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一方「テメェの幻想はそンなもンか、垣根ェ!!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :ッエーイ :2011/06/14(火) 01:35:49.47 ID:22ka1N6/0
 とある魔術の禁書目録のssです。
 時系列は新訳とある(ryの直後で、シリアスあり、コメディありにしようと思っています。設定は原作準拠。
 初めての投下なので、超ローペースな上、細かいミスを量産すると思うが、是非暖かい目で見守ってほしい。
 それでは、エピローグその1を投下

「新入生」の一件の後、一方通行は情報収集に協力させた番外個体とともに帰路に着いていた。
 缶コーヒーを左手に握り、右手で杖を突きながら、一方通行は夕暮れに染まる学園都市を歩いて行く。
 もう秋も終わりかけという時期に特有の冷たく凍えるような、それでいてどこか心地よい涼しさを合わせ持つ風にその赤い目を細めつつ、彼は小さく呟いた。

一方「・・・魔術ねェ」

番外「ん、何か言った?」

一方「何でもねェよ」

一方「(バードウェイの野郎、偶像崇拝だの天使の力(テレズマ)だのよくわかンねェ知識をいいだけブチ込みやがって・・・。俺だから大体理解できたが、浜面のバカなンか半分も理解できてねェぞ)」

 
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 :ッエーイ [sage]:2011/06/14(火) 02:16:35.68 ID:22ka1N6/0

番外「何さっきからブツブツ呟いてんのさ。普通に気持ち悪いよ、いつもの事だけどさぎゃは☆」

一方「あァ、そォかい」

番外「・・・むう、何かつれないなぁ」

一方「悪りィなァ、こちとら色々考えなきゃなンねェ事が山積みでよォ・・・って待て、そのレジ袋で何する気だ番外個体」

番外「そりゃあ、あなたにかぶせて昭和の銀行強盗part2になってもらうに決まって・・・」

一方「やっぱりか!!テメェはロクな事考えねェなオイ!!」

番外「エーイ☆」

一方「のわっ」

 呆れたような顔をした一方通行の杖を、番外個体は足払いの要領で蹴り払う。
 バランスを崩した一方通行の頭に、番外個体は素早くレジ袋をかぶせると、昭和の銀行強盗part2に向かって携帯を構え、

番外「はいっポーズ」

一方「オイ!!何やって・・・」

番外う「わぁ、学園都市最強のロリコン強盗って無様だねぇwwwこんな愉快な写真上位個体に見せたら・・・」

一方「ッ、その携帯貸しやがれェ!!」

番外「ほら、お目当ての携帯はこっちだよ」

一方「ちィ、杖ついてる人間に全力疾走させんのかァ!!」

番外「ほらほら送信しちゃうよ」チラッ
一方「番外個体ォ!
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/14(火) 02:27:24.19 ID:22ka1N6/0
 いきなりエピローグな訳ないだろバカかバカなのバカですか俺、プロローグの間違いだろ。
 そしてこれでプロローグその1終わりです。最後の一方のせりふは

「番外個体ォォォォォォォ!」

に脳内変換よろ。そして今日は寝る。支援頼みます。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/14(火) 02:32:47.28 ID:OPJMYSWe0
ここは支援は要らないが、期待してるぜい
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/14(火) 02:52:21.43 ID:22ka1N6/0
スミマセン、支援の意味知ったかでした。誰か親切な人教えて下さい。

>>4 有り難う。その期待に答えられるよう頑張るわ。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/14(火) 04:05:07.11 ID:wMlC8SI2o
VIPでは、一定時間書き込みがないとスレが落ちるんだけど
SSスレの書き手が不在のときに、スレが落ちないように定期的に書き込みすることを支援っていうのよ

SS速報では書き込みがなくてもスレは落ちないから支援はいらないのさ
しかし、何か言いたいけどスレに言及することがないとき人は期待と書き込むのだ
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 06:45:34.84 ID:g2QJKQNDO
シリアスていとくン期待
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 07:50:22.46 ID:GZmuhOMIO
馬場芳郎に期待
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 08:02:31.29 ID:PjzzJ7oDO
それは『保守』のことじゃ……
『支援』はさるよけ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/06/14(火) 14:07:48.97 ID:r4pKXK4K0
期待
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/14(火) 17:28:16.65 ID:22ka1N6/0
 皆色々教えてくれて有り難う。これからも俺がおかしい事言ってたら、遠慮無くツッコミ頼む。
>>8 スマン。その期待には答えられそうにない。原作でそのキャラ廃人化してるし。
 
 今日の夜、プロローグその二ー上条当麻編ーを投下する予定(あくまで予定です)なのでよろしく。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/14(火) 20:28:51.73 ID:DR9mLNt/0
期待
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/15(水) 00:13:01.51 ID:lvgWAJXd0
 こんばんは、プロローグその2を投下しに来ました。
 PCにトラブルが発生したため、PSPから投稿します。書き溜め?何ソレ食えンの?状態なので、投下速度は超遅いです。
 っていうか、敬語かタメ口か統一しろよ俺。

 一方通行が頭にレジ袋をかぶせられたまま激走しているとき、とあるツンツン頭の少年も又、夕暮れの学園都市を全力疾走していた。少し足取りがフラフラしているが、その理由は先程バードウェイに股間を蹴り上げられた事に他ならない。
 吹き付ける向かい風をかき分けて、少年は全力で走る。
 ベツレムの星と呼ばれる天空の大規模要塞で一人の少女(の幻影)と交わした約束を守るため、上条当麻は疲労と股間の痛みを無視して学園都市の一角を走り抜けていた。

上条(・・・遅すぎるよな、俺)

目的地は無論、第七学区の彼の学生寮。久しぶりに見る学園都市の風景に妙な懐かしさを感じながら、上条は苦笑した。

上条(よく考えると、イギリスのクーデターの時からずっと学園都市を離れたんだよなあ。・・・まさか単位取れなくて留年とか・・・hahahaそんなまさか)

 急に不安になる上条だったが、もう遅い。待っているのは補修続きの毎日である。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/15(水) 01:15:07.21 ID:NCyiGO1P0
 第三次世界大戦を拳一つで終わらせた対価として補修地獄にぶち込まれるあたり、彼の不幸体質は健在だ。
 っていうか、不幸過ぎるだろ。
 自らの不幸に心の中で頭を抱えつつも、上条の足は止まらない。
 考え事をしながら走っていたためか、上条はいつのまにか学生寮に着いていた。

上条「・・・」

 何というか、久しぶりの我が家に要らぬ感銘を受ける上条。
 しばらく立ち止まっていた上条は、こうしていられないとそそくさと寮の中に足を踏み入れる。
 ボタンを押してエレベータを呼び出し、上条は心の中で呟いた。

上条(・・・俺はどんな面下げてアイツに会えばいいんだ?
   確かに言うべきことはわかっている。何をすればいいのかもだ。
   でも、あれだけ大口叩いたのに、結局これだけアイツに待たせちまった俺は
   どんな顔してアイツと向き合えばいいんだよ!」

 最後の方は声に出ていた。
 

   
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/15(水) 01:50:24.75 ID:lvgWAJXd0
 拳を握りしめ、歯ぎしりをする上条。しかし、そんな彼に答えを与えてくれる存在などここにはいない。それは目の前のエレベータを登った先にいるだろう。
 そう思って、空を睨みつける上条に、

「そんなこと気にする必要ないんだよ」

誰かが後ろから優しく語りかけるように言った。
 その聞き覚えのありすぎる声に上条が急いで振り返る。

「おかえり」

そこには、少しやつれた顔で、しかしその可愛らしい顔に満面の笑みを浮かべた少女が立っていた。

上条「インデックス・・・」

イン「なに?」

 首を傾げるインデックスに、

上条「ゴメン」

頭を下げた。インデックスが何か言う前に上条は続けて言う。

上条「絶対に帰ってくるって約束したのに、こんなに待たせてゴメン」

イン「確かにちょっと遅すぎるし、さっきまで帰ってきたらすぐに噛みついてやるなんて思っていたけど・・・」

 インデックスは頭を下げたままの上条にまるで祈りを捧げるシスターのように優しく、そしてどこか力のこもった声で言う。

イン「でももういいよそんなの。とうまが無事に帰って来てくれたことがやっぱり嬉しいから」

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/15(水) 02:35:42.33 ID:lvgWAJXd0
 それにシスターさんは一度言ったことは曲げないもんと、微笑みながら呟くインデックスに、
彼女の言葉を深く噛みしめていた上条が口を開く。

上条「それから今まで嘘をついてて・・・」

イン「もういいってそんなこと。とうまはちゃんと無事に帰ってきてくれた。いつものとうまが帰ってきてくれた。だからそれで」

上条「約束だから」

 上条は、自分を許そうとするインデックスの言葉を遮った。
 許しを請うために、上条はここに立っているわけではない。
 あのとき、絶対にここに帰ってきて、目の前の少女に頭を下げると宣言したから、上条はここに立っているのだから。
 だから、上条は言った。
 例えインデックスに押しつける形であっても、言いたいことがあった。

「今までお前を俺は騙し続けてきたんだ。ひどいことをしてきたんだ。本当にゴメン」

 短い言葉だった。
 でも、それで十分だった。

「・・・うん」

 今までの優しい声では無く、少し震える声で少女は呟いた。それで精一杯だった。

 ゆっくりと頭を上げて、上条は言い放った。

上条「ただいま、インデックス」

イン「・・・うん!!

 
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/15(水) 02:47:00.40 ID:lvgWAJXd0
 彼女らしい明るい声で、インデックスは頷いた。

 はい、これでプロローグその2終わりです。上条とインデックスの再会シーンでした。誤字脱字に関しては脳内保管でよろしく。
 なんかIDがおかしくなっていますが、ちゃんと>>1が書いています。
 次は、プロローグその3ー御坂美琴編ーの予定です。次はそれほど長くないです。
 それでは、読んでくれた皆ありがとう!次もよろしく!
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/15(水) 02:48:58.45 ID:lvgWAJXd0
スマン、脳内変換でしたwwwwww
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2011/06/15(水) 03:16:32.26 ID:51/QrG9+0
感動したw 原作でもこんな感じかもw
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/15(水) 15:46:47.14 ID:lvgWAJXd0
 >>1です。 スミマセン、予告間違えました。次は、本編その1です。この次にプロローグその3でした。
 相変わらずPSPでお送りします。
 それでは、本編その1スタート

 イギリスのクーデター以来の再会を果たした上条とインデックスは寮のエレベーターに乗っていた。
 隣でエレベーターの微かなGに身構えるインデックスに、上条は話しかけた。

上条「おい、インデックス」

イン「わあっ!な、なに?とうま」

上条「わあって・・・」

イン「むう、何なのかなその呆れたような視線は」

上条「いや、未だにエレベーターを怖がっている居候シスタさんに一抹の不安を・・・」

イン「むう!怖がってなんかないもん!ちょっと科学ちっくな物に慣れてないだけなんだよ!」

 怒って反論してくるインデックスに、上条は溜め息をつきながら聞いた。

上条「・・・お前、俺がいないあいだどうしてたわけ?」

 どうしてた、というのは、無論、どうやって飯を調達したり、洗濯したりしてたのかということである。

イン「ん?もちろん・・・」

上条(・・・まさか自分で?)

イン「まいかにやってもらってたんだよ!」フフン
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/15(水) 17:31:58.34 ID:lvgWAJXd0
 感想、雑談など遠慮無く書き込んでくれ。なんかスレの空気が寂しい。
 という訳で、投下。

上条「(ですよねー)・・・何でお前が誇らしげなんだよ・・・」

 うなだれる上条を余所に、チーンという間抜けな音と共にエレベーターが開く。
 自分の部屋の前に立つと、上条はぎこちない手つきでドアを開けようとして、

「お帰りー銀髪シスター・・・って、おおお!久しぶりだなー上条当麻ー」

 部屋の中から、土御門舞華が飛び出してきた。珍しくドラム缶型の清掃ロボットに乗っていない。噂をすれば何とやらとはこの事だ。

上条「舞華!?」

「・・・毎度の事だが、俺の義妹を呼び捨てされるのは、やっぱりイラッとくるにゃー」

上条「土御門まで!?」

イン「二人はとうまがいない間、一緒にいてくれたんだよ」

上条「」

 あまりの出来事に、言葉を失う上条。

上条「ありがとな、二人とも」

土御門「これぐらいお安いご用だぜい」

舞華「隣のよしみだぞー」

 ちょっと席外す。続きは夜に。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/15(水) 18:47:28.36 ID:1lJ/b/er0
書きこんでくれとか言って誘い受けしすぎるとよく思われんぞ

ついでに言うと一方さんのニ人称は「オマエ」
タイトルでミスると恥ずかしいから気をつけろよ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/15(水) 20:36:36.79 ID:sQEiWYmz0
期待してる
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/15(水) 23:34:53.78 ID:lvgWAJXd0
 >>8 了解、今後気をつける。
 スレタイに関しては、「テメェ」の方がしっくりくるかなと思ったんだが、原作をさらっと読み流したら、100パー「オマエ」って言ってた。スレタイ回収の時は「オマエ」にするかもしれない。
 
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/16(木) 01:33:30.68 ID:VA27mqof0
 はい、>>8では無く、>>22でしたね、俺アホスww
 そしてスミマセン、異常に眠いので今日は投下できそうにないです。
 続きは明日投下します。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/16(木) 23:28:36.41 ID:VA27mqof0
 >>1です。
 本編その1の続き投下。

上条(なんだよ・・・いつも不幸不幸言っているけど、こんなに俺は幸せじゃねえか・・・ッ)
 
 自分の胸に何か熱い物が流れるのを感じる上条。

上条「・・・」

イン「・・・」

舞華「・・・」

土御門「・・・」

 4人の間にしんみりとした空気が漂う。
 上条は感動と敬意のこもった視線で土御門兄妹を眺めていたが、

上条(・・・ん?)

ふと違和感を覚えた。
 気になったのは、土御門の右手の位置だ。土御門は左手を腰に当て、右手を後ろに回していた。
 それのどこがおかしいのかと聞かれても説明できない。違和感とは、そういうものなのかもしれない。
 しかし、上条は心の中で呟いていた。

上条(何か嫌な予感がする)

 僅かに顔をしかめる上条に土御門は言った。

土御門「それはそうと、上やん」

上条「な、何だよ」

 何故か土御門はニヤニヤしながら上条を見ていた。その状況に、さらに一層嫌な予感が膨らむ。
 そんな上条に、土御門が続けて言った。

土御門「上やんがこんなものを隠していたなんて意外だにゃー」

 そう言いながら、土御門は後ろに回していた右手を前に持ってきた
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/17(金) 00:19:35.87 ID:iahpXqVh0
 

 その右手には、グラマーなお姉さんが悩殺ポーズを決めている写真が表紙の雑誌、俗に言うエロ本があった。


 その瞬間、二人の少女の顔が真っ赤になり、一人の少年の表情が固まった。
 それから一人、いけしゃあしゃあとエロ本をパラパラめくりながら、ほうほう上やんはこういうのが好みなんだにゃーとか好き勝手に言っている金髪アロハ男(学ランver)。
 固まった表情のまま、上条は心の中で呟いた。

上条(・・・なんだ?あれ。上条さんには全く心当たりのないエロ本なんですが・・・って、痛い痛い二人の女の子の視線が痛い!!)

 上条は突き刺さるような視線を避けるように頭を抱えながらさらに心の中で呟いた。

上条(俺はエロ本なんて買ったことがない。インデックスに見つかったら一大事だし、第一上条さんちにはそんなものを買うお金の余裕無いんですよ・・・、そりゃああいう物に興味が有るか無いかで言ったら、青少年である上条さんは有ると答えるしか・・・ってそう言うことではなくッ!) 
 
 心の中でブツブツと呟く上条。
 一方、二人の少女は徐々に我を取り戻しつつあった。
 
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/17(金) 01:21:51.21 ID:iahpXqVh0
 舞華は未だに顔を赤くしながらも、状況を達観することに決めたらしくいつの間にか掃除ロボットの上に乗って、くるくると回っている。
 逆にインデックスの顔はさらに真っ赤になっていた。恥ずかしさからではない。怒りからだ。微妙に全身が震えているのが、この上無く恐ろしい。

イン「・・・とう」

 俯いたまま、妙に低い声で呟き始めるインデックスだが、それは他ならぬ上条の唐突な叫びに遮られた。

上条「分かったぞ!!テメェ!!もしかして謀りやがったな!?このシスコン軍曹!!」

土御門「・・・はぁ?何言ってるんだ?上やん?」

上条「とぼけるんじゃねえ!俺はエロ本なんて買ったことねぇんだよ!だから、その本は・・・」

 一息置いてから、上条は呆気に取られている土御門に、どや顔で叫んだ。

上条「お前のエロ本だっ!!」(キリッ

舞華「未だかつてここまで下らない台詞をここまで格好良く宣言したバカがいただろうかっ!」

イン「・・・」

 硬直する空気。
 それを破ったのはもちろん土御門だ。

土御門「・・・見損なったぜい」

上条「・・・へ?」

土御門「まさか上やんともあろう人間が、人に罪を押しつけろとはにゃー」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/17(金) 01:56:11.15 ID:iahpXqVh0
 「押しつけろ」ではなく、「押しつける」でしたね、スミマセン

上条「・・・はい?」

土御門「上やん、これは本当に上やんの本棚の裏にあったエロ本だぜい。舞華が部屋の掃除をしている時に偶然俺が拾ったんぜよ」

上条「・・・マジで?」

土御門「マジで。それに、俺が買うエロ本は妹萌え系なのは知っての通りですたい・・・って舞華!?そのいつにないギラギラした目は何だにゃー?」

舞華「・・・そういえば最近兄貴の掃除してないよなー」

土御門「部屋!掃除するのは俺の部屋だにゃー!って、待て!そいつに乗ったまま俺の部屋に入るな!アァァッ!俺のコレクションがあァァァァッ!!」

上条「はっはっはっ、ざまあwwwwww」

イン「・・・とうま」

上条「ひいっ!?」

イン「やっぱりあの<えろほん>ってとうまのなんだね」

上条「えっ?ち、違う!断じて違う!」

イン「じゃあ誰のなの?」

上条「・・・」

上条(あのエロ本は確実に俺の部屋にあったらしい。そう言ったときの土御門の顔は真剣だった)

上条(でも、俺はエロ本を買った記憶なんて無い)

 その瞬間、上条の中で何かが引っかかった。

上条(記憶なんて・・・無い)
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/17(金) 02:24:37.29 ID:iahpXqVh0
上条(・・・まさか!)

上条「分かったぞ!インデックス!」ガシッ

イン「ふえっ!?な、なにが?」

 いきなり両肩をつかまれてうろたえるインデックスに上条が力説した。

上条「俺はエロ本を買った覚えなんて無い!!」

イン「う、うん」

上条「でも俺の部屋にはエロ本があったんだよ!!」

イン「ん?」

上条「何故だか分かるか!?」

イン「・・・」


上条「あのエロ本は記憶を無くす前に買ったものだったんだ!」(ドヤッ


イン「買ってるんじゃん!!」

上条「・・・あ、あれ?記憶を無くす前のことだったら許してくれるかなと思ったのに、何故にそんな尖った八重歯を見せつけるのでせうか?インデックスさん?」

イン「もんどうむようなんだよ!!」ガブッ

上条「あぁぁっ!!さっきまで少しいつもより汐らしいと思ってたのにやっぱり噛みつかれるんでせうか!?」

イン「う、うるさいんだよ!!」ガブガブガブ

上条「ぐあああああっ!?やっぱり不幸だあぁぁぁぁぁ!!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/17(金) 02:30:26.70 ID:iahpXqVh0
 今日の投下はここまでです。
 まだ本編その1は続きますよ。
 次の投下は明日の午後三時過ぎぐらいからになりそうです。そのときは、PCでお送りします。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 16:07:04.48 ID:R5UXwnFt0
本日の投下をしに来ました。
 っていうかこれを読んでくれてる人はいるのだろうか?
 ・・・HAHAHA投下します

 上条達が馬鹿みたいなことで騒いでいる一方

一方(クソッ、番外個体のヤロウ、歩行障害者相手に全力疾走しやがって・・・)

一方(・・・あいつを一人にしちまったなァ)

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 16:45:42.99 ID:R5UXwnFt0
 少し番外個体の心配をしながら、一方通行は夜の学園都市を歩くが、

一方(いや、問題ねェな)

一方(アイツを狙うようなクソは俺が壊滅させた)

一方(それにアイツは学園都市の闇を知っている)

一方(アイツも少しは警戒して帰るだろうからなァ)

 カツカツという杖の音が良く響く。
 学園都市の夜はそれほど静かで、冷たいのだ。

一方(・・・天使の力か)

一方(ハッ、よく考えりゃァ俺のあの翼はまるで天使みたいじゃねェか)

一方(・・・チッ、面倒クセェなァ)

 一方通行は急に立ち止まると、歩く方向を急に変えた。
 その先には・・・

一方(中央公園・・・だったかァ?)

一方(あそこは確か、第七学区で最もデケェ公園だ)

一方(そンなデケェ場所なら、「コイツ」を展開させても問題ねェだろ)
 
一方(そンでもって、「コイツ」をあの野郎が言う「天使の力」のシステムと対応させて解析してみりゃァ何か分かるかもしれねェ)

一方(・・・上条の言うには、あの大戦を機に科学と魔術のバランスが急激に崩れ始めちまったらしい)

一方(まもなく、また新たな戦いが始まる)

一方(今度は悪党として血みどろの戦いをするわけじゃねェ)

一方(正真正銘の「誰かを守るための戦い」ってヤツだ)

一方(そのためには、自分の力ぐらいは完璧に掌握してなくてはならない)

一方「・・・あのヒーローと同じ場所に立つためにはこれぐらいしなくちゃならねェンだよ、クソッタレ」

 半ば自分に言い聞かせるように呟く一方通行。
 中央公園のそのまた中心点に立つと、彼は杖を放り投げた。

一方(さてっと、そンじゃまァ始めますかァ)ピッ





 
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 16:59:57.12 ID:R5UXwnFt0
 チョーカーのスイッチを入れ、一方通行は軽く両腕を広げる。

一方(要はあンときと同じだ)

一方(「俺の翼」というパズルを思い浮かべろ)

一方(とりあえず数学で処理する)

一方(・・・・・・)

一方(チッ、やっぱりあン時と同じだ。これみよがしに「ゲート」が設置されてやがる)

一方(通るのに必要なのはパスポートだ)

一方(数学というピースだけじゃァ足りねェ)

一方(「天使の力」っつう新たなピース・・・)

一方(ロシアで解析した「あの法則」を参考に「天使の力」を認めろ)

一方(認めることでそっからパスポートを作り出せ)

一方(・・・完了)

一方「・・・・・・行くぜェ」

 一方通行は一瞬肩の力を抜くと、

一方「おォォォォォォォォォォォォォォォアアアアアアアアアアアアアアァ!!」

 ・・・
 始めた

 席を外す。続きはたぶん夜に。保守ヨロシクな。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/17(金) 19:42:09.16 ID:xmLdDzIw0
待っている
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/06/17(金) 20:59:47.02 ID:MW34xUIX0
ちなみにここでは保守はいらん
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/18(土) 01:38:55.68 ID:YHaZymGQ0
 書き込んでくれた人有り難う。やっぱり励みになる。
 また反感を買いそうなことを言うが、読んでくれている人は何かしら書き込んでほしい。書く原動力になるし、励みになるから。
 三十分後位に投下します
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 02:09:58.08 ID:lnX6DENbo
感想がないのが感想
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/18(土) 03:04:52.69 ID:YHaZymGQ0
 >>38 それは感想じゃない・・・書き込んでくれるだけ有り難いけど
 そんな訳で投下 

 光が現れ、闇が消えた。

 一方通行の背中から生えた翼が、その白い輝きで闇を蹂躙していた。

一方(・・・ハァ、何とか顕現させることに成功したが・・・)

一方(・・・デカすぎる)

一方(こんなにデケェ力を振るっちまったら敵を瞬殺しちまう)

一方(・・・俺はもう悪党じゃねェ)

一方(殺し合いで何でも解決する訳にはいかねェンだ)
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 03:33:49.52 ID:T5UiEnmDO
どうでもいいけど「舞夏」かな
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 04:10:43.27 ID:lnX6DENbo
>>39
感想がある人はクレクレしなくても書くんだよって言えばわかる?

好きなもの書いてその結果感想が来ると思え
感想ほしさに書いてても山陽の二の舞だ
お前前にも似たようなことしてスレ潰しただろ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/18(土) 04:22:59.15 ID:YHaZymGQ0
一方「コイツをいいよォに加工できれば問題ねェンだけどなァ」

???「やろうと思えばできるだろ」

 一方通行の独り言に予期せぬ返答があった。
 その声の主を洞察し、一方通行は僅かに眉をひそめる。

一方「・・・何の用だ、レイヴィニア=バードウェイ」

バード「文句言いに来ただけだよ」

一方「・・・ハァ?」

バード「こんな時間にあんな大声で叫ぶなよ、私の妹が起きちゃったじゃないか」

一方「(・・・昼寝でもさせてたのか)用件はそれだけか」

バード「そのつもりだったよ。まあ、その翼を見て用件が増えたけど」

一方「・・・」

バード「その力は<天使の力>だろ?」

一方(実際にはそれに「限りなく近い」力なンだがなァ)

一方「さっきオマエはコイツを加工できるとか言ってたな。昼に言ってたことと矛盾してンじゃねェか」

バード「確かに天使の力は、人の手で<加工>することはできない」

バード「でも人の手で<調整>する事はできるんだよ」

一方「調整?」

バード「そう。例えば聖人。アイツらは神の子として、莫大な天使の力をその身に宿している」

 
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/06/18(土) 05:11:47.75 ID:YHaZymGQ0
>>38 !?スミマセン本当にスミマセン。脳内変換でお願いします。
>>39 だよね、うん。でも投下しても反応すら無かったら結構悲しいのだよ。

バード「本来、そんなデカすぎる力は器たる聖人を破壊しちまう。アイツ等も人の身であることには変わり無いからな」

一方「・・・成程。そこでオマエの言う<調整>って奴を施すことで、負荷による崩壊を防いでるっつゥ訳だ」

バード「聖人の場合は魔術で<調整>しているけど、その力はお前が直接引き出してきたものなんだろう?」

一方「まァな」

バード「だったら、魔術なんて回りくどいことをしなくても、そいつに直接働きかけることで<調節>できるはずだ」

一方(って言われてもなァ・・・俺はこの力を100%掌握できているわけじゃねェ。それで<調整>っつゥのは無理がねェか?)

 イマイチ「調整」という言葉にピンと来ない一方通行。
 そんな一方通行の心境を見抜いたのかバードウェイが一方通行に背を向けながら言った。

バード「まあ、こういうのは練習あるのみだ」

 それから、バードウェイは懐の中から何かを取り出し、一方通行に投げた。

一方「ポストイット?」






44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/06/18(土) 05:33:05.26 ID:YHaZymGQ0
スマン 前レスで >>38>>40
      >>39>>41でした。

バード「そいつは流される天使の力の量や純度によってある特定の魔術を発動できる霊装だ。っつてもバリエーションは限られているがな」

一方「(・・・何故これを俺に?)」

 挨拶もせずにバードウェイは闇の中に去っていく。
 バードウェイの真意が良く掴めないことに軽く苛立ちながら、一方通行は呆然と立ち尽くすことしかできなかった。

 本日の投下終了。
 次は明日か明後日になる予定です。
 読んでくれた皆有り難う!
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 16:18:02.65 ID:l7k/dQ6l0
面白いよ
上条と一方の絡みも見たいな
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 02:16:37.53 ID:qJs6/FgR0
 >>45 ありがとう。滅茶苦茶嬉しい。
 上条さんと一方通行はもう少しで絡みます。・・・勿論エロくない方向で。

 それから、一方さんがもらった霊装について補足説明。
 この霊装は発動に魔力を必要としない(必要なのは天使の力のみ)ため、一方さんが使っても血ダルマになったりしません。
 一枚一枚に魔法陣が書き込まれており、それを一方さんが自慢の演算力で解析し、流す天使の力を<調整>する事で様々な現象を引き起こすというわけです。

 それから、今回からsaga行進で行きます。レスはsageでお願いしますね。

 今日は、未だに終わらない本編その1の続きを投下します。PSPで投下するため超ローペースですがよろしくお願いします。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 02:59:09.15 ID:qJs6/FgR0
 一方通行が霊装の解析に四苦八苦している一方、

上条「・・・」

土御門「・・・」

 上条と土御門は寮の廊下に正座させられていた。
 誰に何故そんな事をさせられているのかは言わずもがなである。

上条「・・・寒いな」

土御門「もう十一月だからにゃー。いくら東京とはいえ晩秋の夜は相当冷え込むんだぜい。」

上条「そう言ってる割には寒くなさそうだな」

土御門「生きてる世界が世界だからにゃー、寒さや痛みといった感覚には慣れちまったぜい」

上条「・・・」

土御門「それはそうと」

 土御門の声のトーンが低くなる。
 本題はこれからだ。

土御門「正直、帰ってきた上やんを見て、最初俺は腰を抜かした。」

上条「・・・もしかして俺社会的に死んだことになってます?」

土御門「イギリス清教、ローマ正教、ロシア成教の合同捜索隊がお前を探し回ったんだが、生存反応は無かった。だから、お前が生きていると知っているのはごく少数だ」

上条「マジかよ・・・」

土御門「まあ、俺がさっき最大主教に報告したから問題ないけどな」

上条(いつの間に?)

土御門「それで一つ聞きたいことがあるんだが」

上条「なんだよ」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 03:41:47.90 ID:qnq9BqADO
間違いぐらいは気にしないからおK
ただ>>1の言葉と本文を一緒にするなら2、3行できたらあけてほしいかな。

長々とすまない、面白いからまってる
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 03:43:39.89 ID:qJs6/FgR0
土御門「お前はどうやって助かった?」

上条「拾われたんだ」

土御門「魔術師にか?」

上条「あぁ、<明け色の陽差し>だったかな」

土御門「・・・レイヴィニア=バードウェイか」

上条「!知ってるのか?」

土御門「・・・なるほど」ボソッ

 上条の問いかけを無視して土御門は小さく呟いた。
 首を傾げる上条に、土御門は声のトーンをいつもの軽薄な調子に戻して言う。

土御門「そういえば、上やんが死んだっつう物騒な噂が魔術界に流れたせいで、多くの人間が悲しんだんだぜい」

上条「・・・クソッ」

 上条が悔しそうな声を漏らす。
 自分の知り合いが傷つくのが嫌だったから、拳を握り必死になって戦ってきた。
 拙い手で手繰り寄せたギリギリの活路を信じ、前だけを見て戦ってきた。
 それだというのに、上条は知らぬ間に、自分が傷ついて欲しくないと願った人間を悲しませていたのだ。

上条「・・・最悪だな」

土御門「・・・」

 土御門は何も言わない。
 隣で正座しているこの男が、この手の事を自分の手で解決できる強さがあると知っているからこそ、あえて何も言わなかった。
 やがて上条は宣言した。

上条「頭を下げる」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 04:29:33.88 ID:qJs6/FgR0
>>48 了解。そして応援有り難う。やっぱり嬉しい。



土御門「」

 土御門は言葉を失った。
 上条はどれだけの人間が自分の死を悲しんでいるのかなんて露ほども考えていない。
 ただ悲しんでいる人間全員に頭を下げるという覚悟だけがそこにあった。
 理由は簡単。
 
 たとえ途中で失敗したとしても、最終的にはみんなで笑い合えるような、そんな世界を願っているから。

 だから上条は誰かが自分のせいで泣いているという現状を打破するためなら何でもするのだ。
 例えそれがどんな無理難題だったとしても。
 60億人の命を助けるために、たった一人で本物の大天使に立ち向かった時のように。
              親友
 そんな、世界に二人といないバカに土御門は一言だけ贈る。

土御門「無理するなよ、上やん」

上条「・・・あぁ分かってる」

 そう言うと、上条は早速頭を下げた。

土御門「はい?」

上条「ゴメン、お前にも心配かけた」

土御門「・・・上やん」

上条「俺がいない間、インデックスの面倒を見てくれてありがとな」

 そこまで言うと、上条は頭を上げた。

上条(次は・・・美琴かな)
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 05:16:40.13 ID:qJs6/FgR0
 ルビに挑戦してみたのですが、PSPで投下しているのでPCで見たときにちゃんと合っているか分かりません。
 PCで見てくれている人、合っているかどうか教えてくださいね。それでは投下。



              ・・・
上条(ビリビリ・・・そろそろアイツと仲直りできねぇかな)

 そこまで考えると、上条は土御門に言った。

上条「ゴメン土御門。携帯借りていいか?」



 そのころ一方通行は公園で霊装の解析を続けていた。
 ちなみに、あの翼はもうすでに納めている。

一方通行(コイツはほぼ解析できた。後は天使の力を流し込むだけだ)

 一方通行は霊装から一枚剥がし、目の前に掲げた。
 そして、そこに書いてある魔法陣に一気に天使の力を流す。

一方「行くぞオラァ!!」

 精密に量、質、方向、純度など全て計算しつくされた天使の力が霊装に流れた。
 流れた瞬間、ポストイット型の霊装が白く輝いた。一方通行のあの翼のように。
 
一方(・・・おォ)

一方通行が発動したのは、聴覚を強化する術式だった。

一方(いいねェ、これだったら敵襲に気づくのが早くなる)

 自分の成果にまずまずの評価を下す一方通行。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 05:36:15.87 ID:qJs6/FgR0
 
 その次の瞬間、一方通行の携帯電話が鳴り響いた。
 
 今、一方通行の聴力は通常の何倍にもなっている。
 つまり・・・・・・

一方「うるせェェェェェェェェェェェッ!!」

 一方通行の耳に轟音が叩き付けられた。
 一方通行は急いで術式を切ると、携帯に出る。

一方「・・・誰だ」

???「お、俺だけど、何かお前イライラしてる?」

一方「なンだ上条か・・・・・・切るぞ?」

上条「いやいやいや切るなって」

一方「・・・ハァ、で何の用だ」

上条「明日、お前暇か?」



 とてもいいところですが、寝落ちは避けたいので今日はここで失礼します。
 次は本編その1の最後です。明日(6/19)投下するかもしれません。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 06:48:46.67 ID:qnq9BqADO

シリアスつっちーいいね
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 07:33:30.79 ID:jk1XqcsT0

ルビはずれてるね……
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/06/19(日) 10:48:20.38 ID:WZnIaiVv0
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 12:33:24.49 ID:WsivLzOE0

ヒーローに期待してる
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 21:00:59.34 ID:qJs6/FgR0
  応援・感想を書いてくれた皆さん。本当に有り難うございます。
 なんかみなぎってきました。
 できればルビがどうはずれていたのかを教えてください。それを参考に、微調整してみようと思います。
 それから、あの三人のヒーローは後に活躍します。(予定)

 今回はあまり進みません。
 本編その1が終わったら、続きは明日に回す予定です。

 では超ローペース投下を始めさせていただきます。



上条「明日、お前暇か?」

一方「暇だったら何だってンだ」

上条「お前に会わせたい奴がいるんだ」

一方「・・・魔術師か」

上条「違う。でもお前が直接会って、絶対に頭を下げなくちゃいけない奴だ」

一方「ざっと一万人位思いつくンだが」

上条「・・・」

一方「・・・」

上条「・・・御坂美琴」

一方「!!」

上条「色々あって俺は明日アイツに頭を下げに行く。できればお前にも来て欲しい」

一方「・・・」

 承諾も拒否もできなかった。
 一方通行はただひたすら考える。

一方(俺が御坂美琴に頭を下げなくちゃならねェのは当然分かっている)
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 21:18:03.20 ID:qnq9BqADO
「アイツ」に合わせてルビ振ってたのなら全角で2ぐらい左にずれてた
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/19(日) 21:43:09.74 ID:zVezxtIt0
>>1
新約、期待なんだよ。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 21:46:03.45 ID:qJs6/FgR0
一方(その結果拒絶されたとしても構わねェし、そもそも一言謝った程度で許される訳がねェ)

一方(そンな分かりきったことはどォでもいい)

一方(・・・だがよォ、当の御坂美琴がこの俺の顔を見なくちゃなンねェっつう義理はねェじゃねェか)

一方(アイツにとって俺は一万人以上の人間をブッ殺した殺人鬼でしかない)

一方(そンな殺人鬼の顔なンざ見たくねェって思うのが筋だろォが)

 迷い、苦しむ一方通行。
 そんな一方通行の心の動きを感じたのか、上条は励ますように言った。

上条「胸を張れよ、一方通行」

一方「・・・」

上条「お前は今まで誰かを守るために必死になって戦ってきたんじゃねぇのか。誰かを助けたいから、どんなに傷ついても這い上がってきたんじゃねぇのか」

一方「・・・」

上条「俺の知っている御坂は、そんな風に誰かのために戦える奴を、過去の縛られて拒絶したりするような奴じゃない。絶対にだ!」

一方「そォかよ。だが、アイツは俺の顔なンざ見たくねェと思うぞ。それでも俺はアイツに頭を下げていいのか」

上条「いいに決まってる」

 返答には一秒もかからなかった。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 22:33:11.11 ID:qJs6/FgR0
>>58 有り難う。でもそれって傍点のことじゃ・・・



上条「あぁそうさ。確かに御坂はお前の顔なんか見たくないかもしれない」

一方「・・・」

上条「でもそんなの関係ないだろ」

上条「要はお前が頭を下げたいかどうかなんだよ」

上条「もしお前がそう思っているなら、お前は頭を下げたっていいんだ」

一方「いい訳ねェだろ」

上条「・・・」

一方「オマエが言っているのは只の押し付けだ」

上条「だから何だよ。お前が頭を下げたいなら、例え押し付けてでも頭を下げるべきだろうが」

一方「・・・・・・チッ」

上条「・・・もし頭を下げる気があるなら、明日の朝六時半にファミレスjoseph'sに来てくれ」

 そして、通話が切れた。
 一方通行は携帯を閉じながら一人呟く。

一方「<胸を張れよ>・・・か」

 一方通行は霊装をしまい、杖を拾った。
 そして黄泉川の家へ帰ろうと歩きだした瞬間、

???「一方通行!!」

聞きなれた少女の声が聞こえてきた。声のする方向を見ると、一人の幼女が手を振っている。

一方「・・・」

 一方通行はその幼女の元まで歩くと、

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/19(日) 22:47:27.54 ID:EuI2zZBO0
Σすまん
ルビって親友の方かな?
そっちは左に全角3ずれてるけど……
違ったらすまん
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 23:02:04.64 ID:qJs6/FgR0
???「い、痛っ!なんで無言で連続チョップするのってミサカはミサカは前にも有ったこんな展開に不満を訴えてみたり!」

とりあえず連続チョップをしてみた。
 一方通行はチョップの手を緩めつつ(しかし止めはしない)、打ち止めに聞いた。

一方「何でオマエは一人でこンな場所をフラフラしてるワケ?」

打ち止め「あなたを探してたに決まってるじゃんってミサカはミサカはヨミカワの口調をマネしてみるじゃん!ってイタタタタっ!どうしてチョップのスピードが急に速くなったのってミサカはミサカはあなたに涙目で訴えてみる!」

一方「・・・口調の方は置いといて、黄泉川達も俺を探してンのか」

打ち止め「そうだよってミサカはミサカは頷いてみたり。っていうかそろそろチョップを止めて欲しいんだけどってミサカはミサカはさりげなく主張するけどスルーかよ」

 このとき、一方通行は別のことを思っていた。

一方(オリジナルがいたからこそ、このクソガキや番外個体、そしてあの人形どもが生まれてきたンだよなァ)

一方(<例え押し付けてでも頭を下げるべき>・・・か)

一方「・・・クソッタレが」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 23:03:03.95 ID:qJs6/FgR0
???「い、痛っ!なんで無言で連続チョップするのってミサカはミサカは前にも有ったこんな展開に不満を訴えてみたり!」

とりあえず連続チョップをしてみた。
 一方通行はチョップの手を緩めつつ(しかし止めはしない)、打ち止めに聞いた。

一方「何でオマエは一人でこンな場所をフラフラしてるワケ?」

打ち止め「あなたを探してたに決まってるじゃんってミサカはミサカはヨミカワの口調をマネしてみるじゃん!ってイタタタタっ!どうしてチョップのスピードが急に速くなったのってミサカはミサカはあなたに涙目で訴えてみる!」

一方「・・・口調の方は置いといて、黄泉川達も俺を探してンのか」

打ち止め「そうだよってミサカはミサカは頷いてみたり。っていうかそろそろチョップを止めて欲しいんだけどってミサカはミサカはさりげなく主張するけどスルーかよ」

 このとき、一方通行は別のことを思っていた。

一方(オリジナルがいたからこそ、このクソガキや番外個体、そしてあの人形どもが生まれてきたンだよなァ)

一方(<例え押し付けてでも頭を下げるべき>・・・か)

一方「・・・クソッタレが」

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 23:04:13.58 ID:qJs6/FgR0
???「い、痛っ!なんで無言で連続チョップするのってミサカはミサカは前にも有ったこんな展開に不満を訴えてみたり!」

とりあえず連続チョップをしてみた。
 一方通行はチョップの手を緩めつつ(しかし止めはしない)、打ち止めに聞いた。

一方「何でオマエは一人でこンな場所をフラフラしてるワケ?」

打ち止め「あなたを探してたに決まってるじゃんってミサカはミサカはヨミカワの口調をマネしてみるじゃん!ってイタタタタっ!どうしてチョップのスピードが急に速くなったのってミサカはミサカはあなたに涙目で訴えてみる!」

一方「・・・口調の方は置いといて、黄泉川達も俺を探してンのか」

打ち止め「そうだよってミサカはミサカは頷いてみたり。っていうかそろそろチョップを止めて欲しいんだけどってミサカはミサカはさりげなく主張するけどスルーかよ」

 このとき、一方通行は別のことを思っていた。

一方(オリジナルがいたからこそ、このクソガキや番外個体、そしてあの人形どもが生まれてきたンだよなァ)

一方(<例え押し付けてでも頭を下げるべき>・・・か)

一方「・・・クソッタレが」

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 23:05:20.21 ID:qJs6/FgR0
???「い、痛っ!なんで無言で連続チョップするのってミサカはミサカは前にも有ったこんな展開に不満を訴えてみたり!」

とりあえず連続チョップをしてみた。
 一方通行はチョップの手を緩めつつ(しかし止めはしない)、打ち止めに聞いた。

一方「何でオマエは一人でこンな場所をフラフラしてるワケ?」

打ち止め「あなたを探してたに決まってるじゃんってミサカはミサカはヨミカワの口調をマネしてみるじゃん!ってイタタタタっ!どうしてチョップのスピードが急に速くなったのってミサカはミサカはあなたに涙目で訴えてみる!」

一方「・・・口調の方は置いといて、黄泉川達も俺を探してンのか」

打ち止め「そうだよってミサカはミサカは頷いてみたり。っていうかそろそろチョップを止めて欲しいんだけどってミサカはミサカはさりげなく主張するけどスルーかよ」

 このとき、一方通行は別のことを思っていた。

一方(オリジナルがいたからこそ、このクソガキや番外個体、そしてあの人形どもが生まれてきたンだよなァ)

一方(<例え押し付けてでも頭を下げるべき>・・・か)

一方「・・・クソッタレが」

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 23:06:18.60 ID:qJs6/FgR0
???「い、痛っ!なんで無言で連続チョップするのってミサカはミサカは前にも有ったこんな展開に不満を訴えてみたり!」

とりあえず連続チョップをしてみた。
 一方通行はチョップの手を緩めつつ(しかし止めはしない)、打ち止めに聞いた。

一方「何でオマエは一人でこンな場所をフラフラしてるワケ?」

打ち止め「あなたを探してたに決まってるじゃんってミサカはミサカはヨミカワの口調をマネしてみるじゃん!ってイタタタタっ!どうしてチョップのスピードが急に速くなったのってミサカはミサカはあなたに涙目で訴えてみる!」

一方「・・・口調の方は置いといて、黄泉川達も俺を探してンのか」

打ち止め「そうだよってミサカはミサカは頷いてみたり。っていうかそろそろチョップを止めて欲しいんだけどってミサカはミサカはさりげなく主張するけどスルーかよ」

 このとき、一方通行は別のことを思っていた。

一方(オリジナルがいたからこそ、このクソガキや番外個体、そしてあの人形どもが生まれてきたンだよなァ)

一方(<例え押し付けてでも頭を下げるべき>・・・か)

一方「・・・クソッタレが」

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 23:28:05.73 ID:qJs6/FgR0
 ま、まさかの5連投・・・スミマセン。

 >>62 はいそっちです。っていうかどちらもずれていることが問題なので、二つとも教えてくださって逆に感謝しています。



打ち止め「どうしたの?ってミサカはミサカはっ・・・ってやっとチョップ地獄から抜け出せたよわーいってミサカはミサカは解放感のあまりくるくる回ってみたり!」

一方「・・・ハァ、チョロチョロすンな、帰ンぞクソガキ」

 すたすたと歩き去る一方通行と慌ててそれを追いかける打ち止め。
 それは紛れもなく平和な光景だった。



 はい、やっと本編その1が終わりました!次はプロローグその3ー御坂美琴編ーをお送りします。
 次回の投下は明日の予定ですが、あまり進みません。
 ではここらへんで失礼します。読んでくださった皆さんありがとうございました。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/19(日) 23:30:38.43 ID:qJs6/FgR0
 ま、まさかの5連投・・・スミマセン。

 >>62 はいそっちです。っていうかどちらもずれていることが問題なので、二つとも教えてくださって逆に感謝しています。



打ち止め「どうしたの?ってミサカはミサカはっ・・・ってやっとチョップ地獄から抜け出せたよわーいってミサカはミサカは解放感のあまりくるくる回ってみたり!」

一方「・・・ハァ、チョロチョロすンな、帰ンぞクソガキ」

 すたすたと歩き去る一方通行と慌ててそれを追いかける打ち止め。
 それは紛れもなく平和な光景だった。



 はい、やっと本編その1が終わりました!次はプロローグその3ー御坂美琴編ーをお送りします。
 次回の投下は明日の予定ですが、あまり進みません。
 ではここらへんで失礼します。読んでくださった皆さんありがとうございました。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/06/20(月) 01:34:50.51 ID:+bCrN1k70

連投は辛いよな・・・
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 06:25:43.55 ID:ES3gw87DO


次もまってる
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/20(月) 16:11:17.41 ID:TOj46HB00
こんにちは、>>1です。
 応援ありがとうございます。やっぱりみなぎってきました。
 
 ・・・5重投稿の直後に二重投稿・・・本当にスミマセン。
 PSPの通信トラブルによるものなので、これからもこういう事があるかもしれませんが、
 生暖かい目で見守ってもらえればいいなと思います。

 今回は、SSにあるまじき地の文進行です。それでは、投下します。



 一方通行が静かにとある決意を固めた夜から、数時間後。
 常盤台中学女子寮では、一人の少女が早すぎる朝を迎えていた。
 現在時刻朝の4時半。
 いくら世界最高のお嬢様学校とはいえ、こんな時間に起きる生徒はさすがにいない。
 その上、特に早寝早起きの習慣が彼女に有るわけではなかった。
 そもそも昨日寝たのも12時過ぎだ。睡眠時間は3時間程度しかない。
 というか、寮の食事すらとっていなかった。

 それでも彼女にはやらなくてはならないことがあった。

 ベットから降りると少女は、とりあえず朝風呂に入ろうと思って、

(・・・・・・)

 止めた。
 急いでもどうしようもないと分かっているのに、そんなことに時間を割けない、と焦ってしまう。
 
 彼女は一人の少年を捜していた。

 
 
 
 
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/20(月) 16:47:01.00 ID:TOj46HB00
 
 とある実験を拳一つで止めてくれた強い少年

 大覇星祭の罰ゲームでは、嫌そうにしながらも結局付いてきてくれた優しい少年

 ボロボロになりながらも進んでゆく少年を止めようとした少女に、自分の信念を打ち明けてくれた少年

 とある要塞の上で救いの手を差し伸べてあげたにも関わらずそれを断った、馬鹿馬鹿しいほど強すぎる少年
 
 それでいて、普段は不幸に悩まされてゲッソリしているただの少年
 
 上げればキリがないほどのものを少年はくれた。
  
 だからこそ、少女は返したかった。

 返したくて、わざわざ学園都市から離れてまで少年を追いかけたというのに、
 
 

 少女の目の前で、少年は消えてしまった。


 だから、少女は少年を捜していた。
 一日中ずっと、ふらついた足取りで。
 結局顔を洗って歯を磨くだけにした少女は、鏡の前に立ち、自分の姿を見る。

(ひどいわね)

 その端正な顔立ちは、青すぎる顔色で損なわれていた。
 
 適当に身支度をすませ、少女は制服に着替えると、寮の出口に足を向ける。

(・・・ごめんね黒子)

 心の中で、寮の同居人に詫びる。

               ・・・・・・・・・・・
 スカートのポケットの中にあるゲコ太の携帯ストラップの存在を確認すると、少女は足早に寮から出て行った。

 
 
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/20(月) 16:53:18.37 ID:TOj46HB00
 傍点ミスりました。正しくは、「ゲコ太のストラップ」の上に傍点です。
 罰ゲームの時に、二人で取ったゲコ太ストラップの上条が持っていたやつですね。

続きは夜に。
 

 
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/20(月) 16:53:22.42 ID:TOj46HB00
 傍点ミスりました。正しくは、「ゲコ太のストラップ」の上に傍点です。
 罰ゲームの時に、二人で取ったゲコ太ストラップの上条が持っていたやつですね。

続きは夜に。
 

 
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 18:18:52.15 ID:foyOV/1Y0
御坂はなにやってんだか
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 18:49:53.32 ID:orb+tlt/0
だよなぁ
ロシアに来る暇会ったら妹達の面倒みなさい!
めっ!
78 :重複投稿スミマセン [saga]:2011/06/21(火) 00:58:28.79 ID:cRQNluoB0
>>76>>77 ま、まあ美琴なりに譲れないものがあったんですよ。きっと。
 
 今日は昼の続きなので、少な目の投下になります。



 少女が立ち去った後、常盤台中学学生寮の208号室では、取り残された一人の少女がベットのシーツを噛みながら、悔しがっていた。
 
 その少女ー白井黒子は知っていた。

 このところ、自分と相部屋の少女が朝早くに起き、自分に内緒で一日中外で何かをしていること

 そして、少女がその詳細を一切自分に教えるつもりが無いということ

 風紀委員の特権を濫用して調べることもできたかもしれないが、そんなことはできなかった。
 白井は、少女に対してそこまで踏み込めない。
 白井では役不足なのだ。
 そして本人が一番良く分かっていた。

 それでも、白井は少女が一人で傷ついてゆくのを見たくなかった。
 だから、いつか「自分も力になりたい」と申し出ようと思っていた。

 でも、今日もできなかった。
 
白井(・・・無様ですわ)

 怖かったのだ。
 申し出を拒否されて、本当に自分が役不足だと認識するのがこの上なく恐ろしかった。
 
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/21(火) 01:24:23.30 ID:cRQNluoB0
 だから、今日も独りで寮を出てゆく少女を、白井は涙を呑んで見守ることしかできなかった。

白井(・・・お姉様)

白井(誰でもいい)

白井(誰でもいいから、誰か、一刻も早くお姉様に救いの手を・・・ッ)

 白井は自分の頭にとある少年の顔が浮かんだのに嫌悪感を覚えつつも、祈る。

 自分が一生かけても辿り着けないであろう場所に立っている少年に、その場所に立てなかった少女は、只祈ることしかできなかった。


 敬愛する御坂美琴が無事に帰ってきて、また笑い合える日々が来ることを只、祈る。



 はい、これでプロローグ3は終了です。
 次回の投下は明後日、本編その2をできるだけ投下します。
 この先、魔術サイドにオリキャラを登場させる予定です。まだ先の話ですが。
 それでは、今日はこの辺で失礼します。読んで下さった皆さんありがとうございました。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 08:27:06.06 ID:yYA5S8ODO
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 18:52:29.19 ID:S4PrOqwG0
御坂のストーカー並の執着心にあきれた…
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 19:44:13.23 ID:YOIfjxLqo
純愛(笑)なんだよ許してやれりょ
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/22(水) 16:46:02.46 ID:np2tf3Mq0
 >>1です。またの名をッエーイです。

 毎度のことですが、書き込みありがとうございます。励みになります。

 >>81>>82 スマン、俺の書き方が悪かった。
      
      美琴が上条を探している理由は、好意というか、悔しさによるところが大きいと思う。

      何に対する悔しさかは後に本編で出てくる予定なので、それまで待って欲しい。

 それでは本編その2スタート



 御坂美琴が常盤台中学学生寮を出た一時間後、上条当麻はシチューを煮込んでいた。

 舞夏が作り置きしてくれたらしい。

上条(ありがたいなぁ。疲労困憊で帰ってきた翌朝に朝食作るなんて結構辛いからな)

 シチューのクリーミーな香りが上条の鼻をくすぐる。
 
 その香りは、睡眠中の大食いシスターさんを起こすには十分だったらしい。

イン「・・・おはようとうま、この美味しそうな臭いは何?」






 
 
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/22(水) 16:47:28.89 ID:np2tf3Mq0

上条(に、臭いて・・・)
    
上条「おお、おはよう。今日の朝飯はシチューだ!」

イン「シチュー!?とうまがあんなに高度で、恐ろしく複雑な作り方の料理を作れるの!?」

上条「・・・い、いや、そこまで難易度の高い料理だとは思わないが、これは舞夏が作り置きしてくれた奴だ」

イン「そうなんだ。まいかには後でお礼を言わないとね!・・・・・・む、なんか今とうまにそこはかとなく馬鹿にされたような気がするんだけど」

上条「そりゃあ、家庭的スキルゼロのシスターさんにはシチューなんて作れないかもしれないけど」

イン「普通に馬鹿にすればいいってもんじゃないんだよ!!」

上条「う、いやそんなつもりじゃ・・・」

イン「もう!昨日も科学チックなものに慣れてないってだけで馬鹿にしたよね」

上条「え、え?そうだっけ?」

イン「私の完全記憶能力に間違いはないんだよ」

イン「っていうか私だって、少しは科学に慣れたもん!」

上条「・・・へ?」

イン「あっ・・・」

 急に口をつぐんで俯いてしまうインデックス。

 そんなインデックスを見て、上条は昨日の風景の一部分を思い出していた。

上条(そういえば、俺とインデックスが再会したとき、インデックスはマンションの中じゃなくて、外にいた)

上条(・・・・・・・・・)

上条(!まさか、アイツ、俺を捜して町中を歩き回っていたのか!?)

 確証はない。だが、何となくそんな気がした。

上条(こんな科学に埋め尽くされた町を?)

上条(それも、一日や二日のことではないだろうな・・・)

上条「・・・ありがとな。インデックス」

イン「な、何のことなのかな?」

 そっぽを向きながら言うインデックスに上条は笑いながら、鍋に意識を戻すと、

85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/22(水) 16:50:00.59 ID:np2tf3Mq0

上条「ぎゃああああああああああああああああ!!」

イン「なっ、どうしたの?とうま!!」

上条「・・・ごめん、インデックス」

イン「へ?」

上条「・・・」つ鍋

 上条が無言で指さした鍋の中をインデックスが覗く。

イン「具がないんだよ」

上条「・・・」

イン「これはそういうシチューなの?」

上条「・・・いや、あのですね」

イン「うん」

上条「お前と話している間に、具は全部スープの仲間になりましたとさ」

イン「意味がわからないんだよ」

上条「いや、だから、具は全部溶けちゃったんだって・・・・・・ひぃっ!!」

イン「とうまの馬鹿っ」ガブッ

上条「ぎゃあああああああああああ、ってやっぱりこういうオチかよおおおおおおおおおお!!」

イン「ちょっと格好いいこと言ったからって、調子に乗っちゃって!!」ガブガブガブガブガブ!!

上条「やっぱり不幸だああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 学園都市の一角に、不幸少年上条当麻の断末魔が響き渡る。



 続きは夜に投下する予定。ちなみに、昼はPCでお送りしています。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 19:07:59.71 ID:TKc0t/6M0
わかった待っている
87 :毎度のことながら書き込みありがとうございます [saga]:2011/06/23(木) 01:31:21.04 ID:bxxUG8+H0
 こんばんは。ついに恒例のお礼コーナーが名前になってしまった>>1です。

 最近はシリアスばっかだったので、今回はほのぼのまったりパートです。

 見ての通りですが、今日から地の文にも行間を入れることにしてみました。
 見やすい、見づらいなどの意見を書き込んでくれると嬉しいです。

 それでは投下します。平日なのであまり多くは投下できないかもしれないです。



 上条とインデックスが久しぶりに二人で朝食を食べているとき、一方通行はソファの上で缶コーヒーを飲んでいた。

 寝起きの頭を無理矢理起こすためである。

一方(5時半かァ・・・こンなに早く起きるのはグループにいたとき以来だぜェ)

一方(あンときは毎日がピリピリしてたからなァ)

一方(あァねみィ)

 欠伸をしながらも一方通行はソファから立ち上がるとと、台所に向かった。

一方(こンな時間に黄泉川が起きてるわけがねェ)

一方(っつうことは・・・)

一方「自分で飯つくンのかよ・・・」ハァ

 独りでため息をつく一方通行。

一方「面倒くせェ、トーストでいいか」

 そう呟きながら、一方通行は台所をガサゴソと探った。

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/23(木) 02:11:51.68 ID:bxxUG8+H0
一方「・・・」

 と、急に一方通行の動きが止まる。

 トースターを見つけた訳ではない。

 炊飯器×12(ドヤッ


一方「炊飯器しかねェじゃねェかァァァァァァ!!」


 戸棚を探っても、あるのは数個の炊飯器と、包丁などの最低限の調理器具だけだった。

一方「・・・ここまで来るとちょっと尊敬するわァ」

番外「なーんだ、トースターなかったんだ」

一方「・・・いつからいやがった?」

 いきなり台所に入ってきた番外個体を一瞥しながら、一方通行は聞いた。

番外「うーん、トースターに誤差動を起こさせて、一方通行のパンを黒こげにする計画が・・・」ブツブツ

一方「人の話をスルーした上に、物騒なこと呟くンじゃねェよ」

番外「っていうか、トースト位あなたの能力で作れないの?」

一方「ンなくだらねェことにバッテリーを無駄使いできるか」

番外「そう、じゃあミサカが能力で・・・」

一方「却下」

番外「うぅ、やっぱり小さくないからミサカはこんな扱いなんだね」

一方「オマエ、また俺の朝食に細工しよォと思ったろ」

番外「・・・チッ」

一方「図星かよ」

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/23(木) 02:43:49.31 ID:bxxUG8+H0
打ち止め「うーん、何の話してるの?ってミサカはミサカは寝ぼけ眼をこすりながらあなたに訪ねてみたり」

 今度は台所に打ち止めが入ってきた。

 先程の一方通行の魂の叫びが、彼女を起こしてしまったらしい。

番外「おぉ、うわさをすればなんとやら。小さいミサカ本人じゃ・・・って痛たたたっ」

 減らず口をたたく番外個体のおでこに杖の先端をグリグリと押しつけつつ、一方通行は打ち止めの疑問に答える。

一方「あァ、朝食をつくろォと思ったンだが炊飯器しか無くてよォ」

打ち止め「えっ?もしかしてこれってエプロン装備の家庭的一方通行を拝むチャンス?ってミサカはミサカはあなたに期待の目を向けてみたり!」

番外「ブッwエプロンwwwwww家庭的一方ラ・・・プッwwwwww」

一方「・・・オマエら叩きつぶされてェのか?」

打ち止め「ミサカは関係ないじゃん!ってミサカはミサカはあなたの不条理な発言に抗議してみる!」

一方「オマエが元凶だろォが・・・ってそんなことはどォでもいいンだ」

 すると、笑いの渦からなんとか脱出した番外個体が一方通行に聞いた。

番外「今更だけどさぁ、第一位はなんでこんな朝早くに起きてるわけ?」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/23(木) 02:51:53.14 ID:bxxUG8+H0
 寝落ちが怖いので今日はここまでにします。

 次はこの続きを投下します。
 明後日に投下するつもりです。

 それではここら辺で失礼します。読んで下さった皆さんありがとうございました。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 03:01:40.04 ID:7PX3Q8pDO

やっぱり番外通行止めがほのぼのしてるのはいいな
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 19:22:18.63 ID:W54HlSeD0

御坂は悔しさだけでストーカー並の行動がとれるのか怖いな……
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/23(木) 20:06:07.79 ID:6WyaEUeyo
>>92
御坂が嫌いなのは分かるけどそういうこというと作者がフォローのために御坂の出番増やしちゃうだけだぞ
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 17:43:38.96 ID:0DDKIh5A0
>>93
これからは気をつける
95 :毎度のことだけど、書き込みありがとう。 [saga]:2011/06/25(土) 00:06:27.29 ID:PXVbrukL0
 >>1です。

 学校祭の準備のため、昼は投下できませんでした。スミマセン。

 それから、美琴の件について。
 本編その2では、美琴の出番は結構多いです。
 何といっても、上条や一方さんとの再会シーンが有りますからね。
 もしかしたら、美琴嫌いの人には耐え難いシーンが有るかもしれないけど、
 我慢して読んでくれたらいいなと思います。

 それでは、何時間か後に投下します。



 それにしても、このSSを読んでくれる人の中に、美琴が好きな人はいないのだろうか・・・
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 00:24:09.76 ID:L0KA+z310
乙乙 >>1のペースで進めてくれ。幾らでも楽しみに待っている
再会シーンwktk

基本的に、禁書に嫌いなキャラなどいない! な俺は勝ち組
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/06/25(土) 00:50:44.65 ID:9jAUQ2PAO
報告乙です

美琴は一番好きなキャラだから叩かれてるのはキツイな…
嫌われる要素があるのも分かるけど
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/25(土) 00:57:16.36 ID:7YZerID+o
報告乙

美琴は個人的には好きだけど
好き嫌いが極端に多いキャラだから
変なのが沸くことが多いから気にしないほうがいいよ
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/06/25(土) 01:35:23.61 ID:GBduPjuC0

これだと垣根の登場は当分先かな?
100 :やっと100レスですね [saga]:2011/06/25(土) 04:01:56.62 ID:PXVbrukL0
 心暖まる書き込みに咽び泣かせていただいた>>1です。

 美琴は>>1にとって一番好きなキャラなので、正直叩かれてるのが辛かったのですが、
 美琴が好きな方も読んでくれていると知って本当にホッとしています。

 それから、垣根については唐突に出てくるかもしれないです。
 と、ネタバレ防止の為はぐらかしておきます。

 それでは投下します



番外「今更だけどさ、第一位は何でこんな朝早くに起きてるわけ?」

一方「・・・」

 一方通行の動きがピタリと止まった。

 そんな一方通行の様子を不審に思ったのか、打ち止めは欠伸をしながら続けて言う。

打ち止め「ふぁ・・・そういえばそうだよね、いつもは昼ぐらいに起きるのにってミサカはミサカはあなたに追及してみたり」

一方「・・・」

 さらに黙る一方通行。

 そんな一方通行に番外個体がさらなる追撃をかけようと、口を開いた瞬間、

一方「代わりにサンドイッチを作る。オマエら手伝え」

一方通行がそれを遮って言った。

番外「まだミサカの質問に答えてもらってないんだけど」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/25(土) 05:05:48.72 ID:PXVbrukL0
打ち止め「ミサカの台詞もスルーされてるし!ってミサカはミサカはとりあえずその場で地団太を踏んでみる!」

 そんな二人を無視して、一方通行は冷蔵庫を探る。

 打ち止めと番外個体は首を傾げながら顔を見合わせたが、やがて一方通行の言葉通り手伝いをすることにした。

 二人がパンを用意したり食器を出したりとせわしなく動いている間、一方通行は冷蔵庫の中を覗きながら、考えていた。

一方(どォしてだ?)

一方(どォして俺は御坂に謝りに行くっつゥ事実を話せねェ?)

一方(その上、適当な嘘でごまかすことすらできなかった)

 そう、一方通行にはどちらも出来ない。

 なぜか?簡単だ。

一方(ビビってンのか)

一方(コイツらに事実を話したらもォ後戻り出来ねェからな)

 かといって、一方通行はこの二人に余計な嘘を吐きたくなかった。

 だからごまかすことも出来なかったのだ。

 昨日の夜固めたはずの決意はもう揺らぎかけていた。

 だが、

一方(・・・・・・決めたんじゃねェのか)

 一方通行はその白い拳を握り、心の中で呟く。

一方(例え押しつける形になっても、御坂美琴に頭を下げると、そォ決めたンだろォが)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/25(土) 05:40:35.78 ID:PXVbrukL0
一方(そォだ。何を揺らいでンだ)

一方(少なくとも今の俺は悪党じゃねェ。胸を張って御坂美琴と相対してもいいはずだ)

 一方通行は冷蔵庫のドアを閉めた。

 手伝いながらも、終始一方通行の様子を観察していた打ち止めと番外個体は思わず手を止める。

 そんな二人に一方通行は振り返って言った。

一方「打ち止め、番外個体」

 一方通行の呼びかけに二人が目線で応える。

 そして一方通行は、どこか吹っ切れた表情で言い放った。


一方「オマエら、オリジナルと会いたくねェか?」



 はい、今日の投下はここまでです。

 今後の構想を練っていたら、いつのまにか3時を過ぎていたのであまり投下できませんでした。

 まったりモードで行くと言ったのに、思い切りシリアスになってしまいましたね。スミマセン。

 次の投下は明日、夜の予定です。

 それではここら辺で失礼します。読んでくださった皆さんありがとうございました。
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 07:07:15.01 ID:yq3iTv3eo
乙!
いよいよだな
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 08:09:59.84 ID:OJThwt7DO

さて、どうなるか……
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/25(土) 09:14:21.88 ID:Sqeoe2zG0
修羅場 期待
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 09:41:52.30 ID:stg5CeZIO

美琴好きっつーかミサコンだから期待してるぜ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/25(土) 11:13:36.08 ID:Djg0+65m0
ボクぁ御坂美琴のみならず(ryだから大丈夫さ
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 11:52:28.38 ID:6bnCJLFDO
美琴は好きでも嫌いでもないけど上琴は嫌い
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/25(土) 15:01:03.21 ID:rYgExDau0
うん御坂はそこまで嫌いじゃないけどちょっと上琴は勘弁なんだよね
110 :書き込みありがとう [saga]:2011/06/26(日) 03:43:45.86 ID:WdTjRPr40
 >>1です。また咽び泣きました。

 それから、実は、彼らはまだ再会しません。
 本編その2で再会することはほぼ決定ですが、まだ色々有るんです。

 それでは投下します。



 そのころ、上条当麻は皿を洗っていた。

上条(インデックスの奴、馬鹿みたいに食いまくりやがって・・・)

上条(なにが、やけぐいだもん!だ)

上条(あれだけあったシチューが空っぽじゃねぇか)

上条(・・・夕食も楽してこのシチューにしちゃおう、とか思ってた上条さんに対する罰なのでしょうか)

上条「はぁ」

イン「ため息なんかついてどうしちゃったの?とうま」

 リビングで天気予報を見ていたインデックスが台所に顔を出して言う。

上条(ため息の原因は一応お前なんだけどな)

上条「いや、何でもねぇよ」

イン「その割にはやつれてるね」

上条「そんなことないって、いやマジで」

イン「ふーん」

 インデックスは少し目を細めながら相づちを打つと、台所から姿を消してしまった。

上条「・・・」

イン「・・・」

上条(な、何ですかこの沈黙ー!?ってもしかして俺、またなんかやらかした?)
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/26(日) 04:26:07.37 ID:WdTjRPr40
 上条が皿を洗うガチャガチャという音と、インデックスの見ている天気予報が妙に響く。

 そんな沈黙を破ったのはインデックスだった。

イン「・・・とうま、今日は一日中晴れなんだって」

上条「そ、そうか」

 唐突なインデックスの発言に、上条はかろうじて相づちを打つ。

イン「そんなに寒くもないみたいだから出かけやすいかもね」

上条「はぁ、さいですか」

 インデックスの発言の真意を汲み取れず、またも上条は適当に相づちを打った。

 皿洗いがほとんど終わり、上条は最後の一枚の水分を丁寧に拭き取る。

 そんな上条にインデックスは続けて言った。

イン「とうま、今日は暇?」

 その瞬間、上条の手が止まった。

 気付いたからだ。

上条(さっきの発言に、この質問・・・)

上条(もしかしてコイツ・・・)

 そこまで考え、上条は持っていた皿を食器棚にしまうと、リビングに向かった。

 近づいてくる上条をインデックスは見上げる。

 上条は笑っていた。

 強く笑っていた。

上条「インデックス」

イン「うん」

上条「俺は今日行かなきゃいけないところがあるんだ」

イン「そ、そうなんだ・・・」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/26(日) 05:08:14.68 ID:WdTjRPr40
 インデックスの表情が分かりやすいほど曇る。

 上条には、その理由はもう分かっていた。

上条「そこは絶対に行かなきゃいけない」

イン「・・・」

 うつむくインデックス。

 そんな彼女に、上条は提案した。


上条「そこから帰ってきたら、久しぶりにどっか遊びに行こうぜ」


イン「!!ほんと!?」

 すぐに、インデックスの目に輝きが戻った。

上条「あぁ、もちろんだ」

上条(俺は長い間コイツと一緒にいられなかった)

上条(だからコイツは寂しかったんだ)

上条(断言できる。俺もやっぱり寂しかったから)

 普段ならこんな回りくどい言い方をしないインデックスだが、今回ばかりは照れ隠しがあったのだろう。

 それとも、上条がいない間、こんな風に素直にねだる機会が無かったのか。

上条「俺が長い間いなかった分、絶対に埋め合わせするから」

イン「うん」

上条「だからここで待っててくれ」

イン「うん!」

 インデックスはさっきとは打って変わって、満面の笑みで元気よく頷く。

 上条はその笑顔を心に深く刻み、寮から出ると走り出した。



一方「・・・チッ、早く来すぎたか」

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/26(日) 05:37:39.42 ID:WdTjRPr40
打ち止め「早く来ることに損はないんだよってミサカはミサカはあなたに講釈してみる」エッヘン

 上条がなんやかんやで走り出した少し後、一方通行と打ち止め、番外個体はやっぱりなんやかんやでフアミレスjoseph'sの前に立っていた。

一方「うるせェなァ・・・ってオイ番外個体」

番外「」

打ち止め「うわー、☆THE呆然タイム☆って感じだねってミサカはミサカはあなたに何とかしてって言う目線を向けてみたり」



 寝落ちが怖いので、今日はここまでとさせていただきます。

 次の投下は明日の4、5時ぐらいです。

 ちなみに、もうすぐバトルパートが入ってきます。

 それではここらへんで失礼します。読んで下さった皆さんありがとうございました。
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 06:01:39.24 ID:jr3GTn3Yo
本文とコメントは分けろよ
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 09:05:45.37 ID:UfKzJZADO
116 :報告に来ました [saga]:2011/06/26(日) 13:43:11.61 ID:WdTjRPr40
 >>1です。いつも書き込みありがとうございます。

 >>114 了解、次から5行空けます。

 今日は急用が入ったため、投下できなくなったので、次の投下は明日の4、5時ぐらいになると思われます。

 でも、何もしないで帰るというのもなんなので、今日は今までの話に中2な題名でもつけようかなと思います。

 プロローグ1 日常から始まる物語

 プロローグ2 再会して始まる別の日常

 本編その1  固まる少年達の決意

 プロローグ3 ボロボロな少女が織りなす日常

 本編その2  物語をつなぐヒーロー達

 っという感じですかね。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 15:26:59.10 ID:UfKzJZADO
そんなに空けるぐらいならいっそレス分けたらどうかな?
短いコメントなら同じでもいいと思うけど
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/26(日) 20:27:34.40 ID:lKT26XKHo
日常多くね
あと本文コメントはレス分たほうがいい
>>14はごっちゃになってるダラダラ感を指摘してると思われ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/26(日) 22:00:30.04 ID:M7G/3zBho
1の反応が若干過剰すぎてキモイ
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/27(月) 16:56:05.41 ID:oadoKoGv0

>>1です。

 >>117>>118 アドバイスや指摘ありがとう。

 >>119 スマン。反省する。

 >>118 確かに日常多いですねwスマン

    というわけで、サブタイトル修正しました。

    プロローグ2 果たすべき再会〜ヤクソク〜

    プロローグ3 ボロボロの少女が選ぶ道

  では投下します。





 

 

 



 



 



 
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/27(月) 16:57:49.24 ID:oadoKoGv0
打ち止め「うわー、☆THE呆然タイム☆って感じだねってミサカはミサカはあなたに何とかしてって言う目線を向けてみたり」

一方「チッ、仕方ねェな、番外個体ォ!」

番外「・・・・・・何?」ポケー

打ち止め「うわあ・・・これは重傷だね・・・ってミサカはミサカはミサカの妹を気遣ってみたり」

 番外個体がファミレスを前に放心していた。
  
 理由は簡単。

一方「慣れねェのか」

番外「・・・やっぱり慣れないね。こういう平和な雰囲気は」

一方「それでも慣れるしかねェだろォが」

番外「そう言ってる第一位も実は慣れてないんじゃないの?」

一方「・・・」

 一方通行と番外個体は、店頭に並んでいるサンプルをよだれを垂らしながら見ている打ち止めを眺めつつ、言い合う。

 その二人と打ち止めには明らかな温度差があった。

一方「っつゥかよォ、俺達が昨日スーパーにパシられたとき、嫌でも再確認しただろォが」

番外「・・・もう二度と悪意の中心点に立ちたくなければ、こんな平和な世界も受け入れなくちゃいけない」

一方「それが分かってンなら、こンなところでウジウジしてンじゃねェ、行くぞ」

番外「ちょ、ちょっと」

打ち止め「このカレーも美味しそうってミサカはミサカは・・・って待って!」

 一方通行達はファミレスの中に入る。

 朝食時と呼ぶには早すぎる時間だったため、ほとんど客はいなかった。

 禁煙席を選び、三人は窓際の席に座る。

 ボックス席の窓側に打ち止め、その横に一方通行、その向かい側に番外個体が座った。

 するとそわそわと辺りを見回していた番外個体が唐突に言った。

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/27(月) 16:58:36.91 ID:oadoKoGv0
番外「このボタン何だろう」ポチッ

打ち止め「あ、そのボタンは・・・」

一方「オイ、そりゃァ呼び出しボタンだ」

番外「え?ほ、本t」

一方「本当だ。オマエが呼び出したンだからオマエが対応しろ」

番外「え、ちょっ何で」

 珍しくうろたえる番外個体に、一方通行はテーブル越しに小さく言った。

一方「平和な空気に慣れたいンじゃねェのか」ボソッ

番外「それとこれは違っ」

一方「イイから」

 そう言うと、一方通行は我関せずといった調子で打ち止めに「朝飯はさっき食っただろォが」とか言っている。

 文句を言おうとした番外個体だったが、ウェイトレスが近づいてくる足音が聞こえ、慌てて口を閉ざした。

番外(第一位・・・後で絶対にブッ殺す・・・)

 番外個体は、それだけで人を殺せそうな視線を一方通行に向ける。

 が、当の一方通行はそんな視線など気にもかけず、打ち止めに言っていた。

一方「チッ、分かったよ、地獄ラザニア頼めばいいンだろ?」チラッ

 そう呟くと、一方通行はチラリと番外個体を見た。

番外(ころす殺すコロスコロスコロスコロス・・・)

 物騒な言葉を、物騒な表情で呟く番外個体。

 そんなことをしている内に、ウェイトレスが一方通行達が座る席にやってきた。

ウェ「ご注文はお決まりですか?」

番外「お、お決まりです!」ギロッ

一方&打ち止め「ブッ」

番外(コロス、ゼッタイニコロス)

ウェ「は、はぁ、それでご注文の方は・・・」

番外「え、えっとドリンクバー三個」

一方&打ち止め<パチパチパチパチ>(良く出来ましたねー)

番外(コロスコロス、アァコロス)

ウェ「・・・ご注文は以上ですか」

番外「あ、後この地獄ラザニャで」

一方&打ち止め「噛んだwwwwww」

ウェ「ふふっ・・・かしこまりました」

番外「」

 ウェイトレスにまで笑われたからか、またも放心状態に戻る番外個体。

 そんな番外個体を余所に一方通行は言った。

一方「俺がオマエらの飲み物取って来てやるから、オマエらは勝手にくつろいでろ」

 そう言いつつ、一方通行は席から立ち上がった。
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/27(月) 16:59:37.57 ID:oadoKoGv0

 スマン >>120がおかしくなった。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/27(月) 17:28:22.73 ID:di5/Ggzr0
 報告し忘れました。

 続きは夜に投下します。

 >>112では見苦しいものを見せてしまい、本当に申し訳ない。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/27(月) 20:52:10.81 ID:ZdmM+1hno
乙!
待ってるでー
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/28(火) 01:18:04.14 ID:/J6qhr710
 >>1です。

 書き込みありがとう。やっぱり嬉しいです。

 それでは超ローペース投下始めます。
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/28(火) 01:56:26.40 ID:/J6qhr710
 ドリンクバーの機器をいじりながら一方通行は心の中で呟く。

一方(打ち止めは超甘目のコーヒー、番外個体は・・・)

一方(にしてもあの野郎、多少テンパりながらもきっちり注文できてたじゃねェか)

 一方通行の立てた予測の内最悪なものは、最初にウェイトレスに注文はあるかと聞かれたときに、

番外個体が「ありません」とか言い出すというものだった。

一方(そォならないだけ本当にマシだった)

一方(まァ、あまりにもアレだったから吹き出しちまったが・・・アレも平和な光景の一部なンだよ多分)

 一人で勝手にうなずき、三人分のコーヒーをいれる。

 といっても、ほとんど自動でやってくれるのでやることと言えば、間抜けにも機械の前でつっ立っていることだけだ。

 一方通行は微かに漂ってくる煎ったばかりのコーヒー豆特有の香ばしい香りを堪能しつつ、静かに考える。

一方(アイツら・・・あのとき二つ返事で会いたいって言いやがった)

一方(よく考えりゃァアイツ等もいた方が、アイツらが存在することで礼を言うときにやりやすいかもなァ)

一方(チッ、自分でやることを増やして何がしてェンだろォな、俺は)
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/28(火) 02:25:47.50 ID:/J6qhr710
 今朝の事を思い出しつつ、一方通行は苦笑いする。

 こんな表情は滅多に出さない一方通行だが、彼はその気になれば、

 ありふれた少年のように笑うこともできるのだ。

 ともあれ、ぴーというこれまた力の抜けるような効果音と共に、機械の中から三杯のコーヒーが出てきたので、思考は中断だ。

 というか、決めるべき覚悟は既に決まっているので本来こんな思考をする必要もないのだが。

 一方通行は大量のシュガーと三杯のコーヒーカップを器用に持つと、席に戻る。

 すると、目の前には死んだ魚のような目で睨んでくる番外個体(だったもの)と

ラザニアと悪戦苦闘している幼女という世にもシュールな光景が彼を迎えた。

一方「・・・ハァ」

 一方通行は思わずため息をつきながらもカップを並べる。

 すると、いきなり番外個体が一方通行の手を握り、

番外「ふふふ、不不不、腐腐腐」

 なんか不気味に笑い出した。

 何というか生命の危機を感じたため、一方通行はその手を振りほどきつつ打ち止めの方をみた。

打ち止め「うっぷ、もう食べれないよってミサカはミサカはあなたに訴えてみたり。うっぷ」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/28(火) 02:39:23.37 ID:/J6qhr710
一方「ったく・・・言わんこっちゃねェ。ってか半分以上残ってンじゃねェか」

打ち止め「ご、ごめんなさいってミサカはミサカはあなたに謝ってみる」

一方「・・・あァ、大丈夫だ。何とかしてやる」

打ち止め「え?あなたが食べてくれるのってミサカはミサカはビックリ」

一方「ちげェよ、それを食うのは・・・」

 その時、一人の少年がファミレスに駆け込んできた。

 そのツンツン頭の少年はウェイトレスと一言二言話すと、真っ直ぐに一方通行達の席へ歩いてきた。

一方「・・・コイツだ」

 その少年を指さしながら一方通行はそう言った。

 その少年ー上条当麻は一方通行に向かって言った。

 「よう、一方通行」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/28(火) 02:44:56.73 ID:/J6qhr710
 今日の投下はここまでです。

 次の投下は明後日になります。この続きを投下します。

 それではここで失礼します。読んでくれた皆さんありがとうございました。
 


 戦いのときはもうすぐそこです
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 03:33:29.91 ID:MDGTBRwDO

ミサワかわいい
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/28(火) 12:25:09.18 ID:VWFn/28n0
ッエーイ!
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 17:38:53.01 ID:lY4szxCO0
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2011/06/28(火) 19:08:32.88 ID:T9gWfscD0
上条キタああああああああああああああああああ
135 :書き込みありがとう! [saga]:2011/06/30(木) 00:08:22.69 ID:P5bCNzZB0
 >>1です。

 PSPの接続環境が著しく不安定なため明日投下します。

 予告通りに投下できず、本当にスミマセン
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/30(木) 07:33:01.80 ID:tWUvFGUDO
まってる
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/06/30(木) 23:27:06.89 ID:P5bCNzZB0
 >>1です。書き込みありがとうございます。

 昨日の予告通り、続きを投下しに来ました。

 それでは、おなじみ超ローペース投下を始めさせてもらいます。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/01(金) 00:11:59.20 ID:Wxz3li8Y0
上条「よう、一方通行。待たせちまったみたいだな・・・って、へ?」

一方「どォした・・・あァ、コイツらのことか」

 一方通行はまず、めげずに地獄ラザニアと格闘する幼女を親指で示しながら言った。

一方「コイツは打ち止め。妹達の上位個体で・・・」

打ち止め「うー、もぉ食べられないよってミサカはミサカは・・・って、あ!あなたは!」

上条「よお、久しぶりだな、打ち止め」

一方「オマエら知り合いだったのか?」

打ち止め「うん!あの人とは地下街で遊んでもらったことがあるんだよってミサカはミサカは報告してみたり」

一方(俺がグループなンざにかまけてる間に知り合ったのか?)

上条「っていうか、ロシアで俺とお前が闘ったとき、寝込んでいたのって打ち止めだろ?」

一方「あァ・・・あンときは悪かったな」

上条「そんなのいいっての。あの闘いが無かったら、俺はフィアンマに絶対に勝てなかった。」

一方「・・・」

上条「あの闘いで迷いが消えたんだよ」

一方(何の迷いか・・・なンて聞くだけ無駄か)

上条「だから俺は逆に感謝してる」

一方「・・・相変わらずワケわかんねェ奴だなァ、オマエは」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/01(金) 01:36:24.97 ID:Wxz3li8Y0
上条「そうか?俺としては割と単純な生き方をしてるつもりだけどな」

一方「まァ、そォとも言えるかもな・・・ってそンなことはどォでもいい」

 それから一方通行は、死んだ魚状態(?)から回復し始めている番外個体を示しながら言った。

一方「それで、この目付きの悪いクローンが番外個体だ」

番外「ミサカの特徴それだけかよ、まぁいいけど」

 そんな番外個体のぼやきを無視し、一方通行は続けて言う。

一方「コイツは第三次製造計画っつゥクソッタレな実験で作られた個体なンだが・・・

   面倒くせェ、オマエの身の上話ぐれェはオマエでやれ」

番外「何かさっきからミサカの扱いが酷い気がするんだけど」

一方「・・・ここのコーヒーもなかなかだなァ」

番外「スルーした上に、味わうなよ。ってまあいいや、ええと大惨事製造計画だっけ?」

一方「微妙に合っているから何とも言えねェが、正しくは第三次製造計画な」

番外「その実験の実態はさ、第一位を精神、肉体問わず完璧に殺し尽くすことだったんだよ」

上条「・・・・・・ッ」

一方「心配するな上条、その実験は現在凍結されてるからな」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/01(金) 02:11:27.35 ID:Wxz3li8Y0
番外「どっかの誰かさんが頑張ったからね」

一方「うるせェ」

番外「それで、その実験の性格上、ミサカにはミサカネットワークを通じて全妹達の憎悪、怒気、嫉妬といった悪意が集められているとか色々あるんだけど」

一方「今のコイツはただの一般人だ。だから普通に接してやってくれ」

上条「言われなくてもそうするつもりだっつーの」

 そう言うと、上条は右手を差し出した。

 番外個体は一瞬目を白黒させたが、やがて差し出されたその右手を握った。

上条「よろしくな、番外個体」

番外「こちらこそよろしく、ヒーローさん」

 二人が握手を交わした後を見計らい、一方通行が言った。

一方「コイツらがオリジナルー御坂美琴と会いたいって言うから連れてきたがいいよな?」

上条「勿論だ。っていうかもう六時か、そろそろ行こうぜ」

番外「行こうぜってどこに?」

上条「御坂のところに決まってんだろ」

一方「あァ、そォだな。だがその前に頼み事があるンだが」

 一方通行は、未だに地獄ラザニアと格闘している打ち止めを指さしながら言った。

一方「コイツの残したラザニアを食え」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/01(金) 02:30:18.65 ID:Wxz3li8Y0
上条「え?えっと上条さんは先程シチューという結構腹に残る飯を食べたばかりなのですが・・・」

一方「食え」

上条「・・・はい」

番外「もう時間無いしさ、ここはいっそベクトル変換で流し込んじゃえば?」

一方「そォだな」カチッ

上条「」

 なんというか、どこに行っても不幸な奴は不幸だった。

上条「むぐっ!?もごもがむごごごごごご」

 上条にラザニアを処理させ終わると、一方通行は言った。

一方「よし、そンじゃまァ、とりあえず常盤台中学学生寮に行きますか」

打ち止め「やっとお姉様と会話できるよわーいってミサカはミサカは喜びの余りあなたに抱きついてみたり」

一方「あァそォかい」

番外「そう素気無く返す第一位だが、割とまんざらでもなさそうだった」

一方「うるせェよ」

上条だったもの「」チーン
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/01(金) 02:36:47.14 ID:Wxz3li8Y0
 今日の投下はここまでです。

 次回の投下は明日になる予定。場面は変わって美琴サイドになります。

 それではこの辺で失礼します。読んでくださった皆さんありがとうございました。

 ちなみに、まだ再会しませんよ。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 02:57:03.15 ID:qhHJDZEDO

上条さんも無事にシチュー食べられたんだwwwwww
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/01(金) 15:56:29.29 ID:CugdyKpJ0

上条……
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/02(土) 03:04:06.11 ID:PthNmKP60
>>1です。いつもより投下が遅くなってしまいました。

 それから、書き込みありがとうございます。

 >>143 その不幸中の幸いがまたしても災いに転じ、結果オチ要員にされるのが上条さんの宿命

 では、以下に投下します。

 今回は美琴編です。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/02(土) 03:51:54.30 ID:PthNmKP60
 御坂美琴は第七学区で最大のデパート「セブンスミスト」にいた。

 勿論、とある少年を探すためだ。

 寮を出た後、コンビニで買ったサンドイッチを朝食として食べたため、その足取りは昨日よりはしっかりしている。

 とは言っても、やはり疲労が祟っているのか、体の芯が若干曲がっているが。

美琴(アイツのことだから、どうせまた物騒なことに巻き込まれてるに違いない)

美琴(・・・と思って、昨日一日中路地裏を探し回ったけど、結局全部空振りだった)

美琴(だったらいっそ、逆にいそうもない所を調べてみようと思ってここに来たんだけど・・・)

美琴(やっぱり無駄足だったみたいね)

 大した希望も無くセブンスミストを歩き回る美琴。

 だが、当てもないならば、当てずっぽうで行動するしかない。

美琴(ホント、不効率の極みだわ)

美琴(・・・でも仕方ない)

 タイル張りの床を踏みしめて、美琴は思う。

美琴(私はあの馬鹿を助けられなかった)

美琴(もしあのとき、私が要塞に飛びついてアイツを掴み、無理矢理VTOL機に連れて帰っていれば、アイツは助かったはずのに)

 それは、余りにも現実離れした考えだった。
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/02(土) 03:51:54.59 ID:PthNmKP60
 御坂美琴は第七学区で最大のデパート「セブンスミスト」にいた。

 勿論、とある少年を探すためだ。

 寮を出た後、コンビニで買ったサンドイッチを朝食として食べたため、その足取りは昨日よりはしっかりしている。

 とは言っても、やはり疲労が祟っているのか、体の芯が若干曲がっているが。

美琴(アイツのことだから、どうせまた物騒なことに巻き込まれてるに違いない)

美琴(・・・と思って、昨日一日中路地裏を探し回ったけど、結局全部空振りだった)

美琴(だったらいっそ、逆にいそうもない所を調べてみようと思ってここに来たんだけど・・・)

美琴(やっぱり無駄足だったみたいね)

 大した希望も無くセブンスミストを歩き回る美琴。

 だが、当てもないならば、当てずっぽうで行動するしかない。

美琴(ホント、不効率の極みだわ)

美琴(・・・でも仕方ない)

 タイル張りの床を踏みしめて、美琴は思う。

美琴(私はあの馬鹿を助けられなかった)

美琴(もしあのとき、私が要塞に飛びついてアイツを掴み、無理矢理VTOL機に連れて帰っていれば、アイツは助かったはずのに)

 それは、余りにも現実離れした考えだった。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/02(土) 03:52:29.31 ID:PthNmKP60
 御坂美琴は第七学区で最大のデパート「セブンスミスト」にいた。

 勿論、とある少年を探すためだ。

 寮を出た後、コンビニで買ったサンドイッチを朝食として食べたため、その足取りは昨日よりはしっかりしている。

 とは言っても、やはり疲労が祟っているのか、体の芯が若干曲がっているが。

美琴(アイツのことだから、どうせまた物騒なことに巻き込まれてるに違いない)

美琴(・・・と思って、昨日一日中路地裏を探し回ったけど、結局全部空振りだった)

美琴(だったらいっそ、逆にいそうもない所を調べてみようと思ってここに来たんだけど・・・)

美琴(やっぱり無駄足だったみたいね)

 大した希望も無くセブンスミストを歩き回る美琴。

 だが、当てもないならば、当てずっぽうで行動するしかない。

美琴(ホント、不効率の極みだわ)

美琴(・・・でも仕方ない)

 タイル張りの床を踏みしめて、美琴は思う。

美琴(私はあの馬鹿を助けられなかった)

美琴(もしあのとき、私が要塞に飛びついてアイツを掴み、無理矢理VTOL機に連れて帰っていれば、アイツは助かったはずのに)

 それは、余りにも現実離れした考えだった。
149 :誤字に、三重投稿本当に申し訳ない [saga]:2011/07/02(土) 04:37:05.90 ID:PthNmKP60
 だが

美琴(もし立場が逆だったら、アイツは何が何でも助けてくれたと思う)

 勝算とか、力の有る無しとか、そんな下らないことは気にせず、

 ただ助けたいという思いだけで、あの少年はどこまでも突き進めるのだから。

 かつて、自分が死ぬことでとある悲劇に終止符を打とうとした美琴を助けるために、

 学園都市の闇に食らい尽くされていく妹達を助けるために、

 拳一つで、とんでもない怪物に挑みかかったときのように。

美琴(結局、私はアイツと同じ場所に立つことすらできなかった)

 一瞬そう思い込んだだけなのだ。

美琴(・・・・・・ッ)

 それを自覚し、美琴は苦虫を噛みつぶしたような表情になる。

 そのとき、唐突にポツリと冷たい何かが頭に落ちてきたような気がした。

美琴(・・・霧雨?)

 考え事をしている間に、美琴はいつの間にか外に出ていたらしい。

 傘を指す必要も感じない程度の霧雨が降っていた。

 美琴は、どんよりとした灰色の空を少し眺めた後、その下を歩き始めた。

美琴(今日は休日)

美琴(だから、中央公園には人がたくさん集まっているはず)
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/02(土) 05:50:17.35 ID:PthNmKP60
 スミマセン

 PSPの調子がいきなり悪くなったので、投下は中断させていただきます。

 PSPの調子が良くなれば、明日投下できると思います。

 本当に申し訳有りませんでした。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) :2011/07/02(土) 06:10:46.87 ID:1pWoUDQY0

追いついた
バードウェイが出るとか俺得
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 06:16:00.69 ID:iY6EeR5DO


投下して少し待ってから更新すれば通信トラブルでもちゃんと投下されると思うから試してみては?

次もまってる。
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/02(土) 17:37:33.33 ID:OX9QtfPK0
今のところ上条さんと同じ位置にいるやつは誰もいないけどね
たぶん一生あの位置に誰もたどり着けないだろうな……
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/03(日) 03:17:41.40 ID:SdMgx8Wj0
 >>1です。書き込みありがとう!

 >>151 新しい読者さん超うれしいです
     バードウェイは結構いいところで再登場する予定

 >>152 アドバイスありがとう
      でもそれをやると、投下失敗したとき、また同じのを書く羽目になりませんか?

 >>153
      確かに今の時点ではそうだけど、今後一方さんや浜面は上条さんの位置まで辿り着かざるを得ない状況になるかもしれませんね
      科学と魔術のバランスが崩れ始めたため、三人が共闘する場面も増えると思うので。
      まあ、全てはかまちー先生の裁量だけど



 では、深夜になりますが、超ローペース投下を始めさせていただきます
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/03(日) 04:01:16.41 ID:SdMgx8Wj0
美琴(・・・ってそんな訳ないか)

美琴(この霧雨の中、わざわざ公園に行く人は少ないわよね)

 霧雨特有の肌にしみるような気持ち良い涼しさに、何故か鬱陶しさを感じながらも、美琴は歩く。

美琴(前チラッと聞いた話では、アイツの住んでる寮は中央公園の近くにあるらしい)

美琴(だから、アイツが寮に帰る途中に、あの公園に立ち寄る可能性もない訳じゃ・・・)

美琴「・・・フフッ」

 そこまで考えると、美琴は思わず苦笑してしまった。

 余りにもあり得ない可能性に一瞬でも希望を持った自分がおかしかったのだ。

美琴(でも、それしか思い当たる可能性がないんだから、それにすがるしかない)

 その事実に、さらに無力感に襲われた美琴だが、やっぱり歩き続けた。

美琴「・・・悔しいのかな」

 歩きながら、美琴は小さく呟く。

美琴「それとも、悲しいのかな」

美琴「いや、苦しいのかな」

 あのとき、あの少年を救え無かった上、今は当ても無く探し回っている自分の力の無さが悔しかった。

 あの少年が自分の前から消えてしまったと分かったとき、涙が止まらなくなるほど悲しかった。
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/03(日) 04:46:42.19 ID:SdMgx8Wj0
 今もスカートのポケットに入っているゲコ太ストラップが、あの少年の不在を象徴しているようで、たまらなく苦しかった。

 それ以外にも様々な感情が、美琴の心の中で渦巻いている。

 しかし、それらの感情は結果的に一つの願望に収束していた。

美琴(・・・会いたい)

美琴(会って・・・・・・どうしよ)

美琴(とりあえず、死ぬほど説教してやる)

美琴(いや、でもやっぱり最初は、あのとき助けてあげれなかったことを謝りたい)

美琴(それとも、帰ってきてくれてありがとう?・・・・・・///)

美琴(って柄にも無いことを考えるとちょっと恥ずかしいわね)

 その後もああだこうだと考えている内に、美琴は中央公園に着いた。

 美琴はそのまま公園内に入る。

 
 そのとき、バチッという音と共に美琴の体から強い放電が迸った。


美琴「ッ!!」

 突然の出来事に、美琴は驚きを隠せない。

 電気の指向性を調節するのに学園都市で最も長けている自分から無意識に能力が発動したのだから、当たり前である。

 もし、美琴に魔術の知識があったら、今の現象を、自分の能力が魔術「人払い」と競合したのだと分析できたかもしれない。
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/03(日) 05:12:32.78 ID:SdMgx8Wj0
 しかし、勿論美琴には魔術の知識など無かった。

美琴「やっぱり寝不足で、能力使用にも影響が出てるみたいね」

 と、適当に美琴は解釈してしまう。

 美琴は公園内を歩き回りながら思った。

美琴(やっぱり誰もいないわね)

美琴(でも、その方が好都合だわ)

美琴(これならアイツがいたとしても、雑踏の中に見逃すなんてことにはならないからね)

 そう心の中で呟きながら、美琴はさらに公園内を歩き回った。

 そして、すぐに違和感を感じる。

美琴(ホントに誰もいない・・・)

美琴(犬の散歩に来ている人すらいない)

美琴(どうなってんのよ・・・)

 この得体の知れない状況に、美琴は強烈に嫌な予感に襲われた。

 思わずその場に立ち尽くしてしまう。

美琴(・・・・・・)

 しかし、立ち尽くしたところで何も思い浮かばなかった。

 そりゃあそうだ。

 美琴は「魔術」に関して何も知らないのだから。

美琴「・・・って考えてたら、何だかのど乾いたな」

 と、呟きながら美琴は近くにある自動販売機に近づく。

 自販機の前に立つと、美琴は軽快にステップを踏み始めたが、

美琴「・・・」

 止めた。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/03(日) 05:40:41.73 ID:SdMgx8Wj0
 少し前に、とある少年に、自販機を蹴り飛ばすのは止めてくれと言われたのを思い出したのだ。

 仕方無く、美琴は小銭を出すために財布を取り出そうとして、


「お嬢さん、君が御坂美琴かな?」


 いきなり後ろから聞こえてきた声に、驚愕で全身が震えた。

 その声に美琴は振り返ると、そこにはホストのような格好をした背の高い茶髪の少年が、その不良じみた顔に人の良さそうなスマイルを張り付けて立っている。

 対して、美琴は警戒心を強めていた。

美琴(コイツ・・・ただのナンパ?)

美琴(いや、それは無い)

美琴(コイツが接近してくるのを私は感知できなかった)

 つまり、美琴の電磁波によるサーチが通用しなかったということ。

美琴(ただのナンパ野郎が私の能力を突破したって言うの?)

 黙って考え込む美琴に、少年は困ったように言った。

???「君があの御坂美琴かな?」

 その問いに、美琴は条件反射のように応えた。

美琴「そうよ、で何か用?」

???「そうだなぁ」

 その少年は微笑みながら言った。



「じゃあ、ここで潰されてくんねぇかな」



美琴「!!」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/07/03(日) 05:49:05.84 ID:SdMgx8Wj0
 今日の投下はここまでです。

 続きはできれば明日投下したいと思います。

 それではこの辺で。読んでくれた皆、ありがとうございました。

 次回は、美琴vs[ピーーー]ですね。書く側としては非常に楽しみです。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 06:56:13.57 ID:fcLbUUyF0
ま…まさか
もう御坂が死ぬのか

それもありだな
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 10:18:28.24 ID:H8eyA+ODO

今の状態の美琴じゃ誰とやっても負けそうなのに……

PSPってコピペ出来ないの?PSP持ってないからわからんが出来ないなら確かに面倒だな。
まぁ、あくまで連投を防ぐ方法みたいなもんなんで気にせず続けてほしい。
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 15:56:29.95 ID:WNywDNPQ0
なんだとあいつが魔術使えるのか?
てか御坂が勝てる確率0だよ誰か助けに来ないと死ぬぞ
163 :報告です [saga]:2011/07/03(日) 19:55:41.30 ID:SdMgx8Wj0
 こんにちは、>>1です。

 毎度の事ながら書き込み本当に有り難う

>>160 この俺が、美琴が死ぬssを書ける訳が無いです

>>161 PCで書けるときは、そのアドバイスを活用させていただきます

>>162 勿論「あいつ」は魔術を使えません。ならば、何故「人払い」が仕掛けられていたのか。
    この謎が、実は今後の話の鍵となるかもしれません

 今日は急用が入ったため、投下できなくなってしまいました。

 明日は、続きを投下できるかなと思います。
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 21:35:02.67 ID:WNywDNPQ0
わかったぞ奴は人間じゃないからだな
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/04(月) 06:46:03.05 ID:AHWj20Og0
>>1
ていとくん、登場だね。
心理攻撃希望。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 08:57:17.99 ID:LE1d1Soc0
………
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/04(月) 21:31:35.05 ID:ESehXrBMo
ダークマターを纏えば気づかれないか
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/05(火) 00:11:00.48 ID:5EA50Iwp0
 今晩は、>>1です。

 書き込み本当にありがとう。いつも励みにさせてもらってます。

>>164 スミマセン、ネタ発言していいですか?

メルヘン「僕は人間だァァァァァッ」

・・・・・・・・・・・・・・スルーして下さい。お願いします。

>>165 心理攻撃というのは、心理定規の参戦っていうことですよね?
    多分、それは厳しいです。新訳一巻を見る限り、心理定規さんがスクールに所属していないことは明白なため、
    あのメルヘンとのつながりも途絶えてしまったものではないかと思われるので

>>166 ・・・・・・?

>>167 ご、ご名答ですたい

 それでは以下に投下します。余り多くは投下できませんが、ご了承下さい。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/05(火) 01:15:38.46 ID:5EA50Iwp0
 ゴッ!!と、突然目の前の少年から殺意が溢れ出した。

 頭で考える余裕は無かった。

美琴「ッ!!」

 反射的に美琴は真横に転がる。

 
 その直後、少年の拳が自販機に恐るべき速度で振り下ろされた


 バキッという轟音と共に、少年の拳は自販機に深く突き刺さる

 一方、間一髪でその一撃を避けた美琴は、地面に座り込んだまま呆然としていた。

少年「ほう、避けられたか。まぁ、この程度で死なれたら面白くもなんともねぇが」

美琴「・・・アンタ、何者?」

 未だに衝撃で空いた口が塞がらない様子の美琴に、少年はつまらなそうに言った。

少年「俺は垣根提督だけど・・・、それよりそんな所で無様に座ってていいのか?」

美琴「・・・?」


垣根「そんなザマじゃ、すぐに死んじまうぞ?」


 垣根がそう言った瞬間、彼が拳を突っ込んでいた自販機が突然爆発した。

 垣根を中心に爆風の嵐が吹き荒れる。

 当然それは、地面に座り込んでいた美琴をも吹き飛ばした。

美琴「くっ、がぁっ!!」

 それでも、なんとか受け身を取って立ち上がり、垣根から距離を取ることに成功する。

美琴(今の・・・何?)
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/05(火) 01:49:52.97 ID:5EA50Iwp0
美琴(殴られてから少し経って爆発したんだから、殴られた衝撃で爆発した訳じゃない)

美琴(つまり、能力であのレベルの爆発を起こしたということ)

美琴(・・・相当の高位能力者と見て間違いなさそうね)

 爆風によって撒き散らされた粉塵を睨みながら、美琴は推測した。

 すると、粉塵の中心点から垣根がゆっくりと歩いてきた。その全身には塵一つ付いていない。

垣根「おいおい、爆風をまともに受けちゃってんじゃねぇか。学園都市第三位っつてもこの程度かよ」

美琴「なっ・・・・・・」

 美琴の表情が驚愕に染まる。

 自分の能力を一言で馬鹿にされたことに対する驚愕ではない。

 自分が学園都市第三位の超能力者であると知った上で、目の前の少年が喧嘩を仕掛けてきたということに対する驚愕だ。

美琴「・・・へぇ、面白いじゃない」

垣根「あぁ?やっと殺る気になったのか?超電磁砲」

美琴「そうね、私にはやらなくちゃいけないことがあるの。だからすぐに終わらせてあげる」

垣根「・・・なるほど、テメェも大したムカツキっぷりだなぁ、オイ」

 そう言うと、垣根は歓迎するように両手を広げながら、言った。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/05(火) 02:19:14.47 ID:5EA50Iwp0
垣根「俺の<未元物質>にテメェの持つ非常識をぶつけてみろ、超電磁砲!」

 腰を落とし、臨戦態勢に入る二人。
 
 二人の視線が先にぶつかる。

 そのなかで、先程の垣根の台詞に美琴が眉をひそめて言った。

美琴「始める前に一つだけ聞きたいんだけど」

垣根「何だよ」

 二人とも絶対に相手から目を離さず、間合いを計りながら、言い合う。

 最も、垣根の方は誰がどうみても、美琴を馬鹿にするように悠然と構えていたが。

 そんな垣根に美琴は言った。

美琴「ダークマターって何よ」

垣根「・・・・・・・・・は?」

美琴「聞こえなかったの?」

垣根「いや、聞こえたけども・・・・・・」

 きょとんとした表情で、垣根が続けて言う。

垣根「お前、俺がどんな能力者か知らずにさっきの台詞を吐きやがったのか?」

美琴「アンタの能力なんて知る訳無いじゃない」

垣根「・・・随分とナメられたもんだな、俺も」

 そう呟きながらため息をつくと、垣根は言った。

垣根「ハンデとして一つ教えてやる」

美琴「・・・」

垣根「俺は超能力者で能力名は<未元物質>だ」

美琴「!!アンタも同じ超能力者・・・ッ」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/05(火) 02:36:13.92 ID:5EA50Iwp0
垣根「そんなことで驚いてんじゃねぇよ、格下」

美琴「格・・・下・・・?」

 格下というフレーズに、実琴の中でとある超能力者の声がフラッシュバックする。

「(図に乗ってンじゃねェぞ格下がァ)」

 その台詞は、忘れもしない学園都市最強の超能力者のものではなかったか。

 その過去に、美琴の心にある確かな予感が生まれた。

美琴「まさか・・・アンタ・・・」

 美琴の背中に冷や汗が流れる。

 そんな美琴に垣根は嘲笑するように言い放った。

垣根「序列は第二位。第三位とはエラい差があるぜ?」
173 :誤字スミマセン [saga]:2011/07/05(火) 02:44:45.50 ID:5EA50Iwp0
 今日の投下はここまでです。

 次回は明後日投下させていただきます。今度こそまともな戦闘描写を書くつもりです。

 ではこの辺で失礼します。読んでくれたみなさん、ありがとうございました。
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/05(火) 02:55:00.17 ID:uZn/wYrCo
工場長キター‼
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大分県) [sage]:2011/07/05(火) 11:00:59.19 ID:eyWm+Ee80

第三位と第二位の絶対の壁か…
美琴死んじゃだめだ
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 21:34:04.71 ID:gUnRGlnW0

第三位と第二位の壁は外の一般人とレベル5の差よりでかいからな
御坂ごときじゃ勝ち目なんて0って言っても過言じゃないだろ
このままじゃ死ぬぞ御坂
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/07(木) 00:22:26.16 ID:O46Bu06t0
>>1です。いつも書き込みありがとうございます。

>>174 工場長wそれはとあるスレに出てくるチーズ工場長のことですか?

>>175 俺の美琴がこんなことで死ぬわけがない・・・・・・・・・なんかスミマセン

>>176 
 原作には、美琴と垣根の実力差について言及されている部分が無いため、ハッキリとしたことは言えませんが、さすがにそこまでの実力差は無いでしょう。ですが、垣根はあの一方通行を一時的とはいえ圧倒するほどの実力者です。いつもの美琴ならともかく、今の美琴にとっては・・・・・・

 それでは、以下に投下します。相変わらず超ローペースですが、よろしくお願いします。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/07/07(木) 01:00:41.64 ID:d8DdlFZr0
>>177
一応禁書目録ノ全テに
二位と三位とでは絶対的な実力差があると
明言されてますよ。

一位と二位は別格でそれ以下とは絶望的な
戦力差が有るとか
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/07(木) 01:42:46.13 ID:O46Bu06t0
垣根「序列は第二位。第三位とはエライ差があるぜ?」

美琴「・・・やってみなくちゃ分からないじゃない」

 余りの衝撃で言葉を失いかけた美琴が、ワンテンポ遅れて言い返す。

垣根「そうだな、やってみりゃあ分かるさ」

美琴「・・・」ギリッ・・・

 垣根の言葉や声の調子は、どう考えても人を馬鹿にしているようにしか思えなかった。

 バチバチと、美琴の前髪から敵を威嚇するような電撃が漏れる。

 それを見ても、垣根の表情は全く変わらなかった。

美琴(とことん馬鹿にされてるわね・・・)

美琴(自分の能力にそんなに自信があるわけ?)

美琴(いいわよ、だったらやってやろうじゃないの)

 すり足で垣根との距離を計りながら、美琴はそう考える。

 だがその一方で、美琴は漠然と違和感を覚えていた。

美琴(どう考えても状況がおかしい)

 降り注ぐ霧雨の冷たさを感じながら、美琴は無理矢理状況を整理しようとする。

 しかし、状況を整理しようとすればするほど、美琴の中で無数の疑問が湧いてきた。

 なぜ、目の前の男は自分を狙っているのか

 なぜ、六時も過ぎたというのに、公園内に誰かが来る気配すらしないのか
180 :情報ありがとうございます [saga]:2011/07/07(木) 02:30:06.54 ID:O46Bu06t0
 なぜ、自販機が破壊されたというのに、警備ロボットが駆けつけてこないのか

美琴(挙げればキリが無いわね・・・)

 ぼんやりとした、ハッキリしない状況に美琴のイライラが募る。

 そんな美琴の思考を遮るように、垣根が唐突に言った。

垣根「あぁ、一つ言っておくが、俺は常識ってのにとらわれてる奴は余り好きじゃねぇんだ」

美琴「?」

垣根「だから<逃げる>とか極めて常識的な判断をされちゃうと、最高にムカつくんだよなぁ」

美琴「誰が逃げるですって・・・?」

垣根「いや、いつまで経っても何もしてこねぇから逃げる算段でも立ててるのかなと思ってさ」

美琴「アンタこそ最高にムカつく奴ね」

 二人の殺気が視線という形で激突する。

 緊張感に包まれた沈黙が辺りを支配する。

 二人以外誰もいない公園に、美琴のローファーが地面を擦るジャリジャリという音だけが響いた。

美琴(さぁ・・・どう来る?)

 すると突然、垣根が沈黙を破って言った。

垣根「ってオイオイ、結局何もしてこねぇのかよ。・・・ったく、レディーファースト気取って先手を譲ったつもりなのに」

美琴「・・・」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/07(木) 02:46:45.30 ID:O46Bu06t0
垣根「ほら、何か面白れぇもん見せてくれよ、そしたら俺が・・・・・・」

 が、垣根の言葉は中断させられた。

美琴「ふっざけんなぁぁぁぁぁぁッ!!」

 突然、美琴の前髪から、さっきの威嚇用の飾りとは違う正真正銘の電撃が、垣根に向かって放たれたからである。

 ズドン、という空気が割れるような轟音と共に、それは何かに着弾した。

 大量の砂埃が辺りを舞い、二人を隔てる。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/07(木) 02:51:42.44 ID:O46Bu06t0
 スミマセン、非常にキリが悪いのですが、眠いので今日はこれで終わりにします。

 続きは明日投下する予定です。

 読んでくださったみなさんありがとうございました。

>>178 情報ありがとうございます。参考にします。
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 09:33:27.76 ID:CzNryobTo
なんとなくだけど美琴好きな臭いがする
序列は工業的価値で決まるからあまり括りすぎない方がいいぜ
麦野にも能力全開ならイチコロ扱いされてるし
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 17:12:08.85 ID:h6OyYVGB0
垣根の翼は超電磁砲でも軽く弾くこともできるし電気が使えないなる未元物質を周りにまくだけでけで御坂は能力を使えなくなる
どう考えても勝ち目なんてあるわけないたとえ御坂の調子が万全でも勝ち目なんて元から0これはどうにもならない差
差なんて>>176と言っても過言じゃない
もともと御坂は禁書の中でもそこまで強くない3位って言っても強さで順序表わしたら6位でもおかしくないレベル
ちなみに最下位は心理掌握精神経能力だからだから戦力に入れないから最下位つまり戦えるレベル5の中じゃ御坂は一番弱い

長文すまん別に御坂がそこまで嫌いなわけじゃないんだ
でも確かに作者は美琴好きな臭いがするな
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/07(木) 18:45:53.17 ID:UBmXgp57o
>>1乙

全テは13巻までの話までしか収録されてないはずだから
ここで第2位の話が出てくるのはおかしくないか?

垣根の能力は結構謎があるからうまく捌いてくれることを期待してるよ
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/07(木) 23:45:18.88 ID:O46Bu06t0
 いつも書き込みありがとうございます。美琴好きな臭いがするという定評がある>>1です。

 実際、俺は美琴好きだったりします。

 でもそれを理由に、美琴に都合良く話を展開させるつもりはありません。

 >>1による原作の解釈を中心に、しばしば皆様のアドバイスを取り入れつつ書いていこうと思います。

 なので、これからも指摘やアドバイスよろしくお願いします。

 それでは以下に投下します。やっぱり超ローペースです。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/08(金) 00:26:21.32 ID:DZ5N3vRf0
 砂埃の砂を吸わないように右腕で顔をかばいながら、美琴は眉を顰めた。

 今、自分は何を撃ち抜いた?

美琴(私は今、垣根の顔の右側スレスレを狙って電撃を放った)

 その圧倒的な威力で敵の戦意を失わせるための一撃。

 その一撃は何にも当たらず、ただ敵の真横スレスレを通り過ぎるだけのはずだった。

 だが、しかし。

美琴(私の電撃は確実に<何か>を撃ち抜いた)

美琴(垣根の体じゃないはず)

美琴(あれは絶対に人体を撃ち抜いた感覚じゃない)

 美琴はとある少年を、本気の電撃を撃ち抜いたことがある。

 そのため、人体を撃ち抜く感覚について嫌と言うほど知っていた。

美琴(地面を撃ち抜いたにしても反動が少なすぎるし、金属製の何かを撃ち抜いた感覚でも無い)

美琴(私は一体何を撃ち抜いたって言うの?)

 手に残る得体のしれない感覚に、美琴は首を傾げる。

 そのとき、砂埃の中心点から垣根の声が聞こえてきた。

垣根「ハッ、テメェごときがこの俺に寸止めかよ」

美琴「・・・・・・」

 砂埃の中心点からゆっくりと歩いてくる垣根を美琴は睨む。

 だがその瞬間、美琴は突然目の前の光景に強烈な矛盾を感じた。
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 00:44:35.02 ID:X27AX6jZ0
エツァリチラッ
個人的には、エツァリさんに救いの手を・・・・
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/08(金) 01:34:06.69 ID:NL8HNRHD0
帝督さすがに強いな?
まあ帝督好きだし美琴倒してしまえ!
190 :誤字スミマセン [saga]:2011/07/08(金) 01:42:27.98 ID:DZ5N3vRf0
 矛盾の正体は砂埃。

 その内容は極めて単純なことだった。


美琴(何でいつまで経っても砂埃が消えないのよ!?)


 絶えず降り注いでいる霧雨のせいで、砂埃を構成する砂は少なからず水分を含んでいる。

 にも関わらず、未だに大量の砂が美琴と垣根を隔てるように滞空しているのは何故か。

 決まっている。

 余裕の笑みを浮かべながら歩いてくる目の前の男の仕業だ。

美琴(これがアイツの能力?随分ショボいけど)

 そう考えながらも、美琴は心のどこかで分かっていた。

 垣根提督の能力が、学園都市第二位の能力がこんなものであるはずがないと。

 まだ垣根が大して能力を使っていないのか。

 それとも。

美琴(私が分かっていないだけで、もう既に何かされている?)

 美琴が、常時電磁波によるサーチを行っているように。

 一方通行が、反射の膜を張っているように。
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/08(金) 02:11:40.11 ID:DZ5N3vRf0
 警戒心を高め、美琴は思わず一歩後ずさる。

 そんな美琴を眺め、垣根がどうでもよさそうに言った。

垣根「ふん、さすがに気づいたか。まぁ、気づいたところでもう遅いがな」

美琴「ッ!!」

 どこからくるか分からない攻撃に備え、美琴はさらに姿勢を低くする。

 しかし、飛んできたのは攻撃ではなく、言葉だった。

垣根「お前、さっき<始める前に>つったよな?」

美琴「・・・」

垣根「テメェのさっきの一撃を見る限り、テメェはままごとでも始めるつもりかもしれねぇが」

 そこまで言うと、垣根の表情から唐突に笑みが消えた。

 垣根の全身からさっきまでとは比べ物にならないほどの殺気が溢れる。

 正真正銘、本物の殺気。

美琴「な、何よ・・・・・・ッ」

 美琴の全身が思わず震え上がる。

 そんな美琴に、垣根は言った。

垣根「俺が始めるつもりなのは」



  「殺し合いだ」



 その瞬間、垣根の周りの砂埃が急速に動き始めた。

 それは、垣根を中心に螺旋上に回転すると、形状が無数の球に変わる。

 つまり、砂で作られた球だ。

美琴「はっ、そんなチャチな物で私を圧倒できるとでも思ったわけ!?」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/08(金) 02:38:19.53 ID:DZ5N3vRf0
 垣根の周りに滞空する無数の球を見て、美琴が鼻で笑う。

 磁力を操ることで、美琴は地中の砂鉄を大量に集め、無数の剣を作った。

 それは、美琴の意思一つで長さも強度も調整できる強力な飛び道具だ。

垣根「おぉ、早速おもしれぇもん見せてくれるのか」

美琴「えぇ、アンタのその泥玉よりは面白いものよ」

 その直後、二人の飛び道具が同時に飛び出した。

 砂の球と砂鉄の刃。

 常識敵に考えれば、どちらが砕け、どちらが勝るのかなど問うまでもない。

 そう、常識的に考えれば。

美琴(もらった!!)

 美琴の剣の向きが変わる。

 砂の球との激突を避けるためではない。

 逆だ。

 砂の球を破壊し、そのまま垣根に砂鉄の刃を叩き込むためだ。

 砂鉄の刃と砂の球が空中で激突する。



 そして、ガキン!という音とともに、砂鉄の刃が砕け散った。



美琴「・・・・・・・・・は?」

 目の前の光景を、美琴はただただ呆然と眺める。

 余りにも常識の通用しないこの光景を認めることができなかった。

 認めることができなかったからこそ、そのまま飛んでくる砂球にどう対処すべきか分からなかった。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/08(金) 02:50:38.61 ID:DZ5N3vRf0
 大変いいところですが、眠いので今日の投下はここまでとさせていただきます。

 次回の投下は明日かもしれないです。というか、学校祭があるためしばらく投下できない可能性もあるのですが、暇を見てなんとか投下したいなと思います。

>>188 エツアリさんの出番ですか・・・・・・一応考えときます。

>>189 提督じゃないですか?

 今日はこの辺で失礼します。読んでくれたみなさんありがとうございました。

 ちなみに、美琴は別に死んでませんよ?
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/08(金) 02:57:55.24 ID:BL63qbD10

帝督だったはず
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/08(金) 03:02:53.66 ID:DZ5N3vRf0
 スミマセン、原作で確認したのですが、帝督でした。

 本当に申し訳ない・・・・・・orz
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 03:32:11.69 ID:SY8udxDDO

出番の少なさゆえ皆に下の名前忘れられて「提督」って間違られてばかりなんだよな…
誤植防ぐためにもていとくんの再登場をかまちープリーズ!
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/08(金) 07:26:50.43 ID:RThLsGDf0
>>184
美琴が戦闘能力として第六位とか、心理掌握が最下位とか何処のソース?
自分の解釈を、さも公式設定のように語る奴ってホント何処にでも居るのな

実際、麦のんが全力ならイチコロって言うけど、それすると自爆って話なわけだし
そもそも原子殺しも電撃も拳銃一発でも人を[ピーーー]には十分すぎる威力なわけで…
後は如何に当てるかってだけの話じゃん
そもそも単純な不等号で強さが表せるなら、浜面が麦のんに勝てるわきゃねぇだろうが
んな事も分からねぇ童貞脳、否さド低能が!

…まぁ、垣根に美琴が勝てるとは思えないけどさ、うん
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 07:40:59.27 ID:X27AX6jZ0
>>196
大丈夫、三年後には完全復活して戦っているていとくんの姿が・・・・・
たぶんギャグ督として復活していると思うけど・・・・
199 :183 [sage]:2011/07/08(金) 09:16:14.08 ID:n0+MbXF4o
>>186
ちょっと勘違いしてるけどキャラ愛で盲目になってるんじゃね?
って原作の認識の間違いを指摘してるだけで
作中では自由に書いていいんだよ
それこそ美琴がていとくん圧倒したりね
>>184みたいな過剰に下げたり謎の6位の妄想設定披露しちゃうようなのは無視しちゃって構わんぞ
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/08(金) 10:00:59.81 ID:rDDZqD5so
削ぎーは順位には収まらないだろうし、0次元麦のんとか、多分作中最強レベルだろうぜ
201 :報告です。 [saga]:2011/07/09(土) 00:45:32.48 ID:mSXHwVOT0
 ・・・・・・学校祭と塾のコンボに時間と体力をすっかり取られてしまったため、今日は投下できなくなってしまいました。

 明日か明後日にでも投下したいなとは思っていますが、確かなことは言えません。

 それはそうと、今回も書き込みありがとうございます。

>>196>>198
ていとくんの原作再登場は、俺も期待しています。結構愛されるキャラですよね、ていとくん。

>>197 
力の差は戦術で越える。
禁書では、そんなシーンがよくありますよね。
浜面vs麦野がいい例です。

>>199
気遣いありがとうございます。
ですが>>1は原作準拠の設定で書いていきます。
俺は原作を超崇めているので。

>>200
ゼロ次元麦野って、ゲーム版にでてきた「ゼロ次元の極点」の解析に一番有能なのは、電子を操ることに長けている麦野であるとかいう話のことですよね?
・・・・・・それって強さには余り関係ない気がします。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 17:50:09.49 ID:KUqKiUT20
>>201
力の差は戦術で越えるっていうけど浜面vs麦野は麦野が防御手段がないから負けた
垣根vs御坂では工夫すれば勝てるなんて次元じゃない
垣根の防御はレベル5でも貫ける奴なんて一方かまだよくわかんな削板ぐらいしかいねェ
これでどうやって勝つ?御坂…
203 :今回も書き込みありがとう。 [saga]:2011/07/13(水) 03:09:20.47 ID:eYplhJYa0
こんばんは、>>1です。
忙し過ぎて全然投下できませんでした。
これからも、テスト前や学校行事のときは、投下できなくなる可能性が大いにあるので、割とのんびり待ってくれたらいいなと思います。

それでは、早速投下します。
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/13(水) 03:37:18.52 ID:eYplhJYa0
目の前の光景を、美琴はただただ呆然と眺める。

余りにも常識の通用しないこの光景を認めることができなかった。

認めることができなかったからこそ、そのまま飛んでくる砂球にどう対処すべきか分からなかった。

いや、そもそも砂鉄の刃を砕く砂の球を、本当に砂の球と呼んでいいのかは極めて謎だ。

垣根「ハハッ、ぶっとべコラ!!」

美琴(あれが・・・・・・未元物質?)

そうぼんやりと考える美琴に、無数の砂球が灰色の空を引き裂き襲いかかった。

美琴単体を狙うのではなく、彼女を中心とした辺り一帯を破壊し尽くす絨毯爆撃。

それらの一つ一つの見た目はただの砂球であるにも関わらず、それらが地面に着弾した瞬間、

バゴゴン!!と地鳴りのような轟音が鳴り響き、平らだった公園の地面が一瞬で小さなクレーターの山と化した。

圧倒的な破壊の中、美琴は姿勢を低くすることで、かろうじて砂球の直撃を免れる。

だが。

美琴「ッ、ぐっ!?あァッ!!」

砂球がもたらす、そこにあるものを全て薙払うような衝撃波は、美琴を全方向から圧迫した。

全身を同時に殴られるような痛みに、一瞬美琴の息が止まる。
205 :会話と地の文の区別忘れたorz [saga]:2011/07/13(水) 04:07:15.60 ID:eYplhJYa0
 体の内側からミシミシと嫌な音がし、たまらず美琴はその場でくずおれた。

 その拍子にまともに砂埃を吸い込み、美琴は思わず咳き込んでしまう。

 咳とともに口から何か赤黒いものが吹き出したのを、美琴は確かに見た。

美琴(おかしい)

 震える足でなんとか立ち上がりながら、美琴は思う。

美琴(どう考えても、たかが砂球でこんな・・・・・・)

 唇の端から流れる血を袖で拭き取り、相変わらず余裕の笑みで歩いてくる垣根を睨む。

美琴「やっぱり・・・・・・おかしい」

 すると、その小さな呟きが聞こえたのか、垣根が言い出した。

垣根「おかしい、おかしいよなぁ。いくら何でも第三位がこのザマってのはおかしい」

 そして、垣根は心底つまらなさそうに言った。

垣根「せっかく<外>に出れたってのに、そんなシケた動きされちゃあ興醒めってもんだよなぁ」

美琴「・・・・・・、」

垣根「お前、今全然本調子じゃねぇだろ」

美琴「!?」

垣根「見りゃ分かるっての」

 絶句する美琴に、垣根はやはりつまらなそうに言った。

垣根「それに、一応計測もさせてもらった」

美琴「・・・計測・・・?」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/13(水) 05:01:36.08 ID:eYplhJYa0
垣根「計測つっても俺がやったのは、初っ端にテメェが飛ばしてきた電撃に未元物質をぶつけてみただけだけどな」

美琴「!!」

 そのときに感じた異様な感覚は未だに手に残っている。

美琴(もしかして、さっき私が打ち抜いたのは・・・・・・ッ)

垣根「テメェのフルスペックは把握済みだ。そっから逆算してテメェの電撃の威力を割り出したんだが・・・」

垣根「初っ端のテメェの電撃は62.8%の出力しか出てなかったぞ?」

美琴「」

 今度こそ掛け値無しに美琴は驚愕する。

 その数値は、美琴が手加減として設置した電撃の出力の値を大幅に下回っていたから。

 そして。

美琴「何なのよ・・・・・・アンタのその能力は一体何なのよッ!!」 

垣根「だから言っただろ?俺の能力名は未元物質。その名の通り、未元物質を取り出し操る能力だ」

 まるで手の内を明かしたところで、垣根帝督と御坂美琴の差は絶対に埋まらないと分かっているかのような口ぶりで、垣根は言う。

垣根「これで何回言ったか分からねぇが・・・」



垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇ」



 その台詞とともに、垣根は右腕を振り上げた。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/13(水) 05:33:23.49 ID:eYplhJYa0
 その腕の動きに合わせて、正体不明の風の塊が美琴に襲いかかる。

 それに対して美琴は、今度は砂鉄の渦を作り出した。

垣根「オイオイ、そんなもんでこの風を防げるとでも思ってんのか?」

美琴「防ぐつもりなんて・・・ないわよッ」

 そう言うと、美琴はさらに砂鉄の渦を動かす。

 ちょうど風の塊の側面に当たるように。

 その結果、風の塊は砂鉄の渦に当たると、砂鉄の渦を木っ端微塵に吹き飛ばしたもののその進路を大きく変え、美琴の立つ位置とは検討違いの方向へ飛んでいった。

垣根「ほう、なかなかおもしれぇじゃねぇか」

 垣根のどう見ても人を馬鹿にしているようにしか思えない評価を無視し、美琴は聞く。

美琴「アンタ、一体何のためにこんなことやってんのよ?」

垣根「なんのためって言われてもな、俺はただテメェを捕まえてこいと言われてるだけだが?」

 そこまで言うと、垣根は何か言おうとした美琴を遮って言った。

垣根「そんなつまらねぇ無駄話はどうでもいいから、とっとと始めようぜ第三位」

 その台詞の直後、二人の超能力者が激突した。
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/13(水) 05:38:57.68 ID:eYplhJYa0
 今日の投下はここまでです。

 次の投下は明後日の予定。場面は変わって、上条さん達の方になります。

 それでは今日はここら辺で失礼します。読んでくれた皆さんありがとうございました。
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/07/14(木) 15:02:12.42 ID:b3+IISEZ0
上条が救出するとかいうまじでつまらん展開はするなよ?
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/14(木) 15:03:15.92 ID:b3+IISEZ0
ageてすまぬ
211 :ッエーイ [sage]:2011/07/14(木) 16:27:50.77 ID:Lahzfq6W0
>>209
そんなありきたりで済ませる気は全く無いですし、物語全体で見ると垣根の襲撃は序章に過ぎなかったりします。
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 18:22:37.61 ID:PM7vnejP0
じゃ御坂は死ぬのか…残念な気がする…
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 19:25:24.91 ID:JRq1u3iR0
一方通行が助けるんだろ。それで和解とかしちゃうんだな
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 02:00:29.38 ID:yBChVzms0
>>1です。

今回も書き込みありがとうございます。

>>212>>213
スミマセン、ノーコメントにさせてください。
どんなことを言っても、ネタバレニなるような気がするので。

それでは投下します。
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 02:01:43.02 ID:yBChVzms0
打ち止め「ほぉお姉様の通っている学校って学生寮まで豪華なんだねーってミサカはミサカは感心してみたり」

一方「……先に行っておくが、チョロチョロすンじゃねェぞクソガキ」

打ち止め「む、言われなくたって分かってるもんってミサカはミサカはあなたに抗議してみる」

番外「っていうか、いきなり保護欲全開かよ。さすがロリkって痛い痛い、やっぱりミサカの扱い酷いよね」

一方「自業自得って奴だ」

トンファー型の杖で番外個体の頭を突きながら、一方通行は上条に言う。

一方「ンで、これからどォすンだ?こンなところでたむろって時間を無駄にする趣味はねェぞ」

番外「その捻くれた言い方にミサカ好みのちょっとした悪意を感じるね」

一方「そォかい、そりゃ結構」

 心底どうでもよさそうに言う一方通行。

 ちなみに、こんなところとは、常盤台中学学生寮の入り口のことである。

上条「とりあえず俺が呼び出してみるからちょっと待っててくれ」

 そう言うと、上条はインターホンのところまで歩いてボタンを押し始める。

 その動作を眺めていた番外個体が、上条に聞こえない程度の小さな声で一方通行に言った。

 ちなみに打ち止めは、透明なガラス戸から僅かに見える常盤台学生寮の内装に夢中になっている。
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 02:02:29.03 ID:yBChVzms0
番外(気付いた?上条の奴、インターホンに向かうとき表札を見なかったよね)

番外(……っていうことは前にもお姉様の寮に行ったことがあるってことかな)

一方(そォいうことになるな、まァどうでもいいことだが)

番外(そうとも限らないよ?)

一方(……どォいうことだ)

番外(年頃の男の子が年頃の女の子の部屋に行くんだよ?その先に待っているものといえば……)

一方(さてっと愉快に素敵に食い殺すか)カチッ

番外(――っていうのは冗談だけどね……ん?)

 と、番外個体が突然視線をずらす。

 その視線を追ってみると、上条が未だにインターホンをいじっていた。

一方(?)

上条「あれ……?出ないぞ?」

 二人が馬鹿な会話をしている間に上条は数回インターホンを押していたのだが、相手方は一向に反応を示さない。

番外「朝食食べてんじゃないの?」

上条「?どういうことだ?」

 インターホンに近づきながら言う番外個体に、上条はよく分からないといった様子で聞き返す。

 答えたのは番外個体ではなく一方通行だ。

一方「常盤台の学生寮は確か給食制じゃなかったか?」

上条(……そういえば前、学食レストランで常盤台の給食あったよな)

 その驚くべき値段は今でも忘れられなかったりする。
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 02:03:19.33 ID:yBChVzms0
番外(気付いた?上条の奴、インターホンに向かうとき表札を見なかったよね)

番外(……っていうことは前にもお姉様の寮に行ったことがあるってことかな)

一方(そォいうことになるな、まァどうでもいいことだが)

番外(そうとも限らないよ?)

一方(……どォいうことだ)

番外(年頃の男の子が年頃の女の子の部屋に行くんだよ?その先に待っているものといえば……)

一方(さてっと愉快に素敵に食い殺すか)カチッ

番外(――っていうのは冗談だけどね……ん?)

 と、番外個体が突然視線をずらす。

 その視線を追ってみると、上条が未だにインターホンをいじっていた。
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 02:04:23.11 ID:yBChVzms0
一方(?)

上条「あれ……?出ないぞ?」

 二人が馬鹿な会話をしている間に上条は数回インターホンを押していたのだが、相手方は一向に反応を示さない。

番外「朝食食べてんじゃないの?」

上条「?どういうことだ?」

 インターホンに近づきながら言う番外個体に、上条はよく分からないといった様子で聞き返す。

 答えたのは番外個体ではなく一方通行だ。

一方「常盤台の学生寮は確か給食制じゃなかったか?」

上条(……そういえば前、学食レストランで常盤台の給食あったよな)

 その驚くべき値段は今でも忘れられなかったりする。
一方「常盤台の連中は食事の度に部屋から出なくちゃなンねェのかよ」

打ち止め「うーん、ヨミカワに「ご飯じゃん!」て呼ばれて、部屋から出るヨシカワみたいな感じ?ってミサカはミサカはよく分からない例えを引っさげて会話に参加してみたり」

一方「本当によく分からねェな。まァ言いたいことはなんとなく分かるが」

 要は、感覚の問題だと打ち止めは言いたいのだろう。

 その人にとって確立された日常というのは、時として第三者にとっては不可解なものとなり得る。

 それでいてそれは、誰が何と言おうと紛れもなく日常なのだ。

一方(まァ当たり前のことだよなァ)
 
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 02:06:05.79 ID:yBChVzms0
一方(?)

上条「あれ……?出ないぞ?」

 二人が馬鹿な会話をしている間に上条は数回インターホンを押していたのだが、相手方は一向に反応を示さない。

番外「朝食食べてんじゃないの?」

上条「?どういうことだ?」

 インターホンに近づきながら言う番外個体に、上条はよく分からないといった様子で聞き返す。

 答えたのは番外個体ではなく一方通行だ。

一方「常盤台の学生寮は確か給食制じゃなかったか?」

上条(……そういえば前、学食レストランで常盤台の給食あったよな)

 その驚くべき値段は今でも忘れられなかったりする。

一方「常盤台の連中は食事の度に部屋から出なくちゃなンねェのかよ」

打ち止め「うーん、ヨミカワに「ご飯じゃん!」て呼ばれて、部屋から出るヨシカワみたいな感じ?ってミサカはミサカはよく分からない例えを引っさげて会話に参加してみたり」

一方「本当によく分からねェな。まァ言いたいことはなんとなく分かるが」

 要は、感覚の問題だと打ち止めは言いたいのだろう。

 その人にとって確立された日常というのは、時として第三者にとっては不可解なものとなり得る。

 それでいてそれは、誰が何と言おうと紛れもなく日常なのだ。

一方(まァ当たり前のことだよなァ)
 
220 :連投スマン [saga]:2011/07/17(日) 02:07:26.51 ID:yBChVzms0
そう心の中で呟く一方通行。

 思えば、時たまこういった真理を突くような鋭い発言をするのが打ち止めという少女のちょっとした特徴だったような気がする。

一方(普段はただのクソガキだがなァ……ハッ)

 思わず苦笑する一方通行を、当の打ち止めは不思議そうに首をかしげながら見ていた。

上条「とにかくだ」

 インターホンをいじる手を止めた上条が言い出した。

上条「今はどうやってもあいつには会えねえのか」

 残念そうに呟く上条。

 そのとき、

一方(何だ?)

 一方通行のズボンのポケットの何かが僅かに振動した。

 携帯ではない。マナーモードにした覚えなど無いからだ。

一方(……まさか)

 だとしたら考えられるのは一つだけだ。
221 :連投スマン [saga]:2011/07/17(日) 02:08:09.57 ID:yBChVzms0
一方(霊装?)

 だが、打ち止めや番外個体の前で霊装を取り出す訳にはいかない。

一方「おっと、すまねェ電話だ」

打ち止め「え?マナーモードにしてたの?ってミサカはミサカはあなたに聞いてみる」

一方「あァ、ついこの前買ったばかりだから操作が良く分からなくてな」

番外「……?」

 番外個体が不思議そうに一方通行を見たが、それを無視して、

一方「……」
 
 チラリと、アイコンタクトを送った。

 送った上で一方通行はドアから外に出る。

 その相手はアイコンタクトの意味を一発で理解したらしく、すまなそうに言った。

上条「わりぃ、俺も電話みたいだ。ちょっと外出る」

番外「え?じゃあこれはどするの?」

 インターホンを指差しながら言う番外個体に、上条は外につながるドアへと向かいながら言う。

上条「すまない、もう少し試してみてくれ。番号は208だ」

 不思議そうに首を傾げる番外個体と打ち止めをよそに、上条はそそくさと外に出ていく。


222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 02:09:23.07 ID:yBChVzms0



一方「もう少しマシな言い訳はできなかったのか」
 
上条「思いつきませんでした……ハイ」

 ちなみに今二人がいるのは、常盤台中学学生寮を出てすぐの路地裏である。

一方「ハァ、ま、アイコンタクトに気付いただけマシか?」

上条「もし気付かなかったら?」

一方「聞きてェのか?」

上条「……」

 そう言いながら、一方通行はポケットから霊装を取り出した。

 ポストイット型のそれは、白い光に包まれていた。

 強く、弱く、心臓の鼓動のように明滅するそれを見ながら、上条は聞く。

上条「何だ?それ」

一方「それを今から説明……する暇はねェな」
 
 ポストイット型の霊装を一枚剥がしながら、一方通行は言った。
223 :スミマセンミスりました [saga]:2011/07/17(日) 02:24:22.77 ID:/0zksqiX0
>>217>>218の全文
 と
>>219
「その驚くべき値段は〜」
までを無視してください。

 学校のPCで書き溜めたのを投下したら、切り張りに失敗してこのザマです。

 本当に申し訳ございませんでした。



 ・・・続けます
224 :PSPに切り替えてお送りします [saga]:2011/07/17(日) 03:02:34.11 ID:/0zksqiX0
一方「これは俺が魔術を使うための霊装だ」

上条「何・・・・・・ッ?」

一方「口を挟むなよ、詳細は後で話してやる」

 そう言うと、一方通行はチョーカーのスイッチを入れ、天使の力を「調整」し始めた。

 昨夜の練習の成果かさほど苦労することなく「調整」を済ませると、一方通行は霊装の一枚に天使の力を流し込む。

 すると、その霊装の輝きが一層強くなった。

 が、その鼓動のような光の明滅は続いている。

 それを眺めながら一方通行は小さく呟いた。

一方「・・・・・・通信術式?」

 上条の驚愕の視線を無視して、一方通行はポストイットを壁に張り付ける。

一方(多分あの光の明滅は音波の波を表現したもので、それに魔術的な記号を組み込むことで通信機能を付けることに成功したということか)

 と、一方通行が目の前の現象を分析していると、


「ハーイ、聞こえてるかな一方通行」


 突然その霊装から声が聞こえてきた。

 この可愛らしい声音の割に、どこか迫力のある声は二人とも知っている人の声だ。

上条「バードウェイ!?」

バード「うん?何だ上条の奴もいるのか」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 03:47:08.48 ID:/0zksqiX0
一方「あァ、いて欲しくないってンなら今すぐコイツを太陽系の外までぶっ飛ばすが?」

上条「・・・・・・お前、実は実験のときのこととかロシアでのこととか相当妬んでるだろ、ってわぁ嘘です!!頼むからその首にかかった手を戻して下さいッッ!!」

バード「上条・・・・・・謝罪は終わったのか?」

上条「えっとまだインデックスだk」

バード「殺っていいぞ」

上条「わぁぁぁぁぁッ!?冗談でもそんなこと言うんじゃねぇッ!!」

バード「いや、別にいてもいいんだけどな。つかいた方が逆にいいな、うん」

一方「ンで、何の用だ。こっちも忙しいンだよ。下らねェことだったら即切るぞ」

バード「んー、そうだな。そんな忙しい二人に耳寄り情報」

 そのふざけた声の調子に少し嫌な予感がする二人。

 結論を言うと、その予感はまさしく合っていた。

 続けてバードウェイは言った。



バード「学園都市に新たな魔術結社が侵入したらしいぜ?」



226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/17(日) 03:51:26.14 ID:/0zksqiX0
 本日の投下これにて終了です。

 途中のミスは本当にスミマセンでした。

 次回の投下は、また書き溜める予定なので来週になります。

 それではこの辺で失礼します。読んでくれた皆さんありがとうございました。
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/17(日) 06:58:26.42 ID:QNufEeyCo
乙です
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/18(月) 15:24:20.01 ID:FiXzacNO0
>>1

次の投下を待っているのである。
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/18(月) 20:20:38.81 ID:azRIU7EH0

上条さんに期待
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/18(月) 20:21:14.57 ID:azRIU7EH0
すいませんでしたああああああああああああああああああほんとごめん
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 15:28:37.21 ID:YC88ZB2DO
>>1

バードウェイと一方さんは意外と気が合うかもしれない
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 18:46:59.42 ID:o01MK2Wm0
>>231
フラグは立たないけどな
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:42:59.76 ID:TQlY17Ux0
 こんばんは、>>1です。

 予告よりも一週間も遅れてしまい、スミマセンでした。

 模試やら数検やら講習やら野球の全校応援やらで忙しかったんです。

 これからもこういったことがあるかもしれませんが、のんびり待ってくれるといいなと思います。

 

 今回も書き込みありがとうございます。

 >>232
 バードウェイはむしろ、上条とフラグが立ってる気がする。

 では、投下します。
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:44:52.30 ID:TQlY17Ux0
 
 
 バード「学園都市に新たな魔術結社が侵入したらしいぜ?」

 
 その時。

 一瞬だが確実に、その場の時間が止まった。

 ひたひたと降り注ぐ霧雨が、路地裏の雰囲気を一層冷めたものに演出する。

上条「……それで、そいつらは学園都市で何しようとしてんだ?」

バード「さぁ」

上条「さぁ、ってなぁ……」

バード「調べようとはしたんだが、何せ時間が無くてな。こっちが分かっていることは少ないんだよ」

一方「全部洗いざらい話せよ。俺達にコンタクトを取ってきたっつゥことは、やってもらいてェことがあるンだろ?」

バード「……ふむ、お前おもしろいな」
 
一方「俺をそンな風に評価する奴にロクな奴はいねェンだけどな」

バード「ま、そんなことはどうでもいい。さっさっと説明するか」

一方「……激しくマイペースな奴だな」

 一方通行のぼやきを無視して、バードウェイが話し出す。
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:46:33.83 ID:TQlY17Ux0

バード「魔術結社の名は『裁きに徹する者』。あいにく分かってることと言えば、そうだな。異常に奇妙な連中だ」

一方「……上条」

上条「あぁ、うん。言いたいことは分かるけど、もう少し話を聞いてやろうぜ……って、ん?」

 その直後、壁に貼り付けられた霊装が突然光り出した。

 その黄色い光が一気に強くなり、

一方「……成程な」カチッ

上条「へ?何これ?」

 一方通行が何かを悟ったように頷いて、チョーカのスイッチを入れた瞬間、


 どーんという愉快な音を立てて、霊装が爆発した。


上条「って、わぁぁぁぁッ!!何だ?敵の仕業か!?」

 右手を構え、爆風を押さえつけようとする上条。

 そんな上条に一方通行は。

一方「……」ブォッ

上条「なっ!テメェ、爆風を俺に向けてくんな!!って痛ぇぇぇぇぇぇっ!!」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:47:53.34 ID:TQlY17Ux0
 とか叫びながら、ついに爆風になぎ倒された上条は、ゴロゴロと地面を転がり回った。

 その状況を眺めながら、一方通行は通信術式を起動させた新しい霊装を壁に貼り付けて呟く。

一方「やりすぎだ。バードウェイ」

バード「バレてたのか」

一方「俺を誰だと思ってやがる」

上条「って、お前の仕業かッ!バードウェイ!」

 弾けるように立ち上がって、そう言う上条だったが、

バード「うん?ちょっとムカついたから、爆撃しただけだよ☆てへっ」

上条「てへっ、じゃねぇぇぇぇぇぇっっっっ!!」

バード「ゴチャゴチャ五月蠅いな。上条、お前に偉そうにされると無性に殺意が湧くんだよ」

 先程の上条の、『もう少し話を聞いてやろうぜ』発言がイラッときたらしい。

 確かに上から目線の発言ではあったような気がしないでもないが……

上条「そんなことで爆撃されんのかよ……」

一方「バードウェイ、オマエのその気持ちはクソみてェによく分かるが、ンなことして遊んでる暇あンのか?」

上条「」

 やっぱり不幸だと頭を抱える上条に構わず、バードウェイは続けて言った。
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:49:23.24 ID:TQlY17Ux0

バード「ええと、どこまで話したっけ?」

一方「まだ魔術結社の名前だけだろ」

上条「そいつらが奇妙だとか言ってたな」

バード「ふむ。何が奇妙って、構成員一人一人が扱う術式の系統がまるで違うんだよ」

上条「え、それはよくあることじゃねぇの?」

 例えば、『神の右席』。

 彼らは同じローマ正教の一員であるにも関わらず、術式は属性から規模まで全く異なる特性を持つものだった。

 だが。

バード「そういうことじゃないんだ。魔術師が使う術式には、そいつが信仰する宗派の特徴が色濃く残るものなんだよ」

上条(……、そういえばシェリー=クロムウェルのゴーレムはロンドン仕込みの術式だと、インデックスが言ってたよな)

 そしてその魔術師、シェリー=クロムウェルはイギリス清教所属の魔術師だ。

 それぞれの宗派には、それぞれの術式の「クセ」が存在する。

一方「それがバラバラっつうことは……」

バード「そう、多分あいつらは元々、世界三大宗派の内どっかに所属している魔術師だった」

上条「それが止めさせられたり引退したりした奴が集まってる組織っつうことか」

バード「まだ推測の域を出ないけどな」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:50:39.79 ID:TQlY17Ux0

一方「ンで、それしか分からないと?」

バード「まぁな。けど、たった今あいつらが動き出した」

上条「……、」

バード「この町には学区というシステムがあるらしいが、その第七学区の中央公園とやらに『人払い』が仕掛けられた」

一方「『人払い』?」

バード「人間の感覚や認識に働きかける魔術で、効果範囲に他人を寄せ付けないという術式でね」

一方「そンなもン使って連中は秘密の会合(笑)やら、組織の名の通り裁判でもするつもりなのかァ?」

上条「公園で裁判って……」

バード「いや、もっと重大なことかもしれない」

上条「重大?」

バード「この町を破壊し尽くす魔術儀式でもやってるかもしれないよ?」

一方「かもしれない、ねェ」

バード「あぁ勿論、断定はできない。けど、その可能性が少しでもあったら潰すべきだろ?学園都市がどうなろうと私は知ったことじゃないけどさ」

一方「……」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:52:24.30 ID:TQlY17Ux0

上条「一つ聞いていいか、バードウェイ」

バード「嫌だって言ったら?」

上条「」

バ−ド「なんてな。で、何だ?」

上条「……お前達は何で俺達に協力してくれるんだ?」

         われわれ
バード「『明け色の陽射し』にたてつく可能性がある奴を排除したいってのもあるが、そうだな……」

 そこで一息置いて、バードウェイが言った。

バード「お前らはこの私が一目置くぐらいには愉快な奴だから、かな」

上条「……喜んでいいのか?これ」

一方「いい訳ねェだろ。思いっきり馬鹿にされてンじゃねェか」

バード「何だ、せっかく柄にも無く褒めてやったのに」

上条「……もういいや、それで」

 そこで、一方通行が会話の流れを断ち切るように言った。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 00:53:42.21 ID:TQlY17Ux0

一方「とにかく、その『人払い』とやらが仕掛けられた場所に俺たちが突撃するのはいいとして、オマエらはどォすンだ?」

バード「悪いけど我々は『魔術結社』だからな。あまり訳もなく他の魔術組織に茶々を入れる訳にはいかない」

 多分、魔術結社同士の摩擦って奴をできる限り抑えたいんだろうな、と推測しながら上条は言う。

上条「ってことは、お前らの増援は期待できないってことか」

バード「こっちは奴らに探りを入れてみる。何せ分からないことが多すぎるからな」

上条「分かった。じゃあまたn」

一方「待て。中央公園に行ったら、まず『人払い』の方を何とかするべきだ。どォすれば『人払い』を解除できる?」

バード「そうだな……、『人払い』はルーンの刻印を用いて仕掛けるのが主流だ。だから、公園内に仕掛けられた全てのルーンを破壊すればいいだろうな」

一方「そりゃまた、クソ面倒だなオイ」

バード「ま、そんな所かな。一応、健闘を祈るよ」

 と、バードウェイが言い終えると、それまで白く光っていた霊装から力が失われ、光が消えた。

 通信が切れたのだ。
 
 ただの紙屑となった霊装を壁から剥がし、クシャクシャと丸めて適当に放り投げると、一方通行が言った。

一方「さてと、まずはあのクソガキ共のところに戻るかね」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga]:2011/07/30(土) 01:00:07.97 ID:TQlY17Ux0
 はい、今日の投下はここまでです。

 魔術結社の名前はかまちー先生っぽい中二をイメージしたのですが、伝わったでしょうか。
 
 実はあの名前にも色々訳があっt……ゴホンゴホン

 次は来週か、最悪再来週には投下したいなと思います。

 それでは、この辺で失礼します。

 読んでくれた皆さんありがとうございました。

 
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/30(土) 06:45:37.47 ID:ofkcQLSE0
>>1乙 読んでるよ
続けて、続けて。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 19:35:29.29 ID:1poFXLfUo

         /|
       /  |   φ(・ω・´)
           |  /  oノ )
     |\   L/     〈〈
  __  \
__   |
   |  |
   |
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/08/01(月) 20:54:12.63 ID:5bEUrOCn0
上条に期待してる
245 :申し訳ない [saga]:2011/08/13(土) 03:36:24.53 ID:qz7OV2VB0
 
単刀直入に言うと、html化依頼出すことにしました

いえ、ネタに詰まったわけではなく、最後へのビジョンも明確に見えているのですが、

なにせ時間が足りなかったので……

でも、本当に最後まで考えているので、最後まで書き溜めてから、また同じ名前

でスレを立てようかなと思っています

(そしたら、こんなに間を空けることも無いですし)

そのときは、よろしくお願いしますね

期待してくださっていた方申し訳ありませんでした。
246 :申し訳ない :2011/08/13(土) 03:44:34.99 ID:qz7OV2VB0
書き忘れ

どうでもいいけど、次も>>1の名前はッエーイの予定です
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/13(土) 11:55:55.34 ID:mNpr7FJ80
>>246了解
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