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拾った女の子を盗賊が育てる - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/06/12(日) 00:44:38.54 ID:dNrEUlCAO
盗賊「親分、子供ですぜ」

親分「なんで戦場にガキが?」

親分「俺たちゃけちな盗賊」

親分「戦のあと死体から身ぐるみ剥ぎに来たんだが」

子供「パパ、ママ・・・」グス

盗賊「どうしやす?」

親分「・・・」

盗賊「始末しますか?」

親分「バカヤロー!まだ幼児じゃねえか。酷いこというんじゃねえ」ボカッ

盗賊「へえ、すいやせん」

親分「連れて帰って育てよう」ニヘラ

盗賊(そういう趣味かこのオヤジ・・・)

親分「バカヤローよくみろ。この死体が着ている鎧、身分ある騎士が親にちがいない。あとあともうけになる」

盗賊「へえ」

親分(むふふ、かわゆいロリっ子げっと)
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/12(日) 00:55:20.54 ID:coyLd1AAO
タイトルに期待しただけに>>1を見た時の落胆は凄い
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/06/12(日) 00:56:53.33 ID:dNrEUlCAO
十年後

お嬢「父上、略奪任務から戻りました」

親分「おお、娘よ。怪我はなかったか」

お嬢「まさか。これぐらいの仕事、欠伸がでます」

盗賊「お嬢の剣の腕前はあっしらなんか及びもつきません。見事なお手並みでした」

親分「あー、かわいいなあもう!」スリスリ

お嬢「ちちうえオヒゲが痛い」ヤーン

盗賊(まったくこの変態が・・・)

ナンバーツー「あまり喜んでる場合じゃねえですぜ」

親分「あ?」

ナンバーツー「こうたびたび帝国の補給部隊を襲ったんじゃまずいことになる」

ナンバーツー「そのうち大規模な討伐を受けますぜ。数百人程度の俺達じゃひとたまりもない」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/06/12(日) 01:03:34.60 ID:dNrEUlCAO
親分「うるせーひっこんでろい」

盗賊「まあまあ」

お嬢「副首領、その通りかもしれないが帝国は貧しい人を虐げている」

ナンバーツー「だからなんだってんだ?」

親分「俺達ぁこの子を拾ってから世のため人のため盗むと決めたんだ。昔を懐かしがってるんじゃねえ」

ナンバーツー「・・・」

お嬢「それでは父上、怪我人を看てきます」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/06/12(日) 01:18:16.52 ID:dNrEUlCAO
少年「お嬢さま〜」イテテ

お嬢「ああ、ケガして。だからあたしは待機してろといったじゃない!」

少年「だってお嬢様がいくんだもん。心配で待ってられないよ」

お嬢「あたしは心配かけられるほどひ弱じゃないわ。あんたと違ってね」

少年「でも僕は回復魔法が使えるんだよ。自分には使えないけど」

少年「ちょっと脱いでよ、魔法かけるから」

お嬢「まったく」ヌギヌギ

少年「ホイミ」ポワーッ
少年「この痣だけは消えないね・・・」

お嬢「生まれたときからあったって父上が言ってたな」

少年「ねえ、触っていい?」

お嬢「え?」ドキッ

少年「探索魔法かけてみようか?」

お嬢「だ、ダメよ。必要ないわ」

少年 チッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/06/12(日) 01:35:41.18 ID:dNrEUlCAO
カンカンカン

少年「敵襲の合図だ!」

お嬢「あんたはここにいなさい!」

少年「お嬢様!」

帝国兵「うおおおっ!」

盗賊「らああああっ!」

お嬢「父上、無事ですか?」

親分「おお娘よ、俺は大丈夫だ。お前は部下を指揮してくれ」

お嬢「わかりました」

お嬢(さっきの略奪の時後をつけられたの?それにしては・・・)

お嬢「慌てず撃退しなさい!」ブシュウ

帝国兵「こ、このガキつええぞ!?」

盗賊「オラアアアアッ!」

帝国兵「逃げろおおっ」



親分「なんとか帝国兵を撃退したが・・・」

ナンバーツー「もっと大部隊がくるとやべえですぜ」

親分「・・・よし、アジトを移そう」

親分「娘よ、お前は偵察隊を率いて様子をみてきてくれ」

お嬢「はい」

親分「それと、しばらくお別れのチューだ」

お嬢「///」

盗賊(このオヤジ・・・)
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/12(日) 01:40:22.53 ID:dNrEUlCAO
僕とお嬢様の運命がこれで変わることはこのとき知る由もなかったんです



続く
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/06/12(日) 02:23:52.39 ID:q+MNVOje0
つまらねえw 乗っ取るか
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/12(日) 05:41:08.88 ID:R9uuhuHAO
>>8
おだまり
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/12(日) 11:23:55.81 ID:dNrEUlCAO
親分「俺も潮時かもなあ」

親分「これが終わったら、盗賊やめて娘と二人で暮らすか」

親分「ん、おまえらなんだこんな時間に」

ナンバーツー「へえ、それが親分には死んでもらわにゃならんのです」

親分「な、なに?」

ナンバーツー「この盗賊団はあっしがいただきます。親分は地獄でゆっくりなさってくだせえ」

ナンバーツー「あんたの娘もすぐ送ってやるよ」ニヤリ

親分「て、てめえ!」

ナンバーツー「殺れ」

ドス ザシュウ

親分「ぐあああああっ!」

親分「む、娘よ」

ナンバーツー「ククク、これで乗っ取り成功だ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) :2011/06/12(日) 14:04:35.32 ID:7gDmjvCto
乗っ取るのは>>8じゃなくてNo.2だった
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/12(日) 14:48:42.96 ID:f1C0vDVdo
FFXスレはここですか?
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/12(日) 17:34:57.99 ID:X+l7uxnAO
>>11誰が上手い事言えとwww
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/14(火) 22:37:52.77 ID:kbj2pqiAO
お嬢「このルートは確保した。本隊を呼ぼう」

少年「お嬢様ーっ」

お嬢「あんた、父上のとこにいたはずじゃ」

少年「それが親分が・・・」

お嬢「!!」

お嬢「そんな父上・・・」

?「ククク、お前もすぐあの世逝きだよお嬢ちゃん」

少年「何者!」

騎士「俺はイケメンの帝国騎士だ」

少年「イケメン?その程度の顔で?」

騎士「だまれ!オマエラのナンバーツーが通報してくれてな。ここは包囲した。ククク皆殺しだ」

お嬢「・・・」

お嬢「消えろ」

騎士「なに?」

お嬢「今あたしは気が立ってるのよ。失せろクズ」

騎士「・・野郎、死にさらせ」

ザシュウ!

騎士「ぐあああああっ」

騎士「僕の顔があああっ!」

帝国兵「ぐあああああっ!」

帝国兵「逃げろおおっ」

帝国騎士「・・覚えてやがれ」

少年「すごい追い払った!」

お嬢「引き返すわよ」

少年「え?」

お嬢「ナンバーツーを[ピーーー]」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/14(火) 23:05:13.49 ID:kbj2pqiAO
ナンバーツー「あのガキもう始末されたころかな」

ナンバーツー「これからは帝国の手先として俺が甘い汁吸ってやる」

お嬢「それより地獄があんたにはお似合いよ」

ナンバーツー「!」

ナンバーツー「てめえ、どうして」

お嬢「少年の移動魔法でね。みんなほとんどあたしに下ったわよ」

お嬢「覚悟はいいかしらね?」ニッコリ

ナンバーツー「ま、待て。お前は金目当てに拾われただけのガキだぞ!」

お嬢「そうだとしても、裏切りもののあんたを生かす理由にならない」

お嬢「バイバイ」

ナンバーツー「ぎゃああああっ!?」

お嬢「これであたしにが首領か・・」

お嬢「父上・・」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(青森県) [sage]:2011/06/15(水) 23:57:28.67 ID:EA2ElKfHo
展開早すぎてワロエナイ
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) :2011/06/17(金) 01:53:06.95 ID:gqoW2dmho
なかなかの急展開
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/23(木) 23:33:35.19 ID:CoHOIQzAO
少年「あれから三ヶ月・・・」

少年「お嬢様のもと生まれ変わった僕らは反帝国のレジスタンスのようになって」

少年「虐げられた人々が続々加入して短期間に数千人に膨れ上がった僕らは」

少年「危険視した帝国が討伐軍を送り込んでくる。お嬢様は迎え撃つ作戦の馬上にあった」



お嬢「変ね・・この村、年寄り子供ばかり。作物も荒らされている」

少年「これは帝国軍の仕業ですよ」

少年「中央から派遣される正規軍にやる気はないんです。近くの村を手当たり次第襲って、」

少年「女は慰みものにし男は首を切って反乱軍に勝ったと報告するんです。生首は喋りませんから」

お嬢様「なんて奴ら・・・」

少年「今回送られてきた将軍はかなりあくどい奴らしいですよ」

部下「お嬢、怪しい奴を捕らえましたぜ」

従者「待ってくれ怪しいものじゃない」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/23(木) 23:46:01.20 ID:CoHOIQzAO
お嬢「怪我をしているようね。何者かしら」

従者「私は帝国に滅ぼされた旧王国の貴族につかえるものです」

従者「私のご主人さまが国宝の剣とともに捕らえられてしまいました」

従者「あの剣があれば王国を復興できるのに」

従者「どうか我々をお助けください!」

少年「宝剣か、高く売れますよ」

お嬢「おだまりなさい。私たちは義賊、はしたないこと言わないの」

お嬢「ところで、その貴族さんって美少年?」

従者「え、まあ・・」

お嬢「みんな、この人を助けましょうよ」

少年(おいおい・・)
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 23:52:15.56 ID:0EbPDiuXo
ktkr
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/24(金) 00:02:31.05 ID:9hPQSQeAO
帝国総督府

兵士「反乱軍に物質を供給する住民がいるため、我が軍は苦戦中です」

将軍「裏切った都市ひとつ皆殺しにして見せしめにしろ。売国奴がどうなるかみせてやれ」

女副官「将軍、それは無茶苦茶です」

女副官「皇帝陛下の良民を虐待してはなりません。それにますます協力者が増えます」

将軍「やかましい奴だな、たかが中央の試験に受かっただけの小娘が」

将軍「今回の任務でたっぷり私腹をこやしてわしは帝国貴族になるのだ。女は黙っておれ」

女副官「・・・」

傷顔の騎士「その任務わたくしめにお任せください」

将軍「おお、お前か、村の焼き討ちはどうなった?」

傷顔の騎士「猫の子一匹残さず根絶やしにしてまいりました」

将軍「うん使える奴だな。その調子で反乱軍の女首領を討ち取れ」

傷顔の騎士「お任せを・・・」

傷顔の騎士「あの女、[ピーーー]・・・」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 22:21:58.99 ID:oPwBdek1o
まだー?
23 :1 [sage]:2011/07/10(日) 04:17:30.84 ID:7SR5sbdAO
読者いたんだ・・・
少し待ってくれ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) :2011/07/10(日) 17:13:28.65 ID:Eo5UrbP7o
再開ktkr
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 22:14:05.78 ID:QzytizGSO
題材は良いんだ
あとはどう料理するか
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/21(木) 21:47:14.87 ID:tpmtwzp00
盗賊「お嬢、偵察が戻りました。帝国軍は辺境首都市を包囲しています」

お嬢「辺境首都市って、自分の領土じゃないの。どうするのよ?」

盗賊「我々に資金を援助した報復に屠城、つまり都市ひとつ皆殺しにするそうです」

お嬢「! すぐに救援に向かいましょう!」

少年「待ちなさい。これは罠ですよ」

少年「裏切りの懲罰は口実で、我々をおびき出す腹です。そのついでに支援するものの見せしめをやるつもりです」

お嬢「なにいってるのよ!じゃ、人々を見捨てろというの」

少年「そうです。やらせておきなさい。帝国の悪評が立って好都合です」

パシン

お嬢「見損なったわ。あんたがそんなこというなんて・・昔はそんな娘じゃなかったのに」

少年「戦は感情じゃできません」

少年「今はお嬢様を守ることだけを考えてます。それだけです」

お嬢「あんた変わった」

少年「あなたは変わりなさすぎです!」

従者「あのー、いいですか?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/21(木) 21:59:22.37 ID:tpmtwzp00
――帝国軍陣営

将軍「手筈はどうだ?」

兵士「収穫前に包囲したのがききました。食料はそう長く持たないはずです」

兵士「もう早速、辺境首都市の元老院が降伏を申し出ておりますが・・?」

将軍「いまさら命乞いかい。イテもうたるわ!」

将軍「兵士どもに無礼講を伝えろ。陥落の暁には、虐殺・略奪・強姦なんでもありだ!」

兵士「それは楽しみでげす。いひひ」

将軍「略奪品の10パ−セントは俺に献上しろよ。ククク」

女副官(呆れた、西方植民地でこの手を使って死山血河を築いてきたケダモノだけある・・)

女副官(ろくな死にかたしないわ・・)

将軍「そうだ例の小僧を連れてこい」

貴族の少女「・・・・・・」

将軍「どうだ、吐く気になったか?」

将軍「おとなしく吐けば、楽に殺してやるぞ。それともいじめ殺しの処刑が望みか?」

貴族の少女「おっさん、あんた口くせえよ」

将軍「な・・」

貴族の少女「王国をなめるな。てめえみてえな豚野郎に俺は屈服しねえ」

将軍「この餓鬼が!」

貴族の少女「ぎゃああああああ、ぐう!」

将軍「なめやがってこのこのこの!!」

貴族の少女「ぐぎゃあああああああああああああ!!」

女副官「やめなさい将軍、彼女は帝都に連行してから処刑でしょう、いま[ピーーー]気ですか!」

将軍「ち、まあいい、辺境首都市は旧王国首都、昔の臣民がなぶり殺しにされるのをみせつけたうえで、拷問して吐かせてくれるわ!」

将軍「ぶちこんどけ!!」

女副官「すまない、敵ながら恥ずかしく思う」

貴族の少女「・・・・・・」

女副官「帝国はみんなあんなのと思わないでほしい。いま回復魔法をかけてあげる。残念だわ」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/21(木) 22:05:39.61 ID:tpmtwzp00
兵士「報告します。例の女首領ひきいる反乱軍が接近中です!」

将軍「かかったか!バカめ、おびき出されおって・・・兵力は?」

兵士「物見の報告では三千ほどです」

将軍「わが軍は六個軍団、十倍の兵力だ。よし一個軍団包囲に残して出撃するぞ。皆殺しだ」

女副官「お待ちください」

女副官「この反乱軍は今まで巧妙にゲリラ戦をやってきた連中です。それがあまりにも不用心すぎます」

女副官「それに、地元住民の非協力により我々は連絡線が危うい状態です。我々はもうすこし警戒すべきです」

将軍「それは兵学校で学んだ兵法書に書いてあるのかお嬢ちゃん?」

将軍「実戦はがり勉小娘にはわかんねーんだ。だまってろ」

女副官「・・・・・・」

将軍「くくく、女首領は公開レイープの末、火あぶりだ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/21(木) 22:16:05.80 ID:tpmtwzp00
兵士「報告します。反乱軍<バンデッド>は、大河の手前に集結しております」

将軍「みろ。小娘め。河をまたいで布陣しておる。戦も知らないお嬢ちゃんだ」

女副官(妙だわ。無能な指揮官こそかえってあんな行動はしにくいもの。それにこの戦法、どこかで読んだような・・・)

将軍「総攻撃だ。小娘を輪姦して凌遅刑にかけるぞ!」

女副官「お待ちください。わが軍も後詰に一個軍団ほど陣地に残すべきです」

将軍「・・てめえ俺にいちいちたてつくやつだなぁ」

将軍「いい加減にしねえと、中央には謀反と報告したうえでなぶり[ピーーー]ぞ、腐れ×××が」


兵士「ひゃはあああああああああああああああ、[ピーーー]ええええええええ!!」

盗賊「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

兵士「こいつら弱いですぜ、烏合の衆ですわ。もうにげやがった」

兵士「やつらは河を背にしている。袋のネズミにして皆殺しだ」

兵士「あれ・・?」

兵士「ちょっとしつこくない?」

兵士「ちょwwwwwwwwwwなにこのしぶとさ」

兵士「将軍、逃げ道がなくなったらこいつら強くなりましたぜ」

女副官「異国の話で聞いたことがあります。これは背水の陣では?」

将軍「くそ、一時撤退だ」

ゴゴゴゴゴ

兵士「なんの音だ?」

女副官「これは・・やつら、河の流れを変えたんだわ!」

女副官「おそらく、上流でせき止めたな!我々は地理に不案内、敵は道案内にことかかない。はかられた、上流で決壊させた!」

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/21(木) 22:26:16.50 ID:tpmtwzp00
お嬢「少年の作戦通りネ」

少年「これもお嬢様のご采配です」

お嬢「さすが神官学校で読書してただけあるわ。あんたを拾った父上の目に狂いはなかった」

お嬢「かっこ、よかったわよ♪」

少年「//////」

盗賊「敵の将軍と副官を捕えました」

将軍「わ、わしは悪い皇帝に命令されただけなんだ。あんただって悪いようにするつもりはなかった・・」

お嬢「・・・」

女副官「負けたのは私の未熟だ。陛下に申し訳ない」

お嬢「命乞いしないの?この豚みたいに」

女副官「なぶるな」

お嬢「うふふ・・」

盗賊(あーあ、お嬢サドっけ出したな・・)

お嬢「命乞いすれば、一人だけ助けてあげるけど?」

将軍「お、俺をたすけてくれえええええええ!!」

女副官「帝国軍人はいさぎよいのよ。とっとと殺しなさい!」

お嬢「そう。残念・・」ザシュ

将軍「ぐあああああああああああああああああああああああ!!」

お嬢「地獄で自分が殺した人たちに土下座して来い、豚野郎」

将軍「そ、そんなあ・・」グフッ

女副官「・・・」

お嬢「あんた、なかなか潔いのね。気に入ったわ。殺さないで上げる」

女副官「・・お前、ただの盗賊のあばずれではないな。まばゆいオーラがある。何者なのか?」

少年「とらわれた貴族の少年を保護しました」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/21(木) 22:33:00.40 ID:tpmtwzp00
お嬢「ひどい怪我・・」

少年「さっきの豚に拷問されたみたいですね」

従者「姫さまああ!」

従者「首領!私が河の地形を案内したからです。姫様を手当てしてください!!」

お嬢「分かったわ・・」

お嬢「・・て、姫様?旧王国の貴族の美少年でわ・・・?」

従者「姫様は敵に凌辱されないため、男装していたのです!」

お嬢「・・・」

お嬢「・・ま、手当してやれ」ショボーン

貴族の少女「う・・・」

貴族の少女「お前は・・俺はどうして?」

お嬢「あー、もー寝てなさい」ガッカリ

貴族の少女「お前は・・何者なんだ」

お嬢「ちょ・・私そっちのケはないのよ!つかまないで!脱がさないで!」

貴族の少女「その痣は・・王家に連なるものの証」

一同「「えっ!?」」


傷顔の騎士「・・豚野郎め。死んだか」

傷顔の騎士「だが奴らも無傷ではない。今こそあの女を始末するとき」

傷顔の騎士「まっていろ・・・」


(つづく)
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 23:09:49.50 ID:+GMcqouto
おつ
33 :作者 ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/10(土) 21:27:48.82 ID:50IlwsF+0
内容:感想すくなくてショボーンってなって放置してたが、ネタが思いついたんで投下。
今度は地の文つきで枝分かれした話。
オリジナルキャラの萌え萌えはうまくできないので18禁鬼畜凌辱リョナみたいにしようと思うけどいいよね?
とりあえず冒頭。 つか、読んでくれてる人いるかなあ・・。
コメントないとモチベーション上がらないけど、つまんなくてマジすまんorz
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/10(土) 21:28:58.77 ID:50IlwsF+0
「ちょ、ちょっとこんなとこでやめてよ!」

 少女が恥ずかしげな声で慌てて叫んだ。後ろから少年に抱きつかれている。

「やだよ、お前の髪の毛すごく良い匂いなんだもん」

少年は少女の華奢な体を抱きしめたまま金髪の頭髪に顔を埋めている。

「ちょっと、リースったら!」

「ねえねえ、シルウィスお姉ちゃん、何してるの?」

「!」

子供に見上げられて、慌ててふりほどいた。まだ村の神学校に入る前の子供たちは二人がじゃれている意味がよく分からないで、つぶらな瞳で
つぎつぎ問い詰める。シルウィスは赤面して声が出ない。

「こいつの頭に白髪が生えていたから抜いてやったんだよ」

リースと呼ばれた少年がぬけぬけ答える。

「なんですって!私はまだ十四になったばかりよ、白髪なんて生えるわけないでしょ!」

少女にしては意外に丈夫な腕を振り回すと、子供たちが囃したてた。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/10(土) 21:30:16.02 ID:50IlwsF+0
しばらくしてまだ拗ねているシルウィスをリースがなだめる。

「なあ、そんなことより、お前も明日で神学校卒業だろ」

「だったら何?」

「大人になったと見なされた村の娘は、領主さまに選抜され、館に入れられる。帝国との前線に看護婦として投入されることもある」

「……」

シルウィスの整った顔が陰った。この村は帝国との国境近くにあり、ただでさえ危険が多い。その上領主に徴発された娘で無事に帰ってくるものはいないと言われていた。シルウィスほど可憐な少女ならまずもって領主の目に留まる。

「なあ、今夜、うちの納屋に来いよ」

その言葉にシルウィスの胸は弾かれたように高鳴った。

日も落ちたころ自分の部屋で深夜遅くなるのを待つ。自分の部屋といっても、粗末な土壁を煉瓦で区切って、床に藁を敷いただけだ。農民の家などみな同じようなもの。少女はぼろをまとって藁にねっ転がっていた。若い体はそれだけでどんな化粧よりも美しい。少女は野に咲くアザミのような美しさがあった。両親が寝静まるのを見計らって抜け出そうと決めている。胸がせつない。
ところが、その父は世もふけたころ松明を片手にでかけ支度を始めた。

「お父さん、どうしたの?」

「村長の家に呼ばれている」

「リースの家に?」

この村で一番大きな(それでもあばら家だが)屋敷を思い浮かべる。

「この近くで戦があったらしい。王国軍の将校が村長宅にいるそうだ」

抜け出す機会を失ったシルウィスはうとうとするうち、つい眠りこけてしまった。どれだけ眠っていただろう。悲鳴と家々が焼かれる轟音で目を覚ました。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/10(土) 21:32:02.60 ID:50IlwsF+0
「うーん、何が起きているの?」

居間に出る。母親がいるはず。いた。腹に剣が突きたちはらわたを溢れさせていた。

「! おかあさんっ」

返事はなかった。既に絶命しているのだ。

吐き気がした。何が起きているか。分からないなりに本能的に外に出た。反吐を吐いた。

村は業火に包まれていた。松明と火矢に放火され、窯のように燃えている。自分の家も同じだった。出た瞬間土壁が崩れて家は火に包まれた。

村の通りには矢が突き刺さった死体が無数に転がっている。みな顔見知りだった。近所のおじさん、おばさん。みな苦悶の顔でこときれていた。燃える家から逃れて果てたのだろう。焼死体も転がっている。
小さい人型は今日リースに抱きしめられていた時まわりにいた子供たちだった。黒こげたそのさまは死体というより人の形をした消し炭だったが、生々しく残った顔の目鼻立ちがさっきまで人間であったことを示している。


混乱した頭でまず行ったのは恋人の元に駆けるところだった。物陰に隠れ鎧を着込んだ兵士をやり過ごす。奇跡的に無事に村長宅についたが、そこもやはり燃やされていた。

「お父さん!」

父がいた。腹に深々と矢が突き立っている。父は娘に抱き起こされると、血とともに呻いた。

「村が、帝国軍に襲われている、逃げろ……」

「しっかりして!」

「母さんはどうした……?」

シルウィスは黙って首を振った。両目には涙があふれている。父は弱弱しく息を吐いて、

「お前だけでも、はやく……」

轟音とともに村長宅が焼き崩れた。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/09/10(土) 21:34:12.48 ID:50IlwsF+0
それからどう逃げたか覚えていない。気がつくと村はずれの森の中で寝ていた。手には帝国軍のものらしい弓があった。どうやって斬りぬけてきたかは記憶がない。

本来ここで終わるはずのシルウィスの生命がしばらく続いたのにはいくらか理由がある。
一つには、帝国と王国は慢性的な戦争状態にあり、国境付近では戦災孤児がうろついていた。
シルウィスのような境遇の孤児は掃いて捨てるほどいる。それらを捕まえて奴隷として売り買いする人買いや徴発して戦時の捨て駒にする民間業者はちまたに跋扈していた。
身寄りのない子供が運と執念で生き抜ける可能性はある環境だった。
二つにシルウィスには弓の心得があった。
猟師であった父に従い子供のころから狩りにでていたシルウィスは、細腕ながら弓の扱いと獲物を射抜く正確さには熟練している。
帝国王国両者の小競り合いに参加してわずかばかりの金貨を手にできたことがいくらが彼女の生命を長らえさせた。

それから二年が経ち、王国は完全に帝国に滅ぼされてしまった。
シルウィスは十六になっていた。かつてのか弱い優しさは消え、目には荒んだ光があった。
傭兵が着込むレザーアーマーを纏い、腰には短刀を差し、樫の木と獣の骨を組み合わせた短めの複合弓を常に手放さなかった。
あれから村を襲った連中について戦場で情報をあつめ突きとめた。
あの時の軍勢は帝国第十五軍団で、付近に逃げ込んだ王国軍の敗残兵を駆り立てているとき、村が王国兵を匿ったとの理由で焼き討ちにしたらしい。
村にはほとんど生き残りがいなかったが、わずかな証言によると、リースと家族は帝国軍の本営まで連行されて処刑されたそうだ。

今シルウィスは王国の旧首都だった辺境首邑にいる。辺境首邑には王国の滅亡、戦争終結で職にあぶれた傭兵がたむろしている。
ここでは今、辺境を荒らしまわっている女首領率いる反乱軍の噂でもちきりだったが、シルウィスが求めていたのはそんな情報ではない。
新総督とともに第十五軍団が辺境首邑に入城してくるというのである。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/10(土) 21:35:17.62 ID:50IlwsF+0
続く
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/10(土) 22:49:48.17 ID:WaxDwShVo
リース様ありがとうございます!うまかったです!!
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/09/11(日) 18:41:38.86 ID:JJfdMkzAO
なんか水滸伝みたいな話になってきたな
続き読みたい
出来れば幸せな終わり方が良いけど…
41 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:43:59.40 ID:x6MtB0mM0
続きです。一挙二話掲載です(^−^)
42 :見知らぬ少年 ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:45:48.21 ID:x6MtB0mM0
辺りが暗くなってきた折、裏の辻から悲鳴が聞こえた。ただでさえ治安の悪いこの都市の繁華街、

少しくらがったところでは平然と追い剥ぎや婦女暴行が行われていた。どうも子供を複数の男が襲っているらしい

くだらない。

自分の身も守れないなら生きる価値はない。第一今の世でこの手のをいちいち助けていたらきりがない。

そう思って捨て置こうとしたが、できなかった。酒場で噂話を仕入れ、村を焼き打ちした連中のことを耳に挟んだばかりだった。いらついてしょうがなかったのだ。


「そこまでよ、やめなさい」

……なんて、ヒーロー物のお芝居かなにかのような気のきいたセリフは言わない。無言で背後から矢を射た。

後ろを向いたままのごろつきの首に矢が刺さり、倒れた。そのころには二の矢が放たれている。皆殺しを決意していた。

全部で五人の男たちがようやく反応できるころには、全員致命傷を負って倒れていた。ランプの明りを手に物陰から出てきて、ゆっくり近づく。

十五、六の亜麻色の髪をした少年だった。奴隷のように髪を短めに切り上げ、安めの服を着ているのはこういう厄介を避けるためだろうが、あまり効果なかったようだ。

とっとと逃げないところをみると、恐怖で動けないらしい。


「とっとと行きなさい」

そう言おうとして、先手を取られた。

「大した腕だね。総督を暗[ピーーー]るには十分だよ」

少年は笑っていた。

「あんた、何者?」

シルウィスはにこりともせず問い詰める。内心の動揺を露わにするようなマネはしない。

「もし俺を見捨ててすぎるようだったらそこまでと思うことにしてた。この暗がりで正確に急所を射抜いた弓の腕も申し分ない。俺が雇ってやるよ」
43 :見知らぬ少年 ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:47:23.98 ID:x6MtB0mM0
とりあえず少年を自分の宿に連れて帰る。少年はセネと名乗った。

「どこで私のことを嗅ぎつけたの?」

「それはまだ内緒だよ。ただ俺も帝国には恨みがある。仕事をしてくれるなら残金もはずむよ」

セネはずっしり金貨の詰まった革袋を手渡した。

「新総督が辺境首邑に入城する時日も把握、狙撃するポイントも選定してある」

「そこまで分かっているなら、なぜわざわざ私に頼むの?」

「かえって流れの傭兵に依頼する方が足がつかない」

「信用しろと?」

じっと一人称が俺の子供をみつめる。粗末な格好をしているようで、肌艶も綺麗だし、髪や爪先も小奇麗にしていた。

快活な表情は余計に少年を凛々しく見せている。こんな喋り方だがひょっとすると身分のある子なのかもしれない。

滅ぼされた王国の生き残りなら自分に総督暗殺を依頼するのも頷ける。


「俺が帝国のスパイなら姉ちゃん一人ハメるのにこんな大掛かりなことしないよ。とっととしょっぴけばいいだろ?」

セネの顔にはどこかリースを想わせるものがあった。今生きていたらこんな感じだろうか。

「いいわ。引き受けましょう」

まだセネという子供を信じたわけではないが、この仕事は願ってもないものだった。


旧王国領の総督に任じられたマクセンティウス子爵は、元は悪名高い第十五軍団の軍団長であった。

第十五軍団は慢性的に周囲と戦争状態にある帝国が、犯罪者、無頼の徒、敵の捕虜、投降した異民族を中心に組織した兵団で、帝国軍の中でも嫌われぬいている。

マクセンテイウスは高級軍人でありながら未成年の少女暴行で軍をいったん逐われ刑務所に入っていた男で、第十五軍団の指揮を任されると勇躍各地で残虐行為を働いた。

抜け目なく戦功は立てて今新総督に抜擢され、元の軍団は秘書官の一人に譲ったという。

この第十五軍団がシルウィスの村を焼き討ちにした下手人なのだとは調べが突いている。

44 :見知らぬ少年 ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:48:54.47 ID:x6MtB0mM0
小雨の中、薄暗い通りを人馬の列が通過する。新総督の入場はセネの情報通りの時間にひっそり行われていた。

伴まわりの人数もさほど多くない。占領地の治安を考え隠密裏に政庁まで入るつもりなのだ。


シルウィスはその行列を見下ろす位置にいた。今は廃屋となっている貴族の屋敷の屋上である。人間が建てたものとはいえないほど、高かった。

方形で見たこともない素材の石と鉄の骨組みで四角に立っている。もと王国首都のここは古代の遺跡が多い。

この屋敷も今は失われた技術で立てられた遺跡をそのまま利用していたのだ。五階建てのそこからは一行の姿がかろうじて肉眼でとどく限界を通過している。

マクセンティウスは黄金づくりの甲冑を着込むことで有名である。薄暗い視界にも金色の鈍い照り返しは目立つ。


「なあ、姉ちゃんよー、ほんとにこんな遠くからでいいのか?」

セネが焦れたように呟く。確かに弓の届くぎりぎりの距離だ。

「問題ないわ」

無駄な言葉は必要でなかった。今標的を射抜くことだけに精神を集中している。村を焼き払った外道、恋人を奪った鬼畜。

そんな憎悪すら、今は度外にあった。その憎悪だけが今まで彼女が生き延びることができた源なのだが。
45 :あなたは、なぜ…… ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:51:17.38 ID:x6MtB0mM0
矢をつがえた。万一にも外せない。だがセネの心配もよそにあっさりなくらい無心で矢を放った。

蒼穹に風を切る音がした。放物線を描いて吸いこまれるように飛んで行った矢が見えなくなると同時に馬上の黄金鎧がよろめいた。落馬したのだ。


「すげえ……」

セネが嘆息する。はるか異国製の遠眼鏡で見たが、矢は鎧の面の隙間から目に突き立っている。脳まで一撃だ。即死は間違いない。万一即死でなくても矢尻にはトリカブトの毒が塗りこんであった。

「さ、いきましょ」


宿の部屋に戻るとセネと祝杯をあげる。シルウィスはおもむろに切り出した。さりげない口調で。

「これで、計画どおりなのかしら、セネ君、いや、お姫様?」

セネの顔色が変わった。

「傭兵時代、噂を聞いたことがある。王国の血筋に連なる女性は体に独特の痣がある。ベタな俺っ娘はいいとして、私の前で居眠りしたのはうかつだったわね。あて身を入れたんだから仕方ないか。私のことは王国軍の資料で調べたの?」

「……バレたらしょうがない。で、どうする?俺を脅すか、口止め料を要求するか、帝国に売り渡すか?」

「さあ、どうしようかし……」

そのとき階下で騒ぎ声がした。
46 :あなたは、なぜ…… ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:52:39.41 ID:x6MtB0mM0
「御用改めだ。神妙にしろ!」

慌てて階下を覗く。鎧を着込んだ無数の兵士が宿を取り巻いていた。

「俺を売ったな!」

セネが飛びかかってきた。暴れる少女を組みふせて弁解する。

「違う!これは私じゃないわ……」

そうこうするうちに兵士が踏み込んできた。

「傭兵シルウィス、それと旧王国第二王女セネ殿下、総督閣下の御命令により召し取る」

「総督ですって、奴は死んだはずじゃ……」

考える暇もなかった。槍の穂先で頭を殴打されたシルウィスは気絶した。


「オラ、起きろ!」

頬を連打するビンタでシルウィスは目覚めた。据えた匂いのする石壁の部屋に鎖で吊るされていた。目の前には出っ歯に血走った眼の下品な顔の男がいた。
取調官、或いは刑吏らしい。腰には拷問目的でつかわれる様々の器具を革袋に入れて下げていた。

「このメスブタが、ひいひい言わせてやるからよ。そのうちお前は自分から殺してと泣きじゃくるぜ」

「……総督はどうした?私が殺したはずじゃ」

男が力任せに鳩尾に膝蹴りを入れた。

「ぐはぁ!」

「誰が質問を許可した!調子に乗ってんじゃねえ!」



「あれは影武者だよ。大した弓の腕前だったのに、残念だったね、シルウィス」


47 :あなたは、なぜ…… ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:53:46.32 ID:x6MtB0mM0
おもむろに現れた男に、シルウィスは自分の目と耳を疑った。


「りぃ……ス?」

にこやかにほほ笑むその顔に間違えるはずがない。二年前に死んだリースはあの頃と変わらない姿で佇んでいた。

「どう、して……?」

「あはは、鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔して、男にだまされやすい相変わらずなんだね。じゃ、昔語りをしよう」


村が全滅したあの日の夜村長である父のもとに王国軍の軍使がつめかけていた。付近の会戦で惨敗し、壊滅状態の王国軍敗残兵を村に匿うようにというのである。

父は国王様の仕官のご命令とばかりに了承したが、リースは冗談じゃないと思った。そんなことをすれば村が巻き添えをくらうのは目に見えている。

領主から見返りが貰える見込みもない。しかしいくら諌めても父は聞き入れない。

いっそのこと敗残兵の隠れ場所を帝国軍に通報するというアイデアが脳裏に閃いた。
48 :あなたは、なぜ…… ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:55:29.64 ID:x6MtB0mM0
「それから親父にも内緒で馬を駆って第十五軍団の陣地までかけつけた。マクセンティウスさまは話の分かるお方で、すぐに俺一人の助命と帝国での立身を約束してくれたよ。
あとのことは知ってのとおりだね。村は焼かれ、俺は軍団の作戦秘書として、別の戦線に赴き、今こうして凱旋してきた」


シルウィスはぶるぶる震えている。

「お前が生きていたとは意外だったけど、ま、何にせよ生きててよかったじゃん。
お前の親父とおふくろには悪いことしたな〜ってちょびっと思うけど。メンゴメンゴ」

「許せない……」

青白い唇から掠れた声で呟いた。涙で濡れた眼はすさまじい光を放っている。

「殺してやる……殺してやるわ……」

「あらあら、傭兵ぐらしですっかり荒んじゃって。その様子じゃ、もう処女じゃねーんだろ?」

「あう!」

シルウィスの半裸の乳房を無造作に掴む。

「でも、もったいなかったよな。あの時ヤレなかったのだけが気がかりで(笑)」

「うう、殺してやる、殺してやる……っ!!リィィス、殺してやるから、うわああああああああああああああああっ」

リースは興味無げにシルウィスを突き飛ばすと、傍らの醜漢に言いつけて行った。

「拷問官、こいつは王国王女とつるんでいた。仮に何も知らなくても総督様暗殺未遂の重大犯だ。念入りに『壊せ』」

「へえ」

シルウィスの泣き叫ぶ声が牢内に響いた。
49 : ◆tt4XjKq/KE [sage]:2011/09/11(日) 23:59:04.09 ID:x6MtB0mM0
この後鬼畜凌辱(予定)です(^^;
あまり露骨な十八禁描写は入れないつもりですが、グロいのは逝くかも

>>39-40
コメントありがとーございます!
確かに水滸伝みたいな形式になってきましたね。今後は枝の話と本筋を絡めていくつもりです。
要望にはできるだけ何らかの形で答えるようにしたいです。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/12(月) 22:53:29.40 ID:Sr+6gE05o
  ∧_∧
 ( ・∀・) ドキドキ
 ( ∪ ∪
 と__)__)
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 16:32:04.05 ID:r3fW4PKwo
  ∧_∧
 ( -∀-) zzz...
 ( ∪ ∪
 と__)__)
52 : ◆tt4XjKq/KE [saga]:2011/09/25(日) 22:43:54.08 ID:hqB2ggQN0
拷問の目的は一応王国王女はじめ暗殺の背後関係について吐かせることだ。

が、それは一割未満のたてまえで、実際の半分は帝国に逆らったものの見せしめ、半分は拷問官の個人的シュミだった。

とりあえず、シルウィスの体で「遊ぶ」ためすぐ死ぬ恐れのある、四肢を回復不能に損傷する拷問や、反応がつまらなくなる眼玉などの感覚器官を潰す拷問は、しばらくは避けるとの拷問官の謂いだった。

あまりありがたくもないはずだが、シルウィスは毎日四六時中泣きじゃくっている。無論感謝しているわけではないが。


「ぎゃああああああああああああああああああっ!!ぐぎゃああああああああああああああああっ!!」

鞭が風を切る音がするたび、シルウィスの白く透き通った裸体に赤い細身の傷を刻む。

鞭といえば拷問の中でも比較的生ぬるいもののように思われがちだが、実際は違う。

肌が張り裂けるときの苦痛は耐えがたく、死亡する例も少なくない。連日鞭うたれシルウィスは獣じみた声で絶叫している。


「よしよし、嬢ちゃんよく耐えた。いま、気持ち良くなるおくすり塗りこんでやるからな」

拷問官は二時間ぶりに鞭を置くと、気絶寸前のシルウィスの肌の裂け目に丹念に塩を刷り込んでやる。


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!うげえええええええええええええええっ!!」

「うんうん、気持ちいいんだな。もっともっと叫んでいいぞ」

シルウィスは全身を緊縛する鎖をちぎらんばかりに暴れるが、拷問官は反応を見て一番効き目の高い傷を念入りに刺激する。

全身高熱を帯びている。次に棒きれで滅多打ちにしだした。

臓腑が悶絶しているシルウィスは苦しそうだ。痙攣している。意識はもううつろだ。

わずかな休憩を挟んで一日に二十時間拷問メニューをぶっつづけにこなすと、

体力が持つよう生ごみのようなスープをむりやり喉にながして、シルウィスを牢獄にぶち込んだ。

日課の反復が五日するころにはシルウィスはボロ雑巾のようになっていた。

二十日たつころには、拷問官は拷問を中止して看病にいそしんだ。
53 :ちょっとリョナってるので注意 ◆tt4XjKq/KE [saga]:2011/09/25(日) 22:46:36.38 ID:hqB2ggQN0
「初めのうちは、お前さんの体を弄びたいという番兵がつめかけてきたものさ。
なにせ、随分かわいい顔して、良い体もしてるもんな。でも全部追い返した。なぜか分かるか?」

熱が引いて再開の喜びに小躍りする拷問官は、とくとくと説く。女を肉欲の対象にするのは犬畜生と変わらない行為だ。

嗜虐にこそ真の愛は宿る。嗜虐こそ愛のもっとも美しく至高のものだのだ。そう拷問官は力説した。

もっとも白目をむきかけているシルウィスが拷問官のありがたいご高説を拝聴しているかは疑問だったが。

シルウィスはすっ裸にされ椅子に縛り付けられている。大腿ははしたなく開かれ、女性器が露出していた。

元彼の言とは異なり、肉芽も襞も未発達なそれは彼女の未通を示している。

乞食同然の少女傭兵を通してきた彼女が守り通した最後の誇りだった。


「お前を誰にも凌辱できない不可侵の女に変えてやる」

拷問官の手にある短めの棒きれはギザギザの刃物を埋め込んであり、挿入することで膣内をズタズタに切り裂くようになっている。

それを中でさらにかき回すこともできる。拷問官は勢いよく手の中で刃を回転して見せた。

「いや……」

いま初めてシルウィスはすすり泣いている。今まで絶叫しても意地で見せなかった涙をとうとう流していた。

「いや、やめてよ、もう……いやだぁ、誰かぁ……」

少女のすすり泣く声が薄暗い拷問部屋にこもった。カビの生えた石壁は重厚な沈黙を以て少女のすすり泣きを吸いこんでいる。

かつて供されてきた犠牲者の苦悶と血と同様に。そう、彼女は、シルウィスはまだ十六そこそこだった。子供、それも女の子というべき身分だった。

境遇が荒んだ生活を強いていなければ今も故郷の村で平穏な生活をしているはずなのだ。

張りつめた精神は圧倒的な暴力の前に糸切れた。そして一人の少女に戻っていた。


「なんで、あたしばっかり、こんな……もういや……助けて……お父さん、お母さん、ウウッ」
54 :ちょっとリョナってるので注意 ◆tt4XjKq/KE [saga]:2011/09/25(日) 22:48:23.19 ID:hqB2ggQN0
連日の拷問と救いようのない絶望を前に人格を砕かれた女戦士をあやす様に拷問官は告げる。

「心配するな。お前を見捨てやしない。まだまだ可愛がってやる。
リースさまからあと二年は死なないようにして玩具にしていいと命令があった。
目玉えぐって、耳の中に溶かした金属流しこんで、手足斬り落として、乳房もいで、
頭皮を剥いで、歯を全部抜いて、顔を焼き潰して、皮を背中から剥がして、それから……」

後半は聞いていなかったが、初めの方の一語には反応した。


リ ー ス


その言葉を聞いて、苦痛によって屈服していた彼女の精神に剛性が呼び起こされた。

憎悪の炎が胸を充満して砕けた精神を鑄がため直す。

「……やりなさいよ」

「あ?」

突然の強い語勢に拷問官がきょとんと顔をあげる。声は震えていたが力があった。

「たとえ……手足を切り落とされようと、あたしは負けない……あいつを殺す」

「そこまでにしとけ」

甲冑を着込んだ総督府の兵士が窮屈そうに拷問牢獄に入り込んできた。拷問官は慌てて平伏する。

「マクセンティウス総督閣下の御命令だ。そのガキを直接『尋問』されたいんだと。アソコを使い物にならなくするのはまだやめとけ」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/25(日) 22:51:55.26 ID:hqB2ggQN0
というわけでぬるめのリョナでした。
続きます
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/02(日) 21:18:11.88 ID:otNn/M9jo
更新きてたー!
乙乙
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/03(木) 23:35:45.73 ID:fOAJHvfDo
  ∧_∧
 ( -∀-) zzz...
 ( ∪ ∪
 と__)__)
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/19(月) 22:27:02.18 ID:tyztXh/Bo
ワロス閣下はまだか
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