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とある仮想の禁書目録 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/16(木) 23:35:16.39 ID:T9SoRv8H0
とりあえず「電撃文庫:とある魔術の禁書目録」「電撃コミック:とある科学の超電磁砲」のSSを書いてみよう。的なスレです。

ネタバレあります。未読の方はお引き取りいただくのが無難だと思います。

投下速度は遅いです。申し訳ありません。

設定など原作との大きな変更がある場合はSSの前に設定を記載します。

SSタイトルごとに違う世界になります。

1レスだけの落書き的なものも出てくると思います。

【SSタイトル】内容メモ(例:上条×美琴・○○クロス・○○の続編・シリアス・ラブコメ・欝など)

↑こんな感じで話の最初に区切りを入れる予定です。

SSの最後は「おしまい」で締めます。
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

2 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/16(木) 23:39:08.72 ID:T9SoRv8H0
【上条当麻の帰還 〜インデックス〜】 上条×インデックス

―――必ず、戻る―――

とうまはそう言った。

だから私は―――――とうまの部屋のある学園都市で、とうまの帰りを待つんだよ。

―――――

数日前まで歩くこともままならなかった少女―禁書目録―は、バッキンガム宮殿の奥にある部屋の一室で、はっきりとそう言った。

少女が目覚めてから一週間がたち、少女の体調も順調に回復したので、イギリス清教の事実上の本拠地である聖ジョージ大聖堂に戻るための話し合いの席―イギリス清教の最大主教、聖人、魔術師といった、本来ならばこの場所にいるはずのない者と、建物の主である女王や騎士団長などが一堂に会する―
でのことである。

エリザード「はははっ。禁書目録は管理人の無事を信じてやまぬのだな」

インデックス「とうまは、約束は必ず守るんだよ」

ステイル「しかし…彼は…」

インデックス「とうまは、約束は必ず守るんだよ!!」

バンッ!とテーブルを叩いて少女が立ち上がる。その瞳からは大粒の涙が溢れていた。
3 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/16(木) 23:44:39.83 ID:T9SoRv8H0
ステイル「…くっ」

神裂「ああ、泣かないでくださいインデックス」

イギリス清教の攻撃の要である聖人がハンカチを手に嗚咽する少女に近づき、優しく涙を拭う。

ロ−ラ「…しかし、実際どうするけるよ?」

エリザード「何がだ?最大主教」

ローラ「禁書目録の今後にけるよ?」

インデックス「!!」グスッグスッ

エリザード「そうだなあ。戦争もひと段落着いたし…」チラリ

そこで言葉を切ると、女王は少女に視線を向けて、ニッと笑う。

エリザード「王室が『霊装』の管理不行き届きで迷惑かけたから、禁書目録の望みどおりにしていいんじゃないか?」

神裂「女王様!」

騎士団長「陛下!!」

インデックス「…」パアア

エリザード「いつまでもここに閉じ込めておくわけにもいかないし、聖ジョージ大聖堂も修理中だろう?そうなると管理人といた場所に戻った方が禁書目録のためにもなる」

ステイル(的を得ているように見えて、実際は支離滅裂なことを…。だいたい、その管理人が生きているかどうかすらわからないというのに)
4 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/16(木) 23:52:34.03 ID:T9SoRv8H0
赤毛の魔術師の心配をよそに、少女は期待に満ちた眼差しを女王に向けた。

インデックス「…ほんとに?」グスッ

エリザード「ああ。だが条件が二つある」

インデックス「なんなんだよ?」

エリザード「なに、簡単なことだ。ひとつは管理者が戻ってくるまでの間の護衛を連れて行くこと」

インデックス「…仕方ないんだよ。…もうひとつは?」

エリザード「…『霊装』においての我が王室の不手際を不問にすること」

神裂「!」

ステイル「!」

インデックス「…私が答えられることじゃないよね?」

ステイル「最大主教…」

ローラ「…まったく。これで私がNOと言いたりし場合には、安心して眠ることもできなくなるにけりよ」

神裂「では…?」
5 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:00:51.82 ID:L9NxqceS0
ローラ「禁書目録は『研鑽』のため、神裂火織は天草式十字凄教の選抜メンバーと共に禁書目録の護衛のため学園都市に行くことを最大主教の名において命ずる」

インデックス「ありがとうなんだよっ!」

神裂「委細、承知」

ステイル「なっ!僕は!?」

ローラ「ステイルはハロウィンの後始末がまだ残っているけりよ」

ステイル「くっ」ギリッ

うなだれる赤い髪の少年の傍へと最大主教は歩み寄っていき、悪戯っぽく囁いた。

ローラ「残念であられまするなー」

ステイル「…勿論、最大主教も後始末に付き合ってくださるのですよね」

ローラ「え?ひゃっ!ちょ、ちょっとステイル!?何をするのであらせられるのですかー?」

ステイル「僕はルーンの回収、最大主教は…そうだな、溜まりに溜まった書類の整理でもしていただきましょうか」

ローラ「不敬になりたるけるよー。陛下や騎士団長の前であらせられまするぞー」

ステイル「大丈夫。いつものことですから。では女王陛下、騎士団長閣下、失礼いたします」

エリザード「はっはっは。お主の負けだな。最大主教。せいぜい励むことだ」

ローラ「ううう…」ジタバタ
6 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:10:24.81 ID:L9NxqceS0
赤毛の魔術師に襟首を持たれ押されるようにして最大主教は部屋を出て行く。それを見送ってから女王は聖人に向きなおると、真剣な面持ちで口を開いた。

エリザード「神裂火織、これは単なる好奇心なのだが…」

神裂「は、はい?」

エリザード「その格好は本当に必要不可欠なのか?」

神裂「は?」

エリザード「どう見ても、男に劣情を抱かせるための格好にしか見えないのだが」ウーム

神裂「は、ははは…」ズーン

精神的な会心の一撃を喰らって、聖人―神裂火織―は項垂れる。

エリザード「まあ、なにはともあれ、禁書目録の護衛、頼んだぞ」

神裂「…はい。我が命に代えましても」

エリザード「ああ、それと…禁書目録の『歩く教会』、いや、『元』だが、もう少し何とかならないのか?」

聖人に会心の一撃を喰らわせたことに気付かず、何事も無かったように英国女王はそう言うと、禁書目録を見た。正確には彼女が身に纏っている安全ピンで補強された修道服を。

神裂「…出発前に縫わせましょう」

―――――
7 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:18:45.74 ID:L9NxqceS0
インデックス「ただいまなんだよ!とうま!」ガチャッ

扉を開け、部屋の中に飛び込む。

―――おう。おかえり。インデックス―――

インデックス「とうま!?」

部屋の主の声が聞こえた気がして、少女は思わず名前を呼んだ。

だが、―――応えは無い。

インデックス「とうま…」ショボン

神裂「…これは、暫く人がいなかったからでしょうか?埃っぽいですね」

五和「とりあえず、窓を開けて換気しちゃいましょう」

神裂「そうですね。掃除は私がやりますから、五和は食料を買ってきてください」

五和「はい。わかりました。では、行ってきます」カチャ

インデックス「…」ポスン

少女はベッドに倒れこんだ。なんだか凄く懐かしい気がする。

神裂「インデックス…」

インデックス「とうま…私、帰ってきたんだよ」

神裂「…」

インデックス「えへへ。『歩く教会』がちゃんとした修道服に戻ったんだよ。法王級の防御力は無くなっちゃったけど」

神裂「…」

インデックス「とうま…」

神裂「…」

―――――
8 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:24:05.63 ID:L9NxqceS0
とうま。

とうま。

どこにいるの?

私は―――――ここにいるんだよ?

戻ってきたんだよ?

とうま。

―――――

インデックス「…」カチャ

神裂「どうしたのですか?まだ、残っていますよ?」

インデックス「…もう、おなかいっぱいなんだよ」

神裂「半分も食べていないじゃないですか」

五和「…お口に合いませんでしたか?」

インデックス「美味しかったんだよ…でも…」

神裂「どうしたのですか?」

インデックス「…とうまは、ちゃんとご飯食べてるのかな?」

神裂「…」

五和「…」

インデックス「そう思うと、おなかがいっぱいになっちゃうんだよ…」

―――――
9 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:34:50.62 ID:L9NxqceS0
とうま。

とうま。

どこにいるの?

とうま。

―――会いたいんだよ。とうま。

―――――

街が寝静まった深夜、少女はそっとベッドから這い出ると、音を立てないように玄関へと向かう。

インデックス「…」カチャ

玄関の扉を開け、少女は外へと歩き出した。

インデックス(とうま…)

少女が出て行った部屋の中で、神裂火織は静かに目を開けると体を起こした。隣で眠っていた五和も同じように体を起こし、無言で布団を畳んでいる。

神裂「五和」

五和「はい」

神裂「良いのですか?」

五和「…はい。私たちの役目は終わりましたから」

神裂「…」

五和「…」グスッ

神裂「…さて、行きましょうか」

五和「はい」

―――――
10 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:43:06.14 ID:L9NxqceS0
とうまと一緒に歩いた道。

とうまと一緒に入ったレストラン。

とうまと一緒に―――――

とうまと一緒に―――――

とうまと一緒に―――――

歩いていると想い出が溢れてくる。風景の中に少年の姿が浮かんでくる。

インデックス「…とうまぁ……」

小さな声が少女の口から漏れる。

―――ねえ、私はここにいるんだよ?とうま。

街路灯の下で立ち止まると、少女は俯いて唇を噛みしめた。
11 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:45:47.61 ID:L9NxqceS0
インデックス「…ふぇ」グスッ

上条「…なにこんなところでべそかいてるんだよ、オマエ」

インデックス「え…?」

上条「しかもこんな時間に外にいるなんてどういうこと?」

インデックス「と…う…ま?」

上条「他に誰に見えるんだ?」

―――本当に?

インデックス「…とうま。…ふぇ、ふぇええええええええええええええええんっ!!とうま!!とうま!!」ダキッ

上条「うおっ!?インデックス!?」

インデックス「とうまとうまとうまとうま!!」ギュッ

上条「インデックス…」

インデックス「心配したんだよっ!!心配したんだよ!!とうま!!」ギュッ

上条「…そっか」ナデナデ

インデックス「ふぇえええええええええんっ!!」ギュッ

上条「…約束しただろ。必ず、帰るって」ナデナデ

インデックス「…うん」エグッ、エグッ

上条「…ただいま」ギュッ

インデックス「おかえり。―――とうま」ニコッ

おしまい
12 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:48:39.38 ID:L9NxqceS0
うーん。インデックスのラブシーンってうまくかけないorz

神裂と五和はイギリス清教から「上条帰還」の連絡が入ったということで。

なんか中途半端でスマン
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 00:49:54.15 ID:9Mt1c6HY0
乙!どきどきいながら読んでたんだよ!
14 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:51:42.95 ID:L9NxqceS0
少し前に総合に投下したのを穴埋めにww

【とあるアマガミ的禁書目録 七咲=美琴編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

美琴「ふぅーん。アンタ、気になるんだ」ニヤニヤ

上条「な、な、なんのことでしょう?御坂さん」

美琴「スカートの中」ニヤニヤ

上条「!!」カァッ

美琴「あ、赤くなった。エッチなんだから」クスクス

上条「…」

美琴「えいっ!」

上条「お、お前っ!なにしてるんだ!?」カァァッ

夕日に赤く染め上げられた公園の自動販売機の陰で、目の前の中学生は灰色のプリーツスカートの裾を両手で持ち上げていたずらっぽく笑っている。

美琴「別に見られても減るもんじゃないから大丈夫」ニヤニヤ

上条「露出狂!?」

美琴「馬鹿言ってないで見ればいいじゃない」

上条「よ、よし。見るぞ!」

視線を少女の足元に落とし、ゆっくりと上に戻していく。カモシカのようにすらりとしたしなやかな脚。太腿にかかるブラウスが艶かしい。そして…。

上条「…短パンか」

美琴「あれ?もしかして期待してた?」ニヤニヤ

してやった顔でスカートを直しながら少年を見上げる少女。

上条「そもそも、なんでこんなことになってるんだっけ?」

美琴「アンタが『御坂妹は縞々パンツだったけど、御坂は?』なんてふざけたこと聞いてきたからでしょうが!」

上条「ああ、あれはいいもの見させてもらった」

美琴「この変態!!」ビリビリ

上条「け、健全な男子高校生なら普通だと思うんだけど!?」

美琴「…アンタが私の見たいなら…」ゴニョゴニョ

上条「え?」

美琴「な、なんでもない!てか、聞いてるんじゃないわよ!!」ビリビリ

上条「ふ、不幸だああああああああ!!」

おしまい
15 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:53:42.75 ID:L9NxqceS0
【とあるアマガミ的禁書目録 中多=神裂編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

神裂「あの、こちらに来ていただけますか?」

上条「別にいいけど?」

神裂「貴方の頬に汚れが…」

そう告げてポケットからハンカチを取り出す。これは偽装だ。

上条「え?あ、そ、そうか…」

神裂「できれば少しだけ目を閉じていただけると助かるのですが」

上条「あ、ああ。わかった」メヲトジル

やれやれ。こんなに素直でいいのでしょうか?もっとも、それだけ貴方に信用されていると思えば嬉しいのですが。

緊張する。私が今からしようとしていることを神はお許しになるだろうか?

右手でハンカチ越しに彼の頬に触れ、左手でそっと彼の額の毛を持ち上げる。

神裂「…」ゴクリ

顔が熱い。鼓動が煩い。

神裂「…」チュッ

上条「…え?」

ハンカチが床に落ちる。私の両手は彼の額の毛を掻き分けるようにして頭部をおさえている。

…彼の額はほんの少しだけしょっぱかった。

上条「神裂…?」

神裂「おまじない、です。貴方はなんでもひとりで抱え込もうとするから…」

上条「…」

神裂「貴方が無理をしないように、何かあれば私に相談してくれるように…」

上条「…」

神裂「貴方は、一人じゃないということだけ、覚えておいてください」ニコ

上条「…ああ。サンキューな。神裂」

おしまい
16 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:55:19.90 ID:L9NxqceS0
【とあるアマガミ的禁書目録 中多=五和&美也=インデックス編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

上条(今日はお客様(五和)がいるからお鍋にしよう)フンフーン

五和「…あっ。駄目、駄目です…」

な、なんだ?居間から悩ましげな声が聞こえてくるぞ…。一体何をしているんだ?五和とインデックスは!?

ちょっとだけ…覗いてみよう。

…おお!これは!!

インデックス「むー。どうすればこんなに大きくなるんだよ?いつわ」モミモミ

五和「し、知りません…あっ…」///

インデックスの奴!な、なんてうらやま…ゴホン、いやらしいことを!

インデックス「ふかふかなんだよ。いつわ」モミンモミン

五和「あっ…駄目…やめてください…」///

うわっ、柔らかそう。じゃなくて、五和が嫌がっているぞ。やめさせないと!

上条「こら!インデックス!五和が嫌がってるじゃないか!」

五和「えっ!?上条さん!!あ、あ、あのあのあの!!」カァァァッ

インデックス「ご飯の支度をしていたんだよね?とうま?それとも、覗いてたのかな?」カチカチ

五和「あぅぇええぇ!?」(み、見られた、見られちゃった!?)カァァッ

インデックス「お仕置きなんだよ!とうま」ガブガブ

上条「ぎゃあああああああっ!!不幸だああああああ!!」

おしまい
17 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 00:57:23.01 ID:L9NxqceS0
【とあるアマガミ的禁書目録 桜井=インデックス編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

インデックス「とうま、とうま。このコロッケ美味しいんだよ!」モグモグ

上条「それはなにより。なんなら、俺のも食べるか?」

インデックス「い、いいの?」キラキラ

上条「ああ。それだけ美味しそうに食べてもらえばコロッケも本望だろう」

インデックス「じゃあ、遠慮なくいただくんだよ!」サクッ モグモグ

本当に美味しそうに食べるなあ。インデックスは。

インデックス「美味しいよ。とうま」ニコッ

上条「おい、インデックス、ほっぺほっぺ」

インデックス「ん?えへへ」パクッ

頬にクリームソースがついていたので教えてやると、インデックスは人差し指でそれを絡め取って、笑顔でその指を舐め取った。

ホワイトソースだからか、なんとなく艶かしく感じる。

…いやいやいや、なんでインデックスの仕草にドキドキしなきゃいけないんだ。

インデックス「…どうしたの?とうま」

上条「な、なんでもないぞ」ドキドキ

気のせい、だよな?

おしまい
18 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 01:00:29.08 ID:L9NxqceS0
【とあるアマガミ的禁書目録 桜井=御坂妹編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

上条「よし。膝裏にしよう」

御坂妹「はい?と、予想外の場所にミサカは驚きを隠せずに聞き返します」

上条「…駄目か?」

御坂妹「いえ、駄目と言うわけではありませんが…」

上条「…」ショボン

御坂妹「そんな目で見られたら拒否できません。と、ミサカは不承不承頷きます」

上条「じゃ、じゃあ、いくぞ?」

御坂妹「少しだけお待ちください。と、ミサカは後ろを向いてスカートの裾を後ろ手でおさえます」

どうしてこんなことになったのでしょうか?

自動販売機の裏で、ミサカ達の恩人である上条当麻がミサカの後ろに跪いています。

御坂妹「…っ!」

太腿に彼の手が触れ、ミサカは思わず全身を震わせてしまいました。なんていうか、これは反則だと思います。

上条「…」チュッ

御坂妹「…ぁ」

今、彼の唇がミサカの膝裏に触れました。これはなんと言い表せばいいのでしょうか?とても不思議な感覚です。

…ちなみに、先ほどからミサカネットワークを遮断してあります。

こんなこと、他のミサカたちに知られたらミサカは生命の危機に曝されることになると断言します。

上条「…」チュッ サワ…

御坂妹「!!そこより上は進入禁止です!と、ミサカは貴方の頭をおさえながら宣告します!」///

上条「…」ショボン

御坂妹「そんな目をしても駄目です!貴方がこんなにエッチだったなんて驚きです」///

上条「エッチって…」

御坂妹「ミサカのお尻を触ろうとしたじゃありませんか」

上条「そ、そ、そんなことないですよ!?上条さんは紳士ですから」ダラダラ

御坂妹「紳士は紳士でも変態紳士ですねと、ミサカは溜息と共に呟きます」

上条「ふ、不幸だああああああ!!」

おしまい

今宵はここまで。おやすみなさいませ ノシ
19 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/17(金) 01:01:58.10 ID:L9NxqceS0
うえっ!?↑のタイトル修正ですorz

【とあるアマガミ的禁書目録 森島=御坂妹編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

ではではorz
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/06/17(金) 03:00:15.16 ID:TCyLg+dB0
最初のインデックス編で涙が……
でもその後が面白かった。
森島先輩ってオリアナや性格的にレッサーもありかな?
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/17(金) 19:12:56.40 ID:N2sPkCqIO
アマガミ的ななにかキター!!
総合から楽しみにしてたぜ
22 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 00:22:02.67 ID:EUAJ2zTr0
レスありがとうございます。意外とアマガミ的が好評で嬉しかったりしてww

ということでちょっとだけ投下。

【とあるアマガミ的禁書目録 棚町=番外個体編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

番外個体「ふっふーん。と、ミサカは一方通行を後ろから羽交い絞めにする」

一方通行「…だりィ」

番外個体「あれ?あれあれあれ?まさかのノーリアクション!?どこまで朴念仁なの学園都市第一位様は!?」ムギュ

一方通行「言いたいことはそれだけかァ?」

番外個体「うっわ、冷めてる。ミサカはいろんなところが勃っちゃいそうなのに」ムギュ

一方通行「もう少し慎みってモノをもった方がいいんじゃないですかねェ?」

番外個体「余裕綽々って感じ?うわぁ。ミサカはなんとしても一方通行に一矢報いることを決めた!」ムギュ

一方通行「やれるもンならやってみろォ」

番外個体「んじゃ、失礼して…」カプ

一方通行「!!」ビクッ

番外個体「んふふー。はんひてふ?」カプカプ

一方通行「なにしやがる!!テメェ」カチ シュタッ

番外個体「あれあれ?もしかして感じちゃった?ぎゃはははっ勃った?勃っちゃったのかよ一方通行」ゲラゲラ

一方通行「…チッ」

番外個体「一方通行の弱点みーつけ!ぎゃははっ。今度は奥まで舐め回してやるから覚悟しとけよ」ゲラゲラ

一方通行「…変態野郎がァ」

番外個体「ざんねーん。ミサカは女だから野郎じゃないんですよーだ」

一方通行「…チッ」

おしまい
23 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 00:31:59.63 ID:EUAJ2zTr0
【とあるアマガミ的禁書目録 森島=美琴 塚原=黒子編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

美琴「…はぁ」

黒子「どうしたのですか?お姉様」

美琴「なんていうか、最近ア…、友達と仲良くなれなくってね…。どうすればいいのかなあって」(アイツなんて言えない)

黒子(『ア』ってもしかしてアンタって言おうとしたのですの?)「わ、わたくしにでしたら、いつでも甘えてくださってよろしいのですのよ!」

美琴「え?」

黒子「というよりも、お姉様も少しは誰かに甘えることが必要だと思いますの!」グフフフ

美琴「あ、甘えるって?」

黒子「それはもう、ハグしてくださるとか、後ろからハグしてくださるとか、いっそのこと真正面からハグしてくださるとか!」ハアハア

美琴「ハ、ハグぅ!?」カァッ

黒子「やはり仲良くなるにはスキンシップが一番だと思いますの」ハアハア

美琴「か、考えてみるわ」アハハ

―――――

上条「はあ…。また補習で遅くなってしまった…」トボトボ

美琴(き、来たわ…。よし、行くわよ)ドキドキ

上条「タイムセールに間に合わなかったんですよ…」トボトボ

美琴「ごっろにゃーん♪」ダキツキ

上条「うわわわわわっ!?なんでせうか!?ゴロニャーン?」(何か柔らかいものが上条さんの背中に!?)

美琴「隙があるから後ろを取られるのよ!」ダキツキ

上条「み、み、み、み、御坂ぁ!?」(こ、こ、これは胸!?胸なのか!?)

美琴「なにしょぼくれてたのか、この美琴サンに言ってみなさい」ギュッ

上条「タイムセールに間に合わなくてがっかりしてるだけですよ!っていうか、年頃の娘さんが軽々しく男に抱きつくんじゃありません!!」

美琴「そ、そ、そ、それってつまり!?私のことをそういう風に見てるってこと!?こ、こ、こ、この変態!!」カァァッ

上条「何の前触れも無く抱きついてくるオマエが悪いんだろうが!」

美琴「うるさい!この馬鹿っ!!」ビリビリ

上条「なんでこうなるんだよ!!不幸だああああああああっっ!!」

おしまい
24 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 00:37:31.22 ID:EUAJ2zTr0
【とあるアマガミ的禁書目録 七咲=滝壺編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

浜面「…滝壺」

滝壺「はまづら…」

浜面「どうしたんだ?」

滝壺「…はまづらに、私の気持ちを伝えたいの」

浜面「滝壺の…気持ち?」

滝壺「うん。私の気持ち」

大丈夫。ここには私達以外誰もいない。

浜面「滝壺…?」

滝壺「はまづら…」チュッ

浜面「…!?」(キ、キスだと!?)

滝壺「…ん」チュッ

私は、はまづらのことが好き。大好き。

浜面(ヤベエ。なんか滝壺の必死さが伝わってくる)

滝壺「…ん。伝わった、かな?」

浜面「…ああ。その…」

滝壺「なに?」

浜面「ありがとうな」ニコ

滝壺「…」ニコ

おしまい
25 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 00:41:43.66 ID:EUAJ2zTr0
とりあえず今宵はこの辺でノシ
26 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 12:07:49.14 ID:EUAJ2zTr0
のんびり投下。

【上条当麻の帰還 〜御坂美琴〜】 上条×美琴

―――まだ。やるべき事がある―――

そう言って、アイツは空に消えた。

―――――馬鹿。

―――――

先ほど海中から拾い上げたストラップを握り締める。

まるで引きちぎられた紐がアイツと私の繋がりを表しているように思えた。

冷たい風が頬を撫でる。

「…お姉様」

「わかってる。…私、今、機嫌悪いんだけど、何の用?」

相手の方を見向きもせず声をかける。すると建物の影から一つの足音が少女たちに向かって近づいてくる。

足音の出てきた建物の影に複数の起動鎧が待機しているのを美琴は感じていた。
27 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 12:12:38.19 ID:EUAJ2zTr0
(さて、どうしようかしら)

ゆっくりと振り返りながら、近づいてくる人物を見る。その人物は黒いスウェットスーツのようなものを纏った体格のいい男だった。

「御坂美琴さんですか?」

「…ええ」

「私は警備員の――――です。そちらは一〇七七七号ですね?」

「警備員?ハンッ、ただの警備員が妹達のことを知っているはずないじゃないの」

「…では、統括理事会の伝言者と言えば警戒を解いていただけますか?」

「とりあえず聞くだけ聞いてからどうするか決めるわ」

美琴は右手で一〇七七七号を自分の後ろに来るように促しながら、そう言った。

「まず誤解しないでいただきたいのですが、私たちは貴女方に危害を加えるために来たわけではありません」

「…どういうことよ?」

「貴女は学園都市からの要請によりユーラシア大陸における敵対勢力の無力化の任務に従事。一〇七七七号は敵対戦力の索敵・観測及び貴女の補助のため、協力都市を出発し貴女と合流」

「…」

「任務終了後、指定された回収地点へ向かい現在地に至る…ということになります」
28 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 12:23:40.50 ID:EUAJ2zTr0
「…この何も無い寂れた場所が回収地点?」

「はい」

「この子は?」

「一緒に学園都市へ戻ります」

「見た感じ、輸送機とかないんだけど?」

「貴女が首を縦に振れば、すぐにでも学園都市に向かえますよ」

飛行機のエンジン音も自動車のエンジン音も聞こえないこの場所に、人員を運ぶための乗り物など、周囲を見回しても見つけることはできなかった。

美琴はこれ以上ここにいてもやれることはないと判断すると、男に小さく頷いた。

「いいわ。とりあえず帰りましょう」

「はい」

男は耳元から伸びているインカムに向かって何かを呟いた。すると美琴たちの後ろの凍った海が、派手な音を立てて砕け、泡立った海水の中から巨大な物体が現れる。

「…潜水艦?」

先端の丸くなった部分が上に跳ね上がり、瞬く間に中からスローブのような足場が伸びてきて、美琴たちの足元で止まった。

「乗ってください。話は中で。長時間浮上しているのは色々と問題があります」

「…行くわよ」

「はい。ミサカはお姉様についていきます」

スローブを登り、薄暗い空間を促されるままに奥へと進む。男の後ろからは駆動鎧が九体―そのうちの二体が一体の駆動鎧の両脇を持って入ってくる。おそらくは男のものだろう―乗り込んできて、全員が乗り終わるとハッチが閉じられた。

学園都市の誇る潜水艇は、学園都市の誇る超能力者を乗せ、母港への帰還の途についた。

―――――
29 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 12:33:29.99 ID:EUAJ2zTr0
「御坂美琴及び一〇七七七号の回収、終わりました」

「―――くれぐれも丁重に扱え。御坂美琴は学園都市の表看板だからな」

「はい」

「常盤台への報告は済んだ。御坂美琴への説明は頼んだぞ」

「了解しました」

―――――

(…半信半疑だったけど、どうやら本当にお咎め無しみたいね)

第二三区の地下数百メートルにある港から幾重ものセキュリティ・ゲートを抜け、国際空港ターミナルビルの非常用ゲートから学園都市に戻ってきた美琴は、一〇七七七号と共に統括理事会の用意した車で第七学区にある病院へと移動させられた。

美琴は帰国後の身体検査という名目だが、実際は一〇七七七号を預けるために病院へ来たというのが正しいだろう。

「ではお姉様。ミサカはこれで失礼いたします。お姉様と過ごせて、ミサカはとても嬉しかったです」

「あー、アンタには色々やらせちゃったわね。助かったわ」

「いえ、お姉様のお役に立てて、ミサカは胸を張って他の妹達に自慢をすることができます」

「ならよかった。また今度、…みんなで会いましょう」

「はい。お姉様」ニコ

一〇七七七号と別れて病院の外に出る。普段ならまだ授業を受けている時間にこのような場所にいるのはなんとなく変な気分だった。

(とりあえず寮に戻ろう。少しだけ眠って、それから…)

携帯電話を取り出し、切ってあった電源を入れ、フォトフォルダ内にある隠しフォルダを開いてその中にあった一枚だけの写真を見る。

ぎこちない笑顔の少年と、肩を抱かれて戸惑った表情の美琴のツーショット写真。

少しだけ口元を綻ばせ、美琴は小さく溜息をついた。

―――会いたい。

ねえ、アンタは今、どこにいるの?

―――――
30 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 12:43:17.30 ID:EUAJ2zTr0
「お姉様ぁぁぁぁんっ!!」ダキツキ

「…ぐぇっ!?」ビクッ

「心配しておりましたの!心配しておりましたのよお姉様ぁぁん!!ああ、お姉様の香りですの、ああ…」スリスリ

「だあああああっっ!!人が寝ているところにいきなり抱きついてくるなあ!!」ビリビリ

「ああーーんっ!愛の鞭ですの!!」

「…まったく、もう」

「お姉様がご無事でなによりでしたの」

「あー、大したこと無かったわよ」

「さすがお姉様ですわ!それにひきかえあの類人猿はまた面倒を…」ブツブツ

―――類人猿?

「黒子?アンタ今なんて言った?」

「え?わたくし何か申しました?」ダラダラ

「アイツがなんだって?」ニコッ

「…第十九学区で警備員を巻き込むような大騒ぎがありまして、そこであの殿方を見ましたの。ですからあの殿方が騒ぎの元凶の可能性もあるかなと思いまして」

―――アイツを?

「…あの馬鹿っ!」

「お姉様!?」

「ちょっと行ってくる!」バタン

「お姉様ぁぁん!!」

―――――
31 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 13:03:48.36 ID:EUAJ2zTr0
―――いた。

「…ったく。アンタはいつも厄介ごとに頭突っ込んで…」

「あれ?御坂」

「『あれ?御坂』じゃないでしょうがゴラアアアア!!」ビリビリ

「いきなり攻撃!?」パキィィン

―――うるさい。

「…やるべき事は終わったの?」

「…ああ」

「そっか」

「…」

―――生きていた。
32 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 13:11:59.31 ID:EUAJ2zTr0
「…」

「…って、御坂?」

「…なによ?」

「オマエ、なんで泣いてるんだ?」

―――泣いている?私が?

「ふぇ…」グスッ

―――声が出ない。でも、心は叫んでいる。

「生きてた…から…」グスッ

「へ?」

―――この鈍感男。

「アンタが生きていて嬉しかったのよ!!馬鹿っ!!」ポロポロ

「御坂」

―――ああもう!面倒だ!

「馬鹿!馬鹿馬鹿!うわあああああああんっ!!」ダキツキ

「み、み、み、み、御坂さん!?」カァァッ
33 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/18(土) 13:19:34.63 ID:EUAJ2zTr0
―――幻じゃない。コイツは確かに、ここにいる。

「心配―――したんだから!」グスッ

「御坂…」

「…会いたかった。アンタに」ギュッ

「御坂…」

「…おかえり」ギュッ

「…ただいま」ギュッ

おしまい


インデックス編にあわせてキャッキャウフフ分は少なめにしてみたりなんかして。

帰還をテーマに、「ただいま」「おかえり」で締めたいだけなんですけどww
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/18(土) 21:03:42.74 ID:VdJAN4+IO
んーなんか埋もれさせとくにはもったいないスレだなあ
ちょっと見つけにくいスレタイだし最初の投下だけageてみたらどうだろうか?
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/06/19(日) 10:14:48.08 ID:RAqs/m/v0
>>34
同意。

さっきまで更新着てるの気付かなかったし、投下の時はageてくれると嬉しいです
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/20(月) 12:21:47.53 ID:D+YjNDOk0
変態紳士・上条さんに期待
37 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/20(月) 21:28:43.18 ID:my6vPNqI0
>>34-36

レスありがとうございます。なるほど。投下時にageるのがいいのか。
ヘタレなのでその日の最後の投下時にageることにしますww

【とあるアマガミ的禁書目録 桜井=美琴編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

上条「なあ、常盤台って私服禁止だっけ?」

美琴「んー、学園都市内では、制服着用が義務付けられているわね」

上条「じゃあ、上条さんは御坂の私服姿を見ることができないんですね」

美琴「は?アンタ、私にさせてみたい格好とかあるの?」

上条「…素肌にYシャツ1枚かな」

美琴「……はいっ!?」カァァッ

上条「男物のYシャツと女の子のタッグってやつはですね、なんともいえない色気を醸し出すのですよ」

美琴「ふ、ふぅん…」(そ、そ、そ、それって、それって…)カァァッ

上条「さらに、朝日でうっすら透けるなんて事になった日にはもう……!」

美琴「…」(朝日って、も、も、も、もしかしてコイツ、そういうこと考えてたりするの?しちゃうの?しちゃってるの!?)カァァッ

上条「上条さんはこの組み合わせを考え出した偉大な人物には、何か賞を与えるべきだと思うわけなんですが」

美琴「…」(コイツと一緒に朝日を…)カァァッ

上条「そう。このすばらしいこのコスチュームを御坂には是非着てもらいたい…!」

美琴「ふにゃっ!?そ、そ、そ、それって、それって!!」カァァッ

上条「御坂には似合うと思うけど」

美琴「ま、まだそんな関係になってないから駄目駄目駄目絶対駄目!!!」ビリビリ

上条「そこで電撃!?」

美琴「てか、その前に言うことあるでしょうがあああああああ!!」ビリビリ

上条「な、なんだよそれ!!とほほ、不幸だああああああああっっ!!」

おしまい
38 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/20(月) 21:39:02.71 ID:my6vPNqI0
【とあるアマガミ的禁書目録 中多=吹寄 美也=姫神編】 アマガミのシーンを禁書キャラで

とある日の朝の教室で土御門と青髪ピアスがわけのわからない糾弾をしてきて、『昼休みに徹底的に追求する!』と宣言されたので、昼休みになるとすぐ体育倉庫へと逃げ込んだ上条当麻。

遠くから探している声が聞こえたため、跳び箱の中に隠れやり過ごすことに…。

安堵感からか、いつしか眠ってしまったのであった。

上条(…ん?ああっ、しまった!眠ってしまった!!ヤバい。早く戻らないと!!)

???「すぐ済むから、先に行ってて」

???「すぐ済むなら。待ってる」

上条(げげ!!誰か来た)

跳び箱の中で息を潜める。だが訪問者は跳び箱のすぐ傍まで近づいてきて立ち止まった。おそるおそる隙間から覗いてみる。

上条(おおっ!胸だぁっ!しかも、何という爆弾サイズ!上条さんの手にあまるようなダイナマイトボディじゃないか!あそこに思い切り顔を埋めてみたいなんて考えちゃいけませんよ!)

???「さて、さっさと脱いで…と」

上条(お、おおっ!?ジャージに手をかけて…ブ、ブルマがこんにちはだあ!これは、新しいな…)ゴクリ

???「む?なんか寒気が」ゾクッ

姫神「どうしたの?」

上条(姫神だと!?ということは、この爆乳女は…)ダラダラ

吹寄「いや、なんか急に寒気がして…」

上条(やはり吹寄!ヤバイヤバイヤバイ)バレタラ コロサレル
39 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/20(月) 21:42:33.20 ID:my6vPNqI0
姫神「それは。いけない。すぐジャージを履くべき」スッ

吹寄「ちょっ、ちょっと!!なに!?」

上条(!?姫神が後ろから吹寄のジャージを引き上げようとしている!?)

姫神「ジャージを。上げてる」

吹寄「じ、自分でできるってば!!」

姫神「暴れたら駄目」

吹寄「危ないから!!っと、ひゃああっ!?」ビクッ

上条(ぬおっ!!吹寄の鷲掴みにされた胸がすぐ目の前に!?)

姫神「あ。柔らかい」ムニ

吹寄「姫神さん!?なに揉んでるのよ!!ひゃうっ!」ビクッ

上条(…天国はここにあったのか!)

姫神「支えようと思って。手を出したら。そこに胸があった」ムニ

吹寄「だから揉むなと言っているだろう!姫神秋沙!!」

姫神「私には無いから。羨ましくってつい」ショボン

吹寄「大きいとデメリットの方が多いわよ。厭らしい目で見られたりとか、肩が凝ったりとか。あたしは、姫神さんくらいが理想だけどな」

上条(良くわかっている。標準サイズ!上条さんの手に丁度収まるくらいのまさにこの大きさこそが、一番美しく見える究極のサイズだよな)
40 : ◆F/bQYgopwk :2011/06/20(月) 21:55:21.99 ID:my6vPNqI0
姫神「そういうもの?」

吹寄「そういうものよ」

姫神「そっか」

吹寄「さて、じゃあ、行きましょ。あまり席をはずしていると欠席扱いにされてしまうわ」

姫神「うん」

二人が出て行き、話す声が聞こえなくなってから、少年は跳び箱の中から出る。

上条(さて、俺もとっとと授業に出ないと…)

体育倉庫内から外の様子を見て、誰もいないことを確認すると、すばやい動作で外に出て、何事も無かったように教室に向かって歩いていく。

上条(…あれ?あの二人が体育ってことは…)

同じクラスの女子が体操着だったということは、言わずともがなである。

上条「俺も体育じゃねえか!!不幸だあああああああああっ!!」ダッシュ

おしまい


美琴の欝な話が浮かんでしまった…。そういうのもアリなのだろうか?(エロではないです)
甘甘を前にいくつか書いたからその反動なのだろうか…うーむ。

今宵はここまで。ノシ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/06/20(月) 22:57:59.95 ID:AmvavYpx0
乙。まあ鬱もありっちゃアリだが

上条さんの変態紳士っぷりには目を見開くわwww
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 10:21:26.30 ID:6rRVQtol0
ナイス変態紳士

欝を糧に甘々SSがパワーアップするのであればアリでは?

甘々な上琴見たいなぁ |ω・)チラッ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/22(水) 12:38:20.15 ID:T73V39dD0
>甘甘を前にいくつか書いたからその反動なのだろうか…うーむ。

どんなのを書いたのか気になる…。

アマガミ的上条さんの変態紳士っぷりがいいですなww
44 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 21:57:32.81 ID:B8ri+1Zi0
>>41-43
レスありがとうございます。
本家の変態紳士には上条さんも敵いませんww

前のは、なんだかんだで放置して落ちてしまったのです…反省。
「とある少女の禁書目録」で過去ログを探してくだされ…。

さて、では救いが無い展開の美琴話を投下。駄目な人は読まないでくださいね。甘甘話への糧にします。

【御坂美琴の悪夢】美琴 《注意》欝展開 BAD END

夢を見た。

緑色に染まる世界の夢を見た。

白衣を着た大人たちが私を見て何か言っているように見える。

何を話しているのだろうか?

私にはわからなかった。

―――――

45 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 22:07:19.03 ID:B8ri+1Zi0
―とある休日の昼下がり 常盤台中学学生寮二〇八号室―

「お姉様、お聞きしてもよろしいですか?」

「内容にもよるけど」

「ちょっとした好奇心ですの。お姉様が小学生の頃はどんな感じでしたの?」

「小学生の頃ねえ…。能力開発に没頭していた気がするわ」

「さすが、お姉様ですわ」

「いやいやいや、いくらなんでも低学年のときはそんなことないわよ?能力が出たのが…あれ、二年生のとき…」ガーン

「思いきり低学年ですの」

「あはは…」

ポリポリと頭を掻きながら、美琴はルームメイトを見る。

「ねえ、黒子。アンタはどうだったの?」

「わたくしですか?わたくしの能力が発現したのは五年生のときでしたから、二年生でしたらお友達とおままごととかしていたと思いますわ」

「おままごと…ねえ。それって幼稚園のときにするものじゃない?」

「幼稚園のときはおままごとよりもお遊戯の方が多かったですの」

「…まあ、そうよね」
46 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 22:19:47.21 ID:B8ri+1Zi0
「ところで…、なぜそんなことをお聞きになるのですの?」

ルームメイトの問いかけに、美琴は暫く何かを考えてからばつが悪そうに微笑む。

「あー…。なんかさ、私って子供の頃に遊んだ記憶ってそのくらいしかないのよねー。しかも誰と遊んだのか覚えてないし」アハハ

「お姉様…」

「つくづく、私って能力開発に力入れてたんだなあって…。まあでも、そのおかげで超能力者になれたんだけど」

「そうですの!そんな努力を惜しまなかったことで今のお姉様があるのですの!恥じることなんてないですの!」

「別に恥ずかしいなんて思ってないわよ。…でも、なんか急に、私って友達いないなあって考えちゃって…」ショボン

「わ、わたくしは、お姉様のお友達というよりもむしろ親友的なポジションにいると自負しておりますのに!」

ルームメイトの眼差しに怪しい色が宿ったのを美琴は見落とさなかった。すぐさま防衛体制を整える。

「あー…、ありがと」

「いえ、むしろ親友というよりも相棒、相棒というよりも恋人といった立場でもぜんぜん構いませんですの!!」ハアハア

ルームメイトの眼差しに怪しい色が宿ったのを美琴は見落とさなかった。すぐさま防衛体制を整える。

「お・ね・え・さ・まあああああん〜」ガバッ

「目を覚ましなさい馬鹿」ビリビリ

「あああああんっ、愛の鞭ぃぃん」バタッ

「まったく…」ハァ

どことなく幸せそうに気絶しているルームメイトを見て、美琴は小さく呟いた。

「…ありがとね、黒子」

―――――
47 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 22:25:30.89 ID:B8ri+1Zi0
―――――

地面が揺れた。

金属の拉げる音、砂利が砕ける音、そして―――何かが潰される音。

『お姉様、初めまして。とミサカはまさかの遭遇に驚きを隠せないままお姉様にご挨拶をします』

街角で遭遇した自分と瓜二つの少女。

「……ぁ…ぁ」

『そのセンスはねえよ。とミサカはお姉様のセンスに思わず突っ込みを入れます』

『美味しいです。お姉様。とミサカは初めて口にしたアイスクリームの甘さを堪能しながらお姉様にご報告します』

「…ぁ…ぁ」

つい数時間前まで悪態をついたりしながら共に過ごした少女。

「…ぁ…」

『お姉様。…さようなら』

夕日の中で振り向いた少女。

彼女は、もういない。

美琴の目の前で、彼女は機関車に押し潰され、―――消えた。

機関車は地面に突き立てられている。まるで少女の墓標であるとでもいうように。
48 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 22:30:36.49 ID:B8ri+1Zi0
「あああああああああああああああっっっ!!!!」

美琴は雄叫びと共に駆け出し、自らの持てる最大出力の電撃を放った。

気だるそうに機関車に背を向けて歩き出した白髪の少年は、いかにも面倒くさそうに美琴に背を向けたまま、電撃を反射してから振り返る。

「…ァン?第九九八三次実験はここじゃねえだろうがァ」

「そんなこと知るかあああああああ!!!!」ビリビリ

続けざまに雷撃を少年へと放つ。だが、そのすべてを、少年はジーンズのポケットに手を入れたまま、反射した。

「オイオイ。オマエ、久しぶりの強能力者かァ?銃じゃねえなんてよォ?」ニヤァ

(なによ、コイツ…。電撃が効かない…)

「なら、これはどう!?」

地面が小さく揺れ、黒い影が渦を巻くようにして立ち上がると、その影は白髪の少年へと襲いかかる。

「へェ。砂鉄を磁力で操るたァ、面白ェことしてくれるじゃねえか。でも、反射しちまえば問題ねェけど」ハンシャ

「ああああああああっ!!!」

雄叫びと共に地面に敷かれたレールを電磁力で引き寄せ、その塊を白髪の少年めがけて飛ばす。

「無駄だァ。それにしても今までの人形とは出力が違いすぎるなァ」

ニタァと歪な笑みを浮かべながら、白髪の少年はゆっくりと美琴に近づいてくる。
49 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 22:39:10.62 ID:B8ri+1Zi0

「もしかしてオマエ、『オリジナル』か?」

「…」

ポケットに手を入れ、美琴はコインを掴む。相手は二〇メートルほど向こうからゆっくりと近づいてくる。

「ホント、見た目はそっくりだなァ?」

近づいてくる相手の顔めがけてコインを弾く。避けようの無い距離からの攻撃。

「っ!!」

少女の右手から放たれた超電磁砲は確かに白髪の少年に命中した。そして、それは真っ直ぐに反射され、少女の右横を青白い光の線を残して飛んでいく。

少年は何事も無かったように少女へと近づいてくる。

「…ぁ…ぅ」

「あ?ああ、そうか、今のがオマエの『とっておき』だったんだっけ?わりいわりい、あまりに普通で拍子抜けしちまったわ」クカカ

少女の傍まで来ると少年は立ち止まり、言った。

「一応、自己紹介しておくかァ。第一位の一方通行だァ」

「…」

「ヨ・ロ・シ・ク。超電磁砲」ポン

「ひっ…」ガクガク

―――怖い。

肩を叩かれた瞬間、美琴はその場に崩れ落ちるようにして座り込んだ。
50 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 22:44:16.92 ID:B8ri+1Zi0
(…ン?これは…)

少女の肩に手を置いたまま、一方通行は一瞬だけ怪訝そうな表情を浮かべ、それから小さく嗤う。

「クカカ。なるほどねェ。だから『お姉様』なのか」

「…な…に?」

「さすがは学園都市。サイコーにイカレてるぜ」クカカ

少女の肩から手を離し、両手を挙げて口元を歪めながら、一方通行は言った。

「おい、人形。説明してもらおうか?第三位とお前たちのことを包み隠さずなァ」ニヤ

「…私達は量産能力者計画に基づき、製造された御坂美琴の体細胞クローンです」

―――や…めて…

「俺が聞きたいのはそれじゃねェ。第三位のことだ」

―――やめてよ…

「お姉様のことですか?お姉様は学園都市第三位の超電磁砲で、低能力者から超能力者になられた稀有な才能の持ち主であり…」

「ちげェ。そんなわかりきってることじゃねェ」

「やめてえええええっっ!!」

両手で耳を塞ぎ、美琴は絶叫する。
51 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 22:52:54.99 ID:B8ri+1Zi0
―――聞きたくない。いや、聞いてはいけない。

聞いてしまうと、自分が自分でなくなってしまう。

頭が痛い。眩暈がする。

――貴女は、誰?

誰かがそう尋ねたのは、いつだっただろう。

私は、私。

そう、私は私以外の何者でもない。

――ワタシハ、ダレ?

私は…。

そこで―――御坂美琴は意識を失った。

―――――

緑色に染まる世界。

時折、コポコポと小さな音がして、空気の泡が目の前を通り過ぎていく。

―――神経同調率―――すべて良好―――

――体幹同調率―――ほぼ完全―――さすがは体細胞―――

――修復率―――あと二〇時間――

―――着衣――同じものを――

難しい言葉が行き交っている。

いろんな機械が、チカチカ光っている。

―――――
52 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 23:01:17.35 ID:B8ri+1Zi0
「あああああああああああ!!!」

電極を耳から差し込まれ、体中を様々な機械で繋がれた少女の口から絶叫が迸る。小さな身体がビクン!ビクン!と痙攣し、穴のある場所から赤黒い液体が湯気を出しながら溢れている。

「実験中止だ!!急げ!」

少女の身体に繋げられている機械のあちこちから火花が散り、機械によっては小さな爆発を引き起こす。

―――痛いよ!痛いよぅ!!

「冷却剤を!下はいい!上はなんとしても守れ!」

「―――番号――初期化準備」

―――死んじゃうの?私、死んじゃうの?

「予備計画へ移行――」

「―――二重同期計画(プロジェクト・デュアルシンクロニティ)――」

―――助けて…ママ…

―――――

「二重同期計画か。じゃあ上位個体ってのは、お前らの上にいるンだな」

「はい。ミサカ達の計画に対する管理・運営・統括を上位個体が行っています。とミサカは説明します」

「じゃあ、ソイツは中だけ超能力者ってことか?」

頭を抱えて蹲った格好のまま動かない美琴に視線を送りながら、一方通行は頭を掻く。
53 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 23:12:01.24 ID:B8ri+1Zi0
「厳密に言えば違います。お姉様の素体(ベース)―つまり身体(ボディ)―は、ミサカのような急ごしらえの模造品ではなく、完全個体(フルチューニング)です。本来『二連超電磁砲計画(プロジェクト・デュアルエレクトロマスター)』のために製造された素体ですので、通常の人間と同じ寿命を有しています」

「まあ、なンにしてもお前らの仲間ってわけだァ」

「…」

「じゃあ、戦って毀してもいいかァ?その『完全個体』ってのを造って中だけ入れ替えれば、オマエらは消費されなくて済むだろォ」ニタァ

「…完全個体の製造に見合うだけの予算効果が得られませんと判断されました。特に年齢が一四歳となられた今では」

「チッ。面倒だな。まだ一万以上毀さなきゃいけないンですかァ」

「それが『樹形図の設計者』の出した『一方通行の絶対能力への進化法』です」

「そうですかァ。オマエらの『もう一人のお姉様』は冷たいですねェ。オマエらを消耗品としてしか考えてねェ」

「…『樹形図の設計者』は上位個体ですが、『お姉様』ではありませんよ」

「なンでだよ?『完全個体』の脳だろうが」

「いえ、脳細胞を基幹並列処理装置に用いた完全自立型演算装置、それが学園都市超能力者第六位『樹形図の設計者』です。人としての感情は持ち合わせていません、とミサカは説明します」

「人格がねえって言ってるのに『第六位』って変じゃねェ?」

「記録はできても記憶はできないように調整されていますので、統合演算処理装置と割り切るべきとミサカは考えます」

「へェ。で、コイツはどうするんだ?」

「先ほど睡眠剤を投与しましたので、このまま施設に運び、記憶を調整します」
54 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 23:22:05.49 ID:B8ri+1Zi0
「…調整だと」

記憶を調整するという言葉に、一方通行は身構えた。

「統括理事会の判断で書き換えが行われる、とミサカは判断します」

「チッ…。いいのか?俺にべらべら話しちまって」

「…おそらく、この話は無かったことになると思いますので」

「胸糞悪ィ」

「…第六位のことは最高機密ですから」

「何故、話した?」

「さあ?なんとなくでしょうか」

「…記録しかできない割には、饒舌だなァ」

「…第九九八三次計画は、八月十六日〇六時三〇分より行われますので宜しくお願いします」

「その個体が九九八三号かァ?」

「はい」

「俺がどこまで覚えてられるかわからねェけどよォ、面白かったぜ」

そう言って口元を歪め、一方通行は九九八三号に背中を向けた。

「…あばよォ。第六位」
55 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 23:36:37.77 ID:B8ri+1Zi0
―――――

「…ん」

目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。体中痛く、頭が重い。

夢なら、良かったのに…

視界が歪む。

私の複製(クローン)が殺されている…なんて

―――筋ジストロフィーの治療のため、君のDNAマップを提供してくれないだろうか?

うそつき。

―――オマエのクローンには世話になってるぜェ。一方通行だ。――ヨロシク。

あの子を殺しておいて、アイツはそう言った。

―――実験動物ですから。

私の姿をしたあの子たちは、そう言った。

―――お姉様。

淋しげに微笑む九九八二号。

「…くっ…。うっ…うう…」

私には何もできなかった。

私は、あの子を救えなかった。
56 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/06/22(水) 23:57:03.74 ID:B8ri+1Zi0
―――今のがオマエの『とっておき』だったんだっけ?わりいわりい、あまりに普通で拍子抜けしちまったわ。

超電磁砲が効かなかった。

私じゃ、アイツに敵わない。

でも、このままじゃ、あの子たちが…。

―――量産能力者計画 一方通行

どこかに、施設があるはず。この馬鹿げた実験を企んだ奴の…。

―――筋ジストロフィーの治療

人のDNAマップをくだらないことに使うなんて。

「許さない…」

こうしている間にも、アイツはあの子達を殺している。

「潰してやる。計画に関係する施設も、計画も…」

そうすれば、あの子たちも助かるはずだ。

「…そうと決まれば、とりあえずデータベースを見に行かないと…」

美琴は静かに立ち上がると、パジャマを脱ぎ捨て身支度を整える。その瞳には、強い光が灯っているように見えた。

おしまい

あれ?BAD ENDのはずが…気がつくと本編に繋がるような構成に…おかしいなorz
まあでも基本は救われない話ってことで…
57 : ◆F/bQYgopwk :2011/06/23(木) 00:07:53.84 ID:2EudYxwa0
補足

通常の能力開発で電極を耳にぶっ刺したり機械に繋げられたりはしないという考えであります。
美琴は学園都市が開発して作り出した超能力者という設定

能力開発中に能力が暴走して、美琴の身体が致命的なダメージを受け、『二連超電磁砲計画』のために造っていた『完全個体』の身体に美琴の脳を移植した設定

『二重同期計画』では上位個体が『樹形図の設計者』ですが、この後、本編で上条さんに壊されてしまうので急遽『打ち止め』が造られたという設定(まあ辻褄合わせですね)

一方通行の「…あばよォ。第六位」の意味は説明をしている九九八三号が『樹形図の設計者』に乗っ取られている状態であることに気がついたので皮肉を込めてそう言った。
一方通行は第九九八三次実験の前にアレイスターによって記憶を改竄される(辻褄合わせ)

今宵はここまで。ノシ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 15:30:09.83 ID:w0H5ho4z0
うーん。詰め込みすぎだと思うんだよ。

さあ、甘々な話を書く作業に入るんだ。

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/24(金) 10:52:26.02 ID:olLUTu6F0
変態紳士マダー?
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/25(土) 12:33:26.11 ID:dddXDTXH0
おお、とある少女の禁書目録の人か。超電磁砲の看病は実に甘くて良かったです。

さあ、前に言っていたクリスマスの青ピ×姫神を書く作業に入るんだ。時期外れなんて気にしないぜ!
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/21(木) 00:00:16.57 ID:3s7Esqqw0
誰もいなーい
62 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 16:30:54.85 ID:Xuf//1sf0
意外と残ってるものだなあ。
とりあえずリハビリ的なのを投下。


【ゲームオーバー】美琴×上条 新約2巻以降のいつかの美琴の告白

―――ああ。もう、駄目だ。

完全無欠のゲームオーバー。

うん。認める。認めた。認めてやる!!

その瞬間、気分が楽になった。


上条「…どうしたんだよ?」

美琴「ちょろっとね」

上条「??」

アイツが不思議そうに私を見る。そんな風にしていられるのも今のうちだ。

美琴「…っ」
63 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 16:42:04.24 ID:Xuf//1sf0
正直言うと、…怖い。

できるものならこのままでいたい。

でも、私の中で賽は投げられてしまった。

―――もう、このままじゃいられない。


美琴「あ、あのさっ!アンタに相談したいこと、あるんだけど」

上条「俺に?」

美琴「うん」

上条「上条さん、勉強はできませんよ?」

美琴「それは知ってる。前、教えたことあるし」

上条「中学生に教えられたことあるの!?俺!?」ガーン

美琴「はいはい、落ち込まない落ち込まない」

上条「…上条さん貧乏ですよ?」

美琴「アンタにお金借りるほど困ってないわよ」

上条「御坂さん、常盤台のお嬢様ですものね」

美琴「その言い方、なんか引っかかるわね」

上条「…悪い。まあ貧乏人の僻みってやつだ」ズーン

美琴「そこで落ち込まないでよ」

上条「…で、どうしたんだ?」

美琴「…うん」
64 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 16:47:39.87 ID:Xuf//1sf0
他愛のない言葉のやり取りをしてから、アイツはまっすぐに私を見て聞いてくる。

―――なんか、ずるい。

でも、これは私が決めたことだから、私もまっすぐにアイツを見つめ返す。

鼓動が煩い。息が苦しい。


美琴「あの、さ」

上条「うん」

美琴「アンタと一緒に戦うようになって、私、アンタの役に立ててる、かな?」


こんな言い方する私もずるい。それはわかっている。


上条「正直、御坂にはすごい助けられてる」

美琴「ホントに?」

上条「ああ。ホントに」

美琴「…他の人よりも役に立ててるかな?」
65 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 16:52:47.26 ID:Xuf//1sf0
コイツと一緒に戦うようになってから知った、超能力とは違う、魔術と称される不思議な力を使う人たち。

物理法則を無視した物を出現させたり、炎の巨人や土人形を操ったり、強力な風や氷を操ったり、空を飛んだりする人たち。

場合によっては超能力者を超えるような力も目の当たりにした。

世界は広い―――。正直にそう感じた。


上条「…御坂」

美琴「なに?」

上条「俺は、お前になら、安心して背中を預けることができる」

美琴「ホ、ホント?」パァァ

上条「ああ」

美琴「…ありがと」

上条「礼を言うのはこっちの方だって」ニコ
66 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 17:00:11.39 ID:Xuf//1sf0
まったく、コイツときたら。

その笑顔は反則だっつーの。


美琴「あのさ、最初に言っておくけど、…もし、アンタが私の提案を受け入れられられなかったとしても、戦いの時は今までどおり背中を預けてくれる?」

上条「なんだよそれ?」

美琴「いいから!どう?一緒に戦える?」

上条「…その提案ってやつの内容にもよる」

美琴「た、大したことじゃないわよ!戦いとは関係ないことだし」

上条「本当に?」

美琴「うん」

上条「…わかった。御坂がそう言うなら。…戦いとは関係ないんだな?」
67 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 17:08:10.43 ID:Xuf//1sf0
美琴「…」コクン


大きく深呼吸をして、アイツの正面に立つ。

拳を握ってアイツの目をまっすぐに見つめる。

女は度胸!


美琴「彼女にしてください!!」

上条「……は?」


顔が熱い。胸が痛い。

それなのにアイツは、間抜けな声を漏らしたまま、呆然とした表情で私を見ている。
68 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 17:16:45.57 ID:Xuf//1sf0
美琴「アンタが好きだって言ってるのよ!」

上条「……マジで?」

美琴「うん」///

上条「…」


戸惑った表情。そして沈黙。

あれ?これって。


上条「…」

美琴「…」

上条「なあ、御坂」

美琴「…なに」
69 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 17:24:45.24 ID:Xuf//1sf0
上条「…お前のこと名前で呼んでいいか?」

美琴「え?」

上条「で、俺のことも名前で呼んでくれると嬉しい」///

美琴「うぇ!?」///

上条「だってそうだろ?恋人って」///

美琴「う…うわあぁぁぁん!!」ポロポロ

上条「な、なんで泣く!?」オロオロ


だって、嬉しいんだもん。

アンタが恋人って言ってくれたから。


美琴「うわぁぁあああん!!」ポロポロ

上条「あー!!もー!!」ダキッ

美琴「!!」

上条「…泣くなよ。美琴」ナデナデ

美琴「…」///
70 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 17:34:20.61 ID:Xuf//1sf0
アイツに抱き寄せられて、頭を撫でられながら名前で呼ばれて…。

不安も涙もどこかにいってしまった。

でも、すぐに自分の求めているものに気が付く。

私って、わがままだ。


美琴「…当麻」///

上条「お、おう」///

美琴「私のこと、好き?」

上条「ああ」///

美琴「…言って欲しいな」ウワメヅカイ

上条「…好きだ」ニコ

美琴「私も」ニコ


私のわがままに嫌な顔一つせずに応えてくれた。

だから、私は、そんな彼の目を見て小さく微笑むと、目を閉じた。

大好き。当麻。


おしまい
71 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/09/14(水) 17:39:12.15 ID:Xuf//1sf0
そこそこ可愛い美琴ちゃんとは思うのですが、仕事中に書くものじゃないですね(おいww)

ではではノシ
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) :2011/09/14(水) 23:11:18.45 ID:1+Mv/m+L0
ふむ。続けたまえ。
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) :2011/09/14(水) 23:11:54.99 ID:1+Mv/m+L0
ふむ。続けたまえ。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/15(木) 11:57:17.98 ID:sTdIBuL60
これはなかなかいいインデックス。
75 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:14:59.42 ID:EVhx2e6J0
暦的にはそろそろ秋なので、60さんの書いていたクリスマスのSSを発掘してみますw
まあ、まだ完結してないんですけどねorz

【クリスマス狂想曲】上条×美琴 青ピ×姫神? ラブコメ クリスマス


12月22日。

学園都市にクリスマスがやってくるまであと2日。

それぞれの想いが交差するとき、物語は始まる!


休日前の放課後。珍しく補習の宣告を受けなかった上条当麻がウキウキしながら帰り支度をしていると、後ろから青髪ピアスに声をかけられた。

青ピ「なあ、カミやん。帰りちょっとつきあってくれんか?」

上条「…最初に言っておくけど、上条さんお金ないですよ」

青ピ「僕、カミやんにたかるほど困ってへんで」

上条「くそ、そう言われると何か悔しいな!」

青ピ「まーまー。ほな、行こか」

上条「そうだな。小萌先生の気が変わっても困るし」

青ピ「小萌先生の個人指導なんて、僕から見れば羨ましい限りなんやけどなあ」ハァ

上条「代われるものならいくらでも代わってやるんだけど」

青ピ「カミやん。それ、小萌先生に聞かれたら…」

上条「!!い、いないよな!?脅かすなよテメエ!!」

青ピ「小萌先生が見たら泣くで?」

上条「まだ言う!?そんなに俺を苛めて楽しいのかお前は!」

青ピ「まあまあ。そんじゃ、ちょっとつきあってもらうで」

上条「言っとくけど、ホントに俺、貧乏だからな!」

青ピ「わかってるって」

―――――
76 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:21:36.49 ID:EVhx2e6J0
繁華街に入ってすぐの場所にあるハンバーガーショップ。財政上の理由で普段なかなか入ることのできない店内の片隅にツンツン頭の少年は座っていた。

目の前のテーブルには『ごきげんバーガセット』と銘打たれていたセットメニューが鎮座している。

上条「…」

青ピ「なんやカミやん。こっちのビックリバーガーの方が良かったか?」

上条「いや、そうじゃないけど…、これ、本当に奢り?」

青ピ「人の好意は素直に受けておくもんやで?」

上条「あとで返せとか言うなよ?」

青ピ「そんなこと言わん。ま、相談料みたいなもんや」

上条「相談料?」

青ピ「うん。まあ、その、なんや…」カァッ

青髪ピアスは頬を染めた。身長180cmの大男が頬を染めている姿は、傍から見ると正直言ってかなり不気味である。
77 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:25:15.15 ID:EVhx2e6J0
青ピ「…あのな、僕、姫神ちゃんにマジ惚れしたみたいなんや」

上条「ぶっ!?」ゴホッゴホッ

青ピ「汚なっ!?僕のポテトにかかってないやろうな!?」

上条「そのレベルの問題なの!?」

青ピ「カミやん、食べ物の恨みは恐ろしいんやで」

上条「食べ物の恨みの恐ろしさは重々承知してますけど!って言うか、マジ惚れ!?守備範囲の広さを売りにしていたお前が!?」

青ピ「言わんといて。僕、後悔してるんや」

上条「後悔?」

青ピ「姫神ちゃんも当然聞いてるやろ?せやからなかなか伝えられへんのや」

上条「以外とナイーブなんだな、お前」

青ピ「失礼やなカミやん!僕の心はガラスのように繊細なんやで!」

青髪ピアスは立ち上がってテーブルを叩いた。その音を聞いて周りの席の話し声が一斉に止まり、視線が二人に集中した。
78 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:31:23.85 ID:EVhx2e6J0
上条「わかったから落ち着け!少しは周りを気にしろ」

青ピ「せ、せやな…」

二人は小さく頷きあうと、青髪ピアスは静かに席に座ってドリンクのストローに口をつける。同時に上条当麻は何事も無かったかのようにバーガーを手に取って食べ始める。

衆人環視の中で何事も無かったかのように振舞うのは結構大変だったが、周囲の視線はその殆どが二人から離れていき、数分後には何事も無かったかのように賑やかな店内へと戻っていた。

上条「教室と同じテンションはやばかったな」

青ピ「悪かった」ショボン

上条「まあ、青ピらしいけどな」

青ピ「関西人はどうしても突っ込んでしまうからなあ」

上条「…で、なんで俺に?」

青ピ「カミやん、姫神ちゃんのこと僕よりは知ってそうやし」

上条「おいおい、ここで一緒に会ったのが初めてなの忘れたのか?」

青ピ「もちろん覚えてるわ。そういえばカミやん、あのとき一緒にいたちびっこシスターと、女子寮の前で抱きついてきた常盤台の子、どっちが彼女なん?」ニヤニヤ

上条「ぶふぉおおっ!?な、な、なにを言っているんですか!?この男は!?」

突然の質問に、食べていたバーガーを喉に詰まらせそうになってむせる。それでも噴出さずに堪えたのは、貧乏な生活を余儀なくされている悲しい性であろうか。
79 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:36:06.65 ID:EVhx2e6J0
青ピ「カミやんお得意の知らんぷりは無しやで?」

上条「知らんぷりもなにも、あいつらはそんなんじゃなくて…」

青ピ「…カミやん。鈍感もたいがいにしとかんと、大変なことになるで」ハァ

上条「だからテメエはなにを言っているんだ!?」

青ピ「カミやん、その子らの連絡先、知ってるやろ?どっちでもええから今から僕が言うとおりに電話してみ?」

上条「は?」

青ピ「いいか?『明日、買い物に付き合ってくれ』って誘ってみるんや。絶対、二つ返事で了承するから」

上条「そんな馬鹿な」

青ピ「いいから。電話してみ?」

上条「無駄だと思うけどな…」(インデックスは電話に出ないだろうから、御坂にかけてみるか…)

―――――
80 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:46:09.78 ID:EVhx2e6J0
制服姿のままベッドに寝転んで雑誌を読んでいると、ポケットの中の携帯電話が振動した。

美琴(また黒子ね)ハァ

小さく溜息をついてから携帯電話を取り出し、画面に表示された名前を見て、美琴は慌てて身体を起こす。

美琴(!!え、えええええええ!?ア、アイツから!!見間違いじゃないよね?間違いないよね!!うん、アイツの名前だし!)ンー、ゴホン

軽く咳払いをして喉の調子を確かめてから通話ボタンを押す。

美琴「もしもし…」ドキドキ

上条「御坂か?」

美琴「そりゃ、私の番号にかけてるんだから私が出るわよ」(なんでこんな言い方しかできなくなるのかなー)

上条「そりゃそうだな」

美琴「それで、なに?」(ああっ!もう!私の馬鹿!)

上条「あー、明日なんだけどさ、買い物に付き合ってくれないか?無理ならいいんだけど」

美琴「!!べ、別に無理じゃないわよ」(も、もしかしてデート!?)

上条「やっぱりそうだよな。悪い。変なこと言って」

美琴「ちょっと待てゴラアアアア!!私はいいって言ってるでしょうが!」(なに勘違いしてるのよ、馬鹿っ!)

上条「へ?御坂さん…」

美琴「だーかーらー、買い物でしょ?付き合ってあげるわよ。どこで待ち合わせ?」(デート?ううん。アイツのことだから特売とかかもしれないけど)

上条「じゃ、じゃあ、とりあえずあの公園の自販機前で10時ごろ、いいか?」

美琴「りょーかい。じゃあ、明日ね」ピッ

通話終了と同時にベッドの上でガッツポーズを決める。

美琴(アイツから誘われちゃった!!)ニヘラー

―――――
81 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:51:24.81 ID:EVhx2e6J0
青ピ「どうや?僕の言ったとおりやったろ?」

上条「…ああ」(御坂が俺を?いやいや、そんなそんな…)

青ピ「セブンスミストとかでアクセサリーでも買ってあげれば完璧やで、カミやん」

上条「あ、相手はまだ中学生だぞ!」

青ピ「ん?なにか問題あるんか?あー、そうかそうか。…カミやん。以外とエッチなんやなあ」ニヤニヤ

上条「んなっ!?」カァッ

青ピ「せやろ?エッチなこと考えたから中学生ってのを持ち出してきて誤魔化そうとしたんやろ?僕はただ、プレゼントしてあげたら?って言っただけなんだけどなー」ニヤニヤ

上条「くっ!」

青ピ「いいっていいって、健全な男子高校生なら好きな女の子との行為を妄想するもんや。僕も姫神ちゃんとなんて考えたりしてな…」グフフフフフ

上条「お、俺は別に…」(な、なんで御坂の顔が浮かんでくるんだ!!)

青ピ「…そ、そんなことあかんで、姫神ちゃん…。ああ、僕、耐えられへん」ハアハア

上条「この変態!!こんなところで妄想して悶えるなぁ!!」

いきなり身体をくねらせながら身悶える大男(青髪ピアス)を目の当たりにして、上条当麻はぶん殴りたい衝動を懸命に抑え、両手で肩を掴んで強く揺さぶった。
82 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 21:57:46.02 ID:EVhx2e6J0
青ピ「はっ!!僕と姫神ちゃんの情事を邪魔するなんて、カミやん、貴様という奴は…」

上条「妄想は自分の部屋でしろ!あまつさえ逆恨みするな!」

青ピ「それもこれも姫神ちゃんが魅力的過ぎるのがいけないんや!!」

上条「そ、そうか。まあでも、時と場所を考えた方がいいと思うぞ?」

青ピ「僕の心は姫神ちゃんへの愛で溢れているんや…」ハァ

上条「…」

臆面もなく姫神秋沙への愛を口にする青髪ピアスを見て、上条当麻は『あ、コイツ、結構マジだな』と認識を新たにしたのであった。もっとも、本人にはそんなこと言わないが。

青ピ「なあ、カミやん。僕、姫神ちゃんにクリスマスプレゼント贈ろうと思ってるんやけど、なに贈ればええと思う?」

上条「クリスマスプレゼント?」

青ピ「それをきっかけに姫神ちゃんと仲良くなれるようなもん、なんかないか?」

上条「姫神が好きそうなもの…」ウーム

青ピ「やっぱり、女の子ってアクセサリーとかがええんかな?ネックレスとか」

上条「あー、姫神はお守りを着けているから、ネックレスは止めといた方がいいぞ」

ネックレスと聞いて、姫神秋沙が『吸血殺し』であることを隠すため、イギリス清教から渡された十字架を身に着けていることを思い出してフォローを入れる。
83 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 22:02:15.77 ID:EVhx2e6J0
青ピ「お守り?」

上条「お守りの十字架を着けているそうだ」(さすがに魔術系のこと言えないけど、こう言っておけば自然だよな。うん)

青ピ「巫女さんなのにクリスチャン!?」

上条「巫女姿はバイトみたいなものだったらしいぞ」

青ピ「姫神ちゃんの巫女さん姿、理想通りやったのに残念やわ〜」

上条「確かに、長い黒髪の巫女さんはぐっと来るものがあるのは、上条さんも否定しない」

青ピ「せやろ?わかってるなぁ、カミやん」

上条「着物も似合いそうだよな」

青ピ「姫神ちゃんは和服美人やなあ。…ところでカミやん、常盤台の子って超電磁砲?」

上条「な、なんでいきなり戻る!?」

青ピ「まあまあ、カミやん。さっき『御坂』って呼んでたやん。超電磁砲の名前って、御坂美琴ちゃんやろ?」

上条「テメエ、人の電話聞いてたのかよ!」

青ピ「人聞きが悪いこと言わんといてや。カミやんの声が大きかっただけやで」

上条「ぐっ、こういう店の中って結構騒がしいから、どうしても声が大きくなっちまうんだよ」
84 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 22:06:09.46 ID:EVhx2e6J0
青ピ「で、どうなん?カミやん的に超電磁砲は?」

上条「な、なんでそれをテメエに話さなきゃいけないんだ!?」カァッ

青ピ「ええやんか。僕とカミやんの仲やないか。僕がこんだけ姫神ちゃんへの想いをあけっぴろげにしてるんやから、カミやんも教えてくれても罰は当たらんと思うんや」

上条「なんでそうなるんだ!?」

青ピ「姫神ちゃんがカミやんのこと好きかもしれへんし…」

上条「姫神が俺を?それは無いと思うけどな」

青ピ「姫神ちゃん。カミやんと話すとき、微笑むんやで?」ハァ

上条「吹寄たちと話してるときも普通に笑ってるだろ?」

青ピ「男で、話しかけて微笑んでくれるのはカミやんだけなんや」

上条「そんなことないだろ?」

青ピ「僕や土御門君が話しかけても普通やで」ハァ

上条「話しかけるタイミングが悪いんじゃないか?」

青ピ「カミやんが吹寄に突っ込まれるのを見ても微笑んでるんやで」(カミやんを見て優しく微笑んでるんや)
85 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 22:16:14.95 ID:EVhx2e6J0
上条「それは間違いなく哀れみの微笑だ」

青ピ(鈍感で助かるわホンマ)「ま、そういうことにしとくわ。…で、超電磁砲のことは、どうなん?」

上条「だからなんでそうなるんですか!!」

青ピ「女の子への熱い想いを語り合いたいんや!あ、別にちびっこシスターへの想いでもええで?」

上条「黙秘権を行使する!」

青ピ「他に好きな子がいるんか?まさか姫神ちゃんじゃないやろうな?」(な〜んて、さり気なくリサーチ)

上条「姫神は…いい友達ってことだ」

青ピ「ホンマ?」

上条「うん。まあ美人だと思うけどな」

青ピ「やっぱ、超電磁砲がええの?」

上条「御坂は…、アイツといると楽なんだよな…。なんていうか色々…」

青ピ「それ、本人に言ってやれば喜ぶんちゃう?」

上条「言えるか!恥ずかしい」カァッ

青ピ「女は好きな男には甘えて欲しいって思うもんやで?」

上条「だ、だいたいだな、御坂が俺なんかのこと…」ゴニョゴニョ

青ピ「傍から見ればあの子、完全にカミやんにホの字やったけどな〜」

上条「テメエの言うことには騙されない、騙されないぞ!」

青ピ「ま、カミやんは明日、あの子のことよう見てみるんやな」

上条「…」(意識しちまうだろうが)

―――――
86 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/15(木) 22:16:47.15 ID:EVhx2e6J0
今宵はここまで。

ではではノノシ
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/16(金) 00:56:14.15 ID:j4nKo81x0
乙!

2828するぜ!
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/16(金) 15:57:24.55 ID:BsN3h13j0
俺得スレはっけーん  ズザー ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡
89 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 21:57:30.50 ID:hi0SP/ml0
ふたたび、携帯電話が振動する。

美琴(まさか、アイツじゃないわよね)ドキドキ

少しだけ期待して見た着信画面には、年下の友人の名前が表示されていた。

美琴「もしもし。初春さん」

初春「御坂さん?いきなり質問してすみません。カミジョーさんって、彼氏ですか?」

周りが騒がしい場所からにもかかわらず、なぜか小さな声でぼそぼそと話す初春。だが、それは問題ではなかった。

美琴「な、な、なんで初春さんがアイツの名前を!?」カァッ

初春「学校帰りにお友達とハンバーガーを食べていこうってことになったんですけど、後ろの席で高校生の二人組が御坂さんの名前を言っているのを聞いてしまいまして」

美琴「…」

初春「アオピさんとカミジョーさんて人が好きな女性について話し始めてですね、…御坂さん、カミジョーさんて方に寮の前で抱きついたりしたんですか?」

美琴「あ、あ、あれは、仕方なかったのよ!理事長の馬鹿ボンがしつこかったから!!」カァッ

初春「抱きついちゃったんですねー。すごいなあ」

美琴「あ、あのね、初春さん…」アセアセ

初春「ええと、話し始めたみたいだからどうぞー。音声最大にしますね」ピピピ

美琴「あ、ちょっと…」

おそらく通話音量を最大に設定したのだろう。周りの喧騒に紛れて、聞き覚えのある声が聞こえてきて、美琴は口を噤んで耳を澄ました。
90 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:01:07.93 ID:hi0SP/ml0
上条「だからなんでそうなるんですか!!」

青ピ「女の子への熱い想いを語り合いたいんや!あ、別にちびっこシスターへの想いでもええで?」

美琴(ちびっこシスターって、あの子よね?)

上条「黙秘権を行使する!」

青ピ「他に好きな子がいるんか?まさか姫神ちゃんじゃないやろうな?」

上条「姫神は…いい友達ってことだ」

美琴(…)ホッ

青ピ「ホンマ?」

上条「うん。まあ美人だと思うけどな」

青ピ「やっぱ、超電磁砲がええの?」

美琴(!!)ドキドキ

上条「御坂は…、アイツといると楽なんだよな…。なんていうか色々…」

美琴(え?それって、どういうこと?)ドキドキ

青ピ「それ、本人に言ってやれば喜ぶんちゃう?」

上条「言えるか!恥ずかしい」
91 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:05:49.11 ID:hi0SP/ml0
青ピ「女は好きな男には甘えて欲しいって思うもんやで?」

上条「だ、だいたいだな、御坂が俺なんかのこと…」ゴニョゴニョ

美琴(もしかして、アイツ照れてる!?私のこと想像して)ニヘラー

青ピ「傍から見ればあの子、完全にカミやんにホの字やったけどな〜」

美琴(うぇっ!?そんな風に見えてたの?私!?)カァッ

上条「テメエの言うことには騙されない、騙されないぞ!」

青ピ「ま、カミやんは明日、あの子のことよう見てみるんやな」

美琴(アイツの友達もいいこと言うじゃない!)ニヘラー

青ピ「なあ、カミやん」

上条「なんだよ」

青ピ「やっぱ、オーソドックスに『好き』って言うんがええ?」

上条「またストレートだな」

青ピ「カミやんもそう言うのがええんちゃう?」

上条「し、知るか!」
92 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:14:38.64 ID:hi0SP/ml0
青ピ「ちょっとカミやん、姫神ちゃん役やってや」

上条「は?」

青ピ「僕、今から練習するから」

美琴(れ、練習?)

上条「ちょ、ちょっと待て!」

青ピ「いくで…。やっほー。姫神ちゃん。いつも綺麗やな」

上条「う…。青ピ君。なに。急に」

美琴(って、真似るんかい!何気に声高いし!!…姫神って人知らないけど、そんな話し方なの!?)

青ピ「いつもそう思ってるんやで。姫神ちゃん綺麗やさかい」

上条「変な青ピ君」

青ピ「姫神ちゃん。僕、姫神ちゃんのこと、好きや!」

上条「え。冗談だよね?」

青ピ「マジやで。姫神ちゃん。好きや!」

上条「うわ、ちょっと待てテメエ!いきなり肩を抱くな!!目を瞑るな!唇を突き出すな!!てかそんなことしたら間違いなくボディーブロー喰らうぞ馬鹿野郎!!」

青ピ「いやよいやよも好きのうちって言うやないか!」

上条「馬鹿かテメエ!」
93 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:19:22.98 ID:hi0SP/ml0
青ピ「くっ。カミやんもやってみればわかる!…なによ!こんなところに呼び出して!!」ズバーン

上条「な、なに言ってるんだ?いきなり!?」

青ピ「あなたが呼び出したんじゃない!私、こう見えても第三位だし、忙しいんだけど?」ツーン

美琴(へ!?)

上条「なっ!?御坂の真似か!?」

青ピ「まさか、なにも考えてないなんてことはないでしょうね?」(多分、高飛車お嬢様っぽかったからこんな感じだろう)

上条「ちょっと待てテメエ。知りもしないのに勝手に御坂を作るんじゃねえ!!」

美琴(え?もしかしてアイツ、怒ってくれている?)ドキドキ

青ピ「ツンデレお嬢様なんてポイント高いで?」

上条「アイツはそういうのじゃねえんだよ!」

青ピ「じゃあどういうのなんや?」

上条「アイツは…なんていうか、甘えるのが下手な奴なんだよ。でも、そこが可愛いって言うかなんて言うか…」ゴニョゴニョ

美琴「!!」(か、可愛い!?可愛いって言った?)カァッ
94 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:23:30.83 ID:hi0SP/ml0
初春「わぁ。御坂さんのこと可愛いって言ってますね」ボソッ

美琴「うにゃぁっ!?」ビクッ(そうだった、初春さんの携帯だったんだっけ…)

青ピ「なんかさらっと惚気てますけど?」

上条「そ、そ、そ、そんなことないぞ!」

青ピ「カミやん、まさか、特定の女の子のこと『可愛い』とか言っておいて惚気てないなんて言わんよな?」

上条「う…」

青ピ「よし、僕も姫神ちゃんの可愛さについて語るで!」

上条「さっきみたいに妄想はするんじゃねえぞ!」

青ピ「好きな子で妄想するのはむしろ健全なんやで」

上条「場所を考えろって言ってるんだ」

ぎゃあぎゃあと言い争いを始めた高校生を背に、初春は小さく微笑みながら囁くように言った。

初春「うふふ。よかったですね」

美琴「な、なにが!?」カァッ

初春「可愛いって」

美琴「うにゃあっ!?」///
95 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:28:24.89 ID:hi0SP/ml0
初春「うふふ。明日のデート、楽しみですね」

美琴「デ、デ、デ、デ、デート!?」

初春「はい。セブンスミストでお買い物らしいですよ。カミジョーさん」(御坂さんになにかを買ってあげる予定なのは内緒にしておこうっと)

美琴「そ、そうなの?」

初春「はい。あ、じゃあ切りますね。また今度お話しましょう」

美琴「あ、うん。また、ね」(セブンスミスト…。特売じゃない…。これって、これってやっぱり初春さんも言ってた…デ、デ、デ、デ、デートってやつかしら!?)ドキドキ

枕元の人形を抱き締めてブンブンと頭を振る。

美琴(きゃーきゃーきゃー!!)カァァァッ

ガチャッ

黒子「ただいまですの。お姉さ…ま?」ドサッ

ベッドの上でカエルの人形を抱き、ヘッドバンキングをしているルームメイトを見て、黒子は手に持っていた鞄を足元に落とした。

黒子「まさかこれは…精神系能力者の仕業!?」ハッ

美琴「可愛いって…言ったよね?ね?うふ、うふふふふふ…」ブンブン

黒子(…え?可愛い。…ま、まさか…)ワナワナ

美琴「脈ありってことよね?ね?どうしようゲコ太?ねえ?どうしたらいい??うふ、うふふふふ…」ブンブン
96 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:31:38.11 ID:hi0SP/ml0
黒子(脈アリって…)ワナワナ

美琴「ふぇっ!?黒子!!アンタいつ帰ってきたの!?」ビクッ

黒子「た、たった今ですの。ただいまですの。お姉様」

美琴「お帰り♪黒子♪いつもご苦労様」ニコニコ

黒子「ご機嫌ですわね。お姉様」

美琴「あはは。ちょろっとね〜」ニコニコ

黒子「何か素敵な事がありましたの?」

美琴「まあね〜」ニコニコ

黒子「可愛いものでも見つけられましたの?」(落ち着くのですわ。黒子)

美琴「可愛い!?うふ、うふふふふふ」ニヤニヤ

黒子「お、お姉様…」

美琴「可愛いって…うふふふ。私のこと可愛いって…」ニヤニヤ

黒子「お、お姉様!?お気を確かに!?」

美琴「ふにゃ〜」///パタン

黒子「お、お、お姉様ぁぁぁぁぁっ!?」

―――――
97 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/09/16(金) 22:32:42.08 ID:hi0SP/ml0
今宵はここまで。書き貯めが終わったorz

ではでは〜ノノシ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 00:48:45.31 ID:xZ2gV9pF0
乙!  続きお待ちしてます
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 03:05:37.06 ID:dcH4m5pro
良スレ派遣

続き期待してます
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/26(月) 12:48:28.38 ID:ZYCPuNwv0
100GET!! ズザー ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/09/26(月) 20:22:20.24 ID:7M+rG+Wr0
こんな俺得スレがあったのか…気づかなかった
会話のテンポいいし楽しいなww
続き楽しみ
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 12:47:57.03 ID:Yf1sjyFl0
続きマダー?
103 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/10/05(水) 22:50:17.68 ID:dPixa1D20
いやはや、時間が空いてしまったorz
新約2巻の美琴が男前過ぎてwwなんか脳内設定に影響が…。

皆様、レスありがとうございます。gdgdだけどちょびっとだけ投下。

上条「〜♪」

インデックス「とうま。なにかいいことでもあった?」

上条「ん?別にないけど?」

インデックス「鼻歌を歌ってるなんて珍しいんだよ」

上条「うぇ!?俺、歌ってたか?」

インデックス「うん」

上条(俺、もしかして御坂と買い物に行くのを楽しみにしてる?)「…うまい具合に出来たからかも」

インデックス「いい匂いなんだよっ!チキンライスなんだよ!?」ワクワク

上条「慌てるなインデックス。このチキンライスにふわふわの卵焼きを載せると…」

インデックス「!!」ワクワク

上条「そう、ボリュームも増えて、なおかつ美味いオムライスになるんだ!」

インデックス「す、すごいんだよ!とうま!!」キラキラ

上条「もう少しで出来るから、スフィンクスにご飯あげといてくれるか?」

インデックス「わかったんだよ!」パタパタ
104 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/10/05(水) 22:55:37.30 ID:dPixa1D20
上条(…御坂が?いやいやまさか…)

卵をボウルでかき混ぜながら、少年は茶色の髪の少女のことを思い起こす。

学園都市第三位の超能力者、超電磁砲の異名を持つ名門女子校に通う中学生の少女。

上条(御坂とはなんだかんだいって縁があるな。学園都市の外にも一緒に行くようになったし…)

美琴『ただし、今度はひとりじゃない』

上条(…って、手を掴まれたときは驚いたよなあ。なんか迫力あったけど)

美琴『一応お揃いなんだから、あっさりなくしたりしないでよね』

少女の言葉が頭の中を過ぎる。

上条(…あれって、そういう風に解釈していいのだろうか?)ウーム

あれから、何かあるとストラップの有無を確かめられるようになった。

携帯を取り出して見せるときに、少女が嬉しそうな笑顔を見るのを密かな楽しみにしていたりもする。

上条(俺、もしかして…)

コンロの火を入れると、何かを振り払うように頭を軽く振ってからフライパンに油をひく。

上条(ええい!考えるの止め!とりあえず今は夕飯の支度だ!うん)

無理矢理に思考を断ち切り、上条当麻はぐっと菜箸を握り締めた。

―――――
105 : ◆F/bQYgopwk [sage]:2011/10/05(水) 23:00:34.29 ID:dPixa1D20
姫神「これを。私に?」

青ピ「気に入ってくれると嬉しいんやけど…」

姫神「なんだろう?開けても。いい?」

青ピ「うん」

クリスマス包装された小さな紙袋のリボンを外し、開ける。

姫神「これは!」

袋の中には、鈍く輝く指輪がひとつ入っていた。

青ピ「…僕とお揃いやったりして」

姫神「青ピ君」

青ピ「姫神ちゃん」

姫神「お兄ちゃん!朝だよ〜!」

青ピ「へ?」

姫神「お兄ちゃん!朝だよ〜!!」

ガバッ オニイチャン、アサダヨー カチッ

ベッドの上で飛び起きて、枕元に置いてあった目覚まし時計を止める。

青ピ「夢かいっ!!…いやしかし、姫神ちゃんの『お兄ちゃん』は新鮮やったな〜」

―――12月23日の朝はこうして始まった。
106 : ◆F/bQYgopwk :2011/10/05(水) 23:01:44.67 ID:dPixa1D20
ホントにちょっとで申し訳ないorz

今宵はここまで。ではでは〜 ノノシ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 23:28:30.43 ID:YZDUhRDFo
待ってたんだよ!
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/25(火) 13:12:56.74 ID:yj2LXRVOo
お待ちしてます
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/09(水) 02:35:07.72 ID:VtU+OUibo
待ってるんだよ!
110 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/15(火) 21:30:38.14 ID:aKyx2Iy50
すみません。また時間があいてしまいました。そして少ししか進んでいませんorz
とりあえず投下。

――――

インデックス「とうま。今日、こもえのところに行くけど、とうまも行く?」モグモグ

上条「あー、俺は…友達と約束があるから無理だな」

インデックス「むー。明日はこもえの家でパーティーなんだよ!ご馳走が出るんだよ!行かないと損なんだよ!」

上条「あー、クリスマスだもんなー」

インデックス「そうなんだよ!」

上条(…クリスマス、か)

インデックス「あいさやこもえと明日のパーティーの準備をするんだよ。私も手伝うんだよ」

上条「がんばれよー」

インデックス「ロースト・ターキー、クリスマス・プティング、フィッシュ・アンド・チップス…ご馳走がいっぱいなんだよ」ジュルリ

上条「…そこまで本格的なのは学園都市じゃ無理なんじゃないか?」
111 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/15(火) 21:34:40.50 ID:aKyx2Iy50
インデックス「クリスマスなのに?」

上条「んー、七面鳥は鶏の腿肉、クリスマス・プティング?はショートケーキ、フィッシュ・アンド・チップスはフライドポテトになるかなあ?」

インデックス「ご馳走だからいいんだよ」

上条「食べるものにこだわりがあるわけじゃないのか」

インデックス「国によって食べ物が変わるのは仕方がないことなんだよ」

上条「そういうものなのか」

インデックス「うん」

上条「そうか」

インデックス「…明日は、……たいな」ボソ

上条「ん?なんだって?」

インデックス「なんでもない!」ブンブン

慌てて首を振る少女を見て、少年は険しい表情を浮かべる。
112 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/15(火) 21:40:53.03 ID:aKyx2Iy50
上条「インデックス…。お前…」

インデックス「え?な、なに?」ビクッ

そっと少女の額に左手を当て、右手を自分の額に当てて呟いた。

上条「んー?気のせいか?なんか熱っぽく見えたんだけどなあ」

インデックス「き、気のせいなんだよ、とうま」カァッ

少年の手から逃れるように少女は身を引いた。

上条「本当か?」

インデックス「本当だよ。ぜんぜん大丈夫なんだよ」

上条「ならいいけど…」

インデックス「心配してくれてありがとう、なんだよ。とうま」

上条「お、おう…」(やけにしおらしいけど、言ったら噛まれそうだから言わないでおこう)

インデックス「…なんかとうまがすごく失礼なことを考えているような気がするんだよ」

上条「そ、そんなこと無いぞ」ダラダラ

インデックス「『怪しきは罰せよ』なんだよ、とうま」ガブッ

上条「ぎゃああああああ!!不幸だああああああああっっ!!」

―――――
113 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/15(火) 21:45:04.34 ID:aKyx2Iy50
外から小鳥のさえずりが聞こえてくる。

美琴「…ね、眠れなかった」

―――アイツが悪い。

目を閉じて、布団を頭から被ると浮かんでくるアイツ。

上条「アイツは…なんていうか、甘えるのが下手な奴なんだよ。でも、そこが可愛いって言うかなんて言うか…」ゴニョゴニョ

上条「そこが可愛いって言うか…」

上条「可愛い…」

上条「可愛い」

―――可愛い

その言葉が、勝手に頭の中で繰り返される。

そして、それが私の胸を苦しくさせる。頬が熱くなる。
114 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/15(火) 21:51:01.80 ID:aKyx2Iy50
―――でも、嫌な感じじゃなくて…。

美琴「…はぁ」

常盤台のエース、学園都市第三位の超電磁砲。そんな肩書も、アイツの前じゃ意味を持たない。

アイツは、私のことを、ただの電撃使いの女の子として見てくれる。

アイツとは、友達くらいの関係にはなれていると…思う。

ロシアから戻ってきてから、半ば強引にアイツの手伝いをするようになった。

魔術師なんて聞いても最初はトリックか何かだと思っていたけど、実際に魔術を目にして、そんな考えは跡形もなく消し飛んだ。

紙切れが遊覧船くらいの船になったりとか、炎の巨人が暴れたりとか、大きな魔方陣が空中に浮かび上がって爆発的なエネルギーの奔流が起こったりとか。

まあ、ロシアでアイツがいたところも魔術で作られた空飛ぶ島なんだけど。

あんなのをいつも見ていたんじゃ、私に対して普通に接する理由がわかる気がした。

アイツは、いつもそんな非現実的な世界にいたのだから。
115 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/15(火) 21:53:49.29 ID:aKyx2Iy50
―――そんなアイツが、私を買い物に誘った。

それって、少しは私のことを『特別』に思ってくれている?そう、思ってもいいの…かな?

アイツは、私にとって特別な存在だ。

アイツとの待ち合わせまであと3時間ちょっと。

眠れなかったけど、それよりもはやくアイツに会いたいと思っている私がいる。

美琴「…好き」ボソッ

そっと呟いてみた。

それだけで、胸が苦しくなり、頬が熱くなった。

きっと、アイツの前じゃこんなこと言えない。今の関係を壊してしまいそうで怖いから。

でも、もしかしたら…。

何かが起こるかもしれない。
116 : ◆F/bQYgopwk :2011/11/15(火) 21:56:19.17 ID:aKyx2Iy50
今宵はここまで。

ではでは〜ノノシ
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/15(火) 22:03:57.39 ID:133L6p0Co
待ってたんだよ!
118 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/20(日) 22:41:32.40 ID:Ux4fIC5J0
美琴「…あ」

上条「よう」

30分ほど前に待ち合わせ場所へ行くと、そこにはすでにツンツン頭の少年が、両手を擦りながら立っていた。

美琴「は、早いわね」

上条「誘っておいて待たせるわけにはいかないだろ?」

美琴「そ、そう。その、ありがと」

上条「お礼を言うのは俺の方だと思うんだけど?」

美琴「そ、そうかな?」

上条「うん」

学生服にマフラーを巻いて毛糸の手袋をしているものの、少年は体を震わせていた。

一方、少女はロングコートを纏い、カシミアのマフラーを巻いて鞣革の手袋をしているのでそんなに寒さを感じていない。
119 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/20(日) 22:46:48.41 ID:Ux4fIC5J0
美琴「…アンタ、寒そうね?」

上条「ああ、今日は結構冷えるな」ハーッ

美琴「あー、今日はお買い物に行くのよね?どこに行くの?」(寒そうね…。そういえば黒子が良く腕を絡めてくるけど、結構温かいのよね〜)

上条「セブンスミストに行こうと思うのですが…」

美琴「りょーかい」ドキドキ

軽く答えて、少女はさりげなく少年の右腕に自分の左腕を絡めた。

上条「へ?み、御坂っ!?」カァッ

美琴「さ、寒いから盾になりなさい!べ、別に変な意味ないんだからっ!」(こんな感じなら自然なはず!)カァッ

上条「お、おう?」(腕になにか柔らかいものが当たるんですけど!?)ドキドキ

美琴「い、行くわよ!」(へ、平常心、平常心)ドキドキ

上条「ちょっ!?引っ張るなって!!」(な、なんなんだ!?この状況は!?)

少女に視線を向ける。よく見ると耳がほんのりと赤くなっていた。
120 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/20(日) 22:52:58.36 ID:Ux4fIC5J0
上条(照れてる?いやいや、まさか)「おい、御坂。これじゃあお前が俺の盾になってるぞ!」

美琴「じゃあ、アンタがエスコートしなさいよ」カァッ

上条「エ、エスコートってどうすればいいのでしょうか?」

美琴「アンタが私を引っ張っていけばいいのよ」ギュッ

少女は後輩にされるように腕にしがみついてみた。彼女はその行為が女の子同士だからこそできるスキンシップであることに気がついていない。

上条「そ、そうか」(か、上条さんの手が御坂の大事なところに当たりそうなんですけど!?)カァッ

美琴「はい、じゃあよろしくー」ギュッ

上条「あのな御坂。そんなにしがみつかれると、歩けないんだけど」カァッ

美琴「私は別に平気だけど?」ギュッ(黒子なんてもっとしがみついて来るし)

上条(も、もう限界だ)「御坂さんには恥じらいというものはないのですか!?いろいろ当たったり、当たりそうになってるんですけど!」カァッ

美琴「へ?何が?」キョトン

上条「…胸とか…その、俺の手とか」カァッ

美琴「うぇっ!?」カァッ

絡めた腕を見てみる。少年の腕は胸に密着しているし、肘を伸ばすようにして絡めているため、手の甲はスカートの上の方で握り締められ、今にも下腹部に当たりそうになっていた。
121 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/20(日) 23:00:53.61 ID:Ux4fIC5J0
美琴「う、うにゃああああああっっ!!」カァァァッ

上条「お、落ち着け!御坂っ!」

美琴「落ち着けるかああああっ!!」カァァッ

上条「いいから手を離せええ!!てか、動くな!!触っちまう!」カァァッ

美琴「〜〜〜っ!!」カァァッ

上条「そ、そうそう。腕を伸ばして…よし、離れたぞ!」

美琴「あ〜あうあう…」プシュー

上条「女の子同士ならああいう組み方もいいと思うけど、上条さんは男子ですから気をつけないと、な」

美琴「そ、そうよね…あはは…」シュン

上条「…ま、気にするな」ポンポン

美琴「子供扱いしないでよ」ムゥ

上条「そこでそんなこと言うな。…上条さんもいろいろテンパってるんだから…」ボソボソ

美琴「へ?」(テンパってる?)

上条「な、なんでもない!!」カァッ

美琴「気になるじゃないの!」

上条「…健全な男子なら当然っていいますか、その女の子特有の感覚(っていうか触感)に敏感なんです!」カァッ

美琴「ふぇ?それって?」クビカシゲ

上条「わからないならいい!忘れろ!というかむしろ忘れてください!」

美琴「…まあ、いいわ。許してあげる」(女の子として見てくれているみたいだし)

上条「サンキュー。じゃ、行くか」

美琴「うん」
122 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/20(日) 23:05:10.87 ID:Ux4fIC5J0
少女の目の前に少年の手が差し出される。先ほどまでしがみついていたのとは反対の手。

美琴「え?」

上条「エスコートしなきゃいけないんだろ?だから」カァッ

美琴「う、うん」カァッ

躊躇いがちに右手を差し出すと、少年の左手が優しくそれを包み込んだ。

上条「うし。行くぞ」ギュッ

美琴「う、うん」(結構大きいのね。コイツの手)

上条「…」

美琴「…」(手をつないで歩いてる…)

上条「…」(な、なにか話題になりそうなことは…)

美琴「…」(夢、じゃないよね?)

上条「あー、バスってどこから乗るんだっけ?」(常盤台中学前でよかったと思うけど)

美琴「んっと、学校前でいいんじゃない?」

上条「了解」

美琴「♪」
123 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/11/20(日) 23:08:36.01 ID:Ux4fIC5J0
バス停を目指して歩いているうちに、なんとなく視線を感じるようになってきた。それも複数の人間―常盤台中学の制服を身に着けた少女たち―の視線を。

上条「…」(…常盤台って御坂の学校だよな…)ダラダラ

美琴「♪」

上条「…御坂。いったん手を離すぞ?」

美琴「却下」

上条「ええと、俺とのうわさを学校中にばら撒きたいのか?…もう手遅れかもしれないけど」

美琴「は?なに言ってるのアンタ?」

上条「俺たちは今、常盤台中学前のバス停に向かっているわけだ」

美琴「うん」

上条「部外者の上条さんと常盤台の御坂さんが手をつないでいて、それを常盤台中学の子たちが目にするわけなんだけど…」

美琴「…」ダラダラ

上条「実を言うと…さっきからなんとなく視線を感じているわけですが…」

美琴「う、うにゃあああああああっ!!」ビリビリビリ

上条「ぎゃあああああ、不幸だああああ」

―――
124 : ◆F/bQYgopwk :2011/11/20(日) 23:09:24.75 ID:Ux4fIC5J0
今宵はここまで。 ではでは〜ノノシ
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/20(日) 23:34:37.13 ID:a1xPIQtDo
乙なんだよ!
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 10:52:18.03 ID:qZ/EvF2U0
美琴かわいい。ハァハァ
127 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/04(日) 00:18:14.69 ID:kTAs3m/S0
―――

一騒動を起こしたからなのか、常盤台中学前からバスに乗ったのは彼ら二人だけだった。すばやく乗り込むと、後ろの方の席に並んで腰を下ろす。

扉が閉まり、バスが動き出すと、少年は大きなため息を漏らした。

上条「死ぬかと思った…」ハァ

美琴「あはは〜。…ごめん」ショボン

上条「…いや、俺も悪かったし」

美琴「へ?」

上条「…普通に手を引っ張っちまってたからな。オマエの学校の近くに行くってわかってたのに」

美琴「でも、それは私が…」

上条「引っ張ってたのは俺。御坂は悪くない」

美琴「…わかった」
128 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/04(日) 00:22:59.23 ID:kTAs3m/S0
上条「…」

美琴「じゃ、せっかく遊びに行くんだから、この件はこれでおしまいね」

上条「え?」

美琴「お互い暗い顔して買い物してもつまらないでしょ?」ニコッ

上条「あ、ああ。そうだな」

美琴「あ、そういえばさ、アンタの左手が触ってても、能力使えたわね」

上条「…そういえば」

美琴「ちょろっと実験♪右手出して」

上条「あ、ああ」ミギテ サシダス

美琴 ミギテ カサネル「…なんなのかしらね?この右手は」ムニムニ

右手で相手の右手を握りながら、少女は不思議そうに少年の方へ身を乗り出す。
129 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/04(日) 00:26:03.48 ID:kTAs3m/S0
美琴「ねえ、ちょっと…!!」(顔近い!顔!!)///

上条「な、なんでしょう?御坂さん」(顔近い、顔!)///

見つめあったまま数秒間、二人は顔を赤くして固まった。

美琴「…あ、あのさ、ちょっとアンタの右手を私の頭に置いてみてくれる?」(落ち着け、落ち着け)ドキドキ

上条「あ、ああ。これで、いいか?」ポフッ(平常心、平常心)///

美琴「ふむふむ。次は肩に置いてみて?」

上条「ああ」ポン

美琴「…右手を持ってても使えないし、今も使えないから、アンタの右手が能力者の体に触れていれば、能力が使えなくなるってことみたいね」

上条「…」

美琴「じゃあ、今度は右手離して左手を出して」

上条「ああ」スッ

美琴「…んー。右肩から能力消されちゃうみたいね。でも、右腕以外は守れそうね」
130 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/04(日) 00:28:51.15 ID:kTAs3m/S0
上条「何を言っているのでしょうか?」

美琴「電磁力で弱い防壁を展開しているんだけど、アンタの右腕以外はカバーできてるっぽいのよねー」

上条「へー、何も感じないけどなあ」

美琴「弱いって言ってるでしょ。でも、あとで試しておきたいわね。最大出力で」

上条「何か嫌な予感がするのですけど?」

美琴「ちょっとビリッとするかもしれないわね。でも、戦うときに便利なのよ。銃弾ぐらいなら防げるし」

上条「銃弾って、洒落にならないんですけど!?」

美琴「あのねえ、普通の人間はそういうもので攻撃してくるのよ。軍隊なんか特にね」

上条「これって、学生の会話じゃないよなあ」ハァ

美琴「まあ、いろいろ首突っ込んじゃってるから仕方ないじゃない」

上条「それはそうだけどさ、今日はそういうの無しにしようぜ」

美琴「え?」

上条「息抜きってやつ?普通に買い物してみないか?」

美琴「アンタがそう言うなら、それでも…いいけど」

上条「じゃ、決まりな」ニコッ

美琴「うん」///
131 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/04(日) 00:30:09.18 ID:kTAs3m/S0
――――


学舎の園の文房具店で買い物を済ませて寮へと戻る途中、オープンカフェの一角で話す少女たちの声が耳に入ってきた。

生徒A「…やっぱり彼氏とかだったりするのでしょうか?」ヒソヒソ

生徒B「手をお繋ぎになっていたのですから、そう考えるのが自然だと思いますわ」ヒソヒソ

黒子(また、くだらないことを)ハァ

生徒A「真っ赤になって可愛らしかったですわね」クスクス

生徒B「相手の殿方も電撃に巻き込まれていたように見えましたけど」

黒子(まさか、まさかまさかまさか…)ダラダラ

生徒A「『不幸だー』なんて叫んでいましたわね」クスクス

生徒B「そのくせ、手を離さないのですから、もしかしたらあの殿方も電気系の能力をお持ちなのかもしれませんわね」

黒子「あんのおおおおおおおおおっ!!類人猿んんんんん!!」グギャアアアア
132 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/04(日) 00:32:09.74 ID:kTAs3m/S0
生徒A・B「!!」ビクッ!!

黒子「コホン、風紀委員ですの。貴女方、その不純異性交遊が行われていたのはどこですの?」

生徒A「え、えーっと…」ビクビク

生徒B「バス停…です」ビクビク

黒子「こうしてはいられないですの!今すぐお姉…じゃなくて不純異性交遊を取り締まらないといけませんですの!!では失礼」シュンッ

生徒A「…」

生徒B「…」

生徒A「なんだったのでしょう?」

生徒B「さあ?」
133 : ◆F/bQYgopwk :2011/12/04(日) 00:34:07.30 ID:kTAs3m/S0
今宵はここまで。ではでは〜ノノシ
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 00:41:52.48 ID:krT7FQNbo

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       /  |   φ(・ω・´)
           |  /  oノ )
     |\   L/     〈〈
  __  \
__   |
   |  |
   |
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 11:56:23.16 ID:D1XbYXPCo
乙乙!
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 16:14:03.00 ID:opOI648Vo
黒子wwww
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 00:24:31.75 ID:UYQALq8Xo
乙!
138 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/05(月) 22:44:14.74 ID:huDV8n7Z0
――――


バスを降り、ショッピングモールの入口まで歩くと、少女が足を止めた。

上条「どうした?御坂」

美琴「忘れてた。携帯見せて」

上条「ん。ああ」ゴソゴソ

美琴「ん。無くしてないわね」ニコッ

上条「…」ドキッ

思わず視線を逸らしながら、ふと思ったことを口にする。

上条「…あのさ、オマエは無くしてないよな?」

美琴「無くすわけないじゃないの。ほら」

少女は携帯電話を取り出すと、そこに付けられているストラップを少年の目の前に突き出して揺らしてみせた。

上条「はは」

美琴「何よ?」

上条「いや、なんか嬉しくってさ」
139 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/05(月) 22:49:00.33 ID:huDV8n7Z0
美琴「え?」

上条「なんていうか、友情?絆?みたいなのを感じられるとでもいいましょうか…」

美琴「あー、ふたりだけの約束みたいな?」

上条「そうそう、そんな感じ!」

美琴「そういうのも悪くないわね」ニコッ

上条「そうだろ?そうだよな?そうなんです!」(そこでその笑顔は反則だ)

美琴「…アンタとお揃いっていうのがポイントなんだけどね」ボソッ

上条「ん?何だって?」

美琴「な、なんでもない!」カァッ

上条「今、何か言ったような気がしたけど?」

美琴「あー、そのー、喉が渇いたかなー、なんて…」

上条「んー。じゃあ、その辺で何か飲むか?」

美琴「うん!」ニコッ
140 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/05(月) 22:55:43.67 ID:huDV8n7Z0
―――


黒子(お姉様!お姉様!)シュンッ シュンッ

バス停の時刻表を確認し、目標がショッピングモール方面のバスに乗ったと判断すると、自らの能力を最大限に利用して進んでいく。

黒子(ショッピングモールならまだ先回りできるですの。とりあえずお姉様の後ろに回りこんで、お姉様と一緒に類人猿から離れた場所に飛べば)シュンッ シュンッ

考えながら瞬間移動を続けていると、前の方から親愛なる第三位の超電磁砲が一人で歩いてくるのが目に入って、慌ててその場に停止する。

黒子「お、お姉様がお一人で…。ああ、颯爽とした凛々しいお姿」ハアハア

―――きっと、類人猿を追い払って寮に戻る途中ですのね。みなまで言わなくてもわかりますわ。今、お側に参りますの!

そして、ツインテールの少女は、前から歩いてくる少女の背後に瞬間移動した。

黒子「お・ね・え・さ・まああああ!!」ダキツキ

美琴?「敵襲!?とミサカは冷静に相手の腕を掴み、電撃を放ちます!」ビリビリ

黒子「ああああああんっ!!愛の鞭ですのおおおおおおっっ!!」ビクビク

美琴?『緊急事態発生。こちらはミサカ一三五七七号。第七学区を探索中にお姉さまの知り合いと遭遇。ミサカはミサカネットワークに情報の提示を要請します』

御坂妹『ミサカ一〇〇三二号より、ミサカ一三五七七号へ。対象の身体的特徴、着衣、行動などから判断して、ミサカは対象をお姉さまのルームメイト、白井黒子と断定します』

一九〇九〇号『風紀委員で空間移動の大能力者。と、ミサカは白井黒子の個人情報を提示します』
141 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/05(月) 23:00:46.30 ID:huDV8n7Z0
一〇〇三九号『なぜ一三五七七号は外にいるのですか?と、ミサカは同じ病院内にいるはずの一三五七七号に質問します』

一九〇九〇号『そんなことは後で聞けと、ミサカは一〇〇三九号に突っ込みを入れます』

黒子「…う…ん」

一三五七七号『対象が意識を取り戻したので、言葉遣いを緊急用《御坂美琴モード》に変更します』

御坂妹『可及的速やかに撤退することをミサカは推奨します』

一三五七七号『了解。ミサカはこれより作戦を開始します』「…まったく、急に抱きついてくるんじゃないわよ」『と、ミサカは不満そうに言い放ちます』

黒子「ただのスキンシップですの!そんなことよりもお姉様!!あの類人猿に変なことされていませんよね?」

御坂妹『類人猿とは上条当麻のことで、お姉さまはそう呼んでいることを快くは思っていません。と、ミサカは補足します』

一三五七七号「アンタ、誰のことを言ってるのよ?」『と、ミサカは語気を荒くして言い放ちます』

御坂妹『もっと見下すように冷たく言い放っても良い。と、ミサカは提案します』

一九〇九〇号『私情が混じっている。と、ミサカは一〇〇三二号に突っ込みます』

黒子「そんなことよりも、お姉様、頭に何を付けているのですの?御髪が乱れてしまいますの」

一三五七七号『あっさり流しやがった。と、ミサカは毒づきます』

一〇〇三九号『白井黒子がゴーグルのことを言っているのであれば、それを何らかの実験装置として装着しているということにすれば良い。と、ミサカは提案します』

一三五七七号「…実験の計測装置よ。ってか、私、今、実験中だからアンタと喋ってると色々とマズいのよねー」『と、ミサカは一〇〇三九号の案に乗ります』
142 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/05(月) 23:06:20.51 ID:huDV8n7Z0
黒子「そんな雑な装着の仕方をするなんて…その実験の責任者に文句を言うべきですの!淑女の扱いがなっていないですの!」

一三五七七号「ああ、これ、一応秘密だから、アンタは私に会っていないし、私もアンタに会っていないってことで」『と、ミサカは白井黒子の文句を流しかえします』

そのとき、一陣の風が少女たちの間をすり抜ける。ツインテールの少女は当然のようにスカートをおさえ、ショートカットの少女もまた、当然のように何もしなかった。

ふわりと、ショートカットの少女のスカートがツインテールの少女の目の前で捲れあがる。

黒子「ふおおおおおおお!?楽園はこんなところにあったですの!!」(し、縞パンですのっっ!)

一三五七七号「なにわけわからないこと言ってるのよ、アンタ」『と、ミサカは白井黒子から迸る変なオーラに本能的な恐怖を感じながら後ずさります』

黒子「…」ハッ(お姉様のクローゼットであのような縞パンを見た覚えはないですの。バス停での目撃情報、類人猿、一人で戻ってきたお姉様…)ワナワナ

―――

美琴「もう。汚れちゃったじゃない。…さすがにコレは履いて帰れないわね」///

類人猿「スマン。でも、これ用意しといたから」

美琴「な、なんでこんなの持ってるのよ!」///

類人猿「オマエが感じやすいって知ってるから、コンビニで買っといたんだよ」///

美琴「…アンタ、こういうの、好き…なの?」

類人猿「ま、短パンやゲコ太プリントよりは似合うと思うぜ」

美琴「ば、馬鹿」///

―――
143 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/05(月) 23:11:29.29 ID:huDV8n7Z0
黒子「ぐへへへへ…。じゃなくてっ!!そんなことになっていたら…でも、まさか、いや、しかし…」ガクガクブルブル

一三五七七号『今すぐこの場から立ち去りたい。と、ミサカは目の前で百面相をする白井黒子から距離を置くために歩き出します』

一〇〇三九号『いったい何が起きた?と、ミサカは一三五七七号に説明を求めます』

一三五七七号『ミサカにはわかりません。と、ミサカは戸惑いながら報告します』

黒子「お姉様!!」ガシッ!!

一三五七七号「馬鹿っ!実験中だって言っているでしょう!」『やばい、捕まった。と、ミサカは逃走方法を模索中です』

黒子「ごめんなさいお姉様。黒子は、黒子は、どうしてもお姉様にお聞きしたいことがありますの!」ウルウル

一三五七七号「な、なによ…」『なんだこいつ?と、ミサカは涙目の白井黒子を気味悪く思っています』

黒子「あの類人…いえ、上条…さんと、短パンについてですの」

一三五七七号「えっと…」『短パンってなんのことですか?と、ミサカは緊急に情報を求めます』

一〇〇三九号『短パンとはショートパンツのこと。と、ミサカは一般論を報告します』

御坂妹『お姉さまは普段、スカートの下に短パンを装着しています。と、ミサカは一三五七七号に報告します』

一三五七七号『なるほど。先ほど風でスカートが捲れあがったのを見て、短パンを履いていないことに違和感を感じたということですか?と、ミサカは質問します』

一九〇九〇号『おいおい、そんなことがあったのかよ。と、ミサカは一三五七七号に突っ込みを入れます』

黒子「なぜ答えてくださらないのですの?」
144 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/05(月) 23:33:33.99 ID:huDV8n7Z0
御坂妹『とりあえず、あの人のためということにしておけば問題ない。と、ミサカは一三五七七号に進言します』

一三五七七号「…あー。アイツ、短パン嫌いなんだよねー」『こんな感じでいいでしょうか?と、ミサカは一〇〇三二号に確認します』

黒子「…だから…ですの?」ハァ

御坂妹『グッジョブ。と、ミサカは一三五七七号を称えます』

一〇〇三九号『おいおい本当か?と、ミサカは一〇〇三二号に確認します』

黒子「そのショーツも…上条…さんの趣味ですの?」ハァ

一三五七七号「そ、そうね。…もういいかしら?」『と、ミサカはどす黒いオーラを纏い始めた白井黒子に恐怖を感じています』

黒子「嫌ああああああああああああっっ!!お姉様が穢れてしまったですのおおおおおおおおお」シュンッ

一三五七七号「!?」『想定外。と、ミサカは混乱を隠せずに姿を消した白井黒子に言い知れぬ不安を感じます』

御坂妹『とりあえず早急に病院へ戻るように。と、ミサカは一三五七七号に進言します』

一〇〇三九号『白井黒子は大丈夫でしょうか?と、ミサカは不安を感じていることを報告します』

一九〇九〇号『監視カメラのデータから、白井黒子はお姉さまのいるショッピングモール方面へ向かったのでお姉さまにお任せすれば良い。と、ミサカは提案します』

一三五七七号『撤退開始。と、ミサカは帰院することを宣言します』

病院の一室で、一人の少女がベッドの上に腰を下ろしながらそっと呟いた。

御坂妹「お姉さまとあの人の邪魔をしたかもしれませんね」ニヤリ
145 : ◆F/bQYgopwk :2011/12/05(月) 23:34:37.97 ID:huDV8n7Z0
今宵はここまで。おやすみなさいませノノシ
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 23:44:48.56 ID:ZVHGXaKEo
乙なんだよ!
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 01:05:40.42 ID:1nCy19J2o
御坂妹黒いww
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 10:05:44.00 ID:4ja0Ptny0
乙なんだよっ!

久しぶりに掲示板形式じゃない妹達を見た気がするww
149 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 22:55:00.37 ID:wGor1d/S0
新約3巻でましたねー。それを絡めて上琴ストーリーができてしまったw
まあ、もうしばらくはこの話が続きそうですw(エピソードは新約2巻まで反映)
では投下。
――――――――――――――――

―――


美琴「…」キラキラ

ショッピングモールにある喫茶店の店頭ウインドウの中を、少女が瞳を輝かせて見つめている。

『クリスマス限定キャンペーン!!カップルケーキセットをご注文のカップルのお客様に、サンタゲコ太、トナカイピョン子のペアストラップをプレゼント!』

そんなポスターの下に置かれたガラスケースの中に、どんぶりくらいの大きさのショートケーキが鎮座し、その横にサンタ服に身を包んだ髭を生やしたカエルのマスコットストラップと、茶色いトナカイの衣装を着たまつげの長いカエルのマスコットストラップが仲良く並んで置かれていた。

上条(御坂のやつ、すげえ目を輝かせている。…でもさすがにそれはないだろ)

美琴(凄い欲しい、ゲコ太もピョン子も可愛すぎる!!でも、でも…!!)

上条「…」(まさか、な)

美琴「…」(ううー。欲しい、欲しい)キラキラ

二人はショーウインドウとお互いの顔を交互に見ては、無言でその場に留まっていた。

『カップルケーキセットをご注文の際には、お二人がカップルであるという証明を行っていただきます』

上条(…カップルの証明って、嫌な予感しかしないんだが)

美琴(ゲコ太欲しいなあ。ゲコ太…)キラキラ

上条(コイツ、このこと気づいてるのか?)
150 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:02:27.30 ID:wGor1d/S0
美琴(ゲコ太…)キラキラ「ね、ねえ…」ドキドキ

上条「!な、なんだ?」(まさか…)

美琴「ちょろ〜っと、協力してくれないかな?なんて…」キラキラ

上条「やっぱりそうくる?」ハァ

美琴「い、いいじゃないの!可愛いんだもん!!」

上条「ホント、好きだな、オマエ」

美琴「ふぇ!?す、す、す、好きって!?」アセアセ

上条「ゲコ太」

美琴「わ、悪い!?」(焦ったじゃないの!!)

上条「いや、別にいいけど。…ホントにいいのか?」

美琴「ちょろ〜っと『ふり』をしてくれればいいんだし、大丈夫でしょ?」

上条「いや、そこに書いてあることをよく読んでからにした方がいいと上条さんは思うんだが」

美琴「なによ、書いてあることって」

上条「その、『カップルの証明』ってやつなんだけど…」
151 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:09:26.72 ID:wGor1d/S0
美琴「んー?アンタと私ならぜんぜん簡単でしょ?」ニコッ

上条「御坂さんがそう言うならいいんですが…」(マジか?)ドキドキ

美琴「じゃ、決まりね!すみませーん!!このカップルケーキセットくださーい!」

上条「…」ドキドキ

ウエイトレス「いらっしゃいませ。では、お二人がカップルという証明をお願いします」ニコッ

美琴「あ、アンタ、ちょっと携帯貸して」

上条「あ、ああ」ケイタイ サシダス

美琴「サンキュ。…んと、これでいいですか?」フタリノ ケイタイ サシダス

ウエイトレス「えーっと、はい。これならOKですね。じゃあお席でお待ちください」ニコッ

美琴「ほら、ぼけっとしてないで、行くわよ」

上条「あ、ああ…」(いったいどんな技を使ったんだ!?)

少女は軽やかな足取りで店内に入ると、適当な席に座って少年を手招きした。

美琴「いやー、ラッキーだわ。レアなゲコ太を手に入れられて♪」

上条「よ、良かったな。で、どんな技を使ったんだ?」

美琴「技ってほどのものでもないわよ。アンタと私、ペア契約してるじゃない」
152 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:13:53.41 ID:wGor1d/S0
上条「あ。そっか。そんなんで良かったんだ」

美琴「…アンタなに考えてたのよ」

上条「スマン!オマエをここで抱きしめたり、キスしたりしなきゃいけないかと思ってた」///

美琴「うぇ!?アンタそんなこと考えてたの!?」ビリビリ

上条「だから謝ってるじゃないか!ってか、ビリビリ禁止!」

美琴「う〜。ゲコ太に免じて許す!」(なに赤くなってるのよコイツは!)///

上条「ありがとうございます、御坂様」

美琴「…」(あれ?でも、これって脈ありってこと)///

ウエイトレス「お待たせしました。カップルケーキセットです。こちらは粗品のストラップになります。ごゆっくりどうぞ」ニコッ

美琴「やっぱりサンタゲコ太もトナカイピョン子も可愛い〜♪」キラキラ

上条「良かったな。って、これは!?」カビーン

ジュースを飲もうとして少年の手が止まる。ショートケーキの横に置かれたストロベリージュースが入っていたのは、花瓶のような大きさのグラスで、そこにはストローが二本差し込まれていた。

ショートケーキの横に置かれているフォークも一本だけだったりする。

上条(カップルケーキメニュー…。侮れないな)ゴクッ
153 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:18:49.73 ID:wGor1d/S0
美琴「どうしたのよ…って」カァッ

ストローを凝視して少女の頬が赤く染まる。

美琴(本当にこんなのあるんだ…。アイツを見ながら同じジュースを飲むの?)///

上条「あー、喉渇いたから、飲むぞ?」///

美琴「う、うん」///

少年がストローを口に含むのを見て、慌てて少女もそれを真似る。

上条「!!おまっ、何も一緒に飲まなくても!?」ゴホゴホ

美琴「カップルなんだから一緒に飲まないといけないでしょ!?」///

上条「『ふり』なんだから、一緒に飲まなくてもいいんだよ」ボソボソ

美琴「へ、変な目で見られたらゲコ太没収されちゃうかもしれないじゃない!協力してよ!」///

上条「そんなことないと思うけど、オマエがそう言うなら協力する」ボソボソ

美琴「ありがと…」(アイツの顔がこんな近くに)チュー

上条「…」(へ、平常心、平常心)チュー

美琴「…」チュー
154 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:24:30.32 ID:wGor1d/S0
上条(恋人っぽく…か。じゃあ、やっぱりアレだな…)///

少年はストローから口を離すと、フォークを持ち、ショートケーキの一部に切込みを入れてフォークに刺して持ち上げた。

上条「…あ、あーん」(めちゃくちゃ恥ずかしいぞコレ)///

美琴「ふにゃっ!?な、なに!?」ゴホゴホ

上条「あー、フォークが一本しかないからこうするものなのかと思ってな」///

美琴「そ、そうなんだ…」///

上条「これって結構恥ずかしいんですけど?」///

美琴「…あーん」パクッ///

上条「…」(き、緊張する)

美琴「…」モグモグ(た、食べさせてもらっちゃった)///

上条「もう一口、どうだ?」アーン

美琴「い、いただきます…」パクッ モグモグ

上条(なんだこれ。なんか色々ヤバイ)カチャッ

美琴(あ、フォーク置いた。…私も、やっちゃおうかな?)「…あ、あーん」///

上条「う…」(もう自棄だ)「…あーん」パクッ モグモグ(あれ?これって間接…)ハッ

美琴(あれ、コレって間接キ、キ、キ…)カァッ
155 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:28:49.33 ID:wGor1d/S0
???「しぬぅうぇええええええええええええっい!!!」ブワッ

上条「あぶねえ!!」ガシッ

美琴「!!なによアンタ!?」(あれ、アイツの友達よね?)

上条「テメエ!なにしやがる!!青ピ!」

青ピ「なに朝から美少女中学生といちゃいちゃしてるんや!!この裏切り者!」クワッ!

美琴「!」///

上条「い、いちゃいちゃなんか…」カァッ

青ピ「同じグラスのドリンク飲んで、同じフォークで『あーん』なんてやっておいて、いちゃいちゃしていないとは言わせへんで、カミやん」

上条「そ、それは…」(いやいや待て、ここは肯定しておかないと御坂のストラップを没収されてしまいかねん)

美琴「っ〜!」///

上条「あのなあ、青ピ。俺たちが頼んだのは『カップルケーキセット』なんだから、仕方ないだろ?」(俺たちは恋人って設定なんだよ)

美琴(え?それって、それって…)カァッ

青ピ「カミやん…。それってどういうことや?」

上条(ウエイトレスさんが見てる…)「デ、デートの邪魔をするんじゃねえって言ってるんだよ」///

美琴「!!」(デ、デートって言った!?言ったよね!?)///
156 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:32:29.22 ID:wGor1d/S0
青ピ「な、なんやて…。カミやん、いつの間に…」

上条(よ、よし、もう一押し)「わかるだろ?青ピ」

青ピ「う、うわああああああ!!カミやんの裏切り者おおおおおおおおっっ!!」ダッ

この世の終わりのような表情を浮かべ、向かい合って座っている少年と少女を交互に見比べると、青髪の少年は大声を上げながら走り去っていった。

上条「まったく、青ピの奴…。御坂、悪かったな」ハァ

美琴「…」(デート、デート…)ニヘラー

上条「御坂?」(なにボーっとしてるんだ?)

美琴「ふぇっ!?…あ、その、ゴメン。…はい、あーん」スッ

上条「うぇっ!?…あ、あーん」パクッ モグモグ

美琴「…美味しい?」ニコッ カチャッ

上条「…」コクッ

美琴「…あーん」アーン

上条「!!…あ、あーん」

美琴「…」パクッ モグモグ

上条(なんか自然にカップルしちゃってるんですけど!?)///
157 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:37:08.58 ID:wGor1d/S0
???「はうぁ!?なんでまた二人一緒にいるのですか?幻ですの?…いえ、ここはまず確かめないといけませんの!」シュンッ

美琴「ひぅ!?」ビクッ

上条「どうした!?御坂!!」

美琴「な、なんでもないっ!」///

???「短パンも履いてますし、ゲコ太パンツですの。…するとさっきのお姉様は偽者!?」

美琴「く、く、く、黒子!!アンタ一度死んどく?」バチッ ビリビリ

黒子「お、お姉様が類人猿色に染められていなければ…、黒子はそれで一安心ですのおおおおおおお」ビクビクッ

美琴「い・い・か・ら離しなさい!!」

上条「白井?机の下に潜り込んで何してるんだ?」ヒョイ

美琴「!!アンタは覗くなあああああ!!」ビリビリ

机の下には電撃を喰らって痺れているツインテールの少女がいて、その少女の右手には白い短パンが掴まれており、短パンから伸びたすらりとした足の上には、口髭を生やしたカエルのプリントが施された白い布地が燦然と輝いていた。

上条「ス、スマン!!」///

美琴「アンタ見たの!?見ちゃったの!?見やがったの!?」///

上条「不、不可抗力だ!」///

美琴「く〜ろ〜こぉ〜」バチバチ

黒子「ああ〜んっ!!愛の鞭ですのぉぉぉぉぉぉ!!」ビクンビクン
158 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:40:06.01 ID:wGor1d/S0
美琴(み、見られた!見られちゃった)カアァァッ

ツインテールの少女の手を引き剥がし、短パンを履き直しながら、少女は真っ赤になって俯く。

上条「あー、そ、その。…とりあえず、あーん」スッ

美琴「何でそうなるのよっ!?」

上条「馬鹿オマエ!ここで変なそぶり見せたらゲコ太没収されるぞ!いいから口開けとけ!」ボソボソ

美琴「そ、それは嫌!」ボソボソ「…あ、あーん」パクッ モグモグ

上条「もう一口、あーん」

美琴「…あーん」パクッ モグモグ

上条「…」カチャッ

美琴「…あーん」スッ

上条「あ、あーん」パクッ モグモグ

黒子「…なんかとてつもなく凄いことが私の上で起きている気がしますの…」(お姉様が類人猿と食べさせっこをしている!?)ガクガクブルブル

美琴「…あ、クリーム付いてる」スッ パクッ

上条「!!」(な、なんですと!?)カァッ

美琴「あ…」カァッ(や、や、やっちゃったーーーー!!)
159 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:43:37.21 ID:wGor1d/S0
黒子「お、お姉様が、お姉様が類人猿と間接キス、うふ、うふふふふ、うふふふふふ」ガクガクブルブル

上条「あー…」///

美琴「…」///

上条「喉渇いたなー」

美琴「喉渇いたわねー」

二人はそう言うと、ほぼ同時にストローを咥えた。

上条「!!」///(なんでこうなるんですかー!?)

美琴「!!」///(なんでアンタも咥えるのよー!?)

黒子「ま、真っ赤になって見つめ合っている!?しかも同じ飲み物を!?」ガビーン

美琴「く、黒子!デ、デートの邪魔しないでよね!?」///

上条「!!」

黒子「お姉様?今、なんと仰いました?」

美琴「デートの邪魔をするなって言ったのよ!」カァッ

黒子「お、お姉様が…お姉様が…、穢されてしまいましたのおおおおおおおおおっっ!!」シュンッ
160 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/11(日) 23:47:16.25 ID:wGor1d/S0
美琴「な、なにを言ってるのよ!あの子は!!」カァッ

上条「…」チュー

美琴「…で、アンタはなんでそんな普通にジュース飲んでるのよ?」

上条「上条さん、さっきからドキドキしっぱなしですけど!?」

美琴「嘘!?」

上条「ホント!もういっぱいいっぱいです!」

美琴「そ、そう…」カァッ

上条「…」チュー

美琴「…私も、いっぱいいっぱい、かな」///

上条「御坂…」

美琴「…」チュー

上条「と、とりあえずそれ飲んだら出ようか」

美琴「…」チュー コクン

上条(気、気まずい!!)
161 : ◆F/bQYgopwk :2011/12/11(日) 23:48:12.70 ID:wGor1d/S0
今宵はここまで。

ではでは〜ノノシ
162 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 23:53:10.34 ID:wTH8pZh8o
163 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 23:54:23.60 ID:iX4qfblso
乙なんだよ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/12(月) 00:32:40.63 ID:zs8FBFewo
乙!
165 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 04:31:34.23 ID:DQSjWH5SO
ニヤニヤが押さえきれなかったぜ乙
黒子と青ピがいい味出してたぜww
166 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 10:45:47.86 ID:iqMU4ljFo
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
167 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/15(木) 23:44:28.22 ID:JtrLF9SR0
―――なんとなく浮かんだSSモノローグメモ(あくまでメモなので適当です)新約3巻ネタバレありかも。
美琴「やっぱり。こんなことだろうと思った」ハァ
上条「…御坂」
美琴「…行くの?」
上条「…ああ」
美琴「行かせない。って言ったら、どうする?」
上条「…」
―――ちょっとシリアスな上琴かも。


↓ちょっとだけ投下なのです。
168 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/15(木) 23:48:40.95 ID:JtrLF9SR0
―――



姫神「…」

たまには。喫茶店でモーニングセットを食べてみよう。

そう思って。ショッピングモールまで来てみたら。上条君が。常盤台中学の女の子とデートをしていた。

途中で青ピ君や。女の子の知り合いと思われる子が乱入してきたけど。

そのたびに上条君や女の子が。『デートの邪魔』って言って追い払っていた。

それからすぐに上条君たちは出て行った。

真っ赤な顔の二人は。とても幸せそうに見えた。

私に気づかなかったのは不幸中の幸い?かな。

小萌の家のクリスマスパーティ。上条君はこないよね。

だって。可愛い中学生の彼女がいるんだから。
169 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/15(木) 23:50:18.09 ID:JtrLF9SR0
姫神「…」ハァ

上条君の家の居候のシスターは。あの子のことを知っているのだろうか?

…たぶん。知らない。

インデックス『クリスマスパーティー楽しみなんだよ!スフィンクスも、とうまも!』

あんなに嬉しそうに言っていたのだから。

二人が店を出て少ししてから。私も喫茶店を後にした。

小萌の家のツリーを彩るクリスマスオーナメントや。小物を見るために雑貨屋へと足を向ける。

姫神「…味。わからなかったな」

なんでだろう?

…上条君たちにあてられたかも。

今までに見たことのない表情。

真っ赤になって。それでいて相手を気遣っている優しい表情。

姫神「…」ハァ
170 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/15(木) 23:56:01.23 ID:JtrLF9SR0
???「溜息なんてついてると、幸せが逃げちゃうんやで?」

姫神「え?」

振り返ると。クラスメイトの青ピ君が片手を挙げて立っていた。

青ピ「姫神ちゃん。なんか嫌なことでもあったん?」

姫神「ううん。別に」

青ピ「あれ?もしかして落胆の溜息じゃなくて、感嘆の溜息やった?」

姫神「え?」

青ピ「いや。それ、綺麗やと思わん?」

そう言って青ピ君が指差したところには。クリスタルガラスでできた小さな天使像が。下からのライトに照らされてキラキラと輝いていた。

姫神「うん。綺麗」

青ピ「綺麗やなぁ」(姫神ちゃんも綺麗やで)

姫神「…青ピ君は。どうしてここに?」

青ピ「僕?下宿先のクリスマスオーナメントの買出しとかやな」

姫神「下宿?寮じゃなくて?」

青ピ「うん。僕、パン屋さんの二階に下宿させてもらってるんや」

姫神「そうなんだ」
171 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/15(木) 23:58:24.62 ID:JtrLF9SR0
青ピ「姫神ちゃん、もしよかったら、一緒にクリスマスオーナメント選んでくれへん?」

姫神「え?」

青ピ「僕よりセンス良さそうやし」

姫神「そうかなあ?」

青ピ「僕みたいなむっさい大男が選ぶよりも、姫神ちゃんが選んだ方が百万倍マシに決まってるやん」

姫神「私。そんなセンス良くないと思うけど?」

青ピ「姫神ちゃん。自分を過小評価するのはアカンよ」

姫神「でも。着てる服も地味だし」

青ピ「そういうのは、地味やのうて、スタンダードとかオーソドックスって言うんや。よく似合ってると思うで」

姫神「ありがとう。でも。褒められている感じがしないのはなぜ?」

青ピ「そこは深く考えちゃアカン」

姫神「そう」

取り留めのないことを話しながら。私は。気になっていたことを切り出してみた。

姫神「裏切り者って。どういうこと?」

青ピ「え?仲間を裏切ること?」
172 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/16(金) 00:00:17.22 ID:rY+xaB+S0
姫神「そうだけど。私が聞いているのは。上条君にそう言ったこと」

青ピ「なんや、姫神ちゃん。見てたん?」

姫神「うん。モーニング食べてた」

青ピ「あちゃー。恥ずかしいとこ見られたわー」

姫神「恥ずかしい?」

青ピ「うん。まるっきり僕のひがみやもん。ホンマは友達としてカミやんのこと祝福せなアカンのに」

姫神「そっか」

青ピ「でも、カミやんもひどいんやで?あの子、さんざんカミやんにアプローチしてたのに気づいてへんかったし。だけど、今日会うたら『デートの邪魔するな』やって。ひどいと思わへん?」

姫神「どのへんが?」

青ピ「カミやん、気づいてへんかったから、昨日買い物にでも誘ってみ?って言ったんよ。案の定、あの子、二つ返事で了承したみたいやし」

姫神「…」

青ピ「でも、デートに誘ったわけやないのに、デートになっていたってことは、あの子、カミやんに告白したんか!?いや、でもそれはありえへんで」

姫神「どうして?」

青ピ「あの子、超電磁砲やで?常盤台のエースが自分から告白なんて、普通せえへんよね?」
173 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/16(金) 00:02:39.87 ID:rY+xaB+S0
姫神「そう?上条君の傍だと普通の女の子にしか見えなかったけど」

青ピ「さすがカミやんやで。超能力者も関係あらへんなんて」

姫神「上条君。誰にでも優しいから。きっとそんなところに惹かれたんだと思う」

青ピ「…姫神ちゃんも?」

姫神「私は。…別にそんなんじゃないよ」

青ピ「ホンマに?」

姫神「うん」

青ピ「そっか。…っと、そんなことよりもクリスマスオーナメントや。姫神ちゃん。ひとつよろしく頼むで」

姫神「んー。どうしようかな」

青ピ「後でクレープでも奢るさかい。助けると思って!」

そう言うと青ピ君は大げさに両手を合わせて拝んできた。特に急いでいるわけではないし。まあ。いいかな?

姫神「クレープ。スペシャル頼んでもいい?」

青ピ「ええよ。飲み物も付けちゃうで。ま、飲み物は自販機やけど。…交渉成立でええ?」

姫神「うん」
174 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2011/12/16(金) 00:08:47.10 ID:rY+xaB+S0
―――シリアスもいいけど、バカっぽいのも書いてみたいようなw

美琴「じゃあ、舐めていい?」
上条「…へ?美琴…さん?」
美琴「あ、それとも、噛んだ方がいい?」
上条「何を言っているのでせうか?」
美琴「もー。キスに決まってるじゃない」
上条(キス…だと!?)

―――上琴エロパロになるのかも。


今宵はここまで。ではでは〜ノノシ
175 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 00:26:36.56 ID:RFb5dnPyo
乙にゃんだよ!
176 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 00:52:18.70 ID:Ad1dh7bMo
おつおつ
みんなかわいいな
177 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 17:57:49.75 ID:P9m6fw2O0
乙!

エロパロ…だと!?

楽しみにしています。
178 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 22:35:39.47 ID:bH0qSIRB0
超電磁砲の7巻出ましたねー。婚后さんが可愛いかも。はにゃーってなってる美琴も可愛いけどw

アニメ見てないのでよくわからないんだけど、PSPの超電磁砲のゲームで「御坂」の発音に違和感を感じてしまいましたw(「↑み↓さ↓か」って言ってるけど「↓み↓さ↓か」だと思ってたw)

あと、初春さんか佐天さんが「中学生がスキルアウトを狩ってる」みたいなことを言ってるところがあるんだけども、どう聞いても「中学生がスキルアウトを飼ってる」に聞こえるw

↓ではのんびり投下w
179 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 22:42:28.10 ID:bH0qSIRB0
―――


喫茶店を出て、気が付くとアイツと手を繋いで歩いていた。

アイツの顔は、まるでさっき飲んだストロベリージュースのように赤くなっていて。

私の顔も、アイツと同じように赤くなっている、と思う。

美琴(…ってか、なんなのよ!?この状況!?)///

理解不能。意味不明。

美琴(コイツはいったいどうしたいのよ!?)///

喫茶店を出てからはずっと無言で、だけど、いつの間にか手を繋いでいて。

さっきから胸はバクバクしっぱなしだし、掴まれた右手はじっとりと汗ばんでしまっているように思えるし、それはそれで女の子として凄い恥ずかしいっていうかなんていうか…。

美琴「ね、ねえ?どうしたのよ?」

上条「…なんて言えばいいのか、考え中です」

美琴「なによそれ?」

上条「いろいろしちゃいましたから」カァッ

美琴「確かに、いろいろ、しちゃった…わね」カァッ
180 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 22:50:15.16 ID:bH0qSIRB0
上条「正直、やりすぎた感じが否めないわけですが、…御坂のアレが一番ヤバかった」

美琴「よーし、今すぐ忘れろ忘れるのよ忘れなさい!!」ビリビリ

上条「ちょっと待って御坂さん!自分から舐めといてそれはあんまりじゃないでしょうか!?」

美琴「へ?」

上条「その、指で拭ってペロッって…」

美琴「ぎゃああああああああ!!なに言ってるのよアンタ!!」(てっきりパンツのことかと思ったじゃないの!)///

上条「いや、でもなあ。アレは反則だぞ」

美琴「な、な、仲のいいお友達なら普通のことよ!」

上条「女の子同士ならいいかもしれないけど、上条さん男の子ですよ!?」

美琴「ア、ア、アンタなら私、気にしないけど!?」(って、なに言っちゃってるの!?私)///

上条「御坂…。オマエ俺のことそんな風に見てたのかよ」

美琴「うぇ!?そ、そ、そ、そ、そんな風ってどんな風に見られてると思ってるのよアンタ!!」

上条「んー。オマエの言葉を借りれば『仲のいいお友達』ってやつか?」

美琴「そ、そ、そ、そ、そうね!!そんな感じかしら!?」
181 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 22:55:13.52 ID:bH0qSIRB0

上条「そっか。…まあ、そうだよな」ギュッ

美琴「!?」(な、なんで急に握り締めるのよ〜!?)///

頬が熱くなるのを自覚しながらアイツを見ると、アイツはなんとなく寂しげな表情を浮かべているように思えた。

なんとなくそれが引っ掛かった。アイツは私のことどう思っているのだろう。

美琴「ア、アンタは、どう思ってるのよ。…私のこと」ギュッ

不意に握り締められたお返しにとばかりに私は質問とともにアイツの手を握り返した。

アイツの視線が、私の視線と重なる。

上条「あー。その上目遣いも反則だ」///

美琴「アンタ私より背が高いんだから仕方ないじゃない」

上条「そ、そうか。まあ、御坂は俺のことを、記憶のことも含めてよく知ってくれている数少ない仲間…っていうか、戦友?とも違うな…。うーん。なんて言えばいいんだ?」

美琴「…」(まあそんなことだろうとは思っていたけど)

上条「まあ、気心の知れた相手って言えばいいのか?そんな感じだったんだ。…昨日までは」

美琴「どういうこと?」

上条「えーっとだな、ちょっと長くなるけど、聞いてくれるか?」

美琴「いいわよ」
182 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 23:02:22.32 ID:bH0qSIRB0
上条「とりあえず、階段のところにあるベンチまで行こう」

美琴「別に歩きながらでもいいけど?」

上条「あんまり他人に聞かせたくないんだよ。あそこなら誰かが来てもすぐわかるし、寒さも凌げるから」

美琴「わかった」(他人に聞かせたくないって、どういうこと?)ドキドキ

建物の中に入り、ファンシーショップやブティックの間の通路を、二階へと続く階段へと歩いていく。

そのまま階段を上り、中二階の登り階段側に置かれたベンチの前で立ち止まると、―気のせいじゃなければ少し躊躇いながら―繋いでいた手を離した。

上条「座って」

美琴「うん」

促されるまま、私はベンチに腰を下ろす。するとアイツは私の右横に腰を下ろして、膝の上で両手を組む。

上条「…昨日、オマエに電話しただろ?買い物に付き合ってくれってさ」

美琴「うん」

上条「あれさ、友達と他愛のない話をしているうちに、御坂のことが話題になって、誘ってみろって言われて買い物に誘ったんだ。アイツが言うには二つ返事で了承するからって」

美琴(なんだ。自分から誘おうと思ったんじゃないんだ)ショボン
183 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 23:07:34.86 ID:bH0qSIRB0
上条「で、そのとおりになってさ、…正直言うと焦った。断られると思ってたから」

美琴(あー。コイツの中じゃ断られること前提だったから勝手に勘違いしたのね)

上条「それで、部屋に帰ってから、気が付くと御坂のこと考えてたりしてさ」

美琴(え?それって?)

上条「俺って結構、御坂に助けてもらってるなとか思ったりなんかして」

美琴「そ、そんなことない…でしょ?」

上条「御坂に勉強を見てもらったおかげで補修は免れたし、家計がピンチの時にはインデックスともども美味しい豪勢なご飯を作ってもらったし、御坂になら安心して背中も任せられるし」

美琴「べ、別にそんな大したことじゃない」アセアセ

上条「いやいや、ご謙遜なさらなくてもいいですよ御坂さん。インデックスのこと何かとフォローしてもらったりさ、ホント、感謝してる」オジギ

美琴「まあ、女性にしかわからないことってあるしね。むしろアンタが完璧にあの子のことフォローできてたら退くわよ」

上条「はは。確かにな。ま、ともかく上条さんは御坂さんに感謝してるわけですよ」

美琴「はいはい。あの子のことは今、関係ないでしょ?」(今はアンタの話をしてるんでしょうが)

上条「悪い。話が逸れたな。えっと、どこまで話したっけ」

美琴「感謝してる、ってトコ」

上条「えーっと、そんなわけで今朝も朝も早く目が覚めたりなんかしてさ」
184 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 23:15:13.29 ID:bH0qSIRB0
美琴(私なんて眠れなかったんだから、なんて言ったらどう思うかな?)

上条「早めに部屋を出て公園で御坂を待ってるときに、なんつーか、凄い楽しみにしてる自分がいてさ」

美琴「ちょっと待ってアンタ。そういえば震えてたけど、いつから公園で待ってたのよ」

上条「ん?御坂が来る十五分くらい前かな」

美琴「そ、そう」(ん?コイツ今、『凄い楽しみにしてる自分がいて』って言った?)

上条「おう。それでオマエが来て、いきなりアレだろ?上条さん頭の中が真っ白になりましたよ」

美琴「う、アレは、アンタが寒そうだったからつい、その。…黒子にくっつかれたとき温かかったから、ね」カァッ

上条「やっぱり女の子のスキンシップだったんだな。うんうん。次からは気をつけような」ナデナデ

美琴「うにゃっ、いきなり撫でるな!」///

上条「ビリビリ対策です。さすがにここで電撃はよろしくないので」ナデナデ

美琴「うぅ」///

上条「それでまあ、ゲコ太のためにカップルケーキセットを頼んで、いろいろやっちゃったわけですけど」カァッ

美琴「…何でそこで赤くなるのよアンタ」

上条「…スマン、…その、ゲコ太思い出した」カァッ

美琴「よーし今度こそ今すぐ忘れろ忘れなさい忘れるのよ!」ギャアアア

上条「お、お、お、落ち着いて御坂さん!もうちょっとで上条さんの話し終わるから!」
185 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 23:21:23.22 ID:bH0qSIRB0
美琴「…それで?」

上条「俺は友達に『デートの邪魔するな』って言っただろ?その後、御坂が白井に同じこと言ってさ」

美琴「う、うん」///

上条「それを聞いてさ、俺、喫茶店を出ても御坂とデートしていたいって思ったんだわ」カァッ

美琴「…え?」

上条「それで御坂の手を掴んで、とりあえずどう伝えればいいものかって考えていたら、声をかけられたってわけ」

美琴「…ちょっと待って、整理させてくれる?」

上条「ああ」

美琴「昨日から今朝のアンタの心境は、…まあ置いといて」

上条「ひどっ」

美琴「簡単に言うと、私とデートしたいってこと…かな?」ドキドキ

上条「う…、はい。そうです」カァッ

真っ赤になって視線を逸らすアイツ。

『デートしたい』っていうのを素直に認めたのは嬉しいけど、問題はそこじゃなくて。
186 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 23:29:03.73 ID:bH0qSIRB0
美琴「…ねえ、わかってる?アンタ」

上条「なにをでございましょう?御坂さん」

美琴「デートの意味」

上条「う…。まあ、わかっているつもり…です」カァッ

美琴「ふぅん。じゃあ、…その前にすることがあるんじゃない?」

大事な、とても大事なこと。

上条「あー、御坂。ひとつ聞いていいか?」

美琴「なによ?」

上条「そうなったら、…オマエは俺とデートしてくれるのか」///

美琴「…アンタ、ずるい」

上条「な、なんでだよ?」

美琴「私の答えを聞いて、回避しようとしてるの見え見えじゃない」ハァ
187 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 23:38:41.02 ID:bH0qSIRB0

上条「う…」

美琴「…まあ、私は嫌いじゃないわよ。アンタのこと」///

上条「…」

美琴「…」ドキドキ

上条「御坂…」ドキドキ

美琴「…」ドキドキ

上条「…」ガバッ

アイツは、掠れた声で私を呼ぶと、次の瞬間、左手で私を抱き寄せた。

美琴「ふにゃっ!?」ビクッ

上条「悪い。オマエの顔見て言えないから、こうさせてくれ」ダキッ

美琴「う、うん…」ドキドキ

上条「好きだ!御坂。付き合ってくれ」///

美琴「…」

上条「…」ドキドキ

美琴「…うん」
188 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/19(月) 23:49:32.19 ID:bH0qSIRB0
嘘みたい。

これって、夢じゃないよね?

美琴「…ね、ねえ?」

上条「な、なんだ?」

美琴「私で…いいの?」

上条「御坂じゃなきゃ、嫌だ」

美琴「ホント?」

上条「本当だ」

美琴「じゃあ、もう一回、私を見て、言って」

アイツの左手をそっと押しながら、私はアイツへと向き直った。

アイツも、左手を離しながら、私の方を向く。

上条「わたくし、上条当麻は御坂美琴が好きです。付き合ってください」///

美琴「私、御坂美琴も上条当麻が、好きです」///
189 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/20(火) 00:00:55.21 ID:+a4bhuWh0
上条「み、さか…」

美琴「ずっと、好きだったの」

上条「…マジで?」

美琴「…アンタは、まったく気づいてなかったけど」

上条「悪い」

美琴「でも、アンタが言ってくれたから、許す」

上条「御坂…」

美琴「ねえ、最初のお願い。…名前で呼んで」

上条「…美琴」

美琴「よく、できました」ニコッ

上条「はは。なんだよそれ」

美琴「えへへ」
190 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/20(火) 00:10:28.94 ID:+a4bhuWh0

上条「あ、じゃあ、オマエも俺のこと名前で呼んでくれるのか?」

美琴「ふにゃ!?アンタのことを名前で!?」カァッ

上条「俺だけ名前で呼ぶんじゃ不公平だと思いますけど?」

美琴「と、と、と、と、とうみゃ!?」///

上条「なに噛んでんだ、落ち着け」

美琴「だ、だ、だ、だって、今までそんなこと考えてなかったし」///

上条「付き合うことになったら名前で呼ぶとか思わなかったのオマエ?」

美琴「ことごとくスルーされてる相手と付き合うことになった後のことなんて考えられないわよ」

上条「…あー、スマン」

美琴「わかればよろしい」

上条「俺は、たまに名前で呼んでたけどな」ボソッ

美琴「へ!?それってどういうこと!?」

上条「んー。今考えると結構前からオマエのこと好きだったのかもしれない。オマエが中学生だからストッパーかけてたんだと思う」
191 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/20(火) 00:20:10.61 ID:+a4bhuWh0

美琴「そ、そういうものなの?」

上条「たとえば、オマエの同級生が小学生の男の子を好きだって言ったらどう思う?」

美琴「…ショタコンってやつかしら?」

上条「そうだろ?だから俺が中学生を好きだって言うと、同級生からロリコンと思われるわけだ」

美琴「う、そういうものなのね」

上条「ああ」

美琴「冷静に考えれば、アンタと私、二つしか違わないんだけどね」

上条「そうだな」

美琴「そのくらいの差って普通よね?」

上条「ああ」

美琴「じゃあ、考えるのやーめた」ダキツキ

上条「お、おい、当たってる。当たってるから」///

美琴「嬉しいでしょ?と・う・ま」ニヤニヤ
192 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2011/12/20(火) 00:30:32.46 ID:+a4bhuWh0
上条「オマエ、キャラ変わってるぞ!?」カァッ

美琴「いいじゃない。積極的な彼女は嫌い?」ギュッ

上条「嫌いじゃない、嫌いじゃないけど、ここではヤバイ」

美琴「むー。どうしてよ?」

上条「馬鹿オマエ、健全な男子高校生の性欲舐めるな!」

美琴「せっ!?」///

上条「とりあえず離れる、離れれろ、離れましょう!そして上条さんにクールダウンの時間をください!」

美琴「せ、せ、せ…」アワアワ

上条「おーい、美琴さーん?」

美琴「ふにゃあああああっっ!!」プシュー

上条「み、美琴!?なんで倒れるの!?ふ、不幸だああああああ!!」


―――――――――
うーん、急展開orz

今宵はここまで。ではではノノシ
193 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 00:45:50.08 ID:oLgrAU7Co
乙なんだよ!
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/20(火) 01:14:01.18 ID:FgSE/5s2o
乙!
195 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 18:15:25.31 ID:ta2x9Z5AO
ニヤニヤが止まらんな……
>>1乙!
196 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 20:48:00.50 ID:oGuIzisi0
実にすばらしい
197 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 23:19:25.56 ID:cAWA7xN+o
>>1は俺を萌え[ピーーー]気か…?
早く続きを持ってこいなんだよ!
198 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/21(水) 23:43:24.67 ID:W1n68vda0
上条さんが暴走して告白しちゃったw予定ではイヴのツリーの下で(ヤドリギの力を借りて)美琴から告白っていうベタなパターンを考えていたんですけどねw

では、ちょっとだけ投下↓

―――


それぞれ、大きな紙袋を抱えて、巫女服が似合いそうな黒髪の少女と背の高い青髪の少年が肩を並べてショッピングモールを歩いている。

青ピ「ホンマ助かったわ。ありがとな、姫神ちゃん」

姫神「ううん。こちらこそ。ありがとう」

青ピ「どうして姫神ちゃんがお礼言うんや?」

姫神「私も。クリスマスオーナメント買いに来たから」

青ピ「ってことは、もしかして僕、姫神ちゃんとお揃いのツリー!?」ハッ

姫神「お揃いってことは無いと思う。あと。小萌のツリーだし」

青ピ「小萌先生のツリー!?」

姫神「明日。小萌の家でクリスマスパーティ」

青ピ「なんやて!?」

姫神「女の子だけ。…あ。あの子は男の子だったかな?」

顎に人差し指を当てて考えるようなポーズをとりながら、少女が言うと、少年のこめかみにビキッっと青筋が浮かび上がる。
199 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/21(水) 23:49:42.08 ID:W1n68vda0
青ピ「…僕、そいつに殺意が芽生えたで」

姫神「ふふ。シスターの連れてくる猫だけど?」

青ピ「猫かい!」

姫神「ふふ」

青ピ「…姫神ちゃん、案外、意地悪やな」

姫神「そうかな?」

青ピ「うん。今のわざとやろ?」

姫神「ふふ。どうかな?」

そう言って笑う少女を、背の高い青髪の少年は眩しそうに見つめていた。

青ピ(あかん。その笑顔は反則やで)

姫神「どうしたの?青ピ君」

青ピ「んー?姫神ちゃんは今日も綺麗やなーって思って見とれてた」

姫神「青ピ君は。お世辞がうまいね」

青ピ「お世辞じゃないで?姫神ちゃんはホンマに綺麗やし」
200 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/21(水) 23:52:55.37 ID:W1n68vda0
姫神「ふふ。さっそく猫のお返し?」

青ピ「ま、そういうことにしておくわ」

姫神「ふふ」

パステルピンクに彩られたクレープショップの前で青髪の少年が振り返る。

青ピ「さ、ついたで。姫神ちゃん、なに食べるん?」

姫神「チョコバナナストロベリースペシャル」

青ピ「じゃ、僕はハニーベリーズで。…おにーさん、作ってる間に自販機で飲みもん買って来てもええ?ほな、ちょっと行ってくるわ。姫神ちゃん、なに飲む?」

姫神「んー。ココア」

青ピ「おっけー。ほなちょっとここで待ってて」

姫神「うん」

そう言うと青髪の少年は自動販売機まで走っていき、飲み物を二本買うと、また走って戻ってくる。

それから店先に置かれたベンチに持っていた紙袋を置いて、手招きをした。

青ピ「姫神ちゃん、ここ、ここ座って」

姫神「わかった」

青ピ「はい、ココア」

姫神「ありがとう」
201 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/21(水) 23:57:11.20 ID:W1n68vda0

青ピ「お、クレープできたみたいやな?もろてくるからちょっと待ってて」

姫神「うん」

青ピ「おおっ!?スペシャルってごっついなー。スプーンまで刺さってるんや。…ほなこれで。おおきに。姫神ちゃん。お待たせ」

姫神「ありがとう。いただきます」パクッ

青ピ(可愛いで。姫神ちゃん)

姫神「ふふ。美味しい。幸せ」パクッ

青ピ「…僕も幸せや」

姫神「まだ。食べてないのに。幸せ?」

青ピ「うん。姫神ちゃんの幸せそうな顔見たら、幸せやなーって」

姫神「そ。そうなんだ」///

青ピ「へ、変なこと言うてゴメン。お、ホンマや、美味いで。このクレープ」パクパク

姫神「…」パクッ

青ピ「…」(や、やってもうた)

姫神「…」パクッ

青ピ(ちょい赤くなってる姫神ちゃんもなかなかええなぁ)パクパク

姫神「…」パクッ

青ピ(伏せ目がちなところもなかなか…)モグモグ
202 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 00:00:43.09 ID:sdxQ7PqR0
姫神「…そんなに。見ないで」///

青ピ「ス、スマン。でも、見惚れちゃって」///

姫神「馬鹿」///

青ピ「…姫神ちゃん、やっぱりわざとやってるやろ。さっきから男の子の萌えポイントつきまくりやで」

姫神「そんなの。知らない」///

青ピ「可愛い。可愛すぎるで、姫神ちゃん」

姫神「青ピ君。なんか。怖い」

青ピ「姫神ちゃんが可愛すぎるのがアカンのや」

姫神「私は。可愛くなんて。ない」

青ピ「姫神ちゃんは自分の魅力に気がついてないんやな」

姫神「もう。知らない」パクパクッ「…ぐむ!?」ドンドン

青ピ「姫神ちゃん、落ち着いて!ココアを飲むんや!ココア!!」

姫神「…」ゴクッゴクッ「…はぁ」

青ピ「大丈夫?」

姫神「な、なんとか」

青ピ「よかった」ホッ
203 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 00:03:52.39 ID:sdxQ7PqR0
姫神「…ごめんね」

青ピ「なにが?」

姫神「心配させた」

青ピ「心配するんは僕の勝手やん?姫神ちゃんが悪く思うことないんやで?」

姫神「でも…」

青ピ「デモもヘチマもないで?」

姫神「…」

青ピ「…じゃあ、明日も僕の買い物付き合ってや。それでご破算」(なーんて)

青髪ピアスはあくまで冗談で誘ったのだが、姫神秋沙は唇に人差し指をあてて何か考えるようなそぶりを見せた後、小さく頷いた。

姫神「別に。いいよ」

青ピ「…マジで?」

姫神「うん。小萌の家のパーティーは夕方からだし」

青ピ「言ってみるもんやなー」

姫神「ふふ。なにそれ」クス
204 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 00:10:01.98 ID:sdxQ7PqR0
青ピ「じゃあ、今日はこれで帰るとしよか。…ホンマは今日買い物しとこ思たけど、明日付き合うてもらえるし」

姫神「わざわざ出直すなんて。何を買うの?」

青ピ「せやなー。姫神ちゃんへのクリスマスプレゼントとか」

姫神「ふふ。お返ししなくてもいいなら」

青ピ「姫神ちゃん。悪女やなー」

姫神「ふふ。そういうことにしておく」

青ピ「じゃ、途中まで一緒にいこか?」

姫神「そんなこと言っても。小萌の家は。教えない」

青ピ「あ、ばれた」

姫神「ふふ。残念でした」
205 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 00:16:29.52 ID:sdxQ7PqR0
学生寮方面(常盤台中学前方面)へのバスが出るバス停へ向かいながら、並んで歩く。

青ピ「で、明日はどないする?」

姫神「んー。9時40分ごろにバス停」

青ピ「また中途半端やな」

姫神「バスの時間に合わせただけ」

青ピ「…姫神ちゃん。できる女やね」

姫神「ふふ」

青ピ「ほなそれで。お、ちょうどバスがきたやん」

姫神「ナイスタイミング」

青ピ「ほな、帰ろか」

姫神「うん」

青ピ(あれ?姫神ちゃんと僕、ええ感じやない?)

姫神「どうしたの?青ピ君?」

青ピ「ん。なんでもないで」

姫神「そう」

青ピ「うん」
206 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 00:30:52.26 ID:sdxQ7PqR0
バスに乗り込むと、少女は運転席の後ろの席に座り、少年はその後ろの席に座った。

少女の隣が空いていたが、そこに座る勇気は少年には無かった。

姫神「隣。座ればよかったのに」

青ピ「いや、狭いやろ?」

姫神「そうかな?」

青ピ「そうやで」

姫神「まあ。これでも。話はできるけど」

青ピ「せやな」

目的地がアナウンスされると、少女が手を伸ばしボタンを押した。

ほどなくしてバスが停車し、少女が立ち上がる。少年もそれに続いて立ち上がるとバスを降りた。

姫神「じゃあ。また。明日」

青ピ「うん。また明日」

少女が建物の影に入って見えなくなるまで、少年はその後姿を見送ると、自分も下宿へと向かって歩き始めた。
207 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2011/12/22(木) 00:32:37.12 ID:sdxQ7PqR0
今宵はここまで。ではではノノシ
208 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 00:55:53.26 ID:6ACVxP3go
乙!
209 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 02:38:07.68 ID:XfQ6acIxo
純情で初心な青ピってなんかいいな
二人とも初々しくてなんかほんわかする
210 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 23:42:53.89 ID:sdxQ7PqR0
うあ。206のバス内での会話が短くなってるorz

とりあえず206差し替え↓

バスに乗り込むと、少女は運転席の後ろの席に座り、少年はその後ろの席に座った。

少女の隣が空いていたが、そこに座る勇気は少年には無かった。

姫神「隣。座ればよかったのに」

青ピ「いや、狭いやろ?」

姫神「そうかな?」

青ピ「そうやで」

姫神「まあ。これでも。話はできるけど」

青ピ「せやな」

姫神「…ねえ。青ピ君」

青ピ「ん?なんや?姫神ちゃん」

姫神「今日。楽しかった?」

青ピ「ああ。楽しかったで」

姫神「…そっか」

青ピ「うん」

姫神「…ありがとう」

青ピ「なんか、今日、姫神ちゃんそればっかりやな」

姫神「そうかな?」

青ピ「そうやで。今日は、姫神ちゃんも楽しんでくれたなら、僕、それで満足や」

姫神「…うん。楽しかった」

青ピ「そない言ってくれると嬉しいわぁ」

姫神「ふふ」

目的地がアナウンスされると、少女が手を伸ばしボタンを押した。

ほどなくしてバスが停車し、少女が立ち上がる。少年もそれに続いて立ち上がるとバスを降りた。

姫神「じゃあ。また。明日」

青ピ「うん。また明日」

少女が建物の影に入って見えなくなるまで、少年はその後姿を見送ると、自分も下宿へと向かって歩き始めた。


↓のんびり投下
211 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 23:46:41.07 ID:sdxQ7PqR0
―――


佐天「う〜い〜は〜る〜。隙あり!」バサッ

初春「ひゃあああっ!!捲らないでください佐天さん!!」///

佐天「ピンクの水玉ゲットォ〜」

初春「そんな大声で言わないでください!!もおっ!!」

佐天「あはは。ゴメンゴメン。ところで、初春?御坂さんはここで間違いないんだよねえ?」

初春「…う。駄目ですよ佐天さん。御坂さん怒りますよ」

佐天「えー。昨日、あたしをハブってマコちんたちとバーガーショップ行ったのは何処の誰かなあ?」

初春「だ、だって佐天さん、用事があるってさっさと帰っちゃったじゃないですか」

佐天「まーそれはそれ。ホントは初春だって見たいんでしょ?恋する乙女の御坂さんをさ」

初春「わ、私はやっぱり、覗きはいけないことだって思うんです」

佐天「まーまー、そんな都合よく見つかるとは限らないんだし。それにあたしたちはショッピングに来たんだからさ。たまたま御坂さんに遭遇するってことがあるかもしれないってだけよ」ニカッ

初春「そうですよ。そんな都合よく見つかるなんて…」

言いかけて頭に花飾りを付けた少女は足を止め、目を見開いて口を押さえる。その頬はみるみる真っ赤になっていった。
212 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 23:52:45.04 ID:sdxQ7PqR0
初春(み、み、み、み、御坂さーーーん!!)カァァァッ

佐天「初春?どうしたのーって、ぬっはぁっ!?」

初春「だ、だ、だ、駄目ですよ佐天さん大声出しちゃ!」ボソボソ

佐天「いやー。衝撃の出来事にわたくし佐天涙子、困惑しております」ボソボソ

近くのファンシーショップを覗いている振りをしながら、少女たちは階段の方をチラ見していた。

踊り場のベンチに座っているツンツン頭の少年。その少年に膝枕されて横になっているのは、少女たちの友人に間違いなかった。

佐天「あれって、どういうシチュエーションなの?」ボソボソ

初春「御坂さん、眠っているみたいですね。昨日眠れなくって力尽きたとか…じゃないですかね」ボソボソ

佐天「おおっ!?髪を撫でてる。それに優しい目で御坂さんを見てますよ」ボソボソ

初春「うーん。恋人同士って感じですね。御坂さんの様子だとそういうのじゃないって思ったんですけど」ボソボソ

佐天「お?御坂さんがお目覚めのようです」ボソボソ

初春「あ、御坂さん赤くなってる」ボソボソ

佐天「慌てて立ち上がって後ずさった。あちゃー、修羅場か?」ボソボソ

初春「喧嘩ではないと思うけど、御坂さんにとって膝枕は予想外だったんじゃないかな?」ボソボソ

佐天「出るか!電撃…って、ぬっふぇっ!」///

初春「はわわわわわっ!!」///

二人の少女の目に飛び込んできたのは、ツンツン頭の少年が少女を抱きしめる光景だった。見ている方が恥ずかしくなるような雰囲気が二人から迸っている。

佐天「…い、行こっか?初春」///

初春「そ、そうですね」///

いたたまれなくなった二人は慌ててその場を後にしたのであった。
213 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 23:55:36.39 ID:sdxQ7PqR0
―――


――そっと愛しい少女の髪に指を通すと、自然と口元に笑みが浮かんだ。

夢じゃない。現実が幸福で塗り潰されていくような感覚。

少年は穏やかな微笑を浮かべ、眠る少女をただ、見つめていた。

―――『上条当麻は御坂美琴が好きです。付き合ってください』

肩を引き寄せられての突然の告白。

今まで、そんなそぶりなど見せたことの無い少年からの、突然の告白。

胸が壊れそうなほど、激しく早鐘を打っている。

まるで目覚まし時計の鐘のように。

美琴「…ん」

上条「…」

美琴「んぅ。…夢かぁ」ショボン

―――アイツが、あんなことを言うのはいつも夢の中のことだ。

だから、目が覚めたとき、傍にアイツがいなければ、それは夢ということになる。

美琴(ん?でもここ、寮じゃない…)
214 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 23:58:19.38 ID:sdxQ7PqR0
上条「何が夢だって?」

頭の上から声をかけられる。紛れも無くアイツの声。

美琴「ふぇ!?ア、ア、ア、ア、アンタ!!って!うぇぇぇぇ!?」///

上条「お目覚めですか。姫」

美琴「うぇぇぇ!?ひ、膝、膝枕!?」///

上条「落ち着け、美琴」

美琴「あ、あぅあぅ」(な、名前で呼ばれた)///

上条「目、覚めたか?」

美琴「さ、覚めた覚めた!そりゃもうばっちり!!」///

言いながら少女は飛び起きて後ずさり、今、自分が置かれている状況を整理する。

――喫茶店でカップルケーキセットを食べて、階段の踊り場でアイツに告白されて、自分も告白をして。そこで目を覚まして、アイツに膝枕をされていて。

美琴「あれ?…夢じゃない?でも夢?あれ?あれ?」

上条「なに混乱してるんだオマエ」

美琴「混乱?」

上条「…ったく。仕方ねえな」ギュッ

美琴「ふぇっ!?」///
215 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/22(木) 23:59:45.72 ID:sdxQ7PqR0
――何の前触れも無く、アイツが私を抱きしめる。でも、ぜんぜん嫌じゃなくて。

上条「好きだぞ。美琴」

美琴「…あ」

上条「彼女になってくれるんだろ?」

――ああ。そっか。夢じゃなかったんだ。

美琴「…うん。…当麻」ギュッ

上条「よく言えました」

美琴「馬鹿」

上条「寝ぼけてた奴に言われたくないな」

美琴「う…」

上条「…まあ、一世一代の告白を思い出していただけたなら、上条さんはそれで満足です」

美琴「…ありがと」

上条「どういたしまして」

―――忘れない。忘れたくない。

あんなにまっすぐで、とんでもなく心に響く言葉。幸せってああいうのを聞いたときの気持ちを言うのかもしれない。

私も素直に自分の気持ちを伝えられたし。
216 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/23(金) 00:03:01.53 ID:7cRyfxN70
美琴「…あー…と、当麻のせいだ」

上条「ん?何が?」

美琴「私がこんなところで気絶したの。変なこと言うんだもん」///

上条「そんな変なこと言ったか?俺」

美琴「『健全な男子高校生の』とか」ボソッ

上条「…あー。悪い。その、いっぱいいっぱいだったからさ」///

美琴「なによそれ」

上条「…っ、さすがに公共の場で襲うわけにはいかねえだろうが」///

美琴「なっ!!」///

上条「でも、オマエの柔らかさに我を忘れそうになったのは事実でありますので、美琴さんへの戒めの意味も含めてああいう表現を使用した次第であります」

美琴「あぅ…」///

上条「ってか、こうしているだけでも、結構きてるんだけどな」///

美琴「そっか」(私もドキドキしてるけど)

上条「というわけで、一旦離れましょう」

美琴「ん。わかった」

上条「でも、手ぐらいは握るけどな」ギュッ

美琴「ん…。ありがと」ギュッ
217 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2011/12/23(金) 00:03:33.49 ID:7cRyfxN70
今宵はここまで。ではではノノシ
218 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 00:22:33.80 ID:1P1c1b1Bo
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
219 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 00:25:23.77 ID:+M0fdOeq0
乙ですの
220 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 00:26:42.78 ID:ypZiOCnRo
乙!
221 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 10:36:47.30 ID:wSlBX55Fo
乙なんだよ!
222 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 19:02:32.23 ID:fUj8AAueo
乙!
223 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 21:35:23.73 ID:+YM1ywQ90
クリスマスが終わってしまう。美琴がいい具合に暴走して収拾がつかなくなっているようなorz

↓とりあえず投下。

―――


セブンスミスト2階。紳士服売り場


上条「お、これは暖かいな」

美琴「私のお勧めはこれ。着てみて」

上条「軽っ!?なにこれ?」

美琴「カシミアよ。私のマフラーやコートと同じ」

上条「へー。いいな。これ」

ボタンを留めて体を動かしてみる。軽くて動きやすい。

美琴「…じゃ、それにする?」

上条「…へ?」

美琴「クリスマスのプレゼント」

上条「いやいや、美琴センセー。これ、上条さん家の一ヶ月の食費並のお値段ですよ!?」

美琴「私とお揃いって、嫌?」クビカシゲ(お揃いって言っても素材だけなんだけど)
224 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 21:40:25.55 ID:+YM1ywQ90
上条「嫌ってことは無いけど、貰うには高すぎるって言うかなんていうか…」

美琴「私は、お揃いにしたいんだけど」

上条「うーん。でもなあ」

美琴「だいたい、この時期になってコートも着ていないなんておかしいわよ」

上条「いや、だから見に来たわけで」

美琴「それ、気に入ったんでしょ?」

上条「まあ、そうなんだけど」

美琴「じゃあ、私が選んだんだし、プレゼントさせて」

上条「だからお値段がですね…」

美琴「あのねえ、私としては今朝みたいに震えてるアンタを見たくないの。…私の我侭なの。聞いてくれない?」

上条「美琴…」

美琴「駄目、かな?」ウワメヅカイ

上条「…貧乏学生の上条さんがこんな凄いコート着てたらおかしくない?」(その上目遣いは反則だって)

美琴「デザイン的にはよくある普通のロングコートだし、大丈夫だと思うけど?似合ってるし」

上条「そ、そっか」

美琴「うん。いいと思う」
225 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 21:46:05.21 ID:+YM1ywQ90
上条「あーもー。負けた負けた。でも本当にいいのか?」

美琴「うん」ニコッ

上条「じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」ペコッ

美琴「じゃ、行きましょ」

上条「え?おい、脱がなくていいのか?」

美琴「いいのよ。そのまま着ていけば」

戸惑う少年の手を引き、少女は慣れた感じでカウンターにいた店員に声をかけ、カードを出して会計を済ます。その間に別の店員が少年の着ていたコートのタグや留め紐(コートのスリットを×で縫ってあるやつ)を取り除いてくれた。

美琴「お待たせ。準備できた?」

上条「ああ。全部取ってもらった」

美琴「じゃ、今度は下に行くわよ」

そう言うと、少女は少年の左腕を掴む。

美琴「腕、組んでいい?」

上条「しがみついたりしなければ、むしろ組みたい」

美琴「じゃ、組もっと」ギュ

上条(柔らかいものが当たってるんですけど、気のせい気のせい)「…なんか、店の商品を着たまま出て行くのって緊張するなあ」

美琴「ふふ。その気持ち、わかる気がする」
226 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 21:50:08.51 ID:+YM1ywQ90
上条「で、何を見るんだ?」

美琴「んー。ダウンジャケットがいいかな」

上条「そのコート、よく似合ってるけどな」

美琴「ん?あ、私じゃなくってあの子にね。あの子も持ってないでしょ?防寒具」

上条「え?インデックスか?」

美琴「うん。アンタがコート着てるのを見て、あの子の分が無かったら噛みつかれるんじゃないの?」

上条「う…。ひ、否定できない」

美琴「だからあの子にもクリスマスプレゼントってことで。あ、私が贈りたいだけだから、アンタは気にしないで」

上条「悪いな。ありがとう」

美琴「だーかーらー。アンタに感謝される筋合いは無いっての」

上条「でも、ありがとう」

美琴「はいはい」
227 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:00:04.46 ID:+YM1ywQ90
―――


小萌「さーて、これで完成ですよ」

インデックス「なんだか楽しみなんだよ」

結標「ちょっと点けてみましょうか」

姫神「じゃあ。スイッチを入れる」カチ

小さいながらも細々と飾り付けられたクリスマスツリー。その電飾がキラキラと光を放つ。

インデックス「綺麗なんだよ!」

小萌「うん。綺麗ですねー」

結標「…なんか、こういうのも悪くないわね」

小萌「ふふ。そうですね」

姫神「綺麗」
228 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:04:13.18 ID:+YM1ywQ90
インデックス「小さいけど、宿木には使えそうなんだよ」ボソッ

小萌「シスターちゃんはロマンチストですねー」

インデックス「そ、そんなんじゃないんだよ!?」カァッ

姫神「…」

小萌に冷やかされてぱっと頬を染めるシスター。上条君。罪な人。

結標「ヤドリギって、なんだっけ?」

小萌「ふふふ。北欧にはクリスマスのヤドリギの下でキスをしたカップルは永遠に幸せになれるという言い伝えがあるのですよ」

結標「あー、私には関係ないわね」

インデックス「わ、わ、私にも関係ないんだよ!シスターとしてこもえやあいさやあわきがそういう風にしたくっても大丈夫だって思っただけなんだよ!」カァッ

小萌「シスターちゃーん?どこにそんなヤローがいるのか先生に教えてくれるかな?」

結標「だから私は関係ないって言ってるじゃない。それに、ヤドリギの下って言うくらいなんだから、こんなツリーじゃなくってショッピングモールのツリーの方がいいんじゃない?」

ショッピングモール。上条君と女の子が一緒にいたところ。
229 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:08:33.18 ID:+YM1ywQ90
インデックス「あいさ。どうしたのかな?」

姫神「…上条君は。明日はここに来ないかも」

インデックス「とうまが?なんで?」

姫神「えっと。ごめん。正直に言う。上条君。さっき女の子とショッピングモールでデートしてた」

インデックス「そっか。たぶんみことだよね」

姫神「みこと?」

インデックス「うん。たまにご飯作ってくれたり、服とか買ってくれたりするの」

小萌「上条ちゃんも隅に置けないですねー。超能力者と付き合っちゃうなんて」【注:新約2巻での砂場に落とした磁石に付いた砂鉄的な遭遇後、門前払い後に電気を纏いながら暴れているのは第三位の御坂美琴だと結標に説明されている】

結標「あれ、姫神さんも会っているはずだけど?常盤台の女の子に」

姫神「うーん。覚えていない【注:新約2巻での砂場に落とした磁石に付いた砂鉄的な遭遇時、暴れる吹寄を抑えていたため】

インデックス「とうまが幸せなら私はそれでいいんだよ」ポロッ

小萌「シスターちゃん、泣かないで」

インデックス「あれ?おかしいな。なんで…ふぇ、ふぇぇぇぇん」ポロポロ

小萌「よしよし、上条ちゃんは悪い子ですねー。シスターちゃんを泣かせるなんて」ナデナデ

インデックス「とうまのせいじゃないんだよ。みことのせいでもないんだよ。でも、涙が出ちゃうんだよ」ポロポロ

小萌「はいはい。思いっきり泣いてすっきりしちゃいましょうねー。夕御飯は豪華絢爛焼肉セットですよー」ナデナデ

インデックス「ふぇぇぇぇぇんっ」ポロポロ
230 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:12:39.29 ID:+YM1ywQ90
―――

上条「…なあ」

美琴「なーに?」

上条「今日、上条さん的にはクリスマスプレゼントとして髪飾りでも贈ろうかと思っていたのですが」

美琴「そ、そうなんだ」

上条「その、名前で呼び合える仲になったことだし、…上条さんって実は独占欲が強いわけでして」ギュッ

美琴(独占欲って)///

上条「ペアリング、なんてどうだ?あまり高いのは買えないけど」

美琴「うん」ギュッ【注:この話では、新約3巻のアレはありません】

上条「じゃ、じゃあ、どのお店がいいかな?」

美琴「そうね。友達がよくネックレスとか見ているお店があるから、そこに行ってみよっか?」ニコッ

上条「お、おう」

必然的に少女が少年を引っ張っていく格好となる。少女はとても嬉しそうな笑みを浮かべていた。
231 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:16:22.00 ID:+YM1ywQ90
初春「あ、これなんて佐天さんに似合いそうですよ」

佐天「さっすが初春。あたしの好みを良くわかっているわね」

初春「あ、これなんか御坂さんに似合いそう」

佐天「どれどれー?おー、確かに」

美琴「あー、可愛いわねー」ヒョイ

初春「あ、御坂さん」

佐天「ちょうど御坂さんに似合いそうなヘアピンの話をしていたんですよーって、ぬっふぇ!?」

初春「なに変な声出しているんです…か」///

二人の少女は声をかけられたので友人の方へ顔を向ける。するとそこには友人と男性が仲良く手を繋いで立っていた。

美琴「あははー。邪魔しちゃってゴメンね。姿が見えたから声かけなきゃって思って」(ついでにコイツの紹介なんかしちゃったりして)///

佐天「いや、それはわざわざ恐れ入ります御坂さん。で!そちらの方は、つまり、その、御坂さんの彼氏さんでよろしいですか?」

美琴「あー、うん」///

初春「はっ、はじめまして」

上条「あ、はじめまして。…なあ美琴?いきなりお友達紹介はハードル高いんじゃないか」ボソ
232 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:20:19.48 ID:+YM1ywQ90
佐天「うっはっ!聞いた初春!?御坂さんを名前呼びだよ、名前呼び!」

上条「!」///

初春「さ、さ、さ佐天さーん!失礼ですよー」アワアワ

佐天「んでんで、御坂さんは彼氏さんのことなんて呼んでいるんですか?やっぱり名前呼びだったりします?」

美琴「う、うん」///

上条「いや、最初だけでさっきから名前呼んでくれないじゃないか」

美琴「ア、アンタは余計なこと言わない!」///

佐天「御坂さーん、彼氏さんもこう言ってるんですから、呼んであげたらどうですか?」ニヤニヤ

美琴(しまったー。佐天さんのスイッチ入っちゃった!!)///

初春「さ、佐天さん!御坂さんすみません」アセアセ

佐天「彼氏さんも名前で呼んで欲しいですよね?」

上条「そ、そうだな…」ボソッ

美琴「!」

初春(そこで肯定しちゃうの!?カミジョーさん!!ああ、御坂さんが真っ赤になって…)

美琴「…と、当麻」ウワメヅカイ

初春(み、御坂さん〜!?そこで名前呼んじゃうの〜!?)
233 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:26:19.91 ID:+YM1ywQ90
佐天「ぬっふぇ!熱い、熱いですねー」ニヨニヨ

上条「…まー、相思相愛って奴だったからな」ボソッ

佐天「ひゅふっ!?」///

美琴「なっ!?な!?何を言っちゃってるのアンタ!!」カァッ

上条「また呼び方戻ってるぞ。美琴」

美琴「う、あ、と、当麻」///

佐天「ど、ど、ど、どうしよう初春。ラブラブカップルが目の前にいる!!」

予想外の展開に慌てている少女を見て、頭に花飾りをつけた少女はすばやくその腕を掴む。

初春「じゃ、じゃあ御坂さん!私たちこれで失礼しますっ」

美琴「え?あ、うん」

佐天「え?初春?なに言って…てか危ないから引っ張らないで!!ねえ、うーいーはーるー…」ジタバタ

美琴「行っちゃった」(ちゃんと紹介したかったんだけどな)

上条「いやーテンション高かったなー」

美琴「あはは。佐天さん、スイッチ入っちゃうと止まらないから」

上条「まあでも、あの子のおかげで、名前で呼んでもらえたからよしとするか」
234 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:31:57.80 ID:+YM1ywQ90
美琴「あ、そういえば…さ」///

上条「ん?」

美琴「さっき『相思相愛』って…」///

上条「ま、まーな。ま、間違ってないだろ?」///

美琴「…うん」///

なんとも形容し難い空気が二人を包み込む。それはそれで心地いいのだが、先に雰囲気に負けたのは少年の方だった。

上条「…あー、リングってあっちの方か?」

美琴「うん。いこっか」

上条「ああ」

――ショーケースを覗きながらコイツ―当麻―と手を繋いで歩く。たったそれだけのことなのに、凄く楽しくて、嬉しい。

昨日までの私だったら、手を繋いだまま佐天さんや初春さんに声をかけようなんて夢にも思わなかっただろう。

でも、今はコイツと一緒にいるのを隠そうとは思わない。

上条「んー。結構ゴツイのが多いな」

美琴「基本的にファッションリングだからね」

上条「俺は普段着けていても邪魔にならないようなシンプルなのがいいと思っているんですけど」
235 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:35:31.04 ID:+YM1ywQ90
美琴「え?ずっと着けているつもりなの?」

上条「ペアリングってそういうものじゃないの?」

美琴「ゴメン、常盤台ってそういうの厳しいから、普段着けるのは難しいと思う」

上条「…なあ、その、正当な理由があれば着けることは可能か?」

美琴「指輪を着ける正当な理由なんて…」

どくん。と胸が高鳴った。

上条「…婚約指輪とか」///

美琴「ア、アンタ、なに言ってるの!?」カァッ

上条「さっき言っただろ?独占欲強いって」

美琴「…まあ、正式なものならいいかもしれないけど、中学生でそんなものしてる子いないわよ」///

上条「そうか。…じゃあ、ペアネックレスとかにする?ネックレスなら隠れるだろ?」

美琴「…やだ」

上条「へ?」

美琴「ペアなら指輪がいい」

上条「でも、いつも着けてられないんだろ?」

美琴「…当麻とお揃いなら指輪がいい」
236 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:39:13.22 ID:+YM1ywQ90
言いながら、私も彼に負けず劣らず独占欲が強いことを自覚した。

同時に携帯を取り出して、ある番号に電話をかける。

美琴「私も独占欲強いからね。…覚悟して」

上条「へ?」

コール音が途切れ、相手が電話に出る。私は大きく息を吸って話し始めた。

美琴「あ、ママ。ちょっといい?」

上条(なぜ美鈴さんに!?)

美鈴『いきなりなーに?美琴ちゃん。ママ、昨日飲みすぎちゃって眠いんだけど』フアー

美琴「典型的な馬鹿大学生ね。…まあいいわ。あのさ、大覇星祭のときに会った人、覚えてる?」

美鈴『美琴ちゃんがいじめる。っていうか、大覇星祭のときに会った人って白い修道服の女の子かなー?』

美琴「違う、男の方」

美鈴『あー、詩菜さんの旦那様』

美琴「わざとか?わざとね!わざとなのねこのヤロー!!」

美鈴『うふふ。美琴ちゃんってからかいがいがあるから。で、上条当麻君がどうしたの?』

少女は少年に視線を向ける。

――さあ、覚悟しなさい。
237 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:44:27.37 ID:+YM1ywQ90
美琴「彼に、プロポーズされた」

上条「んなっ!?」

美鈴『え?美琴ちゃん?今なんて?』

美琴「だーかーらー、プロポーズされたの。それで、ママの了解を貰おうと思って」

美鈴『りょ、了解って?どういうことなの?』

美琴「婚約したい。――当麻と」///

美鈴『うっわー。ママの予想をはるかに超えていたわー。やるわね、美琴ちゃん。ママ、すっかり目が覚めちゃった♪』

美琴「茶化さないで!真剣なんだから」

美鈴『…上条君はそこにいるの?』

美琴「うん」

美鈴『代わりなさい』

美琴「…代わってって」ケイタイ サシダス

上条「わかった。…代わりました上条です」

美鈴『いやーん!!上条君!美琴ちゃんになにしたの?ナニしちゃったの?奪っちゃったの!?』

上条「まだ何もしてねええええ!!いきなりなんですかそのノリは!?」

美琴「!」ビクッ
238 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:48:13.91 ID:+YM1ywQ90

美鈴『やだなあ、婚約したいなんて美琴ちゃんが言ってるから、全部済ませちゃったのかなーって。…避妊はちゃんとしたの?』

上条「まだ何もしてませんってば!!」

美鈴『それなのに婚約って、気が早すぎない?もし相性悪かったらどうするのよ』

上条「あ、いや、その。なんて言いましょうか、その、そういうのって美琴さんとしか考えられないので、約束手形が欲しいといいますかなんといいましょうか…」

美琴(私としか考えられないってなに言ってるのよ)///

美鈴『うーん。弱いわね。一時の気の迷いじゃないの』

上条「それはないです。俺は、…美琴を俺のすべてをかけて守りたい。…決して一時の気の迷いなんかではないです」

美琴「…」///

美鈴『美琴ちゃんを、愛してる?』

上条「…はい」///

美鈴『じゃあ、美琴ちゃんにわかるように言葉にして』

上条「…上条当麻は、御坂美琴を、愛しています」///

美琴「ふぇっ!!」(あ、あ、あ、あい、あい、あい、あい…)///

美鈴『…また清清しいまでに言い切ったわね。上条君。美鈴さんの負けだわ。…美琴ちゃんをよろしく。代わってくれる?』

上条「…」ケイタイ サシダス

美琴「あい、あい、あい…」ニヘラー
239 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:53:16.98 ID:+YM1ywQ90
上条「美琴!電話」///

美琴「ひゃいっ!?も、もしもし」///

美鈴『美琴ちゃんはどうなの?上条君を、愛してる?』

美琴「…うん」///

美鈴『じゃあ、上条君にわかるように言ってみなさい』

美琴「御坂美琴は、上条当麻を、世界中の誰よりも一番愛してる!!」///

上条「!!」///

美鈴『見事に言い切ったわねー。美琴ちゃん。いいわ。認めてあげる』

美琴「ありがとう、ママ」

美鈴『いきなり婚約なんて言って、いかにもどこかの店内から電話してくるってことは、指輪でも買ってもらうのかしら?若いっていいわねー』

美琴「へ?なんでわかったの?」

美鈴『落ち着いた音楽と喧騒が聞こえてくるし、学校で指輪をつけていても咎められない理由が欲しいんでしょ?』

美琴「う、うん」///

美鈴『じゃ、学校には連絡しておくわ。美鈴さん公認の許婚ができたってね』

美琴「…」///
240 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 22:58:23.97 ID:+YM1ywQ90
美鈴『とりあえず、結婚できる歳まではエッチしちゃ駄目よー』

美琴「なっ!なに言ってるのよ!!」///

美鈴『まあ、若いふたりは耐えるのは難しいかもしれないわね。じゃあ避妊だけはしっかりすること!ゴムよりも学園都市製経口避妊薬の方が確実よ』

美琴「アンタ中学生の娘になに吹き込んどるんじゃあああ!!」///

美鈴『あはは。じゃあ、近いうちにみんなで会いましょうねー。バイバーイ』

通話を終えて携帯電話をポケットに入れる。それから辺りを見回して胸を撫で下ろした。

美琴「ママが電話で『人の喧騒が聞こえる』とか言うから焦っちゃったわ。悪目立ちしてなかったみたいね」

上条「あんまり人いなくて助かったな」

少女はもう一度辺りを見回してから、頭を少年の肩に預ける。

上条「み、美琴?」///

美琴「嬉しかった。ちゃんとママに言ってくれて」

上条「俺も、嬉しかった」

美琴「…」ギュッ

上条「…」ギュッ

美琴「…」ポー
241 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/25(日) 23:02:40.51 ID:+YM1ywQ90
上条「なあ、あれなんて、どうだ?」

そう言って少年はシンプルなメタルリングを指差した。光の加減でうっすらと青みがかって見えるプレーンリング。

上条「あ、店員さんすみません。そこのペアリング、見せてもらってもいいですか?」

店員を呼び、ショーケース内の指輪を出してもらい、それぞれ左手の薬指に嵌めてみる。

上条「あ…」

美琴「うそ…」

その指輪は、まるであつらえたかのように、お互いの指にぴったりと納まった。

上条「ヤバイ、なんか運命的なものを感じる」

美琴「うん、凄い馴染んでる感じ」

上条「じゃあ、これください。あ、このまま着けてってもいいですか?」

店員「ええ、構いませんよ。タグの紐を切らせていただきますね」ニコッ

上条「ありがとうございます」

店員「いえいえ。彼女さんも…はい、これでいいですよ」ニコッ

美琴「あ、ありがとうございます」

店員「いえいえ。はい、じゃあ確かに頂きます。ありがとうございました」

手を繋いで店を出る。少女は自分の左手を広げて指輪を眺めながら微笑を浮かべていた。
242 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2011/12/25(日) 23:05:02.98 ID:+YM1ywQ90
今宵はここまで。ふたりの関係は凄いことになってるけどプラトニックなお付き合いですw ではではノノシ
243 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 23:08:45.12 ID:JkeTLbk90
ぬっふぇ……こ、婚約///   上条さんと>>1 乙!!
244 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 23:10:49.57 ID:qLmR1sRgo
乙!
245 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 00:40:17.23 ID:Wy9DrUQyo
乙!
246 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 01:29:22.21 ID:qgjrbJu9o
ベタ惚れな上条さんもいいな
247 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 02:35:48.79 ID:QW/PNg3u0
付き合って初日に婚約指輪ww
乙!
248 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 10:46:41.01 ID:vo/fl3R10
さすが上条さん。やることが極端だぜぇ。
249 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:00:10.61 ID:dbiSsYcp0
上条さんは思い立ったら突っ走るタイプだと思ってますw

ではでは、↓のんびり投下w

―――――――――

美琴「許婚、か」ニヘラー

上条「俺も親に電話しないといけないなあ」

美琴「…今、かけちゃう?」

上条「…そうだな。じゃ、階段のところまで行こうか」

美琴「うん」

―――引っ張ってくれる手に、さっきまでは無かった硬いものの感触があって、それが心地良かった。

階段のベンチに並んで腰を下ろすと、彼が携帯電話の通話ボタンを押した。

上条「もしもし」

詩菜『あら、当麻さん。珍しいわね?どうしたの?』

上条「いや、えーっと、なんといいましょうか…。母上様、驚かずに聞いていただきたいのですけれども」

詩菜『当麻さん…まさか女の子を孕ませてしまったとかじゃないでしょうね?』

上条「アンタ自分の息子をどんな目で見てるんだコラ!」

詩菜『だって当麻さん、刀夜さんと同じでいつの間にか女の子と一緒にいることが多いんじゃないのかしら。うふふ』

上条「最後の笑い怖いよ!それにそんなことないですから!」
250 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:03:42.34 ID:dbiSsYcp0
詩菜『自覚しないと、そのうち酷い目に会うわよ』

上条「だーかーらー、何でそういう話になってるんですか!?じゃなくって、俺は真面目な話があるんだ」

詩菜『なにかしら?』

上条「大覇星祭で会った人、覚えてる?」

詩菜『美鈴さん?』

上条「の娘さん。御坂美琴」

詩菜『ええ、覚えていますよ。彼女が何か?』

上条「事後承諾で悪いけど、…美琴と婚約しました。美鈴さんには了解貰ってます」///

詩菜『え?当麻さん、もう一回言ってもらえるかしら?』

上条「御坂美鈴さんの了解を頂いて、御坂美琴と婚約しました」///

詩菜『…当麻さん。中学生を手篭めにしたの?』

上条「してねえよ!まだ指一本触れてねえよ!」///

美琴「ふぇ!?」///

詩菜『え?それで婚約って気が早くない?』

上条「なんで女親って揃いも揃って同じこと言うんだ。上条当麻は御坂美琴を愛してる!それが理由だ文句があるか!」
251 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:07:55.81 ID:dbiSsYcp0
美琴(ま、また言ってくれた!)///

詩菜『あらあら、若いっていいわねー。ところで、美琴ちゃんは傍にいるの?』

上条「ああ」

詩菜『代わって』

上条「…代わってくれって」ケイタイ サシダス

美琴「か、代わりました。御坂美琴です」///

詩菜『当麻さんとしちゃったの?』

美琴「ぶふぉっ!?いきなりなに言ってるのアンタ!!」///

詩菜『お母さま公認で当麻さんと婚約っていうから、てっきりそういうことかなと思ったのだけど』

美琴「そういうことしなくっても、お互い愛してるんだから約束してもいいじゃないですか!」///

上条「!!」///

詩菜『ねえ、美琴さん。当麻さんはね、疫病神、不幸の使者と呼ばれていた子ですよ?本当にそんな子と一緒にいたいのかしら?』

美琴「そんなの!!そんなの関係ない!!アイツは、当麻は私にとって、かけがえの無い人だもの!!いくら親でもそんな風に当麻のこと言うのは許せない!」

上条(美琴…)///

詩菜『…ありがとう』
252 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:11:23.62 ID:dbiSsYcp0
美琴「え?」

詩菜『当麻さんのために怒ってくれて。あの子のことお願いします』

美琴「あ、いえ、こちらこそお願いします」ペコリ

詩菜『あ、美琴ちゃん。避妊だけはしっかりしなさいね。スキンよりも経口避妊薬の方が確実よ』

美琴「女親ってそれしか言えないのかあああ!!」///

詩菜『うふふ。美琴ちゃんだって、まだ母親にはなりたくないでしょう?』

美琴「そ、それはそうですけど…でも、当麻との…なら…」ゴニョゴニョ

詩菜『まあまあ。当麻さんも幸せ者ね。こんなに可愛い彼女が傍にいてくれて』

美琴「…」///

詩菜『当麻さんと代わってくれる?』

美琴「あ、はい…」ケイタイ サシダス

上条「…変なこと吹き込まなかっただろうな?」

詩菜『当麻さんの悪口言ったら、怒ってくれたわよ。それだけで当麻さんの嫁として合格です』

上条「なっ!?」///

詩菜『当麻さん。一度守ると決めたのなら、最後まで貫きなさい』
253 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:13:36.74 ID:dbiSsYcp0
上条「…ああ。約束する」

詩菜『じゃあ、近いうちに美琴さんを連れて家にいらっしゃい。刀夜さんと一緒に嫁いじりして楽しむから』

上条「そんな危険なところには連れて行かない!」

詩菜『あらあら。可愛い嫁を連れてこないなんて親不孝者ね。当麻さん』

上条「だー!もー!!以上!連絡終わり!」

通話を終えて、少女を見る。少女が小さく微笑んでくれるだけで、少年にも自然と笑みがこぼれた。

美琴「どうしたの?」

上条「散々からかわれた。…けど認めてくれた」

美琴「そ、そっか」///

上条「ああ。美琴は上条家の嫁ってお墨付きをいただきました」

美琴「よっ、よ、よ、よ、よ、よ、よめっ!?」カァッ

上条「ま、まあアレ、ほら、許婚だからな!」///

美琴「そ、そ、そ、そうよね!!許婚だもんね!」///

上条「ははははは」///

美琴「うふふふふ」///
254 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:16:39.55 ID:dbiSsYcp0
―――


手を繋いでバス停へと向かう途中、少年の携帯電話が鳴った。右手で携帯電話を取り出して画面を見る。

上条「小萌先生か。なんだろ?ちょっとゴメン」

美琴「うん」

上条「もしもし…」

小萌『上条ちゃんはお馬鹿さんですから、シスターちゃんは今日、先生の家にお泊りなのですよー』

上条「インデックスを預かってくださるのは助かりますが、なんなんでしょうか?その棘のある一言目は!?」

小萌『明日のクリスマスパーティーは女の子限定ですから、上条ちゃんは来ちゃ駄目なのですよー』

上条「スルー!?そして上条さんにご馳走を食べる権利が無くなった!?」

小萌『上条ちゃん?大事な人がいるのに、クリスマスに先生に世話になろうなんて思っちゃいけないのですよー?』

上条「大事な人?え?え?」

小萌『御坂美琴ちゃん、でしたか?上条ちゃんも隅に置けませんねー』

上条「う、え…」(な、なんで知ってるんだ!?)
255 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:21:47.70 ID:dbiSsYcp0
小萌『今もデート中なのでしょう?』

上条「ま、まあ…」///

小萌『ふふふ。壁に耳あり障子に目ありですよ。上条ちゃんと常盤台の子がデートしているって聞いたものですから』

上条「まいったな…」

小萌『ひとつだけ聞かせてください。上条ちゃんは、御坂ちゃんを選んだのですね?』

上条「…いまいちなにを聞かれているのかがわからないのですが?」

小萌『上条ちゃんの周りにいる女の子の中で、一番大事な人は御坂ちゃんということでいいのですよねー?』

上条「あ、えーっと…。はい」///

小萌『じゃあクリスマスは御坂ちゃんと仲良くするのですよー。あ、でも、学生としての節度は守るのですよー』

上条「なっ!?」///

小萌『ではでは、良いクリスマスをー』

上条「ちょ、ちょっと!?小萌先生!?」

一方的に通話を切られ、少年は困惑して携帯を見る。
256 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:24:13.60 ID:dbiSsYcp0
美琴「どうしたの?」

上条「ん?小萌先生がインデックスを今日泊めるってさ。それで、明日のパーティーは女性のみでやるから俺は来るなって。それで、クリスマスは美琴と過ごせってさ」

美琴「ア、アンタと私のこと、何でアンタの先生が知ってるのよ!?」///

上条「あー、青ピから連絡行ったか、誰かに見られたのかもしれない」ウーム

美琴「何でアンタそんなに冷静なのよ?」

上条「ん?だって俺たち許婚だろ?親公認だし、別に隠す必要も無いかなって」

美琴「〜っ!!」カァッ

上条「自分も独占欲強いとか言っておいて、何で照れてるんでしょうね美琴さんは」

美琴「うぅ。それはそうだけども…」(やっぱり恥ずかしい)///

上条「ま、ゆっくり慣れてけばいいよな」ニコッ

美琴「…うん」
257 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:27:52.17 ID:dbiSsYcp0
上条「さて、と。じゃあ今日の夕飯と明日の食事はどうするかなあ」

美琴「あ、そっか。あの子いないんだっけ」

上条「そうなんですよ。ま、今日は適当に作るとして、明日は…デートしようか」カァッ

美琴「デ、デート!?」///

上条「今日みたいにショッピングでもいいし、どこか遊びに行くのでもいいし」

美琴「う、うん。…あ、あのさ?」

上条「ん?どこか行きたいところとかあるか?」

美琴「そうじゃなくって、その、さ。…今日の夕飯とか、明日のご飯とか、作ってあげようか?」

上条「…ホントに?」

美琴「うん」

上条「うわ。すっげえ嬉しい」

美琴「ふふ。じゃあ、スーパー寄っていこう。何か食べたいものとかある?」

上条「美琴センセーにお任せします」

美琴「じゃ、行こっか」ニコッ

少年に向かって微笑むと、少女は手を引いて歩き出した。その顔はとても楽しそうであった。
258 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2011/12/31(土) 01:29:30.67 ID:dbiSsYcp0
マンネリ化しているような気が…なかなか話が進まないorz

今宵はここまで。ではではノノシ
259 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 01:46:38.01 ID:wPK6dBhPo
乙なんだよ!
260 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 02:07:46.63 ID:qPTT91TK0
マンネリではなく安定ね  乙乙
261 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:13:14.96 ID:CTnieeuY0
あけましておめでとうございます。

違う話も浮かんできているのですが上琴ばかりというorz

超電磁砲組+上条のガールズトーク風味なやつとかぬる〜く書いてみたいかもw

↓まったり投下w

―――


寮監「御坂」

美琴「は、はい。なんでしょうか?」

スーパーで買い物をして、少年の家でカレーなどを作ってから門限ぎりぎりの時間に寮へ戻ると、寮監から声をかけられた。

寮監「ちょっと私の部屋へ来てくれ」

美琴「わかりました」(なんだろう?)

部屋に入り、促されるままダイニングテーブルの椅子に座る。部屋の主はティーカップとティーポットをテーブルの上に置き、少女の対面に座る。

寮監「飲むか?」

美琴「いただきます」

寮監「砂糖はいるか?」

美琴「いえ」

寮監「そうか」

寮監は優雅に紅茶を一口飲むと、音を立てずにソーサーにカップを置き、まっすぐに少女を見た。
262 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:16:06.68 ID:CTnieeuY0
寮監「まずは、おめでとう。と、言っておこう」

美琴「は?」

寮監「…婚約だ」

美琴「…は、はい」///

寮監「お前を呼んだのはその件だ。常盤台は淑女を教育するための学校でもあるから、親公認で許婚ができることもまあ珍しくは無い。だが、正直に言うと、私にはお前に許婚というのは想定外だった」

美琴「…」

寮監「話が逸れたな。とりあえず、許婚がいる場合、門限や外泊に関しての規則が緩和されることになる。もっとも、届出は必要になるし、お前の場合は研究協力なども多いから今までとあまり変わらないかもしれないが」

美琴「…」

寮監「あとは、その、親公認である場合は、薬剤が処方される。明日にでも薬局でもらってこい。これが処方箋だ」ペラ

美琴「はい。わかりました」(薬?)

処方箋に目を通した少女の顔が一瞬で紅に染まる。

美琴(こ、これ、これ、これって〜〜〜!!)///

薬剤の備考欄には『常盤台中学校 特措×-○における対象生徒 健康管理のための処方 エストロゲン調整剤 PI:0.1 要継続摂取』と記されていた。

授業で習っているため、エストロゲン調整剤の意味を少女は知っていた。エストロゲン調整剤、簡単に言えば経口避妊薬である。
263 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:19:23.98 ID:CTnieeuY0
寮監「まだ早いとは思うが、なにぶん相手もあることだし、学校としては不測の事態を避けるためにもあらかじめ処方することにしている」

美琴「あ、あはは〜。私にはまだ早いと思いますけど」///

寮監「服用は月経が終わってから、準備期間は一週間だ。それまで、性行為は慎むように」

美琴「せっ、せっ、せっ!!」アワアワ

寮監「お前がまだ早いと思っているのはわかるが、男というものは征服欲が強い。まして許婚ともなれば家単位で法律よりも慣習を優先させる傾向がある」

美琴「…」(ア、ア、ア、アイツと…)///

寮監「御坂。私はな、寮監という立場上、そういった生徒を見てきた。だから、お前が傷つかないよう服薬をすることを勧めさせてもらう。傷つくのはいつも女の方だからな」

美琴「…」

寮監「私からは、常盤台の学生として、節度ある行動を心がけるよう行動してくれとしか言えない」

美琴「…はい」

寮監「次は装飾品についてだが、婚約指輪や慣習で引き継がれる貴金属は校則で禁止されているアクセサリー類からは除外される」

美琴「…」///

婚約指輪という言葉に反応して、そっと左手に触れ、少女は頬を染める。その様子を見て、寮監は小さく首を傾げた。

寮監「…御坂は、許婚に対して恋愛感情を持っているのか?」

美琴「ふぇ!?」///
264 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:23:38.77 ID:CTnieeuY0
寮監「いや、すまない。家の都合で婚約するものが多いから、お前みたいに嬉しそうにしているのは珍しいから…な」

美琴「あ、えっと、はい。…好きです」///

寮監「相手もお前のことを好いていてくれるのか?」

美琴「は、はい」///

寮監「…そうか。それは良かった」

美琴「…私、恵まれてるんですね。好きな相手と、婚約できて」

寮監「そうだな。だが、私は、婚約とは本来そういうものであって欲しいと願っている」

美琴「…」

寮監「だから、御坂。私はお前が相思相愛で婚約したということを、常盤台の寮監としてではなく、一人の知り合いとして祝福したい。おめでとう。御坂」

美琴「あ、ありがとうございます」///

寮監「ところで、公表はするのか?」

美琴「友人以外には言わないと思います。まあ、すぐに広まるとは思いますけど」///

寮監「そうだな。学校というものはそういう話に敏感だ」

美琴「…彼にも言われたのですけど、親公認だから、その辺は開き直ってしまおうかと思いまして」///

寮監「許婚はどんな奴だ?」
265 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:29:34.34 ID:CTnieeuY0
美琴「私よりも二つ年上で、お人よしで、おせっかいで、正義感が強くて、超能力者だろうがなんだろうが特別視しない人です」

寮監「高校生か。超能力者だろうがなんだろうが特別視しないということは、学園都市の生徒か?」

美琴「ええ、まあ」

寮監「…そういえば一時期、常盤台の超電磁砲が追い掛け回している無能力者がいるという噂があったな。お前の相手はその噂の相手なのか?」

美琴「うぇ!?」(う、噂になってたんだ)///

寮監「幼馴染か何かか?」

美琴「あー、幼馴染ではないです。でも縁があるというかなんというか…」

寮監「見知った仲ではあるということか」

美琴「まあ、そうです」///

寮監「…学園都市で知り合って、親公認の許婚か。…それは運命の相手と言えるのではないだろうか」///

どこか遠くを見るような眼差しで、寮監は言うと頬を紅く染めた。

美琴「…へ?」
266 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:33:06.02 ID:CTnieeuY0
寮監「幾多の困難を乗り越え、将来を誓い合うふたり。そこにあるのは真実の愛」ウットリ

美琴「りょ、寮監様?」

寮監「…羨ましい」ボソッ

美琴「あ、あはは」(あれ?寮監ってこんな人だった?)///

寮監「…んっ、ゴホン。ともかく、おめでとう」///

美琴「あ、ありがとうございます」(あ、戻った)

寮監「…報告はいつでも受け付けるからな」

美琴「ほ、報告なんてしません!!」(やっぱり戻ってない!!)///

寮監「そうか。遠慮しないで良いのだぞ」ニコッ

美琴「し、失礼します」(寮監が壊れた…)バタン

まるで年下の友人のように恋愛話を聞きたそうにしている寮監に恐れを抱いた少女は、すぐに立ち上がって部屋から出た。

美琴(寮監も乙女だってことかしら…)ブルブル

幸い寮監が追いかけてくることはなかったので、そのまま自室へと足を向ける。

美琴(そういえば黒子に文句言わないといけないわね。黒子のせいでアイツにパンツ見られちゃったし)///

軽く頭を振って恥ずかしさを振り払うと、部屋の扉を開けた。
267 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:37:36.04 ID:CTnieeuY0
美琴「ただいま。黒子」

黒子「……………………」ブツブツ

ルームメイトはベッドの上で体育座りをして、なにやら呟いていた。

黒子「お姉様が類人猿と間接キスをしていただなんて黒子は認めないですの。でもお姉様が類人猿の口に付いたクリームを指で掬ってペロッと舐めたのは事実。いえ、あれはきっと何かの間違いですの。黒子は疲れていた。お姉様は実験をしていた。でも、実験をしていたお姉様は類人猿の好みで短パン+ゲコ太パンツを履かずに縞パンを履いていた。つまり類人猿によって穢されていて、そんなこと黒子は、黒子は認めないですの」ブツブツ

美琴「アンタはなに呟いてるんじゃゴラアアアア」ビリビリ

黒子「ああ〜んっ!!愛の鞭ですのぉぉぉぉぉぉ!!」ビクンビクン

美琴「てか、実験って何よ!アンタどんな妄想してるのよ!」

黒子「…ハッ、黒子はなにも見ていません!お姉様とは会っておりませんの!縞パンなんて見ておりませんの!」(実験のことは秘密でしたの!)

美琴(縞パンって、確か妹達が履いていたわよね…。妹達の一人が偶然、黒子に会って実験中とか言って誤魔化したのね、きっと)「そうよね。アンタは喫茶店で私の短パンずりおろしただけよねぇ…」ビリビリ

黒子「お、お姉様!?落ち着いてくださいませ。あれは、お姉様の貞操を確認したかっただけですの」
268 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/03(火) 00:42:09.55 ID:CTnieeuY0
美琴「アンタねえ。デートの邪魔しておいて言いたいことはそれだけかしら?」

黒子「デ、デ、デート!?今、デートと仰いましたの!?」

美琴「ええ。アンタ、私のデートを邪魔したわよね」

黒子「あ、あ、あの類…殿方とお姉様がデート!?」

美琴「そうよ。私、当麻と付き合うことになったから」

黒子「な、な、名前呼び…」ブルブル

美琴「別に、彼氏のことを名前で呼んでもいいでしょ?」

黒子「お、お、お姉様が、お姉様が殿方のことを彼氏と…。黒子は、黒子は、少し外の風にあたってきますの…」フラフラ

ツインテールの少女は虚ろな表情で立ち上がると、そのまま部屋から出て行った。

美琴(なんか思ってたよりも静かだったわね。もっと騒がれると思っていたんだけど)

ベッドに仰向けになり、左手を上げて薬指を見る。

美琴(許婚、かあ)ニヘラー

幸せそうな微笑を浮かべて、少女はしばらくの間、指輪を眺めるのであった。
269 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2012/01/03(火) 00:48:07.99 ID:CTnieeuY0
エストロゲン調整剤の件は後日談でえっちいのを書くための複線としてではないです。多分w

お嬢様学校の生徒=政略結婚の駒という偏見もあるので、そういった予防措置もアリかなと勝手に妄想しただけです。

寮監=乙女回路はアリかなと思って入れてみましたw

今宵はここまで。ではでは〜ノノシ
270 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 01:09:27.36 ID:TQzkyCplo
乙なんだよ!
271 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 07:06:19.70 ID:M+p5YWQA0
乙!
272 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 00:53:59.98 ID:UzBgmrAO0
あっちゅーまに外堀が埋まりきったぞ  乙!
273 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 23:31:47.23 ID:bb8wGWjJo
黒子が白子になってしまったww
274 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/08(日) 23:42:29.46 ID:yrkBcpZy0
―――


――お姉様が…殿方と恋仲に…

寮の屋上へと移動したツインテールの少女は、夜空を見上げながら溜息をついた。

――わかっていたことですの。でも、お姉様から直接言われると、やはり堪えますわ。

夏頃からあのツンツン頭の少年を追い掛け回していたのは知っている。『電撃が効かないムカつく奴がいる』と、楽しそうに話していた。

秋が近づくにつれ、ツンツン頭の少年のことを話すたびに赤くなったり、挙動不審になったりすることが多くなった。

第三次世界大戦の後、しばらくの間ツンツン頭の少年のことを呼んで魘されていた。

――なにがあったのかはわかりませんが、あの時のお姉様はそれはもう酷い有様でしたわ。今にも壊れてしまいそうなくらい打ちひしがれていて…。でも、いつの間にかお元気になられて、殿方のことを呼んで微笑んだりして…。

秋の初め頃、研究協力の一環として外泊することがあった。その頃には常盤台のエースの名に恥じない超能力者第三位に戻っていた。

――なぜか私服を持っていかれたりしましたけど。もしかしたら学園都市の外の協力企業への出向だったのかもしれませんが。

黒子「…」ハァ

――あの殿方と一緒にいるときのお姉様を見てしまうと、黒子が入る隙は無いですの。

しばらくの間、空を見上げながら、ツインテールの少女は呟いた。

黒子「上条当麻…お姉様を泣かせたりしたら許しませんですわよ」
275 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/08(日) 23:46:56.47 ID:yrkBcpZy0
―――


とある男子学生寮の一室

ベッドの上の寝具を床に置いてあったものと取替えると、少年はその上に仰向けに倒れこんだ。左手を上に上げ、薬指の付け根をじっと眺める。

上条「許婚、か」

自然と、頬が緩む。

待ち合わせ場所で抱きつかれた時に、自分の中にあった想いを自覚した。

喫茶店で自分の想いを確信して、そのままの勢いで階段の踊り場で告白して、両想いだったことに幸福を感じた。

それから指輪を買って、それをいつでも身に着けていたい我侭から、お互いの親に連絡をして許婚になった。

上条「結構ぶっ飛んだことをしたよなあ」

後悔はしていない。むしろ絆が深まったことに幸せを感じている。

上条(それだけ俺は、美琴のことが好きだったんだな)

夕飯に作ってもらったカレーは、今まで食べたカレーの中で一番美味しかった。

寮の前まで送ろうと思ったのに、『抱きしめて欲しいから』と言われて、公園で抱きしめた後、姿が見えなくなるまでそこで見送った。

上条(しかし、何であんなにいい匂いがするんだろうな)///

頬を赤くしながら、天井を見上げて両手を挙げる。

上条「幸せだー」
276 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/08(日) 23:50:31.89 ID:yrkBcpZy0
―――


布団の中で、銀髪の少女は目を開けて天井を見た。

インデックス(とうまとみことがデートをしていた)

頬を赤く染めていた茶色い短髪の少女の顔が思い浮かぶ。

茶色い短髪の少女は、安全ピンで留めた修道服を『そんなの着ていると危ないから』と言って縫ってくれた。

『女の子は身嗜みも大切よ』と言って、ショッピングモールへ連れて行ってくれて、下着や普段着、小物、生活用品を買ってくれた。

たまに部屋に来ては同居人のツンツン頭の少年に勉強を教えたり、わざわざ材料を持ってきて食事を作ってくれた。

ときどき外に連れていってくれて、一緒に遊んでくれた。

インデックス(最初はとうまを虐める酷い奴だと思っていたんだよ)

茶色い短髪の少女は、外で会うと必ずと言っていいほど、ツンツン頭の少年に向かって雷撃をぶつけてきた。

でも、何度か見ているうちに、攻撃というよりは、話すためのきっかけを作るためにそうしているんだと気が付いた。

ツンツン頭の少年と話している時の茶色い短髪の少女は、とても嬉しそうで、楽しそうだったから。

インデックス(やっと、とうまに想いが届いたんだね)

銀髪の少女の口元に優しい微笑が浮かぶ。そして再び目を閉じた。

インデックス(よかったね。みこと)
277 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/08(日) 23:54:06.75 ID:yrkBcpZy0
―――


学習机の椅子に座り、右手でシャープペンシルを弄りながら、黒髪の少女はノートに視線を落とす。

姫神(上条君。楽しそうだった)

常盤台中学の女の子と真っ赤になりながら、ケーキを食べさせあっていたツンツン頭のクラスメイトの少年。

青髪ピアスのクラスメイトの少年が乱入した時には『デートの邪魔をするな』と言って、しっかりと女の子をかばっていた。

姫神(デート…か。あれもデートになるのかな?)

青髪ピアスのクラスメイトの少年に頼まれて、一緒にクリスマスオーナメントを選んだ。そのお礼にと、クレープとココアを奢ってもらった。

姫神(私は。どうして。OKしたんだろう?)

青髪ピアスのクラスメイトの少年との約束。明日も彼のショッピングに付き合うことになっている。

姫神(別に。今日買ってもよかったと思うんだけど)

青髪ピアスの少年はどうしてわざわざ明日を指定してきたのだろう。

姫神(まあ。楽しかったから)

青髪ピアスの少年との他愛の無い話や、クリスマスオーナメント選びは思っていたよりも楽しかった。

姫神(青ピ君…か)

青髪ピアスの少年のことを思い出しながら、少女は小さく微笑んだ。
278 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/08(日) 23:57:58.70 ID:yrkBcpZy0
―――


12月23日夜、とあるふたりのメール

―――――――――
From:御坂美琴

Subject:今日は

本文:ありがとう。嬉しかった。夢じゃないよね?私、当麻の婚約者だよね?

―――――――――
From:上条当麻

Subject:Re:今日は

本文:夢だったらどうする?俺は泣く。

―――――――――
From:御坂美琴

Subject:Re:Re:今日は

本文:泣くだけなの?私は死んじゃうかも…

―――――――――
From:上条当麻

Subject:安心しろ

本文:御坂美琴は上条当麻の婚約者だ。冗談でも死ぬとか言うな。好きだぞ。

―――――――――
From:御坂美琴

Subject:私も

本文:よかった。ごめんなさい。大好き。
279 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/09(月) 00:01:07.23 ID:7rw1m/HX0
―――――――――
From:上条当麻

Subject:明日

本文:10時に自販機前で待ち合わせでいいか?ゲーセンでも行こうぜ。

―――――――――
From:御坂美琴

Subject:Re:明日

本文:了解。一緒にプリクラ撮りたいな。新作ゲコ太フレームが出たんだ。

―――――――――
From:上条当麻

Subject:Re:Re:明日

本文:ゲコ太に邪魔されないツーショットが欲しいかも。

―――――――――
From:御坂美琴

Subject:Re:Re:Re:明日

本文:うん。それも一緒に撮ろうね。

―――――――――
From:上条当麻

Subject:Re:Re:Re:Re:明日

本文:ゲコ太は確定かよ。まあいいけど。
280 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/09(月) 00:04:27.04 ID:7rw1m/HX0
―――――――――
From:御坂美琴

Subject:ゲコ太

本文:イヤ?

―――――――――
From:上条当麻

Subject:Re:ゲコ太

本文:イヤじゃないぞ。好きなんだろ?

―――――――――
From:御坂美琴

Subject:Re:Re:ゲコ太

本文:うん。でも、当麻の方が好きだからね。

―――――――――
From:上条当麻

Subject:Re:Re:Re:ゲコ太

本文:サンキュー。俺も、好きだぞ。

―――――――――
From:御坂美琴

Subject:あのね

本文:言葉で、聞きたいな。
281 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/09(月) 00:07:32.10 ID:7rw1m/HX0
―――


常盤台中学学生寮208号室

ベッドの上に横になり、茶色い短髪の少女は携帯電話を握り締めていた。

ルームメイトであるツインテールの少女は、勉強机の上でノートパソコンを開き、キーボードに何かを打ち込んでいる。

他愛の無いメールのやり取り。それはそれで楽しかったのだが、文字だけでは物足りなくなってくる。

美琴(わがままだなあ。私)ハァ

小さく溜息をつくと同時に、握っていた携帯電話が震えて、少女は小さく体を震わせた。

ディスプレイに表示された、『上条当麻』の文字に頬が赤くなるのを自覚しながら、少女は通話ボタンを押す。口元に幸せそうな笑みを浮かべて。

美琴「も、もしもし」///

上条『まったく、お前は甘えん坊だなあ』

美琴「わ、悪い!?」

上条『いーや、悪くないですよ美琴さん。…ホントのこと言うと、俺もお前の声、聞きたかったし』

美琴「ホ、ホント?」
282 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/09(月) 00:10:31.99 ID:7rw1m/HX0
上条『お前に嘘ついてどうするんだよ。あー、…好きだぞ。美琴』

美琴「私も、好き!」///

その言葉を聞いて、ツインテールの少女の身体が小さく震え、キーボードを打つ手が止まる。(彼女に聞こえているのはルームメイトの少女の声だけ)

黒子(まさかとは思いますが…殿方とのラブトークですの!?)ブルブル

上条『…上条さん、幸せを噛み締めてるんですけど』

美琴「ふふ。当麻♪す〜き♪」

黒子「―――!!」(ギュオエエエエエエエエエッッ!!あの類人猿めえええええええっっ!!)ギリギリ

上条『あー、もー!なんでこう美琴さんは、今日一日でこんなに可愛くなっちゃったんですか!』

美琴「当麻が告白してくれたからに決まってるじゃない!私はずっと、当麻のことが好きだったんだから!だから、当麻が好きって言ってくれたから、私も素直になれたの」///

黒子(これはまずいですの。この後は延々とお姉様の惚気話が続くかもしれなくて、そのようなもの、わたくしには聞いていられませんの…)ガタガタブルブル

上条『上条さんは幸せ者です。こんな素敵な彼女がいて』

美琴「わ、私も幸せ!当麻の彼女になれて」///
283 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/09(月) 00:13:22.78 ID:7rw1m/HX0
上条『美琴』

美琴「当麻」///

黒子「…!!」(酸素、酸素が足りませんわ!お姉様が電気分解でオゾンでも精製させておりますの?)ゼエゼエ

上条『やべ。これ以上話していると会いたくてたまらなくなる』

美琴「ホントに?私も今、同じこと考えてた」

上条『はは。似たもの同士だな』

美琴「えへへ」

上条『じゃあ、また明日。おやすみ』

美琴「…もう一回、好きって言って?」

黒子「――!!」(げ、限界ですの…)パタリ

上条『美琴。好きだ』

美琴「私も、好き。おやすみ、当麻」

上条『おやすみ。美琴』

少女は携帯電話を閉じると、それをそっと胸に抱いた。

美琴(おやすみ。当麻)

黒子「…」
284 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2012/01/09(月) 00:14:33.81 ID:7rw1m/HX0
今宵はここまで。ではでは〜ノノシ
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/09(月) 02:07:52.69 ID:13ezj+xy0
乙 恋する上条さんていいな 
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 03:28:42.71 ID:43pcyF9oo
もうやめて!黒子のHPは0よ!
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 04:35:15.39 ID:ufH2gW6jo
黒子=俺ら
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 10:02:11.01 ID:hfUrkxHPo
乙なんだよ!
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/01/09(月) 17:16:24.48 ID:4gLre0jjo
乙! ブラックコーヒーが欲しいぜ
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 18:44:03.74 ID:rcIQjdJDO
乙〜
291 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/14(土) 23:46:33.37 ID:mi3g/nb10
むう。なかなか終わらせられない。新約4巻が出る前に適当解釈なSSをと思ってるのにw

↓では、まったり投下。

―――


12月24日 10:00 セブンスミスト前

青髪の少年と巫女装束が似合いそうな黒髪の少女は、ショッピングモール前のバス亭からショッピングビルへ向かって歩いていた。

青ピ「今日もええ天気やな。ホワイトクリスマスは望めなさそうやけど、出かけるにはちょうどええなー」

姫神「でも空気が冷たいから。雪が降っていなくても長時間外にいるのは辛い」

青ピ「じゃ、とりあえず、中に入ろか」

姫神「うん」

ビルの中に入り、あてもなくぶらぶらとファンシーショップや店先を冷やかしはじめる。

青ピ「姫神ちゃん。今日も付き合うてくれてありがとな」

姫神「別に。暇だったから」

青ピ「せや、姫神ちゃん。何か欲しいものある?」

姫神「んー。服とかはこの前吹寄さんと見にきたし」

青ピ「ひ、姫神ちゃん。男が服を贈る意味、知ってるやろ?」アセアセ

姫神「ん?服は見に来たばかりだからいらないってことなんだけど」

青ピ「どわぁ!今言ったこと忘れてや!」(何やってんのや!)///

姫神「?」
292 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/14(土) 23:50:08.06 ID:mi3g/nb10
青ピ「じゃ、じゃあ、アクセサリーとかどないや?」

姫神「んー。あんまりちゃらちゃらした物は着けたくないなあ」

青ピ「そ、そっか」

姫神「ピアスって。痛くない?」

青ピ「ボクはそんなに痛くなかったけど。姫神ちゃん、興味あるん?」

少女は自分の耳たぶを弄りながら首を傾げる。

姫神「やっぱりいいや」

青ピ「着けピアスってのもあるんやで?」

姫神「着けピアス?」

青ピ「粘着テープみたいので貼るやつ」

姫神「なんか。痒くなりそう」

青ピ「姫神ちゃん、肌弱いん?」

姫神「んー。どうだろ?」

青ピ「もし何か着けるとしても、無理にピアスやなくて、イヤリングで全然問題ないと思うで」

姫神「まあ。そうなんだけど」
293 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/14(土) 23:54:22.59 ID:mi3g/nb10
青ピ「実はボクを見て、ピアスしてみたいとか思ってくれたとか?」

姫神「ピアス着けてるの。クラスじゃ青ピ君だけだしね。それから考えると。ちょっとは影響してるかもしれない」

青ピ「嬉しいわあ、ボク。…少しは期待してもええ?」

姫神「え?何を?」

青ピ「姫神ちゃんともっと仲良うなれるって思ってもええ?」

少年はまっすぐに少女を見る。心なしか頬が少し赤くなっているようにも見えた。

姫神「…少なくとも昨日よりは。仲良くなってると思うけど」

青ピ「え?」

姫神「そうじゃなければ。わざわざ待ち合わせまでして一緒に買い物なんて来ないし」

早口でそう言うと、少女はくるりと身を翻らせて歩き出した。

姫神「…減点かな」ボソ

青ピ「ちょ、待ってや。姫神ちゃん!?」

姫神「待たない」

青ピ「堪忍してや!姫神ちゃん!」(姫神ちゃんがボクに『減点』て、『待たない』って、なんやこれ!?)

少年が慌てて駆け寄ると、少女は口元を小さく綻ばせながら言った。

姫神「次はどのお店を見ようか?」ニコ
294 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/14(土) 23:58:05.12 ID:mi3g/nb10
―――


10:45 第七学区 ゲームセンター ラヴリーミトンプリクラ内

美琴「じゃ、じゃあ、後ろから抱き着いてくれるかな?」///

上条「こうか?」

少女の肩に顎を乗せ、腋の下に腕を通して少女のお腹の辺りに左手を置き、右手で自分の肘を掴む。

美琴「えへ。後ろから抱きしめられちゃった」///

言いながら少女は少年の左手を自分の右手で押さえ、嬉しそうに微笑む。

上条「…ええと、美琴さん?」///

美琴「どうしたの?」

上条「なんと言いましょうか、この格好はいろいろマズイと上条さんは思うのですが」///

美琴「少しの間だからいいじゃない。…イヤなの?」

上条「イヤじゃないけど…その」///

美琴「なによ?はっきりしてよ」

上条「ええと…怒らない?」(後ろから抱きついてる俺の手を、自分で胸に押し付けてるのが判らないのかあああああ!!)///

美琴「なんか変なこと考えてるんじゃないでしょうね?」
295 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/15(日) 00:02:04.91 ID:S8SnIAln0
上条「上条さん的には大変嬉しいことなんですけど、…お前が右手で押さえてるもの」///

美琴「ん?アンタの手よね?」

上条「うん。で、俺の手は何を押さえてる?」///

美琴「え?」

少女の右手は、後ろから回された少年の手の甲を上から押さえていて、少年の左手は、少女の右胸を包み込むように押さえている形になっていた。

美琴「あ、あぅ…」///

上条「ほら、右手を離せ、離そう、離しましょう美琴センセー」///

美琴「…このままでいい。後ろからぎゅってされてる写真欲しいんだもん」///

上条「上条さんの理性が臨界点を超えそうですよ!美琴センセー」///

美琴「ほ、ほら、カメラ見て、笑って」

ぎゅっと少女の右手が少年の左手を握る。

上条「お、おう…」(て、掌に柔らかな感触があああああ!!)///

フラッシュが光って撮影の終わりを告げる。だが、ふたりはそのまま動かない。
296 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/15(日) 00:08:08.55 ID:S8SnIAln0
上条「ほ、ほら、終わったぞ?」

美琴「うん」///

上条「離さないと、上条さん左手をにぎにぎしちゃいますよ?」

美琴「ふぇ!?」(に、にぎにぎって!?)///

上条「だあああ!!右手を離しなさい美琴センセー!ホントににぎにぎするぞ!」///

少女は慌てて手を離し、少年も速やかに戒めを解く。少女は自分を抱くように胸を隠しながら、キッと少年を睨んだ。

美琴「な、何言ってるのよアンタ!馬鹿!スケベ!」///

上条「お、俺の手を胸に持っていったのはお前だぞ!」///

美琴「だ、だって、…ぎゅってして欲しかったんだもん」

上条(そんな風に言われたら怒れないじゃないか)「…あー、ゴメン。俺が引っ張られるまま手を動かしちまったから触っちゃう形になったんだな」

美琴「え?」

上条「美琴も良く考えて行動するようにすれば、こういうことも減るだろ?」

美琴「う、うん」

上条「ってことで、この話題はこれまで。な?」

美琴「…なんか強引に纏められた気がする」
297 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/15(日) 00:13:02.88 ID:S8SnIAln0
上条「あのな。折角のデートなのに喧嘩するのは嫌だろ」

美琴「まあ、そうだけど」

不満そうな少女の肩に手を置いて前に向かせると、少年は画面を指差して言った。

上条「ほら、じゃあ次のフレーム選ぼうぜ?」

美琴「…じゃあ、一番上のゲコ太とピョン子のやつ」

上条「俺が右、お前が左でいいのか?」

美琴「うん」

上条「これはどんな格好で?」

美琴「…また、ぎゅってしてくれる?」

上条「手、気をつけてな」

美琴「…別にアンタになら触られてもいいんだけど」///

上条「いきなりそういうこと言わないの!」///

美琴「なんでよ?」

上条「抑えがきかなくなるだろうが。美琴さんは自分の魅力についてもっと真剣に考えるべきだと思います!」

美琴「み、魅力?」
298 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/15(日) 00:17:01.02 ID:S8SnIAln0
少女の後ろから抱きつき、手で肘を押さえるようにして事故を防ぎながら、少年は囁いた。

上条「あんなこと言われたら止まれなくなるぞ。上条さん、健全な男子高校生ですから」

美琴「!?」///

上条「こんなところでなんて、美琴も嫌だろ?誰が見てるかもわからないし」

美琴「うぅ…」

上条「まー、くっつきたいのは上条さんも同じだから、お互い注意しような」

美琴「うん。注意する」

上条「素直な美琴、可愛いな」ギュッ

美琴「ふにゃ!?」///

抱きついたまま、少女の肩に顎を乗せて目を閉じる。

上条「あー、なんか安心する。ちょっとだけ、こうしててもいいか?」ギュッ

美琴「う、うん」(と、当麻が私に甘えてる!?)///

上条(いい匂いだなー)ポー

美琴「ね、ねえ?そのままでいいから、一枚撮っちゃっていい?」

上条「別にいいけど、いい写真にはならないんじゃないか?」

美琴「私から見るとすっごくいい感じなのよ」(当麻が甘えてくれるなんてこの先あるかわからないし)///

上条「じゃ、撮り終わるまでこのままにしてる」ギュッ

美琴「うん。ありがと」///

それから少なくとも五分もの間、ラヴリーミトンプリクラで撮影が行われることは無かった。
299 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/15(日) 00:20:59.35 ID:S8SnIAln0
―――


14:30 第七学区 スーパーマーケット内

ツンツン頭の少年の押すショッピングカートの籠の中に、茶色の短髪の少女が食材を入れていく。

上条「あの、美琴センセー?」

美琴「ん。なーに?」

上条「なんか量が凄いんですけども」

美琴「シチューみたいな煮込み料理ってたくさん作った方が美味しいのよ」

上条「何か悪い気がしてさ」

美琴「私が好きでやってるんだから気にしないの。それに、か、彼氏と過ごす初めてのクリスマスだし、気合入っちゃうんだから」///

上条「上条さんは幸せ者です」///

美琴「えへへ。他に何か食べたいものある?」

上条「ビーフシチューにポテトサラダにローストチキンがあれば十分だと思います。ケーキは店先で売ってたのでいいよな?」

美琴「さすがにケーキまで焼く時間ないしね」
300 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/15(日) 00:23:50.76 ID:S8SnIAln0
上条「飲み物は…と、アレでいいか?ゲコ太のクリスマスオーナメント付いてるぞ」

そう言って少年が指差した場所に、サンタのコスチュームを着たゲコ太の絵が描かれたポスターが貼られているクリスマスカクテル(ノンアルコール)が置いてあった。

缶の上にプラスチックの蓋のようなものが被されていて、その中に入っているキャラクターのラベルが貼られている。

美琴「キャラクターは全六種か。買いね」

上条「味は三種類だから、各二本ずつ買おうぜ」

美琴「うん。…えへ。サンタピョン子可愛いなあ」

上条「…可愛いな」ボソ

美琴「ア、アンタもそう思う!?可愛いわよね!」

上条「ああ。可愛いぞ。美琴」

美琴「ふにゃっ!?」///

上条「思わず笑顔に見惚れてしまいました」///

美琴「えへへ…」(可愛いって言われちゃった)///

上条「美琴…」

美琴「当麻…」

見つめ合うふたりには、周囲など見えてはいないのであった。
301 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2012/01/15(日) 00:24:50.44 ID:S8SnIAln0
今宵はここまで。ではではノノシ
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/15(日) 00:25:38.88 ID:xWEOsPwao
この甘甘さには常識が通用しねえ・・・乙です
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/15(日) 00:44:50.35 ID:SaLzEE4p0
ちくしょう…
いちゃいちゃしやがって!

素晴らしいですごちそうさまです
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 00:47:30.09 ID:xwJL+yHuo
乙なんだよ!
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 02:51:49.93 ID:AXwH932Jo
上琴あまあま最高だ・・・
青ピ姫神も初々しくてニヤニヤしちゃうなこれ
頑張れ青ピ!
306 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:03:45.33 ID:8WPWHItU0
―――


14:45 第七学区 ファミリーレストラン内

青ピ「ボク飲み物入れてくるけど、姫神ちゃん、何にする?」

姫神「んー。ティーポットとダージリン。お願いしてもいい?」

青ピ「ええよ。ついでやし。砂糖とかはいる?」

姫神「いらない」

青ピ「ほな、ちょっと行ってくるわ」

姫神「うん」

青髪の少年はドリンクバーへと歩いていく。その背中に視線を送りながら黒髪の少女は小さく微笑んだ。

姫神(加点1かな)

トレイの上にソーサーとティーカップ、ダージリンのティーパックを置き、ティーポットにお湯を注ぐ。

青ピ(これって、デートと思ってもええんかな?)

ティーポットをトレイに載せ、コーヒーカップをドリップマシンに置き、ブレンドコーヒーのボタンを押しながら、青髪の少年は昨日の友人の姿を思い出していた。

青ピ(カミやんみたいにラブラブなのがデートなんやろうな。ボクと姫神ちゃんは友達ってとこやね)

砂糖とミルク、ソーサーとスプーンをトレイに載せるのとほぼ同時に、ブレンドコーヒーが出来上がった。
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) :2012/01/22(日) 00:09:05.07 ID:8WPWHItU0
青ピ(ま、カミやんは元から好かれてたっぽいしなあ)ハァ

コーヒーカップをトレイに載せ、少女のいる席へと戻るために歩き出す。

青ピ(ちょっとは、仲良うなれたと思うんやけど)

席に戻りテーブルの上にトレイを置く。

青ピ「お待たせ。…ホンマに砂糖とか要らんかった?」

姫神「うん。ありがとう」

少女がティーパックの袋を取り出して、ティーポットの中に入れると、透明のお湯がたちまち琥珀色に染まっていく。

青ピ「なんか、一瞬で色が変わると感動するわあ」

姫神「ふふ。私もそう思う」

コーヒーに砂糖とミルクを落としてかき混ぜながら、少年はティーポット越しに少女を見る。

青ピ「…綺麗やな」ボソ

姫神「青ピ君。意外と詩人?」

青ピ「そうやなあ。ボク、ロマンチストやもん」

姫神「確かに。クリスタル細工を見て綺麗って言える男子って珍しいもの」

青ピ「綺麗なもんは綺麗って言っても、別に悪くないやろ?」

姫神「うん」
308 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:15:07.52 ID:8WPWHItU0
少女がティーポットを持ち上げ、ティーカップに紅茶を注ぐ。少年はそんな少女の顔に視線を向けて呟いた。

青ピ「…綺麗や」

姫神「ふふ。青ピ君も紅茶にすればよかったのに」

青ピ「…姫神ちゃんが、やで」

姫神「え?」

まっすぐに少女を見て、少年は言う。

青ピ「姫神ちゃんが綺麗やって、言ったんや」///

姫神「私?」

青ピ「うん」

姫神「もしかして。からかってる?」

青ピ「ボク、本気やで」

姫神「…」

少女は胸元に右手を置き、服越しにペンダントに触れる。
309 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:20:41.67 ID:8WPWHItU0
姫神「私は。別に綺麗じゃないと思うけど」

青ピ「それは謙遜やで。姫神ちゃん」

姫神「そうかな?」

青ピ「うん。姫神ちゃんは美人やし、魅力的な女の子や」

姫神「いきなりそんなこと言われても。困る」

視線をティーカップに落としながら、少女は言った。

青ピ「ゴメン。でも言いたかったんや」

姫神「どうして?」

青ピ「昨日と今日で姫神ちゃんとボク、少しは仲良うなれたと思ったんや。一緒にクリスマスオーナメント選んでもろうたり、プレゼント受け取ってもらえたり、食事したりして、姫神ちゃんと仲良うなれたと思ったんや」

姫神「…」

青ピ「そしたらな、ボク、馬鹿やさかい。舞い上がってしもうて、姫神ちゃんも同じ気持ちかと思うてしもうて」

姫神「…」

青ピ「今なら姫神ちゃんが綺麗やって、ずっと思ってたこと。伝えられるかなって」
310 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:25:34.15 ID:8WPWHItU0
姫神「青ピ君…」

青ピ「はは。なんかカッコ悪いなあボク」

姫神「…そんなこと。ないよ」

そう言うと少女は横に置いてあるバッグから何かを取り出し、掌に載せて少年へと差し出す。

姫神「これ。クリスマスプレゼント」

青ピ「…ボクに?」

姫神「うん」

青ピ「開けてもええ?」

姫神「うん」

袋を開けて小箱を取り出し、小箱の中身を見て少年は目を見開いた。

青ピ「え!?これ…」

小箱の中にあったのは赤いガラス球が嵌め込まれた銀色のピアスだった。少年が少女に贈ったイヤリングと同じデザインである。

姫神「…一応。お揃い」

青ピ「そ、そやな」

姫神「それだけ?」

青ピ「いや、いきなりやったから、なんて言ってええか判らなくて」
311 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:32:56.05 ID:8WPWHItU0
姫神「困るでしょ?さっきの私と同じ」

そう言って少女は小さく微笑む。

青ピ「姫神ちゃん…。ボク」

少年が何か言おうとするのを、少女は自分の唇に人差し指を縦に当てる仕草で止めた。

姫神「今はまだ。友達でいた方がいいと思う」

青ピ「姫神ちゃん…」

姫神「雰囲気に流されているだけかもしれないし。お互いをもう少し知ってからの方がいいと思う」

青ピ「ボクはクリスマス前から…」

姫神「見た目だけじゃわからないし。私のこと知って欲しいし。…青ピ君のこと知りたいし」

少年が何か言おうとするのを少女は言葉で遮った。最後の方はほとんど聞こえないほど小さな声で。

姫神(そんな急になんて。切り替えられないし)

――ただのクラスメイトからいきなり恋人というのは無理がありすぎる。順番的にもまずは友達から。うん。別に変じゃない。はず。
312 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:37:26.18 ID:8WPWHItU0
姫神「とりあえず。連絡先交換しよう」

青ピ「ええの?」

姫神「うん」

少女はバッグから携帯を取り出し、赤外線データ受信モードに切り替える。

青ピ「ほな、送るで?」

姫神「…受信完了。じゃあ次は私が」

青ピ「っと、準備OK」

姫神「じゃあ送信」

青ピ「…姫神ちゃんのアドレスゲット。ボク、感激やわ」

姫神「それは。大げさ」

青ピ「大げさやないんやけどなあ」

姫神「そう言ってまた困らせる。…減点1」

青ピ「また減点!?てかそれって何の点数なん?」

少女は少年を見ると、自分の顎に人差し指の先を当てて小さく微笑んだ。

姫神「青ピ君の点数。かな」
313 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:42:49.86 ID:8WPWHItU0
―――


15:30 風紀委員第一七七支部

固法「ねえ初春さん。白井さん、どうしちゃったの?」

初春「し、白井さんがどうかしましたか?固法先輩」

固法「何か元気が無いのよね。上の空って言うかなんて言うか…」

初春「あー。たぶん御坂さんが原因です」

固法「御坂さんが?どういうことかしら?」

初春「固法先輩、白井さんが御坂さんを慕っているって知っていますよね?」

固法「ええ、まあ」

ツインテールの少女がルームメイトで同じ学校の先輩である御坂美琴のことを、様々な意味で慕っているのは知っている。

初春「昨日、私は非番だったので、佐天さんと一緒にセブンスミストへ行ったんですけど、御坂さんとお会いしたんですよ」(本当は佐天さんの案で御坂さんを探しに行ったんですけど)

固法「あなたたち、本当に仲がいいわね」

初春「あはは。まあ、そのときですね、御坂さんは一人じゃなかったんです」
314 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:46:25.58 ID:8WPWHItU0
固法「白井さんはそのとき巡回中だったから、白井さんじゃないわよね?」

初春「ええ。御坂さん、彼氏さんと一緒だったんですよ」

固法「え?」

初春「御坂さんは彼氏さんと一緒にセブンスミストに来ていたんです」

固法「か、彼氏?御坂さんに?」

初春「はい。手を繋いで名前で呼び合ってました。御坂さんも『彼氏さんですか?』って質問を否定しませんでしたし」

固法「へえ。御坂さんやるわね。じゃあ白井さんの様子がおかしいのは、御坂さんに彼氏ができたからなのかしら?」

初春「おそらくは。と言うかそれしか考えられないですね」

固法「最近の中学生は進んでるわね」

初春「あ、御坂さんの彼氏さんは高校生ですよ」

固法「いったい、どういった経緯で知り合ったのかしらね?ちょっと興味あるわ」

初春「気になりますよね。御坂さん、彼氏さんの前だとすごく可愛かったし」

固法「ど、どんな風に?」

初春「もじもじして上目遣いで彼氏さんのことを名前で呼んだりとか、嬉しそうに寄り添ってたりとか」

固法「み、見てみたい気がするわ。そんな御坂さん」

初春「あはは。そのうち街で見ることができますよ。きっと。ラブラブでしたから」

風紀委員といえども年頃の女の子。まして知人の恋愛事情となると、知らず知らずのうちに話が盛り上がってしまうのであった。
315 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/01/22(日) 00:50:13.63 ID:8WPWHItU0
―――


17:00 とある高校男子学生寮の一室


美琴「当麻。意外と器用ね」

上条「ふっ。上条さんの料理スキルを侮ってもらっては困ります」

美琴「普通に包丁で皮を剥けるのには驚いたわ。授業でも普通はピーラー使うし」

上条「何かあれ苦手なんだよな」

美琴「慣れればピーラーも具合いいわよ」

上条「まあそうなんだろうけど」

美琴「ふふ。でもこうやって一緒に料理するなんて、考えたことなかったわ」

上条「そういえば、夕飯作ってくれた時って、台所に入れてくれなかったよな?どうしてだ?」

美琴「あ、あの時は付き合ってなかったから、一緒に料理なんてできるわけないじゃないの馬鹿!」

上条「なんでだよ?」

美琴「ここ狭いじゃない。…アンタと肩とか手なんか触れちゃったら料理なんてできないって思っちゃって…」///

真っ赤になって視線を逸らすと、少女は恥ずかしそうに身を捩った。

上条「そ、そっか。いや、なんていうか、ゴメン」

美琴「…何で謝るのよ」

上条「いや、そこまで惚れられてたのに、全然気づいてやれなくてさ」

美琴「本当よ。苦労したんだから」

上条「悪い」
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) :2012/01/22(日) 00:55:07.30 ID:8WPWHItU0
美琴「…でも、今こうして当麻と一緒に居られるから、いいんだ」

上条「俺も、今こうして美琴と一緒に居られるのは嬉しい」

美琴「ホント?」

上条「ああ」

美琴「ねえ、当麻。ちょっと困ったことになっちゃったんだけど」ウワメヅカイ

上条「どうした?」

美琴「料理中なんだけどさ、ぎゅってして欲しくなっちゃった」エヘ

上条「そ、そっか。…じゃあ、とりあえず鍋に水を入れて、切った野菜をその中に入れて…と」

美琴「ちょっと、何スルーしてるのよ」

上条「…こいつをコンロにかけて…と」

美琴「…馬鹿」シュン

上条「…よし、お次は、ぎゅー…と」ウシロカラ ダキツキ

美琴「ふぇ!?」///

上条「お求めはこちらでよろしかったでしょうか?姫」ギュッ

美琴「うん。…ありがと」

上条「どういたしまして」

美琴「ね?お鍋が煮えるまで、このまま?」

上条「お望みのままに」

美琴「じゃあ、このままで」

上条「ああ。わかった」
317 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2012/01/22(日) 01:00:21.00 ID:8WPWHItU0
青ピと姫神パートはとりあえず終了。友達以上恋人未満的な感じ?
残りは上琴ふたりだけのクリスマスパーティーのみです。
後日談的なものがあるかも?

今宵はここまで。ではではノノシ
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 01:27:34.23 ID:G6HJQNi30
青ピの一歩前進がめでたい
そして上条さん達は既に新婚夫婦化してて、ムードが濃厚ミルクジャム並みに甘い 乙!
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/22(日) 04:21:49.26 ID:RoT01Dvx0
俺たちのヒーロー青ピに頑張れと言いたくなるぜ
上琴?ほっといてもいちゃつき続けるんじゃないかな
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 10:13:08.78 ID:2ZaXLpzQo
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 13:34:26.64 ID:BxmHPFC9o
青ピと姫神のこの微妙な近づき加減と初々しさがたまんねぇニヤニヤしちゃうwwww
このカプはほんとに好きだわぁ・・・
そして上琴いちゃいちゃもきゅんきゅん来て幸せ過ぎる
糖尿病になるわちくせうww
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 02:37:07.16 ID:1QFYveejo
乙!
323 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:10:16.69 ID:FAT4M8vP0
―――


19:30 とある高校男子学生寮の一室

上条「片付け終わったぞー」

美琴「お疲れ様」

台所からリビングへと戻ると、少年はテーブルの上で何かを弄っている少女の前に座る。

上条「何してるんだ?」

美琴「ふふ。ゲコ太もピョン子もケロヨンも可愛いわ」ニヤニヤ

上条「ホント好きだな」

美琴「当麻もこの良さが判ってくれると嬉しいんだけどなー」

上条「いや、男子高校生がそういうのを前にしてニヤニヤしてたらやばいだろ。常盤台のお嬢様がニヤニヤしてるのもアレかもしれないけどな」

美琴「べ、別にいいじゃない!誰かに迷惑かけているわけじゃないんだし!」

上条「まあ、俺の部屋とか自分の部屋ならいいけど」

美琴「じゃあ問題なし」

上条「ま、そうだな」
324 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:14:48.55 ID:FAT4M8vP0
少女は六種類のクリスマスオーナメントを弄びながら、そのうちのひとつ、クリスマスツリーの下にゲコ太とピョン子が立っているものを手に取った。

美琴(…そうだ。これをあの紐に掛ければ)

立ち上がると、頭の上にあった部屋の蛍光灯の紐に手に持っていたクリスマスオーナメントを結んで再び腰を下ろす。

美琴「えへ。一応、クリスマスツリー。机の上に立たなから結んじゃった」

上条「お。いいんじゃないか」

美琴「食べる前に気付けば良かったんだけどねー」

上条「いやいや、充分すぎるほどクリスマスしてました。ホント、美味しかった」

美琴「良かった」

そう言って小さく微笑むと、少女は真っ直ぐに少年を見て、先ほど結んだクリスマスオーナメントを指差した。

美琴「あのさ。これ、クリスマスツリーってことでいい?」

上条「ん?いいと思うぞ」

美琴「じゃあさ、ツリーの下に女の子がいるんだけど、当麻は何もしないの?」

上条「どういうこと?」

美琴「…ヤドリギなんだけど」

上条「ヤドリギ?」
325 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:19:13.38 ID:FAT4M8vP0
美琴「もしかして知らない?」

上条「…悪い」

美琴「別に謝らなくていいんだけど。えっとね、クリスマスの日、ツリーに飾られたヤドリギの下に居る女の子には、キスをしていいことになってるのよ」///

上条「え?」

美琴「もちろん、女の子に断られたらしちゃ駄目だけどね。はい。説明終わり」

上条「ええと、…つまり、美琴さんはその…?」(キスしてもいい…のか?)

顔を赤くする少年を上目遣いで見ながら、少女は小さく言った。

美琴「…当麻なら、その、断らないわよ」///

上条「そ、そうか」

ごくりと唾を飲み込んで少年は立ち上がると、少女の前へと歩いて行き、その肩に手を置く。

上条「いいんだな?美琴」

美琴「…」

返事の代わりに少女はゆっくりと瞼を閉じた。

上条「…」

美琴「…」

柔らかな感触がお互いの唇を刺激する。軽く触れるだけの優しいくちづけ。
326 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:24:37.80 ID:FAT4M8vP0
美琴「…えへ。ファーストキス」(夢、じゃないよね?当麻、キスしてくれたんだよね?)

上条「上条さんもファーストキスですよ」(夢、じゃないよな?美琴とキスしたんだよな?)

美琴「そっか。嬉しいな」(もう一回、したいな)

上条「美琴…」(可愛いな。美琴)

美琴「お返し、するね」(いいや、私からしちゃえ)

上条「…んぅ!?」///

美琴「ん…」チュッ

先ほどの触れただけのものとは違い、少し唇を吸ってみる。言葉に言い表せない気持ちが少女の中を走った。

美琴(ちょっとだけ、当麻を奪ったような気がする)///

上条「…美琴」(俺も…)

美琴「んっ!?」

上条「…」チュッ

少女がしたのと同じように、軽く唇を吸う。蕩けそうな感覚が少年を襲う。

美琴(こ、これって、奪われてる感じがする)///

上条「…ヤバイな、コレ。止まらなくなりそうだ」///
327 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:28:31.30 ID:FAT4M8vP0
美琴「…もう一回だけ」チュッ

上条「…ん」チュッ

しばらくの間、お互いに唇を吸い合う。しばらくしてから名残惜しそうに唇を離すと、少年は少女を抱きしめた。

上条「好きだ。美琴」

美琴「私も好き。当麻」

上条「キスだけでこんな気持ちになれるって、凄いよな」

美琴「うん。キスって凄いね」

上条「こんな気持ちになれるのは、美琴とだから。…美琴とだけだから」ギュッ

美琴「私も、当麻とだけだから。当麻じゃなきゃこんな気持ちにならないんだから」ギュッ

上条「ありがとう。美琴」

美琴「ありがとう。当麻」

お互いに素直な感謝の気持ちを伝えると、なんだか可笑しくなってきて、気が付くとふたりで顔を見合わせて笑った。

上条「なにやってんだろうな、俺達」

美琴「ホント。でも、素直に言いたいこと言いあえるのって、嬉しい」

上条「ん。そうだな」
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) :2012/02/01(水) 23:34:24.30 ID:FAT4M8vP0
美琴「だから…、ねえ?…もう一回、しよ?」

上条「み、み、み、美琴センセー!!その言い方はエッチすぎます」///

美琴「エ、エ、エ、エッチってどういうことよ!?」///

上条「アレのおねだりにしか聞こえません…ハイ」///

美琴「ア、ア、ア、ア、アレって何よ!?」///

上条「えーっと…、エッチの最終段階?」///

美琴「ど、ど、ど馬鹿ああああああっっ!!」///

上条「あーもー!!男子高校生の性欲舐めるなって言ってるだろうが!」///

美琴「あ…う…。と、当麻は、その、私のこと、そういう目で見てくれてるんだ?」///

上目遣いの少女の言葉に、少年はビクッと身体を震わせた。

上条「お前…それ、反則」(可愛すぎるんだよお前)

美琴「え?何か言っちゃいけないこと、言った?」

上条「…もう喋らないようにその口を塞ぐことにする」

美琴「え!?…んむっ!?」///

唇を重ね、舌先で相手の唇を軽く舐めながら少しづつ差し込んでいき、湿った場所に触れる。
329 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:38:48.30 ID:FAT4M8vP0
上条(これって美琴の…)

御坂(し、し、舌!?いわゆるこれって大人のキスってやつ!?てか私もしないと!?)///

ぬるっとした感触がお互いの舌先に触れた瞬間、ふたりはほぼ同時に唇を離した。

上条「わ、悪い」

美琴「わ、私、舌出しちゃ駄目だった!?」

上条「え!?いや、その、イヤじゃなかったか?」

美琴「こ、こ、恋人のキス…でしょ?イヤじゃない、わよ?」

上条「いや、もう、でも、その…」

美琴「今度は、私が塞いじゃおっと♪」

上条「んんっ!?」///

美琴(い、入れちゃっていいのかな?いいよね?)///

上条(なにこれ!?なにこれ!?舌、シタ、したぁぁぁ!?)///

美琴(あ、歯だ。この下が…舌よね?)///

上条(舐めていい、のか?やべ、ディープキスってやつかこれ?)

美琴(やだ、唾が垂れそう。…ええい吸っちゃえ)チュル

上条(やべ、吸いたい。いいか。吸っちまえ)ジュル

最初はぎこちなく、徐々に大胆にお互いの舌を絡ませながら、ふたりはその行為に没頭するのであった。
330 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:42:18.42 ID:FAT4M8vP0
―――


20:45 とある公園 自動販売機前

上条「やっぱり、寮まで送る。ってか送りたい」

美琴「うん。ありがと」ギュッ

上条「どういたしまして」ギュッ

指を絡ませて手を繋ぎながら、少女の寮へ向かって歩き出す。

美琴「その、いっぱい、しちゃったね」///

上条「そ、そうだな。でも、その言い方はちょっと問題がありますから注意してください美琴センセー」///

美琴「あ、う、そ、そうね。ゴメン」///

上条「いや、謝らなくてもいいんだけど。気をつけてくれればな」

美琴「うん。その、さ、当麻は、その、したい?キスじゃなくって、さっき言ってた最終段階ってやつ」///

上条「気をつけろって言った矢先にそういうこと聞くのかよお前は!?」///

美琴「ゴ、ゴメン。でも、その、したいなら、その、女の子には準備があるから、その、ね?」///

上条「したくないって言えば嘘になるけど、美琴はまだ中学生だろ?さすがにそういうのはまだできねえかなって」
331 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:46:59.21 ID:FAT4M8vP0
美琴「あー、その、ね。一応さ、学校から処方箋出てる、から…」///

上条「へ?処方箋って、薬?お前、どこか身体の具合悪いのかよ!?」

美琴「あー、そうじゃなくってさ、その、…ピルって言えば、わかる?」///

上条「ピ、ピ、ピルゥ!?な、何考えてるんだ常盤台は!?」///

美琴「えーっと、家庭の事情を勘案してってやつよ。私の場合は許婚がいるからってことで、さ」

上条「え?俺達って常盤台公認!?」

美琴「うん。ママが連絡してくれたから」

上条「そっか。俺達、親公認だしな」

美琴「うん。その、さ。家同士の取り決めで許婚になる子とかいるから。処方箋もそういう子を守るためのものだと思うんだけど」

上条「あー。そういうのって本当にあるんだな。お嬢様も大変だよな。それ考えるとさ、俺達って恵まれてるな」

美琴「…うん」

上条「好き合って許婚になれて、上条さんは幸せ者ですよ」

美琴「わ、私も、幸せ者だもん」

そう言って腕にしがみつく少女の頬を、少年は優しく撫でた。

美琴「ふわっ!?」///
332 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:50:46.04 ID:FAT4M8vP0
上条「あーもー、可愛いな美琴は」ナデナデ

美琴「あ、ん」///

上条「…その、女の子の準備ってやつはさ、美琴に任せる。俺も、男の子の準備はしておくから」///

美琴「な、な、なに言っちゃってるのアンタ!?」///

上条「馬鹿お前、いつまでも我慢できるわけねえだろうが!」///

そう言うと少年は少女を抱きしめる。

美琴「!?」///

上条「…美琴が好きって気持ちが俺の中でどんどん大きくなってんだよ。美琴のすべてを知りたいし、俺のものにしたいって」

美琴「…私だって当麻のこと知りたいし、私のものにしたいわよ」

上条「お互い素直に言いたいことが言えると嬉しいな」

美琴「そうね」

上条「じゃあさ、キスしていいか?」

美琴「そんなの、聞かなくてもわかるでしょ?」

ふたりは小さく笑い合って、唇を重ねた。お互いを存分に味わってから唇を離すと再び歩き始める。
333 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/01(水) 23:56:54.29 ID:FAT4M8vP0
美琴「えーっと、素直に言うのが嬉しいって言うから正直に言うけど、その、私のアレって月の中頃くらいだから、女の子の準備終わるのって早くても来月の終わりくらいだから…」///

上条「そ、そうか」///

美琴「うん」///

上条「いやいやいや!なんですること前提になってるんでしょうか!?美琴センセー」///

美琴「だって、我慢できないんでしょ?」

上条「いやいやいや!美琴センセーが結婚できる歳になるまでは上条さんも我慢しますよ?」

美琴「その、…私がしたいって言ったら?」///

上条「………我慢できないかも」///

美琴「当麻のえっち」///

上条「自分から誘っておいてそれはないんじゃないでしょうか?美琴センセー!?」

美琴「さ、誘ってなんて…」///

上条「ほう。『私がしたいって言ったら?』なんて言ったのはどちらさまでしたっけ?」

美琴「うぐっ。…と、当麻としかしたくないんだからね」///

上条「俺だって美琴としかしたくないからな」///

美琴「じゃあ、いいや」

上条「だな」

美琴「えへへ」

上条「ははは」

笑い合いながら二人は寮の前で立ち止まる。
334 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/02/02(木) 00:00:06.18 ID:DsMCiNvr0
美琴「…着いちゃった」

上条「ああ。門限ぎりぎりってところか?」

美琴「うん。あとちょっと」

上条「そっか。じゃ、部屋に戻ったらメールするから」

少年を見つめ、少女はそっと瞼を閉じる。

美琴「…おやすみのキス、して?」

上条「いいのか?寮の前だぞ?」

美琴「許婚だから隠す必要ない…んむっ!?」

話し終わる前に少女の唇が少年の唇で塞がれ、口内に舌が差し込まれた。

美琴「ん…ふっ」(あ、吸われてる、…私も)チュク

上条「…んぅ」(応えてくれた。美琴…)チュク

唇を離すとその間に透明な糸が伸び、切れた。

美琴「おやすみ。当麻」

上条「おやすみ。美琴」

寮監「おかえり。御坂」

美琴「ただいま戻りました。寮監…様!?」

寮監「ずいぶん情熱的な接吻だったな?御坂」

美琴「ふ……」(み、見られた!?見られちゃった!?)///

寮監「ふ?」

上条「!!」(マズイ!)

美琴「ふにゃああああああああああああっっ!!」ビリビリビリ

上条「不幸だああああああああああああっっ!!」

おしまい
335 : ◆F/bQYgopwk [saga]:2012/02/02(木) 00:07:32.34 ID:DsMCiNvr0
これでとりあえず『クリスマス狂想曲』は終了です。うまくまとまらなかったですねorz

後日談的なものも書いてみたいですね。旅掛来襲とか、えっちな美琴ちゃんとか、青ピ×姫神のバレンタインとか。

とりあえず次は新約3巻以降のトンデモ予想的な何かを書いてみようかなとか考えていますw

今宵はここまで。ではではノノシ
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 00:40:24.08 ID:9HQ/R0P0o
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 01:56:48.90 ID:rpS+KkfGo
・・・ふぅ

おつだぜ
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 11:09:36.89 ID:IqZYJOOeo
後日談も待ってるんだよ!
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 22:34:16.86 ID:XIbBcB8IO
えっちな美琴の話全裸で待機してます!
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/02(木) 22:56:53.96 ID:Sqk4jlhy0
久々に心の底から爆発しろと思いました
後日談待ってます!
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 17:26:41.96 ID:MSIFF4fu0
素直な上条さんいいね。
美琴ちゃんの後日談に期待。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 23:16:53.50 ID:+qSJb5th0
乙  後日談には黒子も出して下さいですの
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/04(土) 03:02:27.12 ID:sXEavf9uo
黒子は燃え尽きて真っ白かも
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 22:58:54.92 ID:MZsiMYhLo
いつまでも待ってるんだよ!
345 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:22:16.09 ID:q6gWlAJp0
新約4巻の発売が迫ってきたので、とりあえず勝手な妄想を垂れ流そうかと思いますw
凄く中途半端ですがw木原一族とかでてこないしw

【とある科学の妄想世界】新約の勝手な妄想 中途半端

学園都市第七学区 窓の無いビル

『我々主要協力機関二七社は、学園都市との協力関係を一方的に解消するものとする。これは我々の国を防衛するために必要な措置である』

一方的な協力関係の解消を告げる映像を眺めながら、学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーは微かに口の端を歪めた。

想定よりも追随する機関が多かったとはいえ、それだけである。

声明からすると、二七社の中には航空会社も含まれているため、ハワイに居る学園都市の人間達は足止めを受け、魔術結社の人間達は何事も無かったかのように自国へと戻るであろうことが容易に想像できる。

「グレムリン、か。いかにもあの雌狐が考えそうな名前だな」

声明が出されたのがハワイ時間で一一月一〇日一六時――学園都市の時間で一一月一二日一一時で、現在はそれから三時間ほど経過している。

「関係先との調整も済んだし、学園都市からも声明を出すとしようか」

再び口の端を歪め、ディスプレイを一瞥する。そこには学園都市の超能力者の一覧が表示されていた。

表示されているのは八人。

「切り札はこういうときにこそ使うものだよ。ローラ=スチュアート」
346 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:26:50.17 ID:q6gWlAJp0
―――


オアフ島、ホノルルインターナショナルホテル ラウンジ

声明の後、学園都市行きの飛行機が運行停止になったことを確認した学園都市の六人は、とりあえずホテルのレストランで食事を終え、ラウンジの片隅に集まっていた。

「まァ、今日のところは、泊まるしかねェな」

「飛行機がないんじゃどうしようもないもんねえ」

一方通行と番外個体がそんな風に言っているのを聞いて、御坂美琴はぼそっと呟いた。

「…六部屋も取れるかしら?」

「あれあれ?おねーたま。そこは部屋が無かったからって言って、相部屋するチャンスじゃないの?」

すばやい動きでオリジナルの背後に近づいた番外個体は、美琴にだけ聞こえるようにそう囁く。

「ぶふぅ!な、何言ってるのよ!」

「野郎どもで一部屋、ミサカとおねーたまとクロにゃんで一部屋ってことだったんだけど。あれあれ?もしかして彼とふたりでなんて思っちゃったの?きゃ〜、おねーたま大胆〜」

「思ってない!そんなことぜんっぜん!思ってないから!」

「真っ赤になって言い訳しても説得力無いし」

予想通りの反応にほくそ笑みながら、番外個体は話題の中心となっているツンツン頭の少年へと視線を向け、首を傾げた。
347 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:29:23.25 ID:q6gWlAJp0
「あの人、なんか暗くない?」

「あー、アイツ、一人で勝手に悩んじゃってるのよね。噴火を防げなかったのは自分のせいだって」

「ふーん。さすがはヒーローってところかな」

さほど興味がないといった感じで番外個体は言うと、頬に人差し指を当てながら口元を歪めた。

「でも、おねーたまが知っているってことは、あの人、おねーたまには悩んでることを言ったのよね?それって、頼られているって思っちゃっていいんじゃない?」

「え?」

アイツが、私を頼っている?

美琴はツンツン頭の少年が自分を頼りにしているかもしれないと考えただけで、心がじんわりと温かくなるのを感じた。

「…で、おねーたま。いつ告白するの?」

「ぶふぅっ!!」

「その様子じゃまだ指輪も渡せてないみたいね。恋敵が居ないチャンスなんて今しかないのに、いったい何やってるんだか」

番外個体はやれやれといった感じで肩をすくめ、掌を上にあげて首を振る。

「…そう簡単に渡せたら苦労しないわよ」

美琴は頬を膨らませて番外個体を睨む。

チタン製のタグリング。本当はさっき渡そうと思ったけど渡せずに、見られないよう隠してしまった。
348 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:32:44.88 ID:q6gWlAJp0
美琴は基本的に非科学的な事象を信じない。そのため、上条が『学園都市に戻らない』と明言したのを聞いて、相手を繋ぎとめるためのお守り的な意味を持つ指輪を渡すことができなくなったのだ。

だが美琴は知らない。指輪を渡そうとした相手は非科学的な事象について寛大であることを。

そもそも、上条当麻の周囲は非科学的な事象で満たされている。神の加護さえ打ち消すといわれている彼自身の能力『幻想殺し』、疫病神と言われるほどの不幸体質、魔術師、聖人、そして魔術によってもたらされた記憶破壊。

その記憶破壊が原因で上条当麻には四ヶ月程度しか他人との思い出がない。だが上条はその記憶破壊を診断した医者以外には隠し、上条当麻を演じることにした。

幸か不幸か破壊されたのはエピソード記憶だけで、意味記憶や非陳述記憶は残っていたため、高校一年生の一学期までの常識や知識はあった。そのため、上条当麻を演じるのは多少の違和感を除けばそんなに難しいことではなかった。

実際、美琴が上条の記憶喪失を知ったのは偶然であった。そればかりか、彼の両親や従姉妹、級友、知人、同居人までもが彼の記憶喪失を知らなかったのである。―後に同居人には上条の口から記憶喪失であることが伝えられたのだが。

それでも、上条の記憶喪失を知る数少ない人間として、美琴は上条を支えることのできる位置に居るのだ。

だが、美琴はそのことに気付いていない。気付けなかった。

自分の力が効かないおせっかいで説教好きのデリカシーの無い高校生。

自分のことを超能力者第三位『超電磁砲』としてではなく、ビリビリ中学生として見てくれた高校生。

記憶喪失後、ただ一度しか会っていなかった自分を、絶望の底から命がけで救い出してくれた相手。

そっと視線をツンツン頭の少年に向ける。彼は思いつめたような表情で俯いていた。

それを見て、美琴は胸の奥がずきんと痛んだ。
349 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:35:35.94 ID:q6gWlAJp0
なんで、相談してくれないのよ。もっと頼りなさいよ。馬鹿。

暗い表情の上条に対し、心の中で文句を言う。

アイツはきっと、このままだと黙ってどこかに行ってしまう。

自らが否定する漠然とした予感めいたものを感じ、美琴はポケットの中に手を入れて小さな硬いものを握り締めた。

…やっぱり、渡そう。

そう決断して上条の方に歩を進めようとしたとき、彼のすぐ近くに居た第一位が険しい表情で吐き捨てる言葉を聞いた。

「どォいう、ことだァ?」

「…どうした?一方通行」

一方通行の声に上条も気が付いたらしく、俯いていた顔を上げてそう尋ねる。

「学園都市の発表だ。今回の事件はアメリカ合衆国へのテロ攻撃であり、その攻撃に対して学園都市は一切関与していないとよ。まあ問題はそこじゃねェンだが、まあ、見た方が早ェ。テレビを見ろ三下。第三位も」

ラウンジにある大型テレビを指して一方通行はそう告げる。

何がなんだかわからないが、上条も美琴もおとなしく一方通行に従って大型テレビに視線を向けた。
350 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:38:58.08 ID:q6gWlAJp0
画面には高そうな背広に身を包んだ日本人の中年男性が、淡々と声明文を読み上げる姿が映し出されていた。

「今回のハワイ諸島での一連の軍事威圧行為においては、先の第三次世界大戦の敗者を操っていたテロ組織によるアメリカ合衆国へのテロ行為であり、学園都市はこれに関与していない。ただし、元協力機関二七社は我々の旧技術をそのテロ組織に提供した可能性は否めない。
今回の軍事威圧行動内での戦闘中における学園都市の関与についてだが、学園都市からアメリカ合衆国海兵隊への技術協力提携の一環として超能力者三名ならび補助スタッフ三名をハワイへと派遣しており、テロ組織の撃退に能力者がアメリカ合衆国の要請を受け、有事の際の協力という特例として能力の使用を許可した。
各国においては今回の能力者の軍事行動はあくまで特例措置であったこと、アメリカ合衆国の要請に基づいてであったことを勘案していただきたい。
なお、元協力機関二七社へ技術提供に関しては、いかなるものにおいても全廃、回収したことをここに通達する」

声明の内容は世界各国や裏切り者への報復としてはこれ以上ないほど完璧なものであったと言えるだろう。だが、問題はそこではない。

「…どういうことよ?」

美琴も一方通行と同じように険しい表情で呟いた。

『超能力者三名』声明は確かにそう言った。しかしここには第一位と第三位しかいない。

「…ンなの、ここには一人しかいねェだろうが。第三位と俺に勝ったのは誰だ?」

赤い瞳がツンツン頭の少年を見る。

「…俺?」

自分を指差しながら、上条はボソッと呟いた。

「不幸だ…」
351 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:42:40.89 ID:q6gWlAJp0
―――


学園都市 風紀委員第一七七支部

「やっぱり超能力者ってすごいんですね」

初春飾利はそう呟いた。

「一度に二七社が提携を解消したというのに統括理事会はまったく動じておりませんの。むしろ、わずか三時間の間に協力機関との繋がりを完全に絶ってしまうのは、予め予想していたのではないかと思えるくらい用意周到ですの」

白井黒子はそう言って、お気に入りのアールグレイの香りを楽しむようにティー・カップに口を付けた。その優雅な姿を見て、お嬢様だなあと初春は感心する。

「御坂さん、大丈夫かなあ?」

「お姉様は実験協力のために研究機関へ出向いているだけですの」

場所を特定するような言い方は避け、白井は言う。

「初春。仮にそうだとしても、それは私達が口を挟める問題ではありませんの」

「白井さんは心配じゃないんですか?御坂さんのこと」

「私は…信じておりますから」

カップの中の琥珀色の液体を見つめながら、白井は呟く。

「あ、また統括理事会からの発表があるみたいです。モニターに出しますね」

初春はそう言うと、部屋の壁にかけられているテレビモニターの電源を入れる。画面には白地に黒文字といった簡潔な方法で、『学園都市協力機関一覧』という文字が表示されていた。

しばらく眺めていると、アナウンスとともに表示が表に切り替わり、協力機関の名前が読み上げられていった。
352 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:45:55.95 ID:q6gWlAJp0
「…これは、えげつないですわね」

「そうですね」

淡々と読み上げられていく協力機関は、三時間程前に一方的に協力関係を解消した企業のライバル企業の名前が含まれていた。

「これって学園都市にダメージはないというアピールでしょうか?」

「かもしれませんわね。ただ、少なくともこの発表は学園都市内のみに行われているようですけども」

なぜそのようなことをする必要があるのか。相変わらず統括理事会の考えは読み辛い。

だが、その答えは思いのほか早く画面に現れた。

「白井さん!これ…」

「初春、録画ですの」

「はいっ」

協力機関一覧に続いて画面に現れたのは、『超能力者 LEVEL5』の文字であった。

「一〇月現在における、超能力者の序列および能力名を公表するものとする」

画面上部に順位、下部に能力名が表示されていく。

第七位 未解明(Unkown)※原石

第六位 幻想書庫(bibliotheca)

第五位 心理掌握(Psychology Manipulate)

第四位 原子崩し(Melt Downer)

第三位 超電磁砲(Electoron Master)

第二位 未現物質(Dark Matter)

第一位 一方通行(Accelerator)

第零位 神殺し(Deicida)※秘石

超能力者の序列および能力名の発表は、順位のみアナウンスが入るという地味なものだった。

「どういうことですの?第零位?」

「第六位も気になります。いったいどんな能力なんでしょうか?」

第一位の上に第零位が増え、そのうえ『秘石』といった注釈が付いている。

第七位の注釈である『原石』は、開発された能力ではない天然の能力であるという説明を受けたことがある。

では『秘石』とは何か?わざわざ同じ石の言葉を冠していることから、原石と同じ天然の能力であるのではないだろうか。

「いったい何が?」

このタイミングでの超能力者の序列発表には何かがある。それも、学園都市の外に向けての牽制の意味のようなものが。

不安めいたものを感じながら、白井は唇を噛んだ。
353 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:50:07.89 ID:q6gWlAJp0
―――


学園都市第七学区 窓のないビル

『どういうことだ。アレイスター』

「どういうこと、とは?」

『とぼけるな。幻想殺しと禁書目録のことだ』

「ああ、あれか。なに、たいしたことではないよ」

まるで茶飲み話のような気軽さで、アレイスターは電話の相手に向かって言った。

「最近、魔術側の干渉が激しいからね。ここらへんでどちらの所属かをはっきりしておこうとしただけのことだ」

『…まるで科学側の所有物のような言い草だな』

「おや、知らなかったのかね?それとも、聞かされていなかったと言った方が正しいのかな?」

アレイスターは愉しそうに笑みを浮かべる。

「少し考えればわかることだと思うのだが。なぜイギリス清教が禁書目録を持っているのだ?世界中の禁書を収めた図書館たる禁書目録を」
354 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:54:25.45 ID:q6gWlAJp0

『何が言いたい?』

「わからないか?」

『ああ』

「一〇万三千冊の禁書は学習装置で書き込んだ。素体は素養格付で超能力者たる可能性を秘めた者のDNAマップから作り上げた」

『…なんだと?』

素養格付。超能力者。DNAマップ。それらのキーワードから導き出されるもの。それは――

『…完全個体』

「やはり、知っていたか」

『馬鹿な!なにもかも違う』

「外見ならば一〇万三千冊の禁書のせいだろう。記憶装置で書き込んでいる最中に、中途半端に色が抜けてああなった。科学のことを知らないのは必要最小限のことしか学習させていないからであって、ローマ正教、イギリス清教どちらのせいなのかは判らない」

『どうしてヴァチカンが出てくる?』

「もともとヴァチカンの依頼で禁書目録は造られた。そもそも禁書目録はカトリックが記したものだからな。魔術師ならば少し考えれば判るだろう?禁書目録の由来など」

『完全記憶能力は?』

「完全個体は脳開発をしていない。脳開発前の素体にはもともと完全記憶能力があったのだろう」

『第六位の正体が謎だったのは学園都市にいなかったからなのか』

「さて、どうかな?」

小さく嗤いながら、アレイスターは告げる。

「それで、君はどちらに所属するのかね?土御門元春」
355 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/04(日) 23:57:08.18 ID:q6gWlAJp0
―――


グループ 隠れ家


『それで、君はどちらに所属するのかね?土御門元春』

くそったれ。囲まれてやがる。

扉の前や窓の外に人の気配を感じ、土御門元春はダイニングキッチンの奥へと身を隠した。

「…どちらにも属さないと言ったらどうなる?」

『今までどおりということかね?』

新しい猟犬部隊か?だとしたらやっかいだ。

そう考えながらも、土御門はあくまで冷静に話を続ける。

「そうだな。それが一番いい」

『ふむ。そういえば、イギリス清教は幻想殺しについてどう考えているのかね?』

「…神の奇跡をも打ち消す異能の力」

『それはかつて上条当麻が言っていたに過ぎない』

にべもなくアレイスターが否定すると、土御門は呟くように言う。

「…神浄の討魔。神を討ち、魔を浄化する力と聞いた」
356 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/05(月) 00:00:11.48 ID:3CDcXZs40
『ほう。そこまで辿り着いたか』

「…何が言いたい?」

『なに、神の右席でさえそこに辿り着けなかったことを思うとな』

そう言うと可笑しそうに嗤う。

『私が思っているよりも、イギリス清教は情報収集が得意らしい。まあ、そうでなければ禁書目録を奪うこともできなかっただろうが』

「お前が第三次世界大戦の時に外に居たことも知っているぞ」

『ロンドンには物好きがいるからな』

「意に介さないか。お前らしいなアレイスター」

『気にしたところでどうにもなるまい。ならば最初から気にしないのが一番だ』

「確かに。それで、俺は今まで通りでいいのか?」

『ふむ。確かに連絡人《メッセンジャー》は必要だ』

「では、今までどおりでいいんだな?」

部屋の外の気配が消えたのを感じながら、土御門はアレイスターに尋ねた。

『最高機密の連絡人になるのだから、それなりの現実感《リアリティ》が必要ということはわかっているだろう?』

その言葉を聞き、土御門は今現在、自らが置かれている状況を瞬時に悟った。

まずい!

携帯をポケットにねじ込み、すばやく床の上に倒れこむ。その直後、轟音と共に扉と窓のあった場所から、爆風と瓦礫が雪崩れ込んできた。
357 : ◆F/bQYgopwk [sage saga]:2012/03/05(月) 00:04:20.09 ID:3CDcXZs40
―――


学園都市第七学区 窓のないビル

――神浄を顕現させる。

そのために、長い年月をかけて学園都市を造った。

神浄への生贄には人に有らざる者を造る必要があったため、能力開発を行った。

その過程で、神の力とされるものを生み出せるかどうかも試し、人によってそれぞれ違う素養があることもわかった。

「…神坂《みさか》の命《みこと》か。偶然とはいえ出来すぎている気がしないでもないが」

神浄の討魔と上条当麻。神坂の命と御坂美琴。名は体を現すとはよく言ったものだ。

そもそも、上条当麻と禁書目録が出会ったのは偶然だった。経過観察のため学園都市に送られたはずの禁書目録が逃げ出し、上条当麻の学生寮にたどり着いた。

そして二人が出会ったことで計画に変更が生じた。禁書目録の魔術によって上条当麻の記憶と、樹形図の設計者が失われた。

上条当麻の記憶が失われたのは想定外だった。だが幸運なことに、失われたのは『思い出』を司る記憶のため、右手の力を含む生活知識は残っていた。

そして禁書目録が(正確には禁書目録を媒体として)魔術を使用したということは、人《完全個体》の創造は成功したということを示している。

「不幸を呼び寄せる、か。むしろ自ら不幸を引き受けているようだが」

むしろそれこそが神浄たる所以と言える。

樹形図の設計者により導き出された計画に基づき、妹達を造り、神の力《絶対能力》を具現化させるための実験を行った。

計画に気が付いた御坂美琴が自らの命を捨てようとしたまさにそのタイミングで、上条当麻は御坂美琴の前に現れた。


おしまい

うん、中途半端orz
358 : ◆F/bQYgopwk :2012/03/05(月) 00:14:10.03 ID:3CDcXZs40
なんとなくインデックスと美琴って似てるなあと思ってこんな感じにww

神坂=神が降りた地といわれる場所、命=八百万の神々≒能力者、魔術師=人、そんな感じの設定。

神話で言うと美琴が太陽神(イザナミ)で上条が月神(イザナギ)的な(無理あるなww)


PSPのフォトカノが予想以上に面白かったwwあの感じを禁書キャラでやったら面白いかもしれないww

上条「あれ?見覚えの無い布団が…、って、女の子!?」

インデックス「おなか…空いた」

上条「なん…だと?」

シャッターチャンスだ!

…ないなww

今宵はこれまで。ではでは〜ノノシ
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 01:34:45.87 ID:BUyUYwgSO
>>1
俺も御坂さんにはなにか秘密があると予想してたりするww
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 01:49:23.94 ID:kiQA6QeTo
おつにゃんだよ!
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 12:23:31.89 ID:2BDGWpjk0
1乙。

さあ、後日談を書く作業に入るんだ。

アマガミ的禁書目録が面白かったから、フォトカノ的禁書目録も見てみたいぞ! チラッ
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/03/05(月) 21:53:20.76 ID:0hZdK9Gm0
乙!

御坂美琴の真名は、神逆尊とも言われますな。
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 23:13:01.09 ID:0IGSYPJ8o
乙!
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 19:46:45.80 ID:J7nxbxcQo
まだかな
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 01:23:41.75 ID:Yq1DhB6L0
うずうず
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/25(水) 02:21:22.06 ID:SVsuROdwo
まだかな
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 00:11:35.51 ID:Sn/vRI5go
ぐぬぬ
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