浜面「手紙を書きたいんだが」

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浜面「手紙を書きたいんだが」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:35:01.15 ID:mg4FODbU0

注意書き

・いろいろあって平和になった後の世界

・遅筆につき注意

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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笑えるな君のせいだ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです＠ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック＠ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる＠ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:37:29.70 ID:mg4FODbU0

絹旗『はい？』

浜面「それで、何を書けばいいと思う？」

絹旗『はぁ？』

浜面「いや、だから手紙を」

絹旗『手紙を書くんですよね、超ちゃんと聞こえてますよ。通信電波には超異常なしです』

浜面「ああよかった、それなんだけどよ」

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:39:22.25 ID:mg4FODbU0

絹旗『あのですね浜面、私が疑問に思っている事はそこじゃないんですよ』

浜面「おう？」

絹旗『わざわざこんな夜中に超叩き起されてですよ？　携帯の表示画面に浜面の文字が出ただけで超ブルーなのに、なんで私がそんな事考えなくちゃいけないんですか？』

浜面「まぁまぁ、そんな事言わずに、な？」

絹旗『はぁ……』

浜面「な、教えてくれよ絹旗、このとーり」

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:41:18.91 ID:mg4FODbU0

絹旗『受話器越しにお辞儀されたって誠意は超伝わりませんよ浜面』

浜面「だったらどうすりゃいいんだよ」

絹旗『そうですね、五体倒地で雨乞いとかしてみたらどうですか？』

浜面「意味あんのかそれ」

絹旗『日照りで悩むどこぞの大陸の原住民……もとい浜面のご家族に超感謝されるかもしれないですね』

浜面「そうそう原住民の人たちに……って、俺は純正の日本人だ！」

絹旗『やだなぁ、本気にしないでくださいよ。ジョークですよ、超ジョーク』

浜面「お前はナチュラルに毒を吐くから見分けがつかねぇんだよ」

絹旗『超照れます』

浜面「ほめてねーよ！」

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:42:44.10 ID:mg4FODbU0

絹旗『で？』

浜面「あん？」

絹旗『こんな漫才するために超わざわざ電話してきたんですか浜面は』

浜面「ああそう、そうだった。ついいつもの癖でこんな流れになっちまったぜ」

絹旗『まったく……浜面は超浜面ですね……』

浜面「で、相談なんだけどよ、絹旗」

絹旗『はい？』

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:44:02.17 ID:mg4FODbU0

浜面「手紙の書き方なんだが……」

絹旗『ああそうでしたね、そんな事を超言ってましたねさっき』

浜面「おう」

絹旗『浜面』

浜面「なんだ？」

絹旗『知ってました？』

浜面「何を？」

絹旗『どこの研究機関の発表だったか超忘れたんですけど、ちょっと賢い猿って画用紙と色鉛筆を与えると絵を描くらしいですよ、それを絵と認識しようとすれば、ですけど』

浜面「へー、すごいな最近の猿は」

絹旗『そうですね』

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:45:15.01 ID:mg4FODbU0

浜面「で？」

絹旗『はい？』

浜面「俺が手紙を書く話と何の関係が？」

絹旗『あのですね浜面』

浜面「おう」

絹旗『……はぁ、やっぱりいいです。なんでいちいち自分のボケに対して超解説をしなくちゃいけないんですか』

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:46:29.86 ID:mg4FODbU0

浜面「絹旗よぉ」

絹旗『何ですか』

浜面「で、手紙なんだけど」

絹旗『手紙手紙って、メリーさんの羊じゃあるまいし……』

浜面「ああ、懐かしいな」

絹旗『あの歌ってどんな話でしたっけ』

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:47:00.27 ID:mg4FODbU0

浜面「どっちも手紙を読むことなくてムシャムシャ食べて’手紙の内容なんですか’って送りつづける話だろ？」

絹旗『そうそう、そうでしたね』

浜面「へへっ、よく知ってるだろ？」

絹旗『よかったですね、５歳児並の知能があるって証明できて』

浜面「お前の中で俺はどんな立ち位置なんだよ」

絹旗『浜面はいつでも超浜面です』

浜面「あーそうかよ」

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:47:30.16 ID:mg4FODbU0

絹旗『で、便箋くらいは買ったんですか？』

浜面「便箋？　なんだそりゃ。手紙なんてルーズリーフの切れ端でいいんじゃないか？」

絹旗『……浜面』

浜面「おう」

絹旗『とりあえず明日、買い物に行きましょう』

浜面「明日？　なんでだ？」

絹旗『今のままじゃ猿以下だって言ってんですよ、超浜面』

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:48:03.28 ID:mg4FODbU0

ｶﾞﾁｬ

ﾂｰﾂｰ……
……ﾂｰﾂｰ……

浜面「……っと、……電話切れちまった」

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:49:08.59 ID:mg4FODbU0

俺こと浜面仕上は今年で高校卒業を迎え……この春をもって晴れてプー太郎……ではなく、

学園都市の外れにある大学に進学することになっていた。

はみ出し者のスキルアウトをやっていた頃からすると考えられない程の進歩だが、同僚だった半蔵曰く

「お前は元々地頭が良かったからな、大学に行けたところで宇宙がひっくり返る程の不思議じゃねえよ」

俺がいざこざの末にスキルアウトを抜けた後も腐れ縁というか、膝を突き合わせる事が多かった半蔵との関係は親友という言葉で形容する以上のものになっていた。

戦友というか、背中を預けて安心するというか、こいつになら命を預けても大丈夫だろうと思うくらいの間柄にはなっているつもりだ。

そんな半蔵の口からその言葉を聞けた事は嬉しかったのだが

「ただし、お前は基本的にバカだけどな」という余計な一言が付属されていた事はこの際記憶の彼方へデリートしよう、ぽいっ。

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:50:32.02 ID:mg4FODbU0

携帯電話からは無機質な音が流れてくるのみで、

先ほどまで会話のドッジボールをしていた相手・絹旗最愛の声はとっくの昔に受信しなくなっていた。

絹旗は自分より3つ以上は年下の女子なのだが、これまた腐れ縁というか仕事仲間というか、

命を預けたり預かったり運んだり運ばれたりした間柄だ。

誤解が無いように言っておくがこれっぽっちもピンク色な間柄ではない。

というか俺が絹旗に対して一ミリでもそういった行動をとったとしよう、

そうすると容赦なく大能力者である絹旗は己の持ち得る最大限の能力で俺を撃退するだろう。

窒素装甲といえば今はなき学園都市の暗部組織……裏社会の間ではちょっとした有名人だったからな。

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:54:10.46 ID:mg4FODbU0

暗闇の五月計画によって学園都市最強の超能力者・一方通行の演算パターンを植えつけられた……とか、なんとか。

俺は聞きかじっただけで詳しい事を知っているわけじゃないし、絹旗からこの話のすべてを聞かされたわけじゃない。もちろん聞いても教えてはくれないだろうし、俺だってそんな昔の無粋な事はしたかない。

今と違って一昔前は怪しい研究所が怪しい実験を繰り返して、暗部組織を絡めた生き馬の目を抜くような血みどろの抗争が一般人の知らぬ所で毎日の様に繰り返されていたのだ。

その数多の暗部組織のうちのひとつ、

アイテム。

それは過去において、学園都市に存在した暗部組織の名前だ。

第４位の原子崩し・麦野沈利をリーダーに、絹旗最愛、滝壺理后、フレンダ・セイヴェルンからなる少数組織。

それは紛れもなく学園都市の闇の闇、底の底で蠢く魑魅魍魎のひとつだった。

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:56:26.58 ID:mg4FODbU0

俺はその下部組織の一員として主に雑用……まぁ、パシリみたいな事をしていた。

こう言うと今も元・メンバーとの関係は当時とそう変わらない気がする……が、この際気にしないでおこう。

こほん。

で、だ。

当時俺たちは誰もが「ここはクソッタレだ」と認識しながらも、誰もそれを積極的には口にしなかった。

わかっていながら、誰もがこの鞍部という学園都市の枠組の中から逃れられないでいた。

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 20:59:10.74 ID:mg4FODbU0

得体の知れない大きな何かに常に支配されていた。

まとわりつくような視線を常に感じて、それが何なのかもわからず、誰かの意思によって動かされているような錯覚……。

結果としてそれは錯覚でも何でもなく、ひとりの「人間」の意思によって行われていたという事は記憶に新しい。

今ではそんなくだらないシステムはとっくの昔に崩壊して、俺達は普通の生活をしている。

例えば俺は高校へと復学したし（単位を揃えるのは少し大変だったが）

驚くことに絹旗はあのお嬢様学校・常盤台中学に在籍している。いや、あいつのレベルからすると不思議でもなんでもないのだが。

あまりホメると調子にのるからここらでやめておこう。

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:00:16.27 ID:mg4FODbU0

俺は時計を一瞥しつつ、絹旗と会話している最中に日付を跨いでいた事を知った。

カチカチと正確に秒針が刻まれる、過去から現在、現在から未来へと。

その迷いの無い確実な足取りに、すこしばかり羨望の眼差しをむけつつ、ぐううと鳴る腹を摩った。

インスタントラーメンでも食べようかと思ってぼさぼさになった頭をひとつ掻く。

浜面「……こんな時間に食べたらまた滝壺に怒られちまうな」

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:01:25.52 ID:mg4FODbU0

頭の中でいつものジャージ姿の滝壺が

滝壺「もう、またそんな時間に食べたの？　そんな不摂生なはまづらは応援できないかも」

ぷくっと頬を膨らます姿を妄想しちまったのは、ここ最近の生活の中で思い当たるフシがあったからだ。

料理ができる彼女でもいればいいのだが、あいにくのこと、俺にはそんな天使は居ない。

一度料理に挑戦してみたが玉子焼きを作ったつもりがスクランブルエッグになっちまった時点で諦めが入った。

そういやあの時、絹旗に大笑いされたっけ。失礼なやつだ。

19 ：ラリラリ ◆IgJDZoCsoc [saga]：2011/06/06(月) 21:01:41.70 ID:U42mFeNU0

期待してるでござるっ！

20 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:02:47.87 ID:mg4FODbU0

その点インスタントラーメンって最高だよな。

誰にでも簡単に調理できるし。

いいじゃない、塩ラーメンさ。

一人暮らしの味方、○ッポロ一番・塩ラーメン。

俺のハラの音もそれを望んでいる。

よっしゃ。

というわけでコンロに手が伸び……

♪カーラマッターウンメイモカエテイケルカラー♪

……たところで、携帯の着信メロディが鳴った。

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:03:54.78 ID:mg4FODbU0

　From　絹旗最愛

　時間を伝えるのを超忘
　れていました。
　明日１３時にいつもの
　ファミレスの前に来て
　下さい。

　というか来い。

22 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:04:55.05 ID:mg4FODbU0

　To 絹旗最愛

　１３時だな？
　わかった

23 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:05:29.56 ID:mg4FODbU0

　From　絹旗最愛

　そうです。
　手紙を書くのにルーズ
　リーフの切れ端を使う
　とか超アホのすること
　です。

　というかアホです。

24 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:07:22.15 ID:mg4FODbU0

小鍋に水とラーメンをぶちこんでグツグツと煮る。

１３時だな？　

と確認のメールを送った瞬間着信メロディが鳴った気がしたがおそらく俺の気のせいだろう。

ってか誰がアホじゃ！

俺は怒りを込めて返信することにした。

ぷんぷん。

25 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:07:55.01 ID:mg4FODbU0

　
　To　絹旗最愛

　悪かったな。
　こちとら手紙なんて書
　いたことねーんだよ。

26 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:08:58.90 ID:mg4FODbU0

　From　絹旗最愛

　そもそも何で手紙なん
　ですか？
　誰に送るんですか？

27 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:09:39.34 ID:mg4FODbU0

　To　絹旗最愛

　別に、
　ただ単に送ろうと思っ
　ただけだよ。

28 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:10:13.68 ID:mg4FODbU0

　From　絹旗最愛

　ふーん？
　でも浜面の恋文に協力
　するのは超嫌ですね。

29 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:10:40.25 ID:mg4FODbU0

　To　絹旗最愛

　誰が恋文だコラ

30 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:11:17.82 ID:mg4FODbU0

　
　From　絹旗最愛

　そうですよね。
　浜面に限ってそんな事
　ありませんよね。
　超安心しました。

31 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:11:52.30 ID:mg4FODbU0

　　
　To　絹旗最愛

　アホな事ぬかしてねー
　で
　お子様はそろそろ寝ろ

32 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:12:56.21 ID:mg4FODbU0

　From　絹旗最愛

　超遅刻しないでくださいよ

33 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:14:12.15 ID:mg4FODbU0

　To　絹旗最愛

　お前こそ

34 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:14:44.89 ID:mg4FODbU0

　
　From　絹旗最愛

　素早さでは浜面より上なので
　きっと私の方が超早いです

35 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:15:40.84 ID:mg4FODbU0

　
　To　絹旗最愛

　素早さのステータスなら負け
　ねー

36 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:16:17.76 ID:mg4FODbU0

　
　From　絹旗最愛

　出来の悪いアホ面を拝みま
　すから。

　

37 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:16:54.14 ID:mg4FODbU0

　To　絹旗最愛

　うるせー！
　おやすみ！

38 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:17:20.59 ID:mg4FODbU0

　From　絹旗最愛

　超おやすみなさい。

39 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:20:19.43 ID:mg4FODbU0

おやすみとメールを打ったあとに。

さてそろそろ寝るかな。

あれ？

そういえばなんで俺はキッチンにいるんだろうと思ってベッドに潜り込んだ、

そのあと腹が空腹を主張して「仕方ねぇなぁ」と塩ラーメンのパックを開いたのと、

小鍋が充分すぎるほどに煮えくり返っていたのを発見するのは同時だった。

さらば……塩ラーメン……。

そして、ありがとう……。

ちなみにこの伸びきった塩ラーメンは俺が美味しくいただきました。

ハラへってりゃなんでもうめぇんだよ、……違う意味で塩味だったけどな。

40 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/06(月) 21:22:00.68 ID:mg4FODbU0

今日はここらで。

目指せ>>100くらい……ってな感じでのんびりやっていきます。

41 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/06/06(月) 21:23:33.68 ID:Kw897NvB0

超期待です

42 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/06(月) 21:25:15.27 ID:wkb7aHiDO

良浜面スレきたぁ
乙、続きも期待

43 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/06(月) 21:28:44.27 ID:KUJpZLsIO

乙です
モアイちゃんかあいいよモアイちゃん

44 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:20:11.45 ID:0DgZ/HCg0

◇　◇　◇　◇

その時光が世界を包み込んだ。
眩しいが、それはとても優しく、暖かい光だった。
僕の炎よりもね。

証言者『ステイル＝マグヌス』

◇　◇　◇　◇

45 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:25:15.71 ID:0DgZ/HCg0

学園都市に住む２３０万人のうち、およそ８割は学生で構成されている。

それが起因しているのか、ここで生まれた人間を除いて多くの学生たちがここ学園都市を「第二の故郷」と呼んでいる。

人によっては小学生入学以前よりここで過ごし、能力開発を受けることもあるという。

優秀なものは大学を卒業してそのまま研究機関に入り、生涯の多くの時間をここで過ごす事になるだろう。

生まれ故郷で過ごすより長い時間をここで過ごしている者は珍しくない。

俺が聞く限りだと、麦野沈利もそんな中の一人だった。

46 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:28:53.68 ID:0DgZ/HCg0

曰く、いつから学園都市に居たのかもあやふやで、家族の顔も正確には覚えていないらしい。

いつだったか家族の話になったとき本人は「別に、家族なんて今更会いたいと思わない」などと強がっていたが。

それは嘘であると、俺にはなんとなくわかった。

それが証拠に麦野は自身からこの学園都市（超能力者）という枷が外れた時、一番に家族の事を思い、帰省していた。

だから今どこで何をしているのかはわからない。

いや、どこにいるかはわかっている。

ルーズリーフの切れ端に綺麗な字で書かれた住所が麦野の所在を示していた。

47 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:29:46.24 ID:0DgZ/HCg0

だからより正確に言うと今何をしているのかはわからないという事になる。

本当に家族と再会できたのか、どんな暮らしをしているのか、どんな家に住んでいるのか……etcetc

まぁあいつの事だから結構なお屋敷に住んでいたとしてもおかしくはないだろう。

執事とか雇っている名家だとしても麦野なら別に不思議には思えない。

いつだったかフレンダが麦野の生家の事をそんな風に言っていた気がする。

ああ、羨ましい話だね全く。

48 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:41:42.41 ID:0DgZ/HCg0

あの日以来……というか。

上条当麻を中心に、自分らが起こした事なので思い出すのもむず痒いが

大袈裟に言うなら「世界を救った日」以来。

ルールからの脱却を果たした俺たちは、つまるところ支配者の意思から解き放たれた。

闇の中で怪しく蠢いていた連中は一掃されて、今では一応クリーンな都市運営がなされているらしい。

「らしい」ってのは、そこは俺の分野じゃないし、あまり詳しい事はわからないからだ。聞けばそれなりに教えてくれるとは思うが、気苦労が耐えないポジションである事は間違いないだろう。

今日もどこかで白髪の子連れの狼がこの街を守ってくれてると思えば、安心して過ごせるってもんだ。

ツンツン頭のあいつも、銀髪のシスターも。きっとそう思ってる、そして自分のなすべき事をしていくんだろう。

今までだってそうだった、だから、これからもそうしていく。

いま、信用に足る人間たちが今この街を運営している、だから俺は信じてる。この街を。

49 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:44:34.94 ID:0DgZ/HCg0

50 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:45:06.03 ID:0DgZ/HCg0

51 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:45:35.30 ID:0DgZ/HCg0

52 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:46:09.41 ID:0DgZ/HCg0

53 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:47:56.28 ID:0DgZ/HCg0

ぐわ
なぜこんなに同じ投稿が……

>>49-52はなかった事でひとつ脳内補完たのんます……ごめんなさい

54 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:50:35.03 ID:0DgZ/HCg0

まぁ、結局俺はこの「第二の故郷」にとどまる事を選択した。

理由はこの街の行く末を見届けたいから……といえば少しはかっこよく聞こえるだろうか？

世界を救ったヒーローの一味として？

ったく、笑えるよな。

ぶっちゃけると俺はまだ自分が何者なのか、何になりたいのか、わからない……ってのが本音なんだけどな。

ま、いいじゃねえか。それを見つけるために俺は大学に行くんだ。

俺はあいつらみたいに真っ直ぐには進めないから。

なんども曲がりくねって、時には落とし穴にハマって、凹んで……だけどこんどは、ちゃんと前を向いていく。

同じ過ちは繰り返さないように。

55 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:54:27.31 ID:0DgZ/HCg0

……そうだな。

俺が学園都市にとどまる理由を強いて挙げるとすると、

ここで売ってるインスタントラーメンが美味い事……かな。

そんな事を微睡みの中考えていた。

────────

────

──

56 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 01:57:33.88 ID:0DgZ/HCg0

凡ミスごめんなさい、まさか多重投稿になってたとは……
はりきって夜中に投稿しようとしたらこれだよ。
反省して今後ゆったり書いていきます。

57 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/07(火) 02:15:52.86 ID:6soT2yxIO

乙でした

58 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/07(火) 02:16:44.95 ID:6soT2yxIO

乙でした

59 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/06/07(火) 02:40:21.32 ID:RITLvmTno

うまく言えないが雰囲気が好きだ。続き楽しみにしてる
おつー

60 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]：2011/06/07(火) 02:56:02.44 ID:sZhsapNmo

最近ここ不安定だから連投しないためにも一度書き込んだらちょっと待つか更新したほうがいい
エラー出ても大抵書き込まれてるよ

61 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:00:30.30 ID:0DgZ/HCg0

外部より２０年も３０年も科学技術が進歩しているといわれる学園都市。

その学園都市の最先端テクノロジーが随所に施されたパン焼き器がチンと鳴りその口を開けた。

俺はいつだったか絹旗からもらったイチゴジャムを塗りながらテレビから流れる天気予報を聞き流す。

このジャムは遠足だか修学旅行だかで買ってきたお土産らしい、そういやどこに行ってきたのか聞きそびれてたな。

どこにいってきたんだろーな。

常盤台中学ともなると修学旅行はやっぱり海外とかになるのかね。

62 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:03:42.84 ID:0DgZ/HCg0

海外といえば俺は色々あってロシアに行った事があったけれども、あの時は観光気分なんて一切なくて必死だったからな。

今度もし行く機会があればゆっくりしたいもんだ。

さて、ジャムはもうこんなもんでいいだろう。いい赤色だ、うまそうだなこりゃ。

俺はジャムを塗りたくったパンにがぶりとかぶりついた。

もぐもぐ。

うん、うまい。

正直、パン焼き器がどう進化したところでパンを焼く以外の何かをしてくれるわけじゃない。

だからきっとこれは食パンが美味しいんじゃなくてジャムがうまいんだろう。

サンキュー絹旗、サンキューイチゴジャム。

63 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:15:36.32 ID:0DgZ/HCg0

食パンを平らげた俺は冷蔵庫をさぐり、昨日買っておいた牛乳パックを開封してコップに注ぐ。

そういや昨日はスーパーで上条当麻とバッタリ出くわしたんだっけ、

浜面「よお、こんなところで会うなんてな」

上条「浜面、今日は牛肉の特売日だからな」

浜面「世界を救ったヒーローが牛肉の特売ねえ……しかもきっちり３パック買ってるし」

上条「お一人様3パックまでだからな、上条さんは広告チラシをチェックして情報は常に仕入れてるんですよ」

浜面「なんなら協力しようか？」

上条「やめとく、さすがに６パック買っても腐らせちまうからな」

浜面「暴飲暴食シスターさんがいるじゃないか、それくらいヘーキだろ」

64 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:23:24.53 ID:0DgZ/HCg0

上条「インデックスはイギリスで教会の……なんとかって言う式典があるらしくて帰国してるんだ」

浜面「へー。なんかいつもお前と一緒にいるからそんなイメージないけど、ちゃんとシスターやってんだなあの人」

上条「そんなわけで今は一人暮らしを満喫中ってワケ」

浜面「ナルホド」

上条「そうだ、浜面これからヒマだったりするか？」

浜面「まあ予定は無いけど」

上条「だったら俺ん家こないか？　誰も居ないしなんだか調子出なくてさ」

浜面「あー、それわかるわ。いっつも隣に居てたやつがいなくなっちまったら寂しいよな」

65 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:28:12.74 ID:0DgZ/HCg0

上条「そうそう、せっかくこうして肉もあるワケだし。牛肉鍋でもやりませう」

浜面「牛肉鍋とはまた贅沢だなオイ、じゃああいつも呼ぶか」

上条「あいつって？」

浜面「あいつだよあいつ、あの白モヤシ」

上条「一方通行か、けどあいつ今はすごく忙しいみたいで連絡つくかどうか」

浜面「ちょっと待ってろ、今電話してみる」

Prrrrrrrrrrr.....

66 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:39:25.86 ID:0DgZ/HCg0

ｶﾞﾁｬ

一通『俺だァ』

浜面「よう、久しぶり」

一通『……馬面か』

浜面「ウマヅラじゃねえよ！　ハ・マ・ヅ・ラ！」

一通『耳元でデケェ声だしてんな、バカヅラ。頭にキンキン響く』

浜面「ハマヅラだっての、ゴシューショーサマ。で、お前さ、今暇か？」

一通『あァ？』

浜面「いや。今さ、上条とスーパーでばったり会っちまってよ、せっかくだから鍋でもやんねぇかって話になって──」

一通『行く』

浜面「で、お前を誘おうって話に……おおう、返答はや！」

67 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:43:51.71 ID:0DgZ/HCg0

一通『適当に野菜もってきゃいいかァ？』

浜面「そーだな、ネギとか白菜とかコンニャクとか、……あとモヤシとかな」

一通『はーまづらァ、……最後の一つのチョイスにこちとら悪意を感じたんだがなァ」

浜面「そうか？」

一通『闇鍋にしてショートケーキでもぶちこんで愉快に素敵な具材を胃の中にブチ撒けてやろォか』

浜面「おいおい、冗談キツイぜ」

一通『ちっ。まァいい、場所は三下の家だなよなァ？』

浜面「ああ、打ち止めちゃんを連れてきてもいいんだぜ？」

一通『……』

68 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:45:39.11 ID:0DgZ/HCg0

浜面「オイどーした？」

一通『あいつァ。今、黄泉川達と温泉旅行中だァ。ちょうど春休み中だからな』

浜面「……」

一通『……』

浜面「……もしかして、一人で留守番中？」

一通『別に寂しいとかじゃねェからなァ、ヒマだからお前らと食事でもしてやろうって話だァ』

浜面「あー……はいはい、そういう事にしといてやるよ」

69 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:49:29.47 ID:0DgZ/HCg0

浜面「じゃ、後でな」

一通『ンじゃな』

ｶﾞﾁｬ

上条「何だって？」

浜面「来るってさ、ついでに野菜とモヤシ持ってくるって」

上条「……ぷ」

浜面「……くくく」

70 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 22:51:46.78 ID:0DgZ/HCg0

浜面「誰だよ最初にあいつの事モヤシって言ったの」

上条「さぁ……上条さんは知りませんのことよ」

浜面「ぐうの音も出ないほど的確に特徴を捉えすぎだろ」

上条「だなー」

71 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:10:48.65 ID:0DgZ/HCg0

その後上条の家に向かってる途中に一方通行と合流して、

久々に三人揃って鍋を囲んだ。

俺達は付き合いがそれほど長いわけじゃない。

知り合ったのだって２～３年くらい前だ、けどいつの間にか１０年来の親友の様な間柄になっていた。

最近は俺も卒業試験やら何やらで、上条も一方通行も忙しい日が続いたらしく会うことができなかったけど、今日は幸運にも久々に３人が揃った。

俺達ってまわりから見るとどんな風に見えるんだろうな。

学園都市最強の超能力者と、世界を救ったヒーローと、あと………………俺は、うん。

各々パシリ以外の何かで俺を形容してくれ、頼む。

72 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:16:34.68 ID:0DgZ/HCg0

ちょうど人数分あった牛肉を鍋にぶちこんで、個人的に買ったつくねを入れて、一方通行がもってきた野菜（モヤシは持ってこなかった）も入れる。

つくねってなんであんなに美味しいんだろうな。

一通「確かにつくねのウマさはやべェな」

浜面「だろ？　珍しく意見が合ったな」

一通「だがあえて俺ァささみを推す」

浜面「随分ヘルシーだなオイ」

一通「低カロリーで女にも受けが良いからなァ、うちの女共はみんなササミ好きだなァ」

上条「まぁまぁ、牛肉鍋ってのも高級感あふれてていいと思うぜ。ほら、肉食おうぜ肉」

73 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:25:28.49 ID:0DgZ/HCg0

女共って単語にキュピーンと反応した俺と上条は「あれれー？　そういえば打ち止めちゃんはどうしたのー？」どこぞの名探偵ばりに名推理を展開した。

したら一方通行の野郎涙目になりながら「るせェ！！」だってさ。

やっぱり一方通行は打ち止めちゃんと離れ離れになったのが相当寂しかったようで、出発した昨日からずっとソワソワして過ごしていたらしい。

だったら一緒に行ってやればよかったのに。

なんでも一方通行曰く、打ち止めちゃんから「あなたはそろそろ子離れが必要だってミサカはミサカは思ってみたり」とかなんとか言われたらしい、どんだけ普段ベッタリなんだよお前ら。

「早く明日になンねェかなァ……」「早く帰ってこねェかなァ……」とかブツブツ言うので、まだ法律で酒は飲めないから取り敢えずお茶でも飲ませておいた。

これ……ひょっとして明日旅行から帰ってくる時は行く前よりひどくなってんじゃないの？　打ち止めちゃんさ。

74 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:30:11.36 ID:0DgZ/HCg0

一通「もう俺の話ァいいンだァ……ンで、いっつも一緒に居るシスターはどうしたンだ三下ァ」

上条「里帰り」

一通「喧嘩でもしたのかァ？」

上条「違うって、なんか教会で行事があるとかでさ」

一通「はァ……」

上条「改めて一人暮らしってのは寂しいって実感したよ」

一通「だなァ……目が覚めて誰もいねェとか……」

上条「でも久々にベッドで眠れたんだ、快眠快眠ってな」

浜面「ヘンなとこポジティブ？！」

75 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:33:53.62 ID:0DgZ/HCg0

浜面「ったくお前らは、ちっと一人になったくらいでなさけねーなぁ」

上条「なんだよ浜面」

一通「フられ虫に言われたかねェよ」

浜面「ぶは」

上条「ちょ……！　大丈夫か浜面！」

浜面「ｺﾞﾎｺﾞﾎ……んん……ｺﾞﾎｺﾞｯﾎ……」

上条「水だ、飲めよ」

浜面「……ぷはっ、急に話変えすぎだろオイ」

一通「事実を言ったまでだァ」

76 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:38:46.44 ID:0DgZ/HCg0

浜面「別にあいつは、フられたとかそんなんじゃなくてだな……」

一通「けど実家に帰ったンだろ？　愛想尽かされたに決まってらァ」

上条「もうずっと会ってないんだっけ？　連絡も取り合ってないのか？」

浜面「そうだけどさ……」

一通「おー、過去を引きずってるねェ色男」

浜面「るせー」

77 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:47:50.72 ID:0DgZ/HCg0

上条「でもさー」

浜面「あん？」

上条「浜面、まだあいつの事好きなんだろ？」

浜面「どーだかなー」

一通「強がってンなァ、浜面。吐いてラクになっちまえ」

浜面「吐き出すもんが何もねーよ」

上条「元々仕事仲間だったんだろ？　携帯のアドレスとか通じないのか？」

浜面「この電話は現在使用されていませんっていう素敵なアナウンスがあったよ」

一通「何したンだよお前さ、携帯変えて新しい連絡先教えないって相当嫌われてンぞそれ」

浜面「なんもしてねーよ！！」

上条「なんだっけ、あのお姉さんの名前」

一通「原子崩し」

上条「メル……？　ああ、思い出した麦野さんだ、麦野沈利さん」

78 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:54:35.01 ID:0DgZ/HCg0

浜面「だから麦野とはそんなんじゃないって、ホントに」

上条「麦野さん、お前の事が心配でロシアまで追いかけて行ったって聞いたけど」

浜面「'心配'……ねぇ…………」

一通「俺ァ、道端歩いててお前に絡ンできた不良どもを片っ端からぶっ飛ばしたって聞いたな」

浜面「虫の居所が悪かっただけじゃないかそれ……」

上条「まだあるぜ、他にも……」

浜面「あーストップストップ、もうこの話はヤめようぜ、な？」

79 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/07(火) 23:58:48.23 ID:0DgZ/HCg0

一通「あんだけ人イジっといてそりゃねェだろはーまづらァ、夜は長いんだぜェ？」

浜面「待て待て一方通行！　お前、俺、ときたら次はそこのツンツン頭だろ？！」

一通「……一理あるなァ」

浜面「決まったようだな」

一通「あァ」

上条「お……お前らっ？！」

一通「いいぜ……三下ァ」

浜面「シスターさんと同棲して何でも思い通りになると思ってんなら」

一通・浜面「その幻想をぶち[ﾋﾟｰｰｰ]！」

80 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/08(水) 00:02:45.51 ID:vDVp7O2C0

こんな感じで三人の夜はふけていきます、そろそろいい時間なので今日はここらで。
見返していくつか修正したいところが……一通さんのん→ンとか、その他細かいところ誤字とか多くてほんとごめんなさい。
>>79もせっかくの決めセリフなのにsaga入れるの忘れちゃいました、このまま消え去りたい気持ちです。
では、おやすみなさい。

81 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2011/06/08(水) 11:51:03.39 ID:5px8YlsIO

見てるぞ、おつ！

82 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2011/06/08(水) 11:52:58.66 ID:5px8YlsIO

見てるぞ、おつ！

83 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします ：2011/06/08(水) 11:53:37.40 ID:5px8YlsIO

見てるぞ、おつ！

84 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/09(木) 17:00:33.84 ID:bPSoOAlB0

乙！いい雰囲気だな
…おかしいな浜面がかわいく見えてきたのである

85 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 01:38:55.81 ID:Tc9RvjSL0

◇　◇　◇　◇

全てが終わった後で「あーーーっ、不幸だーーーっ」
いつもの調子でとうまは叫んだ。
でもねとうま、とうまは不幸なんかじゃないよ。
だってこれだけの仲間が、とうまの事を思って集まったんだから。

証言者『インデックス』

◇　◇　◇　◇

86 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 01:46:01.55 ID:Tc9RvjSL0

その後三人で鍋を啄きながら筆舌に尽くし難い攻防戦が繰り広げられた。

結局、「やっぱり一方通行ってロリコンの類なんじゃないか？」という事で俺と上条の思惑は一致した……だってなぁ？

打ち止めちゃんって実年齢何歳だよオイ。

ヒトケタなのは間違いないだろ？

そう言うと約一名の白モヤシが「俺はロリコンじゃないンですゥ！」と、逆上してベクトル操作を行ったので幻想殺しが炸裂して落ち着かせる展開が数度あったのは、ここではあえて語らないでおこう……。

87 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 01:52:48.88 ID:Tc9RvjSL0

なんかこの感じ、懐かしいな。一方通行をなだめる上条を見て思う。

そういえば以前の俺達の関係を誰かが「三すくみのようだ」と例えたことがあった。

上条当麻は一方通行を幻想殺しで封じる事ができる。

一方通行はベクトル操作で俺を封じる事ができる。

俺は上条当麻を鍛え抜かれた肉体で封じる事ができる……らしい。

浜面「いや、俺は一度あいつに負けた事があるんだけど……」

申し訳なさそうにその事実を伝えるとその女は「あたなの心に油断があったなら、そのような事もありけるのでしょう」と涼しい顔で教えを説いてくれた。……なるほどね。

88 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 01:58:45.02 ID:Tc9RvjSL0

油断も何も俺はただの無能力者で、スキルアウトで、吹けば飛ぶような存在だったから実際そんな良い物ではないことだけは確かだった。

けれども俺は変わった。変わったと思う。

あの戦争で困難を乗り越えた事もそうだし、仲間と手をとりあって危機を脱した事もそうだし。

かっこ悪くたって死にそうになったって、こうして生き残ってきた。守るべき何かの為に。

あの時アイテムにの下部組織に配属されなかったら今でも学園都市の底で日の当たらない毎日を過しているに違いない。

そういえば、と思う。

もう随分長い事アイテムの面々とは顔を合わせていない。

麦野は実家に帰ってしまったし、絹旗はお嬢様学校の寮に入ってしまった、それから滝壺は……

89 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:01:45.27 ID:Tc9RvjSL0

一通「はーまづらァ」

浜面「ん……なんだよ？」

一通「せっかく久々にこうして三人揃ったってンだ、シけた面してンじゃねェ。シケ面」

浜面「誰がシケヅラだ、浜面やっちゅうねん」

上条「ウマヅラにバカヅラにシケヅラか……渾名のレパートリーが豊富で上条さんはそんな鼻面が羨ましいですよ」

浜面「ハナヅラじゃねえよ！　は・ま・づ・ら！」

90 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:09:10.31 ID:Tc9RvjSL0

一通「能力追跡のコト、……まだ気にしてンのか？」

浜面「……俺は、別に」

一通「そうだよなァ、お前が罪悪感に苛まれるのは筋違いってヤツだからなァ」

浜面「……」

一通「今、学園都市が維持できてンのは’八人目’の能力よるところが大きい、これだけは換えが利かない」

浜面「……あいつ、初めてだったんだ。俺以外の事に目が向いたのは、さ」

上条「……」

浜面「初めて自分から言い出したんだ、あの時’やりたい事を見つけた’……ってな」

上条「……浜面」

91 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:11:34.21 ID:Tc9RvjSL0

一通「だとしたらお前がする事はここで愚痴垂れてる事じゃねェってのはわかるよな？」

浜面「一方通行」

一通「あン？」

浜面「滝壺は、みんなの役に立ったんだよな」

一通「ああ、それだけは保証してやる」

浜面「だったら、良い」

92 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:14:59.09 ID:Tc9RvjSL0

一通「打ち止めは明日帰ってくる、三下ンとこのシスターだって来週には帰ってくるンだろ？」

上条「あ、あぁ。そうだな」

浜面「……」

一通「だがお前の──」

浜面「待った」

一通「──っ」

浜面「それ以上は……言わないでくれ」

一通「……悪ィ」

93 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:16:35.54 ID:Tc9RvjSL0

湿っぽくなっちまったな。

はは。

ワリィ、俺、先帰るわ。

言ってその場を去った。

94 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:21:18.68 ID:Tc9RvjSL0

上条宅を去り、あてもなく歩く。

ぶるっ、夜風が身に染みる。

主人公が居ればそこにヒロインが居るのは物語の形式としてはテンプレートだと思うけれど。

一方通行には打ち止めちゃんが居る。

上条当麻にはシスターさんが居る。

どちらもお互いを支えたり、支えられたり。時には喧嘩をして、仲直りをして、守ったり守られたり。

そんな関係、そんな間柄。

俺には……滝壺が居た。

いや、今は遠いところに居る、とても、とても遠いところに。

95 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:22:36.66 ID:Tc9RvjSL0

ひとはそこを「天国」とか呼んだりするけれど。

96 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 02:27:38.80 ID:Tc9RvjSL0

今日はここらで。

叱咤激励ありがとうございます、スレ開いてレスがあるととても嬉しいです。
嬉しいだけじゃ形容しがたいこのなんとも言えない気持ちはなんなんでしょうね。
もっと日本語がうまくなりたい、そんな今日この頃です。
おやすみなさい。

97 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/10(金) 03:21:35.21 ID:qJzQdz/IO

うおー

滝壺ぉー

98 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/10(金) 03:30:50.00 ID:aaihZPHP0

えっ　死んでるの？
ちょっと俺エイワスにたのんで滝壺を蘇生してくるわw

99 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/10(金) 08:52:59.11 ID:wlZH+BiE0

絹旗ーーーー！！！　早く来てくれーーーー！！！

100 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]：2011/06/10(金) 09:32:10.07 ID:tbTcOtPBo

乙

滝壺…

101 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]：2011/06/10(金) 09:54:12.79 ID:Gk68k+e30

期待してるぜ乙
滝壺(´；ω；`)

102 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]：2011/06/10(金) 11:57:34.20 ID:LpT2Qsk7o

アレイスターの代わりに手術着で試験管に逆さまに浮かんでる滝壺を幻視した

103 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:13:16.56 ID:Tc9RvjSL0

◇　◇　◇　◇

旧体制を討伐したからって、今までと何が変わるわけじゃない。
けれど、私が行動を起こす事で誰かの役に立てたのなら悪い気はしないわね。
……この力も、きっとその為にあったと思うから。

証言者『結標淡希』

◇　◇　◇　◇

104 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:20:13.06 ID:Tc9RvjSL0

「どこかで見た顔だと思ったら、浜面仕上じゃねぇか」

そのまま適当に街中を歩いていると、
どこかで聞き覚えのある声が聞こえてきた。
振り返る。
イルカの人形がそこに居た。

黒夜「だれが人形だ」

浜面「おめーだよ、黒夜海鳥」

黒夜「フルネームで呼ぶな気色悪い」

浜面「じゃあ海鳥ちゃん」

黒夜「ブッ殺されたいみたいだな、浜面仕上」

浜面「名前を呼んだだけで殺されるってんなら、人類滅亡の危機だなオイ」

黒夜「うるせータコ」

浜面「うるせぇイルカ」

黒夜「イルカは別にいいだろ可愛いし」

浜面「あーはいはい、そうですか可愛いですね」

105 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:22:52.53 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「……ち」

浜面「舌打ち聞こえてるんですけど黒夜さん」

黒夜「海鳥で良い」

浜面「海鳥さん」

黒夜「海鳥」

浜面「……はぁ。で、なんでお前こんなとこに居るんだ？　もう夜中だぜ？　中学生はとっとと家に」

黒夜「誰が中学生だ、年下扱いすんじゃねぇ」

106 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:26:34.77 ID:Tc9RvjSL0

浜面「あーはいはい、そうですね」

黒夜「あんま調子のってると串刺しにするぞ」

浜面「串刺しで思い出したけどよ」

黒夜「あん？」

浜面「お前、つくねは好きか？」

黒夜「つくね……って、あのつくね？」

浜面「ああ、あのつくね」

黒夜「まぁ好きだけど」

浜面「じゃあ今度その能力とやらでつくねを串刺しにしてくれ、俺じゃなくてな」

黒夜「その発想は無かった……料理への応用か……」

浜面「窒素を応用した攻撃性って以外に役に立ちそうなもんが見つかってよかったな、じゃあ俺はこれで」

107 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:28:27.41 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「ああうん、ばいばい」

浜面「じゃあな」

黒夜「……って、待て！　何帰ろうとしてんだお前！」

浜面「……ち、バレたか」

黒夜「はーまづらあ、ここで会ったが１００年目だ、覚悟しろ」

浜面「今更無能力者一人消したところでどうにもならんだろ」

108 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:30:08.24 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「チゲェっての、お前に話があんだよ」

浜面「あん？」

黒夜「だから……その」

浜面「なんだよ」

黒夜「お前……さ、絹旗と一緒の組織だったろ？」

浜面「ああ、そうだけど」

黒夜「そ、そっか」

浜面「？　どうしたんだよオイ」

黒夜「……だ、……その」

109 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:31:08.45 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「だから」

浜面「おう」

黒夜「……、絹旗に……その」

浜面「絹旗に、なんだよ」

黒夜「い……、色々、謝りたくて……」

110 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:34:22.81 ID:Tc9RvjSL0

浜面「あいつは今、常盤台の中等部に在籍してる」

黒夜「そ、そんな事は知ってらぁ」

浜面「謝りたきゃ寮にでも行けばいい、管理人だか寮監だかに知り合いだって言えば通してもらえるだろ」

黒夜「だ～～～か～～～～ら～～～～…………！！」

浜面「お、おう？」

黒夜「その……なんつーか……その……な」

浜面「ああ」

黒夜「は……恥ずかしい……だろ？　今更面と向かって会うなんてさ」

浜面「そぉか？」

111 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:36:07.15 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「そう、なんだよ」

浜面「絹旗はイチイチそんな事気にしないと思うけどな、仮にもお前ら二人は昔からの知り合いなんだろ？」

黒夜「……むこうは気にしてなくても、こっちが気にしてるんだ」

浜面「……はぁ」

黒夜「だ、だから」

浜面「おう？」

黒夜「お前を、探してた」

浜面「俺を？」

112 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:41:40.51 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「私も絹旗も、二人とも知ってる人間で一番最初に思いついたから」

浜面「そりゃどーも」

黒夜「で、お前の家を尋ねたけど誰もいなくて。待ってた」

浜面「ああ、鍋くってたからな。上条の家で」

ぎゅるるるるる～…………

113 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:43:39.53 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「……」

浜面「……」

黒夜「……」

浜面「とりあえず……なんか食べるか？」

慎ましく空腹を主張する音のあとに訪れた沈黙に耐え切れなくなって聞くと、イルカの人形は小さく揺れた。

近くのコンビニに寄って適当に弁当をひとつと500ｍｌのペットボトルに入ったお茶をかごに入れる。

会計を済ませて二人して俺の家を目指す、黒夜海鳥は俺の斜め後ろをてくてく歩いてついてきた。

なんだかペットの散歩をしているような気分になったのは内緒にしておこう、バレたら問答無用で俺の体に穴が空きそうだ。

114 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:53:13.60 ID:Tc9RvjSL0

もぐもぐと弁当を食べる黒夜海鳥を一瞥して、なんとなくテレビをつけた。

「この前初めてホームランを打ったの」と喜ぶ女の子が映しだされ、とあるメジャーリーガーがいかにも子供の野球初心者を狙った簡易型バッティングマシーンのようなものでトレーニングをしていた。

今なら特別価格で1万円らしい、これで練習すれば未来のメジャーリーガーになれるかもしれない。

などと考えていると、弁当を食べ終わったらしい黒夜がごちそうさまと上品に手を合わせていた。

浜面「礼儀正しいんだなお前、なんか意外だ」

黒夜「アホか、食べ物に感謝するのは当たり前だ」

浜面「さよか」

黒夜「浜面」

浜面「あん？」

黒夜「その……」

浜面「なんだよ」

黒夜「おべんと……ありがと……な」

浜面「あとで出世払いしてくれりゃいい、10年でも20年でも待ってるよ」

115 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 16:57:35.55 ID:Tc9RvjSL0

軽口を叩くと「うん……」とイルカの人形が揺れた。

黒夜はうつむいてそれきり黙ってしまった、なんだか調子が狂う。

黒夜ってこんな素直なやつだったっけ。

人は意外な一面をもつとは言うけれど、……まさかギャップ萌えってやつなのか？

…………、ぐあ！

なんか急にこいつが可愛くみえてきた！

魔法？　魔術？　それともなんかの能力か！？

黒夜「浜面」

浜面「ん？」

黒夜「キモい顔でニヤニヤすんな」

前言撤回、こいつはいつもの黒夜海鳥だった。

116 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:00:01.10 ID:Tc9RvjSL0

浜面「あー、一瞬でもお前の事を可愛いとか思った俺がバカだったよ」

黒夜「私が何だって？」

浜面「気にするなこっちの話だ」

黒夜「……そっか」

浜面「で、何だって？」

黒夜「え？」

浜面「え？　じゃないだろ、俺に何か相談したい事があるんじゃないのか？　絹旗のことで」

黒夜「あ……あぁ、えっとな」

浜面「おう」

黒夜「その……な、手紙を書きたいんだ」

117 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:01:44.80 ID:Tc9RvjSL0

浜面「手紙ィ？」

黒夜「手紙」

浜面「……なぜに？」

黒夜「面と向かって言えない事もあるだろ」

浜面「ラブレターか」

黒夜「ばっ……か、[ﾋﾟｰｰｰ]！！　[ﾋﾟｰｰｰ]浜面！」

浜面「うおおおお？！　こんなとこで能力開放してんじゃねえバカ！！」

118 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:03:22.17 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「……はァ……はァ」

浜面「……落ち着いたか？」

黒夜「……あァ、サイコーに落ち着いたぜェ、はーまづらァ」

浜面「そりゃどーも、五体満足で居られる自分に感謝だ」

黒夜「お前がヘンな事言うから悪ィンだろォが」

119 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:04:45.62 ID:Tc9RvjSL0

浜面「で、手紙だろ？」

黒夜「ああ」

浜面「目的と手段がハッキリしてるなら後は実行するだけだ」

黒夜「そうだな」

浜面「で、俺に相談って？」

黒夜「そう……それなんだけどな」

120 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:10:41.12 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「その……どう書けばいいか……わかんねーんだ」

浜面「はぁ？　どう書けばいいかわからない？」

黒夜「うん」

浜面「んなもん適当にルーズリーフの切れ端でもつかって渡せばいいんじゃねえか？」

黒夜「ほ、本当か？　でも一回も手紙なんて書いた事がなくてどうやればいいのか……」

浜面「っつっても俺も手紙なんて送ったことねぇからなぁ……」

黒夜「……うぅ」

浜面「んな暗い顔すんじゃねーよ、大丈夫、なんとかなるって」

黒夜「そうかな……」

浜面「とりあえず今日はもう遅い、一旦家に帰って出直しだ」

黒夜「うん……でも」

浜面「大丈夫、俺に策がある」

黒夜「本当か？」

浜面「この浜面仕上様にまかせろってんだ」

黒夜「なんか不安になってきた」

浜面「おい」

121 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:11:20.62 ID:Tc9RvjSL0

黒夜「冗談だよ。頼りにしてるぜ、はーまづらあ」

浜面「……ったくよー、調子いいぜ」

黒夜「……あのな」

浜面「ん？」

黒夜「絹旗……あれから私の事、何か言ってなかったか？」

浜面「いや、別に。これといって」

黒夜「……そーか」

浜面「ま」

黒夜「うん？」

浜面「とりあえず今日は帰れ、な？」

黒夜「……わかった」

122 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:22:12.17 ID:Tc9RvjSL0

で、冒頭の絹旗への電話へと戻るってワケなんだが。

わかんねーことは本人に聞いちまえばいいって誰かが言ってたしな、手紙のなんたるかは絹旗に教えてもらう事にしたんだ。

このほうが手っ取り早くていいだろ？

俺も久々に絹旗の顔を見たかったし、黒夜の悩みも解決できるし。

一石二鳥ってワケだ。

でも、石を投げて海鳥が二人も落ちてきたら……それはそれでドエライ事になりそうだな……。

なんてアホな事を考えていると、時計が12時30分を過ぎていた。

浜面「やっべ！　もう30分前かよ！」

絹旗よりも早く到着すると宣言したのに、待ち合わせに遅れたとあっては……昨日窒素の槍で串刺しにされそうになったばっかりだってのに、また窒素パンチとか窒素キックとか窒素タックルとかくらってボロボロにされかねない。

コンバースの黒い靴を履いて俺は待ち合わせの場所に向けてかけ出した。

いそげっ、遅れちまう。

123 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) ：2011/06/10(金) 17:25:59.91 ID:Tc9RvjSL0

キリがイイトコまで来ましたのでここらで失礼します。

124 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/10(金) 19:42:16.55 ID:b4kavkrIO

乙です
俺も手紙を出せる女の子が欲しかとです

125 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]：2011/06/10(金) 22:51:28.17 ID:F3Hz29b8o

なんかこの浜面余裕あるな

126 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/10(金) 23:12:02.60 ID:71BpQyEIO

そりゃ一番好きだった人に先立たれた？んだし恋愛方面に物事を考えられないからじゃないかな

127 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]：2011/06/12(日) 18:54:45.30 ID:wt96hrjb0

ラスボスが滝壺の流れ

128 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/06/29(水) 00:29:25.50 ID:sHR9M6DSO

新鮮な設定だな

129 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/07/14(木) 18:40:47.33 ID:5I2NhPIN0

まだなのー

130 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2011/08/12(金) 02:27:11.37 ID:SzEqL5zo0

情熱がたちきえてしまいましたので
打ち切りとさせていただきます
期待していただいてた方はすみませんでした。
HTML化依頼はこちらで出しておきます。

131 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]：2011/08/12(金) 02:45:27.84 ID:gOmQU9K2o

……………？

えっ？

132 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2011/08/13(土) 09:28:24.86 ID:Qvg7MyMSO

おもしろかったのに、残念だ
とりあえずお疲れさん

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