、PV。結標に協力しようと思ってね…OK出しちゃった」

フレンダ「それって私たち全員なわけ?」

麦野「そうなるわね」

浜面「お、俺もか?」

麦野「…あんたは分からないわ」

麦野「とりあえず時間が無いから行くわよ」
170 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:35:14.92 ID:QLX8haPm0
土御門「うまくいったみたいだな」

海原「ええ。もうじき来ると思います」

土御門「なあ…さっきデビューのチャンスとか言ってたが…」

海原「ああ、とっさに出ましてね…まああながちウソでも無いでしょう」

土御門「そうか?」

海原「自分は掴める"かも"しれないと言ったのでなんら問題無いと思います」

土御門「そうか、ならいいんだ」

海原「一応カナミンのスタッフよりオープニングのムービーをいただいてます」

土御門「いつのまに…」

海原「彼女達が来る前にムービーに目を通しておきましょう、あと…」

土御門「あと?」

海原「適当に何話か視聴しましょう。そのほうがイメージを掴みやすいので」

土御門「ちょうど近くにレンタルショップがあったはずだな」

海原「運がいいですね。では早速レンタルしましょう」

土御門「青ピに少し話しを聴いとくか…」

海原「?」

土御門「詳しい知り合いが居てな。見所の話を聴いてそれを見ればいいだろ」

海原「ああ、なるほど。ではお願いします」
.....................................
............................
....................
.............
.......
....
..
.
171 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:35:52.02 ID:QLX8haPm0
麦野「んー」キョロキョロ

滝壺「ここにいるの?」

麦野「そのはず…」

黒夜「ん?アレじゃないのか?」

麦野「どれ?」

黒夜「ん」スッ

海原「…グスッ」

土御門「ううっ…」

麦野「…」

浜面「お、おい…あれって泣いてるんじゃねぇのか…」

フレンダ「なんで泣いてる訳…?」

絹旗「なにかあったのかもしれません」

麦野「ねえちょっと」

土御門「…ん?」

海原「おや」

麦野「一応全員連れてきたけど…」

海原「あ、ああ。わざわざご苦労様です」

麦野「いや、それはいいんだけど…なんで泣いてたの?」
172 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:36:17.79 ID:QLX8haPm0
海原「ああ、これを見てたんです」

滝壺「まじかるぱわーど?」

海原「はい。PV作製のヒントを、と思いまして」

麦野「PVの?」

海原「ええ。このアニメの主題歌をあわきんさんが担当することになりまして」

浜面「あ、あわきん??」

土御門「芸名だにゃー」

麦野「それでコレを見て泣いてたわけだ?」

海原「ええ、柄にも泣く感動の涙を流してしまいまして」

麦野「ずっとここで見てたの?」

海原「はい」

麦野「このホテルのロビーで?」

土御門「そうだって言ってるにゃー」

麦野「…」

絹旗「それでPVのヒントとやらは得られたんですか?」

海原「はい。この感動物とバトル物の両方を見たのですが…」

黒夜「んで?」

海原「バトル物の方が疾走間があり曲のイメージとマッチしていましたので…バトル物の作風をモチーフにしてですね…」

土御門「とりあえず小さい会議室を借りている。まずはそこに行くぞ」

173 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:36:59.18 ID:QLX8haPm0
麦野「わざわざ会議室借りたの?」

海原「下手に情報が流出すると困りますからね。そこら辺でやるよりはずっといいでしょう」

フレンダ「会議室で何する訳?」

土御門「とりあえず大まかな撮影の流れを聴いてもらう」

海原「その後資料に目を通してもらったうえで最後に確認を致します」

浜面「確認?」

海原「ええ。資料を見て出演の意思が変わるかもしれませんからね」

土御門「だが…」

海原「はい」

浜面「?」

海原「浜面さんの出番は…」

土御門「少し怪しいんだにゃー」

黒夜「カナミンってどんなアニメなんだ?」

海原「土御門さん。確か…」

土御門「確か資料を貰っていたな…ほら」

黒夜「ああ」
174 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:37:27.55 ID:QLX8haPm0
絹旗「黒夜、私にも…」

滝壺「わたしも」

黒夜「一緒に見りゃいいだろ」

麦野「ん…確か浜面の出番は無さそうかも…」

海原「特に浜面さんは芸能界デビュー等考えてませんよね?特に問題ないと思いますよ」

浜面「まあ…別にいいけどね…」

麦野「これってキャラクターの格好とかするのかしら?」

海原「その予定はありません。ですが作風に合わせた格好をしてもらうため衣装は用意させてもらいます」

麦野「コスプレするってわけじゃないのね。なるほど」

土御門「一応、曲のPVだからな。曲のアピールが最優先だ」

フレンダ「でも全員出れるの?」

海原「枠はありますから余裕ですよ」

土御門「ほら、ここの会議室だぜい」

海原「詳しい話は中で致します」
175 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:37:56.61 ID:QLX8haPm0
麦野「案外狭いのね」

土御門「大人数で会議するわけじゃないからな」

海原「皆さん、適当に座ってください」

ガタタッ

土御門「まずは資料を渡すから回してくれ」スッ

海原「早速ですけど撮影についてお話します」

土御門「撮影現場は学園都市そのものだ」

海原「様々な場所をフルに活用し、行っていく予定です」

海原「一応、簡単に説明をしますと…あわきんさんが歌に合わせて能力を使いながら移動しあなた達をバックに撮影をするという形です」

絹旗「私達は何をしてればいいんですか?」

土御門「能力を使用したド派手なガチバトルを披露してもらう」

絹旗「超バトルですか?」

海原「モチーフとしてるのはカナミンのバトルシーンです。街中で戦闘を行う話の評価が高いのでそれにあやかろうと思いまして」

麦野「とりあえず資料について話を聴かせてもらってもいいかしら?」

海原「ではそのお話をしましょうか」
176 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:38:26.22 ID:QLX8haPm0
土御門「見てもらっての通り、簡単な絵コンテ調で書いてるだろう?そんな感じと思ってくれていい」

黒夜「これって誰が書いたんだ?」

海原「自分です。さっき急いで仕上げたので少々荒いかもしれませんが…」

黒夜「へぇ」

滝壺「この疾走感ってどうするの?」

海原「実は少し困っているのです」

フレンダ「?」

海原「あわきんさんの能力だと疾走感を出すのは少し難しいんです」

土御門「途切れ途切れの、断続的な移動になってしまうからな」

海原「せっかくマジカルパワードと付いてるので力強さも合わせたいんです。ですからどうしたものかと…」

滝壺「…はまづら」

浜面「どうした?」

滝壺「あの時くろよるが乗ってたのがあったよね?」

浜面「…あれのことか?」

滝壺「うん。ねえくろよる」

黒夜「?」

滝壺「あれ使えないかな?前に乗って来たやつ」
177 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:39:27.71 ID:QLX8haPm0



黒夜「ハイウェイチーターの事か?」

滝壺「多分そう」

土御門「ハイウェイチーターだと?」

海原「なるほど、駆動鎧ですか」

土御門「画像出せるか?」

海原「少々お待ちを」

黒夜「普通のパソコンで出んのか?」

海原「昔から愛用してる物ですから大丈夫ですよ」

黒夜「ふぅん」

海原「土御門さん、これです」

土御門「ああ、いいんじゃないか?」

海原「ではその名の通りハイウェイを走らせましょう。黒夜さん、用意出来ますか?」

黒夜「多分…ちょっと電話して聴いてみる」ガチャ

海原「ではお願いします。ちなみに撮影は明日を予定してます」
178 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:40:49.14 ID:QLX8haPm0
土御門「さて次はバトルについてだな。バトルと言っても一曲の間で簡単に分かるようなストーリーを持ったバトルだ」

海原「これについては台本形式で記載してますから各自目を通してください」

麦野「んで肝心の撮影期間ってのは?」

海原「時間が無いので一日で終わらせるつもりでやります。かけても二日程度です」

土御門「まあハイウェイチーター次第なんだけどにゃー」

黒夜「ハイウェイチーター出してくれるってさ」ガチャ

海原「助かります」

土御門「ちなみに衣装は学生服を模したものだ」

海原「カナミンの通ってる学校をイメージした衣装です」

麦野「制服ってモロにコスプレっぽいじゃないの…」

土御門「そうか?まあ大丈夫だろ」

海原「一応詳しいお話はここまでです。話を聴いてやめるという方はいますか?」

「…」

海原「安心しました。では以上です」

土御門「一つ上の階は貸切にしてある。自由に休んでくれ」

海原「明日に備えてゆっくり休んでください。もういい時間ですからね」

浜面「なあ」

海原「はい?」

浜面「滝壺はどういう役柄になるんだ?能力で戦闘なんかできないぞ?」

海原「考えてあります。安心してください」
179 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:41:33.39 ID:QLX8haPm0
一方通行「すっかり遅くなっちまったなァ」

木山「付き合ってもらってすまないね」

垣根「特にすることも無かったから別にいいんだけどな」

木山「それにしても本当に助かったよ」

一方通行「なンだっけか?その…」

木山「思春期の悩み・学園都市改訂版か?」

一方通行「あァ、そンな本何に使うんだ?」

木山「研究してると色々と知識が必要になるんだ」

垣根「まあ最後の店でその本が見つかってよかったじゃねぇか」

木山「うむ」

一方通行「つゥかなンでわざわざ学園都市版を探してたンだァ?」

木山「思春期がAIM拡散力場や能力に与える影響も記されてるんだ」

垣根「それが見たかったのか?」

木山「そうだ。だから普通のやつではダメだったんだ」

垣根「へぇ」

木山「ん…そろそろ付くか。今日は私の探し物に付き合ってくれてありがとう、助かったよ」

垣根「なんてことはねぇ」

木山「そうか。じゃまた会おう」
180 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:42:01.39 ID:QLX8haPm0
同棲施設



垣根「はぁ…」ガチャ

御坂「何よ溜め息なんかついたりして」

垣根「ちょっと遠出して疲れただけだ」

御坂「他に何か言うことないの?」

垣根「はぁ?」

御坂「はぁ…」

垣根「?」

御坂「まあいいわ。夕飯はあるから適当に食べといてね」

垣根「お前はもう食ったのか?…って当然か」

御坂(なんか急に悲しい表情になったわね…まさか一緒にご飯を食べたかったとか…?)

御坂(やっぱり家族というのは団欒とか必要なのかしら?だとすると夕飯は絶好のチャンスね)

垣根(今日もカレーか…いい加減に飽きてきたな…ていうかまだメガネ付けてるのか)

垣根「まあ、その方が静かでいいか」

御坂「え?何か言った?」

垣根「言った」

御坂「な、何よ」

垣根「静かでいいなって」

御坂(これは何か会話をしろっていう皮肉なのかしら…やっぱり寂しい思いをしてきたのね…)

181 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:42:39.64 ID:QLX8haPm0
一方通行「…」ガチャ

食蜂「お帰りー」

「お邪魔してます」

一方通行(あの取り巻き今日も来てンのか?毎日ご苦労なこった)

「ですからここは…」

食蜂「なるほどね…」

一方通行「なァ、いつもそいつのこと呼んでっけど毎度台所で何してンだァ?」

食蜂「えっ?」

「料理の仕方を教えていたんです」

食蜂「あっコラ!」

「いずれは分かることですし…」

食蜂「それもそうね」

一方通行「料理ねェ…」

「はい。手料理の勉強がしたいと私の所に直々に」

一方通行「へェ…」

食蜂「分かった事だから言うけどその内とびきりおいしい料理を食べさせてあげる!」

一方通行「そォか、そりゃ楽しみだ」

182 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:43:06.31 ID:QLX8haPm0
翌日・ホテル ロビーにて


海原「土御門さん手配の方、完了しました」

土御門「よし。じゃあ現場に向かうぞ、みんな車に乗ってくれ」

浜面「なあ、撮影現場ってどこなんだ?」

土御門「第七学区をまるまる使う」

海原「この為に人払いもしました」

麦野「つまりどういうことよ」

土御門「今から俺達が第七学区に行ってもそこには俺達しか居ない、という事だぜい」

浜面「そんなこと良く出来たな」

海原「色々と手が込んでますから」

土御門「黒夜、ハイウェイチーターを提供してくれる奴に第七学区に来るように伝えてくれ」

黒夜「直接向かわせていいのか?一応街中なんだろ?」

土御門「そこら辺は大丈夫だ。気にせず呼んでくれ」

黒夜「分かった」
183 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:43:37.82 ID:QLX8haPm0
piriririri

結標「もしもし?」

『おはようございますあわきんさん』

結標「海原…あなたねぇ、私を事務所に居させた割には来なかったわね?」

『その代わり、今日の資料をお読みいただけたかと』

結標「ええ、読んだわ。で?どうすればいいのかしら?」

『今から我々は撮影のために第七学区に向かいます。あわきんさんもそちらに来てください』

結標「急いだほうがいいかしら?」

『そうですね。出来れば能力を使って来ていただけると助かります』

結標「分かったわ。スタッフとかはどうしたらいいのかしら?」

『こちらで揃えてますのでご心配はいりません』

結標「そう。じゃあ今から向かうわ」

『お願いします』

184 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:44:04.16 ID:QLX8haPm0
第七学区道中の車内にて

フレンダ「そういえば事務所ってどこにあるの?」

土御門「第一六学区だ」

フレンダ「じ、一六学区!?」

土御門「なにかおかしいか?」

フレンダ「だって、そこはアルバイト施設の集中学区のはずじゃ…」

土御門「学生達をスカウトしやすいから、ってのが理由らしいな」

麦野「ていうかあんた達随分と遠出したのね」

土御門「そうか?」

絹旗「ここ、六学区ですよ?事務所からのある二三学区から超離れています」

土御門「そこら辺に分所があるからな。特別気にはならないぞ?」

絹旗「そこら辺って…」

土御門「ほら、今通りすぎたあそこ。アレもうちの事務所だ」

絹旗「へぇ…」
185 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:44:32.08 ID:QLX8haPm0
土御門「さて、じゃあ着くまでの少しの間、最後の打ち合わせだ」

土御門「まずは大通りから撮影を始める。あわきんが通りを歩きながら歌う」

土御門「歌が少し進んだ所で背後からアイテムの登場、サビまでのスパート部分で戦闘開始の準備」

土御門「サビまでの間はあわきんを映しつつ、ストーリー補完という形でアイテムも撮影する」

海原「土御門さん」

土御門「ん?どうした?」

海原「ステイルさんからお電話です」

土御門「ステイルから?もしもし、俺だ」

『土御門、第七学区に近づいてくる影が見えるんだが』

土御門「どんなのだ?」

『一つは赤毛の女の子かな?もう片方は…ロボットかな?』

土御門(ロボット?)

土御門「多分どちらも関係者だ。人払いのルーンの対象にしなくていい」

『そうかい。じゃあ払わなくていいんだね?』

土御門「そうだ」

『分かった。じゃあそうするよ』

土御門「悪いな」

『ちゃんと約束は守ってくれよ?』

土御門「安心しろ」
186 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:45:01.67 ID:QLX8haPm0
土御門「さて…どこまで話したか…」

浜面「最初のサビあたりのとこまでだ」

土御門「とりあえずはそんな感じで続ける。途中あわきんが能力を使い飛び回るから基本、それに付いていく形になる」

土御門「そしてラスサビ前の間奏部分では場所を一気に変える」

土御門「第七学区内にあるハイウェイだ。ここでハイウェイチーターを走らせる」

土御門「サビに入った瞬間、あわきんにハイウェイチーターの上に飛んでもらう。ちなみにここが最大の見せ場だ」

土御門「アイテム達にはこれでもかと派手に能力を使ってもらう」

土御門「そして曲が終わって人影が遠ざかるのを映して終了だ」

土御門「以上だがなにか気になる事はあるか?」

麦野「滝壺はどうすんのよ」

海原「滝壺さんはPVの主役として演技してもらいます」

滝壺「わたしが主役?」

海原「そうです」

浜面「俺は?」

土御門「撮影係だ」

浜面「…」

土御門「でも配役は一応考えてある。実装するかは別としてだがな」

浜面「そ、そうか」
187 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:45:31.92 ID:QLX8haPm0
麦野「結標は能力があるから移動は大丈夫だろうけど私達はどうするの?」

海原「あわきんさんに一緒に飛ばしてもらいます」

フレンダ「歌いながら能力を使って…しかも私達も飛ばすんでしょ?そんな事出来るの?」

海原「大丈夫です。彼女の能力は大分安定して来ています」

土御門「心配しなくても大丈夫だと思うぜい?」

黒夜「そこは結標を信じるか」

海原「一応第七学区に着いたら練習してもらいましょうか」

土御門「そうだな」

絹旗「あと少しですね」

土御門「もうそろそろか…じゃあ最後にあわきんの曲を聴いてもらうぜい」

海原「only my movepointです。聴いたほうがイメージを掴みやすいでしょう」

土御門「ちなみにPVが付くのは初回盤だぜい」

海原「発売は来週です。カップリングの収録も昨日しました」

土御門「実はもう2ndシングルの話が…」

麦野「とりあえず聴かせてくれない?」

土御門「…海原」

海原「はい」カチッ
188 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:45:58.36 ID:QLX8haPm0
第七学区・大通り


キキッ

結標「…遅かったわね」

土御門「すまんすまん。思ったより時間がかかったみたいでな」ガラッ

海原「時間も惜しいことですし、早速始めましょう。ですが、その前に…」

結標「?」

海原「今回のPV撮影に協力してくれる皆さんのご紹介です。どうぞ、降りてきてください」

結標「あら…」

麦野「はぁ…あ。随分と窮屈な車内だったわね」

浜面「運転手入れて九人だからな」

絹旗「少し家を空けていたと思っていたらアイドルなんてやっていたんですね」

フレンダ「結局、アイドルって言うけどいつもの格好な訳ね」

滝壺「おはようむすじめ」

黒夜「んん?シルバークロースがまだ来てねぇみたいだな」

結標「そう…あなた達が…」

麦野「そうよ。安心なさい。無様なもんは撮影させないわ」

結標「期待してるわ」

土御門「よし、じゃあ始めるか…ん?」

189 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:46:40.12 ID:QLX8haPm0
土御門「なんだ…??あの四足の…」

浜面「随分と速いな」

海原「あれはもしや…」

浜面「うわっ!こっち来た!」

黒夜「お、やっと来たか」

シャァァァ! キキーッ

麦野「うるせぇ!」

絹旗「これブレーキ音ですか!?」

ゴウッ!

フレンダ「わぷぷっ!風が…」

滝壺「?」

『すまない。道を探していた』

フレンダ「しゃ、喋った!」

黒夜「いや大丈夫だろ。な?」

土御門「まだ初めてないからな。それより…お前」

『シルバークロース。そう呼んでくれ』

土御門「そうかシルバークロース。とりあえず聴きたいことがある」

『なんだ?』
190 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:47:13.98 ID:QLX8haPm0
土御門「この駆動鎧、ハイウェイチーターだな?」

『そうだ。よく知っているな』

土御門「最高速度はどれくらい出るんだ?」

『時速800kmは出る』

土御門「なるほど。うってつけだな」

『それで?何をしたらいいんだ?黒夜にはPVの撮影だと聴いているんだが』

土御門「今から説明する。聴いてくれ」

海原「さて、では説明してる間にですがあわきんさん」

結標「なに?」

海原「歌いながら自分を含めて他者を能力で飛ばせますか?」

結標「出来るわ」

海原「即答ですね」

結標「だって台本にそれっぽい事が書いてあるんだもの。昨日のうちにやってみたわよ」

海原「でしたら話が早いですね」

土御門「皆、集まるんだぜい」

海原「そろそろですね」
191 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:47:41.24 ID:QLX8haPm0
土御門「じゃあ打ち合わせ通りに」

海原「ではそのように」

浜面「おい、俺ってまさか本当に撮影係なのか?」

土御門「さっきから随分と自分の役割を気にしてるな。もしかして出演したいのか?」

浜面「ぐっ…」

海原「皆さん、所定の位置に。そういえばあわきんさん、メガネはどうしますか?」

結標「付けたままやるわ」

海原「分かりました」

土御門「どうなんだ浜面仕上」

浜面「実は…少し出たかったりする…」

土御門「ふっ、付いて来い浜面。お前専用に用意してるものがある」

浜面「え、マジかよ」

土御門「ああ」

海原「ではクランクインです。そういえばPVなんかの撮影でもクランクインって言うのでしょうか…」

麦野「いいから始めなさいよ」

海原「すいません。では気を取り直して。ではシルバークロースさんもお願いします」

『ああ』

海原「では始めます、一回での成功を祈っています。3…2…」スッ
192 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:48:07.21 ID:QLX8haPm0
結標「♪〜♪〜」

フレンダ(ウッソ!こんな声出せるの!?)

黒夜(うへー、マジかよ…)

結標「♪〜」スタスタ

海原(ここで道路の真ん中へ座標移動…)

結標「♪〜♪♪〜」ヒュン

海原(カメラへの配慮も表情も完璧ですね。さて、次は滝壺さんの登場ですが…)

結標「♪♪〜」

滝壺(そろそろかな?)ヒュン

海原(そのままあわきんさんを横目に歩道を直進ですよ)

滝壺(こんな感じでいいのかな?)スタスタ

結標「♪〜♪」

海原(そろそろ出番ですからね)

麦野(分かってるわよ)

結標「♪〜」
193 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:48:36.56 ID:QLX8haPm0
海原(頼みますよ)

麦野(分かってるわよ)ヒュン

結標「〜♪」

絹旗(確か…ちょっと滝壺さんを睨む感じで歩くんでしたっけ?)ジロッ

フレンダ(そういえばこれってどういうストーリーなの?)

滝壺(わたしもあっちを見なきゃ)チラッ

海原(凄いですね…リハーサルも何もしてないのに)

結標「♪〜〜♪♪〜」

麦野(私とフレンダは滝壺サイドってことなのかしら?)ヒュン

黒夜(やっぱすげぇな)

結標「♪♪〜」

麦野(そろそろサビね、能力発動の準備を…)ジジッ

黒夜(ン)ブワッ

フレンダ(あれ?私ってどう戦えば…)

海原(次はビルの屋上へ一斉移動…そして戦闘です…)

結標「♪♪〜」ヒュン
194 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:49:06.72 ID:QLX8haPm0
結標「♪〜〜♪〜♪♪」

麦野(サビね)ジュッ

黒夜(おらよっ)ボンッ

滝壺(私はむぎのとふれんだに守られながらむすじめを目で追う)ジーッ

フレンダ(少し滝壺を庇う動作をしながら)ザッ

絹旗(私は滝壺さん目当てで…)ドッ

結標(♪♪♪〜)

海原(PV作製を決行して良かったです…このままラストまでお願いします!)

麦野(これってシリコンバーン使っていいのかしら?)

黒夜(腕は最後に使うか)

絹旗(とりあえず殴る素振りを…)

フレンダ(えっ?殴ってくるの?どうしよう…とりあえず小さめの爆弾で…)

絹旗(爆弾?)ボンッ

結標「♪〜♪♪」

海原(そういえば土御門さんは浜面さんをどうする気なんでしょうか?)

結標「♪」

195 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:49:47.05 ID:QLX8haPm0
浜面「…」

土御門「不満か?」

浜面「いや…ていうかこれ…」

土御門「使った事はあるんだろ?なら大丈夫だろ?」

浜面「うーん…まあ、そうなんだが…」

土御門「因みにこうしてる間に歌は終盤だ。早くしろ」

浜面「滝壺はどうするんだ?さすがに拾えないぞ?」

土御門「あらかじめあわきんに頼んでる」

浜面「俺が出演する前提だったってことか?」

土御門「そうだ」

浜面「…そうか。じゃあさっさと準備するか」ガチャガチャ

土御門「準備が出来たら一気にハイウェイに向かうんだぞ?正面から見てあわきんの左側に行け」

浜面「ああ、任せてくれ」ガチャッ

土御門「よし、準備出来たな」

浜面「おう」

土御門「行け!ドラゴンライダー浜面!」

浜面「なんだそのかけ声…」

ギャギャギャッ ブオォォォォン!
196 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:50:17.43 ID:QLX8haPm0
結標(間奏…ここで全員ハイウェイに移動させればいいのね)ヒュン

フレンダ(わっ)

黒夜(ハイウェイ…)

結標(ラスサビ直前で滝壺以外ハイウェイチーターの上に、滝壺はドラゴンライダー?だっけ?に)

麦野(そろそろね)

海原(合図です。シルバークロースさん)カチッ

シャァァア!

絹旗(来ましたね)

ブオォォォォン!

絹旗(?バイクの音?)

滝壺(はまづら?)

結標「〜♪♪〜〜♪〜」ヒュン

滝壺(あれ?わたしはこっち?)

浜面(滝壺、打ち合わせ通りにやってくれ)

滝壺(はまづら…)

麦野(さて、派手に行くわよ)スッ

黒夜(出番だぜェ?イルカちゃンよォ)スッ

結標「♪〜♪♪」
197 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:50:47.20 ID:QLX8haPm0
麦野(シリコンバーン…)バッ

黒夜(さァて、御披露目だ)ゾゾゾッ

結標「♪〜」

絹旗(戦闘は二人がメインですね)サッ

フレンダ(ひーん!)

麦野(オラッ!)ズババッ

黒夜(ひゃはッ)ボボッ

結標「♪〜〜」

滝壺(むすじめと目線を合わせて…)ジーッ

海原(滝壺さん…少し表情が硬いです…ですが…いいでしょう。もうそろそろ歌も終わりです)

結標「〜♪♪」

麦野(そういえば私達って負ける側だっけか…少し弱めに打って…)ビッ

黒夜(ふンッ)ボッ

麦野(押し負けて…)

結標「♪〜♪♪〜♪♪♪〜……」

麦野(歌終了と同時にフレンダ共々散ると…)ブワッ

フレンダ(やっぱり絹旗にやられるのー!?)ドガッ
198 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:51:16.96 ID:QLX8haPm0
滝壺(あ、おわった。最後に結標と見つめ合って…)ジッ

結標「…」ジーッ

海原(ハイウェイチーターの加速により、お別れです)

ギュイン! シャッ!

浜面(早い…)

海原(フェードアウト…)

ブオォォォォン…!

海原「はい、お疲れ様です。今から見直すので少し待っててくださいね」

麦野「なんかどっと疲れたわね」

絹旗「ふぅ」

フレンダ「いたた…」

滝壺「あれ?むすじめは?」

黒夜「多分一周回って帰ってくるンじゃねェかな」

シャァァア…

黒夜「ほら」

滝壺「ほんとだ」

麦野「とりあえず車の場所に戻りましょ」

199 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:51:59.20 ID:QLX8haPm0
土御門「なかなかうまくいったみたいだな」

海原「ええ。自分の目から見ても上出来でした」

土御門「今から確認か?」

海原「はい」

土御門「俺も見るぞ」

海原「ではこちらに」

麦野「ていうか何このバイク」

絹旗「同じような駆動鎧なんでしょうけど…」

黒夜「こいつは登場型の駆動鎧だ。つーか滝壺もよく無事だったな」

滝壺「?」

黒夜「この駆動鎧、とてもじゃねぇけど生身で運転するようなもんじゃねぇんだ」

浜面「それに関してはちゃんとスピードを抑えたから大丈夫のはずだ」

フレンダ「この声…浜面?」

麦野「んだよ、中身は浜面かよ」

黒夜「ふぁっ…」

絹旗「超あくびですか?」

黒夜「まだ朝だろ?さすがに眠いって」

滝壺「まだ六時前だもんね」
200 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:52:36.22 ID:QLX8haPm0
ステイル「くあっ……」

神裂「ステイル、さすがにあくびを連発しすぎでは…」

ステイル「何時からルーンの準備をしたと思っているんだい?夜中の二時からだよ?」

神裂「確かにそうですが…」

ステイル「たった三時間程度でこの学区中にルーンを貼り付けたんだ。そりゃ疲れるよ」

神裂「どうしてそこまでして…」

ステイル「うーん…なんていうかね…最近日本にアイドルに興味を持ってね」

神裂「はぁ…?」

ステイル「今回の人払いがそのアイドルの手伝いになればと思ってね」

ステイル「顔はまだ見たこと無いし、歌しか聴いてないけど…きっといい子なんだろうね」

神裂「…」

ステイル「協力してくれれば土御門がサイン入りでCDを渡してくれるって言ってるし、今のうちからこういう事をしておくのも悪くないだろ?」

神裂「私にはよく分かりません…」

ステイル「さっきまでの行動を見る限り、一回目の撮影が終了したようだね」

神裂「道路を走ってたロボットですか?」

ステイル「うん。さっき僕が払うかどうか聴いたやつだ」

神裂「運がよければ一回で終了と土御門は言ってましたが…」

ステイル「時間はまだあるから続けるならもう少し続けるだろうね」
201 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:53:10.68 ID:QLX8haPm0
海原「どうでしょうか?ディレクター」

海原「なるほど…はい…そうですか?」

海原「分かりました。ではそのように…はい、失礼します」ピッ

土御門「なんだって?」

海原「映像のコントラストなどを微調整してこれでいくそうです」

土御門「おお、まさかの一発OKか?」

海原「はい、その通りです。撮り直しの可能性もあるかと思いましたが…うまくいってよかったです」

土御門「ディレクターに見せたのは正解だったな」

海原「はい。ではステイルさんに連絡して人払いのルーンの解除を」

土御門「了解だにゃー」

海原「自分は皆さんを集めて解散の旨を伝えてきます」

土御門「ああ、頼んだぜい」

海原「時間は…六時を少し過ぎたあたりですか…」

土御門「神裂ねーちんにもお礼をしなきゃだにゃー」

海原「皆さん、集まってもらえますか?」

土御門「もしもし?ステイルか?」

土御門「撮影は無事終了、ご苦労だったな」

海原「一発OKが出ました。お疲れ様です」
..................................................
........................................
...............................
.......................
...............
........
....
..
.

202 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/25(土) 22:55:02.95 ID:QLX8haPm0
はい。ながながとアイドル編を書いていきましたが一旦これで落ち着きました。
結構つまんない話だったんじゃないかなーって自分でもちょっと思っていました。

一応どういう内容だったかは次に触れますので少しお待ちください。
ではこれで一旦お終いです。また会いましょう。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/25(土) 23:32:46.02 ID:v+WkqP0yo
つまんないというより、何が起こってるのか分かりにくい。
204 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/26(日) 00:26:38.29 ID:246IFh950
>>203
本当すか?と思って自分で読み返してみると確かに大分分かりにくいですね。

次からこういう話に持ち込むときはセリフで所々補完していこうと思います。
どうもすいません。
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/26(日) 01:44:52.89 ID:695FDOIko
結構わかりやすかったと思うけどな!
本編もだがあわきんサイドも期待!
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 20:51:46.09 ID:Dnpaw0oDO
あわきん頑張れ!
207 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:52:20.07 ID:0x7AzMdT0
こんばんは。短いんですが書き溜めが出来たので投下しようと思います。

ではよろしくお願いします。
208 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:52:56.03 ID:0x7AzMdT0
その後・同棲施設にて


コンコン

一方通行「…ン…?」

コンコン

一方通行「誰か居ねェのか…?」

コンコン

一方通行「しょっ…とォ…」スック

コンコン

一方通行「チッ…今から行くからあンましノックすンじゃねェ」

コンッ…

一方通行「…?なンだ?聴こえたのか?」

一方通行(外に聴こえる程の大きさで喋ったわけじゃなかったンだが…用心に越したことはねェ)カチッ

一方通行「待たせたな…」ガチャ

「おはようございます。第一位さん」

一方通行「ア…お前は…」

「その説はどうも。今回はお願いがありましてここに参上致しました」

一方通行「お願い…ねェ?」カチ

「ええ。またしても、常盤台の教師としてのお願いです」
209 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:53:30.33 ID:0x7AzMdT0
「我が校の白井黒子をご存知で?レベル4の空間移動を有している女生徒なのですが」

一方通行「オリ…第三位と仲良くしてる奴だろォ?よく知ってる。それがどォした?」

「彼女の所属してるクラスには白井黒子を筆頭に優秀な能力者が揃っていましてね」

一方通行「…?」

「本日、そのクラスで能力実演の授業がありまして…それに我々教師とともに出席していただきたいのです」

一方通行「出席するだけかァ?」

「はい。出席するだけ、です。特に何かをしろという訳ではありません。ですが…」

一方通行「案の定なンかあるわけだな。言ってみろ」

「レベル5に到達する可能性のある生徒が居るかどうか見極めて欲しいのです」

一方通行「何を考えてンだ?レベル5に到達する奴なンざ…」

「重々承知の上です。我々は可能性を見出したいのです。努力でレベル5に辿り着いた御坂美琴のような生徒の」

一方通行「…いつ行けばイイ?」

「ありがとうございます。では12時頃に職員室までお越しください。話は通しておきますので安心して校内にお入りください」

一方通行「分かった」

「では失礼します」

一方通行「オイ、ちょっと待て」
210 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:53:57.54 ID:0x7AzMdT0
「どうしました?」

一方通行「時間」

「はい?」

一方通行「まだ七時前だ。ウチの第五位が居ねェンだか知らねェか?」

「居ない?食蜂操祈がですか?」

一方通行「そォだ」

「ふむ…申し訳ありませんが存じませんね」

一方通行「そォか。分かった」

「もしかしたら既に登校してるのかも知れません。一応こちらでもお調べしておきます」

一方通行「あァ、よろしく頼む」

「では今度こそ失礼します」

一方通行「…なるべく気ィつけて戻れ」

「ありがとうございます。では後ほど」

一方通行「…」

211 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:54:23.11 ID:0x7AzMdT0
同時刻・別施設にて


垣根「…」

御坂「…」ジーッ

ケロッケロケロー

垣根「つッまんねーなオイ」

御坂「静かにして、もう少しで終わるから」

ケロッ

垣根(今何時だ?…もう七時じゃねぇか)

垣根(結局徹夜で借りてきたDVD見てたな…)

御坂「あっ」

垣根「どうした?」

御坂「終わっちゃった」

垣根「やっとか…」

御坂「ねえ、コレ続きないの?」

垣根「だからカエルはそれだけだっつの」

御坂「いい所で終わってんのよねー」
212 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:55:02.15 ID:0x7AzMdT0
垣根「ていうかお前本当にそんなのが好きなんだな」

御坂「何よ、あんたもカナミンなんて借りてきたくせに」

垣根「そっちのカエルより面白かったろうがよ」

御坂「ゲコ太ほどじゃないわね」

垣根「そういやパンツもカエル柄だったな」

御坂「なっ…」バチチッ

垣根「ん…そろそろ学校の準備しろよ」

御坂「えっ?もうそんな時間?」

垣根「ああ、そんな時間だ。そういやお前よぉ」

御坂「えっ?なに?」

垣根「今日は随分と喋るんだな。昨日まで全然会話しなかったくせによ」

御坂「話すのは当たり前よ。兄妹?のつもりなんだから」

垣根(随分とメガネが効いてるんだな…まあ色々と便利だからいいか)
213 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:55:51.70 ID:0x7AzMdT0
御坂「よいしょっ」ゴソッ

垣根「今日は何すっかな」

御坂「あんたって本当に暇人ね」

垣根「やることがねぇからな」

御坂「全く…」

垣根「ほらほら無駄口たたかねぇで準備しろコラ」

御坂「とっとっ、そうだった」

垣根(そういや上条はまだ入院してんのか?ちょっと行ってみるか)

御坂「さて…っと」

垣根「あ?もう出るのか?ちょと早いんじゃねぇのか?」

御坂「黒子と会う約束してるのよ」

垣根「そうか」

御坂「じゃあ行ってくるわ」ガチャッ

垣根「ああ」

垣根「上条が入院してんのはどこの病院だったかな…お、そういえばシスターからアドレス貰ったんだっけか…」
214 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:56:19.96 ID:0x7AzMdT0
垣根「…」ピッピッ

垣根「…」ピッ

垣根「めんどくさ、電話にするか」プルルルルル

『もしもし、こちらIndex-Librorum-Prohibitorumなんだよ!』

垣根「あ…?なに…?」

『む…その声はかきねかも?』

垣根「そうだ俺だ」

『いったいどうしたのかな?』

垣根「上条…まだ入院してんのか?」

『ううん、もう退院したんだよ』

垣根「今家に居るのか?」

『とうまは学校に行ったのかも』

垣根「結構早いうちに出るんだな」

『ふこうがあって遅刻するから、って言ってたんだよ』

垣根「なるほどな」

『で?なんの用かな?』

垣根「あー…今からそっちに行く」

『かきねが?』

垣根「そうだ」
215 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:56:53.41 ID:0x7AzMdT0
常盤台にて


御坂「ごめーん。待ったー?」

黒子「お姉さま!お久しぶりです…の?」

御坂「?どうしたの?」

黒子「あれ…お姉さま?」

御坂「そうだけど…なに?」

黒子「いえ…少し見ない内にその…若返った?とでも言うのでしょうか…?」

御坂「若返ったー!?ありえないっての」

黒子「??それにそのメガネは…もしや視力でも…?」

御坂「いや、別にそういう訳じゃないのよねー」

黒子「でしたらなぜ…」

御坂「うーん…不思議と心地良いのよね。これかけてると、なんか外す気も起きないし」

黒子「でもメガネかけて幼く見えるお姉さまもなかなか…」ジリ

御坂「ちょ、ちょっと…」

黒子「お姉さま!」ガバッ

御坂「ひーん!」

黒子「あ、あれ?」

御坂「ど、どうしたのよ」

黒子「いつもなら電撃が飛んできてもおかしくないのですが…」

御坂「え?でもそうすると痛いでしょ?」

黒子「や、やっとお姉さまに受け入れられましたの…」ジーン

216 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:57:44.20 ID:0x7AzMdT0
学舎の園の外にて

垣根「退院祝いも兼ねて何か買っていってやるか」

垣根「食い物は…下手すっと上条の目に写る前に無くなってそうだしな…」

垣根「あー…どうしたもんか…ん?」

垣根「…」タッ

垣根「おい、大丈夫か?お前」

「う…っ」

垣根「どうした、どっか痛ぇのか?」

「あ…頭…つっ…が…あっ…!」

垣根「頭?頭だと?誰かに殴られたのか?」

「ちっ…違…」

垣根「…とりあえず病院には連れてってやる」

「あり…ありがと…ございます…」

垣根(ちょっと急いだほうがよさそうだな)バサッ

垣根「ただの頭痛か?それとも誰かの能力によるもんか?」

「え…?」

垣根「いや、独り言だ。気にすんな。ちょっと飛ぶぞ」ブワッ

217 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:58:23.38 ID:0x7AzMdT0
第七学区内・芸能プロダクション・分所にて


海原「えー…さて。完成品となったPVはご覧になった通りのものです」

結標「うん。それは分かった。分かったんだけど」

海原「けど?」

結標「これって麦野達に見せなくてよかったの?」

海原「彼女達は撮影が終了した直後、速攻ご帰宅なされました」

海原「その際に撮影したものについてお話を伺ったところ…」

結標「…」

海原「後日送ってくれとのことでした」

土御門「一応完成したものはCDと一緒に同封して渡すつもりだったが…先にあっちからくれと言ってきたんだにゃー」

海原「もともと渡すつもりだったんですが…報酬はきちんと貰うタイプのようですね。麦野さんは」

土御門「発売は来週。テレビでのお披露目は明後日に迫ってきている」

海原「聴いたところレコーディングも完了しているようですし…本日はゆっくりとお休みを、と言いたい所ですが」

土御門「今日は今日で2ndシングルについてのお話があるからそういうわけにもいかないぜい」

結標「まあなんでもいいわ。じゃあさっさとそのお話とやらをしましょうか」

海原「あ、それとですねあわきんさん」

結標「?」

海原「メディア露出などする際は結婚している事は徹底的に隠しますからそのつもりで」

結標「アイドルと言えば当然っちゃ当然ね。了解したわ」

海原「では話を進めましょうか」
218 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:58:55.27 ID:0x7AzMdT0
病院


垣根「さっきの女は冥土帰しに預けたしとりあえず安心だろ。んじゃ行くとすっか」

「あ、ちょっと待ってください!」

垣根「ん?」

「先生がお話したいことがあると…」

垣根「冥土帰しが俺にか?」

「はい、そうです」

垣根「んん?なんのようだ?」

「それが私たちには教えてくれなくて…とりあえず彼を呼んでくれとの一点張りで…」

垣根「…そうか。んじゃ行くとするよ。わざわざ済まないな看護婦さんよ」

「いえ、では私はこれで」

垣根「なんだ?まさか治療費を俺に請求するとか言うんじゃねぇだろうな?」

垣根「いや、待てよ?前に病院前で暴れたことがあったな…それの修理費の請求か?」

垣根「分かんねぇな…まさか上条のこと…それは無いか」

垣根「とすると前にクローンを連れ出して白井にいたずらしかけたことか?」

垣根「一応ノックするか」コンコン

『垣根だね?どうぞ?』

垣根「入んぞ」ガラッ
219 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 21:59:41.07 ID:0x7AzMdT0
垣根「ん?その女…」

冥土帰し「どうかしたかね?」

垣根「随分と頭に電極が繋がっているな。そんなに酷かったのか?」

冥土帰し「そんなに、という訳ではないがそれなりにだね?」

垣根「原因は?やっぱ能力者によるもんだったか?精神干渉系とかの」

冥土帰し「垣根、この子は置き去りだ」

垣根「んん?答えになってねぇぞ。置き去りだからなんなんだよ」

冥土帰し「暗闇の五月計画を知ってるね?」

垣根「あんたの口からそんな言葉が出てくるとはな。置き去りとか言ってたな…まさかその女、被験者だったりするのか?」

冥土帰し「その通りだよ」

垣根「へぇ…それで?なんでその女は被験者だって分かったんだ?」

冥土帰し「まず置き去りという所だね?それに詳細不明の頭痛」

垣根「…」

冥土帰し「それでピンと来てね。少し調べたんだね?」

垣根「んで?頭痛の原因は?その女がこうして大人しくしてるからには何か分かったんだろ?」

冥土帰し「自分だけの現実の最適化による不具合だね?」

垣根「不具合だと?」

冥土帰し「もっと簡単に言うなら精神性の不一致。それが今になって耐え難い頭痛になって発症したわけだね?」

220 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:00:09.60 ID:0x7AzMdT0
垣根「暗闇の五月計画は随分前に行われた実験のはずだ。それの被験者がなんで今になって頭痛という形で発症したんだ?」

冥土帰し「何も考えずに一方通行の人格の一部を植え付けたんだ。時間差で発症しても何もおかしくは無いね?」

冥土帰し「ただでさえ無理矢理な実験だったんだ。当時発症しなかったツケが来たと考えていいね?」

垣根「そうか。それで?その子は大丈夫なのか?」

冥土帰し「これから木山春生という大脳生理学者を呼んで治療をするところだよ」

垣根「そうか。なんにせよ無事なんだな?」

冥土帰し「ああ。この子は運がいい。それほど適合しなかったお陰で比較的軽い症状で済んでいる。下手すれば死んでいたね」

垣根「そうか、暗闇の五月計画か…それって被験者全員に発症してんのか?」

冥土帰し「どうやら発症する者としない者で別れるみたいだね」

垣根「今はどうやって寝かしつけてんだ?」

冥土帰し「リラックス効果のある超音波を直接脳内に響かせている」

垣根「大丈夫なのか?それ」

冥土帰し「僕を信じてほしいね?」

垣根「はっ、そうかい。んじゃ俺は行くところがあるからもう行くぜ?」

冥土帰し「ああ、正直この子を運んで来たときにはびっくりしたよ」

垣根「あ?」

冥土帰し「君みたいな人が見ず知らずの人を助けるとはね。まあそれでこの子はまだ生きれるんだ、また後で来るといいね」

垣根「なんでだ?」

冥土帰し「この子からのお礼が待ってるからね」

垣根「…そうか。んじゃまた来るよ」
221 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:01:19.84 ID:0x7AzMdT0
一方通行「さて、昼まで何すっかなァ…垣根はどっか行っちまったみてェだしよォ」

一方通行「かと言って木山ンとこに行ってもなァ」

一方通行「しかし学舎の園ってのは…なンだ?歩いてるだけで男は注目浴びンだなァ…」

一方通行「俺の見た目も相まって…かァ?」

キャー!

一方通行「あン?」

「おやめになってください!」

「そ、そう言われましても制御が…!」

一方通行「ケンカかァ?お嬢様方もケンカなンてすンだなァ」

ゴバッ!

「きゃああ!」バシャ

「ああっ!」

一方通行「…タダのケンカじゃなさそうだな」

「ご、ごめんなさい!」

「と、とにかく!能力を落ち着かせないと水浸しに…!」

「…!…む、無理です!コントロール出来ません!」

「そんな!」

「大丈夫でしょうか…あれ」

「早く風紀委員か警備員の方をお呼びしたほうが…」
222 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:02:03.53 ID:0x7AzMdT0
一方通行「オイ、ちょっとイイか?」

「は、はい?」

「男性の方…どうしてここに…?」

一方通行「ありゃ一体どうしたンだァ?」

「えっと…能力が制御出来ずに軽い暴走状態になったみたいで…」

一方通行「暴走だと?常盤台の生徒だよなァ?そういうのはきちンとしてるンじゃねェのか?」

「それが私たちにもよく分からなくて…」

「普段慣れてない様な使い方をしたのかもしれません…」

一方通行「そォか…人呼ぶのはちょっと待っててくれ」

「え?ですが…」

一方通行「イイから。ちょっと俺に…」

「あっ!」

バシャッ!

一方通行「…」バシャッ

「え?弾いた…んですか?」

一方通行「まァ、そンな感じだ」

223 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:02:31.80 ID:0x7AzMdT0
「ひっ!」

「あわわっ!」

「よ、避けてください湾内さん!」

湾内「きゃっ!」

「だ、大丈夫ですか!?」

湾内「泡浮さん!今一度落ち着いて能力の制御を!」

泡浮「………むっ、無理です!」シュゴー

湾内「一体どうしたら…へ?」ガシッ

一方通行「暴走してンのはアイツだなァ?」

湾内「あ、あなたはあの時の…」

一方通行「あァ?」

湾内「前にトラックにひかれそうになった時に助けてくれた…」

一方通行「トラック…あァ…あン時か…」

湾内「はい、あ、そんな事よりも泡浮さんが!」

一方通行「それは俺に任せとけ」

泡浮「演算…演算…落ち着いて…わわっ」

224 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:03:17.83 ID:0x7AzMdT0
一方通行「オイ!落ち着いて俺の話を聴け!」

泡浮「えっ?お、落ち着いてと申されましても…」

一方通行「周りの事は一切考えンな。演算に集中しろ」

泡浮「そんなこと…」

一方通行「イイから。やるンだ。出来るハズだァ」

泡浮「演算…演算」ギュルギュル

ザバッ!

一方通行「ン…?」

泡浮「演算…!」

一方通行(随分と不安定だな…仕方ねェ)

泡浮「あ!こっちに来られると濡れてしまいます!」

一方通行「構わねェよ。ちょっと頭触ンぞ」

泡浮「あ、あれ?水がかかってない?」ピトッ

一方通行(強制的に演算すればとりあえず収まンだろ)

湾内「あ…水が引いてく…」

泡浮「や、やっと…」ヘナッ

一方通行「オイ、お前のレベルはいくつだ?」

泡浮「私はレベル3の水流操作です…あの…ありがとうございます」

一方通行「いや、別にイイ」

一方通行(こんな水の無ェ場所でレベル3があれほどのことが出来ンのかァ?)


225 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:03:53.17 ID:0x7AzMdT0
一方通行「確か泡浮って言ったなァ…もう一度ここで能力を使ってみてもらえねェか?」

泡浮「え?…あ、はい…」

一方通行「…」

湾内「…?」

泡浮「あ、あれ?」

一方通行「やっぱりなァ」

湾内「さっきはあれ程の規模で能力を使用なさっていたのに…」

泡浮「今度は全くと言っていいほど…」

一方通行「オマエ、なンでさっき能力を使えたンだ?あンな派手な使い方するには水分とレベルが足りねェハズだ」

泡浮「本来ならそうなんですが…さっき、不意に演算を行ってみたんです」

一方通行「どォしてだ?」

泡浮「はい、え…と…あれ?…すいません…分かりません…」

湾内「何はともあれ無事で良かったです。度々ありがとうございます」

泡浮「私からも…どうもありがとうございます。よろしければお名前を聴いてもよろしいでしょうか?」

一方通行「アー…一方通行でイイ。それで通じる」

湾内「一方通行…能力名か何かですか?確か前はベクトル操作系の能力者だとか…」

泡浮「ベクトル操作…?その能力で先程私の暴走を止めてくださったんですか?」

一方通行「まァ、そンなもンだ」

泡浮「そうですか…では今度改めてお礼をしたいと思います。本当にありがとうございました」

湾内「では私たちはこれで」

一方通行「あァ」
226 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:04:34.32 ID:0x7AzMdT0
一方通行「時間にはちっと早ェがもう行くか。今十一時くらいだから…」

一方通行「適当に常盤台の食堂で飯でも食って…ン?」

piririririri

一方通行(電話…?垣根からか)

一方通行「どうしたァ?」ピッ

『あのよー…』

一方通行「あン?」

『上条ん家、教えてくれ』

一方通行「三下の家だとォ?前に行ったこと無かったかァ?」

『いや、似たような建物ばっかで分かんなくなっちまってよぉ』

一方通行「今ドコに居る」

『子萌っつうチビ教師の家の近くだ』

一方通行「そォか。そンならわりと近くにボロい学生寮があるはずだ」

『ボロい?』

一方通行「見当たンねェか?なンなら能力使って空飛んで辺りを見回してみろォ」

『…見つけた』

一方通行「そォか。そンならイイ」

『ああ、手間かけたな。じゃあな』

一方通行「ああ」
227 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:04:51.51 ID:0x7AzMdT0
学生寮前


垣根「そうかそうか。ここだったか」

垣根「んじゃ早速…」チラッ

垣根「エレベーターで行くか」カチッ

ピンポーン

垣根「おお、早い早い。人居ねェからか?当然っちゃ当然か」

垣根「何階だったかな…確か…」ポチッ

垣根「…」ゴーッ

垣根「……」ゴーッ

垣根「………」チンッ

垣根「着いたか。部屋は確か…あ?」

垣根「今度はコイツかよ…!」タッ

垣根「オイ!大丈夫か?」

インデックス「う、うーん…」

垣根「お前はどうしたんだ?食あたりか?」

インデックス「おなかすいた…」

垣根「…」

228 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:05:22.16 ID:0x7AzMdT0
コンコン

『どうぞ』

一方通行「…」ガラッ

「ああ、あなたでしたか。随分とお早いお着きですね」

一方通行「特にやることも無くてな。こォして早めに来たンだがマズかったか?」

「いえ、特に早くてまずいという事はありませんよ。ところで昼食はもうお済みに?」

一方通行「イヤ、まだだ」

「そうですか。でしたら校内で食事を取ることをおすすめ致します。時間もまだ一時間ほどありますし」

一方通行「そォか。ンじゃそォするよ」

「どうぞ。それで、お食事は終わりましたらもう一度ここに来てください」

一方通行「ああ」

「では後ほど」

一方通行「ン…そォだ。食蜂のことはなンか分かったか?」

「ああ、はい。本日、食蜂操祈は他の一般生徒と共に校外学習に行ってるとの事です」

一方通行「校外学習だと?」

「ええ。他の先生の話によりますと…うーん…」

一方通行「?」

「ここだけの話なんですけど…なにやら上が心理掌握の力を利用してのレベルアップ、というもの考えているらしくてですね…」

「それの一環で…はい」

一方通行「心理掌握を利用しての…ねェ?」

「ええ。一旦この話は終了で…ではまた」

一方通行「…」
229 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/06/29(水) 22:07:01.83 ID:0x7AzMdT0
はい。なにやら不穏な雰囲気を残したまま一旦終了となります。
さて、御坂は一体ドコに向かっているんでしょうか…

また近いうちに更新しに来ます。
ではまた会いましょう。
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/29(水) 22:12:13.12 ID:RVu+JHdxo
a?
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 22:18:41.58 ID:9V13DUbR0
乙!
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 22:46:28.78 ID:b3Kz61q3o
結局物語的にレベル5同士を同居させてる意味がわかんないままだな
いい加減元鞘に戻してあげればいいのに
233 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/06/29(水) 23:42:12.38 ID:0x7AzMdT0
>>232
意味は一応あるんです。ですがそれの解説はもう少し先になります…
ですのでどうかもう少し待ってください。

それと付け足しと言った感じですが、レベル5同士という見方では無く
男女の同居、という所に着目して私は書いてるつもりです。

だからそこに注目してくれれば…と思います。
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 23:44:39.91 ID:b3Kz61q3o
>男女の同居

余計に悲しくなった
235 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/06/30(木) 00:02:38.65 ID:ReofzpqI0
>>234
あーーーーー
違うんです、そういうアレな方向では無くてですね…
こう…精神的な意味で…ですね…

とりあえずそんなドロっとしたような考えじゃないんで…お願いします
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 00:08:14.03 ID:k4wviDepo
いや、なんかこちらこそすいませんでしたorz
一方あわきんがまた見れるのを楽しみに待ってます!
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/06/30(木) 02:45:37.73 ID:/CQRJIBs0
ちなみにこのスレのメインヒロインはあわきんって認識で合ってんのかな?
2スレ目って事でメインじゃないなら仕方ないけど
一方さんとあわきんの会話がまだ2レスだけってのは流石に寂しくなってきた
238 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/06/30(木) 19:10:54.67 ID:s6kGhofAO
>>237
安心してください。これから増えていきますから。
239 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:04:01.55 ID:QX9rplCg0
こんばんは。今日にでも投下できます。

少ししたらまた来ますのでよろしくお願いします。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/02(土) 21:24:46.29 ID:CXkYjDyAO
あわきんがアイドルで云々てのは何か意味があるのかな?
241 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:45:48.72 ID:QX9rplCg0
こんばんは。今から投稿行きます。

>>240さん
アイドルやってる事には意味があります。
今現在では意味の無いようなもんですが後々になって役に立ちます。

では行きます。
242 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:46:18.27 ID:QX9rplCg0
「先生」

「はい?」

「第一位って今の子ですか?」

「そうですよ」

「なんか…私が想像していたのと全然違います」

「最初に彼を見た時は第一位なんて想像もつきませんでしたよ」

「そういえば…」

「?」

「食蜂操祈の件なんですけど…」

「どうかしたんですか?」

「一般の生徒を含めての校外学習となっているんですが…どうも人数が合わなくて…」

「どういった風に?」

「その…校外学習に行った一般の生徒が…一人も居なくてですね…」

「え?だけど私の方には…」

「合ってないんですよ。リストも人数も何もかも。まるで食蜂操祈…いえ、心理掌握だけに用があるみたいに」

「…」

「ちょっと上に掛け合ってみますか?」

「ふむ…実演授業が終わってからでもいいですか?」

「特に急ぎという内容でも無いので別に構いませんよ」

「すいません。お手数掛けます」
243 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:46:46.21 ID:QX9rplCg0
学生寮・上条の一室にて

垣根「ったく…空腹で玄関先に倒れてるとはよぉ…」

インデックス「仕方ないんだよ!」

垣根「はぁ…ほら、これ退院祝いだ。適当に上条にでも渡してやれ」

インデックス「こんなに!?ありがとう!」

垣根「少しぐらいなら食ってもいいが…一応は上条への退院祝いなんだ、だから…」

インデックス「分かったんだよ!」

垣根「はぁ…んじゃ帰るわ」

インデックス「もう帰るの?」

垣根「別に長居しにきたわけじゃねぇからな」

インデックス「そうなの?」

垣根「ああ。じゃあ上条によろしくな」

インデックス「またね!」

垣根「ああ、あばよ」ガチャ

垣根「確か冥土帰しの所には木山が来るんだっけか」

垣根「少し顔出してみるか」
244 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:47:15.41 ID:QX9rplCg0
一方通行(俺に能力向上の指導を任せた食蜂を利用してレベルを上げる…)

一方通行(妙な話だな…食蜂の能力で擬似的にレベルを上げてどうするつもりなンだ?)

一方通行(上の考え…そォいや同棲を促してきたのは統括理事会だったな)

一方通行(あの教師の言う上ってのが統括理事会なのか?)

一方通行(統括理事会が心理掌握の力を利用してのレベルアップ…こう考えるとかなりクサイ話だな)

一方通行(それとも単純に常盤台の上層部…)

一方通行(少し前から常盤台は生徒のレベルを上げることに躍起になってるからなァ…無い話じゃねェハズだ)

一方通行「…」ピッ

piriririririri

『もしもし?』

一方通行「土御門かァ?」

『一方通行か。珍しいな、どうしたんだ?』

一方通行「少し調べて欲しいことがあるンだけどよォ」

『調べて欲しいこと?』

一方通行「そォだ」

『表の事か?裏の事か?』

一方通行「どっちかっつうと裏寄りだな」

『一方通行。済まないがアイテムに頼んでくれないか?』

一方通行「あ?」

『ちょっと色々と立て込んでてな。悪いが調べる時間なんてとても…』

一方通行「…分かった。ンじゃそォするわ」

『すまないな』
245 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:47:45.23 ID:QX9rplCg0
『それで私に電話してきたのね』

一方通行「そォだ」

『まあいいわ。言うだけ言ってみなさい』

一方通行「統括理事会」

『?』

一方通行「統括理事会は現在…常盤台を中心としたなンらかの計画を練っているか…それを調べてほしい」

『常盤台?どうしてまた』

一方通行「色々と気になることがあってな」

『まあ深くは聴かないわ。とりあえずそれについて調べればいいのね?』

一方通行「そォだ」

『それと?』

一方通行「常盤台の上層部連中についても調べて欲しい」

『素性とか調べればいいのね。了解したわ』

一方通行「どれくらいかかる?」

『すぐにとは行かないわ。前みたいに動けるわけじゃないもの』

一方通行「なるべく早く頼む」

『分かってるわよ。じゃあ切るわね、早いとこ調べなきゃいけないし』

一方通行「ああ」
246 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:48:26.99 ID:QX9rplCg0
一方通行「あと三十分も無ェな…売店でなンか食うか」

一方通行「…随分と人が居ンだな。昼だし当然か」

「一方通行?」

一方通行「ン?」クルッ

御坂「やっぱり」

一方通行「ア…?」

白井「おや、こんにちは一方通行さん。どうなさったんですの?常盤台の校内で」

一方通行「ここの教師に呼ばれて来たンだ」

御坂「先生に?あんたなんかしたんじゃないでしょうね」

一方通行「何をするっつうンだよ」

御坂「まあ色々とね色々」

一方通行「そォか。ところでよォオリジナル」

御坂「だからその呼び方は…」

一方通行「そのメガネ、取ったほうがイイぜ」ヒョイ

御坂「えっ?」カチャ

一方通行「これで元通りだな」

白井「あら、いつものお姉さまに…」


247 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:48:53.74 ID:QX9rplCg0
御坂「ちょっと、なんでメガネ取ったりしたのよ」

一方通行「このメガネ、特別な仕様でなァ。着用した人物の思考とかを変えるメガネなンだわ」

御坂「は?」

一方通行「このメガネ、垣根に付けられただろ」

御坂「え、ええ」

一方通行「オマエ、遊ばれてたンだよ」

御坂「なっ…!」

白井「あの…一方通行さん」ヒソッ

一方通行「あ?」

白井「そのメガネ…私に譲っていただけないでしょうか」ヒソヒソ

一方通行「オマエは本当に危ねェ考えしてンだなァ」

白井「で、おいくらで譲っていただけますの?」ヒソ

一方通行「金は要らねェよ。欲しいなら持ってけ」ヒョイ

白井「んふふ…ありがとうございますの」

御坂「確かに今思ってみると不思議な感じが…」

白井「お姉さまー?そろそろ始業のお時間ですの」

御坂「えっ?もう?」

白井「ええ。私はこれから実演の授業がありますのでこれで」

御坂「そう?じゃまたね」

白井「ええ、また」ヒュン

一方通行「俺も行くか。じゃあなオリジナル」

御坂「えっ?あんたも?」

一方通行「遅刻すンなよ」

御坂「ね、ねえ!ちょっと!……一人になっちゃった…」

248 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:51:24.12 ID:QX9rplCg0
ガラッ

一方通行「うおっ!」

「あっ、すいません。おや、一方通行さんでしたか」

一方通行「もう時間だと思って来たンだが…」

「ちょうどいいですね。今から探しに行こうとしてた所なんです」

一方通行「ン?まだ時間じゃねェハズだぞ?少しばかり余裕が…」

「いえ、別件でお話がありまして…」

一方通行「別件?」

「食蜂操祈の事で少し…」

一方通行「!」

「手短にお話致しますのでどうか聴いてください」

一方通行「…」

「まず、校外学習の一環として他の生徒達と出払っているとのことでしたが…」

一方通行「あァ」

「出払っているのは食蜂操祈、ただ一人でした」

一方通行「…そりゃどォいうことだ?」

「先ほどお話した内容、覚えてらっしゃいますか?」

一方通行「心理掌握を利用してのレベルアップってトコかァ?」

「ええ、まさにその部分です」
249 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:51:50.63 ID:QX9rplCg0
「そのレベルアップのために上が…常盤台上層部ですね」

一方通行(統括理事会は関係無かったのか?)

「食蜂操祈を連れ回してるのかもしれません」

一方通行「そのレベルアップの方法ってのは分かンのかァ?」

「え…っとですね…詳しくは分からないんですが…」

一方通行「大まかでイイ。話してみろ」

「共感覚性を利用したものだと、そう聴いています」

一方通行「共感覚性…」

「ご存知ですか?一つの感覚の刺激で二つ以上の感覚を得るものですが…」

一方通行「そンくらい分かる。ンで?それがどう繋がンだ?」

「要はそのまんまなんですよね。例えば…そうですね…御坂美琴の能力で例えましょう」

一方通行「…?」

「電撃を放ったとします。どうなりますか?」

一方通行「どォなるだと?」

「はい。結果は一つではありませんよね?」

一方通行「!」

250 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:52:48.87 ID:QX9rplCg0
「分かりましたか?」

一方通行「なるほどなァ」

「能力使用者本人に共感覚性を利用し、能力の可能性を見出す。これがレベルアップの方法だと…」

「恐らく食蜂操祈の能力を利用し感受性や思考を改変する気でいるのでしょうね」

一方通行「随分と簡単な考えだなァ?」

「単純ですが効果があると考えたのでしょうね」

一方通行「へェ…」

「一方通行さんはご存知か分かりませんが…先程、学舎の園内で水流操作系の能力者の暴走がありました」

一方通行「…」

「実はその暴走、先程説明した共感覚性の利用によるものだと思われます」

「普段考え付かないような自分の能力の使い方。それが暴走の切欠となったようです」

一方通行「さっきのアレが…」

「そして驚くことに一時的ですが能力強度が上がった瞬間が見受けられました。今は元に戻ってますが」

一方通行「…てことは食蜂が能力を使用したってことでイインだよなァ?」

「そうなりますね。そして…」

一方通行「?」

「その能力の使い方が心理掌握を更に強化するものだとしたら?」

一方通行「…共感覚性を操作するという見方をした食蜂操祈の共感覚性により心理掌握が強化される、と」

「多少ややこしいですがそうなりますね」
251 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:53:17.24 ID:QX9rplCg0
海原「えーっと…では以上になりますね」

土御門「あわきんの方から何かあるか?」

結標「次もPVって作るの?」

海原「予定ではそのつもりです」

結標「テーマとかって決まってるの?」

海原「テーマですか?ふむ…」

土御門「一応、限界ってテーマはあるが…」

海原「映像にするには少し難しいテーマなんですよね」

結標「…PVのキャストは私が選びたいんだけど…いいかしら?」

海原「一応こちらで確認しての採用になりますが…」

結標「構わないわ、別に。ちなみにどんな内容なの?」

土御門「前回のような感じではなく、バンドPVとしての色を強めていく、だから…」

海原「楽器を持つ事が前提となります。と言っても持って弾くフりをしてもらうだけなので楽器が出来なくても大丈夫ですよ」

結標「えっと…ギター、ベース、ドラム…」

海原「ほかにはキーボードやサイドギターなどですね」

結標「楽器の割当なんてどうにでもなるわ」ピッ

海原「おや、電話ですか?」ガタッ

結標「いいわよ、席外さなくても」

海原「そうですか?」
252 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:53:45.35 ID:QX9rplCg0
『どォした?』

結標「ちょっと頼みがあるんだけど」

『言ってみろ』

結標「2ndシングルのPVに出演して欲しいんだけど」

『は?シングル?』

結標「あれ?聴いてないの?私今は立派なアイドルなんだけど…」

『イヤ、それは知ってる。え?2nd?ていうかCD出してたのか?』

結標「1stは来週発売なの。それで今から2ndの話をしてたの」

『ほォ…』

結標「前回のPVにはアイテム達が出演したのよ?」

『アイテムが?へェ…』

結標「それでね、今度の2ndシングルのPVに一方通行に出演してもらいたいと思ってね」

『俺に…かァ?』

結標「そう、一方通行に。勿論一方通行一人だけじゃなくて他にも考えてるんだけど…」

結標「一番最初に連絡しておこうと思ってね」

『…そォか。何すンのか分かンねェが…出てもいいぜェ』

結標「そう、ありがとう。じゃあまた日程とかの連絡するわね」

『あァ、頑張れよ。じゃあな』

結標「ええ」

253 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:54:13.05 ID:QX9rplCg0
海原「出演者の候補は一方通行さんでしたか」

結標「そうよ」

土御門「そういえばさっき一方通行から電話もらったな。あとで詳しく話聴いてみるか…」

海原「残りの出演者もお決まりで?」

結標「勿論、もう決まってるわ」

海原「こちらから連絡しておきましょうか?」

結標「いいわ、私が直接やるから」

海原「そうですか、では土御門さん」

土御門「ん?ああ、じゃあ一旦解散だ」

海原「お疲れ様でした」ガタッ

結標「じゃあ私出掛けてくるわね」

土御門「今日はこれで終了だからまた明日来てくれ」

結標「分かったわ、じゃあね」ヒュン

海原「お気をつけて」

254 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:58:00.06 ID:QX9rplCg0
「お電話はお済みで?」

一方通行「あァ」

「そうですか」

一方通行「なァ」

「はい?」

一方通行「さっきの考えだがよォ」

「共感覚性のことですか?」

一方通行「あァ。あの考え方で正しいのかと思ってなァ。本当にレベルが上がるのか…ってなァ」

「どうでしょうね。案外、それも兼ねているのかもしれません。それとお願いがあるのですが」

一方通行「なンだ」

「食蜂操祈の捜索、お願い出来ますか?大切な教え子でして」

一方通行「はン…同棲の理由、きっちり聴けンだろォな?」

「我々が聴いた内容と違うのでしたら聴けると思います。直接聴いてはいかがですか?食蜂操祈を連れまわしてる常盤台上層部に」

一方通行「あァ、そォするよ」

「では一旦授業の方に目を向けていただいて…」

一方通行「そンな悠長でイイのか?大切な教え子なンだろ?」

「実は此方でも少し調べてまして。時間がかかるのでその間…急いでもいい結果は出ません」

一方通行「なるほどなァ」

「では資料です、どうぞ」

一方通行「ン」

「教室は此方です。さ、どうぞお先に」

一方通行「あァ」ガラッ

「席は空いている所から詰めてお座りください」

255 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 21:59:34.73 ID:QX9rplCg0
コンコン

『どうぞ』

垣根「ん?もう木山が来てんのか…入るぞ」ガラッ

木山「おや…君か」

垣根「冥土帰しはどこだ?」

木山「彼ならカルテを取りに下のフロアに行ったよ」

垣根「その女、様子はどうだ?」

木山「大分落ち着いて来てるよ。発見が早かったのが幸いしたな」

垣根「そりゃ何よりだ」

木山「そういえば冥土帰しが君に何かを頼みたがっていたな」

垣根「俺に?」

木山「恐らく治療的な協力の要請だろうな」

垣根「何でわざわざ俺に…」

木山「電極の話、聴いたよ。彼のために難しい物の製作を頑張ったらしいじゃないか」

垣根「…チッ、余計な事を…」

木山「余計な事か…ふふっ。設計図を見たが…かなり難しいじゃないか。このチョーカーとやら」

木山「君は自身の能力を使って既存の法則とは異なる別の法則を組み込んだ」

木山「私には異なる法則とは理解出来なかったが…単純に聴こえて人知を越えた難しさだよ。常人にはおおよそ考えつかない」

垣根「…そんなに難しい事じゃねぇ。今俺が説明すれば簡単に理解出来る内容だ。ただ単にあんたが難しく見てるだけだ」

256 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:00:02.17 ID:QX9rplCg0
木山「君が説明すれば難しくない、か…ふふ」

垣根「何がおかしい」

木山「いや、なんでも無いよ。一応私には電波を受信してる他、逆になんらかの電波を送信してる事は理解出来た」

垣根「それで合ってる」

木山「問題は何を送信してるかだよ。受信してるのは当然ながら演算補助の電波。しかし、こちら側から何かしらの電波を送信する意味が分からないんだ」

木山「何を送信してるんだ?垣根帝督」

垣根「簡単な話だ。あのチョーカーには一方通行のAIM拡散力場に反応し半永久的に機能する未元物質を仕込んである」

木山「それの役目はなんだ?」

垣根「少しかみ砕いた説明になるが…受信した電波に乗せて未元物質の特殊電波をネットワーク側に送信している」

木山「特殊電波…だと?」

垣根「簡単に言わせてもらうと妹達の演算を逆に補助する電波だ」

木山「…なるほど。面白い事を考えるな」

垣根「制作には波長を合わせるのに手間取った。結果は勿論、成功だ」

木山「そうか…逆に妹達の演算を補助して一方通行くんの演算の出力を底上げしたというのか…」

垣根「これで一方通行は全盛期と大差無いまでになった」
257 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:00:28.37 ID:QX9rplCg0
木山「妹達の演算ではなく、直接一方通行くんの演算を補助するというのは考え付かなかったのか?」

垣根「それも考えたが…補助用の未元物質を害悪と判断され反射されちまったら元も子もねぇ…だから」

木山「だから妹達を通したわけか」

垣根「ああ」

木山「考えるな、君」

垣根「時間ならたっぷりあったからな。ちなみにジャマーにも阻害されない用にしてある」

木山「その未元物質とやらがか?」

垣根「おう。下手すっとジャマーで消滅しちまうからな」

木山「そうか」

ガラッ

垣根「ん?」

冥土帰し「なにやら難しそうな話をしているね?」

垣根「大した事ねぇよ」

木山「十分大した内容だよ。アレは」
258 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:01:07.26 ID:QX9rplCg0
冥土帰し「さて…一応木山くんから話は聴いてるかね?」

垣根「治療に協力しろってやつか?」

冥土帰し「その認識で構わないよ」

垣根「その認識でって…そうとしか認識出来ねぇよ」

冥土帰し「そうかい?」

垣根「ああ。それで?どういう治療すんだ?当然ながら脳みその手術なんて俺は出来ねぇぞ」

冥土帰し「手術は一切しない。暗闇の五月計画の応用で治療する」

垣根「応用?」

木山「五月計画は…一方通行くんの精神性を無理矢理植え付ける計画だと聴いている」

冥土帰し「いわば自分本来の精神に上書きされてるようなものだね?」

垣根「俺が言えた義理じゃねぇが…改めて聴くとクソみてぇな実験だな」

木山「そう思うだろ?いわば一方通行くんも一種の被害者なんだ」

垣根「ふん…」

冥土帰し「それで、肝心の治療法だがね」

垣根「本来の精神性をさらに一方通行の精神性に上書きをする」

冥土帰し「話を聴いただけでそれが思い浮かぶか…さすがだね?」

259 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:01:44.53 ID:QX9rplCg0
一方通行「ふァ……」

「退屈ですか?」

一方通行「想像してたのと大分違ってなァ」

「機械的に我々に能力を披露して、我々がそれに点数を付け評価する」

一方通行「…」

「あと一人ですが…今までに一人でも、レベル5に近づける可能性のある生徒は居ましたか?」

一方通行「残念だが一人も居ねェな」

「そう…ですか…」

一方通行「最後の一人、白井黒子だろォ?」

「お知り合いで?」

一方通行「まァな」

「そうですか。では最後の一人、よろしくお願いします」

一方通行「無駄だと思うがなァ」

「まあそう言わずに。白井さん、どうぞー」

白井「失礼しますの。あら?」ガラッ

一方通行「居るだけだ。気にせずやってくれ」

白井「そうですの?」

「ん?そういえば白井さん」

白井「はい?」
260 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:02:17.78 ID:QX9rplCg0
「番号順で行っていれば白井さんはとっくに終わってるはずなんだけど…どうして一番最後に?」

白井「先程風紀委員の呼び出しがありまして…それで無理言って順番を変えてもらったんですの」

「そう。じゃあ適当に能力実演してもらおうかな」

白井「もう始めても?」

「どうぞ」

白井「では…」ヒュン

「…」

白井「…」ヒュン

一方通行「こういう空間移動の能力者は何を見るんだ?」

「一番見るのは能力発動までのラグです。次いで正確さ、そして…」

「白井さん」

白井「はい」

「今からこのボールを白井さんに向けて投げます。そのボールをキャッチせずに、触れた瞬間この机の上に印のところに移動させてください」

白井「分かりましたの」

「はい」ヒョイ

白井(机の印…)スッ

ヒュン

「いかに能力をモノにしてるか、です。ご存知かと思いますが空間移動系能力の演算は他と比べて難易度の高いものとなっています」

一方通行「あァ」

「どれだけとっさの時に正確に能力を行使出来るか、ですね。有用性の高い能力ですから当然人助けの役にも立ちます」

「空間移動能力はそこを見ますね」
261 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:02:44.75 ID:QX9rplCg0
「さて、もういいですよ白井さん」

白井「はい」

「これで全員終了したので通常授業に移行しま…!」

キャー!

一方通行「ア?」

「なんでしょうか?」

白井「校庭の方からですの」

一方通行「校庭…?」ガタッ

白井「あっ」

一方通行「?」

ガシャァン!

「だ、大丈夫ですか!?」

一方通行「俺は大丈夫だが…コイツは…木かァ?」

白井「校庭に生えている木々の一本ですの。校庭から飛んできたと考えるのが普通ですが…一体誰が…」

一方通行「木がミサイルみてェに飛ンできたな。根っ子の部分事飛ンできてねェトコを見ると…」

白井「何か強い力で幹の途中から引き裂かれたような…そういう風に見れますの」

ブオッ!

白井「?」

パリンッ!

一方通行「空弾…かァ?オイ、校庭でも能力実演とかやってンのかァ?」

「い、いえ!やってたとしてもこのような事は…」

白井「このような芸当が出来る方と言えば…常盤台には一人しか居ませんの!」

262 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:03:11.67 ID:QX9rplCg0
白井「レベル4の空力使い…婚后光子」

一方通行「あの扇子野郎だな」

「こっ婚后さんが??」

ギュルルルル

一方通行「空力使いってのは竜巻なンてのも起こせンのかァ?」

白井「いえ…そんな話は…」

一方通行「…」

白井「も、もしかしたら!」

一方通行「?」

白井「昼間の泡浮さんのように…能力の暴…走なのかもしれませんの…」

一方通行「暴走…止めたほうがよさそうだなァ」

白井「校庭までお連れ致しますの。お手を」

一方通行「ン」

「任せて大丈夫ですか?」

一方通行「信用してもらって構わねェよ。ホラ、行くぞ」

白井「ええ。では先生、少し行って来ますの」

ヒュン

「…お願いします」
263 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/02(土) 22:05:22.55 ID:QX9rplCg0
はい。一旦ここで終了です。

共感覚性とか自分で書いてて正しいのか分かりませんでした…多分こんな感じだろうと…そう思って書いてました。
違ったらごめんなさい。

では今日は以上となります。
また会いましょう。
264 :9087 :2011/07/05(火) 19:37:40.65 ID:+cqPjGZu0
面白いですよ
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 19:46:49.62 ID:VmJxnCK60
場面転換がごちゃごちゃしててよく話が分かんなくなってきた
266 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/07/05(火) 20:10:20.83 ID:01GU0FW70
>>265さん
ごちゃごちゃしてるというのは分かります。
こればっかりは前スレからも自分で思っていたことなんです…

一応今起きてる事は同じ時間滞で起きてることなんです。
時間滞が変わる時には一応、言葉を入れてたんですが場面が変わる時には入れてませんでしたね
次の投下分は少しそこに気を使っていこうと思います。
267 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:13:50.95 ID:3VQo5ue90
こんばんは。今から投下したいと思います。

よろしくお願いします。
268 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:14:34.53 ID:3VQo5ue90
一方通行「空力使い…どォいう能力だ?」

白井「彼女の能力は触れた部分に気流の噴射点を作り物をミサイルのように飛ばす能力ですの」

一方通行「触れた部分に噴射点か」

白井「能力の強さは…そうですわね…大型トラックなら100m近く飛ばせる強さですの」

白井「後は駆動鎧ですの」

一方通行「駆動鎧だとォ?なンでそこで駆動鎧が出てくンだ」

白井「以前にそういう機会がありまして。駆動鎧だろうと同様に触れた部分を飛ばせますの」

一方通行「とンでもねェ能力だな」

白井「ええ。とりあえず周りから他の生徒達を非難させるのが先決ですの」

一方通行「話聴く限りだと人も吹っ飛ばせそうだからなァ」

白井「では私がその役目をしますので張本人の処理は任せますの」ヒュン

一方通行「チッ…仕方ねェ」

一方通行「この状況を見っとさっきみてェに食蜂が絡んでるみてェだな」

ギュルルルルル

一方通行「とりあえず竜巻の中心に行って止めてやンねェとな」カチッ

..............................................

別教室にて

御坂「あれ?あの校庭の二人って一方通行と黒子?」

御坂「しかもなんで竜巻なんか起きてるのよ…」

御坂「気になるわね…あとで黒子にでも聴こうかしら」

..............................................
269 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:15:05.85 ID:3VQo5ue90
白井「さて、これで大体の避難は終わったはずですの。あとは一方通行さんが…おや」

ズバァッ!

白井「竜巻が消えたってことは解決したということですの?」

「やめろ!暴れンじゃねェ!」

「そう仰られましても右手が勝手に!」

「オイ!俺に触るンじゃ…」キュィィン

ゴバッ!

「きゃあああああ!」

白井「おや、何か飛んで…」

婚后「白井さん!そこをどいてくださいまし!」

白井「こっ…婚后光子!」

ドガッ!

一方通行「反射してる俺に触れて勝手に吹っ飛んでくとはなァ…」

一方通行「なンにせよ右手が吹っ飛ばなくて何よりだ」

白井「いたた…」

婚后「白井さん、お手を」スッ

白井「あ、すみませんの」

一方通行「よせ、吹っ飛ぶぞ」
270 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:15:31.88 ID:3VQo5ue90
白井「はっ!」

婚后「また手が勝手に!」ギュン

一方通行「危ねェ!」

ブオッ!

一方通行「掌に噴射点が発生し続けてンだな。どォりで制御出来てねェわけだ、これじゃ能力に遊ばれてるようなもンじゃねェか」

婚后「あ」

白井「え?」

ギュン!

白井「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ…」

一方通行「…」

婚后「白井さん!」

一方通行「オイ、俺に触ンじゃねェぞ…」

婚后「ですから!右手が勝手に動いてるので制御なんてとても!」

一方通行「触ったら最後、さっきのように吹っ飛ぶだけじゃなく…右手が無くなる…」

婚后「ひっ…」

一方通行「なるべく動くンじゃねェぞ!」ギュン

婚后「わわわっ」

一方通行「オラッ!」バキッ

婚后「あふん」ガクッ
271 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:16:03.89 ID:3VQo5ue90
一方通行「最初っから気絶させれば良かったンだよなァ」

婚后「…」

一方通行「白井の事はどォ話したもンかね…」

白井「はぁ…」ヒュン

一方通行「よく戻って来れたもンだなァ」

白井「もうダメかと思いましたの…あの時空中で演算出来た自分を褒めてあげたいですの」

一方通行「ほら、とりあえずコイツはオマエが連れてけ。俺はさっきの教師のトコに行って来る」

白井「大丈夫ですの?」

一方通行「気絶してるだけだ。あンまし気にすンな」

白井「では引き受けますの」

一方通行「あァ、しっかりと頼むぜェ」

白井「ではまたお会いしましょう」ヒュン

一方通行「俺も飛ばしてもらえば良かったな…まァイイ、階段で行くか」

一方通行「しかし…食蜂は一体ドコで能力を使用してンだ?」

一方通行「そンな遠くってワケじゃねェみてェだが…」

piriririririri

一方通行「ン…この番号は…」ピッ

一方通行「どォした?」
272 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:16:29.92 ID:3VQo5ue90
『どうした?じゃないわよ。あんたが調べろって言ったこと調べてやったのに』

一方通行「どォだった?悪いンだが手短に話してくれ、少しばかり時間が無くなってな」

『そ、んじゃ要点だけ言うわね』

一方通行「あァ。それで頼む」

『まずはあんたが一番気にしてた計画についてだけど…』

一方通行「…」

『それらしい話は出て来なかったわ。だけど』

一方通行「だけどォ?」

『常盤台のお偉いさんが以前、と言っても最近だけどね』

『能力者のレベルを一気に引き上げたいとかそんなこと言ったらしいわ』

一方通行「いつ頃の話だァ?」

『あー…フレンダ、ちょっとそれ貸して…えっとね…』

一方通行「…」

『なんか垣根が常盤台で演説やったらしいわね』

一方通行「あァ、最近の話だな」

『時期としてはそれくらい』

一方通行「…」

『それとね』

一方通行「?」
273 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:17:05.52 ID:3VQo5ue90
『最近になって常盤台の上層部は能力者のレベルを上げることに躍起になってるらしいわ』

一方通行「ほォ…」

『そのためにはレベル5すらも利用する。そんな事をほのめかす様な発言もあったみたいね』

一方通行「利用…」

『私はね一つだけ疑問なのよ』

一方通行「あァ?」

『どうやってレベル5を利用して他の能力者のレベルを上げるのよ』

『戦闘でもするの?それとも垣根みたいに演説をするの?』

一方通行「そりゃ…」

『私はね、レベル5を利用した能力進化ってね絶対能力進化しか思い浮かばないのよ』

一方通行「妹達のことか…」

『ええ』

一方通行「残念だがそれは無いな」

『はぁ?』

一方通行「俺が聴いた話はな、心理掌握を利用し、共感覚性を刺激し、それをレベルアップの架け橋にするって言う話だ」

『誰から聴いた話か知らないけどさ、それが本当だって確信はあるわけ?もし仮にクローン実験だったら?』

一方通行「…」

『あんたは論外、垣根も多分協力しない。第三位に至っては結果が見えてるようなもん』

『私も絶対嫌。よく分かんない第六位、第七位は候補にすらなってないんじゃない?』

『だけど精神的にまだ幼い第五位ならどう?なんだかんだ言いくるめられてDNAマップなんて提供したらそれこそ二の舞よ』

274 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:19:03.94 ID:3VQo5ue90
一方通行「仮に量産能力者が現実のもンになったとしたら俺が何をしてでも潰すだけだ」

『あっそ。まあそれはあんたが好きになさい。私が口出すようなことじゃないわ』

一方通行「まァ、そうするさ」

『一方通行、あんた少し軽率になったんじゃない?』

一方通行「かもな」

『はぁーあ。まあ頑張れば?』

一方通行「言われなくてもな」

『今日中にカタ付ける気で居るの?』

一方通行「そのつもりだ」

『そりゃそうか…』

一方通行「切るぞ。もう動きてェからな」

『あ、待って』

一方通行「は?」

『オイ』

一方通行「どォしてオマエが一緒に居るンだ」

『ひひっ、ミサカが何しようが勝手でしょ?』

一方通行「ンで?なンのようだ?」

『もしクローン実験だったら絶対に止めて。私が言えたようなもんじゃないけどさなーんか気分悪いのよねー。だから…』

一方通行「当然だ。じゃあな」プツッ

一方通行「ま、クローン関連じゃねェとは思うンだけどな」
275 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:19:36.12 ID:3VQo5ue90
病院・治療室


木山「そういえば垣根くん」

垣根「あー?」

木山「前に話してた御坂くんとかの話だけどね」

垣根「なんて話したっけか?少し不安定になってるっていう話をしたんだっけか?」

木山「ああ、そうだ」

垣根「それが?」

木山「原因とか分かったかい?」

垣根「それがさっぱりでよ」

木山「実は私は原因を知っているんだ」

垣根「は?」

木山「ズバリ思春期による精神の揺らぎが原因だ」

垣根「えー?」

木山「中学生というのは色々と不安定な時期でね。私が買った本、覚えているかい?」

垣根「確か思春期が能力に与える影響を記した本だったか?」

木山「ああ、その通りだ。それでその本を読んでいるとだな…」

木山「原因は思春期だな、と確信出来たわけだよ」

垣根「つまり…なんだ?…時間が解決するってことか?」

木山「うむ」

垣根「はーっ。なんだよそりゃ…」
276 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:20:16.01 ID:3VQo5ue90
垣根「ってことは何だ?常盤台の教師達はそれには気付かなかったのか?」

木山「それは私に聴かれても困る。もし気付いてたとしても別の狙いがあったのかもな」

垣根「んだよそれは」

木山「いや、だから私に聴かれても分からないんだけどな…」

垣根「はぁ…まあいい。とりあえず話を戻すが」

木山「ん?」

垣根「俺から言わせてもらうと思春期が?どう影響すんだっていう話だよ。俺の知ってる思春期っていうのは…」

木山「違う違う。君が考えているようなことじゃない。体の問題ではなく心の問題だ」

垣根「分からねぇって」

木山「あー…どう説明したものか…ん?」カタッ

垣根「あ?どうした?」

木山「ああ、これだこれだ」

垣根「思春期の精神、これを読めってか?」

木山「別にそういう訳ではない。簡単に言わせてもらうとだな…」

垣根「…」

木山「ドキドキするから演算にあまり集中出来ないということだよ」

垣根「くだらねぇ」

木山「あのくらいの年頃だと好きな子の事を考えると動悸しっぱなしなんだ。つまりはそういうことだよ」

垣根「冥土帰しは何してやがんだ?」

木山「そうか、認めたくないか。自分の予想と違っていたから」

垣根「…」
277 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:20:44.69 ID:3VQo5ue90
木山「にしても彼は遅いな」

垣根「…」

木山「脳波は大分安定して来ているからやるなら今のうちなんだが…」

垣根「用意があるって出て行ったきりだな」

木山「手術はしないと言った手前、大掛かりな道具も必要ないはずなんだがな」

垣根「大体俺は何をすりゃいいんだか…」

ガチャ

冥土帰し「遅くなってすまないね?」

垣根「全くだ。何してやがっ…た?」

「なんだよ」

木山「ああ、そうか。だから芳川桔梗の電話番号を聴いて来たのか」

冥土帰し「そうだね。どうしても関係者が必要だったからね?」

垣根「なんでよりによってこっちなんだよ」

冥土帰し「すぐに連絡が取れるほうが彼女だったんだよ。別にどちらでも構わなかったんだけどね?」

黒夜「どうでもいいけどさっさと始めようぜ。お医者さんよ」

冥土帰し「その前に黒夜海鳥。そこで寝ている彼女、知っているかね?」

黒夜「…知った顔だが名前は知らねぇぞ」

冥土帰し「これで完全に被験者という事が確定したわけだね」

木山「そろそろいいかな、時間も押していることだし」

冥土帰し「ああ、そうだね?じゃあ頼むよ二人とも」

垣根「だから俺は何すれば…」

冥土帰し「君は僕の指示に従ってもらうよ。黒夜は僕の質問に答えてくれ」

黒夜「はいはい」
278 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:21:12.95 ID:3VQo5ue90
常盤台・教室


「そうですか…そんなことが…」

一方通行「知らなかったのか?」

「恥ずかしながら」

一方通行「…そォか」

「やたらとレベル5を気にするような動きがあったのは知っていましたが…まさかレベル5を利用するという話になっていようとは…」

一方通行「それと食蜂だがなァ」

「はい」

一方通行「既に実験的な段階だが話にあった能力の使い方を始めてるみてェだ」

「えっと…それはどこから…」

一方通行「今日あった暴走事件。両方とも不自然な程に原因が分からなねェ…だが」

一方通行「昼間に俺が演算を止めた方は何かしらの別の力が働いてるよォに見て取れた」

「そうですか…」

一方通行「そこで一つだけ分かンねェことがあンだけどよォ」

「なんでしょうか…?」

一方通行「食蜂は一体ドコで能力を使ってンのか、って事だ」

「それでしたら…」

一方通行「心当たりがあンのか?」

「ええ。あちらの校舎の屋上にドーム状の屋根が見えますか?あそこは天文台の一種なのですが…」

一方通行「…あァ、アレだな」

「そこだと思います」
279 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:21:38.67 ID:3VQo5ue90
一方通行「事件の現場からかなり離れているよォに見えるンだがよォ」

「彼女は能力使用の際にリモコンを使用する時があるのをご存知で?」

一方通行「イヤ、知らねェな」

「実はそのリモコンである程度、遠距離での能力の使用が出来るのです」

一方通行「なるほどなァ…まァ距離に関してはイイだろ。なんでその天文台だって思ったンだ?」

「昨晩より急に立ち入り禁止になりまして。生徒は愚か教員も出入り出来なくなりまして」

一方通行「昨晩か…」

「ええ。その状況も本日になっても変わらず入ることが出来ません」

一方通行「そこにはどォやって行けばイイ?」

「途中までご案内いたします。そこまでは少し入り組んでますので」

一方通行「そォか、ンじゃさっさと案内しろ」

「その前に職員室に寄ります」

一方通行「?」

「あの校舎に入るには別途鍵が必要でして」

一方通行「人が入ってんなら開いてンじゃねェのか?」

「中から閉めれるんですよ」

一方通行「チッ…早いトコ行くぞ。時間が無ェかもしンねェ」
280 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:22:28.45 ID:3VQo5ue90
病院・治療室


垣根「…」

黒夜「ふぁ…あっ…んん…」

垣根「デケェあくびだな」

黒夜「うるせぇよ」

冥土帰し「垣根帝督、ちょっといいかな?」

垣根「あ?」

冥土帰し「能力使用時の演算についてなんだけどね…」

垣根「おう…」

木山「ふむ…」

黒夜「なあ、今何してんだ?」

木山「精神性を上書きするときに誤って演算に必要な部分も余計に上書きすると能力使用に支障が出てしまうんだ」

木山「上書きするとは言ったが完全にというわけじゃない。不自由が無いようにね。望んだ精神性じゃないにしろ今までそれで暮らして来たんだ。馴染んでるほうがいいだろ?」

黒夜「そっか。それでなんでチンピラに話聴いてんだ?」

木山「曲がりなりにも第二位。ここに居る誰よりもそういうのに詳しいはずだよ。冥土帰しはそこに目を付けたんだよ」

黒夜「なんだかんだすげぇのか?」

木山「私なんかよりはよっぽどね。…尊敬の眼差しで見るかい?」

黒夜「冗談。誰が」

木山「ふふっ。そうか」

281 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:23:02.72 ID:3VQo5ue90
冥土帰し「なるほど。そうすればいいんだね?」

垣根「ああ、何もそんな難しく考える必要はねぇ」

冥土帰し「そうか。ためになったよすまないね」

木山「そろそろですか?」

冥土帰し「ああ。始めよう。と、その前に」

黒夜「?」

冥土帰し「君は自分がどういう人物か分かるかい?」

黒夜「私は私だ。兄ちゃんの精神性があろうとそれは変わねぇよ」

冥土帰し「いい答えだ。君のお陰できちんと治療が出来そうだ」

黒夜「そりゃなにより」

冥土帰し「じゃあよろしく頼むね?木山くん」

木山「言われなくても」

垣根「…暗闇の五月計画か」

黒夜「どうかしたのか?」

垣根「いや、なんでもねぇよ」

282 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:23:34.23 ID:3VQo5ue90
常盤台・別校舎前


ガチャガチャ

「案の定、鍵が閉まってますね」

一方通行「ここに居る雰囲気が増してきたなァ」

「おそらく居るでしょうね」カチャ

一方通行「常盤台の上層部って言っても誰が居ンだ?」

「教務主任でしょうか?多分そうだと思います」

一方通行「教務主任…」

「今思うと能力のレベルについて躍起になってた所がありますね」

一方通行「…」

ガチャン

「開きました」

一方通行「ンじゃ行くとすっかな」

「はい」

一方通行「オマエはここで待ってろ」

「は?え?」

一方通行「なンかあってからじゃ遅ェ。もしもを考えると連れてくのは妥当じゃねェンだよ」

「そうですか、ではお願いします」

一方通行「あァ」
283 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:24:26.41 ID:3VQo5ue90
一方通行(上層部って言ってたから理事長とかそこら辺を想像してたが…教務主任だったか)

一方通行(この学校じゃ教務主任も一応上層部なのかァ?)

一方通行「ン…階段の途中にも施錠されてるドアか」バキッ

一方通行「あとで説明すりゃ壊しても大丈夫だよなァ?」

一方通行「…クローンの線は薄そうだな」

一方通行「…」

一方通行「天文台ってのはこの扉の先だな。ここにも…」ガチャ

一方通行「やっぱ鍵か。だが意味無ェンだよなァ」バキッ

ガチャ

一方通行「誰か居ンのかァ?」

食蜂「…一方通行?」

「ん?誰だ君は」

一方通行「オマエらだけみたいだな」

284 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:25:00.56 ID:3VQo5ue90
「一方通行…そうか。君が…」

一方通行「さて、食蜂を使って何しようとしたのか話してもらいてェンだが…」

一方通行「ペラペラと話してくれるとは思ってねェンだわ」カチッ

「いや、話すよ」

一方通行「あ?」

「君なら理解してくれると思うんだがね」

食蜂「先生…」

「君は黙って聴いてなさい」

一方通行「…」

「さて、何から話したものか…」

一方通行「どォして食蜂を利用しようと考えた」

「それは単純に御坂美琴では無理だったからだ」

一方通行「能力の問題か?」

「その通りだよ。レベルを上げるにはどうしても精神的な部分を刺激する必要がある。だから心理掌握を選んだ」

一方通行「食蜂、オマエはコイツが何をしようとしてンのか知ってンのか?」

食蜂「…」

一方通行「知ってるみてェだな」
285 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:26:08.12 ID:3VQo5ue90
一方通行「レベル5のオマエなら知ってると思うが超能力者ってのはそう簡単になれるもんじゃねェ。こんな馬鹿げた試みに協力しょうと思ったンだ?」

食蜂「私の能力の出力が下がって来てるのは知ってる?多分、知ってるよね…」

一方通行「あァ、派閥の連中からそンな話を聴いたことがある」

食蜂「レベル5として力が下がって来て、周りの反応を気にするなって言うのが無理なのよ」

一方通行「は?」

食蜂「自分の事は自分が一番分かってる。やっぱり自分の立場っていうのは大事にしたいの」

食蜂「そんな時に先生から話をもらったの」

食蜂「能力を持ち直すことが出来るって」

一方通行「なるほど、そういうことか…」

一方通行「あの教師が言ってた事はあながち間違ってはいねェってワケか」

「あの教師?」

一方通行「俺をここまで誘導してくれた教師だ。まァ、誰とは言わねェがな」

「そうか…身内漏れしたか…」

食蜂「…」

286 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:26:59.73 ID:3VQo5ue90
一方通行「俺から言わせてもらうとなァ」

「?」

一方通行「そンなやり方でレベルを上げてもなンにもなンねェぞ?」

「…」

一方通行「それこそ第三位を参考にした方がイイ」

「努力で…か」

一方通行「あァ」

「それじゃあ長点上機や霧ヶ丘に勝てないんだよ」

一方通行「大覇星祭の事か?」

「その通りだ。我が校はレベル5を二人も擁しているのに…それでも長点上機に勝てない!」

一方通行「…」

「手っ取り早く力を手に入れてそれを誇示するためにはどうしても時間が足りなかった」

一方通行「俺も…」

「?」

一方通行「手っ取り早く力を手に入れてェと思ってとある実験に手を出したことがある」

「レベル5の頂点である君が…?」

一方通行「結果として実験は失敗。俺はレベル5の証とも言える演算能力を失うハメになった」

「し、失敗して演算能力を??」

一方通行「他に色々とあったが大体そンな感じだ」

一方通行「ま、下手に楽しようとすっと取り返しが付かなくなるってことだわな」

287 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:27:28.67 ID:3VQo5ue90
「…」

一方通行「長点上機はレベル5よりも他の事に注目してたから常盤台を退けられたンじゃねェのか?」

一方通行「あそこは能力以外の何かが突出してりゃ高位能力者じゃなくてもやってけンだ」

一方通行「常盤台との差はそこなのかもしンねェな」

「常盤台と長点上機の差…か…」

一方通行「食蜂、戻ンぞ。ここに居ても無駄だ」

食蜂「…でも私は…」

一方通行「レベル5には変わりねェンだ。今まで通りの自分を演じてりゃそのうち元通りになる…ハズだ」ボソッ

食蜂「え?最後よく聴こえなかったんだけど…そう…かな…?」

一方通行「あァ。結局、普通にしてりゃイインだ」

食蜂「分かった。じゃあ戻るわ」

一方通行「そォだ…最後にいくつか聴きたいことがあンだけどイイか?」

「…ああ」

一方通行「泡浮と婚后とかってヤツの能力を暴走させたのは食蜂の能力で間違いねェか?」

「間違いない」

一方通行「なンでその二人を選ンだ?」

「泡浮万彬は偶然。婚后光子は第二位の演説を聴いたから選んだ」

一方通行「垣根の演説?」

「以前に演説をしてくれた時に婚后光子に対してレベル5近いと聴いたから、それで選んだ」

一方通行「垣根の演説…そォか…」

288 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:27:57.61 ID:3VQo5ue90
「他に何かあるのかな?」

一方通行「あァ、まだある。同棲を企てたのはオマエか?」

「そうだな。一応私が立案した」

一方通行「どォしてだ」

「食蜂操祈を動かしやすくするためだ」

一方通行「はァ?」

「私は第二位の演説を聴いた頃より今日の計画を考えていた」

「なぜ食蜂操祈の能力が不安定になっているのか分かるか?」

一方通行「それを解決しろって話だったンだがな」

「実は原因はとっくに分かっていた。原因は思春期によるココロの揺らぎだ」

一方通行「まさか些細な心境の変化が原因だって言うのか」

「そうだ。男性との同棲を実行し精神上不安定にし能力低下の危機感を覚えさせこの実験に協力させる…これが大まかな流れだ」

一方通行「へェ…ン?だったら第三位も同棲の対象にしたのは何でだ?」

「それはただのカモフラージュだ。第五位だけだと怪しいと思ってな」

一方通行「俺と垣根を選ンだ理由は?」

「常盤台に出入りしている男性が候補だった。上位能力者という事もあり名目として不自然では無い人材、それが君と第二位だった」

一方通行「はァ…」
289 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:28:27.97 ID:3VQo5ue90
「もういいかな?」

一方通行「あァ。これで全部だ」

「そうか。では私は…」

一方通行「最後に言っとくが、能力向上を促したいなら努力させることから始めンだな」

一方通行「俺や垣根じゃなく御坂美琴に演説でもしてもらえ。ンでオマエは学校に戻ったらカリキュラムの見直しをしろ。このまま逃げンじゃねェぞ」

「…分かった。そうしよう。約束する」

一方通行「もォ同棲の必要は無ェな?」

「ああ。色々と済まなかった。さっきの君の言葉、大事にするよ」

一方通行「っつうワケだ食蜂。これで晴れてお別れだ」

食蜂「えっ?」

一方通行「え?」

食蜂「だって私の能力については何も解決してないんだけどぉ」

一方通行「オマエの件は時間が解決する。どうにもなンねェココロの問題だからな」

食蜂「えー」

一方通行「ま、なンかあったら連絡でもしてこい。じゃあな」カチャ

食蜂「あーあーあー行っちゃったわ」

「食蜂操祈」

食蜂「はい?」

「済まなかった。君を利用するような形になって」

食蜂「いや、いいんです。私にも未熟な部分があった…のかもしれないし」

「そうか、そう言ってくれると助かるよ。じゃあ君も早く戻りたまえよ?今日からいつも通りの生活だ、また明日、学校で会おう」カチャ

食蜂「はぁーあ。そっかそっか、思春期ね。うん、私もまだまだねぇ」

290 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:29:23.56 ID:3VQo5ue90
同時刻・病院にて



垣根「あーもう夕方かー」

木山「今日は日が暮れるのが早いな」

黒夜「今の時期珍しいな」

冥土帰し「そうだね?」

垣根「…」

木山「?」

冥土帰し「どうしたんだね?」

垣根「もう帰っていいか?」

冥土帰し「ん?そうだね、治療も終わったし帰っても大丈夫だね?」

垣根「何で俺呼ばれたんだ」

冥土帰し「色々と質問すると言ったじゃないか」

垣根「最初の一つだけだったがな!」

黒夜「まぁそう怒るなって」

木山「実際垣根くんよりは彼女の方が役に立ってたな」

垣根「そうか!じゃあな!」バタン

木山「後日、容態を見にくるんだぞ」

冥土帰し「おや、帰ってしまったね?」

木山「彼も思春期だったのかな?」

黒夜「それは無いんじゃねぇか?」
291 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:29:50.59 ID:3VQo5ue90
常盤台・同棲施設



垣根「なんかいいようにこき使われたような…いや、深くは考えないようにしようむなしくなるだけだ」

ガチャ

垣根「ったく…」

ビリリッ!

垣根「!」バサッ

バシュッ!

垣根「何だ?第三位か?」

御坂「やっぱりガードされちゃうんだ」

垣根「なんのつもりだ。寝首をかくにしてもタイミングが違うんじゃねぇのか?」

御坂「よくも弄んでくれたわね」

垣根「なんの…あれ?お前メガネはどうした」

御坂「メガネのカラクリ、分かったわ。随分と都合いいようにこき使ってくれたもんだわ」

垣根「いや、それはお前が勝手に…」

御坂「言い訳無用!」ビリッ

垣根「…」

御坂「おかしいとは思ってたのよ。いや、実際は何も分からなかったんだけど」

垣根「なに言ってんだ」

御坂「うるさい!」

292 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:30:19.30 ID:3VQo5ue90
御坂「あんたにはね!パ、パ、パンツ見られてんのよ!」

垣根「…」

御坂「許さないわ!そして今までの恨み!ここで倒れて償いなさい!」

ビリリッ!

垣根「甘いな」ヒョイ

御坂「だから!なんで!避けられるのよ!」

垣根「俺は倒れない。代わりにお前が跪いて俺に詫びろ」スッ

御坂「そのレコーダーは…!」

垣根「お前の嬉し恥ずかし秘蔵ボイス入りレコーダーだ。食らえ」カチッ

御坂「ふっ」

垣根「あれ?」

御坂「そのレコーダーって一応電化製品よね?」

垣根「…ん?電話だ。じゃあな」ガチャ

御坂「あっ!こら!」

ヒュン

御坂「うわっ!びっくりした!」

白井「お姉さま、大事なお話がありますの」

御坂「な、何よ」

白井「同棲は本日を持って終了ですのですのでこれからはまた寮生活の日々ですの」

御坂「え?あ、そう?」

白井「お姉さまが殿方と暮らすと聴いて苦悩すること数日!ついにその苦悩より救われる日がやってまいりましたの!」

白井「さ、さ、お姉さま!黒子と一緒に寮にお戻りになってくださいまし!」グイグイ

御坂「ちょっと!ちょっと!あんま引っ張んないで!コラ!どこ触ってんのよ!」

293 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:30:46.29 ID:3VQo5ue90
『さあ!お姉さま!』

『分かった!分かったから!』

垣根「元気な奴らだ。ていうか話聴く限り同棲は終了か、やっと開放される…」

垣根「一方通行のトコの施設の電気が消えたまんまなのはそういうことだったのか」

垣根「さて、俺も帰るか…」

piriririririri

垣根「ん、本当に電話がかかってきやがった。誰だ?心理定規か?」

垣根「もしもし?」

『垣根帝督』

垣根「その声は…結標か」

『お願いがあるの』

垣根「なんだ」

『2ndシングルのPVに出演してちょうだい』

垣根「いいぜ」

『話が早くて助かるわ。じゃあ後日連絡するわね』プツッ

垣根「おう。え?2ndシングル?…切れてやがる…」

垣根「そういやあいつアイドルになったんだっけか…そうか…2ndシングルか…」

垣根「…ま、いいか今度考えるか。とりあえず心理定規の所にでも行くか、テレビでしか顔見てなかったからな」

垣根「PVか…一度そういうのに出てみたかったんだよな…」

垣根「あ、レンタルしたDVD置いたまんまだっけか。しゃあない、取りに戻るか…」

...................................................
...........................................
..................................
..........................
....................
.............
.......
....
..
.
294 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/06(水) 20:32:54.54 ID:3VQo5ue90
さて、長ったらしく書いていましたがこれで一旦区切りがつきました。
そろそろ自分でもこのSSの終わりが見えてきた感じです。

ではここで一旦終了です。
また会いましょう。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 23:57:10.94 ID:Uub3G8Py0
乙!
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 00:45:47.29 ID:0fIEr1Q0o
同棲は穏便に終わったな、意外だった
と思ったけど、今までの流れを加味すると意外って程でもないのか?
しかし大分レベル上がったなぁ、登場人物の雰囲気とかいいと思うよ
297 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:08:41.68 ID:bGVTxuPv0
>>296さん
ありがとうございます。
そう言っていただけると次への力になります。

さて、書き溜めが出来ましたので今夜にでも投下できそうです。
ではまた来ますのでよろしくお願いします。
298 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:50:05.42 ID:bGVTxuPv0
こんばんは。
では今から投下したいと思います。
299 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:50:32.61 ID:bGVTxuPv0
翌日・黄泉川宅にて


番外個体「ふぁ…」ガチャ

芳川「あら、番外個体。おはよう」

番外個体「ん…あの人は?」

芳川「一方通行ならまだ寝てるわよ」

番外個体「昨日急に帰って来たと思ったらこれだもんなぁ…」

芳川「あら、構って欲しかった?」

番外個体「な、なに言ってるの!」

芳川「ふふっ。まあ冗談はさておき、余程疲れる事があったみたいね」

番外個体「疲れる事…」

芳川「あら。心当たりでもあるの?」

番外個体「少しね」

芳川「なら後で話でも聴いてねぎらってあげなさいな。彼のためにもなるはずよ」

番外個体「そういうのって奥さんの役目じゃないのかな?」

芳川「その奥さんが今居ないんじゃないの」ピッ

『…さて、次は話題のアイドルについての情報です』

番外個体「アイドル・あわきん…ねぇ?」
300 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:51:01.73 ID:bGVTxuPv0
芳川「私も驚いたわよ。いきなり電話がかかってきてアイドルになってくる、ですもの」

番外個体「年齢的にはなんら問題無いんだろうけど私には既婚者のイメージがあるからなぁ」

芳川「外でそういう事言わないのよ?」

番外個体「既婚者って事?」

芳川「そうよ。もし周りに広まったら最後、人気の低迷はもとより一方通行もニュースのネタになっちゃうわ」

番外個体「へぇーあの人がネタになるのかぁ」

芳川「下手すればあなたや打ち止めの事だって表沙汰になるのよ?」

番外個体「うっ、それは困るな…あ、そう言えば上位個体は?」

芳川「ベランダから下をご覧なさいな」

番外個体「ベランダから?」カラカラ

番外個体「えーっと…ありゃ?他のミサカ?」

芳川「10032号。なんかお願いがあって来たみたいよ?」

番外個体「お願い?」

芳川「ええ」
301 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:51:56.65 ID:bGVTxuPv0
マンション・入口先にて


打ち止め「ええー!?ってミサカはミサカは驚きを隠せずに仰天してみる!」

10032号「ですから、サインを頂いて欲しいのです。1000枚ほど、とミサカ10032号は復唱します」

打ち止め「さすがに1000枚は多いんじゃないかなぁ…ムスジメ疲れちゃうよ、ってミサカはミサカはむすじめの身体の心配をしつつどうにか断れないか考えてみる…」

10032号「当初は2000枚ほどだったのですがさすがにマズいだろうと言うことで1000枚になりました。これでも譲歩した結果です、とミサカ10032号は上位個体に言い聞かせます」

打ち止め「うーん…」

10032号「カナミンファンの他のミサカが新OPを聴いた結果です。せっかく身内とも言える場所に本人が居るのだからサインを…という安直な思考の結果です」

打ち止め「貰えるには貰えると思うんだけどやっぱり1000枚は…」

10032号「やはり多いでしょうか?」

打ち止め「うん…」

10032号「了解しました。とミサカ10032号は他のミサカの役にたてなかったと酷く落胆しながら帰路に着きます…」ショボン

打ち止め「う…でもでも!一応聴いてみないことには分からないかも!」

10032号「そうですか。ではお願いします」

打ち止め「う、うん」

10032号「ではまた後日来ます。それでは」

打ち止め「…とりあえずあの人に相談してみよう。ってミサカはミサカは引き受けたことを若干後悔しながら家に帰ってみたり」

302 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:52:23.82 ID:bGVTxuPv0
黒夜「おーっす」

芳川「おはよう」

番外個体「キヌハタは?」

黒夜「なんか調子悪いって。もう少し寝るみたいだぜ」

番外個体「ふぅん」

芳川「疲れが出て来たんじゃない?ほら、あなた達結構出掛けるじゃない」

黒夜「そうかもな」

芳川「そう言えば一方通行、帰って来てるわよ」

黒夜「お、マジか」

番外個体「あれ?知らなかったの?」

黒夜「昨日は絹旗と一緒に遅くに帰って来たからな。そう言えば麦野達と一緒だったんだって?」

番外個体「買い物のついでに会ってね。ちょっと話し込んでただけだよ」

黒夜「へぇ、そうなのか」

芳川「とりあえず今居る私達だけででも朝ご飯食べましょ」

黒夜「打ち止めは?」

芳川「そろそろ戻って来るんじゃない?」

ガチャ

「ただいまー!」

芳川「ほら」

303 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:52:58.57 ID:bGVTxuPv0
旧スクール・アジトにて



『今夜放送予定の音楽番組ではあの噂のアイドル、あわきんの出演が話題となっています…』

『今流れている映像は来週発売予定のシングル第一弾"only my movepoint"の公式PVです』

『この楽曲は子供、大人問わずに人気のアニメ、機動少女カナミンの新OPテーマとして採用され話題を集めています』

『なお、話題になっているのはOPテーマだけではありません』

『PVには多数の出演者が居ますがその中でも学園都市の第四位が出演しているということで注目を浴びています』

垣根「第四位が出演…?」

『今映像に写っています髪の長い女性が第四位との情報が出ています』

『こういった学園都市の高位能力者が映像作品に出演するという事はかなり稀であり、そういったことからでも話題を集めているという事になっているそうです』

『さて肝心のPVの内容ですが公式からFAXが届いています』

『このPVのストーリーは遠く離れていく友人を取り戻すためお互いに熾烈な戦闘を繰り広げていくというものとなっています』

『全貌をお伝えすることは出来ませんが初回盤のCDでPVディスクが付属するとのことなのでチェックの必要がありそうです』

『なお、同音楽番組では司会交代ということで今夜から新しい司会に変わるということでも話題となっています。』

『さて、次のニュースです。一昨日から本日にかけ、学園都市では急に倒れる人が続出しております…詳しい原因は…』プツッ

垣根「第四位どころかアイテム総出演じゃねぇか…しかも浜面まで」

垣根「確か今夜の音楽番組に出演するとか言ってたな。見てみるか」

垣根「…なんで居ないんだ…心理定規…」

垣根「…新しく借りてきたカナミンでも見るか」

垣根「いや、一方通行のトコにでも行くか?」

304 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:53:34.86 ID:bGVTxuPv0
第七学区内・芸能プロダクション・分所にて



海原「準備出来ましたか?」

結標「ええ」

土御門「今日の音楽番組の出演が終わればとりあえず落ち着く」

海原「本日はこれからスタジオ入りして入念なリハーサルをします。大変かと思いますがよろしくお願いします」

結標「分かってるわよ。先に車に行ってるわね」

海原「はい」

土御門「なあ海原よ」

海原「どうしました?」

土御門「俺達はいつまでマネージャーをやるんだろうな」

海原「さあ?ですが自分はこの職には不満はありませんよ?」

土御門「俺は…俺はなぁ…」

海原「一体どうしました?」

土御門「出席日数がどうも…」

海原「そういえば学生の身分でしたね。やはりキツイものがありましたか?」

土御門「少しだけな」

海原「自分に任せてくれてもよろしいのですよ?」

土御門「いや、せっかくだから俺もやるよ。なに、出席日数なんてどうにでもなる」

海原「そうですか。では自分達も行きましょう」

土御門「ああ」
305 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:54:01.91 ID:bGVTxuPv0
ガラッ


結標「うん、お願いね」

海原「おや、電話中でしたか」

結標「もう終わるわ。…海原よ海原、じゃあまた今度、じゃあね」プツッ

土御門「海原を知ってる奴か?」

結標「麦野よ麦野」

土御門「麦野?なんでまた」

結標「なんでって…麦野も次のPVの出演者だからよ」

海原「おや、また麦野さん達を採用するのですか?」

結標「今回は麦野だけよ。ちなみ出演予定者はあと三人よ」

土御門「あと三人?」

海原「一方通行さんに麦野さん。結標さんも会わせて六人で出るのですか?」

結標「一方通行と垣根と麦野よ。それに私を入れなくてあと三人ね」

土御門「いつのまに垣根に連絡を…」

結標「昨日の夜よ。ほら、あなた達がジャケットについて話し合ってた時」

土御門「そうか。あの時か…」

海原「土御門さん。そろそろ」

土御門「ん…つい話し込んでしまったな。待たせてすまなかったな、もう行っていいぞ」

海原「場所は指定したテレビ局です。よろしくお願いしますドライバーさん」
306 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:54:29.74 ID:bGVTxuPv0
黄泉川宅


打ち止め「ごちそうさまでしたーってミサカはミサカは元気よくっ!」

芳川「はい。お粗末さま」

黒夜「温めるだけの簡単な仕事だったな」

番外個体「ね」

芳川「ちょっと、聴こえてるわよ」

ガチャ

番外個体「ん?」

打ち止め「あ!起きた起きたー!」

一方通行「お…おォ」

芳川「おはよう一方通行。なにか?」

一方通行「コーヒー、入れてくれ」

芳川「はいはい」

番外個体「よーっす。久しぶりじゃないの?」

一方通行「昨日電話で話したろォが」

番外個体「はぁーあ。つっまんないの」

一方通行「ふン。あ?絹旗はどォした?」

黒夜「黄泉川の事は気になんねぇのか?」

一方通行「どォせ仕事だろォが。ンで?絹旗は?」

黒夜「なんか調子悪いってさ。少し寝てるって」

一方通行「風邪かァ?」

黒夜「知らね」
307 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:54:56.31 ID:bGVTxuPv0
芳川「お待ちどおさま」コトッ

一方通行「随分と早いな」

芳川「さっきまで私も飲んでたから」

一方通行「そォか」

打ち止め「ねえねえーお願いがあるんだけどーってミサカはミサカはおねだりタイム!」

一方通行「お願いだとォ?」

打ち止め「うん!」

一方通行「…言ってみろォ」ズズッ

打ち止め「ムスジメのサインが欲しいの!」

一方通行「淡希のサイン?一緒に住んでンのに必要なのかァ?」

打ち止め「私じゃなくて他のミサカ!」

一方通行「妹達か…」

打ち止め「うん!うん!」

一方通行「それで?何枚だ?10枚か?20枚か?」ズズッ

打ち止め「1000枚!」

一方通行「!?…ゴホッ!…ゴホッ!」

打ち止め「わわわっ!大丈夫?ヨシカワ、タオルー!ってミサカはミサカは急いで呼びかける」

芳川「あらあら」

番外個体「あはは、きったなーい」
308 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:55:23.64 ID:bGVTxuPv0
一方通行「…ハァ……ちょっと多いンじゃねェのか…?」

打ち止め「最初は2000枚ぐらいだって10032号が…」

一方通行「…」

黒夜「に、2000枚…」

番外個体「カナミンのOPで色々と話題になってたからねー」

打ち止め「で…どう?やっぱり1000枚なんて無理?」

一方通行「…イヤ、一応聴いてみる」

打ち止め「ホントに!?ありがとう!」

一方通行「でもOKが出るとは限ンねェからな」

打ち止め「うん!分かってる!ってミサカはミサカは期待値大!」

一方通行「ったく…」

番外個体「そういえばさ第一位。昨日の、どうだった?」

一方通行「あァ。俺が聴いたとォりだったよ」

番外個体「そっか。じゃあ違ったんだ」

一方通行「あァ、ちゃんと平和的に解決してきたからこれからどォにかなることは無いだろォな」

番外個体「うん…よかった」
309 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:55:51.69 ID:bGVTxuPv0
黄泉川宅・寝室外側


バサッ

垣根「さて、、一方通行の部屋はどっちだったかな…確かこっちだったかな」バサッ

垣根「鍵は…お、開いてるじゃねぇか」

カラカラ

垣根「窓からお邪魔するぜ一方通行」スタッ

垣根「ふん。まだ寝てやがるのか、相変わらず遅起きな野郎だな」

垣根「しかし今日は結構暑いのに布団を頭まで被ってやがる…まあいい、その布団剥いでやる」ガシッ

垣根「ん?」

垣根「よく見ると辺り一面に女物の下着が散乱してやがるな。どうせ結標のだろうな」

垣根「こういうのはきちんとまとめておかねぇとな」ヒョイヒョイ

垣根「適当にそこら辺に置いといていいか…ん、これは縞パン…案外ガキっぽい趣味してんだな結標も」

垣根「よし…っと。じゃあお目覚めの時間だぜ?一方通行」ガシ

垣根「おはよーございまーす!」バッ

「ん…ん?」

垣根「あれ?」

絹旗「え?え?なんで?」

垣根「いや、俺がなんで…てかなんでお前裸で…」

絹旗「きゃああああああああああああ!」

310 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:56:21.35 ID:bGVTxuPv0
『きゃああああああああああああ!』

一方通行「!」

黒夜「絹旗の部屋からか?」

番外個体「なになに」

一方通行「番外個体、付いて来い」カチッ

番外個体「りょーかい」

芳川「打ち止め、念のためこっちに来てなさい」

打ち止め「うん」

黒夜「私は…」

一方通行「オマエはそこで待機してろ。何があっか分からねェからな」

黒夜「オッケー」

一方通行「行くぞォ」

番外個体「準備おっけー」

ガチャ

一方通行「窓から入ってくるたァイイ度胸してるじゃねェか!ドンパチなら俺が相手してやるぜ…ェ?」

番外個体「うっわ…」

垣根「一方…通行…」
311 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:56:48.68 ID:bGVTxuPv0
一方通行「オマエ…心理定規が居ながら…」

番外個体「第二位って具合悪くて寝込んでるとこを裸にひん剥いて襲う趣味なんだ…」

垣根「説明どうもありがとう。だけど違うからね。俺は一方通行を尋ねて部屋に入った、しかしそこはコイツの部屋だった。いいか?」

絹旗「い、いいから布団超返してください!」バッ

垣根「え?あ、ああ」

一方通行「さて、なにから聴いたもンかねェ」

番外個体「まずは…」チラッ

垣根「あ?」

番外個体「どうして窓から入って来たの?」

垣根「どうしてってなぁ…ま、気分だわな」

番外個体「はぁ?」

一方通行「オマエはなンで素っ裸なンだ?」

絹旗「いや…暑くて超寝苦しかったので…それで無意識の内に脱いでたみたいで…」

一方通行「はァ…まァイイ。具合悪ィンなら適当にシャワー浴びて汗流してからもォ一回寝てろ」

絹旗「はい…あれ?一方通行いつ帰って来たんです?」

一方通行「昨日の夜だ」

絹旗「そうですか」

一方通行「ほら、出るぞお前ら」

垣根「ったく」

番外個体「なんであんたがキレてるわけ…」
312 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:57:14.59 ID:bGVTxuPv0
ガチャ


芳川「あら、あなたいつ来たの?」

垣根「今だ」

一方通行「俺の部屋と間違えて絹旗の部屋に入ったみてェだ」

芳川「あらあら」

垣根「ま、過ぎたことだ。気にすんな」

黒夜「案外確信犯かしんねぇぞ」

垣根「何言ってやがる。揃って同じような体型してやがるくせに」

垣根「お前らなんか大金積まれても襲わねぇよ」

黒夜「ンだとぉ?」

垣根「ははっ」

一方通行「ンで?」

垣根「は?」

一方通行「窓から入った理由。あンだろ?ちゃンとした理由が」

垣根「…分かんのか」

一方通行「意味が分からなかったからな」

番外個体「なに、ちゃんとした理由があるの?」

垣根「まあな」

一方通行「どォしてだ?」

垣根「下に削板が居た」
313 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:57:46.21 ID:bGVTxuPv0
数分前・マンション入り口にて



垣根「暑ぃなぁ…昼前からこんなに暑いとはよぉ…参るぜ、ホント」

「…」キョロキョロ

垣根「ん?あいつは…」

削板「…」キョロキョロ

垣根「第七位…!なにしてんだ?こんな所で…」

削板「んー」キョロキョロ

垣根「なんか探し物でもしてんのか?ご苦労なこった」

削板「ん?」

垣根「あ」

削板「おーい!」タッタッ

垣根「げっ、こっち来た…」

削板「よう!奇遇だな!」

垣根「偶然だ」

削板「実は困っているんだ」

垣根「奇遇だな。俺も今困っている」

削板「ん?偶然じゃないのか?」

垣根「コイツ…!」

314 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:58:13.85 ID:bGVTxuPv0
削板「実はこの子を探してるんだが…」ピラッ

垣根「写真?どれ…」

削板「黒髪の可愛い子だろ!」

垣根(涙子ちゃんじゃねぇか)

垣根「コイツがどうかしたのか?」

削板「実は以前に自販機でジュースを買おうとしたらお札を全部自販機に飲まれてな」

垣根「ああ」

削板「有り金が無くなって落胆してたらこの子が通りかかってくれてな…」

垣根「ああ」

削板「俺にお金を貸してくれたんだ」

垣根「ああ」

削板「それでお金を返そうと思って探してたんだが…見つからなくてな」

垣根「そうか。じゃあな」

削板「まあ待て」グイッ

垣根「ぐっ…やっぱり」

削板「探すのを手伝ってくれ」

315 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:58:39.25 ID:bGVTxuPv0
垣根「待てよ俺にも用事はあるんだ。また明日な」

削板「ダメだ!金銭のことは早いうちに解決したほうがいい!」

垣根「分かった分かった!じゃあ後でだ後で!」

削板「今すぐだ」

垣根「仕方ない」

削板「おお!分かってくれたか!さすがに第二位ともなると根性の入り方が違うな!」

垣根「俺が後でって言ったら後でなんだよ」ゴバッ

削板「ああああああぁぁぁぁぁぁ…」

垣根「吹っ飛んだか…」

削板「痛てて…」

垣根「あ?大して効いてねぇな…」

削板「組み手なら前もって言ってくれないと困るだろ!」ドンッ

垣根「うわっ!こっち来た!」

削板「うおお!」

垣根「てか速ぇ!なんだあれ!」

削板「すごいパ…」

垣根「うわあああああああ!」ズボボッ

削板「あがががっ!なんだ!?動けないぞ!」

垣根「アスファルトに首まで埋めればとりあえず動けないだろ…」

削板「確かに…動けない…」グイグイ

垣根「とりあえず後で話聴いてやるから大人しく待ってろ」バサッ

316 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:59:06.93 ID:bGVTxuPv0
垣根「という訳だ」

一方通行「…番外個体」

番外個体「うん」タッ

垣根「?」

一方通行「どォだ?」

番外個体「うん…見えるよ…首…。あれが削板って人じゃないかな」

垣根「な、居たろ?」

一方通行「みてェだな」

垣根「とりあえず削板の所に行こうぜ。この炎天下の中にアスファルトの中埋めたまんまだと流石にあいつも死ぬだろ」

一方通行「じゃあ埋めンなよ…」

垣根「そうしなきゃ俺が危なかった」

一方通行「ハァ…つゥワケだ芳川。出掛けてくる」

芳川「行ってらっしゃい」

打ち止め「今日はちゃんと帰って来る?」

一方通行「あァ」

黒夜「待った」

一方通行「ン?」

黒夜「ついでにビニールのイルカ買って来てくれ」

一方通行「イルカ?」

黒夜「私が前持ってたやつ」

一方通行「…あァ、アレか。分かった探して買って来てやる」

黒夜「頼んだぜ」

317 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 20:59:34.86 ID:bGVTxuPv0
マンション入り口


削板「暑い…しかも力が入らない…」

ザッザッ

削板「ん?後ろからか?」グッグッ

削板「しまった…後ろを向くことが出来ない…」

一方通行「見事に埋まってやがるなァ」

垣根「だから言ったろ?」

一方通行「ったく…」

削板「その声は!垣根と一方通行だな!」

一方通行「後ろ向きの状態で話されてもなァ」

垣根「多分動けないんだろ」

削板「実はそうなんだ」

垣根「一方通行」

一方通行「ハァ…」カチッ

削板「お?」

一方通行「ジッとしてろよォ?」ガシッ

削板「お、おう」

バキキッ!メキメキメキ!

削板「出れた!出れたぞ!」

318 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 21:00:00.70 ID:bGVTxuPv0
一方通行「ンで、オマエは誰を探してンだっけかァ?」

削板「ん?垣根から話を聴いたのか?この子だ」ピラッ

一方通行「あァ?コイツは佐天じゃねェか」

削板「なんだ?知ってるのか?」

一方通行「知ってる」

削板「垣根は知らなさそうだったがなー」

一方通行「…」チラッ

垣根「俺は知ってるとも知らないとも言ってねぇぞ」

削板「そういえばそうか!はっはっはっは!」

一方通行「大体話は聴いたからオマエが何したいのかは分かる。分かるが」

削板「分かるが?」

一方通行「コイツは今学校に行ってるはずだ」

削板「そういえば柵川中の制服を着てるもんな!」

一方通行「一つだけ聴いていいか?」

削板「なんだ?」

一方通行「その写真はどこで手に入れたンだ?」

削板「名前を聴いても覚えられそうになかったから断ってから写真を撮ったんだ」

一方通行「色々と不器用だなァ」

削板「?」

319 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 21:00:38.96 ID:bGVTxuPv0
削板「まあいいさ!学校も分かったし一方通行の知り合いときたもんだ!直接中学校に行こう!」

垣根「待て待て待て。何考えてるんだ」

削板「何って…お金を返すことだ!」ボカッ

垣根「痛っ!」

削板「借りた物は返す!当然だ!」

垣根「…」

削板「根性無しではやっていけないぞ!」

垣根「俺が言いたいことはそういう事じゃねぇ!」

削板「じゃあなんだ!」

垣根「いいか、俺達みてぇな風貌の連中が中学校なんかに行ったらどうなる」

垣根「ただでさえ怪しい格好なんだぜ?」

垣根「今時中学校に乗り込むことなんざ正解じゃねぇんだよ!」

削板「なんだ。そんなことか」

垣根「あ?」

削板「格好が問題なんだろ?俺に任せろ!」

垣根「…」

一方通行「諦めて従え。もう無駄だ」

垣根「あ、ああ…」
320 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 21:01:06.84 ID:bGVTxuPv0

冥土返しの病院にて



垣根「…」

一方通行「…」

10032号「よくお似合いですよ、とミサカ10032号はお世辞を言いますます」

削板「いい感じだ」

一方通行「なんでオマエと妹達が知り合いなンだ?」

10032号「以前に学園都市に侵入者が現れ、ミサカ達が倒れてるときに現れたのが彼なのです」

垣根「侵入者?」

削板「原石の安全確保のために学園都市に来た奴だ。結果として俺は負けたんだが…」

一方通行「そンな事が…」

削板「お陰で根性を入れ替えることが出来たがな!」

垣根「…まあいい。オマエがこのミサカちゃんに頼んでこの服を用意させたのは分かる」

削板「俺達三人でお揃いだ!」

一方通行「黒スーツ、黒ネクタイ」

削板「ほら、あとコレもだ!」スッ

垣根「グラサン…!」

削板「これなら怪しまれないだろ!」

一方通行「…」チャッ

垣根「グラサン似合わねぇな」

一方通行「…」

垣根「俺はもう諦めた。この服装で行くならこれで行く…」

削板「よし!じゃあ行くぞ!」グイッ

一方通行「あ?」

垣根「おい、引っ張るんじゃ…」

削板「うおお!」ドンッ

10032号「お気をつけて、とミサカ10032号はハンカチを振り三人を見送ります」
321 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/08(金) 21:02:49.50 ID:bGVTxuPv0
さて本日は一旦これで終了です。
前に終わりが見えてきたとは言いましたが終わるのは結構先になるでしょうね…

ではまた近いうちに更新しに来ます。
また会いましょう。
322 :GOUYUY :2011/07/08(金) 21:05:33.72 ID:n4KOYvJH0
乙!
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/09(土) 04:14:02.26 ID:yqiSqiGIO
おつ!
324 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 15:41:02.47 ID:AW8U9d9AO
こんにちは。
なんか昨日一日アクセスしにくかったですね…

前回よりかなり日数経ちましたが今日更新出来ます。

ではまた来ます。よろしくお願いします。
325 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:20:14.03 ID:vf0uB5PM0
こんばんは。

随分と時間が経ちましたが今から投下したいと思います。

よろしくお願いします。
326 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:21:01.90 ID:vf0uB5PM0
柵川中・校門前にて


垣根「…」カラカラ

一方通行「オイ」

垣根「なんだ」

一方通行「その金属バットはドコから持ってきた」

垣根「ここに立て掛けてあった。多分野球部の備品だろ。ついでに持って行ってやろうと思ってな」

一方通行「…肩に担ぐのはやめろ。殴りこみみてェだぞ」

垣根「そうか?」カンッ

一方通行「片手で持ってても危ねェな」

削板「ここのドコに居るんだ?」

一方通行「ていうかよォ」

垣根「あ?」

一方通行「ここの風紀委員の支部にそれなりに足踏み入れてたから別にさっきの格好でも良かったンじゃねェか?」

垣根「いつもは放課後だったからだろ?今は絶賛授業しててもおかしくねぇ時間帯だ」

一方通行「単純に放課後まで待ってれば良かったかもなァ」

削板「せっかく来たんだから行くぞ!」

垣根「まずは入校許可証からだな」

一方通行「入り口は…っとォ」

削板「あそこじゃないか?」
327 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:21:44.40 ID:vf0uB5PM0
柵川中・一室にて


先生「…じゃあこの箱を開けたときに猫はどうなってるか…分かるか?佐天」

佐天「は、はい!えっと…死んでたり死んでなかったりします…」

先生「どうかな!はいドーン!!」

「う、うわっ!ヤクザだ!」

先生「そう!ヤクザ!…ん?」

佐天「え?ヤクザ?」

先生「おい、どうした?一体」

「あの校門のトコに!」

「わっ…ホントだ…黒スーツにサングラスの…」

「あれバットじゃない?」

佐天「…ねえ、どう思う?初春」

初春「どうって…ここは警備員や風紀委員の方に任せてですね…」

佐天「じゃあ初春の出番じゃん!」グイグイ

初春「ま、待ってください!どうしてこういう時だけ…」

佐天「先生ー。初春の付き添いで風紀委員に行って来まーす」

先生「え?あ、ああ。気をつけてな…」

佐天「はーい。ほら、行くよ初春」

初春「ええー…」
328 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:22:13.27 ID:vf0uB5PM0
初春「第一、佐天さん。仮に本当のヤクザだったりしたら結構危険なんですよ?」

佐天「でもさー、面白そうじゃん?ヤクザ相手に風紀委員が戦う!こんなことって滅多に無いよ!」

初春「はぁ…確かにそうですけど…」

佐天「現にこうして初春は連れてってくれてるんだしさ!」

初春「それは佐天さんが言っても聴かないからで…」

佐天「遠くから見る分には大丈夫でしょ?いざとなったら他の風紀委員の人が駆けつけてくれるでしょ?」

初春「まあ白井さんや固法先輩も居ますし…大丈夫とは思いますけど…」

佐天「でしょでしょ?幸いにもこの学校にはちゃんとした能力持ってる風紀委員の人が居ることだしさ!」

初春「簡単に事が済んでくれるといいんんですけどね」

佐天「大丈夫だって!いざとなったら御坂さんが飛んで来てくれるって!」

初春「とりあえず校内の安全確保のためにも急ぎましょう」

佐天「それもそうだね。じゃあほら!走った走った!」タッ

初春「速いですよ佐天さん!」

佐天「ほら、急がないと!」

初春「まったく…」
329 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:22:46.28 ID:vf0uB5PM0
校庭


垣根「なんか教室中から注目浴びてる気がすんな」

一方通行「気のせいじゃねェよ」

削板「何かしたのか?」

垣根「オマエはアホなのか?それともズレてるのか?」

削板「俺はスーツなら問題無いと思ったんだが…」

垣根「グラサンは?」

削板「一方通行の眼を隠すのにいいかと思って」

垣根「…」ス

削板「外すのか?」

垣根「あー…いや、日差しが強いから付けとくか」

一方通行「とりあえず来客用の玄関から入ろォぜ。いつまでも校庭ウロついてたら注目の的だ」

垣根「あっちだな」スタスタ

一方通行「そォだ」

削板「行くか」

「待て!お前達!」

削板「ん?」

330 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:24:48.87 ID:vf0uB5PM0
「お前達みたいなのが中学校に何の用だ」

垣根「誰だテメェは」

「風紀委員だ」

垣根「よく見りゃ腕章付けてやがんな」

「そういうことだ。大した目的も無いのなら即刻敷地内から出て行ってもらいたいのだが」

垣根「はぁ?目的があっからここまで来てんだろうが」

「目的は何だ?」

垣根「人探し」

「人探し?」

垣根「削板ぁ!」

削板「ほら」ピッ

垣根「この女だ」スッ

「ん?この子はよく支部に出入りしてる…」

垣根「もういいだろ。じゃあな」

「ま、待て!肝心の用を聴いてない!」

垣根「チッ…その子にはなぁ」

「…」

垣根「金の事で用事あるんだわ。やっぱ借りたもんは返さなきゃいけねぇ。だろ?」

削板「ああ!その通りだ!」

331 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:25:43.37 ID:vf0uB5PM0
「か、金だと!?」

垣根「そうだよ。分かったらさっさと解放しろ」

「確かにお金の貸し借りは問題だ…しかし君達が風紀を乱してまで学校に取り立てにくるとなると…」

垣根「は?取り立て?」

一方通行「オマエの言い方が悪かったな」

垣根「あん?」

「やはり君達をこれ以上踏み入れさせる訳にはいかない。そういう行為は場所を選んでやってくれ。そして…彼女のためにも帰ってくれ」

垣根「だから俺達はその子のためにも来てんだけどなぁ…」

「どうしても引かないなら実力行使に出る!」ドッ

削板「ん?肉体強化系の能力か?」

一方通行「瞬間的な速度はなかなかのモンだなァ」

垣根「あ?どこ行った?」クルッ

ガンッ!

「んがっ!」

一方通行「…」

垣根「やべっ。担いでたバットが運悪くヒットしたみてぇだな」

垣根「おい、大丈夫か?」

「…」

垣根「気絶してやがる…」
332 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:26:25.81 ID:vf0uB5PM0
風紀委員一七七支部内


佐天「あわわわわわわ。あの人簡単にやられちゃったよ!」

初春「振り向きざまのバットで一発KOなんて…」

佐天「ちょっとーヤバいんじゃない?」

初春「あの人、結構強いんですよ…検挙率もなかなかで体術もすごいんです…」

佐天「ちょっと!ダメ押ししないでよ!」

初春「白井さんを呼びましょう」

佐天「今授業中じゃないの?大丈夫かな?」

初春「今ピンチなんです!」

佐天「だったら警備員呼ぶとかさ…」

初春「これぐらいのトラブル処理出来ないようじゃ固法先輩に叱られちゃいます!」

佐天「そういうの気にしてる場合じゃないと思うんだけどなー」

初春「もしもし?白井さんですか?大変です!うちの中学に殴り込みです!」

佐天「あの人大丈夫かなー?」

佐天「あ、蹴った。倒れてるとこに追い討ちなんて…」
333 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:26:52.91 ID:vf0uB5PM0
垣根「おい、起きろ」ゲシゲシ

「…」

一方通行「オマエはもう余計な事すンな」

垣根「は?」

一方通行「もう人探しで済む状況じゃなくなってる」

垣根「はぁ?」

削板「教室の皆がここに注目している」

垣根「…何でだ」

一方通行「一番の原因はバットで殴ったことだな」

垣根「殴ってねぇ。当たっただけだ」

削板「俺には殴ったように見えたぞ」

垣根「あぁん?」

ヒュン

白井「風紀委員ですの!お三方、大人しく投降してくださいまし!」

削板「今度は瞬間移動か?」

一方通行「やっと話の分かる奴が来たみてェだな」
334 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:27:18.22 ID:vf0uB5PM0
垣根「白井…黒子…!」

白井「はい?私の事を知ってますの?」

垣根「テメェに用は無ぇ。涙子ちゃんを呼べ」

白井「さ、佐天さんも知ってますの?あなた一体…ていうかその声…」

垣根「後で話してやっから呼んで来いや!」

白井「は、はい!」ヒュン

一方通行「従っただとォ?」

垣根「第三位と同じだ。怒鳴れば従ってくれるみてぇだな」

削板「とりあえずは解決か?」

垣根「オマエの目的は達成したろうな」

削板「よし!」

一方通行「…」

垣根「後は事情話せば大丈夫だろ。多分」

削板「えっと…百十…二十…」チャリッ

垣根「さて、コイツでも起こすか」
335 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:27:53.60 ID:vf0uB5PM0
支部内


ヒュン

初春「わ!どうしたんですか?白井さん」

白井「佐天さん」ガシッ

佐天「はい?」

白井「あちらの方々が佐天さんを連れて来いと」

初春「ちょ、ちょっと白井さん!簡単に従って大丈夫ですか?」

白井「逆らってはいけないような気がしますの…あの殿方の怒鳴り声にそういうものを感じましたの…」

初春「知り合いですか?」

白井「知り合いのような、そうでないような…」

初春「はあ…?」

白井「とりあえず佐天さん。行きますの」

佐天「まあ仕方ないですよねー」

白井「では初春。また」

初春「気をつけてくださいねー」

ヒュン

初春「…あの白髪の人って…」
336 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:28:41.65 ID:vf0uB5PM0
ヒュン


白井「連れて来ましたの」

佐天「え、えーと…」コソコソ

垣根「来たぞ」

削板「…」ザッ

白井「…?」

削板「佐天…ちゃん?」

佐天「は…はい?」

削板「俺が誰か分かるか?」

佐天「えっと…そのサングラス外して顔見せてもらわないとどうにも…」

削板「ん…そうか…」カチャ

白井「だ、誰ですの…?」

佐天「あの時の…自販機の…番長さん!」

削板「ば、番長?」

佐天「いや、でも白い服装だったし…番長といえばやっぱり黒かも…」

削板「何を言ってるか分からないが…とりあえずコレを返しにきた」スッ

佐天「?」スッ

削板「百二十円…あの時に貸してもらったジュース代…」チャリン

佐天「えっ?ウソ…返してくれなくても良かったのに…」

削板「そういうわけにはいかない。聴けば君は中学生だし、色々と入用になるかもしれないだろ?小さい金額だが必要になる。そう思ってな」

佐天「ありがとうございます。わざわざ…」

削板「俺はこの百二十円で助けられた。お礼を言うのは俺だ。それが根性というものだ」

垣根「根性…なのか?」
337 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:29:11.10 ID:vf0uB5PM0
削板「さて、目的も果たしたし俺は帰るとする。今日は助かった!ありがとうな二人とも!」

垣根「え?オマエ帰るの?」

削板「おう!そのスーツとサングラスは今日のお礼だ!貰ってくれ!じゃあな!」

佐天「待った!」

削板「ん?」

佐天「これも縁です。携帯、教えてください!」

削板「携帯?っと…」ゴソッ

垣根「携帯持ってたのか…」

一方通行「まァ、そォいうイメージあるわな」

削板「これで大丈夫か?」

佐天「はい!大丈夫です!」

削板「よしよし…そうだお前らも…」

垣根「…」ピッ

一方通行「…」ピッ

削板「よし!じゃあ俺は帰る!じゃあな!」スタスタ

垣根「俺達も帰るか」

一方通行「帰れるとイイなァ」

白井「お待ちになってくださいまし」

垣根「…」

白井「そこに倒れている風紀委員の事やあなた達の事、まだ聴いていませんの」

白井「お話、聴かせていただきますの」
338 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:29:41.08 ID:vf0uB5PM0
風紀委員一七七支部



白井「さて、まずは貴方からですが…」

垣根「…」

白井「声からして大体、正体の予想はついていますの。そのサングラス、取っていただいてくださいまし」

垣根「ちっ…」スッ

白井「垣根帝督、前科一犯…っと」

垣根「おい待て、そりゃどういうことだ」

白井「校内への不法侵入はおろか風紀委員に危害を加える始末、文句は言わせませんことよ?」

垣根「別に殴りたくて殴ったわけじゃねぇ。アイツが勝手に当たりに来ただけだ」

白井「その理屈ですと人を刺してもあっちから刺さってきた、仰るつもりですの?」

垣根「なに言ってやがる。そういうことじゃなくて…」

初春「一方通行さんですよね?」

一方通行「あァ…」

初春「やっぱり。その白い髪で分かりましたよ?」

佐天「え?初春知ってたの?」

初春「さっき気付いたんです。白い肌に白い髪、こんな見た目の人は学園都市に一人しか居ないんじゃないかって思って」

佐天「ああ…言われて見ると…うん…確かにそうだわ」

初春「まあとりあえずサングラス外してください。一応屋内なんで」

一方通行「はィ」カチャ

佐天「これ借りていいですか?」

一方通行「ン?好きにしろォ」

佐天「ありがとうございまーす!」カチャッ

初春「今度は佐天さんが付けるんですね」

佐天「これでバットを肩に担いで…と」
339 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:30:09.59 ID:vf0uB5PM0
佐天「じゃーん!」

一方通行「垣根の真似はやめろォ。制服にサングラス掛けてバットはさすがに似合わねェぞ」

佐天「んん?そうですかね?」

初春「そういえばもう一人の方は一体誰なんですか?

一方通行「削板軍覇ってヤツだ」

初春「削板…?人物照会するんでもう一度いいですか?」

一方通行「削板軍覇」

初春「どういう字を当てるんですか?」

一方通行「削ぐ板に、軍隊の軍、覇権の覇。覇権は難しい方だぞ」

初春「削板…軍覇…と」カチカチ

佐天「このサングラス貰っていいですか?」

一方通行「そンなのが欲しいのか?」

佐天「とても欲しいです」

一方通行「持ってけ」

佐天「ホントですか?ありがとうございます!」

初春「ああ、出ました。この人ですね。削板軍覇…えーっと…第七位?」

一方通行「間違って無ェぞ。正真正銘、第七位の男だ」

初春「でも能力について特に記載が…」

一方通行「…?」

初春「うーん…やっぱりなんでもないです」

一方通行「そォか?」
340 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:30:37.55 ID:vf0uB5PM0
垣根「ったく…」

白井「今回はこれでお終いですが次はありませんわよ?」

垣根「分かった分かった」

一方通行「終わったのか?」

垣根「みたいだな」

白井「さっさとお帰りになってくださいまし」シッシッ

垣根「レコーダーの恩義を欠きやがって」

白井「それはそれ、これはこれですの」

初春「レコーダー?」

垣根「前に色々あってな。第三位の秘蔵ボイスが録音されたレコーダーをコイツにやったんだ」

佐天「秘蔵ボイス?」

垣根「聴くか?今あるぞ」ゴソ

白井「!」

佐天「秘蔵かー。興味あるなぁ」

垣根「ん…?しまった、病院で着替えたときに一緒に置いて来たみてぇだな」

佐天「えー!じゃあその秘蔵とやらは…」

垣根「お預けってこったな」

佐天「秘蔵って言うから期待してたのに…」

垣根「…まあせっかくだしいいか」ピッ

一方通行「ン?」

垣根「冥土帰しに言って妹ちゃんに途中まで持って来させよう。そういや授業はどうなってんだ?」

初春「ちょうどお昼休みに入った所ですね」

垣根「時間は大丈夫みたいだな」
341 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:31:06.43 ID:vf0uB5PM0
学園都市内・テレビ局


「はーいオッケーでーす。収録まで休憩お願いしまーす」

海原「ご苦労様です。今夜初の本格的なテレビ出演となりますが緊張はしてますか?」

結標「それなりにはね」

土御門「まあ生放送だからってあまり力を入れすぎないことだな。いつも通り、いつも通りでいいんだ」

結標「分かってるわよそれくらい」

海原「おや、休憩ですか?」

結標「ちょっと電話してくるだけよ。すぐ戻ってくるわ」

海原「お気をつけてどうぞ」

「マネージャーさん」

土御門「ん?悪い、海原。俺も少し席を外す」

海原「了解しました」

「お昼用意しておきますのでどうぞ」

海原「ありがとうございます」

海原「あ、すいません。いいですか?」

「どうしました?」

海原「放送は何時からでしたか?」

「19時からです」

海原「ありがとうございます」

「いえ」

海原「自分も電話をしてきましょうか…」
342 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:31:53.28 ID:vf0uB5PM0
piriririri


初春「ん?佐天さんですか?」

佐天「いや?私じゃないよ?」

一方通行「俺だ」

白井「お出にならないんですの?」

一方通行「いンや…出る。もしもし?」

『一方通行?私』

一方通行「おゥ、どうした?」

垣根「さて、俺も手配はすんだから荷物取りに行って来る」

初春「気をつけてどうぞ」

垣根「まだしばらく居んだろ?」

初春「まとめもしなきゃならないんで、そうですね…まだしばらくは居ます」

垣根「よし。んじゃ行ってくるか」

一方通行「あァ?削板だとォ?」

垣根「どうした?」

一方通行「イヤ、なンでもねェ」

垣根「?まあいい、またな」ガチャ

一方通行「分かった、俺から言っとく…」

佐天「削板さんの名前出てきたね。一体誰かな」

初春「さあ…」
343 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:32:32.30 ID:vf0uB5PM0
結標「それでね、今夜なんだけど…音楽番組あるの分かる?」

『いっつもガキ共が見てるヤツだろ?知ってる』

結標「今日それに出るの」

『今日?』

結標「そう。今日」

『へェ…そォか』

結標「あんまり驚いてないのね?」

『イヤ、十分驚いてる』

結標「そっ。まあいいわ、生放送らしいから一緒に見ることは出来ないけど…」

『安心しろ、ちゃンと目を通すからよ』

結標「うん、お願いね。あと削板のことも」

『本当にアイツでいいのか?』

結標「だって一応そうなんだし」

『それもそォだな。任せとけ』

結標「じゃあまた明日連絡するからよろしくね」

『あァ』

結標「バイバイ」

『おう』
344 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:33:00.18 ID:vf0uB5PM0
常盤台中学・食堂にて

御坂「黒子ったらどこに行ったのかしら…おかげでまた一人よ…」

御坂「昼時だってのに…はぁ…ん?あの金髪は…」

食蜂「…」

御坂「なんでテーブルに突っ伏してるのかしら。それといつもの派閥も見当たらないわね」

食蜂「…」

御坂「ねえ、あんた」

食蜂「んぅ?」ムクッ

御坂「珍しく一人なの?」

食蜂「御坂さん?何の用?」

御坂「別に用ってほどじゃないわ。ただ気になっただけ」

食蜂「何がよ」

御坂「いつも周りにいる派閥のコ達が居ないもんだから」

食蜂「他のコ達は忙しいみたいで今日はほとんど居ないわ」

御坂「へぇ…そんな日もあるのね」

食蜂「あなたは今日も一人みたいね」

御坂「…」
345 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:33:33.27 ID:vf0uB5PM0
食蜂「前々から思ってたけど御坂さんっていつも後輩の風紀委員の人と居るわよね」

食蜂「同じクラスに知り合いとか居ないの?」

御坂「いや…居るには居るけど…その…」

食蜂「私が悪かったわ。ごめんなさいねぇ」

御坂「んなっ!」ビリッ

食蜂「!」

御坂「私は段々と本調子に戻って来たの!前みたいに不安定じゃないわよ!」

食蜂「でも私は…」

御坂「?」

食蜂「とっくに全快したわ!回れ右!」

御坂「!」クルッ

食蜂「前は電磁バリアで無効にされたけど…今なら多少効くみたいね。私の能力」

御坂「ぐぬぬ…」

食蜂「なーんて。特に何かしようって訳じゃないわ。座ったら?」パッ

御坂「っと…」

食蜂「ほら」

御坂「…」ガタッ
346 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:33:59.22 ID:vf0uB5PM0
御坂「ねえ」

食蜂「なに?」

御坂「なんで突っ伏してたの?」

食蜂「別に、ただなんとなくよ」

御坂「そう」

食蜂「…」

御坂「…」

食蜂「…」

御坂「第六位の事知ってる?」

食蜂「知らない」

御坂「…」

食蜂「…」

piriririri

御坂「ごめん。私」

食蜂「出たら?」

御坂「うん」
347 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:34:31.85 ID:vf0uB5PM0
御坂「もしもし?」

『私の事分かる?』

御坂「登録してるから分かるわよ。どうしたの?あわきん」

『あら、あなたは知ってるのね』

御坂「ニュースで目にする機会があったからね。結構忙しいんじゃないの?どうかした?」

『2ndシングルのPVに出演してほしいんだけど』

御坂「PV?それってあの麦野達が出てた?」

『そうよ。それの第二弾ね』

御坂「他に誰か出るの?」

『出るわよ。詳しくは言わないけどね』

御坂「そっかぁPVかぁ」

『もしかして常盤台って案外そういうのダメだったりする?』

御坂「んー多分大丈夫だと思うけど…」

『もし良かったら出てほしいんだけど』

御坂「それくらいなら別に構わないわよ」

『良かった。あとね』

御坂「なに?」
348 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:34:59.22 ID:vf0uB5PM0
『食蜂操祈も出演者候補なの』

御坂「和解したの?」

『さあ?』

御坂「さあって…」

『今近くに居るかしら?』

御坂「目の前に居るわ」

『変わってくれないかしら』

御坂「いいわよ」

御坂「電話」

食蜂「私?誰よ」

御坂「結標淡希。分かる?」

食蜂「分かるわ」

御坂「じゃあ、はい」

食蜂「はぁ…もしもし?変わったわ」

『久しぶりね食蜂操祈』

食蜂「今更何の用?もしかして離婚のお知らせか何か?」

『残念だけど離婚の予定は一切無いわ』

食蜂「そ、残念」
349 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:35:32.47 ID:vf0uB5PM0
食蜂「それで?何?」

『今美琴にも話したんだけどね』

食蜂「?」

『私が今度出すシングルのPVに出演しなさい』

食蜂「シングル…そういえばニュースで新星アイドルとかなんとかやってたわね」

『それが私。嫌とは言わせないわ。あなたには出る義務があるから』

食蜂「断れる状況じゃないし、別にいいわ。これで全部チャラね」

『ちゃんと協力してくれるならね』

食蜂「御坂さんと私以外の出演者は?」

『まだ美琴には言ってないんだけど…あなた達以外のレベル5達よ』

食蜂「達?」

『そう。達』

食蜂「面白そうね。やる気が出てきたわ」

『それは結構だけど変な真似したらタダじゃ済まないわよ』

食蜂「ふふん」
350 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:36:00.15 ID:vf0uB5PM0
『じゃあ美琴伝いでまた連絡するわ』

食蜂「待ってるわ」

『ちなみに予定は明日だから。それと今夜の音楽番組に出演するからそれ見てイメージ掴んどきなさい』

食蜂「え?明日?」

『じゃあね』プツッ

御坂「済んだ?」

食蜂「随分と急なのね」

御坂「?」

食蜂「はい、電話」

御坂「ん」

食蜂「御坂さん伝いで連絡するらしいわ。ちゃんと私に伝えてちょうだいね。それと予定は明日らしいわ」

御坂「はいはい」

食蜂「私以外のレベル5…」

御坂「え?」

食蜂「ううん、なんでもないわ」

御坂「PVかーやっぱ制服じゃない方がいいわよね」

食蜂「あっちで用意してくれると思うわ」

御坂「そうかしら?」

食蜂「多分ね」
351 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:36:29.51 ID:vf0uB5PM0
風紀委員一七七支部



『何言ってるかよく分からないぞ!』

一方通行「だから宣伝用のプロモーションビデオに出演しろって言ってンだよ!さすがにPVぐらいは知ってンだろ!」

『それは分かるが俺でいいのか?』

一方通行「あっちから指名貰ってンだ。こっちで懸念する必要は無ェよ」

『そうか、ならいい。友の頼みをここで断るのは仁義に反する。何よりさっき助けてもらった手前な!』

一方通行「明日改めて連絡してくるらしいから、またお前に連絡する」

『明日だな!分かった!』

一方通行「そういうこった。じゃァな」

『おう』ピッ

佐天「PVに出演するんですか?」

一方通行「まァな」

佐天「なんのプロモーションなんですか?」

一方通行「淡希の…2ndシングルのプロモーションらしい」

佐天「え?結標さんの?」

初春「佐天さん」

佐天「ん?なに?」

初春「クラスのみんなが話してたやつじゃないですか?」

佐天「あー、その話全然聴いてなかったのよねー。んで?どんな話?」

352 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:37:04.20 ID:vf0uB5PM0
初春「カナミンの新しいOPを歌ってるのが新人のアイドルで…赤毛が特徴の人らしいって話です」

佐天「赤毛…まさかその人が結標さんだっていう…」

白井「ニュースを見てないんですの?」

佐天「その類はどうも苦手で…はは」

初春「じゃあ知らなくても無理ありませんね。まあ知っての通り結標さんなんです」

佐天「へぇーアイドルになってたんだ…一方通行さんは知ってたの?」

一方通行「知ったのは最近だけどな」

初春「佐天さん、どうぞ」スッ

佐天「なになに?」

初春「話題になっている1stシングル"only my movepoint"のPVです」

佐天「あれ?この人確か披露宴で会った…てかもう動画見れるんだ…」

初春「覚えてたんですね。以外です」

佐天「他にも知った顔が…」

初春「麦野さんって人ですけど覚えてます?」

佐天「人の名前くらいちゃんと覚えてるよ!」

初春「その麦野さん…ええと、第四位が出てることで話題のPVでもあるんです」

佐天「…」

初春「佐天さん?」

佐天「初春」

初春「はい?」

佐天「これ曲名なんて言ったっけ?」

初春「"only my movepoint"ですよ佐天さん」
353 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:37:33.27 ID:vf0uB5PM0
佐天「えっと…"only my movepoint"っと…」

初春「気に入ったんですか?」

佐天「この曲ね…」

初春「?」

佐天「イントロすっごいカッコいいよ!」

初春「イントロですか?よいしょ…ん?」

佐天「どうしたの初春?」

初春「白井さん」

白井「少し騒がしいですこと」

佐天「え!?ご、ごめんなさい!」

初春「あの…佐天さんじゃなくてですね…」

白井「外が少し…」

佐天「んん?」

一方通行「外…」

白井「申し訳ありませんが窓から確認していただいても?」

一方通行「あァ」ガタッ

一方通行「ン…どれ…」
354 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:38:01.01 ID:vf0uB5PM0
柵川中・校庭にて


「本物の第二位さんですか!?」

垣根「偽者は居たら見てみたいな」

「きゃー!」

「本物!本物だって!」

垣根「もういいか?風紀委員に用があるからよ」

「ま、待ってください!もうちょっとお話聴かせてくださいよ!」

垣根「お話ってなぁ…ていうかなんで俺が二位だって知ってやがる」

「そんなことはいいじゃないですか!初めて間近で見れる高位能力者なんですよ!」

垣根「お、おお」

「友達とかも同じレベル5だったりするんですか?」

垣根「ああ、まあな」

「私第三位に人しか見たことなかったからここで見れてよかったー」

「俺も常盤台の子しか見たことなかったな…」

----------------------------------------
一方通行「…」

白井「どうですの?」

初春「見た方が理解出来そうですよ?」

白井「ふむ…」

初春「…ありゃ?」

355 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:38:28.17 ID:vf0uB5PM0
初春「佐天さんですね?」

佐天「え?何が?」

初春「クラスの皆に垣根さんが第二位だって教えたんですね?」

佐天「あー…実はそうなんだよねー。正体が分かった時に第二位が来てる!ってメールしちゃったんだよねー」

初春「垣根さんだけですか?」

佐天「一位も来てるって言いました」

初春「まったく…」

ガチャ

垣根「揃ってんな」

一方通行「案外早かったな」

垣根「妹ちゃんが結構近くまで来てくれてな」

一方通行「そォか」

垣根「ほら、とりあえず着替えだ。スーツだと暑いだろ」

一方通行「おォ」

佐天「帝督さん。それで秘蔵ボイスってのは…」

垣根「焦んな。ちゃんとある」チラ

佐天「おおー」

垣根「の前に着替えさせてくれ」シュルッ
356 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:38:57.78 ID:vf0uB5PM0
垣根「…えーっと。イヤホンイヤホン…」

白井「イヤホンなら私が持ってますの」

垣根「お、そうか」

佐天「あれ?白井さんってプレイヤー持ってましたっけ?」

白井「え、ええ。先日買いましたの」

佐天「へぇー。何聴いてるんですか?」

白井「まあ色々と…時に…」チラッ

垣根「あ?なんだ?」

白井「本当に佐天さんに聴かせる気ですの?」ボソッ

佐天「?」

垣根「聴きたいってんだから聴かせる。特に断る理由も無いしな」

白井「うーむ…」

垣根「どうしたんだよ」

白井「出来れば私以外の人間に聴いて欲しくはなかったのですが…」

垣根「お前のお姉さま愛も結構だ…だがな、聴かせたほうが面白いだろ?」

佐天「もしかして白井さんって秘蔵ボイスとやらを聴いたことがあるんですか?」

白井「えっ?ええっと…」カタッ

一方通行「ン?」ヒョイ

初春「なんですか?それ」

垣根「まあどうでもいい。ほらイヤホン貸せ」

白井「は、はあ…どうぞ」ムスッ
357 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:39:40.86 ID:vf0uB5PM0
初春「音楽プレイヤーみたいですね」

一方通行「白井のだな」

初春「今流行のタイプですね」

一方通行「みてェだな」カチカチ

初春「勝手にいじっちゃって大丈夫ですか?」

一方通行「どんな音楽聴いてンのか興味あンだろ」

初春「そういうことに興味があるなんて意外ですね」

一方通行「まァな」カチッ

一方通行「…?」

初春「アーティストがお姉さま…??」

佐天「うわぁあああっ!」

初春「ど、どうしました!?」

佐天「帝督さん!もう一回最初っから!」

垣根「おう」

佐天「わわわっ…こんな声出すんだぁ…」

初春「一体何を聴いてるんですか?」

佐天「初春も聴いてみなよ!」

初春「その秘蔵ボイスとやらをですか?」

佐天「うんうん!ほら!」

初春「じゃあ失礼して…」
358 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:40:06.97 ID:vf0uB5PM0
佐天「こんな声どうやって録音したんですか?」

垣根「どうやって…聴く機会があっただけだな」

佐天「聴く機会…?まさか御坂さんと浮…」

垣根「下手なこと言ってんじゃねぇ。そんな事あってたまるか!」

佐天「でもでも!こんな声そういうことしなきゃ聴けませんよ!」

初春「ひゃあああああっ!」

垣根「いい反応だ」

佐天「ふっふーん」

初春「なな、なんですか!この声!」

佐天「ねっねっ!凄いでしょ!?」

垣根「お前も聴くか?」

一方通行「遠慮しとく」

垣根「そうか?」

一方通行「あァ」

初春「どうやってこんな声を…」

垣根「やっぱそれ聴くか?説明すんの面倒なんだよなぁ…」

佐天「別に説明してくれなくてもいいんです!そのほうが色々と想像出来ますから!」

垣根「何を想像すんだかな」

佐天「聴いちゃいます?聴いちゃいます?」

垣根「いや、やっぱいいわ」

一方通行「さて…」ガタッ

白井「お帰りになりますの?」
359 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:40:34.60 ID:vf0uB5PM0
一方通行「あァ。買い物頼まれてるしな」

白井「じゃあ私もそろそろ常盤台に戻るとしますの」

垣根「ほら、イヤホン」ヒョイ

白井「おっと…」

一方通行「忘れるトコだった」

白井「あれ?私の…」

一方通行「コレだろ?さっき落としたぞ」

白井「え?あ、ああ申し訳ありませんの」

一方通行「勝手に中見ちまったンだけどよォ」

白井「…」ピクッ

一方通行「お姉さまってのは一体何なンだァ?」

白井「お姉さまはお姉さまですの!ではごきげんよう!おほほ!」ヒュン

一方通行「…」

垣根「そんなフォルダがあったなら十中八九レコーダーのやつだろうな」

一方通行「なるほどなァ」

垣根「じゃあ行くか。イルカだっけか?買いに行くんだろ?」

一方通行「だな」

佐天「私たちもそろそろ戻ろうか?」

初春「ですね」

垣根「じゃあな二人とも」

初春「お気をつけて」
360 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/14(木) 23:42:01.64 ID:vf0uB5PM0
お疲れ様でした。
本日はこれで一旦終了となります。

今回は更新にかなり時間をかけてしまったので次からはいつものスペースでやっていきます。

ではまた会いましょう。
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/14(木) 23:56:25.31 ID:VlufYia4o
あわきんアイドルw
こうゆうのもいいな・・・
支援
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 12:07:11.44 ID:t3jj9YNwo
このスレの垣根ってどんだけ他人に迷惑かけたり嫌がらせしてもその報いを一切受けないまま好き勝手やらかし放題だな・・・
そして自分が悪い事してるという発想も無く相手の方が悪いという思想もどうかと思うww
363 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/07/15(金) 13:00:53.68 ID:U9UACBZAO
>>362
実を言うと後半で裁かれます

きっちりと
364 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:01:38.79 ID:hRz71PTN0
こんばんは。書き溜めが出来ましたので今から投下しようと思います。

ではよろしくお願いします。
365 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:02:21.07 ID:hRz71PTN0
数時間後・黄泉川宅にて


一方通行「ふゥ…」ガチャ

黄泉川「おっ、帰って来たじゃん」

一方通行「帰ってたのか」

黄泉川「さっきな」

黒夜「おい兄ちゃん」トテテ

一方通行「ほら」ポイ

黒夜「っとと…」ポスッ

一方通行「同じようなヤツでよかったんだろォ?」

黒夜「同じようなって…これピンクじゃねぇか!」

一方通行「充分じゃねェか」

黒夜「ああー!?」

黄泉川「まあまあ、そっちの方が可愛いじゃんよ」

黒夜「あんたまで…!」

一方通行「どォせ使ったら壊しちまうンだ。大して色は関係無いンじゃねェか?」

黒夜「見た目の問題だ」

一方通行「黒いのもあったぞ」

黒夜「それはシャチじぇねぇのか?」

一方通行「そっちの方が可愛いンじゃねェの?」

黒夜「シャチがか!」

一方通行「いンや。ピンクでよ」

黒夜「うーん…」
366 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:02:49.40 ID:hRz71PTN0
芳川「あらお帰りなさい」

一方通行「何見てンだ?」

芳川「いつもの音楽番組よ」

絹旗「ニュースでやってましたが今日は結標さんが出るらしいです」

一方通行「あァ、本人から聴いたよ」

打ち止め「録画スタンバイオッケー」

番外個体「二人ともPVってのに出たんでしょ?ちょっと羨ましいかも」

芳川「珍しいわね。あなたがそんな事言うなんて」

番外個体「まあ、たまにはね」

黄泉川「そういえばよかったじゃんか?」

一方通行「何がだ?」

黄泉川「結標のこと。大して会えてないんじゃないか?」

一方通行「気にしてたらキリねェだろ。少しの辛抱だわな」

黄泉川「そういえば理由は知ってるじゃんか?」

一方通行「イヤ、知らねェな」

黄泉川「一方通行も知らないじゃん?」

一方通行「なりたいからなったンじゃねェのか?」

黄泉川「そう…か?」

一方通行「深読みしても仕方ねェだろ」

黄泉川「それもそうじゃん」
367 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:03:17.00 ID:hRz71PTN0
黒夜「そういえば」

一方通行「あ?」

黒夜「シルバークロースから手紙を預かってる」

一方通行「内容は?」

黒夜「駆動鎧を弁償してくれって」

一方通行「…」

黒夜「破壊されたって聴いたけど壊したのが兄ちゃんとはな」

一方通行「まァ、理由もあったンだけどな」

黒夜「弁償すんの?」

一方通行「断る理由も無ェしな」

黒夜「芳川ー」

芳川「貯金ほとんど無くなるけどいいかしら?」

一方通行「なンでオマエが管理してンだ」

芳川「家に長く居ると金銭管理ぐらいしかやること無いのよ」

一方通行「そォか」

黒夜「んで?」

一方通行「払うけどォ?」

黒夜「手続き頼むぞー」

芳川「はいはい」

一方通行「どォやって俺がやったって知ったンだァ…?まァ…別にイイか」

368 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:03:44.13 ID:hRz71PTN0
打ち止め「始まる!始まるよ!ってミサカはミサカはお知らせしてみる!」

一方通行「ン…そォか…どれ」

番外個体「上位個体、録画ボタン押してないよー」

打ち止め「はわわわっ」

絹旗「そんな焦らなくてもここからリモコンでボタンを押せばですね…」ピッ

ブツッ

打ち止め「あ」

番外個体「サイアイそれ電源ー」

絹旗「同じ赤いボタンでしたから超間違えましたね」

芳川「ちょっと!それ結構設定手こずったのよ」

黒夜「ええとチャンネル設定からだから…」

打ち止め「電源!電源入れないと!」

黒夜「ええと…録画なんてしたことないから分からない」

芳川「番外個体」

番外個体「ミサカも分からないなぁ」

芳川「…」

打ち止め「時間が…ヨミカワー!」ガッシ

黄泉川「あー…私に言われても困るじゃんよ」

一方通行「…」スッ

黄泉川「お」
369 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:04:24.38 ID:hRz71PTN0
その頃・某テレビ局にて


「そろそろ本番行きまーす。準備お願いしまーす」

海原「土御門さん、こちらへ」

土御門「あいつの姿が見えないが…」

海原「えっと…確か心理定規さんとお話をしてますよ」

土御門「心理定規?」

海原「新しい司会みたいで…先程お会いしてからずっとお話していますよ?」

土御門「そ、そうか…そういえば新しい司会がどうとかテレビでやってたな…」

海原「それが心理定規さんというのに気付いたのはさっきなんですけどね」

土御門「へぇ」

海原「以前に司会の方がお会いしたいという話があったの覚えてますか?」

土御門「…ああー…あったなそんなこと。結局話したのはあわきんだけだったがにゃー」

海原「その方が今日お休みなんですよ」

土御門「ん?」

海原「つまり今日の番組は心理定規さんとしての初司会であり、独壇場なんですね」

海原「お話をしたいというのは今週出れないから挨拶だけでも、という事だったそうです」

土御門「だ、大丈夫なのか?」

海原「一応心理定規さんもプロです。信用しましょう」

「すいません、そろそろ時間なんでよろしいですか?」

海原「ああ、すいません」

370 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:04:58.75 ID:hRz71PTN0
一方通行「ほら、出来たぞ」

芳川「さすがね」

一方通行「ちゃンと書いてあっからよく読め」ベシャッ

芳川「あたっ」

打ち止め「おおー!点いた点いた!」

一方通行「…」

番外個体「寂しい?」

一方通行「何がだ」

番外個体「べっつにー?」

一方通行「はン」

黒夜「そういえばしばらく帰って来てないな」

絹旗「しばらくって…一週間も経ってませんよ?」

一方通行「そォいやもう大丈夫なのか?」

絹旗「お昼過ぎぐらいには大分良くなりましたよ」

芳川「夏バテの軽いやつじゃない?結構外出てたからね」

絹旗「かもしれないですね」

打ち止め「始まったよー!」

黄泉川「どれどれ?」

一方通行「おら、詰めろ」

番外個体「うぇぇ?見るの?珍しー」
371 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:05:24.99 ID:hRz71PTN0
『みなさんこんばんは!今夜は話題のアイドル、あわきんを始めとした多数のゲストでお送りしていきます!』

『私自身の初司会ということもあり気合充分でやっていきますのでよろしくお願いします!』

芳川「あら…」

一方通行「心理定規…」

『では早速ゲストの方々に入場していただきます!』

黄泉川「そういえばあのチャラい子は元気じゃんか?」

一方通行「垣根か?相変わらずだぞォ?」

黄泉川「そうか…相変わらずじゃんか…」

一方通行「?」

『さっそくですがお話を聴いていこうと思います。あわきんさんは初出演ということですが緊張なんかはなさっているのでしょうか?』

『それなりには』

『本日歌っていただくデビュー曲である"only my movepoint"ですが…人気アニメのOPに選ばれたということで…』

『そうですね。最初の曲であれほど人気のあるアニメのタイアップに選んでいただいたことはとても光栄なことなんだな…とそう感じています』

『はい…えっと話題になっているのはなにも曲だけではなくPVにも話題の理由があります』

『今ご覧になられている映像が肝心のPVです』

黒夜「うへーばっちり映ってやがる」

絹旗「結構手を加えられてますね。あんなので大丈夫かと超心配でしたが…するだけ無駄でしたね」

打ち止め「おおー」
372 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:06:02.65 ID:hRz71PTN0
『見て分かる通りですがPVとしては極めて異例の駆動鎧での演出となっています』

『駆動鎧だけではなくなんと超能力者として第四位の方が出演していることでも話題となっています』

『あわきんさんは第四位の方とはお知り合いだったりするんですか?』

『以前より親交はあって…それで今回のPVという事でお願いをしまして…』

『なるほどー。さてデビュー曲は来週発売ですが…もう既に2ndシングルのお話があるとか』

『大分間隔が狭いんですけどもう大分固まっている話ですね』

『少しだけお話を聴かせてもらってもよろしいでしょうか?』

『あー…じゃあまたPVの話になるんですけど…』

『はい』

『今回以上のメンバーでの撮影を考えています』

『今回以上…となりますとやはり学園都市でそれなりの地位を持つような方が出演…ということでしょうか?』

『詳しいことは言えないんですけど…そう考えてもらって大丈夫ですね』

『貴重なお話ありがとうございます。ではトップバッターという事で準備お願いします』

『はい』

一方通行「…」

番外個体「もう次の曲の話出てるんだ…」

芳川「最初の頃はやっぱり忙しいんじゃない?私もアイドルになろうかしら?」

黄泉川「桔梗…」
373 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:06:29.20 ID:hRz71PTN0
『…はい、1stシングル"only my movepoint"でした。どうもありがとうございましたー』

黄泉川「ほぉーなかなかうまいじゃんか」

芳川「あんな短期間でよくここまでやれるわね」

黄泉川「才能とかあったのかもしれないじゃん?」

芳川「かもね」

打ち止め「あ、ねえねえ!そういえばサインは?ってミサカはミサカは思い出して喋ってみる!」

一方通行「明日会う予定だからそン時に聴いといてやる」

絹旗「サイン?」

一方通行「妹達用に1000枚…だったっけかァ?」

打ち止め「うん!」

絹旗「1000枚…」

一方通行「まァ大丈夫とは思うがな」ガタッ

黄泉川「ん?もう部屋に行くじゃんか?」

一方通行「今日は色々あってな。明日のこともあるし早めに寝るわ」

黄泉川「そうか」

打ち止め「おやすみー」

一方通行「ン」
374 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:07:04.62 ID:hRz71PTN0
海原「お疲れ様です」

土御門「上出来だったにゃー」

結標「はーっ。随分と力入れちゃったわ…」

海原「仕方ありません。これほどの番組ですから」

結標「ねえ」

土御門「ん?」

結標「ちょっと手配して欲しい所がるんだけど」

土御門「…言ってみろ」

結標「立体映像での演出が出来る施設ってある?」

土御門「立体映像?…あー…あるな」

結標「明日そこを使いたいんだけど」

海原「PVの撮影ですか?」

結標「ええ」

土御門「なるほど。分かった手配しておくが…」

結標「なに?」

土御門「歌は覚えたのか?」

結標「とっくに覚えたわ」

海原「さすが、ですね」

土御門「分かった。手配しておこう」

結標「お願いね」
375 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:07:42.06 ID:hRz71PTN0
翌朝・黄泉川宅にて



一方通行「…」

一方通行「暑ィ…」

一方通行「なンで上脱いでンだ俺は…」

番外個体「教えてあげようか第一位」

一方通行「…どォしてオマエが隣で寝てンだ」

番外個体「いやん」

一方通行「…」

番外個体「まあ実を言うとね」

一方通行「あァ」

番外個体「さっきから携帯がうるさくて止めて来いって言われたんだよね」

一方通行「携帯…?」

番外個体「服を脱いでるのは暑くてあなたが勝手に脱いだだけ。でもこの部屋ホント暑いねー」

piriririririririri

番外個体「ほらまた」

一方通行「っとォ…」

番外個体「ちゃんと出てよね」ガチャ

一方通行「もしもしィ?」

『やっと出たか』

一方通行「なンの用だ?」

『昨日あわきんから聴いてるな?』

一方通行「あァ…?」

『今から迎えに行くから準備して外で待っていろ』

一方通行「は…どォいう…」

『じゃあな』プツッ

一方通行「…あわきンってのは確か芸名だったっけか?明日連絡するってこォいうことだったのか?」

一方通行「にしてもどォして土御門から…」

一方通行「後で聴いてみりゃイイか…とりあえず準備だな」
376 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:09:23.60 ID:hRz71PTN0
その頃・車中にて


海原「出たようですね」

土御門「やっとな」

麦野「あのさぁー」

海原「はい?」

麦野「レベル5ばっかこんな集めてどうすんのよ」

海原「あわきんさんの意向ですから自分にはなんとも」

垣根「別にどうでもいいじゃねぇか。それより見たぞ麦野」

麦野「何をよ」

垣根「PVに決まってんだろぉ?いつのまにあんなの撮ったんだ?って感じだよ」

麦野「最近の話よ」

垣根「へぇ」

御坂「それなら私も見たわよ!」

垣根「昨日の番組見てれば目を通すわな」

削板「昨日何かあったのか?」

垣根「え?あー…テレビの話だ」

土御門「…なあ」

食蜂「なに?」

土御門「君は話の輪に入らないのか?」

食蜂「大して親しくもないしね。それより当の本人はどうしたの?」

土御門「先に行って衣装合わせをしてるよ」

食蜂「そう」
377 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:10:32.00 ID:hRz71PTN0
削板「一体どんな映像を撮るんだ?」

垣根「さあ。ていうかなんにも知らされてないんだよな。前はどうだったんだよ?」

麦野「前はって…前日に資料渡されて…次の日に簡単に説明を受けて…それから収録したわよ」

御坂「ねえ。資料とか無いの?マネージャーさ…ん…」

海原「は…はは。どうも」

御坂「あ、あれ?なんで…?」

土御門「だから顔を変えろと…」

海原「そうしたら他の皆さんが分からないと思いまして…」

土御門「た、体験学習の一種だにゃー」

御坂「体験…?うーん…そんな話あったかしら…」

土御門「ほ、ほら!一方通行が待ってるぜい!」

御坂「ってことはあと一人で全員ね」

土御門「残念だが第六位は参加しないぜい」

御坂「え?」

土御門「連絡がつかない上にどう接したらいいか分からないからな。今回は採用を見送ったんだ」

御坂「へぇーじゃあこれで全員なのね」

土御門「一方通行を入れてな」

378 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:11:00.33 ID:hRz71PTN0
キッ

ガチャッ

土御門「待ったか?」

一方通行「あァ」

土御門「そうか。まあいい話は中でする、とりあえず乗ってくれ」

一方通行「おう」ガチャ

土御門「海原、もう出していいぞ」

海原「はい」

一方通行「随分と雁首そろえたもンだなァ」

土御門「これで話題性もばっちりだぜい。あと見れば分かると思うが俺と海原は共々マネージャーになったからな」

一方通行「そォか」

土御門「全員揃ったとこで資料を渡す。各自確認してくれ、ちなみに内容はごく簡単なものだ。お前たちの頭脳ならすぐに理解出来るはずだ」

食蜂「…」ピラ

御坂「あら?楽器使うの?」

土御門「使うというか持つだけだがな」

垣根「衣装は…またスーツか…」

海原「統一性を持たせますから全員黒スーツですよ?」

麦野「今回は特に込み入った行動とか無いのね」

土御門「場面に合わせての少しの行動になるからな。前に比べたら楽だろ」

削板「ほう…ほう…」

一方通行「…」ピラッ

土御門「到着までに少し時間があるから適当に頭に入れといてくれ」
379 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:11:31.16 ID:hRz71PTN0
第七学区・とあるビル


御坂「こ、このビルは…」

垣根「なんだ?知ってるのか?」

御坂「前に黒子や初春さん、佐天さん達と来たことがあってね」

土御門「こんな所にか?常盤台の生徒にこう言うのもなんだが…結構な場所だぞ?ここは」

海原「良く大手の会社等が広告を作製するのにモデルの方々を撮影するような場所ですからね」

麦野「あそこの大型モニターはなんなの?」

海原「あのモニターは確か…内部の映像を映す事の出来るモニターです」

垣根「そういや聴いたことがあるぜ」

削板「?」

垣根「結構前の話になるんだがなんかの手違いで一回モニターが映った時があってな」

麦野「それがどうかしたの?」

垣根「問題は内容でな。中学生らしき女の子が水着来てただ一人はしゃいでる映像が映ったそうだ」

御坂「!?」

食蜂「私、知ってるわその話。白い水着着てる子の話でしょ?」

垣根「なんだ?お前も知ってるのか?」

食蜂「白いフリフリの水玉模様の水着…詳しい事は聴いてみないことにはだけど派閥の子が話してたわ」

御坂「!!!」

垣根「ちょうど去年の夏ぐらいか?」

食蜂「私が御坂さんと会う前だからそれくらいね」

一方通行「去年の夏か…」

土御門「…あんまり待たせてるとアレだ。さっさと行くぞ」
380 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:11:59.16 ID:hRz71PTN0
ビル内


結標「遅い」

海原「申し訳ありません。一方通行さんを起こすのに時間がかかりまして」

結標「だから一番最初に声を掛けて最後に回収って言ったでしょ」

土御門「さすがにそこまでは、と思って結局最後に回したからな…」

結標「まったく…さてと…とりあえずレベル5の皆、今日ここに来てくれてありがとう」

垣根「別に、礼を言われるほどの事でも無ぇよ」

御坂「そうよ、逆にこっちがお礼を言いたいほどね」

麦野「私なんかこれで二回連続よ?ホント、使ってくれてありがたいわ」

食蜂「私は…未だによく分からないんだけどね」

削板「ええと…資料はどこに…」

結標「一方通行も」

一方通行「どォってことは無ェよ。逆に俺達でイイのか心配する程だ」

結標「心配事なんてどこにも無いわ。私が選んだ人員ですもの」

垣根「ところでよ」

結標「?」

垣根「なんで急にアイドルになったんだ?」

結標「なりたかったからよ。それ以外の理由も無いわ」

麦野「……」

結標「麦野も深く考えないで。私の意志でやってることなんだから」

垣根「…やっぱメガネ…かぁ?」

一方通行「別になンでもイイだろ」
381 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:12:27.63 ID:hRz71PTN0
土御門「それじゃ早速撮影に入りたいとこなんだが…」

海原「皆さん、衣装に着替えてくださいね」

海原「更衣室は男女事で用意してありますので。部屋にある黒スーツにそれぞれ着替えてください」

土御門「着替えたら各自資料だけを持ってここに再度集まってくれ」

御坂「ねえ私たちもスーツとやらに着替えるの?」

土御門「たち?」

御坂「食蜂操祈もよ」

土御門「スーツと言ってもそれっぽい服なだけだ。面倒だからスーツと呼んでるだけだ」

御坂「そう?サイズとかは大丈夫なのかしら?」

海原「最初から各種サイズを取り揃えてますのでその心配は無用ですよ」

土御門「まあそんな心配も無用なんだがな」

御坂「?」

土御門「残ってるのは君だけなんだにゃー」

御坂「え?」キョロ

土御門「ほら、行った行った」

カチャ

食蜂「ねえちょっとー!」

海原「どうなさいましたー?」

食蜂「胸がキツイんだけどー!」
382 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:13:01.02 ID:hRz71PTN0
土御門「サイズならそれなりのバリエーションがあるはずだが…?」

食蜂「そーっだ。一方通行に頼んで胸をおさめてもらおーっと」

土御門「…」

御坂「…」

結標「心配しなくても私がやってあげるわ!」

食蜂「え?きゃっ!ちょ、どこ触って…あはははは!」

土御門「ほら」

御坂「う、うん」

----------------男子更衣室-----------------

削板「よっしゃ!」スチャ

垣根「グラサンはやめろ!」シュ

削板「あーっ!」カタン

一方通行「これはネクタイすンのか?」

垣根「確か細いタイプの…ファッション用のヤツがあったな。お前はそれを付ければいいだろ」

一方通行「これだな」シュル

垣根「そうそう。それそれ」

削板「俺はネクタイいらないな」

垣根「ネクタイはいらないがその鉢巻みてぇなのは外せ。な?」

削板「ん…仕方ないな…」シュル

一方通行・垣根「!」
383 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:13:27.43 ID:hRz71PTN0
結標「お待たせ」

土御門「ああ。待ってた…ぞ…」

食蜂「な、なによ」

土御門「海原…あれは大丈夫なのか?」

海原「…お色気担当ということで一つ。アリかもしれませんし…」

土御門「しかしアレは…」

海原「掛け合ってみましょう」

麦野「何話してるのかしら」

食蜂「やっぱりダメだったのよ。着替えてくるわね…あんっ」ガシ

結標「なに言ってるのよ。その格好で行くわよ」

食蜂「ひーん!」

御坂「…」ペタペタ

麦野「やめときなさい。触っても膨らみやしないわよ」

海原「食蜂…操祈さん…?」

食蜂「?」

海原「ワイシャツの胸元を開くのはいいのですが…その…」

結標「はっきり言いなさいよ」

海原「サラシを巻いているのはちょっと…」

食蜂「…」

麦野「胸元開けてる意味無いものね」

結標「じゃあ取ればいいわね」ズボッ

土御門「ズボ?」
384 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:14:01.14 ID:hRz71PTN0
食蜂「ちょっと!ど、どこに手を入れて…あははははは!」シュルルル

結標「一々更衣室に行くのも面倒だからここで取るわ!」

御坂「胸元に手を突っ込んで取れるもんなのね」

麦野「そういう風に巻いたんじゃない?」

食蜂「あはは!こっ、擦れて…ひひっ…!」

土御門「海原」

海原「安心してください。ちゃんと回ってます」

土御門「メイキング映像…根回ししていて良かった…」

海原「どのようにして配布しますか?」

土御門「購入してくれた者への全員サービス」

海原「ではそのように」

食蜂「はーっ…はーっ…」

結標「一方通行達は?」

土御門「ん?見ての通りまだだぞ」

食蜂「はーっ…着替えてくるわ…」

結標「ダメ、それで出なさい」

食蜂「サラシを取ったから下に何も付けて無いのよ!?」

結標「だーめ」ヒュン

食蜂「あう」ドテ

結標「大人しく従いなさい。これが貴方の償いよ」

食蜂「う…」

結標「もし従わないのなら次はパンツが消えるわよ」

食蜂「そ、それだけは…」

結標「刻んでプレゼントってのもいいわね」

食蜂「分かった!分かったから!この格好で出るから!」

385 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:14:32.62 ID:hRz71PTN0
ガチャ


麦野「おい、遅せーぞ!」

垣根「悪い悪い。色々と決めかねててな」

一方通行「準備オッケーだ。いつでもいけンぞ」

御坂「ははっ。決まってるじゃないの」

一方通行「ふン」

麦野「垣根は蝶ネクタイかぁ?ははははっ」

垣根「まあギャグだからもう外すけどな」シュッ

削板「…」カチャ

麦野「はは…は…」

垣根「どうだ?」

結標「へぇ…」

土御門「気合充分だな」

麦野「あんたは常にその格好でいたらいいんじゃないの?」

垣根「ついでに言うと口を開かないとなおのこと良い」

御坂「鉢巻外して服変えるだけでこうも変わるのね…」

削板「おし!根性入れてやるぞ!」

垣根「中身はまんまだけどな」

御坂「うん…」
386 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:15:02.17 ID:hRz71PTN0
土御門「じゃあ早速始めるか」

海原「まずは担当する楽器選びからお願いします」

結標「今回のテーマはなんだっけ?」

海原「今回は集結です。バラバラのチームが集まり今一度一つになる。そういうコンセプトです」

垣根「最初のシングルはカナミンのタイアップだって話だったな。今回はどうなんだ?」

海原「今回は携帯電話会社ですね。電話という事もあり繋がりというものを第一に置いた結果…」

土御門「なぜか集結になった」

海原「まあ電話とは得てして離れて行うものですからね。あながち間違ってはいないと思いまして」

一方通行「ンでその楽器とやらは?」

海原「どの楽器を選ぶかは皆さんで決めてください」

土御門「ギター、ベース、ドラム、キーボード、あとショルキーもあるぜい」

一方通行「淡希も楽器持つのか?」

結標「私はボーカルだからマイクスタンド程度ね」

一方通行「ンじゃこっちで適当に決めてイインだな」

結標「うん」

垣根「ここに居る奴ら…全員見渡して既に一人決定してるんじゃねぇのか?」

麦野「…」

御坂「…」

食蜂「?」

削板「お!ハーモニカもあるぞ!」ガチャガチャ

垣根「…あいつはドラムで」
387 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:15:28.67 ID:hRz71PTN0
垣根「削板!お前はドラムだ!」

削板「ドラム?」

垣根「果てしなく根性がいる楽器だ。気合入れろ」

削板「おう!」

海原「削板さん、ではこちらへ」

削板「この格好で叩くのか?」

海原「ええ」

一方通行「他の楽器はどうすンだ?人数的に大分合ってねェぞ?」

垣根「ギターは二人でも構わないみてぇだ」

御坂「ホントだ…ちゃんと書いてる」

麦野「結構見てるのね」

垣根「それなりにはな。んでほら、配置見る限りな…」

垣根「リードギターがボーカルに一番近い位置に居るんだわ」

御坂「じゃあリードギターは決まりね」

垣根「おう。この俺「はい一方通行」おい」

麦野「目立つポジションだからって結標の横にあんたは置けないわ。こういう位置はやっぱり一方通行よ」

垣根「そりゃ…そうだわな」

一方通行「ギターか…俺は弾けねェぞ?」

海原「フリなんで大丈夫です。一通り説明しますのでこちらへ」

388 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:15:57.78 ID:hRz71PTN0
食蜂「じゃあ私はサイドギターやるわ」

垣根「じゃあ俺はベースやる」

御坂「あ、あれ?イメージ的には私がギターじゃないの??」

垣根「はぁ?どうしてだよ」

御坂「エレキ…」

垣根「麦野、キーボードで」

麦野「まあそれでいいか…」

御坂「待ちなさいよ!じゃあ私は何をやるのよ!」

結標「安心してちょうだい」

御坂「え?」

結標「今回のシングルはコーラスがかなり多めに入ってるのよ」

御坂「うんうん」

結標「ショルキー背負って前に出て。それで私の隣に来てちょうだい」

御坂「コーラスでショルキー??」

結標「このヘッドセットも付けてもらうからコーラスの役割もばっちりよ」

結標「まあ口パクだからあんまり考える必要も無いわね」

御坂「つまり前に出てコーラスやればいいのね」

結標「そういうこと」

御坂「でもキーボードが二つになるんじゃ…」

結標「後で聴かされると思うけど結構キーボードメインの曲調だから」

御坂「じゃあ大丈夫ね」

結標「ええ。行きましょう」
389 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:16:26.38 ID:hRz71PTN0
海原「舞台はズバリ荒野です」

土御門「荒野の中心に向かってメンバーが集まる。そういうPVだ」

土御門「ちなみにボーカルとドラムとキーボードは最初から中心に居る。そこに向かって…ということだな」

海原「あとは簡単にですが楽器のレクチャーをします。普通の人ならかなり困難ですが…あなたたちなら大丈夫だと思っています」

垣根「削板。ちょっと叩いてみろ」

ズダダダダダダダバキッ!

削板「あ」

ガスッ

一方通行「あがっ」

海原「削板さん、もう少し力を抜いて」

削板「すまないな!」

海原「あと曲を聴いてもらいます」

土御門「楽器にいたってはそれっぽく見えれば問題無いから簡単に考えてくれ」

麦野「この部屋で撮影するの?」

海原「ええ」ピッ

食蜂「ん?」

御坂「あの時と同じく凄いわね」

麦野「一瞬で荒野に…初めてみたわ。こういうの」

垣根「曲、曲聴かせてくれよ」

土御門「焦らなくても今流すぜい」
390 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:16:52.89 ID:hRz71PTN0
垣根「へぇ。普通にかっこいいじゃねぇか」

麦野「随分とキーボードが派手なのね」

結標「電子をイメージしたからなおさらよ」

一方通行「…」ジャッ

ギュウウウウゥン!

海原「そうです。その感じです」

垣根「慣れて来てるな。おい土御門」

土御門「ん?」

垣根「俺達が出した音は入らないんだろ?」

土御門「ああ。撮影してる時は音を出してもらうが編集にあたって原曲を被せるから入らないぞ」

海原「一応演奏する気持ちでやってくださいね」

垣根「さっきと言ってること違うんじゃないか?」

海原「そこは都合を合わせてください」

垣根「まあいい。俺にも教えてくれ」

土御門「お前はベースか…」

海原「キーボードは結標さんいけますか?」

結標「大丈夫だけど削板はどうするの?」

海原「彼はもう大丈夫のようです」

結標「ふーん…以外ね」

海原「才能かもしれませんね」
391 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:17:24.42 ID:hRz71PTN0
海原「では食蜂さんもこちらへ」

食蜂「…」スタスタ

海原「一応楽譜になります。さすがに聴いただけで演奏は出来ませんよね?」

食蜂「一方通行は?」

海原「当然の如く、聴いただけでやってのけました」

食蜂「能力使った?」

一方通行「反射神経と伝達能力を少しいじった。これくらいならなンとかなる」

食蜂「私も少し集中力上げよ」

海原「まず読み方からですが…」

食蜂「うん」

一方通行「…」

海原「…ん?一方通行さん」

一方通行「あ?」

海原「垣根さんの所に行ってもらってもいいですか?」

一方通行「?」

海原「苦戦してるようです」

392 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:17:52.23 ID:hRz71PTN0
ボーン ボーン ボーン

土御門「…」

垣根「…」ボーン

土御門「もっと…こう…どうにかならないのか?」

垣根「どうにかだと?…」ボボボボボ

土御門「…能力使ってどうにかならないのか?」

垣根「能力か…」ブワッ

土御門「…」

ボボッ ビィン! ブォーン!

土御門「おお、いい感じじゃないか」

垣根「…」ブォーン

土御門「どうやっているんだ?」

垣根「弦に未元物質を付着させて無理矢理音を出してる」

土御門「通して弾けるか?」

垣根「無理だな。譜面とか色々問題がある。指の使い方とかな」

土御門「うーん…」
393 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:18:24.21 ID:hRz71PTN0
一方通行「垣根」

垣根「んあ?」

土御門「一方通行か。どうした?」

一方通行「海原に行くように言われてな。随分と苦戦してるようじゃねェか」

垣根「見ての通りだ。俺の能力じゃちょっとこういうのには向かねぇな」

一方通行「未元物質で感覚を引き上げるとか出来ンじゃねェか?」

垣根「引き上げても色々と不備がある」

一方通行「珍しい事もあンだな」

垣根「まあな」

土御門「どうにかならないか?」

一方通行「食蜂の出番だな」

垣根「あいつに頭いじられるのか」

一方通行「我慢しろ。速攻で理解するにはこれしかねェよ」

垣根「ま、しょうがないか」

土御門「まだ昼前か…時間はまだまだ大丈夫だな」
394 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:18:51.49 ID:hRz71PTN0
ィィィン…ボォーン! ビィン!

垣根「…」ボボッ

土御門「どうだ?いけるか?」

垣根「…」コク

一方通行「急に静かになったな」

食蜂「喋らせるくらいなら他の事に集中させるわ」

一方通行「どこいじった?」

食蜂「あなたと同じよ。それと少し危機感を煽らせたわ」

一方通行「そォか、わざわざすまねェな」

食蜂「いーえ。そんなことよりも撮影が終わったら私と…」ヒュッ

食蜂「!!!!」バッ

結標「…」ヒラヒラ

麦野「それ何持ってるの?」

結標「パンツ」

御坂「結標の?」

結標「まさか。あの子のよ」

麦野「言われて見ればレースの装飾が付けてた手袋にそっくりね」

食蜂「こ・の…!」

結標「安心なさい。ローアングルで撮ることは無いから。例え撮ったとしてもその長さのスカートじゃ中身なんて見えないから」

食蜂「気持ちの問題よ!今上も下も付けてないのよ!」

結標「だから?」

食蜂「ぐぬぬ…」
395 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:19:27.14 ID:hRz71PTN0
御坂「ま、まああんたも悪いんじゃない?」

食蜂「はぁー?」

御坂「だって目の前でお誘いなんか普通するー?曲がりなりにも中学生でしょー?」

食蜂「夕食の誘いに中学生とか関係あるわけないでしょ!」

御坂「え?」

食蜂「何、どういう想像してたのよ」

御坂「いや…あんたの行動聴く限り私はてっきり…」

食蜂「御坂さんの事も聴いた通りね」

御坂「は?…誰から…何を…」

食蜂「一方通行伝いに聴いたわ。性欲旺盛だから薬を飲まされたそうね?」

麦野「それって同棲がどうとかって時?」

食蜂「知ってるの?まあ、そうね。その時の話ね」

麦野「あんた垣根でも良かったの…?」

御坂「ちょ、ちょっと待ってよ。どこからそういう話になったのよ」

食蜂「飲まされるって事はそういう事なんでしょ?」

御坂「いやいやいや。私飲んでないからね?」

食蜂「トイレに入って来てパンツを晒したとも聴いたわ」

御坂「待った待った。あんたは一体どういう話を聴いたのよ」

食蜂「どうって…」
396 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:20:02.04 ID:hRz71PTN0
御坂「なるほど…なるほど…なるほど」

食蜂「何か間違ってた?」

御坂「聴く分には何も間違ってないわ。パンツのくだりとか薬とか」

食蜂「じゃあ何がダメだったのよ」

御坂「言い方よ。肝心な事を言わないで怪しい部分だけ話してるわ」

麦野「結局薬のトコは一方通行が飲まされるんじゃねぇか、って話したから飲んだと思ったわけか」

食蜂「そういうことね」

御坂「…分かったわ」

食蜂「?」

御坂「食蜂はさっきの事はもう誰にも言わないでちょうだい。ていうか忘れて」

食蜂「それって私にはなんの意味も無いわ」

御坂「んー…ちょっとだけあんたに協力してあげるわ。食事の手配ぐらいならしてあげる」

食蜂「ホントに!?」

麦野「どうしてここまで一方通行にお熱になれるのかしら…」

御坂「初恋、らしいわ。聴いた話だけどね」

麦野「絶対に叶うことは無いと思うんだけど」

食蜂「えーと食事が終わったら通りのホテ…」

御坂「ごめんやっぱ無理かも」

食蜂「裏切ったわね貧乳。派閥の子から常盤台中に広めるわ」

御坂「だったらそのよこしまな考えを捨てなさいよ…」

麦野「貧…乳…」チラチラ
397 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:20:29.35 ID:hRz71PTN0
結標「そろそろいいかしら?」

麦野「まだ教える?」

結標「教えることは無いわよ。撮影するから準備いいかしら?ってことよ」

食蜂「あれ?私のパンツは?」

結標「プレゼントに回すわ」

食蜂「!?」

結標「さ、行くわよ」

食蜂「ちょちょ、ちょっと!私ノーブラノーパンよ!?」

結標「特に問題を感じられないわね」

食蜂「…」

麦野「諦めなさいよ。仕方ないわ」

御坂「どの色のショルキーにしようかしら…」

結標「どの色でもいいわ。大して問題も無いし」

御坂「じゃあこのピンクのに…」

食蜂「腹くくるわ」グッ

麦野「あ」

食蜂「?どうしたのよ」

麦野「いやね…ギターのストラップが谷間にうまい具合に入って…」

食蜂「…関係無いわ。もうこれで行くから」
398 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/17(日) 20:25:34.99 ID:hRz71PTN0
今日はここで一旦終了です。

続きはまた近いうちに…ですが
今回、二回目の撮影ということで書いていますがイメージしにくいと思って今回は実際にあるPVのネタをちょっと拝借しました。

GLAYのROCK'N'ROLL SWINDLEという曲のPVです。
偶然見かけてこれは使えるんじゃないかと思ったので、ちょっと使いました。
ちなみにPVの描写はこの二回目で終了となります。終わったら最終章的な感じで進めていきます。

ではまた会いましょう。
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/17(日) 20:38:35.28 ID:QnW21tfOo
実にけしからんな
400 :OGHTP2;C [saga]:2011/07/17(日) 20:49:49.15 ID:9TX1/29B0
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/17(日) 23:35:47.65 ID:sIFbiftlo
土砂降りいいいい雨のハイウェイいいい
402 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:21:29.68 ID:onpdjsy20
こんばんは。
書き溜めが出来たので投下したいと思います。

よろしくお願いします。
403 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:22:09.99 ID:onpdjsy20
海原「女性陣も準備完了のようです」

土御門「じゃあ始めるか」

麦野「キーボードの配置は?」

海原「ドラムを正面に見て左側ですね」

麦野「はいはい」

御坂「私は?」

海原「ボーカルを正面に見て、これまた左側です」

食蜂「私はどこかしら?」プルンッ

土御門「一方通行の斜め後ろだぜい」

垣根「…」クイクイ

海原「はいはい。どうなさいました?」

垣根「…」ボソボソ

海原「はい、はい…なるほど」

麦野「なにあれ」

食蜂「さあ?」

海原「食蜂さん」

食蜂「なに?」
404 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:22:37.76 ID:onpdjsy20
海原「垣根さんがもう少しその胸はどうにかならないのか、と申しています」

食蜂「どうにかってなによ?」

垣根「…」ボソボソ

海原「ふむ…ふむ…。胸が揺れすぎて目が落ち着かないらしいです」

食蜂「ふふん。ならば注目してるといいわ」

垣根「…」ボソボソ

海原「はい…なるほど。よく考えたら自分のポジションはギターの後ろだからどうでもいいそうです」

食蜂「…」

御坂「吹っ切れたわねー」

麦野「そうでもしないとやってけないんでしょ?」

御坂「ある意味女王サマっぽいかも…」

垣根「…」ボソボソ

海原「ああ、なるほど…」

食蜂「次は何かしら」

海原「ワイシャツの透けには気をつけろとのことです」

食蜂「透け?」

垣根「…」ボソボソ

海原「はい…はい…。透けブラでは済まないから汗には充分注意するようにとのことです」

食蜂「ああ…そう…」
405 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:23:04.79 ID:onpdjsy20
土御門「位置に着いたか?」

海原「集合した時のポジションは先ほど説明した通りです。最初は個別で撮りながら後々編集で繋いでいきます」

土御門「あわきんと削板と麦野は定位置。他の四人から撮影を始めて行くからな」

海原「まずは一方通行さんからです。ギター構えてください」

一方通行「…」ガシャッ

海原「そうです、では行きます。台本通り、演奏お願いしますね」ピッ

土御門「一方通行を海原に任せている同時進行で撮影する」

御坂「誰から先にやる?」

土御門「まずは垣根からだ。能力の影響が消える前にやっておきたいからな」

御坂「影響?」

土御門「まあ色々とな」

食蜂「♪」プルッ

垣根「…」ボソボソ

御坂「何か言ってるわよ」

土御門「大体分かる。食蜂はそのまま自己練習していてくれ。ほら、垣根からだ」

垣根「…」スッ

御坂「大丈夫かしら」

406 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:23:56.84 ID:onpdjsy20
風紀委員第一七七支部


初春「ふぁ…あっ…んん」

白井「初春」

初春「すみません。どうも眠くて…ははっ」

固法「白井さん。前に言ったことのまとめって出来上がってるかしら?」

白井「えっと…確かこちらに…」ゴソゴソ

初春「何か言われてたんですか?」

白井「つい先週の出来事ですの」

初春「?」

固法「街中で急に倒れる能力者が続出してね。レベルや年齢なんかもほとんどバラバラなんだけど…」

白井「問題はその全員が置き去りだということですの」

初春「はあ…置き去りですか?」

固法「何かあるんじゃないかと思って捜査をお願いしたのよ」

白井「でも結果として原因は分からずじまい…これがまとめですの」スッ

固法「ご苦労様」

白井「症状は原因不明の頭痛。軽いものから重いものまで、酷いと未だに意識不明の方も居ますの」

初春「そんなことがあるんですね」

白井「初春知りませんでしたの?」

初春「はい」
407 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:25:10.39 ID:onpdjsy20
固法「あまり大きな事でもないから仕方ないかもね」

白井「まあ、言われればそうですの」

固法「それより昨日の侵入者の事だけど…」

白井「はて?昨日…?」

固法「なんかヤクザ風の集団が学校に入って来たとかって聴いたんだけど」

白井「ああ。あれは一種の勘違いでしたの」

固法「勘違い?」

初春(白井さん。いいんですか?)

白井(事件として上げるにはあまりにも小さ過ぎますの。今後の面倒も考えるとこれが一番ですの)

固法「よく分からないけど何も無かったって事?」

白井「ええ。間違いありませんの」

固法「そう。ならいいわ」

初春「そういえば白井さん。昨日のテレビ見ました?音楽番組のやつ」

白井「お姉さまが見てたので一緒に見ましたの」

固法「音楽番組?それがどうかしたの?」

初春「そういえば固法先輩知らないんですね。実は…」
408 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:25:47.97 ID:onpdjsy20
再びビル内


削板「がぁぁあ!またすっぽ抜けた!」

土御門「うーん…」

垣根「…」ボソボソ

海原「…また削板か、と言ってます」

一方通行「ただ叩くだけだろォ?一体どうしてそんなスティックが飛ぶンだよ」

土御門「強く振りかぶり過ぎなんだな。もう少し力をセーブしてくれ」

削板「オッケー」

食蜂「そろそろ指が疲れて来たわ。ついでに汗も出てきた…」

麦野「早く収録しないと別の意味での話題PVになっちゃうわね」

御坂「やっぱりスーツって結構暑いわねー」

麦野(ワイシャツから乳首が透けてるとなると流石にシャレじゃ済まないわよね)

結標「もう一度今の所気をつけてやりましょう」

海原「そうですね。やはり回を重ねないと慣れませんからね」

結標「そういうこと。それとあなた」

御坂「わ、私?」

結標「カメラを意識しすぎ」

御坂「う…」
409 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:26:18.21 ID:onpdjsy20
結標「そんなにカメラばっか目で追っちゃダメよ。不自然なカメラ目線になってるわ」

御坂「私から言わせてもらうと…なんで皆してカメラ慣れしてるのよ…」

一方通行「別に気にするもンでもねェだろ」

食蜂「そうそう。普段から注目浴びてればなんてことないわ」

御坂「…」

土御門「もう一回今のシーンから始めるぜい」

海原「テイク…23です」

土御門「30は行きたくないにゃー」

海原「皆さん次第ですね」

土御門「…ちゃんと別のカメラも回してるか?」

海原「メイキングのほうですね?ちゃんと回ってますよ」

土御門「よしよし」

一方通行「オイ、早く始めンぞ」

海原「削板さん今度こそお願いします」

削板「任せろ!」

土御門「始めるにゃー」
410 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:26:47.42 ID:onpdjsy20
第七学区内・ファミレスにて


フレンダ「暇ね…」

滝壺「zzZ」

浜面「…」ペラ

黒夜「…」カチカチ

絹旗「…」ズズッ

フレンダ「あんたさっきから何読んでるの?」

浜面「んん?これ」

フレンダ「雑誌?」

浜面「音楽コーナーの部分だけなんだけどな」

絹旗「浜面音楽とかに興味ありましたっけ?」

浜面「あんま関心は無かったけど…PV撮ったじゃんか?それで少しな」

フレンダ「来週だっけ?」

浜面「ああ」

黒夜「確かくれるとか言ってなかったっけ?」

絹旗「ああ…そう言えば言ってましたね」

フレンダ「カナミンのOPだっけ?凄い人気らしい訳よ」

浜面「今更か?そんなのは周知の事実じゃないのか?」

フレンダ「え…?」

絹旗「まさか浜面…」

黒夜「マジか…」

浜面「え?…え?」
411 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:27:20.17 ID:onpdjsy20
絹旗「まさか浜面が滝壺さんそっちのけでカナミンで超ハァハァしてるとは…」

浜面「お、おいおい。まさか見たこと無いのか?」

絹旗「ま、冗談は置いといてですね」

黒夜「人気だけなら私でも知ってるぜ。ほら、アレポスターじゃねぇか?」

浜面「ポスター?」

黒夜「店の中じゃねぇよ。外のほら…」

浜面「ああ、ああ。あそこか」

絹旗「ちょうど結標さんのポスターの並んでますね」

浜面「そりゃOPを担当すりゃな…」

フレンダ「そういえば麦野はどこで何してるわけ?」

絹旗「私は今日席外すって事ぐらいしか聴いてませんね」

黒夜「どっか出掛けてんじゃねぇの?」

浜面「一人でか?」

黒夜「一人でも、他の奴誘えば一人じゃねぇだろうよ」

412 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:27:49.60 ID:onpdjsy20
浜面「他の奴って?」

黒夜「知らねぇよ」

フレンダ「ねえ」

浜面「番外個体とかか?それとも超電磁砲か?」

黒夜「だから知らないっての」

フレンダ「ねえ!」

浜面「え?あ、どうした?」

フレンダ「ポスター見て思ったんだけどさ」

黒夜「?」

フレンダ「結標ってなんでアイドルになったわけ?」

浜面「あー…それこそ知らないっていうか…」

絹旗「確か私達はアイドルになる前日に会いましたよね?」

黒夜「だっけか?」

浜面「あの研究員風の人が来た時だろ?木山って言ったっけか?」

絹旗「そうです。ついでに言うと一方通行や垣根も一緒に来た時ですね」

黒夜「そういやあったな…そんなこと」

フレンダ「えっ、なにそれ…あ、私が居なかった時か…」
413 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:28:18.97 ID:onpdjsy20
絹旗「あの日は確か…麦野の要望でゲーセンに行くときでしたね」

浜面「街中で会ったんだよな」

絹旗「ええ。そういえばその時にあのメガネを付けてましたね」

浜面「メガネなんてどうでもいいだろ。そして麦野が二人で話をしたいとか言い出したんだっけ?」

絹旗「そうですね。それで自然と超解散しちゃったんです」

黒夜「流れ的に麦野と会話してアイドルになったのか?」

絹旗「違うんじゃないですか?少なくとも私はそう思えませんね」

浜面「まあ、別になんでもいいんじゃね?特に理由にこだわる必要もねぇだろ」

フレンダ「それはそうだけどやっぱり気になる訳よ」

絹旗「今度本人に聴いたらどうです?」

フレンダ「そういうのって聴きづらくない?」

絹旗「まったく…」

黒夜(そういやシルバークロースから手紙貰ったのもそんくらいだったなぁ…)

浜面「腹減ったな。追加注文するか」

絹旗「浜面、ドリンクバー」

フレンダ「私も」

浜面「…」
414 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:28:48.16 ID:onpdjsy20
ビル内


ゥゥゥゥン…

結標「…」

一方通行「…」

キィィィィィン…

御坂(一応終わったけど…一方通行が何か音出してるし、まだ終わりじゃないのかしら)

麦野(削板のスティック回しが成功したからオッケーじゃないかしら)

食蜂(うう…ギターのストラップが擦れて…汗も出てきたし…透けてないといいんだけど…)

削板(これは喋っていいのか?)

垣根「…」

ギュン…

土御門「…」ピッ

キュウウウウン

海原「お疲れ様です。テイク26にてやっと成功です」

土御門「今からちょっとだけ編集するから今のうちに着替えてくるといいにゃー」

削板「この撮影を通して熱いモノを感じたぞ!」

海原「それは何よりです」

一方通行「はァ…」

パキンッ!

土御門「ん?…ああ、垣根か…」

垣根「はぁーっ…やっとか…」

海原「お疲れ様です。積もる話はまた後でお願いします」

垣根「おう」
415 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:29:16.45 ID:onpdjsy20
男子更衣室


垣根「スティック回しって結構難しいんじじゃねぇのか?」

削板「そうでもないぞ?これをこう…だな」クル

カラン

削板「あれ?もう一度…」カラン

垣根「あぁ?出来たのはさっきだけか?」

削板「いや…ここでも出来るはず…!」

一方通行「やっと肩の荷が下りたな…」

垣根「文字通りな」

削板「出来た!出来たぞ!」

垣根「一方通行」

一方通行「ちょっと貸してみろ」

削板「ほら」

一方通行「…」カチ

ギュゥゥン!

削板「指が動いてないぞ!」

垣根「指先ひとつでこんな事も出来る。まあ俺は無理だけどな」

削板「その気になれば俺も出来るはずだ!貸せ!」

一方通行「無理だと思うケドなァ…」

416 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:29:47.96 ID:onpdjsy20
女子更衣室

食蜂「はぁ…終わった終わった…」プチプチ

麦野「暑苦しいしさっさと着替えましょ」シュル

御坂「ロッカーロッカー…っと」ガチャ

食蜂(あ…パンツ無かったんだ…)

御坂「ワイシャツは…」

結標「っと」ヒュン

麦野「着替えるのにも能力使うの?」

結標「こっちの方が随分と早いもの」

麦野「そう?」

結標「ええ」

食蜂「ちょっと」

結標「え?」

食蜂「私のパンツはどこかしら」

結標「パンツ?そういえばどこに飛ばしたかしら…」

食蜂「え?」

結標「多分そこらへんに落ちてると思うんだけど」

食蜂「帰りの服装はさっきの格好より短いスカート履くんだけど…」

結標「涼しくていいんじゃない?」

御坂「これ貸してあげるわ」スッ

食蜂「これってあなたがいっつもスカートの下に履いてるやつよね?」

御坂「今日何枚か持って来てたから。はい」

食蜂「…貸してもらうわ」
417 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:30:13.36 ID:onpdjsy20
麦野「私先に出るわね」

結標「私ももう出るわねぇ」

食蜂「私も」

御坂「え?もう?ちょっと待って…もう済むから…っとと」

御坂「よし。もうオッケーよ」

麦野「はいはい」ガチャ

ゴオオオオオオオオッ!

バタン

結標「なんで閉めたのよ」

麦野「冗談でしょ?今の音聴こえなかったの?」

『出来たぞー!!』

御坂「…今の声って」

結標「とりあえず出ましょうよ。そうしないと始まらないわ」

麦野「…」カチャ

垣根「か、風が…!」

一方通行「俺の真似して竜巻まがいの物を起こすとはよォ…」

土御門「あー!書類がー!」

海原「土御門さん!書類よりも機材をですね…」

麦野「男子更衣室の入り口辺りで強風が起きてるわ」

御坂「…」
418 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:30:44.04 ID:onpdjsy20
垣根「お前!とりあえずそれを治めろ!」

削板「俺にも出来たぞ第一位!」

一方通行「分かったからさっさと抑えろォ!」

削板「ぐぐ……どうやって治めたかな…?」

ドッパァァン!

一方通行「またスティック…!ぐがっ!」ガン

垣根「わぷぷっ!なんだ!?」スポッ

バサバサバサ!

土御門「さらば書類よ…」

海原「集めればすぐですから」

削板「…これで大丈夫のはず」

一方通行「痛ゥ…!」

削板「悪かった!」

垣根「んだこりゃぁ…?」グイ

食蜂「…」タッ

垣根「パン…あ?」

食蜂「私のよ!」グッ

垣根「あー?」ヒョイ

食蜂「とっ…届かない…!」ピョン
419 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:31:11.34 ID:onpdjsy20
垣根「なんでここでお前のパンツが出てくるんだよ」

食蜂「さっきアイドルに飛ばされたのよ!」

垣根「そうか」スッ

食蜂「被せんな!!」ドカッ

垣根「んがっ」

御坂「楽しそうね」

食蜂「どこが」

御坂「別に」

食蜂「まったく…はいコレ。返すわ」ポイ

御坂「ここで履き替えるの?」

食蜂「もう履き替えたわ」

御坂「早い…」

削板「ほら、飛ばした資料ってやつだ」ヒョイ

土御門「おお、悪いな」

削板「なに」

海原「とりあえず皆さん集まってください。一足先に鑑賞会といきましょう」

御坂「こっちの編集も早いわね」

結標「スピードが命ですもの。早ければ早いほどいいわ」

麦野「んじゃ見るとしましょうか」

一方通行「俺も行くかァ」

結標「一方通行」

一方通行「ン?」

結標「お疲れ」

一方通行「お互い様だ」
420 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:31:39.21 ID:onpdjsy20
ファミレスにて


浜面「雲行きが怪しくなって来たな」

黒夜「早く支払い済ませろよ。みんな外で待ってるぞ」

浜面「ああ。お前も先出てろよ」

黒夜「そうする」カチャ

絹旗「やはりこちらの作品をですね…」

フレンダ「まーたB級ホラーな訳?なんかこう…さぁ…」

絹旗「なんかとはなんですか。私はこうして今の季節に合うようなものをですね…滝壺さんはどうですか?」

滝壺「わたしはこれがいいな」

絹旗「ん…これは最近上映し始めたサイコサスペンスですね。滝壺さんはこういうのが好きなんですか?」

滝壺「ううん。この雑誌に載ってるやつならこれがいい」

絹旗「じゃあこれにしましょうか」

黒夜「それ見るのか?」

絹旗「ええ。浜面はどうしました?一雨来る前に映画館に行きたいのですが…」

黒夜「もう来るんじゃないか?」

カラン

浜面「何見っか決まったのか?」

絹旗「このサスペンスに決まりました」

浜面「げっ…これって頭使うようなやつじゃねぇのか?」

絹旗「そんな心配をしてるようでは映画なんて見れませんよ?」
421 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:32:07.14 ID:onpdjsy20
浜面「まあいいや。とっとと行こうぜ?近くのでいいよな?」

フレンダ「わざわざ天気悪い時に他の学区に行きたくない訳よ」

浜面「決まりだな。じゃあすぐそこだしこのまま歩きでいいか」

絹旗「何してるんですか?超置いてきますよ?」

浜面「…」

フレンダ「結局浜面がビリな訳ね」

浜面「お前さっきまで隣に居たろ…」

滝壺「はまづら早く」

浜面「今行くよ」タッ

絹旗「そうだ、番外個体でも誘いましょうか?」

黒夜「今家に居るといいんだけどな」

絹旗「さすがにどこかに出掛けてはいないでしょう」

黒夜「出てこれるか?」

絹旗「本来ならレベル5級の付き添いが必要とか一方通行が言ってましたが…さすがに私達でも大丈夫でしょう」

黒夜「いざとなったらシルバークロース呼べるしな」

絹旗「そういうことです」

黒夜「んじゃ呼んでくれよ」

絹旗「はいはい…」ゴソゴソ

浜面「おい、お前ら信号」

絹旗「黒夜先にどうぞ。向かいで待っててください」

黒夜「おう」タッ

422 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:32:32.82 ID:onpdjsy20
浜面「あれ?絹旗は?」

黒夜「電話するからここで待ってろってさ」

浜面「そうか。てかさ」

黒夜「あ?」

浜面「俺も知り合い呼んでいいか?さすがに男一人はキツイわ」

黒夜「いいんじゃね?」

浜面「悪いな」ゴソ

黒夜「誰呼ぶの?」

浜面「旅行の時にツンツン頭のヤツ見たろ?」

黒夜「あー」

浜面「そいつ」

フレンダ「やっぱ車の方が良かったかなー?」

滝壺「わたしは雨も好きだよ?」

フレンダ「でも豪雨は勘弁な訳ね」

黒夜「傘無いから変な時に降られても困るぜぇ?」

フレンダ「そういえば番外個体って家近くなの?」

黒夜「割かし近い。映画館に着く前に合流出来ると思うぞ」

フレンダ「ふーん」

滝壺「信号青になってるよ」

黒夜「え?ホントだ…絹旗ー!青だぞー!」
423 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:33:24.51 ID:onpdjsy20
絹旗「はい…じゃあ行く途中に会いましょう。では…」ピッ

絹旗「今行きまーす!」

浜面「よし。これで男一人の重圧から解放されるぜ」

黒夜「増えんのか?」

浜面「おう。なんか近くに居たみたいだからな」

滝壺「あれ?」

浜面「どうした?」

滝壺「うーん…」

浜面「?」

ポツ…ポツ…

黒夜「ちょっと降ってきたな…」

フレンダ「ありゃ?奥から思いっきりスピード出して来るのトラックじゃない?」

黒夜「まあ突っ込んできても絹旗の能力ならなんとかなんだろ」

浜面「お、おいおい!ホントに突っ込んで来るじゃねぇか!」

黒夜「居眠りか?仕方ねぇな…このまま建物に突っ込んでもアレだし…絹旗、そのトラック止めてくんねぇか?」

絹旗「トラックですか?このままだと超危ないですし…止めましょうか…」

滝壺「だめ!」

浜面「は?」

絹旗「え?…あ…れ…?」ガクッ

黒夜「は?おい…!」ダッ

フレンダ「ちょっと黒夜!!」

浜面「マジかよ…!」

絹旗「は…おかしいですね…うまく頭が…」


キキーッ!ドンッ!!

ザーッ……
.................................................
.....................................
...........................
...................
............
......
...
.


424 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/20(水) 22:34:34.81 ID:onpdjsy20
雨が降ると大概何かが起きるものです。
多くは語りません。本日はこれで一旦終了です。

ではまた会いましょう。
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 23:41:24.57 ID:w1QqmzRIO
どういうことなの?
426 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/07/20(水) 23:45:49.44 ID:8DeY4pHAO
>>425
どこか疑問が生まれる所があったみたいですね。

よければご説明しようと思います。
不明な点はどこでしょうか?
427 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:40:26.91 ID:marfGZpt0
こんにちは。書き溜めが出来たので今から投下しようと思います。

ではよろしくお願いします。
428 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:41:33.82 ID:marfGZpt0
数十分後・ビル内にて


土御門「よしこれで行こう」

海原「それがいいと思います」

垣根「んじゃ解散でいいか?」

海原「せっかくですからお送りしますよ。天気が崩れてるみたいですし」

垣根「天気?」

御坂「うわ…雨降ってるじゃない。土砂降りの域よ?これは」

垣根「ゲリラ豪雨ってヤツか?歩いて帰るのも面倒だから送ってもらうか」

土御門「じゃあ機材運ぶのを手伝ってくれ」

垣根「仕方ねぇな」

削板「俺も手伝うぞ」

土御門「お前が居ればすぐ終わりそうだな。よし来い」

一方通行「オマエは今日どォすンだ?」

結標「今日は久しぶりに帰るわよ。珍しく何も無いからね」

一方通行「そォいやクソガキがサインねだってたぞォ?」

結標「サイン?」

一方通行「妹達へ…1000枚だとよ」

結標「1000枚…!」
429 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:42:02.13 ID:marfGZpt0
一方通行「さすがにその数は無理か?なンなら俺から言い聞かせておくが…」

結標「サインでしょ?大丈夫よそれくらい」

一方通行「そォか。ンじゃ帰ったら詳しく聴いてやってくれ」

結標「ええ」

一方通行「そォいえば見たよ。昨日のテレビ」

結標「どうだった?」

一方通行「あァ…悪くねェンじゃねェの?」

結標「ふふっ、そう」

一方通行「あァ」

麦野「あー、そういえばフレンダ達は何してるのかしら…」

御坂「?」

麦野「今日映画に行くとかなんとか言ってたのよ。雨に降られてなきゃいいけど…」

御坂「ああ…なるほど」

食蜂「…」

麦野「寂しいわねあんた」

食蜂「別に…」

御坂「何か面白い話でもしようかしら」

麦野「言いだしっぺからな」

御坂「う…」
430 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:43:11.04 ID:marfGZpt0
piriririririri

一方通行「あ?」

piriririririri

麦野「私のも?」

御坂「へぇー。こんな事もあるのね」

食蜂「ただの偶然よ」

結標「誰から?」

一方通行「番外個体からだ」

麦野「私は浜面からなんだけど」

結標「何かあったんじゃない?」

一方通行「かもな…」ピッ

麦野「いいやシカトで」

御坂「出ないんだ…」

麦野「別にぃ?」

一方通行「どォした?」

『ちょっと!今ドコに居るのよ!』

一方通行「はァ?ドコって…第七学区のビル…」

『今すぐ病院に来て』

一方通行「冥土帰しの病院か?調整の事でなンかあったのか?」

『違う!サイアイがトラックとぶつかったの!』

一方通行「ぶつかったァ?」
431 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:43:39.29 ID:marfGZpt0
一方通行「どォいうことだそりゃァ…まさか能力使ってぶつかったから相手が重症です、なン落ちかァ?」

『はぁ?何のん気なこと言ってんの!サイアイは能力を発動出来なかったの!だからサイアイがトラックにはねられたの!分かる!?』

一方通行「発動出来なかった?…分かった今すぐ行く」

『早く来て。リアルゲコ太から大事な話があるみたい』

一方通行「分かった」プッ

麦野「ぶつかったとか重症とか一体どうしたの?」

一方通行「絹旗がトラックに撥ねられたって話だ。よく分かンねェが能力を使わなかったみてェだ」

麦野「じゃあ浜面からの電話は…」

結標「麦野…」

一方通行「とりあえず病院に顔出せって話みてェだ。医者がなンか言いてェみたいだからな」カチャ

結標「待って一方通行」

一方通行「?」

結標「私の能力で送ってくわ。そっちの方が何倍も早いから」

麦野「結標、私も」

結標「ええ」

一方通行「そォかアイテムの…」

結標「それと一方通行。病院に着いたら私達からも話があるわ」

一方通行「お前らもか。まァイイ、とっとと行くぞ」

ヒュン

御坂「一体どうしたのかしら」

食蜂「気になるわね。あの人達に言って私達も病院に連れてってもらいましょ」
432 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:44:08.40 ID:marfGZpt0
病院


一方通行「番外個体!」

番外個体「随分と早かったね」

一方通行「淡希も一緒に居たからよォ。それよりトラックに撥ねられたって言うのは…」

番外個体「病室そこ。見てきたら?ゲコ太も居るよ」

一方通行「そォか…」

番外個体「ん?ムギノも来たの?」

麦野「一応仲間だし。第一そんな薄情でも無いわよ」

番外個体「ひひっ。ジョーダン」

一方通行「入ンぞ」ガラッ

冥土帰し「来たね一方通行」

一方通行「…撥ねられたって割には随分と綺麗だな」チラ

黒夜「私が直撃する寸前に能力を使った」

一方通行「能力…そォか…。ンじゃなンで寝てンだ?」

冥土帰し「寝てるというより意識不明の状態だね?」

一方通行「意識不明だとォ?黒夜の能力でも直撃させたのか?」

黒夜「私は絹旗が少しトラックから離れるように撃っただけだ。直撃なんざさせてねぇよ」

一方通行「…そォいや能力が発動しなかったとか言ってたな。そりゃどォいう…」

滝壺「あくせられーた」

一方通行「滝壺か…なンだ」

滝壺「きぬはたが能力を使う少し前。きぬはたのAIM拡散力場がぐちゃぐちゃになるのを感じたの」

一方通行「オマエ能力が使えたのか?」

滝壺「感じるだけなら簡単」
433 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:44:35.15 ID:marfGZpt0
一方通行「拡散力場がグチャグチャになったとか言ってたな。どォいうことだ」

滝壺「能力を充分に機能させるだけの構成能力が無くなっていたの」

一方通行「はァ?」

冥土帰し「つまり彼女が能力を使おうにも拡散力場が…力のフィールドがメタメタになってしまったといことだね」

冥土帰し「原因としては自分だけの現実の揺らぎ」

一方通行「発動以前に使用が不可能の状況に陥ったってことかァ?」

冥土帰し「その解釈で間違っていないよ」

冥土帰し「今の絹旗最愛には窒素装甲を使用するだけの力は無い」

一方通行「…」

冥土帰し「彼女が今意識不明なのは自分だけの現実の反動だね?」

一方通行「オイ待て。話を聴く限りだと絹旗が能力者として不十分だって言ってるように聴こえンだがよォ…」

一方通行「自分だけの現実の反動とか拡散力場の揺らぎとかよォ、そォいうのは能力者として最初にコントロールすべき部分なンじゃねェか?」

冥土帰し「君の考えで合ってる。絹旗最愛は能力者として精神の部分で不十分だった」

一方通行「暗闇の五月計画が原因ってことか」

冥土帰し「まあそこに座りたまえよ」

一方通行「チッ…」ガタッ

冥土帰し「実は彼女がこのような状況になることは予想できた事態なんだね?」

一方通行「あァ?」

冥土帰し「なに、彼女だけじゃない。被験者全員に言えた事だ。もちろんそこに居る黒夜海鳥にもね」
434 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:45:01.90 ID:marfGZpt0
冥土帰し「最近になって被験者と思われる人物が次々と倒れ病院に運ばれている」

冥土帰し「症状は今の彼女ほど酷くなく、治療すればすぐにでも復活できる程度の症状だ」

一方通行「そォいう話を出すってことはコイツの症状がそれなりにヒドイって事か」

冥土帰し「それなりではなくかなり、ね」

一方通行「どォしてだ?」

冥土帰し「それはだね…」

「実験体中、攻撃性が一番近づいたのが黒夜。そしてその中でも優等生とされたのが絹旗だ」

冥土帰し「君も来たのか。垣根帝督」

垣根「一方通行、知ってるはずだぜ?五月計画がどういう実験だったのかをよ」

一方通行「噛み砕いて言やァ…俺に近づくための実験だ」

垣根「そうだ。お前に近づくための実験で絹旗が優等生なんだぜ?」

一方通行「…」

垣根「精神性も特に近づいてるはずだな」

冥土帰し「他に発症した子は頭痛で倒れている。原因は精神性の不一致」

垣根「自分本来の精神性に合致しなくてその不具合が今になって頭痛になったって話だ」

一方通行「オマエには聴きてェことが幾つかあるが…まァイイ」

一方通行「優等生になったツケが回ってきたンだろ?」

冥土帰し「そうだ。君の精神性を無理矢理植え付けたツケがね」
435 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:45:30.82 ID:marfGZpt0
一方通行「治療方はあンのか?」

冥土帰し「もちろん」

一方通行「そォか…ならイイ。それと冥土帰し」

冥土帰し「なんだね?」

一方通行「どォしてもっと早い段階で俺にそのことを言わなかったンだ?」

冥土帰し「君があんまり抱えることじゃない。僕なりの気遣いだ」

一方通行「ハッ、そォかい」

垣根「次は結標のトコに行ってやれ。次はあいつらから話があるみたいだぜ?」

一方通行「言われなくても」

冥土帰し「それと一方通行」

一方通行「まだなンかあンのか?」

冥土帰し「被験者全員が発症するわけじゃない。それだけ覚えていてくれ」

一方通行「…」チラッ

黒夜「私はなんともねぇよ。心配すんな」

一方通行「心配しないで済むとイインだけどよォ」

垣根「死にはしねぇよ」

一方通行「命の心配なンざ最初からしてねェよ」ガチャ

垣根「この病院だから、かぁ?」
436 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:45:57.99 ID:marfGZpt0
結標「どうだった?」

一方通行「とりあえずは無事みてェだな」

結標「そう」

一方通行「オマエは顔見なくてもイイのか?」

麦野「後で見るわよ。それよりも話たいことがあるんだけど」

一方通行「言ってたな。さっさと話せ」

結標「私達も絹旗か黒夜がいつかこうなることを知ってたの」

一方通行「今度はオマエ達か。どっちが誰から何を聴いた」

麦野「垣根にやられた時の怪我で私がここに通院してたのよ。んで最後の通院の時にあの医者から聴いたのよ」

一方通行「淡希が知ってたって事はオマエが話したからか」

結標「あなたに話さなかったのはごめんなんさい…怒ってる?」

一方通行「何か考えがあったから話さなかったンだろ?それについては深く聴くつもりはねェよ」

麦野「へぇ…以外ね」

一方通行「…」

冥土帰し「一方通行」カチャ

一方通行「まだなンかあンのか?」

冥土帰し「治療費の事なんだけどね」

一方通行「金の事なら問題は…」

黒夜「一方通行、その事なんだけどな」ヒョコ

一方通行「あ?」

黒夜「口座の中はスッカラカンなんだよ」
437 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:47:16.44 ID:marfGZpt0
一方通行「はァ?なンでンな事…!」

一方通行「シルバークロォス=アルファ…!」

黒夜「気付いたか?思ったより駆動鎧って高いんだよな」

冥土帰し「困ったね…サービスで行えるほど低コストな治療じゃないんだよね?」

一方通行「後で払うってのは…」

冥土帰し「君の後でがどれくらい後かは分からないが…治療に必要な器具を用意するのに治療費を貰うんだ。そこが他の治療との違いだね?」

一方通行「チッ…垣根…」

垣根「俺の口座はとっくの昔に凍結されてるぜ」

一方通行「…」

結標「その事だけどね、一方通行」

一方通行「…あァ…」

結標「私が払うわ」

冥土帰し「払うのは一向に構わないんだけど結構な金額だ。それこそレベル5級の財力が必要だって程にね?」

結標「当てがあるもの。じゃなければこんな事言わないわ」

一方通行「オマエどこにそンな金が…」

結標「アイドルになったきっかけの一つよ。治療費を稼ぐことがね」

一方通行「…」

垣根「なりたいからじゃなかったのか」

結標「それも理由の一つね」
438 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:47:50.71 ID:marfGZpt0
結標「あなた達が常盤台の子との同棲を終わらせる少し前…ていうか私がアイドルになる前日の事ね」

垣根「路中で俺達と会った日の事だな」

結標「そう。なぜか木山さんと一緒に居た時ね」

結標「私があなた達と会った後に麦野から話を聴いたの」

麦野「あん時は医者に話を聴いた後だったからね。とりあえず結標に絹旗の事話そうと思ってね」

結標「本人に言わないで私に言うんだもの。びっくりしたわ」

麦野「不確実なことなんだし…変に話して不安を煽っても仕方ないでしょ」

結標「まあね」

麦野「適当に場所用意して二人で話すことにしてね。そいたら開口一番にアイドルになりたいんだけどどう思う?って聴いてきたの」

結標「そしたら麦野はなりたいならなればって言ってきたのよ。そしてその後に肝心の話を聴いたの」

結標「せっかくだし治療費を稼ぐことも兼ねてアイドルになってみようと思ってね」

一方通行「オマエが出すような金でもねェだろ。どォしてわざわざ…」

結標「ま、家族みたいなもんでしょ?あなたのお金も無限に沸くわけでもないし、何かあった時の貯えのつもりでね」

一方通行「そりゃそォだが…」

結標「現にそのお金が底を付きそうになってるし…正解だったみたいね」

麦野「ホントは私が出してあげれば一番早いんだけどね」

垣根「出してやりゃあいいじゃねぇかよ」

麦野「あんたにやられた怪我の治療費もろもろでほとんど吹っ飛んだのよ」

垣根「ぐ…悪い…」
439 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:48:40.72 ID:marfGZpt0
結標「そしてその夜に来た話が…」

黒夜「駆動鎧の話なんだな」

結標「金額を見てびっくりしたわ。本当に高いのね駆動鎧って」

一方通行「早いうちに俺に話してくりゃァ良かったのによォ」

結標「そっちも結構込み入ってると思ったのよ。自分のことで精一杯だろうと思ってたし…更に問題を増やすのもどうかと思ってね」カチャ

一方通行「…あ」

結標「このメガネにも少しお世話になったしね」

垣根「気付いてたのか?」

結標「つい最近だけどね。もうほとんど効力も無いみたいよ?このメガネ。随分と不思議なアイテム…」

垣根「木山は自分では気付けないみてぇな事言ってたハズだが…」

結標「そうみたいね。前に土御門がメガネを貸せって言ってきてね。それで解析して初めてこのメガネの効力が分かったのよ」

垣根「んじゃアイドルになりてぇってのは…」

結標「恥ずかしい話だけど本心ね。ちょっとだけ憧れてたのよ」

一方通行「まァ、何はともあれ迷惑かけたな」

結標「あなたがそういう事を言う必要は無いわ」

垣根「土御門と海原はアイドルの目的を知ってんのか?」

結標「ええ。実を言うと知ってるのよね」

一方通行「チッ…なンか複雑だな…」

「まあそう言わないでください。結標さんもあなたを思っての事なんですから」

結標「海原、呼び方」

海原「これは失礼しました。あわきんさん」
440 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:49:12.44 ID:marfGZpt0
一方通行「オマエらも来たのか?」

海原「いざ送ろうと思って戻ったらあなた達が消えてましてね」

土御門「何があったか話を聴いてみると病院がどうのと言う始末だ」

海原「麦野さんも消えてましたのでもしやと思いまして…食蜂さんの後押しもありここに来ました」

土御門「と言っても垣根は車に乗らないで能力使って飛んで来たみたいだけどな」

一方通行「一緒に来たわけじゃなかったのか?」

垣根「ああ。自分で来た方が早いと思ってな」

一方通行「なンで最初にオマエが単独で来たンだ?それにさっきの事もだ…妙に詳しいじゃねェか」

垣根「同棲が終わる当日、俺達にしては珍しく別々に行動したよな?」

一方通行「あァ」

垣根「そん時に倒れてる女の子を助けたわけだ。んで病院に連れてくとびっくり…被験者特有の症状だっつー話を聴いたわけなんだわ」

一方通行「一度目の当たりにしたのか」

垣根「おう。そん時からいつか絹旗か黒夜のどっちかがぶっ倒れんのかな、と思ってたらコレだ」

一方通行「…」

垣根「第三位とかに話を聴いてもしやと思い飛んできた次第だな」

一方通行「そォか」
441 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:49:50.12 ID:marfGZpt0
その頃、病院・一階ホールにて


上条「なあ、やっぱりお前はあの場に居たほうが良かったんじゃないのか?」

浜面「俺が居ても仕方ないだろ。どうにかなるわけでも無いしよ」

上条「容態とかどうなんだろうな」

浜面「詳しくは聴いてないけどそんな重症でもないみたいだぜ?」

上条「そうか、まあ良かったな」

浜面「だな」

上条「そういや誰だっけか…あのジャージの子」

浜面「滝壺か?」

上条「そうそう。一方通行に話したい事があるってのは…」

浜面「さあ?ていうか一方通行達遅いな…」

番外個体「あの人達ならとっくに来てるよん」

浜面「は?」

番外個体「さっきムスジメの能力使って現れたよ」

浜面「せっかく入口近くでスタンバってたのに…」

番外個体「ひひ、でも別のお客さんが来たでしょ?」

上条「そうそう。なぜかさっき土御門が来たし…それに海原光貴まで…」

番外個体「ほら、また別のお客さんじゃないかな?」

上条「え?」
442 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:50:18.47 ID:marfGZpt0
御坂「…あれ?なんであんた達が…?」

番外個体「なんでって言われてもねぇ?」

食蜂「連れて来てもらったはいいけど…何がどうなってるのかしら」

上条「み、美琴!?」

御坂「なんか久しぶりな感じがするわねー」

上条「実際久しぶりだっつの!お見舞いとか来てくれんのかなーとか思ってたのにそれも無かったし!」

御坂「え?あんた入院してたの?」

上条「ええ…まあ…」

御坂「まあ無事退院出来たみたいだし良かったわね。おめでとう」

上条「あ、はい。どうも…それよりそっちの金髪の方は…」

食蜂「…」

御坂「あ、名乗らないんだ…。えっとこの子はね…第五位の心理掌握、食蜂操祈って言うの」

上条「えっ!この人が心理掌握なんですか!」

浜面「第五位…ってことは常盤台の…中学生か…」

上条「はぁー…」

浜面「うーん…中学生にしては…」チラ

御坂「…」
443 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:50:48.65 ID:marfGZpt0
御坂「このツンツン紹介した方がいい?」

食蜂「遠慮しとくわ。興味無いし」

御坂「あ、そう?」

浜面「ぶふっ、興味無いってよ?」

上条「お前は美琴にすら触れられて無いけどな」

浜面「ははっ、初対面だから仕方ねぇよ。初対面…だよな?うん」

削板「俺はお前を知ってるぞ!!」

浜面「こ、この声は…」

削板「旅行以来だな!浜面仕上!」

浜面「なんで第七位のあんたまで居るんだよ…」

削板「話すと長いぞ!」

浜面「やっぱいいわ…」

食蜂「…」

上条「あのー…私の脳みそをいじって頭を良くしたりなんかは…」

御坂「あんたは何を頼んでるのよ…」
444 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:51:22.06 ID:marfGZpt0
チンッ

上条「ん?」

ガーッ

一方通行「なンだ?三下も居たのか?」

上条「ああ、まあな」

浜面「あれ?麦野も居たのか?」

麦野「こいつらと一緒にね」

垣根「?…お前たちさっきから居たか?」

上条「いや、さっきは売店に行ってて…」

垣根「そうか」

上条「なんでだ?」

垣根「いや、さっき俺が来たときは誰もホールに居なかったから…」

上条「ああ、なるほど」

浜面「滝壺は?」

麦野「もう少し病室に居るって。フレンダは?」

浜面「フレンダ?上に居なかったか?」

麦野「いや?見てないけど?」

浜面「あれ?おかしいな…」

一方通行「金髪のコトかァ?」

麦野「そうそう」

一方通行「そいつなら病室で寝てたぞ。気付かなかったか?」

麦野「あ、そう…」
445 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:51:49.78 ID:marfGZpt0
削板「何か大変だったみたいだな」

一方通行「大した事じゃねェ」

浜面「黒夜はどうした?」

麦野「病室。今日はここに泊まるみたいよ」

浜面「へぇ」

一方通行「淡希、番外個体。帰ンぞ」

番外個体「ありゃ?もう帰るの?」

一方通行「ここで唸ってても仕方ねェだろ」

番外個体「そりゃそうだけど…こう…なんて言うの?」

結標「絹旗の事を心配するのは分かるけど一方通行の言う通りよ?」

番外個体「はぁ?」

結標「治療をするにはするけど一旦意識が戻ってから治療するの。これからあの医者がその行動に移るからどの道待たなきゃいけないのよ」

一方通行「そォいうこった。ま、ここで待ってても仕方ないンだわな」

番外個体「意識が戻ってからって…ちゃんと起きるの?」

一方通行「だから最初にその治療をするって言ってンだろォが」

番外個体「は、はぁ…?」

一方通行「とりあえず一旦家に戻ンぞ。保護者連中にも話しとかなきゃなンねェしな。淡希、悪いが能力使ってくれ」

結標「はいはい」

一方通行「じゃァなオマエ等。また会おうぜェ?」

ヒュン
446 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:52:18.03 ID:marfGZpt0
海原「じゃあ土御門さん、自分達もそろそろ…」

土御門「そうだな。発売に向けての準備もあるし…」

海原「御坂さんと食蜂さんは常盤台までお送り致します。お三方はどういたしますか?」

垣根「俺は適当に帰るわ」

麦野「私はもう少しここに居るわ。少し話も聴きたいし」

削板「もうちょっとここで話してから帰る」

海原「そうですか。ではお疲れ様でした」

土御門「よし、行くか」

上条「おい土御門!」

土御門「ん?そういえば居たな…どうした?上やん」

上条「お前、発売とか準備とか偉く忙しそうだけど何やってるんだ?」

土御門「まあ…仕事の一種だにゃー…」

上条「仕事?」

土御門「ちょいとマネージャー業を、な」

上条「マ、マネージャー?」

土御門「もういいか?時間も押してるんだ。悪いな上やん」

上条「待ってくれ。最後に聴かせてくれ」

土御門「?」

上条「来週学校には来るんだろうな?」

土御門「あ……まあ、予定では…」
447 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:52:46.94 ID:marfGZpt0
海原「土御門さん」

土御門「おっと。じゃ、またな上やん」

御坂「気をつけて家に帰るのよ?再び入院なんてシャレにならないわよ?」

上条「お、おう。気をつけるよ。美琴もな」

御坂「うん。じゃあね」

食蜂「さっさと行きましょ」

御坂「そんな急かさなくても…」

ウィーン

垣根「一気に静かになったな」

麦野「そりゃ騒がしい連中が消えればそうなるわよ」

削板「まだ俺が居るぞ」

垣根「そういやそうだったな」

上条「そういや垣根」

垣根「お?」

上条「退院祝いありがとうな」

垣根「おう。うまかったろ」

上条「ああ…やっぱり食べ物だったのか…」

垣根「?」
448 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:53:18.34 ID:marfGZpt0
垣根「だったのかって…どういうことだよ、オイ」

上条「どういうこともなにもウチのシスターさんが…」

垣根「俺の発言に対しわかったって言ったから心配はしてなかったんだが…そうか全部食っちまったか」

上条「垣根が悪いわけじゃねぇよ…しつけのなってないウチのシスターさんが悪かったんだから…」

垣根「まあ腹減ったって言ってたから仕方ねぇか…」

チン

削板「ん?」

冥土帰し「一方通行はまだ居るかね?」

麦野「さっき帰っちゃったわよ」

冥土帰し「一足遅かったか」

麦野「何か急用?」

冥土帰し「治療費の見積もりが出たからそれを伝えようと思ってね?まあ急ぎじゃないから構わないんだが…」

垣根「そういや冥土帰し」

冥土帰し「どうしたね?垣根帝督」

垣根「絹旗の治療に俺が関わんなくても大丈夫か?」

麦野「はぁ?どうしてあんたが…」

冥土帰し「全開の治療でメカニズムは分かったから君は関わらなくても大丈夫だね?」

垣根「ん、そうか」

上条「さて、んじゃ雨も止んだことだし俺は帰るかな…」

浜面「せっかく来てもらったのに悪かったな」

上条「いや、構わないよこれくらい。無事でなによりだ」
449 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:53:45.59 ID:marfGZpt0
垣根「はーっ…んじゃ俺も帰るか…急いで来たわりには大事でもなかったしな…」

削板「待て垣根」

垣根「大した事なくてよかったな。じゃあなアイテム」

削板「待つんだ垣根」ガシ

垣根「…なんだ」

削板「ここに一つの券がある」

垣根「ああ…近すぎてなんの券か分からねぇがあるな」

削板「の前に…ちょっと待ってくれ」タッ

垣根「?」

削板「なあ……これは………どうだ?」

麦野「え?………いいわよ………行かないわ」

削板「待たせたな」

垣根「大して待ってないがな」

削板「あと悪いがお前も待ってくれ」

上条「は?俺も?」
450 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:54:15.45 ID:marfGZpt0
削板「実はコレ、焼き肉屋の無料招待券だ」

垣根「へぇ」

削板「今日撮影したろ?その後に打ち上げとかするのかなと思って用意したんだ」

垣根「そんな事思い付きもしなかったな。よく考え付いたなお前」

削板「まあな」

垣根「んでそれが?」

削板「肝心の結標や土御門達は帰ってしまった。麦野に聴いてみたらみんないかないそうだ、だから俺達だけでも行こうと思ってな」

垣根「焼き肉にか」

削板「焼き肉にだ」

垣根「だとよ、来るか?上条?」

上条「えっと…俺が行って大丈夫なのか?」

垣根「どんな心配してんだ。ダメなら誘わねえよ」

上条「そうか。じゃあお言葉に甘えて…」

削板「決まりだな!じゃあ行くか!」

垣根「…待った。心理定規も呼びたいんだがいいか?」

削板「心理定規…………ああ!あのドレスのか!構わないぞ!」

垣根「んじゃ呼ぶか」

上条「焼き肉かー。久しぶりだなぁ」
451 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/24(日) 14:55:39.78 ID:marfGZpt0
はい、本日はこれで一旦終了です。

また近いうちに更新しに来ます。
ではまた会いましょう。
452 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/07/27(水) 17:11:35.59 ID:hhLoFJUAO
こんにちは。今夜、多少ですが投下致します。

また来ますのでよろしくお願いします。
453 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 20:57:20.75 ID:ZiQymRBg0
こんばんは。ほんの少しですが今から投下したいと思います。
454 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 20:57:50.39 ID:ZiQymRBg0
垣根「とっとと行こうぜ。せっかく券を持ってても満員で入れなかったら意味無いからな」

上条「ん?誰か呼ぶんじゃないのか?」

垣根「途中で電話するよ」

削板「え…と場所は…」

垣根「外出ようぜ。電話もしたいしよ」

削板「お、そうか?」

ウィーン

垣根「…」ピッピッ

上条「インデックスは子萌先生の所にでも行ってもらおう…」

垣根「…ん?」ピ

削板「どうした?」

垣根「今すれ違った白衣の…」

上条「白衣?」

垣根「木山春生!て言ったっけか…」

木山「ん?君達は…」

上条「あれ?木山さん?」

削板「確か旅行の時の…」

垣根「冥土帰しになんか用か?」

木山「君がここに居るということは…」

垣根「興味本位で一方通行に着いて来た」

木山「そうか、察しの通り、絹旗くんの治療の事でちょっとね」

垣根「一応あんたも動くんだな」

木山「まあな」
455 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 20:58:20.40 ID:ZiQymRBg0
木山「他に誰か居たのかい?」

垣根「麦野達…絹旗の一味が集まってるぜ」

木山「そうか。彼女達とも少しお話をしなくてはな」

垣根「何か重要なことでも?」

木山「別の子を治療する時に本来の精神性を上書きすると言ったことは覚えてるかい?」

垣根「ああ」

木山「その本来の部分を色濃くするために彼女とより親しい関係の人間から話を聴こうと思ってね」

垣根「本来の部分って言ったな。麦野達に聴いて分かることか?」

木山「恐らくな。もしもの時は前に掛けたメガネの時に適用された性格を元に組み上げれば問題ないさ」

垣根「メガネか…そんなこともあったな」

木山「ああ。では失礼するよ」

垣根「おう」

削板「店まで少し距離あるぞ?」

上条「タダで食べれるなら文句は言いませんよ」

垣根「…」ピピッ

piriririririri

垣根「心理定規か?俺だ…」

削板「常盤台の子達も誘っておけばよかったかな?」

上条「御坂はともかくもう片方の食蜂って子は来たかな…」

削板「来れなかった奴らの分まで食うぞ!」

上条「はは」
456 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 20:58:48.12 ID:ZiQymRBg0

風紀委員一七七支部

カチャ

初春「あれ?白井さんまだ残ってたんですか?」

白井「初春?ええ、少し調べ物を…」

初春「何か新たに事件でもありましたか?」

白井「いえ、ちょっと昨日の事を…」

初春「昨日?一方通行さん達が現れた時の事ですか?」

白井「どちらかというと第二位様の事でして…」

初春「はあ?」

白井「今思い返してみるとどうも腑に落ちなくて…」

初春「何がですか?」

白井「彼の…」

初春「垣根さんの?」

白井「行動の一部始終ですの」

初春「行動…?」
457 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 20:59:19.88 ID:ZiQymRBg0
白井「ええ。あの出来事はなあなあで処理致しましたが立派な犯罪行為ですの」

白井「校内への不法侵入に次ぎ、風紀委員への危害。それに対して悪びれた様子もなくヘラヘラヘラヘラと…」

初春「は、はあ…」

白井「軽い謝罪も無しにうやむやにしようとしたあの態度!今冷静に思い返してみるとこう…胃が…!」

初春「で、一体何を…?」

白井「どうにか一度豚箱に押し込めないかと考察していましたの」

初春「豚箱…そういえば一回学舎の園で警備員に捕まったって聴いたことがあります」

白井「そ、それは本当ですの!?」

初春「え、ええ。園内で能力を使用しテロと間違えられたとかで…」

白井「もしそれが本当だとしたら何故あの男は今野放しに…!」

初春「出来た彼女さんが身柄引受人になりましてそれで…あと色々あって和解って形になったみたいですよ?」

白井「!?!?」

初春「ど、どうしました?」

白井「かっ…彼女ぉ!?」

初春「はい、彼女さんが…」

白井「あの男にですの!?」

初春「だからそうだと…」

白井「はぁーっ。世も末ですこと…」

初春「?」
458 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 20:59:54.45 ID:ZiQymRBg0
白井「あの男に付いてるということはよほど寛大な心の持ち主か…」

初春「持ち主か?」

白井「彼女さんに見せる別の顔を持ってるということに違いありませんの。あんな傍若無人なお人に…」ブツブツ

初春「なんか白井さん凄いですね?」

白井「は?」

初春「いえ…」

白井「どうにかして一回痛い目に…」

初春「あんまり手を出して前みたいにとんでもないイタズラされなければいいんですけど…」

白井「うぐ…そうならないようにはどうすべきか…」

初春「…」

白井「ん…まずはその彼女さんとコンタクトを取って…」

初春「何する気ですか?」

白井「その彼女さんが初春の言うとおり出来た人なら…」

初春「?」

白井「そうと決まれば警備員の詰め所に行って情報を…」

初春「は、はは…」

459 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 21:00:24.43 ID:ZiQymRBg0
黄泉川宅にて



黄泉川「そうか…トラックに撥ねられたじゃんか…」

一方通行「あァ」

芳川「でも怪我とかは無いんでしょう?」

一方通行「大事を取っての入院だ。心配することはねェよ」

黄泉川「その時のショックで能力が一時使用不能に、か…そんなこともあるんだねぇ」

芳川「能力に関している精神性周りのことは分かってないことが多いわ。不思議なことでもないわ」

黄泉川「この街でも能力について分かってないことがあるじゃんか?」

芳川「得てしてそういうものよ。人の脳の事よ?分からないことだらけよ」

芳川「如何なることが能力に対して多大な影響を与えるか…それも詳しくは分かってないわ」

黄泉川「ほぉー」

芳川「だからこそ、気付けないこともあるんだけどね。昔に行われていた実験なんてほとんどそうよ。先の事なんて大して考えられてなかったもの」

一方通行「…」

黄泉川「一方通行?」

一方通行「…なンだ」

黄泉川「いや、いつになく真剣な表情をしてたじゃん。どうかした?」

一方通行「イヤ…きっかけさえあれば能力は使用不可になンのかと思ってな」

芳川「ありえない話じゃないわね」

一方通行「そォか」

芳川「でも最愛のことなら心配は要らないと思うわよ?原因もはっきりしてるし冥土帰しならちゃんと治してくれるわ」

一方通行「だとイイがな」
460 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 21:00:50.29 ID:ZiQymRBg0
翌日・旧スクールアジトにて

piriririri

心理定規(電話?)

心理定規「私の…知らない番号ね…」ピッ

心理定規「もしもし?」

『朝早くに申し訳ありません。私、風紀委員第一七七支部の白井黒子と申しますの。心理定規さんの携帯で間違いありませんの?』

心理定規「確かに私が心理定規だけど…風紀委員が何の用かしら?」

『少々お話したいことがあって電話したのですが…『黒子貸して!』お、お姉さま!』

心理定規「?」

『もしもし?心理定規?』

心理定規「その声は美琴ね?電話を掛けてきた風紀委員ってあなたのお友達なのかしら?」

『あれ?会ったことなかった?前に旅行行った時、帰りに現れたのがそうなんだけど…』

心理定規「ごめんなさい。覚えてないわね」

『まああの時は他にも人が居たからね…』

心理定規「それで?何か用事があるのよね?わざわざ風紀委員から電話が来るなんて…」

『そうそう。それでさ、今日暇?』

心理定規「今日?」

『なんか色々とテレビで忙しそうだし…ね?』

心理定規「今日は大丈夫よ。特に仕事も無いし…」

『そう?よかったー。じゃあ今から言うとこまで来てもらっていい?場所は…』

心理定規「…オリャ・ポドリーダ?」
461 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 21:01:26.02 ID:ZiQymRBg0
病院にて



冥土帰し「ふむ…どうしたものかね?」

木山「やはりレベル5級が必要なのでは…」

冥土帰し「出来ればたどり着きたくなかった結論だね?」

木山「やはりもう一度垣根くんに…」

冥土帰し「ああ言った手前頼みにくいね?」

木山「メカニズムは分かってもより良い手順を示したメモ帳を紛失するとは…」

冥土帰し「細部まできっちり頭に叩き込んだつもりだったんだがね…やはり年だとどうもね…」

木山「連絡しますか?」

冥土帰し「いや、もう少し自分の頭脳を頼ることにするよ。幸い彼女が目覚めるにはまだ余裕がある」

木山「そうですか」

冥土帰し「それより昨日言ってたことだけどね…」

木山「ご心配なく。今から行って来ます」

冥土帰し「彼女達はホールに居たはずだね?」

木山「ホール…分かりました」

冥土帰し「絹旗最愛の事、ちゃんと聴いてくるんだね?」

木山「ええ」

冥土帰し「あと」

木山「はい?」

冥土帰し「上着は着て行ったほうがいいね?」

木山「ふむ…」
462 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/27(水) 21:02:35.78 ID:ZiQymRBg0
すみませんが本日はここで一旦終了です。

改めて見るとホントに少ないですね…

では近いうちに来ます。
また会いましょう。
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 21:48:10.93 ID:h4y7+GDn0
乙ぅー
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 21:49:48.15 ID:h4y7+GDn0
乙ぅー(^-^)
465 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:40:26.43 ID:DhCCKE090
こんばんは。書き溜めが出来ましたので本日分の投下を始めたいと思います。

ではよろしくお願いします。
466 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:41:12.09 ID:DhCCKE090
麦野「絹旗について…って言われてもねぇ…」

フレンダ「答えようが無いっていうか…」

木山「彼女の本心について聴ければ一番いいんだが…」

麦野「本心…本心ね…」

フレンダ「結局のところ絹旗の本当の姿ってのをしりたいわけなんでしょ?」

木山「うむ」

フレンダ「そういう心の奥底的な話だったら第五位の能力使って調べた方が早いんじゃない?」

木山「それはそうなんだが、そういう方法はあまり取りたくないんだ」

フレンダ「?」

木山「意識の無い状態で頭の中身を覗かれてはいい気はしないだろう?そういうことだよ」

麦野「…浜面、滝壺、ちょっと来なさい」

浜面「ん?」

滝壺「?」

麦野「あと黒夜も」

黒夜「…」スクッ

麦野「私達や黒夜が見てきた絹旗を教えるわ」

木山「助かるよ」

麦野「その中に本当のアイツが居るのかは知らないけど何も知らないよりはマシでしょ?」

木山「ああ、その通りだ」
467 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:41:41.33 ID:DhCCKE090
その頃・第七学区・オリャ・ポドリーダにて


心理定規「オリャ・ポドリーダって何かと思ったら…スペイン料理のお店だったのね」

御坂「そうそう。伝統的な煮込み料理の…ってまあそれは置いといて入りましょ。黒子達を待たせてるのよ」

心理定規「入る前にいい?」

御坂「うん?」

心理定規「なんでココなの?」

御坂「うーん…特に理由は無いんだけど…木原?っていうオッサンがココにしろって…」

心理定規「木原…?ちょっと待って、木原数多もココに居るの?」

御坂「知ってるの?まあ、今回話すことにあたって必要な人材だったから呼ばれたみたいよ?」

心理定規「一体何を話す気なの?」

御坂「あー…実は私も良く分からないんだよねー」

心理定規「はぁ?」

御坂「私も話は一応聴いたんだけど何言ってるかよく分かんないのよねー」

心理定規「???」

御坂「とりあえず、ほら。黒子があんたと話したがっているしさ」

心理定規「う…うん」

御坂「はいはーい。一名様ご案なーい!」

心理定規「木原…数多…」
468 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:42:08.26 ID:DhCCKE090
カラン


心理定規(う…ホントに木原数多が居る…それにしても何で?)

木原「うわっ…辛ぇなーこのスープ…」

初春「んー、これおいしー」

白井「あ、お姉さま」

御坂「連れてきたわよ」

心理定規「心理定規…って名前知られてるのよね…自己紹介するまでも無いか…」

木原「久しぶりじゃねぇか姉ちゃん」

心理定規「旅行の時に顔を合わせて以来かしら?確か温泉街で…」

木原「ああ、間違いねぇな」

心理定規「会話した覚えは無いんだけど…」

木原「まあそう言うんじゃねぇよ。顔は合わせたんだ」

心理定規「ま、どうでもいいけど…」

白井「ふむ…」ジロジロ

心理定規「あなたが白井黒子ね」

白井「ええ…白井ですの。改めてよろしくお願いしますの」ジッ

心理定規「さっきからジロジロと人の事見て…いい趣味とは思えないわね」

白井「いえ、想像してたよりは随分とお綺麗な人だと思いまして…」

心理定規「そう」

初春「白井さん、当然ですよ。だってこの人テレビにしょっちゅう出てますもん」

白井「テレビに?」

御坂「前に見た音楽番組、あれの司会だけど覚えてない?」

白井「いえ…歌ってる部分しか見てないので…」

心理定規「ま、なんでもいいわ。それより話ってのは?」
469 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:42:35.83 ID:DhCCKE090
白井「はい、実は垣根帝督についての事なんですの」

心理定規「帝督?」

白井「ええ」

初春「えーと次は…」

木原「っと…」ガタッ

白井「おや、どこへ?」

木原「トイレだよトイレ」

心理定規「帝督がどうかしたの?」

白井「どうかしたと言うかどうかしてると言うか…」

御坂「ていうか最近会った?」

心理定規「昨日会ったわよ。珍しく焼肉に連れてってくれたわね。そういえば第七位とあなたの彼氏さんも居たわよ?」

御坂「え?」

白井「えっとまず何からお話したものか…」

初春「白井さん、ここはストレートに言ったほうが…」

白井「では率直に言いますの。お気を悪くなされるかと思いますがどうか最後まで聴いてくださいまし」

心理定規「何かしら?まさか逮捕が決定したとかそんな話じゃないでしょうね?」

白井「いえ。彼の素行問題を治したいと思いまして」

心理定規「素行…なるほどね」

白井「見た感じ、貴方は人が出来てる風に見えますの。ですが肝心の垣根帝督は…」

心理定規「でしょうね」

白井「ええ。彼の行動が逐一ムカつ…いえ、どうにかして真人間に…とは言わずとも人並みの常識を叩き込んでやりたいんですの」

心理定規「手間が省けて助かるわ」

白井「無理かと存じますが貴方にも許可を…え?」
470 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:43:02.57 ID:DhCCKE090
心理定規「私もちょっとだけ気になってたのよ。これから先の事考えるといつか治させないと、って思ってたの」

白井「あら、でしたらお話が早いですの」

心理定規「常識は通じないとは言うものの…ねぇ?。まぁ能力に限ってだけど…」

御坂「先の事って?」

心理定規「行き着く先は結婚とかじゃないの?と言ってもこれっぽっちも考えたことないけどね」

御坂「ふーん…」

白井「でしたらなおのことですの。悪い事を悪いと思わない思考でしたら将来必ず困ることになりますの!」

心理定規「うーん…でも本当に自分が悪いってなったらちゃんと謝るわよ?」

白井「まあ私自身その謝罪を聴いたことが無いと言うか…」

御坂「でもそのスタイルがアイツなんでしょ?やっぱそういう所も受け入れなきゃ」

心理定規「美琴には言われたくないわね…。でもそんな事、私が一番分かってるわよ。それが垣根帝督ですもの」

白井「勿体無い…こんなお方が垣根帝督の恋人とは…」

初春「白井さんも彼氏を作れば分かるかも知れませんよ?」

白井「は?」

御坂「…黒子の彼氏なんて思い付かないわね」

白井「当然!私はお姉さま一択ですの!」

御坂「…」
471 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:43:35.08 ID:DhCCKE090
木原「はぁあーあー」

御坂「ん、戻って来たわね?木原…さん?」

木原「さんはいらねぇよクソガキ」

御坂「な…」

心理定規「で?どうやって帝督を常識的にするの?」

白井「実はその方法も一緒に考えていただきたく…」

木原「あ?もう話したのか?」

初春「はい」

木原「じゃあ面倒が終わった所で俺が知恵を貸してやるよ」

白井「さすが一方通行さんの教育者ですの。連れてきて正解でしたの」

心理定規「その知恵とやらは?」

木原「調子乗ってるガキなんざ痛い目に合わせりゃ一発よ」

白井「…」

初春「ちょっと暴力的なんじゃ…」

木原「バッカ、力を持ってる奴相手に黙ってたらつけあがるだけなんだよ。だからな…」

白井「ふむ…」

木原「どうだ姉ちゃん?」

心理定規「ま、いいんじゃない?」

御坂「ちょ、それで大丈夫なの!?もしなんかあったら…」

心理定規「大丈夫よ、どうせ不死身だし。それに…どうやってあの人に痛い目を見せるのか、それも楽しみだわ」

御坂「ふ、不死身って…」
472 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:44:00.65 ID:DhCCKE090
木原「えーと…未元物質未元物質っと…」ガサガサ

心理定規「一ついいかしら?」

白井「はい?」

心理定規「あなたどうやってこの人と知り合ったの?こう言っちゃなんだけど…あなたが関わるような人物でもないのよ?」

初春「事の始まりは佐天さんでした…」

心理定規「佐天…?」

白井「私達の友人ですの。なんというか彼女は知らない人によく話しかける癖があるというかなんというか…」

初春「削板さんと知り合った時もそれが原因でしたからね」

白井「昨晩の事ですの…」

-------------------昨晩--------------------

白井「すっかり遅くなってしまいましたの…」

初春「白井さんずっと頭抱えて唸ってるんですから…」

佐天「私、初春呼びに行った時びっくりしたよ」

初春「はは…」

佐天「だって白井さんはずっと頭抱えてるし…初春は初春で冷静にその姿を見てるんだもん…」

白井「頭を抱えないと思いつかないこともあるんですの」

佐天「さっきの帝督さんを真人間にするってやつですか?私はそんな事しなくてもいいと思うんだけどなー」

白井「そういうわけにはいかないんですの」

初春「白井さんそればっかりですねー」

白井「とりあえず帰ったらお姉さまに相談して…明日には心理定規さんとのお会いしたいと…」

バキッ!

佐天「ん?」

初春「なんでしょうか?」

白井「公園からですの」

初春「ここって例の自販機の…」

白井「ふむ…」
473 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:44:28.29 ID:DhCCKE090
木原「ああん?んだ、この自販機はよ…」

木原「ナメてんのかコラッ!」バキッ

木原「こちとらなぁ…疲れてる中わざわざテメェンとこで飲みモンを買ってやろうって思って金入れてんだぞコノヤロッ!」ガスッ

木原「金を受け取った手前…モノを出せねぇんなら金を返す、返さねぇんならモノを出すってのが筋じゃねぇのかよ…コラッ!!」ドガッ

白井(なんでしょうかアレは…)

初春(怖そうな人ですね…同じ白衣姿でも木山先生とは大違いですね)

佐天(…)

白井(自販機に話しかけてる時点で大分危ないんですの)

木山「仕方ねぇな…こうなったら…」カチャ

初春(?なんでしょうかあのケース…)

白井(ロケット弾…?)

木原「あばよクソ自販機…あ?」

初春(あれ?佐天さん?)

白井(んな…!)

木原「なんだ姉ちゃん」

佐天「お金、自販機に詰まらせちゃったんですか?」

白井(何を言ってるんですの?全然聴こえませんの)

初春(そんなことより白井さん!早いとこ佐天さんを助けないと!)
474 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:44:56.66 ID:DhCCKE090
木原「へぇ、よく分かったじゃねぇか」

佐天「ここの自販機、そういう事がよくあるんです」

木原「はぁん?」

佐天「何円飲まれたんですか?」

木原「千円、たった千円ぽっちだが腹が立ってよぉ」

佐天「そういう時はここらへん、蹴るといいですよ」スッ

木原「ここか?」

佐天「そうです、そこです」

木原「よっ」ドガン

初春(自販機にかなり強めに蹴り入れましたよ!)

白井(ぐぬぬ…!)ヒュン

ガラガラ

木原「ほぉー」

佐天「どうですか?」

木原「上等上等。悪いな姉ちゃん」ズイッ

佐天「いえ、これくらい…」

ヒュン

白井「風紀委員ですの!」

木原「あ?」

佐天「白井さん?」
475 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:45:24.45 ID:DhCCKE090
白井「佐天さん、私の後ろに」

佐天「は…えーと…」

白井「手に持ってる武器、自販機に対しての攻撃、そして何よりこの人に手を出そうとしたところ…きっちりと視認しましたの!」

木原「はぁ?手を出すだと?俺はこの嬢ちゃんの頭を撫でようとしてだな…」

白井「どうだか…申し訳ありませんが拘束させてもらいますの!」ヒュン

木原「空間移動…」

白井「大人しくしてくださいまし!」ブンッ

木原「よっと…」ヒョイ

白井「え?」

木原「へへっ」

白井(なんで今避けられて…)

白井「くっ…もう一回…!」

木原「おい風紀委員!」

白井「は?」

木原「今俺の指は何本立ってる?」

白井「指…?あ…演算が…!」

木原「空間移動系の能力の演算負荷は他の能力を遥かに凌ぐモンだ」ガシ

白井「え?」

木原「だからちょっと別の事に注意を逸らしてやるだけですぐに集中が途切れて演算がストップしちまう」

木原「見たところ空間移動としては結構な能力者みてぇだが…ま、結標ほどじゃねぇわな」

木原「勘違いしてるみてぇだし話を聴かせるいい機会だ。悪いな」ブオン

白井「あいたっ!」
476 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:45:52.84 ID:DhCCKE090
白井「まさか投げられるとは…」

木原「起きるんじゃねぇぞ風紀委員。これから経緯を話してやるからよ…」

初春「し、白井さーん!」

木原「あ?」

佐天「初春?」

初春「大丈夫ですかー!?」

白井「う、初春…そのバットはどこから…」

初春「どいてください佐天さん!」

佐天「え?」

初春「たぁっ!」ブンッ

木原「んがっ」ガンッ

佐天「だだ、大丈夫ですか!?」

木原「なんだこのガキ…!」

初春「あ、あれ?効いてない?」

木原「当たり前だろうが…!こんなプラスチックのバットで俺にダメージが来るとでも…!」

初春「あわわ、どうしましょう…」

木原「その腕章はテメェも風紀委員だな…!」

初春「はっ!風紀委員です!大人しく投降してください!さもないとレベル5の御坂さんを…」

佐天「そこ御坂さんなんだ…」

木原「あぁ?こちとらなぁ…第一位相手にしたことがあんだよコノヤロッ!」ブンッ

初春「わわっ!」ドシャ

木原「この街の風紀委員は話を聴かねぇってのは本当みてぇだな…」

木原「オイ、大人しく話を聴けよテメェら…?」
477 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/07/30(土) 19:48:18.97 ID:DhCCKE090
さて短いですが本日はここで終了です。

そしてオリャ・ポドリーダですがどこか分かりますかね?
猟犬部隊に追われていた上条と打ち止めが入ったレストランなんですが…
ヴェントに襲われたあそこのレストランです。

ではまた近いうちに更新しに来ます。
また会いましょう。
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 15:03:07.60 ID:9MEwYc/y0
前から思ってたが、省くところは省いてもいいと思うよ
全員しっかり描きたいのは分かるが、今の感じだと誰がメインかもよく分からないし、ストーリーの軸もよく分からん
479 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/07/31(日) 15:16:02.86 ID:cNQiTBZAO
>>478
おっしゃる通り、全員書きたいんですよね…
でも結果としてゴチャゴチャになり、読みにくさに繋がっているのであれば改善する他ありません。

ですので次回の更新からは話のサイドを片方に絞り更新していきたいと思います。
ありがとうございます。
480 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/07/31(日) 15:20:07.59 ID:cNQiTBZAO
…と書いた手前ですが最後の投下部分がなんとも中途半端です。
なので区切りいいとこまで繋げてから話を集中させます。

あと少しだけ見苦しい部分が続くとは思いますがどうかご辛抱ください。
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/01(月) 03:50:39.70 ID:ObKU0d4A0

がんばれー
482 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:39:54.56 ID:bnHYzZyE0
こんばんは。書き溜めが出来たので今から投下しようと思います。

ではよろしくお願いします。
483 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:40:45.79 ID:bnHYzZyE0
白井「…という事がありましたの」

初春「結果として私達の勘違い」

白井「話を聴いた私達はただただ木原さんに頭を下げるしかありませんでしたの…」

心理定規「ふぅん…それで?」

白井「ええ。話の流れで初春がお姉さまを出した時の木原さんの言葉を思い出しまして…」

心理定規「第一位相手に、って所?」

白井「はい。それで話を伺うとなんと教育者と言うではありませんの」

初春「それならば第二位の教育も出来るのでは!と思ったんですよね?」

白井「ええ。それで協力をお願いし、今に至るわけですの」

心理定規「それでその佐天さんって人は?」

初春「今日はなんか用事があるみたいで」

白井「佐天さんが居なくても話し合いは出来ますの。これから長くなりますわよ?」

心理定規「ふぅ…」

木原「これが垣根の資料で…」

御坂「あんた何者なのよ…」

木原「ああ?研究者だよ研究者」

心理定規「少なくとも普通の研究者じゃないわね」

木原「んじゃとっとと始めようぜ?第二位サマを改善する作戦会議をよ…」
484 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:41:36.70 ID:bnHYzZyE0
病院にて


冥土帰し「む…」

「どうしました?先生」

冥土帰し「いや、なんでもないね」

「そうですか?」

冥土帰し「ああ」

「では失礼します」

冥土帰し(彼女自身の演算能力を補うほど力が無い…)

冥土帰し(あれほどの演算能力は実験による賜物だったというわけか…)

冥土帰し「これでは再度上書きしたところで…」

カチャ

木山「先生」

冥土帰し「ああ、君か」

木山「一応話は聴いて来ましたが…どうしました?難しい顔をして」

冥土帰し「少し問題が出てきてね」

木山「メカニズムのことですか?」

冥土帰し「いや、それはもう解決したよ」

木山「では何が…?」

冥土帰し「確実に治療が滞るような問題が出てきた」

木山「教えていただけますか?」
485 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:42:10.81 ID:bnHYzZyE0
冥土帰し「その事を話すにあたってだけど…肝心の治療法については頭に入れてくれたかな?」

木山「はい……いや、念のためにもう一度聴いても?」

冥土帰し「では順を追って簡単に説明するね?」

冥土帰し「彼女の症状は暗闇の五月計画が原因で起きた…いわば慢性の頭痛のような症状だね」

木山「慢性ということは以前よりその兆しがあったと見て間違い無いんですか?」

冥土帰し「悪く言って被検体になったその時から…よく言ってここ最近からだろうね」

木山「そう…ですか…」

冥土帰し「原因は何度も言うようだけど精神性の不一致。無理矢理植え付けてるのだから当然だね」

冥土帰し「治療法は絹旗最愛自身の精神性、演算能力を再度上書きすること…それにより安定感を引き上げるというものなんだが…」

木山「さっき言っていた問題…ですか」

冥土帰し「ああ。簡潔に言うとだね、上書きするほど彼女自身の演算能力は残ってないんだね?」

冥土帰し「五月計画は一方通行の精神性と演算方法を意図的に植え付ける実験」

冥土帰し「絹旗最愛は優等生と呼ばれてたように一番一方通行に近づいた者だった、それがマズかったみたいだ」

木山「…」

冥土帰し「長い間、一方通行に限りなく近い演算方法を使用して能力を使っていたんだ…」

木山「絹旗くん自身の演算方法はほぼ一方通行くんの演算方法になっているということですか?」

冥土帰し「そうだ。こうなっては治療はかなり難しくなってしまう…上書きすべきものがほとんど無いとなると…」

木山「それは…」

冥土帰し「?」

木山「それは再度一方通行くんの演算方法を植え付けることで治療に繋げることは出来ないんでしょうか?」

冥土帰し「僕も一番最初に思い浮かんだ。だが絶対無理な理由がある」

木山「妹達…!」

冥土帰し「そうだ。彼自身の脳の状況を考えると到底出来る事ではないんだね?」
486 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:42:45.55 ID:bnHYzZyE0
木山「その方法が無理となると…」

冥土帰し「いや、あながち無理というわけでは無いんだが…」

木山「では一体?」

冥土帰し「やり方次第で一方通行は今度こそ確実に廃人になる」

木山「やり方次第?」

冥土帰し「次第とは言ったが言葉のあやだ。思い付く限りの方法で行動に移っても最悪の結果にしかならないね?」

木山「どうにかならないものか…」

冥土帰し「一方通行の廃人化を望む者など居ないはずだ。それは彼女自身にも言える事だ。絹旗最愛と接触したことのある君なら分かるね?」

木山「はい…」

冥土帰し「妹達や打ち止めの事もある。取るべき選択ではないよ」

木山「演算が問題ならば能力を諦めれば…いや、それは無いか…」

冥土帰し「その通りだ。能力を取り上げたら彼女は以前の生活には戻れない。それも選ぶべき方法ではないね?」

木山「私はなんとしても方法を探します。必ず解決策はあるはずです」

冥土帰し「僕も諦めるつもりは無いね?」

木山「少し…出てきます」

冥土帰し「外の空気に触れて来るといいね」

木山「はい」
487 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:43:16.15 ID:bnHYzZyE0
海原「発注はどうなってますか?」

「滞りなく、順調です」

海原「そうですか」

土御門「海原」

海原「土御門さん。どうなされました?」

土御門「初動はどれくらいの見込みだ?」

海原「初回の発注からして40万枚は堅いかと」

土御門「40万か…結構行くな…」

海原「自分も驚きました。タイアップもあってこそなんでしょうがかなりの数字です」

土御門「いい風向きだ」

海原「ええ。かなりのお声掛けもありましたし、最終的には50万いってもおかしくないかと」

土御門「今の時代、CDで40万というのはかなりの数字だ。それだけ売れてくれれば治療費もすぐだろうな」

海原「ですね。それと話題性はタイアップ曲だけではなくPVもだそうです」

土御門「ほう」

海原「番組放送直後、ショップにて予約の数が増大したみたいで…」

土御門「第四位を採用することでそこまで行ったか…次が楽しみだにゃー」

海原「あれほどのものですからね」

土御門「メイキングの特典も付ければ売上枚数は更に増加…!」

海原「ひいては今後の事にも繋がります」

土御門「はははっ!楽しくなってきたぜい海原!」
488 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:43:47.15 ID:bnHYzZyE0
「あのー…」

土御門「はは…は?」

海原「どうしました?」

「楽曲についての問い合わせが来てまして…」

土御門「楽曲?」

「2ndシングルの…」

土御門「ん?次のシングルの情報はまだ公に流してないはずだが…」

海原「それなら自分が」

土御門「何か情報を流したのか?」

海原「あわきんさんから早めの行動を起こしてくれと…」

土御門「待て、そういう事はあいつの一存で決めていいことじゃ…」

海原「実は上の方にはすでお話が通ってまして…」

土御門「いつのまに…」

海原「昨日解散した後に自分の方に電話が入りまして、それで」

土御門「昨日…女の子達を送った後か」

海原「ええ」

「あの、それで…」

海原「自分が話をします。一体どういったことでしょうか?」

「えっと…ショップの方からの問い合わせなんですがタイトルと予約の際の特典について…」

海原「ふむ…直接通達したほうが早そうですね」

土御門「おいおい、タイトルはまだ決まってないだろ」

海原「おっと…。すいませんが業務の方に戻っていただけますか?後はこちらで対応致しますので」

「あ、はい。ではお願いします」
489 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:44:14.19 ID:bnHYzZyE0
土御門「海原」

海原「はい?」

土御門「もしかしておおまかな発売日も決定していたりするのか?」

海原「ええ」

土御門「…聴いてもいいか?」

海原「…週…です…」

土御門「ん?」

海原「来週です」

土御門「まだ1stも発売してないんだぞ…」

海原「ですから早い内にと…」

土御門「それにしても早過ぎやしないかにゃー?」

海原「こういう事は話題の内に出さないと…ほら、テレビであわきんさんがPVについて話してたじゃないですか」

土御門「…」

海原「一刻も早く売上を出さなくてはいけないんです。分かってください」

土御門「ふぅ…タイトル決めなきゃな」

海原「ふふ…ではそのように」

土御門「会議室を開けて…」

海原「そうだ、さっきのメイキングの事ですが…」

土御門「ああ…」
490 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:44:41.89 ID:bnHYzZyE0
黄泉川宅にて


一方通行「…」

番外個体「!」

一方通行「?」

番外個体「フリーマーケット!」

一方通行「とォふ」

番外個体「また"ふ"……風鈴…!があああああ!!」

一方通行「終了ォ。ホラ、行ってこい」

番外個体「けっ!コンビニくらい自分で行きなよ!」

一方通行「敗者のセリフとは思えねェな。俺が同じ事言ったらオマエは了承したか?」

番外個体「ぐっ…」

一方通行「全員分のアイス…イヤ俺のは要らねェな」

番外個体「ちくしょ…」カチャ

ゴソゴソ

番外個体「?出掛けるの?」

結標「うん、マネージャーから呼び出しくらってね…」

番外個体「へぇ」

結標「一方通行には言っておいてもらえる?」

番外個体「はいはい」

結標「じゃあね」ヒュン

番外個体「あの能力便利だよなぁ」
491 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:45:12.49 ID:bnHYzZyE0
番外個体「さて、んじゃ私も出るとしますか…」

ガチャ

番外個体「…なんであんたが居るの」

垣根「用事があるからに決まってんだろ。用も無く突っ立ってるかよ」

番外個体「何その言い方。ミサカ挫けそうだよ」シュン

垣根「?」

番外個体「ぐすっ…」

垣根「???」

番外個体「ひぐっ…うわーん!」

垣根「!?」

番外個体「ふぇぇぇ…」

垣根「お、おいおい!一体なんだよおい!なんか変なモンでも食ったか?ん?」

番外個体「わぁぁぁぁ…」

垣根「あああ…んだよ…いいからホラ泣き止めって…ったく…どうしたらいいんだよ…」

番外個体「ぐしゅっ…アイス…」

垣根「は?アイス?」

番外個体「アイス食べたい…八個…じゃなかった七個…」

垣根「数は合ってるか分からないがアイスならココに…」

番外個体「ラッキー!ご苦労さまっ!」ガサッ

垣根「あ」

バタン

垣根「…」
492 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:45:42.37 ID:bnHYzZyE0
番外個体「たっだいまー」

一方通行「随分と早ェじゃねェかよ」

番外個体「すぐそこにアイスが来てた。そういえばムスジメが出掛けるって」

一方通行「アイスが来てたァ?」

番外個体「冷蔵庫冷蔵庫〜♪あれ?」ガサッ

ピンポーン

番外個体「げっ」

一方通行「ン…玄関のインターホンか。オイ、客だぞ」

番外個体「ヤダよ。あなたが出なよ」

一方通行「はァ?」

番外個体「ほら、早く出ないと」

一方通行「チッ…一体誰だァ?」カチャ

一方通行「どちらさま…あァ?」

垣根「なんだ、お前が出て来るのか」

一方通行「お前どうやって中に…正面玄関からインターホンは鳴ってねェハズだが…」

垣根「出てきた奴に便乗して入ってきた。邪魔すんぞ」

一方通行「おォ…」

垣根「…お前等だけか?」

一方通行「オマエ等?」

垣根「ワーストと…」

一方通行「あァ。保護者連中は打ち止めとその友達連れてプールに行きやがった。後は…まァそンな感じだ」

垣根「そうか」
493 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:46:13.46 ID:bnHYzZyE0
垣根「おいワースト」

番外個体「なにさ」

垣根「アイスはこっちの袋だ」

番外個体「先に言って。はいコレ、返す」

垣根「ホラ」ガサ

一方通行「ンだァ?垣根が持ってきたアイスだったのかァ?」

番外個体「そうなるね」

垣根「そしてコレだ。今日来た理由でもある」

一方通行「なんだそりゃ」

番外個体「よく分からないアニメチックな箱が入ってたよ」

垣根「そりゃ裏側だ。表の部分見れば何か分かる」ガサッ

番外個体「カナミン?」

垣根「そうカナミン」

一方通行「…のなンだ?」

垣根「カード。今かなりの品薄で手に入らない貴重品だ」

一方通行「どォしてンな物をオマエが持ってンだ」

垣根「昨日焼肉食いに行ってな、福引券貰ったんだよ。一枚だけ残して他上条に引かせて最後にやったら当たったんだよ」

一方通行「だったらなンかしら当たるわな」

垣根「それがコレ。一箱ってパターンを予想してたんだけどカートンで渡されたんだわ」

一方通行「へェ…」

垣根「半分の六箱…やるよ」

一方通行「…」
494 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:46:39.37 ID:bnHYzZyE0
垣根「かなり貴重なモンらしいからな。持っておくといいぜ」

一方通行「どォして俺に渡すンだ」

垣根「打ち止めが居るだろ?周りで流行ってて自分だけ持ってない…なんて事があるんじゃねぇかと予想してだな」

番外個体「総カード数1000種類…多すぎでしょ…」

垣根「だから欲しいのを当てるために買い占める奴が居て…それで品薄なわけ。分かるか?」

番外個体「内シークレット1枚…」

垣根「そのシークレットは5カートンに1枚らしい…」

番外個体「…」

一方通行「まァイイ。寄こすってンなら貰っとく」

垣根「ああ」

一方通行「ンで?まさかカード渡しに来ただけじゃねェよな?」

垣根「最初はそれだけのつもりだったんだがそうじゃなくなったというか…」

ピンポーン

垣根「来たか…」

一方通行「今度は正面からか。オイ」

番外個体「はいはい…ったくこんなやり取りばっかじゃミサカが正妻みたいだよ」ブツブツ

一方通行「有り得る話じゃねェな」

垣根「…」

番外個体「どちらさま?」カチッ

一方通行「今日はイイ天気だな…」

番外個体「んん…?あなた誰?」

495 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:47:07.78 ID:bnHYzZyE0
『だぁかぁらぁー…一方通行を尋ねて来たの。入れて☆』

番外個体「えっ?モニター越しに星が見えた…」

一方通行「お、あン時に削板が埋まってて壊れてた部分が舗装されてンぞ」

垣根「一方通行」

番外個体「だからあなたが誰か分からないと入れてあげられないんだけど…あれ?ていうかどこかで…?うーん…」

『通りすがりの中学生なんだけどぉ』

番外個体「だから名前…ていうかホントに中学生?色々と信じられないんだけど…」

一方通行「アソコの川ン所見てみろよ。珍しく釣り人なンて居るぜェ?」

垣根「一方通行、客だ」

一方通行「チッ…おい貸せ」

番外個体「え?」

一方通行「どォした?」

『やっと出たわねー?』

一方通行「一人で来たみてェだな。どォしたンだ?」

『んー?ちょうどお昼時かなーって思って』

一方通行「昼…とりあえずウチまで来い。話はそれからだ」

『はいはーい』

番外個体「うーん…」

垣根「昨日会ってるぞ」

番外個体「え?そう?」
496 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:47:38.72 ID:bnHYzZyE0
ピンポーン

垣根「!」

一方通行「随分と早ェな…」

番外個体「いや、いくらなんでも早過ぎ…」

一方通行「オマエ、ちょっと見て来い」

垣根「は?俺かよ?」

一方通行「さっきの口振り…まるでオマエが連れて来たみてェじゃねェかよ」

垣根「あながち間違っちゃいねぇが…」

一方通行「ホラ」

垣根「急に避け始めたな。前まで適当にあしらってたくせに」

一方通行「そンな事はねェよ」

垣根「いや、あるね」

一方通行「…顔を合わせにくいだけだ」

垣根「は?」

一方通行「ここは俺だけの家じゃねェ、なンかあったらマズいだろォが。身構えねェ方がおかしいだろ」

垣根「はん、なるほどな」
497 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:48:07.26 ID:bnHYzZyE0
垣根「はいはい、どちらさま」カチャ

食蜂「!垣根帝督!」

垣根「うっ、やっぱりお前か!」

食蜂「どきなさい!変態!」

垣根「待て待て、いつから俺は変態認定されたんだ?」

食蜂「はぁ?さっきよさっき!」

垣根「らしくないな。落ち着け」

食蜂「…」

垣根「そう、そう…いつも通りにだな…ふがっ」

食蜂「何言ってるのよ」

垣根(リモコン…?)

食蜂「あなたもらしくないわよ。何か焦ってるの?」

垣根「ふっ、わふぁるのふぁ?」

食蜂「わからない」

垣根「じゃあ…リモコンをさっさと鼻から離してくれ」スッ

食蜂「ふん」

垣根「ったく…」

食蜂「あなたって何かあるとやけにフレンドリーになるみたいね?」

垣根「あ?」

食蜂「一方通行に何か話すような事あるんじゃない?」

垣根(なに言ってんだコイツ)
498 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:48:38.45 ID:bnHYzZyE0
パタン

一方通行「おォ、来たか」

番外個体「ああ、はいはい」

垣根「思い出したか?」

番外個体「確かに昨日見たわ。うん」

垣根「こんだけインパクトある体型してんだ、そりゃ思い出すわふがっ」

食蜂「なんでさっき私を置いて行ったのよ」

垣根「面倒だったから…がっ!」トスッ

食蜂「お陰で無駄に疲れたわ」

垣根「か…またリモコンが…」

番外個体「ふーん。さっき会ったんだ」

食蜂「そう。私がここに来るまでの道中で目の前に垣根が見えたのよ」

垣根「目の前って言うか空飛んでたけどな」

食蜂「割と低い所飛んでたから声かけたのよぉ。どこに行こうとしてるのかってね」

食蜂「そしたら一方通行のトコに行くって言うじゃない。だから私を連れてってって言ったのよ」

垣根「はぁ?乗せて飛びなさいよ!だったろ」

食蜂「かっ!」

垣根「ふごっ!」

食蜂「そしたら急にスピード上げて…マンション近くになって能力使って操った方が早いってことに気付いてね」

食蜂「コイツ目掛けて能力使ったのよ。そんな事繰り返してたらいきなり高度上げて正面玄関無視してマンションに入ってったのよ」

一方通行「なるほど。そして繋がるワケか」

垣根「そういうこったな」

一方通行「ンでオマエは飯食いに来たンだっけか…悪ィがまだ用意は…」

食蜂「それもあるけど入院してる子についてちょっとお話に来たのよねぇ」
499 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:49:27.84 ID:bnHYzZyE0
一方通行「絹旗について?」

食蜂「そんな名前だったわね」

垣根「なんでお前が…」

食蜂「暗闇の五月計画だっけ?」

垣根「は?どうして…」

一方通行「誰から聴いた」

食蜂「昨日送ってくれたサングラス掛けた人」

一方通行「土御門か…中学生になンつーこと話しやがる…」

食蜂「私が興味本位で聴いたのよ。その土御門って人が勝手に喋ったワケじゃないわぁ」

一方通行「超電磁砲も聴いてたのかァ?」

食蜂「彼女が降りた後に私が聴いたの。だから御坂さんは聴いてないわ」

一方通行「…」

垣根「…そんな事聴くようになったきっかけはなんだ?」

食蜂「きっかけ?」

垣根「どういう事柄から五月計画について質問するまでに至ったんだ」

食蜂「最初誰が病院に運ばれたのかって事を適当に聴いてたのよ」

食蜂「色々と聴いてるうちに様子がおかしいって思ってね。なんか知ってるクチだったし」

食蜂「それで」

垣根「頭覗いたのか」

食蜂「まあね」

一方通行「手癖の悪ィヤツだな」

食蜂「答えを濁すんだもの。本当の事知りたくなっちゃうわよ」
500 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/03(水) 22:50:43.75 ID:bnHYzZyE0
さて、本日はここまでです。

半分の六箱、これがどう化けることやら…
では一旦終了です。

近いうちにまた来ます。
また会いましょう。
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/04(木) 00:19:29.79 ID:ku+QR0qAO

好きな感じだ、おもしろい
待ってるよ
502 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:12:18.87 ID:IPE/Jvl+0
こんばんは、書き溜めが出来たので今から投下しようと思います。

ではよろしくお願いします。
503 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:12:52.77 ID:IPE/Jvl+0
一方通行「ンで?話ってのは?」

食蜂「込み入った事じゃないんだけどね」

一方通行「あァ」

食蜂「その実験って自分を失うかもしんないのよねぇ」

一方通行「…」

垣根「少し頭捻れば出るような事だな」

食蜂「え?」

垣根「だがその発想は俺自身初耳だ。五月計画を自分を失うって角度で見んのは少し新鮮だな」

食蜂「でしょぉ?」

一方通行「ふ…ン」

食蜂「ありきたりな言葉を使うと本当の自分ってのを見失うと思うのよね、その実験」

一方通行「実験する側が深く考えるような事じゃねェ。結果さえ出ればイイ訳だ、基より承知の上だろォよ」

垣根「なんでそんな事考えた?」

食蜂「その絹旗って子、窒素を扱う能力なんでしょ?被験者じゃなければどんな能力だったのかな?って深く考えたら思っちゃってね」

番外個体「防御の能力は孤独の証…」

一方通行「…」

垣根「あ?」

番外個体「ミサカはそう思うな」
504 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:13:19.44 ID:IPE/Jvl+0
垣根「一方通行の精神性に埋もれた本当の自分か…」

一方通行「俺達が分かる事は無いだろォな」

垣根「だろうな。分かる奴が居るのかすらも分かんねぇし」

食蜂「当の本人達も、もう分からないんじゃないかな」

一方通行「はァ…ァ」

垣根「飯食うか。今の状況に関係あることじゃねぇのに変に考えちまったな」

一方通行「ま…面白い話ではあったなァ」

番外個体「案外普通の反応だね」タタッ

一方通行「俺が反応示す意味もねェな。本当にそォなのかすらも分かンねェのに」

食蜂「それもそうよねぇ」

番外個体「あ、もしもし?」

一方通行「?」

垣根「電話しに行ったのか」

番外個体「特上ウナギ四人前」

一方通行「なっ…!金の無ェこの時期に…!」

食蜂「あのウナギ屋のチラシ…」

垣根「いいトコのヤツじゃねぇか」

一方通行「ったく…」

垣根「全く無いのか?」

一方通行「そういう贅沢する分にはあるが…」

番外個体「辛気臭い雰囲気はどうもね。ミサカ、そういう空気ヤダ」

垣根「ウマイ物食って気晴らしってか?単純だな」

食蜂「あなたは一言多いよね」
505 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:13:50.15 ID:IPE/Jvl+0
ピンポーン


番外個体「来た♪来た♪」

一方通行「一万…二万…」

番外個体「あなたは出さなくていいよん」

一方通行「はァ?」

パタン

垣根「アイツはアイツで金持ってんじゃねぇのか?」

一方通行「イヤ…そンなハズは……黄泉川から小遣いでも貰ってンのかァ?」

食蜂「小遣い程度で済む金額でもないんだけど…」

垣根「…」

『四人前で八万四千円になります』

垣根「……税抜きで一人当たり二万円…」

食蜂「当たり前じゃない…とんでもない高級どこのウナギよ…しかも特上…」

『ツケって出来ますー?』

垣根「ツ、ツケ?どこにツケる気だ…」

『名義よろしいですか?』

『あ、出来ます?』

一方通行「まさか病院とかじゃねェだろォな…」

垣根「ありえ…なくはないのか…?」

『垣根帝督で』

垣根「…」

『第二位のヒトだからすぐ住所出ると思うんで』

『はい…確かに…ご確認取れました』

『ご苦労様ー』

『毎度』

506 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:14:19.88 ID:IPE/Jvl+0
番外個体「いただきまーす」

垣根「くっ…」

一方通行「悪いな」

食蜂「ごちそうさま」

垣根「ま、まあいい…金は今の一方通行よりはあるだろ…うん」

食蜂(私が出しても良かったんだけど黙っておこうかしら)

垣根「さ、食うか」

番外個体「うーん…ウナギだ」

一方通行「そりゃウナギを頼ンだンだからな」

番外個体「ミサカ初めて食べたよ」

一方通行「そォか、それがウナギだ。よかったな」

垣根「お前食った事あんの?」

一方通行「前に海原が持って来てな」

垣根「へぇ」

食蜂「そういうあなたは?」

垣根「あるよ?いや…あれはアナゴだったな…ウナギはいつ食ったっけか…」

食蜂「うん。おいし」

垣根「こんだけ高いモン食ってる手前マズイなんて言ったらお前を蒲焼にしてやるよ」

番外個体「…」

垣根「どうした?急に黙って」

番外個体「ウナギを広めてた」

一方通行「ネットワークか」

垣根「サインの次はウナギかもな」

一方通行「ギャグじゃすまねェな」
507 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:15:16.71 ID:IPE/Jvl+0
病院にて


絹旗「う…」

冥土帰し「お目覚めかな?」

絹旗「…」

木山「私が誰か分かるか?絹旗くん」

絹旗「き…やまさん…?」

冥土帰し「ふむ、予定より早い目覚めだ」

木山「ゆっくりでいいから体を目覚めさせてくれ。話はそれからにしよう」

絹旗「ん……」

木山「彼女達にも知らせて…」

冥土帰し「意識がはっきりしてからの方がいいね?でないと困惑してしまう」

木山「あ……そうですね」

絹旗「…」

冥土帰し「さて…」

木山「どうしましょうか?」

冥土帰し「いくつか聴きたい事があるからね?」

木山「?」

冥土帰し「能力について、少し…」

絹旗「ふ……ん」

冥土帰し「だけどその前に一方通行に連絡しなくてはね」
508 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:15:41.80 ID:IPE/Jvl+0
一方通行「…」カチカチ

垣根「何調べてやがる」

一方通行「カードリスト」

垣根「さっきのか?」

一方通行「あァ…どンぐらいの価値があンのか…」

垣根「そんな大きな値段が付くとは思えねぇが…」

一方通行「あンだけ種類があったら一つや二つ当たりが…」

piriririri

食蜂「ん?」

垣根「俺のじゃねぇな」

一方通行「俺のは…テーブルの上か…」

食蜂「もしもし?」ピッ

一方通行「オイ」

食蜂「え?私?一方通行の浮気相…」

一方通行「何言ってやがる」スッ

食蜂「あーあー」

一方通行「ったく…誰だ?」

『やっと本人が出てくれたか』

一方通行「ン…オマエか…」

『絹旗最愛の意識が戻ったよ』

一方通行「へェ、そりゃ朗報だ。もう会話は出来ンのか?」

『そういうことが出来るのは明日以降だね』

一方通行「そォか」
509 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:16:11.03 ID:IPE/Jvl+0
『とりあえずは報告だけだね?お見舞いに来るんなりするならまた明日来るといい』

一方通行「そォさせてもらう」

『そうか、では一方通行…』

一方通行「あ?」

『いや、長くなる。明日話そう』

一方通行「あァ…?」

『じゃあ失礼するよ』プッ

一方通行「ハァ」

垣根「医者か?」

一方通行「あァ」

番外個体「目、覚ましたって?」

一方通行「そう言ってたな」

番外個体「ふーん」

食蜂「今から行くの?」

一方通行「顔出すのは明日だな。あっちがそう言って来た」

垣根「なんにしろ無事だったなら言う事は無ぇな」

一方通行「あァ」

垣根「それとコレを見ろ」

一方通行「あ?」
510 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:16:40.62 ID:IPE/Jvl+0
一方通行「さっきのリストか?」

垣根「おう」

番外個体「ん、コレ」スッ

一方通行「二万…!」

垣根「コイツはまだ安いほうだな」

食蜂「こっちのは?」

垣根「こっち?」

食蜂「下の…ほら、通し番号がちょっと特殊なヤツ」

垣根「あ、コレか…」カチ

番外個体「…」

垣根「五万…」

一方通行「当たればの話だな」

垣根「一万のヤツなら俺の箱にも確か…」

番外個体「開ける?」

一方通行「…イヤ、未開封を維持しとけェ」

食蜂「ふむふむ」

一方通行「今度は何見てンだ?」

食蜂「他のカードを…」

番外個体「アイス食べよっと」
511 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:17:10.32 ID:IPE/Jvl+0
病院にて


麦野「絹旗ぁ!」

絹旗「う…え?…あ!麦野!?」

浜面「はー、良かった…起きたか…」

絹旗「浜面?あれ?ここは…」

黒夜「ここは病院だ、第七学区の」

麦野「トラックに撥ねられたんだって?」

絹旗「トラック…そういえばそんな事があったような…ん、この頭のはなんでしょうか?」カチャ

滝壺「だめだよきぬはた」

絹旗「滝壺さん?」

滝壺「それはきぬはたをリラックスさせている機械だから触っちゃダメだよ」

絹旗「リラックス…?」

フレンダ「だからそれ外しちゃダメって訳よ」

冥土帰し「君たち、ちょっとごめんね?」

木山「えーと…まずは…」

絹旗「?」

冥土帰し「とりあえず能力を使ってくれるかな?いつも通りにね」

絹旗「はぁ…?」

冥土帰し「出来たかい?」

絹旗「いつも通りでいいなら、はい」

冥土帰し「結構、では浜面くん」

浜面「え?俺?」

冥土帰し「そうだ、言った通りに頼むよ」

浜面「…はあ…」グッ

絹旗「なんでしょうか?」

浜面「悪いな」バスッ

絹旗「痛っ」
512 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:17:38.86 ID:IPE/Jvl+0
絹旗「浜面のくせに生意気な…!」ブンッ

浜面「はは、なんだそのパンチは」

絹旗「???」

冥土帰し「さて、能力が発動してないことに君は気付いているかな?」

絹旗「発動してない?一体何を…現にこうして演算も超出来ているのに…」

冥土帰し「今浜面くんに頼んで君の肩に軽くパンチを入れたけど…持ち前の窒素装甲で防御出来たかい?」

絹旗「あ…」

冥土帰し「さらに言わせてもらうと演算もきちんと出来ていたかい?」

絹旗「ま、待ってください!もう一度…」

冥土帰し「昨日の事を覚えているかい?」

絹旗「昨日…確か映画を…」

冥土帰し「昨日、交差点でトラックを止めようとして撥ねられたこと…確かそうだったね?」

黒夜「ああ」

冥土帰し「はっきり言わせてもらうと君は今、超能力が使えない状態になっている」

絹旗「そ、そんな!演算はちゃんと出来ているんですよ!?」

木山「今、絹旗くんの演算を補助する脳の部分が欠損している」

木山「だから演算は途中までしか出来ない。そして脳はその事に気付けていない、だからちゃんと出来ていると思っているだけだ」

絹旗「待ってください、言ってる意味が…」

冥土帰し「安心したまえ、ゆっくり順を追って説明をするからね?」
513 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:18:15.89 ID:IPE/Jvl+0
絹旗「…」

冥土帰し「何か質問はあるかね?」

絹旗「実験の副作用…って事ですか?」

冥土帰し「そう思ってもらって構わないよ」

絹旗「黒夜は…」

黒夜「私は大丈夫だよ」

冥土帰し「それで治療についての話なんだけどね?」

絹旗「演算の事ですか?」

冥土帰し「そうだ。他の部分についてはなんら問題は無いのだがこの部分だけはどうもね…」

絹旗「…」

冥土帰し「候補の一つに能力を諦めるという選択肢もある、だけどね」

絹旗「能力を…」

冥土帰し「僕はこの選択肢は絶対に選ばないよ。以前となんら変わりなく生活が出来るように治療するつもりだ」

絹旗「…」

冥土帰し「詳しい話は明日にでも一方通行にするつもりだ。なんとかなるようにね」

木山「先生、そろそろ時間が…」

冥土帰し「む、もう時間か…じゃあ絹旗くん、また来るよ。今は友人達との会話に花を咲かせるといいね?」

絹旗「は、はい…」

冥土帰し「そうだ、最後に一ついいかな?」

絹旗「なんでしょうか?」

冥土帰し「君は窒素装甲を……」
514 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:18:50.19 ID:IPE/Jvl+0
黄泉川宅


カチャ

『ただいまじゃーん』

一方通行「ン…もうそンな時間か」

垣根「早ぇな、もう夕方か」

食蜂「何かするわけでもなく時間が過ぎたわね」

番外個体「上位個体も帰ってきたみたい」

黄泉川「はぁー疲れた疲れた…ん、お客さんじゃん?」カチャ

一方通行「そンな所だ」

黄泉川「んん…知らない顔じゃん…」

垣根「よう、邪魔してるぞ」

食蜂「こんにちは」

芳川「ちょっと、ドアの所で止まらないでよ愛穂」

黄泉川「あ、ああ悪いじゃん」

一方通行「ガキはどォした?」

芳川「私の背中で寝てるわよ」

番外個体「あれ?上位個体のお友達とやらは?」

黄泉川「家の近くまで送り届けてきたじゃんよ、打ち止めもいつのまに外人の友達なんて作ったじゃんよ…」

芳川「子供はそんなものよ。親の知らないうちに知らない子と仲良くなっているの」

黄泉川「はぁ…本当にそうじゃん…一方通行もいつのまにか友人を増やしてるし…」

芳川「気付いたら結婚もしてるし…」

一方通行「…」
515 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:19:17.48 ID:IPE/Jvl+0
食蜂「さてと、じゃあ帰りましょうかね」スッ

垣根「俺も帰るか」

芳川「あら、君たち帰るの?」

垣根「ああ」

芳川「そう、えっと君は…」

食蜂「食蜂操祈です」

芳川「君もお帰り?」

食蜂「はい、寮生活なもので」

黄泉川「芳川、打ち止めを起こしてお風呂にいれるじゃん。プール熱なんておこしたら大変じゃんよ」

芳川「それもそうね。シャワーだけでも浴びさせないと…」

垣根「プールってのは疲れるもんだ。加減を知らずに遊んじまうからな」

食蜂「あなた行ったことがあるの?」

垣根「無い」

食蜂「…」

垣根「じゃあな一方通行。明日病院ででも会おうぜ」ガチャ

食蜂「私も帰るね。バイバイ」

一方通行「あァ」

番外個体「ウナギごちそうさん」

垣根「くっ…忘れてたのに…」
516 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:19:48.04 ID:IPE/Jvl+0
帰路


垣根「…」

食蜂「…」

垣根「お前歩いて来たのか?」

食蜂「あなたのお陰でね」

垣根「運動出来てよかったじゃねぇか」

食蜂「…」

垣根「…」

食蜂「はぁ…」

垣根「俺こっちだから。あばよ」

食蜂「は?」

垣根「寮まで気をつけて帰るんだな」

食蜂「お詫びの印に飛んで送ってくれるとか無いわけ?」

垣根「はぁ?ウナギ食わせてやったろ」

食蜂「…」

垣根「へへ」

食蜂「たぁっ!」ヒュッ

垣根「心理掌握!」ヒョイ

食蜂「おしい」

垣根「困ったらすぐに能力を使って洗脳しようとしやがる…」

食蜂「私はそう生きてきたの」

垣根「…じゃあな!」ドヒュッ

食蜂「ぐ…なんてスピード…!私もあんな能力だったら…」
517 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:20:15.74 ID:IPE/Jvl+0
旧スクールアジトにて



垣根「っとと…ん?戻ってたのか?」

心理定規「ええ」

垣根「どこ行ってたんだ?」

心理定規「んー?ちょっと友達とご飯を食べに」

垣根「そうか」

心理定規「ねえ、明日の予定とかある?」

垣根「明日?明日は…病院に行く」

心理定規「病院?」

垣根「一方通行んとこの絹旗が入院しててよ、それで見舞いに、ってのか?まあそんな感じ」

心理定規「入院してたの?」

垣根「昨日の話だけどな」

心理定規「私も行って大丈夫かしら?」

垣根「大丈夫だろ」

心理定規「じゃあ私も行こうかしら」

垣根「お前仕事は?」

心理定規「珍しく明日も休みなのよね」

垣根「なるほどね」

心理定規「…」

垣根「さて、今日は何を食うかな…」
518 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:21:19.73 ID:IPE/Jvl+0
海原「ふむ…」

土御門「うーん…違う…これも違う…」

結標「これじゃない…これでもない…」

海原「これだけ候補を出しても気まらないとなると…」

土御門「1stの発売を明日に控えた手前…早く決めておきたいところだが…」

海原「どうも1stのようなセンスで思い浮かびませんね…」

結標「困ったわね…早いところ売り出して結果を出さなきゃいけないのに…」

海原「もう一度PVを見てアイデアを書き出しましょう」

土御門「俺は歌詞からアイデアを…」

結標「いざタイトルを決めるとなるとこんなにも躓くなんて…」

海原「こればっかりはセンスの問題です」

土御門「うーん…やっぱりPVから来てるレベル5を主体に置きたいような…」

海原「これだけレベル5が出ていますからね」

土御門「歌詞も繋がりの強さというものを主張してるしなぁ…」

海原「一方通行さんと言えばレベル6…垣根さんは…ピンセットでしょうか?」

土御門「御坂美琴は…ダメだ…思いつかん…」

結標「レベル6…レベル6…」

海原「いいアイデアなんてものは無限に沸かないものですね…痛感しますよ…」

土御門「こうなったら素直にLEVEL5で…」

海原「それは…」

結標「そうよ!レベル6よ!」

土御門「は?」

海原「??」
519 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/06(土) 21:23:43.85 ID:IPE/Jvl+0
はい、本日はここまでです。

今するような話でもないんですが今やってる話が終わったら最後に佐天さんを主人公において一個話を考えています。
本当に最後かどうかはわかりませんがね…

では一旦終了です。また近いうちに更新しに来ます。
また会いましょう。
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/08/06(土) 22:06:46.62 ID:a/mz1e2p0
521 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 22:57:52.24 ID:rM1GAvWz0
こんばんは。書き溜めが出来たので今から投下します。

ではよろしくお願いします。
522 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 22:58:38.27 ID:rM1GAvWz0
翌日


一方通行「ちょっと出掛けて来る」

黄泉川「ん?随分と早い外出じゃんか」

一方通行「あァ」

黄泉川「そういえば結標の事なんだが…」

一方通行「?」

黄泉川「あんまり根詰めないよう、伝えておくじゃん。最近、あまり帰って来てないみたいじゃん?」

一方通行「分かった。会ったらそォ伝えておく」

黄泉川「昨日だって仕事が長引いたとかで帰って来てないじゃん。あんまり若い内から頑張りすぎても…ねえ?」

一方通行「この家にゃ若い内通り越しても頑張ってねェのが居るけどな」

芳川「あら、そのセリフ…働いてないあなたが言えた事じゃないわよ?」

一方通行「チッ…」

黄泉川「はいはい、そこまでじゃんよ。じゃあ一方通行、確かに伝えておくじゃん?」

一方通行「あァ…」

芳川「次はあなたが事故に…なんて笑い話じゃ済まないわよ?」

一方通行「誰に言ってる」

芳川「ふふ」

一方通行「…行って来る」
523 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 22:59:03.84 ID:rM1GAvWz0
旧スクールアジトにて


心理定規「ちょっと、ねえ」ユサユサ

垣根「ん…なんだ…?」

心理定規「さっきから携帯の着信が凄いんだけど」

垣根「俺のか?」

心理定規「自分の携帯ならわざわざ起こしたりはしないわ」

垣根「よいしょ…」

心理定規「はい携帯」ヒョイ

垣根「おう」パシ

心理定規「おちおち寝てられないわよ…全く…」

垣根「どこだ?この番号は…」ピッ

垣根「…垣根帝督」

『おはよう垣根帝督。目覚まし代わりの着信はどんな気分だい?』

垣根「木山春生…」

『そうだ私だ』

垣根「病院からか?」

『その通りだ』

垣根「なんか用か?」

『用があるからかけたんだ。今日、病院に来たまえ』

垣根「そんな事言われなくても行くつもりだぜ?」

『ん…そうか。電話した意味は無かったみたいだな』
524 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:00:15.12 ID:rM1GAvWz0
垣根「どうしてわざわざ連絡してきたんだ?」

『一応…まあ治療の手助けとか…それくらいだな』

垣根「他の連中も来るのか?」

『いや、とりあえず君と麦野くんに声をかけた』

垣根「そうか」

『一方通行くんは今日にでも来るみたいだ。君も早めに来たまえ』

垣根「分かった」

『では、後ほど』

垣根「ああ」プツッ

心理定規「今日の天気は晴れね」

垣根「ふぅ」

心理定規「なんだって?」

垣根「早めに病院に来いってさ」

心理定規「もう行く?」

垣根「そうするか」

心理定規「じゃあ着替えなきゃ」

垣根「今日は暑くなりそうだな…」
525 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:00:42.97 ID:rM1GAvWz0
海原「はい…はい…そうですか…ではそのように伝えておきます…ええ、では…」プッ

土御門「なるほど…このタイトルなら…」

結標「あーっ、我ながらいいアイデアだわ!」

海原「えっと…なんの話でしたっけ…」

土御門「え?ああ…電話していたんだったな…」

結標「タイトルの案が出たからそれを話してたんだけど…」

海原「タイトル…ああ、昨日話していた…」

土御門「そうよ!レベル6よ!って行って飛び出したと思ったらさっき戻って来てコレだ」

結標「ていうか誰と電話していたの?」

海原「一方通行さんです」

土御門「一方通行?こんな早くに珍しいな」

結標「なんですって?」

海原「絹旗さんとの面会が可能になったので…それを伝えてくれと」

結標「?直接私に電話くれればいいのに」

土御門「ホラ、電話だ」スッ

結標「あら…」

土御門「充電が切れてたみたいだぞ」

結標「やだ…ホント…」

土御門「昨日お前が飛び出して行ったきりだったからな」

海原「当然充電もされてないでしょうね」
526 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:01:40.80 ID:rM1GAvWz0
結標「通りで海原に電話が行くはずだわ…」

土御門「病院に行くか?」

結標「一方通行に任せましょ。こっちはやることが山積みですもの」

海原「早いところだとそろそろお店が開きますよ」

土御門「今週が勝負か…」

結標「今週と言わず今日よ」

海原「それくらいの勢いがあったほうがいいですね」

土御門「えっと…じゃあ特典のほうの話だが…」

海原「待ってください」

土御門「?」

海原「肝心のタイトルを聴いていません」

土御門「ああ…なるほど…あわきん」

結標「2ndシングルの名前は…"matchless"よ!」

海原「マッチ…レス…?」

土御門「ん?海原は英語出来なかったか?」

海原「い、いえ。意味は分かりますが…」

土御門「"matchless"…」

結標「意味は無敵…故にレベル6よ」パサッ

土御門「ん?」カサ

海原「な、なるほど…」
527 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:02:11.04 ID:rM1GAvWz0
『挑戦しよう』とするのも馬鹿馬鹿しいぐらいの

『戦おう』って思う事すら許さねェほどの

絶対的な強さ

レベル6-無敵-

土御門「なんで一方通行のこんな発言が記録に残っているんだ」ペラ

結標「この時の実験の相手をしてたミサカがちゃんが記録してたのよ」

結標「まあ記録ってよりは覚えていたっていうのが正しいかしら…」

海原「でもどうしてこのような発言の記録が…?」

結標「昨日私が出て行ったのはこのミサカちゃんに連絡を取るため」

土御門「ほう」

結標「そこで聴いたのよ。一方通行がレベル6について何か話してなかったかしら?って」

海原「なるほど。それでこの発言が…」

結標「PVでレベル5があれだけ集まったんだし…それに土御門が行ってた携帯のタイアップの…なんだっけ?」

土御門「集結っていうテーマか?」

結標「そうそう。そういう繋がりとかってさ…なんだかんだで無敵じゃない?」

土御門「…さあな」

結標「まあいいわ。それでその二つを掛け合って無敵っていうワードにたどり着いたのよ」

海原「自分はいい考えだと思いますよ」

土御門「サマになってるしな」

結標「当然」

土御門「じゃあ早速プロモーションに移るか…」

結標「あと特典とかね」

海原(ん…そういえば…)
528 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:02:39.72 ID:rM1GAvWz0
病院にて


麦野「ふぁ……ん?」

一方通行「…」

麦野「あら、来たの?」

一方通行「そりゃ来るだろォがよ」

麦野「まあ来なかったら来なかったでそれなりの目に合わせたけどね」

一方通行「ふン」

麦野「病室分かる?」

一方通行「変わってねェなら分かる」

麦野「じゃあ案内の必要は無いわね。早いとこ行ってちょうだい」

一方通行「…他の連中はどォした」

麦野「黒夜は病室に居たわね。他は売店にでも行ってるんじゃない?」

一方通行「そォか」スタスタ

麦野「私も売店に行こうかしら……ねえ、一方通行」

一方通行「あァ?」

麦野「もし治療の術が無いってなったらどうする?」

一方通行「……なンとしてでも治療の方法を探すだろォな」

麦野「実験の事、負い目でも感じてる?」

一方通行「どォだろォな…そうかもンねェし、そうじゃないかもしンねェ」

一方通行「ただ、俺のせいでこうなったのか、って考えるとどうもな」

麦野「冗談、あんたも被害者みたいなもんでしょ?」

一方通行「だとイイがな」スタ
529 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:03:12.57 ID:rM1GAvWz0
麦野「さて、気を取り直して売店に…あ?」

垣根「ハローハロー。朝から一方通行相手に説教か?」

麦野「何?あんたも来たわけ?」

垣根「達、な」

心理定規「おはよう」

麦野「あら…」

垣根「いやな、前に似たような症状の奴の治療を手伝ったことがあるし…それでなんか役に立つかなって思ってな」

麦野「あんた役に立つのかしら?」

垣根「それは知らねぇな」

麦野「はぁ…」

垣根「病室は上の階だな…行くぞ」

心理定規「エレベーター使いましょ」

麦野「待った」

垣根「ん?」

麦野「せっかくだから売店付き合いなさいよ」

垣根「はあ?」

麦野「一方通行が来たばっかりなのは分かるでしょ?時間空けてから行くとかそういうの無いわけ?」

垣根「…それもそうだな」

麦野「はいはい。売店はこっちよ」

心理定規「ねえ、さっきのハローハローって何?」

垣根「自作」
530 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:03:43.87 ID:rM1GAvWz0
カチャ

黒夜「ん…?」

パタン

黒夜「来たのか、兄ちゃん」

一方通行「その兄ちゃンってのはやめろ」

黒夜「じゃあなんて呼べばいい?」

一方通行「…好きに呼べ」

黒夜「へへっ」

一方通行「よォ、能力使えなくなったンだってな」

絹旗「あはっ…超知ってましたか」

一方通行「あァ」

絹旗「まあ、なんら変わりなく生活出来ますけどね」

一方通行「なンか…不自由な事とかあっか?欲しいもンがあるとか…」

絹旗「ちょっと…そういう聴き方はやめてくださいよ…なんか死ぬみたいじゃないですか…」

黒夜「そうだぞ。死ぬ病気じゃねぇんだから」

絹旗「病気ってわけでもないんですけど…」

一方通行「…」

冥土帰し「一方通行」

一方通行「いつから居た」

冥土帰し「たった今だ」

一方通行「電話で話そうとした内容、今話せ」

冥土帰し「外でいいかい?」

一方通行「チッ…」
531 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:04:15.15 ID:rM1GAvWz0
木山「おはよう一方通行くん」

一方通行「あンたも居たのか」

木山「ああ」

冥土帰し「えっと…じゃあ話の続きだけどね…」

一方通行「おォ」

冥土帰し「率直に言わせてもらうが…彼女の完璧な治療は現時点では出来ない」

一方通行「完璧な…か…どォいうトコが完璧じゃねェンだ?」

冥土帰し「今ある方法で治療をしても能力を使えるまでには回復しないということだ」

一方通行「今の時点っていうのはなンだ?」

冥土帰し「演算を補って治療するには脳の提供が必要だ。それも相応に優秀な脳が」

一方通行「…」

木山「この資料に詳しく書いてある。治療方法やそれについての情報が」スッ

一方通行「ン…」

冥土帰し「その脳の提供者が居ない、ということが現時点ではという意味だ」

一方通行「…」ペラ

冥土帰し「当然能力を諦めるという選択肢もあったが…なにより彼女が拒否したからね」

一方通行「拒否?」

冥土帰し「窒素装甲を…捨てたくないと」

木山「彼女なりの意思だ。理由は…まあ私には分からなくは無いが…」

冥土帰し「患者の希望だ。それを優先させようと思ってね、彼女には辛いかもしれないが長期の治療になるね?」

木山「脳波のコントロールと能力維持…それに脳そのものを安定させる治療が必要になる」

532 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:04:42.85 ID:rM1GAvWz0
一方通行「なァ」

冥土帰し「なんだね?」

一方通行「提供する脳っつゥのはどれほどのレベルのを要求すンだ?」

冥土帰し「普通の患者ならそれほどの物でなくてもいいんだが…なにしろ提供先が提供先だからね」

一方通行「だからどれくらいのを…」

冥土帰し「はっきり言うよ?」

一方通行「あァ」

冥土帰し「欲を言えば君レベル、またはそれに準ずる脳だ」

木山「例え君が脳を提供しても行き着く先は暗闇だ。間違い無く廃人に近い状態になる」

木山「絹旗くんも…それになにより奥さんが望まないだろう」

冥土帰し「その通りだ。今の君は家族とも言える環境の中に居る。友人だってそれなりに居るだろ?選ぶべき事じゃない」

一方通行「…」

冥土帰し「そうと決まれば早速治療のプロセスについて…」

一方通行「待て」

冥土帰し「なんだね?」

533 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:05:10.41 ID:rM1GAvWz0
一方通行「俺が脳を提供する」

冥土帰し「話しを聴いていなかったのかい?」

一方通行「脳を全部取るわけじゃねェだろ」

冥土帰し「その通りだが…」

一方通行「今だって妹達の協力を得て演算能力を補っているンだ。演算能力が低下しようが関係ねェ」

冥土帰し「何を言ってるんだね?今の状態を維持するのに結構な負荷がかかっているんだよ?」

冥土帰し「それを更に演算能力の低下した君のサポートをさせるというのは…」

一方通行「今の状態を維持する必要はねェ」

冥土帰し「…自分が何を言ってるか分かってるかい?」

一方通行「あァ」

冥土帰し「君の言ってる事を実行すると…君は確実に学園都市一位の座を降ろされるね」

木山「その通りだ。何もそこまでしなくても絹旗くんのこれから先の長い人生、別の方法が見つかるかもしれないんだぞ?」

木山「それを今焦って…」

一方通行「俺は一位を捨てる。そン代わり、絹旗に能力を取り戻させる。そォいうこった」
534 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:05:37.96 ID:rM1GAvWz0
一方通行「俺が脳を提供した後、それでも一位の座を維持しようしたから廃人の未来しかねェンだ」

一方通行「だったら話は簡単だ。俺が一位を諦めりゃイイ」

冥土帰し「今打ち止めを含む妹達は一位という存在に守られてるんだそれをよく考えるんだ」

一方通行「一位じゃねェ。一方通行という存在にだ」

冥土帰し「…もうレベル5では居られないということだぞ」

一方通行「あァ、もう決めた。いざという時には垣根にでも協力してもらうさ」

冥土帰し「…」

一方通行「考える時間がいるか?」

冥土帰し「何を言っても無駄みたいだね?」

一方通行「あァ。拒否なンざしたら無理矢理にでも執り行う」

冥土帰し「何もかも、今まで通りにはいかなくなるぞ」

一方通行「俺にはお似合いじゃねェか。そっから這い上がってやるよ」

木山「…」

冥土帰し「着いて来たまえ」

一方通行「…」

「いざという時の協力なんかはごめんだな」
535 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:06:38.53 ID:rM1GAvWz0
一方通行「垣根…」

冥土帰し「次は君達か」

垣根「どういう治療かと思えば…それしか方法がねぇのかよ?」

冥土帰し「そういうわけではないが彼の意思を尊重した結果だ」

垣根「そうかそうか…それで一位から退くってワケか」

一方通行「そォだこれで晴れてオマエが一位だ」

垣根「おこぼれの一位の座なんていらねぇんだよなぁ」

一方通行「まァそういう事だ。止めてくれンな」

心理定規「あなたが一位じゃなくなる事でどれほどの影響が出るのかしら」

一方通行「知らねェな。だが…そンくらいの始末は自分でつけるつもりだ」

垣根「その資料、貸せ」パシ

一方通行「ある種のけじめってヤツだな」

麦野「はぁ…そんな事で絹旗は手を挙げて喜べるのかしら…」

一方通行「さァな…この際仕方ねェだろ」

垣根「…へぇ」ペラ

心理定規「ちょっと…まさか変な事考えてないでしょうね…」

麦野「?」

536 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:07:04.96 ID:rM1GAvWz0
垣根「おい、冥土帰し」

冥土帰し「なんだね?」

垣根「この脳を提供するってヤツだが…一方通行以外の奴が提供するとなるとどうなんだ?」

冥土帰し「脳の提供で一方通行が一部で済んでるのは実験由来のものだ。被験者により近いからね…」

冥土帰し「他の関係の無い人物から提供となると人生を諦めるのと同等だね」

垣根「なるほど、五月計画絡みか…関係無い奴よりは一方通行の方が適合性が高いワケだな」

冥土帰し「そうだ」

垣根「ふふん」

心理定規「ちょっと…あなたまさか…」

垣根「ああ」

一方通行「オイ、さっきからなンだってンだ」

垣根「よく聴け一方通行」

一方通行「あ?」

垣根「俺が提供者になってやるよ」

冥土帰し「確かに君なら一方通行と比べて遜色ないが…」

木山「話を聴いてたのならまず出る言葉じゃないぞ。君の人生はそこで終わりなんだぞ?」

一方通行「その通りだ。テメェの出る幕じゃねェ」
537 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:07:40.89 ID:rM1GAvWz0
垣根「はっ、一度死んで復活した身だ。今更未練もねぇよ」

心理定規「ちょっと!本気で言ってるの!?」

垣根「ああ」

心理定規「一方通行が一人で解決するって言ってるのにあなが出る必要はあるの!?」

麦野「ちょ、ちょっと…そういう言い方は…どうなのよ…」

一方通行「心理定規の言う通りだな。オマエには心理定規が居ンだろ、命を捨てる状況でもねェだろ」

垣根「一方通行」

一方通行「なンだ」

垣根「誰も人の人生なんざ背負うことは出来ねぇ」

一方通行「今のオマエが言う事じゃねェぞ」

垣根「背負えねぇ…だから俺が背負って死ぬ」

一方通行「言っても分かンねェみてェだな…!」カチ

垣根「うるせぇ!」ゴバッ

一方通行「ぐォ…ァ?」ドカッ

冥土帰し「あーあー廊下で…」

麦野「一方通行が正攻法で吹っ飛ぶ所始めて見たわ…」

538 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:08:07.39 ID:rM1GAvWz0
垣根「アイツが復活する前に話を進めんぞ」

心理定規「ちょっと!私の話も聴きなさいよ!」

垣根「さっき言った通り俺の脳を使え。俺の事は一切気にしなくていい」

心理定規「ねえ!私がどれほどの思いで…!」

垣根「悪いな心理定規。俺の最大のワガママだ、受け入れてくれ」

心理定規「引かないわよ」

垣根「俺も引く気は無いな」

冥土帰し「…」

木山「先生…」

垣根「早くしてくれ」

冥土帰し「はぁ…付いて来たまえ」

木山「ちょっと…!」

垣根「おう」

心理定規「待ちなさい!まだ話は終わってないわよ!」

垣根「麦野」

麦野「心理定規…」

心理定規「離して!」

麦野「ごめん、離しちゃいけない気がするの」

垣根「離すんじゃねぇぞ。離したら後悔させてやるからな…!」
539 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:08:35.75 ID:rM1GAvWz0
冥土帰し「治療や術後経過で三日は貰うよ?」

垣根「あんま関係無いけどな」

心理定規「垣根帝督!!」

垣根「安心しろ、俺は不死身だからな」

心理定規「そう言うことじゃないでしょ!私はまだ…」

冥土帰し「麦野くん。治療費の請求は三日後だと結標くんに伝えてくれたまえ。木山くんは絹旗くんを…」

木山「はい…」

麦野「…分かったわ」

心理定規「あんたもなんか言いなさいよ!このカエル!」

冥土帰し「僕は医者だ。患者を救うためには手段をいとわない。それに…彼たっての希望だ、無碍にする訳にはいかない」

垣根「そういう事だ。悪いな」

心理定規「悪いと思ってるなら今すぐやめなさいよ!」

麦野「心理定規、少し落ち着きなさいよ」

心理定規「落ち着いてられるわけないじゃない!」

垣根「そりゃそうだ」

冥土帰し「本当にいいのかい?」

垣根「ああ」

垣根「…またな、心理定規」カチャ
540 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:09:02.89 ID:rM1GAvWz0
心理定規「ああ…あ…」グタッ

麦野「心理定規…」

一方通行「クソが…何が不死身だ…」

麦野「あら、気失ってなかったの?」

一方通行「一度喰らった攻撃だ…こうなったら意地でも止めてやる」

麦野「無駄よ」

一方通行「あァ?」

麦野「当然の如くジャマーがあるから」

一方通行「…なら絹旗の方を」

麦野「とっくに運ばれてるわよ。病室から直通で行けるのよ」

一方通行「クソが…!」

心理定規「…私…帰るわ…」

麦野「一人で大丈夫…って聴くまでも無いわね。送るわ」

心理定規「いいわ…一人で大丈夫よ…やることもあるし…」フラ

麦野「…」

心理定規「じゃあね…二人共…」

一方通行「心理定規…」

心理定規「ごめんなさい…今は聴きたく無いわ…」

一方通行「…」
541 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:09:32.01 ID:rM1GAvWz0
十数時間後


海原「さて、そろそろ日付が変わろうとしてますが…」

結標「…」

海原「土御門さん、本日の売り上げ枚数の調査わ終わりましたか?」

土御門「待て…今計算を…」

海原「売り出しから三日以内で20万枚越えたら社長が特大のボーナスを支給すると言ってましたからね」

土御門「…」

海原「勝負所ですよ?期待の新人ということでかなりひいきにされてますからね…これもひとえにあわきんさんのおかげです」

結標「早く出ないの?」

土御門「待て…もう少し…」

海原「そういえば朝方に思いだしたことなんですけど」

結標「?」

海原「社長からPVに出演した人物をランダムにラバーストラップにして付属させるのはどうかとお声掛けがありまして…」

結標「2ndの話?」

海原「ええ」

結標「ラバーストラップねぇ…」

海原「デフォルメされていてなかなか可愛らしいものですが…」

結標「悪く無いわね」

海原「ですよね」
542 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:10:11.72 ID:rM1GAvWz0
土御門「…よし、出たぞ」

海原「おや」

結標「見せなさいよ」

土御門「あ、まだ…」

海原「ん…まだ計算途中ですか?」

土御門「これを全部合計して枚数が出る」

結標「なんで計算しないのよ」

土御門「記念すべき第一作、皆で確かめたいだろ」

結標「早く数時を出す」

土御門「にゃー、雰囲気が台無しだぜい」

海原「仕方ありません。早急に治療費が作れるかの瀬戸際ですから」

土御門「まあ、計算しなくても結果は見えてるんだが…」

海原「?」

土御門「見てろ」パチパチ

海原「…む」

結標「これは…」

土御門「ほら見ろ」

海原「いやはやこれは…」

結標「良かった、27万枚なら目標達成ね」

土御門「さっそく社長に報告してくるぜい」

海原「良かったですね」

結標「ええ」
543 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:10:45.40 ID:rM1GAvWz0
海原「初日27万枚!、これは大きな記録ですよ。ほぼ新人のあなたがこれほどの売り上げを一日で記録する…大したものです」

結標「なんかうまくいきすぎてるような…」

海原「ですが…結果は結果です。誇ってください」

結標「うん」

海原「そうだ…ジャケットの話なんですが…」

結標「?」

海原「一方通行さん達も起用しようという話があるんですが」

結標「達っていうのは他の皆も使うって事?」

海原「はい。垣根さん、御坂さん、麦野さん、食蜂さん、削板さん…彼等を起用して撮影を…」

結標「まあいいんじゃない?っていうかジャケットなんて私が考えることじゃないからそっちが決めていいわよ」

海原「いえ、念のために」

結標「ま、なんでもいいわ…」ガタッ

海原「お帰りですか?」

結標「ええ。問題無いわよね?」

海原「はい、特には」

結標「土御門には適当に言っておいてちょうだい」

海原「分かりました」

結標「お疲れ様」

海原「お疲れ様です」
544 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:11:12.82 ID:rM1GAvWz0
土御門「ふぅー…」カチャ

海原「ご苦労様です」

土御門「おう…ん?帰ったのか?」

海原「ええ。帰して大丈夫でしたよね?」

土御門「ああ、別に問題は無い」

海原「それよりどうでした?」

土御門「しっかりと出してくれるらしいぜい?明日辺りにでも振り込んでくれるらしい」

海原「それは何よりです」

土御門「それより社長にこんなものを渡されたんだが…」パサ

海原「ああ…」

土御門「ラバーストラップ…ねぇ?」

海原「お先に話だけ伺っています。PVの登場人物をデフォルメし、ストラップに」

土御門「それはいいんだがランダム封入というのがな…」

海原「それが何か?」

土御門「売り上げ促進のためにランダム封入という仕様は分からんでもないんだが…」

海原「それが気に入りませんか?」

土御門「少しな…全部セットで予約特典でもいいような…」

海原「ふむ…では自分からお話しをしておきましょう」

土御門「いいのか?」

海原「ええ」

土御門「じゃあ頼んだ」

海原「そのように」
545 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:11:46.93 ID:rM1GAvWz0
旧スクール・アジトにて


心理定規「…」

心理定規「帝督…」

心理定規「本当に勝手な人…」

心理定規「あなたのために私がどれほど…」

心理定規「全部水の泡よ…」

心理定規「これから頑張らなきゃ…」

心理定規「今まで以上に…」

心理定規「もっと…もっと…」

心理定規「…」

心理定規「もう…寝なきゃ…」
546 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:12:13.98 ID:rM1GAvWz0
カチャ

芳川「あら、おかえり。ずいぶんと遅かったわね」

結標「ただいま、ちょっと長引いてね」

芳川「あまり根詰めないのよ?」

結標「ええ…一方通行は?」

芳川「部屋に居るわ。寝てるかどうかは分からないけどね」

結標「そう…充電充電っと…」カチ

芳川「なんか様子がおかしかったけど…」

結標「おかしかった?」

芳川「今日出掛けてたみたいだけど何かあったのかしら?」

結標「出掛けてた…」

芳川「聴いてもなんでもないとしか言わないのよね」

結標「うーん…」

piririririri

結標「電話…もしもし?」
547 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:12:41.40 ID:rM1GAvWz0
『やっと出たわね』

結標「麦野?」

『ずっと電源切られてるんだもの。どうしようかと思ったわ』

結標「ごめんなさい。途中で電池が切れちゃって…」

『まあ…いいわ』

結標「もしかして…今日何かあった?」

『どうしてそう思うの?』

結標「一方通行が帰って来てから様子がおかしかったみたいなのよ」

『うーん…何かあったと言えばあったわね。私が言うような事じゃないから後で直接聴いてみなよ』

結標「そうするわ」

『あ、後ね』

結標「ん?」

『治療費の支払いだっけ?それは三日後で頼むって』

結標「分かった。確かに聴いたわ」

『そういうこと。とりあえずそれだけだから』

結標「うん」

『じゃあね』プツッ

548 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:13:24.53 ID:rM1GAvWz0
芳川「お友達?」

結標「ええ」

芳川「そう」

結標「そろそろ部屋に戻るわ」

芳川「おやすみなさい」

結標「あんまり遅くまで起きてないことね」

芳川「ええ、ほどほどにしとくわ」

結標「おやすみ」カチャ

パタン

芳川「なんでもないって言う時は大概何かあるのよね…」

芳川「なんでも自分で解決しようとする悪い癖がここに来て発揮されるなんてね」

芳川「人に頼らないというのも結構だけど自分で悩んでても仕方ないわよ」

芳川「直接言ってあげたいけど…おおきなお世話かしら?」

カチャ

黄泉川「ん…まだ起きてたじゃんか桔梗」

芳川「そろそろ寝るわよ。さっき怒られちゃったからね」

黄泉川「?」
549 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:14:24.30 ID:rM1GAvWz0
結標「一方通行」

一方通行「帰ってきたか」

結標「寝るわけでも、何かするわけでもなく…ただただベッドに横になってて楽しい?」

一方通行「まァ普通だな」

結標「さっき麦野からちょっとだけ聴いたんだけど今日何かあったの?」

一方通行「まァ色々とな」

結標「聴いてもいいかしら?」

一方通行「もとより聴くつもりだったンだろ?」

結標「そりゃあね」

一方通行「俺は今日、治療のために脳の一部を絹旗に提供するつもりだった」

結標「…初耳ね」

一方通行「今日成り行きで決めた。決めた…はずだった…」

結標「…」

一方通行「だがよォ…その事に垣根が突っかかってきやがってよォ、自分の脳を提供するって言い出したンだわ」

一方通行「俺の脳だったら俺の能力者としての地位が下がるだけだってのに…アイツはわざわざ人生を投げてまで提供するって…」

一方通行「ったく…どォしたらいいのかねェ?こォいう時は…心理定規にどンな顔して会えってンだ…それに垣根にだってよォ…」

結標「そう…そんなことが…」

一方通行「過ぎたことだから今更何を言おうが関係はねェがどうも気分がな…」

一方通行「垣根を黙らせることが出来たンじゃねェかって思うとどうもなァ」

結標「一方通行…」
550 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/09(火) 23:16:51.44 ID:rM1GAvWz0
はい、本日はここまでです。

そろそろこの話題も終わりが見えてきました。
次は宣言通り佐天さんを主人公で一本…

ではまた近いうちに来ます。
また会いましょう。
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/10(水) 19:38:18.08 ID:pdglAE170
うん、話の流れが単調で抑揚がない、展開は悪くないが惹きつけられない、正直に言うとつまらない
たぶんこのスレの反応の少なさがそれを証明していると思う

暗闇の五月計画の後遺症からの流れも上記の評価に絡むが、なにより逐一展開に絡む佐天の存在が不要
アニメ準拠キャラクター性は、個人とても使いやすいのかもしれんが、
言い換えれば使えば使うほど割込負荷がかかって読者には不快感が残るキャラクターということ

全部読みもせずに批判をするのは大変失礼だと思ったので
過去ログ含め一気に全部読んだ、が、俺はここまでで読むのを断念させて貰う
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/08/10(水) 19:51:21.18 ID:EuuZkIrno


楽しんで読んでる人もいるから
変なのが沸いてもやりたいように書いてくれ
553 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/08/10(水) 23:28:28.62 ID:ziA0UTX70
>>551
評価の方、ありがとうございます。
アニメ準拠、という部分ですが仰っている通りですね。
原作由来のキャラよりもアニメや漫画で動いてるほうがイメージを付かせやすい、という考えもあってのことですね。

さて、こういう言葉を頂くとウケる話を作る、ということが如何に難しいかを実感できます。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
この文面を読まれるかどうかは分かりませんが次回、こういう場で私の作品を読まれる時があったなら少しばかり成長してるかと思います。
その際はよろしくお願い致します。
554 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/10(水) 23:52:58.98 ID:ziA0UTX70
さて、続きのお話の時間は現状進行している場面から三日後、という設定になります。

いきなり三日後と飛ばすのもアレなので非常に短いですが一個のつなぎのお話を書きます。
ちなみに…バードウェイ出します。出番はおそらくこれだけなのでお付き合いください。
555 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/10(水) 23:53:35.06 ID:ziA0UTX70
翌日

御坂「というわけなのよー」

上条「はぁ…」

白井「さすがのあなたでも理解は出来たと思いますが…」

上条「いや…分かりましたよ?分かりましたとも…」

白井「いざこちらから仕掛けるとしても相手は仮にも第二位…かの一方通行さんに迫るとも劣らない存在…」

白井「能力を使われるとこちらの不利は目に見えてますの」

上条「だから俺を使って能力への対抗策をってわけか…」

白井「はい。あなたの…その…なんですの?…イソジンブレイカー…とやらで」

上条「イマジンブレイカーです…」

白井「とにかく、それを用意したほうがいいと木原さんが言ったので」

上条「木…原?誰だそれは?」

御坂「披露宴の時に居たコワモテのオッサンなんだけど…覚えてる?」

上条「うーん…思い出せないな…顔見れば分かるかもしんないけど」

御坂「顔に刺青してる…ってどうせ近いうちに会うだろうし別にいいか」

上条「あ、もう協力する前提なんですね」

御坂「当たり前じゃない!私なんてアイツに…!………な、なんでもないわ」

上条「?」

御坂「なんでもないって!」

上条「はあ…?」

白井「ではご協力お願いしますの」
556 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/10(水) 23:54:04.39 ID:ziA0UTX70
上条「待ってくれ、結局俺は垣根をどうしたらいいんだよ?」

白井「ですから、色々な方達のお力を借りて、垣根帝督を真人間にする。これだけですの」

上条「真人間って…結構普通の奴とは思うけどなぁ…いや、でもす巻きにされたことあるし…うーん」

白井「そもそも、垣根帝督に太刀打ち出来るような方を必要としてますので拒否権は無いと思ってくださいまし」

上条「うーん…気が乗らないな…」

ガンガンガン!

上条「う…この強烈なノックは…」

御坂「お客さん?気にしないで出ていいわよ?」

上条「私的には出たくないんですが…」

「おい!居ないのか!?」

白井「あら、女性の方でしょうか?」

「居るんだろう?気配で分かるぞ」

カチャン

上条「か、鍵が勝手に…」

「居るじゃないか…靴が二つ、三つ…」キュゥゥン

上条「二人共俺の後ろに!」

御坂「へ?」

白井「は?」
557 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/10(水) 23:54:37.59 ID:ziA0UTX70
ドッバァァ!

御坂「み、水!?」

上条「ああーっ、やっぱり!」

パキィイン!

「居留守なんてするからだ」

上条「バードウェイ…危なく水浸しになるとこだったぞ…」

バードウェイ「居留守をするお前が悪い」

上条「別に居留守をしたわけじゃ…」

白井「なぜ急に水が…」

御坂「なになに!?水流操作系の能力者!?」

上条「いや…能力者ってわけじゃ…」

バードウェイ「む…客人が居たか」

上条「居たかって…さっき思いっきり靴の確認してたじゃないか」

バードウェイ「レイヴィニア=バードウェイ、能力者という見方で構わない」

御坂「え?…ああ…御坂美琴よ、よろしくね」

白井「白井黒子ですの」

上条(…そうだ)

バードウェイ「しかし…お前は禁書目録を置いておきながら二人の女と関係を持つとは…」

白井「あら、それは大きな間違いですの」

バードウェイ「そうか、別に格段興味を抱いたわけでもないから詳しくは話さなくていい」

上条「なあ、バードウェイ」

バードウェイ「なんだ」

上条「何しに来たんだ?」
558 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/10(水) 23:55:02.65 ID:ziA0UTX70
バードウェイ「妹にジャパニーズヤツハシを買って来てくれと言われてな、どこで売ってるのか分からないからお前を訪ねたんだ」

白井「八橋?」

御坂「八橋なら京都じゃないの?」

バードウェイ「キョウト?」

御坂「えーと…ジャパニーズ…でいいのかしら?あー…」

上条「なあ!バードウェイ!」

バードウェイ「…なんだ」

上条「協力してほしいことがあるんだが」

バードウェイ「はあ…なんで私がお前の頼みなんかを…」

上条「八橋、俺が準備してやるよ」

バードウェイ「ほう、ちょうどいい。とりあえず用件だけ聴こうか」

上条「俺の知り合いを真人間にする手伝いをしてほしいんだ」

バードウェイ「知り合い?」

上条「そうそう」

白井「まっ、他人を巻き込むだなんて…」

上条「…」

バードウェイ「で?それが?」

上条「ああ、ちょっとだけ説明するから聴いてくれ」

バードウェイ「手短に、な」

559 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/10(水) 23:55:29.18 ID:ziA0UTX70
バードウェイ「なるほど…横柄な態度をとる第二位か」

上条「その覚え方でいいか」

バードウェイ「そして更にお前の代わりに第二位の対抗手段となれ、と…」

上条「うんうん」

バードウェイ「少し目を離した隙に大した面倒臭がりになったもんだ。私に頼むなんて…」

上条「面倒っていうか個人的に相手にしたくないっていうか…」

バードウェイ「ふん、何かされて畏怖の対象として見てるのか?臆病者め」

上条「いや普段良くしてもらってるからあんまり過激な事はしたくないんだよ」

バードウェイ「まあ第二位の相手は出来ないが手段だけでもメモして渡しておこう」サッサッ

御坂「ていうか…こんな子が垣根とまともに戦えるの?」

上条「バードウェイは強いぞ」

バードウェイ「こんな子とは失礼な。見たところお前は私とそんなに年が変わらないだろう?」

御坂「え?アンタ何歳なの…?」

バードウェイ「ほら」カサ

上条「おう悪いな」

バードウェイ「また後日来る。ヤツハシはその時にでも用意しといてくれ」タッ

上条「え?」

ガチャ

白井「まあ、結果として貴方が垣根帝督の対抗手段ということですの」

上条「はは…」

白井「では準備に取り掛かりましょう、お姉さま」

御坂「はいはーい」
560 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/10(水) 23:57:16.49 ID:ziA0UTX70
お疲れさまでした。

では次回の更新はもう少し気を使いながらいきたいと思います。
ちょっと真剣な雰囲気で物語を進行させるとどうも…

ではまた会いましょう。
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/11(木) 00:01:56.78 ID:toFZHLfAO

続きがきになるのう
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/11(木) 00:07:59.39 ID:oS7CtnVZo
>>553
>>551はコピペ改変だから無視しときな
563 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/08/11(木) 00:17:16.98 ID:39M4WnLAO
>>562
あ…これ改変なんですか…
なんか…なんとも言えない気分ですね
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/08/11(木) 00:52:38.51 ID:ybaYqvluo
乙!

話の進め方次第では風紀委員サイドがKYになるな……
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/11(木) 01:54:11.93 ID:8qW3FNUuo
このコピペ知らなかったな

黙れとかレスしなくてよかった
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/11(木) 06:18:29.20 ID:t4msj55M0
>>563
改変なんかじゃない、俺の本気の素直な感想と受け取って欲しい
全部読んだことも事実、嘘はない、俺の文章は崩れていたけど>>553を見て伝わったと思ってる
折角真摯に答えて貰えたのに茶々が入っておかしな気分にさせてしまったことがとても残念
普段なら返答を見てスレをそのまま閉じるけれど、誤解を解かないと不快感だけが残ると思い投稿します

>>553
必ず返事を返してくれると思った、耳を傾けてくれてとても嬉しい、本当にありがとうございます
次回作に期待、次もまた必ず一度は全て真剣に読む、絶対に読むから

>>562
お前のことだけは絶対に許さない
他レスみたいに俺のことを直接批難するのはいい、分かってて書いているから
けれど>>551を読んで>>553を書いた筆者の真摯な気持ちをこの投稿までの間だけでも完全に無駄したこと
絶対許さない
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/11(木) 16:24:55.44 ID:gP5SvOQi0
北海道の言い方はあれだけど的外れな意見ではないと思う
無視しろだの黙れとか煽るなよ掲示板で長文書いてる奴の性格考えろ荒らされても知らんぞ

まあ反応の少なさが証明、読むのを断念するこの2つは余計だと思うけどな
そして北海道も許さないとか喧嘩売るな
568 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:25:36.54 ID:8HGxsXl00
こんばんは。とりあえずキリのいいところまで投下します。

>>564さんが危惧なさっている風紀委員KY化ですが…
これからの風紀委員の行動が吉と出るか凶と出るか…今回の投稿で明らかになります。
ではよろしくお願いします。
569 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:26:13.79 ID:8HGxsXl00
当日・病院にて


結標「えーと…支払いはどうすればいいのかしら…」

一方通行「悪ィな。支払いなンか任せちまってよ」

結標「そんな事言うくらいなら少しはシャキッとしなさい」

一方通行「ハッ」

結標「とりあえず冥土帰しに会わないとダメなのかしら…?」

麦野「結標」

結標「あら」

麦野「CD、届いたわ」

結標「無事に届いたみたいで何よりだわ」

麦野「改めて見るとこっぱずかしいけどね、はは」

結標「そんなもんよ」

一方通行「オマエ一人か?」

麦野「そうよ。黒夜以外の連中は今日退院だ、って祝う準備してるわ」

一方通行「垣根の事は言ってないのか?」

麦野「あんな込み入ったような話出来るわけないじゃない。適当にごまかして話したわよ」

結標「そういえば心理定規の事なんだけど…」

麦野「ああ…どうしたものかしらね?」

570 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:26:42.17 ID:8HGxsXl00
一方通行「頭でもなンでも俺が下げる」

麦野「元は垣根の独断なんだからあんまり背負う事も無いと思うけどね」

一方通行「そォいうわけにはいかねェよ。とりあえず病院には来てるハズだ、心理定規を探して…」

黒夜「心理定規ならもう居ねぇぞ」

一方通行「黒夜、オマエずっと病院に居たのか?」

黒夜「うん」

結標「それよりもう居ないってのは?」

黒夜「早い時間に来て垣根を持って行った」

麦野「ちょっと待ってよ…それって死体持ってったって事?」

黒夜「多分な」

麦野「うげ…ミイラにでもする気か?」

一方通行「前科はある…考えたくはねェな」

結標「じゃあ絹旗の治療は終わったのかしら?」

黒夜「終わってピンピンしてるよ。今は簡単な能力使用のテスト中」

一方通行「とりあえず顔合わせだ。案内しろ黒夜」

黒夜「オッケー」
571 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:27:11.47 ID:8HGxsXl00
冥土帰し「出力、持続力に問題無し…自分でここがおかしい、という部分はあるかい?」

絹旗「超大丈夫です。問題ありません」

冥土帰し「チェック…と」

「先生」

冥土帰し「どうかしたかい?」

「患者さんのご友人がお見えに…」

冥土帰し「来たね。通してくれ」

絹旗「麦野達でしょうか?」

冥土帰し「家族とも言える人も来てるはずだね?」

絹旗「家族…んふっ」

冥土帰し「うんうん」

麦野「来たわよー絹旗」

絹旗「あれ?絹旗だけです…か?」

麦野「アイテムは、ね」

結標「ちゃんと私達も居るわよ」

一方通行「…」

黒夜「おい、入口に立つなって。入れないだろ」

絹旗「おおー」
572 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:27:40.12 ID:8HGxsXl00
冥土帰し「さて…」

結標「先に支払いいいかしら?」

冥土帰し「ん?会話はいいのかい?」

結標「一方通行に」

冥土帰し「なるほど。じゃあこっちに…」

一方通行「体調は万全みてェだな」

絹旗「それはもう。それどころか超自分が変わった気すらもしますよ」

一方通行「超変わった、ってかァ?」

麦野「いやね。口癖じゃないの」

一方通行「ハハッ」

絹旗「こう…なんていうんですか?初対面の人相手に超フレンドリーに接する事が出来るような…」

黒夜「そうそう。治療終わった途端に色々な奴に話しかけんだよ」

絹旗「誰にでも超軽いってのは垣根みたいで少々嫌ですけどね。なんか人と接していたいんですよ」

一方通行「は…はハ…」

麦野「話しといた方がいいんじゃない?」

一方通行「だな」

絹旗「?」
573 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:28:05.92 ID:8HGxsXl00
一方通行「絹旗よく聴け」

絹旗「はい?」

一方通行「オマエの脳の治療は垣根が脳を提供したおかげで成功した」

絹旗「知っています。一方通行が地位を超投げてまで脳を提供しようとしたことも」

一方通行「まァ、冥土帰しも隠しはしねェわな」

絹旗「変わった影響も垣根によるものだと聴いています」

一方通行「みてェだな」

黒夜「なんだよ、どんな話だよ」

麦野「黙って聴いてなさい。多分分かるから」

絹旗「垣根は単に人との関係を超多く作りたかったのかもしれませんね」

一方通行「急になンだ?」

絹旗「今ここに居ない垣根の事を考えるとそう思えて仕方ないんです」

一方通行「…」

絹旗「私も長い間超一人だったから分かるんです。垣根も超一人だったと」

絹旗「今思うと垣根の様々な破天荒な行動は目立って人を自分に寄せようとする意味があったのでは、と。そう思えて仕方ないんです」

一方通行「…ま、居ないなら居ないで静かだわな」

絹旗「寂しい、とまではいきませんが…少々物足りないような気もします」

黒夜「???」

麦野「いい話ね…」
574 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:28:46.67 ID:8HGxsXl00
絹旗「まあ、私が変わったという痕跡は第二位の遺産という形でありがたく…」

麦野「あ、そういえば順位は昇格するのかしら?だとすると私は三位になるのかしら?」

一方通行「垣根…」

麦野「やだ、てことは超電磁砲が第二位になるの?」

絹旗「せっかくだから未元物質なんかも形見で残してくれたら嬉しかったんですが…」

垣根「人を勝手に[ピーーー]んじゃねぇ」

麦野「ん?」

絹旗「ん…なんでしょうか…脳が見せてる幻覚でしょうか…」ゴシゴシ

一方通行「虚数学区か?風斬みてェになっちまったのか…」

垣根「残念だが正真正銘の垣根帝督だ」

麦野「へぇー。良くできた立体映像ね」ジュッ

垣根「おい!ギャグでも狙うんじゃねぇ!」

麦野「やだ、本物臭いわね…」

絹旗「ふーん…幻覚じゃないですか?何者かが一斉に私達の脳波を超狂わせて…」

垣根「認めろ。俺だ」
575 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:29:12.64 ID:8HGxsXl00
一方通行「仮に認めた所でワケが分からねェな」

垣根「何がだ?」

一方通行「関係者以外からの脳の提供は死と同様、死んだも同然と思ってたが…」

垣根「ふふん」

一方通行「そォいや生き返るのはこれで二回目だな。前は深く追求しなかったが…」

麦野「最初死んだ時は脳がクリスマスケーキ状態だったわよ」

一方通行「また脳か…いや案外そォいうもンかもしんねェな」

麦野「はぁ?」

一方通行「脳が無ければ生きられないという…常識」

垣根「一方通行、俺は不死身だとも言ったはずだ」

一方通行「あァ?ますます分かンねェぞ?」

垣根「さすがの第一位でも気付かないか?黒夜は分かると思うぜ?」ナデナデ

黒夜「頭撫でんな」

一方通行「黒夜…まさかオマエ…」

垣根「へへっ」

一方通行「サイボーグか?」

垣根「そうだ。俺は超最新技術の結晶だ」

黒夜「へぇ、新時代のサイボーグか…」ムニ

垣根「ほう、はいほほふ…ひゃにゃせ」

黒夜「感触はマジもんだな。私より上の型のサイボーグだな」

一方通行「それはどれぐらいすげェンだ?」
576 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:29:40.63 ID:8HGxsXl00
黒夜「ずっとサイボーグだったのか?」

垣根「最初の復活からサイボーグだ」

黒夜「兄ちゃん仕事かなんかで家を空けてたろ?」

一方通行「常盤台ン時か」

黒夜「その時にコイツが病院に行ったりしたか?」

一方通行「イヤ、知ってる限りではねェな」

黒夜「私みたいな型だと調整って形で病院とかに世話になる必要がある。つまりそれが無いってことは、だ」

一方通行「サイボーグってよりは人間って言った方がイイのか?」

垣根「ちなみに俺に調整は必要ねぇ」

黒夜「ま、サイボーグってんなら疑問も解決じゃねぇの?」

一方通行「イヤ、一つだけある」

垣根「脳か」

一方通行「そォだ。身体は用意出来ても脳は用意出来ねェはずだ。どうなってやがる」

垣根「演算部分を提供した俺は完全に機能を停止した。それと同時に能力者としてのレベルも2までに低下した」

一方通行「息の根が止まってンのにレベルの話が出てくンのか?」

麦野「ちょっと待ってよ。まさかそこから再びレベル5になって脳を再構築したとか意味不明な事言うんじゃないでしょうね?」

絹旗「あのー、私も居ますよ?おーい」

黒夜「私も居るぜ」
577 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:30:16.77 ID:8HGxsXl00
垣根「俺と一方通行の能力の応用性は常軌を逸している」

麦野「ちょっと待ってよ…それってシャレにならないわよ…」

垣根「更に言えばかなりの可能性がある」

一方通行「…」

麦野「まさか本当に…」

垣根「俺は自分の能力で脳をコントロールしている」

麦野「うわ…」

垣根「使い方次第とはよく言ったもんだ。脳の電気信号とか以前に能力を使うことで更なる可能性が…」

一方通行「垣根、もォイイ。それ以上は聴いても無駄だ」

垣根「ん、そうか?あと一個だけ欠点があってな…」

一方通行「能力か?サイボーグか?」

垣根「サイボーグだ。実はコレ…」

心理定規「もの凄くお金がかかるのよ…!」

麦野「心理定規!」

心理定規「一回復活させるのに第二位の貯蓄が底を付くのよ…しかもそれでも足りず…」

垣根「はは」

心理定規「笑い事じゃないわ!仕方なくローンを組んで支払うために私が働いて…やっと軌道に乗ったと思ったら…!!」

垣根「二回目の復活ってわけですよ」

心理定規「私はあなたがドナーになるって言った瞬間凍り付いたわ!これから先、あなたの身体のためにお金を稼ぎ続けると思ってね!」

麦野「そうか…だからあんな取り乱し方したのか…」

心理定規「でもさっき一方通行のためにって言い訳を聴いた時は笑っちゃったわ」

垣根「言い訳じゃねぇな」

心理定規「第一位の座を維持した一方通行を下してこそ大金が転がりこむってヤツ!?あなたはそれまでに何回死ぬのかしら!?」

垣根「おちおち死んでられねぇな」

心理定規「だったら働け!」
578 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:30:45.27 ID:8HGxsXl00
心理定規「はぁ…はぁ…」

垣根「お疲れさん」

心理定規「決めたわ」

垣根「は?」

心理定規「近い内楽しみにしてなさい」

垣根「なんかあんのか?」

心理定規「飛びっきりの出来事が待ってるわ」

垣根「楽しみにしてるよ」

心理定規「じゃあ私行くわ…今日仕事なの…」

垣根「おう、頑張れよ」

心理定規「ったく…」

結標「あら」

心理定規「淡希…」

結標「冥土帰しから聴いたわ。頑張ってたのね…」

心理定規「それはもう、ね」

結標「仕事?」

心理定規「ええ」

結標「頑張って。応援してるわ」

心理定規「ありがとう。じゃあまたね」

結標「うん」

絹旗「あ、それババです」

黒夜「ああー!?」
579 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:31:18.52 ID:8HGxsXl00
垣根「…」

一方通行「…」

麦野「…」

結標「…」

一方通行「ハッ、馬鹿らしい。帰ンぞ」

結標「もういいの?」

一方通行「こうなってはなンもねェよ」

垣根「おいおい。帰るのかよ?」

一方通行「オマエと違ってやる事があンだよ」

垣根「ヤることだと?帰って早々に子作りでもする気か?」

一方通行「?…何言ってンだ?」

垣根「おいおい、マジかよ。あれだけ朝方まで励んでたくせになんも知らないフリしやがってよぉ…」

結標「朝方?」

一方通行「ン…?マジで何言ってやがる」

垣根「あくまでシラを切るつもりか?あ?」

一方通行「はァ?」

垣根「俺は覚えてる。初夜明けの朝方、窓からお前を訪ねようとした…」

結標「窓…」

一方通行「初夜明け…?」
580 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:31:45.07 ID:8HGxsXl00
垣根「ほのかな明かりの中…カーテン越しから聞こえる結標の喘ぎ声とも呼べる声…」

一方通行「朝方、朝方…」

結標「あ」

垣根「ほら見ろ」

結標「それマッサージ」

垣根「ふん、そんなギャグみたいな展開には騙されねぇぞ」

結標「一方通行」

一方通行「?」

結標「同じように能力使ってマッサージしてやって」

一方通行「垣根にか?」

結標「垣根の声は聴きたくないわ…だからあそこでババ抜きしてる二人で」

一方通行「…ふン」

結標「見てなさい」

垣根「え?」

一方通行「…」カチ

結標「凄いわよ。多分納得してくれるわ」

垣根「へぇ…」

581 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:32:19.35 ID:8HGxsXl00
絹旗「さあ残り二枚です」

黒夜「くっ…二人ババ抜きでなんか負けたくない…」

一方通行「オイ、オマエ等」

黒夜「え?」

絹旗「はい?」

ガシッ

黒夜「んあっ!」

絹旗「あんっ!」

垣根「うっ」

麦野「ちょっと…何したのよ…」

垣根「黒夜のあんな声始めて聴いたぜ」

結標「原理は簡単よ。肩に触れた瞬間に一気に身体中をほぐしたの」

一方通行「結果こォなる訳だ」

黒夜「はぁ…はぁ…はぁ…」

絹旗「んむ…はぁ…」

結標「まあしばらく動けなくなるんだけどね」

垣根「…なんで朝方にこんな事をするんだ」

結標「その日は帰ってから立て込んでたのよ。色々片付けとかして朝方になっちゃったのよ」

垣根「俺って…」

一方通行「ちなみに俺に性欲の類はねェ。覚えとけ」

垣根「くっ…」

麦野「ん?」
582 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:32:46.27 ID:8HGxsXl00
垣根「どうした?」

麦野「いや…フレンダもサイボーグなのかなって思って…」

垣根「フレンダか…残念だがサイボーグじゃねぇはずだな。確信がある」

麦野「マジかよ…」

一方通行「確信ってのは…」

垣根「まず第一に死ぬほど金がかかる」

麦野「ああ…まさにその通りだな…」

垣根「第二に脳が…ん?そう言えば真っ二つにされただけだっけか…?」

麦野「ああ」

垣根「アレ…じゃあ分かんないな…」

麦野「あんた同期のサイボーグとか分からないワケ?」

垣根「居たなら間違いなく分かる。その事から考えてフレンダはまずサイボーグじゃないはずだ」

一方通行「…サイボーグじゃねェとしたら」

麦野「まさか幽…」

垣根「バカ言うな。あんな限りなくリアルな存在であってたまるか」

一方通行「…」

麦野「…」

垣根「…」

結標「よいしょ」グッ

絹旗「はぁはぁ…」

黒夜「…一体何が…」
583 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:33:13.34 ID:8HGxsXl00
絹旗「はは…体に力が入りませんよ…」

黒夜「なんかこう…筋肉を緩められたような…」

結標「もうそろそろいいかしら?」

一方通行「そォだな…」

麦野「あー…その二人は置いてってもらえるかしら?」

結標「ああ、お祝いするとか言ってたものね。せっかくだから能力で送るわ」

麦野「助かるわぁ」

垣根「帰るのか」

一方通行「オマエは何がしたいンだ?」

垣根「いや、なんかこう…なんか無いのか?」

一方通行「イヤ…これと言っては…」

垣根「やっぱりお前等…」

結標「ちょっと、あなたはまた勘違いするわけ?私と一方通行がセック…『結標』…」

麦野「バカなこと言ってないで行くわよ」

結標「それもそうね」

一方通行「じゃあな垣根」

麦野「あんまり迷惑かけるんじゃないわよ」

結標「命の重さを知りなさい」

一方通行「あー…俺も金入れねェとなァ…」

麦野「実験でもやれば速攻じゃないの?」

一方通行「実験ねェ…」

ヒュン

垣根「…薄情なヤツだぜ…」

ガラッ

冥土帰し「おや?まだ居たのかい?」

垣根「…飯食いに行くか?」

冥土帰し「え?」
584 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/11(木) 21:37:41.88 ID:8HGxsXl00
はい、以上です。

やはり生きていた垣根帝督
最初期のほうから登場していた垣根の復活経緯を書きたかったのでこのような形になりました。

結果として回りくどくなりましたが以上となります。

そして次からは多少空気を一新して書こうと思います。
雰囲気としては少し、前スレの中盤辺り…でしょうかそんな感じだと思います。

では近いうちに来ます。
また会いましょう。
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/08/11(木) 22:03:10.60 ID:THvwsA3f0

よかった、垣根は生きていた
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/12(金) 05:52:52.91 ID:woaEbhqw0

次も楽しみにしてる
587 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:07:26.55 ID:KxNGNqw80
こんばんは。昨日の今日ですが書き溜めが出来ましたので投下します。

佐天さんが主人公…というよりはメインのお話になります。

ではよろしくお願いします。
588 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:08:22.06 ID:KxNGNqw80
翌日・水穂機構病院にて


佐天「なんとかなりませんか?」

木山「なんとかって言われてもな…」

佐天「どうにか…!そこをどうにか!」

木山「一口にレベル5にしてくれ、と言われてもな…私にはどうすることも…」

佐天「私知ってるんです!多才能力の事!」

木山「いや…アレはレベルを上げるようなものじゃ…ていうかなんで知って…」

佐天「幻想御手をうまく使ってどうか!」

木山「バカ言わないでくれ。どうして今になって再び能力に固執したんだ君は…前回で懲りたんじゃないのか?」

木山「第一君は少なからずだが能力を発現してるはずだ。それを多才能力と併用だなんて…」

佐天「お願いします!夢を見せてください!」

木山「だからいくら言われても多才能力など…あれはかなりの人数の脳波ネットワークを利用した末に産まれるものであって…」

佐天「どうにかならないですかね?」

木山「…とりあえず理由を聴こうか」

佐天「私の周りにはレベル5がたくさん居ます」

木山「うん」

佐天「あの人達のように自由自在に能力を使えたらどんなに素敵か…一日だけでいいんです…私にレベル5の力を…!」

木山「…うーん」

佐天「…」

木山「本来なら了承すべきではないのだが…分かった」

佐天「本当ですか!?」

木山「ただし、私を含め七人の立会いの下で行う」
589 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:08:56.84 ID:KxNGNqw80

佐天「おおー…」

木山「簡単に紹介する」

木山「ご存知第一位、一方通行」

一方通行「ここに来ンのは久しぶりだなァ」

木山「そして次、私は涙すら流したのにいつのまにか生き返っている、そんな第二位。垣根帝督」

垣根「冥土帰しに知らせたからあんたも知ってるかと思ったんだ」

木山「次、みんなご存知常盤台の電撃姫、第三位、御坂美琴」

御坂「ちょっと…この実験は大丈夫なワケ?」

木山「お次、思い込んだら一直線、第四位、麦野沈利」

麦野「面白そうな実験だから来たわ」

木山「次は…自称恋する中学生…十徳ナイフに例えられる常盤台もう一人の女王、第五位、食蜂操祈」

食蜂「何よこの集まりは…」

木山「そして最後、よく分からないレベル5、第七位、削板軍覇」

削板「また会ったな!」

木山「えー、今回の実験は君たちの脳波をまとめあげそれぞれを佐天くんに委託し一時的に彼女を多才能力者にするものだ」

御坂「だからそれって大丈夫なわけ?」

木山「今回は幻想御手の時とは違う。ちゃんと脳のことも考えて使用者の安全を確保したものを使用する」

御坂「それって…前々から作ってたってこと?」

木山「…じゃあ次は能力を紹介しようかな」

御坂「おい」
590 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:09:34.62 ID:KxNGNqw80
木山「とりあえず誰の能力から知りたい?」

佐天「あのー…第六位は…」

垣根「連絡が取れないから来ないぞ」

佐天「あ、そうなんですか」

木山「で、誰から知りたい?」

佐天「うーん…とりあえず知ってる御坂さんからかな」

木山「能力名は超電磁砲。10億ボルトもの出力を誇る電撃使い系最強の存在」

木山「おそらく君が思ってる以上に色々なことが出来る。ちなみに…」

佐天「はい」

木山「一方通行くんと垣根くんはやり方次第では10億ボルトを越える電撃を出せると思う」

佐天「御坂さんにしか出来ないことってなんですか?」

御坂「コインを音速の三倍で飛ばす…は一方通行が出来そうね…うーん…電子機器にハッキングとかかしら…いや…これも一方通行が…」

木山「ちなみに聴いた話では一方通行くんは脳に直接アクセスし中身を書き換えたことがあるらしい」

御坂「え」

木山「さて、次は誰がいい?」

佐天「じゃあそこの綺麗な人で」

麦野「分かってるじゃないの」

木山「彼女の能力は原子崩し。君に説明するのは難しいが…とりあえずはとてつもなく強力な光線を出す能力だと持ってくれて構わない」

木山「正式には…なんて言ったかな?」

麦野「粒機波形高速砲」

木山「ちなみにそれなりに応用が利くようで色々な形にすることが出来るらしい」

591 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:10:04.27 ID:KxNGNqw80
木山「さて、次は?」

佐天「じゃあそこの金髪の姉ちゃんで」

食蜂「あまり年は変わらないから姉ちゃんって呼び方は…」

木山「彼女は心理掌握。精神系能力を全て詰め込んだような能力者だ」

木山「言い換えればこの中で脳を弄る事には滅法強いということだ」

木山「だが欠点もそれなりにある。使用時にはリモコンを用いて精密な能力使用を心がけねばならないし、御坂くんのような能力者には通用しなかったりする」

食蜂「悔しいけどその通りね」

木山「次は?」

佐天「削板さんで」

木山「彼は…えーと…ていうか脳波をまとめれるのか?とりあえず呼んだが他の能力者とは勝手が違うみたいだが…」

木山「まあいい。彼の能力は…名前が無いのか…とりあえず凄い」

木山「マッハ2で動けるそうだな?」

削板「よく分からないが音速よりちょっと早い程度じゃないか?」

木山「後はバリアのようなものを張ったり…爆発を起こしたり…体の硬質化も出来るのか?」

木山「それに謎の波動を放ったり…両手から攻撃も出来るみたいだな」

削板「おう」

木山「まあ、そんな感じだ。とりあえずケンカだけならレベル5最強のような気がする」

木山「能力に関しては…とりあえず七位に置かれてるという感じだな」

削板「俺もよく分からないけどな」

木山「本人も分からないなら仕方ないな」
592 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:10:32.54 ID:KxNGNqw80
木山「次は…」

佐天「垣根さんで」

木山「未元物質。この世に存在しない素粒子を生み出し、引き出し、操作する能力。と書いてある」

木山「及び、それによって作られたこの世に存在しない素粒子」

佐天「???」

木山「ちなみに未元物質は本当にこの世に存在しない物質であり既存の法則から外れている。故に…」

垣根「常識は通用しねえ」

木山「はい。どうもありがとう。応用性はトップクラスであり今紹介した能力をほとんど再現出来るのでは無いか、とそう思う」

木山「能力を使うときに翼が出るがアレは…」

垣根「俺がレベル5になった時に降りてきた」

木山「意味が分からない」

垣根「おい、あんたちょっと俺に冷たくないか…」

木山「つまりはなんでも出来る。そう覚えたほうがいい」

佐天「うーん…」

木山「さて最後、一方通行」

木山「とりあえずなんでも出来る。記録では石を蹴るだけでレールガン以上の速度を叩きだせるらしい」

木山「後、大きく記録に残っているのは自転操作・高電離気体・竜巻を背負っての飛行…洗脳も出来るらしいな」

一方通行「だが未元物質は再現出来ねェ」

木山「だが、現存する能力で未元物質に勝てる唯一の能力かもしれない」

木山「さて、これだけ紹介したが彼等では再現出来ない能力が一つだけあると思う」

佐天「え、これだけ揃って出来ないことがあるんですか?」

木山「それは瞬間移動の類…」

垣根「11次元ベクトルだから一方通行が出来るんじゃねぇか?」

木山「じゃあやってみたまえ」

一方通行「ハ?」
593 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:11:06.21 ID:KxNGNqw80
一方通行「待て、そンなことやった覚えが…」

垣根「今こそ力を誇示する時だ」

一方通行「…」

麦野「待ちなさいよ。そもそも勝手が違うんじゃない?」

御坂「そうよ。学園都市に58人って数字がその証よ!流石の一方通行も…」

バッ!

削板「消えた!」

垣根「いけたか!?」

御坂「え!?そんなバカな…!」

食蜂「一体どこに消えたってのよ…」

ガタ

食蜂「ん?」

麦野「…」

一方通行「無理だな。やるもンじゃねェ」

御坂「なんで机の下に…」

一方通行「説明してやる。瞬間移動する際に11次元に存在するはずの俺のベクトルを操作したわけだ」

一方通行「たとえばここに板があるだろ?これを寝かせた状態で上に11枚重ねる。上から一次元、二次元…」

垣根「一方通行、もういい」

一方通行「そォか…」

594 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:11:34.29 ID:KxNGNqw80
木山「出来ないだろ?だが一方通行と未元物質があれば瞬間移動以上の移動能力を発揮出来るはずだ。不測の事態は削板くんの能力で対処したまえ」

木山「じゃあ早速始めようか」

木山「ちなみに君たちの役割は万が一暴走した場合の歯止め役だ」

木山「さ、この音楽を聴きたまえ」

佐天「楽しみだなぁ」

垣根「イヤホンイヤホン…」

麦野「まだ原理とか説明してもらってないんだけど…そこの女の子は全員の能力を扱えるの?」

木山「自分だけの現実は君達持ちだから問題ない」

麦野「あ、そうなんだ」

食蜂「不思議な曲…」

御坂「まあ大丈夫って言うなら…」

削板「いい感じの曲だ」

一方通行「…」

木山「さて…脳波を纏め上げる作業に入るか…」

垣根「たった六人の脳でネットワークを構築出来るのか?」

一方通行「分からねェな。任せとけばイイだろォよ」

木山「あ」

御坂「まさか不具合とかあったんじゃないでしょうね」

木山「いや、何も無いよ」

麦野「ならいいけど…」

木山(幻想御手のギミックを利用したから彼等レベル5勢のレベルが上がってしまうかもしれないなぁ…まあ気付かないだろ)

595 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:12:01.09 ID:KxNGNqw80
数十分後


佐天「…」

木山「目の変色を確認。成功だな」

佐天「よく分からないんですけど…」

木山「だが確かに君は一時的にレベル5の能力を手中に収めた」

佐天「つまりレベル30ですね」

木山「え?」

佐天「能力名、能力名を付けましょう!」

木山「そ、それは君が付けたらいいんじゃないかな…」

御坂「成功したの?」

木山「おそらくな」

麦野「じゃあ成果を見せてもらおうかしら」

一方通行「場所変えねェとな」

垣根「それなら二一学区がいいな結構な場所の確保が出来たはずだ」

食蜂「二一学区ってダムとかがある?」

垣根「イエス」

削板「俺の能力も使えるのか?」

木山「おそらく」

佐天「さぁさぁ!早く行きましょう!」

木山「体調、人格、共に安定していてなによりだ」
596 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:12:31.99 ID:KxNGNqw80
第二一学区


木山「これくらい開けた場所なら大丈夫だろう」

佐天「あのー」

木山「ん?」

一方通行「あのダムの水は衝撃緩和材としてもいけそうだな」

御坂「うわーダムなんて始めてみたわ…」

食蜂「広いわねー」

削板「競争しよう」

垣根「何でだ…」

麦野「水泳じゃない?ホラ、泳いできなさいよ」

垣根「冗談だろ?」

削板「ダムで泳いで大丈夫なのか?」

麦野「あんた達なら死にはしないだろうし大丈夫なんじゃない?」

垣根「おい…おい…」

削板「そら行くぞ!」

垣根「う、うわああああぁぁぁ…」

木山「やってみたらいいじゃないか」

佐天「そうですね」

木山「試しに今落ちたあの二人を救済してみたまえ」
597 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:13:01.58 ID:KxNGNqw80
垣根「ダムで泳ぐなんざ正気じゃねぇ!」

削板「ホラ!着水するぞ!…?」

┣¨┣¨┣¨┣¨ドド!

御坂「何かしら…」

麦野「ダムの底に火山でもあるのかしら」

食蜂「まさか」

一方通行「…」

ゴバッ!

垣根「わぷっ!水が…!?」

削板「がぼぼっ」

麦野「いや、やっぱ火山よ。あんな勢い良く水柱が出来るんですもの」

御坂「…」

ドシャッ!

垣根「ぐあっ」

削板「痛っ」

一方通行「飛び込んだと思ったら戻ってきたな」

垣根「なんで水が…」

佐天「私の力です!」

垣根「は?」
598 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:14:01.76 ID:KxNGNqw80
佐天「粒子化した未元物質をいち早く着水させ未元物質ごと水のベクトルを操作したんです」

一方通行「能力を同時に?」

木山「そうだ。彼女はさっき私に能力を同時に使用出来るのかと聴いてきた、確信は無かったが成功したみたいだな」

垣根「結果として服は濡れたがな」

木山「佐天くん」

佐天「えーと…」スッ

削板「?」

垣根「??」

佐天「超電磁砲と原子崩し…」

ブゥーン…ジュワッ!

垣根「熱ッ!」

削板「ちちっ!」

御坂「電子レンジ…」

麦野「まさか…え?ウソでしょ?」

一方通行「電磁波で水分子を制御…極めつけに原子崩しで強烈にサポート…」

木山「能力の組み合わせで無限の行動が出来る」

食蜂「はは…言葉が出ないわ…」

佐天「行けます行けますよコレは!」
599 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:14:27.53 ID:KxNGNqw80
「おうおう姉ちゃん達!」

御坂「いい具合にチンピラ達が…」

「ダム見に来たのかい?可愛いねー」

食蜂「ダム見学で可愛くなれるのかしら」

木山「ちょうどいい。佐天くんに任せよう」

「なんだ?このモヤシはよ…ははっ!」

一方通行「…」カチ

垣根「数は…これで六人程か」

一方通行「オイ後ろ」

「はぁ?」

トン

「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

一方通行「後は任せた」

御坂「直立したまま吹っ飛んでったわよ…」

麦野「…」

「ああー?姉ちゃんが相手してくれんのかぁ?」

「中学生かーいいねー」

佐天「え…っと」

木山「構わない。思う存分やりたまえ」

佐天「…」キッ

「うおっ、睨まれちゃったー」

「怖い怖い」

佐天「指一本で相手します」スッ

「指一本?」
600 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:14:57.33 ID:KxNGNqw80
佐天「えーと…」

削板「すごいパンチ!すごいパンチだ!」

垣根「お前は黙ってろ!」

佐天「原子通行(メルトロード)!」

麦野「…」

一方通行「…」

ズビィー!

「「ぐあっ!」」

佐天「えーと…不安定な出力の原子崩しをベクトル操作で驚異的に安定させました。資料にあった生存本能によるセーブを無視することで更なる威力の向上を…」

麦野「…のわりには吹っ飛んだだけなんだけど…」

佐天「さすがに怪我をさせるのは…」

「能力者か…」

佐天「次は…未元掌握(ダークアウト)で」

垣根「名前が…」

「!あがががががががっ」ガクガク

佐天「精神攻撃と肉体攻撃を二つの能力で行います。自分でもワケ分からないので受ける側はもっと分かんないと思います」

食蜂「うわ…」
601 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:15:27.06 ID:KxNGNqw80
佐天「あと三人…やっぱ右手ってことで…」

「え?」

バリリッ!

御坂「佐天さんの右腕に砂鉄が…」

削板「おお!あれは!」

麦野「まず移動速度に突っ込み入れなさいよ…」

垣根「すさまじい速さで詰め寄ったな」

佐天「えーと…御坂さんが超電磁砲で…削板さんが…」

削板「すごいパンチ!すごいパンチ!」

佐天「エレキ…エレクトリック…ああ…すごいパーンチ!!」ブンッ

ゴロゴロゴロ…!

「ぶあっ!」

麦野「砂鉄纏った雷パンチじゃないの…この距離で雷鳴が響くなんて…」

佐天「砂鉄は電気纏ったらくっ付いてきたんですよ」

削板「すごい!すごいぞ佐天!」

佐天「え、へへ…そうですか?ふふ」

食蜂「あと二人」

佐天「最後は二人纏めて…第一位と第二位の合わせ技で…」

垣根「え?」

「な、なんだ?」

「逃げろ!」

佐天「うーん…逃げても無駄なんですけど…未元通行(ダークロード)!」

垣根「おえぇぇぇ!」

食蜂「心理通行(メンタルロード)は!?やんないの!?」

御坂「…」
602 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:15:54.98 ID:KxNGNqw80
カッ

木山「あ」

麦野「???」

垣根「…ドコ、行った…?」

佐天「消えちゃいました」

御坂「え?」

食蜂「なんか黒い人影らしきものだけが残ってるんだけど…」

麦野「まさか殺し…」

佐天「いやいやいや!さすがに殺しては…いない…ですよね…?」

木山「未元物質と一方通行の応用技は不可解な現象を引き起こすと…」

御坂「まさかチンピラ達の粒子とかをベクトル操作して異次元にかっ飛ばしたとかそんなんじゃない…わよね…?」

垣根「え?俺そんなこと出来るの?」

麦野「まさか。一方通行の能力があってこそじゃないの?」

一方通行「少なくとも俺の能力じゃ一瞬で素粒子は操作出来ねェ」

御坂「じゃあなに?人の体を構成している分子をなにかしらの能力で素粒子の類に変換して操作したの?」

垣根「それだけじゃねぇ…姿を消すってことは何かしらの力の操作が加わったはずだ…おそらくそのベクトルの向きが…」

木山「物体を強制的に昇華する能力かな?」

佐天「し、昇華?」

削板「物体が液体の過程を経ずに個体から気体、気体から個体になることだ」

麦野「あんたが知ってるんだ…」
603 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:16:21.46 ID:KxNGNqw80
御坂「てことは…さっきのチンピラは気体になって綺麗さっぱり消えたってこと…?」

佐天「それが出来たなら元に戻せるはずです!」

麦野「気体になったのよ…空気の流れに乗って飛んでったに違いないわ…」

垣根「待てよ…昇華だと人の形で影が残ることに説明がつかねぇぞ」

一方通行「つまり影が焼きつくほど強烈なエネルギーを受けたってことになる」

御坂「でもそれだとガンマ線の話になるんじゃない?そうなると電磁波の制御が必要になるんだけど…」

一方通行「オマエは俺と垣根の能力がどれほどの物か未だに分からねェのか?」

麦野「そんなことは些細なことなのよ」

食蜂「全然分からないわ…」

削板「仮に…」

一方通行「?」

削板「超高エネルギーの光が瞬時に発生したとしよう」

削板「未元物質で素粒子や分子、原子の微細なブレや不都合を合理化し攻撃に変換、一方通行の力で極限までエネルギー力を高められた光がチンピラを襲った…」

垣根「お、おお…」

削板「影が焼きつく時点で原子崩しを遥かに凌駕する攻撃翌力、しかも速度は光速…」

削板「おそらく相手は死んだことすら理解してないだろう…」

麦野「でも焼けたような痕跡も無いんだけど…」

削板「じゃあ分からないな」

御坂「瞬きするよりも早く人が消えてるなんて…」

佐天「…」
604 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:16:50.24 ID:KxNGNqw80
一方通行「つまりなンだ…?昇華でも無い上に高密度のエネルギーを受けたわけでもない…とすると…」

御坂「まさかこれがレベル6の片鱗なんじゃ…」

垣根「能力である以上一方通行の反射が適用出来るはずだ…反射出来たら違う…もし出来なかったら…」チラ

一方通行「オイ、何考えてやがる…」

垣根「ちょっと反射してくれ」

一方通行「ヘタしたら俺が消えるぞ」

垣根「多分大丈夫だ」

木山「面白そうだな」

一方通行「オイ」

木山「そこに立ちたまえ」

一方通行「マジで言ってるのか」

木山「佐天くん」

佐天「いいんですか?」

木山「記録をとるためだ。全力でいきたまえ、なに彼は第一位だ」

佐天「そうですよね!」

一方通行「なっ!」

佐天「くらえ!」

一方通行「!?」

カッ

一方通行「!」

木山「反射失敗か…しかし…」

麦野「これでレベル6が誕生したわね」

御坂「一方通行のみが辿り着くレベル6…」

食蜂「綺麗…」
605 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:17:30.68 ID:KxNGNqw80
一方通行(なンだ今のは…反射出来なかった…イヤ…反応すらも出来なかった…)

一方通行(俺の生存本能が働いたのか?まるでロシアの時と同じだな…でもなンで…)

垣根「おーい、生きてるかー?」

バサッ

一方通行「…」

垣根「天使の輪に羽…あ、消えた」

スゥッ…

一方通行「なるほどな」

垣根「何か分かったか?」

一方通行「とりあえず反射は出来ねェ」

麦野「理由は?」

一方通行「垣根の未元物質だな。これにフィルターが掛けられてるせいで反射設定が出来ねェ、オマケに意識の阻害までありやがる」

御坂「つまりなんなわけ?」

一方通行「理解不能の極めて強烈なエネルギー攻撃だ」

麦野「ていうか思い切りくらえ!って叫んだわね…」

佐天「あははー」

食蜂「説明は出来ないの?」

一方通行「説明出来る法則が見当たらねェ。あれはあれで別次元の攻撃かもしンねェ」

垣根「別次元ね…」

一方通行「オマエの未元物質がややこしくしてんだよ既存の法則に当てはまらねェ」

一方通行「アレはああいう新たなエネルギー、そォいう風に解釈するしかねェ」

木山「で、この多才能力に名前を付けたいと思うんだが…」

『マッチレス』

木山「無敵か、いい響きだ」
606 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:18:01.36 ID:KxNGNqw80
木山「さて…色々と調べた結果だが…」

一方通行「」

食蜂「大丈夫ー?」

御坂「ちょっと時間掛けすぎちゃったみたいね」

木山「彼の能力なら技の受けにちょうどいいと思ったんだが…御坂くんの言うとおり、時間を掛けすぎたみたいだな」

垣根「色々と無茶な使い方したからな…俺特製とはいえ負荷をかけすぎたか…」

佐天「え…と、じゃあどうしましょう?」

木山「とりあえずまとめよう」

麦野「あれ?アイツは?」

垣根「売店に行った」

木山「まずそれぞれの組み合わせだが…」

佐天「最初は一方通行さんの組み合わせで」

木山「確か…」

佐天「未元通行(ダークロード)電磁通行(エレキロード)原子通行(メルトロード)心理通行(メンタルロード)すごいベクトルパンチですね」

垣根「…」

木山「ああ…もう少し名前を捻ったほうがいいかな?うん…」

垣根「未元通行は不可解な現象を」

御坂「電磁通行は超超高密度のレールガン…」

麦野「原子通行は精密化された電子線」

食蜂「えーっと心理通行が完全洗脳で…」

木山「ベクトルすごいパンチが…木原博士のそれ以上のパンチだったな」

佐天「佐天神拳と名づけましょう」

607 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:18:32.34 ID:KxNGNqw80
垣根「一方通行は最後のベクトルパンチで事切れた…」

木山「一通り終わったところで倒れたのだ。彼には悪いがいいデータを取れたと思っている」

佐天「次は垣根さんの組み合わせですね」

御坂「電磁物質(エレキマター)…だっけ?それは周りの気体がプラズマみたいになったのよね」

麦野「未元崩し(ダークダウナー)が素粒子攻撃だっけ?」

垣根「それは凄かったな。なんせ文字通り跡形も無く消えんだからよ」

食蜂「未元掌握は…さっきの通りね」

垣根「削板との組み合わせは…ありゃなんだ?」

木山「色々と意味不明な力が働いてさらに意味不明だったな。簡単に見て強烈な肉体強化と見て間違いないだろうな」

佐天「次は御坂さんのですね」

御坂「えっと…電磁崩し(エレキダウナー)だっけ?あれは…」

麦野「私のとは似たような能力だからあんま違いが分からなかったな」

木山「今度直接受けた一方通行くんに聴いてみよう」

御坂「電磁掌握は面白かったわねー」

垣根「機械を完全にコントロールしやがったからな。それに人間も好き勝手に動かせたみてぇだし」

麦野「残る組み合わせはほんの少しね」

佐天「まだ話に出てないのは原子掌握(メルトアウト)と原子すごいパンチと心理すごいパンチですね」

木山「全部パンチと組み合わせる必要は無いんだがな」

佐天「でもパンチが一番分かりやすいんですよ」

垣根「残ってるのは不発とキワモノじゃねぇか…」
608 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:19:13.84 ID:KxNGNqw80
麦野「原子掌握のことね…名前は凄いのに…」

食蜂「大体精神系と原子を操る能力のコラボレーションってどうなのよ」

木山「単純にやり方の問題かもしれないな。それぞれの応用をしらみつぶしにやっていけば何か分かるかもしれないぞ」

垣根「残るは削板の組み合わせか」

御坂「麦野の組み合わせはなんかすごかったわね」

食蜂「そうそう!パンチ打った瞬間に一方通行の上着が分解されたんですもの!」

木山「それもいいパンチだったな」

垣根「さて最後は…」

削板「俺の能力とお嬢ちゃんの能力だな」

垣根「お前何食ってんだ」

削板「玉こん」

食蜂「私はその組み合わせが一番好きね」

御坂「なんかまさに超能力って感じよね」

木山「得体の知れない力での念導力やバリア、まさにエスパーと呼ぶに相応しい能力だったな」

佐天「いやー、いい気分でした」

垣根「でも肝心の組み合わせとやらは攻撃にしか使ってないよな」

佐天「単調な行動だから組み合わせやすいんですよ。精密な使い方をしようとするとこんがらがっちゃうんですよね」

麦野「とりあえずコイツはどうするの?」

一方通行「」
609 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:20:43.06 ID:KxNGNqw80
垣根「あー…どうやって回復したものか…当然充電器は持ち合わせてないんだよな…ていうか充電なんてほぼ必要ないって思ってたからな…」

御坂「単純に私が充電しちゃダメなの?」

垣根「ん…それでいいか」

食蜂「あと上着用意してあげないと」

削板「今買ってきたぞ」

垣根「普通の白のシャツだな」

バチチ!

一方通行「」ピクッ

御坂「これでオッケー…かな?」

一方通行「う…ぐ…」スッ

木山「お疲れ様。あの役目は君を除いては出来なかったよ」

一方通行「…」

削板「ほら上着だぞ」

一方通行「ン…」

佐天「そういえば私も羽を生やせるのかな?」

垣根「やってみたらどうだ?」

佐天「…………出ないですね」

垣根(良かった。出たらどうしようかと思った)

一方通行「なァ」

木山「うん?」

一方通行「この多才能力状態はどうやって解除すンだ?」

木山「え…解除…?」

610 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:22:00.26 ID:KxNGNqw80
一方通行「え、じゃねェよ。多才能力の行き着く先は知ってンだぞ」

木山「AIMバーストを危惧しているのか」

一方通行「その口ぶりだとならねェような感じじゃねェか」

木山「確かに当初はその危険性もあった。しかし、たった六人の脳波ネットワークではAIMバーストを余程の事が無い限り維持することは出来ない」

木山「ちなみに私が一番危惧していることは別にある」

一方通行「?」

麦野「なんでコイツに羽が出せてこの子には羽出せないのよ」

垣根「未元物質による羽は俺専用なんだよ」

御坂「だって自分だけの現実は能力者本人のを使用してるわけでしょ?それで同じものが出ないってどういうことなのよ」

垣根「使用者が単純に俺か、そうじゃないかの違いだ」

麦野「分からないわね。能力があんたを選んだってこと?」

垣根「さぁな」

食蜂「そもそもあの羽って自分で勝手に作ってるんじゃないの?」

御坂「能力で羽を形成し続けてるって事?さすがにそれは…」

垣根「あれは俺の意思とは関係なく現出するもんだ」

御坂「つまり羽を出さなきゃ能力使えないわけ?」

垣根「いや、大きく能力を使おうとすると出てくる」

御坂「ふーん」

削板「…」モグモグ

佐天「むむむ…」
611 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:22:26.56 ID:KxNGNqw80
垣根「そんなことより消滅してチンピラをだな…」

麦野「アレはもういいんじゃない?うん」

垣根「それもそうだな」

御坂「ちょっと…どんな考え方してんのよ…」

木山「それで肝心の解除だが一旦戻る必要がある」

一方通行「ンで?」

木山「もう一度同じ手順を踏み、ネットワークから完全に切り離せば解除になる」

一方通行「じゃあ早いトコ解除しなきゃなァ」

木山「よほど堪えたみたいだな」

垣根「なんだ?もうお終いか?」

一方通行「そォだ」

木山「まあ楽しめたからよしとしよう。さて、じゃあ佐天くん、そろそろ…」

佐天「あの!私まだ…」

木山「ふむ、予想通りというかなんというか…」

一方通行「今回は諦めろ。それは危ねェ力なンだよ」

佐天「だって!やっと凄い能力者になれたんです!もう少しこの日常を…」

木山「聴いた通りだな。これでは幻想御手の時と同じだ」

麦野「無能力者故のコンプレックスか…」

佐天「あ…えーと私無能力者ってわけじゃ…」

御坂「佐天さん、また同じようなことが起きたら初春さんが悲しむからさ、ほら」

612 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:22:53.79 ID:KxNGNqw80
木山「正直、予想はしていた」

一方通行「…」

木山「幻想御手の使用や常日頃からの能力へのコンプレックス、当然、手放したくない気持ちが出てくるだろうな」

佐天「誰にも迷惑は掛けませんから!なんなら御坂さんみたいに乱暴なスキルアウトをおしおきする立場になりますから今日だけ!」

垣根「お、おしおきだと?お前そんな事してるのか?」

御坂「ちょっとしつこいのを懲らしめてるだけよ!」

一方通行「悪ィがそれの許可は出来ねェな。万一暴走した場合、止めンのにそれなりの犠牲が出る」

木山「うむ、その通りだ」

削板「率先して危険を生み出す存在なる必要も無いぞ。君なら分かるはずだ」

佐天「そうですか…なら…」

木山「垣根くん、準備したまえ」

垣根「え?俺?」

一方通行「今度はオマエが苦労する番だ」

佐天「自分の意思でもう少しだけ能力者になるだけです!ごめんなさい!」

バリバリッ!

垣根「…」

木山「ほら、あっけにとられてないで追いかけたまえ」

垣根「いや…あの速度は追いつけないぞ…」

御坂「あれは私と誰の組み合わせかしら」

一方通行「さァな、俺か垣根か…削板かもしンねェな」

木山「行くんだ垣根帝督!雷光の如く!」

垣根「むしろ涙子ちゃんのスピードが雷光だったけどな」

木山「ゴー!」

垣根「くっ…仕方ねぇ」ドンッ

木山「さ、私達も追いかけるぞ。あの方向は第七学区だな」
613 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/12(金) 22:25:47.84 ID:KxNGNqw80
はい、とりあえずここまでです。

能力を手に入れるとやはりし突っ走ってしまう佐天さんです。
ちなみに御坂と麦野の能力の合わせで電子レンジのようになるのかは知りません。
他の組み合わせもそれっぽい感じで書きました。
名前が凄いことになってますが見逃してください。

では一旦ここまでです。
近いうちに来ます。また会いましょう。
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/12(金) 22:36:51.18 ID:1twxmiCAO

いやーおもしろい
しかし佐天さんにいきなりレベル5はやりすぎだったか……
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2011/08/12(金) 23:38:44.27 ID:4uTY3ryPo
男女平等パンチの出番か
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/13(土) 08:27:38.02 ID:27W8rM0fo
自分自身の力じゃねェンだぜ佐天さン…
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 17:52:04.39 ID:rYd29Yp8o
おつー
やっぱレベル5が集まると面白いな
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 20:04:07.57 ID:+m/nE1Mro
なんていうか一つの指輪みたいだな
619 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:18:04.38 ID:K3BRf9CZ0
こんばんは。大分間隔が短いんですが書き溜めが出来ました。

今から投下したいと思います。
ではよろしくお願いします。
620 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:19:32.15 ID:K3BRf9CZ0
第九学区・上空


垣根「クソッ、なんで追いつけねぇんだ!ずっと光速移動してるわけじゃねんだから追いついてもいいはずだろうが…!」

佐天(あわわ、どうしよう…今更、はいそうですかって止まるわけにも行かないし…)

佐天(こうなったらスピードだけ落として捕まえてもらう…いや…それだけは…)

-----------------------------------

一方通行「クソ…なンで俺が運転してンだ…」

麦野「このなかだとまともに車運転出来そうなのあんたしか居ないんだから仕方ないじゃない」

一方通行「俺ァ免許なンざ持ってねェぞ!」

麦野「いいから運転しなさい。なんとかなるでしょ」

御坂「それにしても佐天さん早いわねー」

木山「速度が落ちている今が捕まえるチャンスなのだが…垣根くんはあれで全速力なのか?」

一方通行「元々飛ぶための能力じゃねェ…見失わないだけイイと思ったほうがイイな」

-----------------------------------

垣根「こうなったら…」キィィン

佐天「?なに…?」ガクッ

垣根「オラ!こっち来い!」グンッ

佐天「えええ!?何かに引っ張られてる!?」

----------------------------------

食蜂「あれ何してるの?」

一方通行「上空の気体に何か仕込ンだンだろ」

麦野「引っ張るのはいいとして接近戦になったら勝てるの?」

御坂「接近戦…」チラ

削板「?」

一方通行「アイツがどォいう風に捕まえるかだな」

麦野「あ」

---------------------------------
621 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:20:02.18 ID:K3BRf9CZ0
佐天「ごめんなさい!!」

バリリッ!

垣根「は?レール…ガン?」

佐天「電磁通行です!ごめんなさい!!」

ピシャァン!ゴロゴロ…!

垣根「あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

---------------------------------

食蜂「垣根がビルに向かって落ちたわ!」

御坂「うわ…すっご…」

一方通行「垣根が防御出来ないほどの雷撃か…」

麦野「雷を直接撃ったように見えたわね」

御坂「私も出来るかしら?」

一方通行「…超電磁砲、耳貸せ」

御坂「え?」

---------------------------------

佐天「どどどうしよう…ガードすると思ったのに…」

佐天「とりあえず開けた場所に…」

ドンッ!

佐天「痛っ!」

佐天「なにこれ…ゴム弾?」

---------------------------------

一方通行「チッ…スカしやがったな…」

御坂「仕方ないでしょ!こんな離れてるんだから!」

木山「何をしたんだ?」

一方通行「コインの変わりにゴム弾を打たせた」

麦野「そんな都合のいいものよくあったわね」

一方通行「輪ゴムでもイイ、ゴムさえありゃ俺がなンとかする。もう一度狙え、頭にブチ当てて気絶させろ」

御坂「なんか猟奇的になってるわね…」

---------------------------------
622 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:20:49.09 ID:K3BRf9CZ0
佐天「これって御坂さんの…」

『佐天さーん!降りてきてー!』

佐天「……やっと手に入れた能力…そう簡単には手放したくない…でもどうしよう…」

『今ならまだ間に合うわー!』

佐天「これじゃまるで悪者だよ…」

--------------------------------

御坂「降りて来る気配ないわね」

一方通行「誰が説得しろっつった!」

御坂「それはそうだけど…なんか当てるのも悪い気がして…」

一方通行「…なら俺がやる、停止してる今がチャンスだ」

木山「ちょうどいい、運転を変わろう」

一方通行「なンで最初からオマエが運転しねェンだ」

---------------------------------

佐天「なんだろ…一方通行さんかな?」

佐天「御坂さんみたいな構え…あ」

ブオッ!!

佐天「!」

---------------------------------

一方通行「これでブチ当てて終了だ」

麦野「気を抜かないほうがいいわよ」

一方通行「落ちたら俺が拾いに行く」

麦野「いや、そういうことじゃなくて」

キィィン!

食蜂「?」

ドバンッ!

一方通行「が……ァ…?」

削板「なるほど、ここで反射を使うんだな」
623 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:21:16.05 ID:K3BRf9CZ0
食蜂「垣根に引き続き一方通行もダウンだなんて…」

麦野「無理しないで反射設定してから撃てばよかったのに」

御坂「いやーまさか反射されるとは思ってなかったんじゃない?」

食蜂「とりあえず後ろの席に…」ギュ

削板「逆に頭に当てられて気絶してしまったのか…」

木山「ん…車を出すぞ」

御坂「え?」

木山「移動した」

麦野「垣根はどうするの?」

木山「多分彼なら大丈夫だろ」

削板「早く行かないと見失ってしまうんじゃないか?」

木山「ん、そうだった…」

麦野「ん…どうしたものかしらね…」

御坂「とりあえず一方通行か垣根にでも戦ってもらいましょ」

麦野「…そういえばあのツンツン頭呼んだら?変な右手持ってるし…」

御坂「病院に携帯置いてきちゃったのよ」

麦野「はぁ…」
624 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:21:48.52 ID:K3BRf9CZ0
数分前・第七学区・とあるホテル


垣根「くっ…ホテルに突っ込んじまうとは…」

ガチャ

「ボス!大丈夫ですか!?なにやら凄い音が…」

垣根「ボス?なんだ?マフィアでも居たのか?」

「お、お前ボスに何を…!!」

垣根「なるほど、俺が尻に敷いてるこの女がお前等のボスってわけか…うまい具合に偶然が重なったもんだ」

「ボスを解放しろ!」

垣根「別に拘束してるわけじゃねぇ……分かった、分かったから銃を向けるな」

垣根「っと…おい、立てるか?女」

バードウェイ「ぐ…む…」

「おいお前!どいておいて手は頭を押さえたまんまとはどういうことだ!!」

垣根「おっと」

バードウェイ「ぐ…なんだお前は…」

垣根「ただの超能力者だ。手違いでここに突っ込んじまってな、まあ…悪かったよ」

バードウェイ「手違いだと?信じられんな」

垣根「別に信用しなくてもいい。それが何かに繋がるわけでもないからな」

垣根「じゃあ失礼する。尻に敷いちまって悪かったな…」ガチャ

バードウェイ「待て」

垣根「?」

バードウェイ「牙を剥いた者には然るべき報いを…」チャッ

垣根「…ほう」
625 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:22:19.63 ID:K3BRf9CZ0
バードウェイ「お前が何者かは知らないが報いは受けてもらわないとな」

垣根「…」コツコツ

バードウェイ「なに、命までは取りはしない。それ相応の報いを…ってなんで近づいて…」

垣根「お前、見たところまだガキだな?」

バードウェイ「私はそう言われるのが一番嫌いなんだ」

垣根「…」ヒョイ

バードウェイ「あ、返せ!」

垣根「本物か…大したもんだ…」

バードウェイ「返さないなら…!」ボッ

垣根(発火能力…)

ガツン!

バードウェイ「痛い!」

「ゲ、ゲンコツ…」

垣根「ごっこ遊びすんのは構わねぇが…これは人を傷付けるもんだ。遊びに使うもんじゃねぇ」

バードウェイ「つつ…本気で痛い…」

垣根「お前等か?こんな道具渡したのは?」

「は?」

垣根「こんなもん渡すんじゃねぇ。いい育ち方しねぇぞ?」

バードウェイ「言わせておけば!この場で焼いてやる!!」

バードウェイ「あれ?消えた…?」

垣根「後ろだ」
626 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:22:52.17 ID:K3BRf9CZ0
ガツン!!

バードウェイ「いたぁあ!!」

垣根「発火能力…見たところレベル3以上の判定は受けてそうだな」

垣根「だが…お前みたいな年齢のヤツが人を[ピーーー]ための能力じゃねぇ」

バードウェイ「うう…」

「ボスが押されてる…」

バードウェイ「甘く見るんじゃない!」

垣根「あ?」スッ

バードウェイ「ゲンコツがなんだ!そんなもの怖くない!ケシズミになれ!!」ゴッ

ガツン!!!

バードウェイ「痛ぁい!」

垣根「俺ほどになれば能力発動前に攻撃を当てるのはわけない。胸張って大きく出るのはいいことだがもう少し上を知らねぇとな」

バードウェイ「え?胸が出てるって?」

垣根「あ?」

ドバンッ!

垣根「…説教は終わりだ。あばよ」ドヒュッ

「ボス!大丈夫ですか?お怪我は…」

バードウェイ「いや…大丈夫だ…」

「そうですか…」

バードウェイ「なんだ今のヤツは…」
627 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:23:21.68 ID:K3BRf9CZ0
垣根「危ねーな。危うく見失うとこだった…」

垣根「今の涙子ちゃんを捕まえるとなると…他の連中同時に相手して勝つ気持ちじゃねぇとダメだな…」

垣根「どうにか怪我させねーで…ん…AIMバースト…」

垣根「確か前に木山が暴れた時は現出したAIMバーストを第三位が撃破したことで一連の事が収まったんだよな…」

垣根「無理矢理AIMバーストを引き出すか?」

垣根「しかし…何をトリガーにしたらいいもんか…」

---------------------------------

麦野「あ、あれ垣根じゃない?」

削板「どこだ?」

麦野「後ろよ、後ろ」

食蜂「ねえ」

御坂「なに?」

食蜂「あの子のことだけどさ」

御坂「佐天さん?どうかした?」

食蜂「こうやって私達から逃げてるのにどうして全速力で振り切らないわけ?」

御坂「え?うーん…そう言われればそうね…」

麦野「あ、加速した」

食蜂「さっきと全然速度違うじゃない…ホントに速いわよ…」

---------------------------------

垣根(AIMバーストを現出させる条件…それはネットワークの暴走…)

垣根(だったら話は早ぇ、バンバン能力使わせて負荷を高めりゃいいだけの話だ)

垣根「オイ、佐天涙子」

佐天「え?あれ?帝督さん?」

垣根「俺と戦ってもらうぜ」

628 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:25:00.81 ID:K3BRf9CZ0
御坂「それにしても佐天さんはどうやって飛んでるのかしら…見たところ私の能力使ってるみたいだけど…」

削板「俺の意見を言わせて貰うと垣根の力で大気中の成分に磁力を付与し、嬢ちゃんの能力で引き寄せられる感じに滑空してるんだと思う」

麦野「さっきから思ってたけどあんた結構賢いわね」

削板「そうか?」

麦野「そうよ」

食蜂「私の能力じゃ飛行は出来ないの。ね、一方通行」

一方通行「」

麦野「一方通行ってこんな奴だったかしら」

食蜂「油断しただけよ。ね?」

一方通行「」

麦野「なんで気絶してるのに話しかけるのよ…怖いからやめてちょうだい…」

キィィィィィィィン…

食蜂「?」

麦野「垣根かしら?」

木山「む…」

御坂「あの前に見えるのがそうじゃない?」

削板「垣根が佐天を掴んで物凄いスピードで移動してるみたいだな」

木山「あの方角は確か…第七学区に新しく出来る操車場の工事現場だな」


629 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:25:29.09 ID:K3BRf9CZ0
第七学区・工事現場


一方通行「…はっ」バッ

一方通行「ここは…」キョロ

食蜂「起きた?」

一方通行「…」

食蜂「どうしたの?」

一方通行「俺はなンで膝枕されてンだ」

食蜂「やぁねぇ、一方通行が気絶したからに決まってるじゃない」

一方通行「そォか…確か反射されて…他の連中はどォした」ガバ

食蜂「車の外」

一方通行「なンでオマエが一人で車に残ってたンだ?」

食蜂「万一私に攻撃が飛んできたら防御する術が無いもの。だから貴方と一緒に車に居たの」

一方通行「攻撃だと?まさか戦闘してンのか?」

食蜂「うん」

一方通行「今誰が戦ってンだ?」

食蜂「御坂さんかな?。垣根はやられちゃった」

一方通行「…」

食蜂「かなり頑張ってたんだけどね。ちょっと油断した隙に…」

一方通行「生きてンのか?」

食蜂「そこの電車の陰で回復してるわ。削板だっけ?その人の力借りてね」

一方通行「……資材かと思ったら垣根達だったのか」
630 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:25:56.09 ID:K3BRf9CZ0
佐天「これです!これ!この感じです!」

御坂「…」

佐天「なんか…こう…能力者同士の戦いって憧れるんですよねぇ!」

御坂「佐天さーん」

佐天「これで思う存分戦えたらいいかな…なんて…垣根さんはかなり押せたし…もしかしたら一方通行さんも…」

御坂「おーい」

佐天「どんな能力の使い方が面白いかなぁ…」

御坂「しょうがないわねぇ!もう!」シュッ

佐天「砂鉄の剣ですね!」バッ

ビュオオオオオオ!

御坂「う…プラズマかぁ…」

麦野「手を貸しましょうかー?」

御坂「手助け無用!プラズマなら…風を起こしてやれば…」

木山「垣根くんは大丈夫かね?」

麦野「やられて逃げたわけじゃないから大丈夫ね。そのうち回復して戻って来るでしょ」

木山「しかしどう対処したものかな…」
631 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:26:24.42 ID:K3BRf9CZ0
ガチャ

食蜂「行くの?」

一方通行「あァ、気絶していた分働かねェとな。垣根がやられたンなら超電磁砲じゃまず無理だ」

食蜂「そう」

垣根「…ん、起きたのか」

一方通行「やられたみてェだな」

垣根「バッカ、戦略的撤退だ」

一方通行「ふン、何されたンだ?」

削板「正面からプラズマをぶち当てられた」

垣根「言うな!」

一方通行「貴重な体験したな」

垣根「チッ、防御したとはいえヒリヒリすんな…」

一方通行「なンで戦ってンだ?」

垣根「思い切り能力を使わせてAIMバーストを出そうと思ってな」

一方通行「出ンのか?」

垣根「俺が狙ってんのは能力の暴走だ。それさえあれば出てくるだろ」

一方通行「なるほどな」

垣根「が、言うほど簡単じゃねぇ。涙子ちゃんの能力の使い方や応用がかなり厄介だ」

一方通行「…」

垣根「なんでこの短時間のうちにあんな器用な使い方が出来んのかね…」

削板「そろそろ回復が終わるぞ」

垣根「早いトコ行って第三位と変わってやらねぇとな」
632 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:26:55.72 ID:K3BRf9CZ0
御坂「あー…やっぱ無理!」

佐天「ふっふーん」

麦野「まあ単純に考えたら私やあんたで勝てるわけないのよね」

佐天「じゃあそろそろ戦利品を…」ビュオッ

御坂「戦利ひ…ひゃん!」

麦野「?」

御坂「え!?ウソ!ウソウソウソウソウソ!?」ババッ

麦野「なに、どうしたのよ」

御坂「短パン取られた!!」

木山「短パン?あの距離でどうやって…」

佐天「風のベクトルを操り短パンの繊維を分解して取りました」

麦野「てかなんで短パンなんか…」

御坂「私の短パンが…」

佐天「次はパンツ行きましょうか」

御坂「…」ササササッ

麦野「ちょっと、なんで逃げてくるのよ」

御坂「さすがにパンツは敵わないわ」

木山「ふむ」
633 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:27:27.33 ID:K3BRf9CZ0
ドゴン!!

麦野「お」

御坂「やっと来たわね」

木山「さながら白い弾丸…」

御坂「やだ…ちょっとカッコイいわ…」

佐天「一方通行さん!?」

一方通行「佐天ンンン!次は俺が相手だァ!!」

麦野「やだ…なんか勢いが凄いわ…」

木山「鬱憤が溜まっていたのかもしれないな」

ギュウウゥン!

一方通行「オラァ!小型の台風だ!吹っ飛びやがれェ!!」ドバッ

佐天「はっ、反射を…」

一方通行「ぎィやはははは!」ブンッ

佐天「!?」

木山「あ、あれは…!」

御坂「え!?なに!?なんなの!?」

木山「一方通行くんのあのパンチ…木原神拳だ…」

麦野「木原…神拳…?」

634 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:28:09.40 ID:K3BRf9CZ0
佐天「いたた…まさかパンチで飛ばされるなんて…でも接近戦なら削板さんの能力がある!」

一方通行「かかかっ…次は接近戦かァ…?そォらァ!」ドンッ

ドバッ!

御坂「今度は衝撃波…」

麦野「押してるわね」

木山「焦っていては一方通行くんには勝てまいよ。佐天くんがいくら組み合わせた能力で攻撃しようと先ほど全てを受け、防御した一方通行くんには通用しないだろう」

佐天「ならこれで…!」

麦野「あれは未元通行じゃないかしら」

御坂「多分…」

佐天「この攻撃ならダメージが通るはずです!」

カッ

一方通行「キヒッ…」

佐天「あ、あれ?なんで?」

一方通行「思った通ォりだ…素粒子を直接当てて対消滅させる攻撃みてェだな」

佐天「対…え?」

麦野「へぇ…」

御坂「どういう事?」

麦野「だから、垣根の能力は素粒子を操る能力なわけよ。人体は素粒子で構成されてるでしょ?」

麦野「一方通行の能力で素粒子を表面に引き出して、垣根の能力で活発になった高エネルギーの素粒子をそれにブチ当てるの」

麦野「当然、強い力の素粒子に負けちゃうから結果、弱い方が消えちゃうの」

御坂「じゃあ影が焼き付いたのは?」

麦野「それほどのエネルギーが働いたのよ。そりゃ素粒子のベクトルを操るほどですもの」

635 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:28:38.50 ID:K3BRf9CZ0
麦野「当然、防御しようとなるとあんたじゃ無理、私は分からないけど多分無理かな。垣根は原理さえ知ってるなら行けるわ」

御坂「あれ?でも一方通行はさっき反射出来ないって…」

麦野「今一方通行は反射した?」

御坂「あ」

麦野「今のは反射じゃなくて操作したの」

木山「なるほど、なるほど…」

一方通行「どォした、もうネタが尽きたのか?あァ!?」

佐天「よく分かんないけど今の一方通行さん滅茶苦茶怖い!」

一方通行「…」

佐天「…」

一方通行「じゃァこっちから…」

佐天「ごめんなさい!」ドンッ

ズボッ

一方通行「落とし穴…!」

ヒュゥゥゥゥ…

麦野「一方通行が穴に消えたわ…」

御坂「あの能力があれば一踏みで落とし穴作れるのね」

佐天「とりあえず穴を埋めておこう…」

麦野「ちょっと、あの子一方通行を埋葬し始めたわよ…」

御坂「佐天さん…」
636 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:29:09.80 ID:K3BRf9CZ0
垣根「一方通行がやられたか」

御坂「あ、戻ってきたんだ…」

麦野「ていうかあんたの考えって合ってんの?全然暴走しないわよ?」

垣根「分からない」

麦野「分からないって…あんたねぇ…」

削板「あそこに埋められてるのか?」

麦野「結構深いわよ、あの穴」

垣根「俺に任せろ」

麦野「うまくいくんでしょうね」

垣根「それは分からない」

麦野「…」

木山「今度は削板くんに行かせたらどうだ?」

垣根「ダメだ。コイツは俺達の能力を知らなすぎる」

麦野「え?あんだけ賢かったのに詳細知らないわけ?」

削板「実は」

垣根「だから俺が行く」

木山「そうか」
637 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:29:39.54 ID:K3BRf9CZ0
佐天「とりあえずこれで大丈夫だよね。うん…生きてる…よね?」

垣根「さて…」

佐天「また垣根さんですか?」

垣根「なんだ、またって」

佐天「またプラズマを…」

垣根「!涙子ぉ!!」

佐天「え?あれ?呼び捨てでしたっけ?」

垣根「ちゃんとパンツ履いてるかぁ!?」

バッ

御坂「…」

麦野「…」

木山「…」

削板「おお」

佐天「え?」

垣根「あー水玉かー」

麦野「なにあれ…」

御坂「佐天さんが初春さんにいつもやってる事…」

麦野「誰よ初春って…」

佐天「きゃあああ!何するんですか!」

垣根「暴走のために手段はいとわない」
638 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:30:07.80 ID:K3BRf9CZ0
佐天「離れてください!もう!」

ドバァン!!

垣根「おっと」

麦野「あんた何やってんのよ」

垣根「恥ずかしさの余りに暴走するかと思って」

麦野「あんた復活する時、脳になんかされたんじゃない?」

垣根「そんなはずは…」

削板「しかしどうしたものか…もう少しで日が暮れてしまうぞ」

木山「…分からず屋には一発叩き込むと治るぞ」

垣根「殴れってか」

麦野「うーん…」

御坂「あんまり接近したくないわね…」

食蜂「いい考えがあるわ」

御坂「あ、来たの?」

食蜂「流石に寂しいもの。一方通行は行っちゃったし…ていうか見当たらないわね…???」

御坂「…多分地面に潜ってるんじゃない?うん」
639 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:30:34.82 ID:K3BRf9CZ0
麦野「で、その考えってのは?」

食蜂「一人ずつじゃなくて複数でかかればいいのよ」

御坂「あ、そうか」

食蜂「誰かが戦ってる時に高速で近づいて気絶する程の強さで殴る。これで解決よ」

麦野「気絶する程…だったら殴るのは男ね」

垣根「女を殴るのか…?それはちょっと…いやでも…」

削板「ぐぐ…」

麦野「女に手を挙げるなんて削板には向かないわね。やっぱここは垣根が…」

佐天「きゃあああああああ!」

垣根「!」

御坂「見てあれ!地面から手が生えて佐天さんの足掴んでる!」

麦野「あれ一方通行の腕じゃない!」

木山「チャンスだ垣根帝督!」

垣根「ぐっ…しかし中学生を殴るのは…せめて第三位くらいに生意気だったら…」

御坂「おい」

垣根「ウダウダ言ってる時間は無ぇ!俺が…」

削板「うおおおおぉぉ!!」ダッ

垣根「あ、お前が行くんだ…」

640 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:31:01.99 ID:K3BRf9CZ0
佐天「なにこれ怖い!ごめんなさいごめんなさい!」

腕「…」

削板「すまない佐天!根性無くてすまない!」

佐天「あ、あれ?削板さんいつのまに…」

削板「すごいパー…」

垣根「バ、バカ!普通に殴れ!」

佐天「え?」

削板「ンチ!!」

バキッ!

佐天「あぐっ!」

ドサッ

削板「よし!」

木山「成功したみたいだな。急い運ぼう」

メキメキメキ…!

一方通行「ハッ…ハッ…終わったみてェだな…」

削板「一方通行のおかげだ!」

一方通行「ン?あァ…」
641 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:31:28.72 ID:K3BRf9CZ0
水穂機構病院


佐天「う…ここは…」

木山「起きたかい?」

佐天「あ…そうか…私負けたんだっけ…」

木山「色々と苦労させられた。今後はこのような事が無いよう、頼むよ?」

佐天「ごめんなさい…いつっ…!」

木山「削板くんが思い切り殴ったからな…痛むかい?」

佐天「少し…」

木山「はは、安い代償だ」

佐天「御坂さん達は?」

木山「下のホールに居るよ。会って来たまえ」

佐天「ありがとうございます!」タッ

木山「レベル5を束ねた多才能力…」

木山「ギミックは非常に面白い物だったな…」

木山「私もやってみようかな…いや、やめておこう。殴られては適わないからな」

642 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:31:57.94 ID:K3BRf9CZ0
垣根「なあ」

削板「なんだ?」

垣根「なんでお前が殴りに行ったんだ?」

削板「垣根には心理定規が居るだろ?万が一責任を取れと言われたら困るだろ」

垣根「どんな心配してんだか…」

削板「ははは」

一方通行「チッ、埋葬されたなンざ始めてだぞ…」

御坂「それにしても最後のアレは凄かったわね」

一方通行「あァ?」

御坂「ほら、地中から佐天さんの足掴んだやつ」

一方通行「地面ン中で話が聴こえたから協力したまでだ」

御坂「どんな耳してんのよ…」

食蜂「ねえ、こんなの拾ったんだけど」

一方通行「短パン…?」

麦野「短パンならそこのお子様のじゃないかにゃーん?」

御坂「おっ、お子様ですって!?」

麦野「お子様じゃねぇってんならスカート捲ってパンツ見せてみな」

643 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:32:27.01 ID:K3BRf9CZ0
御坂「なっ」

垣根「…」サササッ

麦野「短パンで隠すぐらいだからガキっぽいの履いてんだろ?」

フワッ

御坂「きゃっ!」

垣根「ん…なんでぇ、ゲコ太じゃねぇか」

御坂「あんた!また捲ったわね!」

垣根「何言ってる。俺はまだ捲ってねぇよ」

御坂「は?じゃあ誰が…」

佐天「私です、御坂さん」

一方通行「起きたか」

佐天「はは…ご迷惑おかけしました…」

垣根「へぇ…今の、涙子ちゃんのちゃんとした能力か」

佐天「レベル0の空力使いですけどね…」

麦野「ん?レベル0?それにしては…」

一方通行「レベル0の空力使いには…スカートを捲るほどの力は無ェはずだ」

佐天「え?」
644 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:32:55.82 ID:K3BRf9CZ0
垣根「そういやそうだな…確かにレベル0にそれほどの力は無いはずだな。この程度だと1か2か…」

佐天「どういう事ですか?」

一方通行「さァな…多才能力を通してレベル5と触れ合ったとか…適当に理由はこじつけれるが…」

麦野「ここは自分に自信が付いたからって考えるのが妥当かしら?」

食蜂「今日褒められたからじゃない?」

垣根「褒められたぁ?」

食蜂「覚えてないみたいね」

佐天「…そっか、あの時削板さんにすごいって言われてそれで…」

垣根「削板ならあっちだ」

佐天「私行って来ます」タタッ

一方通行「…結果的に佐天のためになったみてェだな」

御坂「そうね」

垣根「そうだ、俺の話聴いてくれよ」

一方通行「話だとォ?」

麦野「ロクな話を期待してるわ」

垣根「今日ビルに向かって俺が墜落したろ?そん時に生意気なガキに会ってよぉ…」

645 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:33:21.54 ID:K3BRf9CZ0
佐天「削板さん」

削板「あ、ああ…佐天…か…」

佐天「様子、おかしいですよ」

削板「いや…うん…いや…」

佐天「私、思い切り殴られました」

削板「ぐ…根性無しでスマナイ…」

佐天「いいんです!それは」

削板「え?」

佐天「私、感謝してるんです」

削板「???」

佐天「ダムで削板さんに褒められた時、嬉しくなってもっと能力を使ってみたいと思ったんです」

削板「そ、そうか…?」

佐天「結果、みんなに迷惑かけちゃったけど…」

削板「それこそもういい事だぞ。あいつらに会った時一人でも佐天を責めたか?誰も気にしてない」

佐天「皆良い人達です」

削板「ああ。だから万が一…君が無能力という立場で苦しんでるなら俺達を頼るといい。絶対力になれる」

佐天「あの…そのことなんですけど…」

削板「うん?」

佐天「私、レベル0の能力者なんです。でも今日の出来事でレベルが上がったんだと思います」

削板「?」

佐天「削板さんにすごいすごいって言われて、それで一気に自信が付いたからだと思うんです」

削板「そうか、それはなによりだ」

佐天「はい。だから私削板さんに感謝しています!殴ったことについては感謝出来ることじゃありませんけどね」

削板「ぐぬ…本当にスマン…取れるもんなら責任は取る…」

佐天「あはっ、本当ですか?じゃあ…」
646 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:33:48.45 ID:K3BRf9CZ0
垣根「俺帰る」

麦野「私も帰る」

一方通行「俺も帰るかァ」

食蜂「あーあ…私も帰ろっと」

御坂「はぁ…私もそうしよう…」

垣根「なんだよ…殴って芽生える物って…それだったら今日ゲンコツかましたガキにもなんか芽生えてんのか?あ?」

麦野「さっきの話の子ね」

食蜂「さすがに無いんじゃないの?」

垣根「世の中分からねぇぞ」

麦野「第一あんたには心理定規が居るじゃないの」

垣根「最近冷たいんだ」

御坂「あ、黒子から着信入ってる」

一方通行「…ン、珍しく黒夜から着信が…」

垣根「そういや結標の2ndシングルはいつ出んだろうな」

一方通行「今度聴いといてやるよ」

垣根「おう」

一方通行「もォ別れ道か」

垣根「早いもんだ」

食蜂「お腹空いたなー」

御坂「何か食べてく?」

麦野「もう8時回ったのね…」

一方通行「ここで解散だな。また会おうぜェ」


647 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/13(土) 20:36:27.26 ID:K3BRf9CZ0
はい、ここで一旦終了です。
タイトルを付けるなら、佐天「多才能力かぁ…」でしょうね。

えー、まだこれで終わりではありません。
色々理由があるんですがまだスレタイ回収してません。

とりあえず次回の予告をするなら…黒夜のわらしべ長者、ですね。

では近いうちに来ます。また会いましょう。
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/13(土) 23:54:58.05 ID:TSYbT/ZAO
気づかなかった……
次回に期待しつつ乙
649 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 00:59:53.28 ID:Yv40WArT0
こんばんは。書き溜めが出来ましたので投下したいと思います。

ではよろしくお願いします。
650 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:00:30.23 ID:Yv40WArT0
翌日

一方通行「珍しくコーヒーがウマく淹れられた…」コポポ

番外個体「ミサカも飲むー!」ゴクゴクゴク

一方通行「何しやがる!!」

番外個体「ぷはっ、苦ー」

打ち止め「あー!!何飲んでるの!?ってミサカはミサカは興味津々!」

番外個体「めんつゆ」

打ち止め「め、めんつゆ…??それって猛烈にしょっぱいアレ…?クロヨルが間違えて飲んだアレ…?」

番外個体「そう。そのめんつゆ」

一方通行「クソッ…淹れ直しだ…」

ガチャ

黒夜「…」モソモソ

一方通行「ン、起きた…か…!?」

黒夜「なに?」

一方通行「なンて格好で寝てやがる。垣根が間違えて入ってくるかもしンねェからパンツ一枚で寝るのだけはやめろ」

番外個体「あーあー、胸も丸出しだなんて…」

打ち止め「うーん、黒夜は黒派なのね」

黒夜「何か飲み物…お、コーラがあるじゃねぇか」カチャン

番外個体「この展開は…!」

ゴクッ…

黒夜「かはっ!」

番外個体「うんうん」
651 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:01:01.37 ID:Yv40WArT0
黒夜「くそ…また飲んじまった…」

一方通行「そォいや…なンで昨日電話して来たンだ?帰って理由聴こうにも居ねェしよォ…」コポポ

黒夜「ん…ああ、お願いがあってかけた」

一方通行「お願い?」

ヒョイ

一方通行「あ」

黒夜「…」ゴクゴクゴク

一方通行「なンでだ!!」

黒夜「ふぅ…あれ」ピッ

一方通行「ン?…ああ、このカードか?」

黒夜「そう。そのカナミンのカード」

一方通行「これがどうしたってンだ?」

黒夜「くれ」

一方通行「?別に構わねェけど…こンなもンどォすンだ?」

黒夜「浜面とフレンダが持っててよ、それで買おうにもどこにも無いわけなんだわ。んで困ってたらここにあったってワケ」

一方通行「まァ垣根にタダで貰ったヤツだ。好きなだけ持ってけよ」

黒夜「いや、一箱でいい」

一方通行「一つでいいのか?なンなら二つぐらいでもイインだぞ?」

黒夜「じゃあ二つ貰おうかな」

一方通行「ン」
652 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:01:30.87 ID:Yv40WArT0
番外個体「これで残り四箱か」

打ち止め「ふんふん、これはカナミンの対戦カードゲームなのね」

黒夜「ちょっと出掛けてくる」

一方通行「どこ行くンだ?」

黒夜「あいつらの前で開封して来る」

一方通行「そォか」

黒夜「んじゃ着替えるかな…」

番外個体「あー、暇だなー」

一方通行「昼寝でもしてろ」

番外個体「どっか連れてけってことだよ」

一方通行「芳川に着いて行けばよかったじゃねェか」

番外個体「何が楽しくて病院に着いて行かなきゃならないわけ?うーん…冷蔵庫には何も入ってない」カチャン

一方通行「ン…買い物もアリだな。これでやっと飲める…」コポポ

打ち止め「ねえムスジメはー?」

一方通行「新しいCDの事で忙しいって早いうちに出てったぞ。確かここらへんに資料が…」ゴソゴソ

番外個体「…」トポポ

一方通行「ホラ、これだ」

打ち止め「これジャケットってヤツ?」

一方通行「あァ」

打ち止め「シルエットがとってもカッコいいね!、ってミサカはミサカは評価してみる!」

一方通行「そいつは良かったな…」ゴクッ

番外個体「ひひ」

一方通行「かはっ…!めンつゆじゃねェか!!」
653 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:01:57.72 ID:Yv40WArT0
黒夜「じゃあ行ってくる」

一方通行「ごほっ…そォいや絹旗はどォした」

黒夜「バイトの面接するとか言ってた」

一方通行「バイト?」

黒夜「よく分からないけど…行ってきます」カチャ

一方通行「バイト出来るような年齢だったか…?」

打ち止め「一つでいいからミサカにもこれちょーだい!」

一方通行「散らかすンじゃねェぞ」

打ち止め「はーい!」

番外個体「やっぱり苦い」ゴク

一方通行「…」

打ち止め「お宝カードが眠ってる予感…黒夜と対戦出来るように準備しとこっと」

一方通行「…買い物に行くかァ」

番外個体「お、出掛けるの?」

一方通行「打ち止め、準備しろォ買い物に行くぞ」

打ち止め「うん」

番外個体「ミサカも準備しよっと」

一方通行「えっと…買う物は…」
654 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:02:57.40 ID:Yv40WArT0
黒夜「勢いで二箱貰ったけど正直一箱で全然大丈夫なんだよなぁ」

黒夜「目の前で開封して分けるか…?」

「あー…なんでどこにも無いんや…」

黒夜「?」

青髪ピアス「頼みの綱の最後の店にも置いとらんかったし…」

黒夜「…」

青髪ピアス「カナミン…どうしてカードがどこにも無いんや…」

黒夜「カナミン…」チラ

黒夜「これだよな…うん」

青髪ピアス「はぁ…」

黒夜「なぁ」

青髪ピアス「ん?なんやお嬢ちゃん…お、エライ可愛いなぁ」

黒夜「カナミン、探してんのか?」

青髪ピアス「ん、聴いとったんか?いやーそうなんよ、色々探し回ってどこにも見当たらんし…」

黒夜「これ」

青髪ピアス「ん…?これ僕が探しとったのと同じ…」

黒夜「二つあるから…一つやる」

青髪ピアス「え!?本当!?」

黒夜「本当」

青髪ピアス「いやーめっちゃ嬉しいわぁ!」

黒夜「ん」ヒョイ

青髪ピアス「あ…でもタダで貰うわけにはいかんしなぁ…うーん…」

黒夜「別に構わねぇんだけど…」

青髪ピアス「いやいや!女の子に物貰いっぱなしはアカン!」

黒夜「私は別にいいんだけどな」
655 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:03:49.53 ID:Yv40WArT0
黒夜「勢いで二箱貰ったけど正直一箱で全然大丈夫なんだよなぁ」

黒夜「目の前で開封して分けるか…?」

「あー…なんでどこにも無いんや…」

黒夜「?」

青髪ピアス「頼みの綱の最後の店にも置いとらんかったし…」

黒夜「…」

青髪ピアス「カナミン…どうしてカードがどこにも無いんや…」

黒夜「カナミン…」チラ

黒夜「これだよな…うん」

青髪ピアス「はぁ…」

黒夜「なぁ」

青髪ピアス「ん?なんやお嬢ちゃん…お、エライ可愛いなぁ」

黒夜「カナミン、探してんのか?」

青髪ピアス「ん、聴いとったんか?いやーそうなんよ、色々探し回ってどこにも見当たらんし…」

黒夜「これ」

青髪ピアス「ん…?これ僕が探しとったのと同じ…」

黒夜「二つあるから…一つやる」

青髪ピアス「え!?本当!?」

黒夜「本当」

青髪ピアス「いやーめっちゃ嬉しいわぁ!」

黒夜「ん」ヒョイ

青髪ピアス「あ…でもタダで貰うわけにはいかんしなぁ…うーん…」

黒夜「別に構わねぇんだけど…」

青髪ピアス「いやいや!女の子に物貰いっぱなしはアカン!」

黒夜「私は別にいいんだけどな」
656 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:04:23.47 ID:Yv40WArT0
青髪ピアス「なんかあればええんやけど…お、そういえば…」ゴソ

黒夜「?」

青髪ピアス「商店街のおっちゃんに貰った大量の福引券!!」

黒夜「福引券?」

青髪ピアス「そう。ここの中心で福引やっとるんよ。それの券、これで…うーん…30回は回せるんとちゃうかな?」

黒夜「へぇ」

青髪ピアス「これと交換や!割りに合わないかもしれんけどあいにくコレしかないんや…」

黒夜「まあ、なんでもいいけどな」

青髪ピアス「ほなコレ」ス

黒夜「ん」

青髪ピアス「ほんま助かったわー!どうもありがとなお嬢ちゃん!」

黒夜「ああ」

青髪ピアス「頑張ってなんか当てるんやでー!ほな」

黒夜「…福引券か、回すか」

黒夜「…」

黒夜「景品は何があんだろうな」

黒夜「そういえば番外個体が言ってたがカナミンの出所も垣根のやった福引だったっけか…なんでさっきの兄ちゃん福引しなかったんだ?」

黒夜「もう無かったのか?」
657 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:05:23.99 ID:Yv40WArT0
「ハズレー。はいティッシュね」

黒夜「次」

「どうぞー!」

カラカラ

「残念!またティッシュ!」

黒夜「次」

「張り切ってどうぞ!」

黒夜「あと五回か…」

カラカラ

「お」

黒夜「ん、違う色…」

「大当たりー!三等の最新鋭健康器具を贈呈!」カランカラン

黒夜「健康器具??」

「あー!!」

黒夜「?」チラ

吹寄「当てられた…」

黒夜「これは…わらしべの予感!」

吹寄「とほほ…」

黒夜「おい姉ちゃん」

吹寄「?」
658 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:05:49.79 ID:Yv40WArT0
黒夜「この健康器具、どうせ使わないから姉ちゃんにやる」

吹寄「え!?」

黒夜「でもタダってワケにはいかない。なんかと交換してくれ」

吹寄「交換…確か今バッグに…」

「どうぞーお嬢ちゃん」

黒夜「ん」

吹寄「これがあったわ」

黒夜「豊乳サプリ?」

吹寄「色々頼んだらオマケで貰ったやつなの。でも私は使わないし…かなり高価な物みたいだから捨てるわけにもいかないし…」

黒夜「ふむ…」

吹寄「でもさすがにこんなものじゃダメよね…他に何かあったかしら…」

黒夜「いや、これでいい」

吹寄「本当に?」

黒夜「結構高い物なんだろ?」

吹寄「そうね…確か二万近くしたような…」

黒夜「うん。これでいい」

吹寄「そう?」

黒夜「ホラこれ」ズズッ

吹寄「なんか悪いわね」

黒夜「使わない私が持ってるよりはずっといい」

吹寄「じゃあありがたく貰うわ。どうもありがとうございます」

黒夜「うん」
659 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:06:23.19 ID:Yv40WArT0
黒夜「豊乳の逆は貧乳…そんなヤツにこれを渡せば更なる何かに…」

黒夜「私はまだ成長すんだろ。うん」

黒夜「さて…………」

「入園許可証はお持ちですか?」

黒夜「第一位の使いで来た。第三位の御坂美琴を呼んで欲しい」

「第一位の?何か第一位との関係が確認出来るようなものは…?」

黒夜「前に皆で撮った写真があったな…ん」

「はい…確かに第一位…少々お待ちください」

黒夜「案外簡単にいけるな」

「お待たせしました。現在学舎の園内にて行動しているようです。門を開けますのでどうぞお入りください」

黒夜「どうやって会えばいい?」

「こちらの方にお呼びしましたので途中でお会い出来るかと思います」

黒夜「オッケー」

--------------------------------

御坂「何かしら…一方通行の使いって…」

食蜂「そういえばいつも一緒の風紀委員の子は?」

御坂「風紀委員の集まりに行ったわ」

食蜂「そ」

御坂「…あれ?こんなナチュラルにつるんでたっけ…??」

食蜂「待たせるとアレだから早く行きましょうよぉ」

御坂「え?あ、うん」

--------------------------------

黒夜「…」テクテク

黒夜「お」

御坂「あれ?」

食蜂「?」

黒夜「見つけた」

御坂「???」
660 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:06:51.66 ID:Yv40WArT0
黒夜「私が一方通行の使いだ」

御坂「確か旅行の時に居た…」

黒夜「おう」

食蜂「だ、誰?」

黒夜「黒夜海鳥」

食蜂「ふーん…」

御坂「わざわざこんな所までどうしたの?」

黒夜「待った」

御坂「?」

ムニュ

食蜂「!」

黒夜「うーん…」ムニュムニュムニュ

食蜂「ばっ…!くすぐった…ははっ…!」

黒夜「本物か…」

御坂「うん、気持ちは分からないでもないわ」

食蜂「はぁ…はぁ…一体何が…」

御坂「もしかして胸揉むために来たの?」

黒夜「もしそれだけが目的だったらあんたは呼ばねぇよ」
661 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:07:20.08 ID:Yv40WArT0
御坂「じゃあ一体…」

黒夜「コレ、何かと交換しようぜ」ピッ

御坂「?何これ…」

食蜂「豊乳サプリ…??」

御坂「ちょちょ、ちょっとこっち来なさい」

黒夜「なんだよ」

御坂「これ何よ」

黒夜「見たまんまのモンだと思う。あんた多分こういうの必要だろ?」

御坂「自分で使えばいいんじゃないの?」

黒夜「私は多分まだ成長する…はず」

黒夜「本来メチャクチャ高いモンらしいからきっと効き目抜群のはずだぜ。現にコレをくれたヤツはそこのヤツ以上だった」

御坂「食蜂以上…」ゴクリ

黒夜「どうする?」

御坂「…何かあったかしら」ゴソ

黒夜「何か凄いやつをくれ」

御坂「あ、いいのがあったわ」

黒夜「?」

御坂「じゃじゃーん!」ピラ

黒夜「なんだコレ」
662 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:07:48.36 ID:Yv40WArT0
御坂「水族館のペアチケット。最近出来た凄いって噂の水族館のやつね」

御坂「人を誘うにしても皆都合つかないから困ってたのよ」

御坂「だからこれと交換しましょ!」

黒夜「うーん…水族館か…」

御坂「これじゃダメ?」

黒夜「いや、これでいいよ」

御坂「そう、じゃこれで成立ね!」

黒夜「さて…これをどうすっかな…」

食蜂「もう用事は済んだの?」

御坂「あー…他に何かあったりする?」

黒夜「…誰でもいいから知り合いを紹介してくれ」

御坂「知り合い?」

黒夜「出来れば常盤台の外の」

食蜂「あなた外に知り合いいるの?」

御坂「失礼ね…佐天さんがまさに知り合いの一人よ」

食蜂「ああ…昨日の…」

御坂「あ、そうだ。じゃあね…」
663 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:08:20.07 ID:Yv40WArT0
「柵川中学の風紀委員の支部を尋ねるといいわ。そこに私の知り合いがいるから」

黒夜「と、言われて来たが…どうやって風紀委員を尋ねればいいのやら…」

------------------------------

佐天「昨日は凄かったなぁ…」

初春「またその話ですかー?」

佐天「だってまだ詳しく話してないんだよ!?」

初春「でも佐天さん、さっきから削板さんの下りしか…」

佐天「分かってないなぁー初春は…」

初春「はぁ…じゃあ肝心の能力の話をしてくださいよ」

佐天「能力?能力はね…未元通行が凄かったかな?」

初春「未元通行!?未元通行って言ったんですか!?それは垣根さんが攻めで…」ガシ

佐天「え!?何!?」

白井「初春ー」

初春「あ、すいません。つい…」

佐天「うわー今の初春凄い迫力だったなー」

初春「だからすみませんって…あれ?」

白井「どうかしましたの?」

初春「校門に居るあの黒い人」

佐天「黒い人…?」

初春「確か披露宴の時に見たような…」

白井「ふむ…声を掛けて来たらいかがですの?」
664 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:08:52.78 ID:Yv40WArT0
初春「あのー…」

黒夜「あん?」

初春「どうかしましたか?」

黒夜「あー…ここの風紀委員に用があるんだけど…」

初春「あ、それでしたら私が風紀委員なんでご案内しますよ」

黒夜「ん」

初春「それでですね…」

黒夜「?」

初春「もしかして…一方通行さんの披露宴に居ました?」

黒夜「居たけど…それが?」

初春「ああ、やっぱり。実は私や他の風紀委員の人も披露宴に呼ばれてたんですよ」

黒夜「へぇ」

初春「一方通行さんとはどういう仲なんですか?」

黒夜「………まあ…兄ちゃんだな」

初春「お兄さん…?」

黒夜「多分」

初春「ほあー、妹さんが居たんですねぇ」

黒夜「多分想像してるのと違うぜ」
665 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:09:20.34 ID:Yv40WArT0
初春「戻りましたー。一方通行さんの知り合いの方でした」

佐天「あれ?連れてきたの?」

初春「なんか御用があるとかで」

白井「御用?何かお困りで?」

黒夜「第三位の超電磁砲の知り合いがここに居るって言うから来た」

白井「お姉さまの?」

黒夜「あんたみてぇだな」

白井「いえ…私だけというわけでは…」

黒夜「ん?」

白井「そこのお二人もそうですの」

黒夜「あんた達も…」

白井「それはそうとどんな御用ですの?」

黒夜「さっき御坂美琴に会って来てな…」

piririririri

黒夜「ん…」

初春「ここの電話ではありませんね」

佐天「ごめんごめん、私。ちょっと出てくるね」

白井「お姉さまに会って…どうなされたんですの?」

黒夜「今の子が戻ってきたら続きを言う」

初春「お茶どうぞー」

黒夜「…」ズズッ
666 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:09:49.93 ID:Yv40WArT0
黒夜「そうだ、なあ」

初春「?」

白井「はい?」

黒夜「あんたら彼氏って居るのか?」

初春「あはは、居るわけないじゃないですか」

白井「私もあいにくそういったものは…」

黒夜「あぁ?じゃダメか…」

白井「一体なんですの?」

黒夜「じゃあ今居たのは?」

初春「え?うーん…居ないと思いますよ?」

黒夜「あー…」

白井「どうなされたんですの?」

黒夜「ここに新しく出来た水族館のペアチケットがあるんだ」

初春「あ、これ最新鋭の設備が凄いって噂の…」

白井「そういえばお姉さまに行かないかとお誘いされましたの」

初春「あ、白井さんもですか?私も誘われました。来賓の警護が無ければ行くんですけど…」

白井「ええ。この手のチケットにしては珍しく日にちが指定されてますからなお更ですの」

黒夜「指定?」

初春「ええ。まだオープンして時間経って無いんですけど人数が凄くて…それで一日辺りの人数を制限するために日付毎のチケットが発行されたんです」

黒夜「そんなすげぇのか…」
667 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:10:17.00 ID:Yv40WArT0
白井「おや…偶然にもお姉さまのチケットと同じ日にちですの」

黒夜「そのお姉さまに交換してもらったチケットだからな」

白井「交換?」

黒夜「豊乳サプリってヤツと」

白井「豊…乳…?」

初春「それも最近噂のヤツじゃないですか?一ヶ月の服用でバストアップ!ってヤツです」

白井「ほぉー」

初春「あれ?でも…えーと…」

黒夜「黒夜でいい」

初春「あ、初春飾利です。それで黒夜さんは一緒に行く人は居るんですか?それこそ彼氏さんとか…」

黒夜「居ない」

初春「そうなんですか」

佐天「ごめんごめーん」

初春「誰から電話だったんですか?」

佐天「んー?友達だよ!」

初春「あぁ」

佐天「いやー、でも困ったなぁ…」

白井「今度はなんですの?」

佐天「第四学区のレストランの予約をしてたんだけど、どうも時間の都合が付かなくなっちゃったみたいで…」

668 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:10:44.26 ID:Yv40WArT0
佐天「第四学区まで行く時間が無いってなっちゃったんだよねー」

初春「お友達の都合が合わなくなったんですか?」

佐天「そうそう。近場なら時間取れるって言われたんだけどいざ近場ってなるとねー…」

黒夜「なあ」

佐天「?」

黒夜「そのレストランの予約ってさ、なんか…券が発行されたりとかしたか?」

佐天「一応有名所のレストランだから発行してくれたよ。ほら」ピッ

黒夜「おお」

佐天「やっぱキャンセルして適当に近いところに…」

黒夜「その券、これと交換してくれ」

佐天「え?」

初春「ああ、それいい考えですね」

黒夜「このチケットは新しく出来た水族館のなんだ。この水族館なら第七学区にあるし…」

佐天「え?水族館の?ホントに?」

黒夜「ホントに」

佐天「うわぁー、全然オッケーだよ!」

黒夜「じゃあ交換だな」

初春「良かったですね黒夜さん」

黒夜「おう。さて、目的は果たしたし行くかな…」

白井「お帰りですの?お気をつけて」

黒夜「ん」

初春「それにしても佐天さん、有名所の予約なんて一体どうやって…」

佐天「えー?それはねぇ…」
669 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:11:12.85 ID:Yv40WArT0
黒夜「さて、このレストランの予約券はどうすっかな…」

垣根「あー、腹減った」

黒夜「…」

垣根「よお、チビスケじゃねぇか」

黒夜「おい、なんだその呼び方は」

垣根「いつものイルカはどうした?」

黒夜「背中に背負ってんだろ、よく見ろ」

垣根「ははっ、可愛いなお前」

黒夜「…」

垣根「まあそんな怪訝な表情すんな。カルシウム足りてるか?牛乳飲むか?」

黒夜「…」

垣根「あー、腹減ったな。なんか食うか」

黒夜「ここにレストランの券がある」スッ

垣根「へえ、くれるのか」ヒョイ

黒夜「タダでとは言ってない」

垣根「なんだ?飯奢れってか?」

黒夜「あげてもいいけど何かと交換だ」

垣根「金を払えとかじゃなくて交換しろってか…なんかあったかな…」ゴソ

黒夜「財布に何か入ってんのか?」

垣根「案外財布には色んな物が入ってるもんだ」
670 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:11:42.56 ID:Yv40WArT0
垣根「お…これは…うーん…」

黒夜「なんかあんのか?」

垣根「いや…まあ…別にいいか…?」

黒夜「要領得ねぇな」

垣根「ここにとあるアクセサリーの権利書がある」

黒夜「また券か。んでそれが?」

垣根「この権利書のアクセサリーは前に俺が作製に協力した物だ」

垣根「未元物質製の家具が出回ってたのは知ってるか?それの派生みたいなもんだ」

垣根「んで、何が凄いかって言うとだな…なんとこのアクセサリー、学園都市に十個しかねぇんだ」

黒夜「へー」

垣根「とある企業の記念セレモニーで特別に用意された物でな、製作者側で持ってるのは俺だけなんだ。意味分かるか?」

黒夜「ホントに十個しかないんだろ?」

垣根「そうだ。そして俺が持ってるこの権利書のアクセサリーがその十個の一つなわけだ」

黒夜「もしかしてそれと交換してくれんのか?」

垣根「正直持ってても仕方ないからそれでもいい。ホントは心理定規にでもやろうと思ったんだがなぜか既に持っててな」

黒夜「なるほどな」

垣根「だが、いざ手放すとなるとちょっと勿体無い気もする。正直そのレストランの券じゃ釣り合わないんじゃないかと思う」

垣根「でも持ってても仕方ないから、お前には少し色付けてもらう、それで交換してやる」

黒夜「?」

垣根「お願いお兄ちゃんって言ってみてくれ」

黒夜「…」
671 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:12:11.73 ID:Yv40WArT0
垣根「あ、とびきりの笑顔でな」

黒夜「そういうのは絹旗にでも頼むんだな」

垣根「何言ってやがる。こういうチャンスは滅多に無いんだからお前に頼んでるんだよ」

黒夜「何で急にそんなこと言い出した」

垣根「は?気分だよ気分」

黒夜「?」

垣根「ホラ、一回でいいから。ホラ」

黒夜「…」

垣根「アクセサリー自体はすげぇ希少な物だ。損は無いぜ?」

垣根「ちなみに仕様について言うなら…」

黒夜「仕様?」

垣根「まず肝心のアクセサリーの形態だが、ポピュラーなネックレスタイプ。肝心のペンダント部分は天使の羽をモチーフにして地球をイメージした水晶をあしらっている」

垣根「この水晶部分は当然の如く未元物質を使用している。この部分は時間、気温、湿度、天候、曜日、季節によって様々な光り方をする」

垣根「どんな光り方をするのかは俺も完全に把握してねぇ。その情報が出るや否や問い合わせが殺到!」

垣根「厳選なる抽選の結果、十人の人物の手に渡った。ちなみにうち一人が俺な、あと心理定規か」

黒夜「それいくらぐらいするんだ?」

垣根「あー…販売したわけじゃねぇんだ。売り物じゃねぇからなおさら希少なんだよ、再生産する物でも無いからな」

黒夜「ホントにそれくれんのか?」

垣根「さっき言った事をやってくれればな」

黒夜「…」
672 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:12:39.00 ID:Yv40WArT0
黒夜「よし、分かった」

垣根「へへ」ニヤ

黒夜「一回しかやらねぇぞ」

垣根「二回やらなくていいようにとびきりの笑顔だぞ」

黒夜「よし…」

垣根「…」ス

黒夜「お願いっ!お兄ちゃん!」ニヒッ

垣根「おお…」カシャッ

黒夜「テメェ!何撮ってやがる!!」

垣根「はははぁ!」

黒夜「この……!おい、そのケツの雑誌はなんだ?」

垣根「は?雑誌は雑誌だよ」

黒夜「よこせ!」ブン

垣根「あ!」

黒夜「週刊フォトコンテストだとォ?」

垣根「…」

黒夜「…」

垣根「第三位は準優勝だったがお前なら優勝出来るぜ」

黒夜「この野郎!!」

垣根「ほら、権利書だ!企業が近くにあるから貰って来い!」バサッ

黒夜「次会ったらタダじゃおかねェ!」

垣根「あばよ!」


673 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:13:07.07 ID:Yv40WArT0
「ありがとうございましたー」

黒夜「ふん…」

黒夜「これがアクセサリーか…」ジロ

黒夜「なんか豪華な感じはする…するだけだ」

黒夜「そろそろ目当ての物になってもいいような気がすんだけどな…まあそんなうまくはいかないか…」

黒夜「うーん…」

「っかしーな…」

ドンッ

「ととっ…悪ぃな。余所見してたからよ」

黒夜「ん…あぁ…」

木原「あ?お前は確か…」

黒夜「おっさんは確か…」

木原「かーっ、相も変わらず可愛くねぇガキだ」

黒夜「別におっさんに可愛いと思ってもらうつもりは毛頭ねぇよ」

木原「木・原・だ。よく覚えとけクソガキ」

黒夜「さぁね」

木原「チッ…ん?お前さんそれは…」

黒夜「これか?」

木原「そうだ、そのネックレス」
674 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:13:32.75 ID:Yv40WArT0
黒夜「なんでネックレスだって知ってるんだ?」

木原「あぁ?そりゃお前…俺も同じのを持ってたからだよ」

黒夜「そうか」スタスタ

木原「待て待て。まだ行くんじゃねぇよ」

黒夜「なんだよ?」

木原「俺が何してたのか知りたくないのか?」

黒夜「じゃあ聴いてやる。何を探してたんだ」

木原「そのネックレスだ」

黒夜「ああん?」

木原「俺もそのネックレスを持って"いた"。だがよ、昨日の夜中にここらへんでチェーンが切れたみたいで落としちまったんだよ」

木原「結構凝った作りだったからそれなりに気に入ってたんだわ」

木原「悪いことは言わねぇ。そのネックレスを俺によこせ」

黒夜「何言ってやがる」

木原「はっ、価値を知ってるみてぇだな。仕方ねぇ、こうなったら物々交換とシャレ込もうじゃねぇか」

黒夜「相応のモンじゃねぇと応じないぞ」

木原「しっかりしてやがんな。さて、何がいいか…」ペラペラ

黒夜「なんだそのファイルは」

木原「俺の仕事関係上、色々な所から色々な招待券が来るんだよ。それをファイリングしてるだけだ」

木原「どんだけ背伸びしてもガキはガキだ…相応のつったら…このヒーローショーの招待券はどうだ?ん?」

黒夜「ナメてんのか」

木原「冗談の通じないやつだ」ペラ

黒夜「!」

木原「あ?どうかしたか?」

黒夜「これがいい」

木原「これか?やっぱガキじゃねぇか…」

675 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:14:03.25 ID:Yv40WArT0
黄泉川宅にて


一方通行「はーっ…」ガサガサ

打ち止め「アイスアイスー♪」

一方通行「随分と遠出しちまったな…もう昼過ぎか…」

番外個体「疲れたー」

一方通行「お前はカゴの中に菓子入れてただけだろォが」

番外個体「いやん」

カチャ

一方通行「なンだ?オマエも帰ってきたのか?」

黒夜「やりたいことはやってきたからな」

一方通行「そォか」

番外個体「麦茶はっと…」

黒夜「ちょっとちょっと」

一方通行「ア?」

黒夜「ん」ピッ

一方通行「どォしたンだ?こンなもン」

黒夜「貰った一箱が色々あってコレになった」

一方通行「へェ、良かったじゃねェか。絹旗とか誘って行って来い」

黒夜「一緒に行ってくれるって約束したはずだ」

一方通行「なるほど、だから遊園地のペアチケットが出てきたわけか」

黒夜「今から行く」

一方通行「え?」
676 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:14:30.61 ID:Yv40WArT0
数時間後


一方通行「ク…ハ…」

黒夜「まあジェットコースターってのが面白かったかな」

一方通行「ったく…何回乗らせる気だっつの…」

黒夜「まあ楽しかったからよかったじゃんか」

一方通行「の割には笑顔を見せてねェじゃねェか」

黒夜「?」

一方通行「あンま笑ったことがねェのかもしンねェが楽しい時は笑うモンだ」

黒夜「それなら兄ちゃんもだ」

一方通行「俺は笑わないだけだ。もう何年も自然の笑顔ってモンから離れてるからな」

黒夜「うーん…」

一方通行「普段ちゃンと笑えてっか?」

黒夜「分かんねぇ」

垣根「よお、一方通行じゃねぇか」

一方通行「垣根…」

垣根「ちょうど良かった。今お前の家に行こうとしてたんだよ、ちょっと見てほしいもんがあってよ…」

黒夜「オイ」

垣根「え?お前…居たのか…?」

黒夜「また会ったな」ボボッ

垣根「クソッ!」ダッ

黒夜「待ちやがれ!!」ボンッ

ピラ…

一方通行「ン?写真…?」スッ

一方通行「…ハ、笑えてンじゃねェか…とびきりの笑顔でよォ」
677 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/15(月) 01:16:29.62 ID:Yv40WArT0
はい、今日は以上となります。
随分前に黒夜が遊園地に連れてけって言う話をしたのを覚えてますでしょうか?
その言葉を回収した次第です。

次の更新は近いうちに、また来ます。
ではまた会いましょう。
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 05:16:40.41 ID:LLenuV1bo
アイドル編はかなりぐだってたが、わりと持ち直してきたな。期待。
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 10:11:43.66 ID:5taKpEBx0
黒夜の可愛さに全俺が萌えた

680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 00:19:29.79 ID:PsGZ22two
ファイリングとか、木原くンもカワイイ所あンじゃねェか
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 16:30:00.51 ID:+pkOgaMSO
わらしべは面白いな
682 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:06:45.12 ID:EItHVWpl0
こんばんは。書き溜めが出来たので今から投下しようと思います。

ではよろしくお願いします。
683 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:07:59.16 ID:EItHVWpl0
翌日・旧スクール・アジトにて


垣根「zzZ」

ドカッ!

垣根「がっ!」

心理定規「起きなさい、帝督」

垣根「な、なんだなんだ!?」

心理定規「おはよう。よく眠れた?」

垣根「あ、あれ?お前、今俺の事蹴って…」

心理定規「私が貴方を蹴ったとか蹴らないとかどうでもいいの」

垣根「???」

心理定規「今日この日、貴方の性根を叩きなおす時が来たわ」

垣根「なんだ…?一体何を言って…」

心理定規「貴方にまともな人間になってもらうの」

垣根「へ?…ていうかこの雰囲気は前、病んだ時みたいな…」

心理定規「それで働いてもらうの。一緒に二人でお金を稼いで、復活の際にかかった料金を払って…それで…」

心理定規「一緒になるの」

垣根「…」

心理定規「まずは常識を教えなきゃいけないわね。長い間、闇の中で暮らして来た貴方には光の常識が無いの」

心理定規「やっぱ将来一緒に暮らすんだからそういうのは治さないとね?」

垣根「な、何を言って…」

心理定規「この場所に来なさい」バッ

垣根「地図…?」

心理定規「待ってるわ」スタスタ
684 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:08:32.45 ID:EItHVWpl0
垣根「何だぁ?一緒に連れてってくれりゃいいのに」

垣根「しかし性根を叩きなおすだと?そんな腐った性根をしてたか?俺は」

垣根「…また刺されたら困るから腹に何か仕込んでいくか」ゴソゴソ

垣根「心理定規が怖いからとりあえず行くか。靴…靴…っと」

垣根「痛っ!なんだ?靴の中に何かが…」

垣根「画鋲…?」

------------------離れた場所にて-------------------

白井「おや?」

上条「なあ、俺にも双眼鏡貸してくれよ」

白井「嫌ですの。ご自分でご用意してくださいまし」

御坂「今どうなってんの?」

白井「靴の中に仕込まれた画鋲に気付いたみたいですの」

御坂「本当に入れたんだ…」

上条「バードウェイから貰ったメモには社会の厳しさを教えるためにイジメを行えって書いてんだよ」

上条「されて嫌な事を体験しまくることで優しい人格を形成出来る…って書いてる」

白井「それがあの画鋲ですの?」

上条「そうだな」

----------------------------------------

垣根「どっかから紛れでもしたのか?危ねーな…」

垣根「えーと…場所は…」ガチャ

ボスン!!

垣根「…黒板消し…か?」

垣根「なんでこんなモンが…」

----------------------------------------

白井「本当に効果がありますの?」

上条「分からないな。でもバードウェイが言うんだから間違いないだろ」

御坂「全然気にした様子がないわよ?」

白井「第二位ともなると精神的にもお強いんですのね」

上条「このまま後を付けようぜ」
685 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:09:02.78 ID:EItHVWpl0
その頃


海原「はい…はい…ありがとうございます。では」

土御門「どうだった?」

海原「垣根さんからは許可をいただけました。これで全員のストラップ化の許可が下りました」

土御門「さて…あとは作製だけか…」

結標「なんかやっとって感じね」

土御門「とりあえず2ndを出したら落ち着くんだろ?」

結標「ええ」

土御門「いいことだ」

海原「あとは自分達に任せて帰っていただいて大丈夫ですよ?」

結標「いいのかしら?」

海原「あまり帰れてないのでしょう?一方通行さんの事もありますから、どうぞ」

土御門「後は俺たちでやっておく。一方通行に文句を言われたら敵わないからにゃー」

結標「そ、じゃあそうするわね」

海原「お気をつけて」

結標「何かあったら連絡ちょうだい」

土御門「分かった」

結標「じゃあね」ヒュン

土御門「んじゃ作業に戻るかな…」

piriririririri

土御門「ん?…上やんか?」
686 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:09:31.18 ID:EItHVWpl0
上条「もしもし?土御門か?」

『どうした?』

上条「いやさ、ちょっと協力してもらいたいことがあるんだけどさ」

『言ってみるといいにゃー』

上条「俺と一緒に垣根を襲ってほしいんだけど」

『は?』

上条「いやさ…」

白井「次は街中で振るわれる理不尽な暴力…ですの?」

御坂「うーん…あのバードウェイとかって子、ちょっとズレてるわね」

白井「ああいった方々に絡まれることで真面目に変貌するんですの?」

御坂「いや、私に言われても…あ、でもちょっとだけストーリー性あるわよ」

白井「え?」

御坂「…因縁を付けて殴りかかる…」

白井「それは…」

上条「な、頼むよ。人助けと思ってさ」

『まあ、上やんがそこまで言うのなら…』

上条「おお!」

『ただし、俺から一人推薦させてもらうにゃー』

上条「まあ人が多いほうが安全だろうし…いいぞ」

『じゃあ今からそっちに行くぜい』

上条「おう」

白井「さて、私も固法先輩に連絡を…」
687 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:10:00.46 ID:EItHVWpl0
チリンチリーン

「いらっしゃいませー」

上条「お、コンビニに入ったみたいだぞ」

御坂「出来れば早いとこ心理定規の所に行ってもらいたいんだけど」

上条「コンビニくらいいいじゃないか」

御坂「うん…あれ?」

上条「どうかしたか?」

御坂「コンビニの前、女の子が絡まれてるわ」

上条「え?」

---------------------------------------

小萌「わわ…大丈夫ですかー?」

「痛てて…」

「あーあーあーあーあー…」

「やべぇなーコレ骨折してるわー」

小萌「こっ…骨折ですか!?どどどどうしましょう…」

---------------------------------------

上条「小萌…センセ…」

御坂「え?先生?」

上条「あ、ああ…俺の担任…」

御坂「えっとこういう時は黒子…あれ?居ない」

上条「さっき席を空けるって言ってどこか行ったぞ」

御坂「じゃあ私達が助けるしかないわね」

688 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:10:32.00 ID:EItHVWpl0
「金だよ金!治療費払ってくれ…一千万!」

小萌「い、一千万…」

「なんだぁ?払えないってか?」

小萌「そんな大金は持ってないのですよー…」

---------------------------------------

御坂「ったく…道行く人は見事に見て見ぬ振りね」

上条「そう責めてやんなって、皆怖いんだろうよ」

御坂「ちょっと!あんた…達…」

上条「?どうした?」

御坂「垣根がコンビニから出てきてたわ」

上条「え?」

---------------------------------------

垣根「一千万の骨折ねぇ…」コツコツ

「おぉん!?なんだテメェは!」

垣根「この街は退屈しねぇなぁ…」

小萌「垣根ちゃん!」

垣根「ちゃん付けはやめてくれ…」

「なんならお前が払うか?あ?」

垣根「一千万の骨折ってのはな…こうすんだよ!」

「はぁ?お前が骨折すんのか?ははは!」

ゴキ

「あれ?」

689 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:11:02.47 ID:EItHVWpl0
「う、腕が逆方向に!!」

「お前首が!」

「え?は?」

垣根「お、お前足が!」

グキッ

「痛っ!」

垣根「あちゃー、こりゃ捻挫だな」

「この野郎!妙な事ばかりしやがって!」

小萌「ケンカはよくないのです!」

垣根「別にケンカってわけじゃない。目に付いたから掃除してやろうと思ったまでだ」

小萌「それでもダメなのです!」

垣根「…まあいいか。ほら散れお前ら」

「ク、クソッ!」ダッ

垣根「ったく…ああいうのに絡まれたら無視すんのが一番だぜ?」

小萌「無視していてはダメなのです!向き合ってちゃんと話をすることが大事なのです!」

垣根「妙な先生も居たもんだぜ…」

---------------------------------------

御坂「へえ…ちゃんと人助けとかするのね」

上条「そりゃ垣根だって悪人ってわけじゃない。前に一方通行と色々あったみたいだが改心っていうのか?したみたいだしな」

御坂「でもあれはやり過ぎじゃない?」

上条「いやー…誰彼構わず電撃で黒コゲにするよりは…」

御坂「最近はそんな事してないわよ!」

上条「そうか?」

御坂「でもこうしてあんたの先生比べて見ると垣根って随分大きいわね」

上条「180越えてるらしいからな。周りの連中で一番大きいんじゃないのか?」
690 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:11:32.97 ID:EItHVWpl0
土御門「上やん」

上条「お?おお、来てくれたか!」

土御門「来いって言われたらそりゃ来るぜい」

上条「えっと…土御門が推薦したって奴は…」

海原「こんにちは」

上条「お、おお」

海原「御坂さんもこんにちは」

御坂「え?ああ、はい、こんにちは…?」

上条「えーっと…海原…だよな…」

海原「ええ、貴方の良く"知っている"方の海原光貴です」

上条「は?」

土御門「上やん、ちょっとこっちに…」

海原「今日は彼と二人きりでしたか?」

御坂「あと一人居るわよ」

海原「おや、お友達ですか?」

御坂「後輩だけどね」

海原「そうですかそうですか…」
691 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:11:58.63 ID:EItHVWpl0
海原「その後輩とはどういった方で?」

御坂「あれ?知らない?結構私と一緒に居る事が多い子なんだけど」

海原「ふむ…残念ながら存じ上げませんね」

御坂「そう?」

海原「ええ」

土御門「なんだ?その後輩とやらにくら替えか?」

海原「失礼な。くら替えではありません、今御坂さんの傍には自分以上に相応しい人が居る。それだけです」

土御門「そうか」

海原「約束、守っていただけているようですね」

上条「お前だったんだな…ああ、約束は守ってるぜ」

海原「安心しました」

御坂「え?何?なんなの?」

上条「ああ、こっちの話だよ」

土御門「それより上やん、垣根は…」

上条「ああ、あそこで小萌先生と話してるのがそうだ」

土御門「んん?」

上条「そういえばお前ら大丈夫なのか?垣根を襲って」

土御門「前に海原と似たような事をやった事があるから大丈夫だろ」

海原「ああ、垣根さんに頼まれた時ですね」

土御門「そうだ、風紀委員の誰だったかに絡んだ時だ」
692 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:12:27.75 ID:EItHVWpl0
白井「おや?」

御坂「ああ、黒子。ちょうど良かったわ」

白井「はい?」

御坂「この子がさっき言った後輩」

海原「おや、あなたが」

白井「理事長のお孫さんではありませんの」

海原「海原光貴、以後よろしくお願いします」

白井「白井黒子と申しますの」

土御門「さて、自己紹介は済んだな。じゃあ上やん、早速話しを聴きたいんだが」

上条「おう」

御坂「あんた固法先輩は?」

白井「既に」

御坂「そう」

土御門「?」

上条「簡単に説明するとお前らに絡まれ反撃した垣根を無理矢理しょっぴく役だ」

土御門「大丈夫なのか…それ…」

上条「多分…」
693 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:13:01.61 ID:EItHVWpl0
白井「さて!では最後に一連の流れの確認を致しますの!」

白井「手始めにあなた方が垣根帝督に全力で絡んでもらいますの!」

白井「当然の如く返り討ちにされた所で固法先輩と私が突入!その後難癖付けて心理定規さんが待機している施設にしょっぴきますの」

白井「お姉さまは私達が危なくなったら出てきてくださいまし」

御坂「オッケー」

土御門「一ついいかにゃー?」

白井「どうぞ」

土御門「垣根をまともにするって言うのはよく分かった。俺たちが絡みに行くのはその施設とやらに誘導するための動きという解釈でいいのかにゃー?」

白井「考えた人の意図とは違うかもしれませんが私はそう考えてますの」

土御門「分かった」

上条「ちょうど先生が離れるみたいだ。準備しようぜ」

海原「ではこのサングラスを…我々の呼び方はブラザーとトムでお願いします」

上条「え?」

---------------------------------------

小萌「じゃあさっきの話、考えておいてくださいね」

垣根「分かった分かった」

小萌「返事は一回なのです」

垣根「分かった」

小萌「あ、あともしよかったら一方通行ちゃんにも話しておいてくださいね?」

垣根「は?でも確かアイツ…籍だけはどっかに置いてたような…」

小萌「今日はありがとうなのです。じゃ、気をつけてくださいね」

垣根「あ、あぁ…」

垣根「…ま、いっか。じゃあさっさと心理定規んトコに…」チラッ

上条「…」

土御門「…」

海原「…」

垣根「なんだ?お前ら…俺の顔になんか付いてるか?」

---------------------------------------

御坂「ウソ…あの程度の変装でもバレないんだ…」

白井「適当に髪型崩してサングラスを掛けただけですのに…」
694 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:13:29.74 ID:EItHVWpl0
土御門「ああ…目と鼻と口が付いてるなぁ」変声

海原「第二位…で大丈夫だよな?お金、貸してちょーだい」変声

上条(なんだコイツら…)

垣根「あいにく持ち合わせが無いんだ。あばよ」

土御門「はぁー!?ウソついてんじゃねぇぞコラッ!」

垣根「チッ…」

---------------------------------------

御坂「昔やってたのかしら」

白井「全然違和感が…」

御坂「当麻全然喋ってないわね」

白井「くっ…名前で呼び捨てですのね…!」

---------------------------------------

海原「出せないと言うなら…実力行使で…」

土御門「おー、それがいいそれがいい!」

上条「…」

垣根「はぁ…」

土御門「いただきます!」ブンッ

垣根「面倒な…!」ブオッ

---------------------------------------

御坂「あれ?結構素手でも戦闘出来るのね」

白井「上位能力者の方々は能力頼りかと思いきや…」

御坂「そこが一方通行との違いね」
695 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:14:00.61 ID:EItHVWpl0
バキッ

垣根「がっ…なんだコイツ…!」

海原「いいぞブラザー!」

土御門「どうした?ケンカの方はレベル5じゃないみたいだなぁ?」

垣根(割と強いな…だが…素手での話しだ…)キィィ

ドバン!!

土御門「トム!」

海原「ブラザー後ろだ!」

-------------------------------------

御坂「ブラザートム?」

白井「はい?」

御坂「あ、いや…なんでもないわ」

白井「はあ…?」

御坂「それより大丈夫かしら?」

白井「あんまり大怪我をされても困りますの。そのために、彼に声をかけたんですの」

御坂「うん…」

-------------------------------------

土御門「コイツ能力を使いやがるぜ!」

垣根「何言ってやがる、俺が第二位だって知ってて絡んで来たんだろう」

海原「くらえ!」バスッ

垣根「痛てっ!」

土御門「やはりこの程度じゃダメか…」

垣根「プラスチックのバットだとぉ?お前らマジで何者…」

土御門「そんなことはどうでもいい」

垣根「…」イラッ

696 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:14:37.38 ID:EItHVWpl0
土御門「」

海原「」

垣根「最後はお前か。そういや一言も喋ってねぇな…お前が頭か?」

上条(マズイマズイ!これはマズイ!)

垣根「気絶程度で済ませてやるよ」ブオッ

上条「…ッ!」パキィン

垣根「?俺の能力を…上条みたいな変な力でも持ってんのか?」

上条(あー…バレてはないみたいだな…うん)

垣根「だが…そういう奴相手の戦い方なら既に学習済みだ」タッ

上条(ケンカは久しぶりだが…相手になるぜ!)

垣根「おらっ!」バキッ

上条「痛ぇ!」

垣根「はっ、やっと声を出したか!」ドスッ

上条(そういえば俺って土御門よりケンカ弱いんだっけ…)

垣根「なに突っ立ってやがる!」バキィ

上条「うう…無念…」パタ

垣根「はぁ…コイツは一体…」

-------------------------------------

御坂「あー、やっぱ負けちゃったわね」

白井「お姉さま、私はそろそろ」

御坂「頑張ってね」

白井「はい」ヒュン

-------------------------------------

垣根「随分時間食っちまったがさすがに大丈夫だろ…さて…」

白井「風紀委員ですの!」ヒュン

垣根「…ッチ」

固法「そこまでよ垣根帝督」

垣根「いつの間に…悪いが急いでるんだ。事情聴取とかは後で受けてやるから…」

固法「悪いけど後でってわけにもいかないの」

-------------------------------------

御坂「あれ?これってわざわざこんな方法で垣根を連れて行かなくてもいいんじゃ…」
697 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:15:18.61 ID:EItHVWpl0
垣根「面倒だな…まあ俺は逃げるわけだが…」バサ

白井「ふふっ、それはどうですの?」

垣根「はぁ?」ガシ

垣根「んだコイツ、まだ意識があったのか?」

白井「ご自慢の能力はいかがなさいましたの?」

垣根「なに?まさかコイツが…」

白井「ええ。その方が触れてるから能力の発動が出来ないんですの」

垣根「離れろ!」

上条「…」

白井「固法先輩!」

固法「分かってるわ!」

垣根「おいコラ!聴いてんのか!」

白井「垣根帝督!」

垣根「あ?」

白井「日頃の恨み!」

固法「食らいなさい!」

ドッ!

垣根「ぐ…風紀委員に殴られて気絶なんて…………」

白井「よっしゃ!」

上条「よ、よし…役目は果たしたぞ……う…」
698 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:15:46.78 ID:EItHVWpl0
御坂「ちょっとちょっとー、気絶させて大丈夫なの?」

白井「これが目的でしたの」

御坂「は?」

白井「お姉さまはもうお気づきかもしれませんけど…心理定規さんの所に誘導するならばこんな行動は必要ありませんの」

御坂「そ、そうよ!なんでこんな回りくどい…」

白井「ただ単に私達が日頃の鬱憤を晴らすための立ち回りだっただけですの。この、垣根帝督が」

御坂「えーと…じゃあここで当麻達に絡ませたのは…もしかして殴るためだけに…?」

白井「ええ。よくよく考えれば仕返しというものをしていなかったので…」

固法「ふー…これでいいかしら白井さん」

白井「ええ。わざわざすみませんの」

固法「いいのよこれくらい。じゃあ私行くわね」

白井「お気をつけて」

御坂「…」チラ

垣根「」

上条「」

海原「」

土御門「」

御坂「どうするの?これ…」

白井「とりあえず垣根帝督だけでも連れて行きますの」

御坂「いやだから当麻達は…」

白井「人を呼んでますから大丈夫ですの」

御坂「あ、そうなの?」

白井「ええ。では行きますの」
699 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/18(木) 21:16:55.38 ID:EItHVWpl0
はい、本日は以上になります。
もうそろそろ垣根お仕置きタイム始動ですね。

では一旦終了となります。
近いうちにまた来ます。ではまた会いましょう。
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/18(木) 21:52:13.90 ID:WY1xU3wAO
絡まれてること考えるとていとくんそんなに素行悪k(ry
まあ心理ちゃんに構ってあげない罰だな
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/18(木) 22:05:11.97 ID:2Du6SspAO
いいねぇ
702 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:47:51.62 ID:S69GJ/Nk0
こんばんは。書き溜めが出来たので少し投下しようと思います。

ではよろしくお願いします。
703 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:48:56.29 ID:S69GJ/Nk0
数十分後

削板「おーい。起きろお前らー」ペチペチ

上条「」

削板「おーい」

土御門「うっ…」

削板「立てるか?」

土御門「削板…?」

佐天「大丈夫なんですか?この人達」

削板「さあ」

佐天「ていうか私が白井さんに頼まれたのに…なんだか悪いですね」

削板「いや、これぐらいいいんだ」

土御門「起きろ…海原…」ユサユサ

海原「…く…」

削板「お前達、どうして道の真ん中で寝てたんだ?」

土御門「俺達が寝ていたように見えたか?」

削板「正直」

土御門「…」

海原「いたた…」
704 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:49:36.07 ID:S69GJ/Nk0
海原「おや、削板さん。と…そちらは…」

削板「この子は一般人だぞ」

土御門「いや、特にそういう事件性は無い」

海原「ふむ…彼女達の姿が見えませんが…」

土御門「垣根も居なくなってるな」

海原「自分達は捨て駒だったのでしょうか?」

土御門「いや、案外当てゴマかもな」

海原「おや」

土御門「上やんがここで転がってる時点で未元物質を無効化したと見ていいだろうな」

海原「してやられた、という事でしょうか?」

土御門「上やん共々そうなるな」

海原「女性とは斯くも恐ろしいものです…倒れた我々を放置とは…」

削板「恐ろしいか?気持ちいいものだぞ?」

海原「え?」

土御門「おい待て。お前、それはどういう…」

削板「自分自身に新しい風を吹き込んでくれる。それに伴って自分が変わるのを感じれるのはとても気持ちのいい事だ」

土御門「そうか、そうだよな…うん」
705 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:50:20.48 ID:S69GJ/Nk0
海原「そういえば何故二人で行動を?」

佐天「えっと、前もって白井さんから連絡を貰っていたんです」

土御門「連絡?」

佐天「このコンビニ周辺で人が倒れるから助けに行ってくれって」

土御門「他人に回収させる気だったのか…なんて女だ」

海原「それでは削板さんは…?」

佐天「一人だとちょっと不安だったんで呼んだんですよ」

海原「ああ、なるほど」

土御門「まったく…」

佐天「一体何があったんですか?」

海原「色々…でしょうか」

削板「じゃあそろそろ行くか」

佐天「そうですね。こうして無事だったことですし」

土御門「?どこか行くのか?」

削板「水族館、にな」

土御門「水族…館…?」

削板「レストランの券が無駄にならなくてなによりだ」

佐天「都合良く交換してくれた人が居ましたからね…」

土御門「…帰るか」

海原「ええ」

上条「」
706 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:50:55.51 ID:S69GJ/Nk0
黄泉川宅にて


一方通行「オイ…ナメてンのか…」

一方通行「ンなら他を当たるだけだ。協力はしねェ、頭に叩き込ンどけ」プツッ

結標「またダメだったの?」

一方通行「俺がダメだったわけじゃねェ」

結標「そんなの散々会話聴いてたから分かるわよ」

一方通行「チッ…どこもかしこも…」

芳川「貴方の能力を使った実験なら如何なる内容の実験かは分かるはずよ?」

一方通行「そォだな。現に兵器実験が主だったしな」

芳川「これから先、どんどんと色々な兵器が生み出されていくわ。駆動鎧なんてそれの先駆けでしかないの」

一方通行「あァ…そォだな」

芳川「第一、実験だけがお金を稼ぐ方法じゃないはずだけど?」

一方通行「コイツが一番手っ取り早いンだよ」

芳川「それに…どうして頑なに対駆動鎧の実験を断るの?」

一方通行「…俺相手に駆動鎧の実験をするってことは能力者に対するそれなりの兵器を作るってことだ」

一方通行「同じ能力者である垣根に反射を突破された今、駆動鎧で俺の反射が破られる日は遠くねェはずだ」

一方通行「少しでも弱みを見せるわけにはいかねェンだよ」

芳川「考えすぎじゃないの?」

一方通行「こンくらいが丁度イインだよ。どンな小さな事から俺の能力が崩れるか分からねェからな」

結標「次、ここは?」

一方通行「ン…割と近場の実験施設だな。こンなのあったか…?」

結標「私に聴かれても分からないわよ。そんなに実験実験って生活じゃなかったもの」

一方通行「とりあえず電話かけるとすっか…」
707 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:51:21.46 ID:S69GJ/Nk0
絹旗「…」ペラ

黒夜「ふぁ……」

打ち止め「zzZ」

番外個体「…」

絹旗「ここもダメ、ここもダメ…」

黒夜「やっぱりさ」

絹旗「はい?」

黒夜「無理があんだよ。年齢的に」

絹旗「さすがに学園都市内ですよ?これだけの超職種ですから何個かあるでしょう」

黒夜「見てみろ、ここも、ここだって。みんな十六からじゃねぇか」

絹旗「ですからこうやって私の年齢でもいけるようなとこをですね…ていうか面接までは行くんです。私の姿を見て年齢を聴いて…ああ…って感じになるんです」

番外個体「ねえ」

絹旗「?」

番外個体「バイトしなくてもいいんじゃない?」

黒夜「…」

絹旗「…前みたいに黙っててもお金が入ってくることは少なくなりました。ですのでこれくらいしないと…」

絹旗「なにより住まわせてもらってる身ですから?なんらかの形で役に立たなくては…」

番外個体「あのね、ウチにはそんな恩義も感じないでニートしてるのが居るわけよ」

黒夜「…」チラ

芳川「あらやだ。なにかしら」
708 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:51:50.49 ID:S69GJ/Nk0
一方通行「第一位、第一位、第一位…こンな時に肩書きは役にたたねェンだからよォ…ったく…」

番外個体「変なプライド捨てなって。どっかでバイトすりゃいいじゃんよー」

一方通行「アホか」

番外個体「は?」

一方通行「だがどォしたもンかねェ…」

絹旗「うーん…」ペラ

一方通行「待ってても俺宛に依頼は来ねェ、こっちから動く必要がある…となると…」

番外個体「いい方法があるぜ」

一方通行「ア?」

番外個体「路地裏行ってスキルアウトに全力で絡めば金が出てくる」

一方通行「…」

番外個体「?」

一方通行「出掛けてくる」カチャ

番外個体「え?マジで?」

結標「あれ?一方通行はどこに行ったの?」

番外個体「ムスジメ…」

結標「?」

番外個体「カツアゲしに行った」

結標「???」
709 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:52:33.35 ID:S69GJ/Nk0
第七学区三九号線・木の葉通り


一方通行「通称ケンカ通り…第七学区に存在する裏の入り口…」

一方通行「……研究所はこの通りの奥か」カツカツ

コツ…コツ…コツ…

一方通行(ン…ガキ…か?裏通りにゃ場違いだな……こっちを見向きもしねェな、ただのガキってわけでもなさそうだが…)

コツ…コツ…

一方通行(間違えて入り込ンだのかもしンねェし…深く考える事でもねェな…)

コツ…

「ボス、あの白髪の男…」

バードウェイ「ん?」

一方通行「…」ピタ

「第一位です」

一方通行(ボスだと?新入生の残党か何かか…?)

バードウェイ「また会ったな」

一方通行「…オマエは」

バードウェイ「少し、聴きたいことがある」

一方通行「面倒はゴメンだぞ」

バードウェイ「勘違いするな。何もお前に関係することじゃない」

一方通行「なンだ、聴きたい事ってのは」

バードウェイ「第二位を探してる」

一方通行「垣根を…?」
710 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:54:06.80 ID:S69GJ/Nk0
バードウェイ「思い出すのも癪だが先日、屈辱的な目にあった」

バードウェイ「いざ、反撃をしようと体勢を整えていたらその隙に消えていた」

一方通行「つまりなンかやられたから仕返ししてェってことか」

バードウェイ「仕返しではない。勘違いするな、筋を通すだけだ」

一方通行「それを仕返しっつーンだ」

バードウェイ「牙を剥いた者には…」

一方通行「然るべき報いを」

バードウェイ「?喋ったことがあったか?」

一方通行「さァな。然したる問題じゃねェ」

バードウェイ「まあいい。知ってるなら今どこに居るのか教えてくれ」

一方通行「案外。年相応なトコもあったもンだな」

バードウェイ「は?」

一方通行「初対面より好印象だ。そっちの方が随分と可愛いもンだ」

バードウェイ「チッ…!どいつもこいつも…!」

一方通行「まだまだガキだってこったな。やってることは立派だが中身は小せェな」

バードウェイ「むっ…」

(ボスが精神的に幼くなった気がするなー)

一方通行「さて、垣根だったか」

バードウェイ「もう既に人員を割いて捜索にあたっている。素性等は調べられたが詳しい居場所までは調べられなかった」

一方通行「今ドコに居るかってことか。ンなこと分かンなくて当然だわな」

バードウェイ「なに?」

一方通行「結構フラフラしてる奴だからな。探すより呼び出した方が案外早いかもな」

バードウェイ「そうか、では…」

一方通行「俺はこれから用事があンだ。あばよ」

バードウェイ「あっ…」
711 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:54:53.71 ID:S69GJ/Nk0
第七学区・表通り


木原「あーだりぃ…でも行かなきゃなんねぇし…」

木原「面倒だな…今考えるとガキの躾しなきゃなんねぇって感じでもねぇよな…」

木原「約束した手前行かなきゃなんねぇし…適当に相手して…」

木原「まあ躾だって言って垣根のツラでも一発ぶん殴ってやりゃ嬢ちゃん方も満足すんだろ」

「そこの研究員」

木原「あ?」

バードウェイ「学園都市の研究員とお見受けしてお聴きしたいことがある」

木原「なんの用だガキ」

バードウェイ「どいつもこいつもガキ、ガキと…!」

木原「用があんならさっさと言えや。俺だって暇じゃねぇんだよ」

バードウェイ「第二位の垣根帝督という男を知ってるな?」

木原「知ってる前提か、まあ知ってるっちゃ知ってるな」

バードウェイ「今どこに居るか知っていたら教えて欲しい」

木原「ん、知ってるにゃ知ってるが…」

バードウェイ「本当か!?」

木原「んなくだらねぇウソ付くかよ」

バードウェイ「出来ればそこまでの案内を頼みたいんだが…」

木原「別に構いやしねぇが…なんで垣根を探してんだ?」

バードウェイ「それはだな…」

木原「語り入ったか。まあ聴いてやるか」

712 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:55:21.50 ID:S69GJ/Nk0
数十分後・第七学区・とあるサロンにて


ピチャ…

ピチャ…ピチャ…

垣根「う…水…?」

心理定規「お目覚めかしら?」

垣根「心理定規?いや…あのふざけた風紀委員はどこだ?」

心理定規「どうしてそこで風紀委員なんて言葉が出るのかしら?」

垣根「俺が気絶させられて、目覚めたらここに居た。真っ先に疑うべき対象は気絶させた張本人だ」

心理定規「うん。間違ってないわ」

垣根「それに俺は縛られてると来たもんだ。こりゃお前の趣味か?」

心理定規「別に、そういうわけじゃないわ」

垣根「…頭に被せられてるモンについて説明を貰いてぇな」

心理定規「それがなんなのかは気付いてるはずよ?」

垣根「演算を阻害する装置か」

心理定規「ご名答。是が非でもここから逃がすわけにはいかないのよ」

垣根「縛り付けてる割には椅子にも座らせねぇで寝かせてるだけとは…これから一体何が…」

心理定規「白井さん、入って来てちょうだい」

垣根「白井…!」
713 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:55:53.66 ID:S69GJ/Nk0
カチャ

白井「どうも」

垣根「どうもじゃねぇよ。なんのつもりだ?」

白井「真っ当になってもらうためですの」

垣根「真っ当だと?どういう事だ」

白井「そういう事ですの」

垣根「はぁ?」

心理定規「彼女の言ってることは間違ってないわ」

垣根「?」

心理定規「あなたにはちょっとばかし常識を身に付けてもらうわ」

垣根「人並みには常識はあるつもりだけどな」

心理定規「そう思ってるだけよ。実際には結構目に付く行動が多いわ」

垣根「はぁ…」

心理定規「将来の事を考えるとこのままじゃどうもね」

白井「思い返してみればいくつか思い当たるのでは?例えば…場違いな対応とか…」

垣根「…なにをする気だ」

心理定規「ふふっ…」

白井「そろそろお呼びしましょうか」

心理定規「そうね」
714 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:56:19.54 ID:S69GJ/Nk0
カチャ

垣根「お前は…」

木原「いよぉ、垣根の坊ちゃん」

垣根「まさかテメェが出てくるとはな」

木原「意外か?そりゃ意外だよなぁ、まるで接点が無いからよ」

木原「まぁ、なんだ?一方通行の教育者って事で俺にお呼びがかかったわけだわな」

垣根「はいそうですか、って手を貸す風には見えねぇけどな」

木原「さっきまでは俺も乗り気じゃなかったさ。だがな、途中で面白いネタを見つけてよ」

垣根「ネタだと?」

木原「そうだ。ビビるほどのだ」

垣根「おもしれぇ、一体何が出てくんだ?」

木原「はははぁ!紹介してやる、ドS提督の…」

垣根「ドS提督だと?」

木原「そうだ、入って来い。えーと…リドヴィニアだっけか?」

バードウェイ「レイヴィニア…」

垣根「お前はいつかのクソガキ…」

バードウェイ「誰がクソガキだ…!」フミッ

垣根「痛たたたたた!ヒールヒール!」

バードウェイ「また会えて嬉しいぞ。垣根帝督…!」ギリ

垣根「だから痛てぇっての!」
715 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:56:48.66 ID:S69GJ/Nk0
バードウェイ「お前を探す事苦節二日!」

垣根「大して探してねぇじゃねぇか」

バードウェイ「黙ってろ!」ゲシッ

垣根「ぐはっ」

バードウェイ「まさか上条当麻が話していた第二位がお前とはな。珍しく偶然というものを感じたぞ」

垣根「上条だと?」

バードウェイ「ちょうどいい、真人間にするついでに色々とやらせてもらおう」

垣根「はっ、お前までそんなことを言い出すのか」

バードウェイ「そう言ってられるのも今の内だ」

木原「おい、アレ持って来い」

白井「はいですの」

心理定規(この子誰かしら)

バードウェイ「さて…最初はなんだったかな?」

木原「ロウソク責めだ」

垣根「え?」
716 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:57:23.43 ID:S69GJ/Nk0
コツ…コツ…コツ…コツ

上条「」

コツ…コツ…

食蜂「♪」

コツ…コツ…コツ…

一方通行「…」

コツ…

一方通行「ン」

食蜂「あらぁー!」

一方通行「一人か、何してンだ?」

食蜂「お散歩」

一方通行「そォか、精が出ンな」

食蜂「やだぁ、精だなんて…」

一方通行「…」

上条「」

一方通行「オイ、オマエは何寝てンだ」ドス

上条「がっ…はっ!ここは…ん?」ジー

食蜂「なっ…!」

上条「おお…」

食蜂「覗くな変体!」ドカッ

上条「痛てっ!」

一方通行「ハァ…」

717 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/21(日) 23:58:57.34 ID:S69GJ/Nk0
本日はここまでです。

はぁ…これっきりと思いながら出番を増やしてしまうバードウェイでした…ごめんなさい。

近いうちにまた来ます。
では、また会いましょう。
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/22(月) 08:20:21.82 ID:91NtCHnSO
食蜂「覗くな変体!」ドカッ

不覚にも前屈み
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/22(月) 16:10:59.27 ID:aKamV7mB0
     |    |  | |l|    l | |        | l| l || |    |
     |    |  | |l|    l | |        | l| l || |    |
     |    |  | H__j_l_|____|_l⊥⊥.|| |    |
     |  , -|  | kf不气ixヽ`    ´,.',.ィIヲ气|| ト、  |
     |  {. |  | | 込''ソj ` `     ′ 込''ソi|| | } |
     |   ヽ |  | | `¨¨´            `¨¨´|| |ノ   |
     |   l `|  | |                     || ||  |     い っ ぺ ん 、
     |   l  \j_j、       _ _         ,.| j_/   |    ___
     || |  l  l \     --_--     ,.イ 「´ | U  |     タ ヒ ん で み る … ?
     || |  |  l  l `! 、         ,.イ l !|  | |  |
     || |  |  | _l_⊥_ `` ‐--‐ '"´ ,⊥、j_!|  | |||
     || | | l |  /´ \ `ヽ、    / /   |  | |||
     || | | l j/      \  \ / / __ |  ト、|  |
     || l,.イ\       \/ / xfア゙气|  |'´\||
     _j,.イ  `" \          >'′,.ィfユ>、彡|  ドイノ`ヾ、
  ,.イ爪リノ ,.イ不心. ヽ      /   i斤弋fハ, '|  |゙¨´   `ヽ、
. / `二´ {{了゙下ハ  ヽ   , '      ゞ辷少′|U|          ヽ
/ ,イ少くヽ_>込,,,从リ   ヽ/          , '   |||       ,.   `、

720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/22(月) 22:08:46.97 ID:u3RjYKvAO
いいなぁ
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/24(水) 03:23:00.63 ID:7TKReFtd0
\                                        |Y  {  ノ
ヽ \ .fヽ                                    l/Y\\
_ゝ `{ ム                       , ィ ' ´ ̄ ` > -.、|//∧. \` ー
==,.  ゝ. \                       , イ _,...xxxxxxxヽ     .,'\//∧. \
 ̄,  /{   ヽ,.x、             _.,イ _,x///////////∧    l  ∨//\. \
フ _ ノ ゝ ,.イ///:\           }  /////X/´: : : ヽ: :`:ミニソl    ∨///\ \
./ゝ._ .,イ////////\            /   {//: ´: i: : iゝ:_:ヽ:_: :\:\ミ.l     V/////\
   ////////:/   \        /   ,ゞ/: i:/.i : ;i.´\: \: : :\ : |     ∨/////
 ////////:/      ', 、    / , イ: / : /イ .i : l   \: ヾ\:_: ,′     .∨////
.////////:/           ' ,\  /i,.イ/: : {: :/.i:.l ヾ{  ,ィ=--、ミニ 〉       \///
::///////           \`ミ.、./: :/:l: :i:i ヾ_   ′   ノ: :jノ,         \/
///////                 \ .j|: /i/i: :lハイ´`, _, -.、 /: : //
//////                 ヾ、i リノハ  ヽ : : : : y': : :/ j
/////                        / : 人   ゝ_:/: : :/:i          , イ
////{                   / : : / { > ,.イ : : : :/i: i.{       , イ: :
ー ≦<_ ー―--            / : : /  ヽ .,イ: : : : :/ .{: l{     .イ: : :i: :
 /////\ ̄ニ=-=ニ_        ./ : : /\   /: : : : : ///:/ ヽ   /./:i: : : i :: :
 ゞ:::`ヽ///\   /  ` ヽ二.__ /: : ; イ     \ .{ : : : : /∧/ // }    ./: i: : : i: : : :
  \::::::∨//∧/        /: : /ー―.ァ―ァ--ゞ: : : :{´       i  ,イ: : : : : :i: : : :
    \ \///        {:i: :{  ,.イ: ,:イ: : :{ i\: ゞ      ー /:i: : : : : :i: : : :
      `ヽ V             i|: :ゞイ; イ: : : : : :j |///ヾ        j: :i: : : : : :i: : :
         }           ヾミ三彡: : : : :ノ .j//、         / : i: : : : : :i: : :
       マ          ,.イ: ;イ: : : ; - '  ///< ー-‐ '     / : : i: : : : : :i: ; イ
        マ     __,イーイ―=  ̄  //// `ヽ    /{: : : :i: : : :; イ
           マ ,.イ´            ,.イ///,イ         ーイ´: : : i; イ
        .,.イ            ,イ三彡{///〈             l: ; :イ-――--―
       /  ,イ三三三三三彡´   ∨/∧           ゝ//////////////
     /ィ三彡'  /           ∨/∧         ,イ´//>ー―---――
   /イ       /            ∨/∧       /,イ
   ゞ、     ./              ∨//}
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/24(水) 14:56:44.35 ID:fmaFSMmAO
きたい
こないかなー
723 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:52:19.79 ID:FUPFHwej0
こんばんは。書き溜めが出来たので今から投下したいと思います。

ではよろしくお願いします。
724 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:52:53.62 ID:FUPFHwej0
上条「はぁ…はぁ…ちょっと…一方通行…」チョイチョイ

一方通行「ア?」

上条「あのな…」ボソ

一方通行「だからなンだっつの…」

上条「ちょっとお尻見えた」ボソ

一方通行「………」

上条「いやー、美琴と違って結構派手なの穿いてるんだな」ボソ

一方通行「オマエ…」

上条「なんというか…こう…」

一方通行「頭でも打ったか?」

上条「ん?頭?いや、打ってない…かな…?」

一方通行「そォか…」

上条「うーん…」

一方通行「今度はなンだ」

上条「ちょっと頼みたいことがあるんだけどさ…」

一方通行「今のオマエの頼みは聴きたくねェな」

上条「あー…確かにお前よりは垣根の方が向いてるかな…」

一方通行「ハ?オマエはマジで何言って…」

上条「あぁ!なんで今まで気付かなかったんだ!」

食蜂「!?」
725 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:53:21.92 ID:FUPFHwej0
上条「周りに可愛い子がいっぱい居るのに!」

一方通行「…」

上条「俺はそう!あまりパンツを見たことがない!」

一方通行「…」

上条「裸なら偶然で何回か見たことはあるんだ!なのに、パンツは見たことない!」

一方通行「起こす時に頭を狙ったのがマズかったか」

上条「…」チラ

食蜂「…」サササッ

一方通行「何を考えてやがる」

上条「思い返してみれば煩悩の発散方法も無かったワケだ…」

一方通行「…」

上条「家に帰ればインデックス。たまに居ないと思ったら突然の来客…頼みの綱の美琴は中学生であり寮暮らし!」

一方通行「…俺の後ろに」

食蜂「うん…」

上条「俺に協力しろ」

一方通行「イヤだと言ったら?」

上条「力ずくでも…あぐっ!」ボコッ

一方通行「さて…どォしたもンか…」

上条「まさか一方通行に殴られる日が来るとはな…」

一方通行「俺の後ろには行かせねェぞ」

上条「まあその子はもういいわけだ。もう見たし…白の…あう」ガンッ

食蜂「言うな!」

726 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:53:58.58 ID:FUPFHwej0
上条「痛てて…なんだコレ、リモコンか…?」

一方通行(リモコン?)

上条「どうしてリモコンなんか…」

一方通行「オイ、とりあえずそのリモコン貸せ」

上条「ん、ああ」ポイ

一方通行「ホラ」

食蜂「ありがと」

上条「まあ協力してくんねーならしゃあないな。こういうのは垣根あたりに頼むのが一番だな」

一方通行「ロクな事にはなンねェぞ」

上条「そう言ってて止めようとはしないんだな。ありがとな」

一方通行「…」

上条「さて…」

食蜂「ねぇ、一応止めたほうがいいんじゃない?」

一方通行「止まンだったらさっきので止まってンだろ。特別気にするほどでもねェな」

食蜂「ふぅん」

一方通行「それに…適当にどっかで痛い目に会えば勝手に止まっと思ってな…」

上条「…」スタスタ

一方通行「多分…」

食蜂「止まんなかったら大変な事になるわよ…」
727 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:54:23.03 ID:FUPFHwej0
サロンにて


ジジジッ…!ポタッ…

垣根「熱ッ!」

ポタタッ…

垣根「だから熱いっつの!」

バードウェイ「熱いとしか言わないな」

垣根「他になんて言えっつーんだよ!」

バードウェイ「ふむ…ロウソクはあまり効果が無いみたいだな」

垣根「テメェ…今度会ったら裸にひん剥いて同じ目に合わせてやるからな…!」

バードウェイ「ほう…そいつは楽しみ…だ!」ポタッ

垣根「熱ちちちちち!」

心理定規「なるほど。ホテルに仲間と泊まっていたら窓を突き破って垣根が襲撃してきたと」

木原「まあ雰囲気的に事故の類だったみてぇだがな」

心理定規「それで?ようはゲンコツをされたからそれの仕返しがしたくてここに居るわけね。あのなんとかって子は」

木原「本人は仕返しじゃねぇって言い張ってるけどな」

心理定規「ああ見えて結構プライドが高いのね」

木原「俺からしたらタダの生意気なガキだけどな」

白井「あのー」

心理定規「ん?」

白井「段々と主旨がズレていってるような気がして仕方がありませんの」

心理定規「それもそうね」

728 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:54:53.41 ID:FUPFHwej0
心理定規「一旦ストップよ」

バードウェイ「ん?」

心理定規「帝督、ちょっといいかしら?」

垣根「今の俺には拒否権の存在が感じられねぇな」

心理定規「貴方にはこれから一流の紳士的なものになってもらうわ」

垣根「なに?」

心理定規「要は今からお勉強タイムよ。これから徹底的に人間性という物を貴方に学習させる。ちなみに理解しなかったらお仕置きが待ってるわ」

心理定規「今思い返してみるとそんなに酷いような気がしないでもないけどここまで来たらやるしかないわ」

心理定規「まあ…悪い事をしたらちゃんと謝るとか、そんなことを叩き込むからね」

垣根「なんだってそんな事を…」

心理定規「そこに居る白井さんとかから言われたのよ。やったことに対して相応の罰を受けないのがおかしいってね」

心理定規「納得出来ないなら自分が今までやってきた悪行の対するお仕置きと思ってちょうだい」

垣根「く…」

垣根(逃げれる雰囲気でもねぇな…こいつらはともかく木原は…)

垣根(俺の能力に対してなんらかの対策を練ってるに違いねぇし…)

垣根(仕方ねぇ…ここは大人しく従って…)

心理定規「さて…とりあえず何から始めましょうか…」

木原「予定では鞭打ちになってる」

心理定規「それは誰と組んだ何の予定なのかしら」

木原「ま、これは冗談として」

心理定規「貴女も鞭を用意しないで」

バードウェイ「ん?違うのか?」

心理定規「最初はやっぱ学習からよね」
729 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:55:28.97 ID:FUPFHwej0
上条「垣根はどこに行ったんだ?携帯も繋がらないし…」

上条「まだ寝てんのかな…ん?これは…」

上条「一方通行の嫁さんじゃんか…歌手活動みたいなことはしてるって聴いてたけどCD出してたのか…」

上条「よく出来てるPVだなー、美琴とかもよくやるなぁ…え?美琴?」

上条「あ、あれ!?よく見たら他の奴らも…ていうかレベル5ばっかじゃんか!」

上条「いつのまにこんな…しかもよく見たら2ndシングルみたいだし…」

上条「テレビ見てないから全然気付かなかった…」

上条「あ…この人旅行の時に居たお姉さんじゃないか!この格好似合ってるなぁ…」

上条「……財布あったかな…」ゴソゴソ

上条「イチ…ニイ…………とりあえず予約しとこうかな…結構いい感じの曲だし…PVもなんかいいし…それに特典も気になるし…」

上条「……すいませーん」

---------------------------------------------

土御門「ん?上やん?」

海原「どうしました?」

土御門「いや、今上やんが居たような…」

海原「そういえばさっきの場所にほったらかしにしてしまいましたね」

土御門「まあ仮にあれが上やんだったら無事だったということだろ」

海原「それもそうですね」

土御門「さっさと搬入を済ませるぞ」

海原「ええ…痛たたた…」

土御門「モロに攻撃を受けたからな…キツイがやるしかないぞ」

海原「分かっていますとも…!」
730 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:55:55.68 ID:FUPFHwej0
上条「え!?ダメなんですか!?」

「は、はい…予約自体は問題無いんですが特典付きの方となると…」

上条「ええー…」

「もう少しお早めに来ていただければまだ間に合ったのですが…」

上条「ふ、不幸だ…」

「は、はは…」

海原「お疲れ様です」

「あ、どうも。お疲れ様です」

海原「搬入に来ました」

土御門「とりあえず注文枚数と…予約分…」

海原「予約特典ですが少々生産が滞っておりまして…申し訳ありませんが明日朝イチでお持ちいたします」

「ああ、ストラップですね。分かりました」

上条「ん?土御門?」

土御門「お、やっぱり上やんだったか」

上条「お前こんな所で何してるんだ?それに…そっちの海原も…」

土御門「CDの搬入、と説明しておくかにゃー」

上条「CD?そういえばお前が前に言ってたマネージャー業ってもしかして…」

土御門「そうだぜい。多分、上やんの考えであってるぜい。俺たちがこのアイドルの…マネージャーという事…」ス

上条「あ、そのCD」

土御門「ん?」
731 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:56:27.67 ID:FUPFHwej0
海原「そういえば先程なにやらお取り込みのようでしたね?」

「いえ、特に取り込んでたという訳では無いのですが…」

上条「俺がそのCD予約しようと思ってな。予約は出来るんだけど特典が付かないらしくてな…それでちょっと…」

土御門「特典…このデフォルメストラップの事か?」

上条「そうそう、そのポスターのやつ」

海原「なるほど、そういうことでしたか」

土御門「…まあ上やんならいいか」

海原「おや」

土御門「明日特典を一個余計に持ってくる。だから受け付けてやってくれないか?」

「え?ですがそれだと他のお客様が…」

土御門「まあまあ。そんな堅い事言わずに…な、頼むよ」

「は、はあ…」

土御門「な?」

上条「土御門…」

「わ、分かりました、では今回は特別に…」

土御門「そう来なくちゃ」

「ではお手数ですがこちらに必要事項を」

上条「ああ、はいはい」

海原「後ほど受け取りのサインもお願いいたします」

「あ、はい」

上条「ありがとうな土御門」

土御門「なに、これくらい」
732 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:57:11.40 ID:FUPFHwej0
数時間後・サロンにて


垣根「…」

木原「えーっと…こんなもんか?」

バードウェイ「私はもう満足だ。終了の掛け声はあんた次第なんだが…」

心理定規「私は充分だと思うけど…どうかしら?」

白井「ええ。問題ありませんの」

垣根「ロウソク…鞭打ち…こんなぶっ飛んだプレイ…もうお婿に行けないぜ…」

心理定規「いやね。私が貰うわよ…」ボソ

垣根「心理定規…」

木原「…これは成功なのか?」

白井「さっき謝罪の印に土下座してくれましたし…成功だと思いますの」

バードウェイ「私も成功だと思うぞ」

垣根(んなワケねぇだろうが!確かに少しばかり自分がまともになった気がするが芯から変わったわけじゃねぇ!)

垣根(見てろよ…特にバードウェイ…!)

木原「まあ成功なら問題無いな。久しぶりに教育ってモンをした気分だぜ」

垣根(教育だと…こいつは教育なんかじゃねぇ!心理定規の言った通りお仕置きとして受け取るのが正解な程の仕打ちを受けたぞ!)

垣根(とりあえずバードウェイに復讐したら少し大人しくしてよう、それまでは我慢だ我慢…)

心理定規「じゃあ解散ね。帝督はこのまま私が引き取るわ。あとは各自自由に帰ってもらって構わないわ」

バードウェイ「久しぶりに楽しい思いをしたよ。また会うかは分からないが…縁があったらまた会おう」ガチャ

白井「では私も。今度はお姉さまにも謝罪してくださいまし」

垣根「約束しよう」

白井「ではこれで」ヒュン

木原「俺も帰るか。あばよ」ガチャ

心理定規「…私達も帰りましょ。立てる?」

垣根「問題無い。行くぞ」

心理定規「ええ」

垣根「ホラ」スッ

心理定規「?」

垣根「手」

心理定規「うん」ギュ

733 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:57:43.24 ID:FUPFHwej0
上条「いやー良かった良かった。これでストラップが手には入るなー」

上条「だけど土御門達と話し込んだせいか結構時間経っちまったな…早いトコ帰って晩御飯の準備しねぇと…」

上条「ん…何か忘れてるような…」

上条「…」チラ

「ったくバードウェイの野郎…」

「罰が当たったと思って受け入れるのね」

上条「思い出した…」スタスタ

垣根「お、上条じゃねぇか」

心理定規「あら…」

上条「よう垣根。今日はどうしたんだ?何回か携帯に連絡したんだけど…」

垣根「携帯?そういや今日全然確認してなかったな…何か用か?」

上条「んー…ちょっと垣根借りてっていいか?」

心理定規「ちゃんと返してくれなきゃヤだからね」

上条「よし、ちょっとこっち来てくれ」チョイチョイ

垣根「心理定規の前じゃ話せない事か?」

上条「うーん…ていうか女の子の前じゃ、だな」

垣根「ほう」

上条「こんな事を頼めるのは垣根以外に思い付かなくてさ」

垣根「分かったから早く用件を言え」

上条「お前…スカートめくりってしたことあるか?」

垣根「????????」
734 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:58:17.37 ID:FUPFHwej0
上条「だから、スカートめくり」

垣根「…一回だけあるな。しかも最近の話だ」

上条「話が早い」

垣根「一体何を…」

上条「俺は今…身近な女の子達のパンツが猛烈に見たい」

垣根「へぇ、どうしてまた」

上条「色々と限界なんだ…」

垣根「そうか」

上条「決めたのはさっきの話だ」

垣根「さっき?」

上条「そうだ。あの金髪の…なんだっけか…」

垣根「金髪?フレンダか?」

上条「いや違う。ほら、一方通行と一緒に居る…そうPV!PVに出てる金髪の子!」

垣根「食蜂か。それがどうした?」

上条「地面に倒れてたら偶然にもその子のスカートの下を拝見致しまして…」

垣根「ほぉー、んで?」

上条「大分派手なやつだった。心なしか少しお尻も見えた」

垣根「なるほど…」
735 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:58:45.27 ID:FUPFHwej0
上条「そこで垣根にスカートめくりを協力してもらえないかな…って…」

垣根「…ん、ところでお前、バードウェイってガキ知ってるか?」

上条「バードウェイ?なんでバードウェイが…いや、知ってるには知ってるけど…」

垣根「その気になれば呼び出したりとか出来るか?」

上条「あー…多分」

垣根「そうか…そうか…」

上条「んでさ、協力してもらえないか?」

垣根「どうしてお前がそんな事を思いつくようになったのかは知らねぇが…とりあえず協力はしてやる」

上条「おお!さすがだな!」

垣根「それでターゲットは?」

上条「今まで顔を合わせた事のある奴全員で。もちろんそこの子はターゲットに入れてないからな!」

垣根「今まで顔を合わせた事のある奴全員って…」

上条「まずは周りの風紀委員の子とか…あとは旅行した時に会った麦野さんの周辺の子達とか…それと一方通行の周りもかなぁ…」

垣根「う…アイテムもかぁ…」

上条「ああ…なんかわくわくしてきたなぁ…」

垣根「スカート履いてなかったらどうすんだ?例えば黒夜とか」

上条「え?あー…ズボン下げるか」

垣根「おいおいマジかよ…」

上条「もう…決めたんだ…」

垣根(この上条は正直おかしいような気がするが…まあ面白そうだからいいか)

上条「それにしても…心理定規ちゃんもなんか可愛くなったなぁ」

垣根(後は適当にバードウェイにこじつけて…)
736 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 21:59:14.17 ID:FUPFHwej0
上条「…」チラチラッ

心理定規「…」

垣根(見つけたらどうしてやろうか…前に見た感じ発火能力者っぽかったなぁ…)

上条「…スカートか」ボソ

垣根「とりあえず今度適当に連絡をよこせ。それなりに動いてやるからよ」

上条「おう、分かった」

垣根「あばよ」

上条「じゃあな」

垣根「行くぞ」

心理定規「終わったの?」

垣根「ああ。なんてことない会話だった」

心理定規「あの人なんか雰囲気変わったわね」

垣根「さぁ、頭でも爆発したんじゃねぇか?」

心理定規「なにそれ」

垣根「それより今日小萌と会ってよ…」

スタスタ…

上条「万一何かあったら美琴が悪い、万一何かあったら美琴が悪い。よし、これでいけるだろ」

上条「今日の出来事で抑えてたモノが一気に爆発したような気がするなぁ…」

上条「これが新境地ってヤツか…」
737 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/24(水) 22:01:23.72 ID:FUPFHwej0
えー、とりあえず本日はここまでとなります。

もう少しで800ですね。
これからの事を少し話すと、とりあえず次回上条にスカートをめくらせて、その裏で垣根がやらかして。

そしてその後、一方通行でお話を書いて全部を終わらせたいと思っています。

では次の更新は近いうちに。
また会いましょう。
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/08/24(水) 22:23:48.07 ID:QlogoO+d0
乙!!
上条が壊れたな・・・・
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/25(木) 01:17:15.70 ID:y1tyCb7Ao
爆発しろ
と思ってたけど、したらしたで何故か好感がもてるWWW
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/08/26(金) 12:14:38.11 ID:XLwRTBK0o
   ___l___   /、`二//-‐''"´::l|::l       l! ';!u ';/:::l ', ';::::::l ';:::::i:::::
   ノ l Jヽ   レ/::/ /:イ:\/l:l l::l   u   !. l / ';:::l ', ';:::::l. ';::::l:::::
    ノヌ     レ  /:l l:::::lヽ|l l:l し      !/  ';:l,、-‐、::::l ';::::l::::
    / ヽ、_      /::l l:::::l  l\l      ヽ-'  / ';!-ー 、';::ト、';::::l:::
   ム ヒ       /::::l/l::::lニ‐-、``        / /;;;;;;;;;;;;;ヽ!   i::::l:::
   月 ヒ      /i::/  l::l;;;;;ヽ \             i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l   l::l:::
   ノ l ヽヽノ    /:::l/:l /;;l:!;;;;;;;;;',               ';;;;;;;;;;;;;;;;;ノ    l:l::
      ̄ ̄    /::::;ィ::l. l;;;;!;;;;;;;;;;;l            `‐--‐'´.....:::::::::!l
   __|_ ヽヽ   /イ//l::l ヽ、;;;;;;;ノ....      し   :::::::::::::::::::::ヽ /!リ l
    | ー      /::::l';!::::::::::::::::::::  u               ', i ノ l
    | ヽー     /イ';::l          ’         し u.  i l  l
     |       /';:';:!,.イ   し    入               l l U
     |      /,、-'´/ し      /  ヽ、   u    し ,' ,'  l
     |        /l し     _,.ノ     `フ"       ,' ,'  ,ィ::/:
     |       /::::::ヽ       ヽ    /     し ,' ,' / l::
     |      /::::::::::::`‐、 し      ',  /    u   ,、-'´  l,、-
     |      ``‐-、._::::::::::` ‐ 、     ',/       , -'´`'´ ,-'´
     |      _,、-‐'"´';:::::::::イ:l';:::` ‐ 、._____,、-‐'"´  u /
   | | | |    \ l::/ l::::::/リ ';:::::lリ:::::l';:::l l:l:::::l\  u /
   | | | |
741 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:21:17.98 ID:4Ez6L5970
こんばんは。

書き溜めが出来たので投下始めます。
ではよろしくお願いします。
742 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:22:37.24 ID:4Ez6L5970
その夜

番外個体「無い!」ガラッ

黒夜「?」

番外個体「無い無い無い!」ガタタッ

絹旗「???」

番外個体「無い無ーーーーーい!!」

打ち止め「なにが?ってミサカはミサカは…」

番外個体「パンツが!無いのよ!」

芳川「パンツが?」

絹旗「もしかして干してあったやつですか?」

番外個体「そうそうそう!その干してあったやつ!」

芳川「おかしいわね、他の皆のはあったはずだけど…」

番外個体「いやいやいや!現に無いじゃん!」

芳川「うーん…そんなハズは無いんだけど…でも無くなったのだとすれば…」

ガチャ

「帰ったぞコラァ!」

芳川「あら、久しぶりに聴いたわね」

番外個体「…」

絹旗「まさか…」
743 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:23:11.08 ID:4Ez6L5970
一方通行「ったく…三下のヤローと来たら…ア?」

番外個体「…」

芳川「…」

一方通行「なンだオマエら。通夜じゃねェンだぞ、何黙りこくってやがる」

番外個体「返して」

一方通行「金を借りた覚えは無ェぞ」

番外個体「金じゃねぇ!パンツだ!ふがぁあ!」

一方通行「ンだコイツ…!」

芳川「まあ待ちなさい番外個体」

番外個体「これが待っていられますかっての」

芳川「そういうワケだから一方通行。早くパンツを返しなさい」

一方通行「オイ待て。どォいうワケだ」

芳川「淡希が夜の相手をしてくれないのはよく知ってるわ。だからと言って家族のパンツを盗むのは…」

一方通行「いつから俺がパンツを盗ンだことになってンだ?」

芳川「今さっきかしら」

一方通行「悪いが的外れだな。例え俺がパンツを盗むようなヤツだとしても…」チラ

一方通行「コイツのパンツで欲情出来る自信は無ェな」

番外個体「…」

一方通行「まァそォいうワケだ。ホントに盗まれたンなら黄泉川にでも相談してみンだな。案外下着ドロが釣れるかもしンねェぞ…」

バタン!

黄泉川「大変じゃん!第七学区内で下着ドロが出たじゃん!」

一方通行「…」
744 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:23:43.93 ID:4Ez6L5970
上条「…」

インデックス「…」

上条「さてインデックス」

インデックス「…なにかな」

上条「冷蔵庫の中身が消えてることについて何か言うことは無いか?」

インデックス「おいしかったんだよ!」

上条「そういうことじゃない!何で夕飯の材料まで消えてるんだ!」

インデックス「それはあまりにもお腹が空いたからなんだよ」

上条「…」

インデックス「それよりも当麻」

上条「ん…?」

インデックス「私のパンツが一枚足りないんだよ」

上条「はぁ?」

インデックス「言った通りなんだよ」

上条「インデックスのパンツなんか見てもしょうがないしなぁ…」

インデックス「む、それはどういう事かな?」

上条「分かった分かった。今度にでも探しとくから」

インデックス「それで当麻」

上条「うん?」

インデックス「今日のご飯は…」

上条「…」
745 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:24:12.45 ID:4Ez6L5970
一方通行「ほォ…」

黄泉川「被害者の年齢は…えーと…下は五歳から上は二十三歳まで」

一方通行「五歳?」

黄泉川「年齢層にバラつきがあるから特定の層を狙った犯行では無いと踏んでいるじゃん」

芳川「まあそんなに年が離れていればねぇ…」

黄泉川「ちなみに一番被害が多いのは中学生じゃん」

番外個体「私のパンツはー?」

黄泉川「まあ盗られたと見るのが妥当じゃん」

芳川「ここはマンションよ?わざわざ上まで盗りに来るかしら?」

黄泉川「言い忘れてたけど犯人は常盤台に侵入するほどの猛者じゃん」

絹旗「常盤台に…」

黄泉川「さらに言うとなんの痕跡も残さずに行動してるじゃん。この事から複数犯、または高位能力者による犯行だと警備員は踏んでるじゃん」

一方通行「わざわざ帰って来て言うンだから何か理由があンだろォな?」

黄泉川「一方通行」パサ

一方通行「あァ?」

黄泉川「稼ぎドコを探していたな。明日一日だけだが警備員でお前を採用するという話が出ている」

一方通行「なるほど…下着ドロを捕まえろってか…」

黄泉川「そうだ。今日一日の調べで警備員では犯人の確保に無理があるという結論が出たじゃん」

一方通行「…」ペラ

黄泉川「仮にも第一位。このまま大事にするわけにもいかないから協力を頼むじゃん」

一方通行「ふン…」

黄泉川「謝礼金もそれなりの額だ。言っちゃなんだが私の一月分のそれよりはるかに多い額じゃんよ」

一方通行「下着ドロか…イイだろォ、協力してやる
746 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:25:02.71 ID:4Ez6L5970
翌日


『そう、そこの路地裏…』

一方通行「見当たらねェな」

『うーん…番外個体は何か感じるじゃんか?』

番外個体「なんにも」

一方通行「ここはハズレみてェだな」

番外個体「第一、被害があった場所の周辺を調べるってのはどうなの?」

『事が起きてから駆けつけても逃げられてるじゃんよ。だったら最初から探しとけばオッケーじゃん』

番外個体「そううまく行くとは思えないんだけど」

『自分で犯人を捕まえるとか言った手前、あんまり文句を言わないで欲しいじゃんよ』

番外個体「はいはーい」

一方通行「次はドコだ?」

『えっと…今居る所からだと………常盤台の寮じゃん』

一方通行「常盤台…」

『じゃあ張り切って行くじゃん』

一方通行「一つだけ聴いてイイか?」

『ん?』

一方通行「未だに複数犯なのか単独犯なのか分かンねェのか?」

『残念だけど…と言いたい所だけど実は結構分かって来たじゃん』

一方通行「言え」

『犯人はまず、間違い無く…単独犯……と、思われていた』
747 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:25:50.31 ID:4Ez6L5970
一方通行「思われていた?理由はあンだろォな?」

『検出されたAIM拡散力場の情報をもとに解析した結果、同一の数種類のAIM情報を確認出来た』

一方通行「能力の種類は?」

『それはまだだ。だが…』

一方通行「だが?」

『かなり特異な能力と見てる』

一方通行「…」

『様々な状況をもとに、情報を消す事に優れてる能力と判断しているじゃん』

一方通行「情報を消す?」

『まあ情報って言い方は大袈裟かもしれないけど、言うなれば痕跡じゃんよ』

一方通行「痕跡ねェ…」

『実を言うとAIMの情報もかなり消されていてな、さっきやっとの思いで情報を引き出したんだ』

一方通行「AIM拡散力場の情報を無くせる能力か…聴いたことが無ェな」

番外個体「でも絶対に見つけてやんなきゃミサカの気が収まんないよ」

一方通行「名指しで依頼された事だからハナからそのつもりだ」

『とりあえず話は移動しながらするじゃんよ。幸い時間はまだたっぷりあることだし…』

番外個体「…まだ7時前かぁ」

一方通行「こンな朝っぱらから探して効果あンのかね…」
748 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:26:18.28 ID:4Ez6L5970
上条「…」パチ

上条(もう起きてしまった。…まだ6時50分前か…)

上条「…」

上条「とりあえず着替えておくか、そして垣根に連絡をして…へへ…」

上条「服服っと…」カチャン

上条(あー、楽しみだな。最初は誰からにしようかな…)

上条「まずは近場から…んでラストは美琴で…」

上条「まあ街中歩いてれば誰かにぶつかるだろ。そっからスタートだな」

上条「やっぱ穿いてない子とか居んのかな…」

上条「もしそんなのが居たらそれはそれで…」カチカチ

上条「もしもし?垣根か?」

上条「そう怒るなって、早い時間に電話したのは謝るからさ…」

上条「そうそう。今日にでもやろうぜ」

上条「待ち合わせ?」

上条「とりあえずウチに来てくれよ。そっちの方が都合いいからさ」

上条「よろしく頼むよ」

上条「ああ。じゃあまたな」プッ

上条「これでよし」

上条「パンツカーニバルの開幕だぜ」
749 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:26:45.82 ID:4Ez6L5970
午前7時34分・常盤台学生寮周辺にて


一方通行「この学生寮にはそれなりに優秀な寮監が居ると聴いている」

『ああ、その通りじゃん』

一方通行「その寮監がうろついてる中での犯行があったワケか?」

『まったくもってその通りじゃんよ』

一方通行「ふン…」

『寮監と言っても全ての事態に即座に対応出来るほど完璧じゃ無いじゃん』

『まして、相手は謎の能力者。厄介さで言えばレベル5クラスじゃん』

一方通行「分かンねェなァ…」

『?』

一方通行「そこまで分かってンのに犯人が特定出来ねェ理由がよォ」

『どういうことじゃん?』

一方通行「データベースに登録されてる能力者以外の犯行かもなァ」

番外個体「でも学園都市に住んでいて登録されていないってのは…」

一方通行「まずありえる話じゃねェな」

『でもそんなことは…』

一方通行「考えられる最大の可能性は…何らかの形で能力が変化したか…ってことだ」

『ははっ、それこそありえる話じゃないじゃんよ』

一方通行「本当にそう思うか?」

『…何か思い当たることがあるじゃんか?』

一方通行「一つだけな」
750 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:27:13.98 ID:4Ez6L5970
第七学区・路地裏


「はぁ…はぁ…はぁ…」

「しかし…なんとかなるもんやね…」

「きっとこれが能力の無駄遣いってやつなんやね」

「でもこんなことばっかしてていいんやろか…」

「…正直、この能力のうまい使い方は分からんけど…」

「体は透明に出来るし、証拠も消せるし…正直やりたい放題やね」

「一昨日拾ったこの音楽プレーヤー」

青髪ピアス「これのお陰で今のボクがあるんやー!」

青髪ピアス「パンツ盗ることにしか使ってへんけど…」

青髪ピアス「でもこれすごいなー、一体どんな能力なんやろ…」

青髪ピアス「そういえばこういうのって幻想御手?言うんやろか?」

青髪ピアス「でもボクの知ってるのとちょい違うような…」

青髪ピアス「…ま、考えてもしゃあなしやね!」

青髪ピアス「次はどんなパンツ盗ったろかなぁ…」
751 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:27:43.12 ID:4Ez6L5970
水穂機構病院


木山「…」

一方通行「正直に言え」

木山「何をだね」

一方通行「前に行った多才能力実験、それを誘発する音楽データをプレイヤーに入れて別途用意しなかったか?」

木山「実は…」

一方通行「ったく…しょうもねェ研究者だぜ…」

木山「それがどうかしたのか?」

一方通行「今出してみろって言ったら出せるか?」

木山「…」

一方通行「なるほど…持ち歩いていて落としたと…」

木山「ぐぬぬ…」

一方通行「もしかしたら、それが原因で今事件が起きている可能性がある」

木山「事件…?」

一方通行「そォだ。レベル5の能力をフルに使った…」

木山「…」ゴクリ

一方通行「下着ドロだ」

木山「え?」

番外個体「ふぁあ…」ムニャ

752 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:28:20.03 ID:4Ez6L5970
午前7時50分


上条「よく来てくれた同士」

垣根「同士はやめろ。まるで俺もパンツを見たいがための犯行をするみてぇじゃねぇか」

上条「同意した時点でそうなんだよ」

垣根「ったく…」

上条「さて、最初は誰がいいかな?」

垣根「候補」

上条「風紀委員、もしくはお前が言ってたアイテムかな」

垣根「一方通行の周りはどうした」

上条「それは最後の方にしよう」

垣根「懸命だな」

上条「とりあえず…風紀委員から先にやるか…」

垣根「手順はどうする?」

上条「垣根が能力で不可視フィールドを作る」

垣根「お前の右手が邪魔になってくるな」

上条「何も俺を隠すだけが方法じゃない。これからめくられる女の子達の視界を操作すりゃいいのさ」

垣根「なるほどな。うまくいくかは分からないがやるだけやってみよう」

上条「んじゃ柵川中に行こうぜ」

垣根「っとその支部は…」

上条「白井、初春さん、佐天さんだな」

垣根「まあそんなもんか」
753 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:28:56.00 ID:4Ez6L5970
「廃人一歩手前第一位」

「気性の荒い第二位」

「まだまだお子ちゃま第三位」

「プライド高い第四位」

「女王気取りの第五位」

「影の薄い第六位」

「意味不明第七位」

木山「…これが君達レベル5だよ」

一方通行「何サマだ」バシ

木山「痛っ」

番外個体「ズラッと悪口的なのを言っただけじゃない」

木山「これを悪口と取るかは本人次第だが…」

一方通行「落としたプレーヤーには第六位の能力は当然入ってねェよな?」

木山「ああ。あの日来た君達のだけだよ」

一方通行「面倒だなァ…」

番外個体「何が?」

一方通行「前にも似たような事があってよォ、やむを得ず戦闘したワケだ」

木山「あの時面倒だったのは事前に能力の詳細を教えたからだろう」

木山「その下着ドロとやらが多才能力を手に入れても肝心の能力をよく理解してなければ赤子も同然だ」

木山「適当に扱ってその価値を見出せる能力では無いだろ?君や垣根くんの能力、まして削板くんの能力もあるんだ」

一方通行「ンなことは分かってる。俺が面倒だって言ったのは探さなきゃなンねェからだ」

754 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:29:31.03 ID:4Ez6L5970
8時30分・柵川中学にて


上条「喜び勇んで来たわけなんだけど…」

垣根「なんか問題でもあんのか?」

上条「今授業してるんじゃないのか?」

垣根「あー?」

上条「あ、夏休みか」

垣根「じゃなきゃお前ここに居ねェだろ」

上条「んじゃ早速行くぜ」

垣根「風紀委員の支部はこっちだぜ」

上条「あ、そっちか」

垣根「…そういや巨乳の姉ちゃんの能力」

上条「え?」

垣根「いや、ここの風紀委員に一人厄介なのが居てよ」

上条「お前が言うほどか?」

垣根「なんつったかな…えっと…透視能力のレベル3だったかな…それが居てよ」

上条「不可視にしたらその人に見られないか?って心配してるのか?」

垣根「少しな」

上条「その人はレベル3だろ?レベル5の垣根の方が遥かに上なんだからそんな心配は要らないんじゃないか?」

垣根「用心するに越したことはねぇな。行くぞ」バッ

755 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:29:59.23 ID:4Ez6L5970
ウィーン


白井「?」

佐天「なんですかね?」

初春「佐天さんがセンサー近くに居たんじゃないですか?」

上条(すげぇ!これ本当に見えてないのか!)

垣根(あんま喋るな。さすがに声は聴こえるからな)

上条(…)

佐天「かもね。自動ドアのセンサーって結構いい加減だし」

白井「そちらに移動してはいかがですの?あまり入り口近くに居るとあれですので」

佐天「はいはーい」

初春「そういえば佐天さん」

佐天「んー?」

初春「昨日削板さんと歩いてたみたいですね」

佐天「ええ!?」

初春「知らないと思いましたか?」

垣根(ああ?削板だと?)

上条(…)ソロソロ

白井「あら?昨日は頼みごとをしたような…」

佐天「ああ…えっと…それ、削板さんと行ったんです」

白井「なるほど。まあ、もしもを考えたらそれが正解だったかもしれませんの」

垣根(昨日の頼みごと?)
756 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:30:28.70 ID:4Ez6L5970
佐天「結局よく分からないまんまなんですけど…あれは誰で何だったんですか?」

白井「一言で言って…垣根帝督を操作するための人達ですの」

垣根(なるほどな…)

佐天「はあ…?」

上条(…)ススス

初春「それで佐天さん」

佐天「今日の初春はがっつくねぇー、そんな初春には…」スッ

初春「?」

バッ!

佐天「それっ!…あれ?」

上条(白か、いい…)

初春「わわっ!またですか!?佐天さん!」

佐天「あれ?あれあれ?」

初春「まったく…」

佐天「???」

初春「まったく毎度毎度…よく飽きないですね」

佐天「えっ?ああ、まあね…はは…?」

ババッ!

初春「!?!?」

上条(こうやってずっとスカート上げたまんまもいいなぁ…)

垣根(なんだ。ただの変態だったのか)
757 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:31:00.68 ID:4Ez6L5970
白井「んん…?」

佐天「???????」

初春「目の前に佐天さんが居るのにどうして後ろから…あ」

初春「分かりました。能力ですね?前に少しレベルが上がったとか言ってましたし…」

佐天「い、いや私じゃ…」

初春「いいえ、佐天さんに違いありません!」

佐天「ていうか…スカート下ろさないの?」

初春「は?…」グイグイ

初春「あれ?」

上条(ああ…丸出しだよ…)

白井「…」ス

垣根(!)

上条(もう少しこのアングルを…)

垣根(おい、ちょっとどけ)グッ

上条(っとと…)ヨロ

カラン

初春「あ、やっと戻りました」ファサ

上条(俺の居た空間に金属矢が!)

白井「ふむ…」
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/27(土) 23:31:19.93 ID:mHKjapWy0
期待ッ!
759 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:31:44.97 ID:4Ez6L5970
佐天「どうしたんですか?」

白井「いえ、誰か居るのかと思いまして。でも、勘違いだったようですの…」カチャ

垣根(危ねぇ野郎だな)

上条(助かったよ)

垣根(少し行動に気を付けろよ)

上条(おう)

初春「まったく」

佐天「だから私じゃないってばー」

初春「でもこんな事をするのは佐天さんしか…」

佐天「そんなぁ」

上条(失礼しまーす)バッ

佐天「きゃっ!」

初春「わぁー」

白井「ん?」

佐天「えっ!?何何!?」

初春「結構凄いの穿いてるんですね…」

佐天「初春のが子供っぽいんだよ!てかそうじゃなくて!」

初春「はい?」

白井「どうしましたの?」

初春「佐天さんが自分のスカートを捲り上げたんです」

佐天「おーい、初春ー」

白井「佐天さん…そういう事は外でやらないでくださいまし…」

佐天「ええー…」
760 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:32:17.23 ID:4Ez6L5970
上条(いやー眼福だぜ)

垣根(ありゃあ女の下着だぜ!)

上条(だよなぁ黒だもんなぁ。居るもんだなー中学生で黒!)

白井「さてさて」

初春「そろそろお茶入れますね」

白井「椅子椅子…」

垣根(おい)

上条(分かってる。分かってるとも)

白井「よいしょ…」

上条(さあ白井!お前のを拝見するぜ!)バッ

白井「!」

佐天「え」

初春「あわわわ…」

垣根(んな…)

上条「これはTバッ…」

白井「誰ですの!」ブン

上条(やべっ!声出しちまった!)

白井「初春!ドアのロックを!」

初春「あっ!はい!」カチカチ
761 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:32:45.10 ID:4Ez6L5970
垣根(ったく…バカが…!)

固法「ちょっと、一体何の騒ぎ?」

白井「固法先輩、侵入者ですの!」

固法「侵入者?」

初春「でもでも、姿が全然見えなくて…」

固法「姿が見えない?ちょっと待って…」

垣根(ヤベッ!コイツが透視能力持ちのヤツだぞ!)

上条(げっ!この人かよ!)

固法「えっと…」キィィ

垣根(チッ…)ィィン

固法「?演算が…?」

垣根(早く出ろ!)

上条(お、おう!)

初春「ていうか入り口で張ったほうが…」

佐天「よーし!私に任せてちょうだい!」ダッ

垣根(…)

ダンッ

佐天「痛っ!」

白井「壁?」

初春「だ、大丈夫ですか!?」

佐天「なんか壁が…」

上条(おい!開かないぞ!)

垣根(貸せ!)

固法「よし…段々と調子が戻ってきたわよ…」

垣根(開いた!逃げんぞ!)カチン

上条(さすがだな!)ダッ

固法「え?垣根帝督…?」

垣根(顔は見られてねぇ!後でどうにでもなる!)
762 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:34:23.94 ID:4Ez6L5970
上条「危ない所だった…しかしさすが第二位だな。とっさに能力で壁作るとはな」

垣根「だから声出すなって言ったんだ」

上条「悪い悪い。あまりにも衝撃的でつい…」

垣根「ったく…とんでもねぇ下着穿いてるやつも居たもんだぜ」

上条「まさか白井がTバッ…」

垣根「やめろやめろ。脳裏に焼き付いちまったぜ…」

上条「でもいい尻してたな…」

垣根「テメェはオヤジか」

上条「ははっ!」

垣根「へっ」

上条「んじゃ次はアイテムとかってのにすっか」

垣根「事前に言っておくがバレた時の事考えると風紀委員よりヒデェからな」

上条「そんなにか?」

垣根「やべぇのなんのって」

上条「めくり甲斐があるってもんだな」

垣根(問題は滝壺だな…こいつにAIMを調べられたら速攻でバレちまう…)

垣根「やっぱりジャミングしながら行くしかねぇな」

上条「え?」

垣根「なに、次の計画を立ててただけだ」

上条「しっかり頼むぜ第二位」

垣根「嫌な頼られ方だな」
763 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/08/27(土) 23:38:02.19 ID:4Ez6L5970
えー…本日は以上となります。

もう少しだけこれは続きます。
どうかこんな上条を暖かく見守ってください。

次の更新はまた近いうちに、ではまた会いましょう。

764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/08/28(日) 00:08:10.71 ID:a1ZLCZnRo
心理定規たちが垣根にしたことは意味があったのだろうか・・・
765 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/08/28(日) 00:24:30.23 ID:NwmYBihAO
>>764
人はそう簡単には変われない…というわけではありません。

意味は無くは無いです。
したことの意味もこれから表現していくつもりです。

もう少しお付き合いください。
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/28(日) 02:03:10.08 ID:In84GHgFo
青ピWWW
767 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:09:06.64 ID:K1ZVbqST0
こんばんは。
書き溜めが出来たので今から投下します。
よろしくお願いします。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
768 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:10:16.12 ID:K1ZVbqST0
その頃・黄泉川宅付近にて


青髪ピアス「やっぱまたここに行き着くんやね」

青髪ピアス「ここの子達は皆レベル高いんよね。ちらっとしか見た事ないけど色々なのおるんよね」

青髪ピアス「脱力系美女とか…見た目怖いけどかまってちゃんオーラ全開の子が居たり…」

青髪ピアス「口悪い白アルビノ美少女とかも…」

青髪ピアス「じゃ、青ピ行きまーす」スゥッ

青髪ピアス「前はアオザイ着とった子のパンツ盗ったから今回は…」

青髪ピアス「姉妹のように仲いい子のがええかなぁ…うん」

青髪ピアス「ボクほどになれば見た目でどんなパンツ穿いてるか分かるんよ」

青髪ピアス「確か飛ぶには…どうやったかな…えっと…」

青髪ピアス「アカン、忘れてもうたわ。仕方ないから磁力纏ってパイプ伝って行ったろ」ガシ

青髪ピアス「ふんふーん♪」ガシガシ

『黒夜ー』

青髪ピアス「お、ここや」

『ああー?』

『洗濯物入れるの超手伝ってください』

『仕方ねぇな』

青髪ピアス「おっと!早いトコ盗らんと!えーっと…あの二人のパンツは…」

青髪ピアス「とりあえずコレと…」カチ

青髪ピアス「あの黒い子のが分からんなぁ…ん?」ガラッ

絹旗「パンツが!」

黒夜「どうした?」

青髪ピアス「やばっ!そ、そうや!こういう時に飛行や!」フワ

黒夜「ん?パンツが浮いてる?」

絹旗「バカ言わないでください!風で超流されてるんですよ!」

青髪ピアス「なんとかごまかせたわぁ」フワフワ

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
769 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:10:43.57 ID:K1ZVbqST0
数分後・柵川中学付近にて


上条「でもいざ会うとなるとどこ行けばいいんだ?」

垣根「溜り場なら知ってっからそこ行くぜ」

上条「お、マジか」

垣根「付いて来い」

上条「その…アイテムにさ…」

垣根「あ?」

上条「ちっちゃい子居るじゃん?」

垣根「どいつだよ」

上条「髪の短い…」

垣根「髪の短い?ああ…チビスケか」

上条「え?チビスケ?」

垣根「俺が勝手にそう呼んでるだけだ。んで?それが?」

上条「あれどうなってんのかな…って」

垣根「?」

上条「前に一回見たことあるけど下になんか穿いてんの?」

垣根「確かあれはセーターで隠してるんじゃ…いや待てよ。今は夏場だし…」

上条「もしかしてセーター一枚であんな風に隠してるのか」

垣根「ん、ああ多分な」

上条「へぇ…へぇ…」
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770 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:11:11.56 ID:K1ZVbqST0
垣根「……」

上条「どうした?」

垣根「悪い。ちょっと待っててくれ」

上条「んじゃそこのコンビニに居るよ」

垣根「ああ」

上条「長くなるか?」

垣根「いや、時間かからないだろうな」

上条「分かった」

垣根「悪いな」

--------------------------------------

固法「うーん…」

白井「垣根、帝督…」

初春「まーた垣根さんですかぁ?」

固法「そう決まったわけじゃないけど…」

白井「昨日の今日ですから信じたくはありませんけど…」

佐天「昨日?」

白井「まあこちらの話というか…」

ウィーン

白井「ん?」

垣根「なんだ。一斉にこっち見やがって」

固法「…あなたどこから来たの?」

垣根「家」

固法「そう…」

垣根「まあ、そう身構えんな。気分が悪くなる」

白井「ふう…」

垣根「なんか飲むか?適当に見繕ってきたやつだがよ」ガサ

白井「では…」
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771 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:11:40.89 ID:K1ZVbqST0
垣根「なるほどね。いきなりスカートが。んで逃げ際に俺の後姿らしきものを見た、と」

初春「はい」

固法「何か分かるかしら?」

垣根「知らねぇな。だけど」

白井「だけど?」

垣根「最近、よく下着ドロが出るらしい。ま、聴いた話だがな」

佐天「それがどうかしたんですか?」

垣根「妙な能力で姿を自在に消せることが出来るらしい」

固法「…」

垣根「それを信じるか信じねぇかはあんたら次第だが…俺はスカートなんざめくってねぇとはっきりと言えるぜ?」

初春「…」

垣根「今まで俺がしてきた事もある。すぐさま信用しろってのはさすがに無理かもしんねぇが…」

垣根「俺はもう、あんたらに危害を加えるつもりはねぇからよ」

白井「ほぉー…」

垣根「色々と悪かったな姉ちゃん」

固法「え?あ、ああ。なんてことないわ、うん」

垣根「二人もだ」

初春「は、はあ…?」

佐天「あれ?私なんかされたっけ?」

垣根「お前もだ白井」

白井「…」

垣根「まあ、これからは仲良くしてこうぜ?じゃあな」

白井「苦労した甲斐がありましたの…」

固法「やだ私ったら…似てるからって真っ先に疑ったりして…」

初春「変われるもんなんですね…」

佐天「???」
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772 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:12:06.26 ID:K1ZVbqST0
垣根「ま、アフターケアはこんなもんだろ」

ウィーン

上条「お、思ったより早かったな」

垣根「案外あっさり済んだ」

上条「んじゃ次行こうぜ次」

垣根「あそこのファミレスだから…こっちだな」

上条「オッケー」

---------------------------------

一方通行「当然闇雲に捜して見付かるもンでもねェわけだよな」

番外個体「だって下手すりゃ透明になってるかもしれないんでしょ?」

一方通行「オマケに空飛ンでるかもしンねェな」

番外個体「私はパンツが返ってくればいいんだけどな」

一方通行「だから取り返すにも見付けなきゃなンねェンだよ!」

番外個体「うーん…」

一方通行「第一、たかがパンツだろォが。そのパンツじゃなきゃダメな理由でもあンのか?」

番外個体「別に?」

一方通行「ならなンで…」

番外個体「あのパンツが手元に無いとダメなのよ」

一方通行「手元に…ねェ?…分かンねェなァ…」スタスタ

番外個体「………私が無理矢理あなたに買わせた物だからねー」

一方通行「なに止まってやがる。早く付いて来い」

番外個体「はいはい」
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773 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:12:32.72 ID:K1ZVbqST0
ファミレス近辺にて


垣根「とっとと…どれどれ…」

上条「ええと…」

垣根「居た居た。あいつら大体窓際に居っから見付け易くて楽だな」

上条「ほとんど座ってんだけどどうするんだ?」

垣根「あー…そうだな…じゃあいい。俺が外に誘導する」

上条「出来るのか?」

垣根「任せろ」

---------------------------------

黒夜「…んでパンツが浮いててさ」

絹旗「だから浮いてたんじゃないと何度言えば…」

麦野「結局飛ばされたって話でしょ?バカバカしい…」

絹旗「飛ばされたのは大した問題じゃありません。問題はその超後です」

フレンダ「後…?」

絹旗「ええ、私のパンツが超浜面的なのに拾われたらたまったもんじゃありません」

浜面「おい…」

麦野「はぁあ…ん?」

滝壺「どうかした?」

麦野「今嫌な人影が見えた」

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774 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:13:00.32 ID:K1ZVbqST0
麦野「あの見覚えのある長身…」

フレンダ「ホスト崩れを彷彿とさせるあのスタイルは…」

垣根「ご存知、垣根帝督だ」

麦野「一人でファミレス?寂しいわね」

垣根「何言ってんだ?俺はお前等を探してたんだよ」

麦野「はぁ?」

垣根「行きてぇ飯屋があってよ」

麦野「一人で行きなよ」

垣根「個人だとどうも入りにくくてよ。そこで超団体であろうお前達を探してたんだ」

麦野「へー…」

黒夜「連れてってくれんのか?」

垣根「まあな」

浜面「じゃあおごりなのか?」

垣根「え?あ…まあ別にいいか」

滝壺「どこなの?」

垣根「……学舎の園」

麦野「なるほど…あんたが一人で行き辛いわけだわ」

フレンダ「よっぽどなお店なんでしょうね?」

垣根「ああ」

絹旗「まあそこまで言うなら行ってもいいんじゃないでしょうか?」

麦野「それもそうね」

垣根「んじゃ外で待ってるから適当に会計済ませて出てきてくれ」

麦野「はいはい」

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775 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:13:29.19 ID:K1ZVbqST0
黄泉川宅・近辺

ピーピーピー!ガーガガー!

一方通行「ンでウチに戻ってくるワケか」

番外個体「その音なんとかなんないの?」

一方通行「借り物なンだから仕方ねェだろ」

番外個体「よくそんなの貸してくれたね」

一方通行「案外普通に貸してくれたがな」

番外個体「まあ音でAIMを追うってなかなか古風だからね」

一方通行「俺はAIM探知系の能力者じゃねェし…まして人探しなンてもっての外だ。だからこォして探知機を警備員から借りてだな…」

番外個体「そして?ここからどこに行ったのか分かるの?」

一方通行「ン…」

ガー…ピー…ガガー!

一方通行「音で判断すっとここで不自然に途切れてる」

番外個体「?」

一方通行「簡単に推測して飛行したか、瞬間移動の類で跳ンだと思える」

番外個体「どっちだと思う?」

一方通行「飛行…だろォな」

番外個体「どうするの?」

一方通行「街中に行くか。適当に探しながら歩いてりゃ引っかかンだろ」

番外個体「付いていくよどこまでも」

一方通行「?」

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776 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:14:03.84 ID:K1ZVbqST0
垣根「いいか?」

上条「おう」

垣根「俺が学舎の園の近くまで誘導するから適当に場所を選んで実行しろ」

上条「おう」

垣根「その足で学舎の園に入って第三位と第五位相手に実行」

上条「美琴は最後でいいかなーなんて…」

垣根「いいだろ別に。話の流れで学舎の園に行くって言っちまったんだ、二度手間になっからそこでやっとけ」

上条「分かった」

垣根「後は定石通り。お前の姿はさっき同様フィルターを掛けて見えないようにしておく…が」

上条「が?」

垣根「滝壺には充分気をつけろ」

上条「…」

垣根「麦野と滝壺に感づかれたら滝壺の能力で適当に居場所を当てられちまう。そうなったら最後…麦野に攻撃されて終了だ」

上条「ごくり」

垣根「最悪股間を打ち抜かれるぞ」

上条「…」

垣根「まあ用心しろ。一応俺も少しはサポートすっから」

上条「悪いな…何から何まで…」

垣根「後でしっかり働いてもらうからな」

上条「え?」

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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777 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:14:41.52 ID:K1ZVbqST0
「ありがとうございましたー」

垣根「来たな」

麦野「あんた今誰かと喋ってなかった?」

垣根「独り言だよ」

麦野「あっそ」

垣根「お前今日綺麗だな」

麦野「自覚してる」

垣根「そうか」

フレンダ「なにあれ?」

浜面「会話のジャブだろ?」

絹旗「さっさと案内してもらいたいんですけど」

垣根「え?なんで怒ってるの?」

絹旗「え?別に怒ってはいませんけど」

垣根「?」

絹旗「??」

黒夜「ほら見ろ蟻だぜ。珍しい」

滝壺「くろよるはアリが好きなんだね」

黒夜「どっちかって言うとイルカかな」

滝壺「だから今も背負ってるんだね」

黒夜「ああ」
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778 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:15:12.01 ID:K1ZVbqST0
垣根「…」

麦野「…」

浜面「…」

フレンダ(なんでこうも会話が無いわけなの?)

絹旗(単純に喋る事が無いからだと思いますが…)

フレンダ(それにしたってさ…)

黒夜(じゃあ何か話の種でも撒いて来いよ)

フレンダ(ええ!?私が!?)

滝壺「…」

上条(…)

麦野「そういえばあんた」

垣根「あ?」

麦野「これなんなの?」ゴソ

垣根「なんなのって…見たまんまだよ」

黒夜「あ」

フレンダ「え?何?どうかしたの?」

絹旗「んん…?」

麦野「この雑誌、コンビニで見かけたからつい買っちゃったんだけど」

垣根「まさかの表紙飾っちまったからな」

麦野「これちゃんと話したの?」

垣根「コンテストには出すと言ったが表紙になるとは言ってねぇな」

黒夜「コンテストに出すこと自体、許可は出してねェハズだ…!」

垣根「まあ表紙の事は悪かったな」

黒夜「謝る所はそこじゃねェぞ」

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
779 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/01(木) 00:16:49.80 ID:K1ZVbqST0
はい、本日はここまでです。

次回更新はまた近いうちに、ではまた来ます。

また会いましょう。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/01(木) 06:42:56.44 ID:EPieFBKSO
黒夜が全力で可愛いな
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/03(土) 05:51:46.54 ID:TIX+ki+L0
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自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
782 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:13:54.41 ID:4mIhOHpz0
こんばんは。
書き溜めが出来たので今から投下します。

ではよろしくお願いします。
783 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:14:27.18 ID:4mIhOHpz0
垣根「遠いねどうも…」

麦野「あんたから振って来たくせにそれはナイんじゃない?」

垣根「そりゃそうだがよ」

フレンダ「んー、やっぱ学舎の園の近くに来ると人通りが少なくていいわねー」

絹旗「まあ…場所が場所ですし…」

垣根「結構近寄りがたい雰囲気出てんだわな」

麦野「たかが常盤台…」

垣根「あ?」

麦野「なんでもないわ」

上条(あーっ、そろそろいいかなぁ…?)

浜面「適当に車出せばよかったかな…」

滝壺「…」

ガー!

黒夜「んん?」

垣根「どうした?」

黒夜「いや…なんか遠くで変な音がしたような…」

垣根「気のせいだろ」

黒夜「かもな」

上条(ああ…まずは…)

垣根「やるならさっさとしろ」

上条(オッケー)
784 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:14:53.36 ID:4mIhOHpz0
バッ!

フレンダ「ふぁ?」

浜面「ぶっ!」

上条(白井ほどじゃないけど結構派手なの穿いてんなぁ)

フレンダ「浜面…」

浜面「え!?俺じゃねぇよ!」

フレンダ「はぁ?」

麦野「なに、どうしたのよ」

フレンダ「ついに浜面がスカートめくりをしてきた訳よ」

麦野「はぁ…あんたついにそういう事するわけ?」

滝壺「はまづら…」

浜面「え、ええ!?」

バッ!

麦野「!」

フレンダ「ありゃ?」

浜面「おわっ!」

麦野「フレンダぁ!!」バシッ

フレンダ「あ痛っ!」

上条(おぉ…スケスケか…大人だなぁ)

垣根「…」

絹旗「んんん…?」

黒夜「…」
785 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:15:24.22 ID:4mIhOHpz0
フレンダ「なんで私が叩かれた訳!?」

麦野「お前しか居ねぇだろうが!」

フレンダ「ええー!?」

絹旗「今のはちょっとおかしかったような…」

ガバッ

絹旗「…」

浜面「うおっ!」

上条(はいはい白ですねー?)

浜面「これはめくりってレベルじゃねぇ!セーターごと捲り上げられてるぜ!」

絹旗「浜面…」スッ

浜面「へ?いや!俺じゃねぇって!」

上条(残りの二人はどうすっかなー。どっちもズボンなんだよな…)

滝壺「…」ボー

黒夜「ははは」

ズルッ!

滝壺「ん…ゴムが切れたのかな…よいしょ…」

垣根(あー…ダイレクトにズボン脱がせたかー)

浜面「たたっ、滝壺さん!?」

麦野「おかしいな…」

上条(んーピンクかー)
786 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:15:55.24 ID:4mIhOHpz0
麦野「順番的に次は…」チラッ

黒夜「おいおい、次は私かよ」

麦野「多分、ね」

上条(んじゃ最後行くか…後ろから失礼…)

黒夜「第一一体何が起きて…」

ズルッ…

上条「!」

浜面「なっ…!」

垣根「これは…」

絹旗「あれ…?私全然気付きませんでした…」

フレンダ「わー」

滝壺「しょっ…と」

黒夜「何ジロジロ見てんだよ」

浜面「はっ!」

麦野「いやー、これは見ちゃうわ…」

黒夜「ったく…ベルトでも壊れたのか?」グッ

黒夜「ん?」

上条(すげぇ!この子がノーパンとはな!すげー綺麗なお尻だなぁ…うへへ…)

黒夜「なんかにズボンが押さえられてるような…」

垣根(ズボンを上げられないように踏んでやがるな…)

麦野「…」ジジジ

黒夜「なんだぁ?一体…」

麦野「ちょっと動かないでいてね」

黒夜「?」
787 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:16:24.96 ID:4mIhOHpz0

フレンダ「麦野?」

麦野「何か居るわね」

絹旗「何かとは?」

麦野「さぁ?姿を消してるのか、それとも視界を遮ってるのかは知らないけど…」

麦野「何かが変態行為をしてるってのは明らか…ねっ!」ジッ

バシュン!

上条(このご時勢にノーパンが居るとはなぁ…ん?)

ビッ!

上条「え?」タラ

フレンダ「声がした!」

麦野「やっぱ何か居たみたいね。ほら、ブチ当てた部分からうっすら姿が見えてきたわ」

垣根(しまった。まさかこんな方法で姿を捕らえるとは…)

上条(あれー?なんで俺が攻撃されて…)

フレンダ「でもなんで攻撃当てたら見えた訳?」

麦野「一気に姿が見えない所を見ると姿を消していたわけじゃないわね」

絹旗「なるほど」

フレンダ「え?」

絹旗「私達の視界に対して能力を使ってたんです」

絹旗「私達の視界から見えないように情報を改変すればもちろん姿は見えなくなりますが…」

麦野「シャットアウトしてた物の見え方に変化が出てきたからそこの血が出てる頬の部分が見えたってわけね」

垣根(そう、いわばカメレオンだ。一部分だけ同化しきれずに姿を現したってトコだな)

フレンダ「つまり見えなかった物をAとするとAがA+って感じに少し変化したから見えるようになったってこと?」

麦野「まあ、そうね」
788 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:16:54.10 ID:4mIhOHpz0
麦野「さぁーて、その変態さんとご対面と行こうじゃないかしら」ジジッ

垣根「へへっ」

麦野「あ?」

ゴバッ!ビュォォォォォッ!!

浜面「んぎぎ…突風かよ…!」

垣根「こいつ、俺が始末してやるよ」

麦野「はぁ?何勝手言って…」

垣根「そう言うなって。少し発散してぇんだ」

麦野「?」

垣根「んじゃな…」ドンッ

バササッ!!

絹旗「…」

フレンダ「なんだったの?」

黒夜「よし、ちゃんと穿ける」

麦野「面ぐらい見たかったわね」

滝壺「…」

麦野「滝壺、何か分からない?」

滝壺「ごめんむぎの。かきねのAIMしか感じない」

麦野「あいつのだけ?」
789 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:17:23.73 ID:4mIhOHpz0
滝壺「痕跡を消せるような能力者なのかも」

麦野「面倒ね」

絹旗「垣根が超協力してたとは考えられないでしょうか?」

麦野「……無いわね」

フレンダ「意外」

麦野「あいつの周りでこんな事にわざわざ協力を要請するような奴なんて思いつかないし…」

絹旗「ふむ…」

麦野「まあ面倒だから後で適当に調べるとして…どうする?」

黒夜「は?」

麦野「これから」

浜面「そうか…案内人が居なくなったもんな」

麦野「そうそう。肝心の本人が居なきゃどうしようもないし…」

黒夜「…」

フレンダ「…」

滝壺「…」

麦野「…ファミレスに戻るか」

絹旗「ですね」

浜面「んだよ…結局かよ…」

黒夜「早く行け」

浜面「えへへ」

黒夜「あぁ?」
790 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:17:58.67 ID:4mIhOHpz0
学舎の園・常盤台中学付近


垣根「随分と衝撃的なもん見ちまったな」

上条「ああ」

垣根「さて、気を取り直して次に移るか」

上条「ああ」

垣根「敷地内には2458個、監視カメラが設置されてる」

垣根「その監視カメラ全てが風紀委員や警備員と息の合ったもんだ」

垣根「下手な事すっととんでもねぇことになるから気をつけろよ」

上条「もう色んなトコで下手な事してるけどな」

垣根「特に女王サマには気をつけろよ」

上条「女王?」

垣根「周りに人が居るから気をつけろってことだ」

上条「?そうか…?」

垣根「今日は特別取り巻きが多いみてぇだしな…なんかあったのかってほどに…」

上条「うーん…なんか無理そうだな…」

垣根「まあ、やるのは別に第三位だけでも構わねぇが」

上条「じゃあ昨日偶然見れたからいいか」

垣根「そうか。じゃ、さっさと第三位見つけて来い。俺は適当にふら付いてるからよ」

上条「ああ」タッ

垣根「さて、俺は…」
791 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:18:37.25 ID:4mIhOHpz0
「ですから周囲に気を配り…」

食蜂「うんうん」

「聴いてます?」

食蜂「うんうん」

「はぁ…」

カツ…

「ん…?」

垣根「よう」

食蜂「…どうしてここに…?」

垣根「なんでもいいだろ」

「えーっと…」

垣根「また別の取り巻きか」

食蜂「入れ替わりが激しいのよ」

垣根「使えない奴は早々に切るってか?」

食蜂「ここに来る都合が付かないだけよぉ。切る程無能力の集まりでもないしねぇ」

「あのー…この方は…」

食蜂「第二位…垣根帝督…」

「第二位…ですか?」

垣根「んな事はどうでもいい。こんなに集まって何話してたんだ?」

食蜂「急に現れた下着ドロについて話をしてたのよ。堂々と常盤台の寮に侵入した、ね」
792 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:19:06.55 ID:4mIhOHpz0
上条「見つけましたよ美琴さん」

御坂「…」スタスタ

上条「白井は風紀委員に行ってるから都合よく一人だし…それに後ろも取れたし…」

上条「ホントは最後に取っておきたかったけどこの際仕方ない…」

上条「最後は一方通行と一緒に居る子達にしよう」

御坂「…」スタ

上条「じゃあ拝見しまーす」ピラ

御坂「!」

上条(そういえば短パン穿いてたんだっけか…)

御坂「黒子…あれ?」クルッ

上条(失礼しまーす)ズル

御坂「…」

上条(やっぱ縞々か…)

御坂「あんた何やってんの…?」ワナワナ

上条「え?」

御坂「え?」
793 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:19:33.91 ID:4mIhOHpz0
垣根「そういや第三位用にフィルターかけたっけか…?」

食蜂「フィルターがどうかしたのぉ?」

垣根「いや、なんでもねぇよ」

「それよりさっきの話ですけど…」

垣根「ん、ああ…」

食蜂「私はどうでもいいんだけどねぇ」

「そんなこと言わないでください。今回盗られなくても次に盗られるかもしれないので対策を…」

垣根「単純に外に干さなきゃいいんじゃねぇのか?」

「それだと解決に繋がりませんので…」

垣根「黙ってりゃそのうち勝手に捕まんだろ」

食蜂「そうそう。そんな焦る必要も…」

ピー

食蜂「んん?」

「どうかしました?」

食蜂「今ピーって音聴こえなかった?」

「外側からじゃないですか?ここは大分外側に近い場所ですし」

食蜂「ああ、外ね」

垣根「音か、そういやさっき黒夜も音がどうとか言ってたな」

オーイ!

食蜂「?」

「なんでしょうか?」

ザワザワ…

垣根「んん…?」ジー

オォーイ!
794 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:20:03.12 ID:4mIhOHpz0
上条「おーい垣根ー!失敗だー!!」

垣根「そうか。かけてなかったか…」

食蜂「何かやってたの?」

垣根「みたいだな」

御坂「待ちなさい!」バチチ

上条「おわっ!」

御坂「あっ!あんた達ちょうどいい所に居たわ!そこのウニ頭とっ捕まえてちょうだい!」

「あの方は第三位の…」

食蜂「よく分からないけど協力してあげたら?」

「では…」ヒュンッ

垣根(風力使いか…)

「第二位様も」

垣根「え?」

「このような事は野暮かもしれませんが一応何かに捕まっていてください」ビュゥゥ

垣根「へぇ…」

パァァンッ!

上条「な、なんだ!?」スッ

パキィン!

「?」

垣根「圧縮した空気の弾か」

「よくお分かりで」

垣根「まあな。まともに当てれば気絶ぐらいさせられたのか?」

「当たれば、でしたけどね」

795 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:20:33.64 ID:4mIhOHpz0
上条「クソッ!」

御坂「何がクソよ!待ちなさいったら!」

上条「ちくしょー!!」

垣根「さて…」

食蜂「帰るの?」

垣根「ああ。ついでにアイツもな」

食蜂「あっそ」

垣根「…」ドンッ

ゴゴゴゴゴッ!

上条「あれ?なんか前から垣根が…あぐっ!」

バサバサバサッ!

垣根「っと…」タンッ

御坂「コラー!捕まえたならこっちに差し出しなさいよ!」

垣根「ああー!?」

御坂「ああ!?じゃないわよ!そんな高い所に居ないで降りてきなさい!」

垣根「コイツが何したか知らねぇが俺はコイツに別件で用があんだ。悪いがまだ渡せねぇな!」

御坂「はぁー?」

垣根「それと第三位!」

御坂「何よ!!」

垣根「色々と悪かったな!」バサッ

御坂「待ちなさい!コラー!」
796 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:21:01.02 ID:4mIhOHpz0
ガガー!

一方通行「…この中に居る。間違いねェ」

番外個体「この中に犯人が…」

ザワザワザワ…

番外個体「さすがに多くない?」

一方通行「この音がなによりの証拠だ。そう遠くねェ…まず間違いなく…近くに居る…」ガー

番外個体「この大量の人混みから探すのかー」

一方通行「楽じゃねェがやるしかねェな。全部今後のためだ」

番外個体「うん」

一方通行「それに多才能力のプレーヤーも回収しねェとな」

番外個体「あっ!」

一方通行「どォした?」

番外個体「ゲコ太のペアキャンペーンやってる」

一方通行「…」

-----------------------------------------------

垣根「いや、悪い悪い」

上条「ホントにびっくりした…」

垣根「ま、気を取り直そうぜ」

上条「そうだな。せっかく大詰めなんだし…」

垣根「都合よく俺たちみたいに町に繰り出してればいいんだけどな」

上条「そんなうまくは…っと…」

垣根「あ?」

上条「予約してたCD取りに行っていいか?」

垣根「CD?」

上条「そう」

垣根「さっさと戻って来いよ」

上条「すぐ戻ってくるよ」
797 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:21:28.22 ID:4mIhOHpz0
一方通行「ったく…」

番外個体「いやー悪いねー」

一方通行「そう思うンなら言わねェこったな」

番外個体「まあそう言わずに、ほら」

一方通行「いらねェよ。オマエが二つ持ってろ」

番外個体「まあまあ」カチ

一方通行「オイ!電極に付けンな!」

番外個体「だって杖持ち歩いて無いんだもーん」

一方通行「杖なンざしばらく持ち歩いてねェよ」

番外個体「垣根が電極用意してくれたから?」

一方通行「あァ…」チラッ

番外個体「何?」

一方通行「…」ガガー

番外個体「あー、近くに居るの?」

一方通行「みてェだな」

番外個体「でもいざ怪しい奴を探せってなると…」キョロキョロ

一方通行「…」ピー

番外個体「…」

一方通行「離れたな」

番外個体「はぁ…」
798 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:21:54.72 ID:4mIhOHpz0
上条「もう大丈夫だぜ」

垣根「意外と早かったな」

上条「珍しく素直に受け取れたからな」

垣根「そうか。それよりも、ほら」

上条「え?」

垣根「向こうを見ろ」

上条「向こう?」

垣根「もっと遠くだ」

上条「いや…全然見えないんですけど…」

垣根「あー、しょうがねぇな!一方通行と番外個体が向こうに居るんだよ!」

上条「え!?マジで!?」

垣根「そうだマジだ。しかも珍しくワーストの方は私服でいやがるぜ」

上条「行くしかねぇな!」

垣根「あっちに確認されねぇように接近すんぞ」

上条「今度はフィルター忘れないでくれよ」

垣根「ああ」

上条「やる気出てきたなー」

799 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:22:22.49 ID:4mIhOHpz0
ガガー!ガガー!

番外個体「それうるさいなぁ。なんとかなんない?」

一方通行「…」

番外個体「ちょっと、聴いてるの?あんま無視されるとミサカ泣いちゃうかも」

一方通行「…」キョロ

番外個体「ちょっと」

「…」キョロキョロ

一方通行「…」

番外個体「おーい」

「…」スゥッ

一方通行「…見つけた」

番外個体「え?」

一方通行「青い髪のヤローだ」

番外個体「青髪?」

一方通行「あァ」

番外個体「そんなのどこにも…」

一方通行「ご丁寧に目の前で消えてくれたぜェ?」

番外個体「でも捕まえなきゃ意味無いじゃん」

一方通行「青髪っつー分かりやすい特徴してンだ。いつでも捕まえられンだろォが」

番外個体「なるほどね」

800 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:22:50.15 ID:4mIhOHpz0
青髪ピアス「さて、お次はここらへんのモノを…ん?あれは上やん?こないなトコで何しとんのやろ」

上条「もうばっちりかー?垣根」

垣根「大丈夫なハズだがな」

青髪ピアス「うわ…あの背高いの誰やろか…」

垣根「俺はどこらへんに居たらいいんだ?」

上条「え?そうだな…」

垣根「…」

上条「一方通行襲ってくるかな?」

垣根「分かんねぇな。アイツがどういう行動するかなんてよ」

上条「うーん…」

垣根「なんとか隙見てやりゃいいじゃねぇか。幸いなんかやってるみてぇだしよ」

上条「そうだな」

垣根「ほら、早く行け。なんなら俺が適当に気引いとくからよ」

上条「じゃあ、それで頼む」

垣根「ああ」

上条「任せたぞ」タッ

垣根「…ふー」

青髪ピアス「なんや、上やん偉く真剣やなぁ」

垣根「常盤台に下着ドロか…」

青髪ピアス「!」

垣根「随分と勇気ある犯行だよなぁ…」
801 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/04(日) 22:24:50.91 ID:4mIhOHpz0
はい、本日は以上です。

えー、黒夜ノーパンですが…あの中だと一番可能性ありそうなかって思ってやりました。
あと柄とかは適当ですね、多分こうだろうって思ってやりましたけど…

そして番外個体ですけど…どんなの穿かせましょうかね…

近いうちに更新します。ではまた会いましょう。
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 00:26:39.90 ID:vxH3x5Svo
番外個体の………期待してる!
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/06(火) 18:03:34.13 ID:oPhh1BGAO
乙〜!
804 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:45:32.01 ID:b6Rk6qSI0
こんばんは、書きためが出来たので投下したいと思います。

ではよろしくお願いします。
805 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:46:51.43 ID:b6Rk6qSI0
ガッ…ガガッ…

一方通行「…」

番外個体「今度はどうしたの?」

一方通行「AIMが乱れてンだな」

番外個体「乱れ…?」

一方通行「さっきの青髪のヤローを検知しようとしたが…別の反応が横入りしてきたみてェだな」

番外個体「はぁ…?」

一方通行「設定を多才能力用にかなり強めにしてる。だから…引っかかるとすればそれなりの能力者のハズだがな…」

ゴゴゴゴゴゴ…!

番外個体「あれは…」

一方通行「へェ…」

カツ…カツ…

一方通行「大した存在感じゃねェか」

垣根「よう」

一方通行「あァ」

番外個体「ねえ、邪魔だからちょっと離れてくれない?」

垣根「なんでだ」

番外個体「邪・魔だから」

垣根「いやだね」

垣根(なんでコイツ探知機なんて持ってんだよ…下手すりゃ上条の存在がバレちまうぞ…)
806 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:47:19.90 ID:b6Rk6qSI0
番外個体「ねえ、なんでさっきと違う鳴り方してんの?」

一方通行「さっきと違う?」

ガッ…ガッ…ガガッ…

一方通行「ン…確かにそォだな…」

番外個体「ねえ、なんで」

一方通行「この探知機はよォ…AIMの波を受けて反応を示してンだ」

一方通行「例えばここから一直線、探知機に向かってAIMの波が流れてっとすンだろ」

一方通行「波が届くまでにそれを阻害するなンかが途中で出てきたってこった」

番外個体「それって通行人とか?」

一方通行「ンなワケねェだろ。もしそォだったらもっと早い段階でこの鳴り方をしてるハズだからなァ」

番外個体「なるほろ」

一方通行「今になってこンな鳴り方したってことはだ、阻害する何かがこっちに近づいてきたか…こっちが近づいてるかのどっちかだわな」

番外個体「阻害?」

一方通行「さァな…ジャマーか…それとも波形を狂わすモンの類…またはあの青髪が察知して妨害してンのかもな」

垣根「さっきから何の話をしてんだ?」

一方通行「下着ドロの話だ」

垣根(そうか、上条を探してるわけじゃなかったんだな)

ピー…

一方通行「…」

番外個体「今度は?」

一方通行「俺たちの目の前範囲から外れたってコトだな。その阻害するなンたらがよォ…」

上条(なんだ?あの…なんか…あれは…?)
807 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:47:46.03 ID:b6Rk6qSI0
一方通行「…」ジッ

垣根「この先になんかあんのか?」

一方通行「あァ」

番外個体「ん、また出てきたね」

スゥッ…

垣根「あの青髪か?」

一方通行「そォだ」

青髪ピアス「…」キョロキョロ

一方通行「…」ジッ

上条(なんか集中してるみたいだし今がチャンスかな…)

青髪ピアス「よし…」スゥッ

垣根「へぇ、姿を消せる能力者か」

バスッ!

垣根「は?」

一方通行「…」

青髪ピアス「あ…痛ぁーっ…!」

垣根「何だ?今何を撃って…」

番外個体「あーっ!」

垣根「?」

番外個体「今ゲコ太飛ばしたでしょ…」

一方通行「ちょォどイイトコにあったからな」

番外個体「もう…」

一方通行「とりあえずあの青髪ントコに行くぞ。話はそれからだ」

上条(あれ?移動すんのか?)
808 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:48:20.46 ID:b6Rk6qSI0
青髪ピアス「痛たた…なんやコレ…」

ザッ

青髪ピアス「ん?」

番外個体「…」

青髪ピアス「うはっ、かまってちゃんオーラの子や」

番外個体「…」バチッ

青髪ピアス「あひんっ」

一方通行「オイ」

青髪ピアス「う…男!?」

一方通行「あァ?何ワケ分かンねェ事言ってやがる」

青髪ピアス「あ、いや…」

一方通行「まァイイ。それよりオマエ」

青髪ピアス「ん」

一方通行「最近変わった音楽プレーヤーを拾わなかったか?」

青髪ピアス「変わった…?これのことやろか…」ゴソ

一方通行「…」

青髪ピアス「これに入ってた曲聴いたら急に力が湧いてきたみたいになって…」

青髪ピアス「ま、色々といい思いさせてもらってるんやけど」

一方通行「悪ィな、コレ俺ンだから返してもらうぜ」ヒョイ

青髪ピアス「あ」

一方通行「せっかくだから教えてやるがこのプレーヤーはとンでもねェ代物だ」

青髪ピアス「とんでもないって…幻想御手みたいなもんやろ?」

一方通行「近ェがもっと別なモンだ。これにはレベル5の能力が記録されてンだ」

青髪ピアス「レベル5?ほな、さっき僕が姿を消したのもレベル5の誰かの能力ってことなんやろか」

一方通行「違う。それはレベル5同士の能力の組み合わせで発生した偶然の産物だ」
809 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:48:46.89 ID:b6Rk6qSI0
青髪ピアス「なるほどね…」

一方通行「まァ、オマエがコレを持ってたのは然したる問題じゃねェ…肝心の問題ってのは…だ」

番外個体「私のパンツを返して」

青髪ピアス「う」

一方通行「まァそういうこったな。普通なら特に気にするモンでもねェンだがウチにうるせェのが居てな」

一方通行「何も出頭しろとは言わねェ。モノを渡せばそれ以上言及する気はねェからよ」

青髪ピアス「アルビノ君…」

一方通行「ハ?」

番外個体「ミサカはなんでもいいから早く返して。それ結構お気に入りなの」

青髪ピアス「そうや、僕は間違ってたんや。コソコソと盗むなんて僕らしくない…欲しいなら正面からぶつかる…!」

一方通行「?」

青髪ピアス「お嬢さん!このパンツ僕にくれたってや!」

番外個体「…無理」

青髪ピアス「ありゃ?」

一方通行「コイツは…」

ズボ

番外個体「!」

一方通行「ン?」

青髪ピアス「あらー、スカートたくし上げてどしたん?」

番外個体「いや…スカートの中に何かが…」

上条(あー、やっぱ縞パンかー)スーハースーハー
810 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:49:18.78 ID:b6Rk6qSI0
番外個体「…」スッ

青髪ピアス「ぶふっ、縞パンや!ん?上やん…?」

番外個体「見えない何かが居るんだけど…」

一方通行「見えない何かだとォ?」

上条(至福)スーハースーハー

番外個体「…」バシッ

上条「痛てっ」

番外個体「…」バチチッ

上条「あばばば」シュゥゥ

番外個体「この人は…」

一方通行「三下?」

上条「いちち…」

番外個体「ねえ…なんでミサカのスカートの中に頭を突っ込んでるの…?」

「あー、私も聴きたいわねぇ…その理由」

一方通行「今度はオマエか」

番外個体「オネェーサマじゃん」

御坂「学舎の園でも同じような事してくれたわね。是非とも理由が聴きたいわ」

上条「俺が見えるのか?」

一方通行「何言ってンだコイツ」

上条「そうだ、垣根…垣根は…」

一方通行「どォしてそこで垣根が出てくンのかは知らねェが近くには居ねェぞ」

上条「え?」
811 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:49:55.91 ID:b6Rk6qSI0
上条「…」

番外個体「…」

御坂「…」

青髪ピアス「あのー、僕は…」

一方通行「物だけ置いて帰っていいぞ」

青髪ピアス「ほんなら…」ゴソッ

一方通行「そこらへンに置いとけ」

青髪ピアス「んじゃここに」

一方通行「もォすンなよ」

青髪ピアス「ほなこれで」

一方通行「…しかしよくもこれだけ集めたもンだな。感心すンぜ」

カツ…

垣根「…」

上条「おお、垣根!」

御坂「ん、あんたコイツに用があるって連れてかなかったっけ?」

垣根「ああ」

上条「なあ、ちょっとピンチなんだ。どうしようか」

垣根「その前にだ上条。バードウェイに今すぐ連絡を取れ」

上条「は?バードウェイ?」

垣根「そうだ。適当に理由付けて適当な場所に呼び出せ、そいつに用がある」

上条「よく分かんないけどそれでどうにかなるのか?」

垣根「なる」

上条「んじゃちょっと待っててくれ」

御坂「ちょっと」

垣根「すぐに終わる」

番外個体「そうだ。私のパンツ…」
812 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:50:48.41 ID:b6Rk6qSI0
上条「なんとか来てくれるように言った。俺の家に来るらしい」

垣根「ご苦労、んじゃ頑張ってくれ」

上条「あれー?」

垣根「じゃあな一方通行」

一方通行「オマエは何のために居たンだかな」

垣根「色々と、な」

上条「ま、待ってくれ!」ダッ

御坂「コラ!逃げんな!」バリリッ

上条「おわっ」ズデッ

一方通行「おっと」

上条「痛てて…やべ、さっき買ったCDが…」

上条「ちゃんと拾わねーと…」ガサッ

御坂「あ、あんた…」

上条「へ?」

御坂「何その…数々のパンツは…」

上条「は?パンツ?あ、これは別に俺のじゃ…」

御坂「じゃあなんでその袋に一緒に入れてんのよ…」

上条「袋?あ、CDのか…これは落ちたCDと一緒に掴んでしまって…」

御坂「まさか下着ドロって…」

上条「え?」

一方通行「おう、俺だ。下着ドロの事だけどよォ…見付けて取り返しといた」

一方通行「俺が持ち歩くワケにもいかねェから取りに来い。場所は…」

813 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:51:16.49 ID:b6Rk6qSI0
番外個体「あったあった。ありゃ?これサイアイのじゃん」

一方通行「済ンだか?」

番外個体「オッケー」

一方通行「帰ンぞ」

番外個体「残りのパンツは?」

一方通行「黄泉川に取りに来させる。ちょォど近くに居るみてェだしな」

番外個体「ふーん。そっか」

一方通行「ついでに探知機も置いとくか」

一方通行「…少し端に寄せとくか。人通りが少なくても道のど真ン中はマズイだろォしな」ズッズッ

番外個体「で、帰るんだっけ?」

一方通行「ン…イヤ、このプレーヤーを……イイか」

番外個体「ミサカ行きたい所あるんだけど…」

一方通行「俺は早く帰りてェンだがな。珍しく淡希も居ることだし…」

番外個体「かーっ!」

一方通行「ハァ…」チャリッ

番外個体「あ」

一方通行「カエル、一応回収しとかねェとな」

番外個体「ひひっ」

一方通行「行くぞ」
814 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:51:52.70 ID:b6Rk6qSI0
上条「あ、待って一方通行…」

一方通行「あァ?」

上条「俺が犯人じゃないって言ってやってく…『どォしてパンツ掴んで袋に入れようとしてンだ?』…」

御坂「別にあんたが下着ドロだろうが知ったこっちゃないわ」

上条「いやだから俺は下着ドロじゃ…」

御坂「なんでスカートめくって短パンを脱がしたり番外個体のスカートに頭を突っ込んだのか、それが問題よ」

上条「…」

御坂「どうしてよ」

上条「…い」ボソッ

御坂「は?」

上条「全部美琴が悪いんだ」

御坂「なんで私が悪いのよ」

一方通行「アホらし、行くぞ」

番外個体「はいはーい」

上条「全部美琴が悪いんだー!!」ダッ

御坂「あっ!コラ待ちなさい!」

キキーッ!ドンッ!

上条「あんっ」

ガチャ

黄泉川「少年ー、急に出てきちゃ危ないじゃんよ。ったく…スピード出てなかったからいいもの…ん、上条じゃんよ」

上条「よ、黄泉川先生!?」

黄泉川「じゃあ大丈夫か。えーと…あ、これじゃんね」ゴソッ

上条「じゃあ大丈夫かってですね…」

黄泉川「ん?君は何で袋の中にパンツなんか入れてるじゃん?」

上条「あ、えーとですね…」

黄泉川「……ちょっとお話聴かせてほしいじゃん。車の中に入るじゃんよ」

上条「…ふ、不幸…だ…」
815 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:52:29.49 ID:b6Rk6qSI0
数時間後

上条「とほほ…結局下着ドロに間違えられて一方通行が証言してくれるまで尋問の嵐なんて…」

上条「オマケに美琴からスカートめくりの事についてバラされるし…乱入してきた白井に蹴られるし…」

上条「垣根はどっか行っちゃうし…でも…それを無かった事に出来るぐらいのモノを今日は見れたからな…よしとしよう。うん」

上条「さぁーて、気を取り直して夕飯の準備を…ん?」

上条「この…我が家の前で転がっている黒服の人たちは…」

上条「あれ?この人達はバードウェイの部下じゃないか?ん?バードウェイ…?」

『そいつに用がある』

上条「!垣根!大丈夫か!?」ガチャ

「んー!んんー!」

バタン

上条「…あれ、おかしいな」

「とうまー」

上条「インデックス?お前出かけてたのか?」

インデックス「かきねが来てこれからやることあるからって」

上条「それで?」

インデックス「お金たくさん渡されてしばらく家を空けてくれって言われたから従ったんだよ!」

上条「…」

インデックス「お家に入らないの?」ガチャ

上条「あ、今は…」

インデックス「…」

「んんん!」

インデックス「どうしてバードウェイが裸で縛られてるのかな?」

上条「さ、さぁ?」

インデックス「ちょっと評価出来ないかも…」サササッ

上条「イ、インデックスさーん?」

インデックス「今日はこもえの所に泊めてもらうんだよ。バイバイ」タッ

上条「…」

バードウェイ「んー!」クネクネ

上条「不幸だ」
816 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/08(木) 21:53:57.98 ID:b6Rk6qSI0
まあ、こうなりますよね。

えー、では本日は以上です。
次回更新、近いうちに。

ではまた来ます。
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/08(木) 23:24:18.56 ID:fpETUbK7o
正直今まで読んできた中で、この話が一番意味わからん
なにこれ?
818 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/09/09(金) 00:16:28.13 ID:NBGIFSqAO
>>817
そうですね、この話が一番ズタズタなんじゃないでしょうか?特に後半

これは急ぎ足で書き上げたのが一番の原因だと思ってます。
それぞれの人物が何をしたいのか、それが一番出てない、それを自分でも感じてます。
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陰地方) [sage]:2011/09/09(金) 23:43:08.04 ID:w4rqCUc4o
一日一書き込み分ずつ読んでたら
追いつくまでえらく時間がかかってしまった
俺はどの話も好きだぜ

ってか今回のは上条さん、頭打って狂ったのか?
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/11(日) 13:17:30.55 ID:1hvbevPAO
乙です
821 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:09:02.35 ID:Dx7Q4neB0
こんばんは。書き溜めが出来たのでこれから投下しようと思います。

あと>>819さんの仰っている上条さんの事ですが今回の投下で触れます。
まあ単に頭を打ったわけではない、というのを分かっていただければと思います。

ではよろしくお願いします。
822 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:10:27.96 ID:Dx7Q4neB0
「第一位?スマン、知らないな」


「うーん、そんな人は私の記憶には無いわぁ。私の記憶力が何よりの証拠よぉ」


「はぁ?そんなの私が知ってるわけないでしょ。居ないんじゃないの?一位なんてさ」


「分かるもんなら私が知りたいわよ。その…第一位だっけ?」


「第一位、ね。そんなのは記憶にねぇな。俺が二位止まりで一位が居ないってのはおかしな話だがな。存在しない一位が為に俺が二位なんだ、納得いかねぇな」

「つーかよ」

「お前、誰だ?」

「なんで俺に一位のことなんざ聴いて来た?一位が居ないってのは周知の事実のハズだ。なんでそんな事をわざわざ俺に…オイ、どこ行く気だ?話は終わってねぇぞ?」


「悪ィな。聴きたい事は聴いたから俺はオマエに話はねェンだわ」


「は?俺の話が終わってねぇって意味だよ」


「俺は終わった。じゃァな」


「チッ、意味分かんねぇな…」
823 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:11:20.78 ID:Dx7Q4neB0
「はて…第一位…ですか?申し訳ありませんが自分は分かりかねます」


「ん、第一位だと?さぁな、居たような居なかったような…。もういいか?妹を待たせてるんだ」


「一位の事?お前ら分かるか?」


「一位ですか?分かるかと聴かれても超周知の事実しか出て来ませんよ?」


「結局、一位なんて都市伝説でしょ?そんな存在、見た事も聴いた事もない訳だし」

「わたしもそう思う」


「知ってるかって聴かれても知らねぇとしか言えねぇよな」


「その周知を教えてくれ。分かンねェことだらけでな」


「ふむ、でしたら一応話しますが超知ってることだと思いますよ?」

「まず第一、一位は存在しない。これは超大前提の話です」

「次、一位の座はこれから先、永劫に空白の座席」

「既に二位として地位を築いてる垣根は一位にはなれません。何をしてもです、これは他の能力者全てに言えます」

「一位に値する能力者は現れない。故に一位の座席は空いたままであり、一位は存在しない」

「本当は言っちゃダメなんですけど垣根が素養格付を確認したからこれは絶対です。一位は現れない、ということが」

「あ、垣根って分かりますかね?第二位なんですけど…」


「一位ってのはまさに名ばかりで実物が無いんだ。だから実質、二位のチンピラが一位だけどな」


「てもそれをアイツに言うと怒るぜ?」


「もういいの?」


「あァ、手間かけたな」


「結局なんだった訳?」
824 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:11:56.27 ID:Dx7Q4neB0

「素養格付か、まあ言うなれば学園都市の能力者が記録されたるわけだ。それに一位の可能性を確認出来なければ永遠に現状のままだろうな」

「ところで君、どこかで会ったかな?どうして私の名前を知っていたんだ?」

「それにしても少し暑いな…君もそう思わ…あ、君」


「あぁん?一位なんか知るわけねぇだろ。他当たりなモヤシの兄ちゃん」


「すまんじゃん。流石に一位については調べようが無いじゃんよ。とりあえず君の住所と名前を…ん、どこに行くじゃん?」


「ごめんなさいね。私も研究者の端くれで一応色んな能力者について研究はしたけど一位については一回も担当したこともないし、研究もしたことがないわ」


「ふむ…僕は色々な患者を見て来たけどそれらしい患者は診なかったね?僕は一度診た患者は忘れないからね?」


「第一位ですか…いえ、ミサカはそのような方は知りません、とミサカは正直に対応します」


「えっ?一位?そんなのミサカが知ってるわけないじゃーん!ひひっ」


「うーん…ミサカもそういう人は知らない…え?MNW?お兄さんMNWを知ってるの?ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり…」

825 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:12:23.42 ID:Dx7Q4neB0
「チッ、どォいう事だァ?」

「どいつもこいつも同じような反応しかしねぇ」

「この様子だと携帯使って粗方探しても無理そうだしよォ…一体どォして…ン?」

「なンだ?急に人通りが…」

ザッ

「二人か…なンか知ってるクチみてェだな」

「第一位の方ですね?」

「あン?」

「良かった。やっと会えました」

「オマエ等俺を知ってンのかァ?」

「僕は君の事はよく覚えてるけどね?」

「テメェはあン時の…」

「結論から言います第一位。私達はあなたを知っています」

「当然僕も知ってるよ」

「あァ?」
826 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:12:53.54 ID:Dx7Q4neB0
事は数日前に遡る
淡希がアイドル業を休業し、本来の日常を取り戻して間もない頃に起きた事だ
なにもかもが結婚した当初のような日が続いていた頃の様に


絹旗「聴きました?垣根の話」

黒夜「垣根の話っしょ?本人からも散々聴いたっつの」

絹旗「ふむ…」

芳川「あら、彼に何かあったの?」

絹旗「聴いてくれますか?超聴いてくれますか?」

黒夜「芳川に話してなかったのか?」

絹旗「毎度毎度いいタイミングで居なかったものですから」

芳川「それで?どんな話なの?」

絹旗「垣根が12歳だったか14歳だったか16歳だったかの女の子に超仕返しと称して他人の家に裸で縛り上げて放置したという話なんですが…」

芳川「それっていつぐらいの話なの?」

絹旗「え?そうですね…」

黒夜「結構前だよなぁ」

絹旗「一ヶ月…とまではいかないかもしれませんがそれぐらい前ですかね?」

黒夜「多分」

芳川「でも彼らしいわね」

絹旗「え?」

芳川「年下の子でも容赦なくそういう事する所がよ」

絹旗「でも超褒められた事ではないような…」

芳川「彼はどんな相手でも対等に見てるって事よ」

絹旗「………そう…でしょうか?」

芳川「そうじゃないかしら?」

芳川「最初、彼に会ってからずっと思ってたけど、彼のコミュニケーションには手抜きが感じられなかったもの」

芳川「今の彼と本当に仲が悪い人ってのはいないんじゃないかしら?」

絹旗「言われてみれば…あ、いや黒夜が」

黒夜「別になんとも思ってないけど」

絹旗「あ、そうですか」
827 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:13:24.26 ID:Dx7Q4neB0
芳川「あなたもじゃないかしら?一方通行」

一方通行「…そォかもな」

芳川「でも裸で縛って放置はいただけないわね」

絹旗「そういえば縛ってその後を聴いてませんね」

一方通行「そこの…」

絹旗「え?」

一方通行「そこの家主がちゃンと処理したらしィ」

芳川「処理?」

一方通行「どう処理したのかは知らねェけどな」

芳川「いやね、気になるわ」

一方通行「そォか?別にどォでもイイような気もすっけどなァ」

芳川「そのどうでもいいことが気になるのよ」

一方通行「ハッ、そォかい」

芳川「最近会ったりしてないの?」

一方通行「事が起きる日に会ったキリだな」

芳川「あら、あまり仲が良くないのかしら?」

一方通行「さァな」

芳川「まったく…」

一方通行「外との交流が俺より少ねェお前に言われたくねェな」

芳川「ちっ」
828 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:13:49.22 ID:Dx7Q4neB0
カチャン

「あーあー、全く…なんてことかしら…」

芳川「揃って帰って来たわね」

一方通行「なンかあったのか?」

結標「あら、起きてたの?」

一方通行「別に一日中寝てるワケじゃねェよ」

番外個体「前はずっと寝てたのにねぇー」

一方通行「前は前だ」

芳川「それで?何があったの?」

結標「垣根よ垣根、彼、また別の女の子と歩いてたわ」

一方通行「アイツは本当に落ち着かねェな」

芳川「へぇ、どんな子かしら」

結標「んー?どんなって…声可愛い感じの金髪のちっちゃい子よ」

一方通行「…」ピク

芳川「金髪?」

結標「そう、でも一緒に歩いてたってよりはその子が一方的に絡んでただけだけどね」

結標「結構、物騒な感じの子だったわよ。後ろに黒スーツが何人か居たし…」

芳川「あらやだ。ギャング関係かしら」

結標「ギャングっていうかなんかの組織のボスみたいな雰囲気だったわよ?やたら高圧的な態度だったし」

一方通行(なるほど…レイヴィニア=バードウェイか…)

黒夜「やっぱそういう見た目なんだよアイツは」

絹旗「あいつって垣根ですか?」

黒夜「そうそう。裏でそういうのと繋がってそうなさ」
829 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:14:20.93 ID:Dx7Q4neB0
一方通行「……ン」スクッ

結標「どうしたの?」

一方通行「イヤ、三下に電話かけようと思ってな」

芳川「あら、その後を聴いてくれるの?」

一方通行「…ンなワケねェだろ」

番外個体「そういえばなんであんな事されたのか未だに分からないんだけど…」

一方通行「三下にかァ?」

番外個体「そうそう」

一方通行「ンじゃ食蜂にもだな」ピ

番外個体「?」

黒夜「何?なんかあったわけ?」

番外個体「え?まあね」

芳川「ウニ頭の子になんかされたの?」

番外個体「まあね。結構前の話だけど」

絹旗「なんか今日はやたらと前の話が出てきますね」

番外個体「時期が下着ドロの時の事だから確かに前の話だね」

芳川「ふーん…」ペラ

絹旗「なんです?それ」

芳川「タロット」
830 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:14:46.48 ID:Dx7Q4neB0
芳川「あら…」

結標「何か出たの?」

芳川「塔の正位置」

絹旗「その心は」

芳川「物事が終わっていくこと。困難な状況を与えてそれを自然の結果として崩壊を辿ることを意味してるわ」

黒夜「つまり?」

芳川「悪い目にあって気付かない内に今が終わってくって事よ」

一方通行「オマエ、タロットなんてやってたのかァ?」

芳川「家に居ると暇なのよ。ここ最近で覚えちゃったわ」

一方通行「ンで?誰を占ったンだよ」

芳川「別に誰でも無いわ。占ったわけでもないし…適当にシャッフルして一番上をめくっただけよ」

一方通行「へェ」

芳川「これが誰を示してるのか…私には分からないわ」

番外個体「ていうか電話は?」

一方通行「今からだ。タロットが少しだけ気になってよォ」

芳川「あなたも占いとか興味あるの?」

一方通行「少しだけオカルトに目を向けてもいいかと思っただけだ」

芳川「始めるには充分よ」

一方通行「タロットを始める気はねェぞ」

芳川「残念」

一方通行「ふン…電話すっから少し静かにしとけ」
831 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:15:24.09 ID:Dx7Q4neB0
piriririri

一方通行「…」

『はい?』

一方通行「俺だ」

『一方通行か?お前から電話なんて珍しいな。どうかしたか?』

一方通行「イヤ、前の事聴きたくてよォ」

『前?ああ…あの時の…』

一方通行「番外個体が奇行の理由を知りたがってなァ」

『あれはなんていうか…実を言うと俺もよく分かんないんだよなぁ』

一方通行「そォか。まァそれだけだ、じゃァな」

『あ、待った』

一方通行「あ?」

『これからインデックスとイギリスに行くんだけど来るか?』

一方通行「ハァ?なンでイギリスなンか…」

『いやさ、イギリスに居るインデックスの知り合い連中が顔出せってうるさくてさ…』

一方通行「それでなンで俺を誘う?」

『女連中ばっかなんだよ。仲いい男の知り合いも居なくて気まずいんだよ』

『で、来るか?』

一方通行「行かねェ。じゃァな」プッ
832 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:15:50.91 ID:Dx7Q4neB0
piriririri

『もしもぉし』

一方通行「俺だ」

『あらぁ』

一方通行「ちょっと聴きてェ事がある。時間イイか?」

『聴きたいこと?いいわよぉ、だけど生理周期は秘密よぉ?』

一方通行「…」

『ま、冗談として…』

一方通行「三下に会った時の事覚えてるか?」

『三下?』

一方通行「ウニ頭の…」

『ああ。あの人…それがどうかした?』

一方通行「アイツの頭になンかしたか?」

『ちょっとイラついちゃったから頭の中軽くシェイクしちゃった』

一方通行「…」

『本当に軽くよぉ?ちょっと異常を来す程度、何日かしたら元に戻るような…』

一方通行「なるほどな」

『もしかして未だにおかしかったりする?』

一方通行「イヤ、もう大丈夫だ」

『そう』

一方通行「まァそれだけだ。手間取らせたな」

『あ、待って』

一方通行「…」

『今度軽くデートでも…』

一方通行「またの機会に。じゃァな」プッ
833 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:16:18.76 ID:Dx7Q4neB0
番外個体「何か分かったの?」

一方通行「奇行の正体は第五位に頭をいじられたのが原因らしい」

結標「?確か変な右手持ってたわよね?洗脳の類って効くの?」

一方通行「いじった部分に右手が触れなきゃイインじゃねェのか?」

結標「でも頭でしょ?すぐ触っちゃいそうな気もするけど…」

一方通行「脳みそだったらどォだ?」

結標「ああ…なるほど…」

一方通行「実際どォかなンて知らねェけどな。アイツの右手なンざ…」

結標「変な右手ね」

一方通行「まったくだな。もしかしたら能力が効いてなくて別件で頭おかしくしたのかもな」

番外個体「例えば?」

一方通行「なンかに頭打ったとかな」

結標「ありえない、って言い切れないわね」

一方通行「最悪ありえる話だからな」

芳川「…」シャカシャカ

黒夜「次は?」

芳川「次は下から取ってみましょう」ペラ

芳川「正義の逆位置」

絹旗「それで?」

芳川「えーと…なんだったかしら」
834 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:16:49.40 ID:Dx7Q4neB0
絹旗「え、覚えてないんですか?」

芳川「覚えること多すぎて中途半端にしか覚えてないのよ」

絹旗「そう…ですか…」

芳川「ちょっと待ってね。確か紙が…」カサ

一方通行「…」

芳川「あったあった。えーと…問題が浮上し突如状況が悪くなる…」

芳川「バランスが崩れていくことを意味してるわね。他にも人間関係に終止符を打つ時の訪れを意味してるわ」

一方通行「不吉な…」

黒夜「逆位置って悪いやつしかないのか?」

芳川「いえ?捕らえ方によっては良くも悪くもなるわ」

芳川「でも、大体は悪いんじゃないかしら…」

黒夜「へえ」

ガチャン

「ただいまー!ってミサカはミサカは…」

芳川「あら、帰ってきたわね」

打ち止め「あー!ヨシカワまたタロットやってるのー?」

芳川「お帰りなさい打ち止め。今日はもういいの?」

打ち止め「うん!」

一方通行「さて…」

打ち止め「出掛けるのー?」

一方通行「あァ、天気もイイしな」

結標「あら、出掛けるの?だったら私も…」

一方通行「イヤ、悪ィがちょっと一人で出てみてェンだ」

結標「そう?」

芳川「夕飯までには帰ってくるのよ?」

一方通行「ハッ、ガキじゃあるめェし」

芳川「で、どこに行く気かしら」

一方通行「さァな、適当にブラついてくる…ン、そォだ」

芳川「あら、忘れ物?」

一方通行「このタロット、面白そうだから借りてくぞ」カチャ
835 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:17:26.89 ID:Dx7Q4neB0
一方通行「ほォ…」ペラッ

一方通行「星…希望や未来への期待を意味する…」

「第一位が路上で歩きながらカード遊びか?」

一方通行「あァ…?」

土御門「タロットか…お前はそんなのに興味を持たないと思っていたが…」

一方通行「なンでもイイだろ」

土御門「別にケチを付けてるわけじゃない」

一方通行「じゃァなンだ」

土御門「いや、珍しいと思ってな。しばらくタロットなんて目にしてなかったからな」

一方通行「しばらく…?オマエ、タロットもかじってンのか?」

土御門「かじってるってほどじゃない。ほんのちょっとだけ占星術に関係してる部分だけ、少しだけ知ってるだけだ」

一方通行「へェ」

土御門「一枚借りるぞ」ピッ

土御門「女教皇。占星術上では月を意味する、主に女関連についてだな」

土御門「向きは…お前から見て正位置、俺がお前を占う側としたら逆位置ってことになる」

土御門「えーと…タロットとしての意味は…なんだったかな…」

一方通行「っと…正位置なら心の落ち着きを意味してる。安らぎや平常心…」

一方通行「逆位置なら…他人を思いやる心を奪うことを意味する。総じて心を悪い方向に引っ張っていく意味がある」

土御門「さて、ここで肝心なのはこのタロットは誰に向けられた意味のカードなのか」

土御門「引いた俺自信を占う物なら俺が逆位置を引いたってことになる」

土御門「ま、占うというよりは適当に引いただけだからなんとも言えないが…」

一方通行「ちゃんとしたやり方でやりゃァそれなりにはっきり出ンのか?」

土御門「こういうカードってのは一枚でもそれなりの力を持ってることがある」

土御門「適当にやったからと言ってあながち間違ってるとは言えんな」

一方通行「なるほどなァ…」

土御門「気を付けろよ一方通行」

一方通行「ア?」

土御門「女教皇は精神や心の部分で頼りになるが、逆位置だと話は別だ」

一方通行「?」

土御門「精神に揺らぎが出てくるかもな」
836 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:17:57.35 ID:Dx7Q4neB0
土御門「少し長く話しすぎた。じゃあな」

一方通行「面倒なモンだな。タロットってのも」

一方通行「節制、愚者、刑死者…悪魔、死神なンてのもあンのか」

一方通行「そういやさっきから逆位置しか出てねェな」

一方通行「土御門のがノーカンなら違うかもしンねェが…」

キュゥゥゥン…

一方通行「?」

「あら、こんにちは」

一方通行「白井…」

白井「珍しくお一人ですの?」

一方通行「しょっちゅう誰かと一緒に居るイメージがあるか?」

白井「ええ。申し訳ありませんが」

一方通行「ハッ…ン、そういやオマエも一人じゃねェのか?」

白井「帰りの途中でして」

一方通行「そォか…風紀委員の…」

白井「ええ。今日は珍しく事件らしい事件も無く平和でしたので」

一方通行「あるもンだな、ンな日も…」

ピキィン…!

一方通行「ンだァ?今の音…」

白井「…」

一方通行「オイ、聴こえたか?今…の…」

白井「私ったら何を…早く戻らないと門限に間に合いませんの…」

一方通行「オイ?」

白井「はい?私ですの?」

一方通行「私ですの?ってオマエ何言って…」

白井「まっ、初対面の私に向かってお前とは…余程いい教育を受けてらしたんですわね」

一方通行「あァ?」

白井「大した御用も無いのでしたら失礼しますの」ヒュン

一方通行「ンだァ…?」
837 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:18:26.27 ID:Dx7Q4neB0
一方通行「なンだァ?白井の野郎…」

キッ バタン

一方通行「ン?」

黄泉川「ここじゃんか?」

「そうですね。よくスキルアウトが暴れてるって場所は…」

一方通行「オイ、黄泉川」

黄泉川「んん?」

「お知り合いで?」

一方通行「今日少し遅れて帰るからメシは先に喰って…」

黄泉川「いや、こんな目立つような少年は知らないじゃんよ」

一方通行「???」

黄泉川「そういや少年、遅れて帰るとかなんとか言ってたじゃんな。学生の分際で遅くまで出歩くのは感心出来ないじゃんよ」

一方通行「オイ、テメェもふざけてンのか?」

黄泉川「早く帰るのを促しただけじゃんよ。ふざけるなんてとんでもないじゃん」

一方通行「あァン?」

黄泉川「ほらほら、あとちょいしたら日も暮れるじゃん。帰った帰った」

「さすがに少し早いんじゃないですかね?」

黄泉川「んー?そうか?」

一方通行「…黄泉川」

黄泉川「ん、そういえばどうして私の名前知ってるじゃん?」

「生徒さんでは?」

黄泉川「こんな生徒が居たら一発で覚えるじゃんよ」

一方通行「オマエ、俺が誰か分かるか?」

黄泉川「だから君みたいな子は知らないじゃんよ。そんな目立つ容姿してたらたとえ昔に会ったとしても覚えてるじゃん」

一方通行(どォいうことだ…?)

一方通行(…仕方ねェ)カチ

黄泉川「それともここで自己紹介してくれるじゃんか…って…どこ行ったじゃん?」

「あれ?さっきまで居たと思うんですけどね…」
838 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:19:07.87 ID:Dx7Q4neB0
一方通行「ったく…白井とイイ黄泉川とイイ…」

一方通行「偶然のおふざけにしては息が合い過ぎてンな…」

一方通行「白井と話してる間に聴こえたあの音…そしてその直後の反応…」

タッ

一方通行「家に帰るためだけに能力を使うとはなァ…」

一方通行「まァイイ…不安を取り除く為だ…とっとと確かめて…」ガタン

一方通行「鍵…?」

一方通行「チッ…!」ドンドンドン

「はーい!ってミサカはミサカはお客さんのお出迎えを…」カチャ

一方通行「打ち止め…」

打ち止め「およ?」

一方通行「淡希でも絹旗でもイイ。呼ンでくンねェか…イヤ…オマエ、俺が誰か分かるか?」

打ち止め「んと…ムスジメかキヌハタのお友達?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

一方通行「な…本当に俺が分かンねェのか?」

打ち止め「うーん…ちょっとミサカは覚えてないかも…」

一方通行(黄泉川とかはともかくMNWで俺をサポートしてる立場の打ち止めも俺の事が分かんねェだと?)

打ち止め「どうしたの?そんな怖い顔して、もしかしてお腹減ってたりする?ってミサカはミサカは推測してみる」

芳川「どうしたの?打ち止め…あら、新しいお友達?あなた本当に色々な人と仲良くなるのね」

打ち止め「ううん。他の誰かのお友達みたい」

芳川「そうなの?えっと…誰に用事かしら?よかったら呼ぶけど…」

一方通行(コイツも…)

芳川「君?」

一方通行「イヤ…もう遅いから今度にさせてもらう。手間かけたな…」

芳川「あ…」

一方通行(なンだなンだァ?一体どォいうことだァ?)

打ち止め「ヨシカワー!またタロットやってー」

芳川「タロット?ええと…どこに置いたかしら…」

一方通行(タロット…)

『塔の正位置』

『物事が終わっていくこと。困難な状況を与えてそれを自然の結果として崩壊を辿ることを意味してるわ』

一方通行「これを自然の結果として受け入れろってかァ?冗談でも笑えねェぞ芳川ァ…!」
839 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:19:40.52 ID:Dx7Q4neB0
一方通行「分かンねェことだらけだぞ…とりあえず家には戻れねェとして…」

一方通行「そォいや俺が居た証とかはどォなってンだ?俺の存在が忘れられてるとしても俺が今まで使ってた部屋とかは一体…」

一方通行「イヤ、この際ンなこと気にしてる場合じゃねェ…解決策を見付けねェとな」

一方通行「携帯は…多分使いもンになンねェだろォな…とすっと…」

一方通行「解決するまでは一人で行動か…一時的に前みたいな生活に戻るだけだ。大した問題じゃねェ…だが…」

一方通行「俺の演算補助はどォなンだ?妹達が打ち止めぐるみで存在を忘れていたらどォなる?」

一方通行「不確定要素だと認識されて弾かれて補助ストップは笑えねェ…」

一方通行「まずは何が起きたのか、俺を覚えてるヤツは居ンのか、それを調べるトコからだな」

一方通行「ったく…急に記憶喪失にでもなったみてェにすっぱりと忘れやがる。もしこれが能力者の仕業だったらタダじゃおかねェ」

一方通行「とりあえず寝泊まり出来るトコを探す事からだな…」


840 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/11(日) 22:21:40.03 ID:Dx7Q4neB0
これが最後のお話になります。
一体何が起きてるかは次で詳しく説明しようと思います。

タロットなんですけど…意味を明確にして出すっていうのが結構難しいんですよね…
もしかしたらちょっと合って無い部分があるかと思いますけど見逃してください…

では次回更新、近いうちに。
また会いましょう。
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/09/11(日) 22:56:54.32 ID:8/eEu7kI0

最後に出てきた二人は誰だろう?
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 05:22:19.41 ID:wUVvHiXL0
                             /`ヽ_
           |                     /<    \
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        ̄ ̄`Y´    ̄        / : : : : :│      l
            |                / :.: : : : : :|       l
 ̄ ̄ `ヽ、    │           /: : : : : : :/|        l
 ヘ: : : : : : :\                  /: : : : : /   !: : : : : .     l
  ヽ: : : : : : :.\            /: : : : /     ヽ: : : : : . .   l
  : :}: : : : : : : : :\      __  _,l: : : :/      \: : : : : . .   !
   ヽ: : : : : : : : : :\ , '´     /´ |: : :/-、       \: : : : : . . l
    . :! ̄ `ヽ、: : : : :\ / 二二ニニ上-く   ヽ          \: : : : : .l
    . :|      >, 、: :.>/       `ヽ}   \         \: : : :l
    . :|     _//  {//         ヽ \  \ \         \__j
    . :!   ∠/ /    /     :|   }! l  ヽ   丶 ヽ=-
. : : : :/   / /  /   |    / |  ハ斗ヽ‐┼ ', |ヽヘ
: : :/    j イ   !   :l | __..⊥j  /  |/ _ヽム. | | | ∧    │
:/      |  | l  iイヽ :/j/|/    ィテ7ヾ}i|:.リ│}│   │
.        |/! l:ハ   | ィ≠テミ       V、:::j レ゙ |/V     i|
         ヽ! |ヽ!\|{ハイ:::::}   ,  `ー" / / | __ _∧___
         ヽl| 小 トヘ. ゞ'´        'イ /j/     ̄ ̄∨ ̄
              |  {ハヘ     ' ’  /j/∨         |!
             ヽ. W゙ヽ{`ト  ..__ ,.ィ1/'´         |
             \{  ` \rト、__/`l           |
                   /{  r{ }ュ }〉ー-  ..__
                _,. イヽ!___厂ヽ__j′ ̄   `ヽ
               , - '´  ̄ ̄ \/   ∨          ',
            /                        l
            l                 , -─- 、/     !

843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 13:41:51.32 ID:cm/UTbTbo

>>841
老けた14歳と老けた18歳じゃないの?
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/13(火) 02:24:39.49 ID:FmTcUbPso
最後…だと…!?
845 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:29:47.89 ID:Ke8RlBl70
こんばんは。書き溜めが出来ましたので更新します。

ではよろしくお願いします。
846 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:30:45.65 ID:Ke8RlBl70
カン…カン…カン…

一方通行「とりあえず前住んでた場所に来たが…」

一方通行「部屋ン中ははヒデェまンまだな」

一方通行「スキルアウト共に荒らされてももっぱら放置だったからなァ…」

一方通行「…」

一方通行「…」ペラッ

一方通行「魔術師の正位置…未来への可能性、物事の始まり…」

一方通行「…未来への一歩を踏み出す時」

一方通行「こじつけくせェが案外合ってンのかもな」

一方通行「さて、どうしたもンか…」

『…で…から…』

一方通行「?」

『…いえ……』

一方通行「外か?」カラッ

『はあ…それでですね…』

一方通行「海原…」
847 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:31:13.97 ID:Ke8RlBl70
海原「だから一度調査をですね…」

海原「何かあってからでは遅いので、ええ…」

一方通行「電話か」

海原「記録では4人居たとなってるんです…そうです。我がグループがです」

一方通行「…」

海原「え?誰と言われましても…4人居たとしか情報が残っていなくてですね…」

一方通行「暗部の情報も操作されてンのかァ?」

海原「自分、結標さん、そして土御門さんじゃないですか?あと1人、誰か居たらしいんですよ」

一方通行「案の定、抜けてンのは俺か。これだけの情報操作をするってことは一能力者じゃねェのか…?」

海原「自分でも調べました。ですが分からずじまいで…それで土御門さんに…」

パラッ

一方通行「ッ!マズッた…!」

海原「はい……おや?」スッ

海原「いえ、何やら上からタロットが…魔術師…」

海原「あなたのでしょうか?このタロット」

一方通行「チッ…そォだ」

海原「落とされましたよ」

一方通行「…」

海原「こちらに置いておきましょうか?」

一方通行「イヤ…イイ…」タンッ
848 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:31:40.99 ID:Ke8RlBl70
ズダッ!

海原「あの高さから降りて来るとは…」

一方通行「悪いな」

海原「いえ。無傷ということはなんらかの能力者でしょうか?」

一方通行「まァな」

海原「そうですか」

一方通行「…」

海原「申し訳ありません。また掛け直します」ピッ

一方通行「気にする必要はねェぞ」

海原「相手が気にするものでして」

一方通行「そォかい」

海原「珍しいですね。学園都市の学生でありながらタロットをお持ちとは」

一方通行「知り合いからの借りモンだ」

海原「そうですか」

一方通行「あァ」

海原「ふふっ」

一方通行「なンだァ?」

海原「いやはや…本当に珍しい…お名前を聴いても?」

一方通行「一方通行」

海原「一方通行…本名ではありませんね。コードネームか何か?」

一方通行「そンなもンだ」

海原「なるほど。縁があったらまたお会いしましょう。では」ザッ

一方通行「…」
849 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:32:15.47 ID:Ke8RlBl70
第七学区・中心街


バードウェイ「…だからだな…おい!聴いてるのか!?」

垣根「…」

バードウェイ「私はお前のことを…」

piririririri

バードウェイ「…くっ!大事な時だというのに…!」

バードウェイ「私だ」ピッ

垣根「…」スタスタ

バードウェイ「何?」

垣根「…」スタスタ

「今すぐにか?」

垣根「…」スタスタ

「いや、別に不都合は…」

垣根「うざってぇガキ…」

垣根「ただ単に放置じゃなくて記憶を混乱させるぐらいの一工夫したほうがよかったか…」

ドン

垣根「ふん、気をつけろよ」

一方通行「あァ…?」

垣根「ムカついた…ズイブンと目立つナリしてんじゃねぇか。大きく出りゃ絡まれないとでも思ったか?」

一方通行「逆だ。このナリでどンなバカが引っかかるか楽しみで仕方がねェな」

垣根「面白ぇ…!」ピキ

心理定規「帝督!」

850 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:32:43.25 ID:Ke8RlBl70
垣根「心理定規…」

心理定規「何してんの、こんな所で」

垣根「別に。世間知らずのクソ野郎に上下関係ってのを分からせようと思ってな」

心理定規「そういう事はもうしないって約束してくれたはずよ」

垣根「確かにそうだがコイツだけは別だ。よく分かんねぇが闘争心ってもんが湧いてきてな」

心理定規「らしくない。この人から感じる何かでもあるの?」

垣根「…」

一方通行「…」

垣根「なんか知んねぇけどよ…ムカつくんだよなぁ…」

一方通行「それは俺に対してか?」

垣根「かもしんねぇが…お前が誰か分かんねぇ自分に対してかもな」

一方通行「へェ…」

心理定規「まったく…ほら、行くわよ。貴方も今度は彼に必要以上に絡まないことね」

一方通行「どォしてだ?」

心理定規「貴方が勝てるような人じゃないから、とだけ言っておくわ」

一方通行「ナルホド、ね」

垣根「…」

心理定規「ほら」
851 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:33:10.43 ID:Ke8RlBl70
一方通行「…死神の逆位置」

垣根「あ?」

心理定規「?」

一方通行「タロットを知ってるか?」

垣根「生憎、占いは信じないタチでな」

一方通行「何かの始まりを意味する」

垣根「テメェのくだらないタロット談義か?」

一方通行「過去を取り戻すチャンスの訪れ…」

垣根「似合わねぇな。失ったチャンスは二度と掴む事は出来ねぇ」

垣根「タロットなんて信じる前に自分を信じてみたらどうだ?」

一方通行「復縁」

心理定規「復縁?」

垣根「おい」

一方通行「失った人間関係。仕切り直すチャンス。そういう意味だ」

垣根「…行くぞ。時間の無駄だ」

心理定規「え、ええ…」

一方通行「チッ…」

一方通行「何かとタロットを引き合いに出すようになってンな…」

一方通行「他に頼るモンが無ェからタロットに頼ってンのかね…?」
852 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:33:39.45 ID:Ke8RlBl70
翌日

一方通行「ロクに解決策も出ねェまま一日が経ったか…」

一方通行「都合良く解決に向かってはいねェだろォな」

一方通行「面倒だな…一体どォしたもンか…」

一方通行「…」

一方通行「同じレベル5にあたっていくか…俺の居た場所がどォなってンのかも気になるしな」

-----------------------柵川中学-----------------------

一方通行「一人一人探すのはイイが削板の場所だけはどォしても分かンねェな…確かめる意味も込めて風紀委員連中から行くか」

一方通行「確か風紀委員は…と」

一方通行「ここか」ガンガン

ウィーン

一方通行「ン…」

白井「そんなにお強く叩かなくてもちゃんと中に伝わっていますの」

一方通行「人を捜してる」

白井「おや…あなたは昨日の…」

一方通行「中、入らせてもらうぞ」

白井「え?あ、どうぞ…?」
853 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:34:08.18 ID:Ke8RlBl70
初春「白井さん、お客さんですか?」

白井「人を捜してる、らしいんですの」

初春「人捜しですか?」

一方通行「名前を言う。書庫でも監視カメラでも使えば一発だろ」

白井「見付けられる保障はありませんのよ?」

一方通行「そン時はそン時だ」

初春「じゃあ名前お願いします」

一方通行「削板軍覇」

初春「削板…?なんだ、削板さんを捜してたんですか」

一方通行「居場所分かンのか?」

初春「私が知ってるわけじゃありませんけどね」

一方通行「教えてもらォか」

初春「ちょっと待っててください。今、聴いて…」

白井「もしかして昨日は人捜しの件で?」

一方通行「そンな所だ。あと…」

白井「はい?」

一方通行「一緒に六位の居場所も出せるか?」

白井「六位…ですか…」

一方通行「無理ならイイ。期待はしてなかったからな」

白井「は、はあ…」

初春「分かりました」

一方通行「早いモンだな」

初春「削板さんは今…」
854 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:34:34.09 ID:Ke8RlBl70
-----------------------第七学区・とあるデパート-----------------------

一方通行「ここか」

一方通行「しかし…こう人が多いと見付けンのも一苦労だな」

一方通行「話だと女と一緒に居るって言ってたが…」キョロ

一方通行「アソコで座ってるヤツか」

ザッ

削板「えっとこれがここで…」

佐天「まだですかー?」

削板「もう少し…もう少し…」

佐天「早くパズル完成させないとキャンペーンに間に合いませんよー」

ザッ

削板「ん?」

一方通行「削板、テメェに聴きてェ事がある」

削板「聴きたい事…?」

佐天(白っ!何この人!)

一方通行「この学園都市の第一位について分かることがあったら教えてくれ」

削板「第一位?スマン、知らないな」

一方通行「一方通行っつゥ名前か能力に聞き覚えは?」

削板「知らないし、聴いたこともないな」

一方通行「そォか邪魔したな」
855 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:35:08.75 ID:Ke8RlBl70
-----------------------学舎の園-----------------------

一方通行「一方通行っつゥ奴を知ってるか?」

食蜂「うーん、そんな人は私の記憶には無いわぁ。私の記憶力が何よりの証拠よぉ」

一方通行「そォか。悪いな」

食蜂「私までたどり着いたご褒美よ」

一方通行「ハッ」

-----------------------学舎の園-----------------------

一方通行「御坂美琴」

御坂「へっ?あんた誰よ」

一方通行「誰でもイイだろ。一つ聴きたいことがある」

御坂「聴きたいこと?」

一方通行「第一位についてなンか分かってることはあるか?」

御坂「分かるもんなら私が知りたいわよ。その…第一位だっけ?」

-----------------------とあるファミレス-----------------------

一方通行「麦野沈利」

麦野「…何、あんた」

一方通行「一位についてなんか知ってるか?」

麦野「はぁ?そんなの私が知ってるわけないでしょ。居ないんじゃないの?一位なんてさ」

一方通行「だろォな…」

麦野「てかあんた、何で私の名前知ってるわけ?」

麦野「私周り調べ回ってんじゃないでしょうね?」

一方通行「アイテムを知ってる」

麦野「へぇ、それで?敵なの?味方なの?」

一方通行「敵じゃねェが味方ってワケでもねェよ」

麦野「あっそ。まぁいいわ、第一位だっけ?あっちに居る子達にも聴いてみたら?余計な事結構知ってるからね…」

856 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:35:35.37 ID:Ke8RlBl70
一方通行「少し聴きたいことがある」

浜面「へ?誰?」

一方通行「麦野の知り合いだ。話は通してあっから、一位について教えてくれ」

浜面「一位の事?お前ら分かるか?」

絹旗「一位ですか?分かるかと聴かれても超周知の事実しか出て来ませんよ?」

フレンダ「結局、一位なんて都市伝説でしょ?そんな存在、見た事も聴いた事もない訳だし」

滝壺「わたしもそう思う」

黒夜「知ってるかって聴かれても知らねぇとしか言えねぇよな」

一方通行「その周知を教えてくれ。分かンねェことだらけでな」

絹旗「ふむ、でしたら一応話しますが超知ってることだと思いますよ?」

絹旗「まず一位なる人物は存在しない。これは超大前提の話です」

絹旗「次、一位の座はこれから先、永劫に空白の座席」

絹旗「既に二位として地位を築いてる垣根は一位にはなれません。何をしてもです、これは他の能力者全てに言えます」

絹旗「一位に値する能力者は現れない。故に一位の座席は空いたままであり、一位は存在しない」

絹旗「本当は言っちゃダメなんですけど垣根が素養格付を確認したからこれは絶対です。一位は現れない、ということが」

絹旗「あ、垣根って分かりますかね?第二位なんですけど…」

黒夜「一位ってのはまさに名ばかりで実物が無いんだ。だから実質、二位のチンピラが一位だけどな」

浜面「てもそれをアイツに言うと怒るぜ?」

滝壺「もういいの?」

一方通行「あァ、手間かけたな」

フレンダ「結局なんだった訳?」

絹旗「まあ簡単に言って一位に相応しい人間が…あれ?帰っちゃいました?」

浜面「初対面相手に随分と話したな」

絹旗「いえ、超他人のような気がしなくてですね」
857 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:36:07.94 ID:Ke8RlBl70
-----------------------スクール-----------------------

ガチャ

垣根「…誰だ?」

一方通行「俺だ」

垣根「テメェは昨日の…!」

一方通行「聴きてェことがある」

垣根「俺がはいそうですかって答えるとでも?」

一方通行「昨日の件は謝る。同時に俺はお前の敵でもねェ。それだけは頭に入れとけ」

垣根「…まあいい」

一方通行「第一位について知ってること、覚えてることを言え」

垣根「第一位、ね。そんなのは記憶にねぇな。俺が二位止まりで一位が居ないってのはおかしな話だがな。存在しない一位が為に俺が二位なんだ、納得いかねぇな」

垣根「つーかよ」

垣根「お前、誰だ?」

垣根「なんで俺に一位のことなんざ聴いて来た?一位が居ないってのは周知の事実のハズだ。なんでそんな事をわざわざ俺に…オイ、どこ行く気だ?話は終わってねぇぞ?」

一方通行「悪ィな。聴きたい事は聴いたから俺はオマエに話はねェンだわ」

垣根「は?俺の話が終わってねぇって意味だよ」

一方通行「俺は終わった。じゃァな」

垣根「チッ、意味分かんねぇな…」

垣根「しかも…なんでこのアジトの場所まで知ってやがんだ?」

垣根「…」ピッ

垣根「おい、今から言う奴について調べてくれ」

垣根「白髪で赤眼の…」
858 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:36:40.26 ID:Ke8RlBl70
数時間後

一方通行「大人連中には聴き終わったし…大体は潰せたな」

一方通行「話聴いた限りじゃ俺の代わりに一位になったヤツは居ねェみてェだな」

一方通行「木山や絹旗の言ってた素養格付から俺の情報が無くなってるあたり、かなり大規模な情報操作が行われたようだ」

一方通行「木原も黄泉川も、芳川も冥土帰しも俺についてなンも知らねェようだし…」

一方通行「となると残りは妹達か…MNWについて少し聴きゃ分かンだろォが…」

一方通行「…ン?」

海原「ご苦労様でした」

土御門「本当だぜい」

一方通行「丁度イイ…」

海原「では明日は…おや、あなたは昨日の…」

一方通行「少し時間イイか?」

土御門「知り合いか?」

海原「ほら、先程お話したタロットの…」

土御門「ああ、一方通行とか言う…」

海原「ええ。それで何か御用でしょうか?」

一方通行「一位の存在についてどォ思う?」

海原「はて…第一位…ですか?申し訳ありませんが自分は分かりかねます」

一方通行「オマエはどォだ?」

土御門「ん、第一位だと?さぁな、居たような居なかったような…。もういいか?妹を待たせてるんだ」

海原「失礼、こちらも解散の寸前だったもので…」

一方通行「悪いな。手間取らせた」

海原「いえ。ではお気をつけて」
859 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:37:10.40 ID:Ke8RlBl70
-----------------------病院-----------------------

一方通行「冥土帰しントコに行った時に妹達に話を聴いときゃよかったな」

一方通行「どいつに聴くのが正解かね…」ウィーン

一方通行「冥土帰しに用があンだけどよ」

「…少々お待ちください」

一方通行(さすがに二回目だ。これが通るか分かンねェが…)

「お待たせしました。ただ今休憩中とのことですのでお部屋までご案内致します」

一方通行「イヤ、さっきも来たから場所は分かる。案内の必要は無ェ」

「そうですか?」

一方通行「あァ」

「分かりました。ではエレベーターをお使いどうぞ」

チンッ ガーッ

一方通行「休憩室…っと…ア?」

御坂妹「…」テクテク

一方通行「ちょォどイイ。オイお前」

御坂妹「はい?お前とはミサカの事でしょうか?」

一方通行「そォだ。10032号さンよォ」

御坂妹「ミサカの検体番号が分かるとは…ただ者ではありませんね」

一方通行「いくつか聴きてェ事がある」

御坂妹「なんでしょうか?出来れば手短にお願いします、とミサカは後の予定を心配し対応します」

860 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:37:51.63 ID:Ke8RlBl70
一方通行「第一位っつゥ人物について何か知ってるか?」

御坂妹「第一位ですか…いえ、ミサカはそのような方は知りません、とミサカは正直に対応します」

一方通行「そォか。ンじゃ次の質問だ」

御坂妹「どうぞ」

一方通行「オマエはなンの目的で産まれて来た?」

御坂妹「ミサカ達はレベル5の量産計画という実験の果てに産まれた疑似レベル5です」

一方通行「疑似レベル5?オマエのレベルはいくつなンだ?」

御坂妹「3です」

一方通行「…お前より若い検体番号は存在すンのか?」

御坂妹「存在はしますが今は居ません。レベル5として能力を試すための様々な実験の前に倒れました。ちなみ実験自体はもう中止となっています」

一方通行(体よく改変されてやがンな)

御坂妹「他に何か?」

一方通行「MNWについて一つ」

御坂妹「MNWも知ってるのですか?やはりただ者ではないようですね」

一方通行「今現在、MNWはなンらかの演算の補助をしてるか?」

御坂妹「現在、能力者の脳波リンクシステムの演算の補助をMNW全体で行っています」

一方通行「ンだそりゃ」

御坂妹「要約して、一定周期で脳波を調べ第一位の候補を捜すシステムの事です」

一方通行「なるほど…それ以外には?」

御坂妹「いえ、これだけです」

一方通行(俺の補助が続いてるトコを見ると無意識下で補助をしてるみてェだな。気付かないってのも少しおかしな話だがまァイイ)

861 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:38:17.86 ID:Ke8RlBl70
一方通行「ちなみに」

御坂妹「はい?」

一方通行「打ち止めと番外個体はどこに居るか分かるか?」

御坂妹「番外個体?ああ、彼女の知り合いでしたか」

一方通行「そォいうワケじゃねェンだが…まァイイか」

御坂妹「ちょうどその二人と待ち合わせをしていたところです。よければご一緒にどうぞ」

一方通行「そォさせてもらう」

御坂妹「待ち合わせと言ってももう、すぐ近くに居るようですが」

番外個体「はろー」

打ち止め「はろはろー」

御坂妹「こんにちは。上位個体」

一方通行「…」

御坂妹「用があるのでしたら今のうちにどうぞ」

一方通行「番外個体」

番外個体「?」

一方通行「物知りなテメェに聴くが第一位が誰か知ってるか?」

番外個体「えっ?一位?そんなのミサカが知ってるわけないじゃーん!ひひっ」

一方通行「そっちのガキはどォだ?」

一方通行「MNWでも何から調べた情報でもイイ。そォいう人物が居ンなら教えてほしい」

打ち止め「うーん…ミサカもそういう人は知らない…え?MNW?お兄さんMNWを知ってるの?ってミサカはミサカは疑問に思ってみたり…」

一方通行(分かりきった返答だったな。これ以上は無駄か)

一方通行「時間取らせたな。悪い」ザッ

御坂妹「おや、もういいのですか?」

一方通行「あァ。本当にコレだけだからな」

御坂妹「そうですか。ではお気をつけて」

打ち止め「あ、ていうかあのお兄さんは昨日の…」

番外個体「ねぇー今の誰ー?」

御坂妹「え?」
862 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:38:46.51 ID:Ke8RlBl70
数時間後

一方通行「チッ、どォいう事だァ?」

一方通行「どいつもこいつも同じような反応しかしねぇ」

一方通行「この様子だと携帯使って粗方探しても無理そうだしよォ…一体どォして…ン?」

一方通行「なンだ?急に人通りが…」

ザッ

一方通行「二人か…なンか知ってるクチみてェだな」

「第一位の方ですね?」

一方通行「あン?」

「良かった。やっと会えました」

一方通行「オマエ等俺を知ってンのかァ?」

「僕は君の事はよく覚えてるけどね?」

一方通行「テメェはあン時の…」

「結論から言います第一位。私達はあなたを知っています」

「当然僕も知ってるよ」

一方通行「あァ?」

一方通行「オマエ等、今覚えてるって言ったなァ?俺の存在が無くなったンじゃなく忘れられたってことなのか?」

ステイル「そうだね。第一、君の存在が無くなったのなら君はこうしていないからね」

神裂「さて、何からお話しましょうか…」

ステイル「いきなり核心を話したらいいじゃないか」

ステイル「一方通行、よく聴いてくれよ?今、この学園都市にはある一つの魔術がかけられている」

一方通行「魔術…」

ステイル「魔術と触れるのは初めてじゃないみたいだね。じゃあ続けようか」

ステイル「その魔術の効果はね、対象となる人物の情報を強烈に操作し、その存在を人の記憶から無くす魔術だ」

神裂「納得のいくように説明するとですね…今、この学園都市はあなたが居なかったものとして機能するよう、都合よく情報が操作されているということです」

一方通行「都合よく、ねェ?」

神裂「心あたりあるようですね」
863 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:39:29.33 ID:Ke8RlBl70
ステイル「この魔術は結構手間のかかるものでね。その手間を考えて大層な名前を付けられているんだ」

ステイル「忘却の大魔術、とね」

一方通行「大魔術だとォ?」

ステイル「実は結構素敵な魔術なんだ」

一方通行「忘却ってよりは無かったことになっているみてェだがな」

ステイル「普通に記憶を消したんじゃ本能でどこか覚えてるものなんだ」

ステイル「忘却の言葉に忠実になるなら、そっちのほうが合ってるのさ」

一方通行「ンで?誰がなンのために俺にそンな魔術をかけたンだ?」

ステイル「君にじゃない、学園都市にかけられたんだ」

一方通行「…」

ステイル「そんなことをしたのは僕たちの仲間内だ。残念なことにね」

神裂「学園都市を攻めるとなれば一番の障害となるのは上位の能力者達です。その障害を無くし、攻めやすくするための下準備だったのでしょう」

ステイル「ちなみに犯人はもう捕まえてあるから」

神裂「後はこの魔術を解くだけなのですが…」

ステイル「大魔術とかって言われてるから犯人を捕まえて容易に解けるものじゃないんだよね」

一方通行「だろォな。じゃなきゃ魔術と関係のあるオマエ等がわざわざ俺の前に姿を現せる意味が無ェ」

ステイル「その通り。どっかの幻想殺しと比べて理解が早くて助かるよ」

一方通行「ンで?その魔術を解くにはどォすンだ?」

神裂「…」

ステイル「…君が言いたまえよ」

神裂「え?私がですか?」

ステイル「僕が言っても気持ち悪いだけだろ?」

神裂「…」

一方通行「早く言え」

神裂「この魔術を解く方法は…」

神裂「忘却の対象となった人物が、自分を最も愛してる人物に本名を言わせることです」

一方通行「ナニ?」
864 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:40:05.95 ID:Ke8RlBl70
ステイル「つまり、君の事を一番愛してる人に君の本名を言わせるんだよ」

一方通行「ンだそりゃ…」

ステイル「素敵な魔術って言ったじゃないか」

神裂「本名というものは魔術師の間でもかなり重要なものなのです。それを軸に置いた面倒な魔術なのですが…」

ステイル「能力者にはあんまり関係ないだろ?」

神裂「ですが一つ問題がありまして…」

一方通行「なンだ」

ステイル「この魔術をかけられたら、その愛してる人物と簡単に会えないんだよね」

神裂「会えたとしてもその出会いでいかに本名を呼ばせるかなんですが…」

ステイル「適当にやればいいんだ。出会いがしら自己紹介をして名前を呼ばせればいいんだから」

神裂「あとは誰が自分を愛してるのか、ですね」

ステイル「昔にも同じことがあってね」

ステイル「対象になった奴は既婚者だったからまっさきに妻の所に行って名前を呼ばせたんだが…」

神裂「魔術は解かれなかったんです」

ステイル「じゃあどうしたのかって言うとね、正解はご両親だったんだ」

神裂「一概に誰が自分を愛してるのかを決め付けられないのがこの魔術、最大の面倒な部分です」

ステイル「妻や恋人以上に愛してる人が居るかもしれないからね」

一方通行「…」

ステイル「さ、早く魔術を解こうじゃないか。じゃないと僕達イギリスに帰れないんだよ」

神裂「時間はかけても結構です。脅威はひとまず収まりましたので」

一方通行「俺の本名…」

ステイル「あ、そうだ。念のため自己紹介をしておくよ」

神裂「神裂火織です」

ステイル「ステイル=マグヌス。僕達、正真正銘の魔術師だよ」

一方通行「…一方通行だ」
865 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/15(木) 22:41:42.72 ID:Ke8RlBl70
はい、本日はここまでです。

本名を言わせる、簡単に聴こえて難しいこの方法

では次回更新近いうちに、また会いましょう。
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/15(木) 23:23:27.89 ID:Fl1noUsa0

今回魅入ったな

次も期待しています
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/16(金) 00:54:35.21 ID:6P5zhwQ6o
本名…
一方通行は思い出せるのか…
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/17(土) 18:52:58.30 ID:nIe4hbiSO
今までgdgdだったがこのパート入って急に面白くなったな
これは期待
869 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:11:09.68 ID:9IBHb6yg0
こんばんは。書き溜めが出来たのでこれから投下を始めます。

ではよろしくお願いします。
870 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:11:43.78 ID:9IBHb6yg0
-----------------------翌日・スクール-----------------------

心理定規「帝督、昨日言われた事だけど」

垣根「なんか分かったか?」

心理定規「全然。書庫にもどこにもそんなデータは無かったわ」

垣根「書庫にも?素養格付はどうだ?」

心理定規「同じよ。貴方の言う白髪で赤目の能力者に関する情報なんてどこにも無かったわ」

垣根「?」

心理定規「能力者じゃないんじゃない?」

垣根「いや、学園都市に居る以上は何かしらの能力があるはずだ」

心理定規「だから、無能力者だったら?」

垣根「本物の?」

心理定規「そう。珍しい本物の無能力者」

垣根「もしそうだとしたら素養格付にデータが無いのは頷ける」

心理定規「書庫は?」

垣根「そこは納得がいかねぇ」

心理定規「なら自分で調べてみたら?」

垣根「……なら別の方法で調べる」

心理定規「例えば?」

垣根「本人に直接聴くとかよ…!」
871 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:12:09.81 ID:9IBHb6yg0
心理定規「本人に?」

垣根「そうだ。直接探して、んで聴いてくる」

心理定規「どうしてそこまでして彼にこだわるの?」

垣根「理由なんざ無ぇよ。そうしなきゃ俺の気が済まないだけだ」

心理定規「変なの」

垣根「どうとでも言ってくれ…」

『自覚してる』

垣根「被ったな」

心理定規「言うと思ったわ」

垣根「はぁ…」

心理定規「で?」

垣根「出掛けてくる」カチャッ

心理定規「一人で探すの?」

垣根「書庫にも載ってねぇような奴を他の誰かが知ってるとは思えないからな」

心理定規「なんで…」

垣根「あ?」

心理定規「なんで彼はあんなにも自信ありげだったのかしら」

垣根「昨日の奴か?」

心理定規「ええ。負けない根拠でもあるかのような振る舞い」

垣根「じゃあ根拠があったんだろ」

心理定規「誰か一緒に連れてったら?」

垣根「…考えとく」
872 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:12:41.77 ID:9IBHb6yg0
-----------------------学舎の園周辺-----------------------

御坂「チッチッチッチッ…」

ニャー!

御坂「ああもう!また逃げられたわ!」

御坂「やっぱ無理なのかしらね?」

御坂「とりあえず追っかけ…て?」

ニャア…

御坂「あら…」

垣根「第三位」スッ

ゴロゴロ…

垣根「猫と追いかけっことはな」

御坂「あんた猫似合わないわね。さっさと降ろしなさいよ」

垣根「自分に懐かないと分かってその反応か」

御坂「うるさいわね」

垣根「どうせ暇してるんだろ。少し付き合え」

御坂「心外ね」

垣根「上条居ないんだろ。知ってんぞ」

御坂「う…」

垣根「暇と見た。来い」

御坂「何させる気?」

垣根「簡単なお仕事だ」

御坂「簡単ねぇ…」
873 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:13:07.75 ID:9IBHb6yg0
御坂「お仕事って売春でもさせられるのかしら」

垣根「お前は俺にそういうイメージを持ってんだな」

御坂「あのねぇ、いくら真摯に謝られても前のイメージが板に付いてるから」

垣根「まあいい。それで肝心の仕事内容だがな」

御坂「とっとと話してちょうだい」

垣根「ただの人捜しなんだが場合によっては戦うかもしんないから」

御坂「いやいやいや、なんでただの人捜しで戦闘が発生すんのよ。その時点でもうただのじゃないから!」

垣根「その捜してる奴がヤバい奴だったらの話だ」

御坂「で?誰を探してるワケ?」

垣根「白髪のモヤシだ」

御坂「白髪?」

垣根「オマケに赤目だ」

御坂「赤目で白髪?」

御坂「もしかしてその人、首にチョーカーしてる?」

垣根「なんだ知ってんのか。なら話が早い、そいつを探してる」

御坂「知ってるっていうか…」

垣根「なんだよ」

御坂「一回話しただけだから」

垣根「何を話したんだ?」

御坂「第一位がどうたらって」

垣根(俺にだけ聴いたわけじゃなかったのか。しかし、なぜ頑なに第一位の情報を得ようとしてんだ?)
874 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:13:37.49 ID:9IBHb6yg0
垣根「そんなモン、手に入れたってしょうがねぇのによ」

御坂「え?」

垣根「あ?」

御坂「?」

垣根「とりあえずお得意のハッキング能力と風紀委員周りの人脈で捜せ。だからお前を選んだんだ」

御坂「大して嬉しくないわね」

垣根「他の連中と比べてお前が一番役に立ちそうだったからな」

御坂「はぁ?」

垣根「順位も一応上の方だし、なんかあった時に大丈夫かと思ってな」

御坂「ハナから戦闘ありきじゃない」

垣根「そうだな」

御坂「そうだなって…」

垣根「ほら、早く調べろ。名前と能力ぐらいは明らかにしろよ」

御坂「え?名前も分かんないの?」

垣根「聴く意味が無いと思ったから」

御坂「よくそれで捜そうと思ったわね」

垣根「うるせぇ、早くしろ」

御坂「ったく…」

垣根「時間はかかってもいい。だから正確な情報を叩き出せ」

御坂「そんなの…ていうか学園都市に住んでんだからすぐ出るでしょ」

垣根「だといいけどな」

御坂「?」
875 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:14:06.70 ID:9IBHb6yg0
ステイル「あれが第二位かい?」

神裂「写真と一致してるのでおそらくは…」

ステイル「いくら情報を集めても無駄なのにね」

神裂「調べなきゃ気が済まないのでしょう」

ステイル「学園都市の情報をここまで消せるんだ。大した魔術だよ」

神裂「ちゃんと戻るんですか?」

ステイル「ん?何がだい?」

神裂「その…でーたーとやらは」

ステイル「ああ、データか。多分戻るんじゃないかな」

神裂「やはり上条当麻も連れて来た方が…」

ステイル「無駄だね。魔術にかかっているからと言っても幻想殺しでどこを触らせたらいいのかも分かんないんだよ?」

ステイル「連れて来たからと言っても解決に繋がるワケじゃないんだ」

神裂「ですが…」

ステイル「神裂。今はインデックスも一緒なんだ、離すわけにもいかないよ」

神裂「ステイル…」

ステイル「それに一方通行ならすぐ解決してくれるだろ。頭の出来も段違いなんだから」

神裂「そういえば彼は…」

ステイル「行く所があるとかでどこかに行ったよ」

神裂「はあ」
876 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:14:39.81 ID:9IBHb6yg0
-----------------------数時間前-----------------------

ステイル「それで?」

一方通行「ア?」

ステイル「君の本名はなんだい?」

一方通行「一方通行だつってンだろ」

ステイル「それは僕達でいう魔法名みたいな物だろ?別に本名があるはずだ」

一方通行「苗字は二文字、名前は三文字」

ステイル「なぞなぞをやってるわけじゃないんだけどね」

一方通行「普通の名前だ」

ステイル「普通のってねぇ…」

一方通行「充分だろォが」

ステイル「全然」

一方通行「ふン」

ステイル「もしかして」

一方通行「?」

ステイル「ずっと一方通行だったから本名を忘れたとかじゃないよね?」

一方通行「…さァな」

ステイル「変わってるよ」

一方通行「能力者ってのは変人の集まりだ。期待はすンじゃねェよ」

ステイル「まったくだね」

一方通行「少し、別行動をする」

ステイル「僕達はどうすれば?」

一方通行「適当にうろついてろ」

ステイル「適当にって…居なくなってるし」
877 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:15:10.77 ID:9IBHb6yg0
神裂「そんな事が…」

ステイル「困ったもんだよ。名前を聴けばそれなりに動けるかもしれないのに言わないなんて…」

神裂「もしかしたら彼は…」

ステイル「今度はなんだい?」

神裂「名前を忘れたんじゃなくて、私達に言いたくないのかもしれません」

ステイル「どうして」

神裂「何か悪い事でもあったのかもしれません。だからずっと一方通行と名乗っていたのかも…」

ステイル「…そうかもね」

神裂「元々、彼の本名なんか誰も分からない、そういう事なのかも知れません」

ステイル「ふーん…」

神裂「彼は何歳から学園都市に居たんでしょうね」

ステイル「それこそ本人に聴きなよ」

神裂「聴けませんよ。こんな核心を付くようなこと」

ステイル「この街は色々と不思議が多いね」

神裂「ええ。一番不思議なのは高位能力者の御両親です」

神裂「色々と黒い噂も聴きますし…それに暗部の事も…」

ステイル「もしかしたらとっくに親なんてなくしてるのかもね」

神裂「…移動するみたいですよ」

ステイル「一応追いかけてみようか。せっかく見つけた第二位と第三位だし」
878 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:15:37.02 ID:9IBHb6yg0
-----------------------とある廃施設-----------------------

カツ

一方通行「ここが始まりか」

一方通行「特例能力者多重調整技術研究所」

一方通行「通称特力研」

一方通行「…」

一方通行「あの見慣れたジャージは…」

スッ

一方通行「オイ、ここで何してる」

黄泉川「!」

一方通行「…」

黄泉川「君は昨日の…こんな所で何してるじゃんよ」

一方通行「聴いてンのはこっちだ」

黄泉川「私は…お参りじゃんよ」

一方通行「こんな所にか」

黄泉川「てことはここが何なのか知ってるじゃんね」

一方通行「あァ」

黄泉川「ここでたくさんの子供達が死んでいったじゃん。私がここを解体したのは既に何人も死んだあとだった」

黄泉川「ロクに供養もしないで放り投げたまんま。もっと早く動けてれば死なさずに済んだかもしれない…」

黄泉川「だから、せめてもの気持ち。こうやって色々な人に代わって私がお参りしてるじゃんよ」

一方通行「ナルホドな」

黄泉川「君は?」

一方通行「昔居たトコが懐かしくなってな」
879 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:16:03.36 ID:9IBHb6yg0
黄泉川「昔居た所って…まさかここに居たってことか?」

一方通行「あァ」

黄泉川「そうか…無事生きたまんま出られた子も居るじゃんか…」

一方通行「…」

黄泉川「他の子、他の子はどうじゃん?誰でもいい、一緒に居た施設の子…」

一方通行「さァな。案外、生きてンのは俺だけかもな」

黄泉川「そう…か…」

一方通行「オマエ、虚数研や叡智研も潰したろ」

黄泉川「知ってるじゃんか?」

一方通行「知ってるだけだ」

黄泉川「君は一体何者じゃん?」

一方通行「俺の名前は…」

黄泉川「…」

一方通行「イヤ、違うな。オマエじゃねェ」

黄泉川「は?」

一方通行「俺は一方通行。そう呼べばいい」

黄泉川「一方通行…?」

一方通行「底を潰しまくったのは誇れる事だ。他の野郎に代わって感謝ぐらいはしてやる」

黄泉川「待った」

一方通行「ア?」

黄泉川「一方通行に家族同然の人は居るじゃんか?」

一方通行「今捜してる途中だ」

黄泉川「見付かるといいな」

一方通行「見付けるつもりだ。俺は俺の平穏を取り戻す、それだけだ」
880 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:16:35.22 ID:9IBHb6yg0
-----------------------第一七学区・操車場-----------------------

一方通行「…」

一方通行「ここで俺は三下に…」

一方通行「ったく、面倒なモンに巻き込まれたもンだな」

一方通行「…」ピッ

一方通行「刑死者の正位置」

一方通行「慈愛や献身の意味、自身の不利を受け入れることで結果を得られる、か」

一方通行「結果が次第に見えてくる、ね」

「今のお前が不利を受け入れたとこで得られる結果は無残な未来だ」

一方通行「この声は…」

垣根「また会ったなクソヤロウ」

一方通行「横のは第三位か」

垣根「ああ。こいつの能力のお陰でお前を見つけられたようなもんだな」

御坂「…」

一方通行「何の用だ」

垣根「テメェがなんで第一位について嗅ぎ回ってんのか気になってな」

一方通行「特に意味はねェよ」

垣根「ふざけんな。その答えじゃ俺は満足出来ねぇ」

垣根「ここに居る第三位を含め、他の連中も第一位について聴かれたって言ってる」

垣根「勿論、他のレベル5もな」

一方通行「…」

垣根「意味の無い事を調べてるにしちゃ少し不自然なんだよ」

一方通行「深読みしすぎなンだよ」

垣根「用心するに越したことはねぇ」

御坂「私からも一ついいかしら?」

一方通行「ア?」
881 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:17:10.87 ID:9IBHb6yg0
御坂「あんたってもしかして第一位になろうとしてるの?」

一方通行「ンだそりゃ」

御坂「私の想像。こいつに聴いた話だと…」

垣根「つまりだ。お前が少し目障りなんだよ」

一方通行「理由になってねェな」

垣根「はっ、何の理由だ?」

一方通行「オマエが俺に攻撃をしてくる理由だよ、チンピラ」

ドボッ!

垣根「チッ、スカしたか」

一方通行(容赦無く攻撃してきたか)

御坂「ちょっと!戦闘はしないんじゃなかったの!?」

垣根「コイツは何か隠してる。捕まえて吐かせるだけだ」

一方通行「やるってンなら仕方ねェ」

垣根「ふん、一応名前を聴こうか」

一方通行「一方通行」

垣根「とんだ自己紹介だ」

御坂「一方通行…」

一方通行「あいにく名乗る名前が無くてな」

垣根「ほざけ」ドンッ

ギュゥゥゥゥゥゥッ…!

一方通行「なンだそりゃ」

垣根「俺の能力だ」

一方通行「未元物質で自分を包んでの弾丸特攻か」

垣根「殺しはしねぇよ」

一方通行「奇遇だな」

ドゴッ!!
882 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:17:40.35 ID:9IBHb6yg0
垣根「い…ぎっ…!」

御坂「!?」

一方通行「相手を見ねェからだ」

垣根「んだと…?」

御坂「ちょ、大丈夫なの!?」

垣根「…」

御坂「ねえ!」

垣根「流石に効いた…」

垣根「何をしやがった」

一方通行「さっきから言ってンだろ。いっぽうつうこうだって」

垣根「聴いてねぇぞ」

一方通行「オマエが聴いてねェだけだ」

垣根「チッ、第三位、手貸せ」

御坂「え?私も?」

垣根「心理定規の言うとおりだ。流石にナメてた」

垣根「どうしてやるもんだな、根拠ってのはそういう意味だったか」

ジジジッ…!

御坂「これ当てていいわけ?」

垣根「…構わねぇ。いい医者を知ってる」

御坂「そ」ドギュン

一方通行「ふン」バチッ

ベシャッ

御坂「あ、逸らされた」

垣根「片手でか…」
883 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:18:09.64 ID:9IBHb6yg0
一方通行「次撃ったらオマエにブチ当てる」

御坂「うーん…」

垣根「…」

御坂「私パス」

垣根「だろうな」

御坂「当然よ。レールガンがあんな滑らかな弧を描いて逸れたんだもの」

御坂「最低、あいつの能力を電子操作系の能力者としたら私の攻撃はほとんど意味無いわ」

垣根「んじゃ今度は一方通行をワードに調べてろ」

一方通行「終わりか?俺としてはそっちの方が助かるンだけどな」

垣根「ハ?」

一方通行「ナルホド」

垣根「終わりはテメェだよ」

一方通行「面倒クセェ…」

垣根「これでお前の能力が分かればいいんだけどな」

一方通行「未元物質の粒子…これがなンなのか分からねェが…」

垣根「教える気も無いけどな」

一方通行「無駄だ」パンッ

垣根「撒き散らされたか。これも意味無いか」

一方通行「…」

垣根「さて…」

piririririririririri

垣根「これは…」

一方通行「終わりか?」

垣根「お預けだクソッタレ」ダッ

御坂「あっ!どこ行くのよ!」

垣根「時間取らせたな。悪いが解散だ!」

御坂「は!?」

一方通行「…」
884 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:18:37.50 ID:9IBHb6yg0
-----------------------スクール-----------------------

垣根「遅くなった」

心理定規「意外と早いほうよ」

垣根「電話、聴いた」

心理定規「言っておくけどギャグじゃないからね」

垣根「ギャグで言われても困る」

心理定規「説明する?」

垣根「ざっとしか聴いてねぇから頼む」

心理定規「暗部を再び再構成することになったわ」

垣根「…」

心理定規「きっかけはこう。新入生の残党がある物を発見したの」

垣根「いい物じゃねぇみてぇだな」

心理定規「いずれは第一位に繋がるかもしれないデータチップ」

垣根「何?」

心理定規「それにより新しく分かる情報があるの。しかも使い方次第で良い方にも悪い方にもなるわ」

垣根「上等じゃねぇか」

心理定規「でしょ?」

垣根「ああ」

心理定規「上層部はそのチップに偉く真剣になってるの」

垣根「だろうな」

心理定規「スクールを再構成、並びにアレイスターへの交渉材料としてチップを奪取する事が決定したわ」

垣根「問題無い」

心理定規「でも、別の点で問題があるの」

垣根「は?」
885 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:19:08.26 ID:9IBHb6yg0
-----------------------アイテム-----------------------

『じゃ、そういうことだからー』プツッ

麦野「…」

絹旗「一研究の為にチップを超奪え、と」

黒夜「第一位って流行ってんのか?」

フレンダ「流行ってるって訳じゃないと思うけどね」

浜面「物騒だな。また前みたいな事をやれってか」

麦野「断るに断れないわね」

絹旗「ええ。話を聴いた限り、色々なものが後ろ盾に超取られてます」

黒夜「迷惑掛けられないな」

絹旗「はい。これを断ることで黄泉川さん達に火が飛ぶのでしたら私は受けます」

黒夜「私も受ける。打ち止めや番外個体も居るしな」

フレンダ「私も。可愛い妹のためですもの」

浜面「滝壺…」

滝壺「大丈夫、はまづら」

麦野「…嫌なら」

浜面「ん?」

麦野「嫌なら受けなくてもいいわ。私がなんとかするからさ」

滝壺「それはありえないよむぎの」

絹旗「心配はしなくて大丈夫です。超私達の意思ですから」

浜面「そうだぞ麦野。俺が言うのもアレだけど、ほら…何て言うんだ?」

麦野「分かった分かったわ。じゃあ行きましょ、このアイテムで」

絹旗「ですが…他の暗部も動くとなると…」
886 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:19:35.55 ID:9IBHb6yg0
-----------------------グループ-----------------------

土御門「いつの時代も闇ってのは腐ってるもんだな」

海原「いつもの事です」

結標「いつだろうと結果は同じよ。今までそうだったんだから」

土御門「よし。じゃあ今一度確認だ」

海原「新入生の残党よりチップを入手」

結標「その後、データを確認し悪い方に転ぶようならチップを破壊」

土御門「ここで問題となるのは競争相手だな」

海原「メンバーやブロックは壊滅してますが…」

結標「まだ厄介所が残ってるわね」

土御門「入手するだけだ。俺達は中身が確認出来ればそれでいい」

土御門「わざわざ争う必要も無いだろうよ」

コンコン

土御門「ん?」

結標「?」

海原「はて…このような場所に誰でしょうか」

土御門「海原、構えろ」

海原「ええ」

カチャ…

土御門「来るぞ」

キィ…

一方通行「見つけたぞ」

海原「おや」
887 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:20:04.69 ID:9IBHb6yg0
土御門「お前は確か…」

結標「誰?」

一方通行「俺の名前は…」

海原「彼は一方通行さんです」

一方通行(チッ、余計な事を…)

土御門「何の用だ?」

一方通行「場所が割れてる事については聴かねェみてェだな」

土御門「深く調べれば出る情報だ。気にしていたらキリが無いな」

一方通行「事後で悪いンだがよォ」

土御門「…」

一方通行「話は立ち聴きさせてもらった」

土御門「ほう」

海原「それで?何の御用でしょうか?せっかく知り合った仲です。出来れば貴方に武器は向けたくないのですが…」

一方通行「向けられるような事をしに来たわけじゃねェ」

結標「じゃあ何の用かしら?」

一方通行「俺をグループに入れて貰おうと思ってな」

土御門「第一位か?」

一方通行「まァ、そンなモンだ」

海原「敵意は無いようなので忠告致しますが…自分達に関わらない方がいいですよ?」

一方通行「せっかくの忠告だが、ソレを聴き入れるつもりはねェ」

土御門「…コレ、お前か?」スッ

一方通行「あァ」

結標「何それ」
888 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:20:37.46 ID:9IBHb6yg0
土御門「回されて来た映像だ」

海原「操車場ですか?」

土御門「ああ」

結標「これって…」

土御門「常盤台の電撃姫と垣根帝督だ」

海原「何故垣根さんが…」

土御門「理由は分からないが…」

土御門「この映像を見て判断すると…コイツをグループに迎え入れてもいいと思ってる」

結標「へぇ…」

海原「なるほど。垣根さんほどの能力者の攻撃を防御、ですか」

土御門「ああ。それもかなり完璧にな」

土御門「これから先、必要になるかもしれないしな」

海原「なるほど。では…」

土御門「ああ。一方通行、お前を交えてもう一度話をしよう」

一方通行「そォしてくれると助かる」

土御門「土御門だ、そう呼んでくれて構わない」

海原「海原光貴です。呼びやすいように呼んでください」

結標「結標淡希」

土御門「こいつは言わば俺達の足だ」

結標「座標移動。レベル4よ」

一方通行「一方通行だ」

土御門「よし、馴れ合いはここまでだ。気持ちを入れ替えろ」
889 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:21:08.80 ID:9IBHb6yg0
-----------------------スクール・アイテム・それぞれの場所にて-----------------------

垣根「知った顔を相手にしなきゃなんねぇか」

----------------------------------------------

絹旗「超警戒すべきは垣根だけじゃありません」

----------------------------------------------

心理定規「グループには淡希も居るし、アイテムには麦野だって居るわ」

----------------------------------------------

黒夜「でも仕事は仕事なんだろ?」

----------------------------------------------

垣根「そうあくまで暗部の仕事だ」

----------------------------------------------

麦野「一概に仕事だって言って割り切れるもんじゃないわ」

----------------------------------------------

心理定規「あれだけ仲良くしてたんですもの。さすがに情が出るわ」

----------------------------------------------

フレンダ「うー、頭痛くなってきた…」

----------------------------------------------

垣根「グループもアイテムも、邪魔してくれなきゃやりやすいんだがな…」

----------------------------------------------

滝壺「やっぱりかきねやむすじめ達と戦わなきゃダメなのかな」

----------------------------------------------

心理定規「今回ばかりは甘えを捨てることね。私も辛いけど、そうも言ってられないわ」

----------------------------------------------

浜面「はぁ…ちょっと仲良くなれたと思ったんだけどな」

----------------------------------------------

垣根「まあいい。頭を切り替えて都合いいようにやるさ。この場合のセオリーに従うと最初は…」

----------------------------------------------

麦野「後の動きを円滑にするために潰せる所から潰してく。とすると先ずは…」

----------------------------------------------

垣根・麦野「グループ」
890 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/20(火) 21:22:33.65 ID:9IBHb6yg0
はい、本日は以上となります。

せっかくの良スタートを切れたみたいなんでなるべくがっかりさせないように行きたいと思います。

これが結構、難しいんですがね…
では次回更新近いうちに、ではまた来ます。
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/20(火) 22:13:49.30 ID:4GCjyrUDO
流し読んだけど誤字多過ぎだろ


見直しくらいしろよ
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/21(水) 20:32:37.33 ID:2tSm+cUAO
おつ
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 16:07:48.23 ID:zoHX9zlIO
期待してる
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 02:36:58.59 ID:MRgQcSQho
次スレまで行っても読むから良い話にしてくれ
期待してる
895 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:06:27.49 ID:EaMijjC90
こんばんは。書き溜めが出来たので投下を始めます。

ではよろしくお願いします。
896 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:07:15.11 ID:EaMijjC90
-----------------------グループ-----------------------

土御門「以上だ。一方通行が特に何もなければ最後に一つ聴いて終わりにしたいんだが」

一方通行「俺はなンもねェぞ」

土御門「そうか。じゃあ聴こうか」

一方通行「?」

土御門「お前は何の能力者だ?」

一方通行「ベクトルを観測し操作する能力だ」

海原「ベクトル?ベクトルと言うと向きですか?」

土御門「それで何が出来るんだ?」

一方通行「…学園都市中の能力者と遜色ない事が出来る」

土御門「瞬間移動とかはどうだ?」

一方通行「そりゃ無理だ。だが戦闘機と追いかけっこ出来る速度は出せる」

土御門「体内に関する事は?」

一方通行「血流、電気信号、洗脳、心臓を止める事だって出来る」

海原「攻撃を跳ね返すといった事はどうです?」

一方通行「簡単だ」

結標「身体能力は?」

一方通行「余裕だ。今乗ってるこの車を地球の裏側に蹴り飛ばすことも出来る」

土御門「上等だ、後日改めて連絡をする。精々気をつけて暮らすんだな」

海原「では解散と言う事で」
897 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:07:45.31 ID:EaMijjC90
結標「さて、じゃあ私も帰るわね」

一方通行「…」

結標「土御門が気をつけるように言ってたけど本当に気をつけたほうがいいわよ」

結標「さっきの映像見たけど、垣根がまた襲って来ないとは限らないわ」

結標「あなたがどれだけ強いか知らないけど…一応忠告」

一方通行「どォしてまた暗部に召集がかかった?」

結標「それは私が聴きたいわね。だけど…」

一方通行「だけど?」

結標「私でさえ異常な事態だってのは理解出来るわ。嫌な予感しかしないの」

結標「何かを忘れてるようでね」

一方通行「そォか」

結標「正直な話、少し怖いわ」

一方通行「…」

結標「最近まで仲良くしてた連中と気が付いたら殺し合ってるのかもしれない」

結標「たまらなく不安なの。土御門や海原のこういう時の精神力だけは素直に尊敬出来るわね」

一方通行「随分と喋るな」

結標「口数の多い女の子は好みじゃないかしら?」

一方通行「どっちでもイイ」

結標「そう」
898 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:08:12.17 ID:EaMijjC90
結標「まあ喋り過ぎたのは素直に認めるわ。普段じゃ考えられないもの」

一方通行「…」

結標「じゃあ今度こそ帰るわね」

一方通行「…オマエ、帰る場所があンのか?」

結標「知り合いの警備員の家に厄介になってるわ」

一方通行「…」

結標「どうしてそんな事聴いてきたのかしら?」

一方通行「暗部の連中はどンな暮らししてンのかと思ってな」

結標「残念、意外と普通なの」

一方通行「みてェだな」

結標「あなたも早く帰ったほうがいいわ」

一方通行「あァ?」

結標「多分、動くなら明日だと思うから」

一方通行「そォか」

結標「じゃ、またね」

一方通行「待て」

結標「…帰りながらでいいかしら?」

一方通行「構わねェ」

結標「そ、良かった。いつまでも帰れないのかと思っちゃったわ」

一方通行「ふン…」

カチャ
899 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:08:52.07 ID:EaMijjC90
結標「それで?何かしら」

一方通行「俺の名前だがよォ」

結標「一方通行でしょ?もう覚えたわよ」

一方通行「そいつは本名じゃねェ」

結標「そンなの分かるわよ。本名だと都合が悪いからそう名乗ってるんでしょ?」

一方通行「イヤ…」

結標「違うの?」

一方通行「俺の名前はなァ…」

パパーッ…

一方通行「      」

結標「      」

一方通行「      」

プァーン…

結標「へぇ…それが…」

一方通行「…」

結標「でも今はそんな事より今のトラックが気になるんだけどね」

一方通行「あァ?」

結標「今の黒塗りのトラックよ。何も感じなかったかしら?」

一方通行「窓も黒塗りだったな」

結標「そう。これからの出来事に何も影響しなきゃいいけどね」

一方通行「…」

結標「じゃあ私、帰るわね」

一方通行「あァ」

ヒュンッ

一方通行「…トラック」
900 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:09:18.01 ID:EaMijjC90
ステイル「一方通行!」

一方通行「オマエか」

ステイル「全く…話を聴くだけ聴いて一人突っ走るなんて…」

一方通行「時間が無かったンだ」

神裂「どういう事なのか聴こうとしたのに…」

一方通行「あァ?お前ら電話の内容聴いたンじゃねェのか?」

ステイル「確かに気にはなって垣根帝督に来た電話を盗聴したけど…魔術師である僕達にとってはさっぱりで…」

神裂「あなたが血相変えて飛んでいった理由が分からないんです」

ステイル「それとなーく君に電話の内容を告げたらこうだからね」

一方通行「そォか、分かってたワケじゃなかったンだな」

ステイル「暗部を再構成とかチップとか…どういう意味だい?」

一方通行「第一位に関するデータチップを巡って暗部が再構成されるって事だ」

神裂「血相を変えて飛んで行った理由は?」

一方通行「再構成される暗部のメンツが全員、知った顔だからだ」

ステイル「全員?」

一方通行「そォだ。俺が居た組織も、これから敵対する組織のヤツら、どいつもこいつも知り合いだ」

ステイル「なるほどね」

神裂「どういう事ですか?」

ステイル「君の奥さんも暗部の構成員なんだろ?だったら話は簡単さ」

ステイル「魔術を解く可能性を見付けるとともに、奥さんを守るためだろうね」
901 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:09:51.09 ID:EaMijjC90
-----------------------黄泉川宅-----------------------

カチャ…

結標「ただいま」

絹旗「あ…お帰りなさい…」

結標「あら、帰ってたのね」

絹旗「ええ」

結標「聴いた?」

絹旗「多分、聴きました。結標さんが超思ってる事」

結標「そ」

絹旗「結標さんは…何も感じませんか?」

結標「今から考えていても仕方ないわ。これから起きることなんて誰にも分からないし」

黒夜「そうそう。まだ敵になるとか決まったわけじゃないし」

絹旗「まあ…それはそうですが…」

結標「黒夜の言う通りよ。グループにもアイテムにもスクールにも頭脳は居るわ。きっと最善の策でも見つけてくれるはずよ」

絹旗「だといいんですが…」

黒夜「アイテムの頭脳って?」

絹旗「え?多分麦野じゃないですか?」

黒夜「ほう」

結標「でも新入生の残党もやってくれたわね」

絹旗「本当です。余計な事を…」

黒夜「まあ、私が関わった事じゃねぇしな」

絹旗「よく言いますね」

黒夜「全部把握してたワケじゃないしなぁ」
902 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:10:24.45 ID:EaMijjC90
絹旗「まあ別に黒夜のせいにしようとは思ってませんが」

黒夜「そうそう。別に私のせいじゃないし」

結標「第一位に関するデータってどんなのかしら…」

絹旗「分かりません…が」

結標「が?」

絹旗「麦野の予想によりますと素養格付を越えるほどのデータが入ってるそうです」

結標「???どういうことかしら」

絹旗「つまり、それほどのデータが入ってるってことです」

結標「素養格付よりも重大な、ってこと?」

絹旗「多分」

結標「はっきりしないわね」

黒夜「案外、本当にはっきりしないデータかもな」

絹旗「…」

結標「…」

黒夜「な、なんだよ」

絹旗「それも一つの可能性です」

結標「ま、悩んでても仕方ないわね」

絹旗「そうです。いくら考えても超無駄です」

黒夜「面倒だなぁ」

絹旗「超同感です」
903 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:10:59.99 ID:EaMijjC90
一方通行「ンで、オマエらはどうすンだ?」

ステイル「こっちで宿の手配なんてしてないから君の所にやっかいになるつもりだけど?」

神裂「邪魔かと思いますが何卒お願いします」

一方通行「言っとくが今の俺に住処なンざねェぞ」

ステイル「え?」

一方通行「あるにはあるがグチャグチャだ。掃除する手間を考えるとホテルにでも泊まったほうが早ェぞ」

一方通行「なンならグループのアジトに居るって方法もあるが…」

ステイル「いや、遠慮しておくよ。顔見知りが居るもんでね」

一方通行「そォか?」

ステイル「ああ。見つかると面倒だしね」

神裂「ではどうしましょうか…」

一方通行「適当に泊まるトコ見つけてろ」

ステイル「君はどうするんだい?」

一方通行「帰る」

ステイル「どこにだい?」

神裂「さきほど言っていた所にですか?」

一方通行「…」

ステイル「この際散らかっていても構わないよ」

一方通行「そォいう問題じゃねェンだけどな」

ステイル「一人暮らしっていうのは得てして散らかりやすいものだからさ」

一方通行「はァ…」
904 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:11:41.83 ID:EaMijjC90
-----------------------元・一方通行宅-----------------------

ステイル「こ…れは…」

神裂「散らかっているよりは…荒らされて…」

一方通行「だから他行ったほうがイイって言ったンだ」

ステイル「君は散らかっているとしか言わなかったじゃないか」

一方通行「説明すンのが面倒だからそう言っただけだ」

神裂「はあ…でもこれは説明をしていただかないと…」

一方通行「…一位ってのがどれほどのモンかを試そうとしてバカ共が来る。それだけだ」

ステイル「え、それって大丈夫なのかい?」

神裂「ステイル」

一方通行「今はその一位が居ねェ」

ステイル「なるほど…」

神裂「とりあえず少しでも片付けましょう」

ステイル「そうだね。いい具合に窓ガラスも割れてるし…ん?」

神裂「どうかしましたか?」

ステイル「一方通行、そのポケットの…」

一方通行「ア?」

ステイル「財布じゃないね」

一方通行「これか」スッ

神裂「トランプですか?」

ステイル「これはタロットだね。いつも持ち歩いてるのかい?」

一方通行「魔術にかかる前に借りたモンだ。だからずっと持ってた」

ステイル「へぇ…」

神裂「分かるんですか?」

ステイル「全然」
905 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:12:17.33 ID:EaMijjC90
ステイル「タロットだとオルソラあたりが知っているんじゃないかな」

一方通行「一応説明書きはあンぞ」

ステイル「どれどれ」

神裂「あのー」

ステイル「ふむ…」

神裂「片付け…」

ステイル「愚者…魔術師…ほら、女教皇なんてのもあるよ。まさに君じゃないか」

神裂「え?」

ステイル「彼女は教皇とかって呼ばれていてね」

一方通行「だったら魔術師なンてのはテメェらじゃねェか」

ステイル「だったら愚者なんてのは…」

神裂「彼ですか?」

ステイル「僕も考えたけど…上条当麻じゃないような気も…」

神裂「振り回されてる様はまさに愚者のようですけどね」

ステイル「こうやってアルカナに人を当てはめるのも面白いものだね」

神裂「例えば…」

ステイル「ん?」

神裂「さっき後を付けた二人の超能力者はどう見ますか?」

ステイル「あっちの背の高いほうは…力、かなぁ…戦車かもね」

神裂「なぜです?」

ステイル「彼の行動は結果を求めてる。彼の積極的な行動は戦車を彷彿させるよ」

神裂「なるほど」
906 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:12:44.37 ID:EaMijjC90
ステイル「君もそう思うだろ?」

一方通行「zzZ」

ステイル「む…これだけの時間で寝てしまうのか」

神裂「今日は色々と忙しい日だったと思います。無理もありません」

ステイル「まったく…」シュボッ

神裂「…」ペラペラ

ステイル「神裂」

神裂「はい?」

ステイル「…」ピッ

神裂「あ…」

ステイル「ん、太陽か」

神裂「それが何か?」

ステイル「えーと…正位置だから…」

神裂「…」

ステイル「…ちょっと待ちなよ…」ペラ

ステイル「どれどれ…将来への可能性、状況が落ち着いて来ることを意味してるね」

神裂「動きが出てきた彼としてはそうなんでしょうね」

ステイル「かもね」

神裂「太陽ですか…」

ステイル「どうかしたかい?」

神裂「彼にとっての太陽は誰でしょうね」

ステイル「さあね。さ、僕達も寝よう」
907 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/09/25(日) 23:15:20.36 ID:EaMijjC90
はい、本日は以上となります。

はたして垣根は戦車なのか、一方通行の太陽とは
これから順々に明らかにしていこうと思います。

うまくこのスレに収まるように話をまとめるつもりですが…
もしもの時は次スレでほんの少しだけお付き合いください。

では次回更新、近いうちに。
また会いましょう。
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/09/26(月) 05:38:50.33 ID:ciI9dDVuo
楽しみだ
909 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/09/27(火) 23:02:26.64 ID:ddVOJhIAO
こんばんは。次の更新なんですが少しだけ遅れます。


少し予定が詰まってまして…もうちょっとだけお待ちください。
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/30(金) 22:55:36.60 ID:JIjqxq+2o
911 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:40:26.94 ID:G2rZyz8O0
こんばんは、なんだかんだで丸一週間経ってしまいました。

今から更新を始めたいと思います。

ではよろしくお願いします。
912 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:41:59.93 ID:G2rZyz8O0
-----------------------深夜・スクール-----------------------

垣根「…おかしな話だな」

心理定規「何が?」

垣根「一位に関するっつうデータの事だ」

心理定規「何か気になる所でもあった?」

垣根「俺は…」

心理定規「?」

垣根「素養格付を見たことがある」

心理定規「うん」

垣根「そこには全ての能力者に関する可能性が記されていた」

心理定規「それ、結構重要な代物よね?」

垣根「ああ、結構なんてモンじゃねぇ、超だ。」

垣根「んで見た俺から言わせてもらうとだ、第一位になれる程の力を持つやつは居なかった。当然、能力者の頂点として俺が記されているだけだった」

心理定規「当然と言えば当然よね」

垣根「素養格付ほどのモンで明確にされてんのにどうして一位に関するデータなんか存在するんだ?」

心理定規「それは新しく可能性が出て来たからじゃないの?」

垣根「仮にだ」

心理定規「?」

垣根「仮に、データチップの中身がまるっきり違う物だとしたら」

心理定規「…」

垣根「取って確認してみりゃ分かる。踊らされてんのかそうじゃないかがな」
913 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:42:52.32 ID:G2rZyz8O0
-----------------------グループ-----------------------

土御門「ずいぶんと派手に…」

海原「おや、来ていたのですか?」

土御門「少し気になってな。それで結果は?」

海原「見ての通りです。緊急の任務、不審な動きをする新入生の残党の殲滅」

土御門「何か分かったか?」

海原「いえ、それが何も。彼等、数だけは一人前でして…有益な情報は何も」

土御門「どうして急に…」

海原「残党がですか?」

土御門「それだけじゃない。ここ最近、色々な事が起こりすぎてる」

海原「それはありますね」

土御門「まるで足りない何か埋めるかのような勢いだ」

海原「と、言いますと?」

土御門「動きが雑すぎる。全体的に焦りを感じる」

海原「ほう」

土御門「それに加えデータチップだ。少し疑いもする」

海原「まあこれから分かる事です。自分たちもつられて焦ってはいけませんよ?」

土御門「分かってる」
914 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:43:54.04 ID:G2rZyz8O0
-----------------------翌日・アイテム-----------------------

麦野「…」

絹旗「…」

フレンダ「…」

滝壺「…」

黒夜「…」

『では、よろしくお願いします』

麦野(いつもの女じゃない)

『チップにはこれからの学園都市の未来がかかっています。くれぐれもその事を忘れないよう…』

絹旗「あの…」

『はい、なんでしょうか』

絹旗「いつもの人はどうしました?」

『この用件を伝えるのは私が適任かと思い、従来の担当に変わり私が連絡しています。何か不都合でも?』

絹旗「いえ…」

『では何かご質問があれば』

麦野「そのチップの中身は見てもいいわけ?」

『見る必要性は一切ありません。あなた達はただ回収すればいいだけです』

麦野「はぁ?仮に偽物でも掴まされたりしたらどうすんのよ?」

『分かりました。では依頼内容を変更しましょう』

麦野「あぁ?」

『データを確認する事なくチップを回収してください』

麦野「ちっ…」

『これを正式な依頼とします。違反した際にはそれなりのペナルティを考えていますので慎重にお願いします』

麦野「…」

『以上です。ではご健闘を祈っています』
915 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:44:28.25 ID:G2rZyz8O0
フレンダ「中身を確認してはいけないデータチップ…」

麦野「怪しさ満点ね」

黒夜「信用出来んのか?」

麦野「こんなのはしょっちゅうよ」

絹旗「今回はちょっとだけマシなほうですね」

麦野「そうね。少しだけでも周りの状況は分かってるし」

フレンダ「どうするの?」

麦野「スクールとグループ次第なんだけど…」

絹旗「言っちゃなんですけど今のグループには…とてもじゃないけど脅威とも言える人は居ません」

麦野「座標移動はかなり厄介だけどね」

フレンダ「そういえばお互いの目的も分からないんじゃないの?」

麦野「かもね。でももしかしたら…連中は気付いてるのかもしれないわね」

絹旗「また垣根が超障害になったりするんでしょうか…」

麦野「やだやだ。ピンセット思い出すわね」

滝壺「ピンセット…」

麦野「そうだ。今回浜面と滝壺は待機ね」

滝壺「いいの?」

麦野「正直分からないわ。でもいざ体晶が必要となればそれに頼らざるをえなくなるわ」

麦野「それを考えると待機が正解なの」

絹旗「麦野、そろそろ準備を」

麦野「そうね」
916 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:44:57.86 ID:G2rZyz8O0
-----------------------スクール-----------------------

『期待していますよ。あなたにかかっていますからね』

垣根「たかがチップを取るだけだ。簡単だろうが」

『それとアイテムとグループもそろそろ動き出すようです』

垣根「そうか」

『新たに付け足す事でもありませんが…』

垣根「?」

『作戦の障害となるようでしたら殺害してください』

垣根「なに?」

『もう一度言います。あなたの顔見知りだとしても障害になるようでしたら殺害してください』

『殺害しても構わないではありませんよ?殺害してください』

垣根「邪魔するようだったらな」

『こちらからも定期的にご連絡を差し上げます。それと…』

垣根「今度は何だ」

『あなたお一人で作戦を?』

垣根「十分だろ」

『そうですか、分かりました。ではお気をつけて』

垣根「…」

心理定規「とんでもないことを言われたわね」

垣根「余程、重要なデータなんだろうな」

心理定規「にしては信憑性が無いけどね」
917 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:45:24.56 ID:G2rZyz8O0
-----------------------一方通行-----------------------

一方通行「…」

ステイル「起きたかい?」

一方通行「そォか、オマエらが居たンだったな」

ステイル「今日はどうするんだい?」

神裂「そろそろ人捜しを始めないと…あまり長引いても事ですから」

一方通行「イヤ、目処は付いてンだ」

ステイル「合ってる可能性は?」

一方通行「知らねェ」

ステイル「まああの赤毛の子なんだろうけどね」

一方通行「…」

ステイル「本当にそう思うかい?」

一方通行「?」

ステイル「君を一番愛してるのが本当に奥さんかな、ってことだよ」

一方通行「ハ…」

ステイル「まあとやかくは言わないよ。君がそう思うんならそれでいいさ」

神裂「それで今日はどうしますか?」

一方通行「とりあえずは連絡待ちだ」

ステイル「暗部からのかな?」

一方通行「あァ。多分日が沈んでからだろォな」
918 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:46:03.23 ID:G2rZyz8O0
-----------------------スクール-----------------------

垣根「さて、チップはどこにあるんだったかな」

心理定規「説明されなかったの?」

垣根「ああ。ピンセットの時みたいに目立つトコにあるんだったらいいが…今回は状況が違うからな」

心理定規「新入生とやらが持ち歩いてるのかしら」

垣根「持ち歩くか…素直に保管場所が無いならありえない話じゃねぇが、物が物だからな…」

心理定規「無防備に持ち歩いてるとも思えないわけね」

垣根「ああ」

心理定規「いいんじゃない?」

垣根「あ?」

心理定規「手当たり次第に片っ端から潰していけば」

垣根「お前…」

心理定規「貴方の考えてる事なんかすぐ分かるわよ」

垣根「そうだな。それが一番早いな」

心理定規「サポートするわ」

垣根「おう。頼むぜ」

心理定規「充分気をつけるのよ。一応相手は暗部なんだし」

垣根「分かってる」

垣根「んじゃ、行って来る」
919 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:46:36.34 ID:G2rZyz8O0
-----------------------数時間後・アイテム-----------------------

麦野「一七学区…」

『はい』

麦野「あの工場ばっかの所にモノがあるっての?」

『確かな情報です』

麦野「どういうふうに保管されてるわけ?」

『存在する場所はいわゆる新入生のアジトです。交代制で管理をしているようです』

麦野「数は?」

『ひとえに残党と言っても50人は居るでしょう』

黒夜「50…そんなに残ってたか…」

『行動を起こすなら今がチャンスです』

麦野「どうしてよ」

『グループは依然として行動は起こしておらず。スクールは見当違いの所を捜索をしています』

麦野「へぇ」

『スクールに嗅ぎ付かれると厄介ですので早めに行動に移してほしいのですが…』

麦野「分かったわよ。早く行けってことでしょ?」

『そうしていただけると助かります』

麦野「ったく…ほら浜面、車出しなさい」

浜面「え?俺も行くのか?」

麦野「外で待機に決まってるじゃない」
920 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:47:05.30 ID:G2rZyz8O0
麦野「あ、そうそう」

フレンダ「?」

麦野「前みたいにバラバラには動かないからよろしくね」

絹旗「固まって行動ですね」

麦野「そういうこと。戦力もあんま分かってないのにバラけるのは賢くないしね」

絹旗「他に何か注意することは?」

麦野「うーん…まあ他の暗部連中には気をつけなさいよ」

絹旗「了解」

黒夜「私は?」

麦野「私はってあんたね…」

黒夜「は?」

麦野「あんたは別にアイテムの正式メンバーってわけじゃないから別に無理して来なくてもいいんだけど…」

黒夜「はぁ?一人だと退屈だろうが!」

麦野「は…じゃあ死なない程度に頑張んなさい」

フレンダ「えーっと…これとこれと…」

麦野「変なモン持ってきたら承知しないわよ」

フレンダ「大丈夫大丈夫。きっと役に立つから」

麦野「さて、んじゃ行きますか」
921 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:47:34.24 ID:G2rZyz8O0
-----------------------一方通行-----------------------

piririririri

一方通行「土御門…」ピッ

『俺だ。分かるか?』

一方通行「あァ」

『今から指定する場所に来てくれ』

一方通行「早く言え」

『まあ焦るな若造。場所は…』

ステイル「ほらどうだい?」

神裂「ふむ…」

ステイル「こうシャッフルしてだね…」シャカシャカ

神裂「もう覚えたんですか?」

ステイル「オルソラが詳しく教えてくれてね…ほら…」ピッ

一方通行「分かった…」ピッ

ステイル「一方通行、君のために占ってあげたよ」

一方通行「何?」

ステイル「何から知りたい?」

一方通行「何があンだよ」

ステイル「過去、未来、現在、環境、方法、無意識、核心」

一方通行「?」

ステイル「まあ未来でいいか。よっと…」

一方通行「コイツは初めて見ンな」

ステイル「審判の正位置」

一方通行「審判…」

ステイル「幸先いいじゃないか」
922 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:48:17.28 ID:G2rZyz8O0
ステイル「このカードは再開を意味する。改善や復活、復縁の最終的な決断を導いてくれるカードだ」

ステイル「そして方法…世界の正位置」

ステイル「このカードは物事の低迷や挫折を意味するけど、それによって答えが見えてくることを意味している」

一方通行「世界に審判か…随分と大掛かりなカードが出てきたな」

ステイル「解決が近いのかもね」

神裂「出掛けるんですね?」

一方通行「あァ」

神裂「学園都市の暗部は何かと危険が多いと聴いています。充分に気をつけてください」

ステイル「最後に核心を見ていくかい?」

一方通行「イヤ、もう出る」

ステイル「そうか。じゃあこのタロットも返すよ」チャッ

神裂「まとめるのを手伝います」

ステイル「すまないね…ん?」スッ

神裂「どうかしましたか?」

ステイル「いや…ほら」

一方通行「ン…」

ステイル「武運を祈るよ」

一方通行「ありがとよ」カチャ

ステイル「ふふっ…」

神裂「ステイル?」

ステイル「いいカードが揃っていたよ」

神裂「はい?」

ステイル「核心に運命の正位置。環境に刑死者の逆位置。過去に月の逆位置。現在に太陽の逆位置。そして無意識に魔術師の逆位置」

ステイル「どれもいいカードだ。魔術師意外はね」

神裂「は?」

ステイル「魔術師の逆位置は決断を鈍らせる意味を持っている。つまり心に迷いを持たせるのさ」

ステイル「他のカードは成功を案じさせるものばかりだよ、逆位置のカードもね」

神裂「そうですか…うまくいくといいですね」
923 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:48:45.66 ID:G2rZyz8O0
一方通行「確かこの公園だったな…」

一方通行「今何時ぐらいだ?確か時計があったはずだが…」

ザワッ

一方通行「今日は風が冷てェな」

ヒュッ

一方通行「ン?」

シュンッ

土御門「ピッタリだな」

海原「こんばんは」

結標「ふぅ…」

一方通行「来たか」

土御門「さて、一方通行とか言ったな。これからについて説明する、よく聴け」

一方通行「…」

結標「最近日が沈むのが早いわね」

海原「時期が時期ですから」

結標「今は…七時前ね」

土御門「だんだんと秋が近づいてる証拠だ」

一方通行「早く話せ」

土御門「おっと」
924 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:49:55.39 ID:G2rZyz8O0
土御門「これから俺達はある施設に行く」

一方通行「ある施設だとォ?」

海原「一七学区の製造工場です」

一方通行「工場なンかに行ってどォする気だ」

土御門「なに、工場ってのは表向きの姿だ」

結標「裏の顔は学園都市を出し抜こうとしてる能力者のアジトよ」

一方通行「どォして今更そンなのが…」

土御門「奴らはずいぶん前から準備をしていたみたいだ。行動を起こす日が近いみたいでな…」

海原「今回、いささか派手な動きをしてくれたので今の内に我々で潰しておこうという考えです」

一方通行「ただ単に出し抜くってンならほっといてもいいンじゃねェのか?オマエらも似たような考えで集まってンだろ?」

土御門「奴ら…新入生は入手したデータチップを元に既存のレベル5を一気に下そうとしてるらしい」

海原「どうやらチップの中身はただ単に一位のデータだけでは無いみたいなのです」

土御門「レベル5はこの先必ず必要になってくる人員だ。それを消そうとするなら俺達の邪魔をしてるも同然だ」

海原「同所では既にアイテムが交戦中です」

土御門「珍しくかなり手を焼いてるみたいだ」

海原「幻想御手に近い物を使用してるのかもしれませんね」

土御門「原子崩しが苦戦してるのが奴らの本気の証だ。いいか、決して気を抜くなよ」

海原「失敗は許されません。入ったばかりの貴方に言うのはなんですが…ヘマはしないでくださいね」

一方通行「上等だ」

土御門「よし結標、まとめて飛ばしてくれ」

結標「やっと終わったのね。じゃあ飛ばすわよ」

925 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:50:35.79 ID:G2rZyz8O0
-----------------------第一七学区・施設内-----------------------

麦野「えー…何あれ…」

黒夜「私の攻撃も効かないみたいだな」

フレンダ「当然私のもって訳ね」

絹旗「私も…ていうか超近づけません」

ガシャン…ガシャッ…

麦野「あんたら新入生ってあんなのも持ってたの?」

黒夜「持ってなかったはずだけどなぁ…」

フレンダ「黒夜のはともかく麦野の攻撃を防御してる時点で相当な代物じゃん」

麦野「原理が分からないわね…」

絹旗「どうしましょうか…あれが出てきてから三十分くらい足止めされてますよ?」

麦野「遠距離攻撃がダメなら接近戦が残ってるんだけど…」

絹旗「えー…」

黒夜「電磁バリアかなんかで能力による攻撃を遮断する駆動鎧ってとこだな」

麦野「電磁だったら、なお更私の攻撃は届かないわよ?」

絹旗「何かいい手は…」

黒夜「やっぱ絹旗ちゃんが突っ込むしかないってば」

絹旗「…」

ヒュンッ

麦野「んんー?」
926 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:51:06.83 ID:G2rZyz8O0
土御門「なるほど駆動鎧か」

海原「下手な能力者を集めるよりはこちらの方が効果的かもしれませんね」

結標「こんな形のは見たことないわね」

一方通行「性懲りも無く新型作りやがったな」

麦野「あらやだグループじゃない」

フレンダ「いきなり駆動鎧を囲むように現れたけど大丈夫なの?」

一方通行「アイテム連中はどこだ?」

海原「浜面さん達の話によれば既に中に入ってるとの事でしたが…」

土御門「見つからないなら別にそれでもいい。合流が目的じゃないからな」

絹旗「一人多いですね」

麦野「あの白髪…」

フレンダ「前に一位がどうたらって聴いてきた奴じゃない?」

麦野「グループのメンバーだったのか?」

ガコッ!

海原「おや、どうやらやる気みたいですよ?」

土御門「デモンストレーションだ。一方通行、お前の力見せてくれ」

一方通行「ふン…」

キュィィ…

海原「どうやらファイブオーバーの一種のようですね」

土御門「超電磁砲の改良型か」

ダダダダダダダッ!

一方通行「…」

パキィンッ!
927 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:51:39.43 ID:G2rZyz8O0
ジジッ…

土御門「ガトリングレールガンを全反射か…中々だな」

結標「これは搭乗型かしら?」

一方通行「見てみりゃァ分かる」

バキバキッ!バチッ!

一方通行「ン…無人機みてェだな」

絹旗「無理矢理装甲を剥がして中を…」

麦野「なんの能力者かしら」

フレンダ「念導力系の能力じゃない?」

黒夜「何だぁ?あの兄ちゃん…」

土御門「さ、行くぞ。恐らく奥に目当ての物があるはずだ」

一方通行「早いトコ片付けンぞ」

土御門「そのつもりだ」

絹旗「あっ、行っちゃいますよ!」

麦野「ちょうどいいわ。このまま後ろに着いてって頃合を見てチップを奪いましょう」

絹旗「そんな間抜けな…」

麦野「あんたさっきの駆動鎧が出てきたら戦えるの?」

絹旗「う…」

麦野「ほら、行くわよ」
928 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:52:25.59 ID:G2rZyz8O0
-----------------------その頃第一八学区・スクール-----------------------

「うぐ…知らね…」

垣根「ちっ…面倒なウソは付くなよ?」

「だから本当に…」

垣根「はーっ…」

ピピッ

垣根「ん?」

『聴こえる?』

垣根「心理定規か。どうした?」

『あのね、新入生もいくつかの組織に分けられてるみたい』

垣根「てことはコイツははずれか?」

『知らないって言ってるならそうじゃない?』

垣根「チップ奪取組と何も知らない組に分けられてるのか…」

『そうそう』

垣根「んじゃもしかしたらこの学区に居る意味も無いかもな」

『よく分かったわね。何も意味無いわ』

垣根「え?」

『一七学区に言って。そこが舞台よ』

垣根「一七学区って…」

『どうかした?』

垣根「ここから結構距離あるぞ」

『貴方ならひとっ飛びでしょ?』

垣根「まあいいか」
929 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/02(日) 22:53:32.84 ID:G2rZyz8O0
えー、ややこしくなってないでしょうか…

ただただそれだけが心配なんですよね

では次回更新近い内に、また会いましょう。
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/03(月) 00:24:25.46 ID:g9331Pbbo
一方通行の本名どうするのかと思ってたけど、
上手く隠したなw
もう次スレすら埋める勢いでやってくれ
931 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/10/03(月) 12:31:06.77 ID:YTMyS+aR0
とある魔術の禁書目録劇場版公開決定!!!!!
更に新約とある魔術の禁書目録3巻は12月10日に発売決定!!!
劇場版の詳細は10月11日発売の電撃文庫マガジンで!
932 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:27:48.59 ID:iq5on3AN0
こんばんは、書き溜めが出来たので今から更新します。

ではよろしくお願いします。
933 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:28:33.39 ID:iq5on3AN0
-----------------------施設内-----------------------

メキキッ…!ゴゴッ…!

一方通行「…」

土御門「ほう…思った以上だな」

海原「何か?」

土御門「随分と大きな戦力だ。置いて正解だったな」

海原「なるほど」

一方通行「…土御門」

土御門「どうした?」

一方通行「本当にこの施設で合ってンのか?」

土御門「…気になる事でもあったか?」

一方通行「今の今まで駆動鎧…しかも全てがオートで動いてるヤツしか出て来てねェ。こりゃどォいうことだ?」

土御門「さっきの同様に無人機ということか」

一方通行「あァ」

海原「確かに、肝心の新入生をまだ見ていませんね」

結標「手前の警備は無人機に任せてるだけじゃないの?」

土御門「…む」

一方通行「?」

土御門「上か」

一方通行「上だとォ?」
934 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:29:15.35 ID:iq5on3AN0
土御門「この施設には上の階がある」

海原「あの…お言葉ですが…」

土御門「ん?」

海原「入って来る時に見た外観で既に分かりきっている事では?」

土御門「上に行くための階段は見つけたか?」

一方通行「そォいや地下に行く通路しか見てねェな」

土御門「だろうな」

結標「ちょっと、もったいぶらないで言ってくれない?」

土御門「多分、ここの地下にはかなりの量の駆動鎧が収納されている」

海原「ふむ…」

土御門「上に行く階段とかが見当たらないのは普通に行かせる気が無いからだ」

一方通行「上への道を探してるヤツに駆動鎧をけしかけて始末する魂胆ってワケか」

土御門「そうだ。恐らく、動いてる駆動鎧は常に一定の数をキープしてるんだろう」

海原「例えば最初五機動いていて全て破壊されたら新たに五機と…、そういう訳ですか」

土御門「消耗戦が目的だろうな」

結標「面倒ね。早いとこ上に飛ぶ?」

土御門「まあ待て。なあ一方通行」

一方通行「ア?」

土御門「ここまでで何機潰した?」

一方通行「最初のも合わせて十九だ」

土御門「一つあたりの編隊で三機、六つの編成部隊を崩したわけだが…」

一方通行「見事に一つ一つ違う型だったな」

土御門「そうだ」
935 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:30:08.80 ID:iq5on3AN0
結標「面倒ね。つまりなんなの?」

土御門「様々な人員に対抗出来るように駆動鎧が用意してあるということだ」

一方通行「…の割には俺に対抗する駆動鎧が出てこなかったみてェだが」

海原「単純にまだ出てきてないだけなのかもしれません」

土御門「その通りだ。今は来なくても後々出てこられると厄介だ」

海原「相手は機械でもこちらは能力者です。AIMジャマーなどが出てきては手も足も出ません。早いところ済ませましょう」

土御門「そういうわけだ結標。頼む」

結標「まったく…結局じゃないの…」ヒュッ

ヒュンッ…

麦野「あ」

絹旗「能力を使われましたね。どうするんですか?」

麦野「上に行く方法なんていくらでもあるわよ。問題はあの白髪のヤローね」

フレンダ「駆動鎧なんてものともしなかったみたいだけど」

麦野「あんだけ軽がると駆動鎧を捌けるほどの奴が居るとやりにくいわね」

絹旗「相手は一応顔見知りですし…もしかしたら話せば分かってくれるのでは…」

麦野「何言ってるのよ、あっちも同じような内容で依頼を受けてるに決まってるでしょ」

麦野「当然失敗したと時のペナルティもあるんじゃない?だとしたら易々と渡してはくれないわよ」

絹旗「むむむ…」

黒夜「ん?」

麦野「どうかした?」

黒夜「ほら、窓の外。なんか光るのが…」

麦野「んん?ミサイルかしら?」

絹旗「ミ、ミサイル!?」
936 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:30:43.37 ID:iq5on3AN0
-----------------------数分前・スクール-----------------------

垣根「この距離は面倒だな…」

垣根「心理定規の言うとおり能力を使って…」

piriririririri

垣根(非通知…)

垣根「俺だ」ピッ

『垣根帝督』

垣根「電話の男…何のようだ」

『事情が変わりました。これから出す指示に従ってください』

垣根「気に喰わねぇな」

『拒否権はありません、今も、これから先も、です』

垣根「先も?どういうことだ」

『確か、スクールは現在あなたを含め二人で構成されてましたね』

垣根「それが?」

『一人でもスクールを語れるのでしょうか』

垣根「…なるほど」

『指示を出します。アイテム、及びグループを抹殺してください。その後チップを回収し手配を願います』

垣根「どうしてだ?」

『上の希望です。チップを入手しても他の暗部が邪魔になると考えたようで…』

垣根「…チップを入手しただけだったら?」

『新たに依頼を致します。歯向かうと思われる他の暗部連中が居なくなってこそのものですので』

垣根「…」

『監視しています、動向に気をつけてください。では』
937 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:31:11.57 ID:iq5on3AN0
-----------------------施設内-----------------------

麦野「あ、人だわアレ」

黒夜「人ォ?」

キィィィンッ…

絹旗「ちょっと避けましょうよ…」

フレンダ「ここらへんなら大丈夫かな?」

麦野「フレンダ、もう少しこっち」

フレンダ「ととっ…」

ガッシャァンッ!

麦野(垣根…)

垣根「…」

絹旗(ついに来ましたね)

フレンダ(…)

垣根「ここか」ジャリッ

垣根「ん、駆動鎧か…?どうしてこんなモンが…」

垣根「どうでもいいか、さっさと見つけるモンを見つけて…」

piriririririri

フレンダ(電話?)

麦野(ちょっと黙ってて)

垣根「…なんだ」ピッ

『どこに行くんです?そのフロアにはアイテムが居ますよ?』
938 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:31:42.01 ID:iq5on3AN0
麦野(アイテム…?)

垣根「…」

『早い所、目標の息の根を止めてください』

麦野(チッ…)

垣根「…」プッ

黒夜(どうすんだ?)

麦野(どうするってあんた…)

垣根「聴いてたんだろ?出て来いよ」

絹旗(げぇ…)

フレンダ(あわわ)

麦野(やるしかないでしょ…)

垣根(面倒くせぇ…どうやってこっちを把握してやがる…)

垣根(滞空回線…そうとしか考えられられねぇ…だがアレはアレイスターのオモチャのはずだ)

垣根(どうしてたかが伝達役が…)

麦野「はぁあ」

垣根「溜め息尽きてぇのはこっちだ」

麦野「お互い様じゃないの」

垣根「…黒夜も居んのか」

麦野「どうでもいいじゃない」

垣根「そうだな」

麦野「どうせ何も分からなくなるんだから」

垣根「俺と戦う気か?」

麦野「はいそうですかって的になってあげるわけないでしょ」

垣根「頼むから大人しくしててくれ…!」
939 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:32:23.82 ID:iq5on3AN0
-----------------------グループ-----------------------

ゴゴゴッ…!

土御門「何か来たな」

海原「先程窓の割れる音もしました」

土御門「アイテムが暴れてるのか?」

結標「そういえばこの階って窓が無いのね」

海原「ですが下と違って電気が付いています」

土御門「下は窓から差し込む月明かりだけだったからな」

海原「駆動鎧を動かすためにわざとそうしてるのでしょう」

結標「闇討ちする気だったのね」

土御門「連中が考えそうなことだ」

カシャン

海原「お疲れ様です。どうでしたか?」

一方通行「能力者が二人、下っ端連中だな」

土御門「監視カメラとかはどうだった?」

一方通行「モニタールームは見当たらなかったな」

海原「収穫無し、ですか…」

一方通行「下っ端連中だが…」

土御門「どうした?」

一方通行「能力のレベルは5近くあったな」

海原「ふむ…」

土御門「幻想御手の応用品があるのかもな。どうでもいいが」

海原「では次、行きましょう。結標さん、お願いします」
940 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:33:11.81 ID:iq5on3AN0
-----------------------アイテム-----------------------

垣根「デッドエンドって言葉を知ってるか?」

麦野「はぁ?」

フレンダ「行き止まり…」

垣根「そうだ。なんで今更暗部抗争なんて起きてんのかは知らねぇが…」

麦野「知らない?そんなわけないじゃない、何を巡ってここに来たのかは理解してんでしょ?」

垣根「お前らはなんて言われた?」

麦野「?」

垣根「他の暗部について」

麦野「は?特にこれと言っては…」

垣根「だろうな。必要最低限、邪魔する場合はそれに対応しろ程度だろうな」

麦野「対応しろってか他の暗部をどうこうしろなんて言われなかったわよ」

垣根「ほぉ…」

麦野「さっきからなんなのよ」

垣根「俺はお前らを始末しろとまで言われた」

絹旗「…」

黒夜「…」

麦野「それでどうするの?」

垣根「俺が聴きたいね」

麦野「…」

垣根「正直言うとお前らに手は出したくないがそういうわけにもいかないんだ」

フレンダ「???」

垣根「デッドエンド、俺がお前達を殺しても殺さなくても俺が行き着く先は後悔が渦巻く場所だ」

麦野「何を言うかと思ったら…」

垣根「あ?」

麦野「今のあんた、最高に気持ち悪いわよ。かっこいいと思ってるのかしら」

垣根「潰す」
941 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:33:40.25 ID:iq5on3AN0
海原「見つかりませんね」

結標「下であんなにバカ騒ぎしたんだから移動したんじゃないの?」

土御門「考えたくもないな」

一方通行「まァ、大丈夫だろ」

海原「何か確信が?」

一方通行「イヤ、無ェ」

土御門「仮に下の連中のせいで逃げられたとしてももう一度探せばいいさ」

一方通行「俺は一回で終わらせたいンだけどなァ」

土御門「そうか、じゃあ決まりだな」

海原「?」

土御門「全員バラけるぞ」

一方通行「妥当だな」

海原「どのようにですか?直接的な戦闘能力を持つ一方通行さんと結標さんはいいとして自分達は…」

土御門「なんとかなるだろ海原」

海原「は、はぁ…」

土御門「そういうことだから結標」

結標「どうすればいいの?」

土御門「上の2フロアに俺達をランダムに飛ばしてくれ。あとは各自チップを探す」

結標「はいはい」

土御門「何かあったらすぐに連絡を取れ。結標か一方通行あたりにでも連絡を取ればなんとかんなるだろ」

海原「では皆さん、どうかご無事で」

土御門「お互いにな」

一方通行「俺は一番遠いトコに飛ばしてくれ」

結標「一番遠いトコに?」
942 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:34:08.98 ID:iq5on3AN0
-----------------------スクール-----------------------

垣根「げぇ…」

麦野「いやー、またと無いチャンスだわ」

ガシャッ ガシャッ

麦野「撃破すべき対象は一番厄介なのって決まってるのかしら?まさか駆動鎧が現れて垣根に襲い掛かるとは思わなかったわ」

垣根「面倒くせぇ…」

ピピピッ

垣根「今度はミサイルか?」

麦野「は?」

垣根「は?」

バシュンッ

垣根「…」

絹旗「レーザー…」

垣根「チッ…先に潰すか…」ギュンッ

バキキッ…!ベキッ…!

垣根「んだコリャ…?」

黒夜「アイツの能力の羽根って触っても大丈夫なのか?」

麦野「多分ダメじゃない?」

フレンダ「あの駆動鎧には何かカラクリがありそうね」

麦野「さっきからカラクリだらけじゃない」

絹旗「でも垣根の未元物質に対抗しているというのは一体…」
943 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:34:38.25 ID:iq5on3AN0
垣根(マジで分かんねぇぞ。なんだこの駆動鎧は)

垣根(新型のジャマーか何かの類でも搭載してんのか?だが…)

メキキッ…!

麦野「あちゃー、突破されたか」

垣根「当然だ」

麦野「…」

垣根「…」

麦野「あんた、本気?」

垣根「なりたくはねぇがな」

麦野「はぁ…」ジジッ

垣根「抵抗してくれて構わねぇ」

黒夜「当然」ボボッ

絹旗「死ぬわけにもいきませんからね」ググッ

フレンダ「どこまで通用するのかしら…」カチャ

垣根「少しでも長く楽しませてくれ」

麦野「バカ言ってんじゃないわよ。すぐに苦痛を味あわせてやるからよ」

垣根「…」

黒夜「ホラ」ボンッ

垣根「やる気あんじゃねぇか」バサッ

絹旗「あなたが超そうさせたんですから!」

フレンダ「結局また真っ二つにされるのが嫌って訳よ!」
944 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/09(日) 21:38:01.79 ID:iq5on3AN0
えー、本日は以上となります。

そろそろ終わりが近くなってきました。
次の更新は早めにとか言いながら決局一週間くらい経ってしまいました。

次の更新こそ早めに、では次回更新近いうちに
また会いましょう。
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/10/09(日) 22:43:22.36 ID:ROpnUv8ao


あんたのペースで書いてくれ
俺のペースでよむから
946 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:25:20.03 ID:kH44cLg80
こんばんは、書き溜めが出来たので更新します。

よろしくお願いします。
947 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:25:45.45 ID:kH44cLg80
-----------------------グループ-----------------------

ペラ…ペラ…

一方通行「…」

チャッ

一方通行「星の逆位置か…」

一方通行「好機の状況だがそれを妨げる考えを俺が持っている、か」

一方通行「しかし…こうも人影が無いってのはどォいう事なンだ?」

一方通行「一番遠いトコに飛ばして貰ったのは安全地帯で余裕こいてるヤツらを相手するためだったンだが…」

一方通行「取り越し苦労だったな」

piririririri

一方通行「海原?」ピッ

『そちらはどうですか?』

一方通行「ハズレみてぇだな。人すらうろついてねェ」

『こちらも同じです』

一方通行「さっきモニタールームで見たきりだ」

『おかしいですね。どうも聴いていた情報と食い違うところがあるみたいですね』

一方通行「騒ぎを聴きつけて逃げ出したンじゃねェのか?」

『いえ、施設に入った人は確認出来るのですが、先程から出た人間は一人も確認出来ていません』

一方通行「どォいうことだ?」

『詳しくは説明しませんが自分に能力のようなものでして…なんと言いますか…感知タイプの一種でして』

一方通行「なるほど、人の動向をそれなりにチェックしてるワケか」

『そう考えてもらって構いませんよ』
948 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:26:15.62 ID:kH44cLg80
一方通行「それで出たヤツは確認出来ねェと」

『はい。後にも先にも自分のセンサーに反応したのはただ一人だけです』

一方通行「?」

『垣根帝督、彼がここに来ています』

一方通行「…そォか」

『アイテムと交戦しているようでまだ上の階に上がって来てはいませんが…いずれ来るでしょう』

一方通行「目的は同じなのか?」

『入手する、という点では同じですがその後の使い道は違いますね』

一方通行「使い道ね…」

『土御門さんが言うにはスクールの用途は統括理事長への交渉材料として役立てるようです』

一方通行「…」

『我々はそれを防ぐために動いてると言っても過言ではありません。あちらには少々過激派が多いものでして』

一方通行「アイテムはどォだ」

『元々の持ち主が依頼したようです。ただ単に取り返すのが目的でしょうね』

一方通行「なるほど…」

『なんにせよ、肝心の物が見つからないことには話が進みません』

一方通行「まだこの施設内にあると?」

『自分はそう思います。上が下手な情報を送ってくるとは考えられないので…』

一方通行「まァイイ。しらみつぶしに探すだけだ」

『よろしくお願いします。では』プッ
949 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:26:44.95 ID:kH44cLg80
土御門「無人の駆動鎧…最低限の人員…一箇所に集められた暗部…」

土御門「疑問は尽きないな」

土御門「チップの中身を確認し破棄かどうかを決める…」

土御門「一体どんなデータが…」

piririririri

土御門「…俺だ」ピッ

『お疲れ様です』

土御門「まだ何もしてないぞ」

『今回の争奪物についての詳しい情報が入りました』

土御門「なに?」

『スクールもアイテムも、いまだ知りえない情報です』

『誰かが教えない限り、彼らが知る事は無いでしょう』

土御門「それで?何が分かったんだ?」

『中身のデータです』

土御門「それは俺達に話していいのか?」

『話さない理由がありません。勿論、お教えします』

土御門「言ってくれ」

『データですが、一位に関する情報と言うのは真っ赤なウソです』

『とある上層部の人間があなた達暗部を一斉に下すためのフェイクです』

土御門「詳しく話せ。内容によっては俺達の行動方針を一気に変えるぞ」

『やることは変わりません。守ってください、この学園都市を』

『そのデータを使えば全てを覆せる、それほどのデータです。見過ごすわけにはいきません』

950 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:27:10.90 ID:kH44cLg80
-----------------------アイテム-----------------------

フレンダ「う…ぐ…やっぱり…」

垣根「…」

絹旗「はぁ…はぁ…、一体何を…?」

垣根「へっ…」

麦野「」

黒夜「」

垣根「さぁな」

フレンダ「む、麦野…麦野…」

絹旗「フレンダ…」

フレンダ「はは…音、聴こえない…」

絹旗「え?」

フレンダ「なんか冷たいし…」

垣根「…」コツ

フレンダ「心臓の音…聴こえないよぉ…」

垣根「次はお前だよ」ブワッ

絹旗「フレンダ!」ダッ

フレンダ「ぅ…」ドサッ

垣根「…」

絹旗「そ、そんな…」

垣根「大人しくしてろよ?すぐに済むからよ」

絹旗「ひ…」
951 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:27:37.33 ID:kH44cLg80
-----------------------スクール-----------------------

海原「何も無いですね。随分と寂しい所です」

海原「おっとこの部屋は…?」

カチャ

海原「…大量のインスタント食品ですか?」

海原「食料庫と言ったところでしょうか」

海原「ではこちらは…」

カチャ

海原「…トイレですか」

海原「ふむ…」

海原「こっちは娯楽室…」

海原「おや、この階はハズレ階のようですね」

海原「困りましたね…」ピッ

海原「もしもし、結標さんですか?」

海原「自分を移動させてほしいのですが…ええ、土御門さんの所にでも」

海原「こちらはハズレでして…役に立つ物はおろか、部屋すら見つからなくてですね」

海原「お手数おかけします。お願いします」

ヒュン

土御門「うおっ!」

海原「どうも」

土御門「なんだ急に!」

海原「ありがとうございます。合流出来ました、では」プッ

土御門「おい」

海原「自分の居た階はハズレでした。こちらはどうですか?」

土御門「似たようなもんだが詳細の連絡が来た」

海原「この施設の詳細ですか?」

土御門「データのだ」

海原「興味深いですね」
952 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:28:05.46 ID:kH44cLg80
土御門「少しいただけない内容だった」

海原「聴かせて下さい」

土御門「ああ、実は…」

ドゴォン!

土御門「…」

海原「…」

土御門「マズイ…」

海原「奇遇ですね。こちらもかなりマズイです」

コツ…

土御門「この聴きなれた革靴の足音…」

海原「長身故の歩幅と来たら…」

コツ…コツ…

土御門「垣根…」

垣根「よう」

海原「何の御用でしょうか?」

土御門「俺達は争う必要は無いと思うんだがな」

垣根「実はそうもいかねぇんだ」

海原「我々を見なかったことにしてください」

垣根「悪いな。無理だ」

953 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:28:33.74 ID:kH44cLg80
piriririririri

土御門「こんな時に…」

垣根「出てもいいぜ。その隙に襲ったりはしねぇから安心しろ」

土御門「…どうした」ピッ

『見つけたわ。随分と簡単なセキュリティだったわよ』

土御門「チップをか?」

『ええ』

土御門「…」

垣根「…」

海原「…」

土御門「気をつけろ」

『?どうするの?』

土御門「アイツと合流しておけ。俺達は少し遅れる」

『そ、分かったわ』プッ

垣根「へへ…」

土御門「よく聴け垣根、あのチップはな…」

垣根「俺にいい考えがある。とりあえず死んでくれ」

海原「我々には随分と悪く聴こえるのですが…」

垣根「他人のいいニュースほど悪く聴こえるもんだ」

土御門「ぐ…バッドエンドか…」

海原「仕方ありませんね、どこまで立ち向かえるかは分かりませんが…」

垣根「大人しくしてくれると助かる」バサッ
954 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:29:00.25 ID:kH44cLg80
結標「変なの、とりあえず一方通行に連絡を…」

パラッ…

結標「もしもし?」

『どォした』

結標「土御門にあなたと合流するように言われたわ」

『そォか。どォすればイイ?』

結標「とりあえずチップを持ってそっちに…」

ピキッ

『俺を呼んだ方が早いンじゃねェのか?』

結標「それもそうね、じゃ…」

パキキッ…!

結標「さっきから何かしら」

『オイ?』

結標「ごめん、なんでもないわ今からこっちに飛ば…」

バキキッ!

結標「!」

垣根「見つけたぞ」

ドシャッ!

結標「垣根帝督…!」

『オイ、どォした?』

垣根「んん?誰と電話してんだ?」

結標(そうか、まだ一方通行の事は…)

垣根「そのチップ、俺も探してたんだ」
955 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:29:30.21 ID:kH44cLg80
結標「残念だけど渡せないわね」

垣根「そんな大事なものでもないだろ」

結標「後々大事(おおごと)になるかもしれないからよ」

垣根「…」

『…』

結標「だから渡せないわ。私達が中身を確認して渡せるような物なら渡すけど」

垣根「待ちきれないな、今すぐ貰うぞ」バサッ

結標「せっかちね」

垣根「お前をやればこの施設の暗部は全滅だ」

結標「アイテムが居たはずだけど?」

垣根「とっくに潰したよ」

結標「信じられないわね…!」

結標「土御門と海原は?」

垣根「同じだよ、今頃二人仲良く冷たくなってんだろうな」

結標「そんなこと、よく平気でやってのけれるわね!」

垣根「しなきゃいけねぇんだよ」

結標「悪いけど、見す見す殺されるわけにはいかないわよ」

結標「遣り残したことたくさんあるんだから!」

垣根「うるせぇ!」ドッ

結標「くっ!」

『結標ェ!俺を飛ばせェ!!』
956 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:30:01.02 ID:kH44cLg80
ヒュンッ!

垣根「!」

ゴッ!

一方通行「よォ、また会ったな…!」

垣根「テメェ…グループのメンバーだったのか?」

一方通行「関係あンのかァ?」

垣根「お前を心置きなく殺せるかどうかにな!」

一方通行「安心しろ、無理だからよ」

結標「はっ…はっ…」

一方通行「少し下がってろ」

結標「う、うん…」

垣根「余所見してていいのか?」

一方通行「舐めンな」

ドンッ!

結標「なんで垣根と渡り合えるのよ…!」

結標「そうだ!土御門と海原を…」ヒュッ

トサッ

土御門「」

海原「」

結標「ウソ…本当に死んでるの…ん?」
957 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:30:38.47 ID:kH44cLg80

一方通行「ぐァ!」

垣根「よく分かんねぇがこの攻撃は効くみてぇだな」

一方通行「テメェ…!」

垣根「解析は完了した。テメェの能力はいまいち分からねぇがテメェの知らねぇやり方で攻撃すればいいらしいな」

一方通行「クソッ!」

垣根「次はもっと強い攻撃をブチ当てる。それで終いだ」

一方通行「やってみろよチンピラ」

垣根「[ピーーー]」

ゴオッ…!

一方通行「…!」

垣根「…」

一方通行「なンだ?急に止めて。怖気づいたか?」

垣根「そいつらに…」

一方通行「ア?」

垣根「そいつらに触るんじゃねぇ結標!!」

ドバッ!

一方通行「なッ!」

結標「え!?何!?」

垣根「テメェから先に対処すべきだったみてぇだな!」バサッ

一方通行「間に合えよォ…!」ドッ
958 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:31:06.71 ID:kH44cLg80
結標「く…」

一方通行「ク…ッ…ソがァ!!」ギュンッ

ドシュゥゥ!

垣根「チッ…!」

一方通行「グ…」

垣根「お前が盾になったか…だが運が悪かったな」

垣根「対お前用に調整した能力のままだからお前にモロ効いたはずだぜ」

一方通行(確かに…コリャ動けねェ…)

結標「ちょ、ちょっと一方通行!」

一方通行「こォいう時は名前で呼ンでくれよ…」

垣根「はっ、お前一方通行って言うのか?」

結標「名前ってあなたねぇ!」

一方通行「チッ…」パサッ

垣根「ん?んだこりゃ…」

一方通行「それに…触るんじゃねぇ…」

垣根「コイツはタロットか?」ピッ

結標「タロット…?」

垣根「死神のカードか。今のお前にお似合いだな」

一方通行「死…神…?」

垣根「ホラ、Death、死神のことだろ?そういや前に会った時も死神がどうとか言ってたな」ピッ

パサッ…

一方通行(死神の正位置…)

一方通行(終末や解体を意味…崩壊、終止符…現状、進展が無い事意味する…俺はここまでってか…)

一方通行(イヤまだだ…今の状況さえ変えれば…!)
959 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:31:34.19 ID:kH44cLg80
ぐぐっ…!

一方通行「ッ…」

垣根「何だ?何をする気だ?」

一方通行「…」グッ

ゴッ!

結標「!」

垣根「!!」

バキャッ!

結標「チップが…」

垣根「テメェ…!うまくいく寸前だったってのによ!」

一方通行「ザマァミロ…」ドサッ

垣根「クソがァ!」バキキッ

結標「はっ…はっ…」パシュッ

垣根「お前はさっきから何をして…!」

土御門「そこまでだ垣根」

垣根「なんで…なんでこうもうまくいかねぇ!」

海原「話を聴いてください垣根さん」

結標「この薬、持ってて役に立ったわね」

土御門「多分二度と使わないだろうな」

結標「未元物質に効くのかは賭けだったけどね」

海原「蘇生薬、まさか自分が仮死状態になるとは思ってませんでしたけどね」

土御門「垣根、大事な話がある。少しでいい聴いてくれ」

海原「心理定規さんの事は心配しないでください。我々の上司が既に手を回しています。あなたが動きやすいように、ね」

垣根「一体何を…」

土御門「それを今から話そう。それよりもまずは、アイテムの回収と一方通行を病院に運ぶ事からだ」

960 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:32:02.76 ID:kH44cLg80
-----------------------翌日・病院にて-----------------------

うまく体が動かねェ、モロに未元物質を喰らったからか…

ここは…

結標「ん、起きたみたいね」

一方通行「病院か…?」

海原「おはようございます」

一方通行「海原」

土御門「さて…」

一方通行「俺が壊したチップはどうなった、それに垣根も…」

土御門「それも今から話してやる」

一方通行「あァ?」

海原「寝たままで結構です。まだうまく体が動かないと思うので」

土御門「まずあのチップの中身だが…」

一方通行「…」

土御門「あのデータの中身は高位能力者は殲滅するための周到な計画が暗号化されているものだった」

一方通行「なに?」

海原「我々は自分の首を絞めるために動いていたようなものです」

土御門「とある上層部の人間はわずかな期間で急成長したこの街を恐れていた」

土御門「そしてその畏怖は能力者に向けられたわけだ」

海原「それも、レベル4以上の人たちにです」
961 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:32:32.04 ID:kH44cLg80
海原「その計画を発案したのは現在の統括理事長に代わり、新たに理事長になろうとする考えでした」

一方通行「分かンねェな。どォして恐れていたこの街を支配しようって考えに至ったンだ?」

海原「もっともな疑問です。ですが支配者気取り故のに間違いがあったのです」

土御門「そいつは新しく学園都市を作ろうとしたのさ」

海原「今回の一番の被害者は垣根さんです」

海原「上から我々を[ピーーー]ように命令されていたそうです。心理定規さんを人質に取られて」

土御門「一番能力者として出来上がっている垣根にある程度任せようとしたんだろうな」

土御門「麦野を筆頭としたアイテムや俺達、邪魔な連中はあそこで始末する手はずだったらしい」

土御「あわよくば、駆動鎧で垣根もろとも抹[ピーーー]る予定だったらしい」

海原「垣根さんは監視されているのを知った上で我々を一旦仮死状態に持っていく考えだったそうです」

土御門「その後どうするのかは知らないが…俺達を[ピーーー]気は無かったらしい」

結標「いきなり血相変えるんですもの。驚いたわ」

海原「予定では結標さんで終わりでしたからね」

土御門「完了する寸前で邪魔が入ればそりゃ怒るだろ」

一方通行「なるほどね…」

土御門「それと、今回の一件は全て解決した」

一方通行「俺達の知らない所でか?」

土御門「知らないほうがいい事もある」

海原「ちなみに、一方通行さんが相手したモニタールームの人間ですが…」

海原「今回の件の関係者だそうです」

海原「では、この話は終わりです。我々暗部が招集されることはおそらく二度とないでしょう」

土御門「どうせすぐに集められるかもしれないんだ。あんまり期待はするなよ」

962 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:33:00.08 ID:kH44cLg80
土御門「さて、それじゃお別れだ一方通行」

海原「色々と助かりました」

土御門「もう進んで暗部に来ようなんて思うなよ」

海原「そういえば一方通行さんが我々に加担した理由がよく分かりませんね」

土御門「最後に聴いてもいいか?」

一方通行「探し物をしてただけだ」

土御門「探し物か…そういえば…」カタッ

一方通行「…」

土御門「このタロット、お前のだろ。落ちていたぞ」

海原「アルカナのカードの枚数確認のために中を見ました。全部揃っていましたのでご安心ください」

結標「タロット?」

一方通行「借り物だ。悪いな」

土御門「なに、これぐらいのことでしか礼は出来ないからな」

海原「最後によろしいですか?」

一方通行「?」

シュッ…シャシャシャッ…ピッ

海原「ふむ」

土御門「それは上から捲るものなのか?」

海原「違いますよ。ですが、これでも結構雰囲気はあるので」
963 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:33:28.63 ID:kH44cLg80
海原「節制の正位置、状況を安定させる力を手に入れることを意味するものです」

海原「あとはそうですね…安定した職を見つけることが出来るかもしれませんね」

海原「気になる恋愛ですが…好意を持ってくれている人よりアプローチがあるかもしれませんね」

一方通行「ハッ」

海原「お疲れさまです。縁があったらまたお会いしましょう」ザッ

土御門「どれ、俺も」ピラ

土御門「海原、ちょっと待っててくれ。俺のも見てくれ」

海原「え?せっかく決めたところだったんですがね…」

土御門「そう言うな、俺のは…法王の逆位置だ」

海原「逆位置ですか?最後の最後に変な引き方をしますね」

土御門「それで?このカードは?」

海原「えっと…これは…不安定な状況に視野が狭くなることを意味しています」

海原「ご自分で勝手に結論付けてしまう、精神が安定しないなど、自分が引いたカードを台無しにするかのような意味です」

土御門「ふっ」

海原「まったく…結標さんもどうです?」

結標「私?」

海原「ええ」

結標「じゃあ…」ピラ

海原「土御門さんと違って正位置ですよ」

土御門「うるさい」

964 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:33:56.40 ID:kH44cLg80
結標「これは?」

海原「恋愛の正位置です」

一方通行「恋愛…」

海原「一方通行さん、分かりますか?」

一方通行「イヤ」

海原「このカードには答えや判断を求められた時に、正しい決断をすることで悔いを残さないよう進めることを意味しています」

海原「後は将来につながる関係を築けるかもしれませんね。それと、人との距離を近く感じることが出来、心が落ち着くさまを見ることが出来ます」

一方通行「…」

海原「そうじてプラマイ0な出方ですがこれをヒントに探し物が見つかるといいですね」

一方通行「ン、あァ…」

海原「では、自分はこれで」

土御門「色々と迷惑かけたな。入院費はこっち持ちにしておく」

土御門「次会う時も見方同士だといいな。じゃあ達者でな」

一方通行「待て」

土御門「ん?」

一方通行「俺の素性を調べたりしないのか?」

土御門「別に、どうでもいいさそんなこと」ザッ

結標「さて、じゃあ私も行こうかしら」

一方通行「あァ」

結標「それと、最後は助かったわ。あの時はなかなか格好良かったわよ」

一方通行「そォかい」

結標「また会いましょ。一方…いや、ちゃんとした名前があったわね」

一方通行(やっとか…)

結標「じゃあね、

ビュオオオッ!
965 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:35:50.08 ID:kH44cLg80
-----------------------窓の無いビル-----------------------

アレイスター「今日は風が強いな。人の声が聴き取れないぐらいに…」

ステイル「…」

アレイスター「何か聴きたいことがあるんだろう?ステイル=マグヌス」

ステイル「アレイスター統括理事長、今回の事ですが…」

アレイスター「一方通行のことか」

ステイル「やはりあなたは魔術には…」

アレイスター「ああ。魔術の影響は受けていない」

ステイル「もしや、昨夜の一件もあなたが?」

アレイスター「さてね」

ステイル「暗部達の抗争も…」

アレイスター「昨夜は面白いものが見れた。改めて感じさせられたよ」

アレイスター「第一位は一方通行でなくてはな」

ステイル「…」

アレイスター「そろそろ魔術も解ける頃合だろうな」

ステイル「?」

アレイスター「今回の一件はイレギュラーだがプラン進行になんら影響は無い」

アレイスター「一方通行の精神を固めるという意味では大いに意味のあるものだ」

ステイル(これすらも利用してしまうのか…アレイスター…)

ステイル(何はともあれ一方通行も大丈夫のようだな。おめでとう)

ステイル(別れを言う事は出来ないがいずれまた会えるだろう)

アレイスター「もう行きたまえ。これ以上居ても話すことは無い」

ステイル「失礼します」

アレイスター「そうだ、ステイル=マグヌス、最後に一つたとえ話をしようか」

ステイル「?」

アレイスター「一位があんな状況に陥ったからと言って、そう都合よくイベントが起きるものじゃない」

ステイル「やはりあなたが…それはたとえ話でもなんでもないのでは?」

アレイスター「なに、わざわざ英国より出向いてくれた手土産だ」
966 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:36:25.21 ID:kH44cLg80
-----------------------病院-----------------------

一方通行「え?」

結標「どうしたのよ、そんなに驚いた顔をして。名前を呼んだだけじゃない。あなたが望んでいた本名を」

一方通行「…ン?」

土御門「結標、何をやっている」

海原「次は垣根さんの所に行くのですが…」

土御門「あいつもあいつで考え事をしていたからな」

海原「なんです?」

土御門「一位の情報がガセだったってことがだ」

海原「ああ…」

土御門「これで万年二位だな。一位が現れないことには何も進まないからな」

一方通行「な…ンで…」

『法王の逆位置』

一方通行「ッ…まだだ…まだ…」

結標「じゃあね」ザッ

一方通行「…」

一方通行「じゃあ一体誰が…」

ザワザワ…

一方通行「結標じゃねェ誰かが…イヤ、もしかしたら間違えただけかもしンねェ…もう一度言わせて…」

ガヤガヤ…

一方通行「チッ…随分と騒がしィな」

「いやー、あれにはさすがのミサカも驚いたね」

「何を言いますか。驚いたとい点ではミサカも…」

「いやいやいや!やっぱり一番はミサカでしょ!ってミサカはミサカは猛烈アピール!」

一方通行「この声は…」
967 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:37:12.67 ID:kH44cLg80
番外個体「はぁー、やっぱ上位個体はお子ちゃまかー」

打ち止め「むむむ…」

御坂妹「確かに、恐怖体験としてはいささかパンチが足りないのでは、とミサカは冷静に判断します」

打ち止め「ぐぐ…ならばとっておきの話を…あれ?」

御坂妹「どうしました上位個体?」

打ち止め「お兄さん!」

番外個体「は?」

御坂妹「おや、先日の」

一方通行「よ、よォ…」

御坂妹「入院していたのですね。見たところ寝たきりですが重傷ですか?」

一方通行「大した事は無ェよ」

御坂妹「そうですか」

打ち止め「そういえばお兄さんが行ってた一位だけどね…」

一方通行「?」

打ち止め「やっぱり何も分からなかったんだ、ってミサカはミサカは説明してみる」

一方通行「イヤ、もォイインだ」

打ち止め「そう?」

一方通行「あァ」

御坂妹「番外個体、入り口に立っていないで病室に入ったらどうです?」

番外個体「ん」
968 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:39:32.15 ID:kH44cLg80
御坂妹「む、これはタロットですか?」

一方通行「あァ」

打ち止め「ヨシカワと同じだ!」

御坂妹「結構高級そうな物ですね。怖いのでお触りは遠慮しておきましょう」

番外個体「へー、タロットかー」

打ち止め「おおー」

番外個体「ていうか私、今表札見たんだけどさ…」スッ

一方通行「なンだ」

番外個体「アンタって名前、-----って言うんだ?」

ピキィン…!

一方通行「!!」

ビュオオオッ!

その瞬間だった。

開いていた病室の窓から今日一番とも取れる強風が吹いた。

さっきの音は聴き覚えがある、俺が魔術の影響下に置かれたと思える時間帯にも鳴った音だ

風に揺れるカーテン、俺の知ってる表情を見せるガキ共。その表情で俺は全て元通りになったことを理解した

強風でめくれ一枚床に落ちるタロット、俺にはその絵柄がスローモーションで眼に映った

そのタロットが落ちる瞬間、タロットに番外個体の手が触れた瞬間も俺の眼に映った

落ちたタロットは悪魔。番外個体から見て正位置

「『節制の正位置』好意を持ってくれている人よりアプローチがあるかもしれませんね」

「『恋愛の正位置』答えや判断を求められた時に、正しい決断をすることで悔いを残さないよう進めることを意味しています」

とンでもねェオチだ。悪魔の正位置、嫉妬、執着、欲望、誘惑、盲目、過信

嫉妬や執着のしすぎで状況を見失う、相手に気持ちばかり押し付けて重荷になる

一生懸命だが、空回りになり結果を出せない

なンていうことだ、結標よりも番外個体の愛の方が強いという謎の証明がここでされたワケだ

コイツの中では俺に対する愛がどろどろに詰まってるのかもしンねェな

一方通行「オマエだったのかよ…」

番外個体「?」

悪魔の正位置は奇しくも番外個体を表す物になった瞬間だった

番外個体「ねえ、どうしたの?」

なんでコイツこンな顔赤いンだ。そういえばまじまじと顔を見るのは随分と久しぶりな気がする

番外個体「ねえ、両手とか動くの?色々と不便じゃないの?」

なンだコイツ…こンなヤツだったか?てかなンだその質問は、何が不便なンだ
アレ?コイツ、こんなに顔をしてたっけか…?

助けてくれ垣根、この状況を打破出来るのはオマエしかいねェ
969 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/12(水) 20:42:05.94 ID:kH44cLg80
はい、本日は以上となります。

本来ならばここらへんで終了なんですが、スレタイ回収を忘れていまして…
もう少しだけお付き合いください。

反応が無いのが少々怖いのですが、とりあえずは最後まで行きます。

では次回更新、近いうちに。
また会いましょう。
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/12(水) 21:51:59.12 ID:gRZNdqxAO


番外個体ってやっぱ、かわいいよな
971 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/12(水) 22:34:53.11 ID:SUS+lH4Go


期待してる
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 11:28:36.40 ID:13B3C0UNo

反応無いのは、座標通行だったはずが…どうしてこうなったし
って人が多いからじゃない?
973 : ◆Lp4e6dlfNU [sage]:2011/10/13(木) 12:20:14.04 ID:pit4x0FAO
>>972
ああ、なるほど…
では最後はしっかりと見せ付けます

気合い入れましょう
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/15(土) 17:55:57.12 ID:5TvqxKAYo
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/10/17(月) 13:19:14.30 ID:bsYk0P87o
このタロット編は好きだ
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/18(火) 22:43:53.13 ID:51RMXcDco
次は次スレか?
977 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:12:53.46 ID:MdaQ3Iv80
こんばんは。かなりお時間を頂きましたがやっと出来ました。

少しまとめるのに時間がかかりまして…
>>976さんのように次スレ突入を考えてる方もいらっしゃるかもしれませんがそれはありません。
キリよくスパッとこのスレで終わらせます。

ですので今から投下するものはなんてことのないただのお話です。
ヤマ無しオチ無し、その上かなり短いですがこれで終わらせようと思います。

では最後の投下行きます。
よろしくお願いします。
978 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:19:31.18 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------数日後-----------------------

今俺達は二人暮らしをしている
二人っての他でもねェ

俺と淡希だ

あの後の面倒な出来事は全部ほったらかしにしてきて、その後に出した結論だ

魔術の影響が出た当初は色々と情報が改変されていて都合のイイよォに動いてたが…

魔術解除の際にはそんな処置は無かったみてェで色々と質問責めにあったりしたもンだ

そォいや、あのイギリスの二人組にはあれから会ってねェな。一応礼ぐらいはしたかったが…

ちなみに、黄泉川ン所は今どォなってっかと言うと…特に変わりはねェみてェだな

しいて言えば俺達の部屋が窒素のガキ共に与えられたぐらいか。

アイツらはいつまであァしてンだろォな

ちなみに、俺達が住ンでる場所だが、当然一軒家なンかじゃねェ

家を買ったとか、そンなンじゃねェ

借りたンだ

とあるアパートを

アパートってか寮だな、ありゃァ
979 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:19:57.16 ID:MdaQ3Iv80
ガンガンガン!

『一方通行』

一方通行「あァ?」

『俺だ』

一方通行「何の用だ」ガチャ

土御門「何の用だは無いだろ。手続きの書類が出てないって小萌先生に俺が怒られたんだぜい?」

一方通行「はァ?その紙は三下に渡したはずだぞォ?」

土御門「ちゃんと手元に届くと思ってるのか…?」

一方通行「チッ…」

土御門「この寮の部屋を借りるのはいい。だが、この階層をまるごと借りるんならそれなりの書類が必要だ」

土御門「結標が何を言ったか知らんが、教員にはきちんと受理されてんだ。お前もしっかりしなきゃダメだろうが」

一方通行「面倒くせェな…」

土御門「まあいい、ちゃんと言ったからな」

一方通行「分かった分かった」

土御門「ったく…本当に分かってるのやら…っと…」ドンッ

結標「なにやってるの?」

土御門「なんだ?今帰ってきたのか?」

結標「ええ」

一方通行「おォ、戻ってきたか」

結標「うん、ただいま」

土御門「じゃあ俺は行く。多分また近いうちに顔を出すと思うがな」

結標「あら、何しに来たの?」

土御門「必要書類の催促に来た」

結標「必要書類?まだ何かあったかしら?」
980 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:20:26.84 ID:MdaQ3Iv80
土御門「二人して…」

結標「ちょっと」

土御門「いやなんでもない」ガチャ

結標「行っちゃったわ」

一方通行「ふゥ…」

結標「で?なんだったの?」

一方通行「さァな」

結標「さぁって…ちょっとねぇ…」ググッ

一方通行「痛てて」

結標「もう一度聴くけどなんだったの?」

一方通行「くっ、耳を引っ張るとは…」

結標「書類がどうのって言ってたけど」

一方通行「三下に渡した書類が出てないだけだ」

結標「…」スッ

一方通行「ア…」ヒュン

結標「だから自分で出しに行ってってお願いしたのに」

結標「まあいいわ、後で書かなきゃ…小萌にも悪いし…」
981 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:20:52.94 ID:MdaQ3Iv80
ガチャン!

上条「ああー!!皿がー!!」

一方通行「チッ…ここに飛ばしやがったか…」

上条「よりによってテーブルの上に現れるなんて…」

一方通行「オメェ書類はどォした」

上条「うう…え?」

一方通行「書類だ、前に渡したろ」

上条「あ…あれ…」

一方通行「出てねェって言われたンだがよォ…」

上条「土砂降りにやられまして…」

一方通行「そンで?」

上条「グチャグチャになりまして…」

一方通行「そォか、まァイイ。もう一回出ししゃイイ話だからな」

上条(濡れたまんま今まで忘れてたな)

一方通行「それだけだ、じゃァな」ガチャ

上条「あ、皿…」

インデックス「とうまー、お皿はー?」

上条「…」

インデックス「わ、割れてる!」

上条「そうだな、ああ、そうだな」
982 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:21:21.91 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------第七学区-----------------------

「そこの背ー高いお兄ーさん!」

垣根「あ?って…涙子ちゃんか…」

佐天「削板さん、見ませんでしたか?」

垣根「削板ぁ?」

佐天「はい」

垣根「知らねぇな」

佐天「そうですか?」

垣根「そうですかって…ただ歩いてただけだからな。一々周り見ながら歩いてるワケじゃねぇし」

佐天「じゃあ仕方ないですね」

垣根「連絡先分かんなら電話でもなんなりすりゃいいんじゃねぇのか?」

佐天「いやいやいや!すぐ会えたらつまんないじゃないですか!」

垣根「…」

佐天「あ、どこ行くんですか!おーい!」

垣根「一生探してな」

佐天「ちょちょちょ、ちょっと!」

垣根「なんだ」

佐天「最近冷たいんじゃないですか?」

垣根「普段通りだ」

佐天「いーや、違いますね」

垣根(こいつ…)
983 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:21:47.13 ID:MdaQ3Iv80
佐天「何か悩み事ですかぁー?」

垣根「…無い」

佐天「私に言いにくいんなら削板さんにでも…」

垣根「…せ…ぇ…」

佐天「はい?」

垣根「うるせぇんだよぉ!!」

佐天「!」

垣根「ちくしょぉ!!仲良さげにしやがってよぉ!!」

佐天「え?」

垣根「はいそうですかって言うワケねぇだろうがよぉ!」

佐天「あの…帝督さん?」

垣根「クソが…!一方的に絡まれてるだけなのに締め出すってのはどういう了見なんだ心理定規!!」ガツン

佐天「あーあー…地面が…」

垣根「そうだ…これもひっくるめてあのクソガキのせいじゃねぇか…もう一回裸で縛り上げて上条の家に…」

ギュン!

佐天「あ」

垣根「…」ドドッ

削板「あががっ」

垣根「なんのつもりだ」

削板「なんだ…垣根だったのか…」

垣根「遠くから見て俺が変質者にでも見えたか」

削板「割と」

垣根「一生埋まってな」

削板「そういえばこういう風に埋められるのは二度目だな…」

垣根「お前なら自力で出られるだろ」スタスタ

削板「…」

佐天「誰か呼びます?」

削板「第三位のお嬢ちゃんか風紀委員の空間移動の子を頼む」

佐天「はいはーい」
984 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:22:14.88 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------風紀委員・第一七七支部-----------------------

打ち止め「うわー…」

御坂「あんまりいじくらないのよ?」

打ち止め「うん…」

御坂「へぇー、よっぽど珍しいのね。風紀委員が」

番外個体「…」カチャ

御坂「あんたもよ」

番外個体「やだなぁ、上位個体がともかくこのミサカが」

御坂「同じような性格ってのは知ってるんだから。あんま無駄なことすんじゃないわよ」

番外個体「くっ…」

初春「ほえー」

白井「どうしましたの?」

初春「いやぁ、こんなに御坂さんファミリーが居るとは…」

白井「まあ、見るのは初めてですの?」

初春「並べて見るのは」

白井「この光景を目に焼き付けておいて損はありませんの」

初春「は、はぁ…」

piriririririri

初春「?佐天さんから?」

白井「何か?」

初春「分かりません、一応出てみますね」
985 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:22:41.29 ID:MdaQ3Iv80
初春「もしもし?佐天さんですか?」

『初春ー』

初春「どうかしましたか?」

『削板さんが埋められちゃった』

初春「は?」

『白井さんか御坂さん辺りに助けてほしいんだけど』

初春「よく分かりませんが今から行きますね」

『ありがと、助かるよ』

初春「なんか佐天さんが助けを求めてきました」ピッ

白井「まあ」

御坂「ちょうど暇だったから行きましょ」

打ち止め「お出かけ?」

御坂「うん」

初春「結構近くに居るみたいですよ」

御坂「じゃあちゃっちゃと行こうじゃない」

番外個体「えー」

御坂「別にあんただけ帰ってもいいのよ?」

番外個体「やだなぁ」

御坂「ほらほら、文句言わないでさっさと出る!」

白井「うへへ…」

初春「白井さん…」
986 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:23:17.02 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------アイテム-----------------------

浜面「…」

麦野「どうすんのよ」

浜面「どうしましょう」

絹旗「まったく…下調べもしてないとは。さすが超浜面ですね」

滝壺「わたしは下調べをしないはまづらでも応援してる」

浜面「それは嬉しくないな…」

黒夜「あーあー…」

フレンダ「行きつけのファミレスが節電で休みとはね…」

麦野「なぁんで気付かなかったのかしら」

浜面「…」

麦野「あんなにでっかく張り紙がしてあるのに」

浜面「…」

麦野「あんた昨日言わなかったっけ?休みの日?そんなすぐじゃないだろ、って」

浜面「…」

絹旗「これは無理ですね。諦めてください」

フレンダ「でも来る時間も来る時間だったし…」

絹旗「確かに夕方になる今の今まで気付かなかった私達もアレですけど…」

麦野「まあ浜面が悪いのよ」

黒夜「可愛そうに…あ」

麦野「どうかした?」

食蜂「なにやってるのかしらぁ」

麦野「第五位の…あ、ちょうどいいわ」

食蜂「?」

麦野「どこかゆっくり出来る所紹介してよ」

食蜂「んー…じゃあ私のお気に入りの所で!」

麦野「ラッキー」

絹旗「常盤台の女王サマのお気に入りの場所ですか。超高くつきそうですね浜面」

浜面「う…不幸だ」

麦野「何言ってんの、自業自得よ」
987 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:23:43.26 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------第七学区-----------------------

御坂「あっちゃー…」

白井「まあまあ、見事に埋められてますこと」

初春「うわぁー」

佐天「感心してないで助けてあげてくださいよ」

御坂「ていうかこれ自力で出られるんじゃないの?」

削板「そう思うだろ?無理なんだ」

御坂「面倒ね…黒子ー」

白井「結局私ですの?」

御坂「私の能力じゃどうにもならないでしょ」

白井「では失礼して…」ピト

削板「ん」

ヒュン ビキビキ!

削板「ふぅ…よし、出れた」

白井「それで?誰に埋められましたの?」

佐天「帝督さんですよぉ」

白井「はぁ…またあの男ですの…」

御坂「あれ?打ち止め達は?」

初春「あれ?後ろに付いてきていたと思ってたんですけど…」
988 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:24:12.21 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------学生寮にて-----------------------

ピンポピンポピンポーン

一方通行「この懐かしき連打は…」

結標「…」

ガチャ…

一方通行「誰だ」

『俺だ』

一方通行「何のようだ」

『遊びに来た。入れてくれ』

一方通行「遊びにだとォ?」カチャ

垣根「邪魔する」

一方通行「お、おォ…」

結標「一人?珍しいわね」

垣根「心理定規に締め出されるし、一緒に行動する奴もいねぇからな。だからこうして一人で来た」

結標「ふーん…でも今からここに心理定規が来るけどね」

垣根「え?」

一方通行「ウソじゃねェぞ。料理を教えに来る」

垣根「なんだそりゃ、聴いてねぇぞ…」

心理定規「入り口で何してるのよ」

垣根「あ」

心理定規「お邪魔するわね」

結標「来たわね。こっちよ、さぁ」

垣根「…」

一方通行「ガンスルーか」

垣根「…」
989 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:24:40.95 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------数十分後-----------------------

食蜂「んー、なんだか良い臭いー」

絹旗「ちょっと麦野」

麦野「なによ」

絹旗「ここはどう見てもただのアパートなんですが」

麦野「そんなの私だって気付いてるわよ」

浜面「いや、もしかしたら隠れ家的な…」

黒夜「あれ…てかここは…」

麦野「どうしたのよ」

黒夜「一回ここに来たことあるような…」

麦野「はぁ?」

滝壺「むぎの」

麦野「今度は滝壺?何よ」

滝壺「ここ、来たことある」

麦野「んん?」

浜面「あ」

フレンダ「?」

浜面「ここ、アイツの寮だわ」

麦野「寮…?」

滝壺「覚えてない?」

浜面「ほら、フレメアに初めて会った…」

麦野「…!」
990 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:27:04.72 ID:MdaQ3Iv80
垣根「大丈夫か?今日のメシ」

一方通行「さァな」

垣根「病院には行きたくねーからな」

一方通行「大丈夫だろ。流石に腹壊すよォなモンは出てこねェハズだ」

ピンポーン

垣根「?」

一方通行「俺が出るか」タッ

ガチャ

白井「こんばんは」

一方通行「ンでオマエが…」

白井「別に私が用あるわけではございませんの」

一方通行「ハ?じゃァなンでオマエが出てくンだよ」

白井「いえ、この面子でしたら私かと思いまして」

一方通行「?」

初春「こんばんはー」

御坂「邪魔するわね」

佐天「へぇー…新しくここに住むんですかー」

番外個体「うーん…やっぱりボロっちいね」

打ち止め「うーん…狭いね。ってミサカはミサカは驚愕の事実を口にする」

削板「いい所に住んでるな」

一方通行「ったく…結局全員ウチに入ンのかよ…」

「着いた着いた。ここよぉ」

一方通行「?」

麦野「あちゃー、ここに行き着くのね」

絹旗「もしかしたら案内を頼んだ時点で一方通行の元に行く事は超決定していたのかもしれません」

浜面「仕方ないっちゃ仕方ないような…」

フレンダ「でもゆっくり出来る所には間違いないかも」

滝壺「でも靴がいっぱい」

麦野「あらホント。他に誰か居るのかしら」

黒夜「これは打ち止めの…」

食蜂「そういうワケだからお邪魔するわぁ」

一方通行「…」

麦野「てかこの人数は入るのかしら」

黒夜「中がメチャクチャ狭かった記憶があるな」

浜面「そういやかなり狭かったな」

一方通行「ェぞ…」

浜面「え?」

一方通行「入らねェぞ…」
991 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:27:31.87 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------数分後-----------------------

垣根「…」

浜面「…」

一方通行「…」

垣根「なあ、なんで 俺達が外に居るんだ?」

一方通行「知らねェよ」

浜面「俺なんか家に踏み入れてすらいないぞ」

一方通行「テメェが大勢連れて来たからだろォが」

浜面「いや俺が連れて来たワケじゃ…」

垣根「結局中は女だけか…あ、削板が居たか…」

浜面「なんでアイツだけが…」

垣根「やっぱ信頼ってのは重要なモンだな」

一方通行「何を今更」

垣根「身にしみただけだ」

浜面「はぁ…」

垣根「ちょうどいい、浜面よく聴け」

浜面「え?」

垣根「これから滝壺と暮らすかもしれないお前にアドバイス…」

一方通行「…」

垣根「ちょうどいいからお前も聴け」

一方通行「アテになンなさそォだな」

垣根「女の子と暮らすということはだな…」

一方通行「…」

浜面「…なんだよ」

垣根「浮気まがいのような事はしないことだな」

一方通行「解散」

浜面「ああ」
992 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:30:07.37 ID:MdaQ3Iv80
-----------------------数時間後-----------------------

一方通行「オラ!帰れテメェら!」

垣根「んだよ…もう少しゆっくりさせろ」

一方通行「夕飯はウマかったか垣根?もう十一時だ、風紀連中やアイテムもとっとと帰りやがれ」

御坂「あちゃー、すっかり遅くなっちゃったわね」

番外個体「ミサカは帰らなくていいわけ?」

一方通行「黄泉川がうるせェから帰れ」

番外個体「ちっ」

麦野「はぁあ…家主もうるさいしさっさと帰りましょ」

滝壺「うん」

フレンダ「帰り時ってワケね」

絹旗「では一方通行、また」

黒夜「こっから家までどんくらいだ?」

白井「お姉さま、私たちも」

御坂「そうね、でも先にあの子達送ってからでいい?」

打ち止め「わー、柔らかーい!」フニュフニュ

食蜂「んふふ」

御坂「何やってるのよ…」

食蜂「あなたじゃ一生出来なさそうなこと」

打ち止め「ミサキの胸すっごい柔らかいよオネーサマ!ってミサカはミサカは報告してみる!」

御坂「いらないから!」

食蜂「私は泊めてもらおうかしらぁ…」

一方通行「じゃァな」

食蜂「え?」ヒュン

一方通行「さァ、次はドイツだ?」

麦野「さっさと帰りましょ。飛ばされちゃたまらないわ」

初春「ほら佐天さん、行きますよ」

佐天「もう?」

初春「結構遅い時間ですから」

麦野「あんたちゃんと送って行くのよ?」

削板「おう」

垣根「んじゃ帰るか」ガタッ

心理定規「待った、私も帰るわ」

垣根「ははっ、ちゃんと付いて来いよ?」

一方通行「オラ帰れ!俺は疲れてンだ!」

垣根「ちっ、うるせぇ奴だ。おい白井、外まで飛ばせ」

白井「ま、楽しようだなんて…」

垣根「あん」ヒュン

結標「私が飛ばしたわ」
993 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:30:37.80 ID:MdaQ3Iv80
御坂「じゃ、帰るわね。お邪魔しました」

佐天「さよならー」

初春「佐天さん!早く靴履いてください!私が出れないじゃないですか!」

白井「では、おいとましますの」

番外個体「またねー」

打ち止め「おやすみなさーい」

浜面「じゃあなお二人さん」

黒夜「おら早く出ろ」

絹旗「今日は星が超綺麗に見えますね」

滝壺「明日はきっといい天気だね」

フレンダ「気持ちよく帰れそうね」

麦野「またね、あんた達」

一方通行「おォ、早く帰れ」

麦野「分かってるっての」

心理定規「じゃあね淡希」

結標「うん、気をつけてね」

心理定規「大丈夫よ。私の横には彼がいるもの」

結表「それもそうね」

心理定規「あら?これは…」

ガチャ

『?』

垣根「…」

一方通行「なンだァ?」

垣根「靴履いてねぇよ。裸足で飛ばされても帰れないっつうの」

一方通行「そォか。じゃァな」

垣根「ああ、またこうして会おうぜ」
994 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:31:05.78 ID:MdaQ3Iv80
結標「ふう、一気に静かになったわね」

一方通行「いつもが騒がしすぎンだよ。こンくらいがちょォどイイ」

結標「でも嫌いじゃないでしょ?」

一方通行「まァな」

結標「そういえばタロット持ってるんだって?」

一方通行「ア…芳川から借りたまンまだったな」

結標「見せてくれない?」

一方通行「ホラ」パシ

結標「ん」

一方通行「なかなか役に立った。詳しくは言えねェが助けになった」

結標「へぇ…」

一方通行「人にアルカナを当てはめるってのも…意味無ェがそれなりに暇を潰せる楽しみ方だ」

結標「やったことあるの?」

一方通行「知り合いがやっててな」

結標「じゃあ私は何かしら?」

一方通行「確か…」

一方通行(あン時に引いたのが恋愛だったな。だが…)

結標「確か?」

一方通行「力、だな」

結標「力?もっと女の子らしいのでもいいんじゃないの?」

一方通行「俺にとっての力だ。意味は目標に対しての強い意思、感情」

一方通行「最後まで諦めねェ事を意味してる。だが状況次第で周りが見えなくなり自分の世界に入り込んで失敗する可能性って意味もある」

結標「つまり?」

一方通行「オマエの事、最後まで見ててやるよ。周りなンざ関係ねェ、そォいう事だ」

結標「へぇ」

一方通行(まァ今考えたンだけどな)
995 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:31:32.76 ID:MdaQ3Iv80
結標「じゃあね…」カサカサ

一方通行「ン?」

結標「一方通行は私にとっての愚者ね」

一方通行「愚者だとォ?」

結標「変化を求める気持ち、姿勢、期待を意味するらしいわ。そして…」

一方通行「…」

結標「現状で満足出来ない、って事ね」

一方通行「今の状況じゃ満足出来ねェか?」

結標「私と一緒に居るんですもの、これから振り回すわよ」

一方通行「なるほど」

結標「あと、刺激的な出来事もいいかもね」

一方通行「この街に住んでる限り、それには困らねェだろォな」

結標「そうだろうけど…私はこの街に頼らないで満足させてほしいわね」

一方通行「愚者…変化か」

結標「人は変われるものよ。だけど、付き添う女だけは変化させないでほしいわね」

一方通行「ありえねェな。一度決めたことだ、曲げやしねェよ」

結標「うん…」

一方通行「ありがとォな」

結標「何が?」

一方通行「色々とだ」

結標「それなら私も」

一方通行「あァ」

カチャ

一方通行「…」

結標「…」

垣根「携帯忘れた」

一方通行「台無しだ」

結標「最悪」

一方通行「オマエ死神だわ」

垣根「よく分かんないけど、仲良くな」

一方通行「さっさと帰れ垣根」

垣根「おう」



おしまい
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/23(日) 19:36:09.29 ID:wsolKpQ1o

番外個体との話を決着つけると思ったら
案外あっさり終わったがこれはこれでよかった
長い間お疲れ様です。次回作も期待してるよ
997 : ◆Lp4e6dlfNU :2011/10/23(日) 19:36:29.74 ID:MdaQ3Iv80
お疲れさまでした。晴れて終了です。
最後かなり詰め込んでしまいました、さっきになって間に合わないって慌てて2レスを1レスにまとめたりと無理矢理しました。

2スレ消費しましたが、グダった部分とそうでない部分の差がかなりすごかったと思います。
それが一番の反省点ですね。

次何かやるときはもうちょい勉強してそれなりな物を書きたいと思います。
今思えば震災後、あまりにも暇で始めた書き物でしたが、いい経験したなぁとか思っちゃいます。

では次回何かやるときはまたこのトリ付けます、見かけた歳は少しばかり成長してるかと思います。

では長々とお付き合いいただきありがとうございました、残レスを考えると返事なんか出来ませんがきちんと目を通したいと思ってます。

お疲れ様でした。
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/23(日) 20:15:35.57 ID:wfJ/LQFX0
今までお疲れ様でした
最後の最後まで楽しんで読めたので良かったですまた次回作に期待させていただきます
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 21:19:39.49 ID:BXCn8VKIO
これ単に一方通行が番外個体の問題をスルーしているだけで、根本的な解決にはなっていないような……

突き詰めると一番最後の本名を呼ばせるエピソード自体が要らない気もする。何か意味のあることではなさそうだし
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 21:24:32.79 ID:5RKyAdWfo
おしまい
1001 :1001 :Over 1000 Thread
      (ヽ、 _ヽ、  )\     ヽヽ
     _ヽ、     ⌒  ヽ、     \\
     \ ̄     __    )ノ     ヽヽ
    ∠⌒     / )    ⌒ヽ     | |
     )   / ゙̄- く       \   ノノ
    /  /ノ^)___)ノl       ヽ_//
   /   //(/ !_|_|       ヽ三ヽ
   レヘ  |j(/l_/    |ノヽ      |──)  
    ノ (/l_/  /⌒| | | |  !   |二 二ヽ
  /   |_/__| |  | -| | ノノ    ノ── 、)
  /    `───| | ノ -| |   |/(())   ヽ  
 /⌒) ∧    ヽ/_//  /j()ノ_   (()) i
    // ノ     |_// / ̄ ̄`\ (())  j
      (ヘ       ̄   |   ヽ   \   /
       )/(/) / ⌒ |⌒ヽ |\  /i\ /|   )ヽ
            |/      |    !  / | ノ |  ( (
     )ヽ           |  /  /  ( ((|   ) ヽ
    (  )           |  / /    ヽ|  (   )
    ) (      、    /  ) |ヽ、_ __ ノ   )  (
   (   ヽ    ((   /  /−、|        (   ヽ
(    )   )    )ヽ  ヽ_ノ |  |   ヽ   ノ     )
 )  (    (   ノ  )     |   |  ( (  (      (
 (_ ノ     )(  ( (    / /^)  ) )  )
               )  / / /  (  ( _ノ
                 (/__/// // // )
  .ト、.  /ヽ |\  /ヽ  /”゙ォv' .// // /
  |. ヽ./ | ヽ! .`、/  ヽ,/     '     /_  _
: --!          ,,,,, ,,,,,               ̄./
\      ,illllli,,,,,,,,, lllll llll               /
_ヽ    ,llllllllllllllll!' ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,             ̄ ̄ ̄''_,-
\    ,illll!' ,illll!'  !!!!lllll!!!!l゙`     ,,, ,,,     ,r-'''゙ ̄
  >   ゙゙゙゙' .,illlll゙    lllll|  llllllllll!!!!!  llll !ll! iiii,, <_.
/_   .,illlll'   ,,,,,,,llllll,,,,,,,,,,      ,,,iillll!!゙   >
 ̄/   ,llll!!'    lllllllllllllllll!!!l_      :ll!!!゙゙゜   <_
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   ( ⌒ )
    l | /

   .__⊥_    <こんなおわらせかたじゃあ、
  (____)     あとがこまるじゃないか!
  |_ノ_ヽ  ヽ
  | 3 | ◎| ̄ ̄6)  なんというむせきにんなわしだ!!
  ( ̄○丶   .|
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