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御坂「前略、いとしアナタへ」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 21:35:52.30 ID:wRbJl8PA0
「前略、いとしアナタへ」
手紙に紡がれる流暢な文字をゆっくりと視線で追う。
大事に大事に。一文字ずつに込められた想いと記憶を手繰り寄せて、女性は文を読みあげる。
綴られた想いが音となり詩となり、風に乗り遠く彼方のいとしアナタのところへ届くことを信じて。
(どうか、届いて)
木枯らしの擦れよりも小さな声にしかしてやれないけれど。
どうか、彼女の願いが、いとしアナタの元へ辿りつきますように。
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/
【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/
ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 21:40:49.45 ID:wRbJl8PA0
◆
湧き上がる鼓動は、決して嘘なんかじゃないのです。
― ver ミサカ ―
世界広しと言えど、同じ遺伝子情報を分けあった姉妹が万単位で居るのは、自分達だけだろう。
とある記録によれば一人の女性が出産した子どもの最多人数は69人だそうだ。
その流れならば必然的に世界で最も人数が多い兄弟姉妹も69人と考えるのが自然なのかもしれない。
一夫多妻制や異母異父兄弟姉妹などと選択肢を増やすならばまた結果は変わってきそうだが、そこは省くとする。
自分達と比較すると『69人』は大変少なく感じなくもないが、常識で考える範囲内であれば十分に驚愕に値する数値だと言える。
『少ない』と感覚でとらえてしまう辺り、やはり自分達は『非常識』の領域で生を受けた生き物なのだと痛感させられる。
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 21:44:51.86 ID:wRbJl8PA0
寸分の狂いもない同一の遺伝子を持つ自分達は、通称『妹達(シスターズ)』と呼ばれ、
量産型軍用クローンとしての商品価値を基に『製造』された実に人工的な生物だ。
卵細胞ではなく一人の少女のDNAマップを核とし、
子宮代わりの生ぬるい培養機の中で一四日間を過ごし、
学習装置(テスタメント)を経由して脳味噌に様々な知識を叩きこまれ、
それなりに人間のようなものに仕上げられる、単価一八万円の人形。―――それが、妹達。
その総数、二万飛んで二人。
目的のためだけに作られたお人形さん。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 21:47:15.01 ID:wRbJl8PA0
現在、そのおよそ半分がこの世に存在せず、およそ半分が短いと思われる生にしがみついている。
有機物の生命なのに無機物の感情しか持ち合わせていなかった自分達だが、八月末日の実験終了を機に『新たな生』を手に入れた。
とある検体は極寒の地で。とある検体は常夏の地で。
世界にある学園都市の協力機関にて、姉妹達は必死に生きている。
誓ったのだ。
もう。誰ひとりとして死んでやることはできないと。
そして、知ってしまったのだ。
誰かのひとりになりたいと望む、心を。
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 21:53:36.71 ID:wRbJl8PA0
◆
「……はふぅ」
思春期オーラを全力で放つ桃色吐息が聞こえてきたのは、
正午の時刻を少し過ぎた食堂で注文したカレーライスの残量が二割程になった時のこと。
甘口一筋歴数カ月と生粋の甘口派だったのだが、何を思ったのか激辛を頼んでしまい汗を噴出させながら、
辛みと痛みでヒーヒーと見苦しい息を吐く自分のとは正反対の、桃色吐息にぴくりと耳が反応する。
「ハバネロ何個入りだよッ!?」とツッコミたくなる程の激辛カレーを見らみつけていた両目を動かせば、
食堂のテーブルを挟んで向かい側に座っている、
もう一人の『自分』が頬杖をついて明後日の方へ現実逃避している姿が視界に移る。
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 22:00:19.02 ID:wRbJl8PA0
「なんですか。その砂糖より甘ったるそうなため息は、とミサカは間抜け面を晒すミサカ一〇〇三二号に話しかけます」
「……ほへぇ」
「人の話を聞いていますかコノヤロー、とミサカはアンニュイな雰囲気を演出する勘違いミサカの前で手をぶんぶんと振ってみます。
おーい、生きてるかー」
「うふ、うふふ……」
「反応がない、駄目だこりゃ、とミサカは往年の名ギャグを織り交ぜながら、
ミサカ一〇〇三二号を現実へと引き戻す作業を中断し、宿敵・激辛カレーとの闘争に戻ることを宣言します」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/19(日) 22:04:02.70 ID:7KRgBQHVo
期待
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 22:12:48.58 ID:wRbJl8PA0
普段からあまり焦点の合わない瞳をさらに何処かに飛ばしている、もう一人の『自分』――ミサカ一〇〇三二号――は放っておいて、
未だに己の前に立ちはだかる敵と向き合うためにスプーンを持ち構え直す。
再戦のゴングが(脳内で)鳴り響く前に、チラリと壁に掛けられている時計を盗み見れば、残りの試合時間が五分も無いことに気がつく。
タイムリミットとは即ち食堂が閉まる時間。
時計の針が午後一時を示すまでに残りの二割を食べきらないとならないことを意味する。
(……ご、五分でいける、か……ッ!? とミサカは自問自答します……っ!)
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/06/19(日) 22:17:22.27 ID:IoyJ/Mj2o
「」の後ろにバキッとかないうえに地の文まであるssは久しぶりだな
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 22:22:57.05 ID:wRbJl8PA0
正午過ぎ――。正しく言えば一二時〇八分に注文し、一二時一三分に品物が自分の手元へと運ばれてきた。
それからチマチマちまちま食べ進めてようやくこの量まで敵を追い詰めた経緯を思い返す。
舌がヒリヒリし悶絶し、水をがぶ飲みしていた己の姿が脳裏を掠める。
ここまで来たのだ。苦労してここまで来たからには、勝ちを取りに行かねば女が廃る……っ!
(お、女には、負けられない闘いがあるのです! とミサカは拳を握ります……!!)
ごくりとつばを飲み込む。
スプーンを握る右手を振り上げ、その時を待つ。
十秒前。九、八、……………三、二、一。
ゼロ。
脳内で、再戦のゴングが響き渡った。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/06/19(日) 22:38:40.74 ID:qObtOY+o0
愛しいとか愛しきとかじゃなくていとしなの?
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 22:40:15.53 ID:wRbJl8PA0
五分後。
「……あの、大丈夫ですか? とミサカは屍と化したミサカ一〇一〇一号に恐る恐る尋ねてみるのですが……」
先ほどまで別の世界へ旅立っていたミサカ一〇〇三二号はいつの間にか元の世界へと帰還していたようで、
先ほどよりは焦点があっている、いつもの焦点の合わない瞳でこちらの顔を覗って来た。
「これがアナタには大丈夫に見えるのでしょうか……、とミサカは勝利の余韻に浸る余裕も無く机につっぷします……」
「勝利の余韻、ですか?」
「――いえ、いいです。気にしないでください。こっちの話ですので」
「はあ……」
訳がわからないよ、と言いたげに肩を竦めるミサカ一〇〇三二号を机に頬をくっつけたまま見上げる。
さりげない日常の中にプライドをかける激闘があった事を彼女に熱弁したいのは山々なのだが、
なにせ下がヒリヒリして必要以上に喋りたくない欲求の方が高いため、またの機会に話すことにしよう。
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 22:50:37.40 ID:wRbJl8PA0
「お水」
「へ?」
「お水を貰ってきて頂けると有難いです、とミサカは要請します。ヘルプミー」
「甘口のカレーなのにまだ水を飲むのですか、とミサカは貴方の水分摂取量が過多ではないかと心配します」
「うっふっふ……。今日は甘口じゃあねえんだ……」
「甘口じゃない、だと……っ!?
妹達の中で随一の甘口カレーを愛する個体である貴方がにしては珍しい。
今日は槍でも降りそうだ、とミサカは心中を吐露します」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 22:51:58.67 ID:wRbJl8PA0
「お水」
「へ?」
「お水を貰ってきて頂けると有難いです、とミサカは要請します。ヘルプミー」
「甘口のカレーなのにまだ水を飲むのですか、とミサカは貴方の水分摂取量が過多ではないかと心配します」
「うっふっふ……。今日は甘口じゃあねえんだ……」
「甘口じゃない、だと……っ!?
妹達の中で随一の甘口カレーを愛する個体である貴方がにしては珍しい。
今日は槍でも降りそうだ、とミサカは心中を吐露します」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 23:05:19.28 ID:wRbJl8PA0
「心配してるのか更に陥れようとしてるのかどっちかにせーい…、とミサカは弱弱しくもツッコミ精神だけは忘れません」
「1辛でも食べたんですか? 辛いモノ苦手でしょうに」
(いいえ。とっても惜しいですが、1辛ではなく最高ランクの10辛です……)
と、心の中でだけ呟き代わりに「みーずー」ともう一度唸った。
ミサカは一〇〇三二号は「しょうがないですね」と苦笑しつつも席を立ち、お水入れコーナーへと歩こうとする。
「もう食堂しまるので、超特急でお願いしまーす、とミサカは追加注文します」
「ええい! 甘やかすと図に乗りやがってこのヤロウ、とミサカは悪態を返しつつお水コーナーへゴー」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 23:12:23.04 ID:wRbJl8PA0
馴れないのに無理して食べた劇物のせいで火照った身体に、つっぷした机のひんやりとした温度が沁み入ってくる。
激闘の後の疲労感をも癒す気持ちいいについ身を委ねそうになる。
固さと冷たさを頬の触感で楽しみつつ、とことこと歩くミサカ一〇〇三二号の背を目線で追う。
窓からは日差しが差し込み、キラリと小さく光が反射して―――、ぼんやりと気がつく違和感。
(……あれー?)
見間違えなければ、一〇〇三二号の首元が微かに光ったような。
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/06/19(日) 23:20:52.14 ID:L208w8tAO
はいはい ブクマ ブクマ
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 23:21:44.81 ID:wRbJl8PA0
(ん? んんー?)
妹達とはすなわち『同一』である、と解釈してほぼ問題ない。
学園都市の実力者のDNAマップを基に『全て』同じ通りに作られているのだから、一見すると妹達の中に『差異』は見受けられない。
故に、髪の毛の長さも、髪止めも、身につける常盤台中学の制服も。ミサカは一〇〇三二号は自分と同じであるはずなのだが。
(……身につけて、ないよなー。特には、とミサカは自らの首元を眺めます)
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 23:30:19.70 ID:wRbJl8PA0
(……、抜け駆け?)
抜け駆けと言えば。
ミサカ一九〇九〇号がその筋(主にミサカネットワーク的な意味で)で有名でいらっしゃるとか、いないとか。
一人でコソコソとダイエットに励み妹達の中で最も細いウエストを手に入れた彼女のことをふと思い出すが、なんだか違う気がして、また考えてみる。
(そーいえば、最近、ミサカネットワークが煩かったことがあったような? とミサカはあやふやな記憶の中から確かな情報を得ようと努力します)
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/19(日) 23:50:44.07 ID:wRbJl8PA0
つい先日の会話だっただろうか。
『ミサカ一〇〇三二号だけズルイです、とミサカ一一三〇五号はぶーたれます』
『い、いいもん、ミサカはいつか指輪を買ってもらうんですから! とミサカ一九〇三八号は決意を新たにします』
『……いいなあ。ミサカも買ってほしいなあ、とミサカ一四一五〇号はうっとりとします……』
『いやいやいや。貴方の場合は「第一位に」って事で妄想してるのでしょうけど、
ミサカ達は「あの殿方」にミサカ一〇〇三二号が物を頂いたからこそ、
大議論になっているのですよ? とミサカ一二八四七号は懇切丁寧に説明します』
等等。その日、およそ一万から構成されるミサカネットワークがそのような話題で盛り上がっていた。
『何を大騒ぎしているのかわからないけど、たかがペンダントの一つや二つで大げさにし過ぎではありませんか?
と深夜帯に大論争を繰り広げているミサカ達にミサカ一〇一〇一号は苦言を言ってみます』
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:00:47.71 ID:8OnljcsQ0
(あ、そうだ。そういえばそんな事がありました、とミサカは記憶の発掘に成功した事を確信します)
さして値もしないペンダントの事で騒ぎ過ぎだろうと思い
要約すると『ぶっちゃけ、どうでもいくね?』的な発言をしたのが運のつき。
『 ど う で も よ く な ん か な い ! 』
と、×約一万人分の大ブーイングが返ってきましたとも。流石にあの時は耳がキーンとした。
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:21:25.32 ID:8OnljcsQ0
(ああでも。そっか。そーいうことですか、とミサカは合点承知の助なのです)
キラキラと日の光を反射して微かに光るのは、あの時の話題の中心になった例の品物、という訳だ。
(先ほどの惚け顔も、桃色吐息も、あれですか)
俗に言う、『恋煩い』。
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:25:55.57 ID:8OnljcsQ0
八月末日。妹達とって劇的に世界が変わった日だった。
実験という括りから解放され、『己』とは何かという問いかけの人生がはじまったあの日。
妹達は『新しい生』を享受した、らしい。
このミサカ達のために泣いてくれる存在が居るのだと気がついた――事までは理解できるのだが、
自分にとって、その一歩さきに広がる領域までの理解には辿りつけていない。
曰く、『恋に落ちたのです、とミサカ一三六七三号は……はふぅ』だそうだ。
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:41:53.58 ID:8OnljcsQ0
「うーん、ミサカにはわからない世界ですね、とミサカは」
「なにをぶつぶつと呟いているんですか」
何時の間にやら浅いにせよ思考の渦の中に一歩足を入れていたようだ。
戻って来たミサカ一〇〇三二号は冷やされたお水が入っているコップをこちらに差し出して、
「はい。お水」
「……どうもです、とミサカは感謝しつつお水をいただきまーす」
改めて彼女の胸元を凝視すれば、リボンタイの後ろから微かにハート型のネックレスが顔をのぞかせている。
ミサカ一〇〇三二号――またの通称を御坂妹と呼ばれる検体個体のみがもつ、特別らしい代物。
意識して眺めていても控えめな存在感しか感じ取れず、見つからないようにひっそりと眉をひそめる。
自分にとっては、いま喉をうるおしてくれる冷え切った水の方が、何倍も魅力的に映るのは、異常なことなのかもしれない。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岩手県)
[sage]:2011/06/20(月) 00:48:43.09 ID:4Djh25tWo
期待
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:49:56.93 ID:8OnljcsQ0
(ミサカには関係ないだけってことでしょうね)
耐え忍ぶものをそっと外界へと吐き出すような吐息とは無縁なのだろう、と結論づけた瞬間。
「そういえば、どうして今日に限って、甘口以外のカレーを食べようとしたのですか? とミサカは素直な疑問をミサカ一〇一〇一号へ聞いてみます」
と、ミサカ一〇〇三二号から聞かれ、時が、一瞬。ほんの一瞬、止まった。
今日に限って激辛のカレーライスを食べようとしたのは、つい注文を間違って―――、
「………んん? あれ?」
よくよく考えれば。
間違ったのなら、注文し直せばいいだけの事。
何故、無理にして激闘を繰り広げてまで食べるという選択肢を選んだ、のだ?
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:53:00.21 ID:8OnljcsQ0
んん?
「君はいつも甘口ばかり食べるね。好きなのかい?」
あっれー……?
「僕? 僕はいつも10辛を食べてるね。意外と美味しいんだよ、これが」
おっと……?
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:54:21.08 ID:8OnljcsQ0
「一度でいいから、君も食べてみたらどうだね?」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 00:58:20.09 ID:8OnljcsQ0
ふっと、あまりにも自然に。
ふっと、脳裏を掠める今朝の出来事。
そう。
確か、『彼』とそんなやり取りを交わしていて。
――――あれ?
「………………………えっ?」
能天気に関係ないと高を括るミサカ一〇一〇一号にも、その先の領域は関係なくもない。
……かも、しれない。
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga sage]:2011/06/20(月) 01:07:23.84 ID:8OnljcsQ0
次回
◆
たまたま、最初に手つなぎ鬼の手を繋いだだけよ。
−ver 沈利−
「勝手に悲劇のお姫様を気取っていたら?
そうやってお好きなように、アイツの心を引き裂いて叩き潰して木端微塵に粉砕しなさいよ。
反吐が出る自分勝手なワガママをまき散らして、精々、アイツから愛想を尽かされれば良いんだわ。
自滅してくれたほうが、私にとっても都合がいいし、何より手間が省ける」
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/20(月) 02:37:14.56 ID:GLNNu0mL0
乙!
むおお…すごい好きだ ゆるやかに繊細に描かれてるのがいいね
続き期待
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/20(月) 04:33:14.52 ID:IBQUmva40
乙
かわええ
かわええ
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/20(月) 10:16:37.24 ID:8OnljcsQ0
◆
たまたま、最初に手つなぎ鬼の手を繋いだだけよ。
−ver 沈利−
空に浮かぶ綿あめの形をした雲、
喫茶店へと入るドアの傍らに置いてあったプランターで咲き誇るパンジーの香り、
当たらなくなった天気予報のせいで、持ち歩くようになった水玉のおりたたみがさ。
一つ一つのパーツが溶け合う様に混ざり合い、嵐の前の静寂を作りだす。
雀のなぎ声が遠くで聞こえた。
青と白のコントラストが美しい昼下がりに、さっさと梅雨入り備えて巣の修繕に勤しんでいるのかもしれないわね、と柄にもなく考えた。
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 11:06:54.80 ID:8OnljcsQ0
店員に案内された席は、屋内にある二人用の椅子と小さな丸いテーブルが置かれたところ。
今日は日向ぼっこするのに丁度いい天気。
丘の上にある隠れ家的な喫茶店のテラス席ならば、
コンクリートの群衆と、学園都市と外界を遮断する『箱庭の壁』が良く見えるのだが、
生憎とお気に入りのテラス席には既に先客が居り、先客は優雅にお茶に舌鼓をうっている。
「残念だわ」
窓の外から羨ましげに外の様子を眺め、呟く。
雨雲に覆い尽くされる前の陽気な太陽とのランデブーとは洒落こめない様子。
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 11:18:03.40 ID:8OnljcsQ0
店内の雰囲気に調和させる為だろうか、テーブルに立てかけられているメニュー表は白いレースで装飾されていた。
花柄のレースはとても可憐で目を引くが、その端が少しガタガタだ。
つい先日、マスターが、
「いい子がバイトに来てくれてな」
と。珍しく笑みを浮かべて話していた。
レースを挟みで切り糊でメニュー表に張り付けたのは、きっと、その女の子なのだろう。
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 11:26:08.23 ID:8OnljcsQ0
ハサミで切った跡がまざまざと残っている辺り、自分ならば女の子を「上手よ」と手放しに褒めることは難題な行為に思える。
けれども、器用不器用の枠を超えて。
女の子なりに一生懸命に仕事に取り組む姿勢を汲み、その可能性を伸ばしてやる為に。
「よく出来てるだろ、ソレ」
知るとぞ知る喫茶店のマスターこと、
馬鹿親さん(本人に言うと絶対零度の視線が刺さるので口には出さないが)は誇らしげにのたまうのだ。
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/06/20(月) 11:36:15.91 ID:nC4UEsgTo
いとしアナタってなんだ
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 11:37:16.33 ID:8OnljcsQ0
「レースの端、ガタガタだけど」
「手づくり感が溢れ出ていいじゃねェか」
「ふーん。ベタ褒めなのね」
「そォか?」
キョトン、という擬音が似合う表情と共に「別にコレ普通」の意が込められた返事に、自然にがくりと肩が下がった。
マスターの親馬鹿度の増しっぷりと、いい歳した野郎の素っ頓狂な態度に調子が狂う。
「うわー。素でその反応かー……」
「急に頭抱えてどォした? 頭痛がするならさっさと病院でも行け」
「あー、なんでもない。別にー、ちょっとした考え事ってやつ?」
「垣根か?」
「違うっつの」
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 11:54:10.84 ID:8OnljcsQ0
少女の頑張る姿というのはそれだけで可愛らしい。
喜怒哀楽を躊躇なく表に出しリスクの有無を度外視して走る姿は、愛おしいとすら表現できる。
モラトリアム時代からの脱却した大人たちは時に過去の自分と影を重ねながら、見守るのだろう。
しかし、物事には限度というものがある。
というのに。マスターも、アイツも。
嗚呼。どいつもこいつも頭の中が常時春のようで。
「…………、」
俄かに眉間のしわの寄った私を余所に、マスターは無言のまま、灰色のエプロンの腰ポケットから注文票を取り出し、
「ご注文は?」
「…………、ダージリン」
「ンだよ。やっぱ垣根くン絡みか」
「だから違うって言ってんでしょーが」
「違わない」
注文票にさ『ダージリン』の文字を書きながら、
「ダージリン、アイツと喧嘩した時とかばっか注文するだろ、オマエ」
サラリと、極自然に。
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/06/20(月) 12:09:07.09 ID:8OnljcsQ0
「こういう客商売してるンだ。常連客の嗜好くらいは嫌でも覚える」
アイツと喧嘩した時はダージリン。
雨の日にはアールグレイ。
仕事が立て込んでる昼はアメリカンコーヒー。
「……と、そンな感じにな」
ただ、それだけを言い残してカウンターへ戻るマスター。
商売をはじめ馴染みになった客の注文を何度も何度も聞き、気がついた時には身体が覚えた経験則に過ぎない、と言いたげな横顔だ。
「なに。それって職人芸?」
「芸ってもンでもねェよ」
こちらを見ずに背を向けたまま、カウンターの壁に付属している食器棚からカップなどを取り出す。
少しばかりぶっきら棒な言い方はてれ隠しか何かか。
41 :
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[saga]:2011/06/20(月) 12:17:15.25 ID:8OnljcsQ0
「砂糖、おおめにね」
「了解」
目を閉じれば、他の四感が敏感になるとは真だ。
閉ざされた視界に心休まる空間が生み出される。
茶葉がポットに入れられる音。
沸騰するお湯のゆげ。
溢れ出るほのか香り。
小皿に砂糖がコトリと置かれる。
カチャリ、とカップとお皿が少しだけ擦れた合図が聞こえれば。
「お待たせしました」
そこに、梅雨明け前の喜びと憂鬱を忘れさせてくれる、魔法の一杯が現れるのだ。
42 :
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[saga]:2011/06/20(月) 12:27:30.82 ID:8OnljcsQ0
砂糖の欠片を二つ溶かし、備え付けのスプーンでくるくるとカップの中で円を描く。
甘いモノが好きな性分を隠さなくなったのはいつだっただろうか、と円のグルグルを見ながら思う。
今の自分がそのまま十年前の世界へタイムスリップしてみたら面白いかもしれない、と夢物語を想像した。
誰もが驚愕し、信じられないようなモノを見る目で自分を視界に入れるだろう。
絹旗は絶句しそうだ。
浜面はこの世の終りの表情をするだろうし、
滝壺は……、いや、あの子は特に変わらなそうだ。
―――それで、
『なになに!? 麦野ってば、結局そういう乙女なところもある訳なの?』
(…………、って、ね)
今はもう聞けない声が、聞こえてきた。
43 :
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[saga]:2011/06/20(月) 12:36:35.70 ID:8OnljcsQ0
砂糖が溶けきったの確認し、こくりと一口。
甘みが増したティーは喉を通り胃へと進む。
ほっこりと胸の奥が温かく。
「うん、美味しい」
あの、極悪面マスターが入れたお茶と思えない、爽やかすら感じる一杯。
「あー、溶けるーって感じ」
もやもや、とげとげ、ぐるぐる。
それがすーっと抜けていく感触が好きだ。
心臓の奥や脳味噌の底で行きかう感情が、溶けあい、調和し、中和していくのを、人は癒しと総称するのだろうか。
すっきりとリセットを入れてくるお茶の二口目を頂こうとカップに手を添えた時、
外から柔らかな女性の声が聞こえてきた。
44 :
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[saga]:2011/06/20(月) 12:37:50.97 ID:8OnljcsQ0
「前略、いとしアナタへ」
45 :
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[saga]:2011/06/20(月) 12:48:11.55 ID:8OnljcsQ0
聞きおぼえてのある声だ。
耳を頼りに顔を動かせば、学園都市を一望できるテラス席の先客へと辿りつく。
「あっ」
バレッタで止められた茶いろの髪、着馴れているような黒のパンツスーツにブラウス姿の女性。
自分と同じ、この喫茶店の常連客にして腐れ縁の知人。
「御坂じゃん」
「オマエ、ようやく気がついたのかよ」
先客の正体に気がついた麦野の一人ごとに、マスターがあきれ顔で反応してきた。
46 :
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[saga]:2011/06/20(月) 13:30:51.45 ID:8OnljcsQ0
「良い御天気日和なので、思いきって筆をとることにしました」
一字一句。はっきりと、ゆったりと。
女性の何かを朗読する声が、店内にも微かに聞こえてくる。
「しかし何から書けばいいのかわかりません」
「ミ――、私はお手紙を書いたことすらないのです」
(……手紙?)
テラス席。
学園都市と太陽と空を見れる場所で。
彼女はいったい何のために、誰が差し出した、誰への手紙を読んでいるのだろう。
「ねえ」
「……今時珍しいかもしンねェけど」
なんとなく、彼女の声の邪魔をしたら悪い気がした。
なにやら、事情を察していそうなマスターに小さな声で疑問をぶつけようとしたが、済んでのところで声をかぶせられた。
「アレは、ラブレターってやつだそォだ」
47 :
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[saga]:2011/06/20(月) 13:36:46.97 ID:8OnljcsQ0
ラブレターというには、情緒が欠ける。
誰もが大なり小なり仮面を被っている中で生きる中、あまりにも無防備な内容。
「季節のあいさつをしたらいいのでしょうか」
「えっと、本日はお日柄もよく、春風が心地よいです」
文法も、作法も、なっていない。
「アナタは、いま、何をしていますか?」
「私は」
そんな、
「私は、はじめてのお手紙をアナタに書ける幸せを、かみしめているところです」
可愛らしい、恋文。
48 :
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[saga]:2011/06/20(月) 13:44:50.79 ID:8OnljcsQ0
そうして、誰かから誰かへのお手紙は続く。
ダージリンを飲みながら耳を傾けるには、あまりにも眩しかった。
ハツラツとして。
瑞々しくて。
苦みと甘みが入り混じって。
それでいて、太陽よりも目がくらむ。
「初恋なのかしら」
「さァな」
「何だが、いじらしいわね。『この子』」
「―――いじらしい、とは。また違うがするがな」
「じゃあ、何?」
ひと泊おいて、
「ただのガキ、だろ」
49 :
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[saga]:2011/06/20(月) 13:57:41.26 ID:8OnljcsQ0
「ふーん」
「……ンだよ」
「ねえねえマスター。あそこに変な朗読をするお客がいらっしゃるようなのですが」
「…………、オマエとアイツしか客しねェんだし、別にいいンじゃねェーの」
「ま、いいけどね」
あまり、つっこんでくるな、という雰囲気だ。
これ以上あまり野暮なことは聞かない方がよさそうね。
それにしても、『お手紙をかけるだけで幸せ』なんて、
(……羨ましい、初恋ね)
50 :
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[saga]:2011/06/20(月) 14:05:57.69 ID:8OnljcsQ0
◆
初恋は甘い、と言う無責任な人は誰だろう。
「勝手に悲劇のお姫様を気取っていたら?
そうやってお好きなように、アイツの心を引き裂いて叩き潰して木端微塵に粉砕しなさいよ。
反吐が出る自分勝手なワガママをまき散らして、精々、アイツから愛想を尽かされれば良いんだわ。
自滅してくれたほうが、私にとっても都合がいいし、何より手間が省ける」
初恋は素晴らしい、と褒め称える馬鹿な人は誰だろう。
「んー? 滝壺ちゃんってば、いつからそんなにおつむの弱い子になったちゃのかにゃーん?
八人目と言われ、どの超能力者よりもその危険性と価値を評価された天才ッ子の面影はゼロなの?」
初恋は永遠だと、縛りつける愚かな人は誰だろう。
「可哀そうな可哀そうな滝壺ちゃんに、親切な麦野さんから教えてあ・げ・るっ」
初恋は叶わない、と決めつけて逃げた女は誰だろう。
「――――いい加減にしねえと、私が奪い取るぞ」
誰だろう、誰だろう、誰だろう。
―――――全部、かつての麦野沈利(わたし)。
51 :
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[saga sage]:2011/06/20(月) 14:15:08.70 ID:8OnljcsQ0
次回
◆
視点の合わせ方は人其々らしい
−ver 一方通行−
「それなら文句でも言いに行けばいいだろ。理由なンざ、俺が知るか」
52 :
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(大阪府)
[sage]:2011/06/20(月) 15:19:21.08 ID:nVUFIYXR0
なんかいい。
でもとってもほろ苦そうだ。
53 :
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[saga sage]:2011/06/20(月) 16:59:10.42 ID:8OnljcsQ0
◆
視点の合わせ方は人其々らしい。
−ver 一方通行−
黄泉川宅の冷蔵庫に保管していた缶コーヒーの数が零になってしまった為、
そろそろ新しい銘柄に変更してもいいかと、コンビニへと向かってた道中。
彼は、
「ぬぉぉぉぉお、いい一生の不覚だぁーーーーーああああ、とミサカは、ミサカはああああ――――――!!!!」
道路の真ん中で容赦なくのた打ち回る羞恥心の欠如しまくった妹達と、出会った。
54 :
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[saga sage]:2011/06/20(月) 17:40:36.40 ID:8OnljcsQ0
「……ァ?」
「あ、アレは何かの間違いです幻想です!
ミサカはたび重なる甘口派宣言をしたミサカであり、
激辛カレー食べたのは只の単なる気まぐれなのです……と、ミサカは……!
それを、それを一〇〇三二号が変なことを言うからぁああああああああ。うあああああああ」
「…………、」
何かの間違いだろうかと思い左手で目元を擦るが、
全身全霊で頭を抱えてゴロゴロとする妹達の幻想は消えてくれない。
「……あァ」
ひらめいた。
昼間に食べた黄泉川手製のジャーで作成したオデンが腐っていた。
きっとそうだ。
間違いない。
後で料理を作りこんな見たくもない幻想まで見せた犯人に文句を言ってやらねばと思いつつ、
コンビニまでの道を(道の真ん中で悶えている謎の人物から離れるようにして)止めた足を動かそうとするも。
「チキショウ! アナタも黙っていないで何か言えよお! とミサカはわざとスルーを決め込む第一位に己の存在をアピールします」
生憎と、決断が十秒ほど遅かったようだった。
55 :
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[sage]:2011/06/20(月) 20:38:52.04 ID:osMXia9J0
うん?僕を誰だと思ってるんだい?もうすでにブックマークしてあるよ
56 :
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(関西地方)
[sage]:2011/06/21(火) 01:04:33.01 ID:qjNvcSTko
きたいしてるよん(´・ω・`)
妹達のナンバリングを半角数字にするとみやすいんだよ!
でも
>>1
のこだわりなら今のままで全然いいんだよ!
57 :
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(福島県)
[sage]:2011/06/21(火) 03:36:18.31 ID:oWEgvhppo
乙! 続きも楽しみにしてる
ナンバリングは個人的にはこの方がいいな、原作準拠だし
自分は半角数字の方が尻の座りが悪いから、人それぞれだね
58 :
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(関東・甲信越)
:2011/07/17(日) 22:34:41.63 ID:JX9IyhPAO
すまない、ageさせてくれ
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/18(月) 15:52:40.98 ID:MRYZsji3o
うーん、すげー期待してんだがなー
まあ、ゆっくり書いてくれ
>>1
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2011/09/02(金) 03:03:43.72 ID:TSGPnxHAO
続きを所望する!
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/09/07(水) 16:39:07.89 ID:NcXFZ4ZF0
ぼくたちは、なかよく
>>1
乙してるよ
∧_∧
===,=(´・ω・ )
>>1
乙
||___|_゚し-J゚||_
∧_∧/ //.___|^∧_∧
>>1
乙 (´・ω・ ) /|| |口|(´・ω・ )
>>1
乙
./(^(^//|| || |口|⊂ _)
>>1
乙 ∧_∧ /./ || || |口| || ∧_∧
∧_∧ (´・ω・ ).
>>1
乙..|| || |口| || (´・ω・ )
>>1
乙
(´・ω・ ) /(^(^/./ || || |口| || ゚し-J゚
"" ゚し-J゚:::'' |/ |/ '' " :: ":::::⌒ :: ⌒⌒⌒ :: "" `
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